予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 460 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について報告いたします。 昨日、須原昭二君、佐々木静子君及び藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として辻一彦君、松永忠二君及び萩原幽香子君が、また本日、古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○主査(矢追秀彦君) 昭和四十八年度総予算中厚生省所管を議題といたします。 昨日に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○辻一彦君 時間が非常に限定されておりますから要点をただしたいと思います。 一つは、インフルエンザ・ワクチンの問題について若干質問をいたしたいと思います。 まず局長に、昨年度にインフルエンザのワクチンが大手メーカーでどのくらい販売されたか、概数わかったらちょっと御報告願いたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 昨年のただいまお尋ねのインフルエンザ・ワクチンの生産量は一万八千六百九十五リットル、おとな換算で千八百六十九万五千人分でございます。そのうちで、昨年中に販売されましたものが千六百八十一万五千人分、そういうふうになっております。
○辻一彦君 販売された金額についておよそどのくらいになりますか。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま計算しておりますが、一人分が約三百五十円でございます。
○辻一彦君 では、その数字は計算できたら伺うことにいたします。 第一に、予防接種用のワクチン・メーカー大手六社が九月十三日に大阪で会合を開いて、価格を協定するとともに、福井県の場合に、福井市以外の六市をどの業者が担当するかをきめた、これは抽選できめたともいわれております。価格は、十CC一本昨年二千三百円が、ことしは六〇%アップの三千六百円。 二は、今年度——今年度というのは去年になりますが、インフルエンザ・ワクチンの入札をきめた担当メーカーは三千五百五十円、ほかのメーカーは三千六百円で応札することを談合し、破った者は以後二年間福井県内で販売ができないときめた。また、この約束に違反した場合には、十CC一本につき五百円の違約金を徴収することをきめたといわれておる、このために、当然三千五百五十円で応札した業者にほとんどが決定するという仕組みになっており、ほとんどの市はこういう価格ではとても買えぬ、こういう実態がありますが、これについて厚生省並びに公取委は知っておられるかどうかまず伺いたい。
○政府委員(松下廉蔵君) 談合自体の問題につきましては、これは公取からもお答えがあろうかと思いますが、私どもといたしましても、ワクチンを担当いたします立場からそのようなうわさを、情報を入手いたしまして、県を通じまして調査をいたしましたわけでございますが、現在までのところ、県といたしましては、そのような談合が行なわれたというような確認をすることができなかったという報告でございます。 ただ、先生御指摘のように、こういうワクチンの供給ということは、国民保健上非常に重大な問題でございまして、そういったワクチンの供給が業者の談合によって適正な価格で行なわれないというようなことがありますと、ゆゆしい問題でございますので、この各メーカーに対しましてはそのようなことが絶対にないようにきびしい指導をいたしております。 なお、いま御指摘の価格の上がりました点は、これは先生御承知かと思いますが、四十七年から基準が変わりまして、副作用の少ないHAワクチンというものにいたしましたために製造原価が上がりました次第で、同じものが上がったのではございません。 それからおくれましたが、先ほど御質問のありました販売額は約五十九億円でございます。
○政府委員(吉田文剛君) インフルエンザ・ワクチンの販売業者が共謀して福井県下で、福井市を除く六市に納入する際に、入札価格を談合した疑いがあるということは聞いております。そのような事実があるとすれば、これは独禁法の第三条後段、つまり不当な取引制限、カルテルに該当する疑いがあるということで、昨年十一月から調査中でございます。まだ審査中でございますので、結論は出ておりませんけれども、いままで調べましたところでは、実際に落札予定者と目された者以外の者が値引きをして落札をしているというようなことで、実効はどうもあがってないようでございますが、引き続きこれはメーカーのほうにもちょっと疑問があるというので調べているところでございます。 それから昨年の十月に購入した価格でございますが、大体三千二百円から三千五百円、三千五百五十円、六市で一番低いところが三千二百八十円、高いところで三千五百五十円というような価格で購入をしておりまして、そのうち鯖江、敦賀、小浜、この三市につきましては、県外の業者から購入をしているという事実はわかっております。
○辻一彦君 まあ、厚生省のほうではきびしい行政指導をしていると、こういうことでありますが、公取委の実態の調査によれば、事実として一部そういうことが行なわれているということは明らかであると思います。 そこで私は、若干私自体の調査によった内容を報告をして、これに対する見解を求めたい、こういうように思うわけであります。 一つは、九月十三日に大阪での会合で決定されたメーカーと代理店、業者の関係、これはいま公取委がお話になりましたが、福井県では福井市を除けば六つの市があります。大野市は、担当メーカー、千葉ワクチン、県内の代理店A業者、これはいろいろ関係ありますから名前は申し上げません。勝山市は東芝ワクチン、B業者、小浜市は阪大ワクチンですかで、C業者、敦賀市は化血研ワクチン、D業者、武生市は武田ワクチン、A業者、鯖江市は北里ワクチン、D業者、こういうようにメーカーとそのメーカーの代行する販売店を九月十三日にきめた。そして担当メーカーは三千五百五十円、その他は三千六百円で応札するという取りきめを行なっておる。その入札の結果は、たとえばいまお話になりました以外でも、勝山市におきましてはA業者、武田、千葉ワクチンが三千六百円の入札価格、B業者、東芝ワクチンが三千五百五十円、阪大ワクチン、これが三千六百円、北里、化血研が三千六百円、こういうようにして、一つの業者が三千五百五十円で、この東芝ワクチンの入札に応じている。それから大野市におきましては、これは昨年十月二十四日、武田、千葉ワクチンが三千六百円、東芝が三千六百円、北里、化血研が三千六百円で、同じ価格。これでおかしいじゃないかということで、再度入札を求めた。翌日、十月二十五日、第二回の入札の結果、A業者の担当する武田、千葉ワクチンが三千五百五十円、東芝、三千六百円、北里、化血研についてはD業者は何回やっても同じだから出さない、実質的には三千六百円。こういうことであった。だから大野市は結果としてはやむなく三千五百五十円に決定をしたと、こう言っております。それから鯖江市については、やはり武田、千葉、三千六百円、東芝、三千六百円、阪大、三千六百円、北里、化血研が、これが分担でありますから、三千五百五十円。 そこで、いま公取委が御答弁のように、県外からこれはもうこれじゃかなわないということで求めたということであります。武生市におきまして、これはA業者の武田、千葉ワクチンが三千五百五十円、あとは全部三千六百円、以下同じように入札。そこで武生市では、これは大事な子供のことだし、もしも値段を下げさして悪い品物が来たんではたいへんだから、だから協定された値段でやむなく買い取ったと、こういうことであります。この事実を見ますと、いま、鯖江、敦賀、大野は県外から購入したということでありますが、おそらくこれは鯖江と同様に入札の結果、全部が同じ金額。これではあまりにもひどいじゃないかということで、ルートを県外に求めたのでなかろうかと思います。この具体的な事実を私はここに出すことはできませんが、見積もり書があります。たとえば、ある市に出したA業者、三千六百円の見積もり、これは武田、千葉、化血研のワクチン。B業者、東芝、これが三千五百五十円。C業者、三千六百円、これは化血研であります。D業者、三千六百円、この見積もりが出ております。こういう事実が私は歴然としてあると思うのでありますが、公取委はすでにただいま審議調査中であるとなれば、もっとこの事実について的確に把握されていると思いますが、その実態について明らかにしていただきたい。
○政府委員(吉田文剛君) 現在、これは審査中でございますので、あんまりその内容を申し上げるわけにはいかないと思いますが、先ほど申し上げたところがまあ申し上げられる限界でございまして、あんまり申し上げますと、証拠を隠されるおそれもありますので、その点は御容赦をお願いしたいと思います。まだそこまでははっきり申しましてつかんでおりません。おりませんが、いま現在極力調査中でございます。 私が先ほど申し上げましたのは、四十七年十月の時点の購入価格、それからその後の状況を多少申し上げた程度でございまして、先生おっしゃることは、まだ私としてはつかんでいません。
○辻一彦君 いま、私の指摘した問題については、実態を具体的に把握されていませんか。
○政府委員(吉田文剛君) 私は、まだ聞いておりませんけれども、審査中の審査官としては押えているとは思いますけれども、私、いま現在はまだ聞いておりません。
○辻一彦君 去年の十一月に、私はこの問題を指摘をして、十二月にも指摘をし、公取委はいろいろな形で調査をされている。すでに三カ月以上の日がたっているのに、責任者の事務局長のあなたが、まあ審査官は知っているだろうが、自分は知らないというのは、これは非常におかしいと思いますが、その点どうですか。明確につかんでおられると思いますが、どうですか。
○政府委員(吉田文剛君) これは、十一月に調査を開始したわけでございますけれども、なかなか入札談合というのは証拠をつかむのが非常にむずかしい。一々供述調書をとり、あるいは物的証拠というものをつかみませんと違反としては処置できないということでございまして、そういうわけで非常に時間がかかっているわけでございますが、一応調査を終えまして、その報告書というのをつくりまして、そこで、内容的にも確定してまいるわけでございますが、まだその報告書ができ上がっていないという段階でございます。
○辻一彦君 じゃ、いつ調査を終えて、いつ結論を出す考えですか。
○政府委員(吉田文剛君) それはまだはっきり申し上げられませんけれども、近いうちに結論を出したいというふうに思っております。
○辻一彦君 近いうちというのはおよそのめどですね、どのぐらいの日数を考えておられますか。
○政府委員(吉田文剛君) これはできるだけ早く、もう大体終わっておると思いますけれどもできるだけ早く出したいというふうに思っております。
○辻一彦君 では、いま私の指摘をしたことが事実であるとすれば、これは私は独禁法、公取法の違反にかかると思いますが、これが事実であるとすれば、そうなりますか。どうですか、その点の見解。
○政府委員(吉田文剛君) 私はそうなると思います。ただ、うちは委員会組織でございますので、委員会の決定で違反になるかどうかをきめるわけでございます。いまおっしゃったことが事実であれば、私は違反の疑いは十分にあるというふうに考えます。
○辻一彦君 厚生大臣にお伺いいたしたいんですが、こういうかなりきびしい行政指導やっているという御発言でありますが、事実は私はこういうことが行なわれていることは、具体的なこの例から見て明らかじゃないかと思います。また、公取委はほぼその結論を大体得られるめどがついている。そして私の指摘したことが事実であるとすれば、これはクロであるというふうにお考えに大体なっておられる。そうすれば、こういう場合に、まず私はクロと公取委の判定が出た場合に、厚生省はどうされるのか、また公取委はその場合にどうされるのか、この点についてお伺いいたしたい。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいまの先生の御指摘が事実であって、公正取引委員会の結論が出た段階でこれは考えなければならない問題だと存じますが、厚生省が所管しておりますこのワクチンその他の医薬品の規制、これは法律的に申しますと、薬事法の規定によりましてつくられる医薬品の規格等が有効なものであり、かつ安全性が保証されておるということを主体にいたしましての行政の所管でございます。ただ、同時に国民のために適正な価格で提供するという面の行政ももちろん指導行政として行なっているわけでございますけれども、主体はやはりあくまで必要量を、適正な品物を提供する、供給するということに行政の主体があるわけでございまして、したがって、御指摘のような事実が明らかになりました場合あるいはまた、先ほど申し上げましたように、たとえ事実が明らかでなくても、そのような疑いが持たれるような行為がありました場合には、私どもといたしましては、全体的なメーカーに対する行政指導といたしまして、そういうような事医薬品に関して企業の利益が先走って国民の疑惑を買うような行為はいやしくもないようにという、さらに強い行政指導をいたしまして、医薬品の社会的信頼を保持するということを重点に考えたいと存じております。
○政府委員(吉田文剛君) かりに、そういう違反があるということが確定しますれば、法の規定に従いまして排除措置、つまり審判あるいは勧告あるいは審判を開きましてその違反行為を排除するということになると思います。
○辻一彦君 まあ、公取でその結論が出れば排除を行なう命令を出す、こういうことでありますが、厚生大臣、こういう実態を踏まえてやはり医薬行政といいますか、全般的な観点から大手商社のいろいろな形における問題が出ておりますが、こういう点についてきびしい私はそれが行政指導というか、規制というか、処置をすべきであると思いますが、この点の見解をひとつお伺いいたしたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほどのような事例が事実どいたしますれば、公取では公取の法律に違反するということで処分をせられるわけでございまして、薬務行政をあずかる厚生省としても当然そういうことは好ましいことではありませんから、それぞれの業者に対し厳重な規制の指導の措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○辻一彦君 結論が出ましたらひとつ私に公取委も御報告をお願いしたいし、同時に厚生省でどう処置されたか、これについて御報告を願いたいと思います。 三十分という時間でかけ足でありますが、次に、私は、子供の養護施設の問題について若干ただしたいと思います。 福祉元年とことしがこう言われて、非常に福祉に力を入れると、こう言われておりますが、しかしその谷間に、やはり施設の隠れた谷間に老人や小さな子供の問題がずいぶん多いと思います。日ごろ国会では何十億、何百億、何千億、いや何兆円の単位の論議がされますが、いま私はごく小さな何十円単位の問題で、この谷間の問題を若干ただしたい、こういうように思います。 一つはつい先日ですが、私は福井県の大野市に善隣館という子供の養護施設があります。これを半日ほど行っていろいろな様子を見たり聞いたりいたしました。五十人の養護施設ですね。保母さんが六人、指導員が一人です。一日二十四時間、子供を見なくちゃならぬ。そういう施設で、これでどうして労働基準法を守っていくことができるのか、保母の皆さんはせめて国の法律である労働基準法を守れる職員配置、定数是正をしてほしい、こういうことを強く要望しております。しかし、この問題に入れば時間がありませんから、別の機会に私はこの問題は詳しく取り上げることにして、いま恵まれない子供が五十人もおりますが、子供の生活指導訓練費、ごく簡単に言いますと、これは小づかいですが、去年は一カ月に小学生の場合にわずかに百円という非常に現実離れのした単価になっております。ことしの予算でどういうようにこれが改善をされておるのか、時間の点がありますから、ごく簡単に報告願います。
○政府委員(穴山徳夫君) 養護施設のいま御質問の生活指導訓練費でございますが、本年は費目の統合をいたしまして、日常生活諸費という名前にいたしました。前年度の日常諸費、それからいま先生がおっしゃいました生活指導訓練費、それから保育材料費、これを三つを一つにいたしまして日常生活諸費という費目の統合をいたしました。前年度日常諸費が一人月額三千四十円、それから生活指導訓練費がいまおっしゃいましたように百円、保育材料費が六十円、それを本年は一六・八%アップいたしまして三千六百七十八円にいたしたわけでございます。
○辻一彦君 三千六百七十八円ですが、物価の値上がりが二%ぐらいいずれの給食施設でも見ておる。これを見ると、これは大体三百四十一円ほどになります。これを差し引きずると二百三十七円、去年よりも一応上がっているということになります。この中で、幼い子供たちに小づかいをどのくらい出してやれると思いますか。
○政府委員(穴山徳夫君) 各施設によりましていろいろくふうをしておられると思いますが、いまちょっとどのくらい出しているか把握をしておりませんです。
○辻一彦君 施設の子供が物を大事にしないと、こういう批判がありますね。しかし、あの小さな子供には共有のおもちゃというか、財産しかなくて、自分で物を買うことができない。だから、自分のものがないからやはり物を大事にするという習慣がなかなか実際として身につかないという悲しい事実があるわけですね。その中で、実態としてわずかに昨年より百円程度。これでは保母さんも、指導員の職員の方も、まあ毎月百円やってもどうにもならぬので、一年に一、二回のお祭りなんかに三百円とかまとめてやるしかないと、こういうことでありまして、私は子供の教育という点から考えても、せめて月三百円程度の小づかいを子供に持たせて、少しは自分のものを買って、自分のものを持つ、これぐらいのことをやっていかなくちゃならないと。こう思いますが、この点について、いまの実態ではできないと、こう思いますが、これを改善される意思があるかどうか。それはどうですか。
○政府委員(穴山徳夫君) この問題につきましては、先生おっしゃるような問題がございまして、まあ、私どもも逐年引き上げをはかっているところでございますが、なお、今後ともこれが改善には努力をしたいというように考えております。
○辻一彦君 これは、あとでまとめて大臣にこの点について伺います。 もう一つは、施設の子供が小学校へ新しく入学するときに、入学支度金が出される。去年は小、中学生が一人幾らで、ことしがどうなったか。簡単に数字だけお伺いします。
○政府委員(穴山徳夫君) 小学校に入学する子供に対する支度金につきましては、前年度五千五百円でございまして、本年度は金額は据え置きになっております。
○辻一彦君 まあ、自分の子供のことを考えて、小学校の一年生に、両親がないあるいは片親がない、恵まれない子供が初めて小学校に行く、そのとき最小限の小学校に入れるだけの設備といいますか、物を用意してやるのにどのくらい最低経費がかかると考えるか。これ、局長どうですか。
○政府委員(穴山徳夫君) ちょっと、私も小さい子供がおりませんのでよくわかりませんけれども、まあ少なくとも、いまの五千五百円では不足であるのじゃないかというように考えます。
○辻一彦君 大臣、お孫さんがもう学校ぐらい行かれると思いますけれども、いかがですか。
○齋藤邦吉君 確かに孫も学校に行っておりますが、お話をいまだんだん承っておりまして、私、ほんとうにこのかわいそうな方々の、まあ養護施設ばかりじゃありませんが、いろんな孤児施設につきまして、この措置費が、私も十分かと言われれば十分でないと、私も、率直に思います。まあ今後とも、入学時に対しての五千五百円の支度金の据え置き、どうも私もあんまり好ましい感じはいたしません。今後来年度の予算等におきまして、全力を尽くしてこういう措置費の増額に努力いたします。
○辻一彦君 いや、来年ではおそ過ぎる。まず、私数字をあげてみると、最低、ランドセル、これは牛の皮のいいのを買えばうんと値段が高いが、代替品で、安いので五千五百円、制服三千円、男の子ならばカッター、女の子ならばブラウス一枚千円、ズック外ばき四百円、内ばき四百円、通学用のビニールぐつが五百円、かさ、こうもりが五百円、くつ下が二百円、そのほか雑費を入れて五百円で、一万二千円、これはほんとうに身につけるものですね。どんなことがあっても要る。これは施設の——ほんとうは二万五千円ぐらい要るが、とにかく身につけるものだけで最低これだけ要る。これが実態ですね。五千五百円というのは、ランドセルのあまりよくないのを一つ買うと終わりですから、これでは私は恵まれない子供が初めて学校に行くと、そういう場合に非常にさびしい思いをするのではないか。またこれを、施設のほうで何とか無理をして最低の条件をつくってやろうとすれば、ほかの措置費、毎月の日用品の中に必ず食い込む、こういうことで非常なしわ寄せが寄るということになります。そこで、こういう子供が養護施設に入れられている中には、考えてみればその背景に崩壊家庭、そこには高度成長の中でなかなか農村では農業だけではやれない、出かせぎに行かなければいけない、あとで奥さんが残る、そうして、蒸発をする。そういう家庭がやはり残念ながら今日の経済政策の裏に谷間としてあらわれておりますが、そういうところで罪のない子供たちが両親に、あるいは片親に別れて、やむなくこの施設に収容されている。その子供が初めて学校に行くときにランドセルの悪いのが一つしか買えないという、こういうやり方では、私は、全く福祉元年の名に値しない、福祉の谷間がある、こういうふうに思います。その点について大臣どう考えるか。来年なんて言わずに、これは数字を計算されたら私はたいした人数でないと思いますが。局長のほうで、ひとつ施設の五百五十六の中に何人一年生に入るか。計算されれば、そのお金はたいした金額ではない。入学式が終わっているところもありますが、ことしでも手当てをして、この一年におけるしわ寄せをなくするようにすべきだと思いますが、この点について大臣どう考えますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 入学時に対する支度金五千五百円、まさしくおっしゃるとおり私も十分であるとはひとつも考えておりません。 そこで、実は先ほどは、来年度においてと、こう申し上げましたが、確かにこの五千五百円でランドセルからこうもりから鉛筆やらさまざまということになると、それだけ並べただけでほんとうにこれ五千五百円で足りるとは全然思いませんから、私もいまここで言われたばかりでございますから、やりくりしてこの金をどの程度ふやせるか、私もいまのところ数字的には自信はありませんが、なるほどそうおっしゃられれば、福祉元年に値するように、小学校の子供は胸をふくらませてやっぱり入学というものを楽しみにしておるわけですから、本年度においてもやりくりしてできるだけの努力をいたします。しかし、いま幾ら上げるということを私も数字わかりませんから言いませんが、来年度などを待たずに本年度においてできるだけのことをいたしたいと考えておりますから、そうお答えを申し上げます。
○辻一彦君 局長にお伺いいたしますが、施設全国で五百五十六、ほとんどが民間ですね。それで何人小学校の子供入学しますか。まあ二、三人ということですか。
○政府委員(穴山徳夫君) 現在、養護施設の一年の対象数は、大体、これは推定でございますけれども、千四百人ぐらいではないかと思います。
○辻一彦君 大臣、いまお聞きのとおり、全国五百五十六の養護施設に一年生に入る子供はわずか千四百人、そう大きな数ではないのですね。一万円出したってこれわずかでしょう、国のあれから言えば。この谷間がないように、いまの御発言をぜひひとつことしの年度内に実行していただくようにお願いいたしたい。 もう時間がきたのでありますが、一つだけこれ大臣にこの考えを伺って終わりたいと思います。 それは、六十七歳から六十九歳の老人がいま福祉の谷間というので、いろんなところに請願書や陳情書がたくさん来ております。私の手元にもいろいろの方が署名されて長い手紙がそれについておりますが、全部読むだけの時間がありませんので、要点をごく簡単に読み上げて、これに対して大臣のひとつ腹がまえ、あるいはどうお考えになるか、どうされるか、それを一言聞いて終わりたいと思います。 「私達六十七才より六十九才迄の者は、国民年金制度よりも除外され又老令年金者の資格にも達せられず、其の谷間にありて又老令のため病弱者も日一日多くなりつゝある現状、何等何れにも恩恵に浴されず差別待遇を受ける谷間の人間としてあへなき日常生活を送り医療費にも事欠く次第であります。」「私達丈を取り残し差別待遇をせねばならぬ理由が何処にありや甚だ理解に苦しむと共に憤慨に堪えません。私達は前言にも申しました通り生を享けてより今日まで一生懸命国策に順応し戦中戦後の食糧事情の危機の折にも凡ゆる生根をつくし、強制的供米にも又甚だしき危機の到来せし時は山野菜を食して自家用米を割与して迄食糧確保に尽力し人後に落ちない努力をして参って来ました。然るに国民年金法が施行さるゝや、明治三十九年三月三十一日迄、に生れた者は除外され、又七十才以上の者は老令年金が支給されました。」が、私たち六十七歳より六十九歳までの者は香をかぎ、うわさを聞いて嘆いておる次第であります。そこで、何とぞ実情を十分ひとつ御承知のことと思いますから、一日も早くこの差別待遇を排して御高配、御審議をお願いいたしたい。こういうふうなものが来ております。時間があれば、私は具体的な例をいろいろあげて論議いたしたいのでありますが、時間が終わりましたので。この谷間にある老人に対して厚生省はどうお考えになり、どうされるのか、これは経過措置等があれば、お伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私も、国民年金の仕組み等について詳しく御説明申し上げるのは省略させていただき、結論的なことだけを申し上げたいと思いますが、この六十七歳、八歳、九歳の方々については年金の体制の中に現在入っておりませんものですから、実はきょう衆議院の本会議でこの年金法の趣旨説明が始まりまして、きょうから衆議院は始まるわけでございます。そこで、この法案の審議の過程において与野党の先生方の御意見も十分承って、この法案の中で解決するようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。したがいまして、年金法がきょうからいよいよ審議が始まるわけでございますので、法案審議の段階においてこれを解決するように、すなわち、国民年金体制の中に何とかして入れるという体制において解決をする考えでございます。
○辻一彦君 終わります。
○主査(矢追秀彦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。
○松永忠二君 さきに精薄児の施設をふやしてもらいたい、あるいは重度の精薄児の施設をつくってほしいという要望が強くあることは御承知のとおりだと思いますが、一体、この精神薄弱児が施設に収容されている比率はどのくらいになっているのか。それからまた重度精薄の子供、あるいは重度と重症障害児等入れてもけっこうですが、重度精薄だけがわかっていれば、重度精薄児で施設の中に収容されている比率はどのくらいですか。
○政府委員(穴山徳夫君) 重度の精薄児につきましては、昭和四十一年の調査がいま基礎になっているわけでございますが、当時非常に重いという判定を受けましたのが約五万人くらいいるわけでございまして、それについて、そのうちで特に緊急に収容を要するというようなものを、これは精薄だけではございませんで、身障その他もありますけれども、そういったようなものに対して御承知のように、四十六年度から五年計画で緊急整備計画というものを進めているわけでございまして、ただいまそれの進行中でございます。
○松永忠二君 時間がもったいないから聞いたことを答弁してください。収容率は。
○政府委員(穴山徳夫君) 現在精神薄弱児の施設は……
○松永忠二君 施設収容の比率はどのくらいになっているか。精薄の子供で施設へ入っている者の比率、重度精薄の者で施設へ入っている者の比率。
○政府委員(穴山徳夫君) はい。最初に数からちょっと申しますけれども、現在精神薄弱児の施設で重度棟という特に重度の者を入れている重度棟に入っている人数が約二千三百人でございます。それから重度棟として指定されておりますものに入っているのが二千九百人で、大体いま重い精神薄弱児は五千人収容しているわけでございます。
○松永忠二君 あまり的確な御答弁ができないじゃないのですかね。精薄児の中で、施設へ入っておる者の比率が幾らなのか。それから重度の精薄の中で、あなたのいうとおり施設へ入っている者の数はわかっているけれども、それは比率は幾らだ、こう言って聞いているわけであります。
○政府委員(穴山徳夫君) 失礼しました。現在精神薄弱児の施設、これは四十六年の末の数字でございますけれども、現在全部で入っておりますのが二万二千二百四十人でございます。そのうち約五千人が重度の者であるということになっております。
○松永忠二君 まあ、よろしゅうございます。精薄児の施設収容率の比率が幾らというのはその答えもないわけですがね。まあ、わかりました。とにかく重度精薄が二万二千五百人で、重度棟へ入っている者あるいはいわゆる重度加算を認めているような者を含めて五千人だ、こういう数字がわかったわけであります。 そこで、一体精薄施設をふやしてほしいという希望が非常に強いのにかかわらず、なかなか精薄の施設、特にたとえば 〔主査退席、副主査着席〕 重度施設がなかなかできない。それはいろいろ問題があるわけでありますが、その一つの大きな問題というのは、やっぱり精薄の施設の建設に対する国庫補助率が非常に低いということだと思うんです。実際は、国庫補助は法的には二分の一補助ということになっているが、実際に建てたものに対して、一体平均に国庫補助率がどのくらいのパーセントに当たっているのか、それひとつおわかりになれば聞かしていただきたい。
○政府委員(穴山徳夫君) ちょっと申しわけありませんが、これは少し古い資料でございますけれども、四十六年度の実勢単価で精神薄弱児施設について一部調べましたらば、単価が約五万九千円だったわけでございますけれども、それに対して補助単価が三万七千百円、約六割ということでございます。
○松永忠二君 これまた、私は単価を聞いているのじゃないのですよね。実際の施設をつくったときに、このくらい金かかるが、それに対してどのような比率になっているかというのであって、私の手元に調べた、たとえば私のところは静岡県でありますが、これは市町村のいわゆる組合をつくってできた駿遠学園というのは、五千五百三十六万円建設にかかっている中で、国庫の補助というのは千二百五十万円、二二%に過ぎないんですね。今度私のところにやはり山鳩の成人寮ができるわけでありますが、大臣もすでに御承知だと思うんですが、これが一億一千五十二万円かかるのだが、国庫補助は千二十一万円しかない、一〇%にすぎないのですよ。それで私の県は、特別に県がその半分ですからつまり国が二分の一、県が二分の一、設置者が二分の一ですから四分の一出すわけです。そうするとたとえば山鳩学園について言えば五百十万円を県が出せばいいわけですね。ところがそれに特別、県が単独に三千二百四十八万円出しているわけですよ。そして三千七百五十八万出してもなおかつ寄付金を千七十二万円出さなきゃできないのです。さっきの駿遠学園については土地を地元に提供させてもなおかついま県が言うような特別な措置をしても国と県で四五%にしかならないのですよ。だから二分の一、これはもう至るところで、これは厚生省で一番やっぱり努力してもらわなければできないのは、実際に二分の一補助といったって現実にはひどいときには一〇%、二割くらいの補助にしかならないわけです。だから組合立の施設をつくるときには地元の市町村で負担をする気がなきややれない。民間でやる場合にはどこかから金を持ってこなければやれないということになって結局とてもじゃないが手はつかぬということだと思うんですね。あとから数字をひとつ出してみてください。私の言うことがうそなら訂正していただきますが、その次に、もう一つお尋ねをいたしますのは、その次にやっぱりさあいよいよ建ててみたところがあとで自分の負担が多いという、つまり施設経営費において委託の措置費が実際は少ない。これまた、一体施設経営費に対して委託措置費は実際施設経費の何%に当たっているのかというそういうものをひとつお示しをいただきたい。
○政府委員(穴山徳夫君) 何%に当たっているかという資料はちょっとございませんが、私どもは、その措置費の考え方は、いわゆる最低基準というものが守れるということが一応措置費というものを考いているわけでございまして、その内容を改善して逐年引き上げているわけでございますけれども、場合によっては最低基準をきめられている以上に施設を充実させようということになりますと、やはりその差額というものは寄付金を仰ぐというようなことになるとも思いますけれども、私どももできるだけその最低基準の線が守られ、かつそれが充実するようにということで、毎年措置費の予算について努力をしているわけでございます。
○松永忠二君 何%という現実にあれはないですか、どのくらいに当たっているだろうかということを御検討した数字というのは全然ないんですか。
○政府委員(穴山徳夫君) 実際に各施設につきまして、そういったものを調べてまとめたものはちょっと手元にございません。
○松永忠二君 これは大臣、厚生省はちゃんと持っていないといけない資料じゃないですか。たとえば私が、いま具体的に話の出た駿遠学園では、一年の費用が三千八十二万円かかる。その中で措置費の収入額というのは七一・五%なんですね。つまり二千二百八万円きておるわけなんです。それから山鳩学園というのは、いま話の出た成人寮を今度つくるその精薄の施設では、これは委託措置費がちょうど五九%ぐらいになっており、実際に一体措置費を計上して、いまも辻君から話が出たでしょう、最低限だと、こう言ったってそんなものは最低限になっていないじゃないかという話も出ているわけです。現実にあなた方が努力をしていく措置費というのは、一体ほんとうの施設の経営費の何%ぐらいに当たっているだろうか、これでは困るからもっとふやしてもらいたいという要求の基盤になるものだと私は思うのですよ。こういう調査の数字が的確にポンポンと出てこないようなことでは困ると私は思うのです。 それから、その次の質問としまして、委託措置費の中で、一体、実際にはどれが不足をしておるのかというと、これは事業費と称するものは比較的まあまあですよ。たとえば、いま申しました駿遠学園では九二・九%、事業費に使っている九二・九%が委託措置費で来ているわけですよ。それからまた山鳩学園について事業費が三百五十九万円来ているわけですけれども、実際にかかっているのは四百十五万円なんです。したがって、この事業費についてはまあまあだけれども、事務費が結局足らないわけです。たとえば駿遠学園では七四%になっている。山鳩学園では措置費が千百六十六万円来ているけれども、実際に使っているのは二千三百三十万だということになるわけです。だからもうちょっとしっかりしたものをきちっと持っていてもらわなければ困る。余分なものをつくっているという考え方ではないのだから。そこで、その事務費が足らないのは、事務費の中で何が一体一番不足しているのかというその把握は、一体どう局長はしているのですか。
○政府委員(穴山徳夫君) まあ、よく施設からのお話を聞きますときには、たとえば人件費の捻出に非常に苦労するというようなお話もあるようでございますが、私どもとしては、この人件費については、国家公務員並みに四十七年度に水準を確保できるように引き上げをいたしまして、一応措置をしているわけでありますけれども、各施設ではそれぞれいろいろ事情があって、それ以上に出しているというようなところもあるようでございますが、私どもとしては、現在、四十七年度に国家公務員並みの水準にまで引き上げを行ないまして、それ以降国家公務員のベースアップ並みの引き上げというものを四十八年度にも行なっている。それからまた民間の施設につきましては、従来から公私格差の是正ということがよくいわれておりまして、四十八年度にも一・一%の格差是正の費用というものを上積みするという措置をとったわけでございます。
○松永忠二君 どうもきょう大臣——局長の答弁だめですね、そんなのじゃ。いやこれだけ足らない、事務費が足らぬということはもうはっきりしていて、精薄のたとえば、こういう施設の協議会や協会がもう全部言っているじゃないですか、要求を。それも人件費の、あなたは、単価についてはいま言うとおり、国家公務員並みにやっていると、こう言うでしょう。しかし、問題は定数が足らぬでしょう。職員定数の是正をしてくれというのは強い要望じゃないんですか。実際、人件費をそれじゃ十分払っているのかというと、たとえば、いまの山鳩学園では園長のベースアップは据え置く。それから夫婦で働いている者については妻の給与はダウンをさせる、それから独身の職員は八時間労働だけれども九時間やってもらってもなおかつ年間のいわゆる人件費の赤字が百七十八万出てくる。それの原因というのは、単価にも問題もあるけれども、職員の数が足らないんですよ。だから山鳩学園でいうと、法定の職員の数は十一人なんですよ。施設長が一人、児童の指導員と保母、それに加算があって、これで七人、それに書記、調理員、それから嘱託医が二人。ところが実際には十八人と嘱託医を一人持っているわけなんです。これについては、御承知のとおり、昭和三十七年に中央児童福祉審議会が施設職員定員についての答申をやった。その結果、とにかく一番先に、これはどうも精薄施設がまずいというので、当時六対一ぐらいか何かであったのを、五対一に改めたんですよ。ところが、それは昭和三十七年の答申に基づいてやったんでしょう。そこでいま、御承知のとおり、この定員を三対の一くらいにしてもらいたい。重度加算をしたものについては二対一、重度棟については二対一、子供二に対して一。いま五対一を三対一にし、そして重度の加算をすると四対一にいまなっているわけだけれども、それを二対一にしてくれ。しかも現実に東京都の場合には去年から実施をしているんですよ、重度棟については、二対一に。ここに結局問題点があるわけです。だからどうしてもこの昭和三十七年のころに答申を受けて五対一にしたのだからもうこの辺でさっき言うところの児童福祉施設最低基準の中のいわゆる第七十八条、職員の総数はというところで児童五人に一人というのを、いま言うとおり三人に一人なりして、それで重度加算をしていけばこれで幾分でも解決ができるわけです。このことをやっぱりやっていかなければできないわけです。同時に、重度加算というものが結果的にはことしは少し改善をしたけれども、なおかつ、たといえば私がいま計算をしますと、いわゆる二十人の重度を持っているところで、結局一カ月に一万九千四百六十円ふえたんですよ。一年にすると二十三万円ふえたんだが、月一万九千四百六十円じゃ一人の職員をふやせないわけなんですよ。だから、いま言うとおり、四対一というものを、いまある重度加算を入れて四対一を三対一にもできないわけです。つまり重度加算をふやすということと、いま言うとおり、その最低の基準の人数を、結局五対一というものを変えなければできない。これが一番の要求であり、いろいろまだまだ要望はあるけれども、ここをとにかく手を入れてもらいたい。いま局長が言うとおり、いわゆる単価についても努力をしている。重度加算も少しは広げてきたけれども、これじゃ、とてもじゃないが足らぬ。ちょうど医療の七十歳以上の無料を地方でやっているように、東京都ではもうこういうことをやっているわけですよ。だから、これを改善をしていかなければできるということなんです。大臣、答弁してください。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来のいろいろな問題、非常に有益な御指摘をいただきまして敬意を表する次第でございますが、まずいろいろ問題があるわけでございます。その施設を建てる場合について、熱心なところはたくさん金を出す。さっぱり二分の一にならぬじゃないか。まあ、私もそういう点はあると思います。そこでかかっただけの金の二分の一を出すというわけにはこれはいかぬことはもう御承知のとおり。そこで問題は、結局国が出すときの補助単価の問題になるわけです。
