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72回国会衆議院1974/02/20

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
5
登壇者
3
会派数
2
開催日
1974/02/20

会議録

安井吉典日本社会党

○安井委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  最初に、森山国務大臣より、科学技術行政に関する所信を聴取いたします。森山国務大臣。

森山欽司自由民主党科学技術庁長官

○森山国務大臣 第七十二回国会にあたりまして、科学技術庁長官としての所信を申し述べさせていただきます。  昨年十月の中東戦争に端を発した石油危機は、世界各国に深刻な影響を与えました。わが国の経済及び国民生活もきわめて大きな影響を受け、いまや、その安定は、最大の国民的課題となっております。わが国にとって戦後最大ともいうべきこの難局を乗り切ることは、当面の最大の政治目標であり・政府をあげて、日夜、この問題の解決に努力を傾注しているところであります。このような困難な時期に際会して、科学技術の持つ重要性があらためて再認識されつつあるのであります。エネルギー源の多様化と資源の有効利用は、短期的観点からも、また長期的視点に立って見ても、何をおいても推進しなければならない重要課題と考えられますが、この課題の解決のために、科学技術の果たすべき役割りが、いかに大きいかということは、いまさら申し上げる必要はないかと存じます。  このたび、ワシントンにおいて開催されました石油消費国による閣僚会議の重要課題の一つが、エネルギー技術開発の問題であったことも、このような認識に立ったものでありますが、私はこの会議に出席して、各国がひとしくエネルギーの研究開発に非常な情熱を傾けていることに深く感銘を受けたのであります。なかんずく、米国のごとく資源の豊富な国においてさえ、国家的大事業として、エネルギーの完全自給を目ざすプロジェクトに真剣に取り組んでいるということは、注目に値すると思います。資源に恵まれないわが国においては、これら各国にも増して、エネルギーの研究開発を国の重点施策として強力に推進することの緊要性を感痛する次第であります。  また、戦後の経済成長は、消費面で物的豊かさをもたらしましたが、その反面、環境問題、都市問題など、先進諸国における現代的問題ともいうべき諸問題は、わが国において深刻の度を加えつつあることは御承知のとおりであります。いまや、わが国は量的成長から質的成長への転換をはかりつつ、国民福祉の質的充実に精力的に取り組まなければならない時期に立ち至りました。わが国の置かれている客観的諸条件を踏まえて、わが国の将来を考えるとき、この問題は、今後その重要性を加速度的に高めていくものと考えます。そして、これらの問題の解決には科学技術の力こそ不可欠のものであり、それなくしては、到底十全を期し得ないものと考えるものであります。  このような時に、日本分析化学研究所における核種分析について、御承知のような問題が発生いたしましたことは、私にとって大きな衝撃であり、心から遺憾とするところであります。当面は、事態の応急的な処理に全力を傾けるとともに、将来とも、このようなことが二度と発生しないよう、恒久的対策に万全を期する覚悟であります。この問題に対する深刻な反省の上に立って、科学技術行政を強力に進めてまいる所存であります。  科学技術振興の原動力は、何と申しましても、効果的、効率的な研究開発の推進であります。研究者が使命感に燃え、安心してその能力を発揮できるような環境、条件の確保はきわめて重要であります。それと同時に、研究者もまた官庁も、いたずらにからに閉じこもることなく、協力し、衆知を集めることは、現代のような科学技術の高度に発達した社会におきましては、特に肝要であると信じます。今後の施策においては、これらの点についても十分配慮してまいりたいと考えております。  私は、このような基本的考え方のもとに、科学技術の一そうの振興をはかるべく、昭和四十九年度において、次のような施策を強力に推進してまいる所存であります。  まず第一は、原子力の開発利用の推進であります。  当面のわが国のエネルギー問題の解決の最も現実的かつ効率的な方策は、すでに、世界的に実用化の段階に入りつつある原子力の開発利用をその最大のにない手とすることであるとの観点に立って、次の施策を重点的に推進する所存であります。  