予算委員会 第11号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/03/26
会議録
○委員長(大竹平八郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 本日の理事会において、一昨日の南ベトナム臨時革命政府要人の入国に関する田中法相発言に対する官房長官の記者会見をめぐる問題については、法相の発言どおりであることを官房長官は是認いたしましたので、この点、御報告申し上げます。 —————————————
○委員長(大竹平八郎君) 昭和四十八年度一般会計予算 昭和四十八年度特別会計予算 昭和四十八年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 なお、理事会において、三案に対する一般質疑は七日間とし、その質疑総時間は九百三十分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ三百三十分、公明党百二十分、民社党及び日本共産党はそれぞれ六十分、第二院クラブ三十分とし、本日からの質疑順位につきましては、お手元に配付いたしました質疑通告表の順位とすることに協議決定いたしました。 そのように取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大竹平八郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これより、前回に引き続き、質疑を行ないます。和田静夫君。
○和田静夫君 去る二月の二十七日の衆議院予算委員会で、わが党の楢崎弥之助議員が、三光汽船の株価操作について疑いを披瀝をいたしました。このことに関連して若干私もお尋ねをいたします。 三光汽船は、昭和四十六年、四十七年、二年間で、時価発行と第三者割り当てで五百七十億円のプレミアムをかせいでおりますが、ここに、いわゆる株価操作の事実はございませんか。 外務大臣、急いでいるようですから、外務大臣にちょっとお尋ねしますが、わが国によるベトナム援助問題との関連なんですがね、いわゆる第三勢力の南ベトナム政界における力について、どういう判断をお持ちですか。
○国務大臣(大平正芳君) 長い抗争の中にありまして、ようやく和平協定ができ上がりましたが、この履行をめぐりましても、まだすっきりした情勢を招来するに至っていないこと、私どもも心配をいたしております。 どういう勢力が、表裏にわたってどのように活躍しているかということにつきましては、私は、寡聞にいたしましてつまびらかにいたしておりません。しかし、そういった点につきまして、政府としても、常時、情報の収集には努力しなければならぬと思いますけれども、いまの御質問に対しまして、いま的確にお答えする用意がないことをたいへん残念に思いますけれども、今後、情報の収集、究明には努力しなければならぬと思います。
○和田静夫君 その第三勢力の象徴的人物で、一九四五年当時、フランスと結託してベトナム人民共和国に対立、一時ベトナム国の国家主席になったこともあるバオダイ氏が、この二月初旬に日本にやってきて、ホテルニューオータニに滞在しておりましたが、外務大臣お会いになりましたか。
○国務大臣(大平正芳君) 新聞報道を通じまして、そういうことは承知いたしておりますが、公式にも非公式にも、政府に通報をしてまいりました事実はございません。また、同氏から政府首脳に面会を求められた事実もございません。
○和田静夫君 法務大臣、これは日本のだれを通じて入国申請がなされましたか。
○国務大臣(田中伊三次君) 手続のことでございますので、恐縮ですが、入管局長からお答えをいたします。
○政府委員(吉岡章君) いま御質問の旧バオダイ帝の入国に関しましては、ただいま情報ございませんので、取り調べまして、後刻御報告申し上げたいと思います。
○和田静夫君 これはしかし、後刻じゃお話にならぬ。
○委員長(大竹平八郎君) 和田君、いまの御質問ですね、後刻というのは、あなたの質疑中に回答させるように委員長が取り計らいますから、どうぞ質疑を続けてください。
○和田静夫君 官房長官ね、端的に質問しますから、一問だけ聞いておってください。 自治大臣、田中総理は昨年十二月十一日の記者会見で、国土総合開発庁の構想に関連して、「自治省をどうするか、自治うんぬんとやかましいことをいわず、旧内務省的な地方開発庁とでもいうものにしたらどうか」、こういう発言をされたそうでありますが、自治大臣は、この総理の見解についてどうお考えですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、総理の、いま御指摘になりました見解そのものを聞いたことが、実はいま初めてなわけでございます。もし、かりにそういう発言をされたとしたら、一体それはどういう意味か、こういうお尋ねでございますね。おそらく、もし総理が真意でそういうことを言っておられるとすれば、私が、たとえば自治大臣に任命を受けるときとか、あるいはそのあととか、しかるべき時期にそういう話題が当然出るはずだと思うわけでございます。私が知らないと申し上げたのは、全然そういう話題が今日まで出たこともございません。そればかりか、今日の地方自治体は福祉優先の施策を推進してまいりまする上から申しましても、自治省自体の役割りというものは非常に重要度を増しております。これは国政と地方自治とが、ちょうど車の両輪のように、相助け合って政治が遂行されるところに理想的な地域社会の建設というものがなされるわけでありまして、私は、総理自体も、もとよりそういう考え方に立っておられるものというふうに思って今日もおるわけでございます。
○和田静夫君 この問題は、日本列島改造論との関係で、あとで具体的にやりますからあれですが、どうも総理の思想の中には、憲法の第八章というものが影をさえとどめていない、こういう感じがする。したがって、官房長官、この機会に総理の発言の真意について明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(二階堂進君) いまお尋ねの件でございますが、総理の真意は、別の機会にでもまた総理から直接答弁があってもいいと思いますけれども、ただ、この機会に、私は、総理の真意はどうかと聞かれましたから申し上げておきたいと思いますが、この国土の総合開発という問題は、御無知のとおり、いま行政が縦割りになっておりまして、なかなか各省間の調整がとりにくい点もしばしば私どもが経験しているとおりでございます。したがって、今回、国土の総合開発を進める国の行政の立場から申しますと、何か一本にまとめて、各省間の調整もうまくとれるようにするような機構というものが望ましい、こういうことは私はあると思います。しかし、明日、これからもちょっと打ち合わせをやるんですが、明日政府が決定をいたします法律の中身を十分御審議いただけば、地方自治の侵害をするとか、地方住民の意思を全く無視するという内容のものでないことは、法律の内容に明確にうたわれております。したがいまして、私は、総理も国の行政、国土の総合開発を進める上において、地方の知事の権限を縮小したり、地方住民の考え方を無視するというようなものは、法律の内容を見ていただけば、全くない、こういうことを明確に申し上げてておきたいと思います。都道府県の開発計画も、全く県や知事に一任をしております。また、地方住民の意向も十分聞かなければならぬということも内容の中に十分盛られておりますから、そういう点を御検討いただきますならば、地方の住民の意思とか、地方の自治体の意思というものを全くおかすという考えがないことが明らかになろうと思っております。
○和田静夫君 いまの、官房長官の答弁では、この国土総合開発庁に関する分野にわたる答弁でありまして、いまの答弁の中でも問題がありますが、ぜひこの機会に、官房長官を通して、いわゆる自治省を旧内務省的な地方開発庁とでもいうものにしたらよい、こう述べた総理の真意について、文書で回答をいただける、そういうとりなしをしてもらいたいと思います。
○国務大臣(二階堂進君) そのように取り計らいたいと思います。
○和田静夫君 私は、総理のいまの発言には、総理の実は本音が出ていると思うんです。というのは、総理が書かれた日本列島改造論に盛られている思想、これは非常に古い。都市改造、国土改造を進めていく方法として、改造論というのは、自治なり、市民参加の制度を介在をさせる、そういうことなくして、非常にハードな手法をとろうとしている点であります。いまはそんな時代ではありません。いずれゆっくり、総理のいるところで議論してみたいと思いますし、私も、最近、反日本列島改造論という著述を公にいたしましたから、それで論戦をいたしますが、もう少しアメリカの都市計画立法などに学んでからにしてほしい、こういうふうに思うほどです。 ところで、官房長官にお聞きをしますが、日本列島改造論は総理の私的な書物です。あれが行政ベースに乗るとするならば、具体的にどのような形になりますか。
○国務大臣(二階堂進君) お説のとおり、通産大臣時代に自分の書かれたものを出版されたわけであります、日本列島改造論というものは。それがたまたま総理の、総裁選挙の時間にも合いましたし、またその上、引き続き、もう土地政策大綱をまとめられたときから一つの構想が総理にあったわけであります。したがって、こういう構想を国民に訴えられたわけでありますから、それを自分のやはり一つの政治の構想としてまとめていくために、日本列島問題懇談会という、百名に近い、いろんな有識者の方を集めて、国民の大体の考え方というといかがかと思いますけれども、その百名に近い方々を集められて、そして四回にわたって意見も聞かれて、大体こういう方向がよかろうというような、そういう方向の意見もまとまり、また、相当分厚い提案もなされておりますから、そういうものを参考にしてこれから自分の施策の大きな柱としたい、こういうことになされたわけであります。したがって、今回、国土総合開発庁という法律も出されるし、また、その事業を進めていく上においては、公団もつくるという構想でございますし、また、政府の施策を進めていく上において、先ほど申し上げましたような、この設置法もつくって出して、そして御審議を願いたい、こういうことでございます。
○和田静夫君 そこで、その国土総合開発庁ですが、この設置法の四条十二項、「経費について関係行政機関が行なう見積りの方針及び配分の計画の調整」とあるわけですが、ここのところの意味を御説明ください。
○政府委員(小宮山重四郎君) 第四条第十二項の趣旨はいかんということでございますが、この規定の趣旨は、関係各省が多岐にわたり、その完成まで長い年月を要する大規模な事業のうち、政令で定めるものについて、その事業にかかわる予算の調整を行なうことによって、各事業の相互間のハーモニーをはかったり、あるいは総合的かつ統一的な推進をはかろうとするものでございます。
○和田静夫君 そうした国土総合開発庁の行なう経費の配分についての調整の中で、地方団体に包括的な補助金をおろす、こういうふうにお考えですね、それじゃ。 これはしかし、本来総務長官にかわって官房長官から答えるということになっているのですよ。委員長、官房長官から答えてもらいたいです、ここの部分は。
○政府委員(小宮山重四郎君) 補助金については、各省の調整を行なって補助金を行なうということ、補助をするということで、調整が主体でございます。
○和田静夫君 官房長官、これはちゃんと通告してあったのですから。 できるだけ行政の細目について、ひものつかない包括的な補助金というのは、自治の発展にとって私はたいへん好ましいものであると思っている。私は、国土総合開発庁の設置に伴って、そうした第二交付税的なものが考えられてよいと思っているのです。ここはしっかり官房長官から答弁をいただきたい。
○国務大臣(二階堂進君) いまは、私は急なことでよく法案の中身もまだ十分お答えするだけの準備もいたしておりませんし、いかがかと思いますけれども、いま、先ほど申し上げましたとおり、この国土総合開発というものは、政府のほうでは、行政主管庁として一つの設置法で役所もつくるというたてまえでございますが、あくまでも地方の自治体、住民の意思というものを尊重して、これから開発をしようというたてまえでございますから、そういう意味から申しますというと、いま先生がおっしゃったようなことが正しい考え方ではないかと、かように私は考えております。
○和田静夫君 もう官房長官、けっこうですから。
○委員長(大竹平八郎君) 証券局長。
○政府委員(坂野常和君) 三光汽船の株価操作の御質問でありますが、私どもとしましても、三光汽船の銘柄につきましては十分注意して見ております。また、取引所といたしましても、売買審査室におきまして十分な注意をいたしておりますが、ただ、いままでのところ、三光汽船の株価に操作的なことがあったという報告もございませんし、また、私どもの証券会社の検査等を通じましても、そのような事実は発見しておりません。
○和田静夫君 近藤国税庁長官は楢崎議員に答えて、三光汽船全体の問題について現在調査中である、こういうふうに述べているのです。その結果、たとえば三光汽船株式会社社長河本氏の配当所得、四十六年度幾らでしたか。
○政府委員(江口健司君) 三光汽船関係の調査は、四十六年の九月期までの分につきまして、特別調査ということで相当綿密な調査をいたしてございますが、その関連として、河本社長個人の分についても現在調査中ということでございますが、河本社長個人の申告につきましては、四十六年分、これは公示になっておりますので総額を申し上げますが、二千六百八十八万円でございます。 この中に配当所得があるかという御質問でございますが、金額等につきましては調査の内容にわたりますので、守秘義務の関係で御容赦をいただきたいと思いますが、配当所得についても含まれております。
○和田静夫君 いまここに、答弁がありましたが、ちょっと見てもらいたいと思うのですが、この表は、三光汽船株式会社の企画室長を通じて提示された資料に基づいて、私が、しろうとですからわかりやすく書いてみたんです。その資料でごらんになるとわかるとおり、河本社長の昭和四十六年度の配当所得は、七千六百三十六万円であります。で、私が河本さんの三光汽船の株式の取得状況から計算しまして、そちらに税込みで書き上げましたが、その金額と大体合っているわけです。しかるに、いま述べられませんでしたが、河本さんの配当所得は二百五十万円にすぎません。二百五十万円が出てきたところの根拠は、そこで差し引き、表の(2)のところで書いておきました。そうしますと、これが一体どういう説明になるかというと、四十六年度に河本さんは、三光汽船の株を七億六千三百六十万円銀行から借金して買った、逆算すると。この利息が七千三百八十六万円だから、差し引き二百五十万円になるというのであります。しかし、河本さんが四十六年度に三光汽船の株を七億六千三百六十万円買った事実は、少なくとも四十六年度の有価証券報告書を全部調べましたが、この中にはない。これをどう説明されますか。
○政府委員(江口健司君) 先ほど抽象的に、社長の申告には配当所得が入っておりますとお話し申し上げたわけでございますが、実は配当所得につきましては、所得税法の規定によりまして、株式を取得するために借り入れ金がある場合には、借り入れ金の利子を配当金額の範囲内において差し引くことができるということになっております。したがって、御指摘の具体的な数字につきましては、先ほども申し上げましたように、われわれの税務調査による守秘義務ということで、具体的に御説明いたしかねるわけでございますが、確かに先生の御指摘されるような点につきましても、金額的にわれわれ確認をいたしまして、さらに借り入れ金があるかどうか等につきましても確認をいたしまして、その借り入れ金の利子を差し引いた結果が申告所得であるかどうかということは、必ず一般的に調査をするわけでございます。したがって、具体的に、本件についてどういう金額で、そのうち借り入れ金の利子がどの程度のものであるかという具体的な御説明ができないのはまことに残念でございますが、確かに添付書類でこまかに株式等の出入りにつきまして、あるいは借り入れ金の利子等につきまして収支の明細が添付されることになっておりますので、それらもあわせて、なお関係の法人の経理とのつながりも検討した上で、申告が適正であるかどうかということを必ず検討することにしてございます。
○和田静夫君 この三光汽船が大蔵大臣に提出をした有価証券報告書によりますと、河本社長の三光汽船の株買いは三億一千二百万円なんです。それ以上はない。これは有償増資の一対〇・六の払い込み額です。もし河本さんが言われるように七億六千三百六十万円の借金買いが事実であるとするならば、残りの三億七千七百七十五万円の借金買いはどこに行ってしまったのか。四十六年の何月何日に買って、何月何日に利食いしたのか、これを調査してくれますか。
○政府委員(江口健司君) 御指摘の具体的な内容につきましては、正確に調査をしたいと思います。
○和田静夫君 三光汽船のこの有価証券報告書から計算上得られる——私の計算上得られたものはあとから申しますが、計算上得られる四十二年から四十五年までの四年間のこの河本氏の配当所得を計算すると幾らになりますか。これは計算して持ってきてくれるように言ってありますから。
○政府委員(江口健司君) 先ほども御説明申し上げましたように、古い分につきましては、五年前までは資料を全部署内に整えておりますが、六年以前のものについては、廃棄処分をするということでわかりかねます。ただ、確定申告の内容、あるいはその後、税務調査によりまして補正が行なわれました具体的な所得の内訳等につきましては、守秘義務の関係で、残念ながら御報告できないということで御了承をいただきたいと思います。
○和田静夫君 私は、そこに計算してあるとおり、計算したのです。一億一千二百三十一万円です。これが全く申告をされていません。これは脱税ではありませんか。
○政府委員(江口健司君) 御指摘の点につきましては、なお正確に調査をしたいと思いますが、もし漏れておるとすれば、脱税ということになろうかと思います。
○和田静夫君 はっきりしました。もし漏れているとすれば脱税である。もしそれが脱税でないとすれば、同額の株買い借金利息、さっきのあなたの論法によって、控除されたということになる。これは一億一千二百三十一万円の利息ということになりますと、河本さんは四十二年から四十五年の間に十一億円以上にのぼる三光汽船株の借金買いをやったことになる。四十六年分を含めると、五年間で十八億をこえて十九億円になんなんとする借金買いをしたことになる。こんなことは私はあり得ないと思う。もし事実とすれば、こういう融資した銀行の名前、担保物件の有無、連帯保証人を、逆の意味では示してもらわなければならなくなります。よろしいですか。
○政府委員(江口健司君) 関連の分まで含めまして、確実な調査をさせていただきたいと思います。
○和田静夫君 それじゃ調査を求めます。 私は、実はこの問題は一例なんです。きょう話をしたいのは、地方行政に関する問題でありますから、いま一例をあげました。 最近、商社による買い占めや、株価操作といったことが盛んに問題になっていますが、国家公安委員長並びに法務大臣にお尋ねをいたしますが、こうした企業内部におけるいわば知能犯的な脱法行為、これを警察なり検察庁なりがどの程度力を入れて捜査をしているのか、それとも企業の内部にまでそうした捜査権が入っていくなどということはほとんど不可能であって、それこそわれわれは氷山の一角しかかいま見ることができないというしろものなのか、その辺をお聞かせください。
○国務大臣(江崎真澄君) 経済は自由経済を基調として進められておるわけでございます。したがいまして、たとえば、御指摘のように、脱税の事実があるということで国税庁のほうから告発をしてまいりますれば、当然、警察においては厳重な取り調べをし、それに処罰を加える、これはあることでございますが、こういった問題等については、関係省庁の行政的な指導、これが第一義でありまして、告発を受けた時点で警察が出る、こういう形にならざるを得ないと思います。
○国務大臣(田中伊三次君) 最近は、株式の時価発行による増資の傾向が濃厚となっておることは御承知のとおりであります。しかるところ、時価発行と称して株価を不法につり上げるなどということはもってのほかであります。これは厳重に処断をすべきものであるという態度をとっておりますが、ただいまお尋ねの、どの程度までこれに介入できるかという問題でございますが、検察庁の立場は警察の立場ともいささか機構が異なっておりまして、この種の告発は国税庁から告発をしてまいります場合がございます。これは告発によって厳正に取り扱いをする。それから警察で扱いましたものは、検察庁にいわゆる送局をしてまいります。送致をしてまいりましたものにつきまして厳重にやる。送致もなく、国税庁から告発もないものを、踏み込んでいって捜査をするということの手が私のところではない。そういう意味において、十分に中に入り込んで捜査をすることができない、またそういうことをすべき性質のものでもない。こういう事情にあることを御承知をいただきたいと思います。
