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71回国会参議院1973/04/05

文教委員会 第3号

発言数
303
登壇者
16
会派数
4
開催日
1973/04/05

会議録

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  教育、文化及び学術に関する調査中、昭和四十八年度における文教行政の重点施策に関する件を議題といたします。  本件について、質疑のある方は順次御発言を願います。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 この予算委員会におきましても、高度成長型から福祉型という発想の転換ということが非常に強調されてきておるのでございますが、この福祉国家とか、福祉優先とかということが叫ばれれば叫ばれるほど、その福祉の恩恵にあずかってない底辺の問題、これを非常に感ずるわけでございます。  たとえば、私、ここに新聞の切り抜きをたくさん持ってきておるんですが、この一月から三月の間でも、これだけたくさん障害児に対するいろいろの事件、ニュース、そういったものが書かれておるのでございますが、一々これを読むわけにもいきませんので、概略してその例をあげてみますと、養護学校へ入りたくても満員で入れない。東京でたしか養護学校は相当多くあるわけでございますが、それでもやっぱり二倍から三倍ぐらいの競争率、あとは入れないというような問題。それから高校受験を拒否された、あるいは試験は受けられたが入学は許可されなかったと、そこで、この親が裁判にそれを持っていく。合格点には達しておるにもかかわらず、なぜ入れないのだというような親の嘆き。それから、卒業アルバムや入学式で特殊学級の子供だけがその記念アルバムからオミットされておる。それから、入学式も特殊学級に入る子供だけが入学式に臨めない。学校側が、呼んだらおそらくみじめな目にあらだろうから呼ばなかったのだろうという学校側の配慮はわからないでもないが、親の身としては、晴れの入学式に呼ばれなかったということは、子供にとって非常に悲しいことであるというようなニュース、こういった事例を見ましても、非常に福祉、福祉と叫ばれれば叫ばれるほど、福祉以前の問題が片づけられてないということを痛感するわけでございます。教育の場で見られるこういった事件、悲劇、そういうものにつきまして、まず、文部大臣から一般的な御所見を承りたいと存じます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 戦後、急速にわが国の教育水準が向上いたしてまいりましたけれども、いま御指摘になりましたように、心身障害児をめぐります教育の問題につきましては、しばしば心を痛められる問題が続出して、まだ解決されない多くの問題があることに私自身も深く責任を感じているものでございます。よい方面からいいますと、心身障害児をかかえておられる保護者の方々は、昔なら隠そうとされたのでしょうけれども、教育に目ざめて進んで何か教育を受けさしてやりたい、少しでも明るい児童に育ててあげたい、こういう気持ちがかなり積極的になってきておるわけでございますから、私は、これを社会が十分に受け入れられるように施設を整えていかなきゃいけない、こう考えているわけでございます。そういうことで特殊学級もふやしてまいってきておりますし、養護学校の増設にも努力を払ってまいってきておるわけでございます。特に四十八年度からは、全体的に施設の整備については国が三分の二を負担するというような仕組みも講じさせていただいたわけでございます。しかしながら、世間一般の理解はまだまだ私は不十分だと思います。特殊学級の増設なども行なってまいってきておるわけでございますが、学校の先生方全部が深い理解を持っておられるかといいますと、御指摘になりましたように、アルバムの中に入れる入れない、いろいろな波乱も若干見られているようでございます。そういうような意味で、一般的な啓蒙、これも積極的にはかっていかなければならない。そういうことにつきましては、地域ぐるみで研究をしてもらうというような指定なども文部省で行なっているわけでございますが、そういうことでは総合的に私たち対策を積極的に進めていきたい、これから特に文教問題で力を入れていかなければならない問題がこの辺にあるのじゃなかろうかと、こういう気持ちでおるわけでございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 同様の例といたしまして、私はよく知っております幼稚園の例をちょっと御披露いたしまして、大臣の御所見を承りたいのですが、武蔵野市に武蔵野東幼稚園という幼稚園がございまして、私も二、三回見学に行ったことがあるのです。前の高見文部大臣も、私、お願いしまして視察に行ってもらったのです。高見文部大臣に、私、予算委員会の部屋の前でばったり前に会いまして、八百名の園児の中で、驚くなかれ百五十八名の自閉症の子供を預かっている幼稚園があるのだ、それは武蔵野市で、近いから一ぺん見てくれと言ったら、ぜひそれは見に行こうということになりまして、高見文部大臣行きまして、非常に感銘をして帰られたということがあったのです。これはもう百五十八名の自閉症の子供を預かるということは、二、三名でもこれは手がかかってたいへんなんですね。これは私は、まあ世界の奇跡に近いほど——ちょっと表現はオーバーだけれども、たいへんなことをやっておられる幼稚園だというように見ておるわけです。そこで早期治療とか、それから普通児と自閉症児が一緒になってやっているといった統合教育と申しますか、そういったことが非常な効果をあげて、いままでことばをしゃべらなかった者もやがてことばが出てくる。全然コミュニケーションがなかったお友だちともコミュニケーションが出てくるというような効果をあげておる。大臣、自閉症という病気をよく存じておられると存じますが、赤ん坊のときおんぶしておりますと、赤ちゃんを、何かこう重くてしようがないというのですね。どうしてこう重いのかなと思っておりますと、何か、石の地蔵さんのように硬直しておるわけです。普通の子どもならば、おかあさんの背中に寄り添うというコミュニケーションを知っておるわけですね、本能的に。ところが、こうなっておるものだから、重くてしようがないわけなんです。おかしい、おかしいと思っておりますと、ことばが単語しか出てこない。これはちょっと頭がおかしいのじゃないかと心配して病院へ連れていきますと、これは自閉症だということで、私の部屋なんかもときどき自閉症児のおかあさんが子供さんを連れてきますと、ぱっと入り込んできまして、あの議員会館の部屋に、窓からぱっと見て清掃車、清掃車というようなことを言って、また、さっと帰ってきまして、秘書室にある冷蔵庫のふたをぱっとあけてジュース、ジュースと言うんですよ。私は、そういうあれをよく知っておりますので別に驚きもしないんですが、普通の方が見たら、これはどういうお子さんかな、しつけの悪いお子さんじゃないかというように見るといったのが自閉症です。たとえば、おかあさんがバスなんかで連れて学校に行く、幼稚園に行く、そうしますと集中力がものすごくあるものですから、何かこう一点を見つめますと、前の人のめがねならめがねを見ておりますと、めがね、めがねと、こう思うわけですね。おかあさんが知らない間にぴょんと飛んでいって前のお客さんのめがねをぱっと取ってしまうというような病気だというように思っていただければいいんですが、まあわかりやすく言うと、山下清画伯、あの方あたり、やはり一種の自閉症だと思うんですね。はり絵、あれに夢中になると、そればっかりに集中して分散力というものが非常に少ない、こういった子供さんを百五十八名も八百名のうちに預かっている幼稚園、こんなものはどこへ行ったって、世界のどこを見渡したってないわけですね。ここで私非常に驚いたことは、園長さんはじめ先生たちの教育に対する情熱ですね。これの打ち込み方はたいへんなものなんですね。したがって、親がまたその先生を非常に尊敬して、親がそういう障害のある子供に対する理解が非常にあるというようなことが感応道交して、普通児の子供がそういった障害のある自閉症の子供さんたちと、これは子供の世界というのは全くおとながはかり知れないすばらしいものがあるんだなということを感ずるんですが、実に抵抗なく融和をしていくというところ、それが非常にいい刺激になって、この自閉症の子供がなおっていくといったそういう統合教育が成功しているという幼稚園ですね。ここでだんだんだんだんそれが語り伝えられまして、北海道から九州から、おやじさんはつとめがあるから北海道に残る、九州に残る、奥さんが子供を連れて、東京のアパートに入って、そこの幼稚園にぜひとも入れてくれ、入れてくれ、といってきて、もう満タンを越えちゃっているわけですね。ところが、その近所を見渡しても土地が高くて手に入れることができない、それを拡張することができない。ちょうど幸いに米軍の払い下げの敷地がある、そこを何とか借りてはみ出たそういった気の毒なお子さんもともに大きなところでもって収容できるような教育がしたいという園長さんの情熱もむなしく、その敷地は全部武蔵野市の市民のいこいの場としてのグリーンパ一クにしようという決議が行なわれておる。したがって、市長も理解がないわけではないが、市民のいこいの場のほうがまず公共的な立場からいって先決であるというような判断のもとに、なかなかそれを迎え入れようとしない。私は公共的な、——その公共ということは一体どういうことかと考えますと、こういった問題が解決されなければ、公共施設、グリーンパ一クにするということ、それはむしろ二の次になるんじゃないかと思うほど、こういった問題こそ、公共的な問題であるというように考えておるわけでございます。これは、この学齢に達した子どもが五十九名も入っておるというのですね。これは違法といえば違法ですよ。あえて違法をせざるを得ないようなそういった状況だということを大臣も御理解をいただきたいのでございますが、この幼稚園がその敷地を借りるにしましても、何するにしましても、そういった子どもを教育するためにはどうしても文部省がそれに対する理解を示すということによって大蔵省も、きょうは大蔵省は見えておりませんのではなはだ私は残念なんですが、分科会の都合でどうしても来られないということで、大臣から私は大蔵省に強く要望してもらいたいのですが、あれは国有地になるわけですから、返還された暁は。大蔵省がもっと積極的に、相当積極的にやってくれているようなことを聞いてはおりますが、もっともっと積極的にこういった問題に取り組んで予算をつけてもらうとか、返還に協力してもらうとかということをやってもらいたいということを強く希望しておるわけでございます。それにつきましても文部省が、たとえば実験協力校というのですか、そういうものに武蔵野東幼稚園を指定するということができないかといって、かりにできなかったならば、国立特殊教育研究所というものがあるのですから、この特殊教育研究所が実験協力校に指定をするといったことができるならば、文部省も積極的な姿勢を示しておるということが大蔵省に反映するわけですが、その点、大臣いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 武蔵野東幼稚園のことにつきましては、前から河野政務次官がよく知っているようでございまして、話も聞いて私もたいへん熱心にやっていただいていることに感謝している一人でございまして、いま、楠さんからお話しのありました実験協力校に指定したらいいじゃないかというお話ごもっともでございますので、さっそく四十八年度そういう方向で考えさしていただきたいとかように考えるわけでございます。自閉症児の問題、私、先ごろ岐阜県の先生の何とおっしゃった方でございますか、「自閉症児の記録」といった本がございまして、それを読ませていただきまして、たいへんな問題だなと、しかし、やはり真剣に熱意を持った先生がめんどうを見てあげられると、ずいぶんよくなっていくものだなという感じも持たせていただいたわけでございまして、普通の学級に自閉症児の子どもを入れまして、そうして育てていったことが記録として本になっているものでございまして、私も感激して読んだわけでございますけれども、そういう問題につきまして私ども今後さらに一そう努力をしていきたいと思いますので、今後具体の問題につきまして楠先生から御教示をいただき、また、それに応じて努力を尽くしていきたい、かように考えております。いま、お示しになりました武蔵野東幼稚園の問題につきましては、積極的にひとつそんな方向で力を尽くしてみたいと思います。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 たいへんありがとうございます。しかし、実験協力校ということに指定されてかえって事務がふえてしまったと、そういうようなあり方では困るのですね。実験協力校になったがために、大蔵省が非常に協力をしてくれるというようなそういう裏づけのためにお願いをするわけでございますから、その点念頭に置いて協力校に指定してくれる方向で進めていただきたい。しかし、それも積極的な姿勢で前向きに検討するじゃあ困るのですね。これは目睫の間に迫っておる問題なんですから、毎年、毎年そういう子が学齢に達してそれでどこかの学校に行かなくちゃいけないのですから、急いでやっていただきたいということをお願いを申し上げます。これは、私は一つの私立学校に対して援助をするとか何とかといった問題を言っているんじゃないです。それからまた、プライベートの陳情を私はここで申し上げているのではないのです。国がやるべきこと、公の機関がやるべきことを一私立幼稚園が肩がわりしてやっている、その状態に対して国はどうあるべきかということを考えていただきたいという意味で大臣にお願いをいたしておるわけでございます。  それから次に、中教審の答申ですが、特殊教育の拡充整備という項がありまして、なかなかいいことを言っておるわけです。その内容は第一として、養護学校の義務教育実施と市町村に対する精神薄弱児のための特殊学級設置の義務づけ。第二番目は、通学困難な児童・生徒に対する派遣教員の普及など状況に応じた教育形態の多様化。第三番目は、重度の重複障害児のための施設の設置など、特殊教育施設の整備充実に対する国の積極的な役割りの遂行。それから四番目に障害児の早期発見と早期の教育・訓練、義務教育以後の教育の充実、特殊教育と医療・保護・社会的自立のための施策との緊密な連携などと、まあいずれももっともなことばっかりを列記しておって、これはこれとしてたいへんけっこうだと思うんですが、私はどうも障害児教育の基本的な姿勢と申しますか、ちょっと大げさに表現すると障害児教育の哲学というか、そういったものが何か誤っておるような、認識が誤っておるような気がしてしかたがないわけです。  その第一は、特殊教育という従来の制度的用語にとらわれて、障害児教育の本質がつかまれてないということなんですね。大体、特殊教育ということばを制度的な用語として使うならば、これはもう教育全般が全部特殊教育だと思うんです。みんな、子供というのは一人一人特性があって、その特性に当てはめて教育をやるという意味においては、それ自体特殊教育なんですね。一般教育なんかじゃないんです。それが行なわれているがゆえに規格品みたいな人間ができてしまうんで、全部違った個性のもとに、違った教育を与えていくという意味において特殊教育ということばがあるんであって、何か欠陥がある、障害のある子供に、その子供に特殊教育というものをやるということは、どうも私、間違いではないかという気がするんですが、その点いかがでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃいますように、教育そのものが個人の適性に応じて可能性を見い出していかなきゃならない。それを心身障害児の教育に限って特殊教育ということばを使うのは穏当でない。もっともな感じがいたします、お伺いしまして。さて、どんなことばがあるのかということになってくるんだと思うんでございまして、適当なことばが見い出されますならば、積極的にそういうことばに切りかえに決してやぶさかではないと思います。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 私は、ことばなんかどうでもいいというような、そういう行き方じゃ困るんですよ。適当なことばがないから、まあいままで使っておったことばだって、別にそう問題ないじゃないかという、そういう認識じゃ困る。もっと、障害児の教育に対する基本的な姿勢に誤りがあるがゆえに、出てきたことばが特殊教育だというような認識を私持っておるんです。やっぱり障害を持った子供には自分の障害というものを直視して、あなたはそういう障害があるんだぞということを言うのもひとつの、これは過保護でない、将来自立の精神を与える意味においていいと思うんですね。そういった直視することの上に立って、情緒的安定が保てる強い子供を育てていくということと、それから障害を持たない子供には、おまえは健康なんだと、そのしあわせをかみしめていこうじゃないかというように教育をすると、それから障害を持った子供を助けて、手を携えて生きていく、人間的あたたかさを育てるといったことが大切だというように私は考えておるわけですね。教師にとりましても、欠陥のある子供、障害のある子供を、そういったハンディキャップを背負っている子供を自分が受け持っておるということ、そのことが教師としての貴重な体験になっていくというような意味からも考えまして、特殊教育ということばをやめまして、障害児教育というようにはっきり打って出たらどうでしょうかね。  私は前の委員会でも申し上げまして、局長もそれはたいへん賛成だというように言われたはずです。養護教育と言ったらどうかというようなことを言ったんですよ。たとえば、養護学校というのがあって、学級になりますと、特殊学級になっちゃうんですよ。なぜ養護学級と言わないのかと、学級も学校も養護でいいじゃないかと。そうしましたら、いや、養護教諭というのがあるからまぎらわしいと、こう言うわけなんですね。それならば、障害児教育とはっきり言ったらどうなのかなというように考えております。しかし、それに別に私は拘泥するわけでもございません。もっといいことばがございましたら、もっといい知恵がございましたら、どういう名前にするかも、真剣に考えていただきたいわけでございます。  それから養護学校の義務化の問題ですがね、大臣も打ち出しておられますが、文部省の推計によりますと、障害児の出現率は三・七%だと。これはいいですかね、三・七%。新しくことし一年生になる子供が百五十四万人だというように新聞が報じておるわけなんです。ところが、約五万七千人の人間は、いわゆる文部省でいう、この養護学校もしくは特殊学級の対象児なんですね。しかし、現在用意されているその養護学校とか、その特殊学級の施設というものは、約四万人の子供がそこからはずれちまうわけなんですよ、四万人の子供が。その点どうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 完全に学校教育からはずれている者と申しますのは、これは私どものほうでは就学の猶予の免除を受けている者という形でとらえておりますのが二万一千名でございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 新入生、一年生でですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) いや、全体でございます。ただいま、先生が御指摘になっておられますのは、これは本来特殊学級あるいは養護学校に入れるのが適当であるという者が普通学級等に入っておる、そういうふうな、要するに、適切な教育上の配慮がなされておらない者がかなりおるということは、ただいま先生の御指摘になったとおりでございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 もう、本委員会で数回議論されておるんですがね、養護学校の義務化、先ほど申しました義務化についてですが、文部省が四十七年度に始めて、五十三年度までの七年計画をお立てになったですね。それで五十三年でその七年計画が終わったあくる年の五十四年から義務化だということを、大臣、この間新聞で発表しておられましたけれども、これは非常な前進だと思うんです。これは一体できるかなという、非常に不安感があるんです。というのは、前にもこちらで指摘があったと思いますが、四十七年度の予算で二十校分予算がついておるんですね。ところが、これが消化したものが十二校しかないわけですわ。これは土地が高いとか、手に入らないとか、いろいろ地方の事情があるにはあるんですがね。二十校分予算がついて、たった十二校しか消化していない。ことし、四十八年度は三十一校分予算が要求されておるわけですが、これも消化しきれるのかというようなことを考えていきますと、七年計画というものはずっとおくれていっているのじゃないかと思うんですね。そうすると、その大臣の言う、七年計画が終わったあくる年の五十四年度から義務化するということは、それだけ見ましても実現不可能だと思う。親の気持ちからいったら先の、五十四年に義務化というのじゃ、これは気の遠くなるような話なんですわ。毎年、毎年子供が学齢に達していく、学校に入れない。そういった子供をかかえて、どうしていいかと迷っておる、そのおかあさんたち、おとうさんたちの気持ちからいさましたら、五十四年というのは、まあずいぶん遠い将来の話ですね。しかもその五十四年も、なお七年計画がおくれていくことによりまして、いつになることかわからぬといったような不安感を私自身持つわけです。私が持つくらいですから、そういった子供を持っているおかあさんたちの気持ち、これはたいへんなものだと思いますが、その点、大臣、もう一回はっきり、五十四年からやれる自信があると、それにはこういう計画をやっておるからできるんだというようなことを、具体的にお示しいただきたいんです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いま、楠さんがおっしゃいましたような心配を私自身も持っているわけでございます。同時にまた、障害児をかかえておられるおかあさんたち、何としてでも学校に入れてやりたい、学校がないからその希望が満たせない、切実な問題でございます。そこで、この問題を解決しようと思ったらどうすればいいか。やっぱり義務化の時期を明示する、いまから明示しておくということじゃなかろうかと、こう考えついたわけでございます。四十七年度から七ヵ年計画で養護学校の増設を進めてきておるわけでございますので、七ヵ年ということになりますと五十三年度。そうすると、それができれば義務化できるはずなんだから、五十四年四月一日から都道府県は養護学校を設置しなければなりません。保護者は心身障害児でありましてもこれを学校に学ばせなければならない、それを義務づけますよと、こうしますと、府県におきましても計画を立てて、いまからちゃんと養護学校を幾つか建てなければならない、また、建ててもらえれば義務制を施行できる、こう考えたわけでございまして、文部省が財政当局であります大蔵省と自治省と打ち合わせをいたしまして、そして今度はそれに基づきまして、全国の府県に対しまして、五十四年四月一日から義務制を実施したいんだと、そのためには、あなたのところでそれぞれの養護学校を何校建てる必要があるのか、その何校の学校を何年にどの学校、何年にどの学校、どういう計画をつくってもらえるか、その具体の計画を文部省に報告してください、その報告を受けまして年度内にいま申し上げました義務制実施の時期を法制化したい、そしてみんなで努力をしていこうじゃないかと、こういう気持ちを持っているところでございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 大臣のそういった御計画、気持ちはよくわかりますけれども、大臣がああやって発表されますと、父兄の方は非常に期待するんです。これがうまくいったら、やがては自分の子供もその恩典にあずかれるんじゃないかなという期待を持たせましてね、それうまくいかなかったらたいへんなんです。だから私は閣議決定ぐらいに持っていくぐらいのことをしなければだめじゃないかなと思っているほど深刻に考えているんですが、どうでしょうか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 法制化しますためには当然閣議決定必要です。私は、閣議決定どころじゃない、法制化したい、こう考えているわけでございます。それを年度内にやりたいんだと。同時に、各府県に具体の計画を示してもらう。そうすると、府県としても具体の計画が明らかになるわけでありますから、五十三年度までにこうするのですと言うた以上は、私はやはりそうせざるを得ないことになるんじゃないだろうかと、だから毎年逐次計画を立ててくれたらよろしいんだということじゃなくて、いまから五十三年度までの間の計画を具体的に報告してくれと、そしてほんとうにそれが実施ができるかどうか、義務化できるかどうか、私たちも綿密に調べたい、そして打ち合わせも完了して年度内には法制化の手続も踏ませたい、こんな気持ちでおるわけでございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 ありがとうございます。大臣のその御計画とおり決断と——決断すれとも実行せずでは困るので、決断、実行をやっていただきたいと、強く要望いたしておきます。  それから、養護学校の義務制とするといたしましても、その一方で、例の就学免除、猶予の問題ですね、この問題が、非常に困った問題があるのです。就学猶予、免除を市町村の教育委員会がむしろすすめているという事態があるのですね、めんどくさいから、手がかかるからと。だから免除してあげますよ、猶予してあげますよというようなことを、暗にそうしなさいと言わぬばかりにしておるという事例が現にあるのです。新学期になりますと、そういった子供さんをかかえておる父兄はもうやり切れない気持ちがしておるわけですよ。役場に行けばそう言われますし、家に置いておいてはどんどんおくれていくしといったことで、かつて、この委員会でございましたか、そういう就学猶予とか、就学免除というようなものはもうやめてしまえという議論も確か出たと思いますが、これは私ちょっと極端だと思うのです。やはり猶予してあげなくちゃいけない、免除してあげなくちゃいけないという子供も現に存在しておるわけですが、猶予しなくてもよろしい、免除しなくてもよろしいといった子供さんまでそういうように積極的にすすめているという事態に対しまして、だからそんなものはやめちまったほうがいいんじゃないかなという議論が出てくるほど、そういう事例が全国的にあるわけです。しかし、せいぜい二万人くらいの程度の、小学校、中学校含めて猶予、免除の者がたったそれくらいなんですね。今日の日本がそのくらいのことをめんどう見られないわけないと思うのです。あの荒廃の中州ら立ち上がって、占領軍の示唆もあったけれども、無理をしても中学校義務制にしたというこの日本で、特にこれだけの経済力のあるいまの日本で、たった二万人ぐらいの子供をそういうような形でやっておくということは耐えられないことではないかと思いますが、その点についていかがでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃっているような向きもあると私も聞いておるわけでございます。根本的には通学可能な養護学校などがないためにやむを得ずそういう挙に出ているということだと思います。したがいまして、養護学校を増設する、特殊学級を整備していく、さらに、それらの施設と社会福祉施設や医療機関などとの連携、これも緊密にやっていかなければいけないのじゃないかと、かように考えるわけでございます。心身障害児が全部いずれかの学校で教育が受けられるような態勢を早く整備しますことがいまおっしゃった問題を解決する基本的な点だと、かように考えておりますので、そういう方向で積極的な努力を払っていきたいと、かように存じます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 試みに、新聞の記事にあったのですけれども、イギリスでは一九七一年四月から学齢期の子供はすべて公教育の対象とするとはっきり言っている。それから、教育不可能な子供はないということを宣言をしておるわけですが、そういった制度に踏み切ったと、これは大臣御承知だと存じますが、それから昨年の十二月の中央心身障害者対策協議会の中間報告でも、日本におきましては「学齢期にあるすべての心身障害児に対して、適切な教育を」という線を打ち出して、国民世論が高まっておるときでございますから、どうかいま言われたような線で進めていただきたいというように思っております。  それから第四番目ですが、手がない、足が悪い、どうにもならないという現実を、先ほど申しましたようにまっすぐ受けとめて、その上でこれが人間として人格としてマイナスになるものではないということを悟らせる、そうした情緒的安定の上で能力を引き出してやって胸を張って社会に出ていく基盤をつくるというのが教師の役割りであり教育だと思いますが、この障害児の教育は一般の教育の中で生かされなきゃいけないと、先ほど武蔵野東幼稚園の例で申しましたように、普通児と障害児とを統合した教育、そういった教育こそが——それは、病気によりましてはそうもいかない面があるとは存じますか、基本的な考え方としてはそういった行き方をするということがいいのではないかと、これが教育的な原点に立ち返った教育の把握のしかたじゃないかということをさっき申し上げたのですが、だから障害児だからといって何でもかんでも文部省の言う特殊学級や養護学校に押し込んでしまうということじゃなくて、できる限りそうでない子供と、さっき申しましたように、ともに学習をさせるという教育方法が大切だと、つまり問題は、一般社会や学校にそのような設備と人を置くということがどうしても必要になってくるわけですね。その設備の面から申しますと、仙台や葛飾の柴又では福祉の町づくりが始められて、公共建築物の入口から階段をなくしたり、舗道の段差をなくして、車いすが通れる町への改造が行なわれる、というようなことが進んでおると、身障者の福祉モデル都市の宣言をするといった都市がまた二十都市以上もあるというようなことも、新聞で報じられておるわけですが、文部省では特殊教育推進地区の指定をされているということを聞いておりますが、特殊教育推進地区の状況、どんな状況かということを承りたい。  それが一つと、また、筑波学園都市がこういった配慮をした町づくりになっておるか、そういう計画になっておるかということです。学園都市ですから、おそらく計画の中にはこういった障害児に対する配慮のない町を描いておられるんじゃないかということを考えるわけです。  それから、放送大学が、基本構想というのが新聞に発表されておりましたがね。働く青少年のための放送大学というところは出ておりましたが、家庭で学校にいけない障害児のための配慮ということが放送大学ではどういうように考えられておるか。特に、スクーリングというのがございますからね。からだの悪い子供はスクーリング出られない、非常に出にくいといったようなことから、特殊教育推進地区の指定、それはどういう状況かということと、筑波の問題に対しては、そういった配慮をしようと思っておるのか、もちろん、しなきゃいけないんですが、現段階ではどうもしてないみたいな感じがしますので、それもお考えおき願いたい。それから放送大学、これも障害ある子供さんに公開するんだというものがなくちゃいけないんじゃないか、スクーリング、それも合わせましてお答えを願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いま、御指摘になりましたように、心身障害の子供さんたち、一般の子供さんたちと同じような形態で勉強をしていく、そのことが偏屈な気持ちを持たせないで、すくすくと生長さしていく、そういう意味で非常に大切なことだと思っております。全くそのように感ずるわけでございまして、盲ろう養護学校と普通学校との交流などにつきましても、いろいろ理解を進めるように、文部省としても努力を払っておるようでございますが、行事などの場合に、それを共にやるなどを通じまして、できる限り交流を促進するということでございます。御指摘になりました特殊教育推進地区、これは十六ヵ所を指定いたしておるようでございます。数年来実行してまいってきているわけでございまして、心身障害児に対する適切な教育の実施を地域ぐるみで考えてもらう、単に教師だけではなしに、一般人も含めた地域ぐるみの啓発をはかることによって、こういう教育全体を推進していきたいということでございます。  筑波大学について、こういう心身障害を持った方々を学ばせる仕組みについては、私存じていないわけでございますけれども、いまの御提案を受け取りまして、何かいい知恵がないか研究さしていただきたいと思います。  特に、放送大学の場合に、私お話を伺いながら、これは積極的に考えなければいけないなという気持ちを持たしていただきました。スクーリングにあたりまして、こういう方々が進んで参加できるような仕組みを立てていかなくちゃならない。むしろ、そのことが放送大学のような学校に行けない方々、そういう人たちの教養を高めさせるわけでございますので、積極的にいまの御提案を生かしていかなくちゃならない、こう考えさしていただきました。そういう気持ちで検討してまいります。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 それは、施設とか設備の問題でございますが、大学の教職過程のカリキュラム、これにやっぱりそういった配慮がなくちゃいけない、いまないんじゃないでしょうか。その点どうですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 教員養成大学全部に養護学校教員養成課程を置いたわけでございます。四十八年度で全部それが完成したのでございます。養護学校教員養成課程以外の教員養成課程についても、カリキュラムの中にそういうことを取り入れたらどうかという御提案ではないかと思いますけれども、その点については事務当局のほうからお答えさしていただきます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおり、ただいまのところはそうなってないわけでございます。しかし、御案内のとおり、特殊学級など普及してまいりますと、これは必ずしも養成課程を出た者だけで、そういうものをカバーするということは、なかなかむずかしいというふうなことだろうと思います。あるいは先ほど先生もおっしゃいましたように、普通教育を行なう者がすべて特殊教育の経験を持つべきではないかというふうなお話もあったことでございますが、そういう意味から考えますと、すべての教員につきまして特殊教育というものの理解を深めてもらうという、何らかの方法というものは考えていかなければならないと思います。そういう気持ちでございますけれども、これは実は大学局の所管でございます。私どものほうからも積極的にお願いをしてまいりたいというふうに考えております。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 第五番目に、障害児に対する義務教育以後の後期中等教育や、大学教育のあり方の問題ですが、国のいままでの施策の方向は、特殊教育小学校に高等部をつくりまして、非常に限られた範囲での職業教育しかやらないといった、こういうやり方では困るので、こういったことが、例の東京教育大学付属盲学校で授業ストをこの間やった。彼らはやっぱりいまのあれと同じで張り紙をやって、一人歩きできる教育、社会から隔離された教育からの解放ということで、授業ストをやった。ほかの健康な連中の私はあれは同情しませんが、これは非常に気の毒だと思うんですよ。あんまさんとか、はり、きゅう、それしか行けないような、われわれの将来はそれしか選ぶ道がないのかということを、そういうようなことを叫んでストをやっているわけですが、現在のように複雑多岐にわたった社会の中で、これから生き抜いていくのに、もう少し彼らが言っているように、それしか道がないのかということに対して、何か職業教育にしましても、考えてやらなければいけない。アメリカに何か四百人、イギリスに百二十人、オランダに十人ほどの、ああいう先進国で数千人のめくらの方のコンピューターのプログラマーというのですか、コンピューターの要員がいるということが新聞に報道されておりますが、そのくらいまで日本ももう持っていかなくちゃいけないという気がするんですね。あのスト見ておりましてね。いままでのような限られた職業教育でこと足れりとしておるような行き方ではいけないというように感じますが、大臣、いかがですか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 盲ろう養護学校の高等部の新しい教育課程は昨年の十月に高等学校の学習指導要領が改正いたしましたのにあわせまして、告示を行なって、ことしの四月一日から実施することにしていることは御承知のとおりでございます。今回の改定の基本の方針は高等学校の学習指導要領に準じまして、障害を克服し積極的に社会に参加していただくための能力を養うことを主眼にして障害の種類及び程度、児童生徒の能力、適性等に応じて教育課程の弾力的な編成が行なえるようにすることでございます。その学科につきましては、普通科を置いて一般教育の充実をはかるようにし、職業教育の学科につきましては従来のものを整理いたしますとともに社会の進展とその要請に応じて設置者が必要な学科を置くことも予想しているわけでございます。障害者が自信を持って社会人として暮らしていくためにどのような職業がさらに開拓されるか。いまコンピューターの例についてのお話があったわけでございますけれども、研究し努力しながら考えていかなきゃならない、そういう気持ちを持つわけでございます。いま具体的にどれがということを申し上げる自信はございませんけれども、先ほど申し上げましたような趣旨で学校でも努力をしてもらう。また、私たちもさらに一そうそういう気持ちでくふうを重ねていきたいと思うわけでございます。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、先ほど武蔵野東幼稚園の例を引っ張りまして、何とかああいった国がやるべきことの肩がわりでやっておる私学に対する援助ということを申しましたのですが、もう一回、私大臣に頭に入れておいていただきたいことは、普通児とああいう障害児とが一緒になって教育を受けておるというその姿を見てつくづく感じるのですが、学校の教育というものは、知識の量をふやすということが問題ではないんで、それももちろん必要なんですが、それ以上に健康な子供がそういった健康でない子供に対して愛情を持って接していく、共によくなっていくという、そういう人間愛というか、ヒューマニティというか、そういったものを教育の場で子供が発見することがより以上に、知識を積んで社会に出ていくということよりも以上に必要だと、それこそ私は宝なんだというように感じておるわけです。どうか大臣は、大臣はちょいちょいかわっちまいますので、これは困るんです。かわるたびに前向きに検討、一生懸命やると言ったらまた大臣かわっちまうとまた元の白紙に戻るというようなことになるわけですが、奥野文部大臣は非常にそういった幼児教育、障害児に対する教育に熱心な方であるということを平素私信じておりますので、そういった幼稚園が現に困っておるということをお忘れなく、これから強力な施策を施していただきたいということを最後に申し述べまして、時間が参りましたので終わらしておきます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) この席で議論になっておりますことは、文部省の事務当局も十分理解していることでございますので、大臣一個の問題でなしに、文部省全体の問題だと、こう考えておりますので、大臣がかわること、そのことをそう御心配にならぬでもいいのじゃないかという気がいたしますし、ことに楠さん自身は自民党の文教政策を動かしている方じゃないかと、こうも申し上げたいのでございます。いろいろお話しになりました御趣旨まことにごもっともでございますので、その方向に最善を尽くさしていただきたいと思います。

