本会議 第14号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1973/04/25
会議録
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 重宗雄三君から海外旅行のため来たる五月八日から十一日間、松下正寿君から病気のため十四日間、それぞれ請暇の申し出がございました。 いずれも許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。 —————・—————
○議長(河野謙三君) 日程第一 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案及び国民年金等の積立金の運用に関する法律案(趣旨説明) 三案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。齋藤厚生大臣。 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 わが国は、急速なテンポで高齢化社会を迎えようとしているのでありますが、他面、核家族化の進行や扶養意識の変化などにより、わが国の老人を取り巻く環境は著しく変貌しつつあります。このため、老人問題をめぐる国民の関心はかってない高まりを見せており、中でも老後保障の柱となる年金制度に寄せる国民各層の期待は、きわめて大きいものがあります。 さらに、経済社会の発展の成果を各世代を通じて均てんさせる上からも、老人が安心して老後を送ることができる年金制度の確立をはかることは、いまや内政上最優先の課題の一つと申すべきであります。 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、わが国年金制度の大宗をなす厚生年金及び国民年金を中心に、老後生活のささえとなる年金の実現を目ざして、年金給付の水準を大幅に引き上げるとともに、年金額のスライド制を導入する等各年金制度の改善充実をはかろうとするものであります。 まず、年金額の水準につきましては、厚生年金について、最近の被保険者の平均標準報酬の六〇%程度を確保することを目途に、改正後新たに老齢年金を受ける場合の標準的な年金額をおおむね月額五万円に引き上げるものであります。国民年金につきましても、二十五年加入の場合の年金額を、附加年金を含めて夫婦月額五万円の水準に引き上げることといたしております。 また、多年の懸案であったスライド制につきましては、年金額の価値維持のため、新たに物価変動に応ずる自動的なスライド制を導入することとし、あわせて財政再計算期に、従来どおり国民の生活水準その他の諸事情を勘案して年金額の改定の措置を講ずることにより、将来にわたり適正な年金額の水準の確保をはかることとしております。 以下、改正案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。 まず、厚生年金保険法の一部改正について申し上げます。 第一に、年金額の水準につきましては、定額部分を大幅に引き上げるとともに、報酬比例部分について、過去の期間の標準報酬を最近の標準報酬の水準をもとにして再評価することとして、その飛躍的な改善をはかることとしております。 その他、妻の加給年金の額並びに障害年金及び遺族年金の最低保障額の引き上げ、在職者に対する老齢年金の支給範囲の拡大等の改善を行なうこととしております。 第二に、年金額の自動的改定措置、いわゆるスライド制の導入についてでありますが、年度平均の消費者物価指数が五%をこえて変動した場合には、その変動した比率を基準として、政令で定めるところにより、年金額を改定することとしております。 第三に、標準報酬の改定についてでありますが、最近における賃金の実態に即して、二万円から二十万円までの三十五等級に改めることとしております。 第四に、保険料率の改定についてであります。給付水準の引き上げに伴ってその改定を行なうこととし、今後受給者が急激に増加することが見込まれているため、将来にわたる保険料負担のなだらかな増加を期するとともに、長期的な財政の健全性を確保するという見地に立って、保険料率を千分の十五引き上げることとし、以後、段階的に引き上げをはかっていくこととしております。 なお、以上の改正は昭和四十八年十一月から施行することとし、現に支給されている年金につきましても、同様に年金額の引き上げをはかることとしております。 次に、船員保険法の一部改正についてでありますが、厚生年金の改正に準じて、年金額の大幅な引き上げ、スライド制の導入その他所要の改正を行なうこととしております。 次に、国民年金法の一部改正について申し上げます。 第一に、拠出年金の額についてでありますが、その水準の大幅な引き上げをはかることとし、現実に支給されております十年年金については、現行の月額五千円を月額一万二千五百円に引き上げ、また、五年年金については、現行の月額二千五百円を月額八千円に引き上げることとしております。 その他、附加年金の額を引き上げ、障害年金の最低保障額及び母子年金等の額の改善を行なうこととしております。 第二に、年金額の自動的改定措置についてでありますが、拠出年金について、厚生年金と同様のスライド制を導入することといたしております。 第三に、保険料及び国庫負担についてであります。今回の給付水準の引き上げに伴う保険料の急激な増加を避け、さらに将来にわたる財政の健全性を確保する見地から、保険料は月額九百円とし、昭和五十年一月以後段階的に引き上げをはかっていくこととしております。同時に、十年年金、五年年金等の経過的な老齢年金について、国庫負担割合の引き上げをはかることとしております。 第四に、高齢者の任意加入の再開についてでありますが、任意加入の対象とされた年齢層で加入しなかった人を対象に、申し出により、再び五年年金に加入できる道を開くこととしております。 なお、以上の改正による年金額の引き上げは、昭和四十九年一月から実施することとしております。 次に、福祉年金の改善について申し上げます。 各福祉年金の額につきまして、昭和四十八年十月から、老齢福祉年金を月額五千円に、障害福祉年金を月額七千五百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を月額六千五百円にそれぞれ引き上げることとしておるものであります。 最後に、年金福祉事業団法の一部改正について申し上げます。 年金福祉事業団が設置運営する施設として、保養のための総合施設を明示いたしますとともに、新たに、被保険者のための住宅資金の貸し付けを行なわせることといたしております。 以上をもって改正法律案の趣旨の説明を終わります。(拍手)
○議長(河野謙三君) 衆議院議員八木一男君。 〔衆議院議員八木一男君登壇、拍手〕
○衆議院議員(八木一男君) 私は日本社会党、日本共産党革新共同、公明党及び民社党を代表して、ただいま議題に相なりました国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案並びに国民年金等の積立金運用に関する法律案について、提案の趣旨並びに内容の大綱について御説明申し上げます。 社会保障制度の確立は、声ある者、声なき者を問わず全国民の切実な願いであります。そしてまた、このことは、憲法がその第二十五条第二項において、国に対し明確に責務を課しているところであります。にもかかわらず政府がGNP世界第三位、成長率世界第一位と誇号するわが日本において、その社会保障制度が西欧諸国よりはるかに低位にあることは低賃金、高物価、公害と並んで、憲法を軽視し、大資本に奉仕する自民党政権の冷酷きわまりない政治の代表的なものと言うべきであります。 ことに、医療保障とともに社会保障制度の重要な柱である年金制度の劣悪な現状は、全く国民を無視したものといわなくてはなりません。ウナギ登りの物価上昇で大部分の国民の生活が異常に圧迫されておりますが、その中でも障害者や母子家庭等は全く苦しい生活にあえぎ、多くの老人はきわめて暗い生活を送っております。戦前からの老後のための貯蓄は、戦後のインフレで完全に消え去り、さらに、家族制度が音を立てて崩壊をしております。そうした現状の中で明治・大正・昭和と続いた圧政と苦難の中を生き抜いてきたわれわれの先輩に対するいまの政治は、きわめて冷酷であり怠慢であります。 住宅、医療等々老人等のために対処すべきことは多々ありますが、年金制度の確立こそがその中心であることは、何人も否定できないところであります。しかしこの現状は、全く、お話しになりません。ちなみに昭和四十七年度の六十歳以上の人口約一千二百万人でありますが、そのうち、老齢年金の受給者はすべての制度を合わせて約六百五十三万、そのほぼ半数にしかすぎません。しかもその六割が年金という名に値しないあめ玉年金、すなわち月三千三百円の老齢福祉年金の受給者であります。厚生年金の受給者ですら平均月一万六千五百円、老人の暗い生活の嘆きがこの数字で裏書きをされているといえましょう。 われわれは、昭和三十三年政府が全く放置をしていた国民皆年金を実現をするため、抜本的国民年金法案を国会に提出をしたことを初めとして年金制度確立の先駆的役割りを果たすため努力を続けてまいったのでありますが、老人等の生活の現状と人口老齢化の進行を重視をし、昨年総選挙での公約を果たすべく四党一致して、ここに、本二法案を提出した次第であります。 そのうち、まず、国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。本法案は国民年金法、厚生年金保険法、船員保険法並びに年金福祉事業団法の一部を改正しようとするものでありまして、先ほど提案説明のありました政府提案の厚生年金保険法等の改正案と主要点において対比をしながら御説明を申し上げたいと存じます。 本法案の目的とするものは、まず第一に、老人、障害者、遺族の生活を保障するに足る年金制度を、いわゆる月六万円年金として確立しようとするものであります。これは厚生年金では、被保険者期間二十年、国民年金では二十五年の人を計算の中心点として六万円年金と称するものであります。これに対して、政府案は、厚生年金では、被保険者期間を二十七年に引き延ばして上げ底とし、五万円年金と称し、国民年金では付加部分を加えて夫婦月五万円年金と称するものであり、これを本案と正確に比較すれば、厚生年金において三万七千円、国民年金において、夫婦四万円としか称し得ない内容であります。 野党四党案が誇大宣伝の政府案とは違い、真に充実した内容であることを明確にいたしておきたいと存じます。(拍手) 第二に、年金の最低保障額の確立とそれに見合った福祉年金等の改善であります。 厚生年金、船員保険中老齢年金の最低保障額が妻の加給を入れて現行法月額一万二千二百円、政府案月二万四千四百円であるのに対し月四万三千円とし、それに見合い、老齢福祉年金について現行法月額三千三百円、政府案月五千円を一躍月二万円、すなわち夫婦月四万円とし、さらにこれを上回る二十五年年金額に近い五年年金、夫婦四万六千円、十年年金夫婦五万一千円を実現しようとするものであります。 さらに、現行法では月八千八百円、政府案では一万八千四百円であるのに対し、月額三万三千円を最低保障額とする障害及び遺族関係の年金、並びにこれに準じた各種福祉年金額の飛躍的引き上げをはかるものであります。これこそ「今すぐ、生活できる年金を」と叫ぶ国民の要望にこたえる道であると確信をいたす次第であります。 第三に、年金の支給対象を大幅に拡大し、年金を必要とする全国民に制度を及ぼし、かつまた、全労働者に被用者年金を適用しようとすることであります。 すなわち、国民年金においては、六十五歳からの老齢福祉年金の適用、二級障害福祉年金制度の創設、福祉年金の扶養義務者並びに配偶者の所得制限の撤廃であり、国民年金保険料免除者に対する年金の大幅増額なども同じ趣旨の改正であります。 厚生年金においては、五人末満雇用事業所の労働者への強制適用、日雇い労働者に対する厚生年金適用促進、在職老齢年金制度の拡大及び改善、五十五歳以上退職者の繰り上げ減額年金制度の創設、船員保険も含めて、保険料掛け捨て及び脱退一時金受給者の年金受給権利の確立の推進であり、各制度を通ずるものとしては、遺族年金、障害年金の通算措置の促進であります。 これに対し政府案では、福祉年金の所得制限、在職老齢年金について、わずかな改善を行なおうとするのみであり、その他の多くの事項については、一切取り上げられていない点を明かにいたしておきたいと存じます。 以上の第二、第三がいわゆる谷間問題の解決等、社会保障の理念に従い賦課方式の考え方に基づき、多くの国民のため、年金制度を質的に改革しようとする本法案の特徴であり、社会保険主義の弊を改めようとせず日陰にいる人々にきわめて冷たい政府改正案とは、全く考え方を変えた抜本的改正案であることを明確にいたしておきたいと存じます。 第四に、賃金自動スライド制を実施することであります。本案は厚生年金、船員保険はもとより国民年金にも、ことに各福祉年金を含めて賃金自動スライド制をとることにいたしております。 自動スライド制が年金制度に欠くことのできないことはもはや申すまでもありません。しかし、政府案のように物価スライドでは、現在の苦しい国民大衆の生活水準、その中でもつつましい年金生活者の生活水準を維持するだけにとどまるものでありまして、私たちは、活躍中の青壮年と同様に先輩の生活が豊かになるよう、賃金スライドが絶対に必要であると確信してこのことに踏み切ったのであります。ちなみに、昭和四十七年度に、政府の推計では、消費者物価上昇率は五・七%、賃金上昇率は一五%と推定され、賃金自動スライドのほうが年金受給者の生活保障にきわめて有効であることをつけ加えておきたいと存じます。 第五に保険料の捉え置きと国庫負担の増率であります。 年金制度の充実を推進するのに際し、国民生活の現状から見て、保険料の値上げは断じて避けなくてはなりません。 わずかな年金の充実を計画する際に、これを国民の負担増でまかなおうとする政府案とは違い、本案は、保険料値上げなしに年金の飛躍的充実改善を実現しようとするものでありまして、国庫負担は、厚生年金の基本部分の二割を三割に、船員保険及び厚生年金第三種の二割五分を三割五分に、国民年金の保険料の五割すなわち給付に対する三分の一の国庫負担を、保険料と同額すなわち給付に対して五割に増率することとし、厚生年金、船員保険の保険料の労使負担区分を使用主七、労働者三に改めることとしたのであります。各年金の保険料を引き上げ、しかも引き続き一そうの引き上げを計画し、国庫負担増率をしない低福祉、高負担の政府案に比し、四党案は、高福祉、低負担、社会保障充実は国と資本家の負担での国民に対する公約を果たすものでございます。 第六に、年金財政を現行の積み立て方式より賦課方式に転換することであります。政府はこれに対し、後代の負担との均衡をはかるべきであるとの理由のもとに積み立て方式を主張しております。しかし、われわれは、高物価、低収入で保険料負担が苦しい現状と、物価が安定し、十分な収入が保障され、年金のための負担に痛痒を感じない将来あるべき状態とを考慮したとき、政府のように形式的な均衡論をとるべきではなく、実質的な均衡論こそ重視さるべきであると確信をいたします。