P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
72回国会衆議院1974/04/10

科学技術振興対策特別委員会 第11号

発言数
189
登壇者
10
会派数
5
開催日
1974/04/10

会議録

安井吉典日本社会党

○安井委員長 これより会議を開きます。  最初に、理事辞任の件についておはかりいたします。  前田正男君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決定いたしました。  引き続き、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に中山正暉君を指名いたします。      ————◇—————

安井吉典日本社会党

○安井委員長 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  原子力潜水艦の放射能調査に関する問題調査のため、本日、放射線審議会専門委員岡野真治君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————

安井吉典日本社会党

○安井委員長 それでは最初に、原子力潜水艦の放射能調査体制の実態について、参考人岡野真治君から意見を聴取することといたします。岡野参考人。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 私は、放射線審議会の専門委員を仰せつかっております岡野でございます。  原子力放射能調査というのは、それの基本といたしましては、「原子力軍艦放射能調査指針大綱」にも述べられておりますように、「寄港地周辺住民の安全を確保する」ということが第一の目的になっております。  その測定の体制といたしましては、おもにモニタリングボート、それからモニタリングポイント、それから各寄港地の市役所その他の現地調査体制、それから寄港地でとりました試料の分析というように、基本的には分かれております。  それぞれの持つ役割りと申しますのは、モニタリングボートに関しては、寄港時におきまして、船のまわりを監視いたしまして、ある特定のきめられたレベルによって、測定器がはかりました測定のレベルを基準にいたしまして、採水をいたしまして、それの化学分析によって、安全というものが確保されております。  それからモニタリングポストというのは、これは日米間の取りきめによりまして、ゼネラルバックグラウンドに対して検知できる増加が認められないということが述べられておりますので、ゼネラルバックグラウンドというものを把握するということが第一の目的でございます。そのほか、もしも潜水艦からある特定の量、これはある程度想定される量がありまして、それ以上放出されたときには、モニタリングポストによっても情報が把握できるというような性質を持っております。  それからモニタリングポイントは、これは積算線量をはかるための道具でございまして、主として何らかの事故によって住民がどのぐらい線量を受けるかということの積算線量の把握ということが第一の目的でございます。個々の潜水艦についての放出その他に関する微弱なものをはかるというような目的のためのものではございません。  それから、とりましたサンプルの最終的なきめ手は、これは化学分析によるものでございまして、たとえばボートがモニターをしながら監視をしているわけでございますけれども、その際、特定のレベル、これは政府によってノーマルレベルの三倍という値がきめられておりますけれども、その三倍をこえたときに水をくみまして、その水を現地並びに精密な化学分析によって、原因追及がなされるというような性質のものであります。  それから、そのほかに、これは外国においても行なわれていることでございますけれども、四半期ごとに海底土並びに海水の採取したサンプルを測定しております。これはいわゆる四半期報告といっておりまして、外国においても行なわれておるやり方でございます。つまり四半期ごとに、特定の場所においてとりました海水並びに海底土を化学分析いたしまして、そこに含まれている放射性物質を決定し、その量をきめまして、これによって原因が何であるか、原子力潜水艦であるか、それとも過去に行なわれた原爆実験の影響であるか、それとも原子力平和利用の分であるかということの判断をするためのものでございます。  以上、大体大筋についてはそういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 速記をやめて。   〔速記中止〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 速記を始めて。  岡野参考人

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ただいま申し上げましたことは、全般的なことでございまして、実は時間を私、聞いておりませんでしたので、もう少しこまかくいろいろなことをお話しいたすことにいたします。  まず一番大事なことは、外国でもやっておりますように、四半期ごとのサンプリング、これは海水並びに海底土、先ほどはちょっと申し忘れましたけれども、海産生物、この三つについての放射能分析でございます。放射能分析は、現在は一応五核種を代表として選んで分析しております。これはあくまで代表ということでございまして、そのほかの核種については、必要があればはかることもできますし、または機器分析によりますと、自動的に他の核種も把握できるというような特性を持っております。  この最終的な四半期報告というのは、いわばアンカーといいますか、最終的な一つの安全をきめる指標でございまして、ここにおいて、ある特定のレベル以下であったならば、一応過去においては、原子力潜水艦による住民の安全ということは保障されているというように考えていい性質のものでございます。つまり最終的に四半期報告によって保障された場合には、それ以前に関しては、施設というか、寄港地周辺の住民の安全ということは確保されているというように解釈していいかと考えます。  次に、その量がもしもあるきめられた量以上になったときに、これはあらためて検討並びに解析しなければいけないことになるわけですけれども、そのときの解析においては、それ以前に行なわれている、つまり寄港時並びにゼネラルバックグラウンド測定の情報というものが非常に大きなウエートを持ってきて、参考として使われるわけでございます。だから一般的なことを申し上げますと、四半期報告においてある量以下であるならば、一応それ以前のことに関しては、住民の安全ということに対しては保障されているという考え方がございます。一応現在においては、そういう立場からいえば、あるレベル以上のものは検知されていないわけでございまして、施設住民の監視体制ということでは、安全ということは保障されているわけでございます。しかしながら、もしもそれがある量をこえたときにどうなるかという場合に、モニタリングボートの結果またはふえたときの情報解析、それからモニタリングポストの情報というものが、それに順次つけ加わって、原因追及つまり原子力潜水艦が原因であるか、それともフォールアウトが原因であるか、天然のものが原因であるか、それから原子力平和利用の施設が原因であるかというようなことの解析が、順次繰り上がっていくわけでございます。  今回の体系というのは、原子力潜水艦というものを対象にしておるわけでございまして、そういう観点から、中心的に原子力潜水艦——これは見方によりますと、原子力施設になるわけでございまして、そういう原子力施設が、不定期に特定の場所に設置されるという概念をとるわけでございまして、そういう原子力潜水艦が不定期に設置された場合のモニタリング体制として、代表的な方法として、ボートがとられているわけであります。モニタリングポストというものの役割りは、ボートとはちょっと異なりまして、いわゆるゼネラルバックグラウンド、つまり一般的な放射線レベルの監視ということが第一の主眼であることは、その測定体系、測定器そのものの性能からいえると思います。ただ、単にこのゼネラルバックグラウンド、つまり一般的な放射線というものをはかる機械でありましても、その感度が十分でなければ目的を達するわけにいかないわけでございますけれども、今回このモニタリング体制としてとられておりますモニタリングポストというのは、一般のゼネラルバックグラウンド、つまりわれわれが受けている放射線を十分監視できる。つまり、極端にいいますと、ちょっと雨が降って天然の放射性物質が落ちてきてもはっきりわかる程度の高い感度をもって監視がされている。したがって、御存じのように、われわれの研究所ではかっております一つの情報といたしまして、雨でもって受けるわれわれの線量増加分というのは、年間一ミリレムぐらいあります。われわれが受けている放射線というのは、大体天然で百ミリレムという値を受けておりますけれども、その百分の一ぐらいの雨の変動ですら把握できるくらいの感度を持ったものでございます。  それから一方、モニタリングボートに戻りますけれども、モニタリングボートがはかっております水のモニターというのは、これは数字的なことを申し上げておわかりにくいかと思いますけれども、天然の放射能、つまり海水の中にあります放射性物質、これはおもにカリウムでございます。人間のからだにはカリウムが大体百グラムくらいあるわけでございますけれども、海の中にはカリウムが含まれておりまして、それの放射能は、単位は二つ申し上げますけれども、ベータ線が出る放射線としての単位、つまり、もう少し学問的にいいますと、一つの崩壊の量という単位であらわしますと、三百ピコキュリー・パー・リットルくらいでございます。もう少し端数がつきますけれども、三百ピコキュリー・パー・リットルでございます。これに対しまして、モニタリングがはかるのは、ガンマ線をはかるわけでございまして、ガンマ線の量はその大体十分の一でございます。結局三十ピコキュリー・パー・リットルという程度の放射能が天然にあるわけでございます。それに対して、はかる機械は大体百ピコキュリー・パー・リットル、つまり十のマイナス七乗マイクロキュリー・パー・ミリリットル。これは同じものでございます。単位の表現のしかたが違いますけれども、大体百ピコキュリー・パー・リットルという量が検知できるというレベル設定をいたしまして、監視がなされております。つまり、環境の天然のカリウムに対しまして大体三分の一、これはいわゆる原子力施設から出てくる放出量としての基準に、法律的にマッチした量でございますけれども、その量を基準にして監視がなされております。その量がふえたときには、一応規則できめられております、規則というか、マニュアルできめられております三倍のレベルを越えることになりますので、ここで水を汲んで、原因把握ということがあります。測定機の感度としては、現在放射線をはかる野外の測定装置としては、使われております測定システムというものは、最も感度が高い、実用的には一つの限界といえる道具でございます。  それで次には、いまのはどうも話が前後して、先ほどの三つの問題が順次出てきて申しわけございませんけれども、モニタリングボートに関しては、一応規則で、つまり原子力施設としての、日本の規則並びにICRP、それから外国でやっております十のマイナス七乗、つまり先ほど申し上げました百ピコキュリー・パー・リットルというあのオーダーの監視が中心でございます。その値と、一体先ほどの四半期の海底土というものとのつながりを技術的な面で少し御説明いたしますと、海底土の測定は、いまはいわゆるモニタリングボートの測定限界という線を申し上げたわけでございますけれども、海底土の測定の限界というのは、現在一応五十ピコキュリー・パー・キログラムというような値を一つの線として考えております。現在行なっております化学分析並びにクロスチェックを行なっております海上保安庁の水路部の測定では、もう少し精度がよくて、それよりもものによっては一けたくらい下まではかる技術的な能力のもとにやっているわけでございますけれども、一つの引く線といたしまして、五十ピコキュリー・パー・キログラムという線を考えますと、お互いの結びつきにある程度の情報が得られるわけでございます。その五十ピコキュリー・パー・キログラムという値をもう少し御説明いたしますと、これは外国のいろいろな例で申し上げますと、よく最近多くの方々がおっしゃっているので、皆さんも御存じかと思いますけれども、三千ピコキュリー・パー・キログラムという値が、外国の港などではかっている数字から出ているという話があります。または三千ピコキュリー・パー・キログラムという数字が一つの線で切られているという話がございますけれども、われわれがとっております五十ピコキュリー・パー・キログラムという値は、外国のやっている測定体系においても、数字としてはそのくらいまではかられているわけでございます。これは技術的な面から言えることでございまして、一般的な外国で行なっている分析方法、これは主として機器分析でございますけれども、機器分析においても、数字としては五十ピコキュリー・パー・キログラム程度までははかられております。ただ報告の段階において、線の切り方が、それより高いところで切りまして、それ以上のものというような分類をしているだけのことでございまして、測定データとしてはあるはずでございます。これは私そういうことを専門に扱っておりますので、よく存じているわけでございますけれども、当然そういう数字をあげてはかるべきだと思います。  そういう五十ピコキュリー・パー・キログラムという数字をいま海底土について測定している体系において、潜水艦から、もしも——一応これは出ないということになっているわけですが、もしも出たときに、一体どのくらい出れば四半期の測定の中にそれがひっかかってくるであろうかということを大ざっぱに計算いたしますと、たとえば横須賀の港、これは面積が大体一平方キロ少しあるわけでございます。一平方キロくらいのところに、たとえば五十ピコキュリー・パー・キログラムという海底土が地下に一様にたまっていたと考えますと、それ全体を、一平方キロをかけますと、大体一ないし二ミリキュリーという量になります。これはいま代表としてコバルト60をあげているわけでございますけれども、コバルト60のことはまた後ほど御説明いたすつもりでおりますけれども、コバルト60に換算いたしまして一ないし二ミリキュリーというものを、もしも潜水艦が放出されたと仮定いたしますと、それが一平方キロというところに一様に分散されて海底に沈着したということを仮定いたしますと、先ほど申し上げました五十ピコキュリー・パー・キログラムという線で検出できるというような計算が、これは簡単な算術計算でできるわけでございます。簡単と言ったのは、ただ平均して割り算しただけで簡単で、実際には一平方キロ一様に散らばるということはなくて、たとえば特定のところに多くなり、特定のところには少なくなるというようなこともあり得るわけでございまして、そういたしますと、集まったところはもっと容易に検出されて、集まってない薄いところは検出は無理だということになるわけでございます。そういうようなことになっているのが現状でございます。それは、その数字というのは、先ほどの−今後いろいろと御質問があるかと思いますけれども、海底土のサンプル数とかそういうことのときに、その数字がすべての根拠になって、いろいろな想定のもとに計算が行なわれるわけでございます。一ないし二ミリキュリーという量が、コバルト換算にして放出されるということと、先ほどの十のマイナス七乗と、つまり百ピコキュリー・パー・リットルというものとがどういう結びつきになるかというようなことを大ざっぱに考えてみますと、たとえば横須賀くらいの大きさの水に一様に一ミリキュリーが分散したら、これはいまのシステムでは検出不可能でございます。はっきり申し上げて検出不可能です。しかし、一般にもしも原子力潜水艦からそういうものが放出されたとすると、放出時点においては、近くには濃く遠くには薄くなるわけでございます。これは潮流とか拡散とか温度とか——温度というのは、放出した液体の温度とか、そういうものの計算から、簡単にはいかないわけでございますけれども、一応近いところからだんだんに拡散するわけでございます。  もう一つ、われわれが一応外国並びに経験上持っております資料から申し上げますと、放出の初期の時点においては、コバルトばかりでなくて、ほかの核種もかなり放出されます。つまりコバルトだけを純粋に放出するということは、一般にあり得ないことでございまして、多くの場合には、コバルト以外に、それの十倍ないし百倍の半減期の短い放射性物質が同時に放出されているわけでございます。したがって、モニタリングボートではかる場合には、先ほど申し上げました計算よりは、はるかに高い濃度で、初期においては放出されているというように解釈するのが妥当かと思います。そうしますと、常にその一ミリキュリーが出たときに検出できるかということに対する確証はないけれども、ある程度の確率でもって検出する可能性は出てくるわけでございます。その辺のところは、いろんな条件を加味して考えなければいけないわけでございますけれども、一応測定器側の限界、それから測定の放出源のキャラクターというものから考えまして、現在の体系がお互いに組み合わさっておるというように私は考えております。  それで、一体一ミリキュリーが放出してどうかということは、これは一つの線でございまして、外国でもって、いわゆるそういうものの放出ということに関する一つのボーダーラインとしても、一ミリキュリー以下という表現が多く見られますように、一つの線として、放出の限度ということの基準として考えていいかと思っております。  それからもう一つ、いわゆるゼネラルバックグラウンド、つまり環境の放射線レベルということがどのようなものであるかということの情報把握、これは原子力潜水艦が日本に寄港したそういう機会に、横須賀、佐世保、それから最近沖繩でもってゼネラルバックグラウンドのキャラクターの測定がずっと連続に行なわれておりまして、これに関する情報はかなりよくとらえております。これは余談でございますけれども、われわれの研究所でも、そういう情報はきちんととらえておりまして、それの情報から、その原因が、主として雨とフォールアウトの場合、核爆発実験の影響でございますけれども、それらの様子がかなり——かなりというか、場合によると、かなり的確に把握されております。先ほども御紹介しました年間大体一ミリレムという値も、そういうような情報から拾い出せば得られるわけであります。雨は、もちろん雨の中に天然の放射性物質が含まれているわけでございますけれども、多い場合には、先ほどちょっと例を申し上げましたけれども、先ほど申し上げましたのは、一平方キロ当たり一様に散らばって一ミリキュリーという数字を申し上げたわけでございますけれども、雨の場合に瞬間的に非常に降ってくることがあります。場合によると、一平方キロ当たり五百ミリキュリーというような天然の放射性物質が落ちてくることがあります。これはおもに雷雨の場合でございます。そういうように降ってくる場合がございまして、こういうものはもちろん非常にはっきり把握できるわけでございます。多くの場合には、大体百ミリキュリーくらい降る場合もございます。ちなみに、百ミリキュリーくらい降ると、ゼネラルバックグラウンドに対しては大体倍くらいの増加を示します。海上にある場合、もう少し比率は高くなりますが、一般には百ミリキュリーぐらい降ってきますと、横須賀のモニタリングあたりですと、大体倍くらいにふえます。先ほど一つのレベルとして三倍ということを申し上げましたのは、そういう雨、天然のものが降ってくるたびに、一々水をくんで調べるということのまぎらわしさを避けるということと、いままで御説明いたしました一つのレベル設定ということから、三倍というものが一つの穏当な数字として現在採用されているわけでございます。  また御質問がありましたら、そのつどお答えしたいと思います。     —————————————

