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72回国会衆議院1974/05/15

決算委員会 第13号

発言数
131
登壇者
17
会派数
4
開催日
1974/05/15

会議録

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより会議を開きます。  昭和四十六年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、総理府所管中警察庁、北海道開発庁及び自治省所管について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 きょうは自治省関係、特に自治本省の問題と警察庁、北海道開発庁、消防庁などに関連して二、三ずつお伺いをしたいと思いますが、時間がありませんので御答弁も簡潔にお願いをしたいと思います。  さきに、地方の自治体がやっております土地開発公社、この公社の特に土地の先買いに関して、総需要抑制のたてまえもあり、大蔵省の意向も強く反映して、これに対する既契約分に対してまで制肘が加えられるというようなことが行なわれてきたわけですが、現在それがどうなっているか、お伺いをしたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 昨年、御承知のように総需要抑制のために、地方開発公社におきまする土地の先買い問題につきましてもかなりきびしい措置を講ずるということに一応は相なったのでございますけれども、御承知のように、すでに契約済みのもの、あるいは種々の事情でどうしてもこれは先買いをしておかなければならぬというような事情のあるものについては金融の措置を講ずるということにいたしたのでございまして、大体私どもの聞いておるところによりますると、当初地方公社側から契約の締結をいたしたものでございましても、ある程度これを繰り延べることの可能なものというものは繰り延べてもらう。しかし、どうしてもいま申し上げたような事情で購入をしなければならぬというような状況のものにつきましては、都市銀行、地方銀行等による借り入れも行なわせ、また農協その他からの資金の融資を受けるというようなことでおおむね措置をされたものではないか、かように私ども承知をいたしております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ちょっとこまかいことをお伺いするようですが、これに関連して、地方公共団体の超過負担に対する調査を自治省として、この春の春闘を契機にした交渉の中で約束をされたようですが、四十六年、四十七年、四十八年、そういうものの調査をおやりになって、もうできていますか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 ちょっと私、御質問の趣旨を十分伺いかねたかもしれませんけれども、いま御指摘になりました、いわゆる地方公共団体における超過負担をできるだけ解消をしなければならないということで、四十七年度に義務教育施設等六、七項目につきまして、一応関係省とともに調査をいたしました。その結果これを四十八年と四十九年で解消をするということで、四十九年度におきましても、その分に関する解消措置については予算措置もいたしたということでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これはいま思い出したから、ついでにちょっとお伺いしたのですが、春闘共斗委員会が自治省との交渉をやったときに、地方公共団体の超過負担に対しては詳細な調査をする、大至急にその数字をあげて、それを中心に検討を加えるということが約束されたと聞いたのをいま思い出しましたので、それができているかどうかを伺いたいわけです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 そういうお約束を自治省側が春闘共斗委員会としたかどうかということは、実は私は明らかに記憶はいたしておりません。ただ、先ほども私お答えを申し上げましたように、超過負担の問題は、四十七年度のいわゆる六事業だけではございません。他にも地方公共団体が超過負担をしておるというふうに見られておるものが現在相当ありまするので、それは実は当四十九年度においてかなり幅広く調査を行なう。そして関係省との間にも十分協議をいたしまして、調査の結果に基づいては、明年度以降さらに新たな計画のもとにこの解消を進めるということにいたしております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それはいま思い出してちょっとお伺いしたのですが、先ほどの選別融資の問題、これは四十九年度分に関しても特別にいま検討をして、要求があれば折衝の結果ゆるめるというふうに理解してよろしいのですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 四十九年度分につきましては、私、あるいはお答えがやや不正確になるかもしれませんけれども、申し上げるまでもなく総需要抑制という必要のために、こういったことにつきましてもまだ相当の規制が行なわれることに相なっておると私は思います。したがって、選別融資については、少なくとも当分の間はまだ現在のと申しましょうか、昨年の暮れきめましたような地方債の抑制の方針をもって進むもの、かように承知をいたしております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 現実の問題として現在のような金融抑制、引き締め、こういう状況から、土地を大量に持っている者は実際に売りたいという事情が起きているわけですね。こういうときに、大蔵省の考えからいうと、せっかく地価が押えられる段階にあるのに地方公共団体が先買いなどをするということでかえってあおるから、そのために、鎮静しようとする土地の価格というものが逆に高騰を来たす、だから困るんだということが一つの大きな理由になっているようなんですが、現実にはそのことは多少あるにしても、下がる傾向にある売りたいという土地を、公共団体が公共用地として必要なものは先買いができるようにしておくことのほうが大事だ。数字を厳格に比較することはむずかしいでしょうが、何といってもこういう土地の先買いということが、公共団体にとってはいまいろんな意味で非常なネックになっているわけですから、これをやらせるようにしていくという方針を四十九年度にも持っていただくことが必要だろうと思うのです。四十九年度の問題に関しては、総需要抑制という単なる方針に従ってやっていきながら既契約分の一月から三月に対してゆるめたと同じようなことを必要に応じてやるというような、あとから追いかけるような考え方ではなくて、土地、公共団体というものを考えたときに、この先買いに関しては優先的にやはり買わせるという方針が自治省にあって、初めて大蔵省あるいは政府の総需要という方針の中で実情に合った土地の入手ができるんではないかというふうに思うのですが、これは思想上、考え方の問題ですが、いかがでしょう。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 確かにいま御指摘になりましたように、最近、地方によりましてはかなり地価の暴騰がとどまって、むしろやや低下の傾向にさえある、しかも地方団体によりましては公共用地をどうしても入手をする必要に迫られておるというようなところのあることも、私ども重々承知をいたしておるわけでございます。  そこで、これの抑制の方針をある程度緩和したらどうか。確かに私も一つのお考えだ、こう思うのでございますが、御承知のように、昨年暮れとりました地方債の抑制の方針の中におきましても、義務教育の諸学校をはじめといたしまして、そういった必要な公共用地の入手については、これを抑制をするという方針はとっていないのでありまして、特に最近におきましては地方都市開発公社は、将来のためということでずいぶん思い切った、それこそ当面、ここ当分の間全く必要のないというような土地の先買いまでもかなり行なったというような例等もかなり聞いておるわけでございまして、したがって、私どもといたしましては、必要な公用地についてはこの入手を押えるという方針はとっておりません。しかし、いま前のような状態で手当たり次第買うんだというようなことになりますれば、これまた、せっかく鎮静しかけた地価がまた再び逆戻りをするということは、これはやはりとるべきではないのではないか。その辺のところは比較的柔軟な態度で臨みたいと思いますけれども、しかし、一面におきまして地価の鎮静ということは非常に重大なことでございますので、むしろそのことに当面は重点を置きながら、必要な用地についてはこれを確保させるというようなことをひとつ基本の方針として進めていくことがしかるべきではないか、こう考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣の言われた、必要以上に入手したと思われるところは、これは希有なんでして、こういうところを標準に考えていったのでは、数多い地方自治体の必要とする公用地の入手は非常にむずかしくなるだろうと思いますので、いまおっしゃった、できる限り実情に沿ってというところに力を入れて、今後とも四十九年度の運用をやっていただくようにお願いをしたいと思います。  この起債の許可に関して、法律は地方自治法の第二百五十条ですか、これを受けて施行令の百七十四条、これによってその許認可がきまるようになっているのですが、この両条項とも「当分の間」とあるのですけれども、これはお読みになっておわかりだと思うのですが、「当分の間」云々ということになっているのです。法律ができたのは二十二年だと思うのですが、相当長く「当分の間」「当分の間」でこれが運用されているのですが、このめどをいつおつけになりますか。「当分の間」というのが両方にある。これはどうでしょう。