○松永忠二君 と数……。
○国務大臣(齋藤邦吉君) と数の問題になるわけでございましょう。 そこで、この問題については、私どもも補助単価というものの適正なる単価をきめる、そして超過負担がないようにする、こういうふうなやり方でいくべきものであると私は考えております。したがいまして、今後とも補助単価の是正については適正な補助単価であるようにこれは努力をいたしたいと考えます。 それから同時に運営費の問題、これは措置費の問題でございます。措置費の問題については一応十分の八をめんどう見るということになっておりますが、裕福な県あるいはまた理解のある県などにおいては足りないところはたくさん出していただける、こういうことになっております。けれども、私も一番お気の毒だと思うのは民間の施設だと思うのです。民間の施設は国が十分の八出して最低基準は保障した、こういいましても、なかなか十分でないものがあるわけでございます。それで先ほど来お話がありましたが、民間の施設につきましては、給与については国家公務員並みにしようということで、四十七年度末までで一応それを完成しようということにはしてございます。してございますが、民間の施設の運営費はほんとうに適正に予算的に行なわれているかどうか、これはやはり実態を調査する必要があると思うのです、特に民間については。国や県などは県の職員とか市の職員というようなことで、やはりわりに比較的恵まれて私はきていると思うのです。民間施設はなかなか思うようにいかぬです。そこで、民間施設についての実態調査ということになりますと、だいぶ前に全国一斉にやった例があるわけですが、そんなことをもとにして今後の五カ年長期計画をやろうというのは不十分だと思います、私率直に言いますと。そこで本年度中に民間の施設についての運営費について実態の調査をやりたいと思って考えております。そして、その実態調査に基づいて今後改善する点は思い切って改善をしていく、こういうふうにしていかなければならぬと思います。 で、その運営費のうちで一番、御指摘がありましたように、私は定数の問題だと思うのです。私もおっしゃるとおり定数だと思います。これは社会福祉施設におきましてはそれぞれ非常にむずかしい施設に従事している方、施設その他によっていろいろ差をつけてやっておるわけですが、特に重度のものについては、これはもうできるだけ定数是正をしてあげなければ私はかわいそうだと思うのです。働いている方々の労働の過重があまりにも激し過ぎると思います。そういう意味において、今後は運営費につきましては、いまお述べになりましたような定数是正、こういうことに重点を置き、さらにまた、十分な待遇がほんとうに国家公務員並みになっているのかどうか、まあ、一応基準としてはなっておることになっているのです。なっているのですが、そのとおりなっているかどうか、やっぱり実態調査をいたしまして、そういうふうな処遇の改善、定数是正、そういう問題に今後は全力を尽くしてやりたいと考えております。
○松永忠二君 わかりました。そういうひとつ努力をぜひお願いいたします。 それで、その次の問題でありますが、実は、これが一番大事な問題ですけれども、昭和三十九年の三月の十三日に「重度精神薄弱児収容棟の設備及び運営の基準について」というものを厚生省の児童局長が都道府県の知事、指定の都市の市長に対して通知をした。この中にこういうことが書いてある。「重度精神薄弱児収容棟に入所させる児童は、次に定める児童であって、学齢児童又は学齢生徒にあっては、学校教育法第二十三条又は第三十九条第三項の規定により就学義務が猶予又は免除されたものであること。」つまり就学猶予免除された者を、つまり児童をいわゆる重度棟に入れるんだという、こういう通知を出したと、このことはもう早くから国会で問題になって、実はわれわれ予算委員会で四十七年の四月十九日に、特に小笠原さんがこの問題も追及して、ときの斎藤昇厚生大臣は「厚生省のほうの通達につきましては、文部当局とも打ち合わせをいたしまして、私の考え、個人の考えといたしましては、撤回をいたしたい、かように考えております。」それから、高見文部大臣は「文部省の立場といたしましては、ぜひ厚生省の施設に、猶予であろうと、免除であろうと、入れていただきたいということを、これは両省の間で十分話し合いを遂げたいと思っています。」と、こういう答弁をしたんです。したがって、当時の、その後のにはそういうことを書いてある。斎藤厚生大臣は文部省と打ち合わせ撤回したいと答えています。そうして一九七〇年イギリスでは猶予免除のいわゆる規定を廃止いたしましたというようなことをいろいろ期待をしておるわけです。ところが、いまなおそれをそのままにしているんですよ、そのままに。一体国会を何と心得ているのか。で、それだけじゃないんであって、私は、もう法的にもこれは誤りですよ。児童福祉法のいわゆる児童施設の精神薄弱施設というのは施設の長に就学させる義務を規定している施設なんです。したがって、いわゆる精薄の重度棟といえども、精薄の施設なんです。この施設に入っている者が、ここにもあるとおり「独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設」だというふうにして明確に精薄施設の規定をしているわけです。こういう意味からいっても、これは明らかにこの通達は誤りだと、しかも誤りであるだけじゃなくて、大臣がこういうことを予算の総括のときに明確に言っている。そうしてこれについては個人としてはこうだが、文部省とも話し、部内であれしてやると、こう言っているのにいまだなおかつそのままにしているというのは一体何なんだと、どれだけの措置をして一体やったのかどうか、これをひとつ、あまり時間ありませんから私時間に協力しなきゃいけないので、端的に言ってください。
○政府委員(穴山徳夫君) 経過的の問題につきましては先生のいま御指摘のとおりでございます。それで、前に国会におきまして論議がございまして、私どももその線は変えたわけではございません。それでたとえば、昨年の十二月十二日に総理府の中央心身障害者対策協議会におきまして、これは学識経験者とか、私どもとかあるいは文部省が集まりまして、こういう福祉施設と教育の問題、あるいは福祉施設と義務教育の問題をどうしたらいいかということをこれは非常に長い間かけて協議をいたしまして一応中間の報告をもらったわけでございます。その中には、まあ結論だけ簡単に申しますけれども、結局施設の中で学校が行なう方法であるとか、あるいはまたその施設が現在やっているいわゆる養護というようなものを学校教育とみなすというようなこと、そういうたようないろいろ方法が考えられますので、特殊教育が進んでまいりました最近は、やはり重症のあるいは重度の子供でも教育権というものがあるわけでございますから、そういう方向でわれわれも考えようと、考えなければいけないということに考えまして、私どもとしては、前に大臣もお話になりましたように、通達の改正というものはこれは前向きに考えているわけでございます。ただ、私どもの立場から申しますと、私どもは、その通達をこれを消した場合に今度は施設長がいわゆる保護者にかわって就学の義務を負うわけでございますけれども、その就学の義務を負う場合に、じゃその就学させるいわゆる養護学校なり養護学級が現在全部あるかどうかという問題があるわけでございまして、したがって、そういうことで文部省のほうでもこういった線に沿って私どもと一緒に具体的な方法を考えると同時に、やはり養護学校なり養護学級というものの増設というものに非常に努力をするということなので、そういった文部省の方向、それからいわゆる学校教育というものの考え方の変わり方、それからいま先生がおっしゃいましたとおり、児童福祉施設というもののあり方と、そういったようなものを踏まえながらどうしていったらいいかということをいま相談をしているところでございまして、決してその通達を改正するのは反対であるというようなことでいまほうってあるということではございませんで、実質的にその前提となる中身をどうしたらいいかということについて現在文部省と協議をしているわけでございまして、そういう意味でまだ確かにおっしゃるように、通達は改正はしておりませんけれども、その改正をした後についての措置と申しますか、そういったようなことも踏まえながらいま文部省と相談しているということでございます。
○松永忠二君 で、私はあなたの言うことを百歩譲ってかりに誠意があると考えるなら、たとえばそういう通達は廃止をしたって方法はあるじゃないでいすか。親と相談をして親がその際にやるなら、一応のものをやるということだってできるでしょう。何もないからそんなものはやれませんというわけにいかぬでしょう。大臣、ひとつ聞いてください。現実に法律から言ったって、そんなことはいわゆる施設が教育の義務を負う施設であるのにかかわらず免除してから入ってこいという、そんなことが違反であることははっきりしているじゃないですか。また、やり方にしたって学校へ通学をしないったって特殊学級をつくってそこへ入ってやっているところがあるでしょう。だからそうじゃなくて、ほかのことについてはたとえば通園施設については何月何日のものは廃止するといって新しいのを規定に書いてあるわけですよ。だからこれなんかもすぐそういうことを廃止をして、いま文部省のほうの考え方も聞きますけれども、すでに文部省としては、養護学校の義務設置というものに移行していきたい、しかも、この前の文教委員会の答弁でいうと、文部大臣はことしのうちに政令の中で期限をつけたい、そうしてめどをつけてやりたい、それで実際には四十七年から着手をしておるわけなので、もうすでにことしじゅうに法制的なめどもつけたいと、こう言っているわけなんです。しかも、これは時間がないので、そこに初中局長もおられるのでこまかく話をしたいところだけれども、実際に、たとえば精神薄弱者の故障の程度は政令でこれを定めるといって学校教育法には出ているわけです。その施行令の二十二条の二には精神薄弱者の標準は「精神発育の遅滞の程度が中度以上のもの」と書いてあるんです。「中度以上のもの」と書いてあるんですよ。中度以上ということは、重度でも教育の可能性はあるというように見ているから中度以上というもので、精神薄弱者の故障の程度は政令で定めるといって政令の中にそういうことが出ているわけです。しかも養護学校必置をしていこうというときである、しかも、児童福祉法の中にも規定をちゃんとしている。それで予算委員会では指摘をされて善処をすると、こう言っているのに、いまごろまだこんなことをとやかくしているのは一体私は努力が足らぬ、努力が足らぬどころかもっと国会に出てきた意見を重視して早急に片づけなければいけない筋合いのものだと私は思うんです。大臣のひとつ決意とその処理のしかたをお聞きしたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) おっしゃるとおりでございまして、就学義務の猶予は免除を受けてこいと、こういうことは私は好ましいことでは絶対ないと思います。しかも、重度の心身精薄でも能力開発の可能性があり、すなわち、教育の可能性が十分にあるわけでございます。したがって、厚生省、文部省事務当局同士でいろいろ話し合いしておりますが、できるだけ早い機会に決着をつけまして、こんな通達なんというものはおかしいと私も思いますから、やめるように努力いたします。
○松永忠二君 文部省の初中局長に、私はあれこれ、私の気持ちを申し上げたのでありますが、文部省の考え方というのは、できるならば、これは重症の者も教育をやりたい、そのために国立特殊教育総合研究所をつくって、ことしは法律に国立久里浜養護学校設置の法案を出しているわけですよ。これは、重度の、重症の者に対する教育の可能性を見つけようといってその方法を考えているわけです。だから文部省の考え方としては、教育という立場からいって、つまりこういう者にも教育をしたい、まあ、時間がないので私はやりませんけれども、一体その就学猶予とか免除とかいう問題についても、いろいろ実は議論されておるところだと思うんですよ。これはもう国会でも議論されておるけれども、一般でもそうなんです。中にはいわゆる猶予とか免除の届けをしないままに、親が連れていったために普通の学校で困ってしまって、それで結果的には、それを新しい特殊学級をつくっているという事例は鎌倉あたりにもあるわけです。だからつまり、猶予、免除の規定も、親が猶予免除というものを、義務を免除するだけであって、そういう場合には、国なり地方公共団体が教育の責任を持つという考え方を持っているわけなんです。そういう考え方に基づいて努力をして、ようやくそういう体制、養護学校というものをつくろうとしているわけです。そういうときに片方でこんなことをやられたのじゃ、これはかなわぬと私は思うので、この点についての私のいわゆる考えていること、文部省の考えはこうだと言ったことが間違っているでしょうか。あるいは積極的に何か御発言をいただきたいと思います。
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、私どもも就学猶予、免除、これはできるだけ解消したいと、最後に残るものがあるということは予想されるわけでございますから、法的な手続規定としては、これは残す必要があると思いますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたことは、そのとおりでございまして、私どももそういうような方向に向いまして、努力を進めておるということでございます。
○松永忠二君 そこで最後に、この点をひとつ大臣に特に善処を求めたいのですが、さっきから話に出た措置委託費の中に精薄の場合、教育費というのがあるわけです。これは収容施設措置費国庫負担金交付基準というものにあって、教育費というところには何と書いてあるかというと、いろんな施設の中の精神薄弱者をとると、精神薄弱の施設で義務教育学校、または高等部に通学している者に教育費を出す、さっきお話しのあった教育の中の通学の支度金というようなのが別個またきめられているわけです。この金額が低い、低くないというのは問題もあるわけですが、とにかく通学している者、それと精神薄弱施設等において義務教育に準ずる教育を実施していると認めるに足りる客観的事実がある場合においては、このための経費としてその児童に対し教育費を支弁できるものとするとある。これは要するに、施設の中に特殊学級なり派遣教師をして、確かにやっているというものにやるというわけですよ。ところがさっき私が議論したように、この精薄の施設というのは、もともと教育を施設の長が責任を持っているものなんでしょう。そういう考え方がつまり児童福祉法からも出るし、学校教育法からいえば、さっき言ったような考え方が出てくるわけです。それじゃ、現実に施設はどういう金を使っておるかというと、たとえば山鳩学園については、四十六年には二十九万四千五百四円、ちょうど一人一万円ですよ。あるいは四十七年は五十万という、これは三十人の施設ですよ。五十万の教育費を計上しているわけなんですよ。そうして事実、私たちここへ出かけて行ってみれば、ここに日課表もありますけれども、この日課表の中にはつまり絵を書かせたり、あるいはマットの運動をさせたり、リズムをさせたりする日課表がきまっているわけです。一体一日じゅう子供をそのまますっぽかしておかれないでしょう。何か日課表をつくって、教育というものについての努力をしているわけですよ。たまたまそこには特殊学級がない、派遣教師はいないとしても、どうしてもそういうことをやらなければいけない。ところがこの教育の考え方というのが、いわゆる学校や高等部に通学している者にやる、それに類する者にやるというものをつけた。私は厚生省の役人に言うのは、精神薄弱施設等において義務教育に準ずる教育を実施すると認めるに足りる客観的事実がある場合においてはなんというのは、文部省が言うならわかる。文部省が、こういうものでなきゃ教育じゃないという、そういう認定のときに使うならわかるが、施設をやっている者が、しかも、これは施設の長に教育の義務があるという、その施設の長が現実にその施設はこういうことをやらなきゃやっていけないという状態の中にあるのにかかわらず、こんなよそよそしいようなことばを使っているというのは、もってのほかだと思うけれども、まあこれも認めるとしても、ここで教育費が出せるようにしてもらわなければ困る。つまり教育材料費というようなことばを使うのもけっこうでしょう。たとえば幼児の場合には、保育材料費として月六十円ずつ一人の子供に出しているんですよ。だからここで教育の精薄の施設に入っている重度の加算を受けている者、重度棟に入っている者に、現実に教育をすることのできる費用を、措置費の中でめんどうを見てやるということは、私は必要なことで、このいわゆる交付基準の中にこれを検討して、そういう教育の費用を入れることができるようにこれを改正してもらいたい、これをひとつ大臣に要望するのですが、大臣からお話を聞かしてください。
○国務大臣(齋藤邦吉君) まことにごもっともなことでございまして、措置費の中に何かしらそういう費目を設ける積算の根拠でございますが、設けることについてはひとつ前向きに検討いたします。
○政府委員(穴山徳夫君) いま先生おっしゃいましたとおり、いま学齢児が精薄に約一万六千人ほど入っておりまして、その中で就学しておるのが一万人おります。したがって、残りが六千人ほどおるわけでございますが、そのうち三千人がいま先生御指摘の準ずる教育を受けているということで、費用の対象になっておりまして、あと約三千人が残っておるわけでございます。これにつきましては、いま大臣がおっしゃいましたような方向で、私ども検討さしていただきたいと思います。
○松永忠二君 私は、時間が短いために、局長に対してもちょっと失礼なことを申し上げたと思うんですが、しかし、私もそれなりに努力している点は認めるわけですよ。たとえば、今度も精神薄弱の施設について、予算においてあるいは改善事項の中に重度加算を加えるとか、あるいは民間施設給与の改善をやるとか、夜間勤務の改善や努力をされておるわけですよ。私はそれを否定をしちゃいない。それらについて御努力を賜わって改善していることは事実だけれども、しかし、まだまだこれじゃしようがない。そしてまたはっきりわかっているわけだから、つまりわかっているところから通達を、通知を廃止をし、そこからつまり委託の措置費を要求するということをしなければいかぬ。きょうは大蔵省の主計官はいるでしょう。主計官ひとつどうせあなたのところに持っていっての話に、結果的にはなるわけだ。主計官の認識が乏しいと、これはだめなんであって、ぜひひとつ、こういう面で一体いままでどんな努力を主計官はしてきたのか、今後についてどういう努力をするということをできるのか、たいへん失礼なことを申し上げた点がある、時間が短いために両方の局長にもたいへん失礼なことを申し上げたと思うけれども、意のあるところはそういうことじゃないのであって、御努力を賜わっている点については感謝しながら、なおかつ現実にこういうことをひとつ解決をしてほしいということであって、その点は大臣にもひとつ御了解をいただきたいと思うんです。 最後に、主計官の努力を強く要望して質問を終わりたいと思います。
○説明員(渡部周治君) 措置費の改善につきましては、財源上できる限りの配慮をしたつもりでございますけれども、今後とも厚生省当局ともよく話をいたしまして、前向きに改善をはかりたい、かように考えております。
○萩原幽香子君 初めに、保育所問題について二、三お尋ねしてまいりたいと思います。 まずことしの三月に、ある民間保育園で一度に六人の保母が退職をいたしました。三人は補充ができたんですけれども、あと三人はいまだに補充ができなくてさがしながら困っているという現状がございます。で、民間保育園の保母の確保はまことに困難であるということは、もう御存じのとおりでございます。そこで、この困難な理由がどこにあるとお考えでしょうか、お伺いをいたしたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) 民間の保育所の保母の、何と申しますか、退職状況というのを調べますと、確かに公立の施設よりも私立のほうがやめていくと申しますか、そういう回転率のようなものが高いような数字もあるわけでございまして、確かにそういう民間の保育所での保母の定着と申しますか、それが非常にむずかしい問題を含んでいるということは、私どもも、そういう数字からわかるわけでございます。原因は何かと申しますと、いろいろあると思うんですけれども、たとえば公立の施設のほうが給料が高く出るからそっちへ行こうかとか、いろいろな問題があると思いますけれども、私どもも処遇の改善、その他をはかりまして、できるだけ保母が安心して働けるようにというようなことを努力したいというように考え、また、努力もある程度しているつもりでございますけれども、まだ十分ではないかもしれませんので、これからもさらに努力をしたいと思います。 —————————————
○副主査(楠正俊君) ちょっと待ってください。 この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 ただいま辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君が選任されました。 —————————————
○萩原幽香子君 いまの困難な理由は待遇の問題とおっしゃったわけでございますね。ところが、待遇ということだけではございませんで、非常に保母が確保できにくいということから、無理をしてずいぶん遠方からも保母が来ているという状態がございます。したがいまして、その勤務時間というものも非常に長くなっておりまして、もう一時間半から二時間ぐらいかかるところから勤務しているような保母もあるわけでございます。そういうことになりますと、実に同じ幼児教育を担当しております幼稚園の先生なんかに比べて、非常に勤務時間が長くなっている。ひどい人になりますというと、もうほんとうに十時間、十一時間といったようなことになっている状態があるわけなんでございます。そういうことにつきまして、しかし、子供のいる間というのは、一瞬の油断も許されないというのが保母の現状でございます。そういうことにつきまして、どのように家庭局としては御認識をなさっておりますか、その点承りたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) 確かに各保育所の保母さんが非常に苦労して長時間働いておられるということは、私どももよくわかるわけでございます。したがって、たとえば四十六年から小規模の六十人以下の保育所に非常勤保母の制度をつくったりしたわけでございますけれども、四十八年度におきましてはそれを全保育所に広げるというような予算的な措置を講じまして、非常勤保母の増員と申しますか、そういうものによって保母さんたちのいわゆる労働の軽減、それから処遇の改善というようなことがはかれるように努力をしているわけでございます。
○萩原幽香子君 そこで、お尋ねいたしますけれども、いま、無資格保母の問題がよくあるわけでございますね。そのことにつきまして私は、かつて学校の先生の中でやめている人がある、そういう方の中でも保母を希望される方もあるわけでございますね。ですから、その最低の単位を取れば保母になれる、保母の資格を与えるといったようなことを提案したことがございます。そのときには、それじゃ、まあ一度検討してみようという御答弁だったんでございますけれども、その後、そういう資格のある保母を確保するために私のいたしましたような提案を、どのように御検討になりましたか、承りたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) 確かに先生からの御提案ございまして、私どもも、その御提案について中央児童福祉審議会で審議をしてもらっておりまして、現在、いわゆる保母試験の合理化と申しますか、充実と申しますか、そういったようなこともあわせてやっておるわけでございまして、それとあわせて、たとえば、いまおっしゃいましたように、一部科目免除というようなことで実施ができるようにというような方向で、現在、検討しているわけでございます。
○萩原幽香子君 たしか、私申し上げましたのは、もう一昨年ぐらいだと思うのでございますが、まだ検討の域でございましょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) まあ御指摘のとおりで、だいぶ時間がかかっているわけでございますけれども、なかなかいろいろな御意見もあるようでございまして、したがって私どもとしては、究極的にはいまお話ししましたような方向で、現に中央児童福祉審議会の特別部会でやってもらっているわけでございまして、先生のお話が実現できるように、ひとつ私どもも大いに検討してみたいと思っております。
○萩原幽香子君 その結論はいつごろに出るでございましょうね。
○政府委員(穴山徳夫君) いま申しました保母試験の改正と申しますか、それが四十九年度から実施できるようにということでいま審議を進めているわけでございまして、それとあわせて、いま先生の御提案の問題についても審議をして結論を出したいというように考えております。
○萩原幽香子君 それじゃ、先ほど非常勤の保母の問題がございましたですが、大体、本年度でどれほどの人数を確保されておりますわけでございますか。
○政府委員(穴山徳夫君) 従来、御承知のように、六十人未満の施設につきましては、一施設一日三時間の予算を組んでいたわけでございますが、四十八年度におきましてはいままでの三時間を五時間、いままでゼロであったところを二時間というようなことで、非常勤保母を雇用できる賃金をふやすということをやったわけでございまして、人間に換算——換算するということばがどうかと思いますが、換算しますと、大体四千七百人ぐらいの賃金職員ということになります。
○萩原幽香子君 そういたしますと、九十人の子供をかかえているところでございますと、大体、非常勤保母というのは、どの程度にいただけるんでございますか。
○政府委員(穴山徳夫君) 九十人のところでは一日二時間、四十八年度から新しく二時間の賃金の予算が支給されるということになるわけです。
○萩原幽香子君 そういたしますと、その分は、こちらで確保すれば措置費は出ると、こういうことでございますね。それでよろしいんでございますね。
○政府委員(穴山徳夫君) そのとおりでございます。
○萩原幽香子君 では、措置費についてお伺いをいたします。 この措置費の問題で、私は、いつも非常に困難を感じておりますことは、三歳児が四歳児になりましたその翌月から千四百四十円、ことしでございますと、減額になるわけでございますが、そこで、お尋ねをいたしますが、昨年度中にこの減額分は幾らでございましたでしょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 九十人ぐらいの施設で年間約二十万ぐらいという計算でございます。
○萩原幽香子君 それで、全国でどれぐらいでございましょう。
○政府委員(穴山徳夫君) ちょっと全国的な数字、いま計算しておりませんので、いま計算してからお答えしたいと思います。
○萩原幽香子君 大蔵の方が見えておりますのでお伺いをいたしますけれども、この問題で、私は、実は大蔵の方にも個人的なお話でございましたがいたしたことがございます。そのときに、小さな予算というのはこうぐるぐる回っているうちにどこかで消えてなくなっちゃうようなお話が出たのでございます。それで私は、それは非常におかしい話だなと思って聞いたわけなんですけれども、まあ、こういう予算は額にすればたいした額ではないかもしれません。しかし、その運営をする者にとりましてはこれはたいへんな額なんです。たいへんなことなんです。いま家庭局長さんのほうから、大体、九十人のところで年額二十万ぐらいだろうというお話でございました。これは平均だと思います。しかし、これは後々私が実態に即してお尋ねをしてまいりますが、こういったような場合、大蔵省としてはどういうふうにお考えでございましょうか、承りたいと思うんです。
○説明員(渡部周治君) 措置費につきましては、一応、かかります経費の内容によりまして実費を支給するようなたてまえをとっておりまする関係上、現行はそのような区分をいたしておるわけでございますが、これにつきましては、そのような区分をもう少しゆるやかにやったほうがいいではないかというような御要望があることは承知しております。その点につきましては、組織全体の立て方を、もう少し、非常にきめこまかくやっておりますのをもう少し統括的にやるという方法もあわせまして、組織全体のあり方につきましては検討したい。その一環としまして、この問題も厚生省からいろいろお話を承りながらわれわれも検討したいと、このように考えております。
○萩原幽香子君 これはぜひ厚生省のほうの御意見も十分聞いていただきたいと思うんです。 で、たとえば、こういう例を一つあげて申し上げてみますから、お考えをいただきたいと思います。たとえば九十人定員の場合、四月一日に、三歳未満児が十一人、そして三歳児が三十一人、四歳以上が四十八人、四月一日に入れました。ところが、本年の三月三十一日になりますと三歳児が三人に減ってしまったわけでございますね。で、その計算をいたしますと、通年制をとればちゃんといただけるものが、三歳が四歳になった段階で千四百四十円ずつ減額されましたために、二十四万千九百二十円が減額になっているわけでございます。そうしますと、月額二万円ずつ減額になってくると、こういうわけでございますね。大蔵省にされますというと、まあ月額二万ぐらいのことはとお考えかもしれませんけれども、措置費で全部まかなっている民間保有園にとりましては、この二万円というのはなかなか痛いお金になってまいります。さらに、金額だけではなくて保母も年度途中で減員しなければならない状態も生まれてくるというわけなんでございます。たとえて申しますと、初めに三歳児未満が十人だった、それが三歳児が三十、四歳児以上が五十と、こういうことになりますと、四月の初めには、先生は、三歳未満で二人、三歳児で二人、四歳以上で二人、計六人で出発をするわけでございます。ところが、それが八月になったときに三歳児がゼロになる、こういう事例もないことはございません。そういたしますと、先生の数がどうなるかと申しますと、その時点で三歳未満児は十人ですから二人、三歳はゼロになったんですから三歳の先生はゼロ、そして四歳児以上が八十人になって三人、計五人ということになります。そうしますと、年度途中で一人先生を減員しなきゃならないという事態が出てくる、こういうことにつきまして厚生省はどのようにお考えでございましょうか。あわせて、大蔵省もどのようにお考えでしょうか、承りたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) 最初に、先ほどの金額でございますが、大体十五万人ぐらいと推定いたしますと十三億ぐらいになります。 それから二番目の問題でございますが、結局、いま、三歳未満が六対一、三歳が二十対一、それから四歳児以上が三十対一というような分け方になっているわけでございますけれども、三歳児が二十対一、四歳児以上三十対一というような、そういったいまの建て方がはたしていいかどうかという問題もあると思うんです。それで私どもも、昨年の十月に中児審にいろいろ諮問いたしまして、審議会のほうで総合的にいろいろな検討をしているわけでございますけれども、そういう意味で、こういった問題につきましてもどう考えたらいいかとか、どういうような割り切り方をしていったら一番合理的かというようなことについていま検討してもらっているわけでございまして、その検討の過程の中で、こういった問題の合理化をはかっていきたいというように考えます。
○萩原幽香子君 では、三歳で出発した子供というものを四歳の中へ月ごとに一人とか二人とか入れていきますことの保育の上の影響をどのようにお考えになっておりますのか、これもちょっと承りたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) 私も、むずかしい保育理論はようわかりませんけれども、三歳児なら三歳児だけ集めて一つのグループで教育したほうがいいというような説と、それからいろいろな説がたぶんその他あると思いますけれども、いろいろな年齢の子供を一つのグループにして、年長者とそれから年齢の低い者との間の人間関係と申しますか、そういったようなもののメリットから、そういったような方式のほうがいいんじゃないかというような御意見もあるようでございまして、いま、中児審のほうでいろいろ御検討になっておられるのは、そういったようなことも背景としながら御検討いただいているようなふうに聞いておりますので、私どもも、そういった御検討の結果を待ちながらどういうふうにしていったらいいかということについて考えをまとめていきたいというように考えています。 〔副主査退席、主査着席〕
○萩原幽香子君 そういうときに私特に考えますことは、厚生省が担当してくださいますこの保育園、それから文部省が担当してくださる幼稚園、その両者が形が非常に変わってくるということになりますと、今度は小学校へ行ったときに変わってくるんではないだろうか、こういうことを私は考えるんです。ですから、いまのところ、幼稚園では三歳児、四歳児といったようにその学級の編制をしていると私は思います。そこで私も、いま局長さんおっしゃいましたように、初めからしまいまで別々の組をつくっておくということは好ましくないんではなかろうかと思います。ですから、午前中は三歳児、四歳児と分けたり、そして午後になりますと組を解体いたしまして、そして二歳から五歳までを一緒にして子供を一緒に遊ばせていくといったようなやり方も実は私は考えているわけなんでございます。ですから、そういうことをしませんと、初めからずっとごちゃごちゃにいたしますと、これは託児所の発想になってしまうんではないか。そうしますと、幼稚園に行った子供との間に格差ができるのではなかろうかという心配を私は持つものなんでございますね。その点、厚生省ではどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 先ほど申しましたように、この問題は非常にむずかしい問題で、先生のような御説も確かにあると思いますし、私どもも、いま、どういうふうに割り切って、どれが一番いいかと言われますと、ちょっとまだ、いま審議会のほうでもいろいろと御検討願っているわけでございますので、ここで明快なお答えはできないわけでございますけれども、いま先生おっしゃいましたような問題も含めて、私ども、これから結論を出すようにしていきたいというように考えております。
○萩原幽香子君 私は、自分が長い間この子供の教育に携ってまいりまして、子供の成長・発達というものはもちろん個人差がございます。しかしながら、やはり、それぞれに年齢に応じた特徴というものを持っていると思うんです。その子供たちの持てるものを最大に引き伸ばしてやること、それが幼児期を預かる者の使命ではなかろうかと私は考えるわけでございます。したがいまして、そうなりますと、その保母さんによほど能力がない限り、二歳から五歳までを一つのところに入れておいて、その子供子供に応じて能力を引き出すことというようなことは不可能に近いことではなかろうかというふうに思うんです。そういう点で、保育所の保母さんの非常な専門性ということも考えていただかなければなりませんし、そういったことも踏まえて、これからどういうふうに諮問をしてくださいますか、ひとつ、その点もはっきりお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) いま、すでに保育所につきましてのいろいろな問題について特別部会で審議をしているわけでございまして、したがって、先生のいまのおっしゃいましたようなこともこの次の特別部会にお話しをいたしまして、先生の御意見も十分に特別部会でもっていろいろとお話しをいただいて、新しいと申しますか、方向づけというものを考えていきたいというように考えております。
○萩原幽香子君 これは非常に、この間私ある保育所に参りましたときに園長さんが、悔やんでということばを使ったほうがいいかもしれませんが、お話しになったことばがございます。それは、保育所の保母というものは高級子守だと言った福祉課の職員があった、こういうことを聞いておるわけでございます。そういうことになりますと、保育所は一体どういうところなんだろうかという疑問もわいてくる。一体どういうふうにそれは、厚生省としてはこういう考え方を持っている職員に対して御指導をしていただいておりますのでしょうか、こういったことが話の中に出てきたわけでございます。私は保母というものは決して高級子守ではない、こう考えているわけでございますが、そういうことについて私は先ほどの幼稚園の問題とからめてひとつ御検討をいただきたいと思います。いかがでございましょう。
