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72回国会衆議院1974/02/28

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
71
登壇者
5
会派数
3
開催日
1974/02/28

会議録

福永健司自由民主党

○福永委員長 これより会議を開きます。  おはかりいたします。  理事林百郎君より理事を辞任いたしたいとの申し出がありますが、これを許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永健司自由民主党

○福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  引き続き、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいまの林君の辞任による補欠のほか、理事でありました阿部昭吾君が去る十二月十日委員を辞任されましたので、現在理事が二名欠員になっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福永健司自由民主党

○福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それでは、佐藤観樹君及び津金佑近君を理事に指名いたします。      ————◇—————

福永健司自由民主党

○福永委員長 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

福永健司自由民主党

○福永委員長 政府から提案理由の説明を聴取いたします。町村自治大臣。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。  この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が、実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員の給与の改定、賃金及び物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改正し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。  次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、最近における公務員の給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当、人夫賃及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費にかかる基準額を改定しようとするものであります。  第二は、最近における物価の変動に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である用紙代その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費にかかる基準額を改定しようとするものであります。  以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

福永健司自由民主党

○福永委員長 引き続き、本案について補足説明を聴取いたします。土屋選挙部長。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 お手元に配付されております法律案の関係資料の二つ目の青い紙の次に、今回お願いをいたしております国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきましての要綱を列記いたしております。これによりまして、若干補足的に御説明を申し上げたいと存じます。  今回改正をお願いいたしたいと考えております点は、要綱に掲げておりますように、大別して二つに分かれております。  第一点は、基準法は昭和四十六年に改正をお願いをいたしまして以来三年間据え置かれてまいったわけでございますので、その間における公務員の給与改定や賃金の変動等によりまして、選挙事務に従事をいたします地方公共団体の職員の超過勤務手当の単価、選挙の際の臨時雇用者の人夫賃、それから投票管理者、開票管理者、投票立ち会い人、開票立ち合い人等の費用弁償の額を実情に即するように引き上げる必要が生じてまいったわけでございます。今回それらの単価を改定して投票所経費それから開票所経費、その他の関係経費の基準額を改正することをお願い申しておるわけでございます。  なお、あらためて申し上げる必要もないことかと存じますが、基準法には国がその費用を負担する各種の経費の基準額が定められておりますが、その基準額は、たとえば投票所経費について申し上げますと、投票管理者、投票立ち合い人の費用弁償、職員の超過勤務手当、人夫賃、その他投票所の運営に要する経費が積算の内訳として入っておりまして、それらの個別の経費の合計額を投票所経費として法律には掲げておるわけでございます。  そこで、まず超過勤務手当でございますが、お手元に別に資料を二枚薄いのをお配りしてございます。その内訳を御覧いただきたいと思うのでございますが、その資料にございますように、都道府県分について申し上げますと、大都市のある都道府県の一時間当たり単価は、現行の三百十三円六十八銭から四百六十八円六十二円に引き上げるようにお願い申し上げております。同様にその他の県の単価は、三百七円から四百六十八円八十三銭に引き上げるようにお願いいたしております。市区町村分について申し上げますと、区につきましては、三百二十二円九十二銭から四百六十三円四十一銭に、市につきましては二百八十一円三十三銭から四百三十円七銭へ、町村につきましては二百二十三円七十九銭から三百五十六円六十一銭に引き上げるようにお願いいたしております。単純に平均しまして約五〇%アップの単価改定になるわけでございます。  次に、人夫賃でございますが、区につきましては、一人当たり単価を現行の千百四十円から千九百円に、市につきましては八百七十円から千四百五十円に、町村につきましては八百円から千三百四十円に引き上げるようお願いしております。平均しておおむね六七%のアップでございます。  それから投票管理者、開票管理者、立ち合い人等の費用弁償につきましても単価改定をお願いいたしております。投票管理者及び開票管理者につきましては、現行の二千五百円から三千四百円に三六%のアップでございます。投票立ち合い人、開票立ち合い人につきましては、現行の二千円から二千七百円に三五%のアップをお願いいたしております。  次に、第二点といたしまして、選挙公報の発行に要する経費、ポスター掲示場の設置に要する経費等につきましても、最近における物価の変動に伴い、その積算単価である用紙代その他の額を実情に即するように引き上げる必要が生じてまいりましたので、それらの単価を改定して選挙公報発行費、ポスター掲示場費その他の関係基準額の改正をすることをお願いをいたしておるわけでございます。  まず、選挙公報の積算単価である用紙代の一連当たりの単価を、お手元の資料にございますように千八百四十円から三千七百二十円に、ほぼ二倍に引き上げることをお願いいたしております。  次に、投票用紙代につきましては、一枚当たり単価現行二十銭を四十銭に、これも倍に引き上げるようにお願いをいたしておるわけでございます。  それからポスター掲示場費につきましては、候補者数九人未満の場合について申し上げますと、区につきましては現行の五千円から六千五百円に、市につきましては四千五百円から五千五百円に、町村につきましては三千五百円から四千五百円に引き上げるようにお願いをいたしております。  以上、おもな内容につきまして御説明を申し上げましたが、この法律は公布の日から施行さしていただいて、今度の参議院議員通常選挙には改正後の基準額を適用いたしたいと存じております。  地方公共団体に委託をする経費の総額といたしましては、これらの単価改定分を含めましてお手元の別の資料がございますが、もう一つの二枚目のものでございます。そこに経費の総額が書いてございますが、約百四億円をお願いいたしておるわけでございます。二枚目の資料の予算額が書いてあるところの上から三行目でございます。百三億九千九百九十八万二千円、予算額、地方団体委託費としてあげてございます。四十六年に比べて五七%のアップでございます。  以上、今回提案しております基準法の改正につきまして、資料の御説明をかねて若干補足を申し上げた次第でございます。  何とぞよろしくお願い申し上げます。

