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72回国会衆議院1974/02/13

農林水産委員会 第7号

発言数
234
登壇者
13
会派数
3
開催日
1974/02/13

会議録

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 先般の農林大臣の方針並びに農林予算の説明に関連をして、私は幾つかの質問をしたいと思います。  まず、第一に、現在の農政の重要ポイントの中で、農林大臣の農政の中心になる思想、理念、こういうものについて、その点を第一点お伺いしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この間皆さま方に申し上げました私の所信表明でも申し上げておりますように、わが国の農業は、農業基本法施行以来、国民の食糧需給の高度化、多様化に伴いまして、いろいろな需要供給に逐次変化を見ておりますが、わが国の置かれておりますこういう地理的な立場にかんがみまして、できるだけ農業生産の維持拡大をはかってまいる。基本法に申しております選択的拡大、それから生産性の向上、生産の増大、そういうことを実現するということの目標で農政を進めてまいるわけでありますが、その間、もちろん、農業者の所得と生活水準の向上を目ざすことは当然なことであります。御存じのように、経済成長が著しく高度でありましたために、基本法で期待いたしております趣旨が必ずしもこれに対応しておるとは申し上げられません。そのことはよく御存じのとおりでありますが、農業と他産業との生産性の格差が、いま申し上げましたように、経済成長に伴って拡大してまいった、こういうようなことにつきまして、私どもは、できるだけその格差を縮め、そして安定的な農業を推進し得るよう最善の努力をいたさなければならない。そのためには、規模拡大等努力するわけでありますけれども、経営農家のシェアの低下現象も見られておりますし、また、地価の高騰なども伴いまして、これもなかなかわれわれが理想とするところまでは進展しておりませんけれども、概略いま申し上げましたような趣旨で農政に取り組んでまいりたい、こう考えておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 昨年は、石油の問題をめぐってたいへん経済混乱があり、それは、今日も引き続いている。本年に入ると、また、食糧の問題が世界的に問題になろうとしております。その原因の一つには、気象条件があると言われている。もう一つは、発展途上国におけるところの食生活の改善、それからなお、工業国家におけるところの工業優先、特に、日本などに見られるような、工業が優先して農業をこわしていく、そういう状態があります。  そこで、国内において食糧を自給をしていくということを大臣は方針で述べられた。その自給をしていくということについて、どういうような新しい方針を立てられているのか。そしてまた、気象条件というものは、国際的に見ても、あるいは日本のこの状況を見ても、いろいろのところに影響しております。この点について、なお深い説明を求めたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまは、だれが見ても、ひとり農業のみならず、あらゆる産業において非常な事態であると思っております。いまお話しのございました、いわゆる石油危機というものも、これはまあ国際的なことでございますけれども、われわれにとりましても、農業においても、工業においても、甚大な影響を受けておることは申すまでもございません。  そこで、こういうものの影響をできるだけ小さくするためにわれわれは最善の努力をいたさなければなりませんが、農業経営のために要する石油等におきましては、他の機会でもしばしば政府も説明いたしておりますように、これは優先的に確保するたてまえを貫いてきておることは御存じのとおりでありますが、なお、今後もそういうことについて十分な警戒と努力をいたしてまいるつもりであります。  それから、気象状況でございますが、これは御存じのように、学者によって、太陽の黒点等を取り上げて、長期にわたる予報についていろいろ説をなす者もありますが、他に、また、そういう問題については、これを否定的な議論をする学者もおります。とにかく、昨年においては、諸外国において、気象条件の変化等の理由で不作であったこともございますが、幸いにして、今回は、新聞等にも報道しておりますけれども、史上最高の穀物の出来高であるというふうなことも言っております。しかし、私どもといたしましても、政府においては、いまお話しのございました気象条件等はもちろん真剣に研究いたしておるわけでありますが、一部伝えられておるような、さような危険については、これは定説ではございません。しかし、警戒をしながらこれに対処をいたしておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いまの気象の問題ですけれども、和田長期予報管理官あるいは朝倉予報官等の見解によれば、「世界の天候は、短・長各種のリズムをもって変動している。一八〇〇年頃から一九四〇年頃まで、上り坂だった気温が、その後下り坂にかわり、一九六〇年代からは異常天候が多くなり、次第に小氷河期に向いつつある。」そして、「このリズムおよび太陽黒点との関係などから一九七五年頃を中心に寒冷な気候になり、この気候は二〇世紀末まで続く見込みである。」さらにいろいろなことが出されておりますけれども、そういうようなわれわれの手の届かない、しかも専門の分野において、しかも農業と一いう自然条件、気象条件に非常に影響される立場からするならば、世界的に見ても、国内的に見ても、これは非常に重要なことでありますから、専門家のほうから、この点についての意見を、あるいは見解を求めたい。

毛利圭太郎気象庁予報部長

○毛利説明員 申し上げます。  ただいま先生が御指摘になりましたように、近年世界の天候が変わってきておりますことは、世界の多くの気象学者や気候学者などが指摘いたしまして、また研究もしているところでございます。  それによりますと、大体一九四五年ごろから世界の気温はやや下がる傾向にございますが、この現象は、大体は北緯六十度以北でございますが、特に高緯度の地方で顕著でございます。ただ、世界の気候が、寒冷化と申しましても、毎年気温が低くなるということではございませんで、今後、低い年が、どちらかというとあらわれやすくなるということでございます。  この原因につきまして、非常に残念でございますけれども、まだわれわれはよく突きとめておりません。したがって、この寒冷化の傾向が今後どうなるかということにつきましては、過去の状況、過去の資料その他から判断いたしますと、しばらくの間は寒冷化の傾向が続くおそれがあると考えられるのでございます。寒冷化の期間につきまして、地球がいつも全体的に寒冷化するということではありませんで、先ほど申し上げましたように、特に高緯度の地方で現在では著しいのでございますが、中緯度の地方では、非常に温度の高いところとか、気温の低いところとか、あるいはその境界で大雨が降るなどというような傾向が、よく言われます異常気象現象があらわれやすくなっております。  この問題につきましては、農業にとりましても非常に重要な問題でございまして、昨年来、気象庁では、農林省と共同で調査し、目下その取りまとめ中でございますが、まだ結論はまとまっておりません。ただ、いままで得られました資料から、昨年春、「近年の世界の天候について」という表題で気象庁の見解を発表いたしましたけれども、その見解と現在はあまり違っていないのではないかと思われます。  なお、今後、気象の推移につきましては、十分われわれとして注意する必要があると存じております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 気象の問題も、国際的に見て、あるいは国内的に見て、農業に影響していることは、これは間違いがないことだと思う。  そこで、今度は、発展途上国における食生活の改善と、特に、日本においては、農業基本法をつくっておきながら、その農業基本法というものはほとんど死文にひとしい状態になっている。今日のわが国の農業統計を見て、農林大臣は、この統計の中からどういうふうに日本の農業の問題点を感じられるか。農業基本法のように、専業農家がふえて、そして、その農家の所得が、農業と同じような状態のところの労働者と同じような所得があるのかないのか。あるいは農業の人口が、ほんとうに若い、はつらつとした農村の働き手が残っているのか。老齢化してしまっているじゃないか、あるいは婦人化してしまっているじゃないか、あるいはオール兼業の状態じゃないか、専業農家ほどいま農業で苦しんでいるじゃないか、こういう状態の中で、農業基本法というものの精神が死んでしまっているじゃないか、こういうふうに私は思うけれども、大臣は、これに対してどういうような見解を持たれるか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまから十三年ぐらい前になりますか、農業基本法を国会において制定されました。私は、あの基本法を読んでみますと、まず、前文の文章がたいへんうまくできていると感心しておるのでありますが、まあ名文でございますが、その名文の中にうたっております精神は、やはり生産性の拡大であり、それから生産の拡大であり、私どもは、農政を担当する者としては、また、一般国民の農業に従事される人にとりましては、あの精神はやっぱり貫いていくべきではないかと思っておりますが、あの法律で期待いたしておりますように取り運んでおるかといえば、先ほどもお答えいたしましたように、社会一般の情勢の変遷に伴って、若干の予測よりも違った現象、たとえば、いま御指摘になりましたように、わが国もやはり農家所得として比較いたしますれば、他産業の職場に働いておられる方に比べて劣らない所得はありますけれども、それは農外所得が半分以上を占めておるという、こういう傾向がある。わが国のような資源の乏しい国で、国際的にりっぱに対抗してまいるためには、そういう低廉な資源を取り入れて、これに対する加工なり高級の技術を加えて、そして経済の競争に立ち向かっていくという経済発展の経路というものは、これは当然あり得ることであると私は思います。そういう経済の拡大に伴って、いまお話しのように、農業の面においては若干の労働力不足を感じてくるとか、それからまた、農業それ自体としていろいろな問題が生じていることは、もうお説のとおりであります。  そこで、しかもなおかつ、こういう状態の中において生産性を向上し、農業生産を拡大いたしてまいるという目的は、やはりどこまでも貫かなければなりませんので、長期の土地改良計画、圃場整備等に力を入れて生産性の拡大をやってまいる、こういうことで今日までやってまいりましたが、農業基本法に定められた精神というものは、私ども、農業に従事する者といたしましては、やはりこの精神はいまだにりっぱなものであると思いますし、この精神は尊重してやっていくべきである、こう考えておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 その精神を尊重することもわかるし、農業基本法の前文があまりうまくでき過ぎていることもわかる。農民をおだてておいて、一生懸命働かせて、そして最後にはしぼり抜いてしまって、年寄りと女だけが残る、そういう農業になって、それで外国から膨大な食糧を輸入をしてきている。今日、米を除く日本における食糧の自給率というのは、一体何%になっているか。米はあり余っているほどあると言われているんだから、米のことは一応除いて、それ以外の食糧自給率は一体どうなっているか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 数字にわたりますので私からお答え申し上げます。  米を除きました自給率は、価格ベースによりますと、四十六年度で六五%でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 価格ベース、それはカロリーに直してみたらどうなんですか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 オリジナルカロリーでかりに試算いたしますと、米を除きますと、われわれの計算では四一%ということになります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 面積に直したらどうなりますか。

