P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
72回国会衆議院1974/05/15

科学技術振興対策特別委員会 第14号

発言数
191
登壇者
20
会派数
4
開催日
1974/05/15

会議録

安井吉典日本社会党

○安井委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本日、地震予知に関する問題調査のため、東京大学名誉教授萩原尊礼君及び宇宙開発に関する問題調査のため、宇宙開発事業団理事長島秀雄君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

安井吉典日本社会党

○安井委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 きょうは、ある意味ではおさらいのようになりますが、かねてから当委員会で重要視してまいりました地震予知の問題を中心にいたしまして、特に伊豆沖地震も、私がこの委員会でこの質問をと考えましたあとで発生いたしまして、たいへん現地にはお気の毒なことをいたしたわけでございますが、その問題も含め、今後の研究体制あるいは防災体制等についてお伺いをいたしたいと考えました。ただ、順序を少し変更いたしまして、けさ出がけにラジオ放送を通じまして、原子力研究所の東海研究所で、プルトニウムの汚染があったという報道がございました件を、時間の都合で、先にお伺いいたしたいと思いますので、この問題について、ラジオですからあまり詳しい内容が聞き取れませんでしたので、この問題の概要について、先に答弁をいただきたいと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 お答えいたします。  日本原子力研究所では、御承知のように、プルトニウム研究をいたしておりますが、現在までのところ、これまでは東海村にございましたが、いま大洗のほうへ移転中でございます。いままでございました東海村のプルトニウム研究第一棟というところには、部屋が二つございまして、一〇七号室というのと一〇六号室というのがございます。一〇七号室というのにグローブボックスというのがございます。いま申し上げましたように、移りますのにつきましては、そこを——いま一〇七を使っておりません。一〇六のほうには数人の人間が入って作業いたしておりますが、その一〇七のほうのグローブボックスを、今度は撤去することに次はなるわけでございまして、そのための準備作業をいたしております。いまはそういうことに相なっております。  けさお聞き及びなさいました点は、その一〇六号の部屋で、一〇七号の部屋との境のところで床面積のスミアー検査をいたしましたところが、少し高いということでございまして、それがどこから出てくるのかということを調べましたところ、隣の部屋の、さっき申し上げました一〇七号のほうで調べてみましたところが、少し高い。この汚染は、この一〇七号というのは現在立ち入り制限になっておりますけれども、その部屋と考えられまして、それを実施いたしましたところ、空気汚染が確認されました。床の面積も汚染いたしておりますが、これは法定値の約二十分の一程度の汚染ということでございます。したがいまして、現在は百七号の出入り口を密閉いたしまして、そして、この百七号の汚染源、汚染いたしました原因をいま突きとめております。それで、いずれにしても、人体に影響ある程度ではございません。  大体以上のとおりでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これはラジオで放送をされたのですが、ニュースソースはどこなのでしょう。だいぶ早い放送なものですからね。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 これは科学技術庁のほうで、昨夜、日本原子力研究所のほうから連絡がございましたので、概略ただいま申し上げましたようなことを紙に書きまして、記者クラブに、いわゆる投げ込みとして発表いたしたものでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 では、研究所としてこれは発表されたものと、こう解釈していいわけですね。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 実質的にいうと、さようなことに相なります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 けっこうです。やはりこの種の問題が、個人の考えなどで外に漏れるというようなことのないようにと常に思っていましたので、やはり研究所は研究所の組織の上から、こういうものを発表するという体制がとられている、そういう面では非常にいいと思いますので、あえてお聞きしたわけです。  で、結局、周辺環境とか人体に影響がなかったと言い切れるのか、これから調査をしてそれがわかるのかは、どうなのでしょう。もうすでに調査済みで、影響はなかった、こういうふうに解釈してよろしいのですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 すでに現在の、たとえば床面積の汚染は、法定値の二十分の一程度でございますから、人体に影響はないと申し上げられると思います。  それから、今後は、これがなお汚染が進むようなことのないように、密閉して原因を探って、それから、たとえば排気を強くして外へ出すようなくふうをするとかいうようなことをいたしますから、今後の拡大は防げると思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これが起きたほんとうの原因は、それじゃ移転のために起きたのですね。移転がなければこれはないと……。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 移転中でございまして、百七号にはグローブボックスそのものはございます。この部屋は要らなくなりましたから、これを撤去する、撤去する前に、撤去するにはどうしたらいいか、慎重を期するために、汚染の調査なんかをしつつ進めておるわけでございまして、撤去のために起こったというところまで、まだいっておりません。現在の静止の状態で、そしてこれからどう動かしたらいいかをあれするために、環境の監視をしつつやっておる、こういう状態でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そうですか。そうすると、グローブボックスというものが置かれている周辺に、いつごろからこの種の漏洩がなされていたかというようなことも、これから調査するわけですか。それがわからないといけないわけですね。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 これは定期的にスミアーの汚染調査などをいたしております。いままでは、そういうことはなかったわけでございますが、今度そういうことになります。したがって、これは今後の拡大を防止いたしますとともに、やはりどういうところからそういうことになったか、操作してそうなったわけでございますから、それを調べて、たとえば排気でもっと強く引くか、引いているうちにどこかの気流が変わったか、その辺はいま調査中でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 わかりました。  次に、これも最近の新聞で発表になったのですが、日本工業検査株式会社、本社は川崎にあるそうですが、ここで御存じのような、未成年者が被曝をするという事態が起きたわけであります。これも新聞だけではわかりませんから、概要について説明を、まずお願いしたい。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 御質問の、日本工業検査株式会社の十八歳未満の者の放射能障害につきましては、当方といたしましては、昨日本社の責任者を呼びまして、それから同時に、こちらから本社並びに大阪営業所に係官を派遣いたしまして、調査中でございます。しかしながら、本件自体につきましては、労働省が、御所管の立場からお調べいただいているそうでございます。そちらのほうのお調べの結果は、私どもよりは詳しくお調べがついておるかもしれませんが、私どものほうの、法律の関係で調べまして入りましたのでは、まだ詳細結果はわかっておりません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これはやはり、こういう問題が起きると、何かの法令違反になるわけですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 私どものほうの所管といたしましては、放射線障害防止法に関係いたしまして、あるいはたとえば十八歳未満に扱わせるということが、そういうことを目的として、そういう事実があったかどうか、あるいはもしそういう事実があるとすれば、したがって、いろいろな法律の定めたいろいろな規定や管理がルーズであったということも考えられるわけでございます。先ほど申し上げましたように調査中でございまして、どこがどうであるということは、ただいまの段階では申し上げられませんが、私どもの所管としては、障害防止法というものに関係いたすかと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 これは、こんなことが方々で行なわれてはたまらないのですが、氷山の一角であったらたいへんだと思うのですが、この種の問題に対する防止対策、指導は、行政的にはどういうことをやってこられたのですか。防止対策としては、一体何を考え、どういうふうにやってきたのか、それをまず伺いたい。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 まずこれらの事業所、使用の事業所と販売の事業所がございますが、これらの事業所に対しましては、ときおり、時期を見まして、いわゆる立ち入り検査というものをいたしまして、現場におもむきまして立ち入り検査をいたしまして、それに基づいて、不備な点は指摘し、改善を行なわせるようにいたしておりますのが第一点でございます。  第二に、最近、事業所の数も非常に増加の傾向が著しい点にもかんがみまして、民間の団体のようなもの、協会あるいは事業者団体のようなものを通じまして、そこを通じて法令の中身、あるいは法令をしっかり守らなければならないという趣旨、そういう点につきまして、指導、監督の一助とさせているというような点も若干ございます。  それから、申すまでもございませんけれども、防止法そのものからいえば、いろいろ順守すべき事項がございまして、それはときにふれて、その趣旨が守られておるかどうかということを、いまも引き続き指導、監督をやっておるわけでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それで今度は、こういう問題が起きたときに、どういう措置を講じたわけですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 今回は、先ほど申し上げましたように、このニュースが入りまして、直ちに当方といたしましては、本社の責任者を呼びまして、事情を聞きますと同時に、たまたまその前日、やはり問題になっておりました日本非破壊検査株式会社の現地に、水島と広島に、こちらから職員を派遣いたしまして、立ち入り検査をさせておりましたものですから、それを、この日本工業検査株式会社の大阪営業所にも立ち寄らせまして、目下調査をいたさせております。若干時間的に古いときの話でもあります点と、もう一つは、本社と営業所における記録等によりましても、事実を一貫して説明申し上げられるようなところまで来ておりませんので、続けていま、そういうような点を調査させております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この問題に対して、長官はおいでになりませんけれども、きのうですか、記者会見で、日本非破壊検査会社の少年五人に放射線作業をさせた事件に関連して、全国三千三百の放射線取り扱い事業所の放射線安全管理体制の緊急総点検を実施するとともに、同庁としての恒久的な監視体制づくりのため、新しく地方支局制を採用することを検討する——この地方支局制というのは、現在原発が設置されている茨城、福井、福島にある原子力事務所と似たものを各都道府県に順次設置していくんだ、こう言っておるのですが、三千数百もある事業所の緊急総点検、言うはやさしく、たいへんな問題だろうと思うのですが、これは、長官としては、こう言わざるを得ないからというんだろうと思うのです。実際にはどうですかね。現在どのくらい人員があるか知りませんけれども、総点検をやって、抜き取りじゃなくて、ほんとうにシラミつぶしの総点検ができそうなのかどうか。やるとしたら、一体どのくらい時間がかかるのか。それから、支局をつくろうというのは大臣の思いつきなんですか、現に検討中のことなんでしょうか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 御指摘の総点検でございますが、当然のことながら、私どもが直接直ちに総点検すべきところでございますけれども、とにかくこういう二つの例も出まして、例と申しますか、取り上げられた点にもかんがみまして、直ちにやりたいという趣旨から、まず各事業所が自分自身で調べて報告しろ、自主的点検をまずやらせたい、かように考えて、その方法といたしましては、三千をこえていると思いますけれども、それに、大臣の名前で、自分で総点検しなさいという相当きつい通知を出して、それも、総点検しなさいだけではだめだから、こういう項目についてやって、それがどうなんだという答えをこちらによこしなさい、こういうようなことをやるという趣旨でございまして、その点では、すでに昨夜からその文書の起案がほとんどできておりますので、それでまず第一段階はやってみる、それが総点検の意味であります。  次に、いま御指摘の地方支分部局でございますけれども、いずれにしても、全国にまたがって三千をこえる事業所でございますので、本庁も今度できるだけ人数をふやし、それからさっき申し上げました、いろいろな民間団体を活用するという方法も講じますけれども、やはり役所として、地方にもう少し網を張ったほうがいいんじゃないだろうかということは、前から実は考えておりました。予算要求を実は昨年もいたしたわけでございます。したがいまして、そういう点では、急にきのう思いついた考えではございませんけれども、ただその場合に、地方自治体に直接お願いするのがいいのか、科学技術庁にも地方支分部局に類するものがございますので、こういうものを活用拡大してやるべきかについては、いずれにしても地方にもう少し組織を持ってはどうかということで、至急検討いたすことになっております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 支局あるいは都道府県に委託かどうか知りませんが、確かに網を相当広げて持つ必要がありそうですね。こんなに三千幾つもあるのですから。そうでなくても、原発の稼働がどんどん行なわれようという時代ですから、大臣がせっかくこういうふうに記者会見で言った以上、至急に実現するように、最大の努力をしてもらう必要があるだろうと思うのですね。  いまの自主的な点検の問題なんですが、期間がどのくらいといって御質問しましたけれども、答弁がないのはあたりまえなんで、やってみなければわからないということになるでしょうが、そうは言いながらも、人員のあるたけは、今度はこちらが出ていっての検査を、抜き打ちで、何社に対してでも同時にやるというくらいのことを一緒にコンバインしていったほうがいいように思いますね。これがもしほかに起きていたらたいへんですから。それと業者自体の自主的な申請による点検があわせて行なわれるようにしたほうがいいんじゃないでしょうかね。これはどうでしょうか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 当庁の職員といたしましては、検査官という制度が実はございまして、これらの者を必要に応じて各事業所に派遣いたしておりましたけれども、御指摘のとおり、今回のようなことにつきましては、そういう点で、できるだけすみやかに派遣して、こちらからも点検するようにつとめたいと思います。現に、先ほどお答え申し上げましたように、この両社に対しましては、直ちに職員を、昨日ニュースが入りました直後派遣いたしております。それで、先ほど申し上げました通牒による自主的点検の回答を待っておるということだけでなくて、できるだけそういう点につとめたいと思っておりますし、場合によっては、現在その職にある者だけでなくて、ほかの職員でも、実はいろいろたくさんやらなくちゃならないことがあるので、なかなかさけない点もございますけれども、この際ほかの職員を臨時にさいてでも、そういうことをすべきじゃなかろうかと私は考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 けっこうです。  その問題はこれで終わらせていただきまして、あと伊豆沖地震の問題から入っていきたいと思います。  私は、この伊豆沖地震を聞きまして、これが東京に来たらどうなっちゃうんだろうなという感じがいたしました。特に深川中心の江東地区などの地質が、仄聞するところによると、よく似ているというので、小さくても真下地震といわれるものが起きると、たいへんなことになったんじゃないだろうかという感じがするわけです。これはマグニチュード六・八といわれていますけれども、学者が、この程度の地震は日本の場合にはちょいちょい起きるものだと言われています。なるほどそうかもしれませんが、ただ、前から当委員会で論議されております地震予知という観点からいいますと、一体予知できなかったのかどうか。この程度のものは日本ではちょいちょい起きるんだよという、この種の地震が予知の対象になっていなかったのか。この種の地震というものは予知が不可能だということになるのか。そういうような疑問を実は持ちました。現在、観測強化地域でございますとか、集中地域というような指定がされていまして、この種の地震の規模、性質は大体こんなものだろうという想像のもとに、ある程度の研究体制が進められているわけですが、伊豆沖地震というような、この程度の地震は、今後も日本にたくさん起きるんだよと学者先生の言われるものが、はたして、地震予知という、いま研究が進んでおります体制のスケジュールに組まれているのかどうか。この種のものは、地震予知の対象にいま実はされていないんだというのか。その点をお聞きしたいのが一つ。  それから、本震型だ、前震型だ、群発型だという、地震に三つ型があるといいますが、その中でいうと、これはいきなりがくんときた、本震型ということになるんだと思うのですが、そこで二つ目にお聞きしたいのは、本震型だということになると、前ぶれは全然なかったということになるのかですね。私は、全然なかったというのはおかしいと思うので、何かあったんじゃないか。幾ら本震型だからといって、いきなりばかっとくるというようなことはまずない、何かあった。その何かが問題なんですが、そういうものがあるはずだというふうに考えますが、しろうとでわかりませんので、お聞かせをいただきたいのが二つ目。  三つ目には、新聞もいっているように、これは真下型だといわれています。この真下型地震というものの定義は一体何だろう。たとえば非常に深いところで真下型という地震が起きたときには、影響する範囲が二十キロ、四十キロに及んだその外側の場合には、ほんとうに上下にくるような真下と言えるのかどうかということが私にはわからない。一体、真下型というものの定義はどういうものだろうかという三つを、まず先にお答えいただきたい。

萩原尊礼東京大学名誉教授

○萩原参考人 お答えを申し上げます。  今回の南伊豆地震のマグニチュードは六・八ということになっておりますが、この程度の地震が、現在行なわれている地震予知研究の対象になっているかどうかということでございますが、これはたびたび申し上げておりますように、現在はまずとにかく七より大きい地震について何とか前兆をつかもうということで観測が進められておりまして、七より小さいものについては、それをつかまえることができればそれにこしたことはないが、あるいは取りこぼしがあるかもしれないということでありました。今回の南伊豆の地震は、伊豆半島の南、予知をするという立場からは非常にぐあいの悪い海の中で起こった。陸に非常に近かったのでございますが、海の中で起こりました。ただ一方、陸のどまん中で起こったのではないので、被害は最小限で済んだということにもなるわけでございます。しかも南伊豆につきましては、南関東は観測強化の地域になったとは申しましても、現在までは房総半島、相模湾方面に非常に力を入れておりまして、ちょうど伊豆半島は南の辺までしかいろいろな観測が密に行なわれておりませんでした。本年度から、国土地理院が、例の精密測地網を、伊豆半島から始めまして東海地方に伸ばそうという計画で、その作業に取りかかりつつあったやさきのことでございました。こういうわけで、私どもといたしましては、もちろん小さい地震までも予知をしたいという熱意には燃えておるわけでございますが、あの種の地震までを確実にとらえるとなりますと、現在計画しているよりもさらに密な観測を組まなければならないし、またこれから観測技術の進歩というようなことにも期待をかけなければならないと思いますので、さしあたって、あの程度の地震が陸の中で将来起こるといたしましても、現時点におきましては、現在の観測が十分進められたといたしましても、一〇〇%とらえるということはなかなかむずかしいと思っております。  次に、今回の地震の前ぶれでございますが、現在、気象庁の地震観測あるいは大学の地震観測等で、前ぶれに相当する異常な地震活動というものはとらえておりません。ただ、いろいろ地殻変動等の変動があったに違いないのでありますが、マグニチュード六・八程度の地震になりますと、前兆として起こる異常な地殻変動、こういうものが、経験的に震央から十数キロということになりますので、たとえそういうものがあったとしましても、伊豆半島の南端、ごくほんとうに南の端のほうだけにあったかあるいはなかったかというすれすれの程度でございまして、しかも、そういう測地的な調査は、伊豆半島の南の端にはまだ行き届いておりません。そういうために、あるいはあったのかもしれませんが、今回はとらえることができなかったわけでございます。  次に、真下型の地震についてでございますが、直下型というのは、これはいつの間にかこういう名前が出てきまして、これはおそらく最初に命名したのは新聞社ではないかと思うのでございますが、要するに真下で起こった地震ということでございます。特に特別な型があるわけではございません。ただ、真下で起こりますと、マグニチュードは小さくとも、その上では非常に大きな影響を与える、被害を出す。ただしマグニチュードが小さい場合は、被害を受ける面積は狭いということになります。  以上でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そうですが、真下型というのは、新聞記者がつけたのですか。一番しろうとにわかりやすいいい名前ですね。こういうつけ方を、先生にもしてもらいたいですね、地震なんて、むずかしいことを言わないで。こういうのが一番わかりやすくていいと思うのです。  そこで、第一の問題についてもう一度お伺いしたいのですが、中米のマナグアですか、おととしですね。それも俗に真下型といわれていますが、マグニチュード六・二と発表されています。今回六・八。日本の場合、予知をしようというのに、七を中心に、それ以上だという対象でやっていってよろしいでしょうか。こういういまの日本の予知を研究しようというのに、地震予知研究の対象を、マグニチュード七というところで一応切るということは、前からきめられてやっていますね。しかし今回のはコンマ二の違い。それからたいへん違うけれども、六・四だか六・二だったか、マナグアの地震などを考えて、しかも今回の伊豆沖地震のあのこわさを見たときに、東京にこれが来たら、という感じがしますので、いまから研究の対象というものを下げるわけにいかないのかどうか知りませんが、マグニチュード六・五くらいまで以上を対象にしないと、何か安心ができないような気がするのです。そうすると、研究網が非常にばく大な設備になり、人員を必要とするようになって、現在でも手が足らない、金がないという状況の中では、ちょっと不可能なのかもしれないなと、自問自答しているのですが、ただわれわれの側から言いますと、マグニチュード七で押えるというようなことを、六なり六・五なりにしてもらわないと、せっかく予知できるようなものも逃がしてしまう危険がある。それが、場所によっては非常に大きな被害を及ぼす危険があるのじゃないかという不安があるのですが、いまさら変更をする必要はないのでしょうか、不可能なんでしょうか。

