予算委員会第二分科会 第3号
- 発言数
- 230 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/07
会議録
○主査(川上為治君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 この際、おはかりいたします。 予算委員の異動に伴い、副主査が欠けておりますので、その選任を行ないます。 選任は投票によらず、主査の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、副主査を神沢浄君にお願いします。 —————————————
○主査(川上為治君) 昭和四十八年度総予算中、大蔵省所管を議題といたします。 議事の都合により、政府からの説明は、これを省略し、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中寿美子君 この前の総括質問のときに、私、財政投融資資金のことを御質問いたしましたけれども、たいへんあのとき時間が少ないし、それから一分きざみにこちらの発言が減らされていくもんですから、十分ことばが尽くされませんで、あとで議事録を見てみますと、私のほうは、ほんとにただ問題をぶつけた程度で、お答えのほうはできるだけ長くしていただいたというような関係で、たいへん私としては不十分だったと思いますので、さらに内容について、もう少し深く質疑したいと存じます。 私が立っている、まあ基本的な立場というのは、財政投融資資金というのは大衆の資金を原資にしている、それで、その財政と金融の接点であるこの財政投融資資金というのを、まあ過去においては戦時中の戦費の調達にも使ってきたし、それから戦後には産業開発の資金として非常に重要な役割りを果たさした、それから、三十五年度以降の高度成長の過程では非常に大きな役割りを産業の発展のために果たさしてきたと、こういう立場をとっているものなんですけれども、しかし、その原資というのは、大部分が国民の郵便貯金であったり、年金の掛け金であったり、簡易保険の掛け金であったりする、ですから、その使い方については全般的に考え直してほしいということと、それからもう一つは、私どもがいま年金の制度を、もっとほんとうに暮らせるような年金にするために財源を求めている最中ですので、その点から特に私はこの問題にアプローチしたわけなんでございます。ですけれども、これはまあ大蔵省の経理や数字に専門でいらっしゃる方々に対して私などは全く経理のしろうとでございますから、ですから、そういうものに対して、やっぱり、まあ国会議員というのは国民の代表ですから、普通の常識を持った国民にわかりやすい説明と、わかりやすい数字の公表、あるいは経過の説明があってしかるべきだと、こういうふうに思っているわけなんです。まあ理財局の皆さんは特にその数字に明るい方で、自分たちは経理の面で何も批判される筋合いはないというような気持ちでいらっしゃるように思うんですけれども、私は、もっと大事なことは、この財投資金を運用するのにあたっての政治的な判断、そうして資金の配分をしていく立場にいらっしゃる総理大臣や大蔵大臣、それからそれに関係する閣僚、あるいは大蔵省の中ではその資金配分に参画なさる主計局局長、こういう方々の考え方を明らかにしていただきたいし、それから、あくまで自分たちのほうはもうこれは財源全部一元一本でやっていくんで、聞く耳持たぬというような言い方をしていただきたくない。そのことを私はぜひ最初に申し上げておきたいと思うんです。 そこで、きょうは少し、私のほうからの考え方をしゃべらしていただきますので、御答弁のほうはなるべく簡潔にしていただきたいと思いますが、同時に、年金の問題を考えておりますので、年金局長もよく聞いていていただきたいんでございます。 まず、私が要求いたしました資料ですが、第一回目に要求いたしましていただいた資料に関しては、この前の総括のときに多少触れましたから、それは時間の都合上触れないとして、今度出していただきました資料、これについても私はたいへん不満がございますので、その点を先に申し上げたいと思うんです。 まず私がお願いしたのは、何しろ一番問題点は財投資金の回収の問題でございますね。これはどの資料にもあまり明らかになっていない。全部一緒くたに回収の報告がされていたりするものですから、それで私が、政府の融資する機関別に回収の状況を知らしてほしいと、四十年度以降の資料をお求めしたものなんでございます。その提出されたものはたいへん私は不親切どと思います。前回私は、例に日本開発銀行の例をとって、そしてこの資料で見ると要回収額と延滞額というのが出ているから、そういう形で出てくるかと思いましたけれども、要回収額、未回収額という形で出てきまして、しかもそれは全く単年度の回収額としてしか出てきておりませんのでですね。つかみよりがないような、ちょっと見たらわからないような形で出てきているわけなんです。しかも、昨日の夕方銀行局の金融課長さんがお見えくださって、その点について御説明いただきましたから、ある程度私は理解いたしました。しかし、理財局長が前回の総括質問のときに、たとえば開発銀行の四十六年度末までの延滞額はどのくらいあるのかと言ったら、百九十億円とお答えになりましたが、昨日の説明では二百五億円、毎年これ、ふえていっているわけですね。で、私は、中身がおもに石炭だと言れわれば、そうだろうと思います。しかし、その中身の説明はないわけなんですがね。まず、そういう意味で、私は、未回収の、毎年毎年の新たにできた未回収額、延滞額だけしか今度出してきてくださっていないんで、これはあらためて、四十年度以降の累積している未収額ですね、延滞額、これを知らしていただきたい。これは、そんなものを調べたってたいした意味ないとお思いになるかもしれませんが、私は、回収の問題が最も不明朗だから、それを伺いたいわけなんです。それが一点です。ですから、あとでもう一度まとめて申し上げますけれども、延滞額の累積を機関別に出していただきたいということです。 それから、第二番目は、今回出されたもので資金運用部資金の貸し付けのところを見ますと——私のほうからもう時間の節約上申しますけれども、四十年度二千四百七十二億円——貸し付け金の回収額ですね。四十一年三千百二十五億円、四十二年四千四十九億円、四十三年四千百七十五億円、四十四年六千二百七億円、四十五年七千百八十六億円、四十六年八千三百六十七億円と、六年間に大体三倍のふえ方をしている。貸し付けたものの回収額。そこで、その回収額の中で、厚生年金、国民年金相当分がどうしてわからないのか、これをお聞きしたいんです。出せるはずだと思うのですね。それがいままで、全部一本になっているから回収額の中の年金分はわからないわからないというお答えばっかりなんですね。私はそういう説明では納得できないんですよ。大蔵大臣、これ、求めるのは無理でございますか。大蔵大臣はこの前総括質問のときに、わかりませんというお答えをしていらっしゃった。全部一元的に、資金はもう、さいふはみな一緒なんで、一ぺん入ったら全部一緒だから、回収金の中でここが年金分だとわかりませんとおっしゃるけれども、貸し付け額もわかっているんですからね。そうして、何年期限で幾らの利子で返すということがわかっているんだから、年金相当分がつかめないということは私は納得できないんです。そういうことを国民は知りたいんでね、概算でも何でも、大体このくらいはあるだろうというぐらいのことは言っていただきたいんですが、どうでございますか。
○説明員(福島量一君) いま先生のお尋ねの最初の資料の件でございますが、私ども委員会の要求資料としてちょうだいいたしましたのが、各年度別に、要回収額、回収済み額、未回収額と、こういうふうにちょうだいしておったもんですから、むしろ単年度ごとにその間の状況をお知りになりたいものと考えまして、そういう趣旨で関係各省庁、各機関に資料をお願いしたわけでございます。実は、この種の資料は私どもも常時把握しておりませんので、この趣旨を伝えておまとめ願ったわけですけれども、たとえば要回収額という点につきましても各機関によって扱いが異なっておりまして、いま先生御指摘のような延滞額総額を順次繰り越して当年度の要回収額として整理する機関もあれば、当年度の当初約定にかかる分だけを当年度の要回収額というふうに整理している機関もございまして、その辺につきましては、それぞれ各省庁あるいは各機関によって扱いが実は異なっておるわけでございます。そういったことで、実はこの資料の末尾にそういう意味の趣旨を注記しておいたわけでございますが、そういった点で、われわれ御要求の文章の読み方があるいは違っておったのかもしれませんが、各年度別に、要回収額、回収済み額、未回収額に区分して、未回収金の理由、こういうふうにしたものですから、各年度ごとにそういうふうに整理するものと、かように実は理解したわけです。延滞額の点につきましては、そういうことでありますれば、また各機関に連絡いたしまして、各機関の延滞額を取り調べた上で御報告さしていただきます。 ただ、この点、ちょっと付言しておきますが、各機関の、たとえば開発銀行の延滞額というものと、それから財政投融資として開発銀行に貸したものの延滞との間には特に関係がございませんで、たとえば融資機関でありますと、貸し倒れ準備金とか、そういうものを持っておりますから、それから、延滞のものが当然に貸し倒れになるとは限らない、たとえば履行遅滞であって、その年度が延滞であるということがございますから、各当該機関の延滞額即財投の延滞につながるものではないという点は、ひとつ御認識いただきたいと思います。 それから第二点の、年金の資金の回収額がわからないのはおかしいではないかという御指摘でございますが、御承知のように、いま先生もお触れになりましたように、資金運用部資金法、昭和二十六年にでき上がりましてから、ずっと統合管理、一元運用という原則に立ちまして、全体の資金を合わせて一本として運用してまいりました。昭和三十六年度以降、国民年金の発足との関連におきまして、資金運用部資金の運用計画をつくる際に、特に年金資金等については使途別分類を明らかにするという措置をとってきておるわけでございますが、これも要するに、資金の配分にあたってのいわば一定のワクと申しますか、そういったものを福祉関連部門に特に優先的に配分するという前提のもとに考えられた、いわば仕組みでございまして、資金の融通自体の際に、たとえばどの機関に年金が幾らというふうな区分経理は実はしておらなかったわけです。しいて申し上げますと、いわゆる還元融資の一〇〇%対象機関、たとえば年金福祉事業団でございますとか、それからたとえば国立病院特別会計でございますとか、そういったものについては、その機関からいわば回収されるもは、これは年金資金であるということは、これもはっきりしております。ただ、その中で、たとえば年金資金の中でも、それが厚生年金に相当するものであるか、あるいは国民年金か、ないしは船員保険か、あるいは共済組合の分かというふうな区分は、現行法上も義務づけられておりませんので、年金資金であることはわかりましても、さらにその源泉がどうかということになると、わかりにくい。 それから、話が前後して恐縮でございますが、そういう措置はとっておりますが、御案内のように、資金運用部資金法が施行になりまして二十年以上になるわけですが、非常に運用部の貸し出しというのは長期にわたりますから、たとえば昭和三十年ごろに貸したのがいまごろ戻ってくるというのが多々あるわけでございます。たとえば三年据え置き二十五年とか、そういうことで半年賦で返ってくるということでございますから、これから先、かりに御要求のような趣旨に即して年金資金等の色分けをいたすとしても、これから当分の間返ってくる分についてはなかなか全貌はつかめない。何か一定の指数等で割り掛けて推算するということはあるいは計算上可能かもしれませんけれども、それは結果的には単なるフィクションに堕するわけでございまして、それがそうであるということは、はっきりとは言えない。ただ、残高といたしましては、これは申すまでもないことですが、常時把握しておるわけです。運用部として年金資金からいわゆる国民年金、厚生年金等からお預かりしている資金が幾らかということは常時把握しておりまして、それに狂いはないんですが、年々歳々の回収額の中にどの程度どうかという点につきましては、従来の取り扱い等もありまして、にわかに明らかにすることはできないという事情になっているわけでございます。
○田中寿美子君 私、大蔵大臣の御意見を伺いたいのですけれども、もう少ししてから伺いたいと思いますが、ことしも、いわゆる資金運用部資金の中に「その他」というところがあって、一兆六千億、四十八年度。そのうちの一兆二千八百億が回収金である。つまり、それは郵便貯金と年金の回収金ですね、大部分。そうすると、その中で幾らかということもつかめないということでは、私たち実際年金の財源を考えるのに非常に困るのですよ。それで、フィクションであるというようなことでは、私——貸し付けた額もわかっているし、大体利率もきまっているわけでしょう、資金運用部資金から出ていくのは。それで何年間か、長期、短期があるでしょうけれども、それも全然概算もできないというようなことでは私は非常に困るのですがね。それは推定できないかどうか。もしそういうふうにおっしゃるなら、私も時間が惜しいから、あまりそう長く話していただきたくない、私のほうで言いたいことが一ぱいあるものですから。もしどうしてもそれができないとおっしゃるなら、かつて産投会計——昭和三十七年にガリオア、エロアの資金と、余剰物資の資金と、あれ、返さなければならなくなったときに、中が、一般会計からの繰り入れも入っていて、それでむちゃくちゃになっているので、えり分けするときに、やはり推算なすったでしょう。だから、年金の掛け金なんというものはわかっているのだから、これの推計ができないということは私はないと思うのですよ。ですから、これは一元化してやっているので 一切言うことまかりならぬという方針が大蔵省にあるなら、私はこれに対して抗議したい。国民の積み立てている年金の資金の貸し付けの回収もわからないような、帳簿がないなんということは、大蔵省を私は許すことはできないと思います。ですから、それを明らかにしていただきたい。これはもう、課長の言い分を私ここではちょっと聞かないで進んでまいります。 そこで、厚生省のほうで、人口の老齢化が成熟するのは昭和七十年だと、そのときになったら初めて賦課方式はできるみたいなお話をしていらっしゃるのですね。七十年といいますと、いまから二十一、二年先になる。それまでどんどん積み立てていくということを考えていらっしゃるんだけれども、それでは、かりにそういうふうにするとして、昭和七十年ころまでに年金の積み立て金の累積額が幾らになるというふうな計算をしていらっしゃるんですか、それも聞きたい。
○政府委員(横田陽吉君) ただいま先生御指摘のように、年金の財政につきましては、将来成熟化した時点以降におきましての給付財源を確保するために、ある時点で急激に何らの給付改善を行なうことなしに保険料を上げなければならない、そういうふうな現象の発生することを予防するような、まあ言うならば……。
○田中寿美子君 そういうこと要らないです。私の聞いていることだけ……。
○政府委員(横田陽吉君) そういうふうな、なだらかなあれを考えておるわけでございます。それで、成熟期の問題でございますが、厚生年金につきましては大体昭和八十五年ぐらいが成熟化の入り口というふうな……。
○田中寿美子君 八十五年、七十年とおっしゃったでしょう、この前。
○政府委員(横田陽吉君) 八十五年ぐらいがそうでございまして、大まかに申しますと、その時点での給付費の総額というものは、今回改正をいたしたような内容のものを繰り返して行なうというふうな仮定をいたしました場合に、おそらく百三十数兆円の給付額になります。その場合の積み立て金を、現在のような、現在御提案申し上げているような保険料の増徴をいたしていくとした場合に、大体四百四十兆円ぐらいの積み立て金、そういうふうな計算はいたしておるわけでございます。したがいまして、成熟期の入り口におきましては、大体二年半か三年程度の給付財源と申しますか、支払い準備金と申しますか、そういったものを保有するような、そのような年金財政の設計を一応前提といたしておるわけでございます。
○田中寿美子君 昭和八十年までなんというのは、たいへん気の長いことです。結局、賦課方式にする気は全然ないということと同じだと思います。現在、年金制度が非常におくれているということはお認めになると思うのですが、それで、財源がない、財源がないということで言っておられるので、私がやかましく財投の中の財源のことを追及しているわけなんですが、大蔵省のほうも回収金もよくわからないというような答えでは私は済まされないと思います。いかがですか、その点。大蔵大臣、これは大蔵省に命じて、一体年金のここから回収されてくる金がはっきりさせられないのかどうか。いかがですか。
○政府委員(橋口收君) 先ほど資金課長から概要御説明を申し上げまして尽きておると思いますが、なお補足して申し上げますと、先生のおっしゃますように、毎年年金資金をどういうところに配分しているかと、これは、使途別分類ということで、はっきりいたしております。で、それに対しまして、残高で年金資金がどこに幾ら行っているか、これは、地方団体は御承知のように全国に三千ございまして、資金運用部資金として一本で融資をいたしておりますから、それにつきまして、あるものは郵便貯金、あるものは年金資金という整理をいたしておりませんし、また、整理をいたしますということは事務的にもたいへんな負担になることでございます。したがいまして、年金資金と郵便貯金と合わせて統合運用いたしておりますから、先生のおっしゃる御趣旨を徹底すれば、特別勘定と申しますか、別経理と申しますか、そういうかっこうで分別管理をしないと、ほんとうの意味の残高、それに回収ということはわからないわけでございます。したがいまして、私どもは意図的に年金からの回収を秘匿するとか、そういうことではございませんで、いまの制度のたてまえ、あるいは事務処理の原則から申しますとわからないと、こういうことでございます。
○国務大臣(愛知揆一君) これは非常に根本的な問題で、少し問題を基本的に解明しないといけないと私は感ずるわけです。結論は、いま政府委員から御説明しているとおりなんです。つまり、年金について積み立て方式をとるか賦課方式をとったほうがいいかという議論と、それから、いまの年金積み立て金をどういうふうに配分しているかということが、私はごっちゃになっていると思うんです、率直に申しまして。で、もし賦課方式がよろしいということになれば、それなりに新しい制度をつくらなければいけないし、それはそれとしての是非善悪、メリット、デメリットを、そこへ焦点を当てて論議すべき問題ではないかと思います。 そこで、政府としては、年金については、私は、いわば修正積み立て方式とでも言ったほうが正確だと思いますが、それを是なりとしております。それから、年金の積み立て金は一元的運用をしたほうがよろしいと、この二つの基本的な考え方を政府としてはよろしいという態度をとっております。この二つの政府の態度に対して、いずれも不可であるというお立場から——私はそのお立場を批判する意味ではございませんけれども、そういうお立場から攻めていかれますと、非常に御不満にお感じになると思います。それは私は非常によくわかります。ですから、この二つの大きな問題の片っ方の、賦課方式か年金積み立て方式かということを一応別にしまして、年金積み立て金の運用方法はどうやっているかといえば、やはりこれは他の積み立て金と一緒にして預託を受けている——これは税金とは違いますけれども、国民からお預かりしている、しかも、大衆的な郵便貯金あるいは年金積み立て金、保険料その他、いずれも非常に大事なものですから、これを最も効率的に運用されること、それから管理の経費やなにかをできるだけ安くするということ、それから目的が政策的に有効なところにいくようにと、こう考えて、いわゆる一元運用をしているわけでございます。 で、これをもし別勘定にするか、全然別に特別会計をつくるか、あるいは基金か金融機関をつくって自主的に、全然資金運用部資金と切り離して運用するということであるならば、これはもう回収でも非常にきちんとわかるわけでございます。ところが、いまのやり方では、一元運用ということの——私どもはメリットだと思っておりますけれども、入ってきたお金を効率のあるように運用する、そして使途別の配分をきめて、そのきめ方を好ましい形できめておく、そして年度ごとにやってみまして、全部の配分先から回収金が出てまいります。その回収金は、年金から積み立てとして入ったものを融資した先も、それから郵便貯金から出てきたお金の融資先も、全部これはごっちゃになっている。よく、どんぶり勘定と言われますけれども、どんぶり勘定になっていることに、むしろメリットがあって、そこから入ってくる全体としての回収金を配分のときに国家目的に沿うように配分しているわけです。ですから、たとえば、何ということばを使ったらいいでしょうか、学問的にそのあとの流れをフォローして、おおよそこのくらいはこういうふうになっているであろうという推計は私はできると思いますけれども、配分のやり方が一元的でございますから、お金にしるしがございませんから、そこに一体として、どんぶり勘定と言われますけれども、一体として運用しておりますから、この配分をするとき、この系統からこれだけの回収が出てきたというようなことを事務的に表にして、こうでございますということは、これは制度が制度でございますから、事務的にどうしても数字は出てこないわけであります。学問的に、学者的に推計をするということならば、これは、いろいろの仮定を置いて、あるいは前提を置いて、おおよそこういう流れであろうということは推計することは私はできると思います。しかし、これは制度がそういう制度であって、それを運用している者の立場から言えば、その立場からこう推計されるということは言えないというのが自然の立場である。問題は、結局、ですから、もしお話のような、御質疑のような線でいけば、これはひとつ分離してしまって、別の機関で自主的に運営なすったほうがよろしいと、こういう結論にならざるを得ないと私は思います。その考え方に対しては、私は、大事なお金であるので、これは積み立て金というだけで自主運営をするよりは、ほかのものと一緒にして効率のある配分をしたほうがよろしい、私はそういう立場をとっているわけでございます。 それから、いま別にしてという前提でお話をいたしましたが、年金制度を将来どういうふうにしたらいいか、賦課方式のほうがいいかどうかという点では、確かに、積み立て金は現在どういうふうな姿で動いているであろうかということをやはり論拠にされなければ、そのメリットを主張されることはできないと思いますから、そういう場合には、やはりそういう政策目的としての論議として、一つの推計の上に立って議論しなければならないんじゃなかろうか、こういうふうに感じる次第でございます。
○田中寿美子君 大臣が、いま、私たちが賦課方式を主張しているから、別会計を設けてやるという考え方に立ってやるしか、私たちの言い分からすれば、ない、というようにおっしゃっておりますけれども、私はいろいろなやり方があると思うのです。で、いま年金の積み立て金の総額が八兆円ほどあるといったって、そこにたまってあるわけじゃなくて、貸し付けてあるわけですから、それですから、いまおっしゃったように、回収がいままではどんぶり勘定で、はっきりわからない——しかし、私は推計はできると思います。いまおっしゃった、その学問的にとおっしゃるとちょっとおかしいけれども、推計できると思いますから、推計もしてみてもらいたい。しかし、これからの先のところで、ことしから入ってくる徴収された年金、厚生年金特別会計というようなものを持っておりますね。あそこに徴収してきたものから今年度の給付金を引いて、資金運用部資金に銀行みたいに預けているわけですね。だから、それはたとえば私は厚生省のほうに意欲がないと思うんですよ、別会計にするほどの、私は、とてもいまのところ。効率的とおっしゃった意味は、私は、ほかに文句はあるけれども、おそらく大蔵省がじょうずに運用できるだろうと思うんですね。それで、それならば、資金運用部資金の中で年金から徴収してきたものを別ワクにしておいてもらう、そういう勘定のしかたもありはしないか、あるいは、厚生年金特別会計のところに置いておくという方法も私は考えられると思うんですけれどもね。そういう方法はまだこれから考えるとして、賦課方式といって、ことしすぐ全部取りくずせなんて、そういうばかなことを私たちは言っておるわけじゃないんです。で、大蔵大臣は修正積み立て方式とおっしゃった。私たちは、むしろ、何年かの経過する時期は修正賦課方式と言ったらいいかもしれないと思います。資金が回収されてくるものと、その年に積み立てるものとを別ワクにしていく、こういう考え方で年金の五万円なり六万円なりを保証していくという方向に移るのには何年間かの過渡段階があると思うんです。ですから、そんなむちゃなことを言っているわけじゃないのです、それが一つ。 それから一元的な運用のほうが最もいいと大蔵大臣は非常に強くおっしゃっているので、厚生省もそのとおりそれに従わざるを得ないと私は思うんですけれども、これも、それじゃそれは非常に効率的かといいますと、私は繰り越しのことを問題にしたいと思うのですが、この前もそのことをちょっとお尋ねしたわけなんですが、前回の説明ですと、地方公共団体なんかが一番資金運用部資金を使っているので、第四四半期にどうしてもみんな要求が出てくる、それで残らざるを得ない、海外経済協力基金まで第四四半期に大部分が残ってしまう、そして次の年に繰り越す、ということになっている。こんな運用が私は効率的かどうか。出された資料で私がやっぱり文句があるのは、もうちょっとあとで言いますけれども、まず一つは、四十七年度末でどれだけ実行したのか。四十八年度に財投全体でどれだけ繰り越しになっているのですか。それをひとつ聞かしてください。 それから、続けてやりませんと時間がもうなくなってしまいますのでね。それから、出していただいたこの資料で、例として、これは財投全体ですから、はっきりわかるのは開発銀行、それから輸銀あるいは年金福祉事業団なんかについて見てみますと、これは四十六年度が一番最近のですから、見ますと、たとえば開発銀行のところで、四十六年度末三千三百六十億円が実行になっているのですね、実行額。ところが、これは私は大蔵省の方、ちょっとどうかと思うんです。日銀の資料にちゃんと出ているのですよ、実行状況が。それで見ますと、三千三百六十億実行してはいないわけですよね。まず、前年度四十五年度から繰り越しが百九十億あるんですよ。それからその次の年に三百五十億繰り越しているのですね。それにもかかわらず、それを全部合わせて実行したかのごとく三千三百六十億という数字を出してきているのです。これは全く私たちをなめていると、不親切というより、なめているというか、ごまかしだ。つまり、繰り越しが一ぱいある。前年度からも繰り越している。そしてついに百九十億というのは、これは開発銀行の場合を言いますけれども、実行していない、未実行、不実行というか、これは不用額ですね。こんなのはどうなっているんですか。輸銀についても同じことです。それから年金福祉事業団の場合だって、七百四億というのが四十六年度の実行額として出されているけれども、このうち百三十五億は不実行、不用額ですよ。使っていない。そして二百二十四億は次の年に繰り越している。それなのに、私に出した資料では実行額として出していらっしゃる。まことにこれは不親切と言うより、ごまかしというか、私はこういういいかげんなものを出してもらいたくない。日銀のほうで出ているのですから、きちんとした資料を私は要求いたします。
○政府委員(橋口收君) 各機関別の実行、繰り越しの状況は後ほど御説明申し上げたいと思いますが、四十七年度末現在で繰り越しがどのくらいかという御質問でございますが……。
○田中寿美子君 実行額……。