大河原太一郎農林大臣官房長

○大河原(太)政府委員 申しわけございませんが、面積自給率については、私ども、まだ計算しておりません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 われわれ社会党は、今度の大会に、日本の農業に対する一つの再建方針、独占資本によってこわされた農業をどう打ち立てていくかということに対する方針を立てました。その中で、いろいろと、農林省関係の資料も、あるいはわれわれ独自の資料も総合して、この問題については対応してまいりました。したがって、われわれの立場から見ても、米を除く、飼料まで入れたところの食糧自給率というものは、実際非常にさびしい状態である。もしかりに諸外国との関係が打ち切られたとして、この一億一千万の国民に、国内だけの生産によって、人間、そのほか家畜がありますが、そういうようなものに対して、一体どれだけの供給ができるのか。その点は、農林省としては調査をしているはずだから、その点を明らかにしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 数字的のことは申し上げる機会もありますが、竹内さんの所属しておられる政党で御発表になりました農業政策というものを、何べんか拝見させていただきました。党派の違うお方のお書きになりましたものでございますから、たいへん私どもにも参考になりました。しかし、御存じのように、オリジナルカロリーというのは、いま一部の学者はそういうことを言う人もありますが、カロリーの計算で申せば、野菜、くだものみたいなものは、そういう点から申しますと非常に少ないものである。人間の食生活には欠くべからざるものであるけれども、カロリーの点においては、その分量は非常に少ない。でありますから、御存じのように、いま国際的に自給度などを発表いたしておりますものが、ほとんど各国とも金額であらわしておりますので、そういうことであらわしておるわけでありますが、私は、これは個人的に考えてみたのでありますが、やはり食糧でありますので、一ぺん物量の計算をすることも大事なことではないかと思っておるわけであります。  いずれにいたしましても、わが国は、外交の面において全力をあげて世界平和を期待いたさなければならない国であることは、もう何ぴとも間違いなく知っているとおりであります。資源のない国、しかも飼料作物等において、濃厚飼料の原料等においては、現状のああいうことを考えてみますと、全力をあげて世界の平和を維持しなければなりませんが、御存じのように、アメリカのような国を除いて、多くの、たとえばEC諸国の二、三をとってみましても、やはり、自国に不足いたしておるものは海外から間に合わせて、これを補てんしている。私どもは、そういう意味では、国内生産については、全力をあげ自給度を向上することにつとめ、ただいま御審議を願っております四十九年度予算等におきましても、麦、大豆、その他飼料作物について特段の助成施策を講じて、これの生産を増強しようと考えておるわけでありますが、そのほかには、必要ではあるがわが国にない作物については、これは多角的に、安定した価格で安定した量を獲得し得るように最善の努力をいたす、そういうようなものの考え方も四十九年度予算に盛り込んでおるわけでありますが、まず、そういうことで必要量を確保してまいりたいと思っておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いずれも、米を除くその他のものに対する明確な答弁はありませんが、これはまた、いずれかの場所でいろいろ議論しますから、先のほうにいきます。  食糧を自給しなければならないという意欲が出てきたということで、ことしの予算の中でも、あるいは方針の中でも説明をされました。しかし、いまお話しのあったように、農林予算をよく検討してみると、確かに、農林予算は若干伸びているが、伸びた部分を、食管の会計のほうを四二・何%かを引いてみると、目新しい食糧自給、新しい努力をされているところは、麦への助成奨励あるいは大豆、えさ、その合計が百十一億五千七百万円、これが今度の予算の中の新しいものであります。それ以外は、いままでのものに若干の値上がりを含めたものであって、これ以上は新しいものはない。一体、これだけ食糧の危機が叫ばれ、自給が言われているときに農林予算から見て、一つもそれに誠意がないじゃないですか。しかも、大豆にしても、麦にしても、一体何年間これを出すのか、そういうことについても明確じゃない。この点は、その予算は一体どういうことになるのですか。その国の政策は、ことばだけではなくて、予算の上にあらわれる。その予算を見てみると、昨年の踏襲以外の何ものでもないと思う。そうなれば、結局、ことばだけで自給自給と言いながら、中身は自給じゃない。奨励金もいつまで出すか、それもわからない。この辺はどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 四十九年度予算編成にあたりましては、どなたにもやはり賛成していただく考え方だと思っておりますが、いまの国際的なインフレ的傾向、しかも物価高、こういうものをどうやって抑制していくかということが大きな命題であったろうと思います。OECDなどでも、世界のインフレーションについて、国際的にひとつ相談をしようではないかというような話も出ておるような時代でありますので、そういう物価抑制という、総需要抑制の考え方が先行いたしまして四十九年度予算を編成いたしたわけでありますので、そういうことで、公共事業等、大幅に各省関係とも削減いたしておる次第でありますが、このことは御理解いただけると思います。それにしても、基盤整備では、昨年度予算に比べて、数字は明確に記憶しておりませんが、たしか四十億ぐらいは増加されております。  それからまた、お話しのございました公共関係と食管繰り入れの五千八百五十億を控除いたしました残額の施策に関する予算は、予算書でも説明いたしておりますように、三二・一%の伸びでありまして、いま申し上げましたような時局に対応する目的で編成いたしました予算といたしましては、政府がいかにわが国の農政について重点的にものを考えておるかということを御理解いただけると思うのであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そういうふうに主観的には思われても、われわれが見ると、農民をふるい立たせるほどの勢いのいい、りっぱな予算だとは言えない。なぜなら、総予算に占める割合いというものは、去年とあまり変わりがないじゃないですか。  そこで、問題になるのは、農業のような単年度で勝負のできないもの、長期にわたって努力をしなければならないものについては、これはやはり長期見通しというものが必要なんです。ところが、農林省は、四十七年十月に、五十七年を目標とする見通しを立てました。その見通しに関して、私は、去年のこの農林水産委員会で明確に言ったのですが、あの見通しというものはいろいろ問題がある。農政審議会の議も経ていない。あるいは、閣議の決定もしてない。そういうものが堂々と本会議で、あるいは予算委員会で説明をされる。説明することはかまわないけれども、責任の所在がはっきりしない。  そこで、去年の四月に農政審議会にこれを付託をされて、農政審議会はこれに対して討論をされたようであります。聞くところによると、八回この問題で議論をされたと言っている。そして、昨年倉石農林大臣が御就任のときにも、それはどうなっているかという質問をいたしました。そして、それはいつごろまでに結論が出るのかという質問をいたしましたら、大体来春になるだろうということで、その間にどういうふうな議論をしたかということを求めたところが、口頭で説明がありました。われわれ社会党は、党の立てた方針というものについて、農林省の皆さんにも検討してもらい、われわれもまた、農林省からもいろいろ資料を求めて研究をしました。この農政審議会というものは農業基本法の第八条によって構成をされているわけでありますけれども、六条と八条に関係しますが、一体、これはもう少しテンポを速めて、ほんとうにこの日本の農業の危機的状況というものに対応するような形で運営ができないものかどうか。まず、そのことからお伺いします。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お説のように、基本法に基づいて設けてあります農政審議会は、八回ほど審議をいたしていただいたようでありますが、私ども農林省が、昨年、前大臣の時代に立てました長期見通し、これは閣議決定という特段の取り扱いはいたしませんでも、農林省が試案として出しておるものには、私どもとしては、それ相当の責任をもって、積み重なったデータの上にああいう計画を出しておるわけでありますが、しかし、やはり農政審議会にこれは御研究を願うほうがよろしいと思いまして、御審議を願っておるわけでありますが、一般社会の要望もございますし、いまのようなお話しもございますし、農政審議会においては、三月末ごろまでには何らかの御意見を出していただきたいと思ってやっておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 なお、重ねてお伺いするわけですが、外交問題あるいは国際関係の問題については、機密あるいはそういうものを十分に守らなければならない点があると思います。それは国際関係ですからね。そこで、農業の問題、現在の農業に対する認識が少なくともそう違っていないで、そしてそれを大きく前進させようというときに、農政審議会がいまどういう議論をしているかというような、あるいはまた、農林省がどういう研究をしているかというような、そういう資料を求められたときに、それが文書で出せないということは、一体、農林省には何か秘密があるのかどうか。それについてはっきりお答えをいただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御存じのように、審議会の規則で、これは非公開とするということになっておりますので、そういうことで、私どもは、委員の先生方の御意見については、そういう趣旨を尊重してやっているわけでありますが、農政審議会というもので御決定があって発表されるということになれば、私どものほうといたしましても、当然その御趣旨を尊重してやりたいと思っておりますので、中間においては、やはり規則の命ずるところで、非公開の原則を守っておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 われわれが農政審議会に検討を求めたのは、去年の二月なんです。そして一年たって、日本の農業がこういう状況になっても、いまだに非公開で検討をしている。それは、農政におけるところの重要なポイントをその方面に持っていって、それでごまかしてしまって、その当面の問題を避けていくという、そういう場所にしかならないじゃないですか。農家の人たちは、もう、きょうにでもあすにでも、農林省がもっと明確な目標を立てて、われわれはどういうふうにしていったら農業というものが一生懸命に精力的にやれるかということを期待をしている。  きょうは茨城県の石岡の畜産の人々が、農協会館の全農に百名ほどすわり込みをして、一週間ほどすわり込みをしようというのですが、これはえさの値上げの問題です。そういうように、この畜産の問題で、農林省も農協も一緒になって、あるところで畜産団地をつくり、これは責任をもって進めていくのだということを約束をしておきながら、そこがいま破壊をされようとしている現状に対して、答申の中では、何ら新しい道を明らかにするものがない。そこで、農家は、やむを得ずにすわり込みをして、えさの値上がりに対して抗議をする、あるいは畜産物の価格の値上げを要求して抗議をするという、こういう形でいまやっている。そういう問題に対していろいろ話をしてみると、いま研究中だ。これでは、農民の気持ちと政策とが一致しないではないですか。そういう中で、いま研究中だということでは、これは非常に困る。もっと早く進めることができないのか。それはどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農政審議会は、農政全般についていろいろ検討してもらっておりますし、それからまた、先ほど来お話しの、農林省が策定いたしました長期見通し等について御意見を伺っておるわけでありますから、それはいま私の申し上げたことで御理解をいただきたいと思いますが、竹内さんのおっしゃることは、私自身も痛感していることでありまして、私ども自身、農政を担当いたしております側から見ますと、畜産はこう、野菜はこう、米はこうというふうにいろいろ計画を進めておりますので、よくわかっておるつもりでありましたが、これが一般の方々には十分徹底していないうらみがある。そこで、いま、私もこちらへ参上いたします途中で、畜産家の人々がお集まりになっておって、こういうことで心配しておられる、私どもの郷里からも出てきて、大ぜいいらっしゃるという話を聞いたばかりでありますが、そういう方々に、私どもの考え方を周知徹底せしめるという手段が欠けておったのではないかということを痛感いたしております。したがって、できるだけ皆さまに御理解を願い、そしてまた、御安心を願って生産に従事していただけるように真剣に取り組んでまいりたいつもりでありまして、御指摘の点は、私どもも痛感しております。  ただ、御存じのように、昨年は、私は政府におったわけではありませんけれども、飼料の関係についてかなり努力をいたしまして、値上げを防ぐことをしばしばやってまいったことは御存じのとおりでありますが、それ以来、いわゆる石油危機なども加わりまして、輸送される物資のフレートが非常に高くなりましたことや、それからまた、ドル高、円安の傾向で、入ってまいります単価の上昇を招いておるといったようないろいろなことがございますので、この飼料の原料を取り扱っておられる全農をはじめいろいろな方面におきましては、なかなかそういうことに対しても苦痛を訴えておるところでございますが、農林省といたしましては、生産目標にも掲げてあります物資を生産するのに一番必要なるえさ資源でございますので、こういうことに対しては十分注意をいたしまして、生産意欲をそがないように、これからもなお最善の努力を続けてまいるつもりでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この際、二点にわたって、私はなお大臣の見解を求めたいと思いますが、第一は、このえさの値上がりの問題であります。  いまもお話しがありましたように、えさの値上がりは、石油の問題、フレートの問題等、いろいろあります。そのような石油の危機を招来した責任、あるいはフレートの問題についても、その責任は農民にはないはずですね。農民にはない。これはやはり政府の責任だと私は思う。そこへもってきて、さらに最近気象条件が非常に特異な条件の中で、東北、北海道あるいは北陸の方面の豪雪がたいへんなものです。そういう中で、せっかく豚を飼っても、鶏を飼っても、えさが運べない。できたものが運搬できない。そういう被害がこれから続発をすると思う。これも農家の責任ではない。  そこで、こういう農家自体が努力をしてもどうにも克服できないもの、自然的な、あるいはまた政治的なそういうような災害に関して、一体だれがこれを補償するのか。どう補てんをするのか。あるいは、去年私どもも一緒になって、この委員会で、飼料の問題については、古々米の払い下げや、あるいは安定資金へのいろいろな努力をしてまいりましたが、それだけではもう解決はしない。ことしに入ってからトン一万一千六百円の値上がりをする。きょうの毎日新聞の社会欄を見ると、岩手県や愛知県の養豚、酪農、養鶏農家の悲痛な叫びが出ておりますが、こういう問題について、この農林委員会として、あるいは政府として、一体どのように対応するのか。この点をぜひお聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この石油危機であるとか、あるいは円安のドル高であるとかというものが政府の責任であるという御意見でございましたが、これは、政府に席を置きます私がこのような場所でいろいろなことを発言いたしまして、また悪影響を及ぼしてはいけませんし、その辺のところは竹内さんはよく御存じで御意見をお述べいただいておると思うのでありますが、出てまいりましたところの、たとえばアラブの石油の供給量が削減されて、そして価格が高騰したというような結果受ける打撃というものは、わが国ばかりではございませんで、これは消費国全体に及ぼすことでありますが、しかし、その削減をいたしましたアラブは、やはり、あれらの国々が経済を成長さしていくために必要なる素材、原料等を消費国から多分に仰いでおります。食糧においてもそのとおりで、そういうものについてはね返ってきておることは御存じのとおりであります。したがって、私どもといたしましては、そういうことについて、できるだけわが国の産業及び国民生活に影響を少なからしめるということの最善の努力は政府としてはいたさなければなりませんが、お話しのように、農業に従事いたしておるものから見ましたならば、御自分たちの失策ではなくして、他の影響で非常な損害をこうむられる。これは、一般国民大衆はみなそうであります。そういうことについて、それぞれの持ち場で、私どもは、その影響を取り除くことに全力をあげなければなりませんので、えさが、いまお話しのように、最近一万円余り高騰いたしましたけれども、これからもなお、えさ対策、畜産政策、乳価等についても大きな影響が出てくるでありましょうし、養鶏事業等にもそのとおりであります。そういう場合には、私どもといたしましては、農家経営に打撃を少なからしめる施策を政府として講じていくようにしなければならないということはやはり考えておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 なお大臣に確かめたいことがあります。それは、いま、石油の問題やそういう問題は、国際的に日本だけが影響しているのではないと言われますけれども、そのことはそうかもしれません。しかし、日本の農民自体は、石油の問題で、あるいはまたえさの値上がりの問題で被害を受けていることは確かに事実なんです。そして、いま、進むに進まれず、退くに退けないという状態があります。特に、大きな農家ほどたいへんなんです。でありますから、方針として、えさの問題については、去年と同じように値を上げないで、その上がった部分だけを、国がさらにそこへ金を入れて値を上げないようにしていくという方針がとれないのか。二番目は、畜産物の価格の値上げをして、農家の収入が保障されるような道がとれないのか。畜安法によれば、あるいは法律によれば、客観的にいろいろなものが変動した場合には、当然審議会を開いて、それによって価格の改定をすることになっている。えさは年に二回も三回も四回も上がるのに、自分たちのつくったものの値段が上がらないということはどういうわけかということで、農家は非常に不信の念を持っております。なお、それができないならば、農家が借りているところの金、元利の繰り延べあるいは別な新しい低利の金を出して経営力をつけさせるような努力ができないか。こういうような問題について具体的に尋ねたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいま私が大ざっぱなお答えをいたしましたけれども、ことしの三月に予定いたしておりますところの、いま申し上げました加工原料乳の保証価格、それから豚価の安定価格の決定に際しましては、飼料価格等の生産費の動向等を適正に織り込んで決定いたしたいと思っておりますが、なお、昭和四十九年に、卵価の安定をはかるための全国液卵公社の機能の強化、それから肉用子牛等の価格安定のための保証基準価格の大幅引き上げなど、価格政策の適切な運用をはかってまいりたいと思っております。  それからまた、豚肉、鶏などの中小家畜につきましては、農業団体による自主的な出荷の調整につきまして指導いたしまして、特に、生産が過剰傾向にある鶏卵につきましては、需要に見合った計画的な生産の増進につきまして、その指導を強化してまいりたいと、このように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 なお、確かめますが、今度は、米価に関する問題です。  去年の米価を決定するころ、ちょうど委員会が開かれておりました。そのときに、当時の櫻内農林大臣に、われわれは、米価の決定の時期が問題である、価格の決定も問題があるけれども、時期に問題がある、だから、農家が作付の前に米の価格の決定をして、ことしの米はこれこれの値段で買い上げるから、ひとつ農家の皆さん、協力をしてもらいたいと、こういうことを言うようにしてほしいということを要望したら、それは一考に値する考え方だという話がありました。  そこで、最近は、農協中央会あたりでも、各地でも、それはそのとおりだ、米価を早くきめてもらいたい、少なくとも参議院の選挙の前にきめろと——きょうの新聞のどこかを見ると、農林大臣は、参議院の選挙はいつあるかわからないということを言っておるけれども、そんな話はない。参議院の選挙ぐらい明確なものはないのです。それを知らないとしたら、農林大臣はどうかしている。ぼけている。そういう話はないので、参議院選挙はちゃんと六月から七月にやるにきまっている。だから、それじゃ作付といったら、田植えの時期というのは、ちゃんとこれもきまっている。十月に田植えをするところはあまりないですね。だから、したがって、米価の決定をいつごろにして、どういうような価格でやるのか。そして、ことしは、十月には消費者米価を上げると言っている。なるほど食管の予算も非常にふえましたが、これは農林省の予算のうちの大半がそれに行っていますけれども、この米の価格について、一体どういうような方式をとるのか。いまから運動が始まってまいりますと、これは大きな問題になってまいりますが、農林大臣、これはどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農家が一年間御苦労なさる米の価格決定でありますから、なるべくあの決定の近似値をとってきめて差し上げることが親切ではないかと思うのであります。それで、したがって、かりにたいへん早くやるとすれば、物価その他の影響がどういうふうになってくるかというようなことの調査もまだ済んでおりませんし、とうてい困難なことであります。それから、いよいよ米の収納時期近くになって、できるだけ実際のコストにというか、生産費をよく計算をした上で取り上げて差し上げるということが一番いいことではないかとばく然と考えておりますけれども、いまはまだそういう考えを持っておるだけでありまして、どのようなことをしようというきめた考えは一つも持っておりません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そうすると、昨年、櫻内農林大臣が、一考に値するいい意見だというふうに言われたのは、引き継ぎがなくて、ことしはまだ何も考えておらない、白紙だ、こういうようなことですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 私も、櫻内前大臣のおっしゃったと同じように、一考に値する御意見だと思ってはおりますけれども、だんだん考えてみますと、御存じのように、いろいろな資料を収集しなければなりませんし、それからまた、そういう調査ができておりません。もう一つは、いま申し上げましたように、なるべくその米価決定に近いデータを取り上げるということが実勢に近いものを計算するのに親切ではないか、こういうようなことも考えておるというだけでありまして、まあ、よく考えてみます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 食糧の自給度を高めていくためには、優良な土地が確保されなければならない。農地が確保されなければなりません。ところが、田中総理大臣は、三十万ヘクタールの農地の転用というものをやめたとはまだ言っていない。これは依然として強硬にがんばっておるのですね。それだけではない。まだ、多くのところで、一方においては、優良な農地というものを、土地改良やいろいろなことをして国が補助金を出しておきながら、その土地を、今度は、高速道路や何かでつぶしてしまうというところがあります。  これは特に大臣にお尋ねをしますが、一つ例をとりますけれども、りっぱな専業農家があって、そこで経営を続けておりまして、その人は、そこで生涯をささげ、さらに子供にも農業をやらせようとしているときに、そこへたまたま高速道路の設計が出てきて、その農地のうちの四割五分、約半分を減歩という形で削ってしまう。ところが、その近くには、いま八十町歩のゴルフ場ができようとしておる。せっかく国が努力をしてつくった農地をつぶして、一方においては高速道路、一方にはゴルフ場、こういう姿が一体いいと思われるかどうか。そして、その周辺には山林や原野がたくさんあります。そういうものはそのまま残っている。この辺に対する考え方をまずお聞きしたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 田中総理の、三十万ヘクタールの宅地を造成したいというお話しがあったということが伝えられましたが、だんだんよく調べてみますと、簡単にそういうふうなことを言っておられるのではないようでありまして、まあ、私どもが考えましてもそうでありますが、宅地というものはあるのだ、政府もそれの造成に公団等をつくって熱心にやるのだぞというふうな姿勢を示すことは、地価を冷やすにもたいへん有効的なことであるというようなことは、だれしも考えることでありますが、そこで、そういう三十万ヘクタール云々のお話しが出たようでありますけれども、その後しばしば予算委員会等でも御質疑がありまして、田中総理の答弁を承っておりますと、それは、一年でやってくれとか、二年でやってくれとかと言っておるわけじゃありません。答弁は、速記録にございますから、ごらんくださればわかるとおりであります。ことに、日本の農業の大切なことと、優良農地はどこまでも確保するということが前提に述べられております。  そこで、私どもといたしましては、宅地を造成するぞということで、地価を冷やすという一助にもなればけっこうなことでありますので、この御趣旨はけっこうなことだと思っておりますが、どこまでもこれは優良農地確保の目的が先行するわけでありますので、そこで、どのようにしてこれを実現することが可能であるかということで、関係省庁に集まってもらいまして、相談をさせておるところでありまして、そういう結果、結論が出ましたならば、あらためてそういう方向で進みたいと思っておりますが、まだ検討中であります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 あとの問題、もう一つ……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 具体的に個々のところを取り上げましたならば、若干いろいろな問題はあるかもしれませんが、やはり、政府としては、どこまでも優良農地を保全してまいる。竹内さん御存じのように、数年前農振法というものをつくりました。あれなどもやはりそういうたてまえで、優良農地をできるだけ保護してまいるという必要から出した考えでありまして、ただ、いま御指摘のような案件は間々あるかもしれませんけれども、それはやはり道路という公共用のことであったでありましょうし、私どもといたしましては、たてまえとしては、優良な農地というものを保護していかなければなりませんし、先ほど来お話しのございましたところの、わが国で増産しなければならない、四十九年度予算にも特段の助成をしてやっていこうとするようなものをつくるために、昭和五十七年までに七十万ヘクタールの農地、草地等をつくろうという計画も立てておるわけでありますので、優良農地は保護していくというたてまえには変わりはないわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この優良農地確保の問題で、私はさらに見解を求めたいと思う。  いま、これはもう全国の新聞にも問題になっているように、茨城県の霞ケ浦に、高浜入り干拓の問題があります。この問題は、すでに私どもの先輩が何べんか質問をしたことでありますが、いまから十数年前に計画が立てられて、そうして今日に至っておりますが、これをいま進めようとする段階で、通行人が逮捕されて、そしていろいろとけがをするとか、こういう問題もある。あるいはまた、中立であった人々が、そういう混乱まで生じて干拓をしなくてもいいじゃないかということで、延期をしろという意見もあります。この高浜入りの干拓の問題について、当初どういう経過があり、そして、どういう経過を経ていまの現状に立ち至ったのか。そして、当初は水田をやろうとする者が、最近では野菜をつくり、京浜地区の生鮮食料の基地としてこれをやっていこうとか、あるいは酪農経営に努力をしようとか、モデル地区をつくっていこうとか、こういうような考え方もあるようです。また、それに対する入植の希望者もかなりあると聞いておりますが、現地ではそういうものは発表されておりません。このような問題ですね。そして、一方においては、反対の理由として、優良な農地が休耕だの転作だのということで、いまだにたくさんごろごろしているのに、水が必要なのに、なぜ一体霞ケ浦を埋めてしまうのかという疑問もある。そういうようなことに対して、関係者から、経過と現状ということについての答えをもらいたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 高浜入り干拓につきましての、まず経過から申し上げますと、茨城県知事の要請、それから地元関係市町村等の要請もございまして、昭和三十五年から三十九年までにかけまして、農林省の直轄調査として着手したわけでございます。そして、四十二年には、その直轄調査におきまして概定いたしました計画、つまり、水田経営を基本とするということで、四十二年に本事業の着工ということに相なった次第でございます。しかしながら、その後、四十四年に至りまして、いわゆる米の過剰ということから、新規の開田を抑制するいうこともございまして、計画の再検討を余儀なくされたわけでございます。御存じのように、高浜入りは都心から八十キロというようなところにもございますし、そしてまた、干拓地としての調査結果といたしましては、きわめて地味が肥沃である。そういうことからいたしまして、そしてまた、県の振興計画におきましても、将来とも、この地域に蔬菜なり牛乳なりの生産の供給を求めるということに対してきわめて大きな関心を持っているというようなことがございまして、四十六年六月一日に、野菜と酪農ということを指向いたしまして、大規模機械使用による畑作農業経営にするということで、事業計画の決定がなされたような次第でございます。  そこで、その後、一方におきましては、そういうふうな事業着手ということを踏まえまして漁業交渉に当たったわけでございまして、関係漁民が千七百二名、その中の約三十名を除きます方々との間においては、漁業交渉が円満に解決したわけでございます。ただ、約三十名の方につきましては、なお反対があるということで、なるべく円満に解決をはかるべく、国なり、県なり、漁連なり、あるいは市町村といったそれぞれの立場から、いろいろとあっせんあるいは話し合いをしたわけでございますが、なかなか話がつかなかったわけでございます。そのうちに全学連というものがこれとの関連において出てまいりまして、いわば、話し合いという段階から、権力闘争というような結果に現在なってきているというわけでございます。しかしながら、地元の強い要望もございますし、そしてまた、県知事をはじめといたします地方の、地元におきます強い要請もございますので、現在のところといたしましては、干拓のための県の水産試験場の汚濁防止工事とか、あるいは基地建設のための準備工事ということに着手しているというのが現状でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこで、さらに何点かにわたって質問しますが、いま、反対の大きな理由として、一つは、優良な農地がまだたくさんあるのに、水が必要だというのに、なぜ一体湖を埋めるのか、緊急性があるのかないのかという点が第一の問題としてある。第二は、茨城県に鹿島開発工業が進出をしてきた。そこで、茨城の知事は、農工両全という形で、農民から何割かの土地を、覚え書きといいますか、そういうもので取り上げたということばは悪いけれども、工場に引き渡しをした。ところが、実際土地の値が上がって、その土地がない。そこで、鹿島工業であふれた、離農した農民をその干拓の中に入れるのではないかという疑問がある。三つ目には、四町歩の菜園、七町歩の酪農、それに入るためには相当な金を持たなければ入れない。少なくとも、かりに一反歩三十万円というような額としても、何千万かの金がなければ入れない。その金は一体どういうように調達をするのかという問題があります。この三つの点についてお答えを願いたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 お答えする前に、先ほどの、前の御質問のときに答えておりませんでした問題が一つございますので、お答えいたしますが、地元におきます希望者は千六百人ほどに及んでおります。そして、希望する面積は、延べますと四千五百ヘクタールほどに及ぶ、こういうわけでございます。  ところで、この干拓地が、千二百ほどの面積でございまして、現在湖水にあるということを前提といたしました概定におきましては、先生の言われましたように、酪農においては、戸当たり七・五ヘクタール、それから、野菜の場合は四ヘクタールという規模の入植ということを考えております。その入植につきましては、経営規模がきわめて小さいということからいたしまして、背後地も含めた構造の改善に資するという角度から入植を考えるということでございます。ただ、今後干陸いたしまして、精査いたしまして、土地配分計画なり経営計画を確定するまでには、地元の意見によりましては、たとえば増反の問題も考えるとか、あるいは沿岸漁業の振興との関連において、玉造側の水路、現在三十メートルですか、になっておるのを少し広げるとか、こういったふうなことも考慮してまいらねばならぬと思っておりますが、いずれにいたしましても、現在の計画におきましては、入植方式で二百七戸を入れるということにいたしております。  そこで、現在の干拓の場合は、いわば輪中堤方式をとるわけでございますので、事業費といたし  ましては、現在のところ百三十五億というふうに一考えております。したがいまして、それでまいり  ますと、反当二十八万ぐらいの経費に相なろうかと思っております。  そこで、酪農が七・五ヘクタール、それから蔬菜四ヘクタールという場合におきましては、償還金が、酪農の場合に約百五十万、それから蔬菜の場合は八十万になるというふうに考えられるわけでございますけれども、その場合におきまして、われわれの現在における計画といたしましては、粗収入については、酪農で千二百万、蔬菜で五百五十万というふうに考えておりますので、二十五年賦ですかの償還によって十分まかなえるであろうというふうに考えております。  なお、これに関連いたします営農資金につきましては、近代化資金等を活用してまいりたいというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 鹿島の関係と、水の関係まで……。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 鹿島開発との関係といいますか、鹿島の連中を入れるのではないかという御質問でございますが、そういう考え方は持っておりません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこで、これは大臣から答弁をもらいたいのですが、茨城県全体にも、いま言うように七・五ヘクタールとか四ヘクタールも、そういう集中した土地は確かにありませんが、県の中にはたくさん遊休の土地があります。そういうような土地があるのにもかかわらず、いまのような形でこれを実行するという形の緊急性が問題になっておる。だから、説得を十分にして、なおかつその問題に対処するという努力をする意思があるかないか、その点だけを明確にして、もしそういうものができないとしたならば一体どうするか、一たんやめて、これをさらに時期を見るというふうなことにならないか、どうですか。かりにいまのようなものができ上がったって、かなり先の話だ。それが食糧自給の上に乗る時期というものはかなり先の話なんだから、その辺はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この事柄につきましては、これはもうだいぶ長い間の懸案でございますが、地方の、県はもちろんのこと、県議会でも、多数の方方が賛意を表され、それから、近村の村々の村議会等においても決定をされて、意見を発表しておられます。それから利害関係者、いま政府委員から申し上げましたように、千六百余りの方々が御賛成で、調印をしておいでになる。御反対が三十。けれども、私はこれを前から実はよく承知いたしておりますので、この前に私が農林省におりましたころは、なるべく説得して、できるだけ賛成者を多くしてもらうようにということで、長い間それに努力をしてまいりました。ところが、知事も来られまして、いま申し上げましたように、県の意向もきまり、それから、利害関係者の圧倒的多数が御賛成でございまして、ぜひ促進してくれということで着手をいたした、こういう経過でございますが、私どもといたしましては、賛成していただくようになお引き続き説得をすることはもちろん当然なことでありますが、しかし、その意見表示があるまでとめる意思はございません。大ぜいの人の利益、大ぜいの人の御希望に沿うようにいたすことが必要なことであろうと思っておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 土地の問題に関しては、われわれは非常に重要に考えているのです。食糧を自給するためには優良な土地が確保されていなければならないという立場から考えておりますが。この五十七年を展望する政府の一つのメモといいますか、試案といいますか、そういうものとわれわれの見方、考え方とは、かなり土地の問題の扱いが違う。現在表作をやり、裏作をやれるところが、裏作をやらない。それが遊んでいる。そういうものに対して、もっと裏作をすすめて、えさの自給度を高めるなり、いろいろな利用の方法があると思うのです。そういうようなことに対する努力というものをぜひしてほしいと思う。同時に、その三十万ヘクタールの農地の問題に対して、それは従来のものの踏襲なんだと言うならば、それは、三十万ヘクタールを転用なんということを言わないで、もう撤回をする。こういうふうにして、現在のできている農地をまず最高度に活用するという努力をしてもらわないと、われわれはなかなか意見が合致をしない。この点はどうなんですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ごもっともでございまして、私どもも、土地利用については効果的にやらなければならない。したがって、先ほど申し上げましたように、未利用地の開発等にも力を入れてまいる。それから、皆さんのほうで御発表になりましたものを拝見いたしまして、生産を御計画になるときに、非常に密度を高く利用されておる計算であるように拝承いたしたわけであります。もちろん、いまのような社会情勢、労働事情等を勘案いたしまして、なかなかむずかしいことであろうと思いますけれども、いまお話しのように、土地の利用を濃密にしていくためには、たとえば麦と稲と、いまはしばしば重複する地域がたくさんありますが、そういう点につきまして、農林省でも検討をいたしまして、麦と稲作との重複を避けて、効率的に生産のあがる品種等について検討をいたしておりますし、竹内さんがおっしゃいましたような土地を効率的に活用することについては、なお検討を続けてまいるつもりであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこで、私は、もう一つ、提案と同時に意見を求めたいのですが、日本の飼料というものはたいへん不足をしている。これからもこれは容易でない状態だと思うのです。で、米は生産が過剰だと言っている。そこで、どうしても米から何かに転作をしなければならない。そういうときに、従来米のために農林省は長い間研究をされ、土地改良をやり、努力をしてきたが、その水田なり、つくる場所を転用するということはたいへん惜しい話だ。そこで米と言わない稲、その稲というものをえさにつくる、要するに品種改良、労働力を少なくして多くとれる品種を研究して、そうしてたんぼにえさをつくる、こういうような努力をすることはできないか。もちろん、食管法の関係や取り扱いの問題についていろいろと問題はあると思いますけれども、そういうことは技術的に考えればいいことであって、問題は、やはりものをつくることが先だが、そういうことに対する研究をする意思があるかどうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 稲のことについて、青刈りの話もございますけれども、お説のような点も十分考慮して研究してみたいと思っております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこで、だんだん時間が迫ってきたから先のほうへ行きますが、食糧の自給をする上でたん白は非常に大事なものですけれども、漁業関係で、ことしの六月と思われるけれども、海洋法会議があります。そこで、日本のいままでの主張はかなり弱い状態にあるように私は聞いている。この国際海洋法会議において、かりに日本の主張が破れたとする。そういう場合においても、あるいはまた、ある数がととのわずに来年に持ち越されたとした場合においても、要するに、日本の立場というものはそういい立場ではないと思う。そうすると、年間一千万トン近い魚が入ってきだのに、そのたん白質が減ってしまう。それを一体どういう形で補おうとするのか。それはやはり五十七年展望の食糧需給計画の中で大きな狂いが生じてくるのではないか、その関係はどうするか、その点について伺いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しのように、国際海洋会議がカラカスで行なわれることになっております。これはなかなかむずかしい問題でございまして、数年前にイタリアのローマで開かれました世界農業食糧会議に私が出ましたときなどでも、南米の小さい、と言っちゃいけませんが、ペルーその他の国々で、いまのような距岸二百海里説、専管水域二百海里説をやっておられました。しかし、これは別段決定されたものでもありませんが、いろいろな事情で御存じのような経過をたどっておるわけであります。しかし、国際海洋会議に日本政府が臨みます前に、私どもがいろいろなことを申し上げることは、かえって悪い影響があってはいけないと思って、実は慎んでおるわけでありますが、しかし、われわれと同じような意見を持っておる国もかなりあるわけであります。したがって、これは事外交問題でもございますので、政府部内で十分に慎重に検討をいたしまして対処してまいるつもりでありますが、私どもとしては、できるだけ今日のわが国の立場が理解されるような行動をとってまいりたいと思っておるわけであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 できるだけ慎重に努力するのはけっこうだけれども、もう数も大体きまっているし、行くえだってそう楽観したものじゃないと思うのですね。そうだとするならば、事前の方針として、やはり、日本の主張が通った場合、通らなかった場合、そして一年くらい延びた場合ということになるわけだけれども、私は、通る可能性というものはあまりないような感じがしてならない。しかも、それは、日米加という、いままで最も魚をよけいとったところで問題がある。そうすると、これは遠くへ行かなければならない。そこで、輸送する場合の石油の問題やいろいろな問題に関係してくる。こうなってくると、その食糧需給計画にまた問題が起こってくる。そういうふうに問題ばかり生ずるから、それをきめないで、試案なんという形で、そして、いつでも出しては訂正を、訂正をという形で問題がずれていってしまって、責任ある決定が出せない、こういうことになってしまうじゃないか。だから、もうちょっとここはきびしく、しかも明確に答えてもらわないと困る。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 憂いを同じくする点においては、あなたと全く同じことであります。ただ、しかし、これから臨む会議でございますので、私どもはこうやるんだと言うわけにはまいりません。しかし、いま伝えられているようなことがかりに実施されるとなれば、魚介類からとるたん白は、そのままだとおおよそ五〇%減になるのじゃないか、これは国民食糧にとって重大な問題であり、また経済的にも大問題だ、したがって、こういうことにどう対処していくか、こういうことについては鋭意検討中でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 それでは次に行きますが、私が前々から非常に疑問に思っていることが一つある。それは、田中総理がしばしば選挙のときに言われることです。農村に工場を導入して、出かせぎをしなくても十分に所得を保障するということで、四十六年ごろに農村工業導入という法律をつくった。あれからもう三年余を過ぎておりますね。一体、予想されるような工場が農村に進出をして、そしてかなりしっかりした労働条件でやられているような状況があるのか。去年の委員会で私は質問したけれども、残念ながら、答えはゼロでありました。それからまた一年たちましたが、どうですか、うまいことになっておりますかどうか、その辺を十分に説明をしてもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 皆さんの御協力を得まして、いまおっしゃったような法律ができました。これは、私どもといたしましては、公害を伴わないような産業をできるだけ地方に分散して、そして、地方でも余った労働力で現金所得を得られるようにして、そしてまた、いままでやっておりました田園都市的な風格を備えたまま工業を移していこうという、そういう理想に燃えてああいう法律を通していただいたわけでありますが、ゼロとは聞いておりません。いま私は数字をはっきり記憶しておりませんから事務当局からお答えいたさせますが、これはできるだけそういう傾向を助長してまいるということが、今日のような時世にはよけい必要なことではないかと思っております。出ております産業の数字は、事務当局が知っておると思いますから、お答えいたさせます。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 四十八年の十月現在でございますけれども、農村工業導入工場として導入いたしまして、すでに操業中の工場が二百四十一でございます。なお、現在決定しておりますのがほかに三百七十八ございまして、これは近く操業するということになろうと思います。その二百四十一企業の中で、企業別申し上げましょうか。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いいです。あとで資料を出してください。いまの問題については、資料を要求します。かなり綿密な資料を幾つかまたあとで終わりに要求しますから、そのときにまとめて……。  時間もだんだん迫ってきたから先のほうへ行きます。  そこで、国内における自給度を高めるという立場からの努力だろうと思うけれども、一つは、今度の国会に農用地開発公団法が提案をされることになりました。そして、これは、いままでのいろいろなものを整理して、さらに大きくしていこうということでありますけれども、それは非常におそきに失したような感じもする。ほんとうならば、これはもっともっと早くやらなければならぬ問題があるかもしれない。しかし、中身はまだこれから検討しなければわかりません。そして、国内において利用できるもの、要するに傾斜度、それから湿度と、いろいろありますが、そういうものを全部総合して、その所有関係等もありましょうが、その利用権と所有権の関係等についても、これはこの前私も質問したからもう言いませんが、綿密に検討した上で国内の自給度を高める、こういう努力をまずする、その一つとしてこの開発公団も役割りを果たすと思いますが、それだけでは足りない。これは社会党が計算してもやはり足りない面がある。そうすると、どうしてもこれは海外に依存しなければならない面があります。  ところで、本来農林省が担当すべきだと思っていた海外開発の問題については、外務省がこれを担当することになったが、外務省がこれを担当する理由とその自信について伺いたいが、一体、どういう国で、何をいつごろまでにどれだけ生産をして、日本の食糧需給の体制の中に組み込んでくるのか、そして、そういう確信を持っておるのかどうか、その点について明確な答えを願いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 この法案をいずれ御審議願うことになるわけでありますが、政府は、できるならば海外経済協力の担当国務大臣を置こうという考え方を持っておりまして、日本政府全体としては、OTCAだとか、さらにまた海外移住事業団というようなものを外務省主管でやっておりまして、OTCAなどには、農林省もこれに協力をしておるということでございますが、そういうこととは別に、開発輸入ということばは、何も私はことばにこだわるわけではありませんけれども、どうも私どもの精神が率直にあらわれていないような感じがいたすのでありまして、むしろ、いまのような御時世は、いずれの国も、経済を安定し、そして食糧を安定的に国民に供給したいということを考えておるわけでありますので、たとえば東南アジアの諸国の中に、日本の技術を入れて開発を協力してくれという希望もあります。中南米にもございます。そういうような国々のために、こちらの技術と資本を協力して、そしてどういう形をつくるかはこれからの問題でございますが、そうやって相手国との協力のもとにでき上がりました一つの形態で、相手国の労働力といろいろな力をそこに発揮してもらいまして、そして生産をあげて、その生産のうち、相手国が何%ほしいのか、相手の国の民生安定のために五分五分でよろしいのか、三分七分でよいのか、それぞれのケースがあるだろうと思いますが、そのようにして相手国の民生安定にも協力し、わが国も、トーモロコシ、マイロその他のようなものは、一番大手の輸出国はアメリカでありますので、そういう一方的に片寄った供給先を持っておりますことは、ときによりますと、その国の都合によって、われわれの期待したものがあるいは減少されるようなことがあるといけませんので、やはり多角的に輸入先を決定して、それにわが国が協力をしていくという形が両方とも利益することではないか、こういうことで考え出したわけでありますが、いろいろないままでの状況から判断いたしまして、やはり所管は外務省であるが農林業の開発その他のことにつきましては農林大臣の共管にしたいと思っております。したがって、これは、私どもの指導のもとに、いま申し上げましたようなことを相手国との間に実施してまいる、こういうふうなことが一番いいではないかというのが私どもの考え方であります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この問題については、法案が出れば、当該委員会とともにこれは当然議論するわけでありますけれども、いまの答弁のように、植民地主義、大国主義にならぬようにしてもらわなければいけない。しかし、田中総理がこの間インドネシアに行ったときにはたいへん反撃を受けた。ああいうような、田中総理が本会議で解釈したようなことではわれわれは納得しませんね。ああいうことではだめです。  そういうことも含めてこの問題は先にいきますが、そこで、農家の皆さんが農産物をつくられた場合に、農産物の価格決定という方式がまことにばらばらです。米に関しては、生産費・所得補償の方式が定められております。その他の農産物の価格というものは、まさにそういうものではない。あるものは需給均衡であり、あるものは高いところと低いところがきまって、その中間をやる。あるいは瞬間タッチとか、いろいろな形でやられていて、重要農産物とはいいながら、その重要農産物が一つも重要な扱いを受けていない。ものをつくるほうだけはいろいろ奨励をするし、金も貸すが、しかし、つくったあとの価格に対しては何ら手当てがされていない。ここに実は不満がある。だから、私どもは、この価格の決定に関しては、いまの農畜産物の価格決定の方式について何べんか再検討をして、農家に向かって、やはりこういう方式でやるから、農家では一生懸命に生産をしてほしいと言い、こういう顔向けのできるような価格決定制度というものをつくってほしいという要求をしたけれども、いまだに省みられておらない。自給のほうだけは一生懸命審議会が努力しているけれども、価格に関しては何ら手をつけていないという感じがする。この価格問題について、現状でいいと思っているのか、それとも何とかしなければならぬと思うのか、この辺はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農産物の価格、それぞれ行政価格の算定にあたりましては、農産物ごとに、その商品の特性、それから生産事情、流通事情、それから農家経済、それから消費者家計、そういう中における重要性というものを勘案しながら行政価格をきわめておるわけでありますが、具体的な価格の決定にあたりましては、農業所得の確保と物価の安定というところに十分配慮いたしておることは当然なことであります。  そこで、これらの農産物ごとの特性を無視して、すべての農産物について一律に生産費、所得を補償するような仕組みを採用するということは困難ではないか。私は、皆さんのほうで御発表になりましたものを拝見いたしまして、皆さん方のお考えもよく理解いたしておるわけでありますが、現行制度の一そうの充実をはかってまいることに努力をいたすことは当然なことでありますが、いま申し上げましたような諸事情を勘案して行政価格を決定してまいりたい。したがって、今日のように、いろいろな事情で物価が、使用主原料が非常に高騰しておるようなときには、やはりそういうことが勘案されることはもちろん当然なことであります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私どもは、価格問題についてはどうしてもがまんができないから、これはやはりこの委員会を通じていろいろと提案をしていきたい。これはまた別の機会にやりますけれども、重要農産物といいながら、その価格に関しては需給均衡だという形であるから、農家はものをつくるのにためらいをする。そして、しかも、そういうことであるから、五十七年度の食糧需給の見通しの中に、どうしてもこれが組み込んでこない。それはそうですね。豚をどれだけ飼ったらいいのか、乳はどれだけしぼったらいいのか、鶏はどうしたらいいかということは全く見当がつかないですよ。価格のほうがはっきりしないですからね。そういうようなことではいかぬので、この点については別な機会に議論します。  そこで、だんだん時間が進みましたので、最後に伺いますが、農林省の関係の技術あるいは研究機関、調査機関等たくさんありますが、そういうところで専門家が鋭意努力をされている。そして、専門的にいろいろなことを研究されている。それが、あるときにはテレビで、あるときには週刊誌で、あるときには月刊誌で堂々と発表をされる。発表されることはけっこうです。それは自由でいいけれども、しかし、それがあたかも農林省の意見のような形にわれわれ第三者には読み取れる。一体、そういうものに対して責任をとれるのか。農林省のその機関は責任をとりますか。あるいはまた、そういうところでつくった資料というものは、ほとんどわれわれの手元には入ってこない。要求してみても、その部分だけ抜き書きして持ってくる。その他のことは何にも出してこない。こういうようなことでは困るし、あるいは、研究したものの成果がかなりあがっているにもかかわらず、それが行政の上に入ってきて、なるほどここにはこういうようなりっぱな経営がある、ここにはこういうりっぱな生産の状態があるんだ、そういうようなものにしようじゃないかというようなことがあまり議論されたことがない。この研究あるいは調査の成果というものと、行政あるいは立法の一体性というものはどうして得られるのか。私は、前の委員会でも、このことについて、中澤事務局長のころにいろいろ要求をした。確かにいろいろな図式はもらいましたけれども、その後実行はされておらないと思います。各地に研究をされている専門家の皆さんからは、自分たちの成果というものを何とか生かしてほしいという希望があるにきまっているが、こういう点についての努力についてはどうですか。これはぜひ明らかにしてもらいたいものだと思う。

