予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 348 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○主査(森中守義君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨五日、中村波男君及び向井長年君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君及び栗林卓司君がそれぞれ選任されました。 また、本日梶木又三君、杉原一雄君及び黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として古賀雷四郎君、小柳勇君及び田代富士男君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○主査(森中守義君) 昭和四十八年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。 慣例では、まず政府側から説明を求める順序でありますが、これを省略して、お手元に配付してある資料をごらん願うこととし、その説明資料は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう取りはからいます。 —————————————
○主査(森中守義君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。 本日、昭和四十八年度総予算中、運輸省所管の審査のため、日本航空株式会社社長朝田静夫君及び日本鉄道建設公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(森中守義君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(森中守義君) これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○吉田忠三郎君 私は、与えられた時間、若干運輸省の行政のあり方について、一つはバスの問題、一つは貨物自動車の関係、さらにはハイ・タクの関係等々、大臣並びに関係の政府説明員にお尋ねいたします。 第一のバスの問題でございますが、運輸省の通達行政とでも申しましょうか、通達の扱い方の問題ですね。これをひとつ自動車局長でけっこうですがね。私は昭和四十年の三月三十日にこの問題を運輸委員会でとらえて、当時の運輸大臣は松浦周太郎さん、以下政府説明員が列席しておったわけです。当時の自動車局長は坪井さんですよ。それから、さらにその年の十一月にも私は運輸委員会で質問しておるのですが、時間がありませんから、ここに会議録を持ってきておりますが、読み上げませんが、そのときに、当時はバスのワンマンカー、これはたいへんな社会問題になりまして、この扱いを運輸省として、行政として、統一的に行政指導をしなければならぬということが問題になって、いま申し上げたように、二回の委員会にわたって私は質問をしたわけです。当時かなりりっぱな答弁をなさったし、それが基礎になりまして、つまり経営者の、あるいは利用される国民のサイドからみても、あるいは働く労働者のサイドからみても、りっぱなものができた。それぞれ地方地域の実情に合うようにして、各陸運局でそれをさらに協議してつくり上げたものがある。 私は北海道ですから北海道のことを申し上げるのでありますが、北海道ではそれらを踏まえて、昭和四十一年八月二十四日に札幌陸運局は当時の自動車運送協議会に諮問をして、一年間という長期にわたり、それぞれ学識経験者、あるいは労働関係者、ないしは使用者等々が真剣に協議をされて、一つの答申が出ております。自来歴代局長はその答申に従って行政を行なってきて、何ら問題がなかった。何一つ問題がなかった。ところが、去年運輸省はかってに一片の過去の通達を全部廃止する通達を出しておりますな、局長。その結果いまどういう問題が起きているかということをあなた把握しておりますか。どう考えますかね、こういうことを。
○政府委員(小林正興君) バスのワンマン化につきましては、ただいま吉田先生御指摘のとおり、昭和四十年ごろからこの問題が関係者で問題になってきたわけでございます。このワンマン化の必要性はいまさら申し上げるまでもございませんが、バス経営の状況が三十年代の後半から非常に悪化してまいりました。その一つの原因はバスに対する需要が、特に過疎地域において需要が減少してきたということ、あるいは人件費その他コストアップが続いてきておること、また運賃も比較的低位に抑制してきている、こういったことを反映いたしまして、バス経営の現状は悪化の状況をたどっておるわけでございます。そういった段階で現在のバスにおける最大の問題点は経営難からくるところのバス路線の廃止ということが一つ大きな問題になっております。この点については、国といたしましても、昭和四十一年から補助制度を設けまして、それを逐次強化いたしまして今日に及んでおるわけでございますが、もう一つのバス経営の問題におきましては、車掌の確保ということが年々きつくなってまいりまして、国の助成という問題と離れて別個の問題としてそういった点からバス路線の休止または廃止というような問題が起きておるわけでございます。 こういった状況に対応いたしまして、バスのワスマン化ということは必要かつやむを得ない施策だということで今日までやってきておるわけでございます。先ほど先生御指摘の昭和四十年ごろの状況はまさにその初期のはしりの段階でございまして、このワンマン化をいたす場合にいろいろ労働条件等に変更を来たすようなことが当然考えられる。したがってこういう問題につきましては、労働時間、ハンドル時間の問題、あるいはワンマン手当の問題等労使間で協議いたさなきゃならぬ問題が多々あるというようなことで、その後各地域地域におきまして、具体的にこのワンマン化の問題について関係者で協議を進めつつ今日に至ってきておるわけでございます。その結果、昭和四十年ごろには全国のバス業者のうちワンマン化いたしておりますのはごくわずかでございます。比率といたしましては、車両数で八・七%、それから系統数で五%という程度であったのであります。それが今日では昭和四十七年の段階ではワンマン化は漸次強化されまして、事業者におきましては七六%、それから車両数で六六%、こういうような非常にもう五割を越す、ワンマン化がむしろ例外でなくて、相当普及してまいっておるわけでございます。 で、先ほど御指摘のありました、昨年三月十五日に本省から通達を出しましたのは、それぞれ各地におきまして、このワンマン化というものを推進してきておるわけでございますが、その間におきまして、どういう指定をしたらいいか、その基準についてもう少し明確にしないと、局相互間のアンバランスの問題もあるのではないか、また申請手続等も簡素化といいますか、円滑に申請ができるような方途も講じなければならぬじゃないかというような問題がございまして、指定基準というものを見直したわけでございます。その内容につきましては特に目新しいことはございませんが、根本的に考えておりますのはやはり安全の問題でございます。この安全の点から許容される限度内においては、ワンマンバスの指定はやっていきたいと、またその手続については、従来どおり労使間でよく話し合いをしてまたやっていきたいということでございまして、全国的に一つの統一基準を示したということでございます。
○吉田忠三郎君 局長、長々答弁されてもらうと困るんだ。ここは持ち時間がありますからな。ぼくが簡単に言ってきみがべらべら長く言ったって、それは時間が消費されるから、ぼくの時間がね。ですからぼくは簡単に聞いているのだから、きみのほうでも簡単に答えてもらわないとぼくの持ち時間がなくなる。いいですか。 ぼくの聞いているのは、当時は問題のはしりだ、こういうことを言っているのだ、昭和四十年はね。このごろははしりじゃないですよ。これは交通安全の面から見てたいへん重要な段階に来たということで、ワンマンの基準をやろうじゃないかということで議論した。当初から、したがって通達を出し、各陸運局はそれを踏まえて、それぞれの自動車運送協議会に諮問をして、その地域地域に合ったワンマンに対する対策の一つの基準をつくったものなんだ。歴代の局長がそれをやってきて問題のないのに、それを今度北海道——一片のきみたちの通達によって陸運局長はどこにもはからないでそれを出して、いま混乱を起こしている。一体実態を知っているかということを聞いているのだ、ぼくは。
○政府委員(小林正興君) この昨年三月十五日にに通達を出した以後、各陸運局でそれぞれワンマン化の指定をやっておると思いますが、その間において混乱を生じているというようなことについては承知いたしておりません。
○吉田忠三郎君 承知していなければよくぼくのほうから教えてやる。きみのほうの通達を、札幌陸運局長はそのまま焼き直して各陸運事務所にさらに依命通達した。その結果どういうことが起きているかというと、一つには、いまこれまた法改正によって自運協が陸上交通審議会ということに変わっていますね、これに一ぺんもはかっていないのです。はからないで局長が勝手にやった。これが独善的だということが一つ。もう一つは働くほうの側から、ちょっときみもきょう触れたけれども、いわゆる申請する場合は手続を緩和したい。その意味はどういうことかというと、つまり労働者側の同意書がなければワンマンにしちゃいけないという、ワンマンを許可していけないと、こういうことが四十年当時から国会で議論されて、そうしてこれが北海道の場合は自運協というところで一年間審議した結果そういう通達になっていますね。基準ができて、それをまあ七、八年ないし十年くらいたったということで、諸般の客観的な事情が変わったからといって、一片の通達で、しかも形は変わったけれども、陸上交通審議会というのがあるのですが、それに何らはからないでやったところにたいへん問題が起きている。そんなものは把握していません。われわれが出した通達、それでけっこうだなんて、あなた、そんなものじゃないですよ。
○政府委員(小林正興君) 私が申し上げましたのは、混乱については承知いたしておりませんが、ただいま先生御指摘の地方陸上交通審議会にかけないで札幌陸運局が昨年の五月三十日に新しいワンマン指定基準を出したということについては報告を聞いております。その内容につきましては、従前の自動車運送協議会の答申の内容をおおむね踏襲いたしておるというふうに私どもは判断いたしております。で、自動車運送協議会にかけなかった理由といたしましては、内容的にも従前の基準を踏襲しておるということ、それからもう一つは、自動車運送協議会の当時は、先生御承知のとおりに、各陸運局におきまして自動車行政の非常に具体的なこまかい問題、たとえば各地域におけるハイヤー、タクシーの車両数を策定するとかそういうような問題について各陸運局において自動車運送協議会が開かれておったわけでございます。最近の陸運行政の中心が非常に総合的な鉄道も含めたあるいはバス、ハイヤー、タクシー、トラック、全体の輸送機関の総合的な問題が非常に多くなってまいりましたので、一般政策的なことを中心にいたす地方陸上交通審議会というようなものに改組いたしたわけでございます。そういった点から特に地方陸上交通審議会にかけなかったと、こういった点については各陸運局共通でございまして、私どもといたしましても実態的に内容を大幅に変えるというようなことは考えていないわけです。
○吉田忠三郎君 局長、あなたの答弁わかりましたが、実態は局はそういうことをやっていない。しかも昭和四十一年八月二十四日に札幌陸運局に当時の自運協が答申したものについては事業者側の「伊藤琢磨」・「柴野安三郎」・「岩本政一」各委員も卒先して「労使間の事も十分かんあんされたすばらしい内容である。この答申の精神を生かして公正妥当な行政に遺憾なきを期せられたい」という意見をつけて、そういうりっぱな答申で。自来それをやってきて問題なかった。ところが一片の通達によっていままでの陸運局長はそれをそのまま各陸運事務所に流した。ですから、この答申を無視されたということが一つ。無視された。こういった行政責任をだれがとるんですか。私はそういうことをかりにやらなければならぬ客観事情の変わったとするならば、自運協というものは今度は陸上交通審議会というものに変わったわけでしょう。前の答申があるんですから、あなた方の通達がきてそれを踏まえて自運協になぜかけなかったということを私は言いたい。問題はここにあるんですよ、問題は。 〔主査退席、副主査着席〕
○政府委員(小林正興君) 自運協から地方陸上交通審議会に変わった点については先ほど申し上げたとおりでございまして、内容において先生御指摘のとおり、従来の御答申の線については十分これを尊重して、そうしまして内容的にも北海道にふさわしいような基準については、特殊事情については全部新しい基準にも札幌陸運局としては盛り込んでおると、こういうふうに見ております。
○吉田忠三郎君 そういうことだから運輸行政というのは国民から信頼されないんですよ。みずから当時の国会論議、国会の決議等々を踏まえて通達を出して、その通達に基づいてそれぞれ地方が協議会を開いて答申を出して、いま申し上げたように業者側のほうからもりっぱなものだから尊重しなさいと、意見についてはすばらしいものなんだよ。次の通達がきたら、それは一片の紙切れのごとく何ら相談なく独善的にやったわけですよ。あなた、そういう内容をそうでないと理解しているということは、ちょっとあなたに申し上げますが、大臣こういうことがある、こういうことが。 札幌陸運局は今度新たな通達を出すにあたって、いま局長が答えたようなもんじゃないですよ。こういう点を指摘されたら、本省の意向があるので、第一義的に業者にこの関係をゆだねる、いわゆるバスですからバス協会ですよ。バス協会の技術委員会、事故防止委員会等に検討を要請さしたものだ、そこで検討したものをそのまま陸運局は採用いたしましたということであなたの局長は言っているんですよ。こんなばかげた運輸行政ありますか、大臣。自運協で出した、いわゆる諮問されたときの答申というものは業者、学識経験者、労働者、三者構成によって諮問されたものなんです。当時その諮問して答申したわけでしょう。今度それをなくするときに一片の通達で、業者に諮問したなんて、こんなばかな行政ありますか、どうですか、大臣。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 吉田先生の問題にしておられる具体的なことは、実はよく承知しておりませんが、いまの質疑応答を聞いておりまして、吉田先生の言われるのは原則論としてごもっともだと思います。ですから、これはわれわれのほうでも今後いろんな行政指導をやったり、通達をして、関係の人たちにこういう方針でいきたいというようなことを示す場合に、よく関係の人たちの意見を徴しまして、そして調整を十分しました上で実行をするようにしたいと思います。 あなたのほうがお詳しいと思いますが、自動車行政というのは非常にどんどん発展して変わっていくわけです。多様化していくわけですね。ですから、法律や規則がどうしてもこれは追いつかない。したがってそういう行政指導とか、あるいは通達によってまかなっていかなきゃならぬ部分がある時期には相当ふえていくということは、これはやむを得ないかと思うんです。そういうのでありますから、これはやっぱり精神としては法律の精神に従ってやるんでしょうが、それを実行する場合にこういう方法でやりたいという行政指導をする場合に、これはやっぱり関係の人たちの意見も十分取り入れてやるのが至当だと思いますから、いろいろいま御指摘になりましたような点は、今後自動車行政の上に十分これはあなたの御意見も尊重して処理をするように指導をしていきたいと思います。そういうことで、私は具体的なことは知りませんけれども、今後の方向としてはそういう方向でやりたいと思いますから、御了承をいただきたいと思います。
○吉田忠三郎君 大臣、せっかくの答弁ですから、これ以上私申し上げる気はありませんよ。ありませんが、私は通達を出したのはいけないということを言っているのじゃないんですよ。それは確かに十年近くたってますから、諸般の事情が変わっていますから、当然その事情に合うように法律なり、あるいは通達なり、指導要綱というものが変わっていくことは当然のことですからね。それならそのように何のためは地方は地方で諮問機関をつくったんですか。陸上交通審議会というように諮問機関があるわけですね。その前が自動車運送協議会ですね。私どもがやっておったころは道路運送協議委員と年々変わってきておるわけですけれども、時代が変わるとともに変わっているのですが、なぜそういうものにはからなかったかと言うのです、ぼくは。はかってやるべきでしょう。前にははかっておいて、あとのときはもうはからないで、かってに独善的にやっておる。そういうところに行政が混乱しておるわけですよ。ですから、これはせっかくの大臣の答弁ですから、札幌陸運局が局長通達を各事務所に出したことを撤回しなさいよ。撤回をして、そうして陸上交通審議会というものに、今度の通達はこういうことになっていましたが、前の答申とはこういうふうに変わっていくのだけれども、つまりいまの事情に合っているかいないかということを諮問して、その答えによって出したっていいじゃないですか。前にそういう手順として踏んできたわけですからね。どうですか、これは局長。
○政府委員(小林正興君) 本省の通達とそれぞれ各地の陸運局長が実際に具体的な、またさらにその細則的な基準を定めるという場合に、そういう関連につきましては、今回の全国基準におきましても明確に各地域地域の実情によって陸運局長がこれと異なる基準を定めることができるということをはっきりさしておるわけでございます。したがいまして札幌の陸運局におきましては、従前の自動車運送協議会の答申を受けてやってきておる現状というようなものを尊重いたしまして、札幌陸運局の管内の地域における積雪あるいは氷結等によって道路障害が起こると、こういう問題についての、いわば全国的な基準から言えば特則に当たる部分を従前とおおむね同じように基準ではっきりさしてあるわけでございまして、こういった点についてはそれぞれ各地の陸運局長が必要な判断においていたすわけでございますので、そういった点につきまして十分現地の実情に沿わないようなことのないように指導したいと思います。
○吉田忠三郎君 局長、指導じゃないんだよ。君のほうから出ている通達がここにある。いいですか。時間がないからぼくは一々読み上げませんが、君の答弁しているように、地域の事情を勘案しなさいということが書いてある。その地域の事情というのは何かというと、君がいままで答えられたように、積雪寒冷地であるとかあるいは道路事情、幅員等々のことがそれぞれの地域によって違うわけでしょう。そういうことを勘案しろということなんだ、この通達はね。勘案するためには、たとえば九州と北海道とでは事情が違いますわね。ですから九州は九州のようにこの基準に照らして事務処理をするわけでしょう。処理をする場合にはかってにやるんじゃなくて、事務所に、依命通達を出す前に従来は自運協に諮問して、九州の事情はこう、北海道の事情はこういう事情だからこれに対してどうするかと、この通達を踏まえて、そういうことをやっておったんでしょう。だから北海道の場合においても、国会でわれわれがやって、その精神にのっとって運輸省が通達を出して、北海道の場合は昭和四十一年八月二十四日に自運協が一年もかかってりっぱな答申を出したわけです。この答申が全くほごになるような内容の今度の通達なら、それは客観事情が変わったと言ったらそれっきりだ。それならそれでもけっこうですよ。けっこうだけれども、いわゆる陸上交通審議会というのがあるわけでしょう、いま。いわゆる地域の特殊事情というものがあるから、前にこういう答申が出ているわけですから、だから今度こういう通達したら、これをかけて審議してやれば問題ないと言うんだ、ぼくは。それは何も、君が言うような、地域の事情によって考慮したものじゃないんですよ。札幌陸運局が今度出した通達は本省から出たのが、これまるのみで出ているわけです。しかも、そうでないというなら、ここにいま言ったように、局ではこういうことを言っているんだ。自運協とか何かではなくて、本省の意向がそうだから業者と協議してやる。業者というのはバス協会ですよ。こんなばかな行政があるかと言うのだ、ぼくは。大臣、何のために陸上交通審議会というものをつくったんですか。相談するならそういうところで相談してやればいいんですよ。バス協会という特殊な業者団体と相談してやる行政ありますかね。そこを言っているんですよ。だからこれ撤回しなさい。撤回をして自運協にかけなさいよ。陸上交通審議会に一回かけて、本省からきたものをなまでかけて、札幌の、北海道の行政範囲内の適正な——ここにも書いてありますから——事務の処理は地域事情を勘案して適正にやれと書いてある、そのようにやりなさいということを言っているんだ、大臣どうですか。
○政府委員(小林正興君) 札幌の陸運局のだれかは存じませんが、そういった……。
○吉田忠三郎君 だれかって、局長だよ。
○政府委員(小林正興君) 陸運局長がそういったことを言ったといたしますれば、私も先生と全く同様におかしいことであると感じます。札幌の陸運局からの報告によりますと、札幌陸運局が五月に定めた基準は本省の基準を前提にいたしまして、札幌の特則と申しましたが、札幌のみ規定をいたした基準としては強化をいたしておるわけでございます。 その内容につきましては、具体的には時間が長くなりますので省略いたしますが、従前の自動車運送協議会で御答申がありました事項を取り入れておると、こういうふうに私どもは判断をいたしておるわけでございまして、形式的に陸上交通審議会にかけるかどうかについては、これはやはりその必要性の判断についてはまた別個にそれぞれの陸運局であろうかと思いますが、内容的に従前の方針を踏襲しておるという点から、昨年の五月の段階におきまして、しいて地方陸上交通審議会にかけなかったんじゃないかというふうに私どもは聞いておるわけでございます。
○吉田忠三郎君 だから聞いているのは、ぼくはきのう札幌から帰ってきたんですよ。君が実際札幌へ行ったわけじゃないんだから……。私は札幌では各関係の意見を聞いて、ぼくはこう言っている。だから札幌陸運局長のとった措置は独善的だと、非民主的な行政だという各それぞれのサイドから言われているわけです。その言われているゆえんの最たるものは何かと言ったら、この五・三〇通達そのまま出したわけですよ、どこの機関も経ないでね。それで問題なければいい。そこを指摘されたら、実はいわゆるこの問題については本省の意向があるのでバス協会の技術委員会、事故防止委員会に検討要請を行なってまいりましたと、そこから検討された結果がきましたから、これをそのまま通達にして各それぞれの事務所に依命通達をさらにしたと、こう言っているのです。こんな行政あるかと言っているんだ。 〔副主査退席、主査着席〕 だからこそ最近いわゆる行管の指摘事項にもあるように、こういうだらしないことをやっているから、いわゆる陸運事務所なんて地方の自治権限に事務の移管をしなさいなんで声が出てくるんだ。こういうことやったらあなたどうなりますか。私は運輸行政というものは大混乱すると思う。だから私は必ずしも事務の移管については賛成しないのです。賛成でないんだからそのことはそのこととしてやっていること、これ運輸行政だと思いますか。監督指導しなきゃならぬ業者のところに相談していく、そんなばかな話ありますか。大臣、どうですか。ですから悪いことは悪いとして改めればいいのですよ。いま出したものは撤回して、せっかくの陸上交通審議会というのがあるのですからそこにかけて、そしてでき上がったものを通達したらいいんですよ。そういう姿勢を言っているのですよ。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的にいろいろ伺って事情がわかってきましたが、そこで、こういうふうにしていただきましょう。もう一ぺん具体的に従来の経過それから現状というようなものを私自身の手で調べてみましょう。そうしていまあなたがおっしゃったそういう通達をどうするかというような問題も一緒に含めまして十分調査検討の上で、ひとつ私はさっき申し上げたように、そういう陸運行政が、まあ内容的には私は局長の答弁を聞いておって、従来のやり方をここでそう急に変えようというものではないということに聞いておるのですが、方法論としていろいろ問題を指摘されていますから、そういった問題も含めまして私の手でもう一ぺん検討してみまして、さっき申し上げたように、御趣旨のあるところもわかりますから、そういう点を含んで善処をするようにしたいと思います。どうもいまのところはそれ以上に方法がないのじゃないかと思うのです。実は、各地の具体的な事情はよくわからぬものですから、そういったことについては、関係者が皆さん一緒になって、国民の足ですから、そういう意味で、国民のためになるような方法でこれを処理してもらいたいと思いますが、どうぞひとつそういう点を御了承いただいて、私が再検討し、いまおっしゃったような意味を含めて善処をするということで、ひとつきょうのところはおまかせをいただきたいと思います。
○吉田忠三郎君 大臣、前向きの答弁ありましたからね、これはバスだけに時間をとるというわけにいきませんからぼくやめますが、そのとき十分配慮してもらいたいのは、昭和四十一年の八月二十四日の、いわゆる札幌の自運協の答申ですね、この答申は、いわゆる利用される道民からも喜ばれ、業をなす業者のほうも喜んでおり、働いておる労働者も喜んでおるというこの答申の内容なんだ。自来今日まで、各局長がこれをやってきた。何にも問題ない。ですから、こういう答申を、やはり今度の通達でも、これはいいものを殺すという意味じゃないのだからね、この通達は。今度の通達はそうだろう、小林さん。こういう前のりっぱなものを抹殺するという答申じゃないんだろう、これは。
○政府委員(小林正興君) そのとおりです。
○吉田忠三郎君 通達じゃないんでしょう。ですから、こういうものを生かしてやりなさいということを、大臣、検討する段階でやってくださいよ。そういうところなんだ、問題は。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 吉田委員のおっしゃることよくわかりますから、そういう点を含めて、さっき申し上げたように、調べて慎重にこれは処理をしたいと思います。
○吉田忠三郎君 次に、ちょっとバスから今度はハイ・タクのほうにいきます。 最近、全国的に運賃の問題あるいは料金の問題、これは許認可事項になっていますね、物価の諸情勢等々から各地でこういう問題が起きていますが、この道路運送事業の場合の運賃あるいは料金というものについて認可していく場合の基準というのは、一体何なんですか。これは、局長。
○政府委員(小林正興君) 認可基準につきましては、これは道路運送法にはっきり明定してあるわけでございまして、一口で申せば、能率的な経営のもとにおける適正な原価によって運賃額を出すということになっております。
○吉田忠三郎君 その適正という基準だが、通常使われますよ、適正、適正とね。いつの場合でも適正ということばが使われるのですが、具体的にその適正の基準なるものは何ですか。
○政府委員(小林正興君) ただいま簡単に要約して申したわけでございますが、道路運送法第八条の第二項におきまして、認可する際の基準が五項目にわたって書いてあるわけでございます。第一号は「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」、その際の適正とは標準原価制度と申しまして、地域の原価というようなものを私どもで査定をいたすわけでございます。また、適正な利潤につきましては、現在、資本に対しての一割の利潤を含むべきものであるというふうに解しております。そのほか、二号以下五号まで運賃認可の基準がございます。
○吉田忠三郎君 局長、料金改定の申請をするわけでしょう。その申請をしたからといって、直ちに認可があるというものじゃない、許認可事項ですからね。ですから、その申請したときの事情の原価を適正ということにするのか、あるいは何年か先まで一つの経済見通しなり、あるいは諸般の事情を見越しながらきめていくのが基準になっているのか。ここらあたりですよ、聞いているのは。
○政府委員(小林正興君) ただいまの御指摘は、先ほど申し上げました適正な原価を算定する際のいわば査定の問題かと思います。現在やっております方式は、実績年度、たとえば現在でいえば、昭和四十六年度終了しておる実績年度の翌々年度を平年度といたしまして、その間における原価の推移、こういったようなものを算定いたすわけでございます。
○吉田忠三郎君 その場合に、人件費の占める割合ですね、そういうものもいまあなたが答えられたようなことで考えているわけですか。
○政府委員(小林正興君) 人件費は、自動車運送事業の非常に大きな部分でございまして、七割近い率になっておるわけでございますから、人件費につきましても重大な原価要素として算定をいたすことは当然でございます。
○吉田忠三郎君 時間がありませんからはしょって申し上げますが、北海道からこの運賃料金の値上げ申請は何件ぐらい出ていますか。
○政府委員(小林正興君) 現在、ハイヤー・タクシーの運賃は、全国をブロックに分けまして、そうしてそれぞれのブロック内で実績をとりまして、さらにそれに査定を加えて料金改定を進めておるわけでございますが、現状は、全国的に見まして、ほとんどの地区の料金改定が済んでおりまして、残りました二、三の例外として北海道地区があるようでございます。これは、もともと陸運局長の権限でございまして、そこに申請が出てまいりました場合に、先ほど申し上げましたような査定基準で審査をいたすわけでございますが、現在、北海道におきましては、まだ申請の出てない地区あるいは一部出たところ、いろいろあるようでございます。御指摘の札幌につきましては……。
○吉田忠三郎君 札幌を聞いてない。ぼくは、北海道で何件出たかと聞いている。君の答えはぐたぐたと長いもので、時間がなくなってしまうのだよ。
○政府委員(小林正興君) 北海道地区の運賃改定状況については、いま手元にちょっと資料がございません。
○吉田忠三郎君 何件ぐらいそういう申請があるかと聞いている。
○政府委員(小林正興君) それは調べまして御報告いたします。
○吉田忠三郎君 調べて御報告すると言うけれども、そんなものはごく簡単だと思うのだよ。きょうぼくはここで質問するということを、前もってぼくのところに聞きに来ているから、こういうことを聞きますよということを言ってあるのだよ。関係者を調べれば、すぐ件数ぐらいわかるはずですよ。答えなさい。
○政府委員(小林正興君) 札幌地区の運賃問題について御質疑があるということは承知いたしておりましたが、北海道内全体に運賃の状況がどうなっておるかということについては調査をいたしませんでしたので、早急に調べさせます。
○吉田忠三郎君 早急に調べるというだけじゃなくて、答えなきゃいかぬでしょう、何件ぐらい出ておるかということを。簡単ですよ、こんなものは。ですから、調べてこの委員会に報告しなさいよ。
○政府委員(小林正興君) すぐ調べればわかることでございますから、さっそくいたします。
○吉田忠三郎君 そこで、時間がありませんから……。これは四月五日の毎日新聞でございますが、ここに札幌の料金改定についての新聞記事が載っているのです。運輸次官が何かNET・モーニングショーとかいうのに出て発言されているのですが、私ども一般住民から見ますと、運輸省の運輸政務次官の言っていることと、それから札幌陸運局の中山一成自動車部長という人の言っていることと違っているような内容の新聞記事になっています。こういうものを、大臣、あなた御存じかどうか。運輸行政がばらばらに見られます。どう考えているのですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的にどういつだことをどこで害われたのかよく知りません。その内容をよく調べてみます。
○吉田忠三郎君 内容を調べるんじゃなくて、このまま新聞を見ればすぐわかりますから、これ読んでください。ですから、調べるのじゃなくて、そういう運輸行政の責任ある人々ですから、運輸政務次官、それから一人は現地で自動車行政の責任を負っている自動車部長ですからね、これが見解が違うんです。そうすると、住民あるいは事業を行なっておる人々、あるいはそこで働いておる労働者はどういうふうに感じておるか。まさに運輸行政というのはばらばらだというような理解になるのじゃないですか。ですから、調べるのではなくして、行政の基本姿勢として大臣として答えてもらいたい。
○国務大臣(新谷寅三郎君) これ札幌版のようです。いまこれを拝見しましたが、おっしょるように、部内でいろいろの意見が出て、どれが運輸省の公式の意見かわからないというような事態を招いていることは、これは非常に遺憾だと思います。私の責任でございます。私はこの問題については、いままでも全然聞かなかった問題ではない。主管大臣としてはっきりと申し上げますと、この問題は非常にいろいろの意見がありまして、なかなか複雑な問題でございますから、運輸省といたしましては、これは慎重に検討しているのであります。結論は出しておりません。これは私の立場からはっきりと申し上げておきますが、ここで政務次官がモーニングショーでこう言ったとか、あるいは札幌の現地の機関がこう言ったとか、「寝耳に水だ」とかというようなことが書いてありますけれども、そういったことについては、これがもしほんとうにそうでありとすれば、非常に関係の人たちの意思が十分にきまらないのに、いかにも個人的な発言をしてたようなことで、これは主管大臣としてはまことに申しわけないと思っております。この問題、具体的な問題は、いま申し上げたように、運輸省としては慎重に検討中でございまして、結論を出しておりません。そのことをはっきり申し上げておきます。 それからもう一つ、御指摘になりましたように、こういった事態が起こりませんように、実は私も先々月から予算のほうが忙しくて、非常にこれは申しわけないのですが、こまかい問題について十分相談に乗れなかった問題が多うございまして、実際上多少こういった問題について私の指導監督が行き届かなかった点があったんだろうと私は思います。その点はまことに申しわけないと思っております。今後の問題としては、部内が不統一にならないように、ということは、国民の皆さんに御迷惑をかけないように努力をいたしますから、御了承いただきたいと思います。
○吉田忠三郎君 そこで、時間がありませんのでこれだけでハイ・タクを終わりますが、私の考え方は、運輸行政というのはこうあるべきだと思う。これは間違いかどうか、局長、答えてもらいたい。 それは、私は第一に、行政の基本姿勢というのはあくまでも道路運送法を貫くべきだ、具体的にはその法律に基づいて、政令、省令あるいは通達あるいは行政指導基準を出すが、出した限りにおいてはそれを厳守すべきだ、途中でぐらぐらしないで厳守する、これが欠けているからいろいろな問題が起きてくる。だれが迷惑するかというと、第一に住民、あるいはその道で業を行なっておる者、あるいはそこで働いている労働者です。ですから、いま言うように、法律を踏まえて政令、通達、行政指導基準等々を厳正にし、守ってもらいたい、こう考えています。 第二は、料金問題と車種の指定、選定はおのずから別問題で、ここがはっきりしないからそういう新聞種になるとぼくは思う。それから、かりに車種の問題で、これはメーカーはそれぞれ新車をつくったり、あるいは車種の改造をやります。そういう問題から、いわゆる国民サイド、利用者サイドで誤解が生じたり、改定の要求があるということであるなら、直ちにやっぱり行政の責任者として運輸大臣ね、運輸省、通産省、それから料金がからまっておるということになれば経済企画庁、この三者協議でやはりメーカー側にいわゆる政治的あるいは行政的な指導を適確にするという姿勢がなければ、いつまでたっても私は自動車行政については国民サイドから見て混乱は免れない、こう思っているんですが、どうですか。
○政府委員(小林正興君) 第一点のお説、全くごもっともでございまして、私どもとしては、道路運送法を貫きまして、具体的には、通達等の措置を厳守していく、これは当然のことでございまして、今後も一そうそういうふうにやっていきたいと思います。 第二点の料金と車種の問題についてのお話でございますが、先ほど来、いろいろな札幌市内の運賃をめぐっての問題についての御指摘がございましたが、料金を定めます場合に、当然別問題と申しますか、これは前提となる問題でございまして、どういつた車、具体的には中型車であるか小型車であるかというようなことを明らかにいたしまして、中型の場合には幾ら、小型の場合には幾らというようなことを定めるわけでございまして、現在、札幌におきまして、業界の内部で特定の車種について、これを中型から小型にすべきではないかという意見がありまして、運賃申請の過程においてそういう問題が出て、現地においてはいろいろ大きな問題を起こしているということについては十分承知いたしておりますので、先ほど大臣が申されましたとおり、慎重にこの問題については対処していきたいと思っております。
○吉田忠三郎君 慎重慎重とよくそういう答弁を役人はする、いつでも。非常に慎重に扱うことはけっこうだけれども、いやしくも行政は、メーカー、ディーラーの生産並びに販売政策に運輸行政が巻き込まれてはたいへんなことになると思うんです。これだけはとくと国民の行政を考えて慎重に扱ってもらわなければ私はいけない問題じゃないか、こう思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) メーカーの意見も聞かなきゃならないし、国民の意見も聞かなきゃならないし、それを扱う人の意見も聞かなきゃならない。各方面の意見を総合いたしまして、そしてやっぱり国民の足ですからね、それが健全な形でもって国民に輸送手段を提供できるような体制をつくり上げるのが運輸行政の根本だと私は思っておりますから、おっしゃることはよくわかります。そういう意味で一方に偏した意見を聞いて、そのほうに引きずられるというようなことはあり得ないと思いますけれども、これからもそういう方針で、これはしっかりと運輸行政に取り組んでいくつもりですから、御安心をいただきたいと思います。
○吉田忠三郎君 あとトラックのほうですね、これは白トラですが、これの過積み、過労の問題がありますけれども、きょうは割り当て時間がありませんから、運輸委員会で機会があったら質問しますから、主査、御善処を賜わりたいと思います。 最後に国鉄の総裁に一つお伺いするんでありますが、北海道の新幹線のルートの問題ですね、過般鉄道建設公団の篠原総裁が北海道を視察しまして、これも新聞でいろいろ書かれたものを見たのです。いろいろなルートが想定されるのかどうか私も存じ上げませんが、無用の競争が激化をいたしているようにわれわれは感ずる。その結果、非常に最近全国的に問題になっている問題でありますけれども、土地の投機、地価の高騰等々が波及効果として出ている。ですから非常にこれはたいへんなことだと思うのですね。それはそれとして、北海道道民はどのルートを通るかということについて重大関心を持っているのです。ですからいつごろ一体そういうルートがどこできめられるか、これは国鉄の総裁にひとつ伺っておきたいと思う。