○政府委員(橋口收君) 四十七年度の改定計画は六兆四千三百五十八億円でございます。それに対しまして、繰り越し額と不用額を合わせましたものは一兆七千六百五十八億円でございまして、割合としては二七・四%でございます。一兆七千六百五十八億のうち、地方債の関係は九千二百十億円でございます。繰り越し額と不用額がまだ一体になっておりますが、四月に入りましてまだ日が浅い今日の時点におきまして、実際に実行いたしましたのはその差額でございまして、繰り越し額のうち不用になるものと実際に繰り越して四十八年度で使用されるものとの整理はまだできておりません。御参考までに四十六年度を申し上げますと、四十六年度は、繰り越し額が九千五十六億円でございまして、そのほかに不用額が五百六十六億円ございます。四十五年度は、同じく繰り越し額で申しますと、五千二百四十五億円でございまして、不用額は二百五十二億円でございます。四十七年度は、繰り越し額の一兆七千六百五十八億のうちどの程度が不用になるか、これはいま作業をやっておりますが、住宅公団、輸銀等につきまして相当の不用額が発生するものと見込まれますので、おそらく五百六十六億円より、かなり大きな額が実際の不用になるだろうと、こういうふうな推定をしております。各機関について説明すれば……。
○田中寿美子君 それはいいのです。 それで、これはどうしてこういう数字を出してきたんですか、実行額……。
○説明員(福島量一君) ただいま先生の御指摘の四十六年度の支出状況の数字でございますが、これは、これまた先ほどの要求資料の中身に入るわけでございますけれども……。
○田中寿美子君 簡単に説明してください。
○説明員(福島量一君) 四十年度以降の財政投融資機関別政府資金の貸し付け状況と、こういうことなものですから、ここに掲げました数字は、前年度からの繰り越しも含めまして、各月、各四半期ごとにまとめたものでございます。つまり、当該年度の計画に対する実行状況ではなくして、支出状況というふうに、貸し付け状況と書いてございますから、実際に貸し付けを実行した月に、いわゆる資金ベースで、ディスバースと申しますか、資金支出が貸し付けにおいてどういうふうになったかという状況のものというふうに理解いたしまして書いた分でございまして、先ほど御指摘の日本銀行の分は、それぞれ各年度の計画に見合う分と、それから、たしか外書きで前年度からの繰り越し分とを整理しておいたかと思いますけれども、この場合には、要するに月別——たとえば開発銀行で申しますと、四十六年の四月に幾ら貸し付け契約で支出したか、運用部で幾らしたかというふうな、各運用部あるいは簡保、公募債、全部資料がございますから、これをそれぞれ各月ごとに支出状況をお示ししたというものでございます。
○田中寿美子君 もういいです。この前の総括質問のときに私は繰り越しの問題についてお尋ねしたわけですよ。そのポイントもわかっているはずですね。それで出してきたものは、実行計画の計画を実行額としてみんな入れて出している、毎年。つまり、不用額も繰り越し額もこんなにたくさんあるのに、それを、ほんとうのことを知らしてくれないということに対しては、私は非常に憤慨するわけなんですよ。それで、大蔵大臣、私たち国会に提出する資料というのは、ほんとうのものを出してほしい。そこで、計画と実行額と未実行額、つまり不用額ですね、それから繰り越しと、こういうものがみんなわかるような資料を今後は国会に提出してもらわないと困ります。秘密にして、なかなか——この日銀の統計だって手に入らないような状況です。大蔵大臣は、効率的で国民のために政策的に見たら最もいいと、自分たちが一元的に運用するのがいいとおっしゃるけれども、中身を見てみたら、こういう疑問だらけだから、だから、もっと明らかにしてほしい。ことしの国会では財投を全面的に審議する、この間も総理大臣が何回も、全面審議だ、全面審議だとおっしゃった。ほんとにそういう意味で、わかる資料を出してもらいたいと思うわけです。 そこで、いままで要求いたしました資料、四点になりますね、最初の延滞金のこと、それからいまの実行、未実行、繰り越し額を含めたもの、それから、いままで申しましたものを繰り返していると時間がかかるから、資料の要求ですね、今後の累積額と、それから資金の中での年金の資金と思われるものの回収額——もしそれ、推計できるなら推計してほしい。そういったようなことについて資料を要求したいと思います。そして、今後こういうことに関しては国会に対して明らかにしてほしいと思う。 それから、その不用額というのは一体どこへ戻すのかということですね。財投資金に、やっぱりどんぶり勘定で、もとのさいふに入れておくと、こういうことだろうと思うんですが、私はさいふを分けてほしい、年金分を今後分けてほしいということや、それから厚生年金特別会計の中で処理することができないかどうかということは、私、厚生省なんというのはもっと意欲を持って考えるべきだと思うんですよ。自分らで運用能力がないなら大蔵省にお願いしてもいいけれども、少なくとも厚生年金特別会計に入ってくる年金の徴収したものを、その年の給付額をさっ引いて、さっさと渡してしまうのではなくて、今後それにちゃんとワクづけをして、年金の収入は別ワクにしてほしい。これ、社会保険審議会や国民年金審議会、資金運用審議会、財政制度審議会などでそういうことを答申しているでしょう。社会保険の積み立て金は、これをあげて、基金制度のもとに管理運用するのが原則である、暫定的に資金運用部資金に繰り込むこととしても、特別勘定を設け、他の資金と区別すべきであるということを答申を受けているわけですね。厚生省にその意欲がないと、大蔵省は、もちろん膨大な財源だから放したくないというのはあたりまえだと思うんですよ。どうもその辺がちゃんとしていない。私、御答弁はきょうは要求いたしません。あらためて年金の審議のときにしたいと思います。 それから、地方公共団体に配分する融資が第四四半期に集中するんだというお話なんですね。ところが、私もこれ、見てみたんですけれども、公募債のほうは年間平均して買い入れていますよね。どうして融資のほうだけ、貸し付けのほうだけが第四四半期に集中してくるんですか。そのわけがわからないんです。
○説明責(福島量一君) 公募地方債が比較的年度間を通じて平均したかっこうで出ておるわけは、御承知のように、全体の起債市場の動向等もございまして、そういうことの中で、ある程度平準的な発行をしていかないと所期の地方債の消化ができないという市場の消化との関連がございます。一方、資金運用部資金につきましては、いわば国と地方との関係でございますから、そういう、何と申しますか、国がむりやり貸し込みをするというようなこともいたしかねるわけでございますから、できるだけ地方の実情に応じた資金の貸し出しをやるということからまいりますと、どうしても、一般財源と申しますか、交付税とか、あるいは税金、地方税と申しますか、そういった一般財源を先に使いまして、利息のついた金はあとに回す、あるいは手近な金融機関で短期の低利の資金でつなぐというようなことを地方公共団体としては当然やるわけでございますから、したがいまして、いわば最終的に長期の資金に切りかえる時期に資金運用部への貸し出し要請となってあらわれてくると、こういう実は事情があるわけでござ、ます。 それからなお、先ほどのお話で、ちょっと繰り返しになりますが、開発銀行の点で申し上げますと、多少誤解があるようでございますので申し上げますと、開発銀行の昭和四十六年度の実行は、当該年度資金で三千百七十億、それに御指摘の前年度からの繰り越し百九十億を消化いたしまして、合計が三千三百六十億というふうになっておりまして、改定後の計画三千五百二十億から、いま申し上げました当該年度の消化分三千百七十億を除きました三百五十億円が四十七年度への繰り越しになっておると、こういう状況でございます。もし、そういった種類の資料という御要求であれば、別にわれわれとしては隠す必要は毛頭ございませんから、十分そういうことでやりますが、先ほども申し上げましたように、各月別の支出状況という資料の御要求だったものですから、各年度の支出の分を計上して出したと、こういう事情でございます。
○田中寿美子君 もう時間がなくなってしまって非常に残念なんですけれども、還元融資ですね、これば年金の積み立て金のその年度の新規の分の三分の一ですね。その三分の一の還元融資なんですが、その還元融資先も私はたいへん問題だと思うんですよ。これこそ国会での附帯決議がついておりますよね。拠出者に直接戻すようなやり方で使えという趣旨のがついているんですよ。それなのに、これで見ますと、厚生省所管のところ全部にばらまいている。私、こんな貸し付け方というのはないと思うんですよね。全部。だから、簡易水道から上下水道から、これ、特別地方債として出しているわけなんだけれども、まあ廃棄物処理ですね、産業廃棄物処理、一般廃棄物処理、簡易水道、屠殺場、同和対策、下水道、上水道と、こういうところまで、これはほんとうは一般会計で見るべきものなんですね。わざわざこれだけは厚生省が指定して拠出者のために使うというその還元融資を、そういうところまでばらまくという考え方自体が、私はもうほんとうに厚生省どうかしていると思うんですよ。年金局がもっとしっかりしてもらいたいですね。拠出者に直接——たとえば今度は大型の保養所をつくるというわけだけれども、それより前に、もう、重症身障者の施設なんて、ほんとうに……。私、この間びわこ学園も見てきたけれども、ああいう状況のところが一ぱいあって、いまたくさんのお金が必要ですよ。それから寝たきり老人にだって必要ですよ。そういうものに充てないで、こうばらまかれたんじゃ、還元融資の意味が全然ないと思う。これは、大蔵省は全然方針を出していないと思います。これは厚生省がきめることでしょう。どういう考え方ですか。これ、改めることはできないんですか。国会の附帯決議もついています。
○政府委員(横田陽吉君) 還元融資の融資先の問題でございますが、ただいま先生御指摘のように、たとえば重症身障児の施設でございますとか、あるいは老人福祉施設でございますとか、まあそういうものにつきましては来年度は特にその充当率を高めるとか、それから五ヵ年計画その他の長期計画に基づく資金配分にのっとってこれをできるだけ満度に還元融資の対象にするとか、いろいろなくふうはいたしておるわけでございます。そのほか、たとえば、いま御指摘の簡易水道の問題ですとか廃棄物ですとか、こういったものも還元融資の対象にするのはいかがかという問題でございますが、これらのものにつきましても、被保険者の福祉というものに直接間接に非常に還元する性格のものでございますので、そういったものも還元融資として融資先にすることは一向差しつかえないことでございますし、適当なことだと考えております。
○田中寿美子君 もちろん、関係ないとは言わないです。生活環境をよくするということは大事なことだけれども、それはほかでやったらいいので、わざわざ年金をかけているその拠出者に直接還元される方法をとって使うべきだということ、これももう審議会からも言われているし、それから国会の附帯決議もついている。ですから、何か厚生行政全体が——まあそれは確かに厚生福祉のためだというふうに言われるかもしれないけれども、それはそれで一般会計のほうから当然やるべきことであるわけですから、これはもうほんとうに私は急速に縮めていって、年金拠出者のほんとうに直接の福祉に充てるべきだと、こういうふうに考えておるわけです。 それで、最後に大蔵大臣ね、もう時間が来てしまったもんですから残念ですけれども、私、新聞報道で見て、いまそれのちゃんとした記事を持っていないんですけれども、将来の賦課方式を考えて大蔵省では保険料に上乗せをすることを考えているという報道を読んだことがあるんです。これはどういうことかということと、それから、国民年金保険で一定の所得のない者に免除がありますね、その免除期間の保険料ですね、これは国庫負担しているわけですね、それを、四十四年十二月の改正で免除期間の間国庫が負担していた分、二分の一だったのを十分の十にした、そしてそれを免除している期間ずっといままで積み立ててたんですね、それを給付時に負担するということに変えたですね、これは所得比例分も同じように給付時に国庫負担を出すと。これなんかは賦課方式への移行を政府も考えているんじゃないかなという感じがするんですけれどもね。さっきの保険料の上乗せということですね、何を意味していたのか。私は、ちょっとそのときの記事を持っていないので申しわけないんですけれども、大蔵省は、さっき修正積み立て方式とおっしゃった、それは一体どういうことを意味しているのかですね。それから、賦課方式に移行をすることもあり得るという考え方があるのかどうか、それをお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、ついうっかりして、その御指摘の新聞記事というのを見ませんでしたけれども、したがって、どういう記事が出ておりましたか承知しておりませんけれども、年金制度については何とかりっぱなものにしたいという意欲は大蔵省としても強く持っているわけでございまして、まあ先ほども、始まる前にここでも話をしておりましたけれども、この問題については、厚生省と大蔵省とが珍しく、と私は率直に言ったんですけれど、非常に意欲も意見もぴったりしておるように、私も大蔵省に参りましてから、そう感じました。そのくらいでございますから、何々方式ということがよく言われますけれども、やっぱり、こういう場合においては適切な方向というのは案外その中間にあるんではないだろうかと、そして、現にやっておることも言い方によっては、私は、積み立て方式一点ばりじゃなくて、修正積み立て方式と言ってもいいくらいではないかと思いますので、先ほどもそういうことばを常識的に申し上げたわけです。今後とも、ですから、よりよき年金制度が充実するようにということについては意欲的に考えてまいりたいと思っております。 それから、先般来非常に御熱心に、この年金の問題、それからそれに関連して財投の問題について御議論をいただいて、私は感謝しておるわけです。といいますのは、先ほど申しましたように、基本的にどう持っていこうかという考え方はもちろんありますけれども、やっぱり、現在がどうなっているかということをできるだけ国民的に理解をしていただかなければならない。そこで、これも野党のほうからごらんになると御不満だったんですけれども、これは政府側としてはもうほんとうに思い切ったやり方だと思ったのは、例の国会の議決の対象にするということでございます。で、少なくとも対象別に、議決の際にいろいろと、資金の配分先などというものもあらためて御検討願えるし、それから、これに関連して、まだ事務的に十分用意はしておりませんけれども、国会の御要請もありますし、私も非常にいいことだと思いますから、財投白書といったようなものを、予算の説明書と同じように、いや、もっとわかりやすいものを、ひとつ国民的に読んでいただきたい、これを計画いたしておるわけでございます。ただ、その資料などについてはいろいろ行き違いがあったようで、これは恐縮しているのでありますけれども、その中で、先ほど申しましたけれども、回収金のこの中身といいますか、状況というものは、いまの制度のもとにおきましては、何々年金の系統ではこうだということは、これは制度的に申し上げられない仕組みになっておるわけでござ心ますから、これを何か客観的な推計でもしてということはでき得るとは思いますけれども、大蔵省の事務当局としていろいろの仮定を置いた推計というものを公式の資料としてお出しするということは、これは私、大臣の立場からいっても、できないと思いますので、できないことはできないと、はっきり申し上げておきます。でき得る限りのことは、今後とも、資料についてはできるだけの御協力をいたしたいと思います。 それから、先般来の御質疑の中で、私もまだ申し上げ足りないことはたくさんあるような気がいたしますから、一、二を申し上げますと、その繰り越しの問題は、こういうふうに巨額に年度を越えて繰り越されている、あるいは不使用になるということは、これは事柄の性質上、いいこととは決して思っておりません。しかし、同時に、何べんも御説明いたしましたけれども、本来税金を歳入として一般会計の歳出をいたしますのと違いまして、非常に金融的な性格を持っておるものでございますから、やはり相当の弾力性と、それから期間的にも、予算のようにきちっとした使用はできにくい性質のものであるという点は御理解をいただきたいと思います。ただしかし、こんなに巨額に年度を越えるということは、これは大いに是正しなければならないと思います。それから、そもそもこの前御質問の中のおことばに出ましたけれども、かつては預金部伏魔殿ということばが使われたというような歴史も私どもも十分頭にございますから、そういうことが国民的に疑いを持たれては絶対にいけないという考え方を基本にして、いま申しましたような、国会の御審議も願うし、資料も公開をしてという考え方でおりますから、今後とも、こういうところはこうだということは十分ひとつ御叱正をお願いしたいと思っております。 また、時間がなくて、ほんとうにこちらも残念なのでございますけれども、別に機会がまたできましたら十分ひとつ政府側の立場というものも御説明をし、十分また御批判もいただきたいと思います。
○田中寿美子君 最後に。 まあ、これは大蔵委員会のほうで、おそらくもっと徹底的に議論すべき問題だろうと私思うのです。それで、きょうお願いした資料の要求をもう一ぺん申し上げて、いま大蔵大臣ができるだけ財投白書というようなもので、はっきりさせたいとおっしゃいましたので、その中に、ぜひはっきりさしていただきたいのは、今後回収に関してみんなが一番この辺がわからないで疑いを持っているところでございますから、回収に関する、特に年金資金の回収に関して、今後はこれを把握するようにしてほしい、そういうことと、それから、機関別の回収、未回収、そして残高ですね、延滞金の資料、それから第二番目には、さっき申しましたその推計はちょっと無理だと言われますので、昭和七十年とか八十五年とかいうたいへん長い時期にようやく賦課方式に移れるような計算を厚生省がしていらっしゃるが、そのころまでの累積する、さっき口頭でおっしゃいましたけれども、その積み立て金、それから給付総額、そういうものを出していただきたい。それから、さっき問題にいたしました計画と実行、計画の額と実行額と、それから不用額と繰り越し額、これを四十七年度以降の月別に出していただきたい。これ、いただいた資料ではそういうふうな出し方になっていないんです。それから、最後のその繰り越し不用額のとこですね、あそこが数字が違っているわけです、日銀の資料とは。たとえば私は、いま輸銀だとか、年金福祉事業団だとか、開発銀行だとかいうのを見ただけでも、その辺が数字が違っている。それから不用額がはっきり出されていなかったり、繰り越しが出されていなかったりしますので、そういうものを含めた資料がほしいということなんです。つまり、いまいただいたものが不十分だということです。わかるようにしてほしいということなんです。ほかの資料と違ったような数字を出してもらわないようにしてほしい。これは延滞金でも、昨日銀行局の金融課の方のお話で、多少数字の訂正もございました。ですから、そういうことがちゃんとしたものを出していただくようにしてほしい。そしてこういうことは、今後やっぱり予算委員会にはきちんと出していただきたい。それでないと、検討をするほうも非常に困るということなんです。 それで、大蔵省と厚生省が完全に一致しているというお話でございましたけれども、でも、いま国民の半分は野党支持なんで、野党は一緒になって賦課方式に向かっていくところの年金の法案をいま提出しているわけです。ですから、自分たちはこの方針でいくんだという考え方に固執していただくと、これはもう、ちょっと国民としては非常に不満を持つ。自民党支持の人の中にも、老人のグループなんか、年金に関して非常に反政府的になっているわけです。そういうことを考慮に入れて、やっぱりもう少し弾力のある考え方をとつていただきたい。 で、大蔵大臣が、金融というもののは非常に弾力性を要するとおっしゃった、それは私もわかります。ですけど、それならばそれで、私も時間がないから言いませんけれども、弾力的な運用の計画の中にもちょっとおかしいことがあるんです、予算総則の中に出ているものでもですね。たとえば北海道東北開発公庫、あれなんかも百分の五十の弾力性を持たしたら、あそこはそういう基金がもともとそこまでないんです。そういうふうなこともほんとうは議論する時間があればしたいと思う。つまり、私は、大蔵省というところは、だれもとてもさわることのできないえらい人ばっかりで、エリートで、一般国民はわからなくてもいいんだというような、そういう態度をとっていただきたくない。きょうは主計局長に来ていただきたいということをお願いしたのは、これはやっぱり理財局だけの問題ではないし、政策を決定する、政治的な判断、決定をするのは高いレベルできめられる。で、財投の資金の運用がきめられる。そのときに、その資金配分に参画なさるのは主計局だから、だからそれで来ていただきたいと思ったのですが、時間がございませんでしたので主計局長の意見を聞くということはできませんでしたけれども、今後の参考にしていただきたいし、今後、国会の審議の中で、ぜひ、財投がたいへんいままでみんなの目の届かないところに置かれていたような気がしますので、明らかにしていただいた上で私たちの論議の資料にさしていただきたい、こう思いますので、その点はぜひよろしく考慮していただきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わります。
○政府委員(橋口收君) いま資料についての御要求がございましたが、私のほうから提出いたしました資料と日本銀行の作成の資料と整合性がないと、こういう御指摘でございますが、日本銀行のほうは私のほうの資料をもとにして加工いたしているものでございますので、私のほうから提出いたしました資料を御信頼いただきたいと思いますけれども、今後とも、そういう資料について十分突合いたしまして、御理解いただくように注意をいたしたいと思います。 それからいま御要求がございました資料につきましては、さらによく検討いたしまして、できるだけ先生の御趣旨に沿うような資料を提出するようにいたしたいと思います。 それからもう一つ、繰り越しについていまいろいろ問題点の御指摘がございましたが、これは、大臣から申し上げましたように、財投対象機関の事業の性格なり、あるいは融資機関としての金融環境等による影響等もございますので、これはどうしても、ことに最近のような金融環境にありますと、事業の執行なり、あるいは融資機関の融資の出ぐあいが悪いということ、がございますので、まあ繰り越しのあることは事実でございますが、繰り越しが悪なりという、そういうらく印を押していただくことだけはひとつ御容赦をいただきまして、一般会計予算におきましてもいわゆる繰り越し明許費というようなものがございますし、全体の予算に対する大体三割ぐらいが繰り越しの対象になっておるわけでございますから、そういう事情も十分お考えいただきまして、繰り越しの事情なり、不用の事情なりが十分わかるような資料を提出いたしたいと思っております。
○神沢浄君 限られた時間がたいへんとうといですから、私は、答弁をなるだけ簡潔明快にやっていただくように、先に私の質問の主意を申し上げておきたいと思います。 去る四月の三日に、国と山梨県の間において、北富士演習場にかかる県有地の使用協定が締結、調印をされているのでありますが、その前提になっておりますところの去る三月三十日の内閣の閣議において決定をされた北富士演習場の使用に関する措置についての閣議了解事項及びこの了解事項に基づいて山梨県知事と内閣官房長官との間に締結をされました北富士演習場の使用に関する覚え書き、この内容に関して、国の財産管理及び会計上、はなはだ重大な疑問の問題が存在をするように思われますので、その点についてこれからお尋ねをしてまいりたいと思うわけであります。 そこで、この閣議了解事項なるものによれば、北富士演習場内の国有地二百十ヘクタールを演習場より除外をして、これを山梨県及び地元忍野村及び富士吉田市外二ヵ村恩賜県有財産保護組合に対して払い下げを行なう、こうなっているわけなんですが、相違がありませんか。これは官房副長官から伺いたい。
○政府委員(山下元利君) 閣議了解につきましては、いま御指摘のとおりに相違ございません。
○神沢浄君 閣議の決定したものでございますから、大蔵大臣ももちろん御存じだと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりでございます。これは閣議了解という形になっております。
○神沢浄君 そこで、これは県それから市村及び組合と、こうなっているんですが、そのうちどこへ払い下げることになっておるんですか。これは副長官から。
○政府委員(小幡琢也君) 閣議了解におきましては、演習場周辺地方公共団体となっておりますが、カッコしてございます富士吉田市、山中湖村、忍野村、その次の富士吉田市外二ヵ村恩賜県有財産保護組合とございまして、前々から御要望がこの富士吉田市外二ヵ村恩賜県有財産保護組合から出されておりますので、現段階におきましては、一応この保護組合を考えております。
○神沢浄君 そこで、これに関しまして、実はけさほどやっと資料の提出を受けたわけなんですが、昭和四十五年の七月の四日に、恩賜県有財産保護組合の組合長の渡辺孝二郎と、それから防衛施設庁の長官の山上信重との間に取りかわされた覚え書きというものがございますね。私どもはこれはもう密約書類だと、こう呼んでいるわけなんですが、そこで、議論の必要からそのうちの中心的なものを読み上げてみたいと思うのですが、この両者の間でもって締結をされましたところのこの覚え書きの第二項に、こうありますね。甲——これは恩賜県有財産の保護組合側です。「甲が上記1の林業経営の再建整備事業を実施するための用地として払下げを希望している国有地(字梨ヶ原——檜丸尾——土丸尾等軍用道路北側)については、乙は、」——これは防衛施設庁の側ですね、「本演習場の使用転換の際に約百五十ヘクタール以上の区域の返還の実現に努めるとともに、甲が関係機関に払下げを申請した場合は、乙はこれに協力する。」これと合わせて、今度はその覚え書きの第六項に、「甲は、東京地方裁判所に提訴中の自衛隊違法使用排除の訴訟の進行を停止するよう努めるものとする。また、甲は、上記2の国有地の甲に対する払下げの方針が決定した場合には、本訴訟を取下げ、自衛隊への使用転換賛成の意思表示を行なうものとする。」こうなっているんですが、これば防衛施設庁から出してくれた資料ですから、施設庁のほうが知っていることはあたりまえのことですけれども、副長官、御存じですか。
○政府委員(山下元利君) いまの御指摘の覚え書きが防衛施設庁長官と恩賜の組合の間に取りかわしたものであることは承知いたしております。
○神沢浄君 私は、国としましては正しい行政をしておるという、こういう信条がありましたら、なぜ裁判をおそれなければならぬか。これは問題だと思いますね。こんなこそくなことをわざわざする必要はないと思うんですよ。裁判は堂々と争った上で、司法の意思が示されたらば、その司法の意思を尊重するというのが、私は行政のこれはもう正しいあり方じゃないかと、こう考えます。大体憲法に三権の分立というものがはっきりきめられておるわけでしょう。三権分立のたてまえというものは、そういうことだと思うんです。やはり司法、行政、立法この三者の立場というものは、途中でもって司法の意思のあらわれてくるのを妨げなければならぬなどという、そんな行政があっていいわけでしょうか。私はそういう点で非常に疑問を感ずるんですけれども、私のその見解に対してどうお考えなのか。防衛施設庁のとった行為というのは適当だったとお考えになっておるのかどうか、副長官にお伺いいたします。
○政府委員(山下元利君) この覚え書きは、北富士演習場周辺の林業経営であるとか、あるいは国有地の返還、あるいはまた賃貸借契約、さらにまた、いま御指摘の訴訟の取り下げ等の問題を内容としているように承知いたしております。まあ司法権の問題については、いま御意見もあったところでございますけれども、両者の了解が得られまして、そしてそれが北富士演習場の正常化をはかるための措置として両者間に了解が得られたものであると、このように承知いたしておる次第でございます。