まず、原子力発電については、安全審査体制を強化し、原子力施設の工学的安全研究等、安全研究の拡充をはかり、安全の確保と環境の保全に万全を期するとともに、原子力施設の建設が地元の発展と住民福祉の向上をもたらすものになるよう、関係地方公共団体の公共施設の整備の助成を格段に強化するなどの施策を講ずる考えであります。  次に、核燃料対策につきましては、核燃料の安定的確保を基本方針として、ウラン濃縮技術の研究開発の推進、国際共同濃縮事業への参加の検討、海外ウラン資源の調査等の促進、使用済み燃料の再処理施設の建設等の諸施策を推進する所存であります。また新しい動力炉の開発につきましては、高速増殖炉の実験炉及び新型転換炉の原型炉の建設を進めるとともに、これに必要な研究開発を推進する考えであります。  さらに、将来のエネルギー源として最大の可能性を秘めた核融合技術の研究開発を進めるほか、原子力エネルギーの効率的利用をはかる多目的高温ガス実験施設の研究開発を進めるとともに、原子力第一船「むつ」の実験航海を実施する所存であります。  第二は、国民生活に密接に関連する科学技術の推進であります。すなわち、ライフサイエンス、防災科学技術等国民福祉の向上のための科学技術に関する研究開発を強力に推進する考えであります。特に、ライフサイエンスは、保健、医療の向上、環境の保全等広く新たな応用分野への展開が期待されるとともに、次代の技術革新の芽となるものでありますので、その研究推進体制を整備拡充し、総合的、計画的な研究開発を推進するなど、その強力な振興をはかる所存であります。  また、国民生活に密接に関連する科学技術等及び年度途中において緊急に対処しなければならない研究開発の推進のために、特別研究促進調整費を増額し、その十分な活用をはかる所存であります。  第三は、原子力の開発利用と並ぶ国のプロジェクトである宇宙開発及び海洋開発の推進であります。  宇宙開発につきましては、宇宙開発計画に基づき、前年度に引き続き、技術試験衛星等の各種実験衛星の開発、衛星打ち上げのためのNロケットの開発、追跡、管制等のための地上施設の整備等いわゆるN計画の推進をはかり、あわせて、静止気象衛星、実験用中容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の開発、Nロケット改良のための開発研究、地球資源隔測システムに関する調査等を推進する考えであります。  また、海洋開発につきましては、海洋での人間の活動領域を広げ、海洋資源の利用を拡大することを目ざして、その技術開発に一そう努力する考えであります。このため、関係各省の施策の総合推進をはかりつつ、海洋科学技術の中核的推進機関である海洋科学技術センターの拡充強化、シートピア計画の続行、深海潜水調査船の開発研究、海洋観測調査等を強力に推進する所存であります。  第四は、研究開発に関連する一般施策の推進であります。  これまで述べてまいりました諸施策と並んで、基礎的、共通的な研究開発及び新技術の企業化促進のための新技術開発事業の推進につとめるほか、開発途上国との技術協力の強化をはじめ、科学技術に関する国際協力を積極的に推進するとともに、研究者の処遇改善と研修の充実、テクノロジーアセスメント導入のための調査の充実、科学技術情報の全国的流通システム整備計画の推進等、科学技術振興基盤の整備につとめる考えであります。  また、筑波研究学園都市の建設につきましては、研究交流センターの建設を進めるとともに、理想的な研究環境が整備されるよう尽力する考えであります。  さらに、これらの施策をもって科学技術の振興をはかるためには、科学技術に対する国民の正しい理解と協力を得ることが不可欠でありますので、原子力の開発利用をはじめ、科学技術全般にわたる普及啓発活動を一そう強力に推進する所存であります。  以上、昭和四十九年度における科学技術振興施策の概要について申し述べてまいりましたが、これらの施策を実施するため、昭和四十九年度政府予算におきましては、科学技術庁分として、原子力開発利用のため約六百七十億円、国民生活に密接に関連する科学技術の振興のため約三十億円、宇宙開発のため約四百八十六億円、海洋開発のため約十一億円等、総額千三百三十三億円を計上いたしました。  私は、科学技術振興の衝に当たる者といたしまして、その使命の重大性を十分認識し、ただいま申し述べました諸施策の実現を期して微力ではございますが、全力を尽くす所存であります。  ここに、委員各位の一そうの御支援と御協力を賜わりますよう切にお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 次に、昭和四十九年度科学技術庁関係予算について、説明を聴取いたします。片山官房長。