福永健司自由民主党

○福永委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————

福永健司自由民主党

○福永委員長 これより質疑に入ります。山田芳治君。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 私はかつて具体的に選挙管理の事務をやっておった者でありますし、またかつて自治省の選挙局にも在職をいたした人間でございますので、非常に不十分な点をよく知っております。そこで今度は国会議員となって、一ぺんひとつそういう点を洗いざらい申し上げて、そうして大臣にもがんばっていただかなければいかんし、地方のきわめてじみちな、そしてちょっとでも問題を起こせば直ちに選挙無効を起こしかねないという、きわめてじみちであるが民主制度の最も基本的な事務に従事している諸君のために、ひとつがんばってもらいたいということを踏まえて質問をいたしたいというふうに考えるわけであります。  さて、何と申しましても、執行経費の問題については、従来から言われておったわけでありますけれども、いわゆる超過負担の問題、予算単価の問題であります。最近のいわゆる狂乱物価時代において、この予算編成をした時期と、すでにもう今日は先日の二十日の日銀の卸売り物価の発表を見ますと、三六・七%も昨年の二月時期に比べて上がっている、こういう時代でありますから、予算編成は昨年であります。したがって現在の時点においてはもうすでにその単価自身が非常に変わっておる、値上がりしておるということでありますから、そういう点が一体どういうふうに考えておられるかということをまずもって大臣にお伺いをいたしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 山田委員はこういったことについてはたいへん深い経験をお持ちになっての御質疑であるわけであります。言うまでもなく、選挙の執行に関する経費というものは当然国が全額負担をいたさなければならないということは申すまでもないのでありまして、したがって、超過負担等について、これを地方公共団体に負担をさせる、あるいはまた基準の経費が非常に不足でございましてそのために関係者に非常な負担を命ずるということは適当でないことは言うまでもございません。したがって、先ほども選挙部長から御説明を申し上げましたように、このたびはかなり思い切った基準単価の改定が行なわれたということは、先ほど来御説明を申し上げたとおりでございます。ただ御指摘にもございますように、最近さらに諸物価が値上がりをいたしておりまするので、当時予算の編成に関係者が当たりましたときには、かなり思い切った単価の引き上げをやったつもりでございますけれども、今日におきましては、必ずしも当初所期したような結果になり得るかどうか、たいへん懸念はいたしておるところでございますけれども、しかし、こういった経費につきましては、私どもはどうやらことしのこの参議院選挙にはこの程度の増額された改定予算で、それほどの地方に超過負担をさせるということにならないで何とか済ませていくことができるのではないか、かように考えておるところでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 基本的な立場を伺いましたが、それではひとつ具体的にお伺いをして、また大臣の意見を聞きたいと思うのであります。何といいましても、国の選挙に関する事務は、地方団体への委任事務であり、地方団体に対してお願いをするという形をとっているわけでありますから、職員も地方団体の職員である。それの人件費というものを払うわけではない。したがって、超過勤務に対して相当程度の配慮をしていかなければならないというふうに考えるわけでありますが、特に、私なども選挙の仕事をやって一番問題になりますのは、あるいは大臣は御承知ないかもしれませんけれども、選挙局の連中はみな知っておると思うのですけれども、いわゆる超過勤務の単価の——大都市のある府県、いわゆる大都市とそれから特に東京都等の特別区、そこの職員が、一時間あたりの超過勤務手当というものについては、もう例年、選挙が終わったあともいろいろと問題になるわけであります。今回四百六十八円を上げたというわけでありますが、それでは四円六十八円六十二銭のもとになるところの給与は幾らなのか。本俸は幾らなのか。百分の百二十五というような超勤のはじき方をするわけでありますが、基本は幾らなのか。それから、その大都市のある府県や市町村、区、あるいは東京都の区等の職員の給与の単価はどのくらいか。ひとつ基礎になる単価を——四百六十八円何がし、県の場合は六十二銭ですし、区の場合は四十一銭になっておりますけれども、それの基本の本俸は幾らか。そして、これは現実のそういう区やあるいは大都市、たとえば大阪とか京都とかそういう指定都市、そういうところの基本的賃金、はじき出した単価の基本賃金を一ぺん聞かしていただいて、実態との差をちょっとお伺いをしたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 まず、超過勤務手当の問題でございますが、私ども、これをはじく基礎といたしましては、やはり地方財政計画を基礎としておるわけでございます。そういった意味で、地方財政計画における給料単価を基礎といたしまして、四十八年度の給与改定率とそれから地方公務員の実態調査の結果を勘案して基準額を出しておるわけでございまして、県分は、そういった意味で、四十八年度の地方財政計画の単価は年間九十七万五千三百三十四円でございます。それに四十八年度における給与の改定率を乗じておるわけでございまして、それから管理職の占める割合というものを割り落としまして、そして一般の職員の都道府県の単価というものを出しました。そして給与実態調査によりまして、大都市のある県とそれからその他の県とを分けまして、その比率で分けるといったような作業をして一時間当たりの単価をはじき出しておるわけでございます。そういった意味では、市町村についても同じような計算方法をしておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 やはりおかしいですよ 四十八年のベース改定を出した。これは行なわれるのは四十九年の六月ですから、おそらく人事院は四月にさかのぼって二十数%から三〇%の改定を出されるというふうに思うわけですね。そうすると、すでに六月段階のものが、八月なり何なりの人事院勧告では二十数%上がるべきものを、これはさかのぼるわけでありますから、そういうふうになってくると、すでに九十七万五千三百三十四円というものは、私は、都道府県の場合、そういう財政計画——この財政計画自身は非常に給与費を低く見ています。本日、私は本会議でその点を大臣にも質問する予定でありますけれども、とにかくこの単価はあくまでも計画単価であって、計画ベースである。ところが、一時間働いた場合、地方団体に委託する以上は、その委託されたところの職員の給与というものの実態によって超勤を出さなければならない。そうすると、一時間当たりの超勤が、国で見ている額と地方の実際とは違う。そうすると、超勤の打ち切りという問題が起こる。ましていわんや四十九年のベース改定が考えられていないということになると、あとで聞きますけれども、調整費の問題があるのだろうと思うのですけれども、これはそもそもこの積算の単価自身が実態に合っておらないというふうに思うのですが、大臣いかがでしょうか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 第一点の四十九年度の問題でございますが、これは、いまも御指摘をいただきましたように、一応どの程度のアップになるかわからないものでございますから、調整費を今回七億とっておりますが、その中で処置をしたいというものをある程度とっておるわけでございます。そして、そういうもので調整をしながら全体としての執行経費の確保をはかりたい、かように思っておるわけでございます。  それから、一応財政計画をもとにいたしておりますが、先ほど御指摘がございましたけれども、われわれとしては、できるだけ実態に近づけたいということで、給与の実態調査等もいたしまして、そういったものでそれぞれの市区町村の実態に合うように、あるいは大都市のある府県とか、そうでない府県とかいうものの実態に合うように、できるだけの努力をしておるつもりでございます。それで十分であるかどうかということにつきましては、いろいろ御意見はあろうかと思いますが、私どもとしてはそれだけの努力はいたしたつもりでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それでは、その七億の調整費ですね。私は、いまのお話を伺いますと、人件費に相当ウエートがかかっているというようなお話だと思いますが、むしろ、諸物価が値上がりをしておりますから、紙だとか、先ほどのポスター掲示場その他の問題に相当調整費が要るんじゃないか。それでは、超勤に七億のうちどのくらい充てられるというふうに考えておられるか、ひとつ選挙部長にお伺いしたいのです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いまのところはっきりわからないので、私どもとしては、一応基礎としては、国家公務員の場合八%ぐらい留保しておると思いましたが、一〇%程度をこれに留保をしておるつもりでおるわけでございますが、しかし実際がどうなるかということにつきましては、やったあとの結果も見なければわかりませんが、それは総体の中でうまく調整ができていくのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 わずか一割程度の留保では七千万ですね。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 一〇%アップでございますので、大体、額といたしましては四億三千万円ぐらいはそれにとられるであろうというふうに考えております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 四億程度ではたして全国三千三百三十三ある地方自治体の要望にこたえられるかどうかということは、私は非常に疑問だというふうに思います。