○神沢浄君 両者の了解が得られたとならばと、こう言われておるわけなんですが、要するに国有地の払い下げというものを代償にして、裁判の取り下げを取引をしたわけなんですね。私はその行為が適当かどうかということをお尋ねをしておるわけです。適当だとお考えですか。
○政府委員(山下元利君) その点について申しますと、国有地の払い下げは、やはりその地域の林業経営等諸般の問題に関連いたしまして、御要望があるために払い下げをしたことでありまして、それは大蔵省のほうで独自の立場において払い下げをされると、こういうふうに思うわけでございますが、しかし演習場周辺の正常化のために、防衛施設庁とその組合との間でいろいろ了解を取りつけられたということは、これは演習場周辺の正常化のためにとられた措置であると、このように考えておる次第でございます。
○神沢浄君 まことに不得要領ですね。私は、ですから、最初に簡明にお答えをいただきたいと、こう申し上げておるんですが、周辺の住民の要望があるから払い下げるというわけじゃないでしょう。覚え書き、少なくともこれは防衛施設庁の長官が署名、調印をしておる以上は、国の意思をあらわしておるところの公文書ですね。その文書の中において払い下げを約束する一方、裁判の取り下げを約束をさせる、しかも自衛隊への賛成な、自衛隊への使用転換への賛成を約束させろ。これは取引ですね、どう考えたって。国民の常識じゃこれは絶対取引ですよ。政府はどんなふうに詭弁を弄されるのか知りませんけれども。常識を無視する行政などというものがあっては私は困ると、こう思うわけなんです。ですから、私は簡単に聞いておるんです。その防衛施設庁の行為は適当だったかどうかということを、その御判断を聞いておるわけです。
○政府委員(山下元利君) 先ほど御指摘のございました官房長官と山梨県知事の覚え書き等もございますので、そうした覚え書きとか、このような了解ということにつきましてのいろいろ御意見はあるかと思うわけでございますけれども、この北富士演習場周辺の正常化のために、諸般の事情をくんでそういう了解が取りつけられたと、このように考えておるわけでございまして、その中身につきましては、別途それぞれ、大蔵省から成規の手続で払い下げされるとか、あるいはまた立法を行なうとかいうふうなことが行なわれるわけでございまして、そうした意味でわれわれは了解というものが当事者の間で正常化のためにとられた措置であると、また、それだけでは——それはあくまで当事者間の了解であって、またそのためにはいろいろと各般の手続がとられていくものと、このように考えておる次第でございます。
○神沢浄君 正常化という意味は私にはわからぬですけれども、そんなことはこの覚え書きにはちっとも書いてないですね、正常化なんということは。覚え書きにあるのは、一方がこういう条件、一方がこういう条件、それで取引が行なわれておると、こういうことなんです。ですから、くどいようですけれどももう一度聞きますが、この防衛施設庁のとった行為というのは適当だったかどうかということをどういうふうに御判断をされておるかという、その点を答えていただけばいいです。
○政府委員(山下元利君) この恩賜林組合のほうでかねがね林業経営のために要望せられておりますところの国有地の払い下げについて、政府側としても努力するということは、この覚え書きにはっきり書いてありますし、今般これに従いまして、政府としてもその措置を行なおうとするものでございまして、他面、提訴の問題につきましては、地元のほうの御了解によって取り下げが行なわれた場合には、それはその当事者の意思がやはり一番大事でございますので、それについて御了解が得られたものと考えておる次第でございまして、その点いろいろ御意見はございますけれども、全体を考えました場合に、了解を得られた措置としては、われわれとしてはそのものとして措置いたしておる次第でございます。
○神沢浄君 適否の判断すら明らかにできないなんという行政は信頼されませんよ。私は、国民の常識で判断できるようなものは、これはやっぱり行政の中であっても判断できなければうそだと思うのです。しかし、この問題でもって時をとっているわけにもまいりませんから、これはいずれまた国会の他の場所でもって、重大な問題だと思いますから、論議をいたしたいと思います。 そこで、次に参りますが、そういたしますと、払い下げの方法というのはどうなりますか。公入札あり、指名入札あり、随意契約あり、法の定めるところの方法というものがあるのでしょうが、どういう方法がとられますか。 副長官けっこうです。たいへんお忙しいようですから、またほかの機会に論議いたしましょう。
○政府委員(小幡琢也君) 払い下げの方法につきましては、ここにございます演習場周辺地方公共団体に対し、林業整備事業のために払い下げな行なうといいます場合におきましては、これは会計法第二十九条の三の第五項の規定に基づきます予算決算及び会計令第九十九条第二十一号を適用いたしまして、随意契約により売り払うこととするということになろうかと思います。
○神沢浄君 随契で予算決算及び会計令の第九十九条の第二十一と、こういうことになるわけですね。そうなりますと、この二十一というものは「公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要な物件な直接に公共団体又は事業者に売り払い又は貸し付けるとき。」とこうなっているのですが、これは、このうちの公共用、公用または公益事業、どれに入るのですか。
○政時委員(小幡琢也君) このうちの地方公共団体の公用でございます。
○神沢浄君 何で地方公共団体の公用になるんでしょうか。その説明をひとつ納得のいくようにお願いをしたいのですが。
○政府委員(小幡琢也君) 地方公共団体がその事業として林業整備事業を行なう、こういうのを公共用と解釈する見方もございますけれども、まあずばり地方公共団体の用ということで公用と考えるわけでございますが、それでは、こういった恩賜林組合がなぜ地方公共団体になるかという問題でございますが、これにつきましては、この恩賜林組合は明治以来の地方団体でございまして、現在の地方自治法では第二百八十四条に規定します一部事務組合になっておりますものですから、地方公共団体に該当すると考えております。
○神沢浄君 いま御説明のとおり、恩賜県有財産保護組合が地方公共団体、いわゆる自治法の定めるところの一部事務組合であることはこれは間違いがございません。私もそのとおりに認識をいたします。しかし、そうであるとすれば、私はたいへん重大な問題が生じてくるのではないかと思うのですがね。 自治省の方、来ていますね。——一部事務組合というものは大体どういう規定になっているんですか。
○説明員(砂子田隆君) 一部事務組合に対しましては、地方自治法の二百八十四条に規定がございまして、公共団体の事務の一部を取り扱うということのためにできる組合でございます。
○神沢浄君 その規定どおり、地方公共団体の事務の一部を取り扱う。したがって、共通した事務の一部の目的のために組合が成り立つ、こういうことでしょう。そうすると、その目的以外の行為、事業というものはこれは許されないはずだと思いますがね、その点はどうですか。
○説明員(砂子田隆君) 富士吉田市外二ケ村の恩賜県有財産保護組合の規約を拝見いたしますと、一つは、恩賜県有財産の保護その他造林に関する事項というのがございまして、そういう事務のほかに、この組合自身が約百九十五ヘクタールほどの組合財産を持っておるようでございます。そういうことで、この組合の規約の中にも、組合の財産に関する事務を共同処弁してもいいという規約になっておりまして、そういう意味から考えますと、林業のために、あるいは整備事業のためにそういう土地を取得するということは可能であるというふうに考えております。
○神沢浄君 それは私は少し解釈が違うんじゃないかと思いますね。この富士吉田市外二ヵ村恩賜県有財産保護組合というのは、この名称のとおりに恩賜県有財産の保護をするのが目的なんですよ。ですから、その恩賜県有財産の規約を見ても、それぞれ地名が列記されておりまして、その列記したものに関する「左ノ事務並ニ本組合ノ財産ニ関スル事務ヲ共同処弁ス」と、こう書いてあるでしょう。ごらんになったからわかるでしょうけれども。その「左ノ事務」というものの中にどこにありますか、財産を取得したり、それから目的以外の事業を経営をするという点が。
○説明員(砂子田隆君) いま先生御指摘のように「左ノ事務並ニ本組合の財産ニ関スル事務ヲ共同処弁ス」という規定がございます。いま、おそらくこの組合が、先ほど申し上げましたように一般の財産百九十五ヘクタールほど土地を持っておるようでございますが、その山林をおそらく持っておるというのは、「本組合ノ財産ニ関スル事務ヲ共同処弁ス」という事項にかかって、これを持っているんだろうと思います。そういう意味で、組合というのは、従来から、恩賜の保護のほかに組合自身の財産というものを管理をしておるというふうに理解をしているわけであります。
○神沢浄君 私の解釈は違いますね。これは、恩賜県有財産保護組合のなるほど財産に関する事務は行なうでしょう。しかし、新たに財産を取得して、そして目的以外の事業をやってもよろしいなんということは、この規約のどこにも見当たりませんよ。いまおっしゃるような解釈が成り立つとすれば、これはもう際限なく財産の取得ができるわけだ。そうすると、もう一部事務組合の規定を完全に逸脱をしていくことになりますね。違法行為ですよ。
○説明員(砂子田隆君) 先ほど申し上げましたように、ともかく現在、この組合が明治以来ずっと続いておるわけですが、その過程の中で、この保護に関する山林のほか百九十五ヘクタールの山林を持っておるということは、明らかにこの組合の中で「本組合ノ財産ニ関スル事務ヲ共同処弁」する中の一つの事項としてこれを持っておると理解せざるを得ないわけであります。そういう意味で、そういう事務は、当然この組合としては、従来そういう形で運用をしてきておる。それであれば、現在こういう土地を取得することは、この組合にとってはできるというふうに理解せざるを得ないというふうに申し上げているわけでございます。
○神沢浄君 あなたよりか私のほうが保護組合の沿革については知っておるつもりでありますがね、これは山梨県の御料林が山梨県へ交付をされたとき——これは大正の初めですよ、まあしたがって、この「恩賜県有財産」という名称があるわけですが、そこで、それ以前にこの御料林に対して入り会いの慣行を持っておったところの、いまは富士吉田市外二村ということになっておりますが、当時は数ヵ村存在したわけですね。その数ヵ村の入り会いの慣行を持っておったところのその住民の団体が、入り会い団体の組合をつくったんです。その後、山梨県で恩賜県有財産の管理条例というものをつくりましたから、その管理条例に基づいて保護組合というものが生まれてくるわけです。ですから、これは、恩賜県有財産を離れての関係というものはこの組合には何にもないわけです。恩賜県有財産の保護というのがこの組合の唯一でもって無二の目的、こういう団体なんですよ。しかも性格としましては、自治法のきめるところの一部事務組合ですよ。公共団体とはいいながら、これは目的外のことは許されないはずです。これは、大きな私はここには疑点があると思うのです。今度取得しようとする——いま御答弁によって払い下げの対象を保護組合と、こう政府側では考えておられるわけですけれども、そうしますと、今度、その払い下げをかりに受けて取得するところの財産というのは国の普通財産ですね、国の普通財産。それを、恩賜県有財産の保護を目的とするところの一部事務組合、自治法で定める一部事務組合であるこの富士吉田市外か二ヵ村恩賜県有財産保護組合なるものが、これが取得できるという法的根拠は、私はどこにもないと思う。課長の説明は、何かほかにも財産があるから、財産をふやしてもいい、これは恩賜県有財産保護組合の組合有地というものは、それは当初からあるわけなんで、この組合の財産なんです。それを管理するのは、それはその組合の当然の任務でしょう。しかし、新たに財産を取得したり、あるいは他の事業を経営するなどということは、これは、私は法制上許されるべきものじゃないと思うのですけれども、その点の見解はどうですか。
○説明員(砂子田隆君) 先ほどから申し上げておりますように、「組合ノ財産ニ関スル事務」というのがございまして、「財産ニ関スル事務」の内容といたしましては、やはり取得であるとか、管理であるとか、処分であるとか、そういうことはいろいろ含まれるわけでございます。そういう意味で、現実に約百九十五ヘクタールの土地を持っているとすれば、そういう形で組合が財産を取得をしたに違いないというふうに理解しておりますので、今度もできるというふうに理解せざるを得ないというふうに申し上げております。
○神沢浄君 そのあたりが違うんでして、組合有地というのは、組合結成のときに入り会い団体が持っておったものなんだ、これは。何も途中で取得したものでも何でもないわけだ。入り会い団体が、大体その保護組合を結成するときに持っておったものなんですよ。まあ、はっきりした見解が出し得ないということであれば、これはいずれ地方行政の委員会か何かでもって究明していかなければならぬと思いますが、いまのような課長の答弁でいいのですかね。私は、これは法律の根本に触れる問題になってくるのじゃなかと思いますがね、自治法の根本に触れる問題に。いまのような解釈でもってどんどんそれじゃ土地を買ってもこれは保護組合というものは、どうなんでしょう、これは県有財産の保護組合じゃなくなってしまって、一つの事業体になってしまう。全く普通の事業体になってしまう。それじゃ、今度は自治法で定める一部事務組合の規定からもうはずれてしまう。たいへん重大な意味を持っておると思うのですよ。よろしいですか、いまの課長の見解で。
○説明員(砂子田隆君) どうも、何回も申し上げておるように、恐縮ではございますが、おそらく恩賜県有財産の保護とか、あるいは生産、造林的ないろいろな事務がこの規約の中に規定してございますが、もしそれだけのみであるというならば、おそらく「並ニ」以下の事項というのは規定をしなかったのではなかろうかと思っておるわけです。 そこで、「並ニ本組合ノ財産ニ関スル事務ヲ共同処弁ス」と書いてある事項を考えてみますと、財産に関する事務というのはいろいろございまして、財産の価値をふやすこともありますし、そういう管理という部分もありますし、処分ということもございますし、取得ということも当然財産に関する事項の中に含まれるというふうに一般的には理解をされておることでもありますので、そのように申し上げておるわけでございます。
○神沢浄君 財産をふやすなどということは、植えてある木を大きくして、成長さして財産をふやすという、これはあるでしょう。しかし、どんどん土地を買ってもよろしいなどという、そんなことは、私は一部事務組合というものの法律上の性格からして、これはあり得ない。そんなことを許すということになったら、これはたいへんなことになってしまう、こう考えます。しかし、ここでまた時間をあまりかけてしまっては私の質問の予定がくずれますので、私ははっきり問題提起をしておきますが、これはあとから地方行政の委員会等でもって、ひとつきっちりと詰めることにいたしましょう。法律の根幹をゆするような私は重大な問題になってくるのじゃないかと思います。 そこで、かりに会計令九十九条の二十一項ですか、これに基づくのだと、こういう政府側の見解ですが、その場合に価格はどういうことになりますか、払い下げの価格の点は。
○国務大臣(愛知揆一君) この法令の根拠については、いま自治省側からも詳しく説明がございましたが、大蔵省の手続としては、これから払い下げの方向をきめとしても、国有財産審議会にかけまして、そこで払い下げの最終的な方針が決定されなければなりません。そこで決定されてから、今度は当事者に対して幾らの価格で払い下げるかということを大蔵省としては検討しなければなりません。したがって、いま、まだその先の段階がございますから、現在幾らということの予想までは持っておりません。
○神沢浄君 私は、この恩賜林の保護組合がかってにこのようなことを言っておるのか、それとももうすでに裏面においては組合と国との間でもって、折衝といいますか、話し合いがすでに行なわれておって、その上に立って言っておるのか、まあその間の説明もあとから受けたいと思いますが、これは四月の四日の、つい先ごろの朝日新聞のコピーをしたものですが、ここにもこう書いてありますよ。かなり大きな見出しで「自衛隊の違法使用排除訴訟を取下げへ」、こういう見出しになっていまして、そしてその中に「同組合の渡辺時雄総務課長は「それまでに、訴訟取下げの見返りとして払下げられる国有地の価格を大蔵省と折衝し、三・三平方メートル当り三百円以下に抑えたい」」と、こう言っております。これは、私がただまた聞きで申し上げておるんじゃなくて、天下の朝日新聞の報道記事なんですがね。この報道記事などから推察をすると、どうもかってに言っておるということではないのではないか。すでにもう予備的な折衝のごときものが行なわれておって、三・三平方メートル三百円近くところでもっていろいろな話がされておって、組合側としては三百円以下に押えたいと、こういうことを言っておるように、この記事からは当然判断ができるわけであります、常識的判断として。 そこで、御承知のとおり、山中湖から川口湖を結んでおる国道の百三十八号線のこれは沿道なんですね。いわゆる近傍類似の地点における、いわば売買の実例価額というようなものが根拠にされるとするならば、すでにあの付近は数万円ですよ。それだけの価値を持った国有財産というわけです。それが坪当たり三百万くらいでもってきまれは国会議員たらずとも、一国民の立場からしたって、これはまことに重要に考えざるを得ないわけでありまして、したがって私は価格の問題はどうなるかということをお尋ねをしているわけなんですが、これにつきましては、例の会計令の八十条なんかに規定がありますね、価格についての。これとの関係はどのようになりますか。
○政府委員(小幡琢也君) 価格は、あくまでも適正な時価ということになります。
○神沢浄君 いや、あくまでもそれは適正でなきゃ困るんですけれども、私がいまお尋ねしておるのは、具体的に尋ねているわけで、会計令八十条の2ですか、八十条のの規定に、価格についてはやっぱり売買実例によると、そういうことが書いてあって、その最後の締めくくりが、その上に立っての「適正」の価格と、こうあるわけです。そういう意味でいいですね、適正の価格というのは。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申し上げましたように、私は御質問があることを承知して確かめましたが、その価格の交渉などに当たっておることはございません。先ほど申しましたとおりに、これから国有財産審議会の議を経てでなければ、国有財産の処理としての合法的な処理はできないわけでございます。その上で、払い下げ相手がきまりましたところで、価格の話し合いが始まるわけでございます。そして、その価格の決定につきましては、ただいま御指摘の八十条の二項ですか、これに基づいて価格は決定しなければならない、こういうふうに考えております。
○神沢浄君 わかりました。八十条の二項、これは法律に定めるところですから、当然よっていただかねばならぬわけですが。 そこでお尋ねしておきますが、国有財産特別措置法というのがありますね。何かまけてやる法律ですよ。ケースによってはまけてやるという法律ですね。この国有財産特別措置法との関係というものは、これはないと考えてよろしいですね。
○政府委員(小幡琢也君) ございません。
○神沢浄君 はい、わかりました。 そういうふうに簡潔にお答えいただくと、私の質問も非常にやりよくなるわけですが……。 建設省の方、見えていますか。 私が承知するところによりますと、いま東富士有料道路の計画というのがありますね。御殿場インターから中央道の川口湖インターを結ぶ路線で、すでに三百三十億くらいの予算がきまって、計画がきまって、本年度分も、もう計上されておるように聞いております。本年から着工。こういう路線計画があるようですが、私の判断では、山中湖から川口湖に至るまでの間の路線は、やはりいま問題になっておりますこの二百十ヘクタール内を通過するよりほかには方法はないんではないかと、こう思いますが、いかがですか。
○説明員(高橋力君) ただいまの路線のルートにつきましては、御承知のように非常にむずかしい地形、地質のところでございますので、私ども技術的に検討中でございまして、まだ、どこを通るかということを最終的にきめておりません。 現在まで検討した範囲では、やはりおおむね標高千メートルないし千百メートル程度の付近になるのではないかと考えられます。
○神沢浄君 標高千メートルから千百メートルというと、演習場のどまん中ですがね。それで私が言っているのは、演習場のどまん中を通ることはできないだろうから、あの地域でもって路線をきめるとすれば、この二百十ヘクタール内よりほかには——もう北側へ行くと百三十八号、すぐもう南側というのがこれは演習場ですからね。大体——まあこれはほかの問題になりますが、あの道路は、つくれば、ちょうど演習場のあぜ道みたいな道路になるわけですよ。私はその二百十ヘクタール内を通過する以外には路線のとり方はなかろうと、こう見ておるんですけど……。 図面が小さいからわからぬかもしれませんがね、専門家に説明するのもおかしな話だが、これからこちらが演習場、これが百三十八号線。山中湖、川口湖。ここを通っていくのは——この黄色いみたいな色になっているのが問題の二百十ヘクタールの地域ですよ。ここを通る以外には通る場所がないんだ。それは演習場の中を通ればいいですよ、いま言うように千メートルから千百メータルあたりを通ることにすればけっこうなことです。しかし、それができないとすれば、これを通るよりほかには——私は、もうほかに場所が全然ないんだから、まさか、空中を飛び抜けて行くというわけにもこれはいかぬでしょうからね。どうなんですか。
○説明員(高橋力君) ただいまのルートにつきましては、現在、私ども技術的な調査を進めておる段階でございまして、いま、千ないし千百メートールと申しましたのは、非常に入り込んだ沢、または崩壊しやすい地形のところ等がたくさんございますので、その辺によりましては、ルートはまだ最終的なルートを決定しかねておる状況でございます。 なお、私どもの事務的なルートの案ができました段階では、当然関係方面と御協議申し上げて、最終的に決定するということになろうかと思います。
○神沢浄君 時間の関係で、先を急ぎましょう。 大臣、いまお聞き及びのように、建設省でもって東富士有料道路計画をことしから着工するというのだが、いまの御答弁では、何かまだ路線がきまっていないからと、こういうようなことを言われておるが、それはあとからそれじゃ必ず御確認にならなければならぬと思いますけれども、あの地点以外には通るところがないんです、場所が。演習場の中を通るならばそれはいいでしょうけれども、そうでなければあの帯状のところ以外にはこれはありません。ほかに路線があるとすれば、これはもう全く富士山の向こう側でも通すよりほかにはないような地理的な条件です。いまお聞きしますと、大体払い下げの問題と、肝心の道路計画なんかでも、国の行政の中でもって全然連絡がないわけですね。ばらばらになっておる。それから、先ほども触れましたように、問題を私はあとに残したですけれども、払い下げようとするところの相手の組合の性格だってこれは問題ですよ。突き詰めた論議をここでやっておれないからやむを得ぬですけれども、私は自治法上これはたいへんな問題だろうと思うんです。一部事務組合がかってに財産を取得できる、目的外の行為をするなんということを国が許して、それに国有財産を払い下げてやるなどということは、これはたいへんなことであって、私はあとから、きょうはだめですけれども、きっちりと詰めなければ、国の行政の上においてもたいへんな問題点だろうと思います。こういうように、しかもそういう原因がどっから始まっておるかというと、私ども側から言わしていただくならば、自衛隊への使用転換をしたいがための防衛施設庁とそれから恩賜林保護組合との間のいわゆる密約的取引が原因になっているわけなんです。それが原因になって二百十ヘクタールの国有地の払い下げをしなきゃならない。払い下げをする相手の法律上の性格もきわめてこれはあいまいで、場合によると政府自体が違法をしなきゃならぬことにもなる。しかも、重大な東富士有料道路計画ですね、国土計画の上においてかなり重要なその道路計画とも全然連絡もとれていなければ、どうするのかわかっていない。私はこんなことでは許されないと思います。結局国の財産管理の上の最高の責任はこれは大蔵大臣でございましょうから、私はひとつこの事態をもっと厳密に正確に調査をしていただく必要があるではないかと。その上でもって、あとに問題を残さないような適切な措置をしていただかなければならないのではないか、こういうことを強く考えますだけに、問題の提起をいたしたのでありますが、申し上げたことに対する大蔵大臣の所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この問題について、神沢さんは私以上にはるかに詳細に御存じなので、先ほどから傾聴しておったわけでございますが、御心配の点は私も十分ひとつあらためて勉強さしていただきたいと思います。国有財産の管理の責任者としての立場から、十分責任がとれるように処理をいたしたいと思います。ただ、私は私なりに、従来の経過並びに閣議了解の前後の事情も承知いたしておりますけれども、やはり北富士演習場の返還、それからこれに伴っての地元の方々のかねがねからの御要望ということ、それから法令の解釈等については、政府といたしましては、自治省の見解がもちろん政府としては正しい見解であると、こう思っておるわけでございまして、地元にはいろいろのまた——いよいよ返還ということになり、こういうふうな閣議了解や山梨県との間にいろいろな話し合いが進んでおりますので、それだけにまたいろいろと意見の違う方々もおありになるのではなかろうかと、なかなかこれ、事態は複雑のようでございますが、要するに私といたしましては、国有財産の管理者の立場で十分責任のとれるような処置をいたしたいと思います。
○神沢浄君 大臣、私はですね、政府は自衛隊への使用転換を方針とする、確かに私どもは反対です。しかしそのことをここで争おうということではありません。自衛隊への使用転換を目ざすがゆえに取引的密約が行なわれた。そういうものに基づいて、どうも法律上の性格もあいまいのような団体を相手にあえて払い下げを行なう、こういうような事態を、これはやっぱり法律国家である以上は、法制に違背するようなものを政府自体がやってはならないことだと思いますので、そういう見地からして私は問題の提起をしているわけであります。先ほど大臣に要請をいたしましたのも、非常に疑惑の点が多々あるから、そういう点をひとつ厳密に、厳正に調査をしていただいて、そうしてあとから問題などのないように、これはぜひしていただかなきゃ困る、こういうことを申し上げたのでありまして、ひとつそのように御認識をいただいておきたいと思うんです。 そこで、同じようなケースがほかにもありまして、政府と山梨県知事との間には、いまの閣議の了解事項というものの上に基づいて覚え書きが締結をされているわけでありますが、その覚え書きの第三に、「林野雑産物損失補償については、国(防衛施設庁)と北冨士演習場対策協議会との間において協議されたところにより、措置されるものとする。」、こうなっておりまして、官房長官と知事との間には調印、締結をされているわけなんですが、言うところの国、すなわち防衛施設庁と、それから北富士演習場対策協議会との間において協議されたところというのはどういうことですか。
