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72回国会衆議院1974/05/07

外務委員会運輸委員会連合審査会 第1号

発言数
140
登壇者
15
会派数
5
開催日
1974/05/07

会議録

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 これより外務委員会運輸委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定の締結について承認を求めるの件   〔本号末尾に掲載〕     —————————————

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 本件についての提案理由の説明は、お手元に配付してあります資料によって御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。  この際、御質疑される各委員に申し上げます。質疑は、申し合わせの時間内で御協力をお願いいたします。  なお、政府当局におきましては、その答弁を簡潔にお願いいたしたいと存じます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。   〔「外務省事務次官どうしたんだ、来てないじゃないか、要求してあるじゃないか」と呼ぶ者あり〕

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 速記を始めて。  江藤隆美君。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 日中国交回復以来懸案でありました日中航空協定が締結をされましたことは、田中総理をはじめ外務大臣の、あるいは運輸大臣のなみなみならぬ御努力のたまものであるとまず深く敬意を表したいと存じます。  しかしながら、国益を大きく左右する問題であるだけに、その締結の内容あるいは経過等について、この際、後世に憂いのないよう問題を明らかにしておくこともきわめて大事なことである、こう考えまして、ただいまから質問を申し上げたいと存じます。  事務次官の出席を求めておりましたが、不幸にして御出席がありませんから、まず外務大臣に当初お尋ねをいたしたいと思います。  けさ、わが党の交通部会を開きましてこの問題について相談をいたした結果、右代表で私が質問を申し上げることでありますから、一個人の質問としてでなくお受けとめを願いたいと思います。  総務会において藤尾議員が発言をされたいわゆる公電漏洩と俗に称せられておる問題であります。このことについて、外務省の次官は、五月二日の夕刻記者会見をして、この公電漏洩の問題について言及をされ、翌日の全国各紙に一斉にこのことが報道されました。そこで大臣にお尋ねをいたしたいと思いますことは、この公電の発信番号、受信番号、それは一体何番になっておるのか、どの公電が漏洩したのか、まずそのことからお尋ねをいたしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中航空交渉に関連いたしました公電は、所定の部数、外務省と運輸省と内閣に配付されておる事実がございます。もう一つは、運輸省におかれまして交通部会に対しまして航空交渉のあらましについて御理解を求めた経緯はあると承知いたしております。藤尾さんが漏らされたと称するものとの関連がどういうようになっているかはまだ不明でございます。したがいまして、藤尾さんの漏らされたと称するものと私どものほうで配付いたしましたものとの関連が不明でございまするので、いま江藤さんのおっしゃるどの公電がどう漏れたかということにつきましては、明確にいまお答えできる用意がございません。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 外務事務次官は、この公電漏洩問題について、二日に記者会見をしてこのことを発表しておるのです。責任ある次官がいいかげんなことをやったとは思えません。したがって発信番号と受信番号を私はお尋ねをいたしておるわけであります。わからないならわからないでけっこうです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いま申し上げましたとおりの経緯でございまして、公電がはたして漏れたのかどうか、そのこと自体につきましても明確にまだ申し上げる段階にきていないわけでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 公電が漏れたと外務事務次官が申しておるわけでありますが、このことは大臣はそうではないと、こういうふうにおっしゃるわけですか。次官が申したことは大臣とは関係がない、こういうことでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 三つの事実が明らかでございます。一つは、外務省が発信し受信いたしました公電を特定のところに若干部配付してあるという事実が一つございます。それから政府は、与党に対しまして理解を求めるために、そのあらましにつきましてインフォームするという慣行がございますことも事実でございます。それから第三は、藤尾さんが総務会あるいは記者会見で発言された内容が明らかになっておるわけでございます。  で、これらの三つの事実の間の連関というものにつきましては、私ども全体として調査をいたしておるところでございますけれども、連関がまだはっきりいたしていないわけでございますので、どの公電がどういう経路を通じて漏れたかというようなことを確言申し上げるまで材料を持っていないわけでございますので、ただいまの段階ではまだ不明であると申し上げる以外に答弁のしようがございません。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 記号のない公電というのは外交文書にもあり得ないと思うのであります。したがって、もしその番号の明らかにされてない段階で次官がそういう発言をするということは、私はきわめて不謹慎きわまると思っております。したがいまして、この際、委員長にお願いしておきたいと思いますことは、次官が出席しておりませんからその記者会見の様子がつまびらかでありませんけれども、公電漏洩事件と称せられるものについてのこの公電の記号、番号について委員会を通じて資料として御提出を賜わりたいと思います。  そこで、いま大臣から三つの項についてお話がございました。漏洩を認定するような理由はそういうことだろうと思うのです。ところが、すでにそういう内容については、先ほども大臣に私はお渡し申し上げましたように、もう各新聞で書き古されておることであります。しかも、それについては、外務省筋が明らかにした、外務省はこういう腹を固めた、外務省はこう語っておる、というようにたくさんのものがあります。共同声明の日中航空協定の案文は固まった、共同声明に基づく締結の内容も固まった、中国の内容を受け入れることもきまった、そういうことがたくさん書いてあります。三月三十一日の読売にもあるし、三月三十日の読売にもあるし、四月七日にもあります。四月十日にもあります。藤尾議員が明らかにしたのは四月十日でありますから、その以前から内容についてはほとんど外務省が明らかにした、こう書いてあるのです。ですからこの台湾路線が切れたことによって生ずる一切の責任があたかも公電漏洩によってその責めをすりかえようという外務省の言動というのは私は許されるものではないと思うのであります。そこでこの記事内容を一一読むことは先ほどお渡ししましたから差し控えます。  ただ私がもう一つ聞きたいと思いますことは、板垣理事長なり牛場元大使が台湾に特使としておいでになった。そのときの内容は大臣が声明文で読み上げられたものと同じものじゃありませんか。しかもそれは両氏が台湾に持っていってそして日本に持って帰ってそれは明らかにされておる。公電漏洩というならば、一体こういう内容が明らかにされたことについてはどういうお考えをお持ちですか。これは大臣が声明を発表される以前に持っていったものです。しかし内容については同じじゃありませんでしたか。違うのでしたら違うとおっしゃってください。そしてこういうものがすでに明らかにされ、あるいは活字になってきたということについての責任は一体どうなさるのですか。二つのことをお尋ねしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 たびたび申し上げておりますように、外務省といたしまして台湾側に対してわがほうの日台路線維持の具体的な構想というものを正確にお伝えしなければならないと存じまして、ことしの一月以来三回にわたりまして板垣理事長をわずらわして先方へ御伝達をわずらわしたわけでございます。このことは私どもが当然やらなければならない任務であると心得てやったわけでございまして、それはわれわれの構想を正確に伝えるものでなければならぬわけでございますので、正確を期してまいったわけでございます。  それがどのように外部に漏れるかということが次の問題でございますが、新聞がいろいろ憶測を書かれたことについて私ども責任を持つわけにはまいりません。私ども外交交渉の過程におきまして、当事者間で極秘のうちにお話し合いが静かに行なわれることを期待いたしておるわけでございまして、そういうことが一番望ましいわけでございますけれども、新聞がみずからの持つお立場でいろいろ報道ないし憶測をされることはあり得ることでございまして、その一々について私ども規制する権限もないわけでございますので、その点につきましては私から御答弁を申し上げることはお許しをいただきたいと思うのでございます。  藤尾さんが漏らされたと称するものにつきまして、藤尾さんが漏らされた部分というものは確かに正しいものであると私は思っております。ただ、それがどういう経路を通じてどうなったかということにつきましては、先ほど申し上げましたようにまだ経路は不明でございますので、一体どこから掌握されたかということにつきましては私にはわからないわけでございますので、そのとおりいまお答えいたしておるところでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 そうすると、どれが漏れたかわからないということですね。私は、いままで大臣なり次官なりが公式であるか非公式であるかは別として、明らかに漏れたんだ、それは運輸省を通じてあたかも自民党の交通部会から漏れたのだというようなニュアンスにとれるような発言をされておることはわが党の交通部会の名誉のためにも許しがたいからこのことを問いただしておるわけであります。そういうことはない、こういうふうに考えてよろしいのですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 その経路は不明であると申し上げておるわけです。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 それでは運輸大臣にお尋ねします。  いま申し上げたように、運輸省を通じてこの公電が漏洩したという、そういうふうな含みのある発言が外務省から盛んに外部に対して一連に流されてきましたことは、あなたも御存じのとおりだと思う。そのようなことが運輸省としてあったのかどうか。私も運輸行政の末席を汚す、運輸委員会の末席を汚すものであります。交通部会の末席も汚しておるし、あるいは航空対策特別委員会の一員でもあります。私どもはそれを知りません。運輸大臣は公電漏洩についてどのような考え方をお持ちになっておるのか、あなたのほうからどこかの形で流されたのか、この機会に明らかにしておいてください。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 運輸省といたしましては、外務省からコピーを一通もらっております。それを国際課長の手元において保管をいたしまして、これは国際課長、それから審議官、次長、航空局長、それから両次官、大臣、これはコピー等をとって回すわけではございません。それはちょうだいしておりますただの一通を、課長の持ち回りによって見せておるわけでございます。  したがいまして、それらのものを外部の人に写しを出すとかあるいは見せるとかいうことは絶対にございません。なおまた、交通部会に対しましては、公電の内容等について詳しく説明するというようなことはいままでもしておりませんし、概要につきましては、これはもう各省とも各部会においてやっておることは、これは慣例によってそのとおりでございますが、運輸省から公電の漏れた事実ということはございません。この際明確にいたしておきます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 北京におられる小川大使が、すでに四月の初め、某日某所と申し上げておきましょう、日本から北京を訪れた学者、文化人グループに対して、とのままいきましたら台湾路線は必ず切れます、そしてこれが復帰するのにはまあ年内一ぱいかかってもそれはむずかしいのじゃないでしょうか、それくらいかかるでしょうと、二つのことを申されております。  したがって、台湾路線が切れるということは、あなたはわが党の交通部会なりあるいは合同審査会においては、いやそういうことはありません、絶対切れません、切るようなことはありません、そういうことになったらたいへんですと繰り返し申されておったけれども、現地の、北京の駐在大使は、すでに当初から、もう台湾路線はこれで切れてしまう、あるいはまたその復帰には年内一ぱいかかってもたいへん苦労するだろうということを言っておられるのですが、そのことについていかがお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 小川大使がそういうことを言うはずはないと思いましたが、そういう御指摘がございましたので、本人について確かめましたが、そういう事実はないということでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 それでは、後日このことは明らかにしたいと思います。その時間、場所、出席した人人、それを明らかにいたして、大臣の見解を再度私は承りたいと思いますが、もし私の指摘することが事実であったとするならば、どうされますか。仮定の上に立ってものごとは答えられないとお答えになりますか、それとも責任を明らかにされますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 私はそういうことはあり得ないと信じております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 ないと信じておることがあるから困るのです。外務省というところは、大体そういうくせのあるところであります。これは後日私が明らかにします。そのときには、再度お尋ねしておきますが、外務大臣の責任を明らかにしてください。いいですね。いけませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 承っておきます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 それでは引き続いてお尋ねをしたいと思いますが、この航空協定の締結にあたって、外務大臣は中国を訪問をされました。十二月の二十八日に記者会見を閣議後にされたときには、貿易協定の調印に私は行くのである、しかしながら、航空協定についてもこれは避けて通るわけにはいくまい、自信があるわけではないけれども十分話し合ってきたい、こういう談話を記者会見で発表されておりますが、この点については間違いございませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 仰せのとおりです。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 運輸大臣にお尋ねをいたします。  あなたは、外務大臣が訪中される前に、航空協定の大筋をきめてくるなどということはつゆ御存じなかったのじゃないかと私は思うのでありますが、詳細について航空協定締結に対して担当大臣として外務大臣から御相談を受けましたか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 内容につきましては、昨年来長い経過を経ておるわけでございますが、その出発にあたりまして、外務大臣との詳細についての打ち合わせはいたしておりません。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 実務大臣である運輸大臣と詳細についての御相談もなく、また、したがって運輸省から航空行政についてのたんのう者を同道することもなく訪中をされた外務大臣が、なぜ途中で航空協定の基本をきめてこられたのか、私どもはいまだにどうしてもそのなぞが解けないのであります。  貿易協定の調印がなされたあとでやられたことですから、それは外務大臣としての責任だとおっしゃるかもしれません。しかし、六項目という俗にいうワンパッケージ方式というものを動かしがたい、あとあとまでもこの航空協定交渉についての束縛を多分に持ってきた、これによってがんじがらめに縛られるような重要な相談ごとをなさるのに、どうして途中で急におやりになったのか意味がわからないのですけれども、この機会に明らかにしてほしいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 いま運輸大臣もおっしゃいましたとおり、この問題は去年の春以来の問題でございまして、日台路線を、正常化のあとでどういう態様において安定維持をはかるかという課題をかかえて、航空当局も外務当局も心を砕いてまいりましたことは、江藤さんも御承知のとおりでございます。  その間に、台湾としての御要求は那辺にあるかということもほぼ見当がついてまいっておりますし、北京側がこの問題についてどういう感触をこれまで持ってきたかということもほぼ見当がついておるわけでございます。しかし、何としてもこの問題は日本政府の責任において解決しなければならない問題でございまして、回避することができない問題であると承知いたしました。したがいまして、それまでに掌握できました材料を基礎にいたしまして、中国の首脳とお話し合いを私はいたしたわけでございます。  その間に到達いたしました理解を基礎にいたしまして、いわゆる六項目という案を運輸省と御相談の上、外務、運輸両省案として日本政府の責任で作案いたしまして党の御審議を願ったという経緯でございまして、私といたしましては、なすべきことをなすべきときになしたと考えております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 運輸省と相談をして六項目についての原案もつくったとおっしゃいますが、それは事実に反するのではありませんか。六項目をきめてお帰りになったあとで運輸省に相談されたわけであって、事前にそういう内容を検討し、合意してお持ちになったのではないことは、ここであらためて私が申し上げる必要はないと思うのです。もしそれが、私の言うことが違うというのでしたら、もう一度私が運輸大臣に聞きます。  そこで、もう一つこの機会に明らかにしておきたいと思うことがあります。かつて日ソの国交回復のときに河野一郎先生が、首脳者会談をなさるときに日本人の通訳を入れずに自分だけで単独に会見に臨んだということは私の政治生活における重大なるあやまちであった。こう述懐されたことがあると私は先輩の皆さんから承っております。ところが、今回のこの一番大事な毛主席との会談には、中国側から王洪文副主席その他の方々、通訳等が多数おられたのにもかかわらず、伝え聞くところによると、大平外務大臣はお一人でお会いになった、こう承りますが、そのとおりでしょうか。