萩原尊礼東京大学名誉教授

○萩原参考人 地震の予知ということは非常にむずかしい仕事でございまして、現在までに研究計画が進みまして、すでに九年たっております。その間に、相当の経費、人員がこの研究につぎ込まれております。いまだその実用化には達していないわけでございまして、非常に困難な仕事でございますので、とにかくまずマグニチュード七以上なら何とかなるのじゃないかということでやっておるのでございますが、それをさらにもっと小さい地震にまで適用するということは、不可能ではないと思いますが、まずそれには相当な設備、人員を要するわけでございまして、実際問題として、急にそこまでそういう大規模な経費、人員をつぎ込むということになかなか踏み切れないのじゃないか。まず七を対象にして、とにかく地震予知がこういうふうにできます、成功いたしましたという例を見せて、その上でないと、私どもが幾らそういうことを言っても、現実的にいきなりそういうところに、こまかい地震まで対象にして進むということは不可能ではないか。非常に消極的な、いくじのない考えかもしれませんが、私どもはそう考えておるわけでございます。   〔委員長退席、伊藤委員長代理着席〕

原茂日本社会党

○原(茂)委員 われわれしろうとの側からいうと、もうとにかく地震こわいこわいで、そういう要求をするわけですが、先生のほうでは、精一ぱい研究研究の積み重ねで、予知へ近づいているという現状ですから、しろうと考えで、かってに目標を下げてみろ上げてみろというようなことはむずかしいのかもしれませんが、そういう大きな不安と疑問を抱いたということは事実なんです。  そこで、もう一つお伺いいたしますが、今回の伊豆沖地震がいわゆるゲリラ型、直撃型、本震型というのか知りませんけれども、真下型であって、前ぶれはなかったというお話があったのですが、逆に、この伊豆沖地震が、何かその周辺に起きる大きな地震の前ぶれであることはないのでしょうか。そういうことの検討はされたのでしょうか。

萩原尊礼東京大学名誉教授

○萩原参考人 現在問題となっている東海沖の地震あるいは南関東の地震、こういうものと、今回の南伊豆地震が関係あるかどうか、つまり、それの前ぶれなどではないかということでございますが、これは地震直後、気象庁の地震課から談話で発表されましたし、また私が新聞、テレビ等にお答えいたしましたように、現在は直接の関係があるとは考えられません。この地震が起こったからすぐ、それは付近で起こる巨大地震に結びつくというふうには考えておりません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 通産省の木村先生が、この地震は三原山大爆発の前兆だ、やがて三原山の爆発があると、関東地方にでかいのがくるのじゃないか、こういうふうに考えているのだ、ということを発表されました。二日たったおとといあたりに、気象庁が、三原山の噴火がまた活発になってきて、危険だから近寄るなということを正式に発表されますと、何か、見ていて、われわれは今度の伊豆沖地震と関連づけてしまいまして、そういう木村先生なりあるいは東大の中村一明先生なりが——中村先生のほうが先にこういう説を唱えて、それを木村先生があとからおっしゃった。しかも今度はその証拠なんだ、こうおっしゃつたところへ、気象庁が三原山が再び爆発の危険があるから近寄るな、こう正式に発表されますと、やはり何か今度の伊豆沖地震、三原山大爆発、関東大震災というのとつながっていきそうな感じがしてしようがないのです。この点は、いま都合で中村先生も木村先生もおいでいただいていないと思うので、直接はお聞きできないのですが、こういうことが、前も私ちょっと申し上げたことがあるのですけれども、この種の説を出されたときに、あるいは研究をされたときに、予知連絡会に何らかの形でその意見が集まって、そして予知連絡会として、その問題を討議をして、その衆知の中から、これとの関係がありそうだとかなさそうだとか、あるいは、ないとかあるとかというような論議をしていただくような道筋が立っていないと、何かわれわれが見ていて、ばらばらにそういう意見の発表がされたのじゃないと思いますが、当然学問の自由、研究をされた成果というのを随時発表される権利はあるし、けっこうだと思いますが、しかし地震予知連絡会という最高の会議がある限り、そこにその意見がすぐに集約されて、とっくの昔に中村先生が言った、木村先生がこれはほんとうにそうかもしれぬから正式に自分自身で調べ始めたんだ、調べているところに伊豆沖地震が起きたのだ、三原山の大爆発がくる前兆だ、やがて関東にやってくるのだ、こういったことが、何かずっと予知連絡会の先生方の議を経ないで、常にひとりで生きていて、こういうときに、われわれにある意味の示唆を与えたり心配を与えるというようなことのないようにできないものだろうかという感じが、前にもしたので、申し上げたことがあるのですが、予知連絡会というものがあったら、連絡会の立場で、これに対しては、先生方が協議をした結果、いや伊豆沖の地震も三原山大爆発の前兆ではないというような結論が出されていたのか、あるいはそういうことが全然なされていなかったのかを、この際お聞きしておきたいのです。それが二つ目で、前段には、いま申し上げた、大御所であられる萩原先生から、今回のこの地震が三原山大爆発とは関係ない、もし三原山の、気象庁が発表するように火口がどんどん上がってきている、近く爆発があるぞというのだが、この爆発があっても、関東大地震の前ぶれではないのだというふうにお考えでしたら、そのことをまず第一にお答えを願ったあとで、この予知連絡会のあり方について、二つ目にお答えをいただきたい。

萩原尊礼東京大学名誉教授

○萩原参考人 火山活動と地震活動の関係につきましては、比較的最近、地震研究所におりました金森君がまずそういう考えを御発表になりまして、それから、ただいまお話にありました中村君あるいは木村君というような方も、その考えを支持いたしまして、いろいろと御研究を発表になっております。  それで、これは要するに非常にあの付近が大きく圧縮される。したがって、そうしますと火山のマグマが、地殻が圧縮されるためにしぼり出されて上へ出てくる、それが火山活動になる。これは、一方あの付近、あの地域に非常に大きな圧縮力がかかっている一つのゲージともなる、そういう考えでございまして、たいへんおもしろい考えでございます。  それで、大正十二年の関東地震の前、大正の初期に、三原山が非常に大活動をいたしまして、溶岩が溢れ出るというような大活動をいたしました。それは関東の大地震の前兆と見られるというようなことがいわれております。  それで、こういう新しい考えは、従来は学会で発表されまして、いろいろそれに対しては反対意見の出る場合もありまして、そこで検討されて、だれもが承認するような説になるのでございますが、それは従来の話でございまして、最近は非常に情報化時代になりましたもので、そういう個人の研究がすぐ一般に、新聞、テレビ等を通しまして伝わる。そういうことで、まだ学会でもう少し検討すべきような問題も、非常に一般に広く伝わってしまうのでございまして、それを受けた一般国民の方々はたいへん面くらう場合が多いのでございます。  それで、私ども地震予知連絡会議等におきましても、やはり今日は情報化時代になってしまったんだということを考えまして、皆さんにあらぬ疑惑を招かないように、この火山活動と地震の問題も、今後はどんどん討議いたしまして、現段階におきまして、統一見解というわけにもいかないかもしれませんが、とにかくそういういきさつを発表いたしまして、皆さま方に不必要な心配をおかけしないようにつとめたいと思っております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 検討をして、結論の出る出ないにかかわらず、この種の問題の前後に、いま私がくどく質問を申し上げましたような、しろうとの側からいうと、何か連係がつけられそうな、そういう学説の発表があった場合には、大至急それに対して、予知連絡会議が議題として取り上げて、これに対する現段階における見解というものを、統一してすぱっと発表していただくような、そういう仕組み、体制というものがぜひ実行に移されてほしいと思うのですが、いま先生のお話で、やってみても結論が出ないかもしれないが、やるような雰囲気でもあったわけですが、私はやはりこういう問題に対しては、ある意味では、これは大きな地震の前兆ではないという前提をとるなら、当然のこと、三原山とは関係ない、だから三原山がもし爆発をしたからといって、同じく関東地方における大きな地震の心配はないのだ、こういう考え方が、心配するしろうとの側に持てるまでの意見発表は、予知連絡会議としてやっていただくように、ぜひお願いしたいと思う。このままで、金森さん、中村さん、木村さんの先生方の考えはおもしろい考えだというような程度で実は済まないので、たいへん大きな、われわれの側にいわせれば、不安の種にもなりますから、大至急に、この種の問題に関しては、いつでもそういう体制を整え、きちっと議題にして、まとまった統一見解を出していただくというように、今後はお願いしたいと思いますので、その点はいまどうこうはできないでしょうが、ぜひひとつ——最近、委員会でいろいろとお願いをしたことが、一歩一歩、予算の面でも大臣方の努力でだいぶつきましたし、前進をしているので、張りをもって、いまものを申し上げているわけですが、大きな期待をしながら、この点はお願いをしておきたいと思う。  それから、伊豆沖地震の最後の問題として、二、三お伺いしたいのは、新聞に、二十キロ沖が震源だといわれていますが、実際にはそのとおりなのかどうか。  現地における防災体制、救助体制に、今度はかわるわけでございますが、この救助体制が、統一のとれた指揮系統がしっかりと確立されて、そのもとに、ばらばらでない、むだのない救助、救援活動ができているのかどうかというのが二つ目。  それからもう一つは、こういう問題が起きたときに、中央防災会議というのはどういうアクションを起こしたのか。中央防災会議というもののイメージを、これを機会に、ひとつ私なりにつかましていただきたいと思いますので、中央防災会議はどんなアクションを起こしたのか。また中央防災会議には、あと地震の本論に入る中で、いろいろとお聞きしたいこともあるのですが、何かおいでになっている参事官が、時間がなくてお帰りになるそうですから、やむなくあとは千葉さんにお伺いすることにして、この問題だけ中央防災会議でお答えをいただいて、中央防災会議のイメージが私に——こういうことをこういうときにやるのだ、事前にはこうやっていた、この種の災害が起きる前、中央防災会議というものは、こういうことをいつも考えて勉強しておる、対策を立てておる、伊豆沖地震が起きたからこうした、というようなことをひとつお聞かせをいただきたい。  それで四つ目には、万が一、現地視察等を防災という立場でされてまいりましたら、いま私が申し上げたこと以外にも、現状の報告という意味でお知らせをいただきたい。  最後に五つ目には、これは大臣にお聞きするのですが、科学技術庁として、大規模な調査団が直ちに派遣されてしかるべきだと思うのですが、もう行っているのかどうか。やはり科学技術庁という立場からいうなら、ある意味では、もっけの一つの例示がここにできたわけなんで、いろいろ研究、検討をしている問題のサンプリングとしてでも、災いを福に転ずる大きな例示としてこれをとらえて、何かをここでつかむべきだと思うのですが、そういうおつもりがあるかどうかを、最後に五つ目としてお伺いしたい。

杉岡浩内閣総理大臣官房参事官

○杉岡説明員 お答えいたします。  九日でございますが、地震が起きまして、それで、当日の午後に、中央防災会議といたしましては、関係省庁を全部総理府に集めまして、まず緊急対策をそこで検討したわけでございますが、その前に、この地震に対しまして、災害救助法を十二時に発動いたしております。  そして、まず現地を的確につかむという必要がございますし、関係省庁を集めまして、中央防災会議事務局長である総理府総務副長官、小渕副長官でございますが、これを団長といたしまして、翌日十日の朝早く、総理府、警察庁、防衛庁、文部省、厚生省、農林省、水産庁、林野庁、運輸省、気象庁、建設省、消防庁という関係省庁の係官を連れまして、まず現地に入りまして、必要な調査及び必要な対策等を指示したわけでございます。  特に当日におきましては、行くえ不明者——当日、中木地区におきまして、地震発生に伴いましてがけくずれ、山くずれがございまして、二十七人の方々がこのがけくずれに埋まっており、それの救出にまず全力を尽くすようにいたしまして、警察庁、これは警官でございますが、それから防衛庁、これは自衛隊でございます。それから消防、こういったのが、まず現地で、これは現地の県の災害対策本部の指揮のもとに、まずその救出に当たるということで、行くえ不明者の救出を重点に置いてやっていたわけでございます。現在、警察庁できょうまでに延べ四千人、それから自衛隊が延べ一万四千人、それから海上保安庁等では必要な艦艇、航空機、こういったものを出動させております。それから消防団は、現地消防団員三百人が日夜救出に当たっておる次第でございます。  帰ってまいりまして、さらに中央防災会議で関係省庁を集めまして、今後の必要な対策、たとえば災害救助につきまして的確に行なうように、あるいはその救出をさらに万全に行なうように、あるいは危険地——地震によって相当の山等に崩壊が入っておりますが、そういったところを、建設省あるいは林野庁等が的確につかみまして、必要な対策をとるというような指示をいたしておるわけでございます。  そして、さらに昨日、衆参両院の災害対策委員会の視察がございまして、それにも関係省庁、私を含めまして関係省庁同行いたしまして、必要な対策について、さらにきょう午前中にその打ち合わせをしたわけでございまして、さらに今度は住家、あるいはあの村は民宿でございまして、民宿の復活、復興、こういったものを中心に、現在ある法令の限りを尽くしまして、必要な復興に当たるようにというような指示を、お互いに話し合ってきたわけでございます。  その前に、中央防災会議の平常時の問題でございますが、昨年も、先生にお答えいたしましたように、昨年の七月、根室沖の地震等を契機にいたしまして、地震予知の推進、それから都市防災化さらに防災体制の強化というような三点を申し合わせまして、地震予知につきましては、昨年の予算といたしましては倍になっており、それから都市防災につきましても、現在建設省、消防庁が中心になって、必要な計画を検討しております。さらに消防庁におきましては、大震災の火災対策といたしまして、従来四十八年、一億六千万程度の火災対策、大震火災対策に対しまして、ことしは十億の予算をつけまして、必要な貯水槽だとかあるいは必要な広報、こういったものを行なうというようなことをしております。  それで、その現地の状況等でございますが、この地震は非常に地域的な地震でございまして、下田あたりはそれほど被害がございません。全壊が現在百二十一というふうにわれわれつかんでおりますが、このうち約二十戸足らずが下田でございまして、あとの残りが全部南伊豆町でございます。死者、現在行くえ不明合わせまして二十九人、こうなっておりますが、その二十九人のうち二十七人が、さっきの山くずれによる死者及び行くえ不明者、あとの二人は、ほかの地区で家屋の倒壊あるいは畑地の崩壊、こういったものによる死者でございます。われわれといたしましては、一日も早くこの地区が復興されますように、もとの、昔の生活に戻れるように、万全の対策をとっていきたい。それからさらに現在、さっき申しましたように、山が崩壊している、あるいはひびが入っているところ等につきまして、これから梅雨季を迎えまして、そのあぶないところを調べまして、必要な対策を、建設省及び農林省——林野庁でございますが、等において立てていくように、きょう午前中の会議でも話し合っておる次第でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣、どうですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 伊豆半島沖の地震につきましては、梅雨季を前に控えておりますから、政府部内の各官庁で、それぞれ人を出して、応急的な措置並びに調査を現在やっておるわけでございます。その総体的なことは、いま中央防災会議の方からお話がございました。科学技術庁の場合も、地震直後、防災センターの職員を調査のために派遣して、災害の実情を把握し、現在、余震観測を湯ケ島で行なっており、また一名職員が、この地震による崩壊状態もいま調査中であるわけでございます。この当面の政府部内におきます応急的な対策ないし調査が一段落したあとで、科学技術庁といたしましては、政府部内の専門家からなる調査団を派遣して、抜本的かつ組織的な調査を実施したいと考えております。ただいま原委員からお話しの、御要望の線に沿った活動を行なってまいりたいと思いますが、これに対する予算措置も講ずる所存でございます。  なお、これにつきまして、まだどのぐらいの金がかかるかというところまでいっておりませんが、政府部内の専門家を集めて相談いたしました結果によって、十分所期の目的を達成するような調査を実施いたしたい、そういう考えでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 参事官、どうぞお帰りになってけっこうです。  ここで、途中でちょっとお伺いしておきますが、この間の新聞で、長官もごらんになっていると思うのだが、自衛隊が地震図上演習というのをやるという発表がありましたね。八月下旬にやるのだ。これは何も科学技術庁には相談はない。防衛庁から来ていますかね。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員長代理 はい、来ております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それでは先に、自衛隊が地震図上演習をおやりになるというのですが、これは自衛隊単独でやる。いま中央防災会議の発表がありましたように、各省庁中心で、総理府で、この種の中央防災という観点からの非常に連携的な機構を駆使して、地震対策を現にやっているというときに、自衛隊が単独でこれをやろうとしているのか、一切中央防災会議などに関係を持たせないでやろうとしているのか、それだけちょっとお伺いしておきたい。

伊藤参午防衛庁防衛局運用課長

○伊藤説明員 読売新聞の記事に出ました大震災対処演習でございますが、防衛庁としては、現在まだ実際に実施するという決定は行なっておりません。ただ、現段階におきましては、今年度実施するということをひとつ予定しまして、現在その準備と事前研究を行なっております。そういう状況でございますので、今後地震の想定であるとか、それからその想定に伴う所要の対処方針あるいは部隊の集中等で、記事にもございますように、主として指揮連絡機能の訓練というのを行ないます。もちろん地震の想定につきましては、従来から消防審議会その他でいろいろ想定が出されておるといったようなものを参考にいたします。が、当然予想しておりますのが大震災クラスということでございますので、中央防災会議との連絡要領とか、あるいは関係各省庁との業務分担といったようなものも、今後の想定準備段階においていろいろ検討いたします。ただ地震の実施は、自衛隊のそれぞれの各級部隊で各種の演練をやっております。今回は陸上自衛隊を中心にしまして、海、空自衛隊の指揮所関係の演習ということでございますので、その演習そのものは自衛隊の中だけでございます。そのいかなる連絡あるいはいかなる調整が関係各省庁と行なわれたかというようなものは、今後研究段階において、各省庁とも十分御相談の上、所要の想定として演習に反映さしていくつもりでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この計画は、お読みになっておるでしょうけれども、たとえば中部方面隊、中部、近畿、中国、四国の全体二十一府県の部隊が、首都圏に向かって、うわっと四万人も増派されるというようなことです。これは自衛隊単独でやったら、じゃまになってしようがないですよね、こんなことをやられたら。これはもう科学技術庁が音頭をとり、ある程度の想定を行なって、むしろ各諸官庁から要請があって、自衛隊が四万人出動するという体制をつくる演習でなければ、こんなものをかってに——これはいまのお話だと、読売さんがかってに書いたんだそうですから、どうも信憑性がないのかもしれませんが、私は、これだけのこまかいことがあるのに、かってにいいかげんなことを書いたというふうには思わない。最近の新聞はそんなでたらめは書いていないというふうに考えると、やはりもうちょっと、真剣に考えていただいてけっこうなんです。これはぜひひとつまわりの主管官庁が相談をして、ある想定を行なって——これには震度六の裂震がどこを襲ったのを想定する、こう書いてある。起きそうなところをうまくいっていますよね。これは真剣に考えているのじゃないかと思うので、そういうのも、やはり自衛隊単独で演習なんということを考えられたら、およそナンセンスだというふうに思います。部隊の中だけでかってに演習するならいいのですけれども、全国からずっと四万人も増派して東京へ集めようというのに、かってにやられたらたまったもんじゃない。こんなもの、じゃまっけになっちゃいますよ。だから、統制のとれた演習を行なうなら行なう。その一環として、救助の要請があったときに出動するということから始まっていく、全体の仕組みの中の自衛隊の増派ということにならなければいけないと思いますので、参考までに言っておきますが、意見ありますか。