安井吉典日本社会党

○安井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山重四郎君。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 きょうは、お忙しいところ、岡野さんには御出席いただきまして、たいへんありがとうございました。私、たいへん不勉強でございまして、いま御説明をいただいたことが十分把握できない面もございますので、初歩的な話からお伺いをさしていただきたいと思います。  原子力船あるいは原子力潜水艦の放射能調査体制というものは、科学技術庁原子力局で書いています「原子力軍艦放射能調査指針大綱」というのがございまして、その調査の目的というのがございますけれども、この中に何も書いてないのでございますが、私は、調査というのは、国民の健康と安全を守るということが大きな目的だろうと思います。いまゼネラルバックグラウンドのお話等々がございましたけれども、そういう数字は抜きにいたしまして、現行の体制で十分であるかどうか、そういうことを岡野さんにお伺いしたいと思います。いかがでございましょうか。そういう国民の健康と安全を守るという観点から見て、現行体制がどうだということでございます。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 お答え申し上げます。  はっきり申し上げますと、現在の体制でけっこうだと思います。ただ百点満点ではない。これは確かでございます。御存じのように、こういう測定の体系というのは日進月歩でありまして、たとえば現在のこういうものにかわる他のものがあって、管理、保守の面、それからデータの処理の容易さとか、そういう技術的な面で変更するということは、今後大いに考えたいと思いますけれども、最終的な安全という立場からいえば、百点満点ではないけれども、十分だと思います。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 いま、百点満点は与えられないけれどもということでございますけれども、日進月歩ということをお考えになっての、絶対でないという意味であろう。将来もっと機器が進み、監視体制がりっぱになれば、もう少しいい点が与えられるのではないかという考えだろうと思うのですけれども、現体制では十分にやられているとお思いでしょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 十分にやられていると考えています。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 そうすると、いまの体制で、国民の健康と安全を守るには、十分であるとおっしゃるわけですね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 十分であると思います。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 よく科学者の方は、理想と現実を混同して討論されます。私も理想は理想として認めますけれども、理想に向かって、もっとりっぱな体制をつくっていただくことを心から願うのですけれども、そういう確信を持って、今後ともお仕事をしていただきたいと思います。  また、そういう体制が、諸外国の体制と比べて、たとえばモニタリングポストとか、モニタリングポイントとか、モニタリングボートとか、あるいは核種分析というものが、有機的に組み合わされて、防護システムができておると思いますけれども、諸外国と比べていかがでありましょうか。日本のシステムというか、体制というものは劣るものでしょうか。どうでございましょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 諸外国の例は、それぞれの立場があるから、劣るとかすぐれているとかと、きちんと専門的な立場で判断することは、あまりにもいろんなファクターがございますので、きめかねると思いますけれども、たとえば部分的に、機器分析のやり方、それからモニタリングボートを導入しているかどうかということ、それからモニタリングポストというものがどういう役割りを持っているかという観点に立ちますと、諸外国に比べると、むしろきびしい監視体制がなされているということはいえます。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 きびしいとおっしゃることは、つい最近科学技術庁長官が演説されて、きびし過ぎるということをおっしゃっていますが、私は、きびし過ぎていいだろうと思うのです。それぞれの機器あるいは体制について、諸外国の例がどんなになっているか、私も知りたいと思いますけれども、きょうは時間が短いので、それはお聞きしないことにいたしますけれども、システムその他が違うということでは、ほかの体制と比べて、あなたたちがおとりになっている体制は、よりベターであるとお考えになるわけですね。きびしいということ自体、日本の体制は、技術が相当進んでいると考えてよろしいのですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 技術に二つございまして、要するに、測定器そのものの技術、それから分析という個人的な技術という両面があるわけでございまして、いわゆる測定器そのものの技術というのは、現在研究段階と実用段階は非常に接近している。したがって、国際的にそう差はないと考えるのが一般的でございます。測定の機械、われわれのことばでいいますと、インストルメンテーションといいますけれども、こういうことに関しては、世界的にそう差はないということははっきり言えます。ただ、個人的な化学分析の技術という、いわゆる経験に基づく分析のやり方に関しては、個人的な差がありまして、日本のそういう化学分析というのは、世界でも非常にレベルが高いと私は見ております。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 その分析をする技術者の能力というのはどうでございますか、養成はしておるのでございますか。能力と養成という面です。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ちょっとその点に関しては、私は養成機関の直接のあれじゃありませんので、わかりませんが、ただ結果から判断しますと、ある部分については、非常に高い技術的レベルであるというふうに考えております。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 それじゃ、科学技術庁のほうから。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の点でございますが、数はある程度限られておりますけれども、非常にレベルの高い分析能力を持った方が養成されておると考えます。しかし、それでもって十分ではございません。特に今回の分析化研の問題を契機にいたしまして、分析関係者の社会的な資格づけとか、そういうことで優遇措置を十分とってまいりまして、いままでの高いレベルを確保し、さらに高めていく必要があるのではないかと思います。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 伊原次長の話は、そういうきまりきったお話を聞きたいと思っていない。高い技術者がおれば、分析研のような事故は出ないのです。いわゆる養成ができていないからなんです。  もう一つ、岡野参考人にお聞きしておきたいことは、平時の調査ということが、海底のサンプリングをするときに、海産生物その他海底土の調査などをやられるのですけれども、定期に「四半期ごと」と書いておりますが、この方式は、日本のような非常にナーバスなところで、四半期ごとというのはいいのだろうか、もっと検討しなければいけない。先ほど雨の話がございました。驟雨があれば瞬間時に五百ミリキュリーが検出されるということでございますので、これとは関連ないかもしれませんけれども、四半期ごとの調査を将来検討する必要はないかということを、ちょっとお聞きしておきます。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ちょっと御質問の意味がよくわからないのですけれども、四半期ごとの検討ということは、四半期ごとの何を検討されるという御質問ですか。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 平常値の調査時期ですけれども、「定期」に「四半期ごと」と全部書いてあります。これは水産庁もそうですし、沖繩県もそうですし、西海区水産研究所、科学技術庁もそうでございます。こういう方式が将来はもっと検討されなければならないのではないかということでございます。原子力軍艦の放射能調査は、四半期ごとに海底土の調査を行なうことになっておりますね。それについてどうお考えですかということです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それは、たとえば四半期ごとの調査をもう少しきびしくするというのか、それとも四半期ごとだけにしてしまって、ほかをやめてもよろしいという意味でございますか。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 私はあなたの御意見を聞いているのであって、私にそんな、どっちがいいのかということを……。どっちがいいんだと聞いているのであって、その点をお考えください。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 どうもふなれで、申しわけございません。  一応、四半期ごとの調査の内容といいますのは、日本でやっておりますやり方というのは、外国に比べて——先ほどの五十ピコキュリー・パー・キログラムという線では外国並みでございます。ただ、ある種の核種についての化学分析については、それの十分の一ぐらいまでをはかっておる例があるので、この点に関しては、よりきびしい——先ほどの丁寧だということときびしいということは、ちょっと私の考え方では違うわけですけれども、ともかくきびしい線でものを考えていく。  それから、四半期だけでよろしいかというような問題をもしも想定されるといたしますと、四半期で、もしも何らかの形で五十をこえたような結果が出た、つまり、あるレベル設定のもとにきめられた数字を越えたような結果が出たときに、その原因の追及として、原子力潜水艦なのか、それとも平和利用なのか、原爆実験なのか、そういう原因の解明のためには、それだけでは不十分な面がございます。そういう意味で、その前に先行する調査体制としてのボート並びにポストというものが初めて意味を持ってくるわけでございまして、これの全体のシステムというものは、今後とも技術的に改良はあるかもしれませんけれども、考え方の上では、必要だと考えております。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 わかりました。分析方法で、機器は、実験に実際使っているものと研究しているものとが、そう差がないということでございましたね、先ほどは。まあ、新しい分野だろうと思うのです。それで、いままでは化学分析、大体化学のようなものが主体だったろうと私は思いますけれども、分析システムというものは、これから相当進んでくるだろうと思うのです。そういういまの体制というか、なかなか表現がむずかしいのですけれども、分析研のような形ではなくて、もっとシステマチックな体制というもの、何か新しいシステムというものをお考えになっている向きはあるのでございますか、どうでございますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 これは一応私の立場として、つまり私がいままでやっておりました研究を通して考えますと、分析のやり方というのは、化学分析よりもむしろ機器分析というものが最初に取り上げてやるべき方法ではなかろうかと考えております。外国でやっておりますそういう分析の、つまり環境の放射能調査というものは、これはいろんな文献などでごらんになればおわかりだと思いますけれども、一般には機器分析をやって、それでなおかつ結論が出なかったときに初めて化学分析に移す、というような方法が一般的にとられております。ただ、機器分析ではかれないものが幾つかございます。たとえば代表的な例を申し上げますと、あのストロンチウム90などがございます。そういうものについては、これは機器分析にたよるわけにいきませんので、化学分析をしなければいけない。それからもう一つ、機器分析というのは、分析の一つの手段ではありますけれども、化学分析に比べると、検出能力は一般的には劣ります。これはなぜかといいますと、試料をそのまま持ってきてはかるわけでございますので、機器分析では一リットル程度のものしかはかれないのに対して、化学分析では、極端にいいますと一トンぐらい持ってきて、濃縮してはかれば感度が上がるわけでございますので、特別なものについては、機器分析で感度が不十分な場合には、化学分析を使わなければいけないということが起こることはあります。つまり、三つございまして、第一としては、原則的には機器分析でやるべきである、機器分析で感度が不十分であるというものと機器分析でできないものというのは化学分析でやるという概念が、いわゆる研究ということではなくて、エンジニアリングという立場からとられるべき筋書きであると考えます。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 もう時間がないので、あと二問だけ続けて御質問しますけれども、まあ、分析の結果というのは、日本ではたいへん神経質でございます。ちょっと出たからといって、いろいろな会社がとまったり、研究所がとまったりする可能性もあるし、そういう事実もあった。そこで私は、そういう問題をもうひとつPRすることも必要でしょうが、結果を早く出すべきだ。アメリカでは、三千ピコキュリー以下は一々数値を発表しないと聞いておりますし、また、どの程度のコバルトが海底、海産生物に検出されると、国民の健康と安全に実質的な影響を与えるのか、数十ピコキュリー程度のコバルトが検出されても問題ないと考えるのですけれども、その点はいかがでございましょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ただいまの二つの御質問、一つの、三千ピコキュリーという数字は、報告上のレベル設定としてきめられているわけでございまして、数字としては、当然ながらもっと下の数字、百とかそれから五十ピコキュリー・パー・キログラムというような数字——これはアメリカの場合には計算機で計算しております。計算機で打ち出されております。ただ、誤差は非常に多いわけでございまして、ともかく打ち出されております。  それから、日本で一部にいわれる数十ピコキュリー・パー・キログラムの海産生物が危険かということは、これはいわゆる放射線の影響という問題でもって、いまだに学問的には結論の出ていない問題が多々あります。つまり、濃縮ファクターがどうの、それから放射線がどの程度わずかでも影響があるかないか、そういうような結論が出ない問題がございますけれども、そのいわゆる数字そのものとしては、非常に低いレベルであると考えております。