特に、私は、いま指摘をしておきますように、特に東京都の区選管の職員の給与というのは非常に高いのですよ。ですから、私さっき言いましたように、一時間当たりの単価がとてもこんなものではないのですね。ところが、一時間働いたらこれで切られるということになると、超勤の打ち切りということになる。ところが、職員にしてみれば、それは大事な選挙であるけれども、国の仕事なんだ、国の仕事である限り、国が全額負担して、委託をして頼んできているのだから払うべきだという感覚があるわけですね。これも私がおった当時から長い歴史を持っているので、この点はひとつ十分配慮をしてやってほしい。また、大都市、いわゆる指定都市についても、府県よりも給与が高いわけです。給与が高いか安いかの問題はここで論ずべきものではなくて、ただ、委託をされる側からいえば、高いという実態を目ざしてそれの調整を十分はかってもらいたいということをまず申し上げておきたいと思います。  次に、投票管理者でありますが、朝から晩まですわってトイレにもなかなかいけぬというような状態で非常に苦労しておるわけです。この人たちの支給額が三千四百円に引き上げられたということでありますけれども、非常に拘束をされるというので、これはもう少し上げられなかったのだろうかという点が一点。それから、それよりもひどいのは、アルバイトの人夫賃ですよ。アルバイトの人夫賃が千九百円に上がりましたと、こう書いてあるのですね。いま千九百円ではとても雇えない。二千五百円ぐらいは、これは常識だろうというふうに思うのですが、この点はいかがですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 最近のいろいろな情勢から見まして、人夫賃が必ずしもこれで十分足りるかどうかといったようなことにつきましては、いろいろ議論があろうかと思いますが、私どもといたしましては、実態も見ながら、そしてまた労働省でまとめております屋外労働者の種別の賃金調査報告、そういったもの等を調査いたしまして、それによって大体この程度でいけるであろうということではじいたわけでございます。それに、私どものところでも実際人を使っておることがございますが、大体この千九百円でやれるといったような形になっております。いろいろ使い方によって、高く出す場合もございましょうし、あるいはこれでは足りないというような雇い方をなさるところもあろうかと思いますけれども、くふうによっては比較的安くて雇えるという実績も私ども持っておりますので、まあこれでいけるのではないか。数字的な基礎資料と実態をも勘案しながら、それはいまの世の中全体から見てぜいたくであるとは思えませんけれども——ぜいたくなものはとてもやれませんが、この程度で雇えるものだというふうに考えておるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 いま千九百円などでとても雇えないと私は思います。少なくとも二千五百円はかかる。ぜいたくでも何でもない。現実がそうであるというふうに思います。これもまた調整費でと、こうおっしゃるかもしれませんが、この点はまず指摘をしておきます。  その次に紙の問題であります。  われわれ現実にポスターを張ったりいたしておりますが、百何十円としております。色刷りをすればするほど非常に高くなっている。紙の問題というのは最近それほど問題にならなかったわけでありますが、選挙公報とか投票用紙をはじめ膨大な紙を必要とするわけですね。昔は自治省の選挙局で紙の割り当てまでして確保したということを私どもも経験をしておるわけでありますが、はたしてこの単価が実勢とどうなっているかということを検討されましたかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 選挙公報用紙をはじめとします紙を使うもの、この紙代が非常に値上がりしておることは御指摘のとおりでございまして、私どもも、その意味で、予算折衝にあたりましては、そういった物価指数とかどうとかいうことではなくて、現実にやっておるものをもとにしようということで、福岡の補選なり香川の補選なりといったようなもの等も勘案いたしまして、大体これならばいけるであろうという実勢等を勘案した結果、倍ちょっとこえておりますけれども、一連当たり先ほどお話を申し上げましたような額に引き上げた次第でございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 紙が値上がりしているのは当然でありますが、そのもとの木材ですね、これがまた非常に値上がりをしておる。ポスター掲示場は、ベニア板であるとかなんとかいうことで、とっておけというのでとってあるところもあるけれども、たいがい一回選挙をやればほとんど使いにくいということになっているわけで、このポスター掲示場は非常に実態に即さない。それからまた、それを立てるのに非常に苦労をしているということは御承知のとおりだろうと思うのですが、ポスター掲示場について、こまかく書いてありますけれども、こんなことではたしてできるかどうかということはわからないのであります。特にこれは市区町村の選管のやることでありますから、この問題について市区町村の選管から非常に強い要求があるということをもう御承知だと思いますが、私も経験上非常に苦慮をしたことがあるので、この点はひとつ十分考えていただきたいというふうに思います。  この点は、質問を申し上げても、また同じようなことを言うにきまっておるだろうと思うので、これは伺いません。  さてそこで、調整費でありますが、調整費は今度七億とられたというわけでありますけれども、それならば従前に比して多いのか少ないのか、あるいは調整費の配り方の基準は何かということをひとつこの際お聞きしておきたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 調整費につきましては、四十六年度の前回の予算におきましては二億四千万あったわけでございます。うち二億は結局給与改定に充てられる予定でございましたので、その他のものに充てるのは非常に額が少なかった。そこで今回は、先ほど申し上げました全体の百四億の中の七億でございます。かなりな率をとったと思っておりますが、これも先ほど申し上げましたように、給与改定分で約四億三千万ぐらいかかるといたしますと、残りが二億七千万ぐらいということになるわけでございまして、従来よりは十分幅を持っておるつもりでございます。  それをどういうふうに配るかということでございますが、大きいものは、いま申し上げました給与改定の状況を見て、そちらにかなりなものがとられる。それ以外は、参議院の場合は夏でございますが、そうでない冬の場合でございますと、非常に大雪が降ったとかどうとかといった異常な場合もございましょうし、そういう特殊な需要があった場合に、そういうものに重点的に配っていくというような考えを持っておるわけでございます。それはいろいろと地方団体によって実態も異なるわけでございましょう。そういうときの事態を考慮した上で配分をするということにいたしたいと思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 何だかよくわからぬのですが、実態を見て、実態を見てと言うのですが、まあ出たところで勝負するということだろうと思います。逆にいいますと、調整費が相当あるということは、自治省自身としては非常にけっこうだと思っておられるかもしれませんが、あればあるほど地方団体側からの要求がきびしいんで、かえって苦労するということになろうと思うので、この点は十分公平に、しかも実態を勘案の上処置をしてもらいたいというふうに思います。  それから、先ほどからずっと申し上げているように、全体として、四十八年の末に予算編成をした当時より、四十九年の物価の実勢というものはきわめて上がっているという事実があるわけなんで、これは大臣にお伺いしますが、現実に出たときの勝負というか、終わったあとでいろいろの問題がある、そういう場合には——たとえば四十八年度においても、公立文教施設は二へんにわたって単価の改定を行ないました。保育所においても一度単価の改定を行ないました。そういうふうに、実態がいま言いましたように七億程度の調整費ではとうてい間に合わないというような場合には、さらに予備費を要請してでも、超勤やいま指摘をしました紙、ポスター掲示場、その他執行経費についての不足分を地方団体のために確保するという決意なり意思があるかどうかをひとつ大臣にお伺いしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 昨年、この選挙執行の経費に関する予算を要求し、また編成をいたしましたときには、かなり大幅な増額の実現を見ることができましたので、私どもは何とかこれでやれるのではないか、かように判断をいたしておったのでございますが、いま山田議員御指摘になりますように、最近における物価の高騰は、なかなかその勢いが鎮静を見るに至っていないというような状態でございますので、この選挙が執行される当時におきまする御指摘の紙なりあるいは木材なり、そういったものがはたしてこれで十分に調達できるかどうかということについては、確かに私どもも不安を抱いておるわけでございます。しかし、先ほど選挙部長からも答えを申し上げましたとおり、まあある程度の調整費というようなものも計上してあるわけでございますので、何とかそういったものの彼此融通をつけていくことによって切り抜けていくことができるのではないか、かように私は存じておりますけれども、今後の物価の推移いかんによっては、とうていこれではまかない切れないということもあるいは起こり得るかもしれません。したがって、そういう場合におきましてはどういうふうな措置をとるべきか。