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71回国会参議院1973/04/02

予算委員会 第15号

発言数
393
登壇者
35
会派数
3
開催日
1973/04/02

会議録

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  この際、齋藤厚生大臣から発言を求められております。これを許します。齋藤厚生大臣。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) 昨日、真性天然痘患者が発生いたしましたので、真性痘瘡決定までの経過並びに防疫措置等につきまして申し上げたいと思います。  真性療瘡決定になりました患者は、塚原さんと申しまして、郵政省の電波監理局の課長補佐の方でございます。こうした患者につきましては、一切の行動の追跡をすることが対策を講じます上の前提でございますので、患者決定に至るまでの本人の行動並びに患者決定のいきさつを申し上げたいと思います。  本人は、三月十八日、バングラデシュから東京の国際空港に到着いたしました。十八日に帰国いたしまして、二十日郵政省の公舎に入りまして、二十日に奥さんと十カ月の子供さんが帰ってまいりまして、二十日は公舎で生活をいたしました。二十一日、休日でございますので、公舎で生活をいたしております。二十二日は役所に出まして執務をいたしております。二十三日発病をいたしたのでございますが、役所において執務をし、同日青島議員の質問があるということで、午後五時過ぎ局長の車に乗りまして、随行として当予算委員会に参りました。予算委員会に入りましたのは、入り口から入りまして、そちらのところで、政府委員席のところで立っておるわけでございます。なお、本人は郵政省の政府委員室には入っておりません。郵政省の政府委員室には入らないで、局長のお供をして国会に入り、エレベーターで上がってまいりまして、当委員会に入ったわけでございます。  なお、そのときの症状につきまして医師を通して追跡いたしますると——御承知のように、天然痘は空気伝染ではございませんで、接触感染でございます。本人は、そこに立っておりまするときには一切のせきもなかった、人との話し合いもしなかったということを、医者の検診によって追跡をいたしてございます。しかし、その当日は三十八度の熱があったわけでございます。で、二十四日、二十五日、自宅において発熱——三十九度程度の熱でございましたが、自宅におり、二十六日逓信病院に入院いたしたのでございますが、当日は発しんをいたしまして、熱は四十度でございます。二十七日、二十八日、三十一日と、こう追ったわけでございますが、二十七日はやはり同じように三十九度、二十八日、二十九日は解熱して熱が下がりまして、かゆみを覚えるという状況になりましたが、三十一日に至りまして、痘瘡の疑いがあるということで、本人を直ちに都立荏原病院に隔離いたしました。  なお、三十一日、わが国の天然痘の専門家である上田先生、平石先生、今川先生、三人の方に検診をお願いをいたしましたところ、臨床診断においては間違いなく真性であろうという判断をいたされたのでありますが、病源体について電子顕微鏡の決定を待ってから真性決定をしようということになりまして、検体について国立予防衛生研究所へ送付いたしました結果、臨床診断並びに検査の結果、ともに相まって真性の天然痘と決定をいたしたような次第でございます。奥さんも、子どもさんも、本人も全部隔離をいたしておるわけでございます。  そこで、三月三十一日の午後からこういう事態に変わり、昨日は真性天然痘と決定いたしましたので、国といたしましては、東京都の衛生局と連絡をとりながら、痘瘡防疫対策委員会を設置いたしますると同時に、この三月十八日にバングラデシュから帰ってまいりましたときの航空機同乗者、これの全国的な防疫体制をしくことにいたしまして、この同乗者は十五都道府県にまたがり、乗客は百三十四人、乗務員十三人ということでございますので、三十一日の晩、全国的な防疫体制をしくことにいたしまして、検病調査並びに家族に対する臨時予防接種の実施をいたしておりますが、ただいまの時点においては、乗客並びに乗務員については異状はございません。  なお、こういうふうに全国的な防疫体制をしきますと同時に、都内におきましては、先ほど申し上げましたように、家族を隔離いたしますと同時に、接触者の調査をいたしまして、宿舎等につきましては予防接種の勧奨をいたしまして、接触者に対しまして宿舎を中心に予防接種をいたしますると同時に、国会等におきましても必要に応じ予防接種をする準備をととのえまして、東京都に痘苗九千人分を配付いたしまして、郵政省に痘苗二千人分、参議院に五百人分を配付いたしておるような次第でございます。念のために申しますと、種痘ワクチンの保有は、三百万人分を現在において用意をいたしておるような次第でございます。  そこで、問題は、本人を隔離いたしましたが、今後この患者を中心としての二次感染患者が出るか出ないかということを非常に憂えておるものでございます。すなわち、二十六日、七日、八日——三十一日荏原病院に隔離するまでの数日間、逓信病院に入っておるわけでございます。そこで、その治療に当たりました先生方、看護婦さん、あるいは一般病棟でございますから、よその患者さん、そういう方に二次感染を来たさないようにしようということが一つの問題でございます。こういうことで、二次感染を防止するために目下努力をいたしておりまして、この点が一番心配の点でございます。それから家族につきましても、生まれて十カ月未満という子供さんはまだ種痘をいたしておりませんために、これがどういうふうなことになるか、この点についても心配をいたしておるわけでございますが、二次患者が出ろといたしますれば、大体四月の三日から十四日間が一番危険な期間になるわけでございまして、私どもとしては、四月の三日から十四日、この期間に二次感染患者が出なければ一応これで全部終了するということになると思いますが、この点が一番要注意の期間として厳重なる監視を続けてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。  以上御報告申し上げます。     —————————————

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  総予算審査のため、本日、新東京国際空港公団ン総裁今井栄文君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 昭和四十八年度一般会計予算  昭和四十八年度特別会計予算  昭和四十八年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑を行ないます。塚田大願君。(拍手)

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、政府の土地政策について質問いたします。  本日、建設省はことしの地価公示を官報で発表されました。これに対しまして、報道機関はもちろんのこと、一般世論は非常に沸騰してしているわけでございますが、まず、この地価公示の特徴的な点を説明していただきたいと思います。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) ことしの一月一日現在におきまして地価調査を行ない、本日官報に公表をしたわけでございます。  結果の概要を御報告申し上げます。  今回の対象地域は、昨年行ないました東京、大阪、名古屋の三大都市圏、人口五十万以上の都市——これは五都市ございます。それに新たに人旦二十万以上の都市十三都市を加えまして、その住宅地、商業地、工業地の各地につきまして調査を行なったものでございます。この標準地の地点数は五千四百九十地点でございます。  公示の価格でございますが、住宅地について申し上げますと、東京圏につきましては、都心部の千代田区三番町というところが最高一平方メートル当たり四十三万円でございまして、都心から遠心的に低下の傾向が見られます。南部及び西部から北部、東部へと時計の針のような方向でだんだん低くなっております。大阪圏につきましても東京とほぼ同じ傾向が見られますが、公示価格の最高は、大阪東区元伊勢町で平方メートル当たり十六万五千円でございます。名古屋圏につきましては、名古屋市から二十キロ圏までは遠心的に低下傾向が見られます。地方都市につきまして申し上げますと、広島、静岡、松山市等がわりあい高く、熊本、浜松等はわりあいに低い傾向でございます。  商業地について申し上げますと、東京圏の商業地の最高は新宿五の一の三百六十五万円でございまして、これに次いで中央区五の一の三百二十八万円でございます。大阪圏の最高は大阪北五の五、二百二十万円、名古屋圏の商業地の最高は名古屋栄三丁目、百三十万円でございます。  工業地について申し上げますと、東京圏の既成市街地の工業地は平方メートル当たり六万円ないし八万円でございまして、内陸部の工業地は二万円ないし三万円でございます。大阪圏は平方メートル当たり五万円、名古屋圏は二万円ないし四万円、地方都市は一万円ないし二万円というところが多く見られます。  前年の公示価格に対する比率でございますが、全平均をとってみますと、四十七年一月一日に対しまして三〇…九%の上昇が見られます。東京圏について見ますと三四%、大阪圏について言いますと二八・一%、名古屋圏は二五・七%、その他の地方都市は二六・一%でございます。住宅地の上昇状況は各圏域とも価格水準の低い限界地の上昇率が高うございますが、なお、価格水準の高い都心部の上昇率も高くなっております。商業地について見ますと、都心部及びその周辺にその傾向が強く出ております。工業地について申しますと、東京圏、大阪圏、名古屋圏、地方都市の順となって、上昇率が高くあらわれております。  概要、以上でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いまも説明がございましたように、ことしの公示価格は全国平均で三〇・九%ということでございます。これは、地価公示制が始まりましてから初めての暴騰でありまして、言うならば、空前の暴騰と言ってもいいわけであります。そういう意味で、今日、土地問題はまさに危機的状態にあると申し上げて過言でないと思うのであります。しかも、今度の発表は、皮肉にも政府の無策ぶりをはっきりと裏づけたものだというふうに考えるのでございますが、一体、こういう状態になった原因はどこにあるのか。また、このような状態にした政府の責任をどのように感じておられるか、この点、大臣から御説明を願いたい。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) この土地の問題につきましては、いわゆる人口、産業が都市集中というようなことになりまして、土地利用のいわゆる利用計画というものが混乱したという、その混乱の上に立って土地というものは逼迫してきた。その逼迫という上に立ちまして、土地に対して昨年金融が緩和されたと、こういうようなこともあずかって拍車をかけ、その上に緩和されたというようなことが、土地の投機というような面にも相当投資されてきたというようなことがこういう結果になったと私は思うわけでございますが、政府の無策という御指摘でございますが、昨年の暮れの金融の緩和という問題が私は大きく響いておるんじゃないかと、このように考えておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この土地騰貴の原因につきまして、大臣は金融緩和という点をいま説明されましたが、新聞その他で見ますと、やはり列島改造がもう一つの大きな原因だと、こういうふうに建設省が発表したと言っておりますが、その点はどうなんですか。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) 私は、そういうことを発言した覚えはありませんし、また、いま官房長から聞きましても、そういう発表をした覚えはないと、こう言ってはおりますが、日本列島改造とその問題とは別な問題であろうと思うわけでございますが、ただ、日本列島改造ということが、国民の心理をその面に結びつけておるのではないかというきらいはあるんじゃないかという感じはいたします。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 では、この問題はあらためて追及してみたいと思いますが、次に企画庁にお尋ねいたします。  こういう状態の中で、政府は先日、新しい国土総合開発法案なるものを決定されたわけであります。これでいわゆる一連の列島改造法案というものが出そろった形になりますが、政府は、今日のこの土地問題につきまして、どのような茨木認識を持っておられるのか。また、緊急に解決さるべき土地問題というのは何か、こういう点について、経済企画庁長官の御所見を伺いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) お話しのように、国土総合開発法という法律をつくりまして、この案文を国会に出しておるわけでございます。その中の基本的な理念として、国としまして、国民としまして、国土というものは、現在及び将来における国民の限られた資源であるとともに、生活、生産を通ずる諸活動の共通の基盤であるということにかんがみまして、公共の福祉を優先せしめ、自然環境の保全を図りながら、地域の自然的、社会的、経済的並びに文化的条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と、国土の均衡ある発展を図ることを基本理念として行なう、こういうように言っておるわけでございます。  したがいまして、この法案の内容といたしまして、一番の規範をなすものは、まず、土地の利用計画をつくるということ、そして、その全体の国土を通じまして、市街化さるべき区域、あるいは工場等の置かるべき地域、それから農業の適地として考えられる地域、あるいは林業の適地として考えられる地域、それから自然公園あるいは自然保護をなすべき地域、そうした五つの系列に分けまして、利用系列に従って開発をしていくということでございます。しかも、その中で特別の区域、それからそうでないもの、さらにその中で、特別区域の中で市街化区域、また、特に開発の著しい拠点となるべき地域、そういう地域は非常に土地の価格が急上昇的に上がることも考えまするので、そういうところは特別規制区域としてある期間塩づけしよう、まあ、三年と言っておりますが、場合によっては、それを二年延長するということで、塩づけをする、そういうような構想で、基本理念にございますような、全体の総合的な国土保全ということを考えながら、公共の目的に使用さるべき土地というものを最も国民に不公平なく、その利用を期待せしめるというようなことを考えておるわけでございまして、一部には、どうもおそいではないかという御批判があることもよく承知しておりますが、各般の、いろいろな調整に時間をとりましたことでもございますが、まあ、私どもとしては、一日も早くこの法案を通過さしていただいて、立法していただくということをお願い申し上げておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま、大臣から、この新国総法案に対する一般の世論の、おそきに失したという批判に対して、大臣自身から釈明がございましたが、とにかく田中総理はこの間の当予算委員会におきまして、土地問題が一、二年にして解決しなければ私はいさぎよく責任をとる、まあ、たいへん景気のいいことを言われたわけです。ただ、田中総理の言う責任論というのは、円切り上げの際のこともございまして、あまり当てにならないというのが定説でございますけれども、とにかく、そこまで大臣が言われる、総理大臣が言われる。しかし、ほんとうにそれならば、もっと、この新国総法にいたしましても、私はもっと早く出すべきではなかったかと思うんですが、これについて一体どういうふうに考えておられるか。特に、きょうの地価公示法の公示価格の問題も出まして、非常にこの土地の問題というものは深刻だということがはっきりしたわけでございますが、それに対する政府の取り組みの姿勢について、もう一度お伺いしたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもも、きょうの地価公示の結果については、この発表を見るまでもなく、すでに非常に憂慮しておるところでございまして、これは一体、この価格はいつ上がった価格なのか、これは最近に上がった価格なのかどうかと、こう、いろいろ調べてみますると、やはり昨年の八月ごろに騰貴したのが一番顕著であって、最近は、やや、そういう点が荷もたれぎみといいますか、少し土地は売り手市場になってきているというふうに専門家は言っておるわけでございます。その意味で、昨年の中ごろにそういうことをやれば、それは一番よかったんでございましょうけれども、御承知のように、四十六年はまあ不況であって、そこへニクソンショックが来たと。そこで、円切り上げと不況との間の立ち直りをどうするかということで、四十七年は、むしろ不況克服の年のような感じで来た。ところが、不況克服が意外に早くなりつつあったということで、全体に富裕感といいますか、資金の回りもよくなり、何か土地を持ちたいような意欲が非常に出てくるというところで、ことに会社関係が非常に土地を保有したというような状況もあって、昨年の八月ごろが一番顕著な値上がりをみているんじゃないかというふうに専門家は言っておるわけでございます。  そこで、まあ、おそきに失したというのは、そのころだったら最もよかったんでございましょうけれども、しかし、田中第二次内閣ができましてから、急速にこの法律の制定に取り組みまして、土地問題の閣僚会議等もやったりいたしまして努力いたしましたが、何せ、土地というものの性格を若干変えていかなきゃならぬという問題がございまして、土地は商品であるということだけでなくて、いま申し上げたような国土の総合開発のために必要なものであり、また、公共の福祉のために必要なものであるから、その利用については、その目的に沿うた利用がなされなければならないという点で、いろいろ調整をいたしたようなわけでございまして、この国会の御審議には間に合っているということでございますので、ぜひ、ひとつ早く通していただきたいということを申し上げておるという次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 では、このたび決定されました新国総法について具体的に質問をいたします。  今度のこの新国総法は、どういう方法でこの土地問題を解決しようとするのか、その具体的な方策について御説明願いたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) やはり、利用計画を立てまして土地の取引を規制する、それからもう一つは、開発行為を規制する、この二つの規制が中心になっておるわけでございます。で、そういうことからいたしまして、地価の急激な上昇を押える、投機的な土地の取引を押える、こういうことで計画的な土地利用を増進していこうということがねらいでございますので、まず、取引の価格が適正であるかどうか、それから住民の利便のためにその施設がその地域発展にふさわしい方向で適切に土地利用上、利用されておるものかどうかというような点を調べることにしておるわけでございます。それからまた、地代等から地価に還元して、そして土地の造成費用から算定するというような方法を用いまして、取引価格についての一つのめどをつけていくということをきめておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 今度のこの新国総法案を拝見いたしますと、特別規制地域を指定する、そしてその地域では所有権の移動を許可制にすると、こういうことになっておるわけでありますが、では、こういう許可制を導入することによって、ほんとうに地価を押えることができるのか、地価を凍結することができるのかという問題であります。これについて御見解を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) それはできると、特別規制区域の中の地価は凍結すると、こう考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どういうふうな方法で凍結されるわけでございますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) この特別規制区域の中では、土地売買等の契約につきまして都道府県知事の認可を要することにいたしております。で、もし、やみでこれが譲渡され、認可を受けないでやられているというような場合、あるいはまた、一たび許可を受けて、後にまた再度価格を引き上げまして、その引き上げた価格については許可を受けていなかったというような場合には、この契約は無効といたします、と同時に、そういうことをやった者に対しては三年以下の懲役または百万円以下の罰金を課し、虚偽の申請をしたときは許可を取り消すと、非常に厳しい態度で臨んでおるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 地価の問題についてはどういう方策でございますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) その取引価格というのは、やはりその近隣の類似の地域の取引価格を見まして、それから類推する、あるいは、それに対して特殊な補正をする必要がある場合は補正いたします。また、地代等から地価に還元していくという方法、また、土地造成費用もそれに加えて算定していくというようなことを種々勘案してきめるわけでございますが、もし御必要であれば専門的な御答弁を政府委員からさせます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この新国総法によりますと、要するに、都市の市街化区域では公告時の公示価格で、公示価格のないところでは近傍類地の取引価格で、こういうことだと思いますが、それで間違いございませんか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○政府委員(下河辺淳君) いま御指摘ありましように、市街化区域につきましては地価公示法によります地価公示価格を基準といたします。それ以外の地域につきましては、不動産鑑定士その他によりまして適正な価格を知事が認定するという形で行ないたいと思いますが、なお、地価公示法については一部改正を今国会でお願いしておりますので、地価公示法の対象区域をできるだけ広げていただくことによりまして、国土総合開発法との関係を明確にしたいと考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 では、もう一つ聞きます。  その、いま言われました公示価格というのは、どういうふうにしてきめるのか、それを教えていただきたい。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) 地価公示価格の決定にあたりましては、売り手にも買い手にも片寄らないということが原則でなくてはならぬ、そこで、専門家の不動産鑑定士二人以上によって鑑定し、それを審査会で十分に審査し、そうして決定するわけですが、そのあとの決定につきましては詳細が非常に事務的になりますので、政府委員から答弁をさせます。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) 地価の評価に関する方法でございますが、ただいま大臣が答弁申し上げましたように、特殊な事情による売買というものを除きまして、売り手と買い手が十分一般の土地取引の事情に通じ、しかも特殊な事情や動機がないという場合におきます取引価格を一応基準にしております。また、その土地からあがる収益があります場合には、その収益を一つの基準に考えます。それから土地を造成いたしましたような場合には、その造成費用等々を基準として算定した価格、これらの価格を総合勘案いたしまして、鑑定士が二人以上鑑定いたしました結果を土地鑑定委員会におきまして審査調整するという手続を経まして、この価格を決定をしておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 わかりました。  そこで、この公示価格をきめるのにはいろいろな方式があるようでありますが、結局、突き詰めていきますと、公示価格というのは、いわゆる実勢価格、つまりその地域における実際の取引価格、これを追認するだけのものではないか。きょうの建設省の公示価格の発表が、それを証明していると思うんです。それを裏づけていると思うんでございますが、それでよろしゅうございますか。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) この制度の趣旨が、ある時点におきます土地の正常価格といいますか、客観的にある姿を映し出すものでございますから、ただいま申し上げましたような方法で、客観的に、正常な状態における、その時点における価格を求める、こういうものでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ですから、結局、現実の取引価格、これを追認していくというだけに終わると思うんです。ですから、官報の発表のこういう数字が出てくるわけであります。われわれ国民の常識ではとてもこんなことは考えられない。  そこで、とにかく私は、こういう公示価格なんという、たいへんごたいそうなことをおっしゃるけれども、結局は、勤労者にとっては公示価格というのは高ねの花ではないか。もちろん勤労者のマイホームだけではございません。地方公共団体の公有地も、今日まことに逼迫をしている、こういう点も解決できない。結局、ですから、この公示価格そのものが高ねの花であるということになるのではございませんか。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) 土地価格と公示価格と、これは不可分の関係にあるようでございますが、この公示価格ということをきめましたのは、公示価格というものは、いわゆる買い手の人も全然土地の値段を知らなくて不動産屋から高いものを買わされた、あるいはまた、買う場合は非常に高いものを買わされたということのない十分な知識を得るという上においても、必要なものであると私は思うわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 こういう結果になりますと、新国総法では地価を押える、そのための許可制とおっしゃるんですけれども、これでは結局、地価を押えるというのはうそになるんではございませんか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○政府委員(下河辺淳君) 先ほどの説明がちょっと不足でありましたが、全国届け出、勧告制の場合には、地価公示価格によりまして基準を求めてまいりますが、特別規制地域の許可制に切りかえました際には、特別規制地域に指定いたしましたときの地価公示価格というものを基準にして、それで凍結したいというふうに考えておりますので、指定後におきましては、地価公示価格あるいは取引価格によって上昇するということを基準にせずに、指定時の公告価格によって許可基準を固定したいと考えておりますので、自後の価格は統制できるというふうに考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 自後の、公告時以後の地価は抑制できるとおっしゃるんだが、現実に、もうすでに地価はここまで来ておる。それでも、なおかつ、新国総法というのは意味を持つのかどうか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○政府委員(下河辺淳君) 従来まで上がっております地価に対しては、この特別規制地域は働かないというふうに考えております。したがって、先ほど御指摘いただきましたように、非常に地価の高いところで宅地供給をいかにするかということは、別途政策が要るというふうに考えています。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうだろうと思うんです。やっぱりこれだけではだめです。地価は抑制できません。  そこで、もう一つ次に聞きます。大都市における工場あと地の問題でありますけれども、これがまた、最近非常な値上がりでございます。こういう場合に、大都市の工場あと地などに対しては、特別規制地域としての指定ができるのかどうか、これをお伺いします。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 工場あと地のみを特掲して特別指定区域にするということは考えておりませんわけですけれども、大体工場あと地になるようなところは、非常に繁華になり過ぎて工場に不適当であるということで、工場が移転し、したがってあと地ができるわけでございまするから、その地域は大体特別指定地域に入ると、こう思うわけでございまして、その意味で、実態的には工場のあと地は特別規制区域として考えられるというふうになると思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いまの工場あと地の問題でございますが、一つの例をここであげたいと思います。例の東京足立区の井関農機のあと地の問題でありますが、これは悪名高き三菱地所が、東京都の倍の値段で落札をした。坪二十七万円でございました。これに対しまして、この周辺の土地が上がりまして、区としてはたいへんこれは困っておるわけでございますが、こういう場合にはどういうふうな処置をおとりになりますか。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) いまのお尋ねは、そういう工場あと地の売買にあたりまして、ある会社が特に高くそれを買い取ったというような場合に、どういう措置をとるかというお尋ねのようでございますが、先ほど経済企画庁のほうから御説明がありましたように、これが特別規制地域に指定されますならば、その指定の時点における価格に取引価格が凍結されますので、それ以後におきます取引は知事の許可を要する。したがいまして、そういった凍結時における価格を上回る取引は許可にならないということに相なろうと思います。現状におきましては、そういうような法制がございませんので、これを特段に規制する方法はございません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 特定地域に指定されれば、もちろん許可制でありますから押えることができます。しかし、こういう足立区の井関農機というふうな、まあ何万坪でございますか、何千坪ですか、そのような面積をこの特定地域に指定する、そういうことができるかということを私はさっきお尋ねしたのですが、それはどうなりますか。

下河辺淳経済企画庁総合開発局長

○政府委員(下河辺淳君) 地価の上昇が周辺地域に悪影響を及ぼすということ、あるいは、急激に市街地が拡大するということを基準としておりますので、一つの工場敷地だけを特別規制地域にするということは予想しておりません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私はそこを指摘しているんです。そういうことは、やっぱり非常に重大な欠陥でございます。いま一番困っているのは、東京のようなそういう大都会で、そうして、この工場あと地をみんな公共機関としてはほしいわけでありますけれども、それが手に入らない。同じ足立区の日立の工場のあと地の問題もございましたが、今度の井関農機の場合には特にこれが深刻、そこで、この間、足立区議会で、三月三十日でございますが、超党派で公共用地取得に関する意見書というものを採択いたしました。超党派です。これを政府に提出するということになっておりましたが、これが提出されたかどうか、そうしてまた、その内容をどのように御検討になったか、お聞きしたいと思います。

