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72回国会衆議院1974/02/08

商工委員会 第9号

発言数
13
登壇者
5
会派数
1
開催日
1974/02/08

会議録

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長所用のため御出席されませんので、その指定により、私が委員長の職務を行ないます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  公正取引委員会委員長から、昭和四十八年度における公正取引委員会の業務概要について説明を求めます。高橋公正取引委員長。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 昭和四十八年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  あらためて申し上げるまでもなく、昨年のわが国経済は、不況から一転して、はなはだしい物価高を伴う景況に転じ、十月以降には原油の削減、またその価格の大幅引き上げ通告を契機として、さらに次々と商品の大幅値上げを招来し、同時に、物不足経済に直面したのであります。  これに対する総需要抑制策は逐次強化されたのでありますが、便乗値上げを含む各種の商品の騰貴に対しては、個別対策の必要も痛感されるところであります。投機防止法及び石油二法等の有効適切な運用にまつところ大なるものがあると存じます。  公正取引委員会といたしましては、こうした異常な経済情勢下におきまして、競争秩序を根幹とするわが国経済の健全な発展の方向を取り戻すことにいささかでも寄与するため、独占禁止政策を厳正に運用して、できる限りの努力を払ってまいりました。  まず、独占禁止法違反事件の取り締まりについて申しますと、昭和四十八年中に審査いたしました事件は二百六件でありますが、同年中に審査を終了した百三十四件のうち、法に基づき排除措置を勧告したものは六十一件でありまして、いずれもこれまでに比べ大幅な増加となっております。これらの違反の事件の内容は、ほとんどが価格協定に関する事件であり、また、違反の規模が拡大するとともに、質的にもかなり悪質と思われるものが幾つか認められました。そこで公正取引委員会は、これら違反事件に対する排除措置として、従来の措置のほか、事業者団体に対して解散を命じ、あるいは排除措置を受けた後の販売価格の動きを監視する意味で、事業者ごとに、一定期間、販売価格の報告義務を課すといった新たな措置を昨年からとっております。  次に、会社の合併等につきましては、これまで国際競争力強化のためには合併が必要であるといった主張が行なわれておりましたが、最近のわが国企業の国際的地位から考えましても、そのための合併の必要性は認められませんし、一方、行き過ぎた経済力の集中を未然に防止するため、世界的に見ましても一般に合併に対する規制は強化される傾向にあり、公正取引委員会といたしましては、昨年、合併に対する審査基準を従来よりきびしいものとし、その旨を発表したところであります。このような事情もありましてか、昭和四十八年中における会社の合併の届け出は千九十九件でございますが、そのほとんどは中小企業の合併であり、特に問題となったものはありません。  次に、国際契約等につきましては、一昨年末輸入総代理店契約に関する認定基準を公表しましたが、昨年はこの基準に従い、輸入総代理店契約に対する監視、規制の強化につとめ、並行輸入阻止条項、競争品取り扱い制限条項を含む四百三十一件について、これを是正するよう行政指導を行ないました。  また、昨年九月には、各国の独占禁止政策施行官庁の責任者、学者、経済界代表など多数の参加を得て、国際経済と競争政策に関する国際会議が東京で開催されました。この会議におきましては、独占禁止政策のあり方及びそのための国際協力について広範囲にわたる意見交換が行なわれ、わが国の独占禁止政策の今後の運営にとりましても多大の示唆を受けるところがありました。  次に、再販制度につきましては、西欧諸国において縮小、廃止の方向が打ち出されている事情などを参考にしながら基本的な検討を加えてまいりましたが、昨年十月、当面の措置として、これまでの指定商品に関する告示を廃止または改正する告示を行ないました。その内容は、家庭用浴用石けん、家庭用合成洗剤及び練り歯みがきについては指定を取り消し、化粧品及び医薬品については指定商品の範囲を縮小するもので、本年九月から実施することになっております。  景品表示法の運用について申し上げますと、昭和四十八年中に同法違反被疑事件として取り上げた総数は千八百六十三件でありまして、このうち排除命令を行ないましたものは三十五件、警告等により是正させましたものは七百二十四件であります。  不当表示等を事業者自身の手により防止する有効な策として、公正競争規約をできるだけ多くの業界に設定されるよう関係事業者の指導に努力しているところでありまして、目下、約二十の業界において公正競争規約の設定を準備中でありますが、昨年新たに認定した規約はわずか二件にとどまり、四十八年末現在の規約総数は四十二件であります。