ことに、政府の積み立て方式論の真の意味は、高い保険料を吸い上げ、ばく大な積み立て金を大資本の設備投資や産業基盤をつくるために利用しようとするところであり、目的と手段を混同、いな逆転をさせ、インフレによって国民を収奪しようとするものであり、その意図は断じて粉砕されなければならないものと信じます。 積み立て金制度を継続しようとすれば、たとえ政府が言うごとく、その修正度を幾ぶんふやし、さらにわれわれが主張するように国庫負担の増率及び労使負担区分の変更を行なっても、国民年金の被保険者及び厚生年金、船員保険の労働者の近い将来の負担は、耐えがたいものになることは必至であります。したがって、われわれはこの際、賦課方式に向かって踏み切り、現在並びに近い将来の国民の負担の増大を避け、年金制度の飛躍的充実をはかることにいたしたのであります。大資本の立場に立った俗論を排し、深い国民的視野に立って、断固として、賦課方式に踏み切ったことを明確にいたしておきたいと存じます。 第七に、本案は、国民年金と、厚生年金、船員保険の各制度間の均衡をはかる考え方のもとに構成されたものであり、さらに、すべての年金制度充実の過程において、他の被用者年金と早急に肩を並べるようにする考え方のもとにつくられたものであることを明らかにいたしておきたいと存じます。 次に、本案の具体的内容を要約して御説明を申し上げます。 まず、国民年金法の改正についてであります。 その第一は、年金額の引き上げ及び支給範囲の拡大であります。 第一点は、老齢年金の引き上げでありまして、夫婦で月額六万円の年金を実現しようとするものであります。このため、老齢年金の額は、現在、保険料納入済み期間一月につき三百二十円で計算をいたしておりますものを、千二百円に改め、加入期間が二十五年の場合、現行法では月額八千円、政府案では二万円であるのに対し、これを月三万円、すなわち夫婦月六万円に引き上げることといたしました。 また、ただいま支給が行なわれております経過的年金の額につきましては、格段の配慮を払うこととし、十年年金については、現行法の月額五千円、政府案では一万二千五百円を月二万五千五百円、すなわち夫婦月五万一千円に引き上げ、近く支給が開始される五年年金につきましても、現行法の月額一人二千五百円、政府案では八千円を、月二万三千円、すなわち夫婦月四万六千円に引き上げることにいたしたのであります。 なお、この際、保険料免除期間の取り扱いを改めることに踏み切りました。心身障害者、生活保護世帯など、保険料納入を免除された人たちこそ、特に年金を必要とするのでありまして、これらの人たちの年金額が他の人に比較して、はるかに少ないことは、現行制度の大きな欠点であります。したがって、現行の保険料免除期間は、年金額の計算上保険料納付期間の三分の一と評価をされておりますが、これを四分の三と評価をし、日陰の人たちの年金を大幅に引き上げることにいたしたのでございます。 第二点として、老齢福祉年金につきましても、飛躍的な改善を行なうこととし、いわゆる谷間問題を解決するために、その支給開始時期を、現行の七十歳から六十五歳に引き下げるとともに、その額をあめ玉年金、お小づかい年金としかいえない、現行の月額三千三百円、政府案五千円に対し、生活保障年金を実現するために、飛躍的に引き上げ、月二万円、夫婦月四万円にすることにいたしました。ただ、七十歳未満の人につきましては、施行日から一年間は月一万円、その後一年間は月一万五千円にとどめ、三年目から月二万円とすることにいたしております。 第三点は、質的に見て、最も所得保障の必要度の多い、障害者のための障害年金の改善でありまして、その額を、老齢年金の改善に準じて引き上げるとともに、その最低保障額を、障害の程度が二級の者で、現行法の月額八千八百円、政府案一万八千四百円に対し、大幅に引き上げ、月額三万三千円にすることにいたしました。 第四点は、障害福祉年金の支給範囲の拡大と、年金額の増大でありまして、この点は、現在拠出制障害年金制度から、除外をされている障害者のために、特に欠くことのできない改正点であります。すなわち、新たに、障害の程度が二級の者にも支給することとし、その額は一級にあっては、現行法の月額五千円、政府案七千五百円に対し、飛躍的に引き上げ、月三万三千円とすることとし、二級にあっては月二万四千七百五十円とすることにいたしたのであります。 第五点は、母子年金、準母子年金及び遺児年金についても、現行法の月額八千四百円、政府案一万八千四百円に対し、月三万三千円に引き上げることといたし、また、母子福祉年金、準母子福祉年金の額を、現行の月額四千三百円、政府案六千五百円に対し、月二万四千七百五十円に引き上げるとともに、子や孫が二人以上ある場合に支給される加給金の額を、一人につき月額千円に引き上げることにいたしました。 第六点は、扶養義務者並びに配偶者の所得による福祉年金の支給制限は、一切これを撤廃することにいたしたのであります。 その第二は、年金額の賃金自動スライドであります。 第三は、年金の財政方式でありまして、現行の財政方式は、いわゆる積み立て方式によることとされておりますが、今後は、賦課方式を原則として、年金財政の運営に当たっていくべきことといたしております。 第四は、国庫負担の増額であります。現行の保険料に対して、二分の一の国庫負担を、保険料と同額とするものであり、これは給付に対して三分の一の国庫負担が二分の一になることは、各位の御理解のとおりであります。 その他、今回の給付改善に伴う支給増の過半を国庫負担することとし、また、インフレ等に伴う整理資源について、別途国庫負担をできることといたしたのであります。 第五は、既裁定年金の扱いでありますが、改正後の規定に準じて、大幅な年金額の引き上げが行なわれることといたしました。 次に、厚生年金保険法の改正について申し上げます。 その第一は、年金額の引き上げ及び支給要件の緩和であります。 第一点は、老齢年金の引き上げでありまして、これは本年十一月、新たに老齢年金を受けることとなる者に、加入期間二十年で、妻の加給を加えて、月額平均六万一千円の年金を支給しようとするものであります。 そのため、まず、基本年金額の定額部分の算定基礎額四百六十円を千六百五十円に引き上げ、報酬比例部分につきまして、その乗率を現行の千分の十を千分の十五に引き上げるとともに、平均標準報酬月額を計算する場合において、過去の低い標準報酬月額を、現在の水準に合うよう再評価することといたしました。 また、加給年金につきましても、妻については月額四千円に、子については千五百円に引き上げることにいたしたのであります。 第二点は、老齢年金及び通算老齢年金の在職支給の要件の大幅な緩和であります。 第三点は、老齢年金を五十五歳から本人の請求により繰り上げ減額支給する制度を新設することであります。 第四点は、障害者の所得保障を重視をし、障害年金の最低保障額を、老齢年金の改善に準じて、引き上げることとし、二級の場合で現行の月額八千八百円、政府案一万八千四百円に対し、大幅に引き上げて、月三万三千円にすることといたしました。 第五点として、遺族年金の最低保障額も、現行の月八千八百円、政府案一万八千四百円に対し、月三万三千円に引き上げることといたしました。 その第二は、年金額の賃金自動スライドであります。 その第三は、標準報酬の下限を二万円、上限を二十万円に改定することであります。 第四は、財政方式であります。国民年金と同様、現行の積み立て方式から賦課方式に移行すべきことといたしております。 右の原則にのっとり、保険料率は現行の率を維持することといたしました。また、現在折半負担となっております保険料の負担割合を、労働者側三、使用者側七の割合に改めることといたしましたが、当分の間は、従来どおり折半負担を続けることといたしております。 国庫負担につきましては、現在一般的に給付時における二〇%、第三種は二五%の国庫負担がなされておりますのをそれぞれ三〇%、三五%に増率することとし、さらに、インフレ等に伴う給付改善の結果必要となる整理資源について、別途国庫負担する道を開くことにいたしました。 第五は、既裁定年金の扱いでありますが、改正後の規定に準じ、大幅な年金額の引き上げが行なわれることといたしました。 第六として五人未満の事業所の労働者についても、強制適用に踏み切ることにいたしたのであります。 次に、船員保険法の改正について申し上げます。 船員保険の年金部分につきましては、厚生年金保険法の一部改正に準じて、所要の改正を行なうことにいたしました。 さらに、年金福祉事業団法の一部改正について申し上げます。その内容は、年金福祉事業団に被保険者に対する住宅資金の貸し付け等の事業を行なわせることとするものであります。 なお、年金制度につきましては、今回取り上げました事項のほかに困難かつ深刻な問題が山積していることは、同僚議員各位のすでに御承知のとおりであります。たとえば、各種公的年金制度の統合の問題、妻の地位の問題など非常に大きな問題でありますが、この法律案は、緊急に措置されなければならない重要事項として、三つの事項を提示をし、政府にすみやかに実現する責務を課するものであります。 その一つは、日雇い労働者の厚生年金制度適用であり、第二は、かつて厚生年金等の被保険者であった者をできる限り年金給付に結びつけるためのいわゆる掛け捨て並びに脱退一時金受給者の救済措置でありまして、第三は、各種公的年金における遺族年金及び障害年金の通算措置を講ずることであります。 終わりに、この法律の施行は、国民年金については昭和四十八年十月一日、厚生年金及び船員保険については同年十一月からであります。 次いで、国民年金等の積み立て金の運用に関する法律案について申上げます。 現在、国民年金、厚生年金保険、船員保険の特別会計の積み立て金については、その大部分が資金運用部に預託され、直接間接に大資本の利益のために用いられ、被保険者のために用い得る資金は、増加資金の四分の一程度に限られているわけでありまして、全く不当な運用であります。 これはこの運用に関し被保険者代表の意思を表示する制度がなく、また、運用の主体が大蔵省に握られていることに基因をいたしております。 元来、積み立て金というものは、老齢または障害の場合、被保険者に死亡の場合遺族に支給されるものであり、当然その全部が被保険者のものと考えるととが至当であります。たとえ、国または資本家がその中の一部の金額を負担していたとしても、積み立て金となったときに被保険者のものとなり、彼らには絶対に戻らないものであって、これに対して介入する権利は断じて認めるべきではございません。 こうした明確な立場に立ち、四党は一積み立て金の運用は、被保険者の意思によって行ない、決定され、被保険者のためになされるべきであるとの見地から本法案を提出をいたしたわけであります。 本案の主要な内容は、国民年金法等、積立金審議会を設置をし、その構成は、被保険者代表者が十名、学識経験者五名、政府側三名とし、被保険者の意思が完全に反映できるようにいたしたことであります。 この審議会の決定に基づき、厚生大臣が積み立て金を福祉資金と一般資金に分かち、福祉資金は審議会の議にはかりつつ運用することにいたしてございます。 一般資金については、急速に減少し、福祉資金が真に被保険者のために役立つ運用がなされることを確信をして本法案を提出した次第であります。 以上で四党提出二法案の提案の理由の御説明を終わるわけでありますが、いずれも年金制度充実及び整備が内政の急務であることにかんがみ、国民のために、これだけは即時絶対に必要であるとの確信のもとに四党が一致して提案をしたものでありまして、さらに四党とも、一そうに年金制度向上確立のため邁進する決意を持つものであることを明らかにいたしておく次第であります。 全同僚議員各位、われわれ四党は即時生活できる年金をと叫ばれる国民の声、将来を安心出来る年金制度をと求められる国民の意思を体して、強い決意を込めて、本二法案を提出をいたしました。この二法案を熱心に御審議を賜わり、衆議院より送付の際は満場一致御可決あらんことを強く要望をいたしまして提案の趣旨説明を終わります。(拍手)
○議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。田中寿美子君。 〔田中寿美子君登壇、拍手〕
○田中寿美子君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました政府の厚生年金法の一部を改正する法律案に対し、野党四党共同提案の改正案を支持する立場から、総理大臣をはじめ関係閣僚に対して若干の質疑を行ないたいと存じます。 政府は、一方に長年の自民党政府の伝統である生産第一主義の経済政策を掲げながら、他方において福祉型経済への切りかえを目ざすもののごとき言辞を弄しております。 さきに発表されました経済社会基本計画には、「活力ある福祉社会のために」と、サブタイトルがついているほどであります。しかし、単にことばをもてあそぶのではなく、真実に福祉の実現を目ざしているのであれば、今回の政府提案の年金法改正案は、大幅な軌道修正を必要とすると考えます。 現在、国際通貨危機の中にあって、日本は、経済大国と呼ばれる経済力にふさわしからぬ労働者の低賃金、長時間労働などによるダンピングを非難されているばかりでなく、低福祉による社会保障ダンピングの非難すら受けているのです。これまで勤労大衆の犠牲においてドルをかせぎまくった日本政府は、いまや、いわゆる外圧によって国内の勤労大衆の賃金、労働条件並びに社会保障について先進国並みに引き上げるように政策転換を余儀なくされているのであります。総理は、はたしてこの状況についての認識を正しく持っていられるのでしょうか。私たちはこの際、憲法で保障された国民の生存権、生活権、幸福追求の権利を国民のものとするために、政府の政治、経済、社会政策路線の福祉型への転換を徹底的に要求いたします。 そこで、まず私は、政府の社会保障についての基本理念を問いたいと思います。田中総理は社会保障というものをいかに解釈していられますか。憲法二十五条では、国が国民に対して社会保障、社会福祉を保障することを義務づけています。一体、社会保障の基本理念はいかなるものでしょうか。私の理解では、第一にかつて家族制度の中で保障してきた国民の生活、教育や病気の治療、年寄り、子供、不幸な者への世話などが急速な産業化の進展の中で核家族化が進み、個人の力ではささえ切れなくなっていること、そのため個人や個々の家庭にかわって社会全体がささえる制度をつくることが社会保障制度であります。言いかえれば世代同士が孝行をし合うこと、相互扶助をすることであると考えますが、総理、あなたはこの原則をお認めになりますか。また国家財政の最高責任者である大蔵大臣や社会保障の直接担当者である厚生大臣のお考えはいかがですか。 右の原則に立てば当然のこととして、第二に社会保障の三つの柱、すなわち所得保障、医療保障、社会福祉制度を根幹として、国がすべての国民の生活権と生存権を守る義務を引き受け、そのための制度を計画的に立案し実行せねばならないことになります。