農林水産委員会 第18号
- 発言数
- 352 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/03/07
会議録
○仮谷委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 きょうは大筋三つの問題点についてお尋ねしたいと思うのですが、一つは農村金融の問題、もう一つは農家の負債の問題、また、これに関連しての畜産問題、この三つを大筋としてお尋ね申し上げたいと思うのです。 今度、公定歩合の引き上げということでそれぞれ金利の引き上げ等が行なわれるわけでありますが、農林関係は金利引き上げの据え置きの面があるわけであります。しかし、総体的にいまの農村金融の実態を見て、系統資金なり、政府資金なり、いろいろなそういう面の運営のあり方というか、協調のあり方にわれわれはどうも疑問を持つ点がある。この系統資金の運用についてもう少し政府は考慮を払うべきではないかと思いますが、そういう点についての考え方をお聞かせを願いたいと思います。
○岡安政府委員 いまお話しがございましたとおり、最近一般に預金金利を上げております。これは総需要抑制の一環といたしまして、政府の方針に従い、各金融機関もそういう方向に行っているわけでございます。農林金融系統におきましても、やはり、総需要抑制の方針に従いまして、農林漁業金融公庫資金並びに近代化資金等も利上げをいたしました。ただ、お話しのとおり、農林関係につきましては特段の配慮をする必要があるということから、農林漁業金融公庫系統資金につきましては、大体七五%の資金につきまして金利を据え置いております。そして、それ以外のものにつきまして若干金利の引き上げをいたしたというのが実情でございます。 それから、近代化資金系統につきましては、基準金利の手直しもございまして、大体〇・五%ばかり引き上げましたが、これは先般金利の引き下げをいたした関係もありまして、もとへ戻すというようなかっこうで処理をいたしておりまして、私どもは、農業その他の農林漁業一般につきましては、需要その他を考えまして、まだ適当な水準に維持されているものというふうに考えているわけでございます。
○柴田(健)委員 現在の金利は、私たちの立場から申し上げるとまだ高いと思っている。第一次産業の資金運用の金利というものは、御承知のように、非常に回転率の低い産業でありますので、それだけに金利の面で考えてやらなければならぬし、これはもう政策的に考えていかないと農村金融の充実というものはできないと私は思う。前の〇・五%の引き下げを今度もとに戻したとあなたは言われますけれども、大体、農村金融関係の金利は高いというのが今日までの声である。それをどう理解をしておるのか。ただ一般市中金融のそれを考えて、それを基準にして運用していくとするならば、農村金融の金利というものは依然として下がらない。下げる方向で考えていかなければならぬと思う。そうすると、利子補給というものをもっと政策的に考えたらどうかという気がいたします。 いま系統資金の金の運用のあり方を見ておると、たとえば、ただ金融事業の面だけ考えてみれば、それは運用の面において違法はないのでありますが、農協へ農民に貯蓄をさせる、その貯蓄運動の趣旨は農業資本の充実ということが大前提になって、それを基本に貯蓄運動を展開しておるわけです。いま十兆円をこしておる。ところが、四十八年度はまだわかりませんけれども、四十七年度の運用を見ても、有価証券まで運用している。それは金融事業の面から言えば当然運用されても文句は言えないのでありますが、農業資本という立場から考えて、資金ワクの面から見て、この有価証券が非常に大きいという気がいたします。この有価証券そのものがどうというのではございませんけれども、有価証券まで回して、余裕金というか、一時のがれのやり方をする。農林省としての、そういうことをさせなければならぬという中金に対する指導性の問題だが、違法ではないからまあやったらいいだろうという安易な考え方なのか。要するに、系統資金の運用に対して、もっと高度に第一次産業に寄与できるような資金運用の指導ができないものかどうかという気がいたしますが、見解を聞きたいのです。
○岡安政府委員 御承知のとおり、農林中金は組合系統金融機関の頂点に立っているわけでございますので、農林中金の資金運用と申しますものは組合系統金融の中でどういう地位を占めているかということを考える必要があろうというふうにまず考えているわけでございます。したがって、まず申し上げたいことは、中金、信連、農協等、組合系統金融機関全体で資金の流れがどうなっているかということを申し上げますと、系統全体の総資金量は、四十八年九月末現在で約十四兆三千億円でございます。そのうち約六割は系統内で利用されております。残りの四割、そのうち二兆八千億円というものが有価証券に運用されているということでございます。 問題は、この程度のウエートを持っております有価証券運用がどういう意味を持つかというようなことであろうかと思いますけれども、まず、系統内で集められた資金は、おっしゃるとおり系統内の需要に充てるためのものでございますので、優先的に系統内に還元をしなければならないと思っております。農林中金の運用を一つ見ましても、所属団体貸し付けというものは累年ふえております。しかし、そういたしましても、余裕金がやはり出るわけでございますので、こういう資金は安全、有利、確実に運用いたしまして、その利益を系統内に還元するということによりまして、低利かつ長期の資金を確保できるということにもなるわけでございますので、私どもは、現在程度の有価証券運用というものは適当であろうというふうに実は考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 系統のそれぞれの機関の中におけるところの有価証券に使っておる資金運用というものは適当であろうというあなたの考えなんですが、これはどちらかといえば、金利かせぎというか、そういう面で、生産の方向にもっとこの資金運用を考えたらどうか、それには利子補給というものを考えなければならぬのではなかろうか、こういう気がするわけであります。先ほどあなたは四十八年九月末現在の有価証券の運用の額を言われたが、私が農林中金の有価証券の内訳を見ましても、国債が二千三百九十三億五千三百万、地方債が八百五十一億六千万、社債が四千九百三億四千五百万、公社債が二千六百三十七億一千万、金融債が六百三十億九千九百万、事業債が一千六百六億九千六百万というように、株式その他においても六百六十一億八千二百万というような有価証券の使い方である。これは違法ではないかもしれない。けれども、この資金運用を、有価証券で寝かせて金利かせぎをするというのではなしに、もっと生産に利子補給をしてやるという考え方があってほしい。利子補給を国なり県段階で考える必要があるのではなかろうかとわれわれは考える。一方、いま見ていると、政府資金で公庫資金を出しているのだから、それは利子補給もけっこうでしょう、しかし金の借り手がないんだという言いのがれをあなたらはまたじきにするが、借り手がないように農家の生産意欲を減退さしたというところにこれまた問題がある。また、農林中金が一方では商社に金を貸しておる。大手商社その他いろいろな企業に金を貸しておるのでありますけれども、商社だけを拾ってみると、十の大きな商社だけにでも千四百五億という金を貸しておる。先ほど、この委員会の開会前にも、漁業団体の代表者がマグロ、カツオの問題で陳情されましたが、どうも商社が変なことばかりすると言うのです。農民の金で商社に貸し付けをして、その商社がかえって農民や漁民を苦しめるような行為をやっておる。これらの実態を農林省は何も考えずにじっと見ておる。あるAの商社は二百六十七億も借りて、名前は出しませんが、その商社が一体どんなことをしておるか。また、Bの商社は二百六十四億も借りて、農民の金を使って、これがどんなことをしておるか。農林省はこの点について真相を知っておられると私は思う。こういう金の使い方について、資金運用だから、金融業としては当然だろうという見解だろうと思いますけれども、それではわれわれは納得できない。農民の金なら、貯蓄運動の精神を生かすなら、もっと第一次産業全体の発展になるような、国内の資源、国内の自給度を高めるための資金に投資できるような体制づくりをしてやるのがあなたたちの任務ではなかろうかと思うわけであります。これは、利子補給を考えたらもっと資金運用が効率にできるのではないかと思うのですが、利子補給をする考え方はありませんか。
○岡安政府委員 いまのお話しは、系統金融機関全体で、系統内にもっと多額の資金を還流すべきであるという御趣旨だと思いますが、私どもも当然そういう考え方で、系統の金というものは、本来系統内の需要者を最優先に考えて運用をさるべきであるという指導もいたしております。ただ、やはり、系統内の需要におきましては、金利の点、返済期間の点、その他ほかの産業とは違いました要望がございますので、お説のとおり、従来から多額の利子補給その他をいたしてそういう需要にこたえているわけでございます。 ただ、御指摘のとおり、それでもなおかつ系統内資金需要に十分こたえられないのではないかという御指摘でもございますが、そういう見方もあろうかと思いますけれども、たとえば近代化資金を例にとってみましても、三千億円というような融資ワクにつきまして、従来まではほぼ五〇%程度の消化率といいますか、融資率でございましたけれども、最近に至りましては、近代化資金の融資限度の引き上げその他改善措置を講じた結果もございますし、また、農家のほうの資金需要も旺盛になってきたということもございましょうが、それらの影響がありまして、四十八年末におきましては、三千億の融資ワクに対しまして二千二百億円程度融資されるのではあるまいかというふうに私どもは考えております。したがって、所属団体、いわば組合系統金融機関の構成員に対します貸し付けもほぼ順調にいっているものというふうに私どもは考えております。したがって、そういう需要を満たした上での資金運用でございますので、金融機関としての特質からしても、また、組合系統金融機関の頂点である農林中金といたしましても、余裕金の運用というものは、金融機関に対するコール、それから有価証券取得その他が当然あってしかるべきでございますし、そういうことがあってこそ組合系統金融に対する、所属団体に対する貸し付けも円滑にいくというふうに私どもは考えるわけでございます。 しかし、お説のとおり、融資対象機関の中で問題があるような企業があるとするならば、それは当然個々具体的な貸し付けの中におきまして選別が行なわれるべきでございましょうし、そういうような選別は行なって融資がされることを私どもも希望をいたすということであろうというふうに考えております。
○柴田(健)委員 これから大きく農政が大転換をしようとするときに、ことしの大臣の所信表明や予算の措置などを考え、また、おとといからの農用地開発公団の法案の審議の過程の論戦を見ても、いろいろと自給度を高めていく必要があるし、生産性を高めると同時に、また、コストの問題その他を総合的に考えなければならぬ。だから、総合的に農政全般を考える中で、金融を忘れてはならぬと私は思う。この金融政策のあり方いかんでは、農政そのものの屋台骨もまた変わってくると思うのですね。金融の問題についても、農林省は、いま公庫資金三千億が、見通しから言えば二千二百億程度であろうというような、何か、使わないほうが悪いような言い方をする。ワクだけは持っておるからどうぞ使ってくださいという程度では、ほんとうの効率のある資金運用とは言えない。その点、これからの農村金融政策について、利子、貸し付け限度額等、系統と政府の両面の農村金融全般にわたって具体的に取り組んで善処していこうという気持ちがあるとするならば、渡辺政務次官、見解を示していただきたいと思う。
○渡辺(美)政府委員 金融問題は農政上きわめて重大な問題であります。補助制度がいいのか、金融制度がいいのか、これは農政上の大議論の起きるところでございますが、ドイツなどは、補助というものは非常に少ない。そのかわり、金利等はある程度安いもので長期のものを貸すという、この一つの考え方があります。補助制度をやめちゃって金融一本で農政をやったらいいじゃないか、これはメリットはどういうメリットがあるかということは、現在の補助制度というのは、補助金をもらうから、もらうためには何でもお役所の言うとおりこしらえる、そのために非常なむだなものをこしらえるという、こういうような議論が一つございます。しかし、また、現実に金融だけで、いままでのような非常な高率な補助制度をなくして、そのかわり非常な低金利にするというやり方は、それだけできるかというと、日本の土壌にはそう割り切った考え方はなかなかなじまない。そこで補助制度と金融制度というものが両方採用されておるわけであります。その中で、あなたのおっしゃるように、農林中金等の、たとえば近代化資金を見ても、消化が足りないのは金利が高いからだというような御主張もあるのでありますが、私は、ただそれだけではないだろうと思うのであります。 いずれにいたしましても、農民の金を農民に使わせろということは私も同じ主張で、政務次官になる前から党内におってはそういうことを言ってまいりましたし、先般の農林金融公庫の改正法を提出したときも、農林金融公庫のあり方という問題をめぐって、ずいぶんそれは議論をしたところでございます。私は、その原則論にはきわめて賛成でありますから、これからもともかく農民の金は農民に使わせるように極力指導をしてまいりたいし、それが使われやすい形で金利等が設定をされるようにしていきたいと思っております。 この間金利の一部手直しをいたしましたが、実は、大蔵省等からは、現在の総需要抑制という立場からすれば、農林漁業部門だけは全面的な総需要抑制でなくてぼんぼん公共事業をやっていいんだという理屈にはならぬじゃないか、だから、公共事業抑制ということで、インフレ阻止という大眼目があるならば、この際農林関係の公共事業も押えなければならぬし、金利の引き上げもしなければならぬということで、実は、相当強い要請があったのであります。しかしながら、農林の持つ内容というものが、生産を拡大して、食料を確保して、直接ストレートにそれが物価安定につながるという特殊事情を考えるならば、そう大蔵省の言うことばかり聞けないということで、農林省はかなりがんばって、実は七割以上のものについては金利の据え置きをやったというような点等は、これは高く御評価をいただきたいと考えるわけでございます。
○柴田(健)委員 総需要抑制ということで、農林省は大蔵省との間で苦労したという苦労話を聞いたのですが、それもけっこうです。けれども、総需要抑制ということをいま第一次産業に当てはめること自体が感覚がずれておるし、このものの考え方そのものが大きな間違いだと私は思う。そういう観点から、私たちは何としても日本の自給度を高めるという大原則を考えなければならぬ。そのためには、資金や、農林金融の問題や、また基盤整備の問題や、農畜産物の価格の問題、流通の問題というものを考えて、そうして前提には、日本人に摂取されるカロリー計算、要するに栄養計画、またはそれに合わせての生産計画というものを体系的に積み上げていくという姿勢がなければ、ただ総需要抑制だということで、一つの渦巻きの中に入れられる。今日まで長い間、第一次産業がいろいろな形で犠牲にあってきたことは皆さん御承知のとおりだと思うのです。そういうことを考えて、農林金融について、特に今後——この前の農林中金法の改正の時分でも附帯決議をつけた。この附帯決議の精神もあまり理解してもらえないということ自体がわれわれは不満であります。そういうことを考えて、農村金融については抜本的にメスを入れ、そうして力を入れていき、第一次産業を発展さしていくということを十分考えてもらいたいと思います。 それに関連して、いま負債の関係がある。農家負債と、それから団体的な負債と個人的な負債があるが、農林省は、農家に現在どのくらいの負債があるかということの実態をつかんでおられると思いますが、その額をお示し願いたいと思います。
○岡安政府委員 資料が四十七年ということで恐縮でございますけれども、農家一戸当たりの負債は、これは平均でございますけれども、約五十一万円でございます。その内訳を申し上げますと、制度資金関係の借り入れ金が二十万円、系統資金関係が十八万円、それから、その他の個人からの借り入れ金というのが約二万円、その他、これは分類がよくわからないものが十一万円ということになっております。
○柴田(健)委員 農家の負債というものの残高を、いま四十七年度分をあなたは言われましたが、私たち、農林中金や一般の市中銀行、相互銀行、または信、漁連、農林公庫、公営公庫という分類的の借り入れの残高をそれぞれの種目別に見ても、農業経営の改善、土地改良、共同利用施設、またそれに対する自作農維持資金だとか、開拓農協資金だとか、また林業経営改善、林道、造林、共同利用、その他林業関係の維持、伐採調整資金等も含め、または漁業関係、これも漁船だとか、漁港だとか、共同利用施設だとか、また塩業関係だとか——塩業関係か農林関係とどう結びつくか、私はどうも理解できないのですけれども、まあいきさつ上、塩業までが農林関係になっておるようです。また、乳業、それから卸市場の近代化というような事業の面と個人の生活資金や営農資金、そういうものが全体的に考えてみると膨大な負債がある。この中で、特にいま困っておる農家の皆さんでは家畜農家であります。家畜農家の中では、養鶏、養豚、酪農、和牛というように、大、中、小の家畜農家の負債は膨大になっているんですよ。家畜農家の負債が現在どのくらいあると農林省は推定をされておりますか。
○岡安政府委員 家畜農家というお話しなので、必ずしもそういう御要望に沿ったような資料がないわけでございますが、これも四十七年度の資料でございますけれども、私どもは、経営部門別に、たとえば酪農部門、養豚部門、養鶏部門というように、部門別に借り入れ金の実態を調べてあります。おっしゃるとおり、ほかの部門と比べますれば、酪農とか養豚というような経営部門につきましては借り入れ金が比較的多いというのも実情でございます。 ただ、私どもは、調査いたしましたときに、同じようにそういう部門を持っておる農家の預貯金額も調べておりますが、預貯金額等を見ますと、そういう経営部門を持っておる農家におきましては、やはり相当の預貯金を持っておりまして、借り入れ金も一方ではしているけれども、別途また預貯金もしておるというような形態になっております。したがって、これはもちろん比率がどういう意味を持つかということも検討しなければならないと思っておりますが、その比率をとってみますと、おっしゃるとおり、酪農、養豚、養鶏等の部門におきましては、借り入れ金と預貯金との比率におきまして、預貯金に比べて借り入れ金の比率がわりあい多いということも事実でございます。これは、酪農なり養豚なり養鶏というものが相当一時に多額の設備資金等を要するということであろうというふうに考えますし、また、酪農等につきましては、特に収益からの回収部分がわりあい長期間にわたる、したがって借り入れ金が寝るというようなこともあろうと思っております。しかし、順調にいくならば、借り入れ金の多いということだけが問題では必ずしもなかろうというふうには考えております。
○柴田(健)委員 いま、養鶏家とかいろいろ聞いてみると、どうも政府は冷たい。それは原因は何かというと、どうもわれわれの苦しみをわかってもらっていないのではないか。畜産の実態を知らないのではないか。知らないから、数字的な机上論だけで、そろばんだけ持って、計算機だけを持ってわれわれの指導方針を打ち出しておるというような気がする。実態と離れておる、現実と離れておる、そういうわれわれの苦しい気持ちを吸収してくれない農林省の体質がそうさしておるのではないか、こういう見方をしておるわけです。それで、私は、それぞれの機関を通じて、たとえば価格の問題にしても、負債の問題にしてももっとすなおに要求を出していくべきではなかろうかという指導はしておるわけですけれども、なかなか十分に理解してくれない。不信感を持っておる。農民の中に政治的な不信感が非常に強くなっておる。これは非常に残念なことだと私は思うが、こういう事態に追い込んだ政治の姿というものをお互いに反省してみなければならぬ。農林省は数字的には非常に明るいし、ぽんぽん目標も出してくる。たとえば五十七年度の目標で、生産目標は、乳牛は三百万頭にふやす、肉用牛は三百三十万頭にふやす、豚は千六百六十万頭、養鶏の中で採卵鶏は一億九千四百万羽にふやす、ブロイラーは一億三千五百万羽にふやすということになっている。これが昭和五十七年度の目標でありますが、現在だんだん減っておる。特に、乳牛や肉用牛というものはどうもふえない。現在乳牛は百七十七万七千頭、肉用牛は百七十九万二千頭、豚が七百三十一万三千頭、採卵鶏が一億五千二百十一万羽、ブロイラーが八千十八万羽というような数字になっておる。だから、五十七年度の目標までいくと、これを達成するにはよほどの努力と生産農家の協力が得られなければならない。いま、畜産物の価格なりえさの問題で農民は岐路に立っている。これはどうしたらいいか。借金があるのでやめられぬ。やめたらもう何もかにもなくなってしまうということで、いま、家畜農家は非常に苦しんでおる。いま手を差し伸べないと取り返しがつかないという気がするわけです。一方では借金がある。これを盛んに聞くのであります。この借金のたな上げ、利子補給というようなことをいま考えてやる必要があるのではなかろうかという気がするわけで、農林省は、四十七年度でなしに、直ちにそれぞれの地方公共団体を通じてあらゆる農家の負債の調査をやる意思があるかないか、お尋ねしたいのです。
○岡安政府委員 先ほど申し上げましたとおり、特に投資部門が大きい農業経営におきましては、ある時間におきまして借り入れ金の残高が増高するということも当然の話であろうというように考えております。ただ、御指摘のとおり、これは順調にいけば当然利益も上がるし、償還も可能である。したがって、借り入れ金の額が大きいということだけが問題ではあるまいというふうに思いますけれども、一般的に、災害とか経営者が病気になるとかいうような突発事故の場合には借り入れ金が多いということは非常に問題になります。それらに対処いたしまして、私どもは、従来から、まずケース・バイ・ケースにおきましては借り入れ金の条件の緩和もいたしておりますし、また、そういうことによりまして農地を手放さなければならないという事態に対処しましては自作農維持資金等の融通をするということもいたしております。特に、自作農維持資金の融通につきましては、今回個人の借り入れ限度額を三十万円から六十万円というふうに上げましたし、対処いたしておるつもりでございます。 ただ、一般的に最近問題になっておりますような飼料の値上がりその他の問題は別途対策が講ぜられるべきであると思うし、また、講ずるように現在農林省といたしまして検討いたしておるわけでございまして、そのことによりまして一律に農家の負債をたな上げするとかいう措置を講ずるということはいかがかというふうに考えているわけでございます。
○柴田(健)委員 私は、せめて家畜農家だけでも負債の調査を至急にやったらどうかと申し上げておるのであって、それをやる意思があるのかないのかと聞いておるのです。それを聞きたい。
○岡安政府委員 先ほども申し上げましたけれども、私どもは、部分的にではございますけれども、酪農経営部門を持っておる農家、養鶏経営部門を持っておる農家その他につきましての調査はございます。先ほど申し上げましたとおり、それぞれそういう経営部門を持っておる農家の負債がほかと比べまして大きいということも承知いたしております。私どもは、それらに対処する方法として、先ほど申し上げましたように、もしケース・バイ・ケースで問題があれば条件緩和をいたしますし、また、自作農維持資金によって措置できるものにつきましては十分ワク等も用意してございますので、対処する方針であるということを申し上げたわけでございます。 ただ酪農家が持っている負債について、一般的に措置をすべきであるという御意見であるならば、これはいささか問題があるということを申し上げたわけでございます。
○柴田(健)委員 何としても、あなたらはこまかいところからメスを入れていかないとほんとうの真実はわからないのじゃないか。実態はわからないのじゃないか。あなたたちと話をしておると、何か、雲の上の人と話をしているような気がするのですね。あなたたちには何回言っても、コンクリートにやいとをすえるようなもので、熱いも、痛いも、かゆいも感じないようだ。われわれが言ったら、痛いとか、かゆいとか、熱いとか、もう少し感じなければ、あなたたちは血の通った行政も政治もできないのではないですか。直ちに調査をして、たとえば一万羽養鶏をしておる農家には、なぜこれだけ借金がふえたのか、施設に矛盾があるのか、要らぬ経費を使っておるのか、えさの購入のやり方が違うのか、飼育管理について不備があるのかというように一つ一つメスを入れていかなければ、新しい養鶏農家の育成というものはできないのじゃないですか。だから、負債を調査すると同時に、経営の実態、営農の実態というものを調査しなければならぬ。あなたたちはすぐ農業基本法を基準に置いてやっておりますと言う。生産単位は拡大する。規模は拡大です。酪農なら、いままで六頭、十五頭、いまや三十頭、五十頭と、だんだん数字を上げさえすれば農家は楽になるのだということを盛んに言われますが、二十頭でも赤字を出す農家があるかもしれない。十頭でも黒字を出す農家があるかもしれない。実態調査をあなた方が平素からやっていないからそういうことを言うのです。だから、調査をやりなさいと私が申し上げておるのです。 一方、価格問題にしても、法律があるのです。畜産関係の法律はたくさんある。それは生産性を高めるために、農民の生産意欲を高めるために、そして使命感を持たせるために、すべての価値感を高めるために、そういうものを前提としてあの法律をつくっておるのじゃないですか。その法律をわざわざあなた方は逆利用している。日本の法律は解釈法律だから、どんなようにでも、どっちにでも解釈ができるのであって、もうかるのは弁護士だということになるけれども、とにかく、この解釈法律だけつくってどっちとでも解釈をするというやり方の運用というものはよくない。たとえば、価格の問題は政策的な介入をする。一方では、政策的な介入をするなら、もっと考え方を変えてやらなければならぬ。たとえば、養鶏が今日えさ代が上がった。いま一日にえさ代がどのくらいかかっておるかということをあなたは知っているか。畜産局長が来ているなら局長にも聞きたいのですが、われわれが調査すれば、一日の鶏のえさ代が成鶏で七円要るが、毎日は卵を生まない。二日に一個だ。そうすると、えさ代だけで十四円ですよ。そこに施設償却とか、家族労働賃とか電灯電気料、要するに光熱費その他を含めると、一個どうしても二十円はかかる。それで市場に出すと、いまは一キロが二百七十五円から二百九十円内ですよ。一キロの卵が何個あると思いますか。十六個か十七個ですよ。一個二十円ならキロ三百二十円にしてやらなければ元が取れない。それを二百九十円だとか二百八十五円で売れというのだから、損するのはあたりまえなんだ。赤字が出ることはわかっている価格でやっている。それをどうしてやるのですか。昨年から今年三月にかけて三回もえさを上げている。もう少し実態を皆さん方は調査してもらいたい。畜産局長、どの程度経費がかかっているのか、説明を願いたい。
○澤邊政府委員 生産費の上昇に今回のえさ代がどの程度響くかという御趣旨の御質問かと思いますが、われわれの試算によりますと、キログラム当たりでございますけれども、採卵養鶏の場合、キログラム当たり約三十一円九十七銭ぐらい生産費に響くという試算をいたしております。ごく最近の生産費調査はまだわかりませんので、その意味では、四十七年度の生産費調査をもとにいたしまして試算をいたした結果でございますが、三十一円九十七銭という数字を一応把握しております。 御参考のために申し上げますと、肥育豚の場合には三十一円九銭、酪農の場合には二円七十四銭というような生産費の上昇になっているというふうに理解をいたしております。
