予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/04/06
会議録
○副主査(長屋茂君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨五日、阿具根登君及び喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君及び野末和彦君が選任されました。 —————————————
○副主査(長屋茂君) 昭和四十八年度総予算中、国会、皇室費及び会計検査院所管を一括して議題といたします。 事務当局の説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副主査(長屋茂君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 まず、最初に、衆参の事務総長及び国会図書館長から、それぞれの分野の最高の責任者として、国会職員の職務の性格並びにそのあり方をどのようにお考えになっているのか、概括的に御説明ください。
○事務総長(岸田實君) 国会職員は、国家公務員法におきましては特別職の国家公務員ということになっております。これは、新しい国会になりまして、国会は政府と独立した最も高い国権の最高機関であるということになりましたので、国会職員につきましても、その性格に照らして一般の政府職員と区別し、独立した国家公務員であるということになったのでございます。 お尋ねの御趣旨がどういう点を主眼に置いてのものであるか、はっきりいたしませんが、たとえば国家公務員の給与に関する問題につきましても、一般職の国家公務員につきましては、一般職の国家公務員に関する法律によりまして人事院の勧告によった給与制度ができておるわけでございます。これに対しまして、国会職員は、国会職員の独自の法律に基づきまして給与制度ができておるのでありまして、法的にはそれぞれ独立しておるという形になっておるわけでございます。 しかしながら、国会職員の給与につきましても、国家公務員全般との均衡のある給与制度をつくるのがしかるべきであるというたてまえから、人事院勧告の線というものは国会職員につきましてもこれを尊重して、それを基盤として国会の特殊性を織り込んだものがつくられておると、こういうような形になっておるわけでございます。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) 大体ただいま参議院岸田事務総長が申し上げましたと同様に考えておりますが、国会職員も国家公務員であるという点におきましては本質的には同じではないかと思っております。やはり、広い意味での国家公務員であり、国民に対する全体の奉仕者であるという基本的な考え方においては、国会職員も同様であろうと思います。そういう意味で、国会職員法に定められておりまする国会職員の分限、保障、それから身分、そういった規定、あるいは一般公務員との交流等につきましても、大体そういう趣旨で定められておるわけでございます。 ただ、先ほど勤務のことにもお話がございましたが、国会職員の勤務の特殊性というのは、やはり国会職員として一般の行政官庁とは非常に違ったものがあるのではないか。そういう意味では、かなり違った勤務体制にあるということは、性格の相違点というのがもしそういうような点も含まれておるとすれば、私はあると思うのでございまして、一般行政官庁のように三角形のような形をとりませんで、国会あるいは衆参の両議院が憲法上定められておりまする権限を行使する上で、国会職員というものがそれらの役割りを果たすにつきましては、たとえば、開会中と閉会中の勤務というものが非常に異なっておるという点でございますとか、あるいは中堅職員が非常に多いという特性を持っております点でございますとか、本会議とか委員会を運営するにつきましては各職種の職員が一体になって動かなければならぬというふうな意味の特性というものがあるだろうと思いますけれども、法律的には国家公務員の一つとして考えられるというふうに理解しております。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) わが国立国会図書館職員も国会職員であることは、申すまでもないわけであります。その点につきましては、ただいま両院総長からお述べになられましたとおりでございます。ただ、私ども国立国会図書館は、むろん国会図書館として発足いたしましたのでございまして、国会に対するサービスを第一義といたしております。しかしながら、一般公衆に対して資料を提供してこれを利用させるその限度は、両議院委員会、議員の必要を妨げない限り一般公衆に対して利用させる、こういうことでございますので、私たちは、その点につきましては、両々相矛盾せぬように、背反しないように、極力円満に両方に対してサービスをすると、こういう心がけでおります。 以上でございます。
○和田静夫君 まあ立法府のことでありますが、一般的な行政官庁職員を所掌範囲としている人事院、人事局、大蔵省は、いまの設問の問題についてどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(茨木広君) 国会職員につきましては、御案内のように、特別職の国家公務員と、こういうことになっております関係上、大部分の国家公務員法の規定は国会の自律権のもとに置かれるというたてまえのもとにはずされております。
○政府委員(皆川迪夫君) いままでお話がございましたように、国会の職員は、国会の運営を補助するという観点から、一般の政府職員と切り離した特別職という取り扱いになっているもの、だと思います。ただ、便宜上それを通じて適用される法律も若干ございますけれども、これは便宜の問題でございまして、やはり本質的には一般職と違った機能、性格を持っておるものと考えております。
○説明員(西垣昭君) 大蔵省といたしましても、いままでの御答弁と同じように考えております。
○和田静夫君 そうしたら、人事院の管理局長とそれから総理府の人事局長はけっこうです。 いま、大体答弁がほぼ統一をしていますように、国会職員というのは国家公務員ではあるが、しかし、国会という国権の最高機関で働くところの職員であるがゆえの特殊的な性格があると。これは一々多くを述べる必要がないと思うのですが、たとえば議事部、委員部等の会議運営を担当する職員や、あるいは調査室、法制局等の調査、立法活動を担当する職員、あるいは渉外部、記録部、警務部等の職員は、それぞれ国会議員活動を十全ならしめる、そういう直接的な関係を有しています。また、一般行政官庁と同様に設置されている庶務部、管理部系統においても、直接間接に十分に国会機能の発揮という要請にこたえるそういう職務を遂行しているし、また、しなければならないでしょう。そういう観点から、職員のそういう職務に見合った待遇をすることによって、職員の労働意欲を安定させる、そうしてひいてはそれが国会機能の充実に寄与する、こういうことが考えられねばならない。 ところが、現状を見てみますと、私も引き続いて毎年ここで同じことを述べるわけでありますが、給料表の観点から、たとえば行(二)職などといった職種による不利益な待遇、あるいは昇給昇格の頭打ちの現象、あるいは男女職員間の差別、あるいはまあこの二年ばかりは参議院の段階で影をひそめつつありますが甲、乙の差別等、ともすれば職員の労働意欲を減退させかねないような問題が何かたくさんあるように思う。また、おりに触れてそういう訴えもある。これらの問題を解決することこそが院当局に課せられた重大な責務だと思うし、大蔵省の側も、先ほど来基本的な認識では変わりがないと言われるのだから、そういう観点に立っての予算査定という態度がやっぱり必要だと思う。そう考えてみますと、職員の待遇、労働条件の改善全般について、基本的にどうお考えになるのか、参議院の総長から伺いたい。
○事務総長(岸田實君) ただいま、和田先生から、われわれ国会職員の待遇の問題について、まことに御理解のあるおことばをいただきまして、感謝にたえない次第でございます。 私どもも、常々、ただいま仰せになりましたような趣旨で、できるだけ参議院職員の処遇を向上させ、また、職場が希望の持てるような明るい職場になるように人事面におきましても努力をいたしておる次第でございます。 たとえば、いまお話しになりました給与の点について基本的に私の考えを申し述べたいと存じますが、先ほども申しましたように、国会職員は、一般の国家公務員とは別個の独立した国会に奉仕する機関であり、その人事も、あるいは職務上のいろいろの管理等につきましても、政府の制約を受けないというたてまえが基本的にございますけれども、同時に、国家公務員であるということにつきましては、政府の一般職員と同様でございます。今日の給与制度につきましては、人事院の勧告というものが基礎になりまして政府の一般職の職員の給与というものが定められておりますが、その基本的な考え方は、主権者である一般国民の給与水準、これを十分に調査し、これを参酌して国家公務員の給与のあり方をきめるということが基本的な考えであると存じます。人事院におきましては、そういう立場から非常に詳細な御調査をなさいまして、その結果に基づいて給与をお定めになり、勧告をされていらっしゃるわけでございますが、私どもは、そういう意味におきまして、一般国民の給与水準、それとバランスのとれた国会職員の給与を立てることがまず原則的に必要であるというふうに考えておるわけでございます。そういう観点から、国会職員の給与に関しましても、基本になる行(一)の表につきましては、人事院勧告の線でこれを定め、また、議警につきましては、人事院勧告の最も近い近似性のある公安職の俸給表を基準にし、速記職につきましては、行(一)を基準にして速記職の俸給表をつくるという形でまいっておるわけでございます。行(二)につきましても、人事院の線をそのまま受けております。 ただし、国会には国会の特殊性がございますから、その特殊性はやはりその原則に立つといえども生かさなければならない。この特殊性をどの程度にいかに生かすかということが問題であるわけでございます。この点につきまして、われわれとしては、常時その点を念頭に置きながら給与面のことを考えてまいったと、こういうことでございます。たとえば、行(二)の行(一)移行の問題、これも諸先生の強い御指示に基づきまして、ほとんど大半の行(二)職員を行(一)職員の技術職員に移しました。これは政府職員に例のないことでございますが、これも国会職員の特殊性からそのような取り扱いをいたしたわけでございます。また、速記職等につきましても、その会議録作成という職務の重要性に照らしまして、本年度の予算におきましてはかなり高い一等級の延伸を実施してまいっておるわけでございます。このようにいたしまして、できるだけ国会職員としての職務に見合う処遇の改善をしたいということで今日までわれわれとしても努力してきたつもりでございます。 また、給料表の問題だけでなしに、定数の問題等につきましても、諸先生の議員活動の補佐をするという大事な職務をわれわれは持っておるのでありまして、それぞれの職員は、そのために非常に苦労しておるわけでございますから、定数につきましても、できるだけ上の定数を認めていただくということで年々大蔵省に要請をしておりまして、大蔵省におきましても、国会のそういう特殊性を十分に御考慮くださって、相当程度われわれの要求をお認めになっていただいておると私は思っております。たとえば、係長以上のいわゆる役付の職員の数が全体の職員の数の六〇%をこすというような頭でっかちのような形になっておりますが、これもやはり国会の特殊性ということが反映してそういうことになっておるというふうに考えておる次第でございます。
○和田静夫君 たいへんこまかい答弁で恐縮なんですが、しかし、時間がなくなりますから、質問のところに答えてください。 いまの三つ問題においおい私は触れていきますが、まず一番最後に言われた定数問題でありますけれども、待遇改善という点では、何よりも十分なこの給料表における等級別定数、これの確保が必要であります。それはいま答弁にあった趣旨のようなものです。ところが、まあ答弁にありましたが、しかし、四十八年度の予算を見てみますと、どうも総長が言われるようなことでは理解ができない。すなわち、行(一)の一等級にいた副部長はほとんど指定職の乙に移行されましたが、職員が最も切実に要求している行(一)の三等級、四等級、五等級については、どれも昇格の有資格者数の二割に満たない状態でしょう。それから有資格者全員昇格という職員の要求を当局がチェックをどうもされたようなところにも問題がある。合理性のある数字として要求を出したと総長が述べられるそういう当局要求さえ、大蔵省によってほとんど無視された。たとえば、三等級では、当局要求二十八に対して査定は十五、達成率は五四%に値切られている。特に調査室関係では、要求六に対して査定はわずかに一です。この辺の該当者というのは、それぞれ職場における中堅的な非常に重要な役割りを果たしています。三等級昇格というのは大きな問題であります。したがって、当局は、大蔵省との予算折衝においてこの三、四、五等級の実態をどれほど十分に説明されたか、はなはだ疑問と数字の照合では結果的に思わざるを得ません。昇格期は七月だと聞き及んでいますが、そこで、これらの職員の切実な要求に具体的にどう答えられるのか、ここはもう端的に一言答弁いただきたい。
○事務総長(岸田實君) ただいま御指摘になりました中間のグレードの等級につきましての定数の増加が不十分ではないかという仰せに対しましては、私も、本年の予算の査定におけるこの定数で満足するものではございません。今後ともこの点につきましてはさらに努力を重ねて定数増をはかってまいりたいという考えであります。本年におきましては、もうきまったことでございますので、この定数を活用いたしまして、七月にできるだけ大幅に昇格を実施いたしたいと思っております。大体昨年を下回らないようにするということを目途にして、できればそれよりもよくするように努力したいと思っております。
○和田静夫君 こういうような問題の起こる背景というものを少し考えてみますと、一つには、立法府という特殊な職場に働く職員に対して、給与等の制度面においては、先ほど来お話があるように、人事院規則等に準拠をされる。人事院規則そのものは、一般行政官庁職員を対象につくられている。それを援用するといいますか、そういう点にやっぱり無理があるように思います。つまり、国会職員は常に議員との関連でその職務を行なっている。議員との接触に際しては、一人一人がそのつど的確な判断を求められる。そして、そのような職員の責務というのは、職種、学歴、男女、年齢、さらには官職の上で上であるとか下であるとかなどというような形によって大きく変わるわけではありません。私たちが接触する場合に、だれがどこにいるどういう立場の人だというようなことを頭に置いて接触しているわけではない。まさに有能な人なら有能な人というような形で、それぞれの分野における国会活動を全く十全たらしめる条件を持った人とそれぞれの分野で接触をする、こういうことになっています。そういうことは、課長補佐であろうが、係長であろうが、また平の係員であろうが、委員部等の例で見られるように、議員の側から考えてみれば、常に同質の事柄を提示してその判断なり意思なりを求めている、こういうことになっています。調査室等では、なおそのことは一そう深いのであります。同じことは、一般のその他の職員にも言える。つまり、その人が何人の職員を統括する立場にあるかというようなことではなくて、一人一人が議員との関連でもって同等の責任を負っていると言って過言ではない。こういうような実態にある国会職員に対して、一般の公務員を対象とした各職員における俸給はその職務の複雑、困難及び責任の度に基き決定されるという等級別標準職務表をそのまま適用していることにやっぱり問題があるのではないだろうか。これは例年指摘をしているところですけれども。で、基本的には、人事院や人事局の監督を受けずに、両院議長決定で独自に行ない得るシステムを持っているのでありますから、これを十分に活用して国会職員の特殊な職務実態に合った給与体系を確立すべきである、こういうふうに思いますが、これは説明抜きに結論についてどうです。 〔副主査退席、主査着席〕
○事務総長(岸田實君) 先生の仰せになります御趣旨の点は十分に私もわかるのでございますけれども、先ほども申しましたように、一般の国民の給与水準というものを基礎にして国会職員の給与というものも考えなければならないということは、やはり国家公務員としてどうしても私は原則的にあると思います。国会独自の給与体系をつくってやればいいじゃないかという仰せでございますが、国会にもいろいろの職種の職員がおるのでありまして、それぞれの職員の給与水準というものが一般的にどの程度のものであるかということとかけ離れて、これをすべて同一のものとして評定をするということには私はやや難点があると思います。それぞれの職種、職務内容に応ずるわが国における給与の水準というものが民間の給与等を総合してみてあるのでございまして、それとかけ離れないように、しかし、国会には国会の特殊の事情があるから、その特殊性はそれに上積みするような形で生かしていくということでいくべきでございますので、現在の人事院勧告の線からすっかり離れて独自のものをつくるということは、なかなかこれは非常に困難な作業になることでもありましょうし、ただいまのところそういうふうに踏み切ったらどうかというお問いでありましたならば、これはかなり慎重に検討をしなければならない問題であるというふうに考えます。
○和田静夫君 賃金の基本的なベースの問題について、全体的なものを無視しろなんていうことは一つも言っていないのです。ぼくは、いわゆる職員の特殊性に応ずるところの賃金体系というものは、その総ワクの中では独創的に考えていいことであると、そういうことです。たとえば、与党や政府の関係では、教職員について人事院がどっちを向いておろうが一〇%上げますと、こういうのでしょう。われわれは反対ですよ、もちろん。反対だけれども、何も人事院に拘束されなくたって、本来賃金というのは、御存じのとおり、団体交渉事項で、力関係できまるものなんです。そして、その力関係というものは、そこで働くところの職員が構成するところの労働組合という団体と、そのいわゆる理事者側、当局側との関係においてきめていくべきものであって、その基底にあるものは、その職場の実態を一番よく知っている者が独創的に考えていく、そういうものですから、それは有能なスタッフが並んでいるのですから、しっかりやるという立場に立っていいとぼくは思うのです。そして、あなた方だけがやって、国民的な関係において、あるいはまあほかの国家公務員との関係において、いろいろと問題が出るという危惧がある国会職員の給与問題を是正をするために、より合理的なものにするため、実情に合ったものにするため、たとえば有識者を入れる、こういうような形で給与問題についての懇談会を起こすとか、そこには働く者の代表も入れる、学識経験者も入れる、そういうような形で討論を組織されていけばいいんじゃないですか。人事院に依拠している必要はない。本来的には、もはや人事院の機能というのは、まあ給与局長が見えていて悪いですが、だんだんなくなっていって、いわゆる人事院のワクの外でもって賃金はきまっていく。それがいま行なわれている七三春闘の特徴でもあるわけですから、そういうものに敏感に反応を示していく。そして、何よりも、参議院の議長が野党との関係においてできてきたその河野議長というものが生まれたのに、国会内職員に対しては、衆議院は別にしても、一向に変わらないのだということにはなりませんか。いまのような答弁から進まないのならば、本来この決定は議長がやられるのですから、ここに河野議長を呼んできてもらって河野議長の見解を承る、こういうことになろうと思うのですが、いかがですか。
○事務総長(岸田實君) 国会職員の給与制度の問題は、申すまでもなく、参議院、衆議院、図書館一体になった給与制度になっておりますので、参議院だけでどうこうするということはできないわけでございます。三者の機関の意見が合致してどういうふうなことをやるかということがきまるわけでございますので、ただいまおっしゃいました御趣旨の点は、将来の問題として非常に重要な問題ですから、時間を少しいただいてわれわれに検討さしていただきたい、かように存じます。
○和田静夫君 その将来は、最も近い将来においていま申し述べたようなことが具体化をする段取りで検討を願う、こういうふうに理解をしておきます。 そこで、時間がありませんから、行(二)の問題に入っていきますが、先ほど述べられた参議院の場合に、四十八年度予算において行(二)の定数が昨年度の二十九に対して四名減員され二十五になっていますが、これは従来の行(一)移行と見ていいわけですね。
○事務総長(岸田實君) 行(二)の行(一)移行につきましては、四十八年度予算の概算要求を出す際に、衆議院及び図書館は、この程度で行(一)移行は一応打ち切ってまいりたい、そのほうがむしろ全般的な運用にとっては適当であるという御判断に立たれて、衆議院の議院運営委員会でそういう御決定があったということを伺ったわけでございます。それで、私どもも、この行(一)移行につきましては、いろいろ検討してまいってはおりましたけれども、もう最近のように大多数の者が移行をいたしますと、あとはかなり行(一)的な色彩の薄い職員だけが残っているという形になっておりまして、大蔵省との交渉におきましても、大蔵省の立場は行(一)的要素のあるものということから年々行(一)移行を認めていただいてきておるわけでございますので、なかなか交渉は困難であるということは予測しておったわけでございますが、それに加え、衆議院のほうでそういう御決定があったということで、われわれも十分に検討をいたしました結果、行(一)に移行させるにいたしましても、現在の行(二)の初任給基準あるいは前歴加算基準というのが、たとえば自動車の運転手であるとか用具の方の給与につきましては、行(一)の給与よりも非常に有利であると。したがって、その有利性をまず活用しておいて、その有利性が消えないうちに行(一)に移すということでやることが最も給与の取り扱いに混乱を起こさないで、従来の行(二)職員の処遇改善になるということにもなりますので、衆議院の御趣旨に私もそれが適当であるというふうに判断をいたしまして、また、この三者の機関が統一的に行(一)移行ということをやってはじめて従来のように行(一)移行ができたのでありますが、三者のうち二者がおやめになって参議院だけがこれを要求しても、大蔵省では取り扱いにお困りになるだろう、おそらくは参議院だけこれを認めるというわけにはいかないという立場をとられるだろうということも考慮に入れまして、参議院の庶務小委員会に、私としては、衆議院、図書館同様、この際これを中止して、移行後の行(二)技術職員の処遇改善に重点を置いてまいりたいという趣旨のおはかりをいたしたわけでございます。しかしながら、庶務小委員会におきましては、諸先生からいろいろの御意見もございまして、必ずしも同一の御意見ではございませんでしたが、結論的に申しますと、残った二十九名の方々がはたして一定の時期に行(一)に移行できるかどうか。すなわち、行(一)移行の実行基準がどうも明確でない。行(一)に行く人は行ったが、残った二十九名はなかなか新陳代謝もなくてそのまま行(二)に置かれるというようなことがありはせぬかというような御懸念が非常に強くありまして、結論的には庶務小委員長の取り扱い一任ということになり、庶務小委員長は必要があればなお従来と同様に行(一)移行を要求するという御決定があったわけでございます。したがいまして、私としては庶務小委員会の趣旨を体して、本年度は衆議院及び図書館と異なった立場をとり、全面移行の要求をいたしましたが、やはり私が予測しておりましたとおり、大蔵省としては、その取り扱いにお困りになり、まあ最後までいろいろ折衝いたしましたけれども、参議院だけにこれを認めるわけにはいかないということで、不調に終わったわけでございます。 一面、政府の第二次定員削減計画のことで、政府としては五%の定員削減ということを厳格な方針でおやりになっていらっしゃいますが、その点につきましては、われわれは政府の方針に拘束されておるわけではございませんけれども、減員は拘束は受けておりませんが、今年度は、衆議院の事務総長と協議をいたしまして、増員をしない、しかし減員もしないということで進んだわけでございますが、その間の操作として、行(二)職員の四名を削りまして、他の種目の行(一)の職員の定数に振りかえていただいたということにいたしたわけでございます。それで、まあ従来の行(一)の移行とは違ったたてまえでやったものでございますが、その裏には、私どもとしては、行(二)の定数をなるべく減らして、減らしますと実員と定数とのアンバランス、過員がふえてくるという矛盾もございますけれども、一応行(一)にできるだけ移して、将来これをならして行(一)のほうに多く持っていけるようしたいという気持ちがございまして、そういう扱いをしたわけでございます。