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時三十五分休憩      —————・—————    午後一時二十八分開会

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君が選任されました。     —————————————

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査中昭和四十八年度における文教行政の重点施策に関する件を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 最近、新聞、週刊紙等にひんぱんに大学の不正事件あるいはこれに類するところのことなどが報道されておりますが、ことしになりましていわゆる刑事事件にまで発展をしておりますところの私学問題についてまず、御報告願いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 一つは、最近新聞等で報道されました松本歯科大学の設立にかかる公正証書原本不実記載並びに行使という事件がございます。もう一つは、立正学園におきまする財務担当理事の株券の不正売却の事件がございます。それから、これは文部省の所管法人ではございませんが、麻布学園におきまして、理事が大学の資金を横領したという事件がございます。最近の事件はそうしたところの事件でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっと詳しく言ってくださいよ。事件の概要について、文部省の皆さんが報告になったり、あるいは知っておられることについて。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) まず、松本歯科大学の事件でございますが、これは四十六年の九月に歯科大学設置の申請がございました。同四十六年の十月に、大学設置審議会並びに私立大学審議会にその設置の可否を諮問いたしました。それから、十一月前後に大学設置審議会並びに私立大学審議会におきまして、実地調査が行なわれました。同十二月に、両審議会より設置を可とする答申がございまして、一月に認可をいたしたわけでございます。が、問題は、資産関係の内容でございまして、私どもに申請がありました際の資産といたしましては、現金が約二十八億、現物の土地が二億、計三十億の資産があるという申請でございました。これを審査いたしましたところ、寄付金の申し込みに関する手続もすべて完備されておりましたし、また、現金として手元に残っておるものにつきましては、残高証明等もそろっておりましたし、また、建築設備等につきましては、それぞれ支払いを証明する書類も整っておりました。不動産につきましては、登記簿等も整備されておったわけでございます。で、その全体につきまして、監査法人の監査報告もついておりました。全体の内容といたしましては、整備されておるというふうに判断を下しまして、認可をしたわけでございますが、最近、東京地検の特捜部で内容を調査いたしましたところ、ここのところは多少地検と大学の役員の言い分が違うわけでございますが、地検側の判断によりますると、資金は全くなかったということでございます。これに対しまして、大学の役員は、いやそうではなくて、若干あったんだということを申しておりますが、いずれにいたしましても、設置費、この場合は三十億でございましたが、その三分の二が必要であるという文部省の審査内規を充足する自己資金がなかったということは、これは事実でございます。それにもかかわらず、三十億の資産が用意されておるということで文部省の認可をとり、かつそれを基礎にいたしまして登記所に申請をし、登記簿という公正証書の原本に事実と反する記載をしたということで、三月の二十七日でございましたか起訴されたということが、松本歯科大学に関する事件でございます。  それから立正学園についての事件でございますが、これは立正学園所有の株券の処分にからむ不正事件でございます。かつてこの学園の理事でございました前田という方が、交通事故でなくなられました際に、その方が所有しておられました株券を立正学園に寄付されたわけでございますが、その後任の理事として就任をいたしました田中という人物並びに同学園の顧問でございまする加藤という公認会計士が、この株券を売却をいたしまして、そしてその売却の代金の一部を横領着服をいたしまして、全部を学校法人の収入として計上をしなかった、収入として学校法人に入れなかったということでございます。それにつきましてはすでに起訴されておりますが、日付につきましては、まだちょっと手元に記録がございません。  それから麻布学園でございますが、この件につきましては、山内理事長の横領という事件があったということでございますが、文部省と申しますか、私学振興財団が実はこの件には直接の関連がございまして、四十六年の七月に、高等学校、中学校の講堂を増改築をしたいということで、三億一千万円の融資の申し込みがございました。財団では、これを適当な事業ということに認定をいたしまして、二億九百万円の融資を決定をいたしまして、四十六年度分としてそのうち六千万円を麻布学園に交付したわけでございます。その際は、この麻布学園と建設を請け負っておりました大成建設の東京支店との間に工事の契約がございまして、それに基づいて工事費の支払い請求が大成建設の東京支店から麻布学園に出ておるわけでございますが、それを根拠にいたしまして、私学振興財団から麻布学園に六千万円の融資をしたわけでございますが、実はその契約は表面だけの契約であって、実際は麻布学園から大成建設に必ずしも支払う必要のない契約が別個に存在をしたということが明らかになりました。実際問題といたしましては、麻布学園からこの六千万円は大成建設に支払われたということでございますが、しかし、財団に提示されました工事費の支払い請求書が実際のものではなかったということが明らかでございました。そこで財団では、この学園に対して六千万円の返納を命じておるわけでございますが、東京地検は、二月六日、麻布学園の理事長代行山内一郎を業務上横領と詐欺、また大成建設の東京支店の管理部長藤田を詐欺ということで起訴しておるわけでございます。  以上が大体の概略でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 松本歯科大学の問題については、先般の予算委員会でも若干取り上げられておったようでありますが、マスコミは、このいわゆる三十億円の見せ金の問題にからみまして、いわゆる塩尻市の土地の寄付というのにも偽装工作があった。そうしてまた、四億円の寄付金を集めるために、いわゆる二千五百万円前後の寄付をやるならば無試験でパスをさせるとか、あるいはまた定員百二十名を二百二十名に増員をしてことしは入れる予定であった云々というふうに報道されておりますが、この事実関係はどうなんですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 寄付金の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、この検察庁の見方と大学の主張との間に若干のずれがございますが、その大部分がいわゆる見せ金の寄付であったということは、これは間違いのない事実でございます。  それから、入学を条件とする寄付金が含まれていたかどうかという点でございますが、この点につきましては、大学の認可の際には、絶対にそういうものを取ってはならないということを条件にいたしておりますし、また、認可書を渡します際には、そういうものが含まれていないということを誓約をさせておるわけでございます。したがいまして、そういうものがないというふうに私ども理解をしておるわけでございます。先般も、松本歯料大学の現役員でございますが、これに文部省に来てもらいまして、その間の事情をただしたわけでございますが、入学時寄付金を全く取っていない者も若干はあるわけであって、寄付金の拠出ということがすべて入学の条件になっているということではないという説明もあったわけでございますが、しかし、平均いたしましてかなりな金額の寄付金が事実上入学生から徴収されておるということは、これは事実でございます。これは、松本歯科大学だけに限ったことではございませんが、一般にそのようなことがないように、私どもは重々注意はいたしておるわけでございますが、松本歯科大学に対しましては、特に今後そうした点につきまして、厳重な指導を加えてまいりたいというふうに考えております。  それから、定員の超過の問題でございますが、御指摘のような定員超過があったことは事実でございます。定員の厳守ということにつきましても、これは大学局、管理局を通じまして文部省全体としてやかましく申しておるところでございますが、松本も含めましてその他の大学におきましても同じような事例が見受けられることは非常に遺憾なことでございます。そうしたことがないように、さらに、厳重な指導を加えていきたいというふうに考えておりますが、同時に、私学の助成ということにつきましても、今後格段の努力をしてまいりたい。特に、医学、歯学の教育は多額の経費を必要とするわけでございますから、そうした点についても特別な努力をいたさなければならないというふうに考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 松本歯科医大の理事長の名前と前歴、それから立正学園の学園長のお名前がわかっておったらお聞かせ願いたい。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 松本歯科大学の理事長は辻田力という人でございまして、これはかつて文部省の初等中等教育局長、愛媛大学長、それから私立学校教職員共済組合の監事等を歴任した方であります。  それから、立正学園の理事長は金子日威という方でございます。たしか日蓮宗の管長をされている方かと思います。学長は小尾乕雄氏でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いわゆるこの松本歯科医大の理事長は起訴はされておらないようでございますがね。しかしいまお話があったように、もとの皆さんの同僚だしね、それからいわゆる愛媛大学の学長までやった、言うならば、やっぱり教育界の非常に重要な役割を占めてきた人ですね。あるいは立正学園の学長にいたしましても、かつての東京都の教育長をやった方であるわけでありますが、直接この方も刑事事件には連座はしておらないといたしましても、これは責任のないことだとは言えないと思うのです。したがって、これは言うならば、いわゆる私立大学への、よく言われているところの官僚の天下りという問題と関連しないでもない一つの私は大きな問題点ではないかと思うのでありますが、本日はこの問題については、後日あらためて議論をいたすといたしまして、もう一つまた、麻布学園の問題は、私学振興財団から借り入れ金があるところの問題ですから、これまた文部省としても、麻布学園の問題は、何もあれは東京都の所管だというわけにはいかないところの問題なんです。したがって、この問題についても、これはひとつ私学のあり方の問題としてやらなければならぬところの問題だと思いますが、これらは私は本日は後日に譲るといたしましても、実はこういうまた報道も出ておりました。三月の八日でございましたですか、小田原女子短大の問題で、二千万円の補助金の返却事件があったという報道が、若干小さな報道でありましたですが、載っていましたですが、この事実関係についてまずお伺いしたい。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 実は、手元に正確な資料を持ち合わせておりませんが、御指摘のような事実はございました。これは刑事事件ということではございませんけれども、私学振興財団から小田原女子短大に対する経常費補助の申請内容が事実と異なっておったということで、従来支出をいたしました補助金の全額の返納を命じまして、すでに返納されております。そういう事件がございました。内容は、要するに申請の内容と事実が異なったということでございますが、前提となっておる教職員が実際上いなかったり、あるいはいたけれども、その給与がきわめて低い額であったりというようなことが相違の要点でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それらの問題とは性格は著しく異なるわけでございまして、きのうでございましたですか、芝浦工大の問題につきまして、運動選手を優先的に入学をさせないという問題について、いわゆる体育部の学生がそれはけしからぬというようなことで封鎖をやった。それが四日間か続いたという報道があったんですが、そのことについて、もし文部省でわかっているものがあったらお知らせ願いたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 私ども、現在までのところ新聞で承知いたした程度にしかまだ承知いたしておりません。事柄につきまして手元に持ち合わしておりませんので、たいへん恐縮でございますが、大ざっぱな記憶でございますけれども、運動部の関係者が例年のごとく別ワクで一定数の学生を入れてもらえるものというふうに承知をして勧誘をしてきたけれども、大学当局がことしはそういう別ワクでの入学を認めてくれなかったために、約束が違うというんでございましょうか、大学当局側に対して不満を申し立てて騒いでおるという事態である、このように承知をいたしておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その問題については、事の真否については文部省としてはまだ調査してないんですか、それとも、所管外というわけにはいかんでしょうから、その点どうなんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 詳細な状況報告をまだ手元に持っておりません。確かに、その事柄につきましては、私ども大学問題として私どもの管轄をしておる事柄でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そのほか、最近の週刊誌には、埼玉医大の黒い霧のうわさとか、あるいは杏林大学の裏口入学の問題などがだいぶ特集的に報道されておったようでございますが、まさかそういうことはないと、私は思っておるんですが、所轄の皆さんといたしましては、この問題の真偽についてお調べになっておるのかどうかですね、お聞かせを願いたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) いま御指摘のございました杏林大学、それから埼玉医科大学等については報道されました直後、関係者から事情を聴取いたして詳細な報告をいま求めておるところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 じゃ、それは報告を求めている最中と理解してよろしゅうございますね。  それから、これは高校関係ですが、直接皆さんの所管外ということにもなりますけれども、最近都心の高校で学校建設とからみまして、大手の建設会社が融資をする、そして融資の肩がわりに学校の敷地の提供を求める、学校ではやむなく郊外に移転をするというケースが二、三私の知る限りでもあるんです。まあ、校名は秘するにいたしましても、神田のある学校、赤坂の一木の学校、赤坂見附の学校と、こうありまして、先ほど管理局長からお話しのありましたところの麻布学園事件にいたしましても大成建設が一枚かんでおるわけなんですね。こういうように大企業の都心の土地の買いあさりということが学校にも一つの大きな問題点としてきておるところの問題が二、三あるんですけれども、そういうことについては御存じないですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 遺憾ながらそういう事実は承知いたしておりません。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ひとつ、この問題についてもきちっと調べておいていただきたいと思うんです。  そこで大臣にお尋ねいたしますが、いま、私がいろいろお聞きしたところの私学にかかるところのいろんな事件がだいぶいまお聞きしたところでも相当数あるわけなんですが、そういう問題に対しまして問題の根源はどこにあるんだとお考えですか、お聞かせ願いたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 戦後わが国の大学への進学率は非常な勢いで伸びてきたところです。それを受け入れるに果たしてまいりました私学の役割りにも非常に大きなものがあった、こう見ているわけでございます。現在では学生数で言いますと七八%は私学が受け持っているわけでございます。その過程においてはたして十分な内容を整えて受け入れることに踏み切れたのかどうか、文部省としても設立を認可するにあたって、教員サイドの問題だとか施設その他の問題でありますとか、一つ一つ完全に把握できておったかどうかいろいろ問題が私はあったんじゃないだろうか、こう考えておるわけでございます。したがいまして、過去の問題につきましても同時にまたこれからの私学の認可の問題にしましても、十全を期するためにはもう一ぺん根本から検討する必要があるのじゃないだろうか。私学の自主性、これは十分尊重していかなきゃならないけれども、やはりあやまちなきを期するためには何らかの立法措置も必要じゃないだろうか。こういうこともあわせ考えながら、いろいろと相談をしている最中でございます。いろいろな問題が出てまいってきておりまして私もたいへん責任の重いことを感じているわけでございまして、同時に将来あやまちなきを期するためにどうしたらいいかということも真剣に取り組まなければならないことでありますだけにやはりいずれは立法措置が必要になるのではなかろうか。こういう考え方を抱いているところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ、これらの問題についての大臣の御答弁は認可のあり方の問題について問題があったのではないかという判断でございますけれども、私は大学設立の認可のいまあなたが反省をされておりますようにずさんさという問題、これは率直に申し上げて。これも一つの大きな問題だと思うのです。同時に、世間には私立の歯科医大には二千万から三千万の寄付金を出すのが相場だという巷間に流れているところのうわさがあるように、これらはやはり私立大学のあり方と関連するところの寄付金のあり方という問題も、これは一つこの中にやはり私どもに何かを示していると思うんです。  いま一つは、私は、私立学校に対するところの公費助成金の貧困さという問題もやはりこれに起因していると見なければならない。さらには、また学校経営者の教育的な良心の喪失といいますか、いわゆる学校経営というものを企業本位として見るというこの安易なやはり学校経営に対するところのものの考え方、それからまたやはり最近のこの大手商社の単なる物質の買いあさりということだけでなくて、学校の敷地までもねらい始めているというこのアニマルぶりですね。こういう問題等々が私はやはりいま皆さんから御報告願ったところの問題点の中で、私立大学のあり方の問題と関連して多くの問題点が介在をしておると、このように考えるのでございます。それだけに大学の認可のあり方の問題、所轄庁としての文部省のあり方の問題、さらには、私学助成金の問題のあり方があらためていまの問題が問われているところの問題だと私は考えているのでありますが、いかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりだと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 で、私は、そういう立場からこの中で解散認可の問題を含めました大学認可のあり方と所轄庁のあり方の問題について、これから若干時間いろいろお尋ねをいたしたいと思います。  まず私は、この私立大学審議会のあり方の問題は、少なくとも審議委員の人選を含めまして、あり方の問題が問われておるのではないかと思いますが、この点どうお考えになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私立学校法の中に、私立大学審議会の構成についての規定がございます。二十名の委員の中の四分の三につきましては私立学校の関係の団体から推薦をしてもらう、その中から任命するということになっておるわけでございます。四分の一は学識経験者の中から文部大臣が選べるわけでございますけれども、文部省としても、私立大学の関係の団体に対しまして若干希望も申し述べてきているようでございますし、また、文部大臣がみずから選べる中につきましてもいろいろ配慮しているようでございますが、私自身もう少しいろんな観点から委員を選ぶベきだと、特に、経理関係に明るい人などは不十分じゃないかという指摘もあるわけでございまして、次の機会にはぜひ根本的に考え直す気持ちで審議会の構成に当たらなければならないと考えているところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣、これは委員の選び方だけじゃなくて、設置基準の問題も大きな問題ですね、これはあなたがこの間予算委員会で答弁されておるとおり。したがって、この件についてもう少し触れたいと思いますが、まず、これらの問題をお聞きする前にお聞きいたしておきたいことは、私立学校法の第五条に言う文部省の権限と、同じく第八条第二項、第十八条に言う私立大学審議会との関係の問題についてお尋ねをしておきたいと思うんです。  いまさら、私から申し上げるまでもなく、第八条の第二項は「第五条各号に掲げる事項を行なう場合においては、あらかじめ、私立大学審議会の意見を聞かなければならない。」とあり、第十八条の二項は「私立大学に関する重要事項について、文部大臣に建議することができる。」と、こうあるんでございますが、この条文を見る限りでは、審議会は、言うならば、文部省の諮問的な機関と、立場にあるというふうに条文上は理解ができるのです。しかしながら、実際は大学の設置とか、あるいは解散が適当であるかいなかというものはほとんど審議会の手にゆだねられている。言うならば、この私大の設立とか解散の問題の生殺与奪の権は審議会にあって、文部省は自分の都合のいいときには審議会を隠れみのにしておるという傾向が私はないでもないと見ておるのであります。だとすれば、文部省の権限、これはことばをかえて申し上げますれば、責任体制というものは一体どうなのかということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、この条文の関係と実際の運営との実情についてお聞かせを願いたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 私立学校法の第一条にもございますように、私立学校の行政につきましては、やはり私学の自主性を重んずるということが大きな眼目の一つになっておるわけでございます。実は、私は、この私立学校法の制定に参画した者の一人でございますが、この基本的な考え方と申しますか、その前提になっております点は、やはり戦前の私学行政というものがあまりにも官僚的であったと申しますか、官庁の規制がきびし過ぎた、戦後の新しい私学行政というのはやはり私立学校が自主的に事柄をいろいろきめていくということが大原則であろうという思想があったわけでございます。ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、私立大学審議会——この私立学校審議会も同じでございますが、その人選は、通常の審議会と異なりまして、文部大臣が独自の判断で委員を任命するということではなくて、私立学校側が四分の三の委員を選んで、定数の一倍半という推薦定数にはなっておりますが、私立大学側がその大部分の委員を推薦をするという考え方は、やはり私学行政の重要事項は私学人自身でこれを決定していきたいという、そういう基本的な考え方が前提にあったわけであります。つまり、役所の監督権限をやはりコントロールしたいということと、それから私学行政の基本的なことは、私学人みずからの、何と申しますか、考え方を基本にして処理すべきだと、こういう二つの考え方が前提にあったわけでございます。したがいまして、私立大学審議会あるいは私立学校審議会というものは、これは宮之原先生がおっしゃいますように、役所の都合のいいときの隠れみのというようなことではなくて、私学行政は私学人の考え方を基本とするという、そういう考え方でできておるという点をまず御理解をいただきたいと思います。  それから五条と八条、それから十八条との関係でございますが、第五条に掲げておりますることは、これは学校教育法を引用しての権限でございます。私学は二つの面があるわけでございまして、学校という面と学校法人という面、二つがあるわけでございます。第五条は、これは学校に関する学校教育法に基づく権限を列挙しておるわけでございまして、この権限のうち、設置認可のように、大学設置審議会の所掌に属するものを除きましては、その権限の行使については文部大臣は私立大学審議会に諮問をしなければならないということになっておるわけでありまして、それが第八条の二項でございます。  それから十八条の一項は、そうした権限をここであらためて確認をしておるわけでございますが、第二項におきましては、そうした法定の諮問事項のほかに、重要事項については「文部大臣に建議することができる。」と、こういう規定を入れておるわけでございます。私立大学審議会の権限は、ただいま御指摘の条文のほかに、たとえば第三十一条第二項のように、所轄庁が寄付行為の認可をする場合には、私立大学審議会に諮問しなければならないという規定もございます。学校法人に関して諮問すべき事項が幾つかあるわけでございますが、そうした事項は第三章の学校法人の規定のところのそれぞれ該当の条文のところに私立大学審議会にかくかくの事項は諮問しなければならないというようなことになっておるわけであります。第十八条の一項は、そうした権限も含めて私立大学審議会の権限を一般的に規定したものであるというふうに理解をいたしております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そういたしますと、この十八条あるいは五条、いま説明のあった三十一条の問題等は、ここに掲げてありますところのいわゆる設立、あるいはこれはもちろん解散も含むと思いますが、意見を聞かなければならないということは、普通常識的には、最終の決定権は文部省にある。しかし、それは形ばかりで非常に自主性があるからすべて審議会にまかしてあるんだと、こうこの条文は解釈するんですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 私立大学審議会はもちろん行政委員会ではございませんから、最終的な決定の権限はございません。文部大臣がその認可権者でございます。したがいまして、文部大臣は私立大学審議会に諮問をしましてその意見を聞いて最終的にその許否を決するということでございまして、あくまでも権限と責任は文部大臣にあるわけでございますが、しかし、運用といたしましては、先ほど申し上げましたような考え方が私立大学審議会の場合は特に前提になっておりましてその意向を尊重して各種の処理を行なうということでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは戦前のきびし過ぎた時代から反省をして私学の自主性を重んずるということはけっこうだと思うのですが、しかしながら、これはやっぱりあくまでも最終的な責任は所轄庁、監督庁にあるのであって、それは私学は独自だからすべてあの私学できめたこと、右と言っちゃ右一〇〇%聞くんですと、こういうふうな条文だとは少しも思いませんよ。もし、また事実条文がそうだけれども、いまおっしゃったように、すべて審議会まかせにやっておる。こういうことなら、これがまた先ほど私が指摘をしたところの今日の私学のいろんな問題点を派生をしておるところの要素の一つにもあらわれてくるんじゃなかろうかと思うのですが、その点いままでのように、すべてはおまかせしまして形式的に文部省はするだけですというようなかっこうで今後もこの私学の問題を処せられるとお考えなのか。あるいは先ほど私が指摘をしたところの問題ともからんでこの問題についてどういう省内で意見があるか。私は、この点文部大臣の所見を聞きたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私学の問題を処理するにあたりましては、私学の中のいずれかによって異なった扱いをすべきものではない。そういう趣旨において私立大学審議会の意見を伺うんだと、かように考えるわけでございます。特に第一条に私立学校法の目的を書いてありますところに、特に「私立学校の特性にかんがみ」ということばを入れ、さらに「その自主性を重んじ」ということばを加えたりしているところでございますから、そういう精神にのっとって私立大学審議会の運営もはかっていかなければならない、かように考えるわけでございます。文部大臣が決定するのでありましても、私立大学審議会にはかる事項になっておりますものにつきましては、個々の事例によって取り扱いを区々にすべきではない。したがいまして、私立大学審議会でいろんな意見が出ます場合には、それを最大限に尊重して最終的な決定を文部大臣はしなければならない、こう考えるわけでございます。そのことが、私立学校法第一条以下に規定されている精神ではなかろうかと、そう考えるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうしますと、文部省の私立の問題に対するところのものの考え方というものはいわゆる法文のあるいは法令の一応筋が通っておるか、通っておらないかという判断だけを文部省がやるのであって、いわゆる公教育という立場あるいは同じく私立学校のいま指摘されたところの、第一条にありますところの自主性を重んずると同時に公共性を高めるという問題があるわけですね。その公共性を高めるという観点からの文部省の助言と申しますか、そういうようなものはこの条項で、私立学校法のたてまえからしてこれは一言半句も所轄庁としては差しはさまむことがないような心がけでおるんだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) そんなことを申し上げているわけじゃありませんが、自主性を重んじ、公共性を高める。当然私学といえども、教育基本法に基づいて運営されていかなきゃならない、そういう方向に文部省も助言していくこと、これも当然の任務である、かように考えるわけでございます。先ほど管理局長から申し上げましたとおり、戦前の反省の上に特に立っていると思うのですけれども、私学につきましては文部大臣の権限というものは、率直に申し上げまして非常に慎重に立法されているようでございます。私もいろんな事件が起こりましたので、このままにほうっておいてはいけないのじゃないかというような気持ちから、さてどういうところまで調査していけるのかと考えていきますと、なかなか法律は慎重にできているようでございます。たいへんいいことだと思うのですけれども、それはやはり私学の自主性を非常に尊重して戦後の立法が行なわれてきているせいだと思うのです。そういう意味で、私はまた、私立学校についてのお尋ねに対してお答えをしておるわけでございます。私立学校によってつまみ食いするような運営をしちゃいけない、そういう精神に立っているのじゃないだろうかと、だから考え方については私学のほうの意見というものを十分尊重して、そして扱い方というものを統一して考える。文部大臣が責任を持っていることにつきましても、そういう姿勢で臨むべきだということじゃなかろうかと、かように考えているわけでございます。おっしゃるとおりに、もちろん公共性を高めていく、学校は公のものだという規定も教育基本法に書かれているわけでございますから、私学も当然そのようなことは心得ておるだろうと、かように考えるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 実は、自主性の尊重という問題と、公共性をやはり重んずるというのもあるんですから、このかね合いの問題が私は大事だと思うからお聞きしておるんですよ。たとえば、先ほどの入学金の問題にしても、それは法規上入学金をとってはならないということはないわけなんです。しかしながら、公共性というものを重んずるという立場から、いわゆる世の中でいわれておる一千万とか、二千万というのはこれはあまりにひどいじゃないかという世の中で批判が出てくる。それに対してやはり寄付金の問題に対してもチェックをしなければならないという、私は先般の予算委員会におけるところの大臣の答弁が出ておると思うんですよ。そういうような面から見れば、この二つのかね合いをどうやっていくかというのが一番私は問題であって、都合のいいときには自主性自主性ばかり言われていて、今度は何かのときには公共性、公共性ばかり言われたのじゃこれは困ると思う。したがって、少なくとも、私は、やはり戦前のいろんな反省から自主性を尊重するというのは、これはずっと守られなければいけない、これはけっこうなことだと思う。しかしながら、その自主性と公共性をどうかね合わせていくか、そこらあたりの判断というのが、私はやはりひとつ私立学校に対するところの問題点だと思うのです。ですから、そこを私は先ほどからお尋ねしておるのですが、もう少し、この問題について何か意見があればお聞かせ願いたいと思うのです、このかね合いの問題について。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私学の心がまえ、それはもう教育基本法に示されておるところでございますし、また、学校は公のものだと明定もしておるわけでございますから、それにはずれたような私学の態度はあるべきでないことはいうまでもないことだと、かように考えておるわけでございます。私が申し上げているのは、それをそのまま容認するのだという意味で申し上げているわけじゃございません。当然、自主性を尊重する、その自主性を持っている私学そのものが教育基本法にのっとった運営を行なうつもりで論議しているという前提に立っているわけでございます。したがいまして、具体的に、何かそういうことで提起していただきますと私も答えやすいのじゃないかと思うのですけれども、一般論でまいりますと、やはり私学自身が元来そういうたてまえで運営しているはずだと、皆さんが集まっていろいろ建議される、あるいは意見を言われる、その場合には、そういうたてまえに立っているはずと、あるいは個々の一つ一つとしてははずれたような意見もあるかもしれませんけれども、全体としては、そういうたてまえにおいて意見が出てくるんだろうと、こういう前提に立ってお答えをしているもんでございますので、具体的な問題でお教えいただきましたらまた私もお答えしやすいんじゃないかと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 また、いろいろ具体的にお聞きしますが、いずれにしても、この第一条のいっているところの趣旨というものは、自主性ということを基調に踏まえながら公共性という問題とのかね合いの中で私学の運営という問題はやはり重要性があるんだと、こういうふうに理解をされると思うんですが、そのように理解してよろしゅうございますね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私学法の第一条に書いてあるんでございますので、そのとおりに理解しています。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 じゃ、もう少し法律的なことをお聞きいたしますが、この私立学校法の十九条、二十条との関連についてお伺いしたいと思うんですが、この十九条の第二項の委員の選出がございますね。この委員の選出の第二項を第一号と第二号に分けて両者の関係を第三項に、いわゆる二号から任命されるところの委員の数は第一号に該当するところの委員の三分の一にとどめなければならないという規定がございますね、この規定の趣旨というのはどういう趣旨ですか、立法の趣旨ですね。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) これが先ほど申し上げましたように、私学行政は私学人の手でという、そういう考え方が、この法律は二十四年当時制定された法律でございますが、その当時に非常に強い一般の考え方でございました。そういうことで、この第一号の委員につきましては私学団体が推薦するということだけではなくて、その委員の大多数が私学側の委員でなければならないということを先ほど来申し上げているような趣旨から、特に法律をもって担保したのがこの第二項の趣旨であるというふうに理解をいたしております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そういたしますと、第一号の私学側から出すところの人と学識経験のある者というのがありますね、学識経験者ですよ。これは、学識経験者がこの三分の一以内でなきゃならぬという規定でしょう。そうすると、これは私学人の私学というのは学識経験者というのも私学の中から選ばなければならないという意味ですか、そうじゃないんでしょう。だからその学識経験者を選ぶ場合は、数は私学の三分の一以内でなきゃならぬ、こういう意味なんでしょう、どうなんですか、これは。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) おっしゃるとおりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ですから、私学人は私学人でなきゃならないということではないでしょう、いま御答弁になったように、これは。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) ちょっと私の言い方が不十分であったかと思いますが、この法律を制定いたしました当時の一般の考え方は、私学行政は私学人の手でというそういう考え方、気持ちが強かったわけでございますが、しかし御指摘のとおり、だからといって私立大学審議会の委員の全部が私学人でなければならぬということではもとよりございません。この法律では第一号の委員の三分の一以内とございますけれども、当然、そこには私学人以外の一般の学識経験者を加えるという思想が入っておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 この次の今度第一号に該当するところに、委員について、学長または教員である理事以外の理事からの任命されるものはとして、また二分の一以内という規定がございますね。これはどういう立法の趣旨ですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) これは私学人と申しましても、まあいろいろあるわけでございますが、いわゆる経営者に対しまして教学側の委員の数を多くしていきたいと、そういう気持ちが三項に盛られているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 教学側の委員を尊重したい、重視をしたいという考えは、これは教学側の委員ばかりではないんだぞと、やはりバランスを考えなけりゃならぬのだぞと、こういう意味も含まれておりますね。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) はい。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それと第二十条の委員候補の推薦につきましてお尋ねをいたしたいんですが、「私立大学の教育一般の改善振興を図ることを目的とする団体で、私立大学」云々と、こうずっと書いてありますね。こういう団体は具体的にはどの団体をさすんですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 日本私立大学連合という団体がございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、そういう団体だけがこの推薦のところで言えば資格があるという意味ですね。