小山義夫農林水産技術会議事務局長

○小山(義)政府委員 各研究機関の成果につきましては、まず、研究成果の刊行物で、数種類実は出しております。そのほかに、行政あるいは普及関係の担当者との連絡会議を、これは地方農政局及び地域の農業試験場段階で、年に数回定期的に行なっております。また、さらに、今後の課題といたしましては、各研究者が現在どういうテーマを持っておるか、それがどの程度進行しておるか、あるいはどういう成果があがっておるかというふうなことを、県の試験場段階まで全部ひっくるめまして、これは電子計算機に組み込めるような形で整理をする研究をいま進めております。これは、おそらく、筑波の研究学園都市に移転をいたします段階に実現ができるというようなタイミングでいまくふうをしておるわけでありまして、そういうふうなことを進めておりますけれども、いま御指摘がございましたように、各研究者は、自分の専門分野について非常に熱心に研究をいたしておりますし、また、その研究成果は国際的にも恥ずかしくないというふうに考えておりますけれども、残念ながら、自分のやっておりますことを一般に広く理解をしていただくという努力については欠けておる点があることは認めざるを得ないわけでありまして、いませっかく御注意もございましたので、資料の中で、特に専門家向けに、非常に正確に、ある意味では、そういう意味でむずかしく書かれておるものは別といたしまして、理解をしていただくために適当な資料につきましては、十分広く読んでいただけるような措置をいたしたいというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 もう時間が参りましたが、運輸省の方、たいへんお待たせして恐縮です。最後になって申しわけないのですけれども、この天候の異常の中で、非常に気象条件が変わってきて、特に国鉄の場合ですけれども、雪が十センチも降ると、もう非常にダイヤが狂い、輸送が困難になる。これはある意味においては不可抗力のものであって、なかなか簡単に直らない面があると思うけれども、これは何とかくふうはできないのかというのが一つ。  それから、その輸送によって、今度は、えさなり、つくったものが、運搬が困難になって、現地で腐ってしまう。労働者がストライキをやると、これはけしからぬというわけで、農民が労働者となぐり合いをするような場面があるが、雪が降った場合には、不可抗力であきらめてしまっている。こういうような状態の中で、そのための農家の収入の不足、その補償というようなものに対しては、これはだれが責任を負うのか。国鉄が負うのか、それとも、これは自然の災害だからやむを得ないと農家があきらめてしまうのか、こういうような問題がある。この点もぜひ明らかにしなければならぬ問題だ。  もう一つは、石油の値上げ等々によって、日本の飼料あるい肥料その他の原料は、海外からの輸入が圧倒的に多いわけですから、それの問題も値上げの原因になっているわけですが、去年の暮れから、せっかく地方に物を買ってあっても、それが輸送できないという状態があるが、この輸送の状況がうまくいっているのかどうなのか、こういう問題について、あとになってたいへん恐縮ですが、お尋ねをしたい。

植村香苗運輸省鉄道監督局国有鉄道部業務課長

○植村説明員 それでは、第一点についてお答えさせていただきます。  先生御指摘のように、昨年末から本年の一月、二月にかけましてたいへんな大雪が降りまして、特に東北方面、上信越関係につきまして、その豪雪が、大体近年三十年に一回というような豪雪でございましたために、だいぶ貨物関係の輸送が混乱いたしまして、対前年で見ますと、十二月分につきましては、先生御指摘のとおり一七%、それから一月になりましても一二%というように、輸送力が減ったわけでございます。混乱があったわけでございます。  雪害対策につきましては、これは昭和三十八年にも大雪害がございまして、昭和三十九年に、これではいけないということで、雪害対策の長期計画を策定いたしまして、現在までに約二百七十億円を投入いたしまして、設備関係の投資を鋭意進めてまいったわけでございます。  また、今回の雪害につきましては、自衛隊の応援も得まして、延べ四十六万人を現在まで動員いたしまして、ヤードの除雪に努力してまいってきたわけでございます。ちなみに申し上げますと、昨年は冬期に全部で十一万人を動員いたしまして、それに比べまして四倍以上の動員をやったわけでございますけれども、なおかつ混乱いたしたわけでございます。その要因は、どうしても貨車のヤードというものが非常に広大な面積を擁しておりまして、その除雪が非常に困難である、それに非常に時間がかかるということと、それから集配道路が、これもまた除雪が不可能でございまして、集配関係もうまくいっていないというようなことが原因いたしまして、旅客の影響はわりと少なかったのですけれども、貨物に非常に大きな影響が出てきたわけでございます。  この対策といたしましては、いままでの長期雪害対策のときは相当抜本的な対策を立てたわけでございますけれども、なおかつ今後の対策としては不十分じゃないかというようなことも考えておりまして、さらに、本年度は、雪害対策につきましてもう一回見直しをしてみたい、それで問題点があれば、五十年以降さらに強力な雪害対策を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  また、短期の対策といたしましては、やはり輸送力が細ってまいりますので、農林水産物資を中心にいたしました生活関連物資の優先輸送というものを考えまして、これを国鉄当局に私のほうから指示しているわけでございます。  今後の進め方につきましては、関係行政機関、農林省とも十分協議の上そういった生活関連物資の優先輸送というものを短期的にはできるだけ進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。  それから、補償の問題でございますけれども、国鉄も、実はこれは一運送業者でございまして、引き受けをしていない場合には、やはり損害賠償の義務がないのではないか。要償関係につきましては、鉄道営業法と、それから鉄道運輸規程その他法令によってきまっておりまして、非常にその点は無理ではないか。もちろん、お引き受けしたものにつきましては、損害賠償の規定がこれらの法令によってきまっておりまして、お引き受けしていないやつにつきましては非常にむずかしいのではないかというふうに考えているわけでございます。  以上でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 もう時間が来たから、これで終わります。  それで、問題は、先ほどから私がいろいろ表面的な問題についておもな点をやりましたが、あと、われわれの同志が引き続いて幾つかの点を重点的に進めてまいります。  それから、これに関連をして、私は資料を幾つか要求をしてありますから、その要求した資料をできるだけ早く出してもらって、審議が進みやすいようにしてほしい。  それから、先ほど農林大臣に幾つかの点についてお答えをいただきましたが、まだ、日本の食糧について、危機意識がほんとうに十分だとは私どもには思えないし、いまの農林予算の中では、農家の皆さんが、真剣にこの農業に対して打ち込んでいこうという意欲をわき立たせるような状態にまだなっておらない。  そこで、最後に、期待されるべき農民の姿とか、あるいは、そういう農業経営というものはどういうものであるかということをここでお尋ねをして終わりますが、大臣からその答弁をいただきたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農業は、基本法にもその考えを申しておりますが、私どもは、国民食糧として重大な使命を持ったものであるということの観点から、農業、ことに後継者の育成等について、農業に対する考え方について十分な理解を持っていただいて、こういう方の養成に万全を期してまいりたいと思っております。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 午後一時三十分に開会することといたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ————◇—————    午後一時四十分開議