○和田静夫君 定数振りかえの問題からそれますが、いまの答弁を聞いていてつくづく思うのですが、大蔵省がこう思うだろう、参議院だけが要求したらたいへん苦しむだろう、そういう発想でもって要求をされて、通るわけがありませんよ。それから三者足並みがそろわなけりゃ困るだろうと。それは三者が足並みがそろわなきゃ困る場合もあるでしょう。 あるいは一点突破ということもあるでしょう。たとえば、あなたでもってできなかったならば、先ほど言ったように、河野議長なら河野議長と大蔵省に行って解決をするというぐらいの、そういう基本的な態度がなければ通るわけがないでしょう。そこがやっぱり非常に問題ですよ。誠意を尽くされながら、いろいろのくふうをされて、そして振りかえなどというような形で、結果的に努力をされていることを認めないわけじゃないですよ。認めないわけじゃないけれども、総長の基本的な姿勢にはたいへん問題がありますよ。どうも、そういう意味では、前の状態、いまの図書館長の時代よりもたいへん後退をしている思想性というものがあなたにはある。これは非常に問題です。一ぺんその辺は十分に考えてみる必要がありますよ。 それで、定数の振りかえという問題は、当初当局が予算分科会で約束した行(二)表のいわゆる完全撤廃という道に続くものではありません。基本的には行政職(二)表の存在というものを否定的なんですから、その上に立って発想されて言っていることであることにやっぱり思いをもう一ぺんいたしてみる必要がありますよ。そして、結局、今回は行(一)移行という形ではゼロ査定であったわけですね。当局は、いろいろの過程があったが、庶務小委員会のいわゆる意思に基づいて、まあ言ってみればしぶしぶ要求をされた、こういう形になっていますよ、いまの答弁ではね。しかし、まあ大蔵省がゼロにした。どういうふうにゼロにしたか、大蔵省にもう聞くまでもないから聞きませんがね。問題は、昨年の分科会でも、ここの部分は議論したのですが、従来の答弁というのは一貫して行(二)表の存在理由を是認した上で行なわれているのであります。それが、行(一)にふさわしい仕事、あるいは行(一)的色彩が濃厚な分に限られているというようないまの発言になっているわけです。しかし、当初分科会で国会当局が約束した行(二)表撤廃の要求というのは、あくまでも行(二)表の存在を否認するかゆえの要求ですよ。まあ前の国会図書館長はお亡くなりになりましたが、この辺ははっきりしていますよ。また、かりに百歩譲って、行(二)表が現存する事実を認めたとしても、国会職員の特殊性を認めるならば、行(一)にふさわしい仕事があれば行(二)から行(一)へ移行を認めるなどといった限界を設定することではなくて、全員の移行、さらには国会職員に対する行(二)表の不適用、こういうものを認めるべきであります。昨年もこの問題で相当議論したので、いまさら初任給の有利性などというようなすりかえ論議を聞きたくありません、時間もありませんから。参議院当局としては、国会から行(二)表のいわゆる適用をなくする必要性を認めて全員移行を要求した当初の経過があるわけですから、昨年八月の、必要があれば今後も要求を継続する、こういう参議院の議運庶務小委の決定を尊重をまずすること。そして、次年度の予算要求は、もちろん行(二)表の適用者が一人もいなくなるまでその線に沿った要求というものを継続をしていく。これはもういまも答弁にありましたように庶務小委の意向でもあるんですから、その辺は十分に踏まえていってもらいたい。このことをまず要求をしておきます。これはよろしいですか、ここの部分は。
○事務総長(岸田實君) 庶務小におきましては、必要を要すれば、必要があれば要求をするという委員長の御裁断でございますので、もちろん本年の四十九年度の予算要求につきましても、庶務小にいかようにするかということはおはかりいたさなければならぬと考えております。現在、参議院では、従来のいろいろの定員のやりくりの関係から、定数の二十九をオーバーした行(二)職員を擁しておるわけでございます。この点の処理が当面の非常に重要な問題となっておりますので、本年七月を期しまして、その過員分につきましては、できるだけ行(一)のほうに——約三十名ちょっとオーバーしておりますが、これを行(一)移行するということを実行いたしたいと思います。そして、なおさらに、行(二)職員の、あるいは技術職員と行(二)職員全般をにらみ合わして、その新陳代謝の見通しであるとか、その他諸般の事情を検討いたしました上で、来たるべき年の予算要求の場合にどういう態度をとるかということをひとつ考えてまいりたい。もちろん、その際は、庶務小委員会におはかりして方針を決定させていただくというふうに考えております。
○和田静夫君 いま言われたように、ことしの七月にはオーバー分をすみやかに行(一)に移行するように、これは約束をされましたが、したがって、前段の今後ともの継続の要求の問題は、もちろん庶務小におかけになることを否定はしません。しかし、そのときの姿勢は、先ほどのあなたの姿勢ではなくて、私が述べ続けてきたような形でやっぱり行かなければ、これはもう非常に消極的ではだめですよ。そのことだけは強く要求をいたしておきます。 新たに図書館長に就任された宮坂館長は、参議院事務総長の時代には、この行(二)問題についてはたいへん深い理解を示されていたわけですから、行(二)適用という恵まれないこういう職員がいる限り、この問題の解決に向かってやっぱり尽力をされ続ける、そういう姿勢をとっていただきたい。いずれにせよ、行(二)撤廃を約束した時点と、現時点との間に、情勢の変化はないわけですよ。そういう意味では、衆議院においても、図書館においても、参議院と同一歩調をとって、行(二)表の撤廃、そして行(一)への移行を再び要求する、そういうふうに強く私のほうで時間もありませんから要望をしておきたいと思います、ここは。 次に、技術職員の問題でありますが、せっかく行(二)から行(一)へ移行しても、技術職というワクですね。私もこの給料表の対応図をつくってみて実は驚いたんですが、この技術職というワクに押し込められて、行(二)にいると何ら変わらない昇格基準などが適用される。こういうことでは、行(二)の撤廃、行(一)移行の趣旨が何ら生かされておりません。技術職員という名前の行(二)の適用者百五十七名、及び純粋な行(二)表の適用者六十名、計二百十七名にのぼる行(二)職員がいまだ現存すると言われてもいたし方がない、この給料表から見ますとね。これは当初の行(二)撤廃、行(一)移行の約束を質の面で大きくすりかえているのではないだろうか、結果的には。まあ苦心の作なんですと言われるかもしれません。従来、当局のこの問題に対する答弁というのは、移行中のとりあえずの段階としてこの移行者全員を技術職のワクの中に囲っておくと述べてこられたわけですが、この技術職のワクの撤廃に当局は本腰を入れてかかるべき時期に来ている、そういうふうに考えるのですが、これはどうお考えになられますか。
○事務総長(岸田實君) 行(二)から行(一)に移行したいわゆる技能職員及び用員の総称として技術職員という名称を用いて定数をきめておるわけでございますが、この点は、何と申しますか、技術職員というものを行(一)に移行しても、それをワクではめておいてそうして上位の等級に上がらないように押え込んでしまうんだという意図でこれをつくったというわけではございません。これは一般の行(一)の職員とやや職種及び職務内容について違うものでございますので、便宜的にこういう名称をつくっておるわけでありまして、実質は、こういう技術職員という名称をつけるのと、あるいは一般職員の中に全部定数を入れるということだけで、別に差があるわけではないと私は思います。 それで、問題は、技術職員を行(一)に移行して、そのあとをどういうふうに処遇するのかということが問題だと存じますが、行(二)から技術職員となりましたと申しましても、その職務の種類及び職務の内容というものは変わらないものでございますから、給与としては、やはりその職務に応ずる等級を行(一)の技術職員となりましても与えていく、与えなければならぬ、また、できるだけその処遇を向上さしていくように努力しなければならぬという問題であって、一切のそういう職務上の職務の内容とかそういうものを一般の行(一)職員と同じに見るということはやはりできないと思います。私どもといたしましては、行(一)にこれを移行さしたのでございますし、その移行した利点としては、行(二)よりも行(一)のほうが昇給の間差が広うございますから、行(一)移行を非常に強く主張した一つの理由としては、行(二)のままとどまっておれば、採用当時は非常に有利なものであっても、だんだんそれが給料の間差が狭いために消されていく、そうしてずっと不利になっていくということが問題であったわけでございまして、その点が一般的に改善されるということが一つございます。したがって、行(二)の等級にちょうど対応する行(一)の等級に移したということだけで処遇の改善は相当程度これはできるわけでございますが、しかし、私どもといたしましては、そのように従来の行(二)職員の処遇の改善に着手して行(一)に移したものでございますから、できるならばその行(二)の職員の最高号俸に対応する行(一)の号俸よりも一つ上ぐらいの号俸までは、一般職のたとえば係長が従来五等級であったものを四等級に上げるというようなこともやっておるわけですから、そういうことと同じ趣旨において昇格できるようにしたいということで、本年度におきましても、たとえば運転手の行(一)四等級昇格というようなこともいろいろ要求したのでございますが、これはなかなか非常に困難な作業でございますけれども、われわれとしてはそういう扱いをして行(一)に移ったかいがあるようにしたいという気持ちを強く持っておるわけでございます。
○和田静夫君 そこの部分はちょっとあとで触れますが、技術職のワクの撤廃までの過渡的な次善の策として技術職員の昇格基準を整備改善しなさいという、そういう指摘をしましたら、昨年、宮坂前総長は、大蔵省とも連絡をとってりっぱな昇格基準ができるよう努力したいと答弁をされた。それは院当局としてはどういう検討をして、そうして努力をして、結果はどうであったとか、まあ結果についてはもうわかっていますが、その努力過程というのは一体どうだったのかということはやっぱり一つ問題ですよね。技術職員の実態を見ますと、百五十七名のほとんどが昇給間差が著しくダウンする二けたです。その二けた号俸にいまいるわけでしょう。そうすると、同じ国会職員でありながら、こういう不当な差別というのは、私は決して許されるべきではないと思う。早急に技術職であるがゆえの不利益というものは解消すべきである、こういうふうに思います。 いまも述べられましたが、衆議院の分科会でも、知野衆議院総長は、四十八年度予算において初めて技術職四等級が暫定定数として認められたと述べていらっしゃいます。この点は、ともかく、四等級への穴をあけたのでありますから、決して前進でないと言いません。一歩前進であります。それはもう率直に評価をいたしますが、しかし、これが本定数でない。また、ごく限定された数である。しかも、衆参の比例方式が踏襲をされる、こういうふうに聞きますが、これらの点では遺憾でありますね。まだまだこの問題は緒についたばかりと言っていいのでありますが、今後この問題について両院とも努力をされている、こういうふうに理解してよいですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) そのとおりでございます。
○事務総長(岸田實君) 今後ともその点についてはもう十分に努力いたしたいと思います。
○和田静夫君 この問題については、従来から行(一)の四等級は課長補佐ですね。このポストで行(二)から移行をした技術職員への適用というのは何かなじみにくいと、こういうふうに言われる向きがありますが、確かに、標準職務表上は課長補佐ではありますが、一般事務職の実態を見ますと、最近四等級係長の数が増加をして、そして課長補佐は二等級までずっと押し上げられている。それにもかかわらず、技術職員に対してだけは標準職務表をきびしく適用するということは、これは人事の公平を欠く、そういうまあ措置であろうと言っていいと思うのです。そしてその意味でも、技術職の四等級の定数を大幅に確保する必要があるわけですね。いまも約束をされたわけであります。とにかく、技術職員であるがゆえに四等級昇格が押えられる、そういうことがないように、運用面も含めて一そう努力されるように、いまの答弁とのかね合いで要望をしておきます。 さて、次は、電話交換手でありますが、この電話交換手の初任給の格づけが、同じ高卒者行(一)の初任給と比べて、きわめて不合理である。当局もこれを認めて是正措置の検討を約束しているわけですが、これまでにどういう検討を加えられたか、また、どのような是正の措置を講ずるおつもりですか。
○参事(佐橋宣雄君) ただいまの問題でございますが、電話交換手の初任給の問題につきましては、私ども、両院議長決定に従いまして、いわゆる行(二)の初任給決定基準というものは政府職員の例に準じて行なっております。これらの職種につきましては、人事院等の定めに従いまして、職務の実態から行(二)の四等級の何号を初任給とするか、さらに、経験のある者についてその経験をどう見ていくかということが定められているわけですが、それで行(一)職との場合と比較いたしまして相当な差がございます。いま本院でいろいろ問題になっております電交の初任給問題は、電話交換手は行(二)の四等級の一号で採用する、一方、事務職の女子につきましては、本院の試験を経まして、いわば初級職の号俸に合格した者と同等と扱うわけでございますが、これが行(一)の八の三で初任給が定められておるわけでございます。行(一)の場合に、選考で採用いたします場合は、初任給は八の二でございます。したがって、本来、電話交換手は、これは選考で採用いたしますので、行(一)と比較いたします場合に、比較の対象は八の二であろうかと思います。その面で金額的に比較いたしますと、これは電話交換手のほうが若干いい形になっております。ただ、行(一)の選考採用で八の二で採用いたします女子がおりませんので、比較いたします対象が実は八の三に持っていかれておるというところに問題があると思います。 この問題については数年前からいろいろ問題がございますが、基準を変えてこれを直すということは非常にむずかしい問題でございますので、採用後半年、それからなお六年ほどたちましたところで調整を加えておるわけでございます。まあその問題につきましてそういう処置をいたしましても、なおいろいろダウンする面もございますので、これらにつきましては、先ほど総長のほうから御答弁がありました行(二)の過員の解消の措置を考えます際にあわせてその措置を考えていきたいと現在思っておるところでございます。
○和田静夫君 たとえば八年ぐらいで調整されていますよね。いま六年と言われたですか。八年じゃないですか。
○参事(佐橋宣雄君) 失礼いたしました。これは間違っておりまして、八年でございます。御指摘のとおりでございます。
○和田静夫君 それでもやっぱりかなり差があるわけですからね。いま言われたように、同時に行(二)問題との関係における作業と一緒に早急にもっと考慮をする、そういう必要があります。そういう努力をしてもらいたい。
○参事(佐橋宣雄君) 御趣旨を体しまして善処したいと思いますが、ただ、一つ問題は、先ほど申しましたが、経験のある者との関係でなお問題がそこに出てまいりますので、その辺のむずかしさをどうするか、まあございますが、できるだけその辺のところを解決するように努力いたしたいと考えております。
○和田静夫君 議警の問題で昨年の分科会で人事課長は、議警職の抜本改善を私があれしたのに対して、衆議院とも協議して検討を十分していかなければならないと答弁された。その後、具体的にどういうような協議検討、そうしてその上に立って改善されたか。
○参事(佐橋宣雄君) 昨年の御質問に対して御答弁申し上げましたのは、議警職の執行職等の系列との関係で、副長段階すなわち議警二等級のところでたまりが起きると。したがって、そこにおります職員の処遇等についてどう考えるかということについて実はお答え申し上げたと承知いたしておりますが、この問題につきましては、昨年の暮れに人事院勧告に伴います給与改定の作業に際しまして、どうするか、いろいろ考えたわけでございます。ところが、昨年におきましては、議警二等級の十六号から二十二号ぐらい、半分以上の上位号俸でございますが、これらにつきまして、ちょうど公安職の分布と非常に似通った状態がございます。そのために、公安職のほうでいわば折れ曲がりの調整と申しますか、ちょうど十六号から二十二号ぐらいのところの増額率が非常に上がっておるわけでございます。私ども、議警職の給与改定をやります際に、大要は公安職を引いておりまして、その率を借りておるわけでございます。過去における改定によりまして、議警二等級の上位号俸の金額は公安に比較しまして相当の優位を保っております。そこにさらに有利な率をかけるという形になりましたので、昨年度におきましてはその点はその出てまいります数字で判断をいたしたわけでございますが、それ以上の改定は必要ではないであろうという判断をいたしたわけでございます。
○和田静夫君 国会職員の給料表というのはこの四表間の均衡が保たれているんだ、こう言われ続けてきました。行(一)ではすでに五等級主任、それから四等級係長、それから二等級の課長補佐、そういうランクアップによって処遇の改善が行なわれている、こういうふうに蓄えますが、いまの御説明ですが、議警職ではこれに見合う措置がとらていないでしょう。したがって、四表間の均衡はそういう意味ではく、ずれているのではないのか。現在、行(一)では、六等級から五等級に昇格する際に、係長あるいは主任といった職名なしに昇格している場合があるわけですね。つまり、平係員でも五等級に昇格できることを意味しています。ところが、その行(一)五等級に対応して議警職二等級の場合には、班長、係長という標準職務表がきびしく適用されている。また、議警職の一等級にも係長では昇格できない。これは明らかに行(一)との不均衡ではないですか。こういうところはやっぱりもっと昨年の約束に基づいて大胆にメスを入れる必要があるのじゃないんですか。
○参事(佐橋宣雄君) ただいま御指摘のございました行(一)の四等級あるいは平職員の五等級という問題でございますが、実は、五等級というグレードは、これは通常の一般職員がなれる等級ではございません。定数上で申しますと、主任もしくは係長という職務でなければ上がれないわけでございます。ただ、主任という発令をいま事実上いたしておりません関係から、内部職員について係長でなくても五等級になれるというふうな誤解を招いておるかと思いますが、この五等級と申しますのは一般の事務職員がそのままでなれる性質のグレードではございません。実際の運用におきましても、そういう趣旨で運用いたしておるわけでございます。 なお、議警職についてそういう措置が行なわれていないという問題でございますが、議警職につきましては、従来の昇給のおくれ等の問題もありまして、毎年の給与改定の際に公安職に比較いたしまして相当優位な金額改正を行なっておる面が一つございます。それと、もう一つは、現在のところ、課長補佐のまあ衛視長の中で約二割、また、副長のうちでこれも約二割でございますが、これがいずれも行(一)二等級あるいは議警の一等級に上がれる道が開かれております。また、班長でございますが、これは三等級でございますが、このうちの二割が同じく二等級に上がれる道はすでに開かれておるわけでございます。そういう意味から申しますと、行(一)の全体の数で課長補佐のうちの二等級の定数は約一割、係長の定数のうちの四等級は二割四分程度であるという面から考えますと、すでに議警においてとられておる措置並びに給料表における優位性等の面を総合的に勘案いたしますと、必ずしも議警が不利になっておるということは言えないのではないかと考えております。
○和田静夫君 答弁にあったが、たとえば出任という発令行為というのは事実上は行なわれていません、したがって云々と。主任に該当しない人は五等級に上がれないんですと言ってみたところで、そちらの都合であって、一般職員の目から見ればそういうふうには決して映りませんでしょう。当然、主任でなくてもその道は開けていると、こういうふうに理解をするのがあたりまえですよ、これは。客観的に私たちが見たってそれは当然なんで、したがって、そういう意味からいって、私が先ほど指摘したような指摘のしかたというのは当然生まれる。それから見れば、まさに均衡というのは失してしまっている、こういうことになると思うので、その辺は十分にやっぱり検討を加える必要があると思うのですね。どうですか、その点。
○参事(佐橋宣雄君) 議警職につきましては、先ほど御答弁いたしましたような事情になっております。そのほかに、衛視長の定数につきましても毎年努力をいたしまして、若干ではございますが定数はふやしております。そういう形でそういった不満なりあるいは勤労意欲を阻害するようなことが起きないような措置につきましてはなお重ねて努力をいたしたいと思います。