○和田静夫君 実は、私はなぜこういう質問をしたかといいますと、真意は、最近、暴力団や総会屋による恐喝事件が新聞紙上を、御存じのとおり、にぎわしています。そうした恐喝行為が問題になる反面、恐喝される側の問題ですね、いま私が一例であげました、こういう経営責任が不問に付されているのではないだろうか、そういうきらいが実はあるように感ぜられてしかたがないんです。それらの企業に、恐喝される理由、脱法行為的なものがあるからこそ恐喝されるわけだろうと思う。 そこでお尋ねしたいんですが、いまから私が列挙する恐喝事件について、その内容、それに基づいて行政側が企業に対してとった措置、それをお聞かせ願いたいわけですよ。 まず、京都相互銀行に対する恐喝事件、それから佐々木組によるものとして、ユニチカ、長谷川工務店、日産自動車、三和銀行、三井銀行、それぞれお示しください。
○国務大臣(田中伊三次君) 第一線の捜査中の事件でございますので、刑事局長から御報告を申し上げます。
○政府委員(安原美穂君) お答えいたします。 検察庁に送致を受けました暴力団の事件、特に佐々木組の事件につきましては報告を受けておりますので、その点につきまして御報告を申し上げたいと思います。 まず、佐々木組の事件につきまして、長谷川工務店の関係でございますが、これは、恐喝事件といたしまして、すでに本年の三月二十日に神戸地裁に公判請求済みでございます。これは、長谷川工務店が大洋実業株式会社との間で締結したニュー・キョートホテル建築請負仮契約を解除したことに因縁をつけて、株主総会等で取り上げるぞという意味での脅迫をいたしまして、現金二千八百五十八万五千円を喝取したという案件でございます。 それから富士銀行の関係は、同社の不正貸し付けの責任問題を株主総会で取り上げるという脅迫をしたということでございますが、これは、現にそういう被疑事実で、神戸地検で捜査中でございます。 それから日産自動車の関係につきましては、これもまた本年の三月一日に神戸地裁に恐喝罪で公判請求済みでございます。これは日産自動車の欠陥車があるということに因縁をつけて、株主総会で問題にするという趣旨で現金三百万円を喝取したという案件でございます。 それから三和銀行の関係につきましては、本年の二月二十八日に、神戸地検で証拠不十分で不起訴処分になっております。その内容は、三和銀行の子会社である東洋企業株式会社が買収したゴルフ場用地に関して地元に反対があるという因縁をつけて、金員を喝取しようとしたという被疑事件でございましたが、捜査の過程におきまして、三和銀行側の、いわゆる被害者側と目されるほうから、これはゴルフ場に関する情報を提供してもらったということであって、恐喝をされて金員を差し上げたのではないという供述がございまして、証拠不十分ということで不起訴になっております。 大体私どもで報告を受けておりますのは、以上でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 警察の立場からも申し上げておきます。 暴力団によりまする企業等を対象とする恐喝事件につきましては、これは暴力団の典型的な知能犯罪である。しかも、おどし取ったその金銭が暴力団の有力な資金源にもなっておるというわけで、これについては徹底的な取り締まりを実施しておるわけであります。特に、さっき御指摘のように、最近一部の暴力団が総会屋と結託をいたしまして、会社の弱点を引き出して、それをねたに株主総会で問題にするぞというのでおどかす、そして企業から多額の金員をおどし取るという事実はございます。この種事案の捜査には最も重点を置きまして、今後も取り締まってまいるわけでありまするが、いま法務省側の刑事局長からも御説明がありましたが、もし御希望があれば、現在警察側で取り扱っておりまする事案についても事務当局から説明させてよろしいかと思います。
○説明員(宮地亨吉君) 京都相互銀行関係の事件について御説明いたします。 昭和四十七年十一月ごろに京都相互銀行の支店長が不正融資をいたしたことにつきまして、これに言いがかりをつけまして、相互銀行から七千万円を喝取したと、こういう事件でございます。 それから繊維会社に対しまする恐喝事件につきましては現在捜査中でございます。 それから三井銀行関係につきましては、警察庁では報告を受けておりません。
○和田静夫君 警察庁、三井銀行のやつですがね、これは報告を受けていないって、お調べになりますか。
○説明員(宮地亨吉君) 事実がございますれば捜査をいたします。
○和田静夫君 大蔵省、どうです。
○政府委員(吉田太郎一君) 三井銀行の事件と申しますのは、いま私が初めて伺いましたので、調査をいたします。
○和田静夫君 法務大臣、いまずっとあげられた事件のうち、佐々木組の組長が起訴された、その起訴理由になった事件はどれですか。
○政府委員(安原美穂君) 佐々木組の組長の佐々木道雄が起訴された事件というのは、先ほど御報告申し上げました長谷川工務店関係の事件でございます。内容を申し上げましょうか……。 内容は、佐々木道雄という佐々木組の組長外二名、これは大和証券株式会社広報部長別府隆彦、それから金融業者の阪口、この二人と共謀いたしまして、長谷川工務店の代表取締役に対しまして、先ほど申し上げましたように、同社が締結したニュー・キョートホテルの建築請負仮契約を解除したことに因縁をつけて、契約を破棄したことなどの責任問題を株主総会で取り上げる旨脅迫して、合計二千八百五十八万五千円の金員を喝取した、こういう事件でございます。
○和田静夫君 法務大臣、これはなぜ、富士銀行から五百数十万恐喝した事件があるのに、これが理由にならないのですか。三月二十一日の報道によりますと、富士銀幹部と佐々木組とのゆ着があるから公判の維持が困難である云々と、こういうふうに書かれていたのですが、それはほんとうですか。
○政府委員(吉田太郎一君) 富士銀行の恐喝事件として新聞に報道されておりますのは、御承知のように、月大体十五万円程度の雑誌の購読料及び広告料を二年間にわたり支払っておったという事実と、それに若干の別の雑誌の購読料、合わせて三百六十九万円を支払っておったということが新聞で報道されておったわけでございます。富士銀行につきまして調べましたところ、これは新聞の、及び広告の費用であるということで被害届けを出していないと、かようなことでございます。
○和田静夫君 私の質問の部分はどうなっていますか、癒着があるから公判維持が困難というような……。
○政府委員(安原美穂君) 先ほどお答えいたしましたように、富士銀行の事件はただいま神戸地検におきまして捜査中でございますので、いま和田先生御指摘のような事実までの段階には至っておりませんので、何ともわかりかねます。
○和田静夫君 大蔵大臣、居眠りのようですけれども、三和銀行についても明らかに恐喝されているんです。で、被害届けを出さない。大銀行のこうした状況というものを一体どのように判断をされますか。私は、これら大銀行にまだ表に出ていない大きな脱法的な行為でもあって、それを公にされることをおそれて、暴力団と銀行の癒着が続いているのだというふうに判断をせざるを得なくなってくるんですがね、いかがですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 銀行というような非常に社会的に影響の大きい機関がこういう問題に関与しているということは、非常に遺憾なことでございますので、大蔵省から厳重に注意をいたしておるわけでございます。この佐々木組との関係は、新聞から私持ってきているものでございますが、これは東洋不動産の三崎社長、この人は三和銀行の元常務であった人でありますが、これが佐々木組の組長、北の富士、外三力士が同席して、神戸の市内の料亭で接触して、その際旧部下の三和銀行の行員も同席させたけれども、その費用は銀行が支払ったというような関係で、まあちょっとした交友関係からずるずるとそういう関係が出るということでございまして、やっぱり銀行というのは社会的な職能、重要性にかんがみまして、そういう遺憾なことがないようにすべきであるという点を強く警告をいたしておるわけでございます。
○政府委員(吉岡章君) 先ほどの御質問の件、取り調べましたところ、二月七日に入国いたしまして、約一週間本邦に滞在しておった模様でございます。この程度の短期の滞在でございますと、日本の在外公館で査証を求めまして本省には経伺してまいりませんので、私のほうには詳しい記録はございません。ただ、入国、出国に際しましてのカードはございますが、これは現在取り調べさしております。
○和田静夫君 実はこれ問題にしたのは、バオダイが持っておるいわゆるパスポートというのは、一九五〇年代のフランス外交官、いわゆる国家主席で落選をして追われてフランスに出ていくときにフランスが出したものであります。したがって、ちゃんと羽田で引っかかりましたよね。引っかかって時間がかかった。時間がかかった限りにおいてはあなた方と相談をしたはずです、入れるか入れないか、いかがですか。
○政府委員(吉岡章君) 羽田におきます特別の審査のケースにつきましては、一々本省に報告があるはずでございますが、本件につきましては私のほうに上がってきておりません。したがいまして、いまのケースもひっくるめて調査させていただきたいと存じます。
○和田静夫君 私の調査に基づくと、これはいま査証を出したと言われますが、査証なしで入って いる。
○政府委員(吉岡章君) その点につきましても、いろいろのケースがあるかと思いますが、さっそく調査をさせていただきたいと存じます。
○和田静夫君 私の指摘が正しければ、これは法律違反になりますね。
○政府委員(吉岡章君) 査証なしで入ります場合も、もしフランスのパスポートでございますと、査証免除協定がございますから、これは査証なしで入れるかと思いますし、査証免除協定のない国から査証なしで入ります場合には、一応法務大臣の特別上陸許可がなければ入国できないということになっております。
○和田静夫君 日仏免除協定に該当するのはフランス人でしょう。
○政府委員(吉岡章君) はい、フランス人でございますが、フランスのパスポートを持っておればこれに該当すると思いますが、このケースはベトナムのパスポートを持っておるのか、フランスのパスポートを持っておるのか、ただいまのところ私どもではわかりません。調査さしていただきたいと思います。
○和田静夫君 いつまでに。
○政府委員(吉岡章君) 現在、至急に取り調べておりますので、きょうじゅう、おそくとも明日の午前中にはわかるかと存じます。——ただいま情報が入りまして、二月七日、羽田で入国しておりまして、目的は観光でございます。それからフランスの外交旅券を持っておりまして、滞在十五日、国籍はフランスということでございます。招聘者につきましては、これは短期でございますから、私どものほうでは把握しておりません。
○和田静夫君 観光を目的で来たんだそうです。ところが、私はここにバオダイの署名入りの、そして彼が各方面に配った英文、フランス文の文章を持っています。その中で彼は、十七年もベトナムから離れていてベトナム政界に復帰できるのかという日本人記者の質問に答える形で、こういうふうに述べているんです。多くのベトナム人、実際のサイレントマジョリティが私をベトナムの統一のシンボルとしてみなしているということ、そして、伝統は南ベトナムでは強く保たれているということを私は知っている。この理由から、南ベトナムでのこの統一のための、そしてやがては国の全体としての、それのための試みと貢献のために私がなし得るすべてをなすことが私の義務である、これは明らかに売り込みであります。彼が何を目当てに日本に売り込みに来たのかということが、実は私は問題だと考えているんですが、彼は岸元総理あるいは椎名自由民主党副総裁ですか、その他、田中総理大臣、日本の政界の要人に会うのだというふうに語っていましたが、そういう話の内容というのを外務大臣お聞きになりましたか。
○国務大臣(大平正芳君) 全然聞いておりません。
○和田静夫君 解放民族戦線の内部では、バオダイをかついで、日本がベトナムにかいらい政権をつくるのではないかという危惧があるようであります。私は彼にそれほどの力があるとはもちろん思いません。ただ、経済援助をめぐる利権の仲介役ぐらいは果たせるというふうな感じが、しろうとなりにしますから、実は危惧を持ったからこの質問をしたのでありますが、そういうようなことは今後ありませんですね。
○国務大臣(大平正芳君) たびたび国会を通じて政府は申し上げておりますとおり、せっかくできました和平協定に準拠いたしまして今後のベトナム政策を考えてまいりたいということを申し上げておるわけでございまして、援助政策にせよ何にせよ、これからベトナムに対してやってまいります政策は、パリ協定を踏まえてやっていかなければならぬと思っております。で、パリ協定によりますと、第十二条に、南ベトナムに全国和平評議会というものをつくって、サイゴン政府と解放政府と、そして第三勢力——先生の言われる第三勢力というものがそれに該当するかどうかはさだかでございませんけれども、三者が平等の立場で和平評議会をつくって今後の政治のプログラムを考えていく仕組みに相なっておるわけでございますが、この第三勢力というものが何を意味するかということは、結局、南ベトナムにおける両当事者が判断してきめられる仕組みになっておるわけでございまして、それが、まだ両者の話し合いが始まっていないわけでございますので、何とも政府としてはいま判断のしようのない段階でございまして、われわれといたしましては、和平協定に示されましたブループリントのラインに沿って、すべてのことを考えていきたいと思いまするし、それから踏みはずすようなことのないように処置してまいらなければならぬと思います。また、援助政策を、かりに、将来筋道がつきまして実行するにいたしましても、それは大切な公金でございますので、厳正に取り扱わなければならぬと心得ております。
○和田静夫君 いま私が質問をしたような人物を中心にしてはあり得ない、こう理解してよろしいですか。
○国務大臣(大平正芳君) さよう心得ています。
○和田静夫君 それじゃ、別の問題に戻りますが、私は日本列島改造論にあらわれた田中総理大臣の考え方が非常にシンプルだと思うのは、工場分散が即、過密過疎解消につながると考えている点であります。通産省は、長い間工業の適正配置ということを考えてきたわけですが、私が、通産省企業局が出している文献、たとえば、わが国の工業立地の現状などを読む限りにおいて、通産省は田中総理大臣とまさに反対に、工業立地政策というものを、この過密過疎解消を目的とする地域開発政策とは一応別個のものとしてとらえていると判断をいたしますが、通産大臣それでよろしいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いままでは新産業都市とか、あるいは工特とか、そういうものがございまして、列島改造が出てくるまでは、一応別のものとしてやってきたように思います。
○和田静夫君 私は同じ質問を経済企画庁長官にいたしますが、新産業都市の経験に照らしまして、いわゆる拠点開発方式が、人口規模上の地域格差を減じさせるものであったかどうか、その総括をされましたか。
○国務大臣(小坂善太郎君) これはなかなかむずかしい問題でございますが、昭和三十五年から四十五年までの十年間でとってみますと、新産都市の地域が九・五%、それから工特法の及ぶ地域で、工特法関係の地域で一五・四%の伸びを示しているわけでございます。ただ、そこでできておる生産額や、その他、いろいろ勘案してみまして、また、その地区によってもいろいろ差等がございまして、たとえば岡山県の南部とか、富山県の高岡などは非常に順調に目標をむしろ上回って開発されておる。逆に、常磐の郡山とか徳島、不知火、有明、大牟田地区などは、これはなかなか計画目標までいかないというような、いろいろなでこぼこがありますわけでございまして、やはり拠点開発という形式を通じて、地方分散の目的を達しようとしてできたこの問題は、いま申し上げたように、いろいろ地区的な差等がございますけれども、一応その目的に沿うて進められておると言うことができると思います。
○和田静夫君 時間がないから、こまかい論議はできませんがね。しかし、そう言われても、企画庁の総合開発局の新産業都市等の現状、これをつぶさに検討してみますと、表で議論することができるんです。たとえば、工業の出荷額の状況の表、あるいは人口の計画と実勢、これらを総括をしてみますと、拠点開発方式が、人口規模上の地域格差を減じさせた、させるものであったというような形の、あなたがいま答弁をされたような形の総括にはならないんじゃないですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ、工業が非常に伸びたということと、そこへ人口がどう集まっていくか、あるいは集散、分散していくかということと、必ずしも明確な評価ができにくいところがございますけれども、一応数字で申し上げますと、新産、工特地域の人口と出荷の目標達成の状況を申し上げますと、昭和四十五年の国勢調査人口は、新産都市が千百二万人、約九〇%でございまして、工特の地域が四百六万人で九二%、それで全国の人口に対するシェアは、新産都市が一一%で、ややこれは減少しているのであります。工特法が約四%で、これはわずかながらふえておる。一方、工業出荷のほうでは、新産都市が五十年の計画目標に対しまして六兆三千億円で、八〇%になっておりまして、工特地域が五兆円で、七八%ということになっておるわけです。これはまあ申し上げたように、地区によって非常に進んでいるところもあり、減っているところもありということからくるのであろうというふうに思っておるわけでございます。最近、いろいろ環境公害の問題が大きな問題になってきておりますので、今後の進め方については、こういう方式もさることながら、やはり全国の総合開発という考え方に立たなければなるまいと、こういうふうに考えてきておるわけでございます。
○和田静夫君 詳細な議論は留保いたしますが、私が言いたいことは、都市発展と工業集積の度合いというものが、今日必ずしも比例関係に立つものではないということであります。確かに、十九世紀以来、工業的発展は都市形成を先導しました。政治、行政、文化的機能、流通あるいは経済上の機能を刺激、推進してきましたが、近年、企業は、そうした都市の諸機能を外部経済として意識するようになって、それを原価計算以外の便益として内部化するに至って、工業的発展と都市機能の関係というものは全く逆転をしたのであります。都市機能の集積で、むしろ工業的発展を牽引するようになっていると私は少なくとも認識をします。で、したがいまして、過密過疎問題の解決にとって何よりも肝要なことは、都市機能の分散、言われるところの中枢管理機能の分散ということでなかろうかと思うんです。東京になぜ企業の本社が立地するのか、ある専門家の調査によると、企業相互間の取引三七%、官庁連絡二九%、情報二二%、信用一〇%、その他二%ということで、官庁連絡の占めるウエートというのが意外に高いのであります。中枢管理機能の集中と中央集権とを私はイコールであるとは言いませんが、中枢管理機能の地方分散ということにとって、この地方分権化、権限の地方委譲ということは私は不可欠だと思うんです。この点について、福田行政管理庁長官いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国土の総合開発、これが総合的に進むわけです。そういう際において地方自治団体の占める役割り、これはだんだんだんだんと多くなるだろうと、こういうふうに思います。したがいまして、地方自治団体にやってもらう仕事の範囲はだんだんと多くならざるを得ない、そういうようなことを考えまするときに、中央、地方の権限の配分、そういうものをどうするか。これは常に見直して、そして時代の要求に適合するような形に置かなければならない。もう中央集権だというふうに頭からきめつけまして、そういう方向でものごとを考えるということは断じてとるべからざるものである、かように考えます。
○委員長(大竹平八郎君) 委員長ふなれのため、たいへん御迷惑をかけまして申しわけありません。
○和田静夫君 そこで、行管庁長官にさらにお伺いいたしますが、臨時行政調査会答申以来、また行政管理委員会も何回かにわたって廃止を勧告をしてきた地方事務官制の問題でありますが、これについて、早急にやっぱり解決をしなければならないところに来ていると思うんです。いかがお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 地方事務官制度廃止につきましては、政府のほうでは方針をきめているんです。つまり厚生省の関係の地方事務官につきましては、医療制度の総合的、抜本的改正の一環としてこれを処理したい。それから労働省、運輸省、この両省の関係の分につきましては、この具体的な実施状況をこれから検討し、詰めると、こういうことに四十三年以降なっておるんです。ところが、これはなかなか中央、地方の権限をどうするかという問題も引っからまる。また、当該事務官の勤務場所、そういうような問題も引っからまる。なかなか結論が出ませんでしたが、運輸省の分につきましては、大体検討ができまして最後の詰めをすると、こういう段階に来ております。それから労働省の関係が、これはまあ非常にむずかしいことになっておるのですが、労働大臣も意欲的にこれから検討に取り組むと、こういうふうに申しておりますので、ぜひそうしていただきたいと、行政管理庁といたしましては、さように考えております。