違うとするならば、同席した日本人の通訳の名前をお聞かせください。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 北京を訪問いたしまして、機会があれば毛主席に表敬訪問をしたいということはかねがね先方に申し入れてありましたところ、先方から応諾の返事がございまして、これは会談と申しますよりはあいさつでございまして、当面の日中間の諸問題について交渉するというような会談ではございませんで、毛主席に私が北京訪問の機会に表敬訪問をしたにすぎません。その際は私一人が参ったわけでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 それでは、六項目についての合意は最終的にはそのときではないということになるわけですか。そうすると、六項目の最終的な合意はいつどこで、だれとだれがおやりになったのか、そのことをお尋ねをしておきたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日台路線の問題について討議をいたしましたのは、周恩来総理と姫鵬飛外相との数回の会談を通してやったわけでございまして、私が毛主席に表敬訪問したときはその最中であったわけでございます。いよいよ一月の六日の午前になりまして姫鵬飛氏と私との間で、中国側も最大限の理解を示そう、日本側も最大限の努力をするという基本的な理解に達したわけでございまして、それを踏まえた上で日本側の、日本としてどうするかという、これは日本の政府が責任を持ってやる仕事でございますので、しばらくの時間を拝借しまして運輸省との間で詰めてつくりましたのがいわゆる日台路線の処理方針でございまして、これはあくまでも日本政府の方針でございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 六項目をきめる前に運輸省と最終的にきめたとおっしゃいますが、運輸省といつおきめになったのですか、いつ御相談になったのですか。  それでは運輸大臣にお尋ねしましょう。六項目についての最終的な外務大臣からの御相談はいついかなる形で行なわれたのか、明らかにしてください。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 外務大臣が中国からお帰りになりまして、私に一応、内容等につきよく記憶にございませんけれども、大体いろいろなお話し合いもあったようでございますが、最終的には日本政府においてきめることだということで、いま外務大臣からお話がございましたような手続を踏みまして両省でいろいろ話し合いをしたわけでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 与党でありますから、これ以上両大臣の答弁の食い違いをただすことは御遠慮申し上げたいと思います。ただ、私どもが考えますときに、この日中航空協定というものが当初から一定のスケジュールのもとに行なわれた。タイムリミットを設けたこういう外交交渉というものが一体国益に沿うものであるかどうかということには、多大の疑問を持っておるのであります。これは新聞で明らかにされておるように、これはちゃんとここにもあります。十五日に仮調印、二十日にはもう本調印だ、内容についてはこうだと、ちゃんと内容が全部国内の新聞に発表されておる。  こういうふうに調印の期日まで明らかにして、これを内外に明らかにしながら交渉を進めるということは、一体こういう重大な交渉ごとにはたして正しい姿勢かどうかということに疑問があるのです。それはわれわれの立場を幾ら要求しても、向こうが譲ってくれない限り向こうの要求に屈しなかったならば期日までに協定がまとまらないと  いうことは、これはあたりまえのことであります。したがって今回の交渉は、最後の段階で日本側は以遠権などで中国側の主張を全面的に受け入れ、わがほうの主張というものを放棄せざるを得なかった、そういうことはこれはもうだれも疑う余地のないことであります。運輸大臣にきょう聞きますと、ほぼまあこの程度なら満足すべきものでありましょうと心にもない御答弁をなさると思いますけれども、しかし事実、航空行政という立場から見たならば、この協定がほんとうに正しいものであったかどうかというのには、時間をかけて十分議論をする余地が私はあると思っております。  そこで、この航空協定は、日中国交回復以来の重大なる懸案事項でありましたから、早急に交渉に入るということは、私どもだれも異論のないところです。しかしながら、交渉に入るということと協定の内容のいかんにかかわらずその調印まで急いでしまうということは、私は全くこれは異質のものだと考えております。今回の交渉で交渉を一時中断したならば、おそらく中国側はマスコミやら学者やら文化人という人々を総動員して田中内閣に対する攻撃を熾烈に行なってくるであろう。その暁においては、交渉再開してももっと過酷な条件が出てきて容易ならざる状態になるからこの際に急いでやるべきだという考えのもとに立って急がれたというような話も私どもは仄聞をいたしております。  日ソ航空協定が八年間を費やしてなおかつ不平等協定であった。こういう事実から見ても、日ソ航空協定のごとく八年を要し、あるいはイギリスと中国との航空協定のように二十年を要してまだきまらないというふうに、時日をかけることがいいか悪いかについてはこれはまた別の議論がありますけれども、しかしながら少なくとも今回の協定を急ぐ理由は日本側には全くなかったのではないかと私は思っております。むしろ急ぐ理由は中国側にあったのであって、日本側には急ぐ理由は全くなかったのである。国際社会に復帰して間もないこの中国に、自由主義社会の国と粘り強く回を重ねて話し合いを重ね、あるいは交渉を積み上げていく外交ルールを事実をもって知らしめることが、これからお互いの信頼を得あるいは理解を得る上に最も必要ではなかったか、そういうことをいまにして思われてならないのであります。  そこで私、次にお尋ねをしておきたいと思いますことは、この協定の内容というのがほんとうに互恵平等であったかということです。航空協定の実質的な内容は、私どもは経済的にひとしい価値、経済的等価値でもって判断をいたしておりました。しかしながら、中国側はこれを地点、数の形で要求してまいりました。われわれは経済的にひとしい価値を要求し、中国はわが国に対して同じ数だけを要求してきました。最終的には同じ数に押し切られて今度の協定が行なわれたものです。  そこで、運輸大臣にお尋ねをいたします。これは、あなたは担当大臣として、運輸省の考え方かくあるべしという航空協定の内容が十分盛り込まれたといまも確信をなさっておられますか。いかがですか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 この内容につきましては、いろいろな御批判なりあるいは評価があろうと思います。私どもも、新聞等で報道されておりますように、パキスタン・ルートというものを非常に熱心に交渉をいたしたわけでございますが、その結果といたしまして、小川大使並びに姫外相の間で、日本を不当に差別することはないということを明確に述べておりますし、文章上にとどめることはできませんでしたけれども、なおまた、寺井航空局長と相手側の副総局長の間におきましても、この問題につきまして、日本側の要望については十分理解している、中国としては、現段階ではコミットできないけれども、日本の要望は十分理解しているので、将来の検討課題としたいということを明確に述べておりますから、今後の手がかりというものをここに求めたいと思っておりますし、その信義は裏切られないというふうに確信しております。  でき上がりました問題については、いろいろな評価があろうと思いますが、いま御指摘のございました経済的等価値というものについては、大体においてその線を貫き得たというふうに考えております。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 運輸大臣、そう言われるとちょっと困るのですが、運輸省は八日夜、徳永運輸大臣を中心に首脳会議を開いて、次のことをきめた。違うなら違うとおっしゃってください。日本側は、アメリカへの以遠権は、中国側がわが国の要求を全面的に認めない限り、等価値の立場から受け入れることはできない旨の方針をきめた。違いますか。  ということは、中南米路線は日本とアメリカの航空協定においてすらも認められていない路線であります。わが国が北京−上海−イスラマバード経由の路線を認めてもらわなければ、せいぜいカナダどまりというのが経済的にひとしい価値と違いますか。ですから、それ以南については認めることはできないと運輸省はやっておったのと違いますか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 新聞ではいろいろ報道しているようでございますけれども、運輸省といたしましてはいろいろな原案をつくり、いろいろな角度からいろいろな検討をしたことは事実でございますけれども、その報道そのものが運輸省の最終決定案ではないわけでございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 それでは、これは後日、運輸委員会でみっちりひとつやらしていただきます。  それでは航空局長にお尋ねをします。  イスラマバード経由の路線というのは日本が主張して譲らなかった路線であると私は推察しています。あなたが航空担当の局長であるならば、当然この要求を通すべく行かれたと思うのです。ところが、すでに六項目なる既定の外交路線がきまっておったから、壁に向かってものを言うという以外の感想しか持たずにお帰りになった。イスラマバード経由の路線がなぜ認められなかったのか、原因を明らかにしてほしいと思います。国民に対して、こういう理由で飛ぶことができなかったのです、認められることができなかったのですという明らかな理由を話してください。軍事的な理由ですか、経済的な理由ですか、外交的な理由ですか。その理由はわからないというなら、わからないとおっしゃってくだざい。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 御指摘のように、イスラマバード路線につきましては、終始代表団としてこの要求を続けておりました。中国側がこれを現時点において約束できないという理由は明確でございません。ただ、航行補助施設等が完備していないこと、それから国際路線として完全に保証できないことという程度の説明にとどまりた次第でございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 説明にとどまって、それを聞いて帰ったということであって、納得して帰ったことじゃないですね。——いいです。私の言うことで、納得して帰ったというなら出てきて答えてください。納得して帰らないというなら、いいです。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 先方の理由について、私ども十分納得することはできませんでした。ただ、先ほど運輸大臣の申し上げましたように、向こうの代表との間で将来検討するという約束を取りつけた次第でございます。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 そのときにはまた、そこから互恵平等という再スタートなんです。こちらが抱いておる幻想であって、これはあらゆる国際協定で、一度失われた権益はなかなか返ってこないということは、これはもう歴史が示すとおりであります。だからこそわれわれは、今後のあやまちを繰り返さないために歴史を学ぶのです。そこで、この航空の権益については国際的な政治と非常に密接な結びつきがありますから、自国内に乗り入れを認める、領空通過を認めるなど、国の主権にもからむ問題だけに、各国ともその取り扱いはきわめて慎重である。したがって中国がこれを認めなかったというのも、私は中国側の立場に立つならば理解ができるような気がします。しかしそれを日本は主張することができなかった。  そこで、この際に続いてお尋ねをしておきたいと思います、時間がありませんから。日台路線の取り扱いについて触れておきます。  日台路線の取り扱いをきめたいわゆる六項目については、当初から中国側と基本的合意がなされており、修正ができなかったと私は見ておるのでありますが、基本的な点で修正ができましたかできませんでしたか、外務大臣、簡単にお答えください。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 正常化後の状況におきまして日台路線を安定した姿において維持してまいるためには、中国側の理解が絶対必要でございます。したがいまして、私どもとしては中国側の理解を求めるべく努力をいたしたつもりでございまして、中国側の理解と台湾側の要請を勘案いたしまして、日本政府としてはこの六項目に示されたものがぎりぎりの判断であると考えた次第でございます。そういうところから御判断をちょうだいしたいと思います。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 基本的な路線については全く変更がなかった。したがって、二月の九日に党議において日台路線は同時に維持していくという基本的な党の姿勢は、幹事長の釈明にもありましたように、党議を守ることができなかった協定に終わりました。そこで、この交渉は、六項目というものがありましたから、党側の意見を取り入れ修正したかのようなことを繰り返し説明をされました。あるいは台湾路線の維持についても、政府はあらゆる努力を払ってきたかのような説明がなされておりましたけれども、それは事実と大きくかけ離れております。唯一のパイプであると考えられておった日中交流協会の堀越会長は、このような外務省の方針にはついていけないといって辞表を提出されたことで明らかなとおりであります。  そこで、この内容というものがすべて非公開となり秘密裏に置かれておるというところに、私どもは何か割り切れないものを感じておるのです。その結果、現実問題として日台路線は切れました。しかし私が最初指摘をしたように、日台路線は切れるということをすでに予測しながら交渉に臨んでおった節がたくさんあるわけであります。そこで、外務省の方針として、既定事実をつくってその既定事実の上に立って台湾側に日本の立場を押しつける以外に方法はない、見切り発車以外に方法はないのだということから、タイムリミットを設けた外交交渉というものが行なわれたのではないかと私は考えておるのです。だからこそ小川大使が現地において、もうすでに台湾は切れますよ、これがもとに復帰するといったって年内一ぱいはかかりますということをちゃんと言明しておるのですから。それを聞いた人が、外務省の官僚などというものはずいぶん無責任なことを言っておるものだといって私に所信を漏らされました。  そこで、外務大臣にお尋ねをいたしたい。伝えられたような声明を外務大臣が協定締結後に発表されたならば、台湾路線が切れるということは繰り返し先方の政府当局から明らかにされ、私どもからもしばしば外務大臣にこのことは申し上げてきたところであります。ところで、さきの参議院の外務委員会で、この声明については、これは中国側から要求をされたものだと外務大臣はお答えになっておるようでありますが、そのことについては間違いがございませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 正常化後の日台路線のあり方につきましては、中国側には中国側の注文がございます。台湾は、台湾側といたしまして、現状のとおり運営したいという願望がありますことは、あなたも御承知のとおりでございます。この間に立ちまして、日本政府といたしましては、両者を調整いたしまして、安定した維持をはかりたいという念願で一ぱいであったわけでございます。したがって、台湾側の基本的な要求を北京側に理解させるかわりに、日本政府としては旗と社名に対する認識を表明するということにいたしたわけでございました。それ以外に私どもの分別はなかったわけでございます。  そのことを十分台湾側に御理解をいただきまして、日台路線の維持をはかりたいということのために最後の瞬間まで努力いたしたわけでございまして、当初からこれが消えるというようなことを安易こ予想いたしまして、仕事を運んでだことは毛頭ございません。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 私どもは、ただ単に台湾路線の問題を重要視しておるのではないのであります。これによって、日本と最も親しい関係にあった台湾というものが日本から離れ、あるいはまた最近において韓国に対して日本のとっておる態度というものは、きわめてきびしいものであります。そういう状態の中で、東南アジアの諸国が日本政府に対して非常な疑問と不信感を持ちつつある。これはさきの総理の東南アジア訪問のときのことによってもおわかりになるとおりであります。  あるいは中ソ関係が緊迫しておるときに、ソ連の日本に及ぼす微妙な影響というものが最近大きく変わりつつあります。領土問題あるいは漁業交渉問題も難航に難航を重ねておるのが最近の状況であるし、日本の先輩が長年かかって開発をしてきた北洋漁場から完全に日本の漁船を締め出そうというのが、最近のソ連の一連の動きであります。また、近く外務大臣はまた御足労いただいてアメリカにお渡りになるようでありますが、これほど戦後この方、日米関係におけるすき間風というものは、私どもが想像する以上のものがある。一部政財界においては、はたして日本という国はわれら米国にとってよきパートナーであるのかという疑問が率直に投げかけられておることも御承知のとおりであると思います。  私たちは、この台湾という、一つの台湾路線あるいは台湾という国、わが国と国交が切れようが切れまいが、世界の三十数カ国がこれを独立国家として認め、そしてまたこの地球上からもこのわれわれの周辺からも、国交がなくなったからといって消えてなくなる国ではありません。そういう取り扱いを誤ることによって日本が国際的な信頼をだんだん失ってくる、そういう懸念のあることは、われわれ党人の一人としてがまんのできないことであります。われわれが信義を守ってこそ、諸外国に対して資源のない日本が信頼をかち得る源であると考えておるからであります。  そこで最後に、お尋ねをしておきたいと思いますことは、運輸大臣に簡単に聞きます。国際路線は日本航空一社だときまっておりました。四十五年の閣議できまって、四十七年これは運輸大臣の通達できまっておる。あるいはまた、台湾路線は日航のダミーにやらせるといって外務大臣は御発言をなさっておる。あるいは運輸省が入っておったならば、大阪空港などというものの乗り入ればやらなかったはずであります。成田空港だってそのとおりです。社会党の一坪地主というあの妨害運動は消えてなくなるのですか。共産党の成田空港建設についての反対は、中国の飛行機が飛んでくるから今度はなくなるのでしょうか。そういう諸問題等もたくさんある。  だから、そういう運輸省の方針がいつ変えられたのですか。国際路線は一社または二社となっておる。いっそういうことに閣議決定がくつがえされたのです。あるいは日航のダミーでないということを、あなたは運輸大臣でありながら御存じだったのですか。ちょっとそのことを聞かしてください。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 四十五年の閣議決定の線はまだいきているわけでございまして、これを変更するにつきましてはそれぞれの手続を踏まなければならないと思っております。したがいまして、これから先検討すべき問題でございまして、決定した問題ではございません。