○柴田(健)委員 あなたらはじきに四十七年の数字を出す。四十七年はとうの昔に済んでいる。そういう答弁だからどうもずれてしまうのだね。 そういうことで、いま養鶏家、家畜農家を救わないと、一たん投げたらこれはもとへ戻りませんよ。ほかの商売なら、きのうまではちり紙を売って、あすからは何を売ろうかということで転身できるかもしれないが、農業だけは、第一次産業だけは、一たんやめたらもとに戻らないという点を理解しないとたいへんなことになりますぞ。その点は、皆さん方役人というものは、きのうまではどこかの農政局におって、今度は本省にかわったということでいいだろうが、農業だけはそれができない。ほかの産業とは違うということを理解をしてもらわないと大きな誤りをおかす。この点はとくと心に銘記しておいていただきたいと思います。 たとえば酪農についても申し上げますが、乳価のきめ方で、飲用乳と加工乳について、片一方は自主交渉で、片一方は政策価格という、この二本立てというのがわれわれにはどうも理解できない。いままでの二本立ての方式は功罪それぞれあったでありましょう。けれども、加工乳と飲用乳の二つに分けて、そして、それぞれの立場の価格決定のしかたも違えるということは、考えてみるとこれは分裂政策です。南北戦争です。私は、この制度がどうも割り切れない。一本にしたらどうか。あくまでもいまの二本立ての方式がいいとするならば、ぼくは法律を改正をしてやったほうがいいと思う。飲用乳の交渉はメーカーと直接しなさいということになっておるが、これは、法律的には、メーカーが逃げたら話し合いの場というものはずれてくる。たとえば、酪農団体がメーカーとの交渉の要求書を出したら直ちに交渉に応じるという法律の改正をしてやらなければならぬのじゃないか。団体交渉権というものを与えるべきだという気がするわけですが、局長、どうですか。いまの飲用乳と加工乳の価格の決定方式の二通りは正しいと思っておられるかどうか、まずそれを聞きたいです。
○澤邊政府委員 飲用乳向けの生乳価格と加工原料向けの原料価格のきめ方の違い、したがって、現実に実現されておる価格もかなりの差があるわけでございます。御参考のために申し上げますと、飲用乳価について、関東で言いますと、キログラム八十二円十銭、それに対しまして政府が保証しております加工原料乳の価格は四十八円五十一銭、これは地域によって若干の差がございますが、三十三円というかなりの開きがあるわけでございます。これは現行法に基づきまして、不足払い制度が加工原料乳にのみ適用されておるということから来ておるわけでございますが、加工原料乳につきましては、生産費をもとにいたしまして、これを物価修正して、再生産が確保できるというような考えで算出をいたしまして、四十八円五十一銭という価格が実現しておるわけでございます。 飲用乳につきましては、八十二円十銭という乳価が、関東の場合でございますが、実現をしておるわけでございまして、これは生産費をかなり上回っておるというふうな水準だと思いますので、いま直ちにこの両乳価を一本にして、昔のように統一価格で価格決定を行なうということは、現段階で必要であるというふうには理解をいたしておりません。
○柴田(健)委員 価格のことはこっちはよく知っているんだ。基準価格の四十円四十九銭、それに八円二銭、それで四十八円五十一銭になっていることは知っているんですよ。価格のことは言うていないんですよ。二本立ての方針がいいと思っておられるかと聞いているのですよ。それだけを簡単にいいとか悪いとか言えばいいのですよ、局長。
○澤邊政府委員 先ほど申しましたように、価格がかなり差がございまして、しかも、加工原料乳につきましては、現在生産費を保証するということでやっておりますので、現在のような制度で、現状においていま直ちに改正すべきだというふうには考えません。
○柴田(健)委員 いまの価格は、農民にとってはその価格がいいと思ってあなたはそう言われるのか。酪農家はもう困っているんですよ。一方では政策価格であるから、どちらかといえば統制経済ですよ。官僚統制ですよ。片一方は自主交渉の方式ですよ。だから、価格問題を私は言うているんじゃないですよ。自主交渉で、これは自由経済の原則のような形になっている。両方てんびんにかけて、片一方はこっちでやりなさい、片一方はこっちでやりましょう、というやり方が一貫性のあるやり方かどうかと尋ねているのですよ。あなたの言うように、いや、価格がこうだからこうだというんではなしに、価格問題については、乳価の積算の根拠についてはまた別に論議をやりますよ。けれども、制度的にもっと考えてもらいたい。私たちが常に困るのは、メーカーが逃げちゃうことです。交渉の相手がなくなった時分の酪農団体が困る。その時分にいまの制度を残したいなら、残しておる中でも、あくまでも法律的にメーカーが逃げないように、酪農団体が交渉の場を持ってもらいたいという文書通告をしたら直ちに団体交渉に応じるように、話し合いの場をつくるように、そういう義務づけを法律的に改正をしてやる必要があると私は思うが、その点の見解はどうですか。
○澤邊政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、実現しております現在の価格水準が、加工乳の場合には政府が保証するということで四十八円五十一銭ということになっておるわけでございますが、それに比べまして、自主交渉によりまして、各地域ごとにそれぞれ生産者団体とメーカーできめておりますところの、現在の仕組みによります一般飲用乳の価格は、生産費を上回るような価格として現在実現しておるという点からいたしますと、いま直ちに両者を一本にして国で保証するとかいうような措置をする必要はないのではないかという趣旨で、価格との関連で申し上げたつもりでございます。業者と生産者団体との飲用乳についての自主的な交渉についての自主的な交渉によって現在実現をしております価格は、先般の十二月のキログラム当たり十五円という値上げを見ましても、大体妥当な線にきまっておるというふうに考えておりますので、いまのやり方自体を特に変えなければならないというところまではわれわれは考えておりません。
○柴田(健)委員 あなたは、妥当な価格だとか何だとか言うて、一方的なことを言っているけれども、そんなことを言うと、あなたはあとで困るようになりますよ。私は、価格がいいとか言うんじゃない。ただ、常に話し合いの場が持たれるような両方の立場の位置づけを考えてやり、いまの畜産物の価格安定法の中でどこかを修正して、業者と酪農団体は常に話し合いをしなければならぬというようにどちらも義務づけていき、あくまでも自主交渉ができるようなものにしてやらないと、いつのときも、乳価交渉のときには毎年一方が逃げ隠れをする。額が高いとか安いとかいうことをきょう私は論じているわけじゃないんですよ。制度的に私は申し上げているんですよ。乳価交渉が自主的にできるように、業者のほうにもちゃんと位置づけをする、義務づけていく、そのくらいのきびしさがないと酪農家を守っていくという立場にはならぬのではないかという点を私は申し上げているのですが、次官、この点について見解を聞いておきたい。
○渡辺(美)政府委員 これは非常に議論のあるところです。本来ならば、私は、乳価は全部自由価格がいいと思います。団体の中でも、実は、加工原料乳地域でももっと上げてくれるならば不足払いなんというのはなくたっていいじゃないかという議論もあります。しかしながら、御承知のとおり、北海道とか東北とかいうふうな遠隔の地では、酪農をやるのに非常にやりやすいような土地も内地よりも持っておるし、面積も多い、大型経営もできる、そういうふうなプラスの面もありますが、大消費地から非常に離れておる。そのために陸路輸送というようなことに非常な困難性もある。そこで、そういうふうな酪農に適した地域で——これはバターとか、チーズとか、脱粉とかのようなことなんですから、そういうような地域で酪農をやってもらうことはいいことなので、そのために政府は国費をもって不足払い制度というものをやって、最低の保証価格というものをきめておるわけです。この保証価格が安過ぎるから上げろという強い要求がいまあって、私も、えさのこういう値上がりですから、そういうものを適正に反映してきめるのが妥当であると思っておるわけです。 ですから、市乳のほうも全部不足払いのようなものをつくって一本にしろという意見もないことはありません。それも一部にありますが、それと逆に、全部自由価格にしたらいいじゃないかという議論も実はあります。しかし、現在の状態では、そのどっちかの片っぽうだけを採用するというところまではまだいっていない。北海道あたりでもともかく不足払い制度がありますが、不足払いのほうに全部売らなければならないというおきてがあるわけじゃなくて、できるだけ市乳のほうに回して、値のよいほうに売ってもけっこうですよ、というようなことで、農協牛乳とかいろいろなものが東京に進出をしておることも間違いない。ですから、これは、私が現在の段階でどっちか片っぽうにしろと言うこともなかなかできないだろうし、二つになっていてもやむを得ないんじゃないかと思っております。 それから、これは自由価格のほうで交渉させるわけですが、政府がもっと介入して、社長ども早く出てこい、団体とすぐやれ、こういうふうにしなさいというのが柴田先生の御意見だと思いますが、もともと自由価格ということでありまして、これは相関関係があって、牛乳が出てこなければメーカーだってつぶれてしまうんですから、農家が非常に生産が減って、乳量が少なくなれば、酪農メーカーのシェアも狭くなって、これも参ってしまうということで、やはり、農家がちゃんと健全に育ち、それによってメーカーも結局それを製造販売さしていただいておるという状態なものですから、両方で話し合いをさせると、市乳等は大体いいところにきまっておるというのがいままでの状況のようです。 それで、メーカー側と生産者側とで力がうんと違うのどうのと言うが、実際問題として、近ごろは生産者の力も相当なものです。そして、相当全国的な組織をもって交渉しているわけですから、どうしても生産者のほうの言い分があまり通らぬ、むちゃなことを酪農メーカーが一言っているというようなときには、それは当然農林省が行政指導して、チェックをいままでもやってきています。ですから、法律できめるよりも、もう少しフリーハンドを持たして、お互いに商売ですから、どっちも成り立つようなところで自然に取引がきまるという自由経済の原則みたいなところへ持っていくようにして、あまり農民方が弱いというようなときにはわれわれは幾らでも手助けをするということがいいんじゃないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
○柴田(健)委員 局長、最後に一言お尋ねしておきたいのですが、一昨年と昨年で乳量が〇・五%下がった理由、原因をどういうふうに認識されておるか、それだけ一つ聞いておきたいと思います。
○澤邊政府委員 四十八年の生乳の生産が前年に比べて〇・五%全国ベースで減少したわけでございますが、これの原因につきましては、われわれといたしましては、最近、零細飼養農家の酪農からの離脱が、これまでも進んでおりましたけれども、かなり急速に進んでおることと、反面、規模の大きな階層がさらに一そう経営を拡大して生産をふやすということによって脱落する零細層の減をこれまではカバーしてきたわけでございますが、最近それが十分にカバーしきれなくなってきた。その原因の一つは何かということになりますと、土地の取得がなかなか困難であるために規模の拡大が思うように進まないということのために、片や減少する零細酪農農家の生産減を補うに足らないということが一つあると思います。さらに、ここ二、三年来牛肉の価格がかなりよかったということのために、乳牛を屠殺して肉に回すということが、最近はかなり落ち着いておりますけれども、しばらく前まではかなり急速に進んでおったということが一つの原因だと思います。さらに、労働力事情等、酪農の農業労働が終年非常に拘束され、年中無休である。あるいは、家畜の世話でございますから、きれいな仕事ではないということのために、都市周辺を中心といたしまして、他の産業に従事する者がふえてくるというような一般的な傾向があるということ等が主要な要因ではないかというふうに見ております。
○柴田(健)委員 まあ、局長、少し勉強もしていただかなければいけないし、実態を調べてもらわないと、あなたと論争していると、まるで人ごとのようにあなたは責任を感じない。だから、これは、責任体制を農林省の中でどう築くかということがこれからの農政の基本になるような気がする。だから、大臣も含めて、農業全般にわたってもう少し責任を持てるような体制にする必要がある。大臣がかわるたびに日本の農政が変わってきたということのないようにこれからしてもらって、人畜含めて、総合食料問題というものは民族の問題なんですから、そういう点を踏まえて考えてもらわないと、これはたいへんなことになります。 いずれ、本問題については機会あるごとに論戦をしてまいりたいと思いますので、以上、答弁を求めずに終わります。
○仮谷委員長 美濃政市君。
○美濃委員 最初に、柴田委員の質疑に関連して若干お尋ねしたいと思いますが、畜産局長は、飲用乳価格は生産費を上回っておるというふうに発言されておったといま聞いておったのですが、どうですか、もう一回そこを聞きたい。
○澤邊政府委員 生産費調査を前提にいたしまして、したがって、私が申し上げておりますのは、現在わかっておりますのは四十七年度まででございますので、その間の生産費調査で見る限り生産費を上回っておる、こういう趣旨でお答えをしたわけであります。
○美濃委員 それは何年の生産費から見てですか。何年の生産費を対象にしたものですか。
○澤邊政府委員 四十七年度の価格と四十七年度の生産費調査による生産費、こういう関係で見て大きくなっておる、こういうことでございます。
○美濃委員 何ぼ上回っておるという計算になりますか。
○渡辺(美)政府委員 詳しい数字はいま調べて、あとからお答えいたしますが、ともかく、去年の暮れにメーカーと生産者団体が交渉されまして、それで話がついて、一応値上げしたわけですね。話がついた段階で、えらく損をしているということでは、やはりなかなか話がつかないのですよ。当時としては、大体これならまあいけるということで、話が両方でついたわけです。ですから、それは、まあ再生産ができるという価格できまった。そのあとになって、一、二カ月して、またえさが値上がりしていますから、その分については当然また上げてくれというような話が出てくるだろうと私は思っております。
○澤邊政府委員 いまの件は、いま手元の資料で調べておりますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
○美濃委員 それでは、調べている間に次へ質問を進めますが、一物一価のたてまえで、加工原料乳と同じ牛乳でありますから、その四十七年度対比では飲用乳価が生産費を上回っておるが、加工乳と飲用乳とは同一価格と考えておるのか、どうなのか。
○澤邊政府委員 飲用乳の原料価格と加工原料用の価格というものは別建ての価格が形成されておるということでございますので、一本ではないというふうに理解しております。
○美濃委員 もう一回答弁してください。別建ての価格ですか。
○澤邊政府委員 政府がきめております保証価格と、飲用乳価格として市場で形成される価格は別の価格であるということでございます。
○美濃委員 その保証価格と取引の中で形成される価格は、価格の建て方が別建てになるということはわかりますが、私の聞いておるのは、一物一価ですから、同じ牛乳で生産費から起点を置いた場合、高安があるのかないのかということを聞いておる。
○澤邊政府委員 御質問の御趣旨が、必ずしも十分わからない点があるのですが、加工原料乳の保証価格は、主要な加工原料乳地帯の生産費を基礎にして算定いたしております。飲用乳の原料乳価格は、自由市場においての双方の取引の結果価格が形成されておるというふうに理解をしております。
○美濃委員 そうすると、そこにとり方の差がありますか。そこを明らかに精査して答弁願いたい。加工原料乳地帯のコストは何ぼ安い、それから市乳、飲用乳の生産費は何ぼなんだ、加工乳は何ぼだ、これをはっきりしてもらいたい。
○渡辺(美)政府委員 新しい値段、最近のものについては、三月に、間もなく畜産振興審議会を開きますから、そのときまでにできるだけ最近のデータをそろえて、当然それは出します。出しますので、一番新しいやつは目下計算中であります。
○美濃委員 いや、私の言っておるのは、無理して新しいものでなくてもいいのですよ。四十七年でも、四十八年でもよろしゅうございますから、どういう差があると畜産局は考えておるのかということ、それを尋ねておるわけです。四十七年なら四十七年でもいいです。四十八年でもいいです。
○渡辺(美)政府委員 それは常識的に、たとえば東京近郊とか神奈川とかいうような、ほとんど全部と言っていいくらいに購入飼料でやっているところと、それから北海道とかいうふうな広い地域を持っていて自給飼料度の高いところとは——栃木県の場合もそうですが、そういう自給飼料度の高いところでやっておるものとでは、当然コストの差はえさ代でも出てくる。それは確かに私もそう思います。そのかわり、輸送費その他で、片っぽうはハンディがあるということも当然だと思います。
○澤邊政府委員 たいへんおくれましたけれども、資料によりますと、全国の四十七年度の生産費——四十七年度までしかわかっておりませんので、四十七年度を前提にしてお答えしておるわけでございますが、四十七年度の生産費が、これは百キロでございますので、キログラムで四十三円四銭、それから加工原料乳地帯だけ見ますと四十五円十銭、こういう数値になっております。
○美濃委員 四十三円というのはどこですか。加工原料乳地帯は四十五円ですか。
○澤邊政府委員 四十三円四銭と言いましたのは全国平均でございます。第二次生産費の全国平均でございます。それから加工原料乳地域だけを見ますと、一道四県でございますが、これが四十五円十銭でございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○美濃委員 飲用乳地帯のコストのほうが四十七年度においては安いというのですか。ちょっと私ども了解に苦しみますがね。
○澤邊政府委員 ちょっといまのは訂正させていただきます。加工原料乳地域は三十七円八十六銭でございます。失礼いたしました。四十五円十銭と言いましたのは間違いでございまして、北海道が三十七円三十二銭、全国が四十三円四銭でございます。
○美濃委員 そこで、こういう価格を算定する加工原料乳の算出の基礎というものが、資本利子を調べると、現在農家が借りておる約定金利に補償しておる資本利子が合わないということ、それから償却の面、いろいろありまして、前農林大臣も、算出の基礎は改定することにして検討すると言い、また、前の畜産局長の大河原さんは職を賭してやりますと言っておるのだが、どういうふうに作業を進めましたか。算出の基礎を改定するという作業はどの程度進んだのか。どういう点をいまどう直すということはちょっと——まあ、発言できればけっこうですけれども、発言できる範囲内でよろしゅうございますから、どことどこは算出の基礎を変えますと、その変える方法から変える算式をみな言ってしまえば値段が全部わかることになるが、どことどこを変えようとしておるか。
○澤邊政府委員 乳価の算定方式につきまして、昨年の秋以来生産者の代表の方々はじめ各種の御意見が出ておるわけでございますが、特に昨年以来問題となっております点は、牛肉の価格と肉の価格、牛肉といいますか、廃牛価格なりあるいは子牛価格という牛価と肉価との関係で、牛価は御承知のようにそのときどきの需給事情によってかなり大きな変動をいたします。それが乳価に影響を及ぼしまして、乳価を非常に不安定にするという点について一番問題があるというふうに昨年の秋には議論になりました。その辺を中心にして、その他いろいろ、かねて生産者団体等から出ております改正についての御意見等も含めて現在検討しておるわけでございますが、一部学者の方にも学問的にも御検討をわずらわしながら、鋭意作業を進めておる段階でございます。
○美濃委員 大体どことどこは従来の算出を変えなければならぬだろうという点はどこですか。どういうふうに変えますというところまでは、きょうの時点ですから要りません。しかし、どことどこを算式を変えなければならぬだろうということは、前局長も職を賭してやりますと、あれだけ言っておったのですから、約束ごとですから、そのニュアンスも言えないということじゃないと思うのです。
○澤邊政府委員 残念ながら、まだ検討を終わっておりませんので、申し上げる段階に至っておりません。
○美濃委員 あなた方の答弁は、また先へいって、いつが来てもそういうふうに逃げてしまうわけですね。そして、発表したときには変なものを発表をするわけですが、どうですか、ことしは変な発表にならないという自信がありますか。
○澤邊政府委員 変にならない自信があるかという御趣旨でございますが、われわれといたしましては、やはり、最近の牛肉の生産が減ってきておるという、まあ、戦後初めての事態であるという深刻な事態は十分認識しておるつもりでございますから、えさの価格その他諸物価が上がっておるということも事実でございますので、四十八年度の生産費調査の結果を基礎にいたしまして、従来やっておりましたような修正もやりながら、さらに、先ほど来御質問いただいておりますような算定方式も、手直しすべき点は手直しをして、需要の増大に見合って生産が拡大できるというようなことの確保されるような牛乳価格を決定する必要があるというように考えております。
○美濃委員 前年生産費と言うけれども、異常なんですね。それは御存じでしょう。従来の算定方式、この保証乳価の中には、具体的に私どもが指摘しておるように、いわゆる償却金利の不十分もありますか、最近の物価高による——石油類はおそらく二倍こえるでしょう。えさは依然としてとまらないで、また四月に値上がりがあるという状況ですね。それから肥料類は三一%、また、石油関連製品のビニールなどはサイレージをつくるのにぜひ必要なわけですが、こういうものは三倍ないし四倍の値上がり。こういう事態を踏まえてそれらがことし決定する価格に加味されなければ生産できないですよ。大きな赤字になってしまう。普通の年とは違うと思う。しかし、また、法律では、価格決定後著しく変動が起きた場合には年度内に改定しなければならぬという法律事項でしょう。必ずしも前年度パリティで押しつけるんだというものじゃないし、また、前年度パリティを基礎にして押しつけたって、生産条件というものはどうにもならぬですね。その点はどう考えておりますか。
○澤邊政府委員 最近の物価の値上がり等は、従来もそうですけれども、最近時の農村物価賃金調査によります物価によって、四十八年度の生産費調査の原生産費を修正して織り込むことにしておりますけれども、特に、飼料価格につきましては、農村物賃でまだ出ない段階でございますけれども、二月の値上がり分はおおむね額が推定できますので、それも織り込んで決定をしたい、算定をしたいというように考えております。
○美濃委員 四十七年時点と現時点では、生産資材から消費物資も全部変わってしまっておるわけですから、私どもの考えでは現在の飲用乳価格八十二円十銭というものが生産費を上回っておるなどという考えにはならぬです。現時点で、ですよ。四十七年の生産費を持ってきて、八十二円十銭は高いんだと言えば、それはそれなりに、次元の違う生産費を持ってきて対比するわけですからね。しかし、現時点では、八十二円十銭というものは、おそらく、この加工原料乳のきまったあと百円以上の要求が起きるんじゃないですか。その動きは畜産局長は聞いておるでしょう。三月末、四月になると、これは百円以上に上げる要求が起きると私は見ておるんですがね。これが上回っておるとは考えられない。そうすると、再生産可能な価格というものは、かなり高い価格でなければ、少なくとも現在の飲用乳価格以上でなければ再生産は可能と言えないと思うのだ。えさは高いし、これまた上げますから、これは百円以上の要求が四月には起きますから、やれないんですよ。特に、加工原料乳については、一つは自由化の問題がありますから、現行制度がだめだとは私は考えていないけれども、しかし、現行制度でがんじがらめに縛られておるわけですね。いわゆる糖安法による砂糖とこの加工原料乳というのは制度的に縛られてしまっておる。そうして一元集荷多元販売でもないわけだ。全く制度に基準取引価格は縛られてしまっておる、縛りつけられておる、こういうことですね。農家が自主的に交渉する幅も何もないわけです。そういう点から見て、かなり思い切った措置がとられなければ酪農の大きな後退をもたらしていくと思うのですが、出たところで私は言いますけれども、こういう意見を出しておいて、畜産局長、どうですか、職を賭してやるという責任を持った発言ができますか。もし後退するようなものが出たときには、私は局長として責任をとりますと、それをきょう言えますか。
○澤邊政府委員 先ほどお答えしましたような趣旨で、再生産が確保できて、生産が減退するようなことのないように、需要に即して生産が拡大できるようにというような乳価が実現するように全力を尽くすつもりでおります。
○美濃委員 次に、サトウキビとてん菜の問題をちょっと聞きたい。 いま、砂糖は何ぼしておりますか。砂糖の近況をひとつ御報告してください。国際糖価の近況ですね。
○池田政府委員 お答え申し上げます。 砂糖の値段は、先生も御承知のように、最近非常に国際糖価が上がってまいっておりまして、昨年の九月までは、トン当たり英国のポンドで申しますと、約九十ポンド台ということでございましたが、十月以降百ポンドをこしまして、その後も暴騰を続けております。本年の二月二十二日に二百七十四ポンドという、非常に記録的な高値を示しまして、どうなることかと心配をいたしておったわけでございますが、その後今度は二十六日以降大幅に下げに転じまして、三月六日現在は二百三十ポンド、一時的には三月一日には二百十五ポンドというふうな暴落相場を演じております。したがいまして、国際糖価がどういう帰趨をたどるかということについては、必ずしも現在は見通しが立ちにくいという、非常に複雑な情勢のもとにございます。
○美濃委員 現時点の二百三十ポンドで輸入された砂糖にクリーニング料をかけて、メーカーの出す原価は何ぼになりますか。消費税をかける前ですね。
○池田政府委員 御指摘のように、ただいまかりに二百三十ポンドというものをベースにして、御指示のとおり計算を一応いたしてみますと、上白で工場から出します出し値は十九万八千円程度になろうかと思います。したがって、それに見合うてん菜糖の買い入れ価格というのは大体十六万円前後という形になろうかと思います。
○美濃委員 これはどういう操作をしておりますか。もうちょっと砂糖問題を突っ込んで聞きたいのですが、政策指導価格は百八十六円ですね。かなり値段が合わないですが、消費税をかける前の価格、その関連はいまどうなっておるか。
○池田政府委員 百八十六円と申しますのは、上白の一袋当たりの末端の小売り価格でございます。それがたまたま昨年の十一月の時点におきまして、CPI、小売り物価指数の中で現実に総理府が調査をいたしました結果が百八十六円という状態にあった、それを指導の目安にしたということでございます。したがいまして、それからあと、現実にはもう少し上がっておるわけでございますけれども、特に、その指導価格の中で、特定の小売り店舗に対しましては、その指導価格を守るように現在行政指導を強めておるという事態にあるわけでございます。 そうしますと、百八十六円というのは、従来の流通コスト等を考えますと、少なくともそれより大体二十五円ないし三十円程度が通常その間のコストになってまいりますから、したがって、かりに三十円と見れば百五十五、六円、二十五円といたしますと百六十円前後ということになってきて、その辺が上白の小袋の工場の卸売り業者に対する売り値ということになってくるわけでございます。 ただし、これには前提がございまして、これも御承知のように、従来は九万五千五百円という上限価格のワクの中で全部事業団が買って売り戻しをいたしておりますので、それをベースにいたしまして現在の指導価格というものが一応成り立っておるというのが現状でございます。