○和田静夫君 自治大臣、どうですかね、いま行管庁長官言われたのですが、私は、厚生まで含んで、この機会に地方自治法の附則八条を撤廃をする、閣内の意見の統一をそういうふうに求められる意欲的な方針はございませんか。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題につきましては、いま福田行管長官から詳細の御答弁があったとおりに私どもも理解をいたしております。御指摘の点でありまするが、早くこの問題が解決することが望ましい、こういう態度でおるわけでありまするが、現実的には、運輸省よりも労働省のほうが問題が多い。また労働省よりも厚生省のほうが問題が多い。まだ未調整部分を残しておるわけでありまするが、すみやかに結論が得られるように、私どもも協力をして問題解決に進みたいと思います。
○和田静夫君 行管庁長官も自治大臣もやっぱり解決の主体だと思うのですよ。厚生省が云々だ、労働省が云々だと言っておったら、これはいつまでもやっぱり引っ張り回されるので、非常に実力者大臣であるお二人がやっぱりこれをおまとめになる、しかもこの国会でこれを解決する、これぐらいの意欲があってしかるべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 厚生省につきましては、目下医療制度の抜本的、総合的改革と、こういうことが当面あるわけなんです。これとからまる問題でありますので、その改革と切り離してこの問題を処理するというのが、なかなかいまの段階としてはむずかしいところへ来ておるわけなんです。ですから、それはそういうふうにせざるを得ないかと考えておるんですが、運輸省につきましては、ある程度の方向がもう出てきましたから、これは早急に最後の詰めをしてみたいと、こういうふうに考えます。労働省の問題につきましては、これは先ほど申し上げましたが、労働大臣も意欲的にこれに取り組むと、こういうふうに申しておりますので、ぜひ具体的な案を進めてもらいたいと、こういうふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、この問題は古くて新しい問題です。ずいぶん古くから問題になっておる。また、行政管理庁といたしましては、臨時行政調査会からこれを廃止すべしと、こういう答申をいただいておるわけなんでありまして、そういう次第でもありますので、積極的にこの問題にさらに取り組んでみたいと、かように考えます。
○国務大臣(江崎真澄君) 行管長官と全く同じように考えております。そればかりか、三つのうち、とにかく一つでも二つでも解決していくことが望ましい、それがまたあとの解決の非常に有力な手がかりにもなっていくわけでありまするので、十分努力をいたしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 十分努力はお二人ともよくわかるんですよ。きょうはね、まあとにかく一つぐらいは、いつ幾日まで解決します、ぐらいのことは、どうですか、行管庁長官、出るんじゃないですか、もう。
○国務大臣(福田赳夫君) お話しでございますが、先ほどから申し上げておりまするとおり、政府ではこの問題、非常に熱意を持って取り組んでおるんです。特に運輸省におきましてはある方向が出てきた。そこで、最後の詰めをどうするかということでございます。ただ、これは関係する方方の身分上の問題、また勤務地の問題、そういうものにかかわりますので、かなりこまかい配慮を加えなけりゃならぬだろうと。気持ちは昭和四十八年度中にもという気持ちではございまするけれども、しかし、いまここで、この厳粛なる国会の場におきまして、いつ幾日までと、こう言いますると、またいささか穏やかでない問題ともなりかねない、そういう性格の問題でございます。要は、とにかく熱意を持ってこの問題の処理に当たるということで御理解願います。
○和田静夫君 実は、私たちが求めているのは労働、厚生なのであって、運輸のほうは政府側から副産物で出てきているので、それが一番先に進んでいるので実は困っているわけです。二十六年間求め続けてきたのは労働、厚生の問題なんですね。そこで、運輸の問題が御答弁ありましたから、私はかつて、運輸は四十八年度から実施するという答弁をいただいているわけです。ところが、この辺から言っても一歩後退をしてきた。そこで、何が問題なのか、運輸、労働、厚生、それぞれの立場で一ぺん答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 運輸省の関係は、いま行管長官から相当内容にわたってお答えになりましたが、そのとおりでございまして、四十三年の関係閣僚の三者の協議によって覚え書きが出ておりまして、私どもはその線に沿いまして、なるべく早く、県に委譲することの可能な事務は、それを自治省と相談をいたしまして、県に委譲しようじゃないかという方向で、これはまあ熱心でないと言われれば、時間がかかりましたから熱心でないかもしれませんが、意欲的に話し合いを進めたつもりでございます。大体方向づけができ上がってきたようでございますけれども、しかし、これを解決いたしますのには、行管庁長官も言われましたように、これは実際担当しておる人たちの身分に関係する問題が出てまいります。あるいは強制的な配置転換をするのかというような意見さえも関係者の間から出てきておるのでありまして、そういった問題につきましては、これは細心の注意を払って、やはりそれにこたえるような方法を考えなきゃならぬということで、実は事務的な問題よりも、そういった問題について非常に運輸省としては考慮を要するという状態でございます。しかし、ここまで参りますと、関係大臣とも相談をしまして、地方委譲可能な限度においてその事務を県に委譲するということについては、なお、さらに熱意を持って努力をしたいと、こう思っております。
○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。 熱心な御意見拝聴いたしましたが、労働省の問題は、御承知のように、三大臣の覚え書きの趣旨に基づいて検討いたしておりますが、この問題は地方労働行政の基本的な機構にも変革を来たすと、こういうような内容でありますので、なかなかさっそくこれをどうするということは困難な事情もあり、また地方の事務官の方々でありますが、一人一人の身分にも関係する。軽々にいろいろなことを申しましても、一大動揺を来たすというおそれもありますので、御意見を十分尊重して、慎重に早く対処いたしたいという所存であります。以上であります。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 厚生省関係の問題につきましては、職員団体のほうからは、国家公務員と地方公務員との給与の差が激しいので、何とか地方公務員に切りかえられぬかと、こういう意見があるわけでございます。しかし、また一面考えてみますと、社会保険は、御承知のように、厚生年金、医療保険とも国民皆保険になっておりまして、やっぱり全国民を対象として保険を一元的に運営していくというふうな非常に強い要請がその事業そのものにあるわけでございます。それと同時に、この仕事は、考えようによっては、一部自治体の仕事であるようでもあるが、国家的な仕事でもある、非常に両面の仕事を持っておりますために、国の事務と地方の事務の配分をどうするか、県にある程度の職員を移管するとすれば、新しく国の機関もどこかにつくらにゃならぬという問題があるわけでございます。完全に一方に割り切れない。これは先生御承知のとおり、割り切れない。国の仕事をやめて、これはもう地方公務員として全部地方に事務を委譲してしまえばいいんだと、こう割り切れないところに問題がある。国と地方にまたがっておるところがありますから、地方公務員に全部切りかえるとなれば、それじゃ切りかえられぬものは国の機関としてどうつくっていくかという問題がある。そうなると、これはなかなか、自治省のほうでは国の機関をあまり地方につくっちゃならぬと、こういう御意見もあるわけでございます。こんな古い、ほんとに終戦後からできた制度でございますから、私も何とかこれは解決したいと思うんですが、なかなかそういう面で、非常に国と地方にまたがっておる事務の内容でもありますために、私も非常に苦慮しておるわけでございます。しかし、また一面によれば、こういう身分関係が、かりに身分が国家公務員でも、知事の指揮にあるんだから、こういう制度が恒久的にあってもいいじゃないか、ある意味からいえば実態がそうなんだからと、こういう意見もあります。しかし、職員の中からは、給与の差が大きいから何とかできぬかと、こういう強い組合の、職員団体からの要望もある。そこで、そういう人の立場も考えなければなりませんので、私も非常に苦慮はいたしておりますが、いまのところ、なかなか一方に割り切って、もう全部切りかえるんだ、来年から切りかえるんだというようなことは、どうもまだそこまでの決断がつきかねるという状況にあります。しかし、私も三大臣のああいうお話し合いがございますので、私も十分に慎重に検討いたしたいと考えております。
○和田静夫君 これは衆議院の答弁からずいぶん後退していますから、おさめるわけにはいかないんで、労働大臣、あなた任期中にやりますと、あれぐらいりっぱな答弁されたのに、なんでここでそんなに後退されるんですか。
○国務大臣(加藤常太郎君) それはちょっともう全然、——速記録もきょう取って見たんでありますが、そんな話は全然した覚えがありません。和田議員の質問でありますが、これは何かのお聞き間違いと思いますが、あのときには、十分内容を、速記録を読んでいただければ、私の趣旨もおくみ取りができると思うのでありますが、最後に、できるだけ御意見に沿うようにひとつ研究いたしますと、こう言っとるんで、研究ということばを曲げるとだいぶん前向きのような答弁でありますが、前段には、いろいろこれはむずかしい問題があると、一つの問題は、三大臣の覚え書きはいろいろな面を強調いたしておるのであります。一例を申し上げますと、現在において地方労働行政というのは、なかなかこれは経済にとっても重要な問題でありますが、あの覚え書きの骨子の中は、やはり広域行政に労働行政もなってきておりますし、基準も全国水準に統一しようと、こういうような中で、あの覚え書きの中にも判然と出ておりますが、やはり地方事務官を廃止するのには、ブロックの、地建とか、海運局とか、こういうようなブロックの局を設ける、これが設けられるということになれば事務官の廃止にも移ってもいいと、こういうふうなセットになっておるんであります。そういうような点もよく御説明いたしましたが、もう最後には、あんまりこうきつく、えらいこう反対のようではいかぬから、山本さんには、御意見に沿うようにひとつ研究いたしますと、「沿うよう」ということばが、山本議員が聞くと、もう任期中と、こう取ったんであろうと思いますが、なかなか困難な問題でもありますし、しからば、全然もう三大臣の覚え書きをほごにしようというような趣旨はありません。やはり和田議員の御意見にも沿うように、よく関係各省とも協議いたしまして、慎重に検討、研究を急ぐ、本日の答弁ではこういうところでありまして、どうも相済みませんが。
○和田静夫君 ちょっと、それじゃ法律解釈からいきますが、法制局長官ね、一点だけ聞きますが、この地方事務官の主語は地方公務員ですね、八条。
○政府委員(吉國一郎君) お答えいたします。 第八条の主語は、政令で定める事務に従事する都道府県の職員でございます。
○和田静夫君 そうだから、いろいろの答弁がありましたが、法律では地方公務員なんです。このことはもう明確なんですよ。したがってそこに戻してください。齋藤厚生大臣は、時の流れでございますなどという名答弁もかつてはあったわけだし、運輸省に至っては、四十八年からやりますという答弁がかつてはあったわけだ。ところが、どこかでこういろいろ協議している間に、ずるずる延びていっているのが実情です。労働省は労働省試案を出した時期がある、だから、単刀直入に言えば、いまの福田さんという一人の行政管理庁長官、自治大臣を中心として、まとめればまとめられる、その内閣の構成にいまなっているんですよ、初めて。この内閣の構成になっているときにまとめなさい、まとめてください、こう言っている。長官、どうです。
○国務大臣(福田赳夫君) 実情は先ほどるる申し上げたとおりでありますが、私どもとしては、まあ期限はどうか、これは申し上げるわけにはまいりませんけれども、しかし、廃止の方向でどうしてもこれは取り組まなければならぬ問題だと、そういうふうに心得ておりますので、今後も積極的に努力をいたしていきます。
○和田静夫君 自治大臣、いま行管庁長官から答弁がありましたからね。大臣のほうからこれは強く求められなければなりませんよ。待っていちゃこれはできませんよ。どうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これは御指摘のように、じんぜん日を送るということで済ますわけにはまいらぬと思っております。十分御趣旨に沿って努力をいたします。
○和田静夫君 法制局長官、この機会にひとつだけ聞いておきますが、この地方事務官制の問題も「当分の間」ということで二十六年間来たわけですね。私は、法律にはこの「当分の間」という文言があまりにも多くあり過ぎるという感じがするのです。全体の法体系の中で、この「当分の間」というのは一体どの程度の期間なのか。私はこの法律用語上の「当分の間」には限度があると実は思うのです。二十六年間も「当分の間」ということにはならない。かつてまあ自治庁事務次官であった鈴木俊一さんは、二十二年間も放置されているなんということはあり得ないじゃないかと言って、衆議院で権威あるいわゆる参考意見を述べられておるわけです、自治法をつくった責任者が。したがって、この「当分の間」を純法律論的に考えたならば一体どう考えたらいいのか、一ぺん聞かしておいてください。
○政府委員(吉國一郎君) お答えいたします。 もともと「当分の間」という用語は、法令の上では不確定の期限をあらわす意味で使っております。たとえば戦後の法令で申し上げますと、いまの地方自治法の附則第八条のほかに、罰金等臨時措置法第一条、これは罰金や科料の額等が、戦前の立法では、非常にその後の貨幣価値の変動によって合わなくなりましたので、罰金や科料の額等に関する特例を定めております。これは昭和二十三年に制定をされましたが、「当分の間」ということで、「当分の間、この法律の定めるところによる。」というような規定をいたしております。また、検察庁法のこれも附則でございますが、第三十六条で、区検——区検と申しますか、区の検察庁の検察事務官に、検察官が不足するような特別の場合には、「検察官の事務を取り扱わせることができる。」というような規定、これは例外でございますけれども、そういうような規定がございます。また、戦前の例で申し上げますと、「当分の間」ということばのかわりに、昔は「当分ノ内」というようなことばを使っておりましたけれども、たとえば日本銀行法の第七十五条では、日本銀行が保有しております金の地金だとか、金貨の評価のしかたを特例を設けております。これは日本銀行法が昭和十七年でございますが、昭和十七年以来、いわゆる「当分ノ内」ということで、その特例は生きております。さらに非常に古い例を申し上げますと、明治四十一年に現行の刑法が施行されました。その刑法が施行されましたときに、それまでの旧刑法、これは太政官布告で、明治十三年に制定された、法律と同じ効力を持っている法令でございますが、その旧刑法の中の、公選の投票の偽造に関する罪というような一連の罪を、刑法施行法で、なおその効力を有するとやっております。明治四十一年に、なおその法律としての効力を有すると、「当分ノ内」効力を有するとしておりますから、今日まで、明治四十一年というのは一九〇八年でございますから、もう非常に長い間存続している。それでは一体、「当分の間」あるいは「当分ノ内」というのはどういう趣旨であるかということになりますと、要するにこれは臨時の措置を定めたものであって、いずれは将来改正または廃止が行なわれるであろうということを法律は予想していると思います、あくまで臨時の措置でございますから。しかし、その改正なり廃止なりのための法律が制定されるまではなおその効力を有するということでございます。法律で、臨時の措置ということでそういう文言が入った規定があります以上は、あくまで臨時の措置として、できるだけ早く恒久的な制度に変える必要があることは法律の規定からうかがわれるところでございますけれども、具体的に、それではいかなる改正措置なり廃止措置を講ずべきかということについて、先ほど来関係四大臣からお答え申し上げましておりますような事情がございまして、具体策が立たない以上は、やはり改正または廃止の措置がとれない。とれないで、法律が、改正の措置がとられない以上は、そのまま存続をするということが法律の解釈に相なるであろうと思います。
○和田静夫君 いま私は純法律論を聞いたら、何か行政官側の解釈、言ってみれば、その「当分の間」というのは支配者側に有利な条件、そういう形のものでつくられてきた用語だと、法律論争はまた別にやりますがね、そう理解しておいていいですか。
○政府委員(吉國一郎君) 要するに、確定的な期限を定めないで臨時措置を定めるものであって、決してその支配者側云々ということじゃなくて、国権の最高機関がそういうふうにおきめになったということに私どもは理解をいたしております。
○和田静夫君 水俣病裁判に判決が出まして、チッソの民事上の責任が明らかになりましたが、これは刑事上の責任は生じませんか。
○国務大臣(三木武夫君) 今度の裁判は、民事の損害賠償責任でありますから、民事上の責任に対して判決を下したということでございます。
○和田静夫君 私のお聞きしたかったのは、たとえば殺人でもあるいは交通事故でも、人が不自然に死に、傷ついたとき、司法機関というのは捜査に着手をいたします。新潟の水俣病では、ともかく県警が内偵を行なっています。で、それなのになぜ水俣病の場合に、警察なり検察庁は動かなかったのか、国家公安委員長。
○国務大臣(江崎真澄君) これはまあ告発を待って動くという形にならざるを得ぬかと思います。それは、まあ、時効の問題だとか、いろいろこれ、問題が多岐にわたりまするので、もし御必要であるならば事務当局から説明をさせたいと思います。——どうも失礼しました。事務当局がおりませんが、大筋としては、いま私が申し上げたような形にならざるを得ぬと思っております。
○和田静夫君 ところが、その大筋の話をしますと、関係者がいないとちょっと困るんですが、昭和三十四年ごろに熊本大学の研究班が、人が死んでいく原因をはっきりさせるために、チッソの工場というのを捜査をして、そうして廃液をとってくれということを再三頼んだ。しかしながら、新潟水俣でいわゆる新潟県警が動いたようには動かなかった、熊本が。これはしかし大筋の話とははずれていませんから、公安委員長、あまり無理な答弁をするよりも、呼んできたほうがいいんじゃないですか。
○国務大臣(江崎真澄君) いま連絡をとっています。——どうも失礼をいたしました。ちょっと政府委員室のほうも手違いをしておったようでございまして恐縮でございます。 そこで、私さっきお答えいたしましたように、やはり警察当局としては、民事上の裁判がああいうことで確定はいたしましたが、いよいよこれを刑事罰を加えるということになりまするというと、会社でなくって個人の責任を追及することになってくるわけであります。したがいまして、告訴があれば、あるいはまた他の団体から告発があれば、これを厳重に捜査するということになりますが、いま警察が個人の責任追及という形で捜査に踏み切るということがはたしてできるかどうか。これは慎重に検討をいたしてまいりたいと思います。
○和田静夫君 担当の副総理にお聞きしますが、たとえば、私は、あのときに熊本の県警なりあるいは地検がこういう熊本大学の研究班の訴えを聞きながら動いておったならば、少なくとも新潟における水俣病は出なかった、こういうふうに当時の研究班の班長である世良完介氏も述べていますね。これはいま言ったような消極的な姿勢というものが今日の事態を招いてしまった、こういうふうに考えます。そのようにお考えになりませんか。
○国務大臣(三木武夫君) 事は人命に関係をするのですから、消極的というわけではあり得ないわけですけれども、水俣病に対しては、医学者の間にも意見が分かれたりしまして、そして原因の究明というものが非常にやはり時期がおくれたことは事実ですね。しかし、まあ経過をたどってみると、もう少し何か早く手が打てなかったかという感じは私もいたすわけですから、これに対して今後の解決といったって、健康も生命も返ってはこないけれども、事後処理に対しては、これはもう全力を傾けたい、そういうことで償いをする以外にはないということを考えておるわけでございます。