そうなりますと、かりに三分の二はないけれども、三分の一前後、三分の二には達しない組織率しかないけれども、私学の団体が別にあるとすれば、これは、それからの団体の推薦はできないという仕組みですね。どうなんです。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) その推薦は、この二十条の推薦ではないということでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 二十条の推薦でなければ、文部省が推薦をする、きめるものの選考の対象にならないといろ意味ですね。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 二十条一項の推薦でなければ、文部省はその任命について法的な拘束は受けないということでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 法的な拘束とはどういう意味ですか、わかりやすく言えば。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) もうちょっと具体的に申し上げたほうがおわかりがいいかと思いますが、ただいま申し上げました日本私立大学連合という団体があるわけでございますが、この団体を構成いたしておりますものは私立大学連盟、それから私立大学協会、私立短期大学協会、その三団体でございます。その三団体が二十条第一項の団体として委員を推薦してくるわけでございますが、それ以外にも実は私立大学の団体があるわけでございまして、私立大学懇話会という、少数の学校ではございますが、それをもって構成されている団体がございます。その団体は二十条の一項にいう推薦団体ではございませんから、法的にその委員を推薦する権限はないわけでございます。ですからその団体が推薦をしてまいりました人物については、文部省はその委員の中から選ぶとか選ばないとかいったようなそういう拘束は受けないと、こういうことを申し上げているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうしますと選んでもかまわぬのですか、どうなんですか。皆さん任命されているけれども。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) それは、学識経験者という扱いで選ぶことは可能かと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ、実際はないということですね。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 実は、さらに具体的に申し上げたほうがいいかと思いますが、現在、私立大学審議会の委員は一名欠員がございますが、十九名の現員でございます。そのうち十四名はいま申し上げましたこの二十条の規定によりまして推薦された委員でございますが、四名の学識経験者のうちには、実は、私立大学連合に加盟していない私立大学懇話会から推薦されました方が学識経験者として一名含まれているということがございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうしますと、この十九条第二項の一号にいう「学校法人の理事」とか云々ということは、第一号から選出される者、そういう人の選出は、これはもう奥野文部大臣が非常に得意であるところの窓口一本にされておるということなんですね。窓口はこの一本でなきゃぐあいが悪いんだ、こういう意味ですね。少なくとも、先ほど申し上げたところの十九条の第二項の一号の推薦人は——委員は。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) そのとおりでけっこうでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それでちょっといまあなたはこの問題についての現在の委員のメンバーを言いかけたんですが、ちょっとそれを発表してくださいよ。現在の私立大学審議会の委員のメンバーと年齢までちょっと聞かしてください。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 十九条二項一号の委員といたしましては、今小路覚瑞さん、この方は相愛女子大学長、相愛学園理事長でございます。七十四歳。今村有さん、前の福岡大学の総長、七十六歳。上田忠雄さん、金沢女子短期大学長、六十九歳。大木金次郎さん、青山学院長、六十八歳。春日井薫さん、前明治大学総長、七十三歳。河西太一郎さん、前立教学院理事長、七十七歳。小寺武四郎さん、関西学院大学長、六十歳。佐藤朔さん、慶応義塾大学塾長、六十七歳。この方が会長でございます。高柳義一さん、東北薬科大学理事長、学長、七十八歳。多田基さん、実践女子学園副理事長、七十二歳。中原実さん、日本歯科大学理事長、学長、八十歳。藤田たきさん、津田塾大学長、七十四歳。二上仁三郎さん、富士短期大学理事長、六十六歳。村井資長さん、早稲田大学総長、六十三歳。以上十四名が、一号該当の委員でございます。  学識経験者といたしましては、大沼淳さん、文化女子大学長、並木学園理事長、四十四歳。それから桜井和市さん、学習院長、七十歳。滝野文三さん、駒沢大学法学部長、七十一歳。樋口一成さん、東京慈恵会医科大学長、慈恵大学理事長、六十八歳。福井直俊さん、国立東京芸術大学長、六十九歳。  以上でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そこで、文部大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、だいぶやはり私学の自主性を重んじられて、お年寄りばかり集められておられるようですが、私は、委員の一人一人はなるほどりっぱな方でありますから、とやかく申し上げようとは思っていない。しかし、いま発表のありましたところの十九名という顔ぶれは、ほとんど私立大学の学長さんかあるいは前の何とか学長という名前のつく人か、理事長ばかりの構成で、言うなら、これはもう私学一家だけですね、この十九名は。そうすると、先ほど説明をしたところのこの学識経験者という——大臣聞いてくださいよ。学識経験者という立場からできるだけ私学経営、私立学校のあり方という問題についても、おそらく私は学識経験者というものを入れたということは、これはやっぱり若干私学のあり方、私学の運営の問題についてよく文部省が言われるところの大学の門戸をやっぱり国民に開いておこうと、いわゆる閉鎖社会のほうから一歩出ようというところで、学識経験者というものを私は入れられていると思うんだけれども、少なくとも、これを見る限りにおいては、これはそういうものはうかがえませんわね、率直に申し上げて。これは私の手元にこれとは別に大学設置審議会のメンバーもあるんですけれども、これまた、大学の学長ばかりなんですね。これではいずれここで議論しなければなりませんところの筑波大学、文部省の一枚看板であるところの「開かれた大学」というあり方から言えば、この私立大学の審議会のメンバーほどそれと逆行するものはないとこれは断言しても言い過ぎじゃないと思う。一体、こういうようなことで片一方では大学の国民への開放、「開かれた大学」と言いながら、私立大学あるいは大学設置審議会というメンバーは大学人だけだという閉鎖社会とも思えるところの人々ばかり選んで、これで大学の国民との云々というものが、私は言えるだろうとかということに矛盾を感ずるのです、皆さんの任命のしかたの問題について。したがって、先ほど大臣は審議会のメンバーについても考えなければならないというお話をされておったのですが、おそらく、私はそのものの考え方というものは同感だろうと思うのですが、どうなんですか、大臣、そこらあたり所見を伺いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話しのとおり同感でございます。学識経験者の中にやはり大学経営者以外からもっと積極的に任用すべきじゃなかろうかという気持ちを持っている一人でございます。同時に、文部省の事務当局も従来から私学の団体から推薦してもらいます場合にも、認可申請があった場合には、一々現地に出向いて調査しなければならないのだから、若い現業、強い人を出してくださいよと言い続けてきているそうでございますけれども、出てまいります候補者はかなり高齢な方々ばかりであったようでございます。しかし、そういう姿を見受けておりますことは、私立大学審議会の世間に対する信用を保持し得ないことにもなるわけでございます。私立大学のあり方につきまして特段に関心の高まっている際でございますので、今後、任命を新たにしますつど、積極的にいろいろの御論議にこたえられるような構成に努力していきたい、かように考えておるわけでございます。任期が四年で二年ごと半数交代になっておるものでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 次に、学校法人設立等基準認可の問題について若干お伺いをしたいと思います。  この問題についても予算委員会で同僚の安永君からもお尋ねがあったですから私はできるだけ重複しない程度で話をしたいと思いますが、この認可基準というのは、文部大臣裁定と、こういう位置づけなんですね。これは法律的にはどういうことになるのですか。裁定というものは世の中でいわれるところの内規ぐらいのものですか、どうですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 大学の設置認可の基準でございますが、御承知のとおり、まず学校のサイドから申しますと、これは校地、校舎、設備それに教員組織、そうしたものを整備しなければ大学は成り立たないわけでございますから、そうしたサイドにつきましては、大学設置基準という文部省令がございます。法人を認可する際の基準といたしましては、大学設置基準に規定しておるところの校地なり校舎なり設備なりが整備されておるということが、これは大学設置の認可の基準であると同時に、学校法人の設立を認可いたします際の試算の基準でもあるわけでございます。つまり、校地なり校舎なりを現実に所有しておるか、または、これを調達するに足る資金を有しているかということが、その学校法人の設立の基準なわけでございまして、そのことは、私立学校法の二十五条にも規定があるわけでございます。つまり「学校法人は、その設置する私立学校に必要な施設及び設備又はこれらに要する資金並びにその設置する私立学校の経営に必要な財産を有しなければならない。」という規定があるわけであります。でございますから、法的にはその文部省令の大学設置基準を運用することによって学校法人の設立を判断していくということになるわけでございますが、実際の扱いといたしましては、さらに、その審査の便宜、並びに申請者に対する便宜等を考慮いたしまして、学校法人等設立認可基準という、これは通常申しますならば文部省の内規でございますが、文部大臣裁定で、そうした認可基準を定めておるわけでございます。ただ、これは内規と申しましても、外に出さないということではもちろんございません。毎年認可申請の手続に関する説明会を行なっておりますが、そうした場合には、これを示して、これだけのものは大学あるいは学校法人を設立するためには必要なんだということを示しまして、それを充足する申請計画が出るということになっておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、これはじゃ、文部省がきめるんですね、この中身は。それとも私立大学審議会がきめるんですか、どっちなんですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) これは文部省と申しますか、文部大臣がきめるという事柄でございますが、実質内容につきましては私立大学審議会にはかって内容をきめております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうしますと、これを見る限りでは、この間、大臣が予算委員会で答弁しおった基本財産の自己財源を三分の二から四分の三にしますと、こう胸を張って答えられておったんですがね。これはどこにあるんですか、その三分の二とか何とかいうのは。それをお聞かせ願いたい。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) それは、実は昨年の七月にかなり大きな改正をしておるわけでございますが、その改正後の姿で申しますと、その中に保有自己資金という事項がございまして、「大学等の設置に要する経費の三分の二以上(医学部または歯学部を設置することに係る場合にあっては、四分の三以上)の資金を申請時において保有すること。」といった明文があるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、昨年の七月三十日から改めたのには、その三分の二とか四分の三というものは明記されておるんだと、こう理解してよろしゅうございますね。いいですか。そうすると、やっぱり改正されたやつには、この施設の場合、あるいはその設備の面でも基準というものはずっと一応示されておって、特別の事情により云々という特別書きがずっと改正前のにはあったんですが、今度のはありますか、ありませんか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げました保有自己資金につきましては、特別の事情といった例外規定はございません。ただ、たとえば校地でございますと、校舎基準面積の六倍以上の校地が大学にあっては必要である。短期大学、高等専門学校にあっては、五倍以上の校地面積が必要であるというような原則がございますが、大都市のまん中にあるなど、非常に特別な事情があるような場合におきましては、教育上支障がない限度においてこの面積の一部を減ずることができるといったような例外規定も設けられておりますが、三分の二以上あるいは四分の三以上という資金の保有限度につきましては例外規定はございません。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、施設や設備の面でと、こう断ってお聞きしたんですが、何も保育資金でただし書きがあるがと、だって前だって保有資金がなかったのだから。実は、私はやはりここに問題があると思うんですよ。なるほどこれを見ると五倍以上とか六倍以上というのがありながら、みんなやはり特別の事情によりしかたがない場合には、教育に支障がない限りは、審議委員の皆さんの非常に自由に裁量できるところの余地というものが私はやはりこの認可基準の中にあるところに今日言われているところの粗製乱造のいろんな問題の要因があるのじゃないだろうかと、こう思うんです。このことについて、大臣は先般はこれはもう少し拘束力のあるものにしたいという答弁をされておったのですが、いかがですか。この設置基準の問題はきわめてこれは正々白々として外に出してこれは私学を新しくつくろうとする人々にその目標に達するためにやってもらわなければならぬ問題ですから内規なんと言わないで、法律かあるいは政令と申しますか、それぐらいのところにやはりきちんと高めておいて、私学のやはり認可の問題についてはきちんと規定どおり合っているかどうかということをしていくという、こういうことは、やはり今後の私学発展のために必要だと思うんですが、どうお考えになりますか、大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私学の認可その他私学問題全般につきまして根本から検討し直す時期にきていると、こう考えているわけでございます。いま、御指摘の問題も含めまして広く御意見を伺いながら結論がすみやかに出るように努力していきたいと考えておる次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。大臣ちょっと聞きたいのですが、私は宮之原君が言われている認可基準を明確にして、そして認可基準を常に検査をしていわゆる水増しの入学がないのか、あるいは入学金とか、そういうことについて届け出の違反をしないのかということを認可をするときには非常にやかましいけれども、そのあとの調べが現実に十分やってない。こういう点について強調されている点は私も全く同意見です。ただしかし、私は、ここで十分考えなければいけないことは、それだけのことをやっていてもなおかつ私立の医科大学ないし歯学部ができていくということです。そして、またそれを要望しているという国民が一面にあるという事実ですね。こうなってくると、どうしてもやはり根本的というお話があったが、つまり大学が長期的な計画を立てて、一体国公立の負担すべき大学の分野と私立の大学の負担すべき分野とを明確にして同時に国の大学に、これはまた後に私も質問したいんですが、国の大学設置にあたって用地を提供させ、たくさんな負担をかけるというやり方をしているわけですね。ところが、いま私立の歯科大学や医科大学をつくるのには、百億から百五十億の金がかかるわけなんですよ。それをただ単にその基準をきびしくすればそれで足りるという性質のものではないと私は思うのですね。これは少なくも、国のほうで設置をするにあたっては地方公共団体に負担はかけない。しかし、私立の場合においては用地についていわゆる助成の措置を認めていくとかというようなものがなければいけない。そして私立の大学に対する助成は、一体、運営費だけを助成すればいいものなのか、どこまでを一体私立大学における助成の範囲にすべきかということを明確にしていかなければ、ただ、基準をきびしくすればそれで問題が解決するということでは私はないと思うんですよ。不正が解決するということではない。あくまでもやっぱり大学の基準を明確にして水準を維持すると一緒にその中で、私学の分野についてどれだけの一体国としては協力をするのか。そういうことを長期の計画の上に立って明確にしていかなきゃできないと思うんですよ。高等教育懇談会でこういう面の議論も行なわれると思うんですけれどもね、これはいまの考え方で基準の問題は私はけっこうだけれども、これが、何かきびしくすれば、いわゆる自己資金をふやせばそれでいいんだということでは絶対ないと思うんですよ。これでは現実の一体私学が、あれだけの医科大学や歯科大学に現にたくさんの人が入っているわけです。   〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕 要望するからこそ、また、そこにたくさんの人が集まるわけです。それではそれにかわるべき国として責任を持ってそれに応ずるというなら別ですよ。しかし、とても国だけがそれをやっていくだけのいわゆる財政的な余裕があるわけじゃないんだから、分野を明確にして、そういう中で一体私学に対する国の責任はどこまでの限界を持ってやっていかなければいけないかということを明確にするという、こういう必要があるということを、やはり私はこれだけ、ちょっと話が出てきたので、大臣の考えをお伺いをしたいわけです。基準を明らかにし、常にその基準を平常の際に確かめていくということは非常に重要なことだと思うんです。われわれもふだんから常にそれを主張してきたけれども、何か答弁のきれ端が新聞の記事に出てくるもんだから——そういうことを言っておられないのか知れませんけれども、いまの答弁ではちょっとそういう点が触れられていなかったので、この点について大臣の考え方を少し簡単に聞いておきたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 全くそのとおりに考えているわけでございまして、そういう意味で総合的に検討し直さなければならない時期にきていると、こう申し上げているわけでございます。特に、私学の問題につきましては、これまで私学の果たしてきた役割り、これは高く評価すべきだと、こういう考え方を持ってきているわけです。同時にまた、将来問題を検討するにあたりましても、私学の自主性は尊重していきたい、こういう問題とどうマッチさせて問題解決に当たっていくかというところに問題のむずかしさがあると、こう判断いたしておるのでございます。先ほどお話しになりました高等教育懇談会、そこでも一応の結論を出しているわけでございまして、昭和六十年までの間に、いまの大学への進学率が四〇%になるという前提で、高等教育機関を整備すべきであるということでございますが、その場合に、いままでのような私学におぶさることでは、どうしても地域的な大学機関の配置、これは全きを期することはできないのじゃないだろうか。私学の場合には学科でありますとか、あるいは学生の規模でありますとか、そういうようなことについては片寄ってきた。これ以上東京や大阪に集中すること、これは避けたい。東京の場合、関東全体そうでございますが、関東の大学は、進学希望者の一七〇%を関東地方で収容している。反対に四国地区では三九%しか収容できていない。非常なアンバランスがあるわけで、こういうことも考えていかなければいけない。そうしますと、どうしても、今後は国立公立の大学に相当な期待を寄せていかなければいけないのじゃないだろうかと、こんな感じもいたすわけでございます。  同時に、また、医学部、歯学部のような場合には、ばく大な金がかかるわけでございますだけに、そういうばく大な金を要するものについて、私学にそのままおぶさっていけるかどうか、私は、むずかしいことだと、こう考えているわけでございます。で、そういうこともございまして、医学、歯学につきましては積極的に国公立を増設していこうというところに進んでまいってきていること、御承知のとおりでございます。同時に、公立の場合にも、経常費助成に四十八年度から踏み切ったわけでございますけれども、建設費につきましても助成の道を開きたい、こういうことをいま考えておるわけでございますが、そういう道を私学についても考えたらいいじゃないか、これも言えると思うのでございます。ただ、四十五年から医学、歯学だけで二十一校認可しているわけであります。たいへんな数を私学について医学、歯学の、医師の養成を期待した結果になっているわけでございます。そうしますと、これからやはり国公立でそういう人たちの養成を考えていかなければならない、こう思うわけでございます。  いずれにしましても、助成のあり方、あるいはまた奨学制度のあり方、そういうことにもやはり根本から考え直す課題を私はかかえてきているように思うのでございます。決して設置基準だけにとらわれてものを考えているつもりじゃございません。ただ今日まで認可申請にお出しになった定員と現実に収容されている員数は何の関係あるのかと思うぐらいに大きな開きがあちらこちらで出ているわけでございまして、同時にまた、松本歯科医大のような問題が出てまいりますと、資金の問題についても一体認可申請書と現実と何の関係があるのかと、こういうことにもなってくるわけでございまして、こういうことが、やはり寄付金問題もからんできているわけでございますので、ほんとうに根が深いように思いますし、総体的にわれわれ対策を立てていかなければならない責任が非常に重くなっている、こうも考えているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 先ほど来長時間にわたりまして私は大学設置の認可のあり方の問題についていろいろお尋ねをしてきたわけでありますが、質問をすればするほど非常に問題点があるということは、これは皆さんもお認めのとおりでございます。それだけに、私は、認可の問題もさることながら、今度は私立大学の解散にかかわる問題についてはなおさらイージーに扱われておるのじゃないだろうかという気がしてならないのです、審議会等におきまして。まあ、事実法規上見てみますと、いわゆる施行規則の第五条に示されておるところの添付の書類あるいは文部省の告示による解散認定の申請の様式等を拝見をいたしますと、財産目録とか、残余財産の処分に関する書類というような面については非常に詳細に書かれている。しかし、その解散の場合に一番やはり重要な問題は、何といっても、現に在学をしておるところの学生の問題とか、あるいはその教職員の処置の問題が一番私は重要だと思うわけでございますが、こういう諸問題について、解散の問題についての学生、職員の問題等についてはどの程度のやはり皆さんはこの重要性というものを認識しておられるか、まず、やはりその点をお伺いいたしたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 学校の解散におきます学生の処置等につきましては、これまた、教育上きわめて重要な問題でありまして、私ども学校の廃止の申請があります場合には、その当該学生の処理についてどのようになっておるかという点は十分検討すべき課題というふうに心得て処理をいたしておるところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 学校廃止要綱を見る限りにおいてはきわめて簡単な項目になっておるわけですね。生徒の処理とか職員の処遇というようなかっこうの欄をつくって書かれておるのですけれども、私はやはり何と申しても、この財産の処理あるいは残余財産の問題等もこれは非常に大事だと思うのだけれども、これはやっぱり教育という立場からみれば、学生の問題なり職員の問題というものはきわめてこれは重要な問題なんですが、こういう問題を審議会の審議に付する場合に、一体文部省としては、これらの問題についてはこの様式に書かれておるところの程度の問題で、何ら文部省としてのいろいろな具体的な調査をすることなく、このままでただ書類を出されるだけなんですか、どうなんですか、そこをちょっとお伺いしたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 学校教育法施行規則の七条の七に解散の場合の必要書類の手続等が書いてあるわけでございます。で、その書類が出ました場合に、廃止の理由、在学生の処置、施設設備の処置等につきましては、それぞれ事項をあげまして審議会にも御審査をいただいているような次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その場合に文部省はあれですか、解散をしようとするところの大学から生徒の処置の問題、あるいは学生、職員の処置の問題についての様式に沿ったところの書類が参りますね。そうした場合は、ただ、それを取り次いで審議会に出すだけなのか、この問題についての文部省としてのやはり教育的立場からのものの考え方というものを意見なら意見として出すということになるのかならぬのか、そこらあたりをお伺いしたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 認可の場合も同様でございまするけれども、申請が書類で提示されましたならば、その提示された書類をもとにいたしまして、審議会の御審査をいただくという手順をいたしております。その場合、文部省のほうにおきまして、あらかじめその申請に対する判断を持って審査をお願いする、こういうことはいたしてございません。認可申請が出ましたならば、認可申請の書類によって審議会に御判断をいただく、廃止の申請が出ましたならば、その書類をもって廃止することについての御判断をいただくという処置をいたしておるところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、ただ、文部省というところは、結局その審議会というところに取り次ぐだけの仕事しかせぬわけですね。たくさんの人をかかえて、優秀な人材を置いておいて、大学の設置とかあるいは解散というきわめて重要なやはり問題に対して、ただ、それぞれの学校当局が出されたところの書類だけを取り次ぐだけだというなら、一体どういうことになりますか。文部省のあれというのは、先ほどちょっと議論しかけたところの、ただ自主性というものを重んずるだけで、これに対するところの意見も何も加えぬという、そういう行政の姿勢という問題は一体肯定されていいんかどうか、そこらあたり大臣どうお考えになりますか。——大臣に尋ねておるのですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国立、公立、私立、いろいろな学校があるわけでございますけれども、私立学校が健全に発展していくようにいろいろな助成その他の制度の整備その他に文部省が積極的な努力をしているわけでございます。努力しているわけでございますけれども、その間においても、そのあり方につきましては、先ほど来いろいろな議論になっておりますような自主性は最大限に重んじていかなければならない、こういうたてまえを貫いてきているということでございます。設置にあたりましても、一定の基準を備えたものにつきましては、原則としてこれを認可していくというたてまえをいままでとってきたわけでございます。その結果、それでいいか悪いかという問題が出てまいって、認可申請書に書かれたことと現実に行なわれているところとの間にかなりな食い違いがあちらこちらに出てきているじゃないか、さてどうするかという課題に取り組んでいるわけでございます。また廃止にあたりましても、先ほど大学局長から申し上げました点は別にいたしまして、大体、学校の実態を解散せざるを得ないものにつきましては、申請が来ましたとおりにそれらを認可しているというのがいままでの姿であったわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうすると、もう文部省としては何ら見解を交えないで学校当局から出されるものをきめるということだけの事務取り次ぎの役割りしかないんですか。言うならば、大学の設置解散という問題については当事者能力はないということですね、審議会にすべてもうまかしちゃって。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど来申し上げているとおりでありますが、私立大学審議会には、設置認可の場合にも、廃止認可の場合にも意見を聞くわけでございます。意見を聞くわけでございますが、あとう限り私立大学審議会の意見は尊重すると、そういうことを通じて自主性を尊重するというたてまえで運営をしてまいってきておるわけであります。もちろん、私立大学が設置されている間につきましては、いろいろな制度の整備でありますとか、あるいは経常費維持助成でありますとか、あるいは奨学制度でありますとかいうようなことで、健全な運営が行なわれるように配慮していることは申し上げるまでもないと思います。それ以上に、廃止につきまして、実態がすでに継続していこうという熱意を欠いているところにどこまで介添えができるだろうかということにやっぱり疑問を持ちますので、その辺はそれ以上に文部省がはたして介入していってその責任を果たすことができるんだろうかということについては疑問なきを得ないなという気持ちが私いまいたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その自主性を重んずるというのはけっこうなことなんですよね。しかし、やっぱり文教の責任あるところの官庁として、こういう申請が出されておるけれども、こことこことはもう少し検討しなきゃならないとか、あるいはこことこことで、審議会で十分検討してもらいたいという何らの意思表示もしない。ただ、学校当局から出されてきたものを取り次ぐあるいは寄付行為の、設立者のいまから大学をつくろうと準備をしたものを取り次ぐという程度だったら何ら意味ないじゃないですか。その存在価値ないじゃないですか。それが自主性というのですか、一体。重ねてそこを聞きますがね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 設置の場合には、もちろん設置基準というものがございまするし、設置基準に合っている、合っていない、文部省側からそれは当然説明をしていくべきでございましょうし、同時にまた、現地に一々出向いているわけでございますから、その場合に特に留意しなければならないところを文部省は当然意見として言ってきていいんだと思っております。いま廃止認可のことについて話が発展してきたように思うのでございますけれども、そういう場合に、実態がなくなってきた場合、それをさらに文部省側から積極的に継続しろという場合には、よほど責任を文部省自身が負える姿のものでなければなかなか言えないのじゃないかなという感じを持っているものですから、そんな気持ちでお答えを申し上げておったわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何も、私は、継続しろという意見を出しなさいということをいま話をしているんじゃないのですよ。だいぶん先ばしってこう考えられているようですが、少なくとも、先ほど学術局長の答弁では、やはり解散という問題の中で一番大事なことは、財産の処理の問題もさることながら、学生の身分とかあるいはいままでつとめておったところの職員の身分という問題はきわめてこれは大事な問題だということは、一番重視をされておるということですからね、私も同感なんです。それならば、その学生の問題が一体片づいておるのか。職員の問題がほんとうに教育的な立場から処理をされておるのかどうかという問題について、それは文部省は一切口をつぐんで、ただ、学校の理事会が出しさえすればただ上に取り次ぐということだけでは能がない話じゃありませんかと。一体教育的な立場からそういう問題に対してはやはり理事者側からこういう問題があったけれども、もう少し慎重にしてもらいたいとか、これはもう少し検討する必要があるとか、それは限界というのはありましょう。しかし、それについて何ら口を差しはさむことなくただ取り次ぎだけだというんならば、たとえば木田さんみたいな優秀な人を、私は事こういう問題については何も学術局長がやると——だれがやったっていいということになりかねないので、そういうことさえもただ取り次ぐだけですかということを聞いているんですよ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) お話よくわかりました。それはもう設置の場合にしましても、廃止の場合にいたしましても問題のあるところは当然文部省側から審議会に対しまして指摘をすべきだと思います。どういうところに問題があるかということは指摘をして判断を求める、そういう態度は当然十全に尽くさなきゃいけないと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 早くそういう答弁が出てくれば何も長く私は聞く必要ないんですね。ただ、たとえば、この問題について沖繩大学と沖繩の国際大学の統廃合の問題については、私どもから見れば自主性どころじゃなくて皆さんが強力なこれ行政指導して問題が出ているだけに、実はいままでの答弁とだいぶ食い違いがあるんですよ。大学当局の学長さえも短大は存続させてもらいたいという話だったんですよ。それを今度法案としてぱあっとやっておいて、そういう問題については口を緘しておいたという過去の例がありますな、去年あたりも、そうじゃありませんか、違いますか。あれも大学当局からみんな出されたものをただ審議会に取り次いだだけですか、首を振っておられますが、どうですか、それは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) これはちょっと私は、宮之原さんそれはよう受け取らないんです。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それは何ですか、それじゃ。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 将来の沖繩の私立大学をどう持っていったらいいかということは当時の琉球政府も加わりましてお話し合いをしたんです。話し合いをした結果、不十分な沖繩大学と国際大学二つ残しておくよりも、これを統合して充実した私立大学にする、そのことが沖繩の将来に対して必要なことだということで結論を統合ということでお出しになったのですよ。お出しになって、そのかわり統合大学が一そう充実するように日本政府も援助しようということで五億円、五億円、十億円の援助もしましょうと、こういうことで話がまとまったのです。沖繩大学も国際大学もそれで賛成だったんですが、それでそう進んできたんですが、その後に起こってきた内紛であります。私は内紛と、こう申し上げたほうがいいと思うんであります。それで国際大学の方々が大部分沖繩国際大学——新しい統合大学へ進んだ、沖繩大学の方々は半数は進んだけれども半数は残っちゃった。そして従来どおり沖繩大学を維持していきたいと、こう言ってきておられるわけでございます。それが経過の実態でございまして、しかし文部省は経過は経過、それにとらわれませんよと、将来また沖繩で新しい私立大学をつくりたいんだ、認可しろとおっしゃるなら、それはもう感情にとらわれないで審査をして、認可基準に合ったものは認可していきますよと、こう申し上げているわけでございます。少し事実を正確に理解をしておいていただきたいとお願い申し上げておきます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それは一昨年になりますか、沖繩国会で、この問題が議論された段階確かにそれがありましたよ。しかし、その後あなたも知っておられるように、やはり琉球大学や沖繩大学なり国際大学の中でだいぶ反対の声があがってですよ、現に沖繩大学の学長自体がやっぱり存続をさせてもらいたいということで、昨年の暮れからことしにかけて話があったでしょう。したがって、沖繩の皆さんからすれば無理やりにやはりさせられたという気持ちしかありませんよ、それは。なるほど最初の話の過程においては大浜委員会ですか、その一つのものの方向の中で出たことは事実ですけれども、その後の時の経過の中で、やはり統合反対という問題が出てきたということは、これは事実でしょう。それを内紛とはちょっとことばが過ぎやしませんか、それは。あなたは内紛だと思っているということはあなたのお考えですから私は何ら言いませんけれども、それはちょっとひど過ぎますよ、内紛は。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 沖繩大学が施設基準に照らしまして本土の大学の基準だけ備えているならば私は何をか言わんやと思うんです。それはもう堂々と胸を張ってそれを認めろとおっしゃったらいいと思うのです。施設基準に合っていないんです。ずっと下回っているんです。沖繩大学も国際大学もそうだった。そこで統合の問題が起こったわけであります。一たんは統合をきめたはずであります。それを向こうで制度も全部できたわけであります。その後に沖繩大学の先生で言えば半数弱でしょう、その方々が、いや向こうへ行きたくない、沖繩大学従来どおりやっていきたいと、こうおっしゃっているわけであります。   〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕 しかし、これは本土の基準に合っていればいいのですが、ずっと下回っているのです。しかし、今後残りたければ施設基準に合うようにして申請なさいよと、感情にとらわれないで見ますよと、合っていれば許可しますよ、認可しますよと、こう言い切っているわけでございまして、決してどちらかに加担するということでなしに、従来の経過を踏まえながらあるべき姿にのっとって認可をしていこう、どちらかに味方する、どちらかに反対するというような態度はとるべきじゃない、こういう気持ちでおりますので、これはぜひ宮之原さんに理解していただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 何も、ここで沖繩問題を私はやろうと思っておりませんけれどもね、しかしやはり、沖繩の置かれてきたところの経緯、歴史的な事実ということをあなた認識されないで、ただ、しゃくし定木にあの問題当てはめられぬと思いますよ。だからやはり経過措置というものを、ほかの場合にもたくさんあるわけですよ。たとえばお医者さんの問題、医師介補の問題にしても、弁護士の問題にしても、本土に復帰したときには直ちに本土法を適用しないで、何ヵ年間というものの経過措置というものを置いているということは、これははっきりした事実なんですから、やはり教育の問題もそういうものから処せられなければならないので、ただ基準がどうだからこうだからと言って沖繩の問題をこれは断ったんだと論ずるのには、沖繩のやはり歴史的な事実というものを理解されておるとはどうしても思えないんです。  