予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 321 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/05
会議録
○須藤五郎君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして、私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行ないますが、選任は、投票によらず、主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○須藤五郎君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に川上為治君、副主査に横川正市君を指名いたします。(拍手) ————————————— 〔川上為治君主査席に着く〕
○主査(川上為治君) ただいま皆さま方の御推挙によりまして、主査をつとめることになりました。皆さま方の御協力を得て、その責務を果たしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 審査に入ります前に、議事の進め方についておはかりいたします。 本分科会は、昭和四十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通商産業省所管を審査することになっております。 九日の委員会において主査の報告を行なうことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日午前を通商産業省、午後経済企画庁、六日防衛庁、七日大蔵省、九日外務省という順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○主査(川上為治君) 昭和四十八年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。 議事の都合により、政府からの説明はこれを省略し、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大矢正君 私は、持ち時間の範囲内におきまして、通商問題、エネルギー問題、商品投機問題の三点にわたって、以下若干の質問をいたしたいと存じますが、まず第一に、年度が新しく変わりまして、四十七暦年中の国際収支、特に経常収支、貿易収支等は先般発表になっておりまして、私の記憶に間違いがなければ、貿易収支で約九十億ドルの黒字、総合収支じりで四十七億ドルの黒字ということになっておりますが、四十七年度でまいりますと、もちろんこれは推定でありますが、結果として貿易収支、それから総合収支においてどういう結果が予測できるか。 それから、いま一つは、特に貿易収支の中で輸出入のバランスが保たれていない地域、具体的にはアメリカ、それからヨーロッパあるいは東南アジアというような地域分類を考えて、結果としておおむねどういう数字になってあらわれるか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 輸出はおおむね三百億ドル前後に伸びたようでございまして、一応の予定よりも五、六億ドルぐらい伸びたようでございます。一番関心を持っておりました対米関係は、大体三十八億ドルから三十九億ドルぐらいの輸出超過で、濃縮ウランの三億ドルを引きますと、三十五、六億ドル、あるいは六、七億ドル、その程度の黒字になるのではないかと一応予想されております。 具体的な各地の計数等につきましては、局長から御説明申し上げます。
○政府委員(小松勇五郎君) ただいま大臣から御説明のありましたことにつきまして、若干補足させていただきます。 日本全体の四十七年度におきます輸出は、対米関係につきましては、IMFベースによりまして、八十九億九千七百万ドル程度と見込まれております。それから、輸入のほうは五十億二千七百万ドルで、差し引き貿易収支の黒字は三十九億七千万ドル程度というふうに予想されておりましたが、最近の傾向を見ますと、これより輸入が一億ドルばかりふえるようでございますので、三十九億ドルを、黒字としては、少し割る傾向にあるようでございます。 先ほど大臣から御説明されましたように、濃縮ウランの前払い代金が約三億二千万ドル、近く払われることになりますので、これがIMF統計にあがるようでございますが、あがりますと、それよりさらに三億二千万ドル程度を引いたもの、三十五億ドル強というのが対米収支の黒字になるわけでございます。
○大矢正君 いまお話のございました中で、特に今後問題と思われることは、やはり対米貿易がわが国の大幅な出超であるということだと思いますが、そこで、根本的な問題を論議いたしまする前に、通産大臣に具体的にお答えを願いたいと思っておりますが、先般、ある新聞に、通産大臣の構想として、非鉄金属あるいは農産物等を中心とした物資の輸入促進公団を設立し、将来の物価の安定や、あるいはまた供給の安定のために利用したいという構想発表がありましたが、これは事実なのか。事実であるとすれば、どういう具体的構想のもとにこういう公団を設立しようと考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 事実であります。ただ、輸入促進公団という名前を使ったことはございませんが、まあ適切な表現はむしろ輸入備蓄公団とか、まあ輸入備蓄に関する機関と言うほうがより適切であるだろうと思われます。現在、これだけドルの蓄積がございまして、外貨減らしその他の制度で活用しておるわけでございますけれども、必ずしも万全を期した制度であるとは思えない現状であります。そこで、第二外為制度をつくるという構想もございますし、ともかく、現在の外貨を相当程度活用して、農林水産物資あるいは非鉄金属等の日本の国内価格の急上昇を防いだり、あるいは急に物資が欠乏するようなときにこれを補給できるような機構、プール機関をある程度つくっておくということは、国民生活を維持する上にも非常に大事なことではないかと思われるわけです。これはまあ、いろいろ国際的な景気あるいは生産状況によって国民経済が非常に影響される時代に今日日本もなってまいりましたので、そういう国際経済面からする波動をできるだけ国内に乱調子に入れないということも大事な条件にもなってきたようにも思います。 そこで、具体的な方途はこれから各省と協議して研究してもらうということでございますけれども、ともかく、ある程度相当量の外貨を受け入れて、その外貨を活用して、そして直接やるかあるいは間接的にやるか、あるいは、ある意味においては利子補給というような形をとるか、いろんな構想を組み合わせながら、いま言ったような機能を果たすような機関をつくることが適当であると考えまして、この構想を進めてみたいと思っておるところでございます。
○大矢正君 まあ外貨が二百億ドル近くも蓄積をされて、その二百億ドルの外貨をいかにして有効にこれまた利用するかという問題は非常に大きな問題でありまするし、いろんな構想があり、その一環として、いま言われたようなことも考えられていると思うのでありますが、ドルがよけいあるから公団がつくれるというものではなくて、それはドルがあるから外国から結局物を買えるというだけにすぎないのであって、かりにこの輸入促進公団——仮称でありまするが、そういうものがかりにできたといたしましても、これに伴う相当多額な備蓄用の円の原資とするものがなければ、これはできっこありませんね。まあ、外貨が二百億ドルあろうが三百億ドルあろうが、それ自身は外国から物を買うということに過ぎないんであって、かりにこの備蓄公団といいますか、輸入促進公団といいましょうか、この種のものがかりに設置をされたといたしましても、相当な資金を持たなければ、この公団の役割りそれ自身が生きてこないと思います。それには、百億や二百億円程度のような微々たる金では、とてもじゃないが公団の使命は果たせない。とすると、かりに十億ドル程度の規模の公団といたしましても、三千億円程度の円の蓄積がなけりゃこれはできないということになりますわね。そういたしますと、その金は一体どこから出てくるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはまあ専門家の検討をわずらわしたいと思っておりますが、たとえばある機関に債券発行の権限を与えて、それによって円を吸収して、そしてそれを見返りにドルを日本銀行その他からもらってくる。そのドルをその機関が活用するか、あるいは次の別の機関に活用させるか、そういう形でやることも可能ですし、その債券を発行する機関が借り入れ金やそのほかの権限も認められていて、財投資金の一部を運用するという方途もあわせて考えられるところでもあると思います。何かそういうような円を手に入れる方策を講じて外貨とかえる、そういうチャンネルはお説のとおり確かに必要でございますが、債券発行というような形がより適切ではないかという気がいたします。
○大矢正君 それで、こだわるようでありますが、この公団設立について、新聞の報ずるところによりますと、非鉄金属と農産物を中心としておるというようなことでありますが、最近のこの異常な物価の高騰、まあこれはもちろん投機にもありますが、これはあとから触れるつもりでおりましたが、投機それ自身は、やっぱり品物の需給の問題がある程度加味されて、幅がないという、需給の幅がまあ非常に薄いということがある程度投機を呼ぶという原因にもなっておるわけでありますから、そういうこと等も考えてまいりますると、この公団の扱う物資の内容というようなものは、やはりかなり広範囲にならざるを得ないし、そうなるべきものではないかという感じもいたしますがね。農林省その他にもいろんな公団もありまするし、たとえば砂糖のごときに至っては、糖価安定事業団というようなものもありまするし、そういうふうな公団がすでに現にありますね。そういうものとの関連等もこれあり、どうなんでしょうか、通産省は、農林省が扱うべきあるいは所管すべき物資まで含めて、こういう構想を持って、たとえば農林省との共管というような考え方でいくと考えておられるのか。それとも、まあ特に工業用原料というようなことに力点を置いてやろうと考えておられるのか、いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) これはもう各省網羅した、省庁別といいますか、そういうものが望ましいと思います。糖価安定事業団とかあるいは畜産振興事業団とか、いろいろそういうものもございまして、そういう調節弁の役目をしておる向きもあります。食管制度もそういう要素を一部なしているところもあると思いますが、それらを機能させる一つのプールとしてもまた考えられるわけです。買う場合にも、外貨がなければ買えないわけでありますから、そういう意味で、たとえば肉を畜産事業団で放出したりなんかしておりますけれども、これはまあ農林省のお考えになることでございますけれども、その肉を大量に入れておく、安くなってきた場合に入れておく、そして日本の国内の高いときにそれを放出する、そういうようなことも考えられないこともない。そういう意味で、これは通産、農林各省そういう適切な物資について考えたらどうか。通産で一番大きな関心の一つは、石油の備蓄の問題がございます。四十九年までに六十日分蓄積してもらおうというので、いろいろ石油会社等に要請して努力を願っておるところでございますが、これにいたしましても、膨大な量を蓄積しているとそれだけ利子がかかるわけです。それをまあ会社の負担においてやってもらっておるわけですけれども、ある一定以上の大きな量になってくると、とても利子負担にたえられないということもあります。しかし、消費量が多くなればそういう可能性もまた出てくるわけでございまして、利子補給というような考え方もあるいは将来出てくる必要があるかもしれません。そういういろいろな構想も含めて、ひとつ検討してもらおう、そういうことであります。
○大矢正君 通商局長にお尋ねしますが、けさの新聞を見ますると、おたくの事務次官の両角さんが総理とお会いになって、特に対米貿易の問題について、それから資本の自由化の問題について、まあ商品投機の問題ももちろんやられたそうでありますが、いろいろお話しになったというようなことが載っておりまして、その中で、いまの議論をしております問題点の一つとしてあげられるべき内容のものは、さっきお話がありました四十七年度の日米貿易の収支は約四十億ドル、まあ正確には三十九億ドルの黒字と予測される。これはお話のとおりですが、四十八年度さらに十億ドル程度黒字が減って、二十九億ドル乃至三十億ドル程度というようなことが言われておりますが、これは四十八年度の見通しは、大体現状のまま推移いたしますると、三十億ドル程度の黒字がなお依然として残るという判断が成り立っておるのかどうかですね、お答えをいただきたい。
○政府委員(小松勇五郎君) 昨日、通産事務次官が総理に御報告申し上げました対米貿易収支見通しは、一応の試算でございまして、もちろん今後のアメリカのインフレの状況、日本における景気の状況その他によっても違ってまいりますし、変動相場制の影響あるいはドルの切り下げの影響が今後どのようにあらわれるかということによっても違ってまいりますので、必ずしも自信のある数字ではございませんが、最近の対米貿易動向及び一応現時点において考えられますいろいろな指標にかんがみまして、四十七年度の一応の見通しであります三十九億ドル程度の貿易収支の黒字よりは約十億ドル程度は黒字が減るのではあるまいかというふうに考えられますので、そのことを御報告申し上げたという次第でございます。
○大矢正君 大臣にお尋ねをいたしますが、四十七年度が三十九億ドルの黒字の予測が成り立っておりますが、これはかたいところだと思いますし、まあ四十八年度は、特別のことをやらない限り、現状の展開、継続という形でいくと、いま言われたとおりに、また次官が説明をしたとおり約三十億ドル近い貿易上の対米黒字がわが国に出るということになりますと、アメリカのわが国に対する自由化問題、もちろんこれは物の自由化と金の自由化、両面にわたってでありますが、相当これはまあ激しくなるものと予測せざるを得ないと、私自身実はそう考えます。この間、商工委員会で大臣とも私いろいろ議論をいたしましたが、これはまあ私は何もアメリカの肩を持って、アメリカの言うことが正しいと言っているんじゃなしにですね、今日のアメリカの力では、もう四十億ドル、三十億ドルというような大幅な貿易上の赤字を黙って見過ごせるような力関係にないという、こういう現実等も考えてみますると、アメリカのわが国に対する自由化の促進というものは相当なこれからきびしいものがあるし、いま、まあ幸か不幸かフロートしておりますから、まだ何とかやっておりますけれども、しかし、そういつまでもフロートを続けるわけにはいかないというような問題もからむといたしますれば、やはり自由化問題ということは強い要求事項となってくると思われます。 で、私はその中で、最近通産省に属する内容のものとしては、電算機の自由化が——これは以前から政治問題化いたしているところでありますが、最近は特にこれが新聞等をにぎわしております。で、この電算機の自由化問題については、これはお互いのかけ引きがありますから、直ちにやるとか、三年後にやるとか、いろんなことがあると思いますが、まず第一点の問題として、電算機の自由化、もちろんこれは部品その他も、周辺装置も含めてでありますが、どういう考え方を貫いていこうとされているのか。あるいはまあ集積回路の問題ももちろんございますが、その他全体的にソフトウエアを含めての電算機の自由化問題を一体どう考えておられるのか。 それからもう一点は、それと関連をして、業界からは、非常に虫のいい話で、千五百億程度の金を政府から出してもらって、それでアメリカの電算機と対抗しようというような、あるいはアメリカとの間における技術格差の早期の縮小をしていこうというような考え方があるようでありますが、しかし、私自身考えて、国民の税金をその種の問題に多額に使うというようなことは、今日はたして許されるべきものであるかどうかというようなことを考えざるを得ないわけでありますが、この電算機の自由化問題には、特にアメリカは執拗にこれから、農産物と同じように強く出てくると思いまするし、同時にまたアメリカにそういうふうに押されて、やむなく今度は金で片をつけるというような悪い問題の解決のしかたをあとに残す、国内において金で解決をするというような。これは非常に私は問題だと思われるので、以上二点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカ側がドルの赤字を克服するためにかなり強い態度で世界の各国に臨んでくるであろうというお説は、私も同感でございます。特に日本の場合は、四十億ドルに近い赤字をアメリカとしては持っておるわけでございますから、そのバランスを回復しようという努力をしてくることは、われわれとしても当然考えられるところであります。まあそういう中にあって、電算機、ICの自由化というような問題も出てくると思いますが、この問題に関しては、通産省では一応の省内におけるこの見当という考え方は持っておりますけれども、これをいま公表することは差し控えさせていただきたいと思います。しかし業界のほうでは、大体大矢先生おっしゃいましたように千四百七十億円ぐらいの補助金、及び四年ぐらい待ってほしい、そういう要望がわれわれのほうにございました。われわれのほうは、いろいろ国内の抵抗力、あるいは抵抗力が将来どの程度伸びていけるか、そういう将来の予測も検討し、かつアメリカ側がどういう態度に出てくるであろうかという予測も検討しながらわれわれの態度を研究しておる、そういうことでございます。 そこで、電算機産業というものは、私たちの考えでは、日本の経済構造を知識集約型に持っていきたいという仕事の一つの中枢をなす仕事でもございます。そういう国策の中心に存在している問題でございますから、できるだけ国産化の率を高め、また日本のシェアを持ち続けておって、日本の知識集約型産業国家への基礎を固めていきたい、そういう考えに立っておるところでございます。いままでの例を見ますると、イギリスやフランス、ドイツにおいてわりあいに早期に自由化したために、ほとんどIBMやアメリカの機器に押されて、シェアをほとんど取られてしまっているという過去の苦い経験もわれわれよく考えまして、重化学工業国家からの脱却という面を考えますと、やはりある程度国産の電算機産業を保護していく、そういう中枢にある程度すわれるような力を持たせていきたいということが必要であるように思われます。 で、日本の場合、どこがそれじゃあ弱点かといいますると、やはり電算機におきましてはソフトウエアが非常に弱い。それからもう一つは、レンタルにおいて外国と格段の差が出てきておる。そういう面等の強化を考えると、業者だけの力ではとてもできないところがございます。当面としては、IBM三七〇シリーズに対抗するもの、現にIBMが四月からレンタル料を相当安くしてきたという新聞報道もございますが、これは国際的な力を持っておる多国籍企業がよくやる手であります。そういう情勢も考えてみると、当面IBM三七〇シリーズに対抗する機器、及びノーハウを開発するということが重要なことでありまして、そのためにいままでいろいろ補助金も与えて助成してきたところでございます。 外国の例を見ますと、ドイツにおいては、第一次データ処理高度化計画、一九六七年から七一年において三百億円、第二次計画において、七一年から七五年までに二千四百二十億円の補助金を出しております。フランスにおいては、第一次プラン・カリキュール等、一九六七年から七二年までの間に四百十億円、第二次プラン・カリキュール等、七一年から七五年までの間に千二百七十二億円、英国は、年間百十四億円のICL開発費補助と、それから電算機高度技術開発計画補助として年間三十五億円、こういうような、各国ともかなりの強い補助政策をとっておりまして、日本のようなこれだけ高度になってきた産業を持つ国家としては、ある程度のやっぱり補助政策を持ちながら、われわれが目標としている知識集約型産業に進めていくということは必要な措置ではないかと思います。
○大矢正君 なるほど、私もヨーロッパ諸国における電算機に対する異常な各国の執念めいた政策はわからぬわけではありませんが、しかしわが国の場合には、数多い中小企業というものを育成しなければならぬという非常に大きな、しかも急ぐ課題が構造的にもあるわけですからね。ですから、非常に力のある電算機の業界に対して多額の助成をすることが、外国で一部あるからといって、やることが私は必ずしもわが国の今日の政策上の課題とすべき内容だとは実は思われません。 それから念のためにもう一つ承っておきますが、これは油の場合なんかも——あとでまた質問をする予定でおりましたが、そうでありますように、業界自身が、非常に数多い企業によって、言ってみれば研究開発投資がなされておる。そのことのために、また逆に言うとおくれをとる、それからまた資金も必要とするというような結果になっておるわけですね。で、通産省もグループ別に企業の編成をするというような方向でいままでやってきたようでありますが、これをさらに一段と強めて、少数の企業もしくはグループに編成をして、再編成をして積極的な研究開発に取り組ましていくという、また体制の整備に取り組ませるというように考えてしかるべきものだと思われるし、政府自身もそういう方向で進んでいるようなニュアンスの内容が新聞等においても書かれておりますが、この辺は一体どういう方向をとろうとしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府の公金をもって補助をするということになりますと、当然これは受け入れる側においても公的責任を伴うことでございますから、それに対応するだけの合理的な受け入れ体系をつくるということは必要であると思います。 具体的な考え方ややり方につきましては、重工業局長から御答弁申し上げます。
○政府委員(山形栄治君) 電算機のグループ化の必要性につきましては先生のおっしゃるとおりでございます。御存じのとおり、四十六年の秋に、現在六社、電算機をつくっておるわけでございますけれども、これを三つのグールプに再編成いたしまして、再編成の第一段が進み出したわけでございますけれども、今後の進展に応じまして、上り一そうこれを強めなければならない要請がありますのは当然でございますので、現在の考え方といたしましては、まずそのグループの中の技術体系、販売体制、これの強化を、提携の強化をまずはかるのが第一段だと思います。この辺につきましては日立・富士通グループ、それから日電・東芝グループを現在鋭意進めておるわけでございます。 その次にまいります強化策といたしましては、グループ同士、グループ間の提携の促進ということでございますが、これの一番端的なものは、共通部品の共同統一生産開発ということだと思います。この辺につきましては、いま六社間の協議会を発足させまして、今明日にも第一回会合を開いて、むだの排除に基づきます部品の開発等を中心に、この可能性、テンポ等の検討に入る段取りに相なっております。将来のことはなかなか予測できませんけれども、部品及び共通のソフトウェアの開発、生産等を通じまして、今後グループ同士のより一そうの強化、提携の促進というものをはかるべきだと、こう考えておる次第でございます。
○大矢正君 大臣にお尋ねしますが、いま部分的な問題であるところの電算機等々の問題でいろいろお話を承りましたが、先ほど申し上げましたように、前年度——終わりましたから前年度になるのですが、四十七年度で約四十億ドル、四十八年度でも約三十億ドルというような対米貿易の大幅なわが国の出超を、若干の自由化とかあるいはまた資源のアメリカからの購入であるとかというようなことで問題の片がつくとは思われません。根本的にわが国が、対米貿易はもちろんでありますが、世界全体との間における貿易通商に関しての考え方の転換と申しましょうか、そういうものが必要となってきておるのではないかという感じがいたします。 もちろんいろいろな面でそれぞれ措置はしているとは思いますが、特にいまドルが非常に大きな不安の目で見られておるし、事実ドルに対する不安というものは存在をしているわけでありますから、これは一々申し上げるまでもないし、また予算委員会等でもいろいろ議論されたところでもありますので、私は申し上げません。問題は、わが国が貿易をしているその大部分を占めるドル、まあドル建て貿易と申しましょうか、おそらく世界で結局、ヨーロッパ諸国その他も含めて、わが国がドル建ての貿易が一番多いことはもうはっきりしておるわけですが、それだけリスクの多い貿易をしているわが国の立場として、今日のようなドル不安に対処する方針を出さない限り、輸出業者の不安というものは取り除き得ないわけであります。 ドルが今日大きな不信を持たれていることの非常に大きな原因というものは、交換性がないということが最大のものであろうということはだれしも考えられるところなんですがね。で、ドル自身が金との交換性が回復されれば、これは一番いいことなんで、われわれはそうすべきだという主張をぜひしたいと思うのであります。しかし、一方において、日本との間の貿易において四十億ドル、四十八年度においても三十億ドルというような大幅な貿易上の逆調を現実に持ちながら、交換性を回復せいということを、これ、わが国自身が叫んでみても、非常に響き方としては相手にこたえないわけですな、実際問題として。しかしながら、その交換性が回復されない限りにおいて、ドルに対する不信というのはぬぐわれない。 しかし、もしわが国が積極的にほんとの意味でドルの不信、不安を解消するために交換性を回復させるんだということになれば、結局貿易上における大幅なわが国の出超というものを何とか是正をする、しかも早期にするという考え方がなければ、これは相手は受けて立つわけはないわけですわね、現実的に。これは私は現実論を言ってるんですよ、アメリカの言うことがいいなどと言ってるんじゃなくて、現実論的にそうなる。で、結局あげくの果てには繊維の協定であるとか、あるいはドルの一方的な切り下げであるとかというように、まあわが国が泣かなきゃならぬという結果になるわけですがね。そこで通産大臣、どうこれから、いま言った——私が申し上げましたような通貨情勢の中で、通貨不安の中で通商を展開いていこうとされるのかですね、この際、非常に重要な問題でありますので、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり通貨調整の基礎には、世界的な物流の流れというもののバランスを回復するということが基礎であるだろうと思います。そういう面から、日本もドルの黒字というものをできるだけ早期に適切に処理をして、そして物流の流れというもののバランスを回復するという面に協力するということが世界のためにも必要であるだろうと思い、そういう認識の上に立ってわれわれも努力しているところであります。 ドルの金交換性回復ということは、お説のとおり現状におきましては、アメリカの立場になってみても、客観的に見ましてもかなり困難性があるように思います。それはいまのような物流におけるバランスが回復されなければなかなかむずかしいことでもあるように思います。したがって、世界の国々が協調してそういう面を回復すると同時に、またやはり各国が内政においてとるべき策もあると思うんです。 たとえばアメリカにして見れば、インフレの克服とか、あるいは多国籍企業の投資に対する規制であるとか、そういう面もわれわれとしては大いに強調したいところでございます。それで、まあ長い目で見ますと、一国の強大な経済力を持っておる国の通貨が基軸通貨として適切にはたして運用され得るかどうか、これは過去の経験から見ても疑問な要素があります。 そこでSDRというようなものが発明されて出てきたんでありましょうが、やはりこのSDRというものをいかに育てるかということが、長い目で見て私たちは課題として投げかけられているんだろうと思います。その間において、やはりいま病んでいるドルをできるだけ低いレベルで健康体に回復させつつこの世界通貨体系を一つの安定的な制度に早く戻すということが必要であると同時に、長期的には、そのSDRというものをいかに育てていくかという課題にも取り組んでいく、そういう二つの面をいま世界の国々が持っているんではないかと思います。そういう認識を持って通商政策を進めていきたいと思います。
○大矢正君 さっきも私申し上げたように、日本は二百億ドルというべらぼうな外貨の蓄積、特にこれは金がわずかでありますから、大部分がドルということになりますが、これをいかに有効に利用するかということと、これをいかに価値を減らさないで利用するかということは、これは日本自身も考えなきゃならぬことだと思うんですよね。私は、二百億ドルもたまるまで何をしておったんだというような過去のことをいま追って議論をしておるわけじゃなくて、現実にもうたまってしまったものをどうするかというこれからの問題について大臣に申し上げておるわけですね。 やっぱり一つの問題は、二百億ドル近いドル、蓄積された外貨というものをいかに有効にこれを利用するかということと、いま一つは、このドルを中心とする外貨というものをこれ以上価値を減らさないで、結局国民の税金をつぎ込んで日本銀行の穴埋めをしなければならないような形にならない、いかにしてこのドルというものをこれから減らしつつ価値ある使い方をするかということが、やはり通産当局としても十分考えなきゃならぬ問題点だと、こう思います。 そういう意味では、やはり簡単なことではまいりませんし、国際通貨制度全般にかかわる問題等もありますから、通産大臣だけにこの問題を聞いてもいたしかたのない問題でありますが、ともあれこれからの通貨政策というものはわが国にとって非常にむずかしい問題を含んでいる。金の交換性回復を要求すれば、一方においてはそれではということで、貿易収支をバランスを保てるようにせいという要求が出てき、それをまた早急に実行すれば、わが国の産業に打撃を与えるという問題が出てくるというような、結局保守党政権が長い間放置してきた問題が一挙にいま吹き出たというようなそういう感じの今日でありますから、私はやはり真剣にこの問題には取り組んでもらわなければならないと思うんであります。 さて、それから次に山下局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、これはもうずいぶん予算委員会やあるいは本会議等でも議論された問題でありますから多くを触れたいとは存じませんが、俗にいわれる商社を管轄しているのは、これは通産省でありますから、そういう立場でお尋ねをいたしたいのでありますが、先般、私は通産省から商社関係を洗いましたその内容を、新聞にも出ましたが、いただいたのでありますが、あの中で特に奇妙に感じたことは、まあ商社でありますから、対外貿易の上におきまして決算上利益金が出た、あるいは国内におきましても物の売買その他によって決算上利益を得たということについては理解をするところでありますがね。この有価証券の売買益というものが、四十六年に比較をして四十七年というのは非常に多くなっています。で、数字を具体的に申し上げてもいいんでありますが、あえてその必要性もなかろうと思いますので、申し上げませんが、これはまあ最近出ております商社を分析したいろんな本等を見ましても、商社が積極的に株の売買に乗り出しているということは強く指摘されているところでありますね。 本来国民が、あるいはまたそれぞれの企業が必要とする物資といいましょうか、そういうものを安定的に、できる限り安い価格で供給をすることに最大の使命を持っております商社の機能が、大きく踏みはずされて株の売買に乗り出している。ある会社の個人のごときに至っては、株の神さまであるかのごとき尊称すら出ておるということは、これは商社の本来的な業務のあり方、あるいはまた社会的な使命から考えて非常に私はおかしいんではないかというように実は感ずるんでありますがね。いかがでしょう。これはまあ直接的には通商局長が所管をしているかもしれませんが、しかし最近のこの投機全般の方向は、企業局として山下局長がやっておられると思うんですが、どちらでもけっこうでございますがね、いろいろ問題はありますが、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山下英明君) 御指摘のとおり、商社の有価証券売却益は、過去四期をとってしさいに見ましても、四十七年の下期上期、四十六年の下期上期と見ましても、過去二年間で著増しております。 今回、十三日から十五日、三日間にわたって大手六社の方々に来てもらいまして、事情聴取ということで私どもは実態把握につとめたわけでございますが、その際調べました項目は、商社の金繰り状況、土地、証券の取引、それから価格高騰が著しくて過当投機があるのではないかと思われる数品目について、それぞれ別個に担当の責任者から聞いたわけでございますが、その実態調査は、まだほんとうの取引の実態を把握するという点からいきますと、ようやく一歩を踏み出した程度ではございますけれども、その第一歩のところで顕著につかめました事態は、やはり昭和四十六年の上期から、特に為替変動に伴うリーズ資金、つまり輸出前受け金を促進しまして外貨を政府に売り、その売り上げ円代金が商社の手元に入ったという、この過程で円資金が豊富に入りまして、俗に言う手元流動性が特に一九七一年の間に増加しております。 で、顧みますと、この期間は、同時に、政府としても景気対策上金利引き下げを着々実行していった期間でありまして、御承知のとおりに、長期金利の引き下げまで含めて、一九七二年の六月末までに順次各般の施策をして、ほぼ一巡完成したのは七月一日でございましたが、その過程で商社に手元流動資金が豊富にある、この事態がやはり有価証券の売買取引を活発にさせた大きな原因ではないかと思います。金利が下がり、現金、預金、その他企業間信用も含めまして手元流動性がふえた場合に、それを本来ならば銀行に返せばよかったのではないか、こうも思います。また、私どもの企業行政としましても、戦後長年、商社なりメーカーが金融機関からのいわゆるオーバーボローイング、借り入れ金負債に悩まされ続けてまいりまして、諸外国に比べて自己資本比率もきわめて低い、たとえば主要企業の場合に二割前後、しかも近年に及んでなお低下をし続けてきた。七二年の前半まで低下を続けておりまして、外国が五割以上というのに比べると、企業経営上いろいろなところに欠陥が出ますので、これは脱却したいというのが政策目標の一つでもございましたので、たまたま一九七一年にそれだけ流動性がふえたならば、それを銀行に返して経営の健全化に充てればよかったのではないかと思います。多少私の見解も含みますが、そういういいチャンスではなかったか。その際に、銀行のほうが、貸し出し金の返済よりも、手元流動性はさらに預金として預かり、それに見合って貸し出しをふやしていくという、貸し出し競争に基づく貸し出し増加を望んでおったという事態もいなめないことだと思います、否定できないことだと思います。そういう事情もありまして、結局、一番利率のいい使用方法として、有価証券を選んだものと判断しております。 これが望ましい姿であるかどうかという点でございますが、もとより私どもは、商社は卸売り業、流通業と判断しておりまして、ときに触れおりに触れ、商社の定款が森羅万象、何事も取引ができるという形は制限すべきではないか、あるいはその資金が株式あるいは下請子会社への投資等、一部銀行業務に近いことをしておる現状においては、制限すべきではないか等、諸般の御意見もあり、私どもとしても検討はいたしておりますが、本来の仕事としては流通商品取引でございますので、有価証券取引で利益を得る、しかも膨大な利益を得るということは、本来の姿ではないと存じます。
○大矢正君 商社が有価証券、特に株の売買を行なうから、これは法律的に問題があるとかという意味で私は問題になるということを申し上げておるわけではなくて、本来、商社の事業目的というものにそぐわない内容のものを商社自身がやることが社会的に許される行為かどうか。それでなくても、他の物資の買い占め、売り惜しみ等によって、現に通産省自身が、卸売り物価、消費者物価ともに高騰しているということを認めておるわけでありますから、私は非常に重大な内容だと思うんですよ。 で、資本の自由化を進めていけば外国企業に乗っ取られる心配がある、したがって株主の安定化工作をやらなければならない、株の持ち合いをやらなければならない、結果として市場に出回る株の数は少なくなる、そういたしますと、わずかの金で株価は急激に高騰をする、そこでもうかるという論理で、資金の豊かな、潤沢な商社というものがこれに乗り出してくれば、これはもうほんとうにたいへんな事態になるわけでありまして、ある新聞の最近出しました本等を見ますると、まことに悪らつな手段、方法を講じて、株式売買における、あるいはその他有価証券の売買における利益を得ているということは、これはまことに商社として重大な問題だと思います。 で、大臣に、私は、特にこの際、明確にお答えをいただきたいと思うんでありますが、株の売買云々という問題は、これはどちらかというと、大蔵省の所管にかかる事項であるかもしらないが、本来、商社の監督官庁である通産省としては、株の売買が、あるいは株式市場というものが大蔵省所管であるからわれ関せずではおられないわけでありますね。商社の反国民的な、反道義的なそういう行為や行動というものについては、きびしく戒めてしかるべきものがあると、私はこう思いますし、具体的に申し上げたいんですが、時間がありませんので、あと十分しか時間がなくなりましたので、決意だけを私は伺っておきたいと、こう思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 商社は、先ほど企業局長から申し上げましたように、問屋的性格を本旨とするものであります。それが、ややもすれば投機に走ったと疑われるような株式売買を大量にやるということは、本旨に逸脱する行為であって、国民経済の上からも、そういう行為は自粛せらるべきものであると思われます。今回の調査によりましてそういう実態も明らかになりましたので、このような点は商社の首脳部に対して警告したところでございますが、今後もわれわれはそういう過失を再び起こさないように戒めてまいりたいと思います。
