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71回国会参議院1973/04/07

予算委員会第四分科会 第3号

発言数
277
登壇者
29
会派数
5
開催日
1973/04/07

会議録

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。  この際、分科担当委員の異動について報告いたします。  昨日加藤進君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が、また、本日藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として辻一彦君がそれぞれ選任されました。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 昭和四十八年度総予算中、科学技術庁所管を議題といたします。  前回の会議と同様、政府からの説明を省略して本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 三月三十日に原子力委員長、科学技術庁長官が再処理工場について、廃棄物を、放射性物質を出させないようにする、ゼロにすると、こういう発表があって、翌日の新聞に出ております。私これを見て、廃棄物をゼロにする、そういう記事を見まして、これはたいへんいいことだと、こう思ったわけです。  そこで問題は、これは従来許容量以内ならばやむを得ないという考え方からゼロにする。ゼロにするというほうへの政策の転換を意味しておるのか、あるいは、この間三月に日本原子力産業会議があって、そこでアメリカのゼネラル・エレクトリックのほうから、再処理工場のクローズド制についての発表があったと。アメリカもこうやったから、日本もあわててそれに飛びついたのか、そこらは一体どうなのか、まずそれを伺いたい。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま辻先生のお尋ねの点でございますが、私が新聞に話したところ、それが非常に大きく取り上げられまして、皆さんからそれについての真意は一体どうかという御質問を受けております。ただいまの辻先生の御質問も、全く、その方向の転換ではないかという御質問だろうと思います。新聞の表現の問題でございまして、これは新聞が、その取り上げ方は表現の自由でございますから、いろいろな書き方をしたと思うのでありますが、私は原子力委員長に就任以来、とにかく放射性廃棄物というものは、できるだけ低くしなければいけないということを強く考えまして、それを原子力行政の上に反映をしたいという念願を持っております。実は原子力委員長に就任するまでは、それほどの知識もございません。ただ、一般の文書等によって知っておる程度でございましたけれども、とにかく原子力行政という、非常に厳粛なる仕事をお預かりさしていただく以上は、とにかく、アズ・ロー・アズ・プラクティカブルといいましょうか、できるだけ低くしていきたい。   〔主査退席、副主査着席〕 理想はゼロにしたいという念願を持って進むべきであると。ICRPの基準がこの程度だからよろしゅうございますというのではなくて、それを下回る、いや、そうじゃないのだと、ゼロにしたいのだという気持ちで進むべきであるというふうに考えております。そういう意思を、私は、この再処理工場の質問にあたりましてお答えをいたしましたので、それが大きく取り上げられたのだと思いますが、特に、にわかに方向の変換をしたという意味でも私はないと思います。しかし、私はそのゼロということに向かって、全力を尽くすべきじゃないかと。ただいま辻先生御指摘の原子力産業会議の国際会議がございました。そのときに弔いまお話しの、このゼネラル・エレクトリックがそういう新しい技術を開発したと、しつつあるんだというか、あるいはしたというか、そういうことを聞きましたので、私は、この技術も取り入れられるものならば、とにかく金に糸目をつけずに取り入れるべきじゃないかという考え方を持っております。また、この間名古屋で原子力学会がございましたけれども、その学会において東大の先生がそういう新しい技術を発明された、開発されたということを聞きましたので、この点もわれわれとしては積極的に取り組んでいくべきじゃないかという考え方で、できるだけ新しい技術も採用して、そうして現在の程度でこの程度ならだいじょうぶでございますと、いやできるだけ低くしますと、いやゼロにしたいんだという姿勢をとにかくあらゆる機会を通じて強く打ち出していきたいという気持ちがおそらくこの間の新聞の発表になったんだろうと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私も簡単にやりますから、一時間ですから簡潔にお願いしたいと思う。  そこで、転換でないというような意味合いにもいまの発言がとれますが、しかし、いままで許容量以下であるということがあらゆる場合の基準として使われておった。それがゼロになるということは私は非常に大きな変化であると思いますが、これはどれだけの放射能が大気中に、あるいは水中に、あるいはほかに漏れる。それに対して許容量はこれだけだから、これ以下だからいいんだという、常に許容量を基準にして考えておった判断が、長官のこの発表によって少なくもゼロを目ざすということになれば、私は、これは大きな転換であると、こういうように思わざるを得ないと思うんですが、その点をもう一度確認したいのと、もう一つは四月の四日ですか、衆議院の科学の委員会において公明の近江議員に対して答弁がありましたが、これも原子力発電所の施設についても同様ゼロを目ざすと、そしてここに、「総理に詳しく説明をし、政治姿勢としてすぐに実行に移したい」、こういう記事が出ておりますが、これは一体どういうことを意味しているのか簡潔に伺いたいと思う。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ゼロにするということは確かにむずかしい問題でございます。むずかしい問題でございますけれども、こういう人体に危害を与えるものは現在の基準で、現在の科学技術でいいというだけじゃなくて、できるだけ科学技術というものを開発して、ゼロにする技術を開発していただけば、それに一刻も早くそれを取り入れるという努力をしたいと、そうしてゼロに持っていきたいんだという、そのことに非常に力点を置いた私の考えでございます。  それから総理に話しするということは、私は閣僚の一人として、これは当然こういう問題がございますと、こういうふうに私は強く努力をしていきたいと、特に、この放射性廃棄物の問題はいろいろ大きく新聞でも取り上げておられますので、これはその意味において総理にもよくお話をしたい、そういう意味でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 「実行に移したい」ということばもあったわけですね。これはいいですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) それは単なる私の放言ではなくて、実行に移すというのは、すぐにゼロには私がいかに力みましてもできません。ようしません、実際。私の技術はほんとうにしろうとであります。しかし、そういう技術は現にもうすでにGEでもあるいは名古屋における原子力学会においてもそういうことの研究が相当されておるというふうに聞いておりますので、私は、その研究をすぐひとつわれわれのほうから行って調べに行こうじゃないかということを言って、近く行かしたいと実は思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それじゃ、その実行に移すというのは、すぐにはゼロにならぬ、これはわかりますよ。しかし、ゼロを目ざして少なくも実行するということは、私は、このことばを裏づける実証的なことになると思う。  まず第一に、一昨年の十一月の十七日に参議院の科学の委員会において説明員山田原子力委員が、原子力発電所の平常運転時における放射能の許容量は現地においては五ミリレム以下に保安規定を守ると、こういう発言をしておりますですね。しかし、そのときに基準にせよと言ったのについて、現地の保安規定で、まだ基準ではないといいましたが、少なくもゼロを目ざすならば、まず平常時における許容量を五ミリレム以下に基準として引き下げるべきであると思いますが、その点長官どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 具体的にどのぐらいの数量が、レベルが適当であるかというのは、原子力委員会の環境安全専門部会の環境放射能分科会において具体的な数、まあアズ・ロー・アズ・プラクティカブルの現段階における値がどのぐらいが適当であるかという検討をいまやっております。それで五ミリレム以下になるか、五ミリレムの上になるか、いま具体的な検討をやっておりまして、ただ、これは保安規定等に書かせるかどうかという問題もあわせて検討をやっておるところでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これ、まあいま検討されているのはいいけれども、少なくも昨年現場における保安規定を五ミリレム以下にすると、こう明言しているのですから、基準に私は明確に入れて、ゼロを目ざすならば、よりこの五ミリレムというものを低い値に基準として考えていくべきである、そういう検討をすべきであると思いますが、長官どうですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 確かにその姿勢は、そういうふうな姿勢で進みたいと思います。しかし、それ以下にするといいましても、技術的になかなかいますぐにはできない、おそらくその技術の面からなかなかすぐにはそういう目標が立てにくいという場合もあると思います。しかしそれでも満足できないんだと、われわれとしてはとにかくそういう努力をして、必要ならば予算もどんどん計上していこうじゃないかと、それからまた、学会あるいはその他外国でもそれが研究されれば、すぐにわれわれのほうから行って、それを調べて何とかして取り入れることができぬかという姿勢でいこうじゃないかという意味でございますので、その点御了解いただきたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それは、ぜひいま検討中であるならば、五ミリレム以下に可能なはずなんですよ。それはいま各敷地等においていろんな計算がされている量から言うならば可能なはずです。やってもらいたい。  第二は、このコバルト60が魚から検出される。たとえば、これは三月八日の日経、京都大学のこういう研究をしている若いグループが、敦賀湾の原子力発電所の浦底湾の中でとったイシダイそのほかの魚から初めて胃袋の中にコバルト60が検出された。いままでコバルト60は温排水から流れて、そして貝がらの中に蓄積をされたという例はあるけれども、魚の中に発見されたというのは初めてですが、こういうのは、それから養殖との関係もありますが、これもゼロを目ざして努力するのかどうか、いかがでしょう。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) たとえ魚であろうと動物であろうと、いずれにいたしましても、その魚を食べることによってまた影響を受けます。したがいまして、放射性物質はでき得る限りアズ・ロー・アズ・プラクティカブルというか、できるだけ低くすると、そしてゼロということを目標とするというのが私の姿勢でございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 経費がかかりますよ。たとえば、アメリカのわずか四十万キロワットの原子力発電所において温排水を冷却するために三千三百万ドル、約百億円かけている例がありますね。だからほんとうにこういうものを押えようとすれば、技術的に可能な限界に近づこうとすればたいへんな経費がかかるが、それをやはり覚悟で乗り出してもらわないと、あいまいなことではこんなものはことばだけでは私は解決しないと思うが、言われたことを具体的に裏づけるには、国も企業も経費をかけてそれをゼロに近づける努力を具体的な事実として私は実証していただきたい。その決意だけひとつ伺いたい。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま先生が単なるラッパに終わらないでとにかく真剣に取り組めという御趣旨だと思いますが、真剣に取り組みたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 第二に、私は立地問題、原子力行政のあり方に若干触れたいと思うのです。  ことしの原子力産業会議に私ちょいちょい行って聞いてみますと、大きな問題の一つは、あるいは最大の問題かもわからないのは立地問題。原子力発電所の立地の問題がいろんな困難さに直面しておると、そういうことが非常に言われておる。立地条件について状況をごく簡単に報告してください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在すでに運転が五つあり、いま許可を受けて建設中が十六基ありますが、審査中が二つあります。それから柏崎あるいは福井、北海道等において、いろいろ電力会社としては計画を持っておりますが、立地問題に地元の反対が起きて、なかなか具体的に進捗してないという状態が各地に見られておるところでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 じゃ、そのような立地の困難さがどのような理由からきているとお考えになりますか、大臣いかがですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 私は、いろいろ問題はあろうと思います。反対の理由はいろいろあると思いますが、やはり環境問題であるとか、あるいは原子力施設についての安全性に対する危惧の問題であるとか、まあ、そういう問題が大きな理由として反対されておるのではないかと考えます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ、それはずばりそのとおりであって、中にはこの核アレルギーによるとか、——私はこれはあってけっこうだと、民族的な体験ですから非常にけっこうだと思う。あるいは地元へのメリットがない、そういう声もありますが、地元にメリットを還元すれば解決する問題ではない。いま日本の場合に、特にこの大型の原子炉が集中するという非常に世界でも特徴的な傾向がある。これに対する広範な住民の環境上の安全に対する不安感、こういうものがある以上、私は住民運動が起こってくる、そのために立地が困難になる、これはやむを得ない状況じゃないかと思うのです。  そこで、わが国において非常に大型集中化が問題になっておりますが、若狭湾、福島、それから計画される柏崎の三点について、簡単に大型集中化の状況を局長からちょっと伺いたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 若狭湾におきましては、建設中を入れまして約六百万キロぐらいの集中化になっております。福島におきましては現在四百万の炉の集中になっています。それから柏崎の東電の第一期計画によりますと、六百万ないし八百万の計画を持っておるというふうにわれわれは聞いております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 ほかの国に、こういう例はありますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) ドイツのライン川河畔とか、あるいはイギリス等において集中化の傾向がありますが、まあ日本ほど、若狭湾、福島ほど、これは地理的条件等からしましても例はないと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ、イギリスの問題は去年だいぶやって、これはあのウインズケール一帯にありますが、これは炉も小さいし、若狭湾等の集中に比べれば非常に割合としては小さい、こういうことは明らかになっております。ドイツは、私は西ドイツのあれをいろいろ調べてみましたが、ドイツにおいても、このライン川における集中というのがありますが、小さな原子炉であるわけですね。で、大きなのはビブリス、GKNですか、これが大体百キロ、それからフィルップスブルグなんていいますかね、これはむずかしい名前ですが、七十キロと、大体百キロ、七十キロの三角点にこういう原子炉がある。そこで、これを見た福井県の去年四月行きました原子力視察代表団、知事を団長にして行きまして、福井県の医師会長の久津見さんがこれを見てきてこう言っていますね。「特に今回の実地見聞で感じられた事は、狭隘な地域での集中建設である。米国のミシガン湖岸、ドイツのライン河岸にその計画を見るが、何れも土地の拡大さ住民の密度において日本とは比較にならない。恐らく日本が世界のテスト・ケースになるのではなかろうか。若し将来に問題が起るとすればこの点にあるのではなかろうかと私は思う。」これは「県民ニュース」という福井県のニュースに福井県の医師会長が現地を見てのライン川を見ての実感として載っております。  そこで、アメリカの広大な地域は別としても、しかしその中にも点々としてあるにしても、こういう集中度はない。ドイツにおいてもしかり、世界にあまり例がない、こういう中で大型原子炉がわが国の数ヵ所に集中していく、そういう傾向に対して、私は広範な住民の環境や安全性に対する不安が起こるのは当然ではないか。問題は、いままでこういう不安というものに対して原子力委員会や科学技術庁がどうこたえておったか、その原子力行政のあり方が私は問われると思います。これは去年の原子力産業会議自体が、日本の原子力委員会の体質、あり方について改善を要する、こういうことを述べておりますが、この点について私はいままでのこういう原子力行政のあり方というものが批判をされる点が多々あると思いますが、この点長官は委員長としてどうですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 原子力行政における一番の大きな問題は、ただいま辻先生御指摘のとおり、いわば安全性の問題だろうと思います。それが大前提であろうと思うのであります。それがために、従来まで原子力委員会の中に御承知のように、原子炉安全審査専門審査会という審査会がございます。そうしてその審査会のメンバーは、私からちょうちょう申し上げるまでもなく、各界のその方面の専門の権威者をもって構成されておる。そうして、立地の適正あるいは設備の安全性というようなものを審査しているわけでございますが、私は、現在この原子炉安全審査専門審査会というものが安全性の確保、安全性の審査ということに相当大きい役割りを果たしてきたのではないかというように考えております。まあ、いろいろ批判もございますが、しかし、私は、安全審査体制というものを相当一生懸命にやっておる、こういうふうに考えておるのであります。いろいろ批判もございます。しかし、その点はさらにまた本年度の予算等におきましてもわずかではありますが、専門職員を一名増員するとか、あるいはコンサルタント制度を設けるとかいろいろなこともやっております。それからまた、原子力委員会に現在六人の委員のうち四人が常勤でございますけれども、それを一名増員をいたしまして、原子力委員会常勤委員を五名にいたします。まあ、わずか一名の増員じゃないかということでありますが、この一名の委員は安全、環境を専門に、特にそれについての造詣の深い人にやっていただくつもりで、実は現在考えているということでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ、私はもう少し反省点をあげてほしいのですが、それはこれから論議の中で確かめたいと思います。  環境問題をどう考えておったかということについて若干伺いたい。  第一は、水、生活用水あるいは環境における水の問題。一つは、PWRの最大、大飯の百十七万五千キロワット、これの審査にあたって、これは海水淡水化が協定書の中に入っておる。ところが最近関西電力は海水淡水化は高くつくので、水を佐分利川からほしい、こういう話をいろいろしているということを聞きますが、佐分利川の水がほしいということは、これは非常に問題がある。いまごろこういうことを言い出すのは問題があると思いますが、局長どうですか、環境について、こういう点をどう審査をされたか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大飯発電所の取水につきましては当初佐分利川から取る計画でありましたが、その後の検討によって海水の淡水化をやって確保するということに修正になって、安全審査においては淡水化を主体に審査が行なわれて許可になったわけでございます。ただ、佐分利川から取るということを全然やめて、全然とらないというふうにはなってない。主体が淡水化であるというふうにわれわれは聞いております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いまごろ関電が、淡水化は高くつくから、まあ全部でないにしても佐分利川から水がほしいと、こう言っているというんですが、これは、いまあの地区では、運輸省が若狭湾の大規模レクリエーション開発でヨット・ハーバーに数十億のお金を地元と一緒にかけていま広範なリクエーション基地をつくろうとしている。水が一番問題になっておるんですよ。あそこのいわゆるそういう海洋性の九十九里浜と並ぶようなレクリェーション基地をつくる場合に水が一番問題になってくる。そういう水の必要度とか、いろんな点について私はやはり安全審査専門審査会は、やはり十分な審査検討がされてなかったと、こういうふうに思わざるを得ない。だから、いまごろ関電がまたそういうことを言い出しておる。その点どうですか、簡単に。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大飯の発電所の水は、海水淡水化を主体にして、ただ事業者としては、地元の了解を得れば佐分利川の取水も考えるという考え方のようでありまして、これは当然地元の了解を得るということが先決の問題だと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 そういういまごろ川の水が要るんだということを言い出してくるその裏には、やはり生活用水、農業用水、そういう水の問題が、工学的原子炉の安全性のほかに、そういう大事な問題があるということが、やはり十分私は審議をされてなかったんじゃないか、こう思いますね。  二つ目の例として伊方の発電所がありますね。これについてもいまいろいろ問題が出て、この水は困るという、これについて四国発電のほうは方針を出しておるようですが、これについても私は十分な審査がされてなかったと思うんです。この点どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 四国電力の伊方発電所の水につきましては、当初、保内町の宮内川、喜木川からの下流水を取るというので、そして、これは第一号炉に関してはパーデー・千トンということで、この地下水を十分確保できると、われわれは県なり地元のいろいろなデータによってそれで許可をしたのでありますが、ただ、県当局の考えとして、地元にいろいろ不安感があると、そういう地元民の水に対する不安感の解消、それから近くまた二号炉も考えておるようでありますので、そういう長期的な見地から考えると、この際大飯発電所のように、海水の淡水化に踏み切ったほうがいいんじゃないかという県知事からのアドバイスもありまして、四国電力としては、そういうふうに変更して、いま変更申請が出ておるところであります。これはまあ水の問題としてはいい方向に修正になるので、地元にあまり問題を起こさないという形ではいいほうの修正だと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私は、それで原子炉の一部設置許可申請が出るわけですね。これが出るということは、水の問題について安全審査専門審査会が十分に考えていなかったということを裏づけていると思うんですよ。それは機械的にはかってこれぐらいあるだろうと、こういうことで結論出しても、住民の人が農業用水や生活用水に対する、そういう水への問題というのは非常にやはりむずかしい問題があるわけですね。そういう住民感情や、あるいは住民の希望や、こういうことがやはり十分審査会の中で考えられていなかった、そのことを裏づけている。これがいまになって、四国電力が淡水化に踏み出して、原子炉の一部設置変更を求めなくちゃならない。これが私は事実じゃないかとこう思うんです。これは伊方の安全審査の専門委員の環境担当の宮永一郎委員が、この地元の住民と、いろんなトラブルといいますか、若干のいざこざがあったあとであると思いますが、確認書を書いていますね。それを見ると、水の問題については十分考えなかったということを確認書に言ってますよ。たとえば「確認書(伊方原発に関して)  水問題に関して調査は不充分であった。  住民の意思を無視して許可したのは不当である。」「水問題に関する安全性は認られず、したがって今回の認可は不当である。」と、こういうふうにしてですね、まずあとのほうは別として、水の問題に関して調査は不十分であったということを去年の十一月二十一日、原子炉安全審査専門審査会伊方部会審査委員の宮永一郎氏は確認書を書いている。それから、同じく伊方の調査委員であった藤村さんという方が、やはり「淡水の取水による住民生活に対する影響についてさらに十分調査することが必要であり、住民の生活権をうばってはならない。」「一般的に原子炉環境の問題として水問題を調査する必要がある。」「安全審査委員会には住民から提出された資料が提出されなかった。安全審査委員会は住民から資料を要求しなかったことを認める。」こういうふうに、まあ、これは私は、どういう状況の中でこの確認書が書かれているかは、はっきりは、詳しく把握はしていませんが、しかし、水の問題についてきわめて調査が不十分であり、審議が十分でなかったということは、私はこの中からうかがわれる。全然こんなことが全部無理ない、何でもないことなら、こういうものは私は出ないと思うのです。これを私は見て、やはり生活環境、用水、水等に対する審議あるいは検討というものが、原子炉の工学安全性のみに中心が置かれてきわめて不十分であると、こう言わざるを得ないと思いますが、長官その点いかがですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいまの伊方の問題でございますが、どういう状況下におきまして宮永さんがお話しになったか、私案はつまびらかにいたしませんけれども、いやしくも学識経験あるとして安全審査専門審査会の委員になった人が、そういうふうにまた意思を変更するというか、審査会のときは安全、この審査は合格としておいて、また別の場所に行って、そういうふうな別の意見を発表したということ自体も私非常に遺憾に思います。それはまあともかくといたしまして、生活環境の審査ということは十分しなければいけないということは、ただいま辻先生御指摘のとおりだと私信じます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私は、宮川さんが遺憾であるというような問題じゃなしに、やはりほかの問題は別にして、環境の問題についての十分な審議がされていなかったと、残念ながらそういう事実が明らかにされていると思います。  第二に、温排水でありますが、昭和四十六年の十月に、敦賀の原電の温排水による養殖、養魚試験をしておった県水試のいけすで、最も抵抗力が強いと言われたイシダイが四百五十匹全部斃死をした。この事実について水産庁はどう考えておられるか、簡単でけっこうですから、お伺いしたい。

松下友成水産庁調査研究部長

○説明員(松下友成君) 水産庁が福井県から聞きとったところによりますというと、この調査というものは、福井県の水産試験場の指導のもとに行なわれておったわけでございます。で、四十七年の十二月の中ごろから、福井県の漁連が敦賀の原電の排水口から約五百メートルの沖合いの海域で、ハマチを約九百四十匹養殖試験をした。ところが、本年の一月十八日にそのうちの約五十匹が斃死をしたわけでございます。この原因につきまして東京大学の江草教授そのほかの先生方の調査をお願いしたわけでございますけれども、その結果によりますと、これは塩素剤による中毒死と判定されたわけでございます。で、この塩素剤でございますが、電気事業者が冷却海水パイプ等にフジツボ等が付着する場合がございますが、これを防止するために加えたもので、これがたまたま養殖ハマチに影響したものと考えられるわけでございます。で、残りの九百尾につきましては、現在も養殖試験を続けておるというふうに聞いております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それは私はよくわかっている。私の言ったのは、昭和四十六年の十月に、いけすに入れた四百五十匹のイシダイ、一番抵抗力が強いと言われるイシダイが全部死んだという、この事実ば一体原因は何かと。簡単でいいですから、わかっておったらお聞きいたしておきたい。

松下友成水産庁調査研究部長

○説明員(松下友成君) ただいま先生の、四十六年のイシダイの試験結果につきましては、私ども伺っておりません。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これは、四十六年の九月から十月にイシダイ四百五十匹が全部斃死をした事実があります。その原因が不明のままになっているというので、非常に心配なので、県漁連がみずから千匹のハマチを養殖をして実験にかかっているといま伺ったような事実があります。  第二に、東海村のいわゆる温排水の養魚事業といいますか、養殖の実験に当初二十万匹近い稚ダイが入れられたが、いま数千匹になっているということを聞いていますが、この問題について局長どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 東海の水槽で数万匹が数千匹になったというのは、私はまだ聞いておりませんので、よく実態を調査したいと思います。