○政府委員(平井啓一君) 北富士演習場対策協議会というのは、御承知のとおり、昭和四十四年の六月に発足いたしました。これは北富士演習場をめぐるいろんな問題を、地元のそれぞれの関係において一元化した形で、お互いに協議しながら国の所管機関と当たっていこうという趣旨で設立されたものでありまして、この中に、いわゆる入り会い組合と称せられている団体が当初から全部この協議会のメンバーに入っていられたわけであります。そうしていわゆる演対協と称しますこの協議会と、設立後鋭意、たとえば林野雑産物補償の問題等につきましても折衝を続けてまいる、その他の問題でもこの演対協とお互いに協議しながら問題の解決に励んできたわけであります。今回の北富士問題の抜本的な解決の機会に、ぜひ昭和四十二年以来未払いという状態で懸案になっております林野雑産物補償問題も何とか円満に解決したいということで、演対協の側と折衝を続けてまいりました。従来いろいろと各入り会い組合間にありましたところの、まあいわば対立と申しますか、意見の相違、そういったものも、今年の二月に演対協においてようやくまとめていただきまして、ひとつ懸案の林雑補償をこの機会に解決しようということになったわけであります。そういう趣旨を踏まえまして、この四月三日の覚え書きにおきましても、従来から協議されてきた成果を踏まえて、この協議の方向に従って措置していこうということで、官房長官と覚え書きをかわしていただく内容に盛り込んだわけでございます。
○神沢浄君 まあ沿革の御説明はけっこうです、私もよくわかっていますから。 それで、もう時間がありませんから、私端的に伺いますがね、この国と演対協との間の取りきめというのは、四十八年の二月十七日に、横浜防衛施設局から関係者に、「北富士演習場関係林野雑産物補償に係る過年度分処理要領」というのが出ておりますね。これを意味するものかどうか。どうですか。
○政府委員(平井啓一君) 私どものほうの横浜の局長との間のそういう取りきめも一つの処理の方向として協議の内容になっております。その他の問題等も合わせて協議した線を含んだ意味でございます。
○神沢浄君 なかなかその他まで及びませんから、これだけでいきましょう。これで見ますとね、「昭和四十一年度分の補償申告者で、所属入会組合長を通じ、演対協会長に委任した者に」——申請者がね——「限る」、こう書いてありますよ。それから「横浜防衛施設局長と演対協会長との間で補償契約を締結する」。そうすると、これは支払う先は入り会い団体じゃなくて演対協の会長ですね。それでしかも、まあ時間の関係でだめですが、これを見ますと、驚いたことに演対協の会長に白紙委任状を出せという方式ですよ。なるほどそれは国の立場とすれば、演対協を窓口としてやってきたから演対協の会長の手元へ書類をまとめていわゆる窓口的役割りとして提出をする、これならまあある程度意味がわかりますが、これだと白紙委任状を演対協の会長にみんな書かして、金は演対協の会長が受け取って、それから入り会い団体へ支払ってやるという、こういう方式というわけですね。私はこれはたいへんなことだと思うんです。というのは、昭和四十二年ですか、昭和四十二年に——当時の施設庁長官は山上重信さんですが、県知事を通じまして、そしてこの入り会い団体等権利者の協議会に対して質問に対する回答書が出ておりますね。それによりますとね、その肝心のところだけ読みますが、「入会地使用の場合における補償交渉の本来の当事者は、当該入会組合であると思うがどうか。」と、その前にあるのは、一応協議会というか懇談会というのを通じて話はしているけれども、まあしかし「入会地使用の場合における補償交渉の本来の当事者は、当該入会組合であると思うがどうか。」と、こういう質問に対しまして「貴見のとおりである。」と、こうなっているんですよ、政府の回答は。本来の当事者は入り会い組合そのものだと、こう言っているんですよ。入り会い組合に払わなければならぬもの、それを演対協の会長に白紙委任状を書いて、しかもこれは重大なところじゃないですか、補償申請者というのはこの入り会い組合長を通じて「演対協会長に委任した者に限る」というのだから、委任しないものには払わないということになるんじゃないですか。こんなゆがんだ行政をやっていいんですかね。しかもこれを見ますと、そうしますとここに組合名があげてありますね、その委任をさせる組合名が。この中に忍草入会組合というのは入っておりませんね。いま林野雑産物の補償額の中で七五%を占めておるのは忍草入会組合、あとの小さな組合がここに書いてあるのをみんなまとめて二五%、肝心の七五%の組合を除外をしてこんな措置をとってみて、これ何の意味がありますか。またどういう理由でこんな措置をとらなきゃならぬのですか。私は不明朗きわまることだと思いますし、これから判断できるのは、忍草入会組合がいわば使用転換に不賛成だから、したがってそういう政府の考え方に賛成しないから、そういう一部の組合を締め出してしまう、これを除外してしまう、こういう措置以外の何ものでもないですね。どうなんでしょう。
○政府委員(平井啓一君) まず、最後の点からお答えいたしますと、先ほど七五、二五という数字については別といたしまして、これは異論のあるところでございますが、忍草入会組合を締め出すというような考えはなくて、いずれにしましても、この林野雑産物補償に関しては一番大きなウエートを占めておりますところの忍草が、まるいテーブルで話し合う座にすわってもらうということが一番大事なことでございます。そういう点はわれわれもかねがね考えておるわけでございます。それが残念ながら今日までなかなかお話し合いがうまくいかないという点、われわれ苦慮しているわけでありますが、演対協の会長を窓口として、他の九つの入り会い組合がいまそれぞれ、上吉田等も分かれまして九つの入り会い組合がございますが、せっかくのこれらの組合が、従来からそれぞれお互いに多少の立場の対立があったわけであります。この機会に、まずこの九つの組合を演対協の努力によってまとめていただいた形で、その姿で発足しようと、さらに引き続き忍草に対してもそういう趣旨を理解していただいて円満に問題を解決したい、そういうことで取り組む意味でやったわけでございます。 また、先ほど昭和四十二年の私どものほうからの回答と今回の問題との差について触れられましたが、この林野雑産物補償と申しますのは、あくまで各農家の個人に対する補償でございます。それを従来から一応名前は入り会い組合というふうに冠せられておりますが、それぞれの部落でまとめていただく形で、その会長という立場にある方に林雑補償の補償金の受領の委任を各農家がされて、それを、その立場を当事者として私どもが今日までおつき合いをしていたと、そういう形を回答として述べたわけでございまして、演対協の会長が窓口になられる、委任を受けられるということも、そういう意味においては趣旨は同様であろうかと感ずるわけであります。
○神沢浄君 時間が来ておりますから、私もほんとうに端的に申し上げますがね、まあ政府側は、対象は個人だとこういう説をいままでもしばしば言ってきております。しかしこの回答書を文字どおり受け取れば、わざわざその質問をして、本来の当事者は入会組合かと、「貴見のとおり」と、こうなっているから、これはまさか政府だって、一度きめて表現したものをくつがえすわけにはいかぬだろうと思います。これは今後も残る問題点ですから、また内閣委員会等でもって詰めていきましょう。時間の関係できょうはしょうがないです。 それから、演対協会長の場合も同趣旨だと、こう言われますが、演対協会長の役割りというのは、これはいまの御答弁をそれこそ数百歩譲って私が受け取るとしましても、要するに忍草入会組合を含めて一つの話し合いの場をつくろうと、こう言われておる、その役割り者でしょう。ですから、申請書を預かって届けるぐらいの役割りはあるでしょう。しかし、演対協——大体演対協などというものは法律上何の権能も持たないものです。申し合わせの団体です。その演対協会長に、個人に白紙委任状を書かして、そうして、国は演対協会長に補償を支払うなどという、こんな行政のやり方というものはありますかね。私は、まことに不自然かつ不明朗ですよ。不適切ですよ。しかも、忍草入会組合はここにあげてあるところの組合名から除外をされておる、締め出しですね。しかも、これで見ると四月じゅうには支払う。忍草入会組合に対してはどうしますか。国の方針に賛成しないというところだけはもう除外をしてしまって、あとだけ支払っておくというんですか。林野雑産物の補償というものはそんなものじゃないでしょう。自衛隊の使用転換に賛成であろうと反対であろうとも、実損のある者に補償をするというのがたてまえでしょう。そうすると、その行政の扱いをうんとゆがめちゃって、政府の言うことを聞かぬ者には支払わない、言うことを聞く者にだけ支払う、こんなゆがんだやり方というものがあるでしょうかね。 時間がありませんから、一応それに対する所見をお伺いをしまして、それから、先の場合に通じますけれども、最後に私は大臣に、北富士問題というのはぜひひとつ見直していただきたい。これは、こればかりじゃありません。時間があればこの百三十億の問題にも私は触れたいですよ。百三十億を約束をして、五年間に金を出すというんでしょう。どういう出し方をするか。いまの基地周辺整備法の定めるその補助率や事業範囲じゃ、百三十億を消化するなんということは私は容易やさっとのこと——容易やさっとより何よりも、これはもう違法をやるよりほかにはそんな消化の条件はないと見ております。現に、いままで昨年だけでもって、聞きましたら二億五千万円というんですか、その程度の場合にも——ことしはそれが十五億にふえるんですよ、五倍にも。その程度の場合にも、例の富士吉田の整経工場などの場合、私もこの間調べて驚いたんですが、四年間にわたって約二億くらいの補助金が支出してあります。その助成理由というのを見ますと、国が助成をした理由というのを見ますと、帝国陸軍の演習場のときにあそこが演習場になったから、生業を失った者の千何名だかを救済するために何か工場を建てるというので、それに補助をしたというんでしょう。帝国陸軍というと昭和十二、三年のことですよ。昭和十二、三年ごろに離職をした者のために、いまここでもって二億円の国費を助成をして工場を建てて、どういうつながりになりますか。こじつけもはなはだしい。まさに拡大解釈といっても、これは牽強付会ですよ。そういうようなことが現に行なわれておるんですから、これからあとの百三十億なんというようなことになりますと、何をどうしでかすか私はわからないと思うわけであります。そういう問題をも含めて、この林雑補償の問題についての防衛施設庁の見解を聞かしていただくと同時に、あとの締めくくりとして、ぜひ大臣から北富士問題をひとつ見直してやるという、これはぜひ私はお願いをいたしたいと、こう思うんです。これは内容を見ていただけば、たいへんな問題を含んでおります。
○政府委員(平井啓一君) 林雑補償の問題につきましては、先ほど同様だと申し上げましたのは、いわゆる林雑補償を支払う手続の当事者として、入り会い組合の会長と演対協の会長、いずれも——入り会い組合にいたしましても演対協にしましても、任意団体であることには間違いありません。それぞれ立場を持っておられる形で、委任を受けられた場合には同様であると申し上げたわけでありますが、入り会い組合の側から受けとめられる意味は、御指摘のように違うと思います。 なお、林野雑産物の過年度分の補償につきましては、忍草も含めまして、円満に何とか問題を解決しながら、早く支払いたいというふうに努力したいと思います。 また、いろいろ御指摘のありました防衛施設周辺の整備事業の執行につきましては、従来から当庁としましても、法令の定むるところに従い、予算の執行の厳正、適正をはかっておりますが、今後とも十分にそれに留意していきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) まず、この林野雑産物の補償につきましては、私のほうの立場としては、先ほどお話もございましたが、実損のあるところへ補償しなければなりません。したがって、いま防衛施設庁でも非常に御苦労なすっているわけですが、何とか関係者との間の円満な話し合いというものがまずつくことをひたすらに待ち望んでいるわけでございます。十分それにつきましても善処いたしたいと思います。 それから、この百三十億円の問題でございますが、これは念のためですが、閣議了解に付記されておるとおり、何々等——山梨県の案は総額百三十億円であるが、政府はこれを尊重すると言っておりますけれども、四十八年度から、山梨県と協議の上、具体的計画を樹立し、予算の範囲内において実行に移すというわけで、これは大蔵省として留保しておるところでございます。毎年度の予算の編成に際して、大体五年間ぐらいをめどにいたしておりますが、そのときどきの全体の財政需要、それから実行の具体的プロジェクト、これを十分審査いたしましてやってまいりたいと、こういうわけでございますから御理解いただきたいと思います。 それから、全体としてのこの北富士問題というのは、本日、いろいろとこまかく御指摘をいただきまして非常に参考になりました。ありがとうございました。
○主査(川上為治君) 午後一時三十分から再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後一時三十五分開会
○主査(川上為治君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。 休憩前に引き続き、大蔵省所管を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○和田静夫君 冒頭、愛知大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、あなたが十ヵ国蔵相会議でアメリカに行かれた際に、ニクソン・アメリカ大統領から天皇の訪米について何かお話がありましたか。
○国務大臣(愛知揆一君) 全然ございません。
○和田静夫君 まあ、最近いろいろにぎわっておりますんですが、外務大臣の経験者であり、しかも田中内閣の最重要閣僚である愛知大蔵大臣ですから、そういうことをちょっと考えたんですが、この天皇のアメリカ訪問が実現した場合の効果といいますか、意味合いについて、どのように御判断になりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 天皇の御訪米については、私は関与をいたしておりませんし、また現在の立場から申しましても、所管ではございませんから、これはいろいろ伝えられておりますけれども、私としてまだ意見をまだ申し上げる段階ではないように思います。 なお、先ほどニクソン大統領との会談のときのことに御質疑がございましたが、そのとき、田中総理とはできるだけ随時お会いしたいということは熱心に意見を言っておりました。これは私を通じて招待というようなことではなくて、一般論とし、あるいは意見交換の中に出た話であって、最近では、お互い夏休みのころならば一番適当だなあと、八月に入って早々ぐらいならば両方で都合をつけ合うことはできないだろうかと、こういう話が先方からありましたから、これは田中総理にもさっそく伝えておきました。一般的に、日米の間で首脳者が交流するということは、私は非常に意義の深いことであると、こういうふうに考えます。
○和田静夫君 私、この天皇のアメリカ訪問の裏には二つの問題があるように思われます。一つは、日本の天皇を初めて自国に呼ぶことによって、ニクソン大統領がみずからの威信を高めるとか、そういうような形での意図。もう一つは、日米関係をこれ以上悪加させたくない。 後ほど通貨の問題などで質問いたしますが、そういう日本政府というか、あるいは外務省的な意図があるのではなかろうか。したがって、私は、この天皇の訪米というのは、もし実現するとすれば客観的にたいへん政治的な意味を持つものであって、違憲の疑いさえ出てくるのではなかろうかと実は考えます。 そこで、宮内庁長官にお尋ねをいたしたいのでありますが、宮内庁は、いままで天皇の訪米に慎重な態度といいますか、むしろ否定的な見解を表明されてきましたが、それはどういう理由でそうであったのか。 また、昨今の新聞によると、天皇訪米が濃厚になってきたように見受けられるのでありますが、そのことについて、現在どういう見解をお持ちになっていますのか。二点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁といたしましては、皇室に関する国家事務を所掌いたしておりますので、そういう点で、この問題についても慎重に研究はいたしております。日本の天皇陛下が、将来、適当な時期にアメリカを御訪問になるということは、これは先方の御招待があればいいことだと思っております。しかし、まあ適当な時期という判断につきましては、これは内外諸般の情勢を十二分に考慮した上に慎重に検討しなければならないということで、現在は慎重に検討する段階にあると思います。 それからなお、何か一部新聞で相当大きく、この問題がいかにも何か内定したかのように伝えられておりまするが、私たちが承知いたしております範囲では、何ら内定をしている問題でございません。で宮内庁といたしまして、その筋とも今後十分相談をしてまいる機会があるかと思いまするが、これは慎重に考えていけば、適当なことがそこにきまると思っております。
○和田静夫君 そうしますと、一部伝えられるように、十月御訪米というような形のことは、いま具体化をしていることではないんだ、こういうことですか。
○政府委員(瓜生順良君) そのことは何らきまっておりませんです。
○和田静夫君 太陽銀行と神戸銀行の合併に関連して若干お尋ねをいたします。 戦後における最初の都市銀行同士の合併は、昭和四十六年十月の第一と勧銀の合併でありました。このとき大蔵省は、合併による規模の利益によって経営効率の改善が可能であるという立場から全面的に賛意を表したのでありますが、今度の太陽と神戸銀行の合併については、どういう判断をお持ちですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 御承知のように、太陽銀行のいままで育ってきた経緯、特質、それから神戸銀行の同様な背景、それから現に占めている地位ということから申しまして、この両者の合併ということは私としては非常に歓迎すべきことである。これがスムーズに実現しましたことは私としては喜んでおります。なぜかと申しますと、一口に言えば、要するに日本の経済の体質からいっても中小企業というようなものが非常に重要である。それから地域的に申しましても、一方は関東地域、一方は神戸を中心とする関西の地域、そうして全体の規模がバランスがとれているということ。それから支店網その他からいいますと、これは両者それぞれにいままで持っておりますところの支店網というものがあって、これが競合をしない。まあいろいろの点から申しまして、合併の一つの形態としては非常によい姿の合併ができ上がったと、こういうふうに評価しております。
○和田静夫君 私は、第一と勧銀の合併と、今度の太陽と神戸銀行の合併の場合を比べてみて、多少ニュアンスが異なるようなところがあると思うのです。第一と勧銀の合併の場合には、合併による規模の拡大というよりも、むしろ市場支配力の強化が真のねらいであったように思われます。それは、第一銀行は古河、川崎系の企業集団を保持しておりましたし、また勧銀は旧特殊銀行時代からのすぐれた店舗配置を保持していた。両者が合併することによってこれらのメリットが統合されて大きな効果が期待されたからでしょう。すなわち、第一と勧銀は、旧財閥系都市銀行の共通の経営パターンである系列融資を中心とした卸売り銀行業務を踏襲することを目的として合併したと考えることができるのであります。第一、勧銀の合併によってとにかく資金量が第一位にランクされました。しかし、太陽と神戸銀行の合併によってその資金量は六位、中位の地位に上昇するにすぎません。 そもそも銀行合併の場合、銀行という産業の性格から、合併による規模の利益は、製造業の場合のように工場レベルでの規模の利益は期待しがたい。経営規模の拡大による市場支配力の強化のメリットが目的とされることが多いわけでしょう。今度の合併によって、太陽あるいは神戸銀行が上位銀行並みの市場支配力を持ち得るようになるとは思えません。そうしますと、融資構造の改善というようなものもそう期待できないのではないだろうか、そういうように私は実はしろうとなりに思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申しましたが、中小企業ということをちょっと申しましたが、むしろこれは中堅企業と言ったほうがより的確と思いますから、その点は言い直さしていただきたいと思いますが、同時に私は、これから、いま御指摘ありましたように、金融というものも大企業中心に、あるいは系列化的になるよりは、個人的あるいはそういったような方向に向いてもらうことが日本の実情に合うんじゃないかと思うのでありますけれども、したがって、太陽、神戸銀行というものが、そういう趣旨で、いままでの大銀行のパターンにならわずに、私どもが期待しているような方向で発展をしてもらうということが望ましいし、これは、逆に、われわれがそういう点を期待し、また必要に応じて指導もしてまいりたい。そういう姿になれば、この合併というものは、従来の第一、勧銀の場合とは違った意味で、あるいはもっと大きなメリットを日本の実情に合うように発揮されるものであろう、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田静夫君 私は、太陽と神戸銀行が合併に踏み切った理由は、次のように二つあるんじゃないかと思っているんですが、間違っていれば指摘してもらいたいと思います。 一つの理由というのは、都市銀行間の経営の格差というものが、系列融資を中心とした、いわゆる卸売り銀行業務という旧財閥系都銀の共通の経営パターンを維持することが困難なほどに拡大をしてしまった、それを何とか回復したいということではないだろうか。 もう一つは、今後見込まれる銀行のサービス強化、その競争の激化、サービス競争の激化において小規模な銀行は必然的に不利な立場に立たされるであろうからである。 こういう事情が二つの銀行をして合併に踏み切らせたのではなかろうか。はたして、合併によってこれらの困難を克服することができるのかどうかということは、たいへん私は疑問だと思う。といいますのは、都銀のいわゆる下位行の経常収支を圧迫しているのは、経営の規模が小さいことによるコスト増ではなくて、本来的であると言ってもよいようなそういう経営の格差、こういうものがあるのに都市銀行が様に卸売り銀行業務に携わってきたことに基因するからであろうと思う。 私は、太陽、神戸銀行が合併後において引き続き旧財閥系銀行の経営パターンを維持しようとすれば、合併のメリットはほとんどない。言いかえれば、今後においては、いま言われましたが、都市銀行は、卸売り銀行業務を主たる業務とするものと、小売り銀行業務を主たる業務とするものと分極化せざるを得ない。また、分極化が行なわれた場合には、こういうような水平合併を越えたそれぞれ有力都銀を中核とする都銀間の垂直合併が発生する可能性が出てきたと実は思うんですが、これは大臣どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 太陽、神戸の場合は、先ほど申しましたように、個人中心というか、大衆化といいますか、そういうところにメリットが私はあると思いますから、この点を評価したいということは、先ほど申し上げたとおりでございます。 それから、ただいまお話がございましたが、従来的な大銀行のパターンがより強くなるような、まあ観念的な問題ですけれども、銀行の合併というようなものはあまり好ましくないということは言えると思いますし、同時に、これは現在の大銀行の営業の心がまえとか、過当競争をあまり刺激的にやってもらいたくないとかいう、現在の大銀行のビヘービアにも関連する問題だと思いますけれども、われわれの心持ちとしては、そういう考え方でこれからも事に当たってまいりたいと、まあ抽象的でございますが、こういうふうな気持ちでございます。
○政府委員(吉田太郎一君) 若干補足させていただきますと、垂直合併のお話が出ましたが、垂直合併の場合には、いま和田先生の御指摘の都市銀行間の大小という意味での垂直もございましょうし、あるいは、都市銀行あるいは地方銀行等その他の金融機関という場合での垂直合併という意味もあろうかと思います。で、都市銀行間の場合は、規模の大小を通じてもこれを垂直合併と考えるかどうかといたしますと、先ほど先生もお触れになりましたように、必ずしも都市銀行の間で、いままだ分極化と言われておるほどの異質のものではない、むしろこれは水平合併として考えていくべきであり、国民経済的にそれがいかにあるべきかという見地から検討したいと思います。 問題は、都市銀行が中小金融機関との関係、あるいは地方銀行との関係にございます垂直合併という問題についてどう考えるかという御質問がございました。これにつきましては、すでに合併転換法という法律を制定いたしておりまして、その場合に、望ましい合併はいかにあるべきかということを明らかにしておるわけでございまして、その趣旨に照らして検討すべきではなかろうか。単に合併さえすればいいと、それが企業としての立場からの合併であるというようなことだけではなくて、国民経済的に見て望ましい、特に中小企業金融といいますか、これから労働節約的な形でコストを下げていく面からいって、非常に資金コストの低下に資するようなものであるのならば、これもやはり水平の合併の場合と同じように、できるだけ前向きで考えていくべきではなかろうか、かように考えます。
○和田静夫君 一点、具体的なことを聞きますが、銀行にとってかなり重要な意味を持っています、店舗についての大蔵省の毎年の方針を示す局長通達が、今回に限って十二月末にでなくて、年が明けて二月に出たのは何か意味がありますか。
○政府委員(吉田太郎一君) 事務的なことでございますので、私からお答させていただきたいと思います。 一つは、今後の店舗行政というのが、今日のように地価問題でございますとか、あるいはいろいろ商店街との関係という、広い国民的なあるいは社会な立場で考えていかなくてはいけない要素が非常に多くなってまいりました関係上、短期的に一年ごとに区切って店舗を認めていくということについてはむしろ非常に摩擦を生ずるおそれがある。むしろ、長期的な見通しで金融機関が計画的に出せるようにしていきたいという角度から、単年度ごとの店舗行政から比較的長期にわたる店舗行政に変えていきたいということから、私ども内々いろいろ研究を進めておりましたわけでございまして、それが多少時間を要したということが一つの原因かと思います。 それからもう一つは、本年末から予算編成の関係もございまして、あるいは田中内閣ということも、成立もございまして、私ども行政的になかなか店舗行政だけに時間を注げないいろいろの情勢、あるいは私どもが今度国会に法案を御提出いたしておりますその法案の準備というようなことの重なったのも原因でございます。
○和田静夫君 まあ、この通達が二月七日に出て、いま言われたその内容が一年に新店舗二ヵ店、二年分一ぺんにきめられるという内容でした。そのあと、三月に太陽銀行と神戸銀行の合併が発表されていますね。そういうところから、大蔵省は、この太陽と神戸の合併を推進したいあまり、合併すればこの銀行が非常に有利になるように配慮した、合併すればこの銀行にとって一ぺんに八店舗の新設が既定の事実になるわけですから、よって、大蔵省の店舗行政に不公平があったと見る向きが出ているわけですが、その辺のことは事実関係としてございませんか。