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 倉石さんとは、この委員会でお目にかかるのは四、五年ぶりなわけです。たしか、この前は、青森県のわれわれの地域で、ビートの栽培を農林省が奨励しまして、やりつけないものを七、八年やったときに、今度は外国から買ったほうがいいというのでやめたわけですがちょうどそのときに倉石さんが農林大臣だったと思うが、私のお願いに対して、安いものを外国から買ったほうが国益なんだと、確かにそのときそうおっしゃった。私は、そのとき、実に残念というか情けない、恨みというようなものを実はあなたに感じておったわけです。今度は広範な畑地を開田ということで、われわれも努力をしたし、ばく大な金をかけたし、国も大きな金をかけ、たんぼができたとたんに、今度は休耕、減反だということになった。そうして、そのあげくの果てには、今度はむつ小川原開発だというので、中央大手資本が結託をして土地の買い占めに当たっている。こうなると、われわれは全く農林省の犠牲者なんです。恨みが憎しみに変わらざるを得ないのが私のいまの心境なんですよ。私は、そういう気持ちで、いま、三たびですか、農林大臣になったあなにお尋ねしたいわけなんです。  所信表明をこの間聞いていましたが、何を言っているのか、しゃべったことには間違いないけれども、一体、大臣は、農林大臣として、何をいま心配なさっているのか。文学者の表現で言うならば、あまりにも憂いなさそうなあなたの所信なんです。一体、あれでいいのか。ただおざなりに過ごしていればいいのか。情勢は変わっているでしょう。非常に国民全体の問題になってきています。特に、世界的な食糧の不足の基調というものは、いまのように、外国に、イギリスよりも多く依存している。先ほども農林省の役人の説明の中にありましたとおり、カロリー計算でいけば五〇%を割るというような状態のときに、これでいいのかということを実は感じたわけです。  それから、特に感ずることは、いままでの農林省の農政というものには、ことばはあったけれども、実体がないんです。その証拠を申しましょう。基本法農政と言ったけれども、それから十数年たって、農業の基本的な問題は何が前進しましたか。近代化だとか、生産性の何だとかいうハイカラなことばは言うけれども、ちっとも基本的な問題は前向きに前進していない。これは事実なんです。その後に総合農政ということを言い出したが、何が総合農政ですか。何が総合的ですか。食糧の自給度が下がったばかりじゃなく、過疎や過密の問題はますます深刻でしょう。農村の後継者というものはますます不安な状態になっている。結局、農業というものは崩壊の前夜になっているのです。これは、総合農政とか、あるいは基本法農政ということばだけの農政の結果、十数年の間にこうなった。何かここに、いまの段階に臨んで心配がなければならないはずだ。心配があるならば、反省がなければならないはずです。反省がないから、現状というものは正しく見えないし、対策も立たない。この点で、大臣の御感想と申しますか、理念なんというと、これはあるかないかわからぬから、むずかしいことまでは私はお尋ねしませんけれども、まず、この点を聞きたい。  あとはいろいろ愚問を並べますが、それぞれの御健闘を御期待申し上げたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 御高見を拝聴いたしましたが、私の所信表明でも申し上げておりますし、四十九年度予算編成にあたって、政府が農政に関する予算をいろいろ提案いたしておりますし、いずれ、予算の御審議並びにそれに関する法律案等の御審議でいろいろお話し合いも出ることだと思いますが、私どもは、御指摘のように、決して農政について楽観をいたしておるものではありません。しかし、将来の展望を力強く展開していかなければならない。これは、農業者と同様に、そういう意気込みでやっているわけであります。  冒頭にお話しのありました青森県のビート工場につきましては、当時の事情は、米内山さんも、ことに地元でおいでになりますから、よく御存じのとおりです。あのころ、ビートについては、確かに北海道、青森に奨励をいたしたのでありますが、その後、御存じのように、青森県のビートにつきましては、フジ製糖においてこの原料を買い入れて生産を始めましたけれども、やはり、その規模が小さいし、同時にまた、あのビートが、地味その他の関係あったでありましょうが、どうも北海道に比べて非能率的であるということで、宮城県を含む東北各県の県知事諸君がいろいろ地元において御検討になりました結果、これをどのようにしていくかということの努力をしている最中にフジ製糖が廃業されたということの結果、当時、政府は、この方々に向かって、転作についての協力及びこれのあと始末をいたすために、たしか四億九千万円ほどの金を支出してこの処理をいたしたという経過であると記憶いたしておりますが、その後、北海道のビートは、御存じのように着々成果をあげております。地域によってうまくいかなかったことははなだはだ残念でありますが、その経過については、政府も地元の県当局もたいへんな骨を折り、農協等も参加をして、ああいう始末をいたしたことは御存じのとおりであります。  私どもは、農政につきましては、先ほども竹内さんに申し上げたのでありますが、国民生活に密着しておる大事な食糧生産をいたす農業でありますから、できるだけの生産性を上げ、増産対策をやっていくということは当然なことでありますが、そのためには、御存じのように、基盤整備をはじめもろもろの施策を講じて、いろいろ御批判はありましょうけれども、これだけの地域にこういう生産力を持った農業——これで十分であるとは申しませんけれども、さらに段階的に進めてまいるならば、わが国の農農の将来については、私どもは決して悲観をしておりませんし、また、現実の姿がそういうことであります。ただ、しかし、国内で需要が旺盛であるにもかかわらず、これを国内においてまかない得ないようなものについては、これはやはり国際的な立場に立って、いずれの国でも御存じのようなことでありまして、必要量については、あるものは海外から輸入し、あるものは、先ほどお話しのありましたように、諸外国と提携をして、ともども生産をして、それを安定的な量、安定的な価格で国内の需要を満たす、こういうことでありますが、しかし、それにもかかわらず、そういうものについて、国内生産が可能なものについては、それぞれの助成をいたして増産をやっていこう、こういう考え方で、四十九年度予算においてはこれを進めようとしておるわけであります。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 まあ、そんなものだろうと思うのですよ。それではいままでとたいしたかわりがないと思うのです。私らから見ると、われわれ農民から見ると、どうも、これはもう最後の段階じゃないか、希望を持てない、これ以上農業の発展の道がない、ふさがれてしまった、あとは徐々に崩壊を待つのみだというのが村にいるわれわれの実感なんですが、これに希望を持たせるということはできないことじゃないのだ、やればできる、必ずできることだと思うが、政府にそういう勇気も決断もない。日本の国民経済と申しますか、私の言う経済というのは、古い解釈での経世済民、つまり、国のために、国民のためにどういういいことをやっていくかというあたたかい考えから出た場合には、もっといい分別も、もっと勇気も出るはずです。特に、農村内部にもこういう危機があるが、食糧問題から考えた場合に、これは非常なピンチじゃなかろうか。取り越し苦労だと言う人もありますけれども、しかし、こういう問題は、心配するほうが得なんでして、油断していてひどい目にあうと、これはたいへんなものなんです。農業というものはそういうものだ。食物というものはそういうものです。この間、油がなくなったら、この災いを福に変えるなんということばも出てきましたが、油のないのを、昔から油断大敵なんて言われるが、食糧がなくなったときにあなたはどうしますか。高度成長のしりぬぐいを国民にやらせて、そのしりをぬぐう紙も欠乏するというような不信の政治をいまやっておる。洗剤も買いだめが始まるような状態で、もし食糧不安が起きたときに一体どうなるかということは、政府としては心配がないのですか。すでに、われわれの地方でも、ああいう農村部でも、米の小売り業者から聞いてみますと、去年のいまよりも米がよく売れますと言う。これはどうなると思いますか。食糧に火がつけば、一億の日本の国民の中には、ほしがりません勝つまではと言うような国民はもう一人もいないのです。しかも、十一月になれば消費者米価が上がることほちゃんと明らかなんです。春の耕作時期から気象が悪い。日本はややよくても、カナダが悪い、ソ連が悪いというようなことになったら、一体これはどうしていくか。洗剤やトイレットペーパーぐらいの問題でないのが心配じゃないですか。私は、それは心配にたえない。この点の不安はどうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いまのあなたのお話しは、何を主としてお話しになりましたか、よくわかりませんでしたが、米については、御存じのとおりであります。しかも、なお、わが国においては潜在的生産力を持っておりますので、若干の稲作転換は、ことしも四十九年度予算でも計画はしておりますが、しかし、時局を考えまして、私どもはこれを百三十万トンにとどめたことは御存じのとおりであります。そういうことをすることによって、端境期にはまず——端境期というのは、米どころの米内山さんよく御存じのとおり、新米が二百万トンないし三百万トン出回っているわけでありますから、それに百五十万トンそこそこのストックを合わせれば、これは、米のことについてよく御存じのとおりでありますが、米について不安を持つ者はないでしょう。しかし、いま海外のことのお話しがございましたが、これはこの間各新聞紙も報道しておりますように、アメリカもそうでありますし、ソ連もそうでありますし、中華人民共和国もそうだといって新聞に報道しておりますが、やはり、史上最高の豊作だといっている。私どもは、日本で必要な飼料原料に要するものについては、それぞれの手配をいたしておりますので、少しも心配しておりません。ただ、しかし、それにもかかわらず、そのほかに、たとえば天災地変みたいなものも、これはもう神さまでなければわからぬことでございますが、そういうようなことをも勘案いたしまして、なるべく備蓄政策も強化していこうと私どもとしては考えておりますけれども、現在必要な国民食糧及びその国民食糧を産出する必要の原料等については十分な手配をいたしておりますから、これはやはり一般の大衆によくわかっていただくように——先ほど私は竹内さんにもお答えいたしましたが、いつもそういうことを気がついておるのでありますが、若干専門的に勉強している国会議員さんたち以外に、一般の大衆が御心配なさるようなことは、これは困ることでありますので、そういうことをできるだけわかりやすく解説をしていって安心願うようにすることが必要だとは思っております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そこらあたりが一番大事なところでして、この間農林省も、世界の食糧事情を調査していろいろの報告を出しておりますが、その中で一番重要視しなければならないのは、世界に大量の穀物を輸出している能力のあった国というのは少ないわけですね。アメリカを中心とした数カ国しかない。いっときは、かなりたくさんな、過剰なストックを持って困っておったが、一昨年のソ連の不作あるいは中国の四%ぐらいの不作で、こういう大国にかなり大量の穀物が流れて、そうして、安定した、通常必要とするストックぎりぎりの段階に来ているという事情があるわけです。こういうときに、米が不足になるということよりも、食糧の小麦が百万トンかりに減った場合に、これを米で補えますか。どういうものでしょうか。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕  私は、その点、アラブが石油を外交戦略に使っているのですから、アメリカがもしこれを外交戦略なりに使ったとすれば、アメリカの他国に対する輸出量が減れば、それがそのまま日本に来るような気がしてならない。それでも、あなた方は、日本人は安定的に、優先的にアメリカの食糧のかさの中に安心できるという確信があるならば、その根拠を示してもらいたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 まだ、四十九年度予算が成立しておりませんので、どういうふうな手配、契約をしておるかというふうなことは、この際私の口から申し上げることはできませんが、年間の需要量というものといままでの取引関係がございますので、そういう経路を経て、御心配のないようにちゃんと確保しております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 大臣の立場で、食糧に心配があるなんて言ったらたいへんなことになるから、それ以外には言えないだろうと思うけれども、大臣はいま天災地変ということばをお使いになった。それから、先ほども竹内君の質問に対して異常気象という御答弁もあったのですが、一体、天災地変がない地球というものはあり得るものじゃないが、毎年あるということはない。それから、気象が異常だということもおかしいのです。われわれ青森県あたりの東北の冷害地で生きてきた者から見ると、何年日ごとかに冷害が来るのがあたりまえなんでして、百年も豊作が続くなんということは、そんな法則はないし、五十年も冷害が続くということもないので、あるのがあたりまえなんです。したがって、国民の命、暮らしに責任を持つ政治としては、それをあたりまえのこととして、十分な備蓄があって、初めて国民は安全感があるのです。口先だけでごまかしたって、これはかえって悪いと思うのです。ですから、私が言うのは、今後外国のものに依存しないで、絶対不足量は輸入せざるを得ないでしょうが、国内で可能なものは、米でもいいじゃないですか。国民が食い余したならば、これを他の地域に輸出して、それと麦と交換して、新しいものを備蓄していけばいいのです。それを考えないで、外国に売れば損をする、赤字が出るというので、古々米だの古米だのと言う。しかも、米を食う地域は、世界で一番極端な食糧飢饉状態でしょう。飢餓状態でしょう。そういうふうに有無相通ずるというか物を回して使うというようなことも、政府であるならば、もう少し知恵を出してやってもいいじゃないですか。日本の水田というものは、世界で一番単位面積当たり穀物カロリーの生産される土地なんです。それを大量に休めておいて、世界が食糧危機の中で、日本が不足だから余分に麦を売ってくれなんて言ったって、これは国際正義の上からもだんだんに許されなくなるんじゃないかと私は思う。こういう点から考えて、食糧を大量に備蓄して、国民に食品の安全感を持たせることは、アメリカの原子力のかさにたよるよりももっと国民が喜ぶ安全性だと思うのだ。大臣はいつかそういうことをおっしゃって、ちょっと困ったことがあるが、軍備のない国はどうだとかこうだとかということでしたが、あれと同じように、食糧というものは、基本的な国民の安全保障のためにやはり大事だというお考えをお持ちですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 米内山さんの御意見はつつしんで承っておきますが、食糧は、国家の安全保障にとりましても、最も大切なものであります。したがって、これの増産、確保ということについては全力をあげることはしばしば申し上げておるとおりであります。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そういうふうな食糧の危機感があるから、今度も、さっきも話に出た開発輸入と申しますか、こういうことを考え出したのだろうと思うのです。アメリカのような国に日本が資本なり技術を提供して、アメリカの及ばざるところに農業開発をやって輸入するということならば何だか通りそうだが、日本が目標としている開発途上国というのは、ことごとく食糧不安の地域なんです。そこへ日本の技術、資本を持っていって、七、三で分けるか何で分けるか知らないが、日本がこれを優先的に持ってくるというのは、これは一種の侵略的な開発じゃないかと思う。食糧というものは、不足があるならば、有無相通ずるというような形でやるべきじゃなかろうか。その国には肥料がないとか、その国には大豆があっても米がないというなら、有無相通ずるということでやればいいので、何も、日本から企業が進出して、そういう地域の住民を便って安上がりに生産して——一億もいるんですから、少ない人口じゃないんですから、この不足を補うというのは、特に、今日のようにナショナリズムの高揚期にそぐわない思想、ものの考え方じゃないか。考え方にまだおかしいところがあるから、この開発輸入なんというのは、外国からも、そういう対象国からも決して喜ばれない結果になると私は思う。というのは、たとえば「緑の革命」という計画があって、いろいろな先進国が稲の育種などをやっている。フィリピンその他にやったが、失敗している。一方的に、先進国の、たとえば日本なら日本の資本や技術を持っていったって、その地域にそれを受けとめるのだけの条件がないのです。それまでもやろうとすれば、五十年も先をめどにしてやらざるを得ないものなんです。これは農業の特徴なんです。たえばゴムとか、そういうような工業原料物をつくるならばともかくとして、いわゆるえさなんというものは、そう単純にはできないと私は経験上考えるのだが、農林省は、その国の実情なり農業の実際から見て、技術的にも精密な調査なりをした上での確実な成案がそういうところにあるのですか。私はありそうにないと思う。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 たいへん大事なお話しに触れてきたわけでありますが、私どもは、先年、沖繩県の先島に熱帯農業研究センターをつくりました。前々から、東南アジアや中南米の諸国からは、自分のほうで土地も提供するし、労働力も提供できるが、しかし、これを開発し得る技術、資金等がむずかしい、これをひとつ何とか開発する方法はないだろうかということで、現に、私どもの同僚の国会議員の諸君がそれらの国へ行かれましても、やはり同じような話を聞いてこられたケースがかなりあります。さっきちょっとお使いになりました開発輸入ということばに何となく昔の古びたイメージがございますので、私どもは、それは、ことばは間違っているわけではないと思いますが、植民地的なことを考えていることは毛頭ないのでありまして、先ほど竹内さんにもお答えいたしましたように、土地は十分ある、労働力もある、意欲もある。しかしこれをたとえば圃場整備をしたり、かんがい排水をしたりするような技術が乏しい。農林省は、いままでずいぶん各国から頼まれて、そういう地域の調査をしております。そういうようなものを相互で話し合いまして、いまお説のように、開発途上国においては、心持ちはあっても実行に移せないような国々で、われわれと協力をして、先方の食糧あるいは飼料供給にもなればたいへんけっこうなことだし、また、その何%かをわがほうに定期的に送ってくれるということができるならば、それもたいへんけっこうだ。ですからして、これからは、そういうことを、いま私が申し上げましたような、われわれの協力を期待しておるようなそれらの国々と真剣に話を進め、具体的にどういうふうにするか、これから相手方の国との話し合いでありますが、こういうことは、全人類的なものの見方でわが国のような国がやるべきことではないかと私は思っておるわけであります。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 大臣、それは非常に甘い考えですよ。非常に甘過ぎて危険だと思うのです。というのは、国内でも、国がこう思ったからこうやりたいといったって、日本の農林省がそうやっても、農民はそうなかなかやらないものなんです。やる気があって、そこに政策が伴っていけば成果が上がるんです。外国人が外国へ行って、おまえの国もよくしておれも食糧の不足を補うなんて、そんな打算的な考えでこれは成り立つものじゃない。  大臣、これは何もむずかしいことじゃない。戦後、あの敗戦の二十年の不作のときに、日本じゅうの農民は、過去も苦しかったし、戦争も苦しかったが、だが外地からたくさんの引き揚げ者が押し寄せてくるし、この狭い国土で国民は生きていかなきゃならない、そのためには食糧は大事なんだ、一寸四方の土地も惜しみ、一粒も多くとりたいというときに、国が食糧増産政策をやったんです。そういう客観的な条件があり、農民にそういう意欲があったときに、日本の農政の中で、あの時期における食糧生産というものほど成功したものは過去にもなかったわけです。こういうふうなことを検討してみないで、ばく然と技術と資本を投ずれば物が出てくるというのは、農業の場合には間違っているんですよ。特に、農林省の、その辺に並んでいる官僚の諸君にもぼくは申し上げておきたいけれども、床屋の弟子をしても、板前の弟子をしても、五年か七年あれば一人前になるんだ。何十年も同じことをして、基本的な問題について、何もこの問題の解決ができないのは、これは一体何のためだ。理由があるんです。あなた方は、法律を学んだかもしれないが、日常の農民の苦しい生産の中で、その戦いに参加した経験がないんだ。床屋の弟子だって、しかられながらやるから腕もあがるんで、高いところにあぐらをかいて、橋の上から水泳ぎを知らせるような姿勢だから、農林行政というものは農民から遊離はしてしまい、そして、いまや怨嗟の府になっている。  私は、もう若いときから農林省に出入りしましたし、今日まで、二十歳代から一貫して農業の現場の生産活動をやってきたが、そのころに石黒忠篤さんという方がいた。この人にしかられるときもあったが、しかし、いまの役人と比べると神さまのような感じがする。いま、そんな風格とか理念を持った者は一人もいない。これは、農林省の持っている官僚性の欠陥がいま最大限に暴露したものだと私は思う。特に、農林行政においては、他の通産省や防衛庁とは違うと思う。もっと心が通い、血の通った行政というものを考える余地がありませんか。いままでのそういう農政の実際面における反省点について、大臣は感じませんか。その点の感想を伺いたい。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 このごろはあまり話は聞きませんが、去年ぐらいまでは、ヨーロッパやアメリカ等に旅行を農協の方々がかなりおやりになりました。日本人を見たら農協万歳というように、それほどに農協は親しまれた。こういう方々が外国へ行って、帰ってこられて、現に私などに言った人もありますが、外国へ行ってみて、いろいろな話を聞いたり、現実を見てきて、日本の農政というものはいかにもきめこまかな世話をしているんだということを私はつくづく感じましたということを言う人がおりました。これは長野県でしたが、まあ、いまの米内山さんのような御観測もあるかもしれないけれども、農林省の人たちも、実家が青森県出身の者もあるかもしれません。東北の農村の出身の人がおるかもしれぬし、長野県の人もおりますが、やはり、生まれたところの実感でいろいろなことをはだにつけているわけです。その上に長い間行政に携わって、地方にも派遣されたりして、非常な苦労をして、今日まで、先輩の偉績も勉強しながらやってきているのでありまして、私どもから見まして、表面に立って責任をとっておる人々というものは、いかに一生懸命でおやりになっても、なかなかいろいろな批評が反面にあることは、これはもう役人の仕事だけじゃありませんで、国会議員などに対しても、万端いろいろな批評があるのと同じことであります。そこで、私ども農林省に職を奉ずる者といたしましては、つとめて現実を踏まえなければならぬ。そういうことについては、いまのような米内山さんの御忠告なども、私自身ありがたく拝聴いたしまして、農林省を督励して、いまさっき農協の方がおっしゃったように、なるほど外国を見てくるときめこまかな世話をしているなあという、そういう感じをみんなに持ってもらえるように、これからうんと努力したいと思っております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 大臣、きめこまかいというのはどういうことか知りませんが、こまか過ぎてきき目のないことは意味がないんですよ。やらなくてもましだというような程度のことをことしの予算でも一ぱい並べて、これをやらなければならないということは何もないでしょう。問題の解決にならない政策というものは意味がないですよ。子供に、とうちゃん、星を取ってくれと言われて、ほうきを持って屋根に上がったおやじは、地上にいるよりは星に近づいたことにはなるが、星を取ることにはならぬ。並べていることを見れば、ほとんどそんなことですよ。きめこまかいと言うけれども、農民はあつくあたたかく世話をしていると言うけれども、では、今度の季節出かせぎ者のあの保険制度の問題は、あれは何ですか。農民の足を引っぱるような政治をやって、頭から押しつけるというのが、これがあたたかい世話だと言うんですか。血の通った政治だと言うんですか。きめこまかい世話だと言うんですか。あなた方は、きめこまかいなんて言うが、そういう意味で、これはことばだけのごまかし農政じゃないか。農民はみんなそう受け取っていますよ。ぼくは、もっと求めているのは、日本の農政というものの柱を立ててもらいたいということ、長期的な政策目標を明確にしたいということ、これは、何も、食糧増産五カ年計画とか、そういうものじゃなしに、日本の国民経済の中における農業というものの位置づけを明確にしてもらいたいということで、たとえば一軒の家には、主人もいれば、主婦もいるし、女中さんもいる。この農業の地位というものをどこに位置づけするかということです。  たとえば中国では、農業を基礎にして工業を導き手にするという柱があるわけです。日本は、工業が主人であったら、少なくとも農業というものは主婦の座になければならない。こういう程度の位置づけをしなければならぬ。いまの日本の政治や経済、行政の中における農民の位置というものはどこにいますか。まるで富山の薬を売りに来た薬屋さんみたいに、わきにすわっているんじゃないですか。その証拠には、この日本の農政にさいなまれてぐあいの悪いときは、富山さん、この三光丸を置いていけと言って、別なときには、今度は、何も買いませんからさっさと出ていけというような農政なんです。だから、大臣、とてもじゃないが、大蔵省農林課みたいなものであっても困る。それから、いまのようなあんな総理大臣のもとに、農政の中に思いつきを差しはさまれたら農政は混乱するでしょう。  先ほど、あなたは、総理も思いつきじゃない、相当考えたそうだと言ったけれども、あの三十万ヘクタールの土地を農地から宅地にしようなんという発想は何ですか。土地の値段を冷やす、土地の騰貴を冷やすためにあれは有効だと言うけれども、これは農政と何の関係があることですか。ここの問題点なんですよ。農業の基本的な問題は土地問題なんです。それが総理の思いつきのままに、横っちょから言えば、今度はそういうことになる。それがまた万波を呼んで、ブローカーをハッスルさせる。地価が騰貴する。地価の騰貴というものは、農業生産の中の原価にも含まれるし、生産効率の中にも直接反映するものなんです。だから、日本の農林省は政府から独立してもらいたいというような要望もあるわけだが、それはいまはできないとしても、もっとき然たる態度で臨んでもらいたいが、倉石さんにそれを望んでも、おそらく不可能なことだと思うけれども、このままでいいのですか。こういうふうに総理大臣などに言われたり、大蔵大臣に言われると、それがむだづかいだと言えば引っ込んでみたり、外務省あたりにつつかれると、開発輸入なんというようなことを言う。これは、何も日本の農業の基本の問題じゃないのです。基本法はことばだけれども、農業の基本というのは、別に確実に明確にあるんです。あなた方はそれに目を注がないで、こういう思いつき政治の中に日本じゅうの農民をほんろうさせる。そして、あげくの果てには、食糧不安につながるし、日本の民族の運命にまで影響しないという保障はないと私は心配している。大臣ともあろう者が、いなかから出てきた代議士よりも、もう少し深刻に心配したほうがいいじゃないですか。それはあたりまえじゃないですか。私はそういうふうに考えてもらいたいと思うのだが、どうですか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いろいろ承りましたが、一つ誤解があったようですけれども、海外経済協力の事業団というのは、外務省から言われてやっているのじゃなくて、私のほうが主導権を握ってこれをつくり上げることに相なったのでございまして、開発輸入云々のおことばは、さっき申しましたように、あんまりぴんとこないイメージでありますから、国際経済協力というつもりでありますが、その仕事の考え方は先ほど申し上げましたから繰り返しませんが、これは、必要であるにもかかわらず足りないものを、安定した価格で安定量を得られるように、同時にまた、相手方も食糧政策の一助にもなるようにということで、先ほどのお話しの中にはございませんでしたが、私どものところへ参って、ぜひこういうものを協力してくれと申し込んでおる国が現に数カ国あるのであります。