小宮山重四郎自由民主党

○小宮山委員 時間がないので……。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 岡野参考人にお尋ねします。ちょうどいまの質問の継続の形になりますが、小宮山委員からお尋ねのありました三千ピコキュリー・パー・キログラム、これ以下のものについての考え方ですが、いま岡野参考人からお話がありましたように、低線量の人体に及ぼす影響というのは、なかなかまだ、しっかり見定めにくいものがありますだけに、これはやはり、できる限り低い線量を追及するということがこの場合非常に大事だと私は思いますけれども、そういう点について、先生はどういうふうにお考えになりますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 確かに、仰せのとおり、低い線量を追及することは必要だと思います。それには、第一番に数字を持っているということが大事でございます。そういう意味で、低いレベルの数字を把握しておくということが大事だと私は考えます。

石野久男日本社会党

○石野委員 その低い数字というのは、いま大体どの程度のところをお考えになっているわけですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それは結局、最終的には、技術的に可能な線でもってきめざるを得ない。これは技術的なことから当然そういえるのではなかろうかと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 その技術的に可能な線というのは、大体いまどの程度までお考えなんですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 試料ごとに違いますけれども、たとえば海産物については、技術的には五十とかもっと少ない。海産物というのは、御存じのように一ぺん焼いてかわかしてはかります。これはもう少し外国の例をとりますと、外国では、そのまま刻んで、つまりかわかさないで、なまのまま機器分析にかけると、キログラム当たり大体五十とか百ピコキュリーという線ではかります。しかし一ぺんかわかしますと、水分が飛びますから量が減るわけで、そうしますと水分の量によって変わりますけれども、大体それの十分の一ぐらいまでは、機器分析ではできます。  化学分析の場合には、先ほども申し上げましたように、とるサンプルの量と濃縮の過程でもって、極端にいえば幾らでも下まではかれるわけで、これは切りがありません。ただあまり下まではかりますと、御存じのように天然にも放射性物質がありますし、過去に行なわれた核実験、それからもう少し別の観点からいうと、地球に降りそそぐ宇宙線から来る放射性物質というものがございます。そういう限界まで食い込んでいきますと、これは原因追及ということとは別の意味で、判断上困難な問題が起こってまいります。

石野久男日本社会党

○石野委員 いまのような、そういう問題をかかえ込んだバックグラウンドの測定というものは非常にむずかしかろうと思いますけれども、そういう点については、いまのところ、どういうところをけじめとしてバックグラウンドの設定をしておられますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それは二つの観点がありまして、受ける線量という観点と、それから環境にある放射性物質の何分の一かということがおもになります。そのほかに、技術的な面が一つの線として考えられます。先ほど申し上げましたように、いわゆるエンジニアリングという線で考えますと、一般の環境の放射線レベルの十ないし数十分の一ぐらいというところが、一つの技術的な考え方からいうレベルとして見るのが穏当ではないかというように考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 モニタリングボートとかポストとかポイントというのがありますが、モニタリングボートのほうは別として、ポストの設定でございますが、これはいまのところ、日米安保条約のなにからいきまして、原潜が寄港する場合の日米の間における相互の合意によって決定されているのだろうと思います。この場合、このポストを設定するについて、たとえば佐世保だとかあるいは横須賀あるいはホワイトビーチなどという、そういう地点で、大体どういうようなことが基準になって、このポストの設定がされておりますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 現在の考え方は、あくまでゼネラルバックグラウンド、一般的なレベルのバックグラウンドの変化という観点から考えますと、複数以上が動いていれば一応の目的を達するという概念が取り入れられております。ただ将来、原子力施設を中心に考えたときに、もっとたくさん置こうというような話が、つまりいま持っておるポストの守備範囲をもう少し大きくしようというような意見があった場合には、それに基づいて考えるやり方というのは、別途考えに入れなければいけないと思います。それには先ほどの、百点満点でない技術並びに目的による進歩というのに入るかもしれませんけれども、一応現在の考え方に立てば、複数あれば、それで十分であるというふうに考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 その複数の地点を設定するについて、いろいろ問題があるのだろうと思います、湾内なら湾内の。それについては、当然やはり日本の側とアメリカの側とで、それぞれ意見の違いなどがある場合が多かろうと思うのです。現在、佐世保あるいは横須賀、ホワイトビーチあたりで、そのポストの設定がどういうふうになっているかということを——実はいま地図か何かで見なければわからないのですが、先生のお考えでは、現在のいわゆるポストの設定ということについては、これで十分だというふうにお考えになっていらっしゃるのですか、どうですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 十分というのは、いわゆる目的が、ゼネラルバックグラウンドに対する監視ということでしたら、十分だと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 原潜が停泊する場合に、湾内で起きるいろいろな——湾内における水の動きとか、あるいは海底土の動きとかいう異常性が出てくると思うのです。私は別に資料として、湾内の水の流れの状況とか、あるいは原潜が来たときにその原潜の航行によって起きるであろう海底土の巻き上げ、そういうようなことによっての変化、そして同時に、かりに放射性物質が出た場合に、それがどういうところに多く滞留し、どういうところが薄くなるかという、そういうものの認知といいますか、そういうようなことを明確にしなければ、なかなかポストの設定などが信憑性を十分に得られないだろう、こういうふうに思うのです。そういう問題については、現在までどのような配慮をなさっておられますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それに関しては、ポストというよりも、むしろボートの守備範囲に現在はなっております。ボートとポストの関係を、もう少しそれにつながりを持たせれば、たとえばボートが監視しているときに雨などが降ってふえたというようなことが起こった場合に、これはポストも同時にふえるわけです。そういうような情報把握のためにバックアップされています。そういう点で、守備範囲としては、寄港時の艦に関しては、ボートが優先する。ボートがふえたときに、水をくんで、最終的にはとったサンプル、つまり海水でございますけれども、海水の化学分析、放射能分析でございますけれども、それによって原因追及をするというような概念に沿っているわけであります。