この場合、国が、と私が申しますのは、総理、あなたのポケットマネーを分けていただくという意味ではないのはもちろんで、国とはすなわち国民であり、社会保障に支出される国費は国民の汗とあぶらの結晶の税金や社会保険の掛け金であります。すなわち、社会保障とは所得再配分のための政策であります。高額所得者はその所得に応じた税金や拠出金で、そして所得のない者、労働の不能の者は、拠出しなくとも社会保障によって生きる権利を全うするということにならねばなりません。とりわけ年金制度は所得保障制度ですから、所得再配分の機能を最高度に発揮すべきものであります。この原則に総理は御賛成いただけますでしょうか。衆議院において、総理も厚生大臣も、繰り返し拠出金のいかんにかかわらず一様に五万円年金を保障するのはきわめて適切を欠くと答えていられます。このような思想に立つ限り社会保障は実現いたしません。いかがですか。 第三に、社会保障制度は、また完全雇用と真の最低賃金制及び定年制と年金制との結合を前提条件としなければ、その意義を失うことを指摘したいと思います。すなわち健康な国民にはすべて職業が与えられること、その職業で得る賃金や所得は、憲法二十五条でいう健康で文化的な最低生活を営むに足る金額以上でなければならないこと、さらに定年制と年金制とが結合し、その間にギャップがなく、老年の生活が保障されることが必要であります。この前提条件のもとで、一たび老齢や疾病その他の理由で労働不能となったとき、社会保障によって国が保障するのでなければなりません。労働者が今春闘で、定年制の延長や年金制度の要求を高く掲げているのもこの意味からです。労働大臣は労働者の生活権を守る立場から、この点どのように考え、厚生省に対し、また閣内において、これらの点でどのような協議や要求をされておりますか。社会保障に関するILO一〇二号、一二八号条約の批准などについてもどのように努力していられますか。また、厚生大臣はこれらの点で労働大臣と協力し、その実現をはかっていられますか。 以上三つの原則が社会保障の基本理念であると考えますが、総理並びに関係閣僚は、これらの原則に立って社会保障を実現しようとする意欲がおありになりますか。それとも、あくまで保険主義の立場で、年金や医療保険、福祉制度などを、単に資本主義経済の破綻を補完するものと考えられるのですか。根本姿勢にかかわることでありますから、明確に態度を示していただきたい。 以上のような基本理念に立って、私は、今回の政府の年金改正法案について、老齢年金にしぼってお尋ねいたします。 今回の年金改正法案は、所得保障制度としてはきわめて不十分であり、国民の老後の不安を一向に取り除きません。そこで政府案に対し、次の諸点を根本的に改めることを要望いたします。 第一には、年金だけで老後の生活が送れるようにせよということであります。政府は、年金をあくまで、長年にわたって積み立てた積み立て金を受け取るべきものとする保険主義に立っており、すでに五万円年金がまぼろしの年金であることはよく知られています。国民年金では、事実上昭和六十六年から初めて四万円年金となることも、老齢福祉年金では、三年後にようやく一万円となることも知られております。これらは、いずれもこの物価高のもとで生活できる金額ではありません。 これで見ると、政府は、年金を老年期における他の収入に対する補完的な給付という考えに立っていることがわかります。それでは、老年期における年金以外の他の収入とは何でありましょうか。今日、人々は定年退職後、退職金を食いつぶすか、これまでの六割か七割の安い賃金で再就職するか、親族の補助を受けるかして、少額の年金と合わせて生活することを余儀なくされているのであります。これはいたずらに老齢者を不安におとしいれるものであり、私は、年金だけで暮らせるように、直ちに今年度から改正の必要があると思いますが、いかがですか。 かりに政府が保険主義をあくまで固執するとしても、保険方式だから老後保障ができないというものではないことも、ここに指摘しておきたいと思います。年金に関しては、西ドイツもフランスも保険方式をとっていますが、現在みなその年の年金保険の拠出金額をもってその年の老齢者の年金給付に充てる賦課方式をとり、暮らせるだけの給付を保障しております。したがって、賦課方式を採用して年金だけで老後が暮らせるようにすべきだと思いますが、この点いかがですか。 第三に、政府は、そのような暮らせる年金にできないのは、日本の年金制度が未成熟であるからであると説明し、今後三十年以上の後の昭和八十五年ごろまで、制度の成熟するのを待って賦課方式に移行すると言っております。今日、老人問題が緊急であるとき、年金制度が未成熟であることは致命的欠陥であります。老人は待てないのです。いまや積極的に年金制度の成熟化をはかる努力をすべきときであります。 欧米諸国の年金成熟係数、すなわち被保険者に対する年金受給者の比率を見ますと、西独二二・三%、スウェーデン一八%、イギリス一九%、アメリカ一九%でありますのに、日本は厚生年金において二・七%、被保険者二千三百万に対して年金受給者六十五万にすぎません。国民年金において一・六%、被保険者二千五百万人中わずかに三十八万人にすぎません。 なぜ厚生年金制度発足後三十年を経ている日本において、かくも未成熟なのでありましょうか。試みに四十八年度の年金歳入額をとれば、厚生年金で一兆八千五百七十一億、国民年金で三千五百五十七億、計二兆二千百二十億にものぼります。これに対して給付額は、両年金を合計しても五千億にすぎず、これは今年度積み立て金の利子収入五千四十億をもって支払っても、なお余りのある状態です。なぜかくも年金の給付が少ないのでしょうか。政府はその原因がどこにあると思われますか。 一つには女子労働者などの掛け捨てが多いこと、二つにはわが国の年金制度が皆年金と称しながら、申請主義で任意加入の制度であったからでありましょう。また、中途からの加入者に対する経過措置がきわめて不十分であったこともその理由と考えられます。そこで、年金制度を持たなかった事業場における過去の勤務を計算に入れる経過措置を導入すること及び国民年金の十年年金、五年年金制度に対して思い切った優遇措置を講ずることが必要であります。政府は勇断をもって野党提案のような措置を講ずべきだと思いますが、いかがですか。 なお、老齢福祉年金を野党案のように思い切って大幅に引き上げること、六十七歳から六十九歳のいわゆる谷間の老人のために福祉年金を適用することも考えていただきたいと思います。 第四に、年金の給付水準を大幅に引き上げ、物価スライドでなく、賃金スライド方式をとることが緊要だと思いますが、この点について政府案を変更する意思はおありになりませんか。 今日のインフレ下、老齢者、年金生活者は生活苦にあえいでいます。私は、最近一通のはがきを未知の老人から受け取りましたが、それには、厚生年金を昭和十七年からかけ続け、四十年に退職、その後再就職して四十二年までまた掛け金をしました。現在、年金月一万六千円を受け取っています。これが倍になっても老夫婦の生活のかてにはなりません。物価高の今日、老夫婦でも月五万円はぜひ必要です、と書いてありました。政府の年金をまぼろしの五万円年金としないためにも、今年度からすぐに野党提案のように賦課方式をとり、その年度の積み立て金を給付に充てれば、五万円どころか六万円年金も可能です。なぜ政府はちゅうちょするのですか。 さらにスライド制については、過去十年間物価は平均五・六%上昇したのに対し、賃金は平均一五%上昇しています。したがって、賃金自動スライド制が経済変動や生活水準の変化には最もよく対応できるものであります。現に公務員共済年金は賃金スライド制をとっているではありませんか。まやかしの物価スライド制や、何の基準も設けていない標準報酬の再評価によるスライド制では安心できません。政府のスライド制によれば、将来、国民生活水準と年金水準とが大きく乖離していく危険があると心配されます。この危険を防ぐために、われわれの提案のように賃金自動スライド制に変更されるお考えはありませんか。 なお、給付の財源計算については、野党の計算方式をぜひ参考にしていただきたい。私たちは、ただ給付水準の引き上げのみを叫んでいるのではありません。われわれの六万円年金構想では、厚生年金の例をとれば、保険料率は当分の間現行どおりに据え置き、値上げをしないで、労使折半の負担とし、国庫負担を三〇%に引き上げます。一方給付のほうは、前年度の平均賃金の六〇%を最低保障額とし、それに報酬比例部分を加えることとして、賃金自動スライド方式で計算しますと、単年度の収入で給付がまかなえなくなるぎりぎりの年度は七年後の一九八〇年、昭和五十五年度となります。そのときから以後、労使三対七の限度まで事業主の保険料負担分をふやしていきます。われわれの計算では、労使三対七となる年は一九八八年、つまり十五年後、昭和六十六年であります。その年以後、年金積み立て金の累積額を取りくずしていくという考え方です。 私があえてここでこのようなめんどうな数字を申し上げましたのは、政府がしばしば野党は財政計算なしに年金給付の引き上げのみを主張しているかのような批判をされるからであります。ここで特に申し上げたいことは、私たちは将来、保険料の引き上げに一切応じないといった、かたくなな態度を主張しているものではないということです。問題は被保険者の負担先行政策をとるのか、あるいは給付先行の政策をとるのかにあるのです。将来、完全な年金制度ができたとき、拠出者のコンセンサスを得て保険料の引き上げに応ずることもあるかもしれません。私は国民の納得ずくで給付と負担を行なうことこそ民主主義であると信じます。 第五に、各種年金の格差をなくし、将来の一元化に備えることを要求したいと存じます。 現行制度最大の欠陥は、あまりにも多くの年金制度が分立し複雑なことです。先ほど引用しました私へのはがきの主に、私は折り返して詳しいデータを求めましたところ、その老人は今度は封書で、自分の住居地の社会保険事務所に聞きにいったが、計算がむずかしくてわからない、中央の社会保険庁年金保険業務課に聞いてほしいと言ってきました。年金をかけている者だれもほとんどが、今度の改正で一体幾ら給付されるようになるかの計算もできない状態です。政府は将来分立した年金制度の一元化と給付の一元化に向かって改革すべきだと思いますが、このために何らかの方向を出していられるのでしょうか。 最後に、私は、年金積み立て金の運用を改め、年金資金の別勘定を設けることを提案いたします。 私は、本院予算委員会におきまして、何度か、年金拠出金が資金運用部資金に繰り入れられて、財政投融資資金として、過去に長い年月、日本の産業基盤の整備や開発、生産のために大きな役割りを果たしてきたことを指摘してきました。今日ではすでに年金の積み立て金の累積額は八兆円にのぼっています。私は、国民が生活できる年金をと叫んでその給付の改善を求め、その財源をさがし求めている現在、この巨額の積み立て金は当然年金の資金として役立たせるべきものだと主張してきました。 厚生省の試算によれば、年金の積み立て金残高は、四十八年度末には九兆九千億、五年後の昭和五十二年度末には十七兆二千五百億、そして昭和七十年には百七十五兆三千億、そして政府の言う年金成熟化の完成する年、昭和八十五年には四百十一兆円というばく大な金額にのぼります。しかし皆さん、三十年先に四百十一兆円の積み立て金を累積することがいかに愚かしいことか。その間じゅう国民の老齢年金は、常に国民の生活水準とかけ離れ、インフレで積み立て金の価値も減価し、しかも、その間じゅう、財投資金として公団、公社、公庫、その他政府機関を通じて資本への投資に巨大な資金を提供していく仕組みがはたして正しいことでしょうか。政府がいかに年金資金の使途を国民の福祉のためにすると強弁しても、財投の仕組み上、一たび繰り入れた資金は一元的に運用され、年金資金の回収さえ明らかにならないのです。 私はもうこれ以上、ここで財投の性格を論じる気持ちはありません。ただ、ここで主張したいことは、年金特別勘定を分離し、その年の年金の拠出金は、生活できる年金の給付に充てたあと、これまでに貸し付けてきた資金の回収額とともに、年金のための資金として積み立て、自主運用すべきであるということであります。厚生省は、年金を本格的に暮らせる年金制度とするために、年金特別勘定の自主的分離運用に踏み切る決断を持ってほしいと考えますが、厚生大臣いかがですか。大蔵大臣は、財投資金として年金積み立て金を分離し、手放すことに対して、一番強硬な反対論者であるかとお察ししますが、もはや年金給付水準の引き上げ、賦課方式その他、私が先に論じました財政方式は今後の趨勢ではありませんか。総理大臣もこの辺で年金の方式の軌道修正をされる決意を固めていただけないでしょうか。 なお、年金特別勘定の運営のために、拠出者を中心とする年金資金運用審議会を設け、民主的運営に当たらせることも同時に提案いたします。 質疑を終わるにあたり、私は、政府が政府案を固執し、一歩も譲らないという態度をとられるならば、国会の審議は不要となるということを申し上げたいと思います。今日、老後の保障は緊急の必要でありますが、それは単に老齢者だけの問題ではありません。若い世代の将来の負担を軽くするために野党の案はとらないという政府の口実は、実は詭弁です。老齢年金の問題は若い世代の問題でもあります。今日、保障のない老齢者をささえねばならない若い世代の個人的な負担を思えば、若い世代全体が老齢の世代全体をささえるほうがはるかに軽く、安定しているものであり、また、いつでも自分自身が次の世代によってささえられる基礎をつくるものであります。 私は、政府が真剣に野党の提案を取り入れることを要望し、私の質疑を終わります。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 田中君にお答えをいたします。 まず、社会保障の理念について御質問がございましたが、国民はすべて、働いて、国家社会のため、そしてみずからの生活の向上と安定をはからなければならぬことは言うまでもないのであります。しかし、多くの国民の中には、病弱のために働けない人や、当然のことながら、老齢によって働き得なくなることがあるわけでございます。すべての国民が幸福な生活を維持することができるように、諸般の政策が必要であります。国や地方公共団体、企業など、そして働き得る人が、お互い、社会連帯の観念と責任の上に立って実行されるものが理想的な社会保障政策だと考えておるのであります。また、将来の国民のためにも、という観点に立たなければなりません。そのためには、社会保障は、現在だけのという近視眼的なものであってはならないと思います。将来の国民のためにも、永続的に安定した制度が確立されなければなりません。そのためには、働ける者、所得のある者、それらは応分の負担をすべきであることは言うをまちません。また、国民の税金をもととしております国及び地方公共団体も、しかるべく負担をすべきであると考えておるのであります。 また、社会保障の充実につきましては、政府は従来から努力を重ねてきたところでございまして、昭和四十八年度予算におきましても、年金、老人対策などの拡充強化に特に意を用いたところであります。