片山石郎科学技術庁長官官房長

○片山(石)政府委員 昭和四十九年度科学技術庁予算について御説明申し上げます。  昭和四十九年度一般会計政府予算案におきまして、科学技術庁の予算案は、歳出予算額一千三百三十三億四千万円、国庫債務負担行為額六百三十一億一千百万円を計上いたしております。これを前年度当初予算額に比較いたしますと、歳出予算額で二百五十億六千七百万円、国庫債務負担行為額で二百八十四億九千八百万円の、それぞれ増額となっており、歳出予算額はその比率において二三・二%の増となっております。  次に、予算要求額のうちおもな事項につきまして、その大略を御説明いたします。  第一に、原子力開発利用の推進といたしまして六百六十九億五千百万円と、国庫債務負担行為額百三十九億二千万円を計上いたしました。  まず、日本原子力研究所におきまして、大型放射線取り扱い施設、反応度事故実験装置の整備等により、原子炉施設の安全性の研究を強力に推進するとともに、核融合の研究開発、多目的高温ガス実験施設の研究開発及び各種原子炉の運転整備などを進めることとし、このため必要な経費として、同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ百八十四億四千三百万円と、国庫債務負担行為額五十一億四百万円を計上いたしました。  次に、動力炉・核燃料開発事業団におきまして、高速増殖炉実験炉及び新型転換炉原型炉の建設を進めるとともに、高速増殖炉原型炉に必要な研究開発など、動力炉の開発に必要な経費として二百五十四億四千八百万円と、国庫債務負担行為額六十億一千九百万円を計上いたしました。また、同事業団の核燃料開発関係の業務といたしまして、遠心分離法によるウラン濃縮技術の研究開発に九十五億九千百万円を計上し、その研究開発を強力に推進するとともに、海外ウラン資源の調査、使用済み核燃料再処理施設の建設、及び同施設からの放射性廃棄物の放出低減化のための研究開発をはかるなど、動力炉の開発及び核燃料開発等に必要な経費として、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ四百二十二億八千七百万円と、国庫債務負担行為額八十八億一千六百万円を計上いたしました。  また、原子力船「むつ」の開発につきましては、実験航海を行ない、その性能の確認を行なうとともに、定係港の施設の整備などに必要な経費として、日本原子力船開発事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ、十四億九千五百万円を計上いたしました。  さらに、放射線医学総合研究所におきまして、前年度に引き続き低レベル放射線の影響研究を進めるとともに、医療用サイクロトロンによる放射線医学の研究等を行なうため二十一億三千五百万円を計上いたしましたほか、理化学研究所及び国立試験研究機関等における原子力試験研究、放射能測定調査研究並びに民間に対する原子力平和利用研究の委託に必要な経費として十九億四千七百万円を、また、原子力委員会の調査運営、原子力関連の各種行政費等として六億四千四百万円を計上いたしました。  第二に、国民生活に密接に関連する科学技術の振興といたしまして、二十九億七千百万円を計上いたしました。  まず、ライフサイエンスの振興といたしまして、理化学研究所に新たにライフサイエンスの研究を推進する部門を設置し、研究推進体制の整備などをはかることとし、このため必要な経費として一億円を計上するとともに、同研究所が前年度に引き続き行なうライフサイエンスの特定研究に一億四千万円を計上し、一そうの充実強化をはかりますほか、特別研究促進調整費十四億円のうちからライフサイエンスの研究費として二億八千万円の配分を予定いたしております。  次に、防災科学技術の推進といたしまして、国立防災科学技術センターに八億六千二百万円を計上し、地震、雪害及び降雨水害等に関する各種試験研究を実施することといたしております。  また、特別研究促進調整費の活用により、前述のライフサイエンスのほか、都市科学技術、防災科学技術等の総合研究を重点的に推進いたしますとともに、不測の事態に対処し緊急に行なうべき研究の円滑な実施をはかるため必要な経費として十四億円を計上いたしました。  さらに、資源の総合的利用方策の調査につきましては、資源環境から見たエネルギーの合理的利用に関する調査等、資源調査会を中心とする調査を実施するとともに、資源調査所における基礎的調査の充実をはかるため、一億八千九百万円を計上いたしました。  第三に、宇宙開発の推進につきましては、前年度に引き続き宇宙開発計画に基づくロケット及び人工衛星の開発を中心とし、これらに必要な経費として四百八十六億一千三百万円と、国庫債務負担行為額四百八十七億八千百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発事業団におきまして、技術試験衛星I型、同II型、電離層観測衛星及び実験用静止通信衛星の開発、これらの衛星を打ち上げるためのNロケットの開発、及び打ち上げ関連施設の整備等、いわゆるN計画の推進をはかるとともに、静止気象衛星、実験用中容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の開発などを進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ四百七十五億六千万円と、国庫債務負担行為額四百八十四億五千五百万円を計上いたしました。  