公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/12/14
会議録
○角屋委員長 これより会議を開きます。 まず、理事辞任の件についておはかりいたします。 理事小林信一君から理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。 引き続き、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。 ただいまの小林信一君の辞任のほか、理事でありました木部佳昭君が去る三日委員を辞任されましたので、現在理事が二名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。 それでは林義郎君及び土井たか子君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○角屋委員長 この際、藤本環境政務次官から発言を求められております。これを許します。藤本環境政務次官。
○藤本政府委員 このたび環境政務次官を拝命いたしました藤本でございます。 申し上げるまでもなく、環境保全という問題はきわめて重要な課題でございます。微力ではございますが、全力を傾けて職責を果たしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ御指導、御鞭韃をよろしくお願い申し上げます。 ————◇—————
○角屋委員長 次に、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。 商工委員会において審査中の石油需給適正化法案について、また物価問題等に関する特別委員会において審査中の国民生活安定緊急措置法案について、両委員会に対して、それぞれ連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○角屋委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間の協議により決定されますので、さよう御了承願います。 ————◇—————
○角屋委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林義郎君。
○林(義)委員 私は、先国会また前々国会におきまして、引き続き懸案になっておりました問題につきまして質問を行ないます。 言うまでもなく、公害の問題の中でありますのは、大気汚染の問題で、亜硫酸ガス等によりますぜんそく性疾患の問題が一つであります。第二番目は、水銀水俣病、カドミウムイタイイタイ病あるいは砒素中毒の問題等、長年の工場または鉱山の活動によりまして起こったところの問題であります。第三番目の問題といたしましては、赤潮ないしは油濁の問題であります。第一番目の問題につきましては先国会におきまして健康被害補償法というのができておりますので、この法律によってある程度の目鼻がついております。第三番目の問題につきましては、油濁及び赤潮に対する諸問題につきまして、目下わが自由民主党の中におきましても検証を進めておりますが、第二番目の問題、この問題につきまして、やはり大きな問題が残っております。 私は、この第二番目の問題につきまして、少しお尋ねをしたいのでありますけれども、大きくいって、カドミウムと砒素と銅それから水銀の問題だろう、こう思うのです。 カドミウムの問題から始めますが、カドミにつきましては有名な神通川問題がありまして、この問題につきましては、控訴審におきまして被告のほうから上告を断念した、こういうふうな形で、一応裁判的には形がついておる。しかしながら、事の善悪というのは裁判所だけできめられない問題が私はあると思います。最終的な判断というものは、国権の最高機関であるところの国会においてきめなければならない問題が私はあると思うのであります。 そこで、いま神通川の問題はさておきまして、そのほかにもいろいろと問題が出てきているようであります。現に山形県または秋田県におきまして、いわゆる政府が定めた暫定許容基準以上の米が相当にとれておる。しかもその米は県におきまして保有をしておりまして、これをどうするかという問題がある。さらには警戒すべき基準というのですか、観察基準という形で〇・四PPM以上の米につきましては非常に売れ行きが悪いということから、秋田米とか、山形米とかいうものにつきまして問題があるわけでありますが、現在、米のほうの関係がどういうふうな形になっているのか、御担当のほうから簡単に現状を御説明いただきたいと思います。簡単にお願いします。
○森(重)政府委員 それでは食糧庁が保有いたしております一PPM以上、あるいはただいま先生のお話にもございました〇・四PPMから一・〇未満の在庫数量を申し上げますと、四十七年産米までの政府の在庫量は一PPM以上のものが千八百トン、〇・四PPMから一・〇PPM未満のものが二万六千九百トンございます。合計をいたしまして二万八千七百トンの在庫でございますが、このほかに県の要請によりまして、安全度を見てまだ私どものほうで売却を保留しておるものが若干あります。これが一万四千四百トンございます。このような在庫の状況になっております。
○林(義)委員 県別に数字がおわかりになりませんか。もう一つ申し上げますが、県別というのは、秋田県、山形県側は少し多いんだろうと思いますが、その数字と、あとはその他ぐらいでいいですから、分けて御説明いただきたい。 それから保有形態は、農協が持っておるのか、県が持っておるのか、食管で持っておるのか、その辺を御説明ください。
○森(重)政府委員 ただいま申し上げました県別の内訳でございますが、最初に確定的な二万八千七百トンというものの中で、一番大どころはやはり富山県が一万五千四百トンでございます。その以下で大きいのは、群馬県の二千七百トン、それから福岡県の二千六百トンでございますが、お尋ねの山形県は、これは二百トンでございます。それから一万四千四百トンのいわゆる安全のために押えておるものも、やはり富山県の一万一千トンが一番多い、こういう現状でございまして、これは政府が買い入れたものでございますから、現在ある場所といいますと、これはほとんどおおむね農協の倉庫にございますが、もちろんこれは政府のものである、こういうことでございます。県で持っておるものは、秋田で今回三千俵ですか、買うという話も聞いておりますが、そのほかにおいては聞いておりません。
○林(義)委員 これからの方針として、国のほうは安全基準を越えるような米につきましては、なかなか売るというようなことも考えなくてはならないだろう、それからまた安全度を見込んでやるということでありますけれども、その辺につきましての方針というか、それからもしも安全を見込めば売れないようなものを買うわけにいきませんから、そこは休耕にするか、補給金を出すか何かということを考えていかなければなりませんでしょうけれども、その辺につきましては、どういうふうなお考えでございますか。 もう一つ申し上げますと、食管で一PPM以上のものを全部買う、こういうふうな形になりますと、これは売れないのですから、しようがないと思います。そうしたら、もうつくるのはやめてくれ、こういうふうな話になるのだろうと思います。つくるのはやめてくれといわれたときに、そこのつくるところの人は困っちゃうわけですから、補償をもらうか何かしなければならない。あるいは客土をするかどうかということを考えなければならない。その辺につきましては、現在はどういうふうな方針で対処をしようとしておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○須賀説明員 カドミウムが一PPM以上、米に含まれるような地点があるわけですが、そういう場合、私どもの指導方針としては、まずそういうところに対して転作を奨励する、これは食用でない作物の転作をしていく、あるいはまた土壌改良資材、そういうものを投入しまして、カドミが吸収されるのを押えるというような対策をまず講ずる。そのほかは、なおそういう地域が指定された暁には、いろいろな対策を講ずるという段取りになると思います。
○林(義)委員 転作を奨励されるという話でありますけれども、なかなか米ほどいい作物というのはないということでありますし、やはり簡単に転作、転作といったところで、農民としては、なかなかそうオーケーできかねる問題があるだろうと思うのです。 そこで私はお尋ねしますけれども、一PPMという基準であります。この基準は暫定基準というような形で政府のほうできめられたのですけれども、暫定基準をきめられたときのことを、もう一ぺん私はこの際はっきりしておいてもらいたいと思うのです。四十何年ですかに厚生省の見解という形でカドミウムがイタイイタイ病の原因であるという発表をされまして、それからそれに基づいていろいろと研究すると、一PPM以下のものは安全であるということでやれたのですが、その論理というのは、簡単に言うと、どういう論理でそういうことになったのか、その辺を御説明をいただきたいと思います。
○石丸政府委員 ただいま御指摘のように厚生省におきまして昭和四十五年十月に米のカドミウムの量を一PPM未満と決定いたしましたが、この決定にあたりましては、微量重金属調査研究会にお願いいたしまして検討を加えた結果、これをきめたわけでございますが、この決定に際しまして、どういう考え方かと申し上げますと、カドミウムの一日最大摂取許容量を十三・三マイクログラム・パー・キログラム、体重一キログラム当たり十三・三マイクログラムと、まずきめたわけでございまして、これに基づきまして、これを体重五十キロの成人に換算いたしまして一日の摂取許容量を六百六十五マイクログラムと計算いたしております。 この六百六十五マイクログラムのうち、米以外から摂取する、これは現状でございますが、国民が米以外からどのくらい摂取しているかということを計算いたしたわけでございますが、飲料水に基因いたしますカドミウムの摂取量を十五マイクログラムと計算いたしております。これは当時わが国の全国の水質を調査いたしまして、その中でカドミウムの最も高濃度に含まれておりました水の濃度〇・〇一PPM、これが最高の水質でございましたが、この〇・〇一PPMの水を毎日一・五リットル飲むものと計算しておりまして、この水からわれわれの人体に入りますカドミウムの量を一日十五マイクログラムと計算いたしました。 それから水以外の野菜等いろいろな食品から、われわれが摂取しておりますカドミウムの量、これは昭和四十四年に全国的な調査を行なっておりますが、その調査結果によりますと八十二ないし百五十マイクログラムが水、米以外の食品からわれわれの人体に入っておるわけでございます。この各種食品から入りますカドミウムの最大量を百五十マイクログラムととりまして、これに水から入ります十五マイクログラムを足しまして百六十五マイクログラムになるわけでございます。先ほど申し上げました六百六十五マイクログラムから、この米以外から入ります百六十五マイクログラムを引きますと、米からとってもよろしい量が五百マイクログラムに相当するわけでございます。 それで、われわれ国民が一体米をどのくらい食べているかということでございますが、国民栄養調査によりますと一日三百三十四・七グラム、これは全国民の平均でございますが、この三百三十四・七グラムをちょっと大き目に見まして五百グラム米を食べると計算いたしまして、この五百マイクログラムを五百グラムで割りまして、その濃度を求めまして一PPM、こういう基準の設定をいたしておるわけでございます。
○林(義)委員 わかりました。一日当たり体重一キロに対して十三・三マイクログラムということですから、そこが原則になって、あとはずっと計算をして、水がどのくらいとられている、野菜その他をどのくらいとる、残りは米であろうから、計算すれば出てくるわけでありまして、この辺は非常にはっきりしているのですが、問題は私は一日当たり十三・三マイクログラム、こういうところだろうと思うのです。 この問題につきましては、当委員会におきましても、かつていろいろな学者先生の方々がおいでになって、私も質問いたしましたし、各先生方からいろいろな御質問があったところであります。萩野先生はじめ重松さんとかいろいろな方に来ていただいて、ここで議論したのですが、その当時ではどうもよくわからぬ、こういうふうな話であったわけであります。私はその日やっておりました委員会の次の委員会で政府のほうにお願いしておったのであります。 こういった学問的な問題でありますから、われわれ政治家がとやかくどうだこうだという判断を下すべき問題ではない。むしろ学問的な良心に基づいて、こういった問題は研究をしていかなければならない問題である。つきましては、カドミウム関係の学者に集まっていただいて、大いに議論していただいて新しい方向を出すべきであろう。問題が出ましてから——四十年代の初めから問題が出てきておりまして、学問の研究途上でありますから、しかしながら学問の研究途上であるからといってほうっておくわけにはいかないから暫定基準を出したわけでありますので、学問がいろいろ進んでくれば、当初の結論を修正したり、またくつがえしたり、また強化したりするような問題というのは当然に出てくるであろう。そういった意味におきましてカドミウム研究会というものを早急にやっていただきまして、その結論に従った判断をしていただきたい、こういうことを私は申し上げておったのであります。 政府は、当時だれでしたか、政務次官から御答弁がありまして、それは早急にやりましょうという話でありまして、その辺の話が一体どういうふうになっているのか。私が聞いておりますところによりますと、なかなか学者の中におきましても、いろんな御意見があるというような話をちょろちょろっと聞くわけであります。さらには、ことしの八月ごろでしたか、岡山大学の小林純先生が毎日新聞か何かに出しておられた記事がありまして、それはいままでの通説をひっくり返すような、直接にカドミウムが骨障害に対して影響を及ぼすのだ、いままでの考え方は、じん臓なりその他のものを経由しているというのだけれども、そうではなくて直接に及ぼすというような見解も何かアメリカのほうで発表されたというような話がありますが、その辺の学問的な研究というものが一体どういうふうな形になっているのか、この辺につきまして御説明をいただきたいと思います。
○橋本説明員 いま先生から御質問のございましたカドミウムの研究につきましては、四十三年五月に厚生省見解を出しましてから、まず最初に学問的な検討が入り用だということで、いろんな分野の医学の方あるいはほかの科学の方がお集まり願った研究会を数次にわたって開催いたしてまいりました。最初は四十四年五月にいたしまして、次に四十六年八月、次に四十七年十月、最近は四十八年三月というところで、また来年これを開催しようということをいたしております。 そのおのおのの会合におきましては、これはこの研究者に対してオープンでございまして、そしてその会合におきまして議論されました結果は、ここに例を持っておりますが、すべてこのような刊行物として公にいたしております。いろいろ批判や異論のある方もすべての方が、その詳しいデータに接しられるという形で公開をいたしております。 現在やっておりますのを大別いたしますと、一つは、環境生態という角度からこれに対応しようということで、非常に汚染の形態が多角的なものでございますから、汚染の形態と、それによって起こる身体の負荷、それをどういうぐあいに吸収して、いかに蓄積されて排せつされるかというような点に問題を置きました環境における生態というものを、人間及びその他の生物を対象としながらやるというグループが一つと、もう一つは病態生理学グループというのがございまして、ここにおきましては、むしろいま申しました代謝の中の特に人間の病気と生理の境目の問題でございますが、特に大きな問題はあとの臨床の分野にも関係してまいりますが、じん臓の機能の障害あるいはそれによって出てまいりますたん白をどういうぐあいに同定をするかというような問題に重点を置きながらやっておりまして、その成果を活用しながら、第三のグループは臨床研究グループといたしまして、ここでは早期診断ということに重点を置いてやられております。特に臨床研究の中で、じん臓に関しますほうの臨床研究のほうは、先ほどの病態生理とも協力して相当な程度にこれは進歩いたしておりますが、骨の問題につきましては、先生の御意見のように骨の代謝にその変わりが起こるというところまでは、いろいろデータがございますが、まだ確定的に骨折を起こすというところまでにきれいに出せないというような問題がございます。しかし、骨の中で脱灰が起こるとか、栄養の条件を変えてやれば問題を起こすということまではいきますが、明白な同じような状態を再現することができないというところでございます。最後は疫学グループでございまして、この疫学グループにおきましては全国各地でいろいろなカドミウム検診をいたしておりますので、そのカードをすべて整理をいたしまして継続的にこれを追跡していくということをこの疫学グループではいたしております。 そういうようなやり方をいたしておりますので、この研究につきましては相当な程度に進展してまいりましたが、非常に現在の研究のその問題になりますところは、成人病と慢性中毒との境目のようなところに入ってきておりまして、現在までのところ、医学ではなかなかそこがきわめられておらないということが一点と、もう一つは、健康であるということと不健康であるということと病気である、この三つのゾーンがスペクトルみたいにごうあるわけでございますが、それが科学の知見が変わる、あるいは社会の受け取り方が変わるというようなことによって非常に流動的な要素がある。それに対して、どのようなぐあいに権威のある判断を下すかというところでは、なかなか日本だけではなく世界じゅうで全部行き詰まって、むずかしい問題になったところにあるというようなところが現在の状況でございます。
○林(義)委員 おっしゃるとおりだろうと思うのです。疫学グループでカード検診でやっておられます、たとえば山形県のようなところは昔からあった、カドミウムが相当に検出される米もある、こういうふうな話であるけれども、それではその人が全部病気になっているかといえば、そうではないということなんですね。ですから、やはりまさに橋本審議官御指摘のように、成人病と慢性中毒との境界をどこに置くか、明らかに成人病である、明らかに慢性中毒であるというこの境界をどこに引くかというところの、灰色の地域というか、グレーゾーンというものをどう判断するかによっていろいろと違ってくるだろうと思うのです。健康と不健康、病気という区別をどこへ置くんだ、こういうふうな話と同じことだろうと私は思いますけれども、そこが一番の問題でありますから、それでまさに暫定基準というような形で一日当たりの摂取量その他もきめていかなければならない、こういうことだろうと思います。 そういうふうなことを前提にしてやっておるわけでありまして、一PPM以上だから絶対にこれはもうあぶなくて、そんなものを食ったら必ず中毒をするとかなんとかという話ではないし、また一PPM以下であるから絶対にというふうな話でも私はないような気がするのです。そういったのが公害問題の本質問題だろうと私は思うのです。 そこで、取り上げていくときには、やはりそれに合ったような、いまの学問的な基準に合ったような対策というものを立てていく必要があるのだろうと私は思うのです。こういった問題は、米の問題について一PPMである、あるいはそのほかの問題について、土壌汚染はどのくらいになっていなければならないというようなことが、一応の仮説を前提にして、それからずっと演繹されてくるわけですから、その仮説そのものが狂ってくると当然に全部変わってくる、こういうことになるのだろうと思います。そういったような問題として、この問題はとらえていかなければなりませんし、私は水俣湾につきましても同じようなグレーゾーンの問題というのがあるのだろう、こう思うのです。 たとえて申しますと、これは水俣と同じ水銀の問題でございますが、徳山湾におきまして相当に水銀が排出されておる。環境基準というかそういったものから相当越えたところのものがあって、埋め立てをしていかなければならない、あるいはしゅんせつをしなければならない、こういうふうなことになっておるようでありますけれども、実は地元の感じからいいますと、病人らしい人が一人出ておるということでありまして、ほんとうに問題ならば、もっとたくさん病人が出て、それならば埋め立てを県費でやるとかなんとかということになりましても、これは当然納得できるけれども、どうもよくわからぬときに、一体それだけのことをやる必要があるのかなというような住民感情というものは私はあるのだろうと思うのです。 そこで、ちょっとお尋ねしますけれども、水俣の話であります。実は私は、この前大洋デパートが熊本市内で火災にあいましたから、その視察に行ったのです。ところが、知事さんにつかまって、あれはぜひ国のほうでやってくれ、こういうふうな話でありまして、水俣の問題というのは、ことしの五月くらいからたいへん問題になって、たいへんな水銀問題を起こしたところの元凶であります。この辺、一体埋め立てをするのか、しゅんせつをするのか、まだどうもよく話がついていない。県でやれといい、一方は国でやれといって、一向に話がついていないということであります。 聞くところによりますと、県でやるのだろうけれども、チッソという会社があって、たいへんな補償を払わなくちゃいかぬので、チッソがつぶれたときには、ちょっと県で全部持つわけにはいかぬぞ、こういうふうな実際の気持ちもあるようであります。しかし、それは県の財政の問題とかなんとかでありますが、私は、県の財政がどうだこうだということよりも前に、やはり住民の健康というものを最重点に置いて考えるときには、主体はどこであれ、早く埋め立てなり、しゅんせつなりをやらなければならない問題であろうと思うのです。その辺が一体いまの段階におきまして、どういうふうな話の進め方になっておるのか、その辺について御説明をいただきたい。