去る二月に閣議決定をいたしました経済社会基本計画も、国民福祉の向上を最重点の目標としており、この基本計画に沿って社会保障の長期計画を策定し、計画的に、わが国の実情に即した社会保障の充実をはかっていく考えであります。 社会保障は、完全雇用、年金制度との適切な結合を前提とすべきであるとの御所論でございますが、戦後のわが国経済において、完全雇用を実現したことが国民福祉の上にいかに重要な意義を持つものであるかを、まず、理解願いたいのであります。このような経済成長の成果を、国民のすみずみまで行き渡らせるのが、社会保障の理想でもあります。政府としては、今後とも、週休二日制の普及とか、定年の延長とか、年金制度の改善などに努力してまいりたいと考えます。 年金法改正案は、所得保障のためには不十分である趣旨の御発言でございますが、わが国の公的年金制度は、社会保険方式によって運営されておるのでありますが、そのことをもって年金給付が不十分であるとの指摘は当たらないと思います。また、今回の改正案は、現行の財政方式を維持しつつ、年金水準の引き上げを行なおうとするものであります。さらに、年金水準の充実をはかるという意味での成熟化について、今回の改正で十分達せられるものと考えております。 政府案を修正する気はないかということでございますが、今回提案いたしております政府案は、年金制度の大宗をなす厚生年金と国民年金について、老後生活のささえとしての役割りを十分に果たし得るよう、五万円年金の実現と、自動スライド制の導入を骨子とする大幅な改善をはかろうとするものでございます。この改正により、わが国の年金制度は、西欧先進諸国と比べても遜色のないものが実現されることになると思うのであります。いろいろの御議論はあると思いますが、政府としましては、現在策定し得る最善のものとして、自信を持って提案をしている次第でありますので、よろしく御審議をお願いいたしたいと思います。 以上。(拍手) 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) お答え申し上げます。 政府は、社会保障の充実に全力を尽くしておるわけでございまして、西欧先進諸国並みに一日も早く近からんことを目標として、もろもろの施策を進めておるわけでございます。特におくれておりますのが年金でございますので、今回大幅な改善をいたしておりまして、この法律案が成立いたしますれば、年金に関する限り、西欧先進諸国に非常に近づくことになることは明らかでございます。 なお、お尋ねにありましたように、社会保障に関する一〇二号条約の批准の問題がございましたが、来年度において、これが批准を行なうことを目途として、目下、準備を進めておる次第でございます。 さらに、年金制度の問題につきまして、保険主義の立場に立って、あくまでもそれは補助手段としか考えていないではないかといったふうな点についてのお尋ねでございますが、私どもはさような考え方を持っておりませんが、私どもの厚生年金並びに国民年金制度は、よその共済年金と同じように、社会保険制度をとっておるのでございまして、加入期間のいかんを問わず、報酬のいかんを問わず、一律に年金をするというたてまえはとっておりません。しかしながら、そういう社会保険制度をとっておるにいたしましても、今回の年金改正というものは、老後のささえとなる年金の実現を目的といたしまして、水準を大幅に引き上げたものでございます。すなわち、厚生年金におきましては、今日まで二万円年金という水準でございましたが、これを五万円年金の水準に高め、国民年金につきましても、これを五万円年金に高めようというのでございまして、この改正というものは、先ほども総理からお話がありましたように、国際的に見ましても、一つも遜色のない年金水準であると申し上げることができるのであります。 さらにまた、年金制度の未成熟の問題についてお話がございました。確かに今日までの日本の年金制度は未成熟でございまして、わずかに二万円年金でございましたので、さればこそ、私どもは、成熟化のために今回大幅な給付水準の改正を行なう、こういうことにいたした次第でございます。 なお、八木議員を提案者といたしました四党提案の法律案につきまして私の考えを申し上げますと、野党四党のお考えは、すなわち、国の負担を多くし、それから保険料におきましても、労使折半の原則を七、三に改め、そして加入期間二十年で六万一千円、こういうことになるわけでございます。そこで、加入期間二十年で六万一千円という金額はどういうことになるかと申しますと、私どもの積算によると、標準的な姿、すなわち加入期間二十七年ということになりますと、その年金額は月額八万三千円ということになるわけでございます。そして、その八万三千円ということになりますと、昭和四十七年の全勤労者の平均賃金は七万五千円でございますので、働き盛りの勤労者の平均賃金と同じほどの年金を差し上げるということが適当であるかどうか、この点が問題であると思います。 それと同時に、国は厚生年金について二〇%の補助をいたしておりますが、諸外国の例から見ましても、国庫負担二〇%というものは適当であると考えております。労使の保険料の負担区分につきましても、私どもは、社会保険制度において労使折半の原則がすでに定着をいたしておりますので、これを七、三に改めようという考えは持っていないことをこの機会に明らかにいたしておきたいと思うのでございます。 さらにまた、現在の修正積み立て方式を賦課方式にというお尋ねでございますが、わが国の人口の老齢化というものは、現在急速に進んでおるのでございまして、年金受給者は今後急激に増加する傾向にあります。そうした中にあって、年金というものは二十年、三十年と長期にわたる財政計算をしなければなりません。しかもまた、今回は五万円年金につきまして、物価スライド制を背景にいたす制度でございますために、どうしても、ある程度の修正積み立て方式というものはやむを得ないと考えておりますが、今後、老齢化社会がわが国において出現し、年金制度が成熱いたしますれば、当然そのときには受給者の数というものは定常化してまいります。そうした段階においては賦課方式に移行することは考えられるのでございまして、将来の問題として十分検討いたしてまいる考えでございます。 なお、物価スライド制に対し賃金スライド制をというお尋ねでございますが、御承知のように、厚生年金、国民年金、いずれも賃金体系など所得のあり方がまちまちでございます。また、年齢による賃金上昇率も相当の差異があることなどから、自動的な賃金スライド制を導入することは適当でないと考え、すなわち物価スライド制にいたしたのでございますが、しかしながら、従来ともありまする、すなわち五年ごとの財政再計算期にありましては、賃金あるいは物価、生活水準、こういうものの動向を十分勘案いたしまして、水準の改善をはかることといたしたいと考えておる次第でございます。 各種年金制度の統合等の問題でございます。御承知のように、わが国の年金制度は、諸外国の例においてもおわかりのように、それぞれの沿革によってできておるわけでございまして、それぞれの被保険者の多様な要請に応じ、そのニードを十分に充足するために分立いたしておるわけでございます。しかしながら、こうしたことは必ずしも好ましいことでもございませんので、私どもは、将来とも各制度間における不合理な格差解消、あわせて各制度間を通じての整合性を実現すべく、今後とも努力をいたしてまいる考えでございます。 次に、年金積み立て金の問題でございますが、現在は、御承知のように資金運用部に預託をいたし、そして財政投融資の原資として一元的に運用されておりますが、それは運用されておりましても、それにはそれぞれのワクを設けておるのでございまして、国民生活の安定、福祉の向上あるいは住宅、生活環境、厚生福祉施設、こういうふうな整備に充てなければならないという大ワクをきめておるわけでございますので、いまこの制度を直ちに改めるということは適当であるかどうか、私はまだ考えていないのでございます。しかしながら、こうした金は、保険料拠出者の意向が十分反映されるようにしなければならないということにつきましては、私どもも同感でございまして、保険料拠出者の被保険者の方々が、十分反映できるような運営に今後とも努力をいたす考えでございます。 さらにまた、還元融資等におきましても、昭和四十八年度においては、厚生福祉施設、生活環境施設に配分するほか、被保険者の個人に対して、持ち家促進のため住宅貸し付け制度というものを実施する等のことをいたしておるわけでございまして、今後とも被保険者の意向に沿うたような改善に努力いたす考えでございます。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
○国務大臣(愛知揆一君) 田中議員からは、予算委員会その他で、しばしば御質疑をいただき、また私も率直なお答えをしてまいりました。 本日、あらためてお尋ねでございますが、まず、社会保障という問題について、財政当局あるいは大蔵大臣はどう考えるのかと、基本理念のお尋ねでございましたが、やはり年金を中心としての考え方としては、社会保険方式でまいりますことが一番適切と考えております。そして内容的には、老後のささえになる年金の実現を目ざしまして、水準の大幅な引き上げを今後とも念願してまいりたい、そして国際的にもりっぱな年金制度をつくってまいりたい、これを基本的な考え方にいたしております。 そこで、その次の問題は、財政方式を賦課方式に切りかえてはどうかという点でございますけれども、これは、しばしば申し上げておりますように、そういう御意見もごもっともであると思いますが、かりに、賦課方式に直ちに切りかえますと、被保険者に比べて受給者が少ない現段階におきましては、当面は、なるほど軽い負担で年金額の引き上げをはかることも可能であると思います。しかし、わが国の現状は、欧米諸国にも例を見ないようなテンポで高齢化社会を迎えようとしております。このような人口の老齢化と年金の成熟化と相まって今後受給者が急増することは、しばしば御説明いたしておりますように、数字の上でも明らかでございます。したがいまして、財政方式を賦課方式に切りかえました場合に、このような状況の急変に伴って保険料の負担も急激に将来高額に、過重なものになるというようなことが予想されますが、こういうことは避けなければならないのではなかろうか。長期にわたって充実した年金の支給を確実にいたしますためには、長期的な視野に立った年金の財政運用が必要でありまして、ただいま厚生大臣からもお述べになりましたが、これらの点については将来十分に検討をしていかなければならない問題であると思います。 こういう点から、財政方式をいま直ちに賦課方式に切りかえることについては適当でないという見解でございますが、将来の問題としては、十分前向きに検討をいたしてまいりたいと思います。 年金制度が成熟しているかどうか。この点については、欧米諸国に比べまして歴史は浅うございますし、御指摘のとおり、制度としてはなお未成熟な状態にあると、かような認識を持っております。したがって、今回の改正におきましては、国民年金の五年年金の再加入の措置、過去における保険料の未納期間についての保険料の追納を認めるというような、ただいま御指摘がございましたような点につきましても、年金の受給権に結びつかない人を受給権に結びつけるような措置をいたしておりますほか、十年年金等、制度発足がおくれたために加入期間の短い経過年金等につきまして、年金額の大幅なかさ上げ措置を講ずるというようなことをいたしまして、給付水準の引き上げと相まって、成熟化の促進についてはできるだけの努力を、現に今回におきましても払ったつもりでございます。 また、厚生年金の成熟化ということについて考えてみますと、三十年の歴史を持っておりますけれども、発足の当初の加入者は三百万人でございました。その後千万人になりましたが、これは三十二年度。二千万人に達しましたのは昭和四十三年度でございます。したがいまして、現在の給付総額は保険料収入額に比して少ないといたしましても、今後におきましては、このように急増した加入者の老齢年金の支給が始まることに伴いまして、給付総額が急増するということを認識してまいらなければならないと存じます。 年金資金の運用につきましても、しばしば率直にお答えいたしておるのでございますが、大蔵省として、あるいは財政当局として、年金積み立て金を運用して大企業優先の融資をするというようなことは、少なくとも今日においては毛頭考えておりません。年金制度の改善につきまして、よきコンセンサスによる案ができまするならば、それとの関連において、こういう点は、御意見のようなことが考えられることもあろうかと思います、つまり、自主運営というようなことが。しかし、今日におきましては、資金運用部に統合して、特別会計の余裕金や他の積み立て金等と総合的に財政資金として運用いたしますことが、大事なお金でございますから、効率的にかつ目的的に福祉関係に重点を置いてこれを使用するということは、できることでもあるし、またこれに、ただいま厚生大臣のお話のとおり、非常な重点を置いて、ことに四十八年度には抜本的な切りかえをやっておるようなわけでございまして、統合運営をいたしておりますから、年金積み立て金だけの勘定を起こして、その回収金をどう運用するかということをいたしますよりは、全部を統合して、回収された相当大きな金も福祉関係に向き得るように運営するというところによって、御指摘のような趣旨は、現在の制度におきましても十分発揮し得る。また、現在のような制度でございますれば、無理をして別勘定にして、あるいはそれだけのお金を自主運営されるよりは、かえって現在のやり方のほうが有効であり、適切であり、また目的も達し得ると、こういう考え方を私どもは強く持っておるわけでございます。 なおまた、財投全般について申し上げましても、これは御案内のように、すでに議決をいただいておりますけれども、財投の内容について国会の議決をちょうだいするようにして、そして民主的運営をはかりたいということは、すでに実行が始まることになったわけでございますから、これらとあわせまして、御指摘がございましたように、なるべく趣旨の通るようなところにこういった資金は使えるようにというような御趣旨については、今後とも十分くふうをこらしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣加藤常太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤常太郎君) お答えいたします。 完全な社会保障体制の確立の前提は、量的な面だけでなく質的な面を含めて、完全雇用を実現することがお説のとおりであり、政府といたしましてもさように考えております。これが重要であると思っております。このため、政府は、本年一月雇用対策基本計画を策定いたしまして、関係各省と連携のもとに必要な施策を進めるとともに、実効性ある最低賃金の推進、並びに週休二日制の普及等、労働条件の改善を今後とも十分はかってまいる考えであります。 また、ILOの問題につきましては、可能なものから、できるだけ多く批准につとめるとともに、積極的な態度で臨むことを考えております。また、こうした見地から、関係各省と相談しながら検討してまいる所存であります。 さらに、定年延長の問題につきましては、当面六十歳を目標にその延長の促進をはかっており、年金受給との関連については、今後関係省庁と協力して前向きに検討してまいる所存であります。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 上林繁次郎君。 〔上林繁次郎君登壇、拍手〕