○大矢正君 最後に、私は、エネルギー危機と呼ばれる今日のエネルギー確保問題に関連してお尋ねしますが、けさの新聞によりますと、昨日の予算委員会で、通産大臣はある党の委員の質問に答えて、夏ごろまでにエネルギー白書というものを初めて明らかにしたいと、こういう答弁をしたと書いておりますが、このエネルギー白書というのは具体的にどういうことを盛り込もうとしておられるのか、事実出すおつもりなのかどうか。それから、もちろん私思いまするに、白書と正式に銘打ってこういうものを出すからには、将来、十年、二十年、三十年という先を見越しての通産省の確たるエネルギー政策、特にエネルギーの大宗を占める油に関しての、あるいは原子力もそうでありまするが、特に油について等は、はっきりした量的な確保、それから価格面における高騰を防止する方策等々が出されるものと期待をしておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) エネルギー白書といわるべきものを出したいと思っております。で、すでに作業を命じておるところでございます。しかし、いわゆる白書というと、どうもかたくて厚くて、数字や統計が多くて国民になじまないものがいままでの例でございますので、今度のエネルギー白書はそういう性格から脱却して、もっと国民になじみやすい、読まれるようなものにしたらどうかと私はサゼスチョンを与えております。必ずしもいわゆる白書といわれるような厚いものでなくてよろしい、そのかわり、われわれの見解を明確に盛り、国民に対して訴えんとするところをまた明確に盛り、現状をつぶさに、一望にしてわかるように、解説的な要素も加えたものをつくったらどうか。それで、その内容は、私の考えでは、やはり世界のエネルギーの現状、それが十年、二十年、三十年後にどういうふうに推移するであろうか、それから日本のエネルギーの現状、そして日本の需給関係が経済の成長に伴ってどういうふうに推移するであろうか、それらの中において、火力、水力、いわゆる電気エネルギー、それから原子力あるいは石炭あるいは地熱発電そのほかのエネルギー開発の可能性等の展望をも国民にお知らせしますし、また、日本がそれらのエネルギー源を獲得している地域との関係がいま国際的にどういうふうに変動しつつあるかというようなことも、諸条件もよく説明をして、そして、政府としてはこういう考えに立ってやっていきたいと思う、そして、この年次においてはこれだけの需給関係になると思うが、こういう政策で対応したい、しかし国民の皆さまにこういう面で御協力願わなければならぬ面もある、そういうような内容を盛った、むしろ現状を国民によく御認識を願って、政府の方策を示し、国民に御理解と御協力を願う、そういう内容にしたいと思っております。
○大矢正君 最近のこれは新聞の報ずるところによりますると、わが国の日石グループと称される、私の記憶に間違いがなければ、カルテックスから油を購入している三社と、それからカルテックスとの間に、今後二十年ないし三十年の間は必要とする量を安定的に供給をするという覚え書きをかわしたというようなことが言われておりますね。それで、これは事実かどうか私はわかりませんけれども、私もずいぶん長い間エネルギー問題はみずから研究もし、勉強もし、やってまいりましたのですが、これから二十年、三十年先のエネルギーを安定的に供給できるとか、確保できるとかいうようなことがいまから一企業との間に約束がかわされるなんというようなことは、私はナンセンスではないか、これは最近いろいろな書物を読みましても、もう特に油に関して言えば、二十年、三十年先なんということは絶対に計算ができないんだ、現実に。よって、一つの企業が今後二十年、三十年にわたって安定的に、単に量的な意味で言っているだろうと思いますが、供給できるような力をいまのこの変転きわまりない、特にOPEC諸国の力が強くなっている今日、簡単にそんなものができるとは思われませんが、通産大臣としていかがですか。私はいまのカルテックスの問題を答弁をしてもらおうというのではなくて、いまのわが国が置かれているエネルギーの現状というものと将来展望というものは、そんな甘いものじゃないんだ、とにかく相当真剣かつ深刻な問題としてこれを受けとめなければならぬのだというふうに私自身思うのでありますが、いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 全く同感でございます。 今後二十年、三十年の長期にわたる展望というものを確信を持って言える人はいまのところそうあるはずがないと思いますし、そういう供給契約というようなものについても、これはある意図を表明するとか、そういう希望の表明というような程度ではないかと思います。それがもし履行されなかった場合に賠償責任を負うかというような、それまできわめたような供給保証ということは、なかなか現在の各企業ともできないんではないかと私は思います。しかし、いずれにせよ、世界的に見ても、日本の現状から見ましても、エネルギー不足という問題が深刻化しているということは火を見るよりも明らかでございまして、その点については、われわれ通産省としても、エネルギー源の取得につとめるとともに、国民の皆様方にも現状を御認識願って、御協力願う分は御協力願う、そういう政策を強く打ち出していきたいと思います。今回、機構改革をやりまして、資源エネルギー庁というものをつくりましたのも、火力、水力、原子力あるいは地熱発電等を含めた日本の総合エネルギー対策を推進する一元的機関として考えてやったことでございます。
○大矢正君 世界のメジャーと呼ばれる石油会社は大部分がアメリカで、御存じのとおりイギリス、フランス等もありますが、アメリカ自身がエネルギー危機を表明し、特に油の確保については相当積極的になるだろうということが想定されます今日、わが国が私企業に原油の確保を一切ゆだねて、それでわが国の安定的な油の供給が可能かということになりますと、私はそう簡単なものではないのじゃないかという感じがいたします。企業でありますから、おのずから自分の企業が持つシェアなりそれから需要が拡大をすれば、よりそれをどう確保するかという方策を講ずるでありましょう。しかし、国全体が五年後、十年後、二十年後というような将来にわたって必要とするエネルギーあるいは油の必要量に備える意味で、企業がみずからの原油の確保を考えるとは私は思われません。 なぜかと言いますれば、これははっきり申し上げまして日本の場合は、油を海外において確保する、言うならばアップストリームと、それからダウンストリームとの企業それ自身の区分というのは明確になっているわけですし、供給を受けるメジャー、それを受けて精製をして販売をするわが国の企業というようなこういう立場等から考えてみまして、私は、私企業にのみわが国の油の供給をまかせるというようないまの政府のやり方というものは将来必ず行き詰まりが来て、それがまた今日のちょうど商品投機と同じような結果をもたらす。しかもそれは基礎的な物資であるだけに、深刻かつ重大な打撃を経済に与えることにもなりかねない。 よって、私は、時間もありませんので最後に大臣の決意を承りたいと思いますることは、この際、私企業だけにゆだねて、このわが国のエネルギーの大宗を占める油の確保に当たらせるのではなくて、何らかのこの量的確保の意味における機能を持つ性格の機関を私は早急につくり、そして全体的なこの油の輸入体制というものを調整をしていくべきではないか。いろいろ問題点もあろうかと思いますが、そういう方策を講じないで、ただこの精製会社あるいは海外で自主開発をいたしておりまする企業にゆだねるということは、これは非常に不安が多いとこう思うんでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) お説のとおりであると思います。 英国は、スエズ危機でスエズ運河がとまったときに非常に深刻な事態に陥りまして、政治的要因も入りましたが、内閣が総辞職をした事件がございました。イーデン総理がやめなきやならぬという事態になったわけでございます。そういうような石油の産地その他においてアクシデントが起こった場合に、日本に対する石油というものがある程度とだえるというようなことが起こりますと、日本はほとんど石油文化と言っていいぐらいのいま石油の消費量を示しておる国でございますから、電力から農薬に至るまで、あるいはプラスチックに至るまで、全部影響してくるわけでございまして、イギリス以上の深刻な事態が予想されるわけであります。 それで、備蓄の点を考えてみますと、外国と比べてみてはなはだまだ心もとない状態でありまして、ともかく六十日分というところへ早く持っていこうと思っておるわけですが、しかし、遺憾ながら公害問題等が出てきているために、いわゆる石油貯蔵の基地ですら各地において忌避されるという状態で、そのストックする場所がまずないという問題からあるわけであります。そういう問題とその必要性というものをどういうふうに国民に理解願い、また、政府として解決すべき点を解決しながら政策を進めていくかというところに、われわれの当面している課題があるのであります。 民間機関だけでやらしておくということは、なるほどお説のとおり心もとない要素がございますが、現在の日本の体制やあるいは政府の能力を考えてみますと、国家的機関によってこれを備蓄するということは予算的にもかなり膨大なものも要りますし、いまのところはちょっとむずかしい情勢にあるわけであります。しかし、国民の世論がどうしてもそういう必要性を感じてくるという段階になれば、将来そういう可能性も否定するものではございません。目下のところは、それはいま困難な状態にあると、そう考えて、ともかく民間の能力を活用して、できるだけ備蓄量をふやしていく、そのために、政府としては財政援助その他あらゆる手を打ちながらふやしていく、そういうことでやっていきたいと思っているわけであります。
○塩出啓典君 それでは、最初にセメントの問題について御質問したいと思うのでありますが、セメントの問題につきましては、いろいろ衆参の委員会等でも問題になりまして、それに対して政府としては、緊急輸入をするとか、あるいは増産をする、あるいはまた、公共事業で必要でないものは繰り延べるとか、そういうような対策を立てると、こういうように政府は言明をしたわけでございますが、現実においては全く好転をしていない、ますます逼迫をしておる、そういう状況であります。そこで、通産省としては、大体四十八年度のセメントの需要というのは大体どの程度であると見込んできているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 四十八年度の需要につきましては担当局長から御答弁申し上げますが、セメントの需給、特に袋物の一般消費者、大工さんや左官さん等の需給が非常に逼迫して、値が上がってきているということを心配しまして、先般、私は東京都にある二つのセメント集積センターを視察いたしましたが、その結果、この会社の責任者ともいろいろ相談し、話しまして、市中にある大工さんや左官さんの苦境をできるだけ早く解消しようと思いまして、そちらの方面に対する割り当てをふやさせる措置をとったわけです。 大体大まかに申し上げますと、大口の国家需要とかあるいはそれに伴う大口需要というもの、つまりサイロで入ってくる、袋物でないものが約八〇%ぐらい流れておる。こちらのほうはこちらのほうでわりあいに強い力を持っておるから、セメントを取る力があるわけです。ところが、袋物というものは大体一七%程度だと私記憶しておりますが、これを大工さんや左官さんが市中の建材店から手に入れる。その一七%の中の八五%でございますが、これがまた生コンクリート製造業者とかコンクリート二次製品業者とか建築業者と、比較的大口需要者と直接輸送され取引されておる。そうすると、その残りの一五%が、市中の建材屋さんで大工さんや左官さんが買いに行く、そういう面があるようです。 ですから、その部分がいま非常に逼迫しているということでありますから、全体の生産量の二%を官公需、大口需要から切りまして、そうしてそれをできるだけ早期に四月、五月、いまの袋物の中の一五%の分の市中の小買いの皆さんの割り当てをふやしてやるように、その方策は、セメント会社がそういう直売店みたいなものを各地に持っておるようでございますが、それらも活用しながら至急手を打ってやるようにということを指示しておきました。建設省とも相談をいたしまして、そういうふうに大口官公需等をしばらく抑制していく。それは全体の量から見たら、官公需にとってみたらわずかなものであります。大口需要にとってみたら。セメントがないといっても市中ではどんどんああいう大きなビルが建っていくので、ああいう大口のものは力があるから入ってくるわけですね。しかし、左官さんや大工さんのような町でやっている人たちは力がないから入らない。それを是正しよう、そういう意味で、指示してやっているところであります。四十八年度の具体的計数については、局長から御報告申し上げます。
○政府委員(齋藤太一君) 四十八年度のセメントの需要でございますが、需要業界、それから建設省、農林省等、公共工事を発注されます官庁等の関係者からなりますセメント中央協議会で検討いたしました結果、八千八十万トンというふうに見込まれておりまして、四十七年度の実績見込みに対しまして、大体一八%増と見込まれております。四十七年度は三月の実績がまだ確定いたしておりませんが、大体六千八百五十万トン見込まれておりまして、四十六年度対比一七・三%と、過去十年で毎年一〇%増でございましたのが、四十七年度非常に伸びたわけでございますけれども、四十八年度も、四十七年度からの繰り越し等もございまして、一八%増と見込まれております。 なお、この需要見通しの前提になります建設関係の投資でございますけれども、建設省がことしの二月に発表いたしました四十八年度の見通しによりますと、金額ベースで見まして、四十七年度の実績見込みに対しまして一七・七%増と見込まれておりまして、その中で公共工事の関係は一二%増となっておりますので、セメントで一八%増と見込めば、見込みは、相当伸び率としては高いものだというふうに思います。
○塩出啓典君 まあ非常に今年度の予算、あるいはまた各地方財政の予算等を見ましても、かなり、たとえば国の公共事業費は三二%伸びているわけですね。それから地方財政計画における公共事業費はやっぱり三五・八%、そういうように、まあこれは必ずしもセメントの需要に匹敵するというわけではないかもしれませんけれども、実際に中国地方の各県を調べてみますと、もう昨年よりも、山口県なんかも一五〇%、二八〇%ですね、それから岡山県も一三五、一五八、三月なんかは一五八%、島根県なんかは、もうともかく三月は昨年よりも倍以上要るけれども、実際はその六割しかいってない、そういうような状況で、われわれはどうも昨年に比べて一八%増という、その見通しというのが非常によくないんじゃないかと。 というのは、三月の初めに通産省から来て、いろいろ見通しを聞いたのですよ。そうすると、大体全国的にはあるのだ、しかし特に中国地方だけ足りないんだから、それを移動すれば心配ないんだと、そういう説明で、ああそうか、そうかと思って、ぼくは権威ある通産省の言うことですから信頼をしておったわけでありますが、ところが全くそのとおりいかないわけですね。そういう点で、私もいままで信頼しておったのを、少し疑わざるを得なくなったわけなんですけれども、そういう点、一八%増であれば——公共事業は三十何%伸びているわけですけれども、それも全体では一八%であると、そういうことであるならば、その根拠を資料としてあとで提出してもらいたいと思いますけれども、その点どうですか。
○政府委員(齋藤太一君) 建設省の建設投資の見通しによりますと、昭和四十七年度の当初予算に対しましては、四十八年度の公共事業は確かに三二%の伸びになっております。ところが四十七年度は、その後補正予算等によりまして、あるいは財政投融資の追加等によりまして、実績が非常にふくらんでおりますので、最近修正されました四十七年度の総公共事業投資額に対しましては一三%増ということになっております。このふくらみました実績がセメントの実績にも出てまいっておるというふうに考えまして、新しい四十七年度の修正実績に対する伸び率をとりまして、公共事業は一三%増という算定のもとに、セメントを一八%増というふうに見込んだ次第でございます。
○塩出啓典君 それで、本年はセメント十九社に対して千三百万トンの増設を命令をしたと、こういうようなお話でございますが、これは各社別に大体どの程度なのか。そしてそれはいつごろ、まあすぐつくるといってもきょう、あすというわけにいかぬ、やっぱり工場をつくってそういう態勢をつくるにはかなり時間もかかると思うのですけれども、大体いまの見通しでは、いつごろから新しい工場での生産ができる見通しなんですか。
○政府委員(齋藤太一君) 年間で大体千三百万トンの設備能力の増加を業界に要請をいたしまして、現在各社別の内容を、計画を検討中でございますけれども、大体大きく見ますと、四半期ごとに三百万トンずつ能力が増加していくような感じで計画を組んでおります。 で、この第一四半期でございますけれども、すでに、昨年の四月が六百九十万トンの能力でございましたのに対しまして、ことしの四月の能力は七百七十万トンというように、約八十万トン、能力が増加いたしております。六月末で七百九十万トンの能力になる子定でございまして、これは会社別にも内容がすでに確定をいたしております。 もう一つの点は、六百九十万トンの能力を去年の四、五ぐらい持っておりましたけれども、実際に生産いたしましたのは五百万トンでございまして、約二百万トンばかり能力を余しておったわけでございます。つまり昨年の四——六ごろは不需要期でございまして、相当低い操業をいたしておりました。ことしの四——六につきましては、能力が約八百万トン近くになりますと同時に、フル操業に近い操業をいたしまして、大体月平均七百万トンずつつくっている。こういうようなことで、四——六の一四半期だけとりましても、昨年の第一四半期が約千五百万トンの生産に対しまして、本年度の第一四半期は二千万トンの生産を見込んでおりまして、それだけでも約五百万トン、去年の第一四半期に比べますと生産がふえているというようなことでございまして、能力の増以上に操業率が、去年の不需要期に比べるとことしは相当ハイ操業を継続して続けるということで、実際に生産量が一千百万トンばかりふえる計画でございますが、そういう形でまかなってまいりたい、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 現在は、稼働率は大体どのくらいになっていますか。
○政府委員(齋藤太一君) 三月の実績がまだ出ておりませんが、大体能力が七百万トンでございまして、六百八、九十万トンの生産までいくのではないかと思っておりますので、ほぼフル操業に近い操業率になろうかと存じます。それから四月は、七百七十万の能力で約七百万トンの生産を考えておりまして、八十数%の操業率になります。
○塩出啓典君 三月、通産省の方に来ていただいて説明を聞いたときも、まあいまもあなたの話を聞いていると、これならセメントは十分生産できる、心配ないと、そういう説明なんですね。私はそれを聞くと非常に安心をしたいわけですけれどもね。けれども実際現実にはそういっていないわけですね。 これは私一応お聞きしたいのですが、中国地方では三次地方に災害がありまして、この災害の復旧が非常におくれているということで、これはもう衆議院の予算委員会のときから非常に問題になりまして、そうしてそういう災害のほうにはセメントを優先的に渡すと、そういう権威ある予算委員会において政府の答弁がありながら、実際は三月末で予定どおり進んだかというと、進んでいないわけですね。これは建設省のほうで、大体進捗状況は三月末の予定に対してどの程度いったのか、ちょっと説明してください。
○説明員(黒坂正則君) お答えいたします。 建設省といたしましては、先ほど御指摘のありましたように、災害復旧工事等緊要な事業に優先的にセメントを配給するよう通産省、あるいはセメント業界にお願いいたしましてやっております。 しかし、災害復旧事業につきましては、比較的弱小の建設業者が請け負っておる関係、そういうこともあって、なかなかセメントの入手は困難でございます。で、予算的に言いますと、三次地区、あの辺の災害、直轄災害でございますと、五〇%程度の進捗をはかる予定にしております。それから補助災害につきましては、三七%程度の進捗をはかる予定にしておりますが、現在の聞いておりますところでは、直轄災害について一部繰り越しがあるようでございます。それから補助災害についても、あるようでございまして、予算進度に対しましては二、三%ぐらいおくれて、繰り越しをせざるを得ないような状況となっております。
○塩出啓典君 大体四十七年度末までにやらなければならない災害復旧工事が、これは農林、それから公共土木あわせて、全体で千三百三十五件、そのうち四十七年度完成が三百七十五件ですけれども、そのうち結局五〇%しか完了していないわけですね。五〇%は結局予定からおくれておるわけですよ。県全体ではやっぱりそういう状態です。だからその原因は、結局はセメントというものがそういうところへは来ないということなんですね。だから、通産大臣、あなたがいま答弁されましたように、実際そのとおり新幹線とかそういう自動車道路とか、そういうところはもう予定どおりいっているわけですから、そういうところをやはり少しピッチをおくらして、実際にそういうところへ回す。それはほんとうにそうなれば、いまの計算どおりいくとうまくいくんじゃないかと思いますけれども、そういう点で、ひとつこれははっきり追跡をしていただいて、ただ一片の指示だけではなしに、こういう非常に大事な主要な材料であるセメントの問題ですから、ある程度はやはり通産省もこまかく、ふだんはそういう必要ありませんけれども、こういう場合にはやはりこまかくひとつ、これだけのセメントはこちらのほうにやれと、そういうようにセメントの行く先までチェックをして、特にこういう災害復旧工事等は、田植えも近いのですから、私はそのようにひとつやってもらいたい。これは通産大臣に要望したいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) できるだけそのように努力いたしたいと思います。通産省としましても、建設省に対しまして、四十八年度の公共事業第一四半期、第二四半期の仕事で繰り延べられるものはできるだけ繰り延べてもらって、そして雪の地帯は着工を早くしなければ困りますけれども、雪の降らない地帯は来年の三月までにやればいいんですから、少しずらしてもらって、そして全般の需給調整をはかってもらう、それを建設省に要請いたしまして、建設省もその考えに立ってやってくださっているところであります。そういうずらし方の調節によって、セメントの需給にもある程度余力も出てくるだろうと思う。ですから情勢によっては、思い切ってずらせるものはずらしてもらって、そういう緊急の地帯ヘセメントを配当すると、そういうふうにしていきたいと思います。
○塩出啓典君 ひとつ建設省のほうも、そういう公共事業等で延ばせるのは延ばして、ただ延ばしますという答弁でなしに、たとえば岡山の以西の新幹線工事においては何%減らしたと、そういうふうに結果をちゃんと報告してもらいたいと思うんですよ。きのうも、私ちょっと彦根まで、あそこに住友セメントですか、それから大阪セメント伊吹工場という、そういう工場がそばにあるのですけれども、ある建設業者の人に会いましたら、セメントが、この人なんかは、キロ六円ですね、だから四十キロ二百四十円ぐらいで最初計算しているわけです。ところがいまセメントがない。そういうところで、やっぱりいろいろ業者が、あるところへ頼めば北海道から、千四百円のもあるんだとか、それからまた大垣のほうへいけば九百円のセメントが手に入るんだと、そういうことで、非常にそういうことを利用して、セメント不足だということで業者が非常にそういう不当な価格をやっている。そういう点もやはりあると思うのですね。まあひとつ、そういう実態もございますので、通産省としてはそういう手をひとつすみやかに打って、そういうようなインチキな商法がまかり通らないように、そのことを要望しておきたいと思います。 それから、時間も非常に急いでますので、あとは、これは特に瀬戸内海における工場排水の問題、これはまあ企業の工場排水について二、三質問したいと思うんでございますが、御存じのように瀬戸内海が非常に汚染が年々激しくなりまして、大きな問題になっているわけでありますが、この工場排水の規制というのは現在県に委託をされていると思うんですけれどもね、県等の監視体制が、われわれ非常に不十分じゃないかと、そういう点を心配しているわけですが、大体、県としては、そういう抜き打ち検査とか、そういうのをやっているのかどうか。また、そのやった結果、水質基準に違反している件数というのはどの程度環境庁に報告されているのか、簡単に説明願いたいと思うのですけれども。
○政府委員(岡安誠君) いまお話しのとおり、現在工場排水の監視につきましては、都道府県と、それから水質汚濁防止法によりまして指定されております市が実施をいたしておるわけであります。必ずしも十分の監視体制が整備されているとは言えない状況でございますが、四十七年度におきまして、瀬戸内海の臨海各府県におきまして工場排水につきましての調査をやった件数を申し上げますと、まず、規制の対象の工場数が約四千三百ばかりございます。それに対しまして、四十七年度一年間におきまして、延べで七千四百回ばかり調査をいたしております。これはもちろん原則といたしましてみんな抜き打ちというようなことになっております。その結果、違反といいますか、処分を要する事実があった件数は合計で八百二十七件になっております。そのうち罰則の適用というようなケースになりましたものが五件ございます。それから改善命令を出しましたのが約三百件でございます。それから工場排水の排出の一時停止を命じましたものが三十一件、その他は行政指導をしておるというふうな状況でございます。 〔主査退席、副主査着席〕
○塩出啓典君 瀬戸内海だけについた場合どうなりますか。これは全国一律のやつだと思いますけれども、瀬戸内海については大体どういうぐあい……。
○政府委員(岡安誠君) 実は、いま申し上げましたのが瀬戸内海の臨海各府県の実情でございます。
○塩出啓典君 それで、八百二十七件、そういう処分を要する件数があったというのですね。それに対して罰則を適用したのは五件というのは、あとのは結局どういうことなんですかね。
○政府委員(岡安誠君) あとは、先ほど申しましたように改善命令ですか、排水の処理等につきましての改善を、日限を切りまして措置をさしたというのが三百件ございますし、それ以外は、今後の処理につきましての指導をしたということでございます。五件は、相当やっぱり悪質ということで、県当局等が告発をいたしまして、検挙をされたというもの、または警察当局が捜査に乗り出しまして送検をしたというケースがございます。
○塩出啓典君 それでは、そういういわゆる抜き打ち検査の結果、違反をしているその工場の名、そういうものを資料として提出してもらいたいと思うんですけれども、それはお願いできますか。
○政府委員(岡安誠君) いま申し上げました送検その他の処置がございました五工場につきましては、資料もございますので……。
○塩出啓典君 五工場じゃなくて、八百二十七件あるわけでしょう。それがどういう項目で違反をして、どういう改善命令をどうしたのか、そういうのを知りたいわけですよ。
○政府委員(岡安誠君) それはちょっと数が多うございますので、後ほど整備いたしまして提出いたします。
○塩出啓典君 そうしてください。 それから、海上保安庁が先般やはり瀬戸内海についていろいろ検査をしている。これを見ますと、違反工場が非常に多いわけですけれど、その結果をちょっと簡単に説明してください。
○説明員(阿部雅昭君) 第六管区海上保安本部は、これは広島にございますが、その管内におきまして、海域に面した事業場からの排水につきましては、海上保安庁としても調査をいたすということで、先般、昨年九月から十二月にかけまして工場排水の状況についての調査をいたしております。その結果、われわれの調査によりますと、三十七の事業場、四十三の排水口において基準値をこえている疑いのある排水があったということで、一般的な注意を喚起する意味で、その概要を公表しております。しかしながら、いずれも基準値をわずかに上回る、あるいは数回検査をした程度のうち、基準を上回るといった程度のものでございまして、われわれといたしましては、今後もこれらの事業場につきましては重点的に調査を進めていくということを考えており、現在も引き続き第二次的な調査をやっておる段階でございます。
○塩出啓典君 いま県の報告によりましても、大体七千四百件ぐらいのうち八百二十二件、一割以上が違反をしておる、また海上保安庁の検査でも実に一八%ですか、一八%がやはり基準をオーバーしているわけですよ。こういう結果については通産省のほうにはちゃんとやっぱりそういう報告が来るわけですかね。やっぱりこれは、こういう、私は小さな工場がやるというならばいざ知らず、しかしまあそういういやしくも近代的な工場で、ちゃんと品質も管理していると、そういうところがやはりこういう違反をするということは、それはまあやはりわれわれは、現在の企業のモラルから考えてかなりこれはよくないと、そう思うわけですけれども、そういう点、通産省としてはそういう違反しているようなものについての報告を受けているのかどうか、その点どうですか。
○政府委員(青木慎三君) これは法律上、制度上も報告を受けるということになっておりませんので、直接は、たてまえとしては受けることになっておりませんし、事実上も、例外的ケースを除きましては報告を受けるということになっておりません。
○塩出啓典君 それで、やはりこういう違反をしている場合でも、海上保安庁は企業名は発表しないわけですね、企業名は。これは私はやっぱり企業名というものはちゃんと発表すべきだと思うんですよ。たとえば私のいただいた資料には、基準値をこえている疑いのある件数は三十七工場四十三件、そのうち三十二件については再調査で基準値内であったものを除いた件数だと、二回やって基準に合っているのは除いて、二回やって二回ともオーバーしている件数が三十二件あるというんですね。その中で、しかもカドミウムがオーバーしているのが五件もあるわけですね、カドミウム。 先般、御存じのように瀬戸内海におきましては、広島はカキの産地でございますが、カキにカドミウム等の重金属のパーセントが非常に高かったということで、非常にこれは大問題になりまして、地元のカキが全く売れなくなって、非常に業者は打撃を受けたわけですよ。そのときには県はデータをすぐ発表したわけですね。ところがこういう工場排水については、そのカドミウムを五工場もが基準値をオーバーした。その五工場というのは、二回はかって二回ともオーバーしているわけですね。そういうような、企業が基準値をオーバーしているというようなことは、どんどんやっぱり発表をすべきではないか。これは海上保安庁、それから環境庁。
○政府委員(岡安誠君) 調査の結果、やはり基準に違反をしているというケースがあった場合には、それを公表するというようなことを考えなければならぬと思います。
○説明員(阿部雅昭君) 海上保安庁といたしましては、司法警察権を行使する特殊な機関でございます。違反の容疑につきましては、その内容を明らかにし、証拠を固めていく、裁判にも勝てるというだけの証拠を固めていくことがどうしても必要でございますので、その途中の段階におきまして個々の事業名を公表するということは、 〔副主査退席、主査着席〕その特殊な性格から、われわれとしてはいたしておりません。しかしながら、今後さらに調査をいたしまして、はっきり犯罪事実が明らかになった場合につきましては、これはもちろん鑑定を外部に依頼するといったようなこともやりまして、犯罪事実が明らかになった場合は、検挙し、その段階で企業名その他を公表するというのがわれわれの考え方でございます。
○塩出啓典君 しかし、それはあなた方はそういう水質汚濁防止法で検挙するためにやっているわけでしょう。しかし、実際にこういう工場が違反をしておる。二回もはかって二回とも違反している。そのためにやっぱり瀬戸内海のたとえばカキ自体もカドミウムが非常に高くて、その原因がわからない。これは全然どこの工場かわかりませんよ。その近くの工場かもしれないし、あるいは遠方の工場かもしれない。そういうことをやっぱり明らかにすることが——それで、工場のほうにおいてその測定値に対して批判があるならば、堂々と反論すればいいんですよ。そういう、環境庁は発表すべきだと言う。海上保安庁は発表しないと言う。それはちゃんとやっぱり発表すべきじゃないですかね。どうですか。それは発表してくださいよ。
○説明員(阿部雅昭君) われわれは、まあ犯罪となれば裁判で勝てるだけの証拠を固めるということがぜひ必要でございまして、従来もございましたし、今後も考えられるわけでございますが、特定の工場名等を公表いたしますと、われわれの調査なり捜査ということが非常にやりにくくなるということは、あるいは先生御理解いただけるかと思うのでございますが、たとえば海上保安庁が調べに行けば、その際、排水をやめるとか特殊な操作をするといったようなおそれもございますので、われわれは、捜査をしている段階ではそのようなことは外部に申すのは適当でないというふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 そうすると、海上保安庁は結局犯人をつかまえるのが目的で、ちょうど警官がネズミとりをやりますね、あれと同じということですね、結局。まあしかし、そういう違反しておればそのデータがあるわけですから、ばっとそこでやっぱり発表して、そうして企業は一刻も早くその基準値をこえているのを改める、そうしてやっぱりやっていかなければ——じゃ、この工場はこれだけ違反しているということは、その該当の工場には全然言っていないわけですね、海上保安庁としては。
○説明員(阿部雅昭君) 直接企業には申しておりません。われわれから直接申すことはいたしておりません。
○塩出啓典君 じゃ、環境庁はどうなんですかね。そういうことで、まあそれは私は海上保安庁の立場は立場であるし、それはわかるんですよ、それはそれでね。しかし、瀬戸内海の汚染から守るというそういう立場で、環境庁はどうしますか、こういう問題に対して。それだけ浄化がおくれちゃうじゃないですか。
○政府委員(岡安誠君) それは、やはり水質汚濁防止法に基づきまして監視、測定その他取り締まりをやっております都道府県の立場と、それから司法当局といいますか、取り締まりに関しましては、司法警察職員としての職務を行ないます海上保安庁とは、おのずから事件といいますか、扱いも異なってもやむを得ないというふうに実は考えております。一般的に、私どもはやはり行政指導といいますか、それらを強化をするというたてまえから、違反その他の事実があれば、これをできるだけ公表いたしまして、今後改善に持っていくということで、都道府県その他におきましては、行政指導を中心に考えておりますので、その辺はやはり機関の性質の相違ということが、ある程度はやむを得ないというふうに私どもは考えております。
○塩出啓典君 そこで、通産大臣に要望したいわけですが、やはり工場が排水を出す。これは二十四時間出しておるわけですね。しかも、県の体制もなかなか抜き打ち検査というのはできない。実際は潮が満ちてくると、海面の底にパイプが、排水口が沈んじゃう、そういうのもかなりあるわけですね。そういうわけで、結局、私は一つは工場の排水口というものは、常時海面上に出す。これはいま沈んでいるやつをすぐにはできないかもしれませんが、これからできる工場等については。そしてだれでもそこで水がとれると、そしてこの工場の排水口はどこそこ工場の、たとえば何々製鉄の冷却水だということをちゃんと明示する、そういうようなことをやはりやっていく。私はそういう必要があるんじゃないかと思うんですが、通産大臣はどうですか、そういう点。
○国務大臣(中曽根康弘君) お説のように、排水路の排水口は水面上にあるほうが望ましいと思いますので、今後設置されるものについては、こうした方針に沿って指導してまいりたいと思います。
○塩出啓典君 それから、やはり自動観測装置、将来は通産大臣もクローズドシステムというのを考えているというお話ですが、それはそういう方向にいく。それまでの一つの段階として、やはりある一定の規模以上は、自動観測装置というものを企業の責任のもとにおいてやっぱり取りつける。私はそういうことが必要じゃないか。そうしなければ結局監視できない、そういう考えはございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 自動観測装置は、いまいろいろ開発を促進しておるところでございますが、その適切なものができました際にはその装置を設置すると、事業者の負担で行なうということは当然であると思います。
○塩出啓典君 それでは、ちょうど時間がもうあまりありませんので、最後に私は通産省に要望しておきたいことは、非常に資源がなくなってきている、そういうことで、古紙の再生、これをやはり推進していかなければいかぬ、そういうことで、通産省も、今年度予算においてはいろいろそういう研究等もやっておるようでございますが、特にやはり古紙を再生して非常にりっぱな紙をつくると、そこでいままで以上に公害を出さない、そういうようなやっぱり技術の研究も、私が聞いた説明では、回収のシステム等の研究に海外に行かれるという話ですが、それも必要かもしれませんが、そういう古紙を再生する技術、しかもできるだけ安いコストでできるようになれば、そうすると、まあ古紙の単価というのは非常に上がってくるわけですから、そうすると、一般消費者も、ぽんと捨てるよりもそういうできるだけ古紙再生に利用する、そういう点で、そういう古紙を新しいパルプに再生する技術、これは私の知っている人もかなり画期的な技術を開発しているわけですが、そういう技術をもっともっと長い将来にわたってやっていくべきではないか、これがその第一点。 それともう一つは、非常に水が足りなくなってくるわけでございますが、そういう点から、企業における水の合理化ですね、合理的な使用、これをやっぱりもっともっと義務づけるように、これは今度の予算の中にも、そういう水の合理化、工業用水の利用の調査費というのがわずかの予算組まれていますけれども、やはりそういう実態を調べるようなんじゃなしに、できるだけ冷却水等は循環して使うとか、そういうやはり水の合理化を促進することを考えるべきじゃないか。それで一昨年、通産省は、現在の工業用水法を改正をして、地盤沈下を防ぐために、やっぱりもっと強力に地盤沈下対策の先手を打てるように、そういう意味から、工業用水法を改正し、その内容においては地盤沈下対策と水の使用の合理化、それを義務づける、そういうような法律を考えておったわけで、私はこれは大いにそういう方向はいいことだ、そう思っておったんでありますが、途中で中止になりまして、あれから二年たつのにまだできないわけですね。こういうような問題は、早くやはり先手、先手を打ってやっていかなければすでにおそい。私はそう思うんですけれども、それに対する通産省の考え方を聞いておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 工業用水を再生してリサイクリングして使うということは、資源の保存上からも非常に大事なことであると思いまして、この点はよくその研究開発を促進して、御期待にこたえるように推進していきたいと思います。 それから、古紙の有効利用政策についてはお説のとおりでございまして、製紙原料の三分の一は古紙によって占められているという現状だそうでございます。いろいろ需給安定会議等を設置してやっておりますが、まず、現在の回収機構を補完して、回収率の維持向上をはかるために、地方公共団体、地域社会の協力を得て、集団回収の普及をはかりたいと考えており、四十八年度におきましては、モデル都市を六都市選んで、集団回収を実験的に実施することを予定しております。それから零細な回収業者、問屋等の合理化、省力化設備についても、中小企業金融公庫等を通じて資金融資の道を開いております。そのほか、外国においても回収利用システムが非常に進んでおるということでもございますので、近く、官民合同の調査団を派遣いたしたいと考えております。再生技術は日本も相当進んでおるということでございますが、技術開発の助成についても、引き続き十分配慮してまいりたいと思います。