一方、昨年は景品表示法施行後初めて、商品等の内容について一般消費者に誤認されるおそれのある表示を規制するため、同法第四条第三号の規定に基づき、無果汁の清涼飲料水等に関する表示及び商品の原産国に関する不当な表示の指定を行ない、その規制対象を明確にいたしました。  また、昭和四十七年十月から、都道府県知事も景品表示法の権限の一部を行使し得ることとなり、漸次、都道府県における措置件数も増加してきておりますが、今後とも都道府県の一そうの御協力が得られますようつとめてまいる所存であります。  次に、下請事業者の保護に関する施策といたしましては、昭和四十八年中には、下請代金の支払い状況を中心に約九千三百件の親事業者に対しまして調査を行ない、勧告二十九件を含め、七百四十六件について、支払い改善等の措置を講じさせました。  最後に、現行の独占禁止法は、昭和二十八年の大改正以来二十年を経過しており、その後の経済、社会の激しい変化に対応して必ずしも十分対処できないのではないかと考えられる面もありまして、改正すべき点がないかどうかを専門的見地から御検討いただくため、昨年末、独占禁止法に造詣の深い法律、経済学者及び言論界等の有識者から構成されます独占禁止法研究会を公正取引委員会の私的諮問機関として発足いたさせました。  当面のおもな検討事項としましては、高度の寡占に対する方策として、価格面におきましては経理内容の公開、市場構造面におきましては企業分割の制度を設けることの是非、カルテルに対する排除措置として、価格協定に対する価格引き下げ命令、すでに終了した違反行為に対する排除措置の必要性、不公正な取引方法に対する排除措置の強化、その他となっております。  このような専門的見地からの着実な検討を積み重ねました上で、改正すべき点があるという御指摘があり、かつ、十分な国民的な合意が得られますならば、公正取引委員会といたしましては、独占禁止法の改正の問題に対して積極的に取り組んでまいる所存でございます。  なお、今年に入り、去る一月二十一日に調査報告を公表いたしたものでありますが、公正取引委員会においては、昨年六月以降、総合商社の事業活動について実態調査を実施してまいりました。今回の調査はいわば巨大な総合商社の実態把握のための第一歩にすぎず、今後も調査を継続する必要があるものと考えております。当面、総合商社がその優越した地位を乱用することのないよう監視するとともに、総合商社を中心とした企業集団強化の一つの手段となっている商社による他企業の株式所有について、何らかの制限を加える必要があると考えられ、この問題も、ただいま御説明いたしました独占禁止法研究会において御検討いただく所存であります。  以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を承ることにいたします。中曽根通商産業大臣。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○中曽根国務大臣 第七十二回国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に関する私の所信の一端を申し述べたいと思います。  戦後これまでに経験したことのない困難な事態を克服し、新たなる国民的連帯と国際的協調のもとに、安定し、かつ希望に満ちた社会をもたらすことが本年の最大の課題であります。  わが国は、戦後廃墟から立ち上がって、他に例を見ないほどの経済成長をなし遂げ、いまや主要な工業国の一員として、国際社会における地位もとみに重要性を加えてまいりました。  しかしながら、その反面、社会資本と民間資本のアンバランス、社会福祉のおくれ、環境の汚染、過疎過密問題の深刻化等、いわゆる高度成長のひずみの現象が表面化し、対外面でも、国際収支の不均衡、一部開発途上国における対日批判の動き等々の問題が発生し、解決を迫られているのであります。これらに加え、昨年来、物価の騰勢が強まり、昨年秋には、いわゆる石油危機の事態に直面するに至り、物価上昇、物資需給の緊迫が一段と加速されたのであります。  このような事態は、直接に国民生活を脅かすものであるだけに、まず求められるのは果断、的確かつ迅速な施策の実施であります。しかし、これと同時に、事態の内奥にひそむ本質的な要因を深い洞察力をもって鋭く分析し、長期的なビジョンのもとに基本的な対策を講ずることを忘れてはなりません。  このような認識のもとに、通商産業政策を、国民福祉の充実と国際協調の促進のため推進してまいる所存であり、以下その概要を申し述べます。  当面の通商産業政策の最大の課題は、物価の安定と需給の円滑化であります。物価対策の基本は、総需要調整策であります。このため政府といたしましては、昨年来公共事業の執行の繰り延べ、公定歩合の引き上げ、民間設備投資の新規着工の原則停止をはかるなど、総需要抑制策を累次にわたり強化するとともに、昭和四十九年度予算案及び財政投融資計画においても公共事業関係費の抑制等により極力財政規模を圧縮することとしているのであります。  