松下友成水産庁調査研究部長

○説明員(松下友成君) この稚ダイの、稚魚の減耗でございますが、ただいま先生御指摘のとおり、現在では数千尾になっておるわけでございますけれども、これの原因といたしましては、ビブリオ病による斃死でありますとか、あるいは取水口の不備による土砂の混入等、いろいろ技術的な問題があったのではなかろうかと推測されております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ、二十万匹近かった稚ダイが数千匹になった、それが土砂の混入や、そういう不備だということで、推定されているのは、私は非常に問題がある。温排水の及ぼす広範なる被害、影響ということのほうが非常におくれている。半面、四億、五億というお金をかけて養殖のほうには非常に先行している。その中でこういう状態が起こっておって、どろ水が入ったからどうもそうらしいというようなことでは、私は水産庁も困るし、科学技術庁も困る、長官どうですか、この点。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま御指摘のような点は、ほんとに環境審査のあり方といいますか、その点について、やはり相当検討すべき問題があるんじゃないかと考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 もう少し事実をあげてみたい。  次に、温排水の拡散問題、昨年三月の二十四日に参議院の科学の委員会において、科学技術庁、水産庁の温排水の拡散の試算によるところの値がちょうど半分、倍、非常に違う。大飯の百十七万キロ二基について、科学技術庁は試算の結果、沖合い二キロに拡散する、水産庁は一つで、百十七万キロ一基で二キロに拡散する、言うならば、倍近くに二つならばなるということになろうと思います。ところが、この違いをそのとき指摘をして、あと数式が出されていますが、三月の十二日に、美浜の発電所は一号炉は三十四万が十万ダウンして二十四万、二号炉は五十万キロ、七十四万キロ出力出しているのです。そのときに環境庁は飛行機を飛ばして赤外線によって拡散状況を調べております。正式なデータはまだチェックされていないようでありますが、いまわかっている点ごく簡単に、沖合いあるいは幅、三月十二日午前十時の測定時においておよそどのぐらい広がっておったか、沖合いと幅どのくらいあるか、わかったらちょっと知らせてください。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 四十八年の三月十二日に実施いたしました調査の結果でございますが、これ全体、いま辻先生おっしゃったとおり、出力七十四万キロワット、それから温排水の量は毎秒五十七トン、温度差はこのとき五・四度から五・八度でございました。拡散の範囲でございますが、一度上昇の範囲は大体二から三・二平方キロメートル、それから最大の距離でございますが、二・二キロというふうに私どもは考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 私は、公式ではないけれどもおよそのデータを一枚もらって、これを見ると、これを地図の縮尺ではかると沖合い二・二キロ、幅、一・九キロという範囲に、赤線のところは、これが一度差のところですね、赤外線の結果拡散をしている。で、これを科学技術庁の三月国会に出した試算に基づいて計算すると、局長幾らになりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) まあ去年の三月のとき、これは一つの計算例としてわれわれが言ったのと、水産庁とだいぶ違ったんでありますが、今度の七十四万キロの場合の計算でいきますと、三十四万のときには〇・八六キロでありましたのが、三十四分の七十四をかけますと大体一・九、二キロ平方メーターというふうな計算値になります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 沖合い幾らですか、等価半径。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 一・九キロ平方メーターを等価半径で出すと、一・一キロメーターの計算になると思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 これは海域の面積を厳密に計算しなければ詳しくは比較はできないが、しかし、この温排水は、放流されるとそのときの風あるいは潮、いろんな気象の条件によって必ず半円形になるとは限らない、さまざまな形に拡散をする。その拡散のしかたが、三月十二日環境庁が飛行機で赤外線ではかれば、沖合い二・二キロ、横一・九キロというふうになっている。あるいはこれは時間が違えばまた違った形で拡散をすると思う。しかし、温排水一度差が及ぼす影響は、単に海域を機械的に計算して、等半径ですね、半径の一・一キロというようなものよりも、実質的には倍近くさまざまな形で拡散をしていると、こういう事実がありますが、この事実を私は数字の上からはっきり言えると思いますが、これは局長認めますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 拡散の範囲は、いろいろ気温とか潮流とか風向、温度、いろんな要件によって違うと思いますが、環境庁が三月十二日にやった条件というのはどうであるか、われわれも詳しくまだ聞いておりませんのですが、その結果は、われわれが去年言いました方式の計算とはかなり違うということははっきりしたわけでございます。で、われわれがいろいろ、この拡散理論というのは、今後調査をやって科学的な方式が出た場合には当然それに従ってやるべき問題だと思いますが、いまいろんな式が、和田方式とか平野方式とか、いろんな式があって、これのいろんな調査を待って確立していくんじゃないかというふうに思っております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 そこで、その事実を一応認められるとするならば、先年、去年の八月二十六日、大飯の住民組織が科学技術庁に対して出した公開質問状に対する答えがここにあります、温排水について。これはいわゆる、いまの試算によれば、沖合い、大飯の原電は二つで二キロだから、まあいろいろな条件に影響されると書いてありますが、しかし「局部的な影響にとどまると考えられる。」と、こういう公開質問に対する答えがなされている。それから去年の十一月二日、社会党の新潟出身の杉山参議院議員に対して、これは質問主意書が出されている、これは原子力発電所建設についての質問書に対して政府が答弁書を作成、二日の閣議で了承し、杉山議員に渡したと書いてありますね、報告されている。閣議で了承を受けたその内容は、やはり同様、科学技術庁が持っている試算方式によって従来の実績から見ると、温排水の拡散範囲は前面海域の一部に限定されるものと考えられる、だからあまり影響はない、こういう答弁書が出されている。それからもう一つは、これはまあ三月に私たちが国会で取り上げたときに同様の答弁がされている。これを比べてみると、私は、大飯原電の場合についても、温排水の影響が一部に局限されるという言い方は、これは誤りである、こういうふうに思いますが、また同様、同じ試算方式に従って温排水の拡散範囲を美浜の現に動いている七十四万キロによって実測をしてみた環境庁の数字とその試算の数字というものはかなり大きな開きがある。これは私は認めざるを得ないと思うのです。お認めになるならば、いわゆる温排水というものが非常に漁村や周辺環境に大きい影響を与える。だから、この問題については、十分環境についての審査をすべきであると口をすっぱくするほど去年の国会においてそれぞれの人が要求をした、追及をした。それに対して、試算の結果は局部にとどまるから心配はない、こういう答弁でこの環境審査を逃げ切ったのですが、これについての一体責任というか、これをどう考えるか、これはひとつ長官から伺いたい。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 温排水が与える影響というものは非常に漁業に対して大きい影響を与えるわけです。その意味においてその審査というものはまことに正確で緻密なものでなければいけない。ところがいま先生の御指摘によれば、何か少し食い違いがあるような感がいたします。私も詳しくその間の事情は存じておりませんけれども、この問題はよくさらに、ゆっくりじゃなくて、できるだけ早くその検討をしたいというふうに考えております。  ただ、現に原子力委員会の中におきましては環境安全専門部会というのをつくりまして現在検討しておりまして、早期に報告書を出したいということもあわせて申し上げたいと思います。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 環境安全専門部会は前回の国会答弁によれば基準づくりの委員会であって、具体的に個々の原子炉についての環境審査をやるものではないと局長答弁されていましたが、変わったんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 環境安全専門部会に温排水分科会を設けていろいろ検討をやっておりますが、この検討は一般的な基準的な考え方等でありまして、個々の申請について審査あるいは調査する部会ではないのであります。変わっておらないのであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 まあ大臣、いまの答弁のとおりですね。そうすれば、やはり環境安全専門部会を設けられているけれども、一般的に基準をどうするかという論議をされているのであって、個々の施設、原電について審査をするものではないと。まあ、これらの事実を見ると、私は生活用水、それから温排水と一部あげたけれども、さらにたとえば、若狭湾で去年の夏に五百万、一年七百万。五百万の人が海水浴に来ている。高浜は八十三万の原電が二つ、大飯百十七万が二つ、こういうのを五、六キロの範囲に土曜、日曜は三十万をこす海水浴のお客さんがおるけれども、こういうものについては安全審査の結果は、全部事故が起きたときに、その灰がどこまで散らばるか、その被曝はどの程度かという、そしてそれを計算すれば、敷地内におさまるという計算を工学的にやって心配がない、こういうことを宮永委員自体が、三月の国会の参考人として呼んだときに、環境については事故時において灰がどこまで降って体にどれだけかかるかというその計算をして安全を考えますが、それ以上の社会的環境問題については審査はやらない、タッチをしないということを言っている。しかし、先ほど私あげたことは、環境——いわゆる原子力委員会、安全審査専門審査会がそれぞれのワクの中でやっている外にあって、きわめて大事な問題である、こういうものをいままで全部ひとつたな上げにして審査を進めてきた原子力委員会のこの安全審査のあり方を長官どう思われますか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 確かに先生御指摘のとおり、原子力委員会というのは原子炉の安全性ばかりを検討すべきじゃなくて、やはり環境との調和というか、環境問題というものに真剣に取り組むべきであると、もっと熱意を持ってやるべきじゃないかと、確かにそのとおりだと思います。ただしかし、私は原子力委員会というものが別にこういう環境問題から逃げるわけではございませんけれども、すべてのものを全部原子力委員会の中においてあるいは温排水の与える影響というものを漁業との関係を調べてみたり、あるいはまた、そのほかの問題を環境との調和という点を調べるにあたりましては、やっぱりそれぞれの省といいましょうか、水産庁であるとか、あるいは農林省であるとか、あるいはその他の省との関連において判断しませんと、原子力委員会というものはそれらの機関の上に立って、そうして総合的な判断をするということになろうかと思うのでありまして、多少、私も何もかもみな原子力委員会でやってみたいと思います。しかし、どうもそれだけもできないと、それだけの力もないと。結局、各省庁にお願いをし、そしてその総合的な判断の上に立って、原子力委員会というものはその上にあるわけでありますから、そういうふうな判断に立って厳正な環境との調和というものを判断いたしたいと、そういうふうに考えております。多少隔靴掻痒の感があると思うのでありますが、その点はどうもしかたないと思うのでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 いや、だから私は去年の三月十日、大飯原電を、安全審査で結論を出した、審査を出したあとに国会で取り上げた。それは安全審査専門審査会は工学的な安全を中心にやっておられるから、環境のことを安全審査専門審査会でやらぬのですかと言ったら、それはいま大臣答弁のように、何もかもやれないと。だからそれは別途ほかでやらなければいかぬ。じゃどこでやるのだ。やるところがない。じゃせめて原子力委員会でやりなさいと言ったら、原子力委員会もそれをやらない。そしてたった二、三日して美浜三号炉をすぐ原子力委員会が承認してしまった。やっていないじゃないですか。政府のどこでこれをやっていますか。アメリカを見なさいよ。一つの原子炉に環境レポートといって、これだけのものを出していますよ。これは八十四万キロの原子炉について一九七二年の三月に出している環境レポート。この中に八十四万キロの原子炉が周辺にどういう影響を与えるかということがいろんな形でデータを集め、このレポートが出されている。これがつかなければいま国家環境政策法によってアメリカはこの審査はできないという仕組みになっている。そのために非常におくれておりましたですね。これだけの努力をして出している。しかし、日本の原子力委員会は安全審査の専門審査会もやらないし、そしてそこでもやらないけれども、じゃ原子力委員会どうだと言ったら、いやそれもやれない。環境庁はどうだと言ったら、いま飛行機ではかって環境基準を何年かあとに出しますと。しかし、それでも百万キロワット単位の原子炉はどんどん許可されているじゃないですか。そういう問題を考えたときに、これは私はもう環境の問題については全くやっていなかったと言わざるを得ない、こう思うのですよ。  そこで、その事実をお認めになるならば、私は環境問題について、少なくも昨年の国会以来取り上げた、承認された原子炉がありますね。それらについて環境の面に限ってもう一度審査をやるべきである、こう思うし、それが一つ。  第二は、もう一つは、もう長官あるいは局長答弁に明らかになったのは、環境の部会があっても基準だけを検討している、そんなものじゃいま役に立たないから、それは有用でしょうが、基準をつくるだけではいま現実に役に立たない。そうすれば、工学的に原子炉を審査をする安全審査専門審査会と並んで環境審査会を設置をして環境問題について十分な検討をすべきである。それなしには、私は広範な住民の不安は解消することはできない。この点について長官のひとつ考え方を伺いたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 御承知のとおり、日本の環境、温排水の基準というのはまだできてなくて、アメリカ等と非常に違う点であります。で、いまいろいろ基準をつくる、環境庁が中心になっていま実態調査をやっておるという段階であります。  それから個々の環境審査につきましては、原子力委員会で環境調査専門部会でもつくってケース・バイ・ケースでやろうかという検討もやったのでありますが、これは原子力だけでなくて、火力発電の場合も同様な温排水問題がありますので、通産省で環境の、個々のケースについての環境審査をやるということになっておりまして、今後は通産省のほうの環境のケース・バイ・ケースの調査をやって、そして原子力委員会は、公聴会等を開いた場合には、当然環境、温排水問題も出ますので、通産の結論をもとにして原子力委員会が総合判断して対処していくという方針にわれわれは考えておるのであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 それは一体何ですかね。その営業政策によってしゃにむに火力や原電を推進しろという通産省が、住民の側に立たなくちゃならない環境問題について主たる官庁になるということは、一体いつからそれはきまったのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 温排水に対する法律は、御承知のように環境庁の水質汚濁防止法で基準をつくり、そうしてその実施は通産省が電気事業法によってその実施をはかるというたてまえになっておりまして、これは通産省は決して電気事業者だけのサイドで判断する問題ではなくて、保安、環境保全等の見地から、電気事業法による法的たてまえがそういうふうになっておるのであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 六月二日、参議院本会議において、佐藤総理は、私の代表質問に対して答えられているんですね。科学技術庁、水産庁、農林省、環境庁等が、この温排水の問題についてどこが中心なのか、これに対して環境庁がやると答弁されていますよ。それを通産省が、私はやるということはわけがわからない。そんなことでいいんですか、長官どうですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) これは、私は、ただいま局長から御答弁いたしましたように、電気事業法第二十九条ですか、発電所の建設計画の審査にあたりましては、火力と同じような立場から、やはり温排水の問題を、環境審査をやるということになっておりまして、そうしてわれわれはその審査もあるいは環境庁の審査も、すべての上に立って原子力委員会としては環境というものに取り組みたい、もう一つ上のほうの段階で実は取り組んでみたい、そういうふうに考えておるわけでございます。  それから、環境審査機構というものをつくるという考え方、私は、環境についての取り組み方の意味において、非常にいい考え方ではないかと思いまして、何とかそういうことにならぬかということも考えました。しかし先般の先生の御質問等も、私着任以来ずっと聞いたわけでありますが、その後の通産省との折衝模様等も聞きまして、なるほどそういえば、そうして通産省が発電所の建設計画をきめる場合に、そういう審査といいますか、同じような温排水の調査をいたしまして、それも一つの調査の要件である。そのほかにあるいは環境庁であるとか、いろいろな総合的な上に立って、われわれは原子力委員会として環境の審査をすべきではないか、そういうふうに考えて、特に機構という点は、じゃそのままでもいいんじゃないかというふうにきたわけでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 原子力委員会が、いわゆる安全審査と環境審査をやるのも、ある意味においては片方で推進しながら、片方で環境審査の問題があるといわれる中で、通産省はこの環境の問題について、主たる官庁になるというのは私はもってのほかだと思う。総理の答弁とも違いますよ。佐藤総理は明確に言われているじゃないですか。いまごろ電気事業法を引用して、私通産省が扱うというのはおかしい。それならば、なぜ去年あれだけ問題になったときに、その論議をしないのですか。こんな住民サイドに立たなければならない環境審査を、温排水を、通産省にまかすなんて、私は一体科学技術庁と環境庁の見識を疑わざるを得ない、どう思うのですか、環境庁どうですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 温排水、要するに、温度によります水の汚染につきましては、水質汚濁防止法によりまして、私どもは排水規制をいたすというたてまえでございますので、原子力発電または火力発電等から出ます温排水につきましての規制は環境庁が責任を持ってこれを規制をいたすというつもりでございます。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 じゃ、時間がだんだん消えているので。残念だけれども、これは私は国会はここに限りませんから、まだいろいろな科学の委員会もあるし、決算の委員会もあるし、いろいろな場所でこの問題ははっきりさせたいと思います。住民側に立たなければならない環境審査を、私は、通産省にまかす、こんなことはあり得ないと思うんです。アメリカの環境レポートだって環境庁は、こういうものをつけてちゃんと住民サイドで規制しているんですよ。それを通産省にまかして、いまごろ電気事業法云々を引用して、そしてこれはひとつ全部そちらでやっていただこう、こんな責任のがれを原子力委員会がするというのはもってのほかだと思う。この問題についての追及は時間がないから、これでとどめますが、この点については、ひとつ別の機会にはっきりさせたいと思います。  最後に、ひとつ公聴会の問題でありますが、これは長官、この間、公聴会については開催するという御答弁が衆議院でありました。これは、すでに去年の五月に木内長官、六月二日に佐藤総理が本会議で、また中曽根長官も十月二十四日に同様の発言をされている。もう公聴会をやるというようなことは一年間言い続けてきた。問題はどこで、いつ、どの原子炉についてやるかという問題が、私はもうきたと思うんです。そこで、去年若狭湾の大飯発電所についてここで典型的な大型集中化が、先ほど言いましたように、六百万キロワット、局長に、九つの原子力発電所があるんだから、これについてここで大型集中化という点で公聴会をやりなさい、こういったんですが、これは審査中だからと逃げて、そうして三月に結論を安全審査専門審査会が出したら、あとは審査が終わったので、公聴会をやるのは行政的にどうしてもむずかしいから、こういうことでとうとう逃げて、そのときに今後大型集中化の場合にはやるというから、若狭湾を除いてどこに大型集中化があるのだ、こういうことを言ったときに、局長、あなたは福島の例があります、福島は若狭湾よりももっと一地域に集中しますと、私にこれは理事懇談会でお話になった。まさに私は福島の原子力発電所はそういう意味において若狭湾と匹敵する大型集中化の典型的な場所であると思う。しかも、福島の第二発電所の第一号炉、百十万キロという最大の原子炉がいま安全審査にかかっている。具体的にこの原子炉について公聴会を開くべきであると私は思いますが、長官、どう思いますか、伺いたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 公聴会は近く開催の方針を委員会で決定することになりますが、これは去年から言っていることでありますが、公聴会は安全審査の初期の段階でいろいろ地元の意見を聞き、あるいは環境の問題の意見も聞いて、そうして、安全審査会あるいは環境の調査等に反映させて、そして結論を出すというたてまえでありまして、福島第一、第二号炉は去年の九月に申請があったもので、安全審査も相当進んでおりまして、いろいろ地元との調整もやっておるのであります。したがって、委員会の決定が近くあると思いますが、今後申請されるものについていろいろな形、場合があるんでありますが、公聴会を開催するという考え方で原子力委員会が目下検討しておるわけであります。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 大臣、答弁してもらいたい。あなたは去年、一昨年の十二月に大飯原電が美浜、たくさんの原子炉が審査中に初期にやりなさいというときには、これは審査中だ、審査が終わったら、行政的に終わったものを審査することは、これ公聴会をやることはむずかしい、そうして、いまこの福島原電が審査中なのにもう審査の終わりに近づいているから、これはやれない、こんなことで通用できますか、一年半にわたる国会においてこの公聴会の問題をめぐってこれは全野党からも、与党の皆さんも理事全部、去年大飯発電所については公聴会やろう、こういう一致した与野党の理事の意見であった。それをもう安全審査が終わったからということで、行政的に無理だ、こういうことでやむなく認めた。また、同じことを言って、こんなことずるずる延ばしている。柏崎なんて、こういうことで公聴会を延ばせば、私はますます住民運動は大きくなって、国民の不安や地域住民の不安や反発が起こってくる。そんな中で柏崎でやろうなんて言ったって、いつのことかわからない。これは長官、あなたひとつやられるというのならば、この福島の二号、一番大型集中化、しかも審査中という、過去の国会論議を踏まえたならば、ここで私は当然やるべきだ。それが去年、与野党を問わない参議院の科学委員会における理事の一致した、委員の一致した、私は意見であった、こう思うのです。  最後に一言聞いて、終わります。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま局長から御答弁申し上げましたように、公聴会を行なう時期の問題があるとは思います。その時期といたしましては、その申請の当初というか、その時期にやるのが私は適当であろうというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、まず最初に、トリチウムについて少し伺いたいと思います。  トリチウムについて、その物質の特性をお伺いしたいんです、最初に。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) トリチウムは、水素と同位体で原子量三の放射性物質でありまして、放射線としては、べータ線を出すものであります。単独では水素ガスの状態になっておりまして、利用時は種々の化合物として取り扱われ、主としてトレーサー等として利用されておるものであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これは気体物質でありますから、取り扱いが非常にたいへんだと思いますが、その取り扱いについてはどのようになっておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 通常は、トリチウムは、ボンベに入れまして外部に出ないように厳重に保管されております。使用するときは、フードの中で少しずつ出すようにして使うのが普通であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 トリチウムの半減期は幾らですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) トリチウムの半減期は十二・六年でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 トリチウムによって人体が汚染された場合、この汚染と人体との関係はどのようになっておりますか。  で、この影響については現在どれくらい研究が行なわれて、どういう状況であるか、お伺いしたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 先ほど言いましたように、トリチウムは主としてベータ線を出すので、人体の外部に付着した場合は、放射線被曝などの障害を起こすようなことはないというふうに考えられます。  ただ、トリチウムの化合的な性質というのは水素と同じでありまして、特に他の放射性物質に比べて危険が大であるということは言えないんでありますが、ただ、人体の内臓に大量に蓄積された場合には、細胞中の染色体を破壊するおそれがあるとして、各国ともこの問題を研究中であります。日本としましても、科学技術庁の放医研が中心になって現在研究を進めておるところであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 で、その現在の研究でいろんな考え方等が出てきておりますが、現在いわゆる言われておる研究成果での考え方はどうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在、研究中の段階でありまして、具体的ないろいろの成果というのは各国ともまだ十分把握しておらないという状態だというふうに聞いております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まだまだこれからの問題だと思いますが、今後再処理工場も建設をされ、原子力発電所自身もだんだんふえてくるわけでありますが、特にこの再処理工場では、使用済みのウラン燃料を再び燃料にしていくにあたって、使用済み燃料の中には多くのトリチウムが生成していくことはもうはっきりしておるわけであります。だから、これからだんだんふえてまいりますと、このトリチウムもかなりふえてくる可能性があるわけであります。  いまの局長の答弁だと、まだわかっていない。確かにそういう面はあると思いますが、ではことしの、たとえば今年度の予算で、トリチウムに対しては、どれぐらいに昨年から力を入れるようになっておりますか、どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) トリチウムは、再処理工場から、主として液体の形あるいは若干気体ガスのかっこうで放出されておりまして、再処理工場につきましては、先ほど長官も言われましたように、放射能の低減化、クリプトン八五とか、あるいはルテニウム等の廃液の低減化、これは今年度の予算で研究をやって、七分の一に二年間で低減できる見通しも出ておりますが、トリチウムにつきましては、先ほど言いましたように、各国ともいま基礎的な研究段階で、具体的に再処理工場で施設をつくって取り上げるまだ段階にきておらない。で、放医研の一般的な研究の中でいろいろな基礎研究をやっている段階でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま、東海村に建設されております再処理工場から排出されるトリチウムは、どのぐらいの量になると試算されますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 東海村の再処理工場から液体として出るトリチウムは、一日当たり一四〇キュリーという、これは安全審査のデータによりますとそういうふうになっております。それから、気体としても四九キュリー・パーで出るということになっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これはかなり多い量ですか、少ない量ですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 液体の問題としてはかなり多いと思いますが、ただ、従来、トリチウムは、外国の再処理工場等も、トリチウムはべータ線で影響が非常に少ないというので、あまり外国でも問題にしていなくて、液体のキュリー数に入れてないという例が多かったんでありますが、最近、やはりトリチウムの問題もこれは非常に大きな問題であるという認識になって、いろいろ研究に取り組んでいるところでありまして、再処理については、その液体については極力研究成果をあげて低減化を今後はかっていくべき問題だというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その低減化の方法はまだ確立されていないんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) クリプトンやルテニウム等については具体的な施設をつくってやっておりますが、トリチウムについては各国ともまだ低減化の具体的な方法が確立されておらない。いろんな基礎的な研究段階にとどまっておるという状態でありまして、一つの方法が見つかったならば、早急にそういう試験プラントをつくってやりたいと思っておりますが、遺憾ながらまだ初期的な研究段階、これは各国同様のレベルでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 となりますと、東海村で再処理工場が動き出すのはこれはいつですか、予定としては。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 正式に稼働するのが、昭和五十年の一月からでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それまでに、それをきちんと処理する、低減化できる方法の確立の見通しはどうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) トリチウムにつきましては、学問的な方法が確立されておらないので、五十年の稼働には間に合わないという点ははっきりしておるのであります。で、間に合う放射性物質につきましては、四十八年度で予算をとって、廃液、特にルテニウム等の低減化は、安全審査のレベルよりも七分の一まで稼働時に間に合わせて落とすということになっておりますが、トリチウムにつきましては、残念ながらまだそういう具体的な方策として取り上げる段階にはないのであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在、いろんな研究が行なわれておりまして御承知と思いますが、東大の物理学の秋田教授のウニの実験によりますと、アカウニの受精卵の胚を一cc当たり一マイクロキュリーの濃度のトリチウムの海水に四十時間入れておいたところが五〇%の胚に異常が出た、一〇ミリキュリーでは正常なものは一つもないと。  また、帝京大の田中教授と都立アイソトープ研の黒岩研究員では、フタマタタンポポの種、これについて、初めは浄水、後にトリチウム水に四十八時間入れた結果、〇・一マイクロキュリーから染色体異常の出現が著しく上昇をしてくると。国際放射線防護委員会の最大許容濃度以下でもわずかな異常が見られたと。  こういうような研究の結果が一応出ておるわけでして、これは決して、まだ学問的に確立をしないから、だからしようがないんだということでは私は、済まされないんじゃないか。実際再処理工場が五十年の一月に稼働をするとなると、それまでにこれがはっきりしない場合、稼働を先へ延ばすのか。それぐらいにしないと、だんだんまたトリチウムが問題になってきて非常にみな不安を持ちだした場合これはどうなるか、非常に問題だと思うんですけれどもね。その点はいかがですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) タンポポの実験の例は、非常に高いレベルを当ててやったというふうに聞いております。それでトリチウムについても、水中、大気中の許容基準というのがありまして、この再処理の場合、トリチウムを含めました廃液、液体の影響というのを、昭和四十四年の安全審査におきましても、たとえばシラスという魚が非常に影響を受けやすいというので、これを毎日二百グラムとって食べた場合の人体の影響、これも年間では〇・一六ミリレムと非常に少ない。それで人体に対する影響としてはまあ問題ないという結論が出ておりますが、ただ考え方として、アズ・ロー・アズ・プラクティカブルの原則でありまして、なるたけ少ないほうがいいのでありますから、今後大いに力を入れてこのトリチウムの低減化の研究を進めてまいりたいというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大臣にお伺いしておきますが、このトリチウムというのは非常に問題になっておる物質でありまして、いま言ったように、学問的にもまだきまってない。だから低減をする方法も確立していない。昭和五十年の一月には再処理工場が動き出すと。よその国がやっているからこれでいいんだというわけにはいかないと思うんですね。それで早急にこの研究をやはり進めることと、とにかくこれを何とかして稼働までにはそういった低減法の確立をやるか、あるいは稼働をずらすか、その点に対する長官の所信をお伺いしたいんです。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 矢追先生からこのトリチウムについてのいろいろ御指摘をいただきましたが、全くそのとおりでございます。現在は、とにかく、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、現在の評価、基準においてはとにかく安全であるということで進めておりまして、安全性もパスいたしまして、そして五十年度を目途に稼働するという考え方はわれわれはやはり持っておるわけでございますが、ただ、それによってもう安心するんじゃないと。現在の水準でよろしいというんではなくて、いろいろ問題があるようでありますから、この点は、ただいまの先生の御指摘を体しまして、早急にこのトリチウムの除去の研究に、必要ならば私はアメリカへでもどこへでももう行かしたいと実は思って、きのうも原子力局長にも、並びに幹部にそれを指示したわけでございまして、この問題にもう真剣に取り組んでいきたいというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、全国のアイソトープ関係を使用している事業所の数を、四十八年度の現在でどれぐらいあるか、機関別に、総数でけっこうですから言ってください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 全国でRI使用事業所は四十八年三月末で二千六百五十二あります。このうちの内訳を見ますと、学校等の教育機関が百九十、研究機関が五百八十、病院等の医療機関が六百四十一、民間機関が九百九十二、その他が百五十三、そのほかに販売業者が九十、廃棄業者が六、合わせまして二千六百五十二。四十八年三月末の数でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この事業所はこの十年はどういう伸び率になってきておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大体、年間一割以上の伸び率を示しております。具体的に申し上げますと、三十八年の三月末は九百七十四ありましたのが、四十七年の三月末には二千五百五十六、約二・六倍、年率としまして大体一割強という伸び率だったと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この事業所の中で、線源別に核種別の使用事業所はどのくらいあるか総数を教えてください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 密封と非密封という分け方をしておりますが、非密封が五百十三ヵ所、密封線源が二千三百四十三、それからRIの発生装置が百三十八ヵ所。多少ダブりがありますので、あるいは総数と……、これは四十六年度末の数と思いますが、そういう分け方になっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 あとは、核種別にもお願いしたいんですが時間の関係で省略いたしまして、いままで、こういった事業所でいろいろな事故が起こっておりますが、現在までの事故の大体の概要を報告していただきたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) これは昭和四十七年度末までの事故でございますが、これは、密封されたRIについては十七出ておりまして、そのうちで、紛失が九、被曝三、破損三、火災一、盗難一というふうになっております。それから機関別に見ますと、医療機関が八、研究教育機関が三、それから運搬中の事故、これもかなり多くて五というふうになっております。それから非密封RIにつきましては全体で八件ありまして、汚染が六、火災一、盗難一というふうになっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間があまりありませんので……。  科学技術庁から報告していただいたこの書類、これ以外にもまだあるわけです。ここに載ってないのでは武蔵工大原子力研究所、これは四十二年三月十四日、四十七年六月二十五日に岡山大学附属病院のコバルト60の事故と、そのほかに盗難、紛失、これも前に関西のほうでもありましたし、事故がわりあいたくさん起こっておると思うわけです。特に、案外、大学とか病院、研究所、こういったところに非常に多いわけです。これはどういう理由とお考えになりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) RIの管理につきましては、放射線障害防止法で厳重に審査をして許可をやり、許可後におきましても立ち入り検査をやったり、あるいは指導をやって管理に十分万全を期しておるんでありますが、やはり、使用のなれといいますか、そういう点から、管理上の不注意、使用上のなれから来る原因によって事故が非常に起きているんじゃないかというふうに考えて、われわれとしては絶えず定期検査、指導を繰り返して、そういうなれから来る不注意のないように万全を期していきたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この事故を少しでも少なくしていくための今後の対策、いま、指導するとか検査するとか、そういうことを言われますけれども、もう少し、具体的といいますか、前向きといいますか、効果ある何かを考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。  それで、その放射線取扱主任ですか、これは現在全国で何人おりますか。それから、その取扱主任者は、実際この放射性物質をきちんと監督するためにかなり専業的にやっておるのかどうか。片手間にやっておるのが実際は多いわけです。この点に対してはどういうふうにお考えになっておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在、主任者が、有資格者が一種で四千五百二十八名、二種で六千五百五十三名、合わせまして一万千人余の人が国家試験による主任技術者として資格を取っております。それでわれわれも、主任者の会合等では、アイソトープ協会の主任者部会等もあって、いろいろ指導して、万全を期するように絶えず指導いたしておりますが、この主任者の仕事はやはり専業的にやらせておりまして、安全管理ということに専念するように指導しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 指導はされておりますが、現実はそうなってないわけですよ。みんなその研究所の研究員と取扱主任が同じですから。そうでなくても研究所というのはなかなか予算も少ないし、人手が足りませんから、結局、取扱主任者でありながら、取扱主任のほうには、資格はあるけれども、朝から晩までは、極端に言えばですよ、それを一生懸命管理という体制になっていないわけです。こういう問題、どう解決するのか。ただ指導して「やれ」と言ったって、これはできないわけですよね、現実問題として。この辺はどういうふうに今後の対策はお立てになりますか。だから事故が起こるのです、実際。いろいろあるわけです。まだ表に出ていない問題も一ぱいあると思います。これからきちっと大学とか研究所を徹底的にお調べになるといろいろな問題が案外出てくると思うんですよ。その点はいかがですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大きい事業所等においては取扱主任者が専業をやっておりますが、研究所等では、人手が不足で、やはり研究と兼ねておる場合が多いようでありますが、まあ、それは国家試験を通って十分の専門家でありますが、われわれは絶えずこの主任者部会、あるいはそういう会合を通して、厳重な管理をやるように指導をさらに強化していきたい、あるいはまた事業所に対して定例的な立ち入り検査をやって、検査官の数も制限ありますので、一回りするにはかなり時間もかかるんでありますが、そういう立ち入り検査によって主任者の仕事ぶりその他を厳重に監督して、そして事故のないように指導を強化していきたいと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 特に先ほど触れましたトリチウムを使っておる事業所というのは全国で二千二百十ヵ所ですね、昭和四十六年度で。で、民間企業は二千十と非常に多いわけです。結局そういうところでのいまの取扱主任者のあり方というのは非常に問題になっておりまして、まだまだ、えたいの知れないといいますか、危険性がありながらまだ対策も確立をしていない、そういうトリチウムについて、事業所の全部でいろいろ計算しますとかなり大きなものになるんじゃないか。しかも半減期が十二年という非常に長いものでありますから、私、おとといの厚生省の分科会でも触れたんですが、いま小児ガンがふえてきております。この小児ガンは放射性物質が一つの原因ともいわれておる。要するに、母親が妊娠中に放射線を被曝をしてそれが一つの原因、因果関係が出されておるデータも出ております。これは必ずしもそれが絶対というデータではありませんけれども、そういうようなことを考えますと、やはりトリチウム、それからさらにこの放射性物質全般にわたる管理は、これはふえればふえるほどきちんとしなくちゃいけないけれども、現実として科学技術庁の体制、あるいはいまの取扱主任者の体制というのはなかなか十分なものにはなっていないのでこういう事故が一ぱい起こってきております。これからさらに発電所が大型化してくる、ふえてくるとなれば、いろいろ問題がでてくる。いつも私も特に粉失の問題もきょうはあまり深く触れませんが、ずっとこの委員会でやってきているんですが、やっぱりあとを断たない。そのときになってあとで大騒ぎしてさがして終わる。こういう状態ではだめなんで、もっと抜本的にもっときちんとできる、ただ指導監督じゃなくて、こういう体制をきちんと考える必要があるんではないかと思うんですが、その点の長官の所信を伺って、時間が参りましたので質問を終わります。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 放射性物質の管理につきましては、御承知のように放射線障害防止法という法律に基づいて管理はいたしておりまするけれども、先刻来矢追先生の御指摘を聞いておりますと、どうも安易に流れておるんではないかという気がいたすのであります。また、少しだれておるんではないか、その点はただいまの御注意もございましたので、ひとつ積極的に安易に流れぬように何か方策をひとつ講じていきたいということを申し上げておくという次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 非常に時間が短いですから十分な質疑はとうてい無理です。政府の施策についての問題点をまず指摘をして、その上で二、三質疑したいと思います。  先ほど長官が姿勢についてお述べになりましたけれども、まことにこれはりっぱな姿勢を表明されたのですが、その姿勢がそのまま政府の施策といいますか、実現をすれば、これは私はいろんなものが変わっておると思うんですが、そうでないところにやはりわれわれが指摘しなければならないいろんな問題が起きてくる。いまエネルギー危機がたいへん深刻に叫ばれていますけれども、たとえば石油政策にしても、石炭政策にしても、電力政策にしても、何といいますか、国民の納得するような政策は全く行なわれていないということが言えるわけです。石炭なんかでも、これは石炭政策自体を私どもは否定もしませんし、これは大いに国内資源として保護することもけっこうでありますけれども、とにかくばく大な巨額な国費を使ってそれから公害をぶちまくような政策をやはりおとりになっているところに問題がある。これはいま二千七百万トンの出炭ですか、そのうち鉄鋼、電力に千万トン余り、これは押しつけをしてたかさしておる、石炭の政策して。ところが、日本の石炭はたいへん硫黄分が多うございますから亜硫酸ガスがどうしても出るんですね。この排煙脱硫技術はそれじゃどうなんだというと、まことに幼稚です。それからガス化技術の開発についても、これは政府はやめちゃっているんですね。やめた理由は、採算に合わない。先ほど長官はりっぱな姿勢を表明された中で、いまやもう採算問題ではなくて、どうしてやはり公害をなくし環境を保全していくのかという非常にりっぱな姿勢を表明されましたけれども、事実は全くそれと逆に、採算が合わないからということで、石炭のガス化技術の開発はこれはストップしております。そうして政策的にそういう鉄鋼、電力という問題が非常に多いところに、両方で八〇%近い低品位の石炭を押しつけて、たかして、国民の健康に影響のあるような政策をおとりになっておる。石油にしても、これはえらいやはり問題がある。八〇%程度を中東の油に依存していますから、そのうちの二〇%くらいは二%以上硫黄分、こんなものをたいて、それで、公害をなくします、大気汚染をなくしますとおっしゃっても、これは全く筋目が通らない。だから国民は不安を持ち、不信を持って、いろんな問題が起きていると思うんです。ところが、それじゃその脱硫技術の開発にどれほどの金をかけていらっしゃるか、まことにこれはお粗末千万と言わざるを得ないんですよ。それから、政府の政策がまことに腰がふらついておりますから、したがって、産業はやはり採算ベースということを考えてなかなか政府をにらみながら金もかけない。政府自体が思い切った金をかけて国民の健康を守ろうという姿勢があるにしても、具体的な裏づけがない。こういうところにやはり大きな電力危機、石油危機、そういうエネルギー危機あたりが一ぺんに押しかけているという感じも非常に強くいたします。ですから、私はこれから二、三の質問をいたしますけれども、これはひとつ、姿勢の問題としておっしゃるんではなくて、具体的な裏づけを持ってこうするんだというお答えをぜひいただきたいと思います。  まず第一番に、いま原子力発電の問題がずっと問題になっておりましたけれども、これはやはり火力の場合には大気汚染、環境の問題が一番大きな問題、原子力の場合にはやはり安全性と環境の問題等がからまっているんですか、これははっきりした、できることを必ずやるという姿勢と、それからそういう技術ですね、そういうものが伴えば、ずいぶん私は変わってくると思うんですが、原子力の発電所所在地の市町村協議会というのがあります。それから、これは去年科学技術庁及び通産省が主催をしておできになった道府県の原子力行政主管課長——これはほんとうの現場の現地の人たちですね——その会議で、これは私はさきほどの予算委員会でも質問したんですが、時間が足りなくて十分じゃなかったんですが、いろいろな要望をお出しになっておる。その中でやはり放射線監視、これは各省庁に影響がありますから、科学技術庁に影響のあるものとして放射線の監視体制についてやはり一元化をたいへん希望していらっしゃる、これはだれも地元の人たちが。その点については具体的にどういう構想をお持ちですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在の法律のたてまえによりますと、放射線の管理は事業者に法的には十分な義務づけをやっております。ただ、事業者だけの管理では地元が安心できないという情勢になっておりますので、最近は県あるいは市町村等の第三者監視機構等も出てまいっております。それから福井とか福島等の非常に原子力発電所の集中する地域につきましては、去年は敦賀に、ことしは四十八年度は福島に、原子力の指導のための駐在員を本省から出して、事務所を置いて、そしてモニタリングの指導あるいは管理等もやるようになっておりまして、事業者、関係市町村、国と一体になって放射線の監視体制を強化する方向で行なっております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはそういう実際の現地の人たちは一元化ということも言っているんですよ。ところが、やはりどうもいまのお答えでもきわめてあいまいでございまして、たとえば具体的には福井では双方の協定の中で職員の立ち入り権を認めたものにしていますね。それから茨城では住民代表の入った監視委員会というものをつくっています。それから福島では、これは双方当時者が入らない——住民側もあるいは発電所側も入らないで、関係六ヵ町で構成する安全確認連絡会議というんですか、そういうものをおつくりになっておる。まさに地元の関係者の方たちが指摘されたような監視体制の一元化は行なわれておらないんです。このことはそれでいいとお考えになるのか、あるいは別な何か構想をお持ちなのか、お伺いします。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) その前に、ちょっと簡単ではあります、が、一言だけ。私、エネルギーの問題に関連いたしまして、中村先生がエネルギー危機に関連して石油と公害の関係等御指摘いた、だいた点、私も非常にもう同感でありまして、私も先生の驥尾に付してこの点は勉強したいと思って、実は一生懸命に勉強しております。特に公害の防止技術ですね、この点については政府で、われわれの科学技術庁、もちろん通産省も一緒になって、この点はなかなか業者にこれはまかすということはできませんから、国でも相当金を出してこの点に真剣に取り組まなければいけないと思って、私も叱吃激励をいたしております。科学技術庁といたしましても、予算の見積り方針の調整の場合でも、そういう点に重点を置いて、四十八年度もいたしましたけれども、四十九年はもっと強くその点を打ち出したいというふうに考えております。  それから、原子力発電が至るところで立地で、火力もそうでありますが、非常に困っておるます。困っておる理由は、結局安全性に対する危惧の念というか、これは当然だと思うんです。これがあると思うんでありまして、この点をいかにして解消するか、また、ほんとうに安全にするかという問題に政府も真剣に取り組まなければいけないというのが、私のゼロを目ざすまあ挑戦といいましょうか、そういうことでありまして、これが単なるラッパに終わらないように、先生の御指摘のとおり、これはもう私は原子力産業会議でそういうものが発表されれば、すぐ飛んでいってアメリカへ行ってこいということも実はきのうも言うておるんです。それからわが国学会でも東大の先生がそういうことを研究されたら、すぐそれも先生に来ていただこうと私、実は考えております。そして積極的に、単にもうこれでいいんだという限度はございません。もうゼロまで進軍せにゃいかぬというのが私の姿勢でございますので、どうぞひとつしっかり応援をしていただきたいと思うわけでございます。  それから次に、放射能の監視の問題でありますが、これはいま局長申し上げましたように、第一義的には原子炉設置者というか電力会社にあるわけです。そして、それに対して政府が監視をしておると、それから県と協力して放射能調査もやるというようなことをやっておりますけれども、実際はやはり地元の人がこれに参加するということが非常にやっぱり安心感を与えると。別にごまかす意味じゃありません。その調査した結果を確認し評価していただくということが非常に私はやっぱりいいんじゃないかと思うんです。その例としていろいろあるようであります。それは中村先生、全国均一にやっちゃどうかというふうな御意見かと思ったんでありますけれども、やはりそれぞれ土地の事情、事情によりましてケース・バイ・ケースでやはりいろんなタイプがあろうかと思うんでありまして、あんまりこういう点を原子力委員会で統制をとりましてこういうスタイルにしなさいということを言うと、かえってその地区における自主性というものを害するようになるんじゃないか。もし必要ならばそういう点もできるだけわれわれのほうでも指導したいと思いますけれども、いまのところは特にこのタイプにしなさいということでは実は考えておりません。ただ、そういう考え方は非常にいい考え方であるからというわけで、そういう意見は持っておりますけれども、その点はひとつそういうふうに御理解をいただきたいと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 一元化と画一化というのはこれは違うんですね。ですから、やはり地元で要望されているのは一元化。科技庁も、原子力委員会も、やはり一つの安全性の追求についてはかくあるべしというものを持った上での行政指導、これは何も統制をとれという、画一的統制というのはこれは問題があるわけですから、そういう点は、そういう要望が出ており、なおかつこれはベターとして各県ばらばらのものをおやりになっているでしょうけれども、なぜしかし、そういうものをきめながら当事者がなおかつその管理体制の一元化を要望されておるかというところに問題があると思いますから、ひとつ十分これは御検討の上、対策を講じていただくのが妥当ではないかと思うのです。  それから、いま冒頭の御答弁、私はもうそれをぜひ期待したいんです。ぜひそうなりませんと、あらゆる問題が進んでいきません。そういう意味で、大臣、まだ大臣におなりになったばかりで恐縮ですが、これは四十八年度の予算はお粗末千万と言わざるを得ないわけでありますから、四十九年度予算ではひとつその姿勢を十分いかされるような予算の裏づけをやってもらわないことには困ると思うんです。と同時に、私はやはりむだづかいはこれは絶対にいけないわけでありますから、これもこの間の委員会で指摘をいたしましたが、この濃縮技術についても、ガス拡散法と遠心分離法、これを動燃と原研で双方でおやりになっておる。これは私はそれがいけないと言うんでないんです。ガス拡散法もあり遠心分離法もある。したがって、それを原研と動燃で基礎研究、開発をされるのはいいですよ。ところが、本年二月の二十八日の科技特の委員会で、大臣は、特に遠心分離法による濃縮技術については昭和六十年までに云云、その研究開発を国のプロジェクトとして強力に推進する考えである。となりますと、これは方向性がきまったとわれわれは見るんです。ところが、予算は原研のほうのガス拡散法にもやはり本年度はつけられているんですね。ですから、そういう点、どこで見切りをつけるのか、これは明確にしていただきませんと、これは何も濃縮技術じゃなくて再処理方法についても、やはり原研とそれから動燃と——原研のほうは基礎的研究をずっといまもって続けておって、動燃のほうはもうすでにフランスからの技術を導入して再処理工場をつくっている。そうなりますと、これはやはりむだづかいではないかという、どこかの時点でその基礎研究、開発についていろんな方法があるわけですから、おやりになるのはけっこうでありますけれども、定まったらこれはやはり統一をしてそこに全力を傾注するという必要があるんじゃないですか。いかがでしょう。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま中村先生御指摘の、予算を効率的に使わなきゃいかん、まことにそのとおりでありまして、ほんとにわれわれも心すべき御忠言だと思いまして、その点はその姿勢で進みたいと思いますが、ただ、濃縮ウランの問題につきまして、遠心分離法によるというわれわれの考え方は何回か先生にも御答弁申し上げたとおりでありまして、結局、濃縮ウランについては現在アメリカに日米原子力協定によってお願いしておると、そしてまた、この改定も近くお願いするわけでありますが、慎重御審議いただくようになりますが、しかし、このアメリカの供給量の限界というものはもう五十五年ごろに来ることは、これは先生御承知のとおりであります。そのときに、遠心分離法はまだ技術が確立はいたしません、五十五年ごろは。やはり遠心分離法の実際これが効能を発揮するのは六十年代に入ってからだと思いますので、その間にやはり国際濃縮計画というものは着手しなければいけない問題になると思います。どうしても濃縮ウランの供給源というのを多角化する必要があるんじゃないかという意味において国際濃縮計画というものもやはりわれわれはギブ・アップするわけにいかない、これにもやっぱり参加をしなきゃいけない。その意味において、国際濃縮計画に参加する以上には、実はガス拡散法についても相当な日本としても勉強をしておかなきゃいかんと。やはりアメリカあるいはフランスと一緒になってやる場合、何も——何もではありませんけれども、知らない程度でいるようじゃいけない、やはり互角の資格を持ってとにかく取り組んでいかなければならんと。その意味においてまことにこれはむだなような考え方もあるかと思いまするけれども、その意味においてこのガス拡散法の研究のための経費というものは計上して、それに取り組んでいるわけでござい写す。

