社会労働委員会 第26号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/05/17
会議録
○大野(明)委員長代理 これより会議を開きます 委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、きょうは時間も短うございますので、一点だけの問題について申し上げて御意見をいただきたいと思っております。 それは看護婦の養成教育の問題についてでございます。御承知のように、看護婦不足の要因は幾つかの問題が総合されておると思いますけれどもその要因の中で一番ウエートを占めると申しますか、大きな要因となっておりますものに賃金の問題がございます。看護婦の低賃金というのは昔から今日に至るまで非常によく知られているところですが、この低賃金を来たしている原因というのが何であるかということを考えなければならないと思うわけですが、その低賃金の原因の中には日本の医療制度、医療費の問題などもあるかと思いますけれども、そういう問題のほかに基本的な賃金が安くきめられる原因があると考えています。その基本的な原因というのは、やはり看護婦の資格をとるための養成教育の水準の問題だというふうに私どもは理解いたしております。この点は厚生省でもよくわかっていただいている点だと考えるわけでございます。今日では高等学校を卒業してから三年間の看護婦養成教育の制度が行なわれておりますが、これは全日制ではありますが各種学校でございます。このことがやはり看護婦の給与をきめる場合に非常に問題になっているということが常々いわれていることでありまして、看護婦の業務が御承知のように機械だとか道具だとかそういうものを相手にする仕事ではなくて、生きた人間であるということ、しかもそれが身体的あるいは精神的、いずれの面におきましても障害を持っている病人を対象とする業務であるということから考えますと、この病人もまた物ではなくていわゆる社会生活を行なっている人間でありますから、この人たちの世話をするのにはやはりその人たちを人間として全人的にケアをしなければならないというふうに考えるわけでございます。そこで世話をするほうの看護婦自身もまた全人的なケアのできるような教育を受けていなければならないというような意味合いから、看護関係者、あるいはその他の一般の教育者の御意見などから徴しましても、看護婦の教育を各種学校制度から大学制度に切りかえるべきである、昇格させるべきであるということは、もういまでは言うなれば常識のような一般論となっていることは御承知のとおりだと思います。私どもはその線に沿って進めているわけでございますし、厚生省のほうでもその線に沿って看護制度検討会などでも答申を厚生大臣にお出しになっていらっしゃるというのは、私どもも拝見してよくわかっているところでございます。 ところが、その線で進められているものだとはかり思っておりましたのに、最近、今年度に入りましてから、厚生省では各種学校の看護婦の養成課程の中に定時制を導入するということを決意なさったようで、定時制を導入して実際にこれを行なっていくということについて、もうすでに結論を出し、そして都道府県の看護担当官を呼んで、それでその指示をお出しになったということを私どもも承っておりますし、そういうようなことがすでに行なわれたということを伺いまして、実はびっくりいたしました。と申しますのは、こういうことをするこの教育の制度のあり方、もちろん教育の方法論でございますから、全日制であろうと定時制であろうと、あるいは通信制であろうと、教育の方法論というものがあるということは存じております。ただ、看護婦の教育というのが、先ほど申し上げましたように、病人を対象としながらの実習を交えた教育制度でございますので、これは定時制とか通信制とかという制度は看護婦のためには不適当であるという考え方が以前からございます。それで看護婦教育には不適当であるから定時制は導入しないということを、いまの法律が実施されまして以来ずっと守り続けられてきたことだと私は考えております。それが突然そのよりなことになったわけでありますが、そうなりますと、戦争前に看護婦の養成が始まった当初のいわゆる徒弟式な養成制度、しかも医師を中心とした徒弟的な養成制度でやってまいりましたその当初と必ずしも違った形でできないようになる、基本的には同じような形になるのじゃないかというおそれがあると思います。そうなりますと、看護婦の質の向上あるいは量を増加しようと計画していらっしゃる厚生省のお考えに、はたして沿えるような結果になるかどうかということは非常に疑問だと思います。 と申しますのは、現在三年課程の全日制の看護婦養成所の入学志願者の数が全国平均で大体三倍ぐらいになっております。これはかつては、十年あるいはそれ以前のときには十倍にもなっていたものでありますが、だんだん減りまして、今日では約三倍というふうに報告をいただいておりますが、その場合でも、看護の大学教育を行なう学校あるいは短期大学も交えてですが、そういう学校の入学志望者は七倍または八倍と希望者が多いということも事実でございます。ですから、高校を卒業した若い女性たちが看護婦になろうとする場合に、大学教育のほうにより期待をかけ、希望をしているということも事実なのでございまして、それが各種学校であるところへもってきて、さらにそれが定時制になると四年間もやらなければならない。四年制の定時制ということで引き延ばされるということになりますと、はたして質の向上になりますか、あるいはまた、量的にも大勢求めてくるでしょうかどうか、これが非常に疑問だと思うのです。 私が考えますのには、昭和四十五年に厚生省が、高等学校卒業後一年以上で准看護婦の養成制度をつくろうということを計画なさったことがございますが、これは看護関係者によって反対を強く受けて廃案になったのは記憶が新しゅうございますこのときも、私どもの記憶では、医師会等はこれに非常に賛成して、そうして一年以上二年ぐらいかけて養成するつもりでございますと、その日の参考人として御意見を開陳していらっしゃいましたか、そのように、教育の中身は一年でいいんだから、あとの一年は働いてもらって、あとは教養でもつけてというふうに考えているから賛成ですと発言なさったのを覚えておりますけれども、私は、それの二の舞いを踏むおそれがありはしないかというようなことを非常に心配するものでございます。いままで定時制を導入しないで、看護婦教育は全日制で、そしてできるだけ早く学校教育法一条の系列に並ぶ大学に進めていこうと努力を進めてきておりますのに、事ここに至ってこのような計画をお進めになったということはほんとうに遺憾だと思うのですけれども、どういう理由が特別におありになって、厚生省はこのような制度を取り込むことに決意をなさり、すでに実施の方向へ進めようとなさっているのか、その理由をはっきりとわからせていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 広範な、基本的な問題について先生からお尋ねがあったわけでございますが、看護婦の給与につきましては、確かに各種学校でございますけれども、短大の三年卒と同様の処遇ということを基本にいたしまして人事院の給与改定がなされております。先生の基本的におっしゃるのは、やはり大学四年制度の一般大学と同様な制度にすることによって、給与へのはね返りも考慮されるであろうという御趣旨であることはわかりますけれども、現行において、各種学校であっても短大三年卒と同様の処遇であることは御承知のとおりでございます。 最終的に、御質問の今回の看護婦養成に定時制を導入したことにつきましては、基本的には昨年十月に「看護制度の改善に関する報告書」をいただきました中に、准看の教育制度について御答申がございます。で、現在女子の高校への進学率が全国的に見ても九〇%に達しておる。この点を考えますと、中学卒業者を基礎とするところの准看護婦の教育制度の存続には無理がある。このため、現在の准看護婦教育施設はできるだけ早く看護教育施設に転換していく必要がある。しかし、数多い准看教育施設を短期間に看護婦教育施設に切りかえることは困難であるから、かなり綿密な切りかえ計画を樹立して、それに従って看護婦の教育施設を切りかえていく必要があるであろう。この場合に、看護婦の三年課程に定時制を行なうことを検討すべきである、こういう御意見が出たわけでございます。 〔大野(明)委員長代理退席、葉梨委員長代理着席〕 この点については、結果的に見ますと、先生が危惧されるように、一つの指向している方向が、看護婦の養成を大学教育ですべきであるということに対する逆行ではないかというお尋ねでございますが、この点については、大学教育制度の導入が基本的には将来の方向であることは私も同様に考えるわけでございますが、各国の看護婦養成制度を見ましても、やはり大学教育課程を経た制度であるのと、病院付属による、日本でいう各種学校の養成施設とが並列して、逐次大学方向に移行しておるというのが現状でございますので、この点についても指向する方向は先生と同じでございますが、現実を踏まえた方法論としては、やはり両方の並列方式によって、しかも、量の確保と質の低下を招かないような努力をしていく必要が基本的にあろうと思うのでございます。 先生のおことばにございましたように、教育の多様性というものには、ある程度地域の事情あるいは個人の事情等勘案して、定時制によるところの高等教育というものも否定はしておらない点を、私も基本的には同様に考えるのでございまして、この答申を受けまして、われわれとしてもこの定時制の導入ということについて種々検討いたしまして、至急この問題だけの小委員会を引き続きこの制度検討会の中に設けていただきまして、種々御検討をいただいたわけでございます。 その中で特に、質の低下ということの、先ほど先生が高卒一年の准看と同様というような御指摘がございましたが、私は、率直に申しまして、この質の低下を来たさないようにする運営の指導要領等を、成案を得ました結果を見ますと、高卒一年の准看とは私は基本的に同列で御批判いただくべきものでなく、やはり高校卒四年の定時制による、しかも夜間ということを原則として避けて、教育というものをあくまで基本に考えた基準というものを設け、あるいは実習等におきます施設、設備等についても新たな条件を強化いたしましてこの条件を満たすならば定時制で実施することを認めるという、まあ、結果論を申し上げますと、そのような配慮を十分した上でこの問題に踏み切ったわけでございまして、御指摘の大学指向ということと逆行であるというきめつけに言われますと、まあそのようなことに形の上ではなるかもしれませんが、われわれは現実を踏まえて、やはり大学教育制度と養成制度とが並列的に逐次大学教育制度のほうに移行していくというようなことを考えますときに、教育の多様化あるいは地域の事情、それぞれの個人の教育への条件というものを踏まえて、このような四年制定時制制度というものを条件をきびしくした上で実施することに踏み切ったのでございまして、御批判は基本的にはわからぬことはございませんけれども、われわれなりにその点を十分検討した上で、この制度を実施できるような一応の条件を整えてきめたわけでございます。
○金子(み)委員 いまの局長の御説明でお考えはわかりましたけれども、要するに准看護婦養成制度を、切りかえた形でこれを持っていこうというふうな考え方を持っていらっしゃるように聞こえました。それで、いろいろな条件をつけてとおっしゃっていらっしゃるのもよくわかります。しかし、いままでの歩みを見てきて、それが条件が条件どおりなかなかできないということもよく承知しております。ですから、そのお気持ちはわかりますけれども、厚生省のものさしと地方の現場のものさしとが一致しないという点が非常に問題になるというふうに考えられるわけです。それといま一つは、その結論をお出しになるのに、ことしの初めから四月の初めまでわずか三回の検討会で結論をお出しになったということは、事ごとにおそく歩く役所としてはものすごくスピードアップをしたものだと思ってびっくりしたわけでございます。そんなに簡単に結論を出してもらっては困るような内容だと思いますが、しかしその問題はすでに出てしまったものでありますから、いまこの問題をここで論議する時間はございませんので、はずしたいと思いますが、しかし非常に簡単に、安直に、三回の検討できめてしまったというのは問題が残ると思います。 いま一つの問題は、准看護婦の養成制度が、中卒がいなくなったので当然高校生を対象にしなければならないから、そうすると看護婦教育へ切りかえるという、これは私どもも方向づけをしてもらいたいと思っていた点でございますので、これは同じ考えではございますけれども、それならば准看護婦の養成がいつ終わるのか、いつ終わらせようとなさるのか、准看養成の廃止をするその時期をはっきり明示なさるか、あるいは、その終わらせる時点において新しい形態の学校をお進めになるのかというふうな切りかえをなさりませんと准看養成を相も変わらず細々ながら進めている。それで、高卒の人がそっちにも入っていく、こっちにも入ってくる、大学にも行く、いろいろな形のものができ上がってしまうわけですから、そこら辺、けじめが非常にはっきりしない。その点をきちんとしていかなければならないのじゃないかと思うのです。准看養成をいつの時点で入学をとめて、そしてこの看護教育に切りかえるというふうにするのかというところが明らかにならない間にこれをお進めになったということは、私は看護教育の混乱をまたここで招くのではないかということが非常に懸念されるわけです。そうでなくとも、看護婦の養成教育の多様性はすでにいろいろと批判されている点でございますのに、さらに一つこれが加えられることになりますので、ここら辺はやはりもう少し研究をお進めになって、そしていますぐに実施なさるのではなくて、いま申し上げました准看養成とのかね合いにおいてどの時点で進めるかということをはっきりとさせていただきたいと思います。 この点につきましては、すでに厚生大臣のお手元に行っていると思いますけれども、先週開かれました日本看護協会の年次総会におきまして、総会の名において決議が行なわれております。その決議によりますと、「厚生省はさる四月十一日付けをもつて看護教育の中の看護婦三年課程に定時制を導入することについて、看護婦養成所の運営に関する指導要領を都道県に通牒しました。 このことは看護の質、量の充実に対する国民の切実な要求にこたえるものではなく昭和四十九年度日本看護協会通常総会において絶対反対であることを決議しました。この決議にもとづき次の事項の実現をはかるよう強く要望します。」というので、三年制の定時制は反対である。そして准看護婦養成は即時これを廃止して、そしてその廃止の時期を明確にすることというのが、期せずして看護協会から決議として出されておるのは御承知のとおりだと思います。これは看護の会員十四、五万を有する日本看護協会の総会の決議でありますから、看護職員の総意だと考えていいと思いますが、この反対決議がありましてもなおかつそれを振り切って、それでもこれを実現しようとなさるのかどうかということです。その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 この問題につきましては、先生は看護協会の決議をもとにされましてのお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、准看護婦教育制度を看護婦教育制度に、施設が現実にあるわけでございますのでこれを切りかえていく。これには相当の資金の投入も必要でございます。したがってわれわれは、じんぜんと申しましては語弊がございますけれども、やはり推移を見ながら、あまりにこれのことにちゅうちょいたしておりますと何ですから、決心は決心として早くしなければならぬということで、私なりの判断として、先ほど非常に短期間で制度が検討されたということでございますけれども、私はいま申し上げたような基本条件を踏まえて実施に踏み切ったわけでございます。 この点は、今後の五十年度以降の看護婦養成所の施設整備等の予算要求とのからみもございまして、答申にございますように、いわゆる切りかえ計画というものを樹立して、それによって逐次切りかえていく必要がある、こういうようなことが中心になるわけでございますので、そういう意味で踏み切り、なおかつ計画性を持っていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。したがって、廃止の時期ということについては、わが国の看護婦の需給計画というものとの関連もございまして、この御答申にございますように、相当の努力をしても、かなり綿密な計画を立てても短期間に切りかえは困難であろうというような御指摘は現実を踏まえての御判断だと思うのでございますし、われわれも同様に判断するわけでございます。したがって切りかえの時点というものは、先般社会党からお出しの保健師法案に照らしましても、准看護婦の受験は六十年四月一日以降は行なわない、五十五年の三月三十一日まで一応の養成のめどをお立てになっておる、こういうことも一つの考え方なり参考にはなりますけれども、即時という御要望については、現実を踏まえますときわめて困難な問題でございますので、この切りかえの時点についてはただいま明示することは困難でございますが、資金の投入計画あるいは養成の全体の量、質を踏まえて、そして見通しの立つ時点において、准看護婦の教育制度に対する切りかえを、制度的にもこれを明確にしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 私がいま即時と読んだのは私の意見じゃないですね。看護協会の決議文に「即時」と書いてある。私たちは即時ということを言った覚えは一度もありません。やはり看護婦の需給計画というものを踏まえた上での切りかえということは当然のことだと考えております。ですから、そんなむちゃなことは言わないつもりなんです。 ただ、あまりにもでたらめにと言ったらことばが過ぎますけれども、看護婦養成を便乗的に非常に都合よく、好都合に右にしたり左にしたりということは私は許せないと思うのです。そのことによって看護婦そのものの質の低下になることは必定ですし、そのことは日本の医療の内容を低下させることにつながっていきますので、私たちはその問題を強く申し上げなきゃならないと思っています。 実際問題といたしまして、もうすでに医師会立の看護婦養成所から申請の手続が出ていると伺っておりますので、そういうものに対して学校の指定を行なうなどということがございましたならば私は問題だと思うのです。ですから、准看養成をいつとめるかということについての時期はいま言えないと局長はおっしゃいましたけれども、いま直ちにここで言っていただかなくてもよろしいですけれども、片っ方で申請が出てきているということなどから考えますと、できるだけ早い機会にその時期をお示しいただかないと——早い機会にとめなさいという意味じゃありません。早い機会に時期をお示しいただきたいということです。そうしてそのことが明らかになった上で、こういう教育制度に切りかわるんだということをわからせるようになさるならば、私は心ある人たちはそのことを考えると思います。しかしそういうこともなさらないで、一方では准看養成はどんどん進めていっている、そしてまたこの教育も進めるということになりますと非常に混乱します。また看護教育というのは好きなようにされているんだなあということになって、いつまでたっても地位の向上ということははかられないし、いつまでたっても看護問題は低迷し続けて解決することがないと思うのです。 私はその点で申し上げていたのでございまして、この時期を明らかにしていただきたいという点をきょうはぜひお願いしたいと思います。私はこの問題は重要な問題だと思いますので、局長の御意見に基づいて、大臣からも御決意を伺いたいと思います。のんべんだらりといつまでも准看養成を進めていくのか、またいつの機会にこれを切りかえるように準備を進めていくのか、その辺のはっきりした態度、要するに看護婦養成教育の制度に対する厚生省の態度というものをきちっとお示し願いたい、そのように思っております。