それをどうやってやっていくかということでありまして、これは、この事業団が成立いたしましたならば、農林関係は農林大臣が共管でありますので、私どもと相手国との折衝によって進めてまいるつもりでございます。  それから、いまの農政につきましては、もうたびたび私が申し上げておりますように、いまの政策は、たとえば総需要抑制を目的としておる。いわゆる緊縮予算の中であるにもかかわらず、しばしば私が申し上げておりますように、食管会計の一般会計からの繰り入れ五千八百億余りと、それから公共事業、これを除いた純粋な農業予算の伸びは、こういう時節であるにもかかわらず、三二・一%の伸び率を示している。いまあなたは何もやっておらぬとおっしゃいますけれども、そういう三二・一%も前年対比伸ばしておりますことについて、まだ予算は通過しておりませんけれども、あの原案ができましたときに、各地から、私どもに、激励や感謝の電報も、おはがき等もずいぶんいただいております。いずれ、いろいろ御審議を願う法律案も提案いたしますから、そういうときにも御意見を承る機会があると思いますけれども、米内山さん、あなたのほうが政府をおやりになっても、いまわれわれがやっているほどのことは、なかなかこれはむずかしいのじゃないかと思う。まあ、その辺で、足らないところは大いに補っていただいて、ぜひ大方の国民の御期待に沿えるようにやりたいと思います。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 あなたのほうが政府を取ってもと言うけれども、私は、別に、いまは社会党の政策を述べているわけじゃなしに、日本の農民の立場からあなたに要求しているのです。わが党はという立場は、いまは持っていないですよ。だから、私は、農家の皆さんをしあわせにするようになんということばは使わないです。われわれが要求する。あなたが外国から陳情を受けて、それを受け入れるというなら、私は、日本の農民の一人としてあなたに要望する。あなたは、そっちのほうに優先的にこたえなければならぬはずだ。その点はあとでもう少しやるが、その前に、さっきの話にちょっと戻るのですが、異常気象ということなんです。  それは、ことしの雪は、青森県あたりでも、去年と比べれば確かに倍も降っているから異常と言う。これはおかしい。三年前にはこれ以上降ったこともある。こういう変化変動のあるのがあたりまえであって、これは異常気象というべきものじゃない。しかも、来年は太陽の黒点が最小期になる年なんです。そうすると、過去の統計から見ても、そういうときには気象というものは地球規模で異常を起こすということは、これはもう法則的なものなんで、これに何らの対応策のないということはおかしい。だから、気象が異常じゃなくて、農林省が異常なんだよ。世界にこんな異常な農政をやっている国はないでしょう。きめがこまかいとかあたたかいとか言うけれども、ヨーロッパの農政を見たって、こんな姿勢ではやっていないですよ。こんな理念でやっていませんよ。私は、四、五年前に、西ドイツヘ、ドイツの構造改善事業というものを見に行ったが、一口に言うと、私の村も、農林省の施策で構造改善事業というものを受け取っていますが、私の村で二百五十戸に対象になる金額とドイツの三人分と同じくらいなんで、口では構造改善事業と言っても、金の出し方や、その量や、こういうものにまるで天地の差がある。ことばだけは似せたって、これはほんとうのにせものなんですよ。根本的に日本の農政の基本を変えるならば、それぐらいの金を出さなければならない。総需要抑制なんということよりも、国民の命にかかわる問題を農林省が担当しているというならば、福田さんが何ぼ渋いといったって、国民と一緒にやってごらんなさいよ。少数の圧力団体などの意見だけに動かされないで、消費者、労働階級、農民、こういうものと政策と要求を一にしてやってごらんなさいよ。やってやれないことは何もなかろうと思う。そして、それはやらなければならないことだと私は思うのです。まず、求めたいのは、農林大臣の発想の転換、政策の転換の前に考え方を変えて、しかる上に前進してもらいたいことだが、いまの段階では木によって魚を求めるようなものだから、まあこれ以上は愚問を申しません。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、要求なんですが、要求というよりも、何というか、まず聞きたいことは、農林省自身が明確に法律違反をした、行政上の処置をやったとき、ごまかして通しますか。それとも、わびをして改めますか。私は、次に事実を申し上げますけれども、農林省が明らかに法律違反をしている。そうして行政上の処分をした。これが農民に損害を与えて、資本にだけ膨大な利益を与えたという農林省の行政上の処分があったときに、あなたはこれに弁解をしますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 具体的なことをお話しを承りませんとわかりませんけれども、政府は法律違反をやるようなことはあり得ないと思いますが、行なった行政の結果、万一そういうことがあれば、これは訂正をいたさなければなりませんし、責任者がもし農林省であるならば、私が責任を負わなければなりません。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 まず、その大臣の勇気と決断を承れば、私も次の質問をする勇気も出るわけです。  農地法というものはなくなったわけではないでしょう。厳然として日本の法律としてあるし、これは日本の農業を守るだけではなしに、発展させるためにも重要なことだ。この法律の目的というものは、第一条に明確になっている。青森県の東通村というところに、東北電力と東京電力が農地転用の申請をしております。そうすると、手続上、許可申請書に計画書が必要なんです。架空のものは計画とは言えないわけです。いつ着工して、何年までにどれそれのものをつくるから、これだけの土地を取得したいから転用の許可をもらいたいということで出すわけです。農林大臣はこれを許可するわけですが、そこで問題なのは何かというと、二社がそれぞれ百万キロワットの原子炉を十ずつ、二十つくるというのです。だから、千ヘクタール必要だということなんです。農林省は、そういうことは技術的にも可能だと考えているのかどうか。農林省にはそういう原子力の専門家はいないと私は思うが、いなくとも、そういうことについて、これは安全性がどうだとか、環境問題はどうだとか、あるいは原子力の場合には、冷却水、放射能などのことは抜きにしても、十万キロに対して、一秒間に七トンないし八トンの水が必要だとか、そうすると百万キロで何ぼだとか、二千万キロで何ぼだかというと、揚子江ほどの水じゃないが、利根川の八倍の水を必要とするのです。これは環境問題に多少の関心があれば、中学二年生でもわかる。こういうことを抜きにして、これに許可を与えています。そうして、それが売買されて、所有権が移転されているのです。そうすると、どこに問題があるかというと、申請者が虚偽の申請をした。許可する者は、これを無審査というか、常識を越えてやっておる。こういうものは現代の世界の常識を越えるものなんです。私も村で農地委員長をやったことがあるが、これは厳密を要します。小さいものは村でやりますが、もしかりに私が開発業者に頼まれて、そういう内容を知りつつめくら判を押して、一方に農業に被害を与え、大資本に膨大な利得を与えたら、私は背任罪になる。だから、われわれはやれない。農林省の役人だと、権力に隠れてこういうことを平気でやっている。これは事実です。これは重大な問題だ。大体申請のほうには、どんな権利に基づいてやったかしれないけれども、信義もなければ誠実もない。人をだますつもりでうそをつくのだから、これはペテンなんだ。結果的にうそになったのではなく、だますつもりでついたうそなんです。農林省はこれに加担をしたんだ。この資本と農林官僚の癒着というものは断じて許すことはできない。大臣、こういう事実があったときにどうしますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 お話しがございますようでありましたので、事前に調べましたが、東通村の東京電力及び東北電力の原子力発電所建設にかかる農地転用につきましては、所定の手続により、転用目的の実現の見通しにつきましても、十分審査の上、昭和四十六年十二月に転用許可を行なったものでありまして、農地法違反の問題は存在しないと思っております。  なお、御必要があれば、事務当局から、法律でありますので御説明申し上げます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 事務当局の話などは聞きたくないですよ。これはあとで関係法案の審議のときにもつと詳しく聞きますが、政治家としての、大臣としての見解を私は求める。農地法の五条によってやった許可なんだが、違法ですよ。架空の申請をしたものに、十分な審査なんて、したことになるかもしれないが、二千万キロの電力というのはどういうものなんです。非常識ですよ。少なくとも、こっぱ役人から局長などになる者が、これくらいの常識がない者が入れるはずがない。だから、私は、そういう点で、これは役人が許可権を乱用したものと思うんだよ。許すことのできないものだと思うのだ。これだけなら別ですよ。次のほうはもっと重大なんだ。したがって、さっきも申し上げておりましたが、これは五条の手続でやったのですが、二条、三条、四条、五条というものは、法の第一条の目的を補強するためにある。そうして、それをさらに補強するために罰則もあるのですよ。これは明らかに法の目的に違反しているのですよ。あなた方はしゃくし定木に解して違法でないなんて言うが、これは裁判で争う以外に決着のつかない問題だから、これ以上追求しないが、だが、その隣で、むつ小川原の巨大開発というものがあります。この中で、三井不動産というのが膨大な土地の買い占めを最初にやった。その次に、第三セクターとか称するものが生まれて、これも土地買いをしていますが、これは土地の明らかなる買い占めです。  そこで、大臣に聞きたいのだが、新たに農地開発をする法律を出して金をかけてやるということだが、国がこれまでばく大な金をかけて優良農地化したものを、目標もさだかでない架空の計画に対して農林省が土地売買を許すということは問題があるし、特に、その中で、三井不動産というものが——これはどなたでも一口言えばわかるんだが、このものが、県がこの開発を公にしたのは昭和四十五年六月十日ですが、昭和四十四年から、三井不動産全額出資のダミーというか、覆面会社をつくって、それがまたその下のダミーを使って、この地域の土地を先買いした。一反歩三万円から六万円くらいだ。六、七百町歩あるいは八百町歩くらいあると思うんだ。しかも、その買い方が悪らつだ。極端な一例を申し上げますが、農民が土地を持っていられないようにしむけるのです。これは、徳川時代もこんなばかなやり方はなかっただろうと思うのです。しかも、それが天下の三井不動産です。二十ヘクタール余りの公共事業として開田した田んぼがあったのです。田んぼの田面はいわゆる農地で、農家の個々の所有だが、それに付帯した道路、水路、排水路、用水池が登記の上では原野になっておったのです。これだけを買ったのですよ。二・五ヘクタールでたった六十万だ。これを買ったのです。ちゃんと登記も済んでいます。そうすると、どうなりますか。まるで、これは、昔のイギリスあたりでやった囲い込みのような、こういう前世紀的なあくどい土地の買い方もやっている。これが日本の大デベロッパーだ。こういうものに農林省が実は協力しているのですよ。ぼくは、農地と田んぼの田面と、それに直接つながっている道路、水路とは不可分なものだと思うのです。これを買うことすら違法だと思うのだが、ただ、形の上では、登記簿上原野になっているから、この金を払って、三井不動産の所有になっているのですよ。こういう形で農村を資本が侵食している。食いつぶしている。そうして、土地を手放さざるを得ないようなことに追い込んでいる。これを農林省は、当然法を守っていかなければならないのに、聞いても知らないふりをしているのだ。そうして、この地域の三井不動産にかかわる農地法達反事件について、青森県に農林省は特別な金をやったという話を聞いたことがある。青森県が農林省の金と指示を受けとってどういう始末をしたかは、これは後日資料でお答え願いたいが、大臣、とにかく、農地と道路や、防風林や、水源涵養林を不可分のものとして保護しようとするのか。それは何ぼ道路でも、登記上原野になっていれば、売り買いしたって違法じゃありませんという御見解でしょうか。こんな理不尽なことはあるものじゃない。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農外者の土地買い占めにつきましては、農業の振興に重大な影響を与えますので、今後とも地方公共団体の協力を得て、その実態の把握につとめてまいりますが、農地法違反等の事態を生じないよう、厳正な指導監督を行なうことといたしております。  ただいまお話しのむつ小川原の地域につきましては、農地法の許可を受けることなく、開拓農地の所有権移転登記をしている事態が発生いたしておりますので、農林省では、農地法違反行為の是正について必要な措置をするように指示いたしました。ただいま農林省から金を青森県に出しておるというのは、こういう事態の調査費を青森県庁に出したのであります。青森県からの報告によりますれば、調査の結果は、現況農地であって、農地法の許可を受けることなく所有権移転登記が行なわれたものにつきましては、文書により是正措置をとるよう勧告し、これに従って、売買契約の解約、所有権移転登記の抹消等の是正措置はおおむね完了いたしておるということを青森県から報告しております。  それから、もう一つ、先ほど、政府が法律違反をしたら責任をとるかというお話しでございましたけれども、もちろん、これは、上長、長官が責任を負うべきものでございますが、先ほど御指摘のありました問題につきましては、米内山さん、一方通行で、あなたがそれは農地法違反だときめつけただけでございますので、こちら側の解釈も聞いていただきませんと、速記録にも残ることでありますので、さようにお願いをいたしまして、事務当局の御説明をお許し願います。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 ちょっとそれでは、あと回しに、最後にしてください。まだまだあるから……。都合のいい答弁など聞きたくない。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先ほどの点ですが、第一条には農地法の目的が出ております。そして、その農地法の目的ということを前提といたしまして、四条なり五条の規定があるわけでございます。したがって、四条なり五条におきまして、かりに所有権の移転という問題につきましては、これはどういう場合に農地法違反が出るかという問題につきましては、先般来お答えしておりますように、土地の引き渡しが終わるとかあるいは登記が完了するというような、売買の完了したときに農地法の違反になる、こういうことでございまして、かりに仮登記があるということをもって農地法違反であるというふうにはわれわれ考えていないわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 この答弁もまた私の聞いておるのと別な答弁をしているのだよ。ぼくは東通の村のことを聞いているのです。これは完全に登記しているのです。これから聞こうとするのは、いまあなたが先に答えたことだから、あとにしなさいというのです。こんなこしらえてきたようなものを、ここでぼくと議論をしたってだめなんだよ。県庁に調査を指示して、報告を受けたというけれども、役人をだれかぼくのところへよこしてみなさいよ。ぼくはこの地域の登記簿の謄本を七百十枚とって、これを一々精査して、ちゃんとそれを集計しているわけだ。そうして、その中には、台帳地目が原野であっても、現況は農地なんだというものがあるが、法律上農地なものには、畳五畳もある地図に私はちゃんと色をつけているよ。県庁だって、こんな調査はしていない。だから、あなた方の答弁というのは、私は聞く価値がないというのだ。このことはすべて、今後、国会の場でぼくはあなた方と詳しく研究したいと思うが、のがれるならばじょうずにのがれればいい。是正するならばじょうずに是正すればいいだけの話だ。法律問題なんだからね。  そこで、構造改善局長、これはあなたが答えねばならないところだろうからあなたに聞くが、むつ小川原の開発の場合ですね。——その前に、あなたはそっちの担当者だから聞くが、農地に付帯したところの、それがなければ耕作できない、それが失われれば田植えもできない、それがなければそこに居住もできないというのは、防風林とか、水路とか、水源涵養林というものなんだよ。これは密接不可分なんだ。こういうものをやるために、国が公共事業でその道路をつくっている。それをデベロッパーが、土地以外にそれを先に買うということは、一体これは合法なのか、適法なのか、常識的にそれでいいのかということだ。法律に違反だとかなんとかいうよりも、それを他人に持たれると営農がやりやすくなるのか、不便なのか、できなくなるのかということの判断の上から、そういうことは適当な土地の買い方であるかどうかということを聞きたい。あなた方はそういう仕事に助成金を出しているんだ。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生の言われましたところの、開拓地で道路とか水路が売買されているというお話しの問題は、六ケ所村の村営でやりました昭和十五年ごろから二十年ごろに行なわれました開田事業に伴う問題であるというふうに承るわけでございますけれども、とにかく、非常に古い時代なものでございます。したがって、そこにおきます土地台帳上の名義が非常に現状と合っていないというふうなことになるわけで、したがってそういうところが買われてしまった、こういうことに相なるわけでございます。  それにつきましては、道水路敷が不動産会社の手に入るということによりまして、周囲の営農に悪影響を生ずるおそれがあるわけでございますので、所有権の返還を求めるということにつきましては、これは規制する方法はございませんけれども、とにもかくにも営農上支障を生じないように、青森県が関係者とよく話し合うようにわれわれとしては県を指導してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  そういう施設を買われることがいいか悪いかと言われれば、これは決して好ましいことでないことは当然でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 いまの答弁も、この次に聞くことに対しての答弁なんだ。ぼくがいま聞いているのは、改善ではなくて、その前に世銀融資で機械開墾した地域、酪農地域、そういう地域の防風林などの道路を買い占めしていることについて聞いているのだ。一体、あなた方は私の話を聞いているのか。私の言っていることを単に音として聞いているのだよ。ぼくは目的があって聞いているのだ。何も、あなた方だけを困らせようとしてぼくは聞いているのではないんだ。私は法律家ではないから、常識上こんなことは許されないと思うから、農林省はこういうことを是認する姿勢で行政をやっているのかどうかということを聞いているんだ。法律的に違法であるかどうかということは、もっと時間のあるときに、その問題それ一筋で、いまの農振法やなんかに関連して聞かなければならないことはいっぱいあるが、こういうことを妥当なことと考えて処理しようとしておるのか。そのあなた方の姿勢をただしたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 お答えいたしますが、そういうことが好ましいのかどうかと言われましたら、先ほど申し上げましたように、決して好ましいことではございません。また、そういうことをやってくれといって指導している覚えもさらさらございません。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 だが、これは大臣が答弁していただきたい点であるが、この第三セクターと称するものは、農林省を含む十一省庁会議の相談というか、それを閣議が口頭了解をしたということで買収が始まっているんだよ。だから、これは政府全体の責任でもある。あなた方がこの買収並びに計画を許可したとは言わないが、こういう経過があるのです。だから、十一省庁会議には、環境庁から、入っていないのは文部省ですか、防衛庁が入っていない。十一省では大部分でしょう。政府機関が全部ぐるになってこんなことをやっている。その根処ですよ。この第三デベロッパーというものが青森県を中心としてできている。五千五百ヘクタールの工場用地を取得しようとたくらんだわけだ。たくらみです。大きく土地を買うために、中身を大きく見せたものなんです。石油精製二百万バーレルというのは、年に直すと一億キロリットルなんです。昭和四十年ごろの日本の総需要量、石油精製一億キロリットル、日に二百万バーレル。これを中心に、石油化学四百万トンというんだ。そうすると、三十万トンのプラントが十三ぐらい並ぶでしょう。そうすると、やはり千町歩くらい必要でしょう。火力一千万キロワット、こういう中身を見せて、そのために、この地域の五千五百ヘクタールの土地を取得したい。そのために、その中の農地というものは農地法上の規制を受けるのです。そこで、転用の申請をしているわけです。それに対して、農林省が、事前審査の内示というものを出したんです。それを根拠にして土地の買収が始まったのです。そして、三井不動産が六万か七万で買った土地を、水田の場合には七十八万、畑の場合は六十七万、山林原野で六十万という——これは、二、三年前はそういう価値しかなかった。そういう売り買いしかない。こうして土地の買い占めということになったわけです。何も、これはいまの油ショックで起きたものじゃなくて、かりに、その事前審査のあれを出した時点は昭和四十七年であったとしても、これは架空なんだよ。あり得るものじゃないのです。一カ所で一億キロリットルの精製工場を立地させるとか、日本の総設備と同量のものを一カ所で出す化学工場をつくるということは、環境問題からいってもあり得ることじゃないし、資源問題からいってもあるものじゃないし、産業のほんとうの効率的な運営からいってもあり得るものじゃないことは常識なんです。これに内示をしたでしょう。許可の内示をしていますよ。そうして、この次には本転用の許可が出て売買ということになるのだが、内示の段階で実質的に買収した。これは明らかに違法です。ところが、この前の構造改善局長は、違法でないというのはこういうわけだ、まだ金を八〇%しか払っていないとか、農地の引き渡しが済んでいないとか、そういうふうなことだから、これは五条の違反じゃないと、こういうことを答えているが、一人で六千万も土地を売っている人がある。そうして八〇%は受け取って、二〇%は受け取っていませんが、これは税金の分なんですよ。そのほかに立ちのきしていますよ。その村にいないですよ。ここまで事実は進行しちゃった。払った金額はもう百七十億だ。農林省が許可しないといったって、農民はもとへ戻らない状態をつくっているのです。ぼくがこの委員会で聞いたときには、事前審査の内示の段階というのはどういう段階かと言ったら、売買の折衝を始めてもいいという段階なんだ。ところが、事実買収している。そしてぼくが追及したら、売りますと言ったら、それは契約書を書いて手金ぐらい払うのは常識でしょうと、こう言うのだ。しかし、手金というものは普通五%だ。多くても一〇%なものです。八〇%払っている。そうして立ちのき補償を払って、人はいなくなって、宮城県の郷里に帰った人もあるし、近所の町に出てアパートを建てた人もある。それでもまだ登記も済んでいない、土地の引き渡しをしていないから違法じゃないというのは、これは少しおかしいのじゃないか。新しい局長もそういう見解でこの問題に対処しますか。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 先生が言われましたように、事前承認は四十七年十二月十四日に出しているわけでございますが、これはむつ小川原開発につきましての閣議了解ということを背景といたしまして、むつ小川原総合開発会議、これはいま言われましたように、関係各省で構成しているわけでございます。そして、そこにおきまして、農地の転用にからむ問題につきまして協議の結果、この問題について事前審査を承認したわけでございます。そこで、農地の転用の事前審査という問題につきましては、これは後になってやったということになりますといろいろな混乱も生ずるということからいたしまして、用地交渉に入る前に、その用地が転用に値するかどうかということを審査するというような趣旨で行なっているわけでございます。したがって、そのこと自体から買い占めというような問題は直接ないわけでございます。  そこで、農地の転用の問題で、許可に関してでございますが、許可という問題と契約という問題との関係につきましては、これは許可がなければ所有権は移転できないということになっているだけでございまして、契約を結ぶこと自体を違法というわけではございません。その意味におきまして、従前から前局長が答弁していたことと全く同じ考え方といいますか、これは、われわれといたしましては、当然同一の見解で農地法を処理するわけでございまして、農地の引き渡しなり所有権移転登記といったような、売買を完了させる状態になっていないという限りにおいては農地法違反ではないというふうに考えております。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 それは、五条から見ればあなた方は違反でないと言うけれども、一条から見れば、明らかにこの法の目的なり精神というものはじゅうりんされている。こういうことは、法治国家においては、法秩序の紊乱というものです。しかも、その根元になっているのは土地買い占めなんです。しかも、その書類上の手続の中身というものは虚構なんだよ。これは農林省だけの責任じゃないんだ。十一省庁会議で相談して、あの開発が計画どおり、農林省に申請したようなとおりにできるものかどうか、その可能性を次の機会までにはっきりさせておいてもらいたい。できない。あり得るものじゃない。そうすると、残ったのは買い占められた土地だけでしょう。失われたものは何かというと、そこに国費をばく大に投資し、農民が希望を持って、汗と血をしたたらせて二十年苦闘した土地が、金銭によるゲバルトによって取奪されたという結果しか起きない。これは重大な問題なんだ。こういうことを片一方でやっていながら、優良農地をこういうふうに土地買い占めに提供しながら、いま残っている土地というのは、ここよりいいところはないでしょう。そこに新たな金をかけるということはおかしい。それも大事なことだが、まるでクマがサケをとって竹に通して歩いたような、ものすごくばかな、むだな国民の血税を浪費して、そうして農業をマイナスにして資本に利得を与えるということは、社会正義ということばがまた出てきたけれども、これはどう考えても、どう見ても許せるものじゃないと私は思う。  そこで、ここに企業が立地する。そうすると、そこに一万数千人のコンビナートの新しい労働者が来る。そうすると、そこに居住区が必要なわけです。その居住区をつくるために、今度はほんとうの転用許可をとりたいというので騒いでいるのです。高等学校も建つそうだ。学校も建つそうだ。七十ヘクタールぐらい土地が必要だというそうだが、コンビナートができないで、こんな人口がここへ来るか。ここに集まる者は、だまされて土地を売った難民のような人が集まる場所なんです。こういうふうなものに、コンビナートの基礎が定まらないものに、一万数千の新しい市街地をつくるような農地転用というのも、これはおかしい。これは出発点がうそなために、幾らひっくり返しても、うそからはほんとうは出てこないと同じことなんです。特に、だれの目から見ても明白なのは、この油事情でしょう。日本の石油化学工業は、もうすでに外地に三百万トンくらいの立地の希望を出しておるのです。そうすると、申請した目的がもうすでに変わっている。最初のはうそだから、あれは目的とは言えないけれども、こういうふうな乱脈な土地買いというものをどう思うか。  それから、もう一つ、農林省はこれに若干の条件をつけているが、住民対策を明確にするということなんです。農林省のいう、土地を売った農民のあとの住民対策というものは、こういう巨大開発の場合も、その周辺の農業環境なり農民の生活環境を改善し、地盤を強化していくのが農林省のいう住民対策なのか、その点をお聞きしたい。ただ、土地を売ったら難民みたいにどこかに行くことだけが難民対策なのか、生活再建対策なのか、それを明らかにしてもらいたい。