横手正自治大臣官房審議官

○横手政府委員 お答えいたします。  この「当分の間」ということがずっと続いてまいっておりますが、現在の地方団体の財政状況、こうしたものから考えますと、なおしばらく、引き続きこうした地方債に対する許可の制度は必要であろう、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そういうことはもちろんできないでしょうが、地方自治体が、いまの土地の先買いなんかに対ししびれを切らして、どうしても国のほうでは実情をわかってもらえない、これじゃたまらぬというのでかってに起債を起こすというような、そういう事例はないと思うのですが、そういうことをやって、いけないと言われたら裁判に訴えてでも解決しようというようなことが、今日いろいろな条章のもとに行なわれておりますね、この起債に関してではありませんよ。国の方針に関して地方自治体がかってにと言ってはなんですが、待ち切れずに、がまんできずに何かを起こす。これに対していけない、不当だという指摘があると、裁判によって解決しようというような事態が起きている。これはしばしばいろいろな例であるわけですが、うっかりすると、こういうこともこの問題でも起きやすいんじゃないか。そのときに考えやすいのは、「当分の間」といっているのを、早くもう少しきちっと一「当分の間」ということばが必要ならやむを得ませんが、必要でなくて、やはり今後の自治体の運営を考えたときには起債に対する許認可は必要だ、こういうたてまえをとるなら、「当分の間」を取ったらいい。法律の中へ「当分の間」を何十年も入れておくというのは、そんなに二十二年から四十九年の今日を見通したわけではない。ですから、法律である以上は、あいまいなこういう字句を——どういうときにどういうことがあるから必要なんだ、こういう問題があったときに必要があるから「当分の間」、その問題がなくなると予見されたときにこの文字は取るとかというようなことが明瞭に、期限的にもある程度はっきりしているならともかく、そうでないのにこの「当分の間」というのが入っているということを、大臣おかしいと思いませんかね。これはこのままにほうっておいちゃいけないと思うのです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 いま、この二百六十条に「当分の間」ということばが入っております。確かに私、この法律が二十二年でございますか、制定をされてすでに二十数年経過をいたしておる、もう当分という常識的な時間というものはすでに過ぎてしまっているんではないかという御指摘、まことにごもっともだと思います。  ただ、私は、この条文について考えますことは、やはり地方債を国全体としてどの程度認めていくかということは、国全体の財政計画の上において非常に重要な事柄であって、各地方公共団体は自分のことだけしかよくわかりませんから、それぞれが非常に大幅な起債計画を立てていくということに相なりますれば、やはり大きな放漫経済といいましょうか、放漫財政ということになるおそれがございますので、私は起債の許可というものは、これは当然置いておかなければならない必要な規定ではないか。したがって、それが必要なら「当分の間」なんということは除いたらどうかという御指摘はまことにごもっともでございますので、これはひとつ十分検討をさせていただきたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それはひとつ、検討するに値すると思いますので、検討していただく。そうじゃないと、悪い意味でもいい意味でもすき間ができて、問題をよけい起こすおそれがある、私は今日までの過去の事例から見てそう思います。法律の体系からいってもおかしいという意味で、大至急検討をしていただくようにお約束をいたしました。  次に選挙法について、順序不同ですが、お伺いをしたいんです。  選挙法全体を問題にしようというのではありません。今日、被選挙権、立候補しようとする者について、公務員には、退職してから何年何カ月という立候補するまでの期間の制限があるわけであります。いま、参議院の選挙がいよいよたけなわになろうとしているわけです。参議院ばかりでない、衆議院の場合でも同じですが、いわゆるタレント候補と称する人々の中に常時テレビ、ラジオ等に出ているのを職業としているというような人々、これが制限なしに立候補するというようなことは、公務員に関してのみ立候補制限があって、選挙に非常に有利だと思われるような日常の職業に従事している——公務員なんか、選挙に有利な職業に従事しているわけではない。選挙という点からいうと、日本人はマスコミに弱いですから、始終テレビやラジオに出ていると何か非常に親近感を持って、選挙というものには非常に有利です。ただ公務員というよりはずっと有利だと思うのです。この有利な人々が職をやめて直ちに立候補することができる、あるいはその職にあってテレビ、ラジオに出ていながら、まだ事前運動らしきことを平気でやっていられるというようなのを放置しておいて、公務員の立候補制限と矛盾を感じないかというふうに思うのですが、これは私は、相当程度真剣に考える時期が来たのじゃないかというふうに思うのです。  それと同じような意味でもう一つの例をあげれば、現職の首長が二選、三選、四選をやるというときも、これは単なる一般公務員が立候補制限を受けるよりも、この首長が、現職の知事だ市長だ何だというので三選に出る、四選に出る、そうしてその本人の自発的な意思のない限り、とにかく事前運動らしいものを選挙直前までやることが可能だということも放置されていていいかということ、二つ目に公務員の立候補制限と並べてみたときに、どうもこれもおかしい。何らかのはっきりした制限を加えるべきではないかというふうに思います。  この二つの事例を政治的に大臣どうです、お考えになって、私と考えが違うかどうか。法解釈的にこれをお聞きしょうと思うのではありません。現在の選挙法全体は知っていますから、それとの関連で言おうというのではなくて、いま私が申し上げたような一例から言ったら、どうもこの二つの場合何らかの制限を加えてしかるべきだというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 いま原議員御指摘になりましたように、選挙というものはあくまでも公正を確保することが何よりも肝要なことであることは申し上げるまでもないのでございます。  いま御指摘になりました、いわゆるタレントというような方で、国民に常時放送を通じて広く知られておるような人が、選挙の直前まで放送にいつも出ておるということは、他の方々に比べてみると確かに選挙を有利ならしめる条件にあるということは申し上げるまでもないわけであります。したがって、このことは、いま御指摘もございましたが、現在の公職選挙法には特別な制限の規定が置かれてはおりませんけれども、御承知のように放送法においてはそういった点についてのある程度の制約があり、各放送会社においては今日ある程度の相談をいたしまして、選挙の直前に至るまでそういうようなことが自由に行なわれるということのないような措置を講じておる。これによって私は、いま御指摘になりましたことがある程度制約を加えられておると思いますけれども、ただ、その期間が、はたしていま自粛しておるような期間が適当かどうかということになりますれば、これはまたいろいろ、さらに問題はないわけではないというようにも感ずるのでございます。  また、いま地方団体の長のような、日常の行動が見ようによっては一種の選挙活動になるというような者について、多選を禁止するというような規定はございません。そういうような者についても多選禁止等のことを検討すべきではないかという御意見のように承ったのでございますが、一体そういうことをやるのがはたして適当かどうかということについては、また別の角度から考えてみますると問題がございます。御承知のように日本の選挙制度の場合におきましては、そういった多選禁止的なたてまえをとることが適当でないというふうに考えられているんじゃないかと私は思います。したがって、そういったことは今日までのわが国の選挙法の中には取り入れられたことはない考え方でございますけれども、いま言われたような角度からこのことを見る限りにおきましては、確かに一つの問題点であるということは、私も御指摘のとおりだと思うのでございますけれども、これを法的に規制をするということになりますると、これは相当に実は多くの問題点をはらんでおるわけでございますので、いまにわかに御指摘の点に御賛同申し上げるということは私としてはいたしかねる、かようにいまのところは考えておる次第でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣は首長の経験者で非常なベテランですが、あとの問題は、多選禁止を考えろと言ったつもりではないのです。そうでなくて、同じように首長が一度当選して二度、三度、四度と再選をしようとする、二回、三回目の選挙に出ようとするときには相当の期間前にやはり何らかの制限を付して次の立候補をするというようなことをしないと、いま一般の公務員に対する制限をいつも頭に置いて私はものを言っているのですが、そのときに、おかしいじゃないかというのが私の考え方です。何らかの制限をしたらいいのじゃないか。多選を制限するということを言っているわけではございません。  同時に前段の問題も、放送法による制約というものは、これはもうあってないがごときもので、放送法に書いてある限りは確かにそういうことができないようになっていても、それに抵触しないやり方がいっぱい行なわれている。したがって、いまのタレントの場合も同じように、公務員に立候補制限があるなら、これらの選挙に非常に有利な立場にある者が何らの制限も受けずにやっていくのはおかしいではないかということに対しては、まあ放送法等もあり、という御答弁でございましたが、私はこの二つの問題は、正式に選挙関係の問題として自治省で検討をすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 選挙が真に公正に行なわれなければならないという観点から現在の立候補制度というものを検討をいたしてみまするときには、確かにいま原議員御指摘になりましたような多くの問題点があるということは、私どもも同様に感じておるところでございます。  先ほど地方団体の長の問題について、私が多選禁止といったような、ちょっと御質問の趣旨を十分承知いたさないままの御答弁を申し上げたわけでございますが、しからば、選挙の間近になりました場合に、そういう方の一種の事前運動と見られるようなものを押えるというようなことは、私はやり方いかんによっては法的にある程度可能だと思いますけれども、しかし、地方の首長であるとかそういう方は、御承知のとおり常時地方団体の長としての活動をしておるわけでございますから、当然新聞、報道機関等には、当人自身が意識するしないにかかわらず、どうしても出てしまり。そのことは、見ようによってはやはり広い意味における一種の選挙運動ということにとられるような結果が起きてしまっておるわけでありまするので、これは私はたいへんごもっともな御質問だとは思いますけれども、さて実際的にこれに制約を加えるということは、現実には私は非常にむずかしい問題があるのではないかというような感じがいたします。しかし、いずれにいたしましても、選挙というものはあくまでも公正に行なわれなければならない。ことに今度の参議院選挙におきましては、かなり有名なタレント的な方もお出になるというようなことが、従来の選挙よりやや顕著になってきたような感じがいたさぬわけじゃありません。したがって、そのことについて特に問題にされるということも、私ごもっともだという感じがいたします。選挙法には多くの問題点が存することは申し上げるまでもございません。この改正ということになりますと、なかなか容易なことではございませんけれども、自治省といたしましては、いま御指摘の問題については、ひとつ今後の課題として検討をさせていただくことにいたします。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣何か十分くらい御用があるそうですから、大臣に対する質問はまたあとに回しまして、ほかの問題で質問したいと思います。北海道関係について開発庁を中心にお答えいただくように二、三お伺いいたします。  第一にお伺いしたいのは四十六年の北海道の冷害でございまして、そのあとのいろいろな問題があったわけですから全部を聞こうと思いませんか、融資関係の問題がどういうふうに現在進行しているか。個人の返済もあり、自治体の返済もあり、その返済の状況等がどの程度進行しているかをまずお伺いしておきます。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○遠藤(寛)政府委員 御指摘のうち農林省の部分についてお答え申し上げます。  四十六年の大災害に対しましていろいろのことをやりました。天災融資法の改正をやりましたこと、激甚災法の改正をやりましたこと、そういうことによりまして限度額の切り上げ、あるいは利率の引き下げということをやりました。天災融資法で実際やりまして融資をいたしましたワクが百六十億円、この災害についてございました。そのうち北海道が百四十億円でございました。実際ワク百四十億円に対しまして貸し付けを行ないましたのは百三十二億円でございます。そのうち現在約半分が償還が終わっておりまして、貸し付け残高七十六億三千万円というものが北海道で残っております。お尋ねの点は大体そういうことでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この二分の一返済というのは、最初からの予定どおり返済されたのですか、それとも延びているのですか。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○遠藤(寛)政府委員 ほぼ予定どおり進行しております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 融資の問題は一応そこでペンディングにしておきます。  最近の気象状況、気象庁を中心にいろいろと発表されているのを見ますと、これから十年くらいは寒冷化が続くだろうというようにいわれているし、東北地方、北海道等は、まず漁業に対しても冷水域の拡大から大きな被害があるだろう、また冷害も予想される、それが冷えて雨が少なくてという傾向の被害が本年は予想されるといわれています。  私はしろうとでよくわかりませんけれども、こういうような状況をいままでの状況に照らしてみると、どうもやはりことしもあぶないのじゃないかという感じがする。四十六年度と同じような、ある意味では違った性質も多少加味されるけれども、四十六年度以上の冷害が北海道に来るかもしれないというような危惧が非常に大きくなった最近の気象状況だと思うのですが、こういうことの予想を、かけじゃあるまいし、来る来ないをいってもしかたがないのですが、関係方面としては、現在の気象を北海道に当てはめて、四十六年度の似通った状況になる危険があると考えていますか、その心配はないと考えているかをお伺いしたい。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○遠藤(寛)政府委員 御指摘のございましたように、気象庁も北半球の寒冷化ということをいっております。それは必ずしも毎年毎年寒くなるという意味ではなくて、フレがあるということをいっております。本年の気象について見ますと、確かに御指摘のとおりいままでのところ、ことしの三月に出ました気象庁の予報では、昨年とか四十六年に比べまして、最初に出ました予報よりは軽い予報と思われる予報が出ておるわけでございます。  しかし、現実の問題といたしましては、四月、五月にかけましてかなり低温が北日本全体にいっておりまして、現在の作況を見ましても、苗の育ち方その他、北海道地方におきまして、大体畑作でも五日ないし十日くらい、水稲におきましても約一週間くらい作況のおくれが出ております。全部というわけではございませんけれども、かなりのところにわたって出ておりまして、私どももその点につきましては非常に憂慮をいたしております。ただ、昨年も同様な経過で六月くらいまで非常に憂慮されまして、そのあと非常に好転した例もございますので、先生御指摘のごとく——これから先どうなるかということは必ずしもはっきりいたしませんが、非常に心配をいたしておりまして、気象庁の今後の予報に注意をしつつ指導をしてまいりたいと思っております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 その問題に関しては、農林省と気象庁が合同で異常気象白書なるものを三月か何かに出しましたね。それを見ても、大体いまおっしゃったような心配があるということになっておる。私は、もうそのことがわかった限り、ころばぬ先のつえではないけれども、——わが国の災害対策はいつも、冷害が起きた、あとを追っかけてこういう天災融資法で、何でかんでといってやる。そうして相当多額な国民の税金を使うわけです。この寒冷化現象というのは、これから相当長く、インターバルはきまっていませんが、起きてくるだろうといわれている。であれば、国の災害対策としては先取りの対策があってしかるべきだと思う。そういうこともわかっていながら——来るかもしれないといわれている。来れば、この前の、あのときのこんな状況になる危険がある、過去災害を受けた事例はたくさんある、そのうちのどれかに当てはまっていきそうだ、どれかと同じような被害が起きそうだ、特にその危険がある年なんだ、こう考えたときに、一体先取りの手当てというのをどういうふうにやるのかが大事だと思う。異常気象白書で出すからには、出したら、だから農業に関しては、水稲に関しては、バレイショに関しては、何に関しては、漁業に関してはということを、先取りして指導的な役割りを果たすような行政指導が、それでも起きたら手当てはするんだけれども、事前に、こうすれば防げる、こういうふうにすれば被害が少なくなるというようなことをやっていくことが必要だと思うし、そういう体制というのは国の政治の中にできてこなければいけないと思う。何年でも、災害、災害でもって、いつもあとを追っかけちゃ問題にしているという立場からいいますと、この際特に北海道に関しては、その先取りの対策を十分に協議をして、具体的に指導、具体的に被害を少なく食いとめるための措置というものを確立して、それに対して思い切って手当てをしていくというようなことをすべきだと思うのです。こまかい詳細は、あまり言っていると時間がなくなりますので、そういう点をひとつお答えをいただきたいし、ぜひやらなければいけないと思いますので、そういう方針についてできるだけ具体的に、こういたしますというのを、できているなら知らしていただくし、なければ至急にやっていただくことが必要だろう、こう思いますけれども、いかがでしょう。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉政府委員 ただいま北海道につきましての冷害の御指摘がございましたが、私ども北海道の開発を預かっているものといたしましては、冷害問題、特に寒地農業の確立ということは非常に大きな重要課題でございます。三十一年、三十九年、それから御指摘ございましたように四十一年、四十六年、特に四十六年は御指摘ございましたとおりたいへんな被害を受けたわけでございますが、北海道の農業というものについてはどうしたらいいかということで、特に寒地農業の問題につきましては北海道開発審議会で小委員会を設けまして、過去において二年間、どうしたら寒地農業の確立についてしかるべきかということの御検討を願いまして、その趣旨がただいま第三期北海道総合開発計画の農業の問題について織り込まれているような状況でございます。  内容を申しますと、何といいましても適地適作という原則を確立するんだということからいたしまして、恒久対策といたしましては、北海道庁におきまして各地域別の特性に合わせました農業地図をつくりました。これは四十七年につくっております。それから、何といっても冷害に不安定な作物に片寄ることをなるべく避けてまいりたい。たとえて申しますと、北限地帯の米作はやはり冷害に非常に不安定でございます。そういったものについては、安定した畑作へできるだけ転換をするというようなことも考える。それから、何といっても農業基盤整備について、排水、かんがいの農業基盤整備の立ちおくれ、これがやはり冷害の一つの要因になっております。そういった意味からいきまして、水田地帯につきましては深水かんがいの排水、農業基盤整備を重点的にやっております。と同時に畑作につきましても、耐冷作物といたしましてはバレイショそれからてん菜がございます。こういったものにつきましての振興をはかる意味からいたしまして、やはり畑作についての排水、農業基盤整備事業を重点的にやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。  なお、冷害についての先取り行政の本年度の問題等についての御指摘でございますが、これにつきましては後ほど農林省から専門的な御答弁があるかと思いますが、これは気象庁との連絡をとりまして、北海道庁は農林省の指導のもとに、適期、適作業の励行ということで、農業改良普及員を通じまして、十分予防的なやり方について周知をはかっておる、また、はかっていく予定になっております。  以上でございます。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○遠藤(寛)政府委員 ただいま開発庁から詳しい御説明がございましたので、技術的な面についてちょっと補足をいたします。  北海道は何ぶんにも、特に稲作とか豆作につきましてはかなり限界地に近いところがございますので、常にそういう危機には襲われるおそれがあるわけでございます。したがいまして、いま開発庁が言われたような恒久対策をやっておるわけでございますが、それともう一つは、毎年三月に気象庁が暖候期予報を出しますと、それに引き続きまして春夏作の指導というものを農林省は、ことしは三月二十九日に通達いたしました。それの中に本年の天候というものを予測いたしまして、多少の両側へのフレというものを予測しまして技術的な指導をするわけでございます。中に先ほどの深水かんがいの問題もございますし、それから特に冷害の場合でございますと、ある時期に作が片寄りますと、ある時期に寒さが来たときに一ぺんにみんなやられるということもございまして、たとえば水稲などでございますと品種の分散をはかれとか、そういったようなこまかい注意を毎年いたしまして、これはやはり限界地でございますので、そういう指導を毎年毎年繰り返していくという面がやむを得ず伴う、恒久対策だけというわけにはいかないという点がございます点を御了承願いたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 北海道で国立寒地研究所というものをつくろうというので青写真をつくっているようですね、政府のいう学園都市の一環としての大事業ですが、これはもうプランができているんですか。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉政府委員 御指摘ございましたが、新研究学園都市の一環といたしまして総合大学、それに先生いま御指摘ございましたように国立寒地研究所の設置について、ただいま道において委員会を設けて、鋭意内容等について検討されておる段階でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 田中総理が、こういう学園都市建設第一号はまず北海道だと、こういった演説をぶったことがあるんですが、お聞きになっておりますか。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉政府委員 総理は非常に学園都市について、しかも北海道が適地であるという強いお気持ちを持っておるように私どもも承知いたしております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これはまた、大臣が来てからちょっとお聞きしたいんですが、いまの先取り行政の、特に冷害に対しての問題ですが、災害が起きると、国家は多額の費用を注ぎ込んでこれを援助する。そういうのを、先取り行政である限りは、いわゆる畑作物の転換を指導しなければいけないというときには、転換に対して、それを承知した農家に対しての補助を行なう、あるいはそのほかの行政的な指導をやるにしても、いろいろな問題があります。深水の問題もあります。そういうことも、冷害対策としてはこういうことをやるべきだ、やらなければ困るんだ、これから長期にわたって冷害の心配があるというようなことを前提にしたときに、よく農家にもPRをして、そうしてそのことに従う、賛成してやるといったときに、それに国が、あるいは道が手当てをしていく、補助をするというようなところに金を使っていかないと——やはり農民の長い間の経験で、いや、おれはいやだ、これでいいんだと思うというのがずいぶんある。ところが、具体的にはそれが失敗したなら、あとになると、やはり災害のために融資法によって融資をした、何だかんだというような金を使うというなら、先取り行政というからには、災害があってからそれに対する助成を行うと同じ性質に、国がやはり指導的な役割りを果たして、指導をしたその農耕技術あるいは整備の問題、転換の問題というような問題に対してある程度の補助を行なっていくという誘導、誘い水的な援助というものをしていかない限り、私は、国が指導をした冷害対策の先取り行政というものは実現がむずかしいのではないか、こういうふうに思うので、そういうことをどうしてもやる必要があると思いますが、いかがでしょうか。考えておりませんか。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉政府委員 特に、具体的に水田転換対策についての御指摘がございましたが、先ほども御答弁申し上げましたように、北海道の北限地帯の稲作、これはどうしても不安定作物でございますから、水田転換対策事業につきましては、当庁といたしましても積極的にこれを取り上げて推進をはかっておるわけでございまして、具体的な施策につきましては、農地保有合理化法人の水田の買い上げだとか、畑作転換だとか、そういうような施策を推進しております。ただ、ただいまあまり実績はあがっていないのが現実でございます。その理由はいろいろございますが、当庁といたしましてはそういう方向で推進をいたしておりますが、あまり実績があがっていないという現実はございます。そういう状況でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 私は、先取り行政というからには、災害があってから費用の助成を行なうのを、先に金を出して冷害対策上の農耕に転換をさしていく、あるいは基盤そのものを変えていくというようなものに金をもっと思い切っていままでよりも出すようにすべきではないかといって質問をしているわけですが、どうでしょう、そういう点は。

