災害対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/02/28
会議録
○阪上委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件(昭和四十九年度防災計画及び災害復旧計画等)について調査を進めます。 この際、内海建設政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。建設政務次官内海英男君。
○内海(英)政府委員 昭和四十九年度建設省所管防災関係予算の概要について御説明申し上げます。 建設省所管にかかる昭和四十九年度防災関係予算は、総額で五千五百六十一億七百万円であり、その内訳を項目別に見ますと、科学技術の研究六億二千五百万円、災害予防関係八百二十一億八千百万円、国土保全関係三千六百八十八億四百万円、災害復旧等千四十四億九千七百万円となっております。 これら各項目についてさらに詳しくその内容を申し上げますと、まず、科学技術の研究では、1、風水害に関する各種研究、2、地震予知に関する研究、3、耐震設計法等地震災害対策に関する研究、4、道路雪害に関する研究、5、建築物の耐火設計等に関する研究、6、地盤沈下に関する研究を実施することにしております。 次に、災害予防関係では、1、防災に関する土地条件調査、2、津波高潮に対する沿岸海域基礎調査、3、水防施設・建設機械等の整備、4、がけ地近接危険住宅移転事業、5、防災拠点の整備等、6、都市防災対策緊急事業計画作成の指導、7、道路の崩壊防止等の事業、8、官庁施設防災点検の実施、9、道路の雪害防止、10、防災建築街区の整備、11、特殊建築物等防災改修促進事業、12、工業地帯と市街地との間の緩衝緑地整備事業を実施することにしております。 また国土保全関係につきましては、1、河川改修事業、2、ダム事業、3、砂防事業、4、急傾斜地崩壊対策事業、5、海岸保全事業、6、災害関連事業、7、特殊地下壕対策事業を実施することにしております。 さらに、災害復旧等につきましては、河川、ダム、海岸、砂防設備及び道路等の災害復旧事業を実施することにしております。 建設省といたしましては、以上のような防災関係予算を組み、被災施設の早期復旧及び災害の予防になお一そうの努力を傾注する覚悟でおりますので、よろしくお願いいたします。
○阪上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 先日の委員会におきまして、総務長官より、また各省関係の政府委員の皆さんから、来年度の防災予算につきまして詳細なる御説明をちょうだいいたしました。それに関連いたしまして、きょうは災害政策全般についてお尋ね申し上げたいと思っておりましたが、長官たいへんお忙しいようでありますので、わずかの時間ながらちょうだいいたしました三十分の範囲内におきまして、大体一、二点につきまして御所見を承り、またもう一つには、当委員会におきまして再々基本的な問題につきまして検討を重ねてまいりましたことにつきまして、お願いを兼ねまして長官の御決意などをも承って、今後の審議に資したいと存じます。さような意味におきまして、私のお尋ね申したいことはたいへんばく然としたことになるかもしれませんけれども、どうぞ御了承賜わりまして、この際わが国土の保全なり民心の安定なり、その他につきましての中央防災会議の主宰をなさるという意味も加えまして、政府の御方針を承ることができますればありがたい次第であります。 それで最初に、私もこの予算の概要を拝見いたしましての感想を率直に申させていただきますと、非常に問題が重なっておりまして、あるいはことばが過ぎるかもしれませんけれども、防災重点時代を迎えなければならない、あるいは迎えておるとも申すべきときにあたりまして、この予算の大体があまりにもいままでのような軌道を歩んでまいって、新しい時代に処するというものがはっきりと盛り込まれていないのではないか、部分的に見ますと、そういう点もあるのであります。やはり依然として従来からの伝統といいますか、行きがかり上といったことが顕著にあらわれておるように思われます。その中でも、あるいは研究体制におきまして、あるいはまた防災対策におきましても、それぞれ関係各省が自分のところの責任を果たさんとしていろいろお力を尽くされておられるようでありますけれども、その間に何やらアンバランスのものが見えるのであります。また調整の足らざる点などもうかがい知ることができるのでありますが、これらについて、この予算全体をお取りまとめになられます立場から、どのような配慮をなさっておられますか。また長官は御就任になりまして時間もありませんので、あるいはそういうお気持ちがあったにもかかわりませず、もしそれを十分に盛り上げることができなかったとしますならば、やがてまいります再来年度予算の編成あるいはこの予算の実行態度におきまして何らかの措置を講じていただくような御方針があらかれるのかどうか、それからひとつ承らしていただきます。
○小坂国務大臣 金丸委員にお答え申し上げます。 この防災問題は、もう御指摘のとおり国民全部の問題でございまして、もしも事故が起こり、災害が発生したということになりますと、私なども実はそういった予測を考えるだけでも非常に心配でかなわない点でございます。特に委員会におかれましても、防災について非常な御関心を持っていただいて御検討いただいておることは、政府といたしましても非常にありがたいことだと思っております。 御指摘のように、まず最初のことはやはりこうした複雑な社会構造になり、また特に私らが心配をしておりますことは、都市に非常に巨大な人口が密集してきてしまっておる。先般の委員会でもございましたように、熊本のああしたデパートが一つ焼けてもたいへんな死者が出るという事態は、防災関係全般がこの際新しい社会情勢の変化というものを踏まえて努力をしなければならぬということを端的に示したものではないかと考えるわけでございます。したがいましてそのような観点から申し上げれば、私はこの防災関係については現在の仕組みがやはり縦割り行政になっておるし、その限りにおいて予算というものの調整ということはきわめてむずかしい。私はそれを根本的に改めるという問題を常に考えておりますけれども、まだ就任早々でございまして、なかなかそういう段階にもいけないことは率直に申し上げて残念だと思います。しかし、そのためにも中央防災会議の使命は何だということをいろいろ考えてみましたが、結局それは政策面で、施策面で重点的な施策を、今年は何をするかということをきめていくことにあるのではないか。それが縦割り行政の中で政策が全般的に融合されて、実際に国民や市民が不時の災害から生命を守るということに役立つのではないかというふうに考えて、現段階におきましては、この防災会議の主体を政策面の重点施策をまずとらえるということで進むしかないのではないかと考えております。 同時にまた、先般も熊本のああした火事がある、いろいろな問題があるときには、閣議では必ず話が出ておりまして、特にそうした場合にはしご車が少ないじゃないかという先般の御指摘なども閣議では十分話が出ております。自治大臣あるいは建設省、そうしたところからもいろいろな意見が出ておりまして、御指摘のように現在の非常に複雑になって密集した大都市の問題等については、もちろん自治体のいろいろな活動も大切でございますが、同時に政府としてもそうした対策をもっと進めるためのいろいろな話し合いを、ともかく基盤づくりをもっと進めていかなければならぬというふうに考えております。私は、中央防災会議の今後のやり方については、そうした点をひとつ率直に言いながら各省のいわゆる縦割りを少しでも調整をして、国民が安心できる方向をとらえたい、そのようなつもりで今後努力してまいりたいと考えております。
○金丸(徳)委員 防災会議を設置しました基本の法律、災害対策基本法、あれができました動機とでもいいますか、非常に大きな動因になりましたのは、かつての三十四年に起きました伊勢湾台風、その他引き続く七号台風でございますか、富士川を中心にした、ずっとおそろしい台風が引き続いて幾つか起きた。そこで非常にわが国土の弱さという現実を見せつけられまして、防災関係について重点的に大きく取り上げなければならないということになり、そしてその推進機関とでも申しましょうか、防災会議が中央に置き、地方にも置かれたのでありましょうが、しかしそういう発端でありましただけに、防災会議の働きがとかく災害が起きてあとの事後処置などに重点が置かれておるのであります。あの法律全体を見ましてそういう点をつくづく感じるのであります。しかし、元来は災害が起きてあとの始末よりも、むしろ願うところは、災害が起きないような措置をもっとすみやかに進めることでありたいと思いますし、また起きるにいたしましても、その災害の程度をなるべく小範囲にもしくは小規模にあらしめるための措置というものが事前に講ぜられておくべきであろう、こう思うのであります。 しかし、あの法律施行以来十何年たちましても、依然としてやはり事後処置にもう忙殺されておりまして、もっとよき方向に力の入るまでに至っておりません。これはたいへん残念なことであります。ことに最近は産業優先といいますか、経済優先といいますか、生産優先といいますか、その方向にいってしまいました。あとの災害予防などということは、全体の国の政策の動きがだんだん力が抜けていっておるのではないか、そういうふうにひがまれるほどになってしまったのでありますが、しかしこれは残念なことであります。 そこで、この際ひとつ中央防災会議という基本法をさらに見直しまして、事前の措置に重点が置かれるような方向に持っていくということが大事であります。それにつけましても防災会議の運営をより活発ならしむる、より有効ならしむるという意味においてそれが働きいいような機構というものを、予算にいたしましても、あるいは人員にいたしましても、事務機構の整備にいたしましても、やっていかなければならない、この際重点を置くべきではないかと思うのでありますが、この点はいかがでありましょう。