江藤隆美自由民主党

○江藤委員 時間がなくなりましたから、最後に意見を申し上げたいと思います。  さきに申し上げましたように、八年かかった日ソ航空協定が、いまだに運賃プール計算であるために、多いときには十億円もの金をこの路線に日本側がソ連に支払っておるということは、これはおそらく外務大臣も御存じのことであると思います。私どもは平等な協定だと思っておりましたが、いまにしてみると必ずしも平等ではなかったという教訓がここに一つあるわけです。  また、英国は一九五三年に中国と国交を回復して二十年になりますけれども、いまだ航空協定は結んでいません。それは中国が百年の体形を考えるならば、われわれは百十年の大計を考えてこの国際協定に臨むのだという基本的な方針だとか聞いております。なぜならば、英国は中国と航空協定の仮調印は行なったのですけれども、中国側が香港のキャセイ航空の台湾乗り入れを問題にしたため、いまだ本調印するに至ってないわけです。これは英国がきびしい国際政治の中でいかに国益を守るかということについて真摯な態度で臨んでおるかという一番いい例だと私は思い、もって他山の石とすべきだと考えています。  国際航空問題は、中国が主張するように各国とも国の威信と権威をかけた問題として取り扱っているために、これは非常に慎重にお互いがやっておるわけであります。航空協定が持つ意味を正しく理解するなら、中国が日中友好の象徴として第一にこれを取り上げようという意味も私どもにはよく理解ができます。また私どもも日中友好という立場から、先ほど申し上げたように、航空協定が早期に、しかも互恵平等の立場を貫いて行なわれるということには、わが党に何人も反対する人はいないわけであります。  したがって、日本側が中国側の立場を理解し、これに協力する立場をとるなら、それなりに航空協定の内容において中国側の譲歩を求めることが日本の主張としてなされたとしても、日中友好を妨げるものにはならなかったと私どもは思いますし、それが未来永劫にこれから継続していく外交というものの基本的な方針でなければならないと思います。  しかるに国交回復後わずか一年半、外務大臣が訪中されてわずか三月のあとにこの協定が結ばれるに至りました。私どもはこの期に及んでとやかく申し上げるものではありまません。しかしほんとうにこの航空協定というものが日本の国益を守ったかどうかということは、将来の歴史に照らして、この内容について私どもがきびしく検討を加え、あやまちのないように今後取り運んでいくことがきわめて必要なことであると思っております。  同時に、時間がありましたらお尋ねしようと思っておったのですが、台湾路線が切れることによって運輸行政にも多くの問題点を発生してまいります。あるいは国の安全保障の上からも非常な問題点が発生してくることは、さきに参議院で山中防衛庁長官が答弁されたとおりであります。私はそれぞれの運輸省なりあるいは防衛庁に、この航空協定を結ぶ以前にいかなる専門的な相談があったのか、また協定を結ばれたあとにおいて、そういう国の防衛なり航空行政にどのような影響が及んでくるものかという外務省からの詳細な御相談が、一体いつどこであったのかただしてみましたところが、残念ながらいまだにそういう御相談は全くないという話を聞いて、たいへん残念に思っています。  外務省に対しても、情報文化局に対して資料を求めてみました。こういう内容のものでありますから、日本のとった態度について、諸外国、関連国において、なかんずく東南アジアの諸国はどのような反応を示しておるか、外務省はどういう把握をしておるかを聞いてみたかったのでありますけれども残念ながらそれを納得させるような資料の準備というものはございませんでした。  何かそこに、ひとりこの協定のみが先行して、そうして大事な内容の詰めが落とされてきたのではないかという懸念を多分に持ち、そのことが協定の調印にあたって、大臣のおっしゃるように慎重にかつ冷静に行なわれたかどうかということについての疑念を深める原因にもなっておるわけです。  そこで、最終的に申し上げます。不幸にして台湾路線は断絶をいたしました。これから政府も関係者も一体になってこの復帰を望み、世界に対する不信を一掃し、そして日本は信義を守る国である、日本はどんな小さな国でも、どんなおくれた国に対しても互恵平等の精神をもって、友好を基本として今後外交路線を推し進めていくという姿勢をいち早く諸外国に向かって確立されるよう、今後一そうの外務大臣の御奮起と御精進を心からこいねがって質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 時間もたくさんありませんので、簡単に二、三お伺いしていきたいと思うのですが、一つは提案されておる協定の値打ちというか、価値について、いまも議論がありましたが、いろいろな判断があると思うのです。外務大臣に簡単にお聞きしたいのは、外交的な評価というのをどういうふうに持たれておられるのか。  それから運輸大臣には、いわゆる両国間の交流あるいは世界における国際航空にとっての、いわゆる交通運輸のほうの評価ですね、交通運輸についての評価は提案理由の中にも一部出ておりますが、そういうものについてどういうふうに思っておられるか。  それから運輸大臣には、続いてもう一つは、いま江藤議員からもお話しがありましたが、この協定実施にあたって、現在あるわが国の航空政策、特に国際線に関係しての航空政策を変更する意思を持っていま検討されておるのかどうか。新聞に報ぜられるところによりますれば、何か運輸政策審議会に諮問をされたとかされるとかいうお話がございますが、ただここでいま議論になりました日台間の往来の問題が将来どういうふうになるのか、まだだれもこれはわからぬと思うのですね。そういうさなかに、外務、運輸両省の六項目を前提にしての作業の進め方については非常に無理があるし、間違いができると思うのですね、現実はいま六項目の上に立ってはいないわけですから。多少の欠落ができました。断絶というか、そういうことですね。そういう意味で、航空政策の再検討については、特に国際線については、これは慎重を要しなければいかぬというふうにてまえどもは思っているわけです。  これは当然、今度の協定でもそうですが、大体の協定はそうですが、国際線というか、日本と中国との間に運航するわがほうの企業は一または二ということでありまして、これは定石であります。これがすぐに二にするのかどうかという問題もありますが、ただ問題は、日本と中国は非常に近いところにございます。そういう意味で、ローカル国際線については他の企業にやらせるのかどうか。首都間の運航については、これは当然ナショナルキャリアとしての日航が当たるというのが定石だと思うのでありますが、それ以外のことを考えているのかどうか。そういう問題について、航空政策を検討する用意を持っていまやっておられるのかどうか。さしあたりその二つを運輸大臣にお聞きしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日本の外交にとりまして、中国問題、朝鮮問題というのは、出発点であってまた決着点でもあるわけでございまして、非常に重要でございます。過去においてそうでございましたし、今日もそうでありますし、予見し得る将来におきましても、中国問題というものは、日本の外交にとりまして非常に重要なかなめ石になるわけでございます。  いま御案内のように、日中の間には、過去において、中華民国政府を正統政府として関係を結んでまいりましたが、一昨年から北京政府を正統政府と認めるという転換をあえてする姿において日中関係を処理するという姿勢をとってまいったわけでございます。このことの結果といたしまして、日中間には、あらゆる実務協定をたんねんに結んでまいらなければならぬわけでございます。  そのうちで、いま御審議をいただいておる航空問題は、非常に象徴的な意味を持っておるわけでございまして、まずこれをなるべく早く締結するということは、日中外交の上から申しまして非常に大事な布石であると私は考えております。そして第三国もまた、こういう日本の外交の道行きに対しまして、これを当然のこととして受けとめておると承知いたしております。  それから第二には、中国大陸というものが国際的な航空路として大きく開放されるということとの関連において、日中航空路線が開設されるということは、世界の外交の上から申しましても、非常に大きなメリットになることと思うのであります。しかしながら、このことは、いま久保さん御指摘のように、同時に日台路線の停止という不幸な随伴現象が起こってまいっておりますことに、私ども心を痛めておるわけでございます。全体の秩序の中でこの日台路線をどういう姿において安定運営してまいるかということは、これからも大きな課題であろうと考えておるのでありまして、その点につきましても、今後できる限りこの体制の中で努力を重ねてまいるべきであると考えております。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 この日中間の航空協定において、日本の航空政策に及ぼす影響はどうだというのが一点でございますが、原則的な考え方としましては、協定の前文に書かれておることでございますけれども、今後この路線を通じましていろいろな人的な交流というようなものが開かれていくことだと思いますし、直ちにこの協定によって将来展望するものは何かということになりますと、いろいろな考え方があろうと思いますが、さしあたっては協定の前文に書かれておるようなことだと思います。  それから、将来飛行機をどういう企業においてこれを運営するか、それによって日本のいま考えておる航空政策というものにどういう検討を加えるのかということでございますが、先ほど久保先生も内容等について御指摘がございましたが、そういうようなものも含めて当然この検討を加える時期があろうかと思います。したがいまして、そういう内容等につきましては、先ほど江藤先生にもお答え申し上げましたが、まだ煮詰まった決定したものがございません。ございませんが、近い将来の課題として審議会等にもいろいろおはかりいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 それぞれお話がございましたが、外務大臣のお話、大体全般よくわかりましたが、問題はやはりこの協定を一つの足がかりというか踏み台にしてさらに発展させるということに尽きるだろうと思うのですね。だから、早いとかおそいとかいう問題は、これは一がいに何とも言えないと思うのですね。むしろ一年半前に正常化の宣言をしたのでありますから、これに応じてそれぞれの作業を進めていくのは当然の理だと思うし、それが国益に合致することであろうというふうにてまえどもは考えている。  ただ問題は、日台間の問題にいま焦点がしぼられたような議論もございますが、これも大事ではありましょう。しかしながら、ここで外務大臣にお聞きしておきたいのは、日中間の協定といわゆる日台間の往来というものを同列で議論することは、これは国策ではないし、方針ではないと思うのですが、そうですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中正常化の基本線の中で日台路線をどのように安定的な維持をはかるかという課題でございまして、日中、日台が同列にあるという考えではございません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 だから、そういうお考えであれば、今後当然のごとく、日台間の航空往来というか、これは日中国交正常化、あるいはいま審議中のこの協定成立後はこの協定の上に立って処理されるべきものだとてまえどもは考えているのですが、それでよろしゅうございますな。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 協定自体は日台路線に触れていないわけでございますが、これに関連した問題といたしまして、日台路線を正常化のあとどういう姿において維持してまいるかということにつきまして、政府といたしましてもこれまで苦心して考えてまいったわけでございますし、北京側に対しましても、十分それに理解を求めてまいったわけでございます。  それで、私どもといたしましては、今後鋭意努力いたしまして、正常化の基本線のラインをくずすことなく、北京側の十分な理解も得て日台路線をほんとうの意味で安定した姿において維持することを真剣に考えていかなければならぬと思っています。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 運輸大臣に申し上げますが、これは意見で御返事は要らない。時間がありませんから、あとであなたにはお尋ねしますけれども、ただ念のために申し上げておきますが、航空政策の変更というか、いままでの航空政策の樹立というか、そういうものは多分にいろいろな企業をつくってはそれを合併したり分割したりという、いわゆる悪い意味でいう政治的な作業が背景にたくさんあったと思うのですね。今度の場合も何か、これはうわさでありますからわかりませんけれども、多少そういう要素が入っているようにも聞けるわけですね。だから、少なくとも今度の場合ぐらいは航空政策はそういう政治的な背景を持たない純粋な立場で考えてもらいたい、こういうふうに思う。  それからもう一つ、いま日台の問題あるいは日中の問題が非常におそくなった原因は、言うならば一昨年の九月に日中国交正常化が宣言されてあとも、日台間の航空往来というか、これは協定も何もないままに従来どおりのやり方でやってきた。