○和田静夫君 いま三木長官にお聞きをするのは、たいへん、ある意味じゃ酷かもしれませんが、政府はチッソの犯罪行為に手を貸してさえいるというふうに私は思う。昭和三十四年に、通産省は、昭和七年から三十三年までのチッソがたれ流した水銀量を知っていて公表しなかった。例のネコ実験の結果の発表を厚生省の役人が押えた。そうした意味で、政府は重大な責任を感じてしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) 先刻私が申したように、これは医学者の間にも、原因についていろいろ分かれておったことは御承知のとおり。まあ熊本大学でも最後には一致しましたけれども、いろいろ議論が分かれておったわけであります。そういう点で、非常に長年月というものが対策を講ずるまでにがかったことは、これは非常に遺憾なことだと思いますが、しかし、政府の立場としても、人命の尊厳ということは政治のこれは基本ですから、手を貸すというようなことはあり得るはずはないのでありますが、もう少し、人命に非常に関係をするような問題に対して、行政がもっと迅速に手を打たなければならぬということは、今回の事件を行政全般についての非常に大きな反省の資としなければならぬということを強く感じます。
○和田静夫君 ある、閣僚の経験のある高名な政治家が、二億円か三億円政治献金をしたら公害病の認定からはずしてやるというアプローチをチッソにした事実を島田社長は暗に認めているんですが、そうした事実をどうお思いになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 政治家がそのようなことにタッチするようなことはあり得べからざることであって、私は何らかのそれは誤りであるということを信じたいのでございます。
○和田静夫君 いまの最後の信じたいという希望的なそのことは、われわれも信じたいのでありますが、しかし、当該社長が暗にこれを認めているということになれば、こういう事実があったと推測をせざるを得ませんが、非常に不幸なことだと思うんですが、いかがです。
○国務大臣(三木武夫君) 島田社長がそういうことを認めておるということは私は承知しておりません。どういうことから和田委員、それを御指摘になるか知りませんが、私は全然承知しておりません。
○和田静夫君 それじゃ、この問題はあとに、時間もありませんから、残しますが、政府は患者と企業の間の調停者的な態度は捨てて、矢面に立って責任をとられる、こういう態度をお持ちになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、この問題は、訴訟をされておる方々に対しては、十一億八千余万円という補償金で判決は下ったわけです。グループがやはり六つのグループに分かれておる。あとの五つのグループがあって、それにはいろいろないままでのいきさつがあるわけですから、この交渉は、患者側とチッソ側において行なうことが最もこの補償の問題を早急に解決するのには好ましい形であると、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 と言われることは、政府は全面的に今後矢面に立って、まあ過程には、三木さんは御存じないことであろうが、あったにしても、通産省なり、厚生省のああいうような形のものがあった。あったことはもう事実だし、公になっている。こういうような過程から考えてくれば、政府責任というものは当然存在すると思う。したがって、そういう立場に立って、これらの一切の問題について矢面に立っていくおつもりはありませんか。
○国務大臣(三木武夫君) いま、御承知のように、調停に持ち込まれておるグループがあるわけですが、これは近く調停委員会の調停案が提示をされると思います。これはまた判決の一つの基準と、この調停委員会における調停案の基準というものは、解決の一つのやっぱり基準たり得るものでありましょうから、そういう意味においては、政府は総理府で、調停委員会で調停をしておるわけでありますが、しかし、すべての患者の交渉に政府が表面に出ていって解決に当たるということは、一日も早く補償問題を解決をすることがいま必要ですから、この問題でいつまでも未解決に置くことは患者の側の人たちに対しても非常に好ましいことではないわけでありますから、どうすれば公平に迅速に円満に解決できるかということを考えれば、やはり当事者ですることが一番私は好ましい方法であるというふうに考えるのであります。 どうやれば解決をするのに早く解決できるかということを考えたら、政府が前面に出ていって私は迅速に解決できるとは思わないわけで、それはなぜかといったら、補償をする者はチッソですからね、政府が補償をするわけではない、チッソが補償をするのですから、補償をする当事者、責任を持っておる当事者が患者との間に話をするということが、話をして解決するということが一番やはり現実的ではないかと、こう思うのであります。その他のことで政府としてできることがあれば、労をいとうものではないんですよ、労をいとうから言っておるんではないので、解決するのにはやっぱり、そうでないとなかなか迅速に解決できないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和田静夫君 それじゃ、逆にちょっとお聞きしますが、患者に対する補償というのは、一体、大体どれぐらいになるとお考えになっているわけですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは、いま言ったように、いまの患者が、認定患者は三百九十七名あるわけです。そうして、もう一ぺん新しく認定を申し出ておる患者が約六百名おるわけですね。そのほかに、私はやはりこの機会に不知火海沿岸一帯の一斉の検診をしたい、そして住民の不安を除きたいと考えておりますから、まだその上に患者がふえてくる可能性がある。それでまた、一体どういう補償の額で解決をするかということは、 〔委員長退席、理事米田正文君着席〕 いま新聞等でも和田委員御承知のように、連日連夜交渉が続いておるわけですから、一体どれだけの患者になるのか、どの補償の金額で話し合いがつくのかという、あまりにも不確定な要素が多いですから、いま幾らぐらいになるということを私から推定することは、きわめてこれは困難というよりも、不可能であると申し上げておくほうが適当だと思います。
○和田静夫君 たとえば、一説によれば一千億円以上になるという説もあります。そこで、こういう設問にしたいのですが、一企業の補償能力を越えている場合、越えている場合ですね、政府の負担をお考えにならないだろうか。たとえば山一証券を救済するぐらいの金を出すのだったら、そういうことをお考えになってもよいわけでしょう。そして三木さんなら、そのことはできると私たちは思う。いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) この問題は、将来の問題としても非常に影響を与える問題でありますから、原則だけははっきりしておかなければいけない。その原則というものは、やはり原因者が負担をするという原則である。この原則をくずして、政府がそういう企業の被害に一々乗り出していって解決をするということは、気持ちの上では和田委員の言われることはわからぬでもありませんけれども、こういう問題に対しては原則をくずしてはいけない。そういう意味において、原因者負担の原則というものを貫きたい。いかなる困難があっても誠意を尽くしてチッソは補償の支払いの責任に当たるべきである、こういう考えでございます。
○和田静夫君 私は、原則を強調されるそのことを否定はしません。ただ、この関係においては、先ほど来述べたとおり、通産省なり厚生省なり政府が直接とってきたそれが悲劇を拡大をする原因の一助になってきた事実がありますから、そういう意味においては政府は責任を応分に感ずるべき事件です。そういう意味で申し上げているわけです。そのことは否定はされませんでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) それは、補償金の支払いという形でなしに、再び水俣の悲劇を繰り返さないために政府は今後万全の対策を講ずるべきである、そこに政府としての責任を感ずべきである、私はそう考えておるわけでございます。
○和田静夫君 しかしながら、政府自体がとった態度によって、とにかく人命の尊厳というものはそこなわれた。そうすれば、そこには当然政治責任がまつわりますから、それに対するところのものは、将来に向かっては当然のことでありますが、過去にさかのぼっても、やはり政府は責任を持ったところの措置をしてしかるべきではありませんか、具体的にいまどうこうということは別にしても、考え方としては。
○国務大臣(三木武夫君) 私は率直に言って、政府としても道義的な責任を感じなければいかぬと思っておるのですが、その問題を補償の問題と結びつけては私は考えてはいない。それ以外の点において政府はできるだけ、この水俣のああいう悲惨な状態に置かれた人々のことを、将来のことを考えて、できるだけのことをすべきである、それだけの責任は持っておると思いますよ。しかし、それを即補償に結びつけては考えてはいないということでございます。
○和田静夫君 じゃ、今日即補償に結びつけてはいない、しかしながら、これからの過程においては応分に対処しなければならない事態は、政府責任との関係においては出るとはお思いになっているわけですね、出た場合には対処をすると。
○国務大臣(三木武夫君) やはり企業は大きな社会的責任を持っておるわけですから、これからの企業というものは、それだけの責任というものを感じなければ企業は成り立っていかない。そういう点で、それは相当な額にのぼるでしょう。困難はあるけれども、あらゆる困難というものをいろんなくふうをして、補償に対する支払いの義務は企業が果たすということに誠心誠意当たるべきである。そのことでそれ以外のことはいま考えてはいないわけでございます。
○和田静夫君 社会的な責任を持っておる、通念としては持っておる。しかしながら、その社会的な責任感というものについて彼らが十分でなかったからこの事態はまた生まれた。そして、その間の過程において政府もまたそれらを結果的には手助けをする結果のことをやった。こういうことがあるわけですから、この過程というものはやっぱり十分に考えながら、担当の大臣としては対処をされるのがしかるべきでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、チッソも大会社でありますから、いろんなやはり責任を果たそうと、せめても、そういう裁判の判決もあったわけですから、責任を果たすためにも誠意を尽くす必要がある。政府は、その補償について政府がこれに入っていこうという考え方は持っていないということを申し上げておきたいと思います。
○和田静夫君 厚生大臣、先ほど来問題にしています厚生省が過去にとってきたところの態度、これについては十分に反省をされていますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 当時の厚生省の大臣も事務当局も、そのときはそのときなりの一番いいと思った措置をとったものと私は信じてはおりますが、いろいろいまになってみますれば、私はたくさん反省すべきものがあったのではないかと、こういうふうに考えております。 私どもはこうした教訓を生かして、二度とこういうことがあってはならない、こういう考え方で今後は進むべきものである、私はさように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 そこで、過去においてとにかくあったこの問題についての、いわゆる行政的な措置、そういうものについては何かお考えになっていますか、担当官などに対する。
○国務大臣(齋藤邦吉君) その当時のことは、もうその後、私言いのがれするわけでも何でもありませんが、環境庁に移管になっておるわけでございまして、私もその当時の事情をつまびらかにするわけにはまいりませんが、いろいろ反省すべき点があったのではないかというふうに言われておりまして、私もその当時のことをひとつ調べてみまして、反省すべきものは反省するという態度で、生命尊重という原点に立ち返って今後は真剣に取り組んでいくべきものであろうと、こういうふうに、いましみじみと感じておる次第でございます。
○和田静夫君 通産大臣もやっぱり同じ立場でしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昭和三十四年に熊本大学の調査が開始されておりますけれども、それ以後のいろいろな情勢を私分析してみまして、いまから考えてみますと、政府及び会社のやり方について必ずしも万全でなかったと反省しております。 特に、一番いまわれわれが取り上げなければならぬと思うことは、こういうわからないような情勢の問題が起きてきた場合に、初期に発動することが非常に大事だと。そして疑わしきは拒絶する、そういう基本的な立場を政府も会社もとる必要があるのではないか。将来いろいろな問題が出てまいりますけれども、そういう気がしておるのであります。そういう点から見まして、いまいろいろ患者さんとの関係がありますけれども、やはり調停やお見舞いやそのほかの件については、患者さんの立場に十分同情を持ってわれわれとしては処置するという基本的態度を持つべきである、そういうように思います。
○和田静夫君 環境庁長官、いま通産、厚生お二人から、とにかく非常にりっぱな答弁がなされました。そこで私は、このお二人の答弁とのかね合いにおいて、いま三木大臣のほうで総括をされているわけですから、過去の政府の反省をしなければならないところは総括をされて、そして政府の態度というものを公表をされる。この点はやっぱり誤りだったんだというような態度でお臨みになるのが至当だと思うのですが、そういう御用意はありませんか。
○国務大臣(三木武夫君) いまの、こういう国会の席においても各大臣も答えましたように、人命の尊重というものに対して、各行政の分野においてやはり徹底した責任体制をとらなければいかぬ。それを、その点をはずせば、ほかのことはあるいは第二義的なことかもしれぬ。人命の尊重に徹して、そうして各行政機関というものが責任体制を確立する。これは一つの大きな、常にそうでなければならぬですけれども、この水俣病のいきさつを見ると、そういう点については完全であったとは言い得ない点があるわけですから、さらに大きな反省の資として、将来に向かって人命尊重に徹した行政を貫かなければならぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○理事(米田正文君) これにて和田君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○理事(米田正文君) 内田善利君。(拍手)
○内田善利君 開発と保存ということで質問したいと思うのですが、三木環境庁長官お見えになっておりますが、開発と保護、特に文化財、埋蔵文化財の保護ということについてどのようにお考えか、聞きたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 環境という中には、自然的な環境もあれば、あるいは文化的な環境もある。だから、したがって文化的な遺産、これはやはり貴重な民族共通の資産でありますから、これを保全をするということは環境保全の重要な一部分をなすものであると考えております。
○内田善利君 文部大臣にお聞きしたいのですが、大体文化財を保護するためにどれだけの予算が必要なのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 四十八年度の文化庁の予算のうちで、文化財に関しまするものが百八億円でございます。
○内田善利君 文部大臣にもう一回お聞きしますけれども、日本列島改造論にも国土総合開発庁設置法案にも、文化財の保護ということは何も触れてないのですが、この点についてどのようにお考えですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 文化財を保護していかなければならないことは当然のことだと、かように考えているわけでございます。 日本列島改造論の、おっしゃっておりますのは著書のことでございましょうか。私たち、いろいろな面から文化財の点につきましては強調してまいってきているわけでございますし、最近は、そういう意味においては、開発にあたりまして埋蔵文化財、むしろ埋蔵文化財のことを強く言ってくださる世論のほうが高まってきている。開発が優先されておったのが、今日では、埋蔵文化財を保護していかなければならない、そういう叫びのほうが強くなってきたということについては心強く感じておるわけでございます。日本列島改造がいろいろな形において進められている場合にあたりましても、そういう方向で私たちとしては努力していきたいと、かように考えているわけであります。
○内田善利君 文部大臣、そんなにおっしゃるけれども、そういうふうにならざるを得ない状況になったので世論が高まってきたわけですね。いまおっしゃったように、文部省の文化庁の予算というのは開発予算に比べて一体どれぐらいの比率になっているんですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 文化財の問題は、どちらかといいますと、いままで国民みんなでこれを守っていく、むしろ積極的に民有のものを買い上げるとか、あるいは施設にいたしましても民有のものを公有化していくというような姿勢は必ずしも十分でなかったと、かように考えるわけでございます。先ほど四十八年度の予算の数字を申し上げたわけでございますが、たしか対前年度で二七%ぐらいの増加ではなかったかと思いますが、もっと積極的に私たち増額をはかっていかなきゃならない、文化のにおいの豊かな予算に私たちはぜひ早い機会に持っていきたいものだと、かように念願をいたしているわけでございます。
○内田善利君 大体、開発と文化財の保護の比率は一兆円と二十億円の比率があるわけですね。そういった中でいま開発が行なわれているわけですけれども、新幹線工事、道路公団あるいは個人の開発が行なわれておりますが、大体、全国で緊急調査費はどれぐらいの比率で使われておるか。
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃっているのは、開発にあたりまして周知の遺跡などがあるためにまず調査をしなきゃならない、その関係について調査費がどれだけ使われたかということではないかと思うんでございますけれども、四十六年度で十六億円でございます。その際に国から補助いたしました分が二億円ぐらいございますので、合わせまして四十六年度でそういう意味の調査費が十八億円使われておったということになるわけでございます。
○内田善利君 これを、新幹線それから道路公団、どういった割合で使っておるか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 四十六年度の数字でございますが、都道府県が二億九千万円、市町村が二億一千六百万円、地方公共団体の公社等が五千六百万円、政府の各省庁が二億三千三百万円、国鉄、鉄建公団、これが一億五千四百万円、道路公団が三億六千九百万円、住宅公団が五千百万円、その他の公社公団が三百万円、民間関係が二億二千九百万円、そのほかに国が二分の一補助いたしております分が二億円あるわけでございます。これはもっぱら公共団体でございます。
○内田善利君 このように、とうといわれわれの文化遺産が開発する側、発掘する側でその費用を負担しているという原因者負担ですね、このあり方についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 従来、開発にあたりまして周知の遺跡がある場合にはそれを避けてもらう、これは原則でございますけれども、どうしても緊急を要する場合には調査をして記録をとっておいてもらう、こういうことで来ているわけでございます。もとより、周知の遺跡で重要なものは史跡指定を行なってまいってきておりますので、そういうことにつきましては民間で調査ということはないわけでございますけれども、その際に、調査の困難なものについては市町村が担当する、それについては国が二分の一助成をするということで来ているわけでございます。いままでのところ公団等の開発がおもなものでございますので、それでやっていただけるんじゃないだろうかというふうに考えているわけでございます。ただ問題は、周知の遺跡と称されるもの十四万件ほどあるわけでございますけれども、このうちで積極的に史跡に指定していかなきゃならないものとの分類、これを国みずからが積極的な調査をして、そしてそれを明確に一般に知らせておくという施策、これ、緊急に力を入れてやらなきゃならないことではなかろうかと、かように考えているわけでございます。
○内田善利君 公費の場合はさておいて、宅地造成とかその他個人の場合、これが土地代を上げたりあるいは家賃にはね返ってきたりしているわけですが、この点はどのようにお考えですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、周知の遺跡はできるだけ避けてもらう、また、そこを開発する場合には協議を受けるということにいたしているわけでございます。そういう周知の遺跡がいま十四万件でございますけれども、さらに四十六年度から三カ年にわたりまして調査を続けているわけでございます。重要な遺跡でありますと開発をむしろ避けてもらう態度をとっているわけでございます。同時に、さほどでもないものについても記録を保存してもらうという態度をとって、原因者がそれを行なう、しかし、いまおっしゃいますように、資力が十分でない、そういう場合には文化庁のほうで、市町村が調査を担当する、その上でなければ開発をしない、こういうような話し合いにしているわけでございます。しかし、十分な話し合いのないままにしばしば開発に手をつけられたりして問題が大きくなったりしているわけでございますので、そういうことのないように文部省としても事前の措置をとっていかなきゃならない、場合によっては、そういう意味では文化財保護法の改正もそういう面については行なわなきゃならないのじゃないかというような考え方も持っているところでございます。