○塩出啓典君 工業用水は……。
○政府委員(山下英明君) 法律の改正はなお検討しております。いま大臣が申し上げました、合理化、排水利用の技術検討とも兼ね合わせまして検討しておりまして、あきらめたわけではございません。
○塩出啓典君 検討が二年も——あまり長過ぎるじゃないですか。いつ出すんですか。
○政府委員(山下英明君) 今国会には間に合わないと思いますが、できるだけ早い機会に成案を御披露できると思います。
○須藤五郎君 通産大臣、通産省は四月三日に、大手商社の営業活動の実態調査についてという文書を発表された。その中で、原料は十分にあるのに、大手商社や流通業者が買い占めや売り惜しみをしている疑いが強い、消費者は値上げ宣伝にだまされて高い買いものをしないようにと、消費者に不買運動を呼びかけておりますが、これは行政責任をたな上げにしておいて、物価の値上げの責任を消費者に転嫁しようとするものではないかと思いますが、どうです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 必ずしも責任を回避せんとするものではございません。実情を国民の皆さま方によくお知らせいたしまして、業者に不当にもうけられないようにしようと、そういう気持ちからそういうことを言っているわけでございます。
○須藤五郎君 それならば、こういう問題は一刻を争って、最も早くこういうことは発表すべきものだと思うのですが、聞くところによると、十日間もこれの発表をほうっておったということを聞くわけです。天然痘でも潜伏期間十日以上過ぎればたいへんなことになる。同じじゃないですか。最も早くこういうことは発表して、そうして国民に注意を促すべきであり、また商社にも警告を発するのが当然だと思うのですが、それはどういうことなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは三月十三日から三日間にわたってたしかやったものでございまして、しかも、権限がございませんから、商社の協力を得てやってきたもので、六社をやりましたから、六社の集計をやったり、いろいろそういう数字の検討をやるという意味において、かなり時間がかかってきたわけでございます。
○須藤五郎君 まあそういう言いわけは通産省の言いわけにすぎないので、そういう言いわけしても、国民はああそうなのかというふうには受け取らないのです。やはり従来言われておったように、通産省というのはいつも企業べったりにすぎないのだと、企業の利益を守って国民の利益を守らないじゃないか、だからこういうことになるのじゃないかということを国民は言っておりますよ。しかも、国民の、買い占めをやめてそして物価の値上がりを食いとめようじゃないか——全く行政府として行政を放棄しているような感じがするわけですね。この点は、やはり通産省として行政的には責任を問われなければならぬ問題だと思っております。しかし、きょうは時間がそうありませんから、この程度にそこはとめます。 次に、私は問題を材木の値上がりにしぼって質問したいと思うのです。 今回の通産省の調査では、四十七年下期の木材売却益は、前年同期の三・四倍に当たる百四十九億円になっておる。他方、商社の木材の取り扱い数量は著しい増加を見せていないんです。大体横ばい状態だと述べられております。同じ量の木材を扱って利益が三・四倍もあるということ、この事実は、大商社の買い占め、不当な価格操作の結果であることを私は明らかに物語っておると思います。通産大臣は、このような手段を選ばない商社活動のあり方をどのように考えているか、所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 局長から具体的に御答弁申し上げます。
○政府委員(山下英明君) 先にちょっと調査の資料につきまして特に御説明をしておきたいと思いますが、ただいま御指摘の数字は、私どもが今回発表しました、木材の仕入れ、販売、売却益に関する数字を御指摘になったんだと思います。これは四十六年の上期、下期、四十七年の上期、下期と、四期に分けて調査した結果をまとめたものでございますが、その資料を公表いたしますときも、特に脚注をつけまして誤解のないようにお願いしたわけでございますが、四十七年下期に百四十九億円の売却益が集計されたわけでございます。この売却益は、木材にかかわらず疎利益でございまして、品物を入れた仕入れ値段と、販売した値段の差額を算術的に出しております。木材のように輸入品であります場合には、CIF価格と販売価格の差でございます。したがいまして、一番費用のかかる水揚げの費用とか、運搬費はもとより入っておりませんし、かつ金利も入っておりませんし、まして、木材部の管理費、本社管理費等の割り掛けはしてございません。 それからもう一点、後ほど、林野庁の方も御出席いただいておりますので御説明があるかと思いますが、商社側から聞きました実情で、例外なく一致しておりました取引形態は、木材の値段は、外国から買いますときに——長期契約でございますが、いずれにしても、外国との値ぎめをしますときは、ほとんど日本の国内価格と関係なしにきめまして、それを日本に引いて港に浮かせたときに、そのときの国内相場で販売をするという商慣行になっておるわけでございます。したがいまして、国内相場が高騰していく過程では、輸入仕入れ価格との間で膨大な差が出てくる、こういう結果になります。その点御理解いただきたいと思います。
○須藤五郎君 しかし、政府のこの表を見ますと、四十六年上期ですよ、千三百億ぐらいのものを買って、そうして九百二十一万九千立方メートルの品物を買っているんですね。そうしてそれを売ったのが、売ってもうけた値段が十四億五千百万円ですね。
○政府委員(山下英明君) 損でございます、これは。
○須藤五郎君 これは損。しかしその次の下期、同じ程度の数量です、輸入しているのはね。そうして金額はそれより安くなっていますね、上期より。わかりますね。ところが、そのときには、下期は四十四億三千百万円もうけておるのですね。ここで飛躍的に四倍ほど上がっているわけですね。上期と下期で、輸入量は一緒で、もうけがそれだけ上がっているんですね。それから特にひどいのは次の下記、四十六年の下記がそれだけの利益であったにもかかわらず、ほとんど同じ輸入というよりも、もっと材木の額は減っているんですね、これは。これもわかりますね。金も減っている、材木の。金は六百九十九万二千立方メートルの材木で、それで金は一千三十億六千九百万円ですね、金額は。こういうふうにふえている。ところがその下期——四十七年下期の利益は百四十九億千五百万円と、ぐんと三・六倍上がっちゃっているわけですね。これは政府の資料ですよ。私の資料じゃない。そうすると、数量は同じ、むしろ減っている。買う金も減っている。ところが、もうけは三・六倍になっている。これはどう考えてもおかしいじゃないですか。商社がうんと高く物を売って、そうしてこれだけの利益をあげているという、それ以外に説明がつかないじゃないですか。それは、国民はあなたのようなわけのわからぬような説明をしたって納得しないですよ。この事実が、数がはっきりその点を示しているじゃないですか。
○政府委員(山下英明君) もう一、二点御了解をいただきたい点がございますので、一つは、四十七年下期の数字は確かに少なくなっておりまして、たとえば上期に一千百万立米の販売をしたのに、下期は七百三十五万立米の販売しかしていないと、こういう数字でございますが、脚注の3にございますように、四十七年度下記は四十八年一月末までの実績でありまして、したがって、三分の一これに足したものが実勢と見たほうがいい、こういう統計でございます。この数字が小さい理由は、四カ月分しか実績が入っていない、こういうことでございます。 それからもう一点、ここに仕入れと販売がございますが、実はこれは事情聴取の結果、数字をできるだけ正確に集計したわけですが、この仕入れと販売と売却益の、ある一時期の三つの数字には因果関係を持たせることができませんでした。といいますのは、たとえば四十七年上期に一千九十一万立米確かに仕入れしております。それから、四十七年上期に一千百三万立米販売しておりますが、その両方を仕入れ、販売した結果、売却益が五十七億出たという、そういった因果関係はございませんで、月々の在庫調査及び仕入れの時期等は、在庫調査はして完ぺきを期しておりませんし、仕入れと販売とのひもづけはできておりませんでした。ただ、総体として、須藤先生の御指摘になる、数量がほとんど変わりがないのに売却益が著増しているではないかと。それはそのとおりでございまして、その理由は、私どもは国内価格の上昇がこの期間中に著しく、それに比例しまして、それに比べまして仕入れ値段のほうでほとんど関係なく安値で買い付けておった、こういうことだと思います。この辺の国内の需給、価格の事情につきましては、林野庁の方がおいでになりますので、そちらから御説明があると思います。
○須藤五郎君 聞きましょう。
○説明員(平松甲子雄君) 御承知のとおり、四十七年の上期までは、景気停滞の影響を受けまして木材価格は低迷をいたしておりまして、四月ぐらいまでは対前年比価格が下落するというような実情にあったわけでございます。四十七年の春以降、横ばいないし微騰という状況でございましたけれども、八月に多少上がりまして、九月にちょっと鎮静いたしましたけれども、十月、十一月、十二月と上がってまいりまして、十一月にはほとんど壁状と言ってもいいぐらいの価格の上昇を見たわけでございます。この原因といたしましては、四十七年の春ごろから建築需要が非常に大きくなってまいりまして、建設省の住宅着工の調べによりますと、対前年比通年で一二三%というようなことで、二三%程度前年に比べてふえておる、こういうようなことでございまして、それに対応いたします供給のほうは、国産材はほとんど横ばい、外材で四十七年通年で大体一四%というような増加、このような状況でございますので、建築需要と木材の供給との間にかなりギャップがあるというようなところから、ことに秋口から需要がふえて木材価格が上昇した、こういうようなことでございます。
○須藤五郎君 需要がふえたから物が高くなってこれだけ利益を上げたんだということは、それはこの際の答弁にはならないと思うんですね。何で——需要がふえても手持ちがたくさんあるならば、前の安い値段で売ったらいいんじゃないか。それをことさら高く売るところに、今日の大商社の非難される点があるんでしょう。通産省も何でしょう、この利益が三倍になったということは認めているでしょう。少ない分量を売って利益が四倍になるということは、商社がもうけておるという明らかに証拠じゃないですか。それとも、商社はもうけていないと、あなたはこの表を否定するんですか、その点どうですか。
○政府委員(山下英明君) そのとおりでございまして、木材の取り扱い数量はほとんど増加はみせていないにもかかわらず、昭和四十七年下期は前年同期比三倍強の増益になっているという点は、当該商社にもしかと指摘した次第でございます。
○須藤五郎君 通産大臣も、こういう不当な利益を上げる商社の態度というのはけしからぬとお考えでしょう。当然だというふうなお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 商社のような、優秀な人材と強大な資本力と情報網を持って社会的影響力の多いものは、やはり社会的な責任を感じた行動をとってもらわなければならぬので、そういう点で、べらぼうにもうかるからといってめちゃくちゃなことをやっていいというものではない。自由はやはりある節度をもって行使さるべきである、そう私は思います。
○須藤五郎君 木材価格につきまして、ソ連材を例にとって質問いたしますが、昭和四十五年からことしにかけてのソ連材、丸太の輸入価格及び工場への売り渡し価格の推移はどうなっておるか、説明してください。
○説明員(平松甲子雄君) 私ども、個々の取り引きについての資料を持ち合せておりませんので、ただいま先生御質問の輸入価格につきましては、通関価格を通関数量で割ったものということで申し上げたいと思いますし、繊維材の問屋の入手価格につきましては、統計調査部の数字ということで申し上げたいと思いますが、この数字の間には、径級なり、品質なり、等級なりというものの違いがございますので、特に比較はできないと思いますけれども、そういう点を一応念頭に置いてお聞き願いたいと思います。 四十七年の二月に、大体通関価格が九千三百五十円程度でございます。それから十月が、九千六百十円程度でございます。四十八年の一月で、一万一千四百円という数字でございます。これが、繊維材の丸太の工場着の価格で申し上げますと——問屋が製材工場に売り渡した価格で申し上げますと、四十七年二月が二万六千円、十月が三万二千円、一月が五万三千六百円、二月が四万九千二百円という数字になっております。この間、先ほど山下局長からお話がございましたように、船からの積みおろしであるとか、あるいは港頭から工場への運搬代であるとか、あるいは商社なり問屋なりの人件費なり事務費なりというようなものが入っておるということでございますので、ただいまの数字の差額というものは、先ほど申し上げました品物についてのいろんな条件の差というようなもののほかに、いま申し上げたものも考慮の中に入れて考えるべきものだと思いますけれども、かなりの差のあることは事実でございます。
○須藤五郎君 政府に数を出させると時間がかかりますから、私が進んで出しますが、ソ連材ですよ、四十七年には、CIFで九千五百八十円であったものが工場渡しで一万五千円になっているわけですね。ところが、その後ずっとソ連渡しのCIFの値段はほとんど変わってないんです。ところが、四十七年の十二月になりますと、九千五百六十円のものが、工場渡しがぐっと飛び上がって二万五百円になっておるんですね。この工場渡しが二万五百円になったということは、ここで一万円分だけというものは、CIFで輸入した商社がそれだけのもうけをして工場に渡しているという明らかな証拠でしょう。そうして、ことしの一月になりますと、CIFが一万一千四百四十円、ところが、工場渡しは二万一千六百円。二月になると、二万三千四百円というふうにぐっと上がっているのです。これは一体どういうこと。これはやはり商社が、輸入商社がもうけているという明らかな証拠じゃないですか。数で明らかでしょう。それでもあなたが否定するなら、もう一つ私はここに資料を持ってきていますから、あとで発表しますがね。輸入価格はほぼ一万円前後でしょう。いま私が申し上げましたように、横ばいである。ところが、工場着の価格は、昨年十一月ごろから急にぐっと上がってきているのですね。これは、大手商社が、輸入価格が上がっていないにもかかわらず、売り手市場をよいことにして原木価格をつり上げたことによるものだということは、これで私は明らかに証明できると思うのですね。 大商社がいかに不当なことをやっているかについて、私のところにある人から訴えがまいりました。これはもっと具体的な資料です。それによりますると、七二年六月ごろまでは、ソ連よりの原価、これは三千百円です。ところが、売り渡す販売価格は三千三百円で売っているのですね、そのものを。二百円しか商社はもうけてないです。そして、それがずっと大体一次原木問屋におろされて、原木問屋はまたそれに二百円ぐらいのもうけをして、そして製材所に回すと、こういうことがスムーズにいっておったのです、この間がね。ところが、ことしの二月ですね、一躍千七百円の利益を商社が占めることになる。ソ連材も千円ほど上がりました。四千百円と上がった。しかし、利益が千七百円それに加わって、販売価格が五千八百円になっちゃっているのですね。さあ、そういう高いものを買って、原木問屋がずっと六百円ぐらいの利益を占めて、もらって、そして製材所におろす値段は六千八百円というふうにぱっと開いてしまったですね。三千八百円のものが六千八百円になっちゃった。三千円も値上がりした。これでは製材所が赤字になっちゃうのですね。製材所は、一石製材すると三百円の赤字が出るという結果が起こっておるわけです。それは認められるだろうと思うのですよね。こういう不当な利益、これはことしの二月には、一万石積みの本船一ぱいの木を売ると、かつては、去年は二百万円ぐらいの利益しかあげられなかった商社が、今度は千五百万円の利益をあげている、この一ぱいの船で。これは不当だと思いませんか。そして、末端の製材工場では、一石について三百円の赤字で、そして六十万円の赤字を出さざるを得ない、こういう結果が出てきておるわけですね。これは不当でしょう、こういうことは。どうしたらいいんですか、これを。
○説明員(平松甲子雄君) ちょっとお答えする前に、先ほどの数字の訂正をさせていただきたいと思います。 CIF価格が、四十七年の二月が九千三百五十円で二万六千円と申し上げましたが、工場着の価格は一万四千円でございます。それから、四十七年十月のCIF価格が九千六百十円で工場渡しが一万四千八百円、十二月が九千五百六十円で二万五百円、四十八年の一月、一万一千四百四十円が二万一千六百円というような数字でございます。この際訂正させていただきたいと思います。 それから、ただいま先生お話しの点につきましては、確かに商社の利益の幅が妥当であるというふうな数字であるかどうかという点については、私ども多少妥当さを欠いておるんじゃないかというふうに考えられるわけでございます。ただ、先ほど山下局長からもお話がございましたように、外材につきまして、今回の木材の価格というのが需要先導型で上がってきたということで、小売り価格のほうから上がってまいったということもございまして、特に国内の市況と海外の市況との間に差があるということから、その間に利得が得られておる。特にソ連材につきましては、秋口ソ連の天候不順のためにソ連材の入荷が少なかったということと、国内の需要が強かったということで、相当な利幅を生じておるというような状況にあるわけでございまして、私どもも、こういう利幅は木材が国民生活上重要な物資であるという観点から、適正な価格形成をするようにということで、再々商社の代表を招致いたしまして、その点についての要望を重ねておるところでございます。
○須藤五郎君 通産大臣、こういう大商社のやり方ですね、これはもう林野庁の方もみな不当だと、不当な利益をあげていると言うんですが、通産大臣も不当だとお考えになるにきまっておると私は思いますが、それならば、商社に対して、こういうやり方はやめろと、こういうふうに勧告すべきじゃないかと思いますがどうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 必ずしも適切であると思いません。したがって、企業局長から商社に対しまして、木材等につきましては注意を与えたところであります。
○須藤五郎君 もう少しはっきりさしていきたいと思うんですがね。輸入外材に対しまして、大手商社は圧倒的な支配力を持っているということは皆さん御存じのはずですね。ソ連材の七六・三九%、南洋材の七九・九%、米材の九二・一%、これはもう大商社が占めているシェアなんですね。四十七年度林業白書でも、外材丸太につきまして、「とくに資本力の豊かな大手商社のシェアが非常に高くなっている。」と、こういうふうに林業白書にもちゃんと書いてあります。そのとおりだと私も思いますね。それで、製材価格は昨年の十二月をピークに、ことし一月から下がり始めたにもかかわらず、大手商社はこの圧倒的な支配力、これにものをいわして、べらぼうに大きなマージンを強力に維持しております。そうでしょう。むしろ、下がるんじゃないです。大手商社のマージンは上がっていくではないですか。下のほうは下がっていたのに、大手商社のマージンは上がっていっているということですね。その結果、製材業者は、先ほど申しましたように、高い原木価格を押しつけられる一方で、製材価格が下落するために採算割れとなり、赤字を背負わざるを得ない。こういう立場に追い込まれておるんです。それで、一部の原木問屋が製材工場の経営を心配しまして、大商社に対して原木の値下げを要望したら、商社側は、その問屋への売りどめをほのめかし、揚げ港操作によって原木需給を調節して、かえって価格を上げようとしておるのが現状です。大商社は木材界の声にも何らの痛痒も感じないようでありますが、通産省はこのような現実を前にして、大商社の横暴を規制するどのような具体策を用意していらっしゃるか。また、原木を昨年十月の値上がり前の価格に引き下げるよう大商社に勧告すべきだと思うが、大臣名で値下げ勧告を行なう考えはないかどうだ、大臣、答えてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年はかなり暴騰いたしましたが、その後、値は次第に下がってまいりまして、たしか、私の記憶では、上がったものが約七割ぐらいのレベルに下がってきていると思います。しかし、御指摘の点はまさにそういうふうに思われる点もございますから、引き続いて注意をいたしたいと思います。
○須藤五郎君 昨年十一月の木材騰貴を境にしまして、買い占め、売り惜しみを示す貯木場での投機的滞留が始まった事実が、先月、大阪府議会の中で日本共産党の議員の追及によって明らかになったわけです。大商社は揚げ港操作などを行なっていると考えられますが、通産省、林野庁は、主要陸揚げ港の長期滞留発生状況を調査しておいでになっておりますか、どうですか。もしも調査してないというなら、調査をすべきだと思いますが、伺いたい。
○説明員(平松甲子雄君) 私どものほうでは、港頭における貯蔵の状況というのを調べておるわけでございますけれども、これは非常に膨大な数量でございますし、それから、私どもがただ見ただけではわからないということで、業界あたりの資料を基礎にして申し上げますと、昨年の秋以降、港頭における貯蔵は減っておるというふうな数字があるわけでございます。これはやはり市況が活況を呈しておりますので、品物の動きとしては活発に動いたということであろうというふうに考えられるわけでございます。先生御指摘のようなこともあろうかと思いますので、新年度早々、私のほうでは、港頭の貯木状況あるいは流通関係についても、もう一回追跡調査をやってみたいというふうに考えております。
○須藤五郎君 減っていないんですよ。やっぱりずっと上がってきまして、ことし一月末現在、大阪の二つの港ですね、阪南港の。そこで、昨年一年間の府下全消費量の四分の一に当たる原木が貯蔵されております。これがすべて陸揚げされたら、材木不足はたちどころに解消するはずだと、こういうことが報告されてきております。また、府の農林部でも、阪南港での長期在庫が一月以降増大して、特に二月は、昨年月平均の二倍以上にふえている事実を大阪府で認めておるんだ。あなたは減ったと言ったけれども、それはうそですよ。もう現地でふえているということを認めているんですからね。これをたちどころに出して、そうして材木不足を、木材の高値、不足を私は解消すべきものだと思いますが、それに対する措置をどうしますか。
○説明員(平松甲子雄君) 確かに御指摘のように、二月から三月にかけまして、十二月から製材価格が下がってきたということもございまして、物としてはある程度豊富になってまいったということもございまして、小売り段階において、小売り段階の価格がまだ卸売り段階ほど下がっていないということもございまして、需要がある程度低下しておるというようなことがございますので、木材の流動性と申しますか、木材のさばきが悪くなってきておるということは事実でございますし、輸入のほうは順調に入ってきておるということで、ことしになりましてから、ことに三月には、多少港頭に貯材がふえておるという傾向はあろうかと思います。そういう点につきましては、私どもとしましては、やはり先ほども申し上げましたように、木材が国民生活上非常に重要な物資であるという観点から、その価格の安定ということをはかることを至上命題といたしておりますので、関係者に警告を発したり、あるいは指導をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○須藤五郎君 大商社は買い占め、売り惜しみによりまして価格操作を行なって、そうして国民の犠牲の上に不当のもうけをむさぼっている、これは今日明白なことになっておりますね。通産省はじめ政府関係機関は、企業秘密の名によります企業保護の姿勢を改めて、大商社のあくどいやり方を調査し、公表する責任があると思います。通産省は、今回の実態調査の中で、今後とも調査を継続する方針を打ち出しておられますが、今後の調査で、大商社が国民を食いものにしていかにもうけたかという実態を私は解明しなくちゃならぬと思うんですが、それをやるつもりかどうか。また、調査結果は、中間的にでも随時発表する必要があると思うが、この点をどうするかという点、伺っておきたいと思う。大臣、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 引き続きまして調査をやりまして、正確なものが把握され次第、機に応じ、必要に応じて公表いたす次第でございます。
○須藤五郎君 最後に、私は政府の責任をただしたいと思うんですが、政府が従来とってきました政策というものは、池田内閣当時のいわゆる所得倍増に始まって、高度成長政策、佐藤内閣の新全総政策はじめ田中内閣の今回の列島改造政策に至るまで、私たちが指摘しているように、大企業、大資本家を太らせて、物価をつり上げ、国民生活を苦しめ、その上に公害を起こし、国民の生命さえも脅かしておる、こう言わなければならないと思うんです。この十数年、二十年近くにわたる自民党のこの大資本本位の政策そのものが、いま、もううみにうんで、そうしてこういう状態が起こってきておると、こう言わなければならないと思うんですが、この政策を根本的に改めない限り、私は、物価高の問題も、インフレの問題も解決することはできないと思うんですが、この一貫した政策の責任は政府としてどうとるつもりか。まず通産大臣、所管の大臣ですから通産大臣の意見を聞きたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 自由民主党は国民政党でありまして、階級政党ではございません。したがって、全国民の利益をはかるように、そして福祉国家を建設するために営々として努力してきておるのであって、一部階級のために奉仕しようとか、利益をはかろうという考えではやっておりません。しかし、たまたま経済的変動に乗じて利益を獲得したというものも自由経済の中には出てまいりますが、今回はそういう場面にもあたってきていると思います。この場面にあたっては、そういうことを起こさせないように、また、それで利潤を得たものは税金その他によってこれを吐き出させるように、われわれとしても公平を維持していくという考えに立って行政を進めていきたいと思います。国民政党という立場に立ちますと、全国民に政治の利益が均てんするように、今後も心がけてまいりたいと思っておるわけであります。
○須藤五郎君 あんたのことばは、そのまま受け取ればそれで納得するかもわかりませんけれども、ことばと行政が違ったんでは問題にならないんですよね。自民党の政策そのものが、先ほど申しました一貫した政策が今日のような状態になってきたんでしょう。大資本がもうけろ、もうけろというその風潮をつくってきたのは自民党の政策じゃないですか。だから、その自民党の政策、それから起こった今日の現状ですね、これに対する責任は自民党、感じなくてはだめですよ。ことばで、私たちは国民政党ですから、階級政党でありませんから、国民の利益を常に考えております、そういうような考えをしておった結果がこうなった。それは国民の名による大資本擁護の政策にすぎないということが明らかにあらわれたんじゃないですか。その責任をどうするかということを私は追及しているんです。なおそんな大臣みたいなふやけたことを言っておったんじゃ、この問題解決しませんよ。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政治のやっていることでございますから、成功した部面もあれば失敗した部面もある。人間は全部成功ばかりしておるものとは限りません。そういう意味で、政治においても成功もあれば失敗もあると思いますが、なるたけ失敗を少なくして成功を多くしていくということをわれわれはつとめていきたいと思っております。しかし、やはりここ十年来見ていますと、農家の手にも、サラリーマンの手にも、自動車は手に入ってまいりましたし、カラーテレビも手に入ってまいりましたし、やはり生活が向上していることは厳然たる事実でありまして、それは国民が評価してくだすっているから、やはり自民党が政権を維持しておれるんだろうと思います。この国民の期待と信頼にこたえるように、ますます国民の喜ぶ政策を推進してまいりたいと思っております。
○須藤五郎君 委員長、もう一言言いますよ。 もう答弁は求めませんが、あんた、テレビを食べて生活できないですよ。冷蔵庫食べて生活はできないですよ。今日一番困っているのは食料の値上がりでしょう、住居の値上がりでしょう、被服の値上がりでしょう。衣食住がすべて国民を苦しめているんじゃないですか。それを解決しなかったらほんとうの善政とは言えませんよ。そんなものをほっといて、テレビができた、電気洗たく機ができた。もう何といいますか、悪いことばは使いたくありませんが、もう政府はしょっちゅう、テレビやカラーテレビができたとか、自動車ができたとか言って、そしてカラーテレビと自動車が善政のシンボルのように言っている。それが善政ですか。そうじゃないですよ。今日、消費者が立ち上がって、物が高いといって運動を起こしているのを見たら、ほんとうの国民の幸福というものは違うということははっきりわかるじゃないですか。だから、政府当局はそういう点に志を置いて、そして国民がほんとうに喜んで生活のできるような世の中をつくっていくこと、これが私は政府のやるべきことだと思う。口で幾らカラーテレビ、自動車と言ったって、行政がそれに伴わなかったら政治と言えませんよ。その点よく心にとめておいてもらいたいということを申し添えまして、私、質問を終わります。
○主査(川上為治君) 以上をもちまして通商産業省所管に関する質疑は終了いたしました。 午後一時四十分再開することとし、暫時休憩いたします。午後零時五十一分休憩 —————・————— 午後一時四十二分開会
○主査(川上為治君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。 参考人の出席要求についておはかりいたします。 本日、昭和四十八年度総予算中、経済企画庁所管の審査のため、日本銀行理事渡邊孝友君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(川上為治君) 昭和四十八年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。 議事の都合上、政府からの説明はこれを省略し、説明資料は本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(川上為治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中寿美子君 四十八年度の経済見通しについて、国際通貨のたいへんな混乱がありましたので、たいへん私は狂ってきていると思います。これは大蔵大臣の説明も、また経済企画庁長官の御説明も、その中身が狂わざるを得ないようになっていると思うんですが、その辺をお尋ねしますと、たいてい、いま円はフロート中だから、まだはっきりしたことは言えないというお答えが出てくるわけなんですけれども、それでも現在のところ、大体二百六十何円台でございますね。長官の見通しでは、経済成長率は四十八年度は名目が一六・四%、実質一〇・七%というふうになっておりますね。物価上昇率が五・五という考え方をしていらっしゃるんですけれども、これは円の切り上げ幅いかんで非常に変わってくると思うんですがね。現在の段階で大体二百六十円台、二百六十五円付近だとすると、大体一五、六%以上の切り上げ幅でございますね。これより低くなるとは思われないんですけれども、もしかりに一五、六%というふうに考えた場合には、成長率はどのくらいになると予想できますか。政府側は大体一〇%ぐらいを予想していられたのじゃないかと思いますね。
○政府委員(新田庚一君) 御指摘のように、本年度、四十八年度の経済成長率一〇・七%というふうに思っております。で、もちろんこの見通し作成時点におきまして、今日のような国際通貨情勢、あるいは円フロートという点は、この見通し作成に織り込んでおりませんけれども、ただ、御承知のように、このフロートに入る段階における経済の実勢を見ますと、非常に強うございまして、昨年の十−十二月期、つまり四十七年第三四半期のGNP瞬間風速、前期比年率一五・一%というふうなことで、かなり強い勢いで現在は走っておるという状態でございます。したがいまして、御承知のように、各民間の研究機関の見通しも、ほとんど例外なく一二%以上の見通しを持っておったわけでございます。そういった経済の実勢を考え、そして、今後フロートがどういうふうに推移するか予見できませんけれども、かなりのひとつの、何といいますか、景気に対してはマイナスの影響が当然あるわけでございますが、そういったものを織り込みまして、やはり私どもとしては、一〇・七%という当初目標の近傍に落ちつくのじゃないかということを、現段階ではそういうふうに見ているわけでございます。
○田中寿美子君 日経センター、そのほか、いまの民間の各研究機関が計算して出しておりますが、特に大体日経センターは比較的低く計算を出しているわけなんですね。もし、一五%円が切り上がった場合には、名目成長率を一四・一、そして実質を八・六というふうに計算しているんですが、このあたり、あるいはそれ以上もうちょっと高い切り上げ幅を考えているところもありますわけですが、そうなると、それだけ成長率は押えられていくということが考えられると思うんですね。そうしますと、税の収入に狂いがくるんじゃないかと思うのですがね。ですから、かりに一五%あるいは一五%から二〇%の中間くらいというふうに考えた場合に、見積もりが狂ってきやしないかと思うのですが、それはいかがですか。
○政府委員(新田庚一君) フロート以降に、各方面で四十八年度の見通しの修正をしております。先ほど申し上げましたように、このフロート以前では一二%台の見通しを持っておったのでございますけれども、これは計算方法、推計方法、いろいろ違いまして、前提条件などが違いますので、非常にばらつきがございますけれども、一番低いところでは大体九%、一番高いところでは二%くらいの数字もあるわけでございます。したがいまして、やはりその私どもの一〇・七%という線の上下に一応各方面の見通しがついているという状況でございます。まあそういうことでございまするので、税収との関連も、経済の推移によっていろいろ影響があるわけでございますけれども、ただ、御承知のように、税収の時期というものとそれから経済成長のテンポというのは、必ずしも時期的にタイムラグが一致しませんので、厳密な推計というのは非常にむずかしいわけでございますが、いずれにせよ、私ども、経済見通しは大筋として現在変える必要はないというふうに考えておるわけでございます。
○田中寿美子君 現在はそうおっしゃっていますけれども、いつか固定するときには、私は見通しも変えなければいけないし、それからいろいろ税収の計算からすべて狂ってくると思うんですが、それで予算そのものを補正するか、あるいは組みかえるか、必要になるんじゃないかと思うんですけれども、長官いかがですか、その点。
○国務大臣(小坂善太郎君) いま新田局長が申し上げたような見解をわれわれは持っておるわけでございますが、この現在の変動相場制が固定相場に復帰した段階では、やはりその時点でどういうふうになっておるかということを見直す必要があると思います。そのときの事態に沿うて最も適切と思われるように考えていかなければならぬ、こう思います。いずれにいたしましても、相当まだ先のことでございます。相当にまた動いていく状態だと、こう考えております。