○美濃委員 現在の上白十九万八千円の製造原価コストでてん菜糖を逆算し、原料てん菜一トン当たりの価格を逆算すると何ぼになりますか。何ぼまででてん菜一トン当たり買えるのか。何ぼになりますか。
○池田政府委員 二百三十ポンドということをベースにいたしまして、ぎりぎりでてん菜を買うということになりますと大体一万五千円前後、てん菜の原料価格に直しまして一万五千円前後ということに、機械的には出てまいるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、最近てん菜耕作地域で一万五千円に早期決定せよという要請が起きておりますが、それは国際価格だから、国際価格から見ても無理ではないということになりますね。どうですか、そういうふうに受けとめておりますか。
○池田政府委員 ただいまお断わり申し上げましたように、いまの二百三十ポンドというのは、たまたまLDPでロンドンの相場がぶつかりましたところを機械的に出しますと、まさにそういうことになります。しかし、これは申し上げるまでもないことでございますが、この価格自体が非常に暴騰、暴落をいたしております過程の価格でございますことと、それから、現実に今後の見通しというものがなかなかむずかしいということ等もございますし、それから、さらに、ここで成立をいたしております価格というものは、世界各国におきますところのいろいろな生産条件のもとでつくられました価格がわざわざロンドンまで運ばれて、そこで成立をいたした価格であるということでもございます。したがいまして、国内で成立する価格の検討の基礎条件というものはおのずから違ってしかるべきものであるというふうに考えておるわけでございます。
○美濃委員 それは違うということは、局長は潜在意識で頭からそういうふうなことを言っておるのですか。片や、生産費はどうですか。てん菜を耕作する場合何ぼの生産費がかかるということを真剣に検討してそんなことを言っておるのですか。条件が違うとか言うが、観念的にどういうように条件が違うのですか。
○池田政府委員 現地北海道からも、いま御指摘のようなことで、値段を上げろというような話を含めて、最近いろいろと実情のお話しを伺っております。ただ、これも申し上げるまでもないことでございますが、てん菜というのは、北海道における寒冷地作物としては、農民の努力のかいもございまして、非常に成功した作物の一つであるというふうに私どもも考えられます。パリティ価格が政府によってきめられてきておりますけれども、その価格が、御指摘がこれからあるのかもしれませんが、必ずしも高くないというような御批判を受けながらも、現実に過去の傾向を見てみますと、常に、生産費よりもパリティ価格で決定された価格は上回っております。むろん、生産費の価格の算定のしかたそのものについての御批判その他はいろいろあることもあろうかと思いますけれども、しかしながら、とにかく、パリティ価格できめましたものよりも生産費は常に下回っておる、四十七、四十八年の推定を含めましてもすべて下回っておるということでございまして、したがって、最近におけるいろいろな諸資材の暴騰その他が、次に植えつけを開始いたしますところの、当面の四十九年産のてん菜糖の再生産費の中にどういうふうにはね返っていくか、これは十分細心の注意をもって対応しなければいかぬと考えておりますけれども、いままでの段階では、少なくとも、このパリティ価格というものは比較的農民の生産費をまかなって余りある形で過ぎてきた。それは、いわば、てん菜の生産規模なり、全体の生産性の向上なり、そういうものの幅の中でおさまってきたという現実でございまして、これは何も政府の功績と言っているわけではございません。農家の努力であろう。しかながら、その努力というものは、国際価格というものがようやくいろいろな意味で上がってきたという現実の状態でもございますので、この努力をぜひ御継続願って、北海道のてん菜糖が国際的にも十分引き合って伸ばしていける作物であるというふうに内外ともに言えるような作物に育てていきたいということが私どもの念願でございます。
○美濃委員 そこで、いまお話しのように、いままでのパリティ価格は十分間に合ったのだというお考えですか。おつりがくるほど余ったいい価格だったというのですか、どうですか。
○池田政府委員 生産費をパリティ基準価格は上回ったということを申し上げたので、別に、おつりがくるほどというような意味で申し上げたわけではございません。まあ妥当であったというふうに私どもは考えておるという意味で申し上げたわけでございます。
○美濃委員 生産費の問題については、いつも申し上げておるように、その生産費というものの家族労賃評価というものは問題にならぬわけですから、そういうものを比較して、そうして生産費から見たら上回っておったなんということはおかしいと私は思う。ああいう計算基準を持ってきてやることはおかしい。いま現地で起きておる事情は、統調に対して、農家は一斉返上してしまおうかということを言っておるわけだ。もう、あんなものは腹が立つと言っている。いわゆる雇用労賃で一戸の経営が成り立たぬような生産費を掲げて、その生産費と比較したら高いのだというような告示価格、あんなものはことしからも返上しようと言っている。いわゆる統調のものですね。それで、私に聞かれたわけですね。農業団体や何かから、返上したら罪になるだろうかと言うから、任意行為だからならぬと私は言うのです。もうだれもやりませんと、そこまで言っておるわけですね。あれを基礎にして生産費でありますと言って、あまりものを申すということはやはり問題があるし、そういうことでは許されぬと私どもとしては思うわけですね。 いずれにしても、いま起きてきておる現象について私は考えるのですが、砂糖というものは高度に加工した食品のエキスですから、目方で、玄米より砂糖が安いというのはおかしいと私は思うのですよ。お米と砂糖ですから、ものの比較はできぬけれども、しかし、玄米六十キロが一万円して、砂糖が一キロ百円であれば六千円だ、あるいは七千円だ、過去においてそういうことがあったわけですが、これはおかしいと思う。明治時代から大正時代の物価の記録をずっと調べてみても、その時代においても、米よりも砂糖が安かったという歴史はないわけですね。砂糖というものは必然的に国際価格も変動がありますから、どうなるかはっきりしたことは言えませんけれども、発展途上国の国民もどうやら気づいて、昔のようにただみたいな値段で自由市場でたたかれるということは、将来相当状態は変わってくるだろうと私は見ております。そんなものじゃないのだ。そうすると、こういう物価になるからこうだと、生産できる条件というものをそろえてやらなければならぬ。農民はつくったものに値段をつけて売れないわけですから、独占、寡占価格で生産資材から全部押しつけられて、つくったものを、行政価格のあるものは物価対策上上げられるとか上げられぬとか、ああだこうだとあなた方に言われる。そんな卑屈な考え方でことしの価格を決定されたら、農業の経営収支はもうまいってしまうと思うのだ。物価対策上必要があれば、畜産であればえさの値上がり分は財政負担をするとか、何かきちっとした政策のもとに行なわれる価格であればいいけれども、いまのところ、えさ高ですら国際的な自然条件だからしようがないのだとか、肥料の上がるのは、燐鉱石を主体として、国内で生産されておる窒素肥料も電気料金も上がるからやむを得ないのだとか言って、その高いものを生産資材として全部農民は押しつけられるわけですよ。そうしてきめる価格はパリティがどうだとかこうだとか言って、あなた方にへ理屈で所得の実態を無視した価格決定を行なわれたら、生産は崩壊しますよ。そんなことでは経営維持というものはできないです。話を聞いておると、畜産局長も流通局長も、よし、需給確保のために職を賭してやるという根性はどうも入っていないように思うのだ。私のいまの推定では、これならよかったといって農民が喜んであなた方にお礼を申し上げるような価格でなくても、まあまあこれなら高い資材を使ってもやれるという価格はあなた方ではようつくらぬように思うのだ。その価格を見たときにもう生産意欲は減退してしまう。たとえばてん菜について参考に申し上げておきますが、そんな過去のパリティ、四十七年パリティではどうにもならぬ。四十八年下期には急激に上がっておる。そんな、ほんとうに毛をはやしたくらいのものだったら、作付反別はおそらく半分くらいになるでしょう。私自身も二十四ヘクタールの農家ですが、ビートをどうしたらよかろうと言うから、待ってみろ、こんなもの、九千円か一万円以下だったらビートつくるのはもうやめろと言っているのです。高い肥料をうんと使ってこんなものつくれるものじゃない。つくったら赤字になるからやめろと言ったら、それでどうするんだと言うから、牧草でもつくって遊んでおれと言ったわけだが、遊ぶか、それとも何か特定のものを少しつくって、とにかく消耗を防ぐ戦術をとらなければ農業はやれません。高い資材を使っていいかげんな価格で押えつけられたら、経営収支は赤字になってしまう。ですから、耕作をやめざるを得ない。こういうことは必ず出ますよ。そうすると、てん菜についてはそうなって、三割、四割反別が減反すると、今度は各工場に入る砂糖の操業度がなくなってくる。操業度を計算すると、とんでもない高い砂糖になる。そういう現象が起きて、たとえば九工場に十万トンくらいずつしか原料が入らないとすると、それでコスト計算をしたら、やはり百七十円とか、百八十円とか、二百円近い砂糖になってしまうと思う。そうなることがはっきりしておるのだから、ここである程度前向きの価格政策をとっていかなければならぬ。それは収支償うだけのものでいいのですよ。局長がいま言うような、もうかるようなことまで考えないでもいいのです。収支が償うか償わないかが問題なんだ。あなた方はもうかると言うけれども、そういう表現が私どもには気に食わないわけですね。過去の価格がもうかる価格だったと考えておるのですね。その考え方に問題があると私は思う。だから、あなた方は、農業団体や農民の言っておることを、あんなことを言っておるけれども、まあ千円も上げてきめてやればまたつくるだろうと思っておるのではないのですか。それだから、いままではもうかる価格だったなんかと言うのではないのですか。どこがもうかっておる価格なんですか。いままでは収支償う価格だということは言えます。収支償わなければいままでにやめておりますからね。しかし、こうなればもう収支償わないですよ。一トン千円や二千円の値上げでは肥料代のアップだけにもならないのですからね。てん菜というのは膨大な肥料が要るわけですからね。トン当たり、今度の肥料の値上げだけで、てん菜に響くのは約三千円ですよ。肥料と農薬だけでこれて、それに機械の油から、全部ですからね。とてもじゃないが、いいかげんな値上げでは、耕作したら赤字になるからやめると農民は言っている。それは全部つくらないですよ。急激な減反となります。これはあらかじめ申し上げておきますけれども、どうせ操業度が落ちて高い砂糖を政府の責任で買い入れしなければならぬのなら、その前に腹をきめたらどうですか。そこをきょうは申し上げておきます。 ここで畜産局長にお伺いしますが、実は、前農林大臣と私ども約束があるわけですね。算出の基礎の、改定する具体的な案を出してくれということで、われわれは提示しておるわけです。前局長のところにもそれは提出してありますから、あなたの手にそれが渡っておると思う。櫻内前農林大臣は、大体この算式ぐあいの方針がきまったら、その内容その他について一ぺん正式に話し合いをいたしますと言っておるのだが、それは大臣がかわったからやらないという考えか、やるのか、これをお伺いしたいと思います。
○澤邊政府委員 算定方式、考えがまとまりました段階で、社会党のほうから出されております考え方に対して、その段階での考え方を回答として、何らかの方法で出したいと思っております。
○美濃委員 では、本日は以上で終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。諫山博君。
○諫山委員 午前中の論議で、農林大臣のきめた低乳価が酪農民をどんなにきびしい状態に追い込んだかということが具体的に分析されました。これはたとえば三日前の日本農業新聞などでは、北海道の例を引きながら、このままでは酪農農民はとうていやっていけない、こういう状態をつくり出したのは農林大臣のきめた乳価が安過ぎるからだと、これを切々と訴えておられます。そして、ある農協の役員のことばとして、北海道は酪農適地だなんというようなことは言うな、と、こういうきびしい指摘までされております。農林大臣のきめた低乳価が酪農民をこんなにきびしい状態に追い込んでいる反面、乳業資本、メーカーに対して膨大な利潤を保証しているのではないかということがきのうの日本農業新聞で具体的に分析されています。 そこで、この資料をもとに少し質問を進めていきたいと思いますが、この農業新聞の分析は、たとえば安定指標価格が、バターについて言えば、一キロ六百九十八円になっている。ところが、実際の実勢価格というのは、昭和四十八年二月から四十九年一月の平均が八百二十七円になっている。こういう前提の上に議論を進めていますが、いま私が指摘した二つの数字は間違いないでしょうか。
○澤邊政府委員 安定指標価格はそのとおりでございますし、それから八百二十七円は、去年の二月からことしの一月までの数字ということで、妥当な数字だと思います。
○諫山委員 私はバターを例にとりましたが、ほかに脱脂紛乳、全糖練乳、脱脂練乳その他についても同じような比較がされていますが、この数字も正確でしょうか。
○澤邊政府委員 正確に平均をとっておりませんので、完全に正確のものであるということは申し上げかねますけれども、大体のところ間違いないのじゃないかと思います。
○諫山委員 乳業会社に支払う金額というのは、バターについては、卸売りの価格一キロ六百九十八円という基礎で計算された金額が算出されているはずですが、それはそうでしょうか。
○澤邊政府委員 国からは、メーカーには、直接の支払いは何もいたしておりません。
○諫山委員 国からというのは不正確でしたが、とにかく基準取引価格、さらに、それに対する不足払い、これがメーカーに支払われていることは間違いないわけですが、その場合の算定の基礎になっているのは、バターについては一キロ六百九十八円という金額が基礎になっていますか。
○澤邊政府委員 メーカーが生産者から買う原料乳価格の基準をきめておりますので、それの算定の基礎になったのが安定指標価格で、バターの場合は六百九十八円であるということは間違いありません。
○諫山委員 今後バターを例にとって質問いたしますが、政府が算定した一キロ当たり六百九十八円と実勢価格八百二十七円というのは、大きな開きがあるわけです。農業新聞の分析によれば、これは不当利得だというふうに評価しております。私も、いろいろな専門家の意見を聞き、自分でも調査した結果、どう見てもこれは不当利得としか考えられないという結論に到達したわけですが、いかがでしょうか。
○澤邊政府委員 不当利得かどうかという点は、そのような、不当利得だというような新聞記事があったことは私も承知しておりますが、基準取引価格は、主要な乳製品の安定指標価格、バターの場合は六百九十八円からその製造販売に要しました標準的な費用を控除した額を基準としてきめておるわけでございまして、これが指定乳製品はいろいろございますので、それからそれぞれ標準的な費用を控除して、現在基準取引価格をキログラム四十円四十九銭というようにきめております。このような基準取引価格というのは、乳業メーカーの基準的な最低の支払い可能乳代という、最低で、それ以上払ってはいけないという価格ではないわけでございます。実際には乳業メーカーはいろいろな名目で、奨励金とかその他の名目で基準取引価格に加算をして生産者に払っているのが現状でございます。その加算額あるいは名目等は、地域ごとあるいはメーカーごとにいろいろ差異はございますけれども、そういうことが現に行なわれているわけでございます。他方、安定指標価格は、先ほどお話しがございましたように、バターの場合は六百九十八円ということになっておりますが、その他の乳製品の安定指標価格も同様でございますけれども、乳製品の生産条件あるいは需給事情等を考慮いたしまして、乳製品の消費の安定に資するということを旨としてきめておるわけでございます。先ほど言いましたような額できめておるわけでございますが、実際の乳製品価格は自由市場で形成されるわけでございますので、そのときどきの需給事情によって随時変動しておるわけでございます。安定指標価格は統制価格ではございませんので、その上下に変動するということは従来も見られたことでございまして、たとえば昭和四十三年から四十五年の場合には、安定指標価格よりは低い実勢価格が形成をされておったという年もあったわけでございます。四十八年度におきましては、需要が非常に強かった、さらに国内の生乳の生産がふえなかったというようなことから、農林省といたしましては、安定指標価格になるべく需給の実勢を近づけるように、従来とは違った思い切った輸入の増大もはかってきたわけでございますけれども、実勢価格は安定指標価格を上回ったというような結果になっておるわけでございます。しかしながら、先ほど言いましたように、乳業メーカーは基準取引価格を上回った対価を実際には払っておるという事情がございますし、さらには、昨年の秋は、御承知のように九月のえさの値上がり対策に対処いたしまして、国といたしましてもキログラム三円相当の乳牛の保留奨励金というものを一頭当たりの基準で出すことにいたしましたが、そういうことと関連もいたしまして、乳業メーカーにつきましても、九月、十月の二カ月にわたりましてキログラム三円奨励金を支払うというようなこともきめておりますし、さらに、今回の二月、三月の値上がりに対してもそれと同様な措置をとるというようなこともございますので、それらのことと、さらにコストの増加という点も考えますと、六十億の不当利得があるというようなことは必ずしも言えないと思います。
○諫山委員 あなたたちは、安定指標価格をバターについては六百九十八円ときめました。この六百九十八円の中には、製造販売経費や、農林省が適正と見た利潤も含まれているわけでしょう。どうですか。
○澤邊政府委員 そのとおりであります。
○諫山委員 六百九十八円の中には、バター一キロにつき何円の利潤が見込まれていますか。
○澤邊政府委員 算定いたしました当時は、十六円入っております。
○諫山委員 これは、いつまで十六円の利潤が続くという見通しだったんですか。
○澤邊政府委員 昨年の三月に算定いたします際に、四十八年度中、そのような想定をしたわけであります。
○諫山委員 バター一キロにつき十六円の利潤というのは、農林省としては、これが適正な利潤だというふうに判断したんでしょうか。
○澤邊政府委員 当時、そのように判断をしたわけです。
○諫山委員 そうすると、実際には、農林省が適正な利潤と判断したものよりかはるかに高い利潤がメーカーに行っていることは間違いありませんね。
○澤邊政府委員 幾らの利潤が行っておるかということは、いま直ちにはわかりませんけれども、先ほど言いましたように、安定基準価格以上支払いが全くないというような前提、あるいはその後のコストアップが全くないというような前提に立たなければそういうようなことは言えないんだろうと思いますが、現実にはそういうふうな支払いもしておるということは先ほど申し上げたとおりです。
○諫山委員 政務次官も聞いていただきたいと思います。事はきわめて簡単です。農林省としては、一キロ六百九十八円の価格で乳業メーカーは適正な利潤が得られるという前提で計算をした。ところが、実際のバターの一キロ当たりの実勢価格というのは八百二十七円になった。つまり、八百二十七円から六百九十八円を差し引いた分というのは、農林省が適正利潤をはじいたときには予測しなかった金額になるんじゃありませんか。
○澤邊政府委員 もちろん、当時予測しなかった金額であります。
○諫山委員 あなたは、必ずしも不当な利得と言えないというような言い方をしましたが、しかし、あなたたちは適正な利潤をみずから計算した。ところが、実際はこの適正な利潤を上回る、はるかに膨大な利潤がメーカーの手に入っている。これは間違いありませんか。
○澤邊政府委員 先ほど申し上げましたように、どの程度の利潤があったということはいま掌握できませんが、基準取引価格というものは、それ以上払ってはいけないという価格ではないのでございますから、現実にそれにいろいろな奨励金等を加算して払っておるという実態も見た上で議論をしなければいけないと思います。
○諫山委員 このバターとか乳業製品の価格というものは政府が介入してきまる価格なんです。そして、政府は、適正利潤をちゃんと一キロにつき十六円というものを見ていた。ところが、実際は、バターの価格が暴騰して、それよりはるかに大きな利益が得られるようになった。こういう結果は否定できないじゃありませんか。政務次官、いかがですか。
○渡辺(美)政府委員 安定指標価格をつくったときには、六百九十八円程度がいいだろう、ともかくもっと高くすべきであるという意見もありましたが、私は当時責任者じゃございませんでしたが、ともかく安定させる価格なんだから、あまり高く、実勢価格と同じに高くするということは高物価を認めたことになるというような議論も一部ありまして、六百九十八円をつくったが、そのあとでえさの値上がりがあったり、いろいろな諸物価の値上がり等も関係して、インフレムードで実勢価格がぐっと上がってしまったのは事実であります。したがって、その間で乳業メーカーがよけい金が入ったということも事実だと私は思います。しかし、その中から農業団体等に、追払いといいますか、二カ月分までよけいに追加して出しておる。それから今後の分についても、ことしも幾らか出させようというふうなことを考えているわけです。人件費のアップとか、資材その他のアップがありますから、その差額がそっくりそのまま残っておるというふうにはわれわれは思っておりませんが、あなたのおっしゃるとおりの実情であるし、今度の畜産振興審議会では、ここで実勢価格がどんと下がるという見通しも全然立たない、上がることがあっても下がることはもうちょっとないんじゃないかというような情勢なものですから、安定基準価格はもっと上げて、そういうことの非難を受けないようにしようと私は考えております。
○諫山委員 局長、聞きましたか。いまの次官の話では、乳業メーカーが予測しない膨大な利益を得たのは事実だ、だから、その膨大な利益をどういうふうに処分するかということを考えているという説明ですよ。そうすると、これが不当な利得だということばをあなたが使うか、使わないかは別として、とにかく予測しない大きな利益で、そして、これは政府が計算したよりかはるかに膨大な利得を乳業メーカーが得ている。局長、このこと自体はいまでも認めませんか。
○渡辺(美)政府委員 ちょっと誤解をされたかしれませんが、当時きめたときから考えると、いまの実勢価格が非常に上がったために余分な金が入ったということは私も認めます。しかし、その金が即不当な利益であるということにはなかなか断定できない。かつては、逆にそれよりも下がって損をしているときもあるわけです。これは安定価格ですから、いま言ったように二カ月分、九月、十月分を出して、それからことしの分も出させようと思っているんですよ。それは人件費その他のものも上がっているでしょうけれども、そういうものを見ても、ある程度のものは持ってもらおう、来年からはもっと安定価格というものを上げて、あなたのおっしゃるように、そういうふうな利益が発生しないようにきちっとやらなければならぬと思っています。
○諫山委員 いまの次官の話では、乳業メーカーに余分の金が入ったという表現が使われました。別なことばで言えば、農林省が一キロ当たり十六円の利潤でよろしいと思っていたけれども、この農林省が考えた適正利潤よりかはるかに膨大な利潤が出てきたということでもあるわけです。その金額が幾らになっているのか、農林省としては試算してみましたか。これはバターに限らず、すべての乳製品についてです。
○澤邊政府委員 政務次官からお答えしましたのは、余分な利益ということばは使わなかったかと思いますけれども、そうじゃなしに、価格が高かったから、予定した以上の販売代金が入った、安定指標価格を上回ったために、三月の算定した当時予定をした以上の販売代金が入ったということは考えられるわけでありますが、それに対しまして別途奨励金その他を出しておりますし、その後のコストアップということもありますので、それがどれだけの利益になったか、あるいはならなかったかということは、われわれは現段階では掌握いたしておりません。
○諫山委員 余分な利益ということばをあまり好まれないようですが、しかし、農林省が適正利潤と考えたよりかはるかに膨大な利潤が出たことは間違いないでしょう。あなたが適正利潤と言うのは、一キロ当たり十六円ということで計算しておるわけです。そして、それはなお現在有効なはずです。そこで、農林省が適正利潤と考えたよりかふえた膨大な利得は、この新聞によれば年間六十二億四百二十万円だと計算されているし、これは安定指標価格と実勢価格の差だということは、実際に製造された商品の数量から見れば疑いない数字になるわけですが、この数字の正しさは検証されませんでしたか。
○澤邊政府委員 あの新聞記事を見ただけでは、不当な利得が六十億かどうかということは見当がつきません。
○諫山委員 計算はしてみたのですか。してみなかったのですか。農林省はきのう、この問題を質問されるというので、深夜までこの問題を検討していたということも聞いているのですが、違いますか。
○澤邊政府委員 先ほど言いましたように、奨励金とか各種の名目で、各社それぞればらばらにいろいろな形で出しております。それが幾ら出しておるかということは正確に把握できませんし、それから、さらに、それぞれの会社ごとのその後のコストの動きというものもいま直ちに知ることはできませんので、その中で、販売代金が予定より上回った中でどれだけが利益として残ったかということはわれわれとしてはわからないということを申し上げているわけです。
○諫山委員 われわれは子供の議論をしているんじゃないから、口先でごまかすようなことはやめていただきたいと思います。たとえば利益をどのように配分したとか、どういう奨励金が云々というような議論をしているのではなくて、政府のきめた安定指標価格と実勢価格の開きによってどれだけの金額が浮いてきたのかということを単純に聞いているのです。これは算術計算でできるでしょう。それは約六十二億円じゃないですか。それをどこに何に使ったというようなことは別な問題です。
○澤邊政府委員 そのような計算をいたしておりません。
○諫山委員 農業新聞でこれだけ大きく取り上げられ、農民の中でこれだけ問題になっているのに、計算してみませんでしたか。約これだけの金額になるという概算もつかんでいませんか。
○澤邊政府委員 計算いたしておりません。
○諫山委員 直ちに計算していただけますか。どうですか。
○澤邊政府委員 検討したいと思います。
○諫山委員 検討するというのは、計算して答えるという意味ですか。計算しないという意味ですか。どちらですか。
○澤邊政府委員 計算をどのような方法でやってみて、それが御報告できるようなものか、できるかどうかという点がまだわかりませんのでそのようにお答えしたわけです。
○諫山委員 次官にお聞きしますが、局長は自分に政治責任がかぶさってくるのをおそれて極力逃げていると思います。しかし、これはくろうとの間では常識だそうじゃないですか。バターの実勢価格が非常に上がった、その他の乳製品も政府の安定指標価格に比べて暴騰している、だから、乳業資本は、政府が適正と計算した金額よりかはるかに大きな利益が上がっている、だから、これを農民に還元さすべきではないかということ、これはいまや専門家の常識じゃないのですか。