しかし本論は、これじゃないんですから続けますが、これでまあ先ほどの答弁で大事な問題については、やはり文部省としては限度はあるにしても意見を言うことがあると、こういうことですから次に進みたいと思います。  実は、農協短大の問題について、この問題と関連をしてお尋ねしたいと思うんです。まあ、おそらく文部省の関係者もこの問題については長い経過のあるところの問題ですから十分御理解をされておると思いますので、具体的にお聞きをいたしたいと思うのですがね。これは同短大の滝沢理事長代理ですかと、江上学長が、この農協短大をなぜ解散をするのかという理由づけの中に、一つは、二年制の短大では学力が十分でないからと、第二番目は、農協系統組織が大きな期待を持って財政のほとんどを負担をしたにもかかわらず、現在の学校法人では、たとえば教員の採用については一般的な学歴、教歴に基づくことに偏し、農協運動の貴重な体験を持つ人を加えることができなかった等、結果として農協系統組織からの遊離した実情となったごとがあげられると、こういうようなものを要約いたしますと、あの理由としてあげているのです。そこで、私お聞きいたしたいことは、この具体的な理由として二年制では学力が十分でないからというんであったら、これは常識的には短大をもっと充実をして四年制の大学にするというなら、これは話は筋としてわかります。しかし、学力が十分でないからということを言いながら、いわゆる学校教育体制の中では各種学校の範囲にも入らない全くの企業内教育機関とあるところの中央協同組合学園ですか、以下私は、これから中組学園と申し上げたいのですが、その中組学園云々によって肩がわりさせるのが妥当なんだという理由の並べ方について、これは教育をあずかるという立場から見た場合に、皆さんはどうお感じになられますか。このことをまず、お聞きしたいと思うのです。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 協同組合短期大学をつくられたときの御意図がどういうことであったかということともかかわってくるのではなかろうかというふうに思うのでございます。いま、宮之原先生もおっしゃったように、二年で不十分なら三年あるいは四年に延ばしたらいい、それはおことばとしては私はそのとおりだと思います。ただ、中央農協が農協関係者の職員を教育をしたい、養成をしたいというお気持ちがあって、そういう養成訓練と、そのつくってこられた農協組合短大のあり方とが、設置者の立場から見て、必ずしも期待のとおりに進んでなかった。そうして農協職員の訓練という立場から見ますと、正規の大学というよりは、職域における教育訓練活動として展開したほうが趣旨に合う、こういう御判断でなかろうかというふうに考えますけれども、このことは、私どものほうで、この組合短大の業務を停止したいというお話を聞きました際に、いま御指摘がありましたような理由は私どもも伺っておるところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いま局長の答弁は、第二の問題を中心にしてあなた答弁されていますけれども、私がお聞きしておるのは第一の理由の問題なんですよ。二年では学力がつかぬから、それだから各種学校でもない、企業内訓練所とまでは申しませんけれども、教育機関の、そういうものに持っていくのが至当だという考え方は、ちょっと常識で理解できますか、どうですか、その問題に関して。なるほどそうだと、あなたうなずけますか、ちょっと局長のお考えをお聞きしたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) それは、こういうふうな教育をしたいというその中央協同組合のお考えによって違ってくることではないかというふうに思います。確かに、二年の短大では不十分だから四年の教育にしようという考え方も十分あり得ることだろうと思いますし、また、その教育の中身を具体的に想定いたしました場合に、正規の大学ということでなくて、別の教育形態をとりたいというお考えもあり得ることだろうと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 すると、積極的なコメントはやりたくないというところですね。  それならばお尋ねしますが、農協短大の教育方針といわゆる中組学園の教育方針と、どのような違いがあるというふうに皆さんは見ておられますか、ちょっとお聞きします。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 農協短大は、農業協同組合科というものを設置をいたしまして、農業協同組合に関する専門教育を教授するということと人格の陶冶と教養の向上ということを学校の目的にいたしておることを承知いたしております。中央協同組合学園につきましては、これは全国農協中央会のほうで運営をしておられる教育内容でございまして、農協役職員教育の振興をはかるという目的で設置をされたというふうに承知をいたしております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 両方のこの方針書にあらわれたところのものを見ますと、農協短大は少なくとも「教育基本法及学校教育法の定めるところに従い、円満な人格を養成し、高い教養を与えると共に、特に農業協同組合の指導者・経営者たるに必要な専門的知識、技能を授け、協同精神に基づく有為な人材を育成し、以て農業協同組合の健全なる発展に貢献」をすると、こういうやはり明確な方針が出ておるんですね。いわゆる学校教育、学校法人として私は一番正しい特色を発揮されるところの学校方針だと思う。それに対して、これを解散して新しい別なこの法人から離れようとするところの中組学園というのは、単に「農業および農協をとりまく諸情勢のいちじるしい変化と科学・技術の高度な発展に即応し、農協が本来の使命を達成するために、役職員の協同組合の原理・原則に関する理解を深めるとともに、いっそうの資質の向上をはかる」ということが教育方針になっておるんですね。そうすると、お互い教育という立場からのその農協人というものをつくり上げるとするならば、少なくとも、やはり教育基本法なりあるいは学校教育法に準じたところの農協人づくりをするというこのたてまえこそ私は正しいと思うのであって、いわゆる世の中に言われ、しかも大きな批判が出ておるところの企業内の猛烈企業人づくりの養成にこれを変えていく、こういう方針に対しては、どうしても教育を知る者の立場から見れば、納得のいかない話だと言わなければならない。それでも文部省とすれば、それはよそさまが、法人さまがおきめになることですから、これはしかたありません、こういうことについて、やっぱりコメントできないですか、どうなんですか。感想でもいいですから、あなたの感想を聞かしてください、こういうもののあり方について。人づくりの問題と関連しますからお聞きするんです。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) いま、御指摘がございましたように、協同組合短大につきましては、協同組合短大の目的があって、その目的を実現するために関係者が学校を経営されたものというふうに考えます。しかし、その学校の運営自体を設置者である立場でいろいろとお考えになって、違った角度から教育活動を展開するのがいいという御判断が設置者の立場にあるとしますと、それは私どもの立場で一がいにこっちがいいあっちがいいということを御意見として申し上げる筋のことではないんではないかというふうにも思います。いろいろと学校の設置、廃止等の場合に、こういう目的で学校をつくったけれども、学科を変えたいとか、違った学校にしたいとか、そういうお話を伺います。それぞれ学校の設置者のその御判断によって、私どもも差しさわりのない限りその御判断に従って事柄を処理するというふうに考えるべきではなかろうかと思っておるところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これは大臣にお尋ねしますがね、人づくりの問題ですからね。大臣はどうお考えですか。この問題と一緒にやると、またいろいろ警戒心が先立ちましょうから、離れてもいいですよ大臣。人づくりの問題ですけれども、やはり将来の、たとえば企業なら企業、一つの企業を背負って立つ人間にしても、これはやはり学校教育法とか、教育基本法に基づいていわゆる学校法人あるいは学校教育という一つの基盤を踏まえた中で、その企業の特色にかなったところの専門的な教育をやはりその中でさせていくというこのやり方と、もう学校法人とかあるいは学校教育、公教育というものは全然抜きにして、とにかく企業の役に立つところの人間さえつくればいいのだと、そういう企業内教育というものを主にすべきだというそういう人づくりの方向ということについて、将来の日本のいろいろな企業を、場所は別にいたしましても、負っていくところの人をつくるとした場合に、どういろ方向性が望ましいと大臣はお考えになりますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) どういう人を対象にしてどういう内容を備えさせようとするのかということによって違ってくるんじゃないかと思うんですけれども、高等学校の卒業者を採用して、それに対しまして、さらに、進んだ教育を受けさせる。学校教育法に基づく学校、これが一番望ましいと思います。そうじゃなしに、高等学校の卒業者もあれば、大学の卒業者もあれば、年齢からいってもいろんな層がある。そういう方々について、特定の内容を備えさしたいという場合には、学校教育法に縛られない、少し弾力のある教育ができるというような行き方をしたいという考え方、これもあり得ると思うんです。私、具体の方向を知らないものですから、一般的なことでお答えするわけですけれども。同時に、具体の学校の問題については、私はいろいろな紛争、紛議があったように聞いておるんですけれども、ただ、一般的なことでお尋ねいただきますと、やっぱりどういう対象に対してどういう教育をするかということによって違ってくるんじゃないかと。一般論としては、やっぱりそのために学校教育法というものがあり、学校があるわけですから、その筋を通るのが筋道だと、こうお答えできると思いますが、しかし、いま申し上げますような場合もあるものですから、そこはまた、一がいにもう講習をやろうとする人の考え方によっては言えないんじゃないだろうかというふうにも思うわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いや、たとえば、高等教育でも終えて、一つの企業の中に入って、その企業の問題についてやる云々というのは、それは常識的にわかりますよ。しかし、いま大学の問題をいまここで議論をしておるわけですから、大学教育のあり方の、高等教育のあり方の問題を議論しておるわけですから、したがって高等教育ですから、高等学校教育を受けて入るという者の層であることはもう共通の基盤でありますから、少なくともやはり、そういう者をこの企業の中で働かせようとするならば、企業内教育のところに押し込めて、こういうものの猛烈な企業の役に立つところの人間だけやれというところに、私は、今日の日本の大手企業を批判されるところのいろいろな問題点があると思うんです、率直に申し上げて、やはり教育の一つの問題として。少なくとも、やはり全体を見通し得るところの人間、その中でその企業のことについて精通をしていくところの人づくりをするというならば、一番やはり教育の場というのは、それは学校教育の特色は別々あるでしょうけれども、学校法人というワクの中で特色を発揮させていくというととは、一般論としては、きわめて私は望ましい形だと思うんですが、その点は私は大臣も同感じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いまおっしゃったような意味で、高等学校を卒業してきた者に対して、さらに、もう一つ上の教育を与えて、企業の力にもしようという場合には、学校教育法に基づく学校で広い教養を与えていく。そのことが結果的には企業の力にも大きく役立っていくというふうに私思います。抽象的にはそうだと思うんですけれども、具体的にはそれぞれいろんな環境が生まれているものですから、具体の問題になってまいりますと、それを何もかも一率に押しはめていく勇気は持たないという意味で、先ほどのようなお答えをしたわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それはやはり一国の文部大臣ですから、私はそういうお考えを持つならば、やはり学校教育全体に、たとえば、いま論じているのは、解散をさせよというなら、もう少し君待って、そういうことを考え直したらどうかぐらいの助言などはやっぱりあってしかるべきだと、ほんとうは思いますが、それは別に、それ以上は申しませんが、実はいま一つの問題でも、やはりこれははっきりしておきたい問題があるので局長に今度はお伺いしますが、先ほどあんたが答弁として言われたところの問題です。  事、志と違って、農協系統組織が意のままにならなくなったから、結局解散をさせるということですわね、これはつづめて言えば、あの農協短大の解散の問題に対しては。しかも、それを学校法人を廃して企業内の機関にあと戻りをさせていくという、この考え方に私は非常な抵抗を考える、率直に申し上げて。たとえば、いまの学校は悪いからというなら、そんなら中身をうんと変えていくとか、あるいは新しい学校法人つくるというなら話もわかるけれども、そんな学校法人よ、さようならというかっこうで、企業内教育をやりますということは、これは、私は、公教育そのものを否定するところのものの考えというのが基本にあるのじゃないだろうかと、こういうことを考えざるを得ないんです。  もちろん、あそこは指定されておりますように、建学の精神というものは、それはその学校で私はやはり連綿として引き継がれなければなりませんし、また、学校法人ですから、その特色を生かすための教員構成ということも、きわめて大事だと思います。そのことはもう肯定します。しかし、やはり建学の精神云々というのは、いまの一般の私立大学校の例から見ましても、これは時代とともに変遷をし、進展をするものなんですね。ただ、お年寄りが自分の郷愁でもってあれは建学の精神に反する、どうだと判断するということは、これはちょっとおかしいと言わなきゃならぬし、また、私も間違いじゃないかと思うんですよ。  また、今度は、その教員構成も意のままにならなかったという問題についても、これ調べてみますと、教員構成は、二十五人中十五人までは、実は農協系統の組織から推薦をされた方々なんですよ。しかも、いまだかつて、中央農協の推薦人が拒否をされたというところの事実はないんです。それにもかかわらず、職員構成がどうも自分たちの意のままにならなかったというのは、私はこれはためにせんがためのこじつけにしかすぎないと考えざるを得ないんです、具体的なその事実関係からいたしましてもね。  それは、確かに農協短大の十五年の歩みを見てみますと、全国農協中央会の幹部の皆さんの言うとおりにならなかった面があるんです。しかし、ならなかったというのは、いいことじゃないかと思うんです。学校法人として、学校教育法にのっとってやるというなら、これは教育基本法の十条の示すように、ときと場合によっては、不当な支配を排除するという、これは正しい行き方だったと思うんですよ。それを自分の意のままにならなかったから、これはだめだというものの考え方というのは、これはあまり学校教育というものを近視眼的に見たところの問題じゃないだろうかと私は見るわけです。  確かに、この大学の問題には、解散の問題とからんで若干のトラブルもあったことは、私は否定しません。しかし、これはいわゆる町の、いわれるところの暴力学生が蟠踞しているという問題じゃないでしょう、ところじゃないでしょう。したがって、いま私はそれをつぶして、別のところをつくるというよりも、お互い教育というものの考え、あるいはあずかるというところの立場から見れば、むしろ、その問題点と言われたところの問題点を、いかにそれを排除するか、こういう問題について、組合側も、あるいは理事者側も一緒になって努力するという態度こそ、私は、まず第一番先にとられなければならぬ態度だと思うんです。そういう態度を一てきして、単に、もうこれがおかしいので、もう解散をさせて企業内教育だということは、私はどう考えてもこれは近視眼的なところの見方だと、こう思いますし、しかも、もうこういうようなことを否定するとするならば、自主性という、私立学校の自主性さえもこれは否定されたところのやり方だと、こう思わなきゃなりませんですね、ちょっと納得ができぬのですがね。あなたはそういうこの問題について、どう見ておられますか。感想でもいいから——文部省の考え、所見とこう言うと、また、あとから縛られはせぬかと思ってあなたはちゅうちょされるかもしれませんから、まあひとつフランクな気持ちで、そういうものに対するところの考え方をひとつお聞きしたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) いま、お述べになりました御意見には、私も共感を覚える点は多々ございます。一つの大きな企業組織でございましても、その企業組織が、できるだけ企業のワクにとらわれないで幅広い人材養成をするために、基礎の広い学校教育を推進していく、そのために力になっていくということは、非常に望ましいこと、けっこうなことだと思います。しかし、一面、また、その企業の関係職員の養成という面から考えますと、正規の学校教育だけが十分にそれに対応できるということでない一面があることも否定できません。でございますから、企業の関係者が、その関係職員のための教育をどうしたらいいだろうということを考えました場合に、いろんな道があり得るであろう。その場合、私は大学の担当者といたしまして、もう正規の短大とか、大学とかというものでなくて、別の方式をとりたいという御意見に対しては、一面さみしい気持ちはいたします。気持ちはいたしますが、これは関係職員に対する教育を、こういうふうに進めたいという関係者の御意見によるところでありまして、やむを得ないことじゃなかろうかというふうに思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 局長の答弁はさびしい気持ちはするけれどもやむを得ないんだと、こういう話なんですが、実は、私はさみしい気持ち以上に憤りを感じておるんですよ。その憤りというのは、実は公教育そのものをも冒涜するような言い方をやはり主張としてとられおることなんです。それは、私はやはり客観的に皆さんにも判断していただくために農協から出されておるところの文章をもとにして申し上げますが、たとえば、昭和四十四年の四月十七日に出されましたところの「農協における役職員の教育訓練について」というパンフがある。これは言うならば、中組学園の一つの基本理念ともいうべきものの説明なんですがね。この中にこう書いてある。「正規の学校教育においては、官僚統制が強められ、人事や予算面の制約によって「経験学習による民主的教育」が後退し、」、教場中心、教師中心、教育知識詰め込み中心の教育が行なわれ、教育技法も抽象的なものに片寄り、教師と学生の人間的触れ合いがなくて教育効果がないんだと、いわゆる学校教育、公教育というのは。だからして中組学園がこれを満たすためには必要なんだというものの書き方なんですね。私も、もちろん現在の教育のあり方がすべて満点だと思っていないんです。これはやはり改善されなければならぬ問題たくさんあるし、そのためにまた立場の違い、いろいろな意見の相違あるにしてもみんな共通のそういう気持ちがあると思う。しかしながら、そういう立場からいわゆる学校法人を解散をしましょうという、こういう考え方に対しては学校教育を知る者として義憤を感じざるを得ないんです。私は、もうあなたがおっしゃっているさみしい気持ち以上に憤りを覚えているんですけれども、あなたはやっぱりこれでもさみしい気持ちから一歩も出ませんか、どうなんですか。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 現在の学校教育、特に正規の短期大学あるいは大学の教育が高校卒以上の青年に対しまして、いろんな意味で十分に適合できているかどうかという一面は私も大学を担当するものとして常に考え、反省もいたしておるところでございます。もう少し、今日の大学教育がフレキシブルな教育内容を持って幅広く、あるワクにはまったものでなくて、弾力的にならんであろうか、教育内容あるいは学校の運営等々についてもそういうふうな改善の余地があるのではないかということも考えたりいたします。そして現実に同じ職種を養成するにいたしましても、短期大学の正規の学校によって養成されるものと、そうでない形でいわゆる各種学校というような形で養成されるものといろんな形のものがございまして、私どもからすれば、できるだけ正規の学校でということを考えられるならば広げていきたいという面もございますけれども、しかし、やはり一面今度は正規の学校といたしますと、どうしても一定の基準、一定のワク取りというものを考えなければなりませんから、教育のことを別の立場に立って弾力的に考えた場合に、社会教育的な観点からアプローチするほうがいいという御判断も十分あり得るということは私どももまた考えておるわけでございます。したがって、この教育活動を行なわれる方々が、特に農協中央会のほうで、系統職員の養成のためにもう少し弾力的な別の教育組織がいいという御判断がありますことにつきましては、これはそれを一がいに否定できないと、私どももやむを得ないことではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 教育の問題の元締めを握るところの皆さんが、皆さんというよりもその一人であるところの木田さんがそういうような御答弁では私は逆に非常にさみしい気がしながらあなたのお話をお聞きしているんです。先ほども私言いましたように、いまの学校教育が満点だと思っていない、改めなければならぬ面があるんだけれども、しかし少なくとも、正規の学校教育そのものを否定するというものの考え方はこれは間違いなんだと、これぐらいは私は言ってほしいと思うんですね。その文教の責任者の一人であるところのあなたがそれさえも言えない。ああでもない、こうでもないという言い方ではちょっと私納得できませんがね。そう言われてても、やはりああでもない、こうでもない、やむを得ませんとおっしゃいますかね。どうですか。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 私どもも同じ文部省におりながら学校教育だけで教育がうまくいくとも言えない点がありまして、社会教育ということも別の意味から非常に進めていかなきゃならぬという立場にあるわけでございます。で、学校教育だけが教育のすべてだというふうには考えておりません。その意味で、この教育活動を展開される方々が正規の学校教育というワクに対して、ある御批判と御判断があるということはこれはそのこと自体はどうもやむを得ぬし、また、別の立場からの御判断というものを私どもが否定するわけにもまいらないのではないかというふうに思っております。で、大学を担当するものといたしましては、先ほど申し上げましたように、大学教育では十分に目的を達し得ないからほかの形態をとるというふうな言われ方をいたしますと、確かに私もさみしい思いがすると、こういうふうな御答弁を率直に申し上げざるを得ないわけでございますけれども、教育の展開という点では同じ文部省も幅広い教育の姿勢というものを持っておりますので、ただいまのような御答弁を申し上げているわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ、あまり議論をする時間ないですけれども、私は、すべては学校教育でなけりゃならぬと言っているのじゃないんですよ。社会教育もあれば、このごろ言われている生涯教育ということも大事なこともわかっている。しかしながら、これは学校教育のもとから発展した大学問題のあり方の問題でしょう、一つの形態の問題として。それが公々然としていまの正規の学校教育はという、この否認するところのやり方というのを、文部省の皆さんが、それもやむを得ませんということではちょっと心もとないのです、率直に申し上げて。もう少しその点はやはり学校教育という立場におけるところのものの考え方というものは、私はやっぱり今後少しはっきりしておいてもらいたいと思うんですね。  そこで私、大臣にお聞きいたしたいんですが、去る三月三十日発表されたところの農業白書ですね。この中に、このまとめとでもいうべきところの中に「永い歴史のもとで培われてきたわが国の農村的風土をその文化的伝統とともに永く存続・発展させていくためには、農村社会のもつ現代的役割の国民的認識と評価のうえに立って、地域の特性に応じた農村社会の将来像を樹立し、新しい明日の農村を築きあげなければならない。」云々ということを非常に強調されているのです。私は、やはり今後の日本の農業を進める中では、結びとしては一番当を得ているのじゃないだろうかと、私もこの部面に限りは農業白書を肯定したのですが、そういった立場から見て新しいあすの農村をになうという、その人は何と言っても私はこの現実の問題としてはその農協人づくりでなければならぬと思うんですよ、農協が主体になっているわけですからね。その農協づくりというのは先ほども触れたように狭いワクの中でなくて、やはり日本全体的な視野を広げたところの立場からの人づくりというものが一番大事だ、このことはこれは衆議院の昨年の農水において元農林大臣の赤城さん自体視野の広い農協人づくりは短大のほうが望ましい、こういうことを言っておられるのですが、私は、やはり将来の日本の農業を背負って立つこの人、農協人づくりの基盤というのはやはりそのことを頭に置かなければならぬと思うのですが、しかしここでは、現実の問題として短大の廃止、中組学園という問題があるんですけれども、そこでやはり私は大臣に中組学園がいいか短大がいいかというこの問題以前の問題としてこの二つをやはり何かまとめて何とかいってほんとうに学校教育法の中に載せていくぐらいの、犬馬の労をとるぐらいの積極的な意欲は文部大臣ございませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) りっぱな農協人を育成していく、それは文部省が学校教育法の学校の中で当然目ざしていかなきゃならないことだと思っております。農協人というよりも、広い意味の農業指導者と申し上げたほうがあるいはいいのかもしれませんが、そういう問題とは別に、全国農協中央会が特別な人づくりを計画された、やはり短大がいいと思ったからそういうふうに進まれたと思うんであります。ところが、事、志に反して、いろんなところでつまづいてきたと、こう思われた。そこで、やむを得ず別途の方法をとられたんじゃないかと。だから、どっちがいいとか悪いということじゃなしに、これは明らかに短大がいいと思って進まれたんだと思うんです。私は深くは経過知らないんですけれども、それがうまくいかなかったから、今度こういうおっしゃっているような中組学園というんですか、中央協同組合学園、学校教育法にものっとっていない、各種学校にもなっていない、こういう仕組みでやろうとされたわけでございます。全くやむを得ずこういう方向をたどってきているんだろうと思うんです。しかし、こういう方向をたどりながら、こういう方向によさを見つけたい、よさを築き上げたい、こういうことで努力しておるんでしょうから、それはわれわれとしては見守りたい。それ以上におっしゃっているようなりっぱな農業指導者が育成されますような、いろんな学校でそういう努力を私たちが積極的にやっていかなきゃならない、かように考えるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、ここで短大が残されて、学園つくらないということになれば、一番けっこうだと思います。現実の問題、進んでおるだけに、どっちがいいとか、悪いというよりも、両者を、やはりこの問題について学校教育のあり方というものを考えて、人づくりということを考えてみた場合に、合体をさせていくという方向性こそ、ほんとうに私は文教の責任者として積極的に肩をかすべきだと思うんですがね。どうもこの問題については積極性がないようで、がっかりしました。奥野さんならやっていただけるんじゃないかと、こう私は期待をしておるんです。  そこで、時間の制約もありますから、次に進みますが、解散の場合、やはり問題になってまいりますのは、残余財産の帰属の問題になるわけですが、これは問題のついでで短大理事会はいとも簡単に全国の農協中央会に帰属をするんだと、こういう物のいい方ですがね。私は非常にこれを疑問を持っておるんです。確かに農協法第七十三条、九の三号には「組合に関する教育及び情報の提供」というかっこうで、ちょこっと教育という文字はあるんです。農協法の中を見ましても。しかしながら、そこでいうところの教育というのは、これは教育、宣伝、啓蒙というところの程度の意味であって、少なくとも、教育事業を受け継いで一つの学校ぐらいを経営するところのものとはどうしても判断できないんです。そういう立場から見れば残余財産を中央会ですんなり引き継ぐということについてはやはり法的に疑義を感ずるんですがね。その点どうお考えですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) まあ、法人の解散の場合の残余財産の帰属の問題でございますが、これは法人の解散というのは、学校の閉鎖の結果でございまして、また、残余財産の処分というものは法人の解散の手続の一部でございますから、前提になる条件がいろいろあるわけでございます。かりに、いま問題の学校が廃止され、かつ法人が解散されるということになった場合のことかと思いますが、その場合には、この私立学校法の三十条の三項の規定、並びに五十一条の規定によりまして、残余財産の処分帰属が行なわれるわけでございます。この私立学校法の三十条の規定によりますと、御承知のとおり、その残余財産が寄附行為の定めるところによりまして、学校法人その他教育の事業を行なう者のうちから選定されたものに帰属するということになっておるわけでございます。この「教育の事業を行う者」というのがどういう範囲かということでございますが、文部省といたしましては、従来の考え方といたしまして、この教育というものは、学校教育に必ずしも限らない、社会教育その他も含むということが一つと、もう一つは、特にその認可を受けた各種学校がこの対象であるとかないとかというような限定も考えていない、きわめて一艇的に多数者に対して継続的な教育が行なわれるということが、ここに言う教育の事業であろうというふうに理解をいたしております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 多数者に対して継続的な教育を行なうということだと、具体的に、たとえばどういうことを意味しますか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 認可を受けた各種学校等でございますれば、その点は明確かと思いますが、そうでない場合におきましても、社会教育関係団体といたしましては、組織的な社会教育活動を長期にわたって実施をしているというような団体でございますれば、この教育の事業を行なう者に該当すると考えます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうした場合に、いわゆる農協法の言う情報や教育、宣伝の部類に属するものまでそこにイージイに入れちゃって、そうして農協中央会が引き継ぐのだということは、これはどうしても私は問題があると思う。この点だけをここにきちんとやっぱり指摘しておきたいと思う。いずれかの段階において、また、皆さんで検討されると思いますけれどもね。なおまた、このことと関連して、農林省から昭和三十年に百三十五万円、昭和三十四年に一千万円の施設補助金が農協短大に出されておる。そうすると、やはりこの処理の問題というのも一つの問題点になってくるわけなんですね。残余財産、財産処理の問題の中には。そうすると、これは農林大臣の所管に属するところの公益法人の設立及び監督に関する規定、これは農林省令の七十八号によれば、これはやはり私はこの処分をいとも簡単に農協中央会にあるというものの考え方には、非常に問題があると思うのですが、その点どうですか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) これは、補助金の一般的な扱いの議論になるかと思いますが、特定の目的のために補助金を支出いたしました場合に、その対象事業が不成功に終わった。しかも、その対象事業の結果が残存しているというような場合、その残存物の価格についてどう扱うかということは、補助金の適正化法等にも規定があるわけでございます。具体的には、これは補助金を支出された農林省が御判断になることかと思いますが、一般的に申しますれば、返納というような問題も起こり得るかと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 事実百三十五万円のは、一部返納を命ぜられているのです。昭和三十年ののはね。こういうことから見れば、当然私は処理はそういう方向にあるべきだと思います。それさえも農協中央会はどんな欲ばりか知りませんけれども、それもおれのものだ、おれのものだというのは、ちょっと常識では考えられないところの話なんで、この点は私はやはりあなたの説を、この点に関してはそうだと思うんですがね。  そこで、もう一つの続いて問題に移りたいと思いますが、例の冒頭に触れた学生の処理の問題、これは去る十二月十四日東京地裁におきまして身分関係存在確認請求事件というものの判決がございましたね。この判決に対するところの見解を承りたい。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) 現在の段階におきましては、地裁の判決に対しまして、被告側から控訴がありまして、東京高裁に事案は係属中でございます。案件は学費未納を理由として除籍処分を行なったということに対しまして私ども判決の内容として承知いたしておりますのは、学費が少額であること等の理由の指摘がありまして、そういう少額の学費の未納を理由として除籍処分を行なうのはいかがであろうかというのが判決の内容であったと承知をいたしております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これについてもコメントはないんですか。これもう少し私は具体的にお聞きをしますが、私は、この判決はいろんな判決あるけれども、なかなか客観的に出ておるものだと見ているんですよ。これは判決の理由は皆さんもお読みになられたでしょうけれども、三点にわたって言っておりますね。特に、その一番最後にこういうものの言い方をしておりますよ。学校当局は理事会によってきめられた——これは文部大臣、ちょっと文部大臣も聞いておいていただきたいと思うのですよ、大事なことですから。学校当局は理事会によってきめられた「大学解散方針を早期に実現しようと逸る余り、原告ら個々の過去の努力の跡や将来への期待に対し全く教育的配慮を払うことなく、被告短大の運営上さしたる意義を認め得ない少額の在籍料の滞納に籍口して形式的画一的かつ杜撰な調査手続によって強行されたものとして、冒頭説示のような特殊な性格を具有する教育機関としての本分、使命に鑑み著しく裁量の範囲を逸脱した違法の処分と断ぜざるを得ず、」こういう言い方を裁判所はやっておるんですね。実はここに農協短大の学生処分の問題があるんです、除籍問題の本質が。言うならば短大の、農協でことしの三月三十一日廃校にするということをきめたから何としてもこれまでに学生をなくしようということで、これは判決文の判例のずっと説明の中にもありますけれども、いままでは一年一千円というものを卒業するときに払えばよかったものを、たまたま払っておらなかったからということに籍口して、お前は除籍だ。そしてこのように学生はおらなくなりましたからもう学生の問題心配ありません、文部省認可してください。こういうもののやり方なんです。それだから裁判所も教育的な配慮というものを一つも、教育機関としてのあり方というものがどうであろうかと、こう言っているのですが、これは全く私はそのままに客観的に指摘をしていると思うんですがね。こういうところの問題に実はこの学生の除籍問題があるんです。  そこで、私が冒頭から申し上げたように一番大事な学生の問題がまだ十分処理をされないままに三月三十一日がきたからはい、学生は形式的におらなくなりましたから認可をしてください、こういうやり方なんです。先ほど来私申し上げましたように、公教育のあり方というものを全然冒涜するような言い方をし、今度はとにかく農協の理事会できめたことをとにかく守ることにきゅうきゅうとするあまりこういう非教育的なことをやっているところに問題があるんです。そこで私は、やはり聞きたいことは、学生の問題がある程度理解できるところまで処理されない限り、この問題私は安易に学生の問題は処理済みだといって書類がきたからはい、そうですがと取り次いでは困るといっているところのものがこっちにあるんですがね。その点を私慎重を期してもらわなければならぬと思うんですがね。その点いかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 私、あまり詳しいこと知りませんでしたけれども、いまのお話を伺いながらたいへんにこじれた問題なんだなということはよくわかりました。いずれにしましても、廃止の認可申請がまいりました場合には、そういう事態もつまびらかにして審議会にかけるようにすべきだと、かように考えます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そこをもう少し理解を願うために、私は、やはりもう少しこの点を言っておきたいと思うのです。次の議案の関係者の大臣も入られたようですけれども、まだ私の持ち時間少しありますから、皆さん少ししんぼうしていただきたいと思うのです。  これ確かに見てみますと、去年の四月からことしの三月三十一日までスクーリングの問題——これは通信制の学生の問題ですからね、この問題で、それは若干努力した点も客観的に私は認めますよ、学校当局が。しかし、これは確かに形の上ではつとめられていますけれども、学生の個々にあたってほんとうに親身になって、もうあと少しの単位だからこれだけは救ってやろうというところの教育的な配慮からなされておるかどうかという点から見れば非常に疑問を持つのです。たとえば、ことしの三月三十一日でいわゆる二十四名の人は終わったというかっこうで卒業証書をくれました。あと三十五名残っております。この単位を見てみますと、まだ単位が非常に少ない人もおるんですけれども、あとスクーリングが一回あればもらえるところの人も相当おるのです。たとえばいわゆる単位はこの学校では六十二単位で、卒業論文が四単位になっていますから五十八単位なんです。そうするとすでに四十単位までとれている者が十人、三十単位以上の者がさらに十名いるのです。したがって、もう少しの時間をかけて、ほんとうにせっかく勉強して、しかも自分は農協の職員でしょう。そういう立場に立てば立つほど、こんな二月、三月という一番農協の決算時期に、これを無理に単位をとりにこいとすすめるのじゃなくて、若干やはりひまなときに単位農協の皆さんにも協力してもらって、その制度だけは特別にスクーリングの期間を与えてやる、こういう教育的な配慮があるとするならば、これはもっと解決つくところの問題なんですが、これさえも問答無用だと切られて、実は明日、何か聞くところによりますと、理事会は解散の評議員会を開いてきめて文部省に申請を出そうという運びになっているらしいけれども、事やはり教育機関におけるところの学生の処理の問題というものはきわめて重要な問題であるだけに、これは先ほど来申し上げたように、きたから、はいそうですか、取り次ぎましょうということだけは、これはやめてもらいたい。少なくとも、先ほど来おそらく私と同じ気持ちだろうと思いながら、政治的にものが言えない気持ちでもやもやしたところの気持ちであられたと思いますけれども、そういう気持ちがあられるならなおさらのこと、この問題については教育的なやはり配慮をもってこの学生の問題を処してもらいたいと思うのですが、その点いかがですか。