○和田静夫君 行(一)との不均衡というのは、次のようなことを考えてみても明らかだと私は思うのです、実は。昭和三十三年に同時に臨時衛視となって、一方は現在でも衛視、他方は四十年七月に行(一)に移って一般事務職員になった二者を現在給で比較すると、本俸で約一万円の差が生じています。それからまた、昭和二十三年に同時に衛視として採用されて、昭和三十二年の四表分断によって一方は衛視、他方は行(一)に移った者を比較しても、現在給で七千円から一万二千円の差が出ています。この辺を見てみますと、この照応を一覧表でしてみますと、もう明らかなんですね。そうすると、こういう行(一)との不均衡というのは、もう一見明らかです。議警職表については初任給の優位性が先ほど来二たび三たび指摘をされていましたが、それも初任給だけのことでしょう。その後の不均衡はおおうべくもありません。このことは、議警職職員の勤労意欲を失わせる結果となる。年々中途退職者がああいう形で出ている要因になっていることを考えなきゃなりません。こういう実態というものを、当局は、やっぱり十分に、いま努力をすると答えられましたが、やっぱり考えてみる必要がありますよ。 それから行(一)では五等級主任、四等級係長、それから二等級課長補佐が年々増加をしていますね。ところが、議警職ではこれに見合う定数増は見られません。四十八年度予算でも、議警二等級七名増要求に対して、大蔵省は二名しか認めなかったじゃありませんか。この理由は一体何なのか、これを一つと、かつて議警の職場では二等級の頭打ちですね、これを打開をするために、構内拡張、あるいは委員会庁舎完成に伴う警防課の拡充、あるいは警備第三課の新設などによって大幅な定数増をはかるべきだと主張された。しかし、その際、当局は、ポスト論を持ち出して難色を示した経緯がありますね。現在、行(一)で五等級主任等を実現させていることは、行(一)表の行き詰まり打開のための一策でしょう。ポスト論とは無関係に運用されていることがここで私は逆証できると思う。この点でも職場でいろいろ要求が出ているようでありますが、職場から出ている要求、訴えのほうが正当であるというふうに思われます。そこで、行(一)のランクアップに見合う均衡措置を講ずべきであるということは、いまの私の論理からいって必然なんですが、これは第二にどうお考えになりますか。
○参事(佐橋宣雄君) お答え申し上げます。 議警職二等級の定数要求と査定の問題でございますが、これは、御承知のように、議警職につきましては、執行職の系列ということで、衛視長、衛視副長、衛視班長という一つのランクがございます。したがいまして、衛視長をかりに一名ふやす場合に、その下に副長が一人もいないという形は、これは非常におかしな形でございます。同時に、また、衛視長一に対して副長が五、六という数字も、現在の体系からいきますと、非常に形としてきまらない。そういう意味で、衛視長あるいは衛視副長という名称のもとにおきます定数というものは、そういった意味での制約というものがあろうかと思います。ただ、他面、先ほどちょっと申し上げましたように、衛視副長で一等級になり得るもの、衛視班長で二等級になり得るもの、その道はすでにあるわけでございます。そういった意味で考えますと、行(一)の二等級あるいは係長の四等級というものをいわば先取りしている、ちょっとことばが悪いかと思いますが、先取りしているという感じも一つはあると思います。 なお、給与面につきましては、行(一)の高校卒の歩みと比較いたしますと、ほとんど落ちるものはございません。初任給の優位はもちろん、まあ相当の額で差がございます。 それからもう一つ先ほどお話のありました、初め衛視におりまして行(一)に移りました者との比較は若干私どもいたしておりますが、行(一)に移りました者のほうが有利な結果になっておるもの、それからむしろずっと低くなっているもの、これはいろいろございます。一がいにそういう面をとらえまして、まあ議警から行(一)へ行った者、あるいは速記から行(一)へ行く者、そういったものの個々の面をとらえて四表の均衡というものがくずれておるということには必ずしもならないかと存じます。 それから最後のランクアップの問題でございますが、先ほど来も御答弁申し上げましたように、定数上の措置についても相当行なわれておりますし、また、金額面につきましても、引いております公安に比較しまして相当の優位性を持ち、かつ、同じ学歴を持って入ります高校卒の事務職との歩みを比較いたしましても、金額面でまあ相当な優位を保っておるわけでございます。したがって、現在のところ、ランクアップ、一グレード全部上げていくという形の対策はまだ考えておりません。
○和田静夫君 多くを申しませんけれども、先ほど私が述べたことも実態としては存在をする、これはお認めになるでしょう。
○参事(佐橋宣雄君) おっしゃいます実態と申しますのが、四表分離前に議警から他の職種へ移った者、その中に若干現在の号俸あるいは金額が高い者があるという事実は認めざるを得ないと思います。反面、さらに相当低い者もおるということもひとつお認めをいただきたいと思います。
○和田静夫君 それは低いところをあまり例にするわけにはいかないのであって、問題はそういう形で指摘をしたような意味での不均衡というのは、実際問題としては存在をするのですから、その辺に対して全然検討する必要がないですという答弁ではいただけないわけですね。これら具体の問題について、それを全体に引き直してみて、検討、是正への努力をする、こういうことはやっぱり当局側としてはやり得べきことであって、そういうことはおやりになるわけでしょう。
○事務総長(岸田實君) ただいまだんだん仰せになりました行(一)の運用の動きと見合った行(一)以外の給料表の運用を十分にはかって均衡をとらなければいかぬ、この点はもうほんとうにそのとおりでございまして、私といたしましては、行(一)が何と申しましても基軸になる給料表でございますから、その運用の動きと他の給料表の適用者に対する運用とがアンバランスにならないように、これは絶えず慎重に検討してやっていきたいと思います。仰せになりましたような点がございましたならば、これはどういう原因でそういうふうになったのかということも十分に調査をいたしまして、もしそれが何らかの不合理なことでそういうことが起こったというのであれば、それに対する対応策を検討いたしたいと思います。
○和田静夫君 次に速記職ですが、今回、速記職の給料表の耐用年数を行(一)に合わせて三十七年とするために、冒頭総長答弁がありましたように、速記一等級を六号伸ばす措置がとられました。これは現行の一等級に間差二千五百円で六つ積み上げる。ところが、速記二等、三等級には何ら手当てが加えられていないわけですね。知野衆議院総長は、衆議院の分科会で、これは行(一)のランクアップに見合った措置であり、抜本改正である、こういうふうに答弁されていますが、どうも、その内容を見てみますと、耐用年数を行(一)並みにかなり思い切って伸ばしたという評価はできますが、ランクアップに見合った抜本改正と言えるのだろうかというのは、なかなかそう簡単に頭を縦に振るわけにいかないような気がするのですが、どうですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) これはもう和田先生とはこの分科会を通じまして多年の実は懸案でございましたものでございまして、まあ評価につきましては私もこれはいろいろおありかと思います。しかし、われわれが取り組んでまいりました途中には、実はいろいろな案が当局側にもそれから速記職給料表適用者の中にもございまして、とにかく、むずかしい中に、それを衆参両院一致しましてやりましたものですから、私どもは、速記職の抜本改正をやったと、実は自分たちでは評価をしておるわけでございまして、そういう点で、途中の段階はございますけれども、速記職給料表で一番問題になりましたのは、何と申しましても一番上のところが押えられておるというところであったわけでございまして、この点につきましては、速記職給料表の適用者の意見もいろいろ聞きまして、それからこれは大蔵省の主計局給与担当者につきましても非常に大きな、何といいますか、努力をしてもらったと私どもは思っておるわけでございまして、そういう意味で、まあ行(一)につきましはだんだん四等級から二等級へ進んでまいっておるわけでございます。そういう意味では、速記職給料表の適用者につきましても、かなりそれに見合った改正をやったというふうに考えておるということでございます。
○和田静夫君 耐用年数の号数をかなり伸ばしたということは評価していますよ。そのことはそのこととして評価はしています。 どうしていまのようなことを言ったかというと、たとえば昭和三十二年に速記職の表を新しく設けたときに、当時の総長は、組合に対して、行(一)表と速記表との均衡はとると約束されているんですよね。しかし、十五年を経過した今日、先ほど議警の問題で触れましたけれども、議警職俸給表と同じように、速記職表と行(一)表との不均衡は、これは歴然としてきているわけです。一方、行(一)表の行き詰まり現象というのは、先ほど来ずっと指摘されているところでしょう。そうすると、これを打開するためには、近い将来おそらく行(一)表の大変革といいますか、改革が加えられなければならぬ、そういうふうに予想していますが、その際に、速記表だけがずっと取り残される事態が起きるんじゃないだろうか、この辺がちょっと心配ですよ。今後も継続的に検討を加えて、給与改定、予算要求の際に、さらには運用の問題も含めて十分な改善を行なうようにされなければならないし、いま私が述べたような危惧を与えるようなことのない保証というものをやっぱりしっかりしてもらわなきゃならない。ともあれ、最小限行(一)に見合った措置を講ずべきだ、こういうふうに思うのですが、これはいかがでしょう。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) いま和田先生が仰せられましたように、やはり行(一)給料表というものは、そういう根本的な改定の時期に来ているのではないかという点では、私もそのように思います。現在やりました速記職の抜本改正といいますものも、現在の行(一)表というものと見合ったワクの中での抜本改正であったとわれわれも理解しておりまして、行(一)職給料表がさらに根本的な改正を加えられる場合におきましては、速記職もそれに見合った改定が当然に考えられてしかるべきであると考えております。
○和田静夫君 行(一)の場合に、管理職を除いた四等級以上の定数というのは、まだ不十分ではありますが漸次ふえておる。四十年度と四十八年度の全職員に対する定数の割合というのは、約一二%強伸びています。これに対して、速記職の場合に、八年間に行(一)四等級以上に相当する速記二等級以上の伸びというのは、いわゆる監督が九、それから副監督が二ふえたにすぎません。わずか三%の伸びにこれはとどまっているのですね、私の計算が間違っていなければ。もちろん、行(一)と速記では、定数構成も異なれば、職務の態様、あるいは人員構成も違うのですから、上位等級の定数が同様にふえていくとは考えていませんが、それにしても、格差が大き過ぎるように思われるのです、客観的に見てみて。速記職の場合、別表であるがゆえにそういう意味では俗に言う冷やめしを食わされているのじゃないだろうか、そういう感じがいたします、か、これは、事務総長、いかがですか。
○事務総長(岸田實君) 速記職と行(一)の職員との処遇のバランスということは、私ども常々最も細心に注意を払って誤りなきを期してまいっておるわけでございまして、ただいま仰せになりましたことは、確かに私どもとしましても年々要求しておりますが、定数上は速記監督であるとか副監督の定数がなかなかふえないということはございます。これは、決して私がないがしろにしているというわけでもございません。一面は議警職と共通の事情がございまして、速記監督を非常にふやすというわけにもいかないわけです。速記監督をふやしますと、実際に出場して速記を行なう職員の数がむしろ減って、それとのアンバランスになってはいけませんから、おのずからそこに、主任速記士、それから速記士、副監督、監督というもののバランスがとれていかなければならないという要素がございますので、そういう点も多少定員増につきまして制約があるということもいなめないと思います。 しかし、さればといって、定数がないからといって、処遇の点で非常におくれをとるということがあってはいけませんので、速記職の給与につきましては、いわゆる暫定定数というようなものを獲得いたしまして、適当な時期に上のランクの役に昇格できないというような人につきましても、給与面では十分の手当てができるようにということでやっておるのでありまして、行(一)の課長補佐のたとえば一段上の二等級の定数あるいは暫定の定数というものと総員との割合、あるいは、係長の四等級に上がった者の全体の係長との割合というようなものと見合った速記職の一段上の等級への処遇を認めておるところの職員の比率というものは、差がないわけでございます。大体バランスがとれておるという形になっておりますので、今後ともこの点につきましては十分に注意いたしますし、足らざる点がありましたらさらに補正をいたしたいと思いますが、われわれとしては、気持ちとしては、両方のバランスを失しないようにということに懸命の努力をしたいということでございます。 〔主査退席、副主査着席〕
○和田静夫君 うっかりしていたら時間がなくなってきましたから、あと簡単に少し要望を述べます。 まず、臨時職員問題です。これは事情について十分わかっています。したがって、当局と職員との間において漸進的な解決に努力をされているようですが、これはぜひやっぱりあまり思惑を考えずに解決への努力をしてもらいたいと思います。私も、地方公務員全体二十万、三十万という臨時職を解決をしてきた過程というのをずっといま思い浮かべてみますと、亡くなりました川島自治庁長官などという一つの政治的な判断ができる人間が当時の長官に登場をしてきてやっぱり解決をしたことですよ。そのことはいろいろのことを言われると思うんですね。人事院に聞いてみたり、あるいは大蔵省に聞いてみたりしたら、それは事務的にいったら職務に断続があるとかないとかいろいろなことが起こると思うけれども、その辺のことはやっぱり思い切って乗り切る、そういう態度が必要だと思いますから、これはそういう要望をいたしておきます。意見についてあとからもしあればまとめて伺います。 それからもう一つは、甲問題です。これも何べんもやってきました。そして、結果的には、おそらく、いや、去年もとりません、ことしもとりませんという答弁になるでしょう。もうこの辺で明らかにやめましょうということで、独自のもう形で行きますということでもって割り切ったらどうですか。実際問題としてはもうそれでいいんですから。これは簡単にイエスと答弁してください。
○事務総長(岸田實君) 大体において当分はもうやらないということでございます。
○和田静夫君 当分はやらない。まあそれじゃ永久的にやらないと。当分の間というのは、これは予算委員会でもやりましたけれども、当分の間というのは、全く戦後二十六年間当分の間という法律用語は一ぱいありますから、当分はやらない、ああ、なるほど、それじゃやっぱりもうあきらめてやりませんと、こういうことの答弁に通じていますので、そう理解を私どもはいたしておきます。 それから女子の昇格問題であります。本院における女子職員というのは、特殊な一例を除いて、いわゆる女のお医者さんですかと、最高が四等級どまりになっておりますね。また、非常に多くの人が二けた号俸にいます。こういうような格差が生ずる理由としては、もちろん学歴等の要素もあるだろうが、それにしてもこのような不利益待遇というのはやっぱり無視できません。当局は、五等級への昇格はもちろん、四等級への昇格をさらに推進をして、そしてまた三等級への道を早急に実現をするべく努力をすべきだと思います。植木事務次長が、さきの衆議院の分科会で、女子昇格の要件のような形で、勤務年数の非常に長い者、それからポストにふさわしい仕事をしている者をあげていらっしゃいます。勤務年数では二けた号俸の大多数が二十数年の勤務年数でしょう。また、ポスト論では、いままで述べられてきたように、最近における行(一)標準職務表の事実上のくずれとの関連で、特にこの女子職員に対してだけきびしくする理由というのは乏しい、こういうふうに思うのです。それからまた、ポストポストと言われますが、それに十分こたえられるだけの能力がありながら、それにふさわしいポストを与えていないのも女子に対する現状でしょう。いずれにしても、女子職員の差別的扱いというのは直ちに是正をして、処遇の改善の面で格段の努力をすべきだと私は思いますが、どうお考えになっていますか。
○事務総長(岸田實君) 女子職員の処遇の改善につきましては、数年前から私ども一つの重点項目として考慮してまいっておりまして、五等級につきましては、年々相当数の昇格を実施してまいりました結果、現在におきましては、大体係長の数の三分の一程度は女子職員ということになっております。五等級と四等級の総数を、六等級の職員——従来足踏みしておりました六等級の職員の数と比較いたしましても、それにおいおい近接してくるような状態で、少なくとも一ランク上に長期の勤続をしておる女子職員の地位が上がってきておるということが言えると思いますが、この点につきましては、本年度におきましても、従来の方針を踏襲して善処してまいりたいと思います。 四等級の女子職員につきましては、現在八名おるのでございますが、これは、四等級の定数につきましては、先ほども申しましたが、なお不十分であると私たちも思っておりますし、あまり余裕がなく、男子職員につきましても昇格が従来よりおくれないようにしたいということで、年々定数の増加につき、これを重点として努力してまいっておるような状況でございますので、女子職員の四等級昇格につきましては、もちろん私どももさらに気持ちを新たにして努力いたしたいと思いますが、まあ十分とはまいらぬかもしれませんけれども、年々これを実施して増加してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 あと二問ぐらいで終えますが、調査員の処遇問題です。調査機能の充実のこれは基本ですが、具体的問題を一つだけこの問題でお尋ねをいたしますが、三等級昇格の有資格調査員、これですね。これは昨年までの基準に従えば五名いることになりますね。この昇格を実現をしなければ年次による縦のアンバランスが生じて、調査活動にも支障となる。有資格者全員の昇格について当局は責任を持つべきだと、こう思うのですが、いかがですか。
○参事(佐橋宣雄君) 御指摘の調査員につきましては、三等級昇格についていわば昇格基準、まあ最低の数字でございますが、昇格基準に達した者は、現在七名おるわけでございます。ただ、従来の調査員の昇格につきましては、この基準どおりは必ずしもいっておりません。そういう意味で、前に昇格いたしました者より全体に不利にならないように、従来毎年改善をいたしておるわけでございます。いま申しました七名は、いわゆる昇格基準——これはまあ最低の基準でございますが、それに達した者はすでに七名おります。昨年実施いたしました者が七名おりますが、本年は昨年の基準で考えました場合には約一名になるかと思います。
○和田静夫君 これはいわゆる有資格者の全員昇格についてはやられるわけですか。人数はちょっと相違がありますけれども、いま別に詰めませんけれども。
○参事(佐橋宣雄君) 有資格者と申しますか、昇格基準に達した者を全部昇格させるということは、やや困難であろうと思います。ただ、その面で逆に私どものほうで最近昇格させております基準、これをさらに引き延ばさざるを得ないようなことにならないように考えて処置したいと思っております。
○和田静夫君 最後に人員問題ですが、これは業務量の増大に対応して人員増の要求が非常に出ています。皆さま方もよく御存じだと思います。ところが、これらの声が、どうも、大蔵に対して、予算要求という形で、総長、はね返っていないのですね。もちろん、一方では、さっきも冒頭述べられた五%定員削減問題などとの関連において遠慮があるのじゃないかと思うのです。拘束されませんとは言われながら遠慮があるのではないかと思うのですが、減員させないために増員要求もしないという説明がありましたが、どうも矛盾ですね。削減計画が適用されている行政各省庁ですら、業務量の増大に見合う増員は認めているのですよ。そうすれば、これは、参議院でも、合理性のある増員要求というものはやっぱり検討を加えられて行なうべきである。何も大蔵省に遠慮する必要はない、こういうふうに考えますが、事務総長、いかがですか。
○事務総長(岸田實君) 政府のほうでは、先ほど申しましたように、非常に厳格な方針を立ててやっていらっしゃいますが、私たちは政府の方針に拘束されるとは考えておりません。したがいまして、現在の職員数によりましてどうしてもやれないような事態、顕著な業務量の増大がございました場合には、政府のほうでそういう方針をとっている際でもありますが、最小限度の増員を要求するということは当然であると思います。 ただ昨年度におきましては、昨年度の時点におきましてなるほど業務量もいろいろの事情で増大しておりますし、全体の職員に対しても非常にがんばってもらっておるわけでございますが、まだ現在の数で適正な人員の配置を行なったり、あるいは機械器具等を補強して能率化をはかったり、外注によって職員の不足を補う等の勤務体制の合理化をいたしましたならば、やっていけるのじゃないか。政府のほうでそういう厳重な方針でやっておりますので、現に四十八年度におきましても、新規にどうしても増員の避けられないようなものが多々あるにもかかわらず、総体においては二千六百人余の減員になっておるというような実情でもございますので、昨年度におきましては、とにかく減員はしてもらっちゃ困る、しかし、われわれとしては、増員をしないで、部内の人員の適正配置、あるいは合理化によって努力するということでやったわけでございます。
○和田静夫君 総じて幾つかの要望を述べました。それからいまの人員の問題については、十分に職場で業務の増大とのかね合いで、働いている諸君の意見というものを千分に今後も尊重されて対処をされるように、そして、私が述べました多くの要望については、前向きで検討を加えられるように意見をさらに再び申し上げて、質問を終わります。
○副主査(長屋茂君) 午後一時十五分再開することとして、ただいまから休憩します。 午後零時十一分休憩 —————・————— 午後一時十六分開会
○副主査(長屋茂君) ただいまから第一分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として田中寿美子君が選任されました。
○副主査(長屋茂君) それでは、休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。