○説明員(磯崎叡君) 北海道の新幹線ルートにつきましては、形式的に申しますと鉄建公団と国鉄で共同調査をやっております。昨年六月に大臣から調査命令をいただきましたときは、おおむね一カ年以内というようなタイムリミットがついておりますので、私どもいまいろいろやっておりますが、できれば本年の六月ないし七月ごろには出したいと思っております。いまおっしゃったように、いろいろ実は北海道だけでなしに、ほうぼうの新幹線ルートがもめておりまして、いまの土地の問題等にもいろいろ関係いたしております。私どもといたしましては、まず鉄道を敷くのでございますから、その地域の今後の開発見込みとかあるいは現在の開発の状況、産業の分布状況いろいろ条件がございます。と同時に、やはりもっと物理的な地形と申しますか、地質と申しますか、そういう問題の調査もあります。そういうことで私どもはどちらかと申しますと、前の経済的な調査を国鉄がやり、物理的な調査を鉄建公団がやっておられるようですが、その両方をまず集めまして、そしてまず鉄道側として一つの案をつくって、その後まず運輸省に内々に御説明をし、また当然これは地方問題でございますので、北海道庁にも御説明しなければいけない。十分御意見も伺わなくちゃいけませんが、その際に問題になりますのは、どこまで、それを地方にまでおろして御相談するかという問題だと思います。しかしやはり全体のルートといたしましては、内地で申しますれば知事、県、北海道で申しますれば道庁程度とお話しいたしまして、大体の案をきめてそして政府に御説明したいというふうに思っております。時期は大体六月か七月というように考えております。
○吉田忠三郎君 わかりました。終わります。 —————————————
○主査(森中守義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、吉田忠三郎君が委員を辞任され、その補欠として辻一彦君が選任されました。 —————————————
○主査(森中守義君) 質疑を続行いたします。 日航の社長、たいへん御苦労さまです。
○小柳勇君 日航の社長にはお忙しいのにありがとうございました。 実は、日航から去る三月十四日に「安全運航確保のための業務改善具体策」というのをいただきました。これをいただきましてすぐ運輸委員会のほうには質問通告を出したのでありましたが、予算委員会の開会中で開けませんので、本日機会を得ておいで願ったわけであります。したがって、日航の社長を中心に航空の事故防止対策及び起こりました事故のその後の処理、そういう問題を中心に質問いたしまして、あと現在の日本航空株式会社法に対する社長の見解も聞いて、今後どのようにして日航が発展していくのか、そういう見解をもお聞きしたいところであります。 まず初めに、先般モスクワ及びニューデリーで事故が発生いたしました。その後会社としてはここにいろいろ具体策がこまかく出ておりますが、こういうものがどのくらい具体的に実施されておるのかお聞きいたします。
○参考人(朝田静夫君) まず冒頭にニューデリー、モスクワ一連のたび重なる事故を引き起こしまして、不幸御遭難されました方々、御遺族に対しましてはもちろんのことでございますが、社会一般にもたいへんな不安と御迷惑をおかけいたしましたことを私は心からおわび申し上げたいと思うのでございます。 ただいま小柳先生からの御質問にお答えをいたします。 私はモスクワの事故が起こりまして直ちに救援機に乗りましてモスクワの現地に参りました。それで十日ばかりその現地処理にあたりまして帰国をいたしまして、直ちに総合安全推進本部というものを早急に設けまして、私みずから本部長に就任をいたしまして、大きな問題、小さな問題を問わずもう一ぺん謙虚に反省をして、あらゆる面を原点に立ち返ってひとつ考え直してみよう、こういうことで拡大常務会というような形をとりまして、いま申し上げましたように、安全対策の非常にこまかい問題も技術的な問題もあるいは大きな問題、経営全体と安全との総合的な判断を要する問題も含めまして総合安全推進本部で会合を十数回今日まで重ねてまいりました。いま申し上げました項目は七十七、項目にわたっております。現在それをすでに実施をいたしております。五項目ばかりを除きましてすべて実施に移っておるような次第でございます。
○小柳勇君 事故の具体的な見解については調査報告が出ておりますから、あとでお聞きいたしますが、部内からの告発といいましょうか、意見を私ここ二週間ばかり調査をいたしました。それによりますと、職員間で利潤追求第一主義で、安全について第二義的な扱いをしておるのではないか、部外には言えないけれども、もっと部内体制を強化してあるいは人員を補充して、整備能力に応じたスケジュールを組んでおったら、このような事故は大部分が防止できるのではないかという意見がありますが、この意見に対して社長の見解いかがですか。
○参考人(朝田静夫君) お答え申し上げます。 利潤追求主義あるいは拡大主義でこういう事態になったのではないかということが、マスコミあるいは新聞、雑誌等の報道等にもあらわれております。私は基本的な考え方といたしまして社員全体に申し上げておることは、的を得た批判、的を得ない批判を問わずまっこうから受け入れていく、そしてわれわれで反省しなきゃならんところがあればそれを直ちに改めていく、こういうかまえでおりますが、ただいま御質問の、私どもは営利主義に走ったんじゃないか、営利追求第一主義じゃなかったかという御質問でございますが、私はそうは思っておりません。創業以来安全性の確保を絶対命題として考えて各年度の事業計画にもそれをうたってまいりましたし、そしてまたそれを前提として事業計画、路線、便数計画も立ててまいっております。不幸にして事故をそれにもかかわらず起こしまして、まことに申しわけないところでございますけれども、しかし先ほどから申し上げておりますように、原点に立ち返ってもう一ぺん考え直してみるということになりますと、いままでやっておったことが全部が満点であったとは申し上げられませんので、ただいまお話の、御指摘のとおり、整備の問題、人員の問題あるいは整備方式の問題等いろいろ御批判をいただいておりますけれども、人員の確保については私どもは毎年の人員計画を半年先取りをして補充をしておる、半年間は訓練に当てて戦力になりますのはその翌年の三月、十月採用の者が三月、四月からと、こういうようなことでございましたが、いろいろな機材の手当て等につきましてあるいはスコークが多くなったりあるいはもっと安全性を高めるための改修がふえたりいたしまして、私どもとしましては人員の確保について十分であったというふうには考えておりません。したがいまして今後半年前取りの者を一年先取りをするというようなことにも改めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 時間がないもんですから、非常にはしょって質問いたしますが、言外の意味も含んでお聞き取り願って御見解を承りますが、一万以上の職員が一体となって事故防止なり、安全対策に取り組まなきゃならんことは当然でありまして、首脳陣に対する反発といいましょうか、反発とまではいきませんでも、首脳陣が十分に職員の意欲あるいは仕事に対する熱意というものを掌握できないで、そういうもので事故発生する場面もたくさんあります。 それともう一つは首脳陣の、いまここに重殺陣十六名の名簿を持っておりまするが、その首脳陣ががちっと一枚岩で社の発展のためにがんばっておられるかどうか。この二面を、首脳陣対職員との関係あるいは首脳陣同士ががちっとしているかどうか、社長の見解をお聞きいたします。
○参考人(朝田静夫君) ただいま御指摘の点が私は安全性の確保の上においても最も重要なアイテムだと存じております。したがいまして、職場と首脳陣と社員、職員一般の関係におきましてどうしても基本は相互信頼関係がなきゃいけないということで、労使の問題につきましても私は安全性の前にはしこりを残さない、こういうことで長年係争になっておりました訴訟ケースもこれを取り下げまして、すべてクリアにすると、こういうことを今度私は思い切って断行をいたしたようなことでございます。また、現場の意見が率直に指導管理層に反映する、下意上達、上意下達と、こういうような形をとりませんと、またコミュニケーションが十分円滑にいきませんと安全性にはやはり遠因、近因になってあらわれてくると、こういうことでこれは留意をして、特に運航乗員の乗員部の組織を変更いたしまして、路線別あるいは機種別、そしてグループを少グループ化して、そういうことのコミュニケーションを活発にしていく、こういう措置をとっております。 また、重役陣が一致結束して、一枚岩になってやっておるかと、こういうことでございますが、私はそういう形でいま創業以来最も苦難な段階にあって一致結束をはかって経営に当たっておると、安全対策の責任ある実行と御遺族に対する補償の問題あるいは対策に万全を期するという意味において一致結束をして当たっておると私は信じております。
○小柳勇君 くどいようですが、もう一問、その問題に関連して質問いたしますが、この重役十六名の中で、運輸省、大蔵省、郵政省、警察庁からいわゆる天下りされた重役が四名おられます。その他の方は日航からいわゆるはえ抜きでありましょう。そういう人たちの対立などというものはございませんか。
○参考人(朝田静夫君) 私はないと信じております。十六人のうちで四人でございまするが、天下り組とかはえ抜きというようなことは私はおかしな議論だと思っております。この会社の歴史は二十年余りです。私がいわゆる天下りと称せられて日航に参ったのは十年以前でございます。こういう短い歴史の中にあって、天下りとかあるいははえ抜きとかいうこと自体がおかしいんでありまして、そういうことは私はないと信じております。
○小柳勇君 次に具体的な問題でありまして、私もこれを質問するかどうか考えましたけれども、具体的に言っておかんと将来の問題を正すためには大事な問題でありますから発言をいたします。 週刊誌でパイロットのどなたかが釈明されておりましたから、それにもわたりながら質問するわけでありますが、モスクワの調査報告書の中で、最後のほうに勧告として「委員会は、日本航空株式会社及び運輸省航空局に対し、乗員が航空機のシステムの運用に関して設定された規則を厳格に順守することに特別の注意をはらって飛行の安全を高めるための措置をとることを勧告する。」と書いてある。これは最後の勧告の一項目でありますが、それで、それのこれはボイスレコーダーの写真でありますが、これがわざわざついているわけです。その中で、一番出発から、ずっと近くにいきますと、「ちょっとおそいな」「はいよ」「なに」「先ほどは失礼」「やっこらさ」「なんだ、それは」「すみません」というような日本語が入っています。これは新聞でも騒がれておりましたから、社長、御存じと思いまするが、そういうような重要な仕事をするパイロットが、もちろん緊張のあまり声を出すんだということも聞きました。しかし、そういうものを私ども第三者から見ますと、何かこれ、あれだけの重要な仕事の中に、こんなことばが出るなと思いましたが、いわゆるこういう具体的な一つの事実で、さっき申しました首脳陣に対する、職員との間の完全な一枚岩になっていない問題、指導力といいましょうか、そういうもの、あるいは訓練過程における反発といいましょうか、そういうもののずさんさですね、そういうものが事故の原因の一部分をなしたんではないか、一因をなしたんではないかということをしろうとながら考えます。したがって、このあとの対策を見ますると、パイロットの特別の訓練とか、あるいはその他飛行時間の延長なども訓練の要素に入れるようにとらえておりまするが、こういう非常に重要な、緊張する仕事をされる乗員などに対する特に首脳陣の配慮、会社としての配慮、そういうものについて、もう一回見解をお聞きしたいと思うのであります。
○参考人(朝田静夫君) お答えいたします。 ボイスレコーダーが新聞等に発表になりましたが、私どもは、基本的にまず第一に申し上げておかなければなりませんことは、ソ連政府が発表されました事故調査報告書を謙虚に受けとめるということを私は申し上げております。したがいまして、その中のボイスレコーダーというものは、ソ連政府は発表をしておられません。これは日本の政府が発表になったのでございますけれども、その中に幾つかの——私は言いわけをするわけではございませんけれども、「はいよ」というようなところがございますけれども、これはいろいろなふうに聞こえる。タイムと聞こえたり、ハンドレッドと聞こえたり、エイティーと聞こえたり——これは私どものような年輩の者が聞いてもわからないのでございまして、密室に入って若い聴覚の鋭敏な者が、何らの先入主もなく聞かないとわからないというようなところもございます。したがいまして、私はそれに対して疑問を持つとか、あるいはそれに反発をするとかいうことではございませんが、事故再発防止のために、われわれが、解明されてない部分は、今後の事故再発防止のためにわれわれ自身で継続調査をする、こういうようなことを申し上げておるのでございまして、くれぐれも、皆さんに申し上げておることでございますけれども、誤解のないように願いたいことは、あれに反発をしたり、あるいは抗弁をしたりする意思は毛頭ございません。ただあれだけあげられた、指摘された事故だけで能事足れりとしておっては、これは将来の安全対策にならないと、こういう意味におきまして、私どもは、解明されてない部分は日本側で解明してよろしいということになっておりますので、なお事故の継続調査をいたしております。 ただいま替われるようにたるんどるんじゃないかと、あるいは非常に緊張を欠いておるんじゃないかと、こういうような御指摘がございましたが、私どもはあの命をかけて、最もクリティカルな段階においてたるんどるとは、私は思いたくもないし、そういうふうに思ってもおりません。しかし、今後の対策といたしましては、御指摘のような面もございますし、そういうふうな考え方もございますので、特にこの対策の中におきましては、人間性教育、人格形成教育というものを、技術、技能の練摩と並行いたしまして、十分その点の教育をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 もう一問、くどいようでありまするが。 国際線になりますと、十数名の方が機長を中心にして、ホテルに泊まりながら、一週間ないし十数日の運航をやられるわけであります。出先における教育訓練といいましょうか、あるいは出先の生活の規正については、どのような規定になっておりましょうか。責任者といいましょうか、あるいは自主教育といいましょうか、自主管理といいましょうか、どのようなシステムになっておりましょうか、お聞きいたします。
○参考人(朝田静夫君) 各地に飛びまして宿泊をいたします。そういう生活態度、そういったものについては、常に注意を喚起しております。ただ、時差の関係で、いろいろな、なかなかむずかしい実情もありますが、フライトの十二時間前には、絶対飲酒をしてはならないとか、いろいろな規定はマニュアル上つくっております。これは現地の空港の航務官なり、そういったものがそういうテークケアをいたしましたり、あるいはキャプテンがやはりホテルで宿泊しておりましても、勤務に関係のある問題につきましてはやはりリードしている、こういうふうにしております。
○小柳勇君 キャプテン、機長が非組合員に、組合員でなくなっておるようでありまするが、それは管理者と理解していいんですか。
○参考人(朝田静夫君) そのとおりでございます。 航空法の改正、ハイジャックの事件以来、機長の責任が法的にも非常に大きく重くなってまいりましたので、これだけの貴重な生命と財産を預かる機長としては、これは管理職が適当であると、こういうことにしたわけでございます。
○小柳勇君 そういたしますと、たとえばもう仕事を終わりまして、外国のホテルに宿泊いたします場合の、そのチームの、いわゆる生活の規律をもそのパイロットが責任を負う体制であるのかどうか。たとえば、運航上の技術上の責任はもちろんそれは機長にありましょうが、それを運航の実働が終わりまして旅館で休養している、そういう外国における生活の面の指導監督も機長にあるのかどうか、お聞きしておきたい。参考のために聞いておきます。
○参考人(朝田静夫君) 外国のそういう宿泊個所におきますプライベートなところまではなかなかむずかしいと思いますが、少なくともデューティーに関係あること、あるいは職務の遂行に関係があるというふうな問題につきましては、機長がそういう任に当たらなきゃならないというふうに考えております。
○小柳勇君 待遇の面でも、それだけの処遇をしているわけですか。
○参考人(朝田静夫君) それだけの待遇をいたしております。
○小柳勇君 次は、遺族補償の問題でありますが、事故が起こりまして——先般のチッソの裁判経過などを見て、遺族の皆さんが遺族補償についての関心なりあるいは御不満もあったと聞いております。それから遺族と従業員との関係もいろいろ聞いておりまするが、遺族補償についてのお考えをお聞きいたします。
○参考人(朝田静夫君) 遺族の補償問題につきましては、これは何ものにもかえがたい生命を、こういう形で解決をしなきゃならぬことはまことに残念なことでございまするが、しかし、いずれにしても解決しなきゃならぬ問題でございまするので、いま、モスクワ、ニューデリーの御遺族と御相談を申し上げておりますが、私どもの賠償の基本方針は、もちろん賠償の基本原則と申しますのは、ホフマンあるいは新ホフマン方式でありましょうが、特に国際航空では条約、協定というものを守らなきゃならない。各国ともに、そういう国際的な航空秩序の中で、われわれが国際線の運航をいたしておるわけでございますので、政府が批准、加盟をいたしました条約、協定等に準拠を置いて、それを守らなきゃならぬという、まず大前提がございますので、ヘーグの議定書あるいはモントリオール協定ということに、私どもがどうしても制約を受けるということでございます。しかし、ヘーグの議定書でまいりますと、先生御承知のとおり最高限度額、は六百万円、これはいかにホフマン計算をやりましても、もうすでに、計算をやらなくても、その実情に合わないというふうに考えまするし、私どもはそれにしばられますけれども、日本の国内航空事故の賠償水準というようなものも考慮に入れまして、ダブル・ヘーグという、金額にして六百万円に特別見舞い金として六百万円を上のせをしていきたい。そして、すでに葬祭料、あるいは香典、見舞い金というものは、事故直後にお支払いいたしました百二十万円というものは、それは外ワクでそれにプラスをする。あるいは荷物その他の問題の賠償もございますが——そういうようなことで、荷物を除きますと、千三百二十万円ということが日本の国内におきまするところの航空事故の賠償水準というものも考慮してそこまで上のせをするということでございます。モントリオール協定の適用者につきましてはそれを七万五千ドルという最高限度額でお話し合いを進めてまいりたいと、こういうのが私どもの基本的な方針でございます。
○小柳勇君 モントリオール協定が概算二千三百万円になりましょうか、それとの差があまりひどすぎるということですね。したがいまして、そういう不満もありましょうが、同時に職員は労災で六百万円のようでありまするが、そのほうはどういうふうに、いまの差額の問題と職員の差額の問題について、二つ分けてお答えを願いたいと思います。
○参考人(朝田静夫君) モントリオールとヘーグの差があるということはまことに私どもも忍びがたいことでございますが、先ほど申し上げました条約、協定を守らなきゃならぬという立場にありますということが前提でありますと同時に、職員の労災関係はこれは別途社内でその他の生命保険を会社と個人とがかけておるというようなものもいろいろございますので、これは御遺族の賠償とは別個に社内で処理をさしていただきたい、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 遺族の方はこれから交渉なりあるいは裁判されると思いまするが、ひとつ誠意をもって解決されるように希望いたします。 それからこれからの経営方針について現在の収支バランスなり、先般新聞によりますと国際線を延ばそうとしておったのをやめて部内充実にかかっておられるようでありまするが、これらをいつまでやられるのか、現状とこれからの経営の方針について見解をお聞きいたします。
○参考人(朝田静夫君) お答え申し上げます。 現在の収支状況を申し上げますと、四十七年度の決算はまだ出ておりませんが、私どもの大体見込みでは予算で想定をいたしました約八十五億の経常利益を予算で予定いたしておりましたのでございますが、その後通貨の変動等情勢の変化もございますので、為替評価の差損、差益といったようなものの決算の計上方法等につきましてもまだ未確定でございまするので、確たる見通しはいま作業中でございますが、おおむねこの予算を達成し得る見込みでございます。そして新路線の開設につきましては、本年四十八年度の私どもの基本的な考え方といたしましては、従来もそうであったのでございますけれども、十二分に安全性の留保をとる。といいますことは、教育訓練の機材にいたしましても整備用の余裕機械にいたしましても、十二分にその余裕をとってまいりたい、予備機の問題もそうでございますが、したがいまして、滅失をいたしました機材の補充はいたさない、ラインの投入機数というものを増加しない、こういうようなことで新路線というものを現在のところ考えておりません。いろいろ国際的に問題がございまするが、四十八年度の基本方針としては安全性を十二分に留保していきたい、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 運輸省に質問いたします。 日航は現在四六%政府出資で監督強化して、いま経営をやっております。全日空のほうは民間会社として自主性を尊重しながら動いているわけですが、経営実態についてもまあまあ大体似通っている。特に働く人たちの側からいくと全日空のほうが待遇がいいんではないかということを言っているんですが、運輸省としてどういうように把握しておられるか、答弁を求めます。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 職員の待遇につきましては政府委員からお答えいたしますが、この日航法ができました当時の記録、ことに両院における御審議の経過などを私も一応議事録を通じて承知しておるのですが、その際にも附帯決議で、日航の経営につきましてはできるだけ自主的な立場を尊重してやるようにということが決議されておることは御承知のとおりです。で、私どもはこの日航につきましてはやはり国際的な企業ですから、企業経営について特別の監督官庁としてのこまかい点にわたっての介入あるいは干渉というものはこれは極力避けなければならぬと思っておるのでございまして、その点においては附帯決議の趣旨に沿った指導監督をしていると思っております。 ただどうしても、私どもとしてはなぜ日航法ができて政府出資がそれだけ入ったかということをよく考えてみますと、当時の議事録にも載っておりますけれども、やはりこれは国際的な企業であり、もちろん国際的な企業であって、現実は国と国との間の航空協定というものが中心になって運航されておりますから、そういった面からいいましても、国内航空を主としておる他の会社とは少し趣が違うのじゃないかということと、もう一つは一番大事なことは安全の問題でございます。いま御指摘になりましたようないろいろ大きな航空事故につながるようなことがありましてはこれはもう非常に国民に対しても申しわけないと思いますし、国際間においてもやはり問題が起こるわけでございますから、安全の確保という点につきましては先ほど社長からいろいろ日航の経営方針について述べましたが、監督官庁であるわれわれといたしましても、これについてはもうどうしたって最大限の注意をし、そして指導もしていかなきゃならぬという考えでおるわけでございまして、それ以上に日航のいろいろな企業としての経営方針にやはり介入することは極力避けて、自由濶達に国際間において企業経営にあたるようにということを本旨としておるわけでございまして、いまのところは日航法につきましても大体現行法でそういう趣旨は達成できるのじゃないかというふうに、いま考えておるところでございます。
○小柳勇君 いや、あとの説明はいいから、時間がないから、あと五、六分しかないんだから。 そこで社長、いま大臣は、自主性を尊重して自由濶達にやってもらいたいと言われますが、日本航空会社法十二条二項の問題について、参議院の附帯決議のように、でき得ればあれは削除してやるべきだと私は考える。ほかの会社でも出資するから重役などが行く、これはあります。出向することはありますが、その上なお監督権を持って事業計画まで一々チェックする。もうがんじがらめにして、聞くところによると、一億ぐらいの厚生施設、会社の社宅まで運輸省に伺いを立てぬと許可にならないような、そういうのでは団体交渉も自主性がありませんでしょうし、当事者能力がないから職員間に不満がぶすぶす出る。不満があるとこれを第二組合つくって組合を分裂せしめて、そして押さえ込んでいくというようなことも考えがちです、経営者としては。したがって、もう少し当事者能力をつくるべきだと私は考えるわけでありまして、十二条二項を改正する必要があると思うのですが、いかがですか。
○参考人(朝田静夫君) ただいま御指摘のような事態というものは私は十分考えられると思います。したがって、十二条の二項につきましては運用の問題も私はあると存じますが、法律改正を直ちにやらなければならないかどうか、あるいはあの法律の中でも運用よろしきを得ればこれがいまの先生御指摘のような弊害が出てこないかどうか、さらに検討さしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましてもそういう自主性を尊重していただきたい。そして機動的な活動が国際的にも活動ができるようにしていただきたい、こういうふうに私は考えております。
○小柳勇君 大臣にもう少し、これからが本物ですけれども、かつて世界でも冠たる無事故の日本航空であった。ここ二年くらいの間に急速にイメージダウンをいたしました。事故が続発をいたした。先般、ジャンボ機が、新しいのにタイヤを破損して引き返したという事故がありました。同種機種が十六機あるようでありますが、このあとの整備の問題など質問したいが、もう時間がありません。いま一番必要なのは日航のイメージチェンジではないかと思う。そのイメージチェンジには、もちろん職員の教育も必要でありましょう、このような具体策の実施も必要でありましょう、首脳陣の更迭も必要ではないかと思う。大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃるように、無事故の会社が昨年はいろいろな事故を起こしまして、国民の信頼を失ったということは事実でございますから、それをどうして回復するかということが当面の問題でございます。その意味におけるイメージチェンジということは私たちも必要であると思っております。あなたのおっしゃるとおりだと思います。そこで、私どもとしましては、この日航をほんとに国民から信頼をされまして、もう日航は絶対に安全上はだいじょうぶであると、そういう信頼感を回復することが何よりもこれは大事だと思っておるのでありまして、そのために必要な措置をすみやかにとるようにということを再三日航に対しては指示をいたしました。それに対して、先ほどいろいろお話がありましたような日航の方針も出てまいりました。それに対しまして、われわれもまた意見を具体的に述べておりまして、両方で具体的な措置を、四十八年度においては細部にわたりましてもとらせようと思っておるのであります。それが私はもう一番の大きな問題ではないかと思っております。 それにつきまして、いまお話のありました首脳部人事の問題も関連してくるかと思います。私は再三予算委員会でも申し上げておるんですが、これは関係者が、ことに経営の責任に当たっておった人たちの責任というものはどこまでもあると思いますか。その意味においては運輸省も監督責任があると思っております。しかしその責任を果たす方法でございますけれども、これはいろいろあると思います。これはおっしゃるように、首脳陣がかわって、新しい人たちがやるというのもそれも一つの方法かもしれません。しかし、いま当面の問題といたしましては、何といいましても安全体制を早く確立して、絶対にゆるぎのない、あなたさっきおっしゃったような、上下一体になってそういうふうな体制を社内全体にわたって確立するということが、これはもう何といっても一番大事な問題であると思っておるのでありまして、でございますから、ただいまのところ、安全体制を確立するためにあらゆる努力をするようにということを督励しておりまして、われわれもそのつもりで援助もし、助言もしておるわけでございますから、その道程でございまして、その人事の問題はございますけれども、それはこの問題と並行しながら、安全体制を確立しながら考えていくべき問題でございまして、一番急ぐのは安全体制であると、こういうふうに観念しておりまして、いまのところは人事についてもいろいろ政府部内においても考えがございますけれども、それよりも急いでもらいたいのは、確立してもらいたいのは安全体制であるということで進んでおる次第でございます。
○小柳勇君 真正面で酷でありますが、国会でありますからお許しを願いまして社長に決意をお聞きいたします。 全日空では事故の責任をとって岡崎社長はおやめになりました。それから東亜航空でも富永社長が事故の責任でおやめになりました。単に私は社長だけの辞任をいま言っているのではありません。首脳陣が本気で今後事故を絶滅するその決意、そして社員に対するイメージチェンジ、これだけの決意だという決意を表明するには、いろいろな具体策も必要でありましょうが、やはり人がかわることも必要ではないかと思います。したがいましていまの大臣の答弁を受けて社長の御決意をお伺いいたします。
○参考人(朝田静夫君) 私は冒頭に申し上げましたように、私自身の責任は痛烈に痛感をいたしております。したがいまして、責任のとり方についても私は日夜おうのうし、それも考えておるわけです。いかなることでどういうふうに責任を果たしたほうがいいのかどうかということにつきましては私自身の問題でございますから私自身に考えさせていただきたい。私はしかし、責任を回避したり、あるいは逃避したりするということであってはいけない、いま大臣の言われましたように、安全性の確保、いま先生の言われますところの信用の回復のためのイメージチェンジ、こういうことについてやるべき仕事は非常に山積をしておるという心境でございますので、私自身の責任の問題については私自身で考えさせていただきたい、こう考えるわけでございます。
○田代富士男君 ただいまも日本航空の事故を通じましていろいろ質問がなされました。特に昨年の五月十五日の羽田空港での日航機暴走事故以来、十二月二十九日モスコー事故に至るまで、わずか半年の間に六回の連続事故を起こしまして、犠牲者百四十八名、重傷者多数を出した今回の事故ですが、これは偶然というわけにはいかないし、人為的なミスというわけにもいかないと思うのです。これは潜在的な安全阻害要因というものが含まれているのじゃないか、この点について私はまず、運輸大臣はどのようにお考えになっているか、簡単に、時間がありませんから、最初にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほどの小柳先生の質問の際にもございましたが、ごく簡単に申し上げさせていただきたいと思います。 それは、日本航空は設立以来相当の年月を経まして、乗員の訓練も相当に高度のものになっておりますし、それから使っております飛行機自身も世界じゅうに飛び回っておる機種を使っておりますし、これが普通の状態で動かして運航されております限りは、ああいう事故が起こるはずはないだろうというのが常識でございます。しかしいろいろの要因が重なりまして、ニューデリー、あるいはモスクワと、これはまあケースは違いますけれども、特別の事情があったと思いますけれども、ああいう事故が起こってまいりました。私どもは運輸省としましての立場からいいますと、そういう状態でありますから、どこかやはりそれの大きな事故につながる原因があるだろうということで、あらゆる資料を取り寄せて検討をしてまいりました。 そこで、ちょっと簡単には言いにくいのですが、御承知のとおりの、運輸省からは、大体社内の全体の安全運航に対する体制が確立しないことが原因ではなかったかというようなことを中心にいたしまして、技術的な問題、あるいは先ほど御質問のありました乗員に対する配慮の問題というようなことがそれに付随して大きな事故につながったのだろうということを指摘いたしました。会社のほうでもそれを受けまして、まことにもっともであるということで、それに基づいての安全体制を具体的に立てまして、その点について私どもは検討をいたしました。いまその安全体制をずうっと下までおろしまして、現実に社内全体に安全体制の確立のために一つの、ほんとに先ほどのおことばで言えば、一枚岩のような安全体制を確立するために、運輸省も日本航空も一緒になって努力をしているということでございます。原因につきましては、それぞれの事故についての特別な事情があると思います。しかし、全体としましては、やはりそういう安全運航体制というものを確立するための社内体制が十分でなかったんじゃないかというところが一番大きな原因でなかったかと私どもは考えている次第でございます。
○田代富士男君 次に私、きょうおいでいただいております朝田社長にお尋ねしたいんですが、四十六年の五月に前松尾社長と交代をされたおりに朝田社長が就任の演説をしていらっしゃいます。その演説の一節に、私は事故は忘れたころに起こるということわざを信じない、私の信念はわれわれの不注意こそ事故の原因になるのであるということである、こういう意味の演説をされております。この一連の事故は不注意こそ事故の原因になっているという簡単に済まされるかどうかです。この点が第一です。 それから、ただいま小柳委員が今回の問題についてどうするか、運輸大臣の立場、このように、また社長御自身の決意をお聞きになりましたが、これだけの連続事故が起きたということに対しましては、やはり日常業務におきましても、権限と責任を一そう明確にすべきじゃないかと思うんです。温情主義ということも大事だと思いますが、温情主義に走ることによりまして、このような多大な人命の損失といいますか、取り返しのつかないことをやるという、この日航の機構内におけるこういう権限と責任を明確にする、信賞必罰の気風を社内に導入せしめねばならないと思うんですが、この二点についていかがですか。
○参考人(朝田静夫君) 最初の第一点につきましては、私はそういう演説を就任の際にいたしました。ただ、それは一部でございまして、心がまえを説いたつもりでございます。その次に何を言っておるかと言いますと、安全性の確保というものは何ものにも優先して航空事業といたしましては絶対命題だと、私はかたくななと言われてもいかなるものにも妥協しないということをつけ加えて申し上げておるわけでございます。 不注意だけで起こったのかという御質問でございますが、私はそうは思いません。それにはやはりいろいろな複合原因が存在しただろうと思いますし、モスコーの問題にいたしましても、複数推定原因をソ連政府は指摘をいたしておるようなわけでございますので、私はそういうZデーの精神、あるいはそれを忘れるなというようなことを申し上げましたが、続いて遠因になるもの、近因になるもの、すべて経営政策の問題、人事組織の問題も、この際私は労使の問題も含めまして、切って捨てなきゃならぬものは切って捨てると、この絶好の機会において改革すべきものは改革していくんだということを常々私は申し上げておるわけでございます。 第二点の信賞必罰を厳にせよ、仰せのとおりでございます。先般の羽田のランウエーの暴走事故、ソウルにおきまするランウエーをはずした事故、ボンベイにおきます誤認着陸の事故、これにつきましては、私は従来にない例でございますが、乗員の処分をいたしました。あるいはその他の者につきましても処分をいたしております。今後とも、いま御指摘がございましたように、信賞必罰は厳に行なっていくつもりでございます。