いずれにいたしましても、これは全額国費をもって支弁をし、地方団体に委託をするというたてまえのものでございますから、こういったことで地方団体に格段の迷惑をかけるということは筋合いとしても許されることではございませんので、私どもといたしましてはそういうような事態が起こりましたならばそのときの事態でひとつ十分適切な対処方をいたしてみたい、かように考えるわけでございます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 この間の地方行政委員会において大臣に、自治省の選挙部を選挙局に格上げをするということが必要であるということを申し上げたのでありますが、この委員会においては私は、地方の選挙管理委員会の事務局の機能というものを高めていかないと——私が選挙局におったころから始まったいわゆる常時啓発の仕事などというものは最近はそれほど活発に行なわれているというふうにも思えないのであります。また選挙の執行がますます複雑多岐になってくるわけでありますが、選挙管理委員会の機能の拡充強化という点について大臣はいかがにお考えになっておられるか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 最近、御指摘のように社会全体も非常に複雑になってまいりました。したがって選挙もなかなかいろんな点でかつて考えられたことのないような新しい事態が起きるであろうということは想像にかたくないわけでございます。したがって、中央、地方を通ずる選挙管理委員会の機能の強化ということは私どももきわめて必要なことだ、かように考えておるのでございます。ただ、私が申し上げるまでもなく、選挙管理委員会というものは地方自治体に属しておるものでございまして、これが単に立法化だけで処理できるわけのものではございませんので、要はやはり知事なりあるいは市町村長が選挙におきまして選挙管理事務が円滑に処理できまするように職員の派遣等について十分の配慮をしていただいて、選挙管理委員会の機能が十分に充実されるように御協力をいただかなければならないのでございまして、この点は自治省といたしましても、今日まで選挙に際しては特にそういった点を地方自治団体に強く要望もし、また地方自治団体もこれによくこたえていただいておるというように私どもは考えておりますので、当面選挙管理委員会の機能強化というのは、やはり私はこういうような方法を講じてまいるということによって大体機能は果たしていただけるものであろう、かように考えておるところであります。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 選挙部長にお伺いしますが、毎年人員については八%とか五%とかいうのを地方財政計画上削減をかけていますが、選管の人員には削減はかかっておりませんか、かかっておりますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 選管の職員は御承知のとおり非常に少ないという状況もございますが、そういった意味ではここには実態上かかってないというふうに聞いております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 むしろふやしこそすれ、地方財政計画というか交付税の算定基準においてはふやしてもらいたいということは長年の要望であるというふうに思いますので、これはお願いをしておきます。  さて、この執行経費の問題については以上で終わりますが、基本的な問題について少し申し上げたいと思うのですが、この選挙の事務は委託の事務であります。したがって、一定の前提を置いての議論でありますが、二つの場合があると思うのです。地方団体、選挙管理委員会が明らかにミスをして、そして選挙無効、再選挙が行なわれた場合の国の選挙にかかわる事務に要する経費、それは国は全額負担をするのかどうか。それから第二番目、これは国も選挙管理委員会もおよそ関係がない、たとえば違法なる選挙運動が行なわれることによって選挙無効があったという場合に関する執行経費の委託費はどうなるのかということ、それについてまずお伺いしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いま御指摘の点は従来から非常に議論もされてきておった点でございますが、いやしくも国の選挙を委託してやっておるわけでございますから、かりに当該地方のその団体の選挙管理委員会の落ち度等もございまして一部再選挙をやるとか、あるいはまたそれに伴う訴訟がある場合の費用はどうするかということでございますけれども、その選挙をやり直すといった場合の費用はやはり国が持つべき性格のものであるというふうに考えております。  ただ、その後の訴訟の費用は一体どうなるかという点については、これは従来から非常に説が分かれておりまして、一方では、幾ら地方団体のミスであったとしても、それは本来地方団体が持つべきものでない選挙にかかったものであるからそれは国が負担すべきであるという説と、それからもう一つは、訴訟費用まで見るのはどうであるかという説の両方あるわけでございます。その点、明確に割り切った回答というものは従来もしていないようでございますけれども、現実に起こった事態等を見て考慮すべきものだと思いますが、やはり関連した訴訟というものも相当程度やむを得ない事情があるといったようなこともございますので、国のほうでその実態を見た上である程度考えてやるのが筋じゃなかろうかと思いますが、この点は従来から選挙部として明確な回答はまだ外には出していないところでございます。なお研究いたしたいと思います。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 現実に長野県なんかにおいて違法な選挙運動に基づく再選挙があった場合には一定のものを見たという経緯はあります、選挙費用については。しかしこれは必ずしも全額でなかったというふうに思うので、この点はそういうことがないにこしたことはないのですが、もし起こった場合にはやはり全額負担するのだという立場に立ってやっていただきたいと思います。  それから訴訟の費用ですが、これは現実に訴訟があちこちで起こっているわけですね。その場合、もちろん国の選挙に関するものでありますから、国も関与して訴訟指揮をやられるわけでしょうけれども、負担が地方団体の負担になっているまま、明確な回答のないまま現実にきているのじゃないかと思うのですが、その点はどういうふうになっておりますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 現実には国は負担はしていないと思っています。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 そうですね。だけれども、国の選挙にかかわるところの訴訟なんですから、その訴訟に要する費用というものは——やはり国の方針に従って訴訟をやるにきまっているのです、地方団体の選管だけの主張でやるわけじゃないわけでありますから。しかも国の委託に基づいて行なわれた訴訟である。しかもその選管側としてはそれは有効なんだということを主張している以上、それはやはり国が負担すべきものだと思うのですけれども、これはどうですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 先ほどからいろいろ申し上げておったわけでございますが、やはり基本的には本来それは国が行なうべきと申しますか、国の選挙にかかわるものはやはり持つというふうに考えていくのが筋だろうと思いますけれども、現実の取り扱いについてはいろいろとその軽重の問題等もございましょうし、実際の運営については、いままでは経費の負担はしていないということでございます。今後そういった基本的な点はむしろ国としても考えるべきじゃないかという立場から、私どもとしても折衝していきたいというふうな考えを持っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それじゃ現実に大蔵省の主計局に要求されて、どういう理屈で断わられたかという経緯があったら、ちょっとお知らせをいただきたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 現実にはそういったことはいたしておりません。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 それは私ははなはだ遺憾だと思うので、今後は、それは地方団体の泣き寝入りになっているので、やはり理論的に明快に割り切れるのならわれわれも納得できるけれども、現実の処理として地方団体におっかぶせているということでは、これは委託事務——地方財政法十条の四というのは、そういうものについては地方団体は一切負担する義務はないというふうに明快に書いてあるわけですから、この点については今後ひとつそういう措置を十分とって、しかもその点についての考え方を、ある時期において明確にこの際思想統一をした上、われわれにお示しをいただきたいということをひとつお伺いしたい。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 訴訟によってはいろいろ、たとえば国がタッチする場合もございますけれども、そういった個々に地方が負担しておるものも実態としてございます。そういうことでございますので、今後いま仰せの点は十分検討いたして御返事を申し上げます。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 どうしてもとれないというなら、特別交付税のワクの中にでもひとつ配分をしてやるというような配慮はないですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いま具体的にどうするというようなことは私も答えかねます。財政担当をしておったときでも、その点私もちょっと記憶にないのでございますけれども、非常に大きな訴訟等で大きな費用がかかったというような場合は、あるいはそういうことも考えられないことはないかと思いますが、全体として本来どうすべきであるかという点を十分検討いたしたいと思っております。