○渡辺(美)政府委員 詳しい計算はいたしておりませんが、常識的に見て、安定指標価格よりも実勢価格が高く売れているんだから、その差額はよけいに売り上げ代として入っておる。その中で、確かに人件費の高騰もあるでしょうし、資材の高騰、宣伝費の高騰等もあるから、その差額が全部利益になっているというようには私は見ておりませんが、しかし、全部使っちゃったわけでもないだろうから、当然、九月、十月分については数億円の金を出すようにメーカーに言っているわけですよ。だから、一月から三月分についても、やっぱりある程度の金は出しなさいということを私は言うつもりです。 この不足払いでどれだけ乳価を上げるか、まだきまっておりませんが、国側の持ち出しということも出てくるでしょうから、片方でそういうふうに余裕をつけておいて、国からも出せということは筋が通らぬ。したがって、われわれとしては、これは畜産審議会にかけるころまでにはできるだけ正確な数字を押えるようにしなければ大蔵省と交渉にならぬと思っております。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○諫山委員 局長にお聞きしますが、この不足払いの金額は、昨年は、一年間に総額で幾ら予定していたのですか。
○澤邊政府委員 四十八年度は、約百二十億であります。
○諫山委員 この加工用の原料乳に、年間百二十億円の政府の金を出す。そして、この仕組みの中で、乳業資本が一年間に六十二億円の適正利潤を上回る利益をおさめた。これはだれが見たって否定できない数字です。そして、これを各メーカーのシェアごとに分けると、雪印乳業が三十三億三千万円になる、明治乳業が約十一億円になる、森永乳業が約九億円になる、その他はそれ以外のメーカーの利潤だということが書いてあるわけですが、これも否定できない事実じゃないですか。メーカーのシェアで配分すると、こういう膨大な利潤が政府の価格決定の機構の中から生まれてきているということは否定できないでしょう。否定されますか。また、これが否定されるなら、次官が言われるように、乳業資本に金を出すように勧告するというような態度は出てこないはずです。そこまで言われても認められませんか。
○澤邊政府委員 六十億の利益が出たということは、私ども、それを同意しているわけではございません。安定指標価格といいますのは、これは統制価格ではございませんので、実勢は結果的にはその上に行く場合もあり、あるいはそれを下回る場合もあるということを先ほど申し上げましたように、たしか、四十三年から四十五年にかけては、実勢価格は、一年間を通じてみまして、安定指標価格より下回った年もあるわけでございます。 そういうことで行政といたしましてはもちろんそれが安定の目標でありますから、バターなりその他の乳製品の買い上げ指定なり、在庫指定のものの放出なり、あるいは輸入の促進なりということでそれに近づける努力はしておるつもりでございますけれども、今回は結果的にかなり上回ったということはそのとおりでございますけれども、統制価格ではございませんという点と、それから、さらに、販売加工経費を標準的なものを引いて算出いたします取引基準価格といいますのは、これ以上払ってはいけないという統制価格でもございませんので、その辺の実態を見ますと、奨励金という形でメーカー側が生産者に支払っておるという点を考えないと、どの程度の利益が上がったかという点はにわかに断定できない、こういうことを申し上げているのであります。
○諫山委員 あなたは統制価格ではないということを盛んに言って、乳業資本の立場で弁解されますが、それでは、私の次の質問は認められますか。 これは農林省が適正利潤と認めた利潤を上回る利潤だったということ、これは否定されますか。
○澤邊政府委員 いまの予定いたしました販売代金以上の販売代金が入ったということは推定されるわけでございますが、それが全部利潤として加わったのかどうかというところはわかりませんので、算定いたしました当時の適正利潤というものをどの程度上回っているのかという点は、現段階ではわからないということを申し上げているわけです。
○諫山委員 もうけた利潤をどのように配分するとか処分するとかいうことは別問題です。そういう問題を抜きに、安定指標価格と実勢価格の差によってこれだけの利潤が算術計算上出てくることになる。これは、農林省が一キロ当たり十六円の利潤でよろしいと考えている利潤をはるかに上回った利潤でしょう。それを認めないんですか。
○澤邊政府委員 メーカーが生産者に払っております奨励金、あるいは通常も払っておりますもののほか、特に今回は九月、十月、あるいは二月、三月払おうとしているということを申し上げましたけれども、それは利潤の配分ではないわけであります。
○諫山委員 そうすると、この農業新聞で計算している数字が正しいか正しくないかという計算はいつごろまでにできますか。きょうの何時ごろまでにできますか。
○澤邊政府委員 先ほど申し上げましたように、検討をいたしますので、何時までとか、何日までということはいまお約束はいたしかねます。
○諫山委員 そうしたら、計算の数字は別として、この計算の方式自体は間違っていますか。間違っていませんか。
○澤邊政府委員 正確にまだ検討いたしておりませんけれども、疑問の点がかなりあります。
○諫山委員 私は、昨年この委員会で、現在の制度のもとで酪農農民に支払われる保証価格が非常に低い、これでは次々に酪農農民がつぶれていくのは当然ではないかということを指摘いたしました。ところが、それから一年たった現在、この傾向というものはますます促進されているはずです。私が昨年質問したころは、生産量の拡大のテンポは鈍ったものの、それでもまだ幾らか生産はふえているという状態だったわけですが、この一年間は、生産量そのものが減ってくるという状態になっております。畜産農民がこの陰でどのくらいつらい思いをしているかということを私たちは考えなければならないと思います。政府が、一方では、酪農民に対してこういう安い価格しか保証しない。ところが、同じ制度のもとで乳業メーカーが大もうけをしている。私は、これは許しがたい、社会正義に反する事態だと思いますが、次官、この点はいかがですか。
○渡辺(美)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、安定指標価格をきめるときには、実勢価格がそう高い値段でずっと推移するということをこちらは考えていなかったわけです。しかし、結果的にいま御指摘のようなことになって、売り上げ代金が当初の計算よりもよけいに入った。当然、その間には、予定したよりも月給も上がったろうし、経費も上がったろう、資材も上がったろうが、全部を使っちゃったわけではないであろうから、九月、十月分は、キロ三円か、その分はメーカーのほうから奨励金で出すように農林省も行政指導しておりますし、二、三月分についても追加で出させるようにしようということは、その六十二億そのものがそっくり残っているというふうにはわれわれは考えていないのです。そうは考えていないが、全部使っちゃったというふうにも考えていない。正確なところ、幾らくらい残っているか、まだつかんでいないことは事実です。事実だけれども、諸経費の高騰その他を差し引いても、なおかつそういうものがメーカーのほうによけいにもし残るということであるならば、それらについては相応のものを出してもらうということは当然であると私は思っていますが、ともかくメーカー相手の話ですから、こっちが計算違いのことを言ったりして笑われたら困るし、責任もありますから、そういう方向で正確な数字で詰めさせたいと私は思っておりますが、多少時間はかかります。したがって、大蔵省とも乳価問題交渉をするのですから、そういうときにもそういう疑問があって、それは国費をよけいぼんぼん出すというようなことはできません。ですから、少なくともそれまでには、農林省としては、こうこうこういう合理的な計算に基づけばこうであるという数字は当然つくります。
○諫山委員 いまの説明で、乳業メーカーは、たとえば製造経費も高くなったろうし、労働者の賃金も上がったろうというような説明がありましたが、もともとこういうものを考慮に入れた上で農林省は適正な利潤を計算してやっているわけです。それが、一キロ当たり十六円。ところが、それをはるかに上回る利益で、これはいずれ農林省で計算するそうですが、日本農業新聞の専門的な計算によれば六十二億円ということになっているし、各社別の内訳までが明示されております。そうすると、幾らの金額を還元させるかということは別として、どういう方法でだれにこの利益を還元させることを考えているのか、お聞きしたいと思います。
○渡辺(美)政府委員 これは先ほど言ったように、生産農民に還元しなさいと言って、九、十月分については還元させているのです。ですから、二、三月分についてもそういうことをやろうということをわれわれは考えておるということをお話し申し上げたわけです。
○諫山委員 還元の方法をもう一回教えてくれませんか。
○澤邊政府委員 いま政務次官からお答えしましたのは、昨年の九月、十月のメーカー側の売り渡しました原料に対して、キログラム三円ずつということをきめたわけであります。だから、今回の値上がりに伴いましても、二月、三月分について同様の額の奨励金を出すというような話し合いが現在行なわれております。
○諫山委員 農林省のほうでは、この金額は農民に還元したいということだし、すでに一部は還元するようにした、還元もしたという説明のようですが、だとすれば、どれだけの利潤が出ているかということを農林省がいまもってつかんでいないというのは、あまりにも無責任じゃないですか。これはつかんでいないというんじゃなくて、この場で説明しにくいというんじゃないんですか。適正な利潤を上回る金額が幾らだったのかということが日本農業新聞では分析されている。このとおりかどうかということをつかんでいなくて、農民に還元ということができましょうか。金額的にどの程度の金額を還元するつもりなのか、そこまであわせて説明してください。
○澤邊政府委員 行政指導としてやっておりますのがいま申し上げました方法でございますけれども、先ほど来お答えしておりますように、乳業メーカーと生産者団体との交渉といいますか、話し合いによりまして、それぞれのメーカーの地域ごと、あるいはメーカーごとに差はございますし、あるいは名目の差はございますけれども、奨励金ということでこれまでも出しておりますし、それも今年も出しております。そういうものもある意味では還元というふうにも言えるわけでございますので、ただ今回の九月、十月あるいは二月、三月のものだけが還元だという意味ではないと思います。
○諫山委員 そうすると、ことし一年間、すでに幾ら還元したのか、さらに、これから幾ら還元する予定なのか、説明してください。
○澤邊政府委員 それは奨励金の実態が正確にわかりませんので、どの程度かということは把握しておりません。
○諫山委員 次官、御承知じゃないですか。その金額は幾ら還元したのか、さらに、今後幾ら還元するつもりなのか。
○渡辺(美)政府委員 詳しいことは聞いておりませんが、九月、十月分はおよそ六億円程度ではなかったかと思います。
○諫山委員 今後の予定はわかりませんか。
○渡辺(美)政府委員 内容をもう少し詰めてみないと、まだ、幾らという数字をここで申し上げられないと思います。
○諫山委員 私は午前中から局長の答弁を聞いていながら、局長はほんとうに畜産農民の苦労がわかっているのか、と、率直にそういう気がします。たとえば、乳牛が少なくなっているのはなぜかと聞かれて、それは牛肉が高くなったからだ、と、平気でそういうことを言っております。乳価が安過ぎたからだ、引き合わない乳価ではみすみす乳をしぼるわけにはいかぬから殺さざるを得なかったのだというような、そういう農民の苦労が全くわかっていないわけです。牛肉が高くなったから乳牛を殺したんだろうみたいな説明ですが、これで畜産行政の指導ができますか。 また、きょうの答弁を見ましても、すでに利益の一部が還元されている、これからも還元されるであろうというようなことがはっきりしてきたのに、乳業資本が農林省が計算した利潤以上の利潤をどれだけあげているのかつかんでもいないし、また、その不当性についても認識はしていない。しかも、一方では、これはもうけ過ぎだということで農民に返させるということがやられているわけですが、これでは乳業資本のための畜産局なのか、酪農農民のための畜産局なのかわからぬじゃないですか。この点について反省はありませんか。
○澤邊政府委員 酪農の振興のために全力を尽くしたいという覚悟を持っております。
○諫山委員 幾ら口でそう言ったところで、実際の行動が伴わないとだめじゃないですか。たとえば酪農が衰退していった、乳牛が殺されつつある、それはなぜかという質問をされたときに、牛肉の値段が上がったからだというような無責任な答弁が出てくるんじゃなくて、私たちのきめた乳価が安かったから酪農農民の経営が成り立たなくなっていったんじゃないですかという反省がなぜ出ないのですか。その反省は畜産局長にはないのですか。
○澤邊政府委員 ここ二、三年来牛肉の価格が高かったということも一つの原因として申し上げたつもりでおります。
○諫山委員 あなたの説明の中にはそのことが出てきただけで、乳価が安かったから酪農が成り行かなくなったのじゃないかという反省は出なかったのです。この反省がない限り、酪農行政の改善はあり得ないじゃないですか。どうですか。
○澤邊政府委員 けさお答えしましたのは、牛肉の価格が上がったということだけを申し上げたつもりはないので、零細経営が脱落したとか、あるいは大規模層が用地の取得難のために伸び悩んだ、カバーするだけ伸びなかったという事情を申し上げたつもりでありまして、四十八年度にきめております保証価格は、当時として妥当なものであったと思いますし、現在、来年度の価格につきましては、最近の事情を、生産費の動向その他を勘案して検討し、コストの上昇の要因その他は十分織り込んで決定をしたい、と、そういうことで作業を進めております。
○諫山委員 終わります。
○仮谷委員長 瀬野栄次郎君。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○瀬野委員 畜産危機が叫ばれているときでありまして、畜産農家がたいへん心配をいたして、ここのところ数回にわたって畜産危機突破大会が行なわれております。来たる十四日にも、また、日本武道館で全国五千名を結集して畜産危機突破全国大会が開かれるということで、いまだかつてない異常なときを迎えておりますことは皆さま方御承知のとおりでございます。そういうさなかで、農政問題もたくさん問題がありますけれども、私も先日来、五、六回にわたってこの問題を取り上げてまいりましたが、本日は、畜産問題等を中心にして、時間が許せば農薬問題等、二つにしぼって質問を展開していきたいと思います。 まず、最初に、政務次官にお尋ねしますけれども、われわれが先日来からたびたび要求してまいりました畜産振興審議会が、いよいよ来たる三月十一日から開かれるということで、それぞれ各部会の日程等もきまったと思うのですが、この畜産振興審議会の一連のスケジュールについて、まず明らかにしていただきたい。
○澤邊政府委員 畜産振興審議会は、三月十一日に総会を開催することに決定をいたしました。なお、その後、飼料部会、食肉部会、酪農部会等を、随時開催していくわけでございますが、その日程につきましては、総会においてきめることになっております。われわれの、いろいろな試算を出すという、あるいは計画を出すという事務的な観点から申し上げれば、飼料部会は十八日ごろ、食肉部会は二十五日ごろ、酪農部会は二十七日ごろというふうには考えておりますが、いずれにいたしましても、総会においてきまりますので決定ではございません。
○瀬野委員 例年よりも若干早目に畜産振興審議会が開かれるということで、われわれの要請を幾らかなりとも検討していただいたことに対しては一応評価しますが、せんだってからたびたび申し上げておりますように、今回のような激動期における異常な事態においては、少なくとも三カ月に一回、または、やむを得ない場合でも六カ月に一回は開いていただきたいということ、これが私の主張であり、要請であります。平常のときであれば、従来のようなパターンも一応うなずけるわけでありますけれども、その点を十分に対処して、今後、政府側としても、こういったことに対しては慎重に検討をして、われわれの期待にこたえていただくようにお願いする次第です。 以下、私が質問を申し上げる問題も、ここでいろいろ論議をしても、結局、おそらく畜産振興審議会においていま諮問案をつくっておられる段階であろうと思う。連日検討を進められておる。昨晩も、私たちの質問に対してずいぶん深夜まで勉強されたということも、われわれは当局からそれとなく聞いておりますが、いずれにしても、いまから申し上げることは、畜産振興審議会にぜひ酪農民の願いとして反映していただき、諮問をしていただき、適正な価格を決定していただきたい。そして、三大乳業メーカーと言われる業者に、まやかし牛乳とか、還元牛乳とか、または乳製品によってもうかっているものをこの際思い切って畜産農民に返していただく。そして、三大乳業メーカーもそれなりにちゃんともうけているわけですから、適正な価格に反映するように、最大の努力をしていただきたい。こういう意味から私は若干の質問を展開するわけですが、ちょうど質問がダブってまいりましたものですから、こまかいことは抜きにして、若干はしょりながら申し上げますが、畜産振興審議会の諮問案にぜひ反映をしていただくことを重ねて強く私はお願いをする次第でございます。 そこで、ときあたかも日本農業新聞に、三月六日、昨日、「乳業、年六十億の不当利得」という記事が出ておりますが、この新聞は政治次官は読まれましたか。
○渡辺(美)政府委員 読んでおりません。読んでおりませんが、写しをいまもらっておるので、読んでおるところです。
○瀬野委員 写しをもらわれたので見られたと思うが、これを見られてどういう印象を受けましたか。
○渡辺(美)政府委員 これは、年間六十億という不当利益というようには私は見ませんが、こういうふうなことは制度上当然あり得る。私は数字はわかりませんよ。しかし、あり得る。したがって、こういうことにならないようにせにゃならぬという印象を受けました。
○瀬野委員 政務次官もたいへんお忙しいからだであるし、いろいろ用事もあるでしょうから、あらゆる新聞に目を通すことはできないにしても、こういう時期でございますから、農業関係の担当の政務次官として、日本農業新聞は何といっても業界紙においては貴重な新聞になっておりますし、農家がこのように必死になってあらゆる農業の対策を国に訴えているときでありますから、目を通されるのが当然だと思いますけれども、かねがねこういった農業新聞なんかは見ておられるのですか。その点はどうですか。
○渡辺(美)政府委員 以前は農業新聞を送ってくださったものですから読んでおりましたが、最近は来ないので、つい読んでいない。政務次官になったのですから送ってくれてもいいのじゃないかなと思っておりますが、あなたのほうからもよろしくお願いします。
○瀬野委員 日本農業新聞にはしかとそういうことは伝えておきます。代金を払ってちゃんと購読してもらうように、私は政務次官にすすめておきます。 いずれにしても、日本農業新聞は、日本の農業の時事問題等を取り上げて、いろいろ農民の声を盛り上げておるものでございます。そういった意味で、やはり、これを見ながら政府もいろいろと施策をし、また、検討してもらわなければいかぬ。農業新聞を軽視しておられるわけではないと思うけれども、そういうようなことではどうかと私は思います。私も、きのうこういう記事がトップに出たのを見て、しかも、このように数字をあげての問題であるので、信憑性のこともあるし、実は、内々この数字を確かめて、十分検討した上できょうは質問に臨みたいと思い、昨日も、朝からこのことを取り上げるということで通告しておいたわけでございます。これに書いてあるもの全部が正しいとは私は申しませんけれども、ほとんど九〇%以上間違いない、また、信慢性があるということを私は確証を得たものですから、あえてこの新聞を一つの議題として取り上げていろいろ質問を展開するということにしたわけでございます。 畜産局長、あなたはこの日本農業新聞は見ておられますか。これを見られてどういうふうに評価しておるだろうか。その点お答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 畜産局といたしましては、安定指標価格を毎年きめて、市場価格がその安定指標価格に一致するよう、輸入なり、あるいは買い入れ乳製品の放出等をやるべき任務を持っておるわけでございます。したがいまして、今回六十億というような記事の出た前提は、安定指標価格と指定乳製品の実勢価格が乖離をしておるという点に基づくものでございますので、われわれといたしましては、今後輸入の促進等もはかりまして、安定指標価格に市場実態が落ちつくように努力をしなければいけないというふうに感じたわけでございます。 なお、六十億円の不当利得云々の問題につきましては、われわれとしては、直ちにあの記事そのものを正しいというふうに申し上げる自信もございませんが、ただ、よく実情は調べてみたいというふうに思っております。
○瀬野委員 局長はこの新聞をとっておられるか、見ておられるかということです。
○澤邊政府委員 部屋にとっておりますので、見ております。
○瀬野委員 こういう記事がトップに出ているけれども、政務次官、こういったことについて瀬野議員からあした質問をするという通告を受けているということを畜産局長から聞いていると思う。これに対して答弁してもらわなければいかぬが、想定問答集もさることながら、この新聞の内容についてはこういう見解を持っているということは、全然連絡もせず、打ち合わせもせず、いきなり政務次官がここに来たのですか。その点はどうなんですか。もしそれを言ってないとすると、あなたは怠慢ということになるが、その点明らかに答えていただきたい。
○澤邊政府委員 本日の農林水産委員会で瀬野先生からそのような質問が出るということで、それに対します資料等についても、政務次官には御説明をしてあります。
○瀬野委員 政務次官、いま写しを見たと言うけれども、あなたは別のことを考えて聞いていたのですか。ちゃんと局長はそう言うのですよ。どうなんですか。
○澤邊政府委員 新聞記事そのものをお見せして御説明するだけの余裕がございませんでしたので、内容を御説明しております。
○瀬野委員 内容を説明しておけば、新聞記事を見せたと同じことなんです。また、政務次官も、そうか、それじゃ新聞を見せてみろと言うのがたてまえだろうと思うのです。そこまで政務次官は言わなかったのですか。そんなにこの新聞を軽視しているのですか。
○渡辺(美)政府委員 別に、新聞は軽視はいたしておりません。けさ、あなたからこういうふうな御質問がございますということで、参考資料を添えて私はちゃんとちょうだいをいたしております。したがって、けさ私も一応目を通したということです。新聞を読まなくたって写しを読めば同じことですから、読んだことになるわけであります。
○瀬野委員 結局新聞を読んだことになるということでございますが、私がなぜこれを言うかといいますと、冒頭にも申しましたように、数回当委員会でここのところ連続質問を申し上げてきておりますが、これはどの党がどうというのじゃなくて、ほんとうに与野党をあげて国民的立場で、畜産農家をはじめ農業をどうするかということで真剣に考えなければならぬのであります。けさほども理事会で、実は、政務次官はお聞きになったかどうか知りませんが、畜産問題小委員会というものを当委員会につくるようにいたしまして、そして、十三名の小委員で、自民党七名、社会党三名、共産、公明、民社各一名ずつで、坂村委員を小委員長にしまして、いよいよ発足しようということで決定しました。いずれ委員会でこれは採決していただくことになりますが、畜産農民にこたえるために、この畜産問題の価格をどうするかということは、いま真剣に取り組んで、当委員会でもやっていこうということをけさほどもやったばかりでございます。そういったことから、農民の声であるところの新聞に出ているこういった記事は、まさかまんざらうそを書くわけはありませんし、相当の信憑性がなければこんなに新聞が取り上げるわけがありません。また、われわれがかねがね指摘しているような問題がここに織り込まれて、数字をあげて書いてあります。これを全部額面どおり受け取ろうとは私はしませんけれども、私は、きょうはちゃんと新聞社の責任者も朝から呼んで、十分確かめてもきました。この内容を一々やると、先ほど質問もございましたので、また重複しますから省略いたしますけれども、この中で、この新聞によらなくても皆さん方当然御存じだと思いますが、卸売り業者のマージンというものがたんとあるわけです。それはどのくらい取っておられるか。私の試算では、昭和四十八年は三・〇七%、四十七年が三・〇八%となっております。私が言いたいのは、こういうマージンを取りながらも、生産者に当然やらねばならぬ利益を、さらにまた上積みして、二年間で九円六十銭も不当利潤をあげていることで、こういうふうに指摘をされておるわけであります。これはかりに半分でもたいしたものです。この数字はほぼ間違いない数字です。まさにメーカー、業者べったりで、農民に対しては、いままでの諮問も、答申も、価格決定も、われわれを裏切ったということになる。やっぱりそうだったかということになる。そういった意味で、これを一笑に付するわけにいかないのです。そういう意味でくどくど申しましたが、この表にもありますが、これは畜産局長でもけっこうですけれども一四十七年、四十八年の卸売り業者のマージンは幾らくらいと皆さんは見ておられますか。幾らくらいと確認しておられますか。お伺いいたしたい。
○澤邊政府委員 四十八年度の基準取引価格を算定する際に算入いたしました卸売りマージンは、バターの場合、一キログラム当たり二十一円四十銭、それから、先ほどもちょっとお答えいたしましたが、メーカーのマージンがキログラム当たり十六円でございます。
○瀬野委員 パーセントで言ってください。私が言った卸売り業者のマージンというのがありますね。「M」というところです。これは、四十七年が三・〇八%、四十八年が三・〇七%ということで私は試算しているのですけれども、これは間違いありませんか。
○澤邊政府委員 卸売りマージン二十一円四十銭といいますのは、三・〇七%というマージンを使っております。
○瀬野委員 この点は確認できました。 もう一つ確認しておきたいことがございます。先ほども質問の中でちょっと出てまいりましたけれども、これは政務次官と局長で当然検討しておられると思うので、これを確認する意味でお聞きするのですが、有価証券報告の専有率による試算を見ますと、四十七年が、雪印が三十三億三千二百万円、明治乳業が十一億五千八百万円、森永乳業が九億千七百万円、その他は中小メーカーとなっておりまして、四十八年も大体こういうような傾向になっております。これに対してはどうですか。これは公表されている数字ですから、これに間違いないか、確認をしたいのでお答えいただきたい。
○澤邊政府委員 御質問の趣旨がちょっとわからないのですが、ただいまの数字は、日本農業新聞の昨日の「乳業、年六十億の不当利得」という記事の中に、「四十七年度の場合、雪印乳業に約三十三億三千万円、明治乳業に約十一億円、森永乳業に約九億円」という記事がございますが、これはそれだけの利益を得たという記事だと思いますので、これといまの有価証券報告書の中の数字とどのような関係になるか、ちょっといまにわかにはわれわれにはわからないのであります。