○田代富士男君 いま二つのことに対するお答えをいただきましたが、いま社長として一枚岩でがんばっているというようなお話をなさいましたが、私も社員の皆さんからいろいろな声を聞きました。それでなければきょうの質問はできません。だから、なかなか社員の皆さんと直接お話しする機会がないと思いますから、私が社員を代表してというか、国民を代表するべき日航でございますから、国民を代表して申し上げますと、その声はどういう声が起きているか。事故の直接の要因と思われるそういう事故の解決一つやりましても、遠因なるもの、複数原因があるとおっしゃったことはそのとおりです。これもいろいろ言われております。改革していかなくちゃならないということ、それと同時に、日航の管理職にある人々が管理職の保持だけに日夜きゅうきゅうと送っている。将来の日航ということも考えているけれども、そういうことはどうやって考えているんだと、痛烈なるこういう声がはね返ってまいりました。いまのままいったならば、日航はまた事故が起きるぞと、この事故は、一言で言うならば、起きるべくして起きたんだと、こういうような声が部外者じゃなくして社員の中から聞かれる。また、いまさっきもちょっとお話が出ておりましたが、日航の社長はたいへんだ、役員会で、天下り役員と日航はえ抜きの役員との摩擦の調整につとめなければならない。外に向かっては、運輸省、大蔵省に実質的経営権が握られている。これもたいへんなことだけれども、一番の問題点は、天下りの重役とはえ抜きの重役の摩擦の調整、これはどうなるんだ、生命を預かる立場にある日本航空の会社がこういうことでいいか。またこういうことも言われました。その日本航空の最高の会議とも言われるでしょう乗務会の士気の停滞、この乗務会の士気の無力さといいますか、中間管理層に対しまして疑心暗鬼を与えてしまう、こういうような実情、そういう意味から自由濶達な建設的な意見も言えない。イエスマンがどんどんでき上がっている。イエスマン製造が今回の事故の原因にもなっているんだと、こういうことを聞くにつけまして、経営陣にもっと若い人を送り込んでいただきたいと、こういうような声を私は聞きました。こういたしますと、組織というものは、御承知のとおり、人によってつくられ、人によって運営され、人によって有終の美を飾る。千名の烏合の衆も一人の指揮者によって精鋭となるという、こういう話もあります。社員が従わないようなこういう姿、私はこれは中心者としては致命傷じゃないかと思うんですね。こういう意味から、私は世間の株式会社の例をとるならば、一般的に株式会社の運営につきましては、選ばれた社長やその他の幹部が責任を持ちましていろいろ経営計画を立てます。そのかわりに、万一失敗したときには責任を問われる。これが世間の常です。そういう意味から、現在の日本航空は、生命を預かる日本航空、国民に期待される日本航空はこれでいいだろうか。私はこの一点をどういうふうに考えて——これはもちろん指導官庁であります運輸大臣のお考え、また担当者であります自分の社員が従わなくなりつつあるというこの考えですね、私はこれは大事なことだと思うんです。こういう考えは初めて聞きましたと言われるならば、初めて聞いたというその実態が現在の日本航空の偽らざる実情じゃないかと思うんです。そういう面におきまして、大臣並びに社長のこれに対する御所見をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 日本航空が成立いたしましてから二十年あまり、もちろんはえ抜きの人もおりますでしょうし、設立当時はそういったものはなかったんですから、あちらこちらから適当な人を選んで、いわば悪いことばで言いますと寄り合い世帯であったということはこれは事実だろうと思います。やむを得なかったと思います。今日その状態がますます激化しておるかといいますと、私はそういうふうには考えていないんです。それは社内にいろんな意見があると思います。あれだけの大きな会社になりますと、いろんな意見を持っている人があると思います。これはどこの企業でもそうだと思います。必ず全部が社員の末端に至るまで一枚岩で、全部が同じ意見であるということは、これはなかなかないと思います。そういったのが、こういう事故を契機にいたしまして非常にこれは激しくあらわれてくる傾向のあることも、これは事実だろうと思います。そういうことは私も聞いております。おっしゃったようなことは、いろんな意見があるということは聞いております。しかし、どういう意見がありましても、私はさっき申し上げましたように、重役陣はもとよりいろんな経営についての意見があったり、ここをこうしたらというような意見があるでしょうと思いますが、一番大事なことは、やっぱり安全運航体制を確立するということでしょうと、私は思います。その点についてはさしたる意見の相違がありましても、重役陣も従業員もその方向にだけはこれは一本になってやってもらわないと、これは日本航空の重役であり、社員である資格がないんじゃないかと、私は思っておるのでございます。 でございますから、私たちは、御心配がございましたが、日本航空の企業の経営内容、経営方針というものに対しましては、さっきも申し上げたように、自主的にやってもらいたい、自由濶達にやってもらいたいという指導方針でいることは事実でございます。しかし、安全を害するようなことだけはどうしたって所管官庁としては放任できないんです。それに対しましては、社長を中心にしていまあらゆる努力をしなさいということを言っておりますし、それに対してはいま仰せのような安全はどうでもいいんだというようなことは、おそらく重役人も社員も考えてないと私は信じておるのでございまして、その方向が固まって、ほんとうにそういうふうなよい社風が固まって国民に信頼感を与えるということが、一番今日の日本航空に課せられた当面の大きな命題であるというふうに観念しておりますので、この点は指導が足りなければさらに私たちはもっと内情を調べて指導をいたしますけれども、いまのような方針で今後ともまいらなきゃならぬし、それによって日本航空はいままでの国民の信頼感を回復することもできて、さっき小柳さんがおっしゃったようなイメージチェンジということも、そういうところから生まれてくるように私は考えて期待しておる次第でございます。
○参考人(朝田静夫君) ただいま大臣の言われましたとおりのように私も考えております。ただ、ここで管埋職は日常自分の地位の保全のためにきゅうきゅうとしておる、こういうようなこともございましたし、常務会が無気力に堕して、報告機関に化しておる、こういうお話もございましたが、私どもはこの事故を契機といたしまして、当初はたいへんなショックを受けたことは事実でございます。私どもがたいへんなそれによって挫折感と悲壮感を持ったということも事実でございます。しかも、新聞雑誌等に報道されるいろいろの御批判もございますので、そういうところで動揺を一時いたしたことは事実でございますが、今日の事態におきましては、私は全力をあげて、全社をあげて、ただいま大臣が言われました安全対策と、御遺族に対する対策に万全を期していこうということで、謙虚に反省をして、そういう次元の低いことをやるということは間違いであるというようなことで、私どもは統一されております。 しかもまた付け加えて、少し長くなって恐縮でございますが、常務会が報告機関に化しておるとか、無気力だとかということは、いささか事実の認識に私は誤まりがあると思います。これは全労という労働組合に私ははっきりと申し上げた。それは常務会というものは、組合のところのブレーンストーミングのような、ホットディスカッションや、フリーディスカッションをやっておったら、いつまでたってもきまらない。経営の最高機関というのは常務会なんです。それには一定の時間の間に、タイミングをはずさず、最高の意思を決定しなければならない。その前に関係の役員、職員というものが普段の調整に努力を払っておる、その調整ができたところで常務会が最終決定をするのでありますから、そういうふうな感じを与えたかもしれぬけれども、真実私どもは常務会以外に役員ブリーフィング会というものを提案いたしまして、これはだいぶ前からやっておりますが、そういうところでホットディスカッションをやっておる。したがって、こういうことに対するいささか誤解があったのではあるまいかということを、労働組合と私はフランクに話し合いをいたしておりまして、労働組合もそういう点は了承をいたしております。
○田代富士男君 まあしかし、事実は運輸大臣がおっしゃるとおりに、こういう声を聞いているということもおっしゃるし、社長自身がこういう声を謙虚に聞く姿勢がほしいと思うのです。何もそういうことはありませんと、その姿勢が今回の事故を起こしておるんですよ。そういうことがあるのですかと、謙虚に聞く姿勢がほしい、そういう姿勢が今日の連続事故を起こしたと言っても私は過言ではないのじゃないかと言いたいのです、そのように開き直られましたら。しかし、運輸大臣も、今後のことについては、対策について検討するという約束をしていらっしゃいますから、運輸大臣に一任したいと思いますけれども、納得のいく処置をしていただきたいと思うのです。 それで、これは社長にこういうことばかり言って失礼ですけれども、社長としてもやりにくいと思う。日本航空の経営というものは、すべて運輸大臣の許可を受けなければできないし、変更一つについても運輸省の許可を受けなければできない。そうして、今回のような事故が起きた場合には、全部その責任は企業者側になる。これは政府側は何らその責任を問われない、しかし私は、モスコーの事故は、これは未然に防げたということをいまからひとつ申し上げたい。それは航空局のいろいろ部内でもあるでしょうけれども、これは運輸省全体の問題だと思いますが、ひとつ申し上げますと、羽田沖事故の調査に関しましてはまだ結論が出ておりません。裁判中です。727の事故調査を打ち切られて、その後に木村秀政団長の記者会見が行なわれました。ここにそのときの模様の一部が書かれた本があります。NHK記者柳田邦男氏が書かれた本があります。「諸君!」という本の百八十九ページから百九十ページの中にこういう説があります。「山名説は前提が誤っている。第一に、スポイラーが〃上げ〃であるとしてしまった点です。それから機首が下がったときに、あわてて引き起すということは考えられません。そんなときはスポイラーを引っこめるべきです。それに、失速によってエンジンがフレームアウトを生じるということは絶対に考えられないし、いままでもあったことがない。また、異常爆発を起すということは、きわめてマレのマレのことです。このようにマレのマレのことをつないだところで、そんなものを原因と断定したら大変なことになりますから、これをとり上げるわけにはいきません。」、これは木村団長の記者会見です。この席に同席した佐貫亦男氏と金井航空局技術部長は同意した。そのとおりだ。 ところが、ここで航空局の技術者を養成します大学の工学部等で使われている教科書があります。航空工学講座の教科書です。これがその教科書です。この教科書の六十五ページ、これにこういうことが載っている。「第五章タービンエンジンに特有の諸問題」と題して、五の一に「コンプレッサーの失速」という項目があるのであります。ここには木村団長が絶対に考えられないと発言した内容を全面的に否定することが技術者養成のこの教科書に書いてある。航空界の権威とされている人の発言が技術者を養成する教科書の内容と全く違っている。ここが問題です。技術者を養成する教科書とまるきり反対のこと、そこへ航空局の最高の技術の責任者である技術部長が同意したと。これは組織上の最高の地位にある立場としてこれはたいへんなことじゃないかと思うのですね。そしてこの技術部長が同意を示されました内容と全く同じものがこの教科書にも出ておりますし、またこれと同じことがいま私が読み上げました木村発言の前半のスポイラーに関する部分については、モスコーで起きました日航機事故の調査報告書において、ソ連側から、これは報告書が送られてきて、否定されている。まれのまれなどとは絶対に言えないということなんです。まあここですね。技術部長いらっしゃる。木村団長記者会見。この教科書。教科書とモスコーの報告書一致している。こういうような航空技術に対する行政指導がされているならば、日航がどれだけ力を注いでも事故は起きます。だから、もしも羽田の全日空のあの727の事故を少なくとも解明をしているならば、今回のモスコーの事故は完全に防げたと私は断言したいのです。この点に対して運輸大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 非常に専門的な、技術的なことでございますから、私にはいま判断はつきませんから、これはもう少ししろうとはしろうとながらに研究をいたしますが、当面の問題につきましては、ちょうど技術部長が来ておりますから、技術部長から答弁させます。
○政府委員(金井洋君) 御指摘の「諸君!」という本を私は読んでおりませんので、どういうことかわかりませんけれども、いま先生御指摘のことによりますと、ストールということはあり得ないというふうに書いてあるけれども、ちゃんとストールということがあり得るじゃないか、本に書いてあることと団長が言うことは全く違うと、こういうことですけれども、その当時の事故機の場合に失速ということは考えられないという、木村団長の発言はそういう趣旨ではあったと思います。要するにコンプレッサーストールだとかそういうことは場合によってはエンジンの場合には当然起こるわけであって、727の羽田沖の事故の場合はそういうストールということは考えられなかったという趣旨の発言であったというふうに私は記憶しております。
○田代富士男君 だからきょうこの問題を詰めていたら時間がありません。社長の時間に合わして質問をやるということで進んでおりますから、これは後日またゆっくりやりましょう。運輸大臣も勉強するとおっしゃいますから、勉強された時点で、私もさらに勉強しますから、その時点で——教科書もあります。だから一言言っておきますが、このこういう発言については全部、もし何でしたら、録音とってありますから、こういう発言はしておりませんなんか言わせません。録音があります。一言だけ言っておきます。 じゃあ次に進みます。日本航空の問題につきまして、いまいろいろ論議しているわけなんですが、昭和二十八年に日航法の立法のときに、日航は将来経営基盤の充実に伴いまして、民間色を強めていこうという趣旨のもとに設立された。ところが現在では、いまも何回も申しますとおりに、官僚統制の度合いが強められて今日まできている。日航が政府のコントロール下に置かれている。こういうようなことで、いま自主的に運営していくようにということを運輸大臣もおっしゃいますけれども、現実には健全な成長が阻害されている。許認可行政がいかに阻害されているかという一、二の実例をあげましょう。 これも一つ一つ時間があれば問題を取り上げて、質疑質疑で詰めていけばより明確になると思いますが、時間もありません。どのように阻害されているのか。まあ日航という特殊法人であることは私も承知しております。その上に対する質問ですが、昭和四十五年、昭和四十六年と二年間にわたって増資しようと日航が考えたけれども、それが差しどめされたというのです。それはなぜかというのです。いろいろな理由がありましょうが、端的に言うと、政府が過半数の出資率を維持することによりまして、日航に対する支配権を維持しようとする、それ以外の何ものでもありません。増資によらずして、借金による資金集めをさせるということは、これは世間で言うならば、借金の金利に追われて破滅の道をたどる以外にないのです。このような国民の国民的要望であります日本航空の健全な発展、これがこのような官僚の利己的考え方の犠牲にされているという、こういう事実をどう考えるか。 このように四十六年に転換社債百四十億円の発行を認め、ざるを得なくなったわけなんですが、まあこの転換社債の問題ですが、これは御承知のとおりに株式に転換されないことを望みながら転換社債を発行するなどと矛盾に満ちた手法がどこにありますか。私はこの点を考えますと、官僚的な指導といいますか、特殊法人というこの問題については検討すべきことがもうそろそろやってきたんじゃないかということを私は感ずる次第です。だから社債は株式に転換されて初めて資金コストの面におきましてそういうメリットというものが生じてくるわけなんですが、このような官僚統制の支配権を守り抜いた、こういうようなやり方でいいのかどうか。これでも介入してないと言うのか。そうすれば介入する理由はそれなりに言うでしょう。日本航空は国家的使命を持ったものである。公共性が高いから、国際競争で赤字を出しちゃならぬと。それならばほかの企業でも国家的使命を持ってないか。全部もってやっているのです。そういうことを言うならば、日航と同様に、ほかの企業というものもやるべきじゃないか。ただ日航だけにどうしてそうしなくやならないか。だから私はこういうように日本航空の株式はそういうようなことでなくして、広く国民大衆に分散して、国民の所有にする、まあそういうような日本航空としての新しい行き方、これがいまさっきから言われる生まれ変わった日航というようなことにも通ずるんじゃないかと、このようにやっていくべきじゃないかと、私はこう思うんですが、運輸大臣が日本航空をこのような方向に持っていく決意がおありかどうか、お聞かせ願いたいと思うんです。まあ運輸大臣もそう簡単に返事はできないと思いますが、時間がありませんから、長い答弁は要りませんからね、簡単にしてくださいよ、時間がないですから。
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃることは一つの御意見だと拝聴します。ただ、日航は成立以来の趣旨、目的がございまして、そういう点からいいまして、政府が四〇何%かの出資をしております。増資のときにはいつでも民間のほうは払い込みはだいじょうぶだから、政府のほうも若干出資を増してくれ、こういうことになるのが通例でございます。で、いろいろおっしゃいますが、一体社債で建設資金をまかなっていくことがそんなに不健全でしょうか。それはどこの会社でも企業会社はそれは増資する場合もございますし、それから社債で資金を得る場合もありましょうし、借り入れ金でいく場合もありましょうし、いろいろあるのです。そういったことをよく相談をいたしまして、これは何にも日航に対して押さえつけて、絶対にこれでなきゃいかぬぞというような対策を講じていくわけじゃなくて、よくそういう点については話し合いをいたしまして、そのときにおける事業拡張に伴う必要資金というものをどうして得るかということについては、よくそれは関係者等の意見を聴してきめているのが例だと私は心得ております。 したがいましていまの日航法でも、さっきお話がありましたが、十二条の二ですね。ああいう規定があるのはどうかと、こうおっしゃるかもしれません。しかし、それは簡単にとおっしゃいましたが、ちょっとこれ時間かかりますが御容赦願いたいと思います。四十八年度の事業計画収支計算、それから資金計画等について十二条の二によりまして申請がございました。私たちは運輸省として何をここで審査したかといいますと、資金計画とかそれから収支計算というのはこれは日航にまかせよう。ただ私たちが非常に問題にいたしましたのは何かというとただ一点です。運航の安全です。社長がさっき申しましたように、われわれに対して非常にたくさんの項目にわたりましてこういたしますということを約束をしてきているのです。それが今度の事業計画なり、資金計画の中でどうあらわれているか、現実に。それを重点にしてこれは審査しました。約束どおりやってくれないと運航の安全対策ができない。ですから、その点に重点をおきまして審査をいたしました。当然のことだと思うのです。国民に対する当然の責務だと思います。ですから、おっしゃったようなそういう運用をしているわけじゃないんです。
○田代富士男君 それはわかりました。
○国務大臣(新谷寅三郎君) ですから誤解があったら解いてください。そんな運用はしてません。私はさっき申し上げているように、安全体制を確立して、そうして国民の信頼感、まあ世界の国民からの信頼感を回復するのが日航の当面の最大の課題であるということを中心にして動かしておりますので、もしその点について誤解がございましたら、いま申し上げたとおりでございますから御了承いただきたいと思います。
○田代富士男君 私がお尋ねした趣旨は、いまのことも必要ですけれども、私の尋ねた趣旨は、いまの日航をこういう特殊法人でなくして、民間企業として今後持っていく方法はないかというのがポイントなんです。だから一番最初、昭和二十八年の設立趣旨のときにもちゃんと石井運輸大臣が提案理由の趣旨説明で、この会社が将来民間企業として発達していくことを希望いたしておりますので、これを援助するといいますか民間企業として発達し得る段階に至るまで政府が財政援助をするという趣旨において十億円の出資をしようと考えている、だから、日本航空株式会社なる会社は、政府出資による特殊法人ではあるが、政府の干渉はできるだけ排除し、民間企業の長所を発揮し得るよう特に十分な配慮を払った次第である、こう提案理由の説明で言われている。また昭和三十年の第二十二回国会のときに三木運輸大臣のときには、将来においてできる限り民営の形態を生かすためにはその前提となるものはこの航空事業がペイをするということであります。それを早く一つのペイをするような状態に持っていきたい。大体三年後にはこの航空事業がバランスが合うという見通しであるから、そうなってまいりますれば次第に民間資本の比重を重くいたしまして、資本の構成においてもいわゆる民間企業として一貫したものに持っていきたい、このようにこの提案理由の説明からずっと続いてきておる。これは歴代の大臣は、大臣は変わりありませんが、運輸省の方針がそういう方針になっている。だから設立されたときの提案理由の説明、その後の経過はこのように進むべきだと思いますが、この点についていかがですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) ですから、この問題についての田代先生のお考えは一つの考え方だと私も思っておりますことは初めに申し上げました。何もこれで政府出資を多くして日航に対する政府の支配権を拡大しようなんということは全然考えておりません。ですから、今度は出資の問題は出ておりませんけれども、今後の問題といたしまして、歴代の大臣が言っておられますような方向で一つの考え方としまして十分検討に値する問題と思いますから、私も考えてみます。
○田代富士男君 それで問題は、このように日航の公共性という名前のもとに政府にコントロールされるということが一番の日航の当局者のもう偽らざる考えなんです。それを私は言いたい。その証拠に、全日空やほかに日本の航空会社がありますが、日本航空の一年間の統計を見ますと、毎年春のシーズンには営業成績が比較的悪い。なぜこれが悪いか。表面に出ておる。これはいま申すとおりに、官庁の許可取得のために時間を費やす。許可をもらわなければだめだ。航空会社の商品ともいうべき日航のダイヤの発表、発売というものはそのためにおくれる。これは事実です。春になればそういう営業成績が悪い、一年を通じて。こういう点ですね。そうすれば、日本航空におきましてはそういう専門家がやっておりますが、指導官庁が、その官庁がいつも交代する。なれてきたかと思えば、要するに日本航空を指導するそういう指導官庁が、アメリカのCABと違いまして非常にそういう移り変わりが早い。そういうようなことで、いま大臣おっしゃったとおりに、安全運航一本にしぼっていま指導しているのだとおっしゃるように、こまかいことを抜きにして、私はいま大臣がおっしゃるようなことをやっていただきたい。そうしなければ、これは大臣のおっしゃることとずいぶん違ってまいりますよ。時間があればこれまだゆっくりと思ったのですけれども、時間がないですから、ばさばさへし折ってやっているのですから……。 そういうわけで、大臣がいま安全運航一本でやれというのならばそれでやっておりますとおっしゃいますから、安全運航の面について私は質問を変えていきます。それは日航の事業計画の中には、現在運航維持能力というものが十二分に発揮されているかどうか。たとえていうならば、この事業計画というものがたびたび変化をしているんですね。だからそういう事業計画がちょいちょい変わるし、今度は予算制度というものががっちりかかりまして、特に運航本部等におきましては身動きもできないような状態になっておる、これは私も認識をせざるを得ません。しかし過去十年間の日本航空は目ざましい発展をしましたが、その裏に非常な無理があったことは否定できないと思います。 それは時間があればと思って資料も持ってきておりますが、対前年度の有償トンキロの伸びは三〇%、全世界の有名な航空会社、その他の航空会社の驚異の的になっておる日航の伸び率です。よくこんなことで日航はやっていけるなと驚いている。しかしずいぶんの無理をしている。整備本部においての無理は、作業人員と業務量との適合であるか不適合であるかを考えた場合には作業人員が圧倒的に少ない。業務量がふえてきておる。そして技能が低下している。また今度運航本部におきましては乗務員の訓練の簡素化、このために技術の低下ということ、こういうことも表面化してきているでありましょう。こういうこと自身がいろいろな面にあらわれてきているわけなんですね。乗務員の場合もそうです。大部分の最近の乗務員の訓練のあり方を調べてみますと、機長というものは三千時間あるいは四千時間、いま三千時間ですけれども、そういうような時間がかかる。そういうような機長だとか、乗員の訓練というものを簡素化されている。そういうことで、いろいろな欠陥が出てきている。そういう意味からこの問題をはたして安全運航ができるか。事業計画がたびたび変わる。一つの例は、朝田社長がきょうの委員会においでになられたときに開口一番、私のほうの職員を採用するときには半年前から採用しております、先取りしております、今度は一年前から先取りをします、こういうようなことも言われておった。 それで私は朝田社長にも聞きたいんですが、昨年作成された昭和四十七年度の事業計画にはホノルルの深夜便がなくなった。そのシフトに従事していた白糸二世の現地要員三十名が首切りされた。ところが四十八年度には首切りした以上の現地要員の不足となる事業計画が出された。そのために、また首切りをした者を優先的に再び採用しなくちゃならない、こういうような事業計画。労務管理上一年ごとに首を切ったり採用するのは労使関係からいっても、安全運航を根本とする航空会社として人間関係がしっくりいくかどうか、こういう意味で私は運輸大臣が安全運航ということに力を入れておりますと言うけれども、力が入ってないんです。この事業計画というものはどうなっているか。運輸大臣もはたしてお調べになっていらしゃるかと私言いたいんですが、過去五年間の中期事業計画を年度別に見ていきますと、昭和五十年度にはすべての旧式の航空機は大部分なくなりまして、日航の主力はジャンボになっている。それからDC8は62型を残しまして姿を消してジャンボが四十機も登場するように計画されていた。これは最近まで生きていた。しかしこの計画に対しましたときには、当時の航空本部、航務本部、あるいは大多数の運航関係者は困難であると、こういうことを言ってきた。しかし至上命令であるというところからいま簡単に話をしました乗務員の訓練等がされてきた。こういうことではたして大臣がいま言われるような、そういう安全運航というものができるかどうか。事業変更でもどういうことか。まあ、こういうことに対しまして大臣並びにこの人事の採用のことについては、社長が開口一番おっしゃった、その関係から、それとうらはらのことをやっていると、ここでおっしゃったこととうらはらのことがなされている。この点については社長からお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(新谷寅三郎君) その前にさっき初めにお話があったことですね。これは必ずしも日航だけじゃなしに全体の航空法によりまして、日航のように特別の会社でなくっても、航空法によってどうしても守ってもらわなきゃならない安全上の問題がたくさんあるわけです。それは航空法に規定がございます。日航も同じことです。ですから、そういった点も一緒にされまして、いわゆる日航に対してはあまり拘束が多いんじゃないかと言われますが、必ずしもそうじゃない。さっき申し上げましたように、法律上は十二条の二というような規定がございますけれども、それ以上に日航だからといって特別に何もかも金縛りにしたりというような事実は全くありませんから、この点は御了承いただきたいと思います。 それからいまの安全の問題でございますがね、さっきもちょっと申し上げましたが、私は日航の今度の四十八年度の事業計画を見まして、これは五カ年計画というものをだんだんに毎年毎年修正しながら時勢に合わしてやってきていることは事実です。変わるとおっしゃれば、そういう点変わるかもしれません。これは世界情勢に応じて変えるんですからやむを得ません。しかし、そのために基本方針がえらい変わったということじゃ私はないと思います。四十八年度の予算とか事業計画を審査いたしますのにも、私さっき申し上げたように、安全という見地から会社が運輸省に対して約束をして、現実にこういたしますということをもう数十項目にわたって言っているわけです。それがどういうふうに取り入れられているのかということだけを見たわけです。その他は、それをどういうふうに具体的にそしゃくし、具体的に実現化していくかということは会社の問題でございまして、初めおっしゃったように、運輸省が一から十まで金縛りにして指導し、動きがとれないようにしているという事実はないのでございます。ダイヤの編成等につきましても、日航は毎日動いているんですから、認可をとるためにダイヤの編成がおくれて日航機が飛べなくなったというような事実はこれはないと思います。 ですからまあいろんな意見があるでしょうけれども、いま申し上げたようなことを全体的にはお考えくださいまして、そして日航自身も考えるべき点は考えてもらい、われわれのほうも安全運航ということを第一義にしていまも検討を進めておりますけれども、そういった点についていろいろお調べになって、有益な御意見があればこれはどうぞひとつ御遠慮なく言っていただきたい。私たちはちっともとらわれちゃいないのです。国民のためにほんとうの安全運航ができれば一つでも二つでもいいことは取り上げていく、実行していくという態度でございますから、どうぞひとつそういった点において積極的に建設的なアドバイスをいただければ非常にけっこうだと思っております。
○参考人(朝田静夫君) ただいま先生御指摘の中で、ホノルルの深夜便がなくなって、それを実は配置転換を部内でやりまして、アンカレッジあるいはモーゼスレークという訓練センターがございますので、そちらのほうにも回して配置転換をやったことも事実でございます。今度またその増便でまた再採用しなければならぬじゃないか、こういう御指摘でございますが、これはいままで配置転換したものをもとへ戻すということでございます、これは。 問題の御指摘の重点は、これは年度を通じてずっと継続性がなきゃいけないんじゃないかと、こういうことであろうと私は理解するのでございますが、整備員の量質ともにそういう問題点も御指摘がございますので、今後はいわゆる機材計画、運航計画、整備計画、それから運航維持能力と、こういうものの計画をすべてそれぞれ斉合性を持ってそれを実行に移していかなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 最後でございますが、これは特に社長自身にもお聞きしたいわけなんです。時間もありませんからへし折ってお尋ねしますが、経常利益を見ましても、予算と実績の間にあまりにも開きが多いんですね。どうしてこんな開きがあるかということがふしぎに思われてならないわけなんです。例をあげますと、昭和四十六年度の事業計画の実施に当たって、下期になって経常利益が三十億円を切るかもしれないという予想から、十月以降に日航社内全般的に全経費の五%の経費節減というものが打ち出されたのです。各本部ともに必要経費を無理して削った。その結果ふたをあけてみると何と九十億円に近い経常利益が出てきた。これでまあ日航の社員が割り切れない気持ちです。経営陣はどうやっているんだという不信感が出ているんです。これは四十六年度だけじゃありません。私時間があれば四十二年、四十三年、四十四年、四十五年と一つ一つこの差、この開きについてお尋ねしようと思いましたが、時間がないから四十六年度だけを取り上げたわけなんです。どうしてこれだけの不信感が持たれている、この場合ですね、大臣がおっしゃいました安全運航という点からいきますと、必要経費の節減というのはこれも大事でありましょう、会社にとりましては。しかしそのことが安全をモットーとする安全性の阻害になってはいなかっただろうかと私はこのように心配するんです。欧米の各航空会社の過去五年間の成績を見ますと、数社を除きましては利益を計上した会社はありません。ところが日航は利益を追うあまりに、そのような三十億切るかわからないと思っておったところが九十億出てきた。これはだれが考えても経営者であるならばこんなことはどうやって起こるか。利潤を追うあまりに安全性の施設に経費をかけなかったのではなかろうかと、それが昨年度の連続六回の事故にはね返ってきたんじゃないかと、こういう点からいくならば、最高首脳という立場においては、これは今回の事故という面につきまして責任をとらなくてはならない問題点もここに含まれているんじゃないかと私は思うんです。こういう事業計画を作成したのはだれかと、こういう点も私は運輸大臣にようく聞いておいていただきたい。それで航空会社というのは現場主義、これでなくちゃなりません。大臣がおっしゃるとおりに、安全性に直結するものでなくちゃならぬ。そうすると、その安全性に対して、現在どういう整備が日本航空において行なわれているかといえば、昭和三十九年を例にとりますと、三十九年には三十三億円整備費にかけられた費用があります。これは総経費のうちの七・七%を占めていたわけなんです。それが四十七年度の予算におきましては、その比率は三・六%に大幅に下がっている。三十九年は七・七%、四十七年度の予算では三・六%、この間接整備を含めた整備合計では、これは例をあげますと、世界の航空会社の上位十社の平均を出しますと、総費用の一二・一%。パンアメリカンなんかでは一四・一%。これが日本航空は平均一二・一%を下ります八・三%の最低の比率になっている。この整備に対する費用がこういう低いという点が、器材部品の慢性的な不足、それが訴えられております。また、作業を進めていく場合に、スケジュール、作業量のしわ寄せ、品質の低下、職場におけるところの施設荒廃等のそういうものが起きてきている。 だから、大臣が一本にしぼっておりますとおっしゃる一本にしぼっている問題だけを、私は、ほかにいろいろ資料がありますが、大臣の話に合わすために出しているのです。そういう事業計画をやる事業が違いがある。安全性をモットーにしていかなくちゃならぬのが、こういうことになる。連続六回事故が起きたというこの責任は、最高首脳としてとるべきであると私は思うのです。時間がありませんし、主査からもこの一問で終われということを言われておりますから、最後にこのことに対しまして、運輸大臣並びに社長からお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほどから申し上げていることを繰り返すようなことになりますが、従来のことは、私は、まあ具体的に四十四年度、五年度、六年度ということはよく知りませんが、しかし、あの事故が起こりまして、昨年事故が起こりまして以来、やかましく安全運航体制の整備ということについては力を入れております。会社も同様の考えでございます。それが、現実に事業計画等にあらわれてきたのは、四十八年度のこの事業計画予算でございまして、これにつきましては、先ほど来申し上げましたように、十分会社のほうもわれわれの指示に従いまして、安全運航のための経費を十二分にさいて、これは乗員の問題も、あるいは整備の問題も、そういった問題すべてについて特別の配慮をした予算、それから事業計画を組んでおることは事実でございまして、そういう事実を認めましたので、四十八年度の事業計画等につきましては承認を与えた次第でございます。具体的にはまたお暇のときに政府委員からよく説明させます、その内容を。 それから最後におっしゃったような問題でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたように、責任ということになりますと、これは会社の幹部全員責任あると思います。運輸省も監督責任があると思っております。 そこで、その責任をどうして果たすかということが問題でございます。さっき申し上げておりますように、いま、国民の信頼、世界の国々からの信頼感を失ったような事故を頻発した日航といたしましては、その信用を回復するだけの安全運航体制を確立するということが何をおいてもこれは必要だという考え方に立ちまして、もう全社を動員してその体制確立のために取り組んでおるのでございまして、その人事の異動等につきましてはこれは任期もあることでございますから、時期があると思います。その際に、さらに将来の日航というものを考え、いま申し上げたような安全運航体制を確立する上にどういう人事が一番望ましいかということを、われわれとしてはあらためて考えていきたい、こう思っておるのでございまして、現在のところは安全運航体制を確立することが第一義でございますから、いまはそれに邁進してもらいたい。いまのところは、人事に対しましては白紙の状態で考えておりますということを申し上げておきます。
○参考人(朝田静夫君) 数々の御指摘を賜わりましたが、まず第一に、事業計画なり認可予算というものに従って経営をやっておりますが、四十六年度の事業計画で五%の節減を指示した、三十億を切るかもしれないといったところが、ふたをあけてみれば九十億だった、こういう御指摘でございます。私どもは、ほんとうに三十億を切るかもしれないということは、事実考えておった。なぜ九十億になったかと申し上げますというと、昭和四十六年の十二月の二十日に円の切り上げがございました。したがいまして、私どもが器材を米州で調達をいたしておりまするそういう外貨債務、片や運賃というものが、円表示額がそう下がらなかった。これはIATAの運賃会議その他でそういうような事態が続きましたので、これは営業上の収支は三十億でございます。ところが、財務上のそういう表示額が六十億出てきたもので結果としては九十億になった、こういうことが事実でございます。 その他の点につきましても、御指摘を受けました点は、重々私どもも虚心に謙虚に反省をいたしまして、いま大臣が御答弁になりましたように、安全運航ということで全社の総力をあげてこれに取り組んでおりますので、今後ともひとつ御指導を賜わりたいようにお願いをいたしたいと思います。
○主査(森中守義君) ちょっと私から一問だけ伺っておきますが、黒柳、田代両委員の質問をずっと聞いておりまして、人事問題等がかなり重要問題として出ておる。そこで、日航法の四条の制限条項であります。これが、事業計画あるいはこれに対応する乗員関係、こういう一連のものとしてとらえられておったかどうか。つまり十八名の——代表権を持つお二人、監査役三名ですね、十八名の人がはたして常勤なのか、どうなのか。 それと、この条項の改正が昭和三十年ですね、相当古いわけなんです。したがって、現在の航空需要に対応する事業の拡張、要員の増加、そういうものが、はたして制限された条項というものがどういう点見られていたか、ちょっと疑問があるのですがね。大臣と——お二人から御説明願いたい。
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまのお尋ねの点は、日航法の中ではいろいろな意見がある、そのうちの一つの問題だと思います。おそらく現在の日航の業務範囲が拡大し、世界の航空界における日航というかっこうになってくると、これではたしてやっていけるのかどうかと、こういう御質問の趣旨だと思います。 これは、政府部内でも問題になっておることは事実ですが、今回のこの国会では、これは改正は見送っておるのであります。この点については、近い将来においてさらに検討を加えまして、いまの日航が世界の航空界に伸びていくために必要な陣容というものは整えさせる必要があると思いますので、この点はひとつ、いまここで、あれを変えて何人ふやしますというようなことは申し上げられませんが、その必要のあることも理解できないことはありませんし、そういう要望のあることも事実ですから、近い機会にこの点については真剣に検討しなければならぬ問題の一つであるというように私は考えております。 常勤が何人であるということは、私はよく知りません。これは社長のほうから答えていただきます。
○参考人(朝田静夫君) 十八名のうち非常勤が二名でございまして、十六名が常勤でございます。 ただいまの御指摘の点は、日航法改正の私は最も現実的でしかも同業他社あるいはその他の産業界全体の企業の現状を見ましても、国際、国内非常に一万七千人の従業員もかかえておりますので、率直に申し上げさしていただきますと、この定数は現状に合わないというふうに考えております。今後、政府とよく御相談の上で、この辺の改善策についてはお願いをいたしたいと、こういうふうに考えております。
○主査(森中守義君) 朝田参考人には御多用中当分科会に御出席をいただいて審議に御協力いただきありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。 —————————————