遠藤寛二農林大臣官房技術審議官

○遠藤(寛)政府委員 お話のございましたうち農林関係について申し上げますと、先ほど開発庁からもちょっとお話がございました稲作転換ということで、転作につきましてはかなりの補助奨励を出しております。そのほか、国全体といたしまして畑作物、えさ、そういうものが足りませんので、そういったものにつきましては相当な価格支持をいたしております。これが十分であるかどうかという点になりますと、まだなかなか問題もございましょうけれども、かなりな価格支持をやっておりますし、そういった方角でものを考えております。  それからもう一つ、息の長い話といたしましては、そういう耐冷性の作物の育種というものを、北海道を中心にいたしましてかなりやっております。これは一日、二日で効果のあがるものではございませんけれども、末長くこれは続けたい。  それから、開発庁からもお話がございました土地改良につきましては、確かに地力のある畑、たんぼをつくりました場合、耐冷性というものは非常に増加するということが証明されておりますので、この点につきましての努力は今後とも続けていく、これは北海道に対しましてかなりな予算が出ております。額はちょっと私も覚えておりませんけれども、そういうことでいたしております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これは、ここであまり深入りしても解決しない問題で、担当大臣にまた次の機会に申し上げるのですが、私の言っていることは、価格支持政策で云々とか、稲作転換には多少の補助があるとかいうのではなくて、方針として、冷害がもう決定的に来そうだという段階がこれから長期にわたって現実に来るわけですから、過去冷害を何回も経験しているのですから、そういうときには冷害に強い、冷害に耐えられると思う施策全体に対して、それに協力する者に関しては思い切った助成を行なうという金の使い方を今後していかないと、なかなかこの冷害の繰り返しというのは避けることができないんじゃないか、こういう趣旨ですから、ひとつそういう点も、あらためてお聞きするときがありますから、検討をしておいていただきたい。大事な問題だという意味で私は指摘をしておきたい。  次に、ほかの問題に移りますが、苫小牧中心の東部開発が大規模に計画、実行に移されつつある。これは見せていただきまして、ほかの問題たくさん、実は個々の問題をお聞きしてみたいと思ったのですが、いろんな問題を一ぺんにやるものですからそれができそうもありませんので、大部分の問題はあとに譲るのですが、北海道太平洋側における、あるいは日本列島全体の問題ですけれども、ついこの間、伊豆沖地震が起きたと同じように、非常に地震の多い日本で、しかも最近とみに、ある場所によっては地震の危険度が増してきている。北海道に関しては今日、二十年の間にチリ地震の津波を含めて約三つの大きな災害を受けているというようなことを考えると、この種の大開発をやるときには、開発構想の一番最初にベースとして地震対策というものを考えていいのじゃないか。いま東京なんか、あるいはわが国のあらゆる、地震が来そうだという既存の都市、市町村というものを考えたときに、ここにも消防庁長官おいでになっておられますが、まあ、ああすればいい、こうすればいいということがわかっていてももう手がつかない、あれもこれもなかなかに思うようにいかないどころか、もう手がつかない。端的に言ったら、立場上お手あげだとは言えないでしょうが、たいへんな困難と苦渋を感じているに違いない。幸いに北海道あたりがこれからは、日本にとっては非常に開発のメッカなわけですが、特にこの東部の大規模工業開発をやろうといって計画をするからには、私はそこで一番最初に地震というものを考えて、地震があったときの通信連絡はどうするんだ、あるいは救助活動はどうする、あるいは住民の避難誘導はどこでどういうふうにするとか、あるいはその他、いま消防庁中心に考えているたくさんの、地震があったらたいへんだ、こうしなければいけないという、火災対策もある、なにもある。道路の計画もこうあったらよかったのだが、いまのこの道路では震災の少し大きなものがあったらもうどうしようもないというような状況に悩んでいる。その悩みを、この北海道なら北海道の大規模な開発をやろうというときには、最初のペースとして地震対策をすぱっとまず理想的に計画をする。そこへ工業中心の開発構想というものを突っ込んでいくという順序が、日本の場合には必要であるし、特に北海道の場合、幸いにもそのことを考慮できる状況にあるので、それをやるべきだと思うのです。  まあ、この中にも災害対策なんということばもあります。この災害の中身をこまかく聞いていけばわかると思うのですが、これが地震対策中心でない。いま私の言ったような意思をこの開発の前提に突っ込んでないということは間違いない。これはそういう点では私はたいへんもったいないと思うし、いまからでもやるべきではないか。地震対策というものが完全にこの開発の中につぎ込まれるように、計画そのものを一度練り直してみる必要があるというように思うのです。本来なら、すでに進出のきまっているもの、建設の始まっているもの、その他を中心に、いろいろとこまかい点もお聞きしたかったわけですが、時間がありませんのでいま一点、こういう考え方が必要だと思うのですが、大臣は途中からだからちょっとお答えがしにくいと思いますので、どなたでもけっこうですからお答えをいただきたい。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○秋吉政府委員 ただいまたいへん貴重な御指摘を受けたのでございますが、御案内のように北海道、特に太平洋岸地帯は戦後十五回のマグニチュード六以上の地震多発地帯でございます。そこで、特にこの大規模工業基地を建設する場合についての災害、地震問題の御指摘を受けたわけでございますが、私ども、この問題については十分配慮しなくてはならないと思っております。  従来、計画をつくる場合にも、いま御指摘ございましたように、災害防止については表現はございまして、あるいは先生、トーンが低いというようなお感じを持ったかと思いますが、私ども、これについて十分注意をしてまいりたいと思っております。  その考え方といたしましては、三つの大きな柱を考えております。一つは、火災等の各種災害防止に必要な施設を整備する等、防災体制の確立をはかるというのが一つでございます。それからもう一つは、住工分離が大事であろうと思います。住工分離について特に配慮いたしますために合理的な土地利用を確立するというのが第二点でございます。それから第三点は、工業基地内において十分な緑地空間を確保する。この三つの柱を中心にいたしまして地震災害対策を講じてまいりたい、このように考えておりまして、具体的には苫小牧圏における都市計画の線引き、市街化区域の線引き、それから工業施業地域の線引きを昨年の十二月いたしたわけでございますが、その際も住工分離というたてまえで線引きをいたしておるわけでございます。なお、工業基地内につきましても十分な緑地空間を確保するために、周辺部と中央部につきまして幅広い緑地帯の設定等も考えておる、こういうことでございまして、特に、御指摘ございましたように北海道の太平洋岸地帯は地震の多発地帯でございますから、私どもは今後開発を進める場合に十分念頭に置いて遺憾なきを期してまいりたい、このように考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 地震対策の基本構想がおありになる、十分考えているというお話ですが、時間がなくて、じゃどういうことをやっているのか一項一項お聞きできないのですが、私は、地震対策というものの位置づけが私が言っているほど前提になっているとは考えられない。そうじゃないんだ、いまそういう御答弁だったように思うのですが、たとえば北海道東部地区の開発に関して消防庁の御意見が諮問されて、それがどういうところに反映しているのか、ちょっと消防庁にお聞きしたい。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 地震対策につきましては、現在災害対策基本法に基づきます各都道府県に設置される地方の防災会議の中におきまして、特に地震部会を設けまして、それぞれの地域における地震対策を防災計画の中に織り込むということにいたしております。したがいまして、ただいま御指摘の苫小牧地区における地震対策という問題は、まず第一義的には道の防災会議の中におきまして道全体の地震対策の計画が策定をされ、さらに具体的には苫小牧市における市町村段階における防災会議におきまして、具体的なその市町村の地震対策というものが策定されるべきものというふうに考えております。こうした地震対策についてそれぞれの地域における対策を樹立すべきことにつきましては、すでに私どものほうから各地方団体を指導いたしておりますので、こうした開発計画を立てられます際には当然こうした地震対策を織り込むべきものであるというふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 その地震対策には当然地質も考えていく、これは一例ですけれども。苫小牧地区における地質がどういう地質であって、その地質によって建造物も違ってくる、住宅地の建設も変えるというようなところまで配慮されているわけですか。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 御承知のとおり、地震対策の内容というものは単に消防の立場だけではなしに、いま御指摘の地質の専門の方々あるいは気象庁の関係の方々に幅広く参画をしていただきまして、それぞれの立場からの地震対策というものを総合してつくり上げなければならないわけでございます。そういう意味におきまして、当然地質の問題等につきましては、専門の担当部局のほうの参加を求めまして検討されるべきものというふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 実際にはどこが日本の責任官庁かというと、防災会議なのかもしれませんけれどもね。いま私の質問申し上げているのは、先ほど御答弁があったんですが、私が言っているように、この種の開発を行なうときには前段でまず地震対策というものを、特に北海道のあの地域においては考えなければいけないから、地質の問題その他全部を合わせて、地震があったときの対策として、もしここが大都会であった場合にどういうことをやりたかったかを先に検討をして、その地震を中心の対策、構想がまずしかれた上に、いわゆる大規模の工業開発構想というものがそこにあとから突っ込まれるというくらいにまで、地震対策というものを日本の場合には真剣に取り入れられるところからやっていかなきゃだめなんじゃないかという趣旨なんです。  そういう趣旨から言うなら、日本の防災会議その他を中心にして、あの地方における大開発の前段として、過去の多くの事例からしてここに最大の地震が来たときに一体どうしたらいいかという地震構想をまず先に全部しいて、しかる後に開発構想というのが乗っかっていくような会議の手順、順序というものが踏まれていなかっただろうと私は指摘しているのです。そのことをいまからでもやるべきではないかと言っているわけで、これをやったからといって、まあ皆さんのこの種の事業にある程度はブレーキがかかるかもしれませんが、それでも私はあとになっていい結果を招来するだろうと思うので、まずそういう考え方をきっちりと持って実行した後に開発構想というのが立てられるべきではないか。北海道には次から次にまた開発が行なわれますが、その手順として第一に地震対策というものが入るべきではないかというように考えることを言っているわけですから、そうしなければいけない、こうあるべきだというべきの話を聞くんでなくて、そういう考え方を、私の構想ではなくて皆さんの考え方にしていただきたいものだと念願して質問をしている。これにお答えをいただきたい。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 地震対策といたしましては、当然ただいま御指摘のとおりの手順で行なうべきものであるというふうに私どもも考えております。この苫小牧地区における開発計画の策定にあたりましては、地質調査も現在進行中というふうに聞いておりますので、大体そういう手順に入ってきておるというふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 時間がかかり過ぎて困るのですが、たとえば今度の伊豆沖地震の場合も、非常に大きな被害があったところは砂質土だった。砂の土地の上にあったところが非常に大きな災害を受けたというので、どうもやはり建造物をつくるにしても、地質が一体どんなものであるかを徹底的に調べた上でないと、これはどんなにほかの計画がよくても、とかく地震が来たときに一番大きな災害がそこから起きてしまうわけですから、そういう意味では、一例をあげた地質の調査も、現在進行しているんじゃなくて、地質の調査は完全に終わりました、そこで鉄鋼をここにつくり、ここにどういうコンビナートをつくり、ここに何をつくるんだということがきまりました、こういう順序になってくるようにすべきだというふうに、常に地震対策というのが先行をした後に、それが十分に検討をされた上で、この土地の状況、環境の中で一体どういう工業開発をしたらいいのかということをそのあとに乗っけていけというのが私の趣旨ですが、北海道がこれからまだ新たに開発をしようとするところはどうしてもそういう構想でやっていただかないと私は困ると思う。ある意味では、小松左京さんのいうようなたいへんな事態にはならないにしても、相当の地震がまだまだ予知の、検討の爼上にのぼっていて、強化区域に指定をされたり、いわゆる集中区域に指定をされたりというような場所が十数カ所も今日日本にはある。ということは、ことばをかえるならば、相当危険な地震があそこにもここにも起きそうなんだよと警告をされているような状況ですから、そういうことのあったときに、まあ北海道だけはそうあっても、ぴしっと最初から計画ができているために、われわれの逃げ場所が残った。そんなことになったらたいへんですけれども、冗談めいて言うなら、そういうことすら、いまから計画するなら可能なんで、どうしても開発に対しては、まっ先に地震対策というものを徹頭徹尾つくった上で一切の開発構想をあとからつぎ込んでいくというようなことが集中的に行なわれるべきだ、こう思っているのですが、大臣、こういう私の構想で——北海道の開発がこれからいろいろな意味で進展をするわけですが、まず何より先に地震対策を十分に科学的にあらゆる角度から検討した上で、それができたその上に、こういうものをつくってもいいという検討の後に開発構想が乗っかっていくようにしていただきたい、こう思って質問しているのですが、いかがですか。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど来、北海道の苫小牧東部開発問題について、特に地震対策を重視すべきだ、私もまことにごもっともな御発言であると承ったわけでございます。  実は、多少私事になって恐縮でありますけれども、あの苫小牧東部地区の地域の買収をするということは、私が当時北海道庁におりましたときに計画をいたしたのでございます。ただ私の場合には、おそらく相当の重工業地帯になるのではないか、であるとするならば、やはりいまの地質のことが非常に重大なことであるというふうに考えて、道庁の地質調査所に命じまして、実はあの地域の一応の地質調査をやったわけであります。あの辺の地域は、表土はいわゆる泥炭地帯でありますが、下部のほうにまいりますと非常に厚い砂れき地帯というようなことになっておるようでございまして、比較的重化学工業を立地させるのには適当なところであるという報告だけは受けたのでございます。しかし、いま御指摘がございましたように、地震対策といったような角度からの検討を命じたことは、実は私自身は、たいへん不行き届きでございましたけれども、なかったわけでございます。  その後私がやめましてから、いよいよ東部開発の問題は具体的に進んでまいりましたので、それには私自身は全く関与はいたしておりませんので、いま御指摘のございました地震対策にどういうような検討が加えられ、対策が現に行なわれつつあるかということについては、私は全く承知をいたしていなかったのでありますが、いま関係者の話によりますと、ある程度の検討が行なわれておるようでございますけれども、総体的に申しますと、地震国日本人は案外地震に対しては不用意なところが多いという御指摘は、私はごもっともだと思うのでございます。この点は、今後の開発計画を進める上において重大な問題として検討をさせるように、私からも関係者にひとつ十分申し渡すことにしたい、こう考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 次に、警察庁関係に移ります。  交通安全対策という立場で、私はしろうとで、車にも乗っけてもらっているほうの立場ですからあまり多く申し上げようとは思いませんが、二つだけお聞きしたり、意見を申し上げてみたいと思います。  その一つは、もっと大胆にスピード制限をすることが事故を減らすもとになるのじゃないか。愛知県警がやったような、きのうも来た人にちょっと申し上げたのですが、過密都市における幹線道路などでは三十キロ制限をやった、事故ゼロといったような実績が出ていると報道されていますが、私はその種のスピード制限というものを、ここはだいじょうぶだと安心できるような場所の範囲にまで思い切ったスピード制限というものをやっていけば、事故を基本的になくす第一の薬になるんじゃないかなという感じが一つ。  それからもう一つは、日本の道路は最高で八十だと私思ったら百だそうです。百キロまでが最高だ、スピードが出せる。というなら、いまの車のように百四十も百八十も出ますなんという車はもうつくらせない。車のほうの制限も百キロまででとまり。輸出に困るというんだったら、二百キロにしてもけっこうですから、百一キロになったら、百キロをオーバーしたら、そこでフリーになってしまう、ギアがはずれるというような装置をつけるなら簡単につきますが、そういう装置をしてでも、国内においてはどんなに出そうとしても百キロ以上は出ない、このくらいのことを二つ目にやったほうが、交通安全という立場から言うならいいんじゃないか。しろうとですからわかりませんが、いや、それはこういう事情でできないんだとか、それでいい、やってみるとか、どちらかをひとつ御返答願いたい。