○田中寿美子君 私、最初にお礼を言わなきゃいけないと思うのですけれども、たいへん国会図書館のお世話になっております。特に立法考査局の皆さん方には非常にめんどうなことをいろいろお願いして、また、お教えもいただいておりますし、それからその上、個人的にも自分の研究したいことでずいぶん文献をお借りしたり、まあ国会議員であることの特権のようなものだなと思いながらいつもたいへん利用さしていただいております。 私、今回、あらためて国会図書館というものを考えてみまして、いろいろと認識を新たにしたわけなんです。最初は、国会図書館そのもののあり方についてお尋ねさしていただいて、後半は国会図書館に働いている女子職員の問題についてお尋ねさしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 私、初めて国立国会図書館法というのを読みまして、前文にすばらしいことが書いてあるんですね。まことに遠大な理想が掲げてあると思います。「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」と、もうたいへんすばらしい前文がありまして、なるほどそれだけのものであるならば、これはほんとうに日本国民全体の財産として十分に使わなければならないものだというふうに思いました。そういう観点から考えますと、図書館というもの全体をもっと見直さなきゃいけない、公立図書館というものをですね。いま、私どもは、政治経済の面で福祉型に切りかえよというようなことを要求しているのですけれども、そういう社会においての文化、民主主義、あるいは福祉、広い意味では福祉にも図書館というものの果たす役割りというのは大きなものがあるというふうに思っているわけなんです。それほど図書館の重要性というものを感じますと同時に、 〔副主査退席、主査着席〕 それならば、そういう図書館の運営のしかたというのには、相当の理想とそれからシステムがなければならないのではないかと、こういうふうに考えるわけです。 多少私自身の経験から申しまして、たとえば私は一九五四年から五五年にかけてアメリカに行っておったわけなんですが、初めハーバード大学のインターナショナル・サマーセミナーに行ったのですけれども、あそこの図書館というものはまことに大学の中でも最も重要な部署を与えられておって、すばらしいものであって、ちょうど米軍の日本占領政策について私はリポートしなければなりませんでしたので、そこの図書館に入りましたら、あらゆるものがありました。 それからそのあとで私はブリンマー大学の大学院に特別研究生で入っておったわけなんですけれども、そこでも図書館というものが非常に重要視されておりますのと同時に、学生がみんな自分の教科書を買うのじゃないんですね。ほとんど図書館を利用して、図書館の中にちゃんと自分の机と書棚が与えられて、そして借り出した図書はそこにちゃんと自分のものとして一定の期間置いて、だれからもそこから取っていかれないで勉強に使うことができるものですから、日本人のように個人が蔵書するというくせがあんまりなくて、教科書は全部買わなければならないというようなことがないのを、日本の習慣になれている私にはふしぎなくらいに思われたわけなんですが、それだけ図書館というものの果たす役割りが重要視されているというふうに思ったわけです。 それからニューヨーク市の市立図書館、これもたいへんすばらしい図書館なんですけれども、ここなんかでも、私はアメリカインデアンの研究をしておりました、民俗学をやっておりますものですから。その貴重な文献のあるところは別室でちゃんときめて、一定の期間いつ行っても読めるようにさしてもらって、図書館の運営というものがたいへんよくできていることと、それからもう一つは、中央から離れた場所の大学におりましても、特に読みたいと思う本をお願いしますと、その図書館になければ、付近の大学にもみんな連絡してくれるし、その他の公立の図書館に連絡して、そして図書をちゃんと何日か目に借り出してきてくれる、こういうシステムになっていて、ほんとうにいいなと思ったのですが、こういうことも、ヨーロッパなんかに行きましても、地方都市での図書館の果たす役割りというものは非常に大きく見られている。また、図書館の位置づけというものが日本では非常に足りないのではないか。こういうことも、日本のいまのGNP第一主義ということを問題にしますが、ストックの所得が非常に足りないという問題の中の一つじゃないか。これも国民の持つストックの財産であるというふうに思うのです。 そういう点からしますと、国立国会図書館というのはすばらしい目標を掲げて設立されたものでございますから、図書館というもののあり方についての位置づけですね、そういうことについて館長御自身もお考えになったことがあるか、あるいはそういうことについてどういうお考えを持っていらっしゃるか、初めに聞かしていただきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 冒頭に、田中先生には図書館を御利用いただきまして、ありがとうございます。 ただいま図書館法の前文をお読みくださいまして、その理想につきまして御発言がございましたが、私といたしましても、世界平和に寄与する使命の重大性にかんがみまして、その責任を痛感しておるわけでございます。図書館制度につきましては、戦後こうした国会に付属する国会図書館が、また一方国立図書館としての機能も備えている、こういう形で発足いたしまして、もうことしで二十四年に相なっておりますが、この点につきましては、識者の間からいろいろな御議論を私は承っておりますが、何と申しましても、そのおい立ちが国会法に基づく国会図書館でございまして、その発足は両院の旧帝国議会時代の衆議院、貴族院の図書を受け継いでおります。それからまた一方、市民図書館といたしましては上野図書館を創立の次の年にこれを吸収いたしておるわけでございまして、そういう二つの大きな潮流を経てここに発足いたしたわけでございますので、いま図書館行政の立場から考えますと、一般の図書館、いわゆる公共図書館とか、それからまた大学に付属する大学図書館、そういうものにつきましては、文部省が管轄しております。局に分かちますと大学学術局ですが、公共図書館は社会教育局、むろん内閣の方針としても御決定になる分野が多かろうと思いますが、一応文部省に図書館行政があるわけでございます。しかしながら、われわれの国の唯一の国立図書館としてここに立法府の図書館が生まれたわけでございます。私どもといたしましては、その国立国会図書館法の定むる限度におきましては、むろん前文の立場から重大な使命を痛感いたしておるわけでございますが、何ぶん、法制の上におきまして、私どもこの国立図書館が、大学図書館、それから公共図書館、また専門図書館、あるいは学術の機関の持っている図書館に対して指揮命令権というものはございません。そういう点につきましては、私どもの図書館はあらゆる力を出しまして、これら図書館に協力する立場でございまして、まあどちらかと申しますれば援助を求められればこれに積極的に応援する、こういう立場でございます。そういう立場でございますので、わが図書館といたしましては一方交通に相なるのでございましょうが、それらの図書館からの御注文に応じてあらゆるサービスをいたしておるわけでございます。 ただいま先生が外国の御体験をお述べになられましたその点につきましても、むろん私ども図書館の立場といたしますればそういうふうなことが理想であってもらいたいということは当然でございまするが、過去敗戦以後の事情を見ましても、図書館間の協力というものが完全に行なわれたかどうかということについては、だれもそうだという肯定論は出ないわけでございます。最近になりましては、国立大学図書館間、あるいはまた私立大学の図書館間、それからまたリージョナルと申しますか、一地域の図書館がみんな共同いたしまして、その間彼此流通的な貸し出し等を通じて協力いたしておる実態があるわけでございまして、簡単に申し上げますればそういう図書館間協力の機運が醸成されてきたのじゃないかということだけは申し上げられるかと思います。私どもはそういう図書館を統括しておるわけでございませんので、まあ卑俗なことばで申しわけございませんが、よそさまのことをあまりとやかく申し上げることは差しさわりがあるといけませんので、この辺で答弁を終わらせていただきます。
○田中寿美子君 いまおっしゃいましたように、法律に基づいて指揮命令権はないと思いますけれども、まあ国会図書館は一種の特権的な立場にあると思うのですね。ほとんどすべての出版物が納本されるようなそういうシステムの中にいるものでございますし、それから現在公立の図書館その他私立、あるいは大学の図書館などについても、日本ではそういうシステムがちゃんとしていないという実情がございますが、図書館の仕事をしていらっしゃいます方々同士の連絡とか、あるいは集会とか、そういうようなところでそういう話し合いを進めていくということがあるのかどうか。そういうことに対して、国立国会図書館としても発言をしていって、日本の図書館というものが文化的な意味で社会に果たす役割りをもっとぐっと高めていただきたいというふうに私は思うのですけれども、そういう連絡のようなことがございませんか、どうですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 先生のおっしゃられるような点につきましては、われわれもかねがねそういう点について思いをはせておるわけでございまするが、私たち国立国会図書館といたしましては、各図書館長全部のときもございますが、個別に種別ごとにそういう会合の機会をたびたび持っておるのでございますが、この点につきましては、各図書館長とお会いするごとにこれは議題にのぼる問題でございます。まあ実情を申し上げますれば、私といたしましては、何と申しましても実力のある一級の図書館、大学で申しますればしにせの大学から積極的に門戸開放というようなことをやっていただいて、まだ組織の整わない方面にも協力を願うというふうにできれば理想じゃないかと、こう私は私なりに考えております。そういう点につきましては、機会あるごとに各図書館長との会合の席に議題にもし、また、将来の問題の解決にも資していきたいと、こう考えております。
○田中寿美子君 図書館のあり方については、図書館の専門家の方々の間ではおそらくこういうことはもう問題になってきていると思いますので、そういうときには、積極的に参加したり、リードしたりしながら、日本の図書館のあり方を社会性をうんと高めていただくように、それから研究者にとってほしい図書がどこからでも手に入ってくるような、そういうシステムをとれるように、また、地域の活動に図書館の果たす役割りなんかも考えて、ほんとうに大きな一つの体系づくりをぜひ考えることにリーダーシップをとっていただきたいということを御要望申し上げます。 それでは、いまの国立国会図書館全体として、予算ですね、どのくらいの予算であるか、簡単な項目でけっこうですけれども、お聞かせいただきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) アウトラインで恐縮でございますが、四十八年度の概算要求、お認め願えればこれが実施されるであろうという予算額でございまするが、二十九億四千五百六十二万五千円でございます。四十七年度は二十五億一千七百二十九万二千円でございます。伸び率は一七%でございます。——こまかいことを申しましょうか。
○田中寿美子君 いいえ。簡単な項目はどういうものに幾ら……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 大体を申し上げますと、人件費が七〇・九%を占めておるということでございまして、それから三億余りになる図書購入費がございますが、これが一〇・四%でございます。それから事務費が一八・三%でございます。もう施設等は大かた完了いたしましたのでことしあたりは少のうございますが、〇・四%の施設費でございます。以上でございます。
○田中寿美子君 それで、いま伺いましたように、人件費が七〇・九と、たいへん大きいのでございますが、全体の予算額は小さいですね、二十九億というのは。こういう大きな目的を持ってやる図書館としては、また、日本のようにすごい経済力を持っている国としては、総予算額が私はこれは小さいなというふうに思うのですが、それはどこから来るかということをお伺いしたいのです。これは何よりも図書館でございますから、図書の収集ということは非常に重要な仕事だと思うのですがね。その収集をどういうふうにやっていられますでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 図書館活動の基礎をきめます図書の収集につきましては、われわれ図書館に勤務しておる者の最大関心事でございまして、これに大いに力をいたしておるわけでございます。一応図書収集の基準といいましょうか、指針をつくりまして実施されておりますが、ちょっと冗長にわたりますが読み上げます。「国政審議に必要な資料を迅速に入手する。」と、これが第一目的。わけても内外の法令、議会資料につきましては、国内はもちろん、国外について最も充実した資料を備える。「日本国内で刊行された資料は完全に収集すると共に、諸外国の資料についても主要なものは収集する。散逸したり国外へ流出を惜しまれる資料については、その確保に留意する。内外の書誌類を収集して、日本における文献情報の最終的なよりどころとなる。」と、こういう大略の基本方針のもとに実施しておるところでございます。——収集の方法とか、いろいろなことを申し上げましょうか。
○田中寿美子君 一つずつお伺いいたします、それでは。 そういたしますと、いま、日本国内外の文献を集めると、そうして国内の資料を完全に集めるというふうにおっしゃいましたですね。で、官公庁の出版物、これはもう文句なしに全部入るわけでございますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 先生御承知のとおり、国内出版物につきましては納本の制度がございます。官公庁の納本もいただいておるわけでございますが、一般民間出版物も納本としていただいておるわけでございます。これらの納本は、法律の規定によりまして官公庁の資料、特に中央官庁等においては三十部をいただくようにはなっておりますが、予算その他の関係等によりまして完全に三十部は入っておりません。しかし、われわれは、それらの点につきましては極力努力いたしまして、官公庁の出版物を納本していただいておる、そういうことでございます。
○田中寿美子君 官公庁の出版物はほとんどみんな手に入ると。これはまあ無償で入ってくるわけでございますね。それも先日の問題みたいなものは入ってこないというものもあると思いますけれども、民間の出版物ですね、これは図書館法二十五条のところにございますが、先ほども国内のものは完全に収集するとおっしゃいましたけれども、民間の出版物の収集は、はたして完全にできますでしょうか、その辺は。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 民間出版物につきましては、出版業者が発行いたしましたものは、社団法人日本出版取次協会を経由いたしまして、そこから日版、東版という経路を通しまして納本が参ります。それからそれ以外の会社とか、協会とか、あるいは一般団体、それから個人につきましては、直接の納入ということに相なっております。民間出版物の大どころの出版につきましては漏れなく入るということは言われ得るかもしれませんが、自費出版とか地方における出版等につきましてはなかなか思うようにもまいりませんけれども、私どもといたしましては、担当官を置きまして、専任の調査官等を置きまして、図書関係の新聞とか、あるいは日刊新聞の図書紹介、広告、雑誌、出版社の発行する目録、そういったものに熱心に目を配りまして漏れのないようにいたしております。 そうした追求を経ますれば、一般民間出版物は大体九〇%以上は入っておるんじゃないかとうちの専門の幹部職員の予想でございます。
○田中寿美子君 これは民間出版物の総数を調べたデータがあるのでしょうかどうでしょうか、ほとんどつかみにくいと思いますけれども。ただいま大どころのものはほとんど入っているというふうにおっしゃって、確かに日版、東販を経由してくるものは納本制度で入ってくるだろうと思いますね。あそこを通らない出版物というのが相当あるのじゃないかと思いますけれども、そういうものに関してはどういうふうになさいますでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 直接の納本でございますので、これらに対しては常に宣伝等を用いまして周知の徹底を期しておるところでございます。
○田中寿美子君 それは、私、はたしてそう全部が納本しているかということを心配するわけです。その納本の制度ということが——私はこの図書館法を読んで、最初の前文のところでたいへん民主的なことが書いてあるのだけれども、中を読んでみますと、納本制度になっていて、これを納入しなかった者は過料に処するような罰則までありますね。 それで、何か民間の出版社も出版したものはみんな納本する義務があるということですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) さようでございます。先生御承知のとおり、戦前は検閲と称して二冊政府が無料で納本さしておりました。戦後はこういう制度になりましたものですけれども、これは代償金を支払うわけでございます。実費を支払うわけでございます。そうして、大体の額が販売定価の四割から六割、大体実績では五割、これを支払っております。
○田中寿美子君 いまおっしゃったように、納本と代償金制度があるんですけど、こういうやり方がはたしてこれがほんとうにいい方法なのかなあとたいへん疑問を抱いたわけなんですけれどね。 で、代償金というのは、幾らぐらい払っていらっしゃるわけですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 総額でございますか。
○田中寿美子君 民間出版物に対して、納本したものはあとから代償金を払うわけでしょう。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 定価の四割から六割、大体実績では五割を払っております。
○田中寿美子君 そこで、私がたいへん不思議に思うわけなんですけれども、著者が本を書きますと、著者は七割ぐらいで手に入りますですね、自分の書いた本でしたら。せめてそのくらい、つまり定価のそれを支払うのが当然じゃないかなあという気がするし、それから地方の出版物でしたら、やっぱり送ってこなきゃならないわけですよ。郵送料も要る。そういうことから、この納本制度、代償金制度というのは、一ぺん徹底的に考え直してみる必要があるのじゃないかなあということが一点と、それから東販、日販を通じてということですと、漏れるものが一ぱいありはしないかということで、はたして年間出版されるもの全部を掌握するということは不可能にしても、そんなに高い比率で入っているかどうかということが心配なんでございますが、いかがですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 代償金の額、その点についてのお尋ねでございますが、これは実費を支払うということでございますので、私どもがただ恣意的にそういうことをきめるわけではございません。出版界の代表の方がお集まりになりまして、代償金審議会で審議をいたしておるわけでございます。特に、一般の図書につきましては四割から六割の範囲で払っておりますが、特別のある経費を要したケースが出てまいりますれば、特段の申し出をいただきまして、私どもがこの審議会の諸先生の御意見を伺って決定いたしております。 郵送料につきましては、当方が支払っております。図書館が支払っております。
○田中寿美子君 図書館が郵送料を支払っているわけですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) そういうことでございます。
○田中寿美子君 つまり、東販、日販を通らない小さな出版社、あるいは個人出版、あるいは、よくいろいろな会社の社史とか、ああいうのは、少し文献を調べる者には貴重なものなんですね。そういったようなものの集め方を一体どうなさるのかということなんですがね。さっき、三億は図書購入費ということでしたね。その三億の図書購入費というのが、ほとんど民間からの図書、いまおっしゃった代償金と郵送料、そういうものに当たりますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 先ほど大略の数字で申し上げましたわけですが、実は三億五百八十七万七千円でございますが、これはいわゆる四本立てと称しまして、第一番目には図書購入費でございます。これは大体おもに外国の図書でございます。日本の図書は代償交付金で払って納本させていただいております。それからその次が科学技術の資料費でございます。これは先年来国会の御支援をいただいて非常に予算もふえておりますが、これが一億三千三百七十七万一千円。いま申し上げました図書購入費の額は一億二千七百九十一万三千円でございます。
○田中寿美子君 これは全部外国ですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 大体七、八割が外国のものでございます。国内図書は、副本を——二冊必要な場合、一冊は納本で入りますが、一冊は図書館で買います。あとまだございますが、代償金は三千六百五十一万四千円でございます。これは法律に基づきましていま申し上げましたとおり支払うものでございますが、もしこれが不足しておれば、他の方面から流用さして支払わせていただくわけであります。しかし、ことしは、六〇%去年に比較しまして多額にお認め願ったわけでございますので、実際の見通しは決算して見なければわかりませんですけれども、大体この程度で間に合うのじゃないかと過去の実績から推定しております。それから一番最後は、額が非常に少のうございますが、七百六十七万九千円でございますが、これは調査局の諸君が自分の手持ち資料として図書館のほかの資料とは別に単独で使う資料の経費でございます。これが、一けた違うのでございますが、七百六十七万九千円。こういうのを合わせましたのが三億五百八十七万七千円というふうに相なっております。
○田中寿美子君 そうしますと、三千六百五十一万円という代償金の支払い額ですね、これが民間の出版物に支払われるお金ということになりますね。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) さようでございます。
○田中寿美子君 これは何だか金額としてはたいへん少ない感じで、それがさっきおっしゃった四〇%ないし六〇%の代償金の総計ということになりますね。 その中に郵送料も入っているということですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) そうでございます。
○田中寿美子君 それでほとんどの出版物をカバーしているという、その証拠と言ったらあれですけれども、どこからそういう情報をお得になりますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 全出版の実態をつかむということは、その時期においてはちょっとむずかしくつかめないのでございますけれども、それから一、二年たちます間に、いろいろな書誌類が出たり、報告が出たり、そこの目録が出たり、索引が出たり、そういう確かめる資料が一、二年後にはできるものでございまするから、それら等により精査いたしまして、漏れておるものを追求いたすわけでございます。そのような方法を用いましたあと、大体民間出版物については九〇%をはるかにこす納本ができておるじゃないかというデータが専門家の間に出ておるわけでございます。
○田中寿美子君 小さい出版社の人、あるいは個人で出した人、あるいは限定出版をしたような人ですね、そういう人たちが納本という制度があるということをどうやって知るんでしょうね。その方法を尽くしておいでになりますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) その民間に対する周知徹底につきましては、いろいろ機会あるごとに、図書に関する雑誌とか、あるいはパンフレットその他により、宣伝これつとめておるわけでございます。それで、私らも、最近の経験でございまするけれども、たとえば自費出版したものを図書館に納入するということを非常に誇りに感じまして持参してこられる方も何人かお会いしたわけでございます。ですから、こういうことを周知徹底すれば、必ず喜んで納本をしていただけるのじゃないかと思っております。