次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、人工衛星の三軸制御に関する研究等、宇宙開発の基礎的、先行的研究を行なう経費として六億八千六百万円と、国庫債務負担行為額三億二千六百万円を計上いたしました。  第四に、海洋開発の推進といたしまして十億五千九百万円を計上いたしました。  まず、海洋科学技術センターにおきましては、前年度に引き続き高圧実験水槽等の施設の整備を行なうとともに、管理運営基盤の強化をはかるため、補助金の国庫負担率を引き上げるなど、同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ五億八千五百万円を計上いたしました。  また、海中作業システムを確立するための海中作業基地による実験の準備、潜水調査船「しんかい」の運用、水深六千メートルまでの深海における調査能力を有する深海潜水調査船の開発に関する研究など、これらに必要な経費として四億七千四百万円を計上いたしました。  第五に、研究開発一般の推進といたしまして、新技術開発の推進、試験研究機関の充実整備及び国際協力の推進に必要な経費として、九十九億六百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  まず、新技術開発の推進につきましては、新技術開発事業団の開発委託契約限度額を二十五億円に引き上げ、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ十一億三千四百万円を計上することにより、その業務の拡充をはかることといたしました。  次に、試験研究機関の充実整備につきましては、八十五億八千二百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしております。これは、当庁付属試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所の航空技術部門、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における研究施設の整備及び各種研究の実施等に必要な経費のほか、理化学研究所の研究運営等に必要な政府出資金及び補助金であります。  また、国際協力の推進につきましては、日ソ科学技術交流など二国間における科学技術者の交流、経済協力開発機構に所属する原子力機関の共同研究への参加等に必要な経費として一億五千六百万円を計上いたしました。  第六に、科学技術振興基盤の整備といたしまして三十三億五千八百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  まず、科学技術基本計画の策定等研究基盤の強化につきましては、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的、かつ総合的に推進するため、基本的な計画策定の一環として行なう各種調査、及び優秀な人材の養成確保をはかるため国内及び海外への留学等に必要な経費として、三億九千九百万円を計上いたしました。  次に、研究学園都市建設の推進として、当庁付属試験研究機関のうち無機材質研究所、国立防災科学技術センター及び金属材料技術研究所の施設等の整備を行なうとともに、研究者の共同利用施設としての研究交流センターの整備を行なうため十億八千九百万円と、国庫債務負担行為額四億一千万円を計上いたしました。  次に、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理、提供業務の充実をはかるための同センターに対する政府出資金、補助金など、科学技術情報流通の促進に必要な経費として十五億九千九百万円を計上いたしましたほか、科学技術に対する国民の理解を深め、科学技術の知識の普及をはかるための経費として二億七千百万円を計上いたしました。  以上、簡単でございますが、昭和四十九年度科学技術庁予算案のうち、重要項目につきまして、その大略を御説明いたしましたが、このほか、一般会計予算総則におきまして原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を三百五十五億円にいたしますとともに、また、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を二十二億円及びその利息に相当する金額とし、これを使用済み核燃料再処理工場の建設資金の一部に充てることといたしております。また、原子力発電所等の周辺地域住民の福祉の向上をはかること等を通じて発電所の立地対策を積極的に進めるため、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計を創設し、電源開発促進税を財源とする百一億円の歳出規模をもって、関係地方公共団体の公共施設の整備等を行なうことといたしております。  以上でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員長 以上で説明は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。    午後二時十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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