○田中寿美子君 ですから、つまり四十八年度の経済見通しというのは、私は全くこれは切りかえていかなければならない時期がくるというふうに思うんです。それでかりに、さっき日経センターの一番低い数字で一四・一%の成長率ということ、一五%切り上げと仮定して。そうしますと、一四・一%ということで、ちょっと私試算してみてもらったんですけれども、いろんな税の弾性値なんかも加えて計算して、税収の欠陥が四千三百九十四億と、これはまあかりの数字ですけれども、こういう計算を出すこともできるわけですね。それからまた反対に、いろんな切り上げが相当あっても、物価の上昇率のほうはあまり、下がるどころか、どんどん卸売り物価は上がっているし、したがって、消費者物価ももう長官みずから五・五%を堅持できないんじゃないかという告白をしていらっしゃいますんでね、そういう状態であると。そうしますと、たいへんこれはいろいろ違った要素が出てくるわけで、大蔵大臣も、五・五%をこえるような消費者物価の上昇率があるときには減税もなどという発言をなすったこともあるんですね。この辺を長官はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) すべて今後の問題でございますけれども、先般私が申し上げました、現状はなかなかやっかいなことになったという点は、正直にこの現今の状況を見て、非常に危機感を感じておるということを申し上げたわけでございまして、やはり私の立場から、物価を担当する大臣としての立場から、これは容易なことじゃないと。しかし、これを肯定するわけにはいかぬということはもちろん前提にあるわけでございまして、この状況に対して、もう誠心誠意、全力をふるって、物価の値上がりというものに対して立ち向かわなければならないと、それについては国民の皆さんの御協力も得たいという気持ちで申し上げておるわけなのでございます。やはり政府の経済目標というものは、政策努力というものが中心になるわけでございまして、そういう点が内包されていることを、申し上げるまでもないことだと思いますけれども、申し上げておきたいと思います。 それから、非常に物価が上がっていった場合に、ことに勤労者の所得について、貯金されておるものについて配慮をする必要があるのではないかという点でございますが、これはまあ私の権限外のことなんで、大蔵大臣がお考えになることであると思いますけれども、なかなか金利と物価をスライド化して考えるということはこれは一般的にむずかしいことで、各国ともそういうことはやっていないと思いますけれども、しかし汗の結晶が何となくただ下がっていってしまうというようなことでは、いかにも挫折感といいますか、そういうことに対する思いやりのないことだと思いまするので、何か少額のものに限っては、しかも個人の勤労所得の結果であるということが明瞭であるものに限っては、何らかのことが考えられれば、これはよく検討するほうがいいというふうに思っております。
○田中寿美子君 いまさっき、たとえば円の切り上げ幅いかんによっては税収に欠陥がくるのではないかというようなことがあってみたり、いや、それでもなお物価は上昇していくという、そうするとかえって減税しなきゃならない状況があるのじゃないかと、一こうはっきりつかめない状況でございますね。それでね、どうも政府の経済政策というものが非常に私は場当たり、というよりむしろ逆行しているようなところがあるのじゃないかと思いますのはね、今度、公定歩合引き上げたわけですけれども、公定歩合はどんどんどんどんいままで下げてきているわけです。去年も、いまの田中内閣ができてすぐに下げて、そうして資金をだぶつかせる大きな原因になっているわけですね。それからまた、預金準備率も今度引き上げて、引き締めをやり始めているわけなんですけれども、それから郵便貯金だって去年でしょう。郵便貯金も引き下げましたね、去年ね。どんどんこの利率を引き下げてきている。それから、財投の中の資金運用部資金も、あれ、六分五厘だったのを六分二厘に去年の七月から下げている。全部資金が豊富にだぶつくような政策をとって、そしてたいへん過剰流動性ができてしまって、ちょうどそこへ円の切り上げ問題が起こってきて、どうにもこうにもならなくなってあわてて今度引き上げると——いま引き上げておりますけれどね。でも、もう中小企業はたいへん今度ひどい目にあっているのですね。前回の切り上げのときどころではない状況に追い詰められつつあると思うのです。そうすると、今度はまた融資が非常にきつくなってきて、苦しいという状況に追い込まれたときに今度は引き締めをやっていると、何か半年くらいずつおくれて、間違って、むしろ反対の方向をとっているような気がするのですがね。まあ経済閣僚として重要な立場にいらっしゃいますので、こういう——どうしてその見通しに関してもうちょっとちゃんとならないのかなということを、長官のお考えを聞かしていただきたいのです。
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ最近海外で、たとえばイギリスなどは消費者物価が七・七%という上昇で、西ドイツでも、フランスでも、やはり七%近い値上がりがあるというようなことで、なかなか輸入品についても輸入品そのものの価格が上がる。また、日本でたとえば大豆等が非常に値上がりをしておるという話になると、その大豆そのものが上がってしまうというのですね。そういうような点もございまして、円切り上げの利益がそのままにこちらの消費者のふところに入ってこない。むしろそういうことが、円切り上げが、円の価値の引き上げがなかったならもっと高くなったであろうものがそれほど高くならぬという程度の、そういうような形になっておるものがございまして、なかなか私どももその点非常にまあ一種の焦燥感を感じておるわけでございます。何とか、これが流通段階で吸収されないで、直接消費者の手にその為替変動による利益が入ってくるような、そういうことを考えにゃいかぬと思って、まあいろいろ措置を講じておるわけでございますが、まあそれと関連いたしまして、ただいま御指摘の金融の問題でございますが、金融というものはできるだけ弾力的に迅速に措置をしていったほうがよろしいというのが私どもの考えでございまして、昨年の六月に公定歩合引き下げたと、そうして一般の市中金融も下げていったたというのは、やはり不況の立ち直りいまだしという感じがあったんだと思うのですね。そこでそのころ、大体不況からの立ち直り期にあった企業活動というものが、非常にこの金融がゆるんだということでさらに活発になりまして、それが四十七年末になって、非常な勢いの、先ほど局長申しましたような、瞬間風速が強い経済活動を招来し、それは今日も続いておる。こういう段階で、やはりこの段階においては金融をもっと締めるほうがいいということで、私も着任以来この過剰流動性対策ということを非常にまあやかましく申しておったわけなのでございますが、しかし、こういうこととやっぱり並行して考えなきゃならぬのは、いま御指摘の中小企業の対策でございまして、この点では御承知のように、二千二百億円の中小企業の対策費を出し、それも六分二厘という特利で出すということをきめたりいたしておりますわけでございまして、やはりきめのこまかい施策と申しますか、その対象によりまして、金融によって困らないようにできるだけのことをするし、また一方において、だぶついておるものがございますれば、これはやはり締めていかないと——過剰流動性というものが私は今回の問題の大きな原因になっておると思いますので、これはできるだけ吸収するようにしたいと、こういうふうに考えておるような次第でございます。 私は、全般にこういう措置が進んでくるのと並行して、物価の騰貴の問題も何か山を越してきているような気がするんです。これからの私どもの努力いかんによって、御心配を願いまするようなことがないようにだんだん平静化することができる、一方また、どうしてもそういうようにしなければならぬというようにもう深刻に考え、真剣に努力したいと思っておるわけでございます。
○田中寿美子君 経済社会基本計画の中にも、金融は非常に弾力的に、機敏に、機能的に使うんだというふうに書いてあるから、上げようと下げようと、そのつど自由にしたらいいということかもしれませんけれども、一昨年の円切り上げのときの打撃はほとんど経済界が受けないでいたわけなんで、そこに、田中内閣ができてから金利を引き下げて非常に豊富に資金を市場に回したということは、これはやっぱり私は、列島改造論の政策を財政金融の面からどんどん推し進める、その意気にはやり過ぎてそうやったんではないかというような気がするんですけれども、これでまたことしの後半ぐらいになったら、ゆるめるというふうなことになりはしないかというふうに思うんですがね。 それで、一つお伺いしておきたい。これは大蔵省に聞くべきことかもしれませんけれども、資金運用部資金の利率を六分五厘から六分二厘に下げたばっかりなんですよね。これは、ほかのものをみんな引き上げているんで、やっぱり引き上げる方向にいくんですか。
○政府委員(宮崎仁君) 調整局長のほうから後ほどまたお答えをいただくことがよろしいと思いますが、基本計画の問題が出ましたので、ちょっと私のほうから申し上げます。 金融政策につきましては、御指摘のように、今後の運営といたしましては、できるだけ弾力的に、自由に動けるように持っていきたい——これはここ二、三年の方向もそうでございますが、そういう方向を進めていきたいと、こういうことを今度の計画でもうたっておるわけでございます。したがいまして、長期金利も短期金利も含めまして、あまり人為的にいろいろの手を講じないで、それぞれの経済情勢に応じて動いていくように持っていくことがいいんじゃないかと、こういうふうに考えております。 と申しますのは、一つは、やはり今後の金融問題を考えてまいりますと、やはり政策として考えます場合に、金利の上下というものはすぐ国際的に影響を及ばしまして、短期資金の移動等によってこれが撹乱されるという要素はどうしても出てまいります。そういうところから考えましても、金融政策の重点というところは、むしろ準備率の問題であるとか、オペレーションであるとか、そういったほうに重点がいくであろう。あるいは公債政策の問題とか、こういうふうに内容が変わっていくのではないか、こういう前提のもとに今度の計画が書かれておるわけでございます。 当面の資金運用部資金その他短期の金利の問題につきましては、私はあまりよく承知しておりません。
○政府委員(新田庚一君) お尋ねの資金運用部資金の運用金利の問題、これは、その原資であります郵便貯金の金利引き上げ問題、それから、郵貯特別会計あるいは資金運用部特別会計の収支との関連で、どうするかということを現在大蔵省で検討中でございまして、まだ確定しておりません。
○田中寿美子君 資金運用部資金のほうも、金利を引き下げたために赤字になってきつつあるというふうに聞いておりますがね。この辺は、検討中と言われましたから、私もまたあとで別の機会にお尋ねしたいと思います。 金融のことは非常に弾力性を持つという、まあそれは当然かもしれませんけれども、逆行をしたり、それからたいへん後手になるということについて、もう少し早い見通しをつけていただきたいということをちょっと要望だけしておきまして、経済社会基本計画の中身に少し入りたいと思うんですけれども、「活力ある福祉社会を目ざして」——たいへんことばはいいんです。ですけれども、そのためには根本的に日本経済の軌道修正をしないとだめだろうと私は思うんですよ。だから、思い切って福祉社会の概念を変えていかないとだめなんじゃないか。で、ことし四十八年度が、二兆円ちょっとの社会保障関係費というのをとっています。それで、この五ヵ年計画では、振替所得が六・二からようやく八・八という、たいへん低い理想だと思うんですね。それから、この中に、GNPを大体九・五%ぐらいのところに持っていく。物価の上昇率は五年の最終目標が四%アップと——これもほとんど私は不可能だと思うんですけれどもね。福祉優先というようなことばがたいへんうつろに響きますのは、一方にインフレが非常に進んで物価が上昇していく。それから投機がどんどん進んでいく。そうすると、もうインフレと投機で、まじめに働いた者はばかをみるような世の中です。それで、社会福祉と言われましても、たいへんうつろに響いてくるわけなんです。 で、私は、特に大臣のようなそういう高い政策をつくる立場の方に、ぜひこの際そういうことをお願いしたいと思うんですけれども、日本の社会保障とか社会福祉の問題で厚生省の担当官の人たちとお話をしますと、日本は欧米には劣っていませんよと、何でもありますよと、相当のところに来ているんだ、負けないんだというふうな話をなさいますけれども、でも、実際に私どもは欧米諸国の生活を多少知っておりますので、もう全くうそだという気がするわけですね。それは、長年にわたるストックの所得がありますから、ですから、衣食住の一番基本的なものがかっちりしておりますね。そこへもってきて、年金だとか、公費医療が進んでいる。そういうことに比べますと、日本の社会保障あるいは社会福祉は、三流国並みと言われてもしかたのない状況にあるわけなんです。こういうときに、ほんとうに福祉型に、福祉経済に切りかえるということは、よほどのことをしなければならない。ですから、六・二を八・八までの振替所得に引き上げるという程度のことでは、とても間に合わないんですね。その辺を、思い切って西欧並みの一五%ぐらいまでに突っ込むというような気持ちを持っていただけないかどうか。これは長官一人でおきめにはなれないと思いますけれども、しかし、日本の経済のあり方の基本をおきめになる責任の方でございますから、軒並みに、どれもこれも大体前より何%かずつ大きくなる、幾らか社会保障の伸び率が大きくなるというようなことでは、とても福祉経済へ切りかえることは私はできないと思います。その辺の考え方を変えていただけないかどうか、お伺いします。
○国務大臣(小坂善太郎君) なお、詳細については局長のほうから言ってもらいますが、考え方としまして、私もぜひこの副題にありますように、活力にあふれた、日本人がほんとうに喜ぶような福祉社会、そして福祉の中に安住しないで、脈々とした個人の活動がある社会、そういうようなものをつくりたいとしんから思っておるわけでございますが、この政策をつくるに際しまして、全般的な考え方としまして、従来の趨勢をそのまま持っていったらどうなるかということ、それからもう一つは、政策を急転させたらどうなるかということ、この二つの局面を考えまして、その中に選択の可能なバランスをとった形はどうかということを考えてみているわけでございます。私どもはその中間の型をコスモモデル、コンプリヘンシブ・システム・モデルと言っているんでありますが、その点で考えてみますと、おっしゃるとおり、八・八%の振替所得というのは、欧米の国に比べちゃたいへん低いじゃないかとおっしゃることは、私はそうおっしゃる気持ちは理解できるんでございますが、ただ、四十五年に比べて実額でどうなるかというと、四倍になるわけでございますね。これは、かなり実際の額から言うと大きな伸展とあえて言わしていただきたいと思います。そこへ、日本の社会層というのは非常に若いわけでございまして、しかも、年金という思想が非常に新しく入ってきた思想でございまして、年金をふやしていく、振替所得の中の大宗を占める年令をふやしていくという点で、その方向についちゃ私もぜひそういう強い方向をとりたいと思いますけれども、やはり政策急転をして、他とのバランスを失するという点を考えますると、この基本計画に言っておりまする程度のことが最も可能なのではないかと、可能な、一番とるべき態度ではないかというふうに考えておるわけでございます。で、私、繰り返して申し上げますと、田中委員のおっしゃいまする、どれもこれもというんじゃそれはどれもだめになるから、少し傾斜的に社会保障というものにもっと目を開いて進めろというお考えはよく理解できますんですが、現状から見ると、どうもそこのところに私どもの悩みがあるということを申し上げざるを得ないわけでございます。なお補足して……。
○政府委員(宮崎仁君) 十分御承知のとおりでございますが、結局、わが国の社会保障給付の割合が低いというのは、人口の老齢化の問題が比較的わが国の場合は進んでおらないというところに、非常に大きな違いがあるわけでございます。過去におきましても、しかしそうは言いながら、社会保障給付費の割合を上げようということで、計画などではある程度ずつ引き上げる考え方をとってまいりましたけれども、成長のほうの実績が上回ってしまうということで、あまり上がらないで推移してきておる、こういう実態でございます。最近、若干これが上向きになっておりますので、これを非常に強めて八・八という数字を出したわけでございまして、資源の配分としては、いま長官の御説明にございましたように、かなりこれで大きく変わると思っております。 で、先ほどのお話にもちょっと戻りますが、たとえば社会保障給付費で見ますと、確かにわが国の場合は一九七〇年で六%ちょっとという程度でありまして、欧州諸国あたりに比べると非常に低いんでありますけれども、何で低いかというのを見ますと、年金がわが国の場合は〇・三%しかない。ほかの国ではフランス四・六とか、西ドイツ八・七とか、非常に違うわけでございますね。これは主として人口の老齢化の傾向が違う、こういうふうに考えております。その点をちょっと見てみますと、わが国の場合は、昭和四十七年で老齢人口指数というのが九・七でございますが、一九七〇年の数字ございませんが、アメリカ一三・八、イギリス一七・〇、その他一四、五%という程度でございます。この水準にわが国が達しますのは昭和七十年から八十年の間でございますから、その辺に約十五年から二十年の違いがある。この辺の老齢化の状況が進んでまいりますと、急速にこういった給付がふえてくる。もちろん内容の改善もあるわけでございましょうが、そういう点を考慮いたしますと、今回の八・八という数字もかなりの改善にはなっておる、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
○田中寿美子君 多少改善されたことは私も認めます。ですけれども、いつも年金の問題になると、人口の老齢化を待つ話ばっかり出てくるんですが、中身のことがほんとうにたいへん問題です。現在、実際年金で暮らせるようなシステムになっていないということですね。そして、退職してから、少なくとも六十五歳以上の人が食えるだけの年金の最低保障額をもし与えられれば、こんなことでは済まないわけです。ですから、人口の老齢化の比率が外国並みになる昭和七十年度を待ってようやくほかと同じような振替所得になるという考え方は、私はやめていただかなけりゃいけないと思います。現状のままで考えないで、いま困っている老人、いま困っている身障者、いま必要な保護というものをふやしていくということ、それから、そういう面だけではもちろんありません。住宅その他、生活環境施設全部を含めて考えてみなきゃいけないと思いますけれども、そういう点での福祉への経済の切りかえということがもっと大きく、資源の配分をもっと大きく切りかえる勇気がほしいと、こういうことを私は申し上げているわけなんです。 いままでのGNPの一流というのは福祉の三流でささえられてきたと、この間長洲一二先生がおっしゃいましたけれども、ほんとうに私はそういうことだと思います。 そこでGNPのことなんですけれども、もう百兆円ちょっとこすわけでしょう、四十八年度。やがて三百兆円という、アメリカの去年くらいのGNPになるときもそうおそくはない。アメリカに比べて、ほんとうにアメリカの土地の四、五%しかないところにそんな大きなGNPを乗せる日がくるということを考えると、非常に重大な転換をいまからしでいかないとたいへんだろうと思うわけです。そこで、GNP——何でもGNPで考えることについて、私は疑問を持っているわけなんです。日本のGNPが非常に高くなっていく中には、たくさんのマイナスの要因を持っているはずです。たとえば工業をどんどんどんどん大きくし、開発をしていくことによって起こる公害の処理費から、予防措置から、あるいはそれの賠償まで含めてGNPに入ってまいりますね。それから、病気がどんどんふえれば、医者にかかる代もみんなGNPを大きくしていくし、それから、日本は特に私は社用族の交際費というのがたくさんGNPを大きくしていると思います。そのほか、交通事故が一ぱいあれば、これもGNPを大きくしている。こういうことを考えますと、GNP中心に成長率を考えること自体にも、私はたいへん問題があると思うんです。ですから、ほんとうに実質的に国民に対して公共性のある支出、あるいは生産、そういうものの中で占める福祉の割合ということを高めていきたい、いくべきじゃないかというふうに思うんですけれどもね。ですから、つまり、福祉指標というような意味になるかと思いますけれども、その辺は、今後やっぱりどういうふうに思っていらっしゃるか。GNPは九・五というとやっぱり相当高いわけですね、五カ年の。その後も、さらにそういう比率で上げていくという考え方でいらっしゃるのか、その辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(宮崎仁君) この計画の長期展望でも出しておりますが、大体コスモモデル等いろいろ検討いたしました結果、長期的にはやはり相当成長率は落ちていくと、これは当然福祉型に変わっていくということもございますし、全体にわが国経済の規模が大きくなってくれば、またそういう方向も動いていく。これは国民の意識の変化そういった問題も考えておるわけでございますが、一応推定いたしておりますのは、今後十年間、五十五年ぐらいまでは大体九%程度、それからさらに十年間、六十五年ぐらいまでは六ないし七%程度、こう一応推定をいたしております。
○国務大臣(小坂善太郎君) そのとおりなんでございますが、実は企画庁としまして、おっしゃることもよく理解できますわけで、二つの指標の開発を考えております。一つはソーシャルインディケーター、もう一つはNNW——ネット・ナショナル・ウェルフェアという指標の開発を考えておりますわけですが、何ぶんにもGNPのような計算方式というのは国際的に認められた考え方でございますし、われわれの開発しているのはなかなかそういうところまでまいりませんので、もう少し努力をしなければならぬと思っておりますが、いまのお話のような考え方は十分私どもとして考えなければならぬと思っております。実は、自分のことでおそれ入りますけれども、昭和四十二年に私はだれのためのGNPかということを書いたことがあるんでございますが、そういう気持ちで、当時はどうも相手にされなかったんですけれども、だんだんそういうふうになってきましたし、ただこう思うだけで、もう少し何といいますか、体系的なものがつくれないかと思っております。
○田中寿美子君 そのNNWのことはいろいろとお尋ねしていますけれども、まだはっきりとした形をとっていないようですけれども、もちろん、GNPを一つの目安として経済の伸びを考えるというのは世界的なあれですから、それはそれとして、やっぱり日本はたいへん統計の進んでいる国ですから、NNWの作業というものをぜひ進めて、福祉の指標でものが言えるようにしてもらいたいし、その中で非常に進んだということがわかるようにしないと、GNPとの対比で考えますと、さっき言いましたようなマイナス要因が一ぱいあるので非常にわかりにくくて……。 それで、今度物価のことですけれども、卸売り物価は非常に上がっていて、これも今年度見通しはとうていそのとおりにはいかないということはもうすでにいわれていますし、それから消費者物価の指数も、とても五・五ではおさまりそうもないということを長官もおっしゃっておるわけなんですが、一体物価を押える、押えるというか、下がるということはあり得ない。上昇率を押えていく何かいい、積極的な方法というものがあるかどうか、何か考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、いままで物価で五・五という指標が一番高く出されているわけで、過去において二回そういう例がございます。今度で三回目の指標を出しておるわけです。私の先般申しましたことが非常にどうも誤解をされておりますように思いまして、どうも小坂はあきらめたというふうに言われますけれども、そうではございませんで、これ、とにかく年度の初めでございまして、この四月一日から昭和四十八年度になるわけで、もう四日ぐらいたってすぐに旗をおろしちゃったというふうにとられると、はなはだ残念でございますが、そういうことではございませんで、私は危機感を訴えたつもりでおりますわけで、極力また為替の問題等も勘案いたしまして、できるだけ指標に近づけるよう、指標を全うできるような努力をしたいと思っております。私は、その方法としては、根本的には需給の関係でございますし、いま出ておりまする関係は、非常に物は豊富にあるわけでございますから、むしろマネーフローの関係、過剰流動性の関係が一番問題だと思っております。しかし、それと関連して、昨今の状況というものは、まさに仮需要が発生している、その仮需要からきての投機、ギャンブルが力のないものを苦しめておるという状況だと思いますので、やはり焦点を当ててこれに向かって引き金を引いていくのがいいというふうに思っておるわけでございます。やはり問題は、この消費者物価は国民の、善良な市民が毎日毎日体験するものでございますので、やはり消費者それ自身が自衛するといいますか、消費者の声を私ども政府がよく伺って、それに対応する政治をやっていかにゃならぬというふうに考えておりますわけでございます。そういう意味で、実は物価のインディケーターを少しつくって、需給の状況、そのあるべきと思われる価格、こういうものをやはり消費者の皆さまにも流して、情報として流して、御一緒に物価引き下げ運動をやってまいりたいと思っておるわけでございます。物価を下げるというのは非常にむずかしいといわれますけれども、いま異常に高いのでございますから、これは何とかして下げねばならないと思います。幸いに、どうもあちこちに現在あるものを放出しようというような動きがあるように見えるわけでございます。実は、取引所へ先般私も参りましたのでございますが、まあそのときの状況はストップ安、その後もストップ安が続いておる、どんどん崩落しておるわけでございますね。こういう状況でむしろパニックすら心配だなんておどかす者がおるくらいで、これは非常にいい状況だと思います。私ども短期決戦で、この四月、五月が一つの決戦の場だというくらいに思っておる。何としてもこの四月は三月より物価を下げるというくらいのことを、消費者物価を下げるということをひとつしてみたいものだ、こう思っておりますので、これまたひとつ失礼ですが、御協力をいただければたいへんありがたいと思っております。
○田中寿美子君 時間がきてしまいまして、いま私物価対策を一つずつお伺いしたいと思っていましたけれども、また別の機会にいたしますが、たとえば公共料金なんかはこれはもう引き上げようとしているわけですね、政府が。さっきの、私、福祉経済への転換という場合に、たとえば人間の生活にどうしても欠かすことのできない米だとか住宅だとか、それから教育だとか医療だとか、それから交通とか、そういったものは一あるいはガス水道、そういうものですね、公共性のあるものに関しては、これは相当の財政支出をしていくというようなことが福祉経済の私は非常に重要な点だと思うので、そういうものを引き上げていくと、政府みずから物価を引き上げる政策をとっていることになるのではないかということなんで、企画庁長官、しばしば消費者の消費動向がどうも物価を引き上げているような話が多いのですけれども、これ、買わされるようにできているわけでしょう。品物は市場にはんらんしておりまして、買え買えというふうないまの経済組織になっているわけですからね。そういうこともありますので、消費者の心がまえ一つで変わるわけではありませんで、まず公共性のあるものについては引き上げていかないというようなこと、それから生鮮食料品の流通機構に関してはたいへん問題があると思うのですが、ああいうもの、それから寡占価格を規制するとか、いろいろやり方を具体的に考えていただかないと、せっかくの、いままでよりは確かに増額された福祉の予算が、低所得層なんかには——福祉が台なしになってしまうのですよ。ですからぜひその点はもっと具体的にお考えいただきますように、情報や協力、もちろん消費者もアメリカの主婦がやっているように、ボイコット運動までやるというようなこと、そのときどきには対症療法として役に立つと思いますけれども、基本的に物価政策を、公共性のあるものについては十分考えてほしい、こういうことを私要望として申し上げておきます。時間がなくなりましたので……。 —————————————
○主査(川上為治君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 ただいま田中寿美子君が委員を辞任され、その補欠として羽生三七君が選任されました。 —————————————
○羽生三七君 もし田中議員の質問とダブっているところがあったら御注意をお願いいたします。いまちょっと聞いておらなかったものですから。 最初にお伺いしたいことは、この新しい経済社会基本計画が政府の相当な意欲を持って発表されたわけですが、それにもかかわらず、一般の関心がきわめて薄いし、また、国会でもあまり大した論議の対象にならない。この理由は一体何かと考えてみると、従来の計画が、計画と実績との乖離があまりにはなはだしかったという、その結果ではないかと思うんです。それで、資本主義経済、自由主義経済のもとですから、計画どおりにいかないということは、これはよくわかりますが、それにもかかわらず、これが「民間企業や国民の活動の指針」と政府もうたっておるし、それから一般もいままではそう考えてきたのですから、そういう意味で、従来の計画と実績との乖離という経過にかんがみて、何らかのごくふうがおありになるのかどうか。従来の惰性で、また同じことが繰り返されるのか、どうなのか。そういうことがやはり国民の関心に値するかしないかの別れ道にもなると思うので、その辺のことを、まず最初にお伺いいたします。
○国務大臣(小坂善太郎君) まことにごもっともな、たいへん私どもにとって愛のむちとも言うべき御叱責だと承ります。非常にその点、政府のやることは、とかくどうも言いっぱなしが多いわけでございます。私ども、この計画の一つの特徴と考えておりますのは、従来と異なりまして、毎年フォローアップをやろうということでございます。大体五年もたつとみんな忘れてしまって、どこへ行ったかわからぬというようなことが多いわけでございますが、この計画を、必ず毎年これを見直すということ。 それから、やはり従来は日本がうまくいけばいいんだという考えでございましたが、日本がうまくいくには、やっぱり国際的な協調が大切だと、国際協調を言っておる点。それから、物価ということに対しての関心はわりあい薄くて、成長があればいい、完全雇用があればいいという理論が相当に強力に支配しておったのでございますが、そうではなくて、やはり物価の安定、ことにインフレーションの防止というのは最も重要な政策課題であるということを言っております。それから社会保障でございます。いま田中委員からいろいろ御指摘いただきましたそういう点を強調している点が特徴だと存じます。さらに、私、一月の経済演説で申し上げましたように、従来、資源というのは幾らでも買えばあるというような感覚で、それから石油等についても、七億五千万キロリッター、あるいはそれ以上の石油を持ってくるんだというような考え方がございましたが、やっぱり資源というのは有限性のものなんだということ。それから環境も、自然環境もこれはやはり限度があるんで、汚染をしてしまったんじゃ、自然の環境は人間のために使えないんだということを認識させるということ。それから使い捨ての経済というものを改めて、やはり浪費をしない消費生活ということを考えなければいかぬ。これは一種の国民運動的な気持ちでございますが、そんなことを強調しているわけでございます。しかし、これをどうしたらもっと国民の皆さまに御理解いただけるかという方法につきましては、いま私の申し上げたフォローアップ、これが抜けているのを毎年見直すから、必ずこれはやっていくつもりなんだという政府の心がまえについて、もっと一般に御理解をいただく方法を考えなければいかぬのじゃないかというふうに思っております。
○羽生三七君 経済社会発展計画から今度経済社会基本計画と名称が変わったわけですが、これは従来の成長中心主義の政策から福祉政策への転換を意味しておると理解してよろしいですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) さような御理解をいただきたいと考えております。
○羽生三七君 ところで、この計画の内容は、必ずしもそのことばどおりになっていないように思われるんですが、たとえばこの計画期間中にGNPは約九十兆円増加することになっておりますが、四十七年度から五十一年度までの民間設備投資額は約百兆円、これは約であります。約百兆円。これは、産出係数は九十兆円、百兆円で、これは〇・九%であります。それから最近五年間の累積設備投資、四十二年から四十六年、これが約六十兆円、それから四十七年度までの五年間のGNPの増加は約四十八兆円で、産出係数は〇・八%、こうなるわけですね。そうすると、公害防除の設備投資等が増加すれば、産出係数は下がらなければうそだと思うわけですね。ところが、それが逆に上がっておるということは、民間企業がやはり投資効率というものを重く見ておる結果ではないかと、こう思われるわけです。そうでなかったら、これは逆に下がらなければならぬはずですね。上がっているということは私理解できないんですが、これはどういうことでしょうか。
○政府委員(宮崎仁君) 的確なお答えになるかどうかわかりませんが、この計画期間における伸び率、構成比、いずれを見ましても、民間設備投資は従来に比べてかなり下がるわけでございます。構成比で見れば大体四十七年度の一七・五から一五・二、四十五年度に比べると二〇%ぐらいから下がります。そういった形でございまして、かなりの変化があるわけでございますが、しかも、この中で公害防除投資というものを、この計画期間に累積六兆円という非常に大きな数字をやっていくと、こういうことでございます。そういうことから見ますと、いま御指摘の産出係数というような観点からいきますと、確かに若干そういった問題があるかと思いますけれども、私どもといたしましては、こういった形で民間設備投資のウエートが下がっていく。しかし、それで、じゃ、そのまま成長率が下がっていくかというと、いわゆる財政主導型に持ってまいりまして、政府固定資本形成、それから個人消費支出、住宅投資、こういったところを増加をいたしております。そういうことによって成長率そのものはそれほど下がらない、こういう形に持ってまいりましたので、設備投資の増加額と総生産の増加額との関係で見ますと、産出係数という形では上がるような形に一応なっておりますけれども、むしろ、その原因になっておるものは、政府部門の支出がふえておる、これが成長率をある程度ささえておる、こういう結果であると、こう考えております。
○羽生三七君 それは、御説明はそうでも、実際問題として、いまおあげになったような部門が成長率に与える影響は、私は、それは民間設備投資とはおよそ違うものだろう。だからしたがって、全体として問題は逆であると思いますから、これは問題点として指摘しておきます。私は、いまの御説明必ずしも理解できません。 それから次に、この卸売り物価と消費者物価の乖離の問題ですが、今回のこの経済社会基本計画では、卸売り物価の上昇率は二・三%と見込んでおりますが、これは実際にこんなことでおさまるとは思いませんけれども、ある程度政策意図を織り込んだものと見て、私は、そのことはあえて触れません。ただ問題は、この卸売り物価と消費者物価の関係でありますが、計画では両者の乖離は二・六%に縮めると、こうなっております。ところが、最近十一年間——これは日銀の調査月報の論文から見たものですが、それによりますと、最近十一年間の乖離は、平均四・八%、四十六年は七・一%、四十七年は四%であります。それで卸売り物価が二・三%アップすると、消費者物価指数は七・一%にもなるというのが、過去のデータから推計される数字であります。だから、消費者物価が四%台になるという根拠は一体どういうことなのか。ここにはそう示されておりますが、これは非常に無理なことじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮崎仁君) 確かに計画策定段階において非常に議論のあったところでございます。こういった形になってまいるというのは、中期マクロモデルでの計算からもそうなってくるわけでございますが、一つは、成長率がある程度従来の一一%程度から相当ダウンをしていくというかっこうになってくるということが一つの要因でございまして、そういう形になってまいりますと、賃金の伸びその他にいろいろに影響いたしまして、消費者物価と卸売り物価の乖離が若干縮まるというかっこうになります。それから卸売り物価そのものについては、公害防除投資、それから労働時間の短縮等によるコストの問題、海外の物価の問題その他によりまして、ある程度上がるという傾向が出ております。この差を、したがって、乖離が縮まってくるという結果になるわけでございますが、これにはもちろん、消費者物価について輸入の増大その他、この計画に書いてございますようないろいろの政策を強くやっていくということによって、これはこういうかっこうに押えていくという意欲も入っておるわけでございますが、全体として見ますと、やはりある程度成長率の伸びが従来より若干落ちついてくるといった形が一つのの大きな要素であり、一つは、わが国の経済構造がだんだん西欧諸国の形に近づいているということもございまして、この乖離が縮まってくると、こういうことじゃなかろうかと、こういう解釈を一応したわけでございます。
○政府委員(小島英敏君) 大筋は、いま計画局長から申し上げたとおりでございますけれども、特に私ども政策の重点として、卸売り物価とCPIの乖離を縮める手段、これは十分に考えられるポイントが三つほどあると思います。 一つは、やはりいままでの日本の輸入構造というものが非常に製品のウエートが少のうございまして、原材料中心で、しかもそういうふうになるような政策体系と申しますか、製品については関税も高いし、割り当てもするしというような体系があったわけでございますけれども、それを今後やはり急スピードで直していくという過程にいまあるわけでございまして、今後はやはり製品の輸入というものがかなりの急ピッチで、現在もふえ始めておりますけれども、さらにそういう傾向が続くだろうと思います。 それから第二の点は、流通の問題でございまして、これはやはり日本の、まあ暗黒大陸といわれるような、非近代的な部分として残されていたわけでございますけれども、最近やはりかなりいろいろなところで産直の動きとか、あるいは物流の合理化とかというものが顕者に進みつつございます。これは労働力から申しましても、やはり今後日本の流通過程の生産性を高めていくということが必至の状況でございますので、これはやはり卸売り物価と消費者物価の乖離を縮める非常に大きな政策問題であると思います。 それから第三の点は、やはりいままでの輸出優先型の産業構造というものが、今後、国際収支状況からしましても、急激に変えていかなければいけない。その場合にやはり非常な重点は、輸出産業の中から内需転換をいかにスムーズに促進するかということでございまして、特に繊維品とか雑貨関係、いま非常に変動相場制移行に伴ってそういう関係の中小企業がたいへん苦労なさっているわけでございますけれども、いかにしてこれをスムーズに内需に転換をさせるかということが非常にキーポイントでございまして、そういたしますと、結局これは主として消費財でございますから、そういうものの供給がそれだけふえることになりまして、消費財に関する需給がその面から改善されると、これはやはり消費財の価格上昇のテンポをゆるめる働きがあると思うわけでございまして、この三つの点をつけ加えさせていただきます。