石野久男日本社会党

○石野委員 そうしますと、ボートが非常に大事で——それはそうだと思いますね。ボートがなければ、ポストで幾らなにしても、環境はなにできませんから、そのボートを基準にして、その守備範囲の中でもちろん設置なりするのでしょうが、そのときに当然やはり艦が入ってくる、一応停泊しまして、出ていく、その間やはり水の動きはいろいろな変化をしますね。その変化したときの状況などというものは、十分当局側としては把握できるようになっているわけですか、しておるのですか。たとえばスクリューで海底をかきまくるとか何かしますと、下の海底土がずっと動きますね。その動いたものが、そのボートの地点だけでなしに、どこかへ行ってしまうわけでしょう。放射能を含んだものはどこかへたまってしまう。そのたまった地点を十分掌握してなくて、ほかのところの海底土を揚げても、これはとてもボートの守備範囲だと思っているところ以外のところへ放射能が行っているかもしれない。そういうところをさがし出すのに相当の調査をしなければいけないのだと思いますが、そういうことについては十分行なわれているわけですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 一般的な情報、つまりあるモデル実験に基づく情報は、文献その他でもって把握することはできます。しかし原子力潜水艦というものは、御存じのように、一種の秘密な部分が非常に多くて、潜水艦の行動に対して、それがどうなるかということはテストするわけにはまいりません。したがって非常に正確にそのお互いの関係、つまり原子力潜水艦から放出されたものと、それから環境のボートのパターンというものを結びつけることは、現段階では不可能でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 そうしますと、そういう厳密に最も知りたいところをなかなかさがし出しにくいということが、困難というよりも不可能な実情にあるということになりました場合、やはり採取した海水にしてもあるいは海底土にしましても、それが適切であるかどうかということに一つの疑問が出てまいりますね。そういう点についての、それを捕捉といいますか、その疑問を解明するための手段方法というのは、現状では、そうするとちょっと見つかりにくい、こういうふうに考えられるわけですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いま御質問のありましたその見つかりにくいということの中には、ある数字をあげないと計算ができないわけであります。最初に一般的な御説明をしたときに、そのあげた数字というのが一つの参考になると思います。先ほどもちょっと数字をあげたところに、いまかりにと申し上げましたが、かりにコバルト60に換算して一ミリキュリーという線を切るならば、もしそういうことが、たとえばボートでもしも見つからないというようなことがあった場合、これはおそらくコバルトだけを——ほかのいろいろな放射性物質ではなく、コバルトだけを放出した、しかも一ミリキュリーを放出したというような設定のもとに考えるならば、海底土の分析の段階で、おそらく把握はできるということはいえるわけでございます。それがお互いの組み合わせでもって、どこの段階でどう把握するかという全体の総合的な情報から内容を判断するということが、一つの体系としては取り得る安全並びに安心感というものにつながるものだと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 非常にむずかしいので、なかなかわかりにくいんですが、やはり原子力潜水艦には秘密事項が非常に多いので、ボートとポストの関係とかなんかというようなものの密接な関連性を十分に把握しにくい事情のもとで、現状、やはり海底土の採取をするとか、あるいは海水の採取をしている、こういうのが実情だ、こういうことでございますね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いま御質問の内容としては、ある程度はやむを得ない面がございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 それから、海底土をとります場合、いま海底土をとります場合には、場所、ポイントになりますか、あるいはポストの地点ですか、ボートの地点ですか知りませんが、どの程度のところまでの、海底土の範囲とか深さというのをとっておりますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 とり方についてのこまかいことは、実は私、見ておりませんのでわかりませんけれども、どなたか、マニュアルがございまして、それに基づいてとられていると思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 それじゃ、科学技術庁のほうでちょっと。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 これは港によって多少違いますが、そういった定期調査と出航後調査と申しますか、それによって多少違いますが、定期調査の場合は、横須賀が海底土について六、佐世保は七、そして沖繩が六でございます、ホワイトビーチがですね。そういうふうにとっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 それは、いまのなには場所ですね。いまの六とか五とかというのは。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 地点でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 海底土を、どの程度の深さのものまでとっておられますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 これは一応の基準はあるかと思いますが、底の状況によりまして、たとえばホワイトビーチなどは下がサンゴ礁でございまして、普通のどろをとるようにいかないので、削ってとるとか、いろいろ苦労をしておるわけでございまして、ある程度の深さのところまでをとっておるわけでございますが、ちょっといま私、そのこまかい数字は持ち合わせておりませんので、あとで御報告さしていただきます。

石野久男日本社会党

○石野委員 この深さの問題は、放射能汚染の事情を知るのに非常に重要だと思うのです。アメリカの例によりますと、湾内におけるコバルト60の汚染の度合いというのは、あの地点では深さが年次とともにだんだん深くへ入っていく。したがって、一メートルのところよりも二メートル、三メートルと、非常に深いほどその放射性物質が多いという実例が出ておりますね。これは五メートル、六メートル、十メートル以上深くなってうんとふえていくというような実例がここにあります。ですから、この点、佐世保とか横須賀あるいはホワイトビーチあたりにおけるところの海底のすぐ一メートルか五十センチのところをとってくるのと、それからもっと深いところをとるのとで違いが出てくるという可能性があるわけでございますから、そこのところははっきりさせてもらう必要があると思うのです。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいまの御指摘でございますが、米国での調査によりますと、これは縦方向にコアサンプルをいたしまして、たとえばコバルト60が深さによってどのように変化があるかという調査の結果でございますが、大体十五センチメートルあたりのところが一番量が高くなる。表層が少なくて、だんだん深く、十五センチメートルから二十センチメートルぐらいのところまで高くなって、その下はまた減っていくというふうなデータ、これは相当の数にわたっての調査結果が報告されております。この結果から申しまして、米国といたしましては、大体十数センチメートルぐらいのところをサンプルするのが一番合理的ではなかろうか、こういうふうな意見がございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 わが国における、特に佐世保、横須賀、ホワイトビーチでのサンプル海底土というものをどのようにとっておるかということは、あとでひとつ資料として出してもらいたい。  それから、この原潜の放出放射能というものが、一般にこの海底土とか何かに集積するということと、それから海産物に集積するということのその度合いというのは、何か違いがあるのですか。それはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ただいま、その海底土と海産物との関係というものは、いまだに研究段階でございまして、ケース・バイ・ケースで、理想的な実験をしてもかなりばらつきがある。いわんや実際のフィールドの場合には、多くの研究者の数字が一致しているというようなことがないのが現状でございます。  それからもう一つ。先ほど伊原次長もお話した海底土のサンプリングですけれども、ちょっと何というのか、文献の数字と現在やっておるところと非常に違う面がございますので、もしよろしかったら補足してお答えしたいと思いますけれども……。