○内田善利君 佐賀県の場合は、先ほどおっしゃったように十四万件の周知の遺跡が発表になって、それを調査して、そのあと全然調査なし、記録にも載せてない、そして周知の遺跡以外の遺跡がどんどん破壊されておる、こういう実情にあるわけですが、これも行管庁のほうで指摘になっておりますけれども、こういった指導についてはどのようになされておりますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 佐賀県のものは、たしかまだ国の史跡指定もなければ県の史跡指定もないところじゃなかろうかと、こういうように思います。しかし、大量にいろんなものが発見されてきているところでございますだけに、先ほども申し上げました周知の遺跡の分類、これを早く明確にして国民にあまねく知らしていくということが大切じゃないかと、かように思うわけでございます。佐賀県の遺跡につきましても、重要な遺跡が開発によってそこなわれることのないように文化庁としても十分留意していかなきゃならないと考えているわけでございます。もし、そういうことで抜かっておる点がございますれば、お教えをいただきながら十分な保存の対応策を立てていきたいものだと思います。
○内田善利君 いわゆる原因者負担についてでありますけれども、開発側、すなわち破壊する側に金を出さしておるということについては、これは文化財を保護するという意味から非常におかしいと思うんですね。破壊する側が金を出して調査するということですから、これはもう当然文化財の意義とか、そういう評価とか、そういうことはもう抜きにしてどんどん破壊されていっている、こういう実情で届け出もなされていない、そういう実情ですが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 周知の遺跡というのは先ほど来申し上げる十四万カ所でございますけれども、そういうところについて手をつける場合には事前の届け出を法律上義務づけておるわけでございます。その際に協議いたしまして、ものによりまして段階をつけて、そして記録保存まで求めたりしているわけでございます。もとより、重要なものにつきましてはそれはもう避けてもらう、これは大原則でございます。重要な史跡はかってに開発をしていくということは避けさせているつもりでございますけれども、立法措置などにつきまして、工事の中止命令まではいっていないものですから、そういうことについては、なお立法的な措置を強化する必要があるんじゃないか、これがわれわれいまいろいろ議論をしている問題点でございます。
○内田善利君 重要な遺跡でなくても、これは緊急発掘調査費ですから、開発しているときに出てきた、そういうときに届け出をするわけですが、それがなされないままこわされていってしまっておる、こういう事態があるわけですから、これは強い法的な措置をしなければ破壊にまかせる一方だと、予算も少ない、しかも、その費用は破壊する側に、開発する側に負担させると、こういうことでは強い規制はできないと、そう思うんです。法的な規制の必要があると、このように思いますが。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私も、おっしゃいますように、事前の届け出義務、これを明確にしますとともに、現在三十日前に届け出ということになっているんですけれども、この期間では不十分じゃないかという議論をいたしております。それと同時に、工事が進められる、重要な遺跡が発見される、それを話し合いだけでは、これは問題の解決になりませんので、やはり工事中止命令が文化財保護という見地から出せるというようにすべきじゃなかろうかと、こういうこともいま議論をしているわけでございまして、お話しのような方向でぜひ法的整備もはかりたいと、かように私たちとしては考えているところでございます。
○内田善利君 この原因者負担の金額の査定はどこがしますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 原因者負担でございますが、原因者がやっていくわけでございます。同時に、市町村が行ないます場合には、その必要額の半分を文部省が補助していくわけでございます。したがいまして、査定は実際に調査にあたって要する費用、それをむしろ原因者がその調査をするわけでございますし、負担する。また、他に頼んだ場合には、それに要した額を負担していくわけでございますので、別に国のほうで査定するというようなことはございません。
○内田善利君 じゃ監査はどこがやりますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 文化財の保護そのものは、地方の場合には教育委員会がその担当をいたしているわけでございます。
○内田善利君 緊急調査費の原因者負担の金額は地方自治体が査定をして、そしてその地方自治体の教育委員会が監査すると、こういうことなんですが、これでいいのかどうか、会計検査院、いかがですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 原因者負担の問題につきましては、私どものほうでも、その原因者になる側の立場の官庁等も検査対象としてございますので、いろいろと問題点があるということを承知いたしております。これにつきましては、文部省にもお話をしていろいろ御検討をいただいているわけでございますが、ただいま先生御質問のございました監査の問題等でございますが、私どものほうといたしましては、負担された額がその補助事業の経費として、財源として生かされているかどうか、こういう観点から検査をいたしておるわけでございまして、その限りにおきましては、一般の補助事業と同様の検査をいたしておるわけでございます。
○内田善利君 自分が査定して自分で監査しているんですから、その内容たるや、会計検査院で検査されておるようにいま伺いましたけれども、領収書がなかったり、まあ、このお金を受け取る方は大体大学の考古学教室の学生とか先生とかそういった地方の方々が金を調査費として受け取るわけですが、出てない日に領収書が出ていたり、実にずさんな領収なんですね。私はこの原因者負担についてはかねがね主張を持っておるわけですけれども、ここまで調査してみたら非常にずさんなわけですね。これは文化庁の人としては御存じなんでしょうか。
○政府委員(安達健二君) 原因者負担として調査が行なわれますものは、具体的にはたとえば鉄道建設公団であるとかあるいは日本住宅公団であるとかいうようなものが非常な大部分を占めておるわけでございますが、これらの公団等との間におきましては覚書がございまして、それによりまして発掘調査の内容が規定されておるわけでございまして、その発掘調査の形式的な主体といたしましてはその公団等でございますが、発掘調査にあたっては「都道府県教育委員会または都道府県教育委員会が指定する者に委託して」行なう、こういうことになっておるわけでございます。そして発掘調査を委託する場合には、公団が負担する委託費の範囲につきましては、「発掘作業費(調査員・補助員・人夫日当・旅費・機械・器具借損料、立入補償費)報告書作成費および雑費とする。」、こういうように規定しておるわけでございます。また、「発掘調査の実施方法、実施期間、委託費等について協議が整わない場合」等につきましては、両者の意見を調整してすみやかに文化庁のほうで調整をする、こういうようにいたしておるわけでございます。そして発掘調査の費用自体は公団等の予算に計上されておると、こういうことでございます。
○内田善利君 ちょっと伺いますがね、いまの話は国庫補助が出ている場合の発掘調査で、私がいままで聞いているのは緊急発掘調査費のことを聞いているわけですが、ごっちゃにしておりませんか。
○政府委員(安達健二君) ただいま申し上げましたのは、国庫補助ではなくて、公庫公団等がみずから行なう調査のことでございます。国が発掘調査費の半額を負担しているものにつきましては、これは都道府県または市町村が発掘調査の主体になるわけでございまして、その場合におきましては補助事業でございますので、都道府県なり市町村の教育委員会が予算を立て、それに基づいて支出をする、それに対して国が補助をする、こういう形で行なわれておるわけでございます。
○内田善利君 国が補助をしない調査費がありますね、緊急発掘調査費。……。
○政府委員(安達健二君) 国が補助しない、都道府県教育委員会または市町村委員会それ自体の調査もあるわけでございまして、これにつきましては、都道府県または市町村の責任において行なわれるわけでございまして、それについてはそれぞれ都道府県または市町村内部における監査が行なわれる、こういうことでございます。
○内田善利君 いま私はその質問をしていたわけですが、その取り扱いが非常にずさんである。自治体がみずから計画してそして監査もみずからやっておる。したがって、大学の学生等は出ておった日にもらってなかったり、出てない日にもらってたり、領収書に印を押そうとしても必要ないと、教育委員会のほうで委員長の名前で判が押されている。委員長の名前で判が押されているということになると、また問題が出てくると思うんですけれども、こういうずさんな状況なんですが、これは会計検査院のほうでも検査してありません。こういう状態でいいかどうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 重要な遺跡につきましては、学術的にも手落ちのないような調査をすべきだと思います。そういう意味においては調査すべき遺跡、緊急に調査すべき遺跡とそうでない遺跡との区分を明確にしていかなければなりませんし、同時に、現在埋蔵文化財に対しまする国の調査費の予算計上額が四十八年度で二億円でございます。たいへん先ほど来申し上げています調査費全体の額からいいましても小さい額でございまして、やはり民族全体の資産でございますだけに、私としてはもっと国が積極的に責任を負う体制を進めていくべきではないだろうか、こういう気持ちを強く持っておるものでございまして、ぜひ国の予算に計上いたします調査費も積極的に増額をはかっていかなければならないじゃないだろうか、そして国が責任を負えるような体制を強めていくということが大切だと思います。いま御指摘になりました点につきましても、そういう考え方で改善をはかっていきたいと、かように考えます。
○内田善利君 次に、国庫補助がなされておる発掘調査費の場合にも、この発掘に参加してないところに発行されておったり、このやり方がずさんなんですね。で、会計検査院のほうでも調査されておると思いますけれども、昨年もやってない、ことしもやる計画はないということなんですね。こういうことでは、まあ、金額の多寡にかかわらずやはりきちっとした監査が必要なんじゃないかと、このように思うのですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃっていること、ごもっともでございます。ただ問題は、埋蔵文化財の中で民族全体にとってどこまで重要であるかという程度とのからみ合いの問題もあろうかと思うのでございます。したがいまして、ただ十万、十四万の周知の遺跡があるというようなことだけではいけないわけであって、これをさらにもっと明確なものにして、国民の間に示していかなきゃならない。そして大切なものは早く調査に取りかかっていくということではなかろうかと、かように考えているわけでございます。 いまおっしゃったように、府県、市町村が非常に緊急に大切だと考えておるものにつきまして、府県、市町村だけにまかしておくのじゃなしに、民族全体の遺産なんだから、国がそれに対して積極的に乗り出していく、こういうことも大切じゃなかろうかと、こう考えておるわけでございます。埋蔵文化財全体に対しまする国の姿勢そのものは私も必ずしも十分でないという気持ちを深く持ってるものでございまして、ぜひ行政運営の面におきましても、あるいはまた補助予算の面におきましても、充実を期するように努力をしていきたい、かように考えておるものでございます。
○内田善利君 私は、佐賀の姫方遺跡につきまして文教委員会でも質問しまして、国の指定をすべきだと、この評価も聞いたわけですが、その国の指定にする方針じゃなくて、もう早くやってしまえ、早くこわしてしまえと、こういう一つの流れのもとに、この破壊がなされていたということを私の目で感じてきたわけですが、そういったことからいま質問申し上げているわけですけれども、早くやってしまえと、文化庁から調査官が来るまでに、あるいは来たらもう破壊してしまえ、そして調査官を迎えよう、このような姿勢が私は感じられるわけですけれども、先ほどお話がありましたように、姫方遺跡の場合、発掘届けが業者から出されたのが昨年の二月二十八日。そして文化庁から埋蔵文化財の発掘につきましての通知が来たのが四月十二日。約一カ月半経過しているわけですが、で、通知が来たときにもうすでに破壊が始まっていたわけです。四月一日からブルドーザーが入っておるわけですが、こうした例がほかにもあるのじゃないか。非常にこの破壊が、文化財保護ということを忘れてされがちである、また、そういう風潮が日本全土にいま広がっていると、このように感ずるのですけれども、この点いかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) 開発と保存の関係、たいへんむずかしい問題でございます。むずかしい問題でございますだけに、遺跡の実態というものを国民の前に事前に明らかにしておく、これは文化庁として非常につとめなければならない重要なことではなかろううかと、かように考えます。同時に、御指摘になりました事案などを考えますと、できるだけ手をつける前に早く届け出をしてもらわなきゃならないなあという感じもいたしますし、同時に、場合によっては、こういう中止命令が出せるというふうに持っていかなきゃならないということも感ずるわけでございます。だんだんとこの埋蔵文化財の保存、これは非常に大切だという気持ちが強くなってまいりまして、地域によりましては、開発関係者がむしろ困っておられるという逆な場所もあるようでございます。しかし、そういうことで安心をしないで、御指摘のようなことが起こらないように、ただ、まあ、早く開発で片づけてしまえというような姿勢が放任されることのないように、私たちとしてはぜひ留意をしていきたいと思います。いま御指摘になりました佐賀の地域につきましても、一部、県のほうで史跡指定をしたいということで計画も進められているようでございます。早くそういう点の手続も進めまして、開発によって埋蔵文化財が破壊されてしまうことのないように、十全の努力を今後さらに強めていきたいと、かように考えます。
○内田善利君 文化庁は、どのように佐賀の姫方遺跡を評価しておられますか。また、どうされようとしておられますか。
○政府委員(安達健二君) 姫方遺跡の処置につきまして、文化庁なり県の教育委員会等におきまして最善の努力をしたはずでございますけれども、その過程におきまして、不十分な点もあったのではないかというように率直に反省をいたしておるわけでございます。今後の処理といたしましては、先ほど大臣からお話がございましたように、その一部の約二千九百平米につきましてこれを公有化をいたしまして、これをそのまま保存をしたいということでございまして、その場合におきましては、県の教育委員会では県の史跡、県指定の文化財にするというような考えであると聞き及んでいるのでございます。これを国の指定にでき得るかどうかにつきましては、かめ棺の遺跡につきましては、なお、相当ほかにも類例もございまするし、はたしてこれが国の史跡に該当するかどうかにつきましては、さらに、慎重な調査と検討を必要とするものと考えておるわけでございます。
○内田善利君 現地をごらんになればよくわかると思うのですけれども、あの佐賀の土生遺跡が国の指定になりましたが、この姫方遺跡も、現地を見れば、日本では類のない、かめ棺が一ぱい、約四百ぐらい出てきており、まだ残っているところからも、おそらく二百ぐらいは出てくるのじゃないかと言われるほどの、しかも、二重三重構造になった遺跡なんですが、これをあんなに早くこわしてしまって、私も非常に遺憾にたえないんですけれども、こういう、文部大臣見てください、これなんですがね。いま残すと言われましたけれども、この残すところの買収に関してですけれども、四十六年の十二月、業者が買い取ったときの価格は坪三千三百円であったわけですが、これを今度は県に売るわけですけれども、このときの値段がことしの三月に坪三万五千円、約十倍であるわけですが、これはもう税金のむだづかいもいいところだと思うのですけれども、どのように文化庁は指導されたのでしょうか。
○政府委員(安達健二君) 先ほどお話もございましたように、昨年の四月に事前の発掘調査をするようにというように通知をいたしますと同時に、昨年の八月には係官を現地に派遣しまして、さらに中数カ所に試掘溝を設けまして遺跡の範囲の確認を行なうように指導いたしたのでございます。県の教育委員会では、遺跡地の現況を考慮して、雌塚古墳、方形周溝墓、環状列石土拡墓を含む約二千九百平米を公有化して保存すると、こういうようになったわけでございますが、その他につきましては、発掘調査により記録を保存する、こういう方針を立てた、こういうことでございまして、現在の段階におきましては、この二千九百平米のところを完全に保存するというような形で、と同時に、いままで発掘いたしましたところのかめ相等、あるいは石棺等の保存に努力をするということで進んでおるわけでございます。
○内田善利君 この文化財の国際協力体制についてお聞きしたいと思いますが、高松塚の例のように、国際協力が必要な場合が今後も出てくると思いますけれども、そうした場合に、どういう機構で、どういう体制で国際協力をしていかれるのか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 国際協力の問題を高松塚古墳に具体の例を求めて一応御説明さしていただきたいと思います。 高松塚古墳壁画の調査にあたりましては、南の大韓民国、北の朝鮮民主主義人民共和国の学者、おのおの四名を招きまして意見の交換を行ないますとともに、保存に関しましても、フランスの学者二人を招きまして意見を徴したわけでございます。今後この壁画の保存、修理に際しましては、この方面ですぐれた業績をあげておりますイタリアの技術者を招きまして実施指導を求めますとともに、壁画の修理を担当するわが国の技術者をローマの文化財保存修復国際研究センターの主催します国際研究コースに派遣する予定をいたしております。その他、国際文化交流のため、文化庁では、各国の学者、文化人を招致して交流につとめておるわけでございますけれども、その一環として、ことしの二月から三月にかけまして、オーストリアの文化財保存の専門家を招きまして意見の交換を行なったわけでございます。今後とも文化財の保存、活用につきまして、国際的協力を一そう強めていくということで努力したいと、かように存じております。 〔理事米田正文君退席、委員長着席〕
○内田善利君 ユネスコの「武力紛争の際の文化財の保護のための条約」というのがございますが、日本はまだ批准しておりませんが、どういう理由でしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) ユネスコが勧告しております内容と、実態的にわが国の行なっておりますのと変わりはないんじゃないだろうかなという感じを持っておるわけでございます。ユネスコの勧告の一つは、「文化財の保護に責任を有する国又は地方の当局は、公的又は私的の工事によって危険にさらされる文化財の保存又は救済を遂行するために十分な予算をもつべきこと。」これが一つでございます。なお、十分であるか、十分でないかの議論は残るかもしれません。もう一つは、「公的又は私的の工事によって危険にさらされる文化財の保存又は救済(考古学的予備調査を含む。)」となっておりますが、「これに要する経費は、当該工事の予算の一部とすべきこと。」、一種の原因者負担みたいなことではなかろうかと、かように考えるわけでございます。第三に、この二つの方法を併用することができるようにすべきである、こう述べておるわけでございまして、予算的には十分でないかもしれませんけれども、ユネスコの勧告で言っているような方法をわが国もとっているというようなことは言えるのじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○内田善利君 六十一カ国も加盟しているわけですね。そしてこれは重要な軍事目標から妥当な距離にあることと、こういうふうになっているわけですが、ここにひっかかりがあるんじゃないかと思うんですが、どうです。