○政府委員(穴山徳夫君) 私どもも、決して保母が高級子守であるなどとは全然考えているわけではございませんで、したがって、私どもも、保育所のほんとうのあり方というようなことをいまいろいろと検討しているわけでございまして、ほんとうの保育所が、いわゆる単なる託児所じゃないというところをいま求めているわけでございます。その方向で私ども努力をしたいというように考えております。
○萩原幽香子君 厚生省のほうで、そういったお考えをぜひ各地方の福祉課におつとめの方にも、保育所とは一体何だというその保育所なるものの原点に帰っての御指導が願いたいと、こういうように考えるわけでございます。その点はいかがでございましょう。
○政府委員(穴山徳夫君) それは、もちろんそういったようなことを言った人がいるということであれば非常に遺憾なことでございますので、私どもも、とにかく保育所担当の職員が保育所というものはほんとうにどういうものであるかということを十分に認識するようにいろいろと考えたいと思います。
○萩原幽香子君 そこで、さきの三歳、四歳で措置費が変わるという問題にからんででございますけれども、保育所というところは非常に御存じのように、人手不足で悩んでいるわけでございます。その中で三歳児から四歳児へかわるごとに措置費を変えていかなきゃならない、それを毎月毎月やらなければならないという事務の繁雑さというものもお考えをいただきたいと思うわけでございます。 もう一つおかしな話と私が聞きましたのは、三歳児の子供の月初めに生まれた子供はその前月末に生まれたものとして措置されると、こういうことでございます。たとえば五月一日に生まれた子供は、もしほんとうならば五月一日に誕生日を迎えますとその翌月からということになれば六月から千四百四十円が減額されるわけでございますね。ところが、そうならないで、五月一日とか五月二日に生まれた子供は、四月三十日、四月二十九日に生まれたようにして措置をされていくということでございますが、これは一体いかがなんでございましょうか。この世に出ていないときからすでに生まれたことになって考えられているというのは私はおかしな話だと思うんでが、この点はいかがでございましょう。
○政府委員(穴山徳夫君) あとの五月一日生まれあるいは五月二日生まれは四月生まれとして扱うというのは、私も初めていま聞きましたので、ちょっと調べてみたいと思います。
○萩原幽香子君 これは確かな話でございますからどうぞひとつ御検討をお願いしたいと思います。 そんなにまでしてその千四百四十円を減額しなきゃならないということは私は考えられないと思うんですね。そういうことでひとつお願いをいたしたいと思います。大切な幼児期の正しい成長のために努力を続けながら苦しい運営をしいられている民間保育園は、いま措置費の通年制を強く要望しているわけでございます。そこで、厚生大臣にこれはお伺いをいたしたいんでございますが、この通年制に踏み切っていただく御用意はございませんか、承りたいと存じます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 十分実態を調べまして検討させます。
○萩原幽香子君 いま、私がるるお話を申し上げたので非常にこの通年制でないことで困っているという実態は大臣おわかりいただけたと思いますね。
○国務大臣(齋藤邦吉君) はい、わかりました。
○萩原幽香子君 ですからぜひそういう方向に向かってお願い申し上げたいと思います。 大蔵省にお伺いをいたしますけれども、実は額をおきめいただくのは大蔵でございますので、こういうことについて大蔵省、厚生省のほうからその通年制を言われたときには大蔵省としてはこれはそのように査定をしていただけますか、どうですか、承っておきたいと存じじます。
○説明員(渡部周治君) 私ども、査定と申し上げましても、厚生省とよくお話しをいたしまして、その上で政府としての統一的な取り扱いをきめるわけでございます。われわれの判断で一方的にきめるわけではございません。この問題につきましては、実は厚生省でいろいろいま御検討中でございまして具体的な案をわれわれまだ承っておりませんので、施設の実態等に照らしましてどういう問題点があるのか、ここら辺につきましては厚生省のほうで案ができました段階でわれわれも十分検討させていただきたいと、こう思っております。
○萩原幽香子君 もう勉強していただく段階は過ぎたんではございませんか。これは厚生大臣、もう勉強していただく段階はもう過ぎたんじゃないか、ほんとうにこの事務の手続の上からも、そして、そういう途中で先生が減るというような問題も、あるいは年に二十万、三十万と減額されて苦しい経営をしなきゃならない問題も、これはおわかりいただければ、私は即刻これは何とかしなければならないという御答弁をちょうだいすることを予期していたわけなんでございますね。本年度はきまったからしかたがないとおっしゃるのかもしれませんけれども、それでもなおかつ厚生省のほうで何とかお考えいただける余地がございますでしょうか。いかがでございましょう。
○政府委員(穴山徳夫君) いま予算を審議している最中でございまして、予算的の措置は先生御存じのとおりでございます。私どもとしても、これは一つの検討課題として、大臣も先ほどおっしゃいましたように検討さしていただきたいと思うわけでございます。本年度からすぐということができるかどうか、それはちょっと非常に困難な問題かと思いますが、とにかく一つの重要な検討課題として検討さしていただきたいと思います。
○萩原幽香子君 では、保育所の問題から次に少し形を変えまして、三月二十三日の予算委員会のときに、私はこの五月から、韓国から研修生を受け入れる問題についてお尋ねをいたしましたところ、その時点では厚生大臣は御存じない旨の御答弁がございましたが、その後、この問題については御承知をいただけたかと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 実は、いまもあまり変わっておりませんけれども、先生の御質問の時期には、たとえば研修の計画というようなものが具体的にきまっておりませんで、きまるというのは、施設の間できめておりませんで、したがって、私どものほうにも、そういったような意味で正式な話と申しますか、詳細な話というものが来ておりませんでしたので当然大臣にもまだお話しはしていなかったわけでございます。その状態というのはいまもまだ同じでございまして、先生からいろいろお話がございましたし、私も私なりに一応いろんな施設その他に聞いてみたわけでございますけれども、いまの段階としては確かに先生のお話しになっておられたような問題が民間ベースで話が進められているということは事実でございまして、私どもは、まだ私どものところまで、一番大切なのは研修計画だと思うんでございますけれども、それが施設の間に煮詰まってきているというような話にはまだ聞いてないわけでございます。
○萩原幽香子君 でも五月と申しますともうあと一カ月でございますね。このことが事実であるとするならば、これはやはりどういうふうに受け入れるかということについては十分御検討いただく時期になっているんではないかと私は考えるわけでございますね。この間決算委員会で医務局長さんは研修にふさわしくない、人手不足のところで研修生として受け入れることはどうも好ましくない、こういったような趣旨の御答弁があったわけでございますね。その点につきまして、いかがでございましょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 研修に適するか適さないかということはなかなかむずかしい問題でございますが、実はこれは民間のベースで話が始まりまして、向こうの韓国のほうにも、いまございませんが、重症心身の施設をつくりたい、ついては韓国はちょっと制度が違いますから、日本で言いますと准看のちょっと手前くらいの人かもしれませんけれども、そういう人を研修によこして、実際の介護の技術その他を覚えたいというような話があったようでございます。それでまあ、いわば重症心身と申しますと島田療育園とか秋津とか、そういったところがわが国ではいわばパイオニアのような評価を受けているわけでございまして、そういう意味で、まあ東京の三施設に来てそういったことをしたいというような向こうからの希望もあり、また施設も、まあそういうことであれば、考えようかというようなことで話が進められように聞いております。したがって、私どもとしては、適当な施設かどうかというようなことはなかなかむずかしい問題ではありますけれども、現在施設のほうで、そういうようなことがあれば何とか考えて研修をやろうかというようなことを言っておられますので、私どもとしては、やるんであれば、とにかく研修ということを徹底的に、そのワク外に出ないように、ほんとうに研修の効果があがるように、ひとつその研修計画というものを練って考えてくれというように言っているわけでございます。
○萩原幽香子君 私たちが学校の教員を志望したときには、いわゆる教生というもので各学校に配置をされるわけでございますね。そのときには、できるだけ人的にも物的にも整ったところへ行って、そして十分研修ができるということがねらいになっていたわけでございますね。ところが、研修という名目ではございますけれども、受け入れられるところは、この前予算委員会のときに、私はその実情を訴えるというのでお呼びいたしましたように、半年もかかっても六人ぐらいしか人を受け入れることができないといったようなところへ受け入れるということは、これは明らかに私は労働力として受け入れるということになろうかと思うんです。そういうことについて、厚生省は、民間ベースだからとおっしゃるだけでは済まされないものがあるんではなかろうか。いわゆる日韓親善の意味からもこの問題をもう少し慎重にお考えいただかなければならないと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題は、私も慎重に対処していかなければならぬと考えております。単なる労働力不足であるから、韓国の子女をちょっと来ていただこうというようなことではやるべきもので私はないと思います。韓国政府では重度心身障害児を収容する施設をつくりたいという計画があることは私も聞いております。したがって、これがほんとうに重度心身障害者の介護の研修でなければ、これは私は意味ないと思います。そういう意味において、物的施設も人的施設もやっぱり日本としてはもっともらしいりっぱなところでなければ私はならぬと思います。私も、実は詳細は何にも知らないのです、ほんとう言うと。ですから、ひとつこれは児童家庭局長に、現場の施設の長に来てもらいまして、どういう計画なんだ、それはどういうふうな研修計画なんだというふうなことも十分調べ、それでその人たちが何人来られるか私も知りませんが、その人たちが寝泊まりする施設はどういうふうになっているのかとか、そういう点を十分ひとつ検討させます。そして、研修の効果があがらないということなら、これはやめさせるべきものだと私は思います。単なる労働力で入れるということは好ましいことではない、これははっきり申し上げておきたいと思います。
○萩原幽香子君 さらに、今度は兵庫県の問題になりますが、神戸医師会でも昨年度から準備をして、ことしの九月にやはりソウルから二十九人受け入れることになっておるようでございます。しかし、これは准看になるための研修といわれております。ところで、御案内のように、韓国には准看制度というものがございませんので、日本で資格を取っても韓国では通用しないのではないか、そういうこともあるわけでございます。そこで、医師会の井上会長は、これは政府間協定でもって韓国の人たちを日本に移し入れることができるように、そういうことを政府の間でやってもらいたいのだ、いわゆる政府間交渉でやってもらいたいのだ、こういうことを要望をしているわけでございますね。で、医師会が韓国から研修生を招くのもこうした将来への布石だと言っているわけでございます。 そこで、政府間協定でこういう問題をお取り扱いになる御用意がおありかどうか、承っておきたいと存じます。
○政府委員(穴山徳夫君) その兵庫県の問題になりますと、私どものほうの所管ではなくて、看護婦の准看の問題でございますので、医務局の所管になりますので、私からはいまここでもって御返事はできないわけでございます。御了承いただきたいと思います。
○萩原幽香子君 そうでございますけれども、政府間交渉でということになりますと、これは大臣は関係がないというわけにはまいらないと思いますね。ですから、それじゃ、大臣にひとつお伺いいたしましょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題、私まだ全然何も聞いておりません。したがって、これは政府間協定でやったがいいのか、民間同士のお話し合いでやったがいいのか、もう少し内容を承りまして、検討さしていただきたいと思います。
○萩原幽香子君 これは、これから先もこういった問題があっちこっちに起こる可能性があるということは、いわゆる看護婦の非常な不足の問題から考えて、言えることではなかろうかと思います。そこで、大臣とされましても、この看護婦を他国から受け入れる、やがてのころには、東南アジアからも受け入れなければならないと、こういったようなことになることも考えて、一体どのようにお考えを固めていらっしゃいますのか、その御決意のほどを、看護婦養成あるいは看護婦の不足といったような問題とからめて、ひとつ御答弁をいただきたいと存じます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私は、基本的には日本の重度心身障害者なりあるいは患者さん、病人の方々を、できるならば日本人の私は看護婦さんにやっていただきたい、これを私は基本にしたいと思います。したがいましていろいろな理由で、かりに外国、韓国から入れるにしても、どこから入れるにしましても、労働力を入れるようなつもりで、看護婦さんだという名前にして連れてくるということであれば、これは民間でおやりになることであろうが、何であろうが好ましいことではないと、こういうふうに基本的には私は考えております。 先般もテレビでございましたか、奈良の辺の病院の方々が、民間協定で、民間同士のお話し合いで看護婦さんを入れているというテレビをちょっと私も見ましたが、これは看護婦さんの看護技術の修得ということで入っておるわけでございますが、私は、やっぱり基本的には、日本人は日本人の看護婦さんにお世話になりたいと、これを基本にしていきたいと、こういうふうに考えております。
○萩原幽香子君 それは、私はさきの三月二十三日の予算委員会でも申しましたことで、日本人がなぜ日本人を看護することができないのか、そんな悲しい状態がなぜ起こったのかということでは、私なりの意見を申し上げたとおりでございます。厚生大臣とその点で私は全く同じ考え方を持っております。しかしながら、いまのような状態のままで推移しますというと、なかなか日本人が日本人をというわけにはまいらないような状態がいま現に見えつつある、こういうことにつきましてはぜひひとつ厚生省といたしましてもお考えをいただきたいと存じます。 続いて、厚生大臣にお伺いいたしますけれども、身体障害者の更生援護施策についての基本姿勢を承りたいと存じます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 身体障害者の更生援護の施設の問題につきましては、今日までできるだけ施設の整備等々をいたしてまいっております。しかしながら、これは厚生省と大蔵省と相談いたしまして、昭和四十年度から五カ年計画で、もちろん、身体障害者の障害の種類にもよりますが、できるだけ施設を整備しようという計画をしておりますが、先般閣議決定になりました内閣の経済社会基本計画によりまして、ことしから今後五カ年間の年次別の長期計画を厚生省において立案するということにいたしておるわけでございます。そういうふうなことで、国民の要望に沿うた施設、特に重度心身障害児のような問題とか、あるいは老人対策のような問題、いろいろ問題があると思いますが、そういう問題について全力を尽くして努力をいたしてまいりたいと考えております。 なお、施設の整備ばかりじゃなくて、身体障害者の方々、その障害の種類によりましていろいろあります。めくらの方、ろうあ者の方、あるいは内部障害者の方、そういう方々ありまして、こういうふうな援護のことになりますと非常にきめのこまかいやり方をしていかなければならないと思うのでございます。そこで、御承知かと思いますが、本年度——四十八年度の予算において身体障害者の方々に快適な生活環境を確保するような意味合いにおいて、モデル福祉都市と申しますか、そんなものを三カ所ひとつ計画をしてみようということで、その予算も計上をいたしておるわけでございます。そんなことで、こういう方々についてはやっぱりきめのこまかい施策をやっていかなければならぬと思うんです。重度の方々はやっぱり一応収容ということが大事でございますが、一般社会において自立してやっていくために、つえともなり柱ともなってこれをめんどう見ていくような、きめのこまかい援護の措置を講じていくようにいたしたいと、かように考えております。
○萩原幽香子君 私は、実は四月の三日に広島県の重度身障者の授産施設を見てきたわけでございます。それは、その施設におります人から手紙をもらいまして、そのことで私は一体どうなっているんだろうかと思って行ってきたわけなんでございますが、ところで、その重度の身障者の方ですけれども、何か社会復帰をしたいということで懸命な努力をしているわけでございます。ところが、何と申しますか、その施設でございますね、これはタイプ、それから農耕と手芸、こういう程度のものをやられているわけなんですが、それがなかなかみんなに徹底するようなことにはなっていない。もっともっといろいろな種類のものがあったらもっといろんな人がそれに参加できるんだけれども、なかなか種類が少ないために参加できない。こういう予算が非常にほしいということを言っておったわけでございますけれども、このひかわ園の状態なんかにつきまして御視察になったことがございましょうか。
○政府委員(加藤威二君) 私、先生、いま御指摘の広島県のひかり園は現実には見ておりません。ただ、身体障害者の授産施設につきましては、先生御指摘のように、私どもまだ非常に不十分な点があると思います。数も非常に少ないということ、それから、いろんな授産の種類、そういうものも貧弱であるということは私ども重々承知いたしております。したがいまして、いま大臣からお話がありましたように、五カ年計画におきましても、寝た切り老人の施設と並びまして、ことに重度の身体障害者の施設の整備にはできるだけの努力を払ってまいりたいというぐあいに考えております。いまのお話がありました広島県のそのひかり園の施設についてはまだ見ておりません。
○萩原幽香子君 これは一度ぜひ見ていただいたほうがよろしいんじゃございませんかと思いますね。 それで、そういったような人たち、いま実際その授産場にいる人というのは、ほんとうは授産場に入れてやらなきゃならない人に対してどれぐらいの比率になっておりますでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) 身体障害者の授産施設につきましては、一応五カ年計画におきましては、ことに重度の身体障害者に限ってでございますが、重度の身体障害者の授産施設に収容すべき人員、これは大体八千人でございます。それに対しまして、四十七年度末でございますが、四十七年度末で大体二千二百人程度の収容の設備ができているということでございますので、まだまだ数が足りないと、こういうことでございます。
○萩原幽香子君 それと、ここへ参りますと、大体十五歳から五十歳までの人がいるわけでございますね。そのお話を聞いてみますというと、もう少し小さい段階で機能訓練をやっておればもう少し上手にものをつくることができるんだ、それが非常におくれておりますために、ここへいきなり持ってこられても、なかなか授産所へ入ってきて仕事をすることがむずかしいと、こういう話でございましたんですね。ですから、その機能訓練をやる場というものが一体どのようになっておりますか承りたいんです。
○政府委員(加藤威二君) これは所管の問題でございまして、非常にその点、若干今後も検討する必要があると思いますけれども、一応私どものほうでは身体障害者につきましては十八歳以上を社会局で、それ未満は児童局という、そういうやり方になっております。精薄なんかはこれは一貫いたしまして年齢にかかわらず児童局でやっているということでございますが、その他の社会福祉対策は、年齢で一応児童局と社会局に分けている、こういうことがございすまので、十八歳未満のいわゆる身体障害児の機能訓練ということは児童局の施設でやっている、こういうことでございます。問題は、一応そういう立場になっておりますので、だから、未成年から十八歳になるというときのその引き継ぎと申しますか、そういう点をやはり施設間で、おとなの施設と子供の施設のリレーと申しますか受け継ぎ、そういうものをもっとスムーズにやっていくということが今後ますます必要であろうと思いますが、一応立て方はそういう立て方になっております。
○萩原幽香子君 それは私もよく承知をいたしております。しかし、ここでいま授産をやろうというときに、そういう障害があるということが結局わかった場合に、そういうことに対してやはり、いま、私の所管は十八歳からでございますと、しかし、それ以前の十八歳未満は児童局でございますと——その二つの中で、こういう問題にぶつかったときに、どういうように話い合いが進められておりますか、それが私は聞きたいわけなんです。私は、やはり同じ厚生省の中にいろんな局がございます。いろんな課がございます。そういうところが、それぞれに自分のところのことだけしかお考えにならないというのではこれはうまくいかないんじゃないか。ですから、この前のときに私は、縦割り行政はごめんでございますと、タコつぼ行政みたいになってしまってどうもうまくいかないと、だからささら形行政にしてくださいというお話をしたわけなんでございますね。そういうことで、同じ厚生省の中にあり、同じ家庭局の中にあっても、課が違うためにいろいろ不便を来たしておる。その一番のしわ寄せはやはり国民に来ているという現状をお考えいただかなければいけないのではないかと私は思うんです。 そこで厚生大臣にお伺いいたしますけれども、同じ厚生省の中で、局が違うとか課が違うとかいうことによって、その末端の——といいますと語弊がございますが、国民がしわ寄せを受けているということについてどのようにお考えでございましょうか、承りたいと存じます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) おっしゃるとおりでございまして、十八歳以上はこっちの局、十八歳以下はこっちの局——ところが授産所のようなところは、いまお話のありましたように、年をとった方も入っているわけでございます。こういうことがあって、所管がそういうふうに割れていることによって国民が迷惑する、これは許しちゃならぬことだと私も思います。したがって、私どもまだ十分そういう点、注意しておりませんでしたが、授産施設についてはおとなが入っていようが子供が入っていようが、授産施設はこっちの局と、やっぱり一本にまとめてやるようにしなくちゃならぬだろうと思います。そういうふうなことを、国会も済みますから、間もなく済むでもございましょうから、済んだ段階で、両局の所管事項について調整をはかりながら、一局が責任を持って果たすというふうにつとめたいと思います。おっしゃるとおりでございます。
○萩原幽香子君 いま厚生大臣から非常にあたたかい御答弁をちょうだいいたしましたので、この項につきましてはいろいろ御検討をいただいて、そして御努力をいただきますことを特にお願いを申し上げましてこの項は終わらしていただきたいと存じます。 次いで、今回の天然痘事件というものは、いまさらのように日本の医療について私は非常に考えさせられたわけでございます。そこでアジアの人たちの中にも多くの人々がこの病気のために不幸を味わっているということもまた知ったわけでございます。 そこでお伺いをするわけでございますが、政府は第二次感染に備えて三百万本のワクチンを用意されたといわれておりますけれども、その第二次感染が幸いにして発生しなかった場合に、準備をいたしましたワクチンをバングラデシュなど天然痘の発生率の高い国に対して緊急医療援助としてそれをお送りになる、そういうお考えはございませんか。これは厚生大臣から承りたいと存じます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先般天然痘の真性患者が発生したわけでございまして、まだ第二次感染が発生するかどうか、いまのところまだ予断は許さないと思います。御承知だと思いますが、逓信病院に五、六日おったわけでございまして、あの時期が一番危険な時期であったわけでございますから、そこで、あそこに入っておられる方々、きのう、おとといでございましたか、急遽東京都の衛生局を通しまして、あまりそちらのほうに、あっちこっち歩かないようにということで、病院その他適当なところに待機していただくような措置を講じております。したがって、第二次感染が発生するとすれば、三十一日に一応出ておるわけですから、やっぱり十四日まではまだまだ油断のできないときでございまして、防疫体制としては厳戒体制を敷いておるわけでございます。ある程度の第二次感染患者が出ないという保証が私はない、あるいはあるかもしれぬ、こういう前提に立って第二次感染だけは食いとめなければならぬということで努力をしておるところでございます。そこで御承知のように、現在イスラエル、インド、パキスタン、バングラデシュ、この四カ国が天然痘汚染地域ということにWHOもなっておるわけでございまして、もちろん私どもの三百万人分を用意しておるということは国内においての用意でございまして、あちら向けの用意ではないわけでございますが、やっぱりこういう天然痘は人類のしあわせの上からいっても撲滅することがやっぱり望ましいことであり、しなければならぬことでございます。したがいまして、バングラデシュなりインドなりパキスタンにおいて、日本にそういうものを要請するということがございますれば、私のほうはきん然として御協力を申し上げたい、こういうふうに考えておる次第でございます。向こうからまだそういう要請もございませんが、向こうの要請があればいつ何どきでも御援助申し上げる、こういう考えでございます。
○萩原幽香子君 では最後に、お時間がございませんから、厚生大臣と大蔵省にお伺いをするわけでございます。 いまよく、世界の中の日本と、こういうことをいわれるわけでございますね。その日本人はいま何をなすべきか、このことについてひとつお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 日本は何をなすべきか、なかなかむずかしい大きな問題でございますが、私は厚生大臣でございますから、総理は日本列島改造というものと真剣に取り組んでおりますが、それとうらはらになって考えなければなりませんことは社会福祉の充実である、私はさように考えておりまして、先般来の経済社会基本計画に基づく社会福祉というものの充実に全力を尽くして、日本は豊かになったけれども社会福祉の面においては西欧先進国より劣っているんだということのいわれないように、一日も早く西欧先進諸国並みの福祉国家建設と、こういう理想を掲げて努力をいたす考えでございます。それが私としては一番大事なことだと、こう考えております。
○萩原幽香子君 大蔵省、いかがでございましょう。
○説明員(渡部周治君) 日本人は何をなすべきかと非常に大問題の提起を受けましたので、私のごとき者がお答えするあれはないわけでございますが、厚生担当主計官の職責といたしましては、先ほど厚生大臣がお答えになりましたように、財政運営の堅実さを維持しながら国民福祉のために努力をすべきである、かように考えております。
○萩原幽香子君 それでは大蔵省、さらにお尋ねをしますけれども、いま公害あるいは物価高、これが私たちにとって非常につらい問題になっておりますね。そういうこととあわせて世界の中の日本としての、いわゆる日本人は何をなすべきか、こういう点でひとつお答えをいただきたいと存じます。
○説明員(渡部周治君) 公害問題、物価問題いろいろ現在の成長の中におきまして問題が生じておることは私ども存じておりますが、公害問題につきましては、これは私の所管ではございませんけれども、環境庁のほうでいろいろ公害賠償責任制度とかというようなことを検討をやっておるところでございますし、最近の水俣裁判にございますように、公害問題につきましても非常に大きな国の関心、それからこれを撲滅しなくちゃならないという国民的要請があることは存じておるわけでございまして、財政当局といたしましても公害撲滅のためには努力しなければならない、かように考えております。また、物価問題につきましては、これは個々の物価対策と同時に、財政運営全体の運営におきまして、国民が期待しております物価抑制といったような点につきましては、国があらゆる対策を講じなくちゃならないと考えております。
○萩原幽香子君 いま大蔵省は非常に物価の問題に対してどういう姿勢で取り組みそれがどのようにその効果をあげつつございますか、その点ちょっと承っておきたいんです。
○説明員(渡部周治君) 物価問題の担当は私のほうではございませんので詳しいことは存じておりませんが、現在の物価の問題では一番多く問題が取り上げられておりますのは土地の問題等でございます。土地の問題につきましては、宅地の供給、仮需要の抑制等につきましていろいろ施策を講ぜられて現在政府内部におきまして検討が進められておるやに聞いておるわけであります。そのほか、最近いろいろ投機で問題になっております点につきましても、投機の抑制のためにいろいろ法的措置を講ずるといったような措置を講ぜられておるわけでありますが、財政運営の面におきましては、物価対策という面につきまして、やはりきめこまかい配慮をする必要がある、これは食糧のいろいろな流通機構の問題、あるいは個々の個別の対策等、いろいろあるわけでございますけれども、財政運営の面におきましても物価抑制のためにはいろいろ努力しなければならぬと考えております。
○萩原幽香子君 大蔵省、最後に私お尋ねしますけれども、今度私は保育所を増築したいと考えました。そうして、その資金を銀行にお願いをしたわけでございます、資金の融通を。そうしましたところが、ある銀行では、それは金融引き締めでいまお金がございませんから、お貸しするのは、非常にもうけるようなところへは融通ができますけれども、学校とか保育所とかいったようなところはほんとうにおもしろくないところだ——その「おもしろくない」というのは私は何かよくわかりませんでしたけれども、おもしろくないところ、いわゆるお金を貸してみても、まあやっこらやっこら払ってくるのが精一ぱいで、なかなか——どうかするとこげつくおそれだってあるようなところへお金はお貸しするわけにはいかないんだと、こういうことで私ははっきりと銀行のほうからお断わりを受けたわけでございます。一体、大蔵省はこういつた金融引き締めというようなことから、そういったようなところへ金を貸すということについてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。これは銀行と大蔵省は非常に仲よしだと思うのですが、いかがでございますか。
○説明員(渡部周治君) 銀行行政につきましては私全然しろうとでございますので、どのような指導をしておりますか全然存じておりません。
○萩原幽香子君 そういうお答えを大蔵省、なさるでしょう。これは私の関係じゃございませんからとおっしゃっても、やっぱり金融引き締めということを一生懸命お考えになったのは一体どなたですか。そうして、そういうことの結果として、いま保育所といったような子供を育てる場をつくろうというときに資金が出ないということになったことについて、私は存じませんというふうにはっきりおっしゃってよろしいことなんですか。それを承りたいんです。
○説明員(渡部周治君) 大蔵省が金融行政を所掌していることは事実でございます。しかしながら、私の担当が厚生担当の主計官でございますので、残念ながら銀行行政につきましてどういう指導をしておりまするか責任のある回答はできないということで、私は個人的にはそのような銀行の態度につきましてはけしからぬと、このように思っておりますけれども、そのことにつきまして責任ある銀行局の当局はどのような指導をしておるかということについては私は銀行局からそういう点聞いておりませんので、私からさような答弁はできない、このように申し上げておるわけでございます。
○萩原幽香子君 きょうはもっと大蔵省全体の方に私は来ていただいてお尋ねをすればよかったと思いますね。非常に厚生省担当の主計官に的はずれのお願いをしたということになるかもしれませんけれども、これはこういう話が出たということはお伝えをいただきたいと思います。そのために非常に迷惑をしているといいますか、非常に仕事がやりたくってもできなくって困っている、そういう人間がいるということだけは、はっきりやはり大蔵省の一人としてしっかり肝に銘じてお帰りをいただきたいと存じます。 終わります。 —————————————
○主査(矢追秀彦君) この際、分科担当委員の異動について報告いたします。 ただいま吉田忠三郎君及び田中寿美子君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君及び和田静夫君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○加藤進君 最初に環境庁いらっしゃいますか。いらっしゃいますね。環境庁にお尋ねいたします。 いま全国至るところで各種の公害が起こっています。そのために地域の住民が健康及び生活を苦しめられているということは御承知のとおりでございますが、これに加えて、いま東京をはじめ大都市において新たに公害と思われるような事態が起こっておることでございますが、ビルやマンションなどの高層建築が相次いで建てられる。そのために、住民は当然受けなくてはならぬ太陽を奪われるというような状態が起こっておるわけでございますが、こういう状態に対して環境庁はどんなふうに御認識をいただいておるのか。そのための対策をどのようにお考えになっているかをまずお尋ねしたいと思います。と申しますのは、これは言うまでもなく環境庁が地域住民の生活環境を保全するということを使命にしておられる庁でありますし、また、とりわけ三木長官は、従来の環境行政はあと追い行政である、今後環境庁はすべて事柄について先にこの問題を事前に解決するということを第一の使命にするとまで言われておるわけでございますから、この点について環境庁は日照の問題をどのように考えられ、どのように対策を考えておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
○主査(矢追秀彦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。
○加藤進君 そこで厚生大臣にお尋ねいたしますけれども、厚生省の所管のさまざまな施設がございます。保育園だとかあるいは身体障害者の施設、また老人ホームや母子福祉施設等々がございますけれども、これらもまた幼稚園や小学校と同様に、例外なくこの日照の問題にいまや当面しておると思います。まさにビルの谷間で日陰の存在になろうとしておる、また今後さらにこの状態は深刻化するであろうと私たちは考えておりますけれども、この点につきまして大臣の所見をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私ども厚生省のもろもろの施設にとりましては、日当たりのいいところでまあ重度心身障害児にしても収容するとか、保育所でありますと子供を預かるとか、そういう日照は社会福祉施設の整備の上から言っても非常に大事なことだと、かように考えております。
○加藤進君 私のところに、ある保育園で子供を預けておられる母親の方が次のように訴えられています。うちは——うちはと申しますと自分の家でございますけれども、 家は日当たりの悪いアパート住まい、庭もございません。近くに広場がないので子供が元気に遊べるのは保育園だけでございます。ここにもし日がささないようになったら子供たちは一体どうなるでしょう。日陰では花も育ちません。 こう言っておられるわけでございますけれども、このためにこの母親の皆さんは子供たちから太陽を奪うな、こういう運動に立ち上がっておられるわけでございます。これは東京ばかりでなく兵庫でも横浜でも名古屋でも現に起こっておるわけでございまして、このような保育園の環境悪化に対してどのような対策を厚生省として講じておられるのか、その点をお尋ねします。
○政府委員(穴山徳夫君) 最低基準では児童福祉施設では採光とか換気、そういったような構造、設備の一般原則というものがうたわれておりまして、子供の施設でございますのでそういう点については十分に注意するようにということで、指導と申しますか、私どもとしても考えているわけでございます。
○加藤進君 環境庁、来られたようですから、ここで先の質問をやっておきたいと思います。 先ほどの質問は、各地でさまざまな公害がある。しかも、これに加えて東京その他の大都市におきましては日照が奪われるという重大な事態が起き、これに対して環境保全の立場に立たれる環境庁としてはどのようにこの問題を考えられ、このためにどのような対策を講じておられるか、この点をお尋ねいたします。
○説明員(三喜田龍次君) お答えいたします。 日照権の問題につきましては、現在の公害法の体系の中ではその基本を示しております公害対策基本法におきまして、対象を大気汚染、それから水質汚濁等の七つの公害としているわけでございまして、これらの公害の一般的な性格といたしまして、多数の排出源からもたらされる汚染物質の排出等によりまして、相当広範囲にわたって、不特定または多数の人の健康や生活環境に被害が発生するという点に着目いたしまして、それを「公害」という共通の概念ととらえまして、その防止のためにいろいろな施策を講ずるということにしているわけでございます。 これに対しまして、御指摘の日照阻害につきましては、因果関係、規制の手段等につきまして基本法に言う「公害」とは異なる面が多い、こういうふうに思われておりまして、公害対策基本法の対象とは現在しておらないわけでございます。日照権につきましては、建築規制あるいは土地利用等の規制の側面で規制することが至当であるというふうに考えておりまして、その面での行政が行なわれている。もちろん、日照権をはじめいろいろな生活環境が快適なものになるということが必要であることはもちろんでございますけれども、公害法の体系としては措置しておらない。建築規制なり土地利用規制の面で十分に対処できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○加藤進君 公害法の体系の中には入らないとおっしゃいますけれども、本来公害というものは今後も新たなる様相をもっていろいろあらわれてくることは明らかでございますから、そういう生活環境を破壊に導くような公害の現象に対して、環境庁はこれが法体系に入るか入らないかという観点ではなしに、このような事態を国民生活の保全の立場から許してはならぬと、こういう基本的な立場に立ってこの問題に対処していただく用意があるかどうか、この点を重ねてお伺いしたいと思います。