○主査(森中守義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、小柳勇君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君が選任されました。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後一時十一分休憩 —————・————— 午後二時四分開会
○主査(森中守義君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○主査(森中守義君) 休憩前に引き続き、運輸省所管の質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○栗林卓司君 私は国鉄問題を中心にして若干お伺いしたいと思います。 具体的な問題に入る前に、たいへん基本的なことをお伺いするようですけれども、運輸大臣と国鉄総裁にそれぞれ同じ質問をしたいんです。私は主義としてあげ足取りはしませんから、その点は御心配なくお答えいただいてけっこうなんですけれども、お伺いしたいのは、それぞれ指導者としていま仕事をされていると思います、という意味で、いま日本人が何を考え、何をしなければいけないのか、この点についての所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) どうも社会観、人生観をまとめて話せと、こういうように聞こえるんです。私は哲学者でもございませんので、お気に入るような答弁はもちろんできないと思います。 ただ、しかし一言で申し上げますと、これは非常に幼稚なお答えかもしれませんが、日本が終戦後二十数年の間に、ああいう中から立ち上がって、お互いの努力によって経済的にはここまで大国になった。これはけっこうなことだと思うんです。世界の国々からは経済的にはうらやましがられたり、こわがられたりしていることも事実だと思います。しかし、それだけでは足りないと思いますね。私はやっぱりここまでまいりますと、非常に世界的に平和というものが各国の間で、もうこれは各国民の間に共通の願いとして叫ばれておるし、それの実現に向かって進んでおるわけですから、そういう中で、経済的に非常に成長した日本が、この平和な世界の中で何をなすべきか、何を考えるべきかということは、おのずから明らかになってくると思うのでございます。言うまでもございませんが、やっぱりどこまでも世界平和という観念に徹底して、そうしてお互いに有無相通じて、助け合って、どこの国とも親交を深くして、幸いにして経済的には相当成長した日本でございますから、世界の、後進国というと語弊がありますけれども、われわれが持っておってなお持たない国がありますから、そういった国々に対して、やはりこれも世界平和につながる一つの政策として、あらゆる協力をして、お互いに世界じゅうの国、国民が繁栄するというような方向で、具体的な努力をするという段階にきてるんじゃないかと考えるのでございます。 国内についても同じことが言えると思います。まだ、国内の政治もなかなかそういった方向に向かって完全とは言えません。いろいろの考え方から、いろいろの政策が行なわれようとしておりますけれども、要するにここまで成長した日本の経済、これを土台にいたしまして、どこのいなかに住んでおっても、都会に住んでおっても、全国民がこういう経済的に非常に成長したという、その恩恵といいますかね、そういう影響を受けて、各国民、どの国民でもそういう政策のもとに、平和で豊かな生活が楽しめるような条件をつくり出すということが、今日一番の問題ではないかと思っております。 それには何を考えたらいいかということですが、そういうことを主眼にして考えていくべきでしょうが、どうも社会風潮が世界的にいろいろ変わってきております。それについて、特にこれは国務大臣だからといって考えているわけじゃありませんが、日本人の一人として考えるわけですが、どうも一部の方には、その経済成長の結果、個人の生活も非常に向上したことは事実でございますから、どうもそのほうに流れ過ぎてしまって、自分の住んでる社会というものを忘れるような傾向にあるんじゃないかと。みんながそうなってしまうと、われわれの住んでいる社会は、これはだんだん下降していくだろうと思うんですね。だから自分たちの住んでいる社会というものは自分たちの手でよくし、育てていくということが、やはりこれは基本的な問題であろうと思います。そういう点につきましては、われわれやはり日本人の一人として、そういうふうな風潮に向かおうとする傾向がございますから、お互いに協力し合って、自分たちの住んでいる社会をよりよくして、その中の一人として自分も栄えていくというような方向でものごとを考えていく必要があるんじゃないかということを私個人としては痛感しておるのでございまして、これはとうてい先生の御質問に対しまして満足な答えじゃないと思っておりますが、時間もないことですから、ふだん考えておりますことの一端を申し上げまして、なおお示しがございましたら伺いまして、これからのわれわれの進む姿勢の上で参考にさしていただいたら非常にけっこうだと思います。
○説明員(磯崎叡君) 私はたいへん次元の低い御答弁で恐縮でございますが、私はまず第一に、日本人の持っている能力、それから私は日本人の持っている活力といいますか、バイタリティと申しますか、この二つには私は全面的な確信と信頼を持っております。私はまあ明治の人間でございますので、非常に古うございますが、それを前提といたしまして、また現に国鉄総裁として仕事をしておりまして、たった一つ、いま非常に欠けていること、またこれだけはやらなきゃいけないということ、たった一つ思っております。それは私は日本人がルールを守ること、そのルールの中には高く言えば憲法、法律もございましょうし、また低くなれば地域社会なりあるいは家庭の中のルール、学校の中のルール、企業のルール、いろいろあると思います。いわゆる古い道徳社会を私夢見ているわけではございませんが、いやしくも民主主義社会になって、お互いにきめたルールでもって国民が発展していくということが前提である以上、私はやはりだれをも問わず私自身を含めてルールを守るということが一番大事なことじゃないかということを考えております。
○栗林卓司君 いまが一つの危機だという気持ちはみんなそれぞれ胸の中にあるんだろうと思います。そこでいまお答えの、自分たちの社会というのは自分たちで努力しなければできないんだと、これも重要な一つだと思いますし、ルールを守るということも、次元が低いと言われましたけれども、たいへん重要なことだと思います。それぞれお考えよくわかりましたので、そういったことをひとつ踏まえながら、国鉄問題に入っていきたいと思うんですけれども、生産性向上というのをどう考えていったらいいんだろうか。これはいわゆるマル生運動というところからたいへん不幸な昨今では環境下にある。マル生運動が不当労働行為である云々、それはその問題として別個に取り扱うべきだと思います。 そこで、自分たちが協力して社会をよくしていこうという中でやはり忘れることができないのは生産性の向上ということになりますし、ルールを守るということもそれと全く裏おもての関係といいますか、生産性という問題が出てまいります。そこでこの問題をどう考えておいでになりますか、簡単なお答えでけっこうですけれども、それぞれにお伺いします。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 本来の意味からいいまして、生産性の向上はいつでも私は必要だと思います。ただ、ある企業である場合に行なわれましたように、生産性向上という名をかりましていわゆる不当労働行為のようなことをやったということになりますと、これは非常に罪悪だと思います。しかし、生産性を高めまして、そして企業を合理化し、近代化いたしまして企業の収益も上がるかわりに、一方では関係の職員の人たちも労働者の人たちも、みんなそれによって恩恵を受けて地位を向上さしていくということにつながってまいりますから、そういう意味ではそれはやっぱり一つの原理であり、守っていかなきゃならぬ問題であると思っております。
○説明員(磯崎叡君) 私は生産性の向上ということは人類、日本人の経済、文化、社会、生活の向上ということに即つながると思います。過去の実績を見ましても、あらゆる角度から見て、広い意味の生産性というものを高めなければいけない。また高まった結果今日になっていると思います。したがって、今後ともいろいろな方法でもって、しかも無理のない、さっきのルールを無視したことのないような姿で生産性の向上をはかっていくということが一番必要じゃないかと、こういうふうに思います。
○栗林卓司君 運輸大臣に国務大臣としてお伺いしますけれども、抽象的に生産性向上が大切だということにとどまらないで、たとえば昨今重要な政治課題になっている物価の安定というものを具体的に考えると、生産性向上というのは喫緊の重要事であると見なければいけないのではないか。その点いかがですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃるとおりだと思います。ただその問題につきましては物価問題に関連して申しますと、これは私の担当ではございませんけれども、関連する部分があります。この点について申し上げますと、いまの制度のもとにおきまして物価の問題がなかなか捕捉しにくいというような点がございまして、政府の意図しないような方向で知らないうちにそれが悪用されて物価にはね返ってくるというような事例が非常に多いのでございます。しかし個々の企業としましてはやはりこの生産性を向上さして、そこでできるだけよい質の安いものをつくり出して、それを、その利益をやはりこの関係者がこれによって利益を受けるような方法で考えていくというようなことは、これは間接的でございますけれども、物価問題にもよい影響を与えるものだと私は考えております。
○栗林卓司君 その生産性向上というのは回り回ってよい影響を与えるというものではほんとうはないんです。どういうことかといいますか、これはフランスの例ですけれども、最近休日をふやせということをフランスの労働組合は言わなくなってきた。なぜかということを生産性に詳しいフラスティエという、これはフランスの専門家ですけれども、それがフィガロという新聞に書いてあるのはこういうことなんです。とにかく休みたいんだと、とってしまったらインフレになっちゃった。たとえば週休二日ということになりますと従来六日でつくっていたものは五日でつくることになる。一日だけものができなくなるわけです。賃金が下がるかといったら冗談じゃないという話になりますから、賃金も含めてお金の量は変わらなくてものだけ減りますからインフレになるわけです。それをフランスがどうしたかというと減った分の約六割は生産性向上でとり返した。あと減った一日分の四割が物価にはね返ってきた。生産性向上というのは本来こういうものであって、考え方として回り回って何となくよくなるということではないんです。これはひとつ御理解をいただきたいと思います。 そこで、総裁にお伺いしたいのは、たまたま国鉄運賃ということが昨年、ことしと議題になっておりますけれども、生産性を向上するんだということが国鉄内の大きなコンセンサスになっておりますかどうか、お伺いします。
○説明員(磯崎叡君) 内部の全般の何と申しますか一人一人の考え方の問題と、いわゆる職員の労働組合としての考え方の問題と多少おのずから違っている面もあると思います。したがって、労働組合的な立場で申しますと、御承知のように若干立場の違った組合がございまして、この問題に対する取り組み方がおのおの多少ニュアンスがあると思います。しかし、私、四十数万の職員の一人一人の考え方というものはやはりいまのままの国鉄ではどうなるのだろうかということに対する非常な大きな不安と、それからこのままでいいのかという非常な不満と両方持ってるというふうに考えます。したがいまして、各個、個人個人の職員の非常にナイーブな考え方というものはやはり何とかしなきゃいけないという考え方はコンセンサスとしてごく底流にはあると思いますけれども、しかしそれがあらわれた形ではまたおのずから違った場面があるというふうに思います。
○栗林卓司君 そのあらわれた形がおのずから違うというんではほんとうは困るんです。申し上げたように、生産性というのは考え方の問題であり、片方では具体的な経済的な数字にひびいてくるわけですから、それが一番の総裁の悩みの種でしょうし、一番の問題だと思います。じゃ、生産性というのをどう考えたらいいかというと、おそらくこういう理解で間違いないと思うんですけれども、通常生産性向上というと合理化と置き直すのです。これは本来全く違った考え方であって、生産性を向上するということは、さっき総裁も触れられましたけれども、人間の能力を開発して社会に生かしていく、これが一つの柱です。もう一つの柱は、物的資源の有効な活用をはかる、これが基本になるから、当然、物価問題とつながってくる。たとえば、物的資源の有効な活用をはかるといっても、一人一人の創意くふうがなければはかれないわけですから、したがって、人間能力の開発と、社会に生かしていくことが必要になる。これが生産性向上だということになると、たとえば、国鉄に例をとらえれば、どういう管理体制なのかという話と無関係にこの生産性向上というのは存在しないんです。四十万職員が何となくそんな気持ちで不安なんだということでは、一歩も解決をしない。 そこで、時間がありませんから、続けて申し上げますと、じゃ、そういう環境をつくるために一体何が必要なのか。思いつくままにあげてみますと、まず、職場の人間関係が健全でなければいけない、もう一つは、努力をしたら報われなければいけない、もう一つは、教育が十分にされていなければいけない、もう一つは、管理者の問題、管理者が信頼され、職場の指導者として機能しているかどうか、おそらくこの四つだと思うんです。この四つの点、どれをとってみてもいまの国鉄ば全部落第点以下。したがって、コンセンサスになるということは、これが重要なんだと具体的に取り組むことが必要である。という意味で、コンセンサスがありますか。
○説明員(磯崎叡君) いまあげられた四つの問題につきましては、全部ないという御批判もございましたけれども、私も全部が全部備わっているとは思いません、率直に申しまして。したがって、この中で、いずれも私、非常に大事な問題だと思いますが、ことに、やはり一番大事なのは、最後に言われた管理者の問題ではないかというふうに思います。私どもは一人一人の職員に呼びかけるということは、これはほとんど実際には不可能に近いことで、やはり管理者は、同じ気持ちでもって自分の預かっている職員を自分の仕事を通してうまくコントロールできるかどうか、また仕事のために寄与できるようにコントロールできるかどうか、そこが一番の問題だと思います。私は、いろいろございますが、その点に一番ウエートを置かなければいけないというふうに考える次第でございます。
○栗林卓司君 その管理者のことでお伺いしますけれども、総裁として管理者に望む条件は何ですか、あげてください。
○説明員(磯崎叡君) これは、望む条件と申しましても、いわゆる現時点において実行できる条件と実行できない条件とあるかもしれません。実行できる条件は、むしろ管理者が実行するしないよりも、私どものほうでつくってやらなければいけないという条件があると思います。それからもう一つは、実行できるのに実行してない条件もあると思います。そういう意味で、いろいろ具体的な条件ございますが、やはり自分の、私どもの職員でございますから、いわゆる鉄道を、自分の持ち場持ち場の仕事を通じて、それに従事している職員が自分の能力を一〇〇%発揮できるように管理するということが一番大事なことじゃないかというふうに思います。
○栗林卓司君 ですから、私がお伺いしたのは、一〇〇%発揮させるために、させるということばは悪いですけれども、そのためにいかなる管理者でなければならないかと考えているか。これはできることとできないこととあるということでは済まないんです。あらためて聞きます。
○説明員(磯崎叡君) まず、管理者としては、自分に与えられた仕事を一〇〇%自分でそしゃくしていなければいけない。これは当然だと思います、管理者として上に立つ以上。と同時に、自分の預かっている、自分と一緒に仕事をする連中と完全なコンセンサスの上に立って、その仕事に一〇〇%能力を発揮できるようにさせるということ、その一番基礎になるのは、私は、管理者と職員の間のヒューマンリレーションズではないかというふうに考えます。
○栗林卓司君 総裁は、国鉄の中でずっと御経験も深いと思いますけれども、また同じことを聞かなければなりません。その人間関係をつくるために管理職はどうなんだ、お答えになっていないのです。管理職に求める最低条件は、人が使えるということでしょう。違いますか。人が使えるというと、何となく上と下になる、その辺はうまいことばでこうやってというと、問題がそこに行かないのです。では、人が使えるために何が必要なんだ。公平である、正しい判断ができる、職場の秩序維持について責任を持てる、これがなかったらどうして部下が信頼してついてきますか。これがあるか。しかもそれが、この再々の問い返しの中で、管理者の条件というのは人が使えることなんだと言い切る力がなぜないのですか。たいへん私は不満に思います。 そこで、そういう条件を満たすような指導が、現在、国鉄の中でされていますか。
○説明員(磯崎叡君) 管理者に対する教育と申しますか、いま先生のおっしゃった三つの条件を充足できるような管理者をつくるという意味の教育、これに相当重点を置いているつもりでございます。しかし、もちろんおっしゃったように、現時点で一〇〇%それができているという確信、自信はございません。しかし、やはりそういう方向に向かって進んでいくという努力、進めなければいけないというみんなの認識、これだけは最小限持たせなければならないというふうに思っているわけでございます。
○栗林卓司君 伺っておりますと、たいへん平和で穏やかな国鉄の職場が連想されるのですけれども、いま暴力がありませんか、職場の中に。そこの中で管理者は何をやっているのですか。職場の中で、それは組合同士いろいろ意見のそごがあってけっこうです、いいこととは言いませんけれども。そこの中で、おれは生産性向上やるのだと言ったら暴力ざたでしょう。そのときに、職場の規律の問題なんだと、私はこんな職場にしないのだといって管理者が中に入っていったらどうなりますか。ほっておいても暴力ざたです。一件でも起きましたか、そんなことが。何にもやっていないということでしょう、これは。違いますか。
○説明員(磯崎叡君) 最近二、三年来、非常に私どもの現場に暴力事故が多かったことは事実でございますが、最近、昨年の夏ごろから非常に急激に減ってきております。ただ、たとえばこの間の二月十日のスト権奪回ストというふうな場合なり、あるいはこの間の動労の問題などになりますと、いわゆる組合運動と、派生してと申しますか、関連してと申しますか、暴力行為が多くなるということは事実でございます。しかし、それは実際管理者が怠慢でもって防げなかったものと、管理者がどうしても、能力が足らないと申しますか、物理的な能力が足りないで防げなかったものと二つあると、こういうふうに私は思っております。
○栗林卓司君 できることとできないこととあると、必ずそういうお答えになるのですけれども、それは管理者に対する総裁としてのいわば思いやり、愛情なのかもしれません。しかし、それは国鉄の中の一部の話なんです。そこで、私が最初にお伺いしたのは、いま日本人として何を考え、何をしなければいけないのかと聞いたのです。国鉄の中だけうまくおさまればいいということにはならないのです。 そこで、最初の質問に戻ってお伺いしますけれども、生産性向上というのは、人間の能力を開発して社会に生かしていく、物的資源の有効活用をはかるのだ、そのとおりだと言われました。しかも、基本になるのは、おっしゃったように人間関係、端的にいえば人が大切にされるということ、現在、この生産性向上ということに照らして国鉄の現実は満足すべきものではないということは、国鉄の中で人が粗末に扱われている、ものが乱費されている、同じことです。お認めになりますか。
○説明員(磯崎叡君) 全般的な見方として、人が乱費され、ものが乱費されるということについては、私、必ずしも納得できませんけれども、しかし、いろいろな指摘から見ますと、そういう点が相当あるということも率直に認めざるを得ないというふうに思います。
○栗林卓司君 私は、人が粗末にされ、ものが乱費されていると、ちゃんと、きちんと使い分けたのです。使い分けたのは使い分けたなりの理由があるからです。 そこで、それでは国鉄運賃との関係で伺いますけれども、価格と生産性の関係はいまさら申し上げません。ところが、二月二日の閣議了解の内容にしても、それから運賃改定申請理由の内容にしても、生産性に触れて吉っているのは、要員の縮減、人件費の節減、これが生産性のすべてでしょうか。 もう一つ言いますと、長期の収支見通しがあります。四十八年の運賃収入は一兆四千八百四十六億円、四回の値上げを含んで昭和五十七年には四兆九千二百三億円、約三・三一倍です。この間にあって人件費はどうかというと、伸び率というのは二・四一倍、がくんと減るわけです。ほかも全部、ずっと減っているというのならよくわかるのですけれども、物件費を見ますと、公団借料を含めて伸び率は三・六七、運賃収入よりも多いのです。この姿を見てみますと、生産性向上と、口では言うのだけれども、要するにおれたちの首切るのか、賃金下げるのかと受け取ってどこが悪い、そうとしかとられません。 そこで、今回のたとえば十年間の見通しにしても、正しく生産性ということをつかんで御検討になったのかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 生産性の内容には、いろいろそういうふうな御質問でありますと、具体的な問題も出てくると思います。たとえば一人当たりの働く量とか、あるいは一人当たりの水揚げとかいろいろございますが、一人当たりのいまおっしゃいました人件費の計算、これは十年間のは国鉄の試算でございまして、いわゆる政府のオーソライズされた数字とは私は必ずしも申し上げませんが、国鉄の試算で申しますと、十年間でいまおっしゃった人件費、総体の人件費は減ってまいりますが、一人当たりの人件費は約三・三倍くらいになります。したがいまして、運賃は大体倍、一人当たりのペイ、収入は約三・三倍、輸送量その他も約三倍、二倍、数倍ということになりまして、私は、仕事量とそれから一人当たりの働き高というものとは大体マッチしているというふうに考えるわけでございます。
○栗林卓司君 労働の生産性ということしかお考えにならないんでしょうか。現在これだけ物件費がかかる、現在は減価償却にこれだけかかる、それをどうやって乱費を少なくしながら安くしていく、それも実は価格との関係で主張される生産性の重要な部分なんだ。いまあなたが言われたのは、労働の生産性のことばかりでした。お考えになっておりませんか。
○説明員(磯崎叡君) その点で一番考えておりますのは、いわゆる動力の近代化でございます。物件費の中の一番大きなウエートは私どもは動力でございますが、この動力費をやはり石炭から、あるいは油から電気にかえるということ、これは非常なたいへんな、いわゆるハードの面における生産性の向上であるというふうに考えています。すなわち、一人当たりの輸送量、一人キロトン当たりを輸送するについての石炭の消費量と、それから電力の消費量とは全然御承知のとおり、けたが違います。そういう意味の動力の近代化を中心とした生産性の向上、と同時に、もう一つ大事なことは、輸送能率の向上と申しますか、いわゆるこれもハードの面で列車のスピードだとか、あるいは線路の保守だとか、そういう物件費の中の大きなウエートを占める修繕費と申しますか、そういうものを極力減らすというのには、やはり最近の機械を応用して、修繕をしないでメンテナンスをフリーにしていくという意味の生産性の向上、これは当然物件費の内容といたしまして、動力の近代化とメンテナンスフリーという問題が、私のほうなりの生産性向上の物件費に対する大きな問題だというふうに申し上げられると思います。
○栗林卓司君 いまの御検討は、御提案になっている昭和五十七年までの計画の中に織り込んである、こういうことですか。
○説明員(磯崎叡君) さようでございます。
○栗林卓司君 そうしますと、いま四十八年ですけれども、四十九年から昭和五十七年までは新しい知恵は何にも思いつかない、こういうことですか。
○説明員(磯崎叡君) それは、主として先ほど申しましたように、動力の問題と修繕費の問題でございますが、あとは一番問題は、何と申しますか、国鉄内部の近代化の中で一番大きな問題は保安部の向上ですね。それから速度の向上、これの一番大きな問題は、いわゆる電子技術をどう導入するかということが一番大きな問題でございます。この導入のしかたは、いまきまっている導入のしかたと、さらにいまおっしゃったように、今後十年間にどういう形で国鉄の運営に電子技術を導入するかということが、生産性の向上に非常に響いてくる今後の問題でございます。
○栗林卓司君 私が申し上げているのは、どんなにいい案をつくっても、いまの知恵でしょうと言っているのです。あと九年間横に寝ているわけじゃなくて、やっぱり真剣に考えるわけでしょう。たとえば燃料の問題、動力の問題と言われましたけれども、では、今後十年間展望して、石油がどう動くかわかりますか。だれもわからないから悩み抜いているわけでしょう。ことしの冬にアメリカで、いわゆる石油危機という問題が起ころうとは、去年の正月だれも考えなかった。ちょうど国際通貨の変動があって、愛知大臣がワシントンに行っているちょうどそのときに、ベイルートでは産油国の外務大臣会議が開かれた。そういう中に国鉄もあるんです。最初に運輸大臣が言われたように、一つは、世界の中の日本なんです、いまわれわれが考えるべきことは。そこの中で、いま現在の知恵で十年間引っぱっておかしくありませんか。私がお伺いしているのは、しかも、生産性向上というのは、総裁も言われたように、人間の能力の開発なんだ、バイタリティーなんだということになれば、どんどんその成果は、ときどきの状況を織り込みながら、個別に変わっていくし、改善されていくんだ、これは期待してしかるべきだ。私が言いたいのは、十年なんという計画は引けないでしょうと言うのです。いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) その点は確かにそういう見方もあると思いますが、ただ、私どもは、やはり非常にショートレンジでものを考えることも少し無理じゃないかということで、現在発表されておりますこれは、私ども、そういう長期の見通しについて非常に能力が足りないものでございますから、政府の全知全能を集められた経済基本計画、あるいは新全総というものが一つの日本の今後の発展の基準であると、ガイドポールであるというふうな考え方から、おおむね政府関係と申しますか、民間の知識を総動員しての長期計画に斉合したものを一つつくっていくと、もちろんそれが十年間確固不動ということではございません。輸送力一つとりましても、いま考えておる輸送量がそのとおりいくとは考えられません。もちろん、数年間おきに計画を修正する必要はございますけれども、やはり十年という一つのロングレンジをとって、それを経済のいろんな角度から見た長期計画に斉合さしていく、それを数年に一ぺん、ずつ手直ししていくということ以外に私は、長期に経済を運営する方法はないんじゃないかというふうにも思うわけでございます。
○栗林卓司君 運輸大臣に国務大臣として伺いますが、政府の計画は全知全能なんだそうですけれども、いかがお考えになりますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃるように、十年先を的確に見通せとおっしゃっても、これだけの激動期でございますから、的確に把握することはなかなか困難でございます。しかし、毎年単年度の予算を組んで、ことしはこうします、来年はどうなるかわかりませんじゃ困るんです。でございますから、現在のところは、経済社会基本方針におきましても、大体五年というめど、これも考えようによっては長過ぎるかもしれません。五年たったらいま考えておることは変えなきゃならぬかもしれません。しかし、そういうような程度の一応予見し得るようなものを条件にいたしまして、そうして日本経済をどうしたらいいかというようなことを考えているのが今日の基本方針でございます。それは絶対不動なものじゃございません。物価の情勢だけ見ましても非常に変わってまいりますから、そのつどこれは修正をしていくということは当然でございましょう。しかし、これは計画がないよりも——ない場合は目標もない、一つの目標をつくっていくんだということで御理解をいただきたい。その中で国鉄というものはどうしたらいいかということを考えておるものであります。 十年と申しますのは、これは御承知のように、現在の再建整備法にもございますように、一応十年間というものを長い目で見て、そこで国鉄の再建計画を立てなさいということになっておりますから、それに従って十年ということを一応の目標にしております。しかし、初めに申し上げましたように、これは十年先まで、物価がどうなって、公共事業がどうなってというすべてのことを——世界情勢はどうなってというようなことを見通せてやれるはずはありません。これは現実に即して、いま考えておりますことも修正しなければならぬ事態が起こってくるだろうと思います。しかし、計画としましては、単年度で国鉄の再建ができるはずはないんです。ございませんから、今後十年間にほかのいろんな条件はありましょう、それはそのつど考え直していきましょう、しかし、こういう方向でいけば、十年間たてば財政再建はできるでありましょう、その結果、国鉄のいま失われている本来の機能というものが回復されて、国民の福祉というものにつながることができるでしょうと、こういうことをわれわれは目標として今度の法律案、及びそれに基づいた四十八年度の予算案を出しておるわけでございますから、そう十年間の計画ですね、いまかりに試算をいたしました数字を参考として出しておりますけれども、これがもう絶対確固不動のもので、このとおりに必ずまいりますということは、これはだれにも言えないことでございますから、そういう意味において大体のこれは方向を示したものだと、方向を予測したものだというふうに御理解いただかないと、非常に誤解が起こるかと思います。
○栗林卓司君 運賃を四回にわたって上げていくんだということが入ってなければ、いまのお話はよくわかるのです。試算なんです。将来をかりに見通したのです。ないと困ります、それはそうです。ところが、運賃の分だけ何できちんときまつちまうのですか。そこで運賃を上げるか上げないかも含めてそのときの選択の問題だと言われるんならわかるのです。片方のほうだけ入れてしまって、できないでしょうと言っているのです、それも含めて。とにかく、今回一ぺんだけ上げてくれ、これはわかります。あとまだ上がる。その基礎は仮の案で、いってみなければわからない。これ、説明になりますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 私が提案をいたしまして、閣議の了解を得た。それは閣議了解の事項をごらんになりますとわかりますように、その運賃の問題につきましては、そのときの物価情勢、経済情勢に応じて決定するのだということを書いてございます。いまここで十年先を見て何十何%ずつ何年ごとに上げていくんだということは試算の基礎にはしております。しておりますけれども、これをいま政府として確定したということはいたしておりません。しかし、現在の見通しからまいりますと、この十カ年間で国鉄の財政を再建して国鉄の機能を取り戻させるためには、この程度の運賃値上げをこういう段階でしないとできないと思いますということを言っておるのでございます。これはそんな不確かなことでいいのかとむしろ逆に言われるかもしれませんが、いまのところはお話のような点も十分考えまして、これは一応の試算の基礎、そういう長期計画を立てて、そこで来年度はこうしていただきたいということを言っているのでありまして、あとはいろいろの情勢の変化に応じまして、そのときそのときで適切な考慮を払っていかなきゃならぬということは、もとより当然のことでございます。
○栗林卓司君 国鉄の再建、まあ別なことばで柱を立てれば、生産性の向上ということにもなりますし、いろいろな言い方があるかもしれません。そこの中で、もとは人間なんだ、人がどれだけ真剣に努力するかで結果がきまってくるのだというときに、運賃を上げていいというときの真剣さと、運賃は最後の最後の手段だ、当運輸省としては認めないのだ、まず真剣に努力してみろというのとどっちがききます。
○国務大臣(新谷寅三郎君) その点は、お話の根拠もよくわかるのです。わかるのですが、先ほど来、国鉄総裁との間でいろいろお話し合いがありましたが、私は、やはりこの国鉄の再建につきまして、初めお話しの生産性の向上という点から見ますと、この再建案全体がやはり生産性の向上というものにつながってなきゃならないと思うのです。著しい例は、一番国鉄の財政の中で大きな赤字の原因になっております貨物輸送ですね。これはいまのような形で、いまのようなシステムでいくらやりましても、これはいい結果にならない。で、国鉄が従来——これは過去の人を責めるわけじゃありませんが、どうもやっぱり旅客を中心にして旅客中心のサービス改善というものに力を入れ過ぎて、貨物部門についてはどうも手が及ばなかった。これは財政上そうだったのだと思いますが、しかし、それではいまの自動車輸送に全然圧倒されましてどうにもならない。ほっておけばますますそうなるでしょう。ますます大きく赤字がふくれるでしょう。でございますから、今度の計画では、国鉄の担当する貨物部門の設備の整備につきましては、非常なこれは努力をさせておるわけでございます。もうすでにいままでも若干やっておるのですけれども、今度はこの計画によりまして、画期的にこれを拡充し、そして、国鉄の担当している貨物輸送というものも、国民の希望するようなサービスで国民に輸送手段を提供しようということをやっておりますので、その点から言いますと、私はこの再建案というものは、初めにお話しになったような生産性の向上というものの中で、これは人の問題もございますよございますが、設備の方面からいきますと、これは人の問題と組み合わせまして、こういったのが生産性向上の一番大きな柱になってくるべきものだと、私はそういうふうに観念しておるわけでございます。
○栗林卓司君 そこでやはり御認識をしていただきたいのは、人と設備を分けて考える。設備というのは、自分で歩いてくるんじゃないのです。どんな設備を買ったらいいのか。やっぱり人間があって設備になるんです。もとは人しかいないんです。そこのところをはっきりと頭の中に入れておいていただかないと困るんです。 そこで、総裁に伺いますけれども、これも大きな意味で生産性向上の中に入るんですけれども、会計検査院から毎年指摘されている内容というのはどういうことですか。
○説明員(磯崎叡君) 毎年決算委員会に出しておりますけれども、大体通覧いたしまして、一番多いのは工事の単価の問題でございます。また積算の問題でございまして、あとはそのときどき、たとえば新幹線のときの補償などの問題がございましたが、一番多いのは、やはり工事施行上の単価の算出の問題が一番共通的な問題でございます。
○栗林卓司君 もう少し正確に言いますと、単価の見積もりの誤り、それから実際の工事が設計仕様と違っていたのを見なかった、したがってさびちゃった、こういうやつがほとんどです。みんな人なんです。だから、時間がありませんから、実はさっきの国鉄貨物の問題も、これは大臣並びに総裁にお考えいただきたいのは、諸対策を打った結果、民間との競争に勝てなかった、これは詰めて御検討いただきたいと思います。 先日、ある国鉄関係の方と話をしておりましたら、いや、何としたって勝てないんですよと言っていました。幾らの単価にきめようとも、民間はちょっと下げる。単価水準をどうきめたってだめなんだ。現在のところは貨物運賃を上げます。これは物価です。イークアル・フィッティングということで、もう一方の民間の貨物に税金をつける、これも物価です。物価を上げるというマイナスをしょいながら、何とか国鉄の再建をしようというのだけれども、はたして勝てるか。民間との競争に勝つためには、少なくも価格の自由裁量権がなかったら勝てないんです。しかも、国鉄みずからが民間の過当競争の渦中に突入しないと勝てないんです。していいのかという問題もあるでしょう。だから、貨物というと、いろんな設備立てをこねくり回していけばうまくいくんだというところでとめないで、このものは国鉄の貨物で運ばなければいけないとまで締めなかったらできないのかもしらぬですよ、ものによっては。 従来は、原料輸送が中心でしたけれども、これからの輸送というものは、ずいぶんさま変わりがしてくるらしい。そのときにどういう線路の引っぱり方があったらいいのか。そこまでいかなかったら勝てません。それをやるのが国鉄職員なんですよと。それは国鉄に対する愛情と、国鉄が果たしていくべき社会的責任の自覚と、そういう努力が正しく報われる国鉄の管理体制、これがそろってこなかったら、だれがばかばかしくて仕事なんかする気になりますか。結局人なんです。それを生産性向上というと、設備と別になってみたり、計画というと、十年なくちゃさびしいというので変えていく。こういうことばかりやっておりますと、実際の知恵というのが、第一線の国鉄職員の現場を知っている頭の中にあるんだという労務管理のイロハが出てこない。労務管理というと、ただ上かう押しつけて使うという、こういう昔ながらのやり方しか出てこない。いろいろ組合がありましてとおっしゃいますけれども、そうなるにはそうなる背景が私はあるはずだ。組合に文句を言う前に国鉄の管理体制、管理職員の質、勇気、正義感というものにやっぱり求めていかなければいけないんだろうと思います。その点は総裁としてぜひお考えいただきたいと思います。 ただそこで、いまの話と関連して、一つの数字を出しながら総裁の今後に取り組む具体的なお気持ちを伺いたいんですけれども、四十八年度の財政投融資計画を見ますと、日本国有鉄道が六千六百七十六億円、鉄道建設公団が千二百十九億円、合わせて七千八百九十五億円。同じ四十八年度の財投計画の中で、日本住宅公団に回るものがわずかにその半分に近い四千二十五億円、これだけの負担になっているんです。その意味では、生産性の向上ということになるほどマル生云々といったむずかしいおい立ちをしょいながらも、ここで心機一転して勇気を持って取り組むべきだと思いますけれども、いかがですか。