○瀬野委員 畜産局長も就任して日が浅いし、歯切れがちょっと悪いですけれども、だんだん自信を持って答えられるようになるだろうと思うけれども、しっかり勉強していただいて、いまにわかにはそれが答弁できないとなれば——また、わかっていても、こういう公開の席ではなかなかぐあい悪いということであろうかと思うんだが、その点は、たくさん優秀な職員がおるわけですから、十分わかっておるはずですから、確認をして、資料として、その辺を明確にして出しておいてもらいたい。委員長、その点をよろしくお願いしたいと思います。その点の確認をしていると時間がかかりますので、資料として出していただくことをお願いします。 そこで、畜産振興審議会に諮問する前でありますので、具体的な数字がここで出るということは私も期待はしておりませんけれども、新聞の内容については先ほどからもいろいろ論議されておりまして、政府のほうもまたいろいろと認識が深まっただろうと思いますけれども、要するに、この内容等を見ますのに、われわれは今回一連の大企業あるいは商社の不当利得または海外の利益分散、あるいは脱税問題等を追及し、予算委員会で明らかにしてきましたが、飼料値上げでたいへん問題になっているときに、この乳業メーカーにおいても、おまえもそうかと言いたいことが行なわれておったということを思いまして、おそらくこの数字は間違いないということから見ましても、これはけしからぬ問題だと、実は私たちは思っております。今後これは詳しく調べて、いずれまた公開の席で明らかにするということにしたいと思っておりますけれども、いずれにしても、われわれがかねがねからこの辺にかなり問題があると指摘しておったことが今日の新聞で裏づけになった。さらに、また、政府のほうでもこれを認めるというところまでわれわれは基礎データを積み上げまして、いろいろと検討した上で次回に質問することにしますが、いずれにしても、政府がこの実勢相場を反映した安定指標価格で算定していたならば、四十七年の基準取引価格は、政府決定価格よりも四月九十七銭、四十八年度は四円六十三銭アップして、生産者手取りの保証価格もその分だけ高くなっておるわけです。これは現在の不足払いの法のもとでは、乳価算定が農民を犠牲にしてメーカー本位になっている結果であるというふうに私は指摘せざるを得ないのです。それは裏を返せば、生産者は二年間にキロ当たり九円六十銭の不当な損をしていたということがこの新聞の内容の一つの焦点になっておるわけです。この九円六十銭が額面どおり正しいとして——これは検討しなければわからぬことでありますけれども、かりに半分としてもたいしたものです。これはまた、三分の二としてもたいへんな金額です。まさか、日本農業新聞もこういったことについてうそを書くはずもないし、そんなオーバーなことを書くことは考えられません。私も試算してみましたら、先ほどのいろいろな有価証券の専有率の計算その他から見まして、こういう試算が出てきます。そうしたことを見ましたときに、これはたいへん問題だ、これは今度は畜産振興審議会の諮問にあたって何とか反映をしていただきたい、いわゆる政府の算定が、いかに農民を犠牲にし、メーカー寄りになっていたかということを示す一つの証拠である、と、こういうふうに私は思うのです。 そういったことを十分反映し、本年度の価格算定では、こういう不当利得解消への基準取引価格を大幅に引き上げて、畜産農民の危機にこたえていただきたいと思うわけですが、その点、政務次官はどういうふうに考えられますか、御見解を承りたい。
○渡辺(美)政府委員 えさ代とか、人件費とか、そういうようなものの値上がりは適正に反映をさせたいと思います。 なお、安定指標価格の件でありますが、安定指標価格は、理屈から言えばあまり上げないほうが物価対策上はいいのであります。安定指標価格は、一応目安を示して、その価格に落ちつかせるようにするという努力目標です。海外から物を輸入したり、その物を放出したりして、値段をそこで安定させたいということなので、そいつをあまり高く上げることはよくないことなんだけれども、現実の問題として、現在の経済情勢からすれば、いまの安定指標価格では安過ぎて実勢からまるっきりかけ離れておる、ますます遊離する可能性すらあるということなので、これは適当なところに安定指標価格は引き上げるようにしたいと考えております。
○瀬野委員 適当なところという、その適当なところがむずかしいわけですけれども、それは慎重な検討をしていただかなければなりませんが、数日来当委員会でも十分論議をしてきたところでありますし、政務次官も十分御承知のことだと思いますので、農林大臣とも十分協議をされ、諮問にあたっては、農家の再生産に見合う、希望を持てる——苦しい中でありますから、これはたいへんな作業になろうと思いますけれども、その検討していただきたい。このことを申し上げるわけです。 そこで、この機会に申し上げておきますけれども、加工乳と飲用乳の一本化をやることをぜひ考えてもらいたい。それから、加工乳、飲用乳の生産費の問題については、これはちょうど倍違うわけですね。これがまた問題なんですけれども、こういった問題について政府はどう考えておられるか。われわれは、これは同額にすべきだ、また一本化すべきだということを主張しておりますけれども、こういう危機の状態になってきたときに、これは十分考えてもらいたい。 このあと若干関連して質問をするわけですけれども、全国の酪農民の生産の量を見ましても、北海道、東北に片寄っておりますし、いわゆるまやかし牛乳と言われますように、還元牛乳とか乳製品がもうかって、一般の普通牛乳がなかなかもうからぬ。また、一般の消費者はこの普通牛乳を一番歓迎するわけですけれども、こういうまやかし牛乳の横行ということになっております。こういったことを見まして、私は、これは一本化すべきだ、また、価格も倍も差がありますので、これを同額にすべきだと思うのですけれども、この点はどういうふうに政府は考えて対処しておられるのか、お答えをいただきたい。
○渡辺(美)政府委員 午前中にもそういう話がありまして、お答えをしたのですが、一本化をしろというのはどういうふうに一本化をしろというのか、不足払いに一本化をしろというのか、自由価格に一本化をしろというのか、よくわかりませんが、私としては、現在の時点で一本化をするということはちょっと無理であろうという気がするのです。しかし、不足払い自体の団体の中にも、いまのような制度でなくして、むしろ会社と直接交渉できるような制度にして、不足払いをやめたっていいんじゃないかという声のあることも事実なんです。また、一般の生乳の市乳関係の中でも、何か最低価格みたいなものをつくってくれというような話のあることも事実なんです。しかし、現在のところは、片っ方だけ自由価格、あるいは全部不足払い制度ということにはなかなか割り切れないというように考えております。
○瀬野委員 これはえらい単純な質問ですけれども、乳製品、還元牛乳、それから普通牛乳とあるわけだが、順番をつければどれが一番もうかっていると政務次官は認識しておられますか。
○渡辺(美)政府委員 どれが一番もうかっておるか、こまかいことはわかりませんから、事務当局から説明させます。
○瀬野委員 政務次官は知っておって言わぬのか、ほんとうに知らぬのか。困ったもので、これじゃちょっとたよりなくなってくるわけです。素朴な質問なんですけれども、あなたもさっきから答弁をするからこういったことまであえて聞いてみたくなったわけですが、乳製品と還元牛乳と普通牛乳とがあるわけですが、どれが一番もうかって、二番目はどれで、三番目はどれかということなんですわ。
○渡辺(美)政府委員 数字のこまかいことは私はわかりませんが、おそらく瀬野さんは調べてきて言っているんでしょうから、あなたのほうから教えてもらったほうが仕事が早いと思います。
○瀬野委員 畜産局長、事務当局からお答えください。
○澤邊政府委員 還元乳と加工乳、それから普通の生乳という場合、どれが一番もうかるかということは、そのときどきの価格関係によって違いますので、一がいにどれだということはなかなか言いにくい状態にあると思います。加工乳の場合、一般的にもうけが多いんじゃないかという見方もございますけれども、最近加工乳もやや減少しておりますし、この前の十二月も値上げ幅等の差異も考えますと、加工乳が現段階において一番有利であるとも必ずしも言えないというように考えております。
○瀬野委員 畜産局長もまだ新しい。しかし、新しいとばかり言っていてもしようがないんだから、しっかり勉強してもらわなければいかぬ。これは全部数字をあげて言ったんではあなたも勉強しないから、しっかり検討してこういったものを勉強してもらいたい。こういうことがわからないと諮問に対してもちょっと心配だし、また、さっきから論議しているような日本農業新聞の記事等の問題に対しても全然批判検討ができなくなってきます。 これは常識から言っても、乳業メーカーが一番もうかるのは、乳製品が一番もうかるのですよ。その次は還元牛乳で、一番もうからぬのは普通牛乳なんです。だから、こういうことは言いたくないけれども、畜産局は雪印と一緒になって、畜産局雪印課と言われるようなかっこうになって、北海道重点みたいになってしまう。これじゃ困るのです。明治、森永にしてもいろいろ批判があるんだけれども、雪印とともに同じ三大乳業メーカーで、また、還元牛乳でもうかるという手前もあるものだから、それはなかなか言えないという、実にもろ刃のやいばみたいになっておりまして、この辺は、幾ら新任であってもあなたもわかっておられると思うが、それらにメスを入れて、こういう危機のときだから、三大乳業メーカーも、畜産農家のために、酪農民のためにほんとうに本気になって腰を据えてやり、酪農民を生かさず殺さず立てながらという従来のやり方でなく、酪農民を生かし、立てながら、乳業メーカーもまた適当な利益でもうけていって、経営を続行してもらうようにして、加工乳とかまやかし牛乳、いわゆる還元牛乳で国民をだますんではなくて、北海道の生産の牛乳は国民になま乳を提供するためにあるのだということにもっと力を入れていただくようにしてもらいたいと思うんだが、畜産局長、その点は、私の考えに異論がありますか。
○澤邊政府委員 御趣旨の線に沿って、十分検討してまいりたいと思います。
○瀬野委員 御趣旨の線に沿ってはよくわかったけれども、十分検討すると、すぐ検討をつけるから、こちら側も——君の答弁が後退するわけじゃないか。 そこで、私はあえて言うけれども、普通牛乳が還元牛乳に姿が変わったり、または普通牛乳の生産が減ってまいりますと、利害の上で、国民を、消費者をどうしても裏切ることになります。利害の上で消費者に対して反することになります。そういったことは十分わかっておられると思うけれども、政府のほうではこれに対する対策を十分とっていただきたいと思うわけです。そして、北海道の生産は大いにやってもらうと同時に、なま乳を消費者に与えるということに努力し、また、畜産農家、酪農民も守っていただくようにいろいろと施策を考えていただきたいと思うのです。 そこで、現在の日本の酪農の生産で、まあまあといいますか、平均以上伸びておるというところは、私どもの調査によると、青森県、栃木県、愛知県、石川県、福井県の五県がまあまあで、一応順調といえば順調でありますが、あとは全部生産がダウンしているが——北海道は別ですが、この点はどうですか。政務次官なり局長なりからお答えをいただきたい。
○澤邊政府委員 一月の数字で見ましても、北海道の前年比一〇五%、青森の一〇八%、岩手の一〇二%、それから、お説のございました石川の一〇二%、宮崎の一〇二%を除きますと、あと大部分は一〇〇%を割っておるというような現状になっております。
○瀬野委員 大体のところは合っておったようですが、宮崎県の一〇二%というのが追加されておりますけれども、ほとんど六、七県はこうなっている。私は、府県の牛乳をもっと伸ばすことを考えてやらねばいかぬと思う。不足払い制度の問題等いろいろ考えてみましても、これはゆゆしき問題だと思うのです。全国でも北海道と、いま申し上げた数県だけが一応順調に伸びているという程度で、あとは全部ダウンしているが、こういった他の府県に対する対策はどういうふうに考えておられるか。政務次官、真剣に考えておられますか、答弁いただきたい。
○渡辺(美)政府委員 真剣に考えております。
○瀬野委員 どのように真剣に考えておられますか。
○渡辺(美)政府委員 えさの問題から始まって、まず価格の問題、あるいは近代化の問題、金融の問題等、いろいろ具体的な問題はすでに予算書に配ってあるとおりでありまして、各方面から酪農の振興ということを真剣に考えております。
○瀬野委員 そこで、政務次官、真剣に考えておると言うのですが、これはえさ問題等が、からんできますので、急激にこれが伸びるということはあまり期待できない面もある。しかし、日本国民は北海道から沖繩に至るまでおられるわけですから、各府県においても、国民の期待にこたえるよう、生乳の生産については十分考えていかねばならない。飼料問題、畜産問題の危機であるけれども、それでは、えさが上がったからダウンしていいんだ、生産ができるときには生産を伸ばせばいいんだ、北海道とか東北の数県に重点を置けばいいんだというわけではないでしょう。それでは困るわけです。こういったことも十分わかっておられると思いますけれども、この機会にあえて指摘をして、今後の対策を立てていただきたい、そして今年度の乳価を決定すべく努力してもらいたい、かように思うわけです。 もう一点、牛乳の問題でお答えいただきたいのですが、飲用牛乳についても不足払い制度を検討してはどうかというようなことがわれわれの仲間でもいろいろと話が出ておりまして、あちこちでこういったことが論議されておりますけれども、原料乳以外は不足払いは大体タブーになっておりますから、この点、政府としてはどういうふうな見解を持っておられるのか。先ほどもちょっと触れられましたけれども、いろいろ問題があることはもう十分承知しておりますけれども、検討しておられるのか、また、どういうふうに考えておられるのか、その辺の見解もこの機会にあわせて御答弁をいただきたい。
○渡辺(美)政府委員 生乳については、私は、特別な不足払い制度等を考えておりません。それから、現在の加工原料乳についても、加工原料乳の不足払い制度をやめたほうがいいじゃないかという御意見が一部ございますが、これもそういうことは当面考えておりません。
○瀬野委員 あとに通告した問題がありますので、牛乳に対する問題、いわゆる乳業メーカーに対する問題等をはしょって一応質問を申し上げましたが、これを締めくくるにあたって政務次官に重ねてお願いしたいが、農林大臣にもきょうの論議をよく伝えていただくと同時に、三月十一日に開かれる畜産振興審議会に対する諮問案をいま精力的に作成中であろうと思いますが、こういったことを十分検討していただき、日本農業新聞のみならず、各団体の意見、あるいは政府が調査した資料に基づいて、乳価、豚価、あるいはまた鶏卵についてもいろいろと検討されて、畜産農民の期待にこたえられるように諮問をしていただき、さらに、政府の告示が期待に沿う告示になりますように努力をしていただきたい。このことを、この問題を締めくくるにあたって特に政務次官に強く要望するわけですが、政務次官の決意を承りたいと思います。
○渡辺(美)政府委員 農水等でいろいろ専門的な立場から貴重な意見をたくさん聞いておるものですから、そういうような御意見を十分にそしゃくして、よりよい価格決定ができるように努力をしてまいります。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬野委員 次に、質問通告をいたしておりました農薬問題について、通産省もきょうは来ていただいておりますので、質問を申し上げます。 この問題については、去る二月二十二日の衆議院予算委員会でわが党の坂口力衆議院議員が政府に対して質問をいたしましたが、すでに日本の国内では販売禁止になっているDDTやBHCなど危険な農業が大企業や商社によって平然と東南アジア諸国に輸出され、しかも、それを使用した農産物が無検査のまままた逆に輸入されている。そればかりか、現地に合弁会社をつくり、増産しておるありさまである。これでは死の商人である。すなわち、死の商人ということは、武器をもって殺すというふうな意味もありますが、農薬によって住民に危害を与え、公害によって住民を殺していくという意味も含めてのことでありまして、死の商人の公害輸出ということできびしく糾弾されたわけであります。先般の田中首相の東南アジア訪問によってますます反日感情が激高し、その中にあってこういう問題があるということは、反日感情をますますあふることになります。公害輸出に対する政府の野放し行政をきびしく糾弾をしたわけでございますが、その中でいろいろ問題になっているのは、日本で禁止されているBHC、DDTだが、特にDDTについては、昭和四十七年に三百トン、昭和四十八年には七百六十トン輸入をしております。このことは大蔵省の書類をもらっておりますので間違いないというふうに私たち確認しておるのですが、通産省のほうはこれに間違いないか、まず、これを確認したいのであります。
○瀧説明員 御指摘のとおりでございます。
○瀬野委員 そこで、四十七年に三百トン、四十八年に七百六十トンが輸入をされておりますけれども、これが一体どのように使われ、どこに行っているのか。これについては、農林省も、通産省も、先般の予算委員会では明らかにつかんでいないと言っておられましたが、あれから相当日数がたっております。どのように使われ、どのようになっているか、通産省、農林当局、いずれか答弁をいただきたい。
○渡辺(美)政府委員 御指摘のように、DDT、BHCは国内で販売が禁止されております。したがって、輸入されたものはもっぱら輸出用の生産のための原体が輸入されたんだ、こういうふうに考えられます。輸出所管省とも連絡を密にしながら、その実態というものを調べたいと思っております。 今後のDDT、BHCの輸出等については、輸出相手国の使用の目的を十分把握することが大切でありますし、相手国の要請を条件とするなど、事前に審査をする等の方法について関係各省で積極的に協議をして、いやしくも公害輸出だというようなことのないように対処してまいりたい、かように考えております。
○瀬野委員 通産省、いまの件については二月二十二日の予算委員会で明らかにして、その後調べるということになっておるわけですが、あれから相当日にちがたっておるわけです。一体どのように使われ、どのようになっているのか。その点は通産省はどういうふうに掌握されましたか。
○瀧説明員 ただいま農林政務次官が御答弁申し上げたとおり、私どもの調査によりますと、すべて輸出用として使用されているというふうになっております。
○瀬野委員 何か歯切れも悪いし、聞こえにくいが、この禁止になったものを輸出しておると同時に、また、日本に輸入をしているというんだよ。けしからぬ問題なんだ。きょうは時間の関係もあるから全部詰めることはできないけれども、これはまた今後何回もやる予定にしておるが、この次の質問をするためにもはっきり言っておいてもらわぬと困るわけだ。実際に、四十七年に三百トン、それから四十八年には七百六十トンが輸入をされておりますけれども、これはつかんでおるんですか。どうなんですか、通産省。
○瀧説明員 ただいま申し上げましたように、私ども通関統計上の数字としてつかんでおるわけでございます。
○瀬野委員 通関統計上の数字としてつかんでおると言う。それでは、つかんでいるならば、その使途と目的はどうなんですか。それを明らかにしてください。
○須賀説明員 ただいま政務次官から御答弁いたしましたように、わが国では、BHC、DDTは販売禁止ということで、すでに使用はされておりません。したがいまして、そういう輸入されました原体につきましては、すべて輸出用に使われている現状でございます。
○瀬野委員 何かしらんが、答弁になっていない答えばかりしているけれども、これはすでに予算委員会で二月二十二日から質問をしているのです。それで調査をして、きょうはどういうふうにつかんでいるか。つかんでいるならばその使途と目的を明らかにしてもらいたいし、もしつかんでいなければ、これはゆゆしき大問題である。あれだけ騒いで禁止になった問題を、けしからぬ問題だ、こういうふうに私は思うのです。これがはっきりするまでは連続質問してまいりますからね。けしからぬ。 そこで、聞いてもまた意味がわからぬといかぬので申し上げるけれども、四十六年の四月十七日に、農薬取締法の農林省令第二十六号に基づき、DDTが四十六年五月一日に登録が失効、販売が禁止されたのです。BHCのほうも、四十六年十一月の二十七日に登録が失効、同年十二月三十日に販売禁止となったことは御承知のとおりです。日本国内向けの生産及び販売はすべて禁止されたのですよ。このとき不要となったDDT、BHC六千九十九トンについては、四十七年度に農薬安全処理対策費として約三千万円が計上され、その処理方法についても、農林省農政局長通達によって石油かんに入れたり、ビニール袋に密封して処分するなどが命ぜられました。 当時からこれはずいぶん騒いで、農業倉庫その他にある農薬をどこへ持っていくかが問題になったが、たくさん積んだまま置いてある。これをかりに地下に埋めれば、地下水にこれが浸透して二次公害が起きて国民に被害をもたらす。海に捨てれば、海をよごして、魚にこれが残留して、また国民のからだに影響を及ぼす。これを処分するのが実にたいへんだということで、相当論議をした問題でございます。ところが、この不用農薬のうち、何と一千二百八十七トンもタイに輸出されていたことがわかった。いわゆる、日本の国では毒まんじゅうは食わぬからタイのほうが毒まんじゅうを食えというふうな理屈になったわけです。政府の答弁のときに、われわれはタイだけと思っていたところが、タイのみならず、よけいにも、マレーシアにも行っているし、シンガポールにも、オーストラリアにも、フィリピンにも輸出されているということが判明しました。ますますけしからぬことであります。こんなことが明らかにされますと、反日感情がますます起きてくる。さらに驚くことには、いまだに東南アジア向けとして、三井東圧化学、三菱化成工業、日本曹達、呉羽化学工業の四社が製造を行ない、四十七年には、タイ、マレーシアなどにDDT百二十二トン、BHC一千七百十二トンを輸出し、四十八年にはDDT十一トン、BHC二千六百二十トンを輸出していることが明らかになってまいったわけであります。 そこで、農林大臣は、向こうの要求があるからこれをやってもいいじゃないかというようなことをあのとき答弁したやに私は聞き及んだのでありますけれども、こういった問題をいろいろ検討してみましたときに、公害企業に対する反公害意識といいますか、国民に対してやってはならないこと、禁止されておるものを陰で製造し、輸出し、また逆に輸入するというようなことを規制するためにも、危険な農薬についての大企業、商社等に対するいろいろな規制のためにも、農薬取締法の改正を何としてもやるべきじゃないか、農薬取締法を検討して、こういったことをきびしくするための改正をすべきじゃないか、こういったことを私は言いたいわけです。 時間の制約があるのではしょっていろいろ申しましたが、結論としては、ぜひそういったことをやってきびしくしなければ、国民がたいへん心配していることがまたぞろ陰で行なわれているという不安を抱くわけです。それに対して、農林省、通産省両々相まってどういうように検討され、どういうように考えておられるか、予算委員会でもいろいろと論議されたわけでありますが、その点を明らかにしていただきたい。見解を承りたいのであります。
○渡辺(美)政府委員 いさいについては事務当局から答弁をしていただきますが、そのDDT、BHCの使用禁止をしている国というのは、世界で日本ぐらいしかないのです。アメリカは州によって規制が異なっておる。ニューヨーク州、カリフォルニア州なんという全面禁止のところもありますが、その他の州も一部作物には使用を限定をしておるなど、国によってみんな違う。フランスとか西ドイツ、イタリア、イギリス、ソ連、カナダ、ノルウェー、スウェーデン、アルゼンチンというような国は、国によってまた多少みんな差がある。使用の制限をしている国というのは多いのだけれども、全面禁止をしている国というのはむしろ少ない。インドや中国などでは、DDT、BHCなんというのは、現在でもむしろ生産をさせておる。したがって、これは、日本のように非常に人口稠密な国であって、まいたところがすぐに被害が出るというような国と、ろくに人もいないというようなところとではまたおのずから違うのだと私は思います。したがいまして、日本政府としては、日本ではこういうわけでDDT、BHCは製造もいたしませんし、販売も禁止をいたしておりますよということは、外国等についてはちゃんと言っておくのですけれども、自分でつくったり、あるいは自分で直接つくる能力がないために、そういうふうな加工したものを、原体を持ってきても困るし、加工して農薬にしたものをほしいという国等もあるので、そういうような各国の中まで立ち入って、おまえのところは日本のように全部やらなければけしからぬよということまでもなかなか言えない。国によって、作物によって事情が違いますから、そこまで日本が外国に干渉する必要もないんじゃないかと思っております。
○瀬野委員 政務次官、いろいろおっしゃるけれども、さっきから言いましたように、四十七年度に三百トン、それから四十八年度にも相当量の輸入をしておるわけですね。これは日本国民もまたいずれはどこかで使われて被害を受けるわけですね。そういったことから思いましたときに、これは何とか取締法をきちっとしないと、日本自体もまた影響を受けるということになるわけです。 それで、各国の事情はいろいろとおっしゃるけれども、早い話が、DDT、BHCの農薬公害は、日本人には有害であって東南アジアの人々には影響がないという論法はないと思うんですね。それを承知で公害を輸出するのは、先ほども言いましたように、いわゆる毒まんじゅうを日本は食べぬがおまえは食えということになるが、その点はきびしく外交ルートを通じてやらなければならぬと私は思うのです。それで死の商人と言われて批判を受ける。いわゆる植民地主義的発想と言われてもしかたがない。私は、ある意味で言うと、これは開発途上国のべっ視じゃないかというようにも言いたいのです。 そこで、農薬輸出の抜け穴となっているところの農薬取締法第十六条の三は「農薬を輸出するために製造し、加工し、又は販売する場合には、この法律は、適用しない。」となっているが、このところの改正を強く要求したいわけです。これは検討すべきだと思うのですがね。政務次官では答弁が無理だとすれば、これはまたいずれ機会をとらえて言うわけですけれども、これは重要な問題だと思って、今回問題提起をかねて質問しているわけですが、その点に対しては改正の要はないというふうに認識しておられますか。政務次官はどうですか。
○渡辺(美)政府委員 いまも申しましたように、日本は外国に対して、日本では禁止していますよということは、在外公館等を通じてあらかじめ言っておるのですよ。しかし、東南アジアばかりではなくて、DDT、BHCの規制の問題については、先進国でも一部の作物に使用を認めている国があるわけです。いま言ったように、フランスとか西ドイツ、イタリア、イギリス、ソ連、カナダ、ノルウェー、そのほかたくさんありますが、これらの国は、政府が、こういうものを一部の作物には使ってもよろしいよ、害は何もないよ、と、認めているのです。使い方等についてはいろいろ言っておるでしょうが、そういうふうに正式に認めておる。ですから、そこのところまで立ち入って、あなた方は不備じゃないか、日本みたいに完全にやめてしまいなさいということまで言う必要もないし、また、面積とか、人口の稠密さとか、使用方法とかによって使ってもいいんだと、その国のそれぞれの主権に基づいて言っておるのですから、その国からの輸出要請等があれば、それまでも禁止するという必要はないのではなかろうかという考えを私は申し上げておるわけです。
○瀬野委員 政務次官の答弁は、きょうはそれ以上は無理だと思うから、その点で聞きおくこととして、時間も参ったようですから、須賀審議官、ちょっとたよりないけれども、せっかく来ておるから、君に最後にもう一ぺん聞いておく。 きょうは参議院へ農林大臣が引っぱられ、また局長も向こうへ行っておる関係で、名前が三転四転して、濃野君が来ると聞いていたのだけれども、須賀審議官が来ているというようなことで、全く歯切れの悪い答弁ばかりしておるけれども、最後の締めくくりで通産省にお伺いしておきますけれども、DDTの原体、これは輸入は自由品目になっておるのです。これが自由品目になっていることも一つの問題である。日本で販売、使用禁止のものを輸入許可をしていること自体間違いではないかと私は言いたいわけですし、また、そういうふうに言っておるわけです。通産省としては自由化を却下すべきじゃないか、何らかの法的規制を加えるべきであると私は思うが、そういった意味からも、これは法改正をすべきである。そういった意味から、通産省としても、農林省に対して、国会でも問題になったし、当然これはこうあるべきだということを言うべきであるが、その点はどういうふうに手を打たれたか、どういうふうに考えておられるか、何もしないででれっとしておったか、その点を答えてください。