中村利次民社党

○中村利次君 これはもっとお聞きしたいところですけれども、次に進みますけれども、やはりおっしゃるとおり濃縮ウランについてはたいへんに先行き不安があることはもう御指摘のとおりですけれども、ですから、いろんなことをおやりになるのでしょう。それもこまかくお伺いしたいんですが、しかし、時間がありませんから。核融合の問題はこれは相当先になると思うわけなんですが、そういうものと濃縮ウラン工場のキャパシティ等との、あるいはウランの資源的なものとの関連もあって、まずやはり目先可能だといわれるこれは開発もされている高速増殖炉の開発の現状とそれから見通し、あらましの見通しはございますか、もう。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 高速増殖炉はいま動燃事業団が中心になって実験炉を大洗でつくって、これが四十九年度を臨界、それから原型炉はこれからつくるんでありますが、昭和五十三年度臨界を考えております。それで高速増殖炉の時代がいつ来るかというのは、これはアメリカ等もいろいろ研究しておるようですが、われわれはやはり昭和六十五年以降に、実際の実用炉に入ってくるのは昭和六十五年以降だろうと、核融合は今世紀の末だろうということになっております、大体これは一般的な。したがって、いま軽水炉を中心として濃縮工場をつくる場合も、かなり軽水炉の時代というのは相当長期にあるんで、やはり濃縮の確保問題というのは、工場をつくっても、相当確保するための必要性は、工場をつくることを含めまして、相当の期間にわたってあるというふうに考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 もう時間が参りましたから、私は公聴会の問題についても十分にこれはお伺いをしたいと思いますけれども、私は提言を含めて、時間がないもんですから、お伺いをいたしますけれども、公聴会をやるということを発表されておりますし、これは当然おやりになると思います。しかし、公聴会のやりよう、持ちようによっては、一面では住民不安をますます高めかねないおそれもありますし、また一面では、どうも公聴会そのものが、住民合意の場として公聴会は必要なんですが、そのまともな住民合意じゃなくて、何かつるし上げ公聴会で、混乱の中で何ら目的を達することができなかったという可能性だって私はないとは言えない。ですから、この持ち方ですね。対象あるいは範囲、そしてほんとうに国民とともに地域住民の皆さんとともにお互いに合意を求めながらやることをやっていく、こういうものになるためにどういう具体的な計画をお持ちか。たとえば、私どもは、これは安全環境の問題が非常に大事です。安全は、これはごまかしてはいけない。政府は絶対ごまかさんとおっしゃるでしょうけれども、しかし、過去の実例——なぜこれだけ不信感が生まれたかというと、ごまかしているという、うそをついているという感じが今日の必要以上の不信感を私は生んでいると思う。ですから、安全については、これは少なくとも立地地点に認可しようというからには、安全についての確信なるものがなきゃならないわけですから、学者みたいな立場でものを言っておられたんでは住民の皆さんが納得するはずはありません。これは絶対ありません。ですから、そういう点の安全の問題については、これは専門的知識が乏しい、あるいは全くない、特に核の平和利用については原爆の被爆国としての国民的な核アレルギーというものは非常に強い、そういうものに、どうも姿勢がきわめて納得できないというところの不信感が高まっているわけでありますから、したがって、これはやはり専門的知識が必要ですが、こういうものは、われわれの考えでは、やはりこれは国レベルで、安全については地域住民の皆さんもその結論についてなるほどと御安心をいただけるような国レベルのものでやったほうが一番妥当ではないかと考えますし、これはそれに伴う環境だって、何も環境整備についてそこに福利厚生施設をつくれば環境保全になるんだ、あるいは自然を残せば環境保全になるんだ、あるいは道路だとかその他の建設省所管のあれをやればこれば環境保全になるんだという考え方は、全くこれは当たらないわけでありますから、あめをなめさしてバーターをするという姿勢こそが問題ですから、やはり安全、公害にからんだ環境保全というものを考えなきゃいけないと思いますが、そういう地域のいろんなメリットを含めた環境の問題についてはこれは地域レベルという、そういうようないろんな分け方も一つの方法としてはあると思うんですが、具体的にはどういうことをお考えですか。これは、ぜひひとつ空理空論あるいは何か将来構想じゃなくって、具体的に、ぜひそういうことをお聞かせ願いたい。それで終わります。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ただいま中村委員の御指摘の、公聴会は民主的に意見を反映する場である、しかし、やり方がむずかしいと、全く御指摘のとおりでございます。このやり方によって、ほんとにつるし上げの公聴会になってみたり、それではおよそ公聴会を催す意味がないわけでございまして、ほんとうに民衆の意見が反映する場所にしなければいけないと、これはどうやるかという点は、いまわれわれ原子力委員会でもう相当突っ込んで検討いたしておりますが、やり方が非常にむずかしゅうございますが、結局は、しかし、私は、いろんな、こういう手続ああいう手続といろいろなことをやりましても、結局は公聴会に参加する人の良識というものにまつということがやはり一番われわれの期待するものじゃないかと思うんです。これはいろんな法律や規則でいろいろなことを制限したりしてみましても、結局良識に期待する以外にはないと私は考えております。  それから安全性の問題でございますが、別に政府はごまかしたつもりでもございませんし、ごまかす意思もございませんし、しかし、確かに原爆の被爆国として原子力については非常にみな心配、不安感を持っているということは先生御指摘のとおりであります。安全というものをとにかくわれわれの現在の技術水準によって、科学の水準によって安全性を保ちます、そうしてどうぞ御安心くださいというふうに、われわれはさらにこの点については一生懸命に放射能の監視もいたしまして、そういう点が御心配ないようにいたしますということを、十分に国民の皆さんに安心していただけるようにするというのが、これはやっぱり私は国の仕事だと思います。当然国の仕事だと思います。別に電力業者の仕事ではない。また、電力業者がかえってそういうことをあんまりやると、何か電力業者が自分の営業のためにやっておるような誤解を受けまして、非常にお気の毒だと私は思っております。したがって、その仕事は国として原子力行政を進める上において重大な仕事であると思っております。したがいまして、今度の予算においても普及啓発課という課をつくりまして、原子力の安全性というか、そういう点についても取り組みたいと。しかし、安全性ということを、そういうことを言うと、政府は安全じゃないものをごまかして宣伝しようとするんじゃないかというふうにとられてもいけませんので、私はほんとの姿、こういう点だというほんとうの姿を知っていただくという意味においての普及啓発課でありたいと思って、どういうふうにすべきであるかという点をいま検討しておるわけでございます。  それから次に、地域住民にあめをなめさして、あるいは電源周辺地帯を整備すると、あるいは道をよくしてあげましょう、公園をつくってあげましょう、いろんなことを言うて、メリットが来ましたからこれで少々、ちょっと危険だけれどもしんぼうしなさい、そういう安易な姿勢は、ただいま先生御指摘のとおり、われわれとしては断固として排撃するんでありまして、私はその点だけはもう絶対そういうあめ的な姿勢はとらないと、あめを与えるような姿勢はとらないということだけは断固として私は申し上げたいと思うんでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 ぜひひとつそれは実現してください。     —————————————