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。 老人福祉法第二条に、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」とうたわれております。ところが、現実は、六十歳以上の老人の自殺数は、昭和四十六年一年間で何と五千四十四人、一日平均十四人もの老人がみずからの生命を断っているのであります。一方、六十歳以上の家出老人の数は、同年で三千百八十四人を数え、今後もふえていく傾向にあるのが実情であります。これらの人々は、敗戦の荒廃から二十数年間国家再建のために懸命に働き続けてきたのであります。その結果、わが国は今日の隆盛を見たのであります。当然国家社会から報いられるべきであるにもかかわらず、現実は健全で安らかな生活とは全く正反対の自殺や家出に象徴されており、実に悲しいことであり、怒りを禁じ得ないのであります。このことを深く考え、国民の一人一人が納得のいく御答弁を要望し、以下数点にわたり質問をいたします。 昨年の総選挙の際、政府・自民党が声高らかに誇大宣伝した五万円年金の中身は一体どういうものであるかといえば、それは、改正後の本年十一月から新しく老齢年金を受ける人たちの中で、加入期間と月収が平均的な人の年金が月に五万円になるという意味であって、年金を受ける予定の人たちの全部が五万円もらえるというわけではないのであります。政府の説明によると、その内容は、厚生年金に二十七年間加入して、再評価後の平均月収が八万四千六百円であります。そうすると、五万円年金をもらえる人は、昭和四十八年の受給者八十一万人のうち、わずか八万五千人にすぎないのであります。なぜ二十年以上もかけた人たちに五万円支給がなされないのか、五万円年金というからには全員に支給するのが当然であります。現在、わが国では六十歳以上の老人は約一千二百万人と推定されておりますが、政府でいう五万円年金の受給者は、国民年金が未成熟の現状では六十歳以上の方々のわずか一%にも満たないという、あまりにも少ない数なんであります。また、国民年金が月額五万円になるためのモデル計算では、さらに現実とはほど遠い実態となるのであります。国民年金発足時、すなわち、昭和三十六年に三十五歳で、夫婦同年齢で二十五年間保険料を完納したときが昭和六十一年であって、さらに五年間の据え置き期間を経て、昭和六十六年に六十五歳に達して初めて年金が支給されるわけであります。しかも、妻の任意加入は昭和四十九年一月から実施されるのであり、六十歳までに十二年間と、いずれも経過的な付加年金しか支給されないのであります。これを計算すると四万五千四百円となり、政府のいう五万円年金は昭和六十六年になってもまだ一人も支給されないのであります。したがって、これを世上ではまぼろしの五万円年金と呼んでいるのであります。 わが党は老齢年金の最低保障額を、夫婦で六万円にすべきであると主張しておりますが、そのとおり実施するならば、だれでもが老後の生活を保障されるのであります。しかるに、口を開けば五万円年金、五万円年金と宣伝し、選挙目当てのキャッチフレーズとしてこれを悪用した田中内閣は、結果的には善良な国民を欺瞞し、愚弄したことになるのであります。 そこで、総理並びに厚生大臣にお伺いいたしますが、善良なる国民を欺瞞し、愚弄してきた政府の政治責任をどのような形で国民の前に示されようとするのか、もし一片の良心があるならば、全国民に深謝の意を表すべきであると思うのでありますが、誠意ある御答弁を願いたいのであります。 次に、スライド制について伺います。 いままでの厚生年金、国民年金に魅力がなかったのは、年金額があまりにも低く、未成熟であったのと、スライド制がなかったことが、その大きな原因なのであります。ところが、今回の改正で、スライド制を導入することになったことは一歩前進であり、一応は評価できますが、まだまだ多くの問題を内蔵しているのであります。過去においても、スライドの指標としては、物価とするか、賃金とするかについては、関係審議会でも両論があったように聞いております。わが国の場合、賃金の上昇率は一四%前後であり、物価の上昇率は五%前後であります。この実情から見て、今回、物価スライド制を導入して、賃金スライド制を採用しなかったことに対しては、大いに疑問を抱くものであります。というのは、わが国の社会保険におけるスライド制について見ますと、恩給については、共済組合は賃金スライドとしておりますし、労働保険といわれる労災保険、失業保険は、毎月勤労統計調査によりまして、賃金スライド制を採用しているのが実情だからであります。また、物価を指標として採用している各国のスライド制を分析してみますと、スウェーデン三%、ベルギー二・五%、カナダ一%、イタリア二%と、物価指数は一%ないし三%変動した場合であります。しかるに、わが国のように、消費者物価指数が五%をこえなければスライドしないというのでは、その指数はあまりにも高過ぎ、せっかくスライド制を採用しても、はたして効果があるのかどうかは、はなはだ疑問であります。 そこで、総理並びに厚生大臣にお尋ねいたしますが、第一に、何ゆえに賃金スライド制を採用しないで、物価スライド制を採用しようとしているのか。第二に、スライド制を用いた場合の効果について数字をあげて説明していただきたい。第三は、スライド制による財源負担は、法律に明文はないようですが、一体だれが負担するのでありましょうか。社会保険審議会の意見では、整理財源は国庫負担にすべきであると述べておりますが、あわせて御答弁願いたいのであります。 次に、今回の改正案で、特に問題なのは、給付よりもむしろ負担面であろうと思われます。すなわち、厚生年金では、男女ともに保険料率が一・五%と大幅な引き上げとなっているのであります。この保険料率の上げ幅はあまりにも高過ぎるのではありませんか。たとえば、国民年金については、遠い先の夢物語の五万円年金を受けるために、保険料は夫婦で月額一千四百五十円が二千六百円と、大幅に引き上げられているのであります。また、厚生年金では、標準報酬二十万円の人は、改正前の八千五百七十六円から、一万五千八百円と倍増することになるのであります。財政力の弱い国民年金だからといって、保険料を現行の五百五十円から、九百円へと三百五十円引き上げたことは許しがたいことであり、厚生年金の保険料率を一挙に一・五%も大幅に引き上げたことには全く納得できないのであります。 ところで、社会保険審議会では「保険料率の改定については、急激な負担の増加はさけ、修正の度合をさらに深めて段階的に実施すべきである。」と要請しているのであります。また、社会保障制度審議会では「今回の保険料率または保険料額の上げ幅については、静態的には平準保険料との関係、動態的には将来の与件との関係で適正であるという根拠は見出しがたい。」と答申しているのであります。 以上のように、この両審議会の答申は、明らかに保険料の大幅な引き上げには否定的であります。しかるに、政府は両審議会の答申を無視し、大幅な保険料の引き上げを断行しようとしているではありませんか。政府は何ゆえに両審議会の意見を率直に受け入れようとしないのでありますか。政府の、審議会の答申無視の態度も度が過ぎるのではないでしょうか。 そこで、総理並びに大蔵及び厚生大臣に質問いたしますが、第一に、政府は都合のよいときには審議会を隠れみのにし、都合の悪いときは審議会の答申を常に無視しており、現実には審議会の機能と権限は有名無実の存在となっているように思われますが、いかがでありましょうか。 第二に、申すまでもなく厚生年金と国民年金の財源は国庫負担と保険料によって維持されておりますが、今回の改正では、年金額の増額は、保険料の大幅な引き上げのみにとどめて、保険料の引き上げと見合った国庫負担の増額をしていないことは否定できません。国民年金の財源は、加入者の所得の実態に照らして、現在保険料とその保険料の二分の一の国庫負担でありますが、事業主の負担がないので、この際、保険料と同額の国庫負担とすべきではないかと思いますが、御答弁を願いたいと思います。 次に、昭和三十四年には拠出制の半額の千円で出発した老齢福祉年金について、改正案によると、拠出制の年金は一人二万五千円でありますので、発足当時を基準にすれば、老齢福祉年金は当然最低でも、十月からの月額五千円を改めて、月額一万二千五百円にすべきであると思うのであります。この際、あめ玉年金、小づかい年金といわれている老齢福祉年金の性格については、その基本問題はいまだ解明されておりません。 そこで、総理並びに厚生大臣にお尋ねいたします。 第一に、老齢福祉年金の性格並びに基本的問題についてどのような見解を持っているのか。また、所得保障として価値ある年金額とすべきであると思うが、どう考えておられるか。 第二に、老齢福祉年金の年齢を六十歳に引き下げる構想についてはどのように対処されるつもりか。 第三に、いわゆる年金の谷間に泣く百二十九万の人々をどう救済していくのか、具体的な方途を示していただきたいのであります。 以上、政府の誠意ある答弁を要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 上林繁次郎君にお答えいたします。 まず、第一は、五万円年金はまぼろしの年金だということでございますが、今回の改正は、厚生年金については、標準的な年金額を五万円にしようとするものであり、昭和四十八年度中に新たに老齢年金を受ける二十年以上加入の人について見ますれば、その三割以上が現実に五万円年金を受けることになっておるのでございます。 本来、加入期間の長短、保険料拠出の程度のいかんにかかわらず、すべての年金受給者の年金額を五万円とするような年金制度の設計は、きわめて適切を欠くものであると思うのでございます。また、国民年金の給付水準につきましても、厚生年金の大幅な給付水準の引き下げに見合って、本来の資格期間である二十五年加入の場合の年金水準を、夫婦月額五万円に引き上げることにいたしておるのでございます。この年金の支給が実際に始まるのは、かなり先のことになるわけでございますが、現在の五万円年金の実質的な価値を今後も維持していこうとするのが、今回の改正の趣旨であることを理解していただきたい。 第二は、賃金スライド制についてでございますが、今回、年金額の実質価値を維持するため、自動的な物価スライド制の導入に踏み切ったわけであります。しかし、自動的に毎年賃金スライド制を実施することにつきましては、被保険者の賃金体系など所得のあり方がまちまちであること、景気変動の影響を受ける度合いが異なること、年齢により賃金上昇率に相当な差異があることなどから適当でないと考えたからでございます。また、五%をこえる物価変動の場合に、自動的に年金額をスライドさせることにいたしましたのは、関係審議会の意見に従ったわけでございます。 保険料率の問題についての御発言でございますが、今回の保険料率の改定につきましては、関係審議会から、急激な負担の増加を避けながら、年金財政の健全性を確保するために、将来にわたって段階的に引き上げるべきである、との意見が寄せられておるのでございます。この趣旨に従って、可能な限り世代間に不公平のないよう保険料率を設定したものでございまして、審議会の意見を無視したものではないことは当然でございます。 最後に、老齢福祉年金の問題について申し上げますが、老齢福祉年金につきましては、今回、月額五千円にすることにいたしたことは御承知のとおりでございます。三千五百円、五千円、四十九年には七千五百円、五十年には一万円、この数字を見ましても、相当大幅な引き上げをはかっておることは御理解がいただけると思うのでございます。老齢福祉年金につきましては、厚生年金など拠出制年金と異なりまして、全額国庫負担になることを考慮せざるを得ませんが、可能な限りこれが改善充実をはかってまいりたいと考えるわけであります。 以上。(拍手) 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) お答えを申し上げます。 総理からお答えになりました部分を除きまして、私からお答えをいたしますが、年金スライド制による財源のお尋ねでございます。この財源については、国庫負担にすべきであるという意見もありますし、さらにまた、特別な国庫負担を必要とするものとは考えていないと、こういったふうな種々さまざまな意見がございますが、私といたしましては、何らかの措置が必要であると考えておるのでございまして、今後、十分検討してまいりたいと考えております。 次に、年金財源のあり方につきまして、保険料の引き上げに見合って国庫負担も増額すべきであると、こういうお尋ねでございます。現在、年金の国庫負担は定率二〇%の負担が行なわれておるのでございまして、今回の年金水準の大幅の引き上げに伴いまして、国庫負担額は相当増額するということになるのでございまして、率を引き上げるということにつきましては、今日考えておりません。また、国民年金につきましては、十年年金につきましては、その経過年金の性格等にかんがみまして、今回新たに国庫負担割合の引き上げを行なうことにいたしておる次第でございます。厚生年金の二割の国庫負担等につきましては、西欧先進諸国に比べましても相当の率であることを、諸外国の例を引いてもおわかりいただけると思うのでございます。 なお、最後に、年金の谷間におられる方々の問題につきましては、先般、予算委員会でもお答えいたしましたが、拠出年金の体系で考えるか、無拠出年金の体系で考えるか、その方策について十分検討を要する事柄があるのでございまして、まだ結論を得ておりませんが、今回提案いたしましたこの法律案の審議の段階において、結論を出すようにいたしたいと考えておる次第でございます。 したがいまして、この谷間におられる方々が年金体系の中に入ってまいりますと、すべての国民が国民年金の体制の中に置かれることになるわけでございますので、老齢福祉年金の支給年齢を六十五歳に引き下げるというふうな問題はなくなると考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
○国務大臣(愛知揆一君) 審議会の件につきましては、総理から御答弁がございましたから、省略させていただきます。 年金に対する国庫負担の割合をふやすべきではないか、こういう私に対する御質問でございますが、御承知のように、また、厚生大臣から御説明のありましたように、現在、厚生年金に対しては、給付費の二割、国民年金に対しては、給付費の三分の一、福祉年金については、全額の国庫負担を行なっているわけでございますが、今回の制度改正に際しましては、国民年金のうち、十年年金等の経過年金につきましては、年金額を、二十五年以上加入の本来の年金計算方式で計算される額よりも、大幅にかさ上げする措置を講じたことに伴いまして、かさ上げ分の国庫負担率を、従来の三分の一から二分の一に引き上げることといたしたわけでございます。 これらの年金に対する国庫負担の割合は、この点は、国際的に見ましても、すでに相当な高水準に達しておりますので、保険制度のたてまえ、保険料負担の現状などに照らしましても、これ以上の国庫負担の引き上げは、率直に申しまして、なかなかむずかしい、適当でない、かように考えておる次第でございます。(拍手) —————————————