○説明員(三喜田龍次君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、日照権の問題は建築規制なり土地利用規制という面から対処できるというふうに考えておるわけでございますが、もしそれで不十分である、そういう体系では対処できない、これを公害としてとらえて対処しなければ解決できない問題であるということが明らかになってまいりますれば、それとして検討しなければならないというふうに考えております。ただ、日照権の場合には、明らかにその建物によって日照が減少させられる、あるいは日照を受けられなくなるという、非常に因果関係が明確といいますか、問題でありますので、建築規制なり土地利用規制の面で十分対処できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○加藤進君 それでは、重ねて聞きますけれども、建築規制が重要な問題になってくるというなら、今日まで全国各地で起こっております日照権をめぐる運動に対して、これを受けて環境庁はどのように建設省に対して建議なり、あるいは進言なり、勧告なり等々の措置をとられたかどうか、この点ちょっとお伺いいたします。
○説明員(三喜田龍次君) この関係省庁、特に建設省に対しまして、日照権につきまして十分措置をとっていただくよう、これは通常連絡をしているところでございます。
○加藤進君 そうしますと、一番大きな眼目、いわばネックになっておるのは、現在の建築基準法であって、何らかの形で建築基準法の改正ということを考えなければこの問題の解決はあり得ないという程度の御認識はいただいておるんでしょうか、その点はどうでしょう。
○説明員(三喜田龍次君) 当然現行の規制が検討されなければならないだろうというふうに考えております。
○加藤進君 その点でひとつ御努力を願いたいと思います。 そこで、いま保育所に預かっている乳幼児に対して当然必要な、受けられなくてはならぬ太陽の光が奪われている。こういういわば日光浴が不足するような事態は医学的に見て許さるべき状態なのかどうか、これは厚生省のほうから医学的に見て乳幼児に対して日照が奪われた場合の影響について簡潔に御説明願いたいと思います。
○政府委員(滝沢正君) 一般的な子供の発育に対する、先生のおっしゃる太陽というか、そういうものの必要性というものは、これが不足した場合、くる病というはっきりとした疾病があることも明らかでございますし、わが国においてくる病はすでになくなったという意見もございますが、実はくる病があるという、まだ発生しておるという事実は、必ずしも日照権問題という、大都市という中ばかりじゃなく、いなかを含めてあり得るということでございまして、結論的には子供の発育にとって場所がどうあろうとも、ともかく一日のうち、あるいはかなりの時間というものを日照を受けることの必要性は健康上当然のことでございます。
○加藤進君 そうしますと、厚生大臣ね、日照という問題は単なる公害の一部というよりも、乳幼児にとっては健康上発育のために不可欠なものである、もしこれが奪われるような事態は医学的にもきわめて危険だ、こういう厚生省の御意見でございますが、その点の御認識は大臣もすなおにいただけるんでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 一般的に申しまして、子供が全然日照を奪われる、その程度にもよるんでございましょうが、全然日照を奪われるということであれば、子供の成長発育の上に医学的に見ても支障がある。これは医務局長は専門家でございますから、私は専門家の言うことを信用せざるを得ません。したがって、その程度の問題が問題でございましょうが、全然奪われるということであれば、そういう病気の可能性があるということを医務局長が言うならば私はそれを信用せざるを得ない。まあ、そういうことは別として、一般的に日当たりのいいところで子供が育つと、これがやっぱり一番望ましいことだと私は思います。
○加藤進君 ともかく保育所に預かるお子さんたちは、家庭においても日光に当たるという機会のきわめて恵まれない子弟の方たちでございます。先ほど訴えられた母親の訴えによりましてもはっきりできると思います。保育所で日光に浴するという機会を失われたらもう一日じゅう子供は日陰者だと、日陰で生活しなくてはならぬと、こういう深刻な事態にあるということをまず御認識をしていただきまして次に移りたいと思いますけれども、保育園には、施設といたしまして、建物もございますけれども、園庭といわれ、あるいは屋外遊戯場と呼ばれる広場がございますが、この広場は児童福祉施設最低基準におきましても、保育園には一定規模の屋外遊戯場を備えなければならない、こういう義務づけがしてありますけれども、この園庭が保育のために不可欠なものである、こういうふうに理解しなくてはならぬと思いますけれども、その点の御見解はいかがでございましょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 子供が屋内で生活すると同時に、屋外でも大いに元気で遊ぶ習性があるわけでございますから、これは保育所としては必要な施設であるというように考えております。
○加藤進君 そこで、私はある保育園へ参りまして、ちょうど行った日が二月二十七日でございましたけれども、その当日のカリキュラムはどんなふうになっておるかということを保母さんに尋ねまして、保母さんがみずからそのカリキュラムを書いてくれました。これによりますと、私の想像以上に屋外遊戯を行なうという時間が多いということでございます。朝八時ごろに子供がぼちぼち集まってくる。八時から十時までは子供の自由遊びで園庭で遊戯をさせる、遊ばせている。十時三十分になりますと片づけをする。で、体操、かけっこ、鬼ごっこなどを含めてその時期に保母さんたちは片づけをする。こうしてこの日にはひな人形をよく見て知り、二月の節分の鬼にお別れをすると書いてございますけれども、こういうほほえましい行事があるわけでございますが、こういう屋内で過ごす時間というのがきわめて少なくて、冬のまっただ中でも、午前中もほとんどが屋外での遊びが中心になり、午後も一時から二時半までは屋外での自由遊び、三時になっておやつ、三時半に帰宅する子供もあり、これも屋外でありまして、帰宅する子供たちは母親の来るのを待っている。こうして四時近くまでは園庭を主として生活をしておると、こういう実態が非常にはっきりと出ておるわけでございます。この園庭がまさに太陽が奪われようとしておる最も重大な状態になってきている。この点が私はどうしても見のがすことのできない重大な問題になっておると思うわけであります。そこで具体的に問題を出しますけれども、去る一月二十九日に名古屋市立の東山保育園の園児七十六名が告訴を起こしました。原告となりまして、保育園のすぐ南隣に建てられようとする四階建てのマンションの建設をぜひやめてもらいたいという訴訟になったわけでございます。で、このマンションが建つとどうなるかといいますと、保育園の園庭は、冬の期間ではほとんど全面的に日が当たらなくなる。こういうことが子供たちと母親が訴訟に踏み切らざるを得ない一番根源の問題になっておるわけでございます。で、ほかに各地で日照が奪われるような保育園も出ておると思いますけれども、厚生省はこの点について、日照の奪われるような危険にさらされておる保育園が全国にどのようにあるのか、この点についての調査をされたと思いますけれども、その辺の御調査の結果を聞きたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) そういったような調査は、いまのところはまだしておりません。
○加藤進君 これは新聞その他を拝見いたしましても、各地でこのような問題が起こり、母親を中心とする運動が起こり、そして訴訟も決してこの東山保育園だけの問題ではない。こういう点から見ましても、今後起こるであろう事態をまさに今日予測しておると考えていいと私たちは思うわけでございますけれども、こういう状態があるわけでございますから、ここで大臣にひとつお尋ねしたいのでございますけれども、こういうふうでは児童福祉がおかされているというふうに言い切っても言い過ぎではないのではないか。児童福祉法の第二条では、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と、こうなっております。もし保育園の施設の中で園庭に太陽も当たらないという状態がもし出たとするなら、この太陽を奪われては子供たちのすこやかな育成の責任というものが果たし得るものかどうか、この点について御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 具体的な事例ということになりますと私も承知をいたしておりませんから、具体的な問題としては、そういう、しかも紛争の起こっている問題につきまして私がとやかくことを言うことはこれは差し控えるべきものでございます。私が先ほど来申し上げておりますように、一般的な問題として、児童というものは日当たりのいいところで成長をし育っていくということが望ましいと、これはもう当然のことでありまして、そういうことを申し上げておるわけでございまして、具体的な日照権をめぐる紛争ということになりますと、これは私がとやかく言うべきものではない。やっぱり建築を建てようという方々、さらにまた地域住民、近所の地域住民の方々の問題があります。しかも、建物にしても、建物の建て方をこう改めればいいじゃないかとか、こうすればいいじゃないかと、こういういろんな問題がありますから、そういう具体的なことは何も知らない私がとやかくのことを言うと無責任のそしりをまぬがれませんが、私は一般的に言うて、保育所であろうが、社会福祉施設というものは、日当たりのいいところで子供は健全に成長していただきたい、そして、そういうことが一番望ましいことだと、これはもう当然のことでございますから、施設の長が十分そういうことを配慮しているものと私は考えておる次第でございます。
○加藤進君 私は、訴訟が起こり、あるいは司法の問題になっているということだからあえてここで問題にするわけではございません。この一つの例でもはっきり示されておるように、全国各地でこのような事態が起こりかねない、その場合に子供はどうするのか、子供の心身ともにすこやかな発育について厚生省自身、政府自身が責任が負えるような事態になっているのかどうか、こういう点を私は大臣にお尋ねをしておるわけでございますが、残念ながら厚生省は、こういう事態が現に東京都でも、横浜でも、名古屋でも、決して遠いところではない、起こっておるのにかかわらず、そういう事態について十分に調査もしておられないということについてはこれは重大な責任があると思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) 名古屋の問題につきましては新聞等で拝見をしておりますけれども、まだ全国的にどのくらいあってどうなっているかということはまだ把握はしてないわけでございます。
○加藤進君 ですから、厚生省がもう少し真剣にこの問題に対処していただきたいということをまず第一に私は申し上げたい。 同時に、こういう事態がすでに起こっておるんですから、しかも、厚生省やあるいは自治体の長が管理者になっておる保育園においてその園児たちが訴訟を起こさざるを得ないというような事態は、これは私は見のがしておいてはならぬと思うのです。こういう事態について、まず第一に大臣にお願いいたしますけれども、こういう状態の起こっておる現場に対して担当官を派遣してその実情を調査する、こういうことだけはぜひやってもらわなくてはならぬと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 具体的に紛争が起こっておるところに行きますと、これは御承知だと思いますが、これはまた何かかんかむずかしい問題が起こると思います。いまむしろこういうときは行政組織の筋を通しまして、私どもは、県を通し市町村を通しそれぞれの行政をやっておるわけですから、そういう方面の筋を通した調査はいたします。しかし、紛争のさなかに現実的に厚生省の方が視察に行くというのはどうであろうか、そこまではちょっと私は踏み切るわけにはいかないと思います。しかし、実情は十分に調査いたします。
○加藤進君 私の希望としては、厚生省がみずから現地に行っていただきたい、こういう要望を強く持っておるわけでございますけれども、ぜひともその方向に沿うてひとつ現状を十分に把握していただきたい、母親の声も聞いていただきたいということを特に強調いたします。 ここでこのような事態についてもう少し厚生省の認識を新たにしていただきたいと思うので、こういう問題の起こりつつある保育園のおかあさんたちが訴えを出しておりますから、その訴えの内容をちょっと私はここで読ませていただきたいと思います。この園児らの家庭は、ほとんどすべてが両親ともに他へつとめているかもしくは商店であるか等、いわゆる共かせぎであります。したがって、この園児らは午前八時三十分ごろから九時ごろまでの間に登園し、午後三時三十分ごろまでの間に帰宅するのが日課となっていまして、日中の生活の大半を保育園で送っているのでございます。この意味では、保育園は幼児教育の場であるとともに、幼児にとっての生活の場でございます。園児らが太陽の恵みを受ける機会は保育園をおいてはございません。周辺地域には公園などの遊び場もなく、交通事故の頻発しておる今日、休日ですら安心して遊べる場もございませんし、加えて都会の住宅事情の悪さがあり、保育園の園庭で浴びる日照がこの子供たちにとって唯一無二のものでございます。したがって、園庭から日照を奪うことは、二歳から五歳までの園児たち、幼児たちから太陽の恵みをすべて奪うという結果になるのでございます。これは私は偽わらない母親たちの声だと思います。このためにいま厚生省が何をなすべきか。これは訴訟というような紛争の問題になっているから私たちはこれに直接関与してはならないのだなどというような消極的な御発言がありましたけれども、この状態をこのまま放置しておいていいのでしょうか。それとも厚生省は一々の事態について紛争状態その他の特殊事情がありますからこの点についてはともかくとして、一般的にこのような事態に対して厚生省としての抜本的な対策がぜひともとられなくてはならぬ、こう思いますけれども、その点の大臣の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) いまたまたま保育所の問題で日照権の問題が紛争の種になっているわけでございますけれども、まあ、これは保育所に限らないので、たとえば文部省関係の学校の問題もそうでございましょうし、あるいは幼稚園の問題でも同じような問題が起こる可能性があると思います。 〔主査退席、副主査着席〕 したがって、これは個々の事例あるいは保育所であれば厚生省、あるいは幼稚園であれば文部省というようなことではなしに、むしろ日照権というものをどうするかということがまずいろいろと考えられなければならない問題じゃないかと思うわけでありまして、したがって、日照権の問題、環境庁かあるいは建設省かよくわかりませんけれども、そういったようなところが中心になって日照権の問題というものをどうしたらいいかということを考えるべきではないかというように考えます。
○加藤進君 大臣に一つ提案をいたしますけれども、この問題はいま言われましたように、決して保育園だけの特殊な問題ではもちろんございません。小学校に関係します。あるいは児童遊園地等々にも直接関係します。母子福祉、あるいは身体障害者等々の問題にも関連いたします。したがって、これは一部の地域で一部の子供たちの問題だなどというような御認識は毛頭私はないと思いますから、この問題は重大な問題であるという観点から、あるいは文部大臣あるいは関係の環境庁、建設大臣等々で十分合議していただきまして、厚生省が保育所に預けている、保育園に預けている子供たちのいわば健康と生命については児童福祉法の精神に照らして全面的にこれを守っていく、こういう観点での日照権の問題についての協議をひとつ進めていただきたい、こういうふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 環境庁からも先ほどお話のありましたように、日照権の問題は建築物との関連において政府部内においては処理されておるわけでございます。これは御承知のとおりでございます。で、私どものほうとしましては、社会福祉施設を経営するにあたって日照は必要であるという認識につきましては、あなたと一つも私は差はないと思います。そういう意味においていろいろな実態も調べなければなりませんでしょう。必要があれば調べるようにもいたしますが、私のほうが音頭をとってというのではなくて、問題の所在はどこにあるか。日照権問題は建築物と地域住民との日照の問題として出発をし、起こっておるわけでございます。その中で特に私どものほうとしては発育盛りの子供にとって日照は大事であるということを申し上げておるわけでございますから、必要に応じては関係各省それぞれ連絡協議会を設けておるわけでございますから、そういう節には重大な関心を持って問題の提起をいたしたい。それは考えておる次第でございます。
○加藤進君 ぜひそのように前向きで努力をしていただきたいと思います。 そこで建設省にお尋ねいたします。建設省はすべて建築基準法に合致すればこれを認可する。こういう、いわば建築基準法をたてまえにした行政をとっておられるわけでございますけれども、いまここで申し上げましたように、保育園のいたいけない子供たちから太陽を奪って、これからの発育にも重大な障害を与える、あるいは病状を発生させるかもしれぬ、こういうような重大な事態にある子供たちに対して、マンション等の建設を建築基準法に照らしてみて適法だからといってすべて認めるというような行政を今後進められるとなれば、これはまさに重大なことになると私たちは考えておりますし、現にそのような重大な問題が起こっておるわけでございますから、この点の建設省としての責任ある対処のしかた、対策が当然とられなくちゃならぬと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(香取俊作君) 建設省におきましては、日照問題にいかに対処すべきかというテーマに基づきまして大臣の諮問機関でございます建築審議会にかねておはかりしてございます。その建築審議会の中に日照問題専門委員会というものを設置いたしまして、昨年の二月から十月まで審議を重ねました。十月に一応中間報告という形で専門委会員から審議会に報告が出されております。その中でやはりわが国の特に住生活にとりまして、住環境にとりまして、日照というのは非常に重要な要素である。したがいまして、単に私法上の相隣問題としてだけ処理するのは適当でない。それから、従来から、間接的ではありますけれども、都市計画関係あるいは建築行政の関係で、建物の高さであるとか用途であるとか、そういう形で公法上の規制もなかったわけではございませんが、それでも従来のやり方では不十分であるということから、この都市における日照の問題を根本的に解決するにはやはり本格的な都市の再開発をもって当たる以外にないけれども、しかし、それが一斉にできるわけのものでもないから、やはり個々のそれぞれの敷地の間においてその日照のトラブルが起こっておるわけでございますから、これらの問題に対処するにはさらに何らかの公法上の規制を加えるべきであるということが指摘されてございます。そこで、その公法上の規制をするには、従来なかった日照に関する基準というものも明確に設定すべきであるということがあわせて中間報告の中にございます。で、これを受けまして、ただいま建設省におきましては、建築審議会の先ほど申し上げました日照問題専門委員会でなくして、日照基準専門委員会という別の専門委員会を設けまして、この中で日照に関する基準はいかにあるべきか、住環境にとって日照の確保は基準としてどうあるべきかということを御審議願っておる最中でございます。私どもは、事務局といたしまして、この審議会、専門委員会の先生方にお手伝いをいたしておりますが、やはり日照を受ける側から考えますと、どの程度に受けるべきか、それからその南側に建つ建物の立場で、阻害する立場からすれば、日照阻害をどの程度に押えるべきかという両面がございますけれども、まあ結局目ざすところは同じでありますが、ただいま審議会でお進めいただいている検討の中では、建築物の規制ということに結びつけまして、日照の阻害の程度をどの程度に押えるべきか、この量、質の問題につきまして審議を進めていただいております。ただ、この基準の設定にあたりましても、主としてこれまで日照が問題になっておりますのは住居系の地域でございます。 〔副主査退席、主査着席〕 住宅がたくさんある地域で、いわゆる商店街とか業務地等よりもいわゆる住宅地区の問題でございます。したがいまして、住居系の用途地域等を中心にして、日照を考える場合も地域性を導入すべきだということは議論されてございます。公法上の規制ということに結びつける基準でございますから、個々の建物、施設のこの用途ごとに一つ一つの、たとえば保育園である、あるいは老人ホームであるというふうな個々の建築物の一つ一つの用途ごとに基準をつくるということは非常に困難であるということでございまして、やはり集団的に、建築物の集団としてある程度地域のグルーピングを行ないまして、その中で確保すべき日照ということを厳密に詰めてまいるということで先生方に進めていただいております。 なお、先生の御指摘の保育所のごとき特に園庭のような地盤面におきまして相当の日照が必要ではないかということもございましょう。したがいまして、これはまだ審議の途上でございますので、私ども事務当局といたしましても、慎重に専門委員会の審議の中で御研究をいただくようにしたいと存じます。
○加藤進君 厚生大臣ね、いま建設省さえ日照の問題に関連して、建築基準法を何らかの意味で改正しなくてはならぬ、こういう動きが現に出ている、こういうわけでございまして、私はこの時期をのがしてはならぬと思うのです。特に建設省は主として住宅地域全般についての問題の検討を進めておられるということでございますけれども、いま大臣に私が質問しておるのは、そもそも、単なる日照あるいは一般の地域住民に対する日照の問題としてではなく、政府が、特に環境庁が責任を負って進めなくてはならない子供たちをすこやかに成長させる、この責務というもの責務の立場からいって、特に日照の問題について強い発言を私は建設省にもしていただかなくてはならぬと思うわけでございますが、その点について、特に保育園やあるいは学校も含むものでございますけれども、学校、病院等々の公共施設に対する日照には普通の住宅よりもさらに十分な配慮を加えるような規制を行なうべきではないか。この点は私は当然常識的にも考えが出てくると思うわけでございますけれども、厚生大臣としまして、日照の問題についてこれだけ検討を加えなくてはならぬという建設省のお考えの変化も起こっておるわけでございますから、この機に、厚生大臣の所管である公共施設、特に児童福祉をはじめとする施設に対する日照保全の立場からの適切な規制をぜひこの際やってほしい、このような要望をひとつ建設省にも出していただいて、十分その点についての協議を進めていただきたいと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 最初から私申し上げておりますように、保育所その他特に児童を扱っておる施設等におきまして日照の大事なことは先ほど来申し上げておるとおりでございます。そこで、日照権のいろいろな問題の審議にあたりまして、関係各省と十分相談をするわけでございますから、私どものほうとしても、いま申し述べましたような趣旨を体して、関係各省に対し問題を提起し、慎重に配慮していただくように努力はいたしたいと考えております。
○加藤進君 そのお答えを聞いて若干安心しましたけれども、これは遠い将来のことではなしにいま直ちに行なわなくてはならぬ措置でございますから、ぜひとも可及的にそのような積極的な措置を進めるように御努力を願いたい。 それにもう一つ厚生省にお尋ねしますけれども、厚生省は、先ほども私に対する答弁ではっきりしましたように、この保育所あるいはその他の公共施設に対する日照の問題がどれほど重大な問題になっておるかという認識についてまだまだ私は不十分だと思うわけです。 そこで、先ほども私は提案いたしましたけれども、こういう日照が今日奪われようとしておるような現状に対して、十分厚生省の立場から見て御調査をいただかなくてはならぬのではないか。そのために、できるならば建設省あるいは関係庁と合同の調査をこういう地域やこういう地点に対して、あるいはこういう施設に対して行なっていただくことが今日必要ではなかろうか、こう考えますけれども、その点の厚生省の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(穴山徳夫君) その点につきましては、先ほど大臣もお話しになりましたので、その線につきまして検討してみたいと思います。
○加藤進君 それでは時間の都合もあるようでございますから、私の前半の質問はこれで終わらせていただきます。
○主査(矢追秀彦君) 午前の質疑はこの程度とし、午後四時から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時三十四分休憩 —————・————— 午後四時三十五分開会
○主査(矢追秀彦君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和四十八年度総予算中、厚生省所管を議題とじ質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
○加藤進君 医療費の公費負担が次第にふえてまいっておりますけれども、 〔主査退席、副主査着席〕 いま何種類ぐらいになっておりましょうか。
○説明員(岸野駿太君) 一応私どものほうで。 医療費の公費負担ということでございますと大体二十八種類ぐらいでございます。
○加藤進君 これだけ増大をしておるにかかわらず、さらに公費負担の要求は国民の中に非常に強く起こっております。公害医療についてもぜひ負担を拡大してほしいとか、難病の医療、あるいは乳幼児の医療無料化を要求するということはいま国民的な要望になっておるわけでございますけれども、この点について厚生大臣にお尋ねしたいのは、医療の公費負担の現状の問題点はどこにあるのか、さらに今後これを拡大する見通しがあるのかという点について基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 医療費の公費負担の問題が今日までいろいろ出てまいりましたのは、一つには医療費負担の手段でありまする社会保険制度が十分整備してないといったふうなことが一つの原因であったと思います。そこで、私どもは、できるだけ社会保険制度の内容の充実をはかりながら、医療費というものは由来、社会保険、保険医療、そういうものを原則としていくべきものであると、私はさように考えております。ただ、保険医療でいくことを原則といたしますが、それにはやっぱりいろいろな例外を考えておかなければならぬと思うのです。一つは、やっぱり保険といいますと保険料負担ということが当然伴うわけですから、そういうことの伴わないような方式が必要な場合があるわけです。というのは、たとえば戦傷病者に対する援護、こういうふうなものは国家賠償的な考えだと思います。それから、最近天然痘の真性患者が出ましたが、こういうふうな伝染病の治療、社会不安を起こさないようにする、こういうふうな問題がやっぱりあると思うんです。すなわち、国家賠償的な問題、それから社会不安を除くような医療問題というのはやっぱり保険負担ということでやるべきものではない、こういう考え方でございますが、しかしまた、現実的にそのほかにもいろいろなやっぱり社会的要請によって、これはやっぱり保険主義よりは国が見るのが本筋だろう、こういうのがやっぱり出てくるわけでございます。その一つの例としてはいわゆる原爆被爆者の問題もあります。それから難病奇病——スモンとかその他最近ベーチェットとか、いろいろございます。そういうふうな問題。それから重度心身障害児が収容されたあとの医療費をどうするか、こういう問題。やっぱりそのときそのときの社会的要請によって保険よりは国が公費で見るということがベターではないかと社会通念上見られるようなもの、これは私は拡充されていくのではないかと思います。しかし、基本的には国民は一億国民すべて医療については皆保険ということになっておりますので、やっぱり医療保険ということは原則ではありますが、いま申し上げたようなもろもろの理由によって保険よりはこちらだというものは私はあると思います。したがって、そういう面において社会的な国民の各層の要望が多極化し複雑になり、さらに要請が熾烈になってまいりますと、公費負担という問題が相当拡大されていくんではないかと、こんなふうに考えております。
○加藤進君 乳幼児の無料化の要求は、もう自治体でも取り上げざるを得ないような状況になっておるわけでございますけれども、国のほうは、自治体が先に手がけて、しかも、これについてあとからそのような方向で進んでいかれようとしておるのか、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この乳児の医療無料化という問題については、地方においてやっている方々、やっている町村、府県もございます。しかし、これについてはどうも小児医療という面から見ると、ただにするというやり方が、小児医療という面からいうとはたしてこれが適切かどうかという、お医者さんの側にむしろ問題があるんでございます。これは手続の問題ではないんでございまして、乳児というものは自分でなかなか自分がどこが悪いとかいうことを言える力がございません。そこで、やっぱり根本は母親の愛情とお医者さんの保健指導、健康診査、指導、これが一番大事なんで、医療ということになるととかくこう薬をもらいたがるということになる。また、薬というのは乳児にとってはむしろ、まあものにもよります、伝染性だとか非常なあれは別ですけれども、普通のときにはやはりみだりに薬を与えちゃいけないんだ、むしろ母親の愛情と保健指導、これでいくべきじゃないか。やっぱり医療ということになると、ただだということで、まあお医者さんを悪く言うわけでも何でもありませんが、現実的に医療費を払うとなると、やっぱり薬、保健指導じゃあまり費用になりませんから、薬ということになる。薬を多くやると、やっぱり乳児医療にどうであろうか、こういうふうな意見があるようでございます。私はまだこの問題については専門家の方々のそういう面がやっぱり心配なんです。金をただにするということよりも、子供の医療ということのほうが、健康ということのほうが心配でございますから、まだ私踏み切る段階ではございませんが、検討は続けてまいらなければならぬとは考えております。
○加藤進君 その問題についてはまた後刻あらためて意見を戦わしたいと思うのです。 老人医療の無料化が実施になったと、ところが、所得制限というのがあるために、たとえば神奈川県では老人の中で二八%は適用を除外されている。こういう数字が出ておるわけでございますけれども、この所得制限という問題についてのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) これはまあ本人が所得があるときはこれはやむを得ない、私はそう思うんですが、扶養義務者の所得制限が問題になるわけでございます。これにつきましては、老人医療につきましては、これだけ私どもは老人医療無料化ということに全面的な努力をしようという際でございますので、ほんとうをいいますと、扶養義務者の所得制限というものはもう撤廃すると、これが私は筋だと思うんです。筋だと思うんですが、しかしまた、考えようによっては、社会通念上、あんなにたくさんの所得のある人のそのおかあさんが医療をただになるというのはどうであろうかという意見も出ているわけなんです。そこで、実は昨年は二百万程度の所得制限でございましたが、ことしは思い切って六百万円に上げたんです。六百万円ということになりますと、千人のうち四人がはずれるだけなんです。すなわち、年に六百万ということになりますと月五十万ですね。月五十万の所得ならおかあさんを無料にしてくださいとはおっしゃるまいというようなことで六百万に上げたんです。これは老齢福祉年金も同じでございます。ですから、千人のうち四人、まあやっぱり所得のたくさんある方は少し遠慮していただこうかなという筋も通しながら、そしてできるだけの多くの人に無料化の恩恵が及ぶようにしようと、こういうふうにしたわけでございます。これは考え方によりまして、やっぱり撤廃するという意見もあるんです。けれども、やっぱりたくさんの所得がある人にはというまた意見も、国民の声もあるもんですかち、一応六百万ということで、これは思い切った改革をいたしたつもりでございます。
○加藤進君 六百万まで引き上げていただいたということは、これは非常な私は前進だと思います。同時に、撤廃という方向を考えていくなら、少なくとも本人の場合の所得制限については今後改革をされても五十二、三万ですね。こういうところに落ち着くわけですけれども、たとえば東京都の美濃部さんは百二十万程度まで制限を緩和するということを今日検討中だというふうに開いておりますけれども、どうでしょうか、その点につきましても若干の前進は考えておられるかどうか。
○政府委員(加藤威二君) 確かに扶養義務者の所得制限につきましては、いま大臣から申し上げましたとおりに大幅の改善をしたわけでございますが、本人につきましては、所得税の非課税ラインと申しますか、そういうことで一人の場合には大体年額五十九万ぐらいの所得、これが四十八年度には大体六十六万ぐらいになりますけれども、それ以上の所得のある方は一応この老人医療の無料化からはずれると、こういう昨年、四十八年度は四十七年度と変わらない方式をとったわけでございますが、これにつきましても、確かにもっと引き上げたらいいじゃないかという御意見もごもっともだと思いますけれども、しかし、これは一方におきましてまあこういう制限がございますけれども、その御本人が、七十歳以上の御本人が途中で病気になど、そうして相当高額の医療が必要だというときには、その時点においてさらに判定いたしまして、途中からでもこの所得制限にひっかかる場合にはすぐ老人医療の対象にする、そういう措置も講じてございますし、それから、現在御審議いただいております健康保険法の改正案におきましても、三万円以上の高額医療についてはこれは保険のほうで見るというような、もしこの法案が通りますれば、そういう改善もなされるわけでございます。そういう点を勘案いたしますと、一応現状のままで推移いたしましても、特に非常にお気の毒な状態にはならないのではないかというぐあいに私ども考えております。福祉年金等のバランスもございます。福祉年金も同様な措置をとっておりますので、そういうことで、本人につきましては、本人の所得については、この四十八年度は一応現状どおり、こういうことにいたしたわけでございます。
○加藤進君 せっかく老人の無料が実現した。ところが、老人にとっては非常に利用しにくいという声が強いんですね。どこに問題があるかとまず聞きますと、やはりその手続がめんどうだ、役所へ行かなくちゃならぬ、役所へ行ってから医者にかかるというような手続をお年寄りにさせるということはこれは無情ではないかという声が出てきておるわけなんですけれども、この点についてはどうかということと、それからもう一つは、そういう国の無料化が行なわれている以前に、各地の自治体におきましてはすでに医療の無料化を実施しておるところがございまして、しかも、これはきわめて簡素な方法で、たとえば複写方式というような方式をとって現にやっておるところがあるわけでございますが、そういうところも含めて将来国は国できめた、あるいは老人にとって非常にめんどうな、しかも、医療機関にとっても非常に複雑で困るという声の強いこういう手続を今後ともとられるかどうか、改善する用意と決意があられるかどうか、この点をお聞きしたい。
○政府委員(加藤威二君) 老人医療費の支給の手続でございますが、これをきめます場合に、私どもといたしましては、三つの点を考えてこの手続をきめたわけでございますが、その一つは、いま先生御指摘の点でございますが、老人にあまり煩項な御迷惑をかけないようにできるだけしようというのが一つ。それから第二は、医療機関の手続をできるだけ簡素化しようというのが二つ。第三には、やはり貴重な税金でございますので、それが適正な請求、支払いがなされるように。そういう三つの点を勘案しながら手続をきめたわけでございます。で、最初の御指摘のように、この老人医療の受給者証をまずもらわなければいかぬ。これは申請を出していただきまして、そうして受給者証を送りつけるということでございますが、そのほかに、老人医療の受給を受けます場合には、老人医療費の請求書というものをやはり御老人がお医者さんのところへ持っていっていただく。その請求書につきましては、これは市町村の役場に取りにきていただいてもいい。それから、もし御本人が都合が悪ければ御家族でもいいし、それから、だれもそういう者がいない、あるいはからだが悪くて行けないという場合には、これは電話かなんか、あるいは郵便でやっていただければ、これは郵送するというようなことで、こういう点につきましては、私どもも局長通牒の中で、請求書は配付するということにいたしまして、取りにこいという通知にはしていないわけでございます。それはある程度市町村の自主性にまかせて、そうして特にその御老人にあまり迷惑をかけないようにやってくれということを通牒の中で書いておるわけでございます。それから第二点の、国の老人医療の実施の段階におきましては、すでに相当の地方公共団体で独自に実施しておるというものにつきましては、これはある程度、これもあまり簡素化といいますか、あまりにも簡単過ぎて適正な医療費の請求にぐあいが悪いというものは手直ししていただきますけれども、一応許容される範囲内においてはそのいままでの方式をある程度生かしてやっていただくのも差しつかえない。これは当分の間という一応の制限をつけておりますけれども、従来の方式を踏襲していただいてけっこうである。複写方式なんかをとっておる県も二、三県ございますけれども、そういう県につきましても、それでやっていただいて差しつかえないということにいたしております。 で、私どもは、やはりいま申し上げました三つの原則に照らしまして、この医療費の請求方式については、今後も実施の段階、実施の状況を見ながら弾力的に考えてまいりたいと思います。で、おかしい点があればどしどし直していくという点については、私どもは、やぶさかでないと、こういう気持ちでおります。