渡部正郎警察庁交通局長

○渡部政府委員 初めの御質問にお答えいたしますが、スピードの制限が交通安全上必要だということはお説のとおりでございます。  実は昨年、御承知かと思いますが、死者が年間を通じて八・七%減少しておりますが、ことしに入りましてから、きのう現在で二四%以上の死者の減少を見ております。いろいろな複雑な事情があったとは思いますが、実は先生御指摘のスピードの規制に対する考え方を、最近強く変えてまいっております。  どういうことかと申しますと、従来ですと、たとえば国道一号線のような大事な道路は、どんなところであれ、法定速度の六十キロなり、あるいは落としたとしても五十ぐらいで走らなければならないんだ、むしろそういう考え方が支配的だったわけでございますが、実際に事故が、ことに死亡事故が発生しております地点の散らばりの状況というものを見ておりますと、主要幹線の国道等に非常に集中して発生しておりまして、ことにそれが市街地を貫通するような形で入り込んできておりますときには、周辺が非常に複雑な状況でございますので、高いスピードを出していると人をひくということが非常に多いわけでございます。  お話にございましたように、三年ほど前に初めて、これは国道一号線でございますが、豊橋のちょっと出たところから岡崎にかけまして思い切って速度を四十キロに落としましたところが、非常に大幅な死者の減少を見ておりまして、実績的にもそういうことが立証された形でございますので、ことに昨年の秋以後におきましては、スピードの制限は、たとえ国道一号線のような幹線道路であっても、事故が多発しているところ、そのおそれのあるところは思い切って下げろということを指導しているわけでございます。  スピードというのは考え方がいろいろあるわけでございますけれども、普通、瞬間速度を上げれば車は速く走れるんじゃないかというふうに考えておられる方が多いわけでございますが、実はそうではございませんで、やはり交通の流れがなめらかであるということが非常に大事でございます。なめらかだということは、狭い道路はゆっくり走るし、広いところは速く走る、だれもいない、ぶつかるおそれのないところは思い切って走ればいいし、駅前とか盛り場のようなところはゆっくり走ればいい。つまりその道路の環境に対応した形で、速く走るべきところは速く、おそく走るべきところはおそく、何といいますか、流れの管理と申しますか、スピードの体系化と申しますか、あるいは走行のプログラム化と申しますか、そういうような考え方に立ちましてきめこまかにスピード規制をやるべきである、そういう形の中で安全を確保した上で、やはり車というのは速く走るというところが一つの特徴でございますので、安全の中で最大限度に車の機能を発揮さしていくという、その調和点を見出すような規制のやり方、私どもシステム的な規制といっておりますけれども、そういうことを昨年の秋ごろから非常に強力にやっております。ごらんになりますと、まだ不徹底なところが多いと思いますが、それなりの効果をあげていると思います。先生御指摘のとおりでございますので、今後もその方向でやっていきたいと思っております。  それから、自動車の構造自体に手を加えてスピードを出ないようにしたほうがいいのではないかという御説でございますが、これはもっともな点がある御意見だと思います。ただ、お話がございましたように、現在高速道路が相当できておりまして、全国で千二、三百キロできているわけでございますが、それは百キロまでの走行を認めているわけでございます。しかも交通量全体からいいますと、高速道路というのは非常にまだ少ないわけでございますので、百キロ走れる車を高速道路以外のところへ持ってきますと、たとえば市でございますと四十キロの制限をかけているところが多うございますので、百キロと四十キロの差がありまして、平場に持ってきましたときに百キロ以上走れないという車を持ってきても、はたして先生がおっしゃるような効果というものは大きく期待できるだろうかという現状の問題が一つございます。  それから、私も車のことは、構造的なことはよくわかりませんけれども、いろいろ専門家の話を聞きますと、自動車の現実の走行条件といたしましては、たとえば上り坂の問題でございますとか風圧の問題とかございまして、非常に理想的な条件の中で走れる速度というものを直ちに現実の道路には持ってこれないという面も一つございます。それからまた、危険なことが起こったときに、急に回避するためにやはり加速しなければならないとか、あるいは追い越しという問題も、これはどうしても避けられない問題でございますけれども、追い越しのときにはある程度の速度が必要だというようなことで、そういう面から見まして、車の構造で速度を押えるということについては問題があるという意見も相当強いようでございます。ただ、スピードの管理のしかたといたしましてはいろいろなことが考えられているわけでございまして、現在でも、百キロ以上出すとチンチンと音を出すとか、あるいはスピードのメーターのボードがございますが、そこの照明が変わるとか、いろいろなくふうがなされておりまして、運転者が自主的に気をつけるというようなくふうはいろいろなされております。もう少し進んだ考え方といたしましては、たとえばその道路の状況によりましてある種の信号を車に送りまして、それによりまして運転者が自分でスピードを落とすとか、あるいはオートメーション化いたしまして、たとえばキャブレーターのガソリンの流れる量を制限してスピードを出ないようにするとか、そういう一つの交通の管理の手段として、そういう電子工学的な手段でスピードを管理していこうということは、これはいろいろな方面で研究もされておりますし、私どもも強い関心を持っているわけでございます。  ただいまのところ、日本のいろいろな道路の事情から見まして、さしあたってやはり組織的な、合理的な規制をかけていって、それに対応する適切な取り締まりをやっていくこと、それから、車はたとえどんなスピードが出ても、やはりそれを必要のないときには出さないという、そういう安全教育といいますか、そういうことを徹底していくことが現段階の施策ではないかというふうに思っております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 次に、消防職員の待遇、報償金問題についてちょっとお伺いしたい。  土佐山田、それから呉市で、殉職をしたという大きな事故が四十六年、四十七年にありました。その違いについてちょっとお聞きしたいのですが、片方は総理大臣賞というものが百万円上のせで出ている。片方にはそれが出ていない。なぜそんな違いがあるのか、それをちょっとお伺いしたい。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 ただいま御指摘の昭和四十六年の呉市の山林火災におきまして、消防職団員が殉職をいたしました。また四十七年におきましては、土佐山田町におきます山くずれ災害におきまして消防職団員の殉職がございました。消防の表彰規程におきましては、両者の場合いずれも最高の表彰をいたしているのでございまして、消防表彰規程によりまして特別功労章を授与し、さらに賞じゅつ金も最高額を授与するという取り扱いをいたしたわけでございます。  これに対しまして、さらに総理大臣表彰という問題があったわけでございますが、現在、災害関係で殉職をいたしました者について総理大臣が表彰するという制度は制度的に確立されておらないのでございまして、いわばその必要なつどに閣議了解によって表彰を行なうということになって実施をされております。これまで、消防関係におきましては、ただいま御指摘の昭和四十六年の呉市の山林火災、それから昭和三十九年に品川の勝島倉庫における危険物火災の際に殉職いたしました。これが十九名殉職いたしております。この二件が総理大臣表彰ということで、いずれも非常に危険な状況下に、いわば猛炎をおかして消火活動を行なった、こういうことで表彰をされたものでございます。土佐山田町の山くずれ災害につきましては、いわば活動中の危険度なりあるいは功績の度合いというようなものを総理府におきまして総合的に検討いたしました結果、総理大臣表彰までに至らないということで判断をされたわけでございます。その総理大臣表彰が制度的なものでない、いわばそのたびごとに判断をしていく、こういうことから生じた取り扱いの違いだというふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 総理大臣表彰というのが現に二回行なわれている以上、これが制度化されていないと——私は状況をよく知りませんが、同じ命を落とした人に、性質が違うの何のといって差をつけるということはできないのではないか。総理大臣表彰があるからには、この種の賞じゅつ金に関しては、やはり消防庁が出した、それに市町村が同額を出す、それだけで終わるならそれでいいし、総理大臣表彰がその上にくっつくなら、やはりこれはきちっと規程化して、もっと明確に、なるほどなと思うような表彰のしかたがなさるべきだ、こう思うのでお聞きしたのです。これはひとつ長官も、それから大臣も、総理大臣表彰の扱いについて一つの規程化を考えてもらうということをお願いしておきたい。  次にお聞きしたいのは消防団の問題ですが、消防団長、団員は、団長になると年俸が二万七千円か何か、団員は七千円、これでも最近上がったわけです。しかし全国平均でいうと、七千円というのも、六千円程度ぐらいというのが年俸なんです。出動手当はというと、出動手当も今度上がって、一回千五百円、これも全国平均でいうと非常に低い六、七百円ぐらいにしかならない。こんなばかな待遇で、少なくとも——ことによるといま言ったような、命を捨てるような災害に対して献身的な活動をする消防団員が全国で約百十六万、百二十万ぐらいいるといわれておりますが、この人々は常時、飲んでいても会議をやっていても自宅でくつろいでいても、ジャンジャンと半鐘が鳴るといつでも飛び出さなければいけないという非常な緊張感というか、束縛を受けている。そして、出ていって命を投げ出すことがあるような、常に命を危険にさらすようなそういう出動をするような状況に置かれている団員が年俸七千円、団長が二万七千円、出動一回が千五百円、それも実際に全国平均で見るとそこまでいっていないというようなことは、現在どんどん賃上げだ、物価が上がるという状況の中で、この団員諸君は決してその報酬によって動いているのではない、非常に精神的なものでやっているんだとはいいながら、現在の社会情勢からいったら、こういうばかげた低過ぎる報酬なり手当で人を、とにかくありがとうという感謝を表明することは失敬だ。やはりもう少し妥当な線を大至急に検討をして、最近上げたなんていっても、上げたなんてことにはならないので、これは根本的に考え直す必要があるというふうに考えるわけですが、長官と、これは大臣からも、こんなことでいいかどうかを含めてお答えをいただきたい。