○滝沢政府委員 先生から申請の問題等が触れられましたが、現在手元には、具体的には申請は出てまいっておりません。 それから定時制高校の運営主体につきましてはこれは基本的には限定するわけにはまいりませんけれども、行政指導といたしましては、できるだけ基本的な性格に、公的なものを中心に踏まえて実施できるような方向を行政指導の基本には考えていきたいというふうに思っております。基本的には内容その他が基準に合い、実施されていく保証された教師その他の確保が現実にあれば、われわれとしては審議会で十分検討していただいて認可する方針でいきたいと思うのでございます。 それから時期の明示の問題につきましては、結局法律の改正につながる問題でございますので、この点につきましては明示する方向を早くに検討しろという御趣旨は了といたしますが、現実に明示する時期というものを判断することは、現在においては責任あるお答えを申し上げることは不可能でございます。ただ、手続としては法律改正を必要とする。法律改正は、実態を踏まえてある時点を経過した後に法律改正に踏み切るか、あるいは法律改正を先取りして、期間を明示した上でそれに資金の投入というものを確認していただくという方法でやるか、これは手続上にはいろいろの判断があろうと思います。そういうことを踏まえまして慎重に検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○金子(み)委員 大臣どうぞ。
○齋藤国務大臣 看護婦養成の問題は非常に重要な問題でございまして、准看を看護婦一本のほうに統合していくと申しますか、そちらの方向に指向するということの方向的な適正さ、適当というふうなことは私も十分理解をいたしております。しかし現在の段階でそれを切りかえていく時期を明示するということはなかなか困難なことでございますが、そういう方向に向いていくことが望ましいことは同意見でございますので、諸般の情勢を慎重に考えて、その時期を明示することができるような条件をつくるために最大の努力をいたしてまいりたいと考えております。 定時制の問題についていろいろお話がございましたが、やはり看護婦さんの個人的な条件、その他いろいろございますので、やはりこういうことも必要であろう、しかもこの懇談会においてそういう意見もございましたので、ひとつそういうものを実行していこうではないか、ただしそれは医師会立などではなくて、あくまでも公共の団体が設立するという方向で弊害のないようにしていかなければなるまい、こういう配慮をいたしながら看護婦養成の多様な条件の中でこの養成を果たしていくという必要にこたえよう、こういうことで行なうことにいたしたわけでございます。金子委員のおっしゃる気持ちは私は十分理解をいたしております。そういう方向になることは望ましいということについては私も同感でございます。しかし、それにはやはりいろいろな条件ができませんと、ただいつからやります、こういうふうなことだけでは問題の解決にはならぬ、こういうことで実は慎重にしているわけでございますが、そういうことの時期を明示できるような条件の整備に一そうの努力をいたしてまいりたいと考えております。
○金子(み)委員 いろいろな条件を勘案しながら看護婦になる人たちのために考えてあげなければということはよくわかります。しかしそれだったら、基本的に修学資金を増加するなりいろいろな方法があると思います。何も定時制だけがいい方法だとは限らないのです。それをこの場合ばかりは非常にすみやかになさったという点に非常に疑惑をいつまでも持つわけなんです。その時期を早く示していただきたいということについては、いろいろ考えなければならないこともよくわかります。しかしこの問題はいま始まったことではない准看を養成から切りかえる問題は。ですから、もうこの問題はとっくに検討してくだすっていて、いつごろやめるかという時期を明示なさることができるような時期になっているのじゃないかと思うのですね。これから検討なさるんだとすれば非常に怠慢だと思います。ですから、できるだけ早い機会にその時期をお示しになるということが非常に大事なことだと私は思います。それによって進めていっていただきますように、少なくとも申請が出てきても、先ほど局長も今年度は予算の関係もあるとおっしゃっておりましたが、その学校を審議会などで指定をして、そして来年の四月から出発するというようなことのないように、しばらくこの制度は凍結していただきたいと私は思うのですが、最後にこのことについての御意見を伺わせていただいて質問を終わりたいと思います。
○滝沢政府委員 凍結という一つのお考えを示されたわけでございますが、われわれも行政として一つの判断をし、また一つの指導要領等手続を完了いたしておりますので、御趣旨の意味はよくわかりますけれども、切りかえ計画では、先ほど申しましたように、資金の確保、運営費の補助、それから施設整備費の補助、これを明確にやるようになっておりますので、これらの点を踏まえた上でということになりますので、先ほど来申し上げましたように、これが判断というものには相当の検討を要するというふうに思っております。 結論として、凍結ということばについて、現実に条件を踏まえた施設が、われわれの納得できるあるいは審議会において御許可がおりるような条件の設定されたものが出てきた場合については、私は凍結という考え方を採用せずに、新しい一つの方向としてこれは実施に踏み切り、それにおいて内容その他の御批判なり御検討の事項があればそれはそれなりに改めていくということで考えたいというふうに思っておる次第でございます。
○金子(み)委員 時間になりましたので終わりますが、たいへん失礼な言い方ですけれども、何と言われてもやることはやるんだというふうに聞こえます。そういうふうなことであっては、私は問題はずっと残ると思うのです。指定してしまってから内容について御批判をとおっしゃいますが、一ぺん指定した学校の指定の取り消しということは非常に困難だということを御承知だと思います。ですから、指定をされる前にこの問題は十分検討する必要があるから、しばらくそのことは考えてほしいということを申し上げたのですけれども、いまのような御回答でしたから、たいへんに残念ですけれども、この問題はこれからも私たちはきびしく監視しながら進めていきたいと思います。ありがとうございました。
○葉梨委員長代理 原茂君。
○原(茂)委員 貴重な時間を同僚の委員からさいていだだいてありがとうございました。きょうは、今国会の衆議院では公害環境特別委員会、二月、それから参議院の予算委員会、三月二回にわたって大臣あるいは局長の意向をすでに一部お伺いしている大腿四頭筋短縮症、この問題に関してその後の進展、政府のこれに対する対策、あるいは私のほうからはお願いを込めていろいろと申し上げてみたい、こう思うわけであります。時間があまりないようですから、お答えも簡単にお願いしたいと思うのです。大体の経過あるいは病状、その他数字については頭に入っているつもりでございますから、そのようなことの御説明はちょうだいしなくともよろしいと思います。そこで、第一の前提として私申し上げておきたいのは、この種の問題が起きたときに何が一番大事かというなら、患者の救済が第一だ、こういうたてまえをとることが大事だろうと思います。 このような観点から見ましたときに、二月、三月の委員会等における御答弁を見ましてたいへん不満でございますし、一体これで患者救済に対して真剣な国の態度が表明できておるんだろうかという疑いすら実は持つわけでございます。 冒頭に大臣からお答えをいただきたいのですが、この問題に関してずっと政府のとってまいりました態度にかんがみて、現在どういうふうにお考えになっているかをお伺いをしてみたいと思います。大臣の答弁を聞きたい。
○齋藤国務大臣 大腿四頭筋短縮症につきましては、私も直接参議院の予算委員会において御質問をいただいたわけでございまして、医務局を中心として、まず第一に県のほうを督励しながら原因探求の調査をやりましょうということをまずいたしてございます。 それから二番目には、こういう子供さん方の医療費の問題でございますので、育成医療の適用を行なうことによって医療費の負担軽減をはかろうこういうふうな措置を講じておるわけでございます。 ただこれは山梨だけではなくて、そのほかの県にもあるようでございますので、そういった県とも連絡をとりながら、原因究明、そういう方面に力を入れて努力をいたしておるところでございます。
○原(茂)委員 この問題が今日ここまである意味では放置をされて、適切な対策、措置が講じられていないことに対して、大臣がどうお考えになっているかをまずお聞きしたわけです。私は大臣としてはやはり相当の責任を感じた意思表示があってしかるべきだ、こういうたてまえを実は持っているわけであります。 そこで局長からお伺いしていきますが、何か最近研究班をおつくりになって、この問題の検討に当たっておられるということですが、研究班の構成、いつからスタートして、今日に至るまで何をやってきたかを簡潔にひとつお答えをいただきたい。
○滝沢政府委員 四十八年度の研究には、児童家庭局母子衛生課所管の、心身障害研究費の中の小児糖尿病等の早期診断と医療に関する研究、これは班長は平山東大教授でございますが、大腿四頭筋短縮症の問題もその中に含めまして、取り上げて研究をいたしております。四十九年では、官房所管の医療研究助成補助金によって研究を進められるように現在これを手続中でございます。
○原(茂)委員 人員の構成、それからその職種もちょっとお聞かせ願いたい。
○滝沢政府委員 ただいま手元に四十八年度の班長名だけはわかっておりますが、後ほど資料として提出させていただきます。
○原(茂)委員 私がこれを申し上げるのは、日本の学界、医師集団といったほうがいいのかもしれませんが、やはり縦割りには相当しっかりしたつながりなり動きがとれるようになっている。全体が横に連携をとりながらの機能を発揮するという意味では、どうも日本のお役所と同じように、やはり学界そのものにもそういう弊害があると思うのです。ですから、研究班を構成なさるといっても、この種の難問題にぶつかるときには、一厚生省だけの、あるいは東大の一教授の協力を得て云々というのではなくて、私は医師集団全体との協議の中から大プロジェクトチームをやはり組みまして、ここにテーマをぴしっと与える。一体この病気の発生原因は何か、現状はどうなっているか、第三には、これをどうやったら回復できるかといったようなテーマをぴしっと与えていくというような仕組みが、スタートにおいて、従来やってきたような、いわゆる研究班をつくった、調査班をつくったというのではなくて、われわれがいままで経験している弊害というものを踏まえながら、やはり大きなプロジェクトをここで組むようなことが必要だという意味でお聞きをしているわけであります。そんなふうになっていますか。先生方の名前、全部言っていただくと大体そうなっているかどうかわかるのですけれども、どうも私の想像では、そういう心がまえ、そういう体制ではスタートしていないんじゃないかという心もとなさを感ずる、こういう意味で御質問しているのです。
○滝沢政府委員 実は先生の、研究というものの仕組みについての御指摘は、一般論としてはごもっともだと思うのでございます。 ただ、この大腿四頭筋につきましては、実はいま先生が御指摘の問題は、生後、いわゆる先天性でなくて後天性を論じておられると思うのでございますが、実は、文献その他専門家の御意見では、後天的にも非常に似た要素のものもあるということでございますが、その区分けはなかなかむずかしいようでございます。 主として後天的に起こる大腿四頭筋の短縮症につきましては、ほぼその注射の場所、回数、こういうようなことが問題になっておりましたところ最近、新聞紙上等でも御存じと思いますけれども注射液自身の性格の問題が東北大学の赤石教授から発表されました。これが新たな問題として提起されましたので、この点につきましては、中央薬事審議会の副作用調査会、これは本日開催しておりますが、ここに御審議を願いまして、薬務局、いわゆる薬剤サイドの安全性の立場から、この問題についての研究を進めるということでございます。注射の回数が多い、あるいは場所、こういうことも医学的にはかなり諸外国を含めて結論が出されておるようでございますし、それから治療方法は、整形外科の分野でかなり成果があがるし、治療ができる、しかし、これが重症の場合については、一生のうちに何回も手術をしなければならぬというようなケースも起こる可能性があるそうでございます。成長期でございます。そういうようなことも踏まえまして、研究の余地がないという趣旨で私はお答えしているのではございませんで、かなり内容はわかっている、しかし、これをおっしゃるとおり総合的に検討する必要があるだろうということで、研究費の中身としては、現状の把握あるいは治療方法のさらに改善ができないか、それから原因については、いま注射薬のほうからのアプローチというような方向で検討されておるわけでございます。
○原(茂)委員 それはあとでまた資料としてちょうだいして、決算委員会でまたすぐ来週、厚生大臣に来ていただきますから、そのときに続いて、そのメンバーを見た上でいまの問題は論議をいたします。 私の想像では、まだまだ体制が小さい、こういうふうに考える前提でお伺いをいたします。二月の委員会の局長の答弁で、現地調査をまだやっていないというお話があったのですが、その後おやりになりましたか。現地を実際に調査をする。県中心の対策委員会なら対策委員会に出張っていって、ただ報告をここにいて聞いているのではなくて、その現地における調査を、やはり何といってもこの種の大問題に対してはおやりになるのが当然だと思う。これはおやりになっておりますか。
○滝沢政府委員 現地といって、山梨を例に引きますと、私のほうは、実はこの病気が個々の医師の患者との医療行為に基づくものであって、たとえば非常に大きく何か社会環境が影響したとか、公害のようなものですね。そういうような形でないことがほぼわかっておりますし、また地元の知事が御指示になりましていろいろの協議会ができて、その内容も、専門医等を導入してやっておりますので、その実態から申しますと、率直に言って中央からこれを指導しなければいかぬという内容が、この事件の性格上あるものですから、私のほうでは県の要請があれば出向きますよという連絡は県といたしておりましたが、県独自でいろいろの判断ができるということでございまして、今後の治療面あるいは東京の国立病院を利用するというような、そういうことについては、必要になったらひとつ相談に乗ってくれというようなことは具体的には意見として出ております。
○原(茂)委員 厚生省は国の立場で広く国民のこの種の難問に関しては、率先これが早く安定をし、不安定を除くということが任務なわけです。生活面においても同じであります。私が言う現地を調査しなければいけないというのは、患者の実態と、生活そのものもどういうふうになっているのだということを、単に県がどういうふうに報告しているかだけで、それで事足れりとしないで、厚生省の行政の責任からいうなら、当然出ていって、患者の実態はどうなっているのだ、しかも生活の環境はどうだ、これを取り巻く家庭なり両親が一体どんなふうに苦しんでいるのだというようなことをまず知っていなければ行政の名に値しないわけです。その病気がどうである、こうであるということだけをやっているなら、厚生省なんか要らないんだ。厚生省の存在する理由というのは、その種の病人の環境が一体どうなっているのだ、これで一体なおるようにできるか、両親を中心にした家庭生活はどうなっているのだろうかというようなことを実際に見なければ、知らなければ……。 それからもう一つは、やはりこの病気はやがて手術を必要とする、あるいはその他の治療にいたしましても、指定医療機関というものがやはり十全にあるかどうか。それが、指定しようと思えばあるのに、指定機関がないために、とんでもない遠くから無理な病人が通っているというようなことは、また生活を苦しめ、患者には非常な苦しみを与えるというようなことだって、ただ報告だけではなくて、現地へ行ってみて、そこで初めて、まだまだ報告し足りない、報告以上の問題点を厚生省の立場でこれをチェックしていく。そうして進んで先取りしてその手当てをしてやるというところに私は厚生省の存在理由があると思いますが、どうでしょうか。