○加藤進君 いまのお話聞きまして、やや私も先が明るくなったと思いますけれども、ともかく第一には、いままで市町村でやっておる、自治体でやっておるような方式でも差しつかえないと、当分の間ということは言われておるけれども、差しつかえはないということで、当面はとにかくこれでやってもいいというお考えであるかどうか。 それから、あるところで聞きますと、それはしかし当分といっても、一年以内にとにかく変えてもらわなくては、国の方式に変えてもらわなくてはならぬというようなことがいわれておるようなことを、私は耳にするわけですけれども、これではちょっと現在やっておられる各自治体の諸君の実務につきましても、また取り組みにつきましても、非常な困難な問題が起こる。一枚で十分に済んだというようなところが、今度は御承知のように、保険証と受給者証とそれからまたその上に請求書という三種類が必要だと、こういうような実務になるわけでございますから、この点でまずお年寄りに対して、せっかく無料にするわけなんだから、お年寄りが一番安心して使って、利用してくれるような方式を真剣に考えて、その方向に努力すると。その意味では、自治体がやられるような医療の請求方式、この方式についても、十分今後その自主性を生かして、一年などとは言いませんと、こういうふうに理解してもいいんでございましょうか。
○政府委員(加藤威二君) まあ、この手続につきましては、私どももそう硬直した考え方を持たないつもりでございますが、ただ、国の制度ということになりますと、あんまり市町村ごとにばらばらでも困りますし、おのずから一番、何といいますか、妥当な線というものが出てくるだろうと思います。で、そういう点を——まだこれは実施したばかりでございますので、やはりいろんな経験を積み重ねながら、一番いい方法——それはいい方法というのは、先ほど私が申し上げましたような線に沿って考えて、一番ベターな方法ということで、これは地方公共団体とも十分話し合いをいたしまして、その納得を得ながらやっていきたいということに考えております。 で、当分の間というのは、私のほうは別に一年とか、一年半と、そういうことを特に区切って考えておるわけではございません。これはやはりいま申し上げましたように、実施の段階を経過を見まして、やはりこういう方法が一番いい、あるいは市町村で従来やっておる、こういう点はやはりちょっと直してもらわにゃいかぬというような点が出てくるかもしれませんが、それは、そのときに応じてやるということで、特に一年とか、一年半というようなことを期限を区切って、それがきたら、すぐ全部国の方式に右にならえさせると、そういうようなことはしないつもりでおります。
○加藤進君 その点はひとつ、私もよくはっきり聞きましたから、よろしくお願いします。 それでいまのお話によりますと、国のほうでもある制度としてこれを実施するということはどうしても必要であるから、とにかく一応の制度は今日つくっておるけれども、これも自治体その他の経験などを検討して、さらにベターなものをとにかく制度化していこうと、こういうお気持ちであることは明らかですね。 そこで、私はお聞きしたいのは、昭和四十七年九月十一日に、東京都を初めとして十の市の民生局長から老人医療に関する要望書が出ておりますね、要望書が。御承知のとおりだと思います。これには、先ほどの請求書などというような形によらないで、ひとつ一枚で、これが実行できるようにぜひしてほしいと。これはもうお年寄りが、いまこのために交通事故災害を起こすとか、あるいは途中で倒れられるなどというようなことを絶対にやらしてはならぬので、その点ひとつ強く政府に要望すると、こういうことが今日いたされておるわけでございますけれども、これに対して政府はどのような回答をされたんでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) いまのような御要望、これはこの手続をきめますときに、医師会長の武見先生からも強い御要望があったわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、この老人医療費というものが、医療保険と医療保険の自己負担分について公費負担をする。しかもその支払うところが違うわけでございます。医療保険につきましては、被用者保険であれば、政管健保であれば国と、それからあるいは健保組合であればそれぞれの健保組合、共済組合であればそれぞれの共済組合が払うと。それに対して、その自己負担分の老人医療というものは市町村が負担するわけでございます。もちろん国が持ちますけれども、払うのは市町村のところで払う、こういうことになるわけでございます。で、支払い先が違うわけでございます。で、支払い先が違う場合には、請求書というものは、どうしても最大限二枚にしていただかなければこれは手続上も絶対に困る。そのかわり老人医療費の請求書というものは、可能な限り簡素化いたしますということで、これはいままでありましたそういった公費負担の請求書に比べますと、はるかに簡素化いたしまして、そしてお医者さんのほうの負担を軽減する。こういうことで最終的に医師会長も納得していただいたと、こういうことでございまして、確かに一本にしたほうがけっこうでございます。私どもも、できればそういたしたいのでございますが、遺憾ながら、いまの継ぎ足し方式という形をとって老人医療を行なっております限りは、これはやはりなかなか一本化というのは非常にむずかしいというぐあいに考えておるわけでございます。
○加藤進君 将来その継ぎ足し方式そのものをも改善すると、そういうことは考えておられませんか。
○政府委員(加藤威二君) これは社会局長として簡単に申し上げるわけにはまいらぬ非常に重要な問題でございますけれども、ただ私どもといたしましては、この継ぎ足し方式という方式によるために、非常にいろんな方面に御迷惑をかけておるということは、これは否定できないと思います。ですから、これは今後とも医療保険の抜本的な改正というような問題の際におきましては、十分考えていただきまして、公費負担と医療保険との、何といいますか、調整といいますか、そういう問題をやはり根本的に考えていただく、これは老人医療ばかりの問題でなくて、公費負担全体の問題でございますので、そういう点では十分これは再検討に値する問題だというぐあいに考えております。
○加藤進君 四月一日に、日本医師会代議員会というところで、会長の武見さんがこの点について触れられておりますが、その発言内容をかいつまんで申しますと、厚生大臣とこの点について、一枚の請求書でやるようにしようと、こういう点で合意されたというような発言がこの代議員会であったわけでございますけれども、これは厚生大臣、そのように理解していいのでございますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) これは私はっきり覚えておりませんが、医療担当者に過重な負担はかけない、こういう意味において、一枚というのかどういうのですか、要するに、簡単に……。お医者さんには迷惑をかけない、あまり負担を、事務的な負担をかけない、こういうことについてはそうしましょうと、こういうことを申し上げたことがございます。
○加藤進君 そうしますと、時間がございませんのであれですけれども、とにかく患者もいま、患者と申しますか、老人もいま、めんどうくさい請求書方式ということについては非常に困っている。それからお医者さんもお医者さんで、受けて、しかもこの方式、書式が違うので非常にまた繁雑で困っておる。こういうところで何一つ、得するところがないような方式がいまとられておるわけですから、これをとにかくもっと検討して、他の経験も生かして簡素化すると、でき得べくんば、この請求書方式というものをやめると、そして今後、当分の間は、自治体その他で実行しておられるような方式については十分その自主性を尊重していくと、こういう三点についてそれなりに理解してよろしゅうございましょうか。
○政府委員(加藤威二君) 私どももできるだけ一本化という方向ではできる限りの努力をしたわけでございます。したがって、たとえば国民健康保険につきましては、これは国保のほうは特別会計かもしれませんけれども、やはり市町村でやっております。それから老人医療についてもやはり窓口は市町村でございますから、こういうものは理屈からいえば一般会計と特別会計ですから二枚にしていただくのが筋でございますけれども、こういうものは一本化してもできるではないかということで、国保関係につきましては、これは必ずしも二枚というものを、ぜひどうしてもやらなきゃいかぬということは言ってないわけでございます。 それから、まあ、複写方式等の問題がございますけれども、これも一長一短ございまして、採用しているところもございますが、一部の府県では、国の老人医療の実施前に複写方式をとっていたけれども、どうも繁雑のために国の方式に変えたという県もあるようでございます。そういうことで、一長一短でございますので、さらに検討を加えたいと思いますが、要は、やはり私どもは、こういう請求手続によってお医者さんに非常に負担をかけるということは、一つもプラスにもならぬわけでございますから、こういう点については可能な限りで簡素化の努力はいたしたいと思います。
○加藤進君 わかりました。それで、いまその答弁の中に、いままでやってきた自治体のやり方よりも、むしろ国のほうのやり方のほうがよさそうだといって変えられたという例を言われましたけれども、私の聞く範囲におきましては、相当広範囲に実行している自治体では、とにかく国のほうの方式を押しつけられてはたまらんと、何とかひとつ変えてほしいという強い要望がある。これは強い要望があると私が言っただけじゃなしに、十市町の民生局長の言っていること自体も、はっきり示しているわけでございますから、そういう点では、とにかく基本はお年寄りに安心して医療にかかっていただく。そしてまた、これを担当しておられる医療機関につきましても、あまり繁雑な実務を押しつけるということがないように、あるいはまた、負担についても、負担をできるだけかけないような措置をとる。まあ、こういうような点で今後できる限り研究をして、最善の方向に進んでいく、検討していくというふうに私は聞いておりますけれども、それでいいでしょうか。
○政府委員(加藤威二君) 大体、私どももそういう方向で検討いたしたいと思います。ただ、まあしいて申し上げますれば、言うまでもないことでございますけれども、しかし、やはり貴重な税金でございますので、それが適正に使われるという点もやはり勘案しながら、この方式をきめていくということでございますが、その範囲内では、できる限りこれは簡素化するという方向で進むべきものだと思います。
○加藤進君 ですから、最後に要望しますけれども、まず、お年寄りが医療を無料にしてもらえて、ほんとうにありがたくなったというような、いわば行政をやっていただきたいし、そういう制度をとっていただきたい。かりそめにも、手続上でお年寄りを苦しめるようなことは、絶対にさせないように、ぜひひとつ努力していただきたいことを要望しまして質問を終わります。
○藤原道子君 私は、難病対策についてお伺いしたいのでございますが、その前に、ちょっと大臣にお伺いしたいと思います。 昨日の、キノホルムに対する佐々木さんの質問に対して、大臣をはじめ、御答弁はたいへんよかったと思います。けれども、これを私は、あくまで実行していただきたいと思う。ということは、例のサリドマイドの問題でございます。三十六年にドイツでサリドマイドが危険であると、こういうことで、全部これを禁止、し諸外国も禁止、回収したんです。それで、私は、厚生省に対して、諸外国で禁止し、回収しているんだから、日本も直ちにこれを回収すべきじゃないかという質問をいたしました。ところが、日本では、まだ不具者はあまり生まれていないし、いま検討中でございますから、一度許可した製薬に対して研究の結果が出ないで禁止することはむずかしいと、こういう答弁だった。私はそんなばかなことはない。諸外国が全部回収しているんだから、日本もこれをやりなさい。もし、禁止することができないとするならば、研究の結果が出るまで一時ストップしなさい。それで、もし、この結果が白と出たら売ってよろしい。しかし、もし黒と出たらどれだけの不幸な子供が生まれるかを思うと、やはりこの際、一時ストップすべきじゃないかということを、ずいぶんやかましく主張したんです。ところが、これに対して、そのまま厚生省は何らの手続もしないで十カ月ぐらい放置したと思う。で、製薬会社のほうから回収をした。ところが、回収した薬を名前を変えて、また売ったというようなうわさもある。でございますから、諸外国では、三十七年度には非常に子供が少なくなる一五、六人くらいの不具者が生まれただけ。ところが、日本では三十七年度は最高の被害者が生まれている。生まれた数は三百五十名ぐらいと聞いている。まあ、それはたくさんなくなっておりますけれども……。という結果になっておるということに対して、幾ら許可したものを、あれなしに禁止はできないといっても、発明したドイツをはじめ、諸外国がこれを禁止したんだから、被災児がたくさん生まれているんだから、だから、私は研究しているというならば、結論が出るまで一時ストップしなさいということに対して、これをやってくれなかった。その結果、いま、もう十二、三でしょうか、子供たち。非常に頭のいい子供、足で字を書き、絵をかく非常な不幸な状態があるわけなんで、私は自分の力の足りなかったことを、この子たちに会うたびに胸が痛む思いがしている。 こういうことに対して、私はたびたび質問してきたんですけれども、その後、四十三年の五月の七日に、私は社労委で、またこの問題を取り上げたんです。外国から輸入している補助器というのを、手のない人に、これをもっとみんなに与えたらどうだというようなことで、いろいろ大臣に質問しました、園田厚生大臣に。ところが——こういうやり方だったんだから、サリドマイド児に対しては国と製薬会社に責任がある。これを主張したんです。園田さんは、これに対して国と製薬会社に責任があると、はっきり答弁した。ところが、聞くところによりますと、厚生省でだいぶもめたというような話。それで結局、新聞社等に対して、大臣が、国と製薬会社に責任があるというのは、国としては法律的な責任ではなくて、あくまで道義的な責任であると主張した。それで園田さんも私の質問に対しては、そのときのような、はっきりした答弁ができなかった。私は今日、非常に薬に対する被害に対して、薬公害に対して国民が非常に不安を持っている。こういうときに、もし許可した製薬会社に禁止ができないなんということなら、一体どうなる。それでこの大きな被害を生んでおるということは、私は国に責任があると思う。それでいま裁判がまだ続いている。諸外国はほとんど解決したんです。ところが、日本はまだ解決しない、おかしいじゃないかという質問をしたときに、厚生省の答弁は、諸外国では裁判を重ねてきたけれども、日本では今度初めてのことだから、当分、裁判をやるんだと、こういうことを言う。おかしいですよ。これに対して大臣はどうお考えになるか。 と同時に、森永砒素ミルクについても私はたびたび質問している。あのとき、業者のほうから廃物の払い下げがほしいと要求されているけれども、この中には、砒素が六%入っておりますと、これを払い下げてようございますかという問い合わせがあった。けれども、厚生省は十カ月くらい打っちゃっておいて、その結果、差しつかえないという答弁が出ている。その結果いまだに——森永砒素ミルクも今度いよいよ裁判になる。サリドマイドも裁判が続いているんです。こういうことに対して私は断じて国に責任がある。砒素が六%入っている廃物を許可するなんということはおかしい、じゃないか。そういうことでございますから、きのうの答弁ではたいへんけっこうでございましたが、きのうの佐々木さんの、スモン病の原因か、というようなことが出てきておる今日、さらに、きょうは、大臣そして当局の責任ある御答弁が聞きたい。園田さんのはっきりした答弁に対して異議があります。それで、きょうまでぐずぐずしているということは、私は納得がいかない。これに対して大臣の御答弁を伺いたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) その当時のいきさつは私はよく存じておりません、率直に言いまして。存じておりませんが、サリドマイドにつきましては、これは率直に私申しますと、いろいろな事例があるようです、その間には。けれども、私は製薬業者も責任がある、国も責任がある。私ははっきりそう感じております。それは、常に法律的な責任がある、かように考えております。あとの詳細については、私もその当時のいきさつわかりませんから、局長からお答えさせますが、私は、国も、製薬業者も責任がある、サリドマイドに関する限りはある。かように私は考えております。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま、大臣からもお答え申し上げましたように、サリドマイドの問題が生じました時期におきましては、きのうも佐々木先生にお答え申し上げましたとおり、当時といたしましては、なお医学、薬学が、いまのように安全性について、きびしく解明されていなかったというような欠点もあったかと存じますけれども、私どもも反省いたしまして——行政当局としても、安全性を確保するという問題について、現在ほどの真剣な取り組みをやや欠いておったといううらみがあったのではないかということは、今日において反省しなければならないと存じております。で、そういう意味におきまして、先生御指摘のように医薬品に何らかの副作用について、重篤な副作用を生ずるというような疑いが明らかになってまいりました時期におきましては、やはり国民の健康ということを第一といたしまして、機を失せずに適切な措置をとらなければならない。そういうことを現在におきましては、最重点として薬務行政を行なっております。今後もその点については、さらに努力しなければならないと考えておる次第でございます。そのために、医薬品の副作用をまず早く把握して、できるだけそういうことが広がらないうちに措置をしなければならないというような意味におきまして、まず承認の段階におきまして、できるだけ安全性に対する資料を詳しくとりまして、催奇形性はもちろん含めてとっておるわけでございます。新薬については、そういった学問的な資料を中央薬事審議会で御審議いただきまして、その時点においては、できるだけの慎重な審査をする。しかし、ものが医薬品でございまして、そのあとにおきましても、不測の副作用が起こることがある。あるいはさらに使用に当たって厳重な注意をしなきゃならぬような事例もある。そういうこともございますので、全国に副作用のモニター病院をつくり、あるいは新薬につきましては、製造業者に三カ年間の副作用の報告義務を課する。さらに、国際的な機構といたしまして、WHOの副作用のネットワークに昨年加盟いたしております。そういったような副作用の情報収集の体系というものを、できるだけ手広く広げて早く把握する。把握いたしました副作用が、特に重篤な事故を起こすおそれがあるというような場合には、できるだけその副作用を事前に、事前にと申しますか、最小限にとどめることができるようなことを主体にいたしまして措置をいたしております。ただいま先生御指摘のような、薬事法には、問題があったときに許可を取り消せるという明文がございませんけれども、これは薬事法全体の精神からいたしまして、当然可能なものだと考えておりますし、また、そこまで至りませんでも、最近の事例におきましては、問題がありました時点で、厚生省の行政指導によりまして、業者が自発的にそういったものについては、製造、販売を中止するというような措置をとっておるところでございます。ただ医薬品の特性といたしまして、非常に一方で、効果の高い医薬品であるというような意味で、その医薬品でなければ重篤な疾病の治療が困難であるというような代替性のないような医薬品がございます。そういったようなものにつきましては、やはり効能と副作用というもののバランスを見ながら、両面のサイドにおきまして専門家の御意見を伺いながら、できるだけ使用される医師の方々に御注意を願って、そういった副作用をできるだけ押えながら効果をあげていくというような、制限的な使用をしなければならないというような医薬品もあるわけでございまして、こういったものにつきましては、もちろん国民の健康を保持するということを第一にいたしまして、総合的な医療の効果をあげ得るということを目的として進めておる次第でございます。
○藤原道子君 私は詳しくはまた社労でお伺いしますけれども、薬事法で少々問題があっても、禁止できないというのはおかしいですね。 それからもう一つ、薬の承認申請の数は年間八千件くらいある。ところが、これの審査の担当官はたった五人だ。これでできるんですか。これが問題だと思う。八千件からある薬の審査担当官はたった五人だ。こんなことで国民が安心していられるでしょうか。これは大きな問題だ。同時に、これを担当する厚生省の第一課と、第二課ですか、そこなんかでも特に新薬と取っ組んでいかなければならない第一課は非常に骨が折れる。なぜ、そんな少数しかできないんでしょうか。この間も厚生行政の予算がふえたなんて大臣も言ったけれども、肝心なところを、こんなことで安心して国民がいられるかどうか。これが問題だと思う。それどうですか。
○政府委員(松下廉蔵君) まずその承認の取り消しの問題でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、現在の薬事法でも、問題のある場合には、最終的に業者が行政指導によって停止しないというような場合には、これは承認の取り消しは可能であると考えております。 それからいまの八千件という御指摘、それはそのとおりなんでございますが、この数の中には、相当部分が、いままで承認になっております医薬品の一部変更と、比較的簡易な審査をもって処理できるものが多いわけでございまして、実際に厳密な審査を要します全くの新薬というものは、数が少のうございます。それと、具体的な技術的な審査は先ほど申し上げました中央薬事審議会、これにかけまして、それぞれの専門の先生方にお願いするという体制をとって審査を強化いたしております。ただ御指摘のように、実際に、たとえば検査方法等が正しいかどうかというような確認を衛生試験所でするというような問題も含めまして、国の試験研究の機関というものが、いまは医薬品、食品等について、なお十分でないという点は、私ども承知いたしておりまして、大臣の御指示もございまして、そういった検査機関の整備も含めまして、審査機構の充実ということは、今後さらに努力しなければならないというふうに考えております。
○藤原道子君 私はぜひ研究機関を拡充してほしいと思うのは、サリドマイドの問題で、アメリカでは犠牲者はたった四人か五人です。アメリカでは、非常にきき目のある薬であることは事実だけれども、副作用の点がまだ明確でない。だから、これを許可するわけにはいかぬといって、先進国で許可しなかったのはアメリカだけなんです。それで被災児はたった五名くらいだったと思います。それは、よそへいって買ってきたかもしれない。その薬はきくけれども、その副作用を調査するということが非常に大事だと思います。したがって、研究機関をもっと拡充してほしいということを大臣に強く要求いたしますが、どうですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) これはもうおっしゃるまでもなく、実は私も厚生大臣に就任いたしましてから、しみじみそれを痛感いたしておるのです。薬については、サリドマイドを筆頭といたしまして、いろんな問題が起こってきていますね。それからまた食品ですね。最近では石油タンバク——食品じゃありませんけれども、えさを食べた牛や豚を今度は人間が食べるというようなことで、食品もこれはたいへんなことでございます。それから最近、食品の中でも、洗剤ですね、これもありますね。それから今度は、今度の国会で、私どもは、こればかりじゃ足りないというので、家庭用品規制に関する法律、これなども家庭の御婦人方には喜んでいただける法律だと思うんです。こういうふうなことになりますと、薬事法の適用を受ける問題、食品衛生法の問題、家庭用品の規制に関する法律、しかもまた食品ではないが、えさみたいなものがあって、これはおしかりをいただくという、こういうわけで、これは私も実はもう応接にいとまがないんです、ほんとうを言いますと。きょうは森永をやったかと思うと、今度はカネミ油とくる。今度は薬がくる、キノホルムとくる。とても厚生大臣からだ一つじゃどうにもなりません。 そこで私は、この際思い切って厚生省は、こういういまの問題を班をつくりまして——もう厚生省の衛生試験所だけでは十分じゃないと思うんです。いま役人をふやそうたってそう簡単にいきません。定員法だとか何かありまして、なかなか法律だってこれは通りませんから。そこで、やっぱり全国的な衛生試験所を網羅しまして、この衛生試験所には、こういうりっぱな先生がおる。これは食品については、特にいい研究を持っているとか何かいろいろあります。そこで全国的な、いま申し上げましたようなものを、こういろいろ分類しまして、たとえば家庭用品なら塗料の問題一つやろう、専門化を。それからこっちは洗剤をやろうと、いろいろ専門化はあります。その専門化を二十になるか、五十になるか、百になるかは別としまして、日本全国の専門家のお医者さんを動員した検査体制のネットワークを引こう——日本列島改造ではありませんが、検査体制のネットワークを引こう、こういうことにいたして、要するに、国民には心配をかけないということにしよう。そうして、そこでいやしくも疑わしきものがあれば、飲ませず、食わせず、こういうやり方でする以外に、この問題の解決はないんだということで、実は厚生省の局長連中に、私いまはっぱかけておりまして、至急にそのネットワーク構想をつくれ——日本列島じゃないですよ。今度は検査衛生のネットワークをつくれと、こういうことでいま、指示しておりまして、近く案ができましたら、大蔵省もそれはそうだ、それは必要な金は何ぼでも出しますと、こう主計官も言っておりますから、その点はもう私心配ないと。しかも、厚生省の予算が少ないです、来年度の予算、検査、調査の予算が。で、環境庁にもあります、そういうのが。科学技術庁にもありますので、そういうところをもらってくる。足りないところは、大蔵省が中に入って予備金でも何でも出す。いまから予備金と言うたことは、これは取り消していただきますが、そういうことで、思い切った検査体制を私は整備しようと思うんです。そういうやり方によって、国民に健康という問題については心配かけない。ここまでいかなければやっぱり福祉元年に値しないのではないか、こんなふうにいま考えて督励をしておる最中でございます。
○藤原道子君 私は、この問題はもう少し追及したいけれども、時間がございませんので……。とにかく試験の機関が弱いので、製薬会社あたりの研究所を利用したりしている点もある。いろいろ聞いている。間違ったら、この次の答弁で答えてください。それでは安心できないんですよ。大学へ頼むとか、いや、あそこへ頼むんだとかいう、厚生省で責任のある試験所が私はもっと拡充されるべきだ。これは御答弁は要りませんけれども、大蔵省でも真剣に考えて、予算を欠除しないようにしてもらいたい。 そこで、最後に、いまの森永とサリドマイドの問題、両方とも裁判ですけれども、国がやったことに落ち度があったとするならば、やはり一日も早く解決するように指導していただきたいということを強く要求いたしまして、この問題は次期の質問に譲ります。 そこで、私は難病対策についてお伺いをしたいと思います。 難病対策は、非常に私たちは期待しているのですし、国民も非常に期待をしておる。そこで難病対策の基本方針についてお伺いいたします。
○政府委員(加倉井駿一君) いまお尋ねのいわゆる難病につきまして、従来各種の若干の対策を講じてまいりましたけれども、四十八年度におきましては、これを総合いたしまして、調査研究の推進、医療費対策の拡充、医療機関の整備とそれに働きます要員の確保、この三つの点を柱といたしまして強力に推進してまいる所存でございます。
○藤原道子君 去年の難病対策要綱に基づく予算計画、これはどうですか。それと、調査研究の推進、これを合わせて。
○政府委員(加倉井駿一君) 四十八年度におきます難病対策の予算でございますが、総合的に施策を推進いたしますために、四十七年度予算額八十六億円でございましたのを、四十八年度には百八十二億円に倍増いたしまして計上してございます。その第一点の調査研究の推進でございますが、その予算額は四十七年度、五億二千九百万でございましたのを、九億三千九百万と増額いたしまして、スモン、ベーチェット等の特定疾患のほかに、さらに若干の疾病につきまして、研究をいたすことにいたしております。また心身障害児の発生予防や、異常行動児の療育研究につきましても、同様に研究を推進する所存でございます。
○藤原道子君 そこで、今度十億要求なすって五億三千万円、こういうふうになったのは、これはなぜですか。
○政府委員(加倉井駿一君) 私どもといたしましては、研究費の積み上げをいろいろ検討いたしましたけれども、その内容等につきまして、早急に四十八年度に実施に移せない面もあろうかというようなことにつきまして、大蔵当局といろいろ御協議をいただきまして、とりあえず四十八年におきまして九億三千万にいたした……。
○藤原道子君 五億三千万……。
○政府委員(加倉井駿一君) それは四十七年度でございます。
○藤原道子君 だって、これは厚生省の資料なんですよ。
○政府委員(加倉井駿一君) 特定疾患だけにつきましては、御指摘のように五億三千万でございます。そのほかに、先ほど申し上げましたように、心身障害児の発生予防とか、異常行動児の療育研究というものを含めますと九億三千万になります。
○藤原道子君 今度、最初厚生省は、八疾患から二十疾患に対象が拡大されているが、その疾患はどういうものを予定しているか。 それから疾患ごとの研究体制の強化については、どのように考えておいでになるか。 さらに特定疾患の対象を拡大して、昭和四十八年度予算において当初十億だったのが、五億三千万に裁定されているのですね。今後の研究機関を推進していくためには、実施計画に支障をきたさないか、この点について。
○政府委員(加倉井駿一君) 特定疾患の研究対象の拡大につきましては、一応私ども四十七年度から継続いたしますものを含めまして、二十疾患を取り上げたいということでございます。ただその選定につきましては、私どものほうで、特定疾患対策懇談会という、専門家の方々のお集まりをいただいておりますので、その御意見に基づきまして、選定をしてまいりたいと、かように考えております。その中には、たとえば膠原病等の範囲を拡大いたしましたいろいろの疾患も含まれてまいると思います。たとえば筋萎縮性側索硬化症というような疾患も入ってくるかと思います。その最終決定はただいま申し上げました特定疾患対策懇談会の結論を待って進めてまいりたいと、かように考えておりますが、私どもといたしまして、従来のスモン研究協議会の経験等に徴しまして、数カ年の計画を立てまして、その原因究明等に当たりますので、一応私どもが計上いたしました予算の範囲内におきます執行で、一年間の研究計画にそれほど支障はないというふうに考えております。
○藤原道子君 今度、四十八年度、八つ対象にされたのが、六つに減らされたというのはどういうわけですか。
○政府委員(加倉井駿一君) それは何かのお間違いではないかと思いますが、たとえば治療研究費、この医療費の負担軽減の意味におきまして、自己負担分を軽減して差し上げる疾患の対象が、四疾患から六疾患に拡大いたしておりますし、調査研究の対象が八疾患から二十疾患に拡大しておりますので、少なくなったということはないと思います。
○藤原道子君 それでは、これは最初から六疾患だったの、対象は。
○政府委員(加倉井駿一君) 最初から六疾患でございます。
○藤原道子君 この点は納得がいきませんが、次に譲ります。けれども、厚生省の資料の中に出ているんですよね。結局、多発性硬化症と再生不良性貧血、これが今度の対象からはずされておる。
○政府委員(加倉井駿一君) 追加になった分でございます。
○藤原道子君 それじゃ、何と何とやるのですか。
○政府委員(加倉井駿一君) 治療研究費の対象になっておりますのが、ベーチェット病、多発性硬化症、それから重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、スモン、再生不良性貧血、この六疾患を明年度は治療研究費の予定にいたしております。 それから、調査研究の対象は、以上の六疾患のほかに、多発性硬化症、難治性肝炎でございます。このほうは調査研究でございまして、治療研究費、すなわち患者の医療費の自己負担分の軽減という措置はとられておりません。調査研究費のほうに、計上されております。
○藤原道子君 私は納得できないけれども、この次に譲りますよ。 次に伺いますが、医療機関の整備と要員の確保についてお伺いしたいんです。 医療機関としては、基幹的研究、研修病院、あるいは疾病別の中核医療機関、ブロック別の診療施設等の具体的整備計画がなければならぬと思いますが、それはどうですか。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、新しく、難病対策の一環として、国立病院、療養所が、研究あるいは研修それから患者の収容等に乗り出すわけでございますけれども、疾患そのものの研究といいましても、かなり広範な分野の研究者の総合性が必要でございますから、結局よりどころになります国立病院は、特定な疾患をどのようにして年次的に整備していくかということが基本になるわけでございます。 それで、国立の東京第一病院を難病のまずセンターといたしますとともに、国立の小児病院、世田谷にございます小児病院を子供の難病疾患のセンターとして整備していく。そのほかに、とりあえず、血液疾患のセンター的役割りをする研究施設をつけ加えたものとして、国立名古屋病院を考えておりますし、それからリューマチや、アレルギーというような関係の疾患も同様の研究施設として、国立の相模原病院を当面考えております。 以下の問題につきましては、それぞれ、先生御指摘のように、ブロックの問題も考え、それから大学の研究機能との関連も考えまして、国立の果たす役割りを——全部が全部、国立へすべて収容し、すべて研究もやるという仕組みではございませんで、大学との協力もあり、また病床につきましては、今後、県立等のものに対する補助制度も考慮いたしまして、逐次進めたいと思うわけでございますが、当面、国立に対しての具体的な施策としては、以上申し上げたような問題を持っておるわけでございます。 ただ、病床につきましては、結核療養所につきましては、若干結核の変動等もございますので、これも、推移を見ながら、これが利用できる病床については、それを改築して新しくし、利用していく。あるいは、地区によって、病気によって、必要な増設をする必要のある病床については、最小限必要のものは新たに増床していく。こういうことももちろん含めまして、国立としての役割りを、公立等の役割り、こういうものを勘案しながら、公衆衛生局のほうの患者の実態調査、それから患者の入院と外来との必要性——これは病気によって全部違います。したがって、ベッドの利用の程度も違います。そういうことと、先生御指摘のブロック性、地域性、こういうものを考えまして整備いたしたい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 じゃ国立だけでなく、県立とか等へ依頼することもあるわけね。そこも研究所にすることもいま考えていると。そういう場合には、県立とか、自治体病院等に委託するような場合には、国の責任で、補助金ですか、こういうものは十分出してもらえるんでしょうね。
○政府委員(滝沢正君) 難病対策については、四十八年度には、具体的に公立、市町村あるいは県立の病院に、難病のために病床を整備したいという項目としてはございません。これは私は、四十九年以降の一つの、国がみずからまずやってみて、それから計画的にやる中に——たとえば子供の病院についても、大きな財政力のある県はもう子供病院を建てております。それから成人病センターも建てております。そういうところを計画的にやるのには、私は補助金を考える必要があろうと思っております。