○政府委員(吉田太郎一君) 全く意外と申しますか、なるほどそういう考え方もできるのかなという感じが実はしておるわけでございますが、もともと大蔵省といたしましては、合併に対しては非常に前向きでございまして、合併については行政的にもできるだけの協力をしていくということから、従来からそういう姿勢を示しておったわけでございます。配置転換という一つの店舗行政の方法をとってまいりましたのも、合併などによりまして、店舗数が非常に多くなりあるいは重複しておる場合に、配置転換をしていこう、重複したところをほかに移すことによって整備さしていこうという考え方から出てきたのが非常に大きな原因の一つだろうと思います。そういうことからいたしますと、店舗行政の場合に、合併銀行に対してできるだけ協力していこうということは従来からとっておった方針でございます。今度は、たまたま二年分を一度に内示をするという方式をとりましたために、非常にそれが多い感じにとられるわけでございます。従来から、たとえば合併の話が起こりました場合に、その合併の認可の成立するまでにそれぞれの銀行が店舗の申請をしてまいりますわけでございますが、その場合には、それぞれの銀行の店舗として扱っておる、こういう扱いでございました。今回の場合は、二年分をやったという場合に、二年分の二つが多過ぎるのではないかという御趣旨かと思いますが、これは配置転換という方式を非常に制限的に行なったことの一つの代替物である、かようにお考え願いたいと存じます。
○和田静夫君 さらにお聞きしますが、各銀行の店舗新設申請というのは、三月十五日が期限でしょう。ところが、太陽銀行と神戸銀行に限って期限が守られていない、三月二十七日になって申請が出されているのはどうしたことですか。
○国務大臣(愛知揆一君) いまその具体的な日取りや手続のことは銀行局長からお答えいたしますが、太陽、神戸の合併話と、それから店舗行政について従来とやり方が異なっておった、また日にちがおくれたということは、私も、全然それは無関係でございまして、いま和田さんから御質問を伺っていて、ほう、そういう受け取られ方もしたかなと、実はここで瞬間的にそう思ったようなわけでございまして、全然関係ございません。店舗行政については局長からいまお話ししたとおりで、私もやはり御同様に非常に関心を深くしておりましたために、ことにことしは従来とやり方が異なりました。いろいろな関係でちょっといつもより時間がおくれた、それだけのことでございます。
○政府委員(吉田太郎一君) 確かに、店舗の最終受付は三月十五日ということでございます。いま調べましたところ、十五日までに口頭ではもう申請をしておるそうでございます。たまたま合併の問題が起こりまして、多少の事務的手続がおくれておったのでおくれて提出した。したがいまして、特にその取り扱いに不公平であるということはないと私は考えております。
○和田静夫君 そうしたら、口頭で申告のあったのは側か立証できますか。
○政府委員(吉田太郎一君) 立証と申しますか、銀行課長のところにそういう趣旨で、その後それを変更したという事実もないようでございますので、三月十五日に申し出たとおりのことを書面にして出したというようになっておるようでございます。
○和田静夫君 まあ、それじゃ次の問題に移りましょう。 通貨問題で大蔵大臣に二、三お聞きをいたしたいと思います。 私、現在進行中の通貨調整にとって、去る二月十三日のドルの一〇%の切り下げというのはかなり決定的な意味を持っていると実は思います。まず第一に、アメリカ政府は、この措置によってその後の通貨、通商交渉に対するアメリカの決意のかたさというものをきわめて端的に内外に表明したということであります。それからベトナム戦争の終結にこぎつけたニクソン政権が、今後はドルの信頼といいますか、の回復ですね、信認の回復とでもいいますか、あるいはインフレ抑利の問題に全力投球をしてくるであろうということは容易に予想できたことですけれども、ドルの一〇%の切り下げ、輸入課徴金の賦課あるいは輸入制限措置の必要性の強調といった今回の一連の措置によって、第二期ニクソン政権が、任期四年間にドルの本格的信認回復というところまで強引に政策を進めるつもりでいることはほぼ確実だと思うのです。そうすると、大幅な円切り上げがほぼ確実になっても通商問題でなお問題が残る。その第一段として、電算機関係の三年後の輸入自由化、ICの一部即時実施、二年後自由化、そしてソフトウエア産業の三年後五〇%自由化がきまったようでありますが、これでアメリカの納得が得られるものと判断をされていますか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは批評がましくなることは避けたいと思いますけれども、アメリカのドルの一〇%切り下げということは、非常に世界的に意表をついた出方であった。そして、もうこれで通貨問題というものは世界的に落ちつくであろうと考えたように見受けられるわけでございますけれども、ところが通商とか、ことにいまご指摘の課徴金問題というようなものを同時に打ち出した、あるいは同時に資本規制を、海外に対する資本流出の規制をゆるめるというようなことを同時に言ったということが、一つのまた通貨不安を起こしたゆえんではないかと、こういう批評がヨーロッパ筋にもだいぶございます。ということは、何かドルの信認回復ということについて、かえって誤解を招くようなやり方ではなかっただろうかと、こういう趣旨のヨーロッパ筋あたりの批判があったわけでございます。これにも相当うなずけるところがあるような気がいたします。したがって、その後の通貨会議その他では、アメリカ自身ももっと国際的な納得の受けられるようなやり方をあらためてやらなければならない、もっとアメリカとしても国際的な責任を感じて、それにふさわしいような態度をとらなければならないということが、パリ会議、ワシントン会議を通じて出てまいりましたことは、抽象的の面もありますけれども、両会の会議の共同コミュニケにもその変化が私はあらわれていると思います。同町に、そうした態度の変化があらわれましたことが、ここで通貨問題について一応の小康を維持し得てきた理由であろうかと、こう考えます。 そこで、日本とアメリカとの関係におきましては、従来的な発想からいえば円の切り上げをうんと迫ってくる、そして、それとからめて通商上の譲歩をうんと強圧的に迫ってくるというようなことは、私は薄いかと思います。つまり通貨のほうではややもう小康を得てきた。もちろん両国の関係においては通貨と通商は車の両輪のようなものであるということはもちろんでありますけれども、一応通貨の問題については小康を得ておる。そこで、通商の問題については、何とかひとつ従来からの日本の態度であった円対策というようなものの進行を期待しておる、同時に、基本的にはアメリカとしても、日本の全般的な意味で国民感情をさかなでするようなことは何とかして避けたい。そういう感覚の中で、ワクの中で通商問題について一つの両者の合意のできるような線を建設的に話し合いたいというのが現状であろうと思いますから、そういう認識のもとに、従来から考えておりました円対策をこちらとしては自主的に大いに進めてまいりたい、そして日本の国益としても、日米間でドルがこれ以上吹きだまるようなことがないように、つまり日米間の貿易の日本の黒字をできるだけ減らしていくようにしなければならないと、こういうふうに考えますし、そのことが同時に、アメリカの望んでいるような線にこれが近づいていくことであると、こういうふうに考えているわけでございます。
○和田静夫君 いや、さっきのその具体的にあげた電算機関係、ソフトウエア産業で一応政府側は結論出されましたね。これで、アメリカ側は納得をされると判断をされますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 実は電算機やICなどについて、最終的なまだ政府として態度はきまらないんです。これは残存輸入制限の自由化につきましては、政府としてもいろいろ苦心を重ねておりますけれども、まだ結論はまとまっておりません。同時に、大蔵省の主として仕事でございますが、資本自由化の問題にいたしましても、いま鋭意取りまとめに急いでおりますけれども、関係の向きともまだ合意が最終的にできませんで、今月の、もうすぐでございますけれども、初めからの目標は四月の中ごろにはひとつ基本的な線をつくりたいと考えまして、いま一生懸命努力を進めておるところでございます。そして、それが先方の納得を得るか、満足を得るかということは、これはにわかに予測できませんけれども、しかし、日本としてなかなかむずかしいところをやってくれたという評価は、その案の内容にもよりますけれども、そういう評価は私は当然起こるであろうと、こう考えております。
○和田静夫君 そうすると、補給金的なものを八百億ぐらい出して電算機の問題の自由化などというものは結論づけられたことではないと、一部報道されたあれでは……。
○国務大臣(愛知揆一君) 日本では報道が実に有能であり、あるいは、ときに先走るもんですから何でございますけれども、たとえば、いまおあげになりました何百億円というような問題も、これはまた別に大蔵省としても大問題でございまして、大蔵省はまだそこまで踏み切っておりませんし、同時に、その自由化する範囲もできるだけ広くしたほうが向こうは喜ぶでございましょうから、そういうふうにいたしたいんですが、これは通産省としてはまた通産省の立場で、なかなかそうはいかない、あるいは期限をつけるにしても、自由化という方向から見れば短いほうがよろしいわけですが、国内産業的に見れば長いほうがいい。そういうようなところをいまいろいろ情勢を判断しながら、それから大蔵省的な立場からいえば、必要なお金をなるべく少なくして何とかいい案に持っていきたいということで、これはまだごしごしやっている最中でございますので、最終的な案はできておりません。
○和田静夫君 もう一問であれですが、そうしますと、大蔵大臣としては、今後の日米間の自由化問題、情勢をいろいろ判断されると言ったんですか、見通しとしてはどういう判断をいまお持ちになっているんですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、国民的に御心配いただくことは、もうごもっともだと思うんですけれども、そんなに経済戦争になるかのような過度の心配は私持っておりません。ただ、いまおあげになりましたような問題、その他にもいろいろの物資の問題などございますから、これらについては、できるだけこちらも誠意を尽くすと同時に、できないことはできないということをはっきりするというような態度でまいりますれば、私は基本的に——私の判断が間違っておるかもしれませんが、アメリカの少なくとも現政権は、日本との間の関係を、感情的な摩擦が起こるというようなことはもう極力回避したいという態勢にあるようでございますから、そんなにすごいことには私はなるまいと思いながら、それだけにまた、やるべきことは誠意を尽くして、国内であまり無理を起こさないという前提のもとに、できるだけの自由化の線は進めていくべきであると、こう考えております。
○和田静夫君 私は、為替がフロートしたということ自体、むしろ好ましいことだと考えているんですが、しかし、そのフロートするまでに追い込まれたいわゆる過程というものはやはり問われなければならないと思う。片一方ではインフレが進行する、それから一方では重化学工業部門でかなりの遊休設備がある、デフレギャップが部門間で違う、そしてしかも消費財の関連部門ではインフレギャップがある、こういうような経済構造ですね。それを拡大再生産的に反映している日本の重化学工業化した輸出構造と、原材料中心の輸入構造というような基本的な構造ができ上がってしまっていることから、輸出の増加によって大量の外貨が流入してきても、それが国民生活の改善とか、あるいは福祉の充実に役立つような消費財の輸入増につながっていかないで、巨額のドルが蓄積されるようになってきている。そこに実は問題があると思うんです。したがって、私は、いわゆる自由化問題というのは、単なる自由化問題にとどまらない、わが国の産業構造の問題だと実は考えています。 この問題については、もう時間がありませんから、別の機会に十分な議論をさせていただきたいと思っているのですが、そこで今度のドル一〇%切り下げのもう一つの意味ですが、特に円の対ドル切り上げ率を不可避的に当初予想していた以上に大きくさせて、日本経済に対するインパクトをより強めたということであります。昨年秋以降、日本の経済界には円再切り上げ必至のムードというものが強まって、企業は円の単独一〇%程度の切り上げを想定して、自主レートを一ドル二百八十円程度としていましたけれども、変動相場制のもとで一ドル二百六十円台になっています。一月から三月が季節的に輸出の鈍化、輸入増大の時期にあたっていることを考慮に入れて考えてみますと、おそらく二百六十円を割って実勢レートが二百五十円台になるのではないだろうか、そうすると、ほぼ二〇%の円切り上げということになります。で、アメリカ政府も日本政府へ二〇%以上を要求していると聞きますが、私が述べたこの辺に落ちつくと考えてよろしいですか。
○国務大臣(愛知揆一君) アメリカが二〇%というようなことを申し入れてきているというような事実は全然ございませんし、また二月十日以前の状況とは世界的に状況が変わりまして、まあ一口に言えば、主要各国通貨はみんなフロートしている。しかし、この調整過程といいますか、その段階においては、暫定的な方法ではあるけれども、これをお互いに認め合って、そして助け合っていこうということが理解され合っておるわけで、それだけに、たとえばスワップ取りきめを拡大しようというようなことまでコミュニケの上には出たような経緯がございます。そこで、そういうことは、従来はフロート中は介入をすべきでないということが大原則であったわけですけれども、多少の介入はお互いに必要であろう。そうして平静に実勢レートというものを高下なく見守っていくということが必要だと、まあ抽象的に言えば、こういう考え方がいまのところ主要各国の間で理解され合っているところでございます。で、これはいつまでこういう状況が続くか、あまり長く続けるよりは、できるだけやはり適当な時期に、国際的にもっとしっかりした将来の通貨制度確立の合意ができることに大いに期待をかけて、各国とも努力しているわけでございますが、日本としてはそれまでの間、やはり幸いに市場再開後、平静な状態を維持されておりますから、これをこのままの状態で乱高下なしに続けていくことが、貿易関係の企業あるいはその他の方々にも御安心を願えるゆえんであると思いますので、現在の政府の態度といたしましては、東京市場において実勢が落ちついてつくり上げられ、それが相当の期間乱高下なしに続いていくということが望ましいところであるし、必要に応じて操作もある程度やらなければなるまいかと、こんなふうに考えておりますから、現在、将来たとえば固定相場に返るというような場合に、たとえばドルに対してどのくらいとか、SDRに対してどのくらいの率をきめたがいいかということは、まだきめるべき時期でもないし、もうしばらくこういう状態を続けていくことのほうがより適切である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○和田静夫君 大幅な円切り上げが私は必至の情勢であると思うのですが、それにもかかわらず、一昨年の場合に比して日本の経済界というのはわりあい平静です。で、そこにはいろいろの理由が考えられましょうけれども、二〇%程度の円再切り上げの日本経済に与えるプラス的あるいはマイナス的効果というのは、どういうふうに分析をされていらっしゃるわけですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは先ほど御言及になりましたけれども、ある程度日本の経済構造に及んで対策が適度に進行していくということになれば、相当なメリットもあるのではないかと思います。レートが上がるということは、基本的にはデフレ的な効果が期待できるわけですから、的には、現在私どもの非常な悩みであります物価問題に対しても、私はこれが活用できる素地になり得ると、こういうふうに考えます。それからデメリットのほうは、やはりこれは輸出が減退して、輸入が容易になるわけでございますから、たとえば輸出関連の企業の再建策にいたしましても、従来でございますと、いままでと同じように、同じ仕向け地に同じパターンの輸出が続けられるようにということで対策が考えられておりましたけれども、ある場合におきましては、これの内需向け転換でありますとか、あるいは仕向け地の転換でありますとか、そういう経済構造の変革ということを頭に置いての対策が講ぜられるならば、そのデリメットというのはかなり防げるのではないか、こういうふうに考える次第でございます。
○和田静夫君 今回のドル切り下げの持つもう一つの重要な意味というのは、アメリカが、黒字国それから赤字国の相互責任を具体的な形で認めることによって、今後の通貨改革、とりわけ、当面問題になっている国際収支不型衡の自動調整ルールの作成について重要な方向づけを与えたということでありましょう。もちろん、この自動調整をどう客観的な条件に従って行なうのか、その具体的内容について世界各国が合意することは決して容易なことではないでしょうが、より一歩前進する要素になったことは、私は事実ではないかと思います。 そこで、私自身、非常に愛知大蔵大臣のお考え方に興味を持ち、お聞きをしたいのは、現在、自由金市場価格が一オンス、八十から九十ドルにも達している現状から見て、今回のドル切り下げがより実態に接近したということは確実に言えるでしょう。しかし、それが金・ドル交換性再開へ向けての一歩前進であると、そこまで評価できるかどうかということでありますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 金の問題になりますと、率直に私の見通しを申し上げますと、ドルの交換性を回復して、そうしてやはり国際的な信認を回復してもらわないと、これは自他ともに困ると思うのであります。そういうところに出てくる問題は、交換性というと、直ちに金という問題が出てくるわけですけれども、交換性というものは金だけを対象とするものではございませんから、必ずしも金というものだけを意識しないで、SDRに対してでも、あるいは他国通貨に対してでも、交換性というものがはっきり確立されるということが第一だと思ます。したがって、金が通貨的に、これは国際的に言えることと思いますけれども、それぞれの通貨の価値基準として、金本位制あるいはIMF体制のドルに対して寄せられていた信認というような程度に、金というものが今後国際通貨制の上で重要視されることは、傾向としてはまず薄いのではないか、こういうふうに考えます。
○和田静夫君 私も金・ドル交換性再開ということについて、それほど楽観的な見方を持っておりません。それはアメリカの国際収支がそう簡単に回復するとは実は考えられないということもありますが、今日の国際通貨問題は、単にアメリカの国際収支が改善されれば収束するといったような単純な内容のものではないという気がするからであります。したがって、アメリカの国際収支の改善、それからドルの金交換性回復を基軸にしながら、今日の国際通貨問題が収束をしていくというふうには考えられません。これゆえに国際通貨制度の改革が実は不可欠だと思う。これまたたいへんな問題で、水田元大蔵大臣は、私に、SDR本位制を指向したいと答弁されたことがあるんです。いまお聞きして、ほぼわかりましたが、どうも愛知大蔵大臣のお考え方は、ドルの金交換性回復を当てにしているような発言が、ずっと衆参の予算委員会で目立つように読み取れましたので、以上のような質問を実はしたのでありますが、たいへんくどいようですが、私は、日本としても、この機会に積極的な国際通貨制度改革案を持って、そして国際会議に臨むべきだと思うのですが、そういう御決意はありませんか。
○国務大臣(愛知揆一君) これはお話し申し上げると長くなりますので、ごく簡単に申し上げたいと思いますけれども、日本の主張というものは積極的にかなり今回の会議などでも取り上げられておると思います。それはやっぱりドルについては、交換性の回復ということは、ほんとうにこれは日本としてもあるいは他国からいっても大事なことなんで、これを強調する。しかし同時に、いま前の水田蔵相のお話も出ましたけれども、当時から日本としては、SDRというものを他国に先んじて魅力あるものにしたいということは、常に主張してきたところでありまして、今回の場合にも、SDRというものを中心にして国際通貨制度の確立をはかりたいという趣旨は、ほぼ各国の合意を得ている。それから当面のところ、交換性もさることながら、ユーロダラー、数百億ドルになるこれが彷徨していることは、これまた世界的にたいへんな迷惑なんです。幸いに日本は為替管理というものが非常に厳重に施行されておって、これも従来はとかく国際的な話題になっておったわけですけれども、当面はこれが非常によかったと思うのでありますが、したがって、ユーロダラーの影響は、さして他国ほどは受けないにしましても、やはりこれを規制するということは、国際的にどうしても必要なことでございますから、この点も指摘をし、かっこの点も、これはやっぱりアメリカのこれからのビヘービアとやり方に大いに関係するわけですが、これも取り上げられております。こういった基本的な日本の主張というものが各国の合意の上に浮かび出てきたということは、私は多としているわけであります。 で、こういったような合意を基本にして、いま代理会議というものが非常に精力的にさらに具体的な案を煮詰めておるわけでございます。九月までには何とか結論を、合意をつくり上げたい。ちょうど今朝もIMFの常務理事になっております鈴木君もまた再び出かけていくわけですけれども、いろいろと意見交換もし、積極的なひとつ活動を、IMF側からも協力を依頼したわけであります。日本側からは稲村財務官が早々にまた出発いたしまして、代理会議において有力な発言権を保持したい、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 最後ですが、新潟県の上越市——旧高田市——南新町字十本杉一番の元国有地の関係で質問いたしますが、これは旧兵舎の住宅を改良住宅法に基づき五百二十戸の公営住宅を建設するために、四十三年三月三十一日付で、当時の高田市、いまの上越市に払い下げられたものであります。ところが、入居予定者に事情の変化が起こって、二百七十戸だけ建設されることに変更を余儀なくされました。そこで市長は、市議会にはからずに、四十七年の一月二十二日付で建設大臣あてに変更申請を出して、二月五日に承認を受けて、これを副申として関東財務局新潟財務部に申請をした。そして十一月末に承認されたということで、昨年十二月、市議会に売却予算を出してきたという経緯があります。それがまあ市議会で大きく問題になりまして、そのときの国有財産売買契約雷という、この十九条に基づいて、国に必ずしも一度返還する必要はない、基準に基づく差額を支払えばよいという結論に市議会はなりました。市長の行為が糾弾をされて辞意を表明するというようなことまであったのでありますが、これに対して関東財務局の新潟財務部は、市に対して、どうしても一度返還しなさい、そういうふうに強要をしているようです。しかも補助金適正化法をたてに罰則を加えるというような形でかなり強圧的にやっているわけですね。何を根拠にそういう強要を行なうのか、その根拠をまず示してもらいたいんです。
○国務大臣(愛知揆一君) 具体的な経過について小幡次長から説明さしていただきます。
○政府委員(小幡琢也君) さっそく私ども、本日、現地の新潟財務部に照会したわけでございますが、別に強要したということではございませんで、御指摘のように当初改良住宅五百二十戸を建設するということで国有地を払い下げたわけでございますが、二百七十戸にどうしても変更せざるを得ないという申し出がありまして、それで財務部のほうは市と相談いたしまして、合意の上で、市のほうから計画の縫小に伴う契約の一部変更願いを出してまいりまして、今年の三月三十日に一部変更ということで処理するということになったわけでございますが、それに伴いまして不必要な部分が当然に返還になるということでございます。ただ、先生御指摘のように、契約書の第十九条に、用途につきましてやむを得ない事由によりまして変更する場合には一定の納付金を納めて処理するという字句は確かにございます。これにつきましては、調査しました結果、実は不要になった部分につきましての事後の県営住宅なり市営住宅の建設計画がいまだに具体化しておらない。したがいまして、一定金額を納付するといたしましても、どういうことになるか、その辺が必ずしも明らかでないということ。それから予算措置の問題もございます。こういったいろんな事情がありましたものですから、市と財務部と相談の上、この第十九条の規定ではなしに、契約書の第十一条に計画の変更という条項がございますので、これに従いまして計画の変更を国は承認する、それに伴いましてこの契約書の一部変更ということでやろう、こういうことで円満に処理していると、かように聞いております。
○和田静夫君 いまの次長の答弁が正しいとすれば、市議会に対する市長の答弁というのは、たいへん曲がった答弁をされているということになるわけですがね、直感的に私は思うのですが。出されていないと言いますが、私の手元には県営住宅、市営住宅の建設計画、具体的に市議会にこれは発表になったものですね、市議会に提案されたものです。こういう形で出ています。出ていますから、まさかこれ一枚わざわざつくって送ってきたはずはないんで、市が市議会に提案したものです。よって、これに基づいて財務部とはおそらく具体的な話が進んでいるんだと思うんです。ただ過程的には、決して私は大蔵省の責任であるとばかりは言いません。というのは、市長の側にも契約書自体に対するところの理解の非常に不十分さがあった。したがって、市議会から十九条問題を指摘をされて、そこでわびを入れるなどという形になって改変をされて、そしてその考え方を変えて県営、市営住宅の建設へというような方向に進んでいったようでありますから、そういう過程があったようでありますから、若干のそごはあったんだと思うのです。しかし、現在は県営、市営住宅の建設ということで企画が行なわれている。そこで十九条に基づいて考えてみますと、十九条でいきたいという意向に市長もなったようでありますから、そういう観点に立って考えてみますと、関東財務局新潟財務部が言っているわけですね。一たん国に返還して、とにかく年次別に、いま次長のお話では、全然まだ計画がないからというような答弁をされましたが、そうじゃないんだと思うんです。年次別に県営なり市営住宅でいいじゃないか、そのかわり一ぺん返しなさい、そして年次別にそのつど時価の六割の価格で払い下げるという方針をどうも財務局が押しつけている。こういう形になっている。こうなってきますと、どう考えても私は上越市議会の意見のほうが正しい、新潟財務部の態度というのは理不尽に思えるわけですね。したがって、もし私が指摘をしていることがいわゆる正当であるとする、そういう条件の上に立って考えてみると、財務部の態度というものを改めさせられる、そういう用意はございませんか。
○政府委員(小幡琢也君) 確かに、本日照会したばかりでありまして、こまかいことはもうちょっと調査しなければならぬと思いますが、財務部のほうでは、実はある程度の公営住宅の計画があることは承知しておりますけれども、具体的に予算を伴う詰めた話がまだない。といいますことは、実はこれは改良住宅のための用地の譲渡というものは国有財産特別措置法第六条の二の規定に基づきます関係上非常に低額である、時価の一割以内と、こういう条件でございますので、これを公営住宅に切りかえるといたしまして、公営住宅のほうは特例があるといたしましてもやはり時価の五割とか、そういう問題がございますので、切りかえるのにつきまして具体的に金額を幾らというのは出せなかった、その当時。したがいまして、市とお話合いをしまして、それでは最初の契約の本旨に従いまして、適正必要な部分だけに限定し、余剰となる部分は一たん国に返還し、あらためて国から公営住宅の用地として払い下げる、そういうことで話がまとまったと聞いておりますが、ただ実態につきましては、おっしゃいますこともございますので、もうちょっと事情を調査したいと思っております。