○大久保説明員 お答えを申し上げます。 先生の御指摘のように、水俣湾の有害物質を含んでおるヘドロの処理につきましては、すみやかにこれを実施しなければ、その周辺の漁民の方々、それから漁民の方々だけでなくて、あの地域一帯の方々が非常に不安な状態が解消しないということで、これは三木前環境庁長官のときから、早くやれということをきつく御指示いただいております。 そういうことで、私ども技術的な面で熊本県をバックアップいたしまして、有害物質の分布の状況を調査し、それで計画の策定を進めてまいったわけでございますが、その汚泥の中に含まれております水銀含有量の調査方法が途中で変更されたというような事情もございまして、新しい方法によって調査した結果が最近ようやくまとまった状況でございます。この結果、暫定除去基準でございます二五PPM以上のものが分布しております範囲が、当初考えておりましたよりもさらに広がっておりました。したがいまして、この処理すべき範囲も拡大されたという事情にございます。 それで、現在県は第四港湾建設局、私どものほうの出先でございますが、そこの技術的な協力を得まして、大体の計画の案がまとまりつつございます。ただ先生の御指摘のように、県といたしましては、企業がはたしてそんな巨大な事業者負担を負担できるかどうかというようなことを非常に心配しておりまして、そういうようなことから、事業を国の直轄事業として実施することを要望しております。また、いま一つには、技術的にも非常にむずかしいという事情もございますので、そういう要望も出ております。 これに対しまして運輸省といたしましては、技術面や人員の面での応援は極力行なうべきであると考えておりまして、御協力申し上げておるわけでございますが、ただこの事業の実施につきましては、この事業の性格上地元住民の方々の意向を的確に把握いたしまして、その上で公害、環境、水産等各方面の行政を総合した立場から計画し、実施することが適当であると考えておるわけでございます。 そういうことからしますと、県が事業主体となるべきであると考えておりますし、さらにこれを国の直轄事業で行なうということのためには、公害防止事業費の負担審議会を設置する等の措置が必要になってくるわけでございます。これを設置するためには、政令を新たに制定するとかそういう措置が必要でございまして、こういうことをやっておりますと、事業を早急に実施するということが逆に困難になってくるという事情があるので、私どもとしましては、何とか早くやるためにも県が事業主体になっていただきたいというふうにお願いしておるわけでございます。 なお、いずれにいたしましても、この事業は水俣港の中の空間利用に関連するものでございます。実施により現在の水俣港の港湾施設は、そのほとんどが利用できなくなるということがございますので、この汚泥処理計画とあわせて総合的な港湾計画を策定する必要があるわけでございます。それで、このような港湾区域内の空間利用の計画は、港湾法では港湾管理者が定めることとなっておりますので、ともかくこの計画だけでも早くつくっていただきたいということで、いま県のほうにお願いしておる事情でございます。それで、実施につきましては、ともかく最も早くやれる方法を何とか見出して進めたいというふうに考えておる次第でございます。
○林(義)委員 役所の御答弁としては満点の答弁だろうと思いますけれども、それでは実態というのは進まないというのであります。(「それは行政寄りだ」と呼ぶ者あり)全く行政的な答弁だと私は思うのです。それでは事態の解決にはならないと思うのです。港湾計画をつくり云々ということでは、住民の不安というものは解消できない。やはり住民の不安というものを解消するのが私は政治の姿勢でなければならないだろう、こう思うのです。したがって、その辺を解決するためには、現在の港湾法であるとかその他の法律の考え方というものを越えたところで議論をしていかなければ、私は問題の解決にならないだろうと思う。埋め立てるところというものは、ともかくはっきりしているわけでありますから、どういう計画をつくろうとも、そこは埋め立てをしなければならない。港湾計画はそのあとでつくっていい問題だろう、こう私は思うのです。 県のほうでは——熊本に行ったときは、とてもじゃない、この貧乏県で、大洋デパートでまた五十億か何かかかりますわ、たいへんな金がかかりましてという話をしておるわけでありますから、やはりどこかで金を出さなければならない。出すということになれば、先ほどのカドミウムの話、水銀の問題につきましても同じようにグレーゾーンの問題がありますから、その辺を考えれば、ある程度まで国のほうが乗り出してやらなくちゃならないだろうと思いますし、現実の問題として、チッソのような会社がたくさんの補償費も払わなければならない。政務次官、お願いをしたのですけれども、実際に払わなくちゃならない。PPP原則でやれといったところで、会社がつぶれてしまったならば補償ももらうわけにいかない。県のほうは金を出してくれたけれども、あとで取るところはどこもなくなったというようなことでは、これはとてもやれないだろうと思うのです。そういった公害の問題でありますし、限界がはっきりしていないという問題があります。 と同時に、私は水銀問題で本会議でも御質問したのですけれども、これはかっての公害なんですね。昔からの公害であります。特に戦争中から戦後を通じてずっとやってきたときで、一PPMとかなんとか、そんなこと全然関係ないときにやったところが、たまっておって、それが現在影響があるだろう、こういうふうな話でありますから、そこまで全部やるということになりましたら、これはまたたいへんな問題だろうと私は思うのです。それは健康被害のほうにおきましても、健康保険法というようなかっこうで一部を負担するとかなんとかいうこともありますが、やはりこれは何か別のシステムをぜひ考えていかなければならない問題ではないかというふうに思うのです。 そういった意味で、いままでの港湾法の体系でやる、あるいは公害の費用負担法の体系でやるというようなことではなくて、こういったような事態になってきましたならば、いわゆる蓄積公害の問題について百尺竿頭一歩を進めたところの政策が私は要るんだろうと思うのです。藤本さんは環境政務次官に御就任早々でありますけれども、藤本さんの政治家としての御見解を、この際承れれば幸いと存じます。
○藤本政府委員 過去に蓄積されました、いわゆる蓄積汚染の問題をどうするかという問題は、これは御意見のようにたへいん大きな問題だと思っております。林さんの御意見に対しましては、私、政治家としては同感の点も多いわけでございまして、その対応策につきましても早急に何らかの解決をしてまいりたい、かように考えております。
○林(義)委員 時間が来たようでありますからこのぐらいでやめますが、私は現実に起こっているところの問題から見ますと、確かに被害者がある程度あるというところもあります。その被害者に対し、被害を受けているところに対して、いろいろな手を差し伸べていかなければならないことも当然のことである。ところが多くのところにおいて、全然私のところは被害はないがな、被害がないのに、なぜこんなことをされなくてはいかぬのだというようなところも多々あるわけであります。現実にはそういうことです。徳山なんかも、よくわからぬけれどもというような話でありまして、それで何とかしなくちゃいかぬ、またこれで県費がたくさんかかるのは、たいへんなことだなということも、はっきり申し上げてあるのです。おそらく秋田県とか山形県、みなそういうようなことではないかと私は思うのです。 しかしながら、万が一健康に対して障害があったならば、これはたいへんなことでありますから、やはり万全の措置を講ずることが必要だろう。それはやはり国が何かやらなければならないのじゃないか、こう思うのです。そういったことをいままでの制度でやってみますと、たとえば食管法で買い上げをしてどうします、転作を奨励しますというくらいのことしかできないのです。転作を奨励されるのも非常にけっこうでありますけれども、転作奨励だけではなかなか農民うんと言わないですよ。やっぱりうんと言いませんよ。それだから、やはり何かの形で解決をしていくということを、この際考えていく必要があるだろう、私はこう思うのです。これを私はぜひお願いいたしておきます。 これは農林省なり運輸省なりあるいは建設省なり、いろいろなところに関係をされるんだろうと思います。厚生省なんかも関係があるだろうと思いますけれども、そういったものをひとつ環境庁でお取りまとめになっていただいて、早急な対策を立てることが必要ではないか。現在は石油危機でありまして、予算等につきましても非常に渋い。きょうの新聞を見ると、公共関係予算はゼロ%の増加率である、こういうふうなことが出ておりますけれども、やはりこれから考えていかなければならないのは福祉中心の政策であるし、福祉中心の政策といえば、何といったところで国民の健康を最重点に置いて考えなければならない問題でありますから、そういった点で新しい方策として、ひとつぜひ環境庁におきまして早急にお取りまとめの上、対処されることを要望しておきます。政務次官から一言お答えいただければいいと思います。
○藤本政府委員 お説のように公害の問題については、蓄積汚染の問題と、それから現在の排出基準の規制の問題、将来の未然防止という問題、三つが大きな柱であると思います。いま林先生申されましたように、蓄積汚染の問題の早急の解決につきましては、関係省庁と早急に検討いたします。環境庁が総理府の中に置かれておるということは、そういう調整機能ということも十分にあるわけでございまして、環境庁のそういう役割りからいたしましても、また問題の解決からいたしましても、早急に関係省庁と連絡をとりまして、協議の上善処いたしたいと考えております。
○角屋委員長 島本虎三君。
○島本委員 まず私は、秋田の米代川流域のカドミウム汚染米に対する問題、それと上高地の環境保全を中心としたいわゆる観光公害、この二つの問題につきまして、われわれとしては、十一月の二十九日から三十日まで二日間は秋田へ直接参りまして、調査をしてまいりました。その他上高地へも行ってまいったのでありまするけれども、それらの点について小林信一委員とともに質問申し上げ、皆さんの意見をただしたい、こう思っているわけであります。 なお、委員長にこの際お願いしておきますが、一緒に同行し、調査をいたしました川俣健二郎君と佐藤敬治委員、この二名が関連に立ちますから、私の時間内でこれをお認め願いたい。このことをあらかじめひとつお願いしておく次第であります。
○角屋委員長 ただいまの点は、理事会でも御了解を得ておりますので、質疑の過程でさように取り運びたいと思います。
○島本委員 ありがとうございます。 まず通産省に伺います。 秋田県の公害、これはいわゆる鉱山の害からだ、公の害は鉱山の害からだ、こういうようにいわれておるわけであります。休廃止鉱山、これに対してはすでに法律をもって立法措置を講じて、これらの処置をはっきりさせ、融資をそれぞれ金属鉱物事業団によって行なわせるような方法を前議会において講じたのであります。この秋田の休廃止鉱山を通産省、はっきり実数を把握しておりますか。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 秋田県は、御案内のとおり有数の鉱山県でございます。したがいまして、鉱山に対します地元あるいは自治体といたしましての関心がきわめて高うございます。 〔委員長退席、坂本(三)委員長代理着席〕 ただいま御指摘の鉱山鉱害につきましては、米代川と雄物川と二つ水系がございます。米代川の水系につきましては、現在、稼行鉱山が十三、休廃止鉱山が九十一、合わせまして百四鉱山ございます。それから雄物川の水系には、稼行鉱山が一、休廃止鉱山が四十二、合わせて四十三ということになっております。いずれも仙台の鉱山保安監督部が監督に当たっております。
○島本委員 仙台の鉱山保安監督部では、休廃止鉱山が無数にあって、その数は把握していないと、われわれにそういうような答弁をしたのですが、あなたはきちっと把握しておるようです。私どもの調査では、多過ぎてまだ把握できないと言っているのです。現地で把握できないのに、あなたは把握しておる、どこかにうそがあるのではありませんか。これ、どういうことになりますか。これが大事なんですよ。これは現地の調査官の言ですよ。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま申し上げましたのは米代川、雄物川の水系の鉱山でございます。それ以外にも保安監督部が、ただいま島本先生御指摘のように十分把握をしてない鉱山が、あるいはあろうかと思っております。その点の事情を考えて、現地で、先生に鉱山保安監督部の監督者がそうお答えしたかと思っております。
○島本委員 ほんとうは、これは把握できないのです、歴史が長過ぎて。また、いつどういうようになったか、それも十分わからない。 〔坂本(三)委員長代理退席、委員長着席〕 この中で今度は、米代川一帯にカドミウム米が発生した。そして県では点検した個所が四十一地区。それで十一地区が、もうすでに、法によって廃棄を禁じられているような相当程度の汚染米が出ているわけであります。全地区をやったならば、どれほど出るかわからないというような状態なんです。 農林省、これに対して、こういうような状態をそのままにしてあるのですか。それとも、いままで指導してきたのですか。指導してきたとするなら、どういう指導をしてきたのか、この際はっきりさせてもらいたい。
○須賀説明員 先生のおっしゃいました、いまの米代川流域の鉱害問題でございますが、私どもといたしましては、そういうところで米をつくると、やはり汚染米ができるということから、食用でない米の転作を奨励する、あるいは土壌改良の資材を投入しましてカドミが吸収されないような抑制措置を講ずる、とりあえずはそういう指導をやってまいりました。なお、これからは、いろいろ調査が行なわれて地域指定、そういうような段階を踏んでくれば、それに従って基本的な対策を立てていきたいというふうに考えております。
○島本委員 あまり領域が広過ぎて、土壌改良するにしても、どこから土を持ってきて改良していいかわからないというのが農民の悩みであり、県当局のこれも悩みなんです。一部分なら、それができる。流域全体が汚染された場合には、どういうようにしてやるのですか、そういう方法があるのですか、野菜にこれは転じさせるんですか。もしそういうようになったとすると、米の場合は買い上げて国もめんどうを見る。もうすでに地目変更して畑にして、野菜をつくっているところがある。この野菜そのものにも、多量のカドミウムが発生しているわけです。そういうようなのが現地にあるわけです。 このカドミウムを含有した野菜に対して、では買い上げをしていますか、それとも何らか奨励していますか。現在こういうような野菜をとりながら、いま弱っている農民がいるんですが、これに対して農林省はどういう指導をしておりますか。
○須賀説明員 私ども奨励いたしておりますのは、そういう食用になる作物ではなくて、食用にならないような非食用作物、そういうものの転作の指導をやっておるわけでございまして、(島本委員「そんなのあるかね」と呼ぶ)それは花とか花卉とか、いろいろまだあるわけでございまして、その野菜というような食用になる作物をつくるということになると、やはり同じような汚染を繰り返すということから、私どもはそういう指導はやっておりません。
○島本委員 とにかく米それから野菜、こういうようなものが全面的にカドミウムに汚染されて困っているというのが、その実態なんであります。現に約三千俵ほど、先ほどの報告にありましたが、秋田県では県が買い上げ、これを農協の倉庫に保管してある、こういうように言っているんですが、これはそのままにしておくつもりですか、国としては何らかこれに対して補助して善処するつもりですか。県当局では、おそらくもうこれだけでも財政的に相当圧迫を受けているのです。今度全面的に点検してやってみたら、来年どうなるか心配で、これは予算が組めないというのが実態なんです。この三千俵の保有米に対して、何か国では考えるところありますか。 これは環境庁の三木長官も何かしなければならない、こういうように言って、そうして石油使節としてアラブ諸国へ行っているようですが、何かしなければならないという意味はどういうことでしょうか。これは環境庁並びに農林省、あとはちょっとこっちからいきますから……。
○森(重)政府委員 ただいまのお話の三千俵ということでございますが、これは一PPM以上のものでございまして、食糧管理法上は食用に供せられないものでございますから、私どものほうの会計管理でこれを買い上げるということは困難である、いまの状態ではそういうことでございます。
○島本委員 わからないな、どういうことだ、もう一回、再答弁してください。言ったのはわかるけれども、意味がよくわからない。
○森(整)政府委員 確かに今回の米代川流域の調査、御指摘のように非常に深刻な問題だとわれわれも考えております。三木長官がおっしゃられたのは、やはり農民にともかく迷惑はかけないということで、県も含めまして、そういう問題について対策を講じていきたい、当面はとりあえずでも、そういうことではなかろうか、こういうふうに考えております。
○島本委員 いまのやつは、一PPM以上の玄米については、それは保管しているのはわかるし、配給しないのはわかるのです。そして県当局では、それを買い上げて農民に迷惑かけないようにしているわけです。そうすると国のほうでは、あといかに県の財政がパンクしても、それは知らないということなんですか。それとも何か善処しなければならないということなんですか。野菜をつくっても何でも、花以外にはすでにもう食うものにならないでしょう。それに対して県当局では、国でめんどう見てくれと涙ながらに哀願しているのでしょう。私どもにそうだったら、皆さんなんかにはもうお百度を踏んでいるんじゃありませんか。そのままにしておくことは、残酷この上もございません。これに対してあなたの答弁は、何か言ったことはわかるけれども、内容はさっぱりわからなかったから、もう一回ひとつわかるように答弁してください。
○森(重)政府委員 私どもがまだ一PPM以上のものを持っておるわけであります。これもいまどうにも処分ができなくて困っております。〇・四PPM以上のものも二万何千トン持って、これを売却いたそうにもに買い手がないわけであります。非常に困難を来たしておりますが、工業用のりとか、あるいは接着のり等についての需要もあるということで盛んに研究はいたしておりますが、最後のいわゆる処理と申しますか、かすの問題でみんなひっかかってしまう、こわがってしまう。そこで私どももいま困っておるわけでありますが、なおいい知恵がございますればということで斯界の権威者にお集まりを願って、どうしたらいいかということを詰めておるわけであります。ただし、いまの段階では、合板といいますか、のりとして、わりあい使いやすいんじゃないか、そのまま粉にして、のりとして使えるんじゃないかという研究も、いまなされているようでございます。
○角屋委員長 この際、関連質問の申し出がありますので、これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 関連に入らしていただきたいと思うのですが、入る前にちょっと私が聞きたいのを各官庁またがっておられるようですから、三つの項目に分けて聞きたいと思います。 一つは、前々国会で約束された、全国に散在する休廃止鉱山の調査の経過がどのようになっておるのか、それで結果がいつごろお聞かせ願えるのかというのが一つ。 それから二つ目は、いまの質疑応答にもありましたが、いわゆる責任義務論の問題です。PPPという問題をこの前取り上げて三木さんとやりましたが、PPの原則、いわゆる原因者負担ということは常識なわけだが、問題は、鉱山鉱害の問題というのは原因者が不明であり、長年月を経て、そしてわかってつかまえたところで無資力である。これに対して国がどうするかという問題で、いまの米の問題まで発展していくわけですから、その問題をちょっと聞きたい。 それから三つ目は、それじゃ来年度予算にどのように対策を織り込もうとしておるのか、この三点を中心に聞かしてもらいたいと思います。 まず第一に、宮崎の土呂久の砒素の問題から端を発して、砒素だけじゃなく、カドミであり、銅であるというところで、休廃止鉱山がにわかに国会論議に台頭してきたわけですが、その場合まず、これは無数にあるわけですから、ここでずばり答えられる人はいないと思うのですが、この鉱山の調査を一体やっているのかやっていないのかということと、もし結果が出たら、いつごろ国会に出すのかということを聞きたいと思います。
○森(整)政府委員 先生の御指摘の調査、四十七年度に実施をいたしておりまして、その後取りまとめにだいぶ時間を要しまして、たいへん申しわけないと思っております。何せ、二十五県にわたりまして百六鉱山の地元から流れ出します廃水、それから河川の状況、土壌の状況、それからカドミウムのごときには、やはり米の状況、そこまで調査をいたしておりますということで、環境庁が一応取りまとめの責任者になっておりますので、私からお答えさしていただきますが、環境庁と通産省それから建設省、農林省、労働省、厚生省という関係各省の合同の調査をやっております。関係府県が二十五県、先ほど言いました鉱山の数が百六鉱山、それから土壌関係では八十三鉱山の調査を進めております。そういうことでたいへん時間がかかりましたが、近く公表をいたしたいと考えております。
○川俣委員 対策の予算の問題があるので、もう少し聞きたいのだが、近くというのは、いつごろなのか。はっきり言うと、年内なのか、年越しか、その点をお聞きしたい。
○森(整)政府委員 年内に公表をいたしたいということで、準備を進めておるわけでございます。