○小坂国務大臣 お答え申し上げます。 金丸委員の御指摘は全くそのとおりだと思います。起こってから騒いでも何にもならぬということは事実であります。また、そうした方向を今後とれという御趣旨だと考えますが、私は全く賛成でございます。金額的に見ますとそうたいしたことにもならないのでございますが、今年度、四十九年度の防災予算の中でやはりいま御指摘のような予知、予測、こうしたものをもっと開発していかなければならぬというような考え方の中で、予算を多少前年度といいますか四十八年度よりふやしたものもございます。もう委員は十分御承知の点ばかりだと思いますが、一応その点について二、三お答えに触れさせていただきたいと思います。 まず第一点は、地震の予知計画を推進するということで、四十八年度の予算は七億八千万程度であったものを四十九年度では十五億五千万に引き上げるということが一つございます。 それから次には大震火災の発生時における災害をできるだけ防ごう、軽微にしようということで、耐震性の貯水槽等の整備強化及び防火拠点の整備推進というような問題については、昨年度は、といいますか四十八年度はわずか一億程度しか出してなかったわけのものもございますが、これを四十九年度では十億円にふやしておるということなども一つの予防対策としての努力を進めておるわけでございます。 三番目には、気象が、日本のような土壌、日本のような位置では非常に重大な災害の原因になっておりますが、こうした気象観測の設備等の強化のために、気象庁の予算になるわけでございますが、その設備費だけを見ましても前年度は七十億八千万くらいのものでございますが、それを四十九年度では八十五億九千万くらいにふやして気象の予測ということ、観測ということを拡充してまいる。 それから火山対策でございますが、この予知の研究と避難施設等につきましても五億四千万程度の予算を計上していく。御指摘のようにもっとこういうものが前進しなければならぬというお話でございますが、私もそうした方向で考えなければならぬということは考えておりますが、少なくとも四十八年度に比べて予測、予知、予防ということを四つの基本ラインに沿って防災会議では推進してまいりたいというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 防災、災害予知、予測、これにつきましては、いまのような数字も確かにあげられておりますし、ことに地震予知につきましては昨年来非常に力が入っておることを私も承知いたしております。ただ、これは各省にわたっておるのでありますが、これを取りまとめてといいますか——あるいは文部省、各大学でやっておられる、あるいは気象庁のほうでやっておられる、あるいは国土地理院のほうでいろいろ力を入れておられる、そういうものにつきまして非常に力がそれぞれのところへは入っておるんでしょうが、それをさらに取りまとめて、足らざるを補う、あるいは相互に連絡し合うとか資料を突き合わせるとか、これは会議その他によってやられておられるようでありまするけれども、その事務的能力というものが足りないのではないかという心配を持つものであります。ことに私は、地震に関係いたしましては、例の六十九年説でありますか、その時期がだんだん近づいてくるというような意味においては非常に人心不安を来たしておりまするし、いま進めておられるような地震予知という以外に、これを受けまして、あるいは河川においてあるいは山においてあるいは工場その他におきましても、地震に対する対策というものは、あらゆる衆知を集めてあらゆる角度から対策を練っておくべき時代が来た、時が来ておるのではないかと思います。そういう意味におきまして、いままでの実績からいきますと事後処理に忙しかったかもしれないところの、そういう地方における防災会議なり、ことに中央における防災会議というものの事務的機構というものを相当整備して、万遺憾なきを期する。これだけの予算の施行上あるいは予算施行に伴って起こるところのその結果、効果というものをより有効ならしめるという意味における対策というものが、この際練られていかなければならないと思うのでありますが、この点くどいようでありますが、どうでございますか。 具体的にいいますと、たびたびここでも問題になったのでありまするが、中央防災会議、特に総理府における機構というものが足りないのではないか。もし足りなければ、各省から拠出してもらうというような、今度のいろいろ問題も起きている、調査官が各省から拠出されたというような措置も、この点においては講ぜられるときが来たのではないか、こうも思うのでありますが、いかがでありましょうか。
○小坂国務大臣 特に地震についての委員の御指摘は、もう週刊誌を見ましても、地震と出ると売れ行きが違うほど国民が関心を持っていることもよく承知しております。そのような、地震が起きるであろうという予測が、非常に一般の人たちが興味を持って見るといいますか、半ばまた心配をして見ているという、その事実を私は見のがしているつもりはございません。がしかし、同時に、そうした問題に対して防災会議がもりと機動的に機能的に活躍したらいいではないか、そのためには事務局も弱いではないかという御指摘、いまの時点というものをよく考えまして、私も検討してまいりたいと考えております。
○金丸(徳)委員 長官、私は実は長官に、これは国民の一人として切実なるお願いをいたしたいのでありますけれども、いまインフレ、物価抑制、物価というような問題について世間は上を下への大騒ぎをいたしております。まさにもう人心不安の極に達していると申し上げてもよろしいと思うのです。こういう時代にこそ、もしこれに加うるに自然災害、ことに大地震というようなものが起きたらば、これはもうたいへんなことになるんではないかと思うのです。これは地震ばかりではなくて、台風にしてしかり、あるいは集中豪雨にしてしかり、山くずれにしてしかり。そういうような災害がもしこのような時代に起きたとしまするならば、これはもうたいへんな騒ぎになるのじゃないか。それにつけましても、こういうときにこそ、災害が起きてもその措置は万全だという体制が政府のほうにもしかれており、国民にもそれを知ってもらっておくということが、人心をしてこれ以上不安の度を加えないようにさせる大事な点だと思うのであります。 それにつきまして、実はせんだって私は江東地区のゼロメートル地帯の防災拠点の視察に参りました。そのあと、ヘリに乗っけてもらいまして、東京周辺を短時間でありますけれども、一通り見ました。上でながめながらつくづくと感じましたことは、よくまあこれだけ雑然とした都市ができてしまったということであります。まことに雑然としたものであり、まあ部分的にいいますと、確かに、防災を考慮した住宅団地もできております、工場団地もできておるかもしれません。それはもうきわめて局地的であり、いままた江東地区におきましては、これならだいじょうぶだという防災拠点、避難場所というものをつくっておるのでありますが、これもきわめて部分的である。東京都全体として見ますると、いかにも雑然たるものであります。これが文化都市、文化国家日本の首都といえるのかと、つくづく嘆かわしく思ったのであります。いろいろ力を入れてきておりまするから、前よりもよくなったのであろうという感じを持ちたいのでありますけれども、いや、江戸時代よりももっと、防災的にいいますと不安の度が強くなったような東京都ということを感ぜざるを得なかったのであります。 同時に私は、いま各地にいろいろと開発が進んでおられまして、いまや開発の度は山の奥まで入ってきておるようであります。土地は買収せられ、もう農山村の人々は山をほうり出しておるというような事態と相なりました。そうなりますと、はたして日本の国土というものは戦争前よりも、もっと言うならば江戸時代よりも不安の度を増しておるのではないか。この予算にも、国土安定という予算がかなり盛られておりまするけれども、こうした予算が盛られ、その施行がやられたのにもかかわらず、日本の国土は不安の度をますます増しつつあるのではないかと思われてならないのであります。 この点、長官はどういうふうに受けとめておられるのでありましょうか。政党政治家としてはまだ新しい。しかしながら、そういう意味において新しい目を持っておられまするから、その新しい目をもって、いまのようなそういう諸条件をどういうふうに受けとめられておられましょうか。そして、その受けとめた感じからいたしまして、この際どういうふうにこの問題に取り組む御決意であられるのでありましょうか。私はいま施行の改善につきましていろいろ御要望を申したのでありますけれども、それはおざなりでなくてほんとうに新しい感覚を持った総務長官としての御決意をこの際承ることができれば、私も非常にありがたいのでありますが、くどいようでありますけれども、ひとつお願いいたします。
