石炭対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1974/02/13
会議録
○田代委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 この際、石炭対策の基本政策について、中曽根通産大臣及び長谷川労働大臣からそれぞれ説明を聴取いたします。 まず、中曽根通商産業大臣。
○中曽根国務大臣 最初に、去る二月一日に北海道万字炭鉱におきまして、死亡者二名を含む罹災者二十名を伴う災害の発生を見ましたことは、所管大臣としてまことに遺憾であり、保安行政面において今後一そうの努力を払う決意をここにあらためて表明する次第であります。 石炭鉱業につきましては、昭和四十八年度から第五次石炭対策を実施し、国会をはじめ関係各方面の御協力のもとに、石炭鉱業の近代化と再建を可及的に支援する措置を講じてきております。しかしながら、昨年秋の中東紛争を契機として生じた石油の供給削減等に伴い、石炭についても再認識の必要性が各方面から指摘されるに至っております。 こうした新しい情勢の進展に対処いたしまして、石炭鉱業審議会からは、昨年十二月七日にエネルギー情勢の激変に伴う石炭対策について中間報告が政府に提出されております。 政府といたしましては、可及的すみやかに総合エネルギー政策の検討に着手するとともに、そのようなエネルギー全体の検討と関連して、石炭につきましても、保安の確保を前提として、エネルギーの安全保障の見地から国内炭の最大限の活用をはかるとともに、エネルギー供給の多様化の見地からする輸入炭の活用を含め、その位置づけを明確にし、これに要する対策について検討してまいる所存であります。 また、当面の石炭対策につきましては、第五次答申に盛り込まれました諸施策を引き続き推進いたしますとともに、石炭鉱業審議会から提出された中間報告の趣旨をも尊重しつつ、以下のような石炭対策を強力に実施してまいる所存でございます。 第一に、石炭企業向け対策につきましては、石炭鉱業の資金経理の状況にかんがみ、総額六百八十億円の累積債務の財政による第三次肩がわり、石炭鉱業安定補給金の拡充及びその傾斜配分、石炭鉱業合理化事業団による経営改善資金融資制度の拡充等を行ない、国の助成の大幅拡大をはかることといたしております。 第二に、保安対策につきましては、監督、指導の一そうの強化をはかるとともに、鉱山保安確保事業費補助金をはじめ石炭鉱業保安対策費を充実することにより、企業の自主的保安確保を促進し、石炭鉱山の保安の確保に万全を期してまいる所存であります。 第三に、石炭の需要確保対策につきましては、混焼火力発電所の設備利用率の向上等により、石炭の需要の拡大をはかるとともに、石炭火力発電所の建設を促進することとし、四十九年度においては北海道地区において産炭地石炭火力発電所の建設に着手いたします。 また、電源開発株式会社の石炭火力発電所に設置する排煙脱硫装置に対し助成する等、公害防止対策の充実による石炭の需要確保をはかることといたします。 第四に、将来における石炭の需要拡大に資するため、石炭のガス化、液化等によるクリーンエネルギー化を目ざすこととし、四十九年度からサンシャイン計画の一環としての石炭のガス化発電の研究等に着手することとしております。 第五に、労働対策につきましては、適正な労働条件の確立及び労働環境の改善に資するため、石炭鉱業安定補給金の増額等による企業経理の改善につとめるとともに、炭価の引き上げに対する需要家の協力が得られるよう支援してまいる所存であります。 第六に、産炭地振興対策につきましては、産炭地域振興臨時交付金制度の充実、工業再配置・産炭地域振興公団による産炭地部門の事業規模の拡大等をはかることにより施策の強化につとめてまいることとしております。 第七に、鉱害復旧対策につきましては、一昨年十二月に策定した鉱害復旧長期計画に基づき、残存鉱害の早期完全復旧につとめてまいる所存であります。 これら施策の実施につきましては、昭和四十九年度の石炭及び石油対策特別会計石炭勘定の予算案において所要の財政措置を講ずるほか、法制面の整備をはかるため、今国会に石炭鉱業経理規制臨時措置法の期限延長等所要の法律改正案を提出し、御審議をいただくことといたしている次第であります。 本委員会におかれましては、従来から石炭対策について深い御理解と心強い御指導御鞭撻をいただいておりますが、何とぞ今後とも一そうの御協力をお願いする次第であります。