○滝沢政府委員 先生の御質問の御趣旨はよくわかります。ただ、この育成医療にいたしましても、先ほどの医療の中身の問題にいたしましても、これが県の段階で育成医療などの判断はできますし、また法律上も知事の任務になって、権限になっております。そういうことで、先生の御質問にことばを返すわけではございませんが、個々の家庭環境というようなことまでについては、これは県のほうの実態の上で、たとえば育成医療の上で何かもう少し手を回さなければならぬというようなことがあるならば、県のほうと御相談してこれをやるというようなことになるのでございまして、たとえば指定医療機関の問題につきましても、実は指定医療機関というのは、それだけの経験と技術のある医師がいないと指定できないのでございますので、したがって、先ほど例に引きましたように、場合によっては東京の国立等で応援する必要があれば応援しますよということで県の部長とは話しているわけでございまして、御趣旨は実態としてはよくわかります。やはり国がこれだけの大きな問題にもっと直接的にやったらどうかという御趣旨はわかりますが、事柄全体の運びはかなり知事の責任と判断においてできる問題でございますので、こまかい点について援助の必要があれば、基本的には国に要請してくれと県のほうに言ってございまして、そういう態度でいままで来ております。この点につきましては具体的に問題の提起があれば、われわれの態度が不十分であれば、それは改める必要があろうと思いますけれども、いままでの事件の内容それから事件の性格、そういうものから判断いたしまして、県の要請を受けて立つという形でおるわけでございます。 〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕
○原(茂)委員 これは伊豆沖地震ではありませんが、あるいは天候が悪くて冷害が起きたというような災害が起きますと委員会から出るばかりではない、当局もすぐ出ていくようになっているのです。現にやっているのです。この種の問題はそれに相当しないほどたいした問題じゃないのだというのと同じ態度なんです。実はこの種の問題は、そういう態度を示すことによって、患者あるいはそのまわりにおける人心の安定という意味からも政治的に当然配慮すべきなんだ。いまだに、あの二月以来、そのことを指摘されながらまだ現地へ行っていないというようなことは、非常に政治的な配慮というものが欠けている、行政の欠如だと私は思う。やはり大至急に現地に出ていくべきです。第一そのことが人心の安定になる。非常な不安を患者は持っている。そういう意味からも、いま通り一ぺんの答弁があったようなことではとても承服できませんし、やってはいけないと思うのです。 そこでお伺いするのですが、スモンですとかいまいろいろ問題になっている、国民運動的な要求が起きて訴訟をやって、ついにこうなったああなったといういろいろな問題がございます。たとえばスモンならスモンでいいのですが、スモンの患者は全国想定で何名ぐらいになるとお思いになりますか。同時に、東大の高橋先生がお答えになっているように、大腿四頭筋短縮症は全国よく調べたらおそらく数万例になるんではないかといわれております。参議院の予算委員会で正式にその陳述があった。皆さんお聞きになっている、数万例という。スモンならスモンというものがあれだけの大騒ぎになりましたし、国家的にもいまいろいろとこれに対する対策を始めました。一体スモンの想定の患者数というのはどれくらいになるとお思いになりますか。
○滝沢政府委員 私の記憶が不正確かもしれませんが、一万以下でございます。
○原(茂)委員 どうですかね、一万以下のスモンあるいはそのほかの問題を見ましても、全国調べたら数はおそらくいま高橋先生の言われた数万例に及ぶだろうという——調べて数万例出てきちゃった、だから国家的な大騒ぎにこれからするんだというのが日本のいつもの行政なんです。そうではなくて、もうさんざん皆さんもこりておられる、何回かやってきている。長い間裁判をしたりむだな時間を使って、そうして不当な精神的な苦痛を与えて、今日いろいろな問題がついに行くところへ来たという感じで、初めて解決らしい状態を、あとからあとからちょっとずつばんそうこうを張るようなことをやっている。そうではなくて、少なくともいまは局長のおっしゃったように、もう相当の文献の中でもわかっているし、古くからこの問題がある。したがって、わかっているのでというような、それほどにある程度問題点がわかっているなら、しかもそれがなるほど調べていったら何万という例になりそうだと思うようなこの問題を、いまはもっと真剣に取り上げる態度というものがなければいけないだろうと思うのです。そういう意味で申し上げているのです。 この病気が日本においてたくさん整形外科学会その他に多発的に提起されてきて、そして、これは大きな問題だな、これは相当数が多くなってきたな、原因は注射だな、クロマイだな、こうだなというようなことがわかってきて、まあ大体常識的にこれはクロマイの注射による、しかも何回かの注射を、体質によって違うけれども、やることによって起きる病気なんだなということがほぼ日本で皆さんが確定したものとして、常識的に考えられてきたのは昭和二十七年ごろじゃないですか。いまから二十二、三年前じゃないですか。委員会などの答弁なんか聞いていますと、まるでいまごろ知ったような答弁をなさっている。ところがこんなことは常識的には日本の場合二十年から起きている。それがだんだん整形外科学会に対するいわゆる報告が非常に多発的になってきた。二十七年ごろからこれは常識化している。これはクロマイをこんなところへ、いつも同じようなところを何回かやるというと、高橋先生に言わせると二十回まで、二十回以上は、こうおっしゃるのですがそうでもない、二回、三回でこれが起きる場合もある。あるいは何十回やってもまだそうたいして起きてこない。年をとってくると起きてくるわけですけれども、そういうような状態もある。しかし定説、常識としては、昭和二十七年にすでにこの問題は本来厚生省がたいへんな問題として取り上げなければいけない時期だったと思うのですがいかがですか。
○滝沢政府委員 高橋先生の参議院における証言をお聞きしました記憶からいきますと、確かに三十年前後である程度この問題がわかっておる、ただ患者の増加していくのはおそらく国民皆保険等を踏まえた医療制度全体の変革とやや並行しておるというような御意見もあったと思うのでございます。 この問題は、実は専門家の御意見に従いますとどちらかというと小児科専門医というものは子供の注射について非常に慎重である。わが国の医療制度は、御存じのように、小児専門家が小児だけを見るというのではなくて、内科の方が小児科という標榜をし、また患者さんも子供を連れていくあるいは産婦人科と小児科をあわせて指導しているというような、山梨の例などはそのように聞いておりますが、そういうことで、小児科の分野の方々からいくと、小児科以外の方にやはり事故の発生が多い。注射の多用というような問題に対する判断もやはり不十分である。こういうことで、医学、医術の進歩、薬品のいろいろクロマイ等の導入ということともちろん関係がございますけれども、個々の医師が判断によってやる個々の医療について、行政的にこれを適切な標準を設けるというようなことでただいま指導いたしておりますのは、医師法二十四条の二に基づきますところの血液型の検査の標準的な手続だけは、これは医師として全部共通して手続を踏むべしということで厚生大臣の指示できる事項の一つとして、特に必要あるときは指示できるという二十四条の二の指示に基づいて、血液型の検査の手続だけは、医療にまつわる問題の中で唯一の行政が介入して指導しておる一点でございます。 その他については、個々の、医師の判断でございますから、先生の御指摘のように、手ぬるいといえば手ぬるいわけでございますが、わが国の医師の子供に対する注射の多用、あるいは率直に申しまして、国民一般の注射に対する過信、そのようなことも踏まえて、外国ではこのような例は少なくなり、ほとんどあとを断っておるというふうに聞いておるのでございます。 この問題については、医療制度あるいは医師のこれらの問題に対する判断全体の問題でございますので、学会あるいは医師関係の雑誌その他でこの問題はもうつとに取り上げられてはおるわけでございますけれども、やはりそのような行政的な面でこれをどうするかについては、結果的には非常に手ぬるいような姿になりますが、われわれとしては医療の個々の行為に対する介入の問題に対する限界というのがございまして、したがって、今回指摘された薬品の改善と安全性の確保、こういうようなものこそ行政の面から確保していかなければならないというふうに考えておりまして、何と申しますか、医療内容ということと医師の行為と、それから行政との関係ということで率直にお答えしましたので、非常に御不満の点があろうと思いますが、われわれとしてはこのような問題だとえば盲腸を切り過ぎる医師があの町にいるというようなことに対して、行政がそれは盲腸でないものまで盲腸として切っているのだというようなことをすぐ介入して指摘するというようなことは、保険の医療監査の面からはできます。何かの薬品の多用とかあるいは診断、検査の病名との間の適合していないというようなことは、保険の監査からはできる方法であろうと思うのでございます。
○原(茂)委員 時間がありませんから、それにもまた意見がありますが、そういうことはあまりやりません。 具体的にお伺いしてみますが、多発多発といわれていますが、顕著にこういう問題が起き始めたのは、高橋先生は昭和三十六年健康保険の治療が行き渡ったときに軌を一にしている、こう指摘されている。確かに数字を見ますとそういう数字になる。まだまだ数は少ないのですが、全国の患者全体、児童全体を調査してもらわなければいけません。いずれにしても健康保険と軌を一にしているというところだけは数字の上である程度そうかなと思えるわけであります。 私はしろうとでよくわかりませんが、クロロマイセチンという薬は抗生物質の中では現在非常に安い。アメリカなんかではよっぽどのことがない限りもう使わない、禁止的な状況になっている。非常に毒性が強い。安くて、しかも現在の医療制度からいうと注射という技術に対しては点数が相当にいい。いやな言い方で先生方がおおこりになるかもしれませんが、この病気の起き始めた主たる処置の内容を見ると、安いクロマイをできるだけ多く注射をすることで収入が多くなるという面だって私は無関係ではないという感じがするのであります。もっと端的にいうと、現在では点数を追っかける医者、点数に追っかけられる医者とある。点数を追っかけるのは追っかけ始めてみるとおもしろくてしょうがない。どんどん経済的にゆとりが出てくる。お医者さんに高額所得者がだいぶ一ぱい出てくる。あれは、悪いかもしれませんが、あるいは点数を追っかけるほうの医者で、追っかけてみたら非常におもしろくなってくる。どんどん利益が出てくる。こういう追っかける医者と点数に追われていても、経済的には苦しくても良心的に勉強をしたおかげで、どうもこういうものは使おうとしても使えない。いろいろと年に一回か二年に一回かくらいずつ、厚生省か医師会か知らぬが主宰をして、既成の医者に対する研修会みたいなものがあるでしょう。そういうものに出て使うべきではないことをもうとっくに知っていた自分で勉強してもわかっている。したがってこういうものを使うべきでないというので内服薬を中心にして、注射をなるべくしない。収入が減る。でも点数に追っかけられながらも良心的にやっているお医者さまと、二つに分類してもいいのじゃないか、乱暴な話が。その先のほうの、点数を追っかける側の先生にたまたまぶつかった患者が気の毒にこんなことになったのだ。全部ではないにしても大まかにはそういえるのじゃないか。どうでしょう、こう思いますか。
○滝沢政府委員 まことに率直な先生の御質問でございますが、私は山梨県の事例について、山梨県医師会として責任持った調査の結果も資料として見ております。先生のおっしゃることが非常に該当すると申しますか、端的にうかがえる感じを持ったのでございまして、そういうような点については非常に重要な問題であろうと思っております。
○原(茂)委員 そこで、患者救済第一主義をここではとらなければいけません。そうした原因がどうのこうのということも当然必要ですが、いまそれが視点ではない。しかし現にまだ不勉強な医者がいれば、平気でどんどん使っているかもしれない。これに対しては絶対にもう使うことのないように、たとえばかぜ引いて熱が出たからといってすぐやる。そんなことはいけないのですよ。クロマイをもし使うとすれば二次感染の場合でしょうね。それを、かぜを引いた、熱がある、ぱっと使う。こういうような状態が絶対にないようにするという手当てをしなければいけません。これが一つであります。 それからもう一つは、現に先ほどからちょいちょい出ております育成医療という問題です。これは公費で、国と県が八、二でめんどうを見るということになっているのですが、実際に公費でもって全部めんどうを見られるようになっているかというと、どっこいなかなか所得制限か何か、幾らが制限だか知りませんが、そういうものがあって、やはり何万かの自己負担が出てくる。そういう自己負担の起きる原因の所得制限というのは、夫婦ともかせぎでやっている場合、夫婦の収入がある、そうすると制限額の幾らかより多くなる、だからだめだ。こういうような制限が実際にあるようです。これは局長がおいでいただいたのであとで御答弁いただきたいのですが、ところが、現にきょうまでの収入を調べると夫婦で幾らかの収入はあるけれども、この子供を一度目、二度目の手術をしよう、入院をしてめんどうを見ようということになれば、その日からはつき添ってずっといなければならない。国立小児科病院でありませんから完全看護なんかしてもらえない。どうしたって親がいなければならない。そうすると、おとうさんかおかあさんがつきっきりになる。その日から現に仕事を休むのです。その日からは収入がないのだけれども、きょうまでの収入を調べると制限にひっかかるような確かに所得があるかもしれない。あるらしい。現にそういう問題が一ぱいあるのです。そういうのも所得制限という項がある限りやむを得ないんだ、育成医療の適用はむずかしい、こういうことで県から突っぱねられている。こんなばかなことがあってはいけないと思う。きょうからつき添いするんですから、完全になおるまで仕事ができないんですから——という実情を加味した育成医療適用の所得制限に対する解釈ができなければいけない、なさるべきだと思う。 時間がありませんから順次申し上げておきますが、三つ目には、現在までこの種の問題で何年となく患者のまわりは悩んできたのです。いままで相当な金を使ってきた。たいへんな金です。いまのような高いときでも家が一軒建てられるようなお金——実はあそこの医者へ行き、こっちの病院こっちのマッサージ、こっちのほうへ行って、この病気は何だろうというので、二年も三年も歩いて膨大な金を苦しい中からずるずる使っている患者が大部分なんです。したがって、この問題の第三の大きな患者救済の問題としては、過去の医療に対してもこれを救済するという措置が講じられなければ、実際に適切なこれに対応した処置とはいえない、私はこう思う。そういうことが可能になるように御配慮願えるかどうかということが一つ。 それから先ほども申し上げたのですが、現在の研究班というものの実態はあとでお聞きいたしますが、全国やはり一斉に児童の健康診断を無料で行なって、早期にこの種の患者らしい者を摘出する、ピックアップするということがさっそく行なわれなければ、現に進行している、その対策を考えているいまでも、全然そのことを知らずに親たちが苦労をして、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして医者に、うちの子供はどうしても曲がってきちゃって、だんだん短くなってびっこを引いておかしいんだというので、過去大ぜいの人がやったと同じむだなことをぐるぐるやらせる危険がある。したがって、全国の児童を一斉にここで無料で健康診断を早期に行なう必要がある。それから、これは私がしろうとで言い過ぎるのかもしれませんが、医師会というものがこれにどう対応するかというのが非常に問題だと思う。まあ齋藤大臣なんかは医師会の武見さんと苦労して、あっちへけんかしたりしなかったり、いろいろやってこられていますが、私は医師会の使命というものは、やはりこういうときに積極的に負うべき使命があってしかるべきじゃないかと思うのです。医師会に言わせると、いや年に一回、二回なり、県単位でもってちゃんと既存の先生の教育はやっているのだ、研修はやっているのだ、こう言うだろうと思うのですが、研修だってあんな短い時間でなくて、泊まり込みで年に二回ぐらい真剣にやらなければ、いまの農村へ行けば行くほど忙しいせいか、不勉強であります。どんな資料だってみんなほこりだらけで、皆さんがよこしたものを積んでおる。大事な薬の問題を書いた本でも見るひまがない。だから不勉強でこういう問題を起こす。勉強足らずですよ。というようなことから言うなら、やはり医師会そのものも協力体制をとらなければいけないという示唆を、厚生省からも提案をぶつける、厚生省もこれに対し必要があるなら医師の再教育というのか、研修会というのを年に二回くらい、やはり泊まり込みくらいで真剣にやらせることを義務づけるようにする必要が、私はあるのじゃないかと思うのが五つ目であります。 それからもう一つは、将来の医師対策という観点からこの問題を考えておかないといけないのじゃないか。要するに医師に対して義務づける。抗生物質を使うときに、その使うことによって、過去あった、未知のものはやむを得ませんが、これこれの処置をもしやって、間違って注射をしてこの種の問題を起こしたときには、こういう罰則を設けるといったくらいのきつい一つの制度というものを設けるくらいにしないと、真剣に勉強しないおそれがあるのじゃないかというふうに私は思うわけですね。ですからこのこともやはりやっていいただく必要がある。 最後に、要は先ほど冒頭に申し上げたように、現在では患者の救済、家族の救済第一主義でいかはければいけませんので、そのために一、二、三、四、五と申し上げた中の一番大事な育成医療の適用の問題、あるいはいままでの経費の問題というようなものに対して、どういうふうに措置を講じていただけるかを、これは大臣が責任者の立場でお答えをいただいて終わりたい、こう思います。