○川俣委員 そこで関連なんですが、やはり東北あるいは仙台で管轄しておるわけでしょうが、全国に一体鉱山が、特に休廃止鉱山がどのくらいあるようにつかんでおるかということと、それからそれを調査する監督官がどのくらいいるかということ。したがって何年かかるかということが、おのずからわかるわけですから、その辺をお聞かせ願いたい。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 環境庁と連絡をとりながら、鉱山事業所内の調査は通産省がやっております。 ただいま御指摘の休廃止鉱山の調査でございますが、早急に精密な調査が必要であると認められる千五十の休廃止鉱山につきましては、四十五年から四カ年計画で調査してまいっております。本年度で調査が終了する予定でございます。その結果は、四十九年六月発表する予定になっております。 このほかに、なお先ほど島本先生からも御指摘がございましたように、多数の休廃止鉱山がございます。かつ、これから公害問題が生じている例もございますので、すべての休廃止鉱山の実態を早急に調査、把握するということで四十八年度から地方公共団体に委託の形で休廃止鉱山鉱害概査を実施してまいっております。四十八年に九百四十鉱山を目下調査中でございます。四十九年、五十年の二カ年間で約二千四百の鉱山について概査を行なう予定でございます。なお、概査の結果、問題があるものにつきましては、さらに精査を引き続きやるという予定にいたしております。 監督局の体制でございますが、現在二百五十三名、うち監督官が百九十一名、さらに来年度十五名の要求をいたしております。ただいま申し上げました概査のほうも、大体この人員で努力を尽くしまして完成したいというふうに考えております。
○川俣委員 いま局長の答弁の中の、その必要と認められる鉱山数というところに盲点があるのですよ。カドミだって、そうだったでしょう、亜鉛の中に入っておるわけだから。したがって 亜鉛というのは、日本の国では比較的採集する技術もなかったし、能力がなかったわけなんです。それが風雨にさらされて田畑に入って、こういう状態になるわけだから したがって私の聞きたいのは、必要と認められるという、きめつけてかかっちゃだめなんだ。一応どのくらい鉱山数があるのか。奈良時代から始まっているわけだが、一体どのくらい日本の国に鉱山が点在しておって、そしてそれに対して監督官がどのぐらいで、十五名というのは、ついでに聞くけれども、純増なのか、自然減も補てんする程度なのか。一体できるのかということと、いまのお話だと三、四年で大体できるように感ずるけれども、そうじゃないんだ、これは。十五年かかる。その辺を少し聞かせてください。
○林(信)政府委員 ただいま先生が御指摘のように、私どもが早急に精密な調査が必要であると認められるという、そういう判断では甘いという御指摘でございますが、率直に申し上げまして、そのとおりでございまして、したがいまして、当初四カ年で千五十という予定でやったわけでございます。この千五十の選定にあたりましては、監督局の監督官が実施踏査をした結果選定したわけでございますが、ただいまも申し上げましたとおり、こういう形のものではカバーできないということで、早急に四十八年から全鉱山について概査、さらに精査という段階で調査をするという計画を立て、ただいま実行に入っておる段階でございます。 問題は鉱山数でございますが、この千五十のほかに概査の対象になります鉱山を、鉱山保安監督局を動員いたしましてリストアップいたしました結果、三千三百四十という数字になっております。合わせまして四千三百九十になるわけです。いま四千三百九十と申し上げましたのは、廃止鉱山で鉱業権が消滅している分でございます。このほかに、鉱業権が存在いたしまして稼行を休止しているものが千四百六十二、合わせますと五千八百五十二という数になります。ただし、廃止とこの休止が、鉱区のダブリ等々がございまして、ダブリ計算のものが六百四十ということになりますので、差し引きいたしますと、現在のところでは五千二百十二という数になるわけでございます。 それで、ただいま申し上げました監督局のこの二百五十三名でやれるのかということでございますが、私どもはただいま申し上げましたとおり、何とかこれでやろう、ただし、鉱山が特に密集しております地域、特に仙台あるいは東京の監督部でございますが、この辺のところには重点的に人員及び機構の拡充をはかりたい。ただいま四十九年度要求として申し上げました十五名は、純増の形で出しております。機構といたしましては、鉱害防止第二課を東京に設ける、こういう形の要求でございます。
○川俣委員 そうでしょう。やはり五千八百五十二、ダブリを除いて五千三百、これを二百六十人でやるというのだからね。 そこで、この問題はさらに時期を改めますけれども、よもやと思われるところにあるところに、鉱山鉱害の特徴があるわけだ。たとえば、さっきの関連にまた入るのですが、秋田県で四十一地区一応県単で調査してみたという。それはもう全然予想しないでピックアップして調査してみたという。ところが、四十一地区の中で十一地区の土から汚染米が出た。十一地区の汚染米の中ではなはだしいのは、局長はよく知っているだろうけれども、杉沢鉱山の周辺は、土壌の一番高いところは何と一一・五六PPMだ。そこの周辺から二千俵出た。これはよもやと思ったわけだ。だから、これはもちろん休廃止鉱山、過去の個人的な鉱業権者をつかまえてみたところで、無資力なんだ。 さて、そこでどうするかということになるわけです。したがって、お米の問題に入るのですが、農林省、私は耳が悪いのか、あなたの語尾がはっきりしないのか、もう少し聞かせてもらいたいのだけれども、もう一ぺん言いますよ。 いまの二千俵加えて三千俵、秋田県は県として確認したという。山形のように隠蔽しないという。三千俵世に発表した。したがって、農民が食糧庁に知らぬふりして入れたというのは吉野川。秋田県の場合は世に発表して、これは売れない。正直に出たわけだ。したがって、いま農民からまず秋田県が買い取った形にしておるわけだ。それに対して、国はそれは県でやりなさいという態度でいくのか、それとも国のほうとして何らかの対策を考えつつあるというのか、その辺を聞かしてもらいたい。
○森(重)政府委員 現在の食管法上のたてまえから、現在の段階ではまだ買えるという状況には至っておりません。したがいまして、食管法上の買う、買わぬの問題の別な観点から、これは対処されることがあるいは考えられるかもしれません。
○川俣委員 食管法で買い取ったら法律違反になる。食管法違反になる。それは聞いているのじゃないのだよ。きょうは、予算委員会その他で大臣方おられないようですけれども、食管法で買ったら、こっちが追及するよ。買えないですよこれは。 そうじゃなくて、県が三千俵、平均して一万円、三千万円ですね。とりわけ三千万円を——県民ですから、鉱山県でありかつ米どころであるわけだから、したがって、立てかえ払いの形で払っているわけだ。それに対して、各県にそのようにさせるというあれがあるのか、それともそれは、やはり国として何らかの方策を考えなければならぬという考え方なのか、その辺を聞かしてもらいたいのだ。食管法を聞いているのじゃないよ。
○森(整)政府委員 ただいま食糧庁から御答弁ございましたように、食糧庁ですでに一PPM以下〇・四PPM以上のお米を買い上げて、その処分につきまして先ほどいろいろ御苦労なさっておるという御答弁があったわけでございます。アルコールにいたしますとか、食糧庁でもたいへん研究会を開きまして、いろいろその処理方法につきまして、イオン交換樹脂でありますと、こっちでとれるとか、いろいろなことをやっておるわけでございます。そういうことが解決いたしませんと、県で所有しておりますものにつきましても、食糧庁の処分と同じような処分をせざるを得ないのじゃないかというふうに考えておりまして、お米に入っておりますカドミウムをどういうふうに有効に処分できるか、もし処分できない場合には、その場合の対策ということになろうかというふうに考えております。
○川俣委員 どうも聞きたいところがすれ違いですが、まあバッジをつけた皆さんがあまり並んでいないから無理ないと思うのだけれども、ひとつ委員長にお願いして、一応書類で、はたして予算措置を考えていく意思があるかどうかということを後日回答願いたいと思いますが、いかがでございますか。それを食糧庁の次長がひとつ責任をもって——新たに閣議の決定をやれというんじゃないですから、政府の見解を後日報告してもらいたいと思います。それは一切知らないということなのか。
○藤本政府委員 先生の御意見につきましては、早急に関係官庁内部で相談をいたしまして御返事を申し上げるようにいたしたいと思います。
○川俣委員 けっこうです。 二つ目の関連は、やはり鉱山の周辺の地区で、こういうように記載されておるわけですが、昨年まで学校給食用に野菜を出荷したが、米のほうに汚染の疑いがあったので、したがって野菜にも疑いがあったので、今春から給食用の出荷を取りやめた。そこで——これは追及じゃないですよ。厚生省に聞きたいんだが、食品衛生法のときにかなり論議したんだが、野菜の問題を法定基準として取り上げていく意思があるかどうか、その辺だけをちょっと聞いておきたいと思います。 それから、取り上げるとすれば、私はもう質問をやめる。取り上げないとすれば、米の場合は危険だが、野菜は何ぼ食ってもいいということの判定で医学的に言っているのか、その辺を聞きたい。厚生省、おりますか。
○石丸政府委員 お答え申し上げます。 ただいまいろいろなデータを集計中でございまして、これはつくるためにデータを集計いたしております。 後段の御質問でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、人間の一日の最大許容量を六百六十五マイクログラムときめておりまして、その中から現状における野菜、水から入る量を先に引きまして米の基準をきめたわけでございまして、その点、一日最大許容量の箱囲内において国民の健康が守られておる、こういう計算をいたしております。
○川俣委員 したがって野菜の安全基準は現在のところ考えていない、こういうように確認していいのか、それとも検討しつつあるということなのか。
○石丸政府委員 検討しつつある段階でございます。
○川俣委員 関連質問者がまだおりますから、最後に二つ、結論、カドミとイタイイタイ病との因果関係をここで確認していいかどうか。
○角屋委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○角屋委員長 速記を始めて。 ただいまの川俣君の質問については、午後の冒頭に御答弁を願うということで、質問者の御了解を得てそうしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○川俣委員 もう一点。 最後ですけれども、責任権限云々と言ったって、問題はこれからの対策だと思うんだが、時期が時期でもあるから、来年度はどのぐらいの規模の土壌改良を中心とした対策を提案しているのか、もっと具体的にいうと、大蔵省に提案しているのか、その辺を聞かしてもらいたいのですけれども……。
○須賀説明員 来年度予算要求を現在行なっているわけでございますが、その金額を申し上げますと、まず土地改良事業、これは公共事業関係でございますが、金額が三億五千六百万円、それから十ヘクタール以下の小規模のものがございます。その関係の事業関係が三千四百万円というような関係になっております。そのほかなお、私どもの栽培関係の予算がございますが、これは改良資金といいまして無利子の融資があるわけでございますが、カドミの吸収を抑制するということで土壌改良資材を投入する、それに対しまして融資を行なうということで、二億五千万ほど予算を要求中でございます。
○川俣委員 私の関連は終わります。どうもありがとうございました。
○角屋委員長 ちょっと速記をとめて 〔速記中止〕
○角屋委員長 速記を始めて。 この際、十二時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後零時四十分開議
○角屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、信澤環境庁官房長から発言を求められておりますので、これを許します。信澤官房長。
○信澤政府委員 先ほどは、私どもの不手ぎわで御迷惑をかけましたことを、委員長はじめ委員の先生方におわび申し上げます。 そこで、川俣先生お尋ねのカドミウムとイタイイタイ病の関連でございますが、この問題につきましては、四十三年の五月に厚生省の見解が出されております。私どもも、現在この見解を引き続きそのとおりだという考えのもとに諸般の施策を進めておるわけでございます。この見解におきましては、イタイイタイ病の本態は、カドミウムの慢性中毒により、まずじん臓障害を生じ、次いで骨軟化症を来たし、これに妊娠、授乳、内分泌の変調、老化及び栄養としてのカルシウム等の不足などが誘因となってこの疾患を形成している、こういう見解でございまして、この見解を先ほど申し上げたように、環境庁といたしましても踏襲いたしておるところでございます。
○角屋委員長 質疑を続行いたします。川俣君。
○川俣委員 最後に政務次官にお願いなんですけれども、非常に資源によごれた国土であり、片や資源に乏しい国土である。それでくしくも鉱山地帯の周辺というのは、大体食糧基地になっておるという日本の狭隘な国土。この三つのことを考えますと、特に蓄積公害、鉱山鉱害というのは、いまたれ流しという現実に発生の公害よりは、過去の蓄積という特徴から、PPの原則を、てんまりのようにあっちへ飛ばしたり、こっちへ飛ばしたりするところに、若干の質疑応答のムードが出ておるのですよ。私はそうきめつけるわけじゃないのだけれども、私の質問の要領を得ない結果もあると思うのですが……。 したがって、政府としては過去の鉱害に対する対策をやはりしっかりやるという姿勢をもって、そしておそらく、石油がいま外交手段に使われているんだが、波及的に今度メタルに来ると思うのですよ、日本側が乏しいだけに。したがって、国内資源の開発をしなければならない石炭に続いて、そういうのを叫ばれるのが一方と、資源という問題をめぐる国の生産体制と、やはり少し行政指導でしっかりこれから蓄積公害に対する態度を、いま現実に対策もやっておられるようですけれども、さらに一そうその対策方を要望して私の質問を終わります。
○角屋委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 先ほどの質問者が、それぞれ問題を政府側に申し上げて政府側の回答を要求したのですが、私は聞いておりまして、石油問題で日本の政治が全く混乱の極に達した、国民がもう何も政治に期待することができないじゃないかというようなもの、いまの公害対策そのものがそこへ来ているのではないかというふうに残念ながら感ぜざるを得ないわけなんです。 林さんの重大な質問に対しましても、水俣湾は三木長官も埋め立てます、しかも早急に埋め立てをいたしますと現地で述べられたのを私は聞いておりますが、やることはやるかもしれませんが、いつになるかわからないというような不安が感ぜられるし、あるいはこのカドミウムの問題にしましても、すでに富山県のイタイイタイ病で、相当な面積の土地改良、客排土をするということが約束されたことも聞いておりますが、これもいつになってできるのかわからない。 さらに今度の経済事情から、いろいろな公共事業というものが繰り延べになるような情勢であれば、それを一つの隠れみのにして、やりたいのですがやれませんというふうなことになりはしないかと思うのです。しかし、あとからあとから公害というものは出てきておる。一体いままで国民に約束したことすら実現できるかどうか。もちろんそういう大きな問題もさることながら、先ほどの食糧庁の次長さんのおことばなんかを聞いておりますと、まことに情けない感がしてならないわけであります。 そういう前提に立って、秋田県米代川流域のカドミウム問題で地元の人たちから切実な声を聞いてまいりましたし、県当局は責任者としていち早くこの問題に取っ組んで、そして県側のできるだけの対策を講じておる姿も拝見してまいりました。一つ一つをそれぞれの責任ある皆さんにお尋ねをして、その原因あるいはよってくる施策上、行政上の責任、これからの対策、そういうものをお聞きすれば、これはもう相当な時間がかかるわけでありますが、残念ながら本日私には三十分しか許されておりませんので、ほんとうに地元の人たちが切実に聞いておる点を私はお聞きして、その責めを果たしたいと思うのですが、もちろん私はこの問題は地元の人たちと約束してきた点もございますので、続けてなおお願いをするかもしれませんが、よろしくお願いいたしたいと思います。 そこで、先ほどこの問題について環境庁のほうから各省の意見の統一をはかったというふうなお話がございましたが、一体この問題の責任というのはどこにあるのか、それを各省それぞれの立場でお感じになっておると思いますが、統一したもの、あるいはその省自体の責任というふうなものを、私はこの際お聞きしてまいりたいと思います。 農林省、どういうふうにこの問題については責任をお感じになっておるかお聞きいたします。
○須賀説明員 カドミ汚染米が生産されたということ、これはいろいろ因果関係があると思いますが、結果としてそういう汚染米が生産されたということは、私ども生産を担当しておる者として非常に遺憾に思っておるわけでございます。 それにはいろいろ対策があると思いますが、できるだけ私どもの打てる手を考えまして……(小林(信)委員「対策なんか聞いていない。責任なんだ」と呼ぶ)十分そういう点につきましては、私ども反省はいたしております。
○小林(信)委員 富山県のイタイイタイ病は、上流に神岡鉱山があって、これはただ一つなんですが、その神岡鉱山の不始末からイタイイタイ病が出ているわけなんです。もし農林省が農林省としての責任を感ずるならば、日本で一番たくさん鉱山を持っておる、しかも休廃鉱の鉱山がたくさんにある、その中から流れてまいります米代川の流域というものは、一体イタイイタイ病のようなそういう事態が起きないのか、こういうことをまず以前に考えなければならなかったのだと私は思います。 今度発見されたのは、はからずも中川原というんですか、あの能代市の一地区の堤防が破壊をされた、その改修をしたということから、その地域の米の汚染状況というものを調べたら、たまたまカドミウムが発見された。しかも一PPM以上のものが発見された。そこで県側がこれはたいへんだということでもって上流地方の同じような川の湾曲をした地点を大体主にして調べたところ、多数の汚染米が発見をされたということになっておるわけなんです。私は、小さいようですが、農林省の責任というものも、そういうところにたくさん出てくるんじゃないかと思います。 厚生省は、この問題をどういうふうにお考えになっておりますか。
○石丸政府委員 たとえば神通川の流域のあのイタイイタイ病の発生でございますが、この原因追及は当時厚生省のほうが実施いたしておったわけでございますが、その後研究の結果が早くわかり、またそれに対して簡易水道等による安全な水の給水、こういったことを早く行なえば、もっと患者の発生等も少なかった、こういうふうに考えておりまして、その点研究等も今後なお早期に結論を出すように、責任を感じております。
○小林(信)委員 同じような状況下にあるんですから、少なくともその下流地域に生活する人たちの健康を診断をするというようなことは、まあこれはいまのあなた方の体制では、人員では不可能かもしれませんけれども、そこまで鉱害対策というものはされなければ万全を期することはできないと思うのですよ。残念ながら初めて幾つかの汚染米が出る地域を県側でもって発見をした。これは厚生省にもその責任があるから聞こうと思うのですが、大体降雨量が少ないから、ことしは米の中にカドミウムが多く発見をされたというふうなことを一応根拠としてこの問題に取っ組んでおるようですが、しかし地元の人たちは、県側は、私どもにそういう正しい、これがこうであるという、そういう研究というものを国がいち早くやってもらいたいんだ、そういう研究の機関をつくってもらいたいんだ。まだイタイイタイ病の問題から——まあこの問題もそうですが、ただ、一応の学者の説として降雨量が少なかった。だから、ことしはたくさんに米に発見をされたんだといわれておりますが、そうであるとするならば、もう相当蓄積をされたものが人体のほうに長い間移っているのじゃないかということも考えられるわけですね。休廃止鉱山をたくさん持っておる、稼動鉱山もたくさんにある、その流域一体がどうであるか。問題が起きてから、日本の公害対策というものは各省が取っ組んでおるような状態であります。私はそういう点からも、もしいち早く厚生省が手をつけるならば、こういう問題が未然に防げたんじゃないか、未然ということではない、もっと対策が早くできたのじゃないか、こんなふうに厚生省にも考えられます。 こういうふうに各省に聞いてまいりますというと、発生源がどこだ、ただその鉱山を経営している、あるいは休廃止鉱山に関係する人たちの責任だけを追及するものでなく、政治が発生源になるといってもいいくらいに私は感じられるのですが、特にその中で通産省に対しましては、どういうふうに責任をお感じになっておるか、これだけをお聞きしてまいりたいと思います。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 各省責任の中で、私ども偶然かとも思いますけれども、一番しんがりに御質問を受けたわけでございますが、しんがりが一番罪の重い立場であることを深く深く反省いたしております。 鉱山につきましては、要するに鉱害を出さないように基準なり監督なり抜き打ち検査なりをやる。出た際には周到な鉱害防除事業を的確にタイミングよくやらせる。しかし、先ほど御質疑がございましたように、広範な長年月にわたります環境汚染の問題につきましては、もう企業が消えてしまっておる、あるいは無資力であるというふうなことが広範に出ておりまして、農用地あるいは河川あるいは海域等につきまして、たいへんな問題を残してしまっております。 事業所そのものにつきましては、国が三分の二の補助金、自治体が三分の一というふうな形で、堆積場の処理とか坑口の閉鎖というようなことをやっておりますが、それだけでは、ただいま諸先生方から御指摘の深刻な広範な問題を処理するにはほど遠い、ごくほんの一部でございます。そういった広範な問題は関係各省庁、自治体等々にごやっかいにならなければならぬような状態でございます。 また工場の場合、チッソのような場合ももっと早く技術的な知見が進んでおれば、もっと軽い早期の段階で、ああいう状態に至らないような形で防げたのではないかというような反省も深くいたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、こういった問題を具体的な損害、被災者というふうなものが出てからやるというふうな形に御指摘のようになっておりますので、政府の中の一部局といたしまして、そういう形でなくて積極的に、抜本的にこういった問題に取っ組んでいくべきではなかろうかと思いますので、一番中心になっていただきます環境庁を中心にいたしまして、関係各省庁とも積極的に自発的に協力をして、今朝来諸先生方から御指摘を受けておりますような問題につきまして、来年度予算で何とかこの仕組みと相当量の事業がやれるような形を実現したいというふうな立場にあるわけでございます。