大山一生農林省構造改善局長

○大山政府委員 御指摘のように、住民対策ということが条件といいますか、必要であるということは当然のことでございまして、県と相談いたしまして、現在、県におきまして、住民対策大綱というものを御存じのように発表しているわけでございますが、その中で、農家対策ということといたしましては、将来とも農業を継続したいという農家につきまして農地をあっせんするというようなこと、それから、新しい経営、たとえば園芸でありますとか、あるいは畜産といったような技術を習得させるような計画的な技術研修を行なうということ、あるいは生産組織、出荷体制の整備をはかるといったようなこと、そしてまた、転業しようという人に対しましては、転業の訓練でありますとか、あるいは雇用のあっせんとか、それから、転業資金の融資のあっせんというようなことについて配慮するといったようなことを住民対策として考えているわけでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そういうところに実は問題があるんで、五十ヘクタールか何ぼの住宅団地ができるものじゃなくて、一万五千ヘクタール、二万ヘクタールくらいある大きい村なんですが、その中心部に五千五百ヘクタールという工業用地が、人を排除して立地する。そこから数千町歩の農地、数百戸の農家が農業から足を洗う。これは、その地域の単なる農民の問題じゃなくて、一種の革命なんです。産業構造の変革が起きる。土地を売った者だけはここに移すなんというのは、これは難民対策だ。しかも、だまして買っているんだからね。こういうふうないいかげんなことをやるから、鹿島の農工両全みたいに、一方的に農業と漁業だけが侵食されてしまっている。そして、工業だけが立地する。通産省の立場は通るかもしれないが、農林省の立場というものは、行政の痕跡さえ鹿島では見られない。あの姿を、私の村に君たちはやろうとしているのか。私はそういう点から聞きたいんですが、まあ、これはあとでいい。  そこで、最後になったが、もう時間がないから、大臣、海洋の魚の資源の問題について伺いたいのですが、二百海里専管水域を主張する国は、アジア、アフリカあるいはラテンアメリカを中心として、もう八十カ国になった。当然、日本の遠洋漁業というものは狭められる。そのほかに、在来の北洋といいますか、オホーツク海あるいはアラスカ沿岸の海というものは、アメリカ、カナダ、日本、ソ連、こういう国際間において資源を保護しながら漁獲しようとしているわけです。これは非常に重大なんだ。ここで資源を培養するということは、乱獲をなくするということなんだ。ああいう海域では、卵をふ化して放すなんというのは、これは天井からアワをまくようなもので、きき目がない。最大の資源培養というものは、乱獲を防ぐことなんだ。そのために国際間に協定が結ばれている。これを乱暴するのは日本の漁業だった。こういうところから、日本は国際的な水産国であるにもかかわらず、世界からきらわれて、孤立化しつつあるということになるわけです。  この間の新聞によると、この海域でタラバガニとオヒョーを密漁した船があったが、不幸にしてこれは青森県の漁船なんだ。どこでつかまったかというと、九州の臼杵でつかまった。新聞に出た。これは私はいいことじゃないかと思った。この物不足のときに、だれのものでもないカニをとってきて、九州の人にときならぬタラバガニの味を見せたら、これは表彰すべきものだと思ったら、海上保安庁はこれを検挙して送検したという。一体これはどういうものですか。あとでこの関連法のときに詳しくお尋ねしていきますが、大臣、これはたいへんなことなんだ。こういう大きいものがこういう乱暴なことをやるために、そのしわ寄せはどこへ来るか。大きくは日本の漁業の孤立化だし、小さくは、このために、ソ連領と接近しているあの地域の漁民が、アワビ等をとっても拿捕されて、半年もうちに帰れないという事態をつくっているんだ。これは検事局に送られたそうだから、罰金になるか、何になるか知らないが、それは刑罰だ。しかも、この漁船というものは北転船というもので、日本の沿岸を荒らさないかわり、北へ行ってスケソーダラをとるというものだそうだが、これは、ある意味においては特権を与えられています。北転船ということで、助成も与えておる。こういうものに対して行政罰を必要とします。  私も、二十数年漁業組合長をやっていますが、一ころは、監視船を置いても密漁をなくせなかった。これは県庁の監視船。ところが、私は県庁を追い出した。魚をとる手伝い船ならいいけれども、それはやらない。われわれは自主的にこれをなくする。なくさなければわれわれは自滅する。そうして、組合内部の規約だけでやる。悪いものというのは一挙になくならない。一罰百戒ということで、極端に悪いものをつかまえたときには、漁業の停止とか違約金の徴収ということで、一罰百戒で簡単になくなるものなんだ。これに対する行政罰、これは日本の零細漁民すべての怒りであり、こういうものに対する処罰というものは要求であろうと思う。たとえその者がいかなる地位にあろうが、いかなる身分にあろうが、むしろこういうものに行政罰を科して漁業権を剥奪するなり、そういうことをやるのが適当な処置だと私は確信するのだが、大臣はどう思いますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど竹内さんの御質疑にもお答えしたわけでありますが、近く開かれますカラカスにおける海洋会議は、なかなか重大なものであると思っておりますが、いずれにしても、私どもは、四十九年度予算にも計上しておりますように、沿岸の漁港の整備あるいは新漁場の開拓等、あとう限りの政策を実行いたしまして、万一の場合の、私どもの水産資源の確保に最善の力を尽くしたいと思っておるわけであります。  また、会議においても、それぞれ最大の努力をいたすつもりでありますが、いま二、三、検挙されましたような事案のお話しがございましたが、その海上保安庁の報告というものを私はまだ聞いておりませんので、お答えがいたしかねるわけであります。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 時間も来ましたので、これできょうの私の連続の愚問は終わりたいと思います。具体的な追及は、いずれ次の機会にいたします。  どうもありがとうございました。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 中川利三郎君。   〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 先ごろ、農林大臣は、所信表明の中で、いまの農政はきわめて困難だということで、農産物の国際価格の高騰だとか、農林漁業生産資材の需給の問題なんかを出しているわけですね。そこで、私は、きょうは、農林生産資材の需給の中でも、農機具の問題で質問したいと思うのですが、今日、この農機具の状況を大臣はどう把握し、どう認識しているか。将来の展望を含めて、あなたの御認識を伺いたいわけでありますが、特に、この農機具に対して、働く農民がいかに苦しんでいるかということについても言及していただければ、たいへんありがたいと思うわけです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農業用の資材、石油、肥料、機械類、農薬、みないずれも大事なものでありますが、今回の石油削減によりまして、農業用資材にもいろいろな形でこの影響を及ぼしてきているわけでありますが、農林省では、農業生産にとって重要な農業用資材でございますので、その生産の確保をはかることといたしておりますが、農業用石油につきましては、御存じのとおり、通産省との間にその供給の確保を約束いたしておりますし、またそれが地方において、供給団体や需要者団体等の協議会を開いたりして、それからまた、苦情あっせん処理等もいたしておるわけでありますが、いまのお話しの、その他の必要な肥料、機械という問題につきましても同じようなことでございまして、ついでに申し上げますが、肥料、農薬等の電力、それから……(中川(利)委員「農機具のことです」と呼ぶ)石油等につきましては、それの全体の電力においては、五%減という程度でありますことは御承知のとおりであります。  それから、私ども常にメーカーとも通産省とも相談をいたし、不足感のないように最善の努力をいたしておるのは、いま御指摘のような農業用機器でありますが、これも、やはり、それぞれメーカーにも私どもの要望を伝え、通産省にも御協力を願って、その対策を講じておるところであります。いずれいろいろお話しがございましょうから、それぞれにお答えいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農業用資材の中でも、農機具がどうなるか、これをどうおつかみになっていらっしゃるのかということと、また、これの関連の中で農民がどんなに苦しんでいるかという現状認識についてお伺いしたわけでありますが、一般的なものでお答えになっているわけであります。  そこで、私が申し上げたいのは、これは一月三十日の、私の地元の秋田県の「魁新報」という新聞の中の投書欄でありますが、大臣、これは、こんなに農民が深刻になっているということの一助に聞いていただきたいと思うのですが、「農家は年ごと諸物価高騰の最中に三年も米価を据え置かれ生活の資金を求めて豪雪の中に家族を残したまま半年も出かせぎをしいられ、それをくり返しております。」、「米価の抑制の悪夢も覚めやらぬ中に、こんどは肥料、農業用ビニール、燃料等、あらゆる生産資材の品不足と大幅値上げ、春を控えて営農設計も手につかないありさまです。」というふうに言っているわけですからね。ここら辺の深刻な状況に見合ったやり方をしていただきたいわけでありますが、これは別に答弁を求めるというわけじゃありません。  次に、きょうは通産省も来ておるわけでありますから、農林省と両方にあわせてお伺いしたいのでありますが、この農機具の業界の実態をどういうふうに認識をなさっているのか。また、それに対して、農民のいま当面する困難をどう受けとめているのか。ここら辺についての情勢の評価といいますか、こういうことについて、それぞれにお答えをいただきたいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 農機具の業界、これはいろいろな機種があるわけでございますが、それに対しまして、農林省としましては、需要者、農業者の立場ということで、メーカーに対しまして、価格を含めまして、適正な生産供給をするようにということで指導している次第でございまして、メーカーのほうも、特に昨年来需要がふえておりますものですから、この需要にこたえるように生産も増加いたしておりますが、昨今の石油事情によって、若干ネックがございます。そのネックを打開するようにということで、農林省は業者を指導いたしまして、いま、生産ネックを打開するように、業界、通産省と協議して、供給の確保に遺憾なきように期しているわけでございます。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 お答えいたします。  農機具、農業機械業界は、広い意味では産業機械の一業種でございます。私どものほうでは、産業機械課というところで業界のごめんどうを見て、発展のためのいろいろな施策、あるいは業界指導をやっているわけでございます。  農業機械工業は、産業機械業界の中にありましても非常に大事な産業部門の一つでございまして、簡単な数字を御参考までに申し上げますと、何社がこれをやっているかということでございますけれども、これはいろいろこまかくわかりませんが、農業機械の業界は大体三百社前後ぐらい。四十七年の数字でございますが、従業員で約四万一千人、生産額におきましては、まだ四十八年の数字は出ておりませんけれども、四十八年の一—十一月の統計によりますると、十一カ月で約二千三百億円の生産をあげております。おととし、昨年と、経済の拡大、発展に伴いまして順調な生産の伸びをしてまいりました。昨年の一−十一月の、十一カ月の統計で見ますると、前年比約六割近い生産増を示してきております。したがいまして、ものによりましては、時期によりましては若干の品不足というようなことも見られたわけでございますけれども、さらに、農業の生産性の向上あるいは近代化のための産業として、農業機械産業部門としてもこれに十分こたえるべく、今後とも私ども指導してまいりたいというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま、農林省、通産省ともどもに、生産、需要ともに円滑にいっているのだと言い、特に、通産省からは、生産については六割もふやしているというようなお話しがありましたが、しかし、先ほどの投書を読むまでもなく、実際に下のほうの農民は何と言っているか。ちょっとまた読みますと、これも先ほどの投書の続きですが、「現に混迷する農政にあえぎながらも見放された農業に活路を見い出そうと土に生きたい仲間が共同でトラクターの購入を計画し、ようやく借入金のメドもたち昨年十月に某農機具販売会社と契約を締結し、約束通りだと十一月上旬に納品の取り決めでしたがいまだに現物が届きません。ところが、今になって販売会社の言い分はメーカー側の製品不足と値上げを理由に一方的に前の契約を破棄し、新たに大幅値上げした価格で契約しないと納品しないとのことです。」と言っている。大臣、ここまで深刻な状態になっているということについて、あなたは御認識しておりましたか。——いや、大臣に聞いておるのです。こういう状況なのだ。生産が円滑にいったと言いながら、実態はこうだということについて、最初に大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 いま、農林、通産両省の担当官が御説明申し上げましたように、生産については全力をあげておるわけであります。何か、末端にうまく行き渡らないということであるならば、そういうことも改善してもらう必要があると思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 末端にうまく行き渡るとか行き渡らないという問題じゃないのですよ。その中でのたいへんなからくりがあるということです。私の手元にあるこの手紙は、これは農林省に私はおあげしているので、もう御存じだと思いますが、昭和四十九年の一月に、農機具の会津坂下の販売会社が連名で需要者にあてた手紙なんです。これはもう農林省に出してありますね。これはどういうふうになっているかといいますと、メーカーの企業努力ではもうどうにもしかたがない状態だから、販売店に対してメーカーから再三にわたって事情説明の懇請状が来ている、だから、やむを得ないから、「受注済みのものを含め新たに御契約を頂き度くここに謹んでお願い申し上げます」となっている。もう一たん受注して、前に契約したものでも、あるいは金を納めたようなものでも、もう一回契約し直しましょうというのだが、こういうことが許されたら、商道徳も何も全部なくなってしまうのだ。しかも、事もあろうに、ここで七社が連名になっておりますね。ちょっと私読みますと、これは会津坂下農業機械商業組合、会津ヤンマー株式会社、会津菱農株式会社、福島クボタ販売株式会社、福島ヰセキ販売株式会社、その他、こう書いてあるのですね。それで、こういう実態について、農林省はどういう措置をとられたか。そのために私は皆さんのほうにこれを渡したのですから、その点をお伺いしたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まず、先ほどの答弁で若干不備がございましたらあれでございますが、私申し上げましたのは、生産のネックを打開して供給をふやさなければならぬということと、もう一つは、価格につきましては、御指摘のとおり、昨年の十二月と、それから本年の二月と、二回にわたりまして約一四%ずつの引き上げが、これは全農とメーカーとの間の契約でございますが、行なわれたわけでございます。これは主として農機具の、多くの購入部品等を組み立てまするメーカーであります以上、原材料が上がりまして、やむを得ざる仕儀とは存じますけれども、ただ、ただいま先生御指摘の文書につきましては、私も承知いたしておりましたし、そこで、特に、そこにございまする既契約を含めて云々というのは、これはまことに納得しかねる。特に、共同でやっているということは法令違反の疑いも強いということで、このようなことはなはだ遺憾であると存じておるわけでございます。さらに、その後他にもそういう事情を聞いたものでございますから、私どもといたしましては、たまたま関係業界の業者の集まる席がございましたから、その席上で、こういうことはまことに遺憾である、したがって至急措置するようにということを私からもまず口頭指示をいたしまして、さらに、私の名の文書をもちまして、直接の全国農業機械商業協同組合連合会及び日農工、これは農機具メーカーの団体でございますが、それに対しまして、事情を直ちに調査をして、それを是正する措置をとるべし、それについての報告を求めるという公文書をもって指示をいたしている次第でございます。したがいまして、その調査報告及び善処の措置を見まして、さらにもしそれが不満足ならば、引き続いて指導してまいる所存でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、確認したいのですが、これはカルテルの疑いがあるのだ、そういう御見解ですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 お答えいたします。  私が疑いと申し上げましたのは、文面を見ますと、お願いと申しますか、いわば懇請のような表現を使っておるわけであります。ただし、共同でやっておりますから、どうも疑義があるということを申したわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 先ほどのあなたの説明では、農林省はさっそく業者の代表、メーカーの代表を呼びつけた、そうして厳重に措置した、報告せよと言ったというのですが、報告が来ましたか。おたくがやったのは、あれは二月四日でしょう。直ちに報告せよということについて、その後、どこからどういうふうな報告が来ましたか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 その件につきましては、個所も会津以外にございましたものですから、両者から、正式の具体例についての報告はまだ受け取っておりませんものでございますから、督促中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま、緊急なこういう農機具なんです。春耕ももう間近に控えているでしょう。これについて、日本農業機械工業会会長、全国農業機械商業協同組合連合会会長、つまり、 メーカーと販売店のそれぞれの連合会に返答を求めたけれども、まだ来ない。返事を待つのですか。あなたのほうから調べて前向きに出ていくのじゃなくて、返事を待って、しかる後にやるというようなことでは、いまの緊急なこの深刻な問題に対して、あなた方はどれだけ農民の立場に立っているかということについて、はなはだ疑惑とせざるを得ないわけですが、こういう姿勢でいいのかどうか。  さらにちょっとお伺いしますが、あなたのほうの農蚕園芸局長の通達の文書を見ますと、こう書いてあるのだな。このようないかがわしいことが、いま言ったようなカルテルまがいのことが他県からも出ているということで、「このような風聞が他県からも出ている状況にあります」となっているが、他県からどのように風聞が出て、それをどのようにあなた方はおつかみになっているのか、具体的にこの点についてまずお聞きします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私のほうで書類で見ましたら、北海道に例がございました。そこで、こういう例はほかにもあるのではなかろうかと思ったものでございますから、個別のみならず、全国団体に、まずそういう指示をいたしたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなた、農林省はあれだけの手足を持っていて、北海道から来たと言うけれども、私のほうには百も来ているのですよ。天下の農林省が、北海道に一つだけこういう例があったなんということは、私はあとでもしゃべりますけれども、農林省がそういう姿勢だなんということは、農民にとっては悲しいことじゃないですか。農林省をしかりつけたってこれは解決しませんから、あなた方を励ましながらようやりますよ。だけれども、こういうたった一つの北海道の事例、しかも、それは風聞だ。風聞であったらさがしに行くくらいの手足をあなたは持っていらっしゃるはずだ。向こうに農政局もあるわけです。私は何もないけれども、いまこれからあとしゃべりますけれども、それだけの何十例というものを持っておるのです。  そこで、そんなことをいつまでも言うてもしようがないわけですが、ここで問題なのは、一たん契約済みの、「受註済みのものを含め新たに御契約を頂き度く」ということに対して、あなた方は、けしからぬじゃないか、法令違反の疑いがあるじゃないかということで、せんだって業者を呼んだんだね。この点はどうしてくれますか。こういうものは無効だということで破棄するのですか、しないのですか。この点をはっきりしてください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 既契約のものにつきまして、契約を一方的に破棄するということはそもそもできないわけでございますが、それをそういうふうに連帯で、いわば事実上のプレッシャーと申しますか、そういう行為は適当でございませんから、撤回させる。さらに、申しましたことは、その場合、これは直接は販売店でございますが、販売店とメーカーの関係もこれあろう、それを含めまして、こういう既契約のものについての契約の一方的破棄ということがないようにということで、強力に指示をし、指導する考えで、現に話し合いをしている最中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣、もしこういうものがまかり通れば、一たん商法上の契約をしたものを、契約したあとにまた値上げをする、再契約をせよということですね。しかも、金を払ったものまで、あとでまたもっと金を払えというのだ。こういうことがいま農機具業界の中には横行している。これでは、経済の秩序なんというものは根底から破壊されるような、たいへんな問題だと思うのですね。こういうことについて、大臣、あなたの御見解を伺いたいと思う。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 ただいま局長から御説明申し上げましたように、そういうことについて、いま真相を調べておるようでありますから、そういうことのないようにこれから激励をしていかなければいかぬと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 局長、あなたは、こういう受注済みのものを含めて新たに契約していくというようなことについては、極力指導すると言うが、破棄するかどうかということがいま問題だ。こういうことをあなた方は認めて許すのかどうかということが問題なんでしょう。あなたのほうは権限があるかどうかというようなことよりも、いまさしあたって、この中でこういうふうに皆さんが苦しんでいらっしゃるんだな。これについて、しかも、法令に触れる疑いがあると、あなたのこの局長通達でも言っているのですよ。これについて、指導するなんというようななまやさしいことでいいかどうか。あるいは、これは販売店のやったことだ——これはメーカーとの関係もあるけれども、そこら辺もあわせて考えて何とかしたいなんというようなことでいいのかどうか。もっとはっきりした御返事をいただきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農林省では、担当者が先ほどお答えいたしましたように、鋭意そのことを調べ、そして善処するように申し上げておるわけでありますから、私どものほうとしては、担当者に十分努力いたすように指示してまいりたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 大臣、そんなことじゃならないのです。なぜかといえば、おたくの局長が通達を出しておる中にどう書いてあるかというと、農林省は鋭意調べ中じゃなく、報告をよこしなさいよ、おまえたち、貴会において実情御調査の上、所要の措置をどう講じたか報告せよというだけで、いまあなたの局長の御答弁の中にもあったように、報告を待っているのでしょう。この中に自分が乗り込んでいくという姿勢が一つも出ていないじゃないですか。いま大臣がそんなことを言ったって、通り一ぺんのことで、そういうことだからこういう問題が起こってくるんじゃないですか。  そこで、こういうことで時間をとってもあれだけれども、販売店やメーカーがどうだとかいうような話がありましたけれども、これは一体どうなっているのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 まず、第一は、報告を求めているというのは、求めっぱなしで腕を組んでいるという趣旨ではございません。それは、まず、全国的に問題があろうかと思いましたものですから、全国団体の長に対しましてこういうことを求めまして、それぞれ指導せよと言っておきまして、さらに、単純に待つだけではございませんで、私どもも個々のメーカーについても事情を調べておりまして、もしも返事がおくれれば、早急にさらに督促をし、指示し、指導する、こういうことでございます。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  さらに、私先ほどメーカーと申しましたが、若干私の表現で誤解されますと、真意じゃないのでございますが、その場合、これは単純に販売店だけがこういうことをやったのであろうか、さらに、メーカーとの関係があって問題があったのじゃなかろうかということで、そういたしますと、販売店に対してだけ撤回を求めるのでは不十分で、もしもメーカーが既契約のものにつきまして一方的破棄をするということであれば、これはけしからぬことでありますから、メーカーについて措置をする、そういう意味で申し上げたのでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は一般論を言っているんじゃないんだ。会津坂下の事例について、あなたのところに私がちゃんと文書を出したのですから、局部のこの問題についてどう調べたか。これも一般論に解消して、各会長の報告を待っているのですか。これをどうしてくれるのですか。まずお聞きしましょう。これを破棄するのですか、どうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 一般論に解消したわけじゃございませんで、先ほど申しましたとおり、こういう事例はほかにもあるのではないかと思ったから、まず全般でやったわけでございますが、御指摘の会津坂下の事例につきましては、直ちに、早急に撤回の措置をとるように強く指導いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それじゃ、確認しますぞ。いいですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 はい。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。ちゃんとやりなさいよ。  そこで、私は、販売店を敵にしているわけでもなんでもないけれども、まだ調査が行き届いていないのですか。メーカーとの関係その他について、調査中ということですか。そこをちょっと返事してください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 現在まだ調査中でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農林省ともあろうものが、私が調べがついているものを、あなた方はまだ調査中だとか、そういう事例は北海道に行けばあったなんということは、これは少し考えものですな。  私は、ここにまた別の手紙があるのですが、これは何かといいますと——まあ、その前の手紙に戻りましょう。メーカーのことだからね。こっちはまた別のあれですがね。そこで、七社が連名で出したというお話しをしましたね。この中の、会津ヤンマー株式会社と、会津菱農株式会社、福島クボタ販売株式会社、福島ヰセキ販売株式会社ですが、七社のうちこの四社というものは、メーカーの人的、資本的な傘下の中でやられているが、そういう会社だということを、あなた方はまだおつかみにならなかったのですか。これは、私は、よほど前に、今月の初めにあなたのほうに見せたんですよ。それすらもお調べになっていないのですか。ちょっとお伺いします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 御指摘のように、この中にはメーカーの系列会社がございます。その点は承知しております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 メーカーの系列会社がいるということですね。ところが、系列会社なんというなまやさしいものじゃないのがあるんですね。この文書を起案したものはだれかということを私は調べてみたが、そうしたら、会津ヤンマー株式会社の一番偉い社長というか、それから会津菱農の社長というか、この二人が相談してこの文書を起案したのです。そこで、この会津ヤンマーという会社はいかなる関係によって系列になっているかということを調べてみますと、これは販売会社になっておるけれども、ここの社長というのは山岡良一さんという方なんですね。この山岡良一さんはほかにどういう肩書きを持っておるかということを見てみましたら、ヤンマー農機株式会社仙台支店の支店長なんです。メーカーの支店長と販売会社の社長を兼務しておるのです。これはメーカーそのものじゃありませんか。もう少しつけ加えましょう。さらに、この山岡さんというメーカーの支店長兼販売会社の社長の方は、ヤンマー農機という全国のほんとうのメーカーの、そこの社長さんの肉親に当たる方なんです。山岡一族なんだ。しかも、兄貴というか、肉親というか、その一族の方の、このヤンマー農機の社長というのは、ヤンマーディーゼルの社長も兼ねているのです。いいですか。これは、メーカーそのものがこういうものをでっち上げたということでしょう。これに対して何か御意見はありませんか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私も、御指摘のようにメーカーの系列会社が名前を連ねておりますから、そこで、メーカーとの関係もあるのではないかというふうにそんたくいたしましたものですから、その点も含めて調査をいたしておるわけでございまして、ただいま完全に調査が済んでおりませんが、そういう疑念が濃厚でございましたから、メーカーまで含めて撤回させるようにということを指導するということを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それならば、いつまでに調査し、いつこの委員会に報告ができますか。そのことについてのあなたの段取りをお聞かせいただきます。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 きわめて早急にいたします。(中川(利)委員「この委員会にだよ、いいですね。」と呼ぶ)きわめて早急にいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 これは、私が共産党の議員として、個人で聞いておるのじゃないですよ。委員会の代表質問としてお聞きしておるわけでありますから、本委員会に「きわめて早急に」ということは、われわれの社会常識の中では、おそくとも今月中——それは、農機具はもう使うのですから、もう今週中か、その程度の「きわめて」ということなのか。私はこれだけ材料を出しておるのですからね。それほどおたくの機構は長くかかるのか。「きわめて早急に」ということの中身についてちょっとお伺いします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私も、いろいろ私の組織を使ってやっておりますものですから、そこで、厳密に日を何日とは申し上げなかったわけでございますが、御趣旨の意に従いまして、きわめて早急にいたします。(中川(利)委員「どこへ報告するの」と呼ぶ)委員会の、次の御質問に応じましてお答え申し上げます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、この部分の質問は後ほどの機会に留保したいと思います。委員長、しかるべくお取りはからいをお願いします。  そこで、次へ進みますが、販売会社にこういうものをやらせたのは明らかにメーカーだ。その証拠を、私はここに物件を持っておるわけでありますが、これは何かというと、「価格改訂に当り御願い」という嘆願書があるのです。これはだれからだれに出したものかと申しますと、北陸の早場米地帯の富山県農業機械商業協同組合の理事長、石川県農業機械商業協同組合の理事長、福井県農業機械商業協同組合の理事長等、それぞれの理事長さんがお名前を書いた上で判を押してある。そして、何を申しておるかというと、各メーカーに対して、農業機械販売系列になっておらないこの販売協同組合の方々が、血の涙が出るような訴えをしている。陳情をしている。嘆願をしているのです。ちょっと中身の要点だけ読ませていただきますと、「販売価格は当時の実勢に基きメーカーの指示確定価格に従って行って居り」ということで、まずここで一つ出たことは、メーカーが指示してきた指示確定価格でやっていますよということ、これを一つしゃべっているのだな。「而して契約したものが荷受も供給も出来ぬ間に第二次の大幅の値上げの報に接した」「値上りの実行について各店及商組相寄り協議して契約価格の改訂等に付農家に交渉したが理解を得難く反って商法的解約の問題に追込まれて居り其の処置に日夜苦慮し居る」「以上に依って新価格以前の実販分については第一次値上価格で供給願いたい」「北陸三県の早場地帯の特性を御理解を下され困難なる中にも最善の商道徳の遂行をなさしめるよう御高配を賜り度い」と、血の出るような叫びで結んでいるのですね。  ここで、私がお伺いする第一の問題は、明らかにメーカーがやったということですね。この第二項に、販売価格は、当時の実勢に基づき、メーカーの指示した指示確定価格に従って行なっていましたのに、メーカーはそれさえもやらないということを言っているのだな。これで、メーカーをこれからまだ調査しなければならないほどのゆうちょうなものですか。皆さん、どうですか。ちょっと御見解を承りましょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ちょっと申しわけないのでございますが、私がちょっと質問の意味を取り違えたら恐縮でございますが、おそらく、第一のその趣旨は、先ほど私がちょっと触れましたが、一つの標準たる全農とメーカーとの価格が二回にわたって改定をされましたということを申し上げました。それと関連いたしまして、したがって、それを基準にいたしまして、メーカーのほうが、新しいものについては価格を改定いたしたいということを言ったのではなかろうかとそんたくをいたしておるわけでございます。したがいまして、それにつきましては、もちろん、それぞれ値上げされることは望ましくはないわけでございますが、メーカーの事情としまして、もしもその値上げがやむを得ないものであれば、これはやはり話し合いによって改定ということはあり得ると思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなた、この手紙を見せますから、ここへ来てください。ここにこれだけの事情を綿々と書いてあるでしょう。しかも、メーカーの立場がいかに強いか、販売者の立場がいかに弱いかということは、このような、いまの状況さえやってくれるならば、「然る後は如何なる価格改訂に及ぶ共メーカー各位の御意志に積極的に協力の実を揚ぐ努力を御誓い申し上げます」と言って、今回だけ助けてくれと言っているのですよ。こういう事態をあなたは目の前にしていながら、何ですか。あなたの言ったのを私は聞き漏らしたけれども、何かピントはずれだね。私の言いたいのは、指示価格を行なったという事実関係がここでは出ているでしょう。これについてのあなたの評価をお聞きしたい。こういうことを聞いているのですから、これに従って答えてください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 そこの指示価格という意味がちょっとはっきりしないのでございますが、おそらく、通常の場合に、メーカーがその販売で売るわけでございますから、それにマージンを加えて、今度は実需者に売る、農家に売るというわけでございまして、その場合に、通常標準マージンがございますから、そのことを言っているのではなかろうかと思っております。御質問の趣旨を私がもし理解しそこなっておりますれば申しわけないのでございますが……。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、先ほどの、契約したものをあとでまた更改する問題を含めて、みんなメーカーから来たという事実だけお認めになりませんか。契約の更改、契約したものをまたあらためて契約し直すとか、それはメーカーから来たという証拠をつきつけたわけですから、また、メーカーの指示価格というのは標準小売り価格のことを言っているのじゃないかなんてあなたはおっしゃるけれども、これらの種々の環境、状況から見て、そういうお答えはちょっとおかしいのじゃないかと私は思うのですね。だから、まず、いずれもメーカーが張本人だということをお認めになりますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私も、メーカーが関連しているらしいというそんたくをいたしておりますが、まだ私のほうから証拠物件をつかんでおりませんものですから、現段階で、メーカーがいわば張本人だというふうに断定は下しかねますので、これは直ちに、至急に私どもも調査をいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 この至急調査も、調査の結果の報告について、先ほどと同様な措置でよろしいかどうか、これもお伺いします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 先ほどと同様でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それではお伺いしますが、一たん契約したものを後ほどまた契約し直すということが流通すれば、これはたいへんだということを先ほど来申し上げたわけでありますが、このことは、会津坂下についてはすぐはずさせるとあなたはおっしゃったから、私は安心しているわけですが、こういうことは全国にたくさんあるわけですね。それで、こういう事例全般について、具体的な事実があがりましたら、やはり同様の措置をするのかどうか、これをお伺いしたいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 したがいまして、私が先ほどから申し上げておりますのは、こういう事例がほかにもあるのではなかろうかと思ったものですから、全国団体に対しまして指導いたしたわけでございまして、既契約のものにつきまして、一方的に契約を破棄するということは、これは許されることではございませんから、同様の指導をいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 あなたは、たとえばメーカーの団体である日農工だとか、こういうところへ照会して、おまえのところでカルテルをやったんじゃないか、どうやったか調べて返事をしろと言ったって、いい返事が来ると思いますか。あなたの手で調べることによって実態が判明するのであって、いまだになめられっぱなしで、返事も来ないでしょう。