○翁政府委員 御指摘のございました育成医療についてお答えを申し上げます。 本件につきましては、当然児童の生活能力を高めるために治療を必要とする場合につきましては育成医療の対象になることはもとよりでございます。つきましては、先ほど御指摘のございました徴収金の問題でございますけれども、例をあげてお話しになりました、御夫婦で収入を得ている場合、おかあさんが付き添いになってその日から収入が減る、したがって、そういったものに対するひとつの配慮がないだろうか、こういうように承ったわけでございますけれども、現在、児童福祉法で徴収基準を定めております一番基本になる点は、前年度における扶養義務者の所得が中心になっているわけでございます。これも御承知と思いますけれども、市町村民税の非課税世帯までは無料でございます。したがいまして、これは病院に入院されるわけでございますので、所得が二百万前後の方々については大体五千円か六千円の徴収金になろうかと思います。したがいまして、現行制度のもとにおきまして、ただいま御指摘がございましたように、入院される時点における所得というものが徴収基準の算定の基礎になっておりませんので、徴収金というたてまえから申し上げますと、前年度所得ということがあくまでも中心になっているわけであります。それを今後の長い目で、入院あるいは収容されている方につきましては、その時点の所得、減りました所得は来年度の徴収基準にはね返っていく、こういう仕組みになっております。したがいまして、これをお示しになったように、直ちに変更するということは非常にむずかしい問題ではなかろうかと思います。それから私どもの関係でもう一点、いわゆる健康診断の問題でございます。児童福祉法並びに母子保健法のたてまえでは、零歳児につきましては年二回無料の健康診査ができる仕組みになっております。保健所では常に健康診断は無料でございます。三歳児につきましては無料の健康診断が年一回、これも御承知のとおり小学校入学適齢時におきましてまた健康診査があるわけでございます。 ただいま御指摘がございましたように、一斉に一度にこのことを目的とした健康診断はございませんけれども、毎年健康診査の中身を厚くし、また無料の制度を広げることによりまして、こういった問題が起きている地区、たとえば山梨県、長野県等につきましては、こういうことを重点にした健康診査をお願いするという方向で、一刻も早く問題を洗い出し、そしてこの対策ができるようにするということが、われわれ行政のつとめであろう、かように考えているわけであります。
○滝沢政府委員 いろいろの御提案がございましたが、医師会に対する生涯教育と申しますか、社会に出たあとの医師の教育問題につきましては、かねがね医師会とも相談しております。国の予算上の措置が必要であるかどうかも含めまして検討させていただきます。
○原(茂)委員 ちょっと途中で……。局長のほうの御答弁の育成医療の問題ですが、どうもいま無理じゃないかと思う、それを無理じゃないかと思うのを、何とかしてやらなければいけない状況にあるのだから、どうこうしなければいけないと思うのですが、それを検討する余地ないのですか。全然いまは無理だと思う、だめだと言いっぱなしなのかどうか。私は、国の責任でこの種の医原病に関して、当然薬事の問題あるいは医師の技術の問題その他あるにいたしましても、いわゆる厚生当局としては、責任ある立場で前向きでこの種の難問を一つ一つやはり打開をしていくという態度がなければ、いま制度があってこの調子だから無理だと言うだけではいけないと思うので、大臣、それを含めて最後の決意をお聞かせ願いたい。
○齋藤国務大臣 この問題につきましては、その患者さんの救済にあたるということを第一にすべきであるという御意見、まことに私もそのとおりだと思います。 まあ、ただ過去の医療費を云々ということ、これはちょっと私はむずかしい問題だと思いますが現に育成医療を受けておられる方々について、そういう収入の認定等についてもう少し考える余地はないか、改善する努力をする余地はないか、こういうお尋ねでございます。この問題につきましては私も県の実情を十分調べまして、県の意向も聞きながら、どういうふうにすればもう少し軽減することができるかとか、そういった問題について、ひとつできるだけ前向きに実態に即して改善ができるかどうか、十分検討をいたしてみたいと思います。
○原(茂)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○野原委員長 森井君。
○森井委員 一般質問の機会を得ましたので、限られた時間でありますから、私からも一点だけ御質問申し上げたいと思います。 お聞きしたいことは、戦艦陸奥、これは山口県の岩国沖の海底に沈んでおりますかつての戦艦でございますが、なぞの爆沈を遂げまして、現在なおたくさんの遺骨が残っておるという問題であります。 最近の厚生省は、たとえば小野田寛郎さんの救出やら、あるいはまた去年はトラック島で沈没潜水艦の遺体の収容やらほんとうにめざましいと申し上げますとおせじになりますけれども、精力的に努力をしておられますことにつきましては、私も評価をしたいと思うわけです。また四十九年度予算、もうすでに予算になっておりますけれども四十九年度でも巡洋艦の那智、これを二千数百万円かけてやはり遺骨の収集をされるというような動きがあるわけでありますが、奇妙なのは、そういうふうな海外のそういった遺骨の収集等につきましては非常に精力的にやっておられるわけでありますが、いま申し上げましたように、肝心の国一内の海底に眠っている遺骨の収集について、何か厚生省として少し冷淡なんじゃないか。特にこの問題は、昨年の暮れまでは深田サルベージという会社が海底で艦体を解体しながら遺骨の収集作業を続けてきておられたわけでありますが、ことしになって打ち切られました。遺族はたいへんな悲しみにいま襲われておるわけでありまして、何とかしなければならぬ、こういうことだと思うのです。それだけ申し上げますと事態についてはおわかりだと思いますので、現状どうなっておるのかごく簡単にお答えを願いたいと思うのです。
○八木政府委員 戦艦陸奥の御遺骨の引き揚げの問題でございますが、先生お話ございましたように、戦艦陸奥は昭和十八年の六月八日に山口沖で原因不明の沈没をしたわけでございますが、当時の死没者といたしましては、三好艦長以下千百二十一名ということでございますが、その後現在までどの程度の御遺骨が引き揚げられておるかということでございますが、沈没当初は旧海軍の手によりまして百六十五体の御遺骨が引き揚げられております。それからその後、昭和二十四年に西日本海事工業株式会社によります、当時陸奥の搭載物資の引き揚げという際に、御遺骨の引き揚げも行ないまして、その際に六百八十四体という御遺骨が引き揚げられております。それから昭和四十五年七月から現在まで、お話ございました深田サルベージ会社によります引き揚げにおきまして、現在まで二百二体ということで、合計いたしまして千五十一体の御遺骨の引き揚げが行なわれておるわけでございまして、計算上から申しますと残りは七十体ということでございますが、何ぶんにも御遺骨の数の判定ということにつきましては、御遺骨がばらばらであるというようなことで、どうしても推定の要素が伴うということでございますので、数字だけの面で申しますと、ほとんど九割以上が引き揚げられておるということで、あと七十体程度でございますが、実際問題といたしましては、推定の数字の関係上、これより多いかあるいは少ないかということでございますが、いずれにいたしましても、かなりの数の御遺骨は引き揚げられておるんではないかというふうに考えられる次第でございます。 なお、深田サルベージ会社は昭和四十五年に大蔵省の財務局のほうと陸奥の売買契約が成立いたしまして、その際に、船体の引き揚げを行なうという際に、御遺骨について丁重に引き揚げていただくということになっておるわけでございますが現在まだ契約期間中ではございますが、最近、一時中止というような事態になったわけでございます。 その原因として考えられますものは、深田サルベージ会社のほうから私どものほうに話がございましたのは、第一点といたしまして、現在三分の二ぐらいの船体の解体が終わっているわけでございますが、残りの三分の一程度にかかっている際に、新たな問題といたしまして、昨年の暮れに作業中に艦内の重油が流出いたしまして、ノリの養殖に大きな被害を及ぼしているというようなことで、油流出に伴います公害の問題ということが出てきているわけでございまして、今後この作業を継続いたしますと、この油の問題、油公害の問題というのが非常に重要な問題にならざるを得ないわけでございます。 さらに火薬、砲弾等の危険物の処理で、これから手をつけますところがちょうど火薬庫が残っておるというようなことで、火薬庫それから砲弾の安全処理という面につきましての危険防止というような技術的な問題から、いままではコンクリートに詰めまして海底に投棄しておるわけでございますけれども、これからの火薬物の技術的な処理の問題ということがかなりむずかしいというような問題、さらに、いままでは深田サルベージ会社のほうがかなり赤字を覚悟で、ある意味では奉仕的にやっていただいているというようなことで、すでに多額の赤字を出しておるというような状態から、現在深田サルベージのほうから、ただいま申し上げましたような、特に一番大きな問題といたしましては、油の問題なり、火薬の問題ということにつきましての今後の十分な見通しが立ちにくいというようなことから、現在一時中止になっておるというような状況でございます。
○森井委員 当時の軍艦ですからね。しかも最大の戦艦なんです。そうしますと、弾薬が積んであることはあたりまえですし、当然油が積んであることも推測ができるわけです。ですから、いまになってそういう理由があるから非常にむずかしいということにはならないと私は思う。この点まず明確にしておきたいと思うわけですが、私も、四十五年の三月二十日付の中国財務局の、山口財務部長と深田サルベージ株式会社の社長との間の契約書、つまり戦艦陸奥を、これは国有財産ですから、払い下げをするという形で結ばれた契約書、現物を見ております。代金は二千四百五十万円、言うなれば安いわけでありますが、これは必要なもろもろの設備なりあるいはその他の経費をはじいて、そうして今度は艦体を処理をして、それを売却する利益、そういったものとのおそらく差益だろうと私は思うわけです。これはあなたの所管でありませんから、きょう時間が少ないもんですから大蔵省呼んでおりませんけれども、いずれにしても、そういうふうな形で明確に契約がされて、しかもその契約書の中に、遺骨については特に丁重に扱う、そうして揚がってきたものについては厚生省その他関係機関の指示に従う、そうして遺骨は引き渡す、こういう形になっておるわけですね。そういうメリットがあるからこそ、特に国としても配慮されて、今日まである意味で価格その他考慮された上で決定されたというふうに私は理解をするわけです。そうしますと、今日になって途中でやめた、言うなれば、あなたが先ほど言われました弾薬のあるところとか油のあるところを除いて、いま約三分の二とおっしゃいましたけれども、大体その程度じゃないかと思いますが、引き揚げられて、むずかしいところが残っておるというかっこうなんです。しかも遺骨については、あなた先ほどおっしゃいましたように、なお七十体ぐらい残っておるだろうということなんですけれども、これはたとえば頭蓋骨の数等から見て、それは必ずしもあと七十と言い切れない面がある。点数にして約四千点くらいじゃないかと思うのですけれども、いずれにいたしましても、これは形がなくなっておるわけですから、あと何体残っておるということはいえませんけれども、まだかなりの遺体があるということは事実なんですね。 しかもいまの説明でいきますと、会社としても赤字覚悟でやってくれた。この評価は厚生省としてもお持ちだろうと思うのです。これはことしの二月一日、深田サルベージの社長から、厚生省はじめ関係機関に文書が来ておりますね。その文書によりますと、いままで約四億の赤字がかかったというふうなことを言っておられますから、確かにこれはたいへんなことだと思う。ですが、法律的にものを言いますと、これは契約違反じゃないか、そうまで言い切れないかとも思うのですけれども、艦体そのものはもう売ってあるわけですから、ことばは悪うございますが、煮て食おうと焼いて食おうと、深田サルベージの会社の所有物になっておる。ですから、揚げる揚げないというのは問題がありませんけれども、ただ現実の問題としては、先ほど言いました戦艦の値段をきめる際は、全部艦体を揚げるという前提ではじかれた金額だと思いますので、その意味でやはり会社は責められるべきである。 先ほど言いました国あての深田サルベージの中止の、どういいますか、通知文といいますか、その文書を見せていただきますと、こういうことが書いてありますね。法人として社会的に許され得る問題ではないと判断をした、これは赤字がかさむことがですね。それはそのとおりでしょう、ちゃんと株主等があるわけですから。したがって赤字覚悟といいましても、これはやはり営利会社ですから当然そういったことが言えると思うのでありますが、ともかく法人として、赤字をこれ以上続けることは社会的に許され得る問題ではないと思う、という指摘と、それから道義的責任を感じておるというような意味の文書になっておると思うんですね。一体、いまの厚生省の立場で、そういうふうな状態の中で、赤字でもなお会社にやれと言うのか、あるいはあきらめろと言うのか、その点どうですか。
○八木政府委員 御指摘ございましたように、深田サルベージに対します大蔵省の財務局のほうの陸奥の売買契約ということで、一応この契約によりますと、当然艦内の御遺骨というものも最終的には全部引き揚げて厚生省のほうにお渡しいただくということになっておる次第でございまして、今回、一時中止にはなっておりますけれども、昭和五十年の六月末までがまだ契約期間でございますので、今後大蔵省の財務局等とも御相談いたしまして、この問題の処理にあたらなければならないというふうに考えておる次第でございます。 それから当初の払い下げ契約の際と、出てきましたその後のいろいろな状況があるわけでございまして、もちろん漁業補償等の問題も深田サルベージとしましては当初考えてやっておったわけでございますが、その後におきますいろいろな物価騰貴の問題等もございましょうし、やはり一番根本的な問題といたしましては、油の問題につきましてもいろいろな技術的な方法で油抜きというようなこともやっておりまして、深田サルベージがこの作業を開始いたしましてから二百五十トンぐらいの油を抜いているわけでございますけれども、まだどのぐらいあるかということになりますと非常にむずかしい問題でございますし、一番大きな問題としましては、当初予想されなかった油の流出という——油抜きはやったわけでございますけれども、油の流出によりますノリ業者に対する公害の問題というようなことが出てまいりまして、今後この問題についての対策というものを考えていかないとこの問題は解決されないということでございますので、深田サルベージ会社の問題ではございますけれども、私ども、御遺族なりあるいは関係団体のお気持ちということを考えますと、一骨も残らず御遺骨を引き揚げたいというのが御遺族の気持ちであろうと思いますし、十分会社のほう−実はいま会社のほうにいろいろな調査をお願いしているわけでございまして、まだ具体的な報告等もちょうだいしておりませんので、今後その辺の問題が出てまいりまして、さらに大蔵省とも相談して考えてまいりたいというふうに思う次第でございます。