以上のような施策は、いわゆる価格メカニズムを通ずる市場経済の健全な発展をたてまえとするわが国経済にとっては最も基本的な対策でありますが、昨年来の状況に応じてさらに個別物資の需給価格対策を適時、適切に進めてまいりました。すなわち、昨年七月、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律を施行し、企業の売り惜しみまたは買い占めによる値上げの動きに対処するとともに、セメント、小棒、塩ビ管、主要鋼材等々のあっせん所の設置、セメント、トイレットペーパー等に関する増産指示、緊急出荷の要請等を問題発生のつど、迅速に行なってきたところであります。  さらに、昨年秋以来の石油危機の事態に対処し、今国会冒頭に御審議をお願いし、すでにその成立を見た国民生活安定緊急措置法及び石油需給適正化法を昨年末から施行に移したところでありますが、現在、国民生活安定緊急措置法に基づいて、灯油、LPG、トイレットペーパー及びちり紙の四品目について標準価格を設定しているところであります。  また、同法を背景とする行政指導等により、合成洗剤、更紙等の増産指示、合成洗剤、石油及び石油化学製品、学用品等の値上げ抑制ないし価格引き下げ要請を行なってきているのであります。さらに、現在、主要な生活関連物資等六品目の在庫について立ち入り調査を実施いたしております。  今後ともこれらの法律の運用あるいはこれらの法律を背景とした行政指導等により物価の安定、物資需給の円滑化のため迅速適切な手を打ってまいる所存であります。  物価の安定のためには、以上申し述べてきた政府の努力はもとより、広く関係各層の理解と協力が不可欠であります。特に企業につきましては、買い占め、売り惜しみ、便乗値上げ、その他不公正な価格形成に走ることのないよう厳に自粛を求めるとともに、政府としても必要に応じ関係法律の厳格な運用を行なっていく所存であります。  昨年十月アラブ産油国の実施した石油供給削減措置は、わが国に深く激しい衝撃を与えました。この衝撃による影響から、国民生活を守り、経済的混乱を最小限にとどめることが政府に課せられた責務であります。このため政府は、閣議決定に基づき、昨年十一月二十日から、石油、電力につき想定需要の一〇%節減の行政指導を実施したのでありますが、現在では、これを石油需給適正化法及び電気事業法の規定に基づく法律上の規制に切りかえ、原則として一五%の使用節減を実施いたしております。なお、この実施にあたっては、一般家庭用をはじめ、中小企業用、農林漁業用、病院用等について、一定の基準により優先的な取り扱いを行なうほか、物価、需給対策の観点から政府が増産指示を行なった場合についても特段の配慮を行なうこととしております。  このような国内対策とともに、中近東諸国に対するわが国の立場を明らかにするために、昨年十一月二十二日に中近東紛争解決についてのわが国の新たな基本的立場を表明し、また、三木副総理や私が中東訪問を行なうなど、同地域との友好協力関係の増進に寄与するための対外政策を積極的に行ないました。  このような努力の一部は昨年末、OAPEC諸国の会議の決定となって実を結び、わが国への石油供給削減は緩和へと向かっております。  しかし、事態はいまだ流動的であり、石油供給量も決して十分ではありません。加えて原油価格の上昇及びこれに伴う国際収支の負担など引き続き困難な事態が続くことを覚悟せざるを得ません。したがって、 エネルギー消費の節減について、今後とも引き締まった態度で努力することが肝要であります。  また、長期的に見ても、今後の資源エネルギーをめぐる状況は量の面でも価格の面でもきびしいものがあります、したがって、海外石油開発により一そうの努力を傾注する一方、より長期的には、石油偏重のエネルギー体制から脱却し、エネルギー供給源の多様化をはかるとともに、その効率的利用を促進することが必要であります。  このような考え方から、今国会に石油開発公団法の改正及び日本、韓国間の大陸だなにおける石油天然ガスの共同開発の促進をはかるための所要の協定案及び法案の御審議をお願いするとともに、サンシャイン計画に着手することとし、四十九年度予算案に太陽エネルギー、水素エネルギー等、豊富かつ無公害の新エネルギー技術の開発に要する経費を計上いたしております。  なお、金属資源につきましても、その海外開発を促進するべく今国会において所要の法律改正をお願いすることといたしております。  また、基本的な施策として、これまでの産業構造を是正して、省資源、省エネルギー型の産業構造へ転換することが必要であります。今般の石油危機は、資源多消費型の産業構造がいかに不安定であるかの重要な教訓であろうかと思われます。より少ない資源で、より大きな付加価値を生み出す、いわば資源エネルギー効率のよい産業構造へ変革することがぜひとも必要であります。  通商産業省では、従来から七〇年代の産業構造の基本的方向として知識集約型産業構造への転換を進めてきたところであり、具体的には電算機、情報処理、航空機等の諸産業に関し技術開発の促進等をはかってきております。  