○説明員(磯崎叡君) 今度の予算におきましては、非常に政府の御尽力によりまして多大の財投のめんどうを見ていただきました。ただ、私どもといたしましては、いままでのおくれを取り戻す面もあると思いますが、いまたまたまお示しになった住宅公団との関連などにつきましては、むしろ、住宅が先行して輸送があと追いになっておるというふうな問題もございます。その意味で、私どもといたしましては、今後の問題はさっきおっしゃったやはり人間が中心であるということを頭に置きながらやってまいりたいと思います。 ただ一つ、先ほど先生のお話の中で、貨物の問題に触れておっしゃいましたけれども、もう一つ実は非常に申し上げたいことがあるんでございますが、それは鉄道輸送のソフトウエアと申しますか、それが、ちょっと先生お触れになりましたけれども、私のほうはいわゆる独占時代のあらゆる制約が全部そのまま残っているということでございます。すなわち、設備につきましては、私は、ハードの面につきましてはトラックに負けるとは思いません。しかし、いま国鉄の営業を取り巻くあらゆる法律上、事実上の制約というものは、これはもうほんとうにがんじがらめでございます。その意味で、いま先生のおっしゃったように、はたして競争できるかということになりますと、そのソフトウエアの面でもってよほどここで思い切ったことをしていただきませんと、タリフを全部法律できめるというふうなことでは、とてもこれは競争のできないことはわかり切っておりますので、そういう点につきましても、十分今後いろいろ政府にお願いしてまいりたいというふうに思っております。
○栗林卓司君 いまの総裁の御発言の前段の部分は、またあらためて伺いますけれども、後段で触れられたソフトウエアの問題、これは用地取得の問題もからめて、実は基本問題なんですね。その点で、ここですわってお並びの中でかけ合わすつもりは一切ありませんけれども、やはり大臣として考えていかなきゃいかぬ、どう取り組まれますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 国鉄の再建計画を立てます上に、やっぱり、いま総裁の言ったことが非常に大事な問題だと思っておるんです。ただ、いまのことし出しております提案でございますね、ここではそれを十二分に取り入れることができなかったのです。さっきあなたがおっしゃった、本来であればかくあるべきだということになりますと、単なる計算上の問題でございますと、たとえばこのぐらいのキロ程でございますと、これは国鉄のほうが安いのだからここへいくべきだ、トラックのほうへいくのはおかしいじゃないか。これは当然いくものとして計算する。こういうことなんですけれども、実際は、トラックのサービスと国鉄のサービスとはすっかり違うわけですね。そこで、国鉄のほうは多少の運送賃が安くてもそこへいかない。なぜか、これは考えなきゃいけない。これは、国鉄全体のシステムの中で改善すべき問題はたくさんございます。私は認識しておるのであります。 今度のこの案では、全部に触れることはできませんで、とりあえず、政府としましては、国鉄も最大限の努力をしてもらいたい、政府も最大限のことをやりましょうというので、ずいぶん財務当局に対しまして、財務当局は無理と言っておりましたが、無理と言われるのを承知で注文を出しまして、幸いにして大体大筋は財政的には入れてもらった。これからそういうふうな問題に真剣に四十八年度以降取り組んでいかなきゃならぬ問題だと思っておりますので、その点はきょうは非常にいい御質問をたくさんいただきまして、非常に私たちも参考になったわけでございます。そういう点を十分考慮いたしまして、四十八年度以降において、御趣旨のようなことは、国鉄の運営にあたって実現させるように私も協力をしなきゃならぬと思っております。
○栗林卓司君 時間ですからこれでやめますけれども、これでお立場を離れてさしつさされつになれば、いろいろまた言いたいことがそれぞれおありになるんだろうと思いますし、今後御検討いただきたいと思うんですけれども、一番最初に、日本人としてこれから何を考えなければいけないか。一つだけ補足して申し上げますと、よくこう言われるのです。スローガンを立てることはたいへん好きだ、どうやってそこにいくんだということになるときわめて弱い。その意味で、国鉄再建、みんなこう立てるんですけれども、そこへいく過程の中では、あちらこちらに御遠慮いただきながらという道程が当然出てくる。その具体的な詰めをやっぱり一つ一つ確実にやっていこう。この五十分伺っている中で、実はそういう具体的なものが何にもないんです。それを取り巻いている抽象的な話は、ずいぶん伺いました。それがやっぱり国民が国鉄の再建ということを見て感じている何とない不信感、欲求不満の感じだと思います。その意味で、重々胸の中にはいろいろ詰まっているのだと思いますけれども、それを具体的に、しかも、タイムリーに実施をしていくこと、そんなことで最後に総裁にお伺いをしたいのは、人の問題ということで始まりましたけれども、その根幹は、やはり線を巻いている管理職の人たち、その人たちがしっかりしていれば、かくもだらしない国鉄にはたしてなっただろうか、それを現場の責任にしないで、やっぱり管理職は責任を痛感してやるべきじゃないか。そこで、総裁として何かやっぱり新らしいものを運動として起こしていかなきゃいけないのじゃないか、そういったことを起こす御用意がありますか、計画がありますか、それだけ伺って終わります。
○説明員(磯崎叡君) 私は、やはり再建には物的な再建と人的な再建、これはうらはらだと思います。その意味で、単なる運動ということでなしに、やはりじみちな管理者教育というものが一番必要であるということについて、それを中心としたいまいろいろ具体的な案を考えておる次第でございます。
○加瀬完君 私は、成田空港のことで三点伺います。一つは燃料中継基地の問題、二つは空港の安全性の問題、三つは騒音対策であります。 燃料輸送路のことではいろいろ問題になっておりましたが、いままで報道されておりますところでは、鹿島港からの輸送計画はできないという法的見解が示されておったといわれておりますが、これに対して運輸省から法解釈の再検討が要請をされ、最近では合法的だという見解が下されたように伺っておりますが、法制局に伺いますが、第一回の回答で法律的にだめだといった内容はどういうことですか。
○政府委員(真田秀夫君) 御説明を申し上げます。 私のほうは法律解釈をいたす立場でございますので、具体的な土地の状況だとかそういうことは知りません。運輸省から、あるいは首都圏整備委員会の事務局から御説明を聞いた事実をもとにして、それが法律に触れることがないかどうかということを研究するわけでございます。 中身に入りますが、問題の鹿島石油という会社は、何かタンクをつくりたいと言ったんだそうでございますが、問題は、その土地が、御承知の首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律による工業団地として造成され、それを鹿島石油という会社が譲り受けたという事実があるそうでございます。そうであるとしますならば、その法律で当該工業団地造成事業によって造成された敷地を譲り受けた会社は製造工場等をつくらなければいけないということになっておりますので、自分の製造工場等と関係のない施設をつくる用に供することは法律上問題であるというふうにお答えをした次第でございます。
○加瀬完君 それが今度はよろしいという回答を出したというのは、どういう説明がつくんですか。
○政府委員(真田秀夫君) よろしいというお返事をいたしましたのは、ただいま申しましたように、製造工場等をつくるんならば、それは法律に触れないだろうという解釈を申し上げたわけでございます。
○加瀬完君 それは、燃料中継基地は製造工場だという判定を下したんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 燃料基地が製造工場等であるというふうに解釈したわけではございませんで、当該問題のタンクその他の施設が、問題になっておるその鹿島石油会社の製造工場等にあるであれば、これは法律に触れることはないという考えでございます。
○加瀬完君 「等」とは何ですか。
○政府委員(真田秀夫君) タンク等の「等」でございますか。
○加瀬完君 いやいや、「製造工場等」とありますね、法律には。
○政府委員(真田秀夫君) はい。
○加瀬完君 その「等」というのは何ですか。
○政府委員(真田秀夫君) それは、この法律の第二条第五項に「この法律で「製造工場等」とは、製造業(物品の加工修理業を含む。)又は電気供給業若しくはガス供給業に必要な工場及びその附属施設をいう。」とございますので、これらもろもろを含めて製造工場等という定義になっているんだと思いますが……。
○加瀬完君 違いますね。「製造工場等」の「等」はきちんと別のところでワクがはめてありますね。たくさんの類例を出して、これが「等」だと。ですから、法律、規則にきめられているもの以外に「等」はないわけですね。「等」というのはその他何でもいいということじゃないですね、これは。そうでしょう。
○政府委員(真田秀夫君) もちろん何でもいいということではございませんで、いま私が読み上げました法律の二条五項に書いてある内容でございます。
○加瀬完君 そのほかに「等」がありますよね。「等」というのは、その整備法の二条あるいは二十四条による「製造工場等」の「等」というのはこういうものだというのがあるでしょう。例があるでしょう、ずっと。
○政府委員(真田秀夫君) 鹿島の中継基地として問題になっているものとしては、それはこの法律の二条の五項にいう「製造工場等」でございますが……。
○加瀬完君 そうじゃないですよ。「等」というものはワクがきちんときまっている。そこで、燃料中継基地というものは、その「等」の中に入っていない、法律上そうなっているじゃないですか。そうでしょう。よく読んでくださいよ。
○政府委員(真田秀夫君) 「製造業——に必要な工場及びその附属施設」というんでございますから、付属施設でないものはもちろん入りません。
○加瀬完君 そうじゃないですよ。その製造工場並びに付属施設というものはこういうものだという例示がずっとあるでしょう。その中には燃料中継基地というのはありませんね。だから、最初の解釈はあなたのほうの解釈が正しい。燃料中継基地というのがここにおける「工場等」の中には入らないと、こういう解釈をしたでしょう。しかしね、事実はひとつも変わってないでしょう、関係は。あなたは最初、説明を聞いた事実から判定をしたという。しかし、事実は何も変わってないのに、初めはだめだと言って、今度はよしと言ったのはどういうわけだと、こう聞いている。
○政府委員(真田秀夫君) ですから、その点は冒頭に申し上げましたように、前提といたしましてその鹿島石油が製造業と関係のないタンク貯蔵、一般貯蔵の用に供するような目的のもとにその敷地を使うことはできない。しかしながら、自分の製造業の設備の一環としてそのタンクその他の施設をつくり、その敷地として譲り受けにかかる土地を供すると、これは許されるだろうというわけでございます。
○加瀬完君 では端的に聞きますがね。成田空港への燃料中継基地は認められますか、ませんか。
○政府委員(真田秀夫君) 燃料中継基地として取り上げるという考えではないんでございますが、そこで結局、燃料中継基地の用に行使することになるだろうと思いますけれども、いまそこで問題になっているのは、造成された敷地を譲り受けた鹿島石油がどのような建物をつくるかということが問題なのでございます。
○加瀬完君 どのような建物をつくるのかということが問題でなくて、その建物は、運輸省の使う成田空港への燃料中継基地ということだったからだめだということにした。どういうものをつくるのかわからないのに許可も不許可もないでしょう。だから、いま私が言っているのは、燃料中継基地でもこの「工場等」の中に入るかと言うのです。入らないでしょう、これは。こんなものはそこに書いてあるからはっきりしている。燃料中継基地というのはないでしょう。例示の中にないでしょう。「等」の中には入らないと書いてあるでしょう、法律上は。これはそこに書いてあるんだから認めざるを得ないでしょう。
○政府委員(真田秀夫君) ですから、その点は繰り返し申し上げますが、自分の製造業と関係のない副業といいますか、兼業といいますか、そういう燃料中継のような業を行なうということはできないだろうということでございます。
○加瀬完君 それでは、つくられるものが燃料中継基地であれば、それは法律上不可ということですね。
○政府委員(真田秀夫君) 法律上問題になりますのは、譲り受けた敷地を何に供するかということでございまして……。
○加瀬完君 そんなこと聞いてないよ。聞いていることに答えればいいんだよ。
○政府委員(真田秀夫君) そういうことでございまして、鹿島石油がみずからの製造業の用に供するタンクその他の施設をつくることは合法であると、そうして、かくしてつくられたものを一時遊休中に、つまり遊んでいる間に、短期間、人に貸してもそれは法律の禁止にならない。
○加瀬完君 三百代言とはそのことを言うんだ。どうであれ燃料中継基地はだめだと書いてあるのです、法律に。なぜそのとおり解釈しないのか。法律に書かれている、法律に基づく規則に書かれているものを、そういう適当なことで解釈していたら法制局の立場が立ちますか。行政局の言いなりになっているなら法制局は要らない。あなたはさっき、私は、燃料中継基地が認められるのか認められないのかと輝いているんだ、そうしたら、だんだん話が語るに落ちて、鹿島石油が河かの関係でつくって休ましているうちに、それを燃料中継基地に使うのは認めるというような話をしている。いかなる形であろうと、暫定的であろうと一時的であろうと、燃料中継基地をつくったりするということは認められていませんよ、この法律では。いますか。そんなくだらぬこと言っているならかわりの者をよこせ、問題にならぬ。法律解釈じゃないよ、あなたのは。法律解釈をしなさい、法律解釈を。
○政府委員(真田秀夫君) もちろん、法律解釈をいたしているつもりでございます。問題は、先ほどから申しましたように、どういう施設の敷地として使うかということでございまして、鹿島石油が真実みずからの製造業の施設の一環としてタンクをつくることは、もちろん、適法でございまして、かくして適法につくられたタンクを一時遊んでいる間に人に貸しても、それが法律に違反する、法律がそれを禁止しているとまで言う必要はないであろうというのが私たちの解釈でございます。
○加瀬完君 では、最初にだめだと言ったのはどういうわけでだめだと言ったのか。あなたのことばで言えば、説明を聞いた事実関係から判定をして初めはだめだと言った。事実関係は一つも変わってないでしょう。どういう形であれ、燃料中継基地というものは認められないと書いてあるでしょう、そこに。休んでいるとき使おうが、何に使おうが、燃料中継基地に使うということは禁じられていますよ。そういうものはつくれないということになっていますよ。そうでしょう。じゃ、もっと言いましょうか。首都圏近郊整備法の二十四条の「製造工場等」の「等」は中継基地は入ってないということははっきりしていますね。そこで整備法の第一条の目的は何と書いてありますか。それから第二条の定義は何と書いてありますか。どう考えたってこの目的からも定義からも燃料中継基地というものは出てこないんじゃないですか。どうして読めますか、燃料中継基地が一条の目的、二条の定義の中に入ると。
○政府委員(真田秀夫君) 二条の定義は、先ほど読んだとおりでございます。
○加瀬完君 読んだとおり入らない。
○政府委員(真田秀夫君) 先ほど読んだとおりでございますが、「製造工場等」であればもちろんつくってよろしい。その「製造工場等」としてつくったものを、たまたま一時あいている間に、遊んでいる間、他人に貸すことを法律は禁止しているという趣旨ではございません。
○加瀬完君 燃料中継基地というものは、「等」の中には入っていないということは認めますか、認めませんか。法律の解釈をしているのだから。個人的な見解や行政的目的を私は聞こうとは思っていません。そんなことは大臣に聞く、あなたに聞かなくたって。法律で燃料中継基地というものは許されますか、許されませんか、これをはっきり言ってください。
○政府委員(真田秀夫君) 法律で許す、許さないというのは、そこへできる、そこにつくられる設備そのものなんですね。ですから、「製造工場等」という概念に入ればつくれるわけです。それを、あと、一時燃料中継の用に供されてもかまわないと……。
○加瀬完君 一緒に来た人、教えてやれよ。法制局の部長も、書いてあることを解釈できない。話にならぬ。「等」というものは、しかじかかくかくのものだというワクがちゃんときまっているでしょう。そのワクの中には、燃料中継基地というものは入っておらない。したがって、燃料中継基地というワクである限りは、いかなる理由があろうとも、鹿島のここへつくるわけにはいかないということになっているでしょう。 いいですか。こうもあるでしょう。鹿島石油は、地域的石油会社という規定がありますね。鹿島工業地帯にエネルギー原料を安定的に供給するためという目的、趣旨がきちんときめられていますね。そうでしょう。そうすると、ここでできるものは、鹿島の工業地帯へ燃料供給するものじゃないですね。成田空港へ燃料を送るものですね。そうでしょう。しかも、中継基地でない限り、これはつくれませんわね。ところが、一時借用しようが、暫定的使用しようが、成田へ石油を送るというものですよ、これは。成田へ送るというものが、この近郊整備法の目的になったりするはずがないでしょう。目的は、ここで言えば、鹿島の地域に限って石油供給をするということに限定されている。成田の飛行場に石油を供給するというのは、この法律で認められておらない。幸か不幸か、首都圏近郊整備法は鹿島にかかっている、母法として。ですから、この法律にはずれたものは、鹿島ではできないことになっている。それならば、どういうものができようが、鹿島に石油を送ることに限定される。成田に送るわけにはいかない。しかも、その定義に「工場等」といえば、「等」の中には中継基地をつくるわけにはいかないということになっていれば、一時借用しようとも、成田へ石油を送る、そういう基地がここにつくられるということは許されないじゃないですか。そうでしょう。そうじゃないですか。法律上これは明確じゃないですか。 それで、しかも、「等」というものにワクをかぶせてあるのは、同法に違反した場合は罰則がありますね。この法律に違反した場合は罰則がある。罰則をかぶせておることは、厳重に「工場等」のその第二条を解釈すべきだということじゃないですか、法律の常識として。罰則をかぶせるほどの厳格に規制しているものを、法制局がゆるめて解釈するということは許されますか。法律解釈の常識でしょう、罰則のあるものはきびしいものだということは。罰則をかぶせて規定しているものを、それを野放しにするような解釈を法制局がするということはもってのほかですよ。よく読んでから答えなさいよ。
○政府委員(真田秀夫君) もちろん、厳重に解釈しなければならぬことは当然でございまして、罰則の有無にかかわらず、この法律は先ほど申しましたように、都市計画事業として行なって収用権を付与されておりまして、収用権に基づき、あるいは収用権をバックとして取得した敷地でございますので、これの用途は厳重に制約されておるわけでございます。 事の、問題の本質は、鹿島石油が、真実、自己の製造業の用に供するその施設の一環としてタンクをつくることは、それは適法でございます。
○加瀬完君 そんなこと聞いていない。
○政府委員(真田秀夫君) ですから、かくして真実、自分の製造業の用に供するという目的でタンクをつくって、それが一時あいているときに人に貸すことが、この法律に違反するというまでは言えないというのが、私たちの解釈でございます。
○加瀬完君 弁護士ならよろしゅうございますよ。殺人だって、善人のように弁護しなければならない場合があるのだ。法制局は弁護士じゃないのです。あなたのほうにこの解釈の要請をしたものは運輸省でしょう。運輸省を通じて首都圏が要請したりしても、運輸省が成田への燃料中継基地を鹿島につくっていいかどうかということが当然の前提にあって聞かれたでしょう。鹿島石油が自分のところでタンクをつくるのに、一々法制局の見解を求めるあほうはないでしょう、法律で許されていることだから。そこで、鹿島石油の形でつくろうが何につくろうが、それが、くどいようだけれども、燃料中継基地であれば認められないということは、法律上はっきりしているのじゃないか。なぜ、はっきりしていることをはっきりさせないのかということが一点。いいですか。 それから、燃料中継基地としては認められないけれども、一時的なら認められるということがどこの法律から読み取れるか。どこの文言から一時的ならいい、暫定的ならいいということが読み取れるか、読めないじゃないか。しかも、この法律は、罰則がついているぐらい厳格に解釈しなければならないものを、その行政用途の便宜に応じて適当に解釈するということは許されない。がそういう解釈をするのは、自分の都合のいいように解釈することはやむを得ない。法制局が、なぜそんな曲げた解釈をするのか。法制局の信用を失うということは、法運用の信用を失うということでしょう。あなた一人や法制局の長官だけの問題じゃない。少くとも、国会でわれわれが質問して法制局が答える、法の専門家が見ても、行政の便宜に応じた解釈だけしか法制局はできないということになったら、しないということになったら、法制局は信を失いますよ。それから内閣そのものも、せっかくつくった法律をないがしろにするというそしりを免れないことになりますよ。しかも、一番初めはだめだと解釈し、二番目は一時的ならいいと——法律の専門家でなくても、そんなでたらめなことはやりませんよ、若干、意見になりますが。 これはもう一回聞きます。そんなでたらめな解釈、許されません。いま時間がありませんからあまりやりませんが、念を押しますからね。その法律の解釈上は、首都圏近郊整備法の解釈上は、一条の目的からも、二条の定義からも、燃料中継基地というのは認められないということになっているのですよ。あなた方が最初に解釈したとおりです。一時的にしろ、鹿島の石油タンクから、どういう形の精製過程を経ようとも、それが車であれパイプラインであれ、成田の空港へ送られるということになれば、これは明らかに一つの燃料輸送基地としてそのタンクが使われるということになるでしょう。一時的ならいいという解釈がどこの文言から出てくる、絶対に出てこない。これで、押し問答で一時間も費やすわけにいきませんから、私はこれで一応保留しておきます。そんなでたらめな解釈でまかり通ると思ったら相手が違いますよ。ふざけちゃいけないよ。法制局ともあろうものが、便宜的にそういう政府の都合のいい解釈をして、それで現実的に法律が曲げられてくるのです。そんなことが許されるかどうか。あなたじゃだめだから、法制局長官に、今度運輸委員会がいろいろありますから、今度の飛行場の法案も出てきます。そのとき、あらためて来てもらってやります。その間、検討をするということで、合法的だという見解は取り消してください。いいですか。一時的にせよ燃料中継基地に使うものを、法律できめられているものを、一時的ならいいということを再検討するということを約束してください。私も一歩下がりましょう。だめだとはきめつけません。少なくとも問題が非常にある。私どもしろうとが幾ら聞いても納得できない問題がある。ほかの法律の専門家があなたとは違う解釈をしているんだから、どう考えたってこういうものを、これを一時的であればよろしいという解釈は成り立たないという見解もある。検討してくれますか。どうですか。検討しないというのなら、私も、あらためて、これは別の機会にでもやりますよ。おかしいじゃないですか。
○政府委員(真田秀夫君) 私の解釈は、先ほど来何べんも申し上げたとおりでございます。検討しろとおっしゃれば、検討することはやぶさかでございませんけれども、先生のおっしゃるような結論になるとは保証できないということでございまして……。
○加瀬完君 私の意見のとおりやれとは言っていない、法律を正しく解釈しろと言っているんです。法律を解釈したら、あなたのような見解は出てこない。下僚ともよく相談しなさいよ。どこで出てくるか。「等」の中には中継基地を含ませようとしても含まない。「等」というのはこれだけのものだと書いてあるんです。一時使用であっても中継基地に間違いない。中継基地というのは、三年使わないと中継基地じゃないとか、十年継続的に使わなきゃ中継基地でないということは書いてない。一時的であれ使えば中継基地だ。そんな解釈をしたら、法制局の権威にかかわりますよ。大臣に聞きますがね、私がいま言っているとおりだ。
○主査(森中守義君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○主査(森中守義君) 速記起こして。
○政府委員(真田秀夫君) 私の表現に非常にまずい点があったとすれば、これは深くおわびいたします。なお、検討いたすことにはやぶさかではございません。ただそこで、その前に一言、加瀬先生の、私から言うと、あるいは誤解をしていらっしゃるんじゃないかと思う点がございますので、一言申し述べさせていただきたいと思います。 この首都圏の長い名前の整備法は、結局、団地を造成する、収用をかけてでも団地を造成して、そして製造業等の用に供されるように敷地を処分する、そこで処分を受けた人は、その敷地を製造工場等に供しなさいというところで実はおしまいなんでございまして、そこで、かくしてつくった、それが適法につくられた工場施設等であれば、それを一時、人に貸すことまでこの法律が禁止しているとは思えないというのが私たちの本旨でございますが、なお……。
○加瀬完君 これは念のために言っておきますがね、第一条の「目的」にはこうあるんでしょう。「首都圏の建設とその秩序ある発展に寄与するため、近郊整備地帯内及び都市開発区域内における宅地の造成その他近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関し必要な事項を定め」ると、第二条の「定義」には「この法律で「製造工場等」とは、」云々とありますね。その「製造工場等」の「等」は、別の規則で、「等」というものはこういうものだということが規定されていますわね。その中には、中継基地というものはない。ですから、どんな付属施設であっても、中継基地というものは付属施設にはならない、当然そういう解釈をすべきでしょう。付属施設というのは一体何ですか。工場の目的を達成するためのものであり、工場の目的と異なる目的と機能を有するものを付属施設とは言わないという法律解釈になりましょう。中継基地というものは精製工場ではないでしょう、輸送ですからね。製造工場の中には中継基地は入らないわけです。中継基地であった限りにおいては、それは認められない。当然なことですよ。そういうところを検討してくれと言っているわけです。 こればかりやっているわけにいかないから、もうやめますよ。
○主査(森中守義君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(森中守義君) 速記を起こして。
○政府委員(真田秀夫君) 検討するにやぶさかでございません。
○加瀬完君 繰り返すわけじゃありませんが、私は法務委員会に所属していますから、法解釈ですから、法務委員会に出てまたやります。 第二の問題は、成田空港の安全性であります。これは空港担当者に聞きますが、成田へ入ってくる空路は三本になりますね。
○政府委員(内村信行君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 それで、大子から土浦を経由して入ってくる線、これは外へ出るのと中へ入るのと、同じ航路を上下に使いますね。
○政府委員(内村信行君) そのとおりであると思います。
○加瀬完君 このシベリア線は、空域に上下の差はあっても、大体同じところですね。この安全性というのは確保されているんですか。
○政府委員(内村信行君) それは、高度による分離によって確保されておるというふうに考えております。
○加瀬完君 それは、初めから安全性を確保しないで飛行機は飛ばせませんからね。しかし、危険はないですか。片方はブル——14、片方は百里空域、その間の狭いところに三本通っている。しかも、東側の一本は、上下で出るのと入るのが重なっているわけです。何かの関係で、ニアミスといったような危険性というものは全然心配しなくてもいいですか。
○説明員(隅健三君) ただいまの先生の御質問に対しまして、航空局長、上下というふうにお答え申しましたけれども、あそこは筑波学園都市がたしかございまして、その大子と、それからもう一つのほうにNDBとVORを両方に置きまして、若干の距離を離しまして、それをお互いに上り線、下り線と申しますか、それが、上下とそれから若干の間隔を用いて分けてございます。
○加瀬完君 これはあとで詳しくやりますけれども、一番西が筑波でしょう、東が百里基地の西側を通らなければなりませんね、大子線ですね、これはむまん中へもう一本新しいのを考えるわけだ。狭いところに三木ある。一番東側のほうが、いま言ったように、どうしたって上下にならざるを得ない。こういう航路を無理にきめなければならない空港がはたして完全かという問題点は残ると思う。 次に移りますが、これは直進上昇、西進降下という説明をいまとっていますね、その成田空港は。それはいいですね。
○説明員(隅健三君) ただいまのは風向きによってでございますけれども、太平洋、九十九里のほうへ出ますときには、確かに直進で出まして、松尾の上空を通りまして九十九里へ出る、それから利根川のほうへ出ますときも、これも直進で出まして、利根川のところでターンをする。成田空港につきましては、その限りにおきましては、直進進入、直進発進ということになっております。
○加瀬完君 成田空港の場合は、現状は横風用はないわけですね。ですから、あの一本の滑走路で離陸したり、あるいは着陸したりしなければなりませんわね。この成田空港の周辺の風向きは、航空局では確実に押えていますね。
○説明員(隅健三君) 先生御存じのように、成田空港を決定いたします経緯におきまして、茨城の霞ケ浦あるいは稲敷団地、いろいろのところを調査をいたしましたとき、千葉県内では利根川の近くの布佐のところと佐原の測候所のデータを使いまして、候補地決定のデータに使いました。
○加瀬完君 これは布佐の測候所と銚子の測候所と千葉の測候所を使っていたんですね。しかし、銚子からも、千葉からも、一番近い布佐からも相当の距離があるところで、これは内陸的なところですから、千葉県としては非常に気圧、風向の変化が激しいという点を私は富里のときに指摘したはずだ。しかし、その後何も調査はいまの御説明ではされておらない。そこで伺いますが、一日のうちに風向きの変化がある地域だということはお認めになりますか。
○説明員(隅健三君) 先ほど布佐、佐原と申しましたけれども、空港公団ができましてから日本気象株式会社に観測を委託いたしまして、成田市も、現在の飛行場近辺のあれは、現在に至るまでこれは気象庁に引き継ぎまして、風向、風速の調査はいたしておりますが、一日のうちに風向きが変わるということを調査をしたかという点につきましては、先生のおっしゃるとおり、一日のうちに風向きあるいは風速、ことに三月のところでは変わるということは十分承知をいたしております。
○加瀬完君 御調査になっているというなら、二十メーター以上の突風が年間十六日前後吹くということは、これは気象庁も認めているわけです。十メーター以上の風は三十八年には七十四日、三十九年には五十七日、四十年は六十日吹いているんです。その後、おたくのほうで調査したというなら、その後、四十一年以降ですよ。突風なり十メーター以上の風がどのくらい吹いていますか。
○説明員(隅健三君) ただいま手元に平均値のデータしかございませんので、突風が、ただいま先生がお示しになりました二十メートル以上吹いた日にちと、十メートル以上吹いた日にちの最近のデータは持っておりません。直ちに取り寄せまして御報告いたしたいと思います。
○加瀬完君 飛行場は、平均では困るですね。北のほうから風が吹いているとき降りようとしたら、南風に極端にいえば変わってしまったときに、飛行機は降りられないです。そういう日が百日のうちの一日でもあれば危険なんですね。ですから平均ではどうにもならない。 それでは、これはおわかりでしょうね。一番多いのは北西風、十一、十二、一、二、三というのは北西風が多いんですね。それから南東風は八、九。ところがこの飛行場は、北西風または南東風にしか飛行機が使えないようになっている。三月、十月は、一日のうちに北西風が北東風に変化することがたびたびある。これはいままでの気象庁、あそこに区内観測所というのがありますけれでも、三里塚の旧御料牧場に。そこの調査によりますと、三月、十月は一日のうちに北西風が北東風に変わるということになっている。飛行機が降りられらいわけですね、こういうときは。これでも安全度が確保されたということですか。
○政府委員(内村信行君) 私もつまびらかにはわからないことでございますが、確かに先生のおっしゃいますように、そういうふうに急に気象の変化が起きまして風向きが変わるということはあり得ると思います。そういった場合に、一本の滑走路でいいかと申しますと、これは確かに二本あったほうがベターであるにきまっております。ただし、それまでの間、現在、差しあたりは一本しかございませんので、その間は羽田にダイバートするとか、そういうふうな方法をとって安全性を確保をいたしたい、こういうふうに考えております。
○加瀬完君 安全確保できないでしょう、滑走路は一本しかないのですから。その滑走路一本で、都合よく風が吹いてくれるときにはその一本で安全ですけれども、強い横風が吹いたときには、あの滑走路では危険が生ずる。それから一日のうちに、降りようとした瞬間風向きが変わるというときにはどうことになるかといったら、さっき言ったように、直進下降とか直進上昇という方法をとれなくなるわけです。迂回をしなければならない。いま羽田でも適当にパイロットがやっておりますが。そうすると、あとに触れるわけですけれども、あなた方が調査をした騒音区域の予測というものは、直進上昇、直進下降、だけで風向きによってたびたび飛行機の方向を変えなければならない。その場合の一体騒音の影響度は、地域はどこ、影響の度合いはどう、だという調査は完全にやっていないでしょう。それはあとで触れるとして、直進上昇、直進下降できなくて、こういって逆に回って方向を変えて降りなければならないような、左回りをしなければならないような場合もあれば、右回りしなければならない場合もある。これでは外国の飛行機が、そんな一日のうちに風向きが変わって危険なところを安心をして利用しますか、羽田をまた利用したほうがいいという形にならざるを得ないのじゃないですか。完全空港にはならないでしょう、いまのところではどうにも。それでも、飛行機はことによるとぶつかってしまうかもしれないような、ことによっては外国のもの笑いになるような悪条件、悪コンディションの飛行場でも急いで開港するということですか。無責任きわまりないでしょう、そういうことであれば。一日のうちに風が変わることはもう的確なんだから。ものすごい突風が吹くのですから、横風用がなくちゃ使えませんよ。そういうとき、どうするのです。使えますか、あそこを。燃料の中継ができたかできないかという問題は、面接飛行機と安全度にはかかわりない。飛行場がそういう状態に貫かれておって、これはもう横風川をつくらない限りは解決できないし、横風用をつくっても、一木の飛行場のところに逆に風が吹くというものを防ぐわけにいかぬのですけれども、こういう調査をされないままあの飛行場というものが設定されたわけですね。あなたの責任ではないけれども、場所をきめておいて、基礎調査というのは何にもやっていない。 これは新大胆だから申し上げますけれども、あらゆる飛行場の条件というものを検討されて、これが適地だということであの空港はつくられたわけではない。空域があいているからここがいいだろうというだけのことである。空はあいているけれども、下の条件はまるっきり悪い。飛行場の適地か適地でないかという検査は一つも行なわれておらない。こういう形の空港なんです。だから、あのままで飛行機が飛べるとお考えになっておったら大きな間違いです。そういう危険度というものが完全に防げるような方策が立っているかどうか、どうですか。
○政府委員(内村信行君) 先生御指摘のような点もあるいはあるかと存じます。
○加瀬完君 あるいはじゃないですよ。ありますよ、あるから言っているんだ。
○政府委員(内村信行君) ただ、突風にいたしましても、やはり気象官署もございますし、いつどういうふうな気象条件であるということはあらかじめ一応わかると思います。したがいまして、いま着陸しようと思ったら急に方向が変わってひっくり返ってしまうというふうなこともないと思いますので、ただそうかといって、そういうふうな横風が吹かないことはない、そういう場合には羽田空港にダイバートする。そういうことによって安全性を確保いたしたいというように私は考えております。
○加瀬完君 ないと思いますよ、思いますけれども、あなた方も一日のうちに風向きが変わるということはお認めになっているわけだ。変わるということになれば何秒かの瞬間の間に風向きが変わることになりますね。そのとき上にきている飛行機は、当然その風向きによって影響されざるを得ないでしょう。そういう気象条件の悪いところが飛行場に選ばれたならば、その気象条件による飛行機の影響というものがないような措置というものが、十分とられなければならないでしょう、その措置はありますか。
○政府委員(内村信行君) したがって、ただいま申し上げること、たびたび申し上げて恐縮でございますけれども、空港につきましては、成田に斜め滑走路があれば当然ベターでございます、安全上は。しかし現在一木しかない、しかしその一本の滑走路が大体年間の平均からいいますと相当量使えると、斜め滑走路を使うチャンスは比較的少ない、こういうふうなことがございます。ただそれにいたしましても、先生のおっしゃるように横風が吹くチャンスがないということはないわけでございまして、そういう場合には、当然気象官署もあり、気象の予報も出ておるわけでございますから、そういう際には、あらかじめほかの飛行場にダイバートするというようなことをいたしますれば、安全性は担保できるだろうというのが私どもの考え方でございます。
○加瀬完君 そうすると、また新しい問題が起こるんですね。 羽田空港が非常に込んでおるから、外国航路だけは成田に移そうというんでしょう。ですから、羽田は余裕ができるわけですから、現在の収容機から成田に行った分を引いて、その引いた分の何十%かはプラスになるから余裕ができるという計算でしょう。しかしそういう計算成り立たないわけですね。風向きによってはいつ成田がだめで羽田へ行かなきゃならないかわからないということであるなら、これは両方とも羽田プラス成田という計算はできなくなるわけですね。ますます飛行機の数はふえてくる。ところがこっちの飛行場は、つくってはみたけれども完全に使えない、何分の一しか能力をあらわさないということになったら、一体そんな飛行場をつくった責任はだれがとるんですか、現状そうならざるを得ないでしょう。一年を通せば、それは何日でないかもしれんけれども、非常にラッシュの状態を生ずるわけですね。それだけ空域に多くの飛行機が入るわけですから危険度も増すわけですね。当然危険度が予想されるようなところに空港をっつくるということは、あなた方のつくったのではないにしても、計画そのものが、ずさんであったということにはなりませんか。その対策があるかということになれば、対策ないですよ。大体そんなに一日のうちに風向きの変わることはないだろうから、いざ変わった場合には羽田に回せばいいと言ったって、羽田に回すときには羽田には羽田のもう予定の飛行機が来ているんだと、重なっちゃう、こういう点を、ひとつ十分検討してお答えをいただきたいと思います。これはきょうお答えをいただかなくてもけっこうですが、そういう危険があるいということはお認めになりますね。