伊藤参午防衛庁防衛局運用課長

○伊藤説明員 ただいま先生御指摘されましたとおりでございます。  なお、演習は、新聞記事にも書いてございますように、図上演習ということでございますので、現実にその四万人を演習過程において東京地区に集めるということは、一切いたしません。ただ、所要の指揮連絡あるいはその招集手続等を、新聞にもございますが、東北方面隊や中部方面隊からも集めるということは考えております。  それから、当然、この自衛隊の災害派遣でございますので、法に定められておりますように、都道府県知事といったようなものが第一次の要請権利者になっております。ただ、激甚災害になりますと、総理大臣を長とする対策本部というものもできるということになっておりますので、もちろん、そういった要請ないしは総理大臣指揮のもとの統制というものが行なわれて、そういった大部隊による災害派遣が実施される、これはもう法のたてまえどおり実施するつもりでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ここにもちゃんと図上演習と書いてあるから、図上であることが前提なんですが、やがてやりそうな危険があるから、くぎをさしておくわけです。  それと、演習だからやっていいんだということにはならないわけですよね。演習だから、かってにそういうことをやっていいことにはならない。ぜひひとつ連携をとって、図上演習の場合でも、ある程度の想定というものは、自衛隊がかってに想定しないで、専門的な機関に想定をさして、図上演習をやるというくらいな配慮をしていただくように、それじゃお願いをしておきます。  そこで、おさらいの本論に入るのですが、去年の四月二十六日の当委員会で、皆さんの審議の中で、われわれがいろいろとやっていただきたいという要請を申し上げました。その要請に基づいた一項一項を、本来はお聞きしたいのですが、おもなものだけ、これは千葉局長の御答弁になるか知りませんが、お答えを簡潔にしていただきたいのです。  一つは、地震予知のために、やはり統制のとれた強力な国家機関の設立が必要じゃないかということが言われて、宿題になっているわけであります。一体、それが地震予知体制の整備の上で必要だという前提に立って、いま考えられているのか、推進しているかどうかが一つであります。  それからもう一つは、東大地震研ですが、開店休業のまま三年間やってまいりました。現在もまだ、解決されたといわれながら、実際には、学内の何々闘争委員会だか知りませんけれども、紛争を起こしていた地震研、応微研というような各研究所内の、先生と職員の間のトラブルではなくて、東大全体の中の全学闘争委員会だか何か知りませんが、これが来て、教授、助教授の入るのを阻止しているということがいわれて、何とかなります、なりますと言って、いまだに何ともなっていない。これはまあ、最近の教育問題全体がどういこうとしているのか、私、知りませんけれども、この種の問題は、教育の方針がどうあろうとも、いつまでも許しておいてはいけないと思うのであります。強権発動というのか何か知りませんが、何か一回か二回やってみたんだが、一ぺん追っ払うと、またアブみたいにやってくる、始末が悪いんだというようなことになっているんだろうと思う。しかし、そんなことを、始末が悪いんだ悪いんだで、この重要な、地震の関係では頭脳的な東大地震研が、この状態でそのままいることはもう許されない時期に来ている。まあ人権侵害、予算をつけないからたいしたことないやというのかもしれませんが、そうはいかない。もっと、給料を払うからには、有効に作用をさせなければいけないはずであります。こういうものをほうっておくのが度が過ぎている。ところが、もう度が過ぎていない、きちっと解決いたしましたと言うのかどうか、この点御答弁をいただきたい。  その次に、観測記録の自動集中観測システムというもの、これはぜひしなければいけないだろうということになったのですが、そのシステムの整備が、今度の予算上、どの程度進んでいくのか、これをぜひお聞かせをいただきたい。  それから海底観測ですが、これはもう、やるやると言われて、いま微々たる状況には違いないのですが、今回の予算で、一体どの程度の進歩があったのか、具体的にこれはお聞かせをいただきたい。  それからもう一つは、予算の問題に入るわけですが……。これはひとつあとでお聞きするとして、いまの問題を先にお答えをいただいて、それからまた予算と、次の問題に移りたいと思います。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 先生からたびたび昨年御指摘がございまして、この地震の予知の問題につきましては、先生の御期待に十分沿えるかどうかわかりませんけれども、まあまあ、そのたいへんな御支援によりまして、私どもも政府部内、御承知のとおり各方面にこれは関係いたしておりまして、その各分野の連中に大体平仄をそろえまして、それでこの予算の獲得あるいは組織の強化、これを進めさしたわけでございます。  それで、いま御質問のまず第一点の地震の予知については、政府としてはもうちょっと総合的にこれを観測し、そしてそれを統一的に研究を進めていくような機関をつくるべきではないか、こういう御指摘があったわけでございますが、この件につきましては、御案内のとおり、昨年八月でございますか、政府部内で、地震予知関係所長会議を設けまして、それですでに八回にわたっていろいろ検討をいたしており、いまちょうどその検討をしておるさなかでございます。したがいまして、これの審議過程しか申し上げられないんでございますが、これにつきましては、萩原先生中心の地震予知連絡会議、これを十分強化して、とりあえず、先ほど先生御指摘の地震予知関係の第三次の計画、これは測地学審議会から出ております計画を進めていこう。それで、それにつきましては毎年見直しをしながら、もう、一ぺん出したからそのままそれでいくんだということじゃなしに、十分先生のほうにも毎年見直しをしていただきながら、それで進めていこうというような方向で、いま一応進んでおるわけでございます。追って、政府部内としても早急にこの結論を出したいと、いま考えておるわけでございます。  さらに、東大地震研の問題につきましては、これはどちらかといいますと、いまの予知の問題を進めていくにあたりましては、この地震研の頭脳というものが、組織的には利用されておらないわけでございますが、これにつきましては、文部省の問題でございますから、文部省側から答弁していただきたいと思っております。  それからいま一つは、いわゆる観測のシステムの整備の問題とこの予算の関連でございますが、これにつきましては、これは御質問の内容は、私よくわからないのでございますが、おそらく例の国土地理院を中心とした観測の強化だと、私は理解するわけでございます。それからさらに気象庁中心のいろいろな地震観測をいたしておりますので、そこの観測で、しかも萩原先生のところの予知連絡会議で指摘いたしております特別の観測強化地域、あの九地点でございましたか、ああいったところの観測を、数十億の金をかけて五年間やると相当いけるのだ、こういうような先生のこの前のお話、それの線に沿って、しかもそれがいわゆる測地学審議会で出ている第三次計画、これの計画の線で進んでいるかどうか、こういう御質問だと思いますので、それにつきましては、おかげをもちまして、これは予算に触れてしまうのでございますが、四十九年度の予算が、全体で、地震予知関係は十五億五千二百万でございまして、四十八年度が七億八千五百万でございますので、約倍に近い増加をいたしております。特に先生御指摘の建設省の分につきましては、これが約三億六千万で、二億六千万の四十八年度に比べて一億増加、運輸省関係の気象庁あたりが二億八千万のものが五億四千万、そのほか各大学でやっていただいておりますこれが、一億八千万のものが五億五千万になっておりますという点でございまして、先生御指摘の点は、十分とはいえませんでございますけれども、四十九年度は、先生の御鞭撻、御支援によりまして、政府部内といたしましても、うちの大臣あるいは関係各省の大臣が御熱心にこれを推進されまして、それで約倍増ということに相なったわけでございますけれども、いま先生の御質問の点は整備されるものと考えておるわけでございます。  それから第四の点は、いわゆる海底地震関係でございまして、これの地震計の整備が今後のいわゆる地震の予知に非常に重要であり、海底の地震観測が最も弱い、ウィークな点であるということは、先生からの御指摘もございました。これにつきましては、気象庁におきまして九千六百万ほどつけまして、四十八年度には手をつけておりませんでしたけれども、いよいよ初めて手をつけだしたという点でございますけれども、これも十分とはいえませんでございますが、スタートを開始したということでございます。  以上でございます。

七田基弘文部省大学学術局学術課長

○七田説明員 お答えいたします。  去年、先生から地震研の問題につきまして御質問がございまして、その後の進展状況といいますか、経過を御報告いたしたいと思います。  昨年九月に、これは異例の大学学術局長通達といわれたわけでございますが、東京大学に対しまして、地震研の紛争にかんがみまして、これを今後地震予知計画上どういうように位置づけるかということについての照会を行なったわけでございます。十月末日に期限を切ったわけでございますが、それに対しまして、十月末日に、東京大学学長から回答がございまして、現在、東京大学といたしましても、地震研の紛争解決のために努力をしておる、関係者はとにかく努力しておるので、もう少し見守ってほしいという御回答があったわけでございます。それに対しまして、当方といたしましては、さらに、口頭でございますが、この紛争解決をできる限り早くやってほしいという要望をいたしたわけでございます。   〔伊藤委員長代理退席、佐々木(義)委員長代理着席〕 それで、地震研の内部におきましては、そういう異例の大学学術局長通達もございました関係もございまして、職員組合の中から、次第に紛争を収拾しようという動きが出てまいりました。昨年の暮れからことしにかけまして、その動きが表面化いたしまして、二月十六日に、地震研究所の職員組合は紛争終結の宣言をしたわけでございます。しかし、実際上は、なお東大の全学闘争委員会の関係の人たちが、これはまあ三十人といい、あるいは多い場合には六、七十人といわれますが、場合によりますと出てまいりまして、教授、助教授が所内に入ることを妨害するというような状況が続いております。ただ私どものあれといたしましては、東大当局も、それについては、何らかこの紛争を解決しなければならないということで、学長以下非常に熱意を持ってこれに対処いたしておる点もございまして、なお東大と現在いろいろ相談しながら、その解決の方向に持っていっておるというのが現状でございます。  したがいまして、地震研究所内部におきます震闘連といいますか、全共闘的な派閥はだいぶ少なくなったようでございまして、私どもは、その今後の動きを期待して見ているわけでございますが、同時に、昨年以来、その地震研に対します経費などにつきましても、南関東の地震の観測をはじめといたしまして、主要なものをストップせざるを得なくなったというような点もありまして、現在そういう面からもいろいろな反省をお願いしておるわけでございます。  しかし、地震研自体の持っております地方におきます観測網は、これは一応正常に動いております。そして必要ないろいろなデータは集めておるわけでございますが、一番問題になります地震研究所の教授、助教授のブレーンが十分に活用できないということがございまして、私ども非常に残念に思っておる次第でございます。このギャップにつきましては、東北大学、東大の理学部、京都大学の理学部、防災研究所、あるいは北海道大学、そこの研究者が補ってくれてはおりますが、しかしその一日も早い立ち直りを、私どもとしては希望しておるわけでございます。  なお、先生が先ほど御質問になりました中で、集中テレメータリング方式の件につきましては、本年度は、おかげさまで東北大学と京都大学にその集中方式を取り入れることができるようになっております。さらに今後、北海道大学、名古屋大学、それから京都大学のほうをさらに拡充していきたいというように考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 東大地震研の問題に関しては、今度四十七年度の決算のときに、会計処理の問題、この間まだ解決していないんで、これはどうしても一度、解決しなければいけないので、質問をいたします。  会計面からいって、少し検討していかないと、どうもこの問題は解決しないのじゃないか。いまのお話でも期待はしますけれども、大至急に、これは来年度は予算を完全につけて運営ができるようにしないと、どっちにしても、分散して、どこかに大学をくっつけちゃうのか何かしないと、これはもったいないというふうに実は考えています。  そこで、いま局長からお話のあった中で、一つシステムということばで簡単に言ったものだから、落ちたと思うのですが、観測井戸とか南関東一カ所のやつをどうするのか。  それから、光波測量の問題が相当進んでこないと、もういけないと思うので、このシステムがどの程度取り入れられるのか。予算の面でどうなるかをあわせてお聞きをしたい。  それから、時間がありませんからお聞きをするのですが、この間、西ノ島に新島ができました。ふたご山じゃないけれども、新しくまた追っかけて追加してできた。できたその西ノ島新島か何か知りませんが、三百なり五百メートル移動しているというようなことが発表されているのですが、こういう移動をするという現象は一体どういうことなんだろうかを、おわかりでしたら、お聞きかせをいただきたいのが一つ。  それから火山の噴火と地震の関係についての研究も新たに取り上げて、本年度から予算がついて、この推進がはかれるというふうに聞いていますが、それが一体どの程度のものになっているのかを聞きたいのと、現実の問題として、桜島だ、三原山だ、あるいは浅間山だ、何だという、この山の、まあ鳥海山なんかが、いきなり二回にわたってとにかくふき出したというようなこともありますが、このおもな火山がこれから一体どのような状態になっていくんだろうということを、総括的でけっこうですから、お聞きかせをいただいて、その火山の中で、特にこの火山が爆発を起こすと、ある種の地震につながる危険があるという見通しの火山があるのか。火山活動だけをとらえていて、それが噴火したしないというだけで考えていていいのか。どこかのどの島の火山が噴火したときには、そのまわりのどこら辺に地震を起こす危険があるんだというようなことも、研究調査がされているのかどうかということを、まとめて恐縮ですが、お答えをいただきたい。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 ただいま御指摘の点は非常に専門的な点でございますので、分けて答えさせていただきたいと思います。  それで、まず科学技術庁関係ですと、深井戸による観測、三千数百メートル掘りましての観測、これは三つの井戸を掘って微小地震を把握していく。これによりまして、今後の地震予知の比較的小さいほうのあたりをねらう、そういった点をねらってのこのシステムの点につきましては、第一号が完成いたしましたので、今年度の予算につきましては、第二号のものについていま予算がついておるわけでございます。したがいまして、逐次進んでおりますので、この点は予定どおりに進んでおります、こういうようにお答えしたいと思います。  それからもう一つ、それに関連いたしまして、科学技術庁の科学技術防災センター、そこに地震予知の研究室を新設いたしました。それで、室長以下三名増員いたしまして、そこでいま申し上げました範囲を、責任を持たせて、それでこれを総合的に推進するような、そういったようなシステムづくりもしたわけでございます。  それから、第二の点の光波観測の問題でありますが、これは国土地理院さんが参っております。   〔佐々木(義)委員長代理退席、委員長着席〕  それから火山の関係は、気象庁がいま参っております。それから新しい島、新島の問題ですが、これについては気象庁のほうからお答えするかと思います。

村岡一男国土地理院参事官

○村岡説明員 光波測量の件についてお答えいたします。国土地理院でございます。  光波測量については、先生、方式そのものについては御案内かと思いますが、いままでわれわれの基準点をはかるのについては、角度をはかるのを主にしまして、その中のあるものを光波測量にしていたというのがいままででございました。  それで、非常に光波測量の精度がよくなったということは、先生御案内のとおりだと思いますが、今度は主客を転倒させまして、それを主体にして、あと補助的に角度をはかるという方法に切りかえるということを、おそらく前参事官から説明があったと思いますが、四十八年度の試行期間を置きまして、四十九年度の観測から、全面的にその方式に移行しました。  以上でございます。

末広重二気象庁観測部地震課長

○末広説明員 西ノ島が何か移動しているかのように見えるが、どうであるかという御質問と思いますが、これはああいう海低火山では、えてしてカルメラのように、一ぺん上へ上がりまして、また陥没してしまうというケースもございますし、それから非常にがさがさの噴出物でございますので、波浪のためにどんどん洗われまして、一ぺん出た島も海岸の形がどんどん変わってまいります。それから、一方、火山活動のために新しい噴出物が出まして、それが島の別な部分へ堆積してきますと、そちらのほうが新しく海の上へどんどんふえていくわけでございます。でございますから、一見しますと、何か島が動いているように見えるかもしれませんが、そういうことではないのでありまして、一方が削られたり陥没したり、また他方が新しく形成されるということで、現在進行しているわけであります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 最後に、萩原先生にお伺いしたいのですが、前回のときから問題になっております、あれもこれもやりたいという、人の問題もありますけれども、予算の面では特に十五億くらい、萩原先生おっしゃったとおりの予算が大体ついた。来年度の話をいまするのは恐縮ですが、ここまできてみると、もう一歩、あのとき私ども三十億くらい必要でしょうと言ったら、いや、いきなりそう言ってもいけない、せめて十五億あればとおっしゃった。その十五億、先生のおっしゃるとおり大体できた。しかし、日本の防災関係全体で言うと、百四十八億、本年度予算の中にはついた。先生のざっくばらんな御意見で、あれもこれもやりたい、いま言った、とにかく観測に金もかかる、何もかかる、あれもやりたいが、最小限度これだけやるには、来年度にはこのくらいほしいのだというような御意向がありましたら、お聞かせいただきたい。