石野久男日本社会党

○石野委員 いいんだけれども、ぼくは時間がないので……。それでは、それだけ補足してもらいましょう。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 じゃ、続いて。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 外国のいわゆるパールハーバー、それからニューロンドンの値は深いところに多いというのは、過去において出したものの影響があるからであって、浅いところに少ないということは、過去には出したけれども最近は出していないということの、一つの立証のためのデータでございます。で、わが国でそういう原子力潜水艦の場合には、四半期ということの一つのサイクルを考えますと、四半期の間でとるものについては、出した直後というか、出したかもしれない、出したとしたときにその直後のものでございますから、深いところよりも、表層をとるということのほうが実際に即しているということを、補足説明させていただきます。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 まず第一に、各港湾におけるコバルト60の通常検出される値についてお尋ねをしたいと思います。  第十九回原子力軍艦放射能調査専門家会議、これには岡野さんも御出席になっていますね。この議事録の議事概要第八項を見ますと、次のような記載があるわけなんです。「資料に基づいて事務局から各機関が分析した測定結果をもとに検討すれば、造船所、製鉄所の所在する各港湾及びフォールアウトの影響の大きな湖では、精密にコバルト60を分析すれば、最高十ピコキュリー・パー・キログラム程度のものは存在するが、それ以上特に高い値は検出されなかったと説明した。」この説明は何を根拠に行なわれた説明であったのか、お尋ねをしておきたいと思うのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 実測値でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 その根拠になった実測値は、どこの測定値であり、どこに発表されている数値ですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それは一つのサンプルを水路部、分析研、それから私のところで、お互いにクロスチェックいたしまして、その結果は、昨年の末に行なわれました放射能調査成果発表会でございますか、ちょっと名前はあれでございますけれども、そこで一応報告されていると思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 つまり、私がここに持っております第十五回放射能調査研究成果発表会論文抄録集、これの九三ページの表が根拠である、そういうことですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 はい、その九三ページの一番上の表がそれでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 そうすると、各港湾における通常検出されるであろうコバルト60の値は大体そういうものであるというのが、今日岡野さんなど専門家のとっていらっしゃる見解、こういうふうに見てよろしいわけなんですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 一応そういうことでございます。  補足して説明いたしますと、コバルト60というのは、外国でやりました水爆実験で出てまいります。これは外国にも報告がございますし、おもに一九六三年、四年のころに、アメリカでは成層圏も含めて大々的にデータをとっていまして、一般的な数値としては、フォールアウトのセシウムの百分の一程度は存在しても穏当であるという観点に立ちますと、大体数ピコキュリー・パー・キログラムというものは、それに結びつけても矛盾はないと考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 その影響というのは、原潜が入港する横須賀、佐世保、ホワイトビーチなどの場合も、それから、ここでは原潜の寄港地でない港湾とに分けておりますが、そのほうにも共通の影響を与えているわけですね、いまおっしゃっている水爆による部分は。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 そうだと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 第二番目には、寄港時の米原子力軍艦の放射性物質放出に対する基本的な見解をお伺いしたいのであります。  まず一般的に、原子力軍艦の放射能監視体制をつくり上げてこられた上で、原子力委員会としては、あるいはまた専門委員である岡野さんの個人的見解でもけっこうなんですが、寄港中の米原子力潜水艦の放射性物質放出については、どういう見解をとっていらっしゃるのですか。これは先ほどからの説明でも、ちょっとそこらがあいまいであったので、あらためてお尋ねをしておきたいのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 お答えいたします。  一般的な日本の体系としての見解は、私ちょっとあれじゃございませんけれども、これに関しては国際的ないろいろな取りきめが、一九五七年にアカデミーサイエンスに載っておりまして、基本的にはそれと、それからICRPというものがとられております。私の考えとしても、それは国際的な問題ですので、一応準拠しなければいけないと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 特にわが国の場合については、三十九年八月ですか、これは原子力白書に出ておりますが、原子力委員会の見解として「わが国の港において、周辺の一般的なバックグラウンド放射能に測定しうる程度の増加をもたらすこととなるような放出水その他の廃棄物は、原子力潜水艦から排出されることは」ない、つまりバックグラウンド放射能で検出されるような放射性物質の廃棄はないという見解だったと思うのです。そういう点は岡野さんも御確認をなさっているわけですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 確認しております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それは今日でも変わりはないのですか。それとも、今日では、それとは若干違った見解のもとに監視体制がとられているわけですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 それは変わりないと考えています。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 そういたしますと、四十三年版の原子力白書、つまりソードフィッシュ事件が起こった直後の原子力白書では、その同じ点について、寄港中は通常一次冷却水など放射性物質は一切放出されないという見解を原子力委員会から政府に申し出、政府がアメリカに申し入れて、日米会談で合意されたというふうになっているわけなんですが、私どものしろうと考えでは、いままでは絶体に放出されていないとはいえない形に、三十九年八月時点ではなっている、ただバックグラウンドの放射能を測定してもその測定値に出ない程度という、これが今度は一切出さないというふうに変わったように思うのですが、そういう私どもの理解を、岡野先生はどういうふうにごらんになりますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 そのことばでございますけれども、日本の正式なそれに関しては、山田委員にお答え願ったほうがいいと思います。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 確かに先生御指摘のとおり、三十九年のときは、環境に測定できるような——バックグラウンドに対してですね。変化を与えないということがありました。それで、日本は、日本の放射線の規定に合うようにということで言っておったわけでございます。ところが、四十三年にソードフィッシュ号事件が起こりまして、その際には、ソードフィッシュ号で出たと思われる放射能は安全上は問題ないと思うけれども、しかし、ああいうような騒ぎが起こるということについては、国民の不安が当然存在する、したがって、国民の不安の問題も安全問題と一緒に考えなければいけないということで、それまでアメリカの原子力潜水艦が一次冷却水を放出しておったかどうかわかりません、いないと思うのですけれども、しかしはっきりと一次冷却水を放出しないことということを申し入れまして、アメリカ側も若干の留保をつけておりますが、日本の言うとおりになっておる。そこで、それに対して、今度は実際にこの放射能の測定を、調査をやるという段階でございますが、これの主体は、確かにその周辺住民の安全ということでございますが、いま一つは、ああいった四十三年のソードフィッシュ号事件のような大きな問題が起こったわけでございますから、ああいうようなことが起こって、しかもあのときは答えがわからずじまいになったわけですから、そういった形のものではいけない。したがって、安全の問題に加えて、ああいったような異常値が検出された際には、それをできるだけ追及できるようにしなければいかぬということが入ってまいっておると思います。それについては、過去の、それ以前のやり方でもある程度できたわけでございますが、しかしそれに加えて、何か異常が発見された場合には、非常手段としていろいろな方法をとるということが、測定大綱ですかに書かれてございます。しかしこれは主体はやはり国民の安全でございますので、非常に短い時間に、たとえば三倍以上のものが出たというようなことを特に重視するのではございませんで、それの経過時間がどのくらいであるかといったようなことと、それから放射能の異常のレベルの高さといったようなものとの相関において、原因の追及ができるようなことをしていくということでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 あとの部分を私はお聞きしたのではないので、とにかく米原潜の放射能物質の放出に対する見解が出ていないと思うけれども、以前は出ているかもわからない。しかし限界ははっきりしておった。ところがソードフィッシュ号事件以後、国民の不安というごともあるので、若干の留保条件はついているけれども、原則としては出さないということになった。こういうことの確認ですね。ですから、そういう確認になった以上は、はたしてゼロ放出なのかどうかということが今度は科学的に確認されていなければ、国民としては納得できない。ことばの上での約束だけでは困る、こういうことにやっぱりなってくると思うのですが、そういう点から見て、岡野さんの先ほどの御説明から推して、一平方キロ当たりに一ないし二ミリキュリーですか、これがまんべんなくばらまかれたとして、検出される可能性がある程度の精度というふうにおっしゃったと思うので、結局ゼロ放出であるかどうかを確認するような体制にはなっていないということでしょうか。これは岡野さんに……。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 これは科学的な面から考えると、ほんとうに一滴も、つまりほんのわずかなものでも出したものを見ろということは、科学的に不可能でございます、はっきり申し上げて。やはりあるレベルを切ってものを考えなければ、科学的にも技術的にも不可能であります。ただ一つの線としては、住民の安全という立場からいえば、おのずからその線は常識的に判断できると思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それは一番最初からの線で、住民の安全が大目的だけれども、ソードフィッシュ号の事件が起こって、しかも結末があいまいであったということ等から、日米間の新しい確認のもとに、それ以後対処することになったということなんで、だから完全にゼロであるかどうかを検出することは不可能であっても、当然監視体制そのものが、ソードフィッシュ号事件を境にして、よりシビアなものになっていなくてはいけない、こういうことだけはやはり科学的な見地から見ても言えることなんでしょうね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 そのとおりでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 次は第三点目なんです。それは沖繩のホワイトビーチにおけるモニタリングボートの問題なんです。先ほども一般的な体制の御説明の中に、モニタリングポスト、ポイントあわせてボートというものをあげていらっしゃったわけですが、沖繩のホワイトビーチに関する限り、専用のモニタリングボートはございませんね。これについて、原子力軍艦放射能調査専門家会議等で、不必要であるというふうな結論をお出しになったことがあるのでしょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 私は聞いておりません。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 あるいはまた、専門家のお一人として、岡野さんが政府から意見を聞かれて、そういうものはホワイトビーチに不必要であるというふうな見解をお述べになったことはありますでしょうか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ございません。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それじゃ、岡野先生御自身の御見解としては、ホワイトビーチの場合、モニタリングボートを必要とお考えになりますか、それとも必要でないというふうにお考えですか。いまあらためてお聞きしておきたいと思うのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 必要だと考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 必要だとおっしゃいましたので、それ以上はもうけっこうでございます。  これは岡野さんに聞くのは蛇足と思いますが、では、いままでなぜホワイトビーチにボートが置かれていなかったのか。先生の御推察の範囲でもけっこうです。御意見があれば聞きたいと思います。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ボートということは、現在はそれにかわる用船でやっているわけでございます。ホワイトビーチは、御存じのように、いらっしゃればわかると思いますけれども、横須賀、佐世保とはかなり湾の状況が違います。ああいう状況で、一体どういう形のボートでどういうふうにしたのが最も適当かというような面は、実はわれわれ、私も含めてディスカッションの対象になっていまして、非常に問題点はたくさんあると思います。特に沖繩における原子力潜水艦の入港状況を、最初の検討段階からその後の経過をたどって拝見しますと、沖泊まりで、ほんの一時間とか二時間とか、わずかの時間でまた出ていくというような状況がございます。そういう状況を勘案して、どういう形のモニタリング体制をとるかということは、今後検討して、現時点に立って、十分考慮しなければいけない問題は多々あると思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 ぜひ慎重な検討を、専門家としてもしていただきたいと思うのです。私も現地に行きまして、御案内いただいた科学技術庁側の専門家の方から、復帰前も復帰後も含めて、そもそも沖泊まりが多い状態なので、しかもあの辺の海にはサメが泳いだりしておって非常に気味が悪い。それをああいう小さな漁船のチャーターでやらされるのは、特にからだの弱い者は船酔いもあってたいへんなんだというお話。ですから、いませっかくの御意見のとおり、あの地域の実情に見合ったりっぱなモニタリングボートを備えつけられるように意見を出していただけばいいと思います。  最後、第四点目は、米軍が行なっております独自の放射能調査についてです。米軍は従来から独自の調査をやっていると聞いておりますし、また、四十三年十月の日米会談の覚え書きでも、調査結果の提供を約束しているわけですね。この米軍調査の結果については、政府側専門家の立場で、どのような御処理をなさっているか、ひとつ検討内容をお聞かせいただきたいのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 向こうのデータというのは、これも文献をごらんになるとわかると思いますけれども、歴史的ないきさつがございます。それで、過去においては、ちょっと年代は忘れましたが、たぶん一九六〇年の初期だと思いますけれども、過去においては、全ベータの測定というのを、海底土、海水その他について行なっていた過程がございます。その後それが機器分析に変わっております。機器分析は二つありまして、一つは全ガンマの測定というのをやっております。これは海底土でございます。海底土というより海水でございますけれども、その全ガンマという測定と同時に、ガンマ線のスペクトルによる機器分析というのが並行して行なわれております。外国からそういう報告を受けている内容の中には、全ガンマとスペクトルメーターによってはかった、計算上打ち出されてきたコバルトの量を、先ほどの三千ピコキュリー・パー・キログラムですか、そういう線を引いて、幾つかのランクに分けて報告がなされております。それが現状でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それはやはり専門家会議でも、何かいつも議題にあがっているようですが、わが国の調査結果と、いろいろそれこそクロスチェックをしながら、一定の学問的検討を加えている、こういうことですか、それとも、ただ、そういう参考になり得るような資料ではないということですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 日本でやっております分析は、それよりかなり低いところまではかっておりますので、直接向こうの報告と、こちらでやっております数字とを比較するということは困難だと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 一度資料をごらんになったらということなんですか、不幸にして、私どもの手元にその米軍資料というのがないのですが、ひとつこれは政府側のほうで提出していただきたいと思うのですね。お願いできませんか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 この米側の資料につきましては、米国政府からの資料でございまして、そういう特殊な性質でございますので、ちょっと提出は遠慮させていただきたいと考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 いや、せっかくおいでいただきました岡野先生が、一度ごらんになったらとおっしゃったので、私、見たいと思ったのですがね。政府がお呼びになった参考人の話に伊原次長がさからうというのは、一体これはどういうことですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 資料の性格ということを、私は申し上げたわけでございます。  なお、内容につきましては、いままでいろいろ資料が来ておりますが、すべて三千ピコキュリー以下、こういう報告になっておりまして、三千ピコキュリー以下の具体的な数値は、その資料には掲載されていないわけでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 専門家の立場で見られまして、たぶんそういうものは公開されてしかるべきだという常識的な御判断で、いまお答えになったと思うのですが、伊原次長の答弁は、いまお聞きのとおりですね。こういう態度が、はたして、国民の安全を守り、あるいは信頼にこたえるという立場から見て、妥当だと岡野さんお考えでしょうか、最後にそれをお伺いして、私、質問を終わっておきたいと思うのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ちょっと、いま伊原次長とのお答えの中で、誤解を招く点が——私のお答えもちょっとまずくて、失礼したのですけれども、結局、向こうは三千ピコキュリー・パー・キログラムという線でものを引いていますので、当然のことながら、データはゼロであるわけでございます。全ガンマ、これは数字が二、三ありまして、天然の、御存じのように、こういうコンクリートの建物その他は、大体千ないし二千ピコキュリー・パー・キログラムの単位で放射性物質が含まれておりますから、全ガンマについては、これは検討の材料にはならないわけです。したがって、一番われわれの立場として中心的に考慮しなければいけないのは、現在得られている資料としては、コバルト60の海底土の数字または海水の数字しかないわけで、それは全部三千ピコキュリー・パー・キログラム以下という報告でございまして、資料は、おそらくごらんになっても、それだけのことだと考えます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 そういうものでも出せないという伊原氏のあれですね。  じゃ、どうも……。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 現行の原潜の監視体制というものは、昭和四十三年のエードメモワールから見まして、放射性物質を艦外に一切排出しないということを監視するという性格を持っておると思うのですが、そのように解釈してよいわけですね。岡野先生にお伺いしたいと思います。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 ただいま、放出しないというエードメモワールのあれですけれども、一般的な放出はしない、要するに、いままでよりもより厳重に管理するというように私は了解しているわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いままでよりは放出しない、その辺がちょっとどうもはっきりしないんですね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いままで以上に厳重に監視するということで、いままで以上に放出しないということとはちょっとニュアンスが違うかと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 監視するということについては違いがないわけですね、それはどうなんですか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 監視というのは、管理されているということですね。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうしますと、現体制の基本的な姿勢としまして、それはあくまでもわが国としては監視するという立場ですね。これは確認したいと思いますが……。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 日本はモニターであるわけですね、同じ監視でも。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、基本的な認識として、監視イコールモニターと、こういうことですね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 日本の場合には、いわゆる放出の監視ということでなくて、ゼネラルバックグラウンドの監視、国民の安全という立場に立っているわけで、向こうから出るものに対する管理監督を見ておるわけではないわけであります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ゼネラルバックグラウンドを監視して、そうすると向こうが放出する——一応は放出しないということを向こうは言っているわけですが、それについては見守るということですか。監視と、どっちなんですか。監視するということでしょう。その辺ははっきりしてくださいよ。原子力委員でもいいし、伊原次長でもいいし、よく相談してください。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 近江先生御指摘の点につきましては、四十三年の十月の覚え書きに「寄港中における一次冷却水の放出は例外の場合であり、」と書いてありまして、絶対にいかなる状態においても放出しないということではない、例外としては放出があり得るということになっております。これを受けまして、原子力委員会といたしましては、この米側との話し合いがほぼ日本の原子力委員会の見解——原子力委員会は、その前に四点の見解を申し述べておるわけでございますが、その見解にほぼ近いものとして了承する、こういう決定をいたしておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私どもは委員会で、この監視体制の強化ということを常に言っておるわけでありますが、政府も監視体制を強化しますということを言っておられるわけでしょう。ですから、監視体制ということは政府がおっしゃっておられるとおりですね、ということを聞いておるわけですよ。そうなんでしょう。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 先ほど近江先生の御指摘は、一切、放射性物質と申しますか、あるいは一次冷却水は排出しないということになっておるので、それを監視するのが現在の調査システムの目的であるのではないか、こういう御質問であったと理解いたしますので、そういうことではないということをお答えした次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 だから、ゼロ排出と、いわゆるバックグラウンド程度のという排出と、その辺のところを政府は考えておるわけですね。ですから、私がいま聞いているのは、いずれにしても、政府として監視という基本的な認識に立って、監視体制をもっていわゆる監視しておる、こういうことですねという確認をいましておるわけです。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 冒頭岡野先生から御発言ございましたように、現在の放射能指針大綱の基本方針は「寄港地周辺住民の安全を確保するために、」となっております。先ほど先生御指摘のとおり、昭和四十三年には、日米会談におきまして、米側が「寄港中における一次冷却水の放出は例外の場合であり、従って今後日本の港においては通常一次冷却水が放出されることはなく、これが現在の実施方式に即したものである旨を述べた。」という点につきまして、一次冷却水が全く出ないかどうかを監視するということそれ自体が、この放射能調査指針大綱の方針ではないのではないかと考えます。というのは、この調査指針大綱の基本方針には、明らかに「寄港地周辺住民の安全を確保するために、」とございますから、先ほど岡野先生からも御説明ございましたように、その目的が達せられる程度において監視をするというか調査をするということがたてまえだと考えます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 そうすると、周辺住民の安全を確保するために、監視をするわけですね。そういうことなんですね。