また、繊維産業につきましても新商品または新技術の開発力の強化等、その知識集約化の推進をはかるため、今国会で特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いすることといたしております。  私は、今回の石油危機や環境問題の深刻化の事態に直面し、このような産業構造の転換をより一そう加速し、より全面的に実施していくことの必要性を痛感いたしております。このためできるだけ早急に望ましい産業構造のビジョンを策定し、産業構造の省資源、省エネルギー化、無公害化、知識集約化をはかる所存であります。  公害のない社会を建設し、産業を環境面からの要請に適合させていくことは、この狭い国土の中でわが国民が存立していくための基本であります。  まず水銀公害については、緊急の問題として、政府といたしましてもその解決に全力を尽くしてまいりましたが、昨年中に製造工程のクローズドシステム化がほぼ完了し、現在さらに五十二年度末を目途に水銀を使用しない製法への転換を行なうべく最大の努力を続けております。また、PCB等の化学品による環境汚染問題に対処するため、第七十一回国会で成立した化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律がいよいよ本年四月から施行の運びとなります。また、休廃止鉱山等における鉱害の防止についても、第七十一回国会で成立した金属鉱業等鉱害対策特別措置法の適切な運用等を通じ、鉱害の防除に万全を期することとしており、これらにより蓄積性汚染問題は、その解決へ着実な一歩を進めることができるものと考えております。  大気汚染問題についても、政府は、さきに窒素酸化物の環境基準及び排出基準を設定いたしましたが、これを達成するため、新たに脱硝技術の開発研究を強力に推進いたします。硫黄酸化物については、総量規制の導入等規制の強化をはかってまいる所存であります。  以上の公害防止の前提として不可欠なのは、公害発生量の正しい測定であります。このため今国会で計量法につき所要の改正をお願いすることといたしております。  廃棄物を減少させることは、公害防止のみならず資源の有効利用ともなり、最も重要な施策の一つであります。このため故紙の利用を促進するほか、他の廃棄物についても所要の調査、研究、啓蒙等の施策を推進いたします。  今日、立地問題はすなわち環境問題であるといわれております。このため、コンビナート立地につき工場立地法に基づき所要の調整を行なうほか、特に電源立地につきましては、環境審査体制を強化するとともに、電源開発促進税を目的税として創設し、今国会で引き続き御審議をお願いする発電用施設周辺地域整備法案の成立をまって電源立地の周辺地帯の整備事業等を推進する所存であります。  昨年後半石油化学コンビナート等における事故が相次ぎ付近住民をはじめとする関係者に大きな被害と不安とをもたらしましたが、この貴重な教訓を生かし、各コンビナートに対する総点検を実施し、監督指導を強化するとともに技術開発等につとめ、コンビナート等における保安を確立していく所存であります。  中小企業はわが国経済社会の基礎としてその発展をささえてきたものであり、中小企業施策は、通商産業政策の重要な柱として、財政、金融、税制等の面でこれまでも年々拡充されてまいりました。他方、昨年二月の変動相場制への移行、夏以来の物資需給の逼迫化、とりわけ基礎資材の不足からくる原材料の入手難、十月後半以降の石油危機等中小企業を取り巻く環境は昨年一年で目まぐるしい変化をしてまいりました。  このような中で中小企業施策、とりわけ中小企業の大多数を占める小規模企業施策については、さらに格段の強化をはかる必要があり、このため、四十九年度予算案においては、小企業経営改善資金の大幅拡充、経営指導員の大幅増員をはじめとする小規模企業対策の強化をはかるとともに、中小企業庁に小規模企業部を設けるため今国会に中小企業庁設置法の改正を提案する等、中小企業対策の一そうの強化をはかることといたしております。  今後とも総需要抑制策の効果の浸透等によって中小企業の環境がさらに一段ときびしくなることも懸念されるところであり、政府としても中小企業施策の適確な推進に全力を投入する所存であります。  最後に目を対外面に転じますと、現在の通商政策の課題として次の諸点が特に重要であると考えております。  第一は、国際収支動向の慎重な監視であります。ここ二、三年のわが国通商政策の最大の課題であった国際収支の黒字問題については、数次にわたる円対策、変動相場制への移行、景気の上昇等を背景に輸入の拡大、対外投資の進展が進んだ結果、国際収支は昨年三月から赤字となっておりますが、昨年秋以降の石油危機を契機として石油価格の高騰などにより、さらに赤字基調が強まっておりますので、その動向を慎重に監視していく必要があります。  また、流動する貿易為替状況のもとにおいて為替不安による輸出取引の障害を除去し、プラント等中長期輸出の安定をはかるため、政府の輸出保険制度の中に為替変動保険を設けるべく、今国会に輸出保険法の一部改正案を提出しているところであります。  