○田代委員長 次に、長谷川労働大臣。
○長谷川国務大臣 このたび労働行政を担当することになりました長谷川でございます。 第七十二回通常国会にあたり、石炭鉱業に関する当面の労働問題について一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 石炭鉱業を取り巻く情勢には、依然としてきびしいものがあり、政府としては、昭和四十八年度から、いわゆる第五次石炭対策を実施しているところであります。 一方、中東紛争を契機とする石油供給削減等に伴い、今後のわが国のエネルギー政策についての再検討が必要とされる事態に立ち至り、石炭鉱業審議会は、御承知のごとく、昭和四十八年十二月エネルギー情勢の激変に伴う石炭対策について中間報告を提出いたしました。本報告は、第五次石炭対策を引き続き推進することを前提として、エネルギーの安全保障の確保という観点から、国内炭の最大限の活用をはかることなどを基調とする対策の必要性を強調しております。 労働省といたしましては、今後、この中間報告の趣旨をも十分尊重しつつ、労働対策面につきまして、石炭鉱業が魅力ある職場となるよう、炭鉱労働者の適正な労働条件の確立と福祉の向上につとめるとともに、職業と生活の安定をはかってまいる所存であります。特に、労働災害の防止につきましては、今後とも通商産業省と十分な連携をとりつつ、石炭鉱山における安全衛生の確保をはかり、炭鉱労働者の保護に万全を期してまいりたいと存じます。 また、一酸化炭素中毒症に関する特別措置法による健康診断の実施、救急医療措置の確保などについても、今後とも一そうその徹底につとめてまいります。 他方、やむなく閉山等により離職を余儀なくされる方々に対しましては、従来から行なっております炭鉱離職者対策及び産炭地域振興開発対策の一そうの充実をはかるとともに、過去の離職者対策の経験を十分生かし、再就職のあっせんに総力を結集してまいる所存であります。 以上、石炭鉱業に関する当面の労働問題について、所信の一端を申し上げました。今後とも、各位の御意見を拝聴して行政の推進に力を尽くしてまいる所存であります。 ————◇—————
○田代委員長 次に、昭和四十九年度通商産業省所管の石炭関係予算の概要について政府から説明を聴取いたします。高木石炭部長。
○高木(俊)政府委員 お手元にお配りしてございます資料につきまして御説明を申し上げさせていただきます。 昭和四十九年度石炭対策予算案でございます。 昭和四十九年度石炭対策予算予定額は、特別会計が一千百三十九億二千七百万円で、一般会計が二千二百九十一万九千円となっております。 昭和四十九年度は、昭和四十七年六月の石炭鉱業審議会答申に基づく第五次石炭対策の第二年目であり、予算案の作成にあたりましては、引き続き第五次対策の諸施策の推進をはかるとともに、昨年十二月七日の石炭鉱業審議会の中間報告の内容を十分尊重し、その趣旨の実現につとめた次第でございます。 昭和四十九年度の石炭勘定の予定額は、歳入歳出いずれも一千百三十九億二千七百万円であり、前年度の当初予算額に比べ四十六億九千九百万円の増額となっております。 まず、歳入につきましては、原重油関税収入のうち千四十一億円を石炭勘定に組み入れることといたしまして、さらにこれに前年度剰余金受け入れ等九十八億二千七百万円を加えたものでございます。 次に、歳出の主要内容について御説明申し上げます。 初めに、炭鉱整理促進費でございます。 四十九年度の閉山規模を一応百五十万トンと想定いたしまして、炭鉱整理促進費補助金、いわゆる閉山交付金及び離職金の原資ございます。七十四億千百万円を計上しております。 なお、四十九年度には、新たに下請け労働者に対する離職金を計上しております。 次に、石炭鉱業生産体制改善対策費でございます。 本件項目の中心は、坑内骨格構造整備拡充事業費補助金でございます。 石炭鉱山における坑内骨格構造の整備拡充は、保安を確保しつつ長期安定出炭をはかっていく上にきわめて重要であり、今回の石炭鉱業審議会の中間報告でも、本補助金の充実が要請されているところでございます。このため、四十九年度におきましては、本補助金の限度額を引き上げること等により前年度に比し四億九千二百万円の増額をはかっております。