○小坂国務大臣 ただいま御指摘いただきました点は、ほんとうにそのとおりだと私は思うのです。特に私も東京都の問題については非常な関心を持っておるものでございますし、また同時に、都市再開発とかあるいは街路の問題、道路の問題等々、やろうという意思はみんなありながら、なかなかそれが進まないという一つの大きな現実にもぶつかっておりますし、また各省も、それぞれそうした問題を踏まえて都市の問題のいろいろな意味での解決をはかって努力をしておると思いますが、しかし、ただいま金丸委員が、海の上からごらんになった東京、私もよく木更津まで参りますものですから、ちらっと見る東京というものは、いかにもひどい。それはもう御指摘のとおりです。要するに、過度に集中した東京のような大都市の防災の問題というものは、これはやはりほんとうに総力を結集してこの防災対策を立てなければならないし、またそれが地方自治であるとか、あるいは国であるとか、各省であるとかいうような、そうしたかきねの中でこの巨大な問題は取り扱いかねるわけでございます。幸いに中央防災会議というものが設けられておりますから、やはりそうした都市というものや、その災害というものが、もう五年、十年前と比較にならぬほど危険の度が進んでおるという現実を踏まえて、やはり一つの理念といいますか、防災についての哲学というものまで掘り下げてわれわれの会議で十分討議をしてまいりたい。きょうはそのような御指摘をいただきましたことを深く理解を申し上げて、今後努力をしてまいりたいと考えております。
○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間はあと一分ばかりでありますから、これ以上詳しくお尋ね申し上げることもできません。実は、私はいまの東京都を一つの例にしてなにしたのでありますけれども、この不安の度が増しておるのじゃないかという私の心配は、都市は都市なりに、地方は地方なりに、そうした不安の原因を積み重ねつつあるように思われてならないからであります。そして、おまけにまた異常気象の時代を迎えた、学者はそんな警告もしておるものですから、この際は、いままでにも増しての対策というものが本年を機会に始められなければならないのではないか、いま政府のほうでは、インフレ対策、物価対策と、非常に世間とともに取り組んでおられます。これは当然のことだと思います。同時に、長官としましては、また同時にそういうことと兼ねて、静かにその底にあるもう一つの大きな問題というものをお考えいただきたい、こういうことでございます。 これ以上なにいたしておりますと時間も過ぎますので、私の質問は、いずれまた後日さらに詳しく承る場をいただきたいと思います。きょうは、もし一口お答えをいただければいただくことといたしまして、これで終わらせていただきます。
○小坂国務大臣 ただいまの委員の御発言は、全く私も、中央防災会議を開催する一つの大きな理念、柱になると考えます。十分尊重して今後の努力を重ねてまいりたいと思っております。
○阪上委員長 次に、諫山博君。
○諫山委員 災害対策で、災害予防、防災が最も重大であることは言うまでもありません。しかし、私は、きょうはその問題には触れずに、すでに発生した災害の復旧問題について二、三質問をいたします。 昭和四十七年の七月に、熊本県天草で大水害が起こりました。この水害復旧は三カ年計画で進められ、ことしの三月末までにはすべての復旧工事の八割が完成するという計画になっているはずですが、私の調査によりますと、建設省関係では、ことし一月三十一日の進捗率が約六〇%、農林省関係では、たとえば災害が一番ひどかった天草五町といわれているところ、こういうところの工事進捗率というのは、農地について五六%、農業用施設について四七%、こういう実情のようですが、なぜ計画どおり災害復旧が進んでいないのか、建設省及び農林省に、ごく簡単に御説明願いたいと思います。
○松村政府委員 お答えを申し上げます。 天草の災害は昭和四十七年の集中豪雨によったものでありますが、非常に狭い地域に災害が集中したためと、それから一方、四十七年は全国的に災害が非常に大きかったということのために、労務、資材の不足、これが非常に著しかったわけでございます。それで、これが主たる原因でもって災害の復旧がおくれているという現状でございます。それで資材につきましてはその後好転いたしましたけれども、依然労務については、これが非常に狭い離島であるというような関係から、非常に不足しているわけでございます。現状といたしましては、概括申し上げて、おくれている理由がそういうことでございます。
○棚橋説明員 農地、農業用施設について御説明申し上げます。 ただいま建設省の河川局長から御説明がございましたのと大体同様でございますが、特に天草地方におきましては、地域的に災害が集中いたしましたために、まずその査定用の設計に相当の手間がかかったのが一つでございます。 それから第二番目といたしまして、被害が集中いたしました地域では、公共事業関係の工事がどうしても集中いたしましたために、地元だけの業者では、その施工能力の限界を大きく越えたというのが第二番目でございます。 それから三番目といたしまして、農家の人口が最近減少しておりまして、したがいまして農家の労働力が得がたくなりまして、そのために業者の労働対策も少し手おくれになったということでございます。 それから四番目といたしまして、四十八年の二月から三月にかけましてセメントの供給不足がございました。また四十八年の十二月からもセメント及び燃料の不足が生じまして、そのために工事がおくれたのが実態でございます。 しかしながら、農林省といたしましては、それらの対策についていろいろと協議いたし、災害の早期復旧につとめてきているところでございます。
○諫山委員 農林省にお聞きします。 そうすると、予定どおり災害復旧は終わる予定かどうか、終わらないとすればどうするのか、御説明ください。
○棚橋説明員 先ほども先生御指摘のございましたように、熊本県におきましては、一月末現在で約五〇%の進捗でございます。それで四十八年度の予算につきましては、約八〇%まで進捗させる、これは全国的な平均でございますが、八〇%までの予算がついております。ところが実際問題といたしまして相当おくれているのは事実でございますから、まずこれのおくれを取り戻すということで現在努力しているところでございます。しかしながら、どうしても三カ年に終わらないというときには、明許繰り越し等の措置によって延期いたします。
○諫山委員 長官にお聞きします。 昭和四十七年の熊本県天草の水害というのは、全国的に非常に問題になった大水害です。そして工事の進捗状況が、農林省所管の場合には現在約八〇%終わっておらなければならないのに、五〇%しか終わってない。そうしていまの説明では、とても期限内に終わりそうにないという感じを受けます。これはいろいろな原因があげられていますが、やはり災害復旧に十分な力を注いでいない。災害復旧に対する予算が非常に少ない。特にことしの場合は、公共事業の抑制というようなことを一律に災害復旧にも当てはめるというようなことが出てきたわけですが、私はこの全国で問題になった天草の水害さえこんなに遅延しているという実情から見ても、もっと災害に金をつぎ込むべきだ、公共事業の抑制というようなことは、たとえば新幹線とか高速自動車道路については当てはまるにしても、災害復旧をそういう立場から見てはいけないというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 天草の実情につきましては担当者からお答え申させていただきたいのでございますが、四十九年度の復旧事業費の計上予算が四十八年度に比べて少ないのは、熱意が足りぬのではないかという御指摘だと考えますが、私たちの考えでは、被害の額が、四十七年度は非常に多発したわけでございますが、被害総額約五千二百億円ぐらいあるという想定でございますが、四十八年度はこれが九百三十億円程度の、比較にならぬほど少なかった。したがいまして、先ほども御説明があったように、三、五、二というような比率で復旧事業の援助がなされるわけでございますが、三カ年でやるという、そうした観点から見ましても、今年度の復旧事業費は千五百四十四億を計上しておりまして、四十八年度の二千四百四十八億に比べては約一千億近く少ないという結果になったわけでございます。これはやはり先ほどから申し上げておりますように、四十七年度の被害総額が非常に大きいから、四十八年度の復旧事業費も非常に大幅に伸びた。必ずしもこれは、全体の公共事業抑制というそうした観点からは、この問題を特別に同じような比率で引き下げたということを、われわれは予算説明のときには聞いておらないわけでございます。
○諫山委員 建設省関係に質問します。 さっき農林省の説明では、おそらく期限内に復旧作業は終わらないだろうというふうに受け取れたのですが、建設省関係では見通しはどうでしょうか。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、現時点におきましては、予定よりもだいぶおくれているということは事実でございます。しかし、これにつきましては、建設省といたしましては、三カ年で災害を復旧するという方針で現在鋭意進めているところでございまして、少なくとも重要部分につきましては三カ年の範囲においてこれを完成させたいということで努力しております。それで、この主要部分については完成すると思います。一部のものにつきましては、やむを得ず残るところがあるかと思いますが、大部分のものについては、三カ年において完成させたいということでございます。
○諫山委員 私は災害復旧のおくれを熊本県天草の水害に例をとって質問したわけですが、予定どおり災害復旧が行なわれていないというのは、もちろんここだけではありません。いろいろおくれの理由が説明されましたが、基本的にはやはり災害対策の軽視ということを指摘せざるを得ないと思います。 そこで問題を変えて、災害が起こった場合には、たとえば被害を受けた市町村から県を経由して政府に対して災害復旧の申請書が提出されております。この災害復旧の申請手続というのは非常に煩瑣になっておるようですが、たてまえとしては、被害を受けた自治体の負担にしてはいけないということだろうと思います。そういうたてまえは建設省は認められているのかどうか、御説明ください。