第二は、資源エネルギー輸入の確保であります。昨年は世界的な景気拡大等を契機に国際的に物資需給が逼迫した年でありましたが、この傾向を決定的としたのがアラブ産油国の石油供給削減措置であります。資源の乏しいわが国にとって、資源輸入の安定的確保は通商政策最大の課題であると考えられますが、わが国としては、国際協調のもとに国際経済の安定的拡大がはかられる方向でかかる課題の解答を見出すことが必要であると考えております。このため資源保有国と資源消費国が共存共栄をはかることを目的として、国際的な話し合いを行なっていくことが必要であると考えております。  第三に、わが国企業の海外事業活動の指導と経済協力の拡充であります。最近、開発途上国において、わが国の海外事業活動につき批判が高まっております。この批判の中には誤解に基づくものも含まれているかと思われますが、習慣や考え方がわが国と異なる海外諸国で事業活動を行なう者は、謙虚にその批判に耳を傾け、節度を守り、相手国の発展に十分貢献する方向で対処することが必要であります。このような考え方のもとに、政府としても海外事業活動を行なう企業につき所要の指導を行なってまいる所存であります。  かかる現実を踏まえ、私は、経済協力につきましても真に相手国のためになる方向でその量的質的改善をはかっていかなければならないと痛感しております。政府は、今国会に国際協力事業団法案を提出する予定でありますが、本事業団の一つのねらいも、民間経済協力を政策的立場から誘導していくてことすべきところにあるものと考えております。  第四に、国際的な通商経済上の秩序の確立であります。戦後四半世紀をこえて国際貿易経済をささえてきたガット・IMFの体制は保護主義の台頭、ブロック化への動き、国際通貨体制の動揺等により、その再検討が迫られておりますが、昨年来の石油危機の発生に伴い、事態は一そう深刻化してきております。私は、自由貿易体制が世界の多くの国の国民に大きな福祉をもたらすものと確信しております。このような観点から、わが国は今後とも貿易通貨両面にわたる新たな国際的秩序の形成に積極的に貢献すべきであると考えております。  以上、当面の通商産業政策の重点とするところを申し述べましたが、ゆれ動く内外の情勢を思い、今日の難局を直視するとき、私はその激動の中に、緊急に解決を迫る奔流と、新たな時代の訪れを告げようとする底流とを見るのであります。したがって、この難局を克服して新たな時代を切り開くためには、発生する問題に迅速的確に手を打つ決断力と歴史を誤らせない大局的総合的判断力とが肝要であります。  このような考え方のもとに、国民の御理解と御協力を得つつ、私はこれまで申し述べてきた政策の展開に全力を傾注する所存であります。  委員各位におかれましても、一そうの御理解と御支援を賜わりますようお願い申し上げます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を承ることにいたします。内田経済企画庁長官。

内田常雄自由民主党経済企画庁長官

○内田国務大臣 第七十二回国会において、衆議院商工委員会が再開されるにあたりまして、皆さまにごあいさつを兼ねて所信を申し述べさせていただきたいと思います。  現在、わが国経済は、昨年来の物価問題の深刻化に加え、石油問題等に直面し、きわめて重大な局面に立ち至っております。  最近の経済情勢を見ますと、設備投資や消費の動きに慎重化がうかがわれ一部商品市況が軟化を示してはいるものの、石油、電力の消費節減の影響から生産が減少し、需給の逼迫基調に変化は見られず、異常な物価の高騰が続いております。すなわち、卸売り物価は昨年十二月には前年同期比で二九・〇%と大幅に上昇し、消費者物価も十二月には前年同期比で一九・一%上昇するなどまさに異常ともいうべき局面に立ち至っております。  このような急激な物価上昇は、海外の物価高騰の影響、国内における需給の不均衡など各種の要因によるものでありますが、昨年秋の中東戦争を契機とする石油問題がさらに物価上昇に拍車をかける結果となっております。  こうした事態に対処して、政府は、物価の安定を現下の最優先の課題として、全力をあげてこれに取り組んでおります。すなわち昨年春以来、総需要の抑制を中心に累次にわたる総合的な物価対策を実施してきたところでありますが、これらの措置については今後ともこれを堅持し、その効果の浸透につとめる必要があります。  また、政府は、四十九年度の予算編成にあたりましては、予算及び財政投融資計画を通じ、公共投資の抑制を中心に、その規模を極力抑制いたしました。公共料金につきましても、国有鉄道運賃及び米の政府売り渡し価格の改定時期を延期するなど、真にやむを得ざるものを除き抑制する姿勢を明確にしたところであります。  さらに、昨年十二月には、生活必需物資の供給の確保と価格の安定をはかるため国民生活安定緊急措置法が制定され、これに基づきすでに主務官庁において数品目につき標準価格制度を実施に移しているところであります。