山田芳治日本社会党

○山田(芳)委員 大きな選挙だから、小さな選挙だからということは法理論として通らないのであって、たとえ小さな選挙、再選挙であろうと、大きなものであろうと、そういう何か違った判断でものをきめてもらっては困るので、地方団体の負担をなくすためには、やはり特交の中にでも含めるというようなことを選挙局が考えてもらわぬとね。財政担当を土屋君がしていたのは私も知っているけれども、それはおそらく選挙局から持ち込まれなかったから考えなかったのであって、考えたらやはり考えていかざるを得なかっただろうと思うのです。そういう点はひとつ今後十分地方団体のために考えてやっていただきたいということを条件として、私の質問を終わります。

福永健司自由民主党

○福永委員長 津金佑近君。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 私は執行経費の問題及びそれに関連して幾つかの問題について質問をいたしたいと思います。  まず最初には、ただいま問題になりました地方自治体の超過負担の問題でありますが、これはいま大臣も答弁されましたように、国の選挙の執行に関する経費を地方自治体が請け負ってやるわけですから、当然その費用は国がすべて持つというのが本来のたてまえだ、当然のことだと思うのですね。しかし現実には地方自治体の超過負担というものが毎回増加をして、かなり膨大なものになっているということも、いなめない事実だというふうに思うのです。  そこでこの問題は、前回、この執行経費の改定が行なわれました昭和四十六年の改正に際しても、本委員会で大きな問題になり、たとえば東京都のいま問題になった二十三区の区部では、昭和四十四年の衆議院選挙の際には、約二千五百万から二千六百万の超過負担になっておるという具体的な事実も指摘され、この問題の解消のための努力が強く要望されて、当時政府側は、この実態と問題点がクリアになるような調査を行ない、この問題の解決のために研究するということを約しておられるわけでありますが、その後そういう立場からの調査研究をされたか、そしてその上でどういう問題点を皆さん方としては認識されておるか、その点の基本的な問題をまずお伺いしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 前回のときに、ただいまお示しのございましたような点について検討するということを約しておるわけでございます。その後、四十七年の衆議院の選挙等のあと、私どもとしても、職員を派遣しまして、いろいろ実態を調べておるわけでございほすが、なかなか基準額自体が、その基礎となる標準的な作業の内容、方法というものと、実際の各地方団体がやっておりますこととの間に、いろいろと一致しないといったような点もございまして、個々の経費等から見ればギャップも生じておるというようなこともございます。そういったことから、現実には、いまおっしゃったような、いろいろな足らないといったようなところも出ておるわけでございますけれども、それが一体どういう原因で出てきておるのかということがなかなかむずかしい。それは、それぞれの地方団体によって、たとえば先ほども御指摘がございましたが、給与水準が実態が非常に高いところもある。それがこちらとしてはある程度の基準で計算しておるといったようなこと等もございまして、やはり実際上の差異というものを全部それでは見なくてはならぬのかどうかといったような議論も出てくるわけでございますけれども、そういうあたりにいろいろと問題があるように思うのでございます。たとえば東京都の区部あたりでも、いろいろ私どもも聞いてみたのでございますが、区によっては大体標準の経費でおさめておるところもございます。そのほうが少ないようでございますけれども。しかし、かなりオーバーしておるのだというようなことを言っておられるところもある。しかしいずれもそれが完全な意味での超過負担ではないということはお互いに認識を持っておるわけでございますけれども、いろいろ区によって非常にやり方が違っておるということもございますので、引き続いて、たとえば東京都のような大きなところ、不足を出しておるといったようなことを言っておられるところとは、私どもお互いに中身を検討するということで現在でもやっておるところでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 いま答弁がありましたが、いろいろその調査研究をやっておるということであり、またいろいろなこまかい細目、それから基準の設定等について、いろいろ具体的な問題があることは一般的には理解できますが、しかし現実の問題として、現在、たとえばいま実例が出ました東京都の区部なんかの超過負担、特に自治体側が現実に金を使用している額というものは、これは相当大きなものなわけですね。  たとえば、昭和四十七年度の、十二月に行なわれました衆議院選挙の実態を調べてみますると、これは区部では、二十三区合計で約八千三百二十万円の超過負担になっているわけであります。たとえば一番大きな世田谷などの場合は、千四百七十六万という一千万台に達するような超過負担という事実が現実に地方自治体の側から報告をされておる。  たとえば、こまかい問題で、職員の弁当代を必要経費と認めるかどうか、いろいろこまかい議論がありますが、これはそういう問題ではなくて、全体として地方自治体の負担が、実質的な負担がふえておるということは、これはいなめない事実だと思う。東京都全体では、東京都選管側は約一億三百五十九万の超過負担であるということを指摘しているわけでありますが、そういう点から見たときに、昭和四十七年度に行なわれた衆議院選挙の際、全国的にどのくらいの——多少あなた方の認定の差はあると思いますけれども、どのくらいの超過負担になっているか、大体全体の概況をあなた方はどういうふうに認識されているか、当然そのくらいの調査はされていると思いますが、わかっていたら答弁を願います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 先ほど申し上げましたように、いろいろとそのとり方、何が超過負担であるかということのとり方がむずかしい点があるわけでございます。たとえば、いまの東京都あたりの例でも、ある区では大体投票所経費あるいは事務費等でも済んでおるところが、特にいま御指摘のような区では極端に高くなっておる。そういったたとえば超勤等の差があるわけでございますが、なぜそうなっておるか、どこがそれでは超過負担なのかということになりますと、ちょっととらえにくいところもございまして、私ども全国的にこれだけが超過負担だという数は持っていないわけでございます。しかし、先ほども若干触れましたけれども、全国のうちで県四十二団体、市八十団体、町村四十一団体といったようなところ、それから東京都では区部については三カ所ではございますが、実態に、中身に立ち入っていろいろとお互いに相談をして、こういったくふうをすればこれは少なくて済むんじゃないかとかどうとかいろいろなこともあるわけでございますので、そういった実態調査をやっております。ただ端的に申し上げましても、見方の差異もございますので、全国幾らという数はちょっと私どもの手元にはないわけでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 あなたはそういうふうにおっしゃいますけれども、それは確かにこまかい問題についてのいろいろ意見の違いなり、そういう問題についてはいろいろ話し合いをしていただかなければならない問願点は確かにあるというふうに思うのです。しかし、問題は、それは調査中であるということで、一体、それは地方自治体がいっている超過負担の額と、あなた方のいっている超過負担の額というものの違いがそれは多少出てくるかもしれない、それはそれをお互いに出し合って、そしてあなた方との評価の食い違いがある幾つかの問題についてさらに事実に即して詰めていく中で、どれが超過負担であるかということについての正しい統一的な認識が生まれ、そこからこういう問題に関する国と自治体が一体となって解決する協力的な解決の方針というのが生まれるわけでしょう。だからその意見の違いはかりにあるにしても、自治省の側から見て、一体地方自治体の超過負担というものはどのくらいなのかということについての数字くらい持っていなければこの問題の解決のめどは出ないではないですか。ましてやさっきの話ではありませんけれども、これは国のほうからお願いしてやってもらうという形になっているものである以上、国のほうとしてはやはりそのくらいのデータをそろえて、われわれはこう考えている、東京都はこう言っている、そこにこれだけの差がある、どこにその差が出てくる問題点があるのかということで、それをさらに調べて、それがはたして選挙を進める上で必要かつ合理的な経費なのかどうかということを詰めていってはじめてそういうことに対する基本的な解決の方法が出るのですね。そこがはっきりしなかったら、あなた方は実態に即したクリアな調査だと、問題点を明らかにすると約しておられても、何ぼやっても出ないんじゃないですか。そしてそこはむずかしいむずかしいといっていながら、事実的には膨大な負担を地方自治体に押しつけて、そしてそのままどんどんどんどん時代が進んでいくという現在の状態を脱することはできないと思うのです。