○森井委員 いまの話ですと、会社をそう責めるのも酷だ、こういうふうに私は受け取ったわけなんですね。確かにこれは昭和四十五年から五十年の六月にかけての計画だったわけですね。五年にわたる計画ですから、非常に長い計画なんです。しかも会社がいま投げ出さざるを得なくなったという事情は、二月一日付の文書でも会社が指摘しておりますように、たとえば石油危機あるいは物価高、そういったもので非常にやりにくくなったこれがまあ最大の理由なんですね。いま、もう御案内のとおり、たとえば建設省あたりが工事の請負契約等を出す場合は、もうこういうふうな資材費の高騰、人件費の上昇等があるわけですから、言うなればスライド制に近いものをやはり採用しているわけですね。この問題については、先ほど言いましたように、基本的に代金をはじく場合の遺骨収集という大きな目的があるにもかかわらず言うなればずっとそういった是正措置をしておらない。つまり、あのままいけば当然艦体の二千四百五十万円というのは消えて、逆に国が何らかの措置をしてやらなければ、予定どおり遺骨の収集というのはできないということが明らかであるにもかかわらず、やはり国が放置をしておったという問題は、私はやはり残るような気がしてならない。 先ほど言いましたように、建設省等は単価の是正等をやっておるわけでありますけれども、この問題に関しては、一口で申し上げますと、深田サルベージにまかしたままで何もしていなかった。このことが私は最大の理由だと思うし、それからさらに二月一日付の文書が来て、今日までもう三カ月たっているのです。その間、厚生省は、先ほど申し上げました遺骨収集という面からすぐ取り組んで対策を立てなければならないにもかかわらず、それを放置をしておられたというところが私は一番遺族を落胆させておる原因になっておると思うのです。一体二月一日から今日まで厚生省はどういうふうな方針でやろうとされたのか、その間の事情についてひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○八木政府委員 私どものほうで深田サルベージのほうから、こういうような事情で、現段階では、従来やっておりました陸奥の引き揚げというものを一時中止せざるを得ないという申し入れがあったわけでございますが、現在、財務局とも相談いたしまして、深田サルベージに対しましての各種の調査なりあるいは資料の提供なりを求めている状況でございまして、先ほども申し上げましたように、御遺族の気持ちというものを当然考えなければいけないわけでございますし、なかなか油の問題、いろいろ技術的にむずかしい問題はあろうかと思いますけれども、現在、深田サルベージのほうに対しまして、従来継続しておったのと同じような形で今後の船体の引き揚げ、これを行ないます場合に、油公害に対します対策というものをどういうことを考え、それから従来どおりの方法でやったならばどのぐらいの経費がかかるであろうかというような技術的な方法についての検討をお願いしているわけでございます。さらに公害等の問題につきましての非常に巨額な経費が要るというようなことで、従来の方法ということが非常にむずかしいということでございますれば、トラック島で行ないましたような、あるいは本年巡洋艦那智について実施するのと同じような方法で艦船自身の引き揚げということは行ないませんで潜水夫が艦内に入りまして御遺骨だけを調査し、引き揚げるというようなことが可能かどうか、その場合の経費はどのぐらいかかるか、なお、現在、残りの船体の三分の一というのは、かなりヘドロの中に入っておりますので、その辺の技術的な方法等につきましても十分研究しなければいけない問題があるわけでございます。 いずれにいたしましても、これはかなり技術的な問題でございますので、私どものほうではなかなかできる問題ではございません。しかも従来からこの陸奥の引き揚げをお願いしております深田サルベージのほうにそういう面でのいろいろな検討なりあるいは調査、そういうものを現在求めておる次第でございまして、まだその辺の資料というものができてまいっておりませんので、近いうちに、おそらく深田サルベージのほうからそういうような資料なりあるいは調査なり、あるいは今後の経費の見通しというものがどの程度かかるかというような報告があろうかと思いますので、従来どおりの方法あるいは遺骨だけの方法というようなあらゆる問題を含めまして、調査をお願いしておるというような次第でございます。
○森井委員 漁業補償は一億円払っておられますけれども、来年の六月までなんですね。つまり計画が来年の六月だったものだから、来年の六月まで漁業補償を払っておる、こういうことなんですね。そうしますと、先ほど指摘しましたように、もう三カ月ほどブランクになっているわけですけれども、作業をやめてからは半年なんですね。これはその意味で非常に惜しい損失だったと思うわけです。私も関係者に聞いてみますと、たとえば深田サルベージの関係者の方は、これは技術的には可能だし、せっかくあすこまでやったんだからぜひひとつどういう形にしろやらしてもらいたいこれは情熱をもって話しておられるわけです。むしろ、国からの答えがおそいということがやはりこの問題の解決をおくらしておるというふうにすら私は考えるわけです。いまの話ですと、幾つか問題がありますが、整理をしてあなたの答弁で申し上げますと、何らかの形で遺骨は収集をしたい、厚生省としてはこのように考えているというふうに言えると思うのですね、その点明確にしたいことが一つ。 それから二つ目は、何らかの形というのは予算との関係だろうと私考えるわけです。したがって予算によっては艦体ごとさらに継続をして引き揚げるか、あるいは予算が足りなければ、何といいますか遺骨の収集に重点を置いて、潜水夫等をもぐらして引き揚げるか、こういうようなことを考えていらっしゃると思うのですね。あとのほうの問題については、あなたも言われましたようなヘドロその他の問題がありまして非常にむずかしいそれからもっとはっきり申し上げますと、遺骨はもうどなたの遺骨やらわからなくなっているわけですね。むしろ遺品に遺族の皆さんは非常に神経をつかっていらっしゃる。自分のむすこがかぶっておった帽子であるとか、あるいは持っておった手帳であるとか、そういうものだけがほんとうに固有名詞のついた個人のものだということでありまして、遺骨についてはやはりこれはもう合同にして分けざるを得ないというような形になっているわけですね。ですから、そういうふうなことを考えると、やはり最後のむずかしさもありますけれども、水深四十メートルをこしておるわけですからヘドロが多いし、むずかしいという点もありますけれども、やはり私は第一の方向で考えるべきである、そうすれば遺族の要望を完全に満たすことができる、こういうふうに考えるわけですがこの点について再度お答えを願いたい。
○八木政府委員 私どもの気持ちといたしましても、先生から御指摘ございましたように、せっかくいままで陸奥の御遺骨の引き揚げをやってきたわけでございますから、最終的には一骨も残らず引き揚げたいというのがこれは私どもの気持ちでございますし、また御遺族のお気持ちでもあろうというふうにも思うわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、今後の油の問題等に対します対策、この辺におきましてどの程度の経費がかかるのか、さらに経費の問題はあるにいたしましても、油公害という面から、むしろ漁業関係者の方々の立場から申しますと、その辺との調整というような問題もあろうかと思いますし、経費の問題、油公害とのかね合い等の問題も含めまして、現在深田サルベージのほうにいろいろな調査を要求しておりますし、先ほど申し上げましたその辺が非常にむずかしいということでございますれば、第二の、潜水夫が入りまして、御遺骨なりあるいは遺品なりの引き揚げということも一つの方法として研究する価値があるのじゃないかということで、いずれにいたしましても私ども現在の段階では、いろいろな要素につきまして深田サルベージのほうに調査をお願いしているということでございますので、その辺の調査が出ました段階におきまして、また御遺族等とも十分御相談いたしましてこの問題の解決に当たってまいりたいと考えておる次第でございます。
○森井委員 どうもことばが悪いんですけれども、厚生省はこの遺骨の収集という大きな仕事の中で、この戦艦陸奥の遺骨の収集については、これは極端に申し上げますと、一銭も金をいままで出しておられないんですよ。御指摘がありましたように、西日本海事、それから深田サルベージ、その前に旧海軍の手によって若干出されましたけれども、いずれにしても、厚生省は予算を使って本気でこの戦艦陸奥の遺骨を収集するという形ではいままで予算を支出をしておらないわけです。ですから、過去にさかのぼって申し上げますと、いままで他人の力で遺骨の収集に当たられたという形なんですから、したがって確かに予算は食うでしょう。食いますけれども、必要な油等の施設をやるだけでもおそらく一億数千万円かかるのじゃないかと思いますけれども、先ほど言いました深田サルベージをはじめ、関係者の皆さんは非常にまだ強い熱意を持っておられるということ、厚生省はいままでこの問題について予算を出しておられないというふうなことを総合的にお考えをいただけば、しかもまだ残っておる遺体というのは七十体といわれておりますけれども、揚げてみなければわからないという状態もありますので、その辺も考えるなら、やはり確かに南方海域等で精力的にやられることも必要ですし、ぜひ私もやっていただきたいと思いますが、同時に、国内の足元に眠っておるこの軍艦の遺骨の収集については私は積極的に——先ほどの答弁ですと、深田サルベージの調査結果が出次第、態度を明確にしますということでありますから、これは確認をいたしますけれども、なるべく早く少々の金がかかってもやってもらいたいと思うわけでございます。最後に厚生大臣の配慮に満ちた御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○齋藤国務大臣 深田サルベージが非常に献身的にこの作業に当たっていただきましたことに対しては、非常に私も実は感謝をしておるわけでございます。しかし、油の問題とかその他非常にむずかしい問題が発生しましたので、深田サルベージの会社が一時中断する、私はもっともな点がたくさんあったと思います。そこで、局長からいままでお答えいたしましたように、今後どうするかということについての技術的な調査資料、それから所要の金額等も提出を求めておるわけでございますから、そういう資料が出ました段階において、遺体収集だけにするか、船体全部の引き揚げというところまでやるか、そういう問題について資料が出そろった段階で検討をしてまいりたいと思います。しかし私としては、あくまでも遺族の方々のお気持ちというものをまず第一に考えて、金のことは二の次でいいと思うのです。金のことは二の次にして、遺族の方々のお気持ちをまず第一に考えてこの問題の解決に当たるように、こうしたいと考えておる次第でございます。
○野原委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 それでは、AF2の問題について質問いたします。 昭和四十年に厚生省が認可なさったAF2、これはとうふ、魚、肉などのハム、ソーセージなどに使っている殺菌剤だというふうにいわれているわけですけれども、これが危険性があるんではないか、人間の健康によくないんではないかということでいま社会問題になっているわけです。このことについてお伺いしたいわけです。これを認可するときに、昭和四十年に食品衛生調査会の答申が出ているわけです。ここで一応認可をしたわけですけれども、このときに五項目の付帯条件がついているわけです。この付帯条件をもう一度厚生省でも思い起こしていただきたいと思うのですけれども、この五項目の付帯条件をつけて、この条件を満たせば認可をしてもいいという答申だったわけです。これを読んでみますと、一から五まであるわけですけれども「(1)AF2の生体内変化を追究する (2)AF2の食品中における変化を追究する (3)腸内細菌に及ぼす影響を追究する (4)ラットのメスで慢性毒性実験をおこなう (5)二世代に及ぼす影響をみること」こういう付帯条件が出ているわけです。これについて、厚生省は認可をしたわけですから責任があると思うのですけれども、どのような処置をとられておるんでしょうか。
○石丸政府委員 食品添加物の指定でございますが、指定にあたりましては十分その安全性を審議願いまして、食品衛生調査会の答申によって厚生大臣がこれを指定するという、かような形になっている点について……(田中(美)委員「簡単に、質問したことだけに答えてください」と呼ぶ)その指定の際、先生御指摘のとおり、五つの付帯条件がつけられたわけでございます。 この付帯条件の取り扱いでございますが、AF2の指定のとき、五つの付帯条件が満足されなければ現段階において指定すべきではないという答申でございませんで、一応その指定をしておいて、この五項目の付帯条件について十分検討をするようにという御意見でございました。
○田中(美)委員 その後これをどうしたかと聞いているのです。簡潔に答えてください、時間がありませんので。
○石丸政府委員 五つの付帯条件のうち、四つまではすでにこの実験が終了いたしておりまして、ただ一つ、腸内細菌叢についての変化の付帯条件につきましては、まだ実験方法等が必ずしも確立されていないということで、現在結論を得ておりません。他の四項目についてはそういうふうになっております。
○田中(美)委員 これは使用されてからもう十年近いわけですから、そろそろ十年になるというところです。一体どこでそういう発表がされておりますか。
○石丸政府委員 厚生省の行ないますいろんな実験は、主といたしまして国立衛生試験所でこの実験を実施いたしております。
○田中(美)委員 これは発表されておりますでしょうか。
○石丸政府委員 ちょっと確認が必ずしも十分ではございませんが、その結果につきましてはわれわれのほうに報告をいただいております。
○田中(美)委員 おたくのほうに報告が来ているだけであって、これは公表されていないんですか。
○石丸政府委員 ちょっといま手元にいつどういう雑誌に発表した、あるいはどの学会で発表したということは明らかでございませんが、ほとんどの場合、学術雑誌に発表するかあるいは学会で発表いたしております。
○田中(美)委員 それでは、これをどこでどういうふうにきちんとやって安全であったという発表をされているものがありましたら、その資料を出していただきたい。よろしいですか。
○石丸政府委員 承知いたしました。
○田中(美)委員 AF2が使われ始めてから六年半ぐらいたったときに、東京医科歯科大学の外村教授と佐々木助教授によりまして、これは非常に人体に悪影響があるという赤信号が出されたわけです。それがきっかけになりまして、日本環境変異原研究会というところでこれの研究をしていらっしゃるということは厚生省も御存じだと思いますけれども、ここの研究会のメンバーである田島弥太郎さんという方、この方は国立遺伝学研究所の方ですが、この方が代表しまして厚生省に手紙を発送してあるはずです。 この内容というのは、AF2は染色体に異常が起きる、突然変異を起こすんだという、バクテリアや酵母やそれから昆虫の実験によって、こういうことが明らかになった、そういう意味で厚生省にこれに対する警告を発しているわけですね。この警告の中身をもう一度確認したいというふうに思うわけです。「AF2が強力な突然変異作用をもつことが判明した、この物質がソーセージその他の加工食品の保存料として広く利用されている現状にかんがみ、人間に対し遺伝的危険性が憂慮されるので、至急検討の上善処されるよう御注意申上げる」こういう手紙を厚生省に出しているはずですけれども、確かに受け取っていらっしゃいますでしょうか。
○石丸政府委員 先生の御指摘のとおり、われわれは承知いたしております。
○田中(美)委員 これは昨年の三月十三日付で発送しているわけですね。これに対して厚生省の言うところは「哺乳動物についてのデータが出ない以上、いま何等の措置を講ずることも考えていない」というようなことを言っているわけですけれども、これも確かでしょうか。
○石丸政府委員 そういった返事をしたかいなかちょっと確かでございませんが、田島先生からお手紙をいただきまして、この手紙の内容を食品衛生調査会の毒性部会と添加物部会というところがございますが、そこに報告をいたしまして御検討を願っております。
○田中(美)委員 これは昨年の三月ですからもう一年以上たっているわけですね。人間の遺伝に突然変異で非常におかしな人間が出てしまうかもしれないという学者の研究結果をあげているのに対して、一年もたっていながらまだ検討中ということですか。
○石丸政府委員 この三月に先生からお手紙をいただきまして、九月の段階におきまして食品衛生調査会にこのお手紙をデータと一緒に提出いたしまして、御検討を願いまして、食品衛生調査会といたしましては添加物部会及び毒性部会の合同委員会におきまして変異原性に関します研究班を別個につくって研究をすべきである、こういう御答申を——まあ正式の答申ではございませんが、そういった御意見をいただきまして、昨年九月二十六日にその研究班を発足させたわけでございまして、その中にはただいま先生御指摘の国立遺伝研の田島先生も研究班員として御参加いただいております。 〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕
○田中(美)委員 それなら田島先生の警告に対して、半年後にそういうものを田島先生も含めて研究班をつくった。それならなぜ、その年の九月十七日ですね、これは食品化学課の名前で各都道府県政令市の担当課あてに送付されているおたくから出したものがあるわけです。これには安全だと書いてあるわけですね。警告をされて、それから検討する会を結成するそのときに、まだこれから発足して中の仕事が始まる、そういう前にこういうものをあなた方は各都道府県に送っているわけですね。これは読むと長くなりますけれども、動物実験が行なわれているから安全は確認されているとか、これは初め認可したときの、それこそ十年前の認可したときの動物実験でしょう。その後そういうおかしいことが出てきたからこれを注意しなさい、こう言っているわけでしょう。それでそれをあなた方は検討する会をつくった。それなのにどうして、その前につくったのが二十六日でしょう。これは十七日の日にちで出ているわけでしょう。動物実験を行なってあるから次の世代に及ぼす安全性は確認されているとか、それから細菌や昆虫を用いた試験をそのまま人間に適用することは無理なんだ、そういうことや、国立衛生試験所においても再点検をして、この実験というのは終了しているから三世代の実験までこれはだいじょうぶなんだということをいっているわけですね。 もう一ついっていることは、「AF2は、肝臓で分解して、染色体異常を起す性質を失ってしまうので、消化管から吸収されたAF2が次世代に影響を及ぼす可能性はない。」こういう通達をしているわけですね。これまでの時点というのは最初の宮地教授の実験しかないわけですね。その後警告を発されても何にもしていない。それにもかかわらずこれは心配ないのだ、昆虫はそうなっても人間は肝臓で分解するからこの異常は肝臓で全部解毒されてしまうのだ、こういう通達を出しているわけですね。どうしてこういうことが言えるのですか、何を資料にしてこういうことを言ったわけですか、もう一度それをお聞きしたい。