大津留温建設大臣官房長

○政府委員(大津留温君) 実は、私まだそれを拝見しておりません。しかし、ただいまお示しのような意見書は、地元の公共団体としてはごもっともな御意見かと思います。したがいまして、そういうような行政指導におきましてやれるものにつきましては、そういうような指導もいたしますし、また、法制化し得るものにつきましては、今回の国総法の改正等におきまして、その趣旨が一部実現されておると思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 新聞には、三月三十一日付、一昨日すでに発表されているところでございまして、私の手元にも控えがございますが、要するに、この足立区議会の要請というのは五項目ございますが、時間の関係で私は略しますが、ただ、申し上げたいのは、たとえば、土地の大口売買は自治体の許可制とし、自治体が強力な先買い権を行使できるようにさせる、あるいは、三項目では、自治体は、投機目的で買い占められた土地を適正価格で収用、公共用地に活用できるようにする、四番目には、総合商社、金融機関など、大企業の土地買い入れは、適正な事業用以外は禁止する、国会に民主的な土地委員会、調査機構を設ける、こういうふうになっておりまして、私は、これは非常に正当な要求だろうと考えます。ですから、私はこれは大臣にお聞きしたいんですが、こういう政策、こういう立場というものを、やはり積極的に支持するべきではないかと思いますが、どうでございましょう。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) 御指摘のとおり、私も非常に土地という問題について、公共事業を推進する上において、これは建設省ばかりでなくて、公共自治体の長たるべき関係の方々は、土地の問題で非常にいろいろの御苦心をなさっておられる。その御苦心の結果が御指摘のようなことになったと思うわけでございますが、そのようなものを、ひとつ推進——取り入れられるものは取り入れていきたい、このように考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 じゃ、もう一つだけあと地問題でお尋ねいたしますが、例のNHKのあと地の問題であります。これも競争入札で公示価格の何倍もの値がついておりましたが、これは、政府としては認められておるのでございますか。こういう問題に対しては、どういうふうにすればいいとお考えになっておるか。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) その問題は、きょうは郵政大臣がおりませんから、かわって私が、土地という関係ですから御答弁申し上げるわけでございますが、実はこの問題につきましては、私の聞くところによりますと、いわゆる衆議院の逓信委員会等におきましては、あの土地を高く売って、代々木の新しくつくるほうにできるだけ回すということで、附帯決議がついているという話も聞いておるわけでございますが、建設省としては、あのようなことをされるということは、公示価格もあるわけでございますから、まことに迷惑千万、遺憾千万でございます。しかし、あの取得方法が入札でやったと、そうして、その一番高いところをとると、こういうことでやったというところに、ちょっと普通の売買とは形式が違うということであろうと私は思うわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 こういう問題が非常にたくさんございまして、公示価格の問題というものは、やはりこれはあらためて検討さるべき性質のものではないかと考えるわけでありますが、とにかく、そういう問題がありますが、今度の新国総法では、必要最小限という規定で、知事の権限というものを非常に押えようとしておる傾向がございます。しかし、こういうことでは、ほんとうにいまの大都市の土地問題というものは解決できないのでございます。非常に、全体として土地が急上昇しておる。したがって、大都市の場合には、首都圏五十キロ圏内ぐらいで特別規制区域を大きくかけていくというふうなことが必要だと思うのですが、この点はどうでございますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 新国総法では、知事という方々、職能を持つ方々が、その地域の状況を一番知っておられるという意味で非常に重視しております。知事をむしろ中心的な立場のものと考えておるわけでございまして、ただ、県と県との関係、あるいは国の全体の計画に属することでございますから、国としてもその実態を知っている必要があると、こういう意味で、内閣総理大臣が関与するという程度のことでございまして、ただいまのような御指摘は全く私どもも考えていないところでございます。  それから、千葉県あたりですでに土地利用計画というものを県として考えておられる。これも非常にけっこうなことでございまして、できるだけ各県にもそういう計画を持たれるということを政府として大いに期待しているわけなんでございますが、私どもの立場からいうと、やはり国の法律ができることが早くて、そして、その法律によって県も条例をつくり得る、そういう立場に早くしておく必要がある、こう思っておりまするような次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まだまだたくさん問題がございますけれども、時間の関係もございますから、この新国総法特別規制区域の問題はこのくらいにしておきたいと思いますが、どう見ましても、いまの公示価格の問題ひとつとっても、あるいは工場あと地の問題をひとつとっても、どうも問題がちっともすっきりしないと思うのです。したがって、むしろいまのような状態では、勤労者や公用地の確保は、やはり実効をあらわしてこない、こういう感じがするわけであります。  そこで、これは若干横道でございますが、企画庁長官にお尋ねするわけですが、いま町に、大臣、こういうなぞかけがあるのです。政府の土地政策とかけて薄皮まんじゅうと解く、その心は、大臣おわかりですか、心は何と解く。政府の土地政策とかけて薄皮まんじゅうと解く、その心はと、こういうわけです。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 若干自画自賛になりますけれども、薄皮まんじゅうは非常にうまいものですから、政府の土地政策はうまいと、こういうことだろうと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 なかなかやっぱり、さすがに企画庁長官だけございましてうまいことを言われますが、町で言っているのはそうではないのです。政府の土地政策とかけて薄皮まんじゅうと解く、その心はアンばかりで実行がない、こういうことなんです。  時間がもったいのうございますから次に移ります。土地税制の問題について大蔵大臣にお伺いしたい。今度の土地税制で、土地譲渡所得税というものができるそうでありますが、そのねらいは何でございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 土地税制につきましては、御案内のように、法人の譲渡所得についての課税と、それから保有税と、これを相互補完し合って目的を達しようというわけでございますけれども、御案内のように、税だけでは土地政策というものの成果があがらないということはまず一つの前提でございまして、総合的な対策で、先ほど来企画庁長官からいろいろ御説明のありましたようなところとあわせて、まあいわば補完的な目的を達成するように考えたわけでございます。同時に税制といたしましても、一面、税といえば税収入をあげることが目的でなければならないわけでございますけれども、土地税制については、まあ俗な常識的なことばで言えば、好ましい土地の造成、たとえば宅地をはじめ緑地、公園その他いろいろございましょうが、国家的、国民的に望まれるような土地の造成、形成に役立つように、土地の供給が増加するようにということも同時に配慮いたしているわけでございますから、いままでの観念の税制とはだいぶ違ったところがございます。まあそういう点につきましては、ずいぶんいろいろと税制調査会などでも御検討いただきまして、現在御提案申し上げているものを現在としては適切な案と考えまして、御審議を願っている次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この譲渡税の税率は一体どういうことになりますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 税率につきましては、たとえば法人の場合におきましては、土地の譲渡益かうあがる分については二〇%ということは、これは欠損法人につきましても適用されるわけでございますかう、この点はいま申しましたように、従来の税制では考えられなかったことでございますし、また黒字法人に対しましては、他の法人税その他を合わせて考えますと大体五〇%程度の税の負担になりますかう、土地の分を合わせますと七〇%という税率になる、結果論でございますが。ですから、相当重課されることになるという考え方でございます。  それから保有税のほうは、税率が低いという御批判もあるようでございますけれども、これは、土地を持っていることについては管理費、あるいは金利の負担、その他いろいろございましょうが、そういう点もにらみ合わせ、また地方税としての保有税でございますかう、固定資産税的なものとしての税率ということで考えたわけでございますかう、この税率が低いという御批判があるということも承知しておりますけれども、全般的に広く四十四年一月以後の取得についての土地について全部網をかけて、たとえば先ほども御指摘がございましたが、NHKの所有しておった土地というようなことがのがれることのないように全部に網をかける、こういう考え方で考えたわけでございます。ということは、たとえば保有している、しかも未利用であるというところに税をかけるというのも一つの考え方でございますが、これは未利用地課税ということで、だいぶ検討もいたしたわけでございますけれども、かえって目的を達成できないような関係もある。いろいろ考えた末に、現在の保有税というところに落ち着いたわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大臣自身が二〇%の税率では低いということを自覚されておられるわけでございますが、私どもは、やっぱりほんとうにこの土地問題を税制の面からやるとすれば、思い切った高率の分離課税、これがほんとうではないかと思うんであります。前に建設省や自治省などからもそんな意見を聞いたことがございますが、少なくとも七〇%、八〇%ぐらいの高率の分離課税をかける、こうすればかなり問題は解決すると思うんですが、いまの二〇%では、これはてんで問題にならないのではないかと私は考えますが、もう一度その辺、大臣の御所見を伺いたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 御指摘のように、いろいろこれは考え方がございまして、まあ一番極端と極端の考え方を申しますと、完全に、たとえば法人の場合に、土地処分、土地の譲渡についての分は全然分離してしまって、それに非常に高率の課税をせよというのが、まあ一番右といえば右の考え方で、それから、それは土地の国有的な考え方になるではないか。あるいはまた法人というものの課税の所得、あるいは全体を捕捉するという法人税の考え方からいって、本来赤字であって課税の対象にならないようなものを課税の対象にするのはおかしいではないかという考え方、これがまた左といえば左の考え方だと思いますが、いま御提案申し上げておりますのは、その中間の考え方をとっているわけで、赤字法人でありましても、欠損法人でありましても、土地からの譲渡所得については二〇%かける。そうすれば本来法人として活動をして、そうして法人としての利益をあげているようなものの場合におきましては、七〇%の税率ということは相当な従来の税からいえば高率である。まあちょうど中間で適切であって、そうしてわれわれから申しますならば、土地の好ましい造成、配分ということにもこれは相当役立っであろうということで考えついたいわば折衷案と言われても、これはある程度いたし方がないと思いますけれども、現実の税制の面やあるいは目的の考え方、あるいは土地の国有というところまではいき切らない、こういうふうな諸般の条件を考えました、調整された案であるということは言えるのではないかと、かように考えるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まあ大臣の考え方では右と左があると、その中道でいくと、こういう考えですけれども、私はほんとうに土地問題を真剣に考えてその対策を考えるならば、やはりそういう中途はんぱな立場では問題は解決しないと思うんです。やっぱり真理は一つしかございませんから。やはり私どもが、国民が願っているような方向で私は税制も改めるべきではないかと考えますが、まあそれはしばらくおきまして、次に金融問題について、大蔵省に質問いたします。  大蔵省は三月二十六日、銀行の土地関連融資を一だんときびしくするという銀行局長通達を出したと聞きますが、その規制措置の内容はいかがでございますか。

吉田太郎一大蔵省銀行局長

○政府委員(吉田太郎一君) 銀行の関係いたしております不動産業につきましては二つのカテゴリーがあるかと思います。一つは、金融機関が自分の担保の管理、あるいは自分の支店、営業用の建物等を管理するための不動産業というのがございます。これにつきましては、本来いわば土地を売買するというような業務よりは、ビルの管理保管というようなことでございますので、独禁法の関係から申しましても適用を排除されておりまして、特別の承認を受けておりまして、一〇〇%の資本を持っております。これは現在まで私どもの調査いたしましたところでは、特に今日の土地問題について、特にそういう不動産業務が影響しておるというような事例は、いままで調査したところはございません。問題はそういうものではございませんで、いわば系列関係にあると見られる不動産、特に金融機関の名前を冠して資本金を持っておるというその不動産業務が、土地の売買に関与しているかどうか、しかも金融機関と特別の関係があるために非常に不当な問題を起こしておるかどうか、こういうことであろうかと思います。これは、資本関係につきましては一〇%以下ということで、独禁法の体系の中で一〇%以下の資本を持っておるわけでございますが、何ぶん金融機関というものは、御承知のように資本力は非常に強いわけでございまして、したがってそういう不動産業が特に資本的に優位にあるというような関係から、土地の売買等に非常に不当な影響をもたらしてはいけないということから、今回特に三つの点を指示したわけでございます。  一つは、金融機関とそういう系列にある不動産業が、特に密接な関係があるかのようなそういう誤認を与えるために、不当に世間に信用力を与えていくということは好ましくないので、特に銀行の名前を冠しておるような不動産業については、それをあらためてもういたいということが第一点でございます。第二は、融資の関係におきましては、通常の不動産業務と全く同じ扱いをしてもういたいということでございます。特に不適当と申しますか、特に有利な扱い、金利関係あるいは資金量において特別な扱いはしてはいけない、こういうことでございます。第三は、人的関係についても特別、たとえば現職の銀行員が出向するというような形でこれに参画するというようなことについてはこれをあらためてもういたい、かようなところで、いわば一般の不動産業と全く同じ扱いをすべきである、こういう趣旨の通達をしたわけでございます。なお、御承知のように、一般の不動産に対する金融につきましては、別途金融の規制をしておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大蔵省は去る一月三十日にも同様な趣旨の措置をとったはずでございますが、今回あらためてそういう規制を強めなければならないという理由は一体何でございますか。

吉田太郎一大蔵省銀行局長

○政府委員(吉田太郎一君) いま御指摘の一月末の通達につきましては、これは土地関連の金融機関の融資一般についての指導でございます。したがいまして、特に不動産業、これがもう過半でございますが、そういうものについては、一般の貸し出しの増加額程度に今後土地関連の融資を押えてほしい、こういう内容を盛った通達でございまして、現実的にはおそらく今度の四月から六月までの間におきましては、昨年秋までの増加率からいたしますとおそらく三分の一、場合によっては、金融機関によっては四分の一程度に押えられる、かような性質のものでございます。これはおよそ不動産業に関係しておりますものについては、不動産業については全般的に適用されるわけでございますが、いまの先生の御指摘の通達は、むしろ金融機関が資本関係があると、特に密接な関係があると見られるものについては、特にその関係について世間の、特にそういう業務上有利な立場にないようにということでございまして、いわば一般の不動産融資の規制の中の、特に個別的なものについて通達した、かような関係でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いろいろ説明をしていただきましたけれども、結局突き詰めて言えば、こういう措置を二回も三回もとらなければならなかったというのは、やはり地価の上昇がおさまらなかったかうではないかと思うんですが、だとすれば、やはり今回のようなそのような程度の措置で、はたして地価の上昇がおさまるとお考えですか、どうですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 最初に建設大臣からも御説明がありましたように、地価の上昇ということについては、金融関係が大きな背景であったということはそのとおりでございまして、これを最近の傾向で見てみましても、これは先ほど御指摘ございましたが、列島改造論というものが出るよりも相当時期的には前でございまして、一昨年ごろから、たとえば土地関連融資の状況を見てみましても、一般の貸し出しに比べて非常にその増勢が強かったわけでございます。したがって、まず土地の関連の融資を規制するということが一番必要であると考えましたもんですから、ただいま銀行局長から説明いたしましたように、この点に集中をまずして、目的的に融資の規制、あるいはそれに関連して金融機関の系列的なところに対しては特にきびしくということでやってまいりまして、おそらくただいま説明がございましたように、四月から六月の四半期になりますと、現実に数字の上にも融資関係はぐらっと引き締まってまいります。したがって、従来の関係とはずいぶん異なった様相が出てくる。また一般の法人等におきましても、土地の税制の関係、あるいはさらに基本的な土地対策がだんだん浸透してまいりますと、まあ一口に言えば土地の放出ということも出てまいる理屈でございますし、これは地価にも相当のいい影響が出てくることを期待しているわけでございまして、むしろいま融資規制を徹底して始めたので、過去におけるやり方にはいろいろの御批判もあると思いますが、今後におきましては、ただいまも御指摘がございましたような点については、相当の私は御期待をいただいていいのではないだろうか。なお金融政策としては、御案内のように公定歩合の引き上げもやりましたし、準備率の引き上げも二回にわたってこれを実行して、全体的にも引き締め政策をかなり徹底して行なっておりますから、その態勢の中で、特に土地関連についてはるる申し上げましたようなことをやっておりますから、こういう点が地価についていい影響を及ぼすということは、私は相当期待をしていただいていいのではないかと、こういうふうに考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま大臣から公定歩合の引き上げの例も出して御説明がございましたが、この公定歩合の引き上げにしても非常におそい。もうすべてが後手後手、今度のこの金融関係の大蔵省の措置にいたしましても、私は非常に大きな手おくれだと思うんです。と申しますのは、大企業、不動産屋はもうさんざ土地を手に入れてしまって、しかも手元には流動資金だけで二兆一千億ぐらい持っておると言われておる。あるいは金融機関からの長期、短期の借り入れが合計五兆一千億もあると言われておる。これは大蔵省の「法人企業統計季報」に出ておる数字でございますから大体間違いはないと思うんですが、これだけの金を持っておる。この金をどうしばるか、あるいは返却させるか、これがやはり私はきめ手ではないかと思うんですが、その点はどうでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 基本的な考え方は私も同様に考えるわけでございまして、金融の相当の引き締めということは、ひいて法人等の手元資金というものが全く窮屈になる、こういう点から、先ほども申しましたように、好ましい方向に土地というものが動き出し得る態勢というものはそこからも私は必ず出てくるであろうと考えますし、今後におきましても金融政策の適時適切な運営ということについては十分考えてまいりたいと思います。ただ同時に、金融政策の問題としては、中小企業あるいは農業、零細関係、それから輸出関連というようなところについては、一方において十分手厚いことをしてまいらなければなりませんので、金融政策というものには、きめのこまかい、また目的的、対象別的なきびしさと同時に、流動的な配慮を加えていかなければならない。これが今日のわれわれに課せられた問題であると、こういうふうに理解をいたしておる次第であります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まだいろいろ問題ございますけれども、問題を進めます。  次に、この土地と開発との関係の問題でございますが、最初に私が建設大臣に質問いたしました、いわゆるこの列島改造、この問題でございますが、やはり今度の公示価格の騰貴の状況を見ましても、この一年間、つまり田中総理の列島改造論が出てからこの土地の値上がりというものが出ておるわけでございます。そこで、田中総理自身も、先日この委員会で、列島改造論の第二巻を出すと、福祉中心で書き改めるとまで言われましたが、ところが今度の新国総法を見ますと、二十四条にはっきりとこの列島改造の三本柱が出ておるんですね。工業再配置、交通ネットワーク、二十五万新産都市、これでは私は総理の反省ともだいぶ違うんじゃないかと思うんですが、この点はどうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 地方の都市を開発していく、そこで東京、名古屋、大阪等、大体国土の一%のところに三分の一の人口が集まっておるという点を散らしていくということが列島改造の一つのねらいでございますが、中心的なねらいであると言ってよろしいと思いますが、そのためにはやはり地方都市というものをもっと豊かな魅力のあるものにしていく。そのためには交通通信のネットワークをもっと完備したものにしていくということが必要でありまする点は、これはもう決して修正の必要のないことであると考えておりますわけでございまして、そういうことに一種の誤解を持ちまして、何かそれが大都市における土地の値上がりになったというのは、ちょっとこれは私は方向が違うように思っておるのでございます。むしろ大都市がもう魅力がないんだと、土地問題もひとっこれは非常に逆説的な言い方をすれば、あんな人の住めないような価格で土地が取得されなきゃならぬということなら、それじゃやっぱり地方へ行こうということになって、むしろ人口分散を刺激することにもなるかとも思いまするので、そういう意味で考えてみますると、やはりこの点をじょうずにとらえまして、もっといわゆる三大湾地帯に人口の蝟集しているこの現状をよく導くということが必要である、その点はやはり国総法でそのように考えておるわけなんでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私、この間、岡山県の津山市を視察してまいりました。御承知のとおり、あそこは列島改造論で名前の出た町でございまして、縦貫道路ができる、もうそこで土地の投機というものはすさまじいものです。もう説明のしようはございません。もうめちゃくちゃなんです。ですから、先ほど先行投資をやるのはあたりまえじゃないかと言われたんですが、私は、そういう政策がこのように土地問題を混乱させておる元凶であるんじゃないかと、こう申し上げているわけでございますが、その津山なんかの場合には、大臣、どういうふうにお考えなんですか、これでいいというふうにお考えですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) あの場合は、私も塚田委員と同じように困ったものだと思っております。なぜああいう困った状態になったかというと、あれはあそこに新幹線が行く、そこで非常に便利になるということが土地投機的な誘因になって、大企業がそこへ土地をどんどん開発するということになると思うんでございまして、実はその前にいまの国総法ができておって、そして規制が行なわれる、土地の売買には届け出制が必要だし、その中には規制区域もあって、そこは土地が容易に手に入らぬというような状況になっておれば、それは万全であったと思うんでございます。しかし、まあこれできてしまったことでございますので、これをどう吐き出さしていくかということが必要であると思うんでございまして、まあ実は金融機関から土地取得のために出された非常に膨大な融資、これがだんだん詰まってまいりますれば、目的なく持っておった土地は、土地税制の関係もこれあり、また吐き出さざるを得ないような環境になっていくのではないかというように私は思っておりますのでございます。やはり企業が土地を持つということには、やはりこれによって利益を得られるという一つの見通しがあってやっているんでございましょうから、これが利益を得られないということがはっきりすれば、これはおのずから落ちついてくるもんだと思うのでございます。そういう点で、いまの御指摘の岡山県の例は、私もまことに困ったものだと思っておりますわけですけれども、それに対してどうするかということになると、やはり新国総法というものを手に握って、そして土地の有効な開発に秩序をつけていくということ以外にないと考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この論議はまたもう少しあとでいたしますが、次に、せっかく行管庁長官もお見えでございますから、行管庁の行政監察についてお尋ねをしたいと思うんです。  この間、行管庁では、二十六日でございますか、自然保護に関する行政監察というものをまとめられ、関係各省に勧告されたと聞いておりますが、どんな勧告をされたのか、その御説明をお願いいたしたい。

福田赳夫自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(福田赳夫君) 関係各省に対しまして、自然環境を保全することに留意しなければならぬと、こういう趣旨の勧告でございます。  要旨を申し上げますと、第一点は、この法令の違反、この事実がかなりあるわけなんです。法令の違反なきようにつとめなければならぬと、こういうことでございます。それから第二点は、自然公園の中の特定地域の指定なんかで、この開発行為の許可が適正でないものがこれもかなりある。開発行為の適正化についてのまあ問題であります。それから第三点は、これはまあ国立公園なんかができておる、いろいろきめておりまするけれども、どうもその管理が徹底をしない、こういう点があるのであります。とにかく、総じまして、われわれの大事な自然環境がかなり破壊されておる。これは行政面から見まして何とか現行の体制下においても手が打てないものかという点を広く検討いたしまして、調査を求めたものでありまするが、特にその三点につきまして関係各省の注意を喚起し、今後厳重にこれを守ってもらいたいという趣旨のものでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 行管庁がまあ一生懸命にやっていらっしゃることはわかりましたが、そこでお尋ねをするんですが、私、いま申しましたように岡山県に参りましたときに、あの県北の久米町で保安林が伐採されておるという事件がございまして、地元住民の訴えで岡山行政監察局が立ち入り調査をいたしました。この事件について、大臣は御存じでございましょうか。

福田赳夫自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(福田赳夫君) 概略は承知しておりますが、昭和四十四年ごろ、三菱地所はじめ三菱グループが地元の切なる要請に基づきまして、三百九十ヘクタールでありますかの地域にレジャーランドをつくるという計画を始めた。ところが、その中に保安林があったんです。その保安林の解除の申請をし、それが許可になったわけでありまするが、その保安林のまた中に古墳が多数散在しておる。その古墳の調査をグループでしてみたいと、こういうのでですね、樹木の伐採をする。この樹木の伐採が間伐であればまあよかったわけでありますが、いわゆる皆伐をすると、こういうようなことになり、この水害保全という、阻止というような見地から問題がある。そういうような点が、いま地元と県当局、また三菱グループとの間に問題になっておるんだと、こういうふうに承知しております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 大臣、よく事件の内容は御存じのようであります。私も実は現場を見てまいりました。で、そういう実態はもちろんでございますが、問題は、この訴えた地元の方に対する岡山行政監察局の返答があるわけでございます。これを見て実は驚いたわけです。  というのは、一つは、現地調査をやるのに地元の住民の代表は入れない。反対に三菱商事の代表だけしか入れてない。それから二番目には、伐採の面積が三菱商事が三反歩と言っておるのでございますけれども、大体その数字を認めた。ところが、町当局はあれは五反歩あると言っておる。農民の側は一町歩だと言っています。私も見ましたところ、大体一町歩ぐらい、一ヘクタールぐらいある。それを三菱商事の言いなりに三反歩でしかない、こういう数字を出している。三つ目には、この程度の伐採では災害の発生は起きないと、こういう県側の一方的な見解をそのまま採用して、だからまあ心配はないと、こういう形で、いわば却下したような形になっておるわけでありますが、私は役所が、行管庁がこういう立場で、やはり地元の立場ではなくて商社側の立場に立つというのでは、これはやはりほんとうの行政監察はできないのではないかと思いますが、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(福田赳夫君) 行政監察は、あくまでも国民のための監察でございます。行政が国民のために適正に行なわれておるかどうかということでございまして、その行政監察を行なうのが、関係の業者の立場に立って行なうなんということは、これはもう絶対あり得ないことでございまするから、その辺は何かお聞き違いか、何かの誤解じゃあるまいか、さように存じます。なお、御疑念がありますれば、政府委員も来ておりまするから、政府委員から説明いたさせます。