そこにやはり問題であると思うのですね。これは政府の怠慢だとわれわれは思うのであります。当然あの時点において処理されているのが手順だと思うのですね。ところが、それを全然やらずして、日中航空協定とワンパッケージというか、そういう形で持ってきたところに混乱が一つはあると思うのです。これは終えたことでありますから、とやかくたくさんは申しませんけれども、そういう怠慢について私は十分反省してほしい、こういうふうに思います。  次に、時間がありませんから、これまでも議論になった、この協定が互恵平等かどうかという問題ですね。これはいろいろなとり方があると思うのですね。将来の発展性あるいはそれぞれのキーポジションの値打ちというか、そういうものの見方や考え方についてずいぶん違うと思うのです。だから、これは見ようによっては対等であり、見ようによっては不平等であるというのが出るのは当然だと思うのですね。  ただ問題は、東京なりあるいは北京の国際航空上の地位を世界的に高めていくのだという方向からするならば、東京−北京、そして北京からイスラマバード経由カラチ、カラチからアフリカあるいはヨーロッパあるいは中近東というか、そういう方向に路線が開設されることが一番望ましいとわれわれも思っているわけなんでありまして、これは交渉の過程で十分主張はしたが、先ほど航空局長から説明があったような事情で現在ない、こういうことだと思うのですが、これは日本だけの問題じゃなくて、中国それ自体もやはり開設すべきだとわれわれは思っているのです。だから、これは中国に対しても十分説得をして早急にこの路線の開設についてやるべきだと思うのだが、この点は、一応航空協定ができたら一段落というのではなくて、引き続いての事項としてやるべきだと思うが、これはどう思っているか。  それから第二点目、これは外務大臣にお聞きしたほうがいいかもしれませんが、沖繩のFIR、いわゆる航空情報区、これは五月十五日にわがほうに来ますが、FIRはICAOの条約によってきめられているものでありますが、区域が、言うならば台湾の周辺は台北のFIRでやっている。このFIRについて、先般新聞の報ずるところによりますれば、日本の飛行機が通る場合は国際法規に従って行動するという台湾側の何か話があるようでありますが、これは少し門が違うのではないかと思うのですね。門が違う。まず、台湾はICAOに入っていないというか、ICAOから除名されているのですね。ところがFIRだけ生きているというのも、これもへんぱな話ですね。これらについてどういうように運輸省なり外務省は見ているのか。あるいはこれの調節についてどう思うのか。  それから、これは運輸大臣にお聞きするのでありますが、沖繩に返還されるについて、聞くところによれば台湾に日本政府の管制官が渡って打ち合わせをしているというのだが、この台湾と沖繩の関係のFIRのやりとりあるいはそういうものの実務の協定といいますか、そういうものはどういう形でやろうとしているのか、あるいはどういう打ち合わせをやっているのか、あるいは済んだのか、うまくいったのか、この辺はどうなのか。  それからもう一つ、大邸のFIR、いわゆる韓国ですね、これも新聞の報ずるところによりますれば、日中航空協定ができて日本の飛行機が北京に行くならば、韓国としてはこのFIRを通ってもよろしいというような話があるとかないとかいうのですが、これはこういう申し入れをしたのかどうかですね。申し入れたとするならば、それじゃ中国はどうなのか。この辺のことはどういうふうに詰めてあるのか、お答えいただきたい。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 五月十五日をもって切れます沖繩FIRの問題につきまして、沖繩FIRと台北FIRの相互の連絡をどうするかという問題は、われわれにとってのみならず、世界の航空安全にとっても重大な問題でございます。したがいまして、この問題につきましてはかねて沖繩FIRの担当官と台北FIRの担当官の間で接触いたしまして、五月十五日をもって米軍からわがほうに移管されるべき情報の交換につきまして隔意のない意見の交換をいたしました。現在その交渉中でございますので、将来につきましては五月十五日までに何とか妥結するものと考えております。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 外務省からのお答えが妥当かと思いますが、運輸省といたしましては、先ほど御指摘のございましたいわゆるパキスタンのイスラマバード路線につきましては、引き続き休むことなく外務省を通じまして今後の問題として交渉を続けてまいりたいと思っております。  それから、台湾のFIRの問題でございますが、これは与那国島が現実の問題としてあるわけでございますが、この点につきましては、係官二名を派遣したこともお説のとおりでございます。そしてこれは純粋な技術的な問題でございますから、支障なくわがほうの飛行機が航空できるようないろいろな技術的な話を十分詰めまして、わがほうの意見も述べ、友好裏にその話は進めてまいっておりますけれども、最後のどういう形にこれを仕上げていくかということにつきましては、ただいまアジア局長からお話し申し上げましたように、話を続行しておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 アジア局長のお話も運輸大臣のお話も、話を続行中であります。それは続行中だから結論はわからぬといえばそれまでの話でありますが、どういう形でやるのだろうというようなことが一つあるのです。それは交渉過程だから、公電暴露の問題もあるようだから、あまりそういうことは聞かないほうがいいかもしれませんので、それはいいとして、台湾のFIRについては、問題は二つあるのですね。  一つは、いまも第三国の航空機については、沖繩との間は、もちろんいま米軍がやっておりますけれども、これは行ったり来たりしている。交換をしている。これは将来もそういうふうに第三国についてはあるのかどうか。日本並びに台湾の飛行機については、両方とも、向こうは通さない、こっちは来させない、こう言っているのでありますから、これは無理に行くわけにはいきませんからいいとして、第三国の飛行機の往来についてはFIRは機能をさせるためにどういうふうになるのか、それが一つ。  それからもう一つ、御指摘のありました与那国島の上は、防空識別圏だと思うので、もっと一度東へ寄ったほうがFIRの線であります。百二十四度ですね。だからこれは当然、FIRの設定が昔のアメリカの関係もありましてああいう形だと思うのでありますが、もはやこういう時代になりましてはICAOに申し入れて、これは与那国島をカバーするまでのFIRに改定してもらうのが当然だと思うのですね。その点は用意があるかどうかですね。いかがでしょう。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 いま現に外国の飛行機は台湾のFIRを飛んでおるのでございますが、そういうようなものも含めて与那国のわが南西航空の飛行につきまして支障のないような技術的な段取りは話し合いができておりますけれども、それを最後どういうふうな形で煮詰めるかという点につきましては、ただいま外務省を通じて話を進めている、こういうことで、私どもは安全な航空ができるものと考えております。  それから、将来与那国島を囲んだFIRの問題でございますが、これはお説のように十五日に米軍から引き継ぐわけでございますから、その後におきまして適当なところで、わが領土でございますから、ひとつ支障のないような線引きの引き直しと申しますか、そういうことについて検討を進めてまいりたい、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 もう時間でありますからなんでありますが、先ほどの、この協定の発効というか実施に伴って、あるいはそれ以前に、先ほど外務大臣からもお話があったように、第三国としてもこの協定についていわゆる受け入れというか容認するというかっこうだと思うのですね。だから、そうなるというと、日本と中国との間の航空協定がいつどういうふうになるのだろうといって待っている国も多分にあるわけですね。たとえばカナダあるいはフランスその他もございましょうが、そういう国々の東京あるいは北京あるいはそれの以遠権に基づく乗り入れというような問題が日本を中心にしてあるいは北京を中心にして即刻起きてくると思うのですね。これに対して運輸省なり外務省はどんな用意をしているのか。  協定成立はもう間違いないのでありますから、むしろそういうあとの問題を含めて日本の航空政策を考えていかなければならぬ時期だと思うのですよね。特に騒音の問題等もございますし、成田の空港の問題も、何といったってこれはそう簡単にはいきませんね。そういう考えをすれば慎重に、これからこそやはり正念場が来るのではなかろうか。日中航空協定は、さっきお話しあったようにこれはスタートだと思うのですね。むしろこれからがいろんな問題が出てくると思うのです。それに対して十分国益というか発展を展望した中でやってもらいたい。それにはやはり背景にある政治情勢が安定しなければ、大平外務大臣だってなかなかできないのじゃないですか。だからそういう点で、いままでの与党と政府との間のやりとりは残念ながら野党の一員としてはどうもわれわれは苦々しく思っているわけなんであります。  特に、最後に外務大臣にお聞きしたいのは、公電漏洩の問題が先ほども議論がありました。漏洩じゃないという意見もありました。いずれにしても公電が漏洩されたのですね。これはこの間の外務委員会でもお話があったようでありまするが、やはりけじめはきちんとつけてもらうことが国益に合致するものだとわれわれは思うのですね、この際は。これについてはいかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 この問題につきましては、政府全体としていま調査いたしておるわけでございます。仰せのようにこの問題につきまして国民の納得のいく処置をしなければならぬと考えておるわけでございまして、実態を十分承知の上で、事実を踏まえて判断しなければなりませんが、ただいま調査中でございまして、まだ全貌が不明でございますので、政府として固まった考えをいま申し上げることができないことをたいへん残念に思いますけれども、いずれにいたしましても国民に御納得がいくような措置を講じなければならぬと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 時間でありますので、こまかくはもう聞きませんけれども、協定の中で二、三お伺いしたいのは、代表事務所の要員の問題についてであります。これは出入国管理令によらない一つの方法で日本の国としてはおやりになるのかどうか。いわゆる要員の数について双方合意の上でやる、こういうふうに特別にあるわけでありますが、この点はどうなのか。  それからもう一つは、第九条の三項では、「公衆の要求と密接な関連を有しなければならない。」航空業務は、こういう条項があるわけですね。これはいままでの協定にはほとんどこういうものはないのでありまして、これについてどういう用意があるのか、どういう話になっているのか、この点二点だけお伺いしてやめましょう。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答申し上げます。御指摘の第一点は、第七条の第三項のことであると思いますが、乗り組み員も双方とも、少なくとも中国側の乗り組み員は日本に入国、滞在いたします際には出入国管理令に従って乗り入れを行なうわけでございまして、出入国管理令の対象外ということではございません。(久保(三)委員「第十五条の話をしているのだ」と呼ぶ)  失礼いたしました。代表事務所の要員は、もちろんこれは出入国管理令の対象となるものでございますし、かつまた要員の人数は、両政府間で協議をした上できめるということになっております。  それから、第九条の三項でございますが、「協定業務に対する公衆の要求と密接な関連を有しなければならない。」といいますのは、「公衆の要求」と申しますのは、これは輸送量との関係がございまして、北京に行く者ないしは北京から東京へ飛んでくる者、そういうものの要求との関連におきまして、航空協定業務の本数でありますとか頻度というものをきめていくという関連でこの規定がきまっているわけでございます。  以上でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 そういう抽象的な説明を聞いているのじゃないのだ。この条約の本文が抽象的であるから、具体的にはどういうことなのか、それを聞いているのですよ。ほかの協定にはこんなのは書いてない。要求にこたえるというのは当然だと思うのですよ。だから具体的にはどういうふうにするのか。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 まず第九条の関係は、通常の協定にもございます輸送力条項に当たるわけでございまして、、これにつきましては、便数、機材等につきまして航空当局問でこれを具体的にきめていくということでございます。  それから代理店の要員等につきましては、これはソ連との協定の附属書にもございますけれども、お互いに代表事務所の要員については一定限度にしようということで、これも政府間で合意をしてきめる。具体的に何人にするかというのはこれからの話し合いできめていく性質のものでございます。