○田中寿美子君 そういうことを周知させる方法を、私、もっとほんとうに積極的に講じなければいけない。とても、私、三千六百五十一万ぐらいですべての民間出版物を収集できるというふうにはちょっと考えられないんですね。これは積極的にそういう制度があるということを知らせる必要があると思います。 それから先ほど職員が調査に回るというようなお話がございましたね。それは、どういうふうにして回っているんですか。どのくらいの人数で、どのくらいの地方を年間に回っていらっしゃるわけでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 図書館の中におきましては、三名ないし四名ぐらいの職員が常に担当をきめて調査をいたしております。外に出張いたしまして周知徹底方をはかる職員もおります。むろん旅費をいただいてやっておりますが、本年度は十名で二十県を回っております。もうこの二、三年の間で全国を回ったかと思います。
○田中寿美子君 本年度って、四十七年度ですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) そうでございます。
○田中寿美子君 十人で二十県、どのくらいの予算が入っておりますでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 一年に四十万円程度でございます。
○田中寿美子君 まことにそれは少ないですね。出版物の数は、いま非常に多うございます。十人で四十万円ぐらいでしたら、十人が一回出て歩くぐらいでしょうね。とても、私、国立国会図書館のこの遠大なる理想のもとに民間の出版物を収集する方法としては、これは非常に不十分だと思いますね。東販や日販を通してくる大どころのもの以外のものに、たいへんいいものがあるということや、研究者にとって非常に必要なものがあるということを考えていただいて、国会から予算のとれる図書館でございますから、ですから、ぜひもっと志を大きく立てていただいて、さっき周知徹底とおっしゃったけれども、それもいろんな方法を考えていただかなければいけないけれども、また、職員が実際に地方を回って、そういう情報を収集して来るということも非常に必要だし、将来、最初に申し上げましたような図書館の使命とか、図書館というものをシステム化していくときには、私はたいへん大きな役割りを果たすべき人たちが国会図書館にはいらっしゃると思うのですね。そういう意味で、地方からの収集のための人員とか旅費とかというのは、もっと大幅な増額が必要ではないかと思うのですけれども、いかがですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 御注意をいただきました点については、私も同感でございますので、将来の問題として大いに努力いたしたいと思います。
○田中寿美子君 さっき、専門にそういう地方あるいは小さな出版社あるいは個人出版の収集に当たっている人がいると言われましたけれども、それは専門の職員というものがきまっているわけですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 担当官はきまっております。
○田中寿美子君 きまっています……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) きまっております。
○田中寿美子君 私、相当のそういう収集専門の職員が必要だと思います。さっき十人とおっしゃいましたのは、その十人が専門の職員ということでございますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 収書部に属しておる者でございまするが、三名のうちの一名は古書を専門に、それから一名は新刊図書、それから一名は官公庁出版物と、こういう手分けをいたしております。
○田中寿美子君 三人ですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ええ、三人です。館内におるのは三人でございます。
○田中寿美子君 館内にいるのが三人で、館の外にはどこにいらっしゃるのですか、地方にいるわけですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 地方の府県に出張する職員は、収書部の職員で、余暇を利用しまして回るわけです。館内の事務の繁閑を考えまして出ていくわけであります。
○田中寿美子君 つまり、館内にいる専門の人は三人で、その他の人たちが地方に派遣されて回ると、こういうことでございますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 館内で収書事務をやっております職員が交代で地方に出かける、こういう組織でございます。
○田中寿美子君 館内で収書事務をやっている人が地方に交代で回っていくということですね。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) さようでございます。
○田中寿美子君 私、ぜひそういった種類の民間の東販や日販から漏れる図書を収集する専門の人を何人かつくっておいてもらわないと困るというふうに思いますね。そういう点では、国立国会図書館の職員は国家公務員でもないし、国会職員ですね。それで、定員法に何も無理に縛られるわけではありませんのでしょう、いかがですか。だから、増員を要求することもできるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) わが図書館の職員は、広い意味の国家公務員でありまして、狭く申しますると国会職員でございます。それでございますので、政府の定員規則には縛られませんけれども、予算については大蔵省からいただくということでございますので、この点について制約がございます。完全に自由に増員できるというものではございません。
○田中寿美子君 さっき一七%の伸び率だというお話があったんですけれども、ことしの予算はずいぶんみんな伸びているわけですよね。総額でも二十数%の伸びなんでしょう。ですから、図書館の予算はもっと大きくとって、私、これを見て、人件費が七〇%ですから、やっぱり図書収集のほうにもつともっと比率がいくようにとることが必要だと。それから人間も少なくていいということじゃなくて、私が申しますように、そういう専門の職員をふやすということも必要だろうと思います。それで、私いま続いて御質問したいと思っております職員全体の数ですが、図書館の事務というのは非常に繁雑でございますから、だから、十分今後その点を考えなければいけないので、定員法のワクに縛られていないところでございますので、ひとつ館長が大いに政治力を発揮して、強く予算の増額とそれから人員の増のために働いていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) この点につきましては、ここ四十三年に第二期工事が完了いたしましたときに相当数の職員がふえた以後は、政府の削減方針に縛られまして、予算的にもこれは増額になっておりません。しかし、図書館はいろいろ業務が拡充いたしますので、情報量等相当な膨大な量にのぼっておりますので、予算要求はいたしております。ことしは十九名の増員をお願いしましたけれども、財政上の理由でお認め願えなかったということでございます。それで、来年度は図書館運営小委員長、小委員会の先生方の御指導と御鞭撻を得て努力したいと思います。
○田中寿美子君 私、少し人事とか職員の問題に入りたいと思うのですけれども、最初に申し上げましたように、日本における図書館の使命みたいなもの、位置づけというようなものを大きく考えていただきたいと、そういうことについての特別の研究の委員会でも設置して、図書館をやっている人たちですね、図書館の責任のある人たちが研究して、日本の図書館のシステム化というようなことを考えてほしいということと、それから民主的な運営なんですが、私は図書館法を一ぺん研究してみていただきたいように思うのですね。さっきの納入と代償の制度というのは、もうちょっと民主的なやり方があるんじゃないかというふうな気がするのですけれども、これも研究課題にしていただきたいと思います。 そこで、立法考査局というのは国会議員のためにあるんで、これは十六条ですが、これによりますと、常任委員会に応じて専門調査員を置くというふうなことになると思うのですが、そうでございますか。国会の衆参両院の常任委員会に応じて専門調査員を置いているということになるのですか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 両院の常任委員会、十六でございますか、その各別に調査室が設けられております。そこに職員が十名前後ずつおりますけれども、それとは別個のものでございまして、図書館には立法考査局がございまして、ここに百五十五人の職員が働いております。
○田中寿美子君 専門調査員というのは、これは十何人かいらっしゃいますね。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) わが館におきましては十六人でございます。
○田中寿美子君 この専門調査員というのは、衆参の常任委員会に対して大体一人ずつというような割合で置いているわけですか、十六人。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) この点につきましては、各衆議院、参議院の調査室は、その常任委員会に付属して一つずつ置くわけでありますけれども、われわれの図書館におきましては、国会の常任委員会に付属する制度ではございません。政治行政、法務、外務、文教、財政、農林、商工、国土、社会厚生、労働、それに調査企画室、海外事情調査室を置いておりますが、両院の調査室のように、委員会に専属してトレースするということではございませんが、大かたのアウトラインは、これと対応してつくっておると、こういうことでございます。
○田中寿美子君 大体、それは国会の議員のための調査活動ということを考えての立法考査局だと思いますので、国会の常任委員会が行政機関単位にできておりますね、大体。ですから、この立法考査局の専門調査員も、大体そういう行政機関単位みたいに任命されているのじゃないかというふうに思うので、ちょっと私あれを調べてみましたのですが、大体各省から来ていらっしゃるようですね、そうでございますね。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 大体は行政機構に見合ってつくってはございますが、完全にそういうのと一致しておる、こういうわけではございませんけれども、先生御承知のとおり、最近は各省にまたがっているような大きな問題が出てまいりますので、あながちこの分担にこだわってやっておったのでは仕事になりませんので、各関係調査室が共同でやるとか、それから企画室に担当の職員を各室から集めてこれを総合的に運営していくとか、そういう弾力性のあることをやりますので、私たちといたしましてはこの制度も需要に応じまして考えなければならぬ段階にきているのではないかということは、先生のお考えのとおりでございます。 それで、先生のただいまおっしゃられました、各官庁から来ておるということでございますが、専門員だけにつきましては大体半々でございまして、館内登用が半分でございまして、行政庁から来ておるのが半分でございます。
○田中寿美子君 それは、何かこう申し合わせか何かがあるのでしょうかね。もちろん、私は、この中にたいへん尊敬する方もいらっしゃいまして、いろいろと御指導いただいている方もあるわけですけれども、中には、だいぶ警察畑の方が多いですね。これはどういう傾向なんでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) この点につきましては、もう発足以来二十何年か経過しているものでございますから、館内で勉強した諸君がもう相当充実しておりますので、館内登用がふえてまいったことでございまして、それはこちらの常任委員会の調査室と同様でございます。しかしながら、一面、調査につきましては、行政庁等の関連事項がずいぶん多いのでございまするから、半分ぐらいは行政府から来ておって、そちらの情勢に通じておる専門員が非常に有能な方として能率をあげておるということも事実でございます。その間に調和を置いて職員の人事行政をやっていこうという考えでございます。 それから警察官の出身が多いのじゃないかというふうにお考えでございますが、一、二警察庁出身者を採用いたしました。何と申しましても、各官庁の優秀な人材に来ていただかなければ、先生方の調査の御要求に完全に応じるわけにはまいりませんので、特に各省の局長経験者、優秀な者をいかにして集めるかということが私どもの一大の眼目になっております。
○田中寿美子君 もちろん、私は、官僚の優秀な人たちはたくさんあるので、そこから来られることが全部いけないとは言わないのですけれどもね。これ、みんな、専門調査員というのは、たいへん偉い方ですよね。たいへん格も高い偉い人たちなんですけれども、ですから、よく官庁からどこかの機関に出るときに、天下りと言うんですけれども、ここは天上がりと言うんだそうですね、たいへん地位が高いものだから。それで、その中に、あんまり警察畑の人の数が比率がちょっと多過ぎるように思いますので、今後の御参考に、ぜひこの辺は私たちはいろんな面からの立法考査局の御助力を得たいと思っておりますので、十分にその辺は考えていただきたいと申し上げて、一人一人のことは控えさしていただきます。 時間が進んでしまいますので、次に、国会図書館の女子職員の問題についてお尋ねしたいと思いますが、いま女子職員が全体の中で——国会図書館の職員の総数とか、その中に占める婦人の割合、既婚、未婚の割合なんかが、おわかりになりましたら、ちょっと言ってください。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) わが館におきましては、両院事務局と比較いたしまして、女子職員の数はかなり多いわけでございます。それで、女子の比率は三七%でございまして、大体三百名前後、こういうことに相なっております。
○田中寿美子君 既婚、未婚の……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 既婚、未婚につきましては、女子職員の約三三%が既婚の婦人でございまして、これが百名前後でございます。
○田中寿美子君 ああそうですか。特に女子職員の多い職場はどういうところでございましょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 申し上げます。 機構別に申し上げますと、うちでは、一局六部、大体本館だけでそういうふうになっておりますが、女子職員の多いところは収書部、それから図書の整理をいたす整理部、それから閲覧でございます。それからレファレンスをやります参考書誌、これらに婦人職員が集中しておるようでございます。
○田中寿美子君 女子職員の数は、今年度は増員がございましたでしょうか。最近、増員があったのかどうか。女子職員は、いまおっしゃったようなところは、収善部、整理部、閲覧部、まあ図書館に閲覧に来る人たちに接触する部門と、それから本を運んだりなんかする部門、本を入れたり出したりする部門が多いわけですね。ですから、主としてからだを使う部門が多いと思うのですよね。人数は、女子職員に関しては最近の傾向としてふやす傾向にあったのかどうかということなんです。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 大体、男子職員の定員がこれとか、女子職員の定員が何名という規定はないのでございますが、一般の傾向といたしまして女子職員がだんだんふえていく傾向は事実でございます。
○田中寿美子君 ふえていく傾向でございますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) はい。採用におきまして、優秀なる女子職員が多くわが館を希望いたしますものですから、勢い女子職員の採用が多いようになっております。
○田中寿美子君 国会図書館を利用する人の数、これはどうでしょう。業務量というのは、私、ふえているはずだと思うのですがね。それに対して、女子の職員がおもにこういうところで働いているわけなんですが、業務量とそれから職員の増員との関係はどうでございますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 特に情報量が多くなりまして、購入書籍もふえますものですから、仕事の量はだんだんふえていくことはいなめない事実でございまするが、それからまた、図書館の利用される閲覧におきましても相当数が増加しておりますが、特にこの正月以来新聞紙をわずらわしているような問題等に関連いたしまして、各大学図書館等が閉鎖をしておりましたため、学生諸君がみなわが図書館に集中したような時期がございました。大体の数字で恐縮でございますが、千五百人、それからこれが……
○田中寿美子君 一日……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 一日に千五百人、それから書籍二千五百から三千の出し入れがあるわけでございまして、これが何と申しましてもピークでございまして、これを連日続けられますと、職員に非常なる疲労が加わるわけでございます。そういう事態も正直のところ現出いたしました。これらについては、各部課長、臨時の職員等を使いまして、何とか皆を激励いたしまして、この二月がピークでございましたが乗り切ったようなわけでございまするが、そういう点につきましては、異常な現象でございますけれども、大体年間通して二月、十一月はそういう現象が起きますので、ことしは特に激しかったのでございまするが、これらの点についても、われわれは、ただ急場の間に合わせということではなしに、何とか対策をつくっていきたいと考えて会議を開いて対策を研究しております。
○田中寿美子君 いま、たいへん業務量がふえてきたと。それで、ことにラッシュのときには二千人から三千人が入ってくる。さっき三百十一人とおっしゃったのは、これはもうちゃんと定員の中にいる数ですね。そして、非常にたいへんなときには臨時職員を使ってといまおっしゃいましたけれども、現在、この三百十一人のほかに臨時職員がいるんですか、それとも、この中に臨時職員がどのくらいおりますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいま申し上げました三百十一人は、常勤の職員でございます。それ以外に、時期によってずいぶん違いますが、五十名から六十名の臨時職員が——臨時職員と申しますか、非常勤の職員が採用されておりますが、その中にも女子職員がおることは事実でございます。いま、ちょっと数字がございませんが、女子職員がかなり多いことだと思います。
○田中寿美子君 それで、たいへん業務量が多い、そして、しかも、本を持って出したり入れたりする場所ですね、そこで臨時職員を入れなければならない状況でずうっといるわけで、まあ幾らか繁閑があって、臨時職員の数をふやしたり減らしたりしていらっしゃるんだと思いますけれども、これは、さっきから定員はふやさない方針できていらっしゃるんですけれども、実際問題として人員が必要だというふうにお考えになりませんか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 臨時の非常勤職員につきましては、これはわれわれ普通使っておることばでございますが、限時的職務といいますか、時を限ってその仕事が終わるような性質のもの、そういうところには、非常勤職員を使っておるわけでございます。こうして、一般の閲覧とかという点につきましては、私どもといたしましては、どうしても常勤職員でやっていかなければならないのじゃないかと、こういうふうに考えておりますが、急場の間に合わせということでたまたま非常勤職員を使ったという程度でございますが、理想としては常勤職員でまかないたいと、こう考えております。
○田中寿美子君 だから、常勤職員でまかなうためには、私は、相半程度、非常勤の職員を常勤化しなくちゃいけないと思うんですよ。これは、私、ちょっと図書館を利用している人から聞きましたけれども、まだ図書の整理ができないでたいへんなんだそうですね。ですから、きちっと整理して、さっき最初に申し上げました図書館というものがその使命を果たすためにシステム化するとすれば、持っている図書の整理というものがきちっとされなければいけないわけですから、そういうことから考えても、私は非常にたくさんの職員が必要だと思うのです。非常勤でやって、ある一定の期間で終わったら、もうそれはやめてというような仕事もあるかもしれません。しかし、全体として常時非常に女子職員に無理がいっているという状況であるように思います。その中で、既婚者がさっき三三%だとおっしゃった。その既婚者の中で出産する人があるわけです。その産休をとる人というのは、一体、年間にどのくらいございますでしょうか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 既婚婦人が約百名前後おりますが、この婦人の方の出産は、年に、最近は十五名から二十名毎年あるわけでございます。大体十七名程度が普通でございます。
○田中寿美子君 そうしますと、仕事のほうでも非常勤を入れなければならないような状況、そこへ出産すると産休をとるわけです。その産休をとる間は、その人たちがいなくなるわけですから、それに対しても手当てをしなければなりませんね。どうしていらっしゃいますか。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) この件につきましては、田中先生のほうがもう御専門の方であると思いますが、私どもといたしましては、産休で休む職員のかわりに代替要員を採用しなければならないことは当然でございますが、先生御承知のとおり、いま、わが国の予算等につきましては、そういう名目で予算をちょうだいいたしておりません。御承知のとおりだと思います。それでございますので、庁費からこれを支弁いたして、ほかの費用を差し繰りいたしましてこれをまかなっているのが現状でございます。私は寡聞でございますけれども、そういう予算をもらっておりますのは教育界だと思いますが、ここに御専門の方が見えておられますから、その方からお聞き願いたいと思いますが、そういうわけでございまして、ことしも大蔵省から特段にいただいた庁費をまかないまして何とか代替要員の期間を長く採用いたしたい、こう考えております。