大田宗利行政管理庁行政監察局長

○政府委員(大田宗利君) ただいまのお話でございますけれども、現地調査には県当局と私のほうの役所で参っております。私のほうでは、業者と一緒に参ったという報告は参っておりません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 あなた方は現場を視察されたわけでもないし、住民の声を聞かれたわけではない。私はちゃんと現場を見、住民の要求、不満を聞いてきておるんです。ですから、これはきょうここで決着をつけなくてもよろしゅうございますから、この実態を一度ひとつよく調査をして報告していただきたいと思うんです。このことをお願いしておきます。  次に、環境庁にお尋ねをいたします。乱開発がいま行なわれておるわけでございますが、この乱開発に対して環境を保全するということが、まあ非常に重大な問題になっておるわけです。これはいわば国土開発の大前提であるべきだと考えますが、そのように考えてよろしゅうございますか、環境庁長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 環境という問題が各地で大きな問題になってきておるわけであります。世界的に見ても、一九七〇年代というのは環境の年であると言ってもいいかもしれぬわけでありますから、開発をする場合においては、環境の保全というものを前提にした開発でなければ、環境を破壊して開発を進めるということは将来あってはならぬと、こういう立場で、環境の保全を前提にした開発ということが今後の開発の方向でなくてはならぬと考えておる次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 今度の新国総法案におきましては、当初環境庁長官の協議権と同意権というものが規定されておりました。ところが、最終的にはこれが削除されたというのでございますが、これはどういうふうに理解したらよろしゅうございますか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 今度の場合に「補佐する」ということばになっておるわけです。「総理大臣を補佐する」と。これはある意味においては協議よりも強いかもしれない。それは何をさすかと言えば、全国総合開発の計画の策定、特定総合開発地域の決定あるいは承認、こういう問題について、環境の保全に関係のするものは、これは総理大臣を補佐するというわけでありますから、ただ外からおってそして協議するとかいうのでなくして、ある意味において、案をつくるときにもうすでに何か主体的に参画をするという意味において、考えようによったならば協議よりも強い意味もある。いずれにしても、環境の保全というものが開発の前提であると、開発のための開発は認めないと、こういうのが環境庁の立場でありますから、この補佐という権限に従って環境の保全に万全を期したいと考えておる次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 どうも長官のお話を聞きましても何となく釈然といたしません。なるほど、補佐のは、大臣であればみんなそれは補佐すべきは当然でございましょう。そうでなくて、やっぱり法文の中で同意権、協議権を明記する、そのほうが私はやっぱり実質的に強いのではないかと思うのです。しかし、それがどうもそうならなかったというのに対しましては、私は一まつの不安を感ずるわけでございますが、まあこれをいまここで論議する必要もないでございましょうから、私、次に進みますが、とにかくこの問題は、やはり環境庁の立場をもっと私は強いものに、発言権を積極的にやっていただく必要があるというふうに考えます。  次に、農林省にお尋ねをいたしますが、農地の場合におきましても、私は、まあ山林もそうでございますが、農地の場合も非常に今日荒らされておることは事実でございます。そこで、大臣にお聞きしたいんですが、優良農地、つまり第一種農地の転用許可やその面積が今日どのぐらいあるかお聞かせ願いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) この前の御質問について補足しますが、環境庁の立場というのは非常に強いんでございまして、全国総合開発計画の案の作成、それから特定総合開発地域の指定の承認及び特定総合開発計画の承認につきまして、環境庁長官が、環境保全の立場から、国土総合開発庁長官とともに共同で内閣総理大臣を補佐する。こういうことでございますので、環境庁長官の立場というのは、いま述べました開発の点については総合開発庁長官と並んでおると、こういうことで非常に強く考えておるわけでございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 農地等の転用面積につきまして、これは資料を差し上げるほうがよろしいかと思うんでありますが、一応昭和四十六年の実績を申し上げてみますると、農地法四条、五条による許可面積、その中の農地で、田のほうでございますね、これが二万七千十九ヘクタール、畑が二万五百九十ヘクタール、牧地が五百九十六ヘクタール、農地法第四、第五条該当以外の転用面積は一万二千八百五十八ヘクタール、合計で、昭和四十六年におきましては六万一千六十三ヘクタールとなっておるわけでございます。四十六年のいまの面積の中には、市街化区域における届け出だけの面積、これは一万二千百二十九ヘクタールを含んでおるわけでございまして、これらは農地移動実態調査に基づく面積でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 優良農地でもたいへんな面積がいま転用されておるわけでございます。そういう転用だけでなくて、構造改善事業やパイロット事業のような国の農業投資が行なわれましたようなところですら今日買い占めが行なわれておる、まことに驚くべきことであります。私どもは、この間、農林水産委員会として北淡路開発パイロットを視察してまいりましたけれども、ここでも相当の面積が食い荒らされている。不動産屋に買い占められている。全くこれは一体どうなっているんだろうと思うぐらい、国の投資したような地域が買い占められておるというのは、これはもってのほかだと考えますが、農林大臣、こういう問題についてはどういうふうにお考えですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 淡路島の実態につきましては、現に農林省における土地改良事業の実施中の場所でございまするが、これは私の記憶によりますると、計画の中に入っておるもので、かりにこれが売買契約が行なわれておるという場合に、そのことによりまして完全に取得をした場合におきましても、それは自由にはならない。当然その場合は農地法の転用の許可がなければ自由な用途には向けられないものであると、このように私は記憶をいたしております。また、いま御指摘のような、せっかく国費を入れて事業をやっておるのに、そういうような事態になっておるということではいけないということで、そのことをよく指導をいたし、解消のできるものはせしむる、あるいは事業の遂行に差しつかえのあるようなものは、これは別途考慮をいたしまして、事業遂行に差しつかえないようにするというような、いろいろ具体的な手を打っておると、かように思うのでございまするが、しかし、少なくともただいま御指摘のような事実ということにつきましては、これは農林省としてもまことに好ましくない不都合なことでございまするので、これからの指導の上におきましては万遺憾なきを期してまいりたいと、このように思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、農林省にお願いしたいんですが、要するに、いまにして農地を守っていかなければ、これは日本の農業は将来たいへんなことになるだろうと考えるわけであります。そういう点で、こういう問題に対しまして農林省は積極的にやはりこの対策を立てていただきたい。  で、続いて農林大臣にお伺いするんですが、鹿島開発のようなところでは、いわゆる農工一体というスローガンで行なわれたわけでございます。その結果というものは、今日、非常な失敗でございました。いわば悲劇的と申し上げても差しつかえないような状態が起きておる。むつ小川原地域の場合においてもしかりでございます。したがって、私は、こういう地域におきましては、少なくとも開発は一時中止させてはどうかというふうに考えるのでございますが、どうでしょうか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御所見で、私が検討をしてみようかという気がいたしますのは、現実にどんどんもう開発が進んでしまっておる鹿島のような場合は、私はこれはちょっと別がと思うんですね。しかし、むつ小川原の場合はどうなのかと、こういうことになるのでございまするが、しかし、これはすでに閣議の決定をもちまして、そしてこれからの開発を進めようという、そういう段階にあるのでございまするから、具体的にこれからの開発の上に、いま、おそらく御指摘は、先ほどから優良農地などの転用について注意を喚起せられておることだと思うのであります。そういうような点につきまして、むつ小川原の開発が大きな影響があると、こういうことであれば検討をするにやぶさかではございませんが、前提としては、閣議の決定によりまして、県の要望もあって進めておることでございまするので、いろいろと御指摘にある弊害を、これをできるだけたい、それこそおことばにもございましたように、われわれとしては工場の分散、農工一体的な農村を、能率のいい、福祉のいい農村をつくろうと、こういうのでございまするので、私としては、その目標にたがわない限りは、これをやめるとか大きな変更をするという、そういう考えにはございません。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 むつ小川原の場合にいたしましても、やはり優良農地が農地法違反の形でどんどん買い占められたという事実はたくさんございます。したがって、こういうところに対するやはり規制は、もっと農林省、積極的にやってもらわなければならないと思うわけでございますが、時間の関係で次へ進みます。  次、運輸大臣にお伺いいたしますが、開発と新幹線との関係でございます。こういう点で、新幹線の影響というのは、やはり開発と環境保全という点で非常に大きな影響を持っていると思うのでございますが、新幹線そのものが自然を破壊している事例というのがずいぶん方々で聞かされますが、これについてどういうふうにお考えでございますか。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) 全国的に主要都市を結ぶ新幹線を建設いたしておりますから、自然環境を変化させるという結果になることはやむを得ないかと思いますが、いまお話しのように、自然環境と申しても、あるがままの自然の姿をそのままで維持しようということは、これは無理かと思いますけれども、たとえば、あちらこちらに埋蔵文化財というようなものがたくさんございます。主としてそういう点につきましては、従来とも非常にこれは気をつけて工事を施工させております。昭和四十二年と思いますが、昭和四十二年ごろに、いまの文化庁、前の文化財保護委員会と国鉄との間では覚え書きを交換いたしておりまして、たとえば、まあどうしてもこれはあとまで民族のために保存をしなきゃならぬというようなものにつきましては、事前にその地点をきめまして、そこはもう新幹線を通さないというようなことにいたしておりますし、それから新幹線の工事をやります場合に、工事はいたしましても、その工事の中でそういう埋蔵文化財をその形でもってできるだけ保存しようという場所もございます。それから中には、発掘調査をして、その結果をあとに残るように記録にとどめておこうと、こういう場所もございまして、この点は具体的に、文化財保護委員会——いまの文化庁でございますが——と具体的に相談をしてきめる。なお、地方地方で県の教育委員会が同じように指定をしておる場所もございますから、そういった点については、文化庁の指導を受けながら、地方教育委員会が国鉄と具体的に相談をいたしまして、いま言ったような大体三つの色分けにして保存をはかっておるということでございまして、環境の変化には非常に関係の深い工事でございますけれども、そういう文化財の保存等の、まあ何といいますか、環境の破壊というようなものにつながるような工事は極力これを抑制し、関係の当局と十分に協議をしながら工事を進めておるというのが実情でございまして、その点、何か具体的にありましたら、おっしゃっていただきましたら、その点は十分に指導をしていくつもりでございますが、現在までのところは、各地とも大体いま申し上げたような方向で、関係省庁の十分な理解と協力のもとに行なっておるというのが実情でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 その具体的な例が一つあるのです。この間行きました岡山で私は陳情を受けたわけであります、学者や文化人の方々から。岡山県は、御承知でありましょうが、日本で一番古墳の多い地域でございます。非常に重要な古墳がたくさんあり、遺跡が多い。ところが、今度の新幹線の場合には、ここに地図がございますけれども、弥生時代であるとか、縄文時代であるとか、古墳時代の重要な遺跡がずっと新幹線にぶつかっておるわけです。そこで、いろいろ陳情を受けてお聞きしたのですが、道路公団の場合には、文化財保護ということで非常に変更もよくしてくれるけれども、新幹線の場合には全然応じてくれない、何とかしてくれと、こういうふうに言われたのでございますが、この点はどうでございますか。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) 幸い、手元に多少の資料がありますからお答えいたしますが、いまの岡山県の新幹線の建設に伴いまして、私どもの調べでは、十四カ所の古文化財が発見されたと伝えております。このうちで、岡山市地内の雄町という遺跡及び吉備町地内の川入遺跡、それから庄村地内の上東遺跡、これらの遺跡につきましては、新幹線の高架橋のスパンを変えまして、現地においてこれの保存をはかるような措置を講じております。なお、残りの十一カ所については、発掘して、先ほども申し上げましたが、その記録をあとに残しておくような方法で工事を進めようということになっておるのでありまして、これは国鉄当局が自分だけの考え方で進めておるものではございませんで、さっき申し上げたような、文化庁の指導を受けながら、各当該県の教育委員会と十分具体的に相談をして工事をやっておるものと考えておるのでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もう時間がなくなりましたので、もう一つ御質問申しますが、国土調査法によります国土調査の進捗状態につきまして御説明を願いたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 国土調査の進捗状況は、昭和四十五年度を初年度といたしまして、十カ年計画をつくってやっておるわけでございますが、その中で土地分類基本調査というのがございまして、これは、計画量の七五%がすでに調査済みでございますが、その他の地籍調査というものが計画量の一四%にとどまるというような状況でございまして、もっとこの事業量の拡大をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。  実は、そういうふうな状況がなぜ起きたかということでございますけれども、四十七年度に比べまして四十八年度の予算は二三%もふえて、金は相当ついているんですが、二三%のうちの一六%は単価アップでございまして、事業量の拡大につながるものは六%程度になっております。ここで市町村で国土調査をやってもらうわけですが、そこで、人手の足りない問題もございます。それから土地が非常に流動的であるということも問題でございまして、そういうような点から、なかなかいま申し上げたように、一部は進んでおりますが、地籍の調査というものは非常に進まない。そこで、航空写真をとって、航空測量というような新しい方法を開発しようということで、いま鋭意検討中であるわけでございます。  で、地籍調査というのは、毎筆の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界、地積に関する測量を行ないまして、その結果を地図及び簿冊に作成することでございまして、非常に重要なことでございますので、何か新しい方法を開発しようということをいまやっておるわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 とにかく、この国土調査は非常に重要な調査でございまして、それが、いま聞きますと、地籍調査におきましては一四%とか言われましたが、これはほんとうは、私が聞きましたところ、一九%ぐらいだということで、そのことのほうがほんとうだと思いますが、いずれにしてもたいへんなお粗末な状態、これで、はたして科学的な土地政策が立つのかどうか、これはちょっとだれしも納得できないところであります。やっぱり行政の怠慢ではないか、こういうふうに言わざるを得ないと思うのであります。  しかし、もう時間も参りましたので、私は最後に結論的な質問だけを一つ申し上げたいと思います。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 塚田君、簡潔にお願いします。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 はい。  今日、日本の国土政策につきましては、現在まさに一つの歴史的転換点に立っていると思うのであります。大企業優先、開発優先の立場に立つか、われわれ共産党が主張するような、命と暮らしを守り、住みよい国土をつくる総合計画の立場に立つか、まさに重大な選択を迫られていると思うのでありますが、このいずれの立場を政府はねとりになろうとするのか。これをまず第一にお聞きをしたい。  第二に、当面の国土開発の計画の問題でありますが……。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 塚田君、簡潔に願います。時間が一分過ぎておりますから。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 はい。  大規模工業開発、新幹線、高速自動車道、こういう地域住民の生活や自然条件を大きく変える開発計画につきましては、これは急いではならないということであります。事前のあらゆる予測調査、住民の合意、十分な時間をかけるということであり、これが最低限の要件だと思うのでございます。つまり、一言で言えば、疑わしきは開発せずということを私は原則にすべきではないかと思うんですが、この御所見を最後にお伺いして、私の質問を終わります。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) 前段の問題につきましては、大企業のための国土開発であってはならないことは当然であります。また、道路その他、公共事業を推進する上におきましては、私は、道路をつくるにつきましても、いままでのように、ただつくればいいということじゃなくて、これをつくるについてはいわゆる公害の問題や住民感情も取り入れて、対話のある中で道路建設もしていかなくちゃならない、公共事業の推進もしていかなければならないと、こう考えております。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) これにて塚田君の質疑は終了いたしました。   午後一時まで休憩いたします。   正午休憩      —————・—————   午後一時八分開会

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、質疑を続行いたします。安永英雄君。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 四十八年度の国立学校の設置の問題についてお伺いをいたします。  今年度の国立学校の諸学校の設置の予定についてお尋ねをいたします。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国立学校設置法等の一部を改正する法律案を通じまして、国立大学、大学院及び学部の設置を進めようとしているわけでございます。  第一に、新しい構想に基づく筑波大学を創設することとしております。東京教育大学の筑波研究学園都市への移転を契機として、新しい構想に基づく筑波大学を創設することといたしまして、本年十月開学、昭和四十九年四月から第一学群、医学専門学群、体育専門学群の学生を受け入れることとしております。  第二に、医科大学及び医学部等の創設を進めることとしております。近年における医療需要の増大及び医師の地域的偏在に対処し、医師養成の拡充をはかり、医学の研究を一そう推進するとともに、看護婦などの医療技術者の資質の向上をはかるため、次の措置を講ずることとしているのであります。その一つは、旭川医科大学の創設でございまして、入学定員百名でございます。その二は、山形大学医学部の創設でございまして、入学定員同じく百人。その三は、愛媛大学医学部の創設でございまして、入学定員は同じく百人でございます。その四は、東北大学医療技術短期大学部の創設でございまして、入学定員は百六十人でございます。  第三に、大学院については、これまで大学院を置かなかった次の二大学に大学院を新たに設置し、当該大学の学術水準を高めるとともに、研究能力の高い人材の養成に資することとしております。その一つは、埼玉大学に工学研究科、入学定員四十二人で置くことであります。その二は、滋賀大学に経済学研究科、入学定員四十人で置くことでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 本年度の設置にはならないけれども、希望申請が相当出ていると聞いてますが、この希望申請はどのくらい出ているのか。それから、この申請の内容として、設置基準というものには達してるけれどもできていない、ことしは設置しないというのはどれぐらいか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国立学校についてお答えを申し上げたわけでございますが、大学における教育研究体制の整備、あるいは地方における高等教育の拡充の観点から、国立大学、学部の新設に対する希望は多数にのぼっておりまして、たとえば、昭和四十八年度概算要求のときに取りまとめました各大学からの新設の希望の学部は二十九学部でございました。うち、医歯薬系が十二学部、人文社会科系が十学部、理工系が三学部、その他四学部でございました。このほか医歯系統を中心にしまして大学、学部の新設を希望する地方公共団体の数も多数にのぼっておったわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私が聞いたのは、いわゆる開校を希望するとか設置を希望する大学あるいは学部、大学院、こういったもので、条件がいわゆる整っておって、ことしできなかったもの。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 条件の整った……、むしろ私学の関係の設置認可のことですか。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 国立大学です。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国立大学だけでございましょうか。——国立大学につきましては、条件で言います場合に、施設は当然予算をもって計上していかなきゃならないということになるだろうと思います。教官組織のこともございますし、あるいは環境、全体のこともあろうかと、かように考えるわけでございまして、医歯系を中心にして充実をはかっていこうと、こういう方向でまいりましたので、いま申し上げましたようなものを認めるにとどめたわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、設置基準その他条件は整っておるけれども、予算の上でどうしてもことしの設置には間に合わなかったと、こういうことですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) そうお考えいただいてもよろしいかと思うんでございますが、ことしとしましては、筑波をはじめとしまして医学部等、かなり多く取り上げておりますので、将来の問題として、さらに一そう国立大学全体の拡充を考えていきたい。ことしは、お考えのようにおとりいただいてもけっこうだと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 十八日の総括質問で私はお答えをいただいたわけでありますが、総理が言う学園都市の構想、あるいは文部省が考えている地方分散の大学の構想、これあたりから考えてみますというと、来年度というものは相当予算の上でも確保し、この大学の増設という問題については、これは傾向として多くなると確認してよろしいか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 四十九年度におきましては、医科大学、医学部を含めまして四つ設けることにしているわけでございます。これも、従来から考えますとかなり規模の大きい増設だと思います。  いまおっしゃいました新学園等建設調査費五千万円を計上さしていただいているわけでございます。これら非常な熱意をもって取りかかっておるわけでありますが、四十九年度創設というかっこうにまいりますかどうか。できればそういう方向に持っていきたいと思いますけれども、なかなか研究調査にも準備を要することでございますので、必ずできるのだと、確信をもって答えることはむずかしい。しかし、そういう意気込みで努力をしていきたい、かように思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは、国民は国会の答弁で非常に期待をしておるわけであります。幼稚園に入るときから、もう大学を考えて入っているという状態の中で、あれだけの発言があったんですから。いつまでにこの計画を発表できますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 予算が成立いたしましたらさっそく調査会の人選、発足をはかりたいと、かように考えているわけでございます。同時に、数多くの新学園を建設したいという希望も持っているわけでございますし、また、国内の適地の調査ばかりじゃなしに、海外の調査も遂げてもらいたい、そうして結論を出してもらいたい、こう考えているわけでございますので、調査会が発足いたしますと、基本的な項目はなるたけ早い機会に確立をしたいと、こう思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いまの説明を聞きますと、本年度の設置の中で、特に医科大あるいは単独の大学、あるいは学部、あるいは養護学校、その他非常に急を要する、国民の非常に期待をしておる国立学校ばかりであります。これについて、現在の学生の募集というものについては、いまどうされておりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) やはり、法律の成立をまちませんと着手するわけにいかない。何とか早く法律が成立しないものかなあと念願し続けているわけでございます。大体法律が成立いたしまして、入学試験を行なうのに一カ月ぐらいかかるのじゃないだろうかと、こういうふうに思っているわけでございます。法律が成立いたしましたら、すぐに入学試験要項を発表して、入学試験の準備をしたい、かように考えておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは、国立学校の、ことし予定しておる諸学校の学生生徒というものについては一切まだ募集はしていないということですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは、いまさっき述べられた諸学校の開校日、あるいは開部の日、これは何日になるのですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど申し上げました学校の中には、新しく学部をつくる、したがって、学校そのものは存立しているというのもございますし、今度の法律に基づきまして、新しく学校から発足していくというのもあるわけでございます。いずれにしましても、法律が成立しましてから入学試験実施までに一カ月内外はかかるのじゃないか、こう考えられておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 旭川の医科大は何日に開校するのです。法律では四月一日になっていませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 四月一日を希望して法案を提出したわけでございますけれども、もうすでに四月に入ったわけでございますから、当然法案の修正を要する——政府のほうからそういう修正案を提出させていただいた、その中に、その項目も入っているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 例年、大体国立学校の設置というものと国会のかね合わせというもので、四月一日と法律案に明記しても、これが実現したことはない。この例を知っていますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 予算が若干ずれたときには、法案の成立もおくれているようでございます。そうでないときには、年度内に成立を見ているようでございます。もし必要でございましたら、各年度の経過を御説明申し上げます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 一昨三十一日に決定をした十一日間の暫定予算の中にこの種の予算は入っていますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 新しく学部で定員をふやしたり、あるいは大学院で新しく研究科目を設けたりいたしますのは、予算で措置できますので、千九百名ぐらい学生が増募になる、その分の十一日分は計上させていただいたわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 たとえば、旭川の医科大新設について例をとりますというと、地元では、これは医師の養成、特に、たとえば北海道に医師が足らない。したがって、地元のほんとの医師を養成したい、こういうことで、あなたのところでは地元負担というものをかけておる。それに応じて四月一日にあなた方のほうで叱吃激励をし、おとといまで徹底して四月一日の開校ができるようにと進めておいて、ただ単に、日にちを変えればいいというわけにはいかないと思う。地元負担はどのぐらいかけているんですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国立大学を新設するにあたりましては、地元で土地のお世話を願う。その地元でお世話願う、土地を地元の寄付にまつという考え方も一部にあったようでございます。しかし、それは適当でないということで、地元で用意していただいた土地につきまして、さしあたりは地代を国から払って、そして借り上げをさしていただこう、こういうことになっているわけでございます。地元としてどのような負担をお持ちいただいたか、具体的には承知しておりませんけれども、あるいは関連して道路を整備するとかなんとかいうことで、いろいろ御協力いただいていることは相当な額にのぼるんだろう、かように思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 地元で、用地、住宅、病院、仮校舎、こういったもので約三十億の負担をかけておる。そして地元は四月一日を期待して、皆さんから叱咤激励されて準備万端整っておる。地元は、とにかく雪をかき分けてでもあの北海道に土着をして、そしてそこの医師の役割りを果たしてもらいたいという熱意に燃えておる。こういった点について、大臣は、この地元負担という問題と、それからそういった地元の要望という問題についてどうお考えになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 医師の養成につきましては、医療需要に応じまして地域的な配分を考えていかなければならない、そういうこともございまして、旭川に医科大学を創設するという考え方に踏み切らせていただいたわけでございます。それだけに、また地元の熱意も強いものがございますし、特に、関連教育病院のことなどにつきましては、特別な御協力をいただいているようでございます。したがいまして、なるべく早くその要望にこたえたい。幸いにして、衆議院におきまして、数日前に国立学校設置法等の一部改正案、本会議の趣旨説明が済みましたので、早急に委員会で審議を経て、参議院に送付していただけるだろう、これを期待しているわけでございます。早期の法律成立を心から期待しているものでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 例年の例を見ればわかることですがね、特にことしは、今度の設置法というものを提案され、その中で、大学の自治、学問の自由、これに触れる、憲法にも触れるような筑波大学の設置というものを含めて、セットにして出しているというところに問題がある。いままででも、大体五月の末か六月の末まで、ただ単に現行の法律によって設置をされる大学にしても、そういう期間が来ておる。まして筑波大学の問題は、そう簡単に結論が出るものではない、私はそう思うのですけれども、あなたは、衆議院に提案しておるから、参議院じゃあっという間にあがるような答弁をされるけれども、この問題は、とてもとても、これはいま予定しておる会期中にあがりませんよ。そのときにはどうするかという問題。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) ぜひ御審議いただきまして、早急に結論をお出しいただくように、そして成立させていただくように、心から期待を申し上げておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは、切り離して、提案をし直すという気持ちは全くありませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 現行法の体系におきましては、政府が提案しておりますような仕組みをとることが筋道だと、こう考えておるわけでございますので、切り離すことは全然考えておりません。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうは言っても、いま四月一日開校を待っておる、この予定されておる学校というものは、非常に待っておるし、全国的にも、もうすでに、たとえば旭川におきましても、これは四千名からある、いわゆる百人の募集定員について四千人からの希望者が押しかけるという予測がほとんどできている。これみな、あなたの話からいけば、この法律が通って、それから受験があって、一カ月くらいたって云々ということがありましょうが、これについては、これは一つのメリットがありますよ。この点、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 一つ一つ切り離して国会に御審議をいただく、そういう方法もあり得ないわけではないかもしれませんけれども、従来から一貫して、国立学校を設置します場合には、国立学校設置法の中に明文の規定を置かしていただいたわけでございます。そのほうが御審議いただく場合にも、また、一般国民が国立学校をながめます場合にも、見やすいのではないだろうか、こう考えておるわけでございまして、ぜひ一貫して国立学校設置法の中に規定させている姿に従って御審議賜わりますようお願い申し上げます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 筑波大学を通さないと、筑波大学を早く通さないと、例年のような各新設校についてはこれはもうとてもつくらないぞと、一種のどうかつじゃありませんか、これ。国民をばかにした考え方じゃありませんか。全国ですよ。これは国立大学ですから一全国の国民が、子供を持っておる、高等学校卒業生を持っておる親が、いつあるのか、これを待っているのですよ。憲法にも触れるような、憲法論議からやらなければならぬようなこの筑波大学の、大学は全く変わるという性格の中に、これを例年のものをひっつけて、そうして、すべてが通らなければこれは開校させないぞというふうな立場というものは、私はこれはどうしても了解できない。もう一ぺん言ってください。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 筑波大学につきまして、憲法論議から始めろ——いろいろな角度から御審議いただくことはけっこうなことと思います。ただ、国立大学の管理運営の方式がたった一つしかない、それ以外は一切認めないという考え方もいかがなものであろうか。東京教育大学が希望されておるわけでございますから、その希望に基づく構想を一つの型として加えさせていただく、そのことを私はもう少しおおらかに考えていただける性格のものじゃないか、かように考えるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは、私は筑波の問題については別の機会にまた論議をするとして、筑波を含めて、あなたの考え方としては、例年これは夏休みを使っているのですよ。新設校でおくれたら夏休みとかなんとかを使って、何とか一学年を、単位を取らせるようにするわけですよ。そうするとメリットがあるのですよ。あなたは筑波の法律案というものをいつまでに通すというふうに考えているのですか、メリットがあるのですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 法案そのものは二月に提出させていただいたわけでございます。できる限り早く成立することの希望を心から持っておるわけでございます。お話のように、いままで法律の成立がおくれたために入学試験の実施がおくれた、その場合に授業時間数がなくなってまいりますので、夏季休暇等を利用して授業が行なわれてまいってきているようでございます。本年度もまたそのような方法を関係の学校においてはとらざるを得ないのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 夏季休暇では間に合わないですよ。私は時間がありませんから言いませんが、この点について、もしもそういった、開校ができない、あるいは非常におくれて、とてもことしでは開校できなかったという責任は、あげてあなたにあるのですよ。政府にある。私は責任があると思うのですがね。そういった、通り一ぺんの、とにかく法律さえ通してもらえばいいんだからという、そういう答弁じゃなくて、私は、これは自民党の皆さんだってどこだって、この問題については、いつごろまでにはできなかったら、とにかく切り離させてもやるという誠意を示さなければ、国民に相すまぬのじゃないですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 筑波大学も国立学校でございまして、国立学校は全部国立学校設置法の中に肩を並べておるわけでございます。同時に、また、いまの大学、いろいろな紛争も起こっているわけでございまして、各大学が自主的に改革に取り組んでいただく、その意欲も持っていただいていると思うのでございますけれども、非常に大切なことだと、かように考えます。東京教育大学が筑波へ移転するにあたって、新たなるビジョンをもって新構想の大学をつくっていきたい、これにこたえているわけでございます。こういうことにこたえることが、また、各大学につきましてそういう意欲をさらに一そう強めていただけるということにもなるわけでございますし、これを契機に、ある程度大学の弾力化もはかっているわけでございます。そういう意味においては、他の大学にも関係を持つわけでございます。筑波大学が孤立しているのじゃなくて、国立大学につきましての制度の弾力化を、この規定を通じましてはかっているわけでございますので……。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 その問題を論議しているのではなくて、筑波以外の問題をどうするのだというのです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) そういう意味において、相関連するわけでございますので、相関連して御議論いただきまして、できるだけ早く御結論をお出しいただくように期待をしているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 切り離さないというのだったら、あなたのほうで各新設校についての、あるいは非常に不手ぎわが起こったり、開校ができないという問題については、あげてあなたの責任なんだということだけを申し上げておきます。  次に、昨年から浪速大学、あるいは埼玉医大、あるいは福岡歯科大、こういった一連の私学の医科・歯科関係の認可をめぐっての不正事件が非常に多い。最近、長野のいわゆる松本歯科大の認可をめぐる問題について事件が起こっておることは、もう御承知のとおり、もう起訴されている。文部大臣から、この事件について、いままで調査された概要を説明願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話のとおりに、松本歯科大学の設置にからみまして刑事事件が発生いたしましたこと、まことに遺憾なことでございまして、責任を痛感いたします。このことをめぐりまして、四十五年以後に認可いたしました私立の医科・歯科大学について、あと追いの調査を始めているわけでございます。松本歯科大学につきましては、学校を新設するに要する経費の三分の二の自己資金は用意してかからなきゃならない——現在は四分の三にしておりますが、当時は三分の二の自己資金は用意してかからなきゃならない、その自己資金として、土地は別にしまして、二十八億円を用意していると、こういうことになっておったわけでございます。検察庁の調べでは、二十八億円が皆無どころではなくって、出発点からマイナスを負っておったと、こういうことを言っておられます。また、松本歯科大学のほうでは六億円近い自己資金は持っておったんだと、こう言っておられます。いずれにしましても、文部省へ申請されましたところとは大きくかけ離れておることは事実でございます。したがいまして、さらに申請したとおりに私たちとしては実行をしていただかなきゃならない、こういう気持ちを持っているわけでございます。同時にまた、四十五年以後に認可しました私立の医科・歯科大学、まだ調査を完了したわけではございませんけれども、新しい発見は、設立されたときの金額よりも、学校によりましては所要経費が二倍、二倍半になっているというところがございます。同時にまた、用意された自己資金がほんとうに完全に寄付金等で用意された学校ばかりであるかどうかということにつきましては、若干疑問を持っております。あるいは、入学にあたって寄付金を求める、そういう金で埋めようとされておった学校が、あるいはあるんじゃないかなという疑問を持ち始めておるわけでございまして、いずれ、調査の完了をまちまして、必要な対策を講じていかなきゃならない、かように考えているわけでございますが、現在の段階では、このようなことでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 東京地検特捜部がこの捜査に入って、二十七日、二人を起訴したという報道がありますが、法務大臣のほうから、この捜査の経過なり結果についてお知らせ願いたい。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 第一線の捜査に関するお尋ねでございますので、刑事局長からお答えいたします。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) お尋ねの松本歯科大学の事件につきましての捜査の経緯でございますが、本件につきましては、昨年の十一月の中ごろに、ある捜査の端緒を得まして、東京地方検察庁特捜部におきまして捜査を開始いたしまして、その後、本年の一月に至りまして、大学の事務局とか、取引銀行でございました住友銀行の銀座支店、あるいは今度起訴されました常務理事の自宅等、関係場所の捜索をいたしまして、証拠物の差し押えをいたしますとともに、関係者の取り調べをいたしまして、先ほど御指摘のとおり、三月二十七日に公正証書原本不実記載ということで、常務理事である二名を起訴したというのが経緯でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 少し聞きたいわけでありますが、許可申請を出した際の財産状態について、どういう捜査の結果が出ていましょう。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) すでに新聞に出ております公訴事実について申し上げますと、要するに本件は、登記所に学校法人の設立登記をいたします際の資産の総額につきましての虚偽があったということでございまして、地方検察庁の調べによりますと、その資産の総額はゼロ、皆無であったにかかわらず、三十億七百三十八万六千六百三十八円という積極資産、純資産があるという内容虚偽の登記の申請をしたということでございます。なお、さらに詳しい内容につきましては、ただいま公訴提起をしておりますので、公判の過程において立証することでございますので、それ以上はお答え申し上げることを差し控えさせていただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これはわかりませんか。裏入学金の実態、裏入学金の半数以上が東京歯科大のOBの子第であったという、こういった外的な問題は発表できませんか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、どういう資産があるという虚偽の申請をしたかということにつきましては、できるだけお答えを差し控えさせていただきたいと思いまするが、資産として申請したという中に、いま御指摘のような寄付金という名で、実は借り入れ金あるいは預かり金であったというものがあるということは申し上げられると思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 もう一つ聞きますが、大成建設が、金をもらわないのに、うちを建てた、そうして領収書を発行している。この点だけは発表できませんか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、これから公判の過程で、いま御指摘のようなことの関係につきまして立証していくという段階でございますので、その点はごかんべん願いたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 法務大臣にお尋ねをしますが、とにかく新聞で発表されておる、いわゆるそちらで発表された範囲内においてもいろいろ問題がやはりあるように思うし、すべての捜査、公判が終わらなければという問題もありますけれども、いまの段階において、私は、法務大臣として、文部行政、これについてやはり考えなきゃならぬ点が、これは抽象的にも出てくると思うんですが、そういった点があったらお知らせを願いたいと思います。