木田宏文部省大学学術局長

○政府委員(木田宏君) いま、御指摘がございましたように、学校の廃止の際には、私どもも学生の処置につきまして一番気を配っておるところでございます。すでに御承知のこととは思いますけれども、協同組合短期大学におきましては昭和四十四年以降学生募集を停止いたしております。そして通信教育生がおりました関係上、昭和四十六年三月に学則の一部を改正いたしまして、あと二ヵ年、すなわち、昭和四十八年三月末までの在籍期間ということを明示した措置をとりました。昭和四十六年以降、その当時私ども話を聞きましたが、さらに、百名余りの通信教育生が在籍をしておるというふうに承知をいたしたわけでございまして、これらの学生に対しましてあと二ヵ年の間にできるだけ所定の単位が修得できるような指導を行なうようにということを当時から強く要請をしてまいったものでございます。その結果、いま御指摘がございましたように努力も払われまして、三月三十一日の時点で卒業できなかった者が三十五名ということはお話しのとおりだと、私どもも承知をいたします。こういう事実につきましては審議会で十分御判断をいただかなければならぬことだというふうに考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 だから審議会にすべてをまた逃げ込もうとするところに、私は先ほど来指摘するように、一体、文部省の教育という立場からの指導性があるのかないのかということを言っているんですよ。これは形式的には学則の問題にしても、廃止して早く学生を除籍するために変えたんでしょうが、端的に申し上げるなら。問題があるだけに、もう十単位か十五単位やればできるところの生徒がおるのに、三月三十一日が来たから、はい、これでさようならと、こういうようなことで一体済ませるかというのです。ほんとうにこれは、やっぱり教育という立場から、私どもはあたたかい配慮をもって見なければならぬし、私は、文部省のそういう配慮があってしかるべきじゃないかと申し上げているのですよ。それはおわかりでしょう。その点を私は肯定されると思いますが、いかがでしょうか。これはやっぱり大臣から直接お聞きしたほうがいいね。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) こじれて少し時間が長くかかり過ぎているなという感じを持ちながら、伺わせていただいておったわけであります。そういうことで廃止の認可申請いま来ているわけじゃありませんけれども、その間におきましても、何かよい知恵があれば相談もしてみたいと思います。いずれにしましても、審議会にかける場合も、実質審議ができるような配慮はしてみたい。その間にまた何か御意見がありましたら、具体的にこういう方法があるじゃないかというようなことがございましたら、お教えをいただいて、考えさしていただきたいと思います。少し長くかかり過ぎているのじゃないかという感じを私としては深く持ってまいりました。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 関連。  いままで、大臣の答弁は別として、局長の答弁聞いておりましたら、一番しまいのところで、ひっかかるもので、非常に先回りをした答弁をしているわけですね。  それで、私は、一番問題になるのは生徒の問題だと思うのです。特に、とれについては、第一、文部省が認可をしてやらしたものなんですよね。認可をしてやった短大が通信教育をやっていたという、それを完全にやらないでおいて、いま言ったようなことを受けるような整理をやろうなんということは、もってのほかの措置だと私たちは思うのです。私の聞いた話では、今度出てくる、いわゆる各種学校でもないし、学園は通信教育制度をやらない——そういう学校だから通信教育の制度をやったって意味がないでしょう。そういうものも全然入れる余地が残らないような学校にしてしまっているわけですね。そういうことに移行するならするで、いま言うように、暫定の期間、資格を取得できるような方法を努力したとしても、努力が足らないということであれば、当然その設置者であった者が責任を負わなければできない筋合いのものであって、それを処置してから問題を解決すべき性質のものだと思うのですよ。だから、ずいぶん宮之原委員の言ったことばは、教育的立場からいえば、もう宮之原委員の言われたとおりであって、大学局長が答弁されているのは、何か先を見越して答弁をそういうふうにやっておられる感じがします。実はこういうことについては、一般論としては明確なことだというふうにはっきり言いながら、しかし、解散の問題は、これは別の問題なんだという区別の言い方をしているが、基本的な態度をわれわれに明らかにしてもらいたい。大臣はややそういう点について明らかにしながらやってきたけれども、そういう感じを受けていた。しかし、一番重要なこの問題の生徒の問題について、通信教育の単位を取得できない状況の中で、しかも、未納を口実にしてこれを除籍をするなんというような、そんなことをやって、しかも判決がそういうふうに出ている段階の中で、文部省としてこれをしっかり明確にしなければ、われわれは認可をした責任が果たせないと思うんですよ。だから、この点については、いま大臣が言われたように、今後ひとつ出てきた際なり、いろいろ前段階において努力をしてもらって、少なくも、文部省が認可をした短大で通信教育を受けた者が、それの学校がなくなることによってその者が単位を取得できない、しかも、ほんのわずかなところで単位が取得できない、そんな事態が起こらないように、これはもう大臣としては明確に責任を果たすということを言っていただきたいし、そういう努力をしていただきたい。これはもう当然なことだと、われわれはいまのやりとりを聞いていて思っていたわけなんです。最初から、私はこの生徒の問題が出てくれば、大臣の態度も少し変わっていたと思うんですが、最後に、生徒の問題が出てきたわけですけれども、私には、やはり意図的に何かずっと思うようにならぬので、順次自分の思うようになるような方向に問題を持ってきた、そのこと自体に批判はあるけれども、公的ないろいろな理屈からいえば、それはそちらの問題だということは言えるだろうけれども、事、教育に関しては、われわれはこういうふうな基本的な態度を持っているという答弁はあってしかるべきであろうという感じを受けていた。  最後のこの問題については、大臣も明確にいま御答弁あったけれども、これはぜひひとつ責任を果たして、そういう点について、いまこういう幾ら控訴をしていたとしても、これはやはり教育的な指導と助言をやっぱり明確にやってもらいたい、そういう余地はあるであろうというふうにわれわれは考えているのです。特に、善処を私たちも強く要望いたしておきます。これは御答弁ありませんか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、非常にこじれてきている。こじれてきている結果が、そういう除籍通知というふうなことになったのじゃないかなということがわかってきたような気がいたします。どういうようなさばき方があるのか、私、いま知恵を持っているわけじゃありませんけれども、なおよく考えてもみたいと思いますし、またいずれ、私立大学審議会にかけます場合にも、そういういまのような御意見、事情を十分説明をして実質審議が行なわれるようにしなければならない、両様に考えていきたいと、かように思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 もう時間がありませんから多くを申し上げませんけれども、たとえばいま大臣、ちょっと長過ぎるという感じを持たれたと思うのです。率直に。しかし、これは以前は大体九年くらい常識だったのですよ。それは先ほど申し上げたように、大学局長は規則、規則、規則が学則を変えたとおっしゃいますけれども、解散をするときめたあと、学則を変えて、生徒をほっぽり出すために四年間しかおれぬぞという学則にほんとうは改めたのですよ、経緯は。だから、初めから一つの意図のもとに学則改正も出てきているわけですよ。したがって、やはりこの問題は、教育的な立場から考えてもらわなければいかぬし、ただ巷間には、そんなことはないけれども、文部省は控訴をすすめたのだという説まで理事者側は言っているのですからね。それはあなた、控訴をすればまた時間かせぎで、それで高裁で判決が出たところで、学校はなくなってしまうからもう事件にならないなんといって、そういうことを考えておるとするならば、これこそやはり教育の名によって糾弾されなければならぬ当局の態度だと言わなければならぬと思うのです。それだけに、やはりこの問題については、松永委員からも指摘があったし、また、大臣からは、相当、十分に考慮したい、こういういま考えが表明されましただけに、十分ひとつこの問題については慎重に検討していただきたい。  いま一つの問題があるのは、職員の身分の問題、これはいままでの職員団体と当局との話し合いの中では、いわゆる背後におりますところの絶大な力を持っておる、このごろの圧力団体の最でありますところの中央農協の宮脇会長も、組合に対しては善処をすると、こう最初は言っておられたのですよ。そうして、実は三月二十九日に、この問題で組合と団体交渉があった。現在なっておるところの十五名の職員のうち、この方々の一体四月以降身分はどうするのか、この問題について、いわゆる短大教職員の身分保障についての交渉が行なわれた。交渉が行なわれながら、翌日の三十日は、はい、さようなら、ちょん、おまえたちはもう三月三十一日かで全員解雇しますという通知でしょう。これまた常識では考えられない労使のあり方ですよ。しかも、長年の間、短大に勤めたところの先生方でしょう。もちろん、この中には、十五名のうち五名は、これは非組合員で、話を聞くところによると、中組学園に行くのだそうです、当局側の言うとおりになっているから。あとの者は、路頭に迷うというかっこうなんでしょう。こういうやり方をされて、職員の問題も学生同様片づきました、文部省認めてもらいたいという申請を出そうという魂胆なんですね。一体、こういうことが今日の段階で、世の中において許されていいかどうかというのです。今日の労使関係を見てごらんなさい。事、少なくとも、やはり一番基本的な人権に関する問題については十分なやはり話し合い、団体交渉というものはなされるのが慣例でしょう。それを二十九日一回だけやって、その翌日はい、ぼん、さようなら、一方的な通告でしょう。これでは、これまたまさに基本的な人権さえも否定するところのやり方といわなきゃならんと思うんです。したがって、私はやはりこの問題についても、いずれ、やはり文部省に認可申請するところの段階に出てくるでしょうが、少なくとも、こういう問題はこれはどうだと、いろいろ経緯はどうであろうとも教職員の今後の身分の問題だけをきちんと話しつけてやればどうだ、これぐらいの助言というとまたひっかかりますから申し上げませんけれども、指導性というとまたあれですから、そこはまあ個人的な立場でもいいけれども、文部大臣としての立場から、ある程度この問題について皆さんが仲介の労をとるぐらいの意欲を見せられていいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか、この問題。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いまのお話を伺っていますと、廃止の認可申請が出てくるのは時間の問題のようでございます。そういう際には、また、関係者からも事情をよく聞かしてもらいたい、こう思っております。そしてくどいようでございますけれども、すべての事情を私立大学審議会にかけます場合にも明確にしてかけるようにしたいと思います。その間に、しかしもっとよい、円満に解決するような具体的な道がありましたら、そういう道を選ぶことができればしあわせだという気持ちは持っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これで質問を終わりますけれども、この農協短大の問題というのは、やはりはしなくも一番冒頭からいろいろ議論をしてまいりましたけれども、私学のあり方の問題ともかかわりますところの大きな問題でございます。それだけに、私は何回も申し上げておりますけれども、書類が整い、形式が整いさえすれば上にエスカレーターで上げるというこのやり方は、設置の場合もさることながら、特に廃止、解散という問題の場合には、特に重要であるところの学生の問題、教職員の身分という問題については十分なやはり配慮をしていただいて、この問題について処していただきたい、こういうことをこの機会に心からお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。長時間どうもありがとうございました。