私はそれはおかしいと思うのですが、どうしてそれおやりにならないのですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 基本的にはただいまおっしゃいましたように、地方団体に国の選挙について超過負担をさせるということは、これはもういけないという点においては同感でございます。ただ私どもがいま申し上げましたような団体についていろいろ調査をした結果、確かに支出額が交付額を上回っておるところがあるわけでございますけれども、いろいろそういったところで検討いたしますと、備品購入費とかあるいは電話料とか、当然その団体で含むべきものが含まれておるとか、またいろいろな面でそういうことは通常考えられない程度の量のものを使っておるとか、そういったようないろいろなことがございますので、それの一々について全国の多くの団体について全部拾い上げて、これが超過負担であるとして私どもが確信を持てるものはなかなかつかみにくいわけでございます。ただ、基本的にはいまおっしゃいましたことは私も同感でございますので、なおそういった基準等をよく実態に照らしてみて、やはりこういうものはもう少し職員をよけい見なければいかぬとかどうとか、いろいろな点が出てくるかもしれません。そういった点はできるだけ今後とも是正させて地方の負担がかからないように努力はいたしたいと思っております。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 大臣にお伺いしますが、いまお聞きのような経過ですね。この超過負担の問題というものはもう毎回大きな問題になる問題で。あなたも先ほどこれは当然国の負担で処理すべき問題だということを言われましたが、自治省の側として、超過負担が全国的にどのくらいになっているかということが実態としてよくわからぬという状況ですからね、これでは私は問題の解決の方向は出ないと思うのですね、こういう議論を何回も繰り返しておったのでは。いまそういう問題をはっきりさせるための努力を今後も続けるということを言われましたが、この点はやはり非常に重要な問題なので、こまかいことはいいですが、大臣としてこういう問題の解決のためにどうされるおつもりか、基本的なお考えを承っておきたいと思う。私は少なくとも超過負担の実態が自治省の側としてもここに報告できないというのは問題だと思うのです。その点についての大臣の基本的な考え方をお聞きいたしたい。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、こういった国の選挙事務といったようなものにつきましては、当然たてまえとして国が全額をもって地方団体に委託をするというたてまえのものであることは申し上げるまでもございませんので、したがってその間に超過負担というような事態がないようにいたさなければならないものだ、私どもはかように考えておるわけでございまして、このたび、御承知のように自治省としては相当額の超過勤務等を是正をすると申しましょうか、これをなくすための相当の予算措置等もお願いをいたしておるところなのでございますが、ただ、いま申し上げたように、かなり諸物価がさらに高騰を続けておるというような状態でございますので、私どもはその点をかなり憂慮をいたしておるのでありますが、いま津金議員が御指摘になりましたように、やはり国全体としてこういった公職選挙の執行に関して地方の超過負担というものが一体どの程度になっているのかということがほんとうはわからなければそれに対する措置ができないではないか、確かに私は御意見としてはごもっともなように伺いましたが、先ほども選挙部長がお答えを申し上げておりますように、御承知のように、地方によりましてかなりばらつきがあると申しましょうか、ずいぶんいろいろな点でこういうものは違いがあるのではないか。したがってそういったことを考えてまいりますと、この全国的な調査というようなものもたいへんむずかしい一面があるように私は思うのでありまして、実態がわからなければそれに対する措置ができないではないかという御指摘はごもっともではございますけれども、一面私はその実態を把握するということもなかなか実はむずかしい点があるように考えますので、今後御指摘になりました点、とにかくひとつ自治省としてはさらに十分これにどう対処いたすべきかということについて検討をさせていただくことにしたいと思います。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 いまの点についてはあまりこれ以上触れませんが、ただ私が申し上げておきたいことは、いろいろむずかしい問題があるであろうということは一般的には想像できるわけです。しかしむずかしいむずかしいといって、結局いつまでたっても明らかにならないというのが実態だと思うのです。ですから、たとえばさっき調整費の問題で、ことしは七億組んであるといってありますが、それもやはりある程度今日の物価上界その他というものを見込んでかなりそういうものを予備的に持っておらなければならぬという判断からそういうものが出てくると思うわけだけれども、その基礎となるその辺の問題についての基本的な考え方というものが、その基礎というものがしっかりしていなければ結局その七億といわれておる調整費の問題も大体見当でこのくらいつけたということになり、またやってみたら同じような負担が残るというふうなことをやはり繰り返すことになるわけです。確かに全国津々浦々の地方自治体を調べるという点は困難かもしれませんが、やはり特にこの点については、先ほど山田議員も指摘されたように、特に大都市にこういった問題が集中的にあらわれているし、あなたのほうも東京なら東京の二十三区の区部については特に問題があるから、調整費の活用などについても、さっき言ったように雪が降ったとかそういう場合でなくとも、そういう特殊な場合においては調整費の活用その他積極的な手を打って、問題の解決のために努力をしたいということを言っているわけでありますから、やはり重点的な調査をするとかいろいろやり方はあると思います。したがってその点については、今後は同じような繰り返しのことにならないように、まさにあなたが言われたように実態と問題点がクリアに、明らかになるようなやはり調査をやって、そしてこういう事態を克服するための科学的な方針が打ち立てられるように全力をあげて努力していただきたい、そのことを強く要望しておきたいと思います。よろしいですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御趣旨はよくわかりました。先ほど申し上げましたようなかなりな団体について私どもが決算状況等を調べました結果では、そういったところでは、大体この基準法というものは総額の中で彼此勘案して使っていくわけでございますから、大体とんとんで足りておるというのが実情なんでございます。  ただ御指摘の東京都の区部あたりがかなり交付額と差がある、こうおっしゃいますので、その実態がどうも私どもとしては納得できないような点もございますので、そういった点をクリアにしたいと思っておるわけでございます。総体的な結論としては、これが地方団体が実際上負担するようなことがあってはならないわけでございますので、その点はさらに十分検討いたしたいと思います。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 いまの点は強く要望しておきたいというふうに思うわけでありますが、その上に立って、前回も改正をされた際、今日の経済情勢その他の中では、改正をしてもかなり超過負担その他がさらに出るのではないかという問題が出たわけですね。それに対してそういうことはあり得るかもしれないけれども、大体これで何とかいけるんじゃないかというふうに考えて、前回の改正をしたのだというふうに、当時大臣も答弁されておられるわけです。しかし実態はあなたのほうではよくわからないとおっしゃいますが、少なくとも私のほうで調べた幾つかの事例から見ると、かなり膨大な超過負担が出ている。たとえば東京都の例でいえば、東京都の調査では約一億をこえる超過負担だというふうに言っている。これはあなたのほうの調査と中身は食い違いがあるかもしらぬから、それはそれとして、明らかにしていかなければならない点はあるかとは思いますけれども、いずれにしてもかなり膨大な額に達しているということは間違いないですね。したがっておそらく、先ほども今日の物価上昇の中では、今回これだけの値上げをされても依然として超過負担の問題が出るということが起こり得るやもしれないということは、大臣もその危惧を表明されておるわけでありますけれども、やはりそういう事態が起こった場合どのように基本的にこの問題を解決されようとされておるのか。先ほど予備費その他いわゆる調整費の活用ということだけではなくて、さらにその他の具体的な処置が必要ではないかという点についての質問もありましたが、それらの問題を含めて、どうも私の感じではまた同じような議論をしなければならないことになるのではないかという予想がたいへん強いのです。したがってそういうふうになってから同じ議論をするのではなくて、やはりそういうことを十分見越して、万全の対策が必要ではなかろうかというふうに考えますが、その点について重ねてお伺いしておきたいというふうに思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 繰り返しになってたいへん恐縮でございますが、私どもか調べたところでは、一部大都市に問題があるようではございますが、それ以外は調べたところでは大体とんとんにいっておる。