○小林(信)委員 別に通産省を最後に残したということじゃない。もちろん通産省の責任というものは重大でございますが、まだまだこのほかに各省に責任があると私は思うのですが、時間がないから申し上げなかったのですが、もっと政治の責任、行政の責任というものを、この際痛感をしていただくならば、今後の処理に対して地元民あるいは県側が要求するようなものが、もっと御努力願えるのじゃないかという意味で私は聞いたわけです。その中で、ことに環境庁が中心になってというふうにいいますが、環境庁というのは、はたしてそういうふうに皆さんが責任を負わしていいところかどうか、こう思うのですよ。そういうところが悪い姿勢をつくるもとじゃないかと思うのです。 いま通産省の対策というふうなものをあなたは述べられて、責任をこういうふうに感じておりますが、こういうふうに果たします、これはいままでの皆さんの答弁が大体そういうようになっておりますが、第一番、先ほどもお話がありましたが、仙台の出張所ですか、保安監督部、あそこは五十二人で担当しておる。全国でも数多いといわれておりますが、それが東北全体の休廃止鉱山、稼行鉱山というものの仕事をしておるとすれば、これはもう山の奥どれくらい入り込むかわからぬわけですよね。 私は、五十二人という数がまず問題じゃないか。そして通産省の怠慢とかなんとかということでなく、しかも聞いてみれば、戦時中何でもいいから増産せよという国の方針の中で、大体その鉱山というものは、何が排せつされようが何が出されようが、そういうことはおかまいなしにやったというふうな、会社が無責任ということでなくて、当時の政治そのものに大きな無責任の状態があったということもあるわけですが、それよりもあの小坂鉱山の、もと煙突を立てて製錬をやったときですね。周囲全山をはげ山にしていますね。しかし、いま小坂鉱山に行って聞いてみますと、こういう施設があります、こういうものが設備してあります、だから私のところでは鉱害はありません。そんなものじゃないと思うのですよ。あの裸になった山から流れ出す水というものは相当に有害なものを持っているんじゃないか、こう私は思いますよ。そういうような取り締まりとか、それに対する対策とかいうものは、たいへんなことなんです。だから、別に通産省を責めるわけじゃないのですが、そういう流域にある、しかも急流であるならばともかく、相当なだらかな長い米代川でありますから、堆積する可能性というものは非常にあるわけなんですよ。一体下流地域には堆積はないのか、被害はないのかというような考慮も一緒にするためには、とても五十人という数ではたいへんなことだと私は思うのです。そういうふうに各省の責任というものは環境庁にも、出たばかりとはいえこれに対する対策はたくさんあると私は思うのですが、そういう行政の責任を感じてこれに対処していただきたい。 そういう観点からまず食糧庁にお伺いいたしますが、県側は米を三千俵買いました。これはあなたの先ほどの答弁を聞いておりますと、国が補償するというようなことは言をあいまいにしておりますが、もう一ぺんここでもって確答していただきたい。いまのあなたの食糧庁の態度は一体どういう態度であるか。
○森(重)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、現在の食糧庁の置かれておる食管法運用上の問題から、現在の法規の中では買い上げという措置でこれを救済するわけにはまいらないという食糧庁の立場を申し上げたわけでありまして、これは農林省あるいは政府全体ということなら別ですけれども、食糧庁それ自体の行政上、組織上の問題等から考えますと、現在の段階ではなかなかまいらない……。
○小林(信)委員 けっこう、けっこう。官僚としては最もりっぱな答弁だ。そういう態度だから公害というものはなくならないし、公害が出ても、いたずらに国民に不安を与えるだけじゃないかと私は思う。 県側が買い上げた心境、あなたにわかりますか。あなたの感じたものを言ってください。県側が買い上げるということは、これは違うでしょう。しかし・それを買い上げなければならなかった県側の心境というものは、どういうふうにあなたは受け取っておられますか、言ってください。——わからなければいいです。私ども、きわめて薄い人間性から判断をすればですよ。これはある一つの町から県側に要望書が出ておる、それをぼくらに渡したのですが、一番最後に「飯米の交換、確保を急いでもらいたい。」そうでしょう。ことし生産された米は自分も食わなければならぬでしょう。売ってお金も取らなければならぬ。しかし、その生産費、そういうものはともかくとして、自分たちの飯米を確保してもらいたい。——食う米ですよ。お百姓さんがその米を食うのですよ。そういう心情を聞いたときに、県側は、たとえそれが違法であろうが筋でなかろうが、その米は秋田県が買い上げましょう。そういう過程の中で、この米はひとつ国が何とか心配してくれぬかと言っているのですが、どうです、その気持ちは。
○森(重)政府委員 県が、県知事といいますか、そういう職責の中で、県民の生活を考えながらそういう施策をとるということは理解できます。しかしながら、私どものほうは、食糧庁という狭い、行政府の一部署でございます。その中でこういう問題を考えろと申されましても、現在ではなかなか私どものほうでは処理できない。したがいまして、ただいま環境庁の政務次官のほうからもお答えがありましたように、環境庁が主軸となって、関係の各省庁と協議しながら、この問題に対する対策を立てる、こういうことだろうと思います。
○小林(信)委員 筋が通ったような、人間の血の通ってない答弁だ。あなたが首をかしげるなんというのはおかしいですよ。それはたてまえは、そうかもしらぬ。たてまえはそうかもしらぬけれども、何とかしてやらなければならぬというくらいの気持ちを持って、八方そういう手を打ちました。そしていまこういう段階でございますくらいのことが言えなかったら県のせっかくの好意を持った対策あるいは地元民の切なる要望、そういうものはどこにも反映されていないじゃないか。そんなところから、客排土をいたします、米代川の水よりも、どこかほかのほうで用水を取ってあげます——取ってくださいという要望がたくさん出ている。いま自分が食う米を何とか確保してもらいたいと、最小限度の要求をしておるものにさえも、何ら安心できるようなそういう施策がなされないというならば、まして、護岸をしてくれとか、あるいは客排土をしてくれとかいう問題だって、これは農民は全然見通しを持てないわけなんです。 私は 時間がかかりますから申し上げませんが、そういう冷酷な政治の中でいま公害問題は動いているんだ。そうですよ。秋田県の副知事が仙台へ行って、あなたのところの出先へ、この米は県が買い上げるけれども、何とか国で補償してほしいということを言っているはずなんです。——何だ、首をかしげて。そうして、ぼくらにその副知事が、言を大きくして、全く軽率な答弁しか受けられなかった、私はこんなくやしい思いをしたことはありません、何とか心配しましょう——あなた、首ばっかりかしげているな。私は事実を言っている。副知事も全く激高して、食糧庁の態度というものに対して、われわれに切実なる訴えをしたわけなんです。 だから、それはいま国の方針がある、国の制度がある、法律がある、だからこうはいきませんというのでなくて、その点は十分食糧庁も考えておりまして、何とか善処いたします、こういうことも総理大臣まで話しました、農林大臣もこういうふうに聞いておりますというくらいの話をしてもらえば、私もそんなに語気を荒くしてあなたに迫る必要はないのですが、地元の人たちの全く切実な要求、県側の熱意、そういうものにこたえるのに、あんまりあなた方は無関心なんです。それほどもう公害というものは手に余っちゃって、どうすることもできないというようにしか判断ができないわけであります。 この問題は、あなた方が首をひねっているなら、私は何回でも聞きます。責任者の大臣が出てくるまで聞きましょう。しかし、きょうはもう時間がありませんからその程度にしておきますが、私はそれで終わるわけにはまいりません。 次に環境庁にお尋ねいたしますが、今度のカドミウム汚染の問題は、先ほど申しましたように、降水量が少ないから、こういう現象が起きたのではないかということを言っておりますが どういう判断をしておるか、そういうことについても研究は進んでいるか、研究の施設がぴちっとしているかということを承りましょう。
○森(整)政府委員 御指摘のように、今年度カドミ米が多発いたしました原因といたしまして、降雨量が少なかったということは事実だと思います。確かに御指摘のように栽培方法といいますか、それから水の関係、あるいは品種、そういうものからいろいろカドミ米が発生をしてまいりまして、たまたま干ばつに当たりまして多発したということであろうと思います。これに対しましては、確かにいままでは栽培方法の改善を通じて、あるいは土壌改良肥料を投じるということを通じまして処置したいという考え方があったやに聞いております。しかし、ことしの作柄を見ますと、こそくな手段では、やはりそういうものは根本的には解決できないのじゃないかというふうに私ども感じておりまして、至急根本的な排客土ということを中心にした事業を実施すべきものというふうに判断をいたしております。
○小林(信)委員 別に、今度の問題でどう判定を下すかということよりも、地元の人たちの要望というのは、そういう場合に科学的な判断というものが直ちになされるということを要望しているわけなんですよ。これは、秋田県が、今度の問題でもって自分たちも研究に取っ組んでおります。しかし国に、そういうものを即刻判断をする、あるいはそういうものをもうすでに以前に研究するというふうなものがなければいけないじゃないかという国の政治に対する要望なんですね。この秋田県のカドミウム問題に対してどういう判断をするかということもあるのですが、もっと恒久的な安心できる研究あるいは検討というものをやってほしい。それは厚生省でやるのかどこでやるのかわかりませんが、とにかく地元の人たちはそれを切に要望しております。これはおそらく石川県も、私たちのところに調査をしてほしいという声がきておりますし、同じようなことを言っておりますが、しかし科学的な根拠というものはしっかり持っていない。だから私は、やはりそれを持つ必要があると思うのです。 それから次に、農林省にお聞きいたします。先ほど島本さんからもお話があったのですが、今後この農地をどういうふうに処理するかという問題で、地元の人たちから、あるいは県もそうですが、汚染をした土壌を何とかしてほしいという要望があるのですが、これは可能ですか。それからやる意思がありますか、聞かしていただきたいと思います。
○須賀説明員 米代川の流域の土壌汚染でございますが、これからの段取りといたしましては、やはり環境庁の細密調査というのが行なわれることになると思います。細密調査が行なわれた結果、汚染が相当進んでいるというようなことが判明いたしますと、私どもといたしましては現地に対策試験圃というものを設けまして、それによりまして今後どういうふうな対策、あるいは具体的にいいますと土地改良事業、そういうものにどのように取り組んでいったらいいかというような段取りをもって対策を立てていくというふうになっております。
○小林(信)委員 最初申し上げたように私には、その環境保全対策、公害対策、そういうものがお話を聞いておって、まことに心細く感じておるということを申し上げたのですが、いま三つの点、米を国が責任を持って買い上げてくれるかどうか。これが私どもが話されたことなんですが、これに対しても、いかんともしがたいというふうに答えざるを得ない。 それから汚染をされた土壌の整備の問題。これは先ほど島本さんが言いましたように、客排土というふうなことばを簡単に使っておりますが、どこから土を持ってくるんだ、あの広い地域を。これは田中さんが盛んに主張している、三十万ヘクタール農地を宅地に転換をする、そういうところへでも持っていかなければ、それだって汚染をしたまま持っていくわけにいかぬだろう。とにかくえらいことですが、それを調査をしてどうするか、これから考えてもらいますと言うのだから、私は地元の人たちに確答はできない。それから一番心配しております、こういうことは至るところに出てくるんでしょう、もっと科学的な公害に対するところの研究機関というものを即刻やってほしいということなんですが、これも残念ながら環境庁の御説明でまだ十分ではございません。 もっと聞かなければならぬところがたくさんありますが、三つの重大な問題を私は意識してまいりましたので、お聞きしたのですが、お答えすることができない。私は責任がありますから、これから随時委員会で継続してお聞きいたしますので、即刻対策を講じていただきたい。 それから、三つの点だけではございません。いまの通産省の人員をふやす、十五名ふやすというようなお話があったのですが、いまのむき出しになっております、前の製錬工程でもってよごした地域、あそこは秋田杉の産地でもございますが、秋田杉がそのためにもう全滅しておる状態で、いま徐々に植林をしておりますという話ですが、人手がありませんから、もとのようにすぐすることができない。そういう問題もありますが、ただ小坂鉱山、尾去沢鉱山がこういう施設をしておりますからというふうなことでは済まされない状況だと思うのです。そして流域の汚染された土壌を整備するという問題も、そういう根本対策がなければできない問題でございますので、その後どういうふうにいたしましたかということをお聞きいたします。 ほんとうに時間がないのは残念でございますが、以上で私の質問を終わらせていただきます。
○角屋委員長 この際、関連質問の申し出がありますので、これを許します。佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 関連質問序許していただいて、ありがとうございました。時間がありませんので、要点だけをいろいろ御質問いたしたいと思います。 こうして私、さっきから聞いておりますと、いまちょっと小林先生からもお話がありましたが、どこに一体これの責任があるのかというのが非常に不明確だと思います。一体環境庁にあるのか農林省にあるのか、厚生省にあるのかあるいは通産省にあるのか。この公害の問題の、こういうものを起こした元凶は、私は通産省だと思う。その通産省が最大の責任があると思いますが、御意見をひとつお聞かせ願いたい。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、やはり鉱山の稼行が最大の原因になって、通常の自然の場合に起きないようないろいろな公害問題が起きておるということからいたしまして、私どものほうが最大の原因、同時に責任を負わなければならないということを深く自覚しております。
○佐藤(敬)委員 今回のこの米代川流域及び秋田県の雄物川流域の鉱山鉱害、これはいままでにないような非常に大規模なものです。米代川は、大体上流の一番奥の花岡鉱山というのがありますが、それから一番下流の能代まで約百キロある。それに支流を合わせますと五十キロぐらいあります。そのほとんど全域が汚染されている可能性があります。いまはまだ県が抽出調査をしておりますので部分的に見えますけれども、県の予想でもっても、ほとんどこの百五十キロ全域にわたって汚染されているということが確実視されております。ここに一つの今回の非常に大きな問題がある。おそらく私の考えるところでは、いままで発生した内陸部最大の公害地帯になっているのではないか、こういうふうに考えます。したがって、いままでのようなこそくな局部的な手法でもってこれを解決することはできない、こういう問題があると思います。 それからもう一つは、非常に長い間蓄積された公害であるので、これもいままでのような表面的な、短期的な手法でもってこれを解決できない。特に上流の鉱山から洪水のたびごとに次々と汚染されたどろが流れてきて、それが川の屈曲部に堆積している。曲がりかどという曲がりかどに全部これが堆積をしていると思って、まず間違いがない。しかもそれが洪水のたびにやってきておるので、一層ではなくて何層にも、二層にも三層にも四層にも、非常に底深く堆積しておる。したがって土をひっくり返せばひっくり返すほど、かえって新しい鉱害ができてくる可能性があります。こういうような非常に複雑な公害でもある。こういう意味でもいままでのような、簡単にどこかから土を持ってきて、それで済む、あるいはまた中和剤をやってそれでものごとが済む、こういうような簡単なことではこれはケリがつかない。 もう一つ非常に特徴的なのは、ほかの鉱害の場合はほとんど一つぐらいの鉱山しかありません。しかしこの場合は非常に珍しいケースだと思いますが、この米代川の上流というところには日本の産銅六社全部集まっています。それからさっきの話でもわかりますように、百三十幾つという休廃止鉱山があります。こういうような非常にたくさんの原因者が存在しておって、原因を究明しようとしても、なかなかこれの原因をつかめない。原因者負担ということも、なかなかこれが的確にはつかめない。こういうような非常にいままでと変わったケースの鉱害であると私は思います。したがって、これの解決を原因者負担でやろうなどということは、いつかはできるかもしれませんけれども、とうていできないと私は思う。この鉱山を掘らせるところの許可権、監督権というものは全部通産省が握っています。すべてこれは通産省の責任、国の責任だと思います。したがって、まず休廃止鉱山、あるいは現に稼行している鉱山、こういうものに対する徹底的な手当てを早急にしてもらわなければいけないと思いますけれども、いかがですか。林(信)政府委員 お答え申し上げます。 秋田県に発生しております鉱害問題の性格が、ただいま先生御指摘のように局所的な措置ではとうていだめであり、かつ長年月にわたります大規模な蓄積の結果である、かつその原因、企業と鉱山が多数群集しておるというふうなことで、通常の方法では手がつけられないというふうな御指摘でございますが、私どももそういう危機意識を持っておりまして、早急にこれが対策を立てるべきだ。八月末の予算要求の段階で、こういった事態、特に米の問題がまだ収穫期でございませんでしたので立ち得なかったわけでございますが、その後米の収穫が始まるに従いまして、ただいま各先生から御指摘のような事態が明らかになってまいりました。 米そのものの問題は農林省さんのほうの御所管かと思いますけれども、その原因は私どもであり、したがいまして、その原因になっておりますこの農用地の汚染状態なり、あるいは河川のヘドロの汚染、こういった問題は、やはり火急に手当てをしなければならない。ただ、いまの政府内部の仕事の分担から申し上げまして、私どものほうは鉱山事業所内のことに限定されております。したがいまして補償あるいは鉱害防除の工事といったようなことは、法律に従いまして私どものほうが監督する、あるいは企業をして無過失賠償責任に当たらしめるというかっこうにはなっておりますけれども、汚染状態そのものの客土あるいは覆土あるいは河川のしゅんせつ、あるいは埋め立てというようなことになりますと、それぞれ所管省庁が他にございまして、そういったところにお願いせざるを得ないような状況でございます。 そういう点につきましては、私どものほうから各省庁にお願いをしておりますし、それをおまとめになる環境庁、さらに予算的にそういった点を分担しておられます大蔵省等にも私、直々出向きましてお願いをしておる現状でございます。
○佐藤(敬)委員 いま、そこのところが私どもから見ると、まことに心細い。あなたは鉱山の中しかやらない、出てきたのは農林省しかやらない、まとめるのは環境庁がまとめて、そうしてこれ全体を総合してやる役所はどこなんです、環境庁ですか。