○瀧説明員 ただいまの点につきまして、先ほど農林省のほうからも御説明がありましたように、第一には、政府間ベースの問題といたしまして、相手国政府に対して、わが国の実情を在外公館を通じて、いわば業務参考資料として、いままでの禁止に至った実情について十分知っていただくという措置を講ずるのとあわせまして、個別的な契約ベースといたしまして、BHC及びDDTの輸出商社に対しまして、わが国の事情を輸出の相手方に対して個別的に十分説明をするように、さらに、輸出する場合にあたりましては、輸入国の監督官庁のいわば輸入承認というようなものを提出させることといたしまして、それがある場合にだけ輸出を認めるというふうな措置をとることとしているわけでございます。それで、現在、実は昨日でございますが、農薬のメーカーを通じまして——輸入された原体はすべてメーカーを通じて確保されるか、あるいは単体のままで輸出商社に渡って出ていくわけでございますけれども、メーカーの手から輸出商社に渡る前に、事前に、どこの国を相手とした輸出が行なわれるだろうということを私どものにほうに報告をするように、すでに指導をいたしました。この事前の報告に基づきまして、先ほどの輸出商社の指導を具体的にしていくという措置をとっていくことにしておるわけでございます。
○瀬野委員 たどたどしい答弁で、皆さん聞いていてたよりない感じを受けられたと思いますけれども、歯切れも悪い。御存じのように、これは重要な問題であります。きょうは大臣もおられませんし、また、通産省のほうもそういうことで局長も出席できなかったし、また、農林省の関係の局長も参議院との関係で来れなかったということもございますので、いまお聞きのとおりでありますが、これは重大な問題でございますし、いまのようにメーカーに報告させて処置するとか、そんななまぬるいことをやっているからこういうことになるわけでありますから、聞いていてもいら立たしさを覚えます。 これはあらためて質問を展開することにしまして、時間が参りましたので、一応これで質問を終わらしていただきたい。これに対する質問は留保させていただくということで御了解いただきたいと思います。 御協力ありがとうございました。 ————◇—————
○仮谷委員長 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。 すなわち、本日の理事会において協議いたしましたとおり、畜産問題調査のため、小委員十三名よりなる畜産問題に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮谷委員長 御異議なしと認めます。 よって、委員長は、小委員に 今井 勇君 小沢 一郎君 笠岡 喬君 坂村 吉正君 丹羽 兵助君 安田 貴六君 山崎平八郎君 竹内 猛君 芳賀 貢君 美濃 政市君 諫山 博君 瀬野栄次郎君 稲富 稜人君以上、十三名の方々を指名いたします。 なお、小委員長には坂村吉正君を指名いたします。 次に、小委員及び小委員長の辞任の許可及びそれに伴う補欠選任、委員辞任に伴う小委員及び小委員長の補欠選任、並びに小委員会におきまして参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮谷委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 ————◇—————
○仮谷委員長 質疑を続けます。小宮武喜君。
○小宮委員 ただいま畜産危機の問題が叫ばれておりますので、私は養鶏問題に特に的をしぼって質問したいと思います。 まず、養鶏経営の問題について、はたして農林省は真剣に取り組んでいるのかどうかということに私は率直な疑問を持っておるものでありますが、そこで、養鶏経営の安定を願うなら、まず第一に飼料の問題があります。しかし、飼料の問題はまた別の機会に譲るといたしまして、生産調整の問題、または卵価安定基金の問題、さらには輸入卵の抑制の問題、液卵公社の有効活用の問題これらの問題が総合的に機能を発揮しなければ、真の養鶏経営の安定ということはあり得ないと思います。 そこで、その一つである生産調整の問題について、まず農林省当局の方針を伺いたいと思います。これは畜産局長でけっこうでございます。
○澤邊政府委員 養鶏経営の問題点として、前提として考えなければならない点は、ここ二、三年来需要に対しまして供給がやや過剰ぎみであるということだろうと思っております。したがいまして、ここ二、三年来、生産者の各位におかれても、あるいは生産団体においても、計画的な生産をはかり、需要に見合った生産を行なう必要がある、そのために生産調整を足並みをそろえてやる必要があるという認識が高まっておるわけでございまして、農林省におきましても、そのような考えに立ちまして、毎年、四十七年の七月から生産調整の指導を行なっておるわけでございます。毎年その年度の需要の見通しというものを立てまして、各県でつくります当年度の生産目標数量というものをつくってもらうということによりまして、需要に見合った生産を実施するということの指導をしておるわけでございます。 特に、今回の配合飼料の価格の値上がりによりまして、御承知のように、養鶏は配合飼料の依存度が一番高いわけでございますので、相当な経営上の影響を受けておりますので、従来言われておりました以上に徹底して生産調整を行なう必要があるということで、現在、生産者団体とも種々協議をいたしまして、その具体的な実施につきまして相談を進めておるところでございまして、近く決定をいたしたいというふうに考えておりますが、その際の考え方といたしましては、やはり規模の大きい養鶏経営を中心にいたしまして生産の抑制をはかっていくということ、それから、もう一点は、単に生産者団体の系統の養鶏農家だけではなくして、商社系なり、あるいは飼料メーカー系等の生産者団体系統以外の系列の養鶏経営におきましても、同様な考え方で足並みをそろえて生産調整を実行していただくというようなことにポイントを置いて、現在、具体的なやり方について検討しておるところでございます。
○小宮委員 いま局長が答弁されたような方針にのっとって、現在、各市町村単位に生産調整協議会なるものをつくってやっておるわけですが、今度のこの調整協議会というものの権限というか、機能というか、そういうものを考えた場合に、凍結だとか勧告だとかという制度が入っているわけですね。したがって、私は、いま農林省が進めようとしておる生産調整について、これが行き過ぎると、ややもすると養鶏農家の生活権、生存権を侵すような結果になりはせぬかということをおそれるわけです。したがって、各農家では、こういうことに対して、いまむしろ非常な不信と反発を持っておる。こういった生産調整というものは、各養鶏家が自発的に自主的に調整に協力し、調整をやろうとするような空気を醸成することが一番大事であって、そのために、ちょうど一昨年の七月、農林省の三局長名によって、この生産調整通達の問題が出ております。やはりあの線に沿ってやるべきであって、それを今回は新たに畜産局長名でこういった通達まで出ておる。その点について私は問題を感ずるのです。今回の通達のような凍結とか勧告とかということは非常に危険性があるので、四十七年七月のあの三局長名による生産調整の推進についての通達が一番妥当であるというように私は考えるのですが、生産調整に対するいまの方針はわかりました。みんなが足並みをそろえるということのためには、商社系の問題も含めてそういった生産規制をやろうということはわかります。しかし、ただそれだけしか考えがないのかと私は言いたいのです。たとえば一昨年の通達ですね。実効があがらなかったから今回また生産調整方針を変えたのかどうか、その点、局長、どうですか。
○澤邊政府委員 従来から、生産調整の行政指導というものをやっておるわけでございますが、行政系列を通じまして、県なり市町村を通じて指導するのが主であったわけであります。ここ二、三年来やりまして、おおむね目的は達したのではないかというように見ておりますけれども、ただ、今回の飼料値上げに伴いまして、生産調整の必要性は従来以上に非常に強いものがあると思います。したがいまして、従来のようなやり方ではたして徹底できるかどうかと、実効があがるかどうかという点につきましては心配もされるところでありまして、われわれのところへも、行政がもっと積極的に指導してほしい、そうじゃないとなかなかできないというようなことを言ってこられる団体等も非常に多いわけでございまして、われわれも、これは本来、先生のおっしゃいましたように、生産農民が自発的にやるのが筋であって、行政が上から指導し介入するというのは本筋ではないというようには思いますけれども、ただ、趣旨はわかるけれども、実行するという場合には、いままで以上に行政が強い指導力を発揮してほしいという要請がありまして、率直に申し上げますと、その辺のジレンマというのは感じておるわけでございます。ただ、われわれが全農なりあるいは全鶏連その他の団体の方々と御相談しておりますと、やはり、行政がへっぴり腰ではだめだ、むしろ積極的にリーダーシップをとってやってほしいという御要請が非常に強いので、現在まだ原案をいろいろ御相談しておるところでございますけれども、凍結とか勧告というようなことばがあるいは案の段階で出ておると思いますけれども、われわれも、そう行政が強制すべきではないという原則に立った上で、こういう異常事態において、自発的といいますか、自主的な組織でできない面をどこまで補ったらいいかということは慎重に検討してやってまいりたいと思っております。
○小宮委員 私は、生産調整をやってはいかぬということは一つも言っていないのです。ただ、やり方の問題で、各団体から、行政がへっぴり腰ではいかぬではないかというようなことで、こういうふうにやったというようなことを言われますけれども、もっと問題の本質を掘り下げてみなければならないと思うのですよ。いままでのような通達行政だけでは、局長も御存じのように、いま日本全国におる養鶏家の中で、第一基金、第二基金に入っておる人たちは三〇%なのです。ほかはみんなアウトサイダーなのですよ。それをただ通達で、あなたたちがひとつ五%生産調整に協力してくださいと言ってみたって、こういった三〇%の人が、協力をした人がばかを見るという結果になるから、なかなか協力はしがたいのです。だから、私は、これはもういつも生産調整の場合に言っていたように、米の生産調整の場合にも言っておりましたように、正直者がばかを見る、協力した者が損をして非協力者が得をするというような政治であってはならぬということです。それであれば、一〇〇%全部の人がやはり足並みをそろえて——局長はさっき足並みをそろえてと言ったけれども、足並みのそろえ方が私とは違うわけです。だから、足並みをそろえてやるためには、これからが畜産局と私の意見の分かれるところなのですが、全員がこの安定基金制度の中に入ってくること、入れるということをまず考える。そこの中で、全員が登録され、実態が把握され、卵は年間どれだけできるのかというような需給状況がすべて把握されるようにして、そこで計画的生産、出荷というものを考えていかないと、いままでみたいに、ただ三〇%の人たちに協力しなさいと言って、片一方では、商社とかいろいろな入っていない人を野放しにしておるということでは、この中で生産調整を進めていこうとしたって、これは協力しないのが当然なのです。したがって、みんながこの安定基金制度の中に入ってくるようにするためには、いまの基金制度を魅力あるものにしなければいかぬ。現に、いまの安定基金では魅力を失って、入るどころかむしろ脱退する傾向すら現在出てきております。 ここで特に畜産局長に考えてもらいたいのは、全員がそういった安定基金に入ったほうが得だぞというような魅力ある基金制度にすべきではないのかということを考えるのですが、局長、どうですか。
○澤邊政府委員 ただいまの御意見は、生産調整をやる場合、それを現在の安定基金制度と結びつけてやるほうが実効性があがる、そのためには、現在のように安定基金制度に対する加入率が低いようでは、なかなか生産調整自体が実効性があがらないのではないかというような御意見というふうに拝聴したわけですが、価格安定基金制度は、現在、全体の出荷量の中のおおむね四分の一程度の加入率ということで、確かに現在では不十分だと思います。 問題は、しからば、それをてこ入れする場合にどういうやり方があるかということでございますが、一つは、補てんすべき保証価格の水準を適正に引き上げるということが大事じゃないかと思います。その点につきましては、御承知のように、現在キログラム二百二円ということで、ことしの当初からそのような価格がきめられておりますけれども、その後のえさの値上がりその他物価の上昇等を見ますと、やはり、適当な機会に適正な幅で引き上げるということは必要だと思います。 ただ、ここで適正とか適当とか申しておりますのは、安定基金協会自体がきめるべき問題でございまして、行政が一方的にきめるべき問題ではないので、基金協会の意見等も十分聞いた上で行政指導は加えたいと思いますけれども、適正な水準にまで上げる必要があるのではないかというふうに思います。われわれの考え方といたしましては、現在やや下がってきておりますし、四月から例年二、三カ月間は下がるわけでございますので、それに間に合うように価格の修正を行なう必要があるというふうに考えております。
○小宮委員 局長も言われたように、生産調整をほんとうに全国的に足並みをそろえてやるというならば、安定基金の中に全養鶏家を吸収する、加入させるということが一番大事であって、それが政府が意図する、農林省が意図するところの生産調整が足並みをそろえて行なわれるということになれば、今度は加入させるためにはどうするかというと、いま言われたように、卵価の基準価格というものが魅力がなければならぬ。実を言えば、いまのところ、第一基金にしたって第二基金にしたって、国はただ出資を一億五千万と一億やっておるだけで、あとは養鶏家に積み上げさせておいて、そして、基準価格をきめる場合は、やれ高いの安いのということでいちゃもんをつける。農民から見れば、何だ、農林省は、国は金を出しておらぬじゃないか、自分たちの金を自分で積んで、それを使うのに、そこまで農林省というのは、お役所というのはいちゃもんをつけなければいかぬのかという不信が一ぱい出ておるんだ。あの人たちから見れば、いわゆるたんす預金しているようなものじゃないか。だから、それを行政指導する上において、なるほど国の方針に従ってわれわれも協力しなければならないなというように彼らに理解してもらうためには、国も、基金の中に、出資金だけでなくて、何かの助成策を講じていくということを考えてもらわなければならぬが、したがって、そのためには、基金に対する魅力というものを持たせる必要がある。 そういうような意味で、今度、四十八年度の基準価格を二百二円にきめましたが、二百二円にきめた場合の生産費は幾らに計算しておるのですか。
○澤邊政府委員 二百二円にきめました際の、その時点における生産費は、経営により、地域により、かなり違うと思いますが、これも現在ございます四十七年度の生産費を基準として、その後の値上がり等を考えてみますと、二百十円を若干上回るぐらいではないかと思います。
○小宮委員 それは、四十七年度の生産費ですか。四十八年度、この二百二円を計算、算出する場合の生産費ですか。
○澤邊政府委員 四十七年度の生産費調査、これが最近時の生産費調査でございますから、それ以上新しいものはないものですから、それから物価その他えさの値上げ等を見込んで修正をするわけです。それをして推定をした生産費というのが当時二百十円を若干上回ったところであった。当時でございます。
○小宮委員 いま、生産費幾らになっておると思いますか。——わからなければわからぬでいいですよ。
○澤邊政府委員 正確にはわからないわけでありますが、御参考のために申し上げますと、この前の二月の値上がり、あの分だけで生産費にはね返るのが約三十円というような計算をしたことがございます。だけれども、ほかの物価、資材の値上がり等もありますので、その部分だけということで計算しますと、その程度の値上がりということになります。
○小宮委員 資料を見てみると、二百二円の基準価格をきめる際もいろいろな数字を出しております。その場合われわれが不審に思うのは、四十九年度においては、物価も賃金も横ばいか下がるであろうというような予測の上に立っておるわけです。しかも、飼料基金の還付金の一部を差し引いて調整を行なったりしておるわけです。いま言う飼料基金だって農家が積み立てたものですから、そういった結論を先に出して、それで、あとでただ数字のつじつまを合わせているだけなんです。そこに問題があるのですね。そういった意味では、いま局長の言われたように、二月の値上がりだけでも、もうすでに三十円上がっておる。ほかに労賃も上がっておる。ほかの物価も上がっておる。また、飼料は、全農でも三月に上げよう、商社関係も四月に上げようということになると、いまの二百二円の基準価格そのものは、二百二円を決定した時点からもうすでに根拠はくずれてしまっておるわけです。歴代の畜産局長はいつも——あなたはどうか知らぬですよ。だが、とにかく、基準価格を上げれば生産を刺激するということの一点ばりなんだ。だから、低く押さえようと言う。生産調整をするために基金があるのじゃないですかね。 そこで、その前に確認しておきたいのですが、いま局長もいみじくも言われたように、いま農林省が生産費の問題を言われたけれども、これはもうすでにいまでは古くさいものになってしまっておる。それから、飼料も値上がりしておるし——飼料にしても、いまはトン当たり七万円近くになっておるわけですね。いまの、この四十八年度の二百二円の基準価格は、この二百二円を算出したときの根拠はもうすでにくずれ去ってしまっておるという今日、四十九年度と言わず、すみやかにこの基準価格の改定を行なうべきだというふうに私は言いたいのです。また、そうしてもらいたい。その価格の値上げ幅については、いま、生産費だってもうすでに二百八十円、三百円かかるんだから、その意味で、私の意見を言わしてもらえば、二百八十円まではこの際上げてもらいたいということ、これは私の強い要求なんですが、局長と政務次官に、その点はいかがなものか、お答えを願いたいと思います。
○澤邊政府委員 先ほども申し上げましたように、配合飼料その他の資材費あるいは労賃の値上がり等がございますので、ことしの当初にきめました現在の二百二円というのはやはり低過ぎるというふうにわれわれも思っております。ただ、これをどこまで上げるかということにつきましては、現在省内でも検討は始めておりますけれども、最終的には基金のほうがきめるわけでございますので、それと相談をしながら指導をしていくということでやりたいと思っておりますが、ただ、生産費をカバーする基準価格をきめるという考えは、従来もそうですけれども、われわれとしては、現在の過剰生産のもとで生産調整をしなければならないという事態のもとにおいては無理ではないかというように考えます。豚肉の場合と同じような考えで従来基準価格というものを算定しておりますけれども、過去の基準期間の実勢価格を基準にいたしまして、その後の生産費の上昇率あるいは需給の見通し等を加味して定めております。それから、基準価格が御承知のようにそれ以下に下がった場合に補てんするということで、ある意味での補てんの基準となる最低価格でございますので、普通の場合はそれ以上の価格が実現するという前提でものごとを考えますと、基準価格というのは平均価格よりも下回るということでございますので、基準価格自体が生産費を一〇〇%償うというような考え方で運用するのは無理だということで従来も考えておりますが、今後についてもそのような考え方で、先ほど言いましたような諸事情を織り込んできめていくべきものと考えております。
○小宮委員 それでは、局長、私どもも、いま、基準価格はかくあるべきだという数字は申し上げましたけれども、それは局長も、次官のほうでも、ここでこれこれをしますということはなかなか言えないと思うのです。しからば、それは十二分に検討をしていただくとして、いつからという時期ぐらいはここで明確にしていただけるのですか。いつから改定するということだけでもここで明らかにしてもらいたいが、その点は言えるでしょう。
○澤邊政府委員 実は、御承知のように、最近ここ一週間ぐらいかなり下がってきております。それまでは、例年五月の初めごろから下がるのが大体通常でございますので、基金協会として、四月に入って価格をきめるということでいいのではないかというふうに思っておりましたけれども、最近ここ一週間ぐらい非常に下がっております。ただ、これがどの程度続くのか、その見通しいかんということを現在慎重に検討しておりますので、これが春の卵価の値下がりに引き続いて、そういう事態で推移するということであれば、これまで考えていたよりは早目にきめる必要があるというふうにも考えております。
○小宮委員 次官、何かあれば……。
○渡辺(美)政府委員 鶏の生産調整の問題について、あなたと私は同じ意見なんですよ。非常に現実的な考え方で、卵価安定基金を非常に魅力のあるものにしなければいかぬということ、それから、鶏は三千億も生産しているのですから、ほかの農産物と比較して、何らかの形で公的な金をもう少し出してやったっていいじゃないかということ、それから魅力あるものにするためには、保証価格をもっと大幅に引き上げるということ、それから、その掛け金を一円五十銭から二円八十銭にしろと言っているんだが、八月ごろから言っているのに実際は上げていないということ、こういうことですが、だから、こういうようなものは価格を引き上げて、そして、その引き上げた価格で安定基金が補てんしますよということで、場合によっては安定基金が金を貸してやってもいいと私は思うのですよ。補てんしますということにして、たくさん人に入ってもらって、あるいは三百何円というときになったならば、では、いまの一円五十銭を三円にしてくださいよということなら、生産者も喜んで三円ぐらいの金を出すと私は思うのですよ。 何か、そういうふうな抜本的な案を一つ考えてみてはどうかということで、いま事務当局に少し勉強してもらっているんです。だから、大体同じような方向になるんじゃないかと思います。これは専門家が見ると、われわれの思いつきについてもいろいろ批判があると思いますが、何かこれは考えてみたいと思っています。
○小宮委員 私も政務次官の考え方に全く同感なんです。したがって、今回の二百二円にしても、その積み立て金を農家だけに負担させるのかということですね。いま言われるように、たとえば三円の値上がりのものであれば、農家の負担と同額ぐらいは国が折半してでも何らかの形で助成をしていくということがなければいけないと思うのです。基準価格は上げていく、上げたって全部農家の負担になるということになり、それで今度、国は金を出さずに文句だけを言うということでは片手落ちではないかという、そういうふうな不信感がみなぎっておるから、いまの生産調整の問題もうまくいかぬのです。 特に、いままでの局長は、基準価格を上げると生産を刺激するからできるだけ低く押えようとする。しかし、これは、安定基金の定款を私は読んでみたが、ところが、第二条の「目的」に、基金は鶏卵の全国的かつ計画的な生産、出荷の調整を基礎として、鶏卵価格の変動により生ずる鶏卵生産者の損失を補てんするというふうに定められているんです。そうすれば、いまのこの安定基金制度というのは、生産調整の機能を持っているわけですよ。だから、私が先ほどから言っておることは、歴代の局長はみんな基準価格を上げれば生産を刺激すると言うが、それなら、魅力ある安定基金制度にして全部入れて、そこでやりなさい、むしろこれが早道だと言うんだ。だから、その意味で、安定基金制度をそういう調整機関を——これはむしろ初めにつくるときから目的ははっきりしておるんですから、そのために、いま私が言っておるように、基金にみんな入るようにしむけていきなさいと言うのです。特に、定款とか業務方法書の中にも、三年の基本契約だとか、毎月のものとか、いろいろなことが書いてある。これから見れば、全部把握できるわけですね。これを把握せずにおって生産調整なんかやろうと言ったってナンセンスですよ。 だから、その意味で、いま次官からも非常に理解ある答弁をいただいたので、その問題については私は非常に期待をしておるわけですが、ぜひいまの問題は早急に検討し、この制度そのものを魅力あるものにしていただきたいということを考えております。その場合に、いまの二百二円の積み立て財源はさしあたってどうしますか。養鶏家の負担を折半してでも国のほうで何らかの助成をするという意思がありますかどうか。その点、政務次官、どうでしょうか。
○渡辺(美)政府委員 私は専門家じゃないから詳しいことはわかりませんけれども、ともかく、二百二円では、加入したってそれ以下に下がったときはつぶれるときだからね、加入しませんよ。それで、二割六分ぐらいの、第一、第二基金両方集めて、その程度のシェアだったら、これは生産調整の機能を持ちません。ですからやっぱりある程度上げる。上げるということになれば、いままでの観念からすれば、当然農家だけが負担をしろということになるんですね。ところが、じゃ国は補助金でも出すかというと、いまあなたが言ったように、農家が何割、こっちが何割補助金出すかということで、これはなかなかむずかしいらしいんだ。そこで、補助金を出さなくとも、現実に引き上げて、それより下がった場合は、基金が支払い能力を持っていればいいんだから、基金が支払い能力を持っていればどんどん払いますよ。あとはあとの話になるんだからね。そこで生産調整がきちっとつけば、卵価はある程度適正価格に戻りますよ。生産調整にみんな入ってもらって、そういうことで、一割なら一割というものをきちっと落としてもらえば、それは戻りますよ。今度はある程度戻ったときに、三円、いまの倍出すんですよという約束にしたって、農家の人だって、そのときにぐずるということはないと思うんだね。その借金の穴埋めはあとでできるんだからね。そういうふうなことなど何か考えてはいかがなものかということで、専門的によく詰めてみてくれということで、いま詰めさせているのです。
○小宮委員 いままでのそういったいろいろな基金を中心として、基金を魅力あるものにしなければいかぬということについては、私も政務次官も意見は一致しております。 そこで、それに逆行するような通達をまた出されておる。というのは、先ほど申し上げました四十七年の七月に農林省の三局長から出された「鶏卵の生産調整について」という通達を見ますと、鶏卵の生産調整に協力する者、卵価基金の中に加入している者については国の融資、補助の対象としますということを書いてある。これは当然の措置だと思うのです。ところが、その舌の根もかわかぬうちに、今度は、四十八年の三月に、「畜産経営特別資金助成事業について」という通達がまた畜産局長から出ておるのです。その通達を見ますと——その通達はかりてなく、その後の措置を見ても、三局長の通達の趣旨とは今度は違った通達になっているのです。そして、生産調整の非協力者でも、基金の未加入者でも、その対象として資金の融資をします、と、こういうふうになっているのですね。そういうように畜産局長がかわるごとに養鶏行政のあり方がぐらぐら変わるようでは、先ほど冒頭に申し上げましたように、農林省はほんとうに畜産行政について真剣に考えているのだろうかという疑問を持つのは当然だと私は思うのですよ。そういったことは、いまも政務次官が一つの大きな方向として言われたように、安定基金に全部入れるようにして、魅力ある安定基金にしようとするべく意見の一致を見たわけですから、その意味では、その一つの方向に従って今後の畜産行政の指導方針を打ち出してもらわぬと困るわけでありまして、前と今度は違うとか、また、今度はだれか別の人が畜産局長になったからまた変わるというようなぐらぐらしたような方針では、農家の人たちはどれがほんとうなのかということで、いまの農林行政に対しての不信と反発をいよいよ倍増させるだけなんです。だから、その点について特に今後注意してもらいたいと思うのですが、局長、どうですか。特に局長は出すほうですからね。