萩原尊礼東京大学名誉教授

○萩原参考人 私、原先生にお答えいたしましたのは三十億でございます。ですから、その三十億の考えには変わりございません。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ありがとうございました。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 萩原参考人には、御多用のところ、長時間ありがとうございました。  次に、伊藤宗一郎君。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 きょうはラジオアイソトープのことにしぼりまして、主として科学技術庁にお伺いをいたしたいと思います。  おくればせながら、わが国の原子力の平和利用の問題もだいぶ進展をしておりまして、われわれの国民生活にもいろいろと密着しております。特にラジオアイソトープにつきましては、ジャガイモの発芽の防止あるいはRIの照射によるプラスチックの強化等、われわれの身近な生活にも非常に目ざましい貢献をしております。また医学の面でもガンの治療等、さらには公害防止関係ではガスクロマトグラフィー、硫黄分析装置などの面でも大いに利用されていると承っております。  そこで、そこまで進んでおるRI利用の、最近のわが国の研究開発の進展状況並びにその利用状況について、簡潔にひとつ御説明いただきたいと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 先生御指摘のとおり、放射性同位元素の利用は、基礎科学の分野だけでなくて、工学、医学、農学等に広く利用されておりまして、研究といたしましては、たとえば日本原子力研究所ではRIの製造から熱源としてのRIの利用、それから新物質の合成、プラスチック改善等にわたりまする放射線科学の分野の研究が専門的に行なわれていることは、先生御承知のとおりでございます。また医学方面の研究といたしましては、放射線医学総合研究所で、ガンその他にRIを利用いたしまして、診断、治療の研究をいたしておりまするほか、農業利用関係につきましては、国立試験研究機関、そのほかを利用いたしまして、栽培技術の改良等に関する研究を実施いたしておる状況でございます。  それからなお応用面のほうでは、工業では非破壊検査だけでなくて、厚み計、液面計等の品質管理、工程管理等に使っておることはすでに先刻御承知のとおりでございます。そのほか広くいろいろ使われておりますけれども、大体そんなところがおもな現況でございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 そういうようにたいへん広範に利用されているわけですけれども、先ほどの原委員の御質問に重複しますけれども、現在RIの使用事業所数はどの程度で、また全国にどういうように存在をしておりますか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 使用事業所として正確な数字は、四十八年三月三十一日現在でございますが、二千八百七十二事業所ございます。現在はおそらく三千をこしていると考えられます。全国的分布は、全国にわたっております。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 このRIの使用事業所の所管はどこです。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 放射線障害防止法の体系では、科学技術庁でございまするが、そのほか労働省のほうで御所管の法律の関係の所管がございます。そのほか放射線関係ではほかの省庁にもあります。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 先般、この事業所のことで、四十六年のことのようですけれども、新聞の報道で、たいへんなことが起こっておりましたが、この非破壊検査というのは、一体どういうことで、また、ほかの検査方法に比べて、この非破壊検査というのはどのような利点があるわけですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 非破壊検査とは、御承知のとおり、鋼材とか鋼管とか、そういうものを破壊しないで検査するということでございまして、放射線等により調べますために、破壊しないで検査ができるという利点がございまして、利用分野といたしましては、電力、鉄鋼、造船等に使われているのが現状であります。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 たいへん利点もあり、原子力平和利用の一環でありますけれども、何せ障害防止法の規制を受ける事業であるわけですが、その防止法の規制の内容をよく説明してください。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 障害防止法の内容のごくあらましは、放射性同位元素を使用し、販売し、廃棄する者は許可を受けなければならないということが第一でございまして、許可を受けたあと、実際に事業を開始する前には、放射線障害予防規定というものを設けて、必要な安全に関する規定を設けると同時に、放射線取扱主任者という、法定の資格を持った責任者を選任する必要があるというぐあいにいたしております。  それから先ほど申しました、使用、詰めかえ、保管、運搬、廃棄につきましての基準を定めているということがございます。なお、使用、保管等についての記録を保持したり、従業員の被曝測定等を行なわなければならないということに相なっておるわけでございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 それでは、そういうような規制を、経営者も従事者も順守しておれば、障害は起きないのですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 ただいま申し上げましたように、使用、詰めかえ、運搬、その他につきまして基準がございますから、それを守るということと、それから放射線管理について、フィルムバッジをつけさせるとか、あるいは一定の測定を行なったり等、法律に定められているとおりやりますれば、危険なものではないと思います。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 今度の事件について、立ち入り検査を行なったということは、先ほどの御質問でも明らかになりましたけれども、もう一ぺん、立ち入り検査の結果どういうことであったのか、また少年の障害の程度なども明らかにしていただきたいと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 今回、立ち入り検査を当方としても行ないました会社は、二つございまして、一つは日本非破壊検査株式会社でございます。これは五月の十三日と十四日に、本社並びに出張所についていたしましたが、先ほども申し上げましたように、ちょっと古いときのことでもございますし、それから本件自体につきましては警察の御調査がございますために、必要な書類等が押収されている関係もございまして、詳細のところは、目下私のほうでもわかりかねる点がございますけれども、問題点の一つは、法律で禁止いたしておりますところの十八歳未満の者に放射性同位元素を取り扱わせたかどうかということでございますけれども、それに伴いまして、もしそういうことがございますれば、当然のことながら、障害防止法に規定する記録、教育訓練、その他について不備な点があったのではなかろうかという点を、目下調べているところであります。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 こういう事業所に対しての労働安全衛生法の関係からの規制内容を、労働省のほうから御説明いただきたいと思います。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 労働安全衛生法は、先生御承知のように、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的な災害防止活動促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的な対策を推進することによりまして、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、さらに快適な作業環境の形成を促進することを目的といたしているわけでございます。その中で、電離放射線による労働者の健康障害を防止するための具体的な基準といたしましては、労働安全衛生法に基づきまして、電離放射線障害防止規則が定められております。この規則は昭和三十四年に制定されまして、その後三回にわたる改正を加えまして、現在ILO条約を満足する内容になっております。  この規則の具体的内容でございますが、その骨子について申し上げますと、まず第一に管理区域を設け標識を設定すること。それから放射線業務に従事する者についての被曝線量の限度をきめておりまして、それに基づいて具体的な管理を進める。第三は、エックス線装置なりガンマ線照射装置等の構造、取り扱い等について規制をいたしております。第四に、密封されていないラジオアイソトープの取り扱いにおける汚染の防止のための措置が定められています。第五番目は緊急時の措置。第六番目に被曝線量、それから作業環境測定の記録の保存等についての規定がございます。第七は、関係労働者の健康診断の実施について定められております。  以上が、この規則の大体の骨子でございます。  なお、十八歳未満の者につきましては、労働基準法によりまして、電離放射線にさらされる業務には就業が禁止されているところでございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 そのように、科学技術庁あるいは労働省が、それぞれの立場からたいへんきびしい規制をやっているわけですけれども、現に未成年者をそういう作業に従事させたり、また管理上もいろいろ手落ちがあったということですけれども、規制内容、いわゆる法令の周知徹底が一番大事だと思うわけですが、この法令の周知徹底の問題について、どのような措置をいままでとってきたのか、またとりつつあるのか、それぞれの立場から、その措置をこの際明らかにしていただきたいと思います。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 当庁のほうといたしましては、まず許可を与えますときなど、事業所と接触する機会がありますときには、その機会をとらえて周知徹底をはかっておりますのと、先ほど申し上げました立ち入り検査等の機会には、もちろんそういたしておりますほか、たとえば今度問題になっております日本非破壊検査株式会社のような業務をいたしております事業所が十数事業所ございますし、非破壊検査振興協会という協会もございますので、そういうようなところを通じまして、周知徹底をはかるようにつとめておる次第でございます。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 関係法令を周知いたしますことは、先生御指摘のとおり、基本的に重要な問題でございますので、労働省としましては、こういった法令の制定、改正を行ないました際には、全国的に各地で説明会をいたしまして、関係者に十分周知をはかっているところでございますが、その後も、いろいろの機会を通じまして、法令の周知にはつとめております。さらに労働災害の、自主的な事業者の活動をはかるための団体がございます。中央労働災害防止協会、そのほかに、特に災害発生率の高いあるいは災害件数の多い、問題のある業種につきましては、それぞれ災害防止協会が設けられておりますが、これらの自主的な災害防止のための団体を通じまして、常に関係法令の周知等につとめているところでございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 たいへんりっぱな方針であり、また努力もしておられるようでございますけれども、現にこういうことが起きておりますし、監督の官庁が指示をしておっても、悪意を持つなり、またそれに従わないということでは、なかなか問題は発見されませんし、また解決もされないわけです。この非破壊検査の許可のときに、機器の取り扱い等について規制があるということですが、どのような具体的な指示を、どういうふうにやったわけでしょうか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 遮蔽物を使いまして放射線の遮蔽を行なうこと、それから遠隔操作の装置、たとえば鉗子などを使いまして、放射性同位元素と人体とに一定の距離を保つこと、人体が放射線に被曝する時間を短くすること、非破壊検査機器に、線源の脱落があるということがないように防止するための装置を二重につけるということで、脱落を防止すること、あるいは移動させて使用する場合に、紛失、漏洩等がないかを点検すること、そういうようなことをふだんから指示、指導しているところでございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 そうやって指示をしても、現にこういう違反の会社が、はっきりしたところで二つ出たわけですから、厳重な措置をしなければならないと思いますけれども、本件の違反の会社に対してどういう措置をとりましたか、またとるつもりですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 先ほど申し上げましたように、目下立ち入り検査等を通じまして、あるいは事情聴取等を通じまして、調査中でございまして、書類等の不備から、事態が必ずしも全部明らかになっておりません点にもかんがみまして、いまのところはっきり申し上げる段階ではございませんけれども、調査結果の内容によりまして、法令に照らして厳正な措置をとりたいと考えております。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 RIの使用事業所が全国で三千をこすというようなたいへんな数になっておるわけで、年々事業所はふえながら、その監督業務に従事しておる職員が、数は必ずしもふえないということで、監督の度合い等が、新聞によりましても、たいへん減っているということですが、こういうことをしておったのでは、また同様な事件が起こるおそれがあるものとわれわれは見ておりますが、先ほどもこれからの監督検査体制について、長官の構想、またそれに基づく事務的な詰めのお話もありましたけれども、早急に検査監督体制を強化しなければならないわけですけれども、その増員等について、どういうめどなりまた対策を持っておりますか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 この防止法関係では、御承知のように、放射線検査官という制度がございますが、ただいま御指摘のように、その数が必ずしも十分でない点にかんがみて、その増員には格段の努力をいたしたいと考えますが、なおそのほか、たとえば先ほど申し上げました事業所関係の協会等を通ずるとか、その他の方法によりまして、少し多角的に、それからもちろんのこと、たとえば本件は労働者の災害であるという観点から見ましても、こういうような点につきましては、労働省との連絡をさらに一そう密接にいたしまして、そういう多肉的な面で、施行に遺憾なきを期したいと考えております。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 いま労働省との関連のお話も出ましたが、労働省は、そういう下請の事業者を含めまして、直接に監督の権限を行使できる立場にもありますし、また全国的な組織から見ましても、労働者保護については、そういう責任を実際に果たせる組織も持っておりますわけで、労働省としては、ぜひひとつこういうような事件が再発しないように、全国の組織をあげて、予防措置を講じてほしいと思うわけですけれども、あらためて、労働省当局の今回の事件等に対しての対策なり決意がありましたら、この際に聞かせていただきたいと思います。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 電離放射線による労働者の健康障害の防止につきましては、労働省は、従前から行政の重点として取り上げまして、昨年も、非破壊検査業務等を行なう事業場等につきまして、全国一斉に監督を実施いたしておりますし、ことしもまた、同じように全国一斉監督を実施するよう、すでに三月の全国局長会議で指示しているところでございます。そのように、鋭意監督指導につとめているところでございますが、報道されるような事件があったことは、まことに遺憾でございます。今回の事件につきましては、現在調査を進めている段階でございますが、この際いろいろな観点から、この種の事件の発生の背景とかあるいは原因を究明いたしまして、早急にこれについて対策を立てますとともに、これに基づきまして、今後とも、発注者、元請事業者はじめ関係事業者に対する監督指導の一そうの強化をはかり、このような事故の再発の防止に、積極的に今後取り組んでいきたいと考えているものでございます。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 先ほど、何か地方組織もつくるというようなお話も承りましたけれども、これはやはり地方自治体との緊密な連携が必要で、またある意味においては、そういう規制業務を地方自治体にもゆだねるというようなことも、十分考慮していい時期に来ているようであると私は思いますけれども、そういうことについて、先ほどのこととも関連いたしまして、所見があったら一つ……。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 先ほどちょっとお答え申し上げましたように、だんだん数もふえますし、それから所在地が全国にまたがっている点にかんがみまして、地方自治体に何らかの形で仕事を分担させるということは、かねがね検討いたしておるところでございます。また昨年も、実はその方向で予算を要求いたしたことはございますが、今回の点にもかんがみまして、単に地方自治体だけではなくて、何らかのかっこうで地方の組織を検討いたしまして、それによって、いままでのように中央だけで、あるいは科学技術庁の本庁だけでということでなくて、もう少し地方的な体制を検討いたしたいと考えております。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 今回のことについての大体の方針はわかりましたし、またそういう対応策もわかったわけですけれども、締めくくりとして、こういう事件が起こりますと、せっかくのラジオアイソトープの活用について、国民の不安がまた新たに出てくるわけで、せっかく科学技術の一つの成果であるRIの利用等がとんざをする危険性もあるわけで、こういう際に、やはり科学技術庁として、所管の担当のお役所として、当面の対応策ばかりでなしに、将来にわたっての原子力の平和利用なり活用なり、そういう問題について、新しい角度から対策なり決意というものを持っていかなければならないと思うわけですけれども、そういうことについて、最後に、今後の対策等について、締めくくりの御決意を承って、質問を終わりたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 ラジオアイソトープにつきましての今回の事件は、新聞紙上伝えられるごとくであるといたしますならば、まことに遺憾にたえないところでございます。現在、科学技術庁も調査を進めており、また労働省のほうでも調査を進めておりますので、その結果を見まして、先ほど局長から話がありましたように、当面の問題といたしまして、厳正な措置をとるつもりでございます。  今回の事件は、労働者の災害に関係することで、労働安全衛生上の問題でございまして、労働省のほうでも、労働基準法、労働安全衛生法あるいはこれに基づく、先ほど労働安全衛生部長から話がありましたような規則があるわけでございまして、その意味での監督事項になっておるわけでございますので、労働省は、御案内のとおり、地方に労働基準局もあり、基準監督署もあるわけでありますが、残念ながら、科学技術庁には、今日までのところ、原則的にはそういう地方組織に欠けております。一部水戸、福井等にあるわけでございますが、そういう地方組織がございませんので、私どもは、決して責任を免れるものではないのでございますが、現状といたしましては、労働者の災害、安全衛生に関する事項につきましては、労働省の多年の経験と充実した地方組織によらなければ、科学技術庁の少数の担当者でもって、全国の多数のものを把握することはできないわけでございます。法律にも、その点において両者がそれぞれ協力してやっていくという趣旨の規定もあるわけでございますから、これらの点につきましては、今後労働省のみならず、また仕事の上では、厚生省とかあるいは文部省とか、いろいろ関係がございますから、十分連絡してまいりたいと考えておる次第でございます。  先ほど、原子力局長から説明がございましたように、今日三千をこえる事業所があり、許可あるいは届け出等は、おそらくこの事業所の数の倍以上の数にものぼると考えられるにかかわらず、現在これを処理しております部局の要員は十数名でございまして、とてもそれでまかない切れるものではございません。だから、直ちにもって増員ということよりは、まず現状でやれることをもう少しやっていかなければならぬだろう。御案内のとおり、この法律は昭和三十二年に制定された法律でありまして、以来アイソトープの利用は非常に広く行なわれるようになり、業者の数も、その利用もまたふえてきておるわけでございますが、率直に言って、昔ながらのやり方をやっておったのではないかという反省を、私どもいたしておるわけでございます。でありますから、これらのアイソトープの販売関係、購買関係、医療関係の関係者を、それぞれの業種別あるいは職域別等に連絡することを考えるべきでありますし、また地域別にも、都道府県別に一つの組織化をしまして、この法令の趣旨の伝達、法令の運営の円滑化という基本的なものについて、科学技術庁は責任を負っていかなければならないと考えておるわけでございます。  実は、昨年でございましたか、行政管理庁のほうで、アイソトープの利用についての行政監察がございまして、関連事業所二百六十一カ所を行政監察して、そのうちの七八%に当たる二百四カ所が何らかの法律違反の指摘を受けた、私はこういう事実の報告を受けまして、これはただ二百六十一カ所だけではなくて、いわば全体から見れば抽出監察をしたようなことになると思いますから、それに対して基本的に対処しなければならないと、かねがね考えておったわけでございます。  ここで少し内輪のことを申し上げますれば、行政管理庁のほうに、科学技術庁として返事を用意しておったのでありますが、どうもこれでいいという確信を持ち得ないままに、私も判こを押さないで、自分のかばんの中に書類を持っておりましたところ、今般の事件の報道を得たわけでございます。そこで、ともかくそういうことでございますから、この際いままでのようなぬるま湯といいますか、微温的なやり方で対処するのはいかがかと考えまして、まず第一番に、三千近い業者に対して、私の名前をもって、法令の順守方についてお願いし、趣旨の徹底方について御理解を願い、そして、この法令の円滑な運営方について要望もし、それについて事業所等は守っていただく。そして、実際はどうなっているかという自主点検と申しますか、御返事をいただく、こういう手当てをいたしたいということで、目下鋭意この準備中であるわけでございます。  それが一つの事項であり、それから、人数は十数名で、とてもまかない切れませんで、先ほど申し上げましたように、職域別あるいは業種別あるいは地域別の既存の団体を利用するとか、新しい団体をつくるとか、そういう形において、科学技術庁とそれらのグループとの結びつきで、法令の円滑な運営をはかって、問題が起きないようにするような一つの組織づくりも考えていこうと考えておるわけであります。  それから、さっきも申し上げましたことで、各省との——いま労働省からもお話がありましたが、労働省と、この問題について、どういうふうにやっていこうかということを、ここであらためていろいろ御相談しなければいかぬと思っておるわけです。こういう事件がありますと、労働省内部で処理されて、私どもの耳に入らぬような場合もあるわけですから、これから、この種の問題は、地方だけにとどまらず、本省のほうに報告するようにしていただいて、私どもの耳にも聞かしていただいて、相互に、私どもとして意思疎通ができるようなやり方を、これから、たとえば労働省のほうとも御相談していく。国立病院の関係ということになれば、これは厚生省でございますし、大学病院の関係ということになれば文部省ということでもございますから、これらの関係個所とも緊密に進めていきたい。  それから、先ほどの、地方にこの仕事を委譲するという問題が一つの方法だと思います。十年ぐらい前に、二年ほど続けて予算要求したんだそうでありますが、それがものにならなかった。四十九年度予算についても要望いたしましたが、ついに認めるところとなりませんでした。  それで、そういう従来の考えのような、地方にこの権限を委譲するやり方がいいのか。あるいはいま水戸の原子力事務所というのがありまして、あの水戸の原子力事務所には、放射性同位元素のこの法律に関するような、許可とか届け出ということにつきまして仕事をまかしてある。地方であそこだけは、すでに権限を委譲しているようなやり方をしているようでございますので、原子力の問題が、放射性同位元素以外にも、各方面でいろいろございますから、そういう意味では、あるいはそういう専門の地方組織をある程度持って、これはアメリカの原子力潜水艦の入港の問題もございますし、それから原子力発電所の問題もございますし、そういう関係の個所が近来かなりふえてまいっておりますので、そういうところの充実と合わせて、これを考えていったらいいのか。その辺のところはちょっと当面の宿題といたしまして、いずれにいたしましても、五十年度の予算には、本格的な要求をする体制を、検討事項として、広い意味の地方に権限の委譲というものを、要するに都道府県庁だけに限らないで、そういうようなことを考えていったらどうかということで、その方針に従って、この問題に対処してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、昭和三十二年の立法で、その法律の運営以来、今日まで一つの軌道が敷かれておるわけでございますが、マンネリズムに堕することなきように、この際決意を新たにして臨む所存でございまして、御案内のとおり、私もいろいろ宿題はあるわけでございますが、その重要な宿題の一つとして、この問題の処理に真剣に当たるつもりでございます。今後格別の御指導をお願いいたしたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤委員 たいへん長官の御決意も承りましたし、時間も参りましたから、以上で質問を終わります。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 ただいまの答弁を聞いておりますと、実にのんびりしたものだと思うのですよ。いいですか、昨年の四月に、私は東大病院のアイソトープの取り扱いについて、この席で、たしか西田長官であったと思いますが、取り上げまして、そのずさんさということで、長官がここで、そういうことは絶対に起こらないように努力をします、こう言ったのですよ。そうして、今度はまた事件が起こると、いろいろいま答弁されておりますけれども、科学技術庁というのはずいぶんのんびりしたものだなあと、私は思っているのですが、昭和三十二年にできた法令について、これを適確に順守しなさいという通達を出したのはいつですか。何か、かばんに入れて持ち回っていたような話なんですが、出したのですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 私からお答えをいたしておきますが、今回の措置として、三千有余の事業者に対して、私の名前で手紙を出す、返事ももらう、こういう措置をいま考えておるということを申し上げたい。それから、行政管理庁から、行政監察の結果の勧告がございましたから、その勧告についての意見を、事務当局でまとめた最初の案がございました。それを、しかしそのままで返事をすることは適当ではないというので、私が、検討中といいますか、押えて検討中というところに、今回の事態が起きたのです。まああなたのおっしゃるように、去年どういう質問をされたか、私自身は存じませんけれども、のんきだなあと、こう言われれば、あるいはのんきだったかもしれませんね。だけれども、これからはそういう、のんきじゃないように努力をいたしたいと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 長官はかわったかもしれないが、事務当局はどういうことをやっておるのですか。私は日にちを忘れましたが、たしか昨年の四月に、危険な状態をここで示して、そしてこれはたいへんなことだということで、西田長官、受け取りましてね、それに対して直ちに適切な処理をします……(森山国務大臣「去年は西田さんじゃない、前田さんだ、だからその前じゃないですか」と呼ぶ)去年ですよ。だから、そんな大問題の起ころうとしておるときに、一年もたって、いまから、こんな事件が起こったからなんという、そんななまぬるい状態ではないのですよ。だから、そういうところに問題があるのですよ。いままでの、昨年の四月からの経過をどなたか知っておったら、ちょっと言うてください。何をしたのですか。こんな幼い子供がこういう被曝をするという状態、ここまで来て、初めて目がさめたような顔をしたってだめなんだ。そういう真剣さが足らぬですよ。だから、この委員会で、一生懸命私たちが調査をして、それを明らかにして、あのときは前田長官もすぐ調べて、そのとおりでございました、こんなことは許しませんとここで約束をして、そうして一年経過しておる。一体何してきたんですか。委員の質問なんというのは、もっと真剣に聞かなければだめだ。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 いま御指摘の東大につきましては、その当時、直ちに事情聴取の後、厳重な注意を与えております。その後は、そういうようなことにつきまして、再び起こることがないようにということは、先ほど来申し上げましたような機会を通じまして、趣旨の徹底につとめてまいりましたところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 それで、三千をこす事業所がありまして、そこでどういう事態になっておるのか。これは人数の足らない点もあると思うのですよ。しかし、法律もあることですし、それに基づいて親切な指導、こういうふうにしなさいというようなことぐらいは——文書の一つも出ていない、いまごろになって文書を出そうかなどというような、そんなとらえ方ではだめですよ、ここの質問を。だから、ばか丁寧なんということばが出てくるんだ。私はいまこの質問をやるつもりではなかったものですが、いま伊藤先生の御質問をお聞きしておりまして、もうちょっと真剣にこういう問題を取り扱わないとたいへんだと思うのですよ。ここで言って言いっぱなしで、またしばらく忘れて、事故が起こったら、こうこうしますなんて、いままでの状態から見たら、昨年たしか四月にあの問題が起こって、そしてそれまでも、何人かの委員の方もおっしゃっておられると思いますけれども、それに対してはこういう手が打たれたという、一つ一つなされて、今度は増員をする、監視体制をきびしくする、あるいはこういう指導をするという具体的なことが出てこなければならぬときに、こういう状態で、私は非常に遺憾千万だと思って、ここですわっておりましたが、これは時間があったらあとで申します。  私の質問主題に入りますが、使用済み核燃料の再処理工場ですね、この工事はいつ完成するのですか、それから操業はいつやるのですか、これをまず聞いておきたい。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 再処理施設の工事は、大体八五%終了いたしておりまして、大体本年の夏ごろからコールド試運転をいたしまして、五十年の春ごろからホット試験を経まして、五十年後半に本格操業に入るという予定でおります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 安全性その他を含めて、そういう状態にあるという自信をお持ちですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 この施設につきましては、昭和四十四年に、原子力委員会の再処理施設安全審査専門部会の慎重な評価がございました。その結果、周辺公衆の被曝線量は十分に小さく安全であるということで、許可がおりておりますので、それに基づきまして、いま建設が行なわれておるところでございますが、加えて、廃液、排気につきまして、その放出の低減化をはかる試験研究を、予算計上の上、進めておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 また、安全審査委員会によりますと、空気中に八千キュリーあるいは海中に〇・七キュリーというような数字も出ておる、これはたいへんなものだと思うのですが、それでなおかつ安全だと言う。瀬崎議員の質問に対しても、たしか長官は、年間三十二ミリレム以下であるということを言っているようですが、こういうことがあるのですよ。動燃の清成理事長が、昨年の十一月二十一日に、ここにつくられております再処理専門委員会の席上で、こういうふうに言っています。放出排気については日量八千キュリーであるが、放出するアクティビティーを測定する方法がなく、放出放射能が基準以下であるかどうかわからない、こう言っています。これは御存じですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 承知いたしておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私はちゃんと資料を持っていますけれども、この発言についてはどう評価されますか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 再処理施設につきましては、御承知のように、規制法で厳重な規制をいたしておりますものでございますから、許可から工事、そのあと運転いたしますときには、当然規制法一般の規定によりまして、排出廃液は厳重な規制が行なわれるということでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いまの動燃の理事長の発言というのは、私は非常に重要だと思っています。これはお調べになってください。それからこういう状態で、幾ら放出されておるかわからぬという状態も、このことばの中には考えられるわけですね。  それからもう一つは、今度わが国の場合の処理工場におきましては、除去装置をつけないまま空中放出を行なう、こういうことになるのでしょう。私もしろうとですから、どうですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の点の除去装置ということでございますが、御承知のように、廃液につきましては、放出低減のための除去装置はついておるわけでございます。しかしながら、先ほど局長が御説明いたしましたように、それをさらに低減化いたしたい。それから排気につきましては、除去装置といたしまして一応の除去はいたしましても、なかなか現在の技術で除去しにくいものとして、たとえばクリプトンがあるということでございますので、これにつきましては、とりあえずは、安全審査の結果でも特に安全上支障がないということで、当初の間は除去をしない形で運転をいたすわけでございますが、これにつきましても、三カ年計画で十分研究いたしました上で、将来はその除去装置の追加をする。すなわち低減化を、常に努力しながら実施していく。しかしながら、現在の施設で十分安全である、こういうことで考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 国際放射線防護委員会勧告によりますと、危険の概念というのは——これはいただいた本ですけれども、一二ページにこの仮定が立てられておりますけれども、「この仮定は、全く安全な放射線の線量というものは存在しないということを意味している。」というふうに出されているわけです。それからアイダホ再処理工場の場合、これは低温蒸留法、それからオークリッジ再処理工場、これはフレオン12を用いた吸収法、九九%以上の回収率が報告されておることは御承知のとおりです。ウインズケール、これは四塩化炭素吸収法、活性炭吸着法、これを併用しておるものですが、これでは九〇%以上の回収率が報告されております。それからわが国の場合、御承知のように四十一年から四十三年にかけて、原研、それから動燃の共同研究として、これは活性炭吸着及び四塩化炭素溶媒吸収の方式で九九%以上の回収率をあげている。こういう研究の成果があるわけですね。それがどうして、いまあなたが言われたように、今年の夏から、来年の春からと、こういうふうな操作に入るわけですが、その前にこういうものをどうして適用、活用するということにならぬのですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生御指摘のアメリカの研究は、クリプトン85を線源として、つまりラジオアイソトープとして使用するために精製する、そういうための、いわば廃棄物を有効活用するという、こういう関係の技術でございます。そういう関係の技術として、一応試験室としてはできておる。しかしながら、動燃事業団の再処理工場から出てまいりますクリプトンにつきましては、もちろん物は同じでございますけれども、そういう高い濃度のものを回収するのと違いまして、別の、工業上と申しますか実用上の問題はいろいろございます。したがいまして、そういう先進諸国の研究開発の成果も踏まえました上で、実用化という技術上の問題を克服するために、さらに数カ年をかけて、この研究開発をいたしまして、十分将来の実用化に備えたい、こういうことで考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 日本の研究の成果についてはどうですか。一緒ですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 わが国におきましても、基礎的な研究は行なっておるわけでございますが、やはり再処理工場という、ある意味では実用工場でございますが、それに適用するということにつきまして、非常に能率のよいシステムを開発するということを、いまやっておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そういう科学技術の面で、開発、研究を行なって、それから操作が始められるというのが常人の考え方じゃないですかね。私の考え方がさか立ちですか。私は、皆さんのほうがさか立ちしておると思うのですが、どうですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 冒頭申し上げましたように、原子力委員会の専門部会で、すでに安全であるといって許可を得ておるわけでありますけれども、さらに低減化についての試験研究ということで、いま言ったような試験研究を進めていきまするならば、数年かかって、さらにそれは九〇%以上の回収あるいは〇・七キュリーは〇・一キュリーになるということの可能性を含んで、その研究を行なっている、こういうことであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そのことはちょっとおいておきまして、あとで申し上げますが、この処理工場のできるところですね。ここから約八百メートル離れたところに排気筒、煙突だと思いますが、その真下に、それも放射能が最も高いといわれる南西方面に、国立療養所晴嵐荘があります。この晴嵐荘には、患者の数が四百七十二名おります。その内訳は、結核患者が二百八十七名、ガン、高血圧、心臓病、ぜんそく六十五名、脳性麻痺百二十名、こういった患者構成になっております。しかも、二十五歳以下の若い方たちがずいぶん患者の中には多いわけですけれども、これは御承知ですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 安全審査の行なわれましたときの結果報告にも、御承知のように、その敷地及び環境の中には、御指摘の当該病院の名前が出ております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 こんなことは考慮に入れて、安全審査が行なわれておるのですか。それが第一点です。  それから、事故があった場合、これらの患者の避難あるいは対策、そういうものは、これは厚生省、お見えになっていると思いますが、科学技術庁並びに厚生省双方から伺っておきたい。この二つの点。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 先ほど申し上げましたように、安全審査専門部会の結果報告にはそれが出ておるということは、当然敷地周辺を、そういうことを前提として顧慮の上、審査いたしたものと考えます。