田中伊三次自由民主党法務大臣

○国務大臣(田中伊三次君) 認可をいたします認可の基準に関する問題でございます。内容を具体的に、いろいろ所見を申し上げますことは、私の所管外でございますけれども、今度の捜査にかんがみまして考えますところは、どうかひとつ認可の基準を厳正確実なものにしてもらいたい、そうしてもらうことが望ましいというように考えます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 法務大臣、起訴状の写しは出していただけますか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 従来から、起訴状そのものを差し上げた例はございませんで、公訴事実の要旨を差し上げるということはいたしておりますので、その点はそういたしたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 文部大臣にお尋ねしますが、私立大学の審議会委員の構成、人選についてお知らせ願います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私立大学審議会の委員は、私立学校法に規定されているわけでございます。そういたしまして、全体の四分の三は、私立大学の団体からの推薦を受けまして、その中から任命をするということになっています。四分の一につきましては、学識経験者から文部大臣が選べるということでございまして、任期四年、二年ごとに半数交代ということでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 だれですか、名前は、年齢は。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先般一人おなくなりになりましたので、全体で現在十九名でございます。平均年齢で申し上げますと六十九歳でございます。会長が慶応義塾大学の塾長であります佐藤さんでございます。あと、お名前申し上げるのですか。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 はい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 今小路さん、相愛学園の理事長でございます。それから前福岡大学の総長の今村さん、金沢女子短期大学長の上田さん、青山学院長の大木さん、並木学園理事長の大沼さん、前明治大学総長の春日井さん、前立教学院理事長の河西さん、関西学院大学長の小寺さん、学習院長の桜井さん、慶応義塾大学塾長の佐藤さん、東北薬科大学理事長−学長の高柳さん、駒沢大学法学部長の滝野さん、実践女子学園副理事長の多田さん、日本歯科大学理事長・学長の中原さん、慈恵大学理事長で医科大学長の樋口さん、東京芸術大学長の福井さん、津田塾大学長の藤田さん、富士短期大学理事長の二上さん、早稲田大学総長の村井さんでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 その中で学識経験者はだれです、その代表として出ているのは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 政府委員のほうからお答えさせていただきます。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 学識経験者でございますが、並木学園理事長の大沼さん、学習院長の桜井さん、駒沢大学法学部長の滝野さん、それから慈恵医大理事長の樋口さん、東京芸大学長の福井さんの五人でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 大学設置審議会の委員のメンバーをお知らせ願いたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) お答え申し上げます。  現在、大学設置審議会の委員は、四十一名でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 医学専門委員会はどうなっているんです。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 大学設置審議会のこの総会のほかに、個々の専門領域につきまして専門委員を設けております。医学の専門委員は、いま約十名前後であったと思っていますが、ちょっと、もう一度正確に調べましてお答え申し上げます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 名前も言ってください。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) この専門委員会につきましては、専門委員の名称を、従来から審査の関係もございまして公示しないことにいたしてございますので、名称——お名前をこの席で発表さしていただくことはちょっと遠慮さしていただきたいと思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 何でそれは秘密にするんです。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 専門委員会の委員に対しましては、いろいろな申請者側からの動きその他を私どものほうで配慮いたしまして、個別にお名前を公表しないという方針をとってきたものでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 文部大臣も、あとでいろいろ対策はお聞きしますけれども、私は、そこが官庁のつまらぬ小手先のあれだと思う。こういうことが起こるのはそこらにあると思う。これは全部、学校でもつくろうかという人なり、学校関係全員知っているんで、文部省だけですよ。全部知っている。委員が全部流しているじゃないですか。運動するときには、その自宅まで全部行っている。昨年の九州歯科大の学生がいろいろ文部省に陳情に来たけれども、あの学生だって軒別全部回っている。学生だって知っているんですよ。この点、どうです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 医大の設置をめぐりましていろんな問題が起こっている際でございますので、私大の設置認可全般の問題について、私上しては再検討をしたいと、こういう気持ちで、事務当局に対しましてもいろんなことを命じているわけでございます。同時に、認可が事務次官に委任するかっこうの運営になっておりますので、全部大臣に、私が在任中は、あげてくれと、こういうことにいたしておりまして、全体について見直してみたいと、こういう気持ちを強く持っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは発表していただきたい。  それから、私が言いたいのは対策で、法務大臣もちょっときびしくチェックしろという注文でもあったわけですけれども、それが、一番基本にたる審議をする機関、ここあたりに私は欠陥があるから聞いておるわけです。この欠陥について、主だいろいろありますよ。しかし、この問題の、いわゆるこの各委員会の認可をする手順の中における各機構というもので、大臣、考え直さなきゃならぬ点があると思うが、その点、ありませんか。文部大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 事務当局といたしましても、たとえば資金の問題をめぐりましても、ずいぶん入念な調査をしてきたようでございますけれども、くぐろうとする人が考えますと、そんな入念な調査は簡単にくぐれるようでございます。そういうことを考えますと、ほんとに根本からもう一ぺん認可についての処理の方法、また私は、これ、立法措置もお願いしなきゃならない問題があるんじゃないかと、かように考えているわけでございます。総合的な対応策を立てたい、こういうことで、いま一生懸命勉強しておるところでございます。御指摘まことに私たちよく理解できるように思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私はここに大きな問題があると思う。先ほど言ったように、六十九歳平均、しかも、全部学長から院長、理事長、こういった高齢な方で、そして学識経験者といっても、同じようなところから出てきておる。これで、現地調査に行ったり、あるいは経理の面、建築の面、こういった面までわかろうはずはない。その人たちが東京におったって松本の現地調査はできない。私は、そういった点で、年齢の点あたりも考えなきゃならぬと思うが、その点、どうです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話のようなこともございまして、私立大学の関係の団体に推薦を求める際には、そういうこともつけ加えて推薦のお願いをしておったそうでございます。しかし、必ずしも期待どおりには運んでいませんでした。そういうことは、学識経験者の年齢が、たとえば四十四歳の大沼さんがいらっしゃったり、若干若い方方が多いと思うんでございますけれども、御趣旨に沿うように今後格段に留意をしていきたい、かように思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これだけは約束できませんか。学識経験者といったところで、建築とか、それから経理とか、こういった方を必ずそこの中に入れるということを約束できませんか。学識経験者とはそういった人ですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) ほんとうに私もそれが必要だと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に問題のあるところは、いわゆる設立認可基準というものについて、大臣からお聞きしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 設立認可基準の問題も、浪速大学の事件等が起きましてから改正をしてまいってきておるわけでございます。具体的に申し上げますと、特に医科大学等の設置につきましては、他の学部に比しまして事業規模が大きく、多額の資金と周到な準備を要しますだけに、審査にはより慎重を期する必要があるわけでございます。したがいまして、私立大学審議会においても、そのような方向で検討が行なわれまして、一つには、二年にわたって審査する二段階審査の方法を採用することとしたわけでございます。二つには、申請時に保有すべき自己資金を、従来は三分の二以上ということになっておったのを、四分の三以上に引き上げることにしたわけでございます。その三は、医科大学等を設置しようとするものは、原則として四年制大学において十年以上の良好な経営経験を有する学校法人ということにしたわけでございます。これらの建議が昨年の五月三十日に文部大臣に対してなされまして、これを受けて、文部省では所要の改正を行ないまして、昭和四十七年度の申請からこれを適用して、慎重に審議を行なっておるところでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 私が聞いておるのは、文部大臣、いわゆる文部大臣の責任として、これだけの設置の基準がなきゃならぬという、その基準は何かということです。そんなものじゃないでしょう、いまみたいに。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 大学設置基準等いろんなものがあるわけでございますけれども、設置にあたりまして、いろんな角度からもう一ぺん検討しなきゃならない。不正が行なわれないような問題もございますし……。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 現行のことを聞いているのです。改正はもちろんやらなきゃならない。現行どうなっているのだということを聞いている。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 現行の設置にあたりましては、私立大学の審議会と、それから大学設置の審議会と両方あるわけでございますけれども、それぞれにおいて、一つは資金関係の調査に当たりましょうし、一つは学校の内容の審査に当たるわけでございましょうが、同時に、現地に出かけて審査されているようでございます。されているようでございますが、先ほど来御指摘のような問題もございますので、これらの点については委員の構成その他から十分改革を行なっていきたいと、こう思っておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 あなた、答えてないですよ。設置基準は何かというんです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) ちょっと待ってください。政府委員のほうから具体的に御答弁させます。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 大学の設置基準でございますが、これは、文部省令で大学設置基準というものがございまして、これによりまして、人的な組織あるいは物的な施設、設備に関する基準が定められておるわけでございますが、これに合致するかどうかということが審査の内容になるわけでございます。それとうらはらの関係といたしまして、学校法人の面につきましては、学校法人設立等認可基準という文部大臣裁定の内規がございまして、これに従いまして審査をしておる、ということでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 内容を聞いておるのです。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 内容でございますが、学校海人の設立につきましては、当該学校を設置するに必要な資金が必要であるということでございます。まず、基本財産といたしましては、校地、校舎、設備、そうしたものが必要でございます。それから、運用財産といたしましては、当該学校が認可されました場合に、正常な運営ができるだけの一年間の資金を別途用意しなければならないと、こうしたことが内容になっておりまして、ただいま申し上げました基本財産、つまり校地、校舎、設備等につきましては、これを整備するための自己資金が必要なわけでございますが、一般の法人につきましては、これが必要資金額の三分の二以上ということになっておりますが、大臣からもお答えを申し上げましたように、医学部、歯学部につきましては、四十七年度の審査以降、この三分の二が四分の三以上ということになっておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いまの認可基準の中で一つの例をとると、基本財産、これは資金を有するというと、一〇〇%持たなければならぬ、三分の二とか四分の三とかいうことではないというふうに基本的にうかがわれるわけですが、四分の三というのはどこから出てくるのですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 全額必要資金を有するということはたてまえでございますが、先ほど申し上げましたように、三分の二、最近は医・歯学部につきまして四分の三と申しておるわけでございますが、これはどこの私学でもそうでございますが、長い年月かかって学校というものはいわば成長するわけでございます。したがいまして、その発足時に全部を自己資金として所有することは必ずしも一もっともあったほうがいいとは思いますけれども、そこまで要求することは、私学の設置を実際上禁止するにひとしいような結果にもなるわけでございます。学校が発足をいたしました後におきましても、浄財をもってこうしたものが充足できるならば学校としての認可を認めてもいいというのが従来からの考え方でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 その四分の三あるいは三分の二というのは、だれがきめるので丈それが一番問題ですよ。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) これは、私立大学審議会の御意見を伺いまして文部大臣が定めております。先ほど申し上げましたように、この全体の形式は文部大臣裁定ということでございますから、文部大臣が定めておるというふうなことで御理解をいただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これは省令でもなければ法律でもなくて、しかも国民だれも知らないのですよ。立てようと思う人も立て始めてようやく気がつくと、こういうところもある。これは法律事項ですよ、当然。内規とか、裁定とかじゃなく。しかも、事実上はこの審議会等が実ははじき出している。いまみたいに三分の二が四分の三と、何とかかんとか言いながら、かってにとんとん移動させておる。これではだめだと思うのですけれどもね。この点についてはどうです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私立大学の認可につきましては、先ほどもちょっと触れたわけでございますけれども、将来の需要、どういう学問を特に充足していかなければならないかとか、あるいはまた、進学志望に対応して地域的にどう配置されているとか、いろんな問題がございまして、設置基準その他全体的に再検討したい、そして必要な立法措置も講じたい、かように考えておるところでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 浪速大学の不正事件があって以来、今日までいわゆるこの事件が検察庁で明らかになる前まで、いわゆる昨年浪速大学のあの事件以降に、どういう反省をし、改正をやってきたかという点についてお聞きします。先ほどちょっと触れましたけれども、明確に言ってください。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 浪速医科大学の事件がございましてから、私立大学審議会におきましても強い反省がなされ、いろいろな検討が行なわれたわけでございまして、そして、医科大学、歯科大学につきましては、いままで一年審査であったのを二年審査にするということが一点でございます。二点は、自己資金三分の二以上であったのを四分の三以上にしなければならないということにしたわけでございます。三点は、医科大学等を設置しようとする者は、原則として四年制大学において十年以上の良好な経験を有する学校法人でなければならないというようなことをしたわけでございまして、なお、そのほか、施設の整備が従来よりも早く整っていなければならないというようなことにつきましてその内容も明確にし、前進さしたわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 今度の松本歯科大のこの事件後で、新聞等でもいろいろ発表されておるようですけれども、大臣としては、それを含めて、どういう改革をしなきゃならぬというふうに考えておられますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私立大学の認可のあり方は、先ほど来いろいろ申し上げているところでございます。さらには、認可後そのとおり行なわれているのかどうか。たとえて申し上げますと、定員と実際入学を許可した者との間には非常な開きがあるわけでございます。せっかく施設基準に合っているからということで認可しましても、定員の五割増し、十割増しで収容されたのでは、施設不足ということになってくるはずでございまして、そういうような認可後のあり方——私学の自主性も尊重しなきゃなりませんけれども、申請はただ形式だけだと、これでは困るのじゃないかという気がするのでございます。  もう一つは、最近しきりに言われております入学にあたってばく大な寄付を求められたということでございまして、これが入学を条件とするものではないにしましても、純真な多くの青年の気持ちをむしばんでいる、こういう姿のないようにするのにはどうしたらいいか。これは、正直言いますと、一番大きな私に与えられている課題だと、こう思っておるわけでございまして、問題は多岐にわたっていると、こう思っております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 時間がないから、私は提案を一応してみたいというふうに思いますが、まず、一つは、入学金、寄付金、これはこれだけ以上は取ってはならないという限度額をきめる考え方はないか。これは、いまさっき申しましたのは、私は法律ではっきり明示しないといけないということなんです。何だか大臣の裁定と言っているけれども、事実上は何か名前もあかせないような人たちが集まって三分の一とか二分の一とかやっている。捜査当局がいま公判廷に持ち込まれますけれども、弁護士あたりの一番追及の点は、そういったものを一応どこで規定しているのかというのが何もないんです。私はこれが一番たいへんだと思いますよ。表に出さなきゃうそですよ、何でも。そういった面で、私は、はっきり法律化しなきゃならぬ。その中で、入学金、寄付金というものは、これは浄財でやることは私立の問題として取ってはならないということにはならないと思いますけれども、膨大な、一千万円なら一応考える、二千万円出せば通してやる、こういう寄付金をゆうゆうとやっているというふうなことでは、これは国民に相すまないですよ。文部省としては、寄付金といったら、もうこれだけだという限度額を私学は全国的にはっきり示す。あるいは追跡調査というものもはっきりやる。それからいま言われた私立の歯科大、医科大、これはもうこの程度で押えるというはっきりデータを出して計画をつくってはっきり法的な措置を明示すべきである。あるいは自己資金というのも、こそこそときめないで、あるいは供託金制度も考えておるようでありますけれども、こういったものは、はっきり示しておく、法律できめる。  それから問題は、創設者についてのこういった事件を起こしたときの不正についての罰則というものは、刑事的にも行政的にもはっきりと法律で明記する。これは調べてごらんなさい。一回やった学校屋というのは、ここでやられたら、またずっとつくりますよ。こういう例を私は幾らでも知っている。もう失格者ですよ。一たんこういった不正を働いた者については、絶対に学校の創設その他については教育界に入れない。あるいは、刑法上の罰則を、いまみたいな不履行というふうな形ではなくて、明確に何条に触れると、こういつた法律をはっきり明記すべきである。あるいは二段審査というのも、かってな方法としてではなくて、これはもう法律なりあるいは省令というものでぴちっと私はきめなきゃうそだと思う。そうして、これだけのことは国民に全部知らせるということでないと、こういった不正はまた続く。ただ、追跡調査をしますとか、あるいは預託金をさせますとか、こういった小手先のことではだめだと思う。私はこれが一番大きな原因は、文部省が最低あるいは最低以下の次元でこういったものを考えていたところに問題がある。ここが私は一番きめ手だと思う。この点について大臣から御意見を伺いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いまお述べいただきました御意見、いずれも重要な御意見だと思います。そういうことを参考にしながら積極的に改革案を練り上げたいと、かように考えるわけでございます。私学の認可にあたって、いろいろな条件、それももっと公に明らかにしていくべきじゃないかというお考えもございました。もっともなことだと思っております。私学の自主性、これはやはりあくまでも尊重しなきゃならないと思います。それと両立させながら、どうやって大学教育の適正を期していくか、そこにまあむずかしい問題があるのじゃないかと、かように考えているわけでごごいます。  お述べいただきました中で、たとえば入学金の限度額を示したらどうかというお話がございました。率直に私の気持ちを申し上げさしていただきますと、私は表へ出るものならまかしたらいいじゃないかと。裏の金がばく大な金になっている。これが教育の機会均等というものをむしばんでいる。純真な青年が試験において相当な成績をおさめたつもりだと。にもかかわらず、寄付金の額が十分に出せない。そういうことであるいは不合格になったのじゃないか、こういう疑惑を持たしています。これはもうたいへんなことだと、このことを非常に心配をしておりますだけに、まず裏を表に出させる。入学試験、生徒募集、その要綱に明確に書くのなら幾らでもお書きなさいよと、むしろこういう態度をさしあたりはとる。私学のほうが財政責任を負っているわけでございますので、そういう方向の指導がより大切じゃないかなという気持ちも持っているわけでございますが、いずれにしましても、いろいろお述べいただいた御意見、みんな非常に重要な問題だと思いますので、真剣に考えていきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 真剣に考えるということは、私は法律化というものを提案したのですが、そのとおりですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど来申し上げておりますように、立法措置も講じたいと考えているわけであります。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 次に進みます。  今国会に教員の優遇措置と、こういったもので一〇%に相当する金額を予算化されておる、こういうことでありますが、まず、新聞等では人材確保と。私は、これはもう差別法案、こう考えていますけれども、文部大臣のお考えをお聞きしたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国の政治を進めていきます場合に、どういう方向に重点を置いていくか、いろいろな問題があろうかと思うわけでございます。やはり、教育の振興をはかっていく。日本の将来にとっても非常に重要なことだと。そうしますと、やはり教育界に人材が進んで入ってくれるような措置を講じていかなきやならない。人材が入ってきてくれるためには、社会的評価の問題とかいろいろな問題があるわけでございますけれども、職業選択の場合に給与という問題も一つの有力な選定基準になることには違いがございませんので、特段に教育に携わる者の給与を引き上げていきたいというように考えているわけでございます。それが日本のいまの政治の姿から見ました場合に非常に大切なことではなかろうかと、かように考えているわけであります。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ここで聞いておきますが、同じ職場におる事務職員、あるいは高等学校の先生、これは対象になっていないというのはなぜか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 法律が示しておりますように、学校教育の水準を引き上げていきたいということでございます。その場合に、他の公務員よりも優遇したい。優遇したいという場合には、他の公務員とどこで区分するか。義務教育ということになりますと、一つの区分だと思うのでございます。そういう意味で義務教育教員の優遇をうたったわけでございますが、これに関連いたしまして学校教育に携わる方々が給与の引き上げをはかっていくことができる、こういう期待を持っているわけでございます。他の公務員よりも優遇されなきやならない。その場合に、どこで線を引くか、たいへんむずかしいことでございますけれども、義務教育でありますと、実質的にも人格の基本の形成される時期がその時代でございますし、同時にまた、教育の中でも特に義務制がとられている。形式的にもそこで線が引ける。そういうところで義務教育の教員ということに的をしぼったわけでございます。しかし、これとの関連において他の学校教育に従事される教員の給与も引き上げていきたい。そして、学校教育の水準全体を法律第一条がうたっておりますように向上さしていきたい、かように考えているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 あとでゆっくり聞きます。  人事院総裁にお尋ねをいたしますが、政府のほうで、今度の予算で百三十五億のこの種の予算が計上されておりますが、この予算を編成する前に、あるいは法律案をきめる前に、総裁に相談がございましたか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 法律案を提案されます前に、提案者である文部大臣から私あての文書の意見を聞くという照会がございまして、これに対してお答えは申し上げております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 その際の人事院総裁のお答えはどうなんですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 少し不正確でわからぬところはあるが、根本的には異存はないというのが答えでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 おかしいところがあるけれども、本筋はよろしいと、こういうことですが、おかしいところというのはどういうところですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) おかしいという意味ではございません。やや不正確のところがあるがという意味でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 その内容は……。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 内容は、やっぱり表現その他でどうもはっきりしないところがある。しかし、結局は、これは法律が成立いたしますればわれわれが責任をもってまた勧告なり何なり申し上げるのですから、われわれ独自の解釈でいけばいいだろうというふうに考えておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 この法律案の中では、差し出がましくも人事院がそれだけの権限を持っておるのに人事院を著しく拘束をするというふうに私は考えるのですが、その点どうです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) その点の御心配はたいへんうれしく存じます。私どもは、第三者的あるいは中立的な立場をとっておるわけでございます。ということは、要するに、使用者側である政府の圧力にも屈しない、また、被用者側の圧力にも屈しない。われわれは良心をもって正しい行動をとるというところにあるわけでございます。したがいまして、もしもこのような事柄について政府が政府限りの命令によって人事院は勧告しなければならないというようなことで突きつけられれば、われわれとしてはそこに大きな問題を感ずるわけであります。今回の措置は法律案の措置をとられておるわけで、まあ法律と申しますれば、申し上げるまでもありません、人事院そのものの生みの親でもございますし、勧告権そのものが法律によってお与えいただいておるのでありますから、法律をもってああせいこうせいと言われていることは、これはいままでもたくさん例がございます。これは形としてはわれわれとしては異存はない。問題は、その法律案になるまでの案の過程、原案の過程においては、われわれはわれわれとして独自の見解を表明する機会を持っているはずです。そういう意味では、今回のようにこの席でわれわれの意見をお尋ねいただけるだろうと思うのです。また、あとおそらくお尋ねいただけるだろうと思いますけれども、それはたいへんうれしいことで、そういう面から今回の法律案を見ますと、これは幸いにして私どもが御承知のとおりに前に教職調整額というようなものも人事院が意見書を出しまして、これは立法化されました。その御審議の段階において、人事院は一体教員の待遇についてどう考えているかどいうお尋ねもしばしば受けまして、私どもは、現状では満足しておりません、もっともっとこれを改善する必要がある。いまから考えますと、多少どうも大ぶろしきを広げ過ぎたような感じさえいたしますけれども、われわれの志向する方向にはまさにこれは合致しているわけでございますから、その内容について根本的には反対はないというお答えを文部大臣にも申し上げた次第でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうしますと、人事院としては、予算がかってにきめられようとも、法律案が国会で通ろうと通るまいと、要するに、その方向は人事院としては独自の方向を行くんだと。まあそういうような法律があればいいとも悪いとも言わないけれども、これは人事院としては人事院の立場でこの教員の待遇、賃金というものについては考えていくんだというふうにとってよろしいですか、いまのは。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) たいへん卑俗な申し上げ方で恐縮でございますけれども、われわれは、基本的に勧告権を持っておりますから、これは可能である。しかし、それに加えて国会のお墨つきをいただければなおいいというのが率直な気持ちでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、たくさん例があると言われましたけれども、いままでありましたか。法律で決定をして、人事院こうしろと、こういう例はありましたか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) たくさんございまして、一覧表をあそこへ持ってきておりますけれども、これはまあ時間の節約上略さしていただきますけれども、先ほど触れましたように、人事院そのものが法律に基づいて設置されておる、給与勧告権もしかりということから申しますと、公務員法の中にも、しなければならないというのがたくさんございますし、給与法にもございますし、ことに、職階制に関する法律などというのは、もう、しなければならない、ならない、ならないづくしというくらいにたくさんありますけれども、これはあたりまえのことで、生みの親である最高機関たる国会が法律をもっておきめになっておるわけですから、これは法制上のたてまえとしては当然だろうとわれわれは考えておる次第でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 総裁は、かつて、人事院の勧告のときに言われたのですけれども、官民格差、これ以外に算定の方法はない。文部省からいろいろ言うてくるけれども、それについては感奮興起しない、私はそう考えないと、こういったことを言われたことがあるのですが、その点、いまでもお変わりありませんか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 他からのお話に対して私は感奮興起した覚えはございません。感奮興起するならば、みずからの信ずるところに向かって感奮興起して大いに邁進しようという気持ちを持っておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 それでは、中教審等がいろいろ五段階とか言っておりますが、いわゆる教職員のこの実態の中に職階級、職階制というものを導入してくるということは、人事院総裁としては、これはなじまないということをたびたび私は聞いたことがあるのですが、これは変わりはありませんか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 中教審のお話は間接には聞いておりますけれども、実は詳しいことは存じませんけれども、五段階とかなんとか言われておりますことは、おそらく教育行政組織といいますか、学校の職場の組織のほうの面に基本を持つ問題だろうと思います。したがいまして、そのほうは、われわれが直接関与すべき立場ではないわけであります。しかし、そういう法制が整って、あるいは法律案なり何なりでそういうものができた場合に、われわれはわれわれの独自の立場からその職なり何なりについて評価をいたしまして、これは給与上特別な扱いをするに値する職であるというふうに評価できれば、そういう評価をいたしますし、それができなければ、われわれとしてはこれを問題に上げるわけにはいかないと、そういう性格のものだと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 大蔵大臣にお聞きしますけれども、教員給与の改善費として百三十五億計上されておりますが、これの積算の基礎はどうなっておりますか。   〔委員長退席、理事西村尚治君着席〕