○石丸政府委員 田島先生からお手紙をいただいたわけでございますが、これは主といたしまして国立遺伝研の賀田先生がこの実験を担当されておるわけでございまして、お手紙をいただきまして直ちに三月及び五月にこの賀田先生を含めました諸学者にお集まりいただきまして、このデータの解析を行なったわけでございます。 その際一つの結論といたしまして、わが国で添加物の安全性を決定するものさしとして使っておりますのが、WHOとFAOの共同専門委員会があるわけでございまして、その共同委員会の一つのものさしをわが国のものさしとして使っておるわけでございまして、そのものさしについてのいろいろな考え方をこの九月十七日の通知で出したわけでございます。
○田中(美)委員 WHOとかなんとかという問題じゃないでしょう、いま。そんな逃げ口上の返答をしないでください、時間がもったいないわけですから。 これは、あなた方が認可したときは宮地先生の動物実験でいいと思ってやったわけでしょう。その後おかしいということになったわけでしょう。それに対して何にもしないでおいてWHOがどうのこうのと、だから安全なんだ、人間の肝臓がみんな解毒作用をするから、多少毒になるものを飲んでもだいじょうぶなんだというようなことを、こんな通知を出している。これは許されるべきことじゃないですよ。これに対して大臣はどう思われますか。一言でおっしゃってください。
○齋藤国務大臣 こういう科学的な問題については、私はいろいろ判断を申し述べる知識を持っておりません。そこでたびたび国会においても御論議がありました際にお答え申し上げておりますが、いろいろな宮地先生の論文並びにこれに反駁する論文等につきまして、今度改組いたしましてできました食品衛生調査会のテーブルの上にのせて——専門的な学問的なことなんです。これは私はわからないのです、ほんとういうと。あなただって、まあ専門家なら別ですが、判断能力ないのです、お互いに、科学的なことですから。それは専門家のほうに、宮地先生の御意見も反駁の御意見も、テーブルの上にのせて虚心たんかいに検討してもらおう、こういうのが私の態度でございます。
○田中(美)委員 私はこれが安全であるか安全でないかなんという論争をしていませんよ、大臣。そんなところで論争をあれしないでください。取り扱いのことを言っているわけです。それじゃいま虚心たんかいに、これはおかしいのだという意見が出た、それならもう一度これを検査してみよう、そのあとでこれは安全だという通達を出すのが順序じゃないですか。これをひとつ撤回していただきたいというふうに思うわけです。 次に、これに出ております第五番目に、先ほど言いました肝臓の問題ですけれども、いよいよ厚生省のおひざもとから火が出てきているわけですほかのところではなくて、国立予防衛生研究所の食品衛生部の研究グループから、これは肝臓では解毒しないのだということがあなた方のおひざもとから出てきているわけです。これはもう御存じだと思いますけれども、五月十四日ですからね、この新聞が出ております。肝臓内で毒性をむしろ増すのだ、解毒するのではなくて毒性を増すのだということが大きく出ているわけですね。ですからいま非常に国民はおそれておりますし、主婦たちの間では非常にもう不安になってきているわけですね。こういうことが出ているということは、全くこれが誤っていたということでしょう。ということは、このAF2が安全であるか安全でないかという科学的なことを言っているのではなくて取り扱いがいかにずさんであいまいであるかということです。そういうことをしていたのでは今後も次々と日本の国民の健康というものは守られないので、この厚生省の態度というものを早急に改めていただきたいと思う。至急このAF2についてどういう態度をとるかという検討をし、結論を一日も早く出していただきたいというふうに思うわけです。その点について、大臣からお願いいたします。
○齋藤国務大臣 先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、その宮地論文並びにこれに反駁する論文、それを食品衛生調査会のテーブルの上にのせまして、科学的にひとつ検討していただく、至急検討していただく、こういう態度で臨んでおる次第でございます。
○田中(美)委員 まあ、疑わしきは使用せずという最初の出発からいけばいいわけです。それをただ宮地先生一人の、それも製薬会社の中の実験室でやったもの、その上にまだいろいろ皆さん御存じだと思いますけれども、宮地教授は、上野製薬から実験に使う金だという名目でもって一千万円の金ももらっていらっしゃる。そういうデータだけを信じてやったというところに、もっと安全性を持たなかったというところに、十年近い間にこういう危険な状態が出てきているわけです。これをいま厚生省としては根本的に改めていただきたい。そのためには、まず食品衛生調査会の構成を民主的にやっていただきたい。そのためにはこの委員に消費者代表を入れる、それから関係専門家を入れるということ。この人選というものを国会の承認でやっていただきたい。これが公平でないから、こういうあいまいな問題が、いろいろなところでチェックされるものが全部チェックされないでここまで来ている。そしてここまでこんなたいへんな問題になってきている。これをまずやっていただきたいということを要請します。この点についてお答え願います。
○石丸政府委員 この食品衛生調査会の構成メンバーの問題につきましては、従来からもいろいろ御意見を承っておるわけでございますが、昨年の食品衛生法の改正の際、やはりこの食品衛生調査会そのものは純学問的な立場で論議する場所にしたいというようなことで、昨年の法改正におきまして、構成メンバーを学識経験者のみに限定をいたしたわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、やはり消費者の声を十分反映させるということは必要かと思います。したがいまして、そういった意見の反映というものを食品衛生調査会以外のところでわれわれのほうで聞く、こういった方法を今後考えてまいりたいと思っております、
○田中(美)委員 なぜ食品衛生調査会の中に消費者を入れないかということは、非常におかしいと思う。こういうことが起きるわけですから、これをちゃんと国会の承認を得てやるということ、これが科学的なもので、AF2がおかしいかおかしくないかということは、いまの段階でも大臣が逃げるようなことを言われたのはまだはっきりしないから、しかし、こういうデータが出ているわけですから、この結論を国として早急に出すためには公平にやらなければならない。これを私は国会の承認を得る、消費者を入れるということを強く要請します。 二番目に、こういう新規の食品添加物の申請があったときには、申請の内容を公表して、そしてこういう申請があったけれども、これに対して意見のある人は意見を出してくれということで公聴会を開いて、そういう中に消費者や関係専門家が意見を公聴会で聞く。私のほうだけでこっそり聞くというふうなことをしないで、公聴会でみんなの意見を聞く。そうしてその意見をもとにして国立の試験研究機関で急性、短期、長期間、そういりものについての試験をする。その結果安全だと出たときに認可するべきじゃないですか。こういりことをしていただきたい。ただ自分だけが、どこかの製薬会社の中でやった研究がこういう大きな誤りをおかしている。これは日本の国民全般に及ぼすたいへんな大きな問題だというふうに思うわけです。これをぜひやっていただきたい。公表をして公聴会を開いてやっていただきたいというふうに思います。これについては……。
○石丸政府委員 この食品衛生調査会で審議いたします際に提出する資料といたしまして、いろいろな資料が——従来外に発表されていないような、企業の研究室で行なったような実験データを資料こして使っていたことは、先生御指摘のような事実はございます。したがいまして、今後この食品衛生調査会で資料として使いますいろいろな科学的な学問的なデータというものは、今後すべて学会で発表されるか、あるいは学術雑誌等で発表されて、やはりいろいろな学者の御意見の批判にたえたものを食品衛生調査会のデータとして採用していきたい、かように考えておるわけでございます。 それともう一つは、この基礎になります実験データを国立の試験研究機関で行なうべきではないか、こういう御意見でございますが、従来われわれのとっておりました態度というものは、やはりこれは企業が営業活動のためにそういったデータを集めるものでございますので、企業の金で当然行なうべきであるという考えをとっておったわけでございます。ただその際、そのデータを食品衛生調査会で検討いたしました結果、これはちょっと再検討すべきであるというような点につきまして、いわゆるチェックの検査というものを国立の研究機関で従来やってまいったわけでございますが、ただいま先生の御意見等も今後十分加味いたしながら、その会の運営に当たってまいりたいと思っております。
○田中(美)委員 チェックする体制を整えれば幾らでもチェックできるのに、それを企業の金でやるのだとかやれ何だとかいって、結局企業サイドでやってきたということがこういうことになったわけですね。 いま厚生省でも、これが危険ならば一時中止をしてもいいというふうな内容のことなど新聞などに報道されておりますけれども、私はいまここで厚生省にはっきり伺いたいのは、こういう状態になってきた十年間というものを消費者の立場で考えますと、消費者はハム、ソーセージは冷蔵庫の中へ入れておけば、十日や二十日は腐らないんだという常識になってしまっているわけです。中にAF2が入っているかどうか、そんなことは知らないけれども、何しろ最近のものは十日、二十日は冷蔵庫でだいじょうぶなんだ、とうふだって水につけて冷蔵庫に入れておけば、これは三日も四日ももつんだ、こういう生活になれているわけですね。それから今度はこれをつくる人たちの立場からしましても、これはほとんど中小企業、零細企業でやっている。特にとうふ屋さんなんというものは家内工業的な形でやっているわけですね。こういう人たちはおとうふというものにそれを使っている。そうすれば、これをあげにするためにはどうするかというときに、一日、二日もつという常識のもとにこれをやっているわけですね。こういうものが一時に急になくなりますと、十年間もやったわけですからね、そうした習慣の中で今度は食中毒が起こったり——確かにAF2を使われてから食中毒が減っているということはあるわけですね。ですから、これを急に一ぺんになくしてしまえば、今度は食中毒が起きるとか、そういうことがまた起きてくるわけです。といって、それじゃいまのまま使っていたら、突然変異が起きてどんな人間が生まれてくるかわからない。そういうようなことで婦人たちはいまほんとうに一この新聞が五月十四日に出たんですからね、恐怖におののいているわけです。何も食べられない。そういう形が出てきているわけです。この大混乱それから急にやめたら中小企業はもうつぶれていくわけですね、こういう大混乱が起きる。 だからこそ、いま私が要請しました衛生調査会というものをほんとうに国民にガラス張りにしていくということ、国民の意見が入るということ、そしてちゃんとそこに、もう申請された時点で国民の意見が反映されていく、そのデータが調査会にいくというような形をとらなければならなかったのに、厚生省がたいへん大きなミスをしている。末代までも影響を及ぼすような大きなミスをしているし、そしていま大混乱が起きようとしているわけです。これをどのように処置しようとしていらっしゃるのか、これは大臣にはっきりとお聞きしたいと思います。そうした大混乱をどのようにして防ぎながらこの安全性を確認していくか。いままでのように十年たってもまだ厚生省はわかっておらぬわけですからね。安全か安全じゃないかということを言えないわけでしょう。このまままだ何年も放置しておくのか。急にそれじゃあぶないからといってこれをやめて、そして大混乱を起こす、どっちをとってどういうふうにしていくのか、そのお手並みを聞かせていただきたいと思います。
○石丸政府委員 われわれの食品添加物に対します基本的な態度といたしましては、こういった食品添加物は食中毒等を防ぐ次善の策でございまして、できるだけ他の物理的な方法で食品の安全を確保していく、こういう基本的態度で従来からも行政を進めてまいったわけでございますけれども今後さらにそういった点を強調いたしまして、こういった化学物質等の、本来食品でないものが食品に入るというようなことを可能な限り防いでまいろう、かように考えておるわけでございます。 さらに、特に本年度予算におきまして予算をお認めいただいたわけでございますけれども、この食品添加物と、特に防腐剤等はやはり食品の流通経路の変化に応じながら、できるだけこれを減少していくという方向で現在検討を進めておりますので、そういった方向でこの問題も処理してまいりたいと思っております。
○田中(美)委員 そうすると、いまの返答ですと大混乱を起こさないために少しずつ使用量を減らしていくということですね。これは一体いつからどのようにするのか、これは大臣からお答え願いたいと思います。
○齋藤国務大臣 私もこの食品の添加物というのはなるべく減らすことが望ましいと実は思っているのです。実はいまその研究会をやっているのです。五年ほど前から、たくさんある食品添加物についてそういう毒性とか安全性を検討しながら減らしつつあるわけでございます。だいぶ減っておるような次第でございます。
○田中(美)委員 すべての添加物ということでいま私は聞いているわけじゃないのです。AF2をいますぐどうするかと聞いているわけです。
○齋藤国務大臣 でございますから、先ほど申しましたように、ただいま改組いたしましていま任命いたしましたから、さっそくその委員会を開きまして——宮地論文、反駁論文、これは科学的根拠のない議論もあります。そういう人たちはこれは別ですよ。科学的な純学術的な立場において検討を願う、至急に結論を出してもらうようにいたしたいと思っております。
○田中(美)委員 宮地論文は会社側から来ているわけですから、おたくの足元の国立予研でやったのが、むしろ毒性を増すんだという結果が出ているわけですから、早急にその検討と大混乱を起こさないという手配、どういうことをなさるかわかりませんけれども、それに対して十分な対策をとっていただきたい。次に、放射性物質のことについて質問いたします。時間がございませんので簡潔に答えていただきたいと思うのです。これは五月十三日の新聞なんですけれども、もう御存じだと思いますけれども、放射性物質というものがいかにずさんに扱われていたかということが大きく新聞に報道されたわけです。これは、使ってはならない未成年の人にこの放射性物質というものを手づかみで扱わせたり、そうした危険物質が入っている部屋の窓や戸があいていて、だれでもが自由に入っている、そしてこれを防護するものは何もない、そういう中でそこで働いていた四人の方がいわゆる被曝をしている。いろいろ目まいがしたり爪が割れたりというふうな現象が出てきているわけです。これがいまやはり大きな社会問題として、これは私は毎日新聞を持ってまいりましたが、各紙に報道されているのです。厚生省は御存じだと思いますけれども、この新聞報道を見ただけでも、茨城県の夜光塗料の放射性物質が無届けであったとか、岡山大学ではコバルト六〇の防護施設のない一般室でコバルトを使っていたとか、それから新潟ではセシウムが紛失したとか、そういうふうな問題というものがあちこちで全国的に出ているわけです。これに対して至急にどういうふうに手を打つか、その点簡単に——これはたいへんな問題だと思うのです。これをすぐに手を打っていただかなければならない。これはどういうふうにやるおつもりですか。
○滝沢政府委員 先生の例示されました問題は科学技術庁を中心にいたしまして主として工業関係の事例でございます。われわれはこれを受けまして医療用の放射能の問題をチェックする必要がございます。昨日、科学技術庁と打ち合わせをいたしまして、病院も定め、医療監視と並行いたしましてこの問題のチェックをいたすことにいたしております。