大谷藤郎厚生省医務局国立療養所課長

○大谷説明員 私どものほうは、十分安全であるという連絡を受けておりますので、そういう方向で処理いたしておりますが、なお十分、科学技術庁のほうと連絡いたしてまいりたいと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 安全であるなどといっても、それは信頼できない状態にあるじゃないですか。実際に四百七十何名という患者がおるわけでしょう。しかもそのすぐ真上に、写真も持ってきておりますけれども、煙突ができるというようなことを——これは全く普通の感覚でものごとを考えないとだめですよ。そんなことを平気の平左衛門で、それに対する対策も何も——科学技術庁は、もし事故があった場合には、この病院をどうするというような指導か検討をしておりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 先ほど局長から御説明いたしました安全審査専門部会の結論といたしましては、事故の場合の災害の評価を十分いたしておりまして、それによりましても、その被曝量というものははなはだ少ない、こういうことになっておるわけでございます。  それから先生御承知のように、この種原子力施設と申しますものは、多量の放射性物質を内蔵しておることは事実でございますけれども、いまだかつて、平和利用の施設において、世界的に、周辺公衆に災害を与え、退避が必要である、こういうような事態は起こっておらない。建設の前から安全性に十分注意をいたして建設をし、運転をいたしておる、こういうことでございますので、その点からいたしましても、安全性は十分確保されておる、こう考えておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなた方がよく使う国際放射線防護委員会勧告、これをもう一回ちょっと読んでみますよ。「危険の概念」「委員会の勧告は、放射線に対するいかなる被曝にも白血病その他の悪性腫瘍を含む身体的効果および遺伝的効果を発現させる危険がいくらかあるという慎重な仮定に基づいている。最低レベルの線量にいたるまで、病気や不具をひき起こす危険は、個人に蓄積される線量とともに増大するという仮定が行なわれている。この仮定は、まったく“安全な”放射線の線量というものは存在しないということを意味している。」これは一ぺん読み直していただいて、しかもその排気筒のすぐ下に国立病院がある。若い人たちがそこで療養しておる。これはほんとうに人間的な考え方から見ましても、私はちょっとおかしいと思っておるのですよ。そのことをもう一つ指摘しておきます。  それから、この安全審査のことはしばしばいまいわれておりますけれども、安全審査では、再処理工場の放射能しか考慮されていないのですね。この東海村は、御承知のように原子力施設が密集しておるところです。それについては一切触れられていません。それはもう申し上げるまでもなく、幾つあるか。東海一号炉、東海二号炉、さらに原研原子炉四基稼働中です。放射性廃棄物処理場、その他、住友原子力工業、第一化学薬品、三菱原子燃料、通信研究所、三菱重工、東大原研、放医研東海支所などがあるわけですね。しかも四十八年度だけで、ここでは九件の事故が起こっているわけでしょう。そういう事態、しかもすぐそばには水戸・日立百五十万都市構想などがあるわけですから、そういう総量規制の観点で安全審査を行なわないのはなぜか。この安全審査が、いわゆる処理工場だけにしぼられてやられておる。なぜ総量の検討がなされなかったのか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生の御指摘でございますが、安全審査をいたします場合には、いろいろな施設からの複合効果というものも考えた審査を現在いたしておるわけでございますが、ただ先生御承知のとおり、再処理施設から出てまいります放射性廃棄物の濃度が一番大きくなる地点と、たとえば原子力発電会社の発電炉から放出される放射性気体の濃度が一番大きくなる地点とは、それぞれ異なるわけでございます。その辺のことも十分考慮に入れまして、安全審査を現在いたしておる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その考慮に入れたというのは、私には見つからないのですから、その点、一つの指摘として申し上げておきます。  次に海洋放出の問題でございますが、昭和四十四年三月二十五日に出された安全審査によりますと、「液体廃棄物」の項に、「低放射性の廃液の海域への放出については、昭和四十一年七月七日付け原子力委員会決定に従って、引き続き調査研究が進められること」となっています。そしてその四十一年の七月七日の原子力委員会の決定には「低レベル廃液の海への放出については、操業開始前に本調査研究の結果をとり入れて詳細な審査を行ない、その安全確保を図るものとする。」となっておりますが、この調査研究の報告書は出ておりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の点は、操業開始前に、事前に十分調査をして、ということでございまして、それにつきましては、その調査を実施準備いたしておりますのと、それから、この安全審査の報告書にございますように、中央監視機構という権威ある機関を設けまして、結果の評価等に公正を期す、こういうことになっておりますので、その線に従いまして準備中でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そうすると、操業前にこの報告書が出るわけで、現在はまだ報告書は出ていないわけですね。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 この安全審査の報告書、そのものの報告書というものと、いま一つ原子力安全研究協会での研究、二つあるわけでございますが、原子力安全研究協会のほうの報告書というものがすでにございまして、それを私どもは活用いたしまして、さらに本施設の運転開始に備えての調査を実施する、こういうことにいたしておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その報告書は提出していただけますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ちょっと検討させていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そんなこと、秘密にしなければならぬものではないでしょう。どうして出さないのですか。何で検討するのですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 私自身、その中身について十分見ました上で、先生のほうに参上いたしまして、御説明申し上げたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あなたの頭へ入っていないものが、そんな重要な——四十一年から四十四年にかけて、こういう決定がなされているわけでしょう。そういうものが出ているとおっしゃるのですけれども、あまりよく御存じないような調子ではちょっと困るのです。  それから、私はいまここに、原子力委員会決定に基づく海洋放出調査特別委員会報告書の「五ケ年のまとめ」(二次試案報告書)を持っています。この報告書の七ページを見ますと、こういうふうに出ています。七ページにはその結果が書いてありますが、「中庸値の混食」、これは東海地区の漁民が普通に食べる魚類を考えたときには、「消化管に対して合計値が一〇〇分の一最大許容線量」、これは職業人の受ける一〇〇分の一ですが、「を越える」という報告がなされています。これは事実でしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の資料は、ただいま手元にちょっとございませんので、調べまして、あとで御報告させていただきたいと思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 七ページ読み上げてもいいのですけれども、時間がだんだん少なくなってまいりますので、そこをもう一度読みますけれども、「表3の試算結果を要約すると、」とありまして、ずっと調査の結果が出されております。たとえば、シラスにおけるRu、Ceが一〇〇分の一最大許容線量(職業人の)を越え、」というのが出ておりまして、最後に「中庸値の混食を考えたときは、消化管に対して合計値が一〇〇分の一最大許容線量を越える。」という報告になっているのです。これも重大な問題ですね。安全審査で安全だと断定しておりますけれども、この報告書ではくつがえされているわけでしょう、許容量をこえると出ているわけですから。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生の御指摘は、シラスに濃縮いたしましたルテニウムとセリウムなどの効果ということ、それから最大許容量の百分の一をこえるかこえないか、こういう議論かと思います。許容量をこえるという議論ではないと思います。百分の一をこえるかこえないかという議論かと思います。この安全審査の結果で、食物連鎖のほうから、どれだけ、ある個人に対して体内被曝を受けるかというのが十分検討されておりまして、それによりますと、年間の内部被曝線量は二・一ミリレムということでございまして、非常に低い値であるということは御了承いただけると思います。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 それではその問題、ちょっとおきましょう。  四十四年の安全審査によりますと、これは二七ページでございますが、どう書いてあるか。こういうふうに書いてあります。「なお、低放射性の廃液の海域への放出については、昭和四十一年七月七日付け原子力委員会決定に従って、引き続き調査研究が進められることとなっているが、さらに、本施設の操業に際しては、上記放射線審議会答申にも示されているとおり、周辺環境に関する監視の結果を公正に評価するための権威ある中央機関があらかじめ整備されなければならないと考える。」、こう出ておりますが、「権威ある中央機関」というのはできておるのですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 この中央機関については、近く設置するという方向で、目下検討中でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この八月に運転をやろうというようなことで、どうですか、これは。いま読み上げましたとおり「さらに、本施設の操業に際しては、」「権威ある中央機関があらかじめ整備されなければならない」、いまからつくるというのは、どういうことですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 御指摘の運転の前には、これは設置されるという方向で、検討中でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 公正に評価する権威ある中央機関ですよ。八月まで——いままさに六月に近寄ろうとしておる。六月、七月二カ月ですね。しかも、この安全審査会の出したのは四十四年ですよ。いま四十九年、五年たっていますよ。こんな状態なんでしょうかね、あなた方のお仕事というのは。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 目下、鋭意準備を進めておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 わかりました。そうすると、それもできていない、中庸値の報告もちょっと検討されていないようなお話でございます。読み上げたらいいんですけれども、時間がありませんから……。安全審査でいっていることも、実行されていないということもわかりました。  それから、大洗から東海にかけまして、この地域ですが、放射性物質の排出口が十二本あります。ここも超過密ですね。総量的に考慮しなければならないと私は思うんですけれども、先ほど、どうもそういう必要はないようなお話がありましたが、具体的に申し上げますと、現地の磯崎漁協は、再処理工場設置に反対をしています。その理由は、一つは、ここはヒラメなどの高級魚がとれまして、東京を市場としているわけですが、そういうものが売れなくなるという心配もしておられる。それから二番目に、阿字ケ浦というところがありますが、ここでは民宿がたくさんありまして、釣り舟を出しておりますけれども、汚染という心配が出てまいりますと、これも釣り舟を出せないというようなことで、非常に心配して、民宿もつぶれるんじゃないかというような生活上の問題も訴えられております。それから海水浴もできなくなる、こういうことも訴えられております。またいま申し上げました第二次試算報告書では、漁網に受ける被曝が非常に大きくなると報告されています。放出口では百ミリレントゲン、二キロメートル離れたところで四十ミリレントゲンとなっておりまして、非常に高いんです。しかも、これは千時間の基準ですから、日数にしますと四十二日間の計算でございます。年間にしますともっと大きくなる、こういう心配もあるわけです。これも周辺の環境の状況としてお伝えをしておきますよ。  それから、次に問題は、輸送問題です。使用済み核燃料の輸送。五月八日に日立市議会は、核燃料輸送対策特別委員会におきまして、日立商港の使用の拒否を決議しております。大体日立港の利用は、どだい無理なんですね、調べてみますと。日立港は四十七年に三千八百五十二隻、百五十四万総トン、四十八年には三千九百五十八隻、百八十二万総トンの船が出入りをしておりまして、船がひしめいているわけですね。そこに一年間の三分の二も、どかっと居すわって、それも桟橋の約三分の一を占拠するという結果になるわけですが、こういう日立港の機能を麻痺させる。しかもそういう漁船、商船の密集地帯で事故が起こった場合には、これは日立港全体が汚染されないという保障もありません。こういう点については、御検討なさっていますか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 使用済み燃料の輸送に関しましては、専用港を設けるということで準備が進められておりまするところで、その間の暫定的なつなぎといたしまして、日立港をそれまでの間使用させてもらいたいということの話し合いが、関係者間の説明ないしは予定の説明等に十分理解を得られるところがなくて、今回のような市議会の決議になったかと考えられる点もございますので、関係者のほうで、専用港を設けるということのその方向の準備と検討を進めるとともに、日立港に対しましても、鋭意そういう方向で、再度説明、説得に心がける所存でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その専用港を将来つくるということですね。その専用港とは何ぞやというので、これをちゃんともらってきているのですけれども、これは専用港といったって、原電側の説明によりますと、日立市議会特別委員会において、原電のつくる専用港、突堤は船を入れるためのものではない、あくまでも取水のためのものだ、こう言っているのですよ。しかも、それはいつできるんですか。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 専用港をどこにということは、ただいま御指摘のところを含めて、検討中でございまして、はっきりいまは申し上げられる段階ではございません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 日立の市議会が納得しないのもあたりまえですね。そんな計画すら——この危険な使用済み核燃料を陸揚げする場所を、いまだにどこにできるかわからぬ、そこも含めて検討中だなどということ。しかも、原電側は、これは取水のためのものだ、こうはっきり言っている。そんなことで、住民を納得させられるはずもないでしょう。これは全くでたらめですよ。  それから、これは国道二四五号線を通るわけですね、日立港へかりに入れたとしますと。あなた方の言い分なら、専用港ができるまでは便宜的に使わせてもらうというのですから、日立港へ来ます。それからこの処理工場まで運ぶ。その間、日立港に近いところを実際に通ってみましたが、道幅は八メートルか九メートルで、しかも人家が一ぱい建っているわけですよ。交通量にしましても非常に多い。事故件数が四十七年に二百七十件、四十八年に二百二十三件、こういう危険な交通事故が起こっておる狭い道、それを何トンのトレーラーで運ぶんですか。あなた方の出しているこの資料によりますと、約百三十トン——これは動力炉・核燃料開発事業団の出しておる、再処理施設の建設計画の中に出ておりますけれども、こういう危険物を、そういう道を通す。そういう道路の問題なんかについても——しかもここには橋が五つあるんですよ、この間。その五つの橋の中で、久慈大橋というのを除きましたら、あとは設計重量が二十トン以下なんですね。  建設省に聞きたいんですが、この二十トン以下の設計重量、それの何倍どころじゃない、五倍、六倍というような——もっとかもしれない、これによりますと。そういうトレーラーが、危険なものを積んで、しかも人家の立ち並んでおるところを、しかも交通量の激しいところを通るなんということを、建設省、どうお考えになりますか。