○森(整)政府委員 事がやはり公害の問題でございますから、関係各省多岐にわたりますが、最終的には環境庁で関係各省と協議いたしまして、対策を講じなければいけないというふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 今回の、県が非常にショックだったのは、いままで農林省なり、どこかからか指導を受けて土壌改良なんかいろいろやってきたのです。ところが、土壌改良をやったところから非常にたくさんのカドミウムが出てきているのですよ。こういう非常に特異な問題です。 県で知事なんかと話しておりますが、現在鉱害が出たということは、いわば鉱山王国といわれた米代川流域あるいは秋田県の雄物川流域、こういうものが積年野放しになった、鉱山側もとにかく掘るだけ掘って、あとはどうでもいい、野となれ山となれということで長い間放置しておいた、これがたまりにたまってこういうふうな状態としていま出てきた。ちょうどいい機会だから、これは大掃除をやろうじゃないか。そして秋田県の大掃除をやることによって、ひとつ日本じゅうの鉱山鉱害の大掃除のきっかけにしてやろう、こういう意気込みでいま盛んに調査をしたりしておるのです。 私はほんとうにそのとおりだと思います。戦時中、いまも話がありましたけれども、もう掘るだけ掘って、朝鮮の人や、花岡鉱山の事件を起こしたように捕虜や中国人まで連れてきて虐殺してまでこれを掘らせたのです。そして、そのあとが何の手当てもしないで流しっぱなし。その結果が、いまこれだけの大きな鉱害を起こしている。いま出たのは、まことにこれは氷山の一角です。三千俵しか出ませんけれども、来年全部調査してあれしてやってごらんなさい。おそらく何万俵も出るでしょう。そうした場合に、これは手がつけられなくなるのですよ。これはだれの責任ですか。 さっき、それは県が、県民の知事として買い上げるのは当然だ、しかし国は知らぬというようなことを答弁しておりましたけれども、そんなことではだめなんですよ。この責任は一にかかって県や県知事ではないのです。国の責任なんです。どんな大きな犠牲を払っても、いままでこの鉱山鉱害を起こしたところの償いを国にしてもらわなければいかぬのです。それを、どこの責任だかわからぬで休廃止鉱山のたれ流し。そしてようやくやったかと思うと、何にもやっていない。 一番ひどい例が、ここに出ておるけれども。小杉沢鉱山という鉱山がありますが、この鉱山でこういうふうに新聞に出ておるのがあるから、ちょっと読んでみましょう。「同鉱山の鉱業権を放棄する態度を決め、仙台通産局に対する手続きに入った。」荒沢組というところが持っておるのですね。「荒沢組が鉱業権を放棄すれば、坑口閉鎖、ズリ流出防止などの諸対策は国と県による休廃止鉱山鉱害防止事業で進められることになる。だが、この事業には排水処理など経常措置は含まれないため、これをどのような形で行うかが問題」だ、 こういうふうになっておりますけれども、この対策の対象になるのは単に坑口を埋めたり堤防をくっつけたり、こういうのです。ところが、坑内水をどうするかということは全然対象になっていない。だから、いまでもどんどん坑内水が流れてきている。それが小杉沢鉱山からたいへんなカドミウムが出てきている原因になっているのです。何か一部やったようなかっこうはしておるけれども、実際には休廃止鉱山に対して何もやってないのです。ほんとうにこうして休廃止鉱山に対して徹底してやったぞという例があったら、あげてください。私は昔から鉱山のどまん中で幾らでも知っている。 この間来た仙台の通産局の人に聞きました。そうしたら、こう言っているのです。休廃止鉱山は何も手をつけられない。どこにあるかわからない、不便だ、動力がないからできない、こう言っているのです。どこにあるかわからないのはけっこうだから、道路のそばにある、不便でないところ、動力のあるところはやりましたか。何もやってないのです。何年も前から——私は、あそこのどまん中の大館というところで昭和二十六年から市長を二十年近くやりました。何年もこの休廃止鉱山に対して何とかしてくれなければ困る。実は私どもの水道の上流に休廃止鉱山が一つあるのです。何とかこれをしてくれと言っても絶対にしてくれない。あなたは、これで全責任を負っている、こう言っていますが、鉱山の中のものにだけ対して、全責任を負っていると言えますか。できるところさえやらないで、動力がない、不便だ、わからない。何十年、この同じわからない、動力がない、不便だと言っているのです。動力があって、わかるところだけからでも、どんどんやったらいいじゃないですか。それであなた全責任を通産省が持っていますと一体言えますか。どうです。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘の点は全くそのとおりでございます。 ただ若干補足さしていただきますと、休廃止いたしまして、それで鉱害状態をそのまま放置して逃げようというふうなことは、法律上防止するような規定が明らかになっておりまして、やめましてから五年以内に必要な鉱害防除の工事を命ずることができます。したがいまして、休廃止届け、あるいはしょっちゅう回っておりますので、休廃止になるかもしれないような鉱山に対しましては、特に入念にそういう食い逃げ的なことのないような点に留意いたしまして、十分やめましたあとも問題が起こらないような措置を具体的に指示いたしております。 それからもう一点、廃止後坑廃水がたれ流しであるという御指摘でございますが、技術が未熟であるために、これでだいじょうぶだ——日本の鉱山あるいは関連の技術の専門家をすぐって調査をいたしまして、それに基づいて施行いたしましても、なおかつ数年後にPHの高い水が出るというふうな事態も起きております。したがいまして、十全ではございませんが、そのときどきにおきます最高の技術をもちまして坑廃水の処理をあわせて命ずるようなかっこうにいたしております。不幸五年以上たってしまって、そういう措置が講じられなくて、いわゆる無権の山として坑廃水が放出されておるような場合につきましては、そのつど具体的に建設省あるいは地元自治体等と相談の上で中和剤の投入等応急の手当てをやると同時に来年度、ただいま私のほうでやっておりますこの補助金によります休廃止鉱山の鉱害防除工事の対象にこの廃水の処理もつけ加えたいということで関係省庁とネゴをいたしております。たぶんそう いう方向に了解が得られそうだという段階まで参っております。 それから、仙台の保安監督部の職員についての御指摘がございましたが、私どものほう、本省といたしましてなお十分監督をして、便利なところだけとか、あるいはわからないというふうな無責任な言動のないように適確に指導してまいりたいと考えております。
○佐藤(敬)委員 いま休廃止鉱山のあれに対して坑内水も全部その対象に入っている、こういうような答弁でしたが、これはどのあれを見ましても、坑内水を休廃止鉱山の処理の対象にはしてないのですよ。ズリ山や坑口閉鎖の対策はいろいろしてあるけれども、結局どこの休廃止鉱山のあれも全部坑内水、これが流れ出ているために起こっている問題なんです。どの新聞を見ましても、坑内水は対象になってない、対象になってないと書いてありますが、対象になっているのですか、これは。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 鉱山を休廃止いたしまして五年以内でございますれば鉱山保安監督部が坑廃水の処理も含めて鉱害防除に必要かつ十分な工事を命ずることになっております。それ以上たったもの、そういう措置をしなかった古い休廃止鉱山につきましては、いわゆる自治体がその施行主体になりまして、国が費用の三分の二、残り地元自治体負担という形で進めておりますが、この施行の対象には、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、坑内水の排水処理は、従来その補助対象事業になっておりません。それを来年度ぜひやってほしい、むしろこれは大蔵省とわれわれのほうのネゴでございますので、本年度からやってほしい、そういう事例が他に一、二ございますので、それを適用してほしいということで、ずいぶんハードなネゴをずっとやってまいっております。で、ただいま申し上げましたように、そういう方向は十分財政当局も理解願っておりまして、四十九年度にはそういう形にほぼなろうかという私どもの見込みでございます。
○佐藤(敬)委員 休廃止鉱山の対策をなぜやるか、この根本的な問題は、私は坑内水が出てきて害を与えるから休廃止鉱山の対策をやらなければいけないと思うのですよ。そうでしょう。それをその事業の対象に坑内水が入ってない。これは一体どういうことですか。一体こんなに本末転倒した対策というのはありますか。一番先に対象に入れなければいかぬのは坑内水でしょう。しかもその坑内水たるや、これはふさぐのは一ぺんふさげば、ふさがっておるかもしれませんよ。ふさげば、それがどこから出てくるかわからない。あちこちからみんな出てきて浸透して手の打ちようがなくなるのです。それが出てきている。しかもそれを中和するなんということは、一ぺんや二へんじゃできないのです。坑内水が出てきている間、半永久的に石灰なり中和剤をつぎ込んでいかなければいかぬのですよ。その予算も何も見てない。 要するに何もやってないということなんです。もう少しまじめにやってもらわなければ、あなた方はもう掘るだけで、われわれの権限は鉱山の中だけだ、鉱山の中だけやって、どんどん外に坑廃水を出して、鉱害はみんな農林省がかぶって、厚生省はイタイイタイ病で頭をかかえている、こういうような状態では、これはいつまでたったって改まるはずはないのです。これをやる意思はありますか。 とにかく休廃止鉱山だけを、何ぼかかるかわかりません、これはものすごく膨大な金がかかると思うが、徹底してやらなければ、いまに秋田県の全域、鉱山のあるところの全部、出た米は食われなくなりますよ。徹底してやる気はありますか。あなたじゃちょっと無理かもしれませんがね。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 坑内水を鉱害防除事業の対象になぜ入れなかったのかという御指摘でございますが、坑口を密閉することによって坑内水の排出は防げるという専門家の判断が一つと、それからもう一つは財政当局の判断で、炭カル投入によります中和というものは、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、未来永劫に続く、そういうものを国の負担にすべきでない、一回限りの工事によって処理、あと始末をつけるべきだというふうな、二つの考え方が根拠になりまして現行制度ができたわけでございます。しかし、実態はそれではおさまらないような事実が頻発いたしておりますので、そういう事実にかんがみまして、四十九年度予算要求の中で坑内廃水の処理につきましても補助事業の対象にするということにいたしたいと考えて、いま交渉中ということでございますので御了承願いたいと思います。
○佐藤(敬)委員 とても了承できませんよ。こんなことで了承していたら、たいへんなことになりますよ、これは。大体その専門家の判断というのは何ですか。いつ、昭和何年にこういう判断が出たのですか。坑口をくわえれば水は出てきません、こういう専門家の判断といいますのは、いつ、どこで出ましたか。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 本制度をスタートする当時の私どもの技術の専門家及びそれが常時連絡をとっております技術の専門家の意見を聞いて、そういうふうにしたというふうに聞いております。 それから一例でございますが、たとえば松尾鉱山の場合でございますが、これは御案内のように、たいへんなPHの高い坑内水が大量に出ております。私は三年前まで鉱山石炭局の総務課長をやっておりましたが、当時、専門家の調査団のレポートによりますと、これこれやればよろしいという結果が出ておりまして、そのとおり、緊急の財政措置によりまして三千万の工事費をかけて坑口密閉をやったわけでございます。そのときの報告では、そうすることによって坑内廃水はもうとまるということになっておりました。しかし、現状は、御案内のとおり、決してそんななまやさしいものではなくて、大量の坑内廃水が出ておるというふうな現状でございます。
○佐藤(敬)委員 私はこう思うのです。最近、一年や二年に坑口を密閉すれば水が出ない、こんなことなんかとんでもない話だ。こんなのは昔々からわかっているのです。どこの鉱山でも、たとえば鉱害を含んでいない水でも、坑口を密閉して、それで出てこない水なんてあるものじゃないの芸、すよ。必ずいろんなそういう事例がどこでもみんな出ている。しかも坑口を密閉すれば、ほかの岩石の割れ目からよそへ出ていくということまでも、ほとんど定説になって言われているでしょう。それをいまごろ、専門家の判断がこうですからやりません。こんななまぬるいことで鉱害をとめようなんて、とまるはずがないのですよ。 それからもう一つ、永久的な負担は国はすべきでない、これは一体なんですか。あの鉱山を掘らしたというのは、国の責任で掘らして、国の責任で監督しているでしょう。坑内水が出てきたら、永久的に負担するのはあたりまえじゃないですか。それをたった一回こっきりで、永久的にそんなのは国でやるべきじゃない、こんなばかな話が一体ありますか。じゃ、どこが、だれがこれを負担するのですか、永久的にこれはだれが負担するのですか、言ってごらんなさい。国が負担しなければ、だれが負担するんだ。
○林(信)政府委員 ただいま先生の御指摘のとおりでございますので、現行制度を改めまして、四十九年度から補助対象事業にするということで、財政当局とハードな交渉をしておるさなかでございます。
○佐藤(敬)委員 これはもう確実にやってもらわぬと困りますよ。そうでなければ、永久にこの鉱害の問題が続きますよ。 それから、さっきもちょっと質問がありましたけれども、準汚染米を県で買い上げた。来年はもっと出てくるかもしれないのですよ。県にとっても非常に大きな負担になってきている。それから、もっとおそれているのは、県がその負担を市町村にかぶせてこないか、市町村も非常におそれている。しかも、米のとれるところは財政力の少ない貧乏な市町村だ。それがこういうような負担をかぶせられてきたら、たいへんなことになる。これに対する財政的な措置はしっかりとやってもらわなければいけない。とにかく県で買い上げたこの準汚染米は、全部国で買い上げてもらわなければいかぬ。これの意思はありますか。もう一ぺん念を押してお聞きしておきます。
○藤本政府委員 カドミウム汚染米の問題については、一番大事なことはお米の生産者に迷惑はかけないということ、これは大臣からも再三そういう言明がございます。さらに、今度はその汚染米を、現状におきましては県が買い上げているわけでございますが、そのやり方をこのまま続けていくということは、たいへん財政上の見地から困るという県の考え方につきましても、理解できるわけでございますので、先ほど来から御答弁申し上げておりますように、汚染米の買い上げの問題につきましては、関係省庁と早急にその対処のしかたについて検討をいたしたいということでございます。
○佐藤(敬)委員 そうすると、買い上げるということですか。わかりませんということですか。努力しますということですか。
○藤本政府委員 申し上げておりますように、その対処のしかたについて早急に関係省庁と検討をいたしたい、かように思っております。
○佐藤(敬)委員 この準汚染米を県が買い上げたということは、県が責任あるから買い上げたのじゃないのです。さっきから言っているとおり、こういうことの原因者は通産省なんだ。国の責任なんです。県は何一つこれに対して責任はないのですよ。それを準汚染米として買い上げた。国がこれを補償するのは、あたりまえだと思うのですよ。それをこれから相談してというようなあいまいなことでは、どうにもならぬと思うのですがね。もっとはっきり、私の責任でこれをやらせるようにします、こう言えませんか。
○森(整)政府委員 政務次官の御答弁を若干補足させていただきますと、国が買い上げるとか措置をするということの問題は、やはり本年来汚染魚ですとか、いろいろ財産の補償問題をどういうふうに考えていくかという考え方が一つ前提になりまして、米だけどうするかということにとどまらないと思うのです。そういう問題も含めまして、先ほど来当委員会でいろいろ御指摘の問題につきましては、十分検討をさせていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 ぜひひとつ、これは県や地方自治体に負担をかけないように、強力に措置をしていただきたいと思います。 それから、農林省の方おられますか。——さっき一番先に申し上げましたように、これは非常に広範な汚染地域になったわけですね。ところが、県の力でいまぽつぽつやっていますけれども、あの県の計画を聞きますと、まだかなりな時間、十何年もかかる。これを早急に、あの米代川全域あるいは雄物川の流域を調査しなければ、安心して農民はつくっていられない。ことしよくても来年また出る可能性がうんとあるのです。早急に国から、通産省でもいいから予算をつけて、米代川全域、雄物川全域の土壌調査を早急にやる意思はございませんか。一年か二年で、せめて三年ぐらいで全部これを調査してしまう、こういう意思はございませんか。
○森(整)政府委員 米代川の問題につきましては、早急に細密調査を実施いたしまして、土壌汚染防止法に基づきまして至急対策を講ずるように善処いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(敬)委員 そうすると、あれを早急に調査するということですね。そう理解しておいていいですか。
○森(整)政府委員 そのとおりでございます。
○佐藤(敬)委員 ありがとうございました。 それからもう一つ、ちょっとお聞きしたいのですが、この問題でイタイイタイ病の患者が出てないか、厚生省の方おられますか。
○橋本説明員 いま先生の御質問の件につきましては、四十五年から実施して四十七年までの調査で判明した限りではございません。四十八年度現在まだ実施中のものがございますので、その結果はまだ出ておりません。
○佐藤(敬)委員 これは新聞にもカドミウムの患者はない、いまも御答弁があったように四十七年まではない、——四十八年にもないといま言いましたか。
○橋本説明員 四十八年は現在調査中でございますので、まだ結論が出ておりません。
○佐藤(敬)委員 そうですが。私のところに聞こえてきたことは、こういうことが聞こえてきた。県がある病院に行って、その患者に対して、出してくれるな、こう言って押えた事実があるのですよ。こういうことが出てきますと、前の神通川みたいにイタイイタイ病ではなくてイタクナイイタクナイ病になってしまうのですよ。こういうように県が出してくれるな、これは仄聞するところですからわかりません。あるいは調べてみると事実かもしれません。私いま調べていますけれども。こういうことでは、ほんとうの対策はできないと思うのですよ。だから政府のほうからもそういうことじゃなくて、全部洗いざらいみんな出して徹低的な対策を講ずるようにひとつ指導していただきたい、こう思います。
○橋本説明員 いま御指摘のような問題が私どもはあるとは考えておりませんが、県に対してはすでに昨年でございましたか、非常にきびしい姿勢できっちり調査をするようにということを私も直接いろいろ申しております。また再度その点を強調したいと思います。
○佐藤(敬)委員 それから農林省の方にお伺いしたいのですが、今度カドミウムが突然出てきた理由の一つとして、県が、ことしは干ばつであった、いつもは水がたんぼに入っているのが干ばつであった。したがって、水が入っていないので、酸素とカドミウムが結合して酸化カドミウムになった。だから非常に吸い上げやすい状態になって、今回稲に非常に高いものが出てきた、こう言っているのです。私は化学者じゃないからよく知りませんけれども、硫化物の状態になっているとカドミウムはなかなか吸い上げない。ところが塩化物になったり酸化物になったりすると非常に吸い上げやすい状態になっている。このメカニズムを究明しないと、なかなかこれに対する根本的な対策はできないと思います。どこかでこれを研究しておるところはありますか。そしてもしありましたら、その成果はどこまでいっているのか。いつごろ、これの解決がつくのか。
○須賀説明員 いまの問題でございますが、国のほうといたしましては特別研究ということでこれの研究を国立の試験場で現在やっておる状況でございます。
○佐藤(敬)委員 それでどの程度の成果が出て、いつごろこれに対するメカニズムの解明ができるのか、この点をちょっとお聞きしたい。
○須賀説明員 この試験は四十六年から始めておりまして、一応の目標としては、四十九年度まで続けて結果を出すというふうになっております。
○佐藤(敬)委員 時間がありませんので、これで終わりますけれども、最後に一つお願いしておきたい。 冒頭に申し上げましたように、この問題は非常に広範囲で複雑な問題であります。したがって、とても一地方自治体では手に負える問題ではございません。したがって国がしっかりとした責任を持って、これの解決をつけていただきたい、このことを強くお願いいたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○角屋委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 ただいまのカドミウムの土壌汚染の問題につきまして、ちょっと一言聞いておきますが、これは要求もありますけれども、きょうは大臣もいませんから、内閣の責任者としては政務次官だと思います。 そこで、このカドミの問題について、私どもは四十二年ごろから調査をしてあちらこちら行ったわけでありますけれども、現在カドミの保有米ですね。これが年産別の政府の在庫量があるわけですけれども、けさからも聞いておりますと、この在庫の処置に困るということでありますが、農林省のほうで調査した在庫表の私のほうに資料としてきたのを見ますと、金額にしますと四十四年が十三億七千六百万、四十五年が十三億七千八百七十三万、四十六年が十四億二千三十三万円ですか。それから四十七年度産米が十四億九千二百二十七万円ですか。四十八年度といいますと、これまた十四、五億になるでしょう。そうしますと、六十億あるいは七十億の金が、こういった大事な国民の税金が使われていくわけです。したがって全国の休廃止鉱山、これについて農林省は九十何カ所か発表しておりますけれども、こういった汚染米をどんどん買い上げていかなければならぬ、これはさまっているわけですが、そういった大きな費用をこの休廃止鉱山の対策に思い切ってかけることが大事であると私は思うのです。そうしなければいつまでたっても解決しないのではないか。 これは大まかな考え方でありますけれども、政務次官、私は環境庁だから全然関係ないというような考え方でなしに、政府としてこれは十分取り組まなければならないと思うのです。ただ税金をどんどんむだづかいする。そして休廃止鉱山を見ますと、戦前あるいは戦争中ですか、ああいうときにむちゃくちゃにといいますか、国策によって掘った鉱山、それから鉱山を持っておった権利者といいますか、これは全部いない、こういうことになりますと、結局国で処置しなければならぬと私は思うのです。予算の配分のバランスから考えて、これをどういうように考えてやっていくかということについて、ひとつ政務次官、真剣に取り組むという決意を述べてもらいたい。
○藤本政府委員 先ほど来から当委員会におきまして、おもな問題として議論されてまいりましたカドミウム汚染米の御指摘の点でございますが、いろいろとむずかしい、また複雑な問題ございますけれども、しかしながら生産者がこれによって困るということがないようにすることはもちろんでありますが、同時に、いまの制度からはずれて汚染の度合いの高い米につきましては、現状におきましては県におきまして買い上げをしておるわけでございますが、この問題が将来まだまだ数量等もふえるというようなことを考えますと、県におきまして財政上の負担等の理由から、これでは困るというような御意見につきましては理解できるわけでございますので、さっそく関係省庁とそういう問題の対処のしかたにつきまして十分検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○岡本委員 これは土壌汚染防止法に従ってこういう地点を客土するとかいろいろすることになっておるのですけれども、なかなか一つ一つをあげて対象にしていきますと、なるところもあるし、ならないところもある。ところで私、さいぜん九十二地点と言いましたが、二十九地点ですね、これを発表しておるのです。こういうことで、いつまでも対策を立てずにほうっておくということは、国民の大事な税金のむだづかいになる。同時にまた農家においては、これをつくっていいのかつくって悪いのかわからない。いままでは休耕しておりましたから、そういうところもありましたけれども、とてもこれは休耕しておれないというのが農家の考え方だと思うのですよ。だからこれは早急に——この問題はいまに始まったわけではないのです。先国会も先々国会もこの問題やかましく言っておるのですが、解決しない。だからひとつ新しい政務次官が、先ほど決意表明があったのですから、田中総理にかわってやるくらいにあなたやらなければだめですよ。 そこで、最近の非常な石油危機の状態でありますけれども、五十年に自動車のマスキー法を実施する、この考え方は変わらないというのが環境庁長官の決意だったのです。現在はどういう考えでおるか、ひとつ……。