佐々木喜久治消防庁長官

○佐々木政府委員 御承知のとおりでございますが、消防団員に対する報酬というのは昭和四十九年度、団長二万七千円、団員が七千円、出動手当千五百円、この数字は地方交付税のいわば財源措置をいたします場合の基準額でございます。これに対しまして現実に市町村が条例できめておりますものは、ただいま御指摘のとおり、団員で五千円強、出動手当におきまして六百三十円前後、こういうふうな非常に低い数字になっておるわけでございます。  この点は私どもも、現在のいろいろな物価水準等から比べまして非常に低い水準にあるということから、どちらかといいますと交付税措置で基準にいたしております金額までは少なくとも上げてもらいたいということを強く各市町村に要請をいたしておるわけでありますけれども、なかなかそこまでついてこれないという現実でございます。現在の交付税措置自体も決して高い数字ではございませんで、もう少し引き上げていきたいということでございますけれども、交付税措置も、市町村における財政需要のこうした現実ということを無視してきめるわけにもいかぬ、こういうことがございますので、やはり市町村自体が、もっと現在の物価水準あるいは一般の給与水準等も考えながら、もう少し現実に合ったような数字に今わせてもらいたい、こういうことでさらに私どもも指導してまいりたいというふうに考えております。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 消防団員の報酬あるいは手当というものが、今日の時世のもとにおきましてはほとんど常識的には問題にならないような低い金額ということは、まさに御指摘のとおりだと思います。おそらくこのことは、御承知のように、長い間日本の消防組というものはいわゆる義勇消防ということで、そういった報酬などということを念頭に置かないで、わが郷土を守ろう、こういうような考えが今日まで消防組の基本的な考え方であり、組員というものもそういうつもりでそれに参加をし、努力をしてきたというようなことが、私は、こういった手当というものをあまり重視しない、時世の変化に十分応ずるようなことをしてこなかったという最大の理由だと思います。したがって、御指摘のように、いまの金額というものが、少なくともそういった行動に対する報償ということから考えれば全く問題にならない金額であるということは、申し上げるまでもございませんけれども、一面、私は、団員の中にはやはりそういった一つの考え方、一種の郷土のために奉仕をしょう、おれは金のために動いているのではないのだという考えというものが根底にあるということが、今日のような名目だけの手当制度になっているという根本の理由であろうと思います。  しかし、世の中は非常に大きく変わっておるわけでありますので、従来のようなそういう考え方だけでこれに対処してよろしいかどうかということについては、かなりやはり問題があろうかと思います。なお、このことについては、もし相当なものを報酬として出すということになりますれば、かなりばく大の手当を必要とするということに相なってまいりますので、この点は財政的にもなおいろいろ検討をしなければならぬという問題も当然起こってくるわけでございます。そういった点、なお今後ひとつ十分検討をさせるということにいたしたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 終わります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次に、庄司幸助君。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 私は、きょうは自治体病院、広くいえば公立病院でありますが、この経営改善の問題についてお伺いしたいわけです。  最初にお伺いしたいのは、自治体病院あるいは公立病院ともいいますが、この病院の最近つぶれた数ですね。つぶれたという意味はいろいろあります。閉鎖したとかあるいは廃止したとかあるいは格下げした、縮小したあるいは統合した、こういう内容ですが、こういう自治体病院の数が四十六年度、七年度、八年度でそれぞれどのくらいあったのか、これをまずお伺いしたいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 ただいまの御質問は、四十六、七、八年度におきますつぶれた病院の数でございましたけれども、ただいま手元に、つぶれた病院の数を厳格に調べたものございません。私が手元に持っております点から大体ものの内容がおわかりいただけるかと思いますが、診療所に格下げをいたしましたものが、四十七年度でございますけれども、六病院ございます。六病院が診療所に格下げをいたしております。それから病院を統合いたしましたものが二病院ございます。そういうことで合わせまして七病院、これが病院としての地位を退いたと申しますか、そういうことに相なろうかと思います。  以上でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは四十七年度ですが、四十八年や四十六年はおわかりになりませんか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 残念ながら四十八、九年度のは、まだ手元に正確な数字がございませんので、いずれわかりましたら、後刻わかった範囲内でお知らせいたしたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 大体、私の調べでも、毎年十件近くこういうつぶれたり、格下げになったり、あるいは統合された自治体病院がある、こういうふうに聞いているわけです。  この原因については、もうすでに地方行政委員会なりあるいは社労の委員会で論議されていると思いますが、しかし、念のため、大まかに簡潔に、この原因を知らしていただきたいと思うのです。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 病院が公営企業の中でたいへん苦境に立っていることは御承知のとおりでございますが、特に病院がただいまのような経営難におちいっております原因といたしまして、いろいろございます。大きく分けまして、地方団体あるいはその病院の特殊な事情からまいりますものもあると思いますが、さらに第二の大きな問題といたしまして、根本的に国の制度あるいは国の施策の中に不備な点があるといったようなことに基づくものもあろうかと思います。  そういうことで大きく分けたわけでございますが、前者のほうにいたしましては、たとえば立地をいたします場合の検討が未熟であった、あるいはその当時はよかったけれども、後になって、社会情勢の変動によって必ずしも適切な位置だとは思えないような状態になってきたといったような問題もございます。それから、大きな第二の点につきましては、たとえば診療報酬が適時適切にその時期その時期にやられていたと必ずしも言えるかどうかといったような問題もございます。  そういうふうなごく特殊的な問題と、それから基本的な国家的な問題とからみ合いまして、ただいまのような経営の困難が出てまいったのではないか、かように考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは確認しておきたいのですが、自治体病院の地域医療に占める役割りの問題で、自治体病院のうちの総合病院ですね、これは全国の全病院数の三三%を占めている、それから人口十万未満の市町村でいうならば五〇%から六〇%を占めている、そういう点で非常に重要な役割りを果たしているんだといわれておりますが、大体そういった数字で間違いございませんか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 正確な数字はちょっと手元にございませんけれども、ほぼ御指摘のようなことになろうかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 自治体病院の四十七年度決算でよろしゅうございますから、事業数が何ぼあって、その四十七年度の純損失の金額は合計で幾らなのか、それから累積欠損金が幾らなのか、不良債務がどれくらいなのか。それからもう一つは四十八年度末、これはまだ決算が完結していないと思いますが、大体見込みで累積欠損金はどれくらいになるのか、この辺ちょっとお知らせ願いたいと思います。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 まず四十七年度の決算状況から拾い出してみたいと思うのでありますが、病院数は九百四十でございます。それから経営をいたしております団体は七百五団体でございます。  それから四十七年度末におきます単年度の欠損金は百九十九億、累積欠損金が六百九十四億、それから不良債務は四百七十九億でございます。  なお、純損失のお話がございましたが、純損失が先ほど申し上げました百九十九億でございます。  それから純利益は四十八億、かような数字になっております。  四十八年度につきましてはただいま集計中でございますので、いずれわかり次第御連絡いたす時期が来るかと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは大体九百五十億円ぐらいになるのじゃないか、こういわれておるのですね。  それで、一つ最初に厚生省に伺っておきますが、全国の有病率は、昭和三十七年度と四十七年度とを対比してそれぞれどれぐらいになってますか。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 ただいま三十七年度と四十七年度ということでございましたが、恐縮でございますが、ちょっと手元に資料がございませんので……。  四十七年におきましては有病率は千人当たり百三十・二でございます。なお、御参考までに申しますと、前年の四十六年が百十・三でございます。  なお、三十七年の数字につきましては、後ほど調べまして御報告いたしたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これは三十七年が五・三七なのですね。ですから千人当たりになりますと五十三ですか、ですから有病率が大体倍以上にふえている。そういう中でこの自治体病院が年間大体十カ所ぐらい、いわゆるつぶれているわけですね。中には力がなくて県立病院に統合された、こういうところもあるだろうと思いますけれども。そういう中でいまお知らせ願ったように欠損金が毎年ふえていっている。自治体病院は言うまでもなく、ほんとうに地域医療の中核でありまして、そうしていわゆる採算を度外視してやっている性格もありますけれども、しかし地域住民から見ればもう非常に大事な存在であって、ほんとうに神とも仏ともたよられているような性格があるわけです。  その点でまず大臣に最初にお伺いしておきたいのは、有病率はどんどんふえていく、そういう中で自治体病院が欠損金がふえていく、つぶれていくところがだんだん出てくる、こういう状態について大臣はどのようにお考えになっておられるのか、この辺をまずお伺いしたいと思うのです。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 地方の医療の中核病院である自治体病院が次第に減りつつある。その減る原因がどこにあるかということになりますと、これは一面、病人の数も非常に減っていくということもございましょう。さらにはまた、概してそういう地域は、人口が次第に減る過疎地域にある。したがって、従来の病院がそのままにはなかなか経営がしにくいというようなことも病院が減る原因にもなっておりますし、また、そういう状態でありますから、したがって経営状態も決してよろしくない。赤字に転落をしていく。さらに、御承知のように現在の診療報酬制度というものも必ずしも私ども実情に即していないというようなことも、公立病院が赤字に転落する大きな理由になっておるように考えるのでありまして、この公立の赤字病院の対策というものはいろいろな角度から講じていく必要がある。現に自治省といたしましては特別な再建対策も講じて今日に至っておるのでありまして、それはそれなりに成果をあげてはおりますけれども、なお抜本的な対策には必ずしも十分になっていないという一面もあることは事実でございます。  そういったようなことを考えてみますると、この自治体病院というものが地域の診療の中心病院として、あくまで私どもとしては存続をさせていかなければならないという立場と、しかもその経営があまりに激しい赤字になるというようなことをいかにして防止していくか、そういった点を十分に念頭に置きながら、自治省は自治省としてこれにかなりの努力を払ってきておることは御承知のとおりでございまして、昭和四十九年度におきましても、さらに従来の赤字をたな上げにするというような措置も講じようといたしておりまするのも、こういった病院の健全化をはかろうという考えの一端であるということは申し上げるまでもございません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それで、私伺いたいのは、昭和四十一年に地方公営企業法が改正され、また対策も立てられたわけですね。今度四十九年度でまた対策も、自治省で三、四点にわたってとられておりますが、この四十一年度の対策がどのような効果をあげ得たのか。もし効果が足りなかったとすれば、その反省の上に立って四十九年度の対策が立てられたんだろうと思うのです。その点でお伺いしたいと思うのですが、四十一年度の対策、自治体病院の経営再建についての基本的な考え方、これはどういうものだったのか、簡単にひとつお聞かせ願いたいと思うのです。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 昭和四十一年度、四十二年度で、御指摘になりましたように病院の再建をやったわけでございますが、この法律に基づきます再建は、必ずしも適当なことばではございませんけれども、適用再建とそれから準用再建といったような二つのタイプのものがあったわけでございます。四十一年度、四十二年度で、そういうルールに乗って再建を始めましたものが合わせて八十六あったわけでございます。これが四十七年度末におきましては、適用再建をやりましたものが二十に減った、五十六減ったわけでございます。それから準用再建というルールに乗ってやりましたものが現在まだ十、実は残っておるという状態でございます。合わせて八十六が現在は三十になっておるわけでございまして、五十六が一応再建を完了した、こういうことに相なろうかと思います。  当時四十一年度、四十二年度に始めました法律に基づきます再建は、御承知のように地方公営企業全般に対して再建のルールに乗せようということで設けられた制度に基づいたものでございまして、病院以外にもこのルールに乗ったものがたくさんあったということは、すでに御承知のとおりでございます。  今回の四十九年度におきまして公立病院のためにとりました対策は、不良債務が非常に大きな状態になった公立病院の実態にかんがみまして、特に法律をつくらずに予算措置あるいは行政措置でやれる部分を取り上げまして、緊急な当面の対策として講じたものでございます。四十一年、四十二年にやりました再建が、先ほどの数字でも御承知いただけますように、ほぼ私としては順調にその効果をあげたという考え方でございますが、今回の四十九年度におきます対策につきましても、当面の措置としてはこれをもって効果をあげてみたい、かように考えておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうしますと、三十が残ったわけですね。三十残って、今度の四十九年度の対象となるものは、その三十を加えて全部でどれくらいになるのですか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 四十八年度の決算を見て対策を講ずるようなしかけになっておりますので、四十八年度の決算状況を具体的に把握いたしませんと何とも数字としては申し上げられないのでございますが、大体の目の子と申しますか、大ざっぱな把握といたしましては三百くらいの病院が対象になるのではないか、ざっと三分の一という感じでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると、前の四十一年度の分が三十残って今度三百にふえたということになると、これは決して御批判だけ申し上げるわけでありませんが、四十一年度の施策というのが十分でなかったということはお認めいただけると思うのですが、その辺どうでしょうか。