○田中(美)委員 このずさんさを大至急に調べまして、そして危険なものはすぐ使わせないという形で十分なチェックをしていただきたい。二度とこういうものが起きない——いまあちこちで知らないところで起きていると思うのです。すぐそれを調査をしまして、そしてそういうことにならないような状態をすぐつくっていただきたいと思うのです。 こういう問題が起きますと、私もこういうものというのは専門家ではありませんから、こまかくわからないわけですけれども、特に国民はほんとうによくわからないわけです。そういうことが厚生省にもたびたび陳情があったというふうに思うのですけれども、名古屋に名鉄病院というのがあります。ここの病院でアイソトープの排液処理槽というのを昨年つくったわけなんです。これは私は現実に調査に行って見てまいったわけです。これは名古屋の住宅密集地帯——密集地帯といっても、ここらも住宅密集地帯というのかもしれませんけれども、こういうところの密集とはわけが違うのです。まさに路地を入っていく、自動車は入れない、乳母車を持った人が通ればすれ違うときに少しじゃまになるというぐらいの路地がたくさんある家のまん中に、名鉄病院公害被害者同盟というのがつくられているのですけれども、この会長さんの水野さんという方のおうちのすぐそば、ここが縁側ですと、もうここへ人間が一人入るだけでここにずっとブロックのへいが立っている。このへいのここはもう穴があいている、ここが全部排液槽になっているわけです。ここのまわりは全部家です。大きな道なんか一本もないのです。みんな路地です。そしてこの地帯というのはほとんどが大雨が降りますと浸水するのです。これは下水処理の問題もありますよ、決して名鉄病院だけの問題ではなくて、下水の問題もありますけれども、地域的に低いわけですから、これは非常に大きい問題だと思うのです。この下水があふれたりするということが一年に何回かあるわけなのですね。そういうところにつくっているわけなのですね。こういうことで、結局ゴキブリだとかドブネズミなんというのがちょろちょろするような地域なのですからね。そこにそういうものがあるということで住民が非常におそれているわけです。つくられているときは知らなかったわけですね。そうして住民がたいへんだということで——結局県の一応の許可がおりたわけですが、それをとにかくいまストップしている状態にあるわけです。この状態を厚生省としては、県が認可するのだからということでいままでは放置している。だから市民は県に働きかけて、これをさせないようにするという運動でいま非常にエキサイトしているわけですね。この問題は厚生省としては、幾ら何でもそれはそっちでけんかしておいてくれよということではないと思うのですけれども、どのようにお考えになっていらっしゃるか、御意見をお聞きしたい。
○滝沢政府委員 実は昨年の夏、先生からもこの問題の御指摘がございまして、われわれとしても、先生おっしゃるように県知事の認可問題でございまして、施設そのもの、設備の安全性が確認できれば法律的には許可する方向で取り運ぶ性格のものと理解しておりますけれども、しかし行政的にはこのような性格上、住民の反対を押し切ってまで、法律上設備が確認できれば許可していいという事務的な考えは許されませんので、この点についてはことしの一月以来県とも連絡いたしまして、十分その点の判断を的確にした上、なおかつ、住民の皆さまにこの病院で使うアイソトープの使用の性格、その放射能の、たとえば半減期が非常に短い、すぐ影響がなくなってしまうようなものを医療用のからだに使うのだというような、基本的な御理解もできるだけ住民にしていただいて、地震だとか特定の洪水であるとかいうときの安全性まで十分住民の御意見にあるように確認したわけです。 なお、万が一そのような場合の病院の責任というようなことも要望の中にあるようでございますそういう点も十分——病院というものも地域社会の重要な施設でございます。またアイソトープを医療に使うということは、これはもう患者の診断治療の上にきわめて重要な問題でございます。その判断を、知事がどのように両面から検討した上でなさるかということを、われわれとしては適切な処置を期待しておりましたところ、われわれの聞いておりまするところでは、設備その他も十分であり、必ずしも住民の万全の賛成を得られたかどうかはわかりませんが、五月十日、知事としてはこれを認可しておるということを聞いております。
○田中(美)委員 第一、置く場所が、もっと別の場所につくるとか——この排水槽が悪いというわけじゃないのです。別の場所につくるとか——幾ら何でもこの露地の中のここにつくるというのは問題なんでね。これだけを見れば安全かどうか、これは専門家にまかせなければわからないわけです。第一、場所の問題もあるわけですね。 それから病院側が住民と話し合いをしないわけですよ。だから住民はエキサイトするわけなのですね。そういう問題を県に対して厳重に、住民が納得するまではこれを使用させないということを厚生省のほうから強く指導をしていただきたいというふうに思うのです、認可はしましたけれどもね。このものだけ見れば安全かもしれないけれども、場所がすぐ横にあるわけですからね。 それから、その中の運用をチェックする体制があるのかどうか。これをやっていただきたい。これはいま私、時間がありませんので、どういうチェックする体制があるのか、これは厚生省で調べて、地震とかそういう天災地変のときはもちろんですけれども、そうでなくて、いろいろな面で運用を病院側がずさんにしてやしないか、それをチェックする体制というものをお調べになって私のところにお知せ願いたいというふうに思いますよろしいですか。
○滝沢政府委員 場所の問題については、私の推測でございますが、その病院のアイソトープの診察室をつくる位置ということと排水の位置ということと関係ございましょうから、いまの時点で移転とかということは、私は非常に不可能な問題だと思うのでございます。 それから県については、使わせないようにするという御要望なり、指導しろということでございますが、この点については、知事が安全性を確認した上で認可しておりますので、むしろ先生の後段の、日常これがどういうふうにチェックされるかという問題でございますが、これは放射線防止の規則に基づきまして、まず責任者がきめられております。これは放射線科の医長の平野という医師だと思いましたが、これが責任者になっております。こういう責任者をきめろということが規則できまっておりますし、それから日常的に、月に一回なりそれを測定した結果というものを記録しておいて、労働基準の立場からもそれから放射線防護の立場からも報告しろとなっておりますから、これはどこの病院でもやるチェックでございますから、この仕組みそのものを先生に一回説明なり、資料として出すようにいたします。
○田中(美)委員 この名鉄病院で、どのようにやり、だれが責任者でどういうふうにやるかということを、運用のチェック体制というものをお知らせ願いたい。 それから廃液処理槽を使わないアイソトープというのがあるというふうに聞いておりますけれども、これを使うような指導というのはできないものであるか、その点も、時間がありませんので、あとで厚生省のほうから私のほうにお知らせ願いたいというふうに思います。 それでは質問を終わります。
○葉梨委員長代理 石母田達君。
○石母田委員 私は、これは、一言大臣の答えがあれば済む問題ですけれども、この委員会でも再三問題になっております生活保護基準の改定の問題についてでございます。 これは、私の、四月四日のこの委員会での質疑の中で、大臣は、自分自身としてもかなり思い切った発言をするということで、三月、四月の物価指数などを見まして「四月以降物価とか消費水準がいまのような状態、狂乱物価で月五%も六%も上がるというような事態になれば、当然扶助基準も改定しなければならぬだろう」ということで、これは「消費者物価指数のみならず消費水準もあわせて総合的に生活というものを見直していく」。私が、それでは五月、六月にも改正するということについてやぶさかではないのかという問題につきましては、あえて否定もしない、いつからやるということも明確なこともありませんでした。しかしこの五月、六月という月が出るということは、これは普通の答えではなくて、厚生大臣という立場からの論議の中で出てくる問題でございますから、いわゆる生活保護者といわれる方が、この狂乱物価の中で非常にたいへんな生活を行なっておられるという方々から非常に大きな期待と関心が持たれておる、こういうことを前提の上で、少ししつこいようでしたけれども再三にわたってその問題をお聞きしまして、そしてその答えが思い切った発言というふうになっているわけです。その後一カ月余りたっているわけですが、この問題について厚生大臣としてどのように考えておられるのか、初めにお伺いしたいと思います。
○齋藤国務大臣 生活保護基準は、昭和四十九年度は前年度に比して二〇%の引き上げを行なったわけでございます。これはもうすでに予算できまったわけで、御承知のとおりです。 そこで、私はたびたび国会でもお答えいたしましたが、三月、四月の消費者物価指数の動向を十分監視し、これに対応する措置を講じてまいりたい、こう申し上げておるわけでございます。そこで、四月分の消費者物価指数は、先般東京が二三・幾らというのが出ております。そうなってきますと、扶助基準が二〇%ですから、それよりも上がったという統計が出ているわけでございます。そこで、全国の消費者物価指数がおそらく月末には出ると思うのです。その月末に出た段階において、全国の消費者物価指数がどの程度上がっているか、東京は二三・六ですから、あるいはそれより多いか少ないか、私のところでいま予断はできませんが、その動向を見まして、その指数の発表を見まして、さらにまた消費生活水準がどういうふうに変わりつつあるのか、予算が成立後の動向を監視いたしまして、できるだけ早い機会に扶助基準の改定が私は必要になると思うのです。下がるということはないでしょう。二〇%以下になるということはなさそうですから、三月、四月の動向を見て、本年度当初における扶助基準の再改定というものが行なわれるのではないか、こういうわけでございます。どの程度上げるか、いつ上げるか、いま具体的に何をも申し上げる材料を持っておりません。要するに四月の指数が出た段階において検討をしてまいりたい、こう考えております。
○石母田委員 あの当時の思い切った発言から見ると少しもの足りないのですけれども、三月の物価指数は出たわけです、二四%ね、全国で。この三月、四月のを見て五月、六月というと、五月に改定なかったので、当然六月に改定があるんじゃないか、そうすると、六月一日からということになりますと、やはりもう事務的にもいろいろの問題で、発表がいつあるかいつあるかと、この厚生大臣のツルの一声がいつあるかということをみんな生活保護者は期待しているわけでございます。そういうことで、いまの、この四月末の発表が五月三十一日でしたね、そういうことになれば、もう六月の実施は不可能なんじゃないか、こういう不安が非常に増大して、私どものところなんかにも再三そういうことが、この間ああいう論議が社会労働委員会であったけれどもどうなんだと、こういうことが毎日のようにたくさんの方々から問い合わせがあるわけでございます。そういう点でいまの発言の中に、いつやるか、どのくらい上がるかわからぬというようなことでありますけれども、これは当然予算、いろいろな問題があれですけれども、厚生大臣としての決意と、そういう点で、いまの時期にはもう六月実施というのは不可能なんだと、こういうふうなのか、六月実施をぜひ実施するように努力したいということなのか、はっきりと厚生大臣の口からお聞きしたいと思います。
○齋藤国務大臣 六月実施という御希望の点は承っておきますが、何しろまだ統計が出ないことには、いま何ともこれは申し上げるわけにはまいりません。四月の全国統計が発表になりました段階において、その時点にふさわしい改定の措置を講ずる、こういうことでございます。非常に公式的なようでございますが、出ないうちには何ぼいわれてもこれ以上のことは言えるものではない、これは御了承願いたいと思います。
○石母田委員 ある程度その立場はわかりますけれども、東京都が六月に弱者に最高七千円というようないわゆるインフレ見舞い金等を出すというようなことでございますので、そういうことも関連して、この六月に期待しているということは非常に、この間の論議の中から私が再三申しましたように、大きな期待になっている。このことにできるだけもう最大限の努力をしてこたえていくという点で、もう一度厚生大臣の、そういう期待と関心があるということを承知の上で、許される範囲内での決意をもう一度お伺いしたいというふうに思います。
○齋藤国務大臣 そういう要望のあることも十分踏まえながら対応策を講ずるのが私のつとめだと考えております。
○石母田委員 それで最後に、この間年金のスライドアップの支給の繰り上げの問題で、つまり実務上の問題でこれが非常に大きな障害になってきたということで、この実務という問題を私はあらためて見直しているわけですけれども、現にこれをやるにも十日や二週間ぐらいかかるんじゃないかと、だからいまそういうツルの一声が出ないのは、じゃ、もうだめなのかという、この不安が非常にございますので、私は事務当局の方に、もしいま厚生大臣がそういう四月、あるいは一定の段階に発表されたときに、すぐそれに対応するというようなことで、事務上の障害でそういうことが決定したけれどもできないというような状況がないように、事務当局のほうからそういう点での態勢があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○高木(玄)政府委員 この問題はきわめて重大な問題でございますので、大臣の御方針を承りまして、事務当局としては最善を尽くす所存でございます。
○石母田委員 そういう意味で、事務上の障害もないということでありますから、あとは大臣、先ほどの多くの人々がこのインフレ、狂乱物価の中で期待していることにこたえるように、心から強く要望いたしまして私の質問を終わります。
○葉梨委員長代理 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 食品添加物としてのAF2をめぐりまして、非常に毒性論争が続いているわけでございますが、事が人体にきわめて深刻な影響を及ぼすだけに、私もこれを非常に重視している一人でございます。食品衛生調査会のあり方、あるいは政府の姿勢に問題があるのではないかという立場から若干質問をしてみたいと思います。まず最初に、国連食糧農業機関、また、世界保健機関の合同専門委員会が、去る昭和三十三年に食品添加物の安全確認のあり方について世界各国に勧告していると聞いておりますが、まず、確認の意味でお尋ねいたします。
○石丸政府委員 先生御指摘のように、FAOとWHOの専門家委員会から、この食品添加物の評価のしかたにつきまして報告が出されております。
○大橋(敏)委員 わが国におきまして、AF2を食品添加物として指定したのは昭和四十年四月と聞いております。国連機関の勧告を無視されていたのではないかと思われるわけです。尊重されていたならば、けさ報道されたような新聞記事は出てこなかったのではないかと私は思うのであります。ある新聞には、「AF2 国も安全性に疑念 食品調査会で近く再審」あるいは「AF2疑惑深まる国立予研が実験を発表 染色体異常起こす」こういう大見出しで各紙に報道されているわけでございますが、十六日に、きのうですが、東京の大手町で開催された日本食品衛生学会で、このAF2の毒性を立証するデータが発表されたと聞いております。これは国立予防衛生研究所の研究チームによる発表だと聞いておりますが、御承知かどうか。
○石丸政府委員 昨日、日本食品衛生学会におきまして、予研の食品衛生部の三人の連名でこの研究結果が発表されたことを存じております。
○大橋(敏)委員 私は、その中で非常に重視していることは、許容量の基準の問題なんですけれども、現在、AF2の食品添加許容量というものが二・五ないし二〇PPM、こうなっているわけですね。ところが昨日のその発表の中には、濃度五ないし九PPMできわめて危険な状態が見られる、こうあったわけでございますが、この許容量の基準を今後変更なさる考えがあるのかどうか。
○石丸政府委員 先生御指摘の、予研から発表されましたデータにつきましてはそのような結果が出ておるわけでございまして、さらに、現在、担当研究官あるいは予研の食品衛生部長等になお詳細なデータ等について御依頼を申し上げているところでございまして、このデータがそろい次第、食品衛生調査会にそのデータをかけまして御検討願いたい、先生御指摘の添加量と申しましょうか、使用基準量の改定を含めまして、いろいろ御検討願いたいと思っております。
○大橋(敏)委員 いま御答弁があったわけでございますが、大臣に確認をとりたいと思います。これは非常に重要な内容だと思います。現在の許容量範囲内ですでにその危険性が訴えられております。きのうの国立予研のデータのみならず、もうすでに昭和四十七年一月にも、東京医科歯科大学の実験によりましてもこのことがはっきりしているわけですね。もう学者のデータはあらゆるところから出ていると思います。当然この基準は変更さるべきだと思うのでございますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
○齋藤国務大臣 私は、このAF2の問題は、実は非常に真剣に受けとめている問題なんです。そこでこれはこの前も私は参議院、衆議院、みなお答えをしておりますが、私はどの程度がいいかなんということを判断する能力はない。私は専門の学者じゃないです。私は、専門といえば法律を少し知っている程度で、それ以外のことはわかりません。そこで、こういうことはやはり科学的な論議で結論を出さなければいかぬと思うのです。 そこで私は、賛成論者、反対の議論、いろいろあります、それは学術的な根拠のある反対でなければならぬし、賛成の意見でなければならぬ、こういうふうな意味において、食品衛生調査会において、いませっかく改選いたしまして、委員を全部任命がえしたのです。でございますので、至急にこの問題を取り上げて、賛成、反対、両方をテーブルの上にのっけて、ひとつ学問的に研究してくださいということで、至急に結論を出させるようにいたしたいと思います。その結論の結果、やはりどうも安全とは言えないぞ、あやしいぞということになれば、私はそれで禁止したらいいと思っているのです。これは安全だという結論がすぐ出るかどうか、まあ、だいじょうぶだろうとかどういうことになるかわかりませんが、私はそこでテーブルの上にのせて、賛否両論の学説を科学的に、学問的に研究をして至急に結論を出していただく。もちろん許容量の問題も中にあります。そういう問題を含めて、全部食品衛生調査会で至急に結論を出すということをお願いいたしておる次第でございます。
○大橋(敏)委員 それじゃ、その学者の研究データ次第では、基準量の変更もあり得る、こういうことですね。 それではもう一つお尋ねいたしますが、これがいわゆる安全性について実証ないしは確認がとられないという立場に立った場合、このAF2を除去される考えがあるかどうか、この点についていかがです。