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 別に御発言もなければ、本件に関する質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者から趣旨説明を聴取いたします。三原衆議院内閣委員長。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) ただいま議題となりました国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  御承知のとおり、現行の国民の祝日といたしましては、国民の祝日に関する法律によりまして、元日、成人の日、建国記念の日、春分の日、天皇誕生日、憲法記念日、こどもの日、敬老の日、秋分の日、体育の日、文化の日、勤労感謝の日の十二の祝日が設けられており、これらの日は、国民こぞって祝い、感謝し、または記念する日として定められ、また、同時に休日とすることと定められております。したがいまして、祝日を休日としているのは、それぞれの祝日の意義を考え、平常の勤務を離れて、それにふさわしい一日を過し得るようにという趣旨と考えられるのであります。  本法律案は、これらの国民の祝日が日曜日に当たるときは、その翌日を休日としようとするものでありまして、祝日、日曜ともに、それぞれ平常の勤務を離れた日として確保し得るようにいたそうとするものであります。  今日、わが国の政治における第一の政策課題は、国民の福祉増進であるといわれており、その実現は、各般にわたる行政施策を通じて遂行されるべきでありましょうが、現在、すでに国民各層の間から、生活の中にゆとりある余暇を求める声が高まっていることはいなめません。  また、諸外国におきましても、祝日と日曜日が重なったときは、翌日を休日としている例もあり、この際、本改正を行なうことは、時宜を得た措置であると考えた次第であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 だいぶおそくなりましたので要点をお尋ねいたしますのでお答え願います。  まず、提案者と総理府の長官に御答弁いただきたいのですが、この国民の祝日に関する法律の一部改正が提案をされるようになりましたのは、どういうような経過でありましょうか。つまり、これはたとえば内閣の法制局で検討したとかあるいは衆議院の法制局で検討するとか、とにかく、この機会にこの法律ができて提案されるようになったのはどういう経過からでありますか、ちょっとその点を委員長と総理府の長官は総理府関係でそれを御承知であればちょっとお聞かせをいただきたい。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) 松永先生にお答えいたしますが、提案をするに至りました理由と申しますか、経過と申しますか、ごく簡単に……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 理由はわかりましたが……。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) これは御承知のように、現在、健康的な文化的な生活をしたいということで週休二日制の問題等がいろいろ言われております。なおまた、祝日をふやしてはどうかというような御意見も出てまいっておりまして、実は、たまたま昨年は完全に祝日と日曜とが重ならずに過ぎた一年でございましたが、ことしになりまして二月の十一日が重なってまいり、その次には二回、また天皇誕生日とそれから九月になりますと秋分の日が重なってくるというような問題がございまして、何とかひとつダブっておるものについては一日休日を設けてはどうかという御意見が出てまいりました。そこで、それはひとつ中小企業の方々なりそういう方々あたりにもある程度御相談をしながらということで意見を聞いてみますと、この時期においてはお考えいただいてけっこうだと思いますが、というようなそうした御意見等もございましたので、私ども内閣委員会の理事会におはかりをし、各党の御賛同を得て、政府のほうにも通じたというような経過でございます。そこで法案を準備されるに至りましたのは、衆議院の法制局のほうに政府と連絡をとらせながら法案の準備をさせたというようなことでございます。そういう経過でございます。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) ただいま衆議院の三原内閣委員長が仰せになりました大体そうした線からこうしたこの問題が、衆議院において正式に議員提出として提案されましたことはそのとおりでございます。ただ、政府といたしましてもこうした議が各界に、また国民の各位の中にもそうした世論といいますか、合意の国民的な線がかなりこう強くなってきているということも踏まえまして、政府といたしましても、かくあるように、かくあってほしいというような気持ちも、おのずから賛成をいたすというような気持ちで合致いたしたといいますか、各党の御意向も明らかになりましたので、政府といたしましても、そうした姿で、ともどもに祝日の意義をお互いの心の中に持ち、またそれを心から喜び合うと。また、その意味を心におのずから言い聞かせるというような気持ちとしても、さらにいいのではなかろうか。ことにまた御承知のとおりに、週休二日制というような問題もかなりこう本格的な取り組み方の世論の動向なども考えましたときに、けっこうなことではなかろうかと、こういうような気持ちがありまして、われわれといたしましても、全面的に御賛同申し上げますということでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 これは間違いでしょうか。この話の起きたのは、もともと閣議で円切り上げ対策のときのいろいろな議論をする中で、週休二日制はすぐできないけれども、これはこの四月一日の日付で外務省が調査したのにですね、「時の動き」の動きというところに、世界各国の週休二日制というのが出ております。この中の週休二日制だと思うと、そうじゃなくて、世界の中でやっぱりこういうふうに祝休日がダブった場合にそれを繰り延べている国がどのくらいあるかというのが出ておりますが、そういう点で早くから政府の内部でも関心を持っておられたように思うんですが、二日制の問題と兼ね合わせて。そういうことで前にも実はこの週休二日制の問題そのものが第三次円対策のときの中に第五項目の中に出ていたわけです、週休二日制を推進するという話があった。そこで、実はこの問題は閣議の中で話が出てきて、週休二日制をすぐやるわけにいかぬから、これをひとつダブらぬようにしたらどうだろうという話が出てきたんです。したがって、それを内閣法制局がこれを検討した。ところがその後、やるなら議員提案でやったらどうだろうというわけで、衆議院法制局で検討して委員長提案になったんだと。まあ事実、実はずいぶんこういうことについては、ここにありますのは四十六年の十二月、当時の山中長官のときにもこういう話があった。いろいろ話が出たんだが、まあ四十七年、去年は全然ダブってないからというわけで、話はそのままになっちゃった、お話しのように。それでことしになってダブっているからということになってきて、これはむしろ閣議のほうで問題が出てきて、それを検討した。それを、それならむしろ議員提案としてやるのがふさわしいんじゃないかということで、議員提案になったんだという、そういう経過だというふうに私、聞いているのでありますが、これは間違いでしょうか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 閣議の場において、これが、正式の閣議の議題として取り上げまして、閣僚の意見等を総理がおとりになったという事実は全然ございません。ただ、非公式の場において——言いかえますならば、与党の連絡会議の上において、こういうようなこともけっこうではなかろうかというような話が出ましたとき、総理も、けっこうなことだと、自分もかつて、過去においてこれを提案したこともあるのだというような話をされまして、そうして総理から総務長官である私に対して、こういうようなことも、非公式には何だが、どうだろうかと、こういうような御相談といいますか、お話しがあって、しかし、総理も私も、こうした問題は、やっぱり国民の合意といいますか、私どもの、政府が指導的な立場でこれをとるということでなくして、やはり各党の御了解、国民の総意に立っての進め方が一番好ましいんではなかろうかというようなこともあります。そうした点から考えて、おのずからそうした話が内閣委員会のほうに向けられまして、そうして各党が御相談いただいたということで、ありのまま申し上げますが、やはり政府がこれを指導的にとるということは、あまり好ましい姿でないんじゃなかろうかというような配慮もあったことは事実でございます。どうか、その点御理解願いたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わかりました。  それで、さっきお話しが出ましたように、その二日制という問題も議論されているんだからというお話しで、こういうことがまとまっていったし、また、いまの提案理由から聞いてみても、とにかく祝日と日曜が当たって、その翌日を休日にして、とにかく十分休息をとるようにしたらどうかという趣旨だと思うんですけれども、こういうことをやられても、実はそれがとれないという者があるという点については御検討があるんでしょうか。つまり、給与については、いわゆる例の休日給等の問題、祝日と休日給の給与の出し方とか、いろいろな問題があるので、そこで給与法の法律の一部改正ということをやってきたわけですけれども、しかし、こういうことをやって、ともかく休めば職場の状態がどうにもならないというようなものがある。こういうことをやっても、それの恩典を受けることができない者があるというような点については、どういう検討をされたのでしょうか。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) ごもっともな御意見でございまして、当然、たとえばこうした処置をとりましても、その恩典に浴さない、休まれない方ができるじゃないかというような問題が討議なされました。そこで、この問題を、要するに、変則勤務というようなことになるので、特別勤務の方々がおられるわけでございます。それらの方々の処置を当然考えてやるべきだということが一つでございます。それから、いままで大企業は、こういう点、右へならえをいたしますけれども、中小企業について、そういう配慮を十分してやらなければいかぬのではないかという論議がなされました。なおまた、それに関連をいたしまして、日給制の方等も関連をしてまいります。そういう問題をどうだと。それから収入減になるというような、生活にさっそく影響するようなことになってはいかないではないかというような問題が論議をされました。人事院、それから通産、労働省、そういうあたりの方々に、その法案を決定します前に、それらの観点から政府としての処置をただしたりいたしたのでございます。そういう経過がございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 時間もないので——私の聞いているのは、この給与法を改めたのは、中小企業の適用は別として、給与の点については、不合理を一応是正をしたけれども、要するに交代制、つまり変動、変則勤務者については、要するに人がふえなければそれはできないわけですわね。もし休めば、全体のバランスがくずれちまうわけですよ。休めないわけなんですよ。それは定員が少しふえてきて、そこに行く人が、当たる人が出てくれればいいけれども、そうでなければ、もういままでの、結局、ダブった日についても、それからダブらない場合についても、それはちゃんと勤務していたわけですからね。だから、そういう点で、まあ週休二日制もできないし、ひとつ休ませようという話なら、そういう変則交代制の人たちに対しては、定員なり、何かの措置をしてやらなきゃ、実は中小企業どころじゃない、現に一般の公務員について不均衡が出てきてしまうという点、そういうところは全然手当てをせずにこれやったということでは困ると思うんですが、これについては何か考え方があったんですか。そこまでは手が回らぬと考えるのか。どうしようというのか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) ごもっともな御意見でもあり、御指摘であると私は考えるのでございますが、御承知のとおりに、一番多くて四日、少なくて普通二日、ない年もあるというようなことを考えますと、週休二日制という問題が正式に取り上げられることになりますと、これは重要な問題でもあることは当然でございます。しかし、そうしたことを踏まえてみますと、いま申しましたようなごく僅少なことでもありますので、そうした点十分考えてもおりますが、それぞれの当事者において暫定的な措置は講ずべきであるというふうな気持ちを持っておりますが、これが週休二日、そうした問題になってきますと、これは当然そうした措置を考えなきゃならぬと、こういうような気持ちを持って、いまの間は、当分は各省の運用に待つということをいたしておるということで御理解願いたいと、こう思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 つまり、運用ができないわけですよ、率直に言って運用と言っても。要するに、日休みがふえるという、それを休んでしまえば結果的には人員が足らぬから、一日特定の日曜日にかわるべき場所を選んでそこで休んでいて、それで全部働いているわけですからね。それをもう一つ休息の日をつくることによって、それは要するに一般より超過勤務をふやすかなんかしなきゃ、実際にはほかの人よりも要するに働く時間をふやすというような相対的な問題なんです。何か休みがふえたと、だから公務員の人たちはみんな休みが一日ふえたんだと考える、そうじゃなくて、休みのふえたのはいわゆる平常の勤務をやっている者であって、交代制の変則勤務者については同じことだという、そういう認識があってやっていられるのか。もし、そういう認識があるとすれば、これ何とかしてやろうという気持ちを働かしておられるのかどうか。この点をひとつ簡単に言ってみてください。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) ごもっともな御意見で、衆議院においてもその問題が非常に論議をされました。これは佐藤人事院総裁等にその詰めがなされたわけでございますが、その例示としてあげられましたのが気象庁でございます。気象庁の表まで出しまして実は論議をいたしました。とにかく無理ではないかということで、気象庁の次長から何とかこの線に沿ってやりくりはいたしますけれども、確かにそういう点についての問題の指摘については、相当考えねばならぬというような御意見もあったと、私は承知をいたしております。これと、それから運輸関係のあれは、船に乗られる方等でもやっぱりそういう問題が……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 管制官……