○政府委員(安達健二君) ユネスコが積極的にその促進をいたしておりまする国際的な規約等でございますが、この中には、先ほど大臣がお触れになりました「公的又は私的の工事によって危険にさらされる文化財の保存に関する勧告」と、これに大臣いまお触れになりましたが、ただいま御質問のございましたのは、「武力紛争の際の文化財の保護のための条約」のことだったと思います。この条約は一九五四年の五月に採択されたわけでございます。現在締約国は六十一カ国になっておりますが、日本はまだ加入をいたしていないわけでございます。この条約は、武力紛争の際にいかにして文化財を守るかというようなことで、文化財避難施設、あるいは文化財集中地区、あるいは特別保護文化財登録簿というようなものを備えなければならないというような、いろんな規定がございます。かつてこの条約の加入について、いまから十五、六年前に、その点についての検討をしたことがございますけれども、日本のような狭い国でございますので、非常に具体的にこれを実施するとなるといろいろむずかしい問題もあるということで、なお、現在検討の過程にあると、こういうことでございます。
○内田善利君 これは問題があると思いますけれども、次に行きたいと思います。 文化財保護行政の方向についてお聞きしたいと思うんですが、先ほど原因者負担についてお聞きしたわけですけれども、この原因者負担ということは、先ほども申しましたように、いろいろ悪い面がありますので、この原因者負担ということを、保護行政改正の方向に向かっていくおつもりがあるかどうか、まず、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 原因者負担そのものを必ずしも否定すべきでないような気がするんですけれども、運用にあたっては、いろいろ改善をはかっていかなきゃならないと思います。いずれにしても、いろいろと御指摘いただいたわけでございますので、十分に研究さしていただきたいと思います。
○内田善利君 公費で、国公費でやるべきだと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、周知の遺跡で重要なものにつきましては、積極的に公費で私は調査を進めていくべきだと思うんです。重要であるか重要でないかわからない——開発にあたって、いまは十四万件でございますけれども、その周知の遺跡にかかってくるそれをすべて公費でやるということになりますと、ちょっと私疑問を持つわけでございます。いずれにしましても、十分に研究を続けさしていただきます。
○内田善利君 先ほども質問したわけですが、届け出制の欠点を文部大臣もおっしゃったわけですが、この届け出制を許可制にする考え方はありませんか。
○国務大臣(奥野誠亮君) もちろん、史跡の指定をしておりますところについては、開発はしていけないわけでございます。許可を必要とするわけでございます。そうじゃなしに、とにかく追跡はあるのだ、どういう程度のものかわからぬけれども、あるのだというところにつきまして、届け出制になっておるわけでございます。それにつきまして、いま三十日前の届け出制でございます。それを、先ほどもちょっと触れましたが、やはり六十日くらい前に届け出させなければ、どう進めていいかということについて事前の調査も必要でございますので、期間の余裕を持つべきじゃないかな、こういうことを、議論しているところでございます。全部調査について許可が要るのだというところまでいくのがいいのかどうか、若干疑問もあるあるわけでございます——そういう問題も含めまして、研究さしていただきたいと思います。
○内田善利君 それから、文化財保護に関してはほかに法律があるわけですが、都市公園法とか、首都圏整備法とか、こういったものなどとの関係性、このような連係をどのようにとっていくかということですが。
○国務大臣(奥野誠亮君) 他の法律で文化財に触れてくる問題につきましては、当然それとの連絡をして進めていかなければならないということになるわけでございますので、文化財保護法の中に開発との関連しますような問題については、明確な規定を置いていくということじゃなかろうかと思うのでございますけれども、また、お教えいただきましてよく勉強さしていただきたいと思います。
○内田善利君 たとえば国土開発庁法案ですけれども、その中には、文化庁の長官の権限が介入するような余地は全然ありませんね。
○国務大臣(奥野誠亮君) 国土開発につきましても、その開発のことが、事、文化財に触れてくるという場合には文化財保護法の中で、協議をしなければならないとか、あるいはいつまでに届け出なりあるいは報告なりしなければならないとかというような明確な規定を置いていけばいいんじゃないだろうかな、こう考えるわけでございます。事、文化財に関しますることについて、他の法案で、うやむやにならないような明確な措置をとっていくということが大切ではなかろうか。それぞれの他の法案の中に必ず入れなければならないということになりますと、たいへん複雑になるんじゃないかなという感じがいたします。しかし、何か具体のものをお持ちでございましたらお教えいただきまして、ほんとうによく勉強いたしたいと思います。
○内田善利君 国土開発庁法案の中には、環境庁長官の権限も及ぶようになっているわけですね。これだけ文化財が破壊されるならば、私は文化庁の力が各行政機関にも及ぶような、そういう体制をつくらなければ、このままでいったら破壊されるばかりだと、こう思うから質問したわけですが。
○政府委員(安達健二君) 関係行政機関の長と協議をするということがございますが、その際には、文化庁の関係は、その協議の中に、関係行政機関の中に入っておると、こういうことの了解を得ておるわけでございます。
○内田善利君 文化財保護にあたって、破壊させないということは当然のことなんですが、それとともに、私有権の尊重、それから住民福祉への配慮、こういうことは当然なんですが、その点に関して相続税の減免とか、あるいは文化財の維持、そういった国庫補助を行なうと、こういう考えはありませんか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 税制の面につきましても、史跡につきまして、指定地は固定資産税からはずしますとか、いろんなことを行なってまいってきているわけでございます。まだ漏れているものもいろいろあるかもしれませんので、そういうことはお教えをいただいてなお努力をしていきたいと思います。また、修理にあたりましても、国から補助金を出すという道もつけているわけでございますし、このごろは環境整備などにつきましても補助金を若干計上いたしているわけでございます。まだ十分でございませんので、これらの点にはさらに今後も増額等について努力をしていきたいと思います。
○内田善利君 それから理蔵文化財の発掘調査員ですね。これの現況と、今後の対策を聞きたいと思いますが。
○政府委員(安達健二君) 先ほど大臣からもお話しございましたが、この昭和四十六年度の緊急発掘調査、全体で見ますると、これが十八億になるわけでございまして、そのうちで、国庫補助による緊急発掘調査が二億ということになっておるわけでございます。で、この二億は、その半額が国の補助になるわけでございまして、四十五年度よりも、それをさらにふやしてきておるところが現在でございまして、この昭和四十六年度、それから四十八年度になりますと、これの国の調査費補助が二億ということでございまして、したがって、国庫補助の対象による発掘調査費が四億というように倍増をするということになっておるわけでございまして、国庫補助を行ないまするものは、個人の場合とか、非常にその負担を個人にさせることがはなはだしく均衡を失する、正義に反するというような場合におきましては、これを国庫補助により、県の教育委員会または市町村の教育委員会が委託を受けて行なうということに、こういうことになっておるわけでございますが、たとえば、民間にいたしましても、相当大きな住宅建設と、開発とかいうようで負担能力がある場合におきましては、なおその原因者負担の形で行なっておるというのが実情でございまして、この国庫補助による緊急調査費は、今後なお増額に努力をいたしまして、できるだけ民間に迷惑をかけることのないように今後とも努力してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○内田善利君 最後にもう一言聞いておきますが、九州歴史資料館が建設されたわけですが、ここの館長さんが、この上はぜひ本格的な九州歴史博物館がほしいと、このように言っておられますが、そういう考えがおありかどうかお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(安達健二君) 九州歴史資料館は、福岡県立の、県が設立されまして、この建設費につきまして、約半額近い額を国が補助をいたしたものでございまして、福岡県のほうではこれを県立ではなくして国立にしたいと、こういうお話を伺っておるわけでございます。国立の博物館といいますのは、現在、東京、京都、奈良、三館ございますが、そのほかに九州にもというお考えでのことだろうと思うわけでございますが、現在文化庁なり文部省といたしましては、首都圏内に国立の歴史民族博物館、まあ総合的な歴史民族博物館を建てたいと、こういうことで、いまその調査費が、この四十八年度予算にもお願いをいたしておるわけでございます。したがいまして、そういう首都圏内に、日本の全地域にわたり、また日本の歴史全体にわたるところの国立の歴史博物館をまず一つ完成をさしたいと、まあその後の段階におきまして、各地方にもそのようなものが必要かどうかということで、そういう問題は将来の課題として検討してまいりたいというように考えておるところがまあ率直な現在の私どもの考えでございます。
○内田善利君 じゃ、文化財は以上で終わります。 次に、薬品の公害についてお聞きしたいと思うんですけれども、薬事法の第一章の総則の第一条に、「この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具に関する事項を規制し、その適正をはかることを目的とする。」と、このようにあるわけですが、厚生大臣、現在この一条にあるように医薬品に対して適正がはかられていると思っておられるかどうかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私どもといたしましては、そうした法律の思惟にのっとって運用いたしておるつもりでございますが、御承知のように、いろいろな副作用をめぐって問題の起こっておることは御承知のとおりでございまして、まことにその点は遺憾といたしております。
○内田善利君 総則の第一条が、遺憾であると、そういう事実が起こっておると、こういうことですが、そのようにお考えならば、もう少し薬品行政については厳格な規制をしていっていただきたいと、国民の健康を守る、人間の生命を守るという立場からお願いするわけですが、この薬品の副作用について、きょう質問したいと思うんですけれども、サリドマイド、キノホルム、コラルジル、こういった医薬品の副作用によって被害を受けた人たちが多数いるわけですけれども、この医薬品に対して、この法律にあるように適正がはかられているとお考えかどうかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) いまお尋ねのサリドマイド、キノホルム、コラルジル、クロロキンと、まあこういったふうな医薬品の副作用によりましていろいろ疾病、障害を起こしておる事例があることは、まことに遺憾としておるわけでございますが、まあ私どもは、四十二年の十月からは相当——四十二年の十月というのは、サリトマイト事件が起こったあとだったと思いますが、非常に厳重な審査をいたしておるつもりでございますが、こういう事例が間々起こっておりますことは、私も遺憾と存じておる次第でございます。 念のために申し上げておきますと、この四つの医薬品につきましては、国等を相手として訴訟が起こっておりまして、サリドマイドにおきましては六十三人、キノホルムについては一千百五十人、コラルジルについては十三人、クロロキンについては一人と、こういうふうな事例が起こっておるわけでございます。
○内田善利君 このような訴訟事件が起こっておるわけですけれども、このキノホルム、サリドマイド、コラルジル、この関係の許可ですね、許認可。この許認可する薬事審議会の機構はどうだったのか、当時のですね。まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 御承知のように、中央薬事審議会は、薬事法に基づいて厚生大臣の諮問機関として設置されておりまして、委員の定数は五十人でございます。そのほかに臨時委員を含めまして幾つかの専門的な部会に分かれ、さらにその下に各部門の専門家を含みます調査会を設けまして、調査会、それから特別部会、それから総会にかわります常任部会、そういうような段階を持ちまして、それぞれの申請に基づく詳しい資料を審査をして、承認、許可を決定する、そういうような段取りで運営をいたしております。
○内田善利君 現在の機構とはどのように変わっておりますか。変わった点がありますか。
○政府委員(松下廉蔵君) そのときどきの問題点に応じまして、部会の構成委員あるいは部会の設置等についての変化はございますが、基本的な機構につきましては改正はございません。
○内田善利君 一体、薬事審議会は何のためにあるのかと思うのですけれども、この第二章第三条に、「厚生大臣の諮問に応じ、薬事に関する重要事項を調査審議させるため、厚生省に、附属機関として中央薬事審議会を置く。」と、このようにあるわけですが、いまおっしゃったような訴訟を起こすような、副作用によって人体に危害を加えた、こういう事件を三つも四つも引き起こしているわけですが、こういう「重要事項を調査審議させるため、」とありますが、こういう事件を起こしたということについて、一体どういうことだったろうかと、このように思うのですが、当時の情勢、または今日の情勢等を見てですね、一体どういうわけなんですか、こういう事件を起こしたということは。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど大臣からも申し上げましたとおり、結果といたしまして、このような医薬品の信頼性に関するような副作用が起こっておるということは、私どもといたしましてもいろいろと考えなければならない問題を含んでおると存じますけれども、薬事審議会の運用につきましては、先ほど申し上げましたように、その申請された時点におきます最も新しい学問的な治験を基礎といたしまして、それぞれの専門家の立場からの専門的な御意見をいただき、それに基づいて厚生大臣が薬事法に基づく承認、許可を与えるというたてまえをとっておるわけでございまして、——ただ医薬品の特殊性から申しまして、その時点におきます治験におきましてはどうしても知り得ないような副作用が、それを使用いたします段階において、後になって生じてくるというような非常に特殊な性格も、またこれ、ものによりましては否定し得ない場合があるわけでございます。そういうような意味におきまして、先ほど大臣から申し上げましたように、四十二年以降、それまでの審査に要しておりました資料をさらに詳しいものをとるようにいたしまして、医薬品の承認にあたっての審査にさらに厳格を期するというような施策を講じまして、薬事審議会の御審議と相まちまして、さらに副作用を軽減するようにつとめておる、そういうような状況でございます。
○内田善利君 大臣、この医薬品の製造許可申請が出てから、厚生省で許可を下すまでにどれくらいの日数を経過しているわけですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 大体平均いたしますと、三カ月から半年くらいかかるわけでございますが、四十二年、実はそのサリドマイドの事件が起こりましてから、新規医薬品の製造承認というのを非常に厳重にいたしました。というのは、臨床、基礎両方の、まあ以前は比較的基礎的なデータが中心でございましたが、その後、動物実験等によりまする臨床のデータということを非常に重く見るようになりまして、そういうふうなデータを提出させ、使用方法を提出させ、さらにまた国立の衛生試験所で、そのとおりの規格でやっているかどうかといったふうなことを衛生試験所で試験をいたしまして、そしてまあ間違いないであろうということで許可をするわけでございまして、大体三カ月から六カ月はかかる、かように慎重にはいたしておるつもりでございます。 なお、そうした承認をいたしましたあとも一定の期間、副作用が起こるか起こらぬか、そういうふうな点につきまして、製造者に対して追跡調査をさせる、こういう義務を課しながら審査を行なっておる、こういう次第でございます。
○内田善利君 アメリカでは一般にどれぐらいの日にちを要しておりますか。
○政府委員(松下廉蔵君) アメリカの薬事関係の規定は、わが国とは多少違っておる点がございまして、わが国におきましては、一般的な医薬品すべてについて、製造について個々の承認を必要といたしておりますが、アメリカにおきましては、政府の許可を必要といたしますのは、新しく開発された医薬品に大体限定されているように承知いたしております。で、アメリカにおきましても、新しい医薬品を実際に開発、申請されましてから具体的な承認がなされるまでには、一年ないし二年の日子を要しておりまして、ただいま一般的なお尋ねでございましたので、大臣からお答えいたしましたのは、一般的な医薬品の承認、許可に要する期間でございますが、補足いたして申し上げますと、わが国におきましても全く新しく開発された医薬品につきましては、やはり一年ないし二年の期間を要するものが相当数ございます。
○内田善利君 アメリカでは大体三年なんですね。ところが日本では、いま大臣からおっしゃったように、三カ月ないし四カ月、こういったところで薬の認可が許可になっていると、こういう実情ですね。私はきょうは、まあ昨年あたりから問題になっておりますけれども、新たにクロロキン製剤ですね、じん炎あるいはリューマチ性の関節炎にきくということで使用されている、その副作用として被害が出ていることが明らかになってきたわけですけれども、このクロロキン製剤を製造している企業名、商品名を述べていただきたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) クロロキンを製造販売いたしておりました——これは御承知のように現在もう製造をやめておりますけれども、かつてクロロキンを製造販売しておりました、数でございますので、おもなものを申し上げますと、吉富製薬のレゾヒン錠、それから小野薬品のキドラ錠、科研薬化工のCQC錠、住友化学のキニロン錠、塩野義製薬のエルコクイン錠、そういったものがおもな品目でございます。
○内田善利君 これは製造もうやめておるのですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 申しわけございません。ほかの医薬品と記憶違いをいたしまして、答弁を訂正させていただきたいと思います。 クロロキンにつきましては、これは先ほど先生が御指摘になりました慢性腎炎、あるいはリューマチ性関節炎、エリテマトーデス等につきまして、代替性のない医薬品でございますので、使用にあたりまして厳重な注意をするということを付記いたしまして、これは現在でも製造を続けております。間違いまして申しわけございません。
○内田善利君 クロロキン製剤はまだ製造を続けておるという答弁ですね。で、クロロキン製剤を許可するまでの薬事審議会等政府機関において、その副作用、毒性等の調査をどのように審議したか、この点、お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) クロロキンが承認を申請されました三十年ごろの時点におきましては、クロロキンによる副作用は、大体当時把握されておりましたのは胃腸障害等でございますので、そういった点に重点を置きまして調査をいたしまして、申請書類に基づいて、先ほど申し上げましたような薬事審議会における審査の結果、この承認がなされたわけでございます。なお、慢性毒性におきましても、当時の資料といたしましても、やはり病院等におきます臨床実験が相当数添付されておりまして、そういった臨床実験におきます患者の状況等から、そういった推定をいたしまして、いま申し上げましたような疾病に対します効能等をにらみ合わせまして、本薬品の有効性を判断いたしまして、承認を与えておる次第でございます。