○政府委員(内村信行君) 私といたしまして、成田をつくりましてこれが危険な空港であるということは認めるわけにはまいりません。 で、先ほど申し上げましたように、やはり四千メートル滑走路を使うパーセンテージというものが相当高い、たとえば横風許容限度の十三ノットとした場合でも、九八・何%ぐらいというふうな、二十ノットにいたしますと、ほとんど九九%ぐらい使える、こういうふうなことに一応言っております。まあそういうふうに私どもは聞いておるわけでございますが、それに多少、数が若干違いましてもやはり横風滑走路を使うチャンスというものは比較的少ないと、そういう場合には、やはり便宜の措置として、ほんとうは先生のおっしゃるように斜めの滑走路があったほうがいいのは確かでございます。しかし、それが現在ない段階においては羽田にダイバートするとか、あるいは三沢にダイバートするとか、あるいは大阪にダイバードとするとか、あるいは名古屋にダイバートするとか、いろんな方法がございます。そういったことによって安全性をぜひとも担保いたしたいというふうに考えております。
○加瀬完君 それは航空局長、安全性は確保できませんという答えはできませんよね、これは。しかし初めに予期したような安全性を十分に備えた空港でないということはこれは認めざるを得ない。九〇%か九八%、一本の滑走路でも使い得ても一%か二%かは一本の滑走路ではどうにもならないという危険率が出てくるわけだ。しかし新東京国際空港というふれ込みで、世界に肩を並べるような滑走路をつくろうという構想であれば、一〇〇%の安全性というものを確保しようとしても、これは何分の一%かの危険率というものが空港は出てくる。それが初めから二%でも三%でも危険率のあるものをそのまま見過ごしで空港をつくるということは、計画そのものが一〇〇%完全であったということにはならないね。横風用のない空港なんていうのは世界をさがしたってありますか、軍用空港ならいざ知らず。民間空港で横風用のない空港が完全空港ですなんていうことは、これは専門家が言えるはずのものじゃありませんよ。一本の滑走路というものでは、これは飛行場にはならないわけです、一本の滑走路というものでは。それを飛ばそうとしている、危険率がそこにある。 しかも、あの地域は、さっき言ったように、風向きの変化が非常に多いというところであるとするなら、これは危険を防ぐために万全の措置というものを講じなきゃならない。当然のことでしょう、これは。——いいですよ、お答えをいただかなくてもけっこうです。これはまたあとでたくさん時間を、運輸委員会でも割り込ましてもらってやりますから。 第三の問題は、騒音の区域ですよ。この間、運輸大臣の成田空港の開港は間近いという国会答弁に対しまして、千葉県の空港担当官はればたらだと、こう発表をしているんですよ。騒音対策が全然なくて希望観測だけをぶち上げられては困るということを言っていますよ。そこでその騒音対策のことですが、騒音区域と騒音度というものを的確に運輸省は把握しているんですかね。
○説明員(隅健三君) 騒音のコンターの図につきましては、運輸省といたしましては羽田、それからことに伊丹の点におきましては、すでに実測を数回重ねておりまして、あるいは五十嵐教授の努力を加えてやっておりますが、成田につきましては、まだ飛行機が飛んでおりません。FAAの各種の器材の想定値、そのようなものをもちまして騒音コンター——WECPNLであらわしましたコンターは一応公団が運輸省と協力いたしましてつくってございます。
○加瀬完君 完全なものじゃないですね。以下聞きますよ。WECPNLというんですか、この八十五——九十というのを押えてその地域を設定しましたね。たとえば八十五以上は茨城県ですと竜ケ崎、阿見、牛久、江戸崎、新利根、河内村と、千葉県側は成田、下総、多古、大栄、山武、芝山、成東、蓮沼、松尾、横芝、栄、富里、九十WECPNLは新利根村河内村——これは茨城ですね。千葉県側で成田、下総、富里、芝山、横芝、松尾、九十以上でも七万五千ヘクタール、人口二万三千、全体を合わせると人口十万ぐらい、こういうような想定をしたしておりますね。これ以上にはなりませんか。
○説明員(隅健三君) 先生のお示しいただいたコンターと、公団、運輸省がつくりましたコンターとはだいぶ違うようでございまして、われわれは成田市の滑走路の北側でございますが、八十五WECPNLでは部落といたしまして南三里塚、大山、堀之内、東和泉、大清水、すなわち滑走路末端から八・七キロメートルのところを大体八十五WECPNLで押えてございます。なお、九十WECPNLは滑走路末端から六・三キロというような押え方をいたしております。ただいま先生の御指摘のようなコンターとは若干違うように思います。
○加瀬完君 こういうのが出て、それでこれを発表できなくて、押えたでしょう。このコンターにしても、航路を直線とだけ見て、実際、飛行機はカーブをしますね。カーブをするその直下というものは計算に入れていますか。それから発進する、風向きによる飛行機の飛行方法、これを計算に入れていますか。これは大体北向きに飛び立つことが一年を計算すると一番多いんですね。北側のほうが騒音が非常に大きいという計算にはなっていない。それからテーク・オフ・プロフィールといいますか、この計算してありますか。もっと簡単に言うならSSTを飛ばすというけれども、SSTやHSTの予想というものがこの数字の中に入ってないでしょう、SST飛ばすというのに。この間コンコルドが来て百十から百二十というんでしょう、大体同様と考えなきゃならない。SSTを飛ばすというのに、SSTが飛んだときの騒音がどうだという計算は一つもしないで、それで騒音区域この辺だと言ったってどうにもならないじゃないですか。特に、SSTが飛ぶということになったら、これは衝撃波というものは考えなきゃならないんです。海の上に行ったら衝撃波が当然生ずるかもしれない。これは御存じのように、九十九里は一番の漁業地帯ですね。漁業している船に影響ないかどうかと、こういう問題も出てきます。それから飛行機ですから、さっき言ったようにまっすぐおりられないときは曲がる。あなた方だって三宅島−御宿線というものは変えて、富里、八街のほうを回るというふうな変更もしているんでしょう。しかし八街なんか一つも騒音の中に入れてないんでしょう、調査をしたときに、八街入ってないんでしょう。非常にずさんなものですよ。 こういう騒音対策というものを緻密にやらないで、飛行場はつくりました、今度は地元から猛烈な騒音対策の反対が出たということで、公共事業だからやむを得ませんと、耳はひとつせんをしておいてください、というわけにはまいらないと思う。ずさんですね。これは運輸省の責任か、公団の責任かは知りませんが、公団なんか何回聞いたって同じことだからもう聞かぬ。運輸大臣に聞いてるんだけれども、全然だめですよ、騒音対策。第一、千葉県知事も、公団総裁も、芝山町の岩山、その周辺の民家はどうしても移転させないで、あのままでは飛行機は飛ばせないという約束をしてあります。三年たっても、四年たっても一つもやらぬじゃないですか。 ですから、これは端的に聞きますけれども、運輸大臣、九十ホン以上の騒音地帯の民家というもの、あるいは飛行機が直進する、あるいは直行する、その真下の民家というものは現状のまま置いて開港をしようというお考えですか、開港するまでには騒音区域の民家は責任を持って移転をするというお考えですか、どっちですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) その騒音対策のみならず、あなたのおっしゃる安全対策、その他については、万全の措置を講じなきゃならぬということは当然のことだと思います。 で、いろいろ御質問があって、留保された点もありますから、いずれまた別の機会に安全対策その他については御議論を願いたいと思いますが、騒音対策につきましては、これはいまお話しのように、どうしても民家が、日常生活に差しつかえるというような程度のものは、早く代替地をこしらえて、そこに移転をさせるという方法を講じるのが当然だと思っております。私たちは、ただいたずらに、一カ月、二カ月を急いで飛行場の開設をやろうというのではありません。その安全対策等のごときはなおさら、いやしくも安全に支障のあるようなかっこうで開港をするということは、これは不可能だと思います。 でありますから、この間、小林委員の質問に対しまして、私は、いままではもう絶対に不可能のようにされておりましたが、努力をいたしまして、ようやくそういう問題についての糸口が出てきた。うまくいけば年内にも開港できるような希望を持つことができるようになりました、ということを抽象的に申し上げたのでありまして、そういったあらゆる安全対策その他、−開設の準備ができない場合は、これは開設をおくらせる以外にはないのであります。そういった点については、少なくとも人命の安全ということを第一義にし、そうしていまの民家の防音というものにつきましても、今度御承知のように、伊丹につきましても、ああいう特別の措置を講じて一いずれあとからまた御質問があるようですが、そういった問題につきましても、地元とのお話し合いによりまして、最大限の政府としての努力をいたしておりますから、成田については、それと同様に、やはりその騒音対策については、地元の方々が納得できるような、地方自治団体も、それに協力のできるような方法を講じた上でやらなきゃならぬということは、当然のことだと思います。
○加瀬完君 自治体と相談をして、騒音対策を進めていただくということはよくわかりました。お願いをいたします。 具体的に、岩山その他、あの飛行機の離発着直下の現状は、移転も生活保障も全然立っておらない地域というものを、あのままにして飛行機を飛ばすということはない。これはたびたび約束をしてくれたんですから、必ず約束は実行すると、こう了解してよろしいですね。聞いたときはいつもやりますと答えてるんです。満三年以上そのまま、何にも、県も、公団も、運輸省もやってはおらない。いいですか、やってくれますかな。賛成、反対の問題じゃないんですよ。飛行機が飛んで、飛行機の落ちるかもしれない危険の下、騒音の激しい下に置かれて、置かれっぱなしということは許されませんよ、これは。いや、大臣答えてくださいよ、大臣の答えだもの。航空局長なんか、かわっちゃうんだからだめだよ。
○国務大臣(新谷寅三郎君) いま、具体的なお話ですから、私はこれの衝に当たっておりませんでしたから、航空局長のほうがいいと思ったんですけれども、あなたのおっしゃる岩山地区ですか……
○加瀬完君 その他ね。
○国務大臣(新谷寅三郎君) その他ですね。これは何か、いままで、いろいろ千葉県を通じましてお話し合いがあるようです。この点については、現在、千葉県と公団で移転希望の話、移転の希望について話を具体的に進めておるという段階だそうです。そのうちのある部分の方は、他の団地に移転を希望しておる、近日のうちに千葉県のあっせんによってその移転が実現されるものと考えておると、こういうことでございますから、いままでの運輸省及び公団のとってきました措置を、さらに積極的に進めることによりまして、いまの問題も早急に解決できるようになると私は考えております。
○加瀬完君 すみません、最後の一問。 積極的にとっていただけるということで、そのとおりお願いします。 しかし約束は、同一市町村内に部落ごと移します、しかも騒音の影響度の薄いところという約束があるわけですからね。とんでもないほうへ、生活の立たないようなところへ移してくれたってだめですよ。この国会でもきちんと確約されているはずですよ。ですから、それをひとつ約束をしたとおり、お願いをいたします。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 大体移転をされる方は、どこに移転をしたいという希望が出ているようです。ですから、その希望のところに代替地をつくって移転させるという方向で相談をしたいと思います。
○加瀬完君 そうじゃないですよ、そんな約束はしてないですよ。
○国務大臣(新谷寅三郎君) いや、ここにそういうふうにわれわれのほうに報告がきていますが……。 それからいまおっしゃったけれども、いろいろのケースがありまして、部落ごとというのはわれわれのほうも望ましいところであり、原則だと思いますけれども、ただ、いろんな事情で、どうしても自分のところはもう移転をしないと、したくないの、だというようなものも出てくるかもしれません。そういった場合は、これはその家屋に対しまして、あらゆる防音装置を講じましてやらなきゃならぬという場合もありますから、これはそのケース・バイ・ケースで、個々の問題について、われわれとしては最大限、騒音被害を各民家に及ぼすことのないよう方法なをとらなければならぬということを考えております。
○加瀬完君 悪いんですけれども、もう一問許してください。 そういうことを言っているからだめですよ、約束をしたことをやりなさいよ、約束したとおり。で、約束したとおりやれないなら、そこで初めて相手方と話し合いというものができるわけです。話し合いもしないで、たとえば芝山の者を勝浦のほうに行けとか、畑作地帯の者を印旛沼のたんぼの中へ行けと、こういった一方的な話をしたって話にならない。約束したんですから、約束したとおります実現しようと努力してくれることが政府なり公団なりの立場ですよ。やれる見込みのないものは約束をしなけりゃいい。約束しておいて、それを言を左右にして三年もほっぽらかして置けば、これは協力しようという者だって反対に回るのは当然だ、その政府なり公団なり県なりのやり方が悪いのが混乱している一つの原因ですよ。もちろん基本的に反対の者もありますよ。私も基本的に反対ですけれどもね。しかし話のつくものだってあるはずだ。話のつくものもつかせないているのは、政府や県のやり方の悪いところもありますから、これは大臣の誠意を信じて、御努力をお願いいたしまして、質問を終わります。
○辻一彦君 昨年のこの分科会でも、私、運輸省の進めている九十九里浜と若狭湾、海洋性の大規模レクリエーション基地の問題について質問いたしました。ことしも、時間があまりありませんが、この問題について二、三点お尋ねをいたしたいと思います。 第一に、運輸省のほうで現在進めておる内陸性の大規模基地並びに海洋性の大規模レクリエーション基地についての現況、そして今後どう進めていこうとしているのか、これを御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(中村大造君) お答え申し上げます。 運輸省といたしましては、国民のための大規模観光レクリエーション施設の整備につきまして、昭和四十五年以来、いろいろな基礎調査等を行なってまいりました。そういうものの開発につきましては、主として地方公共団体が中心になりましてこれを整備するよう、いろいろ指導し、また 一部については助成を行なってきたわけでございます。 四十八年度につきましては、ただいま御審議をいただいております予算にも盛られております新しい補助制度というものを創設いたしまして、それを加味いたしまして、強力に推進をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○辻一彦君 もうちょっと具体的に、内陸性では岡山と群馬についてやってますね。詳しくは要りませんが、要点だけちょっと聞かせてください。
○政府委員(中村大造君) 現在、計画を進めております地区につきましては、ただいま先生から御指摘ございましたように、 〔主査退席、副主査着席〕 群馬県の武尊山地区と岡山県の奥津地区の二カ所でございまして、いずれも内陸性でございます。これは私どもが大規模観光レクリエーション地区として描いておりますイメージと申しますか、たとえば大都市から比較的近くて、大都市住民が手軽にそこに行ってレクリェーション活動をすることができる、しかも交通機関との整合性ということも一つの条件として考えているわけでございます。 それからもう一つは、自然が十分に残っておりまして、その自然を生かして、そこでレクリエーション活動ができる、しかも相当広大な土地が確保し得る、こういういろいろイメージを描いているわけでございますけれども、そういう条件に合いますところといたしまして、ただいま申し上げました二地区につきまして、四十八年度以降、これを整備を進めてまいりたいということでございまして、四十八年度の予算といたしましては、補助金二カ所で一億三千三百万円を予定いたしておる次第でございます。 それから、その補助対象といたしましては、キャンプ場だとか、あるいはピクニック場、遊歩道、スキー場、サイクリング道路、管理棟といいますか、主として公共的な施設並びに基礎的な施設、こういうものを県がみずから建設を行なうという構想でございまして、その県が行ないます建設に対しまして、国から二分の一ないし三分の一、平均いたしますと、大体四二、三%になると思いますが、そういう補助を行なう、こういう構想でございます。
○辻一彦君 内陸性は岡山、群馬。海洋性は九十九里浜と若狭湾にそれぞれ調査あるいは具体的に手がつけられている、それはおよそわかりました。そこで九十九里浜のほうも、各省庁入り乱れてというとちょっと語弊がありますが、各省が九十九里にもいろんな計画を持っている。と同様に若狭湾のほうにもそういう傾向があります。ごく簡単に、若狭湾について、運輸省以外にどういう官庁がどういうプロジェクトを持っているか。プロジェクトの名前だけでいいですが、あげていただきたい。
○政府委員(中村大造君) 若狭湾につきましては、運輸省以外にどういう計画をほかの省で持っておりますか、いまのところ調査が進んでおりませんので、ちょっと申し上げかねます。
○辻一彦君 大事なことは、運輸省が中心になって進める、それはたいへんけっこうですが、しかし農林省は、三方町に自然休養村の構想ですね。あるいは環境庁は三方町に海中公園あるいは旅行村であるとか、いろんな形が出ておるわけなんですね。そこで運輸省の担当者としても、私は縦のそれだけじゃなしに、中心である運輸省は、ほかの官庁が全体のレクリエーション大基地をつくるために、どういう取り組みをしているかということを、同様に理解をしておいていただかないと、ちょっと問題がある。ということは、横の連係が立たずに進む心配があると思うんですね。 まあそれは別として、そこでいま私、ごく簡単にあげましたが、たとえば敦賀、若狭湾で言うならば美浜、美浜には久久子に海浜地区。高浜、大飯はこれは和田海浜あるいは和田のヨットハーバー。これは運輸省の関係になります。それから小浜には阿納尻の開発の計画、それから大飯には、いま言った青戸のマリーナですが、これは和田と一緒になりますが、こういうように、三方のほうには海中公園とかありますが、各省のほかのほうは別として、いま環境庁にちょっと出ておってもらいますから、環境庁、海中公園について、ごく簡単でけっこうですが、ちょっと報告してください。
○説明員(宇野佐君) 海中公園は自然公園法よりまして、海中の自然景観と申しますか、あるいは海中の動植物、そういうものを保護するために指定をするものでございます。で、現在、全国の国立公園あるいは国定公園に大体一カ所当たり十ヘクタールというふうな単位で指定をいたしておるわけでございます。
○辻一彦君 それで、九十九里浜のほうは時間の点もありますから一応おいて、若狭湾について考えてみますと、運輸省の構想が発表されてからいろんな調査がなされております。しかし実施面ではいろんな状況があってなかなか進んでいないと。各市町村のほうは、いろんな構想があるんですが、実際にはどうしたらいいかという形でかなり迷っておると、こういう状況がありますね。進んでいるのは、残念ながら、ここはいいと、こういう構想が発表されて、そのために民間の土地を買いあさる大手の商社や、あるいは不動産屋、そういうところが、いいというと、これを買いあさりに非常に動いている。これが実際として非常に動いている動きじゃないかと思うんです。そこで名前は大きく打ち上がったんだけれども、実際面が、実態がなかなか進まない。そういう原因は一体どこらにあると考えておられるか、この点どうですか。
○政府委員(中村大造君) 確かに、先生おっしゃいましたように、四十五年度以降いろいろな調査をいたしてまいりまして、現実の、国としての、特に運輸省といたしまして、こういうものの開発についてどのような手法でこれを行なうかということについての具体的な方法の開発というものが、実は四十七年度までは実現しなかったことは先生おっしゃいますとおりでございます。で、これにつきましてはいろいろ原因もあったと思いますけれども、やはりこういうものを国として大々的に整備していかなければならない。特にこういうレクリエーション活動というものについて、これは単に遊びではなくて、生活の重要な一部分である。で、そういうための施設が非常に足りない。そういうものを整備するために、民間だとか、あるいは単に地方公共団体だけにまかしておけないので、国も相当なこれに力をかさなければならないというふうな機運と申しますか、そういうものが出てきたのが、やはり昨年あたりがそういう非常に強い機運が出てきたんではないかと思うわけでございます。で、まあその間、われわれといたしましては、いろいろな基礎調査をやってまいりまして、いろいろな手法の開発につきましてある程度のめどをつけることができましたので、四十八年度以降につきまして、まあ四十八年度は内陸性の施設でございますけれども、一応こういうものについての具体的な開発の手法というものを打ち出したわけでございます。 したがいまして、四十八年度以降、この手法がすべてにそのまま当てはまるかどうかということは一がいに言えませんけれども、この手法を中心にいたしまして、これから具体的な開発というものについて、運輸省といたしましても具体的に強力にこれを進めていくことができるんではないかというふうに思っておるわけでございます。
○辻一彦君 私、ずっと前に鹿島灘、九十九里浜のほうをちょっと見て、最近若狭湾の大規模レクリエーション基地。各拠点を一日見てみたのですね。 〔副主査退席・主査着席〕 そこで土地の買いあさりがいろいろな形で進んで、どうも非常に問題がある、こういうことを感じたのですね。たとえば、実態をちょっと申し上げますと、一つは、美浜町と言えば、これは著狭湾の大規模基地の高浜、和田と並んで久久子という非常にきれいな若狭湾の海津がありますが、そこに、これは海浜を、きれいな海辺を発展をさせていこうという、よい海水浴場ですが、この周辺ですね、ここが分譲地としてやはりかなり買いあさられている、そしてそれが分譲地として売られようとしている、こういう実態があるのですね。 で、地元の町村の担当の方の話を聞きますと、ああいう形で土地が買われると、あと計画的に手がさせなくなると言って頭をかかえている。敦賀にも同じような実態があります。もう一つ、たとえば小浜の内外海半島、阿納尻地区、これをいま小浜市で埋め立てをやってそうしてここを拠点にして大きな基地をつくりたい、こういうような構想を持っておるわけですね。ところがこの周辺も道がついて、いままで十アール、いわゆる一反歩五十万とか百万とかいう一反歩単位の価格が、とたんに坪単位、しかも坪四万とか五万、言うならば十アール、一反歩でいえば一千万円以上の価格になって、土地を買いあさっているのですね。こういう動きが非常に顕著に出てきております。このように、いいところをスプロール化すれば、全体的な計画というものは非常に立ちにくくなっていく。三つ目に、これは運輸省がことし一億八千万の大体予算を一応原案で見ているあの和田湖のヨットハーバーがあります。地籍は大飯町になっておりますが、ここでも、役場のほうで聞いてみますと、農地転用の申請がどんどん出てくる。その図面を広げてどこにそういう農地転用の申請があるかをずっと図で描いてみると、運輸省の予定をしているヨットハーバーの周辺地に、いわゆる買いあさるために、農地転用の申請がずっと出ている、そういう図面がずっと描ける、こういうことを言っておりましたですね。 結局、施設の周辺部を私の資本、私の企業、あるいは不動産屋がいろいろいま買おうとして盛んに動いている、こういう実態が私は明らかになるのじゃないか。あるいは大飯町の幾つかの部落にかかる山ごと買いたいと、膨大な金額を示して、山ごと買おうかという話がまじめな話で町に持ち込まれてきているという、こういうことがありますですね。ただ一つの例外は、環境庁が三方町にやっている、指定をした海中公園、この背後はこれは県が幸い先行投資をやって数十町歩の田や山を買い上げたために、ここはどうしても不動産屋も私的資本も手がさせないということで、ここはそのままの形が残されている。こういう場合は、環境庁の考えておられるような海中公園の指定と、そこに施設ができ、背後にはかなり公共性を持った私はレクリエーション基地がつくられていくと思いますが、これはどうも若狭湾一帯を見ても唯一の例外になりそうなんです。こういう実態を、運輸省はもう数年前から大きな構想を発表されて、いまその私的資本が土地をめぐって大きく動いている、計画ががたがたになりそうな実態を把握されておるかどうか、この点どうです。
○政府委員(中村大造君) 現在いろいろ計画がきめられております若狭湾一体につきましては、相当程度土地が買われているということは聞いております。したがいまして、私どもといたしましてはやはり今日まで調査してまいりました調査結果に基づきまして、できるだけ早く、県として具体的に若狭湾地区にどういうふうなレクリエーション基地か建設するかという相当具体的な計画を早急に立てられ、そしてこれにわれわれも御相談をするということで、まず実施計画と言いますか、そういう具体的計画を早く立てて、そしてそれに基づいて土地利用計画を進めていくというふうにしなければ、先生おっしゃいましたように、いろいろな思惑で、しかもうわさが乱れ飛びますと土地が買いあさられる、こういうことになるんではないかと思っておる次第でございます。
○辻一彦君 そこで、スプロール化、虫食いの心配はやっぱり非常にあると。ある若狭地区の町長のことばをかりるならば、たとえば運輸省は九十九里浜についてはこういうようにりっぱな調査書を出しておられますね。大体港湾局でいろいろ検討されたんでしょう。専門の方もいろいろ活用されてつくられている。若狭地区についてはこういう青色の教科書が、調査報告書が出ている。ところが、ある町長のことばをかりると、この青い教科書は買い占め教本ですね。どこがいいかということを大手に教えて、そこを急いで買いなさいという結果になりかねない。これに書いてあるところは、先ほどこれは私が五、六カ所あげましたけれども、環境のいいところがみんないいだろうと、将来よくなることが書いてある。そうすると、海流から気象からいろいろ調査をしている数年の間に、これは若狭湾でも小浜地区は三井、三方地区は三菱の手がやっぱり入って、土地を買いに出ている。じかにではなくて、ダミーとかいろいろ動いてますが、いろんな動きがあります。そうすると、これは国の計画がおぼつかなければ、ここは将来よくなりますからどうですかという形で、買いあさりの教科書になっているという批判があるんですが、私は実態を見ると、どうもそういう感じが非常に強いと思うんですよ。そこで、こういう形でこの調査報告書がそういう意味の私は教科書になってはならないと思うんですが、こういう実態が動いているのを運輸省は、県がひとつ計画を立てれば、それに相談に乗りましょうと。そういうどうもかまえが非常になまぬるいというか、もしほんとうに国民保養基地をどうしてもわが国において幾つかつくらなくちゃならないという考えだったら、そんな時間をのんびりして買いあさりにまかしているということでは、私はいかないのじゃないかと思いますが、この点大臣はどう考えますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) ごもっともですね。そういうことを考えなきゃなりませんが、しかし運輸省でいま考えておりますことは、全部これ国営でそういうレクリエーションセンターをつくろうということではなくって、各地で県当局がここにこういったものをつくりたいという場合に、国としてできるだけの財政援助をいたしまして、そういった国民的なセンターをつくるように協力しようという趣旨でございます。したがいまして、運輸省が自分で土地を先に、おっしゃるようにほっとくと、いろいろの会社がありまして、いわばこの土地を一番いいところだから買おうというような、買いあさりましてね、なかなか今度は実行する段になると、まとまった土地が得られないという非常に困難な問題がございますから、その点ごもっともなんですが、やっぱりほんとうに事業の施行者である県当局が早く計画を持ってきて、具体的にやってくだされば、それに対しましては、これは土地の先行取得が一番大事だと思いますね、土地の先行取得が。この土地の先行取得につきましては、これはたとえば自治省とも話ができておりまして、こういった問題については地方債を優先的に割り当てるとかいうふうなことが可能でございます。われわれのほうもそれに対して大いに協力いたします。 ですから、何もかも国営だ国営だという考えでやらなくても、県も自分で買う場合もあるし、このごろよくはやりの開発公社というのが各県にありますね、開発公社を利用されてもいいんですから、ほんとうにここにやりたいということであれば、早く計画を策定して、そして連絡さえしてもらえば、それに応じた国の援助あるいは補助措置というものは可能でございますから、その点は、そういう計画を持っておられるのがわかりますれば、われわれのほうも何も受け身で黙ってじっとしているわけじゃないのですが、そういう行政指導を各県に対して積極的にやらしたほうがいいと思っておりますけれども、しかし大事なところは全部国で土地を買ってしまえということは実際なかなかこれはできないことでございまして、そこのところは地元の皆さんがやはり県と連絡されて、運輸省と十分連絡協議をしていただくようにお取り計らい願いたいと思うんです。
○辻一彦君 私も国営でやれというようなことを言っているんではないのです。しかし昨年のここでも、丹羽前運輸大臣が、やはり単なるレクリエーション基地ではない、ことばの、遊ぶ場所ではない、国民保養の一大基地を建設しようという考えである、したがって、国主導型の考え方ということがどうしても大事だと、こういう発言をされて、二月二十二日に、小浜線の合理化に関して、前段の論議においても、私は運輸大臣にその旨を確認して、それは間違いない、そういう方向である、こういう御発言であったわけですね。それは私変わりはないと思うんですね。ないでしょうね。
○国務大臣(新谷寅三郎君) はい。
○辻一彦君 であれば、私は、国主導型ということになれば、国営でやりなさいということではありませんが、もっと積極的な、時代の動きというか、商社の動きはもうそんななまぬるい動きじゃなしに、よほど早いわけですね。これに対して対応できるだけのやっぱり行政指導であるとか、あるいは地元の協力であるとか話であるとか、こういうことをやって積極的なかまえにならないと、せっかく——天然資源の点からいって、東に九十九里浜、西のほうに関西の観光人口を受け入れる場所があると言っても、あちこち買いあさられる、そういう形になっては、私はほとんど計画は進まないと思うんです。 そういう点、国主導型ということばを具体的な形で生かしていくとするならば、こういう問題は私は考えられないかと思うんですが、それは、この間私、内外海半島を歩いてみたのですね。そうすると、あの地区の開発計画というのがありますが、ここで農家の人たちは、地元ではなるべく土地を売らないように、こう言っております。しかし漁村や山村や僻地では、いままでなかなか恵まれなかったと、そういう中で、土地がかなりな価格で売られるとすれば、それをだれでも売って、子供の教育費に充てたいとか、いろんな願いがあるわけですね。それをむげにそうはなかなか押えることもできない。そうなれば、それを無理に押えれば、一つの村で部落で地区で、とてもまとまりっこはないという状況が起こっておりますね。そうなると、そういう先行取得をするために、やはり融資であるとか、あるいは利子補給をするとか、こういう公共の手によるやはり手が差し伸べられるということが、何も国で買ってしまえということじゃないのですが、県といろいろ協力してやってもらうということが国主導型を少し具体的な内容であらわすことにもなるんじゃないか、こう思いますが、この点どう考えますか。
○政府委員(中村大造君) 先生おっしゃいましたように、国主導型ということは、必ずしも国が全額予算を負担してやるということではなくって、やはり国民のレクリエーション施設の整備のために、国みずからが一つのイメージというものを打ち出しまして、そうしてそれを整備する方式というものも国が責任を持って打ち出すと、こういうことではなかろうかと思います。そうして、実際のこれの建設につきましては、地方公共団体というものがやはり中心になりまして、これと国が協力をしてつくっていくと、こういうことでなければ、やはり個性のある、しかもりっぱなものはできないのではないかというふうに思うわけでございます。 それで土地の問題でございますけれども、やはりレクリエーション基地を整備いたします場合に、一番問題になるのは土地の確保であろうと思います。したがって、それにはできるだけ早く県の当局におきまして、これの具体的な計画というものをつくるということだと思います。これについては、従来のような、いわゆる国の補助制度というものができておりません場合においては、県としても具体的な計画がなかなか立てにくかったという事情もあろうと思いますけれども、今日一応こういう国の補助制度というものができておりますので、それを県としては参考にされまして、そして今日まで調査してまいりました、いろいろな基礎調査というものを十分参考にされて、そして、早急に県としての具体的な計画、どこの地区にどういうものをつくりたい、こういう計画をお立てになって、これを国にお示しいただければ、もちろん運輸省だけではできませんので、自治省とも、あるいは建設省、厚生省、環境庁、いろいろな各省庁が協力いたしまして、これを推進していくということにしなければならないと思うわけでございます。 それで、土地の取得につきましては、先ほど大臣から申し上げましたような、やはり起債の対象としてみるというふうな道も開かれておるわけでございますので、そういうふうな方法を活用されまして、県において、できれば先行取得をするという方法が望ましいのではないかと思うわけでございます。
○辻一彦君 去年ここでも問題にしたんですが、内陸に限らず、海洋性に限らず、大規模のレクリエーション基地で非常に問題になるのは、オールシーズンであれば一番いいんですが、やはりオールシーズンというわけにはいかない。その場合に、常住人口と、シーズンにおける人口が非常に大きな開きがある。たとえば、若狭湾の地区では高浜町、常住人口一万二千、土曜、日曜は、夏は二十五万ぐらいに、去年あたりはなっていると思いますが、これぐらいになりますと、その最高のピーク時に対する水とごみと屎尿だけを地元が引き受けなくちゃならない。せっかく関西からいらっしゃっても、水もなければ、ごみの中で、屎尿の処理もできないというのでは、保養にはとてもならないから、夏のピーク時におけるこれだけのものを、やはり地元の市町村が何らかの設備によって、これを考えなければならない。そうなると非常な負担がかかると、こういうことで、若干昨年から、論議の結果、改善はされていますが、こういう問題を本格的に解決をしていくには、どうしても、国民保養基地を建設しようという地帯には、環境を整備するような条件をつくる法制化の必要があるのではないかと思います。 で、運輸省は数年前に、名前は何と言ったかわかりませんが、大規模なレクリエーション基地の環境を整備する法案、こういうものを一時考えられたということを聞いておりますが、そういう構想を、今日の時点で、いまもう一度新たにして考えるべきではないかと思いますが、こういう点について、大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 非常にごもっともだと思います。その問題は、いまレクリエーションセンターのような、あれに類似するようなものが、御承知のように各省庁から出ておりますが、これはやはり共通の問題ではないかと思います。私の郷里は奈良ですが、奈良公園なんか見ましても、一年間に千万人近い人が来るものですから、ごみの処理、屎尿の処理には、ほんとうに県も市も頭を悩ましているのです。こういったものに対しまして、いまおっしゃるような点を十分考えまして、これは関係省庁の間で、どうするかということについて、もう少し基本的な統一した施策を打ち出せるように努力をしてみたいと思います。 いまのところは、とにかく運輸省は運輸省、厚生省は厚生省というふうに、それぞればらばらに、施設をつくったところが責任を負いまして、一応の処理をしているのですけれども、環境庁の方もおられますから、そういったことについて、これはおそらく環境庁あたりが世話役になりまして、そういったことについて、各省庁がもう少し連絡をして、統一した施策がとれるようにしたいと思いますが、この点は、私も努力いたしますので、環境庁あたりでも、せっかくこういう点について、骨を折っていただくように、私も長官によく話します。
○辻一彦君 あと五分でありますが、それはあれですか、そういう保養基地等の条件整備、環境整備等の法制化をも含めて努力をするということですか、そこらどうなんですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 新しい法制が要るかどうか、こういった問題については、何も法制で基準をきめたり、規格をきめたりという問題ではなくて、予算補助でもこれはけっこうできることでありますから、方法はあまり条件をつけないでおいていただきたい。結果が実現できますように、ひとつ骨を折ってみますから。