山本成美自治大臣官房審議官

○山本説明員 四十九年度にとられます措置に関連いたしまして、先ほど申し上げました旧再建によります効果というものがどういうものか、非常に旧再建の効果が出ていないのじゃないかというふうな御指摘と思うのでございますが、四十一年度、四十二年度でやりましたこの再建が、いわば企業内の再建と申しますか、企業内でやりくりをして再建をするという観点を非常に強く出してきたのでございますが、その後の社会状況の変動、あるいは特に資本費、人件費といったようなものが累年相当な率で上がってまいりました。そういうふうなことが加わってまいりまして、今日のような、たいへんな不良債務を全般的にかかえておるというふうな結果になっておるのでございまして、このことから、財政再建という立場から四十一年、四十二年にとりました措置が一がいに効果がなかった、あるいは非常に大きな欠陥があったというふうには必ずしも考えておらないのでございます。  いまのような状態になりましたにつきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、国のほうで、たとえば診療報酬の問題でございますとか、あるいは公立、私立を含めまして病院なり医療機関全体がどういうふうな機能分担をするかといったような問題、あるいは立地の条件の問題、規模の問題、こういったようなものについての基本的な考え方、さらには医師の確保の問題、こういった全国的なスケールで考えられるべき問題についての十分な対策がやはりなかったのではないかといったようなことも、ただいまの段階で反省をいたしておるわけでございますが、そういった面から、いまのような大きな赤字なりあるいは不良債務をかかえるといったような状況になっておるのではないかと思います。  以上でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 四十一年度の再建にあたって基準になったものは、四十年度の決算だったろうと思いますけれども、その当時で赤字病院が八十六ですか、純損失が二十一億円ほどだったのですね。それが、今度の措置にあたってとられた積算の根拠になる数字になりますと、百九十九億円と、だいぶふえたわけでしょう。だから、その点で、これは何も私は責めるわけではありませんけれども、四十一年度のような轍は踏まない、そうでないと抜本的な対策にならないだろうと思うのですけれどもね。その点、四十一年度と比べて今度の対策は根本的に違う、自治省としても厚生省としても、今度こそは自治体病院のいわゆる再建を完ぺきにやるんだというような心がまえがおありだろうと思うのですけれども、その点、四十一年度と比べてどの点が根本的に違うのか、それから今度とった措置でこういう効果があがるというような点は、どういう点になりますか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 ただいま御指摘をいただきました四十一年、四十二年につきましては、全般の公営企業の赤字をどうやって解消するかという観点から法律をつくりまして、一つ一つの団体ごとに企業別に再建計画をつくりました。それを指針として公営企業の運営をお願いをして、計画的に赤字を解消していくという方式をとったわけでございます。御承知のように交通とか水道、こういう企業でございますと、水道でございますれば議会の議決を得れば水道料金の値上げができる。交通でございますれば、これは国の関与がございますけれども、個々の団体が統一をしないでも、個々の理由があれば値上げもある程度お認めいただけるという事情もあったわけでございます。病院につきましては診療報酬が全国一本、こういう事態がございまして、四十一年、四十二年の再建計画がそれなりに十分の効果をあげ得たものとは思いますけれども、最終的に判断をいたしました場合には、診療報酬あるいは病院の配置の適正化の問題等において必ずしも十分でなかった点がございます。そういう意味でほかの企業再建と比べました場合には、何か肝心のところが少し足りなかったというような感じを受けることは先生御指摘のとおりだと私も存じております。  そういう過去の実態というものをながめながら今回、現実に地方病院が持っておりまする赤字をたな上げをして解消していくという政策をとるにあたりまして、今回は法律もございません、あくまで現実の問題として、この問題をなるべく予算措置で処理をしていくという方向をとっております。と申しますのは、幾ら再建計画をつくるということになりましても、収入に関する地方公共団体の独自性というものはあまりないわけでございますので、無理な計画をつくりましても絵にかいたもちに終わってしまう、このように考えております。したがって、今回の財政再建策は、そういう意味では四十一年、四十二年に比べるとやや手ぬるいという感じがあろうかと思いまするが、自治省といたしましては、現実に生じております赤字に起債を認める、それで償還年次に従って一般会計から繰り入れをしていただく、そうして一般会計の繰り入れに対しましては国の利子補給と地方交付税上の算入ということで、親元団体の財政にもひびが入らないようにしていこう、いわば非常に現実的な実行可能な再建というたてまえでいきたいと存じておるわけでございます。  ただ、過去の赤字をそういう方法で一般会計との関連において解消できたといたしましても、今後生ずる赤字をどうするかということの問題になりますと、これはもう先生よく御承知のように、病院の適正配置の問題もございましょうし、診療報酬の値上げの問題もからんでまいりまして、これによって直ちに赤字が生じないということを、この席で私どもは申し上げかねるわけでございます。関係各省にそれぞれ、病院がよりうまくいくような政策を実行していただくことをお願いしながら、公立病院の赤字対策というものに対しては当省としてはあたたかい態度で臨んでまいりたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると、一つのネックはやはり収入の面だ。他の公営企業なら独自に水道料金上げるとか交通料金上げるとか、こういうことは考えられるわけですが、診療報酬の改定がない限り自治体病院はどうしようもないネックを持っているということですね。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 幾つか問題はあろうかと思いますけれども、そのうちの非常に大きな問題は、ただいま先生の御指摘いただいた問題であろうかと考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 診療報酬改定の問題はきょうは触れるつもりはないわけですが、そうすると、一応こういった事態を踏まえて厚生省のほうはどういうかまえになっておりますか、これをひとつ伺っておきます。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 診療報酬につきましては、御承知のように本年二月に二年ぶりで改定をいたしまして、ネット一七・五%というかなり大幅な値上げをいたしたところでございます。したがいまして、現在、今回の改定の結果がどのように病院部門とかあるいは診療所部門とか、さらにまた診療各科ごとに影響をしておりますかについては、統一的なデータをまだつかんでいないような状態でございます。  それで、ただいまお話のございました自治体病院につきまして、その役割りが地域住民に対する医療サービスという面から見て非常に重要であることは、私どもも、医療を所管いたしております側といたしまして十分に承知をいたしております。  また、その自治体病院がよりよく機能するためにはどういうような財源で対処をすべきか、その中の非常に大きなものが診療報酬でありますと同時に、また私どもは半面、自治体病院の持っております大きな公的な機能ということに着目をいたしますと、公的な資金についても、高度な医療とかあるいは不採算な医療とかあるいは先駆的な医療については相当程度いろいろな形で投入をすべきものと思っております。  そういうことで、今後の推移を見て、最も大きな問題といわれております診療報酬については配慮をしていかなければならぬと思いますけれども、何ぶんにも改定をいたしましてからまだ日がたっておりません。ただ、最近における非常に大きな経済条件の変動でございますとか、あるいは今回の春闘におけるかなり大きなベースアップでございますとか、こういうようないろいろなファクターを考えますと、今後のそういった推移を十分に見守って、かつまた、二月改定の実績というふうなものがどういう形であらわれるかということも総合的に考えまして、いつの時点で、どのような内容の、どのような幅の改定をするかということを十分慎重に検討をしてまいりたいと考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それで、四十九年度公立病院対策、これは自治省の財政局で出された資料ですが、公立病院特例債の発行五百四十五億円と、こう数字が入っておりますね。これもあらさがしではありませんが、先ほど、何か四十八年度の決算の終結をまって数字の面はきめると言われたような記憶があるのですが、この五百四十五億円という数字は一体どこに根拠があるのですか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 お答え申し上げます。  四十八年度末の不良債務を把握をいたしまして、これを解消をいたしたいという考え方であります。あくまで推計にとどまっておりますので、若干それよりふえるかもしれませんし減るかもしれない、こう考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうしますと、ふえればこの数字は自動的にふえると了解していいのですか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 赤字があるからすべてこれを再建債でたな上げをして解消をしようという考え方ではございませんで、いわゆる親元の団体の財政規模あるいは病院の規模に対する赤字の割合等、やはり赤字が相当目立つというところに限定をいたして計算をいたしたいと思っております。その計算方法で、五百四十五億で足りなければ、関係省庁にお願いをしてこれをふやすということを考えたいと思っております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 私は、今度の対策の中で一つ疑問の点があるのです。不採算地区病院を経営する地方公共団体の場合は、六・七五%から八・五%に及ぶ利子補給をやるような図式があるのですが、この不採算地区病院といわれる病院と、そういわれない病院の差があまりないところがあるのですね。不採算地区病院の概念規定は別にあるわけでして、ここに私も持っておりますが、現実にはこれに非常に近い不採算地区病院でない病院があると思うのです。そういうものについて、やはり現実的に弾力的に適用してもらわないと解決にはならないだろうと思うのですけれども、弾力的な考え方をなされるのかどうか、この概念規定どおりなのか、その辺ひとつ伺っておきたいと思うのです。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 利子補給の問題といたしましては、ただいま先生御指摘をいただきましたような問題があるかと思いまするが、お手元にお持ちの資料のとおりに実行いたしたいと考えます。ただ現実の問題として、いろいろ病院経営が苦しいという実態がございますので、特別交付税等を通じて一般会計からの繰り入れ財源の措置もいたしておりまするが、そういう場合におきましては、財政の力がどれだけあるかということの区分に応じて段差をつけて援助をしていくという考え方をとってまいりたいと思います。もちろん、ただいま御指摘をいただきました点が具体的な問題としてはっきりいたしました場合に、将来どうするかの問題は別にあろうかと思いますが、本年度の予算としては、少なくともただいま御指摘をいただいた形で実行せざるを得ないものと考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると将来はという意味ですが、これはいまから協議に入るんだろうと思うんですね、おそらくこの説明会や何か持たれて。この協議の中ですれすれのようなところ、現実に非常に困っているところ、こういうようなところが出てきた場合、やはり弾力的に協議していただくというふうに解釈してよろしゅうございますか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 利子補給につきましては、残念ながら先生お手元にお持ちの資料のとおりに実行せざるを得ないと考えております。その他の問題、特別交付税の問題その他につきましては、あるいは現実の問題としてよく事情を伺って、われわれがこれだけの差別があるのはおかしいというような問題がございますれば、それは何も縛られておりませんので、ある程度弾力的に考え得るかと思います。利子補給についてはきちっとそのとおりやらしていただかざるを得ない、こう考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 実はそういうことを申し上げるのは、たとえばベッド数が、これは不採算地区病院の場合は病床数百床未満となっておりますね。ところが現実に、百十床なんというようなところもあるわけですね。これは不採算地区に入らない。宮城県にも実際あるわけです。そういう点、やはりこの不採算地区病院の概念規定というのがしゃくし定木じゃないかという感じがするんですよ。ほんとうに再建を本気になって考えるならば、やはり弾力的に考えていただく必要があるだろうと思うのです。それは特交で見られるというならばそれでもいいのですけれども、それをひとつお願いしておきたいと思うのです。  それからもう一つは、いわゆる不採算地区病院以外のもので、今度は財政力指数の立場に立っての段差がありますね。〇・四以上になるともう全部一律一%の利子補給だ、あとは〇・四未満のものについては一%から六・七五%、こういうふうに画然としております。その辺もやはり、機械的にやられるとたいへん不都合があるんじゃないか。だから、この点はやはりその病院の実態、これに応じて、まあ利子補給の面は一応これでいかれるにしても、特交の面やその他で十分に実情に応じた配慮をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 やはり親元の地方団体の力がどれだけあるかということによって、同じ赤字でございましても相当財政的な影響度が違うと思いますので、そういうたてまえをとったわけでございます。ただ、個々の病院につきまして、それぞれの事情を聞いてわれわれがABCという格づけをすることは、非常に問題があるわけでございます。したがって、そういう指数をとって一律的にきめたというのであって、むしろ、弾力的にあまり考えるということは、この施策の目的遂行を乱すことになりはしないかということをわれわれとしてはおそれております。したがって、国の利子補給という問題についてはきちっとそういう形でやらしていただくわけでございますが、あと実際の財政に及ぼす公立病院の赤字の影響がどうかというようなことは、親元の団体の地方財政の状況というものを私どもで把握をいたしまして、それぞれの特殊事情に基づいて特別交付税等の配付も行なっております。それらを通じて親元の地方公共団体が極端にお困りになるというようなことのないように、その点につきましてはある程度ゆとりを持った考え方で対処してまいりたい、こう考えます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それから、厚生省にお伺いしたいのですが、今度の措置で厚生省が、不採算地区病院の運営費に対する新規補助として二億四千百万円認められた、こう書いてあります。そうすると、これは不採算地区病院が何ぼあって、この金額でまいりますと一病院当たり平均何ぼぐらいになるのか、この金額でいわゆる運営費が十分まかなえるのかどうか、この辺ひとつ伺います。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 自治体不採算地区病院運営費補助ということで四十九年度から新たに設けました補助金は、総額二億四千七十九万三千円でございますが、この対象になりますのは先生御承知の山間、離島その他へんぴな地域に設置されております病院でございまして、約百三十病院でございます。一病院当たりの国庫補助額は百八十五万円を予定いたしております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると、これは考え方にもよりますが、実は私は宮城県の不採算地区病院の四十七年度決算をとってみたのですが、これは考え方はいろいろ違うと思いますが、累積赤字だけでも、宮城県内だけで三億五千万円ほどになっているのですよ。これは全部おたくの補助金で累積赤字を埋めてくれと私も申しませんけれども、一例だけでもこういうアンバランスがあるのです。よく世間には二階から目薬程度の効果しかないという話もありますけれども、二億四千百万円で、全国の不採算地区病院に対する補助としてはどれだけ効果があるのか、これは私、非常に疑問なんですね。これはどれぐらいの効果があるとお思いなのか、これをひとつお知らせ願いたいと思うのです。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、現実にその病院に出ました赤字そのものの補てんということにはもちろんなっておらないわけでございますが、この補助金のとりあえずただいま考えておりますところでは、小さな病院でございますので、医師一名、看護婦一名分の人件費については補助をしようという考え方でいるわけでございます。なお、この補助金は四十九年度初めて創設されたものでございますので、今後私どもといたしましてもその増額に努力してまいりたいと思うわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 この点でも私、厚生省にお伺いしたいのは、いわゆる不採算地区病院の概念ですが、山間、離島とさっきおっしゃいましたが、それからそのほかの概念としては、百床未満もあるわけですね、あるいは入院患者数とか。これもすれすれの病院があるのですね。しかも山間、離島をかかえているような町村の病院もあるのですね。そういうところが対象にならないというのは不合理じゃないかと思うのですよ。これはやはり実情に応じて、あまり不採算病院の概念規定にこだわってもらうとへんぱなあれが出るんじゃないかと思うのですが、その辺、考え直す必要ございませんかしら。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 確かに先生おっしゃるような問題もあろうかと思いますが、先生おっしゃるように百をちょっとこすというような場合もあろうかと思いますし、また、もう少し多い場合もあろうかと思います。どこで切るかということは非常に問題でございますが、ただいま申しましたように、この補助金は今回初めて設定された補助金でございますし、また、これを広げますと他のもっと小さい困った病院に対する補助額が減るというようなこともございますので、今回はとりあえずこういうことでやらしていただきまして、先生ただいま御指摘の点につきましては、明年度以降の検討課題として十分検討さしていただきたいと思うわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それから、厚生省にもう一つ伺っておきたいのですが、これは去年も私やった問題ですが、いわゆる公立病院がかかえている高度医療やあるいは救急医療、これについて国は、救急については全然補助がないのですね。都道府県が看板料ぐらいの補助金は出していますよ。都道府県が出しておいて国が一切知らぬ顔をしているというのは、私はけしからぬことじゃないか、こう考えるのですが、まず救急医療について全然出す気がないのか。これは出す気がないならないではっきりおっしゃってもらいますよ、宣伝しますから。その辺どうなんですか。去年も何か考えるなんて言っていたのですが、ことしはどうも予算ついていないようですね。その辺どうですか。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 ただいまおっしゃいました救急、ガン等につきましても、四十九年度予算につきましてもいろいろ検討したわけでございますが、今回はとりあえず不採算地区につきまして補助がついたわけでございますが、なお引き続きガン、救急等につきましても、これは自治体病院だけではございませんで、その他の病院の関係もございますが、あわせまして引き続き明年度予算の問題としてただいま検討いたしておるところでございます。決して検討してないというわけではございません。やめるわけでもございません。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 検討中、検討中で、もう何年になりますかね、これ。私が県会議員をやっている時代から、もう五年ぐらい前から検討中だ、検討中だで一銭も救急病院に出していないのですよ。去年あれだけ私が御指摘申し上げても、またことしになって検討中だという。来年三月高尾が来るという話がよくありますが、こんな調子じゃ、いつになったら実現するのかわからないのですね。そういう中で、この救急告示病院のいわゆる指定辞退が相次いで起こっているという現実はわかっていますか。これは大臣もいませんからこの次厚生省のときにやりますけれども、これはもう今年度間に合わないなら、補正でも組んでやるぐらいの必要があると思うのです。交通事故はもうふえる一方です。それから夜間、休日のいわゆる飛び込みの救急車に乗ぜられてくる患者さんもふえる一方なんです。そういう中で病院が四苦八苦しているわけですね。これはぜひひとつ本年度中に実現されるよう強く要望しておきます。  その次に私伺いたいのは、起債のワクの問題なんです。これは自治省のほうだろうと思います。  これは病院の建物を建てたりなんかする場合には確かに起債の対象になりますが、古い建物の解体なんかする場合、これは宮城県の志津川病院の場合ですが、千五百万円ほど費用がかかったのですが、起債の対象にならない。それから、何か聞くところによると、病院の設備内容のうち一件二十万円以下のものは対象にならないという規定があるそうですが、この病院の場合、そういうものを合計すると二千八百万円ほど起債対象のワクからはずされている。これだけ財政圧迫になるわけですね。やはりこういうものも認めてほしいというのが、何もこの病院だけじゃなくて、自治体病院一般の強い要望なんですね。その辺、どういうふうに検討されておられるのか、改善されるのか、ひとつお伺いしておきます。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 ただいま御指摘いただきましたような方向で起債の取り扱いをいたしております。耐用年数の関係でございますとか、いろいろ積算の根拠もございましてそのようにいたしております。現実の問題といたしましては、地方債を認めても結局企業会計が返さなければならないことになるわけでございますので、ある程度親元の財政との関連で一般会計負担あるいは病院の収入負担でやったほうがいいというものについては、そういう取り扱いをいたしております。将来の問題としては、ただいま御指摘をいただきました点についても検討はいたしてみたい、こう考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 それからもう一つ、こまかい問題ですがお伺いします。  最近、厚生省のほうの考えですが、いわゆる広域医療圏というものの考え方がありますね。これは自治省も広域化を進めているわけです。そういう中で自治体病院で、設置主体はある一つの市であっても、たとえば宮城県の古川のように、患者数を見ると半分以上が他市町村の病人になるのですね。こういうところの赤字をこの病院だけがかぶるという関係は、やはり皆さんが広域行政を進めていらっしゃるたてまえからいっても不合理になっていると思うのですね。広域市町村圏の問題は県に第一次的な責任があるとあるいはお考えかもしれませんが、県のほうではもう一切補助はなしです、こういう問題には。その辺、国と県の負担区分をどう考えておられるのか。これは県がやるべきだとお考えになっているのか、あるいは国が当然見るべきだとお考えになっているのか、その辺お聞かせ願いたいと思うのです。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 広域行政という立場で病院をながめてみました場合には、幾つかの町村で一緒に病院を設立する、そして適切な位置に病院を建てて関係町村の住民が全部医療の利益を享受する、こういうたてまえのものだと思います。  現在、御指摘をいただきました古川市の市立病院、ほかの町村の住民がたくさん来ている、この問題につきましては、古川市の設けた公の施設で他町村の住民が利益を享受するということを排除するということは、地方自治法上のたてまえ上できません。そこで、県が赤字の一部を助成するとか国がするとか、いろいろ御説がございましたけれども、むしろそれだけ住民が利益を享受しておるために古川市が赤字をしようということでございますれば、われわれの問題ではなくてむしろ当該町村と古川市の間の問題ではなかろうか。その問題について、幾ぶん他の町村が古川市の赤字の肩がわりのために一部の経費を負担するということは、別に自治法上禁じておりません。その辺の関係は、県が補助金を出すとか国が補助金を出すとかいう問題のらち外の問題ではないかというふうにわれわれは考えております。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 そうすると、ほかの町村がそんなことには応じられないということになった場合、古川市の市立病院は、それではあなたのほうの患者さんはお引き受けできませんよ、こんなことはいえませんね。だから、こういう協議がととのうまではどこかでめんどうを見てあげないと、これはまずいんじゃないかと思うのです。その辺やはり指導上の問題もあるので、自治省として、県なり他の市町村に指導的な立場に立たれる必要があると思うのですが、その辺、考えてみたことございませんか。

松浦功自治省財政局長

○松浦政府委員 先ほど来申し上げておりますように、古川市の公立病院の赤字の原因は一体何かということになりますと、これは全国的にどの病院も赤字が生じておるわけでございまして、基本的には先ほど申し上げましたように、診療報酬の改定のおくれというような他動的な要因が非常に入っております。そういう意味では、そちらのほうの問題が解決されなければならない問題であって、古川市で現実に他市町村の住民がたくさん診療をお受けになるために赤字が生じておる、こういうふうに考えるべきなのか、あるいは他町村の人が来なければもっと赤字がたくさん生ずるというふうに考えるべきなのか、いろいろ問題には見方があろうかと思います。決して私どもは問題を避けて通るという意思はございませんけれども、やはり先ほど来申し上げておりますように関係市町村間の問題であろう、都道府県なり国なりがどうこうという問題ではなかろうと思います。  ただ、基本的な問題として一つ申し上げ得ることは、自治省といたしましては、古川市全体の財政という問題には非常に関心を持っております。現実の問題としていろいろの問題がございますれば、各方面で古川市に援助の手を差しのべるということは、決してできないことではないと思っております。  それで御了解をいただきたいと思います。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 最後に二点ほど、こまかい問題ですが伺っておきます。  医師確保の問題も非常に重要だという点で、実は自治体病院の中で研修医を受け入れて医師の養成に協力している病院が多々あるわけですね。この研修医の受け入れにあたって、これはどこから出ているかわかりませんが、国庫補助が、四十九年度予算で研修医一人当たり五十六万三千円ほどついているようですが、実際は百五十万くらいかかる、こういわれている現状があるわけです。研修医の受け入れの問題というのが実は大都市の大病院に集中する傾向があって、これが医師の偏在の一つの原因にもなっているわけなんですね。地方の中核的な病院が積極的に研修医を受け入れてどんどん医師をふやしていく、これを国がどんどん施策として講ずる必要があると思うのです。百五十万に対して五十六万、この格差はどうしても解決していただかなければならない問題じゃないかと思うのですが、この辺、厚生省はどうお考えですか。