浅井新一郎建設省道路局企画課長

○浅井説明員 お答えいたします。  二四五号線の久慈川付近には、橋梁が大小——先生いま五橋と言われましたが、こまかいものまで入れますと六橋ございます。いずれも一等橋で設計された橋でございますが、このうち日立寄りの三橋、すなわち、瀬上新橋、それから新茂宮橋、久慈大橋、この三橋につきましては、耐荷力は、すでに百八十トンまでのトレーラーを通過させた事例もございまして、耐荷力としては十分ございます。ただ、残りの三橋につきましては、耐荷力からいくと、大体これは軸重とか通る車の設計によってだいぶ違いますが、おおむね総重量で五十トン程度のトレーラーは通行できるというふうに考えております。  御指摘の二十トンというのは、設計荷重でございまして、これは設計の際に用いる荷重で、一定の荷重系列を考えて、そういう仮定で設計するものでございまして、でき上がった橋は、実際の耐荷力はそれ以上ございまして、相手の車の大きさ、軸重、それから軸距、そういうものとのからみできまってくる問題でございまして、いま言ったようなことで、三橋は問題はない。残りの三橋は、現状では五十トン程度の耐荷力というふうに考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私の言ったことよりは少しはましだというお答えだろうと思いますけれども、それでも、現実としてはやはり問題がありますね。  それから、実際にアメリカにおきましても、輸送中の事故というのは、放射能関係事故の五五・八%を占めているわけですね。そういう重大な問題もございますし、さらに大事なことは、動燃のほうはこう言っています。日立港の使用を前提として再処理場をつくったと、こう言っている。それから、輸送の責任は各電力会社にあると、こう言っている。こう言って、いわゆる電事連の責任にしているわけですね。それから、電事連のほうは、動燃が主体的にやっていると、こう答えているのです。こう言って、責任のなすり合いというようなかっこうになっているわけですね。これもまたたいへんなことなんでございます。  こういう無責任な状態で、安全輸送が確保されるとはどうしても思えません。安全な原発を目ざして研究開発を進め、その上に立って設置計画をあらためて立て直すという必要が、私はあると思うのですよ。  もう時間もあまりございませんから、どうですか、幾つか指摘をしましたが、私が言ったようなことは、もう皆さんは全部おわかりになって、その上で、夏には試運転に入ってみるんだ、こういう気持ちは変わりはないわけですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ちょっと補足させていただきますが、先ほどの専用港の問題でございますが、たとえば原子力発電会社がつくっております港は、第一の目的は、あそこに発電所用の重量物を揚げますための荷役用の港でございます。つまり船をつけて荷物を揚げるというのが第一目的でございます。第二の目的といたしまして、そこに防波堤をつけまして、そこの中から取水をするということでございます。  それから、道路につきましては、先ほど建設省からお話のございましたあとの三つの橋につきまして、これは荷重が持つようにということで、補強工事を行なうということで、すでに予算措置もとられておるわけでございます。  それから、動燃事業団と電事連との責任のなすり合いというお話がございましたが、そういうことではございませんで、おのおの自分の持つべき分担というものを考えていろいろ計画を立てており、かつ、両者の間の連絡もやっておるわけでございます。ただ、先ほど局長が御説明申し上げましたように、多少、その日立市への説明のときの食い違いというものがあったということは、あるいは事実かもしれません。今後そういう食い違いがないように、十分連絡をとって実施していく、こういうことでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 じゃ、具体的にお聞きしますが、肝心の日立の市議会へ説明をするのに、ろくにわけのわからぬ説明をして、そんなことではいかぬでしょう。この港はいつできる計画ですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 港につきましては、いろいろな可能性を考えて、いま関係者の間で連絡会をもちまして、調査検討をいたしておる段階でございます。  ちなみに、原子力発電会社の港は、すでに大体の形はできておりますが、実際にその重量物を運び込むのは、つまり建設用の重量物を運び込むのは、五十年度になってからと聞いております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 港をつくるのはたいへんなことですけれども、それまでは、あなた方のお考えでは、日立商港を使うというわけですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 そういう考え方で、日立市にも御説明をいたしまして、暫定期間の使用というものについて、一応の御了解を得ておったわけでございます。このたび、市議会において反対決議というものがなされたそうでございますけれども、私どもといたしましては、さらに十分御説明をいたしまして、さらに調査検討もいたしますので、暫定期間の使用をお認めいただくということで、考えさせていただきたいと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 かなり無理な注文ですね。私がいま言いましたような、日立港の現状というのは、そういう状態にあるわけですからね。そういうことも考えておかなければならぬわけです。しかも、そう安全なものを持ち込むわけじゃないのですからね。ホットテストの際には、関電の美浜から十トン、東電の福島から十トン、原電または原研から五トン、合計二十五トンがここへ運ばれるわけです、おそらく来年の春ホットテストをやるというのですから。そうすれば、来年の春にはやられるわけですね。そのときには日立商港を使うわけですね。これは、これらの美浜あるいは福島その他から輸送される経路はどこですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 先生の御指摘の経路というのは、どういう御観点か、ちょっとあれでございますが、要するに、それぞれの発電所の専用の港から出しまして、船に積んで、海上輸送して、再処理施設のほうまで持ってくるということで、その際に、日立港を暫定的に使わせていただくということでございます。  なお、その日立港につきましては、現在、原子力発電会社の東海発電所一号炉の使用済み燃料を、英国の再処理施設で再処理させるために送り出すときに、年に二回程度は使わせていただいておるわけでございます。それから、日本原子力研究所の使用済み燃料につきましても、同様なことがあるわけでございまして、いままでも使用はさせていただいておる、こういうことでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これで終わりますが、私は、いまの幾つかの点から、いろいろな問題を指摘しまして、相当無理があることは、長官もおわかりになったと思います。そういう状態の中で、安全性の問題についても、時間がありませんからあまり詳しく言えなかったのですが、こういう状態の中で、なおかつ、しかも日立港をすでに拒否されている状態ですね。そういう状態がある中で、実際にこの国家権力をもってやるのか、そういう問題になってくるわけですよ。そういう点はもっと慎重に考えまして、いろいろな意味で万全の措置を講じていくというのが、政府のやる仕事だと私は思うのですよ。その点ではどうですか。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 山原委員が、この委員会で、傾聴すべき意見をしばしば吐かれておりますことにつきましては、敬意を表します。ですから、分析研の問題も、去年の九月に山原委員が言われたときに真剣に取り組めば、それなりの解決の方法があったと思いますが、やはりあの時点でほおかむりしたということに大きな問題があると、私は考えているわけでありますし、アイソトープの問題についても、私は存じませんが、昨年の四月にそういう御指摘になられたといたしますならば、やはり問題点の一つに触れられたというふうに私は思います。  ただ、一つ、しかしこのアイソトープの問題で、現在問題になっておりますのは、労働安全衛生の観点でございまして、主役は、これは労働省労働基準局あるいは安全衛生部、地方の労働基準局ないし労働基準監督署が主役でございまして、それで私どもは、むしろその意味では、わき役になっておる法の構成になっておることもそうでございますし、私どもは全然関係ないとは申しませんよ。しかし、皆さまがもし御論議になるなら、まず労働省と大いにおやりになられて、科学技術庁何しているのだ、こうおっしゃるならよくわかりますが、当面原子力発電所とか、アメリカの原子力潜水艦の入港とか、いろいろかかえておりますから、何といいますか、そういう一つの空気に乗じて、何でもかんでも科学技術庁が悪いというようなお考え、印象を与えるように御指摘でございますと、せっかくの山原委員の御指摘も迫力がなくなる。その点は、私のほうからひとつ申し上げておきたいと思います。  先ほども、労働省の安全衛生部長にも言っておるのでありますが、私は、何も科学技術庁の責任を回避するつもりはありませんよ。しかし元来、こういう労働安全衛生上の問題は労働省がやることになっており、そしてそれだけの手足を持ってやっておるわけでございますから、そこがまずしっかりしてもらわなければ困るので、労働省がこれはやはり主務であるということだけは確認して、わがほうもわき役として、その方面ではやっていく。しかし、アイソトープの放射線障害の防止に関する法律全体につきましては、基本につきましては、私どものほうが責任があるわけでございますから、やはり全国で三千人も業者があれば、それがどうなっているかというのは、やはりつかめるようなことをしなければ、人数が十数人だからできないなんということは、これは私は責任のがれであると思っておるわけでございます。それならそれなりに、先ほど申し上げましたように、業者の団体の職域別、業種別、地域別の再編成等もやって、少ないなら少ないなりに、頭を使って一生懸命やればいいじゃないか、長い間、昔からと同じようなことをいつまでやっていていいのかというふうに、私は内部職員に対して、この際決意を新たにして出直せ、こういうふうに言っておるわけでございますから、せっかく御指摘になられますといたしますならば、迫力あるいまのような観点から、ひとつ御指摘を願えればありがたいと思っておるわけでございます。  今回の問題は、したがって、主役は労働省、責任を、先ほど申し上げたように、回避するわけではいささかもない。しかし、これは私どもはわき役でございますから、エックス線なんかの場合も、みんな労働省がそうなんで、その際、一々厚生省に、皆さま方御指摘になることございませんでしょう、それは。ただ、原子力というものは、何でもかんでも科学技術庁が、というので、ことばは悪いですが、何んでもかんでも——適当な表現じゃないことばで、ちょっとこの辺まで出てくるわけでありますが、それはまた、新聞記者諸君がいますから、発言には注意いたしますが、先ほど来申しますように、せっかく私は、山原委員の御発言に対しては敬意を表しているわけですから、ひとつ私の言うことも一理ある、こういうふうに見ていただけるだろうと思うので、どうかその点は、そういう観点から御納得をいただきたい、こういうふうに思います。  それから、この再処理センターの場合も、わが国におきましては、原子力発電がようやく軌道に乗りつつあるわけわけでございますが、再処理の問題については、いままで施設が十分でなかった。今度初めてこれから始まるわけでございます。ですから、念には念を入れて、いろいろ注意をしていただくということなら、私どもはありがたくお受けするのでございますが、何か伺っておると、非常にあぶないものをつくっているじゃないかというようなお話でございますが、これはこの前の委員会でも申し上げましたように、それは原子炉ほどの放射能で、たとえば五ミリレムというようなところで、今日も通念になっているようなところまで押えることはできませんけれども、三十二ミリレムくらいのところでやる。それでも多いのじゃないかとおっしゃるかもしれないが、しかし自然放射能でも百ミリレムでございますし、通常人で五百ミリレム、職業人で五レムというような、そういう基準のある中で、この数字でとにかく発足できるということは、これはまずまずだというふうにおほめ願ってしかるべきじゃないか。しかし、先生のお手元にありますICRPのあれにも書いてありますように、少しでも少なく、アズ・ロー・アズ・レディリー・アチーバブルというふうになっていくという意味では、そういう努力はこれからいたしますよ。だけれども、初めてできる再処理センター、なかなかたいへんだったろうな、しかししっかりやってくれよ、こう言って御激励されるなら、私はわかるのでありますが、あなたは、いかにもあぶなっかしいものを政府がつくっているように思われる……。いろいろおっしゃいましたけれども、私は同意いたしかねるということでございます。技術論としていろいろおっしゃったけれども、技術論は、私は大部分は納得できません。こういうものについての政治的な御意図があられて、技術論の着物を着て政治論を御展開になるように思えてならない、というふうに申し上げるほかないのであります。一々またやってもよろしゅうございますが、長くなりますからやめます。  それから、日立港の問題でございますが、日立港を使う。どこでも、こういうところは、通常の商業港を使ってやるのが通常でございまして、当初これを利用して始めたことは間違いございません。しかし日立港が非常に仕事がお忙しいわけでございますから、これにいつまでもたよる、お願いするわけにいくまい。しかし暫定的にお願いしようという形でおったわけでございます。ところが先般、私の承知しているところでは、日立市議会の一特別委員会の決議というふうに聞いて、日立市議会でそういう御決議をなさったということでなくて、一委員会でそういう御決議があったという点につきましては、たいへん残念に思っておるわけでございまして、先ほど原子力局長から、いろいろなことを考えておるというお話をいたしましたが、やはり私どもは、本来は日立港に全部お願いしたいが、日立港が商業港として非常にお盛んにやっておられるわけでございますし、それでということになれば、いつまでもお願いするわけにいくまいという形で、別のことを考え、暫定的にお願いするのだという形でやっておるわけでございますから、先生にも、新しく発足する再処理工場でございますから、どうかひとつ、しばらくめんどう見てやれよというふうに、むしろそういう角度で、いろいろ御指導願えればと思っておるわけであります。  そして、しかし、やっている中で、やはり私どもは人間の仕事でございますから、いろいろ問題がこれから出てまいりましょう。そういう面につきましては、これは山原先生のおっしゃることだから、われわれも拳拳服膺せねばならぬというようなことがありますれば、大いにひとつそういう点に留意して、仕事を進めてまいりたい。そういう心がまえでおりますものでございますから、日立港の利用並びに今後の輸送問題について、いろいろ問題はございます。しかし初めてわが国として手をつけることでございますから、どうかひとつ祝福をして、これからの出発に対処していただけないか。これは私の答弁かお願いかわかりませんけれども、一言申し上げる次第でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 最後に、私の質問にいろいろ論評していただいて、ほめてくれたのか、けなしてくれたのかわからぬようなことですけれども、これはむしろあなたのほうが、政治的な感覚でものを言っておると私は思うのですよ。たとえば安全審査会できめたところの操業前には権威ある中央調査機関をつくってやるというふうなことも、四十四年に出ておって、いまだにやっていないなどということは、これは不都合な話なんですよ。それから日立港の問題にしても、暫定的というけれども、いまお聞きすれば、その暫定的の本物のほうはいつできるか、場所もわからぬ。そういうことでございますから、そういう事実を私は指摘しておりますので、科学的な論争になったら、精密なことは私はわかりませんけれども、それはよしあしが出てくるかもしれません。しかし、そういう事実をお話ししているわけで、そういう中で、簡単に、これは結婚式の二人を、門出を送るというような、祝福することとは違いますからね。初めてのことであるけれども、これはいろんな問題が含まれているわけで、それに対して慎重な態度をとるというのは、これはわれわれとして当然のことでございますから、そういう点、私の指摘した点について、また、資料を要求したことにつきましては提出をしていただき、なお一そう慎重に検討していただくように要望しまして、私の質問を終わります。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 日本非破壊検査株式会社が十八歳未満の少年五人を使いまして、これが被曝をした、たいへんな障害が起きた。さらにまた、四十六年に大阪で、またこういう事件が起きたということが明らかになっておるわけであります。それから、きょう、兵庫の労働基準局におきまして明らかになったことでありますが、放射性物質や放射線の操作を扱う全企業の従業員につきまして、昨年一年間の健康診断結果を調査をしておったわけですが、きょう現在で九十人に放射性被曝障害の疑いがあることがわかった。この県内の放射線の取り扱い業者は、工業用、非破壊検査用、医療用、合わせて五百三十社、従業員約三千三百人。労働基準局は、昨年一年間に、放射線障害防止法に基づきまして、定期的に立ち入り検査を行なった結果、管理違反が三十社以上に及んでおる。また、法律で義務づけられた健康診断では、白血球数が少なく、目まい症状などを起こす放射線被曝障害の疑いのある者が九十人おる。兵庫労働基準局においては、監督官を総動員して、ことしのいわゆる総点検をやるということをいわれておるわけですね。こういう続出する事故、一つの県だけで九十人、これだけの被曝障害者を出している。これは笑いごとで済みませんよ。こういう事態をどのように思いますか。きょうは厚生省も労働省も、科学技術庁は長官がお見えになっているわけですけれども、先ほどの答弁は非常によくないと私は思うのですよ。  三省、私はお聞きしますが、労働省にまず聞きますけれども、大臣はいま、労働省が主役である、科学技術庁と厚生省はわき役であるというような言い方をされたのですが、労働省は、主役として今日まで受けとめてきたのですか、またこういう事件についてどう思いますか、今後どうしますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 放射線によります労働者の健康障害の防止につきましては、これは労働省がやはり中心となって監督指導を行ない、その防止につとめるべきだというふうに考えて、従来も行政の重点として、監督指導につとめているところでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 一ぺん明確に、各省はどういう立て分けをやっているのですか、厚生省、科学技術庁、順番に答えてください。