○羽生三七君 産業構造が変わっていけば、いまのお説のようなことも起こるかもしれませんが、しかし、従来の趨勢から見ると、この日銀のこの調査月報の論文が指摘しておるように、景気の上昇期と下降期では若干問題があるようですが、しかし平均してみて、この論文の指摘している過去の趨勢から割り出す乖離の数字というものは、かなり私は信頼していいもんじゃないかと思うのです。そういう意味で、必ずしも御説明のようにはならないんではないかと思います。 それから、それとともに、この卸売り物価の上昇が消費者物価にはね返ってくるのが、大体数カ月後といわれておりますが、この最近のものすごい卸売り物価の上昇率からすると、この卸売り物価が年率で三%ぐらい予想されておるんですか、四十七年の実績で。そうした場合ですね、今度、昨年末から、年度末から——暦年で言う場合ですが、四十八年にかけてこの驚くべき卸売り物価の上昇を見た場合に、消費者物価の上昇率を五・五%におさめるというようなことは非常に私は困難だと、昨日でしたか、予算委員会で、五・五%におさめることは非常に困難だと御指摘があったようですが、それにもまして卸売り物価の最近の驚くべき上昇率と、それから消費者物価と卸売り物価の乖離から見て、とても五.五%におさまるような状況ではないと思われますが、その辺はいかがですか。
○政府委員(小島英敏君) おっしゃるように、去年の八月ごろから非常に急激な卸売り物価の上昇が続いておりまして、三月の中旬現在では、一年前に比べますと、一〇・五、六%高というようなことになっております。しかも、最近卸売り物価の指数改訂がございまして、新しい指数になりましたわけですけれども、消費者物価の品目との間にかなりの共通部分と申しますか、共通品目がございまして、大体CPIの中のウエートから申しまして半分近くのものが卸売り物価の中に共通品目として入っております。ですから、この部分は非常に早く卸売り物価の上昇が消費者物価に響くという関係があるわけでございまして、ことしになりましてからやはり消費者物価の上昇率が、前年に比べますとそれほどでもございませんけれども、前月比で見ますと、やはりかなり高い上昇をここ二、三カ月続けてきておりまして、三月の東京のごときは、御存じのような非常な急騰をいたしておりますのは、まさに昨年の八月以降の卸売り物価の上昇が顕著に消費者物価に反映してきていると考えざるを得ないわけでございます。そこでやはり消費者物価の安定のための非常に重要な問題は、卸売り物価のそういう、特に最近の卸売り物価の内容的に見ますと、繊維とか食品の関係が非常に上がっているわけでございまして、それをいかに鎮静させるかということが消費者物価対策の基本になるかと思います。そういう意味で、この間からの金融引き締めというものがようやく方向転換が行なわれまして、二度にわたる準備率の引き上げなり公定歩合の大幅引き上げということが実施されて、ものによりましては、ようやくこのピークを過ぎて、大豆のごときは大体まあ上がる前の水準まで下がってきておりますし、木材にしろ、繊維関係にしろ、どうやらピークを過ぎて反落傾向に入りつつあるように思います。で、こういう傾向はおそらく、四月の卸売り物価というのは三月から四月にかけてのげたの関係がございますので、なかなかマイナスというわけにはいかぬと思いますけれども、五月、六月、七月と日を追うに従って、やはり卸売り物価の面にはいまの金融引き締めその他の効果が顕在化してまいる、いままでのような上昇はおそらく急激に鎮静化されるものと期待しております。これがやはり消費者物価に影響いたしますのに若干のタイムラグがあるわけでございますけれども、傾向といたしましては、卸売り物価からのそういうマイナス的な影響というものは今後かなり縮まってくるというふうに期待しております。それにいたしましても、五・五%が初め考えておりましたよりもむずかしい状況に立ち至ったということは事実でございますけれども、私どもといたしましては、まだ何ぶんにも新年度に入ったばかりでございますし、従来以上に努力を傾けて、何が何でも五・五%の目標は堅持してまいりたいと考えている次第でございます。
○羽生三七君 この諸外国の、先日も委員会で承わりましたが、欧米諸国の卸売り物価指数の最近の驚くべき上昇、たとえば一九七三年一月でいけば、アメリカが七・一%、それからイギリスが六二%、フランスが九・一%、西独が少し下がって四・八%、こういうものから見て、やはり日本もそれに影響されることが相当あるんではないかと思うし、それからそういうことがありますから、いまよく政府がいうとおり、輸入インフレということもありますから、どう考えてみても、いまお話のような条件があるにしても、四十八年度の消費者物価が五・五%で、あるいはそれ近くでおさまる可能性は非常に私は乏しいと思うんですが、その確信は大臣おありですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は実は非常にすなおに現状を見て、相当な努力を要するという気持ちを持っております。しかし、何としても五・五以内に押え込むという非常な努力をしたいと考えておる次第でございまして、先般実は、あれはおとといでございましたか、委員会でなかなかえらいことになったということを申し上げたのは、物価担当閣僚といたしまして、警鐘を打つという意味で申し上げたようなわけでございまして、年度を通じて、まだ年度初めでございますので、今後の努力を大いにやりたいと考えているわけでございます。
○羽生三七君 それで、これはけさの新聞を見ますと、企画庁が物価安定に資するために物価情報を消費者団体に提供する、こういう記事が出ておりましたが、ほんとうの品不足と、それからあるいは買い占めとか売り惜しみによる品不足というようなものを的確に把握して情報を提供することはもちろん大事でありますが、それはどういう機構、システムで情報を集められるのか。それから特定の消費者団体だけじゃなしに、これは国民全部に周知徹底するようにしたほうがいいと思いますが、その辺の構想があったら承りたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) 資料のつくり方はまた事務当局から申し上げますけれども、私の考えといたしましては、とにかくいまの消費者の皆さんが一種の暗やみを歩いているようなものでございまして、何か先にこわいことがあるぞといえば急いでかけ出す。かけ出してつまずくというようなことがあるように思いますので、やはり何といっても情報を的確に消費者の皆さんにとっていただくということが必要だと思います。それにつけては、先ほどもお話ございましたように、今日の異常な物価高は、品物がなくて上がっているんじゃなくて、ないぞないぞといわれながら上がっておるわけですが、実情はあるというのが現状であることがようやく把握できたわけです。これが的確に知らせられることができればいまの状況はよほど変わってくる。それからまた、一部に買いだめ、売り惜しみなどという不心得なことをやっておるようなところにおきましても、政府からそういう情報がしょっちゅう流れていくということになれば、これは持っていてもしようがないということになり、吐き出すことになるというふうに考えておるわけでございまして、実は昨日ちょうど午後、予算の関係、私に御質問なかったものですから、急遽三団体の方に来ていただきまして、生協連合会、主婦連、地婦連、地方の婦人団体でございますね、この三人の代表に来ていただいて、私の気持ちをよく申し上げて、どうすれば一番いいと思うかとお知恵を拝借したわけです。その結果、三団体の方々ともたいへん協力をしようという気分になっていただきまして、それについては、消費者五団体というものがあるから、その方々に定期的に会うことはどうであろうかというお話がございましたので、そうしょうと申し上げたわけでございます。私どもしょっちゅう情報を出しますけれども、やはりこれはできるだけ国民に広く読まれる形でやることが必要だろうと思います。それにはいまのニュースというものは、ただ役所が発表するニュースは、ああまた官報かということになりますので、やはり役所の苦心してつくった資料を、そういう消費者を代表する方々に申し上げたというその事実があれば、その事実が報道されるということになるわけで、ひとつくふうしてみたらどうかというふうに考えたわけでございます。今後、月一回ずつ定期的にやるし、私個人としましても、できるだけ方々歩いてみたい。お話を伺ってみたい。歩いてみますと、非常に打ち解けて、実はあすこにあの人がこうやっているらしいというようなことを、公式にいわれちゃ困るけれども、というのもあるわけでございますね。非常に有益だと思いますので、役柄から知り得たことは、これは秘密にはなりませんと思いますけれども、そういう情報をできるだけ持ってまいりたいと思っておるわけでございます。なお局長からお答えさせます。
○政府委員(小島英敏君) 資料の収集につきましては、企画庁ももちろん、各方面から収集につとめますけれども、やはり物資別の基礎的な統計その他は各省関係が非常に豊富でございますので、これは物価担当官会議という組織がございまして、そこから二週間に一ぺんくらい、忙しいときは一週間に一ぺんくらい集まっておりますけれども、そういう組織を通じても各省関係の資料収集につとめたいと思っております。 それから発表に関しましては、いま大臣からお話ございましたように、五団体を一応の窓口としまして資料提供をいたしまして、五団体のほうからまたその他の消費者団体のほうへも流していただく。同時に、やはり役所のほうといたしましても、そこに出しました資料を中心に新聞を通じまして大いに一般の情報提供に資したいというふうに考えております。
○羽生三七君 次の問題は、今回の計画に、この経済基本計画ですが、これによると、法人所得の伸びは九%となっております。ところが四十年の不況時にも一〇・六%の伸びを示したし、それから円切り上げの四十六年度も一四%、四十七年は一七・七%も伸びております。四十年代の平均伸率は一八・四%、おそらく去年の実績はまあたいへんなことになるのではないかと思いますが、それが九%に低下すると見込んだ理由はどういうことでしょうか。こんなにも過去は大幅な伸びを示しているのに、突如として今度の計画ではこういう九%に下がるというのは、どういうことでしょうか。
○政府委員(宮崎仁君) 一つは、やはりこれは成長率の問題が基本的に響いております。それからこういった形で資源の配分を変えていきます、そのためには、財政の面で増税をやるということが考えられております。そういう面から、まあこれは幾らやるということは考えられておりませんけれども、法人所得にやはりある程度響いてくるということが、これはモデルの計算上第三部に書いてありますが中期マクロモデルの計算上織り込んであるという点が一つございます。それともう一つ非常に大きな点は、公害防除投資に対しまして非常にたくさんの金額をさかなければならないという点があるわけでございます。そういった点が価格に全部転嫁されてしまうと、これは必ずしも所得に影響はないわけでございますけれども、そうもいかないという形になりまして、やはりこういうところに響いてくる。いろいろの面から法人の伸びは従来の線からだいぶ落ちるという推定になっているわけでございます。数字そのものは、これは一応中期マクロモデルを使っての計算の数字が出してあるわけでございます。
○羽生三七君 この福祉予算という四十八年度の法人所得の伸びは、先ほど数字を言わなかったんですが、二二・四%となるわけですね。もし政府の計算が正しいとすると、五十二年に至る期間の法人所得の伸びは、平均わずか五・八%にしかならないことになりはしないかと思うのです。それで、四十八年度二二・四%という伸びから五・八%の伸びになるという経済、これは異常な、成長率は確かに九・四%に五ヵ年平均ではダウンするにしても、それにしてもあまりにもひどい法人所得の減少で、ある意味においては、これは大不況の到来みたいな印象を受けたんですが、実際にそんなことが起こるのかどうなのか。あまりにも変化の差が激し過ぎると思うのですが、そういうことでこういう提案をされたのか。
○政府委員(宮崎仁君) これは計算の方法は先ほど申し上げたとおりでございますが、四十八年度の期間で、税収の伸びがかなり高いということから見ますと、四十九年度以降の伸び率はそういうことでダウンするということになりますが、ただ、その五・八という数字は、ちょっと私どもまだそういう数字をはじいておりませんが、構成比その他から見ますと、たとえば構成比で見まして五十二年は国民所得に対して一一・八でございます。四十五年が一五・四でございまして、それほどひどい下げ幅にはならないです。四十八年度が上がった関係で四十九年度以降は若干下がることになりますが、これは全体が大きくなっておりますから、それほどの、いまおっしゃったほどの急激なダウンにはならないのではないかと私ども考えておりますが、ちょっと該当する計算をやっておりませんので、その辺はもっと検討させていただきたいと思います。
○羽生三七君 計算のしかたの違いかと思いますが、やはりそれに関連して、その計画でいきますと、国民所得に対する税及び税外負担の比率は計画期間中に三%という程度高まると、こうなっております。それで、三%という数字は五十二年度で約四兆円強になると思います。このうち法人課税の引き上げによる分をどの程度に見込んでいるかわかりませんが、かりにもし半分の二兆円、これが法人課税と見た場合、法人所得の伸びはいまも申しましたように低いのですから、この実効税率でいくと一二%程度引き上げることが必要になると思います。それから表面税率でいくと法人税、法人事業税あるいは事業所税のいずれか、あるいはそれを合わせて一五%程度上げることになると思うのです。これは計算上そうなると思います。それから四十一年に引き下げた法人税を元へ戻すだけでもたいへんな抵抗に会ったわけであります。実際に財界の反対を押し切ってでもその程度に引き上げる確信がおありになるのか、実際に実行できるのかどうか、その辺はいかがですか。
○政府委員(宮崎仁君) 結論のほうは長官からまた申し上げていただいたほうがいいと思いますけれども、作業の過程での議論をちょっと申し上げてみますと、確かに租税負担率が三ポイントその計画期間に下がるということは、かなりたいへんなことでございます。その内容は個人税、法人税、間接税いずれにどのくらい上げるかということは、これはいろいろ議論がございまして、むしろ税制調査会において決定してもらおうということで、計画では示さなかったわけでございます。ただ、この文言を見ていただきますとわかりますように、法人税は従来高かったのが引き下げられたということはございますし、それから今後を考えますと、なお今後相当の負担を求めることが必要になるということで、引き上げということは、ある程度サゼストしておるといっていいかと思います。現在のわが国の法人税の実効税率は、アメリカ、フランス、ドイツ等に比べて低いことは御承知のとおりでございますから、そういった点で大蔵大臣も四十九年度から検討するというようなことを予算委員会等で御答弁になっておられますし、大蔵事務当局ともいろいろ打ち合わせておりますが、私どもといたしましても、そういった方向で、これから、先ほど長官から申し上げられましたフォローアップの一環としてこの点を詰めてまいりたいと思っているわけでございます。
○羽生三七君 長官、先日どなたかの委員が、日銀の政策に政府が介入し過ぎるのではないかというお話のときに、日銀といえども、必ずしもアンタッチャブルではないというお話があったが、財界に対してアンタッチャブルではこれ困るわけで、その辺は自信をもっておやりになれるですか、かなりきびしいものだと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) それはもとよりでございまして、当然なすべきことはだれに対してもするというのが政府の基本姿勢でございます。
○羽生三七君 それからこれも今度の計画の中にあることですが、付加価値税については、計画の示すところによると、今後もさらに掘り下げて検討を行なうと、こうされていますが、計画期間中に実施されるようなこともお考えになるのか、そういうことはもう全然考えていない、単なる検討対象なのか、場合によってはこの期間中に検討だけじゃなしに、現実に実施されるようなことも考えて検討という意味なのか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(宮崎仁君) これについては、いろいろ御議論があることは御承知のとおりでございまして、間接税について相当の増税といいますか、税収の増加を考えようとしますと付加価値税が有力な税になってまいります。これについては、いろいろ問題があることは御承知のとおりでございます。したがって、先ほども申しましたように、税制調査会における御議論に待ちたいというのが現在の態度でございますけれども、特にこの付加価値税は、もし実施するとすれば二兆円、三兆円というオーダーの相当大きな問題でございますから、特に慎重に検討するということでこういった表現をとっておる次第でございます。計画期間中にどうするかといわれると、これはいま申し上げました三つの税についてどういう案分でやっていくことが最も望ましいかということについて、さらに検討して、できるだけ早くきめたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○羽生三七君 答申もさることながら、企画庁としては、これなんか目的税みたいなこともお考えになってなのか、ただ一般的な財源なのか、そういう方面の検討はされたことがあるのでしょうか。たとえば、年金を賦課方式にするとか何とかいう、そういうことのために財源をつくるとか何とか、私はそれで付加価値税に賛成するという意味じゃないのですよ。その基本的な手当は別として、そういう何らかの目的を持ってなのか、一般財源として直接税がめんどうになってきたから間接税ということなのか、その辺はどうです、答申とは別です、企画庁の考え方。
○政府委員(宮崎仁君) この間接税につきまして、特に付加価値税でございますが、目的税という形での議論を進めたほうがいいと、こういう考え方は私どもは持っておりません。やはり金額の大きさその他から見て、やるとすれば一般財源にすべきではないかと思いますが、この計画ではむしろ全体としての間接税の水準は落とさないというくらいのことをいっておるわけでございますので、はたしてこれを実施すべきかどうかということは、先ほど申し上げたとおりでございますが、やはり考えれば一般財源になると思います。
○羽生三七君 次に投機利得の問題ですが、四十七年の投機利得は株式と土地だけで五十兆円と、これは一般的にいわれておるわけですが、これは正確な数字が把握できるわけではありませんが、一般的にはそういわれているわけです。こういう意味の所得に対して、資産所得に対してですね、現在、ほとんど課税されていないわけです。かりにこれに課税すれば、一〇%と見ても五兆円、これは実態はなかなか把握できないから全く仮定の数字になるわけですが、それでも、一〇%としても、かりに五兆円になるわけですね。これは現在の大衆課税となっている所得税の大半の納税者が免税となるほどの額になると思うんです。それで、こんどのこの計画が高福祉高負担といいながら、この種の投機利得、キャピタルゲインというのか何か知りませんが、それに対して全く手を触れていないということは、どうもこの計画の趣旨にも反すると思いますが、何かそういうことをもっと具体化することは考えられませんか。
○政府委員(宮崎仁君) この計画の中でも、土地政策について、特に土地税制の問題でそういったことを書いてございます。これはすでに四十八年度のこの国土総合開発法その他いろいろの施策が打たれておるわけでございまして、税制についてもこういった方向での措置がとられることになっておりますが、これをさらに詰めていくということになると思います。 ただいま御議論がございました投機的なといいますか、株その他の所得の問題、こういった問題も分配の公平ということで一般論は書いてございますが、非常に技術的にはいろいろ議論があるところでございますので、そういった問題については、税制当局においてさらに検討してもらうと、こういうつもりでございます。
○羽生三七君 これは、長官、一般論しか書いてないということで、まずそのとおりでしょうが、いまのような状態が永続ということはありませんが、長期にわたって継続するとは思わないけれども、それにしても、こういう状況にある中で、こういうものが課税の対象にあまりならないということは不公平感を与えるのじゃないでしょうか。もっとやはり税制調査会ですか、の問題かもしれませんけれども、もう少し、考えてもいいことのように思われますが、いかがでしょう。
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ私の考えは、やはりこれとも越境することになりますので、本来、大蔵大臣の所管でございまして、また、税制調査会の議を経てということでございますので、まあ、羽生委員の御指摘は十分理解できるところであるので、どうするかということについては、専門家の検討を待ちたいと思っておりますが、ただそのキャピタルゲインというのは、株式の場合ですと得をする場合もございますけれども、私は、今後損をする人も出てくるんじゃないかという感じを持っておりますので、これはなかなかむずかしい問題でございましょうと思います。ただ、土地の場合は、これはもうなかなかそう急に損失ということもないのではないかと思われる点もございますので、さしあたり不用の土地を取得して利益を得るというものについては、それから課税を適正にいたしまして、その費用をもって住宅建設をさらに促進するというようなことは当然考えていいことではないかというように私個人としては思いましたけれども、そういうことは全体の政策調整の問題であると思います。
○羽生三七君 時間の関係で、もう一、二点で終わりますが、三日に、経済企画庁が発表した企業行動調査によりますと、景気動向について今後二、三年は四十七年度程度の上昇が続くと見る向きが約四〇%、さらに企業の手元流動性についてもゆとりのあることを認めた企業が相当多数のぼっておって、業界内部でも何らかの設備投資の調整ルールが必要だとする企業が全産業の五七%もあることになっています。これは経企庁が発表した数字であります。この場合、かりに設備投資調整ルールが必要だと、企業が、しかも全産業の五七%もがそういうことをいっておるんですが、たとえば企画庁として考えられる設備投資の調整ルールというものは、どんなものがあるのか。まあ企業のほうではそういうことをいっておるのですが、企業はどういうことを考えていっておるかわかりませんが、企画庁としては、たとえばこういうルールが考えられるというような問題があったらひとつお聞かせをいただきたい。
○政府委員(宮崎勇君) ただいま御指摘ありました調査につきましての結果は、おっしゃられたとおりでございますが、この調査では、その設備投資の調整ルールをどのように考えるかということ自体は問うておりません。したがって、この調査からは出てまいりませんが、私どもが考えられると思われるのは、現在日本の経済、特に産業構造が非常に大きく転換しようとしている。産業構造としては福祉型、あるいは産業計画会議でも提言されましたような資源節約型というような変わり方が現在考えられるわけでありますけれでも、それらの点は経済社会基本計画で一応の方向が出ておりますので、その方向に従って、非常に極端に変わる場合には何らかのルールを具体的に提示する必要があるというふうに考えられますが、とりあえずの段階では、経済社会基本計画の産業構造の方向を提示することによって、民間の自主的な判断で行動するということが必要ではないかと思っております。
○羽生三七君 どうもはっきりしないのですが、たとえば国際通貨における客観指標みたいな、何かそういう意味のものを考えて一つのルールができるのか、いまのお説のようなことだと、この経済社会基本計画の一般的なものに沿ってというようなことで、どうも必ずしもルールにならぬと思います。それ自体を調査したわけじゃないですから、用意がないことはよくわかりますが、やはり全産業の六〇%近くがそういうことをいっておるとするなら、何らかのやっぱり調整ルールがあって私はいいと思うし、また、そういうことが、たとえば今度の景気調整にしても、タイミングを非常に誤っているような場合がありますね。そういうような場合を見て、事前にもっと早くからそういう何かルールができたらそういうことにもならなかったんじゃないかという気もするんですが、いかがですか。
○政府委員(新田庚一君) 設備投資の問題でございますが、確かに、最近の設備投資の動向、特に昨年の十‐十二月期あたり、かなり強くなってきております。ただ、各方面の四十八年度に対する、設備投資に対するアンケート調査なんかを見ますと、大体一四、五%ぐらい、これはまあ大企業が中心になっておりますが、そういった動向で、過去の景気回復期におきます四十二年度あたりは、大体それと同じような対象企業で四、五〇%ぐらいの投資計画を持っておった時期があったわけでございますが、そういった過去のパターンとはだいぶ変わってきておる。また、投資の内容も公害防除とか、あるいは労働環境の整備というふうなことにかなりのウエートが置かれておるというふうに見られます。で、ただ、やはりパターンが変わってきておりますけれども、もしそれがかつてのように、各企業の、特に大企業、製造業のシェア競争のために設備投資が設備投資を呼ぶというふうな状態になりますと、これは経済の今後の安定成長に非常な支障があるわけでございます。それで昨年度通産省の産業構造審議会で、今後五カ年間の設備投資を見通しておりましたけれども、その結論としては、いわゆる製造業に関しましては、かつてのような動きというものはないんではないかというふうな結論が出ておりますが、御指摘のように、もしそういったことが再び出るような状態になりました場合の投資ルールというものがありますとすれば、かつて四十年あるいはその前だったか、ちょっと忘れましたけれども、銀行サイドで、財務比率を中心にした金融サイドの設備投資資金の貸し出しのルールというものがつくられた経緯がございます。 それから現在でもございますけれども、特に設備投資の約三割以上を占めております製造業の大企業中心に産業構造審議会の部会におきまして、個々の業種に即して業種の今後のあり方とか、それから需給状況とか、そういったものを検討しまして、毎年春に当年度の設備投資計画を策定しまして、そして秋にリレーするということを毎年やっておりますけれども、最近は設備投資がかなり沈滞しておりますので、その部会は単なる一つの調査のような仕事をやっておりますけれども、もしそういったことが出てまいりました場合に、当然そういった部会で業種ごとにその問題を詰めていくということになろうかと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 非常に御指摘は明快で、私非常に必要なことだと思います。やはり民間産業の諸君も、何かかなり楽観主義で、最近の経済指標は、企画庁で調べております特徴的なことは、二月の製品在庫の指数は八七・二というので、過去十年間の最低なんです。これだけ品物が動いている。それから建設工事の受注も一月が九・九、二月が八・六、大幅に増加しておりまして、七月以降八カ月連続して大幅にふえておるわけです。それから労働需給もしたがってそういうことを反映して、二月の求人倍率、有効求人倍率ということばを使っておりますが一・六七倍、これもこういう制度を始めてからの最高なんです。こういう状況をほうっておくといけないという御心配、よく私にも理解できますのですが、一方最近の動きがやはりここで経済の転換期がくるのじゃないか、いつまでも好況を謳歌しておられないぞというような機運が、不況立ち直り期だったんでわあわあ、それいけそれやれということだったのが、ちょっと足踏み状態になってくるきざしがあるのじゃないかと思います。そういうことは、この国会で論議されるということも、その意味で非常にいい刺激になると思うんでございます。ただもっと役所として何かそういう指標を出してあげることが物価指標を出すと同じ意味で効果があるんではないかという御指摘はよく理解できますので、さらに検討さしていただきたいと思います。
○羽生三七君 もう一点で終わりますが、これは日銀に聞くべきか、大蔵省に聞くべきかわかりませんが、先ごろの公定歩合の引き上げで景気過熱を近く押えられる確信がおありになるのかどうか。もしあまり効率、効果がよくなければさらに次の手段、方法というのも考えられるのか、その点は景気鎮静について確信がおありになるのかどうか、その辺のところをお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(小坂善太郎君) いま申し上げたような産業活動の非常な旺盛な動きというものは、私はもう実は十二月、ここに、この職につきまして以来非常に心配をしておるのでございます。その意味でマネーフローをもっと締めたほうがいいとか、いろいろなことを言っておったわけでございますけれども、最近ようやく公定歩合も引き上げられたということで、私はこれは非常に心理的にいい影響を持つと確信をいたします。その効果がどうできてくるかというのは、これはすぐには出てこないと思いますけれども、やはり夏以降になると、相当影響が現実にあらわれてくると思います。それに先立って、やはり〇・七五という大幅な引き上げをみたということが、非常に私は心理的にいい影響を持つと思うのでございます。ただ、いままで公定歩合上げるとかえって短資が外国から入ってくるんじゃないかという心配もあったわけでございますが、その点はいまもう御承知のようなことで、五%になっても相当低い。外国の例を見ますと非常に金利というものは上げたり下げたりかなりひんぱんにやっておるのでございまして、たとえばイギリスなどは昨年に入りましてから六月に六%にし、十月に七・二五にし、さらに同じ十月に七・五にし、十二月に七・七五にし、同じ十二月に八にし、九にし、ことしになってから八・七五に下げるという状況です。西独等でも二月に三に下げて、十月に三・五にし、十一月に四にし、十二月に四・五にし、そうして一月に五にし、そういうふうに、ほかもいろいろございますが、フランスでもそのように非常に金利というものをエラスチックに考えてやっておりますね。私はその意味で今度の日銀のとられた措置はけっこうなことだったと考えております。
○政府委員(小島英敏君) ちょっと訂正がございますので……。 先ほど情報伝達のメディアといたしまして、新聞だけをメンションいたしましたが、そうではございませんで、真意は、新聞テレビ等ということでございます。 〔主査退席、副主査着席〕
○小柳勇君 この前、予算の一般質問で質問しました自家用トラックの増加に伴う物価問題、こういうことで質問するのでありますが、本題に入ります前に一つ質問をいたします。 それは、けさの新聞に値上がり衣料不買運動のために、消費者団体が不買運動をきめた、それは通産省もあるいは経済企画庁も支持して誘導しておるような印象ですが、これに対して政府として積極的に経済的援助でもして、この運動を活発にするお考えはあるのかどうかお聞きしておきます。
○国務大臣(小坂善太郎君) 消費者団体の活動は一人一人では弱い消費者が、自己啓発をいたしますと同時に、事業者にその主張を認めさせるという意味で、非常に有効な手段であると考えております。政府としては、従来からこうした立場に立って代表者と懇談したり、あるいは消費者団体の活動を支援するためにいろいろ心をくだいておったわけでございますが、いまの状況は小柳委員も御承知のような状況でございますので、政府としてもひとつ積極的に情報を提供いたしまして、団体が動きやすく、何かと懇談会などを通じて便宜をはかられたい、こう考えておるわけでございます。やはり健全かつ自主的な消費者運動が進められますように、関係の官庁とも連絡いたしながら、情報の提供、消費者の啓発、生協に対する融資などの施策を講じたいと考えております。 従来の予算でやっておりますのも、御承知のように、国民生活センターの活動強化のための費用を見ております。それから都道府県に消費生活センターをつくっておりまして、これはいま九十五カ所ございますが、それに対する助成、それから生活学校というものを、これはやはり消費者の教育の普及をはかりたいという意味でつくっていただいておりますが、これに対する助成、それから生活協同組合に対する指導、融資、日本消費者協会に対する助成、そういうような援助もいたしております。
○小柳勇君 不買運動は、われわれも過去にやったことがありますが、なかなか成功しないんですが、そこでいまの商品投機の摘発を総評などやろうとしておるのですが、これもいまの具体的な活動の中に入れて、総評などがその運動に取り組む場合は、経済企画庁なり通産省で援助してくれますか。
○政府委員(小島英敏君) いま大臣申されましたように、補助金の形は一応ルールがきまっておりまして、なかなか新しい形の直接の補助というようなことはできかねるわけと思いますけれども、情報提供その他につきましては、われわれといたしましてもできるだけの御協力をいたしたいと思っております。
○小柳勇君 情報はいままでもとっていますがね。言いたいのは、やっぱり金を出して、この運動をほんとうに官民一体となってやるという姿がいまの商品投機をとどめると思うんですが、大臣の見解をお聞きします。
○国務大臣(小坂善太郎君) やはりこの商品投機というような、いわば反社会的と申しますか、自分の力の強いのをもって弱いものに被害を与えるようなことは、これは私ども何としても短期間にそういうことをやめさせるようにしなきゃならぬ。そういう意味で、政府といたしましては、政府のなすべきことはできるだけいたしたいと考えておりますが、やはり政府ができることというのは、例の法律がございますものですから、あの法律をつくっていただきまして、それに沿うて政府としてはいたしたい。それと同時に、情報を消費者団体に提供いたすことによって、また私どもも足、ざるところはいろいろ教えていただくことによって、相協力してまいりたい、こういうふうに思っております。
○小柳勇君 そういうことだからなかなか商品投機はとまらぬでしょう。物価も暴騰するわけですよ。法律つくったって、いまから間に合わぬでしょう。総評などもたまりかねまして、何とかひとつ摘発でもやろう。そして物価安定をしようとがんばっているんですからね。この間、大工さん方の全建総連という労働者が集まりました。これで各商社に申し入れなどいたしました。そういうものではなかなか効果ないわけです。したがって、思い余って、これからひとつ各組合から情報提供してもらって一これは経済企画庁よりもかえって組合のほうが情報は確かかもしれません。現場におりますからね、ずっと組織がありますからね。それでひとつ摘発運動やって、それでこの商品投機をとめようというのですから。それに、いまおっしゃったように、たくさんの団体に政府は——法律はもちろんありましょう。ありましょうが、それに準じて行政的な措置をやる決定しなきゃ、長官はまだ物価値上げをほんとうにとめようという意思はないと思いますが、もう一回見解をお聞きいたします。
○国務大臣(小坂善太郎君) いかがでございましょう。今度の法律を国会に出しておりまして、まだ私ども権限を与えられておらないわけでございますから、これはできるだけ早く通していただきたい。私ども物価調査官というものをつくっていただくように考えておりますが、物価調査官が立ち入り検査をしていくということによって、その投機と思われるものを——投機といいますか、不当な買い占め、売り惜しみをやっておると思われるものについて、これを出したらどうだと、こういうふうな勧告ができるような措置をできるだけ早くとらしていただきたいと考えております。まあ、不当なといいますか、とにかくその行為によって現実に物価がつり上がっていると思われるようなものについては、これをひとつ行政によっていろいろはき出してもらうようにできるだけ措置をしたいと思いますが、まあ、私どもちょっと気になりますことは、できるだけ無用な摩擦を生じないで円滑に出したいという気持ちがあるわけでございます。もとより、そういう労働団体が、現場を握っていらっしゃる方が一番よく知っていらっしゃるわけでございますから、そういう方々の情報を私どももいただいて、そうしてこれを最高度に活用さしていただいてまいりたいと思いますが、要は、国民のために必要な物資が出回って、そして現在の異常とも思われる物価高を押えこむことができればよろしいのでございますから、そういう方針のもとにひとつ御協力を賜わりたい、こう考えておる次第でございます。
○小柳勇君 また物価委員会でその問題を論議しますから検討しておいてください。他の団体、この消費者五団体とあまり変わらないし、それは労働組合だって真剣ですからね。検討しておいてください。 次は本題に入りますが、先般の一般質問で質問いたしましたが、時間がなかったものですから、私のほうで数字などを申し上げましたが、きょうは各省に来ていただいておりますから、専門的に御報告を願って、その上で結論を見出したいと思うのですが、まず運輸省から、現在のトラックの全保有台数、自家用トラックの数及び輸送トン数、できたら稼働率や輸送効率などについても、現在の実情を御説明を願います。