○田中寿美子君 だんだん時間がなくなってきましたので、私のほうで調べた程度でお話を進めたいと思うのですが、産前、産後十二週間の休暇をとっていらっしゃる。それの代替要員が必要なんだけれども、それはもらっていない、その予算はないので、また、そういう制度もないので、庁費の中からやりくりして、いままで四週間分ぐらいの代替要員を入れていらっしゃったと。そうしますと、そのあとの分はまたほかの人たちにしわ寄せがいくわけですね。よけい女子職員がみんな過重労働になっていくわけなんです。それで、ことしは十二週間分代替要員をほしいということを要求なさいましたのでしょう、大蔵省に。大蔵省は、これに対して認めていないというふうに聞いているわけなんですが、館長は、今後もこれを要求していらっしゃる方針であるかどうかということと、大蔵省の方がいらっしゃったら、この十二週間というのは、これはもう労働基準法上の権利の時間でもありますから、その方向に向かって庁費をふやすということを言っていただきたいのですが、いかがですか。館長の決心と両方……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 婦人職員を多く使う立場からいたしましては、何か制度としてこういうものをちゃんと認めていただいたほうがけっこうでございましょうけれども、いまのところはそういうものがないのでございますので、六週間要求をいたしましたが、表向きに明らかには認められておりません。
○田中寿美子君 やみですね、つまり。使ってもいいということ……。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 庁費を何とかやりくりしてことしはやっていこうと、こういうことでございます。
○田中寿美子君 それで、ことしは何週間分ぐらい……
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 大体の計算で言うと、六週間から七週間ぐらいは出そうかと担当者間で相談しておりますが、その程度で処理をいたしたいと思います。
○田中寿美子君 では、やっぱり大蔵省……。
○説明員(海原公輝君) お答えいたします。 産休の代替職員についてのお尋ねでございますが、現在、これは、病院、療養所等、いわばベッド数に比例したところの看護婦でありますとか、これはまあ日常の介護を要するためという理由かと思います。それから小・中・高校の教員、これは、女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律と、こういうようないわば制度的に裏づけのあるものについてだけ認められているわけでございます。したがいまして、図書館につきましては、ほかの一般行政官庁、たとえば、支部の図書館等も各行政官庁等にもございますわけでございまして、それとの権衡上の問題もございますので、いまだ制度化はなされていない、こういう現状でございます。他方、それにかんがみまして、アルバイトの賃金、これは庁費の中でございますが、四十七年度におきましては一千七十三万六千円というものを、四十八年度におきましては約倍の千九百三十三万二千円を計上いたしております。したがいまして、こういう経費を活用いただきましてそれに対処していただきたいと、かように思うわけでございます。
○田中寿美子君 それに対処してほしいという意味は、それを使ってもいいということだと思うのですけれども、それが十二週間分はないという状況じゃないかと私は想像するわけです。いまそれを議論しておりますと時間がなくなりますので、それで、私、いま申し上げたいのですが、この問題は、実は三月に衆議院のほうでも社会党の安宅さんが追及なすったわけです。女子職員が働く場合に、女性というのは母性を持っておるのはあたりまえのことでございますから、ですから、母性を保護するという立場から、産前、産後休暇を保障するというようなことは当然のことなんで、それで、学校の先生方が産休補助職員という制度を一番先にとられて、それからこれは働く婦人全部に広げていかなければならないものだというので看護婦さんのほうに広がっていったわけで、これはすべて働く女性には好もしいことだと私は思うのですが、相当の過重労働でそうして事務局もふえていっている中で国会図書館の女子職員がオーバーワークをしている。そういう中で、また産休で休む人があった場合に、代替職員がなかったらもっとひどいオーバーワークになる。そこで、一つは、私は、さっきの臨時職員ですね、非常勤の職員の常勤化をできるだけするように努力してほしいということ。ということは女子だけじゃない、両方を通じて図書館の職員の数をふやす方向に努力してほしいということ。それから女子労働者の場合には母性があるのですから、産休に関して補助職員をとるという方向に向かって大蔵省への折衝と同時に、大蔵省もその方向で予算をふやしていただかないことには、幾ら原則は認めても実用化されませんですね。ですから、大蔵省のほうがそこのところをもっと考慮してほしいということでございます。それについては、大蔵省の主計官なら相当の権限があるわけですから、だから、ちょっともう一ぺんきちんと今後どうしましょうということを言っていただきたい。そのあとで、私は、労働省の婦人少年局長にわざわざおいでいただきましたのは、昨年、勤労婦人福祉法という法律ができて、あんなものは宣言法で何にもならないんじゃないかと言われたけれども、でも、あれによって、人事院が妊娠中の女子職員のために取り計らいをして、勤務時間中に診察に行ったりするような時間を入れさしたり、いろいろと配慮を与えているわけなんですね。ですから、国家公務員の中でも特別の国会職員という立場にある者は、労働基準法の適用をそのままずばり受けない、あるいは人事院の規則もそのままには受けられない、準用されるという立場にあるので、私は、婦人の地位を守ったり、母性を守る立場にある婦人少年局長に、皆さんに向かって、そうしてほしいということを督励してもらいたいと思って来てもらったわけです。 ですから、まず大蔵省のほうからそれを言っていただきたいと思います。
○説明員(海原公輝君) 重ねての御質問にお答えいたしますが、先ほど申し上げましたような一つの制度化への困難さということはあるいは御理解いただけたのかと思います。それと同時に、先生重ねての御質疑でございますので、予算の時点におきましては、先生の御意見を念頭に置きまして事務的にお話し合いをしてみたいと、それが私の言い得る精一ぱいのところでございます。
○田中寿美子君 最初から聞いていていただいたかと思いますけれども、国立国会図書館の予算の伸び率は一七%ですね。ことしはもうたいへん全体の予算が二八%ぐらい伸びているのに、図書館の予算が少ないというのは、たいへん謙虚に過ぎたと思います。で、さっきから申しますように、図書の収集費なんていうものをもっとたくさんして、購入費あるいは収集費、そこの人員も私は足りないと思います。予算も足りないと思う。それから婦人職員に対する配慮という点からも、これはどうしても人員がなければできないことですから、それで、国立国会図書館の使命というのは、ものすごい遠大なものなんですね、最初に私が読み上げましたように。日本の民主化を進めていくというような非常にすばらしい目標を持った図書館なんです。こういうところで働く人に対して、私は主計官はせめて平均だけふやしたって違うと思いますよ。ぜひ積極的な姿勢をとっていただきたいのですが、いかがですか、もう一ぺん。
○説明員(海原公輝君) 伸び率のお話が出ておりますが、ことしの予算のときにおきましては、やはり、円問題その他の関係もございまして、国内需要喚起ということで、公共事業あるいは社会福祉というような関連が非常に伸びているわけでございまして、国会図書館が、まあこれはいろいろ御批判はあろうかと思いますが、そういったものを除きましたいわゆる事務官庁で伸び率が低いか高いかということになりますと、私は決してそう低いところではないのではないかと思っております。ちなみに、図書購入費について申し上げますれば、前年度対比で二〇・六%伸びているわけでございます。しかしながら、絶対額がまだ些少ではないか、国の予算全体との関連という先生の御意見もございましたので、この質疑には私はずっとおりましたので、先生の御発言すべてを念頭に置きまして来年度の問題として考えてみたいと、かように思います。
○田中寿美子君 それで、もう一点、それじゃ念を押しておきますけど、いま、ことしのあれは、福祉とか、それから経済の点から考えた方面をうんとふやしたんだとおっしゃったけれども、さっき申し上げましたように、図書館というものの使命は福祉社会に非常に必要な大きな使命があるんだということをもう一ぺん今度認識変えていただきたいと思うのです、主計官ね。 それじゃ、すみません、長くお待たせしましたけど、婦人少年局長にお願いします。
○政府委員(高橋展子君) 先生も御指摘なさいましたように、勤労婦人福祉法におきましては、勤労婦人というものの特質といたしまして、婦人はもちろん働き手であるということ、同時に、次の世代を育てる母性を持ったものである、この二つの役割りをあわせ持つのが勤労婦人であるというようなことを明らかにいたしております。そして、そのような特質を持つ者であるから、勤労婦人というものは、その母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むことができるように配慮されるべきであるということをその法律の第二条「基本的理念」で明らかにいたしておりますところでございます。でございますから、一般的に申しまして、勤労婦人が産前、産後の期間中に安んじて休業できるような、そのような環境を確保するために必要に応じた条件の整備が行なわれることは、これは勤労婦人の福祉増進の観点から非常に重要で望ましいものであると考えます。このことは、もちろん、全産業あるいは全職場の婦人に関して言えることでございまして、政府機関で働く女子職員についても全く同様であると考えます。
○田中寿美子君 いま、高橋局長ね、産休の代替職員の問題について議論していたのですので、そのことについてと、それから、私、もう時間がなくなったから議論を省いたわけなんですけれども、国立国会図書館の中には婦人の課長が二人いらっしゃいますね。ですから、婦人はたいへん高い地位にあるかのように思われがちですけれども、必ずしもそうではないんで、女性の全体としての職場というものは、大体一定の、わりあいに低いところにたまっているわけですね。こういう差別の問題も実は議論したかったのですけれども、時間がなくなりました。それで、昨年勤労婦人福祉法をつくるときに、職場における男女差別ということがないようにするべきであるという点もずいぶん議論になった点でございますので、その点と、いまの産休補助職員の問題について意見を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋展子君) 女子職員が産前、産後で休業している間に、それにかわる職員を充てるという産休女子職員の考え方は、これはもちろんその出産をした女子職員が安んじて休めるというために非常に必要な措置であろうと思います。その具体化のしかたにつきましては、これはそれぞれ職場でいろいろなやり方があろうかと思いますが、とにかく、その者にかわる者が充てられて、その者にかわって仕事を行ない、それによって出産した者が安んじて産前、産後の期間中休業できるようにするということは、いかなる職場においてもたいへん大事なことであると思います。 それからもう一つおっしゃいました差別のことでございますが、これは、御指摘のとおり、同じく勤労婦人福祉法の基本理念の中に、性別により差別されることなくその能力を有効に発揮することができるようにということが明記されているところでございまして、おっしゃるとおり、女子が女子であるということのゆえに差別されるということは、これは慰めがたいことであると思います。ただ、先ほど御指摘のありました、女子の職業上の分布と申しますか、女子が比較的高い職につかないという点につきましては、これは女子の職業教育の程度であるとか、あるいは女子の勤続期間の短さであるとか、いろいろな要因も重なるかと思いますが、しかし、同時に、女子に対するところの有形無形の差別的な考え方あるいは慣習が作用していないとも言いがたい点があるかと思われます。それで、私どもといたしましては、広く女子に対するそのような差別的な扱い方あるいは考え方を改めて、女子が働き手として十分にその能力を発揮できるようにするため、広く啓発活動等を行なって、事業主あるいは女子に対してそのような事態の解消のための意識の啓発を行なうとともに、また、女子自身が職業の能力を高めるための機会、すなわち職業訓練というような機会の拡充、さらには女子教育の充実の促進等にも努力をいたしているところでございます。
○田中寿美子君 それじゃ、これで終わりますけれども、館長、どうかひとつきょう申し上げましたことをよくお考えいただいて、意欲を持って、来年度に向けて、図書館自身のあり方にも、また図書館に働いております、きょうは女子のことだけ申しましたけれども、すべての職員の問題について、大蔵省折衝にはうんと力をふるっていただきますようにお願いいたします。主計官にもよろしくお願いいたします。それじゃ終わります。
○峯山昭範君 それでは、ただいま国会図書館、特に図書館行政について種々質問がございましたけれども、私も初めに図書館行政全般について質問をしたいと思います。 きょうは政府のほうから官房副長官においでいただきましたので、初めに官房副長官にお伺いしたいのでありますが、この図書館行政というのは、私は日本の国民にとりましては非常に重要な問題だろうと思います。何といいますか。図書館にも国会図書館もありますし、公立図書館あるいは大学の図書館、学校図書館等、種々ありますが、その貧弱という点については、もうかねがねからいわれております。そこで、私は、国民の文化的水準の向上というような点から考えまして、どうしても図書館の充実という問題は非常に重要な問題であろうと思います。そこで、政府の図書館行政全般に対する姿勢を初めに官房副長官にお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山下元利君) ただいま御指摘の図書館行政のあり方につきましては、お話のとおり、政府といたしましても、国民の文化的水準の向上等の観点からいたしまして、きわめて重要なものであると考えておりますので、それぞれ各法律がきめられておりますが、その法律の精神に照らしまして、今後とも図書館の充実をはかりまして、国民の教育と文化の発展に寄与する方向で努力いたしたいと考えております。
○峯山昭範君 いずれにしましても、政府の図書館行政については、全力をあげて取り組んでいただきたいということをきょうは質問の初めに申し上げておきたいと思います。 そこで、初めに、きょうは文部省のほうからもおいでいただきましたので、文部省のほうに二、三、学校図書館等も含めまして、図書館行政の問題についてお伺いしておきたいと思います。 文部省が、いまの上野の図書館の前身であります書籍館ですか、これを湯島に設けましてからことしでちょうど百年になるわけでありますが、私の手元に、昨年、日本図書館協会が編集しました「図書館白書」というのがありますのですが、これによりましても、わが国のいわゆる図書館活動の貧弱さというのがあらゆる点であらわれております。そこで、たとえば例を図書館の蔵書の数にとってみますと、人口千人当たりの図書館の蔵書の数は、わが国の場合、デンマークのわずか七%にすぎない、そういう実情であります。国民総生産が世界で二番目といわれるような非常に経済成長を遂げたわが国にとりましては、この図書館の活動という面からいいまして、まことに貧弱であろうと私は思います。そこで、この図書館行政の貧弱という問題について、文部省は直接の担当部門でございますが、この点をどういうぐあいに考えていらっしゃるか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(今村武俊君) 図書館、特に文部省が所管いたしております公立・私立の図書館が、蔵書冊数あるいは貸し出し冊数等において諸外国に比べて貧弱であることは、計数上御指摘のとおりでございまして、かねがね承知いたしておるところでございます。なぜこのような事態になったかということでございますが、基本的には図書館の、利用に関する小・中学校のころからの、あるいは家庭教育としてのあり方が諸外国と違うという点があるのじゃないだろうかという感じがいたしております。しかし、そういう過去百年の沿革的なものを申し上げるまでもなく、現在の時点で申しますならば、図書館の数が少ない、図書館に関する財源措置等が足りないこと、いろいろな関係が重なり合いまして、図書館に行きましても、自由に利用できるような図書がないということが悪循環いたしまして、図書館の振興が非常に妨げられている状況があらわれている、かように感じております。
○峯山昭範君 諸外国とは事情が違いましても、現実の問題として、一応図書館行政そのものについては百年の歴史があるわけですね。そういう点から考えましても、諸事情を考えましても、まだまだ貧弱じゃないか、こういうぐあいに思うわけです。この点は、きょうはこれから順次質問をやりながらいろいろと具体的にお伺いしていきたいと思いますが、そこで、きょうは図書館長にもお見えいただきましたので、国会図書館長として、図書館行政の大元締めでありますから、そういう点から考えましても、国会図書館そのものが、国民と国会図書館のあり方という問題についてもやっぱり図書館長としての考えがあると思いますので、この点もちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) ただいま峯山先生がお述べになりました図書館の元締めというおことばでございますが、わが国立国会図書館は館法にきめられておるわけでございまして、館法の前文等も先ほどから問題になっておりまして、その使命にかんがみまして、私といたしましてはその責任の重夫を痛感いたしております。しかしながら、図書館全部の行政につきましては、これはまた別個の問題でございまして、私たちの図書館は国立の図書館でございますから、いま日本にあります数多くの図書館に対しまして積極的な援助義務を持っております。そういう点につきましては、われわれは十分考えて、大いに予算等もいただいて、積極的に協力をいたさなければ相ならぬことは当然でございまするが、この点について、とかく、ただ国の唯一の国立国会図書館だから、あらゆる図書館に対して命令というような権限があるのじゃないかというようなバックグラウンドで御議論なさる人が多いのでございまするが、私たちはその権限の限度については十分認識いたさなければならないわけでございます。それでございまするので、ここにおられます副長官並びに文部省の方々と協力いたしまして図書館行政の運用に当たらなければならないと、こういうふうに考えております。その点、ひとつ御了解をお願いいたしたいと思います。
○峯山昭範君 国会図書館というのは、これは日本で一番充実した内容の図書館であろうと思うのです。これは先ほどから質問がございましたので、できるだけダブらないように質問したいと思うのでありますが、要するに、国会図書館クラスの図書館というのは、日本にどのぐらいあるんですか。
○政府委員(今村武俊君) 国会図書館ほどりっぱな図書館は、一つだと思っております。
○峯山昭範君 それで、これは要するに一つであるということは、私も国会図書館のように充実した内容の図書館というのは確かに一つしかないと思うのですけれども、これは一つでいいのかどうかということになると、これはまた話は別であろうと私は思うのですが、そこら辺のところはどうですか。
○政府委員(今村武俊君) 国会図書館法に書いてあるような機能を十分果たしていただきますならば、すべての図書館の元締めとなる図書館は一つでよろしいのじゃないかと考えます。
○峯山昭範君 そうしますと、確かに国会図書館のような図書館は一つでいいと。そこで、それじゃ、それにかわるものとして要するに図書館が図書館としてのほんとうの機能を果たすためには、どうしたらいいですか。ここら辺のところはどうですか。
○政府委員(今村武俊君) 図書館が図書館としてのりっぱな機能を果たすためには、図書館がなるべく住民の身近にあって、そして検索する書類がインデックスがよく整備されていて、総目録が整備され、ある一カ所の図書館でさがしてそれがないような場合に全国のサービス網の中からどこからでも検索されてデータがなるべく早い機会に届けられる、そういう仕組みになっておるようなサービス網を担当する人、資材、そういうものが整備されておるということが一番望ましい形態だと思います。
○峯山昭範君 いま局長さんおっしゃるとおり、私もそのとおりであろうと思うのです。実は、国立国会図書館に私も先日行ってまいりまして、国会図書館が非常に苦労して先ほどのインデックス、目録をつくっていますね。これは、確かに、いまおっしゃったように、自分のところの図書館にはなくとも、隣の図書館にあるとか、書籍の交換いう問題は非常に重要であろうと思うのですね。ですから、図書館活動のほんとうに重要なポイントの一つに、やっぱりそういうような蔵書の利用のされ方というのがあると私は思うのです。そこで、何ぼ本がたくさんあっても、どんどん利用するところにはその本がない、使わないところにたまっているというのでは、どうしようもないわけですね。いわゆる死蔵されておったら、もうほんとうに役に立たないと思うのです。そこで、確かに、日本では、何といいますか、本の数にしても、また大学図書館の数にしましても、それぞれたくさんあるわけですけれども、先般から私も国立国会図書館からいただいたその蔵書の目録、、公共図書館あるいは大学図書館のこんなすごい厚い目録がございますね。しかし、あの目録を見ますと、洋書にしても何にしましても相当いろいろな本がある。ところが、実際局長さんももう御存じだと思うのですが、いわゆる「図書館白書」というのを見ますと、要するにこういうことが書いてあるわけです。「図書館白書」には、特に大学図書館の根本的な問題として大学図書館の閉鎖性があげられる。目録にはよけい書いてあるけれども、本の交換というのは全然ない。要するに、自分のところの知り合いの大学、自分が卒業した大学、あるいは関係のある大学には行って本を借りるけれども、そうでない大学は全然本は借りない。要するに、そういう問題が非常に問題になって、最近では医学部門では多少交流が行なわれているという話も聞いたのですけれども、現実の問題としては、国立大学で国の予算で本が買われているわけです。ところが、実際問題としては、もうほとんどよその大学には本を貸さない、こういう実情にあるわけですね。ここら辺のところについては、これは何とかやっぱり手を打たないといけないし、図書館行政のポイントにも私はなると思うのです。もしこういうことをやらないなら、国会図書館と同じようなすごい図書館を——国会図書館は、どういう人が借りに行きましても、これは貸してくれるわけです。どんな資料でも見せていただけるわけです。案外自由に出入りができる。ところが自由に出入りできないいわゆる大学の図書館というのが全国にある。しかも、国立の大学がこういうことじゃどうしようもないわけです。そういう点から考えて、ここら辺の問題についてはどうお考えか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(今村武俊君) 私、社会教育局長として担当いたしておりますのは、都道府県・市町村の設置する公立の図書館、それから私立の図書館でございまして、大学の図書館につきましては、大学の担当の課長が見えておりますので、その報告を御聴取いただきたいと存じます。