○藤本政府委員 石油危機がわが国の経済各方面に多大のショックを与えておることは御承知のとおりでございますが、事環境政策に関しましては、人の生命、健康を最優先するという基本政策にはいささかも変更の必要はございません。御指摘の点につきましても、御承知のように本年五月に従来の環境基準の三倍の基準を策定いたしまして、それを昭和五十二年に達成する目標におきまして従来の排出基準よりもきびしい排出基準をこれからつくる作業中でございますので、御指摘の点につきましては、そういう排出基準を緩和するというようなことは毛頭考えておりません。
○岡本委員 政務次官、いまあなたの答えられたのは大気汚染防止法に基づく硫黄酸化物、そういうものをいまの三分の一に落とす、こういう基準のことなんですね。——三倍にしたのじゃ話にならないのです。三分の一に落とす、これはよくわかりました。 そこで、マスキー法、これは自動車の排出量になりますね。あなたはまだ来られて間がないのですけれども、アメリカの上院では、また一年延期するというようなことを可決した。しかし、わが国では五十年実施を期してやっていく、こういうように解してよろしいですね。
○藤本政府委員 そのとおりでございます。
○岡本委員 そういう強い姿勢で臨んでもらうことは、非常によいと思います。 そこで次に、この間中公審の答申が出されましたが、航空機の騒音の環境基準です。これの中で——時間がありませんから、あまり多くは申しませんけれども、これはこの間申し入れをいたしたわけでありますけれども、環境基準指針値、これはWECPNL七〇以下ですか、あるいはその他の地域では七五、これはいいのですけれども、第一種空港、福岡やあるいは大阪、東京、特に大阪空港で十年以上というような目標になっているのですね。十年以上を考えてこの基準に合うようにしようというようなことでありますが、この基準について十年以上というようなことは、これは待っておれない。実はきょうも現地の伊丹市から自治会連合会の会長さんやらみな、こんなにしてもらったのでは困るというわけで来ているわけです。環境庁にも行ったはずですが、これについての——これは答申でありますけれども、じゃその答申どおりやってしまおうというようなことではいけないと思います。それについて、どういうように検討なさっておるのか、これは三木長官が帰ってこなければ、ちょっとむずかしいと思いますが、この点についてひとつお聞きしておきたい。
○春日政府委員 航空機騒音の環境基準につきましては、本年の五月に専門部会の中間報告が出まして、いわゆる基準WECPNL七〇及び七五以下ということにきめられたのは御指摘のとおりでございまして、それを受けまして、中公審の小委員会におきまして、いままで検討いただきました。九回にわたっての御検討の結果、あのような答申が出たわけでございます。私どもはこの答申の御趣旨に十分沿って、これを告示に持ってまいりたい、かように考えております。 確かに東京国際空港、大阪国際空港並びに福岡空港におきましては、十年をこえて可及的すみやかにという表現がございます、達成期間でございますが、要するに十年以内でやることが望ましい けれども、十年かかるかもしれないであろう、そういう場合でも可及的すみやかにということでございますので、私どもは、十年をすべてこえるものであるというふうに、あの御答申はいっておるわけではないと存じます。あの文言にかかわらず、最大限早く達成して、そうして住民の御不便、被害というものを一刻も早く解消するように努力すべし、かような意味に考えておるわけでございます。先生の御趣旨も十分体しまして、告示に持ってまいりたいと考えております。
○岡本委員 十年をこえてはいけないというような考え方からだったということでありますが、これはひとつ環境庁でよくもう一度検討していただいて、これは答申でありますから、前の大石環境庁長官のときには答申よりきつくしていただいたのです。環境庁は住民の健康の立場に立っておるのですから、これしかないわけですから、五年以内くらいにしてもらいたいというのが、住民の皆さんの切実なる声なんです。空港は早く撤去してくれというようなところへきておるわけですから、その点をひとつ考えて、今度の環境基準の決定にはひとつ十分なる配慮をしていただきたい。 それからもう一つ、ここであなたのほうで勧告していただきたいことは、よく年末になりますと増便があるんですね。昨年も、年末年始ものすごい増便があった。いまだけでもたいへんなんです。ちょうど今度は燃料が非常に不足してきた時代です。御承知のように、タクシーも非常に減ってきた、またマイカーもやめろ、いろんなことをいっている時代ですから、バスも帰郷バスなんというのは、全部取りやめるというのですから、航空機だけは野放しにするというような考え方は、私はいけないと思うのですね。ですから、利用があるから、利用があるからと、よく航空局では言うのですけれども、ぼくはこの間調査に行きましたら、大阪−福岡、それから福岡−東京、まだ満員でないというのが、だいぶありますよ。それからまた海外旅行なんかをどんどん推進しておるわけですね。そういうことで、燃料の非常に緊迫したおりから、これはひとつ便数制限をやるべきだというような勧告もひとつやったほうがいいのじゃないか、やってもらいたい。こういう要求なんですが、新政務次官の御意見はいかがですか。
○藤本政府委員 検討をさしていただきたいと思います。
○岡本委員 あなた初めてだから何ですけれど、これは検討事項でないくらいですよ。やりますと言うくらいに、あなたのほうは勧告になるわけですからね、やってもらいたいと思います。 そこで次に、いま全国の公害の調査をいたしますと、一番多いのは騒音の被害。次に金属粉じんですよ。これが硫黄酸化物あるいはいろんなもので基準をきめて、〇・〇五PPMですか、この前しましたが、こういった尼崎とか東京とかあるいは大阪とかは、その基準以内でもどんどん公害病が出ておる。この原因の中に金属粉じん、こういったものの複合汚染、これが相当あるのではないかというのが、学者間あるいは専門家の意見なんです。金属粉じんの人体への影響、この解明ができてないのではないか、あるいは複合汚染の研究ができてないのではないかと思うのですが、環境庁ではこれに対してどういうように取り組んでおるのか、ひとつお聞きしておきたい。
○春日政府委員 御指摘のとおり粉じんあるいはばいじんの問題につきましては、かつてすす、あるいはその粉じんというような表現で、わが国におきます大気汚染の最も大きな問題であったわけでございます。おかげをもちまして電気集じん機その他の施設の向上、あるいは法規制の強化等に伴いまして、粉じんあるいはばいじん、あるいは浮遊粒子状物質、まあ呼び方、概念は多少違いますけれども、そういったものが、ともかくその原因である化石燃料の燃焼、あるいは金属その他の原材料の粉砕その他の作業量がふえたにもかかわらず、横ばいないし最近になりまして減りつつあるということは、それぞれの企業の努力にもよるところであろうと考えております。 ただし、この粉じん、ことに微粒金属粉じんに関します学問的な解析と申しますものは、特に先生御指摘のような複合汚染の場合、Aという金属粉じんと、それからBという金属粉じんが重なって、肺に沈着したような場合の医学的な検討というものは確かにおくれておると申しますか、これは学問的なレベルが、なかなかそこまで達していないことは事実でございまして、私ども環境庁といたしましては、今後急速にこの方面の研究も進めていかなければならないと思います。ただ、この問題は、労働省のいわゆる職業病としての問題との関連が非常に強うございまして、そういったところとの連携を保ちながら検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○岡本委員 金属粉じん、これが相当少なくなったというようないまの御答弁でしたけれども、私はそうではないと思うのですよ。それは、前のような石炭をたいていたころは相当多かったです。いまは石油に変わりましたけれども、しかし、やはり浮遊粉じんというものは相当出ておるのではないか。この報道を見ましても、「日本列島をすっぽり包み込んでいた重金属による大気汚染」こういった新聞を読みましてから、あちらこちらずっと回りますと、名古屋でもそうでありましたし、尼崎でもそうでありました。いまあなたおっしゃったように、労働省の衛生研究所ですか、ここでいろいろと生活環境基準をきめているわけですけれども、これは狭い作業所の中ですね。そして大体成人です。家におるのは子供、乳児、あるいはまた病気の方、あるいはお年寄り、それから弱い女の方、こういうところに労働衛生学の基準を当てはめたのでは、これは話にならないと思うのです。 だから、私は一刻も早く環境庁でも、こういった金属粉じんの基準というものをきめなければならぬのではないか、それにはやはりそういった研究も必要だと思いますけれども、労働省にたよっておったんでは話にならぬと私は思うのです。日本でこれをやってもらうところは環境庁しかないと思うのですよ。労働省は一人前の壮年、要するに働ける人たちの立場からでしょう。一般の国民の立場から見ると、そういった基準をきめてもらうのは環境庁しかない。これについて、もう少し積極的に取り組んでもらわなければならぬと私は思うのですが、その点いかがですか。
○春日政府委員 粉じんの中でも健康に最も密接な影響があると思われますものが、いわゆる浮遊粒子状物質、十ミクロン以下の微粒子でございます。これは金属であれ、あるいは石であれ、あるいはすすであれ、そういった微小なものが沈着しやすいということはございました。私どもといたしましては、昭和四十七年の一月だと思いますが、粉じん、ばいじんにかかわらず、こういった浮遊粒子状物質という形で環境基準をつくり、それに対する健康維持の立場を明らかにしたつもりでございます。 さらにその十ミクロン以下の浮遊粒子状物質というものの性質が、金属の場合でございますと、その金属の種類によってさらに悪い影響があるのではないか、こういう御趣旨だと承るわけでございますが、それにつきましては、確かに研究の成果というものはまだまだあがっていない、先ほども申しましたように、学問的なレベルがそこまでいっていないことは事実でございます。十分御意思を体しまして、検討してまいりたいと思います。
○岡本委員 そこで、浮遊粉じんの基準につきまして、ちょっとただしておきたいのですが、公害対策基本法の第九条の規定に基づいての浮遊粉じんの基準、一時間値と二十四時間値とがあります。これをひとつはっきりしてもらいたいと思うのです。
○春日政府委員 先ほども申し上げましたように、ばいじんにありましても、粉じんにありましても、浮遊粒子状物質として一日の平均値が〇・一〇ミリグラム立米、一時間平均値は〇・二〇ミリグラム立米、かようになっておるわけでございます。
○岡本委員 全国にこのことを通達されておるだろうと思うのですが、私これによって一つの例をとりますと、これは兵庫県の伊丹の話でありますけれども、伊丹市におきましては、〇・五ミリグラム・パー・リットルですか、これが県から示された基準だというんです。これは確かに、あなたいまお答えになったように、国の基準は二十四時間で〇・一〇になっておる、それから一時間で〇・二〇ミリグラム、それが伊丹市では、市に示されておるのは〇・五ミリグラム・パー・リットル、こういうふうにいって、どうしても譲らないわけですが、あなたのほうで、どういう通達をこの点についてしているのですか。
○春日政府委員 ただいま私が申し上げましたのは、先生御指摘のとおり、基本法第九条に基く環境基準でございまして、これは浮遊粒子状物質としてと申し上げておるわけでございます。おそらく伊丹市でそういった先生の御指摘のような発言があると申しますのは、これは環境基準ではないのではなかろうか、何と申しますか、工場におきます施設並びに機械ごとに粉じん、ばいじんの排出基準をつくっておりますから、それのことではなかろうかと思うのでございます。 御指摘の問題は、伊丹市の自動車工場周辺で粉じん、ばいじんによって付近住民に被害を生じている問題であろうと思うわけでございます。これにつきまして、私どもとりあえず調べた結果によりますと、ばいじんの測定結果が〇・三一四グラム・ノルマル立米、排出基準は、ダイハツ工業伊丹工場でありますが、いわゆるキューポラと申しますか、鋳鉄の金属鋳造用溶鉱炉と申しますか、これについての排出基準というものがあるわけでございまして、これは〇・四グラム・ノルマル立米ということになっておりますので、一応ばいじんの排出基準にはほぼ合っておる、こういうことを申しておるわけでございまして、おそらく排出基準のことではなかろうか、かように考える次第でございます。
○岡本委員 そうしますと、排出基準が〇・四グラム、これであれば、あなたのほうが示された環境基準に適合するようになっておるわけですか、これはいかがですか。
○春日政府委員 ただいま御返事申し上げましたように、県の報告によりますと、ばいじんの排出基準は一応守られているということでございますが、現在、兵庫県及び伊丹市では、四十八年の十一月中旬から環境測定を行ないまして、さらに詳しい結果を取りまとめ中である、かように聞いておるわけでございます。一応私ども聞いた段階におきましては、ばいじんの測定結果はその排出基準にぎりぎり合致いたしておりますが、地域住民の生活環境の保全をはかるためには、さらにそういった場合でも、苦情がある以上は、これは改善措置を講ずるよう、県を通じて指導してまいるつもりでございます。
○岡本委員 ここはあなた一ぺんよく検討してもらいたいのですが、住民の皆さんの意見としては、毎朝水をくんでおきますと、その上にものすごい、まっ黒になるほど粉じんがたまるというのですね。その原因を見ますと、ちょっと写真をあなたに見せますけれども、——これは日曜日、要するに操業していないとき、これは操業しているとき——そうしますと、こういうようにどこが排出、工場全体から排出ですよ。どこから基準をとっておるのかと言いたいですね。それは煙突から基準をとっているとかというのだったら話はわかりますけれども、工場全体からこうやってこんなに色が変わるようにばあっと出ていくわけでしょう。 それで、この工場の横、四メートルくらいのところに住宅がざあっとあるわけですよね。だから、県から報告がどういうようにあったのか、私は知りませんが、排出基準、どこで場所を押えておるのかと言いたいのですよ。そして排出基準は適合している、適合しているというけれども、どこの排出基準がこれに適合しているのか。その近所の住民の皆さんもしんぼうできなくなって、そして毎日測定しているのですよ、この機械を市から借りまして。十ミクロン以下の風向きのいいときは、——こういうようなあれになるのです。ところが普通はこれで、毎日毎日これで頭痛いですよ。あなたの答弁を聞いておりますと、適合している。これは集じん機で十ミクロン以下のものを集めているのですよ。 これは多くは申しませんけれども、早急にひとつ環境庁からも調査してもらいたいと私は思うのです。そうして設備の改善もしなければならぬと思います。ここは市内の中心、中心といったらおかしいですけれども、こういった住宅地の中で何をやっているかといったら、鋳物をやっているわけですね。ですから、きちっと工場全体から出るものを全部集じん機にかけなければ、これは解決しないと私は思うのです。そうでしょう。工場の中が、そういった粉じんで、もう室内が一ぱいになっているわけでしょう。それが工場のあちらこちらからどんどん出ていくわけですよ。ですから、煙突だとかそういうところで排出基準をとったところで何もならないのです。通産省の立地公害局長さん、あなたの御意見はいかがですか、この点の通産省の考え方は。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 私もただいまそういった事態を原局のほうから聞いたような状況でございます。無公害社会をつくるということが工場指導しております私どもの基本的な目標になっております。特に御指摘の鋳物、鋳造の関係でございますが、在来砂じんをあげるということが何か一つの特徴のような形で運営されてまいりましたけれども、そういう形ではもう許されないような事態でございますので、ただいまお示しになられましたような黒い状態を、やはり通常の健康な白い状態に戻すべく努力をし、かつ原局のほうも指導してまいりたいと考えております。
○岡本委員 これは鋳物ですから、特にまだフェノールとかホルマリンとか、こういうものを使用しているのです。これの臭気が猛烈に工場の中から出てくるわけですね。それが付近の住宅に毎日、毎日——とにかく日曜日か休んでくれたときだけが、まあ深呼吸できるということです。原局のほうの課長の考えはいかがですか。
○中村説明員 御指摘の工場につきましては、いま先生に写真をお見せいただきましたけれども、確かに風向きの方向等によりまして、たいへん付近の住民に迷惑をかけているようでございまして、私どもとしましても、たいへん遺憾に存じておる次第でございます。いろいろお話し合いをしまして、風向きの悪いときにはとめるというようなことのお話し合いも進んでいるようでございますが、工場の工程の都合もありまして、すぐにとめるということもできず、そういうようなところもなかなか問題になっているようでございますが、基本的に住宅がそばにございますので、ただいま立地公害局長から御答弁しましたように、私どもとしては住民の満足の得られるような形に早急に施設を改善するように指導してまいりたいと思っております。
○岡本委員 あなたも一ぺんぐらい現地を県と一緒に調査してください。十年来の悩みなんです。近所の人が相当やかましく言っても、どうしようもないというのが——それは操業をとめるということはできないですよ、鋳物なんてやっていると。だから、その点をひとつ確実に調査をして、また次のときにお尋ねするということで、この点は置いておきます。約束の時間があまりありませんから。 そこで、労働省来ておりますね。 〔委員長退席、登坂委員長代理着席〕 自然保護、要するに、緑というものが一番大事であるという私どもの見地から、環境庁自然保護局あるいはまた建設省にも緑化については私ども相当進言いたしましたが、そこで、それに対して必要になってくるのが造園の技術、すなわち植樹ですか、こういうことだと思うのですが、聞きますと、今回労働省で職業技能検定のために造園の検定試験を行なうんだ、こういうことでありますが、私が逐一その人たちと会ったり、また状態を調べますと、この試験を受けるのに一万二千円から一万五千円くらいかかるらしいんですね。そのうち六千円は兵庫県の造園組合連合会が取る。あとはいろいろな検定試験をする検定協会ですか、ここに出すんだそうですが、私、行って検定協会の話を聞いてみますと、どういう試験をするかわからない。聞きますと、造園業、何といいますか、そんな植樹なんかしたことがないような人が、これは試験するんでしょう。そういうことを見ますと——まあ労働省としては初めてだそうでありますけれどもね、確実な、ほんとうに技能試験になるような試験をするのかどうかということが非常に心配なんですが、この点についていかがですか。
○久野木政府委員 ただいま先生から御指摘のように、労働省といたしましては、造園関係につきまして本年秋より技能検定をいたそう、こういうことにしております。 この件につきましては、四十年ごろより造園関係の方々から、ひとつそういう技能検定をする方法を確立してみてくれぬかという御要望も非常に強く、また全国で調べますと約三万八千百五十名ぐらいの造園関係者がおられます。したがいまして、そういう方々の御要望、それから実情その他を考えまして、何らかの形において技能というものを確定して、私どものやっております一級技能士、二級技能士というような型にはめられるものかどうかということをずっと研究してまいりました。 昨年の十月になりまして、ある程度の事務的な見当がつきましたので、専門検定委員を任命いたしまして、その方々に——この方々は大体学識経験者、それから技術系統の専門家、それから技能系統の専門家十名に集まっていただきまして、その方々に技能検定のやり方、その程度というものをどう確定できるか、約十三回ぐらいだったと存じますが、いろいろと検討を重ねていただきました。ある程度までの成案を得ましたので、これを今度は中央職業訓練審議会というところにかけまして、その方法、基準のようなものを御審議いただくというふうにいたし、その議を経たわけであります。そういう決定に従いまして、今度は中央検定協会というのがございますが、ここでそれをどういうように実施するか、具体的な基準に沿いまして、どういう試験をするかということをいろいろと研究してもらいました。それで今回十月からこれを実施に移すというようなことで、とにかく中央である程度の検定のしかたというもの、尺度をきめまして、その尺度に従いまして、各県に都道府県の技能検定協会というのがございますが、その協会で、先ほど申しましたように今度は学識経験者、技能系統の専門家、技術系統の専門家をそれぞれ必要に応じて選んでいただきます。その場合には試験地域におきまして、少なくとも三名以上の合議制で研究ができるというふうな仕組みにいたしまして、全国的にその尺度の使い方、はかり方も水準をきめるということにいたしまして公示し、そういう検定希望者を集めた。そして現在、本年の秋から来年の二月にわたりまして実技の関係の検定をしております。それで来年の二月二十四日に全国一斉に学科の試験をやろう、こういうような仕組みにしております。 それからもう一つ御指摘の受験料の関係でございます。これは原則的に申しますと、国のほうから千五百円、県がこれに応じて千五百円、御本人から受験料といたしまして学科千円、実技関係が六千円というようなことで、学科につき千円、実技のほうについて計九千円というようなことでこの実技の試験をやっていただこうということにしております。 もちろん私どもの技能検定の目的からいいますと、できるだけ広く受けていただきまして、技能の高揚意欲をはかりたいという面もございますから、できるだけ安くしたいという面と、それからもう一つは、やはり権威ある検定にするという意味だと、材料とかその他いろいろと金もかかる、その間を調和したというような形で、現実の問題としては学科千円、実技六千円という形で受験料をいただく、こういうことにしております。もちろん原則といたしまして、この範囲内でやるということをわれわれとしては念願しております。そこで、その範囲内におきまして、できるだけ安い材料を手に入れる、その他のくふうによって地方の県の検定協会において実施するようにということを私どもはお願いしている次第であります。