牟田口道夫科学技術庁原子力局長

○牟田口政府委員 寄港地周辺住民の安全を確保するために、放射能調査をいたします。

近江巳記夫公明党

○近江委員 監視と調査とは、これは違うのですよ。背景が一番大事なんです。問題なんですよ、これは。政府はいわゆる監視をするわけでしょう。岡野さん、どうなんですか。この国会論議におきまして、われわれは、監視体制を強めろ、政府も、監視体制を強化しますと答えているのですよ。その基本的なことをお互いに一致しておかなければ、その辺から、そもそもおかしくなってくるわけですよ。何回も確認して恐縮ですが……。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 これは多少ことばの定義ということかとも存じますが、全体の体制といたしまして、放射能調査という一つのシステムがございます。その中には、現地におけるモニタリング——モニタリングというのは、日本語では一般にあるいは監視と訳されているかもしれませんが……。それからサンプルをいたしまして、それを分析する。そういったもの全部を総合的に組み合わせまして、周辺住民の安全が確保されているかどうか、こういうことを確保する、そういう調査をやっているわけでございまして、したがいまして、原子力軍艦の放射能調査、それの指針があり、指針大綱がある、こういうことでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 安全確保をするために、われわれとしては——いわゆるソードフィッシュ号事件におきましても、結局うやむやになってしまったわけですよ。あれだけの、十倍、二十倍の異常な数値が出ているわけでしょう。二度目にやったときはありませんでした。あのときの政府見解だって、疑いはあるけれどもどうも断定できないという、非常に変な形で、いつの間にか立ち消えみたいになってしまったわけです。ですから、国民がこれだけ疑問を持ち不安を持っているのですから、政府は腹をきめて、監視という、基本的なそういう腹がまえをもって、そして監視体制を強化していく。われわれは調査なんだ、政府はそういう言い方をいましておられるわけですね。その辺をはっきりしてくれないと、単なる調査であれば、国民としては不安を覚えますよ。これははっきりしてもらわなければ困りますよ。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 先生の御指摘のとおりでございます。それで放射能調査指針大綱におきましては、まず「寄港地周辺住民の安全を確保するために。」ということが書いてございます。そのあとには、先ほども申し上げましたわけですけれども、何か異常の問題が起こったときはすぐ解決することができるような、そういう体制を新しくつくる、これは心がまえとか組織等でできるわけでございますが、そういうことが同時に入ってございます。わざわざ監視ということばを使っておりませんけれども、潜水艦のまわりをぐるぐる船が回っておる国というのは、まずないのじゃないかというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 原子力局が出しておる「原子力軍艦放射能調査指針大綱」、この名前が大体よくないわけですよ。監視指針大綱、国民の立場としてはそうですよ。これは時間も限られておりますので、堂々めぐりするから、これ以上申しませんけれども、ここに大きな疑問がある。これも私は申し上げておきますよ。監視とすべきですね。そういう立場からいかなければ、すべてがシビアにならぬと思うのです。この間、長官は、私の質問に対して、ぼくは、パールハーバーのああいう調査の地点において百六カ所やっておる、わが国においてはわずか六、七カ所じゃないか、もっと強化してもらいたいと言ったところ、よそはもっと簡単なこともやっておるのだから、わが国も簡素化すればいいのだ、ばか丁寧過ぎる、というようなことを言っておるわけですね。先生は同じように、ばか丁寧過ぎると思われるわけですか。ひとつ山田さんも答えてくださいよ。わが国の調査体制は、ばか丁寧過ぎるほどいいんですか。それに対してどう思われますか。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 そのことは聞いてきたのですけれども、先ほども一般的なことを述べましたが、きびしくやっておることは確かでございます。丁寧ということは、具体的にどの部分がどういうふうに丁寧なのかということを、部分的にきめないと、何とも言えないので、全体の体系としては、きびしくやっておるということは言えると思います。大臣の言われたように、丁寧過ぎるという面も確かに認められます。しかし全体としてはきびしくやっておることは認めていただかないと、国民の納得は得られないと考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 山田さん、どう思われますか。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 海外の例と比較するわけにはまいらないと思います、日本は特殊な事情がございますから。しかしそれを考慮に入れましても、ばかの字がつくかつかないかわかりませんけれども、丁寧であるというふうに考えております。もちろん、先ほど岡野参考人が申し上げましたように、完璧ではないものですから、特に現在崩壊しておる状態ですから、大きなことは申し上げられませんけれども、もとどおりの形で進行するならば、十分である、あるいは丁寧である、ということは言えると思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これで、長官の言ったばかはとれたわけでありますけれども、いずれにしても、全体としてきびしく、それで丁寧にやっておるということをおっしゃっておるわけですが、私どもは、国民の立場で、あくまでこれは監視であり、監視体制である、そういう点からいけば、もっときびしくしなければいかぬわけですよ。たとえば採取地点においても、アメリカは同じ湾においても百六カ所やっておるのですよ。こういう点は、いまの六カ所で、アメリカと比べていいと思われますか。どうなんでしょうか。いい面はどんどん取り入れていけばいいんですよ。悪いところに合わす必要はないのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いま先生がおっしゃっておる、アメリカで百六カ所、日本で六カ所ということは、ちょっと観点が違うように私は考えているわけでございます。どう観点が違うかといいますと、アメリカの場合には、あくまであれはいわゆるモニタリングでなくて、サーベーであるわけです。つまり自分の港で、自分の艦があるきまった量を捨てたというデータを根拠にして、それが一体どういうような結果をもたらすかということを調べる一種のサーベーでございます。したがって、点をたくさんこまかくして、そのデータをとるということに意味があって、ああいうようにたくさんの数をチェックしたというように解釈されます。わが国でやっておりますのは、あくまでモニタリングでございまして、放出する量ももちろんわかりませんし、受け身の立場でやっている場合には、ある一つの線をきめて、きょうも冒頭に数字をあげて御説明したように、一つの線を切ることが、現実として、技術的に、またエンジニアリングとして妥当であるというように考えております。なおかつ、それによって周辺一般住民の安全というものが確保されていれば、少なくとも現段階としては十分だと考えている次第でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 現在の原潜の寄港時におきましても、このモニタリングボートが、所定のコースを一日一回回るということを聞いておるわけですが、そういうことで、アメリカは一次冷却水を絶対に出さないということをいっておるわけですが、しかしソードフィッシュ号の事件もあったわけですし、政府は断定していないわけですけれども、依然としてわれわれの疑いは消えていないわけですよ。そういう点におきまして、このボートの一日一回という線も、これがほんとうに丁寧過ぎるものかどうかという問題もあるわけです。それから、先ほどの採取地点の問題。  それから、私がもう一つ申し上げたいのは、いま山田さんも岡野先生も、丁寧であるということをおっしゃったわけですが、しかし、国民のそういう疑問なり不安の立場からするならば、やはり第一線の一番責任ある皆さん方が、丁寧なんだという、そういう感覚でおられるということは、これは前進がないわけですね。ですから、いまの体制で、絶対そんな完全であるということはいえないわけですよ。さらに創意くふうを加えていく。やはり世界で一番シビアなものにしていくのだ、そういう先生方の基本的な自覚がないと、これでも丁寧なんだ——それじゃいつまでたっても、国民を安心させるような前向きの前進はできないと思うのですよ。大臣だけではなく、先生方においても、そういう点において、われわれとしては不安を覚えるわけですよ。ですから、もっと国民の立場に立った推進をしてもらわなければ困ると思うのです。そういう問題につきまして、両先生からお伺いしたいと思うのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いままでにもちょっとお答えしたように、必ずしも百点ではないと申し上げたわけでございます。  それで技術的な面の改良で、運用の範囲で、よりきびしくやるということは考えられます。たとえば先ほど例として一日一回というようにおっしゃいましたけれども、実際には一日一回以上ということになっております。それで一日一回以上というのは——これは例でございますけれども、一回以上というのは一体何回までやるかということは、おのずから技術的な面で制限があると思います。たとえば二回なのか十回なのか、極端にいえば、のべつまくなしにやるかという問題があるわけでございます。そういうこまかい技術的な面で、より精度を上げる、よりきびしくすることは十分考えられることでございます。しかし全体的のシステム、つまり監視体制ということでは、現在基本的なこととしては、私としては、住民の安全ということから十分だということを申し上げたいと思います。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 先生のおっしゃるとおり、現在の調査の段階におきましては、試料を採取してから答えが出てくるまでに非常に時間がかかるというようなことがございます。これは何も、内容をおろそかにして早く出すわけではないわけでございますけれども、そういうスピードを上げて、何かあったことについての情報を国民に早く知らせるというようなことについても、これから、考えればできる方法があるのだろうと思っております。しかし、現在までのこととこれからのこととは一緒にできないのでございますが、そういった先生のおっしゃるように、改良する点がもうないから、非常に安心しているのだということにはおとりにならないでいただきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 もう時間もありませんから終わりますが、両先生からは、百点でない、今後運用の点でもきびしくやるし、分析に時間がかかっておったのを早く国民に知らせる。国民の立場からいけば、ソードフィッシュ号のときには、結局記者団に対してもその資料を出すという点もおくれましたし、そういう点ではやはり真実の資料を早く公開する、こういうことも今後やってもらわなければならぬわけでありますし、あと、その百点満点でないということを両先生はおっしゃったわけですが、いま何点かおっしゃったのですけれども、ほかにまだ、特に百点にするために、今後心がけるべき点をお考えになっておられることがありましたら、簡潔にひとつお答えいただきたいと思います。それで私の質問を終わります。両先生からお願いします。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 いろいろあると思いますが、一つだけは、日本における、簡単にいえば、測定器というものの技術的な開発のバックアップということは、これに大きなサポートになるということは、私は考えております。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 申しわけありません。特にございませんが、専門家の意見等をよく聞きまして、その線に沿って、調査体制をがっちりさせていきたい、こういうふうに考えます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これで終わりますが、最後にまた、山田先生は調査体制ということをおっしゃったのですが、私の立場からすれば、監視体制を強化していただきたい。これを申し上げて、終わりたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、内海清君。