○石丸政府委員 このAF2の毒性問題を含めまして、使用基準等、すべて食品衛生調査会に御検討願うことにいたしておりますが、食品衛生調査会で検討いたした結果、先生御指摘のように、わが国の食品添加物の判定基準はFAO、WHOのエキスパートコミッティーの基準に従っておりますので、その基準に照らし合わせまして、禁止すべきであるという結論が出れば、御指摘のように禁止すべきものと考えております。
○大橋(敏)委員 これはきわめて重要な問題だと思います。事が人体に深刻なる影響を与える内容だけあって、これは国民がひとしく注目し、関心を深めている問題でございますので、早急に結論を出していただきたいことを強く要望しておきます。 それから、すでに昭和四十八年九月十七日に、厚生省の食品化学課から通達といいますか連絡といいますか、各県の衛生部あてに出されている。その内容を見てみますと、AF2は全く問題ないこのような内容の連絡というか通達といいますか出ておるのですけれども、これも当然撤回せねばならない、こう私は思うのですけれども、その点はどうですか。
○石丸政府委員 この九月十七日付の文書につきましては、この表現が必ずしも適当でなかったという点もあろうかと思いますが、従来、食品衛生行政というものが非常に科学技術行政でございますので、いろんなそういった新しいデータ等について、本省と地方庁との間に情報交換という形でこういう文書が従来出されておったわけでございまして、もちろん地方からもいろんなそういった検査結果等について公文書以外に、特に情報としてわれわれが知っておいたほうがいいというようなものにつきましてもいただいておったわけでございますが、いずれにいたしましても、この食品衛生調査会で十分御検討願いまして、その結果によって、この情報を出しました、その情報の内容が変わってくれば、当然この情報も変更すべきものと考えております。
○大橋(敏)委員 食品衛生調査会のいろいろな慎重な検討は私も一応は認めないわけではありませんが、こうした結果的な立場から見た場合、ずさんと言わざるを得ません。 そこで、厚生大臣に強く要望しておきたいことは、このような食品に関する添加物の問題でございますので、さらに再検討された上で適切な処置がとられるということでございますが、これは一日も早く結論を急いで、もしこれがだめということになれば、直ちに除去するという方向で進んでいただきたい、こういうことでございますが、いかがでございますか。
○齋藤国務大臣 これはもうたびたびお答え申し上げておりますように、食品衛生調査会において科学的に十分御検討いただいて、その結論を待って適切な措置をとる、こういうことを私は申し上げておるわけでございます。
○大橋(敏)委員 AF2を製造しているメーカーは大体幾つあるのかということですね。それから食品添加物製造会社は非常に多いと思うのでございますが、これとの関係性をお尋ねします。
○石丸政府委員 AF2のメーカーは一社でございます。食品添加物のメーカーは非常に多数ございますが、ほとんどが中小企業でございますが、そのうちでも非常にたくさんの種類の添加物をつくっておるのが二十社ぐらいございます。そのほか小さな、いわゆる原体を買ってきまして、これを製剤として売るというような業者を加えますと非常な多数の数になっております。
○大橋(敏)委員 ということは、やはりかなり重要な問題を含んでいると思いますが、これが安全性が確認されるまで一時中止するというような考えはないかどうか。
○石丸政府委員 一時中止して再検討すべきかどうかという問題も含めまして、食品衛生調査会で御検討願いたいと思っております。
○大橋(敏)委員 いまの答弁では、一社だけがやっているけれども、中小企業等のあらゆるところでかなりそれを原体として製造されているという実態、これを踏まえまして、もしこれが非常に危険なものであるとわかった場合に、その回収あるいは撤去について適切な処置を講じなければならぬと思うのですけれども、これについての大臣の考えを聞かしていただきたいと思います。
○石丸政府委員 この添加物の評価が変わってきました場合に、この回収等でいつも大きな混乱が起きるわけでございますが、AF2についてのみ申し上げますと、ただいま非常にたくさんの製剤メーカーがあると申し上げましたが、AF2は一社のみでこれを最終の製剤まで行なっておりますので、中小企業メーカー約千社ございますけれども、そちらのほうでその原体を購入しての製剤作業ということは、AF2についてのみ申し上げれば行なわれておりませんので、もしそうときまれば非常に容易に対策が講ぜられるのではないかと思います。
○大橋(敏)委員 それではAF2については以上で終わります。 それでは、次に衛生検査技師法の問題に関連いたしまして若干質問いたしたいと思いますが、近代医療におきまして臨床検査というものは、私はきわめて重要な位置にあろうかと思います。なぜならば、診療と密接不可分なる関係にあるからであります。医療技術部門の中核的存在じゃないかと思っているわけでございますが、事実は、臨床検査技師というものは、その割りには重視されていないように思われてしかたないのでございます。これは改められるべきじゃないか、そういう立場から若干質問するわけでございますが、昭和四十五年、衛生検査技師法の一部改正が行なわれたわけでございますが、その際、直接人体を検体とする検査以外の検査が業務制限とならなかった理由について説明をしていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 法改正の際に、臨床検査技師と衛生検査技師とが、先生御存じのように分かれたわけでございまして、先生御指摘のように、臨床検査技師には一部業務独占の規定がございますけれども、衛生検査技師は、実は物体を検査するという立場で、直接患者に触れて医行為をするものでございませんので、この問題は法制定のときにもいろいろ議論がございましたが、医師であるとかあるいは診療放射線技師などに比較しまして、業務独占に関する必要性は全然ないとは言いませんが、少ない。もう一点は、やはり衛生検査技師の資格を持つ人たちがもちろん中心でございますけれども、同時に、今後、理学、化学等をおさめた者もこういう特定な検査には必要になってくるというようなことも考えられまして、かえって人間に触れずに、物体だけで検査するサイドのことは業務独占にしないほうがいいんじゃないかという議論もあってと承っておりまして、現状のところ、衛生検査技師のほうは業務独占になっておらないわけでございます。
○大橋(敏)委員 先ほどの答弁の中に、検体検査が医行為でないというような意味の発言もあったわけでございますが、確かに医行為でないということからそういう理由も成り立っていると思うのですけれども、専門家の話によりますと、大正十二年の行政解釈に由来してそのような措置がとられているのだ、こうも聞いております。当時は医療技術の程度も近代医療に比較いたしましてきわめて低い水準にあった、しかも主観的医療の傾向にあったんだ、したがって、臨床検査なんということはほど遠い時代であったのだ、こういうことでございますが、また臨床検査が近代医学の中で著しく伸びてきた。これは昭和三十五年ごろからでございますけれども、今日の医療の実態というものは、臨床検査を除いては診療は成り立たないとまでいわれる実情にあるわけでございます。なお、臨床検査件数というものは毎年ウナギ登りに増加している。まさに医療技術部門の中核をなしているんだと断言してもはばからないと思うわけでございますが、この点について、いまの答弁もわからないわけではございませんが、いま私が申し上げました立場からの御見解を承りたいと思います。
○滝沢政府委員 大正十二年に大分県知事から内務省の衛生局長にそういうお尋ねがございましてそのときも本件において、医師にあらざる者が公衆の求めに広く直接依頼者の身体静脈採血をなし細菌検査をなすを業とする者があるが、これに対してどうかということで、採血ということは医行為であるから、これは医師でなければできない、しかし細菌検査については、これは医行為でないというような解釈、その基本というものは私は変わっておらないと思うのでございます。 先生御指摘の、臨床検査と衛生検査は、先生のおことばのように、臨床検査ということについて一般的な意味で重要性を強調される、私はこれは同意見でございます。非常に科学技術的な判断力、そういう正確性、それからそういう医療の関係の裏づけになるデータを出すわけでございますが、そういうような点から考えまして、この重要性については、私専門教育の立場からも全く先生と同意見でございますが、業務独占議論については十分慎重に検討する必要があると思います。
○大橋(敏)委員 検体検査の過誤も確かに起こっております。現に異型輸血などで生死の境をさまようというような問題も起こっておりますし、あるいは死亡したというケースもあるわけでございますが、医療の定義というものは時代の変化に対応して考えていくものであって、先ほど申しましたように、大正時代の考え方を踏襲しているようでは私は話にならないと思うのでございます。 そこで、検体検査の全部となるとこれは問題があろうかと思いますけれども、たとえば血液型や交差試験、細菌検査、梅毒反応検査あるいは細胞診などのような検査は、できるだけ早い機会に規制していかないと国民は安心して医療を受けられなくなるのではないかという懸念を私は持っているのでございますが、この辺の事情を踏まえまして、法律改正の機会にぜひともある程度の業務制限をしていくべきではないか、こう考えるのでございますが、いかがでございますか。
○滝沢政府委員 先ほどお答えいたしましたように、より高度の学問を経た人が、たとえば医師の教育の中で病理学とか生理学とかいろいろな教育を受けた者は検査技師になれる、あるいは薬剤師の方がなれるというような一つの考え方もございまして、先ほどお答えしましたように、理学あるいは化学のほうを卒業した方がこの分野に入ってきてくださるというようなことを考えますと、その業務独占の必要性の考え方は私否定するものではございませんが、そこにあまりに融通のきかないような法制定になって、将来の検査技術なり機械器具の進展で、自動的に検査の結果が出てくる、それにはむしろその機械を管理する責任者は理学の関係者なり電気の関係者であるほうがいいというようなことによって、データは自動的に記録されて出てくるというようなことも考えられますので、その辺も踏まえまして、先生の御趣旨は非常によくわかりますが、あまり固定して、業務独占を特定な養成なり大学コースを終わった者だけしかできないと限定することの可否については、慎重に検討する必要がある、こういうふうに思っております。
○大橋(敏)委員 医療機関におきます検体検査が開放業務であると同様に、医療機関から検査物を集めて検査するいわゆる検査所ですね、これは単に一つの基準に合わせて登録すればいいことになっております。また、登録しなくても営業ができるということになっているわけでございますが、このことは先ほど申し上げましたこととあわせて、重大な問題であろうかと私は思います。すなわち、とうとい人命を左右する場合もあり得るのでございますので、この際、検査技師の業務制限をはかるとともに、検査所の業務独占をはかるべきではないか、重複した質問になるかもしれませんが、これは大臣の見解もあわせて伺いたいと思うのでございますが、いかかでございますか。
○滝沢政府委員 この問題は私も確かに問題点の一つとして意識いたしております。四十五年の法改正の場合に、法制局ともこの問題についてはいろいろな議論をしたわけでございます。その結果としては、登録制度ということで、知事に登録できる検査所と、それの条件が備わっていない場合は登録しないで検査はできる仕組みになっておるこの点が問題でないかという御指摘でございまして、むしろ許認可あるいは許可というような制度に強めるべきだという御意見だと思うのでございます。この点については、医療関係者の中からもそのような声もございます。ただ法制定の際に議論されましたことは、検査の結果を使うのは医師である、したがって検査の結果を信頼できるものとして、医師の責任においてこれを判断するのがむしろ最終的な問題点ではなかろうか。したがって検査施設のほうに対してあまり強い法制的なものをかけることについてのいろいろな議論があったようでございます。これは私みずからそれにタッチしたわけではございません。しかしながら現行の制度全体を考えますと、登録検査所と未登録の検査所とがほぼ半々でございまして、わが国の臨床検査の重要性を考えますと、この点についてはよほど慎重に検討し、むしろ積極的にそういう先生の御提案のような方向に向かって検討する必要があろうと思いますが、当面法律の改正でございますから、そうすぐにというわけにはまいらぬと思います。で、われわれとしてはいままで四十五年以来とってまいった政策としては、この未登録の検査所を登録検査所に引き上げるという努力、それから登録検査所を含めました精度管理、要するにある検体を無作為に全部に配りまして、その結果を出させて——こちらは正しい結果を知っているわけであります。それを報告させて、正しい結果とその検査所の結果とが合うかどうか、こういういわゆる精度管理ですね、精密の度合いを管理するという方式をとりながら、逐次その内容の改善につとめておりまして、これらの問題については十分、御意見については少し長期の問題ではございましょうけれども、法律改正的な要素も含んでおりますので検討させていただきたいと思います。
○大橋(敏)委員 それじゃこれは大臣にお尋ねしたいんですけれども、臨床検査あるいは衛生検査技師というものは医療機関のほかに、諸研究所あるいは保健所等で多数専門業務に従事しているわけですね。その業務の専門性を実は組織の中ではあまり認めていないように思われる。というのは保健所法施行令第五条には検査技師の名称といいますか、これがないのですね。業務制限でないからだろうと思いますけれども、「その他」の中にすべて包括されてしまっているわけですが、私は、やはり衛生検査技師の仕事の重要性の立場からいって、その身分、位置づけはもっと法的にも確立されなければならない。施行令第五条には検査技師の名称すらないというようなことでは、やはり関係者に不満が出るのではないか、こう思うのでございますが、いままでは単なる研究者や保健所業務の手伝い人程度にしか思われていないのじゃないか。この点、どう考えられているかということですね、このような点について明快にして行政指導をなさっていくかどうか、こういう点を大臣からお聞きしたいと思います。
○齋藤国務大臣 まことにごもっとな御意見でございます。先ほど来のお話のように、衛生検査所が登録のものあり、未登録のものあり、どうもやはりこれはいいことじゃありません。やはり衛生検査というのは国民医療においては非常に重要な部分を占めておる大事な仕事でございます。そういうふうなわけで、先生が特に業務制限をやるべきだ、こういうふうな御意見、そこまでいけるかどうか、私は疑問だと思いますけれども、衛生検査技師の社会的地位を高める、これは非常に大事なことでございます。検査所のあり方の未登録、登録の二つの種類があって、まあ野放しのような姿になっておるわけです。しかもまた、保健所の職員についても十分書かれてない、こういうことでは衛生検査技師の社会的地位を高めるということは私はできないと思うのです。やはりその仕事が国民医療上非常に重要な任務に従事しておるわけでございますから、ひとつ私も国会でも済みましたら、少し時間的余裕ができましたら、衛生検査技師の社会的地位を高めるということ、医療上における重要な職責にかんがみてその地位を高める、そういう観点から、先生がいろいろ先ほど来お述べになりましたような問題について、前向きにひとつ検討をいたしたい、こういうふうにお答えを申し上げます。
○大橋(敏)委員 最後にもう一問お尋ねいたしますが、衛生検査技師養成機関の多くはいわゆる各種学校となっているわけですね。各種学校というのは、茶道とか華道等と同じように、就職のときなどは短大三年卒扱いにはなりますけれども、正式には高卒ということになるわけです。このような状態では、ほんとうに優秀な人材を集めることができない傾向にあるのではないかと心配するわけです。将来構想としてでございますけれども、大学あるいは短大にそろえていく考えはないかどうかということですね、当面各種学校卒業者でも特定の学部へ編入できるような道を開いていただける考えはないか、この二点についてお答え願いたいと思います。
○滝沢政府委員 先ほど来、午前にも金子先生から看護婦の大学教育の問題も御提案ございました。社会党からも保健師法案のようなものが提案されておりますが、すべて医療従事者をむしろ大学教育でやるべしという御意見は、私はその方向に指向すべきだと思います。ただ、看護と同様にその重要性はわかりますけれども、大学教育でやるためには、カリキュラムをどうするか、教師の身分、資格をどうするかというような問題もございます。それから現に、文部省で短期大学として検査技師の養成が三年コースのものが四カ所ほどございます。そういうことも踏まえて、看護と同様、医療従事者は全員身分を切りかえて、全部大学卒にするということはきわめて困難でございますけれども、逐次並行して現状の養成課程と大学コースとを増設していくという方向とをかねて、御要望の線に向かっていきたい、こういうふうに考えております。
○大橋(敏)委員 きょうはいろいろと衛生検査技師の問題に触れたわけでございますが、先ほど大臣も衛生検査技師のことについては、真剣にその身分等も含めて検討を進めていきたい、こうおっしゃいましたので、私は、この大臣のお気持ちに対して深い期待を寄せながら、本日の質問を終わります。
○葉梨委員長代理 この際暫時休憩いたします。 午後一時五十一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