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) 管制官もございます。そういうことで、具体的な指摘をなされて、これはやはり定員問題とからんでくると、そういう立場から人事院なりあるいは行管等の問題として、この問題に関連をして、はっきりした処置を要請しておくべきだという御意見でございましたので申し上げておきます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 したがって、総理府の長官にそういう認識のもとに立って、実際に、こういう場合には休みが一日ふえると、交代制の人にですね、それが実行できるようにひとつ措置をしていただきたいとお願いをするわけです。  それからその次に、これも新聞に出ているように、扇子・カレンダー協議会とか全国カレンダー出版協同組合連合会が総理府に陳情した。すでに一年間の生産量の三分の一——四千五百万部も製作が終わった。したがって、これによる損害というのは約四億五千万円だと、ごう言っているわけですね。何とかひとつ補償をしてもらいたいし、救済措置をしてほしいと、これは粘り強くやるんだと、こういう話なんですね。そこで私は、さっきの経過からいって、これは責任があると思うんですよ。これは四十七年にはなかったからよかったが、四十八年にはダブったからやると、こういう話が出てやるということ自体に、やっぱり国としてももうちょっとちゃんとしたところがないとできぬのじゃないか。われわれ議員提案だから、一応こう責任を負うわけだけれども、その場合には、せめてそういう影響のない時期にこういう措置ができないのか。それも、議論されたのはもう前からそういう話が出ているわけなんです。だから、何か政府というようなところ、あるいはまあことの話、私たちから言えば、自民党の議員の皆さんと連絡のところで、いいじゃないか、やろうじゃないかという話になってやってきたけれども、結果的に、あとから考えてみたらこういうこともあったということだと思うのです。こうなってくると、やっぱりわれわれとしても責任があるように思うし、政府としても、もうちょっとそういう点についてはしっかりしたところがないとできない。しかし、国民全体が要望するところであり、また、そういう趨勢だということでそのほうをとるとするなら、その点については、そんなことは問題にはならぬとか、そんなことはどうでもいいんだとは言えないと思うんですね。だから私は経過から見て、これはやっぱり何とか相談に乗ってやるべき筋合いのものじゃないのか。またそれだけの努力を、衆議院の委員長提案として出てきた以上は、これはやっぱりめんどう見て、話をしっかり聞いてやって、方法としてどういう方法があるのか、私はいま具体的に言えというわけじゃありませんけれども、何らかやっぱりこれに対する措置を手当てをすべきだと、それをやらぬというなら、何か官僚主義に、国会至上主義というような、そういうところにいくのじゃないか。いいことだからやった、やってきたら何かあるということなら、それは当然やっぱり責任を持って措置をしてやるということは必要だと、経過から見て私はそうだと思うんですが、この点について御両者からひとつお考えを端的に述べてください。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 先生の心情的なお気持ち全く私も同感でございます。ことに、このたびのこうしたことによっての零細なカレンダー印刷業者に対する影響といいますか、大手筋はもちろんでございますけれども、私は、やはり考えておりますことは、全く気の毒な零細なるこうした業者に対して一部十円ほどの損害を与える、大きく数がふえまして、四万五千部ということになって四億五千万と、この声の強いことも十分私聞き及んでおります。そうした立場から、ほんとうにお気の毒だなと、あるいは申しわけないなという気持ちは全く同感で、心情的には一緒な気持ちでおるわけでございますけれども、どうもそれに対するところの財政措置をどう講ずべきかというような点になると、なかなかいい何が出てきていない。ことにまた三日休むという祝日法案が——ふえましたあのときもやはりこの問題が強く出てまいったのでございますが、そのときも、残念といいますか、申しわけありませんが、それに対しての何らの措置も講じておけなかったという一つの過去もございます。そうした点を考えますと、まことに申しわけございませんけれども、ほんとうに何とかいたしたいという答えを心情的にはいたしたいのでございますけれども、おじょうず言うことだけが政治家の私は姿ではない、やはり責任も持ってのお答えをいたすべきである点から言うと、いま、まことに申しわけございませんけれども、零細なるこれらに対するところの救済措置を講じ得ることについての段階には至っていないことをひとつ申し上げてお許しも得たい、また、御理解も願いたいと、こう考えております。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) もっともな御指摘、私どもでもその点特に野党から強い御意見が出ました。政府に、何とかしてやらないといかぬという強い要請を申し上げておるわけでございます。そういう事情でございまして、やはり責任を感じて処置を見守っていく以外にないと思っておりますが、そういう事情でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、方法は決してなくはないと思うのですよ。従来のあのときとは経過が少し違うのじゃないかという気持ちも実は持っているので、何も金を補助するというばかりが手じゃないと思うのですが、たとえばミカン——かんきつの豊作の際にもその措置ができているわけでしょう。今度は、天災的なそういう措置の場合でも措置ができるのに、政府なり議員、国会みずからがそのことをあえてやったわけですからね。そのことの責任をとるという、その影響を措置をするということは、天然自然よりはまたいわゆるその責任のとり方ははっきりしていると思うのですよね。あるいは補助するという措置ができないなら、それじゃ、金融的な措置をしてやるとか、あるいは低利の融資をその際するとか、あるいは方法というのはあるのじゃないか。そんなたいした金でもないし、やっぱり国会なり国がやる場合には見通しをつけてやっているということでなければ、やってみて、あとから気がついてそれは困った、誠意は尽くすという、そんなことじゃ国民は納得しませんよ。また議員も、国も、そんな無計画なことはやるものじゃない、いいことをやる場合でも。そういう点についてはあまりに計画性が実際からいってなさ過ぎる。だから、そういう強い指摘を業者はしたいところだろうと思うけれども、そういうことはまさか業者は言わぬでしょう。しかし、われわれみずからやっぱりこの措置については考えていくべきことであって、まあ、長官の言うのは正直な話だと私は思うけれども、その政府の言うことそのまま何も議員は聞く必要はないのですよ。それからまた、政府もやはり強い要望が出ることによってそれを実施をするということ、これはやっぱり責任をとっていかなければ、これはわれわれも申しわけないのですよ。ただ無条件に賛成、賛成というわけにはいかぬので、この点はひとつ、いまここですぐどうこうじゃないけれども、方法を考えてもらいたい、それからまた考えさせて実行させる、こういう決意じゃなければできぬ。まず、委員長からはその点をはっきり聞かしてください、決意のほどを。長官は、まあ言えれば言ってもらってもけっこうだけれども。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 先ほども申しましたように、対象の中でほんとうに気の毒な零細なる業者に対する影響というものが私はやっぱりほんとうにお気の毒であると、これについては私はまじめに取り組まなければならぬ、こう申し上げておる。まあ大手筋を無視するんじゃございません。大手筋もまたそれなりの事情がございますから、やっぱり考えなければならぬということを考えておりますので、後ほど三原委員長もお述べになるだろうと思いますけれども、衆議院においても、この問題について取り上げられまして、大蔵省の財政当局から特別な財政措置を講ずるということはむずかしいんじゃないかと、これは困難であると、私ははっきり申し上げておきたいと思いますけれども、中小企業庁長官もその委員会に出られまして、そして中小企業者を守る立場の責任者である長官もなるほどという気持ちをお持ちいただいて、何らかの検討を加えたいというようなこともおっしゃっていただいておりますので、いまも係の政府委員とも話しておったわけでございまして、そうした面で、やはり責任ある私の立場からも、ひとつ御配慮のほどを、なるべく前向きで取り組んで、何らかの形で進めていただけないかということを、私といたしましてもひとつ十分進めたいといいますか、助言も申し上げて、そうしたひとつ気の毒なる業者を幾らかでも守ってあげたい、こういう気持ちであることを申し上げておきます。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) 先ほども申し上げましたように、内閣委員会として、衆議院といたしましても、委員長といたしましても、十分責任を感じておるということを申し上げました。したがって、強く政府にも要請をいたしておりますので、いま先生の御進言もございましたし、今後のそれの詰めまでひとつ監視をしながらまいりたいと思います。責任を持ってまいります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そこで、話少し進めますが、週休二日にかわるものとして、まあこれをひとつやろうということでありますので、週休二日の問題についてこの際少し聞かしていただきます。  週休二日については、人事院総裁が、まあ公務員の週休二日制実施は、八月の公務員給与改善勧告には相当前向きの表現をとることになるかもしれないと言われているのは、まあ新聞にも出ているところであります。で、いま御承知のように、外務省の週休二日制の採用状況が発表されましたが、自由主義国圏の欧米先進国にはすでにもう二日制が定着している。OECD傘下の二十三ヵ国の中で実施をしていないのは日本だけだ。それから所得千五百ドル以上の国は十七ヵ国あるけれども、未実施の国は日本とクエートのみである。こういうふうに外務省自身のものにも出ているわけです。労働省は、四十八年の四月二日に、四十七年度の労働時間制度調査結果を発表されたんでありますが、週休二日制は予想以上の急ピッチで実施をされている。実施の企業は六・五%から一三・二%にふえ、適用している労働者は四人に一人から三人に一人になってきた。週休以外の余暇制度についても、休日日数が十五日から十九日になっているものが四九%である。二十日以上の休暇をとっている企業が二二%で、前年度は七%であったという数字も出している。通産省の調査は三十二業種、各業種十社で、二百六十五社について調べた結果を発表して、実施しているのは百二十七社である。予定をしているところは九十一社で、実施を考えてないというのは四十五社だ、不明なものが二社である。今度は総理府が本年の一月にその結果についてやはり調査の結果を発表している。週休二日制と余暇に関する世論調査をまとめて発表しているけれども、これによると、成人三千について調べたところ、サラリーマンは七二%賛成、賛成している国民は、全体で五〇%、非常に若い者が普及を望んでいると、こういう調査が出ているわけです。この調査を前にして、私は、人事院総裁がこのくらいなことを言うのは、これは当然なことだと思うのですよ。  そこで、まず最初に、総理府長官にお聞きをしたいことは、これについてどういうふうにして実施をしていこうというふうに考えているのか。さっき話しましたように、昨年十月の三十日の関係閣僚協議会で、第三次円対策の第五項に、週休二日制の推進を掲げているし、どういう形で、これを実施へ持っていこうというふうにいま総理府長官考えておられるのか、これをひとつまずお聞かせください。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) いま御指摘になりましたように、ほんとうに、こう総理府の統計調査にあらわれた数字を踏まえましても、あるいはOECD参加国二十三ヵ国のうち日本のみ、他は実施しておるというふうな問題あるいは国民所得の低いのとその国の週休二日制をとっていないこととが並行しておるということを考えてみますと、もう、週休二日制というものは、日本といたしましても、やっぱり本格的に取り組む段階であるということを私は感じておるような次第であります。しかし、これが決してこう逃げ口じゃございません。主導的に私どもがこれを推進するということも、あらゆる科学的な調査もやっぱり基礎に置きまして、国民がやはり承知していただくといいますか、国民の合意を心からいただくというような姿でこれを推し進めてまいることが、政治の私正しい姿ではなかろうかと、こういうような考え方を持っている次第でございますが、幸いにいたしまして人事院総裁も、過般の衆議院の内閣委員会においても、十分第三者の公正な機関としてひとつ準備の段階に入りつつあるし、入るべきであると、まあ、いい時期にはひとついい答案が机の引き出しがら出されるというような積極的な御発言もいただいてもおり、行なわれてもおるというようなことでもありますので、政府といたしましては、労働省関係がこれの主体といいますか、関係閣僚協議会の主体性を持っておられますので、加藤労働大臣にも早くひとつこれらに対する、まだ第二次田中内閣が成立いたしまして一回しか開いてはおりませんので、ひとつなるべく早い機会にこの問題に対する閣僚協議会を開こうじゃないかと、加藤労働大臣も早く開こうというふうなお心持ちでありますので、そうした点で、いま申しすしたような一つの基礎において進めてまいりたいと、こう考えていることを申し上げておきたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それだけの御熱意があるとすれば、たとえば、地方公共団体が積極的にこれを実施をするという段階に、これをブレーキをかけるなんというのは、そういうばかなことはないと私たち思うのですが、これはどうなんですか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 民間あるいは公共団体、公共事業体も、あるいは財界、あらゆる各層において、そうした機運がひとつ生じつつあるということも踏まえたときに、そこでチェックするというふうな考えは政府といたしましても考えておりません。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、やや少し具体的にそうした事実があるわけですね。たとえば、愛媛方式というのをいまやっておるけれども、愛媛方式は、実際は勤務時間は別に四十四時間を減らしたわけじゃないのです。で、そういうことで、結局、まあ八十八時間・二週間の間で操作をしているだけだ。これは、ほんとうの意味の週休二日制じゃないわけです。完全な週休二日制をやろうとしたのが千葉県なんです。千葉県がやったところが、そんなものはやっちゃいかぬというので、国のほうからとめられてやめてしまった。これは大臣のときじゃないけれども、こんなことは二度とあり得ないと思うのですが、これはそういうふうに理解をして、もういまや時代も進んだことであるし、積極的に地方公共団体がやるということならそれはもうどんどんやりなさいということだと、これはちょうど、たとえば、医療の問題だとか社会福祉の問題で、地方ができる財政力を持ったところで着手をしていくというのは、むしろ、これが積み重なって国が実施をするという一つの段階になることは、もう、いろいろな社会保障の面について実証済みである。そういう意味で、こういう点で、そういうことをやっぱり認めていかなければならぬ。やめるなんというばかなことはないと思うのですが、この点、念のためにひとつお聞かせ願いたい。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) いま、松永先生御指摘になった具体的な事実、これも聞き及んでおりますけれども、これは、もうここ一、二年の間に行なったような問題ではなくして、四、五年前だったと私は心得ております。そうした点を考えなければなりませんけれども、非常に重要な自治省との関連もございますので、私が自治省の所管の関係までに対しての考えなり、あるいは指摘なり、あるいは批判的な——批判といいますか、そうした感想を申し上げることはひとつ御遠慮いたしたいと、こう思います。私の心情だけはひとつお察し願いたいと、こう思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まあ、最初の述べた基本方針に基づいて——もし批判されていることがあるというのであれば、それこそ関係閣僚協議会あたりで、これを、そういうことがないようにしてもらいたい。  そこで、人事院総裁に、一体、前向きの表現と言ったのはどんな意味なのか。これは要するに、直ちに実施に移すというようなことを意味しているのか、この点をもう少しはっきりお聞かせを願いたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 正直に申し上げますと、私ども、実は昭和四十六年からその点に非常に関心を持ちまして、克明に民間の調査を続けておりまして、昨年の八月の勧告の際に、その四月調査ですか、昨年の四月調査でいえば、民間のデータというものを基礎にいたしまして、昨年八月の給与勧告にあわせましてその報告書の中で、こういう調査をやった結果これこれの数字が出た。まだちょっと少ないような——そこまでは書きませんけれども、気持ちはそこにありまして、まあ、慎重に検討を進めていく必要があるというふうなことを、報告書の文章にあらわしたことがあります。これはいまから考えてみますと、ちょっと消極的過ぎたなという、実はそのあと、私は、秋、欧米にやっていただきまして、いまちょうど松永委員おっしゃったように、現場を一回りしてまいりますと、とてもほんとうにいたたまれないくらいにどうもこれは恥ずかしい思いをしてきたということが一つ経験として加わりまして、これはとてもこのまま慎重検討というだけのことじゃ済まないだろうという気持ちを持ちまして、その後もことしもやるつもりでおりますが、民間のほうの調査は十分続けて、そうして実情を申しますと、いまのような私の感じから、帰りましてすぐに、私どもの職員局が主管の局でございますからして、ひとつ具体案を、こういうふうにすれば直ちに実施に移せるということを、機運が熟してきた場合には、すぐ机の引き出しから出せるような原案をつくっておいてもらいたいということから、実は、新聞にもちょっときのうあたり新聞に出ていましたけれども、やはり各省の方々にもそれぞれお家の実情がございますから、各省のほうとも連絡をとって、これを、この実情を進めながら、作業を進めておるわけであります。  ただ、その機運が熟したらという意味になりますけれども、外国で私の経験したところでは、これは役所ばかりでなく、民間がもう全部お休みになっておるということが一つ。わがほうでは、いまお話がありましたように、また、私どもの調べでもわかりますように、着々と民間における実施の率は上がってきておりますということもございますけれども、やはり行政サービスの面をわれわれとしては考えなければならぬ。それから先ほど総務長官のお話にもありましたように、国民の各位の御理解というものも必要だろうということは、大きな立場としては一つ考えなければならぬ立場がある。  それから技術的な立場としてですが、たまたま先ほど松永委員おっしゃいましたところの祝日法案のとの関係で、交代制勤務その他変則な勤務をしておる者についてどう考えるかといったところのさっきお尋ねがございました。実は、その問題が、一つの大きなむずかしい問題として週休二日制にあるわけです。ですから、祝日法のいまの問題については、実は私どもは週休二日制の一つのこれは予備の勉強になるなと、はしりとして検討の価値があるなというふうなことでやっておりますのです。このほうの問題がまあお金で、休日給か何かのお金で、その調整をとるということはこれは非常に安易な方法で、できないことはありませんけれども、できれば、やっぱり現実に休んでいただくのが望ましい姿じゃないかという気持ちを持っておりますものですから、ここのやりくりの問題が、一つ技術的な大きな難関になっております。したがって、交代制勤務の職場を持っておられる各省の方々ともひざを交えて、何か名案はないかということで検討しておりまして、それが現在の実情でございます。したがいまして、率直に申しますというと、去年の報告書で書いたことは、少し消極的過ぎたなあと、あれは多少打ち消すような形のせめて表明ぐらいはしたいなと最小限度、そのくらいの気持ちは持っておる。もっと自信が出てきますれば、それはどういう表現をとりますか、これはわかりませんけれども、最小限度そのくらいの表現をとる必要があるのじゃないかと、いまひそかに考えておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 だいぶ、私はもうちょっとはっきりしたことをおっしゃっると思ったんだが、表現を改める程度のことじゃぐあいが悪い。一体どういうふうにして調査検討するのですか、具体的に。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) この問題は、官庁主導型でいけというお声も相当ございますから、私どもが従来企業などでとっておりましたような完全に民間追随型なんという考え方にこれはとらわれる必要はないだろう。といっても、独走型になっても困るというようなところにめどを置いておりますけれども、やはり先ほど申しましたように、現実の実施の問題としては、交代制勤務が一番悩みの種でございます。したがいまして、現在交代制勤務の職場について調べておりますが、これはたとえば刑務所、これは四十八時間どころじゃない、五十一時間が週の勤務時間になっておる。そういうきびしい中で交代をやっておられるわけです。まずわれわれとしては、週休二日制もさることながら、そういうところからひとつ手を入れて、調整をしていかなきゃいかぬのじゃないか。百方、法務省あたりとも協力してこの四月一日からやっとそれを四十八時間にいたしましたというようなことも、一つの先ばしりとしての苦労でございますけれども、そういうようなことの検針が、やはり一番大事なことじゃないかという、むずかしい問題じゃないかということにあるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 いまから八月の勧告まで調査をするということははっきりしているわけですね。あるいはまた話によると、十月からこれそのもののずばりの調査を本格的にやるというような話も聞いている。そうなってくると、今回の勧告ではまだ実施というところまでは踏み切らないとしても、次の段階には、それだけの用意ができるということはもちろんのこと、いまお話を聞くと、いつでも引き出しの中から出せるようにしておけという話になってくると、もっと進んだようなお話も一面に出ている。だからそういう面から考えてみると、実情は実施の問題はいろいろあるので問題はあるけれども、もう考え方としては、それほど本格的な調査せんだって、考え方としてはやり方はもうあるんだということなんですか。それともまだ調べなきゃわからぬというのですか。その点はっきりしてください。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 調べる問題は大きく分けて二つあるわけでございまして、民間の動向というものも、これが非常に民間が進んでくれば、われわれとしては、ますます勇気を増すことができるわけで、それはそれとしてやりますが、ただ、机の引き出しから出すべき答案でございますね。その答案の内容をどう書くかというのが、先ほど申しましたように、交代制勤務の人を一体どういうふうに扱うかというむずかしい問題がそこにころがっておりますものですから、それらについて各省の事務当局などとも実情を聞きながら、あるいはお互いに勉強しながら、そのほうの解決の名案を考えておるというようなことが一つの準備の大きな山になっておるわけでございます。それができてこれならだいじゃうぶというところにいけば、それは答案を机の引き出しにしまう段階になるわけでございます。それから、それをいつ出すか、これは、またタイミングの見きわめがございますから、直ちにできたからといって、打ち出すことにはならないと思いますが、まず、その答案をひとつつくろうというのが、われわれの目下の努力の焦点だ、これやはり週の勤務時間というものを、いまのままではちょっと済まされないので、やっぱりこれを短くしながらやらなければならぬという面もございますので、やはり役所の仕事の中身というようなものの調整、勤務の内容の調整ということもあるいはあるかもしれませんが、定員をふやしていただければこれは問題ありませんが、これはなかなか言うべくして容易なことじゃございませんから、定員をいたずらにふやさないという範囲でやりくりをしなければなりませんから、そこに苦労があるというふうに御理解を願いたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうするともうちょっとその辺だけを聞かしてください。とにかく、この前に勧告をした文書も私も見ておりますけれども、今度はそれよりずっと進んでいるので、相当前向きないわゆる考え方をとっていきたい、それからまたいわゆるその次の段階としては、少なくも、完全実施ということに段階的になるのか知らぬが、とにかく何らかの形を、この問題についてはとにかく次のですね、次というか一年後の問題については、もう打ち出しをしていかなければいけないだろう、私は、こういうことをやっぱり明らかにしていくことが準備体制をつくる一つの重要な問題だろうと思う。これは人事院総裁あれだけ言ったことについて、これはやっぱり本気にみんななっているわけです。これは何といっても、あなたはそういうふうな面においては、公務員についての勧告の権限を持っておるんですから、一番具体的なことを言い、一番この問題について発言を信用するのはあなたの発言なんですからね。だからそういう意味からいえば、その用意をしていくことをするわけですから、まあとにかく考え方を前進させたい、そうして具体案をつくって実施という何らかの形に持っていきたいという、とにかく一年おいて直ちに今度の勧告に、その実施の面は出てこないとしても、次の段階では何らかの形に表現をあらわした形にしていかなければいかぬ、こういうふうな決意と、考えととって間違いありませんな。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど来述べましたところによりまして、私どもの意欲と申しますか、意欲だけはひとつ十分御理解いただいてけっこうだと思います。また、御激励をいただきつつ勉強を進めてまいりたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私の言ったことについてそういうふうにとっていいかどうか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) ことしの勧告の際に、どのような表現をとるかというようなことについてのお尋ねだと思いますけれども。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その次です。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) その次、何ですか。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 何らかの形にする……。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) それは答案のでき次第と周囲の環境の熟し次第になりますけれども、まあ、答案のほうはこれはとてもむずかしいことでございまして、そこにいまあぶら汗をたらしているという段階でございますから、ことしの十月から実施するとかいうようなところまで、勧告で書いてしまうかとおっしゃられれば、これはとてもお約束したらあぶないことでございます。先ほどおっしゃいましたように、われわれ責任ある立場におりまして軽々しいことは申し上げられませんので、慎重なかまえでお答えをしておるわけでございますけれども、そこまではとてもむずかしいと思います、率直に申しまして。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 逆なふうな印象をとられては、かえって困りますからね。私の言ったのは要するに、ことしの勧告には前より前進したものをきちっと表現をしていこう、そういう情勢だ、その間に十分な研究をして、次のいわゆる勧告の際には、何らかの完全実施とか、そういう問題は別として、何らかの形をとりたいというような決意を実は持っておる、決意がある、そういう決意でとにかくものを考えていきたいということだと私は思うんですがね。その程度のことはやっぱりはっきり、はっきりじゃない、もうこのくらいの考え方があってしかるべきだと思う。私は、そういう決意を持っておるという、そういう気持ちだというから、大体そういうふうな判断をしたわけです。そういう判断は誤りのない判断だと私は思っているわけです、どうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 大体、ことしも勧告をいたしますとすれば、八月の半ばになりますからまだ四ヵ月ばかり間があるわけなんで、早まってここで無責任なお答えはできませんけれども、最小限度一線を画して御理解いただければ、昨年の報告はちょっとわれながら恥ずかしいくらいに消極的過ぎたんじゃないかなというような気持ちを土台にしながら積極的な意欲を少なくとも見せたい、そういう気持ちでおるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 わかりました。  実際は、時間もありませんから言いませんけれども、いまやっている週休二日制は、一体はたしてどうだろうかという問題がありますね。経営者のほうはどういう考えでこれをやっているだろうかという問題について、かえって週休二日制をとっているところのほうが勤務時間が長いという問題があるわけですがね。そうなってくると、単に経営上そういうやり方のほうが有利だという取り方を持っている者もあるわけです。あるいはまた、私は基本的には、また労働者の中でも、週休二日制をやるよりは、一日七時間というものがすでに実施されているんだから、これをくずされたらたいへんだ、一日休んでその他の日に八時間なり労働することのほうがむしろ後退だという取り方をしている者も、労働者もあるわけですがね。また逆に、週休二日制をすれば、年休を今度は減らしてくるという経営者もいるわけなんです。だからこれは問題があるし、その点については十分やっぱりはっきりしたことをやっていかないとできない。あるいはまた週休二日制を先に踏み切るのか、勤務時間の四十時間というものを先に踏み切るのかという問題もあるわけなんです。何か単に時の流れに応じてだけただやるようなやり方でなしに、本質的なものはここにまだほかにある。これをまずやって、これからこうだということもあると私は思うんですよ。この点についてやはり十分なひとつあれをして、きちっとした考え方を持って進んでいかなきゃいけない筋合いだと私は思うんです。そういう意味で言ったんですが、これはまた機会を見てあれするとします。  そこで、文部大臣にお聞きいたします。私は、いまや人事院総裁もそういうふうなときになってきているというのですがね。それからまたさっき申しましたように、これは週休二日制というのは、政府が出している調査もほとんどこういうふうな結果を出しているときに、一体文部省は、この調査のこれについてどういうふうな調査と考え方を持っているのか心たとえば、教師の週休二日制と定員問題がどうからんでくるのか、教師の週休二日と児童生徒の週休二日とはどういう関係を持つのか、週休二日と教育課程との関連は一体どうなるのか、あるいは諸外国はどういう実施をしているのかということについて、責任ある調査と考え方は、もう私は現在として明らかにしていかにゃできない時期にきていると思うんですが、この点についての大臣の考え方、また、文部省の取り組み方というものをひとつお聞かせを願いたい。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 早かれおそかれ公務員に週休二日制が実施されるようになると、こう思っております。その場合に、地方教育公務員、教育公務員も例外にするわけにはいかないだろう。問題は、児童生徒の教育との関係をどうするという問題でございます。非常に荒っぽいことで申し上げますと、週休二日制を教員について実施する。児童生徒の場合は従来どおり授業を行なっていく。そうしますと、一日の授業をどういう形で行なうかということが一つ問題がございます。  第二には、先生方の週休二日制、児童生徒も週休二日制、そうした場合に、家庭なり社会なりがどう受け入れることができるか。教育水準の低下を来たさざるを得ないのじゃないか。これをどうするかといった式の問題があろうと思います。  第三には、先生方の週休二日制、児童生徒も週休二日制だが、その授業の減ってくる部分を夏休みその他で補う道があるかどうか、というようないろいろな問題があるわけでございまして、大問題でございますので、そういうことで、いろいろいま省内で研究を続けているところでございます。私たちとしては、ぜひ児童生徒の教育水準を維持しながら、週休二日制を実施する道がないかなというのが一番の希望するところでございます。  諸外国の例でございますが、アメリカ、カナダ、スウェーデンは日曜日のほか土曜日が休日でございます。イギリスは日曜日のほか土曜日が休日でありますが、一部の私立学校では土曜日を休日にしておりません。西ドイツは日曜日のみ休日ですが、学校は月曜から土曜日まで半日授業であります。一部の州の実験学校では、土曜日を休日としてその授業時数を他の日に振りかえております。しかし、西ドイツではいま逆に教育水準が低下する、授業時数をふやしたい、しかし、減らしたものをふやすことは大問題で、なかなか困難だということでもがいているというようなのが実態のように伺っております。  フランスは日曜日のほか原則として水曜日が休日ということになっております。これが世界の姿でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は、別に外国のことを聞いているわけじゃないんですよ。私は、何か研究しているという程度では足らぬのじゃないかと思うのですがね。  それからまた特にこういう休み、教師の勤務という問題について、こういう時期にやっぱり早く取り組んで、文部省自身が真剣に考えるというところがやっぱり現場の教師に与える影響というものは非常に大きいと思うのですよ。教育課程とかなんとかということになると、すぐあれをいってくる、何とかというと、すぐもう研究会をつくったり、あれをつくっているのに、なんでこんなもので研究会をつくらないのか、早く。省内にちゃんと対策の会をつくらないのか。それできちっとした考えを早くまとめてもらいたい。まとめた段階で早く人事院に申し入れをしなければいけないじゃないですか。人事院のほうへまかしておく筋合いではない。教員というものは週休二日の場合における実態は違うわけですから、だから、そういう点で、私は、もっとはっきり省内に組織を持ってきちっとやっぱり検討していってほしい。もうそういう時期だと思う。もう早晩あなたのおっしゃったように出てくるのだから、そういうことを望んでいる。だが、まだそこまではいっていないでしょうかということを言っているわけです。また、そういうものを持っていくという考えがあるのかどうかということを大臣に聞きたいわけです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 欧米では日曜日は必ず児童生徒が教会へ行くものですから、それなりに週休二日制を実施しやすいと思うのであります。日本の場合には、そういう風習がございませんし、のみならず、社会におけるいろいろな受け入れの施設がございませんだけに、文部省としては急ぎそういうものを整備したいという方向で努力を続けているわけでございます。体育施設の整備など、それを頭に置きながら整備を進めてまいってきておるわけでございまして、省内でこういう問題の研究をやっているわけでございますけれども、すぐにできるかということになりますと、いまのような問題がございますので、とてもそうはいかない。しかし、ぜひそういうことができるような体制にひとつ考えていきたいということで努力をしているわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 人事院総裁にこのことについてお聞きをしたいわけです。  人事院が出した、この前、四十七年度の参考資料の十四表の「民間における勤務時間および週休制度の状況」の中で、完全に実施をしているのは、教育部門が一番高いわけですね、二・四%。最も多いというのが出ているわけですが、これはどういう事情なのか、どうなのか。  それからまた、いま言ったようないろいろな問題があって、特に教育の問題については人事院としてどんな考え方を持ってこの万全の措置をやっていこうとしているのか。これをひとつ総裁から伺っておきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど触れましたように、先ほどは非常に交代制のことばかりに集中してお答えをしたようで、ちょっと不行き届きだったと思いますけれども、やはり私どもは行政サービスという、広い意味では各省それぞれの所管の行政について支障なくやる方法はどういう方法であろうかという角度から、私自身、各省人事課長の会議の際に、ことしの年頭にお願いしたことでもございますし、これに引き続いて、先ほど触れましたように、わがほうの当局者が各省のやはり主任官と常にひざを突き合わして勉強しておるわけでございます。したがって、教育の話も当然文部省のほうといろいろ協議を申し上げ、いろいろ御意見を聞かしていただいてなければならぬわけでございます。そういう意味で先ほど申し上げましたので、私どものほうは、教育はかくあるべきだというようなことから、文部省の御意見も聞かないで、こちらから打ち出すという立場でもあるまいと、そういう気持ちを持ちながら仕事をしておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 もう一つの点、調査。

尾崎朝夷人事院事務総局給与局長

○政府委員(尾崎朝夷君) 昨年の四月に民間の給与調査をいたしたわけでございますが、その内容につきまして昨年の勧告のときに発表してございます。その際に、いま御指摘のように、教育部門につきましては完全な週休二日制がほかより比較的に多くて二・四%ということになっておるわけでございますが、一方、研究部門のほうは一四・三%と非常に大きくなっておるわけでございます。一般の管理部門のほうは一・一%と非常に少ないということでございます。これは、注にございますように、事業所に幾つかの部門がある場合には、それぞれ該当する部門ごとに調査をして表示しておるということでございますので、大きな会社等では研修所等を独立させているところがいろいろございます。そういうところは、教育部門として調査しているはずでございますから、そういうところが入ってきておる。大きな会社の研究部門等は、大きな会社だけにほとんどございますので、非常に大きく出ているということだろうと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 最後に、一つ文部大臣に聞きますが、これは教特法の際に人事院総裁もいて、前の大臣のときに話し合いをしたことです。私がさっき言ったとおり、労働省なんかの調査によると、二十日以上休んでいる、いわゆる週休以外に、余暇制度として二十日以上の企業が一三%あるわけです。つまり、前年は七%であったものが一三%。ところが、いわゆる夏休み、冬休みといわれるような休みがあるという先生が一体どれだけ休んでいるかという問題、休暇をとっているかという問題、特に夏季の休暇についていろいろデータをあげてこの前言ったわけですが、ここに千七十六人の調査をしたところのデータが一つあるんでありますが、夏休みに出勤した日数が二十日以上の者が一一・二%、十六日から二十日出た者が二二・三%、十一日から十五日出た者が三九・八%で、十五日以上夏に出勤しているのが七三・三%あるわけであります。自主研究——この前の質問のときに人事院総裁は、最も夏は自主研究をすべきときだと、そういうふうなやり方を国家公務員の教員の場合にやっているんだと、そういうことで、その趣旨はそのとおりもっともにそうとるべきだといった自主研究は、五日とっている者が一〇・八%、六日とっている者が九・一%、七日が一六・一%−三六%なんです、一番多いんですよ。厚生休暇というのは、いわゆる休暇なんですね、休み。厚生義務免とも言うんですよ。これは、休んでいいのは一体幾日休んでいいのか——七日以上とってはならぬということになっているんです。七日が八五・一%、七日以上とっているのは〇・九%ですよ。しかも、夏休みに年休をとらせるわけなんです。自分のもらっている年休をそこでとれという一それで、五日とっている者が三・一%、六日とっている者が二・八%、七日とっている者が二・〇%、こんなに年休でとらせている。これは一番多いと思うんですね。  今度は別に、千三百五十一人について調べた別の調査によると、一体自主研修をとれたのはどのくらい一これは、千三十三人自宅研修をとって、その中で三日とったのが八十二人、四日とったのが二百六十人、五日が五十一人、つまり三日から五日ぐらいしかとれないんですよ。厚生義務免はここでも七日が千百六十九人で、六日、五日というふうに下がっているわけですよ。いまや私たちは、実は夏あたりに大きな事業場を回ってみると、事業場の日課のところに休みがたくさんあるんですよ。先生に夏休みがあるなんていったって、先生よりは休んでいる職場も出てきているわけですよね。この点をこの前指摘をして、それがうそだというなら文部省のデータを出してみてくれといったら、そんなものは調査してありませんという話なんですよ。それじゃどうするんだ、それじゃ、同じ県の中で、小中学校と高等学校の先生とはどう違うんだ。高等学校の先生は休みになればすぐ自分の郷里に帰っちゃう。同じ小中の先生は一体二十日も学校に出させられて、自宅研修はろくにとれずに、厚生休暇はたった七日だという、こういうやり方はあまりにへんぱじゃないのか。人事院総裁は、もうそのとおりだと、国家公務員の教員を私たち知っているけれども、それが休暇のあり方だと私は考える、という話もあった。その点について文部省は、よく調査をし、そうして休暇のやり方について通達なり指導をするという約束をしたんですよ。何を一体指導したんですかね。こういう事実があるということは、私は教員出身だから、そういう点を知っていますけれども、私は、こういう事実は大臣は知らぬのじゃないかと思うんですよ。小中高との間にどれだけの格差があるのか。しかも、いまや一般の者は週休二日をとり、年休二十日以上とっている職場のあるときに、夏の最も研修するにふさわしい、休息するにふさわしい日に二十日以上も学校へ出させておいて、休暇は七日しか与えない、こんなばかなことを私ら認めるわけにはいきませんよ。こういうことをやっぱり改めていかなければだめだと思うんですね。そういういわゆる指導や助言というものが文部省からなされるということがなければできぬ。教特法のときに、すでにもろ週休二日制の議論もされているときに、超過勤務の問題をとやかく言うようなのは、こんなものはおかしいじゃないかということもわれわれは議論をしたわけでありますけれども、現実にもうこれだけの情勢になってきたときに、この夏休みのものの考え方というものをもっとやっぱり改めさせるということが私は必要だと思う。この点について私は、文部省はそこにいるけれども、何の一体調査をやったのか、何の一体指導をしたのか、まずお聞きをしたい。それと一緒に、文部大臣は、このことについてこれが事実かそうでないかを御調査の上でぜひひとつ善処をしてもらいたい。あわせてその点をお願いをしておきたいと思うんですが、まず、一体どういう調査をしたか、どういう指導をしたかというものを、そこに初中局長もいるだろうから、そのほうからひとつ話をしてください。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) どういう調査をしたか、ちょっといま調べてみたいと思います。  ただ、夏休みと申しますのは、これは言うまでもなく児童、生徒の休みでございまして、先生につきましては、これは勤務を要する日でございます。その間に研修等をできるだけ充実するようにお願いしておりますけれども、しかし、私どもとしましては、それは年次休暇、もちろんあるわけでございますから、そういう機会を利用してできるだけ年次休暇を十分にとれるように指導してまいるというのは、これは当然のことでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その局長の答弁は、とてもそれは納得できませんよ。私は、いま労働省あたりの出してきたそういう年休という、週休二日以外に余暇としての休暇をこれだけ与えているような事業場が多くなってきているわけだ、だから教員の場合にも夏の休みは十分なひとつ休暇をとらせよう、また十分ひとつこの期間に研修をさせよう、そういう考え方でやはり私たちは夏休みについては考えている。もし、指導していないとするならば、そういう方向で指導するというならわかるが、これは子供の休みであって先生の休みじゃございませんというのは私の聞いていることと違ったことでしょう。私は、こういうときに休ませなさいというんだが、あなたは、こういうときには勤務するのはあたりまえだと、休みじゃない、勤務の日なんだから勤務するのがあたりまえだというのですか。それじゃ、こういうふうな一体週休二日とか、余暇をたくさんとっていこうという、そういう時代の福祉の政策に、どう一体教育は、職場は対応していくんですか。その対応のしかたが別にあるなら教えてください。ほかのときに、そういうふうな余暇をとってきちっとさせている、厚生休暇というものをもっとふやして、そういう形の中で余暇をふやしていくということをやりたい、別個に研修のあれを設けて、最低の基準を設けて研修をやらせるというやり方をしている、そのかわり夏は休みじゃありませんから勤務をきちっとしてもらわなければいかぬと、こういうならわかりますよ。だから私は、一番最もふさわしいのは夏の休みであろう、このときに、他の職場にすでに出てきているようないわゆる週休二日なり、あるいは余暇を長くとるということに呼応した対策をとっていく一番いい時期じゃないか、また、そうして事務的にも研修しなきゃできないのだから、この研修の最もいい時期だ。しかも、現実に高等学校の職場ではほとんど休んでいるじゃないですか。それを何で一体小中学校の先生だけ呼び出してやらなければいけないのですか。何で一体、小中学校と高等学校とそれだけ差をつけなければいけないのですか。差がないというのですか、あなたは。こんな指摘を私はいまここでしたわけじゃありませんよ。もう教特法の当時から、この指摘をして、それについてはやはりそうあるべきではなかろうというような意見も出てきている。それをいまごろになって勤務時間だ、先生の休みじゃありません、子供は休みですけど、先生の休みじゃありませんなどというそんな答弁を聞いて、それでよろしゅうございますというわけにはいきませんよ。もし、私の言うことが間違っているなら、別個の方法で、この大勢に順応するような教育の場における方策を持っているというなら、その方策をお聞かせください。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生がおっしゃいました夏休みを利用して研修をやる、あるいは年次休暇をとるそういう方針で……。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 夏休みに年次休暇をとらせるほうがいいのか……・。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 年次休暇をとるというふうな、いま、そういうふうな御意見じゃございませんでしょうか。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうじゃないでしょう。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 夏休みと申しますのは、これは授業を行なわないのでございますから、もちろん、児童生徒は休みでございますけれども、これは、先生は勤務を要する日でございます。したがいまして、その期間に研修をするとか、あるいは年次休暇をとるとかというふうなことは、これはそういう方向でいくのはけっこうだと思います。しかし、授業日と申しますのは、これは年間で二百四十日以上といわれておりまして、まあ、二百四十日から五十日ぐらいが普通でございます。そのほかに春休みとか、あるいは冬休みとかいわれているものもございますので、一年を通じまして先生方が有給休暇をとられるということはこれは可能なわけでございます。  いま問題になっております週休二日の問題、これはまた、それとは別個の問題として考えるべきじゃないか。たとえて申しますと、授業は従来どおり行うといたしまして、先生につきまして週休二日をどうするかという問題になりました場合には、先生のほうは週に二日休んでいただきまして、その一日よけいに休む分につきましては、これは教員を補充するというふうな方法もあるわけでございます。そういうものを総合的に考えましてこれから週休二日の問題に対処していきたいというのが私どもの考えでございます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 教員の研修の必要性、非常に強く意識されておりますだけに、おっしゃいますように、そういうことでもかなり多くの時間が使われているのだろうとよく理解できるわけであります。同時にまた、教員の執務体制から考えましても事務職員、養護職員、栄養職員その他の職員の配置も充実させながら負担の軽減を並行的にはかっていかなければならないであろう、かようにも考えておるわけでございます。やはりしっかり勤務していただくためには、十分休んでもらうということも大切なことだと思いますので、いまのお話し私よく理解できますので、今後なお調査もしながら適応する対応策を研究していきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 関連。  先ほど来文部大臣の答弁を聞いておった限りにおいては、いわゆる教員の場合の週休二日の問題は、二日の休みのその問題についてはいろんな諸外国の例をあげながら、いわゆる子供を、そういう週休二日の問題について対象にしながら、いわゆる現在のままにおいて、学力を低下させないような方向にいくためにはどうすればいいかということなどを検討しておると、こういうお話しのように承った。ところがいま初中局長の話では、子供は六日間出すんだと、よっては教員だけ五日だけ休ませるためにはどうすればいいかということで検討しておるという話で、だいぶ話が違うのですが、それ、どっちがほんとうか。もちろん、責任者は大臣なんだから大臣のことばを信じたいと思うのだけれども、そこがだいぶ違うのですが、聞いておって。一体どうなっているんです、あなた方の検討というのは。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろな問題があるという問題点を先ほど来申し上げているわけでございます。同時に、先ほど私も触れましたように、児童生徒が週休二日ということになった場合に、家庭や社会がこれを受け入れられるだろうかと、そっちに一番大きな問題があると、こう思っておるわけでございます。したがいまして、そういうことにも対応できるように、社会教育の施設、体育の施設、そういうものを充実していかなければならない、とりあえず、将来受け入れられるような社会にはしていかなければならないではないかと、こう考えておるわけでございます。したがいまして、一年、二年の間に児童生徒を二日休みにできるかといわれたら、これはとてもできない。そういう気持ちで初中局長もいますぐ児童生徒は週休二日というわけにはいかないのですと、先生の週休二日制を実施した場合には代替の先生を考えなければならない、こういうことを内部では議論をしておるところでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 もう終わりますが、私は、いまの答弁では納得ができませんので、それだけ言っておきますよ。  それから、大臣にお願いしたいのは、時間がおそくなったのですが、私は、小・中校と高等学校の夏休みの勤務の実態の相違というものを調べたものをやっぱりちゃんとしておかなければいかぬのじゃないか、そういういろんな点も問題出したわけですよ。  それから、同時に年休というお話ですが、年休をどの程度一体とれておるのか。現実にとれているのかという問題があるわけです。で、一番いわゆる教員が余暇をとる場合において一番とりやすいのは、いわゆる夏の休みである。そういうふうな休みに結局余暇をふやすという意味から言えばもうすでに一般的になっている厚生義務免というものの数をふやしていって、そういう中でそれをやらせる、あるいは研修のためにどれだけの時間をとっているのか、私は、実態を調べて、そういう局長のお話があるなら私は別に何も言いませんよ。また、いまここでは追及いたしませんが、それだけの開き直った御答弁をするなら私はそういう資料を出して、調査をした結果でおっしゃるならわかりますけれども、現実にこの前も調査したものを出すといって出さないわけですよ。持ってないわけだ。逆に私たちのほうが持っているわけですよ、こう申し上げたように、夏はどういうふうにとられるか。それだけ現場で問題になっているわけです。  一つは、格差のあることのいわゆる矛盾、小・中・高の格差のある矛盾、小学校における夏期のいわゆる休みのとり方というものについてもう少しやはり実態の上に立って前進をしてほしいということを要望しておきまして、また、機会を見てひとつ追及を再度いたします。  たいへん長くかかって失礼いたしました。