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 分科担当委員の異動について報告いたします。  ただいま辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。     —————————————

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 速記を起こして。

星野力日本共産党

○星野力君 原子力発電所に対する外的の、外からの衝撃として最もおそろしいのは、私は、爆撃、砲撃、飛行機の墜落事故、それからもう一つは、大きな地震による破壊ではないかと考えるのであります。通常爆弾、通常砲弾による攻撃であっても、それによって原子炉が破壊された場合には核攻撃を受けたと同様の結果を引き起こすおそれはないものかどうか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 現在の原子力発電所は燃料に、先生御承知のとおり、低濃縮ウランを使用いたしておりまするので、たとえ爆撃を受けましても、炉心の燃料が核爆発を起こすことはないというふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 燃料が核爆発を起こさなくとも、放射能が飛散し拡散するという影響は非常におそるべきものがあるのじゃないでしょうか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 先生御指摘のとおり、万一燃料体がばらばらになりまして被覆材が破損いたしますれば、燃料中の核分裂生成物が外部に放出されまするので、発電所周辺に影響を与えることも考えられます。

星野力日本共産党

○星野力君 そのような可能性に対してどういうふうに対処の方法を考えておられますか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 結局、これは原子力委員会だけの問題ではございませんで、平和といいましょうか、そういう戦争が起こらぬようにわれわれが努力する、そういうこと以外には、まあ飛行機の墜落等は、これはもうどうもできるだけそういうことがないように運転でも注意していただくとか、そういう問題がございますけれども、結局、一般問題といたしまして、とにかく平和ということがやはり大事であると、そういうふうに考えます。

星野力日本共産党

○星野力君 私は、原子力の平和利用の施設に対しては絶対に軍事攻撃を加えない、攻撃の対象にしないという国際条約を結ぶべきではないかと思うのでありますが、お考えはいかがですか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 私は先生の御指摘は非常に注目すべきよい構想ではないかというように考えております。とにかく原子力発電所ばかりではなくして、そういういかなる施設にも爆撃を受ける事態がないようにとにかくするという、まず一般的なそういう努力といいますか、そういう外交、そういう国際情勢が望ましいということが一つ。それから、国際的な、赤十字の国際委員会によりまして、非軍事目的の施設であって武力による破壊により大きい損害を生じるものにつきましては、戦時下にありましても保護を与えるという、いわゆる国際人道法という法律を規定すべきではないかということが提案をされておりますが、こういう動きに対してわれわれは真剣に取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 非軍事目標施設一般でなくて、特に原子力の平和利用施設に対してそういう国際的な取りきめをやるべきだと、こう私は考えます。非軍事目標全体を対象とすることけっこうでございますが、あのアメリカの北爆を見ましてもそういう施設がみなやられている。これは特別の努力をしなければ、なかなか原子力発電所なんかを攻撃対象からはずすということにはならないと思うので、私はそういう国際条約をつくるためにぜひ政府は率先して努力すべきであると、こう考えるのです。自衛隊をふやすとか、四次防、五次防というようなことよりも、このほうが少なくとも有効であると、そう考えますが、そのために政府として御努力なさる御意思があるかどうか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 非常に貴重な御意見でありますので、御意見を体しまして、今後あらゆる機会にそういう趣旨で取り組んでいきたいというように考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 次に、地震の問題でありますが、日本は地震国であります。その日本の地震帯に原発が続々と建設されておりますが、その点の安全対策はだいじょうぶでございましょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 安全審査の場合地震の問題、これは日本特有で最も重要な問題でありますので、安全審査会の申請の中にも地震の専門家、大家に入っていただいて個々の申請について非常に具体的な調査をやってその上で許可をしております。

星野力日本共産党

○星野力君 局長、いまのような御答弁でございますが、たとえば伊方原発に対する総理あての異議申立書、これちょうだいして読みました。これを見ますと、この中には「わが国でも有数の地震地帯を選んで原子力発電所を設置することはまさに狂気の沙汰というべきである。」、気違いざただと、こうまで言っておるのであります。ここでは、この申立書では中央構造線が走っておることなど、いろいろのデータをあげて説明しております。また、この異議申立書には書かれておらないのでありますが、愛媛県のあの地帯、佐田岬一帯は琉球九州地震帯といいますか、あれともクロスしておる。南の日向灘では過去にしばしばマグニチュード七以上の大きな地震が起きておるということもはっきりしておることでありますが、いま十分詳細に調査なさった、こう言われますが、現地調査などはどの程度にやられたんでございましょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子炉安全、審査会には地震関係の学者、四人ほど専門家が入っております。それから、そういう安全審査委員の現地調査も行なっております。それから、東京大学地震研究所とか天文台の資料とか、愛媛県土木、宇和島の教育研究所等、いろんなデータを調べ、しかも、現地の露頭調査とか航空写真調査とか等の調査もやって、安全報告書では結論しか書いておらないから非常にまあ簡単な審査しかやってないようにあるいはおとりになるかもしれませんが、その結論が出る前には、非常に詳細なデータあるいは現地調査を行なっての上の結論でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 私が聞いておりますところでは、現地調査などはきわめて短い時間しかかけられておらないということでありますが、いま御説明では航空写真なども参考にしてそれによる解析を行なったということだろうと思いますが、はたしてあの程度の時間の調査でもって十分な審査ができたかどうか私、非常に疑わしいと思うのであります。安全審査報告によりますと、「原子炉施設の基礎として問題となるような規模の断層および破砕帯はない」と、きわめて簡単に明瞭に書かれておるんですが、私、非常に不安を持つわけであります。どの原発についても確信のある調査をやっておると、こう言うんでございましょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) あらゆる申請ごとに具体的な調査をやっております。大体地震につきましては関東大震災の三倍程度の地震があっても、耐震設計、地盤いろんな点を検討してだいじょうぶであるというような非常に安全をとった審査を行なってその上で許可をしているわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 建設省の方おられると思いますが、国土地理院。建設省の国土地理院が出しております「地震とその予知——地震対策のために」という本を私、拝見しました。その中に地震予知の観点からの特定区域があげられております。地図に四角で地域を指定しておりますが、その中には現に日本最大の原子力発電所地帯である若狭も、それから、これから日本最大の原発地帯になりそうな新潟県の柏崎附近——田中首相の郷里でございますあの附近、それから浜岡原発のある静岡県御前崎一帯、伊方原発の佐田岬一帯、これらはすべて特定地域に含まれております。国土地理院の方にお聞きしますが、この特定地域というのはどういう観点から選ばれたものでございましょうか。

檀原毅建設省国土地理院参事官

○説明員(檀原毅君) お答え申し上げます。  日本で起きております大きな地震を調べてみますと、大体同じ地域で繰り返して起こるというようなくせがございます。したがいまして、過去の歴史時代に大地震がありまして最近まで起きてないというような場所は今後起こる確率が高い。これはもう学界でも常識になっております。こういう場所は地震予知の立場からしましても非常に重要でございますので、そこにふだんから観測とか測量の網を張っておきまして、特別に注意してまいろうというのがこの特定観測地域を指定した理由でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 福井県の原発地帯については昨年日本科学者会議から警告が出されたと思います。それから、地震学の専門家は、特に浜岡や、いま原子力発電所の立地をさがし求めておる和歌山県紀南地方、あそこが非常に危険だと見ておるようであります。そこは例の安政大地震の震源地に近いところであり、安政大地震以来百二十年、非常に大きいという地震はなかった。大きい地震がなかったといういうことは、それだけ危険期に近づいておるということのようでありますが、その辺の配慮、いかがでございますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 和歌山県の発電所はまだ会社の企業の計画段階で、安全審査その他全然出ておりませんのでわかりませんのですが、浜岡地区、若狭湾の大飯地区あるいは美浜地区、福島地区等については過去のデータ、それからいろんなデータを見まして、地下地盤の関係等を見まして、十分に耐震性上問題ないという個別審査の結果許可をしておるのであります。

星野力日本共産党

○星野力君 先ほど、たとえばいろいろの研究資料を参照して結論を出しておるということを言われたんでありますが、その中にあげられた東大地震研究所の人たちに聞いてみましても、実際言うと、伊方などにつきましても、あそこの調査というのはそれほど進んでおらないんだということを言っておられました。したがって、それほど信頼できる資料というものは私はないのではないか。大きな地震というのは実際想像を絶するような惨害をもたらすわけでありますが、日本が地震国であるからには、よくよくこの点は考えていかなければならぬ。地震が起きる可能性の多い地域、何もそういうところを選んで、ますます大型化するところの原子力発電所をつくる必要はないし、すべきではないと思う。またこの問題、慎重を期するためには、先ほど長官金に糸目はつけない、こういうことを言われたが、金はかかるかもしれないが、あぶないと思われるところには人工地震などの実験もやられる。そのぐらいの私は対策というものは必要だと思うんでありますが、十分現地も調査したという先ほどの御答弁、私、納得できない。時間ございませんから、この問題はさらに後日お聞きしていくことにいたしまして、ただ申し上げたいのは、いままでも大きな地震はなかったからというようなことではもちろん安心できませんですね。いままでなかったということは、見方からすれば、日一日とその大きな地震が近づいておるということでもある。原子力発電所の立地と地震との関係というものをよく重視していただきたいと思うんであります。  先ほど来問題になっております東海村の核燃料再処理工場の問題でありますけれども、あの再処理工場建設を進めて、現に進行しておりますが、たとえばトリチウムまではいかぬにしましても、クリプトン85を分離除去する技術の開発に成功した場合は、現在の設計のままの工場にその技術を応用することができるんでございましょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) クリプトン85の分離法については、動燃予算を取っていろいろな方法を研究しております。そして、これが大丈夫であるという見当がついた場合には、その関係の変更をするわけでありますが、いまの工場にそういう施設を付け加えることで十分できることになっております。

星野力日本共産党

○星野力君 私はクリプトン85の分離技術が開発された場合、それをプラント化していく場合には、いまの工場建設計画を相当大きく変更しなければならぬし、それには相当多額の金がかかると聞いておりますが、どうでしょうか。相当大幅な設計の変更、それからどのぐらいの金額を考えておられますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) クリンプトン85の分離法については、いろんなまあフレオン等の溶媒を使って吸収分離させる方法とか、活性炭に吸着させる方法とか、あるいは液体窒素で冷却して液化する方法とか、いろんな方法をやっておりますが、まだいまのところ具体的にこれが十分であるという段階には至っておらないんでありまして、どれだけどういう形のプラントになるかというのは、したがって、はっきりしないのであります。  それから、いまもう一つやっておりますのは、液体の放射能を下げる、これはいまこれも予算を取って検討をやっておりまして、大体七分の一ほどですぐに下げられるという見当がつきまして、これは至急にプラントをつくって、それほど多額なあれでもありませんので、操業に間に合わせるというふうな見当になっております。

星野力日本共産党

○星野力君 私、このままでは昭和五十年一月からこの再処理工場を操業するという計画になっておりますけれども、それまでには間に合わないと思うんであります。  長官、先ほど来大いに前進するということを言われておりましたが、おそらくクリプトン85を空に出さないようにするためには、五十年一月の操業というのを延ばさなければ私はできないだろうと思うんです。この開発の努力が過ぎまして大体五十年ごろまでに目鼻がつく、もう少しすればこれをプラント化していけるという見通しがついた場合には五十年一月の操業開始を延ばすお考えはございますか。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) 先ほどもお答えいたしましたように、この再処理工場から出まする放射性廃棄物につきましては、ICRPというものの基準を下回っておるということで、安全性というものは一応確保されておる。しかし、私はその安全性には満足しないんですと。ゼロにいくまで、とにかくもう一生懸命に努力するんですということを申し上げておるわけでございまして、ゼロにするまでの努力はいたしますが、とにかく現在着工いたしまするこの一再処理工場につきましては五十年には予定どおりに稼働はいたしますと。しかし、それまでに、もうすでにあしたからでもきょうからでもその放射性物質の値を下げるような技術について、少しでも下げてゼロにするように向かって大いに努力をいたしたいと、実は私はきのうも局長にも言うたんでありますが、ゼネラル・エレクトリックの技術というものを、これはただああいうものはどうだこうだというあげつらうんじゃなくて、いやしくも原子力産業会議で言うたことだから とにかくアメリカに行きなさしと言うて、それからまた、東京大学の先生がそういうておりまするが、私はその先生にも実はお会いしたいと思って、きのうも何とかしてその先生に一ぺん会う方法はないかと言うとるところでございまして、予定は予定どおり進める。しかし、その間において一刻も早くやっていきたいという姿勢でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 このゼロヘの前進という長官のかまえ、私、非常にけっこうだと思いますが、科学技術庁長官は、そう申しては失礼ですけれど、任期は歴代そう長くないのでありますが、あなたがそういう積極的な姿勢をお持ちになっても、あなたの長官時代だけでこれが終わっちゃだめなんだ。これは政府のはっきりした方針として打ち立てて、単に姿勢の問題じゃなしに、もうここまで来ましたら、目標をきめて年度をきめてこれを達成する、実現するというぐらいの方針を打ち立ててもらいたいと思うんです。WHOの報告では、現状で推移しますとクリプトン85によって世界の人人が受ける放射線量は一九七〇年の〇・〇〇四ミリレムから西歴二〇〇〇年には〇・四ミリレムになると、百倍になるということだそうでありますが、最近の新聞を見ますと、国際科学委員会は現在から二〇〇〇年までには五百倍になるというような数字もあげておるようでありますが、クリプトン85の放出ということは、これは全地球的な問題であります。アメリカやソ連が現に盛んにこれを放出しておるわけでありますが、かれらがやっておるからといって日本も負けずにやってよろしいという問題ではこれはないわけであります。放出ゼロへ向かってほんとうに政府として具体的な方針を打ち立てていただきたいと思いますし、同時に、アメリカやソ連に対しても、クリプトン85による大気汚染について、これを国際的に問題にしていくべきだと思うんでありますが、この問題が国際的にどういうふうな情勢になっておるか、また、いまの問題についての大臣の御決意をお聞きしたい。

前田佳都男自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(前田佳都男君) ゼロヘの挑戦といいますか、そういう姿勢は、そういう原子力行政の方法というものは私一人で終わるべきものじゃないと思いますし、また、その方向は私がかわることによって後退するものではないというふうに考えております。といいますのは、原子力行政というものは、原子力委員会というのは民主的な中立的な機関であるということであると同時に、国会の皆さんが、これをよく委員会等においてもそういう私の意思を表現しておりますから、国会においてもそういう皆様方がその点を確認されておるわけでございますから、私がたとえいつどういうふうにかわっても、どういう長官になっても、また任期が短くてかわっても、そういうことはないと私は確信をいたしております。そうして、いま星野先生、御指摘のとおり、私はこのごろ資源のことを勉強しておりますが、ほんとうにこの地球というものを、よく「かけがえのない地球」だということも言われておりますが、ほんとうに私はそういう気がするんです。地球をよごしてはいけない。その責任は単にその一国だけの問題じゃないと、全世界的に、インターナショナルにこれに取り組まなければいかんという点は全く先生の御指摘のとおりでございまして、ソ連といえども、あるいはアメリカといえども、あるいはその他の国といえども、フランスといえども、どこといえども、日本もまた当然であります。そういう国際的な姿勢で臨まなければいけないと思っております。具体的にそれじゃいつどういう提案をするのかということは、私、いま申し上げる段階ではございませんけれども、十分先生の御指摘の気持ちで大いに進めていきたいと考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 時間が来たそうでありますから、じゃこれで。

楠正俊自由民主党

○副主査(楠正俊君) 以上をもちまして科学技術庁所管に関する質疑は終了いたしました。  午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十分休憩      —————・—————    午後一時三十四分開会