○議長(河野謙三君) 中沢伊登子君。 〔中沢伊登子君登壇、拍手〕
○中沢伊登子君 私は、民社党を代表いたしまして、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案等に対し、総理大臣並びに関係大臣に御質問をいたします。 政府が、大々的にPRしている年金改善は、羊頭を掲げて狗肉を売るのたぐいであります。 〔議長退席、副議長着席〕 すなわち、五万円年金といわれている厚生年金しかり、まぼろしの五万円年金といわれている国民年金もまたしかりでございます。 さらに、今回の改正案の主眼としているスライド制の導入については、すでに恩給、共済組合、失業保険、労働保険等では、賃金スライド制を採用しておりますのに、本法案を諮問した関係審議会の労働者側委員よりの賃金スライド制の意見にもかかわらず、答申を無視して、物価スライド制を採用しているのはなぜでありますか。 また、あめ玉年金といわれている老齢福祉年金は、さきの総選挙の際に、自民党は一万円年金をはっきりテレビで公約しておきながら、今回の改正案では、半額の五千円にとどめております。昨今のすさまじい物価上昇の現状の中で、月額五千円では、支給開始のときにはおそらく現行の三千三百円と変わらない程度に貨幣価値が下落してしまうことは必定で、依然として、あめ玉年金の域を脱しません。 政府は、補正予算を組んででも一万円に引き上げるべきですが、いかがですか。以上のような選挙目当てのPRは、国民を欺瞞したことであり、総理大臣及び厚生大臣は、その責任の重大性について、どのようにお考えでございますか、お伺いをいたします。 次に、公的年金制度について、基本方針及び長期展望について伺います。 わが国の公的年金制度は、戦後急速に各種公的年金制度に整備されてきましたが、年金制度は、分裂と乱立によって多様化しているのが現状です。 ここ数年の推移を見ても、私的企業年金と調整した厚生年金基金制度、石炭年金基金制度、国民年金基金制度、さらには農民年金基金制度に至るまで、総合調整の方向とは相反しています。 政府の公的年金制度についての基本方針及び公的年金制度の総合調整について長期計画を持っているのか、お答えを願います。 公的年金制度のうちで、国民年金は、被用者年金と比較して、受給開始年齢、期間、年金額まで、最もおくれているといわれていますが、将来どのようにバランスをとるおつもりですか伺います。 政府は、西欧先進国に比較しておくれている年金制度をどのようにして将来国際水準にまで引き上げようとするのか、そのプログラムはいかがでございますか。 さらに、言うまでもなく被用者年金の中心は厚生年金であり、地域年金については国民年金が唯一のものであります。両者の被保険者数を合計すれば、公的年金制度の被保険者の数は九割を占め、いずれも厚生省所管であるので、この際英断をもって、医療抜本対策と同様に、年金制度についても抜本対策を講ずべきではありませんか。総理大臣並びに厚生大臣にお伺いをいたします。 次に、妻の年金権の確立について伺います。 厚生年金においては、モデル計算となる標準年金額で、妻の加給金は現行月額一千円で、改正案では二千四百円であります。これに対し、社会保険審議会では妻の加給金は月額一万円とすべきであるという意見がありましたが、ここでも答申を無視しているのであります。厚生年金の被保険者の妻が、たとえば国民年金の任意加入で、被保険者となっていない場合に、六十歳過ぎて夫婦が離婚した場合には、その妻であった者は七十歳になるまで老齢福祉年金以外の公的年金を受けることが不可能になります。したがって、何らかの救済措置が必要となるのであります。国民年金は夫婦別々に年金に加入できるので、所得比例としての付加年金については強制加入とすべきではないでしょうか、お伺いをいたします。 さらに、厚生年金の遺族年金については配偶者が対象となる場合が多いのですが、老齢年金の二分の一となっております。これは諸外国の事例から見ても低額であり、また根拠もないのですから、老齢年金の十分の八とすべきではありませんか。 なお、わが国の年金額は、個人年金であるのか夫婦年金であるのか不明確でもありますので、この際、明確にされるとともに、妻の年金権の確立についてもどのようにお考えなのですか御答弁をお伺いしたいのであります。 次に、年金の財源について伺います。 言うまでもなく、年金財源は保険料と国庫負担です。今回の改正案によれば、男女ともに保険料率は千分の十五と大幅に引き上げられておりますが、これに見合った国庫負担の増額がないのであります。現在、保険料と国庫負担の割合は八対二でありますが、当然これを七対三に変更すべきです。かたくなな考え方を改める考えはありませんか。 一方、国民年金には事業主負担がなく、被保険者には低所得者が多いのでありますが、現在、国民年金の国庫負担は保険料の二分の一となっておりますが、国民年金の発展の上からも保険料と同額の国庫負担をすべきだと思いますが、これはかねてからの要望にもかかわらず、今回の財政再計算期には改善されておりません。国民年金の被保険者は国民健康保険の被保険者とほぼ同一であり、国民健康保険の国庫負担の割合は四五%であることからも、国民年金の国庫負担も均衡上保険料と同額にすることは当然であろうと考えますが、御見解をお伺いいたします。 現在、定年制は五十五歳ないし五十七歳が実態であり、企業によっては女子の若年定年で男子よりも不利の場合がまだ相当あるやに承っております。今回、雇用対策法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案が提出されていることはもちろん承知をいたしておりますが、あまりに抽象的なので、企業の定年制を延長するための対策として、政府はどのような助成措置を行なっていますか、労働大臣にお尋ねをいたします。 厚生年金の年金受給開始年齢は六十歳ですが、定年制の実態から見てその調整はどのように考えるのかお伺いをしたいと存じます。 また、被保険者期間十年の五十五歳以上の者については希望によっては減額年金を支給する考えはありませんか、お伺いをいたします。 最後に年金積み立て金の管理運用について伺います。 厚生、国民両年金の積み立て金は逐年増大し、昭和四十八年度末には約九兆五千億円にも達するといわれております。この年金積み立て金の運用の実態に多くの問題が認められるのであります。 昭和三十五年十月十二日の社会保障制度審議会が提出した「公的年金積立金の運用についての要望」の中に「社会保障制度の総合調整の見地からすれば、社会保険の積立金は、将来、それが国民年金や厚生年金保険の積立金であると、また失業保険のような短期保険の積立金であるとを問わず、その一切をあげてこれを総合的な基金制度のもとに管理運用することが本来の行き方である。」と述べていますが、今日に至るもまだ実現していないのであります。 国際的にいうならば、九十七カ国の中で、わが国のように政府みずから管理運営している国はきわめて少数で、大部分の国は基金をつくり、労働者、使用者、国家の三者構成によって運営管理されているのであります。ともかく、財投計画については一方的管理運営のまま創設以来今日まで過ごしてきたのであって、非民主的運営の典型といえるのでありますが、いかがでございますか。 また、昨年十月十七日の社会保険審議会の厚生年金部会の意見の中にも、積み立て金の管理運用については、拠出者の自主運用、他の資金との区分、管理運用に対する労使代表の参加及び全面的に福祉のために運用すること等、これまでの当部会が一致して繰り返し要望してきたことがいまだ実現されていないことははなはだ遺憾だと指摘し、積み立て金の使途については保険料拠出者の意見を最大限に尊重することは当然であり、すみやかな実現をはかるべきであると述べておりますが、政府はこれらの意見に対しどのような考えを持っておられるか、お答えを願いたいのでございます。 また、還元融資の回収金の状況はどのようになっているのか。回収金をさらに原資として被保険者に再還元融資すべきではないか。以上の諸点について、さきの議員の質問と重複する点もございますが、大蔵大臣の御答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 中沢君にお答えいたします。 先ほどもお答えを申し上げましたように、第一は、五万円年金と賃金スライド制の問題でございますが、今回の改正は厚生年金の標準的な年金額を五万円にしようとするものでございまして、四十八年度中に新たに老齢年金を受ける二十年以上加入の人について見ますれば、その三割以上が現実に五万円年金を受けることになるわけでございます。国民年金の給付水準につきましても、これと見合って、本来の資格期間であります二十五年加入の場合の年金水準を、夫婦月額五万円に引き上げることにいたしておるわけでございます。また、懸案でございましたスライド制につきましては、先ほども申し述べましたように、自動的な物価スライド制を導入するとともに、五年ごとの財政再計算期に、賃金や生活水準の向上を勘案して改善をはかることにいたしておるわけでございます。 第二は、老齢福祉年金についてでございますが、老齢福祉年金につきましては、昨年度月額一千円の引き上げを行ないましたのに引き続きまして、今年度は千七百円月額引き上げたわけでございます。五千円になったわけでございますが、これを昭和四十九年に七千五百円、それから五十年までには一万円ということを申し上げておるのでございますが、七千五百円にすると四千二百億円の財源を必要といたします。それから一万円にしますと五千六百億円の財源を必要といたすわけでございます。そういう意味で、五十年度には一万円にいたすということでございますので御理解をいただきたいと、こう考えるわけでございます。 第三は、わが国の年金制度は西欧に比べておくれておるということでございますが、今回の改正案は、年金水準の大幅な引き上げと、実質価値の維持を目的とする自動スライド制の導入を中心とした年金制度の大幅な改善をはかろうとするものでございます。今回の改正が目途とした平均標準報酬の六〇%という年金水準は、老後のささえに十分なものとして長期的な見通しのもとに設定したものでありまして、西欧先進国と比較しても遜色のない水準に達したものと考えておるわけでございます。 それから次は妻の年金権の確立の問題でございますが、現行の年金制度上、妻に対する年金につきましては、厚生年金においては被用者である夫の年金によって、農家、自営業者を対象とする国民年金においては夫婦それぞれの年金によって、老後を保障するたてまえをとっておるわけであります。これは、被用者の妻は無職の主婦である場合が通常でありますのに対しまして、農家や自営業者の妻は夫とともに家事に従事することが多いなど、それぞれの実態に即してとられている考え方でございます。当面このたてまえを改める必要はないと考えておりますが、御意見もしんしゃくいたしまして、将来の問題として検討してみたいと考えるわけでございます。 なお、年金積み立て金等の運用の問題その他につきましては、所管大臣からお答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) 総理からお答えになりました分を除きまして、お答えを申し上げます。 年金制度の体系が複雑になっておりますので、総合調整をはかったらどうかといったふうなお尋ねでございます。現在のところ、年金制度の体系というものは、それぞれの沿革によってできておりまするために、数多くの分立を来たしております。こうしたことによって、それぞれ被保険者の必要な多様な要請にこたえておるのでございますけれども、一面また考えなければなりませんことは、格差の発生でございます。こういうふうなことでございますので、これらの全制度を通じて国民全体に均衡のとれた保障を行なうために、各制度間における不合理な格差を解消し、あわせて各制度間を通じての整合性を実現するということは重要な問題でございますので、十分こうした面において検討をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。 国民年金は被用者年金に比較しておくれている、将来どのようにバランスをとっていくつもりか、こういうお尋ねでございますが、今回の改正においてもおわかりいただけるように、国民年金の給付水準は、厚生年金の給付水準の引き上げに均衡するようにという改正をいたしたわけでございます。将来とも厚生年金、国民年金一本の姿において給付水準を向上させるように、今後とも努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。 なお、厚生年金の遺族年金について老齢年金の二分の一ということになっておるが、これを十分の八にする考えはないか、こういうことでございます。遺族年金につきましては、今回の改正において老齢年金の引き上げに伴ってその水準が大幅に引き上げられるほか、最低保障額を二倍以上に引き上げ、充実をはかったところでございますが、御意見の点につきましては、将来十分検討課題とさせていただきたいと考えておる次第でございます。 次は年金の財源の問題でございますが、厚生年金につきましては、国が二割の負担をし、残りの八割が保険料ということでございますが、その八対二を七対三に引き上げたらというお尋ねでございますが、厚生年金につきまして二割の国庫負担をしておるということは、諸外国の例に比較いたしてみましても、相当な国の負担率になっておるわけでございますので、いま国庫負担率を引き上げるという考えは持っておりません。 また、国民年金につきましても、実は今度の改正におきまして、十年年金におきまして国庫負担の割合の引き上げを行なうことといたしたのでございますが、一般的な負担は保険料の二分の一、この点につきましても、西欧先進諸国と比較いたしまして相当な高率になっておると考えておりますので、これを引き上げる考えはいまのところ持っておりません。 厚生年金の支給開始年齢は六十歳でありますが、これをもう少し引き下げたらどうかと、こういうお尋ねでございます。現実、厚生年金の支給開始年齢は、大体平均いたしまして六十二歳から六十三歳と、こういうふうな開始年齢になっております。しかしながら、六十五歳ということになりますと、そこにギャップが出てまいりますので、今後政府といたしましても、定年制の延長の問題あるいは再雇用の機会の増大、こういう方面に積極的に施策を進めてまいるようにいたしたいと考えておる次第でございます。 年金積み立て金の運用につきましては大蔵大臣からもお答えがあると思いますが、現在、財投の原資として一元的な運用をいたしてはおりますけれども、国民生活の安定あるいは福祉の向上、厚生施設、こういうふうに使途の目途をはっきり明らかにして、総ワクにおいてはっきりとさせておりますもので、いまこれを別にして自主運営をするということはいかがであろうか、こういうふうに考えておる次第でございますが、しかし、この金というものは被保険者の方々からいただいておりまする零細な保険料の集積でございますから、被保険者の御意向が十分この運用に反映できるようにつとめなければなりませんし、今日もつとめておりますが、今後とも大いにつとめてまいる考えでございます。(拍手) 〔国務大臣加藤常太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤常太郎君) 中沢議員にお答えいたします。 御意見のとおり、現在、定年と年金受給開始年齢との間に開きがありますので、当面、政府としては、六十歳定年が一般化するよう定年延長の促進をはかってまいる所存であります。このため、各種資料の提供等により労使の真の理解を深めるとともに、定年延長を実施する中小企業に対する奨励金の支給や、高年齢労働者の訓練体制の整備などを行なってまいることと思っております。 女子の若年定年制は、性による不当な差別と考えられますので、労働省としては、これが解消をはかるよう、従来から啓発指導を行なってきたところであります。今後も事業主に対しまして、かような必要な啓発活動を十分展開いたす所存であります。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