○岡本委員 その前に職業訓練指導員の試験があったんですね。そのときにはどういうようなテキストで試験をしたのか、ちょっとお聞きしたい。
○久野木政府委員 その試験のときには、特にテキストというようなものは用いていないというように承知いたしております。
○岡本委員 そうしますと、これを見ますと、そのときは一般の職業訓練の指導員の試験であって、こういった専門的なことは試験はしておりませんね。
○久野木政府委員 お答えいたします。 その件につきましては、若干の県において指導員の試験をやっておるところがございますけれども、全般にわたってやっているというような事実はないというように聞いております。
○岡本委員 いや、全般にわたってじゃなしに、職業訓練指導員の免許証を受けた人がいますね。このときに造園関係については、どういう試験をなさっているのですか。
○久野木政府委員 技能検定課長に答えさせます。
○宮森説明員 指導員の試験は、いま職業訓練で指導員になりますためには指導員免許を持っておる者でなければならぬということにしておりまして、その資格を与えますために都道府県が職業訓練の指導員の試験をいたしております。指導員はもちろんのこと生徒に対しまして、その職種の学科的な知識と実技的な能力の付与を行なう職務でございますので、試験の内容は、その職種の指導員として必要な知識面の専門学科の知識、それから実技の能力を持っておるかどうか、さらに指導員は能率的な効果的な仕事の教え方のテクニックを知っておらなければなりませんので、そういう指導技法につきましても指導員試験の内容に含めて試験をやっておるわけでございます。
○岡本委員 このときの状態を調べますと、四十八時間勉強さしただけじゃないですか。四十八時間いろいろのことを教えただけ、それで免許証が出ているわけですよ。だから造園業なんというのは、そんなこまかいことは全然出ていない。しかもそういう人たちは筆記試験は無試験なんだ。造園業というのは御承知のように、これはもうだれでも簡単にできるものじゃないのです。皆さん御承知のように、自分の家の庭をよくしてもらうためには、だれが一番検定するかといったら、やはり一般のわれわれですよ。庭を持っている人たちが、ああこの人ならだいじょうぶだ、この人に去年やってもらったら枯れてしまった、一番試験がよくできるのは庭を持っている人、あるいは一般の人のほうがよけい試験ができる。役人がやって、こんなものができるものじゃないのですよ。 私が申し上げたいのは、造園業というのは、大体親方がいて、そこで十年あるいは二十年修業をして、そうして、あそこにいた人だから、だいじょうぶだという信用から庭をまかしているのですよ、一本何十万も何百万もする木ですから。ですから植樹を環境庁あたりであっちこっちでやっているのを見たら、みんな枯れているのですよ。この前もどこだったか、四日市の緑地の、何といいますか木を植えてあるのを見たら、みんな枯れている。これはほんとうにそういった造園業の技術、経験のある人がやっていないのですよ。だから昔、不動産の取引業、いまは非常にむずかしいですけれども、あれなんかも長い経験のある人は無試験で全部免許を与えたものなんです。そうして今日あとの人たちはどんどん試験をしていった。造園業はこれは初めてでしょう。 そうしますと、どんなになるかといいますと、何十年もやっている一番年寄りが手塩にかけた子方がみんないまやっているわけですが、その若い人たちが通って一番親玉が落ちたんじゃ、これはもう示しがつかない。片一方は、それはもう技術は名人芸みたいに優秀ですよ。その人がやったのは全然枯れない。それでみんな安心して植木をまかしているわけですね。そういう人が試験に落ちる。それで、ただの一ぺんも自分で木にさわったこともないけれども、職業訓練指導員の試験に四十八時間行って、そこですわっておって免許をもらった者は免許がある。そんなばかなことはありませんよ。 私は将来の緑化関係から見まして、もう一度再検討する必要があると思うのです。しかも高い金を出して——いま千円と六千円出したらいいといいますけれども、資材やいろいろなものを足しますと、一万二千円から一万五千円の金がかかるというのが現地の話です。したがって、ただ免許証を上げただけで、りっぱな木ができるのなら、こんなのは簡単ですよ。技術というものはそういうものではない。もう一ぺんその点をどういうようにするか検討してもらいたいと私は思うのですが、いかがですか。
○登坂委員長代理 岡本さん、結論に願います。
○久野木政府委員 先生の御指摘の指導員の試験ないしは指導員というものと、今回行ないます技能検定の場合の検定員との間には差がございまして、四十八時間講習を行ないました指導員に対する試験というものは大体長期にわたって経験を経た者に対して、人の指導のしかたということについても入れて四十八時間の講習をやった、こういうように考えております。それに対して今回行なおうとする検定は、都道府県における検定協会が選んだ技能者を中心とする専門家を合議制において技能の検定をしていただく、こういうようにいたしますので、検定協会の木も植えたこともない人間がやるのではなくて、各都道府県におきますそういう部門の技能専門家にお願いする、その方々に検定をしていただく、こういうことになっておるというように思います。 それからもう一つは、私どもがやっております技能検定と申しますものは普通の——たとえばボイラーマンの国家検定というようなものとは違いまして、すなわちボイラーマンのように就業制限をするための検定、この試験を通らなければ就業できないという性質のものではなくて、私どもとしては当初申し上げましたように、技能の向上意欲を増進させる、それからまたでき得るだけ社会的にこの技能を確認、評価を上げるというような意味でこの検定を行なう。すなわち、就業制限のためではなくて評価を高めたい。またその高めるためには、公正にやるために中央におきましては十人の専門家にいろいろと検討していただいた基準に基づきまして、地方においては専門家に試験官になっていただいて希望者に受けていただく、こういうことになっているわけでございます。その点ひとつ申し上げたいと思います。
○岡本委員 じゃ結論を言いますけれども、検定協会というのは会場を提供するだけ、検定をする試験官というのは、あなた方は経験者、経験者と言うけれども、町の造園業をやっている人のほうがもうはるかに技術は上ですよ。それが一つと、もう一つはあなたがいまおっしゃったように職業訓練指導員の免許を持った人——この人を一人一人調べたことがあるかどうか知りませんが、経歴も何も不明ですよ。しかも失業している間に行ってこようか、こういう者もいると思うのです。造園に対して何の知識もないかもしれない。ところが指導員は、そこへ四十八時間行って習ったからというので、免許は筆記試験はなし。それで実務に携わった人、こういう人たちは全部やられる。ここに矛盾がある。先ほど聞きますと、局長さんもまだこの点については深く研究してないだろうと思うのです。だから、どうもお役人さんがやると、画一的なことをやりますけれども、結局ほんとうの実態とは合わない。 植樹というものは生きものですよ。これは固定したものと違う。なるほどこんな試験の一級技能士なんて、そんなのもらわなくたって商売できるなんて言いますけれども、やはり一つの箔がつくのではないか。そういうふうに考えますと、もう一度ひとつ検討していただいて、いままで何十年もやっておるようなりっぱな人たちは前のように推薦制度にして、これならだいじょうぶだ。どこの町でもあの人とあの人とはだいじょうぶだということは、はっきりしておるわけですし、その弟子がたくさんおるわけですから、弟子が通って師匠が落ちたんじゃ話にならないですよ。そこらは、もう一ぺんほんとうの実態に合う合わないをよく検討して、ひとつやってもらいたいと思うのです。どうもこうやって組織化をしていくような傾向にあるのではないかと、皆さんの話を聞いていて私つくづく感じたわけです。だから、その点ももう一度検討していただく、こういうことで、きょうは時間が参りましたから終わります。
○登坂委員長代理 小宮武喜君。
○小宮委員 最近のマスコミの報道を見ましても、中東戦争による石油危機に対処して、石油にかわるべき新たなエネルギー源の開発ということが非常に強調されておりますが、もちろん新しいエネルギー源の開発は必要ではありますけれども、ただ、われわれがここで警戒をしなければならないことは、ただエネルギー開発に重点を置くのあまりに、これまでの公害行政というのがややもすればないがしろにされて、これまでせっかく進められてきた公害対策というのが非常に後退するのではないかということを私は懸念するものでございます。 そこで、通産省にお伺いしたいのですが、そのエネルギー源の一つとして、あらためて見直されてきたのが石炭だと私は思うのです。となりますと、石炭問題については、これまでの公害の歴史が示しておるとおりでありますが、通産大臣の諮問機関である石炭鉱業審議会、ここからも中間答申がなされて、その中を見ますと、わが国のエネルギー全体の中で石炭の果たすべき役割りを増大させるため、火力発電所における石炭の利用率の拡大や家庭用暖房の石炭使用等の方針が打ち出されております。この答申に対して、私も反対するものではございませんけれども、先ほども申し上げましたように、この石炭を現在のまま使うのか、そうした場合に現行の環境基準に照らして非常に使用が困難だと思うのです。したがって、これだけ石油にかわるべきエネルギー源の一つとして石炭が非常にクローズアップされてきた。そこで、石炭を使用する場合にその対策をどうするのかということを、これはひとつ通産省にお聞きしたいと思うのです。
○井上説明員 お答えいたします。 先生おっしゃいますように、今回の油の危機に際しまして、石炭の見直しということが行なわれつつあるわけでございますが、石炭火力の公害対策につきましては、従来からばいじん対策として集じん装置の設置、それから硫黄酸化物対策としては高煙突化等の対策を講じておりまして、さらにNOx対策といたしましては二段燃焼の採用あるいはガス再循環といったようなことによりまして、公害対策に対処してきておる次第でございます。 今後の石炭使用量の増加に対しましては、さらに一段と公害対策に力を入れまして、集じん装置の能力の増大あるいは排煙脱硫装置の採用等によりまして、公害防止に万全を期し、地元住民の不安を一掃するということにつとめますとともに、石炭火力に対する地元の理解を深めるよう十分努力いたしたい、かように考えている次第でございます。
○小宮委員 そういうような抽象的な問題で、この問題が解決できると私は思っていないのです。 たとえば火力発電所の石炭の利用率の拡大をはかるとしても、従来はただ、ばいじんだけでなくて、たとえば火力発電所を設置しようとすれば、温排水の問題で住民の反対運動が起きて、現在ではにっちもさっちもいかなくなっておるのが現状ではないですか。そういうような中で、いま言う火力発電所に石炭の利用率を高めようとしても、そういった問題が解決されなければ、私は、幾ら石炭を使おうとしても、ほんとうに石炭の需要拡大、石油にかわるべきエネルギー源の一つとして再活用されるということは、非常にむずかしいと思うのですが、その火力発電所の設置にあたって温排水の問題、この点については通産省としてどういうふうに考えておられますか。
○井上説明員 お答えいたします。 温排水の問題という御質問でございますが、温排水の問題につきましては、石炭火力も石油火力も同様なわけでございますが、この問題につきましては、私どものほうでは、電気事業法に基づきまして許認可をやります際に、温排水の問題については十分その影響につきましては検討いたしまして、温排水による害のないというようなやり方でもって許認可をやっておる次第でございます。 なお温排水の基準につきましては、環境庁を中心にいたしまして現在鋭意その問題の検討を進めておるという段階でございます。
○小宮委員 そういうような答弁をしても、現実には火力発電所設置が結局行き詰まってしまっておる。また四十九年度予算でも通産省は、北海道に火力発電所の設置を予定しているようですが、そういうような答弁で、実際は火力発電所の設置問題に対する反対運動というのは解決できないと思うのです。したがって、そうなりますと、たとえ石炭を石油にかわるべきエネルギー源の一つとして再活用しようとしても、実際は再活用にならぬのじゃないですか。石油に取ってかわるべきエネルギー源としてならぬのじゃないですか。——まあそれはいいです。 それからもう一つ、エネルギー源の一つとして石炭の問題、それから原子力発電の問題、この問題は、エネルギーの長期的展望に立った場合に、原子力の利用というのがいろいろな角度から現在非常に論議をされておりますけれども、この原子力発電の問題についても、いろいろ御承知のように、あちらこちらで反対運動がある。その反対運動の理由そのものについては、ここで論じませんけれども、たとえば原子力船にしても、いまでも陸奥湾にとまっておるというような中で、石油にかわるべきそういったエネルギー源として石炭を使うにしても、原子力を利用するにしても、住民の反対運動にあって、どうにもならないというのが現状ではないですか。 だから、そういった意味でほんとうにいまの石油危機に対処して、石油にかわるべきエネルギー源としての石炭問題あるいは原子力利用の問題が取ってかわれる時期になるのは、いつのことかということになると、私は、これは非常にむずかしいと思うのです。そういうような中で、ただ抽象的には、なるほど石油が足らなくなった、それでは石炭を使え、原子力を使えということになるけれども、現実問題としては、そういうような石炭問題にしても原子力の利用の問題にしても、すでに反対運動が全国的に起きておる。そういうような中で、具体的にそれをどう解消するかという具体策がなければ、ただ作文にすぎないのです。そのような問題をどういうふうに解決するかということが私は非常に大きな問題と思いますが、この原子力の利用の問題についてはどのように考えますか。 特に原子力の問題についても、反対する理由の中には安全性の問題もありましょう。それから廃棄物の処理の問題、これだっていまドラムかんに詰めたまま放置しておるような現状でしょう。承るところによれば、ドラムかんに詰めて海底一千メートルの平らなところに持っていって沈めるということにきまっておるようですけれども、現実に私ども長崎県でも五島の沖に埋めるというような計画があるので、これについてはひとつ反対をしてくれというような要請を知事からも受けるほど、廃棄物をドラムかんに詰めて、それを捨て場がなくて現在何千本とたまっておる。これからまた五年、十年たてば、その処理にも困るのではないですか。そういった問題をどういうふうにして解決するのか、通産省に所見を聞きたいと思うのです。
○井上説明員 原子力の開発の問題につきましては、先生おっしゃいますように、安全性の問題というのが非常に問題にされておるわけでございますが、安全性の問題に関しましては、まず原子力委員会の原子炉安全審査会というのがございまして、ここできびしく安全性の審査をする。安全性の審査をやるに際しましては、平常運転時のみならず、事故時あるいはありそうもない仮想的な事故まで想定いたしまして、その際にも安全であるというような審査をやっているわけでございます。われわれのほうといたしましては、そういったことで許可されました発電所につきまして、こまかい設計の審査をする、あるいはこまかい検査を厳重にやる。さらに運転後はその運転の監視をするというようなことで、安全性の問題は確保すべく努力しているわけでございまして、こういった方向で今後もさらに努力してまいりたいと考えております。 さらに先生のおっしゃいます廃棄物の問題でございますが、原子力発電所からは、おっしゃいますように放射性廃棄物が出ます。これは大別いたしますと気体、液体及び固体の三種類になるわけでございますが、放射性物質の濃度が低いものは、処理いたしました後、安全性を確認して放出いたします。濃度の高いものにつきましては放出いたしませず、保管処分するという方針で現在管理されております。 気体廃棄物につきましては、主として炉心冷却用の水に含まれるガス分でございまして、これは減衰タンクとか、あるいはフィルターを通しまして廃棄物の濃度を極力低くする。その上に濃度を測定いたしまして、安全を確認して放出いたしております。周辺に安全確保のために周辺監視区域という区域を設けてございますが、そこにおきます被曝線量は、四十七年度の実績で申しますと、年間約二ミリレム以下になっております。これは各発電所の数字がすべてそれ以下になっておるわけでございます。法令に定められております許容被曝線量は年間五百ミリレムでございますので、これを十分下回っておるわけでございます。 さらに液体廃棄物でございますが、液体廃棄物につきましては、蒸発濃縮器とか、あるいはフィルター等の処理設備におきまして十分処理いたしまして、処理済み液は原則として再使用、もう一ぺん使います。処理設備によって処理された一部の低放射能の廃液と、それから作業衣等を洗たくいたしますが、そういうものにつきましては、多量の復水器冷却水によりまして希釈して放出するというふうにやっております。この場合も、その放射性物質の濃度を測定いたしまして、十分、法令で定める許容濃度より以下であるということを確認してやっておる次第でございます。 さらにこの液体廃棄物処理の際に残りましたぺースト状のものがございますが、これはそのまま保管処分いたしまして、減衰を待ちまして、ドラムかん詰めで保管するということをやっております。 それから固体廃棄物でございますが、これは主として気体及び液体廃棄物処理の際に使用されましたフィルターとか、あるいはイオン交換樹脂等が含まれるわけでございますが、こういった固形分のものにつきましては、これは先生おっしゃいますように、ドラムかんに入れまして、セメント等によって固化いたしまして処理した後に、発電所敷地内の廃棄物処理置き場に保管処分されて厳重に管理されるということになっております。 なお、これらの保管、管理のために要するスペースは敷地のごく一部分でございまして、現在特にスペースが足りなくて問題になるということはございません。
○小宮委員 石炭利用にしても原子力利用にしても、いま言われたようないろいろな対策が述べられておりますけれども、それで住民がいままで納得したかということになると、納得しておらないわけですね。そこでいろんな問題が発生しておるわけです。しかしこれはやはり政府としても、いまのような石油危機の中で新たなエネルギー源として石炭の再活用、原子力の利用、この問題についてはやはり住民が理解と納得をするような方策を講じなければ、石油危機によるこういったエネルギー源の問題は、私は解決はできないと思うのです。 そういった意味では、その問題はまた、これは時間があれば、きょうは科学技術庁に来ていただこうと思っておりましたけれども、時間がございませんのでやめますけれども、それからさらにいま電力業界では、現在までの公害対策として、いままでは石炭を使っておった。それから重油にかわった。それからナフサにかわった。こういうように燃料政策の転換をやっているわけですね。ところが、今回の石油危機によって、ナフサの生産量が減ってきた。そのために今度は石油化学業界と電力業界がナフサの争奪戦をやっておるわけです。そうなりますと、せっかく公害対策上電力業界もいままでの無公害のナフサに転換をしてきたのが、これがまたあと戻りするような危険性はないのか、その点をひとつ確認をしておきたいと思うのです。
○井上説明員 現在の石油危機に際しまして、なかなか油の確保も困難であるわけでございますが、われわれといたしましては発電用燃料の低硫黄化ということは、この油危機にかかわりませず進めておるわけでございまして、その一環といたしまして、一定の範囲内において原油なまだきとか、あるいはナフサなまだきというものがいままで行なわれてきております。今回のこの油危機におきまして、石油の不足に伴っていろいろな油が不足してきておるわけでございますが、電力は何といいましても国民生活あるいは経済活動にとって必要不可欠なエネルギーでありますので、電力向け石油を優先的に確保するということで、われわれとしても鋭意努力しているわけでございます。 それから石油危機の深刻化に伴いまして、原油のなまだきとか、あるいはナフサなまだきが困難になることも考えられますが、そういった場合におきましては、低硫黄の重油の確保等、できる限りの公害防止対策を講じまして、発電量の低下を回避するということを考えております。こういった際にも、いわゆる環境基準につきましては、これを十分守っていくということで進むということは、もちろんのことでございます。
○小宮委員 それから自動車業界でも最近、アメリカで石油危機のためにいわゆるマスキー法を一年間延期をしたということで、国内においても、和製マスキー法といいますか、日本版マスキー法といいますか、このマスキー法の緩和あるいは実施延期をしてほしいというような動きがこのごろ高まりつつあるわけですが、これは環境庁としては、やはり五十年実施という当初の方針どおりこれを推し進めるのか、その点ひとつ確認の意味でお聞きしますが、ひとつ御答弁願いたい。