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 別途御審議を願っております法律案に書いてありますとおりの考え方を予算の上に計上したわけでございます。その考え方というのは、次代をになう教育の重要性にかんがみて、義務教育に携わる教員の給与を改善したい、こういう政府の意図に対しまして、人事院がこれは法律が制定されればそれに従って勧告を出されるわけで、いずれにいたしましても、財源的にも相当大きな問題でもありますし、それから政府の積極的な政治姿勢の意図の政策の表明でもございますから、来年の一月一日から向こう三ヵ月間、その該当者に対する一〇%に相当する給与費を計上いたしておいたわけでございます。したがって、その内容がどういうふうに配分されるかということについては、人事院の勧告に基づいて具体的な措置が講ぜられると、こういうふうに考えております。で、義務教育の教員でございますから、国立大学の附属の教員もございますし、それから盲ろうあ関係でございますか、そういう関係もございますから、これらをこの法律の趣旨に合致するようにその範囲はきめて、それらの人たちの三カ月分の一〇%に相当するものをいわばめどとして財源的な措置をしておいたと、これが予算計上の趣旨でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 人事院総裁もいまさっきおっしゃったんですが、人事院も独自な立場でやって、この金額の範囲内に入るとかあるいはオーバーするとか、こういった状態もあろうと思うのですが、そのときの措置はどうされるのですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、一般的に申しましても、たとえば人事院としてはベースアップの勧告をされることも予想されるわけでございますが、そういったような勧告を政府として尊重するのは当然のことで、また、実績の上においても財政当局としてはできるだけこの勧告の完全実施ということを尊重して実行もしてまいったつもりでございます。これはまあ経過的にいえばそのとおり実施できなかったことも多々ございますけれども、姿勢としてはそれをぜひ貫徹したいと、こう考えておりますから、その場合において、具体的にこの一〇%というのは、先ほど申しましたように、めどとして義務教育教員のために財源措置を講じておいたわけでございますが、それ以外にも、公務員給与の関係、あるいはそれには教員あるいは職員の関係も出てまいることもございましょう。そういう場合におきましては、別に財源措置は財政当局として知恵をしぼり、その財源をひねり出さなければならない。その方法論としては、従来の例でいえば、予備費というようなものは今回の予算には相当多額に組んでございますし、また、どうしてもできないということであれば、予算の補正ということもそのときの必要に応じては考えなければなるまいと思いますが、これは人事院の勧告の出た状況に即応してなるべくそれを尊重して実行いたしたいと、こういう考え方でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、いま計上されておる百三十五億というのは、これを配分しなさいという立場じゃなくて、勧告を受けてそれの一応人件費として上げているのだと、こういうふうにとってよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、前段で申しましたように、政府としては義務教育の教員の待遇を改善したいと、こういう政策を持っているわけでございます。で、このことを、はっきり、政府の政治姿勢といいますか、政策を政府提案の法律案の中で示しまして、そしてこれを示したからには、その財源のめどは、いま申しましたように、大蔵当局としては一〇%、三カ月分に相当するものを財源として組み込んでおいた。したがって、これは、義務教育教員のための財源のめどで特に積極的に予算の上に計上しておいた次第でございまして、それ以外には、いま申しましたように、国家公務員に対する人事院の勧告を尊重して、そして、これ以外のものがありますれば、それに即応した所要の措置を講じなければなりますまいけれども、特に義務教育教員については特に財源のめどをつけて財源措置を明らかにしてそして予算に編成をいたしまして御審議を願っているというのが、財政当局を含めて、政府の意図のあるところを明確にいたしたつもりでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 労働大臣、教員の給与だけを優遇すると、こういう目的で今度法律案が出ていますが、この趣旨をどう思いますか、労働大臣として。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。  公務員の給与その他の勤務条件については、私の主管外でありますので、この問題についていろいろ意見を申し上げるのはいかがかと思いますけれども、お尋ねでありますので、今度の法律は、いま文部大臣から話があったように、義務教育は大事だと、こういう意味で義務教育の充実整備、水準の維持向上、この意味で義務教育の教員の給与を国会の御判断を仰いで人事院の勧告を待ってそして改善するという意味と思います。さように承知しておりますが、ほかのいろいろなお問いかけはなかったと思いますけれども、お問いの趣旨は、ほかとの関係がどうだという御意思でしょうと思いますが、一般の公務員との均衡の問題は、これは私どもの主管でありませんので、人事院のほうで十分考慮すると思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 あなたの所管ですよ、これは。もう時間がありませんが、あなた、この前の国鉄のときでも、所管だろうと所管外だろうと私は一生懸命やりますと言いますが、四月末にはストライキをやりますよ。あなた飛び出してこなきやならぬですよ。  そこで、これは労働大臣に聞きますけれども、賃金というのは、もともと、やはり、使用者と労働者というものが対等に交渉して話し合いをして、そこで賃金が決定していくというのが本筋じゃないかと思うのですが、どうですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。  民間の場合には、これはもう対等の立場に立って労使がよく話し合って自主的にきめるのが原則であります。しかし、もう御承知のように、公務員は国家に奉仕するというたてまえから、従来から人事院の勧告を待ってこれを行なうと、一般の民間と国家に奉仕する公務員とは違っておりますので、今回もさような意味で国会にこの問題が提案されて御審議を仰ぐとなっておると思いますので、従来とあまり変わらないと思いますが、まあいろいろな意見については差し控えたい。私の主管でありませんので、当然そう申し上げることは必要ないと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 文部大臣、日教組と合わないと、こういうことですが、どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先般、日教組から申し入れがありましたときに、就任後間もないころでございますし、いろいろ多忙をきわめておりましたので、先にしてもらいたいと、こう申し上げてまいっているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 総理府の総務長官にお聞きしますが、他の公務員とのバランスで、教員だけがこういうふうな形の優遇措置というものを法律まで出してきめようという問題について、どう思われます。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから文部大臣もお答えになりましたとおり、今回の措置は、教育の重要性をかんがみまして、教員に対しまして人材を確保いたし、そして教育の水準を高め、教育のより一そうの充実をはかるということがねらいでありまして、それが人事院において十分第三者機関として御審議になりまして、これが公正に答申された場合に、私どもはそれをそんたくして決定いたすということになっておりますので、他の公務員との関係も従来のとおりの方式でとられておりますので、何ら変わるものではないと、こう考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 人事院総裁に一つだけ最後にお聞きしますが、教員の給与のあり方はどうあるべきかという問題について、お考えをお聞きしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しましたように、私はかねがねあらゆる機会に国会の御審議の場面でも申しておるのでございますけれども、結論は、やはり教員の方々の職務と責任ということの重大性ということから見まして、とにかく次代の国民を養成されるとよく言われますけれども、さらに深く掘り下げて言えば、次代の主権者を育成される、主権者の育成に当たられる非常に重要な使命をお持ちになっている方々だと私はかねがね信じておりますし、そういう意味で、いままでの給与のあり方ではまだまだこれは足りないということを基本に考えておりますので、したがいまして、一般の行政職の方々よりも、先ほど差別ということばをお使いになりましたけれども、いい意味での差別というものは当然あっていいものじゃないかと、そういう気持ちを持っているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 文部大臣にお聞きしますが、文部省として、教員の給与体系と、こういったものでいままでのらりくらりと逃げたのですけれども、昨年の七月三日と八月の四日に人事院に文部省が勧告前に申し入れた、これが唯一の給与についての考え方なんですよ。まあこれは時間がありませんから言いませんけれども、職務職階制を導入して今度勧告をしていただきたいという申し入れなんです。これは、新しくかわられた現在の大臣、この考え方は変わりませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 教職員の処遇の改善をはかってまいりますことは、文部省の最大の責任の一つではなかろうかと、かように考えるわけでございます。そういうこともございまして、昨年の七月に、御指摘のように、文部省から人事院総裁に要望をいたしているわけでございます。私も、またいずれ、この法律が成立しました段階におきまして、これだけにとらわれないで、もっとほかのことにつきましても全般的によく考えた上で人事院総裁にもお願いをしたいと、かように考えているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、やはり、職務職階制、特に具体的に出ておりますが、文部大臣としては、教頭の下にいろいろな職務職階をつけて一般教諭とは別な給与表をつくれとか、あるいは、その他の主事、主任級、こういったものをつくれと、こういう考え方が具体的に出ているのですが、そのとおりですね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 内容につきましては、これからよく勉強していきたいと考えております。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 ちょっとそれだけが、それが唯一の現在における文部省の教員給与についてのはっきりした態度が出ているんですよ。ほかは、あなたは答えぬでしょうが、幾ら言ったって。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 中教審の答申に若干うたわれているようでございます。中教審の答申の問題につきましては、たびたび申し上げていますように、給与の問題に限らず、全般について国民各層の意見を求めながら、話がまとまればそれで簡単でございますし、できる限り十分な論議を得ながら、まとまったものから成立をはかっていきたい、こう考えているわけでございます。五段階給与の問題もございますが、これをどう処理していったらいいものか、私はまだ具体的には考えておりません。自分自身の結論を得ておりません。よく勉強してまいりたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 主事、主任クラス、それから教頭の下にもう一つ給与表をつくれという具体的に文部省が出しているその態度は変わらないかということです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いまも申し上げましたように、いろいろな考え方があろうかと思うのでございます。そういう点につきましては、文部省の中に昨年から教員等待遇改善研究調査会というものが設けられているわけでございます。この調査会でいろいろなことを研究していただいている最中でございますので、その結論を得まして、できる限りその結論に従うように私としては努力すべきじゃなかろうかなと、こう思っておるわけでございます。そういうこともございますので、十分に研究した上で結論を得て、人事院に対しましても処遇の改善については特段の協力を求めるように努力をしていきたい、こういう決意でおるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 人材確保人材確保と言うけれども、この点について、給与はもちろん一つの柱と思いますが、そのほか、十分考えなければならぬと思う。人材確保について、人事院総裁の考え方をちょっとお聞きしたいのですが。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) お答え申し上げます。  まあ何よりの私どもとしての根本は、これは給与の問題だと思いますけれども、実は、いろいろ要望を承っておりますというと、まだまだほかにいろいろある。何も給与ばかりにしわ寄せされるのはわれわれとしては迷惑だというような率直にいって気持ちさえ抱くような場面がございます。われわれの所管ではございませんから、そのつど文部省その他には御連絡申し上げておりますけれども、たとえば、小さな問題でございますけれども、旅費の問題だとか、これが足りないとか、それから宿舎の問題、それから教材に対するいろいろな出費の問題でありますとか、事務職員が、これは国立学校にはないらしいのですけれども、地方の公立学校の場合、事務職員が非常に不足のために、先生方が事務職員の仕事までカバーせにゃならぬと、これはまことにいろいろごもっともじゃないかということで、総理にお会いした機会にもちょっとそういうことを申し上げたことがございます。文部大臣にはしょっちゅう申し上げておりますが、たいへん出過ぎたことでありますけれども、私どもの所管外として周辺にはいろいろまだ問題があるということを感じておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 同じく文部大臣、この点については、夢中になって何かこう一〇%を追ってそう好かれぬのでありますが、なぜ教員になりたがらないか。これは賃金だけの問題じゃないと思う。どうお考えですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 教育界に人材を導入するその方法として給与だけじゃないじゃないかとおっしゃる、そのとおりだと思います。そのとおりだと思いますし、また、そういう意味で、教員が社会的に高く評価される、そういう教育界にしていかなきゃならない、こうも考えているわけでございますし、また、個人個人にもいろいろ適性がございますので、適性に合わないようなところになかなか入っていくこともなかろうかと思います。いろいろなことを考えながら、職業選択の基準になりますもの、社会的評価とか、処遇とか——処遇もやっぱり非常に重要な問題でございますので、こういう方法をとらしていただいたわけでございまして、そのことがまた国の将来のために非常に大切なことだと、かように考えているわけでございます。また、社会的評価を考えますれば、一そう世界に目を向ける先生方になってもらう、思い切ってたくさんの方々が海外に出向いていただく、これも大切なことだと考えますし、また、教養面におきましても、再教育その他の点についていろいろな配慮を加えていきたい。そのほか、いま人事院総裁の言われた問題につきましても、いろいろ考えておるわけでございます。若干予算的にも計上さしていただいているわけでございますが、今後とも総体的に努力を尽くしていきたいと、かように思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 各方面のいま意見を聞きますと、必ずしもこの国会でこの法律を通さないでもいいように私は思う。それは人事院だって、その職責からいって、これは自主性を、そしていままでおっしゃったように、確としたる信念を持ってやって、意見も聞きました。これは人事院にまかせるということで、わざわざここで国会で法律をつくって、そしてかくかくしかようにやれというふうなことを押しつける必要がないような私は気がする、ますます。特にあなたのほうは、教員の給与はいかにあるべきかというのはいまから検討しますと、人事院総裁はぴしっと持っておられる。あなた、この国会で間に合いますか、教員の給与がどうあるべきかというのは。私は、日教組なりあなたなりとゆっくり現場の先生と話しあって、人事院とも三どもえになって話をして、そして次期国会でもきめるという形が一番よろしいと思うんですが、あくまでもこの法律案を出される理由についてもう少し聞きたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 佐藤総裁のような方が永久に人事院総裁していただきますとありがたいことでございますが、そうは期待できないと思うのでございます。同時にまた、佐藤総裁が教員の優遇を勧告しようと考えましても、どこまでできるか。やはり国権の最高権威が、教員の給与は他の公務員に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない、こう示されますと、自信を持って私は勧告できるんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。同時にまた、いままで議論になっていますような一〇%きりのことじゃございませんで、法律にも明示しておりますように、優遇措置について計画的にその実現につとめると、こう書いてあるわけでございます。一年限り一〇%上げればそれでいいんだということじゃなくて、もっと引き上げていく必要があると、これがこの政治判断でございまして、国会の御決定を求めているわけでございます。そういういろんなことから考えてまいりますと、やっぱり私たちは予算、加えてこの法律の制定が必要だと、こういうことでお願いをいたしているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 一番問題は、一番最後に言われた長期計画までこの国会できめるというのは私は不届きだと思うんですよ。この点についてあくまでもやっぱりそういった考えを持っているんですか、先の先まで。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) さっき申し上げました調査会、これは一〇%じゃなしにもつと引き上げる内容をきめていただくことを期待しているわけでございます。そういうこともございまして、調査会の結論を待つよりも、いまから前進さしていきたい。そういうことでこの法案の制定を求めているわけでございまして、そういう意味で非常に重要な意義を持っているんだと、かように考えているわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 まあ、これは後日、とにかくじっくりやっていきたいと思います。  防衛庁長官にお聞きをいたしますが、水戸射爆場の返還については三年、こういう条件つきでやっていきたい。あるいは芦屋射爆場、これは五年以内、こういうことを、特に芦屋射爆場の問題については、地元の代表が来て、これについて長官はお答えになったということですが、そのとおりですか。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 水戸の射爆撃場につきましては御承知のように返還になりまして、返還になりましたあと、今度は爆撃演習場として三年間だけ使わしてもらいたいということでございます。芦屋の射爆撃場につきましては、前々、地元の方々にこれが返還になりましたあと御相談をいたしまして、防衛庁のほうでぜひ使わしてもらいたいというお話し合いをいたしました結果、二、三の条件を付しまして、条件のうちの重要な一つは、五年たったらば周囲の開発状況等を考慮してあらためて協議をするという条件が、重要な条件があったわけでございます。そういうことで一応了承を得たわけでございます。得たわけでございまするが、その後、地元としても五年たったところであらためて協議をするということでは不満であるという御意見がだんだん出てきたようでございまして、私どものほうへもいろんな形でお話し合いがあって、この五年たったらば協議をするということをもう少し何とかならないか、結論は五年以内に限るということであったようでございまするが、そういうお話し合いがありまして、だんだん話し合いをしておったのでございまするが、去る二十八日であったと思いまするが、水曜日の日でございました。地元の代表が見えまして、ちょうど参議院の予算委員会のある最中で、私は途中抜けられませんので、昼の休憩の時間にお目にかかって話をしましたところ、従来の話の続きで、五年ということについてはもう少しはっきりした形を出してくれということでありましたので、私どもとしては、五年以内に極力代替地をさがして移転するように努力をするということで御了承を願いたいというお話をいたしましたところ、それでは了承できないということで、昼の話はそこで打ち切りまして、また予算委員会に参りまして、予算委員会が終わりましたあと、夕方再び会いまして相談をしました結果、どうしても地元としては使用期間は五年以内ということにしてもらわないと困ると、承知できないということになりまして、その時点で、五年以内に代替地を求めて移転すると、使わしていただくのは五年以内であるというふうに私どもも事情やむを得ず判断をいたして御返事をいたした次第でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 関連。  防衛庁長官、この問題について先般本委員会において小柳委員が質問をされております。その委員会での答弁の中では出ていなかった話でありまして、その質疑が終わった直後に——二十八日の午後四時だそうでありますけれども、参議院防衛政府委員室において、五年以内という話が防衛庁長官から三原代議士以下地元の「愛する会」という人々に向かって述べられたということであります。これは全くわれわれにとっては意外な話でありまして、この報告文書によりますと、「「五年以内に射爆場を撤去移転することを約束する」と云う文書を防衛庁より取りつけることに成功しました」云々というビラが現地に配られておる。こういうはでなビラがさっそく配られた。これは、国会でこういう論議が行なわれずに、そうでないところで、もうわずかにそれこそ数十分後に別な見解が述べられるということは、国会に対する、たいへん、これは軽視の姿だと私は思います。こういう経緯ははなはだ望ましくないと思います。このことは国会の質疑に照らして、しかるべからざるところは撤回をするなり訂正をするなり、あらためてひとつ、いまの安永委員の質疑に対して、この問題との関連において明確な御答弁をいただかなきゃならぬと思います。国会審議を別にしたところでこういう見解を表明されたことについて、明確に姿勢を御回答いただきたいと思います。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 同じく二十八日の午前の小柳委員から芦屋射爆撃場についての御質問がございました。一つの趣旨は、芦屋の射爆撃場を防衛庁が使わなければならない必要、その理由は何かということについてお尋ねがございました。それについてお答えをしまして、そのあとで芦屋の射爆撃場を防衛庁としては使わないようにすべきであると、使わないようにできないかという御質問がございましたので、私のほうから、芦屋の射爆撃場についてはまあ第一の質問でお答えしましたが、どうしても必要であり、地元とお話し合いをして一応了承を得たということでもありまするので使うようにさせてもらいたいと、そういうお答えをしたわけでございます。五年以内にできないかという御質問を受けまして、五年以内にはいたしかねますという質疑応答を行なったわけではございません。それで、この小柳委員の質問のあと、お昼の時間に折衝をいたしましたときも、私どもの申しましたのは、五年以内に極力代替地を求めで移転をすることに努力するということでぜひ了承をしてくれと地元の人にも香ったと、そうして夕方委員会が終わったあと、どうしてもそういうことでは了承はできないということで、私のほうでも五年以内に代替地を求めて移転をいたしますという、そういう、使わしていただくのは五年以内という約束をせざるを得なかったということでございまして、委員会で、国会で申し上げたところと違った趣旨を申し上げたというのではないことを御理解いただきたいと思います。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 そうすると、防衛庁というところはあれですか、その三原代議士か何か知りませんけれども、何とか会かしらぬけれども、次々に行ってそれはあなたと約束をし、使わしてもらいます、それじゃよろしゅうございましょうという、そういったことは来た者でどんどんやっていいんですか。あなたの交渉相手はだれですか。だれでも防衛庁に行ったら、あなた会って、そうしてそういうことをどんどんきめて、そうして新聞発表でもぼんぼんやるという、そういう仕組みになっていますか。だれが来たんです。だれとやっておるんです。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 関係の町長で岡垣町長はいまおられませんので見えませんが、助役が見えまして、関係の町長が参りましたのと岡垣からは町議会議員も若干参りました。これはこの前に、何と言いまするか、一応使わしてもらって、五年たったらば、そのときの開発状況等であらためて協議をするという了解を得るときのお話し合いの相手の方であるわけでございます。そのときに三原衆議院議員も立ち会い人として前のときにもおいでになったことがあり、今度もそういう意味でこの二十八日にも立ち会いをされたということでございまして、前に話し合いをして了解を得たという大体相手の人方がその後も幾度かいろんな形で接触がありまして、やはり五年に限るという趣旨の要請があったわけでございます。それが二十八日に最後のお話し合いとなったと、こういう次第でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 五年以内に返す、代替地も求めない、こういうことになってくると、水戸射爆場との関係でそれぞれ条件つきで期限をつけると、こういったことですが、この前の防衛庁の態度は、あくまでも全国三カ所であってここにはぜひとも要る、こう言ったんですが、これは方針変えたんですね。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 芦屋射爆撃場について代替地は要らないというふうなことは申しておりません。私どもは、代替地を求めて移転すると、五年以内に移転するということを今度は申し上げたのでございます。私どもは、代替地を五年以内にさがしたいと、ただし、なかなか代替地が容易に見つかりませんと、いま代替地の当てはありませんと、この前小柳委員の御質問にたしかお答えをしたように思うのでございます。なかなか代替地は見つかりにくいというので芦屋を使わしていただきたいということを小柳委員にはお答えをしたと思うのでございまするが、私どもは、そういう点では代替地を極力さがすとともに射爆撃演習のやり方についてやはりくふうをこらすということを関係の者に研究をするようにということをいま一方においては話をしておるのでございまするが、芦屋の射爆撃場については私どもはあくまで代替地を求めることを、五年以内に求めることを極力努力をするということには変わりはございません。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 代替地がない場合、これはどうします。それから、もう時間ありませんから−五年以内というのはいつのことです。国会ではっきり言いなさい。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 五年以内に極力さがすことをいま申し上げたとおりで、まだいまここという当てはおおよそにもついていないこともいま申したとおりでございます。しかし、一生懸命代替地をさがす、同時に、あとからちょっとつけ加えて申し上げたのでありまするが、射爆撃についてのやり方を、たとえば海上で陸上の射爆撃と同じような判定のできる装置ができないかというふうなことを専門家に研究をさせるというふうなことをいま考えておるのでありまして、あくまでも代替地を求めることを第一としておるわけでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 いつです。いつをめどにしてやるんです。

増原恵吉自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 五年以内というのは、私どもが使用を開始さしてもらってから五年以内というっもりでございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 兵器の国産化に伴ってこの二、三年、防衛費は納入単価一五%から二〇%ほど一斉に高騰しておる。二十二日予算委員会で指摘した主要な兵器の値上がりの内訳についてすみやかに資料を提出することを要望しておったんですが、これはどうです。

山口衛一防衛庁装備局長

○政府委員(山口衛一君) お答えいたします。  せんだって当委員会におきまして上田議員から御要求がありました資料につきまして各種の資料がございまして、その中で米国国防省の了解をとるものもございましたので、本日中に全部資料がそろうことと予定しておりますので、当委員会に提出する予定であります。ただいま先生から御指摘がありました各種装備品という御指摘でございましたが、先般この委員会におきまして私ども伺いました点は、F4EJの単価の内容につきましての明細という御要求と承りまして、単価につきましては、現在その資料を用意しております。一

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 最後に、運輸大臣にお尋ねをいたします。  赤字線解消の方針がごく最近非常に変わったというふうに私も確認をいたしておりますが、そういった点について、時間がありませんから、福岡県の室木線、それから勝田線、この赤字線はいろいろ、いまにも廃止するというふうな動きで、地元もたいへん心配しておったわけでありますが、今後の方針についてひとつ伺いたい。  もう一つ、一緒にお伺いしますが、油須原線の問題については、新設について地元は非常に期待をしておるわけです。完全にできて、もう車さえ運行すればいいようになっている。これが、あそこに野ざらしになってしまっておりますが、これをどうするつもりか、この点についてお伺いいたします。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) 赤字線といいますか、私たちのほうは地方閑散線と言っておりますが、昨年提案いたしました政府の国鉄財政再建案によりますと、おっしゃるように、全国で非常に閑散な線を運輸大臣が認定いたしまして、五年間ぐらいで、地元の了解を得ながら、それを整理していく方向で考えようということにしておったんですが、御承知のように、昨年の衆議院段階における各党の御審議の際に、各党からほとんどこれは例外なく、そういう非常に引き合わない線だからといってやめるのはいかぬというので、これは非常な強い御議論があったのでございまして、運輸省といたしましてはこれを謙虚に反省をいたしまして、今度はその方針を若干変えたことは事実でございます。つまり、一言で申し上げますと、地方にそれ以外に足のある場所であればよろしいんでありますが、それ以外に足のない場所は多少赤字を出しましても、やはりそれを維持していくのが至当ではないだろうか、同時にまた、積極的に申しますと、過疎地帯であると過密地帯であるとを問わず、豊かな全国土をつくっていきますためには、やはりそういった公共機関としての、何といいますか、犠牲といいますか、そういうサービスは必要であるという見地から、この赤字線というものに対しましては再検討をいたしまして、やはりどうしても陸上輸送にかえたほうがいい、バス輸送にかえたほうがいいという場所は別でございますが、そうでないところは、やはり赤字が出ましても、今度はそれは国ができるだけの財政的な援助を与えて、めんどう見ることにいたしまして、そういういわゆる赤字線も残したほうがいいという方向で今度は考えておることは事実でございます。  いま、お示しの具体的な三線につきましては、非常に具体的な問題でございますから、政府委員から答弁をさしていただきます。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○政府委員(秋富公正君) ただいま御質問ございました室木線並びに勝田線の問題につきましてお答え申し上げます。  室木線につきましては、ただいま御指摘ございましたが、現在までに、また国鉄といたしましては、地元にもその存廃については意思表示はしていない段階でございます。  勝田線につきましては、四十六年の九月に同線の廃止につきまして地元に提案を行ないまして、その後、地元の四町村と話し合いを進めておる段階でございます。で、地元の関係、四つの町がございますが、粕屋町からは廃線についての同意書が提出されておりますが、残りの三つの町につきましては、道路交通混雑の緩和の観点から、廃線敷を利用しての道路整備、こういう希望の声もございますが、一方におきまして、鉄道を存続してくれ、こういう希望もございまして、今後、地元の関係者と十分話し合いを進めて、その処理に当たりたい、かように考えておる次第でございます。

安永英雄日本社会党

○安永英雄君 これ、前後して恐縮ですが、防衛庁長官にもう一つだけ。  せっかく先日、百里基地を委員会として視察に行きました。調査に行きました。まあ、いろいろありますが、いわゆるファントムの機数、これが現在八機、年内に九機という配備を終わるというふうに聞いておるわけでありますが、これをもって百里基地へのファントム配備は完了する、つまり、ファントム体制に入ったというふうに考えてよろしいかどうか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○政府委員(久保卓也君) ファントムは、四十八年度に一個スコードロンつくる予定でありまして、今年度末、四十七年度末は八機でありますが、これは臨時F4EJの飛行隊ということであります。これが十八機そろいましたところで正式な飛行隊というふうに、四十八年度の編成ではなります。さらに、四十九年度以降、千歳あるいは小松その他が配置されまして、百里には、このスコードロンのほかはパイロットの訓練用としての任務を当分与える、こういう予定になっております。