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。  分科担当委興の異動について御報告いたします。  ただいま松永忠二君が委員を辞任され、その補欠として川村清一君が、また星野力君が委員を辞任され、その補欠として河田賢治君がそれぞれ選任されました。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 昭和四十八年度総予算中、自治省所管を議題といたします。  午前の会議と同様、政府からの説明を省略して本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 去る二日の予算委員会で、四十九年以降の奄美の振興開発に関する私の質問に対しまして、自治大臣から前向きでかつ非常に積極的な方針を示していただいたことにつきまして、深い敬意を表しつつ、本日はその内容の骨格ともなるべき諸問題がございますので、若干質問をいたしたいと思います。  その一つは、開発振興の基本的な考え方について沖繩との見合いを考えながら奄美の特性を生かした開発をしたいということについては大臣は同意を示しておられたわけでございますが、実はその基本的方向のいま一つの重要な側面は、何と申し上げましても、住民の生活水準を引き上げる、こういうことだと思うんです。いわゆる特性を発揮するということと生活水準、いわゆる平たいことばで言えば、格差是正、こういうことが大きな問題だと思うんですが、御承知のように復興措置法は到達目標をおおむね戦前の昭和九年から十一年前後の本土並みとし、それから振興の特別措置法は県本土の水準に一そう近づけしめる、こういう表現のしかたになっておるわけでございますが、そういう側面から見ますれば、いわゆる四十六年度末の郡民所得が八七%前後と、こう言われておりますだけに、一応の水準に近づいてきたのではないかという言い方も成り立つと思いますけれども、しかし、御承知のように、鹿児島自体が全国で一番所得の低いところで、しかもまた、奄美の場合には全国水準では半分にも満たない四六、七%というのが実際であるわけなんです。そういうところから見ますれば、この格差是正というものには相当なやはり今後努力をしなければならないと思うわけでありますが、ただ、私どもは、この格差を考える場合に、単に郡民所得という所得の面だけでいまや判断をするということはどうかと思うんです。すでに私ども自体批判をいたしておりますところの新全総さえも、この格差の問題については、単に一人当たりの生産所得よりも、むしろ生活水準の格差、特に社会的生活水準の格差が指標になるんだ、こう言っておるほどですからね。したがいまして、この生活水準の格差という観点から見ますれば、たとえて例を申し上げますと、生活保護法によるいわゆる千分比をとってみますれば、全国が一三・〇、鹿児島県の本土が二八・〇七に対して奄美は実に六五・五という生活保護法の適用を受けるところの比率はきわめて高い。このことは生活水準が非常に低いということを端的に示しているところの証拠だと思うんです。したがって、今後は少なくとも鹿児島県本土の水準に近づけしめる形での格差是正ということじゃなくて、沖繩同様に本土の格差に全体を引き上げていくんだ、格差を是正をするんだ、こういう方向に明確に方向づけをするところの段階に来ていると思うんですが、その点はいかがでしょう。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御質問の点はきわめて重要だと思います。私も実は不勉強で、まだ奄美群島、諸島を回ったことがございませんが、もし時間ができればまっ先に行ってみたい。やはりこういう振興事業というものは、何といいましても百聞は一見にしかず、これは百の議論を聞いているより、やはり目で確かめ、足で確かめることが大切であるというふうに考えております。いま御指摘のように、ようやくその所得におきましては、本土に比する八七%というところまでまいりましたが、何といっても生活環境、いわゆる社会的な生活水準という見地から申しまするならば、きわめて低い。これは私も肯定できます。また、生活保護者が多いということでありまするが、これなども自分のからだ自体が資本であるという一次産業がほとんどであるという生活環境のハンディキャップがそういう貧困をもたらしておるというふうに思います。したがいまして、今後港湾を整備し、また田地、田畑を整備する、これももとより必要でありまするが、さきの予算委員会で御指摘になりましたように、観光開発、二次産業、三次産業等のやはり開発も計画的に進められていく必要があると思います。そして、所得水準はもとよりでありまするが、社会的な生活水準においても鹿児島県、沖繩等に劣らない、むしろ、それが島であるがゆえに汚されない理想的な地域であるというような島づくりができていくことが理想的であるというふうに考えます。そのためにはできる限りの努力をいたしてまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私がお聞きしているのは、端的にお答え願いたいんですが、いわゆる到達目標ですよ。それを従来は鹿児島県本土に近づけしめる云々というところに——大臣、あんまり局長はそう口添えせんでもいい。ブレーキをかける役割りしかせぬのだから、大体。  県、本土に云々では困るというんですよ。沖繩もすでに沖繩の基本構想を見ますと、本土全体のと、こう出ておるのですよ。そういうところに目標を置いて、今度やっぱり積極的な意欲を示してもらいたいというんです。たとえばあんた、八七%と言いましたが、実はきのうのおたくの審議会でも問題になっておりましたけれども、実は県本土の八七%じゃないんですよ。県がいままで示しおったところの八七%というのは、一番低い奄美も含めておいての八七%なんです。実はそこに非常に問題点があったんです。発見されたわけですけれどもね。だから、ほんとうに県本土というならば、奄美を切り離した中での対比をするというなら筋が通るでしょう。それを県は、奄美の一番低いところまで入れてそれで八七%、八七%と言っている。きのうも知事も頭をかかえておりましたけれどもね、ことほどさように問題点があるんです。したがって、県本土というのは、所得の一番低いところの鹿児島県なんですから、全国のやはり水準に近づけしめる、こういう積極的な意欲を示してもらいたいし、そういう方向に到達目標を置かれるところの御意思がありますかどうかということを私は聞いているんです。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いま御指摘の点は私自身はぜひそうありたいものだというふうに思います。  それから、いま局長が私にささやいておりましたのは、まだ到達目標を具体的に結論を得るには至っておりませんと、こう申しておったわけです。  それから、鹿児島県の奄美群島を含めての平均値であるというのに対しまして、行政局長が申しまするのには、奄美群島を抜いたとしても、まあせいぜい一%か一・五%の違いでしょう。ですから八五、六%ということは言えますと、こういうことでございます。しかし、決してこれは満足な姿ではありませんので、先ほど申し上げましたような構想でひとつ大いに振興開発事業を促進してまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それはひとつ目標を沖繩並みにという、沖繩に見合った開発ということがこの間来確認をされていることでございますから、ぜひともひとつ沖繩同様に全国水準ということを力点にして考えていただきたいと思います。  次にお尋ねしたい点は、国の公共事業費面での投資のワクをひとつ大幅に拡大をしていただきたい。そういう前向きの意欲を大臣は決意として持っておられるかどうかということをお聞きしたいことなんです。  これはもう私から申し上げるまでもなく、すでに自治省当局でもちゃんと、いわゆる沖繩あるいは離振法によるところの指定離島との対比、そういうことはもうできておると思うんですがね。たとえば前年対比の予算の伸び率といたしましても、離振法の場合には一三三・四%、沖繩は一七二・八%に対して、奄美は一三〇・一%、予算額でも大きな開きがありますし、住民一人当たりの投資額を見ますと、離島が四万二千五百八円、沖繩が六万五百円、奄美が二万三千九百十二円という、一人当たりの投資額の状態におきましても、公共事業の投資面では大きなやはり開きがあるんです。もちろん、この平均値だけでは議論はできないかもしれませんけれども、これをまた費目の面で見ましても、たとえば土地改良を主体にいたしますところの農業基盤整備の問題、道路整備の問題、さらには港湾、漁港、空港の整備費の予算額を見ましても、非常に著しいやはり格差というのがあるんです。時間もありませんので多くは申しませんけれども、たとえば道路整備費で住民一人当たりの事業費の単価を機械的にはじき出してみますれば、沖繩が二万三千三十九円、離島が七千九百三十八円なのに対して奄美は五千七百四十六円と。あるいは一番大きいのでは漁港の場合なんです。漁港は、一人当たりで沖繩が千六百八十八円に対して、それから離島が二万二千百六十七円に対して、奄美はわずかに五百二十四円という一人当たりの投資額なんですよ、これは。額や人口やいろんなもので割ってみますと。このことは、少なくともやはり公共事業の投資のワクにおいても、まんべんなくあちらこちらに盛られているということは私は否定しませんけれども、ワク全体をやはり広げていくということなしには、私はやはり有効な手だてというものはできないと思うんです。そういうような意味合いからいたしますと、もう少し積極的なやはり公共事業の面でも金額をふやしていくという努力をどうしても払ってもらわなければ困ると思うんです。たとえば、いま私は漁港の問題について申しましたけれども、地理的な条件として、いわゆる潜在的な漁場の場といたしましての生産力というものは非常に大きいんです。けれども、漁港の整備あるいは船の整備というものが非常に立ちおくれているために、これはやはり郡民の生産所得というのは全産業の一・二%にしかすぎないという状況なんですよ。こういうことを考えますと、何としてもワクの拡大ということは大きな私は問題だと思いますので、このことについて、これは答えは努力しますということしかはね返ってこぬと思いますけれども、これは誠心誠意やっていただくかどうかということにかかわると思いますが、その点、いかがですか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 非常に御熱心な御主張ですが、私自身も誠心誠意やってみたいと思うんです。これはいままででも既定計画のワクにこだわらないで、名瀬港であるとか奄美空港の整備事業というようなものは相当な大事業でありましたが、思い切って整備をしてきたということもあります。今後も多額な公共投資を必要としておることもよくわかりまするので、十分ひとつ現地を見たりいたしまして、大蔵省等とも折衝をして御期待にこたえたいと思います。ただ、先ほど御例示になりました漁港等の数値ですね、これは奄美群島に比して、離島の場合は、人口比が、きわめて低いということ。そういうことによりまして、漁港などでは非常に極端な差が出てきておるものと思われます。したがって、奄美群島が不当に冷遇されておるなどということには、これは当たりません。しかし、なおなお今後十分、御主張の意味はわかりますし、私も全く同感ですから、努力してまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 冷遇されておるとは私は申しませんが、とにかく開きがあるということだけは厳然たる事実なんですよ。この事実をやはり認識してもらわなければ困ると思うんですね、これは。  なお、私は、この問題と関連をいたしまして、いま道路局長もお見えでございますので、若干道路問題についてお尋ねいたしたいと思います。  その一つは、奄美の地方主要道路の国道昇格の問題でございますね。これは私、昨年五月十日参議院の沖特委で、この問題の、例の沖繩の国道五十八号線の決定の問題と関連をいたしまして質問をしました際、当時の高橋道路局長からは、「次の国道の指定の機会がございますれば、まず第一優先に選考」したいという旨の答弁があったんですがね。このお考えは、局長がかわられても、いまの局長に引き継がれておるものだと理解をいたしたいと思いますが、それでよろしゅうございますね。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) 奄美大島の主要地方道の国道昇格の問題でありますけれども、これはただいま先生のお話しのように、沖繩国会におきまして、前高橋局長が、次のチャンスには、ぜひ優先的に考えるという旨の発言をしておることも承知しておりますし、私もそれをそのまま引き継いでおります。ただ、国道の昇格につきましては、昭和四十五年にやりまして、それ以来まだやっておりません。従来のペースですと、やはり五年ないし七年くらいの間隔でやっておりますので、まだそれ以後そのチャンスがございませんから、そういうチャンスには、私どもも優先的にやれるものだと思っておりますけれども、できるだけそういうことで進めたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何か、五年ないし七年かかるというのが慣例だというのですがね。政府自体、道路計画の五ヵ年計画ですか、第何次かの。それをやっているぐらいに、道路問題については、非常に積極的な意欲を示しておられるわけですから、従来のようなペースでは、私は、困ると思うので、もう少しやっぱり時期を早めるようにひとつ努力をしていただきたいと思います。  なお、この問題と関連をいたしまして、地方主要道路の改良率と舗装の状況ですね、これをお聞きいたしたいのですがね、具体的な計画を。実は同じ県内の離島の種子島というのがありますね。種子島の地方主要道路は、すでに四十六年に完全舗装ができておるんですよ。同じ離島でも、奄美の地方主要道路は、一番あなたが御存じだと思いますけれども、名瀬−古仁屋間は改良のほうもまだ十分できておらないという現状ですからね。それとの対比の中で、どうしてもこれはやはり今後積極的なピッチを上げてもらわなきゃならぬわけですから、その点のお考えをお聞きしたいと思います。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) 主要地方道、瀬戸内−赤木名線、それからもう一本一般県道の佐仁−万屋−赤木名線と二本ございますけれども、その整備率は改良で、九三・七%改良が終わっております。それから舗装につきましては、四三・五%舗装が終わっております。  これを見ますと、改良は、これはほかと比べて比較的いいほうでございます。ただ、舗装が相当おくれておりますので、今後は、その舗装に対して重点的に進めていきたいというふうに考えております。  それで、改良につきましては、この主要地方道、県道ともに、昭和五十一年度を目標に整備を終わりたいというふうに考えております。  それから舗装につきましては、ただいまお話しの主要地方道の舗装につきましては、新村と網野子という区間がございますが、これはまだ改良がこの区間が一番おくれておりますので、この区間は除いて昭和五十年度には全部終わりたい。そうして、この新村−網野子間は、たぶん一年おくれで舗装が完了するということになろうかと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 もう一つは道路の特殊改良費の問題ですね。この補助率を引き上げてもらいたいというのが、現地の非常に強い要望なんですよ。御承知のように、他の道路の改良の補助率は比較的いいんですよ。これが十分の六・五という、年に。何とかしてこれを沖繩並みの比率ぐらいに引き上げてもらえぬかどうかという非常に強い要望があるんですが、これはひとつ努力してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) 補助率の引き上げの問題でございます。ただいま沖繩並みにということでございましたが、沖繩につきましては特に高額の補助の高い制度をとっております。それ以外につきましては、特に補助率を上げておりませんけれども、実は地方道にとりましては、地方の負担が大きいということで、今度私どもも五ヵ年計画の改定をやろうとしておりますけれども、やはり県道あるいは市町村道というものに対する事業が大幅にふえる予定でございますので、そういう地元の負担が大きくなるということに対しましては、ただいま五ヵ年計画に対します財源をどうするかというのを一年かかってきめることになっておりますので、そのときにも、あわせてできるだけ地方の負担を軽くできるようにというような考え方で進みたいと考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いまから申し上げる補助率との関係では、自治体の財政力指数がきわめて低いのですよ、局長。この財政力指数がきわめて低いものですから、普通本土におけるところの市町村のように、自分で出せるという分野が非常に少ないだけに、結局この道路の面の特殊改良も行なわれないでおくれているというのが実情なんです。したがって、やはりその面を特に考慮していただきまして、いま検討したいとおっしゃっておりましたから積極的なひとつ検討を願いたいと思います。  そこで、今度は自治大臣にお尋ねいたしますが、いま一つの問題は補助率の問題です。これまた皆さん一存では答えられないという答えしか返ってこないとは思いますけれども、これは何といっても、所管の自治大臣が馬力を出してもらわなければ、やっぱり、けんかにはなりませんわね、上げる立場に立って。実はそれはいまの補助率は復興特別措置法のときよりも低いのです。これは局長の答弁によりますと、財政力がついてきたんだから、地元の地力がついてきたんだから減らしたのだと、こういう答弁しか、私が皆さんに聞いてもはね返ってこぬと思う。しかし、これはじゃ地元の能力がそう増してきたかどうかということにも問題があると思うのですがね。確かに復帰当時よりも増してきておるということは、私は否定しません。しかし、たとえば財政力の指数の面におきまして、自主財源と依存財源の構成比を見ますと、昭和四十五年で自主財源がわずかに一六・八%なんですね。これは県本土が、鹿児島県本土が二九・九、全国平均が五三・四。  なお、いま一番やはりよく問題になるところの財政力の指数の問題ですね、これを見ますと、奄美の市町村の場合は、名瀬市が〇・二一なんですけれども、それを除けば〇・〇四、〇・〇六というところがあるんですよ。この数字はぼくは間違いないと思うんですがね。〇・〇四、〇・〇六、これは県本土の〇・二七、全国平均の〇・六三、これから比べますときわめて低いところのこれは指数なんですね。これはやっぱりいかに市町村財政が貧困かということを物語っておる。こういうところから見ましても、それは確かに復帰当時よりは地力がついてきておるかもしれませんけれども、市町村の財政力の貧困さということを考えれば、これは、沖繩並みにするにはどうだろうかとか、あるいは、復帰後もう二十年間もやったんだから本土並みにしたらどうかということでは当たらない話なんです。そういう角度からこの問題を市町村財政の実態から考えましても、これはきわめて大事な問題なんで、これまた相当な馬力をもって努力をしてもらわなきゃならぬと思うんですが、どうでしょう。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、私のほうにも資料がございましてよくわかりますが、相当これは負担の特例、補助の特例、それから地方債の特例というわけでいろいろ配慮はしておるわけです。沖繩がいろいろな、公共事業は十分の十というものが多いわけですが、奄美群島の場合は十分の九と、そんなに大きな開きはありません。中にはもう少し補助率の低いものもありまするが、それはきわめて小規模なものを多数取り入れておるというようなもの等も含まれておりまして、主たるものは、これは資料に見ましても、まあまあ相当やっておるというふうに思いますが、これは、そうかといって、地元から言えば、まさに財政事情も貧困でありまするし、もっと助成してもらいたいという要望があることはよくわかります。したがって、今度の新しい計画を策定するにあたりましてどうしてまいりまするか、このあたりも慎重にひとつ検討して御期待にこたえるようにしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、補助率があまりに低過ぎると言っておるんじゃないんですよ。ただやはり、いろいろな官庁の動きの中には、もうこの機会に補助率を引き下げたらどうかとか、あるいは、これだけやっても効果があがらないから、もうやりっぱなせという声がないでもないんですよ、率直に申し上げて。だから、これでは困るんですよ。しかもこれは、あなた、沖繩は高いのはあたりまえだというわけにはいかないんですよ。国土全体のものの水準を上げて、住民の生活水準を上げていくとなれば、やはりそれぐらいの、原因はいろいろあるにしても、現実の問題としてそうある以上は、これはやっぱり引き上げるような努力をしてもらわないことには困ります。そのことについてはおわかりでしょうか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 財政当局としては、地元に力がついてまいりまするというと、一般公共事業並みでどうだとか、それをやや上回る程度でどうだということで、これはやはりそういう意見を積極的に出してくることはいなめぬと思いますが、これは、私ども政治家として考えまする場合には、やはりこの国土の狭い日本ですし、自然環境等、非常にうまく保存されておるこの地理的位置から見まして、やはりこれは相当整備をして、国民全体がそこに、観光としても憩いの場としても出かけていって、もっと本土と交流が密接になるような方途を考えていくことも必要だと思います。よく承りました。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いま一つの問題は、予算編成のあり方の、方式の問題です。私は、いままでの二十年間のこの方式、いわゆる五年セット方式、あるいは一律組んで自治省でもう総まとめをしておくと、これにもいろいろなメリットがあったということはもう否定しませんし、特色があったと思うんです。ただ、やはりこれにも問題がなきにしもあらずだと、しかもおそらく私は、そういう奄美のいろいろな方式の中から沖繩のやはりあの特別措置法をきめたときの方式というものが生まれたんじゃないだろうかとも思っておるわけで、したがって、これは、四十九年度以降という問題の予算の組み方の方式というものは、ひとつ再検討する時期に来ておるんじゃないかと私は思うんです。この点について、すでに鹿児島県は一括計上振りかえ方式ということで皆さんのほうにも、県の考え方を示しておると思うんですが、この問題しについても、私は自治省でだいぶ検討されておると思いますので、検討されておるとするならば、その間の事情について局長からでもお伺いしたいと思います。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) いま先生のおっしゃいましたとおり、まだ正式の段階ではございませんけれども、県では新しい方式について改良を加えるということで一つの案を持っております。これは実は、これからの問題でございまして、関係各省といろいろ折衝をし、それからさらに財政当局と折衝して四十九年度以降きめてまいるわけでございますが、できます限り地元の希望を尊重しながら、最も効果的な方式にまとめていくことにつとめてまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは私は議論する時間的な余裕ががないんであれなんですけれども、やはりこの問題は思い切ってやってみる必要があると思うんですよ。まあよく平たいことばでは、もちはもち屋ということばもありますけれども、やっぱりイニシアを所轄庁でとりながら方式を生かしていくと、こういうことがきわめて大事だと思う。ただ、この場合に一つ心配があるのは、いわゆる公共事業費の面は非常にこれでできやすいと思う。けれども、奄美の産業振興という立場から見た場合の、独自の特性のある産業であるところのサトウキビの問題、それから大島つむぎの振興策の問題がやはりこの方式の場合にどうかという一つの問題点があるということは私も否定しません。しかしながら、さればといって一括計上振りかえ方式の中で、この問題が処置できないというはずはないわけなんですから、それをもやはり含めたような形で現地の要望である、地元の要望であるところの振りかえ方式、一括計上の、この点を考えていただきたい。こう思っているのですが、どうですか。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) おっしゃるような点、確かでございます。そういう点に十分留意して、間違いのないような方向で関係各省との折衝、それから財政当局との折衝に努力してまいりたいと存じます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 もう時間が来ておりますから、あと一問だけにしたいと思うんですが、これは私は、特別措置法のいままでの盲点だったと思うんです。それは何かと申しますと、医療管理体制の問題なんです。特別措置法の予算案を見ますと、健康衛生面では、わずかにハブ対策という一項しかないんですよね、これは。一番肝心な医療施設あるいは保健衛生という面においては、やはり特別措置法のワク外という形で厚生省の一般予算の中で考えられるというかっこうにいままでの形としてなっておるんですね。実はきのうこの問題で、この委員会で厚生大臣にいろいろ聞いてみた。それで関係の厚生省関係予算も見てみますと、その厚生省関係予算の中に、離島地域保健指導費というのがあって、わずかに四百七十八万九千円ですよね。これはどういうところが主体かというと、やっぱり離島振興法の指定している離島が主体だという。わずかの四百七十八万というものも、奄美のほうははじき出されているわけですよね、これは率直に申し上げて。あるいはまた、予算の中に、救急医療対策費というのがある。その中に、国立病院以外の公的医療機関の補助費という形で七千七百四十二万組んであるんですけれども、奄美には救急病院がない。県立病院がありながらも、ベット数が不足のために、ない。十六万という人口を抱えているところのこの島嶼に、救急病院一つないということは、人命尊重を一番強く強調しなければならない今日、きわめて寒心にたえない話なんですね。じゃあこの予算は組めるかと、こう申しますと、これはやはり、それはいろいろ検討しますという答弁はありましたけれども——実際には、何ヵ所、何ヵ所と、ちゃんと積算の基礎ができておるのですが、検討しますといいながら、ワク外にはみ出されておるというのが実態なんです。あるいは、僻地の急患患者輸送対策費というのがあるのですけれども、その中身を見ても、患者輸送の船がある。これは、船というよりも艇なんですね。艇というのは、いわゆる内海の島におけるところには、役立つかもしれませんけれども、これは外海の離島では役立たないことなんです。こういう面を見ますと、これまたワク外にはじき出される。特別措置法の中でもはじき出されておる。厚生省の予算の中からも実質上はじき出されておるという、こういうことでは、これは私は、保健衛生という問題、あるいは人命尊重という立場から見ましても、どうしても、これは改善をしなければならぬところの問題なんです。この問題については、緊急に対策を立てる必要があると思うのですが、これはいかがでしょうか、この問題は。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の問題については、やはり多少不備の点がなくもなかったと思います。こういう遠隔の島であるという地理的環境等から見て、もう少しやはり整備しなければならぬ。で、この医療施設の問題は、離島の医療施設全般を含めまして、日本全体から見ても、なかなかそういうところへ赴任してくれる医師がない、看護婦もない——正規の看護婦ですね。というようなことで、これが大きな悩みになり、今日の自治医科大学構想が、自治省または府県知事との間で成立を見たわけでございまして、いま御指摘のような問題については、きわめて重要ですから、私、今度の新しい計画には、相当積極的にこういう対策が盛られるように、特に、福祉政策重点として政府が主張いたしておりまするときに、これは容易ならぬ問題だというふうに私も痛感いたしますので、十分心得て、今後の予算折衝などをいたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 この問題は、私は、きのうは、いわゆる急患の問題については、早く名瀬にありますところの県立病院を、救急病院に指定できるようにひとつ厚生省と十分話し合いしていただきまして、国のできるだけの措置をしていただくという努力を早急にやっていただきたいと思います。同時にまた、これは一つの検討課題にもなるかと思いまするが、いわゆる船だけではだめなので、ああいう離島、僻地というのは、ヘリコプターという問題がきわめて大事になってまいるのですよ。この日本の医療体制の中で、ヘリで救急患者を運ぶという方式は一つもないんだね。これぐらい、あなたのさっきの話、大臣の話じゃないけれども、福祉の問題が叫ばれているときに、そういうほんとうに行き届いた手だてというものがなされていない。したがって、私は、きのうは、とえあえずの措置としては、海上保安庁の救難ヘリとでも提携をするところの中で、行政の指導の面でも、それはできないかということを申し上げたのですが、この問題は、来年の問題と言わないで、ぜひともひとつ、厚生省には若干の予算というのはあるわけですから、自治大臣、一番やはり力を持っているところの自治大臣ですから、自治大臣がひとつ全力をふるっていただきまして、実現できるようにしていただきたいと思います。  以上、これで質問終わりますけれども、大体きょうの問題は、今後のやはり一つの問題の骨格になるところの問題だけに、それは私は、自治省一存では解決できない問題にいたしましても、何といっても、中心は、自治省なんですし、自治大臣なんですから、自治大臣が先ほどお答えになったところの諸点を、単なる政治的答弁で終わらすことなく、実際に実証をしていただきたいと思いますし、また、先ほど冒頭にもお話がありましたように、百聞は一見にしかずというお話もありますから、ぜひとも、国会終了後は行っていただいて、具体的なひとつ協力をしていただきたいということを強く要望いたしまして終わります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御趣旨にこたえられるように十分努力したいと思います。  それから、私これは、一つの御相談ですけれども、社会党は自衛隊否定の立場に立っておられますが、海上保安庁のヘリコプターと申しましても、これは限度があるのです。だから、自衛隊のヘリコプターというものが、ただ、通信連絡に平素使われておるんですけれども、これが救急医療としての役割りを果たすように、これが訓練にもなるわけですから、たとえば民生協力の場合の災害地からの病人、老人、幼児の救出というような事実上そういう場合にも役立つんですから、こういうことも私は積極的に考えていいんじゃないかということを思っておるんです。これはどうぞ、立場は違いましても、一つの民生協力ですから、そういう面に自衛隊が出動することの可否、いわゆる民生協力として、これはひとつ新しい問題として検討を願っておきたいと思うのです。そして合意が得られれば私は、政府部内において積極的にそういう面に自衛隊がやはりヘリコプターをたくさん持っているわけですから、それが民生協力によって活動をし、また、訓練の実をあげておるということになれば、非常にヘリコプター自身の効用、効率というものもあがるように思いまするので、よく御趣旨の点は承りました。十分努力してまいります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣の問題提起は問題提起として承っておきますが、しかし、そういうものに肩がわりされたんじゃ困るんだ。肝心かなめの医療に、人命救助に必要なやはりヘリとか、あるいは医療施設とか、救急病院の体制ということを二の次にしておいて、そういうような切りかえしされたんじゃ困りますから、まず一番基本的なことをお忘れにならないように努力をしていただきたい。それだけは申し上げておきます。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 分科担当委員の異動について報告いたします。  ただいま宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として工藤良平君が選任されました。     —————————————

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、固定資産の問題についてお伺いいたしたいと思います。  ちょうど衆議院のほうではすでに宅地並み課税の問題が審議が始まっておるようでありますが、きわめて簡単でよろしゅうございますが、今回の農地の宅地並み課税、今回はごく局部的に限定をされておりますけれども、将来にわたって市街化区域の農地については、全体に波及をしていくつもりであるかどうか、まずその点をお聞きをいたしておきたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これはもう時間の関係もありまするからもう私、くどくどしい説明は御承知だと思いますので差し控えますが、とりあえず今回は市街化区域の、しかもそれは三大都市圏の市、そしてA農地、B農地、C農地については五十年までにその対策を講ずる、こういうことでございまして、直ちに全部を対象にするというていのものではございません。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 固定資産税を課する場合に、土地の固定資産税については、その収益性に応じて税金というものをある程度賦課していくということ、この点については、土地の持つ特性からいたしましても私は、大切ではないか。もちろん、それですべてということではありませんけれども、その点についてどのようにお考えかお伺いいたします。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) この収益という点については多少問題があると思います。まあ、潜在的収益という表現のほうが正しいかと思いますが、要するに、その償却資産としての家屋、土地、これをこの資産の価格に応じて適正な固定資産税を払ってもらう、こういう仕組みのものでございまして、まあ要するに、収益を非常にたくさんあげておるからより多く、収益がないからより少なくという制度にはなっておりません。まあ、今後といえども、それは別な面で、所得税なり何なりで課税をしておりまするので、固定資産税そのものとしては、いまのような行き方でいくことが妥当ではないかというふうに考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私、やっぱり土地の持つ性格からいたしまして、確かに今回の宅地並み課税の問題につきましては、都会のまん中にぽつんとたんぼがある。それが有効に利用されていればこれは別でありますけれども、そうでないという土地もあるということも十分に承知をいたしておりまして、そういう点については、何らかの措置が必要だと思います。しかし、市街化区域の今回指定される地域の中におきましても、やはり農業を主として生鮮な食料を供給していくという立場から、どうしてもこれは保護しなければならぬ地域も私は、あると思いますので、もちろん、それらは別の法律で一つの保護政策がとられるわけでありますから、私は、それなりに意義があると思います。ただ、問題は、この税の公平な負担という意味から考えまして、やはり私は、土地の価値というものについては、ずいぶん大きな違いがあると思います。それが評価の違いとなってあらわれておると思いますので、おのずから、やはりそれには、収益性という問題はかなり加味されてしかるべきではないだろうかという考え方を持っておるわけであります。けれども、その点については、自治大臣と若干違うようでありますけれども、そういたしますと、まあ一応その問題は後日に譲るといたしまして、私は今回の農地の宅地並み課税と比較対照的にいろいろと考えてみたわけでありますけれども、それじゃ固定資産の評価について、妥当なものであるかどうかということについて、これから具体的にお聞きいたしたいと思うんですが、非常に近ごろ、ゴルフ場の建設が進んでおります。  私は、大分でありますけれども、大分の地域でも、従来たった一つしかありませんでしたけれども、急激にゴルフ場の建設が計画をされ、推進をされておる。予測されるところによりますと、すでに二十幾つのこのゴルフ場の建設が計画されていると聞いているわけでありますが、いま全体的に自治省がこの資産評価をする場合に、このゴルフ場に対する評価、これは、全国的に一体これからどのようなかっこうで計画され、ゴルフ場が建設されていくか、把握をもしなさっているならば、お聞きをいたしたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) こまかい数字は、税務局長が来ておりまするから局長から答えさせますが、ゴルフ場は、取得経費、造成経費、そういうものが、とりあえずは根拠になりまして評価額がきまっていくわけです。これは山林ともまたちょっと性格が違いますから、山林より当然高くなるわけです。ところが、古くからあったゴルフ場——まわりがそれこそ宅地並み、いわゆる市街化区域であるというならば、これはもう当然、農地に固定資産税を、宅地並みに課そうという配慮をする以上は、これは考えていくことがあたりまえです。そういう評価になります。  それから、もう一つは、今度の特別土地保有税が、四十四年四月以降取得されたものであれば、これはいなおうなしにかかっていくということにもなるわけでございまして、ゴルフ場には、私どもも、静かにじっと目をつけておりますから、どうぞ御安心ください。  今後の計画等につきましては、事務的に申し上げさせます。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、ゴルフ場が全国で約六百ヵ所程度あろうかと思います。これについて、いま新設の計画がありますものを具体的に把握しているかということになりますと、私ども、この関係は、まだ農地転用の段階であるとか、あるいはまた買収段階であるとか、いろいろな状態がございますので、的確な把握ができないわけでありますけれども、大都市周辺地域におきましては、相当な、現在のものの二倍、三倍の新増設の計画があるということは聞いております。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私、建設省の調査によって見ましても、四十七年の十二月末で取りまとめをいたしました見込みを含めた面積が十四万五千五百二十一ヘクタールという、たいへん膨大なゴルフ場の用地の計画が把握をされておるようでありますが、たいへんな面積になってくるわけであります。  そこで、もちろん、この固定資産税だけでこれを規制をしたり、いろいろやるということは、私は不可能だと思いますけれども、ただ、税の公平な負担という立場から、いま自治大臣がおっしゃったように、農地を宅地並みに課税をするわけでありますから、せめて私は、このゴルフ場の関係についても、ここでしっかりと見直していく必要があるのじゃないかということで、具体的に調査をしてみました。  九州から中国、四国、そして東京近郊と、私は各地を回りながら調査をしてみたわけでありますが、具体的にいま大分県の実例を申し上げたいと思うのですが、これは二つある。近ごろできたゴルフ場と、昭和四年にできたゴルフ場とあるわけです。このゴルフ場の中で、昭和四年にできましたものの評価は、これは平均をいたしまして十アール当たり——一反当たり三万三百円であります。その近郊、近傍隣地の評価を見ますと、農家の反当、大体、米が五俵程度しかとれないたんぼが四万円から五万円で評価をされているわけであります。その農村の宅地が幾らかと言いますと、これは僻地でありますが、九万五千円です。よろしゅうございますか、これが一つの例。  それからもう一つは、これは新しく近ごろできました、四十四年にできましたゴルフ場でありますけれども、これはいま自治大臣がおっしゃいましたいわゆる近傍隣地のそれではなくて、いわゆる取得費に造成費をかけました——プラスいたしまして、それからいろいろな計算をして出したものでありますが、これを見ますと、こういう計算をいたしているわけです。取得費に百分の七十をかけております。これは売買実例規格に対する補正ということで三〇%引いておる、それに造成費をプラスをするわけですが、そのプラスをしたものに対して、これは山間部の造成に伴う自然条件の減額ということで百分の五十、これで半分になるわけであります。さらにそれに掛けることの宅地転用にする場合に要する造成費の補正とか、あるいは利用状況による補正とか、ゴルフ場の形態による補正というものを引くために百分の五十九を掛けておるわけです。約半分にこれもいたしておるわけですね。そうして出しますと、大体その評価額は、取得費に——本来から言うと、取得費に造成費を足しました約三億八千万程度のものが、一億一千九百七十万円程度に実はなっている。これに対する、これが評価額になりまして、それに対する税率というものが出てくるわけでありますけれども、これを近郊と比較をいたしますと、その反当たり面積がゴルフ場で六万二千四百円、その近くのたんぼが六万円、同じいなかの宅地が二十一万円に評価をされております。そうしますと、このいなかのゴルフ場の評価というものは、非常に安い評価がなされておる。しかもこれは会員券を発行いたしまして、個人、法人の会員券が九百名、平均四十五万円と、安いですけれども、いたしましても、約四億越す前後のお金が会員券として入ってきているわけであります。これと農村の実態というものを比較をいたしますと、反当六俵といたしましても幾らのお金になりますか、全面積でこれをやりましても、ゴルフの利用税の約倍程度にしか全体の収入が、米では、ないということになるわけでありまして、そういうことからいたしますと、私は、この一つの例をとりましても、非常に大きな差が出てきている。このように思うわけでありますが、この点については、自治大臣はどのようにお考えでしょうか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) もとより、ゴルフ場がそういう特別扱いがあってはならぬわけであります。これは、国民的な、むしろいまではレクリエーションの場として、相当広く大衆層にまで浸透してきておりますが、そうかといって、いま市街化地域ではありませんが、不当に安いというようなことがあってはならぬと思います。これはよく実情に即して、特にことしは評価がえの年でもありまするから、十分精査して、適切妥当な課税がなされるように、これはお約束します。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 大臣、結論から先に言ってしまったもので、私、そこに結ぼうと思っていたのですけれども、早く結論が出されてしまうものですから、質問がみんなおかしなかっこうになるのですけれども、しかし大臣の決意を促す意味におきまして、もう少し一、二、例を私は出したいと思うのです。  これはいなかの、いまは土地買いあさりといわれております、そういうものが、非常に広大に、そういう形で行なわれておるということを、まず頭に置いていただきたいということ。それから、この大都会の都市近郊、東京近郊を私は調べてみました。これは例を二つあげたいと思うんですけれども、一つは、三鷹市に国際基督教大学というのがございますけれども、総延べ面積三十六万坪、そのうちに半分の十八万坪をゴルフ場に使っております。これの評価を私は調べてみますと、これは三市にまたがっておりますから、小金井、それから調布、三鷹とまたがっておるわけでありまして、大体三市で協定をいたしておるようでありますが、ゴルフ場の中は、いろいろな要素はありますけれども、大体、平均をいたしますと、約五万——四万九千円から五万円に評価をいたしているわけです。その周囲の土地が幾らかと調べてみますと、高いところで、東側で——これは坪当たりです、単位が違います。坪当たり約十万円。それから北側にまいりますと、これは小金井のほうでありますが、大体六万四、五千円。それから西側にまいりますと、約九万五千円ですね。大体平均をいたしまして、七、八万円程度の宅地の評価かなされておる。そのどまん中に三十六万坪という面積を擁して、その半分は学校敷地として確保しておるわけでありますけれども、しかし十八万坪がそれに使われておる。その評価が五万円で、約、その回りの宅地の三割減、平均いたしまして三割減という状態になっておるようであります。  それからもう一つ、小金井カントリークラブです。これは大臣、いま申し上げました。ここはずいぶん以前からあるようであります。ですから、これはなかなか評価がむずかしいと思いまして、これもまた調べてみましたが、ここはどういう評価をしておるかといいますと、大体宅地に類似した評価をしている。したがって、その宅地に面した面積と、畑地、隣地に面した面積は、その畑地が幾らで評価をされているかということによって評価をしているわけでありますけれども、それによりますと、大体畑地が三万二千円、宅地が、これは小平市に面した部分が大体五万五千円から六万円、こういうことで評価をされておりまして、小金井市のほうが、桜町の方面が七万円、それから関野一丁目、二丁目というほうが、保谷町のほうですが、これが六万八十円という程度で、この平均した小金井カントリークラブの評価が、五万円を少し割っているという状況が出ておりますから、これも結局はやはりそういう程度にしか見られていない。しかも、ここの小金井カントリークラブの場合には、私、昨日いろいろ調査をいたしました。会員権が幾らかということで調べましたら、近ごろあまり動いていないようでありますが、一年半前に最後の動きがあったそうでありますが、そのときが、一つの権利が三千五百万円だそうです。これは田中総理もお持ちのようであります、調べましたが。自治大臣はどうか知りませんけれども、そこまで調べませんでしたけれども、持っていないと思いますが。田中総理大臣も持っておるようでありますが、いま私が買いたいんだということで電話をして——もちろん買う金はありませんけれども、そういうことでお話しをいたしましたら、いま買うとすれば、もし動くものがあれば、大体四千万から五千万でなければ買えないでしょうと、こういうことであります。  そこで私は、これをいま現在、あの周囲全体が幾らしておるかということで調査をいたしましたら、現在の売買価格は約二十万であります。坪二十万であります。そうすると、五百人の会員に限定をしておるということでありますから、大体四十万といたしましても、二百億という価値があるということです。五百人で二百億。ところが、これ、総面積に、いま言う二十万円を掛けますと、大体二百五十億から二百八十億ぐらいの実は積算の価値が出てくるわけであります。このようなたいへんばく大な価値を持った土地に対して、やはりその周辺の畑や、宅地や、隣地と類似しておるということで、そのような評価に基づいて固定資産税の評価額をやるということについて、私は今回のこの農地の宅地並み課税という趣旨からいたしまして、ほんとうに国民のために土地を求め、供給をしてあげるという趣旨に立ち、そういう観点からいたしましても、私は全くこれは庶民から見れば、よだれの出る話なんであります、全くどまん中に膨大なそういうものがあるわけでありますから。しかも、そのような評価がなされていることが、私は今日までのこの評価のしかたというものが、どうも問題があるような気がいたしますので、さっきまあ結論を言われてしまいましたけれども、ぜひ、これは、本年度はこの評価がえをする基準年度でありますから、思いきったやはりこの評価をやるということをやらなければ、私は片手落ちではないかと、こういう気がするのでありますけれども、具体的な調査をしていただけますか。そして評価がえにあたっては、これを具体的に指示されるかどうか、明確にお答えいただきたい。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、私、さっきもお答えしたように、きわめて重要な点だと思うんです。農地の、一口に宅地並み課税ということをいっておりますときに、都会近傍で、しかも宅地が周辺に九四%もあるというようなところで、ゴルフをしなくても——それはレクリエーションの場だ、スポーツだ、いろいろ言い方はありますけれども、たいてい利用する人は車で行くんですから。バスに乗ったり、地下鉄で行ったという話、聞いたことない、あんまり。もっとも、あの大きなバッグを持って入られても困りますけれどもね、地下鉄なんかに。ですから、もっと遠くへ行けばいいので……。この評価がえはやりましょう。  これはただ、小金井の場合は、ここに資料がございますから、必要があれば、いまの、局長から申し上げますが、大正年間に買った土地であるというようなことで、周辺の土地の平均をやや上回る形で課税標準額ということにしておるようでありまするが、これはやはり今度の、これは新しい政策を展開する場面ですから、やはりこういうものを見のがして、あの農家に、いかに、その農地の転用方途を、いわゆる住宅建設方途を具体的に助成をしたり、利便をはかるとは言いながら、不公平があったり、国民的不満が出てくるのは、そういうところから出てくるのですから、私も政治問題として、よくこの問題は検討いたします。——必要があれば言いますよ、ただ、時間の問題があるからね。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 はい。私ももうこの結論をいただければ、そう長々しくやる必要はないと思うんです。ただ、さっきから私は申し上げておりますように、ゴルフ場の評価というものが、非常にそれぞれの自治体によって、この標準をつくるのに困難をしておるようであります。もちろん、自治省の指導というものが行なわれ、そういう一定の基準というものはあるようでありますけれども、たいへん極端なアンバランスがあると、こういうようなことが出ておりますので、これはぜひ、ひとつ、今回の評価がえに、間に合うかどうか知りませんけれども、できるだけ間に合わしていただいて、やはりきちんと評価をしてもらう。これは何とか修正をするなりしてもらわなければ、話にならないと私は思うんですよ。こんな矛盾を、これ以上やって、これで農家の皆さんからは取りますよじゃ、これは話になりませんから。私はこれは自治省の指導としてもできるんじゃないかと、基準額の設定については。その点、もう一ぺん——これは事務当局とちょっとこう意見違うようですけれども、大臣のほうから明確に、それこそ私は、お答えいただきたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは進んでお答えしておきますよ。こういうものが政治問題ですからね。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 そうなんですよ。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) やっぱり農地の宅地並み課税の法案が、修正の形で——これはしかし通るか通らぬか、あなた方に御審議願わなければなりません。これは通してくださいよ。ですから、それが通るという前提があれば、通るという前提になれば、——もう評価がえはほんとうは済んでるんですよ。そうしてまあそんなに——私はいまここで資料を見てみましても、大きな差はありませんが、しかし、この新しい政策が、ここでにわかに展開される以上は、これはやはり見直しをすることは必要です。これはまじめな御質問だと思いますから、こっちも真剣に受けとめて、協力して、この問題には御不満のないように結論を出したいと思います。