○澤邊政府委員 ただいまのお話しは、生産調整を行ないました際に出しました通達で、融資その他でメリットを与える、基金に参加し、生産調整に加わるという場合にはメリットを与えるということと、先般の、昨年でございますが、えさの値上がりに伴います特別経営資金の融資の際に、生産調整等に協力しない者については、デメリットといいますか、そういう者にはむしろ融資をしないようにしたほうが首尾一貫するではないかという、こういう御趣旨の御質問かと思いますが、確かにそのほうが首尾一貫していいと思います。ただ、その点も検討はしておるわけでございますが、事務的な実行上、そういうことをどこでチェックするかというような問題が若干残っておりますので、やる限りはそれが実行されなければならないんで、うたい文句だけ書いて実際のチェックが不可能だということでもいけませんので、その辺は現在検討しておるところでございます。
○小宮委員 そのチェックをすることは非常にむずかしいんだけれども、まず、チェックの前に、そういうような通達を出すことに問題がある。政務次官のいまの答弁を聞いても、一つの養鶏行政の方向はきまったと思うのですよ。だから、そういった方向を踏まえて踏みはずさぬような今後の行政をやってもらいたいと思います。 それから、もう一つの、養鶏経営の安定をはかるために、値くずれがしたときに液卵公社が買いささえをするという問題ですが、現在の液卵公社の買い入れワクはどれくらいで、買い入れ価格はどれくらいの価格で買い入れておりますか。
○澤邊政府委員 買い入れワクというものは、特にいま幾らというふうにはきめておりません。といいますのは、基準価格との関係で、その基金によります補てんの基準価格のやや下のところで買いささえをするというのが公社の機能でございますので、そのときどきの市況等によりまして必要数量もきまってくるわけでございまして、あらかじめワクは設けておりませんが、ただ、現在、液卵公社の資本金が九億になっております。これを来年度は三億追加出資をいたしまして十二億にするということによりまして、価格水準の改定とあわせまして機能の拡充をはかりたい、実質的にワクの拡充をはかりたいということは予定をいたしております。
○小宮委員 次は、輸入液卵について質問します。 片や生産調整を進めていこうとしており、片一方では輸入液卵がどんどん入ってくるようで、これは農林省としても、その方針に逆行する形になってくるわけですね。だから、生産調整をまずやり、生産調整をやることと並行するか、あとで、その液卵の輸入の問題を考えればいいと思いますけれども、こちらは生産調整をやる、片一方から液卵がどんどんふえてくるということであれば、何のために生産調整をやるのかという率直な疑問が起きるのはあたりまえであって、また、これほど生産調整をやる大きな矛盾が生まれてくるわけです。したがって、この液卵の輸入に対しての考え方をまず畜産局長から聞いておきたいと思います。
○澤邊政府委員 確かに、ただいまの御意見のように、国内で生産調整をやりながら幾らでも輸入が入ってくるということでは困ります。ただ、現在、液卵の輸入につきましては、すでに三十七年以降自由化をしておりまして、漸次輸入がふえておりましたけれども、四十六年以降は、卵黄を除きまして輸入量は減少をしております。ただ、鶏卵につきましては、われわれ農林省が持っております長期目標におきましても、完全自給ということを目ざしております。もちろん、季節的なり一時的に需給のアンバランスということで入れることは当然でございますが、基本的な考え方は完全自給でいきたいということでおりますので、液卵が国内の需給の必要性を越えて入ってくるというようなことのないようにするために、自主的な調整を行なうように輸入商社等に行政を指導すると同時に、国内養鶏を保護するために、四十七年の四月に関税の引き上げを行なったところであります。毎年この措置の延長をはかってきておりまして、二五%またはキログラム当たり六十円のいずれか高いほうという関税率になっておりまして、これを毎年延長しております。この関税によります措置とあわせまして、行政指導によりまして自主的に輸入を抑制をしていくということは今後も強力に続けていきたいというふうに思います。
○小宮委員 液卵輸入の近年の傾向はどうなっておりますか。ちょっと御参考までにお聞きします。
○澤邊政府委員 卵黄と全卵に分けまして、全卵につきましては、四十二年に八千七百六十五トン、四十三年が二万二百六十一、四十四年が二万二千五百二十八、四十五年が二万八千五百十九、四十六年が二万一千七百六十七、四十七年が二万九百七十四で、このとき減になりました。四十八年が二万八十九ということでございます。卵黄につきましては、四十六年以降入っておりまして、四十六年が五千五百四十四、四十七年が五千七百八十六、四十八年が七千九百二十という大蔵省の資料によります輸入量でございます。最近の価格関係からいたしますと、最近では非常に入りにくくなっておるというように聞いております。
○小宮委員 それでは一つ確認をしておきますが、いま現在でさえも、日本で生産される卵は多過ぎるということで生産調整をやろうとしているわけですが、その意味では、御存じのように、米は国内で生産して、それを中心にやっておるけれども、米に対しては絶対一〇〇%自給自足をやっておる。自給率一〇〇%になっておる。鶏卵の場合も、すでに現在それだけ生産過剰にあるという現状ですから、私は、特殊のものを除く以外は、国内の鶏卵の自給率もやはり一〇〇%まで持っていってもらいたい。それで、特殊の問題についてはいろいろな事情もあろうし、そこまで規制しようということは私も考えておりませんが、国内の生産調整をやっていくかたわらでこっちから輸入をしていくということについては、また、生産調整がスムーズに行なわれがたいというふうに感じますので、そういう意味では、輸入液卵については、生産調整をやっていく過程においては極力圧縮して、農家の方々が生産調整に協力する体制をとっていってもらいたい。そうしますというふうに確認していいですか。これは政務次官にお願いします。
○渡辺(美)政府委員 原則的にはそのとおりだと思います。
○小宮委員 最後に、ニューカッスルのワクチンの問題について質問します。 このニューカッスルワクチンが、一昨年だったと思うのですが、要指示薬に指定をされております。そのとき、私は、この委員会でこの問題について質問をし、足立前農林大臣から答弁をいただいておるわけですが、私のそのときの質問の要旨は、この生ワクチンを要指示薬になぜ指定しなければいけないのか、そのことによって養鶏農家の負担がふえてくる、そして、獣医師にそのつど診断書を書いてもらうとか、あるいは検査、予防接種をしてもらわなければいかぬということで、かえってむしろ弊害があるんじゃないか、各農家でももうすでに十年、二十年このことをやってきて、いままで何ら不合理もなかったし、無理してやる必要がないんじゃないかということで、そのことをここで私は質問したことがあるのです。そうしたら足立農林大臣は、私も養鶏を経営した経験がございますので、十二分によくわかります、したがって、もしいま私がこれを除外をするということになりますと、政府としても朝令暮改のそしりを受けることになりますので、ひとつしばらくやらせてみてくださいと言っている。これは議事録にはっきり載っております。やってみて、やはり不都合であったとか、何のメリットもなかったということであれば除外をするようにいたします、ということを足立前農林大臣がここではっきり答弁をしておられるのです。ところが、その後の経過を見てみますと、要指示薬に指定する以前からと状態は一つも変わっていないのです。したがって、要指示薬に指定をしたけれども、実際は、獣医師が来て予防注射を接種するわけでも何でもない、従来と同じようなことが繰り返されておる、ただ切符切りにすぎぬということになると、何らいままでと変わったことがない。ただ、切符切りしたためにお金を払わなければいかぬ、負担がふえるというだけの話で、それすらも要指示薬に指定される以前と何ら変わらない現在の状態なんです。こういうような無用の長物になってきておる。要指示薬にしたけれども何ら変わったこともないということになりますと、私は前大臣の答弁をここでまたあらためて思い直しておるところですが、これは除外する意思がないのかどうか。局長、その点はどうですか。
○澤邊政府委員 昭和四十二年に大流行をいたしまして、養鶏家が自由に購入して、自分で接種するということになりますと、不完全な免疫によってかえって近隣に流行するというような心配があり、また、ワクチンを野放しに使用するということは食品衛生上の問題も軽視できなくなったというような事情で、いま御指摘がございましたように、四十七年の七月から鶏のニューカッスルワクチンを要指示薬に指定して、獣医師の指示によって使用するということに改めたわけでございますが、農村におきます獣医師の数が十分でないということもございまして、また、個々の養鶏家に対します指示書の発行が非常に繁雑だということのために、現在では、養鶏農家を県の家畜畜産物衛生指導協会という組織に組織化をいたしまして、協会事業としてワクチンの接種を行なう場合には指示書を省略できるということにしまして、養鶏農家に負損のかからないように指導しておるわけでございます。全国的に見ますと、この新しいやり方が漸次定着しておりますが、統制のとれた自衛防除が進行してまいりまして、今後ともこういうやり方が完全に普及するようになりますれば、経済的な注射ができるということになりますので、そのような線で農家の負担を軽減するようにつとめていきたいというふうに思っております。
○小宮委員 要指示薬に指定されてから、農林省は、各保健所を通じて、獣医師に対して何か助成を行なっておるという話を聞くのですが、これは事実ですか。
○澤邊政府委員 技術料の御質問だと思いますが、そうでございますか。
○小宮委員 私が質問する趣旨は、結局、要指示薬に指定をしたけれども、実際はほとんど何もしていないという、そういうような獣医師に、このワクチンを要指示薬に指定したことによって、何かいろいろ獣医師に対しての助成を保健所を通じてやっておるという話を聞くものですから、従来と一つも変わらないことをやっておるのに、何で国が獣医師に助成をする必要があるのかということを私は疑問に思うのです。ですから、そのような獣医師に対して、ワクチンが要指示薬に指定されたことによって助成をされておるのかどうかという点をはっきりしてもらえばいいのです。
○澤邊政府委員 これは、現在は獣医師に対しまして特に助成はいたしておりません。
○小宮委員 それから、最近、ワクチンメーカーの採算悪化を理由に、ワクチン協同組合を通じてワクチンの共同出荷、共同販売をしようと計画されておるようですが、これは事実ですか。
○澤邊政府委員 そのような動きがあることは聞いております。
○小宮委員 それは、いまそういうような組合でそういう話や動きがあるということだけで、農林省としては正式にまだタッチしていないということですね。
○澤邊政府委員 そのとおりでございます。
○小宮委員 それでは、また一つ質問します。 先ほど申し上げましたように、非常にいま採算が悪化しているということを理由に、ワクチンの価格を、従来の三百円か三百五十円から一挙に九百円に引き上げようとしておる動きがあるということを私は聞いているのですが、その事実はないですか。
○澤邊政府委員 三百円云々の話は聞いておりませんけれども、あるいは単位が別の基準で違うかとも思いますが、末端価格で、不活化ワクチンについて、従来一羽分で六円であったものが、この二、三年前から三円くらい下がっておるわけです。三円ないし三円五十銭くらいに現在下がっておるわけですが、それを上げたい——これは原料であります受精卵や包装資材なり、あるいは人件費等が高くなっておるから二〇%ぐらい上げたいという動きがあることは承知しております。
○小宮委員 それはもし上げる場合は、農林省の了解か許可か、そういうようなものがやはり必要とされるのですか。どうですか。
○澤邊政府委員 法律上の指示とか指導ということではございませんけれども、養鶏経営上非常に大事な資材でございますので、それが大幅に上がるということは好ましくないと思いますので、農林省としては十分指導しまして、不当な値上がりにならぬように抑制をしてまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 いま局長が説明された中で、その値上げの動きについては、何%値上げをしようとする動きが出ておるのか、その点だけ、わかりやすく何%ぐらいということだけおっしゃってください。農林省としてはできるだけそれを押えようとして指導しておるんだということですが、何%ぐらいの値上げの動きがあるのか、その点を教えてください。
○澤邊政府委員 先ほど言いましたように、二〇%ぐらい上げたいという動きがあるように聞いておりますが、われわれとしては、それは高過ぎるということで、少なくとも一五%以下ぐらいのところには押えたいということで指導をいたしたいと思います。
○小宮委員 ワクチンが値上げになると、それだけ養鶏家に負担がかかってくるわけですが、この問題についても、先ほど申し上げましたように、当農林水産委員会で私が質問した際も、足立前農林大臣は、農家の負担にならないようにいたしますということをはっきり言っておるわけです。これは、私も、一切値上げを認めてはいかぬというようなことまでは言いません。足立前農林大臣の本委員会での答弁が生きておるわけですから、そうした場合に、もし値上げをどうしても認めざるを得ないというときは、また、値上げがあったというときは、農家の方々の負担にならないように、国として、政府として、何らかの助成措置を講ずる用意があるのかどうか、その点をお聞きしておきます。
○澤邊政府委員 従来から、発生予防につきましては、家畜畜産物衛生指導協会を通じて、小規模経営農家だけを対象にいたしまして、ワクチン代の三分の二、国と県、各三分の一ずつ持ちまして、三分の二の補助をして農家負担の軽減をはかっておりますが、また、発生があったときの蔓延防止の場合には、ワクチン購入費の二分の一を補助するということを、これは家畜伝染病予防法に基づいてやっておるわけでございます。今回の値上げは、最終的に幾らになるかまだわかりませんけれども、かりに一五%値上げということになりますと、一羽分で三円五十銭のものが四円に上がるということになるわけでございますが、一羽分五十銭上がるということは、これは一羽につきまして年に三回ぐらい使うということでございますので、計算いたしますと、卵価と比べますと非常に微々たるものに実はなるわけでございます。したがいまして、農家負担がこれによって上がるということは事実でございますけれども、その額は非常にわずかであるということでございますので、われわれといたしましては、特にこの際負担軽減のための補助をするという必要はないのではないかと思っておるわけでございます。 なお、それならば、小規模の経営に対して三分の二の補助をしているのはどういうことかということですが、これは負担軽減という意味ももちろんございますけれども、やはり、小規模の養鶏経営はなかなかやらない。そうすると、発生した場合に周囲に迷惑をかけるという意味が主でやっておるわけでございまして、負担という面からすれば、これもそうたいした話ではないと思うわけでございます。したがいまして、いま言いましたような、かりに一五%値上げという場合にも、特にそれによって軽減するための財政措置ということは考えておりません。
○小宮委員 大体質問はこれで終わりますけれども、いま言われたことについて、もう一度確認の意味で申し上げますけれども、生産調整の問題については、全国の養鶏農家が安定基金に加入するように、また、加入させるように、この安定基金制度を魅力あるものにするというようなことで進めるということが一点、それから、卵価の安定基準価格については、基準価格の引き上げをすみやかに検討して、それを早く実現するということ、液卵公社の問題については、その買いささえのワクの拡大と買い入れ価格の問題についても十分検討しますということ、それから、外国液卵については、国内の鶏卵を圧迫しないことを前提として考えるということ、いままでの質問の中で考えてみますと、大体そういうような四点に尽きると思うのです。それから、このワクチンの問題については、農家の負担の問題は、特にこれは前の大臣も明確に答弁しているわけですから、特にそういうようなワクチンの値上げが問題になってきた時点では、さらに十二分に検討をお願いしたい。 以上のことを確認するとともに、要望を申し上げまして、ちょうど時間が参りましたので、これで質問を終わります。
○仮谷委員長 中川利三郎君。
○中川(利)委員 えさのことで聞くわけでございますが、えさが非常に高い。こういう異常な高値ということに対して、農林当局はやむを得ないものと考えているのか、それとも、これは行き過ぎだというふうに考えておるのか、まず、次官からお聞きします。
○渡辺(美)政府委員 われわれとしては、外国からの輸入価格の上がっておるものについては、これは一国でなくて世界じゅうの話でありますから、実際問題として、それを引き下げるというようなことはなかなかできない、しかし、そういうことをいいことにして、便乗値上げをさせるようなことは絶対にさせちゃならない、こういうように思っております。
○中川(利)委員 便乗とかなんとかを聞いたのじゃなくて、いまの二月に上げた一万何千円をやむを得ないものと思っているのか、行き過ぎだと思っているのか、と、このことを聞いたのです。
○澤邊政府委員 今回の値上げにつきましては、昨年の十二月ごろからいろいろ動きがありまして、その時期等につきましてもなるべく延ばすように、値上げ幅をできるだけ押えるようにという行政指導も加えまして、二月まで延ばしてああいう値上げが行なわれたわけでございますが、われわれといたしましては、できるだけ値上げ幅を押えるという指導をいたしまして、いろいろその要因等も説明を聞いたわけでございますが、先ほど政務次官からもお答えがありましたように、海外要因が主でございますし、あるいは円為替レートの低下等、あるいはその他の物価一般の上昇に伴います包装資材費等の値上がりなどが主要な原因でございますので、あの程度の値上げはやむを得なかったのではないかというふうに思っております。
○中川(利)委員 それはやむを得ないわけだね。行き過ぎじゃないんだね。そうしますと、それで畜産農家はやっていけると思いますか。
○澤邊政府委員 コストのアップには当然なるわけでございますが、農家がやっていけるかいけないかということは、生産費の値上がりの問題と、価格が今後どのように形成されるかという両方からきまってくるわけでございますが、値上げ直後においてのあの価格ですべての畜種について十分だということはもちろんないわけで、かなり苦しいということはわかりますが、われわれといたしましては、国がきめます政策価格、あるいは自由市場において決定されます畜産物の価格、いずれにおきましても、基本的には価格に生産費の値上がり分を反映させていくということが必要であると考えておりますので、そのような方向で現在の畜産経営の苦しい現状を解決していくように努力したいと思っております。
○中川(利)委員 だから、今度基準価格を上げて、それでそういうえさの値上げというものを十分まかなっていけるかどうか聞いているのです。だから、今後の動向にまたなければならないといったって、現実にいま問題が起こっているわけですから、今度おたくが基準価格を手直しすれば直りますか。それで平均農家でやっていけますか。率直にお聞きします。
○澤邊政府委員 三月末にきめます加工原料乳の保証価格並びに豚肉の安定価格等につきましても、今回のえさの値上がり分も織り込んで、その他の要因もございますので、再生産が確保できるということを旨として決定をしたいというふうなことで、鋭意作業を進めておるところでございます。
○中川(利)委員 再生産確保をすることを旨としてということは、いつの場合も言われている。毎年それできめてきた。しかし、毎年やっていけない。だんだん深刻になってきた。今度のそれでやっていけるという保証は何ですか。
○澤邊政府委員 御質問の趣旨がやや理解しがたいところがございましたけれども、要するに、今回のえさの値上がりを含めまして生産費の動向を十分に織り込んで、適正な価格をきめたいということを考えておるわけであります。
○中川(利)委員 あなたとそれをやりとりしたってらちがあかない。 ところで、次官、せんだって全農にすわり込みをやったんだ。農林省に来ないで、全農にすわり込んだんだ。これをあなたはどう評価しますか。
○渡辺(美)政府委員 どう評価すると言われても困りますが、それだけ非常に深刻な問題であるというふうに率直に受け取りたいと私は思います。
○中川(利)委員 それだけ深刻な問題なんだ。 ところで、たとえば豚の場合で言えば、えさは一年に四回かそこら上がる。ところが、豚価の基準価格をきめるのは年一回だね。当然そこに実態のズレが出てくると思いませんか。
○渡辺(美)政府委員 今回は、矢つぎばやというか、続けてえさの値上がりがあったというような異常な事態であったわけです。しかし、去年の前半と八月ごろはかなり豚価もいい値段をしておった。そのあとになってから下がって、そこにえさの値上がりが追い打ちをかけられたというようなことがあります。豚の場合は、例年のことですが、ビッグサイクルで上がったり下がったりするというようなことは、いままでもずっとあったわけです。しかしながら、今回のえさの値上がりに対して、現在の支持価格というものは安過ぎる、今後えさが下がるというような安易な見通しはない、このように思っておりますものですから、四十九年度においては、それらの事情を踏まえて適正に豚価を決定するというつもりでおります。
○中川(利)委員 皆さん、いま決定的な要素であるえさ代が上がれば自動的にスライドできるようなやり方をしなければ、実態に即した経営はできないじゃないか、こんなに何回もえさが上がれば、われわれは生産計画も何も立てられないじゃないか、予定も立たないじゃないか、と、こう言っておるのだ。ところが、皆さんは、年に一回、豚の場合で言えばそんな基準価格できめてきたけれども、その中でずっと問題が一そう深刻化してきているわけですね。そういう点から見ますと、いままでの考え方を、いままでの延長線の中でだけやってきたって問題にならない。解決にならない。ここに百八十度抜本的な考え方を変えるという立場なり政策をとらなければならない状態に追い込められておるというように私は感じますが、次官はどう思いますか。
○渡辺(美)政府委員 先ほどお答えをいたしましたように、現在のえさ事情等を考慮して適正な豚価をきめていく、こういうつもりでございます。
○中川(利)委員 それは算定方式のもとであとで問題にしますけれども、たとえば先ほど来、今回のえさの値上げはやむを得ないものだとあなたは言いましたね。しかし、それはどういうふうにやむを得ないかというと、船賃が上がったとか、レートが上がったとか、円安になったとか、いろいろな理由を言いましたね。そうすると、このえさについて見ますと、たとえば円高のときは、その筆法でいけば、えさは確かに安くならなければならないのだ。この前、半年くらい前に、船賃はちょっと安かった。そのときも高くなっておるのだ。円高でも高くなり、円安でも高くなり、船賃が安いときも高くなり、高くなればもっと高くなるというかっこうです。ほんとうから言えば、あのときそれならなぜ下げないのかと言わなければなりませんが、こんなことはそうあまり大きい理由じゃないのじゃないですか。どうですか。
○澤邊政府委員 先ほど円安の問題あるいは船賃の問題等を申し上げたのは、今回の主要な要因がそれらのところにあるという趣旨で申し上げたわけですが、過去におきましても、国内の配合飼料に影響いたしますのは、海外の穀物価格自体の動きももちろん影響するわけでございますが、今回は、それ以上に、円安の問題なりあるいは海上運賃の問題が直接的な影響としては大きかったという意味で、穀物価格のことは特に申し上げませんでしたけれども、過去におきましては、穀物価格が下がったという場合には配合飼料価格が下がったこともございますし、さらに、昨年も、一昨年の夏以来穀物価格が急激に上昇いたしまして、三月にも値上げをしまして、さらに四月も値上げするというような動きがございましたけれども、円レートが下がったということもございまして、四月の値上げは抑制をした、やらなかったというような事情もございますので、円レート、それから国際価格、運賃とか、その他を総合的に見ながら適正な価格が形成されるように指導をしているところでございます。
○中川(利)委員 まあ、何だかんだ言いますけれども、せんだってのある新聞を見ますと、農林省の基本方針として、今度の畜産物の価格引き上げについて、財政負担はもうしようがないんだ、財政よりも直接消費者に負担をかけたほうがいい、これが基本方針だというふうに出ていますね。そして、まず、「購入飼料価格の高騰などによるコスト上昇分は弾力的に価格引き上げに反映させる」、二番目は、「価格引き上げに際しては財政負担による価格上昇分の吸収よりも、むしろ“消費者負担の原則”を前面に打ち出す」となっており、これが農林省の基本方針だとありますが、これは間違いありませんか。
○渡辺(美)政府委員 このように、えさばかりでなくて、あるいは原糖についても、あるいは石油についても、国際的な要因による上昇分については、財政負担でそれをまかなうということになれば、これはえさだけに限らず、ほかのものに波及することは間違いないし、ずっと永久的に財政負担をするということは、財源その他の問題から見てもできない、世界じゅう高いんですから、やはり、そういうものは価格に転嫁する以外には方法がないのではなかろうか、というように考えております。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
○中川(利)委員 世界じゅうみな高い、国際的要因によるものだ、だから消費者にかぶせなければならないんだとおっしゃるけれども、いま、日本の中で何が問題になっているかというと、大企業がものすごいべらぼうなもうけをあげているということでしょう。この問題に手を触れないでいきなり消費者物価にかぶせてくる、こういう考え方は適正だとお思いですか。
○渡辺(美)政府委員 大企業に手を触れないでというお話しでございますが、農林省としては、全農等の仕入れるえさにつきましても、この間も御指摘がございましたが、それが便乗値上げになっているようなことがあっては絶対相ならぬし、まして商社についても同様でありますから、それぞれの担当官をして、輸入の実態あるいはそれに対する経費の付加等の適否等も見させて、価格については、適正な価格を行政指導するようにしておるわけであります。だから、大企業にえさについてもうけっぱなしにさせるなんということはやらせません。
○中川(利)委員 あなた、原価を公開させない、配合率を明らかにしないという姿勢の中で、そこへ何も手を触れないで消費者に負担をかぶせるというのは、特にえさの問題について言えば、第一、国民が納得すると思いますか。 そこで、あなたにお聞きしますが、今度の三月期の決算の予想を、農林省はそれぞれ飼料メーカー各社について立てているでしょう。大体つかんでいらっしゃるだろうが、黒字だと思いますか。赤字だと思いますか。
○渡辺(美)政府委員 詳しいことはわかりませんが、特に業績が悪くなったというふうにはわれわれは考えておりません。