○説明員(須藤幹雄君) ただいまの自家用トラックの実態、特に保有台数、輸送量、輸送物資の内容等についてお答えいたします。 最初に自家用トラックの保有台数でございますが、三月三十一日現在の自動車の登録に基づく数字によりますと、自家用トラックの総数約五百七十六万台。内容を申し上げますと、いわゆるトラックと称されるものがそのうち五百四十万台、それから特殊の車——トレラー、トラクター、こういうものがそのほかに三十六万台ございます。 それから営業用のトラックは、いわゆるトラックと称されるものが三十七万台、それから先ほど申し上げました特殊の車が約六万台、合わせまして四十三万台ございます。 これを比率で見ますと、自家用トラックの数は営業用トラックのほぼ十四倍弱というような数字になっております。 なお、このほかに登録の対象にはなっておりませんが、軽トラックと称されるものが約六百四十四万両ございます。このうち自家用トラックと自家用の軽トラックと考えられる数字が約三百十五万両ございます。 以上が自動車の保有台数でございますが、次にこれらトラックの輸送量についてでございますが、まずトン数で申し上げますと、昭和四十六年度の数字で、ちょっと古くて申しわけございませんが、トン数で見ますと、自家用トラックの輸送トン数が三十六億トン、それから営業用トラックのトン数が四十七億トン、それからトンキロで見ますと、自家用トラックの輸送トンキロが七百六億トンキロ、営業用トラックのトンキロが千四百二十七億トンキロ。このトンキロで構成比を見ますと、自家用が四九%強、営業用が五一%、おおむねこのトンキロは自家用、営業用相半ばしております。先ほど申し上げましたように、自動車の数は自家用トラックが営業用の十四倍でございますが、輸送トンキロはほぼ相半ばしてひとしい、フィフティー・フィフティーの量を示しております。 それからこれらの自家用トラックがそれではどのような品物を運んでおるかと、これも運輸省が所管しております指定統計の品目別の輸送トン数に基づいて御説明いたしますと、輸送トン数の多いものから順に申し上げますと、まず自家用トラックが一番多く運んでおる物資は、砂利、砂、石材等でございまして、そのトン数約十一億トン、次が廃棄物でございまして、そのトン数六億四千万トン、第三番目がセメントその他、窯業品合わせまして三億トン、第四番目が木材、これが二億五千万トン、それから第五番目が加工した食料工業品、これが一億五千万トン、それから第六番目が機械でございまして一億千五百万トン、第七番目に野菜、くだもの等約一億トン、以上の七品目が総トン数で一億トン以上のものでございまして、その他のものは一億トン以下になっております。 それから、これらの自家用トラックの輸送品目及び輸送トンキロをどのようにして運輸省がとらえておるか、統計のやり方について簡単に御説明いたします。統計法に基づく指定統計として自動車輸送統計がございます。これは四十八年度の予算として計上しております調査員の数は約千三百五十五名でございます。それから指定統計で調査をする車両の数でございますが、登録自動車の総数、旅客、貨物合わせますと千四百五十七万両ございます。そのうち自家用トラックは先ほど申し上げましたように五百七十六万両ございますが、統計技術でございますサンプルの理論を使いまして全体から三万六千両の車両を抽出して毎月調査をしております。そのうち自家用トラックにつきましては一万七千二百両を抽出しております。これで、約千三百五十五名の調査員が延べにいたしますと四万三千二百人目調査に従事しております。延べ車両数で申しますと二十一万六千両でございます。 それで、この程度の、千四百万両になんなんとする自動車の数から三万六千両の抽出率で、それでは統計の精度はどうかということでございますが、これは統計数理研究所の専門家に検討してもらいまして、この指定統計のサンプリングを設定しておるわけでございますが、その理論によりますと、誤差率は約五%、五%の上下幅はあるであろう。それで誤差率五%でございますと、この統計の信頼度は一応理論上九五%といわれております。それで現在もこの抽出率も一応ふやさずに来年度も引き続きこういう調査をいたしたいと、こういうことになっております。 次に、これら自動車が外国と比較してどうかということでございますが、外国資料の入手し得る年次が国によっていろいろでございますので、なかなか比較が困難でございますが、自家用トラックの数が営業用トラックに対して諸外国がどうなっておるかと申しますと、先ほど申し上げましたように日本が十四倍、アメリカが二十二倍、イギリスが五倍、ドイツが五倍というふうになっております。 それから自家用トラックと営業用トラックの輸送量における構成比でございますが、先ほど日本は自家用が四九%強と申し上げましたが、アメリカが五〇%強、イギリスが三九%強、ドイツが三七%強というような構成比になっております。一応情報管理部としての御説明を……。
○小柳勇君 ありがとうございました。 それでは次は、労働省に、貨物自動車運転者を使用する事業場に対する監督実施結果という私は結果表を持っているんですが、これらの統計のとり方について御説明を願います。
○説明員(吉本実君) ただいまの御質問にお答えしますが、毎年自家用トラックの運転者を含めまして自動車関係の監督を春秋二回にわたりまして一斉監督を実施し、そのほか問題の重要度についての監督指導を行なっているところでございます。四十七年度におきましては、全体で自家用トラックを使用する事業のうちで特に大型トラック関係の事業、すなわち土砂、砂利、危険物、生コン、鮮魚等の運搬等に関連する事業場一万二千四百七十一事業場のうちの千九十五事業場を監督したものでございまして、その結果は、大体におきまして時間関係について約半数、それから休日割り増し賃金等につきましておのおの三分の一の事業場につきまして法違反の実情が認められ、これを是正しておるというような実態でございます。
○小柳勇君 労働条件その他あとで質問いたしますが、経済企画庁に質問いたします。 ただいま運輸者のほうから自家用トラックの両数、運搬実態など御説明がございましたが、先般も委員会で言いましたように、営業トラックの十四倍以上の自家用トラックが、運賃収入その他は管理体制のほかで野放しで動いておる。したがって、この輸送経費、輸送コストというのが物品に代入されて物価を上げておるのではないかという、そういう質問をしました。その続きでありますので、現在労働省や運輸省が把握されている自家用トラックのこの動きの実態を経済企画庁としてはどのぐらいに把握しておられるのか、御説明を願います。
○政府委員(小島英敏君) 統計的な実態は運輸省のほうから数字をいただいておりますので、それよりも別のデータというものがございません。企画庁といたしましても、そういうデータに基づきましてどう判断するかということでございますけれども、確かに先生おっしゃるように、一応計算上の効率性から申しますと、自家用トラックのほうは十四分の一の効率性しかないということは事実でございまして、物の動きの割りには台数が多過ぎてはんらんしているという事態は一面の真理ではないかと思います。ただ一つ考えられますことは、やはり日本の場合に、特に中小企業が非常に多うございまして、先ほどの運輸省のほうのお話で、やはり一番多く自家用で運んでおりますのが砂利類その他の建設資材、それから廃棄物というようなもの、これは特殊なものでございまして、直接消費者物価のほうには大きな問題ございませんけれども、消費者物価に関連いたします部分というのは、やはり日用品とか雑貨類とか食料品とかそういうものでございますけれども、これらはやはり中小企業が非常に大きなにない手でございますので、そういうところはどうも専門の運転手を置いてしょっちゅうその車が動いているということではございませんで、やはり車はいつもおるわけでございますけれども、運転のほうはおそらく従業員が片手間にやっているという面がかなりあるんではないかと思います。 それからもう一つは、やはりそういう意味で、運搬専業でなくて運搬と営業と兼ねたような使われ方をしている。物を運んでいって、その先で今度は運転手ではなくて販売員としていろいろ活動するというような面も、中小企業が自家用トラックを使う一つのメリットであろうかと思います。 それからもう一つの点は、やはり自分のところで持っておりますと、いつでも時に応じてすぐに使えるというような便利さもございます。そういうことで、かなりこの自家用トラックというものがふえた大きな原因をなしているんではないか。それにさらに加えますと、やはり日本の場合に、わりに運搬距離が短いものが主として自家用トラックで利用されているわけでございますけれども、それに加えて道路事情等が非常に狭いというようなこともありまして、大型のものよりも、とかく小型の小回りのきくものが便利だというような事情も加味されているんではないかと思います。そういう基本的な事情がございますけれども、総体的にやはり自家用トラックの効率性があまり芳しくないということは事実であろうかと思います。
○小柳勇君 後半の部分はあとでまた質問しますが、前半の部分でちょっと気にかかりますのは、砂利運搬やあるいは廃棄物運搬などは物価に関係ないと言われる見解は、これは私はそうじゃない。それはたとえば砂利にしましても建築材料、もし自家用トラックなかりせば運送費を払わなきゃならぬのですね、営業トラックに。あるいは廃棄物にいたしましても、もし自家用トラックがないとすれば、廃棄物を運搬するには輸送料を払わなければその仕事をしないわけです。したがって、あとまた国民総生産や消費支出の面で論争しますけれども、したがって、その考えは変えてかかりませんと、これからの論争は歯車がかみ合わぬのじゃないかと思うんです。自家用トラックはただ生鮮食料品を運搬するとか、あるいは米を運搬するとか、あるいは機械工業製品を運搬するだけ、そうではなくて、すべてのトラックが動いているときに、その輸送コストというものが何かの形で作業賃なり、あるいは製品なり、建築料なりに組み込まれておる。そういう前提にたちませんとこれからの論争はかみ合わぬのですから、ただ私はいま気づきましたからふえんしておきますが、それでは次に運輸省に聞きますのは、この自家用トラックが動くために輸送コスト、私の統計、四十六年度でございますけれども、トラックの運賃収入、正式にとらえている運賃収入は約一兆四千億くらいございますね。約一兆五千億、四十六年度で。この自家用トラックの輸送コストについてはどのように推算しておられるかお伺いしたい。
○説明員(須藤幹雄君) 自家用トラックの輸送コストの推計でございますが、輸送コストとして考えられるものは総付加価値と輸送経費。総付加価値の内容といたしましては、人件費、減価償却費、いろいろの税金、それから輸送経費といたしましては、燃料費、修繕費、保険料等がその内容でございますが、これを合わせたものが輸送コストと考えられるわけでございます。自家用トラックにつきましては、各企業の生産コストの一部であるために、直接その輸送コストを統計的数字を得るために調査することは非常に困難でございまして、現在運輸省といたしましては、政府各省全体といたしまして五年ごとに産業連関表を作成しております。それでその作業の一環として、運輸省ではトラックの輸送コストの推計を担当しておるわけでございますが、現在五年ごとの昭和四十五年度表の、産業連関表の作業中でございまして、その過程で自家用トラックのコストを一応推計した作業途中の数字がございますので、それを申し上げたいと思いますが、自家用トラックにつきましては、その推計した数字で一応四兆九千億という数字を得ております。営業用トラックにつきましては、これは運賃収入から直接確定した数字が得られまして、一兆四千億程度という数字がございます。この数字の推計の試算する過程におきましては多くの不確定要素がございますし、また推計の方法も幾つかの方法がございます。これら不確定要素及び推計の方法をどのように採用するかによりまして、この自家用トラックのコストはいろいろな数字が出るわけでございますが、たとえばライトバン型による輸送のうち、一応私どもの推計は二割程度を貨物輸送という推計をしておりますが、これをさらに大きな割合で貨物輸送しておるというふうに仮定した場合、あるいは軽トラックによる輸送、私どもは八割程度が貨物輸送に従事しておるのではないかというような推計をいたしておりますが、これももっと大きな割合で貨物輸送しておるのではないかというような推定によりますと、さらに大きな七兆あるいは八兆という数字も、推計の数字としてはそういう大きな数字にもなります。自家用トラックの輸送コストにつきましては、以上推計の数字ではなはだまだ確定した数字を申し上げられないのは遺憾でございますが、以上のとおりでございます。
○小柳勇君 時間が足りませんので、その論争はまた次の物価の問題でいたしましょう。 四兆九千億と言われましたが、この統計要覧に、四十五年度から初めて自家用貨物輸送費というのが出てまいりました。一兆二千七百十二億円ということです。これ、この間質問いたしましたら走行経費ということで、したがって、これはただし書きをつけていただくように注文いたしておきました。これ、間違いますから。で四兆九千億から概算して八兆の数も出るとおっしゃいましたから、きょうは一応そういうところで論争しましょう。私のほうでは七兆ないし八兆の数字が出ておりますから、このこまかい数はあとで聞きます。なぜ四兆九千億が出たかは後に聞きます。 そこで、これは自動車局のほうに聞いたほうがいいと思うのですけれども、国鉄の運賃はちゃんと規制がきまっております。それから貨物営業のトラックのほうも運賃は幅はありますけれども一応の基準があります。この自家用のトラックというのはほとんど運賃は自由野放しでありますが、こういうものがいわゆる公共料金の範疇で何ら関連なくといいましょうか、野放ししてある点についてはどのように考えられるか。
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。 運賃に対する行政上のチェックをいたしますことにつきましては、ある業態をつかまえまして運賃だけをつかまえるということは、やはり行政、として非常にできにくいことでございます。私どもは営業用車につきましては、事業の開始は免許制、事業計画の変更は認可制、運賃は認可制というふうな形で、他の事業活動に対する規制とあわせまして運賃関係の認可をいたしておるわけでございまして、自家用につきましてなぜそれでは免許とか許可の対象にしないのかという立法論は別といたしまして、従来の行政の管轄でございますし、運賃だけを取り出して規制するということができにくいという現状になっております。
○小柳勇君 国鉄の貨物局長に聞きますがね。いまのような競争の激しいときですね、この国鉄の運賃は、貨物運賃賃率というのは国会で論議をいたしましてきまりますね。それから貨物トラックのほうは幅があります。大体いまのところ三五%くらいの幅でこれまた自由と言えば自由ですね。ほとんど管理体制はありません。それからさっきお話があったように、約五兆円、五兆円以上です。八兆円近くの自家用トラックの輸送コストというものがこれも野放しであります。そういうものが現在のようなシステムのところで競争が成り立つのかどうか、そういう点についての見解を聞きます。
○説明員(上林健君) 先生御指摘のように、現在、国鉄の貨物扱い賃率は主として確定賃率が原則になっておりまして、ただ例外的に運賃料金の総収入に影響を及ぼさないということで、軽微な変更とか、あるいは運賃料金の適用の細目等については国鉄に若干の裁量が与えられておるわけでございますが、原則としては確定賃率でございます。しかしながら、将来の方向としては、もう少し競争条件をやはり均等化していくという意味においては弾力性を持たしたほうがよろしいかと思います。現にこれは学識経験者なんかの御参加を得まして、国鉄の運賃制度調査会なんかでもそういう方向で検討がなされておるわけでありますが、要は、こういうふうな点で、競争条件の均等化という方向で、将来の問題としては弾力性を発揮できるようなことが望ましいことかと思います。
○小柳勇君 最後の問題、最後の答弁は、管理機構を整備して国鉄運賃あるいは貨物トラック運賃、あるいは自家用トラック、これは運賃ではありませんけれども、輸送コストというものをバランスをとらせる、そういうものも大体管理体制の中に置くということですか、いまの最後のお話は。
○説明員(上林健君) これは全般的な運輸政策の問題で、政府において御検討いただく問題かと思いますが、国鉄といたしましては、やはり何らかの意味において競争条件が均等化する方向でお願いしておるわけでございます。将来の問題でございます。
○小柳勇君 そこで、さっきちょっとことばが出ました公共料金、物価を抑制するために公共料金を抑制するという考え、これは当然だと思うんです。その公共料金というのは一体どういうものであろうか。まずその公共料金の問題。そこで、貨物トラック運賃について、公共料金の一環として考える場合に、いま経済企画庁としては完全にこれを掌握しておるかどうか、この点について質問いたします。
○政府委員(小島英敏君) 公共料金とは、政府が直接規制いたします価格または料金というふうに定義をいたしておりまして、現在でも、CPIに品目としてあがっておりますもののほかに、国鉄の車扱い貨物運賃、それから路線トラック運賃、区域トラック運賃、それから通運事業の料金、それから港湾運送事業料金、それから倉庫料金、これらのものにつきまして、所管は運輸省でございますが、これは閣僚協議会という組織がございまして、非常に重要なものにつきましては閣僚協議会の議を経るということになります。これは企画庁が運輸省の御相談を受けまして合意に達したところで閣僚協議会におかけするわけでございます。それからランクが一つ下がりますと、閣僚協議会にはかけませんけれども、企画庁限りで運輸省の御相談に応じて協議をするというグループもございます。それからさらにランクが下がりますと、協議まで参りませんで、一種の届け出と申しますか、通告を受けるというようなこともございます。そういうことで、物価に対する影響力等に応じて各種のこういう公共料金をランクづけをして、そのランク、ランクに応じまして協議に応じているという状況でございます。
○小柳勇君 内閣の統計局に質問しなければなりませんが、公共料金の中に貨物運賃、国鉄運賃なども入っていますけれども、具体的には、ただいま私が発言しておりますような貨物トラックの運賃あるいは自家用トラックの運賃などがいわゆる公共料金としてとらえられておるのかどうか、御説明を求めます。
○政府委員(加藤泰守君) トラックの運賃は、生産部門におきましては運賃コストとして非常に大きいのでございますが、消費部門におきましてはそれが非常に小さくて、私のほうでやっております統計調査におきますトラック運賃といたしましての支出はきわめて小さい額になっております。すなわち、トラック運賃は家計調査の交通通信機能その他の中に分類されております。その他の中にはトラック運賃のほかに船賃とかレンタカー借料とか、あるいは荷物運賃等も含まれておりまして、これを合わせましても家計消費支出全体の〇・一%にも満たない少額ということで、トラック運賃そのものを取り出して公共料金の中の項目にしてはおりません。ただ、それらは指数をつくる段階におきましては、交通通信全体のウエートの中に入るものとして加えてございます。
○小柳勇君 総理大臣でないと全体の省の取りまとめというのはできないんですが、経済企画庁長官、いまの答弁のようにですね、さっきから発言いたしましたように、たとえば消費支出の中で公共料金がどのくらいか質問すればいいんですけれども、公共料金としてとらえるものが約七兆円か八兆円でしょうね。ところが、さっきから論議するように、自家用トラックの運賃は五兆円、政府の答弁だけでもいま五兆円、しかるに、この統計の中では公共料金としては交通通信のごく一部にしか入っていないとおっしゃるわけですね。そういうもので物価の上昇を押えようとすること自体無理ではないか。たとえ公共料金政策をとりましても、大事なものを横に並べておきまして、無視しておって、そうして小さい影響力あるものだけをとっていって、公共料金を抑制したからこれで物価を抑制いたしますと言うことはナンセンスではないかと思うんですが、長官の見解を聞きたいんです。
○政府委員(小島英敏君) ちょっと、CPIの指数をつくりますのは、家計収支の中でウェートの大きなほうからとっていきまして、いま統計局のほうから御説明ございましたように、その段階では、ですから、いまおっしゃるような貨物運賃というものは除かれておるわけでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、公共料金として政府が閣僚協その他にかげてチェックをするということは、その対象としては、CPIに入っておりませんものも、先ほど並べましたものはチェックをしておるわけでございます。したがって、公共料金政策の対象になっておるということでございます。
○小柳勇君 それではこの自家用トラックの政府提案の五兆円、私が申します八兆円というのは、いま公共料金政策に入っていますか。
○政府委員(小島英敏君) ちょっとことばが足りませんでしたが、路線トラック、区域トラック、いずれも営業用トラックでございまして、自家用トラックの分は入っていないわけでございます。
○小柳勇君 はい、わかった。 長官、いま局長がおっしゃったとおり、入っていないから、今後入れますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) なかなかむずかしい御指摘でございますと思います。これはまさに、先ほど局長から申し上げましたように、中小企業が自分の営業を有利にいたしますために、価格との関係もございまして、自分でトラックを持っていたほうがいいということでトラックを持つわけでございましょうが、その数が御指摘のように非常に多いわけでございます。これが一般の営業用トラックに振りかわったら一体どういうことになるかということを考えてみますと、まさに御指摘のように、これはもう公共料金になるわけで、そのウェートがぐんと変わってくるわけでございます。それから料金そのものから離れましても、道路をいためる度合いとか、あるいは空気を汚染する度合いとか、そういうものは、これは非常に大きなものを占めているわけでございますので、やはりこれもなかなか野放しじゃいかぬのじゃないかという気持ちを持つわけでございます。いずれにいたしましても、これは運輸大臣の御所管でございますので、運輸大臣ともよく御相談いたしまして、何といっても調査をするということが一番大事でございますので、先生が御指摘のように、重要な問題として今後調査を進めるということにいたしてまいりたいと考えております。
○小柳勇君 いまの問題から質問していきますが、調査するのに相当経費もかかりましょうし人もかかりましょう。現在までの運輸の統計だけでも千三百五十五人の方がかかっておられます。今年度からいまの調査経済企画庁としても運輸省や労働省、その他関係省庁と連絡をとって調査にかかる、こう確認してよろしゅうございますね。
○政府委員(小島英敏君) 四十八年度から運輸省のほうで予算を取りまして、このための専門の調査をいたすことになりますので、設計その他、運輸省から御相談がございますれば、私どももちろん御相談に応ずるわけでございますけれども、直接企画庁といたして別途に調査するという予定はございません。
○小柳勇君 もう時間がきたような催促受けましたから、あと二問、それも運輸省に。一つは、この自家用トラックが四、五年急速に伸びました。この理由はいろいろありましょう。経済企画庁からもお話がありましたが、これを一応規制していかないと、何らかの方法で営業トラックに貨物を移すのか、野放しではだめだと思うが、その管理体制についてどうお考えになるか。この前の一般質問では企画庁長官も、それから運輸大臣も、また大蔵大臣であった企画庁長官も検討しなければならぬという答弁がありましたが、この点についての運輸省の見解をお聞きしたい。
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。 これは実はたいへんむずかしい問題でございまして、最後は内閣法制局に私ども行って相談しなければならない問題でございますけれども、現在の私どもの運送行政のたてまえは、他人の需要に応じて、不特定多数の人の需要に応じ座して人または物を輸送するという場合に、この不特定多数の他人に迷惑をかけてはいかぬというたてまえから各種の規制が行なわれておるわけでございます。そういったことからまいりますと、立法論といたしまして、自家用トラックのように、あるいは自家用乗用車のように、みずからの需要に応じて走り回るというものにつきまして法的な規制を加えるということは、現在の事業法規、その他の考え方から申しますと非常に困難な点があると思います。ただ、それ以外に、では何もないのか、方法はないのかということになりますと、若干私見でございますけれども、たとえば国鉄輸送とトラック輸送とを比べた場合に、将来のわが国の総合交通体系というような観点から、ときに国鉄輸送をバックアップするために業者による貨物輸送を幾らか抑制する必要がある。なかんずく自家用トラックによる輸送を抑制する必要があるというような判断が行なわれました場合に、たとえば税制面で配慮するとか、そういったことは考えられるかもしれませんが、そういうことを含めまして、実は私どもの手に余る問題でもございますので、関係官庁の方とも御相談いたしまして何か検討はしてまいりたいと思いますけれども、非常に安受け合いいたしかねるようなむずかしい問題がありますことだけ申し上げておきます。
○小柳勇君 時間がないので残念でありますが、物価に影響するところ非常に大でありますから、長官、経済企画庁などが主になりまして、運輸省やその他関係者がひとつ外国に行って調査をしてもらって、どういうふうに自家用トラックを規制しておるか、あるいは貨物運賃の管理機構があるかということを調査してもらって、そうして早急にひとつ物価を押える一助にしてもらいたいと思うんです。 それから最後の質問は、これは運輸省ですが、この前もちょっと貨物課長だけに言っておきましたが、きょう予告していません。それは下請代金支払遅延等防止法の適用が、アメリカなどでは、大企業からトラック輸送を頼まれて、一週間以内に代金を払うようにしている。そのくらいしないと、営業トラックのほうがサボって自家用トラックはますますふえてまいりますね、さっきおっしゃったように便利なものだから。それをもう少し規制するには、営業トラックのほうがいまのように三カ月も四カ月も手形ではなくて、輸送代金はとにかく現金で払うような、そういうものがまず一番大事ではないかと思うんですが、この問題についての見解、両罰規定などをつくって、輸送料金については早急にすぐ荷主が払うという体制も考えなくちゃならぬと思うが、この点も含んで、前の調査団をひとつ外国にも派遣したい、そのことも含んで答弁を願いたい。
○説明員(高橋寿夫君) 私からお答え申し上げます。 先生も御指摘のように、輸送業者は荷主に対してやはりまだ弱い立場にありまして、なかなかこの状態が改善されないわけであります。そこで中小企業者に対しましては協同組合化、その他団結を強化することによりまして荷主に対して対等な交渉力を持つ、また輸送代金等につきましてもすみやかに払ってもらうということを指導しておりますけれども、なかなかもって遅々として進まない点もございます。先生もお示しのように、何か法的に建設業者にございますような下請の料金の支払いの促進というような点につきまして検討せよという話につきましては、私どもも勉強してみたいと思います。 それから、こういったことを含めまして外国の事情を調べろというお話につきましては、予算の関係もございますので、持ち戻りまして十分検討したいと思います。
○田代富士男君 連続で大臣もお疲れだと思います。ほんとうに同情いたしますが、引き続いてお願いをしたいと思います。どうか生理的現象を催された場合には遠慮なく席を立ってけっこうでございます、人間性豊かにやってまいりたいと思いますから。 最初に、きょうもいろいろ検討されると思います。特に土地の問題からガーゼに至るまでわれわれの生活関連物資というものが現在値上がりをしております。その意味から庶民の生活というものが極度に圧迫をされております。そういう中で、食料品の卸売り物価指数を四十年度を一〇〇として見た場合に、 〔副主査退席、主査着席〕 四十七年度は一二三という数字が出されております。その中で、特に私はきょうコンブの問題を取り上げたいと思いますが、同じ食料品の中にありまして、水産物のコンブは一六四という実に食料品の卸物価指数よりも四一も高い指数が出ているわけなんです。これはコンブは異常な上昇と思われるけれども、最初に大臣の端的な御意見を聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) コンブというものは、非常に日本人の好みに適したものでございまして、これはいわゆる庶民の味の源泉であるといっても過言でない非常に大事なものだと存じます。それにつきましては、私もかつてソ連のミコヤン副首相が参りましたときに、貝殻島のコンブ採取をめぐって大論争したことがございます。日本人の最も好むコンブをとらせてもらうようにその後だんだんなってまいったわけでございますが、私といたしまして、このコンブが最も適当なる値段で国民に配給されることが、いやしくもそこなわれることがないように、できるだけ安く、できるだけ良質のものが食ぜんに供することができまするようにしなければならないというふうに考えております。
○田代富士男君 いま大臣は、国民にとって大事な食料品であるし、適当な価格で国民に買っていただけるようなことにしなくちゃならないと、それが望ましいということで、私の、異常な上昇をどう思っていらっしゃるかということに対しては、ちょっと不本意でありますが、あまりここに時間をとりますと、時間の制限がありますから、この問題は、また次回にもされると思いますから、この程度でおきます。 次に、コンブの販売流通経路につきまして、生産者から消費者まで渡されていきます。それを簡単に御説明を願いたいと思います。
○政府委員(荒勝厳君) コンブは、日本におきまして、主として北海道で九割前後の生産がされておりますが、その主産地であります北海道におきましては、沿岸の零細な漁民が採取いたしてまいりましたコンブの大部分を単位漁協でこれを集めまして、さらに漁協から道漁連に委託販売されております。道漁連が大体九割前後、あるいは八割の年もありますけれども、大体九割前後を確保いたしまして、それを産地問屋あるいは消費地問屋にそれぞれ分配して売っておる。それがさらに加工業者あるいは葉売り業者と、こう行って、それをこまかく、まあ一種の小売に近い段階の手を経まして、いわゆる、小売り業に売り渡されて消費者に渡っておる。こういうふうに、端的に申し上げると、そうなっておると思います。
○田代富士男君 いま私は、特に簡単にと申しましたから、すなおに簡単にお答えになったと思いますが、もうちょっと、まあこの問題点である共販制度等についての御答弁がなされるかと思っておりましたが、簡単ということで抜かされたと私は思います。しかし、いまの生産業者、すなわち北海道の生産者から漁業組合、それからただいま説明がありましたとおりに北海道の道漁連、これを通じまして、産地の問屋あるいは消費地の問屋へ渡され、それが問屋から——問屋も第一次問屋、第二次問屋というような形態が経られております。これは後ほど詳しくこの点は質問したいと思いますが、そして加工業者に回され、加工業者で製品化されて消費者へ渡されますが、このコンブの流通機構の中にありまして、正当な取引が現在なされているのかどうかという、ここが一番の問題点でございます。で、いま大臣は、国民にとって好ましい食料品であるし、適当な値段で国民に渡されなくちゃならないということでございましたが、いま適当な取引が行なわれているでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま御指摘のように、コンブの共販制度は、北海道の零細な漁民の漁獲物でございまするので、この価格の安定が望ましいことはもとよりでございますが、それと同時に、現在のこの制度、共販制度というものが、コンブの価格が異常に高騰するというようなことがないようにしなければならない。そのために私どももそのコンブ価格の高騰を防止するということを十分留意しなきやならぬ。そのために関係の官庁とも十分連絡をとっていかなきやならぬ、かように考えておるわけでございます。
○田代富士男君 いま大臣は、この共販制度というものは零細漁民のそういう生活を守るためにつくられたものであると、そういう趣旨のことを申され、このコンブが高騰することのないように関係官庁と話し合いをしていかなきゃならない、それはもっともなことだと思うんです。しかし、この共販制度そのものに問題がひそんでいることを大きく取り上げねばなりません。この共販制度が以前からあったかといえば、戦前はすべて入札によって行なわれていた。それが昭和二十九年、三十年の大暴落によりまして、産地並びに消費地のコンブの関係者が赤字をかかえた。この時点から共存共栄の形でこの共販制度というものが機構化されてきた。その時点においては、確かにいま大臣が言われるようなことになったと思いますが、最近に至っては、コンブが高騰してはならぬといま大臣が言われましたが、高騰する原因にもこれがなっている。この事態をどうするか。そこで私は、共販制度におきまして、御承知のとおりにこの制度を通じまして販売をされておりますから、全国の共販会員にコンブが道漁連の指示のもとに割り当てをされておる。そこで私は、この割り当てをされている実態を出してもらいたい。以前から頼んでおりますが、なかなか出てこない。いまこの委員会の席ではっきりと、私は過去五年間くらいの実績をほしいと思いますが、その実績を明らかにしてもらいたい。お願いいたします。
○政府委員(荒勝厳君) 先ほどの共販体制のことにつきまして、ちょっと私から申し足らなかった点を申し上げたいと思います。 先ほど御指摘がありましたように、昭和二十四年に北海道の漁連ができまして、それから多少共販体制の準備に入ったのでございますが、ところが、昭和二十九年の異常な価格変動がありまして、生産者、取引の流通業者ともにたいへんなリスクがあったということで、二十九年以降コンブの共販の連絡協議会ができ、さらに、その協議会を昭和三十四年に北海道昆布共販協会というふうに改組いたしまして現在に至っております。その後、昆布協会におきましても、理事に専業の加工業者の代表を加えるなどして改善を行なってきていると、こういう過程を経ております。 それで、販売の時点のことでございますが、昭和四十六年の北海道漁連によりますコンブの実績について申し上げますと、四十六年の実績で大体三万トン強というまあ総生産量が北海道であったわけでございますが、それに対しまして北海道の漁連が集めた実績が大体二万五千四百トン、多少端数がございますが、大体そんなふうな数字でございます。八三%前後の共販率と、こういうふうに私たち見ておる次第でございます。そのうち、北海道漁連で販売いたしました対象といたしましては、道内の販売、いわゆる問屋筋に対しまして一万三千七百トンばかりのものを道内に販売いたしておりまして、道外の販売業者に対しまして約一万一千七百トンほどの数量を出しておりまして、そのうち、おおまかに申し上げますと、約一万トン強が食用で、非食用のアルギン酸の系列等の原料といたしまして千二百トンばかりを道外に出しておると、こういうかっこうになっております。北海道漁連が販売いたしました、先ほど申し上げました約二万五千トンほどのうち、おもな上位十社について簡単に申し上げますと、上位十社で約一万八百トンほどの数字になりまして、四二・七%のまあ販売でございます。上位十社が、一番大きいのが七・五%で、あとその次に六一四、五・五、五・四、四・六、三・四、三・〇、二・四、二・四、二・一と、こういうふうな販売率、共販率といいますか販売率になっております。大体そういうことでございます。
○田代富士男君 私が聞きたかったのは、この共販会員といいましても、そうたくさん全国におりません。この共販会員に対していま四十六年度の上位十社の割り当てを簡単に述べられたけれども、これを私はいままでも何回も出してもらいたいと——こんな簡単なものではないんです。七十社に対して過去五年間どれだけの割り当てをされたのか、その資料を出してもらいたいと、何回も何回も言った。これは正当な取引が行なわれているならば、そのような共販会員に割り当てをして取引がされているならば、正当であるならばこの資料が出せるはずです。それがいままで出せない。いま四十六年度の上位十社を簡単に説明された。私はきょう言っているのじゃないのです。きょうの委員会のために以前からずいぶんお願いをした、どうして出ないか。この点が、いま大臣は公正に取引がされることは望ましいと、それならば資料提出ができると思うのです。なかなかできない。だから私は、いまここでこの問題にかかっていたならば、あとのまた問題もありますから、そこで私はこの際、過去五年間の共販会員は全国にいたしましても七十数社です、団体にしまして。五年間どれだけの割り当てがされたのか、この資料提出を要求したいと思いますが、委員長、この取り扱いについてお願いをしたいと思います。
○主査(川上為治君) 出せますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) けっこうです。
○田代富士男君 じゃ、これを出してください。その出していただいたおりに、この問題につきましては次回にまた質問をしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) お断わりしておきますが、農林省から出していただくということですから。
○政府委員(荒勝厳君) けっこうであります。
○主査(川上為治君) 農林省から出していいですね。
○田代富士男君 わかりました。お願いいたします。 そこで、次に質問したいことは、まあコンブの共販制度がいま実施されておりますが、この北海道共販協会にコンブの取引業者であるならばだれでも加入することができるのかどうか、これを聞かしていただきたい。
○政府委員(荒勝厳君) この会員の加入につきまして、私のほうでも北海道の漁連並びにこの協会につきまして当たったわけでございますが、一応お二人の推薦保証人といいますか、推薦があるならば、あと身元、資産内容等、あるいは経営の実績等を勘案して入れる、新規加入を認めるということになっておるというお話でございました。
○田代富士男君 いまお話を聞きますと、二名の推薦保証人で、その人の資産内容あるいは経営実績によって新規加入ができると。じゃあこの四、五年間に何名ふえたのか、その実績を教えてください。
○政府委員(荒勝厳君) 会員の異動実績を申し上げますと、四十五年が七十二名、会員数が、四十六年が七十三人で、四十七年が七十八人になっております。四十六年に新規に入会した者の名前を具体的に申し上げますと、全国調理食品工業協同組合、全国昆布加工卸売組合、日本乾燥塩こんぶ工業協同組合、それから根室水産物加工協同組合、それからマル正佐藤商店というふうに一応五社になっております。それから四十五年に新規に加入された者に新潟漁連荷受組合というふうに一応報告を受けております。
○田代富士男君 いま四十五年、四十六年、四十七年の新規加入会員の話がありましたが、全国各地では入りたい人が一ぱいある。事実はほとんど入れない。特例として、特例というか、十中八、九まで新規会員にはなれない。ここにいま共販会員制度という問題にも大きな問題があります。このような一名、二名が出したから入れたのだと、全体の申し込みのうちの何名だったか、申し込みしても受け付けてもらえない、この実情です。もう入れているからいいじゃないですかと。私のほうが言うと、入れているじゃないですか、そういうことでは済まされません。たとえば大阪の業者でも、共販会員になりたいと十数年前から申し込みしている人がある。入れない。拒む理由は何かというと、いま言われた保証人二名もあるでしょう、資産内容、営業実績がだめだと、それだけで入れないのか。これはそういう少人数によって共販制度というものは生かしていく方針なのか、あるいは会員のためにこの機構はあるのか、その点はいかがでございますか。