○和田静夫君 ともあれ、いま申し上げたように、いろいろ自治体内部におけるところのそういう市長が専断的にとった態度と、市議会がいわゆる求めた態度の違いなどというものがあって混乱が起きたことは間違いありませんよ。で、しかし、まあそれが市議会としては言ってみれば一定の方針を出して、この契約書に基づく十九条でとにかく取り運ぶべきだ、こういう態度になって、市側もそういう態度に、結果的にはやむなくならざるを得ないわけですから、なった。その上に立って、まあもちろん改良住宅と公営住宅の違いがありますし、そして差額を払わないとは言ってないわけですから、それをめんどうくさく、また国有地に返してしまって、そして再手続をしながら年次別に処理をしていくというよりも、ここに全体として県営、市営の住宅計画がすでに出たわけですから、その現状との見合いにおいて解決されることが一番望ましい、こういうふうに思うんです。そういう形で善処されるように望みます。いかがですか、大臣よろしいですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 承知いたしました。善処いたします。
○三木忠雄君 それでは、私は限られた時間で、たばこの問題を中心にして伺いたいと思うのです。特に最初に大蔵大臣に伺いますけれども、四十八年度の専売納付金が三千四百二十八億三千八百万円と、こういうふうに見込んでいるわけでありますけれども、この納付金制度の考え方ですよ。あるいは、並びに四十六年から三年間に大蔵大臣と専売公社総裁との間にかわされた覚え書きについての内容について伺いたいと思います。
○政府委員(戸田嘉徳君) 私からお答え申し上げます。 四十六年五月に、いま先生御指摘のように、大蔵省と公社の間で、専売納付金の算定について覚え書きがかわされたわけであります。これはその趣旨といたしますところは、現在の専売納付金制度のもとにおきまして、財政収入の安定的な確保をはかるということが一つと、それからもう一つは、公社の経営責任を明確にいたすという、この二つが主たるねらいでございます。そこで、四十六年から当面三年間、公社が国庫に納付する専売納付金の計算にあたっては、次の金額の合計額に相当する金額を目安としなさい、こういうことでございます。それはどういう金額かといいますと、まず、(1)としまして、毎事業年度のたばこの国内販売総定価代金額の五六%に相当いたします金額から、その事業年度に納付いたしました地方たばこ消費税がございます、地方たばこ消費税の額を控除いたしました金額、これがまず第一でございます。これを第一種納付金と通常呼んでおります。それから(2)としまして、毎事業年度の決算上の利益から、ただいま申し上げました第一種納付金を控除いたしました金額の五〇%に相当する金額、こういうものをさらに合計するわけです。これを第二種納付金というふうに呼んでおります。ただし第二種納付金につきましては、四十六年度以降三年間につきましては、塩事業会計にたいへん赤字がございます。それらの損失を勘案しまして、三年間は第二種納付金の率を三七・五%にいたす、そういうような覚え書きをかわしたわけでございます。以上のような趣旨に基づきまして、これを目安にいたしまして、法律上は、先生御承知のように、専売公社法の四十三条の十三というものに規定がございますので、これを目安にしまして、この法律の規定に基づいて計算して納付する、かような趣旨に相なっております。
○三木忠雄君 この問題について、大蔵大臣ですね、四十八年度はこの覚え書きで実施をされているそうでありますけれども、四十九年以降も——まあ私たちが考えるのは、毎年毎年専売納付金の増加を見込んで、今後、たばこの販売政策について私はいろいろ質問で聞きたいと思っているわけですけれども、この覚え書きを更新して新たに納付金制度を拡大していくのかどうか、この問題についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この覚え書きは、いま説明いたしましたように、財政的な観点からいって、財政収入の安定的な確保ということが一つ、それからもう一つは、公社の経営責任を明らかにしてもらいたい、この二点がこの覚え書きの眼目でございますから、今後におきましても、この二点の眼目ということはずっと維持してまいりたいと、こう考えております。しかし、これからいろいろさらに来年度、四十九年度においてどう考えるかということにつきましては、いろいろの御意見等がございましょうし、その運営、具体策というふうなことについて、もし必要があるならば、内容的に修正したり改善したりということはもちろん考えております。
○三木忠雄君 そうしますと、これは法制化、法律的に考えるというんではなしに、覚え書き程度で、目安としてこの納付金制度を確立しておくといいますか、維持していくと、こういう考え方のもとに今後も続けていかれるという方針ですか。
○政府委員(戸田嘉徳君) これにつきましては、実はただいま申し上げましたような趣旨から、法律を改正したらというような意見もあったわけでございますが、しかし、まだこれにつきましては、いろいろと、消費税制度にしたらというような意見も実は巷間あったわけであります。いろいろその辺も考えたわけでございますけれども、なおそれにつきましては、いろいろ関係者のほうにも非常に批判があるというようなこともございますし、当面はこういう形で推移いたしまして、なお諸般の事情をいろいろ検討しながら、さような点をもさらに検討を続けていきたい、かような態度でおるわけでございます。
○三木忠雄君 私は何も法律をつくることを奨励するわけじゃないのです。 総裁に伺いますがね。この納付金制度が、まあ覚え書きをかわして、ある程度縛られておると思うのですね、専売公社が。まあ確かにこの二点の公社の経営の問題等の管理の関係からも、いろいろ納付金制度が確立された点はわかったし、了解しておりますけれども、毎年毎年この予算で、ことしは百九十億、おそらく来年度になったらまた増加を見込むということだろうと思うのです。そうなってきますと、私が心配するのは、たばこの乱売ですね、あるいは値上げあるいは新製品、こういうものがいろいろな角度から考えられ、販売ルートのいろいろな密売ルートが出てくるような傾向が私はそろそろ出かけているんじゃないかという、こういう問題があるのです。この点については総裁どう考えますか。
○説明員(北島武雄君) この納付金率制度を大蔵省と協定いたしましたときに、前に消費税制度という問題がございまして、結局その考え方は、従来の専売納付金というものは非常にいわゆるどんぶり勘定になっている。公社がルーズな経営をすれば、そのしわは国に寄るというようなことで、えてしてまあ親方日の丸式な経営になりやすい。こういうことではいかぬので、やはり財政収入の安定的確保ということも一つでございますが、公社側といたしましては、やっぱり経営責任を明確化いたしまして、お国からお預りしております専売事業の健全にしてかつ能率的な実施という使命を果たさなければなりませんので、そういう面からいたしまして、やはりこういう制度が公社といたしましても、ある程度縛られることは縛られるわけでございますけれども、目標を掲げまして、これによって内部の合理化なども極力いたす。そうして、いやしくも親方日の丸で、最後は国におんぶするというようなことのないようにいたしたい、こういった公社側の考え方でございますので、これによって直ちに私どもがこれからもうけさえすればいいんだというような気持ちになるということではないと思うのです。
○三木忠雄君 そうしますと、たとえばことし百八十四億の増収になってくる。これ、あとで輸入たばこの問題も伺いますけれども、まあ葉たばこはアメリカでは約一〇%値上げされたと、こういうふうに私はいろいろな資料から説明を聞いているわけです。そうしますと、この百八十四億のたとえばこれは、こまかく計算してみなければわかりませんけれども、百八十四億なら百八十四億の増収見込みというものはどういうふうにして確保するのか、この点について総裁どう考えていますか。
○説明員(北島武雄君) これは、たばこの売り上げ、売れ行きは、一応、いろいろむずかしい関係がございまして、私どももいかがなものかと心配いたしておったのでございますが、やっぱり一般的には所得水準が相当上がっておること、それから消費者も高級銘柄に移るというようなことで、昭和四十七年度、まだ決算締めておりませんが、私どもが当初考えておりましたよりも好調な伸び率を示してております。現在の状況から申しますと、昭和四十八年度予算で見込んだ程度の数量は大体確保できるのではないか、こういうふうに考えております。
○三木忠雄君 たとえば具体的に、本年度増収見込みはどういうふうな計画で——自然増収を待つわけですか。売り上げの伸びを自然に待つわけですか。
○説明員(北島武雄君) これは新製品、まあ商品開発を内部で一生懸命研究いたしておりまして、やはり新しい消費者の動向に即したたばこを出していく必要があるということで、そういった銘柄なども頭に入れまして、それから従来のたばこの売れ行きなどの動向も考えて、そうして算出したものでございます。
○三木忠雄君 そうしますと、ことしの四十八年度における商品開発は何で、どういうふうに計上をされているわけですか。
○説明員(北島武雄君) 営業本部長から説明させます。
○説明員(三角拓平君) お答えをいたします。 その前に、売り上げの状況から簡単に申し上げてみたいと思いますが、まず現在の平均単価、四十八年度を申し上げますと、大体四十二円でございます。で、この値段はハイライトより上回っているというふうなことになっております。地域によりましては、大都会などは四十六円をこしておるような状況でございます。このことは、やはり私どもが、たいへん嗜好のことを考えていろいろ開発をしているわけでございますけれども、高級化の方向に嗜好がいっているということでございます。御承知のように、本年初めに「おおぞら」というものを発売したわけでございますが、この「おおぞら」は、何と申しますか、一般ハイライトと同じ値段で、しかも現在の嗜好に合うということで、ソフトな味のものを勉強品として出したようなわけでございます。
○三木忠雄君 なるべく簡単に、要点よくやってください。
○説明員(三角拓平君) それで、これによりまして、最近の嗜好に合致したところの味の軽いもの、そういうものの商品体系が確立をしたわけでございます。 で、今後の販売の方向としてはそういうことで努力をしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、値段についてはもうすでに十本当たり四十二円をこえておるという状況でございますので、一方、高級品の銘柄といいますのは、現在わずか三銘柄にとどまっているわけでございます。したがって、高級化あるいは多様化の嗜好に対応いたしまして、その面にこれから相当力を入れないといけないのではないかというふうに考えるわけで、今回の予算では、大体百五十円銘柄が五銘柄、それから百二十円銘柄が四銘柄、それから百円銘柄が一銘柄ということで計画をしておるわけでございます。そのうちの三銘柄は昨年からの繰り越しの銘柄でございます。 以上でございます。
○三木忠雄君 この問題が——きょうはこまかなところまで入れませんかもわかりませんけれども、具体的にこの百八十四億の増収のために、毎年毎年同じことですけれども、新製品を絶えず開発しなければならないということなんですね。この新製品は高級化の方向に向かっていると、こういう意見は、確かに専売公社のほうの意見としては出ると思んです。国民は、決して私はこのほうを望んでいるんじゃないと思うんです。たとえばホープとかセブンスター、こういう国民が非常に吸いたいという——ショートホープですね、具体的な品物あげますけれども。こういうものは、品物をあんまり製造しないんですね。製造能力がないとか、いろんなことの意見は聞くんですけれども、具体的に、そういう国民がほしがっているものは長期間にわたって製造しないわけです。あるいは小売り店のほうにも品物を流さないわけなんですね。そうして、こういう高級品の新製品を売っているということです。これは現実に残ってきているわけです、品物が。あとで、「らん」の問題、これは私、具体的に聞きますけれども、こういうものが、新製品の開発に伴って国民がほしくない方向に、専売公社は収益を上げるためにこの流れが流れているということを、この問題を考えてもらいたいと思うんですけれども、総裁、どう思いますか。
○説明員(北島武雄君) ただいま例としておあげなさいましたセブンスター、それからショートホープの問題でございますが、これは実は私ども決して制限したりなんかするというつもりは毛頭ないわけです。ただ、ショートホープにつきましては、昨年、多少見込み違いがございました。と申しますのは、セブンスターのほうに、関西方面でございましたが、いわゆる水銀説が流れました。セブンスターの中には水銀が入っているぞというようなデマが飛びまして、そのためにセブンスターが一時だいぶ伸びがとまった。それがショートホープのほうへぐっと需要が参りました。ショートホープは、御存じのとおり、十本入りのああいう特殊な装置が必要なんでございます、機械が必要なんでございます。それが実は急にそういった状況になったものでございますから、ショートホープについて一時品切れというような状況を惹起いたしまして、たいへん申しわけなく思っております。この点は、直ちにその措置を講じまして、ことしの一月の下旬あたりからは、そういうことは私、起こっていないものと信じております。ことさら、国民が愛好されるセブンスターあるいはホープ、こういったものを売り惜しみをして、そうして高いものに向かわせると、こういうようなことは考えておりません。
○三木忠雄君 これは資料でけっこうですから、あと具体的に、品目別の生産数量と売り上げ実績の表を私に出していただきたいと思うんです。これはお願いしておきます。 そこで、もう一つ、増収の問題とからみまして、たとえば、このショートホープは五十円であったんですね。これはロングホープになって百円になっているわけです。これはなぜロングホープになったか。いろいろ考えれば、ショートホープでいいはずなんです、国民が愛しているわけですから、売れるんですから。私、売り上げを奨励するわけじゃありませんけれども、それでいいはずだと思うんですね。製造が間に合わなければ、拡大するなら拡大するという意見も考えられないわけはないと思うんです。ところが、ロングピースがちょうどかわって、内容は質が落ちている。その質が落ちたのは何かというと、百円のロングピースにしているわけだ。その百円のロングピースは何かといえば、自動販売機で売れる。——ロングピースというんですか、私はたばこを吸わないものですからね。だから、ロングホープを百円の自動販売機で売れるような仕組みにしたわけです。ショートホープを販売しない。いわんや、この自動販売機——これは私、資料もらっていますから読み上げますけれども、自動販売機の台数が毎年毎年倍、倍にふえている。二十二万軒の小売り店と私聞いているわけです。そのうちに、すでにもう六万二千台の自動販売機は完全に配置されてしまっているわけです。確かに自動で手数を省くという、いろんな問題点はあるかもしれませんけれども、これはやはりたばこはほとんど、八十円とかあるいは五十円だったたばこはほとんど百円のたばこに切りかえられているわけです。その実績の伸びがほとんど百円たばこに集中されてきているというわけです。これが、くしくも国民があまり好まない方向のたばこのほうに自動販売機の装置が置かれているということですね。こういう点は、もう少し考え直さなければならない問題ではないかと思うんですけれども、どうお考えですか。
○説明員(北島武雄君) 先ほどもちょっと御説明申しましたが、やはり一般的に所得水準が上がり、消費の高度化という傾向にございます。たばこについてもそういった傾向がございますし、嗜好がまた変遷してまいります。そういった方面に私どもが十分対応できなくちゃまた困るわけでございます。まあ対応して、需要者に対しておこたえするというのが私どものつとめとも思っております。そういった考えで、私どもは最近そういったような銘柄を出しておるわけでございます。ことに、最近の喫煙と健康問題から起こっております喫煙者の間の軽いたばこへの嗜好、これは日本だけの問題ではございませんが、国際的にそういうことになっておりますが、そういったたばこを出す。軽いたばこと申しましても、それにはやっぱり味をつけなきゃならぬと、こういったことで、コストはわりあいにかかるというようなことで高い値段になっておると、こういうことでございまして、ことさら、そういった方面を出して安いたばこを押えるというふうなことではございません。
○三木忠雄君 自動販売機の問題は、これは私別の機会に、いろんなルートで、いろんな複雑な問題がありますので、これは別な委員会で私やりたいと思っておりますけれども、私はきょうは販売の、専売公社の姿勢の問題についてちょっと伺いたいと思っておりますので、時間の関係もありますので、深くは入れませんけれども、非常に自動販売機の伸びと百円たばこの裏に隠されたいろんな私はなぞがあるような感じがするんです。どうしても納得できない。この問題についてはあらためて私は委員会でやりたいと思っています。 それからもう一つ、具体的に私、品物がありましたので持ってまいりました。これは「らん」というたばこ、御存じのとおりですね。日本専売公社とマルマンが共通で販売しているのですよ、これは。意味がわからぬ、これは説明してもらわないと、なかなか……。これにライターがついて、これで三千円で売っているんですよ。専売公社総裁知っていますか、これは。こういうふうにして日本専売公社と一企業であるマルマンとが、技術提携をしたのかなんか知らぬけれども、まさかおそらく専売公社とマルマンが技術提携するわけはないと思うんですね。こういうたばこを、「らん」が売れないからということで、これはしかも、小売り店に強制的に、年末には三個買えという、こういう専売公社からの指示です。これでいいと思いますか、どうですか。
○説明員(三角拓平君) お答えいたします。 ただいまの先生のお話しの件でございますけれども、この企画は、まあ地方の埼玉県に、私のほうの販売店が組織している埼玉県のたばこ商業協同組合連合会というのがございますけれども、その連合会で企画して実施したものでございます。まあ先生のお話にあるような強制的ということは別といたしましても、年末年始の贈答用として企画されたものでございます。したがって、何と申しますか、一年じゅうそういうものを出すということではないのでございます。
○三木忠雄君 これ、はっきり言ってもらいたいですけれどもね。一年じゅう出さないけれども、これ、小売り店には売っているんですよ。専売公社と——税収の源になっておるこの「らん」の中から——税金はこれは確かにあとで企業の税金に入ってくるかもしれませんけれども、これと共同で日本専売公社がこういうマークをつけて——総裁、いいですか。どこに法律的な根拠があるのですか。
○説明員(三角拓平君) 日本専売公社という表示をした事由について御説明をしたいと思いますけれども、御承知のようにその「らん」の字と意匠がたいへん私のほうの商標に似ているわけでございます。そういうことから、日本専売公社という名前を入れて、その使用、そういうことでやることについての同意をしたというしるしでございます。
○三木忠雄君 同意をしたというけれども、売っていいのかどうかということなんですよ。こういう問題を次から次に、こういう企業と組んで、専売公社がたばこ販売のためか、あるいは一企業がこのガスライターを売るためのものなのか、この点について専売公社、どういう態度をとっていくかということなんですよ。
○説明員(三角拓平君) この企画ができましたそもそものもとは、デパート等で贈答用にセットでたばこ盆を使ってやっておるわけでございます。一企業とタイアップをしたということでございますけれども、ちょうどたまたまマルマンが花シリーズということでライターを販売をするということで、その企画と私どもの「らん」というのがたまたま一致したわけでございます。そういうことにヒントを得て、埼玉県のたばこ商業協同組合連合会が企画したということでございます。ですから、何と申しますか、一企業と提携ということもございますけれども、今後の問題等については十分検討したいと思いますけれども、ものがライターということで、たばことたいへん密接なものでございますし、しかも、一般の嗜好品についてもそういうセット販売が行なわれているという実態にございますし、そのアイデア等については、必ずしも不適当ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 これはもう理事じゃ話にならぬ。こんなもの、必ずしも悪くないような考え方を持っている以上は、これは問題ですよ。その考え方が。たまたま「らん」とこのライターの蘭の模様が合ったからというような感じの、そういうふうな答弁をして、そうしてこういうことをどんどんどんどん許可していくというやり方ですね。これはもう納得できませんよ。いわんや、このマルマンのいろんな深い事情を調べてみれば、いろんな理由はあると思うんです。私はこれは別な機会にはっきり証拠を出して、時間をかけてこの問題は追及したいと思いますけれども、こういう姿勢が、たばこを売らんかなの専売公社の姿勢なんです。これは「らん」が売れないんです。私はこれだけの問題をきょうは言いたくないんです。なぜかというと、小売店をいじめているということで私はこの問題を取り上げたいんです、きょうは。この問題の中身どうこうよりも、これを専売公社の職員あるいは販売ルートを通して、小売り店に、これを売らなければ、ショートホープとか、セブンスターのいい、売れるたばこを配付しないような仕組みをつくられてしまっているということを私は追及したいんです、これは。どうですか。
○説明員(三角拓平君) お答えをいたします。 あるいはそういう行き過ぎがあったことがあるかとも思いますけれども、基本的には、やはり売れないものをどうこうということではなくて、先ほど総裁で御答弁をいたしましたように、実際の需要に対応した販売をやっていくのが基本姿勢でございます。ただ、年末年始という特殊な需要でございますので、「らん」という製品、御承知のように、私どもが自信をもって開発したたばこでございます。で、売れ行きもたいへん最近ではよろしいのでございまして、「らん」が売れないからそういうことをしたということよりも、贈答用としては適当ではないかということでそういう企画か行なわれたものだというふうに理解をしておるのでございます。
○三木忠雄君 総裁並びに大蔵大臣に意見を伺いたいのですがね。専売公社と一企業がこういう形でたばこを販売ルートに乗せる。いわんや小売り店を、これを年末に三つなり五つを買わないと、セブンスターや、そういうものが手に入らないような仕組みにしてあげていくということは、これは非常にまずいと、これは常識で考えてだれだって思うんですよ。この点について総裁どう考えますか、総裁の感じ……。
○説明員(北島武雄君) 私も実はきょう初めて承知いたしたわけでございますけれども、まあそういった、おそらく埼玉県のたばこ販売業協同組合で、年末年始の贈答用にこういった考え方をやりたいということで、おそらく関東支社のほうに申し出がありまして、関東支社としては、これはまあ適当と考えて、そうしておそらくそういった箱などの製造をさしたのかと、こう思います。ただ、それなるかゆえに、そのために、それを売らなければショートホープあるいはセブンスターなどを配給しないとかというふうなことでは私はいかぬ、そんなことはないと私はもう絶対に信じております。またそんなことはあってはならぬことであります。そういうことでなく、販売業者のほうで進んでそういった方向によって自分たちのやはり売れ行きを伸ばしていきたい、この気持ちはわかります。それに対して専売公社は、ものによっては専売公社のイメージを損するようなことはぐあいが悪いでしょうけれども、そのときの情勢に応じて協力する場合も、私はあり得ると考えているわけでございます。
○三木忠雄君 そのために、まじめな、あるいは長年店で小売り販売業をやってき、ある意味じゃ国のために税収として納めて役に立ってきているとか、非常にまじめに働かれた小売り店が、次第次第に薄らいできているということなんですね。売上げが伸びなくなってきているということなんです。 これは具体的に一つの問題を提起しますけれども、茨城県にある一つの村の一店舗ですよ、小売り店ですよ。一ヵ所で一億四千万円を売り上げているんですよ、一つの小売り店で。銀座でも売り上げられない。あるいは新宿の一等地でも、人のあれだけの出入りのあるところでも、一億四千万円を一つの店舗で売り上げる店は、おそらく数えるほどしかないと思うんです。そういう一つの村で一億四千万売り上げられているんですよ。あるいは一つの町で一億二千万売り上げられているんですよ。これは別のルートを流れて売らなければ売れるわけはないです、その店では。これは一体六十一社が約六千万以上売れておりますけれども、いわんやそのほかに——時間の関係でこちらのほうでよくいろいろ申し上げますけれども、商事会社をつくり、販売店を二十、三十持って十八億も売り上げておる商事会社もあるんです。こういうことをやっているからなんですよ、売れるのは。あるいは特別な遊技店や、いろんなところに売り上げているからなんです、ルートが。こういうことをみすみす認めて、たばこの買い受け高が、引き続いて三ヵ月以上営業所の所在する等地の標準を守らなければならないとかいう、こういう規定を守らなければこの小売り店を取り消すみたいな強圧的な圧力をかけて、片一方ではこういうことを見過ごしているというやり方は、これはどうしてもまじめな人は納得できませんよ。どう思いますか、総裁。
○説明員(三角拓平君) その、先生御指摘の一小売り店が一億二千万円を売るという問題、これは売り方でいろいろあるわけでございますが、それについては、何と申しますか、実態等も十分把握をしたいと思いますけれども、確かに小売り店頭だけの販売ではないと思いますけれども、そうかといって、一般の小売り店がそれによって売り上げが極端に減るということではないんではないかと思います。ただ、売られる場所が特別な場所でございますし、そういうことから考えますと、そういう形態があるということは事実として認めますけれども、それだからといって、それがいけないんだというふうにも断定できないんじゃないかと思いますが、先ほどの「らん」との結びつきも、先生のお考えになるほど極端ではないではないかというふうに私は考えております。
○三木忠雄君 あまりにも認識が甘いんですよ。たとえばこのたばこ小売り人に対する指示事項あるいは営業心得ですね。この中に、「パチンコ、射的、その他これに類似する遊技業者に、たばこを販売したときは定められた様式によりその実績額を公社に届出ること」、こうなっている。具体的に届いておりますか。具体的に届いておれば私資料で見せてもらいたい。いかがですか。
○説明員(三角拓平君) 私まだそこまで十分把握をしておりませんけれども、たぶんわかっているんではないかと思いますが、あとで調べて先生のところに御返事をいたしたいと思います。
○三木忠雄君 こういうふうに肝心なところは監査もあるいは調査もしてないわけですよ。そして、商事会社、あるいは小売り店で相当伸びるところについての実態は、これは非常に私は小売り店が一億四千万売り上げることを決して拒否しているわけではないのです。正規のルートで売れれば非常にいいことだと思いますけれども、いろんなルートでたばこは流れて、その地域にまじめに販売している小売り店がなかなか売れない、こう言って悲鳴をあげなければならぬような方向になりつつあるということに対して、専売公社はもう少し真剣になって考えなければいけないと思うのですよ。 もう一つは、法人組織の販売店をこれ以上私はふやすことはよくないと思うのです。法人でどんどん許可をとって小売店をつくり上げていく。ある意味では、東京あるいは名古屋、大阪、神戸と、資本力にまかせて店をかまえる。いろんなルートで販売許可をとるでしょう。その結果、売り上げは一ヵ所で別のルートで流して、販売実績を維持するためにいろんな角度から調整してやるという、こういう実態もいろんなところから考えられるわけなんです。こういうふうにして、まじめに一店舗として長年やってきた販売店が苦しめられるような、こういう法人組織の販売店組織はやめるべきじゃないかと思うのですけれども、総裁、どうですか。