木戸脩厚生省医務局指導助成課長

○木戸説明員 厚生省におきましては、医療法の規定に基づきまして、障害防止法とほぼ同様の内容の規制を行なっているわけでございまして、都道府県、保健所を設置している市におきます、具体的には保健所でございますが、保健所におります医療監視員が病院、診療所の放射線の取り扱いにつきまして、医療法に基づく立ち入り検査なり、指導をしている、こういうことでございます。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 私がこれを言うのはどうかと思いますが、先ほど発言しましたから、ちょっと……。  これは、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第四十八条、労働安全衛生法との関係等という題目でありますが、「この法律の規定は、労働安全衛生法及びこれに基く命令によって、労働基準監督官が労働者に対する放射線障害の防止についてその権限を行使することを妨げるものと解してはならない。」という規定がございます。それは当然、労働者に対する放射線障害の防止についての権限を持っておるということを明記しておるわけでございます。それから、大体一つのことを両方でやっていくということは、いろいろ権限的にぶつかったりなんかして、やはり主役、わき役ぐらいのことはやっていきませんと、行政はうまくまいりませんので、しかも労働省のほうは、中央で専門組織があり、地方で基準局と監督署等がありますし、科学技術庁は、これからいかに地方組織を充実しましょうとも、これだけに即応するような組織を持つことは、まずむずかしいというふうに私どもは考えておるわけでございますし、科学技術庁がやるといたしますならば、むしろ労働者に対する放射線障害の防止以外の部面についての、たとえば、そもそも仕事をする場合の許可問題とか、あるいはまた届け出の問題とか、それから、そういう問題による全般的なこの法の運営について私どもは気にしていくとか、あるいは放射線の問題はこちらが専門的な立場にございますから、労働省のほうともよく御相談をいたしまして、その基本的な規則をつくるときやなんかに相談をさしていただくとか、そういうふうにして、主役とわき役との関係をやはりやっていったほうが、理屈の上からいっても、実際的な運営からいっても、私はうまくいくのであろうと思います。いまは全然地方に何の組織もないわけでございますから、たとえばいまお話の、兵庫県に九十人ですか、そういうような人がいる。科学技術庁、しゃっちょこ立ちしたって、かりに地方組織を持ったって、とてもじゃありませんが、そういう事実をつかむことはできません。やはり手足を持って、専門のところで、労働者の労働安全衛生という観点からやっていただくというところでやっていただく。しかし、われわれは、その面について全く責任がないとか、無関係であるとかいうことではございません。先ほど来申しましたように、そういう面については、十分責任を感じてやっていかなければならないということでございますが、おのずから主役、わき役の差があるというふうに、私は考えております。  ただ実際問題としまして、この問題どうやろうかということで、労働省のほうとの話が十分詰まっていたかどうかという点について、実は私ども反省はいたしておるわけでございますから、それはこれからは、私、労働省のほうともよく連絡をいたしたい。厚生省のほうともよく連絡をいたしたい。同時に、この法律の運営全般について責任を持てる体制を、人数が少ないなら少ないなりに、頭を使ってやらなければだめじゃないか、こう言って、鋭意努力をいたしているわけでございます。その辺のところを御理解いただきたい。

近江巳記夫公明党

○近江委員 その論議は、ちょっとあとにしたいと思います。  それで、この兵庫県のこれだけの重大な、九十人に及ぶ被害者が出ておるのですよ。これについて、労働省からひとつ報告を聞きたい。まず報告を聞かしてください。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 実は、九十名の障害者と、先生おっしゃられるわけでございますが、そういう障害者が出ているという報告は、本省は受けておりません。それで、具体的に内容をまだ申し上げるわけにはまいらないのでございますが、その障害というのは、単なる異常所見であるのかどうか、その辺のところが一つあると思います。放射線を受けますと、いろいろの障害があるわけでございますが、たとえば白血球数が標準より少ないというのも一つの点かと思いますが、しかし白血球が標準より少ないというような問題になりますと、これは、はたしてそれが放射線によるのかどうかということば、なかなか確認がむずかしいわけでございまして、白血球の異常に少ないといいますか、そういう方が、国民総数の相当の比率を占めているというようなこともございまして、それが放射線障害によるものかどうかなかなかわからない。健康診断の結果、白血球が少ないということをもって、それがすぐ放射線障害によるものだというようなことではないわけでございますが、その辺のところ、実はまだ報告を受けておりませんので、申し上げる段階ではございません。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それでは労働省、しばらく時間を差し上げますから、すぐ聞きなさい。知らないことを私が言っておるのと、これは違うのだ。すぐ報告しなさい。  報告が来るまで質問を続けますが、行管が出したこの報告書を見ましても、立ち入り検査の実施率を見ましても、法律の制定当初の昭和三十三年は一五九%、昭和四十七年においては一六%しかやっていないのですね。それからまた、労働省がやっております調査を見ますと、百八十事業所を調べて、百十の事業所において被曝管理、健康診断、外部放射線量率の測定などを適切に行なっていない、また使用施設等が不備である。また厚生省におきましては、八十の病院を調べたところ、使用届け出を行なわずに放射性同位元素を使用しておる病院が十九、放射性同位元素使用室等が施設基準に適合していないものが二十六病院、被曝管理が適切でないもの二十二病院及び外部放射線量率の測定が適切でないもの三十九病院、こうなったらもうほとんどだめだということですね。どうなっておるのですかね。これは私も本委員会においていままで何回もやっているわけです。そのたびに、適切な手を打って指導、監督につとめます——そういう誠意を私たちも信じてきた。信じてきたのが悪かったわけですけれども、だましたあなた方が一番悪い。これはむちゃくちゃですよ、こういうデータを見ますと。まずこういう事実について、あなた方はどう反省しておるのですか、一ぺん率直な感想を聞きたい。ほんとうにこの場だけ言ったらいいという、そういうあれじゃなくして、まず厚生省、労働省、科学技術庁、ひとつ責任者答えてください。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 ただいま先生御指摘の行管の監察結果につきましては、その当時大臣にも報告申し上げ、大臣は先ほど御答弁なされたとおり、むしろこれを非常に重視と申しますか、おまえたちのいままでやっていたことはちょっとおかしいのではないかという点で、非常に強く御指摘がありまして、われわれもそういう点ではいままでのように、先ほど御答弁いたしましたように、人数は足りないながらも、いろいろな方法を多面的に考えてやりたい。特に今度の行管の指摘というのは非常に大幅であり、問題点の指摘としては、こちらも改善すべき点は十分改善しなければならない点はたくさん含まれている点にかんがみまして、これからこうしたいということを書いて大臣に上げましたところ、大臣はこれでもなお不十分だといって、その起案書をホールドされたというのがさつきの御答弁です。したがいまして、われわれといたしましては、先生御指摘のとおり、これは決して行管の監察結果を聞き流しといいますか、そういう、これは何か適当に回答しておけばいいというぐあいには考えておりませんで、われわれ事務当局として、さらに非常に抜本的にというか、改善したいと思っておりましたところ、大臣からさらに御指摘がありまして、さらに力を、もう少し前進して、たとえば労働省との連絡でも、非常に具体的にどうすればいいかという点、それから地方組織を持っておられる現実性というようなものを踏まえて、こちらがそういう点について欠けておるという点をも踏まえて、各省というのではなくて、全政府として、どうするかということを検討しろということで、先ほども労働省ともお打ち合わせしたような次第でございまして、これらの点については、そういうような意味において、前向きに検討中であった点でございます。

木戸脩厚生省医務局指導助成課長

○木戸説明員 行政管理庁からの勧告において指摘を受けました病院につきましては、行政管理庁の関係者と詰めまして、具体的にどこの病院はどういうまずい点があったという点につきましては、行政管理庁からお聞きいたしました。それにつきましては、関係の県を通じまして、直ちにそれを是正するように求めております。私どもといたしましても、いままで、診療用放射線の管理は非常に重要な問題でございますので、医療監視のたびに、たびたび指摘はしてまいったわけでございまして、いまだに管理者の安全に対する熱意がない、あるいは知識がないということについては、まことに遺憾だと思っておるわけでございます。したがいまして、行管の指摘もありまして、本年度、これは三月の末に、行管の指摘も拳拳服膺いたしまして、反省の上に立って、本年度の医療監視の重点事項といたしまして、診療用放射線の管理につきまして、重点的に病院、診療所を問わず、これを監視するようにということを指摘しておりますし、またこまかい点につきましても、四月の中ごろに、医務主管課長を全国から呼んだわけでございます。その席でも、行管の勧告等も織りまぜまして、こまかい指摘をいたしているわけでございます。なお指摘を受けました病院につきましては、現在改善をしてもらっているところでございます。直すべき手続等で誤っておったものはすぐ直させたわけでございますが、施設の改善等につきまして現在進行中のものもございますので、そのような改善が終わりましたら、それはわれわれのほうで報告を受けて、その後の改善を確認いたしたい、こういうふうに考えております。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 労働省におきましては、線量放射線による労働者の健康障害の防止を、行政の重点としまして、従来から監督指導につとめているところでございます。昨年におきましても、二月から三月にかけまして、全国一斉に非破壊検査を行なう事業場などの放射線関係事業場一千百四十四事業場につきまして、監督を実施いたしております。この結果発見されました違反につきましては、それぞれ是正をさせているわけでございます。またこの監督の結果に基づきまして、非破壊検査振興協会等関係団体に対しまして、文書をもって警告を発しているところでございます。本年も特にラジオアイソトープ取り扱い事業場を重点対象としまして、全国一斉に監督を実施する予定にいたしておりまして、すでに三月に開催いたしました全国労働基準局長会議において、必要な指示をしているわけでございます。今後とも、これらの事業場の監督指導につきましては、さらに強力に行ないまして、労働者の健康障害の防止につとめたい所存でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 事業所なり病院、診療所等につきましては、大体今後一斉監視をし、摘発をして、その適正化につとめていく、こういう御答弁であったと思うのですが、要するに、こういう異常な事態が行管からも指摘されておりますし、こういう事故がこれだけ続発しておるわけです。ですから、あなたたちがこれを計画なさっておったのは、行管の指摘もあって、こういう動きをしておられた、いわゆるその軌道の上に乗ってきたわけですよ。しかし、いまこういう新たな事故の続出ということがはっきり見えてきた以上、そういう軌道の上に乗って、同じ一定のスピードで進めていっていいかどうかという問題がある。これは緊急に病院なり診療所あるいは全事業所を一斉総点検して、乗り込んで、立ち入り調査をやらなければだめですよ。いままでと同じそういう線であれば、これはやっておるということは言えません。そう思いませんか。そこまでの強いそういう措置をすべきだと私は思うのです。それぞれ各省からお答えいただきたいと思います。

木戸脩厚生省医務局指導助成課長

○木戸説明員 御指摘の点につきましては、私ども、先ほども申し上げましたように、本年度の初めに、一斉調査をするようにというふうに通達をいたしたわけでございますが、このような事態も起こってまいりましたし、事の重要性にかんがみまして、さらに追っかけて一斉点検をするようにということで、通知を出すように検討いたしたいと思います。  ただ、障害防止法と医療法との関係には、ダブっている面もございますし、あるいは従業員の被曝防護という点につきましては、労働省とも重複している面もございますので、調査項目あるいは調査の方法等につきましては、関係各省とよく相談をしてまいりたいと思っております。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 労働省におきましては、先ほど申し上げましたように、ことしも全国一斉点検をやるように、すでに全国局長会議で、三月に指示しているところでございますが、最近報道されました四十六年の事故の事情等にかんがみまして、それらの事故の発生の背景とか、あるいは原因等よく調べまして、効果的な監督をすることにつきまして、本省でさらに検討し、地方にそれを指示しまして、一斉監督を効果的に行なうようにいたしたいと考えております。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、まず総点検ということに関しましては、直ちにわれわれといたしましては、自分のほうの職員を派遣いたすべきところでございますけれども、人数等の関係もございましたので、先ほどのように、まず自主的に自分で調べて点検して返事をよこせという通牒を、大臣名で出すということで、しかもそれは抽象的なことじゃなくて、これこれの項目について調べたらどうだった、そこのところはうまくいっていたのか、うまくいってなかったら、改善しているのかという回答をまず出せということを、いま至急決裁中でございまして、二、三日じゅうに発送できると思います。もちろん、それをただ漫然と待って、それの結果でどうするということじゃなくて、必要な措置といたしましては、その間にも逐次やってまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 三省、大臣はよく話し合いするということもいまおっしゃっておられたわけですが、大臣、主役、わき役というこの表現は非常にまずいと思うのですよ。やはり法治国家としまして、法体系があって、それから行動というものがあるわけでしょう。そうしますと、やはり一番のかなめになるわけですね。法ほど重いものはないわけですよ。背骨になるんじゃないかと思うのですね。そうしますと、やはりこの背骨である法を握っているのは科学技術庁なんですよ。ところが、実際の行動隊というのは科学技術庁が一番少ないわけです。実際の行動隊は労働省なりあるいは厚生省なんです。だから、大臣がおっしゃっている行動という意味における、実際に手足がないんだ、そういう表現が、いまそういうおっしゃり方になったのじゃないかと私は思うのですよ。だけれども、この主役わき役ということは、これでは国民に、非常に責任のなすり合いのような印象を与えますよ。それはまずいです。少なくとも科学技術庁長官として、国務大臣としておられるわけです。やはりこういう問題については、何といいましても、専門的な知識なり何なり等におきましても、何としても法律を施行した科学技術庁じゃありませんか。やはり一番エキスパートがそろっておられるわけです。ことばは悪いけれども、労働省や厚生省にはそれだけ、専門家もおられると思うけれども、やはり科学技術にまさる人はおらぬと思うのですよ。そうすると、指導して、指導ということばが適切かどうか知らぬけれども、やはりそれだけのものを与え、そして行動してもらうという、言うならば最高指揮官の立場にあるのが科学技術庁じゃないですか。そういう点からいけば、完全に科学技術庁は主役ですよ。ですから、その辺の点につきましては、大臣もひとつ——それは考えの違いだとおっしゃるかもしらぬけれども、私はそう思うのです。ですから、少なくとも科学技術庁がかなめになって、関係各省をよくまとめ、そして万遺憾なきを期していく、これがほんとうの姿じゃないですか。もう一度お伺いしたいと思います。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 私は長年労働関係に関与しておりましたから、やはり労働災害というものとか、こういう労働安全衛生とかいうものは、労働省がまず中心になってやるべきものである。それだけの知識も経験もかつ組織もあるということであります。ただ放射線のこういう問題を、科学技術庁として、同位元素、放射線障害という意味の専門的な事項として、わがほうもこれについて、そういうことについて権限がないと、私は申し上げておりません。ですから、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に、「この法律の規定は、労働安全衛生法及びこれに基く命令によって、労働基準監督官が労働者に対する放射線障害の防止についてその権限を行使することを妨げるものと解してはならない。」、元来そういうものを持っておるんだということであります。と同時に、科学技術庁も、全体としてそういうことについての関心を持ち、それから問題についても、そういう事実があったときには、それに法律上対処しなければならない法律上の責任があるということを、私は回遊するものではない。しかしながら、やはりもちはもち屋で、これは労働省の仕事ではないかということであります。  ただ、科学技術庁がいまいろいろな意味でフットライトを浴びまして、放射能とか放射線とかなんとかというと、何でもかんでも科学技術庁、こういうふうに、いわば時代の一つのはやりことばみたいになっておりますけれども、それは少し違うのじゃないか。これは注意しませんと、労働者災害の場合には労働省がやる。もし私どものほうも同じように権限を持ってやっておりましたら、二重行政になりまして、非常にぎくしゃくするのです。ですから、行政の効率的運営からいっても、やはり労働者災害の業務は労働省が主役であり、われわれがわき役である。それからアイソトープによる放射線障害の防止全体に関する一つの責任は、その中には労働安全衛生関係もカバーはいたしておりますけれども、それは科学技術庁が持っておる。またダブらない分については、もちろんこちらが責任を負わなければならぬ。ですからここにも「労働大臣は、労働者に対する放射線障害を防止するために特に必要があると認める場合においては、科学技術庁長官に勧告することができる。」というのが四十八条二項にありますね。これなんか、労働省のほうで監督をしておられたあれで、この法律の運営等についていろいろ御意見が出てきた際に、かみしもを着ればものを申さなければならぬことも、これは出てくるのであろうと思う。ですから、くれぐれも申し上げたいことは、われわれは責任を回避するものではいささかもないのです、こういうことであります。ただもちはもち屋で、これはまず労働省のところでもってこなしていただくというたてまえに一つはなっているのだと、私は理解をいたしておるわけであります。  それと同時に、それじゃ全く関心もなければ責任もないかというと、そういうことはないのでありまして、行政の効率的な運営から考えまして、この問題について、科学技術庁に何でもかんでもやれといっても、実際は、また地方の問題につきましては、組織もございませんから、できないわけでございますから、そういう意味で、私はいささかも責任を回避するつもりはございませんが、いまの行政機能のたてまえといたしまして、労働災害の防止という面につきましては、労働省が、もちはもち屋で主役としてやっていただき、われわれは、この法律の範囲内においては、その面では、わき役として行動のお手伝いをする。そしてそれ以外の法律の基本的な問題、これに関連する法律全体のことについては、われわれは実際問題として、そのほうに力こぶを入れてやっていくということではないかと思うのです。理論的にいえば一緒だということも、近江委員の言われるとおりだと思います。そういうあれでもよろしゅうございますが、しかし通常労働災害といいますと、そういうふうに考えて間違いありません。  それからエックス線障害なんか出ますね。エックス線障害は労働省でしょうね。けれどもエックス線自体は厚生省ですね。診療用の何かやっているでしょう。一々それを厚生省のほうに飛んでいくかというと、そうではなくて、やはり労働災害は労働災害である。だから、放射能というのはわっとクローズアップしているものですから、まず科学技術庁にと、こういう空気になっておりますが、私はその点は、私のような考え方でやっていかないと実際は困るのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  繰り返して申し上げますが、だからといって、いささかも、その問題について責任を回避したり責任を押しつけたりするつもりはございませんし、ここにいる労働省の安全衛生部長も、私の言う意見に全く異議がないはずでございます。私のほうから責任を回避してそこに押しつけるというような、そういう間ではないのでありまして、当然のことのように、こちらの仕事だと思っているはずでございます。私は労働関係は長いですから、そういうふうに考えておるわけです。そういうふうに御理解をいただいたらどうか。また、私がこういうふうに申し上げるのを、安全衛生部長はどういうふうに受け取られるか。あなたからお聞きいただけば、あるいは私と同じような意見を言うかもしれない。違った意見を言うかもしれませんが、事柄の性質はそういうものじゃないか、こういうように考えます。専門事項という意味で、私ども重大な関心もあり責任もあるということであります。あまり足がありませんから、実力がありませんけれども。