○藤原道子君 とにかく、補助金は十分考えてほしいと思う。 そこで、要員の確保でございますが、これがなければ、幾ら施設ができても、対策ができても、私は、生かすことはできない。したがって、要員の確保についてのお考えを伺いたい。結局、医療施設が整備されても、要員の確保がなければもうだめなんです。 そこで、特に看護婦の処遇改善と養成確保が必要であることは、いまさら申し上げるまでもなく、あなた方がうるさいと思うほど私は要求してきている。これに対しての考え方。 あわせまして、驚いたのは、夜勤が月に八日制度ということを人事院から判定されていますね、二人夜勤、夜勤八日間。ところが、この間、私は、方々の病院を視察してみますと、夜勤が十三日から十六日くらいあって、特に、きのう田中さんが質問されました、びわこ学園ですか、あすこはね、十四日、十五日、十六日、こういう夜勤をしている。こういう看護婦不足のときに、こういう施設を拡大していく、特に難病の場合には、人手はよけいかかると思う。これにつきまして、あなた方は、どういう計画を立てているか。これをまず聞きたい。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦の要員の計画というものは、先生御存じのように、四十五年に、高卒一年の准看制度を法律改正してやりたいということでやりましたけれども、これが実現しませんでしたので、その後若干の計画の狂いがございますけれども、逐次養成施設の増強につとめまして、看護婦の養成確保に努力いたしてはおるわけでございます。そうして、現状における三十二万という数字は助産婦の約一万三千等を加えますと、われわれの計算では、医療法に言う病院病床の四人に一人というものを、他の施設への勤務者を除いてですね、病院に勤務している看護婦でいきますと、四人に一人はほぼ達成できると、数字上はなるわけです。 ところが、先生いま御指摘のニッパチ体制という問題が労働条件の中から新たな条件として生まれてまいりました。そうしますと、一つの病棟で、二人でもって八日ということを確保するには、十六人の組み合わせが必要なんです。それから一人の夜勤のところもいままあある程度やむを得ません。全部を二人にするのは、絶対いまの看護婦の数ではできませんから、一人でもって八日というものを確保するためには、婦長を入れて九人の組み合わせが必要です。したがって、昔のように患者四人に一人というような組み合わせの時代ではなくなりまして、看護単位ごとに、ものを計算した計画をわれわれは立てなきゃならぬわけです。そういうふうにしてみますと、四人に一人ではどうやら埋まって、どうやら計算上は合いますけれども、もちろん偏在の問題は別にございますが、いまのニッパチというものを計算してまいりますというと、やっぱり三万とか四万という現状では足りないというような数字になるわけでございます。そういうものをかまえながら、結局、養成計画というものを——いま五万三千の養成所の器はございます。しかし、そこに入学するときになると、その定員を割って入学者が決定されるとか、それは受験が、二またかけた受験とか、三またかけた受験というものがございまして、いざ入学を決定してみると、定員を下回って看護婦が教育に入っていくというようなことで、たいへんもったいないんですけれども、その器全部が使われてないとか、あるいは修業するまでにやめていくとか、こういうような問題がございまして、努力はいたしますけれども、非常に根本はやっぱり給与の問題、あるいは労働条件、看護婦の社会的評価、こういうものを、具体的な給与の問題等で改善するように、当面努力をいたしておるわけでございます。
○藤原道子君 私は、もう看護婦問題は、幾らもやってやってわかっているけれども、こういう新しい方針を立てるとすれば、看護婦の養成の状態を真剣に考えなきゃ、あなた方は高校一年で云々と言われたけれども、大病院の先生方は、ぜひ准看をやめて甲看一本にしてください、医学が進歩しておりますから、という意見が非常に強いんです。にもかかわらず、たった一年で、看護婦の養成ができますか。私はこの点は十分考えていただいて、次の委員会で御説明願いたい。 特に、私が心配しておりますのは、看護婦の問題もそうですけれども、どこの施設へ行きましても、OT、PTが、ほんとうに資格のある人はほとんどいない。これで今度の難病対策はいいのでしょうか。問題はOT、PTで資格のある者が何人おりますか。と同時に、今後、年間養成はどの程度に考えておいでになるか。施設だけつくったって、対策だけできたって、そこに働く人がいなければ、完全実施はできないんです。これをちょっとお伺いしたい。
○政府委員(滝沢正君) その点のOT、PTの養成はまことに頭の痛い問題でございまして、お尋ねの合格者数と申しますか、資格を持っておる者が、ただいまPTで千三百七十六人、OTで三百九十五人ということでございまして、この試験が、実は審議会等の意見も非常にきびしゅうございまして、学校卒業の者でも七〇%という合格率、それから特例試験と申しまして、法律に定められて実務経験等がある者に国家試験を受験を認めておりますが、これが一三%という程度の合格率でございまして、この点は国会等でもいろいろ御批判がある点でございますけれども、しかし、国際的に見て、医学療法士、作業療法士をやはりしっかりとした者を養成しなければならぬという専門家の御意見と、審議会の御意見によりまして、乞うことさらむずかしい試験をしているわけじゃございません。やはり常識的に備えなければならぬことで、試験はいたしておるのでございますけれども、このような合格率であるということも、ひとつやはりむずかしい問題でございます。 先生お尋ねの養成計画でございますが、必要数をわれわれがいま試算いたしますというと、両方とも約七千人必要であるという数字が出ます。こうしますというと、先生になる人が——いまわが国で、PT、OTの学校つくりましても、最低責任者を含めて専任教員と申しますか、養成所の専任教員が、このPTの資格者の中で、しかも卒業後相当の経験を積んだ者を二、三名は必ず必要とする条件になっております。そういうことで、具体的に養成所をつくろうとしても、先生の確保にも困難いたしておりまして、ことしようやく国立の近畿、大阪の療養所に一カ所、国立で二カ所目でございますが、東京の清瀬に次いで二カ所目のPT、OTの養成所を発足させます。それから昨年来、四十七年度以来県立等でつくる場合にも、補助金を出すことで大蔵省に認めていただきましたけれども、これがなかなか先生の確保が困難なために、具体的に進展しないということでございまして、われわれがこの問題については七千という必要性はわかりますけれども、これも具体的な養成計画というものについては、ほんとうにのろのろした歩みしか実行上困難であるという実情でございます。そこで、国立の病院等におきましても、すでに資格をとった者が若干勤務してくれておりますので、こういうものを将来施設をつくるための先生にする講習会を、ことし国立病院で主宰して計画したいと思っております。四十八年度の新しい事業として、この問題を取り上げて、そうして専任教員の養成という問題に取り組んで、まず資格者をつくり、それから養成施設の拡大をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 このOT、PTの問題は何回かここで取り上げているのですね、社労で。と同時に、今度こういう計画をなすった場合、ちゃんとこれの必要性が出ているじゃありませんか。教員がないならば、それをどうするかくらいのことは考えておかなけりゃ、いまになってそんなことを言われたって納得がいきませんね。看護婦の不足だって、長年の問題だけれども、一向にできない。だから、国立の第一だって、六階建ての建物を建てるのに、あれは五年だか六年かかっているでしょう。それができたときには、どれだけの人が要るかくらいのことはわかっている。施設さえつくればいいというようなことだから、あそこはまだ五割五分くらいしか使っていない。今度難病対策のあれにするそうですけれども、それにしても、看護婦だの、OT、PTだの、お医者さんだの、こういうものを考える。そのなぜ不足するかということになれば、待遇ですよ。これをどうしたら充実することができるかぐらいなことは、お考えになっていなきゃおかしい。私は、もう時間がないといわれているから、重ねて言いますから、ちゃんと聞いておいてください。 医療費の自己負担の解消について。 問題は、医療費の自己負担分については解消することになっているけれども、医療費負担の考え方はどうなんですか、これが一つ。 それから対象疾病が拡大しているが、これはまあ抜きますよ、時間がないから……。 医療保険の自己負担分については、全額支給といっているけれども、問題は、差額ベッドの問題を解決しなければ解決できない。いま差額ベッドはどうなっていますか。だから、自己負担分、これは無償になったといたしましても、差額ベッドの問題が解決しなければ、患者負担は依然として大きな問題、病院における差額ベッドについて一定基準を設けて規制すべきではないかと思いますが、この点はどうですか。 それから公的医療機関の病床の規制を大幅に緩和すべきではないかと思います。これについてのお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(滝沢正君) 私の担当の公的病院を先に申し上げますが、この点につきましては撤廃論もございます。しかしながら、法律に定められた一つの法制されたものがございますので、ただいまのところ、その基準に基づきまして、できるだけ人口段階の区分というものもなくするような、解消する方向で審議会の御意見も出てまいりましたので、その方向で努力し、やがて地域医療計画というような、医療基本法のような仕組みのものができ上がるときには、公的病院の規制はむしろ撤廃する、あるいはそれにかわるものが生まれるということによって、実質撤廃にするという方向を念願いたしております。
○政府委員(北川力夫君) 保険医療の差額ベッドの問題でございますが、これはやはり基本は、患者さんが必要なときに差額ベッドがあるために入院ができない。こういうことがないようこれに留意することが一番基本的な問題だと思っております。そういうことから、従来から大体病床の中で一定の割合、この十年来、たとえば全病床の二五%あるいは二〇%程度、そういったところを限度にして別な面からは、やはり需要もあるわけですから、必要な病床数を確保するように努力をしてまいったところでございます。現在、最近のデータで申し上げますと、昨年の六月一日現在で約二割がこの差額徴収のベッドでございます。最近ややそういったところが見られている。そういうことも聞いておりますので、十分ひとつ指導を強化いたしまして、限度を越えないように引き続き十分な指導をしてまいりたい、このように考えております。
○藤原道子君 差額ベッドをどのくらいとっているかということはどうですか。
○政府委員(北川力夫君) 額にいたしますと、大体これも昨年の六月の調査の結果でございますが、次のような状態になっております。百円以下のところが約九%から一〇%ぐらい。それから三百円までぐらいのところが全体の大体二二、三%。それから五百円までのところで五割から五割五分ぐらい。それから千円まで取っているところが八〇%でございまして、千円をこえておりますところはいま申し上げましたように約二割弱という状況でございまして、取っておりますけれども、大部分は、約半分ぐらいは五百円未満、八割ぐらいは千円未満、このような状態でございます。
○藤原道子君 これは、差額ベッドはひどいですよ。ですから、入院したくてもその金がない、こういう悩みがたくさんある。ことに、今度国立でおやりになるのだから、差額ベッドの点はひとつお考えになっていただきたい。たとえ五百円としても幾らになりますか、月に。千円となったら幾らになるということになれば、難病対策をやるのに、この点についての解決は、非常に大切な問題であろうと私は思うんです。大臣ずっと御答弁をお願いします。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来のお話、私も非常に理解できるわけでございます。差額ベッドの問題は、本人のそういう要望する向きもあるわけでございますから、一度に全廃するというわけには私はまいらぬとは思いますが、やはり一定の基準を、四分の一とか、五分の一とかいうふうになっていますが、この基準をもっと強化する必要があるのかなと、実は、私もそんな感じがしているのです。ところが、この問題は、また考えようによっては、病院経営の問題にも触れるのです。病院のほうでは、近ごろの診療報酬安いから、こんなことでもしなければやっていけないのだ、なんというようなことを言う。ほんとうかどうか知りません。そういう意見もある。しかし私は、この問題はかりに医療費が難病、奇病によって無料化されたり、あるいは今度の健康保険法が通れば、三万円以上は返してあげる、こういうふうになって非常に負担軽減にはなる。なりますが、こういう問題によって、依然としてそういう経費がかかるということでは、あまり好ましいことではありませんから、この問題は、もう少し実態を調べながら真剣に取り組んで、解決策を見出すようにいたしたいと思います。
○藤原道子君 ほかのさっきの質問に対してのあなたの考え方をひとつ聞かしてください。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この難病全般につきましては、補助金の増額、その他の問題、十分本年度の実施の状況を見まして考究いたします。
○藤原道子君 委員会、どうもたいへん時間をとって失礼いたしました。とにかく難病対策という新しいものが出発するときに、質問しても何だか不安な点がたくさんある。建物だけできたらいいわけじゃない。健康保険だけがただになったからいいもんじゃない。ほんとうに安心して治療が受けられるような対策を聞かなければ、ことに建物だけできたって、従業員がいなくて何ができますか。この従業員が足りないのは、もう昔からここで問題になり通しているのが、いまだに解決がついていない。ことに国立病院あたりで、私なんか入院しても、差額ベッド三千円とか、五千円とか、大学病院の中には二万円ぐらい取っているところがたくさんある。これをそのまま放置しておる日本の医療制度というものに非常に問題があると思う。ぜひ安心して治療ができる、ことに難病対策につきましては、もっと愛情ある対策をぜひ進めてほしいということを強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○副主査(楠正俊君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○副主査(楠正俊君) 速記起こして。
○和田静夫君 たいへんな時間の制限でありますから、きょうは主として診療報酬の看護料にかかわる問題に限って質問をして、その他の問題は決算委員会でみっちりやらせていただきますが、昭和四十八年年度の予算では、一般会計から国立病院特別会計への繰り入れの措置として、国立病院、療養所等、看護婦増員等経費六十四億九千九百万円計上されていますが、その内訳を、まず。
○政府委員(滝沢正君) 先にお断りしておきますが、六十四億九千万円は看護婦確保対策のうち、養成所の整備費等を除きました一般対策のうち、国立病院特別会計の病院勘定分、療養所勘定分とらい療養所の一般会計分とを含んでおりまして、内訳といたしましては、病院勘定が二十二億、療養所勘定が六十四億、らいの一般会計の看護婦関係が九千七百万、合わせて六十四億九千九百万でございます。
○和田静夫君 看護婦の増、いまありましたが、四十八年度何名見込んでおりますか。
○政府委員(滝沢正君) 国立病院におきましては、いわゆる重症患者のための濃厚看護をするICU装置、あるいは血液透析等の問題、あるいは若干の増床がございまして、二百五十八人。国立療養所におきましても、重症の心身障害児、あるいは進行性の筋萎縮症児、こういうような関係者の看護婦が六百九十七名、合計九百五十五人が増員される予定になっております。
○和田静夫君 その九百五十五人と、さっきの増員等経費六十四億の中に占める額は。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦の増員のうち、国立病院勘定の場合が十一億四千万でございます。それから療養所勘定の場合が二十六億でございまして、らい療養所の場合が三千七百万でございます。
○和田静夫君 この試算の単価の根拠は。
○政府委員(滝沢正君) ただいまの申し上げましたことを若干訂正させていただきますが、この申し上げました看護婦の増員は、四十五年から四十七年までのニッパチ体制のための増員分を含んでおりますということと、四十八年度分を含めて申し上げた数字であることを訂正させていただきます。 それから、これの内訳と申しますと……。
○和田静夫君 試算単価の、いわゆる単価の試算基礎根拠。
○政府委員(滝沢正君) 単価の基礎と申しますと、実はこの中に、定員としての看護婦とそれから看護婦雇い上げの賃金の関係がございます。で、賃金に関しましては、産休——お産をする看護婦が出た場合の代替要員の分が千八百五十円、パートタイマーの場合が千六百五十円でございます。それからニッパチ体制等のために若干の賃金職員がございますが、それが千六百五十円でございます。そのほか、定員職員は公務員の予算上は平均的な給与を一人当たりに単価をつくりまして、人事院の医療職三等級の——年額にしまして百二十三万という単価に増員分をはじきまして計算いたします。
○和田静夫君 で、その人件費を含んで一人当たりの総額幾らですか。百二十三万含んで、年額。単価計算するときに。
○政府委員(滝沢正君) 百二十三万がまあ一人当たりの人件費で計算されておりまして、これが平均的な給与になりますから、婦長、それから新採用の者も含めた平均的な単価でございます。それから賃金職員につきましては先ほど申し上げたような単価で、実行上はややこれを上回る実態はございます、賃金の場合は。
○和田静夫君 時間とりますから、ここはあとで一ぺん詰めます。 そこで、この増員の結果、病棟について患者何人に一人の看護婦数になりますか。
○政府委員(滝沢正君) 四十八年度の予算定床と看護婦数とを比較した場合に、看護婦一人当たりの患者数は、国立病院で三・一六人、国立療養所で三・六九人となります。
○和田静夫君 そこでいよいよ本題ですが、現在の診療報酬では患者一人一日当たり看護料が特類で九百四十円ですね。それから、一類の場合は七百四十円ですね。いろいろ言われますけれども、この診療報酬ではまかなえないから一般会計から病院会計に補助した、そういうふうに理解していいですね。
○政府委員(滝沢正君) 保険局の立場からの説明の前に、一般論として、国立のほうの繰り入れというものについて先生が、いわゆる診療報酬の単価と、看護婦の見合う単価と俸給とが合わないじゃないかとおっしゃいますけれども、この点については、大体国立病院の原則としての経営費は診療報酬によってまかなうという原則になっております。したがって、看護婦を含め、なお国立は県立と同様、老齢の事務職員等が多い、あるいは老齢の、いわゆる行政職(二)と申しますか、単純労務者等も老齢者で比較的民間よりも給与が高い。そういう経営の実態全体から、総括的に収支差額としての一般会計の導入があるのでございまして、国立のこの数字なり、このきょうの先生とのやりとりの材料をもって即診療報酬が不足するのではないかということにつながる議論については、私も明確に——ということは内容が、そういうふうに分類が困難でございますので、否定はいたしませんけれども、そうでございますということにはならないと申し上げます。
○和田静夫君 否定されなければよろしい。 そこで大臣、いまの診療報酬がほんとうに適当だとお考えですか。 ちょっと待ってください。きょうは求めているのは、昭和三十九年十二月二十六日に厚生省が中医協に提出した基準看護加算点数の考え方、それに準拠しながら看護料の試算を行なってきてくれ、こう言ってあるのです。そこで、この算定方式でありますが、ここにいま大臣、張りますから……。そこで、この算定方式で、表の一番上の状態になる。こういうふうになるのです、厚生省が出したところのあれによって。基準看護の加算点数の考え方ですね、算定方式がこういう形になります。で、あなた方の文章を全部これを数字に直してみました。看護要員給与がこういう民間と国立と自治体病院、全部計算して加重平均をとってみますと九万六千百七十八円と出ました。看護補助給与、これも加重平均をやってみたら六万八千六百九十二円と出ました。これの算式は看護婦と准看護婦対補助者の構成比を八九対一一、よって百分率をかけてやってみた。2の場合も看護要員関連費用は法定——この〇・七はいわゆる本俸換算をやった、そういう形のことをやってみた。で、こういう形で出してきますと、結果的にこの3の看護要員管理費用、これは給与の総額の三六・五と踏んだ。厚生省の資料によれば、このときには〇・七八と踏んでいる。したがって、厚生省の数字を使えばこれはもっと大きくなる。これは最低ぎりぎり踏んでみて三六・五%と踏んでみた。そうするとこうなる。こういう形で出してきますと、結果的には特類であなた方は現行九百四十円、しかし、こう概算をしただけで特類で千五百七十六円、一類でもって現行七百四十円のどころが千百八十二円でなければならない。そういう意味で大臣に答弁を願いたいと思います。
○政府委員(北川力夫君) ただいまお示しの三十九年の改定のときのデータでございますが、私ども、いま伺いましたところによりますと、全く新しい計算でございますので、十分には理解いたしておりません。ただ、三十九年当時の看護料の計算方式と、それから現在、すなわち昨年二月の改定時におきます看護料の計算方式におきましては違いがあるわけでございます。当時はいわゆる看護料ということで一般の看護料は入院料の中に込みになっておりましたが、現在のところは、昨年二月改定によって、入院料の中から部屋代と看護料を分けまして、看護料については、いまそこにございますと思いますけれども、三百円、それからあとの加算分といたしまして特類、一類、二類、三類の加算はそれぞれ六十四点あるいは四十四点、あるいは三十点あるいは幾らというふうにその加算がありますので、三十九年当時のこの計算方式をそのままスライドをして現在の看護料というものを計算することははたしてそれでいいかどうか、私どもは若干疑問に思っております。ただ、最近の改定、すなわち昨年二月の改定におきましては、それまでの看護料に比べまして基準加算において、それぞれ五割増しをいたしておりますので、かなり現在の看護料というものは高くなっていると、このようには考えております。ただしかしながら、これはもう先生も御承知のとおりに、診療報酬は看護料問題も含めまして全般的に長年適正化という過程にあるわけでございますから、今後この適正化の過程の中で、なお看護料につきましても、どういう面についてどういう評価をするか、十分この検討を加えていかなければならないと思います。また、この検討を加えられる場は中医協の場であろうと思っております。
○和田静夫君 それでは大臣答弁を。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 和田委員の資料をもとにしてのお尋ねでございますが、なるほど三十九年のこの基準でいきますと、現行と非常な差が出ているということを私も理解いたしました。そこで一般的に申し上げますと、現在の病院、診療所等を通じまして、診療報酬の改定をやるべきであると、こういう意見が非常に強くいま要望が出されております。もちろんその中には、こうした看護料の問題、それからお医者さん方の診療報酬の問題、さまざまあるわけでございまして、私の口から言うべき筋ではないかもしれません、中医協でやるべき問題でございますから。しかし、私はしいて聞かれれば、いまの最近における診療報酬というものは実情からだいぶ離れている、何とかすみやかに改定をすべきである、こういうふうに私は率直に言うて考えております。
○和田静夫君 そこで、結果的には適正ではないと、こういうことですね大臣。
○国務大臣(齋藤邦吉君) そのとおりでございます。現在は適正ではないと私ははっきり言えると思います。それを何とか適正化したいと、こういうふうに私は考えております。しかし、私の口からあんまり言いますと、中医協というのがございますので、あんまりはっきりしたことは言えませんが、私は適正化をはかるべき時期にきておると、私ははっきりさように申し上げることができると思います。
○和田静夫君 この算定方式それ自体は、先ほど局長ですか、これは否定をされませんね。
○政府委員(北川力夫君) ちょっと私、まだいまそれを十分に詳しく拝見をしておりませんので、それで全く正しいかどうか、いま直ちにはお答え申し上げられません。ただ、さっき申し上げましたとおり、その当時と現在とでは算定のしかたが違っておりますから、そういう点で一ぺんよくそれを拝見いたしまして検討さしていただきたい、かように考えます。
○和田静夫君 副主査、それじゃこの表全体を速記録に載せてもらいます。そして、あとから検討してもらってその答えを、委員会でなくて、もらいますからね。
○副主査(楠正俊君) そのように取り計らいます。
○和田静夫君 厚生大臣、中医協にあまり遠慮する必要はないと私は思うんですよ。どうも中医協というのは単なる諮問機関でしょう。私は何回かこの問題をここまで考えるに当たって厚生省と折衝いたしました、ずっと。それは全く私がアマチュアだからです。説明の途中ではおこったりいろいろしましたよ。それは皆さん方はプロの感覚で、つかみでこうなるんですとか、いろいろの説明なんですよ。それじゃあなた方は、国民一人一人にそんな説明通ると思っているのかというような形でもって、具体的にはいろいろなことを教えてもらいました。したがって、アマチュアの感覚でもっていろいろ考えた結果こうなって出たんです。そして、私はその当時、健康保険法を読み直してみた。そしたら、四十三条ノ九では、「療養ニ要スル費用ノ額ハ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ算定スルモノトス」と、こうなっているんです。したがって、やっぱり厚生大臣、さっき、もう不適正なものは不適正と答えたんですから、大胆にそういう責任意識の上に立った答弁というものを今後もお願いをしたい、こういう態度で臨んでいってもらいたい、こういうふうに思うんです。 そこで、自治体病院の看護婦の給与は、言うまでもなく、国立病院の看護婦に準ずるわけですね。で、昨今、自治体病院の経営の悪化がずっと云々されております。たとえば診療報酬としての看護料が、言ってみれば適正でない、先ほどのような形で。そこからくるところの赤字、これは国の責任において当然持つべきではありませんか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) これは市町村の病院につきましては、私が申し上げるもなく、和田委員の御承知のとおり、市町村の病院ならば市町村がめんどうをみる。県立病院ならば県立病院がみる。それで、どうしてもみられぬときは、御承知のように、特別交付税なりその他でめんどうをみる、こういう仕組みになっておるわけでございます。そこで、私どものほうでは、そういう考え方に立って、市町村、県立病院でない日赤その他の公的病院、これはだれもめんどうをみている人がありませんでしたので、来年度の予算において日赤、済生会だけは別な立場において国がめんどうをみよう、こういうふうにいたしたわけでございます。
○和田静夫君 それが先ほどのように、責任ある態度ではないと思う。たいへん無責任な発言だと思います。 去る三月七日の衆議院の予算委員会の第三分科会で江崎自治大臣は、あなたと同僚の閣僚は、こういうふうに述べているのですよ。 「最近自治体病院においての特殊医療、それから高度医療あるいは僻地医療等、採算をとるとこがきわめて困難であるという部門を担当しておるそういう分野については、御承知のように、国の補助及び地方公共団体の一般会計の負担によって措置をして今日に至っておるわけです。そうでない面については、これはやはり利用者がサービスの亨受の程度に応じて利用者負担をしていく、この原則を踏みはずすわけにはまいりません」。と。 私は、自治大臣の言う、この原則が——診療報酬が、先ほど一例を出して不適正と認められた。私は、これは看護料だけじゃない、全部の表をつくっていますから。きょう時間がないから後ほど決算委員会で全部やりますが、そういう結果、その診療報酬をきめるのが厚生大臣です。それである以上は、あなたの責任で国が補助をする、これは当然で、特交という論議はこれは当たらないのですよ。
○国務大臣(齋藤邦吉君) まあ、そういう理論をいえば、厚生省が予算をとってめんどうをみるということになりそうでございますが、やっぱり公営企業法のたてまえは、いま和田委員のお述べになりましたような不採算医療とかその他の問題については、できるだけ一般会計においてめんどうをみるとか、補助をするとか、いろいろな仕組みがあるわけでございます。で、しかし問題は、最終的には診療報酬の改定という問題に私はなると思うのです。 たしかその自治大臣のときにも、私も一緒に、どなたかの御質問であったかわかりませんが、答えたのではないかと思いますが、私も診療報酬の改定は必要である。なるべくそれもすみやかにやってもらいたい、こういうことを答えておるわけでございます。そういう意味においては、私の責任として、診療報酬の改定はできるだけすみやかにやっていただくようにすべきものである、こういうふうに考えております。ただ、具体的な内容をどう決定するかということになりますと、これはまたいろいろ筋を通しませんと、あらぬ混乱を起こすこともどうであろうかという、そこは多少遠慮さしていただきたいと、こう思います。これは、あらぬ混乱を引き起こすことは、好むところではございません。そういう意味において申し上げたのでございまして、私は、時期的には診療報酬改定はできるだけ早くやるべきときであると、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 昨年の二月に医療費を改定した。そのときに、一三・七%という上げ幅ですね。この上げ幅は、もちろん、賃金の上昇率、消費者物価の上昇率、あるいは薬価下降率などを勘案しておきめになった。で、これはいつを基準にして、いつの時点での数値ですか。
○政府委員(北川力夫君) このときの積算の内訳は、一般的な経費の増加につきましては、四十五年二月から四十六年十二月までのものを基本にとっております。それから収益の面につきましても、同様、四十五年の二月から四十六年の十二月までの実績をとっております。
○和田静夫君 そうすると、四十六年十二月の時点の数値というのはおかしいと思いませんか。私はまあそういう返答を実は厚生省から聞いていたんです。で、実はたいへんふしぎだと思っているんですがね。公益委員の側から中医協に提示されたのは十二月十一日です。総理府統計局は、十二月十一日に十二月現在の賃金や物価の上昇率等の数値を出せますか。総理府統計局。
○政府委員(加藤泰守君) 統計局の指数でございますが、これは、東京都の分につきましては、その月の中旬のものを速報的に下旬に出しますけれども、全国の分につきましては、前月の数字を一カ月おくれの月末に出すと、こういうことになっております。
○和田静夫君 そうすると、厚生省の答弁というのはたいへんおかしい。そうでしょう。いま、かりに一三・七%という引き上げ幅をはじき出す作業、このはじき出す作業の期間をゼロとした上での話です。公益委員はその作業に十月か十一月には取りかかっているんでしょう。その前に、さっきのような形で総理府統計局の数字が出ているというなら国会の権威はまるでない。いままでわれわれは何べんも資料要求しても、統計なんというものは翌月でなければ出せませんと、こう言ってきた。あなた方の手元にひとつき前に出てしまっているということになるんですか。四十六年十二月現在の数値であるというのはうそじゃないですか。
○政府委員(北川力夫君) このときの改定は、先生も御承知かと思いますけれども、四十六年の一月に総辞退がございまして、総辞退というものが収拾されたあと早急に医療費改定をすべきだということであったわけでございます。そういうことで、いま話に出ました中医協の場で療養担当者側あるいは支払い者側双方からそれぞれ医療費改定につきましての希望なりデータが出ます。それを公益委員が調整をして最終的な案をきめたわけでございますけれども、その際に、実際に建議書が出ましたのは翌年の四十七年一月でございます。それによって四十七年二月から改定をしたわけでございます。そういう事情もございますので、その間にはいろいろないきさつがございまして延び延びになったわけでございますが、四十六年十二月と申しますのは、やはり、改定というものが十二月あるいは一月、あるいは場合によると、二月にずれ込むかもしれないというような、そういういろいろなこともございましたものですから、四十六年十二月時点のものを見込みまして、推計の見込みとしてとらえまして、それをまあ積算の基礎にしたような状況でございます。
○和田静夫君 大臣、いま明らかになりました。推計の見込みなんです。 そこで、これはやっぱり基礎的にその推計の見込みの数字を全部出していただきたい。大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 承知しました。
○和田静夫君 それでは、大臣から、承知されましたから、明確に、この基礎資料についてはあとからいただきます。 で、この引き上げ幅を算出するにあたって、マイナス要因としてある収益増ですね、この中に薬価に伴なうマージンが含まれているのではありませんか。それは何%見込まれていますか。
○政府委員(北川力夫君) 大体〇・二%から〇・三%の間という程度のものでございます——失礼しました、二割から三割という程度でございます。
○和田静夫君 これは大臣、私はまあ全くしろうとですが、たいへんなことじゃないですかな。薬価の中のマージンを見込んでいま明確に診療報酬基準が出てきていることが明らかになりました。これは一体どういうことです。
○政府委員(北川力夫君) やはり、この医療費の改定の際には、これも御承知のとおり、医療経済経営実態調査というものをやるわけであります。その経営実態調査というものは、いわゆる購入サイドと、それから販売サイドと、両方でもって調査をいたしまして、その結果に基づいていろいろなデータを収集をして、積み重ねて答えを出すわけでございます。そういう過程でやはり私どもは、収益の中に、この程度のものが薬価についてはマージンとしてあるんではなかろうかと、こういうふうな推計をしたわけでございます。
○和田静夫君 時間がありませんから、大臣、ここの部分も資料としてそれじゃ提出をしてください。
○政府委員(北川力夫君) 先生には、先般もいろいろ申し上げたか存じますけれども、正確なデータというものが、そのつどいろいろな計算をしておりますので、出せますかどうか、そういうことも含めまして、できるだけ出せるように努力をいたします。
○和田静夫君 大臣、よろしいですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) いま局長が申し上げましたように、できるだけ努力いたしまして出せるようにいたしましょう。
○和田静夫君 それじゃ次に移りますが、看護婦養成所の運営費補助が国立、公的病院、私的病院に——私的病院にもあるわけですね。ところが、自治体病院だけないんです。これはなぜですか。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦養成所につきましては、国立の場合も一般会計を入れていただいておるわけでございますが、自治体病院等につきましての付属の看護婦養成所につきましては、交付税等でまかなっていただいておりますので、私のほうで看護婦養成所の補助金は、それ以外の私的な法人立あるいは日赤、済生会等、その部分に対して運営費の補助を出しております。
○和田静夫君 それじゃお聞きしますが、たいへんおかしいんですよ、地方交付税というのは地方団体の固有の財源じゃないんですか。
○政府委員(滝沢正君) この点につきましては、私、必ずしも的確にお答えができるかどうかわかりませんが、われわれのいままで考えておりましたことは、やはり交付税の積算の根拠がございまして、それによって、養成所の積算が加算されて交付税として見られているというふうに理解しておりますので、全くこれの使途と申しますか、これが市町村の財政の運営上どういうふうに使われるかという問題としては別かもしれませんが、一応積算としては根拠があって積算していただいている、こういうふうに聞いております。
○和田静夫君 答弁がたいへんおこがましいから私言っているんです。佐藤内閣前総理大臣あるいは福田さんが大蔵大臣時代、明確にこれは、私は地方交付税は地方団体の固有の財源であるということを確認をしておる。そういうことを、あなた、否定するようなことを言っちゃだめですよ。そうでしょう。
○政府委員(滝沢正君) そのような責任のある方のお答えというものと私のいままで理解している点とでは確かに食い違いがございます。
○和田静夫君 食い違いがあればこの部分についてはお直しになる、このことが必要です。で、地方交付税が地方団体の固有の財源であるという意味は、それは間接課徴の地方税であるということなんです。看護婦を養成するというのは、先ほど来たくさん論議がありましたように今日まさに国家的な緊急の課題でありましょう。さっきのような答弁で済まされるような問題じゃないんです、藤原委員に対する。その課題を市町村が分担するというとき、市町村民の税金だけにまかしておくというのは、これはあなた何といったって論理としておかしいですよ。したがって、前提になるところにあなたいま誤りがあったことを認められたのですから、前提に誤りがあれば、やっぱり看護婦養成所の運営費等については、自治体、病院に対しても厚生省が見ていく、こういう態度にちゃんとなるのが論理の筋道です。そうでしょう。
○政府委員(滝沢正君) 多少私の表現がまずかったかもしれませんが、特別交付税というふうに私理解して申し上げて交付税ということばを使いましたので、一般論としては確かに固有の財源ということになるかもしれませんが、看護婦の場合は特別交付税として養成施設の設置されている部分に対して自治体に対して出される、こういうふうに理解しております。決して先ほど来の責任者の御発言との関連を否定するわけではございませんが、私の発言そのものがことばが足りずに、特別交付税と交付税一般との問題についての区分けをいたしておらないというふうになるならば、その点は訂正しておきます。 それと、確かに看護婦の養成について公的な事業としてもっと補助金を的確にし、なおかつ公的ににすべきであるという御意見は各方面にございます。ところが、過去におきましても看護婦の養成について、やや、どちらかというと、現状においてはそのようなことを当てはめることはできませんが、やや自分のところの看護婦の確保のためという要素が若干ございましたことも含めて、従来この問題の補助金というものを起こすこと、項目として起こすこと自体もなかなか困難でございましたが、昨今のような情勢は当然のこととしてこの問題が私的な法人等にも、医師会等の法人等にもこれが出されるようになったわけでございます。したがいまして、これを全く公的なものとして一〇〇%公的な資金を導入するかどうかという点については、私は看護婦養成の自主性、それから病院の付属という形でやる運営上現在の必要経費の百分の五十、必要経費というのは、それぞれの看護婦養成所に差がございますから、運営上の資金の導入のしかたに差がございますので、たとえば宿舎を持っているとかあるいは食事まで給しているとかというような部分は除きまして教材費あるいは生徒経費、必要な基本額に対する百分の五十を対象といたしておりますが、これをやはり今後改善してできるだけ実態に近づけて公費の援助を高めるということについては私、基本的には考え方としてはとりたいと思いますが、全面的に公費をもってやるべきだという点については実態と合わせながら検討しなければならないし、基本的には全面的というようには私はその運営の自主性ということも考えまして、かなりの高率にすべきという理論には賛成できますけれども、その点には限界があろうと思います。