○中川(利)委員 メーカーは、特に悪くなるどころか、いろいろな予想を立てられていますが、いままでかつてないような決算を計上するというふうなことを言われているわけだ。ところが、農民はどうですか。赤字ならまだいいけれども、もうどんどんやめざるを得ないし、やめたときも借金ぐるみだという、こういう実態なんだなあ。農民はどんどんやめて何ともならないけれども、メーカーがつぶれたっていう話は聞いたことがないのだ。あるいは、こういう状態の中で何ぼか飼料の値上げを延ばしたという話も聞いたことがない。一時銀行から借り入れをしたという話も聞いたことがない。何にもやらないで、石油のせいだ、船賃のせいだということでいきなりえさの値段を高くして、政府もそれはやむを得ないという姿勢ですね。こういう中では、農民だけがそれをかぶらなければならない、消費者だけがかぶらなければならないということになるでしょう。そういうことで農民がいかに苦しんでいるかということを、おたくのほうでは生産の実態についてどのようにつかんでいますか。たとえば標準農家の種豚の場合はこれこれのことで、生産費がこういうふうで大いにもうかっているとかいう標準的なものがありましたら御紹介いただきます。
○澤邊政府委員 標準的なものといいますれば、生産費調査によって判断する以外にないと思いますが、これが今回の値上がりによってどの程度生産費に響くかという点については調査の結果を待たなければならないわけで、だいぶ先になる予定であります。
○中川(利)委員 あなた方の調べがつくのはだいぶ先になるけれども、実際の農民の深刻な状態はもう毎日進行して、やすりのように皆さんを苦しめて、殺しているという状況があるわけですね。 私の手元に、肉豚一頭当たりの生産費を私どもの農民から書いてもらったものがありますが、肉豚一頭当たり飼料代が何ぼかかるかというと、たとえばブーレットAが一袋の八分の一使うから四百五十円だとか、ブーレットのBが二袋使うから三千八十円だとかいろいろ計算して、肉豚一頭つくるために飼料が一万九千五百三十円かかる。精細なデータがここにありますよ。そのほか、薬代だとか、農協の手数料だとか、それらを含めまして、生産費の合計が肉豚一頭当たり二万七千三百四十一円かかる。その売り上げを見ますと、生体一キロ三百円にして、九十五キロ仕上げですから、三百円の九十五キロで二万八千五百円です。ですから、どういう結果になっているかというと、売り上げ高が二万八千五百円でしょう。生産費が二万七千三百四十一円です。残りが千百五十九円というんですな。これでは何が出ますか。こういうことはあなたはわかっておるでしょう。 種豚の問題で言いますと、種豚一頭当たりの生産費が十一万六千九百円ですね。ところで、この種豚が年二回お産すると、一腹に大体八頭生まれるとしまして、八頭の年二回ですから十六頭生まれる。そこで、生産費の十一万六千九百円を十六頭で割ってみますと七千三百円になるのですね。そうして余った金が百円しか出てこない。これが二月現在の農民の実態だということをあなたは御存じですか。
○渡辺(美)政府委員 詳しい計数はわかりませんが、えさの値上がりによって経営が圧迫されていることは間違いない。したがって、われわれは、いままでの生産費調査をもととして物賃その他の値上がりを見込んで適正な豚価をきめる、こういうように目下作業中である、こういうことを申し上げます。
○中川(利)委員 いつもあなた方は適正だとか、今度基準価格をやればどうだと言いながら、年々深刻になって、年々手放す人がふえているという事実があるわけだ。あなた方は同じことを繰り返して、同じ状態をますます深刻化させるのですか。しかも、メーカーについては指一本触れない。メーカーは企業努力なんか何にもしていないでしょう。紙袋が上がった、資材が上がったといったって、一回だって紙袋を回収したことはないでしょう。何のために大学を出たかといって農民がおこっておったのですがね。とにかく、石油のせいだ、あのせいだということで、そっちが上がったからこっちをすぐ上げるというんならば何のために大学を出たか、また、それをやむを得ないなんて容認する農林省なんてのは一体何だろうかと、これがいま農民の怒りのほんとの声じゃないですか。 そこでお伺いしますが、いま、商社というよりも、飼料のメーカーが直営牧場を持っているな。中部飼料だとか、日清飼料だとか、日本農産加工とか、日配とか、みんなそれぞれ直営の牧場を持っているんだな。あるいは名前を変えても、自分の系列のものを、ね。そのほかにもとんでもない連中が豚をやったり牛をやったり、いろいろやってきておるのが実態なわけですね。こういうものを資料的につかんでいますか。
○澤邊政府委員 直営農場のお話しかと思いますが、これは最近のものを調べておりますが、現在私どもが把握しているのはやや古い数字でございますが、四十五年の数字を一応現在は持っておりますけれども、ブロイラー、採卵鶏、豚等で百五十五件ぐらいある。これは県の報告でとっておるわけでございます。 全体といたしましては、三十五年から四十年の間、四十年から四十五年の間に非常にふえたということでございます。もちろん、その後の若干の増はあると思いますけれども、大筋としては、現在調査中の結果を見なければわかりませんけれども、数においてはそう動きはないのではないかというふうに推定はいたしております。
○中川(利)委員 直営牧場の問題も問題だと私は思いますけれども、そのほかに伊藤忠だとか、最近は御承知の帝人まで乗り出してきておりますな。あるいは本田自動車、本田技研まで乗り出してきていますね。こういうのがみんなそっちのほうに入ってくるとなれば、この資料は資料であとでいただきますけれども、一体、政府としてはこれを放任するの、それとも規制するの、どうするの、お伺いします。
○澤邊政府委員 畜産全体、特に中小家畜の場合、最近非常に規模拡大が進んでおります。これはそれだけ生産性も上がり、能率が向上する、コストも下がるということで、一般農家の場合も、あるいはただいま御指摘にございましたような商社系なり、あるいは飼料メーカー系列の農家、あるいは場合によっては直営農場ということで規模拡大が行なわれておるわけでございますが、規模拡大をするということは、やはりそれだけ能率をあげることになりますので、それ自身好ましくないとすることはできないと思いますし、その場合、飼料メーカーその他が直営農場でやるということ自体を禁止するとか好ましくないとするとかいうことはなかなかできないと思います。 もちろん、土地取得についていろいろ問題があるとか、あるいは公害をまき散らすとかいう別途の観点からのいろいろな問題は、大規模な直営農場のある場合には発生する可能性もありますから、そういう意味ではいろいろ規制をしなければいけないと思いますが、そういう特別な問題がなければ、これをとやかく言う立場にはないというふうに思います。 ただ、最近のように、飼料価格の値上がりによって、一部の畜産物については、特に鶏卵につきましては、生産過剰ということで、それを抑制するという必要があるというときに、そういう大直営農場のような経営が、これはよくあることでございますけれども、苦しいときに資本の力で生き残ることによってシェアを拡大するというような動きがあって、全体の生産計画の足並みを乱すというようなことがあれば、これは好ましくないということでございますので、それらを含めて生産の計画化に参加するようにという意味での指導は強力にしたいと思いますけれども、一般的に言いますれば、特に直営農場だからどうという考えは持っておりません。
○中川(利)委員 直営農場だけ問題にしたんじゃなくて、伊藤忠であれ、本田技研であれ、帝国人絹であれ、何も関係のないものがどんどんこっちの分野に入ってきているでしょう。畜産局長というものは畜産農民を守るものだと思ったら、あなたの話を聞いたら、畜産農民じゃなく、大型の大企業を守るということをいまはっきり言ったと思いますけれども、そういう人がどんどん出てくれば規制ができない、・放任しますということであれば、どうして守るの、シェアとかいろいろな面から言って、あなたはどうして畜産農民の利益を守るのですか。コストじゃ太刀打ちできませんね。教えてください。
○澤邊政府委員 特に大企業を守るとかということを申し上げているつもりはありませんので、農林省としても、畜産農家に対しましては、補助なり融資の道を通じていろいろと積極的に規模を拡大し、経営を改善するという方向で指導、援助をしているわけでございますが、そのような直営牧場といいますか、直営農場的なものに対しては、そういうことは一切やっておりません。ただ、それを現在禁止する手だてはないということを申し上げておるわけでございます。
○中川(利)委員 畜産局長は大企業を特に守るものじゃないということなのですね。それはまたいい御答弁だと思いますが、しかし、あなたは御承知だと思いますが、そういう農民に対しては融資、援助をやっていると言いながらも、そっちのほうにはもっと大きい援助をやっているじゃないか。たとえば政府の農林中金から資金が出たりしているでしょう。あなたは一切そういうことをしていないと言うけれども、そういうものに対して資金を出している事実があるでしょう。全然農民でない者がこういう畜産をやるのについて、資金を出しているでしょう。あなたの答弁はおかしいじゃないですか。そういう事実がなくて、あなたはそう言っているのですか。
○澤邊政府委員 そういうものに対して、農家に対すると同じような補助なり融資なりをしておらないということを申し上げているわけであります。
○中川(利)委員 そうすると、特別な補助は、特別な融資はしているということですね。そういうことでいいですね。 では、お伺いしますが、そのような農民でない者、本来畜産農民でない者が市場をどんどん支配していった場合、日本全国の多数の畜産農家は一体どうなるのですか。今日における彼らの市場支配率というのはどのくらいになっていますか。どの程度、何%くらいになっていますか。お知らせください。
○澤邊政府委員 直営農場につきましては、現在のところ調査中でございますので、数字を持っておりません。シェアがどの程度になるかというような意味での数字は持っておりません。
○中川(利)委員 先ほど来申し上げていますように、私は直営牧場だけのことを聞いているのじゃないのですよ。とんでもない連中がみんなここへ出てきているということですね。飼料メーカーが自分の直営農場を持っていることについては、それはもうたいしたシェアじゃないかもわかりません。たとえば、六十万羽養鶏だとかなんとか、とほうもないものが一ぱい出ているでしょう。こういうふうなもののシェアについては全く調べておらない。つまり、あなたのほうは、大資本や大企業のやることについて何も調べがついていないということですよ。事実上放任しているということでしょう。こういうことで、大体危険なのは、日本の畜産農家がばったばった倒れていくということで、これはいろいろな要素もあるけれども、この連中がたとえば市場で何%になったとき——私が聞いているのは一%ということだが、まだ一%にならないそうですけれども、一%になれば、これはもうたいへんな状態が起こると言っているんだな。そういうことについてのおたくの検討の資料その他はございませんか。
○澤邊政府委員 いま一%に近くなっているような御意見ですけれども、私どもは、先ほど言いましたように、最近のそういう大農場のシェアを押えておりませんので、特にここでお答えするだけの材料を持っておりません。
○中川(利)委員 農林次官、そういうことで、肝心なことはほとんど何も押えていないんだな。そして畜産農民には融資をやっている、援助をやっている、制度資金があるのだというようなことで、その中で今日このような問題が起こっているのだから、根本には手を触れていないということにならないか。私はそう思いますけれども、どうですか。
○渡辺(美)政府委員 商売違いの仕事を大企業がやたらに手出しをするということは、私はあまり賛成しない。デパートで競馬馬を売るみたいな話と同じことで、こういうことは幾ら職業が自由だといっても、われわれとしてはあまり賛成できない。したがって、今後大企業がその地域等において非常に農民を圧迫するというような計画を持っておる場合は、いろいろな行政指導等を通じてそういうものはできるだけ押えていくようにやりたいと思っております。
○中川(利)委員 大企業が農民を非常に圧迫する場合は押えていきたいと言われるが、しかし、事実関係としてそういうものがもうどんどん出てきているということはおたくのほうは認めているのに、まだ、それについての実態調査も何もしていないんだな。それは裏づけがあってこそあなたのような御発言が出てくるのであって、何もないのにそういうことを言うというのは、ただこの場をやり過ごせばいいということになりませんかな。もう少し責任ある答弁をしてくださいよ。今後そういうものをちゃんと調べさせますか。
○渡辺(美)政府委員 現在サンプル的にはわかっておりますが、全国を網羅したものがまだできていないので、いま調査中でございます。そういうような調査に基づいて、どういうような影響力を及ぼしているか、このままこれを放置すればどういう影響が出るかというようなことを含めて、よく検討をして、適切な指導をしてまいりたいと思います。
○中川(利)委員 それはいつごろまとめて、いつごろわれわれに見せていただけますか。大体、いまこういう実態ですから、一日もゆるがせにできないというのが実態で、いまは畜産の危機どころじゃないのです。
○澤邊政府委員 いま照会をしておるところでございますので、一、二カ月はかかると思います。
○中川(利)委員 いままでの経過でも明らかなように、一番大事なところには手をつけないでいて、今度の値上がりは消費者に負担してもらわなければ困るのだとおっしゃっている。一番大切なところの問題に配合率の問題もありますね。私は去年の二月か三月に質問して、配合率を明らかにすべきだということを言ったにかかわらず、おたくのほうではその後何にもやっておらない。何かやりましたか、それで、配合率を明示するような話はしておったけれども何もやっていないというふうに私は思っていますが、これはどうですか。
○澤邊政府委員 現行制度上は、原料の名称及び配合率について表示が義務づけられておるものは一部の原料だけであります。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、現在、昨年の九月ですか、通達を出しまして、まず配合原料名を表示するような行政指導を行なっております。配合率の表示につきましては次のような問題があるわけでございますが、まず、一定の栄養成分量を充足する範囲内での原料の手当て状況——原料の価格変動のため一部原料が代替されるということがしょっちゅうあるわけでございます。したがって、配合率もそのつど動くというのが実情でございます。かりに配合率が変更のつど表示を改めるとしますと、二千万トン近い生産量、しかも多数の銘柄があるわけでございまして、その手続、手数なり、あるいは経費の問題等がありますので、今後これをどう扱うかということを検討をいたしておるところでございます。個々の具体的な銘柄の原料配合割合は各社の技術上の秘密に属する点がありますので、公表は経営上の問題が生ずると思います。 以上のようないろいろな問題がありますので、食品その他物資における状況、諸外国における状況等も参考として、研究会におきまして現在検討しておるという段階でございます。
○中川(利)委員 いま、諸外国の状況を検討すると言われたけれども、豚なんか、一番進んでいるデンマークはどうですか、ノルウェーはどうですか、イギリスはどうですか、これをちょっとお知らせください。
○澤邊政府委員 いまおっしゃいました国については、実は、まだ私どもでわかっておりませんが、アメリカ、カナダ、オーストラリア等では実施をしておらないというふうに承知をしております。
○中川(利)委員 実施しておらないところだけ調べて、実施しておらないと言っているんじゃないですか。政府の態度というのは、そこら辺に問題があると思う。 そこで、最近、豚のくそが非常に黒い色をしてきて、たいへんな問題になっているという事実を知っていますか。
○澤邊政府委員 豚のふんが云々という話は、私は直接は聞いておりませんけれども、配合飼料の値上がりがあった二月の前後から品質が低下しているということを盛んにおっしゃる方があるということはわれわれも承知をしております。具体的な場所と名前と教えてほしい、われわれ国の検査所ですぐ行って収去をして、検査をする、分析をする、あるいは県でもそういう機能を持っておりますので、そのいずれかでやるようにするからということは言っておるのですけれども、いまのところ、そういう具体的なお話しを持ってこられた方はまだほとんどないわけでございますが、一般的なこととしてはそういうことを言っておられますので、厳重に監視をしておるという段階でございます。
○中川(利)委員 この問題は、ちょっと前からずっと一般的に農民の間で言われていることだ。それを畜産局長は一般的に監視していると言うのだな。そういう問題だったら、あなたのほうから出かけていっていろいろなところに問い合わせをするのかというと、そういう事実は一回もない。手をこまねいていて監視していますなんと言ったって、これは誠意のないことだ。いずれにいたしましても、原料表示はあるけれども、配合率がないわけですね。配合率がないから、品質が低下してもわからないわけでしょう。成分表示だけではわからない。たとえば、あの消石灰を大麦にまぜたと仮定します。一俵三十キロで、消石灰だと百四十円から百五十円くらいですが、それを大麦にまぜると仮定すれば、出てくるのはカルシウムなんだ。しかし、会社から見れば、消石灰を入れて目方がよけいになって、原料単価が非常に違ってくるわけで、大麦の一俵は六百九十円くらいですから、これを粉にしてちょっとまぜてもだれも知らないのだね。カルシウムはちゃんと出る。そうすると、飼料会社各社がどのくらいその消石灰を使っているかというととが前々から問題になっているのだが、あなたは調べたことがありますか。
○澤邊政府委員 私はちょっといま承知しておりません。
○中川(利)委員 消石灰をまぜているということは前々から問題になっており、私は去年もそれを質問しておるのですよ。あなたはまだ調べたことがないと言う。これは私は去年質問しておるのだが、そういうことはたぶんないでしょうというようなことなんだね。実際だれもわからない。成分表示ではこれは出てこない。 それでは、まず聞きましょう。成分表示ではカルシウムが出るからそれでいい、おなかの中に入ってどう機能しようが、そんなことはかまわないというのがいまの農林省の方針ですか。
○澤邊政府委員 消石灰のお尋ねでございますので、あるいは担当のほうで掌握しておるかもわかりませんが、私は、いま突然のお尋ねでございますので、承知しておらないということを申し上げたわけで、カルシウム分について幾らというような数字はもちろんわかっております。
○中川(利)委員 たとえば宮城県のあるところに、鶏のブロイラーの羽を集めて製品化している工場があるんだね。鶏の羽というのは、これをマッシュして粉にして、この中には窒素が含まれていますから、当然たん白が出るわけですね。しかし、消石灰であれ、鶏の羽であれ、こういうものはものの表示の中に出てこない。しかし、たとえば鶏の羽でつくって粉にする。こういう工場は、小型のトラックで毎日一トンくらいずつ福島県の小名浜へ出しているのですよ。名前は何というのか、フェザー、羽のミルだね。つまり、羽の飼料、羽のえさだ。いまこういうものが出ているという事実をあなたはつかんでいますか。
○澤邊政府委員 フェザーミルというものは、一般的に飼料として使われておるわけでございまして、そういう表示はしておるはずでございます。羽を粉にしたというのはフェザーミルのことでございまして、それは外国でもわが国でも従来一般的に使われておるもので、そういうものが入っておる場合は当然表示をさせておるというのが現状でございます。
○中川(利)委員 どっちにしたって、成分表示では、実際の動物のからだの中へ入ってどれだけ機能したかということはわからないわけでしょう。それをまた成分表示を書くのは、その会社なりメーカーなりの自主的な書き方ですね。公的な機関がそれを専門に検査するという、何か第三者的な機関があなたのほうにあるのですか。
○澤邊政府委員 それは、現在の飼料の品質改善法によりまして、国の飼料検査所並びに県の検査機関において収去して、抜き取り検査をして、分析して、違反のものがあればそれをチェックする、直させるということは常時やっておるわけであります。
○中川(利)委員 そんなことを言ったって、一年に何回やるか知らぬけれども、いまこれが問題になって、農民はみんな口をあければ配合率を明らかにせよ、原価を公開せよと言っており、配合率に対しては特に要求が強いのです。そういう場合に、国は責任を持って検査を絶えずしておるのだと言えますか。みんな秘密にしておるから、いまの配合率に対して、農民は全く信頼できなくなっているのだ。まず、信頼関係を回復するという意味でも配合率を明らかにすべきだがそれがどこが不都合なんですか。明らかにした会社のものなら農民は安心して使えるのですから、どんどん売れるでしょう。そういうところにも、農林省の指導がメーカーサイドであるというか、何かそういうことが感じられる。こういう事態になってもまだそういうところをはっきりしないということはおかしいと思うのだ。しかし、おかしいからといって引っ込んでもいられないから一言いますが、この機会に国が公的な検査機関をつくる必要があるのじゃないか。これについての次官の御意見をお伺いしましょう。
○澤邊政府委員 御趣旨にやや理解しがたいところがあるのですが、検査機関を現在持っておりまして、検査をやっております。成分量について表示をさせておりまして、その成分があるかないかということはしょっちゅう検査をしてチェックをしておるわけでございます。配合飼料の原料につきましては、先ほど申し上げましたように、価格なり需給状況によってしょっちゅう変わるということでございます。なるべく有利な原料を使って、しかも、成分は同じもの、規格に適合するものということでやっておるわけでございまして、国際的な、あるいは国内的な飼料の需給事情、価格事情によって、そのときどきで有利な原料を使ってやっておりますので原料の配分割合をぴしっときめるということがなかなかできがたいという点に問題があるので、現在研究をしておる、こういうことでございます。 なお、先ほど、検査しておらないんじゃないかというふうに言われましたけれども、私のほうで、千葉県でおかしいのがあるという話で行って検査しましたけれども問題はなかったという事実もございますし、その後いろいろ言ってこられる方に、具体的にどこの銘柄のどういうものがどの農家でどういう結果になったのかという点を教えていただきたい、教えていただければわれわれの検査機関あるいは県の検査機関を通じて即刻行って検査をいたしますということを申し上げておるのですが、現在までのところ、そういう具体的なお話しがほとんど来ない状況でございます。来ますればやります。
○中川(利)委員 お客さんが来ればやりますよということですね。そんなことで農林行政、畜産行政ができるかということを先ほど来問題にしているのです。 あなたはそういう国の機関があると言うが、この飼料の内容の検定を専門にやっている担当の職員は何人いますか。千七百万トンも入ってくるのですよ。それを配合するのですよ。どこに何人いますか。その営業日報みたいなものを出していただけますな。
○澤邊政府委員 いまの問題にお答えします前に、誤解がありますといけませんので、先にちょっと申し上げたいと思いますけれども、申し出があればやるといいますのは、申し出がなければやらないということではなしに、常時やっております。国がやっていますが、その件数は年間で二千二百件ばかり収去して検査しておりますから、言ってこなければやらないという状態ではないということを申し上げておきたいと思います。 それで、国の肥飼料検査所は全国で計六カ所ございまして、さらに、それに加えますに、各都道府県に飼料の検査機関がそれぞれ設けられております。それが飼料の品質改善に関する法律に基づきまして、適宜立ち入り検査、現物収去によって分析等を行なっております。また、一部の輸入飼料については、民間機関において輸入に際して検査も行なっております。国の検査人員は約四十名、県は合計で約百名ぐらい配置されております。
○中川(利)委員 私がかつて問題にし、諫山委員が同じく問題にした配合飼料の問題は、配合率を明らかにせよということであったわけですが、当時の農林大臣の櫻内さんは、そのような方向で努力すると言っているんだな。そして、九月に通達を出したなんて言うから中身を見てみましたら、配合率じゃなくて、ただ、ここにはこれこれのものが入っていますよ、というだけなんだな。これは一種のごまかしだと思うのですよ。皆さんが要求し、いま全農民が声をからして叫んでいるのは、安心してわれわれが営農できるように配合率を明らかにしてほしいということなんだな。ここに及んでもまだあなたのほうは、その率は企業秘密だということで、これを優先しておやりになる意思がないのか、それとも少しは考え直すということになっているのか、もう一回お伺いします。
○澤邊政府委員 先ほどからお答えしておりますのは、現在はやっておりませんということと、それからいろいろ問題があるということを申し上げたわけで、なお、それらを含めまして研究しておるという段階でございます。やらないということをきめているわけではございません。
○仮谷委員長 中川君、時間が来ましたから気をつけてください。
○中川(利)委員 小宮さんは何分超過したか、あなたは御存じでしょう。私だけそんなことを言わないでくださいよ。 やらないということは言わない、やるとも言わない、つまり、ヘビのなま殺しだね、おたくの言うのは。そういうことでどうしてやれますか。特に私が申し上げるのは、四十七年のえさの値上げの際に、中身の配合率を変更して、飼料の名前まで変えたという実例まであるわけだ、たとえば乳配一号、クインエース何号とかというかっこうで、ですね。そういうことが現実に行なわれたことがあるわけですね。だから聞いているわけでありますが、いま委員長からの御指摘もありますから、もう一問でやめますけれども……。
○仮谷委員長 申し上げます。小宮君は一分間超過しただけです。守ってください。
○中川(利)委員 守りますよ。 そこで、いま豚価をきめる算定の問題に入って、おたくのほうでこの価格の算定方法というのを出したわけだね。問題は、毎年同じ算定方法なんだ。ただ、この算定の方式の中に、たとえば「I」という項目がありますね。この「I」とは何かというと、基準期間に対する価格決定年度の肉豚生産指数というむずかしいことなのですが、そこが変化するのは確かに変化するわけですが、同じやり方の中で毎年畜産危機が起こされているということなのだから、あなた方はこういうかっこうでこの算式でやれば今度はよくなると言うけれども、そういうふうになっていないのですよ。だから、こういうことじゃなくて、もっと根本的に、ほんとうに皆さんが要求しているような生産費・所得補償方式でやってくれ。それに近いものでやるというような姿勢がこの中から出てこない。そういう点で、もう少しこれは考え直すべきじゃないかというふうに思いますが、ことしは特に参議院選挙もありますので、この点、政治的な要素も畜産に限らず出てくると思いますが、特に、次官はこの点についてどういうふうなお考えを持っているのか。いままでのやり方では農民が助からないということは過去何年間の実証の中で出てきているわけでありますので、最後にお伺いして、私の質問を終わります。
○渡辺(美)政府委員 いままでのやり方で豚肉が再生産されなかったということはありません。いままでのやり方でずっと伸びてきているのです。(中川(利)委員「伸びてこないよ」と呼ぶ)伸びてきているのです。生産費を見てもらえばわかります。
○仮谷委員長 静かに聞いてください。
○渡辺(美)政府委員 ことしは異常な飼料の値上げということで——特にこの後半ですな、えさの値上げと価格の低迷ということで養豚農家が経営が苦しいということはよくわかっています。したがって、そういうような事情等も踏まえて適正に値段をきめていきたい、こういうことであります。
○仮谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十九分散会