○内田善利君 私は、現状を見て、そのような状態でほんとうにこの「医薬、用具に関する事項を規制し、その適正をはかることを目的とする。」という総則第一条にはたして適しておるかどうか。まあ最初、大臣は適正がはかられていないということをおっしゃっておりましたが、私は、こういうことでは人間の体が幾つあってもたまらないと、このように思うんですけども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 医薬品につきましては、新規医薬品の承認のときには、諸外国の医薬品情報、さらにまたWHO等の情報、こういうものも収集しながら、さらにまた四十二年からは非常に厳重にやっておるつもりでございますが、なかなか思うように——ある特定の疾患には非常に有効に効くんだが、という反面、何かしらのやっぱり副作用が出ると、その副作用をできるだけ小さくしながら、特定のむずかしい疾病に有効な効果をもたらすと、こういうふうにしていかなければならぬと考えておるわけでございまして、私どもとしては、できるだけ厳格にはいたしておるつもりでございますが、いま申し述べましたように、四つほどの医薬品につきましていま訴訟が起こってる。これは私は何としても厚生省としても遺憾なことではないかと、かように考えております。今後とも私どもは新規医薬品の開発につきましては、私どもは人体実験というものをしちゃなりませんし、すべきものでもありません。そこで、どうしても動物実験で臨床のいろんなデータをやっておるんでございますが、そういう点が出ております。しかし、今後とも私どもはこういう点についてはもっともっと厳格にしていくべきものである、かように考えておる次第でございます。
○内田善利君 まあ、四十二年、四十二年と言われますが、一体四十二年にどういうことをなさったのか、具体的にお願いしたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 事務的な問題でございますので、私から御説明さしていただきたいと思います。 昭和四十二年の九月に医薬品の製造承認等に関する基本方針というものを策定いたしまして、薬務局長名をもちまして、都道府県知事に対して指導いたしております。 内容といたしましては、先ほど申し上げましたように、それまでにおきましても、それぞれの時点の知見に基づきまして、製造業者あるいは輸入販売業者から資料を提出させ、それを審査いたしまして承認の可否を決するという手続をとっていたわけでございますけれども、特にこの医薬品についての、ただいま先生御指摘の副作用等が問題になりました時期におきまして、さらにその承認の審査の慎重を期します意味で、この基本方針を決定いたしまして、さらに同年十月にその基本方針のこまかい内容を地方に通知したわけでございます。 基本方針のおもな点を申し上げますと、まず、それまでは、医薬品につきましては、医師が処方いたしまして使用する、主として医師向けの医薬品と、それから大衆薬として用いられます一般向けの医薬品が同様に取り扱われておりましたのを、申請書においてそれを明記するようにするということ。それから、承認の内容になります資料の内容につきまして、それまでのものよりも特段に詳しい資料をとり、それも医薬品の性質によりまして、その資料に精粗の別を設けまして、新薬等につきましては非常に詳しい承認に必要な資料をとる。毒性等につきましては、安全性の意味から特に詳しい資料をとりまして、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性の試験資料、それから胎仔試験、これはいわゆる遺伝性の催奇型性の試験でございます、そういった資料、それから一般薬理の試験資料、さらに、同じような内容の医薬品におきましても、製剤の方法等によりまして、吸収あるいは体内の分布、代謝、排泄等の機序が違ってくる場合がありますので、そういったようなことに関する試験資料、そういったものを相当詳細にとりまして、その審査に慎重を期すると、そういうような行政方針の改正を行なった次第でございます。
○内田善利君 昭和四十二年には薬事法の施行規則の一部を改正して、クロロキンを劇薬に指定されたんでしょう、どうですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおり、四十二年にはクロロキンを劇薬に指定いたしまして、同時にまた、告示をもちまして要指示医薬品、つまり医師の指示がなければ販売することのできない医薬品として指定をいたしております。
○内田善利君 それを早く言ってもらいたかったんですが……。 そして、その次に、四十四年の十二月二十三日に通達を出されておりますね。この内容はどうですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 四十四年に出しました通達の内容は、先ほど御指摘がありましたクロロキンの副作用の目の障害を防止いたしますために、このクロロキンの、能書きとわれわれ普通申しておりますが、添付書類の中にそういった注意事項を明記いたしまして、クロロキンを連続投与いたします場合には、目の検査を行ないながら注意して投与するようにという注意事項を書くことを義務づけるという通知を出したわけでございます。こういった事項は、その前から各業者に対しましては口頭をもって指導いたしまして、これを記載させておったところでございますが、なお、こういった副作用が学問的な研究によりまして漸次明らかになりました段階で、そういう検査方法等についてもさらに注意をするような指導をいたしたいと、そういうことで通知をいたしたわけでございます。
○内田善利君 私は医薬品の認可があまりにも安易じゃないかと思うんですね。途中で劇薬の指示をしたり、要指示医薬品にしたり、あるいはいまのような注意事項を通達すると、こういったことは、人体実験はやりたくないということですけれども、もう明確な人体実験だと私は思うんです。この点、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私どもといたしましては、こういう副作用が起こらないようにということで慎重にいたしておるわけでございますが、まあそういうふうな遺憾な事例が出ておるわけでございます。私どもとしては、特に新規医薬品の開発につきましては、副作用というものと毒性、そういうものを最重点に置いて審査を今後とも厳重にいたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○内田善利君 いまからこの患者の方の手紙を読みますけど、聞いておっていただきたいと思うんです。 「私たち患者は、後日の健康と楽しみのある生活を夢みて、医師により治療してまいりました。その結果はどうでしょう。病気はよくならず、目は失明同様な状態におちいり、一ぺんにして地獄のどん底に突き落とされ、二度と再び立ち上がれない悲惨な状態におちいってしまいました。もとはと言えば、こんなおそろしい副作用のある薬を厚生省が許可したからにほかならないと思っています。製薬会社も、このとおり副作用のある薬を注意書きもしないで販売するとはもってのほかではないでしょうか。先日の手紙でクロロキン製剤の中毒どんなにおそろしい眼病であるか詳しく紹介しましたが、また一例を記入してみます。竹の筒からものを見るのと同じです。四メートルから五メートル離れてやっと人の顔全体がわかるくらいで、首から下は見えません。顔だけが宙に浮いているようなものです。手のところを見たら手のところだけ、足のところを見たら足だけしか見えません。二メートルぐらい近づくと両眼のところしか目に映らず、顔の輪郭はわかりませんが、腰から下はぼんやりと映って見えます。腰から上と首から下の部分は二メートルぐらい近づいたときには目に全然映ってきません。この眼病の悲惨さ、とうてい普通の人には想像もできないことだと思います。私たち患者の目にはこのようなことが起こっておるのです。」と、こういう手紙です。 で、これは宮崎県の木村さんの手紙を読んだわけですが、この人は、昭和三十八年三月以来五年間キドラを服用したわけですが、クロロキン網膜症という診断をもらい、失明寸前まで追い込まれ、その苦しさを訴えようと、不自由な目をしながら、昨年の十一月、厚生大臣に、あなたに出した手紙の一部分を読んだわけです。しかも、この木村さんのほかに、通達を厚生省が出した以後にも、クロロキン製剤を服用して目が見えなくなっている人がたくさんいるわけですが、これが人体実験だと私は言いたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいまお述べになりましたような、ほんとうに悲惨な副作用による障害だと私考えて、まことに遺憾なことだと存じております。
○内田善利君 その四十二年の通達の内容についてちょっと検討し、お聞きしたいと思うのですけれども、各都道府県知事に通達を出したぐらいで、日本全国の医者に徹底ができたのかどうか。この辺の確認はどうされたのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど申し上げました通達、これは薬務局の行政といたしまして、御指摘のように、こういう医薬品の内容につきましては個々のメーカーが対象になりますので、都道府県に指導通達を出しますと同時に、同じ内容のものを各業界団体に対しましても出しまして、さらにこの件については慎重を期しまして、各業者からもそのとおり実行されておるかどうかということを問い合わせまして、実行されておることを確認いたしておる次第でございます。
○内田善利君 これは一つの例ですけれども、文京区に住む方の例ですが、キドラを一日に二錠三回服用しているわけですが、昭和四十二年十月から四十六年五月三十一日まで服用しているわけです。この方がキドラを服用したのは四十二年十月なんですね、劇物に指定をされたときなんです、先ほどおっしゃった、劇物に指定をされたとき。そして眼科の医者に服用中止を言われたのが四十六年の五月、だから、通達がなされてから三年半たっているわけですね。そのとき、最初にキドラの服用をすすめた医者が、このときにはとても信じられないような顔をして、キドラに副作用があるのかなと、こう言っているのですよ。だから私は、この通達がほんとうに徹底しなかったんじゃないかと、このように思うのですが、いかがですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 私どもといたしましては、先ほどお答え申し上げましたようないろいろなルートによりまして、実際にこういった能書きに対する注意書きの記載につきましては確認していたつもりでございますが、御指摘のような事例があったといたしますと、その点は各臨床家に対する私どもあるいは製薬メーカーからのさらに十分な注意というようなことが、あるいは徹底を欠いておったかというようなことも考えられるわけでございますけれども、これはその後各メーカーから連名をもちまして臨床医家に対するいわゆるドクターレター等も出しまして注意を喚起いたしておりますが、注意書きの記載につきましては、先ほど申し上げましたような方法によりまして、その時点において徹底させていたつもりでございます。
○内田善利君 じゃ、もう一回この通達のことを言いますが、都道府県知事に渡された通達ですが、「異常が認められた場合には投与を中止すること。」、これはいかがですか。「異常が認められた場合には投与を中止すること。」——「異常」とは何ですか。
○政府委員(松下廉蔵君) クロロキンによります目の副作用は、これは徐々に起こるものでございまして、これは、専門家の御意見によりますと、まず角膜の線状混濁ということで角膜の障害が起こり、さらにそれに気がつかずに連用いたしますと、網膜の障害が起こってくる。したがって、先ほど御指摘のような視野狭窄が起こるというのが専門家の御意見でございます。で、角膜の混濁が起こり、ものがかすんでくるというような段階におきまして服用を中止する、いわゆる休薬をする、あるいは投与をやめるというような措置をとることによりまして、この時点におきましてはなお十分な回復が可能であるという専門家の意見でございますので、そういうような時点におきまして十分把握をいたしまして服薬を中止すると、そういう意味の注意を喚起したわけでございます。
○内田善利君 どういう専門家か知りませんけれども、私がお会いした専門家は、もう非可逆性だと、逆に戻らないと、目の悪くなる——進行してついには目が失明するまで進行性だと、このようにお聞きしておりますが、これは間違いですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御説明が十分でございませんでしたかもしれませんが、ただいま申し上げました角膜の線状混濁、霧視などの自覚症状の段階におきましては、これは眼科の専門家の御意見として可逆的であり、服用を中止することによってなおってくる。ただ、それがさらに進みまして網膜の黄斑部の変性あるいは視野狭窄というような状況になりますと、残念ながら、先生が御指摘になりましたように非可逆的な状況になってくる。したがって、この角膜の障害の時点において投薬を中止することが必要である、そういうことで注意したわけでございます。
○内田善利君 もう一つは、「重篤な腎障害のある患者に対し本剤を用いる必要がある場合には、慎重に投与すること。」、これはどのように解釈すればいいですか。じん臓の病気に投与するのに、じん臓が悪いときには投与しないというのはどういうわけですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど先生御指摘になりましたように、このクロロキン製剤は慢性じん炎が一つの有効な対象の疾病とされております。ただ、いまいろいろ詳しい御指摘がありましたような副作用がございますので、重篤な慢性じん炎の患者につきましては、これは非常な特効薬でありますと同時に、また、その副作用によりまして、慢性じん炎は全体的な身体の衰弱を来たす疾病でもございますので、そういったじん炎の症状、それに対するクロロキンの効果、また反面、そのクロロキンによってもたらされます眼疾患等の副作用と、それを慎重に比較考慮しながら、じん炎に対する効果があげ得るような投与をしてほしい、そういう趣旨の指導でございます。
○内田善利君 私のお聞きするところでは、リューマチ——この間も厚生省に行ってリューマチの患者の方々といろいろ懇談したわけですが、そのときにも、リューマチをなおす薬はないと、このようにお聞きしたわけですね。また、じん臓も、じん臓障害の薬はありながら、じん臓障害の方に与えてはいけない。そういう薬ならば、しかも失明するような、長いこと投与したら失明するような、そういう薬を許していいのかどうか。ほかに、じん臓をなおす薬はないのかどうか。この点、どうしても、私しろうとですけれども、よくその辺がわからないのですが、どういうことなんでしょう。そういう、てんびんにかけた場合にウエートがあるので、少々の失明が起こってもかまわない、そういうことなのか。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいま先生御指摘のように、このクロロキンの対象になっておりますリリューマチ性関節炎、あるいは紅斑性狼瘡——エリテマトーデスでございますが、あるいは慢性じん炎、こういったものにつきましては、御承知のように、なかなか他に有効な医薬品がございません。もちろん、全然ないわけではないと存じますけれども、このクロロキンがやはり一つの特効薬的な効用を持っているということも、これは専門家の一致した意見でございます。ただ、個々の疾病、これはまあ単発で起こる場合もございますし、いろんな合併症を持っている患者もあるわけでございまして、薬効のあらわれ方、あるいは副作用のあらわれ方、こういったことにつきましては、それぞれの患者の病状に応じまして、また体質に応じまして若干ずつ差異がございます。そういった意味におきまして、やはり慢性じん炎の一つの特効薬でもございますので、先ほど申し上げましたような、注意しながら使用するという条件のもとに、これを使用せざるを得ないというのがいまの医薬品の現状でございまして、いま御質問のありましたような点、私ども慎重を期すべきことでございますので、昭和四十六年の三月に、中央薬事審議会におきまして、このクロロキンを継続して認めるべきかいなかということを御審議をいただいた次第でございますけれども、そのときの専門家の御意見といたしましては、治療効果と副作用の発現を総合的に判断いたしまして、副作用の警告を徹底して注意しながら、やはり一定の条件のもとでは使っていかなければならないという御結論をいただいて、そのように指導しているわけでございます。 なお、このクロロキンは米国の薬局方、あるいは英国の薬局方などにも収載されておりまして、これらの諸国でも、やはり注意をしながら有効な医薬品として使用されていると、そのように承知いたしております。
○内田善利君 それと、「本剤の投与により過敏症状があらわれた場合には、投与を中止すること。」、それから、「本剤の静脈内投与により、一過性の眩暈、悪心等を起こすことがあるので、注射の速度はできるだけ遅くすること。」など、どれを見ても、いかに特効薬か知りませんけれども、安易にこれは投与すべき薬ではないと、このように思うのですが、一体、クロロキン網膜症にかかっている人は何人ぐらいあると思われますか。
○政府委員(松下廉蔵君) 現在、クロロキンの障害であるとして訴訟を起こしておられる方は、先ほど大臣からお答えいたしましたように、まだ一人でございます。で、患者の会議がございまして、そういった会議には三十数名ないし四十名の方が漸次集まっておられるということは仄聞いたしておりますが、正確にクロロキンの副作用による全体の数というのは承知いたしておりません。
○内田善利君 私は、あまり御存じない方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと、このように想像します。私のところにも、私どものほうにもそういった方が手紙をくださっております。ですから、そういった注意を喚起する意味においても、きょうあえて質問をいたすわけですが、私は、この薬品をこのまま何の対策も講じないまま放置してよいものだろうかと、このように思うのですが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) クロロキンにつきましては、先ほど来薬務局長からるる御説明申し上げましたように、使用方法に注意しながらということで許可されておるわけでございまして、四十七年度におきましては順天堂の先生方にも委託をして、そうした診断方法の研究などをいたしておるわけでございます。けれども、私はまあどうも——私はしろうとでございます。薬の知識はありませんが、いまお述べになりましたような悲惨な事例をお述べになりましたわけでございますので、私もこの次、中央薬事審議会でも開かれました際には、お述べになりましたような悲惨な例をもう一回話をいたしまして、継続してこれはやらしたらいいのかどうか、私も判断の知識はありません。判断の知識はありませんが、そういう悲惨な事例なども説明いたしまして、このままでいいのかどうか、ひとつ再検討していただけるのかどうか、そういう点を申し上げてみたいという気持ちになったことを、この機会に率直に私申し述べたいと思います。
○内田善利君 私もしろうとでございますが、いままでのキノホルム、それからサリドマイド、コラルジルなどの例を見てから、この辺でほんとうに厚生省の行政を改める必要があるんじゃないかと、このように思います。早急に製造を停止して品物を回収すべきじゃないかと、このように思うのです。サリドマイドのときも後手後手になって、あのような悲惨な状況になっているわけですから、あの当時のことを思い出してみますと、レンツ博士が警告を発して、ドイツ政府の内務省は決断を下して、わずか三日間で全ドイツの薬局から薬品を回収したわけですね。御承知のとおりです。また、昨年のサリドマイド裁判のときには、梶井正氏が法廷で、もしレンツ警告の時点で薬を回収していれば、現在わかっている奇形児の四八%は生まれずに済んだのだと、このように証言しております。私は、ここでこの薬に対する対策を講じなければ、また悲惨な事態になるんじゃないかと、このように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来お述べいただきましたような悲惨な姿でございますので、次の中央薬事審議会において、いまお述べになりましたようないろんな実例も申し上げて、この薬について従前のとおり許可を続けていったほうがいいのかどうか、再評価方についてひとつお願いをいたしてみたいと、かように考えます。
○内田善利君 治療法はどうなっておりますか。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど大臣から御説明申し上げました、科学研究費によります研究によりまして、順天堂の中島先生を班長といたします専門家のグループにおきまして、診断及び治療の方法についての検討をただいまお願いしておる次第でございます。