○説明員(北島武雄君) いま直ちに法人組織の販売店は許さないほうがいいというお話、ちょっと私いまお答えいたしかねます。これは民間企業のかっこうといたしまして、やはり大きな法人企業ということになるわけでございまして、それが直ちに許可しないというような状況になるかどうか、この点はたいへん問題であると思います。考えさしていただきます。
○三木忠雄君 いま小さな単位でも法人組織になっておりますけれども、何店も一つの会社あるいは法人が持つという程度を、私はもう少し削除していくべきではないかと思います。決して——一店舗で法人組織になっているのは確かにあります、それをなくせというのは違うから、誤解しないようにしてもらいたいと思うのです。二十店、三十店を一つの法人会社が持っている。あるいは許可をとっても、平気で申請を受けつけて許認可を与えているという、この仕組みを、やはり専売公社でチェックできる方法はあると思うのですよ。確かに、名古屋から申請が出されたからかまわないとか、東京ではかまわないというけれども、どこに販売店を持っているかということをはっきり申請書に提出させれば、必ずチェックはできるはずなんです。そういうところをチェックもしないで、いろんなルートをつくり上げてしまっているということは、このたばこの販売の態度として非常によくないのではないかと思う。これはもう一度、総裁。
○説明員(北島武雄君) 御趣旨の点はこれから研究さしていただきます。
○三木忠雄君 三角さん、何かあったら言ってください。
○説明員(三角拓平君) 少売り店の指定という問題でございますけれども、御承知のように、小売り店は、営業所と、それから個人と申しますか、そこの法人なり個人が一体となって、その営業所ごとに指定をするたてまえになっております。現行の法制からいきますと、その販売店ごとに申請したものについて審査をやって許可をしているわけでございますので、先生のおっしゃるような現行法制上の規制ということは困難かと思われますが、法人であろうと、個人であろうと、これはまあ同じような問題であろうかと思いますが、個人であっても、やはり活動力のたいへん旺勢なところでは、やはり活発な営業活動もやっているわけございまして、必ずしも、現在の法制上からいって、法人なるがゆえに指定の範囲を規制をするということは、法制上のたてまえからいって困難ではないかと思います。
○三木忠雄君 専売当局の当事者の話を聞くと、専売公社と業界という深いつながりというものはなかなか切れないような私は感じがするのです、幾ら答弁を聞きましてもね。あらためて私はこの問題は、具体的な資料を持って質問をしたいと思いますけれども、この目に余るような点があっても指摘ができないほどの専売公社が骨抜きになってしまっているんじゃないかと私は心配しているんです。たとえばいろんな資料を要求しても、出てくるデータは、たとえば販売店が一億四千万あるいは一億五千万と、こうなっているけれども、二十店、三十店の合計を含めると、やはり一つの法人で十八億になるんですね。あるいは十億になるとか、あるいは五億になると、こういうふうな販売店系列を非常に持っているわけです。こういう点について、やはり多く売れるところについて、決して私は悪いとは申しませんけれども、そこに、やはりこういうふうな点も——あるいはこのほかにいろんな問題があるんですね。贈答用品とか、あるいは業界と組んだりしていろんなたばこの販売ルートをつくりあげてしまっていると、こういう点はやはりもっとしっかり専売公社が、ただ、売ればいいんだ、専売納付金があるから、増収の売り込みを上げるためにやるんだと、こういう考え方でたばこの販売をやっているんでは、まじめな私は小売り店が気の毒だと思うのです。まじめな、一生懸命いままで小売り店をやってきた人たちが、ゆがめられた方向で、自分たちがほんとうに——まあたばこだけで生存できるわけじゃない。いろんな商売をやりながらたばこの販売店をやっているわけでありますけれども、どんどん収入が減ってきているという点も、これは考えなきゃいけないと思うのですけれども、これは大蔵大臣、いまの問題を通じてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 専売公社は、いまさら申し上げるまでもございませんが、昔と違いまして公社で運営されておる。で、公社は、法律に基づいて国の専売事業を健全に運営していくということに相なっておるわけでありますけれども、同時に、法律でも、能率的に実施するということになっておりますから、その法律で規定された目的に即するように、いろいろ公社としては知恵をしばり、努力をしておられると、直接に私としてそれに対して指揮したり監督したりということではございませんから、とかくの意見を申すべきではないと思いますが、ただ、きょうはこの分科会で三木さんのお話を伺って、ああなるほど、こういうこともあるなということを、私はたいへん関心を持って拝聴いたしました。もし改善すべきところがあるとすれば、総裁以下、公社の幹部におかれてとくと検討されることと思います。私はそのことと、冒頭に御質問がございましたが、覚え書きで歳入を確保したいということとこれとが結びつく問題ではなくて、ひとつ、公社がほんとうに法律どおり健全で能率的な、今後とも運営をしていただきたいと、こういうふうに期待をいたす次第でございます。
○三木忠雄君 もう一つ。たばこの値下げの問題について、私もう一点伺っておきたいわけですけれども、四十六年の末の円の切り上げのときには、外国の、この輸入たばこは値下げがされたわけですね。いま専売公社としていろいろ私は検討されていると思いますけれども、このような変動相場制になって実質的な円の切り上げになっている。ことしの輸入はどんどんふえていると思いますけれども、この問題について、やはり今回、外国製品のたばこの輸入の問題については、これは値下げを行なうのかどうか、これについて伺いたいと思います。
○説明員(北島武雄君) 一昨年、円の切り上げがございましたときにも若干の値下げをいたしました。その際には、実はまあ標準的な銘柄で申しますと、百八十円のものを百七十円にいたしたのでございますが、その際は、為替差益としてはたしか六円三十銭ぐらいしか出なかったと思います。しかし、六円二十銭の値下げというのは、百八十円の端数を出せば百七十三円何十銭、こういうのはとてもできませんので、さらに専売公社で持ち出しまして、百七十円の値下げをいたしたわけでございます。実はその際、従来の例から申しますと、大体二年ごとぐらいに輸入たばこの引き上げ要求が、四十三年、四十五年とずっと値上げしてまいりまして、四十七年はまた値上げの年であったわけでありますが、普通ならば。その際、円の切り上げ問題がありまして、できるだけわれわれは為替差益を消費者に還元したいということで、無理に押えた経緯もございます。本年は昭和四十八年、最近に至りまして非常に値上げ要求が強いわけであります。小売り店なども現在にらみ合わせまして、各銘柄ごとに、国ごとに、どの程度のことができるであろかということを私ども検討いたしまして、これから大蔵省とも十分相談いたしたいと思います。
○三木忠雄君 これはもう検討ではなしに、いますでに二月あるいは三月に輸入製品の、たとえばケントにしても、ラークにしても、いろいろたばこはもう輸入されているわけですね。これ、いつレートがきまるかという問題については、専売公社はもう二月であれば一ドル二百六十二円あるいは二百六十八円で輸入しているはずなんですね。すでにもう利益が出ているわけです。この問題については、国民に還元するという考え方はありませんか。
○説明員(北島武雄君) それと——まだ未決済のものが確かにございます。ございますが、四十八年度はまだ全然契約が済んでおらない。それについて、いま非常に強い値上げ攻勢があるわけであります。こういった点、まだ話がついておりませんので、こんな点も十分頭に入れませんと、最後のどの銘柄を幾らにするかということはきまらないわけであります。そういった点、いま大蔵省とも十分相談いたして検討いたしております。
○三木忠雄君 これはアメリカあるいは——まあ主力としてはアメリカの葉たばこですね。葉たばこはどんどん値上がりしている。確かに製品が少ない、品物が少なくなってきたという世界のいろいろな事情があると思うのですけれども、やはり差益分を国民に還元されれば、それ以上もう値上げ攻勢に応じられないのだという、専売公社の強い私は姿勢で臨めると思うのですよ。ところが向こうからたばこは言ってくるから、それによって国民の値下げの問題は考えるという、何か逆手をいっているような感じがするのですよ。もっと積極的に、差益の分を国民に還元し、その率で確かに葉たばこを購入しても採算は合うはずなんです。あるいはいわんや製品であれば、すでにもうでき上がった品物は安く入っているのですから、これは還元してもいいんじゃないかと思うのですけれども、これは総裁としては、大蔵大臣とのいろいろな相談があるそうですけれども、具体的に下げられるのですか、あるいは下げられないでこのまま見過ごそうとするわけですか、どうです。
○説明員(北島武雄君) 各銘柄につきまして、体どういうことができるであろうかということをただいま検討しているわけであります。
○三木忠雄君 これはまあ最後に、大蔵大臣伺いますけれども、政府の購入物資、こういうものはやはり差益を国民に一番還元しやすい問題だと私は思うのですね。まあほかの問題は、もう物価は値上げ、値上げでいろいろ問題になっている。せめて政府の購入する、たとえばたばこ、一例ですね。この問題なんかは値下げをできる、政府が姿勢さえ示せば、やる気さえあれば、私はこれは値下げできる問題だと思うのです。何もたばこだけで物価は全部値下がったということにはならぬと思いますけれども、せめて政府の購入する問題ぐらいは、これだけの——いままで、一ドル三百八十円であったのが二百六十二円で、まあ二百六十八円で現実にケントならケントのたばこは入っているのですよ。この問題はやはり国民に還元するという姿勢はあってもしかるべきじゃないかと思うのです。これについて大蔵大臣の見解を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) まことにごもっともでございまして、いま実はここ一、二週間の間に、政府の関係の購入する物資の価格引き上げについて、物価閣僚会議で決定をすることにしております。で、その際に、輸入たばこにつきましても、値下げを専売公社に要請するということで、政府のほうとしては考えを進めております。具体的には、いま総裁が言われたように、いろいろ個々の銘柄等について、ぴしゃりと為替の差益だけは還元できないような場合もあろうかと思いますけれども、政府の基本的態度はそうでございますし、それから確かにお示しのように、二月初旬から相当日にちもたっておりますから、早急に政府関係輸入物資については値下げを具体的に一斉に行なおうとしております。
○渡辺武君 私は、以前、本院の決算委員会及び大蔵委員会などで、大蔵省関税局の全税関労働組合員であることを理由にした昇任昇格についての差別、さらには定期昇給に至るまでの極端な差別人事の問題を取り上げて、当局の是正を求めました。その後、不十分ながら、この点については若干の改善の方向が見られております。しかし、大蔵省管内に行なわれている労働組合員や共産党員などを理由とする不当な人事行政は、この大蔵省監督下の政府系金融機関及び民間の金融機関の中に非常に明確にあらわれております。さらには、いま、これから問題にしようとしております国税庁管内にも非常に極端な形で行なわれております。私は、このことは大蔵省の人事行政が各官庁の中でも最も反動的なものであることを示していると思います。大蔵省は、人事行政の基本をどこにおいてやっていらっしゃるのか、まず最初に、その点を伺いたいと思います。 〔主査退席、副主査着席〕
○国務大臣(愛知揆一君) 大蔵省といたしましては、人事については、もちろん、国家公務員としてふさわしい、公正な勤務状況を維持をいたしたいということを一番基本にしておりますが、これはもちろん、さかのぼれば憲法にさかのぼる精神で、人事等については公正に、政治的な偏向ということは考えずにやると、続けていくべきものであると、こういうふうに基本的には考えております。同時に、大蔵省管下と申しましても、御承知のように、現業官庁もございます。それから税務職員というような特殊の立場のこともございます。しかし、これは一貫して、人事としては、いま申しましたような基本的な方針で処理をしていく、これが大任であると、こう申し上げておきたいと思います。
○渡辺武君 国税庁につとめている職員、この中で全国税務労働組合という組合があります。この組合が、昭和三十七年に当局の手によって分裂させられました。それ以来、国税庁は全国税労働組合員に昇任昇格、さらには特別昇給、勤勉手当、配置転換など、これらを通じてきびしい差別を行なって、そしてこれを武器にして組合の分裂をさらに進めてきた。十年後の今日、全国の国税局で例外なく組合員だけが一回も昇任昇格もなく、そして、これに伴う賃金の違いが、たとえば二十三期生の場合は、同じときに就職しました同期生に比べて、一年間で十三万四千円以上に及ぶという状態になっております。これがこの十数年にわたる国税庁及び各国税局の不当な差別人事の結果が歴然とあらわれていることを示していると思いますけれども、こういう実態について大臣は御存じでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) いま申し上げました基本的な考え方が、人事に対する基本方針でありますけれども、同時に、法令の定めるところによって、職員としては、従事する職務内容とか、勤務の成績とか、そういうような基準によりまして昇給昇任等について、結果において相当の差別が出てくるということは、私はいたしかたがない点があると思いますが、同時に、私もなかなかこうして忙しくやっておりますので、気持ちは非常に持っておりますが、十分、まだ何回となく会う機会は、心には持ちながらございませんが、組合の諸君とも随時できるだけ会って、そしてそういったようなことについての希望やあるいは不平や不満も十分直接にも私は聞きたいと思います。組合ともすでに就任以来も代表の方とは会っておるような状態でございます。実態をできるだけ正確に把握したいと、こういうふうに考えておりまます。 〔副主査退席、主査着席〕
○渡辺武君 全国税労働組合にも会って実態を知りたいとおっしゃってられますので、非常にけっこうなことだと私は思います。ぜひ、その方向を進めていただきたいと思う。 しかし、きょう私はここで、私が全国税労働組合を通じて調査した若干の実例を持っております。で、大臣にぜひこれを聞いていただいて、そうして今後の国税庁の人事行政を改めていただきたいと思います。 時間がないので、はしょり、はしょり申しますけれども、たとえば関東信越国税局管内の実例であります。これは昭和四十七年の四月現在で私が調査したものです。しかし、その後一年ばかりたっておりますけれども、基本的傾向は変わっていないという組合の確認を得て、きょう申し上げるわけです。この国税局管内で第十五期生、つまり昭和三十年に職場に入った人たち、この人たちが二十九名おります。この二十九名の中で、専門官、係長、つまり四等級七号俸以上になっている人たち、これが九名おりますけれども、この九名は全部第二組合員であります。で、それ以下の主任クラスになりますと、四等級九号俸、四等級七号俸、四等級六号俸、この人たちが二十名おります。特に四等級六号俸は、御承知のように平職であります。これが五名おります。この五名のうちの二名が全国税労働組合、つまり第一組合の組合員であります。あとの三名は、前に全国税労働組合に加盟していた人、これが一人。それからどちらの組合にも加盟していない人が二人あります。この事実は、同じ時期に就職して、そうして第一組合員と、かつて第一組合に入っていた人と、どちらの組合にも入っていない人たち、この人たちだけが平職にいまだに置かれておる。そうして第二組合に入っている人たちだけが、すでに専門官、係長に昇進しているということをはっきりと物語っております。同じく昭和三十一年に職場に就職した十六期生、この方々は二十二名おります。この二十二名のうちで専門官、主任クラス、このうちの専門官は三名。そうして主任の中でも四等級六号俸になっている人たちが十名おります。ところが、それ以下の四等級五号俸、これが四名のうち二名は全国税の組合員であります。それから五等級八号俸一名、これは全国税の労働組合員であります。それ以下の平職、つまり五等級の八号俸、九号俸、四名おりますけれども、その全員が全国税労働組合員であります。このことも、全国税労働組合員が同期に入った第二組合員の人たちと比べてみると、非常に低い地位しか置かれていないということをはっきりと物語っております。 また十七期生、昭和三十二年に就職した人たちにでありますけれども、十八名のうち平職は三名であります。そのうちの二名は全国税労働組合員、それから主任クラスの中の一番最下級の四等級四号俸一名、これも全国税労働組合員であります。そうして、それ以上に昇進した人たちの中には、全国税労働組合員は、ただの一人もおりません。 さらにまた十八期生、昭和三十三年に就職した人たちであります。二十四名おりますけれども、そのうち平職になおとどまっている人は五名おって、その五名は全部、全国税労働組合員であります。役付になった人たちは一人も全国税労働組合員からは出ておりません。これが関東信越国税局管内の実態であります。関東信越国税局だけがこういうことかというとそうじゃありません。 たとえば仙台国税局管内の実例をなお申し上げてみたいと思います。 先ほど申し上げましたような、昭和三十年に就職した十五期生、これは総数で四十六名おります。そのうち依然として平職にとどまっている二名は、全部全国税労働組合員であります。それから主任のうちでも、一番最下位の五等級九号俸、この一名も全国税労働組合員であります。それ以上に昇進をした人たち、これは四十三名おりますけれども、その四十三名全員は第二組合、東北国税労組の組合員であります。ここにも組合で差別されているという実態が明々白々とあらわれているのであります。 第十六期生を例にとりますと、四十一名のうちで五等級、これにとどまっている五名全員が全国税労働組合員であります。四等級主任二十五名おりますけれども、そのうち一名は全国税労働組合員、あとはすべて第二組合の組合員、全部全国税労働組合員よりも一級、二級、三級も早く昇進しているという状態であります。同じ仙台国税局管内の十七期生、三十一名おりますけれども、そのうち主任の最下級になっている者が五名おって、そのうちの四名は全国税労働組合員、あとの一名は、これはどちらの労働組合にも加盟していない人たちであります。四等級五号俸以上の専門官、主任になっている二十六名、これは全部第二組合の組合員であります。十八期生十九名のうち六人がいまだに平職であります。この六名は全部全国税労働組合員であって、それ以上に昇進している人たちは、全部第二組合の組合員であります。 私は二つの国税局の事実を調べていま大臣に申し上げております。 なお、一、二つけ加えておきますと、東京の国税局、第十七期生総数六十一名のうち専門官、係長は五十五名、残り六名が平職でありますが、この全部が全国税組合員であります。仙台のこの税務講習所、十九期生で東京国税局管内に勤務している十九名のうち、十三名は専門官になっている。残りの六名が平でありますけれども、その平の全員は、全国税労働組合員であります。 大阪国税局管内で申しますと第十一期生、昭和二十六年に就職した人たち、もう二十年以上の年月がたっているわけです。総数三十九名のうち専門官三十四名、平五名、その五名が全部全国税労働組合員であります。 全国税の労働組合は、ことしに入って、なお若干の具体例をつけ加えまして、ILOに提訴しております。これは日本の行政機関がきわ立った反動的な性格を持っているものだということを、全世界に示したものだと、まことに恥ずべき状態だと私は思います。大蔵省はこのような不当な差別の人事を率直に認めて、根本的に改めるべきだというふうに思いますけれども、大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(愛知揆一君) いろいろ具体的な資料をお示しいただいたわけでございますけれども、先ほど申しましたように、職員の勤務評定ということは、いろいろの成績等を総合勘案して適正に実施しておるはずであると思います。そのことは、特定の組合に所属しているという理由で、差別することはしていないと思いますけれども、何と申しましてもこれは大切な仕事をおあずかりして、ことに税金というような直接納税者に接して、公正に中正に国家目的を達成しなければならない非常に重大な使命を持っておりますから、やはり機構として、国税庁全体が各局にわたり、各署にわたって、そういう観点から公正な成績をあげ得るような勤務評定をいたしまして、それによって昇給昇任を決定すべきものである、組合に、特定のものに属しているからという理由だけで、そういう差別待遇をすべきものではない、こういうふうに私は存じます。実情については、先ほど申しましたように、私自身も実態を把握いたしたいと思います。十分調査をいたしたいと思います。
○渡辺武君 これはほんとうに重大な問題なんです。もう十年、二十年と職場につとめて、一生懸命で仕事をして、そうしてしかもなお依然として平職でとどまっている、もう奥さんも年をとった、子供も小学校から中学校へいっている。そういう人たちが、私は話を聞くと実際もう人間的な怒りを感ずる。小学校へ子供がいっておって、そうして最近は小学校でも参観をやる、おたくのおとうさんは、もう税務署にずいぶん長らくつとめていらっしゃるそうだ、もういいところへついていらっしゃるでしょうから、ぜひおたくのおとうさんにお願いして、そうして税務署の実情など参観さしていただきたい、交渉していただきたい、こう言われても、子供がうちへ帰ってきて、その話を親にしたら、親として一言もないという状態が出てきているんですよ、皆さん。これはたいへんなことです。一体こんなことでいいのか。私はこれは憲法違反の全く残虐な人事だと思いますけれども、同時にまた、人間的な怒りを感じざるを得ない。いま大臣はまあ公平な人事をやっていると思うとか、あるいはまた、勤務評定に基づいて公平な選考をやった結果だというふうにおっしゃっておられますけれども、私はその点を、大臣、よくお考えいただきませんというと、この実態、実情というものは根本的に改善できないと思うんです。そういうおことばですと、結局、一人一人について勤務評定をやった、公平に選考をやった、その結果として依然として、十年、二十年もつとめても、平職に置かれている、それはあなたの責任だと、こういうことになってしまう。しかし、私がいまあげた実例は、これはこの十数年の間にわたってつくり上げられてきた客観的な大量現象です。あなた方の目から見れば、一人一人問題があるというふうに見えるでしょうけれども、その結果を全部集約して十数年の結論としてとってみれば、全国税労働組合員、その人たちだけが依然として平職もしくは最下級の役付にとどめられておって、そうして、第二組合員その他ははるかに急速に昇進している。こういう実態が客観的な事実としてあらわれているんです。ここのところをしっかり直していただかなきゃならぬと思うんです。ですから私は、大臣のおことばございました。しかし、あえて質問を続けたいと思うんです。 人事院からおいでいただいておりますが、政府機関の職員の人事に、ある特定の組合員であるからといって差別をしていいというような法律がどっかにありましょうか。
○政府委員(中村博君) いまお尋ねの件に関しまして関係のある法条といたしましては、差別をしていいという法条はございませんで、百八条の七という規定がございまして、「不利益取扱いの禁止」、「職員は、職員団体の構成員であること、これを結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと、又はその職員団体における正当な行為をしたことのために不利益な取扱いを受けない。」、かような規定がございます。
○渡辺武君 それだけでしょうか。人事院規則の八−一二の第二条、これに任免の根本規定がうたわれていると思います。それに基づいて全体をおっしゃっていただきたいと思うんです。
○政府委員(渡辺哲利君) 職員の昇任等、人事管理に関します取り扱いにつきましては、いま御指摘もございましたように、公務員法で定めます平等取り扱いの原則及び成績主義の原則に基づきまして、そういう差別は一切してはならないという立場でやるものでございます。
○渡辺武君 人事院の直接の担当者がそういうことじゃ私は困ると思うんですね。さっきおっしゃった百八条の七は、不利益取り扱いの禁止についての条項です。いまおっしゃった平等取り扱いの原則は国家公務員法第二十七条でしょう。そうでしょう。ですから、そうぽつりぽつりと、しかも勘違いしたようなことをおっしゃらないで、これは職員の任免に関する重要な事項なんだから、その原則を、これを全部おっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(渡辺哲利君) 私のほうは任用局という立場でございまして、職員の任用に関する立場から申し上げるわけでございますけれども、任用、つまり採用にいたしましても、あるいは昇任にいたしましても、あるいは配置がえ等にいたしましても、いま御指摘のございました八−一二の第二条の精神に基づきまして、国家公務員法に定める平等取り扱いの原則と成績主義の原則に基づいて公正に行なわるべきものであるというふうに承知している次第でございます。
○渡辺武君 八−一二の第二条に何て書いてありますか。国家公務員法の第二十七条、平等取り扱いの原則、それから国家公務員法第三十三条、同じく第五十五条第三項、それから百八条の七、これが職員の任免の根本的な規定ということになっているんじゃないでしょうか。
○政府委員(渡辺哲利君) 御指摘のとおりでございまして、私の申し上げました平等取り扱いの原則と成績主義の原則と申しますのは、いまの三十三条から出てくるわけでございまして、それと、その他組合等に所属するといなとにかかわらず差別的な取り扱いをしてはならないこと、すべてそういう原則に基づいて任免を行なうべきであるというふうに承知しておる次第でございます。
○渡辺武君 だいぶ手間はとりましたけれども、とにかくそういうやっぱり三原則がはっきりとうたわれている。ところが、私が最初に実例で申し上げましたように、まさに客観的な事実は、ここ十数年間にわたった国税庁及び国税局の人事の結果として、第一組合員が不当に昇任昇格を差別されているということが非常に明確にあらわれているわけです。この三原則がみごとに踏みにじられている。一体、国税庁は職員の昇任昇格についてどういうやり方をやっているのか、疑問に思わざるを得ないのです。どういうふうにやっておられますか、お答えいただきたい。
○政府委員(近藤道生君) 職員の昇任昇格につきましては、法令の定めるところによりまして、その職員の従事する職務内容、それから勤務の状況等を総合勘案いたしまして実施をいたしております。先ほど来お話しのような、特定の組合に所属しているという理由で差別するというようなことはいたしておりません。
○渡辺武君 その勤務内容その他を評定するとおっしゃいましたけれども、どういうやり方で評定されますか。
○政府委員(江口健司君) 本人の勤務の状態を調べる方法としては、いろいろございますが、形式的なものをひとつ御披露いたしますと、勤務評定という形式をとるものがございます。そのほか、ふだんの職場におきまして直接の上司等がまた評価をするということもございます。また、直接の職場以外に、国税局のほうの担当主管部課のほうでも判定をするというようなことがございます。
○渡辺武君 そうすると、勤務評定のほかに、直接の上司の評価と、それから国税局のほうの主観で判断するということがわかりましたが、勤務評定はどういうふうにやるわけですか。