そういう状態の中で、そのうち返事が来るだろう、おれのほうはこれだけカルテルをやりましたという返事が来るだろう、だから、いまそれを待っているのだと、こういうことでしょう。事実関係はそうでしょう。そういう姿勢で、この問題を本格的に掘り起こすことができるとお考えですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 先ほども申し上げましたが、単純に受け身で待っているという趣旨ではございませんで、まず、警告を発した。したがいまして、返事がおそければ、こちらのほうもさらに督促をいたしますし、さらに、メーカー団体のみならず、主要な業者にじかに当たっても事情を聴取するというふうにするつもりでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、そこで一つ問題が起こると思うのだ。そういう事情聴取をして、そういう具体的な事例があれば破棄する。それはわかったけれども、その場合、だれが損害をかぶるのかという問題がある。損害というか、それだけ値が上がっているが、その場合は、メーカーは、その部分は自分はかぶりたくないから、ほかの農機具の販売店にかぶしてしまうおそれもあるわけだ。しかし、メーカーの中にも系列の販売店もありますけれども、これは、メーカーの系列販売店を含めて、メーカーの責任で解決するということをあなたはお約束できますね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいま申し上げました既契約のものについて契約を破棄するということは、これは許されないわけでございますから、したがいまして、農業者と販売店との間の契約関係及び販売店とメーカーとの間の契約関係、これにつきまして、既契約のものを破棄すれば、それは最終的にはメーカーの負担になる。その契約関係いかんによるわけでございますが、もしも、メーカーが販売店に対する契約を破棄するということであれば、それは撤回させる。したがって、その意味におきまして、メーカーが負担をするということに相なるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私は頭が悪いからよくわからなかったのですが、そうすると、実需者が、つまり、販売店と契約した者がまたあらためて再契約しないと物を出さないということになりますな。その場合の損害はだれがかぶるのですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 契約でございますから、販売店は渡す義務があるわけでございます。その場合、価格を変えてはならぬというわけでございますから、旧価格で販売店は渡さなければならない。さらに、今度は、販売店とメーカーとの間におきまして、ここにも契約がありまして、メーカーが旧価格で渡すという契約になっておりますれば、それを履行させる、こういうことでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そのような保証というか、裏づけといいますか、これはあなた方は、言った以上はばっちりやると思いますし、やってもらわなければいけないと思うが、いま、さしあたって農民を安心さしてもらわなければいけないわけですから、そういう保証をあなた方は準備しているということですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 保証ということの意味でございますが、私どもからそういう強い行政指導をしてそのようにさせるという、私の行政指導の考えを申し述べたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま申し上げたことに二つ問題があると思うのですね。一つは、指示価格による非常識な値上げなんだな。一つは、商法にも触れるような値上げ方式なんですね。このことは、私は念を押すようでありますが、この北陸の三県の業者が、「困難なる中にも最善の商道徳の遂行をなさしめるよう御高配を賜り度い」と言って、販売会社からさえもたしなめられているというメーカーの姿勢がここにあるということ、これを御理解いただきたいと思うのですね。  しかも、このような事例はたくさんあるのですね。ちょっと申し上げますと、これは私の郷里の秋田県能代の例でありますが、一月の十六日に、秋田市におきまして、県内の四つのメーカーが小売り店を呼んで、値上げについて会議を開いているのです。四つのメーカーがそれぞれ四枚の紙を配っている。まず、井関農機株式会社、 これはメーカーですよ。株式会社の東北支店ですからね。それから、三菱機器販売株式会社仙台支社ですからね。それから、久保田鉄工株式会社のサービスステーションですからね。こういうかっこうで、この四社がそれぞれこういう紙を配っているが、この紙の中身はみな同じですよ。とにかくものすごい値上がりだから、あるいは再契約をするかもわからないとか、あるいは、とにかく膨大な値上げをどうしてもがまんしてもらわなければならないのだというやつですね。しかも、これをどういうふうに使えということについて、綿密な指示をしているんですね。どういうふうにしているかというと井関のところの機械を売っているうちには、ここにはほかの会社もありますから、ほかの会社だって値上げをしているじゃないか、そういうふうに利用しなさいと、こういうことを言っているんですよ。それから、久保田に行った人に対しては、井関のこの紙をお客さんに見せて、井関も上げていますよというふうに使ってくださいと、こう言っているんだな。これこそカルテルの変型でしょう。こういうことをあなたは知っていますか。ちょっとお聞きします。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 遺憾ながら、ただいまの具体的事実までは把握いたしておりませんでした。そこで、私たち、先ほどもございましたが、極力今後情報を把握するように、かねがねそういう体制を整えようと思った次第でございましたが、ただいまの具体的事実は把握いたしておりませんでした。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それにとどまりません。これは秋田県の大館農協の例でありますが、ヤンマーの田植え機です。昨年の八月、前渡金五万円を出して十八万円の田植え機を予約したが、ことしに入って、二十四万円から二十五万円になったので解約してほしいといって、いま泣きついてきて困っているというような相談もあるのです。あるいは、これは秋田県の雄物川町というところでありますが、四十八年十二月末日までの契約は七〇%供給するぞ、しかし、価格はだめだぞ、まだきめられないぞ、こう言っている。業者の話を聞きますと、秋田県で種苗交換会という例年の催しがありますけれども、十一月六日から十三日までやったわけですが、この苗種交換会までの契約は全部破棄しますよ、全部破棄だと、向こうからこういうふうな言い方をしてきている。あるいは、岩手県の水沢の例を申しますと、二月五日現在の私の調査ですけれども、水沢ヤンマー販売KKでは、昨年中に契約したものは、納品を完了したものを含めて、品物を納めたものを含めて、全部契約を更新すると言っている。こういうことですね。価格は、昨年十二月十六日までの契約は十九万二千円から五千円ですけれども、更新するときは二十一万五千円から二十三万五千円くらい、こういうことなんだね。これは一体どういうことですか。秋田の事例、水沢の事例、こういう不当なことはやはりやめさせてください。どうですか。直ちにそうしてください。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 先ほど会津の具体的事実で申し上げましたとおり、既契約のものについて、価格をきめて契約ができ上がっている。それにつきまして、一方的に契約を破棄するということはできないわけでございますから、そのように指導いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そのように指導する。まあ、先ほどのお話しの中身で、質問の内容が非常にきびしいものであると、いつも農民が安心できるものであると、そういうふうに理解していいですね。  それでは、ちょっと違うケースで申し上げます。これは福島の例ですが、小売り店がいまどういう状態になっているか。これは販売会社でなく、小売り店ですよ。小売り店の私の調査です。福島県へ行って調査してきたわけですが、四十八年十月、田植え機を一台申し込んでいる。四十八年十二月、十九万三千円全額支払った。しかし、田植え機は入ってこない。これは農民の立場からいま書いてあるのですが、四十九年一月二十九日に、突然小売り店が四万三千円値上げしてくれと言ってきているわけですね。そこで、小売り店が言うには、販売会社のほうは値上げしなければ現物発送を停止すると言ってきているんだということです。ところが、その小売り店のほうも販売会社のほうへ金を払っているわけです。商法違反だということで小売り店と販売会社がけんかしているわけでありますけれども、何しろ、現物が来ないからどうにもしようがなくて、どういうことをしたかというと、最後の手だてとして、四万三千円の総値上げのうちで、小売り店が二万三千円負担することにして、二万円は農民が負担するということで何とかひとつ了解してくれないかということできているのだな。わかりますね。こういうことは一体何ということだということになるわけでありますけれども、これはどうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 いずれも、先ほどの会津と同じように、既契約のものについて、価格をきめて契約ができ上がっている。それについて、あとから一方的に価格を改定しようということは、先ほど来申し上げたとおり、これはよろしくない行為でございますし、特に、それと関連して、物の引き渡しとからめてそういうことを強要するということがあれば、これはよろしくない行為でありますから、そういうことがないように強く指導いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 まだまだありますが、事例はもう一つだけでやめます。これは場所は私は申し上げませんが、農民の方々が相談して、トラクターだと思いますが、百十五万円のトラクターを六台買ったのです。何の金で買ったかというと、農業近代化資金で買った。政府資金で買ったわけですね。ところが、金を払って、品物をもらわないうちに再契約をした。また値上げだ。ところで、今度の値上げは何ぼだというと、百六十万円だというのです。そうすると、一台につき四十五万円ですから、六台ですから、二百七十万円なんですね。しかも、農業近代化資金でちゃんと借りて払ったわけですから、やれやれと思って安心しておったら、この始末だ。何としてくれるかというふうに私のところに相談に来ていますけれども、これはどうしてくれるのですか。これはあなたのところにいま差し上げたいと思っているのですが、どうしてくれますか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 いまの事例も、本質的には先ほどの事例と同じでございまして、既契約のものについて、価格を明白にきめて契約をした。それを一方的に値を上げるということはできないわけでございますから、同じように措置いたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 わかりました。ただ、そういう単なる行政指導という月並みのことでなく、ほんとうに皆さんが立ち入って、農民の立場に立ってこの問題をきっとやるんだという、そういう決意に燃えてのお答えなのか、まとめてここで再度確認したいと思うのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 先ほど来、私の基本的な考え方及びそれに対する指導ということを強く申し述べた次第でございますから、そのとおりいたします。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それじゃ、大臣にお伺いいたしますが、大臣、よろしいですね。今回のこの値上げというものは、四十八年の十二月の値上げで、四十九年の二月も上げているわけですが、四十七年の十二月を基準にいたしますと、大体四〇%上がっているんですね。こういう上がり方というものを、大臣は正常だとお考えになっていらっしゃいますか。また、こういう上がり方についての大臣の御所見はどんなものですか。ちょっとお漏らせいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 内容をよく調べなければ、何とも御返事のできないことでありますが、いろいろなものが、原材料が上がったというふうなことで、便乗的にそういうものを上げるようなことは非常に困ることでありますから、われわれのほうにおきましても、所管の物資については、できるだけそういうことのないように、価格担当者にも努力させなければならぬと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 通産省、どうですか。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 ただいま農林大臣と農林省の局長からお答えいたしましたように、本質的には、私どもも全く同様に考えております。特に、農業機械のようなものは国の大事な農業の基本的生産財でございますので、できるだけ安定ということに指導いたしておるわけではございますけれども、御高承のとおり、昨今の異常事態のために、この機械の構成部品あるいは原材料等につきまして値上がりがございました。そういう関係で、その上がった範囲内におきましては、ある程度の値上げもまたやむを得ないかという感じはいたしておりますが、ともかく、御趣旨に沿うように、値上がりはできるだけ最小必要限度のものに押えたいというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 最小必要限度に考えていると通産省はおっしゃるけれども、あるいは、場合によればやむを得ないと言う。いまの農機具のことで聞いているわけですが、いまの農機具についてはやむを得ない、ある程度、最小必要限度だと、こういう御理解ですか。そこら辺をもう少し詳しくお知らせください。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 御指摘のとおり、昨年の十二月、それから本年の二月と、二回にわたりまして値上がりがあったわけでございます。農機具、農業機械の販売にあたりましては、御高承のとおり、ユーザーサイドには、全国農業協同組合連合会というユーザー団体がございます。全国的な組織で、非常に強力な団体というふうに承っておりますけれども、そういう団体がございまして、一方的にメーカー側の事情で価格を引き上げることはなかなか困難なことではないかというふうに感ずるわけでございます。今回値上がりがございましたけれども、先ほど申しましたように、農業機械も、いろいろな部品、材料等からなりますところの組み立て製品でございますので、その諸資材の値上がりがございましたものですから、あるいは加工費等も上昇がございまして、われわれとしては、いまのところやむを得ないものというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 もう一回お伺いしますが、いまのところやむを得ないものと考えるという、そのやむを得ないものと考える数字的な根拠、つまり原価構成だな。価格値上げの根拠、そのもとにある原価構成や原価そのものをあなたはつかんでやむを得ないとおっしゃっているのか。ちゃんと企業からとって、そういうものをはっきりさせた上の答弁ですか。憶測ですか。そこら辺について、はっきりと責任ある御答弁をいただきたいと思うのです。やむを得ないと言うからには、そういうものをどういうふうにつかんでいらっしゃるか、これをお聞きします。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 価格につきましては、原価構成等につきましては、企業のそれぞれの立場もございまして、あるところまでまいりますれば、それは企業の秘密というようなこともございます。したがいまして、私どものほうは、個別に各社につきまして原価構成まで当たったわけではございませんけれども、それぞれのメーカーが購入しております部品あるいは材料、タイヤ、ベルト等も含めまして、相当の値上がりが昨年の秋以降ございました。その辺を勘案いたしまして、この程度はやむを得ないというふうに考えたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 通産省、いまいやしくも農民が死活の思いで、ひどいじゃないかと、もう血の出るような叫びをあげているときに、あなたは、やむを得ないと軽々におっしゃるけれども、やむを得ないということの根拠として、原価というものは最低でどうなっておるのかというものをつかんだ上で責任ある答弁をしていただかないことには、そういうものもつかまないで、ただ大体推定すればそのくらいになるのじゃないかというようなことでは、通産省は企業とべったりだとかねがね言われているわけでありますが、そう言われても返すことばがないではないかと思うのですが、このことについてどう思いますか。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 私どもも、政府の一つの省といたしまして、国民経済、さらには国民全体のことを考えて仕事をするたてまえになっておりますし、日常そのつもりでやっておるわけでございまして、企業べったりということは毛頭ないというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 国民全体の立場を考えるならば、一企業の利益のためじゃなくて、——数企業だな、この場合。そのための企業秘密をどう守るかということではなしに、最大公約数であるところの公共の福祉ということ、農機具を安定的に配給するということ、こういうものをより優先すべきであると私は思うのですが、あなたはそう思いませんか。公共の福祉ということを言うならば、全体を言うならば、ですね。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 先生の御指摘のとおりかと思うわけでございますが、一方におきまして、企業といたしましても、その存立のために必要最小限度の——特に構成部品等々が値上がりになりましては、その範囲内において値上がりをするのもまだやむを得ないというふうに考える次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 少なくとも、この原価構成をつかんで、そうして責任ある行政指導をするという姿勢が望ましいわけだが、そういう決意はおありなのかどうか。あるいは、企業の秘密だからということで、そこだけは聖域として一切触れないということをいまの情勢であなたはお考えになっているのか。どっちですか、はっきりしてください。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 私ども、現下の事態におきまして、物価の値上がりをできるだけ抑制するということは大方針だというふうに心得ております。その目的のために、必要なときには、できるだけ原価の中にも立ち至って調べるという態度は必要かと存じております。ただ、個別の一社一社の非常にこまかいところまで入り込むことは、時と場合によってはやはり問題であろうかと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 企業の中身を調べるということは必要だ、このことは認めるが、一社一社はやれるわけはないじゃないかと言うが、私は別に一社一社やれと言っているんじゃないのです。農機具については、久保田鉄工、井関農機、ヤンマーという、少なくともこの三つぐらいはおやりになる決意がおありかどうか。どうですか。しかも、いまこれだけ問題になっているわけですからね。その点はどうですか。もう一回はっきりと責任ある答弁をお願いします。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 ただいま、現在におきましては、法律をもって強制的に原価の中まで洗い上げるという手段は持ち合わせておりませんけれども、先ほど申しましたように、物価政策の必要士、その必要な範囲におきまして、われわれもできるだけコストの内容等に立ち至った検討をいたしまして、価格の値上がりにつきまして、その是非、可否を検討いたしたつもりでございますが、今後ともその所存でおります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 だから、ヤンマー、久保田、井関についてはどうかと、こういうことを聞いているんです。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 今回の値上げにつきましては、先ほど申しましたように、私どもも、各社の担当の者を呼びまして、値上がりの状況を聞いたわけでございます。あるいは値上げのやむを得ざる理由、あるいはその内容はどうかというようなことをヒヤリングをいたしたわけでございます。その結果が、先ほど申し上げましたように、やむを得ないというふうに考えた次第でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 そうすると、あなたは、そういう原価について、これらの圧倒的シェアを占める会社について、もう今後とも調べる意思はない、ただヒヤリングだけやった、原価構成は何でもいいんだ、大体こっちが推測してこれをやるのだ、こういうことですね。私は、調べるような権限がなくたって、そういう方向でやるのかやらないのかと聞いているのですよ。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 ことばが足らなくて失礼いたしましたが、今後このようなことがあるときには、このコストの中身まで立ち至って調査をして、その是非、可否を判断いたしたいと考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまはその時期ではないのかどうかということを含めて、もう一回返事をしてください。いま、この異常事態には、まさに、そういうものについて会社に協力を要請して原価をあなたがつかむ、そういう時期だと私は思うが、あなたの言うのは、いつそれをやるつもりなのかはっきりしない。具体的に聞いたら、もっと具体的にお答えいただきたいと思うのですね。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 今後、もし農機具につきまして値上がりがある場合……。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまはどうするのですか。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 現在でございますか。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いまのこの状態の中で……。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 現在の値上がり、特に、十二月と二月の値上がりにつきましては、私の結論は、やむを得ないというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 やはり、企業べったりですね。さっきの値上げの問題でも、いかにも、全農が価格をきめてくれるからいいんだなんて、人のふんどしにあぐらをかくような言い方だな。やはり、通産省だな。  そこで、農林大臣、にお伺いしますが、このように農機具業界が一方において農民を泣かせていながら、大臣が所属する自由民主党の献金の機関であるところの国民協会に対して、会費という名目で、たとえば久保田鉄工は月額二百万円も金を出しているのですな。年額にすると二千四百万円ですな。あるいは井関農機なんかもそうだし、みんな国民協会に出していますね。これは、通産省が大企業と癒着しているということのあらわれであるのみならず、大臣の所属する自民党が同じように、国民泣かせのこのようなメーカー、農民泣かせのメーカーとそういう特別な関係にあって、しかるべく持ちつ持たれつの関係になっているということを何よりも証明しているものだと思うので、こういう機会に、倉石さんは先頭に立って、自分は農林大臣だし、農民感情を理解する上にも、農政を進める上にも、そういうことはまずいとお断わりになるような勇断をお持ち合わせばありませんか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 先ほど来のやりとりを承っておりまして、通産省のほうでは、資材の高騰によって製品が値上がりする場合もあり得るということを説明されたわけであります。しかし、いまのお話しの、メーカーに対して需要者がいろいろ手紙を出したりしておられるというお話しにつきましては、農林省のほうといたしましては、その実情をよく調査して、本委員会にも御報告をするという答えをいたしておるわけでありますが、もう御存じのように、資材が上がり、労賃が上がり、船賃が上がり等すれば、それによって製造されるもののコストに影響することはやはり当然なことでありますが、しかし、ただそれだけのことでは、われわれとしては任務を果たしたとは言えませんので、そういうものを使って生産されるところの農作物につきましては、やはり、それがペイするだけに何とかいままで助成いたしてまいりました。畜産にしてもそうでありますし、その他の野菜、くだもの等、それぞれ生産対策等について助力をしてきておるわけでございます。いまの農機具の場合は、あとで事務当局から御報告があるでありましょうが、全体としては、農業が立ち行くように全力をあげてやるということは、私どもの当然なことでありますから、なお、幸い、きょうそういうお話しがありました機会に、十分調査いたしまして、そういうことが現実に一体どこでどういうふうなことになって生産者が困っていられるのかということもついでにまたよくわかりますれば、そういうことに対して、私どもはあたたかい手を差し伸べていくというのがわれわれの任務だと思っております。  それから、政治資金の話でありますが、私はいま農林大臣でございますので、農林関係のお話しだけにしていただきたいと思います。それは責任者のほうにお尋ねいただくことがいいのじゃないかと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 責任者のほうへ尋ねろ、おれは農林大臣だからその担当じゃないとおっしゃる。それはそれで、お答えとして聞いておきます。  農林省にお伺いするわけでありますが、いま、深刻な物不足ですね。農機具についても、いま話したとおりです。これを何とかしてくれ、あるいは価格引き下げについて何とかしてくれという要望があるわけですね。農林省は、そういうことについて、いままで、どこまでどういう努力をしてきたのか、どこへどういうふうにやってきたのか、ちょっとその辺さだかではありませんので、御返答いただきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 たいへんむずかしい御質問でありまして、具体的にこういう問題はどうかということをあらかじめおっしゃっていただければなにですが、どこをどうやったんだということになりますので、ばく然としておりまして、ちょっとお答えがむずかしいようです。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは端的にお伺いしますと、一体、農林省は、農機具について通産省へどんなお願いをしたのか。そこら辺だけでもけっこうですが、どういう問題についてどういうふうにものをお願いをしたのか、この点だけお聞きしましょう。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 今回いろいろなものが値上げされましたにつきましては、やむを得ざるものもあったでありましょうし、それから末端の製品等については、どうも便乗的な値上げもあったのじゃないかといろいろ報道されておりますが、石油危機というものは、何しろ、わが国の工業の基礎資源であり、エネルギー資源であります石油がああいうことになりましたからには、すべての製品のコストについて影響してくることは当然のことでございますので、まずもって私どもは、そういう機材について、農業用資材について、通産省はできるだけ生産が停滞することのないように、それからまた、石油、電力等の配給についても特段の御配慮を願いたいということで、そのことは了解されておりますし、それからいろいろな資材の供給についても、通産省としてはたいへん力を入れてくれております。  それから、農業用のガソリン、石油等につきましては、特別扱いをいたしまして削減をしないという協定をし、しかも、地方におけるあっせん所等を活用いたして、需要者、供給者、農業団体のような方々、それから地方自治体も参加して、いろいろ農業生産資材、油等についての御配慮を願っておることは御存じのとおりだと思います。  そういうふうにして現在の石油危機に対処して、初めのうちは私どもへ直接に訴えてこられた地方がたいへんたくさんございますが、最近は、大体においてうまく物資が流れておると見えまして、そういう苦情は参りませんけれども、ただいまお話しのありましたように、物は出回っておるけれども、どうも値上げが困るというふうな声はしばしば聞こえるわけであります。そういうことに対処いたしまして、先ほど来事務当局も申し上げておりますように、通産省にもお願いをいたしまして、そして、その資材のメーカーに対して、できるだけ安定した価格で安定した量を供給してもらえるように協力方を相談いたしておるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは、通産省の次長にお伺いしますが、いま農林大臣からるるお話しがあったわけでありますが、そういう農林省からの要請に対して通産省はどうこたえてきたのか、また、これからどのように熱を込めておこたえになるつもりなのか、そういうことについての御意向を承りたいと思うのです。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 ただいま農林大臣からお話しがありましたように、昨年の秋の石油危機以降、まず石油あるいは石油製品について、あるいはそれに関連する資材につきまして、物不足というような状況が出たわけでございます。一方におきまして、石油の節減に伴いまして、石油あるいは電力のカットというような問題が出てきたわけでございます。その辺の資材あるいは石油、電力等につきまして、あるいはお話しがありました農業用のガソリン等につきまして、私ども直接の所管ではございませんが、農林省のほうからは繰り返し農業の重要性を訴えて、特別な配慮をという要望、要請が数次にわたって来ておりました。その結果、石油あるいは電力の節減率の問題につきましても特別な配慮がなされているわけでございます。  当の、いま問題になっております農業用機械でございますけれども、電力のカット率は、これは農業に直接必要なエネルギーということでございませんので、一五%がカットというふうになっているわけでございますけれども、これも昨今の状況にかんがみまして、具体的な事例に即し、できるだけ緩和の措置もとりたいというふうに考えているわけでございます。  それから、農業機械をつくるために必要な部品あるいは材料等々があるわけでございますが、一部のものにつきましては、昨年の十二月以降非常に不足というふうに言われたものもあるわけでございますし、具体的には、タイヤ、ベルト等の一部につきまして、部品類が不足をいたしました。これが農業機械の生産拡大の隘路になるのではないか、あるいは隘路になったものもあるやに聞いておりますけれども、こういうものにつきましても、最近のエネルギー問題が、最近の事情によりまして、昨年考えられたほどでもないというようなことを背景にいたしまして、先行きの見通しといたしましては、原材料につきまして、やや需給緩和の見通しが出てきたわけでございます。以上のようなことを考慮いたしまして、農業機械につきましても、関係の方面と十分な連絡をとりながら供給確保につとめてまいりたいというふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 前向きのお話しでありましたので、非常に快く思っているのですが、もう少し中身をお聞きしたいと思うのです。  確かに、農業機械というものは、直接食糧を生産するものでありませんが、間接であれ、いまの農業経営の中では、農業機械がなければ食糧ができないのです。それほど定着しているわけですね。しかも、一般の電力需要は、いま一五%農業機械はカットになっているということがいまのお話しでわかりましたが、肥料は、同じように、肥料そのもので直接食糧を生産するわけではありませんが、これは〇%になっているのです。そこで、肥料並みに農業機械を〇%にしていただけるかどうか。これをやっていただくと農民は助かりますね。こういう点について、まず第一番にこのことを、あなたのせっかくの前向きの御発言でありますので、お聞きしたいと思うのです。お願いします。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 御指摘のように、現在のカット率の上で、肥料と農業機械につきまして若干の差があるわけでございます。農業用機械は、まあ機械でございまして、いわば耐久生産財というようなことも考慮されましてカット率に差が出たのではないかというふうに考えております。先行きの見通しといたしましては、幸いなことに全般的な状況が好転しつつございます。関係の皆さま方にいろいろ御不便を忍んでいただいているわけでございますけれども、もうしばらくのしんぼうかと考えております。  ただ、先ほど私が申しましたように、全般的手直しというのは、今後の情勢とからみまして、いま二月中にどうのこうのというわけにはまいらぬかと思いますけれども、先ほど申しましたようにケース・バイ・ケースで、非常に困る場合には、何とかこれの特別な手当てということを考える道も開かれておりますので、この道を、方法を活用してまいりたい、こういうふうに考えております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 いま、せっかく前向きの御発言かと思って私は承っておったら、何にも中身は変わらないということであれば、ことばだけであなたはごまかしているということになりはしませんか。今度はケース・バイ・ケースだ。先ほどあなたはどう言いましたか。電力節減についても、いま一五%だけれども、これを何とかしますよというふうにおっしゃったんでしょう。だから、私は、もうこれは〇%、肥料と同じくらいでできないのか、肥料まではむずかしいかもわからぬけれども、五%ぐらいだとか三%ぐらいとかという答えは出てくると思ったら、先ほどの答弁よりまだ引っ込んでしまって、今度はもうケース・バイ・ケースで、やるかやらないかわからないというような答弁では、あなたの御答弁の中身というのは、仏つくって魂入れずということばがありますが、魂はどこへ行ったかわからない。だから、私は、〇%にしていたただけますか、〇%がだめなら何%なのか、それをいつごろどういうふうにやるとお考えになっていらっしゃるのかと言うのです。もう一回はっきりお聞きしたいと思います。もう一回お答えいただきたいと思います。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 先ほど申し上げましたように、現在の削減率の問題は、一応二月一ぱいということになっておりまして、三月以降どうするかということにつきましては、現在検討が進んでいる段階というふうに聞いております。ということでございますので、私は、そのことは別にいたしまして、何とか特別な配慮で、いま困っておるところに対しましての手当てをいたしたいということを申し上げたわけでございます。  三月以降どうするかという問題につきましては、先生の御趣旨を体しまして、何とか前向きに考えてまいりたい、こういうことを申し上げたわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それでは、それはそういうことで承って、期待していたいと思うのです。  そこで、先ほど通産省の次長さんは、部品の問題をお話しになったわけですけれども、部品が非常に不足しておるということでありましたが、たとえばけさのテレビに何が出ておったか。これは「石油危機の業界決算第一号」として、きょうの新聞にも出ていましたが、東亜燃料という会社の十二月分の決算の報告が出ているんですね。テレビにも出ましたね。これは樹脂だから、苗箱なんかをおそらくつくっているわけですね。ところが、この会社は、どういうふうに今度の決算をやったかというと、特別損失を十二億円計上しているのですね。つまり、そういう利益隠しをやっても、なお三五%の大幅増益を前期の六月期に比べて隠すことができなかったということを、きょうの新聞の各紙がみな書いているのです。そのほかにテレビでどんどん報道されている。  そこで、在庫はどういうことかと見てみますと、六月期に対して原油が三〇%ふえているのです。製品が七五%ふえているのですね。半製品が二五%増になっているのです。利益を隠すのにたいへんなあの手この手の手くだを使って、それでも大幅増益をして、そのほかに原油はこれだけ、製品、半製品はこれだけよけいなんですね。だから、これらの会社をあなたは調査するならば、これは当然もとの値段に値下げさせることはできるとわれわれは考えているわけです。あなたは、いま、部品がないから何とか手当てするなどと言ったって、実際にこういう事例があるのです。こういうことがきょうの新聞に出ているわけですから、これに対してどういう御処置をするつもりか。値下げさせるのかどうか。しかも、大量につくらせるのかどうかという問題もあるわけでありますが、これについての通産当局のあなたの御発言は政府の御発言だと思って聞いているわけですから、責任ある答弁をいただきたいと思うのです。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 ただいまの御質問でございますけれども、石油会社が非常にもうかっているという御指摘でございます。石油につきましては、昨年の秋以来の物不足ということにからみまして、非常な値上げがあったものですから、今期の石油関係の会社の決算は、新聞のとおりかどうか存じませんけれども、かなりの売り上げの増加になった会社もあろうかというふうに考えられるわけでございます。ただ、石油会社のことにつきましては、私ども直接担当でございませんので、詳しいことは存じておりません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 こういうことがどんどん起こっているのです。そのときに、一方では人々が泣いているのですよ。通産省がここでほんとうにだれの立場に立つかということを、いま国民からみんな問われているわけですから、そういう点で、通産省は、いつも企業の秘密ばかりばかの一つ覚えみたいに繰り返すのじゃなくて、いまの情勢のきびしさに見合った御処置をお願いしたいというか、強く要望したいと思うのです。  そこで、部品の問題に関連してちょっとお聞きしたいわけでありますが、これは通産省、農林省、両方に聞くわけでありますが、たとえば、バインダーのひもがたいへんないわけですね。これは秋が収穫期だから、まだいまは要らないといえばそれまでですが、大体、昭和四十八年の秋ごろで、一つのケースが七百円から八百円であった。これがいま千五百円から二千円出しても買えない。もう物がない、こういう実態があるわけでありますが、まず、通産省から、 バインダーのひもについて、こういう実態を御存じかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