近江巳記夫公明党

○近江委員 責任は回避するものではないということば、大臣は何回もおっしゃっておるわけですね。しかし、わき役、主役という考えがあれば、責任は回避しないけれども、感じ方が痛切に感じなくなるのですよ。鈍感になるのですよ。要するにそれが問題なんです。だから特に三省は、団結してお互いが連携をとり合い、そしてお互いが最も機能的な活動をしなければならぬわけです。そういう点におけるかなめというものは、やはり科学技術庁だと私は思うのですよ。実際のそういう行動は厚生省か労働省か、それは知らぬけれども、その辺をはっきりして、全責任一〇〇%を痛いほど感じるという立場に科学技術庁が立ってもらわない限り、絶対この事故は消えませんよ。そう言えば、また労働省は、それはそのとおりだということで、肩の荷を軽くするような感じがするかもしれぬけれども、それはまたよくないのですよ。お互い各三省が一〇〇%の責任を感じるという立場に立たなければいかぬのだ。三省は一〇〇%ほんとうに責任を感じますか。これはくどいようだけれども、もう一ぺん聞きます。その点どうですか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 おっしゃるとおり、労働者の健康障害の防止につきましては、一〇〇%責任を感じておりますし、関係各省と協力いたしまして、今後とも災害防止につとめたいと考えておるところでございます。

木戸脩厚生省医務局指導助成課長

○木戸説明員 診療用放射線に伴います第三者に対する障害の問題、あるいは放射線で治療を受けます患者の被曝の問題は、厚生省の所管でございますので、これにつきましては、責任をもって対処いたしたいというように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 一〇〇%感じますか。

木戸脩厚生省医務局指導助成課長

○木戸説明員 厚生省所管のものについては、一〇〇%私どもの責任と感じております。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 防止法の所管官庁としての科学技術庁固有の分野につきましては、もちろん一〇〇%責任を感じますが、実際問題として労働者の災害防止等、労働省の分野に関しますことにつきましては、先ほど来申し上げておるように、緊密に連絡し、情報を交換していくならば、双方の仕事は一段と前進するだろうということで、いま打ち合わせ中でございます。責任は一〇〇%感じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 各省は一〇〇%責任を持って……(森山国務大臣「三〇〇%だ」と呼ぶ)いま大臣がおっしゃったように、三〇〇%になるわけです。ですから、今後は最高の前進ができると私は思うのです。これはほんとうにたいへんなことなんです。今後は真剣に、そういうなわ張り的なものは、私はないとは思いますけれども、責任のなすり合いとか、どこが主役だ、わき役だ、そういうことは二度と言わないように、もう三省全部が主役なんだ。大体わき役なんていうこと自体がおかしい。政府全体が主役なんですよ。この精神がないことには、絶対事故なんか減りませんよ。私、これは真剣に申し上げておきます。  それから、労働省、来ましたか。——まだ返事が来ないか。それがないと前に進められない。——いま来ましたね。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 実は、ただいま現地に連絡いたしましたところ、ちょうど帰った直後のようでございまして、情報が得られないような次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 それでは、それぞれの責任者は、自宅なり何なりに電話もあると思いますから、この委員会には間に合わぬかもしらぬけれども、さっそく聞いて、ぼくは会館におりますので、大事な問題でありますから、早急に報告してもらいたいと思うのです。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 そのようにいたします。

近江巳記夫公明党

○近江委員 九十名のそういう疑い濃厚な者を出したということは、一つの県だけの問題と違うわけですよ。全管轄を調査しますと、たいへんな障害が起きているということです。そういう意味におきまして、労働省は一斉点検をするということもおっしゃったわけでありますし、これを踏まえて、早急にやっていただきたいと私は思うのです。部長もおっしゃったように、四十六年にアルバイトの高校生を使って、こういう障害が起きたという事例もあったわけですし、現時点ではなく、さかのぼっての徹底調査も、この際ほんとうにやって、改善すべきは改善していく。人命に関することでありますから、その点を強く要望します。これは早急に報告してもらいたい。  この問題につきましては、行管の勧告書を見ますと、幾らでもあるわけですよ。研修の中身はどうするかとか、時間があったら、ほんとうに二時間でも三時間でも聞きたいわけですよ。だけれども、時間があんまりありませんので、次にいきたいと思います。  それから、きょうは島さんもお見えになっておられますし、宇宙開発の問題でちょっと聞きたいと思いますが、クウェゼリン島のアメリカのABM基地を事業団が借りるようになったということを、ちょっと聞いておるのですが、なぜこういう米軍基地を借りなければいけないのか。宇宙開発というものは、あくまで平和利用に徹していかなければいけない。ところが、両刃の剣という、そういう疑いの目で見られているわけですよ。それをこういう米軍基地のどまん中に、ABM基地のある島に置く。これはただ単に日本の国民に与える印象だけじゃなく、報道が広がれば、世界じゅうからもそういう目で見られる可能性もあるわけです。こういうことになった背景をひとつお伺いしたいと思うのです。また、それはもう決定であるのかどうかということも、あわせてお伺いしたいと思います。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 いま先生御指摘のクウェゼリン島に、英語でいいますとダウンレンジ局、日本語でいいますと臨時の追跡局でございますが、これを置きましたら、宇宙開発の中でいま進めておりますN計画、この中で、御承知のとおり衛星を四つ上げます。衛星を四つ上げるその前の五十年に上げます衛星が二つございます。これはもう御案内のとおり、技術試験衛星I型と電離層の観測衛星、この二つでございます。これは五十年に上げられるわけでございますが、これの追跡をしなければいけない。それで、追跡をいたしますにあたりまして、まず父島に一つ追跡局を置く。それから、その先のマーシャル群島の辺にどうしても追跡局を置きませんと、これを追跡できない。要するにこのダウンレンジ局と申しますのは、追跡をして、星から送ってきますテレメーターを受信する。それから指令も出して、ロケットと衛星に対していろいろな指示を行なう。こういったような機能を持つ臨時の追跡ステーションを置かなければならない、そういうことになるわけでございます。  そこで、二年ほど前、マーシャル群島のあたりに、こういったようなものを臨時に、しかも移動できるようなものを置きたい。この二つ動かしたあとは、これをまた撤去していさらにあとで二つ上げます。これは五十一年、五十二年に上げます。御案内のとおり、技術試験衛星II型とECSと称します衛星を上げる場合のは、さらに遠いところの太平洋上の島あたりにこれを持っていって、またそれの追跡をする、こういう機能が要るのです。こういったようなことで、米側に対して、事業団の所有のその追跡の機械類を置かしてほしい、それから電波を発信させてほしい、こういう話をしたわけでございます。これに対しまして米側も、これはもう先生御案内のとおり、宇宙開発については、純粋に平和利用の目的のものについて米側は協力してあげます、こういったようなことに日米の交換公文でなっておるわけですが、そのラインに沿って、それじゃ協力してあげましょうということであったわけでございます。  それで、これは事務的にずっと詰めておりましたが、いろいろ調べたけれども、これには交通の便利なところが必要であるし、通信の便利なところも必要であるし、その次に、行く人間が——これは打ち上げの直前に参りまして、その直後また幾日かおるわけですが、せいぜい二カ月ぐらいのものだろうと思いますが、その間、食事ができる、水ももらえる、そういったようなこともしてもらわなければいかぬということに対して、米側からは、このクウェゼリン島しかないのだというような言い方をしてきまして、ここなら御希望に沿うようなことができるのだ、こういったような御意向を、米側から非常に好意をもって表明してきてくれたわけでございます。それで、日本側といたしまして、確かに米側のおっしゃるとおりでございますし、事業団のほうの専門家も調査した結果、ここなら先ほど申し上げましたような二つの衛星、その臨時的なトラッキングというか、追跡ができるということが明確になったわけでございますので、それで、大筋といたしまして、それではこれでいこうではないかということに、米側との間できまったということでございまして、もっと具体的なところで、いま事業団の専門家がNASAの専門家と打ち合わせをいろいろ具体的にしておる、こういったようなことでございます。  それでは、いま先生の御指摘の背景、これが非常に軍事利用と直結しているのではないか、これはわが国の宇宙開発の平和利用の精神に反するのではないか、こういったような御指摘でございますけれども、これにつきましては、御案内のとおり、日本の宇宙開発はすべて平和利用に限っております。純粋な平和利用に限っております。実際に今度行ないますのも、二つの衛星に限っております。しかもこの施設が、これはもう御案内のとおり、ちょうど大きなトレーラーの箱ですが、あれが二つぐらいのものでございまして、あと、それにアンテナが別にくっつくというようなものを臨時的に置くだけである。しかもこれは何も米側の軍事的なものに使われるというようなことも全然ない。これはふだんはただしまっておきまして、何週間かの打ち上げのときにだけ使用する、こういったような性格のものでございます。  それから、クウェゼリン島自身につきましては、これは米国が長期間借りておりまして、それでいわゆるナショナルレンジということになっておって、国立の試験場になっておりまして、もちろん平和目的にも利用されておる、こういったようなところでございます。  もちろん、ほかにいろいろないい場所があればよろしいのでございますが、相手もあることでございますし、そういったような性格のところでもございます。それでしかもこれは非常に臨時的にやりまして、あとはまたすぐ撤去する、しかも宇宙の平和利用に純粋に限っている、使われる、こういうことでございますので、その御懸念は全くない、私はこういったような判断をいたしておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう時間が来ておりますので、まとめてお聞きして終わりたいと思いますが、きょうは理事長もお見えになっておられますし、この問題につきましては、そういう声も高いわけですよ。ですから、これはよく慎重に対処していただきたい、これは強く要望しておきます。  それから、あとまとめてお聞きしますが、いわゆる東大の宇宙航空研究所による自主開発、宇宙開発事業団による技術導入、さらに米国ロケットを直接利用する国際協力、この三本立ての開発路線、この三路線について、今後一体どのようにお考えか、これが一つ。これは、理事長も、問題によってはお答えいただきたいと思います。  それから、この宇宙開発一元化についてどう思われるか。御承知のように、本年、四十九年度の原子力開発費が六百七十億、それから宇宙開発費は五百七十四億。これはいまやたいへんなビッグサイエンスになってきております。にもかかわらず、事業団の方針や計画というものが非常にふらついておる。これについてはどう反省されているか。それから基本理念というものがはっきりしていない。今後、宇宙開発基本法をはじめ——原子力には基本法があるわけです。基本法制定についてはどう考えるか。また、実定法も非常に未整備である。この問題についてはどうお考えになるか。  以上、時間がありませんから、私はこれで聞きませんから、簡潔にひとつお答えいただきたいのです。理事長もお願いします。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 いま先生御指摘の点、順番にお答えいたします。  まず第一が、たくさん金を使っているが、三本路線であるし、この一元化はどうなんだという点でございます。まず東大と宇宙開発事業団との関係でございますが、これにつきましては、もう先生御案内だと思いますので簡単に申し上げますと、これは宇宙開発委員会におきまして、もう総合的に計画を策定いたしております。それで、事業団が行ないますのはもう実用関係の宇宙開発、それから東大は科学衛生の打ち上げ、このところにいま限って、これが宇宙開発委員会におきまして、十分に統一的にこの計画を策定され、しかも予算の見積もりまで行ないましてやっておるわけでございまして、今後とも、事業団と東京大学とのところにおきましては、これはいわゆる宇宙開発委員会の場で、明確に路線が敷かれて出ると思っております。現在までも明確に路線が敷かれて、これが進められておるわけでございます。それで予算の内容も、ごらんになって十分御理解していただいていると思いますが、もうほとんど九割が事業団の予算でございまして、東京大学の分はせいぜい一割程度のものでございます。ほとんど集中的に事業団が行なっておる、というような状況に相なっておるわけでございまして、こういった路線で進んでおるということでございます。  さらに、この宇宙開発の基本的な問題で、いわゆる自主開発でいくのか、アメリカなど外国の援助によって行なうのか、この問題が、いま先生が三本路線とおっしゃるその一つだろうと思うのでございます。その問題につきましては、先ほど申し上げました日米交換公文によりまして、アメリカの援助を得て、それでそれをベースにいたしまして、とにかくこの宇宙開発を進めようという、N路線というものがもう厳然たる一つの大きな路線でございます。そういった線で、まことに残念ですが、自主開発しますと、たいへんなるお金とたいへんな時間がかかるということで、これをまず大いに吸収して——米側の援助を得て、それを吸収してこちらの実力を早くつけて、そしてそれを終えてから、第二段階として、みずから開発を行なうということ、いまこういった基本理念で、それで宇宙開発委員会も宇宙開発の計画をまとめているわけでございます。ただし、先生いま御指摘のとおり、その衛星のごときは、さらに三つの実用衛星については、日本で間に合いませんので、ロケットは全面的にアメリカにお願いするというような路線を出しているのは、まことにどうも米側にたより過ぎるという点が出るわけでございますが、これも実は幾ら急いでもなかなか間に合いませんので、これにつきましては、宇宙開発委員会といたしましても、このものに限って、ひとつ米側に打ち上げをお願いしようという線で、いま進めております。星については、できるだけ日本で知識を吸収しながらいこうという線で、いま進めておるわけでございますが、これにつきましては、今後のポストNにつきまして、実は今年度二億円の予算で、N計画のあとについて一体どういった宇宙開発の路線を打ち出すか、これを宇宙開発委員会でいま検討いたしております。その結果が出次第、早急に御報告できるかと思います。これは現在まで行なっております、それも順調に行っております、いわゆるN路線の延長線といたしまして、そういった宇宙開発を考えていこうという路線でございます。その点の具体化を、もちろん島理事長のところの御意向も十分聞きながら、宇宙開発委員会できめよう、こういった段取りに相なっております。  それからいま一つ、宇宙開発の法的な整備あたりが非常におくれている、いわゆる基本理念がぐらついているのじゃないかという点でございますが、この点につきましては、基本理念は、いままでにも科学技術庁の歴代の長官が申し上げておりますように、平和の理念に撤しておるのだ。これは事業団の関係の設置法にもうたってございますので、そういった線に沿ってやるということにいたしておるわけでございますので、今後も先生のいまのいろいろの御指摘、こういった点を十分踏まえまして、慎重に宇宙開発を進めていきたいと思います。いまのところ順調にいっておりますけれども、つまづいたりしないように、十分注意していきたい、かように考えておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 理事長、せっかく来ていただいておりますから、一言だけ簡単に答えてください。

島秀雄宇宙開発事業団理事長

○島参考人 私どもといたしましては、N計画という御承知のものは、計画いたしましてから順調に進んでおります。私どもは、その後、N計画では上げられないような大きい星を上げるような要求がありましたときに、ある一部におきましては、N計画を改定して、途中から変更をして、大きいのを上げるほうに進むようにというような御議論もありましたけれども、そういうことをいたしましてふらふらしては、すべて事が成り立たないから、初めの計画どおり、N計画には一つも差しさわりないようにこれを進めるようにということを、私といたしましては、あらゆる力をふりしぼってお願いいたしまして、幸いにお聞き届けいただきまして、N計画というものは既定どおりやるのだ。そしてその路線よりも先に進んだような種類のものは、早い時間に力以上のことをやるという種類のものは、臨時の措置としてアメリカの力をかりる、打ってもらうということにさせていただきました。そういうことでございますので、N計画につきましては、現在は物価が上がり労賃が上がりまた非常にお忙しいたいへんな中で、とにかくいまのところは予定どおり進んでおります。そのことだけを申し上げて、私はその路線をあくまで堅持していきたいと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 では大臣、宇宙開発基本法をつくるかどうか、法整備を今後するかどうかを答えていただいて、それで終わります。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 非常に重要な問題を、短い時間に簡単にしゃべれとおっしゃるが、慎重に対処したい、こう思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 終わります。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 島参考人、どうもありがとうございました。  次回は、来たる五月二十二日、午後一時より理事会、午後一時十五分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時四十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