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 いまも大臣からきわめて明確な御答弁をいただきました。私はたとえ標準年——ことしが標準年でありますが、途中であろうとも、こういう矛盾については、やはり政治的な課題として直していく、こういうことが必要であろうと思いますから、ぜひ、これは実力大臣でありますから、私は、期待を申し上げて、実はきょうここに持ってきたわけで、ぜひ私は期待をいたしたいと、このように思います。先ほど例に出しました国際基督教大学の問題については、これはまたいろいろと、内容についてさらに私も検討したい点もありますので、これは別の場で議論をいたしたい。問題は、いま私が申し上げましたゴルフ場の評価については見直しをする、こういう御回答をいただきましたので、私は質問をこれで終わりたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 先ほどは、宮之原委員が、出身県であります鹿児島県の奄美の問題についていろいろ御質問をされておりましたが、私は、出身県ではございませんけれども、本院の沖繩及び北方領土対策委員会に長い間所属しておりまして、沖繩県には、復帰前から今日まで四、五回行っておりまして、沖繩の事情はよく知っております。そういう関係で、沖繩の問題につきまして、自治大臣にちょっとお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。  そこで、冒頭申し上げますことは、これは、大臣すでに御承知のことなんですけれども、沖繩が昨年五月十五日に復帰いたしましてから、すでに十カ月以上経過したわけでありまして、先般、某新聞社で、沖繩県民の世論調査をやったその結果が出ております。この件につきましては、過般の予算委員会の総括質問等で喜屋武委員もいろいろ発言されておりまして、要するに、本土に復帰してよかったと思う者は、どのくらいいるかという調査に対しまして、ようやく半数を越えた五二%が、よかったという意思表明をしておるだけであります。そして、復帰前と、ちっとも変らないと答えた者が二三%、復帰前のほうがよかったと答えたものが二四%いるわけであります。それから、復帰前のほうがよかったと答えた人のうち、生活が苦しくなったといったものが六六%、本土企業が地元企業を圧迫しているといったものが一〇%。それから、全体的に復帰後暮らしは、復帰前より楽になったと思いますか、という問いに対しまして、変わらないと答えた人が五〇%、苦しくなったと答えた人が四一%、計九一%という人が、復帰前と暮らしが変わらない、あるいは苦しくなったと、こういうふうに答えているわけであります。  そこで、まず自治大臣にお尋ねいたしたいことは、この世論調査に表明された沖繩県民の気持ちをどういうふうに受けとめられていらっしゃるか。率直に自治大臣の御見解をまずお尋ねいたしたい、かように考えます。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 川村議員が、予算の本委員会でも、きわめて熱心に沖繩問題と取り組んでいらっしゃることには、私も敬意を表しております。沖繩県民が、いまお示しになったような、世論調査にあらわれたような心境、私は、これは決して真実から遠いものではない。確かにそういう考え方もあろうというふうに、率直に、その額面どおりに受けとめております。ただ、問題なのは、やはり長い間、異国の施政権下に置かれておったということ、そうして、本土に復帰はいたしましたものの、さてという、やはり不安感がある。それから、本土がいわゆる物価高である、沖繩に比して物価高である。アメリカの場合ですというと、一種の属領的な、植民地的な考え方で、多少あの小さい島国には、政策的に物価調整などもやっておったというようなこともありましたりして、確かに生活の面にあらわれるゆれというものを否定するわけにはまいらないと思います。しかし、だんだん施策の適切を得るに従って、そういう心境は落ち着きを持ってまいるものと深く期待するわけでありまするが、もとよりやはり本土に戻ってよかったという感じ方が強まることが、私ども政治の責任の衝にある者の最も必要な仕事でありまするので、十分ひとつ今後とも沖繩対策のためには特段の努力を払いたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私も全く同感なんでございます。沖繩県民の大方の人々が、復帰してよかった、暮らしも楽になったと、実感を持って意思表明ができるような、そういう沖繩を一日も早くつくることが、二十七年間にわたって異民族の支配を受け、屈辱の生活を続けてきた沖繩県民に対する政府の責任でもありますし、また、われわれ政治家としてのつとめであろうと、私はさように考えておるわけであります。そこで、この点を考えるならば、政府のすべての施策が、集中的に沖繩に向けられなければならないと、私はかように考えておるわけであります。しかるに、現実の沖繩はどうか、こう考えてみますと、もう現在の沖繩というものは、日本本土のあらゆる矛盾が、ごみ捨て場のように、集中的に集ってきておる。こういっても過言ではないのじゃないか、現地を見て、私は、そういうふうに考えるわけであります。かっての守礼の国沖繩、この沖繩が現在どういう姿でありますか、異常な物価の高騰、そうして麻薬、売春、凶悪犯罪等々、まさに悪の町になろうとしておるわけであります。これが日本の一つの地方公共団体の実態なんです。四十七都道府県の中にこういう県が一つある、このことを自治大臣に認識していただかなければならないと思うわけであります。また、自治大臣は国家公安委員長も兼ねていらっしゃるので、この麻薬であるとか、売春であるとか、あるいは凶悪犯罪が続出しておる、この地方自治体の実情に対応して、どのような行政を施行なさろうとしているか、自治大臣として、国家公安委員長として、こういう立場からひとつお答えをいただきたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の公共事業、その他の復興事業の促進ということにおきましては、関係各省庁と私ども自治省は十分連絡をとりまして、少なくとも、地元の財政負担力が脆弱であればあるだけに、十分特例措置を有効に働かせることによって、円滑に事業が運営できるようにということを常に念頭に置いておる次第でございます。まあ、そればかりか、今年も引き続いて臨時沖繩特別交付金三百八十八億円、これを財政上の特例措置という形で交付しておることも御承知のとおりであります。今後なお十分努力をしてまいりたいと考えております。  それから犯罪等の問題でありますが、沖繩県民自体の犯罪というものは、比較的横ばいという形で、そんなに激増しておりませんが、内容がよくないですね。非常に凶悪化の傾向をたどっておるということ、それから大基地がありますために、国際的な犯罪がそこにある。国際的犯罪には麻薬がからむ、これなどは容易ならぬ問題であると思いますので、警察におきましても、十分細心の注意を払って、これに対策しておるというのが実情でございます。  それからもう一つの特色は、交通事犯が多いということです。この交通事故等も調べてみまするというと、アメリカのこの統治下にありましたときは、右側通行であった。現在は、本土から自由自在に行き来ができるようになりましたために、左側通行に慣れた本土の人々が、カーフェリーでどんどん沖繩に行っておるということ。そこで、ちょっと勝手が違って感違いが起こるというようなことも原因しております。  それから、道路整備がおくれておる。これはやはり本土に比べまするというと、軍用道路こそ整備されておりまするが、それぞれの市町村を結ぶ幹線道路というものが、まだまだ完全なものとは言えないというようなことが原因しております。これは前段で御指摘になりました沖繩の公共事業の促進ということにも密接な関係があるわけであります。努力をしてまいりたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 沖繩開発庁は、この沖繩の振興開発の問題につきまして、各省庁の意見を調整する、そういう業務を持っておるわけでございます。また、そういう立場から、四十八年度の沖繩県の、国の予算のいろいろな要請に対しまして、それをまとめていった、そういう仕事をなされたと思うわけです。そこで、いま自治大臣がおっしゃっておったそういうような行政を施行するために、ことしの予算編成については、どのような努力をされたのか、開発庁の立場から御説明願いたいと思います。

渥美謙二沖繩開発庁振興局長

○政府委員(渥美謙二君) 御承知のように、振興開発法その他毎年の予算措置におきまして、補助率をきわめて高いものを適用してもらうことになっておりますし、また予算折衝の場でいろいろ努力いたしております。まあ推定でございますけれども、大体いわゆる振興開発予算、これが四十七年度が四百六億円でございました。地元負担を推定してみますと大体一二、三%ぐらい。四十八年度には一二%足らずぐらいのところであろうかというふうにあれしております。特に、四十八年度予算では海洋博関連の公共事業、これが多いわけでございますが、御承知のように、直轄事業とか、それから道路、港湾等につきましては、十分の十の全額補助と、こういうことをやっております。これが海洋博関連事業のうち八三%ぐらいは全く地元に御迷惑をかけないと、まあこういうことでございます。さらに負担を要しますものにつきましても、海洋博のために、本部半島一周の送水管を回さねばいかぬ、その総事業費が十五億円ぐらいでございます。これは通常本土の場合ですと、四分の一の補助率が適用されると思いますけれども、そのような事情を考慮いたしまして三分の二の補助率にしてもらいました。まあ海洋博関連事業、そういうようなことで、全体として約千二百億円と考えておりますけれども、地元負担は三十四億円程度、約三%足らずぐらいの数字でおさまっております。しかし、特に、本部とかそういう地元でございますと、ここは集中的に投資が行なわれますもんですから、かなり負担が出てくるのじゃないか。そこで、なるべくいわゆる海洋博協会にいろいろ所要分を持ってもらうとか、そういう努力をするように、またさらに現在実行上努力いたしております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は、沖繩県の四十八年度予算案につきまして、自治省からいただいた資料をいろいろ分析してまとめてみたわけでありますが、こういうようなことになろうかと思うのであります。すなわち歳入、歳出の財政規模は総額九百三十億九千八百万円、対前年度比はわずか一六・八%の伸びに過ぎません。これは全国都道府県中ずば抜けて小さいわけであります。国の地方財政計画の伸び率三二・八%に比べても、問題にならないくらいに小さいわけであります。  それから県税でございますが、これは地方税ですね。総額七十五億六千七百万円で、これは五九・三%の伸びで問題なく全国最高であります。地方財政計画二七%増よりはるかに高率な伸びを示しております。  次に、地方交付税でございますが、これが三石七十九億円で二八・四%の伸び、地方財政計画一六・六%の伸びと比べて大体同じでありますが、わずかに低いわけであります。  次に、国庫支出金について見ますというと四百三十一億円、これは二三・一%の伸びであります。地方財政計画の伸び三〇・一%に対比して七%低いわけでございますけれども、しかし構成比においては沖繩は四六・四%を占めております。地方財政計画は二七・三%。したがって、沖繩県財政の中に占める国庫支出金の割合というものはきわめて高く、歳入のほぼ半分を占めておる。これが実情のようでございます。  この結果、どういうようなかっこうになっておるかと申しますと、沖繩県財政の中で占める依存財源と自主財源の割合でございますが、依存財源が八百四十一億一千三百万円で、実に九〇・三%。自主財源が八十九億八千四百万円で、わずか九・七%にしか過ぎない。これが沖繩県財政の実態なんであります。これは自治省の資料を分析した数字なんでありますけれども、この数字に間違いがあるかどうか。間違いがあったらひとつ指摘していただきたいと思うわけです。  これが間違いがないものといたしましたならば、私がいま申し上げましたこの財政の実態について、自治大臣としてどういう御見解を持っていらっしゃるか、それをお聞かせいただきたい。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) ただいま先生がお読み上げになりましたのは、一般会計予算でございます。この一般会計予算の構成比の数字、それはそれとして先生のおっしゃるとおりでございます。これを普通会計に——他の地方団体との比較の関係がございまして普通会計に置き直しまして、前から申し上げておりまする類似五県、すなわち人口あるいは面積あるいは財政力指数、こういったものの近似しております島根、徳島、高知、佐賀、宮崎、こういう五県と横に並べて比較をしてみました場合に、やはりただいま仰せになりましたように、地方税、これも税源が非常に少ない。これは言えようかと思います。  たとえば一例を、時間がございませんので結論的に申しますと、沖繩県が七・八%、島根県が八・三%、こういうことで、あとの徳島以下の四県でございますと一二、三%。こういう構成比でございます。それから、国庫支出金の構成割合が非常に高いという御指摘がございましたが、そのとおりでございます。これは御案内のとおり、沖繩は復帰いたしまして、急速に社会資本の整備をやらなければならない。こういうことで、高率補助、ものによりましては十分の十という高率補助をやっておる。国庫支出金が当然他の類似団体に比較いたしまして高くなる、これは当然の結果であろう。それがまた、あるいは沖繩の急速な本土との一体化ということのために当然とられた措置の帰結である、こういうふうに考えるわけでございます。  それから、前年度との比較におきましては、たとえば地方税の問題でございますと、先生御案内のとおり、いままでの沖繩の県の税制、それから市町村の税制、これが本土の税制と税目において入り繰りがございまして、その辺を置き直みて比較をしてみないというと、正確な比較はできない。あるいはまた前年度におきましては、五月十五日から復帰でございましたから、十・五ヵ月の予算であり、今年度は十二ヵ月のまるまるの予算である、こういったこともいろいろ織り込んで考えてみなければならないと思います。要するに、結論的に申しますと、地方税、譲与税、交付税、これを合わせましてのいわゆる一般財源、これが多いか少ないかということが、私ども財政を見る場合の、一つの大きなポイントでございまして、その点から申しますというと、四十六、七%というところでございまして、他の類似県に比較いたしまして高目に出ておる。それだけ一般財源というものは、ほかの類似五県に比べますと、やや高目にウエートは出ておる、こういうことが言えようかと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 財政局長の御説明、これはわかるんですが、私も、沖繩県と大体財政規模の類似県ということで、全部は比較できませんでしたが、島根県、鹿児島県あたりと比べてみたり、それから類似県の平均値をとってみたりして比べてみましたら、類似県のほうは、たとえば地方交付税につきましては構成比三二・七%、それから国庫支出金の構成比は三四・八%、そうしますと、沖繩県は前段のほうが四〇・七%、後段のほうは四六・四%、特に、国庫支出金は、問題なく財政規模の半分、かもう国庫支出金であるといったようなことは、やはり問題があると思います。  そこで、さらにお尋ねしますが、いま私の申し上げたことが大体たいした間違いもないとするならば、ここから私の判断になるんですが、お尋ねしたいことは県税が五九・三%も伸びた理由、これはいまちょっとお聞きしてわかったような気がしますが、ここをもう少し納得のいくように御答弁いただきたいわけです。  そこで、地財計画では二七%になっていますね、この県税の伸びが二七%になっていますね。ところが、五九・三%も伸びたということによって、これは一体県民生活に影響ないのか。この数字を見ただけではずいぶん県民に対する苛斂誅求が行なわれているような感じがするわけでありますか、この点実は心配がないのかどうかお答えいただきたい。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 税務局のほうから正確な答弁ができようかと思いますが、都道府県税の税目におきまして、いままで市町村税でございましたもの、これが都道府県税に入っておる、こういうものが私は大きな原因になっておるのではない、だろうか。琉球政府税と、それから市町村税、この税目というものが都道府県税に入ってきておる。負担の関係につきましては、これは御案内のとおり、内地の税制に移行しますことによりまして税負担というものが過重にならないように、負担が重くなるものにつきましては、漸次内地並みの負担に近づけていく、こういう非常に手厚いと申しますか、そういった意味での激変緩和の措置をとっておりますので、苛斂誅求ということにはならない。税制の仕組みが変わったことによりまする税収の伸びと、それから十・五ヵ月分と十二ヵ月分のこの伸びと、この相乗であろうと思うわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それは大体納得できるような気がいたします。  次に、地方交付税についてですが、これは沖繩県に対しましては、特別交付税という非常な配慮を払っていただいていることもわかっておるわけであります。しかしながら、地財計画の伸びが一六・六%。沖繩が一六・四%としますと、地財計画よりもわずかながらやはり低いわけです。いろいろ考慮を払っていただいていることは十分わかるといたしましても、なお国の地方財政計画よりも低い地方交付税の交付というものは、沖繩県の特殊事情からいって、私は、納得できないわけでありますが、この点ひとつ御説明願いたい。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 交付税の数字については、先ほど申し上げませんでしたが、少し相違があるようでございます。御案内のとおり、四十七年度の地方交付税、沖繩県は二百八十五億であります。四十八年度の当初に見込んでおられます数字三百七十九億でございまして、九十四億、四三・六%の伸びを見込んでおられるわけであります。これは実は率直に申しまして、四十八年度の普通交付税、これから法律を通していただきまして、それで計算をするわけでございますので、全く県の見込みでございまして、率直に申しまして、三百七十九億、四三・六%の伸びというのは少し沖繩県は多く見過ぎているんじゃないかということで、私ども、沖繩県の予算編成の過程で、内面指導をいたしておったわけでございますが、これを期待する、こういうことで私どもの申し上げたのに対しまして、やや高目の数字ということを組んでおられます。一応その点を別にいたしまして、三百七十九億という数字の伸びは、前年の二百八十五億に対しましては、四三・六%の伸びになっておる、こういうことのようでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 何ぼの伸びですか。二百八十五億、三百七十九億とした場合に、何ぼの伸びになるのですか。ぼくがいただいた資料には、一六・四%の伸びになっているものだから。四十何%ですか、それじゃ議論の根拠が違ってくる。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 九十四億でございますから、四三・六と私が申し上げたのは、少し計算が違うようでございますが。三十何%の伸びだと思います、ちょっと正確にそこで計算をさせますが。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それではいただいた資料の数字が違う。ぼくのいただいたやつには、その前段の数字が合っているのです。二百八十五億、三百七十九億で、九十四億の伸び……。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) どちらから出した数字でございましょうか。

川村清一日本社会党

○川村清一君 自治省……。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 私のほうの数字ではないと思いますけれども。

川村清一日本社会党

○川村清一君 自治省の方に来ていただいて、これだけやってもらった。それじゃ議論の基礎になる数字が違う。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 三三%の伸びでございます。先ほど四三・六%と申し上げましたのは読み違えでございまして、三三%の伸びでございます。失礼いたしました。

川村清一日本社会党

○川村清一君 資料の数字が違うものですから、議論がかみ合ってこないわけです。それだけ伸びているのでは、地方財政計画よりもはるかに伸びているわけです。地方財政計画が一六・六%であるのに対しまして、これが一六・四%なんです。こんな特別な考慮を払いながら、わずか一六・四%で、地財計画よりももっと低いというのはおかしいなと思って、これじゃ問題にならぬと思って質問したところが、三三%も伸びていると……。  いずれにいたしましても、それらを全部なきにしまして、結論的に申し上げますならば、大臣ね、依存財源が九〇・三%、自主財源が九・七%という財政構造が問題なんです。これでは、事実こういう構造であるとするならば、われわれが問題にしている三割自治どころか、一割自治にもならぬわけです、そうでしょう。これでは自治省、政府がいかに抗弁しようと、われわれは一昨年の沖繩返還協定の審議にあたっては、この点をずいぶんやかましく言って議論したわけです。これによってほんとうに沖繩が返ってきて、そうして自治、これが一体尊重される沖繩になるかどうか。——単に政府のひもつきでもって、中央集権力がますます強化されていくというようなことになっては、とんでもないという立場で、議論をしてきたわけであります。しかしながら、この財政構造というものを検討してみますというと、このように財政が硬直しておっては、県民福祉向上のための沖繩県独自の単独事業なんか何にもできないでしょう、こんなようなことでは。それを私は問題にしてるわけです。これどうですか、こんなようなことでは県の自治も何もないでしょう、財政的には。この点御説明願いたいんですよ。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) 御指摘の点、重々理解できるわけでございますが、これはまあ釈迦に説法かということになろうかと思いますけれども、御案内のとおり、現在の地方税制の仕組みそれ自一身のもとにおきましても税源の偏在、すなわち経済力の発展の不均等ということがございますので、結局沖繩県でございますとかあるいは島根県、徳島県、高知県、あるいは鹿児島県、宮崎県、こういったようなところでございますというと、地方税の占める割合というものはこれはどうしても一割前後と、こういうことでございまして、それを補うためにいわゆる間接課徴の地方税源といたしまして交付税というものがある。したがいまして、自治をささえる財源といたしまして私どもが常に頭に置いておりますのは、先ほども申しました税のウエートを高める、あわせて、税のウエートを高めましても現在の地域的な経済力の不均等がございます以上は税源というものがどうしても乏しい、したがいまして、税のウエートを高めましても税金の占める構成割合というものが上がらないところがあると、そういうところはやはり交付税というものがそれを補ってまかなってまいる、こういうことで、税と交付税と合わせましてのいわゆる一般財源、それとあわせまして地方債、こういったものを財政の手段として自治活動をやっていく、こういうことにならざるを得ないというふうに思うわけでございまして、基本的には税と交付税、この両方の車というものをどのようにして大きくしていくかということが基本であろうと思います。  ちなみに沖繩県の場合、繰り返して申し上げて恐縮でございますが、地方税、譲与税、交付税、この三つを加えましたいわゆる一般財源の構成割合、これは類似県に比べますというとかなり高目に出ておる。そういった意味で私は沖繩県の現在の自治体活動を行なっていく上で、もちろん十分とは言えませんけれども、他の類似団体に比べましてそう見劣りのするような一般財源の構成割合ではない、これははっきり申し上げられると思うんです。