○松村政府委員 災害復旧の関係につきましての費用でございますが、災害復旧は、原則といたしまして申請をしていただきまして、この申請に基づいて査定をして補助するということになっておるわけでございます。したがいまして、当初の申請に要する費用については、市町村の負担と申しますか、地元の負担が原則でございます。それでできました査定に対して補助するというたてまえでございます。
○諫山委員 災害を申請するための手続が非常に煩瑣で、膨大な費用がかかっているということは御存じでしょうか。
○松村政府委員 災害を申請するに要する調査あるいは設計の費用、これは相当な額がかかっておるということは存じております。
○諫山委員 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、あるいはその施行令というようなのがありまして、この中に事業雑費とか事務費というものを政府が負担するようになっていますが、これを申請に要する費用に充てることはできないのですか。
○松村政府委員 災害査定が終わりまして、災害復旧事業にかかります。そのためには今度は実施の設計をつくらなければならない、そのためには必要な経費がまたさらによけいかかるわけでございます。それらにつきましては、ただいま申し上げましたその経費は全部補助の対象にするというたてまえでございます。
○諫山委員 災害の復旧についてはいろいろな国の負担の法律がつくられていますが、災害を申請するための手続に膨大な費用がかかる、そしてこれが地方自治体の財政を圧迫する大きな原因になっているということを、農林省関係を例にとって指摘したいと思います。 昨年の七月三十一日に福岡県で大水害がありました。その中の一つに宇美町というのがあるのですが、農地の被害が金額にして約一億二千五百万円、農業用施設の被害が金額にして三億一千四百万円、合計四億三千九百万円というのが農業関係の災害の被害です。ところが、宇美町がこの災害被害を申請するに要した金額というのが二千三百万円、膨大な金額です。四億円余りの災害の申請をするのに、二千三百万円も貧弱な町が負担しなければならない、こういう実情になっているわけですが、こういう実情に対して、農林省としてはどういう措置を講じているのでしょうか。
○棚橋説明員 お答え申し上げます。 先ほど建設省からも御説明ございましたように、災害復旧事業費の中には、直接実施に必要な実施設計費及び工事費等は補助の対象になっております。しかしながら、いま御指摘のような査定用の設計書の作成については、補助の対象になっておりません。それで、いま宇美町について実例で御説明ございましたが、この申請に要する費用二千三百万円の内訳について、実はわれわれも実態を調査してございませんから、その費用の範囲がどこからどこまでだということはつまびらかでございません。ところが、現在の制度といたしましては、先ほども申しましたように、査定のための設計書の作成費というものは、施工主体であるところの、ここでいいますと町村負担ということになっているわけでございます。
○諫山委員 長官にお聞きします。 いま説明しましたように、人口二万人足らずの宇美町というところで、農業関係だけで四億三千九百万円の被害を受けた。ところが、宇美町の職員だけで申請の手続をとるだけのスタッフがいませんから、書類を出すだけで二千三百万円も負担する、そしてこれは自治体が負担するのがあたりまえだというような説明がされております。法律の解釈にはいろいろありましょうが、四億円からの被害を受けた、これだけでもたいへんなことですが、政府は書類を出すのに二千三百万円もかかる、この状態がやむを得ないことなのか、あるいはもっと何らかの措置が講ぜられる必要がないのか、長官いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 ただいまの御指摘の、人口たった二万人の自治体で二千三百万という申請のための経費を要したということは、少し理解に苦しみます。どうしてそんなにかかったのかよくわかりませんから、自治省とも話しまして、そうしたことがいつでもほかの場合でも同じように非常に経費がかかるものであるかどうか、その点についてよく調べてからお答え申し上げたいと存じます。
○諫山委員 あと一、二事例を紹介しますと、同じ水害を受けた福岡県の大野城市で、災害の金額が二億九千万円、そしてその災害復旧について、政府に書類を出すための費用が一千五百四十万円、太宰府町では被害金額が一億六千万円、政府に書類を出すための費用が五百四十万円、こういう実情です。 これは小さな自治体であればあるほど、自分の自治体でスタッフを持ちませんから、民間にいろんな設計を委託せざるを得ない。ですから、財政の貧弱なところほど負担が大きくなるというのが実情です。そしてこれは長官も指摘されましたように、きわめて不合理な、不親切なやり方です。自治省との関係もあると思います。たとえば特交というような制度もあり得るわけですが、こういう実質的な損害が全く弱小の自治体にかからないような行政措置ということが絶対に必要なわけですが、いかがでしょうか、長官に御説明願います。
○小坂国務大臣 お答えいたします。 ただいま諫山委員からの具体的な例は、ぜひ私らのほうでも調べさせていただきたいと思います。全体がそうなのかどうか、特に四十七年度の九州地方の、あの水害の多発した時点において、県の応援体制も十分でなかったというようなこともあるやに聞いておりましたが、そうしたことが他の県においても、あるいは他の市町村においても、同じように非常に巨額の負担をせざるを得ないというような実態であるかどうかということを調査したいと思います。
○松村政府委員 四十七年の七月の豪雨災害、これにつきましては、実はこれが非常に激甚だったわけでございまして、しかも集中したということから、迅速な復旧をはかるために、特にコンサルタントとか、そういうふうに、民間の協力といいますか、災害の査定設計をつくるのに非常に費用をよけい要したわけでございます。それでこの際には建設省といたしましては、特例といたしまして、昭和四十七年の激甚災に対しましては、災害査定の申請用の設計書の作成費用について、国庫補助の臨時的な措置を実はとったわけでございます。 それで、今後ともこういう類似な災害、大きな集中災害、特にそういうような費用がよけい要ると認められる場合には、財政当局と協議して何とかそういう軽減をはかっていくような方向に持っていきたいと考えて、いろいろ検討しております。
○諫山委員 いま建設省から説明がありましたが、私の調査では、この種の自治体の負担がきわ立って大きくなっているのは農林省関係です。農林省の場合には、被害を受けた田畑について、一つ一つ、どのくらいのどろがたまっているのか、それをどこに排出するのか、そのための自動車がどのくらいかかるのか、こういうことを詳細に専門家に検討させる、その費用がすべて弱小自治体にかかるわけです。大きな福岡市のようなところであれば、市自体が職員を持っておりますから、こういう費用はかかりません。建設省については、いま言ったような特別な措置を講じたそうですが、農林省はその点考えていないのですか。
○棚橋説明員 農地、農業用施設につきましても、四十七年の災害につきまして特例的にやった例はございます。それで農林省におきましても、大蔵当局と相談をいたしまして、大災害が発生いたしましてその査定用の設計書をつくるために要する経費が多くなったような場合、それで委託に多額の経費を要する場合は、その実態を調査いたしまして、助成について検討してまいりたいというふうに考えております。
○諫山委員 農林省に重ねて質問します。 そうすると、いま私が指摘した、昨年七月の水害で福岡県関係で膨大な自治体の負担が発生しているという問題は、あらためて検討し直すというふうに聞いていいでしょうか。
○棚橋説明員 福岡県の例について申し上げますと、四十八年の災害につきましては、農林省といたしまして、目下のところ、その対象には考えておりません。
○諫山委員 長官にもう一回お聞きします。 いまの説明ですと、建設省のほうでは幾らか前向きに処理するということのようですが、農林省の場合には、国に書類を出すだけで人口二万足らずの町が何千万という負担をしなければならない、この問題について、いまのところ具体的な解決は考えていないそうですが、私はこれはあまりにも不親切で、あまりにもひど過ぎると思うのです。長官はもう一ぺん再検討の方向で指示される意向はないのかどうか、お聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 個人といたしましては、小さな自治体がそうした書類を出すために非常に大きな金を使う、しかもそれを相当正確な、精度の高い被害状態を報告しなければならない規定があるから、したがって自分のところの手持ちの技術者ではどうにもならぬという場合、お金がかかるのはやむを得ないと思いますが、そのようなちょっと非常識と思われるような、書類に金がかかるということは、やはりこれは御指摘のようによく考えてみなければならぬ点があると思います。同時にまた、そうしたことを受けて、政府内部においても、建設省はある程度四十七年度については特別に考えているということでございますし、いずれにいたしましても三カ年計画の中で復旧をいたすわけでございますから、その点についてよく農林省と建設省とも話し合ってもらうような場を総理府といたしましては考えてもいいかと考えております。