○辻一彦君 これはよほど考えていただかないと。大都市からたくさん見えるのはけっこうなんですが、水は使い尽くし、屎尿やじんかいだけが残って、このあと始末がつかないというような、こういう形では、せっかくの保養基地にならないと思います。だから、そういう条件整備については、十分考えて検討願いたいと思います。 最後に、これは大規模のレクリエーション基地、言うならば、観光基地をつくれば、運輸省の調査でも、大体若狭湾にも千五百万以上の観光人口が流入をしてくるであろう、吸収されるであろう、こういうような調査も出ております。で、国が主導型になって、かなり公共性を持ったこのレクリエーション基地がつくられるか、私たちはそれを支持し、望んでおりますが、あるいは、まごまごしておれば、これは私的資本による乱開発ということが起こりかねない。しかし、いずれにしても、大量の観光人口というものが、こういう幾つかのレクリエーション基地に流れ込んでくるということは事実であろうと思うのです。その中で、安定した大量の輸送手段ということをどうしても考える必要があると思うのですね。そういう点で、いま北陸地区に新幹線の問題がずっと出ております。大量輸送手段と、こういう将来のこの地区の展望の中で、新幹線の路線等をどういうふうに考えておられるのか、これは総裁もおられますから、総裁並びに大臣からお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的な問題になりますと、北陸のほうを通ります新幹線については、いま調査中でございまして、まだ結論の報告が出ておりません。報告が出ましたら、それによりまして、運輸省で調査の上決定をしなければならぬと思っております。 しかし新幹線に限らず、こういった問題につきましては、非常に各地からたくさんの方がお集まりになって、輸送の需要というものがふえることは確実なんですから、あらゆる輸送手段を講じまして、そういう集まってこられる方々の往来に支障のないような手段を考えなければならないということは、当然でございますが、いまこの段階で、これからそういったセンターをつくろうという段階で、どれくらいの設備になるか、したがって、どれくらいの人がやってくるか、輸送需要がどれくらいまでふくれるかということにつきましては、いままだ正確な見通しがつきません。その段階で、いろいろの輸送手段を。いま具体的にきめるということは、これは困難でございます。なるべく叩く、そういった問題については見通しをつけて、それに対応したような輸送手段を実現するように努力するということ以外には、現在のところでは考えようがない。しかし、これはおくれないようにやらなければいけませんから、もちろんそういうものをつくって、利用ができないのだということでは困りますから、利用できるように輸送手投は、私のほうでできるだけの努力をして、これに対応するような手段を講じますということだけ申し上げておきます。
○説明員(磯崎叡君) 若狭湾の開発に伴う大量輸送につきましては、いま大体、夏に私のほうで山陰線及び福知山線経由は約十四本ぐらいの列車を入れております。大体約一万人ぐらいの輸送力を持っているわけです。御承知のとおり、湖西線の開業がございますので、近江今津から小浜までバスということで、大体京阪神から小浜付近までいま四時間かかっておりますが、これが大体三時間ぐらいで行けるようになります。 いま御質問の新幹線の問題でございますが、北陸線は私の担当で調べております。御推察のとおり、実は福井県と大阪府をどうつなぐかということが一番問題でございまして、いまいろいろな案を考えておりますが、その案の中には、たとえば滋賀県をどう通るかという問題、それから福井県のいまの若狭湾をどう考えるかという問題、いろいろございますが、特に京都、大阪の人家の稠密地帯が非常に多いということと、私どもはほとんど土地を持っておりません、京都、大阪に。それで一体福井から西をどう大阪に結ぶかが実はいま 一番悩みの種でございますが、いまいろいろ検討いたしております。大体ことしの夏ぐらいまでには案をつくりたいということで、いませっかくいろいろな調査をしております。いまおっしゃった若狭湾の開発の問題も一つのポイントとして考えて、いろいろ案をつくっておる次第でございますが、非常に場所が狭いことと、人家の稠密なところで、結局福井県から大阪府の結び方が非常にむずかしいということだけを申し上げておきます。十分いろいろな角度から検討いたしてまいりたい。その点ではいまの若狭湾の問題も、運輸省御当局の今後のお進め方も十分伺いまして、検討しなければいけないというふうに思っておる次第でございます。
○辻一彦君 終わります。 —————————————
○主査(森中守義君) 分科担当委員の異動につい分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、辻一彦君及び栗林卓司君が委員を辞任され、その補欠として佐々木静子君及び木島則夫君が選任されました。 —————————————
○主査(森中守義君) 質疑を続行いたします。
○佐々木静子君 私は、先ほど来、東京新国際空港についての御質問がございましたが、大阪空港の問題についてお尋ねいたしたいと思っております。 大阪空港の騒音に苦しむ伊丹の市民の方々が、最近国の公害等調整委員会に大阪空港の廃止を求めて調停の申請をいたしております。公害等調整委員会が設置されて以来、国相手の初めてのマンモス申請といわれておりますが、航空機騒音ではこれは全国で初めて。調停の内容は、一、大阪空港を五十六年以降廃止すること。二は、総発着回数を一日二百回以内にすること。三は、航空機の総騒音量を七十ホン以下にせよ。こういうのがおもな骨子であるということは運輸省も御存じであると思います。 また、地元の豊中市長は大阪空港の被害の実情は、空港が立ちのくか、それとも住民が立ちのくかの段階にまでせっぱ詰まったものになって、もはやこれ以外にどうする方法もないと、空港公害に悩む、生存権を脅かされている豊中市民の声をそのまま訴えておるわけでございまして、この豊中市民あるいは豊中市の諸団体がいま大阪空港の撤去の猛運動を起こしているわけでございますが、こうした地元住民の、もうがまんできないという空港撤去運動、そして大阪地方裁判所に、全国に先がけて空港騒音に悩む住民から生活を守るための、国を相手とするところの差しとめ請求あるいは損害賠償請求を提起せざるを得ないようなところにまで住民が追い込まれておるわけでございますが、運輸行政の最高責任者としての大臣は、ちょうど関西の御出身でございますので、大阪国際空港にも御縁が深いんじゃないかと思いますが、どのようにお考えでございますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) いろいろの地元の方方の動き、それから関係の地方自治団体の動きも詳細に承っております。この問題につきましては、前々からの問題が続いておる問題でございまして、最近、特にお話しのような反対運動が猛烈になったようでございます。しかしこの問題は、御承知のことと思いますけれども、私どもは新しい国際空港を関西につくらなきゃならぬという前提をもちまして、先年来、航空審議会のほうに移しまして、これは日本の学識経験者といいますか、非常に権威のある方々が集まっておられまして、専門に、あらゆる角度から、どこにどのくらいの規模の国際空港をつくったらいいかということを一生懸命にいま調査をし、その結論を出そうと努力をしていただいておるのでございます。 ところが、まだ結論がなかなかむずかしゅうございます。地元のいろいろな意見があってむずかしいのです。でございますから、私の手元にはまだそれが出てきておりません。これが出ました段階で、このいまの伊丹の空港の問題もだんだん目鼻がついていくと私は考えているのであります。結局、いまのお話の中で、少し長くなりますが……。
○佐々木静子君 でしたら、区切ってお尋ねしていきましょう。
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまのところはそんなことでしで、その結論を待ちまして、それによって伊丹空港をどうするかということをきめなければならないと思っておるのでございます。
○佐々木静子君 いま、関西御出身の運輸大臣の御見解を伺ったわけでございますが、実は関西新国際空港につきましては、一昨年にも当時の丹羽運輸大臣にも質問さしていただきまして、そのときに、地元の住民が反対している限りには絶対にそれを強行するような、無理して、反対しているときにはつくるようなことはしないということを、これは決算委員会で御言明いただいているわけでございます。そして地元が反対しているということはどういうことで認定するのかということをお伺いしましたところ、当時大臣は、これは地方自治体が反対している場合は地元が反対しているというふうに考えるという御答弁をいただいておりまして、実は大阪府は、これは府議会こぞって全員反対なんでございます、関西新国際空港の設置には。もちろん予定地とうわさされております泉南市をはじめとする沿線の府下町市村は、大臣御存じだと思いますが、こぞって反対でございます。まあ正直言いまして、中には一人だけ空港を持ってこようとされた国会議員の地元出身の方がおられましたが、これはたちまち地元の方々の批判を受けられて、当選何回というそうそうたる方ですが今度落選されたわけでございます。 それを見ましても、地元がいかに関西新国際空港の設置に、住民はこぞって反対しているかということがはっきりおわかりいただけると思うわけなんでございますが、きょうは主として大阪国際空港のことについてお伺いしたいと思います。ですからいまの御答弁で、関西新国際空港の計画が進んで、それとにらみ合わせて伊丹空港の対策を考えるというお話でございましたが、これは関西新国際空港を設置する話は、私は進むはずがないと思うわけです。というのは、全部地元が反対しておる。ますます反対運動がひどくなって、もう関西新国際空港だけじゃない、いまの伊丹空港も要らぬというような状態に来ておるわけでざいますから、ですから、関西新国際空港を設置しようという具体策は、私は進むはずがないと思うわけでございます、代々の運輸大臣のお答弁からみますと。そうしますと、これは進むはずのないものの進むのを待って、いまの大阪国際空港のことを考えようというのであれば、いつまでたってもこの対策は講ぜられないということになるのじゃないかと思うのでございます。 まずこの伊丹の国際空港でもうどうにもならぬという、もう住民が、もうほんとうにどうにもならぬ。これは大臣のおことばを伺うまでもなく、私ども大阪におります者は、これは大阪は日本の東京と並ぶ大きな中心地であるという誇りを持っておるわけでございますから、これは国際空港がないよりもあるほうがいいにきまっているわけですが、その空港をあえて要らぬというからには相当な理由があるわけで、二百万という住民が安心して住むこともできない。健康も守っていけぬというようなせっぱ詰まった状態にあるから、こういう声が猛然と起こっているわけでございます。たいへん失礼でございますが、大臣御就任なってたいへんお忙しかったと思うのでございますが、この大阪国際空港のこの周辺の住民が困っている状態を、大臣御自身で、つぶさに御調査あるいは御体験になったようなことが御就任以来ございますでしょうか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 私は非常に忙しい役目を仰せつけられましたものですから、就任以来、関西に行っておりません。一回も行っておりません。でございますから現状を自分の身をもって体験するということはしておりませんけれども、地元の市長、市会議員の方々あるいは有志の方々が、入れかわり立ちかわり東京にお見えになりまして、いまおっしゃったようなことを陳情をしたり、あるいは要求をしたり、いろいろな形で状況を承っております。 そこで、さっきちょっと途中までしか申し上げませんでしたが、結局、新国際空港と申しましたが、新国際空港にまあ大阪のほうは非常にまとまって反対しておられますね。しかし、そうでない地区もほかの県にはないことはない。それを私は、丹羽さんと同じように、やはり地方自治体が正式に頭から反対をしているところにこしらえようと思ったってこれはこしらえられない。これは当然のことです。といって、一方いろんな団体の方あるいは有志の方々反対だとか賛成だとか言われましても、これは地方自治体というものの単位になってまとめてもらわないと、ほんとうに住民の多数の声というのは聞けないわけですから、やはり丹羽さんが言ったように、私も地方自治体の意見を一番尊重して承るということについては同様でございます。大阪の空港の問題につきまして、伊丹の問題ですね、いまお取り上げなっておる。これにつきましてはいろいろ経過があるんです、御承知でしょうけれども。ことしの予算編成期にあの周辺の整備のための法律をいま出しております。それの裏づけになる予算をどうしようかというときに、各府県の、関係の大阪、兵庫、それから関係の市長あたりからいろいろ陳情がございまして、政府の補助をもっと高めろ、政府の負担をふやせというようなことでお話もございまして、御承知かと思いますけれども、これは最後まで問題残しまして、予算編成の最終日に大蔵大臣と二人で話をしまして、とうとう運輸省の要求以上に、非常にかさ上げをして予算を通したのです。それをお聞きになりまして、これは私のところへ正式に来ております。兵庫県知事も大阪府知事も、非常に御努力はありがたいとお礼の手紙が来ている。しかし、こういう条件を満たしてくださいよということがついてございます。 私たちはそういった、これだけじゃございませんが、そういった何回かのいろいろな要望書あるいは交渉というようなものをもとにいたしまして、新空港がかりにできるにいたしましても、やっぱり何年という時間がかかるわけです。その間、大阪の、いま訴訟を起こしているとおっしゃいましたが、大阪から空港が全部なくなってもいいのかということも考えなきゃいけない。そうしますと、私たちの考えでは、やっぱりあれだけの阪神地区でございますから、空港はほしいだろう、空港を残すのは当然だろうという点からいいますと、新空港がいままだできませんけれども、できるにしても相当時間かかる。その間は、何とかして関係の住民の方にがまんをしてやってもらわなければならなぬということで、従来から、たとえば深夜の離着陸はもう禁止するということをやってみましたり、何といいますか、ジェット機による航空というものは制限をするとか、いろいろわれわれの手でやれることはやってきておるわけです。のみならず、今度の予算措置によりまして、これはいろいろ御心配いただかなければならぬことなんですけれども、地元の空港に直接隣接しておって、影響を受けるところ、これはその周辺の地区をどうするかということにつきまして予算措置を講じておりまして、法律が通れば、地元の方々の御協力を得て、騒音被害を最少限度にするための努力をしなければならぬ。これに対しては、さっき申し上げましたように、関係の知事からもお礼の手紙が来ておるのです。だから、おそらくあれは知らなかったということはおっしゃるまいと思います。 ですから、いろんな条件がございますけれども、その条件をわれわれ最大限に実行することによりまして、御協力を得られるんじゃないかという希望を持っておりますので、そういうことでいまは暫定的でございますけれども、これから努力をして騒音の公害を最少限度にとどめて、住民の方にしばらくの間がまんをしていただくという以外に方法はないんじゃないか、こういうふうに考えております。
○佐々木静子君 大臣が御就任以来、非常に騒音防止のために御努力いただいているということは、私どもも非常にけっこうなことだと敬意を表しているわけでございますが、やはり現実にお忙しいと思うけれども、これはもう百聞は一見にしかずなんでございます。札の上で幾ら考えていても、こうとは思わないわけでございまして、私も大阪におるわけですが、常時空港のそばにいるわけにはいきませんので、この間の日曜日、実は一日、地元の方と一緒に空港の周辺におったわけでございますけれども、これは何も話を極端に言っているのじゃなくて、実にたいへんでございます。私は女なので戦争に行ったことはありませんけれども、空襲は体験しておりますが、ちょうどあの空襲のときと同じですね。ただたまが落ちてこないだけましなだけで、もうこれは二分間隔に飛行機が発着するわけですが、これが二分間隔ですから、その前後があるから、まあ一分間隔よりもっと、三十秒ほどですね、何も飛行機のビューンという音が聞こえないのは。そして金属性のものすごい音が来るかと思えば、今度は離陸するための騒音というと、これは極端じゃなくって、われわれの内臓がひっくり返るような音がしますね。飛行機に乗ったり、あるいは空港ビルの、かえって空港の中の建物にいると、あれは防音装置もあるし、ちっとも響きませんけれども、たとえば豊中の勝部地区という民家におりますと、もう、耳が、まず行ってしばらくすると変になってきますね。そしてものすごい音がします。これはほんとうに極端じゃなくって、戦場に行ってるのと同じような感じの音がするわけですね、間断なしに。そしてそれの次にくるのが臭気ですね。においです。ものすごいにおいがするわけです。 しかも、このごろ飛行機が、私一年前もずっと終日検査に行ったんですけれども、そのときと比べますと飛行機が大型化されておりますので、排気ガスの量がぐっと多くなっているように思うんです。それで出てくる空気がなまあたたかくて、いまだったら何かあたたかい空気だなで済みますけれども、これから暑くなってくると、これはまたあの地区はたいへんだと思うわけです。それと、においがするだけじゃなくて、のどが変になってひりひりして、それからそのにおいがするのは、これはおそらく排気ガスとは言いじょう、有毒ガスじゃないかと思うのですが、目にしみ込んできて涙が出てくる。私は充血するところまではいかなかったのですが、一緒に行った人の中で、もうその日のうちに充血した人もいるわけなんです、どこも目が悪くなかったのに。でございますので、非常に人間の住める条件じゃないところで皆さんが全く困っていらっしゃる。 そういうことで、いろいろと運輸省のほうもお心を配っていらっしゃるということはわからないではないんですが、実際そんな状態ですから、いるとこう胸が悪くなってくるわけです。むかついてくるわけです。ちょうど最近お産をした奥さん方が二、三人おられまして、聞いてみると、これはもうつわりのときはここにはおれぬと言う。それも豊中の空港周辺地区の方あるいは伊丹市の周辺地区の方のおかあさんから最近生まれた子供さん方が異常に体重が軽いわけですね。これはお医者さん方の証明ではっきりしているわけなんです。こういうことから見ても非常にからだによくないことだけははっきりしている。いま生きている人だけじゃなくてこれから生まれてくる人にも非常に悪い害を与えている。それから木が枯れてくるわけです。花が咲かなくなる、木が枯れてきて。それからもう一つ特徴的なことは、勝部地区の子供さん方では、子供さんのうち小学校児童八六%までが鼻血が出るわけです。それがずっといるからそうなるというばかりでもないらしくて、勝部地区の親戚のうちに子供さんが来る、二日目ごろから鼻血が出る、またもとへ帰ると鼻血はなおる。これは航空局でも調査なさっていらっしゃるんじゃないかと思いますが、学童、特に学齢に達する前の子供さんの鼻血が非常に多いわけでございまして、私実はこれも調べてくれということで鼻血の山を、これまあいただいてきたんですけれども、これちょっと気持ち悪かったわけですが、これも何かの参考になるかと子供さん方から出た鼻血を一ぱいためたのももらってきたわけなんですけれども、そういうふうに非常に異常な状態になっているわけなんでございます。 これは環境庁のほうにちょっとお伺いしたいんですが、こういう現状を環境庁のほうは把握していらっしゃいますか。
○説明員(河野義男君) 大阪空港周辺におきまして、子供から鼻血が出るというケースにつきましては、私も、実際に敷布に鼻血が出た現物を見せていただきまして承知しております。 この問題につきましては、航空機の排ガスによる影響は鼻血だけではなしに、まだほかにも人体に与える影響が当然考えられるであろうという観点から、大阪府の衛生部が昨年豊中市の勝部地区のすべての住民を対象といたしまして、アンケート調査とそれから精密検診による健康調査を実施いたしたわけでございます。その結果によりますと、勝部地区では鼻血以外の影響はせきとたんが三カ月以上続くという、いわゆる慢性気管支炎症状、そういった呼吸器系の症状の訴えについてアンケートによりまして見ましたところが、豊中市の他の地区と同じ程度であったという結果が出ております。また精密検診の結果によりますと、鼻血の出血の原因となります鼻炎とかあるいは咽喉頭炎は空港に近いところに多いということが一般にいわれるわけでございますが、その空港に近いところにそれが多いという傾向は見られなかったわけでございます。しかしこのことから直ちに府の衛生部は、航空機の排ガスによる汚染と呼吸器の所見との関係を否定するということはできないと、そこで、こういった関係をさらに明確にするために、航空機のエンジンから排出されますガスの調査、それから空港周辺の環境における大気の調査——これは昨年の十一月ぐらいから今年の一月にかけてやっておりますが、こういう調査の結果を総合いたしまして解析を現在やっておるわけでございます。また兵庫県の伊丹市におきましても、学童の鼻血の調査を現在実施されております。 環境庁といたしましては、こういった調査結果と航空機の排ガスの成分分析の結果を合わせまして、検討を続けてまいりたい、この結果によりまして、また適切な対策を考えていく、かように考えております。
○佐々木静子君 これは大阪府の公害室が勝部自治会と協力しまして、この滑走路の南端の民家にハイ・ボリューム・エア・サンプラーを置いて調査したところ、このろ紙からベンゼンに溶けるタール分がかなり検出されたというふうなこともございまして、これはやはり排気ガスというか、有毒ガスが飛行機からかなり出ているんじゃないかということで、地方自治体としても非常に神経を使っているらしい。時に大阪府は、環境庁も御承知のとおり、環境容量というものをきびしく規制しておるわけでございまして、これが過疎地であればこの排気ガスだけですけれども、大阪府は御承知のとおりこの空港がなくたってたいへんな公害が起こっているところへ、さらにこれに加えて空港公害が起こっているわけでございますから、これは相当に環境がもう破壊されている、俗なことばで言えば。破壊され尽くされているというような状態に立ち至っているんじゃないか。 そういうふうなことで、環境庁も、今後ともこの多くの住民の人たちが健康をそこねて困っているというような事柄に対しまして、できるだけ厳重な監視をしていただきたい。何か環境基準というようなもの、空港周辺について特に環境庁として考えていらっしゃるようなことはございませんですか。
○説明員(河野義男君) 航空機騒音に関する環境基準につきましては、中央公害対策審議会のもとに騒音振動部会がございまして、その下にこれに関する専門委員会を設置しまして、検討を続けてまいったわけでございます。近くその結論がまとまるわけでございます。その結論がまとまりますと、騒音振動部会に報告されまして、そこでいろんな対策あるいは達成するためのいろいろな機関、そういった行政上の対策を講ずる上の問題点等も含めて検討されまして、答申がなされるわけでございます。環境庁といたしましては、その答申が出次第、航空機騒音に関する環境基準を設定し、対策を進めていきたい、かように考えております。
○佐々木静子君 何しろ一番大切な国民の命を守ることに直接つながる問題でございますから、早急にひとつ全力をあげて空港周辺の住民の命を守るために、早急に基準をつくっていただきたいと要望する次第です。 次に、時間がありませんので次の話に移りますが、実は、そういうことでいままで住民の人たちは、もう何とかちゃんとしてあげる、もう何とか考えると言いながら、これは大臣は最近御就任になったばかりなので、現大臣の御責任ではないかもしれませんけれども、いままでもう次にはちゃんとする、ちゃんとすると言いながら、ちゃんとなるどころか、これは一年前と比べてもまたぐっと環境が悪くなってきているというふうな状態で、まあいまもおっしゃったように、飛行機の発着数の制限とか、時間についての制限とか、それは運輸省のほうもかなり考えていただいているわけでございますけれども、現実に四十五年から大きな滑走路Bラインができた。そして離着陸する飛行機がいままでプロペラとジェットとまぜこぜであった。ところが、このごろは大型機がたいへん多くなっているらしくて、そういうふうなことでいろんな公害がまたたいへんに爆発的に起こっている。そういうふうないろんな悪条件が重なりまして、運輸省あるいは航空局というと、航空局長さんもおられますけれども、もう住民はアレルギー反応を起こしているわけです。運輸省の言うことというたらまたうそだと、はっきり言うと。もう裏切られ続けているからそういう気持ちになっているわけでございまして、これは大臣が非常にいろいろ考えていただいているんですけれども、まあその考えていらっしゃるお気持ちを住民に伝えるには、やはりまず何といってもその住民に対して運輸省の信用を回復しないことには、これは話にならぬのじゃないかと思うのです。そういう意味で、これから先の、住民に対して、やはりその住民の立場に立って考える運輸行政ということをひとつ何とかやっていただきたい。 これはたとえば大阪空港——航空局の方もいらっしゃいますければも、その方々が不熱心だというわけじゃ決してないんですが、これはまず人員が全然足りませんね。航空騒音について苦情を言いに行こうと思っても、いつでも人がおらない。実情を聞いてみると、何かごくわずかの四人や五人でやっているということで、これはもうその係の人の立場に立てば無理もないのですが、やはりこれだけの問題が起こって大ぜいの病人が出て困っているという状態であれば、やはり航空局のほうも住民の声を聞くなり、また住民の苦しみを解決するためのまず人的要員を備える必要があるんじゃないかと思うわけなんです。 それから、たとえばこういう例もあるわけなんです。これは池田市の空港二丁目四百五十番地の三に土地二百二十四・七九平方メートルという、これは個人の坂上さんという方の——これは池田に住んでいらっしゃる方ですけれども、その方の私有地があるわけなんです。これは実は登記簿上もはっきり坂上さんの個人の土地であり、坂上さんは毎年税金もちゃんと払っているわけなんです、固定資産税を。ところが、この土地は大阪空港の滑走路のすぐそばなんです。全然これは取られてしまっているわけです。それでこのことを坂上さんが何回も航空局に言うていっているのに、いや調べておく、やれ何だということで、実は私がこの話を聞いてからも一年たつわけなんですよ。人の土地を航空局が無断で使っておいて、そしてこれはどうなっているのだと聞きにいくと、やれたいした面積じゃないですねとか——それは空港、国から見ればたいした面積じゃないかもしらぬけれども、個人から見ればこれはたいへんなことですよ、取られてしまっているのですから。こういう姿勢で住民の信用がつなげるはずがないと思うのですよ。そして実はこれもいま予算が足らないからということで一年待っていたわけなんです。そうしますと、この間、これは運輸省の正式な回答じゃありませんけれども、非公式な話として、何ぶん航空局が占有をしていて、坂上さんが占有をしていないから、これはもう時効になっているのじゃないですかと、この間言うのです。滑走路のそばにある土地を幾ら自分の土地だってどうやって占有できますか。もし、そういう占用状態を基本にこれから運輸行政を行なわれるとすれば、これはもうみんなはち巻きして滑走路の上にすわり込まなければ、権利を失うことになるわけですよ。よもやこれは大臣もそんなことはお考えにならぬと思うのですが、この坂上さんの問題は一つの問題じゃないと思うのです。これからいろいろ空港の買収の問題など、関西新空港をどこにつくられるか知らないけれども、そういう問題も起こるでしょう。そのとき強制力で排除されておいて、あとになって、ここ占有しておらぬからもう時効が来るの来ないのというような、そういうことを言うんじゃもう話にも何もならぬと思うのですが、大臣はそのことについてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 事実は知りませんでした。いま局長に聞きますと、そういう悪意でそんなことを言って、係官がトライに——現地の人がだれにお会いになったか知りませんけれども、そんなことを言ったかどうか、それも私は知りませんけれども、こちらの航空局のほうでは知っておりまして、それでいま大蔵・法務の両省と相談して早く解決しようという措置を講じつつある際だそうでございます。具体的には政府委員のほうから説明させます。
○政府委員(内村信行君) ただいま佐々木先生のおっしゃいましたことは、まことにごもっともな御議論だと私は思っておるわけです。 、実は、私も最近までそういう話を知らなかったわけですが、事情を聞いてみました。確かに、大阪国際空港内の、池田市の空港二丁目四百五十の三というところでございますね、そこに二百二十四・七九平方メートルの場所がある、それを坂上治太郎さん名義になっておるのですけれども、国が使っておるのです、こういう話でございました。その番地の前の二のところと四のところ、これは買収がちゃんと済んで、国に移転登記をしてあるわけでございます。そこだけが登記がえになっていないということでございます。 そこで、実は、これは非常に昔からの歴史を申し上げますと、たしか昭和十二年ごろでございましょうか、大阪空港排水路の敷地といたしまして、当該土地周辺の一帯を大阪府が買収したわけでございます。それを昭和二十年の九月に当時の連合国が接収いたしまして、昭和三十三年の三月に接収解除になりました。そこで三十三年の七月十八日から運輸省のほうに所管がえいたしまして、運輸省のほうでそれから使わしていただいているということなんでございますが、実はこれはもう当然そういうふうにして一括してこちらのほうに譲渡されたものでございますから、所管がえを受けたものでございますから、当然、これは国の財産だと思っていたわけでございますから、いわば公然と申すとおかしゅうございますが、そういった形で当然のものとして使っておった。ところが、たまたま急に昭和四十七年の七月に坂上さんのほうから申し出がございまして、それでまあこういうふうなことなんでございますというお話がございました。実はこれ私ども寝耳に水であったわけです。いままでは当然ほかの土地と一緒にこちらの所管と思っておったのが、こういうふうなことがよもやあろうとは思わなかったというふうなことで、いろいろ当時の、こう言うと申しわけないのですが、あるいは登記漏れではないだろうか、ほかは一緒に譲渡になっておるのですから、それと一緒に譲渡になったのだけれども、登記漏れじゃあるまいかと、そういうふうなこともございまして、いろいろ関係書類を調査したわけでございますが、何ぶん戦災でもって焼失しておりまして、現在のところではその買収の事実があったかどうか、あるいはそのほかの経過がどうかなんということは全く確認できないというふうな状態でございます。 そこで、いま、これにつきましては、まあ国の財産の一つの形でございますから、大蔵省とかあるいは法務省とか、いろいろのところの関係がございますので、そういうところと連絡をとりながらその処理方法をいま協議中でございますが、これにつきましては、いずれにしても、なるべくすみやかに合理的公平な結論を得たい、こういうふうに考えているのが現状でございます。
○佐々木静子君 これはいま御答弁いただきましたが、やはり住民の気持ちになって、これはもう権力で住民を排除しておいて、そうして占有していながら、もう時効がどうのこうの、これは空港問題だけじゃなくて、基地問題なんかについてもこれはたいへんなことでございますから、国がそういうことを言い出すと。これはやはり住民の気持ちになって、早急に善処していただきたいと思います。
○政府委員(内村信行君) 私もそのように思います。
○佐々木静子君 それから、時間がありませんので次の問題に移りますが、そういう状態で、いまいろいろ空港周辺の整備についての法案も今度提出される御予定とか伺っております。地元は、自分たちがのくのだったらもう空港にのいてほしいという強い意見まで出ておるような状態でございますが、とにもかくにも、いま現に苦しんでいる人たち、もうあそこにはどう見ても生物学的にも住めぬ状態だという方を何とかほかへ移したい、また移りたいと言っていらっしゃる方もたくさんいるのですが、移るについて非常に土地の買い上げが安いわけです。それで移れないわけなんですね。 この間も移った方がいるのですが、買い上げていただいた価格では、大阪府下では能勢の山奥しか買えないわけです。そうなると大阪への通勤ができないわけですよね。その方は親がちょっと資産を持っているから、それと合わせて、それでも能勢へ行ったのですよ。だけれども、もう資産のない人はどうにもならぬわけなんです。 これをひとつ坪幾らぐらいでこれから先買っていただけるか。話を安過ぎるじゃないかと言うと、予算がどうの、これじゃ会計検査院が通らぬの、もう申し合わせたようにおっしゃるのですけれども、これは大臣ね、予算は取ってきてください、そうして会計検査院は通すようにしていただきたい、どうぞひとつお願いいたします。
○国務大臣(新谷寅三郎君) その点は、いろいろ経過があったと思います。いままでは、いまの土地を一応買い上げたりして、これでしかるべく移転してくださいというかっこうだったんですけれども、いまおっしゃるように。これにつきましては、やり方を変えています、今度から代替地をつくりまして。これはしかし市町村の御協力を得ないと代替地をつくれないんです。代替地をつくって、そこに移転をしてもらうということにしますと、これはいまのように土地が高いだの安いだのという問題はなくなるわけです。だから代替地をつくることに全力を注ごうじゃないかということに方針を変えておりますから、これから先はそういった非常に不合理なケースは少なくなってくると思います。おっしゃるようなことですから、われわれとしましては、予算措置は、これは一般会計で、国際的な空港ですから、取るのはそんなにむずかしくないと思うのです。しかし、いままではどこかへ移れといっても土地がないのです。今度は市町村の協力を得て代替地をつくろうということですね、これが主眼になっておりまして、そうすれば移転してもらえるということで予算措置は講じます。講じますが、そういうことで、これは先生も地元の方ですから、これは市町村の中に代替地をつくることについての御協力をしてくださらないと、あの辺は非常に土地のないところですから、移りたくても移れないということですから、これはひとつそういうことで御協力をいただきたいと思うのです。
○佐々木静子君 それじゃ代替地の選定その他についても、住民の意向は十分に、大臣、お聞き取りいただいた上で早急にお進めいただけますですね。
○国務大臣(新谷寅三郎君) はい。
○佐々木静子君 はいということでございますので、私ども安心いたしました。どうぞひとつ二百万の住民のために、大いにこの命を守るため、どうぞ大臣としてもお考えいただきたい、特にお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○主査(森中守義君) 質疑を続行いたします。
○藤原房雄君 限られた時間でもございますので、端的にお聞きいたしますので、ひとつその点よろしくお願いします。 私は東北、北海道に関しまして最も関心の深い青函トンネルのことにつきまして、若干の質問をしたいと思うわけでありますが、この問題につきましては、昨年わが党の衆議院の古寺委員も現地におきまして問題になっております何点かにつきましてはいろいろ質疑をしておるようでありますが、世紀の大事業としてこの事業のりっぱに完成することを祈らずにはおれないわけでありますが、先ほどもいろいろお話ございましたが、愛される自衛隊ということばがあるわけですが、国鉄も最近いろいろな問題を起こしておりまして、決して愛される国鉄ではないだろう。特に新韓線、六千キロですか、さらにまたいろいろな工事をしておるわけでありますが、工事に伴って地域住民にさらに悪い感情を抱かせるようなことがあってはならない、この点については十分な配慮をなさっているだろうと思います。 まず、国鉄の工事につきまして、新幹線または青函トンネル等、またそのほか国鉄関係のこの工事に関しまして、どういう配慮を地域住民に対して払っておるのか、基本的なことをまず運輸大臣にお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 北のほうの新幹線につきましては、御承知のように、いま調査中でございまして、これからその結果が出てまいりました場合に、それをもとにいたしまして運輸省できめようというふうになっておるんですが、青函トンネルのほうは、御承知のように、これは五十三年に完成する見込みでございますから、北のほうに参ります、北海道のほうに参ります新韓線につきましても、大体、青函トンネルのできた時点において予定の路線が開業できるようにということで、そこに照準を合わせまして工事を急いでいるというように聞いております。 何か、ほかに御質問あったですか。
○藤原房雄君 話ししていたからわからない。—— 工事を進めるにあたりまして、地域住民にいろいろな——いままでお住まいになっていたところを移転しなければならないとか、工事に伴っていろいろな問題が起きるわけですけれども、これから新幹線工事、そのほかいろいろな工事をなさるわけでありますが、そういう工事をするにあたって、地域住民に対して、どういう考慮を払いながらこの工事を進めるかということ、基本的に、運輸省として監督する立場から、地域住民の大きな非難の声の起きるような工事のしかたじゃいけないと思います。こういうことから基本的な考え方をちょっとお伺いしたがったわけです。
○国務大臣(新谷寅三郎君) どうも失礼。 これは申すまでもございませんが、地域の住民の方々が非常な反対をしておられるにかかわらず、それを押し切って工事を施工するというようなことは、原則としてこれは避けなければならぬことは言うまでもないわけです。今日まで新幹線の計画をし、工事を進めてまいりましたが、そういう事例はあとに残らないで解決しながら工事を進めてまいったのでございます。 しかし、最近におきましては、特に新幹線の騒音公害の問題が非常に住民の方からは強く主張されるようなことになってきております。したがいまして、私は、先般来、そういう問題につきましても、新幹線の路線の設定にあたりましては、十分地方の自治体等と連絡をしていただいて、新幹線をつけたけれども、あとで騒音のために問題をいつまでもいつまでも残すようなそういう計画は避けたほうがいいということで、そういった点についても十分に調査をして、その上で報告書を出していただくようにということを国鉄及び鉄建公団に対しても要望しておるわけでございまして、いままでの経験もございますから、そういった点については万全の対策を講じまして、喜んでもらえる新幹線を建設するように力を尽くしたいと思っておるのでございます。
○藤原房雄君 時間もありませんから、端的にお伺いしますが、鉄建公団の総裁、このトンネル工事にあたりまして本州側の排出ズリですね、この処理の問題がいろいろ問題になっておるわけですが、大体どのくらい排出ズリが出る予定になっているのか、それの処理の対策、これは地元でいろいろ問題になっていることはよく御存じだと思います。時間があれば一つ一つずっとお伺いしたいんですけれども、まず排出ズリがどのぐらい出る予定にしておるのか。また捨て場に対する処理の対策、これについてまずお伺いしたいと思います。