西村尚治自由民主党

○理事(西村尚治君) これにて安永君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

西村尚治自由民主党

○理事(西村尚治君) 宮之原貞光君。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まず、経企庁長官にお尋ねいたしますが、田中内閣の一枚看板であります日本列島改造論には、離島に関するところの記述は沖繩以外は一音半句もないんですが、国土総合開発と関連しての政府の離島開発振興の具体的な方策をお聞きしたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 国土の総合開発は、御承知のように、地域の自然的な、社会的な、あるいは経済的な条件を配意いたしまして、生活環境を健康で文化的なものに確保すると同時に、国土の均衡ある発展をはかるということを目標としておるわけでございますので、そういう理念に立ちまして、本土から離れております離島の特殊事情というものを十分勘案いたしまして、離島振興を進めることに考えておるわけでございます。実は、法案の第三条第二項第三号でこの点を明確にしておるのでございまして、今後の離島振興の具体策といたしましては、それぞれの特性に応じて、農業、漁業の振興あるいは産業基盤の整備、また交通・通信体制の整備、国土の総合保全のために必要な諸対策を講ずるほか、立ちおくれている生活環境整備のための基盤整備の充実に力を注ぐと、こういうことにいたしておるわけでございまして、特に離島問題というふうな特掲した形はございませんけれども、これについては十分配慮することに考えておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いまのお話をお聞きいたしますと、新全総で示されておるところの離島対策と大同小異の感がするんです。したがいまして、一体その新全総と新しく国会に出されたという新国土総合開発法案というのはどういう関係があるんですか。私は違うんじゃないかと思いますが、どうなんですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 新全総ができましたのと今日の状況と比べてみますと、あの当時新全総をつくり、それから新社会経済発展計画を四十四年、四十五年つくりました当時と、たいへん実情が違っておるわけでございますので、新経済社会発展計画に対しましては、御承知のように、経済社会基本計画というものをつくりましたわけでございまして、新全総に対しましては、これを見直していくということを考えておるわけでございまして、これはまあ、大体五十年から新々全総というごときものをつくろうというふうに考えております。しかし、その事柄の重要性にかんがみまして、五十年前でも見直しまして、足らざると思われるものについては、これを補強していくということを考えておるわけでございます。で、国土総合開発法は、まさにそれとも平仄を合わせるような形でございまして、今日の土地利用というものがかなり恣意的になっておる面をもっと計画的にいたそうということで、土地利用計画その他がままっておるわけでございますが、それと平仄を合わせるようにいたしまして、四十八年度の予算案は、審之原委員御指摘のような離島関係の重要件というものを十分考えまして、離島振興の公共事業費というものは相当大幅に組んでおるわけでございまして、金額といたしますと四百二十五億円でございまして、前年度に比べまして一三三%増ということになっておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 続いてお尋ねしますが、昨年十月三十一日でございますか、閣議決定を見ておりますところの新全総の新しいブロックとしての沖繩の開発基本方針ですね。この中に、奄美群島についてもその開発振興を強力に推進するということが明記されておるわけですが、これは、ブロックの違うところに明記されておるところの意味は、どういう意義づけをされて書かれているか、まずひとつ、長官の御見解を承りたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 宮之原委員御指摘のように、昨年の十月三十一日に閣議決定をいたしまして、新らしく沖繩が本土復帰をしたということで、この沖繩に関しての開発のプロジェクトをまとめて、第四部ということで、基本構想をまとめておるわけでございますが、その際、奄美群島というものは、やはりこの沖繩との相互補完的な関係にあると、歴史的にもそういう関係にございますので、やはり地理的、歴史的、経済的に密接な関係を有する奄美群島というものを、沖繩復帰のこの際に、それと平仄を合わせるような関係で特に特掲をいたしたようなわけでございます。で、御承知のように、奄美群島に関しましては、昭和二十九年に奄美群島振興特別措置法というものをつくりましたわけでございますが、これに基づきまして振興をはかってまいっておりますが、今後特に空港の設備であるとか港湾の設備であるとか、あるいは基幹となる道路の施設を整備するということとあわせて、そのすぐれたる自然環境を保全しよう、こういうふうに考えて開発計画を考えておる次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私がお聞きしたいのは、沖繩と密接な関係があるということは、これはだれでも知っておるのです。問題は、その開発の問題についてあえて特記をしておるところの意義は、これはやはり沖繩と見合った形で奄美の振興開発というのも考えるべきだと、こう、普通だったら理解できると思いますが、そのように理解してよろしゅうございますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) さようでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その件について自治大臣の御所感も承りたいと思いますが、なお同時に、昨年八月三十日ですか、自治大臣のほうに、振興審議会のほうから具体的な意見書も出ておりますが、あわせて、それに対しますところの担当大臣としての所見を承りたい。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) お尋ねの、新全国総合開発計画の一部改定について、いま添え書きがあった点は経企庁長官からお答えがあったとおりでございまして、私どもも十分、沖繩の開発整備ということとかね合わせて、この奄美群島の開発整備を推進したいと考えております。  で、いま御指摘の、私の諮問機関でありまする奄美群島振興審議会、これから、昭和四十九年度以降の奄美群島の振興について新たな構想のもとに長期的な計画を樹立して、そうして同群島の振興事業を継続すべきであるという具体的な意見が出されておるところであります。ちょっと申し上げてみますると、奄美群島は、「琉球弧の一環をも形成しており、文化的、経済的、社会的に多くの類似性と密接な関連を有している。したがって、奄美群島は、沖繩との関連において、今後交通通信施設の整備、亜熱帯農業の振興、観光開発等を図っていくことが、相互に必要であり、かつ効果的である地域である。」と、まあ、こう指摘しておるわけでありまするが、過去二十年、特別立法によりまして振興開発に努力をしてきたわけでありまするが、四十九年からもこの趣旨を十分体しまして地元民の期待にこたえてまいりたいと、かように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 続いて総務長官にお尋ねしますが、いま、両大臣のほうから答弁がありましたように、政府自体も、沖繩と奄美との関係については非常に密接な関係があるし、その開発についても見合ったものの形に開発をしなけりゃならないという明確な意思表示があったわけでありますが、それだとすれば、国土総合開発を合理的、効果的にはかるとするならば、いわゆるその琉球弧としてですね、南西諸島から沖繩列島と一つの大きな琉球弧をなしておるわけですから、開発はむしろ沖繩と奄美とを一つのブロックとして考えて開発をするという観点に立つべきだと思うのですが、その点、そういう観点から検討される意思はございませんか、どうですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 御指摘になりましたごとく、奄美一帯の開発も非常に重要な問題でございます。しかし、沖繩という弧の地位は、御案内のごとく、二十七年異民族のもとにおいて支配され、昨年復帰いたしましてまだ十一カ月という状態でございますので、沖繩振興開発というものが非常に重大であり、決して奄美と比較いたしておるわけじゃございませんけれども、本土との格差が非常におくれておるということ、これをやはり本土との格差をなくするということから、特別措置法に基づいての沖繩振興開発を決定いたしたようなわけでございます。御承知のとおりに、奄美は自治省所掌のもとにおいて開発が行なわれてまいっておりますけれども、このたび御審議を願わなければなりませんところの国土総合開発庁設置に伴いまして、非常に重要な奄美一帯をば、いわゆる離島、あるいは山村、あるいは豪雪地帯、あるいは小笠原諸島、これらと一体となりまして離島対策に、全面的なる過疎現象の激しい奄美に対しましての総合的な開発を行なう必要性が認められ、重大性が認められましたので、開発庁の所掌といたしまして、地方振興局という機構上の中に所掌をおあずかりいたしまして、積極的に奄美一帯の開発に取り組みたいと、こう考えておることで御了承を賜わりたい。決して沖繩と特別の格差をつけるとか、あるいはそうした考えのもとでなくして、なお一そう離島的な立場での奄美の持つ重要性を踏まえまして開発いたしたいという考えから、こうした処置を、機構のもとにおいても取り行なう予定であることを御理解願いたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣の言った本土との格差で言えば、奄美のほうがなお格差はひどいんでして、それはちょっと理由にならぬのですよ。ほんとうに国土総合開発という観点から立てば、一つの地域、特性の似ておるところはみんな一緒にするのが、これは筋なんです、だれが考えても。おそらく、私は、やはり政治的ないままでの経緯の中で、そういう別個な判断をされておるのじゃないかと思います、実際のところは。それだけに、やはり沖繩は北海道と別ワク、しかし奄美は、いま答弁がありましたように、振興局の中だということになれば、格差の問題、あるいはさっきお二人の大臣からお答えになったところの特性を発揮するとするならば、一般の離島の中では、これはどうしてもやはりこの特性というものは発揮できないことは明白なんだ。そういうところから見ますれば、少なくとも一つの局の中に入れるとしても、別のやはり課の中でその特性を生かすという配慮なしには、この問題は私は処理できないと思うんですが、そこらあたりはどういうふうに検討されておりますか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 私どものほうの担当でございまするから私からお答え申し上げまするが、御指摘のように、確かにまだ格差がございます。そこで、現在の計画を推進する最大の目標は、鹿児島県民のまず水準に到達させること、これが一つの目標であったわけでございます。御承知かと思いまするが、奄美群島住民の一人当たりの所得は、復帰当時、ちょうど昭和二十八年でございまするが、これは、鹿児島県、本土水準の四九・九%、ちょうど約半分であったわけであります。それが、三十八年の第一次十カ年計画が終了いたしましたときには七五%にまで回復をいたしました。さらに昭和四十六年度末八七・一%というわけで、徐々に近づいておりまするが、まだその格差は歴然たるものがあります。したがいまして、今後も港湾、道路、あるいは空港という交通施設をはじめ、産業基盤、生活基盤の整備も、社会経済情勢の変化に応じまして、十分ひとつ努力してまいらなければならないということを痛感いたしております。先ほど申し上げましたように、四十九年以降もこの復興開発の法律のもとに十分御期待にこたえるような整備努力、開発努力をしてまいりたい、かように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 総務長官に重ねて聞きますけれども、いま自治大臣からも話がありましたように、これは今後相当なやはり馬力を入れた開発というのが必要なんですけれども、それを一地方振興局の中で、他の離島と一緒にやれるものかどうなのか、それとも、局は同じだけれども、今後の過程の中で、課でも別に、あらためて本格的な、本腰を入れたいというお考えなのかどうか、そこをはっきり聞かしてもらいたい。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 宮之原委員御指摘のとおり、全く重大な問題でございますので、私は、単なる地方振興局の中に総括的に、一体的にこれを対象とするようなことでなくして、ぜひ御議決を賜わりまして成立がいたしました暁には、私の考えといたしましては、特別振興課と申しますか、こうした最も重大な焦点をしぼって、特別な振興対策を講ぜなければならない地帯の問題を取り扱うという、特別な所管、所掌の課を独立してこれに取り扱わせたい、こういう私は決意であることを表明申し上げておきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 先ほど自治大臣のほうからもちょっと話があったんですけれども、四十八年までの二十年間におきますところの、やはり特別措置法におけるところの、いろんな総括というのがありましょうし、あるいはまた、それに基づきまして、四十九年以降はどういう方向に、この問題について処しようというお考えなのか、お聞きをしたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) お答えを申し上げます。  まあ、先ほど申し上げましたように、だんだん鹿児島県の所得水準には近づいてまいりましたものの、まだまだ格差が相当あります。そこで、私どもの諮問機関の答申の線に基づきまして、当然これは対策を継続してまいらなければならぬと思っております。そのためには、産業基盤、生活基盤の整備、特に港湾、道路、空港、そういった交通施設をはじめ、通信網等を十分整備いたしまし、先ほど来申し上げておりまするような国民のいわゆる観光の施設あるいは福祉の施設、そういった、国民に共通する、これは日本国民という意味ですが、ほんとうに観光地であり、保養地であるというような面の開発も徐々に行なってまいりたいというふうに考えております。とりあえずは、港を整備すること。これは、戻ってまいりましたころには、船らしい船が接岸できないというような形でありましたが、今年はいよいよ名瀬港など一万トン級の船がつく港に改築をされ、改修されつつあります。その他の主要港におきましても、相当見るべきものがありまするが、沖繩航路の一環としての奄美大島、そうして、この航路の船が自由に立ち寄りができる、これがやはり刻下の急務であるというふうに考えて整備を続けてまいりたいと考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それで、四十九年以降も何らかの処置をはかりたいということは、四十八年で終わるから離島振興法に単に移行するということじゃなくて、何らかのやはり、中身は別にしても、特別な立法をやりながら積極的に開発ということを考えていきたい、こういう大臣の見解だと理解してよろしゅうございましょうか。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは関係各省庁にわたりまするので、十分関係各省庁と連絡をとりながら、いま申し上げましたような実現を期してまいる予定でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっとくどいようですが、いま申し上げたようなというのは、私が確かめたところの立場の方向でやるという意味なんですかどうですか、そこをはっきりおっしゃってください。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いま総務長官とも、それでいこうじゃないか、よろしい、やろうやろう、こう言っておりますから、そういう方向で処置したいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その方針はわかりました。  それで、もう一つお尋ねしておきたい点は、先ほど来申し上げておりますように、単に本土との格差の是正ということじゃなくて、奄美の持つところの特性をやはり生かす開発振興というところに、相当なアクセントを置いて今後この問題は考えられるべきだと思いますが、そういうふうな方向性を自治大臣も一緒に持っておるということに理解をしていいのかどうか。もしそういうお考えならば、その特性を生かしたところの開発振興というおおよその構想を、もしおありだとすれば、これはまあ個人的見解でもよろしゅうございますけれども、お聞かせ願いたいと思う。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 私、やはり、沖繩の振興開発というものの重要性と同じように、これは重要な問題だというふうに思っております。そればかりか、鹿児島県に属しまして、何といっても本土から近いということ、それでありながら亜熱帯的な植物が繁茂しております。これは観光資源として当然活用をしなければなりません。それには、フェリーボートなどが、いまでも行っておりまするが、これが、先ほども申し上げまするように、沖繩の観光というものと結びついて、飛び石伝いで開発されていくことは、非常に望ましいことだと思います。  それから、産業らしい産業はありませんが、やはりこれは、そういう地理的、気候的な特性がありまするので、同じ一時産業なりに、観光と結びつきながら、この一次産業というものの振興もはかっていかなければならないわけでありまして、そういった、きめこまかな配慮を、特に私ども自治省におきましては今後対策をしたいという決意でおります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 この一つの中で、美しい自然環境の特性を生かしたところの開発ということになりますと、これはやはり国定公園やいろいろな問題とも関連をしてくると思うんです。  そこで、環境庁長官にお尋ねをいたしたいんですが、一昨年十二月に自然公園審議会の答申があったわけですが、一年たったいまでも決定を見ない。先般の二十九日の審議会でもまた決定を見ないで、あと回しになったという話なんですが、何かそんなに決定がおくれておるところの理由がありましたら、明確におっしゃっていただきたい。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 宮之原委員の御指摘のように、一昨年の十二月に、候補地として、自然公園審議会で奄美大島の国定公園をあげてきたことは事実であります。われわれとしても、サンゴ礁並びに亜熱帯地帯の海岸として、あれを、八千ヘクタールばかりの地域ですが、自然公園に指定をしたいと考えておりますが、少し何か通産省との間に調整を要する地域があって、おくれておるようでありますが、できるだけ早くこれは結論を出したいと考えておりますから、そうあんまり延ばさないで結論を出したいと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 実は、その新規国定公園の中心地域にきわめて近い枝手久という島の買い占めが相当行なわれまして、東亜燃料が石油のプラント基地をここに置くということで、問題が非常に具体化しておりまして、現地では大騒ぎしておるんですよ。特にまた、本土在住の出身者の間では、非常に猛烈な反対運動というのが起きておるんですが、これらの問題について関係大臣が御承知なのかどうか、まずお伺いしておきたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 質問要領で御指摘がございましたので、実は自治省において、さっそく鹿児島県当局に、御指摘の問題について照会をいたしました。返答は、県としてはまだ承知していないと、明確な答えをしてきたわけであります。したがいまして、各会社がそれぞれの会社の計画に基づいて調査とか、いろいろな行動に出ることはありましょうが、まだ具体的にはなっていない、こう県が申しまする以上、それを私どもは信頼しておるわけでありまするが、もとより会社の誘致等々というものは、地元民の意向が尊重されなければなりません。地元民の意向に反して会社の建設が進むなどということがあってはならないわけでありまして、われわれ自治省としても、地元側の意向を十分参酌しながら、いよいよ具体的な問題になりまするときには対処をしてまいるつもりでございます。   〔理事西村尚治君退席、委員長着席〕

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いま自治大臣の話を聞きますと、県はまだ十分知っておらないということですがね。この種の問題は、県が知ったときには、県がそれを認めるか認めないかというときでしょう、これは。ほかの例の場合にもね。だから、いまの答弁は、これは承知しないというのは、話が具体的に県に申請があっておらないという意味であって、問題は、いまお手元に上げたように、もう非常に具体化し、五十万トンのタンカーがつけるようなふうにやるとか、あるいは一千億から五百億ぐらいの金をかけてやるとか、非常に問題が具体化しておるんですよ。そうなりますと、これは、この問題でやるといっても、公害の問題と考えてみた場合に、一体、やはり政府側としては、地元民にすべてまかしますという形で、この問題についてはいつまでも指導性を発揮されないつもりなのかどうなのか。もしこれが事実だとすれば、どうされるおつもりなのか。私はやっぱり自治大臣なり環境庁長官の御意見をお聞きしたいと思うんです。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) もとより、私どもとして、これを黙って見ておるということはございません。そればかりか、今度の新しい国総法によりまして、県知事はそれを調整したり拒否したりできることになるわけでありまするから、従来よりはもっともっと県は強く地元民の意向を体して調整に当たれるわけでありまするから、その面から見ましても、しばらく推移をひとつ見ていただきたい。  私どものほうも、問題提起がここでありました以上は、積極的に調査をいたしまして、地元の反対がどういうふうなのか、あるいは会社がどういう思惑、計画で土地の買い占めなどをしておるかは、詳細に調査をいたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これ、環境庁長官にお尋ねしますが、四大公害といわれるところの判決、この判決に対しては、この間政府のほうから、しごくもう謙虚に反省をされたような御答弁があったわけなんですがね。しかし、私は、行政の側がこの判決の中で問われておるのは、実は、先ほども自治大臣からお話がありましたように、現在は聞いておりません、まだはっきりしませんからいまの段階では何とも申し上げられませんと、常に言いのがれておったことが、私はやはりあの判決の中で告白させられておると思うんですよ。したがって、ほんとうにこの問題について真剣に考えようというならば、いまの段階から、この問題についてはやっぱり積極的な姿勢を示すべきだと思うんですがね。いわゆる亜熱帯地帯という、あるいは海洋の島だという特性を発揮するならば、いわゆる本土におけるところの第二次産業みたいなまねごとのものを持っていって、その特性が発揮できるということはだれも考えられない。したがいまして、ほんとうに先ほど来御答弁のあったような特性を生かしたところの開発をしよう、振興をさせようというなら、この問題についても積極的な意思表示があってしかるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 自治省の大臣がお話しになったように、これはまだ手続として表には出てきてないわけです。われわれも新聞で承知をしたわけです、地元で観光か開発かということで大問題になっているということを。われわれも、いま宮之原委員の言われるように、手続にのぼってきますと、だいぶん問題が進行してくるわけですから、全国で問題の地域というものは絶えず関心を持っておるわけでございます。したがって、今後この問題については、環境に対して、石油の精製基地でありますから、どういう影響を与えるかということは十分に環境と結びつけて検討をいたすつもりでございます。この石油の基地というものは、どこでもやっぱりいろいろ問題が起こって、石油というものの必要もあるわけで、だから一方においてはやはり公害の防止という見地から、技術開発なども、どうしたら公害が防止できるかという技術の開発というものは、これはやっぱり国としてもよほどこれから力を入れなければ、石油の基地というのはもうできなくなってしまうわけでありますが、しかし、それにしても、奄美大島のようなところに、石油の基地をつくることが必要であるにしても、いいか悪いかという問題は環境全体として検討しなければならぬ問題でございますので、今後この問題については事前の科学的調査といいますか、環境、公害、そういうものとにらみ合わして十分な検討を加えることにいたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 検討という御答弁で、賛否の考え方もみんな包括されてしまったんですけれども、本土で、もうあなた、きらわれておるものが、ああいう島を選んで出ていくということは、しかも、あの島の特性を生かした開発をしようとするならば、好ましくないということは、これは明白でしょう。したがって、私は、少なくとも環境庁長官が検討と言う場合は、やはりこれの設置——基地をそこに置くということについては、あまり好ましくないという立場から検討したいんだと、こういう御意向だと理解したいんですが、そのように理解してよろしゅうございますでしょうか、どうでしょうか。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 何も形がまだできてないものですから、これは私のほうで、そういう場合には十分環境に与える影響というものを調査をいたしましょうということでしたが、態度としてはきびしい態度で、この問題というものは環境に与える影響を十分に調査をいたしますということでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 時間がありませんから、次に移ります。  次に、奄美の特性を生かしたサトウキビ生産の振興策の問題ですが、これは単に奄美だけでなくて、沖繩とも関連をするところの問題でございます。今日、日本の国内産糖の置かれたところの立場というのは私ども理解しないでもないですけれども、いわゆる琉球・南西諸島一帯においては、キビ作というのは、本土におけるところの米作同様に、農民にとっては最大のやはり大きな産物なんです、仕事なんです。したがって、これをやはり振興させ、保護をするということはきわめて大事なことだと思うんですが、農林大臣、この振興策について具体的な考えを、まずお聞かせ願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねのように、また、御指摘をなされましたように、沖繩にとりましても、奄美諸島につきましても、サトウキビの生産が農業生産の中で最も基幹的なものであるということは十分認識をいたしております。特に奄美大島におけるサトウキビの現状は、耕作面で六八%になっておると思います。そういうことで、ただいまお願いをしておる予算の中におきましても、何といっても、まだ生産性を向上する面が十分ある産業でございまするから、基盤整備の公共事業、これは概算で恐縮でございますが、三億二百万ぐらい計上しておると思います。また、幸い、管理関係の機械の導入とか、優良種苗の供給など、そういう面におきましても、四十八年度におきましては八千二、三百万ほどの予算を計上しておるわけでございまして、これらの基盤整備や構造改善等の諸事業を行なうとともに、なお価格安定政策をとっておることは御承知のところだと思いますが、こういう施策を総合してサトウキビの生産の向上につとめたいと、このように考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 非常に、はしょって申しわけないですが、農林大臣、いままでの基盤整備、品種改良あるいは機械化、いろいろなものの重要であるということは、これはもう論をまつまでもないんですが、一番このキビ産業の振興の中で大事なことは、何と申し上げても、生産者価格を相当やはり引き上げていくということを基本に踏まえながら、いま大臣から指摘になったところの諸問題を進めなければ、キビ価格の生産者価格が低いために縮小再生産になっているという事実は、これは明白なんでございます。これはまた、先般も沖繩の問題と関連をして質問が出ましたように、いまの沖繩におけるところの労賃から見て、キビの生産者が現実におらなくなってきておる。ここもやはり、もとをただせば、生産者価格を積極的に引き上げていって農民がつくるところの意欲を紀こさせるということが、私は一番ポイントでなければならないと思うんですが、この問題に対するところの大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 沖繩関係の御答弁の中で何回か申し上げました、本年度砂糖の価格安定等に関する法律に基づいての価格決定については、従来よりはやや上回った二百円の引き上げで、トン当たり六千九百五十円ということにいたし、沖繩にはさらに五十円を上積みするということに決定をいたしたのでありまするが、これが沖繩におきましては、労務費の高騰についての非常な御批判をちょうだいしたわけでございます。ただ、沖繩の場合は、すでに御承知のように、今回、運搬費を会社負担にするとか、あるいは会社に対する特別のいわゆる臨糖費というものを出して、幾ぶんでも補いをつけるようなくふうをいたしておるわけであります。先ほどお答え申し上げましたように、サトウキビの生産向上をするためには、特に奄美大島の場合は、何といっても価格政策と並行した構造改善事業や基盤整備事業が行なわれなきゃならないんではないかと、そういうことで、まことに御不満であろうかと思いますが、そのような趣旨において、サトウキビ産業のために配慮をしておるということについても御理解をいただきたい、こう思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 続いて、通産大臣にお聞きいたしたいと思いますけれども、大島つむぎの問題ですね。これは、中曽根さんは何回か現地に行っておられますから、大臣の中では一番詳しいんじゃないかと思います。  したがいまして、まずお聞きいたしたいことは、つむぎの韓国生産に伴うところのしわ寄せが非常に大きいんで、いわゆる国内産業保護という立場からでも、この韓国産のつむぎに対応して、具体的なやはり保護対策というものが私は必要だと思うんですが、この問題に対するところのお考えを、まずお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) つむぎにつきましては、絹織物でございますので、その輸入及び対外投資の面において自由化がなされております。したがって、制限措置を講ずるということはできないと考えます。しかしながら、輸入関税面においては、絹織物は八%の関税を課してあり、また、多くの繊維製品と異なりまして特恵も供与されておりません。基本的には、やはり大島つむぎの原産地であり、特に商標上も、本場大島つむぎという商標登録をしておるこの大島つむぎは、ほかのものと比較を許さないだけの品質と伝統とを持っておるわけでございます。したがいまして、こういう伝統の手の込んだ大島つむぎは、最近簡易に大島つむぎという名前を使ってやっておるようなインスタントの製品とは違うのでありますから、そういう点において、奄美大島の皆さま方がそのPR及びその国産品の保護という点について十分御認識をいただいて、共同して防衛するということが必要であるだろうと思います。本場大島つむぎという商標登録は、ほかの製品には使えないわけでございますから、その特権を大いに行使して、国産品を守るということが大事であるだろうと思います。いままで通産省といたしましては、できるだけそういう本場大島つむぎの生産者が迷惑を受けないように、韓国との関係につきましては、行政指導で極力いままでやってきたところでございますけれども、自由化されている今日においては、制限や、ある程度介入するについても限度があるのが現状でございます。したがいまして、ある限度以上は、やはり郷土の皆さんの愛郷心に訴えて、技術を流出させないようにさしていただく以外にはないと思うのでございます。しかし、共同行為によりましてその生産性を上げたり、構造改善をするというお考えにつきましては、通産省としても全面的に協力する用意がございますので、そういう、それぞれ法律所定の手続をおとりいただければ、当方としてはできるだけの御協力を申し上げたいと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何か、いまの答弁では、たいして通産省としてはできないから、現地のくふう、いろんなものにまちたいという話なんですけれども、これではやはり問題解決はつかないんじゃないでしょうか。もし大臣がおっしゃったように、共同行為、あるいは構造改善の問題については協力をしていきたいというなら、現在ありますところの近促法なり、あるいは近代化資金等助成法、これを大島つむぎにも適用して、積極的にやはりその中で、いまおっしゃったところのことが生かされていくというなら、話はわかりますけれども、現在の近促法の中では適用されておらないのですね。それならば、この近促法でも、いわゆる中小企業の構造改善実施要綱を改めてでも、特定産業として指定をして、いまおっしゃったことを積極的にやるというふうに、私はやはり、通産省は考えを改めない限り、この問題も解決というものはないと思うんですが、その点、いかがなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 絹織物でございますから、中小企業近代化促進法の特定産業業種に含まれております。したがいまして、産地組合が自主的に構造改善計画を策定して主務大臣の承認を受けられるならば、構造改善事業を行なうことができます。そういう場合には、通産省としてもこの法律に基づく御協力を惜しまない考え方でございます。  なお、そのほかの金融面につきましては、個別的な中小企業者としてのいろいろな支援、たとえば事業転換——もしそういう方がおられる場合にはそれなりに、またグループとしておやりになる場合にはそれなりに、あるいは今回のドル対法に基づく諸般の措置等も、いろいろ法律所定の手続をおとりいただけば、当方としてもやる用意がございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 もう一回確かめますが、私は、通産省の役人の皆さんに確かめた限りでは、絹織物であるけれども大島つむぎは入っておらない、実際の中には、こういう御答弁だったですけれども、いまの大臣の御答弁では、明確にできると、それで構造改善のものができれば積極的にやりたいと、こういうお考えのようですけれども、そのように理解してよろしゅございますね。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私の答弁は間違いございません。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 では、通産大臣が明確に近促法を適用する、こういうことで積極的にこの振興策をはかるという確認を得たので、私はこの問題についてはこれ以上は申し上げません。  次に、自治大臣と大蔵大臣にお聞きをいたしたいと思いますが、いま奄美群島振興信用基金があるわけなんです。これは、復帰以来大きな役割りを果たしてきておりますし、また、現地には今後もこれを存続させてもらいたいという強い意向があるんです。したがって、この問題についての担当大臣としての自治大臣なり、あるいは大蔵大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来いろいろ質疑応答がかわされております中に出ておりますように、政府としては、昨年八月の、自治大臣の諮問機関である審議会の答申でも明らかでございますように、奄美の振興対策には財政金融上も一そう適切な措置を講ずべきであるということがございます。その考え方を踏まえて、財政当局としても御協力をいたしたいと考えております。  基金については、宮之原さんも御評価いただいておるようでございますが、私もやはり、こういつたものは存続させ、あるいは他にかわるべき方法が、措置法の期限が来ますことに関連いたしまして、一そう適切な措置があれば、それに切りかえるということも考えまして、自治省やあるいは鹿児島県、そのほか現地の御要望もとくと伺いまして、適切な措置を講ずべきである、こういうふうに考えております。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 今日まで振興信用基金というものが非常な役割りを果たしてまいりましたことは、まさに御指摘のとおりでございます。しかも、奄美群島が、たとえば一般金融はもとよりですが、系統資金にしましても、制度資金にしましても、なかなか思うにまかせない。やはり、この基金というものが奄美群島の振興のために非常に役立ってきた。特に地場産業というものが脆弱であればあるほど、この効果というものは顕著であったわけであります。したがいまして、いま大蔵大臣からも、十分実情を考慮して対策をしたい、こう言っておられまするので、実質的に存続する形で、それは合法的に前向きの形で、形が変わるということはあるにしても、実質的にこの基金が存続されるように自治省としては十分配慮をしてまいりたいと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大蔵大臣ね、何か一そう適切な措置が、方法があれば切りかえたいというお話なんですがね。実は、ないところに問題があるんですよ。非常にやはり零細な企業が多いだけに、本土の、たとえば第一次産業にしても、農林公庫とかなんとかといういろいろなものに、なかなか貸し出し規定に入らないのですね。達しないのですよ。そういう零細な企業を守るということの特色があるだけに、これはおそらく私はこれ以外の方法はないと考えられるのですけれどもね。もし、いわゆる常識的に考えられる適切な方法がなければ、その中にも、存続をということも相当考えられておると、こういうように理解してよろしゅうございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 特殊のところであり、対象が非常に零細であるというところから、金融にいたしましても長期で低利で少額でなければならない。そして対象か非常に限定——限定と申しますか小規模である。ですから、実質的に現在まで基金がやってまいりましたような仕事が、より適切に効果を発揮するようにというのが私の念願でございますから、どうしても、より適切な方法がないということであれば、現在の方法を続けるということも一つの方法かと思います。私の気持ちは、現在の方法を続けるよりも、よりよき方法があればそれを選びたい、まあこういう気持ちでございますから、その辺のところは、まだ多少時日の余裕もございますから、十分現地の状況も掌握をし、御希望も踏まえて、そして自治省と十分御相談をいたしたいと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 次に、奄美群島の経済の発展と住民の往来に決定的な影響を持つところの航路上の諸問題についてお聞きをいたしたいと思いますが、まず自治大臣にお聞きいたしたいのですが、港湾の整備あるいは新港という問題を県あたりでもすでに一つの構想として打ち出しておるのですが、それに対するところのいままでの事務当局で検討されておることがあるとすれば、その点もあわせてお聞かせ願いたいと思います。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、この港湾の、新港でありまするが、御承知のように、現在、名瀬港、亀得港、古仁屋港、これは三千トン級の接岸が可能であります。その他の主要港というのは、御承知の和泊港、知名港、湾港、早町港、茶花港、それに平土野港でございます。これが千五百トン級が現在接岸をしておるわけでございまするが、もうだんだん船舶が大型化してまいりましたので、その利用客もまた増加してまいりました。これに伴って、これも先ほど申し上げましたように、四十八年度で名瀬港に新しく一万トン級の船が横づけにできる津壁が完成を見るわけでございますが、亀得港については五千トン級、和泊港については三千トン級が整備できるようにと、こういうことで具体的にも整備を進めておるわけでありまするが、四十九年度以降におきましても、鹿児島県当局、地元の要請を十分踏まえまして対策を続けてまいりたいと考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 運輸大臣にお聞きいたしたいのですが、いま現地では、貨物の積み残し問題、これは沖繩のほうの貨物が非常にたくさんなので、つい途中のほうの貨物だけは積まないという問題で一つ問題点が出ておるのですが、積み残し問題、あるいは鹿児島から沖繩、奄美を結ぶところの航路を、海上国道として連絡船並みに扱うという方法は考えられないものだろうかどうだろうかと、あるいは島嶼間の日発航路、まだ島と島の間で毎日船が通わないところの島があるわけですね、そういう問題、あるいはまた、いま出されております運賃値上げの問題、国鉄の手小荷物通し運賃の問題等たくさんの問題が出ているのですが、これらの問題についても、あらかじめ事務当局にも、このものの質問の要項をお示ししてありますから、一括してひとつ考え方を明らかにしてもらいたいと思います。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほど来お尋ねの奄美の開発計画に伴いまして、輸送需要がどんどんふえてくると思います。私の承知しております範囲では、鹿児島と奄美との間で現在月間二十三往復しておるようです。それからそのほかに、鹿児島と沖繩との間の航路、これも相当程度奄美に寄っております。東京−沖繩間、阪神−沖繩間、これらの大型の船の寄港も奄美にはあるようでございまして、したがいまして、現在いろいろの御要望が出るのでございますけれども、旅客、貨物ともに、私の承知している範囲では、大体輸送需要に見合って配船されておるというふうに聞いておるのでございます。なお、調査いたしまして、もし足りないところがあれば、これはさらに配船計画を立てるように努力をいたしますし、幸いにして、奄美の航路も沖繩の航路も、一方で旅客の輸送をいたしております。貨物航路のほうは届け出だけで済むのですけれども、旅客の航路になりますると運輸大臣の認可航路になるわけでございまして、行政指導も可能でございますから、そういう配船不足のために開発計画がおくれるというようなことは絶対ないように、これからもいたすつもりでございます。いろいろな問題についてお触れになりましたが、そういうわけでございますから、私どもとしましては、輸送需要に見合ったような配船計画を立てるということを主眼にいたしております。  先ほどお触れになった島々の間の航路という中には、おそらく喜界島のことを言っていらっしゃるのじゃないかと思うのですが、これは、御承知のように、地理的に喜界島が沖繩との間の航路につきましても、ちょっとはずれておるのです。そういうことで、すべての航路を喜界島に寄らすということになりますと、これは非常に全体の航路計画に支障を来たしますので、事務当局のほうでもいろいろくふうをいたしております。たとえば——これは現地のほうで御承諾になるかどうかわかりませんけれども、たとえば喜界島と名瀬との間にいま配船しております船を、日発じゃありません、一日何回も往復できますが、ピストン輸送をやって、名瀬を中継港にすれば、これは日舞は十分可能でございます。そういったことをさらに現地のほうとも十分打ち合わせをして、開発計画が航路計画によって支障を起こさないようにということは十分に協力もし、努力をするつもりでございますが、なお、私から申し残しましたこまかい問題の点につきまして、たとえば、国鉄との関係の問題とか、運賃の問題、政府委員が来ておりますので、具体的に政府委員のほうからお答えさせたいと思います。