これはもう御承知のとおり、基準法というものは国が負担します経費の基準を定めておるわけでございまして、交付された総額の範囲内で経費間のやりとりもできるわけでございますので、いろいろそれぞれ皆さんくふうをされて、この前の選挙でもわれわれが調査したところでは大体何とかやりくりをつけておられる、そういったようなこともあるわけでございます。  ただ、いま御指摘のように、いろいろと物価の趨勢というものがどうなるかわからないといったような御指摘もあったわけでございますが、私どもとしてはいろいろな実態を聞いて、たとえば紙代にしても大体ここらで倍に上げればいけるなといったこと等も勘案しながらやっているわけでございます。何とかこれでいけるだろうと思いますが、それでも若干問題があるという場合には御指摘のようにその調整費等もあるわけでございますので、いまのところではこの予算の中で調整費等活用すれば、私どもとしては、少なくとも、あとに選挙も次々と出てくるわけでございますが、参議院の通常選挙についてはやれるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 この問題についてはこの程度にしておきますが、最後に一言だけ申し上げておきますと、いまのお話だと、大体全国的にはそう問題はない、主として大都市だというふうにかなり限定されたことですが、そうであるならば、私はちょっと繰り返しになりますからこれ以上言いませんが、そういうふうに問題が限定されているなら、もっと幾つかの問題点の自治体に対して、集中的な調査というものも可能なはずなんですね。ところが、そういうことを見ると、全国的に調べるのは困難だといって問題がはっきりしない。今後の対策をどうするかと聞けば、全国的には問題ない、特殊なところだけ問題があるからいまの体制のままで何とかいけるだろう。これでは問題は解決しないと思いますよ。  だから、これ以上言いませんが、あなたのいまのお話で問題はやはり大都市の、東京の区部その他幾つかのところに限られると言われるのでしたら、その限られるところに集中的に調査をされ、そしてこういったものの実態を文字どおりクリアに明らかにし、これに対する対策をとるということは私は十分可能だと思うのですね。それをやはり今日まで三年おやりにならなかったということは、私はたいへん遺憾だと思いますが、その点を特に今後一段と努力されることを、これはこれ以上お答えにならなくてよろしいですから、重ねて強く要望をしておきたい、こういうふうに思います。  時間もありませんから先に進みたいと思いますが、この問題と若干関連してこの機会に幾つかの問題を質問しておきたいと思うわけであります。  御承知のように本年六月に行なわれる参議院選挙に関することが当面の問題になっておるわけですが、今回の予定されておる参議院の選挙というのは、皆さんも御承知のように日本の国政の将来にとってきわめて重大な意義を持つ選挙であることは、もう私が言うまでもない問題だというふうに思うのです。そういう意味において、これはきわめて当然のことでありますが、議会制民主主義のたてまえからいってすべての国民がこの選挙に参加する、そして主権者としての権利を行使する。これは非常に大事なことであることはいうまでもないことであります。そういう意味で、かねがね問題になっておりましたすべての国民の基本的な権利である選挙権というものを正しく保障するという意味において、従来からいわゆる身体障害者など、あるいは寝たきり老人などのいわゆる在宅投票という問題がしばしばこの委員会においても問題にされ、議論をされてきておることは御承知のとおりだと思うのです。私は、やはり今後の議会制民主主義の正しい発展の基礎をなすこの国民の基本的な権利である投票権を正しく保障する、そしてそのための一つの重要なポイントとして在宅投票制度を、かつてもあったわけでありますが、何らかの形で復活する、あるいは今日の情勢に合ったように合理的な方法を研究してこれを復活させるという問題は、いま非常に重要な問題になってきているのではないかと思います。厚生省の調べでも六十五歳以上のいわゆる寝たきり老人が現段階で三十六万いるということを、厚生省自身が発表しておりますが、そういう点で、この参議院選挙の執行経費その他を改正し、これに対する万全な対策をとられるということの重要な一環として、こうした人たちの投票権を行使する在宅投票制度の問題についてどういうふうに考えておられるか。これは大事な問題ですから大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思う。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 国民の選挙権、投票権を確保するということは民主政治の基本をなすものであることは申すまでもないのでございまして、そういいった意味合いからできるだけ多くの国民が投票ができるようにするということは、これは申すまでもなく当然のことでございます。ただいま御指摘になりました、あるいは寝たきり老人であるとか、あるいは身体障害者についての在宅投票制度というものを採用するかどうかという問題につきましては、これは津金議員も御承知のとおり、過去において認められておった制度でございます。ところがその選挙執行の過程におきまして、かなり公正が確保できなかったというような弊害が出ましたので、これを廃止したといういきさつのあることは御承知のとおりでございます。  最近またこういった方々に対する在宅投票制度をぜひ拡充すべきだ、こういう御意見があり、自治省といたしましても、この点はかなり懸命な実は検討を加えておることは申し上げるまでもございませんが、問題は、単に従来やりましたようなやり方をそのまま復活をさせるということでは、再び選挙の公正を害するという事態が起こることになるわけでございますから、認めるとするならば一体どういうふうなやり方をすることによって選挙の公正が確保できるか、やはりこの基本の問題を十分に解決できるめどをつけてからこの問題の解決に当たるべきだというのが私どもの基本的な考え方でございます。なお詳細についてはひとつ選挙部長からお答えをさせます。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げたようなことでございますが、私どもとしても先ほどお尋ねのように身体障害者あるいは寝たきり老人等で投票所に行けないために権利が行使できないという方がおられ、この方々をどうするかということが重要な問題であることは十分承知をいたしております。ただこれも先ほど大臣から申し上げましたとおり、過去の昭和二十六年の地方統一選挙のときに非常に問題が多発いたしまして、これはいろいろ有権者だけのことではない、周囲の人が悪かったのだというような説もございますしいろいろございますが、少なくとも選挙の公正に非常な影響を与えて、そのために選挙無効あるいは当選無効が一番多かったわけでございますが、そういった事例が多かったということもございますので、私どもこれを今後復活するといたしましても、その内容をどうしていくか、いかにして公正を確保していくかということが一番大事なことだろうと思っておりますので、何か成案を得られればと思っていま鋭意検討しておるところでございます。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 この問題はいま言われましたように、選挙の公正を期する、不公正があってはならぬというのはまさにおっしゃるとおりだと思います。しかし特にいまこのことが大きく国民世論としても盛り上がってきているということは、私はやはりこの問題を考える場合に、公正を確保するということの具体的な対策というのは、十分われわれの努力によって解決され得る問題だと思う。技術的な問題も含めてですね。しかし一番大事なのは、やはり憲法によっていま大臣も認められた国民の基本的権利をどう確保するかという、この基本的な問題をどう保障していくかというこの視点に立って問題を解決すべき時期だと思います。  その従来ありました在宅投票制度が廃止されたのは昭和二十七年でありますから、もうすでに二十年の月日がたっておる。その間日本の議会制民主主義も、二十年の歩みの中でそれなりに多くの問題をかかえながらも前進をしてきているし、国民の選挙に対する自覚というものも高まってきているという条件の中で、私はそういう公正を維持するための技術的な問題の解決という方法はやはり十分可能ではないかと思うのです。きょうは時間がありませんからそのこまかい問題について一々議論はいたしませんが、やはりそういう二十年の大きな日本の議会制民主主義の発展の前進というものを踏まえて、すべての国民にその投票権を保障するというこの基本的立場に立って、この問題について全力をあげて解決をすべき時期に来ていると私は判断をするわけてあります。そういう意味において私はやはりこの問題について鋭意研究をされておるということでありますが、この鋭意研究もいつまでも鋭意研究をされておっても困るのでありまして、もう二十年間あなた方研究されているはずでありますから、この点に関する一応の問題点、こういうものもかなり煮詰められていると思うので、私はそういった問題も含めてすべての不幸な人たちのための基本的な権利、これを確保するための在宅投票制度の復活という問題についてやはり自治省側で早急に検討をされ、これを具体化されることを重ねて強く提案をいたしておきたいというふうに考えるわけであります。  