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 七二年九月二十九日の日中共同声明に基づいて日中国交が回復され、今回日中航空協定が締結をされたことについてはわが党もこれを歓迎いたすものであります。  しかし、ものには前とうしろがあり、過去と未来がありますが、そういう点でお尋ねするのですけれども、この次のろアップとして重要な課題は日中平和友好条約の締結であると思います。日中共同声明の第六項では、日中両国政府は、いわゆる平和五原則に基づいて両国間の恒久的な平和友好を確立することに合意をする。第八項では、平和友好条約を締結することを目的として、交渉を行なうことに合意した、というふうにいっております。  それで、大平外務大臣にお尋ねしますが、この日中共同声明の原則的な立場に基づいて日中平和友好条約を進めるということは間違いがありませんか、その原則的な態度についてお聞きいたします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中共同声明におきまして日中間の過去の問題は処理いたしたわけでございまして、戦争の終結その他の問題は処理いたしたわけでございまして、日中平和友好条約というのは、これから先長きにわたって両国の友好を深めていく上におきましての指針というようなものを盛り込む条約になるべきものと考えておるわけでございまして、共同声明の八項にうたわれておるとおり、私どもはこのワク内におきまして締結について話し合いを今後進めるべきものと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 ではお聞きしますけれども、沖繩の瑞慶覧基地から台湾のキャンプ・マコーレーの間に六百七十六キロの米軍の軍事海底ケーブルが布設されておりますが、これは日中国交回復以前及び沖繩協定以前に米軍によって当時の台湾の蒋政権との了解の上につくられたものであるが、現時点においてこのことを根本的に見直す必要があると思いますけれども、どうですか。

大河原良雄外務省アメリカ局長

○大河原(良)政府委員 昭和四十七年の五月十五日に沖繩の復帰に伴いまして合同委員会合意によって、ただいま御指摘のございました海底ケーブルの存続を認めているわけでございますが、四十七年九月の日中共同声明に明らかなとおりに、この両国の国交正常化は第三国に対するものではございません。したがいまして、政府といたしましては、米国が台湾と有しております国際的な関係はそのまま認めるという立場でありますので、日中国交正常化によりましてただいま御指摘ございました日台海底ケーブルの性格に何の変更もない、こういうふうに考えておるわけであります。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 現在の時点においては大きな根本的な変化が行なわれていると思います。それは日中国交については中華人民共和国政府を唯一の中国の合法政府として扱い、台湾はその中華人民共和国の不可分の一部としております。そしてまた日本は沖繩の施政権をすでに日本に移しているわけでありますから、そういう点で、現在の中国政府の了解なしにつくられたこのケーブルは、実際上において蒋政権とアメリカとの間で米台条約に基づいた裏づけとしての軍事的な施設であって、明らかに中国の領土の現在の主権及び領土に対する侵害、内政干渉に当たるものではないか、現時点から見れば、これは明らかに中国に対する主権、領土の侵害であり、内政干渉に当たるのではないか。これは日中共同声明でいっている平和五原則に基づくということと矛盾するのではないか。この点重ねてお聞きします。

大河原良雄外務省アメリカ局長

○大河原(良)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、沖繩の復帰は四十七年五月でございますし、日中国交正常化が行なわれましたのは四十七年の九月でございます。日中国交の正常化は、米国が台湾と持っております関係を否認したりするような性格のものでないということは、政府がたびたび明らかにしでおるところでございまして、そういう意味で先ほどの私の御答弁を申し上げたわけであります。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、中国は、この日台間の、沖繩−台湾間の軍事ケーブルを認めたのですか、どうですか。そのケーブルの存在を認めたのかどうか、この点お聞きします。

大河原良雄外務省アメリカ局長

○大河原(良)政府委員 日本がアメリカとの間に安保条約を締結しており、安保条約に基づくもろもろの取りきめが行なわれてきている、こういうことを前提といたしまして日中国交正常化が行なわれたわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 いまのは答弁になっていないと思うのです。それで、重ねて今度はこういう面から聞きます。  一体海底ケーブルというものは、つまり他国間の間に結ばれるいわゆる二国間協定ですね、違った領土と領土の間に敷かれる海底ケーブルは本来二国間の政府の協定に基づいて行なわれるものじゃないですか。それはどうでしょうか。

松永信雄外務省条約局長

○松永政府委員 一般に海底ケーブルが布設されますときには、たいていは電信会社等の企業によって布設されるわけでございまして、その関係国の当局の認可あるいはその手続等が必要であるということは想像されますけれども、国家間の協定が締結されて、それに基づいて海底ケーブルが布設されるということは一般的にはないわけでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 しかし、実際に両国間の間で一応の協定なしにかってにつくられるものではないでしょう。ですから、そういう点で現在のこのケーブルは、つまりどことどこの国の間で一応認めて、そしてやったのか、つまり現在の中国政府とそれから日本の政府との間で実際に了解するというふうに何らかの合意を見てそうなっているのかどうか、要するにそういう意味でのケーブルを両国間で認めているのかどうか、この点を重ねてお聞きしたいと思います。