生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律につきましても、指定物資を逐次追加するとともに、関係行政機関における価格調査官の大幅な増員、相当数の専任価格調査官の設置などその運用の強化につとめております。今後も引き続き物資の需給及び物価の動向を注視し、これらの法律を機動的に発動してまいる所存であります。  さらに、最近の物不足感と急激な物価上昇という事態に直面して、特に消費者への正確かつ迅速な情報提供の必要性が痛感されたため、物資需給速報の作成配布、地方公共団体との情報連絡体制の整備等を急ぎ実施したところであります。  政府は、以上のような物価安定のための諸施策に全力をあげて取り組んでいるところであり、昭和四十九年度中の物価動向については、夏ごろまでにはかなりの落ちつきを取り戻すことを期しているところであります。  私は、以上申し述べましたような施策に全力を傾け当面の緊急事態に対処する所存でありますが、それと同時に、昨年来の物価上昇と石油問題に基づく貴重な教訓を生かし、長期的視野から以下のような基本方針で政策運営を行なうべきであると考えております。  まず国際面については主要な資源を海外に依存するわが国は、あらゆる国との友好を保ちつつ経済交流を深めることが不可欠であるという認識のもとに、開発途上国に対する建設的な協力を一そう推進するとともに、国際通貨体制の再建等、新しい世界経済秩序の確立に対しても積極的な貢献を行なうべきものと考えます。  国内面についても、不測の外部要因による経済変動に対して、臨機に対応できるよう各種政策手段の整備をはかるとともに、環境、資源などの制約の中で国民福祉の向上に対応する産業構造、すなわち、省資源、無公害、知識集約型の産業構造を築き上げることが急務になっております。また、完全雇用と豊かな社会をある程度達成した今日、生産の拡大だけではなく、社会各層間の分配の公正についても一そうの配意が必要な段階にきていると考えます。  以上、私の所見の一端を申し述べてまいりましたが、政府といたしましては、今後とも適時適切な措置を機動的に実施することにより国民各層の理解と協力のもとにわが国経済が直面している困難に対処する所存であります。  本委員会におかれましても、よろしく御指導をお願いする次第であります。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 公害等調整委員会委員長から、鉱業等にかかる土地利用の調整に関する事務処理概要について説明を求めます。小澤公害等調整委員長。

小澤文雄公害等調整委員会委員長

○小澤(文)政府委員 ただいまから公害等調整委員会が昭和四十八年中に行ないました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整事務の処理の概要を御説明申し上げます。  公害等調整委員会は、一昨年の第六十八国会において制定されました公害等調整委員会設置法により、土地調整委員会と中央公害審査委員会とが統合されて総理府の外局として一昨年七月一日から新しく発足した行政委員会でございます。鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整をはかるという従前の土地調整委員会の任務権限は、そのまま、公害等調整委員会が引き継ぎました次第でございます。  以下、これらの事務の大要について簡単に御説明申し上げます。  第一は、鉱区禁止地域の指定に関する事務でありまして、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、聴聞会を開いて一般の意見を求め、利害関係人を審問した上で、一定の地域において鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止区域として指定し、また、同様の手続によりましてその解除を行なうものであります。その指定の場合、鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反するようになっていると認めるときには既存の鉱業権の取り消し等を通商産業局長に対して勧告いたします。  第二は、異議の裁定でありまして、鉱業法、採石法、森林法、農地法、海岸法、自然公園法、地すべり等防止法、河川法、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、砂利採取法、都市計画法及び自然環境保全法に規定する特定の処分に対する不服につきましては、鉱業、採石業及び砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整をはかるために、行政不服審査及び行政事件訴訟の特例といたしまして、直接裁判所へ出訴することを認めず、もっぱら当委員会がまず公開審理等準司法的な手続により、異議の裁定を行ないます。当委員会の裁定または裁定申請却下の決定に対しまして不服のある場合には、当委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起することができることになっております。  