○参考人(篠原武司君) 公団としまして、青函トンネルの大工事をいまやっておるわけでございますが、特にこのズリの問題でいろいろ地元と折衝しておりますのは本州側でございまして、本州側ではこのズリをもって海を埋め立てまして、ひとつ埋め立ての土地をつくってくれというお話が非常に強いんでございますが、隧道のズリというものは、原則としましては出てきた場所に近いところにズリを出すのが普通の例でございますけれども、地元から非常にそういう御要望がありますので、いろいろ検討しておりまして、現地の青函局とそれから地元の方と県との間でこの問題をただいま煮詰めて折衝中でございます。円満にこれを解決していきたいというふうに努力しておる次第でございます。しかし、土砂をその付近に捨てるにしましても、土砂が雨のために流れて地元に非常に御迷惑をかけるというようなことのないような措置は十分に講ずるということでお話をしておるわけでございますが、そういう点も含めましてどういうふうな形でこれをやっていくか、円満な話を進めたいということで目下鋭意努力中でございます。
○藤原房雄君 いま一番問題は、この排出ズリの処理対策だろうと思います。いま住民に迷惑がかからないようなというお話でありますが、また、原則はそれを掘り出したところの近くということですけれども、いま公団の方のお考えのような処理のしかたでは、これはいままでの経過はずっとよくおわかりだと思いますけれども、藤島部落で山沖波があった過去の経験がありますですね。それから、ここは国定公園の指定地域に入っておるわけですね、いまこれからなるであろうという。こういうことを考え合わせますと、先ほど運輸大臣が住民に迷惑かけちゃならぬと、それから万全の対策を講じ、来年は喜んでいただけるようにということですが、三厩村としましては、工事が進むということによって、住民は実際できても何も残らない。掘り出した排出ズリだけが山のように残って、一たびちょっと雨量が多いとそのために山津波が起きるような不安にかられるという、それにはそういう土砂くずれのないようにいろいろ策を講ずるようでありますけれども、それはやはりここでいま運輸大臣が仰せのように、喜んでいただけるという根本的な基本的な考えの上に立つならば、やはり三厩また県のこの施策の中にもございますし、また地元の強い要望でもありますこの埋め立ての計画というものについて、これは積極的なひとつ姿勢といいますか、取り組みというものがぜひ必要だと思います。それでこそやっぱり愛されるというか、地元の人も喜んでいただける、まあ三厩村の一つの発展の基礎がそこに築かれるということでありますから、工事があったおかげで村がこのように発展することができた、基盤ができたという基本的な計画については、いろいろ大臣も地元へ行って聞いておりますし、これは知事さんといろいろまた折衝の過程だろうと思いますけれども、具体的にこの造成土地の利用計画等につきましても案もつくっておりますし、これまた県としましても相当早くから青函トンネル建設に伴う諸対策の概要の中にもこういう問題が提起されておって、当然、工事をするにあたりまして、こういう点を踏んまえて地域住民の要望というか、また工事に伴う三厩村としては、やはりこれだけの大きな世紀の大事業が行なわれるんだから、それを一つの契機にして、町としてもこういう有効な利用方法というもの——埋め立てによって土地利用が計画されるような姿でありたい、こう望むのは住民としては当然の声だと思います。そういう近くに投げるんだとか、害が及ばないようにということじゃなくて、もっと有効な利用ということを積極的に考えるべきだと私は思うんですけれども、その点どうですか、総裁。
○参考人(篠原武司君) 御承知のように、海に土砂を捨てた場合に、それをただほったらかして捨てますと、海を汚濁しまして、漁業その他に非常な悪影響を及ぼしますので、やはりきちんとした護岸をしなければならない。その護岸の工事が非常にお金がかかるのでございまして、その点を公団だけでできるかどうかということで建設省にもひとつお願いして、県とそれからわれわれのほうとで、積極的に進める場合にどの程度経費がかかるかということで目下計画を練っているところでございまして、私どもが消極的にやっているということではございません。
○藤原房雄君 計画を練る段階ではなくて、現実にこの問題に当面しているわけであります。しかも青森県としましてもいろいろな試算をしておりまして、ズリの処理量によりまして、護岸工事によってどれだけの土地造成ができるか、地元の協力の限度はどこまでできるかという、こういうことについても県としまして積極的に試算をし、三厩村としても、この際、世紀の大事業の工事をするにあたって、それの恩恵といいますか、その路線が通る工事の現場であったこの三厩村がそれによってこういう発展の基礎が築かれるという、こういうことを切に願うのは当然だろうと思います。こういう計画が前々からあるわけですから、いま検討というのではなく、ほんとにそれに踏み切るかどうか。 もっと具体的に言いますと、地元としましては、護岸工事をしまして土地造成をしますと、売却可能地がおよそ——いろいろなケースが考えられるわけですが、百十七万立方のズリ処理をいたすとすれば、売却可能地が四万一千坪、これによって売却代金が九億二千万、こういうことで地元としては六億一千万は負担できるという、こういう具体的なもの、これは当然公団のほうにもあるだろうと思いますけれども、こういう具体的なところまで地元としては試算をし考え、ぜひひとつ世紀の大事業とともに、この工事現場に当たる三厩村として、お金のかかることではあるかもしれませんが、われわれも最大限協力をするぞと、ここまで協力するぞと、協力の限度を示し、そして陳情しているというこの誠意はやはりくみ入れられないでしょうか。 私が最初に運輸大臣に申し上げたのも、やはり地域住民の根強い反対があったら、反対を押し切るなんということではならないと思いますし、やはりこの工事を通して、しかも世界最大の工事をするわけでありますから、やはり工事とともに地元の方々に喜んでいただけるような処置というものは、これはもう考えるべきだ。予算のこともいろいろあるでしょう、これは半年、数ヵ月おくれるようなことがあったとしても、やはりこれだけの処置を地元に還元するだけの気持ちがなければ、これはもう工事は今後だんだん地元の協力を得られなくなるんじゃないか。 先ほどもいろいろお話ございましたけれども、こういう現実、県の試算や何かについてはよく総裁も御存じだろうと思うんですけれども、そういうことを踏んまえていまのような答弁だったら、これはちょっと納得しかねますね。もっと試算している云々じゃなくて、前々からこの問題は提起されておるわけでありますから、現在どこまで進んでおるのか、ほんとうにその決意について運輸省とよく相談しているのかどうか、そういうもっと積極的な現段階の姿勢というものを示してもらいたいと思うんです。
○参考人(篠原武司君) ただいま計画ということばがちょっと不穏当だったかもしれませんが、この問題はだいぶ前から積極的に折衝をしておりまして、実は、さしあたり処理しなけりゃならない土量が百万立米ばかりございますが、その処理にあたりまして、その埋め立ての問題を早くからいいろ検討して、県とも折衝しておるのでございますが、しかし県である程度埋め立ての計画をやはりやっていただかにゃならぬということで、調査費を八百万円ばかり出しまして、県で調査をやっていただくということになっております。そういうようなことで私どもは現地の方と円満に話が進んで、仕事がスムーズにいくように考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 運輸大臣、こういう現実問題があるわけです、実際、地元で、藤島部落というところで山津波がありまして、被害をこうむったという事実があるわけですね。過去二回ほどあるわけです。それだけに土砂をその辺の谷合いに捨てることに対しては非常に反対をしております。これは当然のことだと思います。それから国定公園の指定地域にも一応当たっておるということ。それから、これだけの大きな工事をするにあたっては、やはり地元に何らかの見返りをしてあげるということ。地元の方はそれに伴って最大限協力のできる限度というものを示し、また漁業補償のことについてもいろいろな問題については話し合うということで、非常に積極的な県の計画、また三厩村の住民の陳情もあるわけですが、こういうものをほんとうに十分に検討した上で、この工事、地元の人たちに喜んでいただけるような工事のあり方、こういうことを、今回のこの青函トンネルの工事を通じまして、しっかりひとつやっていただきたいと思うんですけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的な事情はよく知りませんが、先ほど申し上げたような方針で、これはやはり地方の実情、地方の自治体とよく打ち合わせをしてもらって、そして地元のほうに対しましても納得してもらえるような方法を講じて工事を進めるのが至当だと思いますから、この点はなおよく私どものほうも具体的に調べまして、いまおっしゃったような方向で、できるだけ地元の住民の方々にも積極的な協力を得られるような立場で工事を進めるように、鉄建公団とも、国鉄とも話し合いをしたいと思っております。
○藤原房雄君 いま大臣からお話ありましたので、どうぞひとつその点よく見守っていただきまして、まあ問題は金のことだろうと思うのですけれども、青森県だってそんなに裕福な県ではありませんし、また、この三厩村というのは一山村でございまして、そこから何とかひとつ、こういう大きな工事が始まった、それだけに新しい生きる道をという、こういう気持でおるわけでありますから、国としましても、この地域の問題については、いままでのありきたりのやり方ではなくして、ひとつ地元の、この大きな工事があった、それに伴って新しい村の発展が期されるような方向で十分見守っていただきたいと、こう思うんです。 次は、いろいろなこまごました問題があるわけでありますが、これだけの大きな工事にかかりますと、その地域にいろんな問題が起きるわけです。一つは水道の問題なんですけれども、この点についても公団ではよく事情を掌握されていらっしゃると思いますが、増川部落ほか五つの部落でいままで使っておりました貯水槽が枯渇しておる。およそ六百世帯の方々が、最近この工事をするにあたりまして公団やまた企業体の就労者の方々の住宅が建つようようになりましてから、水の不足を来たしておるという、この実情を何とかしていただきたい。 これは県の計画の中にも、四十七年度に導水管を増設しなきゃならないという計画があるわけでありますが、こういうことは公団でもよく御存じのはずですけれども、これは早急にやっていただかぬと、水というやつは毎日の生活になくてはならないものでありますから、地元の方々にもたいへん不便を来たしておりますものですから、この点についてはどのようになさる公団のほうのお考えか。早急にこれはやってもらいたいと思いますが、どうですか、これは。
○参考人(篠原武司君) 青函トンネルは非常に大きな仕事でございますので、工事に関係するいろいろな問題が出てまいります。それを解決するために青函トンネル対策協議会というものをつくっておりますが、これはメンバーとしまして、青森県、今別町、三厩村、小泊村、それから青函建設局というようなのが入っているわけでございます。そういうようなことで、いろんな問題を解決しようとしております。しかし工事関係の従業員が急激にふえてまいりまして、水道の整備につきましても、この協議会で対策を検討している次第でございます。 なお、この問題については、現地の責任者でもありました北原理事がいま来ておりますので、これに説明させます。
○参考人(北原正一君) 総裁が申しましたように、この水の問題だけではなくて、小学校等あるいは病院等、いろいろな問題がございます。それで、どういうふうにしてやっていけばいいか。とにかく水の問題は、なくなると困りますから、ふやさなければいけないということは事実でございまして、それをやることは間違いないということでございます。やりますんですが、それをどういうふうに、どういう計画で、どうやればいいかということにつきましては、県に指導していただきまして、どういう順序で、どうやってやっていくかという、こまかいことにつきましてこの協議会のほうで練っていただきまして、それを実行に移すということでやっておるわけでございます。
○藤原房雄君 県の計画の中に水道施設の整備というのはちゃんと載っておりまして、それで、実施年度につきましても、簡易水道の整備は、これは四十七年にしなければならぬ、また専用水道の整備についても同じように四十七年度という、それから簡易水道の新設は四十八年。まあ県として、当然、これだけの大きな事業でありますから、お働きになる方々に対しての対策ということについてはよく検討しておるわけですね。 いま私が申し上げた新しい送水管を一本増設するというだけでおよそ三千万ぐらいかかるようなこともちょっと聞いておるわけですけれども、まあお金のかかることですから、おいそれとできないのかもしれませんが、しかしこれ、きのうきょうできたことじゃありませんので、早急に、日常生活に欠かせない水だけに、やっていただかないと、地元の方はこれいつになってできるのか——まあ来年らしいということもちょっと耳にしているのですけれども、こういうことじゃしょうがないので、やはり地元の方々にも、本年中にできるとか、いつまでにできるとか、はっきりしないと、やはり不安を大きくするだけのことでありまして、地元の方々に対して不安を与えるだけのことですから、これは積極的にひとつ進めてもらいたいと思うのです。 大体、見通しなり何なり、いつごろとお考えになっていらっしゃるかございましたら、ひとつお伺いしたいと思いますが。
○参考人(北原正一君) おっしゃること、そのとおりだと思いますが、具体的な計画案がこういうふうにきまったということを、私残念ながらいま承知しておりませんので、さっそく積極的に、それはどういうふうにしてやるのがいいのかというのを、現地で早く協議してきめさせまして、御迷惑のかからないようにしたいと、そういうふうに考えます。
○藤原房雄君 協議会をおつくりになって、協議会でいろいろ協議しているということはよくわかるのですけれども、県も、去年の八月、この建設に伴う諸対策の概要として、学校のことや医療対策や環境衛生のこと、そのほか考えられるいろんな問題について、こういう問題についてはいつまでどうしなけきゃならない、どこの地区に何が不足なのかという、これ全部細目あるわけですよ。 ですから、先ほど冒頭に運輸大臣のおっしゃったように、この工事をするにあたって、やはり地元の方々の意思というものを尊重し、踏みにじることがあってはならぬ、こういう立場に立てば、県が計画されておるものも真剣に検討なさって、これについていつまでどうするかというものが公団になければならないわけですね。きのう、きょう起こったことじゃないんですから、当然考えられることですから。これは積極的に検討するということでありますから、これは水のことですから、ぜひひとつ年内に解決していただいて、そして地元の方々にも、かような大きな工事をやるたくさんの方がいらっしゃった、しかし何の不便もなかった、そして町としては大きな発展の方向というものを見出すことができたという、この工事を通してやはり地元の方々が希望の持てるような方向にひとつ考えていただきたいと思います。 地元にはまだそのほかいろいろな意見があるようでありますが、専用水道については、これは完成なさっておるようでありますが、梹榔部落ですか、ここは水不足であり、また衛生的な見地から公団の水をお願いしたいという地元の声もあるようであります。また、これだけの工事を終わったあとに、これらの施設は村にどういう形で置いていくのかという今後のことについても、いろいろ地元としては要望があるようでありますから、県または地元の三厩村と十分にひとつ、協議会——会議があって話ししているのだというのででなくて、そこでより積極的な今後の問題についてぜひひとつ御検討いただきたいと思うのですが、その点、いまのことについて。——
○参考人(北原正一君) 先生のおっしゃるとおりでありますので、そういうふうにいたしたいと思います。 一言ちょっとあれでございますが、人夫の入ってくる時期でございますとか生活する場所でありますとか、いろいろございますので、県のほうで出されたのは、全般的に最盛期であるとか、そういうことを予定しておられますので、緩急、順序とか、ここを早くするとか、そういう問題がございますので、一生懸命一番いいようにすることを計画しているのだと思いますが、できるだけ早くそれをきめまして、やるようにいたしたいと思います。
○藤原房雄君 一ぺんにあれもこれもできないかもしれませんが、水のような大事なことや学校のような必要なもの、そういうまあ順序はあるだろうと思いますけれども、ひとつ住民の方々の立場に立ってお考えいただきたいと思います。 それから、これは時間もありませんからくどくど申し上げませんが、去年の予算委員会でも、北原参考人が——シックナーの問題ですね、一台でいろいろ問題があり、また将来これから当然増設しなければならない、この問題も起きておるわけでありますが、これは漁業補償につきましてもいろいろ今日まで経過をたどってきたことは私もよく承知しておりますが、きょうは漁業補償のことについてはくどくど申し述べません。これはまあ審議会でこれからの問題だと思いますけれども、まあいままで起きたことに対しても、これは当然責めを負わなきゃならないと思いますが、これからの問題についても当然考えるならば、シックナーの増設というのは、早急に設置して、今後こういう問題が起きないようにすべきじゃないかと、こう思うんですが、この問題。 それから、公団におつとめの方々は臨時職員の方が多いわけなんで、これはいろんな御都合があるだろうと、その点はよくわかるわけですが、この臨時職員の方というのは、老後の不安というのはどうしても残るという、こういう形態をとっておるわけでありますけれども、公団として、現在これだけの大きな仕事をなさったあとに、やはり多くの方々に不安な気持ちを与えることのない何かその対策をお考えなのかどうか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(篠原武司君) ただいま最初にお話のございましたシックナーでございますが、これは現在の工事量から見ますと、現在つくっております施設で十分間に合うんでございますが、これからだんだん仕事が発展してまいりますので、やはりその発展に応じて御迷惑のかからぬように、早急にシックナーの増設も検討しております。それで汚濁水が海に流れることのないように処置してまいりたいというふうに考えております。 それから、臨時職員の処遇でございますが、この臨時職員につきましては、実際、工事の労務者でございますので、喜んでこの大きな仕事をやってもらわなければなりませんので、この処遇については常に考えているわけでございます。青函トンネルはいわゆるパイロットトンネルという先進導坑だけを直轄でやっておりまして、あとは全部請負にかけております。したがいましてこの臨時職員はパイロットトンネルに従事している職員でございまして、吉岡鉄道建設所つまり北海道側には三百四十名ばかり、それから竜飛の鉄道建設所には、本州側ですが、これは三百二十名ぐらい従事しておりますが、これは労務者で、その仕事がなくなればその仕事から離れなきゃならぬという形ではございます、しかし現実の問題としまして、北陸隧道とか国鉄で大きな隧道をやったところの人間が北海道の青函トンネルに従事している人間も相当ございます、まあ三分の一ぐらいでしょうか。そういう人たちは、またこの仕事がなくなった場合に、どうしていいかというような問題については、私どももいろいろ考えておりまして、将来の鉄道工事でそういうような想定される場所があります、そういうような面で働いていただけるんじゃないかというふうに考えております。ただし、地元で採用した人間でやはりそういうところで働けるという人は、喜んでそういう方面に行っていただくというふうに考えておりますが、地元を離れられないという人たちについては、それぞれやはり就職の問題について考えていきたいというふうに思っております。
○藤原房雄君 北原参考人、何かつけ加えることはありませんか。シックナーいつ計画しているんですか。
○主査(森中守義君) 補足はありますか。
○参考人(北原正一君) シックナーは、ことしお願いいたしました予算が通りますれば、両方とも——まあ竜飛側につきましてはもう一基つくりますので、大体倍ぐらいになるのではないかと、したいというふうに考えております。
○藤原房雄君 時間もありませんので、青函トンネルのことについては、大体以上で終わりたいと思います。 次に、先ほども当分科会におきましていろいろ問題となっておりました騒音のことですが、最近、新幹線公害に対処するために国鉄で新幹線総局内に環境管理室を設けてございます。これはいままで新幹線についてのいろんな苦情があった、それをまとめて一本化しようと。いままでいろいろ持ち込まれた公害問題ですね、正式な陳情だけでも二百何十件かと聞いておるんですけれども、内容的にこれはどういう問題がどんなふうになっているのか、それをちょっと御説明いただきたいと思うんです。
○説明員(内田隆滋君) 現在までに、騒音振動の苦情処理件数でございますが、申請がございましたものが約二百六十八件ございます。そのうちで東海道関係が二百二十一件、それから山陽関係が二十四件ですか、かようになっております。
○藤原房雄君 騒音の問題は、新幹線の既設のものにつきましては、いま報告がありましたように、非常に大きな問題だろうと思います。去年の暮れに環境庁から運輸大臣に勧告のありました「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道騒音対策について」というこの前文の中にも「新幹線鉄道の列車の走行に伴い発生する騒音は著しく、沿線の一部の地域においては、看過しがたい被害を生じている。」と、このようにつづられております。 この騒音のことについて二、三お伺いしたいと思うわけでありますが、この環境庁からの勧告がありまして、運輸省といたしまして、それを国鉄総裁に通達をし、国鉄総裁から報告があったわけでありますが、この経過については伺っているわけでありますけれども、この既設のものにつきまして、非常に建設当時は、三十九年ですか、営業は。当時としましては、相当この騒音ということについても考えないわけではなかったと思いますけれども、時代が大きく変わった今日、この環境庁の勧告というものは率直に受けとめなければならない問題だろうと思うのでありますけれども、こまごましい項目につきましては国鉄総裁の報告を見ておりますけれども、概括的にこのたびのこの勧告をどう受けとめていらっしゃるかという、その点だけちょっと述べていただきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 新幹線の公害につきましていろいろ議論が出ておりますが、東海道をつくりましたときには、いま先生御指摘のとおりに、実はあまりそれほど深く考えていなかったということは事実だと思います。その後、開業以後いろいろ問題がありましたので、山陽につきましては、御承知のとおり、たとえば鉄げたを全部やめるとか、相当思い切った施策をやったわけでございまして、そのために東海道に比べますと山陽のほうがだいぶよくなっている。 今後の問題でございますが、いま考えている東北あるいは上越等につきまして、いろいろ地元からも御意向が出ております。いまの御指摘の環境庁につきましては、一応八十ホンということが標準になっております。いまのいろいろな防音壁あるいはいろいろなやり方等によりまして八十ホンまではとにかく下げることは絶対可能であるというふうに思っております。さらにそれを五ホンなり十ホン下げるということは現実においては非常にむずかしいことだと思っております。しかし技術の発達も非常に日進月歩でございまして、ことにいままでこういう騒音などについてあまり日本の各般の技術はそう進んでおりませんが、ここ半年、一年の間に非常に急速に進んできておりますので——私どもといたしましては、基準はもちろん守ります、基準以下にすることは自信がございますが、さらにそれをもっと減らすことについてあらゆる技術的な努力をするという覚悟でございます。内田理事以下非常に本格的にそういう問題に取り組みまして、いわば日本の鉄道技術の一つの、何と申しますか、到達し得る限界というものを、できるだけ下げてみようじゃないかということで真剣に取り組んでおりますので、私は責任者といたしましては、うちの技術者は必ず良心的に環境庁の基準以下にすることはもちろんのこと、それよりさらに下げることについてあらゆる努力をするという確信を持っている次第でございます。一応、もちろん環境庁の基準を守るということを最低の線といたしましてあらゆる努力を続けてまいりたいというふうに思っております。
○藤原房雄君 運輸大臣が、これは新聞の報ずるところでありますけれども、環境庁の八十ホン以下というこの基準に対して、あっちでもこっちでも七十とか六十とか言っている、こんなことを言ったって受け入れがたい、というような意味の発言をしたということが報じられておりますが、いま国鉄総裁が非常に積極的な、技術開発とともに環境庁の基準に対しては守ろうという、積極的な姿勢、お話がありましたけれども、肝心の運輸大臣が否定的な発言があったということを伺っているわけですけれども、その真意のほどをちょっと聞かせてください。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 非常に報道が私の真意を率直に伝えていないと思います。 先般、仙台でしたか、ちょっと行きましたときに、そういう話が出まして、七十だ、六十だというようないろんな注文が出ているが、それをどうするかというようなことですね。私はいま国鉄総裁が言われたと同じような意味で、とにかく場所によってここは六十にしなければならぬ、ここは七十にしなければならぬ、ここは八十でもいいというようなことは、これはできませんと。しかし環境庁のいっている基準、これは公害対策審議会で権威者が集まってきめた問題ですから、これはどうしても最低限として守らなければならぬでしょう。しかし技術の開発もありますし、あらゆる方法を講じて、特に市街地なんかでは騒音の影響が大きいですから、そういったところについては、できるだけ下げるような方法を講じさせますというような意味のことを言ったつもりだったのですけれども、短時間の会見であったし、あるいは私の真意が十分伝わらなかったかもしれません。この点は先般の予算委員会でも、お尋ねに応じてそういうことを申し上げておきました。 私は、そういう姿勢で、今後ともそれは八十よりも七十のほうがいい、七十以下に下げればもっといいと思っております。ただ、それが一つの基準になりまして、環境庁は八十といっているけれども、七十にしろといわれても、全国的に見ると、非常にこれは困難な問題が起こってくるから、一応、環境庁の勧告どおりに、八十なら八十というものを基準にすると、それ以下に下げていくことについてのあらゆる努力をいたしますと、そういう意味でございますから、誤解のないように御了解をいただきたいのでありまして、現に、東海道線なんかでも、これは国鉄総裁からお聞きになるともっとはっきりわかると思いますが、いろいろの施設をいたしまして、こんなに下がらないだろうと思ったのが、現に七十ホン台に落ちているところも相当あるわけです。そういう努力は、これはもう続けていかなきゃならぬし、全部にわたってそういった措置は、多少経費はかかりますけれども、経費の問題よりも公害を激化させないという意味では、絶えずそういったことに気を配ってあらゆる努力をしていくことが必要である。いまでもそれは同じことでございますから、ひとつこの点御了承いただきたいと思います。
○藤原房雄君 私も、当然、それは大臣がそんなことを言ったらたいへんな問題だと思います。 ただ、私が考えることは、環境庁長官の勧告というのは既設の新幹線について勧告したのでありまして、八十ホンでいいというわけでは決してありませんで、やはりこれから建設する東北新幹線につきましては、二度と同じ轍を踏まないように、十分な配慮がなければならない。まあどこの町も同じことが言えるわけですが、仙台では御存じのように、公害対策審議会に市長が諮問しまして、市長に対する答申が出ているわけですが、この内容を見ましても、決して無理なことをしいるような内容ではないということは、大臣お読みになればよくおわかりだと思います。現在の技術の開発の状況とか、こういうものも勘案した上で、この公害対策審議会の答申がなされておる、私はこのように思うんですけれども、しかも七十ホンというのは技術的にむずかしい云々というのはあるかもしれませんけれども、やっぱり人間生活の上において七十ホン以上ということは、これはたいへんなことでして、瞬間的かもしれませんけれども、やはり七十ホン以下というのは、一つの努力目標といいますか、最大の目標としなければならないということは大臣もよくおわかりだと思うんですよね。 そこでお伺いするわけでありますが、仙台市の公害対策審議会の市長に対する答申、この答申を、時間もありませんので一つ一つお伺いする時間もございませんけれども、大体お読みになっていらっしゃると思うんですけれども、この線に沿ったものにしていこうという真剣な気持ちがおありなのかどうかということをひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 仙台の問題につきましては、私先ほど申し上げましたとおり、うちの技術の諸君は、やはり速いだけの鉄道でなしに、やっぱり速くて静かな鉄道をつくるということに非常に最近意欲を燃やしております。したがって一応八十という環境庁の基準は一つの最低なノルマであるということで、それをさらにどう下げられるかということについていま勉強している最中でございます。仙台で七十ということをおっしゃって、私もよく読んでおりますけれども、私どもの積極的なあらわれとして見ていただきたいのは、これをやってくだすった二村教授、二村さんに実は来ていただきまして、二村さん自身に私のほうの委員会の委員になっていただきまして、実際、二村先生は電気の先生でございますが、この二村先生と関西の建築の先生、このお二人が日本の最高のこういう方面の権威でございます。お二人とも実は私の委員会の委員に入っていただきまして、そしてすでに先般第一回をやりましたけれども、そういう意味で、こういうほんとの鉄道にまで関係のなかった先生方の御意見を率直に聞いて、それをどう現実な技術にアプライできるかという非常に前向きな取り組みをしておるつもりでございます。したがって、いまここでもって七十だ、七五だということは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、私どものほうの技術者の名誉にかけても八十以下に下げるということについてあらゆる努力をしてまいりたい。また私は最近の技術のいろんなテンポから申しますれば、ことし八十といったことがあるいは数年たって、ずいぶん高い基準だなというようになるかもしれませんと思いますので、ひとつ私どもの技術者の良心を御信頼くだすって、全力をあげてやるということだけにさしていただきたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 国鉄総裁が申したのと同じ気持ちでございますから、八十というのを一応の最低基準にいたしますけれども、それ以下に下げることは技術の開発なり努力によりましてできることだと思いますから、極力、地元の要望の線に沿いまして、それを考えながらあらゆる努力を国鉄のほうでもしてもらいたい、こう思っております。
○藤原房雄君 この環境庁の勧告というのは、先ほど私ちょっと申し上げましたが、既設の東海道やまた山陽新幹線の暫定的な基準であって、これからのものについては、まあいま強い決意のほどを総裁やまた大臣からお話がありましたけれども、これをやはり七十ホン以下にするという最大の努力を払うという、これでなければ地域の救済にはならぬと私は思うわけですね。そういうことでひとつ、まあ世界に誇る国鉄の技術ですから信頼申し上げますけれども、いずれにしましても対症療法的な、問題が起きてからどうするというのじゃなくて、これからなさる東北新幹線でありますので、これについてはひとつ最大の御配慮、また努力をしていただきたい、こう思うのです。 次に、やはり騒音また振動、これを防ぐにあたりましてはいろんな対策がなされなければならないのだと思いますけれども、新幹線工事に伴う側道の問題ですね、国鉄はいままでどちらかといえば四メートルというようなお考えのようですけれども、やはり緩衝緑地帯、それから高架の下の利用ということにつきましても、これは買収や何かのお金もかかることでありますけれども、こういう点もやはり十分な考えを持って進めるということも必要なことだろうと思うのですけれども、これは市町村からいろんな陳情があることはよく御存じだろうと思いますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
○説明員(磯崎叡君) 実は、今度の岡山−博多間につきましては、いまおっしゃったようなことで建設省あるいは県と相談いたしまして、道路の上に鉄道を乗せるというふうな考え方をやったところが数カ所ございます。そういたしますと自然に側道ができて緩衝地帯ができるということになりますので、やはり鉄道と道路をなるべく総合的に考えて技術的に可能な限り道路の上に鉄道を乗せる、鉄道の両わきを道路にするというふうな考え方になりませんと、鉄道は鉄道、道路は道路では私はいけないと思います。そういう意味で建設省と非常に最近密接にその方面で検討いたしておりますので、なるべくできる限りそういうふうに道路と鉄道を一体化するような、あるいは一体化に近いような形でもってやっていきたいということで、今度の岡山以西では若干数カ所そういうところがございます。東北につきましても、できるだけ都市以外は道路と合わせる、都市につきましてはなるべく都市計画と一緒にやっていただくというふうなことで、おのずから鉄道の両側に道路ができるということが一番いいと思いますので、全力をあげて建設省にいろいろお願いいたしまして、あるいは市町村、府県にお願いして、そういう方向に持っていくべきじゃないかというふうに考えております。
○藤原房雄君 時間もありませんので、最後に一湖。 先ほど青函トンネルのことをちょっとお話聞いたんですが、青函トンネルにつきましては複線新幹線型というのですか、これで工事を進めることになったようでありますが、北海道と東北、本土と結ぶ問題につきましては、生活必需品を輸送するにあたりましても、産業上の重要な物資を運ぶにいたしましても、今日までいろいろな配慮がなされ、連絡船に積みかえるということが一つの大きな隘路であったわけであります。最近貨車のまま運ぶようになりまして、またフェリーもずいぶん多くなりましたが、国鉄としましては、本州と北海道を結ぶ物資の輸送については相当技術的にも変わってきたことは認めるわけでありますが、新幹線が通るようになりますと、これはまあ客車だけに限ったことではないだろうと思うのでありますけれども、これは今後の、将来の問題として、その点についてどうお考えになっていらっしゃるのか。 それから、北海道の特殊性ということから、先ほど申し上げましたように、生活必需物資や産業上の重要な物資の運搬につきましては、従来は国鉄貨物運賃公共割引制度というのがございましたですが、これが今度なくなった。それから擬制キロという問題もあるわけですが、これは三十二年からずっと変わっていない。これらのことと考え合わせまして新幹線ができた段階で本土と北海道を結ぶ物資の輸送ということについて、国鉄ではどうお考えになっていらっしゃるか。これは貨物輸送については国鉄が最もおくれているという批判もあるわけでありますから、積極的にお考えいただきまして、道民の特殊事情ということを勘案した対策というものを講じていただきたいと思うのですけれども、どうでしょう。
○説明員(磯崎叡君) 青函トンネルができた際の貨物輸送の問題でございますが、非常に大きく分けまして二つございまして、一つは、もういまの青函連絡船はやめてしまうという案が一つ。しかしそれのためには、トンネルの中にもう複線以上引けませんので、複線の中にもう一本線路を入れて三本の線路という輸送方法がございますが、これは非常に運転上自信がございませんので、なかなかむずかしいんじゃないかと思います。したがってやはり在来線を残す、そして青函のいまの貨車構想は相当部分を残す。しかし、いまおっしゃったような急送品、食料品等につきましては、やはり急送を要するものもございますので、いま考えている折衷案といたしましては、隧道の両側で、一般の貨物列車から新幹線用の貨物電車にコンテナを積みかえる、これをきわめて短時間に積みかえるという方法を現在考えております。したがってトンネルの中は広軌の線路だけでございますけれども、そのトンネルの中に貨物電車を入れて、その貨物電車にコンテナを載せる。コンテナはまさか東京からコンテナを持っていくわけにいきませんので、両端でもって在来線から貨物電車にコンテナを積みかえる、それもなるべく短時間で、せいぜい二十分ぐらいでもって積みかえてしまう、数十個、数百個積みかえるというような思い切った案を考えておるわけでございまして、全部トンネルの中へ持っていくというのは、ちょっと少し激し過ぎてあまり実現不可能じゃないかというふうに思っておりますが、大体そんなところに落ちつくんじゃないかと思いますが、まだ研究の過程でございまして、十分勉強したいと思っております。
○藤原房雄君 それから、運賃の問題については。
○説明員(磯崎叡君) 運賃の問題は、まだ、トンネルができました際にどういうふうな運賃になるかちょっときまっておりませんが、いまの割引の問題あるいは貨車の青函航路の擬制キロの問題につきましては、いろいろ経過がございまして、一応、私どもといたしましては、現在のいまの運賃のままでやっていく以外にない、特に北海道地域だけを割引するということは、ちょっと不可能に近いんじゃないかというふうに思っておりますので、やはり輸送サービスをよくするという面で考えてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○藤原房雄君 三十二年から擬制キロは変わっていないわけですけれどね。
○説明員(磯崎叡君) 擬制キロは、御承知のとおり、これは長くなりますからやめますけれども、これは初めは積みかえ運賃で取っておったものを一貫運賃にしたわけで、その積みかえ運賃を距離に換算したために擬制キロになりましたが、四百五十キロをその後三百キロに減らしまして、これ以上ちょっと減らすのは、少し船のコストからいって無理じゃないかというふうに思います。
○主査(森中守義君) 篠原、北原両参考人には、御多用中御出席いただき審査に御協力いただきまして、ありがとうございました。 以上をもちまして、運輸省所管に関する質疑は終了いたしました。 明日は午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十四分散会 —————・—————