このほか、本件項目には、四十九年度の新規科目といたしまして、石炭ガス化技術開発委託費及び石炭ガス化実用化試験研究費補助金が含まれております。 これらはいずれも石炭鉱業審議会の中間報告に従ったものでございまして、長期的エネルギー需給、クリーンエネルギー化の要請等の観点から、石炭のガス化技術の開発促進をはかるため、前者は、サンシャイン計画の一環として、石炭による発電用ガスの技術開発を推進するための措置であり、後者は、石炭ガス化の早期実用化をはかるため、海外において開発されたガス化発電の技術を導入し、電源開発株式会社が行なう実規模試験に対し、その経費の一部を補助するものでございます。 次に、石炭鉱業合理化事業団への出資金でございます。 石炭鉱業合理化事業団に対する出資金は、同事業団が炭鉱に対し行なう設備近代化融資等の原資に充てるためのものでございます。四十九年度におきましては、経営改善資金融資のための原資三十億円を含む九十億円を出資することとしております。 次に、石炭鉱業経理改善対策費でございます。 本件項目は、石炭企業の累積債務のいわゆる財政による肩がわり、これは石炭鉱業再建交付金及び石炭鉱業元利補給金でございます。並びに炭鉱に対し生産トン当たり一定の単価により交付する石炭鉱業安定補給金に充てるためのものでございます。 安定補給金につきましては、石炭鉱業審議会の中間報告の趣旨を尊重いたしまして、四十九年度から単価を引き上げるとともに、炭鉱の立地条件及び操業条件を勘案した傾斜配分を実施することといたしております。 次に、石炭需要確保対策費でございます。 本件項目には、従来からの石炭増加引取交付金に加え、石炭鉱業審議会の中間報告を受け、四十九年度から、産炭地石炭火力発電所建設費補助金及び電源開発株式会社排煙脱硫装置設置交付金が新規に計上されております。これら新規科目は、石炭の積極的活用をはかる観点から設けられ、前者は、四十九年度に北海道において着工される産炭地石炭火力発電所の建設費の一部を補助するものであり、後者は、電源開発株式会社が同社の石炭火力発電所の公害防止のため設置した排煙脱硫装置にかかる経費の一部を補助するものでございます。 次に、石炭鉱業保安確保対策費でございます。 保安確保対策の重要性にかんがみ、四十九年度におきましては、鉱山保安確保事業費補助金の増額等をはかりつつ、二十七億二百万円を計上しております。 次に、石炭鉱業合理化事業団補給金でございます。 本件項目は、石炭鉱業合理化事業団の経理体質の強化をはかるため、業務経費の一部を補給することとするものでございます。 次に、鉱害対策費でございます。 現在、なお膨大な鉱害が残存しており、その計画的復旧が重要となっております。四十九年度の鉱害対策費は、百九十八億六千二百万円を予定しておりますが、このうち、鉱害復旧事業資金補助金は百五十九億二千万円で、これにより復旧事業規模を四十八年度の百八十六億一千五百万円から四十九年度は二百二十億二千八百万円に引き上げることといたしております。 次に、産炭地域振興対策費でございます。 産炭地域振興対策は、産炭地域について、産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助等を通じて、石炭鉱山の閉山がもたらす地域経済の疲弊を可及的すみやかに回復することをねらいとして実施されております。 四十九年度におきましては、合計四十五億九千八百万円の予算を予定しております。 このうち、産炭地域振興臨時交付金は、炭鉱の閉山があった市町村に対し四年間にわたり交付金を交付するものでありますが、四十九年度におきましては、基準額の交付が終了した市町村であって、いまだ財政状況が好転していない市町村に対し、さらに二年間にわたり交付することとする等、内容の充実をはかることといたしております。 また、国土総合開発公団、仮称でございますが、これの産炭地域振興事業につきましては、十五億円の出資を行なうこととし、資金運用部からの融資百五十一億円と合わせて、四十九年度におきましては、二百三十二億三千三百万円の事業規模を確保することといたしております。 次に、炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費でございます。 