このことと、時間がありませんから先に急ぎますが、あわせてこれと基本的には似たような問題でありますが、これは昭和四十七年の六十九国会の参議院における公選法特別委員会の審議の中で、わが党の岩間議員がこのいまの寝たきり老人その他の在宅投票の制度の問題とあわせて、いわゆる出かせぎ労働者の選挙権の行使の保障に関する質問をいたしました。そしてこれは大臣も御承知のように出かせぎ労働者は今日百万をこえるというふうにいわれている現状になっておるわけですが、この出かせぎ労働者の選挙権を行使するために、一定の理由のある出かせぎ労働者に対しては、その投票権行使のために帰郷に際して国とその経営者の負担によって旅費を使用させるということを、公選法の改正の問題を含めて検討する必要があるのではないかという問題を提起し、当時の福田自治大臣は、できるなればそういう方向をぜひ考えてみたい、研究してみたいということを答弁されておられるわけですが、基本的にはいまの問題と同じでありますが、こうした問題についてその後どういうふうに研究され、現在考えにおいでになるか、これをお伺いいたしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 出かせぎ者が非常に多くて、この方々の選挙権が十分行使できるように便宜をはかるということはこれは必要なことだと存じます。御承知のようにただいまでは不在者投票制度そのものはあるわけでございます。そして何年か前だったかと思いますが、そういった方々が時間的に間に合わないというようなこともございまして、告示、公示の前に不在者投票の請求もできるといったような便法等も講じたわけでございます。ただ、それでも十分でないので、帰郷のための旅費をどうするかというような御提案をいただいたわけでございますが、実はその点外国であるいはイタリアあたりでそんな例があったかどうかというような話も聞いておりますけれども、わが国ではたして使用者の間でそういった話ができるのかどうかというようなこともございまして、まだ具体的に詰めてこういったことでというような案は持ち合わせてないわけでございます。たいへん申しわけございませんが、いまのところまだ詰めた話までには至っておりません。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 時間もありませんから、この点についても私は、やはりさっき申し上げた国民の基本的権利を正しく行使する、これがわが国の議会制民主主義の発展の基礎になる問題でありますから、この点についても至急検討され、こうした問題の解決のための必要とあらば法改正を含む処置をとられることを重ねて要望しておきたいと思います。  それから、このこととやはり同じ趣旨の問題でありますが、私のところに非常に熱烈な要請が来ておるわけでありますが、これは今日のいわゆる視力障害者ですね、目の不自由な方でありますが、この人たちも含め心身障害者の場合もそうでありますが、この人たちが自分の不自由な条件を克服して国民としての基本的な権利を行使するためにいろいろな努力をされておる。たとえばこれは大臣も御経験あると思うのですが、立ち会い演説会などにこの人たちが来て手をこうやりながら、立ち会い演説会を一生懸命聞いておられるというこういう姿は大臣も御経験あるところだと思いますが、そういうものの中から特に視力障害者の人たちから、ぜひ公報の作成にあたって点字の公報というものを考えてくれというたいへん強い要望が私のところにも参っておるし、これはかなり全国的にこういう要望が出ておることは御承知だと思うのです。  もう時間がありませんから、その人たちの要望の切々たる声を大臣にも聞いてもらいたいと思いますが、これは省略いたします。こうした人たちのための点字公報の作成という問題、これは法律上いろいろな問題があるようにも感じますが、その辺を含めてこうした問題について検討をされておるか、またこういう問題について解決するための一定のお考えを自治省としてはお持ちかどうか、この際、同種類の問題ですから重ねて聞いておきたいというふうに思うわけです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 ただいま御指摘の話は私どもも聞いておるわけでございます。ただ選挙公報というものが現行法では限定された形でしか出せないということもございまして、まあ「点字毎日」その他等でその便宜をはかっておるという程度でございますが、いまのような話もございますので鋭意検討はいたしておるわけでございますけれども、それについてどこまで法的に措置をするかということについてはなおまだ検討しておる段階でございます。御指摘の点は十分私ども承知しております。なお研究させていただきたいと思います。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 その点はぜひ重ねて要望をしておきたいというふうに思います。  最後に一つだけお伺いしておきたいと思いますが、これは直接今度の六月の選挙から考えていただきたい問題であります。これは選挙にあたって投票の秘密が保持さるべきであることはもう言うまでもない問題であります。ところが今日、不在者投票をやるときに、特に投票所に行かれない人たちのために病院、福祉センターその他で、選挙管理委員会が指定した場所で投票させますね。そういう場合に、こうした選挙においては常識的ともいうべき問題が必ずしも十分に維持されてないというふうな例があるわけであります。たとえばこれは一つの例だけ時間がありませんから申し上げますが、東京の目黒区に社会福祉法人で私立の愛隣会という老人施設があるんです。ここは動けない人が多いものですからここで選挙が行なわれるわけであります。ここの有権者からいろいろ苦情を聞かされたわけでありますけれども、その投票に際して、仕切りも囲いも何もない普通の机の上で、それで投票管理者がすぐ一メートルぐらい離れたところに立ってこう見ている。その前で、仕切りも何もないところで書かなければならない。そういうことから非常に言うに言われぬ気持ちの中で書かざるを得ないという問題が具体的に起こりました。これはこの前の四十七年十二月の総選挙の際に起こった問題であります。これは小さな一つの例でありますけれども、やはり私は問題の性質から見ればかなり重要な問題で、こういうことはたとえどのような小さな事例であっても本来あってはならない問題ではないかというふうに思うのです。その仕切りぐらいをつくるのは、そんなもの金がうんとかかる問題ではないわけであって、そのくらいのことは当然これはやるべきだというふうに思うのです。そういうふうな問題の具体的な処理はその区の選挙管理委員会にあるのか、それともその不在者投票の投票管理者にあるのか、その辺も含めて、こうした事例というものが私はまだ幾つか残っているのではないかということを懸念するわけであります、こういうものが少なければ幸いでありますけれども。したがって、こういうことは、今度の執行経費を上げられるわけですから、少なくともうんとお金のかかる問題ではないわけであって、そういう問題がやはり適切に処理されるような処置というものは、これは自治省側で正しく指導されれば十分解決できる問題ではなかろうかというふうに思うわけでありますが、そういった問題について一応ちょっとあなた方のほうのお考えをお伺いしておきたいというふうに考えるわけであります。そういうことを調査し、そういうことのないように、参議院選挙の施行にあたって具体的な処置を当然とるべきではないかと思いますが、その問題に関するお考えをお伺いしておきたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 選挙の公正を確保いたしまして、特にまたいま御指摘の投票の秘密を守るということは、これはもう非常に大事な基本的な問題でございます。まあ全国のいろいろなものの中には、あるいはただいまおっしゃったようなことも多々あるのではなかろうかといったような気も持っておりますが、それは許されるべきではございませんし、私どもとしてもそういった点、十分周知いたしますように、そういった投票の秘密を守るというようなことにも必要な施設を設けてできるだけそういうことができるように指導いたしたいと思っております。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 そういう問題の直接的な責任というものは区の選挙管理委員会が持つのですか、その投票管理者が持つのですか。そういうことの直接的な処理の責任は。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 直接的には投票管理者の責任になろうかと思います。

津金佑近日本共産党・革新共同

○津金委員 では以上で私の質問は終わります。

福永健司自由民主党

○福永委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時六分散会

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