佐原亨運輸省海運局長

○政府委員(佐原亨君) ただいまの喜界島との日発問題は、大臣から御答弁されたとおりでございますが、なお、事務的にも鋭意検討させていただきたいと思います。  それから、荷物の積み残しの問題でございますけれども、これは先生も十分御存じだと思いますが、関西汽船が黒潮丸以下三隻の船で奄美経由沖繩航路をやっております。そのうちの一番小さた浮島丸を他の航路に転用する計画がございまして、三ヵ月ではございますけれども、その代船の補充がつくまでちょっとブランクがあります。この間、貨物を中止するというアクションに出たことは事実でございますが、船が減りましても、サービスが低下するのは好ましくないということで、厳重に関西汽船のほうに撤回を申し入れまして、近々その措置は撤回されるものと考えております。  それから申請のございました運賃の点も、これも先生十分御存じでございますけれども、いろいろ過去の複雑なるいきさつ、経緯がございまして、非常に不合理な面が多々ございます。これを、合理性を追求するあまり一挙に解決しようと思いますと、ある区間につきましては非常に大幅な値上げが必要になってまいりますので、こういった点も勘案しながら運賃値上げに慎重に対処してまいりたい。現在、どうしてそのような現状になっておるかというような歴史的な事実を調査中でございますが、なかなか古い文献、資料が的確に手に入りませんので、ちょっと手間どっておりますけれども、極力早目に詰めさしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 めどはいつごろまでに。

佐原亨運輸省海運局長

○政府委員(佐原亨君) これは、まあちょっとここでお約束できるかどうかしれませんが、できれば、あと一ヵ月か一ヵ月半ぐらいの間に処理したい、このように考えておりますが。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 時間がありませんから、あとは分科会なり委員会でやりますけれども、いま出ました運賃の問題と国鉄の手小荷物の通し運賃の問題は、やっぱりはっきりしておきたいと思うんです。運賃の問題は、もう向こうが一番——これは自治大臣も御存じのように、さっきも言われたように、もう所得が一番全国で低い。物価は一番高いんです、逆にね。それだけに、やはりこの及ぼすところの影響というものは非常に大きいので、ただむやみやたらに、会社が言ってきたからということで、この問題に運賃を値上げするというイージーなコースをとらないように、ぜひともひとつ運輸大臣として考えていただきたいと思うんです。  ただ、この問題とも関連しますが、御承知のように、実は沖繩と本土との間には国鉄の手小荷物一の通し運賃はあるけれども、奄美はないんですよね。だから、週刊誌が十円、月刊誌が二十円、教科書は二割増しという高いものを取られておるんですよ。日本じゅう、どこに行ってもないんですよね。これは何かというと、汽船会社と国鉄のその協定が成り立っておらないからなんです。それを私は、運輸省としては、それは国鉄と船会社の仕事だからといって放資することのないように、強力なやはり行政指導をして、せめてこの国鉄の手小荷物の通し運賃だけは実現するように努力願えませんかね、大臣。約束できませんか、それは。一番最低条件ですよ、これは。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) 事情を十分調査いたしまして、検討をしたいと思います。いまのこの国鉄との通し運賃の問題はいろいろ経緯があるようです。私、具体的にいまここで結論を出すまでの資料を持っておりませんが、お話を十分理解いたしまして、検討をさしていただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いや、その運賃の問題について慎重に検討するというのはわかるけれども、この手小荷物の問題は検討する必要ないでしょう。沖繩は現に実施されておるのに、そのまん中にあるところの奄美にないというのは、あなた、不合理じゃありませんか。どう思いますか、それは。おかしいじゃないですか。それぐらいはここで、即断と実行の田中内閣だったら、やるとはっきり言いなさいよ。

秋富公正運輸省鉄道監督局長

○政府委員(秋富公正君) 御指摘のとおり、沖繩との間には、国鉄におきまして、旅客、手荷物、小荷物、全部の連絡運輸ができているわけでございます。しかし、奄美大島との間につきましては、旅客並びに手荷物につきましては連絡運輸ができているわけでございますが、小荷物につきましては、いわゆる船会社との間に締結がまだできていないということで、現在まで運輸協定が未成立のままになっているわけでございます。で、これにつきましては、いわゆる国鉄の小荷物の地帯別というのは、御承知のように五地帯になっているわけでございますが、奄美大島は鹿児島県でございますので、鹿児島の間におきまして第一地帯になっているという関係で、いわゆる船会社におきます採算性の問題で、現在、連絡運輸協定ができていないという実情でございますが、なお今後、関係者の間で十分話を進めていきたいと、かように考えております。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 時間が参りましたから……。簡潔に一点。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 できておらないから尋ねているんです、何とかできないかと。そんな矛盾した話はないでしょう。遠いところはできておるのに、そのまん中ができないと。総理がおったら総理から聞きたかったんですが、三木国務相は副総理ですから、副総理、どうですか、これは決断をもってやったらどうですか。これくらいやりなさいよ。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) 宮之原委員のお話を聞いて、実際矛盾があると思います。だから、ひとつ、できるだけ御希望に沿うように政府としてもこれを検討いたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ひとつ、責任を持ってやってもらいたい。運輸大臣、よろしゅうございますね、その点は。値上げはするわ。せめてこういうものまで……。踏んだりけったりじゃないの、あんた。

新谷寅三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(新谷寅三郎君) いま副総理から御答弁いたしましたような趣旨に沿って、さらに慎重に考えてみます。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) これにて宮之原君の質疑は……。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっとちょっと、もう一点。時間をとりませんが……。まだ一分過ぎてないじゃないですか。  最後に、これは官房長官にお尋ねしたいんですが、これは私ども党としても、すでに申し入れているところでございますから、その中身は十分御存じだと思います。例の戦争中の大島つむぎの転廃業資金の補償の問題、あるいは徴用船舶の補償の問題等、未解決の問題が残っておるので、官房長官は検討したいという積極的な意欲を、あのときは示されたんですが、私は短時日のうちにこれが解決つけるとは思っていませんけれども、この問題について、ひとつ積極的に御検討願いたいと思いますが、そういう積極的な意思があるというふうに理解してよろしゅうございますね。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(二階堂進君) この問題につきましては、与党の先生のほうからも、また、特に宮之原先生ほか陳情に見えまして、私もよく事情はお聞きいたしました。私も鹿児島県ですし、宮之原さんもそうでしょうし、ですから、選挙区の問題とは別にしましても(笑声)——いや、それは率直な話ですが、それで私も、沖繩の例、それから小笠原の例、いろいろ勉強さしていただきました。戦時補償の特別措置法に基づく請求権というものがまだ残っておるのかどうか、これはないという話でございます。これは法務省の法律学者の話でございますから私もそうだと思っていますが、しかし、いずれにしましても、占領期間が短かかったとか、いろいろなことはあるにしましても、やはり占領中の痛手というものは残っておるはずですから、ここに大蔵大臣もおられますが、私は何とか、内容は別にしまして、できるように一生懸命いまも検討中でございますし、きょうも午前中かかりましていろいろ勉強いたしておりますが、前向きで、何とかなるように検討して、財政当局とも話を詰めてみたいと、かように考えております。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) これにて宮之原君の質疑は終了いたしました。(拍手)

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 小林武君。(拍手)

小林武日本社会党

○小林武君 大蔵大臣、経企庁長官にお尋ねいたしますが、今度、公定歩合が〇・七五%引き上げられ、その前には預金準備率の引き上げと、こういうことになりますと、この前の国会において大蔵大臣も、経企庁長官も、インフレについては意見がわれわれと違ったわけですが、この公定歩合引き上げはどういうために上げたのか。新聞の表現によれば、「インフレ抑制へ荒療治」だと、こういうタイトルがついておりますけれども、これはどういうことか、ひとつ前の答弁を考えて御答弁いただきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 物価が継続的に加速的に上がるのがインフレだということを申し上げまして、一般的に物価がさような状態になるということを考えてみると、卸売り物価と小売り物価とあるわけで、この両方がそういう状態になるとまさにインフレーションでございますけれども、あの当時申し上げましたのは、ほっておくとそういうおそれがある、それに立ち向かわなければならぬということを申したわけでございます。で、その原因はやはりマネーフローが多過ぎるということであるというふうに申し上げたと思うのでございますが、そういう点にかんがみまして、通貨当局と大蔵省と御相談の上、さような〇・七五という引き上げを公定歩合においてやったわけでございます。そういうことで、私どもは別に一貫しておるつもりでございまして、こういう状況のもとにおいて、いわゆるインフレになってしまうと、これはたいへんだということを考えているわけです。現状すでに仮需要が相当起きておって、いわゆるインフレマインドといいますか、インフレ的な心理が働いておると、こういうことはもう事実でございますので、これが悪性化しないようにするための措置をとったと、こういうふうに考えておるわけでございます。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 端的に申しまして、私は従来から考えておりますことと、基本的には何ら考え方を変えておりません。金利というものは金融政策の根幹でありますが、機動的、流動的、ことに今日のような日本経済の世界経済に占める地位から申しましても、国内、国際両面をにらみながら金利は流動的に動かしていくべきものである。それから、よく論議がございますけれども、四十八年度予算はまだこれから執行されるときでございます。私は予算自体にインフレの要因はないと考えておりますけれども、従来からの情勢の変化の中においてインフレマインドを是正していく。それから、金融情勢から申しましても、まず預金準備率の引き上げ、それから窓口指導というようなこと、対象別、目的別に規制をするということで進んでまいりまして、そしてこの状況になれば、従来の、昨年の金利の引き下げ等の影響がこの際としてはこれは是正するほうが適当であるという考え方から、これを引き上げることにいたしたわけでありますが、同時に、しかし中小とかあるいは農業関係とかいうことについては予算の上にも盛り込んでおりますように、そういう面の貸し出しの金利というようなことについては、やはりできるだけ低利にしておくことが妥当である。また一面におきましては、預金の金利の引き上げということも、昨年の七月に下げてあるわけですから、これをやはりその程度には引き上げることが妥当である。これは私は当然のかじとりであると、こういうふうに考えておる次第でございます。

小林武日本社会党

○小林武君 私も当然だと思うのですがね。当然ではあるけれども、いささかおそかったということが一つと、それからもう一つは、前回の補正予算並びに今年度の、四十八年度のこの予算は、いままでの情勢から見てインフレを巻き起こすことは必至だという議論の上に立って、しかも、先ほど経企庁長官のお話ですというと、その当時は卸売り物価、消費者物価二つがそろって騰勢を続けているとは見なかったとおっしゃるけれども、私ばそういうことはないと思っているんですがね。物価の騰勢、卸売り物価というようなものは、われわれが質問した当時はすでにどんどんどんどん上がっているわけです。そういうことから言って、どうしてその点でインフレマインドなんというようなことばでもってごまかさなければならぬかということです。口は悪いですけどね、ごまかしだと私は思わざるを得ないんです。今度とった処置については、おそまきながらまあよかったと思う。しかしながら、その考え方を変える必要はないし、当然のかじとりであると、ここでやったことがたいへんよいということについての私は納得はいきかねまするので、その点について大蔵大臣並びに経企庁長官のひとつ御説明をお願いしたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いまの日本で必要なことは、日本経済の持つエネルギーというものが、従来のように輸出にこれが結集されるということを是正することが非常に大切でございますから、一般的に急激に総需要を抑制するというふうなことは、私はとるべき方法ではないと思います。したがって、金融政策におきましても、最初に公定歩合の引き上げというような、一律に、ともすると総需要の抑制というようなことに響くようなことを最初にやるのではなくて、これは順を追うて傾向をならしておいて、そこで順序の進行に応じてここで公定歩合の引き上げをする。しかも、ただいまも申しましたけれども、中小とか農業とかいうようなものに対しては十分の配慮をしながらということで、今日のかじのとり方としては、おそまきに失したということも言われますけれども、同時に、これをやったことについては、私は小林さんも評価をしていただいているわけで、私はそういう点から考えまして、当然のかじとりであったというふうに感じておるわけでございます。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、まあ従来から危険説を述べて、できるだけ早く公定歩合も上げたほうがいいというようなことの気持ちを、私はこれは権限でないものですからそれは申しませんでしたけれども、そういう意味のことは言っておったつももりでございますし、準備率引き上げ等について第二回目の分は、どうも権限を逸脱しておるではないかというような批判もあったくらいにこれは強く申したわけで、いわば見るに見かねてというか、そういう気持ちを持っておったわけです。  ただ、まあ私としてのこの立場で申し上げますと、先般小林さんの御質問に答えたときに、翌日の新聞には、経企長官インフレを認めるというふうに出るくらいに、非常に私の立場でいうとそういうことを認めにくいといいますか、それがあまり効果がない、むしろ逆効果であると、こういうふうに思わざるを得ない立場にいることは御了承願いたいと思うんです。要するに、インフレということを当局が認めれば、それがやはり物価——物は持っておれば値上がりするのだという、そういう思想をどうしても持つわけでございますね。現にきょう私は、実はちょっと御質問がなかった機会に、東京の卸売商業協同組合の諸君と話をしたり、それから商品取引所も実は見てきたのでございますけれども、どうもいままでのところ、やはりそういう心理が働いて、非常に物がどんどん買われたということをその諸君が認めておって、これはもうだんだん峠を越して出てくるということを言っておるわけでございます。まあ国会に十日の日に出しております例の規制の法案ですね、売り惜しみ、買いだめの規制法案、あれの中で立ち入り検査の項目がございますわけですが、あれが出ればうんと出てくるだろうということを言っております。私は、もう自信を持ってこれは必ず、いまの生活必需品物資の買い占めあるいは売り惜しみという状況は、もう必ずこれは解決できるというふうに考えておるわけでございますが、私の立場でなぜインフレと言わないかというと、やはりそういうかなり心理的なものがございますものですから、そういう点を非常に苦にして言っているわけで、これは御了承願いたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 ちょっとその心理的という、その心理学の考え方が、私はどこに心理的な影響を置くかといったら、それは国民に置かなきゃいかぬということは、この前の一そのときは留守中のことで、経企庁長官は大蔵大臣を兼ねておられたおけですけれども、私がそのとき言ったのは、国民の立場で考えなきゃだめだ、インフレマインドとか、あるいはまだインフレになっていないというような安心を与えるのは、ちょうどガンにかかったのを前ガン症状だといってごまかすのと同じだという意味のことを言った。悪化してしまったらどうにもならぬ。そのものが悪化するところまで行っているわけですから、そこは、皆さんとわれわれとは政党の違いとともにインフレに対する考え方も予算に対する考え方も、それはもう違っていることはもちろんであるけれども、私はそれは、国民というものをよく労働大臣言いますけれども、国民の立場に立って考えた場合には、何というか、そんなやり方というものは納得してもらえない。政治家がそういうことを議会の、重要なこの予算の審議の段階でやっておったんでは、それこそ政治というものはわれわれとは無関係のものだというような感じにおちいるだろうと私は思うんです。だから、認めて、しかもそれを手早く処理してやるという、物価が上がってたまらぬというようなこと一たとえばきょう土地の値上がりの問題が発表になりましたけれども、これはとにかく、私は建設委員をやっていたときに建設省であの調査のアンケートをとって、それはさっぱり集まらなくて、それで問題になったことがある。しかし今度は思い切って出したということは、ぼくはやっぱり考え方が多少変化したということについては好感を持っている。しかし、あまりにおそ過ぎるということ。あんなに上がってから一体土地の問題についてこうですなんということを言われることは、ぎょっとしてしまって、重症の患者ならショック死するような話だと私は思うんですよ。だから、そういう意味で、私は大蔵大臣のお考えはなかなか納得いかない。国民の立場に立ってものを考えて、国民に安心を与えるようなやり方というのは、それは一体政治の場からは考えなくていい問題なのかどうか、それをお尋ねしたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) もちろん政治の場から考えなければなりませんし、先ほど来申しておりますように、問題は、ですから、おそ過ぎたのではないかという御批判をいただいておりますし、それについては、なるほどそういう御見識もあるなというふうに私も感じておるわけです。要するに、内外の状況を考えながら適切なタイミングでやらなければならないということも非常に大切なことではないかと思います。御案内のように、国際通貨問題も小康は得ましたけれども、決してまだ恒久的な、世界的に安心のできる状況ではございません。それらの状況などもよくやはり国民的にも理解をしていただくような環境ができて、その進行が進んで適時適切な手を打つということがまた当局側の配慮でなければならないと思います。これはやるべきことであるというときに、多少そこにおいて、タイミング等において、あるいは幅といいますか、横のほうもにらみながらやることが国益に即するゆえんである。これは責任当局から申しますれば、そこに慎重さと十分な配慮というものが考えられなければなるまいかと、まあこういうふうに考えるわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ考え方が違っているということは、これはもうあなたと私の間では考えの違いがあるし、政党の違いがそういう考え方の違いを持たしているかもしれない。しかし私は、これは国民に聞いてもらうという立場でわれわれは話をしなきゃならぬことですから申し上げるんですが、やっぱり愛知さんの考え方には私は非常な危険な問題があると思うんですね。いま国際問題の話も出ました。いくさは大勝利、大勝利と言いながらいくさは負けたというような過去の経験も持っている。そういうやり方が政治というものなのか、私はそうは思わない。国民は主権者である、少なくともいまは。その国民に十分説明のできるだけのことは説明をして、事実を認識さして、そして、その上に立って国民がこれからどうするかという考え方を国民の中から出してくるというような行き方がいまの政治の考え方ではありませんか。私は、おれらにまかせておけ、そのうちにあぶなくなったら教えてやる、命があぶなくなったら教えてやるというような、そういうものの考え方は、それは少なくとも戦前の考え方では通用したかしらぬが、いまは通用しないと思う。私は、だから国民の立場で言いなさいと言ったんです。  たとえばどうですか。経企庁長官に、ちょっと、新聞ごらんになったからおわかりだと思いますが、あなたのところの物価担当官は、弱っちゃったなあと、こう言ったそうです。こんなになって弱っちゃった、卸売り物価の上昇率の戦後最高記録がきのう確実になったと思ったら——もう弱っちゃったなあと、こう言った。そして「遅すぎた感はあるが、間もなく公定歩合が引上げられる。これによって一応、インフレ・ムードに水をかけることはできるだろう」と、こう言ったという。これは新聞の表現では投げやりの態度でと、いささか投げやりの態度でと、こう言っている。私は、そういうやり方がああ思いやりのある政治家のやり方だとは思わない、と思うんですよ。いままで、あのときにそんなことを言われたらなおびっくりしたが、しかし、いまここまできて言われるというと、初めて納得いたしましたというようなことを言う、日本の国民をそうあんまり甘く見たり、ばかにしたりしちゃいかぬと思うんですよ。国民の声として、物価が上がってやりきれない、これはインフレだということを心配している。そういうことが国会の中でも堂々と議論されている段階で、一体子供だましのようなインフレマインドとか、そもそもインフレとは継続的に物価の何とかなんということ、そんなことが何の一体意味がありますか。インフレであるとかインフレでないとかいう議論よりかも、物価が上がってたまらぬのだという、そのことを実感で受けとめている国民のほうがずっと健康でしょう、ものの考え方が。その健康さを認めないような政治というのはあっていいんですか。私は、まあお二人の意見をもう一ぺんひとつお尋ねしたいですね。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 国民のために政治があるんでございますから、国民の気持ちをそんたくしてやるのは当然のことでございまして、物価が上がっていくということに対して心を痛める気持ちは小林委員も私も変わりないと思うんですね。ただ、インフレというものは非常に心理的なものでございまして、一億国民の消費というものがどういう方向へいくかということは、これは大きな問題になるわけですね。そこで、実は私はこれは持論で言っているんですけれども、物価の問題というのは、これは政府の政策も確かに関係いたしますし、最終的には政府の責任であるということは少しも私回避してないんですけれども、たとえば政府が悪いということのために、一つの例ですが、大根一本百円だと、けしからぬと、こう言いますですね。それは確かにけしからぬことであると思うんです。しかし、それを聞いて、なるほど大根が一本百円ならおれも大根一本百円で売ろうじゃないかと、それでなければ損だという心理、これもやっぱり否定できないと思うんですよ。そういうことから、インフレだ、インフレだということを言うことよりも、インフレになっちゃ困るんだということを言うことも、これは私は政治として必要な態度であるというふうに思います。インフレというのは、大体戦後に起きるものでございますがね。戦時中に抑制せられた購買力というものが戦後に顕現化するということがインフレの常態であって、戦争でない平時においてインフレが起きるということは、これはたいへんなことなんですね。そのたいへんなことがもう現に起きているんだということ、起きたらたいへんだということ、これは私は国民に対する態度として別に変わりはないと思う。起きたらたいへんだという態度がけしからなくて、起きているんだということがいいんだということは、これはまあ議論の問題ですからお互いの認識の相違です。それはもう小林委員がそういう御主張になることを私は悪いとは申しません。しかし同時に、小林委員におかれまして、政府がインフレになっちゃ困るんだと言っていたことがけしからぬことだというのは、私はこれまた私の立場からいえばいかがかと思うですな。現に、私はさっき申し上げたように、いま一番問題は繊維にございますから、繊維の卸売りの商業協同組合の連中と話してまいりました。これはやっぱり専門家ですからいろいろ言いますですね。買い占めがどこにあるということも大体私は突きとめてきた。そこで連中が言うのは、早く、あの法律はいいから、立ち入りを当局がなさるようにしてくだされば必ず出ます、こう言っているんですね。これは罰しろ罰しないということで意見が分かれて、なかなか審議していただけないんですけれども、私はやっぱりやらしていただきたい、政府には。これはすべて法律優先主義でございますから、国会の御議決を得なければわれわれやれないわけですけれども、しかし、政府がやりたい、いいと思っていることはやらしていただいて、その上で、だめならだめでひとつ鼓を鳴らして責めていただきたい、私はそういうふうに心からお願いしたいと思っておる。私はほんとうに真剣にこの今日の問題を憂えているんです。とにかく、生産は変わりないんですから。それ以上のものができているんです。たとえば、丹後ちりめんなんかというものは、この二月、三月で十数%生産がふえているんですよ、いままでより。生産がふえていながら全然品物が出てこないというところは、これはだれが見ても買い占めであるということは明らかなんですから。そういうところがもう明らかにわかっておって、そうしてそれが大衆を苦しめている、物価高になっているとすれば、これはやっぱり私どもは、ほんとうに国民のためにこれに体当たりしていかなきゃならぬと思うんです。しかし、われわれとて権限のないことはやれませんから、権限を与えていただくということをぜひお願いしたいと考えております。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 企画庁長官の言われるとおりに私も考えているわけです。先ほどのことを繰り返すことになりますけれども、先ほども御指摘がありましたが、たとえば、公定歩合の引き上げはおそきに失したではないかと言われますが、それにはそれなりの私どもとしても考え方がありましたが、私も、これですっかり陣立てといいますか、これは整ったと、こういうふうに考えております。そして一面、いままで一月以来何回となく畑話もいたしておりますが、とってまいりました金融措置の結果もあらわれてきつつあると思いますし、それから、為替相場も安定といいますか、平静な状態を続けておりますから、これが輸出、輸入の面にも必ずよい結果をあらわしてくるのであろうと、これに対して企画庁や通産省や農林省のかねがねやっておられる措置と相まって、私は、ちょうど四十八年度が始まる今日において、前途に対して、これで、いま申しましたようにいろいろ考えてきたことが、組み立てができてきたと、ここでいまお願いしているような法律案、予算その他が実施ができるようになりますと、これで実施の段階にいよいよ入ると、それから一昨日、羽生委員の御質疑というか、御意見もございましたが、予算の執行等につきましてもいろいろとくふうをこらしてまいりたいと、こう考えておるわけであります。