内海清民社党

○内海(清)委員 きょうは大臣もおられず、原子力委員会の先生方に、一応原潜の監視体制についてお尋ねする、こういうことになっておるわけでございます。いずれまた、大臣が出ておられますときに、それらの問題についても、いろいろ論議することがあろうと思います。きょうは、そういう意味で、ごく簡単にお尋ねいたしたいと思います。  先ほど来、いろいろお話に出ましたが、つまり四十三年の五月にソードフィッシュ号が佐世保に入港した。そうして異常の放射能値が出てきた。これが非常な問題になってきたわけであります。これにつきまして、私もその当時質問いたして、当時の長官は木内さんでありますが、あるいは原子力局長と、私とやりとりしたものがあるわけであります。これはその当時非常に問題で、確かに、原子力委員会の皆さんと科学技術庁のそれぞれの担当の部門においても、意見の対立があったというふうなことも、われわれは聞いたわけでありますが、いずれにしても、その年の五月二十九日になって、科学技術庁の原子力委員会として、今後そういう心配がないように、外交を通じてアメリカと折衝しよう、こういうことで、原子力委員会から外務省に、こういう点を折衝してくれという要望が出たわけです。それは「一つは、原子力軍艦のわが国寄港は原子炉の一次冷却水が簡単に放出されないこと。」これは「簡単に」ということばが、この答弁にはついておるのでありますが、私はこの点にもちょっと問題があるわけです。「二、一次冷却水以外のあらゆる系統、たとえばドレン系統などから放射性物質が排出されることのないよう従来より一そうその管理が厳重になされること、三、原子力潜水艦の寄港中は米国側においても環境モニタリングを行ない、必要に応じて調査データがわが国に提示されるようにすること、四、わが国の放射能調査体制の整備強化をはかり、放射能という疑念に対しても原因の解明に役立つようにすること、」この四つの条件で外務省が交渉したわけであります。当時の外務大臣は三木さん。アメリカ大使がジョンソンさんであります。で、その間で取りきめられたのが十月の二十二日ですか、実に四カ月半ぐらいたっておるわけです。それは、先ほど伊原次長が言われましたようなアメリカとの取りきめについては、「寄港中における一次冷却水の放出は例外の場合であり、したがって、今後日本の港においては通常一次冷却水が放出されることはなく、」こういうことのようであります。なお、その当時のあれを見ますと、一次冷却水についてはこういうふうに、まあ大体こっちが要求したようなことができた。ただし、ここには一つの例外があるわけです。これを認めておるのでありますが、希望の二、三、四については、向こうでもそれぞれ調査データを出す、こちらのいうとおりにやるということで、大体いったようであります。ところが、原子力委員会もそのときに、なお一次冷却水については、絶対に出さぬということを要望されたようでありますけれども、アメリカ側は、出さないのは当然であるが、原子炉その他の関係からして絶対に出さないということは言えない、こういう意味で、ここへ通常の場合を入れたわけだ。そういうことになっておるので、その当時の私どもの議論からいえば、なお国民には不安が残るではないかということで、いろいろ長官とも議論した記録があるわけであります。その後、このことはアメリカ側から十分守られておるかどうか、この点をひとつお尋ねしたいと思う。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 ただいまの四十三年のころ、私も委員をしておったわけでありますが、その際には、そのころの国際通念は、原子力潜水艦というのは、移動するときには必ず一次冷却水約二トンくらいを出すものであるという概念が一般的でございました。しかし、その際、日米でいろいろやりとりをやっております際には、アメリカは絶対出さぬといった。ですから、出さぬということがほんとうかうそか知りませんが、そういうことができるならば、そういうふうにしてもらおうじゃないか。これはやや、原子力委員会としては清水の舞台から飛びおりるつもりで、アメリカの原子力軍艦のわが国寄港中は原子炉の一次冷却水が艦外に放出されないこと、というふうな申し入れをしたわけでございます。しかし、あの当時にはいろいろな問題がございまして、必ずしも一次冷却水だけではないかもしれない。そうすると、中でちょっと使ったような、ドレン系統と称しておりますが、そういったようなところからも何か少しでも出れば、ああいった放射能が局部的に上がることが考えられますので、それも封じようということで、二番目にそういうことを申し上げました。三番目は、モニタリングをよくやってくださいということで、この三つはアメリカ側に申し入れたことになっておるわけでございます。それで結論は、この原子力軍艦のわが国寄港中は原子炉の一次冷却水が艦外へ放出されないこと、こういう要求をした国はどこにもないと思うのですけれども、その要求に対して、通常の場合とか例外でありということがございましたが、例外ばかりあったら困るではないかというととがわれわれの考えでありました。その際には、要するに緊急発進以外には出さない。ですから、戦争か何かのようなエマージェンシーが起こらない場合には放出しないんだということでございますから、そういたしますと、われわれのほうは、寄港する時期はいつであって、また出ていく時期はいつであるということはわかるわけでございますから、それと違えば怪しいぞということになるわけでございます。それ以外には、アメリカという大国が日本に約束して、出そうとは思われません。しかし、それを先ほどの御意見もありまして、十分な調査をしておりますけれども、そういうことと、それからもう一つのドレン系統につきましては、これは非常に普通の管理なものでございますから、彼らの管理をずっとやっておる線に沿っておって、そのまま続けて十分に管理をするということで、この答えどおりではございませんけれども、そういう形で答えが返ってきたと思っております。  それからモニタリングというのは、先ほどのようなモニタリングでございますから、日本のいま考えておるモニタリングと全く同じであるかどうかわからないのですけれども、とにかくモニタリングをして、その結果を日本にくれておるということからいきまして、この三つの点、特に通常原子炉の一次冷却水を艦外へ出さないということについて、向こうが約束をしたということだけでもって、国民に対しては非常な安心感を与えたのではないかと私は思っております。しかしそれがどうであったかということにつきましては、われわれはそういうのを出したということの報告を聞いておりませんけれども、いままでの調査結果からは、そういうことは見られておらないというふうに申し上げるよりほかないと思います。

内海清民社党

○内海(清)委員 いま、当時の委員でありました山田委員のほうから御説明がございましたが、私がいま読み上げたのは、政府のほうの答弁なんですよ。だから、あなたのあれと多少違うことがあれば、内部の意思統一が悪いということである。これにはアメリカ側は出さないのは当然である——これは一次冷却水ですか、原子炉その他の関係からして絶対に出さないということは言えない、こういう意味で、通常放出しないという表現になった、したがって原子力委員会もこれで一応了承した、こういうことに答弁がなっておるわけです。だからここにはなお一つの不安がある。この答弁からいきますと、それではもし異常の場合があった時分に、原子力委員会はそれに対してどういう対処を考えておるのか、こういうことも出てくると思うのです。その点はどうですか。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 私が申し上げましたとおりでございまして、われわれがそのときにやはり見解を発表してございますが、われわれの見解とおおむね一致する。これは非常に甘いじゃないかという新聞の批判もございましたが、われわれとしては、通常の場合と、それから例外でありという意味が、そういう意味であるというふうに言明されておりましたので、これで非常にわれわれの見解に近いというふうに考えたわけでございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 近いからこれで安心だ、一般国民大衆からいえば、そうはならぬと思うのです。絶対出さないということであるならば、これは安心する。ところが、やはりそこには一つの不安が残る。もし例外が出た時分には一体どう対処するんだ、すでにその放射能の汚染ができてあと対処したってつまらぬではないか、前もってこれをやらなければいかぬのじゃないかということになるわけであります。だからその点については、これは議事録でありますから、ごらんいただけばわかるので、それに対する一つのはっきりした、委員会と役所のほうとの間の見解を統一してもらいたいと思う。いかがですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま内海先生の御指摘でございますが、当時の議事録をさらに調べさせていただきました上でのことではございますが、多少表現の違いはあるかとも思いますけれども、当時の原子力委員会の見解と現在の見解との食い違いはないはずでございますので、その辺、少し昔の議事録を調べさせていただきたいと思っております。

内海清民社党

○内海(清)委員 この議事録から見れば、私がいま申し上げたような意見が出ると思うのであります。議事録をすなおに受け取ればですよ。委員会のほうの御意見をひとつ承っておきたい。

山田太三郎原子力委員会委員

○山田説明員 日米の外交交渉の結果、原子力委員会がこれをのむかどうかという話があったときには、ここでいきますと、原子炉その他の関係から、というようなことが書いてございまして、これは梅澤君が答えているようなんですけれども、原子炉その他の関係からかどうかわかりませんが、われわれは、先ほどお答えしたとおりの考えでございますから、緊急発進の場合にもしも出しても、その量はわかっておりますし、それが安全の問題には直接つながらないこともわかっておりますが、しかもなお緊急発進ということであるならば、それを出す時期がある程度わかるはずである、そうすればわれわれとしては十分な監視ができる、ということを考えまして、原子力委員会は、自分の見解、五月二十九日に出しました見解にほぼ一致する——「先般申し述べた原子力委員会の見解にほぼ近いものとして了承する。」という意味は、御理解いただけるものと思います。

内海清民社党

○内海(清)委員 それを了解せいと言われても、私はそれから後、原子力委員会からも役所からも、これに対する説明を聞いたことがありませんからあれですが、そのおり、私は、例外ということについて、長官とも議論しておるわけです。その当時はまだ監視体制が十分でなかったということも、長官の言の中にあるわけであります。そういうことから考えて、いま山田委員の言われるようなことだけでは、ちょっと了解しにくいと思うのです。これは政府の正式な答弁ですからね。その点はまた時期をかえてもいいのですが、われわれが十分納得できるような両者の答弁をいただきたいと思う。これは両者の間における統一見解ができれば一番けっこうである。どうしてもできぬということであるならば、それでまた議論しなければしようがないということになりますが、これは、時間がありませんから、要望しておきます。  それで、ソードフィッシュ号の事件が起きてから、「原子力軍艦放射能調査指針大綱」というものがその年の九月にできているわけであります。その後四回ほど一部が改正されております。現在のものについて、少なくとも原潜に対しては、これによってやられておるのだろうと思うわけであります。これについて見ますと、さっき局長からもお話がございましたが、「寄港地周辺住民の安全を確保するために、必要な措置をとらなければならないが、」これは当然のことです。「軍艦のもつ特殊な性格にかんがみ、」ということがありますね。この「軍艦のもつ特殊な性格」というのをひとつ定義づけてもらいたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 これはいろいろなことを意味しておると思いますが、たとえば外国の軍艦に対して、日本国政府がそれの中へ立ち入って調査するということはもちろんできませんし、あるいは日本政府が外国の軍艦の設計をよく見て、安全性について審査をするということもできない、そういう国際法上の特殊な位置を持ったものでございます。そういうもろもろのことを意味しておると解されます。

内海清民社党

○内海(清)委員 これは、軍艦といえばだれしもそれを考えるわけです。それを受けて「特別な放射能調査その他の措置をとることとし。」となっておる。この「特別な放射能調査その他の措置」とはどういう内容か、これをお尋ねしたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 先ほどから岡野先生の御説明にもございましたように、アメリカの場合は十分わかっておるけれども、日本の場合は、軍艦そのものがわかっていないわけでございますので、たとえばモニタリングボートで、周辺を回りまして、放射能の測定をするという、間接的な方法でこれを調査する、こういうことかと思います。

内海清民社党

○内海(清)委員 それが「特別な放射能調査」ということになるわけですかな。いま日本では、原子力商船は動いておりませんから問題はないが、これが将来動きだせば、これはまた必要なわけでしょう。そうすると、ここに「特別な放射能調査」とある以上、これは軍艦に対する特殊な放射能調査というふうに解釈できると思いますが、これはどういうことでしょうか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま内海先生御指摘の平和利用の原子力船、たとえば日本で現在原子力船「むつ」がございますが、そういうものにつきましては、先生御高承のとおり、日本政府が、原子力委員会がこれの設計を十分見て、安全審査をいたすわけでございます。そして設計の詳細も見て検査をいたします。それから、常時乗り込んでおる乗員のほかに、必要でございましたら国の監督官も乗り込みまして、放射性物質の放出があるかないか、これはその放出する根元ではかることができるわけでございますから、そこで制御できるわけでございます。そういうことでございますので、このケースとは事情が非常に違う、十分安心できるということかと思います。

内海清民社党

○内海(清)委員 そうすると、「特別な放射能調査」というのは、いまお話のあったことで、そういう内容と理解してよろしゅうございますね。——そういうことで、この大綱をつくったということになっておるようです。この大綱ですべてをやられるのだと思います。  その次にいきますと、「政府は、沖繩県、横須賀市および佐世保市の協力をえて、軍艦の寄港する港湾における放射能水準を観測し、」とありますが、この「水準」というのはどういうものであるか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 先ほど岡野先生から御説明がございましたように、一般的な環境放射能、つまり一般的なバックグラウンド及びその変動、それをさしておるかと思います。