○諫山委員 長官に対する質問は以上で終わります。 これは福岡県の深刻な事例を例にとって質問しましたが、全国共通な悩みでもあるわけです。重ねて今後政府当局と交渉を続けるということで次の問題に移ります。 昨年の水害でやはり福岡県にある国鉄勝田線が埋没いたしました。これは昨年七月三十一日のことです。数日前に私が現場に行ってみますと、まだ復旧作業さえ始まっていないという状態です。 〔委員長退席、金丸(徳)委員長代理着席〕 たくさんの通勤労働者が利用している国鉄が、昨年の七月水害でやられてまだ復旧さえ始まっていないというのは言語道断です。地元住民は、この水害をいいことにして勝田線を廃止するのではないかという不安をいまなお持っております。国鉄当局としては、いつこの災害復旧を完成して国鉄が走るようにするつもりなのか、御説明ください。
○篠原説明員 お答え申し上げます。 昨年の七月三十一日の水害で勝田線が志免−勝田間約六・五キロ、特に宇美−勝田間が非常にやられましたことは先生御承知のとおりでございます。特に宇美と勝田間約二・八キロのうち、井野川と平行しておる二・三キロというのは、井野川がはんらんいたしまして護岸がやられまして——これは井野川といいますのは先生も御承知のとおり宇美町所管の河川部分と県所管の河川部分の二つに分かれております。県の所管の河川部分は今月復旧が完成すると聞いております。したがいまして、私のほうも、これが終わりましたら三月からその護岸あるいは盛土、そういうものの復旧に着手したいと考えております。しかし宇美町河川、宇美の町の管理にかかる河川は、現在なお勝田の構内を流れております。これは私のほうが町当局に今後の河川改修をいかにするのだという協議をいたしましたところ、当初は、遺体の捜索に時間がかかるので、構内を川として流してくれ、それから災害で河床が相当上がったために夕立が降ると床下浸水をするので、追って協議するまで勝田の構内を仮の河川敷として流してほしいという協議がございまして、その後まだ復旧の協議がととのっておりません。といいますのは、町のほうから復旧についての協議が来ておりません。そういたしますと、先生も御承知のとおり、この勝田線は現在ディーゼル動車で引っぱる客車列車が十本ございます。これはそのディーゼルが上りで行きますと、下りの場合には機回り線を使いまして、機関車の頭づけをつけかえをいたします。この機回り線があるのは現在勝田の構内だけでございます。したがいまして、現在は志免−勝田間はバス代行をしております。したがって、途中の線路を早く復旧いたしましても、勝田の構内の河川改修の協議がととのって機回り線ができませんと全体的な列車運行ができませんが、県所管の河川の改修が今月で終わると聞いておりますので、終わりました区間、復旧に時間のかかる護岸あるいは盛土につきましては三月早々から着工からする予定でございます。
○諫山委員 そうすると、通常どおりに国鉄が走るようになるのはいつごろでしょうか。
○篠原説明員 先ほど申し上げましたように、宇美町管理の河川で、現在、勝田の構内を流れておる河川のつけかえが完了いたしませんと列車が走るような機能を発揮いたしません。鋭意宇美町と協議いたしまして、ここの河川改修が話がつきましたら追って計画を考えたい、こう考えております。
○諫山委員 そうすると、地元の宇美町の責任で復旧がおくれているように聞こえるのですが、そういうことですか。
○篠原説明員 現在のまま昔の旧河川に宇美町の河川をつけかえたのでは、夕立でまた床下浸水をする、したがって、抜本的な河川改修が済むまで協議が宇美町から来ないというのが現状でございます。
○諫山委員 そうすると、宇美町と協議がいますぐととのうとすれば、どのくらいの後国鉄は走るようになりましょうか。
○篠原説明員 河川改修の計画、河川計画がととのいまして、機回り線が整備できますと、二カ月もあれば復旧ができる、こう考えております。
○諫山委員 私は、熊本県の天草の水害、昨年の福岡県の水害などを例にとりまして、災害復旧が非常におくれている、しかも災害復旧に本来は国が負担すべき当然の経費までが自治体の負担にさせられているというような問題について質問いたしました。私は、こういう問題が出てくる根本というのは、最初、長官に対する質問でも指摘しましたように、やはり災害復旧というようなことに本気で取り組もうとしていない。もっと積極的にこれに財政をつぎ込まなければ解決しない問題だと思います。今後、交渉に残された問題もありますが、いま言ったような観点からこういう問題を、長官の答弁では前向きに検討するというふうに受け取れたわけですが、そういう立場で建設省、農林省が取り組んでいただけるのかどうかお聞きして質問を終わりたいと思います。
○松村政府委員 お答え申し上げます。 災害復旧の費用をどこで負担するかということでございますが、これも第一義的な責任といたしましては、当然地方自治体になるわけでございますけれども、ただ現在、国といたしましてこの費用の負担を大幅に補助したいということで国庫負担法が出てきているわけでございます。そういう関係上、この補助をできるだけ完全なものにしたいということで、私ども年々努力しているわけでございますが、さらにこの努力を進めていきたいと思っております。
○棚橋説明員 農林省におきましても災害復旧の緊急性を考慮いたしまして、三カ年復旧を実現するようにいま一そうの努力をいたしたいと存じております。 それから先ほど先生から御指摘のございました災害の査定のための経費でございますが、これにつきましても実態を十分調査いたしたいというふうに存じております。
○諫山委員 長官の説明でも、政府に書類を出すのに小さな自治体が一千万も二千万も負担するというのは不合理だという説明だったと思います。そういう観点から前向きに検討するというふうに聞いていいでしょうか。農林省関係が特に金額が大きいのですが、それでいいですか。
○棚橋説明員 いま御説明申し上げましたように、実態を十分調査いたしまして検討いたしたいと存じております。
○諫山委員 終わります。
○金丸(徳)委員長代理 次に高橋繁君。
○高橋(繁)委員 私は、昭和四十八年においては自然災害は比較的少なかったように思います。そこで当然私は人災であるということから、いま全国にわたって行なわれております採石の問題、それから砂利の発掘、それに伴って法的規制のない、埋め立て用に使う土砂の採掘、そういう観点から災害が起きておる、この原因は明らかに人災である、これは未然に防ぐことができる、こういう観点から、若干経過を踏まえながら質問をしてまいりたいと思います。 通産省の調べたところによりますと、四十七年十二月、二年前の現在で、採石現場は七千九百八十二カ所、それから砂利の発掘が、山砂利が四百七十六カ所、これは四十九年の二月現在ですか、陸砂利が千三百三十八カ所、約一万近い日本の山や畑や丘が掘られておるということを考えると、まるで禿頭病的な存在にあると思うのです。しかしながら、この砂利の需要というものはたいへんな増大をいたしておることから考えると、この採石の現場というものは年々増加をする。川の砂利はもう限度に達しておりますし、もう掘り尽くしてしまったという現状でありますから、この採石場が、ここ数年の間どんな状況でふえておるのかどうかという点についてお答えを願いたいと思います。
○斎藤説明員 お答え申し上げます。 昭和四十七年で七千七百八十二事業所でございまして、四十三年に比しまして約三倍にふえております。
○高橋(繁)委員 四十三年に比べて三倍になっているということですね。そうすると、四十六年と四十七年はふえ方はどんな状況ですか。
○斎藤説明員 六年、五年等の数字、いま手元に持ち合わせておりませんので、すぐに調べましてお答え申し上げます。
○高橋(繁)委員 それに伴って、いわゆる山砂利等の需要の状況ですね、大体年間どれくらいふえておるのか、また今後の需要の見通しがわかればお答え願いたい。
○斎藤説明員 採石の生産量の推移でございますが、昭和四十三年の生産量が一億四千六百万トン、四十四年が一億八千六百万トン、四十五年が二億二千二百万トン、四十六年が三億六百万トン、四十七年が三億九千三百万トンでございまして、四十三年を一〇〇といたしますと、四十七年は二七〇%になります。
○高橋(繁)委員 そのようにかなりの増大をいたしております。してみると、今後採石現場というものは急増していくという状況にあると思うのです。そこでこの採石現場あるいは砂利の採取場等について、いままでかなりの災害が起きていると思うのですが、その災害の状況がわかれば御説明を願いたいと思います。
○斎藤説明員 お答え申し上げます。 同じく四十三年から四十七年の経過を御説明させていただきたいと思いますが、災害発生件数にいたしまして、四十三年が全国で三百六十九件でございます。四十四年が二百三十九件、四十五年が百七十件、四十六年が二百四十七件、四十七年が百五十八件でございます。件数の絶対数といたしましても減少しております。生産量で割り返しますと、災害発生件数は非常に減っておるということが言えるかと思います。
○高橋(繁)委員 災害件数が確かに減ってはおります。これは当初、採石が開始をされた数年前というものは、チェックもできなかっただろうし、またなかなか災害防止ということでやってくれない。ところが、災害が減ったという最大の原因は、その地域の住民がかなりこれに関心を持ってきて騒いだ、その結果、業者がある程度関心を持って少なくなってきたというように私は考えるわけであります。しかしながら、現在まだ百何件以上の災害があるということになりますと、これは当然自然災害ではありませんし、人災であるということから、この災害はまたまた少なくすそことができるのじゃないか、ということは、私は、こうした採石現場あるいは砂利採取の現場の指導監督、チェック体制というものが一体どのようになっているのか、非常に不行き届きではないかという感じがするわけです。その辺のチェックする体制ですね、あるいは指導監督する、現場を見るという体制がまだ十分でないような感じもいたしますが、その辺についてはどのような状況でありますか。