金田一郎厚生省医務局総務課長

○金田説明員 ただいま先生おっしゃいました百五十万につきましては、私もちょっとよくわかりませんが、四十九年度におきましては、前年度臨床研修医一人当たり単価五十四万円を、五十八万一千円まで引き上げいたしております。予算総額としては十九億六千万を二十一億七千万まで引き上げまして、臨床研修の充実をはかることにいたしておるわけでございます。  なお、臨床研修病院につきましてはいろいろ詳細な基準がございまして、やはり十分な研修をしていただかなければなりませんので、どのような病院でもというわけにもまいりません。そういう意味で十分審議会にはかりまして基準を設け、かつ指定をいたしておるわけでございます。そこらの事情は御了承いただきたいと思います。  なお、それにあわせまして、四十九年度には、初めてでございますが、卒業いたしました後の教育を、さらに生涯教育を十分行なっていこうということで、教育病院につきまして新たに一カ所補助金がつきまして、今後さらに私どもは伸ばしていこうと考えておりますが、そういうことで、臨床研修につきましても私どもは今後対策を十分伸ばしていこうと考えておるわけでございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 やはりこの格差は解消してもらわないと、なかなか地方病院に研修医が寄りつかないということになると思うのです。研修医の中には非常に地域医療に熱心な方もあるのですよ。自治省で自治医大をつくって、いわゆる辺地の医師を養成しようとしておりますけれども、一方では、こういう面からも、ほんとうなら地域医療の医師確保の対策になるわけですね。その辺、百五十万かかるものに対して五十八万だ、こういう状態では、やはり医師養成に厚生省は熱心じゃないといわれてもやむを得ない面があると私は思うのです。これはぜひ改善をお願いしておきます。  最後に、これは厚生省に伺っておきますが、自治体病院その他にからんで、いわゆる無医地区がどんどん拡大しているわけですね。無医地区のいわゆる被保険者、この方々が、私は二重の格差を受けていると思うのです。一つは国民健康保険、これはぴしぴし取られているわけです。しかし、国民健康保険を適用してもらうとなれば、医師の診断が必要なわけですね。この医師の診断が必要なんだけれども、医師が現実にその地区にいないとすれば、都会なら普通、かぜや腹痛の場合すぐ健康保険の適用になって、七割補助してもらうという特典があるのですが、こういう無医地区の場合は、医師がいないため、ほとんど売薬で軽微な病気はごまかしてしまうケースが非常に多いのです。ある開拓地に参りましたら、一年間富山の薬、あの売薬、これに支払っているお金が一万円から一万五千円だという数字もあるのです。健康保険税を払いながら、なおかつそういう負担をしいられる、こういう格差があるのですね。しかも医師の診断も受けられないという格差があるのですが、これは、保険関係いらしていると思うのですが、こういう格差を保険上どう解消していくのか。売薬に対して健康保険の適用を認めるというのも、なかなかこれはたいへんな事業だろうと思うのですが、しかし、現実には何かやっているやに聞いているところがあるのです、大分県あたりで。この辺、ある程度必要な常備薬について健康保険の対象にするなり何なりの措置がとれないのかどうかですね、これをひとつ厚生省の保険関係の方がいらしてたら聞かしてもらいたいんです。

北川力夫厚生省保険局長

○北川(力)政府委員 無医地区等の問題でございますが、皆保険でございますので、いま御指摘のございましたように、基本的には無医地区というものを一刻も早く解消をして、受診の機会を全国民の方々に均等にしていくということが、私どもは根本的な施策と思っております。また、そのことのために、これは保険医療といわずに、私どものほうにおきましても長年この問題は、非常に苦労をしてまいっておる問題でございます。ただ、最近における非常に過疎過密の流動の激しい社会情勢でございますので、前々からありましたような、保険料を納めておっても受診の機会が必ずしも十分でない、こういうケースがあることも、私どもも承知はいたしております。御指摘のとおりでございます。  そこで、いま言われたような問題について、それじゃそういう問題を保険給付として取り上げるかどうかということになりますと、やっぱりこれは現在の保険医療というものの根本にわたる問題でございますので、直ちに、ある程度簡単にそういうものについて保険給付の中に入れるというふうなことについては、相当これは慎重に検討を要すべき問題だと考えておりまして、現在の段階ですぐにそういうような施策に踏み切ることは、実は考えていないような次第でございます。総合的な無医地区対策、そういうものについて全力をあげるということが、私どもの現在の段階における施策の根本でございます。

庄司幸助日本共産党・革新共同

○庄司委員 これで終わりますが、この件については、これもやっぱり百年河清を待つような感じがあるんですね。無医地区の解消を一生懸命おやりになっていると言いますけれども、無医地区は現実に交通機関の関係で解消していくという点はあるだろうと思いますけれども、いわゆる無医地区の概念規定を変えることによって無医地区を減らしていくというのは、私は賛成できないんです。やっぱり現実に即して、すべての被保険者が医師の診断を受けられる、これが根本なんです。それまでの間何年かかるかわかりません、これは。ですから、その点保険制度の問題として、私は前向きに、早急に検討していただきたいと思うのです。いずれ厚生省の番が来ましたらこの点お伺いしますから、これは回答は十分準備しておいてもらいたいと思うのです、一週間ぐらい間がありますからね。これは考えれば、便法は考えられないことはないと思うのです。その点ひとつ前向きな御検討を、一週間ほど時日ありますからお願いして、私はこの質問を終わりたいと思います。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次は、坂井弘一君。

坂井弘一公明党

○坂井委員 まず大蔵省にお尋ねいたしますが、いま私がこの場所で、つまり衆議院決算常任委員会の場におきまして法人税の滞納一覧表を個人別に提出を求めた場合、出していただけるでしょうか、どうでしょか。出せれば出せる、出せなければ出せない、お答えはそれだけでけっこうであります。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 法人税の滞納一覧表でございますので、国家公務員法上の守秘義務に関連いたしまして、提出いたしかねます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 御答弁はおかしいんではありませんか。誤りじゃありませんか。国家公務員法上の規定により提出ができない、間違いありませんか。法人税法のことについて私がお尋ねしたわけです。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 法人税法上の守秘義務でございますが、これは法人税の調査に関して知り得た秘密ということになっておりまして、この規定におきましては、法人税の調査の内容が法人の事業経営の全体にわたるというような関連もございまして、重い守秘義務を課しているところでございます。したがいまして、その調査の結果知り得た秘密につきましては、法人税法上の守秘義務が適用になることは先生御案内のとおりでございます。  ただいま先生の申されましたのは、法人税の滞納者のリストということになりまして、これは個々の法人の調査ということではございませんで、全体の調査の結果滞納者が出てきた、その滞納者のリストということになりますので、その点につきましては、法人税法上の守秘義務の対象ではなくて、国家公務員法上の守秘義務の対象になるということで、先ほど国家公務員法上の守秘義務によりましてお答えいたしかねますということを申し上げました次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 三月二十八日の本会議におきまして、私はこの件について質疑を行なっております。その際、大蔵大臣の答弁によりますと「法人税法第百六十三条がありまして、この条項によりまして、税務職員が、企業の秘密、これを漏らしてはならないと、厳重な罰則が付されておるのであります。」云々、「また、所得税などの問題でございまするが、いやしくも、所得税納税者が秘匿を欲する事項、漏らしては困りますというような事項を漏らすということは、これは国家公務員法百条、地方公務員法第三十四条の秘密ということに該当する、」つまり、法人税については明らかに法人税法百六十三条の規定によって、これを国会の場において公表することはまかりできませんと、明確にこうおっしゃっておられる。いまあなたの答弁を聞けば、法人税法百六十三条は直接には関係ない、国家公務員法百条の規定にかかるのだ、該当するんだ、これは食い違いじゃありませんか。おかしいじゃありませんか。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 大臣の申し上げておりますのは、「税務職員が、企業の秘密、これを漏らしてはならないと、厳重な罰則が付されておるのであります。」ということでございまして、「坂井さんの御指摘は現行法に立っての立論でありますが、現行法に基づく限り、さようなことに相なっております。」こういうふうになっておるわけでございます。  で、ただいまおっしゃいましたリストということになりますと、滞納の状況ということで、徴収の関連になるわけでございます。その面におきまして滞納者のリストがまとまってくるという内容になりますと、これは法人税法上の調査で法人の調査に当たった職員が知るという内容ではないという関連におきまして、先ほど国家公務員法上の守秘義務に該当すると申し上げた次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 じゃ、言い直しましょう。特定の企業、法人名を衆議院決算常任委員会の場において私が指摘した場合に、その法人税の滞納している企業名をこの場所でおっしゃっていただくことはできますか。もしできないとすれば、その法律根拠。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 ただいまの御質問でございますが、法人の調査の脱漏の内容につきましては、これは法人税調査によって判明する内容でございます。その結果、その法人が脱漏がある、脱漏をした法人の名前ということになりますので、この件につきましては法人税法百六十三条の規定に該当するというふうに考えております。

坂井弘一公明党

○坂井委員 法人税を滞納した個人的な企業名を本委員会の場において発表してもらいたいという要求に対しては、それはできない、できない根拠は法人税法百六十三条の規定による、こういう御答弁であります。  そこで、自治省にお伺いいたしますが、自治省は、もしかりにこの場所を県議会決算常任委員会の場と仮定いたしまして、地方税の滞納者名を公表してもらいたい、こう要求をした場合に、公表いたしておりますか、いかがですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 地方税の個人別の滞納税額等につきましての取り扱いでございますが、その内容が税務調査によって知り得たものでございますならば、やはり国税の法人税法の例をお引きになりましたのと同じような規定が地方税法の二十二条にございまして、これの守秘義務が課されて出せない、こういうことに相なろうと思います。調査によって知り得たものでございませんでも、職務上知り得たものというケースになります場合には、これは地方公務員法の第三十四条の規定がございまして、やはりこれの秘密には該当する、こういうことになってまいろうかと思いますので、公表することは適当でなかろう、このように考えておる次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 それはあなたの新解釈でございますか。新しい解釈ですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 新解釈かという御指摘でございまして、ちょっとその内容がよくわからないのでございますが、おそらく御指摘は、前々の地方行政委員会等で御指摘をいただきました、前の通達等に関連しての問題かと思うわけでございますが、秘密の内容が地方税法第二十二条の調査によって知り得た秘密、こういうものに該当するものもございますし、それに該当いたしませんでも、地方公務員法の第三十四条の秘密に当たる、こういうことで発表しないというものと、二つのケースがあり得るわけでございまして、御指摘のようなものにつきましては、やはり地方公務員法の第三十四条の秘密に該当するということで扱わないのが適当であろうというように考えておる次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 解釈が全然おかしいですよ。そんなあいまいな答弁をされてよろしいですか。そういう答弁をされるとはなはだ困る。  じゃ、順序立てましょう。これは昭和三十三年六月二十一日自治省の回答でありますが、「秘密漏えいの範囲について」、よくおわかりのとおりなんです。   次の場合において個人別滞納金額一覧表を書  類により提出または、個人別滞納金額を口頭に  より発表すること。  1 監査委員の監査  2 公開の県議会または県議会常任委員会の会   議  3 県議会常任委員会の秘密会  4 県議会より決算審査を付託せられた県議会   委員会の会議以上四つの場合において「個人別滞納金額一覧表を書類により提出または、個人別滞納金額を口頭により発表すること。」はよろしいかどうかという問いに対しまして、その回答は「「秘密漏えい」には該当しない。」こうはっきりしている。県議会の常任委員会の場において公表することはよろしい、こうはっきりしているのですよ。地方税法二十二条には該当いたしません、二十二条に規定するところの秘密漏えいには該当いたしません、公表してよろしい、これが大前提なんです。  その次に「なお、徴税の政策上、個人別の滞納状況を積極的に外部に公表することを不適当とする場合においては、当該事項を取扱いの上で秘密とし、地方公務員法第三十四条の規定に係らしめることができることはいうまでもない。」これは「なお」ですよ。なお書きですよ。  地方公務員法三十四条と地方税法二十二条をそんなかってな解釈をされるとたいへん困る。これは地方税法二十二条でも公表できないはずだと私は解す。なぜならば、法人税法百六十三条において秘密を守る義務、守秘義務があるから、法人税の滞納者の名前は衆議院決算常任委員会の場においても公表できません、こう言っているんでしょう。  法制局に伺いますが、法人税法と地方税法には全く同趣旨の守秘義務の規定がございます。解釈論として基本的には同様であると私は思いますが、いかがでございますか。