○国務大臣(愛知揆一君) まず、年金積み立て金の管理運用の問題でございますけれども、とくと御案内のように、年金積み立て金の特殊性にかんがみまして、その使途の区分は、他の資金と区分して措置することになっております。これは別勘定という意味でないことも御承知のとおりでございます。しかし、使途を明らかにする区分を明らかにしておりますが、たとえばこれを四十八年度について見ますと、年金積み立て金等の八五%が国民生活に直結する、いわゆる一ないし六分類というものに充てられておりまして、残りの一五%についても国民生活向上の基盤となるようなものに使用されておりまして、基幹産業とか、貿易とか、経済協力には全く充てられておりません。今後とも運用については、一般国民の福祉の向上につながるように、さらに一そうの意を用いたいと存じております。 還元融資の、直接的な被保険者還元について特にどう考えるかというお尋ねでございますが、還元融資の対象としては、これは主として厚生省の所管事業を中心に現在行なわれております、国民の厚生福祉の向上、生活環境の改善等の分野が広く取り上げられておりますし、また、医療公庫、公害防止事業団等につきましても、その所要資金の一部は、この還元融資の対象として実行されておる次第でございます。 これらの還元融資についての回収金を、特に明らかにして別にすることはどうであるかと、これもしばしば御指摘のある御意見でございますけれども、現在は、他の資金と総合運営をいたしておりますから、積み立て金の部分だけを別勘定にして、そしてそこから出てくる回収金というものを明らかにしておることはございませんけれども、しかし、回収金は、全体として一括されて配分計画がされるわけで、これは財投全体の融資計画の基本が、今回は国会の議決の対象になるようにもなりました点から見ましても、民主的に、かつ、こうした点の配慮というものが十分に行なわれるということに、私は大きく前進したものと考える次第でございます。同時に、こうした還元融資、あるいは大切な積み立て金というものの有効適切な、趣旨に沿うような運用ということについては、この上ともに十分の配慮をしてまいりたいと存じます。 先ほど申しましたように、この積み立て金の運用をしたいがために、大蔵省が年金制度のあり方につきまして、積み立て方式を固執するとかどうとかいうようなことは全然ございません。年金制度の改善充実につきましては、とくと今後とも検討をいたしたいということは、先ほども申し上げたとおりでございます。 老齢福祉年金の年金額の引き上げ、あるいは年金財源に対する国庫負担につきましては、総理から、あるいは厚生大臣からお答えがございましたから省略いたします。私も全く総理、厚生大臣と同意見でございます。(拍手) —————————————
○副議長(森八三一君) 加藤進君。 〔加藤進君登壇、拍手〕
○加藤進君 私は、日本共産党を代表して、厚生年金保険法等の一部改正案につき、野党四党共同提案を支持する立場から、総理並びに関係閣僚に質問します。 去る四月十七日、歴史上初めての年金ストライキが実施され、広範な国民、とりわけ高齢者は共感をもってこれを支持しました。 今日、わが国の老人がどのような状態にあるかはもはや多言を要しないところであります。この一月、東京練馬に住まわれる一人暮らしの病身の老人が「われとわが身のゆく末に似たり秋の風」の一句を残して自殺され、また、老いの身で大蔵省前にすわり込まざるを得ないなど、老後の生活保障、そのための年金制度の改善は、もはや一刻の猶予も許さぬ事態になっています。 しかるに、田中内閣は、この国民の切実な声を無視し、依然として経済成長第一主義を推し進め、国民福祉を全くなおざりにしています。提案された年金制度の政府改正案もまた、国民の期待を裏切るものになっています。 政府案は、国民への高負担を先行させながら、まぼろしの五万円年金で国民をあざむこうとするものであります。すなわち、厚生年金で五万円を受け取られる人は、全受給者のわずかに一割、国民年金に至っては、二十年先まで待てというもので、ここに国民の老後の生活保障など何一つ考慮を払おうとしない田中内閣の根本姿勢があります。 厚生大臣は、本改正案の趣旨説明の中で、核家族化の進行や扶養意識の変化など、老人をとりまく環境は著しく変貌しつつある、と言っているが、このことばこそ、国民にその責任を転嫁して、政府の負うべき老後の保障について、何らの責任もとろうとしないことを示すものであります。 田中内閣は、これでも、老後の生活保障は国の義務と定めている老人福祉法や憲法の精神にそむくものではないと考えておられるかどうか。明確なお答えを願いたい。 次に、年金制度に対する基本的な考え方についてであります。 本改正案は、保険料を大幅に引き上げるものであって、わが党は断じて認めることのできないものでありますが、さらに重大なことは、今後も段階的に保険料を引き上げることを公言しておる点であります。これは国民に対する挑戦と断ぜざるを得ません。 政府は、保険主義だから応分の負担はやむを得ないと言っています。政府のいう保険主義とは、老後は本人の努力と勤労者相互の助け合いで保障せよというものであって、国と資本家の負担と責任を免罪するものであります。この考え方は、十九世紀の相互扶助思想の遺物であって、社会保障とはおよそ無縁なものであります。これは、国の社会保障に対する責任を明記した憲法の精神にも反するものであります。 老人は、誠実に営々と社会と子孫のために働き続てきた方々であります。しかも大多数の老人は、低賃金、インフレ、高物価のため、老後に備えてたくわえを残すゆとりが全然ない方々であります。このような老人に対して、国が責任を持ち、長い間働かせてきた資本家がその老後を保障するのは当然ではないでしょうか。こうした国と資本家の負担の原則は、今日では社会保障の国際的常識となっているものであります。本改正案は、まぼろしの五万円年金と国民からきびしく批判されておりますが、このような不十分な年金制度の根底には、誤った保険主義が横たわっているのであります。総理は、この際、被保険者の負担を大幅に引き上げるなどということをやめ、国と資本家こそ年金制度の改善に大きな責任があるという立場で、今後の改革に取り組むとの決意がおありかどうか、お答え願いたい。 質問の第三は、財政方式についてであります。わが党は、インフレによる積み立て金の減価を防ぎ、生活できる年金を保障するために、賦課方式の採用が必要であると主張してまいりました。ところが、政府は、今後、老人人口が急増し、若い世代の負担が増大するなどを口実に、現行修正積み立て方式に依然として固執しています。若い世代の負担がふえるという政府の言い分は、国と資本家の負担をふやせば解決できるのであって、全く根拠はありません。さしあたり国庫負担を四割、残りを労働者三、資本家七とする負担制度を導入するならば、厚生年金を夫婦で六万円にするのに、保険料は千分の十四と、現行の半分で済むのであります。問題は、国と資本家の負担をふやすのか、それとも労働者や国民の負担をふやすのかの二つの道の選択にかかるのであります。政府はなぜ国民の負担をふやす道を選ぼうとするのか。それは、積み立て金を財政投融資に使い、大資本のための高度成長に役立てようとする意図があるからではないのか。国の責任を回避し、大資本に奉仕する以外に全く根拠のない積み立て方式に、政府はなぜかくも執拗に固執するのか、政府の明確な答弁を求めるものであります。 第四は、すべての公的年金に対する最低保障を確立するという点についてであります。わが党は、すべての公的年金制度に共通して、当面月三万円の最低保障を設定すべきであると考えています。この最低保障額は、すべての公的年金制度に三年以上加入している者には、定額部分として一律に保障され、その上に、加入期間を考慮した報酬比例部分を上積みする方式であります。この方式こそが、生活保障の原則を具体化するものであると確信しています。このように、国民にわかりやすく、国民の最低生活を保障する方式こそ採用すべきだと思いますが、政府の答弁を求めます。 わが党は、厚生年金、国民年金ともに三年以上加入している者に、六十歳よりすべての年金を支給することをたてまえとし、当面、夫婦で月六万円以上、福祉年金については六十五歳より月一万円、三年で三万円を支給するなど、国民の要求にこたえる年金改正案を主張してきました。その財源については、大企業に対する租税特別措置をはじめ、法人税や所得税などの特権的減免税約三兆円、大企業の法人税や、高額所得者への累進課税の強化、土地投機、株式投機などの資本利得に対する課税の強化、約一兆円の軍事費など、不必要な予算の削減等によって約八兆八千億円の財源を生み出すことができます。厚生大臣、あなたが衆議院本会議において、わが党の提案に対して、財源対策がないではないかと反論されていますけれども、すでにこの財源案は、数カ月も前からわが党が公表しているものであります。このような財源政策が明確になっているにもかかわらず、あえて財源がないと言われるのは、大資本の利益を擁護するために年金制度の根本的改善を回避しようという政府の態度を示すものにほかならないと思うが、この点について御答弁をお願いいたします。 私は、以上のような立場から、国民の要求からほど遠い政府案は直ちに撤回し、四党共同提案を取り入れるよう強く要望して質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中角榮君) 加藤進君にお答えをいたします。 第一は、年金制度の充実と老後の生活保障を確立せよとの趣旨でございますが、わが国は諸外国に例を見ない急速なテンポで人口の老齢化が進んでおりますので、早急に総合的な老人対策を確立し、これに対処することが重要な課題であります。その一環として、年金制度の大宗をなす厚生年金、国民年金について、老後生活のささえとなる五万円年金の実現と、自動スライド制の導入を骨子とする改善案を提案をしておるわけであります。この改正は、老後の所得保障問題の解決の大きないしずえとなるものであり、その実現によりまして、わが国老人対策は飛躍的な拡充を見るものと考えておるものであります。 第二点は、年金についての考え方を生活保障の原則に改めてはどうかというようなことでございますが、今回の年金制度の改正は、厚生年金につきましては、現在の勤労者の収入の六割を標準的な年金水準として確保いたしますとともに、国民年金につきましても、これに見合って夫婦の場合の年金水準を実現するものであります。この改善によって、十分に老後のささえとなる年金水準が実現するものと考えておるのでございます。 なお、現在の社会保障政策が、憲法の精神にのっとっておるのかとうかということでございますが、これはもう憲法の精神を踏まえて、充実に日夜努力を続けておることを理解いただきたいと思います。(拍手) 〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤邦吉君) 総理からお答えになりました部分を除きまして、お答えを申し上げます。 まず、年金制度の充実のために国庫負担を四〇%とし、残りを労働者一二〇%、資本家七〇%、こういうふうにしたらいいのではないかというお尋ねでございますが、先ほど来お答え申し上げておりまするように、厚生年金に対する現在の国の負担は二〇%でございまして、西欧先進諸国の行なっておりまする国庫負担の率に比べますと相当高率でございますから、国庫負担を四〇%に引き上げるという考えは持っておりません。さらにまた、労使の負担割合を三〇、七〇ということでございますが、社会保険制度におきましては、今日まですでに労使の負担割りは折半ということで定着をいたしておりますので、いまこうしたことを採用しようという考えは持っていないのであります。 さらにまた、由来、年金制度は社会保険方式を採用いたしておるのでございまして、加入期間の長短にかかわらず、あるいは報酬の多寡いかんにかかわらず定率であるということは、わが国の年金制度においてはなじまないと考えておる次第でございます。 なお、その際に社会保険主義によることは、積み立て金を多くして、大資本に奉仕するのではないかというお尋ねがございましたが、国民年金、厚生年金の積み立て金の金は、先ほど来お答えいたしておりまするように、国民福祉の充実のためにワクをきめて使用いたしておりますので、産業あるいは貿易には一文もこうした金は使ってないということを、この機会にはっきりと明らかにいたしておきたいと思うのであります。 さらにまた賦課方式の問題でございますが、わが国の人口の老齢化は急速に進んでおるわけでございまして、年金のような二十年、三十年というふうに長期にわたる計算をしなければなりませんものにつきましては、現在の修正積み立て方式を採用いたしてまいることが適当であるわけでございまして、将来、わが国の老齢化社会が出現をし、成熟いたしました暁におきましては賦課方式に移行する、こういうふうに考えられますので、そうした問題につきましては、今後とも十分検討いたしてまいる考えでございます。 さらに、最低保障の額の問題でございますが、こうした問題を考えるにあたりましては、当面の財源ばかりじゃなくて、やはり長期にわたる財源をどのようにまかなっていくかという問題がございますので、いま、にわかに賛成いたしかねるのであります。 さらに、私が先般衆議院の本会議で、共産党提案の案には、財政対策が欠けておるという点についてのお尋ねでございましたが、先ほどお述べになりましたような財源は、実現可能なものかどうか、非常な疑問があるわけでございます。そういう実現可能でないものを持ってきて、ここに財源がありますということでは、説明にはならないと考えておる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