○春日政府委員 今回の石油危機に臨みましても、従来の方針はいささかも変えるつもりはございません。
○小宮委員 それでは、当初の方針どおり五十年実施ということで理解してよろしいですね。 それからいろいろ質問を申し上げましたけれども、今度は環境庁並びに通産省の具体的な公害行政に取り組む姿勢についてひとつ質問をします。 最近産業界では、石油危機に直面して高硫黄の重油が使用されるように、硫黄酸化物の排出基準の緩和や、あるいは実施時期の延期を求める動きが非常に目立っております。そこで、環境庁にお尋ねしたいのですが、ちょうどことしの春ごろですか、新しい環境基準が設けられて、その環境基準に基づいて、規制を強化するための新しい環境基準の告示が大体十一月末の予定であったと思うのです。ところが、いまだに告示がされていないわけでございますが、これはいかなる理由によるものか、ひとつその点御答弁願いたい。
○春日政府委員 大気汚染防止法に基づきまして硫黄酸化物の排出基準をきめてまいるわけでございますが、四十三年の十二月に適用された基準値は、以後四十五年の十二月、四十六年の六月、四十七年の一月、四十八年の一月と段階的に強化改定されてまいったわけでございます。御指摘のように本年五月に硫黄酸化物の環境基準が強化改定されました。この基準を五年以内に維持、達成することと定められたわけでございますから、この線に沿いまして、さらに排出基準も段階的に強化するという予定でおるわけでございます。 今回の排出基準の強化にあたりましては、私どもは全国の約七万施設の排出状況の総点検をいたしました。それから環境汚染の実態及び将来の原燃料の使用量の見込み、こういったものにつきまして調査し、改定基準を策定しつつあったわけでございます。しかしながら、御承知のとおりこの排出基準、私どもはK値という名前で呼んでおりますが、このK値を定めます場合には、前提条件といたしまして、今回の場合でございますと、五十年末におきます原燃料の消費量というものをもとにいたしまして推定いたしていくわけでございます。 したがいまして、現在いわゆる石油危機に伴いまして原燃料、ことに石油の供給量の推定というものがきわめてむずかしい段階でございます。したがいまして、現在の作業というものはいろいろ手間どっていることは事実でございます。将来の——将来と申しますか、少なくとも四十九年あるいは五十年におきます原燃料の使用量の見込みというものがある程度つき次第、可及的すみやかにこの排出基準、すなわちK値につきましては決定するつもりでございます。
○小宮委員 この新しい排出基準を作成するために、環境庁が各都道府県の担当者を呼んで意見を聞いたのが十一月の初めだったと思うのですね。そうして、それから一応環境庁の原案をまとめて、それから通産省にこの意見の提示を求めた。ところが通産省では、いま言う石油危機を理由に、この環境庁原案に対して何らまだ審議がされておらぬというのが、いまの実態だと思うのですよ。それは通産省からひとつ説明してください。いま通産省の、環境庁原案に対する作業はどこまでいっておるのか、これは通産省から答弁してください。
○林(信)政府委員 お答え申し上げます。 まず、冒頭に、石油危機に当面しております各省の公害に対する基本的姿勢という問題が提示されております。簡単に、その点についてまずお答え申し上げたいと思います。 それで、人の健康と生活環境の保全をはかるという基本方針については不変でございます。当面の石油の削減の状況を考えましても、国の基準を守っていくことについては、いささかの変化もございません。石油の危機の状態がどういう状態になるか、あるいはきわめて深刻な事態も予想されるかもしれませんが、そういう事態にどう対応するかということにつきましては、あくまでも民生中心に力点を置きながら、環境庁等ともよく相談をして、結論を得ていきたいというふうに考えております。 第二番目の問題のK値の強化の問題でございますけれども、基本的には、この低硫黄燃料をいかにして豊富に確保するかということではなかろうかと考えておりまして、改定されました新基準に、基本的に寄与するべく低硫黄燃料の輸入促進、あるいは重油の直接脱硫、間接脱硫、重質油の分解、あるいはユーザー側におきます排煙脱硫、こういったものの促進をまずやっていくという方針をなお堅持する必要があろうかと考えております。 で、問題は、新しい基準を達成するためのK値規制の強化でございますが、本件につきましては、ただいま大気保全局長から御説明があったとおりでございます。環境庁とよく相談をして、原油の輸入状況、重油の需給状況等、非常に困難でございますので、こういった見通し、落ちつきがどうなるかということとにらみ合いながら作業を進めていく、こういう姿勢にございます。
○小宮委員 いまの説明を聞いておりますと、これはやはり石油危機の問題が起きたので、そのために人手不足でそちらのほうに人間を取られてしまったというなら、まだ話はわかりますけれども、石油危機の問題がどうであれ、やはり新しい環境基準というものは、私が考えまするに、別個に作業できるのじゃないか。もともと通産省は、あまり公害対策には、どちらかといえば、いままでも消極的だったわけですね。そこに降ってわいた石油危機のために、これ幸いと言うては失礼かもしれませんが、それを口実にして、それを理由にして、何かサボろうというような考え方があるのではないかというふうに、これは悪く勘ぐればそういうふうにも受け取れるわけです。だから通産省としては、環境庁から提示されたその原案については、どの程度作業が進んでおるのか、そうしていつごろ環境庁と意見調整に入られるのか。その点ひとつ通産省、どうですか。林(信)政府委員 お答え申し上げます。 石油不足に便乗してサボるという気持ちはいささかもございません。なぜこの石油の見通しがはっきりしないと作業がやり得ないかという理由の一つでございますけれども、石油の使用が減りますと、S分の排出総量が減るわけでございます。そのめどが立たない。したがいまして、両省間でそういった見通しの定着と並行しながら相談する、こういう姿勢にあるわけでございますが、具体的に作業をやっております、その作業の進捗状況につきましては、担当課長が来ておりますので、後段の御質問に対してお答えさせます。
○山中説明員 お答え申し上げます。 本年の五月に環境基準がきまりまして、その達成の方法としましてK値規制というのがあるわけでございまして、私どものほうに、環境庁のほうから一応の案というのを本年九月ごろにいただいているわけでございます。ただ、御承知のとおり、先ほどから局長も御説明申し上げましたように、一応総使用量というのが前提になっておりまして、五十二年度末に燃料の総使用量がこういうふうになる、そうしますと、総SOx排出量がこのようになるから、その場合には、このようなK値の規制をしなければ環境基準は達成できないというのを二年刻みの案でいただいているわけでございます。 ただその時点におきまして、われわれ——先ほど局長御説明いたしましたように、そのSOx量をカットするための方策としまして、低硫黄燃料を供給しなければいけないわけでございまして、排煙脱硫、あるいは精製業におきます直接脱硫、間接脱硫につきまして、どのようなスピードでそのK値規制に対応できるかというのを検討してまいったわけでございます。 そういうことで、一応環境庁案に対しまして若干の補正を求めまして、いわゆるK値規制に対します低硫黄燃料の供給体制というのを御説明申し上げましたところ、御承知のとおり、十一月以降になりましてから、燃料危機が参りまして、前提となります総燃料使用量あるいは燃料におきますS含有量等が非常に不明確になってきたわけでございます。私どもは現在いろいろなケースを試算しておりまして、たとえば二〇%カットになればどういうふうな、いわゆるLSと称しておりますけれども、ローサルファの供給ができるかというふうないろいろなケースを勘案いたしまして、その中で、通産省といたしましてどのようなK値になっていけばいいかというのを一応検討している段階でございます。 以上でございます。
○小宮委員 石油の規制がきびしくなってくると、結局石油の使用量も減ってくる。総需要も減ってくるわけですから、その分については排出が少なくなる。また個々の企業にとっても、使用量が少なくなれば排出量も少なくなってくる。その問題と、いま言う、ここで基準をつくることとどういうふうな関係にあるのか、どうも納得がいかないのです。いま聞いておりますと、石油危機のために今後どうなるのか、それが一つも見通しがつかぬので、どうも基準をつくるのがおくれておるとか、つくることが困難であるとか言っておりますけれども、どうも私理解できないのですが、ひとつ環境庁からお話ししてください。
○春日政府委員 御指摘の点は、確かに技術的な問題でございますので御理解しにくい点もあろうかと思いますが、K値規制と申します場合、そのK値はどうしてきまるかと申しますと、二年先の原燃料の使用の伸び、それを見通しまして、それによって計算をいたしていくわけでございます。要するに大気汚染と申しますもの、ことにSOxの汚染と申しますものは原燃料の燃焼の度合いによってきまると、一応きまっておりますので、そういうことによってK値をまず計算してまいります。 したがいまして、前提としては、四十八年度に告示するはずのK値は、五十年度末における原燃料の伸び、それに伴うところの大気汚染の程度、SOxの程度、それを計算いたしましてきめるわけでございますので、原燃料の使用の伸びというものが非常に見通しがつかないということになりますと、K値と申しますものが、かなり動揺する、こういうことでございます。しかしながら、こういった石油供給の伸びというものは絶対に確実に見通せるわけのものではないであろうと思います。ある程度の割り切りはもちろん私ども必要だと考えております。
○小宮委員 環境庁の内部にも、この問題については何か意見が二つある。まあ石油危機が起きる以前につくった原案だから、こういった石油事情というものが発生したんだから、当然いまの基準についても再検討を加えるべきだという意見と、いや、やはりこれは筋を通してその原案どおりいくべきだというような、二つの意見があるやに私耳にしておるのですが、その点はそういうような意見はございませんか。
○春日政府委員 大気保全局長が申しておるように、間違いございません。
○小宮委員 それが事実でなくて幸いですけれども、少なくとも環境行政の元締めである環境庁の内部にそういうような意見があるということになると、やはりこれはちょっと問題があると思うのです。 そこで、それでは告示はいつごろになりますか。
○春日政府委員 でき得る限り、石油供給量の見通しが固まり次第可及的すみやかに行なうつもりでございます。
○小宮委員 三木長官が中東に出発する前に、日本の公害というものは諸外国に比べてその深刻さにおいて比べものにならない、したがって、この石油危機を理由に公害行政を後退してはならないということを言って三木長官も旅立ったということを聞いておりますので、そういった意味では、ややもするとこういうような石油危機に便乗して、いろんな法律の延期なりあるいは緩和なり、いろんな動きが出てくることは必定ですから、ひとつ環境庁として国民の信頼にこたえて、やはり環境庁は環境保全の元締めですから、ひとつしっかりやってもらいたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思いますけれども、ひとつ所見を政務次官からお聞きしたいと思います。
○藤本政府委員 三木大臣からも、今回の石油危機に関連して、事、環境政策に関しては人の健康、生命を最優先するという基本方針を変える必要は全然ないということは、たびたび言明がございます。また、先ほど来から議論が行なわれておりました排出基準の問題につきましても、石油危機に関連をして、従来火力発電所等で低硫黄重油を使用してきたわけでございますが、これにかわって高硫黄重油を使った場合に、排出基準を緩和してもらいたいという要望がかりに出たといたしましても、それに対しまして排出基準を緩和するというような考え方は、環境庁といたしましては毛頭持っておらないところでございまして、大臣の御方針どおり、環境庁は環境行政を進めていくつもりでございます。
○小宮委員 質問を終わります。
○登坂委員長代理 島本虎三君。
○島本委員 環境庁に。最近、環境破壊が行なわれる中で、環境の保全されている上高地はじめ国立公園地帯に、一般の国民の訪れる回数が、やはりよけいになってまいりました。最近その方面での対策というものは十分考えておられますかどうか、この点についてまず、上高地を中心にしてお伺いしておきたいと思います。
○江間政府委員 お答えいたします。 レジャー時代を迎えまして、国立公園の利用もたいへんふえております。したがいまして、われわれ、実情といたしましては国立公園の過剰利用に悩まされておる、この対策をどうすべきかということを、いろいろ検討しておる段階でございます。
○島本委員 これはやはり、地におりれば公害で悩まされる人が、空気清浄な地帯すなわち山を求めるのは当然であります。 〔登坂委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、これを取り締まるために、制限するために努力しているとすると、これは逆行するのじゃないか。締め出すための努力は、せっかく国立公園に指定して、これはとんでもないことじゃないかと私は思うのです。 まず、最近、上高地の例を申し上げますと、上高地に一年間で訪れる、レジャーブームに乗る人たちは九十万人、そうして山へ登る人たちは約三十三万人、これはみなアルプスに登るわけです。そしてそのために、その周辺が荒れるにまかせて破壊の極をきわめている、こういうようなことであります。これは厚生省並びに環境庁あたりでは、十分知っておかなければなりませんが、あの空気の清浄な、何のよごれもない一番いい場所に、大腸菌が発生しておる。それからかん類の投げ捨てられたものがうずたかく積まれている。こういうようなものの対策をそのままにしておいては、これはもうどうにもならないのじゃないか。これは十分調べてありますか。たとえば上高地の周辺を流れている梓川、あの水質はどのようになっておりますか。
○江間政府委員 われわれのところには、地元の保健所が調べてくれました水質の調査がまいっておりますが、これによりますと、先生の御指摘どおり大腸菌が非常に多いということは、われわれのほうにもわかっております。
○島本委員 よくわかっているということだけじゃだめなんです。昭和四十八年で、これはもう二十一カ所調べた結果、大腸菌による汚染が五六・七五%に及んで、これは飲用不適になっておる。あれほどきれいな水が流れている、それが飲用不適になる。これは少し環境に対する環境庁の注意が足りないのじゃありませんか。この原因は何ですか。
○江間政府委員 御承知のように上高地は非常に高いところにございまして、常時温度が低いわけでございます。したがいまして、屎尿のたぐいの浄化が自然にできない、またそういう大人数が排出しましたものが回り回って川に流れ込むというのが主たる原因であろうかと思っております。
○島本委員 江間さん、あなたは厚生省にいたころとさっぱり答弁の態度が変わらないけれども、環境庁へ来たら、もう少し熱心にやらないとだめなんです。官僚の優等生は環境庁では落第生になるんです。そういうようにとってつけたようなやつはここでは通用しません。いまのうちは黙っていますけれども、いまに角屋委員長からあなたはしかられますよ。もう少し気をつけてやってください。それくらい調べてあるのだから。 まあ、次に行くけれども、これに対する環境庁の予算は幾ら組んでいますか。
○江間政府委員 最も重要な問題は、やはり先ほど申しましたように、自然の浄化作用が営めないということをどのようにして克服するかということを検討いたしておりまして、現在そういうたぐいの研究費も支出いたしております。
○島本委員 一回に、全部わかっているなら、すっとやりなさいよ。何回も立たないとだめだなんて……。 じゃ、屎尿、ごみ、びん、かん、こういうようなものはずっと年度ごとに統計をとってありましょうけれども、四十八年度では、これも屎尿の場合は上高地で四百五十立方メートル、それからごみ四百五十トン、それからびん、かん百二十トン、これは四十八年。これに対して、環境庁の清掃に対する予算は六十万円でしょう。六十万円でやるといったって、これはできません。補助でやるからやれといっても、これは法的な措置はほとんどもうできないです。これはもう村のほうがしわ寄せを受けている。 で、住民と滞在者、この住民以外は補助の対象にならない。村ですから少ない。九十万人も行っているのに、村の人口といったら何千人でしょう。何千人の対象でしかこれは補助できないのです。だから環境庁がそれを補わなければならないのに、年間六十万円で何ができますか。一回清掃夫を雇ってやったら、それでおしまい。環境保全のためには最も留意しなければならないし、今度は屎尿あたりはあそこで溶けても、自然還元サイクルに乗って浄化しませんから、したがってそのまま川へ流れ込むでしょう。これは一般細菌とあわせてこの大腸菌によってよごされているでしょう。ですから、これは飲用不適になっているでしょう。寒いからしょうがない、だったらたれ流さないようにしなければならない。 山の各所にこれはずいぶん山小屋もあるけれども、あれはたれ流しでしょう。そういうようなことをさせてあるからだめなんです。だからこれは全部密閉させて、ヘリコプターでも使って全部下のあたたかいところに持ってきて処理させたらいいでしょう。ヘリコプターがないといったって自衛隊で遊んでいるでしょう。そういうようなものこそ利用させてやってもいいのだ、また特別に持ってもいいと思います。そういうふうにしてもっと配慮をして、そしてやはりあのきれいな空気と場所を求めていく、これに対してはやはりどんどんと登らしてやらなければならないと思うのです。 マイカー族がどんどんと行くから困るのですけれども、マイカー族に対して、まあ幾らでも入りほうだいに入っていくことは環境を汚染しますが、これに対する対策は考えておりますか。
○江間政府委員 先ほど申しましたように、やはり自然には収容し得る限度というものがあるかと思います。われわれ決して制限することが本旨ではございませんけれども、やはり収容力の限界ということをよく検討いたしまして、先生がおっしゃいましたようなことも、現在来年から実施するかどうかよく検討しておるところでございます。
○島本委員 もう四十五分になりましたから、あと五分しかないようですね。
○角屋委員長 申し合わせの時間でひとつ御協力を願います。
○島本委員 そのとおりつとめます。 そうすると、これはもう国有地ですから、国の責任でやるというのが大原則であります。したがって、そういうような意味からして、いかにこれは自然の環境を破壊しないで、そうしてレジャーを楽しめるか、こういうふうにしてやらなければならないし、片や富山県側のほうでは、かってにマイカー族をアルプスの山に上げないで、バスだけの専用道路をつくって、それによってやっておるというような例が見られます。そうして施設は一切山の中を通す、こういうような一つのルートも考えて、もう実施されております。いいか悪いかはわかりません。ただ、こういうような上高地のようなところは、もう少しマイカー族の行くのを規制して、どこかへ一つ駐車場をつくって、それより先へは一定の機関より利用できない、その機関の車よりは利用できない、こういうようにするのも一方法ではないかと思うのです。 そういうような点を考えて、そうして住民本位に補助してやる。住民の数だけ補助してやる、これでは足りないのです。村民は少ないけれども、ほかからの人が九十万人、これはあそこは約一万人足らずですからね、そういうことになった場合には、これはもうたいへんなもんです。だから負担過重になっております。そこを十分考えてやって、それから安曇村、あの村ではこの清掃費、屎尿処理、それから大腸菌による川の汚染、こういうようなもので、環境のいい場所で喜ぶはずなのに、それで困っているのです。これは環境庁の責任だ。十分分考えるべきだと思います。 予算が一つ、補助が一つ、それに対する施策、ふん尿をそのままたれ流さない。あそこを見ておるのは、たった二人しかいませんね、手をあましています。こういうような点。それからびんやかん、こういうようなものをただ投げてきておりますが、その処理なんかも重要です。もうすでにそういうようなところに入ったならば、かってにそういうようなことをしない、こういうようなことぐらいは、私はもう公衆道徳として義務づけてもいいのじゃないかと思います。国立公園を利用する者に対する配慮、こういうようなものはまだ十分足りないようであります。環境保全のためには、いかに予算を使っても、これはもう使い過ぎるということはないはずであります。ですから、この点は大きく考えて、ここに優秀な政務次官も赴任されたことですから、ひとつ大いにこの点はがんばってもらいたいと思います。 最後に、政務次官、これに対する決意を、並みたいていでない決意を聞かせてもらいます。
○藤本政府委員 山岳地域のごみの処理の問題は、たいへんむずかしい問題だと思います。まず、ごみが出ないようにするということも対策の大きな問題だと思いますし、また出たごみをいかにして処理するかということも大事な問題かと思います。そういう意味で、先ほどから島本先生からいろいろと御意見もございましたので、私どもといたしましても、早急に知恵を働かせて、何かいい方法はないものか考えてみたいと思っております。
○島本委員 では時間ですから、これで終わることになりますが、最後に要請いたします。 梓川の水はきれいです。ほとんど比類ないほどきれいです。その川が大腸菌でよごされております。これはこのままにしておいたならば、世界の恥さらしになります。したがってこれを系統的に調査されて、そしてその調査の結果を知らせてもらいたい。このことを要請して私の質問を、十分間でもの足りないのでありますけれども、終わらせてもらいます。特に委員長に感謝いたします。
○角屋委員長 本日審議された条項、林先生はじめ野党のそれぞれの委員からの審議の内容については、来年度予算その他にもからむ問題もございますし、関係各省、環境庁を中心に御努力を願うように、委員長からとくと御要請を申し上げます。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会