松永信雄外務省条約局長

○松永政府委員 わが国といたしまして、いま御指摘の海底ケーブルの存続を認めておりますことは、先ほど政府委員からお答えしたとおりでございますが、これを布設するにつきまして、わが国と台湾の当局、あるいは中国政府との間で合意をしたという事実はございません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、これはかって蒋政権と、アメリカが沖繩で施政権を持っていたときにそれはつくられたものであっても、現時点では、これは実際上なくなっているのですね、そういう関係は。そして沖繩と台湾間の関係は、少なくともこれは日本の現在の政府と中華人民共和国との間の関係しかありません。そういう点で、やはり台湾のケーブルを中国が認めた事実はほんとうにないのか、認めているのかどうか、それとも無籍ものなのかどうか、この点を重ねてお聞きしたいと思います。

松永信雄外務省条約局長

○松永政府委員 いま問題を提起されました海底ケーブルにつきまして、中国政府がこれを認めたとか認めないとかということとは関係がないことでございまして、事実、中国政府がこれについて何らかの意思表示をしたというような事実は、私は承知しておりません。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、なおさらこのケーブルは全く無籍ものだと私は思います。つまり海底線は、とにかく二つの国の何らかの合意のもとにつくられるものであって、かってにどこでもここでも敷けるというものじゃないわけなんです。そういう点から見て、これは一体何に基づいて、現在両国間に維持されているのか。  しかもこのままでやれば、中国の領土の中に実際に腕を突っ込んで、そしていつ発動するかわからないような施設を維持しているということで、これは中国の領土の一部といわれている台湾の今日の主権、それから領土に対する侵害であり、また内政干渉というものに当たると思うのです。この点についてどうですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 この問題ばかりじゃなく、日台間の問題は、中国政府と日本との間でいろいろ取りきめを行ないまして、それで運営をやるという形をとっていないわけでございまして、両国政府の間で相互の理解と信頼のもとで濃密な関係が現にございますので、国交正常化の原則にもとらない範囲内におきまして、これを維持していくことに対して、中国政府が理解を示しておられるわけでございまして、そういう相互の信頼と理解の上に成り立っておるわけでございます。  しかしながら、そうかといって、われわれが中国政府にそういう事実を隠してやるつもりは毛頭ないのでありまして、事実は事実として、中国政府によく理解を求めておかないと、こういった関係にもんちゃくが起こるわけでございますので、われわれといたしましては、終始事前にいろいろな問題につきまして、中国政府にインフォームいたしまして、その理解を求めて運営しておるというのが現実の姿でございまして、あなたのおっしゃるように、条約論、協定論から申しますと割り切れないところがございますが、これはこの地域の状況上やむを得ない措置であろうと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、現時点においては、一応中国が、そういうことがあっても理解するというふうに見ていると政府は解釈しているわけですか。——そうですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 中国政府の理解を得て運営していく、それについて理解を求めなければならぬ、そう考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 じゃその点について、非常にあいまいですけれども、大体中国は、そういうことを理解していると解釈をして、ただ将来いろいろの、この間のイスラエル紛争等々においても、日本の政府が知らないうちに、全米軍基地がスクランブルあるいは警戒体制に入るというようなことがあり、アメリカの世界戦略が生きているわけでありますから、そういう点で、このようなことは、非常に客観的に見て、やはり中国の領土、主権に対する干渉だと思います。しかも重大な、いま盲腸のように見えても、いざという場合に何をしでかすかわからない時限爆弾のような性質を持っております。そういうものとして、これからの日中平和友友好条約の締結に察しては、この点のそういう点での危険を排除するという姿勢で当たられるかどうか。最後に、この点をもう一度確かめておきます。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 条約、協定、もとより大事でございますけれども、一番大事なのは、信頼と理解だと思うのでございまして、徹底した信頼と理解の上に立ちまして、両国間の問題は運営していかねばなりませんし、それは条約とか協定の姿で具現してまいるわけでございまして、私ども、その基本ははずさないつもりでおります。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、時間がありませんから、最後にあれしますが、この沖繩と台湾とのケーブルですね、これについては、信頼のもとに一応理解をお願いしているというふうに、もっぱら信頼の点につなぎとめて、これが存在することを、一応中国側は信頼の上に立って理解をしているということなんですね。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 そう御理解いただいてけっこうと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 では次に、運輸大臣に一言申し上げますが、今度の日台航空の停止についてです。これに従事していたたくさんの従業員がおります。この人たちは、解雇の問題それから配転とか、いろいろ生活上の不安にさらされておりますけれども、運輸大臣として、十分にこれに対する対策を立てておられるかどうか、これについてお聞きしたいと思います。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 御指摘の点につきましては、政府といたしましても、元来企業の問題でございますけれども、こういう不幸な事態になったわけでございますから、そういう問題の処理につきましては、十分各関係方面と連絡をとりまして、遺憾のないような努力を重ねていきたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 じゃ、そういう点で、従業員に対して、今後とも最善の対策を立ててもらうように重ねて要求を申し上げて、私の質問を終わります。