○斎藤説明員 御指摘のとおり、災害発生というものはゼロであることに越したことはございません。しかしながら、いろいろな努力をしておるわけでございますが、なお四十七年で百五十八件ということは、決して少ないと言い切るわけにはいかないかと思いますが、現在、非常な努力をいたしまして、災害発生に対する諸施策を立てておるわけでございます。もちろん御指摘のとおり、地元の方々が採石業というものについて、それの及ぼす公害につきまして、非常に進歩的な御意見を持ち始められたということも、非常に大きなファクターになっております。またそれらの声とあわせまして、都道府県を中心とする採石業の認可に対するチェックの態度あるいは認可後の巡回監督というふうなものが非常に大きな成果をあげておるということもまた事実であろうかと思います。 〔金丸(徳)委員長代理退席、高鳥委員長代理着席〕 それらの体制を今後とも強化していくということが私どもの基本的な考え方でもございますし、また四十六年九月に法改正をいただいたわけでございますが、それらの効果が出てきたというふうにも考えられるかと思います。
○高橋(繁)委員 この採石現場ですね、非常に都道府県で差があるわけですよ。たとえば一番多いところは広島県の三百九十九カ所、それから茨城の三百五十一カ所とか、香川、佐賀、それから長野、これは三百カ所以上です。少ないところは富山県の七カ所といったように、県で非常に差があります。 ところが、いま地方自治体でも国でもそうですが、何か定員をふやさないという方針でやっております。してみると、県の認可制に昭和四十六年からなったわけですが、都道府県で三百カ所以上のそうした現場を、実際問題この県の職員がチェックできるかどうかということ、それから職員の技術的な面で、四十六年に切りかわったばかりですから、そうした採石の現場あるいは工事に対する技術的な面がたいへんまだ欠けているのじゃないかというように考えるわけですが、その辺の養成といいますか、指導というか、通産省はどのように考えておりますか。
○斎藤説明員 限られた職員の数で、御指摘のとおり三百にものぼるところを常時巡回監督するということは非常にむずかしいかと思います。またそういうこともございますので、やはり何と申しましても一番大事なことは、認可に際しましてどういうふうな最終計画をその採石業者が立てておるかということをきびしくチェックするということが、まず第一に必要であると思います。 次に第二は、その採石業者自身が災害の発生ということについての防備体制を整える、そしてその防備体制がどうなっているかということもあわせてチェョクする必要があります。 したがいまして、新しい採石法の改正に際しまして、一番大きな点の一つといたしまして、採石業務管理者を置かなくてはならないということを定めたことが、改正の大きな要点の一つでございまして、四十六年九月以降は、この採石業務管理者というものが必ずいなくてはならないということになったわけでございます。また、この採石業務管理者を置くと同時に、通産省としましても、毎年一回採石業務管理者の試験を行なうと同時に、都道府県の担当者に定期的に集まっていただきまして、その後の採石の技術に関する指導、あるいは新しい保安のあり方というふうなことを、講習会を開くなどして、府県職員の技術向上及び現場職員の技術向上にできるだけの力を払っておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 実際採石する場合には、指導基準ですか、角度は六十度でなければならないとか、あるいは階段式に発掘をしていくとかいうことがあります。また、隣の山との境は頂上で五メートル以上なくちゃならないとか、いろんな具体的なものがきめられておりますが、実際はほとんどそれが行なわれておらないのが現状じゃないかと思うのです。それはやはりチェックの体制、監視の体制というものがなかなかいまの職員の中ではできにくいという中で、業者としては一番掘りやすい方法で、能率のあがることでやっているわけです。ところが、そうした指導基準がなかなか守られていないのが現状、そこに災害が起きる最大の原因があろうと私は思う。そうした点で、採石現場とそこに住む住民の間に、紛争やそういう問題がかなりあると思うのですが、それは御承知ですか。
○斎藤説明員 技術基準につきましても定めてございますが、現場のあり方等によりまして、なかなか技術基準を守らないというふうな悪質なる者もおることも事実でございます。それを防ぐ手段といたしまして、まず第一に、通常採取計画の認可は三年ということで期間を区切っておりますけれども、そういう特殊な地形等に対しましては、その計画の有効期間を一年という形で認可を縮小いたしまして、一年ごとに新たなる計画書を持ってこさせる。同時にその認可にあたりまして、特にそういう危険な場所は現場検証するというふうなことによってそこを認可していくというふうに、ケース・バイ・ケースで行政上の認可にあたりましてのチェックをきびしくしておるわけでございまして、それらもあわせまして災害をなくするということに努力しておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 具体的な例はここで一々申し上げませんが、たとえば住家のある場所、採石をして、その裏山がすぐ住家で、ハッパの影響、あるいは指導基準の以外で掘っているために、その裏側の木が枯れてきておる、土砂がぼろぼと落ちてくるというような現場、あるいはその採石場の下が、ものすごい往来の激しい県道、公道になっているという場所ですね、こういう場所で今後採石するということは、私ははなはだ不適当であるというように思うのです。そういう個所が業者にとってみれば一番都合のいいところです。道路が近くて、海が近くて、運賃がかからないわけですから、山からけっころがしたやつを船に載せてすぐ運ぶのですから、一番いい場所なんです。ところがその裏面には住家がある。またその大きな百五十メートルぐらいの山をくずしたことによって、気象関係にも著しく影響するという場もあります。その山をとったために、自然港であり避難港であったその港の機能はなくなってくるという現状も出てくる。これは具体的にはまたあとで、次の機会に譲りたいと思いますが、そうしたいろんな採石の問題で、現場でかなりの問題が起きております。山の中であってみれば、さほど住民の関心というものはないわけですが、そうした往来の激しい県道、国道、あるいは住家のある、あるいは学校がすぐある場所で、今後私は採石を続けることははなはだ不適当であると思うのですが、これらの採石業者に対しては、今後私はすみやかにそういう地点がもしあったとすれば中止をすべきであると思うのですが、その点についての考えは、どう考えておりますか。
○斎藤説明員 地形上いかに採石が困難だというふうなことがございましても、もしそれが認可採掘計画書に違反しておるというふうな事実がございましたら、これは直ちに中止、または中止命令を出しまして、中止命令を聞かない場合は認可を取り消すということになっております。また、事実中止をしておるところも多数ございます。御指摘の、人家に近いとか、あるいは県道に近いとかというふうなことは、採石計画書の認可に際しまして、そういう場合の防護施設というものを厳重に義務づけておるわけでございますが、その場合にも特別な場合には、その地域の住民と実際に都道府県当局が会いまして、こういうふうな防災計画で満足し得るかというふうなことを市町村当局と十分に話し合いまして、それらの地元の方々の了解が得られた後において計画書を認可するということを実際上手続をとっております。またそういうふうにして認可されました採掘計画書でありながら、なおかつ地域の方々とのあつれきが起こったというふうな場合には、そういうふうな通告が県に来た場合には、直ちに県はその現場に行って計画書どおりに守られておるか、守られておるにもかかわらずなおかつ問題があるということであれば、その問題を解決するというふうに努力しております。また、それらのことも特別な場合には所管の通産局に報告がございまして、特に通産局の技術的な指導と過去の豊富な経験にゆだねるというふうなこともございます。
○高橋(繁)委員 これはあとで聞きます。 窯業建材課長にお聞きしますが、陸砂利、山砂利のこれもたいへんな需要の増加に伴って、河川の砂利の枯渇ともにおかにだんだん上がってきた。しかも今度は山砂利、畑をつぶしたりあるいは川の横の陸地をつぶしたりしてたいへんな砂利が掘られて陥没地帯になって、これも年々子供が落ちてなくなったり、そうした災害が絶えないわけですが、砂利採取についても、災害防止のための教育としてこの予算項目の中にもあります。「砂利採取に伴う災害防止のための教育等」と通商産業省の予算の説明の中にありますが、一体これについてどんな教育がなされておりますか、あるいはされようとしておりますか。
○木原説明員 先生の御指摘のように、砂利採取に際しましていろいろな災害が出ておることは事実でございます。このためには県職員の指導能力を強化するということと、それから各企業の事業責任者にそれぞれ技術的なあるいは法律の順守ということを義務づける、認識させる必要がございますので、毎年講習会を催しております。これは四十三年度からずっと実施しておりまして、年々その資質は向上しております。県職員についても同様な講習をやり、それからそのときどきの情勢の変化あるいは各地の実例等を参考にして研究をさせておる次第でございます。