○和田静夫君 特交であろうが交付税であろうが、何も用語上の問題で言っているのではなく、性格的には一緒ですから、したがってあなたの前段の思想をくつがえすことには何もなっておりません。誤りであったことには間違いない、あなたのほうは。 それから後段で言われましたように、それでは運営費のいわゆる補助についてこれから高率に見ていく、そういう努力をする、こういう形の答弁でありますからそこのところはそういうふうに理解をしておきます。 そこで大臣、私はたいへん時間のない中でやっておりますからあれですけれども、実はここに厚生省医務局看護課の出した「看護婦・准看護婦学校養成所入学状況調」という資料があります。これに基づいて看護婦の三年課程の競争率というのはここ数年三倍から五倍なんです。もちろん看護婦という人の命にかかわる非常に尊い職業ですから厳選しなければならないことはもちろんなんですけれども、この数字の中あるいは裏を考えてみますと、市町村立の看護婦養成所の収容能力が限界に達しておる、こういう事実も含まれているわけですね。そこで大臣、文部省ことしから画期的に県立医科大学に十二億円出した、そういう補助に踏み切ったわけですが、いま高率の運営費の補助ということで答弁があったのですが、自治体の看護婦養成所の整備運営費補助、これをひとついま答弁があったように、大臣のお力で新設、そしてさらにふやしていく、こういう努力をしていただきたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 十分検討いたします。
○和田静夫君 検討いたして、私の意に沿うようにするという……
○国務大臣(齋藤邦吉君) 千分検討いたしまして、努力いたします。
○和田静夫君 実は自治省の財政局長にも来てもらうことになっていますが、そして自治体病院の現状について十分えぐる用意をしてきたのですが、時間がなくなってきましたので、きょうはそこまでいきませんが、先ほど来看護婦の待遇の改善の要をお認めになって国会でもたびたび発言されてきた、その財源はどうするおつもりですか。
○政府委員(滝沢正君) この点につきましては、今回予算化しました夜間看護婦手当三百五十円を千円にいたします問題についても具体的な例示でございます。 したがいまして、今後看護婦の給与につきましては、人事院当局とも十分協議いたしまして、かなり大幅に改定いたしたいと思っておりますが、その実態としては官主導型という結果的にはなるわけでございまして、それに対しまして、従来とも公務員の看護婦さんの給与がかなり民間の給与のほうにはね返るということでございます。 具体的に申し上げました夜間看護婦手当につきましては、われわれといたしましては、先ほど来御論議の中医協等で御審議いただくその診療報酬の適正化の中でこの実態をとらえながらこの点について十分御配慮をいただけるものと期待いたしておるわけでございます。
○和田静夫君 最後に厚生大臣にお尋ねします。 大臣、三月二十七日の衆議院の本会議で、中医協に病院代表をなぜ入れないのかという質問に答えられて、「さらに、中医協に病院代表を別ワクで入れたらというお尋ねでございましたが、現在は、御承知のように、医師会の推薦で委員が出ておるわけでございますが、日本医師会などには、すでに病院の医師もたくさん入っておるわけでございまして、医師会は当然病院の代表をすべきものであり、また現実、代表いたしておると考えておる次第でございます。」と述べておられます。ほんとうにこのとおりのお考えなんですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 医師会からそういう方方が出ていると、私もその利益を代表して出ていると、かように考えております。
○和田静夫君 それではお聞きしますが、昭和三十二年の法改正によって新しくきまった保険医療機関と保険医との関係を簡単に説明してください。 〔副主査退席、主査着席〕
○政府委員(北川力夫君) 三十二年の改正は、いわゆる従来のやり方を改めまして、保険医療機関というものと、それからその中に働く者は保険医であるという二段がまえの指定をとったわけでございます。保険医療機関である限りは、そこに働く医師は保険医として登録をする、これが三十二年改正の一つの大きなポイントでございます。
○和田静夫君 そこでおたくの厚生省で監修をされている、出している厚生省保険局健康保険課編「健康保険法の解釈と運用」これの六一六ページ——もう終わりますからね——「従来は、保険医又は保険薬剤師自体が療養の給付を担当する責任を負っており、従って保険医又は保険薬剤師は診療又は調剤を行い、診療又は調剤の報酬を請求していたのである。それが昭和三十二年三月の改正で、療養の給付を担当する責任は、すべて病院、診療所、薬局という機関が負うことに改められ、従って、医師、歯科医師、薬剤師は、有機的に組織された機関の一構成分子として、診療又は調剤に従事する者となった。」さらに六二四ページの一行目「保険医療機関又は保険薬局に保険医又は保険薬剤師が皆無になった場合であっても、保険医療機関又は保険薬局の指定の効力は当然に失効するものでなくなお存続する。」、こう明確に書いていらっしゃいます。このように、健康保険法は、機関としての病院と個人としての医師を非常に明確に次元の異なる概念として区別しているわけでしょう。中医協に病院代表を入れろという要求は、この機関としての病院の代表を入れろという、私は当然な要求だと思うのです。それに対して、医師会の中には病院の医師もいるわけで、と大臣が答弁をされた。これは明らかにはぐらかしであります。日本医師会は個人としての医師を代表するものであって、機関としての病院は決して代表いたしません。これは、おたくで出しているところの解説書で明らかです。大臣、そうではありませんか。
○政府委員(北川力夫君) 委員長——。
○和田静夫君 大臣に聞いているんだ、大臣に。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先やってください。
○政府委員(北川力夫君) 先ほどの改正の趣旨でございますが、実はその当時、非常に保険医のいわゆる不当、不正というようなことがあったわけでございます。したがって、どういう実態かと申しますと、それぞれの病院で保険医がおりまして、その保険医が正しい診療をやっておりましても、実際に請求いたします場合には保険医ではない、その病院という機関の代表者が請求をすると。そういうことになりますと、保険医の不正があっても、なかなかその保険医の不正取り消しはできない、その保険医療機関の措置取り消しはできないと、こういうことで、そういった不正、不当をなくして正しい保険診療をするために、いまお話にありましたような、機関としての保険医療機関というものと、それから、そこで診療に従事する保険医というものとを二つに分けて指定をしたわけでございまして、いま先生のおっしゃいました意味は、お尋ねの中医協の代表としてのメンバーに病院代表を加えるか加えないかという問題とは少し次元の違った問題のように私は考えております。
○和田静夫君 いやいや、次元が違わないじゃないですか、病院の解釈の問題でしょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) まあ御承知のように、中医協は診療報酬の点数表について慎重に審議をすると、こういうわけでございます。そういうふうなことで、医師の診療報酬ということが一番中心でございますから、やはり医師会がそういう方々の病院その他の意見も代表して私は発言すべきであり、発言しているんではないかと、こういうふうに考えて、そういうふうに答弁をいたしたわけでございます。
○和田静夫君 齋藤厚生大臣の答弁のいわゆる趣旨についてはわかりました。ただ、私が言っているのは、何かいまの答弁にもありましたように、大臣じゃないですよ、向こうの答弁にありましたように、医師会に何か気がねをしたような形でああいうような答弁をされる。あなた方が書いた解説の中で、言ってみればたとえば「保険医療機関又は保険薬局の指定の効力」というのは当然失効するものではない。保険医がいなくなっても、保険薬剤師がいなくなっても、したがってわれわれが要求するところの中医協に入れなさいというのは、機関としての病院の代表を入れろこういうことなんです。これは論理としては私は間違っていないと思うんですよ、そうでしょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) そういう点については私は理解を持っております。しかし、現在の段階においては、医師会推薦の方々が、十分そういうことの立場も理解しながら、主張するものは主張するということであるべきものであり、そうしてもらわなければならぬと、こういう意味において私はこの前のような答弁をいたしたわけでございます。その点については私はそれなりの理解を持っておるつもりでございます。
○和田静夫君 それじゃ最後にしますが、厚生大臣非常に理解を示されましたから、私が述べたような趣旨に基づいて、やっぱり齋藤厚生大臣の任期中にその理解力に基づいて、いま言っておるような形での要望が通る、そういう努力というものをぜひお願いをしておきたいと思います。質問を終わります。 —————————————
○主査(矢追秀彦君) 分科担当委員の異動について報告いたします。 ただいま萩原幽香子君及び和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として中村利次君及び宮之原貞光君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○宮之原貞光君 医療行政の基本的な問題、その他厚生省所管の重要な問題につきましては、わが党の同僚諸君からいろいろ質問がありましたので……。大臣あなた立っておるのはどういうわけですか。
○主査(矢追秀彦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(矢追秀彦君) 速記を起こして。
○宮之原貞光君 この基本的ないろんな行政の問題についてはわが党の同僚議員からもだいぶありましたので、私はきわめて具体的な問題について御答弁を願いたいと思いますから、どうぞひとつ気楽に、あまり緊張されんで、しかも的確に親切に答えていただきたいと思う。 その一つは、戦没者の収骨の問題、太平洋戦争の全域におきまして民間人を含めての戦没者は約二百四十万人だといわれておるわけですが、現在までに収骨が済んでおるところの概数は幾らでしょうか。
○政府委員(高木玄君) 部隊が復員のときお持ち帰りになった御遺骨の数が全体で百四万八千八百三十七柱、それから終戦後政府派遣団等によりまして収集いたしまして、持ち帰りました遺骨の数が十二万四千六百七十柱でございます。
○宮之原貞光君 それはちょっと違いませんかね。おたくの資料では部隊が復員当時持ってきた者の数は大体七万柱と出ておるんですがね。それが百四万というお話ですが、その百四万というのはいままでの数字じゃないですか。
○政府委員(高木玄君) 今日まで国内にお持ち帰りしました御遺骨の数は総数百四万八千八百三十七柱でございます。そして終戦後の政府派遣の収集団による持ち帰り数がそのうちの十二万四千六百七十柱でございます。
○宮之原貞光君 そういたしますと、あれですね、全体で百四万八千柱と申しますと、約八十五万というのが民間の諸団体、言うならば、その地域地域におりましたところの戦友を中心として組織をされておるところの民間の団体がこれを収集をしたというふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(高木玄君) この大部分は復員のとき部隊が持ち帰った遺骨でございます、大部分のものが。
○宮之原貞光君 だって、あなた方の資料によると復員のとき持ち帰ったのは七万七百三十と出ているじゃないですか。だいぶ違うじゃないの。それは復員当時は……
○政府委員(高木玄君) 先生、その二枚目の資料……
○宮之原貞光君 いやいや、それはあなたの勘違いだよ。それはおかしいよ。もっとしっかり答えなさいよ。
○政府委員(高木玄君) いま先生のおっしゃっているのは、中部太平洋地域の数だけをおっしゃっているのだと思います。私は全体の数を申し上げたわけでございます。
○宮之原貞光君 だって、いままでに収集が終わったのが百四万でしょう。そうじゃないですか。
○政府委員(高木玄君) 全体で。
○宮之原貞光君 全体がね。
○政府委員(高木玄君) はい。
○宮之原貞光君 そうでしょう。
○政府委員(高木玄君) はい。
○宮之原貞光君 だから、いわゆる終戦時に部隊の復員で持ち帰ったのは何も百四万じゃないんでしょう。その後、昭和二十一年から今日までかけて、いろんな政府派遣もあったでしょう。それから民間人が集めたもの、その総トータルが百四万ということなんでしょう。
○政府委員(高木玄君) さようでございます。
○宮之原貞光君 そうでしょう。その点はやっぱりきちんと理解しておいてもらわなければ困りますよ。そしてあなたがおっしゃったように、いわゆる政府派遣とかいろいろなもので持ち帰ったものが十二万幾らと、こういうことですから、結局は大体八十五万人前後の収骨というのは民間人を主体にして持ち帰ったものだと理解するのが当然じゃないですか。
○政府委員(高木玄君) 終戦後、政府派遣団等によって持ち帰ったのはいま申しました十二万柱でございますが、その他は、大部分が部隊が復員のときにお持ち帰りになった遺骨でございます。
○宮之原貞光君 それは私は事実関係がだいぶ違うと思いますがね、それはいずれまたはっきりしましよう。特に民間の収骨をされておるところの皆さんから見れば、やはり自分たちの手ではすでにこの二十何年間の間、長い苦労をして八十何万も自分たちが持ってきておるんだと、こう言っております。あなたの話によると、大部分が終戦時に持ち帰ったというならば、何をいまさら好んでいわゆることしは二億幾らという予算を組むんですか。それ自体がおかしくなりやしませんか。だからその点はもう一回調べていただきたいと思います。 それで、さらに具体的にお聞きいたしますが、今度の、いずれにいたしましても残っておるところの遺骨は百三十六万前後ということになりますね。いかがですか。
○政府委員(高木玄君) この戦没者総数から、すでに国内にお持ち帰りいたしました遺骨をただ差し引けば、そういう数字が出てまいりますが、現実にその単純な差し引き数だけが外地にあるかどうか、これはまた別の問題だと思います。しかし、相当多数がなお外地に収骨されないままの状態にあるというのは事実でございます。
○宮之原貞光君 それでですね、四十八年度の予算計上を見ますと、戦没者の遺骨収集関係では二億三千六百九万八千円という予算が組まれておるわけなんです。私はこれは前年度の四千六百万円から見れば著しい増額をされております。その意味におきましてはですよ、やはりこの遺骨収集という問題についても政府がまあ熱意を示したものだとして理解をいたしたいと思うんですが、ただそのうちですね、いわゆる具体的な収集の予算というのは、そのうち二億二百十六万円ですか、そうなりますね。そういう大体の予算なんですが、それでいきますと、大体皆さんのいままでの経験から見て何体ぐらいの遺骨が収集できるという考え方ですか、この予算で、ことしの。
○政府委員(高木玄君) その点はちょっと御答弁いたしかねます。その予算幾ら使ったから何体収集できるという性格のものでなく、これは現実にその地域に行って集めてみなければ、実はどの程度収骨できるか、これはわからないわけでございます。ですからこれだけの予算組んだから何体の御遺骨を持ち帰れるということは、ちょっと申しかねます。
○宮之原貞光君 だって、あなた方はそれぞれの地域におけるところのいままでの収集の状況というの、わかっておるわけでしょう。そうすると、終戦時におきますところのそれぞれの地域におけるところの大体の部隊の存在というものはわかっておったはずなんですから、そうするといままで集めたものと、それからそれぞれの地域に残っておるところのものから換算をして、大体残っておるものがそれぞれの地域にどれくらいあるから、ことしの予算の中ではおおよそ、これはもちろんいろいろな条件の相違がありますから正確には言えないにしても、およそこの予算ではどれくらいということは当然計画があってしかるべきじゃないですか。けれども、とにかく何か集めなければならぬといって、基礎計算なしにこの予算というものは組まれているんですか。
○政府委員(高木玄君) この遺骨収集につきましては、昭和二十八年から三十三年まで第一次の五カ年計画で、主要な戦域につきましての遺骨を収集いたしました。 それから、昭和四十二年から四十六年まで、これもまた年次計画をもちまして、主要な戦域を再び遺骨収集のための政府派遣団も出したわけであります。しかし、先ほど申しましたようにまだ相当多数の遺骨が外地に残っておりますので、主要な戦域につきまして、やがて終戦三十年を間近に控えておりますので、この四十八年度と四十九年度の二カ年間に、主要な戦域についてもう一ぺん徹底的に遺骨収集を行なってみたいということで、大体地域別に四十八年度と四十九年度の実施計画を立てて予算を組んだ次第でございます。そして、本年度、昭和四十八年度におきましてはフィリピン、東部ニューギニア、ソロモン諸島、マリアナ諸島、中部太平洋、それから沖繩、こういった地域につきまして遺骨収集を行ないまして、それから四十九年度におきましては西イリアンそれからフィリピンの本年行なわない……本年はルソン、ミンダナオでございますが、それ以外のテイテとかセブ、そういったフィリピン。それからビスマーク諸島、ボルネオ、インドネシア、それからマーシャル、ギルバート以外の中部太平洋、こういった地域を行ないたい。大体四十八年度と四十九年度で従来にない規模の遺骨収集の政府派遣団を出して、何とか遺骨収集につきましては終戦三十年の昭和五十年を迎えるまでに大体において大きく処理をいたしまして、残ったものを最終的に昭和五十年に処理すると、こういうふうにいたしたいと、かように考えておるわけであります。
○宮之原貞光君 従来にない規模で積極的に収集されるということは、これはけっこうなことだと思います。ただ二カ年間あれは残ったものをというような形で、この程度の予算でほんとうに百三十万体前後の遺骨というものが収集できるという御自信ありますかね。どうですか、どういうふうにお見通しを持っておられますか。
○政府委員(高木玄君) これは、遺骨収集につきましては、私どもは、少なくとも主要戦域におきまして風雨にさらされたままの状況になっている遺骨というものをできるだけすみやかに収骨したいと、こういう気持ちを持っておるわけであります。したがいまして、先ほど申しましたように、従前の遺骨収集の規模は、予算としましては一千万のオーダーでございましたが、四十八年度におきましては二億のオーダーの予算を組んで、従前に比べれば、純然たる遺骨収集の経費は、四十八年度予算は前年度の十六倍をこえております。で、そういった意味合いから言いますと、これで完ぺきなものとは申し上げかねますが、従来にも増して徹底的にやりたいと、こういうことで進めていきたいと、かように考えております。
○宮之原貞光君 明確な見通しというものをお持ちでないままに非常に意欲だけが先走ってやられておるわけでありますが、その意気は、私はやっぱり意欲は買いたいと思うんです。 そこで、もう一つお尋ねいたしたいのは、先ほどのお話によりますと、百四万何がしというものが、大部分は終戦のときに多くの部隊が持ち帰ったんだと、こういうようなお話なんですが、少なくともいろんな新聞を拝見をいたしますと、それぞれのやはり地域におけるところの、戦友を中心にするところの民間の遺骨収集団というものが何回もあちこち行ってきているのは新聞で見ておるとおりでしょう。その人々で、どのくらいの、じゃ遺骨が収集されたと厚生省は計算しておられますか。
○政府委員(高木玄君) いま手元に四十五年十月現在の民間団体による海外からの遺骨収骨の数の資料がございますが、昭和四十五年十月現在で四千六百九十七柱でございますので、その後の数を考慮いたしましても数千体と言うて差しつかえないと思います。
○宮之原貞光君 四千六百九十七柱ですか。
○政府委員(高木玄君) さようでございます。
○宮之原貞光君 間違いないですね。
○政府委員(高木玄君) はい。
○宮之原貞光君 単位も間違いないですか。
○政府委員(高木玄君) 間違いございません。
○宮之原貞光君 それならお聞きいたしますが、私の手元に陳情のありました、いわゆる先ほど申し上げたところの民間人の皆さんの資料によりますと、ソロモン群島の場合でございますけれども、やはり皆さんが四十一年から四十七年までの間に約六万五千体の遺骨を収集をしたという資料をつくって持ってこられたんですよね。しかも、その間の費用というものは、一人月平均でいたしまして六十五万円ぐらいかかる。延べ四百人ぐらい行っている。そして約二億五千万前後の金を自分たちでいろいろ集めて、同じああいうところで戦ったところの戦友だから自分たちとしては行ってきたんだと、こういう資料を持ってきておるんですが、この資料は間違いですね。わずか四千六百九十七柱しか来ぬという皆さんの把握と、ソロモン群島だけでもこれだけ上がってきておるという話からしますと、これは非常にこっちのほうが誇大報告ですか、それとも皆さんのほうが過小報告ですか。
○政府委員(高木玄君) ソロモン群島方面から六万体持ち帰ったということ自体が間違いでございます。それはとうてい信じられません。
○宮之原貞光君 じゃ皆さん、ソロモンに幾らぐらいの戦没者がおるという計算ですか。
○政府委員(高木玄君) 先生にも差し上げた資料にございますように、ソロモン方面で戦没された方の数が二十四万二千名で、今日まで持ち帰りました御遺骨の数が八万七千百二十八体でございますので、差し引いて大体十六万体程度まだ数の上では向こうに、現地に残っていると、こういうことになります。
○宮之原貞光君 八万体の大部分は政府の皆さんの派遣団が持ち帰られたものだということですね。先ほどは信じられませんという話ですから、そういうことになりますね。これは残っておるわけですけれども、二十何万、八万体の大部分はですね。
○政府委員(高木玄君) このソロモン方面の部隊が復員のときに持ち帰られたのが大部分でございます、部隊が持ち帰られた。
○宮之原貞光君 そういたしますと、皆さんのお話をお聞きいたしますと、いわゆる民間人は終戦から今日までわずか四千六百九十七柱しか収集してきてないのに、これに対しましてことしは九千五百七十七万五千円という、こういう多額の援助、補助を出そうということになっている、補助金をね。これは民間人に委託する場合の予算なんでしょう。そうじゃないんですか、この補助金というのは、遺骨収集についての。
○政府委員(高木玄君) この遺骨収集はその事業の性格からいいまして、政府の責任において実施すべきものと私どもは考えております。しかし現実におきまして、従来からも民間の遺族会なり戦友会の方々がこの遺骨収集につきまして御協力いただいているのは事実でございます。そういった本来的に政府の責任で実施すべきものを全く民間の方々に全部持ち出しで、いわば手弁当でやっていただくということは事柄の性質上、それでは相すまないということで、本年度初めてでございますが、三分の二の補助金を計上いたしたわけであります。これが約九千五百万であります。これは戦友会なり遺族会なり、政府の実施いたしまする遺骨収集に御協力いただく方々にこの三分の二の補助を差し上げまして、政府の派遣団と全く同一の一つの遺骨収集団として行動していただく、こういう趣旨の経費でございます。
○宮之原貞光君 やり方はそれはいろいろありましょう。いろいろありましょうが、そうすると、九千五百七十七万五千円という大体予算の積算の基礎というのはどういうことですか。つかみですか、それとも前のあなたの答弁によると、実績が四千六百九十七柱あるのだ、したがって、この前後の協力をいただこうという形でこれを組んだのですか。そこをちょっと聞かしてもらいたい。——大体一々うしろに立つようでは困りますね、予算を組んであるのだから、出してあるのだから。
○政府委員(高木玄君) これは先ほど申しました四十八年度におきまする実施地域、先ほど申しましたような地域に政府の遺骨派遣団を出すのでありますが、そのときに政府職員のほかに、それと一つの遺骨収集団として行動をともにしていただく民間団体の方々に行っていただくということで、各方面別に申しますと、フィリピンが百人、東部ニューギニアが五十人、ソロモン諸島が五十人、マリアナ諸島が五十人、中部太平洋五十人、以上合計、ぞれそれの方面にいま申しましたような人員、民間団体の方々を派遣する、全部で三百人になりますが、それの三分の二の経費、それが九千五百万円でございます。
○宮之原貞光君 この九千五百七十七万円というのは、ことしが初めてなんでしょう、そうでしょう。
○政府委員(高木玄君) はい。
○宮之原貞光君 そうなりますと、いままでは組まなかったけれども今度組んだというそれ自体が、民間のそういう団体の皆さんが献身的にやっておられるから、やはりその労に報いながら今後は一体になってやろうというこれはあらわれじゃないのですか。それとも今度つけてぱっと出したというのは、もしあなたのさっきの話のように、この民間でのこの問題に対するところの協力というものを評価しないとすれば、こつ然としてこういう予算が出てくるということは考えられないのですね、そうでしょう。それをことし初めて出してきたということ自体は私は評価しますけれども、しかしそれならばやはり民間人のいままでの示したところのあれっていうのは、ぼくはどうしても四千六百九十七柱というものは理解できないのですが、それはほんとうに間違いないのですか、あなた。戦後二十五年の間にこれだけしか集まらないなんて常識で考えられませんよ。もしそういう基礎の上に九千五百七十七万というものを組んでおられるとすれば、きわめてずさんな組み方だと言われてもしかたないじゃないですか。
○政府委員(高木玄君) 先ほど申しました四千六百九十七柱というのは、これは四十五年十月現在の民間団体による収骨数でございます。そしてこの民間団体による収骨数は、これはそれぞれのいろいろな団体がございますが、民間団体が独自にお出かけになって集めてこられた御遺骨の数でございます。そして政府の派遣団と全く同一に行動を共にして民間団体が協力的に行かれて集めた数は、政府派遣団の集めた数のほうにこれは納めることになっております。この四千六百九十七と申しましたのは、政府派遣団と全く別個に民間団体だけで行って集めて、そして私どもにお引き渡しを願った遺骨でございます。
○宮之原貞光君 最初からそういうふうに答弁しなさい、それなら。あたかも政府の責任ですべてやったように、しかも終戦時にだいぶ持ち帰りましたといったって、現実に民間の皆さんは自分の自腹を切って、かつての戦友のためにやっているんですから、厚生大臣、こういうことでは困ると私は思うのですよ。やはりその場さえつくろっていればいいという、これはそういう団体を冒涜するもはなはだしい発言だと言わなければならないとぼくは思うのですよ。そのことを実際皆さんは——皆さんに協力してやっていることを評価しているからこそこれだけの予算を組まれたので、しょう、どうですか、大臣その点は。
○国務大臣(齋藤邦吉君) おっしゃるとおりでございまして、民間の戦友その他の方々から非常な御協力をいただいて今日に至っていると私は思います。それをいままで手弁当でやっていただいているのはお気の毒ではないか、政府と一緒に行かれた方々もありましたし、独自に行かれた方々もあったのです。しかし政府に対しそういう遺骨の収集について非常に献身的にお骨折りをいただいた、そういう実績を踏まえて、この際は国も金を出すべきじゃないか、こういうことになったと私は考えております。
○宮之原貞光君 そういう大臣の話ならこれはきわめて筋の通った話で、それは民間団体の皆さんもそういうことならなお協力しようという意欲がわいてくるのですよ。先ほどのような局長の答弁だったら——これはやはり民間の関係者は、ことし初めて予算がついただけでも非常に喜んでおるのですよ。そして何とか協力しよう、こういう意欲がわいてきているのに、いままでの協力に対して評価を非常に過小にするというのは、私は先ほども申し上げたように冒涜するもはなはだしいと思うのですよ。まあ大臣がそういうふうにとりなしてくれたからそれでいいでしょう。したがって、やはり私は今後の遺骨の収集というのは、限られたところの政府の皆さんの職員だけではこれはどうしてもできないのですから、これは少なくとも私どもの太平洋戦争の評価のしかた、あるいはいろんな問題については党の立場で違いますよ。しかしながら、やはりあの戦争で散ったところの人々に対して遺骨をみんなして迎えるということはイデオロギー以前の問題ですから、党派を越えてやはりこの問題については共通の理解を持たなければならぬ問題なんです。やはりそのままずっと埋もれさしていくという、しかもまだ残っているのが百三十万体という大きなものですから、それをみんなしてやはり一日も早く本土に持ってくるということは、これはやはり戦後が終わったということになるわけですから、そのために民間の皆さんも私は協力しておられると思うんです。そのことに対する理解というものを皆さん、当局はきちんとしておいてもらって協力してもらわなければ困るんです。したがって、ぼくはやっぱり大臣が答弁されたような立場から今後さらに四十九年以降、あるいは五十年で最終的にやりたいとおっしゃるならこの問題についてさらに民間の皆さんの協力を得られるように、今後さらにこういう補助金の問題でも予算を増額あるいはどこの地域がどれだけあるということ、現地で見守ったという人が一番知っているわけですから、したがって、やっぱり事前に調査費とか、いろんなものについても補助金を出して皆さんの収骨というものが非常に効率的にあがるような配慮というものを私は当然なさるべきだと思うんです。そういうような点から見れば今度の予算の中にそういう意味の事前調査費というものが、組まれておらないという点ではこれは今後促進するためには不十分じゃないかと思う。したがって、来年以降はそういう面についても積極的な配慮をしていただいて、これはやはり一日も早く、もし二カ年計画でやろうとするならば、その二カ年計画が達成できるような積極的な私は方向の予算措置もしてもらいたい、こういうように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) おっしゃるとおりでございまして、戦後二十八年もたってなおかつそういうふうなのが南太平洋の離島に風雨にさらされてあるということは私は日本国民として耐えがたきものがあると思います。戦争に対する批判はいま先生もおっしゃったように、これはいろいろあるにしても、同じ日本人がそういう僻遠孤島の地に雨ざらしになっているという姿、これは何としてでも一柱だけでも多く集めなければならぬと私はそう思います。それには政府派遣の方々だけで私は十分だとは思っておりません。私どもいなかに帰っていろいろそういう方々の話を聞いておりますと、あの島に行ったらあの辺がたしかなくなっているはずだということを私も聞くのです。聞くとそれをできるだけ援護局のほうに連絡をして行かれる方にあの辺の土地を見てきてくれというようなことをお願いしている例も実はあるわけでございまして、私はできるだけのことはすべきものである。それには民間の協力も得なければならぬ。そういうことでお話のとおり、こうした予算はできるだけ増額をして、来年度におきましても増額をいたしまして、それからまた必要な調査費等について組みながら一柱でも多く日本に帰っていただく、こういうふうに努力いたしたいと思います。
○宮之原貞光君 その問題については大臣の答弁を了といたしまして、来年以降積極的にやはりその面で大臣だけじゃなくて、厚生省全体ひとつ努力していただきたいと思うのです。 時間の制約もありますので、次の問題に移らしていただきたいと思いますが、いま一つの問題は、いままでの話と全然観点を変えましたところの離島の医療体制、医療管理体制の問題であります。いわゆる離島の、特に私はこの機会に離島の中でも奄美の医療管理体制の問題について若干質疑をし、また皆さん方の御協力をいただきたい、こう思うのです。これは特別措置法というのが別にありますけれども、事、医療機関の問題についてはやはり一緒に扱われておるという経緯がありますだけに、あえてこの問題について厚生省自体により一そうの関心をもって協力願いたい、こう思って質問するのです。 その一つは、離島地域の保健指導の問題、予算の一五四ページですが、これを見ますと、厚生省の主要事項調というのがある。これに離島地域保健指導費といたしまして四百七十八万何がしのずっと予算が組んでございますが、これはあれでしょうか、離振法の適用を受けるところの離島だけがこの対象になっておるのですか、どうでしょうか、まずその点だけをお伺いしたい。
○政府委員(加倉井駿一君) 御指摘の点につきましては、その離振法が主体となると思いますけれども、そのほかにも当然僻地というものがございますので、私どもは離振法にとらわれずに実施いたしたいと思っております。
○宮之原貞光君 そういたしますと、この問題についてはぜひとも、——離振法の適用はされておらない、特別立法になっていますけれども、奄美地域の問題についても、沖繩はこうして予算にも別に沖繩というのがありますわね。結局、措置法にもない、またこっちのほうも離振法の適用地が主体だなどというと、これまさに陥没しちゃうわけですね。事やはり医療の問題ですからね。それではきわめて困ると思いますので、ぜひやはりこの問題についての水準を高めていただくような積極的な措置というものをやってもらいたい。そのためにはここに出ておりますように、この移動保健婦の問題もございましょう。また、これとは性格が若干違いますけれども、保健所の設置の問題も、奄美群島には十六万も人間がおりながら、二つしかないわけです、二島しか。したがって、各島にやはりこれを設置してもらいたいという要望が非常に強いんです。そういう面について、私は積極的にこの予算の中で生かしてもらいたいと思うんですが、いかがなものでしょう。
○政府委員(加倉井駿一君) ただいま先生の御説明にございますように、奄美群島は二つの保健所しかございません。しかも、たくさんの島嶼をかかえておりまして、その医療状況等につきましては、十分私どももその対策等、困難性を感じておるわけでございますが、僻地のそういう健康指導その他の問題につきましては、このほかに過疎地域の保健婦指導事業あるいは移動保健所の経費等も組まれておりまして、そういう費用を十分組み合わせて、僻地におきます住民の健康指導等には力を入れてまいりたいと、かように考えております。ただ、御指摘のほかの島嶼にさらに保健所をつくるという問題につきましては、後ほどあるいは医務局長のほうからお話があろうかと思いますが、実は全体の包括的な医療制度のもとにおきまして、そういう問題も解決する方法もあろうかと思いますので、そこいらとの体制の関連におきまして、僻地の健康指導あるいはさらに疾病問題と結びつけまして、そういう医療体制の確立には私ども全面的に努力をいたしてまいりたいと思っております。
○宮之原貞光君 まあ私は、ここでなお保健所の拡大に努力をするというお答えをほんとうはもらいたいんですよ。しかし、どうでしょう、大臣ね、ああいう十六万も住んでおるところの五つの島なのに、二カ所しかないというのは、ちょっと不合理過ぎるんですよ、これは。したがって、その面については積極的なやはり意欲を出してもらいたいと思いますが、大臣の意欲はそういう積極性があると理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(齋藤邦吉君) こういうふうな非常に島、離島が非常に多い奄美群島がたった二カ所ということで、はたして私もほんと、私は奄美群島に行ったことがないんです、知りません。知りませんが、こういうところで二カ所だけで足りるのかどうか、私も自信はございません。そこでお答えいたしておきますが、鹿児島県のほうともよく相談をしまして、御希望の線に沿うように努力をいたします。
○宮之原貞光君 もう一つ、もう時間も来ておりますのでお尋ねしますが、いま一つの問題は、その救急医療体制の問題なんです。それだけの人間が住んでおるところに救急病院が一つもないんですよ。あすこに県立病院というのが、一番大きな都市にありますけれども、これもベッド数が少なくて、いわゆる救急病院の指定には条件がはまらないんですよ。したがって、これは県立病院ですから県が主体になるとしても、相当やはり国の積極的な補助金という問題で配慮してもらわなければ非常に困る問題で、これはいま全島をあげて救急病院をつくれという大きな声になっているんですよね。この点いかがなもんでしょうかね。ぜひとも救急病院だけは、一カ所はやはり緊急につくるように、皆さん強力な行政指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうかね。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私は、救急病院はほんとうにこれは大事な問題だと思っております。県立病院がどういうふうな仕組みになっているか私も存じませんが、やっぱり大事な救急医療をやれるように、県のほうとも相談してみます。そしてできるだけそういう方向で努力をいたします。で、そういう救急医療体制ということであれば、国もできるだけ機械、設備等について補助も出します。それからこういう施設、病院をかりにつくるとすれば、還元融資で金のめんどうも見ますから、県のほうとも打ち合わせをいたしまして御希望に沿うように努力いたします。
○宮之原貞光君 実はその救急病院と関連をいたしまして、——島が五つあるわけでございましょう。そうすると、この予算書を見ますと、船の問題があるわけですよね、経費の中に。これは、ああいう散らばった僻地では、実は小さな船だけでは、やはり天候が荒れた場合に非常に困難な場合が多くて、あたら人命を失う場合がある。ちょうど沖繩とあそこで遮断をされておったころ、そのころは沖永良部島というところに米軍の観測基地がありまして、米軍のヘリコプターで、その地域で急病人が出ますと、それで沖繩に運んでいって人命を救助したということが多々あるんです。しかし、いまはもう条件が違うわけですから、そういうような点から見れば、あの太平洋をずうっと連なっているところの島々ですから、いわゆる瀬戸内海の島をめぐるような小さな船ではどうにもできない。言うならばやっぱりヘリコプターがほしい。こういう声がきわめて強いんですよ。私は、事、人命にかかわるところの問題でございますから、この問題は相当やっぱり考えていただかなきやならぬ。しかし、残念ながらこの厚生省の予算書には、このヘリコプターの問題というものは全然ない。これが一時に無理だとすれば、いわゆる離島対策の中では、海上保安庁というのがあるわけですから、海上保安庁のヘリを活用するなり、あるいは共同で購入するということで、ヘリを購入させて、それによってやはり急病人を救って、人命を救っていくと、こういう対策が私は今後の僻地、離島におけるところの医療対策としてはきわめて重要な要素だとこう思うのですが、その点大臣いかがお考えでしょう。