○政府委員(荒勝厳君) 当初申し上げましたように、非常にコンブが本来暴騰、暴落の繰り返しであるということで、共販体制を確立しなければならないという北海道の沿岸の漁民の方々の希望に応じて北海道の漁連がこういう行為を始められたわけでありますが、また、そういうことを逐次年々制度というか組織を強化されてきたのではなかろうかと、こういうふうに私たちのほうは理解しております。ただやはり共販体制を確立する過程でだんだん、最初から北海道道内でこういう仲買い的な行為をせられておりました方々の関係もこれあり、その事業とかち合うというようなこともありまして、北海道の漁連として集配したものを、またある程度一定量のものは北海道の販売業者あるいは加工業者にも販売せざるを得ないということで、相当北海道のシェアが一定、数量的には大体まあ固まっておるというふうに私たち報告を受けておるわけでございます。北海道で、地場産業の育成という北海道のお立場もありまして、北海道自身で漁連から購入されたコンブを加工し、あるいはまた別の形で葉売りされて内地のほうへ転売される例も相当あると思いますが、そういった形で年々生産量が非常に飛躍的に発展するコンブでありますれば、また販売シェアのほうもある程度ゆとりをもって内地のほうの販売数量もふやしていけたのではなかろうかと思いますが、需要が非常に年々増大してきているのに、供給量がほぼ一定のものにつきましては、どうしても北海道の加工業者のほうに優先的に売却せざるを得なかったという事情が、ある程度反映しておるのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
○田代富士男君 私がなぜそれを主張するかということは、説明するまでもなく、御承知だと思いますが、このコンブというものは、共販会員でなかったならば買えないわけなんです。すべてが一括集荷されまして、北海道の生産者から地元の漁業組合がそれをまとめて、すべて北海道漁連にそれが集約されてくる。そうして漁連に集約されてきましたそのコンブを、北海道漁連において共販会員のそういう人々に全部割り当てをされている。共販会員でない人が直接、同じ問屋であっても、コブを買いたいと思っても買えない。そのために共販会員になりたいという、コブを買いたいために。漁連とは話もできない、品物も入ってこない、この問題です。ここに共販制度の出発点から今日まで発展してきた、今日大きな弊害をもたらしている、この事実です。だから、ある特定の業者には上質のコンブが多量に渡される。いま言うように、そういう共販会員でない業者に対してはコンブは何らいかないんです。その共販会員の問屋が買ったその製品を、これは第一次問屋とするならば、同じ問屋であっても共販会員の問屋から再びコブを仕入れてそれをおろさなくてはならない。第二次問屋、これは共販会員じゃない人です。しかし直接コブがほしい、コブが買えない。このような何といいますか、不公平な取引が共販制度という名のもとにこれが正当化されて現在実施されている。このような取引が公正な取引と言えるかどうか。また、同じ共販会員の中であっても、値ぎめ委員になっている共販会員と、値ぎめ委員でない共販会員——共販会員と同じ資格です。その同じ資格の中でも値ぎめ委員等になっているところの商店にはよい品物が多量に入る。 たとえて言うならば、大阪の例をあげますならば、この大阪の商店も資料によって私は数字を出して質問したかった。しかし、なかなか資料が出てこないから、地元で私はどのくらい、概数でいいからその実態をつかみたいと、大阪に共販会員の人は十人いないです。その中で、十人以内の人に十等分あるいは等分でくるんじゃないんです。その中の大手の二つの会社に、大市水産、松本商店、ここに八〇%ぐらいきてしまう、共販会員の中でも。あとの残りの二〇%が残りの人が、共販会員で分けなくちゃならない。それ以外にコブの問屋さんたくさんおります。そこにいかない。こういうことが公正な取引と言えるかどうか。この点、長官、大臣いかがでございますか。また私はこれで、それを指導していらっしゃる水産庁のお考え、公取のお考えお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) お話のごとく、北海道の漁連、道内問屋及び消費地の問屋で北海道の共販協会を組織して、北海道産のコンブはこの共販を通じて取引されておるわけでございます。その間にできるだけ公正にやってもらわなくちゃ困るんじゃないかと思いますが、これは一般論でございまして、私、実はきょう初めて伺いましたので、関係当局ともよく話し合いまして、実態をよく調査しまして、そういう不公正ができるだけなくなるような努力をいたしたいと考えます。
○政府委員(荒勝厳君) ただいま私が説明申し上げた中に多少私のことばが足りなかった点もございますので、ちょっと補足させていただきますと、四十七年にこの共販の会員は七十八人でございます。ただし販売先は一応百六十九人ということで、会員の方だけに限定して売っておるんではないということは御理解願いたいと思います。その百六十九人を相手に北海道の共販が一応販売しておるというふうに理解しております。で、私たちのほうといたしまして、水産庁の指導としましては、そのコンブが不当に暴騰、暴落の繰り返しによって零細な沿岸漁民の所得あるいは経営にマイナスにならぬようにということで、共販体制の制度の推進ということにつきましては、水産業協同組合法の理念に基づきまして、これは必要やむを得ない措置ではなかろうかというふうに考えておりますが、販売面の、集荷されましたコンブが今後やはりどういうふうに販売されていくかということにつきましては、これはやはりそれ相応の企業体制の理念もあるかとも思いますが、なるべく公平に販売されるようにわれわれとしては期待している次第でございます。
○政府委員(吉田文剛君) 道漁連の先ほど先生おっしゃいました大市水産等に対する著しく有利な取り扱い、ほかと差別をしているという点につきましては、最近の実態はまだ把握してございませんが、道漁連につきましては、所属員の浜売り規制、それから産地問屋に対する浜買いの規制について現在調査中でございますので、その点もあわせて調べてみたいと思いますが、独禁法との関係で申しますと、不当に差別取り扱いをしていれば、これは不公正な取引方法に該当するおそれがあるというふうに考えております。
○田代富士男君 いま大臣は初めて知ったと、こういうことでございます。まあ初めて知られたならば何でございますが、内々もう申し上げていたわけなんですから、初めて御存じになったわけじゃないのですが、厳重に調査をしていただきたい。調査をするとおっしゃいますし、その調査がしり切れトンボにならないようにしていただきたい。また水産庁の方は、販売面が適正に行なわれるように期待したいじゃなくして、指導する立場にある人なんです。だから、もっと実情を知ってもらいたい。そういう不当な不公正な取引がされている。公取の局長がおっしゃるとおりに、現存産地におきましては浜買い、浜売りの、こういう生産者が一括して道漁連へ納め、こういうようなことに対する反発があります。その中で、浜売りをした場合には、その生産者は漁業権を取り上げられたり、村八分になるというこういう事態が起きている。人権問題であるし、こういうことから公取の現在調査が進められていると、生産地においてそういうことが起きている。今度は販売面においても、いま大阪だけ取り上げますと、大市水産を中心とした二つの社に七〇%から八〇%の品物がいく、共販会員の中で。明らかにこれは不当差別の取り扱いの疑いがあると言われたとおりじゃないかと思うのです。だから販売地の大阪のほうも厳重調査をお願いをしたいと思います。そこで、もう一つの面から取り上げたい。時間もあまりないですから、あと、いまからが、いまはまだ序の口です、これは。コンブの価格についてどうしてきめられているのか、簡単でけっこうですから、簡単にお願いします。
○政府委員(荒勝厳君) 一応零細な漁民から単協が買い集め、そうしてそれを道漁連に委託販売というかっこうで、道漁連が自主的に約八割前後の数字を押えまして、そこで、先ほどの御説明申し上げました共販——正式には共販協会——を通じて売ることになっております。その価格の値ぎめにつきましては、先ほどの共販協会の中に理事等も、加工業者の方々も入っておりますが、そういった共販協会と買い入れる関係の方々の間で、その一年間のおおむねの値段を、基準となるべき価格をきめていっておられるものと理解しております。
○田代富士男君 端的に申し上げますと、この値ぎめは生産者の代表の漁業組合の組合長、それから産地の問屋の代表、消費地の問屋の代表、それから道漁連が中に入って、そういう産地側、消費地側、それから道漁連三者によってこれが値ぎめされているのが事実であります。一言で言うならば、道漁連の一方的な値段できまると言ってもしかるべき状態になっているんじゃないかと思います。 そこで、私がいまさっきから言っているのは、公正な取引が共販制度において行なわれているかどうかということを私は言っているわけなんです。コンブのように国内の生産額の九〇%以上を生産する北海道で、道漁連が一手に集荷をしまして、いまのように適当な値段をきめ、その値段をきめて——入札で戦前は行なわれていた。それが入札でなくして指定商社のみに売られる行為、その九〇%すべてが指定業者のみに売られる行為がなぜ独禁法に触れないかとすべての人々が不審に思っている。ある業者は言っておりました。しゃくにさわってもコンブを仕入れたいと思えば北海道漁連から買う以外にない、心ではもう腹が立ってしかたがないと思っても、腰を低くして買いに行く。しかし、幾ら金を出しても相手が売ってくれないんです、共販会員でなかったら。ほしくてしかたがない。それじゃ北海道から買えないならば別で仕入れしようとする。そのように思っても、コンブは御承知のとおり輸入禁止、そのために仕入れの道がない。こんな不公平な不公正な取引があるか。だれが見ても自由取引の世の中で、身がってな話じゃないか。これが実情です。また今度は、共販会員という特約店についても同じようなことが言えます。その共販会員の中にも道漁連から品物が荷割りがされます。だから、共販会員のほしいものがほしいときに自由に買えない。一方的な割り当てで、ほしいものがほしいときに自由に買えない。それが入札で終わってしまったならばあきらめもつくけれども、そのようなことが一体何を基準にこの数十年間売り手中心のこういう荷割りを甘んじていかなくてはならないのか、こういう実情。値段にしても同様です。いま言うように、生産者と消費者の両方の立場の人が対等で話し合いをする、これは一見はまことに公正なように見えます。しかし内実は、そういう公正の隠れみのの内側では道漁連が一方的な適当な値段について無理押しをしておる、買わされておる。そこで気に入らないと、そういうことになりますと、一切仕入れができないようになる。一方的に押しつけて、それ気に入らないというと。そうすると、コンブは供給量が絶対不足している。そういう仕入れがとめられたならば生活の問題が脅かされる。そういうような実情から考えて、このように特定な業者によって価格がきめられて、従わなかった場合にはそのようなコンブの割り当てもされないということは、独禁法第二条の第五項ですね、第五項に、「この法律において私的独占とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法を以てするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」、このような第二条五項の精神にも私は違反すると思うんです。また同じく第六条、まあ時間がありませんから読みませんけれども、この第六条にも、私は独禁法のこの精神に違反すると思いますが、これも経企長官、公取、水産の各代表から答弁を求めたいと思います。時間がありませんから簡単にお願いいたします。
○政府委員(吉田文剛君) お答え申します。 先ほど先生、独禁法第二条五項とおっしゃいました。私的独占……。
○田代富士男君 そうです。私的独占です。
○政府委員(吉田文剛君) それからあとは第六条、第六条はこれは国際協定の問題でございますから直接関係ないと思いますが、ただいわゆる道漁連、これは水産業協同組合法に基づきます協同組合ということになっておりまして、独禁法二十四条各号の要件を備えておりますと、独禁法八条の規定は適用除外になっております。これは独禁法適用除外法という法律の第二条に書いてございますが、したがいまして、価格協定等は原則として独禁法の適用除外、ただし不公正な取引方法を用いる場合は適用除外になりません。それから独禁法二十四条の規定によりまして、不当に対価をつり上げることになる場合、これは適用除外にならない。こういう規定がございますので、問題はこの不当に対価をつり上げているかどうかという点ではないかと考えます。
○政府委員(荒勝厳君) ただいま御指摘のように、この販売体制の問題が非常に不当に消費者に対して御迷惑をかけておるかどうかにつきましては、これらにつきましては経済企画庁なり関係の機関とも十分相談いたしまして、またこの取り扱いについて道漁連とも協議してまいりたい、こういうふうに考えております。
○国務大臣(小坂善太郎君) この法文、独禁法の解釈の問題については公取から言われたとおりでけっこうであります。実態についてはよく水産庁とも相談をいたしまして、できるだけその趣旨でやってまいりたいと思います。
○田代富士男君 まあ大臣は、いま水産庁の言うたとおりだと、公取が言ったとおりだと、その趣旨によって対処していくとおっしゃるんですけれども、ほんとに対処してもらえますね。 それで、いま公取の局長に言ったのは、第二条の第六項を、私は第六条じゃなくて第六項、私の言い間違いですけれども、だが、第六項の精神は、端的に私がかわって申し上げるならば——何ぶんとも法律の条文というものは回りくどいものです。一般の国民の皆さんにもわかりにくいんですが、この精神を申し上げるならば、三点に要約されると思うんです。 第一点は、要するに道漁連が地元の協同組合ですね、単協と結託したり、あるいは単独でコンブの共販というような、そういう名の協定をしてはならぬということです、端的に申し上げれば。それが第一。 第二点は、こういう員外からの買おうとするものを、もしそれを買えば荷割りしないとおどかす——いまさきも私が、いま公取が現地調査をやっていただいている点はこの点だと思います。こういうことはしてはならぬということが第二点。 第三点は、いまも話しましたこの建て値がどうやってきめられるか。生産者の代表、消費地の代表、道漁連の一方的な値段できまるというような、そういう売り値まで指図するということはもってのほかであるということが、この独禁法の条文の趣旨じゃないかと思うんです。 それで、いま公取の局長が言われるとおりに、独禁法二十四条の協同組合関係のこれに適用除外がされております。しかし、ここで適用除外されておりますが、ただし書きが問題です。だから、いま局長も申されました、「但し、不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りでない。」ということなんです。さあここが問題です。じゃ五項、六項は、この二十四条において適用外であるというようなことも主張されるかわかりませんが、ここが問題です。この条文でただし書きを適用する限り、この道漁連や単協の共販という名の独占は排除できるかわかりませんが、あえてその実例に立つ人がないためにこの裏づけができないのです。いま調査していらっしゃるのは、その点ではないかと思うんです。しかし、独禁法二十四条の法の精神です。ここで私あえて言いたいのは、協同組合が除外例として保護されているということであります、端的に言えば。しかし、それは協同組合そのものの設置というものは、資本主義経済のもとでは、御承知のとおりに弱小者が集まってようやく大資本に対抗できるとまでも言わないけれども、そのぐらいになるんだというたてまえから、そういう弱小者を保護しようという立法の趣旨というものがそこにあったと思うんです。ところが、今日の道漁連、あるいは全漁連のような強大な、事水産物に対しましては絶対の権力を持っているこういうような協同組合というものは、すでに弱者としての保護に価しない会社であると私は言いたい。そういうところからいきますと、五項あるいは六項の精神も生きますし、また与えていっても、二十四条の「但し、不公正な取引方法を用いる場合」というところに当たってくると思うんです。こういうところからコンブの共販もすでに二十年たってきております。まあこういうところから、いたずらに売り手市場になっている、漁連の言うままになっている。こういうよなことから、現在その転換期にきていると思うんです。この共販会員の中でも、やめたいという者が、戦前の入札にしてもらいたいという声が圧倒的です。共販会員以外はもちろんのこと、こういうような実例をどうするか。また消費地の立場から申し上げますと、供給量が圧倒的に需要を下回る状況は御承知のとおりです。だから価格は一番最初に申し上げました。卸売り指数も他の水産物よりも四〇幾つ高いです。こういうような状況で二次加工業者等におきましては、その高い値段を吸収することができずに、製品の値上げ、あるいは廃業、転業のやむなくに至っているんです。だから、そういうことから考えれば、根本は何かと言えば、全生産量の九〇%を占めている北海道のコンブが、この私的独占にゆだねられて、そうして供給されている。そこに偏流、片寄ったそういう流通経路というものがなされている。こういう点ですね。コンブの独占が甘い汁の出る商品であるということを示す端的な例じゃないかと思うんです。そういうところから、私は、これは独禁法の、いま申し上げました三つの条項の精神にも、違反している、抵触すると思うんです。また、この点、経企庁長官、公取の考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(吉田文剛君) 確かに、先ほど私は法律的な問題として申し上げましたけれども、先生のおっしゃることはごもっともであると私も考えます。ただ現在の法律がそうなっているというので、法律の範囲内でできるだけのことをいたしたいというので、いま現在調査中でございますので、おっしゃる点は十分に検討して、適切な結論を出したいというふうに考えております。
○国務大臣(小坂善太郎君) 実態をよく調査いたしまして、御趣旨のごとき点があれば、これは法の厳正な運用によって善処いたしたいと思います。
○田代富士男君 長官は、何でも調査中でございます、これから調査だけれども、これから何でも調査中であります、調査中でありますですけれども、これはやはり国民の生活の総元締めでありますから、長官、私は具体的な問題を生産者の側、消費地の側を言ったわけなんです。調査中で善処いたします、善処でとどまらなかった場合はどうしますか、長官。
○政府委員(小島英敏君) 先生のおっしゃる点は、まことに私もしろうとで、いままであまり知識ございませんでしたけれども、ごもっともな点非常に多いと思います。ただ、御了解いただきたい点は、企画庁はやはり特殊の法律に基づく調査ということができませんので、やはりいま先生のおっしゃった論点は、主として独禁法上の問題が非常にあると思いますので、これはやはり公取が法律に基づく調査をみっちりとやっていただくということが実態認識の上で最も効果的であると思います。そういう調査の結果に基づいて、企画庁も先生のおっしゃるような趣旨を体して十分関係省庁と御相談して、適切な結論を得るように努力いたしたいと思います。
○政府委員(荒勝厳君) 北海道の道漁連がコンブを集めるのにもたいへん苦労をされ、またその上こういった販売問題ではなかなかいろいろ問題を提起していることについては、この席で、われわれといたしましても今後行政指導にあたりまして十分善処してまいりたい、こういうふうに考えております。 ただ、この北海道のコンブの一部につきましては、御存じのように、歯舞、色丹のコンブを採取するのに毎年モスコーまで参りまして、いわゆるソ連にコンブの入漁料を払いまして、北海道とモスコーとの間で、民間協定という名目で入漁料を払うことによってコンブの一定量が確保されておるという事態もございますので、いろいろなそういった事情も十分御賢察いただきまして、コンブの確保という点にわれわれも今後努力するということは御理解願いたいと思います。
○田代富士男君 この問題につきましては、きょうは時間がありませんから、また別の機会にゆっくりと取り組んでやりたいと思いますが、もう一つ、この独禁法の精神といいますか、法意を変えずに、ただ時勢に応じまして幾らか改正されてきておりまして、本年の改正でも、この適用除外の例につきまして、適用除外行為の限界というものも公取から発表されております。そうしますと、この適用除外の限界につきましては、時間がありませんから、私は内容については省きますが、もう御存じのとおりですから。そうしますと、この適用除外の限界の、この公取から出された精神でいきますと、つまり北海道の漁業協同組合の共販運動であっても、組合員に圧力をかけて品物を集める、集荷し、かってに販売価格をきめても、それは認められない。明らかに違法行為だから、独禁法で取り締まるという精神になると私は思うのです、これは。その点、公取はいかがでございましょうか。
○政府委員(吉田文剛君) まだ現在実態を調査中でございますので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、法律的な見解としては私が先ほど申し上げたとおりなんです。精神としては先生のおっしゃるとおりであると思います。実態を十分調べた上で結論を出したいというふうに考えます。
○田代富士男君 現在調査中である、しかし、もしそれが事実であるならば、独禁法で取り締まるということになると思うのです。それで、時間がありません。これはまた次の機会にゆっくりやりたいと思います。 水産業の協同組合法の設立の目的というものは、どういう目的でこれは設立されるのであるのか、またその組合というものは、ある特定会社に対し出資できるのかどうか、この点ひとつお答え願いたいと思います。
○政府委員(荒勝厳君) 水産業協同組合法におきましては、法律の目的というものが明記されておりまして、組合員のためにする経済的な立場というものの向上、その福祉の向上ということが一つの法律の目的になっております。したがいまして、協同組合の組合員の利益を擁護するということが一つの協同組合としては利益だと思います。いま法律の第一条をリファーさせていただきますと、「この法律は、漁民及び水産加工業者の協同組織の発達を促進し、もってその経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進とを図り、国民経済の発展を期することを目的とする。」というのが法律の目的になっております。
○田代富士男君 出資できるかどうかです。
○政府委員(荒勝厳君) これは協同組合法に基づきまして、この出資も法律的には許容されておりまして、違法行為にはなっておりません。ただ、非常にどっかに制限条件は付しておる次第でございます。
○田代富士男君 そこで、大阪に大市水産という会社があるんです。これは道漁連の一〇〇%出資の会社です、大市水産は。大阪には道漁連の支所もある。支所があって、そうして一〇〇%出資の会社がある。まして、役員は道漁連の関係者である。中でも、現職の道漁連の幹部が三名入っております。そのほかは道漁連のOBの幹部。そしてこの会社は、四十七年度の六月の決算では七十億円にわたる年収をやっている。そして大阪のコンブの全体の取り扱いの——まあこの資料を出してもらいたいと言ったけれども出してもらえなかったもんですから、私なりに調べたのは、約四〇%前後の取り扱いをやっているというんです。こういうわけで、共販会員であるし、値ぎめ委員であると。ここですね。道漁連において割り当てをする、道漁連の意向で値がさめられる。各地の代表がそれに参加するだけ。コンブの一番の中心地である大阪、そこで一〇〇%出資した会社が四〇%前後のコンブを扱い、値ぎめ委員であると。これで公正な取り扱いができるでしょうか。 ここに、不公正な取引条項が示されております。不公正な取引条項、一から十二項目までありますが、この中で、「ある事業者に対し、正当な理由がないのに、取引の条件または実施について、著しく有利な取扱をし、または著しく不利な取扱をすること。」、「共同行為もしくは事業者団体の内部において特定の事業者を不当に差別的に取り扱うことにより、その事業者の事業活動に著しく不利益を与えること。」、これはいま言うように、大阪の共販会員に、平等の割り当てじゃなくして、この一社に特別に上質のコンブが多量に渡される。そして残りの数社は、残り少ない悪いコンブが渡されなくてはならないということは、これは公正な取引ということは言えないと思うんですが、これは公取のお考え、いかがでございましょうか。
○政府委員(吉田文剛君) 私が先ほど申し上げました、不当に差別取り扱いをしていれば不公正な取引方法に該当するおそれがあると申しましたのは、いま先生のおっしゃったその条文を踏まえての上のことでございます。現在、まだその点は調査しておりませんが、これから調査いたしたいと思います。
○政府委員(荒勝厳君) 独禁法の適用につきましては、これはもう公正取引委員会のほうの御見解に十分従わざるを得ないとわれわれは思っております。ただ、水産業協同組合法に基づきますと、「組合は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用については、これを同法第二十四条各号の要件を備える組合とみなす。」ということで、零細な漁民の集合体であるという、その利益の擁護のためということで、ある程度独禁法の適用にあたりましては適用除外の要件を与えられておるというふうにわれわれは理解しておる次第でございまして、それが非常に不当であるかどうかということにつきましては、公取のほうの御調査を待って検討いたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 長官はまた、お答えされないから、調査中だとおっしゃるだろうと思いまして、時間がありませんからもうそれは飛ばします。 そこで、水産庁長官もおっしゃったんですけれども、組合員のために協同組合はつくられているんだと、端的に言うならば。その趣旨はわかります。しかし、いま公取の局長がおっしゃるとおりに、調査をする、大阪も調査をすると。調査が出た時点においては、水産庁の長官としても、もう厳重な指導をやってもらいたいと思うんです。 そこで、いま長官のおっしゃるとおりに認めた上の話としていたしますと、北海道漁連というこの協同組合なるものは、協同組合の法の精神からいきましても、北海道の地域範囲内におけるところの漁業組合です。全漁連でしたならば全日本的な漁業組合ですが、北海道漁連は北海道のみに適用されるところの連合会です。だから、そういう漁民のための福祉の向上、組合員の利益の擁護とか、そういうあれであるならば——まあこういうこともあってはなりませんが、利益をあげるというようなことはまあ考えられないことはないけれども、北海道の地域内で何かそのようにコンブに関係のあるようなそういうことをやるというならば、これも検討する余地がありますが、——認められない面もあるけれども、それは北海道の範囲内であるならば——認められない、けれども一応認めるとしても、これが何にも関係のない大阪に大市水産なる一〇〇%出資の会社をつくる、地域外に。そうしてその大市水産なるものが、コンブだけではない、海のさちだけではない、山の関係の品物でもいまでは扱わんとしているんです、内容を調べてみますと。そうしますと、この大市水産なるものは、世間でいま騒がれているところの商社と何ら変わりのない働きをしているのです。そして、そのコンブという一つの商品を、ほかの共販会員と比べまして多量にこの大市水産のみが取り扱いをしていると。これは買い占め行為です。共販制度という名のもとの買い占め行為じゃないかと思うんです。こういうことからいきますと、いま水産庁長官がおっしゃる組合利用の趣旨の説明からいって、おかしいと思いませんか、これ。これでおかしくないと思われますか。これがおかしくないと思うならば、私はどんなことでもできると思うんですけれどもね。この点どうですか。今度は大臣も答えてくださいよ、今度はまた知らぬ顔ではだめですよ。
○政府委員(荒勝厳君) 北海道漁連が、漁民のための事業といたしまして、漁民がつくったものを全部集めましてこれを販売するということにつきましては、一応法律的にはもう何ら違法性がないどころか、これは適法性の問題だと思っております。それをどうやって販売するかということにつきましては、これは何も北海道内部にだけ売るべきものというふうに法律的には規定されておりませんで、国内に販売されることも自由でありますし、また、場合によっては輸出されることも自由でありまして、ここまで、われわれの協同組合法といたしましては、その販売活動に対しまして制限は付与していないと、こういうふうに御理解願いたいと思います。 その販売活動の一助といたしまして、北海道の漁連が大阪に支所を設けまして販売の事業に従事していると思いますが、さらにそれに加えまして、出資会社を設立いたしまして、漁業協同組合という形では小回りのきく販売活動が十分に行なえないということで、それを補完する手段としてこういう一種の共販会社を設立するということにつきましては、総会の決議のもとに許容されておるのでありまして、その子会社がある程度の事業活動をすることについては違法性はないのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 時間がきているという再三の通告がありましたから。いまから問題点が提起されるところです、正直に申し上げまして。だから、もう時間がありませんから何ですが、いま水産庁長官は、こういう会社を設けても何ら違法ではないと、まあ、協同組合がこういう会社をつくる場合には総会の議決があるならばと、そういうことがあるそうです。しかし、各業界の様子を調べてみました。総会の決議によって、そういう協同組合の場合、別の会社に出資することがあり得るということは、こういう場合は認められると思うんです。すなわち、組合員の保護のためというたてまえでしょう。 こういう例がある。ある農機具の会社がつぶれそうになった。農機具がつぶれますと、全国の農民の皆さん方は困ります。そこで、農民の組合であります全購連が、それじゃ組合員である農家の人々が困るからというわけで、出資をしてその農機具の会社を立ち直らさしたという例がある。これは、組合員に直接関係があるために、こういうための出資であるならばわれわれもうなずける。まして、コンブは共販制度じゃないですか、共販制度。売り元の漁連と売り先の商店と同じ役員によって占められている。大市水産の社長は高橋という人です。ここの取締役に吉田豊穂という人がおる。この人は現在東京支社長で参事です。また、取締役名畑正雄という人がおります。これは現在の道漁連の常務理事です。監査役の大崎良三という人もおります。これは現在の道漁連の常務理事です。こういう人が、値ぎめの場合には、この大市水産、大阪を代表する値ぎめ委員ですよ。割り当てをするほうと買うほうと同じ者がこれで値をきめてしまうんです。これも全部の業者を代表した意図じゃない。こういうわけで、公正な取引がされているかということを、いまさっきから追及しているところはここなんです。これでもやっていいのか。それならば、水産業協同組合法の三十六条の二に、「組合の行う事業と実質的に競争関係にある事業を営み又はこれに従事する者は、当該組合の理事、監事、参事又は会計主任になることができない。」、(競業関係にある者の役員等への就任禁止)というものが水産業協同組合法三十六条の二にあります。いま言うように、競業関係、競争関係にあるというのは、これは値をきめるときには、産地の代表、消費地の代表、漁連が中心になってきめる。消費地の代表に、道漁連の幹部が行って、それが値ぎめ委員になっているということは、競争関係にある事業のところに役員等は就任さしてはならぬといってあるのに、これはどういう関係になるんですか。こういう点を明快にしていただきたい。それで、もう時間がないということが言われておりますから、この点を明快に、長官、それから公取、それから水産庁長官もはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私ども経済企画庁の立場といたしましては、まず、物価に関して担当しておるわけでございますので、このコンブという生産物の価格が高騰して消費者の利益に反することがないようにしなければならぬという気持ちで対処しているわけでございます。それと同時に、国民生活の上から、そういう消費者の利益もさることながら、コンブを生産する零細なる漁民の方々が、適当な価格でその製品が販売せられていくという、それを保護するというか、その立場が適正であるようなことを考えていかなきゃならぬというふうに思っておるわけでございます。で、その立場からいたしまして、ただいま御指摘のようないろいろな問題があることは、よくこれ承りましたのでございまするけれども、この問題についての独禁法の解釈上の問題、これは公取が解釈をされるわけでございますが、その解釈を下す上で、その実情をよく調べて解釈を下すわけでございますが、これも公取がやられるわけでございまするが、と同時に、また、水産庁という実施官庁においてこの実情をよく調べるということも必要だと思いますわけでございます。ただいまいろいろ御指摘になりました共販の内部の人事の問題、それからそれのやっている事業の実態とか、そういうものも、これは水産庁がお調べになる問題だと思うのでございます。こういう観点に立ちまして、ただいまの御指摘の点はよく承りましたから、いまここで水産庁長官の返答をお求めになりましても、これは、いままで累次にわたって申し上げましたことで尽きるんではないかと思いますので、私といたしましては、ただいまのお話をよく承って、水産庁なり農林省なり、あるいはまた公取などとよく相談いたしまして適切なる判断をいたしたいと考えております。私の立場は実はそういう立場でございまして、この行為の実態がいいとか悪いとか判定をする立場にございませんから、先ほどからはなはだ煮え切らない態度をとっておるわけでございます。これは、あまり歯切れのいいことを申しますことが実はできない立場であるということを御了承賜わりますと同時に、ここであまり水産庁長官をお問い詰めになりましても、これはまた他の機会のほうがかえって適当なる御返事が申し上げられるんではないかということを申し上げておきたいと思う次第でございます。
○政府委員(荒勝厳君) ただいま経企庁長官から非常に適切な御意見がございましたが、私といたしましても、北海道の漁連の指導につきましては、国民経済的にも、不当な行為を行なうことによりまして逆に国民経済に悪影響を及ぼさないような指導理念で臨んでおるわけでございまして、したがいまして、また、法の許す範囲内で十分に活動することを認めたいと思っておりますが、ただいま御指摘の出資法人の事業活動についての兼務の関係につきましては、私たちは私たちなりに第三十六条の二の解釈につきましては、組合員のためにする共販会社の設立並びにそのための出資及びその兼業を行なっておるというような解釈に立ちまして違法性の問題はないというふうに理解しておる次第でございますが、なお、御指摘の点につきましていろいろと誤解を招くような点につきましては今後指導してまいりたいと、このように考えております。
○政府委員(吉田文剛君) 水産業協同組合法三十六条の二の解釈につきましては、これば水産庁が所管でございまして、独禁法の問題には直接ならないというふうに思いますが、ただ、私の考えを申しますと、組合の行なう事業と実質的に競争関係にある事業になるかどうかという点に、ちょっと疑問があるんじゃないかというふうに考えます。これは御参考までに申し上げます。
○田代富士男君 もう時間だとおっしゃることですから、いま経企庁長官がおっしゃるとおり、次回にゆっくりとまたお会いしてやりたいと思います。 最後に、いままで、コンブの輸入に絶対に反対を唱えておりました道漁連に対しまして、四十七年度に政府は初めて輸入割り当てをいたしまして、一千百トン——中国もの九百トン、北朝鮮もの二百トン輸入したわけです。この輸入の際の経緯、どうして道漁連に一括して輸入さしたのか、道漁連に一括して輸入をさせますと、共販制度の会員のみに渡って、ほんとうに求めたいという人が求められない。どうして一括して輸入さしたのか。今後のそういう輸入コンブに対する考え方、この点につきまして、最後にお聞きしたいと思います。この問題につきましては、また次回にゆっくりと質問をしたいと思います。この点についてだけ答弁をお願いいたします。
○政府委員(荒勝厳君) 昨年、国内におき歯して物価対策ということと円対策とからみまして、緊急輸入を行なわざるを得ないということになった次第でございます。政府といたしまして、その際五%の緊急輸入を行なうと。五%の基準と申しますのは、国民の総需要量の五%の輸入をあらゆる物資について緊急に輸入を行なうということになったわけであります。それまで、コンブにつきましては輸入の割り当ては一切行なっていなかったんでございますが、その際、コンブについても例外なく輸入割り当てを行なうということにわれわれ水産庁といたしましては対処した次第でございます。しかしながら、輸入を行なうということになりますと、国内におきますコンブの生産者との利害関係もこれありということで、通産省並びに経済企画庁とも十分御協議の上、これにつきましては生産者割り当てを行なうということで、輸入の割り当て方法をそういう形できめた次第でございまして、これが五%が一応千百トンの割り当て量というふうになったと私は理解しております。しかしながら、実際に輸入されました量は約七百トン近いものが中国でございまして、ミトンほどが北朝鮮ということで、実質的には七百トン弱ということで結果的にはおさまっておる次第でございます。