○説明員(吉川藤一君) ただいま国立大学の附属図書館の一般の方々に対する利用の点につきまして峯山先生から御指摘がございました。確かに、国立大学の附属図書館は、一番初めの目的としましては、国立大学における教育及び研究活動をささえるために図書その他の資料を教職員及び学生の用に供することを目的として設立されておりますが、文部省といたしましては、なるべく一般の方々にも門戸を開放することを考えて指導もしておりますし、それからただいま御指摘がありました大学相互間の相互利用につきましてもなるべく門戸を開くようにしたいというふうに考えておるわけでございますが、しかしながら、現状といたしましては、御指摘の点もございましたように、国立大学の図書館は、数字で申しますと、全国平均で約三百名程度の方々が一般者としてはその館を利用しておる状況でございます。ただし、大学図書館相互の利用関係におきましては、特に最近におきましては、学術雑誌のコピーを提供するという仕事は、一年間に約八十万枚程度のサービスをしておりまして、その点につきましては従前よりも進歩が見られるのではないかと考えております。
○峯山昭範君 いま課長さんがおっしゃる意味はよくわかりますけれども、これは一般に門戸を開放するということをおっしゃっていますけれども、一般の人なんて、もうてんでだめです。現実の問題として私たちが議員として行けばまた何かあれがあるかもわかりませんけれども、とてもじゃないけれども一般の人が行って貸してもらえるような状況じゃないわけです。三百名というのは、これは何ですか。全国で三百名ですか。この実績、これは何ですか。
○説明員(吉川藤一君) 国立大学関係の四十四年度の調べでございますけれども、その報告によりますと、全国で三百……。
○峯山昭範君 まあいいや。大体そんなもんです。だから、一年間にですね、全国に大学は幾つあるんですか。大学にはみな図書館はあるわけでしょう。全部ありますね、大学には大学図書館が。そうでしょう。そうすると、たった一般の人に貸し出している分というのは三百人。昭和四十四年でそうですから、現在はふえておるんですか、実際問題。
○説明員(吉川藤一君) 昭和四十四年度の利用状況を申し上げますと、一年間で学外者として国立大学の図書館に入館した者は約六万七千人ということになっておりまして、したがってこれは平均で各館で申しますと、一年間に二百数十名ということになるわけでございます。
○峯山昭範君 ですから、いずれにしましても、大学図書館を利用する一般の人数というのは、この現状からもう一歩前進した、要するにもう少し開放したほうがいいんじゃないか。当然、国立国会図書館にしましても、それぞれ設立の趣旨はあるわけですから、それを妨げない範囲内で一般にも開放するという、やっぱり国会図書館でも法律上きまっていますね。それと同じように、大学でも、もう少し開放したほうがいいんじゃないか。 それと、もう一つは、いま学術雑誌の交流については多少やっているような話がありましたけれども、要するに、学者同士でもなかなかそういう点がうまくいかないということが最近非常にいわれています。私たちのところにも現実に大学でも一番ひどいのは東大だという話を聞いているんです。これは学部ごとにセクションがあって、とてもじゃないけど学校全体での管理なんというのはうまくいっていないという話を私は聞いたことがある。どうですか、ここら辺のところは。
○説明員(吉川藤一君) いま先生から御指摘のございましたその点につきましては、国・公・私立大学、要するに研究機関にあります図書雑誌の利用のしかたにつきましては、御指摘のとおり、従前は、大学の図書館の中よりも、むしろ講座研究室のほうに実際の蔵書があるというような実態がございまして、一般の方々に利用させる体制としては非常に不都合な点があるわけでございますが、最近、研究者及び学者の中にもその点を改善するという必要があるということで、これは特に最近情報の量がふえておるものでございますので、一定の制約された財政的規模の中ではかなり網羅的に収集することも困難なような状態になっております。したがいまして、文部省といたしましては、現在、学術審議会の中に学術情報分科会というのがございまして、そこで日本の中に世界で生産されるようなそういう学術的に貴重な図書雑誌をいかに収集して学者の間でそれを利用するかという体制についてもう一ぺん再検討すべきであるというので、いま、検討が行なわれているところでございます。
○峯山昭範君 まあ、いずれにしましても、そういうふうな実情が非常にまずくて、やはり何とか検討しようという段階にきているということはよくわかりました。 そこで、今度はちょっと方向を変えまして、公立図書館の話にいきたいと思うのですが、公立図書館も私はいろんな問題点がずいぶんあると思うのです。この「図書館白書」をずっと見てみますと、もう問題点だらけで、あまりこまかいことを言っている時間がないのですが、 〔主査退席、副主査着席〕 要するに、公立図書館のない市が全部で二百五ですか、白書によりますとそうなっております。それから町村に至っては、もうあるほうが八%で、ないほうが九二%、そういうふうな状況なんですが、この公立図書館については文部省はどうお考えなんですか。
○政府委員(今村武俊君) 公立図書館の整備の状況は、先生の仰せられましたように、非常に未整備な状況でございます。具体的に申しますと、市のうちで六六・二%、町では一〇・一%、村では二・五%が図書館というものを持っておるという現状でございます。しかし、図書館という営造物の形は持たなくても、町村にはあまねくございます公民館の図書室等が、館という独立の形をとりませんけれども、図書サービスという意味では役に立っておる面がございます。 ただ、私どもとしては、とは申しますものの、図書館が非常に未整備であって、社会教育の関係で微力でございますので、ここ数年の間、図書館の建物の建築費について補助金を増額しております。四年前は六千万円でございましたが、それが次年度九千万円になって、その次の年五億になるということで、ついここ一両年の間に建築費の増額についていささか努力している点でございますが、まだ望ましい状態に比べて考えてみるときわめて微弱な現状でございます。
○峯山昭範君 さらにもう一点、図書館の中でも児童図書館というのは非常に数も少ないと思いますし、これは私は非常に重要な問題であろうと思うのです。この児童図書館というのは、一体、どういうようになっているのか、こういう点についてはどうでしょう。
○政府委員(今村武俊君) 図書館の利用が国民の間によりよくなされるためには、児童の時期から図書館へなじませるということが非常に重要なことでございます。公立の図書館について申しますならば、昭和四十年度、児童室を有する図書館、いわゆる児童図書館と現在申しますが、二百八十でございましたものが、四十五年度には三百八十七となっております。三百八十七と申しますのは、公立の図書館の四三・九%ということで、約半数足らずの図書館が児童のための図書室を備えておるという概況でございます。
○峯山昭範君 それじゃ、さらに今度は学校図書館についてお伺いしたいと思います。学校図書館につきましては、特に小学校、中学校、高校ですが、特に学校図書館法第三条ですかでこの図書館の設置義務がきまっているわけでありますけれども、実際問題として非常に広さが狭い。広さが狭いというとちょっとおかしいですけれども、部屋が狭いというわけですね。とにかく一番多いのが百三十二平米ぐらいの広さであると、こういうぐあいになっておりますのですが、こういう点から見ますと、学校図書館というのは、形だけあっていいというものじゃありませんし、やっぱり広さももう少し充実しないといけない。とにかく、最近は、きょうもテレビ等でもずいぶん放送をやっておりましたけれども、東京都の学校がきょう入学式をやった。そして、いわゆるドーナッツ現象で学校の教室が足りなくなっている。足りなくなってどこを一番先につぶすかというと、図書室をつぶしてそこを教室にしちゃう。結局、図書室がなくなっちゃう。そういうようなのがずいぶん出てきているようですね。そういう点から考えましても、一つは、学校の図書館というのは、これから日本の国を背負って立つ青少年が育つ場所ですね。そういう点から考えましても、どうしても図書室というのは、今後うんと充実していかなきゃいけないのじゃないか。この点、どうですか。
○政府委員(今村武俊君) 小・中・高等学校の関係の図書館につきましては、担当の課長が参っておりますので、そちらから事情を聴取していただきたいと思います。
○説明員(島田治君) 御指摘のとおり、学校の図書館は、小・中・高を通じて今後とも十分活用をはかっていかなければならぬと思います。ただいま学校図書館の面積でございますが、これにつきましては、四十八年度予算におきましても、特別教室等の拡充ということで平均二〇%ぐらいの施設の拡充を行なう、この中で図書館の拡充のことも考えていく、こういうことを現在検討中でございます。 なお、図書の冊数等の設備につきましても教材整備計画の中で図書の冊数増加を行なっている、こういう状況でございます。ただ、年々これは努力してまいりたいと思います。
○峯山昭範君 なんとなくですね。やっぱりもう少し気合いを入れてやってもらわぬとこれはいかぬと思うのですよ。特に、たとえばいま私は図書室の広さが非常に狭いという話をしたわけですけれども、この「図書館白書」によりますと、もう六十六平米以下というのがあるんです、とにかくね。こんなもう話にならぬような広さですね。こんなのじゃ図書室の数にも勘定できないような感じのそういうのも入れての現状なんですから、これはほんとうに何とかしないといけない。しかも、蔵書の話もちょっとありましたけれども、小学校で三千九百冊、中学校で四千八百冊、高校で一万四千冊という数が出ておりますけれども、これはたとえば高校の場合、国が最低基準を半額補助ですかになっていますね。しかし、実際問題として日本の場合は、生徒千人に対して四千七百冊、一人当たり四・七冊ですか、この資料によりますと。アメリカの場合は、千人で一万冊、一人当たり十冊ですね。日本の二倍以上になっています。こういうような実情から見ましても、図書室が小さいながらあるというのじゃなくて、もう少し私は図書室を設けると同時に、その内容の充実にもやはり力を入れていかないといけないのじゃないかと思いますが、そこら辺のところはどうですか。
○説明員(島田治君) 御指摘のとおり、本の冊数につきましても、現在、先ほど申しましたが、昭和四十二年度からの整備計画ということで、十年間で目標を立ててやっておるわけでございますが、年々がんばってまいりたいと、こう存ずるわけでございます。 なお、研究指定校等を指定いたしまして、ささやかではございますけれども、図書館の利用と、学習教育課程の中における児童生徒の図書館の利用と勉学ということのからまりを追求していこうと、こういう気持ちでおるわけでございます。
○峯山昭範君 四十二年から十年計画ですか、何かいまやっていらっしゃるのは。
○説明員(島田治君) ええ、教材整備十年計画の中でやっております。
○峯山昭範君 そうすると、現在どの程度を目標にやっていらっしゃるわけですか。
○説明員(島田治君) これは教材整備十年計画という中でやっておりますので、個々の学校につきましてはこの教材の中での割り振りと、こういうふうになるわけでございますが、一応私どものめどといたしましては、標準的な規模十八学級の、たとえば小学校でいいますと十八学級の規模でございますが、図書冊数にして二千冊、こういうことになるわけでございます。実は、小・中につきましては昭和三十二年、それから高校につきましては昭和三十六年度に、一応こういう基準での整備は終わったと、こういうふうになっておるわけでございますが、年々図書というのは更新をし、特に小・中学生の場合は改めていかなければなりませんので、そういう更新ということを含めていまそういう目標を一応のめどとしてやっております。
○峯山昭範君 そうすると、十八学級で二千冊というのは、一人当たり何冊ぐらいになるんですか。
○説明員(島田治君) 一人六冊ぐらいになると思います。 〔副主査退席、主査着席〕
○峯山昭範君 そうすると、まだまだこんな状況じゃ——この十八学級で二千冊というのは、十年計画でしょう、昭和五十二年までですね。
○説明員(島田治君) さようでございます。
○峯山昭範君 そうすると、五十二年がまだ六冊じゃ、ほんとうのところまだまだこれからだと思うのですね。これはやっぱりこれから相当努力してもらいたいと思います。
○説明員(島田治君) そういう数字でございますが、これは現在もほぼそういう冊数としてはあるわけでございますが、更新をしていくと、こういう点を含めて考えておりますが、年々努力いたしたいと思います。
○峯山昭範君 さらにもう一点、私はきょう外務省の方にもお見えいただきましたので、特に外国との情報交換あるいは文献の交換という問題がありますのですが、まず第一点は、日本語の文献ですね、これは大体どういうぐあいにして海外に行っているのかですね。特に、日本語そのままで行っているのか、あるいは日本の文献がたとえば政府刊行物が要するにどういうぐあいに英訳されて海外へ行っているのかですね。または、その英訳する場合に、これはたとえば政府刊行物だけでも全部英訳されて行っているのかどうか。また、それ以外に、今度は日本を紹介するための文献ですね、こういうようなものはどういうぐあいにして海外に行っているのか、そこら辺の状況をお伺いしたいと思います。
○政府委員(加川隆明君) お答えいたします。 外務省としてそういう書籍その他をシステマティックに交換するという確立した制度は実はないわけでございますが、いまおっしちった公の刊行物、これに関しては、昭和三十三年及び昭和三十一年に、公の刊行物の交換に関する日本国政府とベルギー政府との間の取りきめ及びアメリカ政府との間の取りきめというようなもので、政府機関及び公の機関、それから研究所等の刊行物を各一部それぞれ、こちらは国会図書館が受け入れます。向こうは、ベルギーの場合は王立図書館、アメリカの場合は議会の図書館というようなところに送ることになっておりまして、これは現在実施されております。 なお、一九七二年と申しますが、ことしの一月に、日本とソビエトの間で文化交流に関する交換公文、これが取りきめをやりまして、そのときにもそういう趣旨の取りきめがございます。ただし、これはまだ実際には細目取りきめができておりませんので、交換は行なっておりません。 それからお尋ねの第二点の、日本語でやるのか、英語でやるのか、あるいは外国語でやるのか。これは、政府の刊行物のいまの交換取りきめに基づいてやるものは、全部こちらで出たものをそのまま出しております。したがって、特にそれについて英訳あるいは仏訳をするということをやってはおりません。 それから政府の広報としてどんなことをやっておるかというのがございますが、これは広報と文化がちょっと外務省の機構として分かれておりますけれども、文化関係でございますと、大体四十六年度、四十七年度で九百万円ほどの予算を使って、主としてこれは英訳して、いろいろな文献あるいは小説の翻訳等も含めまして外国に在外公館あるいは直接研究機関等に送っております。ことしは、実は、皆さま先生方の御援助で国際交流基金というのをつくっていただきまして、昨年の十月から発足しているわけでございますが、これについては、四十八年度二千三百万円という大幅な増額をいただきまして、この種文化の書籍その他を海外に頒布するということになっております。
○峯山昭範君 実は、私たちが海外に参りまして、これはもう何回か議論されたことでありますけれども、特に日本の紹介ということが、これはもうそういう日本を紹介する文献というものが非常に少ない。特に新しいものが少ない。昔のものばっかりで、そういうふうな誤った認識をしている外国の高官なりそういうのがずいぶん多いわけですね。そういう点からも、私は特に外務省はそういう点にも力を入れてやっていただきたいと考えておりますのですが、そこら辺のところはどうですか。
○政府委員(加川隆明君) まさに御指摘のとおりでございまして、私たちといたしましても、海外広報課というのがございますが、これを中心に、現代のものを大いに翻訳し、あるいはわが国の外交、政治、経済、社会、文化、各面にわたって正しい紹介をするということで、昨年度約三百五十五万部——これは部数でございますけれども——の資料を在外公館を通じて各方面に頒布しているという状況でございます。 いまの先生のおっしゃった、いままでの古いイメージが向こうに伝わるということは、まさに御指摘のとおりでございまして、われわれとしては十分努力してこれを直していきたい、そういうように考えております。 なお、お互いに、教科書の中には、日本の紹介で畳敷きでまげを結ったかみさんが出てくるというような状況がまだございますので、これも特別にそういう機関を設置いたしまして直すようにつとめてまいりたいと思います。
○峯山昭範君 それでは、あと二、三点お伺いしたいと思うのですが、まず図書館長にですが、もう先ほど同僚議員からずいぶん質問がございましたので、ダブる点は全部省きたいと思います。 それで、実は、国会図書館には私は非常に重要な文献がたくさんあると思うのです。そこで、現在の国会図書館の体制からいいまして、もし非常事態のときにはどうするか。非常事態というのは、たとえば火災とか地震ですね、そういうようなことが起きた場合に、現在の図書館の蔵書とかそういうようなものの管理等はどういうぐあいになっているのか、そこら辺のところをちょっと一ペんお伺いしておきたいと思います。 それからもう一点、特に重要文献ですね、そういうふうなもののマイクロ化等についてはどうなっているのか。この二点をお伺いしておきたいと思います。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 非常時の対策につきましては、建設の当時から配慮いたしまして建物の配備を計画しております。この点につきましては、いま総務部長が消防の担当官でございますので、総務部長から答弁いたします。
○国立国会図書館参事(鈴木平八郎君) お尋ねの非常時の対策でございますが、まず、地震の場合などを想定いたしまして、いまありますあのわが国立国会図書館の建物は、建設時にいろいろ技術者の知恵をしぼりまして、関東大震災級の震災に対して十分安全であるという計算で、そのような構造で建てられておるわけでございます。でございますから、まあたいていの地震の場合はだいじょうぶではないかというふうに思っております。 また、地震がありますと、停電がございましたり、あるいは断水をいたしましたり、電話が不通になるというようなことがございますけれども、それぞれに配慮をいたしまして、そのようなことはまあ一時的にはあるかもしれませんけれども、地震のあとすぐそういうものが使えるような配慮をいたしております。 また、火災につきましては、普通の事務棟の周辺などにおきましては自動火災報知設備がございます。これはまあたいていどこでもあるようなものでございますけれども、書庫などは、こればいま先生が御指摘のように非常に重要な資料を貯蔵しておるところでございまして、特に火災の対策について私どもは意を用いているわけなんでございますが、この書庫の中では、火災が生じたというような場合に、水によって火を消すということはできません。重要なものが水浸しになるというようなことがございますので、炭酸ガス消火設備、こういうものを備えておりまして、一たん火が発しますれば、すぐその個所に炭酸ガスが放出されるというようなことで火を自然に消すというような設備をとっておるわけでございます。 大体そのようなことでございます。 マイクロ化について申し上げます。 御指摘のように、図書館には非常に重要な資料がたくさんございます。たとえば、新聞などにつきましては、幕末のころ発行された「官板バタヒヤ新聞」だとか、あるいは慶応元年に出ました「ジャパン・タイムズ」だとか、そういう古いものから現在に至るまで、相当重要な資料がございます。それから図書その他につきましても、重要文化財というものに指定されておるものから、また、主として明治以降の国民の文化財の蓄積というようなことで、非常に重要な資料がございます。そういう資料をいろいろ閲覧者の方が参って閲覧いたすわけでございますが、そういたしますと、どうしてもこわれるというようなことがございます。あるいは、古いものは、紙質がだんだん悪くなっていったりいたしまして、ページをまくりますと紙自体が折れるというようなこともございますので、なるべくそういうようなことを防ぐために、そういう重要なものからマイクロフィルムにとりまして、そういう重要なものの閲覧に対してはマイクロフィルムをお見せするというようなことを考えておりまして、着々進行さしております。 たとえば、新聞につきましては、いま国立国会図書館にございます新聞のページの数は、大体推定七百万ページということでございますけれども、数年来いろいろ財政当局の御援助によりましてそういう事業も進行いたしておりまして、いまのところ百三十万ページぐらいそのマイクロ化が進行しております。 それからいま申し上げましたそのほかの資料につきましては、先ほども申し上げたように、いわゆる貴重書、そういうものから順次マイクロ化にいたしていきたいということでございまして、これも昨年度から着手いたしまして、本年も同じように予算を計上しておりますので、継続いたしたいと思っております。 そのほか、古い雑誌類などについても、これは本年度の予算に計上しておりますので、そのマイクロ化について進行さしていきたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 私は、時間の関係もありますので、国会図書館関係はこれから言う一問で終わりたいと思うのですが、いま部長さんから答弁がございましたけれども、確かに、私は、国会図書館に非常に重要な文献がたくさんある、日本に唯一のものもたくさんあると思うのです。そういうような面から、火災のときの対策というのは非常に重要であろうと思います。 そこで、火災で重要文献等の保管ということも重要でありますが、そこへつとめている職員の人命という問題も確かに重要であろうと私は思うのです。そういう点は、炭酸ガスをただふき出せばいいというだけのものじゃないと私は思うのですね。職員の人名という点についてもやっぱり十分配慮しなければいけないと私は思うのです。そういう点から考えて、国会図書館としては、非常時にどうするかということについては、何らかの機会にきちっと体制を備えておく必要がある、私はこういうぐあいに思います。この点は、とにかく今後の課題として取り組んでいただきたいと思います。官房長官並びに文部省、国会図書館に最後にお伺いしたいのでありますが、国全体の図書館行政という問題をきょうはずっと質問してまいりました。確かに、国全体の図書館行政というのは、国の予算を使ってそれぞれ図書館を充実しているわけですね。そういう点から考えましても、私はいわゆる図書館の効率的な利用というのは非常に重要な問題であろうと思うのです。しかも、その効率的な利用も、全国的な視野に立って、図書館の利用というもの、また図書館の建設というもの、そういうようなものを考えていかなければいけないと思うのです。 そこで、私が聞いたところによりますと、アメリカでは特に最近はこの図書館問題を全国的な視野あるいは全国的な規模で検討する委員会が特に大統領直轄の機関として発足したそうであります。また、イギリスでも、特に国立の図書館の再編成を意図した委員会がつくられて、その報告書が最近発表されているそうであります。そういう点から考えまして、わが国でも、特に貧弱な、まあまちまちと言えばおかしいですけれども、まちまちともとれるような図書館行政というのが現在行なわれているわけです。そこで、これを全国的な視野で検討し、そして特に国民にどういうぐあいにサービスをしていくか、また、その本の購入というものがどういうぐあいになされていくか、そういう点をこれは特に国会図書館あるいは文部省、内閣が中心になってこういうふうな面の検討をしたらどうか、こういうぐあいに思っておりますのですが、ここら辺のことについてそれぞれ御答弁をお伺いしたいと思います。