○内田善利君 三つの例におきましても、被害者対策が全然行なわれていないわけですが、これは厚生省の方から先ほどの木村さんに出されたお手紙ですけれども、対策について、「また患者さん等の調査については、製薬企業側において調査致しております。なお、クロロキンによります障害は、既知副作用として難病、奇病に入っておりません。厚生大臣からの御指示もあり、今後の対策として、私たちは、感覚障害を動物実験の段階で把握できる試験方法を樹立するための研究を実施すべく、研究費の要求をする準備を致しております。」こういう手紙が参事官から木村さんに出されているわけですが、私はこの手紙を読んで、ほんとに味もそっけもない返事であると——苦しんでおる患者に対して研究費の要求のための準備をするというような手紙なんですね。そして、患者の調査は製薬会社にまかしてあると、私は、患者に対してこういう無責任な手紙があるだろうかと、このように思うわけです。厚生省の医薬品に対する姿勢、こういったものについても、この際検討しなければ、第二のコラルジル、サリドマイド、キノホルム、こういった事件がまだまだ次から次に起こってくるおそれが十分にあると、このように思うわけですが、疑わしきはすぐ取り締まらないと、私は次から次に起こってくると、このように思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) このクロロキンにつきましては、先ほども申し上げましたように、中央薬事審議会において再評価をしていただくことにいたしますが、私どもとしましては、こういうふうな副作用の生ずるような医薬品を製造の直前に、やっぱりそこでチェックするということが一番大事だと思いますから、今後とも審査をさらに一そう厳重にする。それと同時に、いわゆるこれは原因が明らかでございますから、難病というわけにはまいらぬと思いますが、できるだけ研究費なども増額いたしまして、こうした方面の治療、診断方法についての調査研究も急がしてまいりたいと考えております。それと同時に、こうした方方に対する、やっぱり救済ということについて、私もこれは真剣に考えていかなけりゃならぬ問題だと思います。まあ、医薬品公害と申しますか……。 そこで、私の気持ちといたしましては、四十八年度中に、この医薬品の副作用に伴って発生する疾病、障害、これについて救済の制度をひとつ考えていく必要があるんではないかと。こういうことはないことが望ましいと思いますけれども、現実こういうわけで、四つの医薬品について発生しておるわけでございますから、そうした危害を受けられた方々の救済をどうやっていくかということについて、制度的に何かしら私はつくる必要があるんじゃないか、こういうことで、本年中に制度を考える調査会をつくりまして、救済についての制度をひとつ研究してまいりたいと、こんなふうにいま考えておる次第でございます。
○内田善利君 クロロキン網膜症は難病に入らないと。それは原因がはっきりわかっているから難病に入らないということですが、治療法がなくて、なおしがたいのが難病じゃないんでしょうか、この辺はどうなんですか。しろうとでよくわかりませんが、難病というのは、なおしにくいのが難病であって、原因がわかっておろうが、わかっとるまいが、なおしにくいのが難病ではないのかと、このように思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 来年度の予算において難病と称しておりますのは、原因が全然わからない、治療方法もわからない、まあ、こういうのを一応難病という定義にいたしまして、大体二十種ほどの疾病につきまして調査研究費を増額しようということにいたしておるわけでございます。その意味からいうと、これはクロロキンからの原因である、早ければそういうふうな不治の病にならぬで済むであろうと、こういったふうな経路をたどるわけのものでございますので、一応、私の先ほど申し述べました予算をつくったときの定義からいえば、難病とは申せないわけでございますが、この点については、どこからどこまでが難病でなくちゃならぬという何も法律があるわけでもありませんから、難病というものの種類、疾病を指定するにあたりまして、十分もう一度研究さしていただきたい、かように考えます。
○内田善利君 これは厚生省が許可した薬なんですよ。本人たちが望んで服用した薬じゃないんです。厚生省が許可し、医者から与えられた薬を飲んで目が見えなくなった。これが難病にも奇病にも入らない、救済対策もない、こういった行政でいいんでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど申し上げましたように、難病の定義というのは、一応私ども、そういうふうにきめてはおりますけれども、現実的にどういう疾病を難病とするかということにつきましては、別な審議会を開いて検討をして、そこで指定をしていただくと、こういうことでございますので、その機会に、先生のお述べになりましたような趣旨も十分尊重いたしまして、検討をさしていただきたいと考えております。
○内田善利君 厚生大臣は、これを難病、奇病の中に入れて救済したいと思われるかどうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私は、先ほど来お述べになりましたような悲惨な例を聞き、病状が進みますと、なかなかなおらぬということもはっきり承りましたので、そういうふうな事実を踏まえて考えるならば、やっぱり難病に入れていいんじゃないかなと、私は率直にそう思います。しかし、それは専門家の御意見をやっぱり聞きませんと、私だけでここで、入れますと、こう言うわけにもまいりません。そこで、私個人としては、いまお述べになりましたような例を承って、やっぱりこれこそ難病の一つじゃないかなと、こう私は率直に思います。思いますけれども、その点は専門家のほうの御意見にも十分従わなければなりませんので、先ほどお述べになりましたようないろいろな例も申し上げて、ひとつ検討をしていただきたい、こう私、お答えをいたした次第でございます。
○内田善利君 厚生省は、現在の急務として、約四万種にのぼる医薬品の副作用の総点検、これを早急に、期限をつけてでも実施すべきであると思いますが、この点、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 現在ありまする薬は四万ほどあるわけでございまして、四十六年から始めまして五十年度までに全部再検討を終了させようということで、目下、急いでおる次第でございます。
○内田善利君 もう一つ厚生省に申し上げたいのですが、皆さんの天下りですね。特に厚生省から薬品会社へ行かれる、そういうことになりますと、厚生省の役人自身でも、かつての上司が薬品会社におられて、そのために行政がやりにくい、こういう声も聞いているわけですが、非常にたくさんの厚生省の役人の方々が薬品会社に行かれて、こういった面でも私は、薬品行政に支障があるんじゃないかと、このように思いますが、この点いかがですか、大臣にお聞きしたいのですが。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 八年間で大体十二名ということでございます。なるほど、多いか少ないか私もわかりませんが、こういうことがありましても、審査というものはあくまでも厳正にいたすべきものであり、さようなつもりで私どもも努力いたしていることを申し上げておきます。
○内田善利君 十二名ということですがね、私の調査ではたくさんいらっしゃるわけですが、いま大臣のおっしゃったように、この点については十分、薬品行政でやはり取り締まるという立場から留意していただきたい、このように思います。 それから、現在約二千三百の製薬会社があるわけですが、この薬事監視体制、これはどのようになっておるか。約四万種の薬品の抜き取り検査、こういうのはやっておられるのかどうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 薬事監視の体制は、先生御承知のように、厚生省にも薬事監視員が置かれておりますが、主体となっておりますのは、各都道府県におきます薬事監視員でございます。薬事監視員の数は全国で約二千名、製薬業者の数は、いま御指摘のように二千余りでございますが、そのほかに販売業者の数が相当ございまして、そういったところに対する専門的な立ち入り検査、あるいは必要な検査品の収去、そういった問題につきましては、御指摘のように、必ずしも万全を期するというところまで十分な回数行ない得ないことは、御指摘のとおりでございますけれども、数も、いま申し上げましたような相当の数であり、かつ、こういった医薬品の中でも、非常に重要なもの、危害の生ずるおそれの多いもの、あるいは比較的安定性があり、そういったおそれの少ないもの、そういった区別もございますので、専門的な知識に従いまして、重点的な監視あるいは抜き取り検査、そういうようなことを行ないまして、危害をできるだけゼロに近い数に防止することができるように努力をいたしておる次第でございます。この監視体制につきましては、今後とも定数の増員その他につきまして、都道府県の御協力を得まして、できるだけの努力を進めてまいりたい、さように考えております。 なお、先ほどの、過去八年間の営利企業への就職の数でございます。私、大臣に御説明誤りまして申しわけございません。十六人でございますので、訂正させていただきたいと存じます。
○内田善利君 非常に誤りが多いわけですが……。いままでのいろいろな御答弁を聞いておりまして、厚生省がこれを許可しておりながら、厚生省にあまり責任のないような答弁が返ってきたわけですが、一番最初に総則の第一条を読み上げて、適正な医療行政が行なわれて、——「はかることを目的とする。」と、こういったことから、いままでの薬品の副作用についても、厚生省には責任のないようなことが言われてきておるわけですけれども、水俣病の場合もそうですけれども、厚生省としては責任があると考えておられるのか、責任はないと考えておるのか、この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来のいろいろな御質問にお答えいたしましたように、私どもは、適正な医薬品を供給しなければならないということで、審査を厳重にいたしておるわけでございますが、新規開発につきましては、いま申し述べましたようないろいろな副作用が発生しておることは、まことに遺憾としておるわけでございまして、その点につきましては、私ども、十分責任を感じなければならないと感じておる次第でございます。
○内田善利君 医薬行政については、いま大臣からお話がありましたが、やはり病人ができてから——きょうも三木環境庁長官が前の質問者に答弁されておりましたけれども、やはり人間の生命を尊重するという立場からの行政をやっていただきたいと、このように要望するわけですが、病人が出てからああだこうだと言うのは、人間尊重の政治ではないと、このように思うのです。この点はいかがでしょうか。最後にお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(齋藤邦吉君) どうも近ごろの新規化学薬品は、非常な強烈なる治療効果を、一部、持つわけでございますが、その反面、どうしてもやっぱりこういう副作用がある。この副作用と治療効果、それのバランスをどうやってとっていくか、これがやっぱり将来の薬学の一番の基本であろうとは思います。けれども、私どもは、こういうふうな副作用が起こらないように、生命尊重という原点に立って今後とも薬務行政の遂行に当たってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○内田善利君 次に、私は、廃液たん白について若干お聞きしたいと思うんですが、最近、三十四年からですけれども、特に昨年になりまして、牛の奇病が南九州、西日本一帯に流行しておりますし、また、関東地方を中心に東日本には、豚の奇病、流産、早産、死産、あるいは奇型児が産まれておるわけですが、この原因は一体何なのか、これをまずお聞きしたいと思うんです。農林大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) 原因は、確実に把握されておるわけではございませんが、最も有力な意見は、ビールスによるものではないかと。さようでありますると、伝染性がございまするので、現在、そのことを一応頭に置いての予防の指導をいたしておるということでございますが、最初に申し上げたように、いまだこれは確実なことではないのであります。早急に結論を得たいと、鋭意努力をしておるいまの段階でございます。
○内田善利君 このたん白が問題になりましてから、廃液たん白を食べてから、ちょうどそのころからこの病気が起こってきておると、こういうことですが、廃液たん白には関係がないのかどうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 廃液たん白に関係があるかどうかという直接的なことを申し上げることはいかがと思います。ただ、私どもの調査の現在の報告に基づきまするならば、日本化学飼料協会を窓口として、問題であるところの三四ベンツピレン、重金属、カビ毒等を分析いたしたところ、これは特に問題がないと、あるいは多少古いデータではございますが、東京医大の動物試験によっても毒性は皆無であると、こういうことで、現にここ十年ほど製造、使用されておるということと、それからまた諸外国の例を徴しましても、戦前から使用されておるということから、現在、これは毒性はないものということで販売が認められておるわけであります。しかし、念には念を入れるのが当然のことでございまするので、現在では、農林省の飼料検査機関である東京、福岡の肥飼料検査所におきまして、直接分析実験をするとか、あるいは動物試験をいたすとかいうことで慎重を期しておるわけでございまするが、いままでのところ毒性があるというデータは、まだ、農林省のほうには報告されておりません。
○内田善利君 厚生省は、この廃液たん白をいつ登録されたわけですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 最近まで販売されておりました廃液たん白の製造の承認をいたしましたのは、昭和四十二年でございます。
○内田善利君 農林省が飼料として登録したのはいつですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 三十九年に登録飼料といたしまして、法定規格等設定いたしております。
○内田善利君 三十九年に登録したのが、三十一年から使っているわけですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、廃液酵母につきましては、第二次大戦前から、それぞれの国で、相当多国で使われておりまして、日本におきましても、三十一年ごろから飼料として使われておりますが、現在の飼料の品質改善に関する法律制度でございますと、これが登録制度——任意登録の制度になっておりまして、相当新しい飼料が出てまいりますと、その法定規格を設定いたしまして登録をいたすということに相なっております。
○内田善利君 では、いつでもこれを製造し、使用してもかまわないのですね。
○政府委員(大河原太一郎君) 現在の飼料につきましては、製造開始の一定期間前に製造の届け出をするということになっておりまして、それ以外は、飼料としてこれを製造販売する場合、許可制になっているわけではないわけでございます。
○内田善利君 じゃ、いつでも製造していいわけですが、石油たん白飼料と、この廃液たん白飼料と、どこが違うのですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 専門的な説明を、要点だけ申し上げますと、石油たん白はノルマルパラフィンを培地として、栄養源として酵母を繁殖させるというわけでございますが、この廃液酵母は、先生御案内だと思いますが、人絹パルプ製造の廃液中の木糖を栄養源、培地として、これにトルラ系酵母を繁殖させるという点でございます。
○内田善利君 まあ酵母が、ただ食べて、繁殖して、たん白ができるわけですから、全然変わらないと私は思うんですが、いかがですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 石油たん白につきましては、その石油中にあるノルマルパラフィンをえさにするということで、その催奇性なり発ガン性その他が問題になったというふうに承知しております。
○内田善利君 厚生省に聞きますけれども、このたん白を使った食品——トータミンが製造を中止したわけですが、そのほかにはありませんか。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいまの先生の御質問は、トータミンは医薬品でございますので、医薬品の御質問かと存じますが、これ以外には医薬品はございません。また、トータミンにつきましても、本年三月八日に、発売しておりました業者が自発的に製造発売を中止いたしております。
○内田善利君 核酸を抽出してつくった酵母飼料としてイノシン酸というのがありますが、これは違いますか。
○政府委員(浦田純一君) イノシン酸は食品添加物ではございますけれども、食品そのものではございません。
○内田善利君 ぼくが聞いているのは、核酸を抽出してつくった酵母飼料ではないかどうかということを聞いている。
○政府委員(大河原太一郎君) 飼料ではないわけでございます。
○内田善利君 飼料じゃない——じゃ、興人が製造しているグルタチオン、CDPコリン、これはどうですか。
○政府委員(大河原太一郎君) ただいま先生があげましたものにつきましては、農林省といたしましては、飼料としては、添加物その他としては承知しておりません。
○内田善利君 厚生省。
○政府委員(松下廉蔵君) いまのお尋ねの物質、あるいは医薬品の中にあるかもしれないと存じますが、目下手元に資料がございませんので、恐縮でございますが、正確なお答えはいたしかねます。
○内田善利君 三共ゾーキのトータミンが製造を中止したときに、そういう酵母を使った医薬品、調味料が出ていないかどうか調査しましたか。
○政府委員(松下廉蔵君) トータミンの製造発売の中止は、先ほど申し上げましたように、業者が商業上の理由から自発的に行なったものでございまして、そのトータミン自体の性質について、安全性に問題があったものというふうには了解しておりませんので、その他のものについての調査はいたしておりません。
○内田善利君 私は、当然調査すべきだと思うんですがね。たった三社しかないんですから、十條製紙と興人と山陽国策パルプしかないんですから、調査すべきであると思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 酵母製剤につきましては、御指摘のように、それぞれの酵母を使ったものがあるわけでございますけれども、このトータミンに使用されました酵母は、先ほど御指摘のように、トルラ酵母で、廃液の中の糖質を栄養源として繁殖するという性質のものでございます。 この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、製造中止自体は業者の理由でございますが、私どもも慎重を期する必要がございますので、このトルラ酵母自体につきましては、なお慎重を期する意味で、衛生試験所におきまして、分析は行なわせております。
○内田善利君 質問をはずされるわけですけれども、興人はそのほかに、イーストも酵母を原料として飼料としてつくっておりますし、それから核酸抽出の調味料としても、月に五十五トンつくっておるわけです。こういった、やはり廃液たん白を使った医薬品、一方は禁止した、一方はつくっている。こういう状況はいかがですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほどお答え申し上げましたように、廃液たん白を栄養源として製造いたしております医薬品は、トータミン以外にはございません。
○内田善利君 グルタチオンは解毒剤、それからCDPコリンは脳障害治療剤として製造されているわけです、酵母から。
○政府委員(松下廉蔵君) 先ほど申し上げましたように、ただいま御指摘になりました医薬品につきましては、手元に資料がございませんので、正確なことは申し上げられないんでございますが、私ども調べました限りでは、少なくとも、いまお話しになりました製剤、廃液を栄養源として培養された酵母から製造されたものではないと存じております。
○内田善利君 じゃ、どうして——興人はパルプの製造工場ですよ、パルプの製造工場が何を原料としてつくりますか。
○政府委員(松下廉蔵君) 私ども調査いたしました限りでは、ほかにないと存じておりますが、なお念を入れます意味で、ただいま先生御指摘になりましたものを、もう一ぺん調査いたしまして、御報告を申し上げたいと思います。
○鈴木一弘君 議事進行。 いまの答弁から判断しますと、正確にいま資料を持っていないから、ではないだろうかというような、そういう答弁です。そうすると、これは質疑者の問題になると思うんですけれども、本来から言えば、正確な資料が出てこなければ質疑は続けられ凄いということになるわけです。その点、じゃ、一体いつ、いま手元にないからとおっしゃったんですけれども、それはいつごろ正確なものが得られるんですか。それによって、これからの議事を考えたいと思います。
○委員長(大竹平八郎君) 薬務局長。
○政府委員(松下廉蔵君) いまの御質問につきましては、ただいま、すぐ電話で資料のあるところへ、役所のほうへ照会いたしまして、わかり次第お答えを申し上げます。
○委員長(大竹平八郎君) 内田君の残余の質疑は後日に行なうことにいたしたいと存じます。 次回は明日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十分散会