第三は、土地収用法及び森林法上の事業認定や裁決に関し、主務大臣があらかじめ当委員会の意見を聞かなければならないこととされておる場合がございまして、その場合これに対し回答をいたしております。  次に、昭和四十八年中における当委員会の事務処理の概要を御説明申し上げたいと思います。  第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務でございますが、昭和四十八年中に当委員会で処理手続を進めましたものは二十七件でありました。そのうち十三件は、前年から係属中のもので、十四件は、昭和四十八年に新たに請求のあったものでございます。これらを請求理由別に見ますと、ダム関係のものが二十五件、景観の保護に関するもの、環境保全に関するものがそれぞれ一件となっており、請求者別に見ますと、内閣総理大臣請求が一件、農林大臣請求が八件、建設大臣請求が六件、都道府県知事請求が十二件となっております。これらにつきまして、通商産業大臣等関係行政機関の意見を伺い、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に現地の地形、地質、鉱床、一般公益等各般の事情を詳細に検討する等審議を進めたわけでありますが、ことにダム関係につきましては、往々計画の確定を待つ必要があるとか、用地取得または補償交渉等が延びておりまして、その推移に応じて措置を進める必要等により、最終的に処理手続を進めがたい場合がありまして、昭和四十八年中に処理を完了したものは三件であります。  第二に、異議の裁定でありますが、昭和四十八年中当委員会に係属した事案は九件で、そのうち二件は、前年から係属中のもの、七件は、昭和四十八年に新たに申請があったものでございます。係属事案中の一件は、通商産業局長の四件の処分について一個の裁定申請により、その取り消しを求めてきたものでございます。これらの事案は、砂利採取法の規定による知事等の処分に対するものが三件、採石法の規定による知事の処分に対するものが二件、鉱業法の規定による通商産業局長の処分に対するもの、都市計画法の規定に基づく条例の規定による市長の処分に対するもの、農地法の規定による知事の処分に対するもの、森林法の規定による知事の処分に対するものがそれぞれ一件でございます。これらのうち、一件については、一部認容、一部却下の裁定を、一件については、棄却の裁定をなし、一件については、申請が不適当であるとして却下の決定をし、一件は申請の取り下げがありました。その他五件は、目下審理中でございます。  第三に、土地収用法関係の意見でありますが、昭和四十八年中に当委員会で処理手続を進めましたものは二十四件で、そのうち四件は、前年から係属中のもので、二十件は、新たに建設大臣から意見を求めてきた事案でございます。これらの事案は、道路河川関係十三件、電力関係五件、都市開発関係三件、学校関係二件、その他一件となっており、収用委員会の収用裁決を不服とするものが十五件、建設大臣の事業認定を不服とするものが九件となっております。二十四件のうち十八件は回答済みでありますが、残り六件は審査中であります。  以上をもちまして、昭和四十八年中の事務処理の大要を申し上げました次第であります。  なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和四十八年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、追って所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 この際申し上げます。  昭和四十九年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付の資料で御了承願います。      ————◇—————

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 この際、小委員会設置の件についておはかりいたします。  鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため、小委員十五名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会及び流通問題に関する諸問題を調査するため、小委員十五名よりなる流通問題小委員会並びに沖繩国際海洋博覧会の準備、運営等について調査するため、小委員二十名よりなる沖繩国際海洋博覧会に関する小委員会をそれぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、委員長が追って指名いたします。  次に、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任等に関しましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時十二分散会

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