○政府委員(山下元利君) 御指摘のとおり、図書館活動を振興し、そして情報の相互連携をはかる、また、国民に対するサービスをはかるということは、まことに大事なことだと考えます。いまのお話の全国的な視野に立っての効率的な利用をはかるために、いろいろ諸外国の例も徴しまして、今後その方向に向かって努力いたしたいと思っております。
○国立国会図書館長(宮坂完孝君) 本件につきましては、私もただいま副長官のお述べになった趣旨と同感でございます。もちろん、行政、司法、立法、諸機関合同の機関でございますので、われわれといたしましても、国立国会図書館法並びに国会職員法の許す範囲で最大限の協力を惜しまないつもりでございます。
○政府委員(今村武俊君) 現在の図書館行政の上で非常に大事なことは、図書館の資料、資源に関する総合目録の作成、あるいは全国の図書館資料の連携、必要な目録一覧表の作成等々でございます。この点について、国立国会図書館法にも、あるいは図書館法にも、それぞれ規定がございますが、国立の図書館と公立の図書館の間にややギャップが感じられるのは残念なことだと思っておりますが、私どもといたしましては、過去二年間、図書館のサービス網をいかにして整備するかということで現在実験的に研究をしておるところでございます。こういう関係をよりよく整備させていかなければならないと考えておるところであります。
○峯山昭範君 それでは、きょうは、国会関係の、特に会議録の問題について二、三お伺いしたいと思います。これは毎国会、衆参あわせまして、この分科会になりますとほんとうに同じような議論が行なわれております。同じような議論が行なわれているということは、全然改善がされてないということにもなるんだろうと私は思うのです。きょうは私は、いままでと同じような質問が二、三重なりますけれども、できるだけ同じ質問をしないつもりでおります。 そこで、初めに会議録ですが、これは確かに国会法あるいはそれぞれの衆参の規則でそれぞれきまっていますね。ですから、その役目なり使命というのは私もよくわかっているつもりなんです。しかし、にもかかわらずこの会議録の問題がたびたび問題になるというのは、やはり私は国会議員が国民から選ばれて、そして国会でいろいろな活動をしている。そうしますと、国会議員がどういう活動をしているかということは、国民にとってはどうしても知りたいわけですね。そういうようなところから、どうしてもやっぱり、本会議の会議録につきましてはこれは官報として始終いろいろなところへ配られますけれども、特にこういうふうな委員会の会議録になりますと、どうしてもこれは部数が足りない、またコンスタントに地方の図書館なりあるいは地方議会等に行かない、何とか地方議会まで配れないかとか、そういうふうな議論が毎年行なわれるわけです。こういうような問題については、これはそういうふうな考え方が出てくるのは、いま言いました理由から私は当然だろうと思うのです。 これは、そういうふうな観点から毎年同じような議論が行なわれている、その理由のもう一つ上に、やはりもう一歩前進した、要するに何らかのあれがなきゃいかぬと思うのですね。たとえばこの国会の委員会の会議録についても、要するに規則なりそういうようなものを多少改正しても、私はこういうような会議録をもう少したくさん印刷をして、そうして国民の目の触れるところに出すようにできないか。こういうように言いましても、これまた同じ議論なんですよ。ほんとうに同じ議論を言うのが恥ずかしいながら言うておるのです。何とかこれ、努力しているんですかね、実際問題。ここら辺のところ、どうですかね。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) ただいま先生の、委員会の会議録の、地方議会といいますか、そういうところへの配付の問題でございますが、昨年も実は鈴木先生から同様趣旨の御提案がございました。ことしは衆議院の予算の分科会におきましても同様の実は提案がございました。御趣旨はよくわかることでございましたので、さっそく両院の事務総長、国会図書館長と協議をいたしまして、大体御趣旨の線に沿う意味で次のような措置をとりたいというふうに考えております。 一つは、なるほど両院の規則には、委員会の会議録は委員のほかに議員に配付するという規定はございますけれども、現在におきましても、議員以外に政府委員でございますとか、さらにそれ以外の各官庁、それから政府機関、それから報道関係、そういうところには配付をいたしておるわけでございますから、これをさらに一歩進めまして、ただいまお話がありましたように、都道府県、それから指定市の議会図書館にこれを送るということでどうであろう。 それからいま一つは、衆議院及び参議院がそれぞれこういうことをやりますのは衆議院及び参議院の性格もございますので、せっかく国会に付置されておりまする国立国会図書館におきましては、すでに地方議会とのそういう交換業務というものも大事な仕事として取り扱っておられることでございまするから、これはまとめて国会図書館の保管業務の一つとしてやっていただく。 それから第三番目には、大体都道府県及び指定市の議会図書館にそういうことでいたしますれば、傘下といいますか都道府県内の市町村、それから一般住民の方も簡単に見れるのみならず、あるいはいま簡単にまたリコピーなどという方法もありますから、必要な人が見れるであろうと、大体そういうふうなことで考えておりまして、ただ、われわれはこれを市町村にまで及ぼす、市町村議会にまで及ぼすという考えは持っておりません。都道府県並びに指定市の議会図書館にやる。 大体そういうふうな構想で意見がまとまっておりまして、実施の時期につきましては、いますでに会期の途中でございますので、次の国会からこれを実行したいということで、すでに衆議院におきましては各党の御賛同を得ておるような次第でございます。昨年からの御提案に対しましては、大体そういうことで御提案に沿って処置したいと考えております。
○峯山昭範君 いずれにしましても、それで私たちがかねがねから主張してまいりました点が一歩前進したわけでありますから、これ以上私は申し上げませんけれども、それ以上に、ほんとはもう少し拡大できるように今後とも努力をしてもらいたいと思います。あまりしつこくは私きょうは言わないつもりです。 次に、会議録の様式の問題ですが、これはいまおっしゃいましたように地方議会へどんどん送られる。衆参の会議録がいきますね。そうしますと一これはもうほんとにむちゃくちゃですね、実際。どこがむちゃくちゃか、まず言います。まず、会議録の名前が違う、名前。わかっていますか。会議録の名前が違う。名前の横っちょへ書いている記号が違う。それから大臣の名前の書き方が違う。これ、ほんとに一つ一つ言いましょうか。全部で十五ありますわ。全部、衆参が違うわけです。こんな状態では、私はこれはもうほんとうに地方にいった場合に、衆参一緒に会議録がいきますよね。恥ずかしいですよ、こんなんじゃ。 きょうは記録部長すわっていますけれども、見えますか、これ。参議院のほうは「第十三部」となっています。衆議院のほうは「第一類第十三号」になっています。これはどういう意味ですか——。記録部長もわからぬ。わからぬのだよ、とにかく、記録部長。それがおかしい。事務総長、よう見ておいてくださいよ。それからその次の「第七十一回国会」と、こう書いていますね。これは参議院のほうです。衆議院のほうは「第七十一回国会衆議院」まで小さい字で書いてある。これは衆参違いますね。その次のでっかいほうの字、「参議院予算委員会会議録」、衆議院のほうは「予算委員会議録」、予算委員——会がないんだ——会議録。「第十三号」というのは、これは参議院のほうが大きいんだ。衆議院のほうはこれは小さい。この横っちょの欄外に「(八一)」とか「(五七)」とかあります。これ何ですか。これは、ページでもないんですよ。これをずうっとめくってみると、そのほかはないんです。この次の十四号を見ると、それは八二になっているかというと二になってない。これもわからぬ。それからまだ、これはようけあるんですね。その次のこの日にち、日にちの次に「午前十時八分開会」になっている、参議院のほうはね。ところが衆議院のほうは「午前十一時三十三分開議」。「議」ですわな。それからね、これが違うんですよ、その次の国務大臣のところ。そのほかまだ違うところがあるんですよ。あともうちょっと違うところを言いますとね、たとえば参議院のほうは国務大臣何の何がし君と、こうなっている。たとえば「国務大臣(田中角榮君)」と、こうなっている。ところが衆議院のほうは、もう御存じでしょう、事務総長、しょっちゅう聞いておると思います、「田中内閣総理大臣」と、こうなっている。全部違うんですね、とにかく。 こんな要するに書式のばらばらっていうのは、私は、書き方とか大きさとかいろいろありますけれども、こんな書式のばらばらな書類を国会の書類でございますなんて、これは外へ出したら恥ずかしいですよ、ほんとに。衆参でこれだけ形式が違うなんていうのは。私がいま言ったのはほんの一部ですよ。まだまだあるんです。どうしますか、これ。事務総長、これ相談してもらいたいんです、ほんとうに。どうですか、これ。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) これは先生も御承知のように、会議録は委員会がつくるということになっておりまして、衆議院と参議院の会議録のつくり方が、多少これは伝統もありますので、必ずしも、何もかも一緒でなければならぬとは私も思いませんですが、不都合な点がありますならば、これは検討をして変えていくのはけっこうだと思いますが、何もかも一緒に統一してしまえというのは、まあ長年のやり方でもございますので、そういうわけにもまいらぬかと思います。
○事務総長(岸田實君) いま、国務大臣の呼び方につきましても相違があるじゃないかということを御指摘になりましたけれども、こういう議事の運営の用語等につきましても、衆参両院はそれぞれやっぱり長い伝統を積み重ねてきて今日に至っておるわけでして、それをいままで統一しなければいけないという御意見はなかったわけです。と申しますのは、衆議院と参議院というのはそれぞれ独立して相互に干渉しないというたてまえでございますので、そういうことで今日に至っておりますが、御指摘の点がございましたので、これを機会に一応検討させていただきまして、改めるほうがベターであるような場合には改めたいと考えます。
○峯山昭範君 いずれにしましても事務総長、特に衆議院の事務総長、これは参議院の事務総長は検討するというから私は言いませんけれども、衆議院の事務総長ですね、これは確かに伝統とか、私はそんなこともあると思うんですよ。それはようわかります。そんなことは百も承知で言うとるわけです。しかし、私がいま言ったようなことなんというのは、特別にこれは天下がひっくり返ることじゃないですよ。しかし、国民の側からみれば非常にこれは見にくいし、不審を抱かれます。またもう一つは、われわれが、これはなんですかと聞かれたら、どう答えるのですか。この記号にしたって、わからぬことが多過ぎますがね、実際問題。これはほんとうに簡単に説明がつかないですよ。やっぱり説明のつくものにしておいてもらいたいわけです。しかしこれは、これが入っていたから入っていないからといって、大勢に影響ないです。たとえばもう一つ。一ぱいあるんですよ、これは。ほんとうにこまかいところで全部違う。参議院の会議録はここに「〔参議院〕」というゴチックの字が入っている。衆議院は入っていない。これを統一したからといって、伝統なんて変わりませんよ。これはどっちか入れる、どっちか抜く。そう変わらないと私は思うんですがね。 やっぱりそういうふうないろんな書式の統一というのは、あなた方そうおっしゃいますけれども、政府としても行政管理庁では、これは行政改革という面から言えば、あなた伝統より、書式を統一するというのは行政改革の大きな一環だと私は思うんですよ。何なら行政管理庁長官をここに呼んできて、一ぺん言うてみましょうか。これはほんとうですよ。絶対、書式を統一するというのは、これは政府の閣議決定ですよ。あなた、ほんとうですよ。閣議決定で書式を統一するということはさまっていますよ。そういう点から言いましても、少なくともこの問題は真剣に検討するだけの値打ちがあると思う。どうですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) 検討することはけっこうでございます。
○峯山昭範君 じゃ、これは検討していただいて、何らかの結論を出していただく、そういうぐあいにしたいと思います。 それから次にいきます。これも非常に問題なんですが、会議録で、特に予算委員会等で私は問題になると思うんですが、非発言事項の記録というのがあります。たとえば私がいまここで、ここにこういうぐあいに書いてありますと、こう言っても、ことばは、ここにこういうふうに書いてありますということしか載らないわけです。ですから、図表なり写真なりというのは、やはり何らかの記録をしないと私はいけないと思うんですね。そういう面では私は非常に重要な問題だと思うんです。確かに諸外国でも、非発言事項の処理というのはあらゆる面から検討がされております。こういう問題についても、会議録をよくしていくためにも、また国民から見てわかりやすくするためにも、こういうような問題を私は検討すべきだと思うんですが、これはどうですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) 衆議院におきましても、できるだけ参照事項として載せられるものは載せておると思います。ただ図表を、たとえば地図なんかの場合もありまするし、最近はいろいろと委員会によりましては現物を持ち込まれて話をわかりやすくされるというような場合もございます。そういうふうな点は、これは速記技術等とも関連をしまして今後の検討課題であろうかと思います。いま何もかもどういうふうに具体的にするということは申し上げられませんが、将来に向かって検討をしてみたいと思います。
○事務総長(岸田實君) 本院におきましても、委員会において図表等を用いて発言される場合は、その発言のみではわかりにくいという場合があり得ます。そういう場合に、その発言のあとに、たとえば地図を提示というふうに状況を記載いたしまして、あるいは会議録の末尾に当該資料を掲載するということをいたしております。これは委員長の必要と認めたものをそういうふうに取り扱うということでやっております。ただし、非常に複雑なもの等になりますと、なかなか掲載できないというようなこともありまして、ただいま知野事務総長が仰せられましたようにいろいろ技術的な面がございますので、この点につきましては今後とも記録のほうにおいて十分に研究をさせたいと存じます。
○峯山昭範君 それでは次に第四番目になりますが、会議録の速報版を出せないかという問題をきょうは話をしたいと思います。会議録はとにかく日本という国は決定版しか出てないのですね。これは本会議の会議録も委員会の会議録も両方ともでありますが、特に本会議の会議録もあわせて、決定版しか出ない。ということは、私は先はど会議録を地方議会に送るとか、一般国民にわかるようにする、こういうふうな話をしたわけでありますが、それとあわせまして、たとえば速報版というのがどんどん出ている国がたくさんありますね。出ている国というのを調べてみますと、たとえば要約版というのがあります。これはオーストリア、フランス、イタリア、ネパール、アラブ連合、こういうような国は速報版で、しかも要約版を出しておる。それから、全部印刷したやつを翌日速報版として出しているのがカナダ、チェコスロバキア、フィンランド、イスラエル、ユーゴスラビア、インド——インドは翌日ですが、翌日というのはおそいほうなんです。こういうような国々がいわゆる速記録を速報版で出しておる。たとえばフランスなんという場合は、本会議が始まって三十分後には、本会議でしゃべったことがぼんぼん要約版になって出てくる。それで三十分、一時間というように、いわゆる新聞記者とか行政機関にどんどん要約されて配付されておる。そういうようなことが、列国議会同盟の各国議会事務総長会調査報告書という中に書いてあります。そういう点から考えましても、日本の場合は要するに仮り版も出さないで、いきなり決定版だけで、しかもその上におそい。しかも間違いがある。これじゃほんとうに、国会の会議録を出す面においては、やはり日本はずいぶんおくれているのじゃないかなんという気がするわけですが、この辺のところはどうなんですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) 参議院も同様だと思いますが、衆議院では、本会議録は二、三日中にできますし、委員会議録も大体十日間ぐらいではたいていのものができる状況でございます。 各国の例もいろいろおあげになりましたが、これはいろいろ事情が違っておる場合もございましようし、また日本の場合のように、本会議、委員会というものが数多く、しかも長時間開かれるといいます場合に、ダイジェストをすぐ出すということは、かえって正確を期する意味から妥当でないという面もございます。それは新聞報道とか、いろいろラジオ、テレビ等のこともありまするので、議会が権威を持ってそういう要約版を早急に出すということは、ちょっといま私どもには考えられません。
○事務総長(岸田實君) ただいま外国の例をお述べになりましたけれども、これはどうもいま伺いました範囲におきましては、いわゆるこちらの委員会会議録に当たるようなものの速報版では、ちょっと時期が非常に早過ぎると思われます。何か議事経過とか、そういうようなものの速報ではないだろうかという感じもいたしましすが、なおこの点につきましては、今後とも諸外国のそういう取り扱いの例もなるべく早く調べさせまして、今後の事務改善の参考にいたしたいと存じます。
○峯山昭範君 これは速報版というのは、本会議の速報版の話をしたわけです。 そこで、これはやっぱり現在の日本の国会の、特に国会の速記という問題を、いままでの議論等を見てみますと、いまのままでは私は速記録を出せる体制ではないと思うのです、速報版。いままでの、こういうぐあいに書いている、これじゃ日本語に直すのも非常にたいへんですね。英語の場合は、英文速記を見てタイプを打っていけばいいわけですから、それで簡単にできるわけですけれども、日本語の場合、非常にむずかしいと私は思うのです。そういう点は、最近最高裁判所が漢字の速記のですか、機械化を進めているらしいのですけれども、そういうふうな問題についてもやはり国会としても取り組むべきではないか。正確を期すとはおっしゃいますが、正確ということも私は必要だと思うのです。それと同時に、やっぱり委員会の会議録が十日も二十日もたってから出てくるということでは、どうしようもないと私は思うのです。そういう点から考えて、私は会議録というものが一刻も早くできるようにしてほしい。こういう私たちの要望でもありますし、ぜひともこういう問題については御検討いただきたいと思いますし、また、この速記の機械化の問題についても、国会としても検討を始める時期にきている、こういうぐあいに思うのですが、その辺のところ、どうですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) 速記の機械化の問題は、昨年でございましたか、お答えを申し上げたと思いますけれども、やはり機械というものが非常に進歩をしてまいっております状況でございまするから、そういうことに対応しまして、現在の速記術と並行いたしまして、そういう検討をやる時期であろうという点では、私も先生と同じ意見でございます。
○事務総長(岸田實君) ただいまの知野総長の御意見と同様でございます。
○峯山昭範君 それでは、もう一点お伺いして、私の質問を終わりたいと思うのですけれども、速記官の養成の問題ですけれども、この問題についても従来から再三この委員会でも議論がされているようでありますが、昨年も、衆議院、参議院、裁判所、それぞれ速記官を養成しておる——確かに私はそれぞれで養成しなくちゃならない理由もわかるのですけれども、しかも速記者養成所を出て、その人たちが全部それぞれ衆参にいくわけではありませんし、それから試験を受けて合格した人がまた参議院なり衆議院の速記官として入るわけですから、そういう点から考えますと、私は確かに従来から行なわれております議論の一つに、衆議院、参議院、裁判所等のこの養成機関を一本化して、そうしてほんとうに、たとえば自治省の自治大学と同じようないわゆる権威のある、そういうふうな大学等の設備にしてはどうかという議論が昨年も行なわれておりますけど、これは特に最近速記の機械化というようなことも考えて、速記者を養成すると同時に、そういうようなプログラマー的な人たちを養成するという問題もこれから出てくると私は思うのです。そういう点から考えて、特殊なこういうような大学校なんというのをつくる考えというのも、これはやっぱり事務当局としても当然考えなければいかぬ問題じゃないかと、こう思うのですが、これはどうですか。
○衆議院事務総長(知野虎雄君) ただいまの御提案は、私は、現在的な意味におきましては確かに一つの見識であろうと思います。 実は、昨年のこの分科会におきまして、私は非常に消極的な意見を申し上げたのでございます。それは、まあ過去五十年、おのおのの歴史と伝統を持っておるというふうなこと等も申し上げましたが、やはり私も、そういうふうなことはそれとしまして、いるいろ将来に向かっては考えなきゃならぬ問題もあることでございますし、両院が虚心に話し合いをするという姿勢が必要な時期に来ておるのではないか。ただ、これには五十年の伝統と、そしてその伝統にはぐくまれました現在の速記者が両院にいま大いに尽力をしておられる実情でございますので、こういう人たちの意見も十分聞きながら、そういう問題は虚心に考えていく必要があろうと、いまそう考えております。
○事務総長(岸田實君) 大体知野事務総長と同意見でございますが、この問題は記録部の現在会議録作成に非常に活躍しておられる方々の問題もございますので、何と申しますか、相当慎重に検討してみなけりゃならない問題であるので、早急にこれに対する案を作成するということは困難だと思いますが、しかし、時代は動いておりますのですから、先生のおっしゃいましたように、将来に向かって、われわれはたえずこの問題については検討を続けなくちゃなりませんし、ただいまの問題につきましても、今後衆議院と協力いたしまして、検討を進めていきたいと思いますが、あまり短兵急にこれをまとめろというお気持ちをお持ちにならないようにお願いいたしたいと思います。
○峯山昭範君 これで終わります。ありがとうございました。
○主査(木村睦男君) これにて峯山昭範君の質疑は終了いたしました。 他に御発言もなければ、国会、皇室費及び会計検査院所管の質疑は終了したものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会 —————・—————