○政府委員(江口健司君) 勤務評定は三十一年につくられております長官訓令八号でもってこまかに規定されておりますが、中を申し上げますと、この勤務評定というのは、いわゆる勤務そのものの上下を評定するということが実は目的ではございませんで、本人の能力、あるいはそのほか長所、あるいはもしあるとすれば短所、あるいは家族の状況、本人の健康状態、そうしたものを一応指導記録という観点からわれわれはとっておるわけでございまして、先生が、あるいは失礼でございますが、想定しておられます上下の関係だけの評定をしておるというふうに御認識しておられるのであれば、そういう趣旨でとっておるものではございません。したがって、中身につきましては、いま申し上げたような各項目を並べまして、それに適応したところを各段階に応じまして、大体私どものいまの訓令では、二段階ないし三段階の人たちが評定をするということになっております。
○渡辺武君 いま勤務評定というものは、これは昇任昇格の判定を目的としたものじゃないという趣旨のことをおっしゃいましたけれども、私はこれば非常に重大だと思います。直接的にそのために設けられた勤務評定でないものを、これを先ほどのおことばだと、昇任昇格の評定の材料に使っている、そこに一つ重大な問題があります。しかし、きょうはその問題について立ち入って質問することは私は避けたいと思う。問題にしたいのは、この勤務評定はだれが評定するのか、この点を伺いたい。
○政府委員(江口健司君) 組織の規模によって、先ほど申しましたように二段階、三段階という形になっておりますが、たとえば係制度のございます組織につきましては、第一次評定者が係長ということになります。その上の段階が課長になり、さらに最終段階が署長ということになります。役付の場合には、係長を評定する場合には、課長が評定をいたしまして、最終段階は署長ということになります。課長の段階になりますと、これは国税局のほうに最終評定者が移るわけでございます。おおむね二段階ないし三段階、組織の内容に応じてこまかく規定がされておるわけでございます。
○渡辺武君 そうしますと、係長、課長もしくは署長と、こういう人たち、別のことばで言えば、職場で直接働いている人たちの立場からすれば、言ってみれば職制ですね、こういう人たちが評価をするわけでしょう。勤務評定に基づかない場合も、先ほどのおことばだと、やっぱり同じ種類の人たちが評価をしている。これでは、いかに公正な判断をするんだとおっしゃっても、どうしてもそこに第一組合員であるか第二組合員であるかという政治的な立場が入り込まざるを得ない。これでは公正妥当であるという担保がどうしてできますか。
○政府委員(江口健司君) 組合の別によって差別をしておられるとしばしば御指摘でございますが、先生御案内だと思いますが、私どものほうには二つの組合があったとした場合——あったとした場合というのは、他の局についてはそれ以上の組合が所在するところがございますので申し上げたわけでございますが、かりに二つの組合があった場合に、どちらの組合に所属するかということは、組合の役員になっている人につきましては、人事院の届けが出ますので、その限りにおいてはわれわれは承知することが可能でございます。しかし、それ以外の、役付以外の方々につきましては、われわれは確認する方法がないわけでございます。したがって、役員になっておる方とそれ以外の方との関係からしますと、われわれとしては、差別をしているつもりはございませんし、また、それを確かめた上で先生が御指摘のようなことが行なわれるということはあり得ないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○渡辺武君 だれが第一組合に入っているかなんということは、役員以外には知らないなんと言ったって、そんなこと通りやしませんよ。そんなこと知らないで、しかも公平な人事をやっていると、そんなことをおっしゃって、さっき私申し上げたように、それじゃなぜ第一組合員だけが大量現象として——一人や二人じゃないですよ、どこの国税局見たって同期に入った人よりもはるかにおくれて、依然として十年、二十年もつとめても平職に置かれているというような事態がどうして生まれますか。明らかにこれは組合差別やっていることじゃないですか。どうですか。
○政府委員(江口健司君) 先生のおっしゃる意味が私には正確にわかりかねるわけでございますが、どちらの組合に所属をしておるかわからないという者について、結果的に、先生のほうでは先ほど御指摘になりました局等につきましては、一々確認をされたものと思いますが、なおその点につきましては、大臣から御答弁申し上げましたように、われわれのできる範囲内で実態の調査をいたすつもりではございますけれども、正確に先生が承知しておられる内容の方々について、どちらに所属するかということがなかなかわかりにくいのではないかということを申し上げたいわけでございますが、われわれとしましては、少なくとも先生が御指摘なように、組合の別によって明らかに差別をするというような人事をやるつもりはもちろんございませんし、そういうことをやれば当然法令違反ということにもなりますので、この点については特に注意をしておるつもりでございます。
○渡辺武君 それじゃ、なぜ、第一組合に所属している人たちが昇任も昇格もろくにできないでいるんですか、あなた方の勤務評定の結果、成績不良だということになったからですか、どうなんですか。
○政府委員(江口健司君) その辺につきましては、調査の結果を待ちませんと私ども正確にお答えしかねるわけでございますが、そういう観点も含めまして調査をさしていただきたいと思います。
○渡辺武君 とにかく私、前に、先ほど申しましたけれども、全税関労働組合が同じような状態に置かれている。全税関労働組合員であるがゆえに十年、二十年勤務しても依然として平職に置かれているということを十数年にわたる長期の不当差別の結果、先ほど申しましたと同じように大量現象としてあらわれてきておる。その問題を取り上げて質問したときも、ちょうど同じようなお答えがあった。私どもは公正妥当な勤務評定をやっております。その結果としてそういう現象が出たでしょう、これでは個々の一人一人がいかにも成績不良者であって、個人の責任としてそういうことになったんだと言わぬばかりの御答弁だった。 私はいまここで一つ、二つの実例を申しますけれども、あなた方自身が勤務成績良好であるという判定をしてるのにもかかわらず、昇任、昇格で著しい差別を受けているという人たちが現に存在している。そのことを申し上げてみたいと思うんです。一人は、現在名古屋国税局名古屋西税務署につとめております吉川政司という方であります。昭和二十四年に採用されて、そうして勤続二十年たった昭和四十四年に、永年勤続のゆえをもって表彰状を受けております。その表彰状には、「あなたは永年勤務され、その成績は他の職員の模範とするに足る」と書かれております。今日まで、この人が特別に職務上の怠慢で懲罰を受けたというようなことは一回もない。この二十年と同じようにその後もまじめに勤務しております。ところがこの人の所属する名古屋国税局管内に、同じ昭和二十四年に採用された五十人のうち、ほかの四十九人全員がすべて専門官または係長に昇任している。ところがこの吉川君だけは依然として平職にとどめられておる。なぜか。ほかに理由がない。ただ考え当たるのは、この人が以前に全国税の労働組合の支部執行委員、それからまた副支部長もやる、書記長もやる、それから昭和三十九年には東海地連の執行委員、それから去年から現在までは副委員長をつとめるというようなことで、全国税労働組合員の活動家として奮闘しておる。それだけがたった一つの理由だとしか考えられない。これでも組合員であるからといって差別をしないと、昇進できないのはその人の勤務成績が不良だからというようなことを言えますでしょうか。私は絶対に言うことはできないと思うんです。 ついでのことですから、もう一つ、二つの事例を申し上げてみたいと思います。もう一人の人は、現在大阪国税局の八尾の税務署に勤務しておられる此上教昭という人であります。この人は昭和二十二年に和歌山の粉河税務署に採用された人であります。そうして二十年勤続をして表彰を受けておる。近く二十五年勤続の表彰を受けるだろうといわれておる。この人と同じ条件で入署した人は、すでに三等級に昇格しているのに、この人だけは一つ等級が差がついて四等級十二号俸、いまだに徴収主任のままでいるという状況であります。二十五年も勤続して専門官になっていない。十年勤続の二十二期生はすでにもう専門官が発令されている、こういう状況。同じ時期に入署した人は専門官上席になっている。しかも、特別昇給も二十五年勤続でただの一回も受けたことはない。ほかの人たちは最低三回は特別昇給を受けている、こういう実態であります。この人の受けている永年勤続の表彰状にも、いま私が吉川さんの例で申し上げたと同じように、永年勤続、ほかの人の模範に足るということが書かれている。成績は良好だということが書かれている。 ついでにもう一つ、二つの例を申し上げておきましょう。これは国税局がどんな残虐なことをやっているかということをも示す一つの例となりますので、大臣、ひとつよくお聞きいただきたいと思う。たとえば昭和二十二年に仙台国税局で採用された山田武という人がおります。この人は二十年勤続で局長表彰を受け、三十五年勤続で長官表彰まで受けた人であります。現在は仙台国税局の徴収官から山形県の米沢の税務署の徴収官へ配置転換されて、そこにつとめておる人であります。この人の等級は現在三等級、同期で入った人たちはすべて特三等級になっている。やはり一等級おくらされている。しかも私がここで問題にしたいのは、この人はことし六十三歳、長年つとめて、職場に一生をささげた人と言って差しつかえない。ところがこの人に対して退職の勧告がきた。その退職の勧告を困ると言って断わったら、懲罰的に配置転換をさせられた。そうして現在家族がいま仙台市内に居住しているのにもかかわらず、本人はたった一人で山形県米沢にまで転勤させられて、そこで一人住まいをさせられているという状況であります。一体その人の一生を、職場にささげて、まじめにつとめた人の老後に対してこんな措置をやっていいかどうか。これがあなた方の公正な人事と言えるのかどうか。重大な問題であります。徴税という大事な国家的な仕事をやっているから人事については特別に配慮しておると先ほど大臣はおっしゃいました。その特別に配慮している人事というのは、こんな残虐な人事なのか。私は人間的に怒りを感じますよ。こんな状態に対して。 もう一人例を申し上げます。城昇という方、昭和二十一年に採用されて、熊本県下で初めて税務署に勤務した。現在この人も二十年勤続で表彰状を受けておりますが、現在は四等級、同期に入った人たちはすべて三等級になっております。ところがこの人も年は六十一歳、もうやめたらどうだという退職勧告がきた。それをお断わりしたら、懲罰的に熊本県の山鹿税務署から現在宮崎県の都城の税務署に配置転換をさせられた。家族と別れて、もう年もとって体も丈夫でない。病院通いもしなければならぬのに一人住まいをさせられ、三週間に一回必ず熊本県まで帰って、もとの病院の診察を受けなければならぬというような事態に置かれている。もう満二十五年勤続、仕事の上ではベテランだということは職場でも定評のある人だそうであります。それがこういうような扱いを受けているのです。その理由は、これは城さんにしましても山田さんにしても、全国税労働組合の組合員だということ以外には考えられない。こんな不当な差別人事を許していいものかどうか、ここにもはっきりと組合員であるがゆえの差別という実態があらわれているんじゃないでしょうか、その点どう思いますか。
○政府委員(江口健司君) いまおあげになりました若干名の者につきましては、私の承知しておる部分が、方がございますが、なお先生の御指摘の点については調査をさしていただきたいと思いますが、特に私の承知しておる数件につきましては、差別をするためにこういう人事をやったとは報告を受けておりませんが、なお再度調査をさせていただきたいと思います。
○渡辺武君 調査の結果、もし組合員であるがゆえにこういう差別的な人事をやったということが明らかになった場合には、あなた方はこれを是正しますか。とりわけ、こんなほとんど一生を税務署の仕事にささげてきた人に、本人の意思に反して、家族とも別れて遠隔地へ配置転換させるというような、こんな不当なことは、組合員であるがゆえに差別というような事態がなくても、私は当然にこれはやめるべきだと思う。本人の意見を聞いてこの不当な配置転換、やめますか、どうですか。
○政府委員(江口健司君) 第一線の職員の任命権は局長にございますので、なお御指摘の点がございますので、私どもで調査をいたしまして、局長のほうと相談をした上で、必要なものについて必要な措置を講じたいと思いますが、まだ調べた上でなければ結論が出ませんので、措置をとるという御返事は御容赦願いたいと思います。
○渡辺武君 十分に調べて下さい。もう組合員のほうからあなた方のほうにちゃんと名前まであげて申し入れがしてあると思う。私はいまこの席上で、国会では初めて申しました。しかし、組合との間ではあなた方の耳に入っているはずですよ。一日も早く調べてその結果を私に知らしていただきたいと思う。知らして下さいますか。
○政府委員(江口健司君) 人事のことでございますので、すべてをつまびらかに御報告をできない部分が多かろうと思いますが、できるだけ先生の御納得をいただける範囲内で御説明さしていただきたいと思います。
○渡辺武君 私はもうしつこいくらい大臣の耳に入れなければならぬと思っている。組合員であるがゆえに不当な差別をやっている。そうして十年二十年もつとめた人間を依然として平職にとどめておく。こういう事実、幾ら否定をしても私は否定し切れないと思う。私は国税庁及び国税局が組合活動に積極的に介入しているという事実、実例をここで申し上げてみたいと思う。幾ら勤務評定をやるときに、組合員かどうかというようなことを判断の中に取り入れてはいませんとは言っても、日常の行政活動の中で組合活動に対する介入をやっていれば、そういう見地から人事問題についてもどうしても判断が出てくる、そういうことをわかっていただくために、組合活動に対する介入問題、この点について大臣に聞いていただきたいと思うのです。私は この参議院大蔵委員会で税務大学の問題を取り上げ、そうして委員会としても税務大学に調査に行きました。そのときに痛感しましたことは、将来税務署の職員として活動する人たち、その人たちを集めて教育をやっている。ちょっと見にはりっぱなように見える。ところが、その内実に立ち入ってみると、ひどい密室教育が行なわれている。勤務時間について規則があるということは、これは当然のことでしょうけれども、勤務時間外の学生の自習や外出についてまできびしい規則があって、きっちりと締めつけている。そうして四人か五人ごとに一人ずつの指導員というのが置かれておって、そうしてこれがもう四六時中学生の日常生活から頭の中の考え方に至るまで指導しているというのが実情なんです。きょうはその問題だけを取り上げるつもりはありませんので、詳しくは立ち入りません。いずれ機会をあらためてこの税務大学の問題は大臣に徹底的に聞いていただきたいと思っております。 ところで、この税務大学で、内部講話と称して、国税局から主任教育官が来る。その主任教育官が、全国税労働組合というのは、これは破壊分子のつくっている組合だ、アカがつくっている組合だ、こんな組合に入ったらあなた方の立身出世は全然できないんだという種類の、組合誹謗の教育をやる。私ども共産党の誹謗もずいぶんやられているそうであります。その上に、いま言った指導官、これが班別に同じような指導をやる。徹底的に組合活動に介入する教育を、これを税務大学の段階からすでに行なっている。そうして税務大学の研修が終わって、いよいよ新しい職場につくときになると、当然のことながら、全国税は、正当な労働組合活動の立場からして、組合加入のための説明会を開きたい、これを国税局当局に申し入れる。場所を貸してほしいと申し入れる。ところが、これについて国税局当局は、公然と妨害ができないために、当日になると、局長の招待会などと称して、新たに職場に就業する人たち全員を連れていって、そうして第一組合の講習会あるいは説明会にこれらの人たちが参加できないように仕組む。あるいはまた歓迎会と称して、第二組合の幹部と一緒になって新しく職場に来た人たちに対して、公然と第二組合に加入を当局が積極的に推進するというような状況が出ております。特に私がきょうここで申し上げたいのは、その税務大学の班の指導員、これがアフターケアと称して、職場に就職した税務署の職員に対して、第二組合に入るように、第一組合には絶対に入らないように、こういう組合活動に対する介入を内容とした指導を行なっているという事実であります。ここに昭和四十六年の三月に新潟県の加茂市の暁星商業短期大学を卒業して、すぐに埼玉県朝霞市の税務大学校関東信越研修所に入所して、一年間の研修を経た後、新潟税務署に勤務した山田さんという方の供述書があります。これは弁護士の前で供述をして、本人がそれを承諾してちゃんと判こまで押している。この供述書であります。時間がないので、詳しくはここで読み上げませんけれども、この方は、入所した直後は第二組合に加盟した。しかし、しばらく加盟しているうちに、第二組合というのは全く当局の手先にすぎない、そういう実態がわかったために、第二組合を脱退して全国税労働組合に加盟をした。ところが、彼が加盟をした後に、もと彼がおった税務大学の担当教育官矢田桂一という男が、この山田さんのところへやってきた。そして詳しいやり取りをこれは全部書いてあります。一言で言いますと、第一組合などに参加してはいけないんだ、第二組合に戻るべきだ。こういうことをしつこくやっている。一番最後にこの人はこういうことを書いて結んでおります。供述しております。なお同じ日にアフターケアを受けた同僚は約十人おりましたが、いずれも三十分ないし一時間程度の短い時間で、仕事や健康など一般的な話だけで終わりましたが、私だけは特に時間をかけて全国税からの脱退を執拗に迫られました。他の同僚はいずれも関信国税——つまり第二組合のことですが——の組合員です。右のとおり相違ありませんといって、彼は自分の名前の下にちゃんと判こを押している。こういう事実が組織的系統的に行なわれている。しかも人事考課の場合にだけ公正妥当な人事聞課が行なわれるというようなことを言うことができましょうか。私は絶対にできないと思う。この国税局が先頭に立って行なっている組合活動に対するこの不当な介入、これをやめるべきだと思いますけれども、おやめになる意思があるかどうか伺いたい。
○政府委員(江口健司君) 事実関係がございますので、私からお答え申し上げたいと思いますが、先生いま御指摘になりました具体的な事例等につきましては、たとえばいまの新潟の矢田教育官によるアフターケア等については、かねて組合からも指摘がありましたので、私どものほうも真実がどこにあるかということをきわめて慎重に調査をしたつもりでございますが、先生が御指摘になったような事実とかなり事実関係がかけ離れております。これは水かけ論ということになるのかもしれませんけれども、特に矢田教育官の場合には、事前に上司から、そうしたことの疑念を持たれることのないようにという注意もわざわざ受けて出かけておりますし、また、教育官になるような人物でございますから、先生が御指摘のようなことがあったとは私たちも想像できない問題でございますし、現に本人も、一々のやりとりについて私ども報告を受けておりますが、先生御指摘のようなことがないということを申し上げたいと思います。 それから先ほど幾つか例をあげられました問題点の中で、配置個所の問題がございますが、これも先生御案内かと思いますけれども、私どもの職場は、いろいろ問題の起きやすいと申しますか、納税者との接触の期間が長くなりますと、いろいろ問題が生じやすいという心配を持ちまして、比較的よその省庁に比較いたしますと、配転の機会が多いわけでございます。これらにつきましては、職員の個別事情あるいは希望等もできるだけ尊重するというたてまえから、本人たちから身上申告という形で希望を取っておりますが、その希望の結果によりますが、最近特に子供さんの学校の関係もございましょうし、それから自宅の関係もございまして、おおむね希望する署というのが都市に集中する傾向がございます。したがって、全体の職員について希望を全部かなえるということは、その限りにおいては不可能な状況でございますので、ある年限につきましては、やむを得ず本人の希望するところの第一税務署に勤務できない、あるいは次またはその次の機会になるべく本人の希望を満たすというような配慮は十分しておるつもりでございますので、先ほどの都城の例等もございましたが、これらについては、もう一ぺん調査すると先ほど申し上げましたけれども、一般的にはそうした事情もあるということを御理解いただきたいと思います。 それからなお、一般的に職員の組合の関係の問題につきましては、すでに長官通達が出されておりますし、毎回局長会議あるいは部長会議等でもいわゆる不当労働行為にわたることのないようにということは、繰り返し繰り返し長官からも訓示として示されておるところでございまして、第一線の職員はその意を体して、あるいは意を体さなくても、これは当然の話でございますので、十分管理者は注意をしておるものと考えておりますが、もし先生の御指摘のような点があるといけませんので、この点につきましては、われわれも十分今後も注意していきたいと思いますし、また、指摘をされた事項については、再度調査を申し上げるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
○渡辺武君 先ほども申しましたように、この税務大学に関係した組合活動に対する介入、あるいはまた職員の思想、信条に対する不当な介入、この点については私はあらためてこれは取り上げたいと思います。 しかし、かりに、いま申しましたこの山田君の事件があなたのおっしゃるように、水かけ論だとかりに百歩譲ってしたとしても、あなた方が組合活動に介入して、第一組合を抑圧して第二組合を育てるために一生懸命になっているという事例は、これは尽きない。 私はもう時間がないから、最後に一つの例だけ申しますが、これは三月三十日の衆議院の大蔵委員会でわが党の荒木議員も取り上げた問題であります。愛知県刈谷の税務署長がことしの一月の三十一日に税務大学二十九期生以降の若年層十六名を集めた。そうしてその席上に名古屋国税労組、すなわち第二組合の幹部を五名集めて、計二十一名を勤務時間中に集めてマージャン会と称して、ここで第二組合の加盟の勧誘、これを所長じきじきの出席している席上でもってやらしている。しかも、勤務時間中にマージャン会をやったのにもかかわらず、当日は全員出勤したということになっておった。これを第一組合が知って、そうしてビラその他でもって明るみに出しました。当局のほうは驚いて、二月二十六日付で刈谷税務署の小林署長は名古屋国税局総務課付に配置転換させた。問題はそれだけじゃない。一月三十一日に執務時間中にマージャン会をやっていた人たちが、当日は最初のうちは出勤していたということになっておったにもかかわらず、あとから当日は年次有給休暇をもらった、年次休暇をもらったということにさせられている。私はここに休暇承認簿という税務署の帳簿の写しを持っております。大臣、これちょっと見てください。この人は二月九日に自分が自主的に有給休暇をもらって届け出ている、年次休暇をね。そのあとで一月三十一日に有給休暇をもらいましたという届けを出している。これは第一組合で問題になった。一月三十一日のものについては有給休暇の届けがない、当日は出勤したことになっておる。問題になってから、二月九日のあとであわてて一月三十一日有給休暇とったということになっている。こういうめちゃくちゃなことを税務署やってるんですよ。第一組合を抑えるためにです。第二組合を育てるためにこんなひどいことまでやって組合活動に介入している。それでいて人事考課が公正、適切に行なわれていると、どの口があったらそんなこと言えるのか。私は思わざるを得ない。 ところで、この年次休暇の問題については、なおこういう問題があるんです。第二組合については、帳簿を改ざんしてまでも、いま言ったようなことをやらしておきながら、同じ名古屋国税局管内で、先ほども問題にしましたけれども、不当配転に反対して組合員の役員が年次休暇をもらった。ところが当局はその年次休暇はやらないといって承認しなかった。組合員の人たちは年次休暇は当然の権利だということで休んで、そうしてこれは浜松の税務署の人たちですが、掛川の税務署に不当配転反対のために組合の幹部三人が出かけていった。ところがその三名に対して賃金カットと処分を行なってる。第一組合に対してはこんなひどいことをやっておる。第二組合に対しては先ほど申し上げたような帳簿を改ざんしてまでもこれを擁護するという政策をとる。ここにもはっきりした組合に対する差別的な態度、これを国税局、国税庁の当局がとってるという証拠があると思う。 ところで、せっかく人事院総裁においでいただきましたので、最後に一音だけ伺いたいんですが、ことしの三月二日付の最高裁の判決、林野庁白石営林署事件及び国鉄郡山工場事件、これの判決が出たと思いますが、年次休暇については、いってみれば、これは一言で言います、時間がないから、労働者の権利だという立場での判決が出たと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(佐藤達夫君) いまお示しの案件は、労働基準法の解釈に関するものでございますが、その限りにおいてはごもっともだと思っております。
○渡辺武君 最後に一言。大臣、もう時間が来ましたので、最後に一、二点だけお伺いして終わりたいと思うんです。 いまも申し上げた有給休暇によって処分を受け、賃金カットを受けた人たち、これについては、ことしに入っての最高裁の判決があります。明らかにこの最高裁判決に反した処分だと私は思います。当然この処分は取り消すべきだ、そして不当な処分を受けたこの二十一名及び三名ですか、これの権利を回復すべきだと思いますけれども、その御意思があるかどうか、これが第一点。 第二点は、私がるる申し上げましたとおり、第 一組合員であるがゆえに長期にわたって昇任昇格、これを中心として、これは私はもうきょうは取り上げませんでしたけれども、それはもうなんですよ、特別手当ですね。これについても差別がある。配置転換についても差別がある。年次休暇をとるについても差別がある、あらゆる面で不当な差別が行なわれている。先ほど調査をするとおっしゃいましたけれども、これは国会で公式におっしゃったことですから、私はそれはもう全面的に信頼しますけれども、ぜひ根本的に調査をして改めていただきたいと思う。 その二点を伺って私の質問を終わります。
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっと補足させていただきますが、ただいまは最高裁の判決そのものについてのお尋ねでございましたから、あるいは労働基準法の解釈に関するもので、したがって、労働基準法に関する限りはごもっともだと思いまして申し上げましたけれども、あとのいまのお尋ねを伺っておりますと、ちょっと一般職の公務員の場合は法体系が違いますので、それだけは念のために申し添えておきます。
○国務大臣(愛知揆一君) 第一点はいま人事院総裁が補足されましたが、そういう点もございますから、十分ひとつ研究をいたしまして、法体系の違うところその他を点検をいたしたいと思います。一般的にいえば、最高裁判所の判決というものは、これは行政府としてもあくまで尊重すべきものである、こう考えます。 それから第二点は、先ほど来いろいろ具体的な例をあげて御熱心に御説を展開されて、私も拝聴いたしました。私は、最初から申し上げておるような基本的な方針を持っておりますが、税務官吏のあり方というものは非常に大切なものであると、こういう同時にたてまえのもとにおいて、私なりに、りっぱに責任がとれるような税務官吏の問題に対して私としては処理をしていきたいと思います。その結果は、あなたのおっしゃることと逆の方向であることもあるかもしれません。しかし、私は、責任者として、私としてかくあるべきものであるというところに徹して十分の責任体制をとっていただきたいと思います。
○主査(川上為治君) 以上をもって大蔵省所管に関する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会