これら二項目は、労働省の所管でございます。後ほど労働省のほうから説明させていただきます。 次に、国債整理基金特別会計への繰り入れでございます。 この項目は、特別会計の過去の借り入れ金の元利償還に充てるためのものであります。四十九年度は、昭和四十五年度に借り入れた百七十億円の未償還額九十億円を償還することといたしております。 次に、予備費でございます。 予備費は、四十八年度と同じく、二億円を計上いたしております。 次に、一般会計予算について御説明いたします。 昭和四十九年度の石炭関係一般会計予算予定額は二千二百九十一万九千円でございます。そのおもなるものは、亜炭鉱業生産体制改善に必要な経費でございます。 本件経費は、亜炭鉱業における炭層探査を促進し、合理的な坑道掘進を行ない、生産体制を改善するための費用の一部を補助するためのものであり、四十九年度予算予定額は千三百八十万八千円となっております。 以上でございます。
○田代委員長 次に、昭和四十九年度労働省所管の石炭関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。水谷会計課長。
○水谷政府委員 お手元の資料につきまして、労働省所管分につきまして御説明申し上げます。 労働省所管分の合計は百二十億九千九百万円余で、四十八年度に対しまして十一億五千百九十五万円余の増額でございます。 まず、炭鉱離職者援護対策費でございますが、七十一億九千八十万円余でございます。 そのおもなものを申し上げますと、第一に、炭鉱離職者援護対策事務費でございますが、四億三千八百十五万円余で、四十八年度に対しまして、七千三百六十九万円余増加いたしております。これは、離職者の職業相談、職業紹介あるいは職業指導に必要な経費でございます。 第二は、炭鉱離職者緊急就労対策事業費の補助金でございますが、これは三十七億四百万円余で、昭和四十八年度に対しまして五億四千五百万円余の増となっております。その内わけは、吸収人員三千百人、事業費単価が八百円増の四千六百円でございます。 第三は、炭鉱離職者援護事業費の補助金でございますが、これは炭鉱離職者に対する援護業務等に必要な経費で、雇用促進事業団に対する補助金でございまして、十六億五千七百六十八万円余を計上いたしております。昭和四十八年度に対しまして百七十七万円余減となっておりますが、これは昭和四十九年度においては、いわゆる第五次石炭対策を推進することを前提とし、国内炭の積極的活用をはかるための施策が推進されること等によりまして、炭鉱離職者の発生が前年度に比し少なく見込まれるためでございます。しかしながら、援護業務の内容につきましては、移住資金、広域求職活動費などについて単価の引き上げ等をはかり、充実し、やむを得ない閉山等により炭鉱離職者が発生した場合、早期に再就職できるようつとめているところでございます。 第四は、炭鉱離職者職業訓練費補助金でございます。炭鉱離職者の再就職を容易にするため都道府県が行ないます職業訓練の補助の経費で、一億九百九十六万円余を計上いたしております。 第五は、炭鉱離職者就職促進手当の経費でございますが、十二億八千百万円余を計上いたしております。昭和四十八年度に対しましては、三千九百万円余の減となっておりますが、これは炭鉱離職者援護事業費補助金が対前年度より減少していることと同様の理由によるものでございます。しかし、内容におきましては、最高日額につきましても千三百十円から千五百九十円に引き上げております。 次に、産炭地域開発雇用対策費でございますが、四十九億八百二十一万円余を計上いたしております。昭和四十八年度に対しまして、五億六千八十九万円余の増となっております。そのおもなものである産炭地域開発就労事業につきましては、その吸収人員は昭和四十八年度と同様三千二百人、事業費単価は八百円増の七千円でございます。 以上、労働省所管分につきまして御説明申し上げました。 ————◇—————
○田代委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 石炭対策に関する件について、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田代委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会