内海清民社党

○内海(清)委員 それはそう解釈していいですね。  それで、「平常と異なる値が観測された場合には、その状況を把握して、必要な措置をとるとともに、その結果を一般に公表するものとする。」ということになっておるのですね。これは寄港時において平常値の三倍の状態の記録が出たときにはどうするということがあるわけですか。いままで三倍以上の記録が出たことがございますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 測定器そのものに三倍以上の値が出た、それが記録されたというケースはございますが、そのおのおのにつきまして、その原因を調査して突き合わせた結果、これは原子力潜水艦によるものではないということがそれぞれ確認されております。たとえば、先ほど話に出ました放射性降下物を含んだ雨が降ったとか、その他いろいろな理由が、そのときそのときで確認されておりまして、そういう意味では異常な値が観測されたことはあるけれども、それは原子力軍艦によるものではないということが確認され、したがって、原子力軍艦による異常値はいままでのところ、昭和四十三年以降出ておらない、こういうことでございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 原子力軍艦によるものは出ていない。そうすると、その結果というものは、一般に、国民が安心するように公表されておりますか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 その点につきましては、寄港時におきまして、調査班が現地に編成されておりまして、そこで毎日夕刻、その日その日のデータを公表することにいたしております。そういうことで、非常に迅速に、その結果は一般に御連絡申し上げておる次第でございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 四十八年度版の原子力白書によりますと、「寄港時における調査結果は、「放射能調査研究成果発表会」等においてそれぞれ公表されている。」ということが——最近の答弁にもあったようです。こういうふうになっておりますが、科学技術庁では、たとえば放射能調査研究成果発表の会議の抄録がございますね。これにどういうふうに発表されておるか。結局これはナンバー十五になると思いますが、四十八年度でいえば。これにどういうふうに発表してあるか、ちょっとお話し願いたい。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ただいま、ちょっと説明不十分でございましたが、先ほどの公表値は、現地における測定値を、そのつどでございますが、そのほかに、各資料をサンプリングいたしまして分析をいたします。これは時間がかかるわけでございまして、その資料の分析を、主といたしまして、先生御指摘のように、放射能調査研究発表会で発表いたしておりまして、たとえば昨年暮れに第十五回が開かれたわけでございますが、そこでは原子力軍艦関係だけではございませんで、いわゆる放射性降下物の測定、そういったものも含めまして、一般的な環境調査ということの公表を、各研究所の優秀な研究者の方々にお集まりいただきまして御公表をいただき、また、それについて十分な御討議をいただくということで、その関係のお世話を科学技術庁がやらせていただいておる、こういうことでございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 これはまあ私は十分な調査とは言い得ぬかもしれませんが、ナンバー十五をちょっと見たのであります。これはいまのお話のような寄港時のデータとしては、この十五回が十一月二十九日から三十日、二日間行なわれた。それの中で、沖繩におきます放射能調査というものが出ておる。しかもこれは大体分析研がやっておる。大体一律のものじゃないかと思います。横須賀と佐世保はないですね。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 ちょっといま資料を見ますが、横須賀、佐世保につきまして、海上保安庁の関係の調査報告書が八八ページ以降に出ておるわけでございます。  分析研につきましては、ちょっといま調べてみます。——ただいまざっと調べましたところでは、分析研が横須賀、佐世保についての発表を、この十五回ではやっていないようでございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 これはなお私もよく調査しますが、十一回からちょっと調査してみましたけれども、十四回まで、これは以前のは、なお沖繩が復帰していないという点があると思いますが、いずれにしても十一回から十四回までのを見ますと、横須賀と佐世保の放射能調査、これは海上保安庁の水路部がやっておる。沖繩は一つもないわけですね。こういうふうになっておるわけです。これではたして、こういう公表を見て、国民がどう判断するか。  原子力委員会の月報には、「米国原子力軍艦の本邦寄港に伴う放射能調査結果」というのが、寄港状況、放射能調査、それから放射能調査結果、きわめて簡単なものですね。これが出ておる。これは私の記憶によれば、以前はもっと詳しいものが出ておった。データもびしっと出ておったと思うのでありますが、最近はこういうものしか出ないですね。こういうことで、はたして十分公表して国民に納得さすことになるのかどうか。いわばこれは、私は委員会や役所の姿勢の問題じゃないかというふうに考えるのでありますが、この点はいかがですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 確かに、先生御指摘のような点もあるいはあるかと思われますので、国民に対しまして、十分この関係の情報を迅速的確に周知させるということは、私どもといたしましても、今後十分考えたいと思っております。

内海清民社党

○内海(清)委員 これはやはり役所としても、国民に対する親切ということからいえば、あちらこちらをさがさなければ、そんなデータもわからぬというのでなしに、もっと丁寧であってしかるべきであると私は思う。だからこの大綱にも、「この際、その測定結果に対する無用な不安感をもたせないための注意も十分に払わなければならない。」と書いてある。だから、大綱によって軍艦の放射能調査はやっておられるけれども、この大綱もむしろおろそかにされておるといっても、私は差しつかえないと思う。この点はひとつ今後十分考えてほしいと思います。強く要望しておきます。きょうは時間がありませんから、もう別にあまり議論しませんが……。  それからいま一つ。これは私よくわかりませんので、先ほど岡野先生のほうでも、一定のレベルを設定して、そうしていろいろ監視に当たるというふうなお話があったと思います。こういう面につきまして、私どもがいろいろ見たところによりますと、アメリカでは国立の科学アカデミーが発表しておるもので、たとえば海洋中の放射性同位元素の最大許容濃度の計算というようなものを出しております。これは一定のあれが出ておるわけですね。いろいろなファクターをやって計算しておる。これはさっきからのお話によれば、日本は十分にやっておるというお話からいえば、私はおそらくこういうアメリカのこれよりもなお低いものがきめられておるのじゃないかと思いますが、そういうふうなレベルの設定が、わが国では行なわれておるのかどうか、これをひとつお尋ねいたします。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 お答えいたします。  アメリカのナショナル・アカデミー・サイエンスというので、そういうことが議論されておることは事実でございます。それで、そこできめられておりますコバルトの濃度は、現在の監視体制よりもかなり低い。ちょっといますぐ、時間がございますので見ますけれども、たぶん二けたくらい少ないと思います。いまの十のマイナス七乗よりも一けたか二けた少ないと思います。しかしながら、それは化学分析によっては、それを下回る検出限界でチェックがなされております。つまり海水に関しては、化学分析では〇・一ピコキューリー・パー・リットルという量をチェックしております。これは大体、海水のモニタリングレベルに比べると、千分の一程度の量の検出限界で化学分析をしております。  それじゃなぜ海水をそんな高いレベルでチェックしているか、ということを指摘されますと、これは明らかに技術的な問題が一つ含まれております。海水をその化学分析に見合うだけ常にフィールドサーベーすることは、現在は技術的に不可能でございます。極端に言えば、海水をみんなくんではかれということにも相当しますので、不可能でございます。いろんな想定の計算がございます。つまり海水がふえたというときに、コバルトを対象に——いま申し上げたのはコバルトでございますけれども、コバルトを対象にしたときには、初期に放出の場合には、コバルトばかりではなくて、もっと半減期の短いアクティビティの高いものも一緒に出るわけで、そのファクターを入れれば、くんではかって初めてその低いレベルをチェックしても、数字としては、安全さがある数字として十分であるというように一応解釈しております。

内海清民社党

○内海(清)委員 それはわかりましたが、私がお尋ねしたのは、これはアメリカのこのアカデミーのは、コバルトだけじゃございませんね。あらゆるものをやっておるわけです。一つのレベルを設定しておるわけです。そういうものがわが国でも設定されておるかどうか、こういうことをお尋ねしておるのです。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 現在は、そういうレベル設定はオーソライズはされておりません。しかしコバルトを含め、いろんな核種についてのそういう数字は、十分参考にしております。

内海清民社党

○内海(清)委員 そうすると、参考にしてやっておるが、わが国ではまだこれはできていない、こういうことですね。

岡野真治放射線審議会専門委員

○岡野参考人 できていないということは、いわゆるオーソライズして、ここまではかってきめなさいということがきめられていないわけで、技術的には、ある程度準拠してやっておることは事実でございます。

内海清民社党

○内海(清)委員 これはやはりさっきからの意味から申しましても、日本でやっておることは、こういうデータによって計算されたのだということが、あなた方専門家にはそれがよくわかるけれども、一般にはわからぬでしょう、いまの状態では。それをわかるようにすることが大事だというふうに、私は考えるわけであります。  時間がございませんから、こういうことはまたあとのことにいたしますが、これもひとつ要望申し上げておきたい。こういうものも、できぬというならしようがないが、できるならば、やはりわが国においても一定のレベルというものを、わが国の国情に合ったもの——特にわが国は海産生物を一番食べる国民ですから、そういうふうなものに合った一定のレベルを設定するということが必要ではないか、こう思うのであります。  それから、これで最後にしますが、一応日本の監視体制というものは、大体において、現状では、一〇〇%ではないがまず十分であると思う、ということがございましたが、この指針大綱を見まして、これがはたして十分であるかどうかということであります。  たとえば、いろんな表が出ておりますが、六ページを見ますと、担当機関、水産庁あるいは沖繩県、科学技術庁、いろいろ出ておりますね。そこで水産庁の場合は、東海区水産研究所、それからその下に「海上保安庁、放射線医学総合研究所および理化学研究所の協力を含む」というようなことを書いてありますが、西海区水産研究所にはそういうものはない。書いてないですね。だからこれは参加しておらぬのだと思うのですよ。あるいは沖繩県では、これは県の水産試験場である。はたして水産庁と沖繩県の水産試験場というものが能力的に同レベルにあるのかどうか。あるいは科学技術庁でいろいろあれをやっておりますが、モニタリングボートのあるところと、さっきも話が出ましたが、沖繩にはボートはない、モニタリングカーがあるだけだ。こういうふうな調査機器にもいろいろ差がある。これではたして十分といえるかどうか。少なくとも同じような性能のいい機器を備えて、それでやらなければ、その出たデータというものが十分信用しにくいのじゃないかというふうに思うのでありますが、これはそういうことはありませんか。どうですか。

伊原義徳科学技術庁原子力局次長

○伊原政府委員 御指摘の点の最初のほうでございますが、東海区水研と西海区水研の違いと申しますのは、たとえば東海区水研では核種分析の関係までやる。それに対しまして西海区のほうは、全β放射能測定というふうに、比較的容易な測定のみをやる、こういう実情の違いがあるわけでございます。それから沖繩県につきましても、同様の事情があるわけでございますが、しかし先生御指摘のように、やはりこういう県の水産試験場につきましても、今後十分その技術的能力を高めていただく、あるいはいろいろこちらのほうも、そういう関係での御連絡をするというふうなことは十分やらなければいけないと思っております。  それから、あとのほうの沖繩のモニタリングボートの件につきましては、これはないということではございませんで、いま船を借り上げて、測定をいたしておるわけでございます。これは沖繩復帰のときにいろいろ検討いたしまして、とにかく暫定的には借り上げのボートでやるということできめたわけでございまして、そういう観点からいたしまして、モニタリングボートがないということではございませんので、借り上げでやっておる。御指摘のように、さらに機器の増強等を十分やるということは、まさにそのとおりでございますので、今後その線で、十分先生の御趣旨に沿ってやりたいと考えております。

内海清民社党

○内海(清)委員 これで終わりますが、いまのお話の、東海区と西海区のあれが違う。ところで、西海区は、東海区でやっておることはやっておらぬということになれば、西海区ではそれが必要ないのかということにもなりますが、いずれにいた、しましても、そういうのは、いろいろ体制は十分だというお話もありましたけれども、われわれ国民の側から見れば、なおそれを強化して、ほんとうに国民が安心できる体制をつくってもらわなければならぬ。これは早急にやっていただきたいと思うのでありまして、議論はいずれまたの時期にすることにいたしまして、以上で終わります。     —————————————

安井吉典日本社会党

○安井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  原子力潜水艦の放射能調査に関する問題調査のため、来たる十八日、参考人を招致し意見を聴取することとし、人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安井吉典日本社会党

○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