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 きわめて限られた時間でございますし、用意した質問について久保委員からもお尋ねがございましたので、重複を避けて質疑をいたしたいと思います。  まず、運輸大臣に伺いたい。  この協定については、本文十九条、さらに末尾の附属書からなっておりますが、この附属書の一には「日本国政府」が、二には「中華人民共和国政府が指定する航空企業が両方向に運営する協定業務の路線」が明確に記載されているわけでございます、御承知のとおり。ここに至るまでの経過については相当に両国間に食い違いがあったということをわれわれは新聞報道で承知をいたしておるわけでございます。  交渉にあたりまして、日本側からは北京−上海—ビルマ上空経由の欧州路線、このほかイスラマバード経由の欧州路線、広州−東南アジア路線を要求いたしました。これに対して中国側から、日本側要求のあったイスラマバード路線あるいは東南アジア路線については難色を示された、こうした経過があってこの附属書に盛られたような状態になったわけでございますが、この間の事情についてごく簡単でけっこうであります、交渉の経過をお知らせを願いたい。これは外務大臣と運輸大臣、両方からひとつお知らせを願いたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 路線問題は航空当局に交渉の焦点に立っていただいたわけでございまして、技術的な点は運輸省にお願いしたいと思うのでございますが、しかし協定全体につきましては外務省のほうで責任を持っておりまするし、単なる路線の技術問題もある時点からは協定全体を左右する政治問題になってまいりますので、私どももタッチしてまいったわけでございます。  この地点並びに以遠権の問題につきましては、いろいろな評価があるようでございますけれども、航空当局者にたいへんがんばっていただいて、私どもといたしましては一応今日の段階で望ましい満足すべき状態に到達したと考えております。  ただ、イスラマバード線でございますが、これは印パ戦争の結果、パキスタンだけに認められておる路線でございまして、中国をはじめ第三国にも一切認めていない路線でございまして、これに割り込むということはいまの段階においては非常に至難であると判断いたしたわけでございます。  しかし、日中関係の濃密な関係から申しまして、日本が第三国等におくれをとるというようなことはないと私は確信いたしておるのでございまして、今後の検討事項になりましたけれども、ほかの第三国におくれをとるようなことは万々ないようにやってまいりたいと考えております。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 両国それぞれにやはりそれぞれの経済的な立場を踏まえまして、最初から出したり切ったりというようなことでいろいろな交渉が進められたわけでございますが、詳細につきましては当事者から御説明申し上げますけれども、いずれにしましても両方が出し合ったぎりぎりの線がそういうところに落ちついたということでございまして、いろいろな立場から御評価はあろうかと思いますけれども、そういうことで妥結を見たわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 運輸大臣に伺いますけれども、日本側の要求したイスラマバード経由のヨーロッパ路線、これはついに実現をしなかったわけでございます。その間のことについてはいま外務大臣からもお話がございました。なぜこのルートを日本側としては最初に要求をしたのか、どんなメリットがあるのか、つまり、メリットのあることを期待して要求したことだと私は思うわけでございます。これが第一点。  それから第二点は、イスラマバード空港は国際空港でないという事実が私どもの調査ではっきりしております。日本側は国際空港でないイスラマバード空港を交渉の段階で経由地として指定したということは明らかに重大なミスではないかと私は思います。このことは昨年の九月、ホノルルにおいて会議が行なわれましたときに、太平洋、中近東の航空路が議題になりました。このときにパキスタン当局がイスラマバード空港は国際空港として認めていない、カラチだけである、こういうふうな発言をしております。  このことについては、この会議に出席をいたしました運輸省航空局の二人の課長さん、この課長の名前はわかっておりますが、申し上げません。特に申し上げないでおきますが、この二人の課長は知っていたはずだと私は思います。これに関するレポートも持っているはずでございます。こうしたことを知っていながら、国際空港でないこのイスラマバードをなぜ中継地点として持ち出したのか、私は重大な認識不足、大きなミス、こういうふうに考えるわけでございますが、これはこのルートが決定しなかったからいいのだというふうにも言えません。将来やはりヨーロッパに直行するには非常にいいルートであると私どもも考えておりますだけに、なぜこのルートを要求したか、それからそのような国際空港でないところをなぜ日本が持ち出したのか、これがわかっていながらやったのか、このことについてお答えを願いたい。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 パキスタン経由路線は御承知のように中近東あるいはヨーロッパあるいはアフリカに対して非常に時間的に、距離的にメリットがあるわけでございます。いままで動いております路線よりもそういう面でははるかに大きなメリットを持っているわけでございます。  それから国際路線ではないじゃないか、それを要求したということはミスじゃないかというお話でございますが、私どもはいま直ちにすぐ飛ばせという要求ではないわけでございます。協定の中にそのことを明確に盛り込むということに努力をしたわけでございます。  詳細につきましては航究局長からお答えさせていただきます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 時間の関係がありますから、あとでまた運輸委員会で航究局長から聞くことにします。  そこで、イスラマバード路線というものは、確かに将来は私は大きなウエートを占めてくる問題だと思います。将来にわたってこれを確保しておけばいいのだ、いますぐでなくてもいいのだ、こういうところから持ち出したのだということはあまりにもちょっと日本としてやはり航空路線を開設するからには、少なくともことしの秋に一番機を飛ばせよう、こういうところから私は着想がなければならないと思うわけでございます。この点について将来の問題でいいのだ、いますぐではないのだ、こういうふうに大臣お考えのようでありますけれども、この点は私は不服でございます。いかがでしょうか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 国際路線としてその線が動き始めるその時点にということをこいねがって願望したわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それではイスラマバード空港が国際空港でないということを知っていたか知っていないか、この問題はどうですか。私は少なくとも航空局の二人の課長はホノルルの会議に出席をしてその事実は知っていたわけだと思う。この点についてどうですか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 技術的な問題があるようでございますから、航空局長から答弁させます。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 イスラマバード空港そのものが国際空港として開放されておらないということは承知いたしております。私たちが要求いたしましたのは、ルートとして要求いたしましたもので、そこへ着陸するという意味ではございません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 この問題については、着陸しなければいいのだ、ただ上空を飛べばいいのだと、こういう理解ですか。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 さようでございます。ルートとしてのイスラマバードというのはルートを示すための表示としてあげておるにすぎません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 じゃ、次の問題に移ります。  外務大臣にお聞きします。  外国との航空協定交渉にあたりまして、原則として相互主義を貫くために等価値性の主張というものがなされるのは当然のことだと思います。今回の航空交渉にあたりましてこの等価値性がどうも埋没してしまったのではないかというふうに私は思います。この点について外務当局ではどのようにお考えでございましょうか。  わが国から見ても、以遠ルートあるいは相互乗り入れの地点等につきまして不服な点があることは私はいなめないと思います。これらの点については要求した路線、これがすぐ認められなかったということからでも明らかでないかと思うわけでございます。こうした日中路線は七〇年代後半に一そう充実したものにし、ヨーロッパ航路の大きな幹線になる、これはもう当然のことだと私は思っております。そうした点から考えましても、この以遠ルートの拡充の問題、乗り入れ地点の増加など積極的に話し合いを進めなければならないと私は思いますが、今後この実質的な均衡をはかる、こういう必要があると私は思います。この点についてどうお考えでしょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 航空企業の発達の段階的に申しますと、日本がたいへん発達しておりまして、中国はややおくれをとっておられるわけでございます。したがいまして、わが国のほうでは東南アジアからヨーロッパに向けての路線はすでに開設いたしておるわけでございますが、中国は北米大陸への路線はまだ開設されていないという状況でございまして、本来発達の段階が同じ立場において考える経済的利益の均衡という問題とこういう段階に置かれた両国の場合の均衡という場合とはやや趣を異にして考える必要があるのではないかと思います。しろうとながら私はそう考えます。  それから第二点といたしまして、このことが先に立って、均衡がとれないから、それをとることがたいへんむずかしいから航空路線の開設は見送るという立場は私どもはとりたくないわけでございまして、私どもといたしましては、日中間に当然のこととして航空路線は開設すべきであるという前提に立ったわけでございまして、そういう前提に立ちまして可能な限り均衡主義を生かしていただきたいという要望を持っておったわけでございます。したがって、こういう外交的立場は運輸省の御当局にはたいへん難きをしいたと思うことはわれわれ重々承知いたしておるわけでございますけれども、そういう制約の中でよくがんばっていただきまして、この協定ができたことをむしろ私は喜んでおる次第でございます。  第三点といたしまして、たびたび委員会で御論議になっておりますように、経済価値というのは将来にわたっての展望を考えてみなければならぬと思うのでございまして、今後中国大陸を通じて開かれる路線というものの将来性というもの、国際性というものも十分頭に置いて評価していただきたいものと考えておる次第でございます。  そういう中にありまして、仰せのように今後残された課題はもちろんでございますけれども、今度到達いたしました妥結点を踏み台にいたしまして今後日中両国の間でなお努力いたしまして国益の確保ということに万全を期してまいらなければならぬと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 理解しました。  では、運輸大臣にお伺いします。  附属書一の、日本国政府が指定する航空企業が実際に飛行する路線ば、この附属書に記載された最大限のワク内で今後検討されることになると思います。まず、さしあたって日航が乗客数とか燃費あるいは運賃、使用の機種、飛行時間あるいは他の航空会社との競合等々、あらゆる要素を十分検討の上で申請し、決定されることと思うのでありますが、新聞報道によりますと、東京−上海−北京−カラチ−テヘラン−アテネ−ローマ−パリ−ロンドン、こういった路線が非常に有望視されておりますが、私はここの中にも三つの問題があろうと思うのです。  その第一は、東京−上海間のコースでございますが、七二年の九月に田中総理が北京に行ったおりのコース、すなわち鹿児島からまっすぐ西へ直線的に上海に入るコース、この場合には韓国のFIRを横切ることになります。ここに問題が起きないかということ。あるいは昨年九月ホノルルの会議のおりにもエアフランスやカナダ太平洋航空等の会社からこのコースについて要求が出ております。これについて当局はどう考えておられるか。  第二点は、東京−上海間の最短コースは福岡の上空から済州島の上空を経て上海に入るコースであります。この場合に韓国と台湾間の航空路とクロスするので問題はないか。また、飛行に関する各種情報についてその入手についてはどのように対処していくのか。さらにまた、将来のことでございますけれども、済州島上空から北京へ直行できるコースもあります。こういった点を十分いまから検討しておくべきものであると考えますので、お尋ねをするわけです。  第三の問題は、先ほど述べました東京−上海−北京−カラチ−テヘラン−アテネ−ローマ−パリ−ロンドン、このコースの中でカラチに寄る必要があるかないか。この点については、カラチに寄るということは言うならば三角形の二辺を飛ぶことになります。一辺を直行できるそういうコースも考えられるわけだし、第一カラチに寄ってお客さんがあるのかないのか、こういった点をこれから十分検討しなければならないと思っておりますが、当局としてはこれに対してどう考えておられるのかお尋ねをしたいわけであります。この航空路は将来世界の一大幹線になることが予想されておりますし、国際的意義も高いことから十分検討されていることと思いますけれども、このいまの機会においてお答えを願いたいと思うわけでございます。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 東京−上海間のルートでございますが、鹿児島上空からまっすぐ上海に行く場合、あるいは東京−上海の最短コースとして済州島の上空を飛ぶ場合、いずれも韓国の大邱FIRを通過することになります。韓国との関係におきまして大邱FIRを通過する件につきましてまだ話をしたことはございません。むしろ大邱FIRと中国の間に航空機の受け渡し業務ができるかできないかという技術的な問題がございますので、当面このルートは使わないで迂回ルートということになろうかと考えております。  それから第三番目の御質問のカラチに着陸しなくても最短距離を飛べないかという点でございますが、これは先ほどお話しのパキスタンエアが飛んでおりますルートと多少関係がございます。われわれが当面考えておりますのは、カラチまたはインド内のニューデリー、ボンベイいずれかの一地点に着陸をしてヨーロッパに行く、当面これが一番早い運航ルートであろうかと考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 航空局長にもう一点だけ尋ねておきますが、いわゆる上海、北京に入るコースとしていま運輸当局が考えているコースは迂回ルートですか。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 このルートの早期解決をはかるためには、日本と中国との間の通信回線の設定が一番早いというふうに考えておりますので、当面は迂回ルートということになろうかと存じます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 最後にお尋ねしたい点がございます。この航空協定の第三条に一として「一方の締約国は、協定業務の運営のため、他方の締約国に対し一又は二の航空企業を文書による通告によって指定する権利を有する。」こうございます。中国側は中国民航一社でございますが、わがほうとしては事情が違うと思います。日航についてはナショナルキャリアとしての日中航空路線に就航するために従来の日台路線というものをやめにしたいきさつもございますし、単独運航を考えているようでございますが、これも当然のことだとも思いますけれども、当分の間は便数も少ないしやむを得ないとしても、将来は日航ばかりでなく全日空も当然参加すべきではないかと私も思います。日中の航空路に就航される予定でいま日航もいろいろ準備中でもございましょうけれども、全日空といたしましても、かつては日中友好推進に大きな役割りを果たしましたところの岡崎前社長に代表されるところの全日空の歴史的な日中友好の姿勢というものもございます。  こういう点から私も、全日空が就航されるということもあり得るのではないか、また当然あってもいいのではないか、こういうふうに考えております。また、中国側でもそれを期待しているのではないか、こういうふうにも考えられるわけでございます。中国側が中国民航一社だから日本も日航一社に限る、こういうことに考えることはないのではないか、こう考えております。全日空といたしましても、チャーター便で近距離の国際線をやりました実績もございます。全日空の就航も当然のことだと私は理解いたしますが、当局のお考えはいかがでございましょうか。お尋ねをいたしたい。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、そういう問題等につきましては今後検討してまいりたい、かように考えております。ただいまのところ、結論めいたものを持っておるわけではございません。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いまの問題に対して結論はすぐ出ないということも理解もできます。なるべく早い時期に私の希望するような方向に進んでもらいたいと私は思います。  最後に、防衛庁の久保防衛局長並びに海上保安庁お見えになっていますか。——一点だけ伺いたいのは、四月の二十一日から日台航空路線が閉鎖されました。これに伴いまして、台湾のFIR、すなわち飛行情報管区や防空識別圏内において、万が一にも日本の船舶や航空機が事故が起きた、こうした場合の救助活動に支障が起きないかどうか、起きるとすればどのような状況が予想されるか、その活動に支障を来たさないようにするためにはどういった方法をとるべきであるか、この点について、海上保安庁並びに防衛庁の関係からお答えを願って、これで私の質問を終わることにいたします。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 ただいまの御質問は、本来運輸省の所管でございますが、現在のところまだ台湾側との話ができていないように私ども聞いておりまするけれども、台湾のFIRの中で航空救難あるいは海上の救難作業の必要ができました場合に、海上保安庁もしくは防衛庁の艦艇あるいは航空機が出てまいります。その場合には、おそらく那覇のACC管制部から台北の管制部のほうに連絡をして、その了解のもとに出かけられるということになろうと思いますが、その手順をたしか運輸省のほうでは現在各種の方法を通じておとりになっているというふうに聞いております。

佐原亨海上保安庁長官

○佐原政府委員 ただいま防衛庁からお答えしたと全く同じでございまして、私ども石垣島の航空基地にヘリコプターを二機持っております。これが台湾のFIR上空を飛ぶ場合の手続につきましては、航空局のほうと十分連絡をとってやってまいりたいと思っております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 こういった事故が起きることをなるべく避けたいわけでありますが、できた場合の急速な処置を必要といたしますので、十分検討しておいていただきたい、こう思いまして、以上で終わります。

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 河村勝君。

河村勝民社党

○河村委員 今回の日中航空協定交渉に関する問題点というのは、けさほどから質問がありましたように、一つは台湾との関係であって、台湾との断絶が不可避であったかということが一つ。いま一つは、この実務協定としての航空協定が、これが平等性が保たれていたか。この二点であろうと思います。  そこで、第一点でありますが、私どもはこの日中航空協定の成立というものが、単に航空路が開設をされるというだけではなくて、これは日中友好のシンボルともいうべきものであって、このアジアの情勢が米ソ中三極均衡で維持されている中で日中間のきずなというものが太くなるということは、日本のこれからの多角的な外交の外交力を強める、そういう政治的な大きな意義がございますから、これが成立したことをたいへん喜ばしいことだと思っております。  しかし同時に、従来長くつながりのあった台湾との航空路を何とかしてこれを切らしたくないということも、これまたやはり日本国民の大方の意思であろうと思います。でありますから、われわれは日中航空協定の意義というものを高く評価をしておりますから、この台湾との航空路が政府が万全の措置を講じてそれでもなおかつ切れなければならなかったということであるならば、それは避けがたい現実として認めざるを得ない、そう考えております。ただ、その点について若干の疑問を持っておりますので、お尋ねをいたしたいのであります。  一つは、台湾との間の意思疎通に政府に欠けるところがあって、そのためにこちら側の判断に誤りがあったのではないかということが一つと、いま一つは、自民党内の不統一、こういうものが影響して台湾側の判断を誤らせたのではないか、そういう二つの疑問を持っておりますが、まず第一に、政府としては万全の措置を講ぜられたと外務大臣はお考えかどうか、それをまず伺いたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中航空協定の締結がたいへんおくれましたゆえんのものも、過去一年有余にわたりまして日台路線を正常化後の状況におきましてどのように維持してまいるかということについて苦心をいたしたことが主たる原因でありましたことは御案内のとおりでございます。  私どもといたしまして、台湾側の御要請も十分承知し、正常化後の日台路線のあるべき態様につきまして北京側の考え方というものも十分腹に入れて、どのようにすれば正常化後の状況におきまして日台路線が安定維持ができるかということに最大の焦点を置いて苦心をしてまいったわけでございます。このわれわれの苦心が理解されて、そうして日台路線が維持されることを私ども最後の瞬間まで希望を捨てずにがんばったつもりでございます。しかし、私どものやりましたことが完ぺきであった、十全であったとうぬぼれておるわけでは決してございません。足らないことが多かったと私は思いますけれども、政府といたしましてはできるだけの手だてを尽くしたつもりでございますが、台湾側の理解を得られなかったことはたいへん残念にたえないところでございます。