○国務大臣(愛知揆一君) お尋ねの点は、非常に率直に申しますと、基本的な考え方に食い違いがあるのではないかと思います。と申しますのは、政府の考え方は、年金制度は社会保険ということで扱ってまいりたいということであり、そして、それを考えてまいりますときには、老齢化の状況、あるいは年金制度ができてから比較的年数が若いとか、いろいろのことを考えてまいりますと、やはり現在のところは、いわゆる積み立て方式あるいは修正積み立て方式でいくことが、将来個人の負担が多くなる、あるいは保険料が高くなるというようなことを防いでいく、長期的にりっぱな年金制度をつくるということからいって、私どもは望ましい行き方であると、かように考えているわけでございます。 ところが、御質疑のように、年金の積み立て金を、大企業に大いに奉仕するためにお金を使いたいから、こういう積み立て方式というのを政府はとっているんだと。これは全く逆でございまして、大切なお金を積み立ててお預かりいたしておりますから、これが効果的に、そして福祉国家建設に、あるいは還元できるようにということで、昭和四十八年度におきましては、年金積み立て金に例をとって言えば、八五%は先ほど来申しておりますように、いわゆる一から六の分類に配当されておるし、残りの一五%もこれに準ずるものに配当されておりまして、基幹産業とか、貿易とか、経済協力には全然配当されておりませんということを申し上げておるわけでございます。 さらに、回収金というような問題もしばしば御質疑に出るわけでございますけれども、これは財投全般の投融資計画の中に入るわけでございますけれども、これが四十八年度の計画におきましては、従来の方針をさらに積極的に切りかえまして、福祉国家建設のほうに向くように非常なくふうをこらしていることは御案内のとおりでございますから、この年金制度改善をいかにするかということと、それから現に財投の中に運営をされておりますところの年金積み立て金によるところの負金の運用ということと、これは本来別の問題なんでございますから、そこを混同して、一つの政治的意図があるかのように思われて論議をされることは筋違いであるということを明らかにいたしておきたいと思います。(拍手)
○副議長(森八三一君) これにて質疑は終了いたしました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 日程第二 千九百七十二年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長平島敏夫君。 〔平島敏夫君登壇、拍手〕
○平島敏夫君 ただいま議題となりました千九百七十二年の国際ココア協定につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。 この協定は、昨年十月、ジュネーブの国連ココア会議で採択されたものでありまして、開発途上国において産出され、著しく価格変動にさらされやすいカカオ豆の価格を、生産国及び消費国の協力によって安定せしめるために、最低価格及び最高価格の設定、輸出割り当て制度及び緩衝在庫制度の設置等を取りきめたものであります。 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願います。 昨二十四日、質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 日程第三 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案 日程第四 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長佐田一郎君。 〔佐田一郎君登壇、拍手〕
○佐田一郎君 ただいま議題となりました両法律案について、商工委員会における審議の経過と結果を報告いたします。 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 本法律案のおもな内容は、第一に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正して、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を三年間延長して昭和五十一年度に改め、各種助成業務を石炭鉱業合理化事業団に一元化するとともに、同事業団に管理委員会を設置すること。 第二に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正して、現行再建交付金交付契約の期間を短縮するとともに、再建交付金の交付対象に新たに昭和四十七年六月三十日以前に借り入れた長期借り入れ金債務を追加すること。 第三に、石炭対策及び石油対策特別会計法の一部を改正して、閉山交付金等に不足が生じた場合は、借り入れ金をすることができる等の措置を講ずることであります。 本法律案については、石炭対策小委員会において審査を行ない、石炭の再評価、将来の出炭目標など石炭対策の当面する諸問題について質疑が行なわれましたが、その詳細は、会議録によって御承知いただきたいと存じます。 委員会においては、石炭小委員長の報告を聞いた後、質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は多数をもって衆議院送付案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案は、炭鉱離職者求職手帳の発給要件の緩和、炭鉱離職者に対する広域求職活動費の支給及び本法の廃止期限の三年間延長等を行なおうとするものであります。 委員会においては、炭鉱離職者対策の現状と見通し等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知いただきたいと存じます。 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上報告を終わります。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 日程第五 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長沢田政治君。 〔沢田政治君登壇、拍手〕
○沢田政治君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。 本案は、住宅金融公庫の業務の範囲を拡大するとともに、貸し付け条件の改善等を行なうもので、そのおもな内容は、第一に、公庫は、住宅団地の建設資金にあわせて、関連公共施設及び関連利便施設の整備に必要な資金を貸し付けることができること。第二に、公庫が貸し付ける個人住宅建設資金、関連公共施設整備資金等の貸し付け利率、償還期間等の貸し付け条件を改善することとし、利率を法律の定める限度内で政令で定めることとすること。第三に、公庫が事業者に貸し付ける宅地造成資金、特定中高層耐火建築物建設資金等の貸し付け限度、利率、償還期間等を政令で定めることとする等であります。 委員会における質疑の詳細は、会議録で御承知伺います。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、山内委員より、施行期日を公布の日に改める旨の修正案が提出され、採決の結果、本案は、全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 日程第六 入場税法の一部を改正する法律案 日程第七 物品税法の一部を改正する法律案 日程第八 農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上三案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長藤田正明君。 〔藤田正明君登壇、拍手〕
○藤田正明君 ただいま議題となりました三法律案について申し上げます。 まず、入場税法の一部を改正する法律案及び物品税法の一部を改正する法律案は、今次税制改正の一環として、最近における入場税負担の実情並びに物品税の課税物品の消費態様、取り引き状況等に照らし、入場税、物品税の負担を軽減、合理化しようとするものであります。すなわち、入場税法の一部改正案は、催しものの種類、入場料金の高低にかかわらず、一律一〇%となっている現行税率を、映画千円以下、演劇、音楽等二千円以下の入場料金の場合、それぞれ五%に引き下げるほか、入場税の非課税範囲の拡大、特別入場券の検印制度の簡素化等、所要の規定の整備を行なおうとするものであります。 また、物品税法の一部改正案は、製造課税で四〇%の税率が適用されている大型モーターボート等の税率を三〇%に、小売り課税で二〇%になっている貴石、貴金属製品等の税率を一五%に引き下げる等の改正を行なうとともに、マッチ、固型ラムネ等に対する課税を廃止し、新たに現行課税物品との負担権衡をはかるため、セパレート型ルームクーラー、電波調理器、貴金属メダル等を課税の対象とするほか、販売業者証明書制度の創設、小規模納税申告書の提出期限の特例の新設等、所要の規定の整備を行なおうとするものであります。 なお二案に対し、衆議院において、施行期日を公布の日の翌日に改める等の修正が行なわれております。 委員会におきましては、二案に対し、参考人より意見を聴取するとともに、入場税及び物品税の基本的性格、文化の向上、社会教育の普及を目的とした催しものに対する入場税のあり方、物品税率引き下げ等の効果が商品価格に反映しがたい理由等の諸問題について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終了し、討論なく、二案を順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、入場税法の一部改正案に対し、全会一致をもって附帯決議が付されましたが、その内容は、「政府は、文化の向上、社会教育の充実に寄与すると認められる種類の催物について、今後とも入場税を減免するよう配慮すべきである。」「政府は、最近における競馬、競輪等の実情等にかえりみ、福祉対策の充実を図るため、ギャンブルに対する税負担を強化する方向で、その具体化に努めるべきである。」旨のものであります。 ————————————— 次に、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案について申し上げます。 本案は、最近における国際収支の状況にかんがみ、対外経済関係の調整に資するため、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金及び日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づく債務を、昭和四十八年度に繰り上げて一括償還することとし、産業投資特別会計において、これに伴い必要となる借り入れ金をすることができることとする等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、一括返済にかかわる資金調達のあり方、ガリオア援助の債務性、余農資金の使途等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。 まず、入場税法の一部を改正する法律案及び農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案を一括して採決いたします。両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、両案は可決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 次に、物品税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) 日程第九 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長高田浩運君。 〔高田浩運君登壇、拍手〕
○高田浩運君 ただいま議題となりました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案は、最近における実情等にかんがみ、国家公務員等の内国及び外国の旅行における日当、宿泊料、移転料等の定額について改善をはかろうとするものであります。 なお、衆議院において施行期日及び適用期日について修正が行なわれております。 委員会における質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次いで、本法案に対し、旅費の定額の等級区分の縮小等合理化、旅費の実態調査の時期、方法の再検討、教員に対する正規の旅費支給の三項目を内容とする五党共同提案による附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。 —————・—————
○副議長(森八三一君) この際、日程に追加して、 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(森八三一君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長久次米健太郎君。 〔久次米健太郎君登壇、拍手〕
○久次米健太郎君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案は、住民負担の軽減及び合理化をはかるため、住民税の所得控除の額の引き上げ、低所得者層に対する市町村民税の税率の緩和、事業税の事業主控除の額の引き上げ、電気ガス税の税率の引き下げを行なうほか、料理飲食等消費税、固定資産税、電気ガス税等の免税点の引き上げ等を行ない、また、土地にかかる固定資産税について、住宅用地に対して特例措置を講じつつ課税の適正化をはかり、さらに、土地税制の一環として、特別土地保有税を創設する等のほか、三大都市圏内の都市に所在するいわゆるA、B農地に対する固定資産税については、評価額の二分の一を基礎に課税を行なう等、所要の改正をしようとするものであります。 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終わり、討論を行ない、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対して、住民税及び一般住宅用地に対する固定資産税等の軽減についてさらに所要の措置を講ずること、都市計画法上、生産緑地制度を早急に創設し、一般農地と同様の税負担とするよう検討すること、都市税源及び市町村道路財源の充実につとめること等を内容とする附帯決議を付しております。 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十一分散会