川村清一日本社会党

○川村清一君 まああなたの立場からそういうことをおっしゃっておることもよくわかるわけです。しかし、この沖繩というのは、これはもう非常なやっぱり政治的な問題をかかえておるわけですよ、沖繩の復帰に至るまでの経過ね。でありますから、今度の国会冒頭にあたりまして田中総理大臣の施政方針演説の中で、自治体の——いわゆる四十七都道府県のうちの一つの自治体ですよ。自治体に言及してこれに特別な援助をされたなんということはないでしょう。沖繩には特にうたっているわけですよ。やはり沖繩の特殊な事情の上に立って、そして新しい時代に即した豊かな地域社会を実現すると、県民の長い歳月にわたっての労苦に報いたいと、これが政府の方針なんですよ。総理大臣がわざわざこの点をうたっているわけですね。そういうことを考えるならば、やはりこの特殊事情というものを十分考慮して、——ほかの同じ県と大体同じであると、決して財政的にも遜色がないという御答弁、それは事務当局の立場から言えば、それにことしというものを考えてみればそうかもしれませんよ。ところが今日まで二十七年間のこれは空白があるわけですよ。だから行政水準だってずっと低いわけでしょう、沖繩のほうが。でありますから、二十七年を取り返して、そして普通の県並みに持っていくとするならば、特別な配慮がなされなければならない。その特別な配慮が要するに一昨年の国会において特別措置法をつくって、いろんな公共事業その他の、非公共事業についても補助率をほかの県よりもちょっと上げたと、そして公共事業等については十分の十の補助をしておるといったようなこと、それから地方交付税につきましても特別交付税、ことしは三百八十六億ですかを出しておりますね、こういったようなこと等の考慮がなされておる、これは当然なんですよ。ですから、類似県と同じだからいいのだということではなくて、類似県以上にもっともっとやって一日も早くこの行政水準というものを他の県並みにして、そうして二十七年間の労苦に報いると、こういうことで、そこで私もわざわざ沖繩の問題を取り上げてここでいま議論しているわけですから、この点大臣も政治家として十分配慮していただいて——言うまでもなくこの点は考えていらっしゃると思いますけれども、特にやってもらわなければならないと私は考えるわけでございます。そういう意味において、この問題が——これは最後ですが、こういうことを申し上げておきたいのですよ。やはり国庫支出金の財政構造の中に占める割合が非常に高い、これは事実なんですね。そうしますと、これに対しましてはこれは全額国庫負担の点もたくさんありますけれども、やはりこれは補助事業ですから県負担の分がたくさん出てきますね。その県負担の分は地方交付税あるいは県税でもってまかなうというかっこうになるわけです。したがって、地方交付税は相当めんどう見てやってもなおかつ足りないという問題、それから県税は担税力が全然ないですからね、県税は上がっていかないということになってくるわけであります。しかしながら、しからば国庫支出金をもっと下げたらばいいじゃないかという理屈は私は言えないわけです。なぜかならば、これは沖繩というものは社会資本がずっと本土に比べて低いわけでありますから、一日も早く本土並みの社会資本を充実してあげなければならないとするならば公共事業もどんどんふやしていかなければならないのでありますから、これを減らすわけにはいかないと。そこで、この面と、それからこの自主財源というものを関連して考えてみますならば、どうしてもやってもらわなければならない点は、補助率は特例によって他の府県より優遇措置がとられているけれども、私のところにこの資料もあるわけですが、必ずしもみな十分の十というわけでもないんであって、しかし、他の府県よりはいいですよ、十分の十でなくても他の府県よりはいいこともこれは事実でございますけれども、さらに繰り上げていって、できるだけ全額国庫負担になるような、十分の十補助といったようなふうに特例をさらに拡大していくということを行なってもらいたいと思うわけでありますが、この点がどうかということ。  それから、さらにもう一点は、地元の超過負担というようなことには絶対ならないように補助単価等は実態に即したものをもって計算してもらいたいということ。  それから地方交付税、これは特別交付をやっているわけですからもう十分というふうに言わないで、さらにこれは考慮してもらわなければならないんではないかと考えるわけでありますが、この点はどうですか。いわゆる財政をもっと援助してやる、こういう立場に立っていま私が申し上げたようなことが配慮されないかどうかということを大臣から御答弁をいただきたいわけです。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 財政局長からも詳しく御説明を申し上げましたが、やはり結論は沖繩県民が本土に戻ってほんとうによかった、これが沖繩県民の声としてにじみ出てくるような政治、これはやはり大事なことだと思うのです。そのためには沖繩県及びその市町村の自己財源というものが非常に貧困であります。したがいまして、引き続いて臨時沖繩特別交付金をはじめとする財政上の特例措置をこの上とも継続しまして十分ひとつ対策をしてまいりたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 最後に簡単でございますが、これは必ずしも沖繩だけでなく、これは全国の地方財政の問題になっているわけでございますが、ドルの一〇%切り下げと円の変動相場制移行というような経済事情の変化から、これは国の予算そのものが補正予算を組まなければならないということになることははっきりしておるわけでございますが、こういう立場になってまいりますれば、また一昨年のように地方財政にも大きな穴があいてくるわけであります。地方税において、あるいは交付税においていろいろ歳入欠陥が生じてくるわけでありますが、そういう事態が生じた場合において当然沖繩に対しては既定のことはされるものと思いますけれども、しかしそのことによって沖繩の借金が、たとえばことしの予算では二十億の起債しか考えておりませんようですが、さらにこの起債をもっとふやすとかあるいは交付税は、ことしの国の交付税は九百五十億ですか、これは借りて交付税特別会計に入れてそしてやりますね。ところがこの九百五十億よりさらにふくれ上がってきていったようなこと、また沖繩に対してもそういう点においてまた借金を負わせるというようなことになりますれば、非常に困るわけでございますから、いまの経済事情の変化に応じて、沖繩に対してはその点を十分そういう場合も配慮して県を困らせるようなことは絶対しないのかどうか、この点をお聞きして、そして私の質問を終わります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) ドルの切り下げに伴いまして、現在フロート制をとっておりまするが、一昨年の場合はきわめて不況感がびまんしておる最中に突然ああいう円の切り上げ問題が起こったり、これは課徴金問題が火つけ役になったわけでありまするが、非常な日本の経済界としてはショックを受けたわけです。しかし今度の場合は、ちょうどドイツが過去においてマルクの切り上げをいたしましたときの経済的背景が好況下であったということと同じような条件下において切り下げが行なわれ、またフロートはしておりまするが、近い将来円の切り上げを迫られる、こういう形になっておりまするが、この年末から年初にかけましての日本の経済全般を見てみますると、相当好況の様相を呈しております。現在でも金融引き締めを積極的にする、金利を上げる、また農協などの系統資金にまでその引き締め対策をする、これはいまの好況を調整していくための一つのやはり措置であることは間違いございません。そういう意味で今度のこのドルの切り下げ等による通貨混乱の影響というものは、この好況であることによって相当吸収されるというのが私ども政府の一致した見方であります。したがいまして、地方財政計画等についても、手は加えないわけでありまするが、もしという、いま御指摘のように、輸出産業でも特に依存度の高い市町村でこれが非常な影響を受けるというようなところは、これは影響を免れないでしょう。沖繩は必ずしもそれに該当すると思いませんが、しかし、もし、これは御指摘のような事態が起こるということになれば、当然それなりの措置をしなければならぬと思います。それは十分留意いたして細心に見守っていきたいと思います。     —————————————

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 分科担当委員外委員内田善利君から発言したい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。内田君。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 志布志が住民の反対によりまして、鹿児島県の大隅開発試案が一とんざしているわけですが、今度は奄美大島の宇検村ですね、今度は五十万バーレルという石油プラントをつくるということが打ち出されておるようですけれども、このことについては、どのように奄美大島を管轄しておられる自治省ではお考えになっているのか、掌握しておられるのか、まずお聞きしたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) この問題は予算の本委員会でも御指摘がございました。ちょうど四、五日前でございましょうか、あらかじめ質問要旨の御通告がありましたので、鹿児島県に対しても私ども直ちに事務当局を通じて照会したわけであります。鹿児島県当局も、新聞で問題になっておることは承知しておるが、正式に県に対してはまだ連絡は何ら受けていない、まあ一口に言えば関知せず、こういう回答があったわけであります。しかし、新聞等に報ぜられておりまするので私もそれは見ました。そこで宇検村に石油基地を建設するという計画があって地元民が騒いでおる、これはやはり重要なことでありまするので、今後とも石油企業をはじめ大企業が進出するという場面におきまして、地元が反対であるというような事態があるところへ強引に企業がすわり込む、これは事実上できないことでもありまするが、もとより企業誘致にはまず地元民の納得が必要というふうに自治省では考えておりまするので、問題の成り行きは十分注意をし、また鹿児島県におきましても現地とよくよく相談をせられるように指導をしてまいりたいというふうに考えております。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 自治大臣も閣僚の一人として石油精製のプラントをまだ日本のどこかでやる必要があると、こうお考えか、石油コンビナートはもうこれ以上つくるべきでないとお考えか、この辺端的にお聞きしたい。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これはまだエネルギー源としての石油精製の必要というものはあるというふうに私どもも承知をいたしております。ただ問題なのは、地元の住民と対決してこういう事業を推進するということは、これは好ましくありません。たとえば私は北海道開発庁長官を兼務いたしておりまするが、苫小牧東部開発の計画におきましても、石油精製百万バーレル程度は認めなければならぬのではないかという計画の線にのっとってこの苫小牧東部開発事業というものが推進されているわけでございまして、全面的に禁止ということには思いませんが、もとより精製工場その他も十分公害等々には留意をして、環境が汚染されないように配慮されることは当然であるというふうに思っております。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) ここは新聞報道によりますと五十万バーレルということですけれども、現在の精製工程で五十万バーレルの石油精製工程の場合に、大体現在の一番硫黄分の少ない原油を持ってきたとして、亜硫酸ガスが一日に一体何トン発生することになるのか、環境庁お答え願いたいと思います。

石田齋環境庁大気保全局大気規制課長

○説明員(石田齋君) 石油精製五十万バーレルパー・デーでございますが、これを前提条件といたしまして重油の所内の消費率、これを四%と見込みまして、重油の硫黄分、これを丁二%といたしますと一日約六十六トン排出されるということであります。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) いまのはその五十万バーレルの原油を蒸留されるために必要な燃料でしょう。私が聞きたいのは、五十万バーレルから出てくる重油の中の、重油をどこに行ってたくか知りませんけれども、その重油から出る亜硫酸ガスは幾らか、これを聞いているんです。

石田齋環境庁大気保全局大気規制課長

○説明員(石田齋君) お答えいたします。  一日五十万バーレルといたしますと、約七万キロリッター程度、重油と申しますか、石油製品で出てまいります。これで一%といたしますと、六百トンこの程度のS分が、硫黄分が出てまいりますので、それをたくといたしますと、その二倍の千二百トン、そういう亜硫酸ガスが出てまいるわけでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 私の計算とほぼ似ているんですが、確認しますよ。五十万バーレルの石油精製基地をつくる、精製プラントをつくる場合に、その五十万バーレルの石油を一日に蒸留するために必要な燃料ですね、これは一日に六十四トンの亜硫酸ガスを出すということですね。あなたは六十六トンとおっしゃった。一日に六十六トンの亜硫酸ガスを発生する、これは燃料だけです。そして、いま計算したのは、まあいろいろおっしゃいましたが、結論としては、一日五十万バーレルの石油精製でできた重油をたいた場合に発生する亜硫酸ガスは、私が計算したのでは千百五十トン、いま一日に千二百トンの亜硫酸ガスを出すだけの重油、そして、これは一日ですから、一日に五十万バーレルの石油を精製するに必要な燃料をたいた場合に亜硫酸ガスは一日に六十六トン、こういう計算をしてみますと、五十万バーレルの石油精製をするのにばく大な亜硫酸ガスが現実に出ているわけですね。四日市にしても、三社合わして五十一万バーレルといわれておりますが、水島にしても、潜在患者というのは私はたくさんあると思うんです。北九州の場合も、私は三年前から北九州のぜんそくの患者の実態を見て、毎年医師会の方々の児童調査された資料をもとにして、やっと公害病が認定になるようになったわけですけれども、亜硫酸ガスによる害というのは、被害というのは非常に大きいわけです。この五十万バーレルがはたして被害がないのかどうかという問題、いま数字をあげて五十万バーレルの場合には六十六トン、一日に燃料をたいた場合に亜硫酸ガスが出る。そして、できた重油をたいたら千二百トンの亜硫酸ガスが出るだけの仕事をしていると、こういうことを踏まえて私は次に質問をしていきたいと思うんですが、これだけの大気が汚染されるわけですけれども、奄美大島は、御承知のとおり、過疎でございます。その過疎対策のためにこういうことが行なわれるということは私はたいへんな間違いじゃないかと、このように思うわけですが、それと同時に、石油精製基地では、排水ですけれども、原油を中近東から持ってきた、そしてそれをパイプで貯蔵庫に入れるわけですけれども、そのときに漏れる油、それから今度は精製工程で分留されていろんな油ができる、各種の油ができるが、それを貯蔵する、パイプを通す、そういう場合の漏れる油、そういうことをあげますと、またそれらが工場の構内であちこちについておる、それが今度降雨によって、雨によって海へ流される。また、そういったものが排水口を通して、オイルセパレーターを通して海水に流れていく、その中にも入ってくる。またタンカーが流す分等々を合わせますと——この宇検村の海は洞海湾のようなかっこうをしているわけですね。そしてその入り口に技手久島という島があって、その技手久島が本島に近いほうが少し浅いので、そこを埋め立てて石油基地をつくると、精製プラントをつくるということなんですけれども、そうやってしまったら、私は、水産庁にはお聞きしてありませんけれども、完全にこの海は死んでしまう。その薄いところから海の中を流れているわけですが、完全にこの海は死んでしまうに違いないと、そのように推察するわけです。そして埋め立てることによって海岸は必ず変化してしまう。そして魚の住みかも違ってくる、こういった自然環境破壊、そういったことなどを考えあわせたときに、はたして石油精製プラントは公害がなくなるのか、公害をゼロにすることができるのか、そのように思うんですが、この点は環境庁はどのようにお考えでしょうか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) いまお話しのように、現在では必ずしも計画がはっきりしておらないようでございますが、枝手久島に精製工場その他集積場をつくる、さらに島とそれから奄美大島の本島との間を埋め立てるということになれば、多少この湾内の海流等は変化があるだろうというように考えております。ただ問題は、タンカー等の出入りをどういうふうにするのか、排水等をどこにするのかというような問題等もございますので、具体的にこの湾内の水質がどういうふうに変化をするかということは、必ずしも現在明らかに予測することはむずかしいわけでございます。  しかしながら、いずれにいたしましても、私どもはこういうところに石油の精製工場その他ができる場合におきましては、あらかじめ十分、大気も水も含めましてアセスメントを厳重にいたさなければならない。やはり環境保全ということに留意いたし、まして、それが許容し得る範囲内でなければ私どもは安易にこういうところに工場を設置することは問題であるというふうに考えております。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) まあ私はいままでの石油精製プラントがこういった、一番最初に申し上げましたように公害を出しておると、こういう事実から、もう少し政府のほうで公害はないということをはっきり国民に明示されたならば、こういった企業誘致か観光かというような、こういう騒ぎは起こらないのじゃないか。もう少し明確に、現段階ではこうして亜硫酸ガスが出るのでまだだめだと、昭和五十二年ないし五十三年になったら硫黄の含有量がこうなるからよくなるのだと、そういうような——これは私が言っていることは間違っているかもしれませんが、そういったはっきりしたことをやっぱり国民に明示すべきじゃないかと、むしろ企業のほうで公害はないのだといって、公害はゼロだといって住民をだます——ということばは少し悪いかもしれませんが、そういったことで企業を立地していくということじゃなしに、政府としてはっきり石油精製工程は公害はないのだと、ならば、ないのだということを、いつからなくなるということをはっきり明示すべきだと思うんですね。私は、現段階ではこの石油精製五十万バーレルの場合にはおそらくこの焼内湾は死んでしまい、そしてあの美しい緑もなくなっていくのではないかと、このように心配し、また魚群のほうもおそらくここには住めなくなって、くさい魚が出てくるのではないかと、このように想像するわけです。それは四日市あるいは鹿島あるいは水島の状況を見ましてそう思うんですが、私は水島あるいは鹿島、四日市がゼロになった時点でこういう立地はすべきじゃないかと、このように考えるわけですが、自治大臣いかがでしょうか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) この計画のこと自体を私どもも的確に把握しておりませんので、具体的にさてどうするかということについて歯切れのいいお答えができぬのを残念に思いますが、もとよりこの自然環境が残された特殊な地域でありまするので、こういう地域が、まあ人口過疎という背景があるからといってよごされることは決して望ましいことじゃないと思います。今後、事の推移を十分見詰めまして、環境庁等々とも相談をして適切な措置をしたいというふうに考えます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 奄美群島の国定公園指定について一昨年お願いしてあったわけですが、国定公園の指定はどのようになっておりますか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○政府委員(首尾木一君) 奄美大島の国定公園でございますが、これは一昨年の暮れに公園審議会のほうから候補地として適当であるという答申をいただきまして、その範囲は奄美大畠、それから喜界島、徳之島、沖之永長部島、与論島というところまでにいたしまして、陸地の面積にしまして約七千九百九十ヘクタールというものを候補地としまして選んでおるわけでございます。しかし、この問題につきましては現在関係省庁と地域の確定につきまして協議をいたしておりまして、大体おおむねこの地域の協定につきましての協議は済んでおるわけでございますが、一部石灰石の鉱区等との調整がございまして、その点が残っておりまして、それを解決すれば早急に指定ができる状態になっておるわけでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 私はこの地図を見まして、どうして焼内湾を入れなかったんだろうと、これは県の申請からこうなったんだろうと思いますが、この焼内湾は行ってごらんになればわかるわけですけれども、非常に風光明媚な、夕方などはすばらしい景色のところなんですが、どういうわけでその焼内湾が入らなかったのだろうと、こう思うんですけれども、この点は何かございますか。

首尾木一環境庁自然保護局長

○政府委員(首尾木一君) ただいま先生のおっしゃいましたように、国定公園でございますので、県知事の申し出に基づきまして、その申し出に基づく地域を国定公園に指定をするということでございますので、基本的にはそういうことから国定公園の地域にあがっておらないということでございます。ただ、私どものほうの関係でも調査をいたしまして、特にこの奄美群島におけるおもな指定の目的、この地域における国定公園の指定の目的というのが、この海岸地区につきましてはサンゴ礁といったことを中心にいたしまして、それの保全ということを中心にいたしました目的からいたしますと、この地区については必ずしもその要件を満たしておらないというような点もあるようでございます。しかし、基本的には先ほど申し上げましたように、県からの申し出がなかったということによって候補地になっておらないということでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) これは県からの申し出ですからここで論議してもしようがありませんが、枝手久島のあの周辺は非常にすごいりっぱなサンゴ礁があるわけです。  時間の関係で次へ進みますが、建設省にお聞きしたいと思いますが、奄美大島の中で建設省所管の主要地方道路が赤木名−古仁屋間にあるわけですけれども、赤木名−古仁屋間の地方道路の工事状況はどうなっているのかお聞きいたします。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) 奄美大島におきます建設省所管の地方道は、主要地方道の瀬戸内−赤木名線、それから一般県道の佐仁−万屋−赤木名線の二線でございまして、これらにつきまして昭和四十七年度末におきます整備状況は改良率が九三・七%、舗装率は四三・五%となっておりまして、改良は比較的進んでおりますが、舗装の整備が著しくおくれております。したがいまして、今後の整備計画といたしましては舗装を重点に促進いたしまして、昭和五十一年度を目途に整備を完了することにいたしたいと思います。もちろん、本茶峠につきましてはとりあえず県で完全舗装をいたしておりますので、この整備は五十一年度以降にもかかるわけでございますが、本茶峠を除きまして、五十一年度を目途に整備を完了いたしたいと思います。  なお、主要地方道の瀬戸内−赤木名線の、現在改良をやっております新村−網野子間につきましては改良をやっておりますので、この区間を除きまして他の部分につきましては昭和五十年度までに舗装を完了いたしたいという計画で努力してまいりたいと思います。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) それでは、五十年度までにはあそこの新村−勝浦−ちょっと手前ですけれども。あの間は改良をやって、進めて、そうして五十一年までにはこれは完成すると、そうしてアスファルトは先ほど申しましたところを除いて舗装完了と、こういうことですね。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) はい。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) それでは四十八年度の予算は幾らになっておりますか。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) 四十八年度は舗装事業が全体合わせまして二億一千三百万の予定をいたしております。それから改良事業は四億九百万の予定でございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 昭和四十八年度は舗装は二億一千三百万ですね。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) はい。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) これでだいじょうぶですね。

高木澄清建設省道路局地方道課長

○説明員(高木澄清君) 残事業が約七億六千二百万でございます。したがいまして、残り四十九年、五十年で、大体いまの申し上げた区間を除きますと、いまの進度でまいりますと完了できる予定でございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 次に、ちょっとこれは沖繩と比較しての質問なんですけれども、沖繩はですね、復帰によって医介輔が存続が認められたわけですけれども、奄美大島の医介輔は二十八年復帰と同時に二年の経過措置だけでちょんになったわけですが——ちょんというとおかしいですけれども、その理由をお聞きしたいのですけど。

滝沢正厚生省医務局長

○政府委員(滝沢正君) 奄美の医介輔は、二十八年の復帰前、昭和二十六年に琉球政府としての時代に、医師助手という形のものを医介輔ということで正式に定めまして、それで従事しておったわけでございますが、二十八年に奄美だけが復帰いたしまして、先生御指摘のように三十年まで、特別に政令に基づきます措置によりまして二年間だけまあ業務を認められて、ただいまそれぞれ他の職種についておられるわけでございます。当時二十八名でございました。  それから、沖繩につきましては、いまのような経過の中から、三十年に至りまして琉球政府として医師法を定めたわけでございます。そのときに、正式に、沖繩の医介輔につきましては「当分の間」その業務を認めるということで、奄美が復帰後の三十年に新たに琉球政府に医師法が定められて、それに基づいてその後約二十年、沖繩が本土に復帰するまで業務に従事してまいったわけでございます。このようなそれぞれの時期と経過とによりましてこの取り扱いに差が出、なおかつ沖繩の場合は相当高齢者で、平均年齢が六十二と、二十年経過しておりますので六十二というような実態もございまして、実質的にはそう長い間この職種に従事する方は少なかろう。しかも勤務する地域、条件等を限定いたしまして、その限定されたためにやめた方もございまして、いろいろ指定、整備されてただいま五十一名の医介輔の方が沖繩にはおられますけれども、そのような時期とそれから勤務の年数その他がやはり奄美の場合と沖繩の場合と違いがございますので、沖繩の復帰の際には根っこにまあ沖繩・琉球政府の医師法もあったというようなことも考慮いたしまして、確かに「二年」と、それから「当分」認めるという違いは取り扱い上あった形になりますけれども、それぞれそのような事情を元にして判断して政府としては取り扱いをきめたわけでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) やはり奄美大島の場合も、これは終戦当時から二十八年まで、そしてあと二年と、こういうことでしょう。

滝沢正厚生省医務局長

○政府委員(滝沢正君) ただいま私申し上げましたのは、医師助手という形でおったというのはございますが、医介輔としての正式の取り扱いをきめたのは、二十六年、医師助手といいますか、医師助手というものを廃止して、そうして新たに医介輔と認めた時点からを申し上げているわけでございます。したがいまして、沖繩との取り扱いの違いということはただいま御説明したとおりでございますか、先生のおっしゃる気持ちとしては、終戦後長くやはり従事しておったんではないか、こういうようなお気持ちはよくわかるわけでございますけれども、そのような政令に基づいて定めて、三十年をもって従事することを打ち切り、ただいまそれぞれにやはりそのような比較的有能な方でございますから、医療機関として検査、その他のおそらく助手的な役割りをしておられると思いますが三名、保健所に二名、市町村職員として二名、薬店等の関係に勤務する方が二名、町村議会の議員をやっておられる方が二名、農業が九名、つむぎ業が二名、死亡されておる方が四名、若干調査の関係で不明の方が二名というように、それぞれ就業していていただきますので、現段階では取り扱いとしてはこれ以上の処置は無理であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 私は二年でもやはり私たちの健康、からだを見てくれたわけですから、たとえ二年であろうと一年であろうと、これは人命にかかわる問題ですから、だから医介輔として琉球政府が正式に免許証を与えたんだと思うんです。だから私は、その後のいまの空白を考えるともうその人たちに自分のからだをおまかせするというわけにはいかないと思うんですけれども、やはり沖繩が「当分の間」となっているわけですから、やはり奄美大島の場合も二年だったから二年の据え置きということじゃなくて、やはり「当分の間」というふうにして医療に従事するような方がいらっしゃたら存続させるべきじゃなかったのかなと、このように思うんですが、一律に二年でやめさせたというところにちょっと疑問を感ずるわけですけれども、その点はいかがでしょう。