○渡辺武君 私はインフレ問題について伺いたいと思います。 最近の物価の上昇は、国民にとっては全くおそるべきものがあると言って差しつかえない状況だと思うのです。東京都区部の消費者物価指数を見てみますと、二月には前年同期に比べて七・三%、三月が九%というものすごい上がり方です。これはもう明らかにインフレが悪性化しつつあるということを示しているものと思われます。 経済企画庁長官に伺いたいのですけれども、この消費者物価の異常な急騰、これは、昨年来の卸売り物価指数の激しい値上がり、特に大手商社、それから大企業などの買い占め投機の影響によるところが非常に大きいと思われますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 最近の経済活動の実態が非常な拡大基調にあるわけでございまして、たとえて申しますと、製品在庫等はこの十年間の最低でございますし、建設工事も実はこの二月には昨年七月以来連続八カ月の増加を続けておりますし、また、労働需給に関しましても、有効求人倍率が一・六七倍、この制度始まって以来の最高を示しておるわけでございます。こういう状況を反映いたしまして、卸売り物価も上がっておる。また従来は、消費者物価が上がっておって卸売り物価は安定しておる、あるいは最近は、卸売り物価が上がっておるが消費者物価は季節商品の影響もあってあまり上がっていないという状況でございましたが、ここへ来て両方ともに上がっている。非常に困ったことと言わざるを得ないと私も思っております。 この原因が何であるかということでございますが、根本的には、やはり一昨年来のニクソンショック以来とったいろいろな景気回復の措置がここへ来て行き過ぎになってきたといいますか、過剰流動性というものが非常に現実に経済的な影響を持ち出したと言うべきであると思っておりますが、それと関連して、ただいま御指摘の買い占め、売り惜しみ、これは、大手商社ということばが最近盛んに使われますが、これもあろうかと思いますけれども、それだけでなくて、全体にやはり仮需要というものを想定して、そしてみんなが買っておるという状況もあるかと思うのです。しかし、一方からすると、実は物がなくてほんとうに困って先行き心配して買っているということではなくて、調べてみると、物はあるということになってまいりましたのでございまして、これはぜひともひとつ状況を明らかにして国民の皆さんにも安心していただいて、そしてまた不幸にしてそういうイリュージョンに取りつかれて買い占めをやったような者からは、その持っているものを吐き出してもらうという措置を早急にとらなければいけないというふうに考えております。
○渡辺武君 通産省の今回の調査で大商社の投機の一端が明らかになったと思います。問題は、この買い占められた生活必需物資が安い値段で放出されて、そうして引き上げられた物価が下がるかどうかというところにあると思うんです。さらに言えば、二度と再びこういう買い占め投機が起こらないようにしなければならぬというところにも問題の重点があろうかと思います。これについて通産省はどのような対策をお考えになっていらっしゃるか伺いたいと思います。
○説明員(棚橋祐治君) 私どもで今回、御案内のように、大手六社の商社から羊毛等七品目につきまして実情の調査を行なったわけでございます。それによりますと、羊毛、毛糸、綿糸及び生糸の四品目につきましては、買い占め、少なくとも買い急ぎの傾向がうかがわれるということで、四月三日に大臣の命を受けまして、当省に大手商社の代表者を招請いたしまして強く自粛を要請するとともに、通産省が考えております各般の対策に全面的に協力してほしい、さらには、当省としても大手商社の調査だけでは必ずしもその全貌を明らかにし得ないところがありますので、問屋や小売り段階まで今後調査を必要に応じて継続していく、それについても大手商社が全面的に協力してほしい、こういう要請を強く行なったところでございます。 私ども対策の中で考えておりますのは、たとえば今後とも商社測と当省とで商社懇談会のような体制をつくりまして、非常に影響力の大きい商社の企業責任にかんがみ、常に実情を把握する体制をつくっていく、さらには流通段階、問屋さんや小売り業者の代表の方々とやはり同様の懇談会を持って、きめこまかい特別実施対策を講じていく、さらには、消費者が非常に不安にかられておりますので、物資ごとの需給事情をできるだけ詳細に、かつ迅速に情報提供をしていく。たとえば、羊毛に例をとりますと、前年度の、昨年の羊毛の需要量は全量輸入でございますが、大体二百四十万俵、これが今年はおそらくふえましても二百六十万俵くらいでございますが、われわれの調査では商社全体で約三百万俵の羊毛の手当てが行なわれておりますので、物がないという意味での不安はうそである、このように考えまして、そういう点での情報をできるだけ消費者にお教えして仮需要の発生を押える、こういう行政上の措置で対処していきたい、このように考えております。御案内のように放出命令を出す権限はございませんので、当面はそれによって対処していきたい。なお、今回御審議いただいておりますいわゆる不当な買い占め防止法が成立いたしました暁には、かかる調査もなおやりやすくなる、このように考えております。
○渡辺武君 ちょっと付随的なことなんですが、今回の調査の品目の中に米が入っていたはずなんですが、なぜ調査結果を発表なさらないのか、それをちょっと伺いたい。
○説明員(棚橋祐治君) 私どものほうで調査いたしましたのは、大きく分けまして商品につきまして二種類ございます。一つは、通産省所管の生産所管等の所管をしておる物資、これは羊毛、毛糸、綿花、綿糸、この四品目でございます。第二は、通産省は生産所管を行なっておりません、たとえば農林物資につきましても、しかしながら輸入を所管しますので、当該商品について輸入の高い物資、かつ大手商社の輸入における取引のウエートが高い物資、すなわち大豆と木材と生糸の三品目について当省所管の権限の範囲内で調査いたしまして、当省所管よりも農林省所管でありますが、それら三品目、合計七品目について調査を行なって発表した次第でございます。
○渡辺武君 ちょっと私、持ち時間が非常に少ないので、端的にお答えいただきたいのです、まことに恐縮だが。
○説明員(棚橋祐治君) はい。
○渡辺武君 米がこの調査品目の中に入っておったのに、なぜその調査の結果を発表なさらないのかということなんです。
○説明員(棚橋祐治君) 当初は米を対象として調査いたしましたけれども、ただいま申し上げましたように、当省所管というわけにいきませんので、調査の対象から事実上省いたわけでございます。
○渡辺武君 そうすると、調査しなかったということですか、米については。
○説明員(棚橋祐治君) はい。
○渡辺武君 それでは質問を継続しますが、いま放出命令を出す権限がないんだと言われましたけれども、法の成立を待たずして放出の勧告くらいは私はできると思う。その点も含めて、経済企画庁長官、この買い占めている物資をどうして安く放出させたらいいとお考えになっておられますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもとしては、やはり物資の関係が通産省、農林省の関係でございますので、この両省とよく懇談し、また厚生省も一部ございましょうが、こういう関係省庁との間に緊密な連絡をとらねばなりませんけれども、私ども一番問題と思いますのは、やはり立ち入り調査ができないという点だと思います。この立ち入り調査ができるという——行政指導には限界がございますものですから、立ち入り調査ができるという前提に立ちますと、これは放出することが、命令を待たずしてできると思います。行政指導でできると思うんでございますが、まあこれがポイントでございましょう。それから、そのときにはやはり仕入れ価格もわかるわけでございますから、安い価格でやってもらいたいということになると思います。 ただ、商社というものは幾ら物を持っているかということが問題でございまして、やはり商社だけでなくて、卸売り商、小売り商、あるいはその他のものも、それから商社という名のブローカーみたいなものがあるわけです。いろいろなそういうものに広範にわたりますものをどういうところにポイントを置いていったらいいかということで、通産省としては、世間の思惑を一番大切に思ういわゆる紳士としての商社ですね、そういう意味で六商社を選ばれたんだろうと思うのですけれども、そういうことが私は非常に効果的だと思うのです。効果的だと思うのですが、問題はやはり立ち入り調査でございまして、これができますには法律を要すると思いますので、私ども十日にすでに国会に出しております法律を、できるだけ早くあれを通していただいて、そしてそのことができますようにおはからいいただきたい。 今後二度とこういうことができないようにするにはどうしたらいいかということですが、実態的な面からいうと、それでびっしり始末をいたしまして、非常にはずかしいと、こういうことをやったら社名にもかかわるし、今後の営業がうまくいかぬというようなところによって良識に待つのが一番よろしかろうかと思うのです。しかし、根本はインフレ退治でございます。こういうことがないようにするには、過剰流動性をはじめとするもろもろの、いままで幾つか問題になっているそういう点を、まあ財政、金融、あるいは貿易、為替、諸政策を通じてインフレを起こさないようにしていくということが根本であることは言うをまちませんが、さように考えております。
○渡辺武君 立ち入り調査をするまでもなく、それはして、調査したらけっこうだと思います。しかし、通産省は、いずれにしても、みずから不十分だと言っておられるけれども、しかし、これだけの調査をされて、そして先ほども申しましたが、少なくとも買い急ぎ、つまり別のことばで買い占めをやっているという物資があるということまで言っておられるわけですね。その際、法の成立を待たずして、直ちにこれはもう放出すべきじゃないかというくらいの勧告は私はできると思う。今度の法律だって勧告程度のことでしょう。ですから、そのくらいのことをおやりになってぼくは当然だと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(小島英敏君) やはり一番効果的なのは、値をさますことだと私は思います。それで値が下がり始めますと、これは大きなところも小さなところも、もっと下がっていくという見通しが出てまいりますと、どんどんやっぱり放出せざるを得なくなる。これはやはり非常に大きなところだけでなくて、こまかいところも含めて非常にたくさんの主体がそういう行為をしているわけでございますから、やはり一つ一つのものを放出勧告するということよりも、値をさますことによって、経済法則に従って放出せざるを得なくなるようにするということが最も基本的な対策であると思います。
○渡辺武君 値を冷やすのにどうしたらいいかと伺っておる。そのためには、買い占めてあるものを放出するように勧告なさったらどうかと申し上げている。
○政府委員(小島英敏君) やはり根本原因が、買い占めのもとは過剰流動性であると私は思います。その意味で、最近非常に大幅な公定歩合引き上げも行なわれ、金融引き締めに基本的に転換いたしたわけでございまして、すでにその効果が大豆にも出ておりますし、繊維、羊毛、その他の繊維の相場についてもすでにあらわれ始めておる。ピークを過ぎてどうやら反落傾向に入ったというふうに私は思っております。
○渡辺武君 いまおっしゃったその大商社の手元流動資金ですね、これは通産省の調査もございますが、この六社でどのくらいあることになっておりますか。
○説明員(棚橋祐治君) お答えします。 私どもの調査では、大手六社、昭和四十六年八月以降リーズ資金が約四千三百億円、企業間信用の短縮等による資金が約五千二百億円、合計九千五百億円商社に流入したと思われます。それで、この資金のうちで現預金の増加が約三千六百億円、流動性の高い有価証券に振り向けられたものが約三千億円、昭和四十七年九月末現在で両方合わせまして流動性の高い資金として商社に滞留していたと見られる金額は合わせまして約六千六百億円と見ております。
○渡辺武君 私が大手十社について大蔵省に御調査いただいておりますが、現預金残高と、それから運用有価証券残高、これの四十七年九月末現在、合計幾らくらいになりますか。
○参考人(渡邊孝友君) お答え申し上げます。 四十七年九月末現在で、十大商社の現預金残高は一兆二千四百十九億円、運用有価証券残高は四千六百二十二億円でございます。
○渡辺武君 合計すれば一兆七千億円をこえるばく大な手元流動資金が大手十社にある。こういうばく大な手元流動資金がある以上、なかなか放出しないですよ、これは。そうでしょう。これは長官もおっしゃいましたように、やっぱりこの手元流動資金ですね、だぶついている、これを吸収する策を講じなければいかぬと思うんですがね。その点について、私、なお伺いたいんですけれども、同じ昭和四十七年の九月末で、この大手十社の金融機関借り入れ金の残高はどのくらいございますか。
○参考人(渡邊孝友君) 五兆二千三十五億円となっております。
○渡辺武君 なお、ついでに、日本銀行の主要企業経営分析でわかると思いますが、大手商社の自己資本比率はどのくらいになっておりますか。
○参考人(渡邊孝友君) 申しわけありませんが、ちょっと手元に資料ございませんので……。
○渡辺武君 お願いしておったが、間に合わなかったんでしょう。私ここに持っていますけれども、これを見てみますと、大手商社十八社ですけれども、自己資本比率がわずかに四・〇五%、これは昭和四十六年の下期の統計です。つまり、自己資本はわずか四%、残りの九六%は、これは金融機関その他からの借り入れでもってまかなっているというのが大手商社の実情だと思う。その金融機関の借り入れ金が、いまおっしゃったように、四十七年九月末で五兆二千億円をこえている。膨大なものですね。このばく大な借り入れ金こそ、これが大手商社のいわゆる手元流動性、手元流動資金の最大の源泉になっている。これが買い占めにも回っている。ですから、この手元流動性を、これを吸い上げない限りは、大手商社は、なかなか買い占めたものを放出するなんということは、私は事実上できないと思う。この手元流動資金の吸収、これをどんなふうにおやりになるのか、その点を伺いたいと思います。これは、経済企画庁長官、どうですか。どうお考えですか。
○参考人(渡邊孝友君) 過剰流動性の吸収と申しましても、基本はやっぱり金融を引き締めるということにあると存じます。そこで、昨年の十月以来、内面指導としまして、都市銀行に対しては、彼らの立てた貸し出し計画の計画を厳守するようにというような指導もしておりましたけれども、この一月から、はっきり引き締め態勢をとりまして、御承知のとおり、準備率を一月と三月の二度引き上げ、また、このほど公定歩合も引き上げたわけでございます。 この流動性でございますけれども、私どもとしましては、現に持っている預金残高の多寡ということも問題でございまするけれども、それ以上に、企業が今後あるいはその時期において資金を容易に借りられるか借りられないか——よくアベイラビリティと申しますけれども、それがむしろ流動性の実体をなすものだと考えております。そういう意味で、流動性は、経済規模——商社にしても取引活動が逐次拡大しておりますので、かりにいまのままであっても、それ以上供給がなければ相対的にはどんどん過剰度というものは落ちていくと考えますが、そこに新規に資金の借り入れということが非常に困難になるといたしますと、現に持っている金の使い方も非常に慎重になる。そういう意味で、金融引き締めを実施しているわけでございます。特に商社につきましては、この一−三月からは特に異例ではございますが、商社向け貸し出しを特にきびしく押えるということで、一−二月、四−六月と、ますます強めて貸し出し増加を押えるようにいたしておりますし、そのほか、商社に対する手形割引、日本銀行の手形割引並びに借り入れに対します限度を定めたというようなこともいたしておる次第でございます。
○渡辺武君 いま御説明がありましたけれども、いまの御説明をずっと伺っておりますと、これからふえる貸し出しなり、あるいはまた手形の買い取りもしくは割引、これの増加を押えると、こういうことなんですね。しかし問題は、これから借りなくても、ばく大な金を借りて、もう手元に資金がだぶついちゃって、これの使い道に困って、と言うと語弊がありますが、それで買い占めをやってるんですよ。これから貸し出しをふやすのを少しにする、その少しのしかたも、大体一般的な増加率並みぐらいに押えていこうという程度のことでしょう。そういうことでは、いま商社の手元にだぶついている資金、これは依然としてだぶついたままで残る。さらに若干はそれにプラスされてくる。こういうことになるんじゃないでしょうか。私が伺いたいことは、予算委員会の総括質問で明らかにしましたけれども、大手商社十社に対して政府の金融機関が非常に多額の融資をしている。四十七年九月期で海外経済協力基金から大手十社だけに百三億円、それから輸出入銀行から五千四百七億円、合計五千五百十億円もの融資が行なわれている。その金利を聞いてみると四%から五%程度だ。たいへんな低金利だ。いま中小企業関係の政府の金融機関の標準金利は七・七%でしょう。大手十社で金があり余って投機までやっている連中に四%、五%程度の低利融資をがっぽり貸している。これが、私は直接か間接かは問いません。しかし、大手商社の資金だぶつきの大きな原因になってこれが投機に回ったということは、これは否定すべくもない事実だと思う。もし政府が本気で手元流動資金の吸収ということをおっしゃるならば、まさにこの政府系金融機関のこの大手十社に貸しているばく大な低利資金、これを返済さしたらどうだろうか。これが一番有力なきめ手です。一方で買い占めた物資の放出勧告をしておいて、そうして貸した金を引き揚げていく、こうすれば必ず手放さざるを得なくなるんじゃないでしょうか。名案だと思いますけど、どうですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) いままでお話しになった中で私が非常にこの点はと思いますのは、自己資本比率が四%であるということですね。大体わが国の企業の自己資本比率というのは非常に低いということを言われておりましたが、二〇%見当というふうに言われておったのが、ここへ来て非常に下がってきた。四%であるということは、逆に申しますれば、銀行借り入れというものが非常に多いということです。いまだぶついている商品を持っていると言われまするところも、もとをただせば、自分の金で物を持っているのじゃなくて、借金で持っているということですね。ですから、その点で、日銀のほうからいまお話のありました、金融を締めていけば物が出ていくという考え方は、やはり私は正鵠を射ているというふうに思います。問題は、その締め方である。そして、それに対して物が出ていくように私どももできるだけ誘導するようないろいろな方策をとらなければいかぬというふうに考えます。 それから、ただいま御指摘の輸銀あるいは基金において相当な政府資金が出ているじゃないかということでございますが、これは、実は輸銀はしばらくおいて、基金のほうでございますと、非常に長期な、しかも先方の開発途上国に対する実質的な援助でございますので、その援助を、たまたま先方の土地においていろいろな知己を持ち、基盤を持っている商社を通じてやっておるのものでございますので、これはおそらく全然利益といものはないと言ってよろしいんじゃないかというふうに思うわけでございます。その意味において、基金の利子は四分台であるということであると思いますが、中小企業と御比較になりましたけれども、いまそれはまさに低いので、特利でも六分二厘でございますから、低いことは事実でございますが、事柄の性質が違うという点で、これはひとつ御理解を願いたいと思います。輸銀のほうも、これはやはり一つの延べ払いの形式でございまして、どうもそういうことをとって日本の海外経済協力なり輸出の増進なりを国策としてやっておったわけでございます。これをにわかに、急に返せということを言うことは、これはなかなかむずかしい問題があると思いますけれども、しかし、なお現今の情勢にかんがみまして研究はさしていただきたいと思います。
○渡辺武君 検討されるとおっしゃるので、けっこうなことだと思います。私は、やっぱり問題は、政府がほんとうにやる気があるかどうかということだと思うんですよ。また、いま言ったように、たくさんの金、低利で貸している、実際。これは、この大手十社の長期借り入れ金の中の三一・一%を占めている。輸出入銀行全体の貸し出しの中で約二八%。これがわずか十社の大手商社に行っている、こういう状況ですよ。大企業優遇もいいところだと私は思う。これが悪いことをやっているんですよ。反社会的な行為、国民の生活を守っていくために買い占めた物資を放出したらどうだと勧告して、そうしてそれと同時に、貸した金、これを吸収したらどうですか。これが一番のきめ手になりますよ。 同時に、私は、これは政府だけじゃないと思うんです。日本銀行もこの大商社の投機にはやはり責任があると私は思う。これも私、この前の総括質問の中で明らかにしましたけれども、伺ってみると、二月末の一兆一千四百四十八億円の輸入資金貸しというものを日本銀行がやっておる。この輸入資金貸しというのはほとんど商社に行っているんだ、こういう話でした。そのうちの大部分はおそらく大商社だろうと思います。それからまた、昨年の十二月二十五日現在、買い入れ手形、割引手形、約一兆円ありますけれども、このうちの四一・四%、これはやはり商社に行っている。このうちの大部分は私はやはり大商社だと思う。こういうことで、しかも金利は、当時ですから四・二五%、公定歩合でやっておられる。こんな低利の金をどんどんつけたら、それは投機だって自由自在にできるようになりますよ。この点は私は日本銀行として責任を持って解決しなければならぬと思う。この社会悪を起こした責任はあなた方に一半があるんですよ。いま伺うと、これからの貸し出しを少なくするんだと言って、市中銀行に窓口指導でもってぎゅうぎゅう締めているけれども、あなた方自身がそういうことをやらしていた。一体これをどうなさいますか。貸し出した金を回収させますか。また、割り引いた手形、買い入れた手形、これを商社にまた買い取らしたらどうですか。こうすれば過剰流動性というのは吸収できます。どうですか、おやりになりますか。
○参考人(渡邊孝友君) ただいまお話しの輸入資金貸しというものがほとんど商社に出ているということは事実でございますが、まずこれについて申し上げますと、これは商社の現実の資金には何もならないものだと考えております。と申しますのは、結局、従来外国銀行から借りておりましたもの、輸入がありまして、それでユーザンス信用を商社に与えるというときに、従来は外国からドルを借りておったわけでございます。それがむしろ外為会計に売られるということがございましたので、日本銀行から円を貸しまして、そしてその円で銀行は政府から外貨を買う、それで外国に決済するということでございますので、少なくともその部分については、商社の国内資金というものには何にもならないと思います。ただ、それによって輸入が円滑に行なわれているということにはなると思います。一種の制度金融としまして、それだけ輸入が行なわれている。そういう輸入しますのが、どうしても大部分が商社だということになるわけでございますので、その点は商社の過剰流動性問題とは直接関係のないように存じます。 それから、日本銀行が割り引いたり、あるいは市場から買い入れている手形の中に、商社が、先生御指摘のとおり、わりあい高い比率を占めていることも事実でございますが、これはどうも私どもの考えとしましては、日本銀行が市中銀行から買ったり、割り引いたりするのでございますが、そのことと市中銀行が商社に幾ら貸し出しするかということとは直接関係はないのでございまして、市中銀行としては一般にいろんな貸し出しをしております。そして一時的な資金の過不足を日銀なり市場から資金を調達するというときにどういう担保を持ってくるかということでございまして、通常日銀から借ります場合には、まず国債担保というようなことが一番簡単でございます。しかし、割り引きとか市場に売るということになりますと、手形、それも古い観念かと思いますが、商業手形中心主義というのがかねてございまして、だんだんに改めておりますけれども、とにかく自動決済性のある手形のほうがいいということでございまして、日本銀行が割り引いているから、それだけ商社に貸しているというのではございませんで、商社に貸している手形などのうちの一部を持ってくるということでございます。ただ、それにしましても、日本銀行の割引残高が特定の商社にあまりに集中するというようなかっこうになってはいけないということ、並びに銀行の商社に対する資金繰りの把握を強めるというような観点から、商社別の割引限度を設けたのは先ほど申し上げたような次第でございます。 そうして、今後どう対処するかでございますが、これには、厳重に商社貸し出しを押える。もちろん返す余裕、余分なものは回収するというのは当然でございますけれども、現実は、すでに商社として今後必要と見られる資金を、なお借り入れをふやしたいというような希望が強いようでございますが、これは非常に厳重に押えまして、むしろいわゆる過剰流動性の一部になりますか、運用有価証券を売りに出すとか、そういうことで手元をくずさなければならない。商社としましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、いま幾ら、何億円持っているかということよりも、今後借りられるかどうかということが非常に重要なことでございまして、金融情勢いかんによりましては、この間通産省のお調べもありまして、流動性がふえたという原因の一つであります企業間信用も直ちに逆の動きをしてまいりまして、すぐそれに食われるという懸念もいたしておりまして、そういう意味では非常に慎重、かつ手元をだんだんくずしていかなければならない、そういう情勢にあると考えております。
○渡辺武君 いまの御説明は納得でさないことばっかりでして、時間があれば十分にその点も伺いたいと思うのですが、時間もないので、一、二点だけ申し上げておきますけれども、たとえば輸入資金貸し、これが商社の手元流動資金を豊かにしたと思わぬということをおっしゃいましたけれども、商社が自分で持っている資金で決済をするという場合と、それから外銀から借り入れるなり、あるいは日銀から輸入資金貸しとして借り入れなりして決済する場合と、これはやはり違います。 それからもう一つは、手形の担保の話ですけれども、担保の問題も、これも結局のところ、商社というのは、三菱商社は三菱銀行、三井物産は三井銀行、みんな大きな系列銀行と固く結びついて、株の持ち合い、あるいはまた人間の交流、固く結びついてやっていますよ。ですから、そこから手形が来た、これを担保にして貸し出した、これはもう当然大商社に直接流れていくことは明らかです。さらにはまた、あなた方担保のことばっかり言われたけれども、買い取り手形というのをやっているでしょう。これも商社の手形が非常に多い。これなんかだって、銀行にその金は最初に行くでしょうけれども、しかし同時に、これはやがては大商社に行く、そういう仕組みになっているんじゃないでしょうか。ですから、やはりいままでの日本銀行の、端的に申しますと、大企業本位の放漫な金融政策、これがやはり今度の大商社を先頭とする買い占め、騰貴、インフレの悪性化、これの大きな原因になっているということを十分に考えて今後の金融政策をやっていただかなければならないというふうに私は思います。その点はこの前総裁にも申し上げましたけれども、重ねて、あなた方の責任として十分に検討していただきたいと思うんです。 それで、もう時間も余すところ、ほんのわずかですけれども、次にインフレ対策について二、三点だけ伺いたいと思います。 私は、いま大商社の過剰流動性の問題を申しましたけれども、これは、経済企画庁長官もおっしゃったように、大商社だけじゃない。ほかの大企業、これもたくさんの過剰流動性を持っている。ここに、いま日本でいわれている過剰流動性問題の最大の根源があるというふうに思いますが、この過剰流動性というのは一体どうして生まれてきたのか、この日本の国全体の過剰流動性、この問題を解決するためにはどういうふうな政策をおとりになるおつもりか、これを長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 最初に、やはり日本が国際的な通貨の変動になずまなかったという問題があると思うんですが、一昨年の八月から、市場を締めないでドルを買いささえたと、固定相場制を堅持しようとしたというところに問題が胚胎したと思いますけれども、あの当時から四十七年度にかけて約五兆円の外為の資金の散布があった。それから、それがやはり起爆剤ということになりますでしょうが、やはり現金を持っているわけですから、それが銀行の貨し出しを非常に刺激したと思います。一方、まあ不況からの立ち直りという、その考え方がそのまま四十七年の中ごろからあと、非常に景気が立ち直ったあとにもそのままに考えられておって、銀行の貸し出しがどんどんふえたということで、膨大な銀行の貸し出しが依然として行なわれたというところにやはり問題があろうかと思うわけでございます。やはり外為会計のしりが六兆円、二年間ででき、銀行の貸し出し増が三十兆円出たという、全体がやはり過剰流動性を生んでいると思うんでございますが、やはりこの点は、もういまよく一般に理解されておると思いますし、それから今回の為替の問題についてはフロート、変動相場制をとっておるわけでございます。この意味で、クリーンフロートをやっておる限りにおいては、それからのドルの買いささえというもの、したがって円資金の散超というものは出てこないわけでございます。これは一昨年来のような問題はいま出てないですね。そこで問題は、やはり財政金融の、あるいは貿易政策まで加味したポリシーミックス、それにこの為替のフロートを組み合わせた対策が必要であるというふうに思っておるわけでございます。やっぱり現状認識というのはそこだと思います。
○渡辺武君 私、このマネーサプライ等の推移という表をつくっていただいておりますけれども、これでお答えいただきたいんですが、従来の昭和三十五年から四十七年までの実質GNPの伸び率ですね、つまり経済成長率、それから現金通貨、預金通貨を加えた総通貨の各年の伸び率、これを比べてみて、経済成長率よりも通貨の増発率のほうが低かった年は一体何年と何年でございましょうか。
○説明員(徳田博美君) 実質GNPと総通貨の伸びの関連で申しますと、GNPの伸びを総通貨の伸びが下回った年と申しますのは、過去三十五年以後、四十三年がございます。
○渡辺武君 経済成長率に比べて通貨の増発率が、いまおっしゃった四十三年が低くかった。それから、いま御答弁がなかったんですが、三十九年も通貨の増発率のほうが低い、こういう状況です。あとは、この十二年間の間に経済成長率を通貨の増発率のほうがずっとこえてる。長官、この点をよくお考えいただきたいと思うんです。つまり、日本の金融政策、信用政策というのは、これはインフレ政策をずっと一貫してとってきた。そうでしょう。経済成長率よりも預金通貨、現金通貨の増発率のほうが大きければ、これは資金がだんだんだぶついて、ついに今日のような事態になることは明らかなことです、これは。しかも、昭和四十六年と四十七年、この年には異常と言っても差しつかえないほどの通貨の増発率。実質GNPは四十六年に六・二%しか伸びないのに、総通貨は二九・七%伸びている。四十七年は実質GNPが九・二%しか伸びないのに通貨のほうは二四・七%伸びている。この異常な通貨の増発の中には、長官も先ほどおっしゃったように、それは外為会計の円の払い超、外貨の急速な流入に伴う、そういう事態があったこと、これは明らかですけれども、それだけに解消することができないというところに一番大きな問題があると思う。この点を踏まえて、今後のインフレ政策、これを物価政策の基本に置くべきだと思いますけれども、どうでしょうか。 同時に、今度の大商社の買い占め、これは一種の独占価格です。輸出の五〇%、輸入の六〇%をわずか十社がひとり占めしている。こういう事態があればこそ、輸入物資を中心として大商社が買い占めて値段をつり上げる。これは、あなた方のことばで言えば寡占価格とおっしゃるんでしょう。私どもはこれは独占価格と言っている。この独占価格、これを押えることとインフレを押えること、ここに物価政策の基本を置かなければ物価の安定というものはできないんじゃないでしょうか。その点、どうお考えになりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私も、実は他の機会でマーシャルのKということを問題にしたことがございますのですが、私もそういう考え方を多少持っておるものなんでございます。ところが、そういう考え方は少しもう古い、フィッシャー以来の貨幣数量説のような考えはもういまやケインズ時代に適さぬようなことと考えられておったわけですけれども、これは半世紀になって、よろしいのじゃないかというふうに思っております。やはり、通貨量と物価の関連、通貨の量と流通速度と物価の関連というものはやはりきちんと頭に置いて財政金融政策を考える必要があろうというふうに思っております。 ただ、この商社の問題は、これは多少おっしゃるような、大商社が相当部分の貿易を一手に握っておるというふうに言われる点はわかりまするけれども、ただこれが、やはり貿易によって立っている日本としては、非常にある時代には日本を救った体制であったということは言えると思うのでございます。ただ、その体制を無批判に続けることがいいか悪いかは別でございまするが、これを否定することはやはり今後において問題があろうかと。やはり、国外との、資源のない海に囲まれた日本が貿易によって生きていく上には、できるだけ能率のいい体制を持つことは必要であると思いますので、まあ、行き過ぎの点は十分改めさせなければならぬと思いますけれども、商社性悪説のようなもので、ことに大商社、大商社と言って、これがすべて悪の根源であるように持っていくことは、これは非常に悔いを残すことになるというふうに思いまするので、その点は、悪い点は改めさせ、よい点は伸ばしていくということを考えざるを得ないと思っております。
○渡辺武君 私の伺った趣旨がよく御理解いただけなかったと思うので、重ねて申しますが、いままでの政府の物価政策をずっと見ておりますと、そうすると、物価値上がりの原因は、これは中小企業や農業の生産性の低さ、それからまた労働者の賃上げにある、こういうことを盛んに強調されて、そして流通の近代化だとか、あるいは低生産性部門の生産性の向上だとか、あるいは、ときどきは賃金の抑制などもほのめかされる。結局、物価値上がりの最大の犠牲者に責任を全部なすりつけてこられたということが私は特徴だと思うのです。しかし、現在われわれの目の前にあらわれているのは、大商社の買い占め投機を中心とする異常な物価急騰ですよ。従来私どもが主張してきたように、大企業の独占的地位に基づく価格のつり上げ、つまり独占価格とインフレーション、これを押えることこそが物価問題の解決の最もポイントじゃないかと、そういうことを伺っているのです。今後そういうふうになさるかどうか。
○政府委員(小島英敏君) 私どもの解釈によりますと、独占価格と申しますのは、ある業界の中で圧倒的なシェアを持つような企業ができて、これが自由な競争に基づかないで管理的な価格を決定して支配するというのが独占価格かと思います。寡占価格と申しますのは、数社の比較的少ない企業に生産等が集中して、その間で競争的に価格形成が行なわれている限りは、これは私は健全な動きだと思いますけれども、数が少なくなってまいりますと、どうしてもお互いの横の連絡がとりやすくなって、一種のやみカルテル的なものが出てまいる可能性が高くなる。これは非常に警戒を要する点でございまして、これは独禁法の健全な、厳正な運用を通じて、そういうことにならないように十分に注意していかなければならないというふうに思っております。したがいまして、現在の思惑に関連した商社の動きというものは、これは実は横の連絡はないわけでございまして、お互いに自分のところがもうけようと思ってやっているという面でございまして、普通のいわゆる独占価格、管理価格の動きとは、やや違うものというふうに考えております。したがって、やはりこれは正常なオーソドックスな物価対策、先生もおっしゃるような、やはり通貨面、金融財政等を通ずる総需要調整、特に商社の場合は、先ほどお話に出ましたように、非常に自己資本比率が低いということは、それだけ金融引き締めによって商社の手元流動性を縮めさせる有力な武器が残されているというわけでございますので、この面から経済法則的にどうしても放出せざるを得ないようにしていくということが、価格の鎮静化を招来する一番有効な手段であるというふうに考えるわけでございます。
○渡辺武君 長官の御答弁を伺います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私の申し上げ方が足りなかったと思うのでございますが、商社のいまの十社でございますか、いずれも圧倒的な力を持っておるというのは、そのことによって寡占価格ができているというふうには私は思いませんのでございます。やはり、商社は大いに競争し合っているのでございますから、その競争を排除するような仲間うちの話し合いがあるということでございますれば、これはそこに寡占価格ができてくる問題があると思いますが、そういう点とはむしろこれは逆であると思います。ただ、非常に少数の商社が力を持って、それが国民経済的に大きな影響を持つような資力を背景に、弱い一般の国民消費者に対して不利益を与えるという面であれば、それはその商社の行動自体を反省してもらわなければならないし、改めさせなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。 それからインフレーションの問題については、これはもう全力をあげて押え込まなければならぬということは、私、全く渡辺委員と同じ気持ちを持っております。ただ、その方法につきまして、やはり低生産性の部門がわが国にあるということはこれは現実でございまして、流通過程に相当に経費が吸収されるということも現実でございますので、これを近代化して生産性を上げていくということは、これはまあ一方別の問題として考えていかなければならぬことだと思っております。ただ、それがあるので、そういうことがすべてであって、他の対策は要らないのだというふうには私ども考えておりません。いろいろな点で、いまの商社の持っている、あるいは流通過程のいろいろな部門で、仮需要からして持っている、そういうものを吐き出させて、そうしていまの異常な物価高を押えていかなくちゃならぬという点については、あらゆる手段を尽くしてそれに立ち向かっていくというふうに考えていることを申し上げたいと思います。
○主査(川上為治君) 以上をもって経済企画庁所管に関する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十五分散会