○政府委員(滝沢正君) この点につきましては、確かに諸外国でもかなりヘリコプターの利用という問題が具体化しております。実態といたしましては、奄美の自衛隊がYS11を使いまして、四十五年に五名、四十六年に一名奄美大島から鹿児島鹿屋ないしは鹿児島市民病院等に運んでおります。ヘリコプターにつきましては、種子島までは可能性がございますけれども、先生のおっしゃる奄美群島には、距離並びに風等の関係で、日常的なわれわれの一般概念のヘリコプターは無理でございます。したがいまして、県立の大島病院の救急的な機能がどこまで充実できるかによって、将来やはり県立大島病院への数カ所からのヘリポートによる輸送という問題は十分検討に値する問題だとは思います。この点につきましても鹿児島県との関係が出てまいりますし、またわが国自体が救急用のヘリコプターを持っていないと。ドイツではきわめて優秀な性能のヘリコプターが開発されていることが報告されております。これもわれわれは新しい救急医療体制の、特に離島、僻地における医療確保の一環として、これは十分に検討に値する問題であり、奄美の具体的な対策につきましても、親元の県立病院の充実と相まって将来検討しなければならない問題と思います。いまの段階では鹿屋からのYS等をいざという場合には活用しているようでございます。この点についても、今後県の御希望に沿うように具体的な対策を講じていきたいと考えております。
○宮之原貞光君 これで終わりますけれども、検討に値すると、まるで評論家みたいのことを言われたのじゃあ、私は事、人命の問題ですから困ると思うのですよ。これは先ほど言った名瀬の県立病院は、やはり救急病院に指定できるような体制をあんた方すぐやってもらってね、そこへすぐ収容できるようなことを一緒に解決すればできることなんですよ。離島僻地の人間だから人命はどうだということにはならぬでしょう。これは検討に値する、今後の問題ですというような言い方では、私は事人命の問題であるだけに、これ、大臣いかがでしょう。それはいろいろな、健康保険料を上げるということも大事、あなた方何とかの重要法案だと思ってるかしれんけどね、ほんとうの、住民から見れば、こういう具体的な人命を預かるというところの問題についてですね、大臣、それをどうして救うかという問題は、これは寸刻を争うところの問題だと思うんですよ。ですから県に相談をしてとか、検討に値しますとかいうことじゃなくてね、さっそく積極的にやはり検討してもらうと、やってくれると、ここぐらいは前向きの発言いただきたいと思うんですが、いかがでしょう、大臣。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 非常に長い距離にわたっておる列島でございますから、私はそれは必要があると思います。まあ健康保険も大事でございますが、これも大事でございますから、ひとつ県を指導して、これを実現するように努力いたします。
○宮之原貞光君 じゃ大臣の、その前向きの答えに期待をいたしまして、これで質問を終わります。
○主査(矢追秀彦君) この際、分科担当委員外委員塩出啓典君から発言したい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(矢追秀彦君) 御異議ないと認め、発言を許します。塩出君。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) だいぶ時間もたちまして、厚生大臣もお疲れのようで、まことに申しわけないんですが、答弁のほうもできるだけ簡単に、イエス、ノーと、その程度の答えでいいんじゃないかと思います。 それで、きょうはいわゆる広島県大久野島において、まあ第二次世界大戦の当時毒ガスが生産をされておりまして、まあイペリットとかルイサイト、そういうまあ毒ガスが生産されておったことは御存じのとおりでありますが、その被害者等の問題についてきょうは二、三質問をしたい。 それで、まず最初に確認をしておきますが、毒ガスというのは、これは国がつくった毒ガスでございますので、したがって、その毒ガスによる被害を受けた人がいるとするならば、それは原則として国が責任を持つべきである。これはやはり前の斎藤厚生大臣、また佐藤総理もそれを認めておるわけでありますが、おそらく現在の齋藤厚生大臣も異存はないと思うのでありますが、一応確認の意味でお聞きしておきます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) そのとおりに理解いたしております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) それで、昨年、この毒ガス問題については環境庁が一応窓口になってやっていくと。いままでは実を申しますと窓口がなかったわけでありまして、地元から陳情に来ても、大蔵省へ行けば厚生省へ行け、厚生省へ行くと大蔵省へ行けと、そういうたらい回しの実情であって、これが昨年環境庁が一応窓口と、そういうことになりまして、環境庁もいろいろ今日までその毒ガスの問題について全国的な調査をやった、その結果について御報告願いたい。 それで、私も資料をいただきましたので、全部これ、時間かかりますから、特に終戦時において旧軍毒ガス弾がこれでは全国十八カ所に点在しておったと、そして海に捨てた場所は全国で八カ所であると、そういうことでございますので、この十八カ所はどこであるか、それから全国八カ所とはどこであるか。それから、終戦後においていろいろこの毒ガス弾が、たとえば漁民の人が魚をとるときに網に引っかかってけがをした、あるいはなくなったとか、あるいはそのスクラップがくず鉄屋に売られて、それを解体しているときになくなったとか、そういう人身の被害、死亡が何件、けがが何件、大体、それをちょっと御報告願いたい。
○政府委員(鷲巣英策君) まず最初に、終戦時に保有されておったと思われる十八カ所でございます。これは北海道の千歳、青森県の大湊、山形県の米沢市、千葉県の習志野市、東京都の新宿区、神奈川県横浜市、同じく神奈川県の寒川、それから平塚市、同じく神奈川県の吉積、静岡県の引佐郡、これはもう一カ所別のところにもございます、引佐郡に。それから富山県の高岡市、広島県の竹原市、広島県の江田島、山口県の大嶺、福岡県の北九州市、大分県の大分市、福岡県の志賀島と、以上の十八カ所でございます。 それから海中投棄された場所でございますが、報告によりますと八カ所は、陸奥湾、銚子沖、相模沖、浜名湖——浜名湖の分はさらに遠州灘のほうへ再投棄されました、それから大久野島周辺、土佐沖、周防灘、別府湾——別府湾は掃海いたしまして土佐沖のほうへ再投棄してございます。 それから被害者でございますが、これは各府県から、あるいは各防衛庁あるいは海上保安庁の出先機関からの報告をとりあえず集計したものでございまして、現在その内容についてはチェックを行なっておりますが、一応その集計の数字を申し上げますと、死亡なさった方は四名、それから負傷なさった方が百二十九名でございます。 それで、その内訳といたしまして、まあ大まかな内訳をつくりますと、自衛隊員とか警察官が職務遂行中に被災したケース、これが二件ございまして十九人でございます。それから、サルベージ会社等が営利事業として毒ガス弾等の引き揚げ作業を行なった際に従業員が被災したケース、これが三件で十二名。それから、廃品回収業者等の従業員が毒ガスかんを解体中に被災したケース、これが一件で二十七名。それから、掃海作業実施中に毒ガス弾等を引き揚げたことにより被災したケースが二件で十八名。それから、漁民が操業中に毒ガス弾等を引き揚げたことによって被災したケース、八件で四十三名。その他こまかい例でございますが四件ございまして、中身は解体作業を見物しておって被災したケースとか、他人から譲り受けた毒ガスかんをあけて被災したケースとか、それから、魚釣りに行って毒ガス弾とは知らずに引き揚げて被災したケース、これが一件。それから、海岸に漂着した毒ガス弾を解体して被災したケース一件で、この四件で合計で十名。以上総合計百二十九名、別に死亡四名と、こういうふうになっております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これはいろいろこの調査はまだ中間段階であって、いろいろ漏れているのがあると思うのですけれども、今後やはりどうされるのか。特に四名死亡した方、こういう人に対してはこれは私の知っている人なんかはもう泣き寝入りになっている。そういうような点について今後どう考えていくか。
○政府委員(鷲巣英策君) 現在一人一人につきましてどのような事情でこういうふうに被災したのか、また被災した病気に対してどのような措置がとられているのかという点についていま分析中でございます。たとえば、先ほど最初申し上げました自衛隊員とか警察官の場合は、当然これは公務傷害で措置はとられていると考えられますし、あるいはサルベージ会社等の場合には、これは事業者の責任という問題もあると思います。こういうふうなことで、中身を一つ一つ洗っていきまして、それで今後どういうふうにするかというのを連絡会議で検討していきたいと、こういうふうに考えております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これはいろいろそういう原因もあると思いますが、しかし、そういう毒ガスを国際法を無視して国がつくってそれによって被災を受けた。もちろん本人の不注意という問題もあるでしょうけれども、やはり根本的な考えとしては、そういう毒ガスのためになくなった人については、国としてはやはり当然何らかの補償をしていく、そういう方向にあると考えていいわけですか、窓口として環境庁ひとつ。
○政府委員(鷲巣英策君) これは国家賠償法の施行される前の措置に基づく被災でございまして、国家賠償法自体が適用にならないというのはいろんな関係者の御意見から私聞いておるのでございます。それで今後どうしていくかということにつきましては、やはり個々に内容を洗ってみてから中身を考えるということにしないといけないじゃないかと考えております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これは厚生大臣、国家賠償法が適用にならない前ということであれば適用する法律もないわけですね。それは法律は人間がつくるわけですから、ものごとの筋から言えば、当然国に責任がある場合については、何らかのやはりそういう救済策を考えるべきだ。それはもちろん分析の結果にもよりますけれども。根本的な考えとしては、やはり国が責任を持つべきだ。これは先ほど一番最初に厚生大臣にも答えていただいたわけですからね。特に環境庁が窓口ではございますが、人の健康、生命はやはり厚生省でございますので、厚生大臣としての今後の方針を、根本的な考え方、これをひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) お話のありましたように、国家賠償法の適用が受けられない事態にあるわけでございますが、やはり国としては何とかめんどうを見なければならぬ、責任を負うべきである。こういうふうな考え方に立って、それならどうすればいいんだ、これは厚生省所管でやるようになるのか、どこの所管でやるのか私わかりません。わかりませんが、幸いに環境庁が窓口でございますから、関係省が集まりまして、何とか解決するように努力すべきである、かように私考えます。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) まあひとつ、その点はきょうは総理もおりませんので、厚生大臣も田中内閣の閣僚の一人として今後責任を持ってもらいたいと思います。厚生省所管外のものであってもやはりひとつ閣僚の一員としてこれは要望しておきたいと思うのです。そこで、いわゆる毒ガス、特にイペリット、こういうものがはたして人間の健康にどういう害を及ぼすのか。これは広島大学の西本教授等の研究によりますと、非常にイペリットを吸った場合にはガンが多い。私は昨年当分科会においても——普通の人よりも四十倍呼吸器系統のガンあるいは肺ガン、ともに多い。そういうことが、いままでの患者の死因の分析からそういう学術的な研究論文を発表しているわけでございますが、厚生省として、やはり毒ガスというものがそういうガンと非常に関係があるということは認めるのかどうかですね。どういうことでしょう。
○政府委員(加倉井駿一君) ただいま毒ガスによります健康被害につきましては、急性毒性と慢性毒性の二種類がございます。現在問題になっておりますのは、当時非常に微量の毒ガスによって長期間それに接触したり吸入したりしたことによって発生いたしました慢性毒性、慢性障害であろうと思います。御指摘のように、広島大学の医学部が中心となりまして、大久野島の毒ガス傷害研究会というのが編成されておりまして、その研究結果によりますと、元従業員を調査いたしましたところ、健康診断の結果、慢性気管支炎の頻度が非常に高い。それから死亡した元従業員の半数は呼吸器系の疾患で死亡されており、特に気管支ガンの発生がほかの数字と比較いたしまして率が高い。それから消化器及び他の臓器について今後研究が必要である。そういう結果を御報告になっております。したがって、この数字から、数字を拝見いたしますと、確かに毒ガスが健康に影響を及ぼしているのではないかというふうに考えられますので、引き続きこの研究会等の発表に対しまして、私どもは十分注目をしていかなければならない、かように考えております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これは、西本先生外三名の研究によりますと、アメリカやイギリスにおいても、これは第一次大戦においてイペリットに曝露された連合軍兵士のうち、その後気道ガンが多発するということが、イギリスにおいても、またアメリカにおいても、こういう論文が発表されておるわけですね。これはまあ一時的にぱっとですね。しかし、大久野島の場合は非常に長期間にわたって、そうしてまあ累積されてくると、そういうような場合は、これは世界でもこの場合しか研究発表がないと、このように言っておるわけでありますが、非常にだからしたがって、肺ガンで死ぬ数というものが非常に高い。そういうわけで、一般の死因に比べれば約四十倍ですね。そういう結果が、これはそういう死因についての分析の結果から、そういうことが出ているわけであります。これはだから、まあ厚生省としてもまだこまかくは見てないけれども、まあ間違いないと、そう認めたと考えていいわけですね。
○政府委員(加倉井駿一君) 数字の統計的な処理とということは、まだ十分検討いたしておりませんけれども、少なくともこの発表の結果につきましては正しいと考えております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) その点は昨年より一歩前進して非常に私もよろしいと思います。 それで、次に、まあこれは環境庁にお伺いいたしますが、毒ガスの被害を受けた人の中には、そういう工場で働いておったいわゆる従業員、それからまあ実際に従業員でなしに、いわゆる学徒動員、あるいは女子挺身隊員、そういうような人たちもやはり大久野島に勤務しておったわけですが、またそういう点がどうなっているのか。それともう一つは、旧陸軍あるいは旧海軍等におきまして毒ガスの研究をやっておった。これはまあ先ほど環境庁がお話しになりましたように、終戦時においてもすでに全国十八カ所に毒ガスが保管されておって、まあ習志野というようなところ等においては、陸軍の毒ガス兵、そういう特別な任務を帯びた兵隊がおりまして、そういう人がいわゆる毒ガスのにおいをかぎ分けたり、そういうような訓練をしているわけであります。そういう人が当然やはりイペリット等を吸って、そのためにやはり被害を受けていると、そういうような場合も当然考えられるわけでありますが、そういう点についてはどういう調査の結果になっているかですね。
○政府委員(鷲巣英策君) 今回行ないました調査は、戦後における被災状況ということでしぼって調査を行ないましたので、戦時中に勤務なさっている方の被害の内容については調査いたしておりません。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これはどうなんですか、たとえば学徒動員とか、それから女子挺身隊員、そういうような人は全然いま放任をされている。そういうことで私は、昨年の分科会においても、それに対する救済の必要を、同じやはり島に行っておったわけですから、そこに正式な工員としてつとめている人はいわゆる大蔵省の旧令共済によって救済をされておる、ところが、同じ島で働きながら、しかも月給ももらわないでただ働きをしておる、そういう学徒等がやはり放任されておる、この点を私は強く要望したわけですけれども、それに対して調査もしてない。その調査は厚生省がやってくれるのですか、どうなっているのですか。それはもう放任するのですか。
○政府委員(高木玄君) 大久野島に昭和十九年十月以降相当数の学徒が、いわゆる学徒勤労令に基づく動員学徒として大久野島に入ったのは事実でございます。で、どの程度の数が入って、あとどういう学校の生徒が入ったかということは、私どもいま調査しております。そこで従来私どもは、動員学徒でございますので、私どもの所管しておりまする遺族援護法、この法律によりますと、動員学徒は準軍属として処遇いたしております。したがいまして、もし、これらの方々が動員学徒としての業務に従事中に障害にかかったと、あるいはそれがもとでなくなったという場合には、遺族援護法によりまして、障害年金なり遺族給与金というものが出る道が開かれているわけでございます。ただ従来、この動員学徒の方々が大久野島に入った時点が昭和十九年の十月一日以降でございますが、その時点、つまり昭和十九年の七月に毒ガス製造が大久野島ではもう中止されていた。それから何ぶん、国民学校の生徒も含めた年齢の低い学生たちでございましたので、私どもが調査した限りにおいては危険な作業にさせないように、極力配意しておったという忠海の製造所側の管理者のそういった配慮は十分あったろうと思うのであります。この方々が、はたして毒ガスによって何らかの障害を受けたかどうか、こういった点はいままで実はわからなかったと、おそらくそういうことはなかったろうというふうに思われてきたわけであります。ところが、昨年の暮れになりまして、もと動員学徒であった方々から、七名の方から私どものほうに県を通じまして、障害年金の支給申請が出ております。したがいまして、現在私どもはその申請につきまして、せっかく慎重に検討中でございますので、いずれその結論を早急に出すように努力いたしたいと思っております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) 一つは、毒ガスはつくってなかった。確かに学徒動員が大久野島に行ったときには、毒ガスは製造はしていなかったと思うんです。その前に製造をやめておる。しかしまあ毒ガスが島にあったことは事実でしょう。そして学徒動員がそういう毒ガスをいろいろ動かす作業、そういうことに従事した、そういうことも事実であります。そういう点がまず一つ問題だと思うのですね。それともう一つは、やはりその大久野島で働いておる、いわゆる工員、正式な工員、共済組合へ入っている人、そういう人たちは、たとえ学徒動員よりも短期間工場につとめた人であっても、これはやはり旧令共済によって、いわゆる健康管理手張というものが渡されて、そして健康管理というものをしょっちゅうやって、そうしてそういう気管支の病気とかになった場合には、これは国で見ると、そういうようになっているわけですね。そこで、学徒とそういう一般の工員というものは、同じそういう職場で働きながら、一方は給料もらっている、こちらはただ働きで行っていると、そこに、共済組合に入っているか入っていないかという違いだけで、そういうやはり差が出てくるという、そこにやはり大きな問題があるわけですね。これはものの道理から考えてもそうなんです。だからそういう点で、やはりその問題について、やはり私は厚生省としては同じように扱っていかなきゃいかぬと、そのことを申し上げたいんですけれどもね。いま援護法でやると言う。援護法でできるんならば、これはもういわゆる工員の人だって全部これは援護法に適用できるわけですからね、それで全部救えばいい。ところがやっぱり援護法の趣旨から言いますと、毒ガスのように、戦争で手が折れた、手がなくなったとか、そういうようなものははっきりとした因果関係がわかりますけれども、毒ガスの場合というのは、いわゆるたとえば肺ガンになったといっても、これはたばこでも肺ガンになる人もおるわけですからね。そこで実際に戦争の時代との因果関係ということになってくると、とてもこれは援護法では救済できない。しかし毒ガスは国がつくった責任があるということで、いわゆる旧令共済による救済ができたんです。それをいまさら学徒動員に対して援護法でやるなんということは、結局何もやらないと同じことなんですね。そういう点どうなんですか。
○政府委員(高木玄君) 確かに先生おっしゃるように昨年の暮れに七件援護法による障害年金の請求事案が出てまいったわけでございますが、何ぶん戦後もう二十七、八年たっているわけでございますので、それがはたして二十七、八年前動員学徒として大久野島に働いていたことに起因する障害であるかどうか、これの認定が非常に実はむずかしいわけでございます。そういった意味合いにおきまして、現在慎重にそれらを検討しているという段階でございます。 現在、動員学徒であった方々につきましては確かに旧令共済のような健康管理は行なっておりませんが、広島県の衛生部のほうで予算措置を講じまして、広島大学の医学部の西本教授だと思いますが、に委託をして年一回の健康診断を行なっているというふうに私ども聞いておりますので、そのデータは県のほうに照会して私どもとしていただいておると、こういう状況でございます。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これは今年度から県が——厚生大臣、これは本来国がやるべきことですよね。けれども、結局国が何もやらないものですから、今年度から県が予算を組んで、そういう学徒動員の健康診断、そしてそういう特に気管支とかそういうような特定の疾患についての医療費は県が負担する、そうなっているわけなんですよ。それは私はやはり県は一歩前進している、それだけ患者の声をよく知っていますからね。国がやるべきじゃないですか。ということは、東京にもやっぱりそういう人がいるんですよ。あの愛媛県にもそういう患者がいるのです。やっぱりそれは本来から言うならば、国がやるべきことが筋じゃないか。国がやらないから県がしかたなしにやっているんですよ。それをいかにも県がやっているからいいじゃないかなんて、とんでもない、それは。こういうのは別にたいした金のかかる問題でもないですからね、これは特に厚生省熱意を持ってやってもらいたいと思うんですよ。厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題は、実は援護局長から先ほどお答え申し上げましたように、援護法の適用適用というようなことばかりでこれは言われてきておったんですね、実は。率直に言うてね。これはしかし、この学生さん方は学徒動員で来ている学生であり、なるほど毒ガスの生産には従事していなかったかもしれぬけれども、そこで何かしらそれに関連した仕事はしておったんでしょう。そういうことであってみれば、これはただ援護法で解決すべきものなのか、あるいは別な形で、まあこの障害年金の申請が出ておりましても、はたしてそのとおりになるかどうか私もこれはわかりません。そうなってみると、やっぱり何かしら国の立場において考える必要があるような感じが私いたしますね、承っておりまして。だから、これは具体的にどうしたらいいか私もいますぐ名案も浮かびませんが、いままで援護法援護法できておったためにそういう配慮が私も十分でなかったのかなという感じもいたしますので、別な角度でこの問題をどう処理したらいいか、ひとつ私も研究さしていただきたいと思います。いますぐこうだああだという名案も浮かびませんから、ひとつもうしばらく大久野島の問題については、関係各省の連絡会議もできておりますから、そういうところで十分相談をして、どうすればいいのか研究さしていただきたいと思います。前向きにひとつ検討いたします。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) これは「炎の島」という、動員学徒が、自分がつとめたときの状況がどうなのかということを一冊にまとめたわけですけれども、これは厚生省にも行っていると思うんですけれども、援護局長、これ見られましたですか。
○政府委員(高木玄君) 送っていただきました。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) 読んでいただきましたか。これは厚生大臣に預けておきますから……。
○国務大臣(齋藤邦吉君) じゃ、預かって……。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) それで、これはまあいろいろ本を読んでいただければ、こういうことを書いているのですよ。これは一緒に行った元県立忠海中学校の教諭の段安さんという先生は、「私も生徒と行動をともにし屋外で下級生の監督として雑務作業に従事していたが、工場から出る黄色の悪臭のする煙を吸入すると、ノドが痛くなったり、頭痛がしたのでこれは毒ガスが含有しているのではないかと疑問視し、島全体の松の木を見ると、悪臭のする黄色の煙が松の木にふれる処は枯死してゆくのに驚いた。」とか。 それから、こういうところもあるんです。これは時間がありませんので、読んでいただいてもいいけれども、おそらく厚生大臣も忙しいから、持って帰って読むひまもないだろうから、たとえば、これは久保谷という女子挺身隊の人ですけれども、「島は島全体が異様な臭いがし、雨が降れば黄色や乳白色の汁が雨水に混って流れていました。「絶対はだしで歩いてはいけない、水泡が出来るから」と厳重な注意でした。各自与えられた防毒マスクのかぶり方の訓練もしました。」そういうように防毒マスクもやはりかぶって訓練しているわけですね。そして、この毒ガスのドラムかんを運んで次の島へ送った。そういうようなのを各人が書いているわけですね。 中には、「工員さんが仕事をしているへやに小鳥を室に入れその小鳥がたおれる前にへやを飛び出さないと生命が危険なのだと聞いたことだ。あの頃はこうした危険な場所には立入禁止の標識すらなかった。」これは松本さんという人が書いているわけですね。 そういうことで、この当時確かに毒ガスはつくってなかったかもしれませんけれども、まあ、その当時の人の話を聞くと、島全体が現在の公害どころではない、そういう粉じんが一ぱいあり、そして毒ガスの漂っているような中で言っているわけですから、そういう点で私は——毒ガスはつくってなかったから、あるいは危険な作業はしてなかったんだと、これは前の所長がそう言っているわけなんですよ。ということは、毒ガスをつくったということは国際法の違反になりますからね。そういう自分の身を守るためにそう言っているんじゃないかといって、みんなおこっているわけですから、そういうことばを信じて、そういうことでは話にならぬわけであります。援護局長もひとっこれをしっかり読んでくださいよ。私も全部読んだんですからね。それはあなたのつとめだと思いますよ。そうして、ひとつ厚生大臣、いまあなたは検討すると言われましたけれども、実を言うと、この前の斎藤厚生大臣もそう言ったんですよ。それで結局一年たっても何も進まない。それで、厚生大臣は名前は齋藤でも別な齋藤になっているし、援護局長もかわっている。また来年の分科会に出ると、また別な齋藤というか何か知りませんけれども、厚生大臣があらわれてきてまた同じことを言う。これじゃやっぱりわれわれもほんとに腹がたちますよ。そういうことで、まあ厚生大臣がいつまで厚生大臣であるか知りませんけれども、そう長いことじゃなしに、少なくともやはり厚生大臣の在任中に結論を出してもらいたいと思うのですよ。だめならだめとはっきり言ってもらえばいいんです。そうすれば、彼らはやはり裁判なりして戦う。そういうような動きも一部にあるわけだ。そういう点で、ひとつそれをしっかりもう結論を出してもらいたい。このことを要望しておきます。 それから、旧軍人が、先ほど申しましたように、そういう毒ガスの影響を受けている。そういうような事例は調査しましたか、厚生省は。
○政府委員(高木玄君) 毒ガスの訓練をした部隊といったようなものは、先ほど先生が申されましたように、陸軍の習志野学校とか、あるいは陸軍の技術研究所、こういったようなところで毒ガスの訓練なり研究等が行なわれておったようでありますが、元軍人であった者の毒ガスによる被害、これがどうなっているかということでございますが、そういうお尋ねがあるというのでちょっと調べてみたんでございますが、恩給局のほうに照会いたしましたら、この毒ガス被害による恩給の請求がいままでに十件あったというお返事をいただきました。ただし、それのうち、どの程度が恩給受給しているか、これはちょっとまだそこまで聞いておりませんが、十件恩給の請求があったというふうに聞いております。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) それで、先ほど申しましたように、イペリットを吸収すればガンになる可能性が、肺ガンになる可能性が普通の人より四十倍高いわけですよ。ところが、肺ガンというのは、これは世間には毒ガスと関係ない肺ガンもあるわけですね。そこに非常に判定がむずかしいわけでありますが、これは「檜公明」——「マサハル」というのは、「公明党」の「公明」と書いて「マサハル」——別に公明党員ではない、別なんですが、たまたま名前が「公明」ですが、その人はこれは四十九歳の方なんです。なくなっちゃったんですけれどもね。その人は北海道の北見市で法政大学から学徒動員で入隊をして、中野学校で教育を受けて、そうしてまあガス兵として戦争に行ったわけですね。戦争に行ったといってもこれは国内でございますが、習志野等におきましていろいろそういう毒ガスの訓練を受けたわけですね。そのときにマスクの着用が非常に悪かったために毒ガスを吸って鼻の感覚がなくなったわけなんですよ。そうしてそれからずうっと長い間たって、そして去年愛媛県の松山のがんセンターに肺ガンで入院しておった。そうしてもう医者からはガンだと宣告をされたわけでありますが、その当時たまたま広島大学の西本先生がやっぱり毒ガスを吸った人は普通の人よりも四十倍ぐらい呼吸器系統のガンで死ぬ場合が多いと、そういう新聞を読んで、そうして西本先生のところに手紙が来たわけですね。それでこれは松山のがんセンターで粟津という教授が主治医だったわけでありますが、西本先生も一度そこへ行くというつもりでまあ準備をしておったところが、昨年の六月十四日にその人はなくなっちゃったわけなんですよ。そういうやはり事例があるわけですね。こういう例はこれだけではない。西本先生のいまの調査によりますと、旧海軍の横須賀航空技術廠木更津第二海軍航空技術廠の関係者の小川賢二という人もこれはイペリットガスの研究をしていた人で、やっぱり同じように呼吸器系統のガンで昭和三十年になくなっておるわけですね。だから私は、やはりそういう肺ガンでなくなった、そういうのは、そこに毒ガスとの因果関係というのはなかなか普通の人は気がつかないわけですね。しかし私はこういうような例が非常に多いのじゃないか、そういうわけで厚生省としても調査をすべきじゃないか、それが一点。それからもう一つは、この檜公明のような場合ですね、これはいわゆる軍人恩給法ですか、そういうようなのに該当するのかどうかですね、その二点をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(高木玄君) それが毒ガスに起因したものが明らかであれば、明らかにこれは恩給法によって、なくなったならばこの公務扶助料の対象になると思います。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) もう一つの調査はどうですか、調査しませんか——確かに肺ガンで死んだ、はたして毒ガスと関係があるかということは、これは証明のしようがないんですよ。公害病と同じですよ。公害病だってぜんそくになった、しかしどの企業の煙突かということはわからないわけでしょう。結局わからないわけですよ。しかし現在公害病の患者においてすらそれはどこの煙突の煙かわからぬけれども、やはりぜんそくになれば疑わしきは救済をするというのが国の姿勢でなければならぬと思うのですね。それを厚生省はともかく一プラス一みたいにきちっと証明ができなければできない、これが援護法であり、軍人恩給法ですよ。これでは毒ガスの人は絶対救われないわけですね。そういう点から言っても、学校動員だって援護法なんかで救われるわけは絶対にない。そういう点で私は、奥さんもほんとうに四十九歳で、この人はほんとうに元気で、愛媛県の新田高校で剣道の試合までやっていた人なんです。それが突然肺ガンになって死んだ、ほんとうに奥さんは一生懸命働いて苦労しているわけですけれども、厚生省としては私はこの人のいろいろ解剖の結果いまの粟津先生が死んで解剖して持っていますから、例が一つしかないということではっきり決断は下せぬわけですけれども、公害病ですらぜんそくというものは救済していこうという時代になっているのですから、ましてや国が原因である毒ガスについては援護法あるいは軍人恩給法のような基準を一歩前進さして、幅広く、疑わしいものは救済できると、そのようにやはり前進をすべきだと。厚生大臣、こういう方向で検討する用意はございますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) お尋ねの点につきましては、十分調査をいたします。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) それで、ひとつ全国的に、そういう元のガス兵——大体、元陸軍の兵隊の二〇%が特業といって、いろいろ特殊な業の兵隊で、その中にガス兵とかいろいろあった。私の調査ではそう言われている。だからガス兵もかなりいるんです。ほかにも何人かわれわれのところにそういう申し出も出ておりますけれども、そういうガス兵であった人がだれであったかということは厚生省でもわかるんですから、やっぱりそういう人の行くえも追跡をして、そういう問題にはひとつ前向きに取り組んでもらいたい。この点、厚生大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 十分調査いたします。
○分科担当委員外委員(塩出啓典君) じゃあ、もう時間がまいりましたので二点だけ。 大蔵省の、現在の旧令共済による対策をしておりますが、これがやはりPRが非常に不十分である。共済組合でやっておりますからね。やはり市町村等を通して積極的にPRをして、そういう患者をもっと救済すべきだ、積極的にですね。そして適用の病名等も非常にもっと拡大すべきである。呼吸器だけに限っているわけですけれども、いわゆる消化器等にもかなり影響があるわけですね。そういうような点、これを大蔵省に今後の方針を聞いておきます。 それともう一つ、これは厚生大臣に、これはもうこの一点だけで終わりますが、原爆問題について、きょうは時間もございませんので、これ一点だけお聞きしておきますが、原爆の資料ですね。広島、長崎にはそういう原爆の資料館があるわけでありますが、現在、広島の地元の市会等においては、この原爆のおそろしさを全世界の人々にPRするためには、原爆資料館というのを国連にも一部移管すべきであると。私は、このことは非常に必要なんじゃないかと思うんですが、厚生大臣として、世界でただ一つの被爆国日本の姿を二度と再び世界に繰り返さないように、国連にそういう資料館をつくって全世界の人にその悲惨さを知ってもらう、そういう前向きに検討する気持ちがあるかどうか、これをお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 原爆の悲惨な資料、これは人類の歴史の上において私は貴重なものだと思います。こういうことは二度とあってはならぬことであり、その意味において国連の標榜する平和というものと結びつくことは私もさように考えます。しかし、これは相手のあることでもありますし、国連は、御承知のように、国連というものの仕事の広報はやりますが、こういうふうなことについてどういうふうにやっているのか私も存じませんから、国連がどういうふうなことをやっているのか、そういうふうなものと十分にらみ合わせながら考えてみることにいたします。
○説明員(鈴木吉之君) お尋ねございましたPRの点につきましては、主として旧陸軍の共済組合員であった方々の中でガスによる障害を受けた方の大部分が広島県という関係もございまして、広島県を中心にいたしまして、県の担当部課を通じ市町村等にお願い申し上げまして機会あるごとに従来からPRにはつとめてまいっておるわけでございますが、なお、広島県以外につきましても、今後引き続きPR・周知徹底につきましては努力をしてまいりたいというふうに思っております。 第二点の、疾病の範囲の問題につきましては、先生十分御存じのとおり、現在、直接、ガスに起因する疾病あるいはこの症状を悪化させるおそれのある疾病につきまして、その範囲を定めておるわけでございますが、この範囲は、当初、医学的な立場から十分検討してきめられたものではございますけれども、なお、実情を十分調査するとともに、医学的な専門家の意見も現在徴しておるところでございますので、その結果に基づきまして十分に検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○主査(矢追秀彦君) 以上をもちまして、厚生省所管に関する質疑は終了いたしました。 次回の分科会は、七日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後八時五分散会