○高橋(繁)委員 その結果効果はあがっていますか。
○木原説明員 砂利に関する災害は年に数十件程度でございます。その大部分は公害と申しますか、汚染水が流れる、砂利を洗う、おか砂利あるいは山砂利を洗浄いたしますその場合に洗浄水が流出するというふうな場合が一番苦情の多い場合でございまして、先生御指摘の、おか砂利を掘ったあとの穴の中に子供が落ちるというのは年に一、二件ございますが、これにつきましては——これは法違反でございます。穴の埋め戻しを義務づけております。したがって、こういう状態につきましては告発措置をとるようにしております。
○高橋(繁)委員 鉱業課長にもう一度お聞きしますが、鉱山災害防止のための研究ということで、こうした今後急増しつつある採石の問題、そうした防止のための研究を含めて、鉱山災害を含めておやりになっておりますか。
○斎藤説明員 採石場あるいは鉱山における災害というふうなものをできるだけなくするということの努力は、たいへん長い歴史をかけまして私どもが一番重点的にやってきた行政の一つでございます。一つ一つの事故につきましてすべてが通産省に報告され、そうしてそれらの事故というものは種類別に分析され、そうしてそれに対する対策あるいは法的整備というふうなことで、法律を鉱山保安等も改正を重ねてきたわけであります。それらのことによりまして事故の減少ということも大いに効果をあげてきておると思いますし、また現在でもそういうことに対する技術的なレベルアップということのために、先刻御答弁申し上げました講習会というふうなことをやると同時に、各地方にそれぞれの災害を少なくするためのいろいろな鉱山業界の技術の協会がございます。そういうふうな各地方の協会におきまして、定期的に講習会も開いております。また現場での検討会も開いておりますし、またいろいろなPR雑誌、定期刊行物等を通じまして、それらの災害の分析及びそれに対応するための技術的発展というふうなことは鉱山技術の最も大事なことの一つとして力を入れておるところでございます。
○高橋(繁)委員 通産省の関係は砂利採石等でありますが、きのうも建設委員会ですか、何かちょっと問題になっておりますが、土砂の問題、これには実際問題としていま何ら法的根拠がないわけです。掘られっぱなしということで、これと並んでやはり法的な規制をする必要があると思うのです、環境の破壊とかあるいは災害防止とかいうこととからめて。これは管轄が違うかもしれませんが、それらの問題について、土砂の発掘については通産省はどのように考えておるか、もし考えておることがあったらお答え願いたい。
○木原説明員 土砂の採取は、採石あるいは砂利とは違いまして、非常にその目的が多種でございますし、また形態が非常に複雑でございます。またこれに対する法規制にいたしましても従来から地すべり防止法あるいは都市計画法であるとか、それぞれの法律の中で土の採取についてはいろいろな法的な規制が行なわれておるわけでございます。また砂利採取法等におきましても、埋め戻しの土をとるという場合には、その安全性の確認ということで事業計画の段階でチェックをやっておるわけでございます。そういうふうに非常に多くの法律にかかわってまいりますし、非常に複雑な問題はありますけれども、そういった既存の法律では十分カバーし切れない面というのもあることは事実でございます。しかしこれは、こういった法律、あるいは各都道府県においてそれぞれ条例等をつくっておられます。こういう関係を十分検討しなければならないと思いますが、これからの検討課題としていま勉強しているところでございます。
○高橋(繁)委員 最後に副長官にお願いしたいのですけれども、こうした明らかに人災である採石業あるいは砂利採取等による災害というものは現実にあるわけですね。また、この砂利の需要に伴って将来ますますふえつつある採石の問題。もちろんこれは環境庁の関係もありましょうし、あるいは農林省の関係もあろうと思うのです。ひどいところは保安林を解除してまでも採石をしている場所もあります。そうしたことで、今後災害の防止ということに、自然災害とは異なって、万全な措置をとればかなり縮小できるということはいえると私は思うのであります。それらについて、最後にまとめて、今後のそうした防止に対しての副長官の考えを聞かしていただきたいと思います。
○小渕政府委員 自然災害発生の中にあって、御指摘のような砂利採取等によるいわば人災と思われるような災害が非常にふえていくということは、最も避けていかなければならない問題だろうと思います。防災につきまして責任を持つ立場から申し上げまして、いまの砂利採取が災害を発生させる大きな原因になるとすれば、その除去のために努力をしていくことは当然なことだろうと思います。現時点におきましては、地方の防災会議におきまして当問題について鋭意検討中であるようでありますし、また、政府部内におきましても関係する省庁がございますので、そうした省庁におきまして、砂利採取が災害に結びつくようなことが万に一つもないように、今後とも意思の統一をはかりながら推進をしていきたい、こう考えております。
○高鳥委員長代理 次に、金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間、残り少なになっておるのでありますが、けさほど総務長官にお尋ねいたした問題に関連いたしまして、農林省及び建設省の関係のほうからさらにもうちょっと掘り下げたお答えをちょうだいして、それから最後に、おいでいただいております副長官から、政府の基本的な施政方針を承りたいと思います。 きわめて時間が制約されておりますので、大ざっぱな、またあるいはそのものずばりのお尋ねをいたすのでありますが、実は私は、いま高橋委員からお尋ねもありましたような事情も加味いたしまして、あなたのほうで見ておられるところの日本の山全体がどの程度安定の度を増しつつあるか、こういうことを大ざっぱでいいからお聞かせいただきたいのであります。といいますのは、林野庁のほうでは、国有林はもとより、民有林、公有林を含めて、植栽に力を入れ、山のはだ荒れ防止、山腹砂防というようなことに力を入れておられ、その限りにおいては、ほっておいた時代よりも山の安定度は増しつつあると私は見たいのであります。見たいのでありますけれども、最近は、いろいろな角度から山にまた別の力が入りだしてきた。いま問題になりました砂利採取などによって山のはだがあちらこちらかなり荒れだしている。そしてそれが災害の原因になって、現に災害を起こしつつあるということであります。そのほかに、山の手入れが、人手不足といいますか、あるいは資材の高騰というようなことからいたしまして、手が回りかねるのじゃないかという心配も重なってまいりまするし、ここ一両年の土地ブームといいますか、買い占めなどによりまして、あるものはゴルフ場に使われだしたりということで、どうも全体としまして日本の国土は、特に山に関する限り安定度が非常に減じつつあるのではないか、こう思うのでありますが、林野庁がごらんになっているところはどうなんでありましょうか。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問の山の安定度ということに関しまして、造林なり治山、あるいは山の乱開発という点にお触れいただいたわけでございますが、森林は御承知のように、木材生産機能と、おっしゃったような公益的な機能と二つ持っておるわけでございます。この二つの機能に対しまして、私どもは常に活力のある森林をそこにつくっていく、あるいはそれを維持し造成していくところにこの両機能を果たすものがあろう、こういうことを考えておるのでございます。したがいまして、御承知のような全国森林計画とか地域のこまかい森林計画というようなものを根底といたしまして、施業の確保、あるいは造林事業を進め、さらには治山事業等を進めておるわけでございますが、特に必要なところにおきましては、保安林等を指定いたしまして、地形の変更とかいうようなことをきびしく制限いたしておるのでございます。特に御指摘ございました造林事業でございますが、近ごろの労務の問題等もございますけれども、実は日本に大部分ございました薪炭林、この薪炭林の伐採というものが、人手のこともございますが、なかなか利用するにはまだ小さいというような現状もございまして、減少いたしております。したがって、造林そのものは、それを切ったあとの植林ということにつきましては、現在ほとんど切ったものは植えられておるという現実でございます。私どもそれを拡大造林と称しておりますが、拡大造林につきましては、森林計画で計画いたしましたとおりに大体確保されておるのが実態でございます。 なお御指摘ございました治山事業につきましては、治山五カ年計画を現在計画どおりに大体実行はいたしております。しかしながら、先生の御指摘ございましたように、最近ゴルフ場とかそれ以外のレクリエーションに使うとか、それぞれ山の開発というのがわりあいと多くなってまいっております。したがいまして、昨日でございますが、農林水産委員会で御可決をいただきました森林法の改正を出しておるわけでございます。これは、保安林だけでは対応できない普通林についても何らかの制限をすべきであるということで、政令等できめる予定にいたしておりますけれども、一ヘクタール以上の表土をとるとかあるいは地形を変えるとかいうような行為に対しましては知事の許可を要するというようなことで、森林法を改正してまでこれに対応していきたい、こういうことでせっかく御審議いただいておるところでございます。