安田佳三通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○安田説明員 お答え申し上げます。  バインダーのひもにつきましては、機械情報産業局の所管ではございませんが、農業機械に関連するものでありますので、私どもといたしましても、通産省の関係のところに事情を聴取いたしました。聴取いたしましたところ、現在、全国の推定需要量二万二千五百トンに対しまして、供給量はおよそ同程度の二万二千八百トン程度というふうに推定されます。需給はおおむね合っているわけでありますが、ただ、実際問題とすれば、これが流通過程において、在庫その他の関係、時期的な問題等がいろいろあって、相当農民の方に御迷惑をかけているのではないかというふうに考えられますので、関係のところには、これをできるだけ増産するように要望いたしております。  ただ、麻ひも、バインダー・トワインにつきましては、生産する企業に小規模のものが多く、また、設備を増設するには相当の時間がかかりますので、直ちに解決するというところまではいかないおそれもありますけれども、関係の部局に大いに促進方を要望いたしたいというふうに考えております。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 バインダーのひもの生産需給事情につきましては、ただいま通産省から御説明いたしたわけでございますが、さらに、これを使用いたします側といたしましては、いわば合理的利用と申しますか、そういうことでその規格化を進めていって、少しでも合理的に使えないかということで、生産のメーカーと需要者側とで幹事会を設けまして、規格化についての検討等を進めまして、いまのように、生産の面の努力と同時に、いわば使用の面につきましても合理化をはかっていこうというふうにいたしている過程でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 物は何倍も高くなる。しかも、物は手に入らない。私はこれを調べてみましたら、バインダーのひも、これはほとんど麻ひもですね。麻ひもの場合、これはバングラデシュがおもな原産地なわけです。ところがバングラデシュは、一昨年あのような不作でほとんどだめであった時代においてさえも、まだ一ケース七百円か六百円であった。ことしは麻ひもは大豊作だと言われているんだな、そうしていま、二千円、三千円出しても手に入らないという状況になっておるのですね。だから、円安だとか、あるいはフレート、船賃がどうだなんて言いますけれども、そんなものを売り込んだとしても、もう問題にならない、べらぼうな値段なんです。これはもうさっそく調査してもらわなければならないと思うのです。しかも、これをつくっておる会社は限られておるのです。日本で四つしかないのですね。帝国産業と、日本製麻と、小泉製麻、大日本製麻です。これはすぐ調査すればできることなんです。これはすぐでもやってもらわなければならぬと思いますし、何か便乗値上げのにおいがまことに濃厚なわけであります。  そのほかに、たとえばもみ袋なんというものがありますな。これは井関が特許をとっておるものだなんということでありましたが、これが最近になって突然、麻業界に、無じるしのものはもう使っちゃいけない、価格を絶対下げるななんというような号令をかけたりしている様子があります。どんどん上げていながら、ですね。あるいは苗箱なんかも、先ほどちょっと申しましたが、反当二十箱は使うわけでありますけれども、去年の春は一箱二百円であったのが、いまはもう四百円ぐらいになっておりますね。しかも、物が手に入らない。もう春耕期は目の前だ。こういう状況の中でありますので、いま言ったいろいろな問題につきまして、直ちに調査して、これも報告していただきたいと思うわけですよ。どういうふうに手当てをしたのか。農民を安心させるために、通産省と力を合わせて、その調査の結果について報告していただきたいと思うのですが、これについて農林省、どうですか。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまのジュート製品でございますか、その生産は直接私の所管ではございませんので、通産省と至急に協議をいたしまして、その実態を把握いたしまして、その結果を御報告申し上げたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 ところで、いまこれだけ問題になっておる農機具でありますが、通産省の産業機械課には、農機具の担当者が何人いらっしゃるのか、何十人いらっしゃるか、率直にお伺いいたします。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 冒頭に申し上げましたように、農機具は、当局の産業機械課というところで所管をしております。農業機械につきましての同課におきまする担当者は、現在のところ二人でございます。先ほど先生が何十人と申されましたのに対しまして、二人というのは何だというおしかりがあろうかと思いますが、現在のところ二人でございます。ただ、仕事を進めるにあたりましては、関係の各課あるいは関係の団体等とも常時密接な連絡をとって仕事を進めております。従来ともこの体制でまいってきておるわけでございます。ただ、常時の担当が二人と申しましても、問題が起きれば全部の課をあげて仕事をするという体制はとっておるわけでございますので、この点を御了承いただきたいと思います。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 通産省の農機具担当は二人だと言うが、この二人は専任ですか。それとも、かけ持ちですか。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 この二人と申しますのは、一人は班長でございます。一人はそれを担当するものでございますけれども、他の機種との兼任と申しますか、他の機種も担当しております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それだったら、だれもいないということじゃないですか。みんなかけ持ちで、どれが自分の仕事かわからないという状態ですね。  それでは、農林大臣にちょっとお伺いします。農林大臣はわからないかもしれぬが、農林省ならば相当いらっしゃるんじゃないですか。肥料機械課というのがあるわけですが、農機具担当は何人ですか。おっしゃっていただきたいと思います。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 肥料機械課全体としますと、定員三十名でございますが、そのうち農業機械担当は、二班九名でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 農機具の担当を聞いているのです。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 農機具は、二班九名でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 それは兼任ですか、 専任ですか。農機具担当九名ですか。間違いでしょう。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 ただいまの九人は専任でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私が聞いているのは、農機具の問題を専門に扱っている方は何人いらっしゃるのかということを聞いているのですから、それがいま九人いると理解してよろしいですね。

松元威雄農林省農蚕園芸局長

○松元政府委員 私の理解は、私は、農機具、農業機械、まあ同様と思っておりますが、農業機械関係が九名でございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 つまり、農業機械というものを、何十種類あるかわからないけれども、あらゆるものを九人でやっているということですから、これは結局いないと同じだ。さっきの通産省と同じだ。  農林大臣、やっぱりこういう状況は問題ですわ。農林省はこれだけのことをやっている、これだけのことをやっていると、あなたはさっきからりっぱなことをおっしゃったけれども、弱体ですね。もう少し予算なりをとって、人材を強化しなければならぬ。農林省は、たまに私も励まさなければなりませんし、通産省にも、そういう意味では、これは何とか考えてもらわなければいかぬと思うのです。そういうことについて、特に、一つの機種には最低一人いるぐらいの——一人以上もちろん必要なわけですが、これは結局言えば、だれもいないということなんだ。それで全部かけ持ちだということでは、手も足も回るものじゃないから、これはいまのこの情勢を踏んまえたならば、圧倒的に、明らかに——先ほど私は一人と言ったけれども、あれは間違いですから、相当人数をふやしていただかなければならない。それについて、まず、農林省はどうですか。大臣の御所見を伺いたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 行政費はなるべく少ないほうが国民の利益だと思います。行政機構もなるべく簡素のほうがいいと思うのでありますが、そんなことばかり言っておったのでは大事な能率があがりません。ほかの役所は知りませんけれども、農林省はとにかく、たいへん気の毒なほど一生懸命で働いておりまして、私は、その農業機械の担当部門のことはよく存じませんけれども、非常な努力をいたしておるわけでありますから、能率をあげるために必要な人員は惜しむところではございません。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 通産省はどうですか。

野口一郎通商産業省機械情報産業局次長

○野口説明員 農業機械を担当しておりますのは、先ほど申しましたように二人でございます。少ないではないかという御指摘でございまして、私も、率直にそのお考えには賛同するものでございますけれども、先ほども私が申し上げましたように、産業機械課というのは、課長以下十七名でございまして、これで何百という産業機械の行政をやっておるわけでございます。課の中で、私どものほうは、配置を非常に固定したものとは考えておりません。先ほど申しましたように、問題が起きたとき、あるいは重要な課題をかかえたときには、全課をあげてその問題に取り組むというような体制で仕事をしてきたつもりでございます。  それから、次に、前向きの問題として、人をふやす用意があるかどうかということでございますが、人員要求につきましては、私どものほうは、官房のほうにそれぞれの事情を申し上げて、毎年度予算要求のときに要求をいたすわけでございますが、一方におきまして、行政人員はできるだけふやさないという方向で、並行しての削減というような問題も出てきておりまして、われわれの希望も必ずしも通るものではございません。  当面の問題といたしましては、この課の体制を弾力的、流動的にいたしまして問題に対処するという方向で進みたいと思いますし、人の増員の問題も、事情が許せば実現いたしたいというふうに考えるわけでございます。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 私もそろそろ時間が参りまして、詰めのほうに入りたいと思いますが、農機具というものは国民の食糧にかかわるたいへん重大な問題なわけでありますが、そのために、先ほど来、通産省並びに農林省は、メーカーへの不足な物資の安定供給ですか、そういう点で一生懸命がんばるのだと言うが、そのこと自体は非常にいいことだと私は思うのですけれども、しかし、メーカーを一生懸命援助してやったけれども、メーカーは売り惜しみしたり、ものすごく値段を上げたり、カルテルを結んだりしたのでは何にもならない。したがって、私は大臣にお聞きしたいのですが、これは大臣の所管であるかどうかは別にして、農機具の安定供給ですね。これはほかのものも同じでありますけれども、メーカーにそれだけの力を入れ、品物を渡して、安定した需給をやるためには、その安定供給というものは、メーカー自体の規制というか、民主的な規制といいますか、その原価を掌握しておるというかっこうのものと一体となった行政の指導でなければ、メーカーばかり喜ばして農民は泣くということが出てくるのです。そういうことが今日の特徴的な問題として出ているわけでありまして、こういう点について、農民が安心して、今度は春耕用のトラクターはだいじょうぶなんだ、たいていはだいじょうぶなんだという、こういう状態をつくらなければならないと思いますので、そういう大企業に対する考え方を伺いたいのと、それから、農民に対して、農林大臣が倉石である限りこの問題は引き受けた、安心してまかせろと言うくらいの御決意があるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思うわけであります。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 農業用機械類等資材について、できるだけ間に合わせるように最善の努力をいたすことは、私どもの任務であると思っております。したがって、そういう角度から私どものほうは努力をいたしておるわけであります。  それから、農政につきましては、私個人の問題ではございませんで、安心して政府にまかしていただきたい、こういうことを言っておるわけであります。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 やはり、倉石さんはなかなか力強い御発言をしたわけですが、メーカーに対する発言なんか抜けていますね。しかし、まあ、その点はいいでしょう。おわかりになって言わなかったかどうか知りませんけれども。  最後に、一つだけ、今度は別の問題をお伺いしたいわけでありますが、皆さん新聞やその他で御承知のように、いま、私のふるさとは、測候所始まって以来というたいへんな豪雪なんですね。先般衆議院の災害対策特別委員会が現地を視察してまいりまして、つぶさにものを見たわけでありますが、私は同じ秋田の人間でありますけれども、もうまさに想像を絶するような大豪雪なわけであります。きょうのテレビ、新聞にも、学校の体育館がつぶれてしまったという問題も出ているだけでなくて、特に、たとえば平鹿、県南の果樹地帯というものは、雪のために枝がやられたとかなんとか、そんななまやさしいものではなくて、もうほとんど主体の幹がやられてしまっているわけですね。ブドウだなはもう全部つぶれてしまっている。そして、この被害というものは、雪解け期に従ってますます大きくなっていくということです。きょうも汽車が何ぽかとまっているというようなことで、私は、秋田へ帰れば、東京へ出てくるのにたいへんな苦労して、せんだっては十何時間もおくれたり、尋常ではないのですね。その中で暮らしを立てている人方にとって、その暮らしの基盤であるところの果樹そのものがほとんど壊滅的な打撃を受けている。こういうことで、農林省の担当者も、目で、はだで実感されたわけでありますが、いろいろな地元からの要求が来ると思うのです。たとえば天災融資法の適用だとか、あるいは税の減免だとか、いろいろなことが来ると思うのですけれども、特に私の申し上げたいのは、農作物、果樹、施設園芸、水稲育苗ハウス、畜舎など、こういうものの損害に対して——これもあとで具体的に詰めますけれども、それに対するかまえ方といいますか、全体的にまとめてでけっこうですが、農林省をあげてそうした農民の問題に対して対処していただけるかどうか、そういう御決意かどうか、最後に農林大臣からお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思うのです。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○倉石国務大臣 雪害につきましては、いろいろ報告もございます。現に、そのためにハウスがつぶれたりしておる損害も出ております。私も御同様に雪国の産でありまして、同じような陳情を受けております。農業災害につきましては、政府にもよく頼みまして、調査いたしまして、損害がありますならば、それに応じて救援の手を差し伸べてもらうようにいたしたいと思っております。

中川利三郎日本共産党・革新共同

○中川(利)委員 特段の配慮をお願いしたいと思います。これでおしまいにします。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員長 次回は、明十四日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時七分散会

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