角田礼次郎内閣法制局第一部長

○角田政府委員 法人税法の百六十三条、地方税法の二十二条、さらに国家公務員法の百条一項、さらに国家公務員法の百九条の十二号という規定もございます。さらに地方公務員法では三十四条の一項、さらに地方公務員法の六十条の二号という規定がございます。これらは非常にこまかい表現の点において若干の違いはございますが、いま御指摘のように、法解釈としては全く同じであるべきであるという点はそのとおりだと思います。  ただ、もしお許しを得れば、先ほど来のいろいろな御質問あるいは答弁のやりとりを伺っておりまして、私ちょっと補足させていただきたいのでございますが、よろしゅうございますか。  実は、いま申し上げましたように国の場合と地方の場合と全く同じでございますから、一々両方引用するのはたいへんでございますので、国の場合だけについて申し上げます。私が聞いておりまして基本的に非常に議論が行き違っていると思います点は、法人税に関する秘密であっても国家公務員法の百条一項と百九条十二号の適用を受けるものと、それから法人税に関する秘密であっても国家公務員法の百条一項と法人税法の百六十三条の適用を受けるものと二種類ございます。原則的には、むしろ国家公務員法の百条一項と百九条十二号の規定の適用を受けるものが原則なんであります。ある特定の要件を備えるものが国家公務員法の百条一項と法人税法の百六十三条の適用を受ける、こういうふうに考えるべきだと思います。その特定の要件というのはあとから申し上げますが、両者の違いがどう違っているかということを最初に申し上げておきたいと思います。  秘密の本質と申しますか、あるいは職員の側からいえば、守秘義務の本質という点においては、いま申し上げた二つのものに本質的な違いはないわけであります。ただ、何が違うかといいますと、前者につきましては、百九条の十二号ではこれに違反した場合に一年以下の懲役、三万円以下の罰金ということになっております。それから法人税法の百六十三条のほうの違反につきましては二年以下の懲役、三万円以下の罰金で、御承知のように一年だけ罰則の最高限が加重されているということが言える。したがって、そういう意味で罰則の最高限が加重されておりますから、どちらかといえば法人税法の百六十三条の対象になる秘密については重いといいますか、そういうことが言えると思います。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕 しかしながら、これはあとで申し上げますが、法人税法の百六十三条の秘密というものが絶対的に非常に重大な秘密であって、国政調査権に対しても常に優越をするというようなものでもありませんし、また国公法の規定の適用を受けるだけの秘密が国政調査権に対しては非常に無力であって、何でもしゃべらなきゃいけないというようなものではないわけでございます。先ほども申し上げましたように秘密の本質、守秘義務の本質からいえば、本質的な違いは実はないわけでございます。  そこで、そういう違いが一応あるわけでございますが、次に、それでは特定の要件と先ほど申し上げたものが何であるかといいますと、これは法人税法の百六十三条で三つの要件を掲げております。一つは「法人税の調査に関する事務に従事している者」が知り得る秘密である。まあ「従事していた者」も入っておりますが、一応簡単に申し上げれば、従事している者が知り得る秘密であること。これは一般の公務員に対して、そういう特別の法人税の調査に関する事務に従事している者が知り得る秘密であるというわけで、これが特定の要件になっております。それからこの次には、一般の法人税に関する秘密の中でも法人税の調査事務に関して知ることのできた秘密であること。これも特定の要件になります。それから第三番目は、いわゆる官の秘密ではなくて私人の秘密であること。この三つの要件を備えたものが百六十三条の適用を受ける特定の秘密であるということでございます。したがいまして、もう一度繰り返しますと、法人税に関する秘密であっても百六十三条の適用を受けるものと受けないものとがあるわけであります。  そこで、今度は具体的に、それでは法人税に関する秘密の中でどういうものが百六十三条の適用を受ける特定のものであるか、あるいはそれ以外の一般の法人税に関する秘密であるかということになるわけでございます。これについては、境目あたりになりますと非常に微妙になると思いますけれども、先ほど来例としてあげられているものとして、たとえば収入額であるとか課税標準額、まあ脱税額も入ると思いますが、そういうようなものはむしろ調査に関して知り得た秘密であろう。したがって、法人税法の百六十三条の適用を受けるものであります。それから滞納者リストのようなものは、いわゆる税務調査そのものとは必ずしも関係がございませんから、後者、つまり国家公務員法百条一項あるいは百九条十二号の適用を受けるこういう秘密であろうという答弁を政府委員がしていると理解していいと思います。  ただし、いままで申し上げたことは実は守秘義務一般と申しますか、一般に公表する場合の話として申し上げたわけであります。  今度は、一般にそういう秘密を開披する場合以外の特定の場合と公務員の守秘義務の関係というのがいろいろあるわけでございます。典型的に申し上げれば、あとで申し上げますが、国政調査権に対してどういう態度に出るかという問題があるわけであります。そのほか、訴訟法で裁判所の証人、鑑定人となって出ていった場合にどういうふうに対処するかという問題がございます。それから最近は、これは私どもは必ずしもそう思いませんけれども、新聞等の報道機関に対して御承知のような問題があり、沖繩密約電報事件ということでああいう判決が出ております。これも、一般に公表する場合と報道機関にしゃべる場合とは違うというような考え方があるわけであります。それから、特に最近では、与党の政務調査会の幹部に対してしゃべる場合はどうだというふうに、一般的な守秘義務よりも、ある特定の場合における特定の対象に対してしゃべる場合の非常に微妙な問題というのが出てきたわけで、守秘義務一般について、守秘義務がございますからしゃべれませんという言い方は、最近ではなかなか言いにくいごとになっているわけであります。  そこで、国政調査権について特段に取り上げて申し上げますと、国政調査権の場合でも、実はこまかく申し上げますと、議院証言法によって正式に証人として喚問されて答弁する場合もございます。それから、それ以外の一般の国政調査権の要請に対して答える場合もございます。さらにまた、こまかいことを言いますと、まあかたいことを言えば一般の国政調査権の場合でも、院議なり委員会の決議によって御要求になる場合もあるし、いま坂井委員がおっしゃっておられるように、ここの委員会の席上で個々の委員として御要求になる場合、いろいろな場合があるわけであります。それからまた、いわゆる官の秘密である場合と私人の秘密である場合と、いろいろな秘密の性質、またそういう秘密を開披する相手方の性格とか秘密を開披する場所とかいろいろな場合によって、それぞれこまかい理屈が、また検討が必要だと思います。  ただ、それを一々申し上げるとたいへんでございますから、ごく大ざっぱな言い方をしますと、実は法人税法百六十三条の規定の適用を受ける秘密であっても、国公法百条一項なり国公法百九条の十二号の適用を受ける秘密であっても、実は共通の問題があるわけであります。その共通の問題というのは、一般的に、守秘義務があるからお答えできませんという言い方、国政調査権に対して常に優先するというような言い方は、今日では法解釈上むずかしいと私は思います。それから、同時にまた、逆に国政調査権が常に優先をするという考え方も、これは従来から政府はとっておりませんし、また今日でも一そういうことを言えると思います。結局は国政調査権の適正な行使を確保しなければならないという、これはりっぱな一つの公益上の要請であります。それから同時にまた、私人の基本的人権とかそういうものを守らなければいけないとか、あるいは行政運営にどのような支障を生ずるかというような考慮をする、これも一つのりっぱな公益上の必要だろうと思います。ですから、そういう公益上の二つの要請というものをどのように比較勘案してそこで調整をしていくかという問題として結局は決しなければならない問題だと思います。したがいまして、ある具体的ケースについては、その具体的な状況にもよると思います。秘密会ではお話しできますけれども、こういう席上ではお話しできないとか、あるいは秘密の開披のしかたについてもある程度抽象化して出すとか、いろいろなやり方がそこに調整の方法としては考えられると思います。  しかし、ぎりぎりの法律論として申し上げて、たとえば国会と政府の意見が対立した場合はどうかというと、これは最終的に調整する手段がないわけであります。議院証言法の場合は、御承知のように内閣声明が最後まで出ていきますと、これは議院のほうはその点においては譲歩していただくわけであります。しかし内閣声明まで出さなければ、その議院は最終的にそこまで要求できるわけですね。ところが、議院証言法の適用を受けない一般の国政調査権の場合にはそういう法律的な手続がございませんから、結局この辺は法律的に決着がつかなくて、どちらが正しいかということはやはり政治上の判断によってきまる、こういうことになろうかと思います。  繰り返して申し上げますが、国政調査権とそれからいわゆる行政機関における秘密の開披の問題というのは、いま申し上げたように、具体的には二つの公益の調整判断という形でそれぞれのケースについて判断するほかはない。で、国家公務員法の守秘義務があるからというだけでは、これは断わるのはちょっと形式的な断わり方であって、もう少し実質的な理由を言わなければいかぬという気持ちで申し上げた次第であります。

坂井弘一公明党

○坂井委員 じゃ、法制局にお伺いいたしますが、私は実態の上からこの法律の解釈、運用についてお尋ねをしているわけであります。あなたも御存じのようにまたいま解釈論として申されておりましたように、ここで一例をあげまして法人税、これは国会の場においては公表することはできない、何となれば法人税法百六十三条及び国家公務員法百条、この規定に該当するんだ、したがってお答えはできません、繰り返し繰り返しこう答弁されてきたこと、これはもう御案内のとおりであります。しかるに一方、地方税においては、いま私が、行政実例で自治省が回答されました四つの、県議会常任委員会の場所であるとか監査委員会の要求であるとかというようなことに対しましては、地方税については文書によりあるいは口頭により公表してもよろしい。——明らかにこの解釈と運用が食い違っておる。これは大蔵大臣もはっきり、食い違っております、したがって意見の調整はいたします、統一いたします、これは本会議場においてもはっきりお答えになっておる。その経緯を踏まえながら御質問をしているわけであります。  したがって、ここで法制局に明確にひとつお答えいただきたいのは、大蔵省の見解が正しいのか、自治省の見解が正しいのか。どちらかが間違っておる。どちらが間違っておるのですか。どちらが正しいのですか。それともどちらも正しいとおっしゃるのですか。これは法制局としてあなたのほうが責任のある御回答を当然賜われる、いただける、私はそう思いますから、これは明確にひとつお答えいただきたい。

角田礼次郎内閣法制局第一部長

○角田政府委員 問題は、大蔵省の見解と自治省の見解が食い違っているんじゃないかというところから出発したわけであります。これはほんとうに食い違っていれば両省で十分調整し、かつ調整ができなければ私どものほうへ持ち込んでくれば、当然、いま御指摘のように、私どものほうで責任を持って調整しなければいかぬと思います。まだそういう段階まで実はいっておりませんので、ここで最終的に申し上げることは差し控えなければいけないと思いますが、一般論としていま申し上げたことからある程度御推察いただけたと思います。  各省の意見を十分聞かないで私がいまここで断定的なことを言うのは、どうも私の立場でできにくいのでございますけれども、重ねての御質問でございますからあえて申し上げますが、大蔵省の従来の説明ぶりは、結論は間違っていないと思います。ただ、若干ことば不足といいますか、説明不足の点があるように私は思います。それから自治省の通達、これは三十三年に岐阜県総務部長に出た通達でございますが、これは非常にことば、表現自体も不明確であります。説明も不足しています。非常に善意にと申しますか、よほど頭を働かして好意的に読まない限りは、私はその結論が非常によくないと思います。  説明を聞いてよほど頭を働かせて言えば、まず、秘密漏洩には該当しないと書いてありますが、これは地方税法二十二条にいう規定には該当しないという意味だそうであります。なぜならば、かぎがついているからそうだということであります。それならば、ここで地方税法二十二条の、先ほど来私が申し上げておるように、国税でいえば百六十三条でありますが、滞納者リストを公表するということは、いわゆる税務調査に関する事務に関して知り得た秘密でないから地方税法二十二条には該当しない、こう言えばいいわけであります。しかし、そのすぐあとで、地方税法二十二条の秘密には該当しないあるいは適用は受けないけれども、そういうものを地方議会の場においても発表するということは、地方税法三十四条の秘密との関連において、これは先ほど来申し上げたように、両方の公益を十分調整の上で、ある場合にはおそらく発表ができないという性質のものであるということを言うべきだと思うのです。ところが、その点につきましては、先ほどちょっと御指摘もありましたけれども、なお書きに書いてある。何かそこら辺が少しトーンが落ちておるという意味において、やはり非常に説明不足だろうと思います。  この辺のところまででごかんべんを願いたいと思います。

坂井弘一公明党

○坂井委員 法制局はよほど頭をひねりながら御答弁いただきました。よほど賢くありませんとなかなかずばりとはお答えがいただけないようで、たいへん回りくどい言い方でございましたが、およそわかりました。了案いたします。  それで、これは三十三年六月とそれから四十四年の三月、二回にわたるわけですね、自治省の行政実例通達がですね。たいへん混乱しているのですよ。これは大臣、よくひとつお聞きしておいていただきたいと思うのです。つまり、いまも法制局から、大体この種の回答がありますと公表してよろしいということですね。秘密事項には該当しない、こう受け取っておるわけですよ。だから県議会の場ならいいだろうというので発表する。それから今度は市町村、やはり右へならえですね。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 町会、村会、うちの村の何の何がし、滞納金額何万何千何百何十何円なり、広報掲示板まで張り出したという話です。自治省ずいぶんお調べになっていらっしゃると思いますけれども、この取り扱い、運用をめぐって、各府県においてはみな違うでしょう。市町村の段階に至ってはたいへん混乱をしておる。それが昭和三十三年以来でありますから約十六年間。しかもこの、地方におきましては地公法の三十四条、それから地方税につきましては地方税法二十二条、これは国家公務員法百条及び法人税法百六十三条と全く同趣旨であります。これは罰則刑、刑罰の対象なんです。懲役二年、国家公務員あるいは地方公務員たるとを問わず、公務員たる者がひとしく順守しなければならないところのきわめて重要な守秘義務、この解釈と運用において、国と地方において全く相違した解釈、運用がなされた、そのことによって著しく基本的な人権が侵害された、これはきわめて重要な問題であります。  したがって、そういうような相矛盾した運用がいまなお行なわれておるというこの実態、これを踏まえて事の重要性というものを強く認識されるならば、先般三月二十八日の本会議場におきます町村自治大臣の答弁におきましても、「税務行政上不適当とする場合も多いと思われますので、地方公務員法第三十四条の秘密保持義務の規定との関連も考慮いたしまして、慎重に取り扱ってまいりたいと考えます。なお、この問題に対する大蔵、自治両省間の取り扱いの相違については、すみやかに両省の間で協議をいたしまして解決いたしたいと存じます。」こう御答弁いただいているわけでありますが、その後どのような協議がなされ、どういう結論を得られましたか、大臣から御答弁をいただきたいと思います。

町村金五自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○町村国務大臣 先ほど来いろいろ御質疑があったわけでありますが、この問題につきましては、先般の本会議における坂井議員からの御質問に対してお答えを申し上げた次第でございまして、いま自治省といたしましては大蔵省と特に協議をいたしておるところでございまして、近く結論を得ることができようか、かように存じておる次第でございます。

坂井弘一公明党

○坂井委員 まだ結論が出ていらっしゃらない、協議中ということでございますが、もう大臣、五十日にもなります。三月二十九日の地方行政委員会においてもこれが質疑されております。その際、政務次官は大至急とおっしゃった。どうも政府の大至急というのは、五十日たっても大至急でないらしい。事の重要性、あまりにも重要なるがゆえにきわめて慎重にこの問題の一つまり法制局も交えて見解を取り入れつつ両省間において合意をしたい、統一をしなければならぬ。その場合いずれか一方が誤りであったということにならざるを得ない。そういたしますと、今日までの行政指導、実例というものを撤回し、それに対して新しい解釈だ。最初の自治省の御回答のとき、新しい解釈をもって行政指導しなければならぬ。これはたいへんな問題でしょう。確かにたいへんな問題だと思う。今回出るところのその統一見解、それ  に基づく行政指導、通達、これにもし誤りがあるならば、これはまた大混乱を起こすというわけでありますから、非常に慎重にかまえていらっしゃるのであろうと、私はきわめて好意的に理解をいたします。軽々に考えてこんなものはというようなことでいままでほっておかれたというようには、決して思いません。したがって、どうかその辺を慎重にされながらも、非常に大事な法律でありますから、この解釈、運用、これは当然統一されて、同じ解釈のもとに同じ運用がなされなければならぬ、これはもう当然中の当然であります。そのこと自体がまるで逆なことが行なわれておったというわけであります。  しかも、繰り返し言うわけではありませんけれども、地方税の滞納者、理由もいろいろあります。大口の脱税事犯なんかに比べますと、これは対比することもおかしいんですけれども、きわめて善意な滞納者もありますよ。そんな名前まででかでか公表している。大商社とか大企業の悪質な脱税事犯について国会の場において公表してもらいたいといっても、いわゆる守秘義務がございます、申し上げられません、御了案願いたい、こういう答弁の繰り返し。悪いやつが発表できないで——滞納というような中には、理由が万やむを得ざるというようなそういう人たちもおります。しかも零細であります。それがでかでかと公表される。この背景は、私はやはり地方自治体の自主財源の貧困、何とかして自主財政を確保したいというところから徴税攻勢をかける。まあ意図的にかけたわけじゃないでしょうけれども、そうせざるを得なかったというような背景もあるんではないか。したがって、そういう点にまでメスを入れる中で問題の解決をはかられるのが、私は自治大臣としての当然のおつとめであろう、こう思うわけであります。  もう一つ、一例として大臣申し上げておきますが、いまのは、まあ脱税だとか滞納もよくないでしょう、悪いほうの事例を言ったんですが、今度はいいほうです。たとえば「国税庁(税務署)が毎年多額納税者十傑を公表いたしているが、市町村税も広報等に公表いたしても違法ではないか。」こういう問いがあるんです。「答 国税庁は所得税法第二百三十三条の規定により公示しているが、市町村税の場合は法に別段の規定がなされていないので、公表することは、地方税法二十二条の規定に抵触するので違法である。」市町村税の多額納税者十傑、これは表彰の意味で公表したい、いかがでしょうか、こういう問い合わせ。そうすると、地方税法二十二条があるので公表するのは違法である。せっかく多額納税、一生懸命働いて市町村税を納めてくれたんでしょう。それは市町村にとってはたいへんありがたい人です。りっぱな方でしょう。表彰の意味においても公表したい、それは公表できません、二十二条があるから公表できません。一方、滞納者、これは公表いたします。法律根拠二十二条がありますから公表します。こんなばかな話がありますか。どう考えても、だれが見ても、これは法制局のむずかしい法律解釈を聞くまでもないことです。赤子でもわかる理屈です。こんなばかげた矛盾したことが、今日まで平然と行なわれてきておる。ここのところをしっかりわきまえて、踏まえた上で、早急に、間違いのない、厳正公平なそういう解釈、そしてその運用を期していただきたい。  見解がまだ出ていないそうでございますので、これ以上この問題について触れることは意味をなしませんので、きょうはこれにて一応終わっておきますが、いずれ統一見解が出た段階におきましてあらためて御質問をいたしたいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。終わります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次回は明十六日木曜日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時五十分散会

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