森林の持っております機能の重要性にかんがみまして、私どもなお一そう御指摘のような趣旨を体しまして、森林の撫育なり保持あるいは造成というものに努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 空気汚染などの影響さえも山のかなり奥のほうまで受け出しておるというようなことを聞くにつけましても、知らぬ間に山の奥がたいへんな状況になってきておったんだ。幸いにして集中豪雨もなかった、台風も襲わなかったということで穏やかだったんだが、一たび来たときにはたいへんなことになったんだということのないように、よほど用心してかからなければいけない、こう思っておったものですから、このようなお尋ねになったのであります。確かに雑木林などは手をつけることがないものですから、その意味においては緑は増しているかもしれない。と同時に、大気汚染その他による山の木がいたみかけておるということも加味いたしまして、同時に、権兵衛が種まきゃカラスがほじくる、そういうような状況になる傾向が強いものですから、それをも加味して少しずつでも、年を追うてやはり日本の国土は安定の度が増しつつある、いまは安心の度を増しつつあるということであれば私も愁眉を開きます。あるいは杞憂であったと思い直すのでありますが、どうもそう思えない節が多々出てくるものですから一応申し上げたのであります。たとえば自然保護というようなことが叫ばれるのでありますが、さらに進んで大事な国土を守るという声がもうほうはいとして世間にいわれるというような気風を、いまからあなたのほうからでも声をあげてもらう必要があろうじゃないかと私は常々思っておるからなんであります。 それでもう一つ、いまも高橋委員の御質問に関連して私は思ったのでありますけれども、たとえば山砂利の採取、まあこれは資源として通産省関係でやられるのでありましょうが、確かに資源の採掘は大事であります。資源のない日本としては山の一つの石といえどもこれを利用したい、この気持ちもよくわかるし、そうでなければならないと思いますが、同時にそれはあくまでも国土を守るということが前提となってでなければ、山は困るんじゃないかと思います。砂利採取をしたがために、そこですでに災害を起こしておる。それにさらに自然の力が加わってきてそのもとでもって、千里の堤もアリの一穴からという悔いを残さないような対策というものがいまから十分にとられていかなければ、石一つといえども資源ではない、こう私には思える。そういうことで山を管理なさっておる林野庁のほうといたしましては、農林省といたしましては、国土の安定度がどういう方向にどう進んでおるのかということは常にあらゆる角度から気にしてもらわなければならない、こういうことであります。お答えをいただければ得たいのでありますけれども、時間がありませんから、お答えはいずれまたちょうだいいたすことにし、なおそれについての資料でもありますればこれを勉強さしていただくことにいたします。 河川局長にお願いをいたしたいのでありますが、同じような考え方で治水の重大責任を負っておられる立場から、いまの状況をどうごらんになっておられましょうか。確かに治山治水五カ年計画、十カ年計画、たくさんの予算を盛られております。同時にまた、いろいろな意味において国土が荒らされておる点も多かろうと思います。ですから、従来のような予算で従来のような機構でやって、そのカラスがほじくるほうが先だ、進んでいっちゃったというようなことがあってはならないと思うのですが、いかがでありましょうか。
○松村政府委員 国土の保全対策というものは、やはり国土の状況の変化、またその開発状況に応じて当然進められなければならぬということから、われわれで担当しております河川事業あるいは砂防事業につきしては、この変化に応ずるように計画を対応して進めていくということで治水事業五カ年計画等も進めてきておるわけでございます。こういうことで進めてきておるのでございますから、河川事業全般からいきますと、安全度については低下しているということはないというふうに確信を持っておるわけでございます。ただしこれを局部的に見ますと、局地的ないろいろな開発あるいは変化に応じ切れないところも残っておることもまた事実であると思います。最近において集中豪雨等による被害、これは確かに激増しておる点もあります。こういうような点もございますので、われわれといたしましては全体として変化に対応しまして、大河川等の改修も行なっていくとともに、特に中小規模の河川あるいは土石流対策あるいは急傾斜地の対策というようなことにつきましても重点を置きまして治水事業を進めていきたいと思っております。 また砂防事業を進めますのはもとをとめるわけでございますが、こういう事業につきましても林野関係等と十分打ち合わせをして進めていきたいと考えておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 河川局長に特にお伺いしたいのでありますが、最近の資材高騰あるいは人手不足というようなことによりまして、せっかく盛られたところの巨額の予算も実際工事量としてはその十分の効果が発揮できないのだというような意味において後退している心配はないものでしょうか。 それからもう一つ、石油問題からいたしまして、再びまた山の奥に降る水に目がつけられまして、あるいはダム建設あるいは奥の河川の利用ということが叫ばれると思います。そういう場合において、どうしてもいままでの経験にかんがみて利水のほうが先に立つのですが、今度の場合においてはそうであってはならないという意味におきましても、治水治山計画、ことに治水の基本計画というのはよほど先に先にと打ち出してもらっておく必要があるのではないか、いままでにもまして打ち出しておく必要があろうではないかと思うのですが、そのかまえはどのようにとっておられましょうか。時間がありませんから、ざっと承っておきます。
○松村政府委員 確かに資材の高騰等によって、事業量そのものは同じ事業費に対してどうしても減ぜざるを得ないという現状でございます。したがいまして、この対策といたしましては、やはり治水事業は限定されておりますのでこれを重点的に施行していこうということで、最近特に集中豪雨等の問題があるようなところ、こういう差し迫った緊急的なところに重点的につぎ込んでいこうというふうに考えておるわけでございます。 また、水の利用あるいは発電、こういうような関係からさらに開発が進められるのではないか、それに対して山のほうの対策等はどう考えておるかということかと思いますが、われわれといたしましては、この利水事業を進めるということにおきましても治水事業ということを頭に入れて、かりにダム等をつくるにおきましても、利水とともに治水も加味したいわゆる計画、こういうものにやっていこうということ、それと林野庁等とも十分連絡いたしますし、われわれ自身といたしましても砂防事業等をやっておりますので、こういうものを加味して、安全度が低下することのないよう十分な措置をとっていきたいというふうに考えております。
○金丸(徳)委員 もっといろいろお伺いしたいのですが、残念ながら時間がきてしまいました。 そこで最後に、小渕副長官に御所信を承って、またお願いもいたしたいのでありますが、私などは特に心配性のほうなものですから、いろいろの角度から気になることばかりであります。それで特に世間の目からとかく忘れられがちの山の奥のほうなどについての対策、これは防災的見地というよりも、大事な国土を守る、護持するんだということばはおかしいのでありますが、そういう意味におきましてもうんと力が入ってこなければいけなかったと思うのですね。しかしここ何年来のあるいは十何年来の傾向からいたしまして、生産第一、経済優先という形でいってしまって、国土の保全ということが、災害が起きたときには騒がれるのでありますが、やがてまた忘れられていくことが多いのです。災害は忘れたころにくると先輩は言い残しておられるのでありますが、その先輩の忠告を大事に守って、ほんとうにいい日本をつくるという意味におきましても、この事態になればなるだけ災害防止、予防に優先的にこの際力を入れていかなければいけないのではないかというようなことで、先ほども総務長官にもお願いをいたしておいたのでありますが、副長官はこれらの点についてどういう御所信をお持ちでありましょうか、さらに御決意のほどをこの際承らしていただいて、私どもがこれに取り組む上におきましての重要なる力添えにさせていただこう、こう思うのであります。お答えをいただきたい。
○小渕政府委員 ただいまの金丸委員の御指摘は、十二分にこれを理解するものでございます。災害は自然災害から都市災害まで、非常に各種災害が発生する今日でありますが、やはり防災の観点から考えれば、その原点に立ち戻れば、先生先ほど来質疑応答のありましたように、治山治水の問題、この問題について十二分に対処しなければならないということは言をまたないことだろうと存じております。 そうした観点に立ちまして、最近は開発の問題等、問題は多いようでありますが、この開発が行なわれることによって、治山治水等の問題がおろそかにされることがあってはいけないことでございますので、そうした開発の問題と、山を治め、川を治める、そして災害をなくしていくということの間に決してそごを来たさないように、十二分な配慮を政府としてもとっていくべきだろう、またとることをお約束いたすものでございます。
○高鳥委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十五分散会