滝沢正厚生省医務局長

○政府委員(滝沢正君) たまたま、先生おっしゃるように、二十六年にそういうような医介輔の制度を正式に定めて、復帰がそれを予測しない——おそらくしないで、わりあい早目に奄美の復帰が二十八年にきまったということで、たまたまそこが二年でございますが、その二年と、あと二年認めたこととは必ずしも関連があるわけじゃございませんけれども、私はやっぱりこの問題を承知いたしましたときに、先生と同じような、沖繩の取り扱いと、奄美が二年で打ち切られたということについては、私も率直に言って先生と同じような気持ちを持ったわけでございますけれども、一応政府が当時の制度として、しかもしいて言いますならば、本土に属する鹿児島という県内の医療の問題として、それから県全体がぐるみで琉球政府の管轄にあり、なおかつ二十年その社会にあれしてきたという差を考えますと、しかたがなかったなというような感じは率直に言って持っておるわけでございます。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) じゃ、最後に、次の委員会に参らなきゃなりませんので、一言お聞きしておきますが、これは自治省と農林省だと思いますけれども、奄美群島のミカンコミバエ対策ですが、これの対策も何年も前から行なわれておるわけですけれども、まだ遅々として移出禁止の状態なんです。だからもう少し抜本的な対策を講ずることができないのかどうか、また沖繩と一体になってやるとかしなければいけないんじゃないか。せっかくゼロになった状態で、また発生しているというようなことはよくないと思うんです。一つの案としては、鹿児島あたりにやみで、というとおかしいですけれども、上陸しているようなミカンが入っておっても発生してないということを見て、本土で越冬試験かなんかやって、冬を越すことができなければいいんじゃないかという気もするんですけれども、その辺のテストをやってごらんになったことがあるのかどうか、また今後そういうテストはどうだろうかというようなことをお聞きして私の質問を終わりたいと思うんですが……。

林忠雄自治省行政局長

○政府委員(林忠雄君) いまお尋ねの部分の技術的な面に関しては、ちょっと私、お答え申し上げる力がございませんので、現在やっておりますこととしては、四十三年度から種子島でやりまして昨年度徳之島で、これは、いままでよりもはるかに大がかりに空中から散布するという方法で、全島一ぺんにやってみたわけでございます。これに関しては相当効果があったということで、四十八年度は本局において同じように島ぐるみやろうということで計画を立てております。  確かに、御指摘のとおり、沖繩にもこの種の害虫があり、沖繩と与論が非常に近いというようなことを考えれば、今後、沖繩ともさらに密接な連絡をとって、関係省庁と打ち合わして、さらに進めてまいりたいと存じております。ただいま御指摘のことはちょっと農業関係の技術的な問題は、さらに農林省とも詳しく連絡をして、そういう試験が必要であらば至急にやるべきじゃないかという立場でお話をしてみたいと存じております。

有松晃農林省農蚕園芸局審議官

○説明員(有松晃君) ミカンコミバエの問題につきましては、これは非常にくだもの等に被害が多く出ますので、農林省といたしましても四十三年から、これは機械化といいますか——によりまして、撲滅を目途に事業を実施してまいったわけでございますが、ただいま自治省から答弁ありましたように、その後自治省におきましても事業を拡大してまいって、まあ奄美大島のほうで実試をやると、こういうことになっております。  それで、防除、抑圧防除、これは、面積がなかなか広いので、全面的に撲滅をするということは、実は、なかなかたいへんなのでございますけれども、被害を軽減するということでの防除をやっている、こういうことでございます。で、先ほど先生おっしゃいました移動禁止等の問題もいろいろあるわけでございまして、これは、本土のほうにこのミカンコミバエが移動をいたしますと、本土の果樹、特に九州南部等の果樹に被害が起きるということでは非常に問題が大きくなりますので、現在、植物防疫法に基づきまして、これは種類によりまして……。

内田善利公明党

○分科担当委員外委員(内田善利君) 越冬試験はどうかということだけ……。

有松晃農林省農蚕園芸局審議官

○説明員(有松晃君) それでは、最後に越冬試験の点を申し上げますが、越冬試験につきましては、これは、実は戦前に台湾で大がかりに——これは、台湾から本土のほうへ移す植物についての問題がございまして、大がかりな試験が行なわれまして、そのときの結果では本土への移動については必ずしも安全ではないというふうな結果が出ております。このような試験につきましては、実は、本土へ持ってきて試験をするわけにいかないもんですから非常に設備を要するわけでございますが、台湾で出ましたこの試験の結果がそういうふうな問題があるということでございますので、今後は慎重にこの点はなお検討を進めたいというふうに考えております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 きょうは主として超過負担の問題についてお伺いしたいと思います。  昨年の国会でも、予算委員会の一般質問で、私は各省の大臣にこの超過負担の解消を要請したわけです。また、政府も、御承知のように、六事業について今度調査されて一応改善の方向は出ておりますけれども、非常に私たちはこの改善の方向自体でも大きな問題がまだまだ生ずるんじゃないかという不安を持っております。  まあ時間がありませんから、たくさんありますけれどもほんの二、三の問題だけを……。  学校の、小中学校の建設費の超過問題、これについてちょっとお聞きしたいと思います。それからその次に保育所の問題をお聞きしたいと思うのです。御承知のように、小学校では適正基準というものをお定めになっているわけですね、建築について。それでいろいろこまかい——私はこれを持っておりますが、学校教育で十分子供が教育が受けられるように、環境からいろいろなものがこれにきめられて、指導要領というものをお出しになっている。ところが、この適正面積というものがありますけれども、これに対して補助される面積というものがずっと下回っているわけですね。今度の改正で若干手直しをされるようでありますけれども、二〇%基準を上げられましても、それでもなおかつ適正面積に達しないという結果になるんじゃないかと思うんです。文部省のほうでどういう計算をされておりますか、私も数字は持っておりますけれども、一ぺんちょっと知らしてもらいたいと思います。

西崎清久文部省管理局教育施設部助成課長

○説明員(西崎清久君) ただいま先生御指摘の適正基準案でございますが、お話のとおり昭和四十二年の五月に設計審査等にかかる指導通知において参考として示しておるわけでございます。一方、私どもの補助の基準といたしましては、補助基準というものがあるわけでありまして、補助基準のほうがこの参考として示しました適正基準より下回っておるということは事実でございます。この補助基準のほうはその制定からすでにもう九年を経過しておるということで、昨年の実態調査の結果によりましても、面積に基づく超過負担というものが非常に多いということで、昨年来私ども作業をいたしまして、予算要求をいたしまして、基準改定ということを実施をしたいと、四十八年度から行なおうと思っております。基準改定の内容につきましては、二〇%の私どもとしては大幅な改正をいたしたいというふうに考えております。この二〇%の改正をいたしますと、たとえば小学校の十八クラスで申しますと、従来の面積が、現行面積で鉄筋について申しますと、二千九百七十六平米でございますが、これが改定案では三千五百五十九平米になるわけでございます。そういう意味では、私どもとしてもかなりの改善幅だと思っておりますし、小規模学校については二〇%以上の改善をいたしたいというふうに思っております。そういう意味で、改善を行なう内容につきましては今後政令段階で個々の教室をきめてまいりたいと思っております。適正基準と今度の改定された基準との比較におきましては、適正基準自体が、先生に先ほど申し上げましたとおり、四十年度当初の基準でございまして、適正基準自体も若干古くなっておるということから、今回私どもは適正基準にとらわれないで基準改定をいたしております。しかし、結果といたしましては、適正基準のほうが今度改善いたしました結果よりはなお若干上回っておるということには相なっておりますが、現段階においては私どもとしては最善の努力として基準改定を行なっておるというふうな次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これはもうたいへんな負担になっているんですね、小中学校だけでも。この京都の、これは京都府が出しましたものでも約十億なんですね。これはきちんと補助対象とかなんとかいうものだけに限って、それ以外のものははねのけてもそういうことになっているんです。これは四十六年ですけれども、京都市が六十四校で四万平米、十六億八千万円、しかし、まあこの中で若干まれに対象外になるものがありますから、実際のものは十六億三千万円だということになっている。郡部のほうは五十四校で四万四千平米、わりあいにここは土地も広くとっているんです。京都のほうが非常に狭くして、都市の関係上もありましょうがやっておりますが、これでも二十一億郡部はあるんですね。ありますけれども、対象になるものはこのうちの十九億六千万円というふうになってますね。京都府だけ全体で超過負担が約十億ということになっているんです。御承知のように、なかなかいま地方財政というものはどこでも窮屈なもので、こういう超過負担というものが、やっぱり地方財政法というのがあるわけですから、これにやっぱりそれぞれの法律はあると思うんですよ。しかし、地方財政の基本は、十八条に言いますように、国の補助や負担は十分なかつ必要な金額を定めなくちゃならぬということになっているんですね。そうしませんと、もうそれぞれのセクションでかってな算定をして、そして地方自治体へどんどんどんどん送っていくということになりますと、これはもう全くたいへんなことなんです、自治大臣もよくおわかりだと思うんですが。こういう点で、学校のこれは一例なんですが、学校も保育所も、まだほかもたくさん呼びたいと思いましたが、時間の関係で私は呼びませんけれども、とにかくどこから見ても誤りのないように、地方から見ても、下から見ても、一つの条例なり政令をつくって、これは超過負担にならぬという、そういうことをちゃんときめないと、お互いの認識が不一致だと、いろいろまた問題を起こすわけですね。したがいまして、文部省はそういうところに相当重点を置いてもらいたい。御承知のように、高等学校はいまほとんどないわけでしょう。ところが大都市は、指定市になりますと高等学校を持っております。それから区も、いま子供がだんだん成長する時期になってきたですね、高等学校をこれからどんどんふやさなければならぬ、進学率も上がってきたという時代なんですから、地方の財政というものは相当な、教育費だけでもたいへんなことになるわけですね。ですからこの点は、まあ私はこまかい一つずつの学校の資料は持っておりますが、言いませんけれども、とにかく京都市でも、去年は、四十六年でしたか、四十六年のあれと、それから四十七年だけでも、建設費だけで四十七年は六億八千四百三十八万というような超過負担が出ているわけですね。ですから、こういう点はもっと文部省は、こういう地方自治体から見て超過負担だと言われるような、そういう予算の組み方は私はすべきでない。やれぬものならやれぬで法律改正したらいい。それに対して国民が反発したら、これはまた法律も直さなければならぬでしょうが、そういう点をひとつ私は文部省に訴えておきたいと思うのです。文部省はそれだけにしておきます、時間がありませんから。  それから保育所の問題です。御承知のように、いま物価がどんどん上がりますし、それからみんな働きたがっておると、どうしても子供を預かるところがなくちゃならぬ。特に御承知のように、京都は軽工業が多いところですね、織物とかその他。非常に重工業がありませんから、比較的労働者の賃金でも、小企業が多いですから低いわけですね。だからどうしても共働きが多い。したがって要求がどんどん起こってくる。まあ御承知のように、最近は社会福祉だとかというふうなことを基本にしなくちゃならぬということは、最近の財政問題でもいつでも言われておるんですが、ところがこの保育所の要求というものに対して現在厚生省がおやりになっているのは非常に少ないんですね。一年どのくらいになりますか、どのくらいのまた要求がありますか、ちょっとお聞かせ願いたい。

岩佐キクイ厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(岩佐キクイ君) ただいまの保育所の、全国の設置をしたいという要望がどのくらいあるかというお尋ねでございますが、約一千ヵ所程度でございます、四十七年度で。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 これも京都の例なんですけれども、京都では四十六年度に公立と民間十五つくっているんですね。これに対して、補助の対象、認可になったのはわずか二つ、それから四十七年度、公立、民間十六ヵ所の建設をやっている、これに対してわずか補助対象が、認可が四つなんですよ。結局あとはもうおまえらかってにどこかにでも預けて働けと、働きたいものは。そうでなければ家に閉じこもって子供のお守りをしろということになるわけですね。ところがこれは、先日、この参議院の一般質問のときに、わが党の加藤議員が、看護婦の問題について、いま非常に不足していると言っているんですね。私も京都でそういうところを見てきましたけれども、たとえば京都の私立病院には相当看護婦さん雇っているんですけれども、そこに小さな二十人か三十人ぐらいの保育所を建っているんですよ、民間で、市が補助していますけれども。これにはやはり保育所を——私立病院の看護婦さんは昼間働いていますから、それにみんな預けて、近所の人若干と、おるわけですね。ところが、だんだんだんだん一ヵ所つくりますと、それなら私も、ということでどんどん要求があるんですよ。そうすると、毎年これが一つずつむねをふやしていく。まあ私も京都で聞きましたけれども、そうあそこは看護婦は不足してなかったのですね。だから、看護婦の不足というのは、いまパートで集めなきゃならぬというようなことを大臣言っておられましたけれども、そんならやっぱりパートで集める条件を、保育所なんかをどんどんつくって、そしてパートに来る人が子供さんを預けて働けるようにしなくちゃならぬ。そういうものをやっぱり総合的に見ませんと、まあここは要求があるからまあここは何ヵ所やる、ここは何だからというような、それだけでは全般の保健衛生などと関連しますれば、やはりそういう問題はもっと厳密にやっていかなければならぬのではないかと、こう思うわけですよ。京都でも御承知のように非常に共働きがふえまして、毎年毎年このようにして市自身が負担してやっている。しかも、一ヵ所当たりあなた方のほうでは相当補助を出しているとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし、地方財政法の十八条によれば、十分にして必要な経費は国が補助、負担についてはみなくちゃならぬということを言っているわけでしょう。ところが、いまおそらくここの経費が一ヵ所について三千万円前後かかるとしましてもわずかに二百五十万か三百万、あるいは多くても五百万ぐらいしかいかぬわけですね。これは、べらぼうな超過負担なんですね。第一超過負担ということばがおかしいのですね、本来から言うならば。確かに要望が多いからたくさんは出せぬということもあるでしょうけれども、それならそれで法律上ぐあいが悪いのでこの法律はこう変えてもらわなければならぬとか、そうでなければ予算をそれへ出して規定どおりにやっていくと、特に、二分の一というような補助の定額になりますとこれまたたいへんなことになるでしょう。ですからこまかい、私はここで数字は言っておれませんけれども、とにかくそういう事業があるわけですね。ですから、京都の去年の保育所措置費の超過負担が三億三千八百九十七万ということになっているのですね。総経費が十四億、これは措置費ですからね、そのほかいろいろ建設にしろ何にしろみなかかってきておるのですよ。こういうべらぼうな今日超過負担があります。ですから、こういう点はもうちょっと何といいますか、合理的にやはりやっていただかぬと、ことにこれからどんどん物価が上がり、働く人が、いやでも働かなきゃならぬといえば、ちゃんとそれに応じた保育設備なんかもどんどんつくっていくというふうにしなくちゃぐあいが悪いと思うのですよ。そこで、私この間の京都からとっております新聞を見ますと、ここの市長が、これは特に自治大臣に聞いていただきたいのですが、ここではこういう例をあげているのですよ。市の超過負担が、小学校はさっき言いましたように実績が、実施が四万六千三百円ですか、平米ね。これに対して補助基準というものが三万七千二百円、そうすると一平米当たり九千百円、これだけ出るというのですね。それがまあ住宅もありますけれども、これはまあ大体一戸当たり四十五万の超過負担がある。それから、保育所ですね、これはここにきちんと京都でも数字を出しておりますが、四十七年度ですね、これは、三千五百万円出しておるけれども補助が千八十万円してきていない、ですから、二千四百二十万円の超過負担になっておる、こう言っておるのですね。ごみやらいろいろな例をあげておりますけれども、これについて京都の市会ですね、この市長さんは御承知のとおり革新ではありますけれども、ずっと助役から、いわゆる庁内のはえ抜きなんですね。ですから、非常に政治的な立場はとらぬわけですよ、あまり。その人でも非常に憤慨しているのですよ。だからこれだけ、とにかく四十七年度では、四十七年度の予算での大体超過負担が全体で八十二億、そうすると四十八年度で大体試算をすると、今度は若干改正になりますから、そういうものを大まかに見ても、大体七十億の超過負担が出るだろう。京都市の財政から見ますと、これは膨大なものなんです。ですから、市長もある議員の質問に答えて、どうしてもこういう超過負担は市町村にとって大きな問題だから、地財法の十三条や二十条で内閣に意見書を出せるが、市としても出すべきだと思っていると、国の新しい新年度の基準がはっきり出てから、一応それで数字を示して、意見書をできたらまとめたい。これも京都市だけでなく、他の都市と一緒になって出したい。もしもほかがあまり賛成しなければ、京都市だけでも出したいということを、地財法の問題としてこれを提出したいというようなことを言っているのです。それほどいま地方自治体は超過負担ということには大きな頭を悩ましているんです。毎年毎年市長会とか町村長会とか、あるいは知事会とか、御承知のとおりどこの各所でもそれぞれ出てきているわけですね。ですから、超過負担という問題はもうちょっと私は、特に自治大臣あたりは、確かに改善のあとはありますよ。けれども、四十二年、四十三年に一回やり、そして去年これを調べられて六事業だけやられた。ところが人件費、事務費、こういうものを合わせますと、保険やらその他いろいろありますな、かなりこまかいものを集めればやっぱり相当なものなんですね。これらについての一応調査はやられるんですか、どうなんですか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は私もよく理解しております。もう時間がありませんのでくどくどしい話は差し控えますが、長いこと私も政治家をやっておりまするので、これは超過負担の問題というのは地方財政を脅かす一番たいへんな問題だ。しかも結果は住民に税外負担を結局しいることになるんです。ですからこれの解消は政治問題として積極的に取り上げていきたいという姿勢でおります。それが四十七年度の六事業調査にもあらわれたわけでありまするが、まだまだ基準単価は低いですね。ですから、これはやはり今後も大蔵省などと十分話し合いをし、関係省庁とも連絡を取り合って、日本が経済復興一途に進んできたときと、ここへきて多少国の経済にゆとりができたときとではやはり積算基準というものは変わらなければうそです。しかも、地方自治体に負担をしているなどというようなことがあっちゃならぬと思います。したがって、いま御指摘の人件費であるとか、事務費であるとか、そういったものは今後も十分調査をして、こういう範囲も含めて国のほうで勘案できるような措置をとり得るやっぱり調査を進めたいと思っております。

岩佐キクイ厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(岩佐キクイ君) 保育所の施設整備に対しまする国庫補助と不足の状態、それから補助の状況等について御説明申し上げます。  昭和四十七年度におきましては、国庫補助六百六十四ヵ所をいたしておるわけでございますが、そのほかに社会福祉事業振興会の資金の活用であるとか、あるいは公益事業等の資金の配分の導入をはかってまいりまして、なるべく要望にこたえるようにしていっておるわけでございますが、ただいま事例としてお出しになりました京都のほうでございますが、四十七年度におきましては、京都府におきましては要望は十五ヵ所あったわけでございますが、そのうち十二ヵ所の補助をいたしております。それから京都市におきましては、要望として四ヵ所ございましたけれども、補助四ヵ所をいたしておるわけでございます。  ただいま先生が御指摘になりました数字とずれておりますけれども、これはおそらく市のほうがセレクトいたしましてこれだけを国庫補助にというような整理に基づいて要望されたのではないかと思うのでございますが、そのような状況でございます。その他に民間助成が三ヵ所、それから益金の配分等も入れまして四ヵ所がある、まあ整備されておるというような状態でございます。  それから、これにつきましての超過負担の実情でございますが、これは四十六年度の調査によりますと、国庫補助約五百ヵ所の実態調査でございますが、市町村の総支弁額から見ました超過負担額は二五九・五%となっておるわけでございます。これを分析いたしてみますと、このうち建築面積が著しく上回っているもの等もございますので、それらが補助基準外となるわけでございまして、それが九一・九%という比率になっておりまして、したがって、私どもが承知いたしておりまする超過負担額の解消率というものは一六七・六%でございます。このうち四十七年度におきまして、すでにただいま申し上げましたように、国庫補助の増額をはかったわけでございまして、解消部分は七四・一%になっておるわけでございまして、残り九三・五%につきましては、私どもにおきましても、今後の課題といたしたいということで、四十八年度の国庫補助の関係につきましては、これから実施計画をつくるわけでございますけれども、その際、十分そういう問題につきまして、補助額の増額について努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 とにかく絶対数が少ないのですから、たくさん一年に十四、五ヵ所京都市だけで、近くの最近急増地帯はやはり必要なんですね。京都市だけでもそれだけ要求しているのですから、それにわずか三ヵ所や四ヵ所ではとっても足りるものじゃないんです。京都市だけでもやはり新しい市街が——市内であっても人口は相当急増しておりますから、ですから、少々のいま保育園を建てましても、ほんとうに入り切れないのですよ。だから、ずいぶんと緊急に必要なものだけでも、去年約千二十人ばかりだと京都市では言っているのですね。ですから、それは財源にも限りありましょうけれども、あまりに、やはり高福祉の社会をつくるというなら、やっぱり自然と働けるように、しかも看護婦が足らぬというなら、そういう看護婦さんも入れるようなどんどんやっぱり設備は必要なところにつくっていく、そういうようにして、ある程度総合的にものを考えてもらいたいと思うんですね。それであなたのほうは終わります。  で、いま大臣が言われましたように、確かに自治省としましても縦割り行政で、ほとんど、超過負担を出すというのは自治省じゃないんですね、主として建設省なり厚生省なり、それからまた文部省と、こういうところが非常に多いわけなんですが、しかし、やはり自治省が地方自治体の長なんですからな、やはりそれを監督もし、指導もする責任がありますから、ここはやっぱり一番胸を張って戦いませんと、これはやっぱり何ですからな、主管なんですから、自治省自身も去年の、特にことしのあれにも、財政白書ですか、地方財政白書にもことしも書かれております。緊急課題として特に超過負担の「いわゆる地方公共団体の超過負担については、従来からその解消のための努力が続けられてきたが、今後とも、補助対象範囲、補助単価等について、超過負担を生じないようその適正化に努めなければならない。」と、一通りのことはおっしゃっているわけですね。特に昨年は何ですか、「国と地方公共団体間、地方公共団体相互間さらには地方公共団体と住民間においては、それぞれ制度上負担関係の原則的な考え方が定められているが、この財政負担関係を適正に維持することが財政運営上の重要な問題の一つであることはいうまでもない。なお、国庫負担金にかかる地方公共団体の超過負担については、従来から、その解消のための努力が続けられてきたところであるが、地方財政のより一層の健全化を図るため、今後とも超過負担を生ずることのないよう努める必要がある。」毎年こういうことが大体書かれているわけですね。しかし、表題を見ましても、「財政秩序の確立」ということは、つまり秩序がもう破れているということですよ、確立しなければならぬということは。したがって、自治省自身も超過負担というものを認められているわけですね、あることを。そうなれば、やはりそれは、私は政治上の大きな問題だと思うのですよ。ことに地方自治体は、こういうことで、中央政府に対するやっぱり不信感が出てきている。それがどういうところへ影響しますかと、ついこの間地方財政審議会で、私が出まして、一週間前ですね、やった。そのときに地方の自治体の代表の方が、こう言われておるのです。交付税ですね、交付税の一応の部門の算定をします。あれを、各部局が、自分のところはみなあれだけよこせというのです。地方交付税のあれは、そういう性格のものじゃない。一応は計算しますけれども、それは地方自治体自身が、何か重点施策をやるわけでしょう。ところが、縦割り行政がずっと地方でありますと、地方でも地方税法の——交付税ですね、あれだけの予算を、それを全部こっちへよこしてくれ、それぞれの人がそういうお互いににらみ合っているわけですね。これはたいへんなことだと思うんですよ。これじゃ、市なり町村が統一的に仕事をするということはできなくなってしまうのですね。やはり緩急序がありましょうし、いろいろな必要なところは大急ぎでやらなければならぬ場合もあるでしょうし、ですからこういうことが、やはり中央で各省がずっと縦割りをあくまできつくやりますと、それがだんだん下の自治体の中にまで、ああいうものを自分の部局にとるという、こういう姿勢になってきているのですね。非常にやりにくいとおっしゃっているのです。  この財政秩序について、ひとつ行管の方にお聞きするのですけれども、行政監察としましては、やはりこういうふうにこれは財政の問題ではありますけれども、今日、中央の間の中でもいろいろ今日大蔵省の、要するに財政を持っていますから、ここで、はき出さないことには各省が取れぬという問題もありますけれども、これが法文と違ったり、あるいは政令と違った形で、しかも誤解を生むような形のものがあれば、これはやはり整理すべきじゃないかと思うのですね。そうして上と下とが、地方と中央政府がお互いにこれは超過負担だとか、いや超過負担じゃないというような議論を一々毎年毎年繰り返すようじゃぐあいが悪い。しかも、これからますます国が今日この列島改造にしろ、あるいは新しいいろいろな施策をやりますと、大体が補助金制度になってしまうのですね。その比重が、非常に地方財政の中で占めてきているのです。そうしますと、地方財政は、こういう補助金制度でどんどんどんどんやられたのでは、それはたまらぬわけですね。一々、あのこまかい計算を出しましてな。だから、一応はやはり行管としまして、できるだけ地方自治体の自主性を発揮し、そうして地方自治体がほんとうに安心してやれるような方向に、いろいろ財政調査会もあります、いろいろなまた諮問機関もありますけれども、しかしこういう行政のあり方は自治省自身がもう財政の秩序が乱れてきていると言っているほどなんですから、ひとつ行管もこの問題について、またいま即答は要りませんけれども、ひとつ十分この点考えていただかなければならぬのじゃないかと、こういうふうに思うわけですね。ひとつ御答弁を願います。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) 超過負担の問題につきましては、従来から言われておるとおりでございます。関係各省の御努力によりまして逐次改善されていると思いますけれども、やはりこの問題は、地方公共団体と中央との問題という不信の問題にもからむのじゃないかという気がいたしますし、従来、行政管理庁でも、この問題だにつきまして調査いたしたことがございませんが、よく御注意を体しまして検討してみたいと、そういうふうに思っております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 終わります。

矢追秀彦公明党

○主査(矢追秀彦君) 以上をもちまして自治省所管に関する質疑は終了いたしました。  次回の分科会は九日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会

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