小林武日本社会党

○小林武君 これからやっても大体同じことを繰り返すことになると思います。政治に対するかまえが違うと思うんです。経企庁長官は非常に熱心にお話しいただいたけれども、言ってみれば、立っている場所が違うという感じがするわけです。しかしながら、場所が違っても、やはり同じ国会の中でやるからには話し合って、とにかく国民に迷惑をかけないような方向に持っていくというのが、われわれのこれはもう最高の目標でなきゃなりませんから、そういう意味で申し上げている。ただし、議論をこれ以上やってもしようありませんからやめますけれども、しかし、国民が一体それほど安心していいかどうかといったら、私はそれは結果を見るべきだと思う。結果を見て——いつか佐藤総理時代に佐藤総理に、一体、経済見通しを誤ったんではないかと言ったら、誤ったと、こう言っている。しかし、あれは大体当たらないものだというような考え方が何かあるようでございますけれども、私はそういうものでないと、こう思っているんです。それば一つのやっぱり青写真のようなものなんだと、その上にのっとって政治というものが行なわれていかなきゃならぬものであると思う。  それと、もう一つ考えなきゃならぬのは、国民の持っている感じ方、生活にそのまま響いてくる状況というものを、経済政策としてははっきり見きわめなきゃならぬと私は思うんです。そのことを申し上げて一つお尋ねいたしますけれども、これが、どうでしょうか、もっとやはり考えようによっては、いまの論法だというと、あのとき実は、まだまだインフレーションというのは進行の速度をとめない状況であったけれども、それ言うと、これはえらいことになるから言わなかったというような、そういうこともやりかねないわけですわね、あなたたちの考え方をそのままやっていきゃ。そういう場合には、今度は何をやるつもりですか。今度はどうしますか。強制売りオペをやるとか、あるいは日銀の市中貸し出しを停止するとか、そういういろんなことをどんどん手を打つわけですか、どうですか。もうこれでぴったりだいじょうぶということならば、ひとつこれは、いよいよのときには政治責任というものがありますわね、これは。そのときばひとつ、あのときの答弁というのは実は熱意あふるるつもりで、インフレをとめるという熱意でなんという、同じような答弁が返ってこないようにひとつ御答弁願いたいんです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、金融政策というようなことについて限定して申しますならば、金利政策というようなものは、機動的で本来なければならないものでございますから、これで終われりというわけでもございません。それから預金準備率の制度も御同様でございます。ですから、さらに上げるということもございましょうし、また、これが少しきびし過ぎて不況的な状況が出てきそうであるということには、またその手綱をゆるめるということも必要でございましょう。これは常に情勢の流れを、それこそ小林さんのお話では、国民とともに心配し、ながめながら、これは機動的な適時適切な運用を誤まらないようにしなければならない、このことは非常に懸念を常にいたしておるわけでございます。  ただ、現在のところの私の考えを率直に申しますと、輸出もある程度騰勢が、騰勢といいますか、増勢が少しとどまるでございましょうし、輸入は、最近の実績から申しましても非常に伸びておりますし、それから、引き締めの効果は国内的に相当の実績をこれからあげてくるであろうということは、私はいまのところの見通しとしては持っております。しかし、常に経済は生きものでございますから、画一的な、これをやったからこれでおしまいとか、あるいはそれで十分よろしいということはいつの時代でも言えないことであると、常に新しいくふうと手法の誤まりなきを期さなければならない、こういうふうに考えるべきものであると思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 繰り返して申し上げますが、私は、安心していいというようなことは全然考えておらない、非常に危険だと思っておるんです。ただ、いまインフレだと言い切ってしまえば、これは先に持っていれば上がるにきまっているということを政府が言うわけでございますから、何とかそうならぬようにしようじゃないかという気持ちを強く持っているわけでございます。  それから見通しのことでございますが、これはもう大蔵大臣からお答えになったとおりでございますけれども、たとえば対米輸出の問題を一つとってみましても、やはり円が切り上げになるだろうと、そういうような気持ちを持って非常にかけ込み的な輸出が多かったことは、いなめないように思うんでございます。たとえば四十七年の一−三月、四−六、七−九、十−十二と、それからさらにことしの一月、二月、ちょっと時間をとりますが数字を申し上げてみますると、四十七年の一−三月が対米、輸出のほうで二一・八%ふえております。輸入のほうは〇・七%増加しております。それが四−六でございますと、輸出が一四五%増で、輸入が六・八%増でございます。七−九になりますと二〇・四%輸出がふえて、輸入は四五・八%急増しております。それから十−十二、月になりますと、輸出が一六・一%、輸入が二五・一%、それから一月が、輸出増が一九・七%で、輸入が三二・二%、それから二月になりまして、輸出が一五・九%で、輸入が四四・六%というふうにふえてきておりまして、だんだん輸入がふえて輸出が減っているという状況でございます。ことにこれ、アメリカの価格が非常に高いものでございますから、数量的にはもっと減っているということになります、価格で見てこの程度でございますから。  そういう状況で、たいへん、日本の国内のことももちろんそうでございますけれども、国外の事情も相当に影響がある。こういうふうな現今の経済状況でございますので、そういうことをいろいろ見てやらないといけないという点で、経済見桶しというものも非常にむずかしくなってきているということは申し上げさしていただきたいと考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 まあひとつ荒療治だけはやらないほうがいいと思うんです。これは経済の問題であろうが、からだの病気であろうが、荒療治をやるなんというのはもう下の下だと思いますから、荒療治にわたらないように、先ほど機動的とおっしゃるなら機動的、安心してまかせられるというようなやり形をとっていただきたい。どんでん返しなんというのは、何か見せものかなにかで見るときはけっこうですけれども、これは政治じゃたまらぬわけですから。  それで、大蔵大臣にお尋ねをいたしたいんですけれども、二十カ国蔵相会議のことについて質問申し上げたいのですが、これは愛知さんのお考えですというと、たいへん固定相場制ということを強調なさっておった。私はふしぎにちょっと思っておったわけです。それほど強調なさるような情勢であるかどうかということについては、ふしぎに若干思っておった。しかし、いまいろいろ考えてみまして、これはなかなかたいへんだと思っているのですが、前回のわが党の羽生委員の質問に対しても、御答弁によるというと、固定相場制というものはかなり考えが変わられたように思う。私はやっぱり、さっきのインフレの問題じゃございませんけれども、これだってそうだと思うんです。それが長い時間かかっての変化であれば別ですけれども、何か言ったときと回答では違うというような考え、やり方というものは、なかなか政治に対して何だというような気持ちを持たせる。そういう気持ちでお伺いするということははなはだ失礼でございますけれども、いま愛知さんのお考えとしては、どうでしょうか、固定相場制というものは、ナイロビ総会のときには見込みがあるんでしょうか、どうでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私も率直に申しますけれども、私は、そもそも固定相場か、しからざるものかと二つを並べて、いずれがいいかというふうに取り上げるべき問題でない、こういう考え方は私の考え方でございます。そうして、その次には、これは二国間の問題とか三国間の問題でございませんから、世界全体が安定した通貨制度というものを欲しておると、分極化しないということで基本の考えがまとまることが何より大事でございますから、そこで、今回の場合におきましても、安定して、しかし調整可能な通貨制度、平価制度というふうに申しますことが一番よろしい、こう考えましたから、今回の会議でも、その前でもそうでございますが、日本の主張としてはそういうことであるということで、幸いにこれは二十カ国の場合におきましても全体の合意を得たわけでございます。ですから、これは固定か変動かというふうに対立させて考えることも間違いだと思いますが、まあことばの使い方いろいろありますが、できるだけ両方の考え方を合わせて、そうして安定、しかしながら調整の可能なもので平価制度というものを国際的にお互いに協力し合う、支持し合えるという体制が確立できることが最も望ましい。そうして一方においては、ドルの地位というものが現在においては低下しておりますから、さしあたりこれの信認性を回復するということが、これはどこの国にとっても一番大事なことであるが、将来の恒久対策ということからいえば、むしろSDRというものをみんなが重要性を認めて、これをもっとりっぱなものに確立していくことである、そういうことで確立できれば私は望ましい姿ではないだろうかと、こう考えているわけでございます。  一面において、そういう考え方でございますから、現在の情勢においては、お互いに認め合って、そうした恒久的な制度に対する合意ができるまでの間、これは必ずしも形式的に確立するという場合でなくともよろしいと思いますけれども、そういうまでの間は、主要各国の通貨はいわゆるフロートしているというところをお互いに認め合って、平静な状態を続けていくということに、当面のところはこれがお互いに理解し合われているというところで、冒頭に申しましたように、日本としても、まずこの問題については小康を得たと、こう判断していいのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 小康を得たということは、このナイロビ総会までの間ぐらいの時期においては、いわゆる投機のあらしというものは吹かないと、こう判断していられてのおことばですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 一つは、お互いが平価の切り下げ競争などをやって、自国の都合だけで他国に迷惑をかけるというようなことはやるまいということが強く相互間に理解ができたということと、それだからこそ流動するドル資金、いわゆるユーロダラーといわれるようなものについては、これの規制について徹底したひとつ情勢の掌握と、その確実な対策ということについて、さらに一そう的確な対策を立てようということに合意ができたというようなことが、主たる内容と御理解いただければいいのではないかと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 この一九三〇年代の切り下げ運動というようなものの危険性というようなことを言う経済学者もいれば専門家もあるようなんですが、これについては、どういう点で小康を得たというお考えですか、ひとつちょっと聞かして下さい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、具体的にこういうことがこうなったということもさることながら、基本的に、とにかくお互いに迷惑をかけないで、そうして、たとえば資本移動についても積極的に取り上げていこう、あるいはドルについてはその信認の回復のために、交換性の回復についても、アメリカとしてもこの国際の場において前向きな姿勢をとるということ、あるいは固定化というようなことについても、具体的な議題となって検討を続けられていくというようなことが、同時に、国際的な投機資金の介入というようなことが起こらないような体制ができてきたというふうに御理解いただいていいのではないだろうかと考えるわけでございます。ただこれも、先ほど国内の金融その他の問題でも申し上げましたように、生きものでございますし、いわば穴もさがせばたくさんあることでもございましょうから、始終、各国間の連絡、当局間の連絡を緊密にして、そして情勢の推移を十分見きわめていかなければならないと思います。  それから、こういう状態が、私は、それで小康を得た状態と言っておるわけでございますが、小康じゃなくて、ほんとうに安定した、お互いが自信をりっぱにつけ得るような状態を創造するのには、非常に時を急ぎますが、同時にまた、かなり専門的な問題でもあり、またそれぞれの国の、やはり何といいましても国内政策と非常に関連がそりますから、多少のまた時日の余裕は必要である。ただいまのところは、ナイロビのIMF総会というものがすでにきまっておりましたから、そこまでには何とかしょうと、できればそれ以前にも、もう一回蔵相会議ができれば開けるようにしたいということが、現在、参加国間の理解し合っているところでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ、いまのお話を大体聞いているというと、このナイロビ総会に至るまでの専門家会議、あるいは五月とかに予定されている蔵相代理会議、七月にこれはあるかわからぬけれども、七月あたりに予想される蔵相会議、ここらにおける進み方。それから、それぞれの会議で一つの決定がなされている。それによって、どういうふうな一体進行のしかた、特に私は、ワシントン、パリで専門家会議が開かれる。この専門家会議というのは、よくわかりませんけれども、おそらくかなりの期間、かなりの期間というのは、ナイロビ総会まで常置でもされるのか、相当回数の多い会議のようにも考えられるのですが、ここでの検討される条項は、もうすでに新聞にも出ていますから、説明の必要はございませんけれども、これがどう進んでいったら、一体ナイロビ総会で結論らしいものが出るのか、というようなことを説明していただけませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず第一には、ナイロビ総会ということが非常に浮かび上がっておりますことは、一面に、IMF体制というものは崩壊してしまったんだというふうに断定的に言う向きもないではなかったわけでございます。いまでも当局筋以外の評論的な意見としては、そういう意見もあろうと思いますけれども、IMFを強化した形の中で、こういう考え方を確立しようということが合意されたということは、一つのやはり収穫ではないかと思います。  つまり、ブレトン・ウッズ以来の共同の場において確立をしていこうという意欲、あるいは機構というものについて合意ができたということ。そして、そのワクの中で、場合によってはIMF体制、機構というものにも、若干の改正というようなことも考えられるかもしれませんけれども、大事なことは、すでに御承知の、代理会議というものが非常に精力的にいままでも活躍しておりましたけれども、さらに一そうこれに拍車をかけて、各国のそれぞれの責任者からこぞって、合意に基づいて、代理会議全体に対して、さらに具体的な命題と責任をもって早急に結論を出すようにということを指示したわけでございます。  その内容として取り上げられている具体的なテーマ、あるいは専門委員会の設置というようなことは、公表されておりますし、御承知のとおりでありますが、そのさらに内容については、いままで代理会議が現在までも取り上げておりました問題等については、代理会議の中間報告のようなものも世界的に公表されておりますから、私は、これからの代理会議が、予定されていたスケジュールよりもひんぱんに、かつ一回の会議を長く開きまして、今月、四月中は、各国はそれぞれ、いろいろ専門家として研究を深めることになりましたが、五月早々から、たとえば一回の会議は数日とか二、三日ではなくて、一週間あるいはそれ以上、連続的に精力を集中しようということも申し合わせられておるわけでございますから、私は相当の期待を持っていいのではないかというふうに考えているわけでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 どうでしょう、一つだけお尋ねしておきますが、変動相場制というようなものは、ナイロビの総会で結論が出ない場合にはもっと続いていくという一そのナイロビの総会前には、絶対固定相場制というものは出てくるはずもないわけですから、そう考えられますから。しかし、もう一つ、また時期が延びて、変動相場制というものが続いていく、こういうこともあり得ると見ていいですね。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 現在のといいますか、二十カ国蔵相会議の合意は、とにかくナイロビということが非常にみんなの頭に強く出ておるわけでございまして、コミュニケの最後の結びは、次回会う日にちと場所は未定になったので、そのまま表現されてございますが、その意味は、ナイロビよりも前に、もう一回やりたいという各国の気持ちがそこににじみ出ているわけでございます。これを裏から申しますれば、ナイロビのときには何とかというところが、非常に強く意識されているというふうにお読みいただくことが適当だと思いますし、これに参加したものの一人として、そこで結論が出ない場合はということを、日本の国会でもって申し上げるような状況ではないということを、御理解をいただきたいと思います。まあ、参加した各国としては、何とかそこまでで一つの結論をつくりたいと、こういうことを合意したということを申し上げるにとどめたいと思います。  同時に、先ほどもちょっと言及したつもりでございますけれども、それ以前でも、形式的あるいはその他のことで、かりにかっちりしたまとまりがなくとも、これで、まず双方といいますか、参加国が十分やっていけるという心証を得たという場合もあり得るかと思います、行動の自由をとる上におきまして。それから、万万一ナイロビで十分な成果が出なかった場合に、それからとらなければならない措置ということについては、万万一の仮定でございますから、またそれなりに各国それぞれの立場において最善を尽くすということにならざるを得ない、こういうふうに考えるわけであります。

小林武日本社会党

○小林武君 事がなるということのためには、アメリカの態度というのが、やっぱり重点になるように思うんですが、この通貨改革の一つの焦点であるドル交換性回復問題について、アメリカは、これに対して責任ある態度をとるということが考えられるかどうかということが一つであります。  それからもう一つは、赤字国であるアメリカの態度も一つありますけれども、黒字国である日本の場合に、いわゆる世界は一つであるという考え方から、何をやらされるか、何をすべきかということについて承りたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 率直に申しまして、これはパリ会議のあとで御報告をし、それに対する御質疑にもお答えしたところでありますけれども、アメリカが二月以来の通貨不安に対して、一面において危惧されていたように、責任を回避するということではなくて、それまで、たとえばアメリカの資本の移動等に対して、一たん公表していた政策のあと戻りといいますか、転回についてさえ言及するようになったという一例も申し上げたわけでございますけれども、コンバーティビリティーの問題——交換性の問題について、各国の積極的な検討にアメリカも積極的に参加するということになったこと、あるいはドルの残高のコンソリテーション——固定化と申しますか、こういう問題の検討にも積極的に加わるという態度を示したこと、あるいは、これはいま申しましたが、ユーロダラーの問題に対する態度、あるいはまた、お互いに助け合って、現在のフロート中の場合におきましても、若干の介入をすることをもやって、その資金的な裏打ちも考えながら相場の安定ということに寄与していこうということが明らかになったこと、その他等々から考えますと、赤字国というものの責任にも取り組むという姿勢が明確になってきたということは、従来危惧されていたところよりは、その態度が変化した、こういうふうに申し上げてよろしいんじゃないかと思います。  それから、黒字国である日本に対しては、何を求めてくるであろうかということでございますが、これは一昨日申し上げましたように、通貨と通商の問題は、本来車の両輪であるべきもので、同時にこれが解決されることが望ましいことは言うをまたないところでございます。ところが通貨のほうは、もう多国間で、とにかくこういうふうに次次と会議が持たれ、そしてそこで解決の方途に心を合わせて前進しているわけでありますし、いまのところ、とにかく小康を得たということばが当たるかどうかわかりませんが、ただいまのところは、幸いにして平静を取り戻した。そこで通商の問題のほうになることかと思いますけれども、ほんとうに、ざっくばらんに申しまして、通貨不安を解消するという当面の問題と、通貨の恒久対帯ということで、もうみんな頭が一ぱいで、ほかのことはなかなか議論の時間的余裕もございませんでした。したがって日本の場合としては、やはり依然として、日米の間が、ことに日本の場合からいえば大きな比重を占めるわけでございますから、今後の問題としても、やはりこの日米間の貿易の収支じりをできるだけ少なくするということに、これはだれが求めるというのではなくて、日本自身としてもこの幅を縮小することが一番この際大切なことではないかと、まあ私は考えるわけでございますし、それが結果において、通貨問題においての日本の立場も楽になる、こういうふうに考えるわけでございます。  同時に日本としては、現在、とにかく国際決済手段としては、有力な、交換性はなくとも有力九ドルというものをできるだけ有効に活用していくということが、一面、日本として相当の成果をあげていけば、これも結果的に、通貨制度確立に対しては日本の立場が楽になるということになると思います。  何を通貨の上で求められるかということは、犬らに御質問があるかと思いますが、たとえばコンソリデーションということにどれだけの協力ができるかということでございます。これは取り上げようによっては、とにかく持てるものが、少なくとも、古いたまったドルが、ある程度固定化するということを意味するわけでございますから、その内容、やり方等によっては、日本としても、本来ならあまり好ましくないことでございますから、多国間の相談などの結果において、ある程度コンソリデーションということを検討することには、日本も検討することには同意したわけですから、そういう点について、どの程度まで協力ができるかというようなところが、これからの考えられる、また、いろいろこちら側の腹がまえも固めておきながら、問題はそれ一つでございませんから、交換性の問題などと関連して、どの辺でまとめ役に入っていけるか、それが国策上、どこのところがぎりぎりの限度であるかというような点が、これから心しておかなければならない問題であると、こういうふうに思います。ただいまのところ、何を求めるか、何を要請されているかということはございません。

小林武日本社会党

○小林武君 いまのこの日米貿易通商の問題に関連して、通産大臣、何か御意見ございますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカのニクソン大統領を中心とする今日の政権は、やはりドルの価値の回復ということに、相当な、異常な熱意をもって通貨通商対策に乗り出してきているのではないかと思われます。それは、一〇%のドルの切り下げというようなことは、われわれあまり考えませんでした。あえてそれをやってきたということは、これで世界の通貨再調整の場所をアメリカみずからの引き金でつくって、そして、それを機に、通貨通商込みでアメリカの貿易ポジションを変えようと、そういうニクソン大統領を中心にする強固な意思で、異常なそういう政策が出てきたのだろうと私は思います。その背景にあるものが、今日の拡大通商法の伝えられる内容等でありまして、相当な授権を議会に対して要求しております。これもその決心の一つのあらわれであるのではないかと思います。したがいまして、ECその他の国においては、アメリカとの歴史的な、あるいは血縁的な親近性がありますから、かなりホットラインが有効に動いているのだろうと私は思いますが、日本の場合には、ECの国ほどホットラインが事実上動いているような気はあまりいたしません。しかしアメリカは、やはりECに対抗していくという考え方から、日本を非常にたよりにしている部分がまた一面においては非常にあるだろうと私は思います。また、アメリカのバランスを回復する上に一番大きな仕事を持っておるのはやはり日本との関係であります。そういうような面からして、両方で胸襟を開いて話し合えば、この重大な時局に両方の利害を調節して、そして世界経済を次の拡大均衡に持っていくことも不可能ではないと思います。そういう意味において、ひとつざっくばらんな話し合いをあらゆるコミュニケーション・チャネルを通じてやっていきたいと、そういうように思います。

小林武日本社会党

○小林武君 文部大臣にお尋ねいたします。  国体についてのさまざまな批判が出ているし、国体そのものも二十七回開催されて、その中には問題点は相当あると私も考えているわけでありますが、これについて文部大臣として何かございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話のように、国体につきましていろいろな批判がございますし、また日本体育協会の内部におきましても、そういう意味での検討の委員会を設置いたしまして、始終論議が行なわれているところでございまして、施設の規模が適正を得ているかどうか、あるいはまたアマチュアリズムに基づくスポーツの祭典でありますけれども、競技の種目等が適正を得ているかどうかなどを通じまして、いろいろな検討がなされているところでございます。私もぜひこの検討を積極的に進めまして、国体をさらにより多くの方々から支持されるものとして進めていきたいと、かように考えております。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 小林君、通産はいいですか。

小林武日本社会党

○小林武君 通産はどうぞ。すみません、どうも忘れまして。  国体について、まあこまかいことから言うと、国体人事というのがあるんだってね。あるいはその国体人事の中に入るかしらぬけれども、ジプシー選手とかということがいろいろ取りざたされている。  そのことについての説明と同時にね、もう一つありますことは、一体、主催県が必ず勝つというこの現象をね、あなたどうごらんになっているか、それをお聞きしたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話のようなジプシー選手といわれるようなことが数年前まではあったそうでございます。そういうような批判にこたえまして、現在では、都道府県の代表として国民体育大会に出場した者は翌年他の府県の代表で国民体育大会に参加することはできないと、こういうようにしたようでございます。そういうことから、いわゆるジプシー選手ということはできなくなってきたということのようでございます。なお、御指摘のように、スポーツについてすぐれた能力を持っている人、国民体育大会を開催する場合には積極的にそういう人を採用しようと心がけ、努力しているようでございます。しかし、その方は引き続いてその県に奉職する等によりましてスポーツの普及あるいは技術の向上というために活動してくれているわけでございますので、その限りにおいては、それは一つの行き方ではなかろうかと、かように考えているわけでございます。  なお、開催県が必ず優勝する、それがいかがなものだろうかというお話がございましたし、私自身も疑問を持っていろいろ調べてみたわけでございます。そうしますと、ジプシー選手的なことはやめたと。ただ、開催県に有利な運営が行なわれている。たとえば一つの種目に対して二チームの出場を開催県については認める、あるいは個人競技の場合に出場人数を多くする方式が採用されている、あるいはトーナメントの場合には一回戦は不戦勝にしてすぐ二回戦に進めるというような仕組みが行なわれる、またブロック予選は必要なく出場できる、また参加者が全体的に多数である、そういうことから主催県が優勝になるといういままでの歴史がそのまま続いてきているということのようでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 まあ文部大臣とは文教委員会でやれますから、私のほうのネタは全部出しませんけれども、いずれこの問題は追及し合うとか何とかということではなくて、国体というものはやっぱり相当考慮しなければならぬところに来たと思うのです。私も東京オリンピックの組織委員をやっていていろいろ考えますと、オリンピックもまたこれでいろいろな問題点を持っている。それと大体似た形でこの国体もいっているというような気がするわけです。その点はこれはやっぱりある時期に反省しないというと、二十七回も同じようなことをやってきて惰性でいくというのはどうかと思う。私はやっぱり国民の体位とか体力とかというようなもの、あるいは青少年の体力、体位というようなものを考慮しながら、しかも日本の国民の当面している問題等をからみ合わし、国体というものは、おんなじやり方で何回も続けていくというようなことを考えることは、ある年には——毎年変えろというわけではありませんが、今度何年間かはこういうようなことを、三年間なら三年間、目標でいこうかと、全体の体位を高めるためにどうしたらいいかというような、そういう目標でいくというような考え方で進まぬというと、惰性でいくというと、国体はもう総スカン食うような状況になる。冬季オリンピックが総スカンを食いつつあるというような状況をごらんになればよくわかるように、本来歓迎されてそしてやらなければならぬものが、そうでなくなるということはたいへんなことですから、この点についてどうですか、いまのような考え方お取り上げになりませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国民体育大会につきましては、国民体育大会開催基準要綱というようなものを設けて進められているようでございます。これについて積極的に改正しようということでいま論議が進められておるわけでございます。お説のような考え方もひとつ十分検討すべきことだと思います。  同時にまた、参加者の点につきましても、むしろ少年、青年の年齢別を原則にするようなことを検討してはどうかという問題もございますし、同時に、いまのように一府県が主催者になるということでは、五十年に一ぺんというようなことになるわけでございます。やはりスポーツの祭典、そういうことを通じてスポーツの普及をはかっていくわけでありますから、数府県一緒に国民体育大会を開催して、早く回すというようなことも考えなければならぬのじゃないだろうかと、こうも思っておるわけでございまして、いろいろな点について荷検討する時期に、お説のように、来ていると、かように考えております。

小林武日本社会党

○小林武君 じゃ、あとは委員会でやりましょう。これできょうは終わります。

大竹平八郎自由民主党

○委員長(大竹平八郎君) 小林君の残余の質疑は次回に行なうことにいたしたいと思います。  次回は明日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十七分散会

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