河村勝民社党

○河村委員 外務大臣に伺いますが、一月の十八日に張研田亜東関係協会理事長から日本の交流協会理事長である板垣氏にあてられた回答、これは外務、運輸両省案に対する回答という形で出ておりますね。この内容は当然御検討になったことと思いますが、検討されましたか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 検討いたしました。

河村勝民社党

○河村委員 私はこの回答を読んでおりまして、これを通読をいたしますと、こういう印象があるわけですね。その一つは、中華航空の名称とそれから旗、これについて強い反対の意思を表明しておりますが、同時に、その他の実務的なことですね、実態、それらについては大阪空港を他の空港に移すことも、民間取りきめで維持することも、飛行場を羽田とそれから成田と分けることも、そうしたすべてのことについてはこれからお互いに相談してやろうじゃないかということではっきり認めておって、そういう意味では、台湾が現在の国際社会の中で置かれた現実というものを判断をして、きわめて柔軟に対応しているところがはっきりしておるわけですね。  それからもう一つは、旗とそれから中華航空の名称というものに非常に強く反対はしておるけれども、その文書をずっと読んでみまするというと、それ以上に日台航路をどう変更するかということを日本と中国との間の航空協定をつくる際の条件とすることに反対する、あるいは日本が中国の指示を一々仰いでそれできめていることに反対である。それから交流協会と亜東関係協会との間の協定に照らしても、この日台の問題についてはお互い同士できめようじゃないかという約束になっているじゃないかというように、旗と会社の名前に反発しているのは事実であるけれども、それ以上にそれが中国の圧力あるいは要求によって、台湾に押しつけられたということに対する反発のほうがはるかに強いというふうに、私は感ずるのですね。  ですから、もしこの航空協定交渉と話を切り離して、それで台湾と日本との間で自主的な形で取りきめが行なわれるならば、実際でき上がった結果は変わらなくとも、しかしその名誉と尊厳という点について、非常に変わってくる。だから、その点急ぎ過ぎとか何とかいうことよりも、実際それを事前に、中国との約束というのではなしに、自主的な形でもってこういう結果をつくることができなかったのか。そうすれば、こういう台湾航空路の断絶というのは避け得たのではないかという疑問を持っておりますが、外務大臣はどうお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 日中正常化、国交正常化の際に、日本政府といたしましては日台間の現実にある濃密な関係を、正常化の原則にもとらない範囲で維持したいという希望を表明し、中国側もこれに対して理解を示されたわけでございまして、その後事なく日台間の実務関係が維持されてきたことは幸いであったと思います。すなわち正常化をいたして、中国を代表する唯一正統の合法政府として北京政府を認めた以上、私どもといたしましては、台湾の問題を処理するにあたりまして、中国側に十分の理解を求めて、フェアかつオープンにやってまいることは当然の道行きと思うのでございまして、そういうラインに沿って私どもはやってまいった次第でございます。  しかし、御案内のように、台湾と北京との間は政治的な立場を著しく異にいたしておるようでございますので、私どもが北京に理解を求めるということがいけないと言われるならば、これは私は困ると思うのです。当然の道行きだと私は考えておるわけでございます。当然なすべきことをやっておるわけでございますから、その点について御理解をいただかなければならぬと私どもは考えておる。しかし、台湾御当局においてはそう考えなかったというところに、問題のもつれが出てきたと思うのでございます。  あなたがおっしゃるように、そういうことは表立たずにやって、できた姿は両方とも納得いただけるという姿が望ましいわけでございますが、日本の今日のような開放社会におきまして、そんな手ぎわのいい外交はできません。実際、どこかで何かの姿で報道されるわけでございまして、とてもそれは、そんな神わざは私にはできません。  したがって、私どもといたしましてはやるべきことはちゃんとやる、それで御理解を堂々と求めていくということ以外に分別がなかったわけでございますが、それはこういう結果になったことは、私もたいへん残念に思っておるわけでございまして、力量が足らなかったということは十分認めますけれども、やったことが間違いであったと私は思っておりません。

河村勝民社党

○河村委員 いや、私ももちろん中国の理解なしにできるとは思っていないんですね。だから隠密裏にやるのは、日本のような開放的なところではとてもできないとおっしゃられればそれっきりの話かもしれませんが、しかし、キッシンジャーなどのやっていることは、現実に表へ出るときはショックであっても、実際そこまでの過程はほんとうに隠密に根回しをやってできているという事実があるわけですね。ですから、これは済んだことでありますからこれ以上追及してもしかたがないと思いますが、私はそういう疑問をいまでも持っているわけであります。  それからもう一つ、自民党内の不統一ですね、これはかなり多くの人たち、かなりの勢力を持った人たちが国内あるいは台湾に出かけて行って、とにかく台湾との間が切れるような協定は絶対批准を阻止するというような発言があれば、これは相手は非常に冷静現実に判断しようと思っても、やはりそれに惑わされるという危険性は否定できないのですね。ですからそれによって台湾側が、まあでき上がってもたぶん批准されないであろうという種類の判断の誤りをおかしたのではないか、これも一つの要素になっていはしまいかと考えますが、外務大臣としてはどうお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 私どもの党のことにつきまして、私からいろいろこの席で申し上げるのは遠慮さしていただきます。

河村勝民社党

○河村委員 お答えがなければしかたがありません。  それでは実務協定としての平等性の問題、これを伺います。  政治的な判断は別です。政治的に、この決着で満足すべきものであるかないかという議論を抜きにして、実際、協定の内容だけを比べれば、検討すれば、これは決して経済的な平等性というものは維持できていない。それは大臣、そうお考えでしょうね。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 実務的な立場に立つ私どもとしましては、きょう午前中御審議、御議論がございましたように、経済的な等価値の追求ということがやはり基本にならなければならぬと思っております。そのことを常に念頭においてやったわけでございますが、元来、経済的な基盤というのが中国と日本では大きく格差があるわけでございまして、その間においてどういうふうなバランスをとっていくかということにいろいろ苦心もして、結局両国が希望いたしておりましたものを出し合って、ぎりぎりの線に落ちついたということでございまして、いろいろの立場から評価はそれぞれあろうと思いますが、私どもといたしましてはまあまあの線に落ちついているというふうに考える次第でございます。

河村勝民社党

○河村委員 私は、政治的にまあまあの結論を聞いたのではなしに、そういうものを抜きにした判断を聞いたのです。それはまあ大臣もお認めになったはずであります。  そこで外務大臣、さっきは経済的均衡というものをこれを維持したい。そのために日中間の航空路開設を犠牲にしたくない。そういう立場で運輸省にむずかしい条件を課したという意味のことをおっしゃいましたが、私も航空路開設を何とかしなければならぬところまでは意見は同じであります。ただ、私が今回の場合非常にふしぎだと思いますことは、四月二十日というそういう日に調印しなければならない、そういうワクをきめたことですね。マクロでいって、日や航空協定を急がなければならない、それには異存がない。だけれども、四月二十日というのは非常に短い時点で決着をつけるのだというワクを自分でつくってしまう。もし日本の側に非常に強い有力な切り札でもあれば、そういう場合はかえって有利に働くかもしれない。だけれども、そうでない場合に、非常に短期な終期をきめて交渉をすれば、これは絶対得にはならない。そうですね。外務大臣、それはどうお考えですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○大平国務大臣 タイムリミットという問題は、分けて考えていただかなければならぬと思うのです。つまり、ものごとの交渉、仕事をする場合に、あるタイムリミット、あるスケジュールを考えるのは当然と思うのでございます。いつまでかかってもいいからやってみろというようなことはいけないと思うのでございまして、ある種の目安をつくるということは第一に考えなければならぬことでございまして、また、交渉当事者に対しましてもハッパをかける意味におきまして、われわれは、このころまでには妥結が見られるように精を出してみろということをやるのは当然のやり口でなければならぬと私は考えております。しかしながら、私ども二十日に調印に持っていくのだというようなことをあらかじめワクをはめた覚えはないのです。新聞は書いたかもしれませんけれども、私どもそんなことをきめた覚えは一つもございません。また同時に、どんなに内容が貧しくてもこの時点までには何としてもきめるのだなんていうむちゃなことをやった覚えはないのです。  さればこそ航空当局者を派遣いたしまして交流に当たっていただいたわけでございまして、その点は交渉当局を御信頼いただきたいと思うのでございまして、私ども、これであればまず恥ずかしくない成果が得られたという判断のもとで初めて調印に踏み切ったわけでございますことを御理解いただきたいと思うのでございます。すなわち、無条件にいついつまで、内容がどうであれタイムリミットがアブソリュートであるなんていうようなことを、私が何ぼ外交のしろうとでも、そんなことはいたした覚えはございません。  それからまた、私ども二十日を設定して、それでゴリ押しをしたというようなことは全然ございません。新聞の報道に私は責任は持てないわけなんでございまして、その辺の事情は御了承いただきたいと思います。

河村勝民社党

○河村委員 時間が来たそうでありますが、この経済的等価値性というものからいえば、これは確かに均衡を失していることだけは間違いがない。これは中国との間だけで済むのなら実害は少ないと思うけれども、一回こういう実例をつくりますと、他の国との航空協定に影響を及ぼす危険性がありはしないかということを、私は非常に懸念をしますが、運輸大臣はその点はどうお考えでありますか。

徳永正利自由民主党運輸大臣

○徳永国務大臣 路線問題あるいは乗り入れ機の問題等に、それぞれの国からもまた問題と申しますか、いろいろな関係が出てくるだろうと思います。そういう点につきましては十分私どもも配慮いたしまして、そういうことのないような処置をとってまいりたい、かように考える次第でございます。

河村勝民社党

○河村委員 こちら側だけが配慮してもだめなんですね。一回そういう実績ができますと、これが影響はしないかということなんでありますが、時間が来たようでありますから、これは後にまた運輸委員会で議論したいと思います。  最後に、一つだけ伺っておきますが、これからいよいよ技術的な詰めを行なって、航空路が開設されるわけでありますが、九月ごろというようなことを新聞——さっきから新聞はあてにならぬという話でありますが、そういう想定がございますが、一体その時点で開設される路線というものは、以遠路線を含んだ、たとえば中国がカナダまで行くというようなものができ上がるのか、それとも日本と中国の間、東京−北京間をお互いに乗り入れるというような形になるのか、その辺は一体どういう見通しでおやりになっておりますか。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 お答え申し上げます。  中国が東京以遠、カナダまで行くかどうかにつきましてはさだかでございませんが、日中間に航空路が開設されましたら、中国はカナダまでは行ける能力があると存じます。日本側がヨーロッパまで飛べるかどうかという点につきましては、中継国との関係で付表の修正等ございますので、すぐに間に合うかどうか、これはまた別の問題でございます。

河村勝民社党

○河村委員 私は条約の内容のことを聞いているのじゃなしに、現実に想定される——もう実際間もないわけでしょう。現実の問題として大体どういうような見当でやっておられるか、それを聞きたかったわけです。

寺井久美運輸省航空局長

○寺井政府委員 今後中国との間に技術的な取りきめをいたさなければなりませんので、その協定の進みぐあいにかかっておるとお答え申し上げておきます。

河村勝民社党

○河村委員 終わります。

木村俊夫自由民主党

○木村委員長 以上で、本連合審査会は終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後零時四十五分散会      ————◇—————

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