内田善利公明党

○内田善利君 まず、提案者の三原衆議院内閣委員長にお尋ねいたしますが、この法案は、日曜日が祝日になった場合には、月曜日と限定しておりますが、この月曜日の限定については、いま話題になりました週休二日制も考慮に入れた上でおきめになったのか。先ほどの答弁の中には土、日が非常に多かったようですけれども、週休二日制ですね。その場合に土、日、月と、こういう休みも出てくることになりますが、こういったことも踏まえて月曜日になすったのか、この点をちょっとお伺いしたいと思います。

三原朝雄自由民主党

○衆議院議員(三原朝雄君) 先ほども申し上げましたように、現在時点で週休二日制の問題もございます。祝日をもう少しふやしてはどうだというような意見もございますが、この法案をつくります際には、それは一応あとに残して、一応分離をして、したがって、そういう事情がございますけれども、それとは切り離して祝日と日曜が重なった、そのダブっております点の問題だけをとらえて、そういう処置をいたしたのでございます。そういう事情でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、最初労働省にちょっとお伺いして、それから総理府、文部省とお伺いしたいと思います。  質問がダブらないようにしたいと思いますけれども、労働省としては、私も休日がふえることは賛成ですけれども、中小企業にも先ほどは相談してみたということでしたが、私は、中小企業の働く者の立場から、週二日制あるいはまた休日がふえますと、生活も苦しくなるという点も出てくると思いますが、こういったことについては、労働省としてはどのように指導なさるつもりかお聞きしたいと思います。

廣政順一労働省労働基準局賃金福祉部長

○説明員(廣政順一君) 中小企業で週休二日制の普及状況は、昨年の九月の調査によりましても、目下のところ大企業と比べますとかなり遜色はございます。中小企業の場合、経営上あるいは労務面で種々の問題をかかえておるということは私どもも十分承知いたしておるところでございまして、それだけに中小企業において週休二日制をどのように進めていくかということは、私どもといたしましても、何と申しますか、きめこまかくと申しますか、段階的に進めていく、あるいは集団全体をとらえて進めていくというような形で、きめこまかい行政指導を進めてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、主として、きょうの質問は、余暇の利用ということで質問していきたいと思うんですけれども、労働省としては勤労者の余暇利用ということについてはどのように考えておられますか。

廣政順一労働省労働基準局賃金福祉部長

○説明員(廣政順一君) 余暇の利用の問題につきましては、まあ労働省といたしましては、まさに余暇をどのように過ごしていくかという点について、労働省自体も考えておりますが、また、これ政府全体の問題かとも存じます。それだけに、たとえば、ことしの予算要求の段階におきましても、各省でいろいろそういう関係の施設と申しますか、についての意見交換もいたしたところでございます。私ども基本的には、大企業の場合には比較的会社自身がいわゆる余暇を楽しむための施設を持っているというように認識いたしております。ただ中小企業の場合には、その点が結局恵まれないということでございますので、特に中小企業の労働者が気軽にまた安い価でそういう余暇を楽しむことができるようにという、その点に特に重点を置きまして、本年度も各般の予算措置を講じておるというところでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 具体的にはどういうことですか。

廣政順一労働省労働基準局賃金福祉部長

○説明員(廣政順一君) 従前から私どもいたしておりました種々の青少年向けあるいは婦人向けあるいは一般向けという各種の施設も、先ほど私申し上げましたような趣旨にのっとって、労働省としては施策を講じてまいっておりますが、四十八年度におきましては、新たにただいま御審議いただいております予算要求の中で、先ほど申し上げました趣旨を特に生かすという観点に立ちまして、名前は勤労者いこいの村という名前でございますけれども、これを逐次、ことし、四十八年度を初年度といたしまして、逐次これをふやしていくという計画を立てているところでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 あまり計画もないようですけれどですね。今後は、やはり勤労者の余暇利用ということについて、もっと具体的に推進していくときはやってきたと、このように思うのです。まあ、いこいの村もけっこうですけども、その他体育施設とかいろいろな面で、文部省だけにまかしておくんでなくて、勤労者の余暇利用ということについてもう少し積極的にやっていただきたいと思いますが、これいかがでしょう。

廣政順一労働省労働基準局賃金福祉部長

○説明員(廣政順一君) 先生、御指摘のとおりでございまして、私どもの労働大臣の私的諮問機関でございます労働者生活ビジョン懇談会というものがございます。この生活ビジョン懇談会で週休二日の推進方についてのレポートをちょうだいしたわけでございますが、それと並びまして、余暇をどのように一体過ごすべきであろうかという問題についてのレポートも、やはりちょうだいいたしておるところでございますが、その中でも余暇をほんとうに勤労者が楽しんでいける、家族とともに楽しんでいける、そういう環境づくりに政府としては十分力をいたすべきだということの御指摘をいただいております。そのレポートをもとにいたしまして、ことしの予算要求も考えさせていただいたわけでございまして、これから先とも、特に中小企業ということを考えながら、余暇施設の充実ということにつきましては鋭意つとめてまいるようにいたしたいと思っております。

内田善利公明党

○内田善利君 それでは、総理府にお尋ねしますが、休日がふえますと余暇が増大してくるわけですけれども、その余暇の過ごし方ですけどね、特に、青少年にとっては、この余暇の過ごし方ということが非常に大事になってくると思うのですけれども、また、国の将来にとっても、非常に大きな問題だと思うのですが、昨年、青少年問題審議会の答申がありまして、この中で青少年問題に対する行政の役割りは、青少年の積極的行動、青少年の主体的参加のための条件整備ということが言われているわけですけれども、この条件整備は具体的にどのように対策を考えておりますか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 内田委員御指摘になりましたごとく、私は、総務長官に就任いたしまして以来、国政の中にあっていろいろの重要な問題がありますけれども、その中にあって最も重要な柱は、私は何といっても、次の日本を背負ってくれる、次の世代をになってくれる青少年対策ということが非常に重要な問題であると、私は私なりに理解もし、私の使命の重いことも感じておるような次第でございますが、その中にあって、やはり青少年の最近の不幸な動向を思うときに、いわゆる人生に対して希望を求めずに、ほんとうの瞬間的なる享楽を追っていく若き世代の姿を見るときに、私は全く不幸だと思います。これはやはり政治の上において理解と愛情を持って考えてやらなきゃならぬ。その問題の解明をいたす場合には、やはりこの青少年のつどいの場をどうすべきであるか。また、余暇の利用というものをどう指導すべきであるかということが最も重要な問題ではなかろうかと、総理府といたしましては、各省庁間にまたがっておるこれらの重要な問題の調整をはかりながら、十分ひとつこうした面に私は万全を期したいとこう考えて、至らぬ私ではございますけれども、二月以来、二月にはいわゆる五万有余の会員を擁しておりますところの根っこの会の会員の諸君と、川越の彼らのいこいの場に参りまして、半日間食事をともにしながら、踊りも踊りながら、また彼らの強い人生に対する希望も、また職場に対する不満も、あるいはこれら各部門を含めての、食事をともにしながら話し合いの場を持って、いわゆる中小企業にまじめにつとめていてくれる青少年のこうした面に、もっともっとやっぱり理解を持たなければならぬということを強く感じました。三月に入りましては、御承知のとおりに、やはりこれも四万近い会員の背景を持ってるいわゆる社会に奉仕するという非常に私は——若い者というと失礼ですが、若い世代が真剣に取り組んでいる、私は大きい魅力を感じておりますところの、いわゆる、何といいますか、社会に奉仕することを理想とし、自分の人生の情熱をささげるという気持ちを持って働いてくれるあらゆる会合があります。その代表的なるところの五つの会合のいわゆる代表といいますか、会員の方々、約三十名の方々にお会いをいたしまして、たとえば気の毒な身体障害者に自分の若い情熱をささげて、自分の月給を出してそしてこの仕事をしてくれているというようなもの、あるいは日赤団体を中心とした不幸な方々に活動を続けている団体、幾つもございます。その中の五つの方々とやはり時間を持ちまして、問題点の解明と、彼らは彼らなりの峻烈な訴えを聞いて、そしてそれなりの、私は私なりの指導をいたすというようなこと、今月は、私は、やはり四月の十何日かでございますが、あすなろ会だとかあるいは杉の子会とかいうような会員、いわゆるこれらの方々と一日、日曜日をつぶしてひとつ話し合いの場を持って、そしてそれが私は一つの波になって、幾らか青少年において、政治に対する期待と情熱を持ってくれるのじゃないか。これは私は単なるそうした面に働いている若い世代の者ばかりでなくして、人生にともすれば反逆しがちな場にあっておられる方々に対しても、私はあたたかい理解の手を差し伸べる必要から、そうした若い青年とも私は次の会に会いたいと思って、また計画を青少年対策室長にお願いしてやっているように、これはやっぱり何といってもレジャーの時間をこういうふうにして活用してくれている団体もあるのでございますから、政府は、もっともっとこういう問題に、文部省においても、あるいは労働省においても、あるいは通産省においても、もっと積極的に打ち出さなければならぬ、こういうふうな私は一つの希望と信念を持ってこれに取り組んでおります。ことし幸いにいたしまして、レジャー対策に関連する調査を五百万円、予算をこのたび計上いたしましてこれらの検討を加えておりますので、来年は私はもっと積極的にこうした問題に取り組むのが私に与えられた政治的使命であるという気持ちを持って、総理府はあげて努力をいたしておりますことを御理解願いたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 いまのお話しのように、青少年が積極的に参加し、また、主体的に行動するというふうに、そういったための条件整備ということだと私は思うのですが、そういった条件の整備が、環境をつくってあげるということが、諸外国に比べて非常に貧弱であると、そう思うのです。まあ、フランスのような場合には青少年スポーツ余暇省という省まであるわけですから、そういった、もう少し行政が、青少年の積極的なそういった参加ができるような施設をつくる方向でいくべきだと、このように思うのですが、まあ、日本では青少年の育成とか、青少年の指導とか、そういうことばがありますけれども、外国にはそういう育成とか指導とかということばはほとんどないわけですね。むしろ、そういった条件を整備する、特に、フランスの青少年スポーツ余暇省では、主要な機能は、施設整備を中心とする財政投資、それと指導者の養成、こういうところに重点を置いてやっておるわけですね。まあ、そういったことから日本の現状はどうもおくれておる、このように思うのですが、青少年スポーツ余暇省ぐらいな責任あるそういう省庁をつくって、青少年に対し、こういった余暇が十分に活用できるような施設をつくるべきである、このように思うのですけれども、いかがでしょう。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 全く同感でございます。したがいまして、私は本年度の予算におきましても、若い青年たちが外から日本をながめてくれる姿、また、いわゆる先進国のようにこうした問題に真剣に取り組んでくれるという真摯な一つの気持ち、また、世界の各国と平和を結ぶ、民主国家としての世界の平和の交流をはかるというような観点から、「青少年の船」に対するところの問題を、私は、青少年みずからの船であるという、「青年の船」、まだ——夢ではございませんけれども、かなり事務的にも進んでまいってきておりますので、「青年の船」というものをわれらの船だという気持ちで、国家にしてもらったというような気持ちでなくして、いわゆる青少年の船をつくりたい、こういうようないま考えで、アイデアで、民間の御協力も願いたい、こう思って鋭意これにも取り組んでおるとともに、海外に対する派遣も昨年よりかおかげさまで百名ほどふえた予算配慮もできましたので、こうした点を付加しながら活用いたしてまいるとともに、日本のわれわれの国の中に、そうした場を、そうした時間をもっともっと積極的に持たすように、内田委員御指摘になりましたような配慮を、ひとつ前向きの姿勢で、積極的に真剣に私は取り組んでまいりたいと考えていることを表明申し上げておきたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 それですから、総理府としても、いまある余暇施設ですね、陸上競技場とか、県立の体育館とか、そういった現在ある施設をもっと有効に効果的に利用する方法を考えるべきだと思うのですが、この点はいかがでしょう。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 御指摘のとおりでございます。したがいまして、やはりサークル活動をやる場合のつどいの場というものがない。また、文部省にお願いして積極的に打ち出してはいただいておりますけれども、「青年の家」というような場が、全国の各府県にようやく一つぐらいあるというような状態では、ほんとうにとてもとても心もとないと思います。各市町村に一つずつくらいの「青年の家」があるような充実した姿に持っていくというようなことで、私は来年などはそうした面で文部大臣にもお願いし、私たちも推進役になってこうした場をつくりたい、こういうような気持ちであることを御理解願いたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 ちょっと文部省にお聞きしますけれども、国体がある場合に、非常にりっぱな体育施設が競技場ができるわけですが、その後の競技場の利用状況なんですが、私の調査によりますと、非常にだんだんだんだん年を追うて利用状況が少なくなっていっているわけですね。これはある県の施設の利用状況ですけれども、だんだん減っていっているわけですが、しかも国体関係の選手——一部の者の利用が多くて、一般青少年の利用が少ない、そういう状況なんですが、この利用状況と、これに対する対策をお聞きしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 国民体育大会の各競技会場、ほとんどは学校の体育施設か社会体育施設として予定されて設けられておる状態です。したがって、学校教育及びそれぞれ地域住民のためのスポーツセンターとして、そのあとは利用されるという姿になっているわけでございます。たとえば、開会式場に当てられた陸上競技場なども、陸上競技場に使われることはもちろんでありますけれども、そのあと、地域住民を対象としたスポーツ教室を開設したり、スポーツ研究指導センターをそこへ設置するなど、体育、スポーツの普及、振興のために利用されているわけでございます。しかし、おっしゃっていますような、規模が過大に失しないかという意見もあるようでございます。国体のあり方をもう一ぺんこういう機会に再検討すべきじゃないかというような議論もございまして、体育協会の中に、そういう意味の委員会が設置されまして、いまいろいろと論議が重ねられているところでございますが、ぜひ、御指摘のように、あとあとまで十分に利用されるような施設を国体を機会に整備していくという方向を重点的に考えていかなければならない、また、そういうふうに持っていきたいものだと、かように私考えているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 最後に、もう一言、総理府にお聞きしておきますが、施設ですけれども、非常に各省庁ばらばらにできているわけですね。たとえば青年の家は文部省、勤労青少年ホームは労働省、ユースホステルが運輸省、農村青年研修施設が農林省というぐあいで、ばらばらなために配置が非常にばらばらになっているわけですね。これを総理府としては、調整する必要があると思うんですけれども、調整されるおつもりがあるかどうか。もう少し、どこかで調整しないと、片寄ってしまって全体に行き渡らないとい、うことと、今度は利用者の場合ですけれども、各省庁に直接かかわりのある団体とかサークル、こういったものだけを使用させるということで、縄張りがあるようですけれども、こういったことについての対策ですね。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 私も、総務長官就任いたしまして以来、老人対策の問題と青少年対策の問題は、先ほども申しましたように、非常に大きな柱として、国の国民的課題として進めなければならぬということを強く感じておるような次第でありますが、幸い田中総理も非常にそうした点に深い憂慮を持たれましての配慮もありまして、四月の予算が成立いたしましたときには、さしあたり厚生省と総理府の話し合いがまとまりまして、田中総理が本部長になり、私と厚生大臣が副本部長になりまして、老人対策室を総理府に設けまして、そして老人対策の一元化をはかるということにいよいよ第一歩を踏み出すような段階になりました。これは、私は非常な一つの進歩だと思います。いま御指摘になりましたように、私もやっぱり、決して官僚というか、お役人さんを批判するというようなことではございませんけれども、やっぱり自分の職場に対する強い熱意と愛着があればあるほど、それが弊害となって、セクショナリズムに通ずるというようなことを考えますと、心情的には私は理解してあげなくちゃならぬと思いますが、真にやっぱり国家的な立場を考えるときには、やはりこうした行政の総合調整、一元化ということが国家的な重要な課題であるというようなことを考えますと、私も、やはりこの青少年対策という問題は、各省方間にまたがっておる、これはやっぱり政策を推進する場合の一つの隘路になっておるということを強く感じておりますので、いよいよ老人対策の問題が本格化して、それを並行いたしながら、私は青少年対策という問題もだんだんと一元化の姿でひとつこの方向に取り組まなければならぬと、こういうような気持ちも持っておりますが、その間は総理府が中軸になりまして、各省庁間の調整をはかりまして、青少年対策に万全を期し、行政上、予算上も十分配慮いたしてまいりたいと考えておる次第であります。

内田善利公明党

○内田善利君 それでは、文部省にお伺いしますが、総理府にお尋ねしたと同じように、余暇の利用ということを中心にして質問したいと思いますが、最初に、図書館行政についてお伺いしたいのですけれども、わが国の国民一人当たり年間の図書館の貸し出し冊数がどうなっているのか、諸外国と比較して答弁お願いいたします。

今村武俊文部省社会教育局長

○政府委員(今村武俊君) 日本図書館協会が昨年度発表いたしました図書館白書によりますと、国民一人当たりの年間の貸し出し冊数は、イギリスが九冊、デンマークが六冊、ハンガリー五冊、アメリカ三冊、日本〇・二冊というぐあいになっております。

内田善利公明党

○内田善利君 いま、社会教育局長から答弁がありましたように、日本の利用は非常に少ないわけですね。英国が九冊、デンマークが六冊、ハンガリー五冊、アメリカ三冊、日本は〇・二冊ですから、図書館の利用は、余暇の利用という面について非常に少ないと、そのように思います。  それともう一つお聞きしたいのは、都市部は比較的に読みたい本もすぐ手に入るわけですけれども、読みたい本が手に入らない地域、こういうところが非常に多いわけですけれども、そういう地域ほど図書館が必要なんですが、都市部と町・村に分けて、公立図書館の普及率を教えていただきたいと思います。

今村武俊文部省社会教育局長

○政府委員(今村武俊君) 都市部とその他の地域ということで、どのくらいの普及率か、データのとり方がむずかしい点がございますが、都市部と農村部は、都市の中にも農村もございますので。それで単純に市・町・村がこのうちで図書館を持っている。パーセンテージだけあげてみます。市で六六・二%、町で一〇・一%、村で二・五%という数字でございます。もっともこういう数字があるからといって、町・村に全く図書がないわけではないのでございまして、公民館の図書室とか、あるいは個人の蔵書だとか、そういうものが役立っておるということも申し添えておきたいと存じます。

内田善利公明党

○内田善利君 国民一人当たりの図書館の貸し出し数にしても、あるいは一番必要な地域ほど比較的に図書館も少ない。私は、これは逆だと思うのですね。こういった対策を講ずることがほんとうの過疎対策ではないかと、このように思うのですけれども、文部大臣いかがでしょう。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど来おっしゃっておりますように、わが国の余暇利用施設、社会教育関係の公共施設は非常に不十分であると考えておるわけであります。社会教育審議会からも、そういう答申をもらっているわけでございますので、積極的にそういう面が充実されますように、今後一そう努力をしていきたいと思います。と同時に、多くの人たちが利用されるような啓蒙、これも大切なことではなかろうかと、かように存じております。

内田善利公明党

○内田善利君 その次に、この学校教育の中のクラブ活動について若干お聞きしたいと思うのですけれども、大体クラブ活動が今度の高等学校指導要領によりますと必修になっているわけですね。クラブ活動の意義といいますか、それと全員にクラブ活動をさせるという意義ですね、この点についてちょっとお聞きしたいと思うのですけれども。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) クラブ活動の意義でございますけれども、これは学校生活では比較的同じ学年の同じクラスの横の関係と申しますか、そういう関係はあるのでございますが、縦の関係と申しますか、上級生、下級生の交流という点から考えますと、クラブ活動が一番縦の関係がつきやすいという面はあろうと思います。それからもう一つ、私どものほうで調べました、まあ学校生活にどういうふうな生きがいを感ずるかというふうなことでございますけれども、友だちとの交流ができるというのと並んでクラブ活動ができるということにつきまして非常に意義を感ずるというふうな調査もございます。そういうことで正規の学校教育、正規の教科以外の分野を通じまして、文化的にあるいは体育の分野でそういうふうな交流が行なわれるということが一番大きな意義があるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、クラブ活動は子供たちの希望に応じてやらせるべきじゃないかと思うんですが、同じ一週間の中で、一時間クラブ活動ということになりますと、大体そういったクラブ活動ができる運動施設があるかどうかですね。同じ校庭で陸上競技もやっている、ソフトボールもやっている、バレーボールもやっている、庭球もやる。そういうことはほとんど不可能だと思うんですね。したがいまして、そのクラブ活動の必修の時間には、教室にいっていろんなことがなされると思いますけれども、理論的なことに走ってしまうということになりかねないと思うんですね。いままでが大体そうだったと思うんです。それよりも伸び伸びと自分のやりたいことをやっていくようなそういうクラブ活動にしてはどうだろう、あるいは学校の中だけのクラブ活動でなくて、社会に出ていって社会の中でクラブ活動をしていく、そういう方向に持っていったならば、狭い校庭から解放されて、それこそいいほんとうの意味のクラブ活動ができるんじゃないかと、このように思うんですが、この点はいかがでしょうか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 全く先生の御指摘のとおりだと思います。実は、クラブ活動を必修にいたします前にも、省内におきましてもいろんな議論がございました。まだ、十分な施設、設備がないのにこういうことを踏み切るということもいかがかというふうな意見も出ておりましたが、しかし、先ほど来申し上げましたように、クラブ活動の意義と申しますか、そういうものにかんがみまして踏み切ったというわけでございまして、これに伴いまして中学校におきましては教材費の面、それから高等学校におきましては新しくクラブ活動のための設備の補助を本年度四十八年度から実施するということにいたしたような次第でございます。しかし、できますれば、先生御指摘のように、学校というワクをある程度離れまして伸び伸びとやるということは望ましいわけでございますが、先ほど来御指摘のようにまだ遺憾ながらそういうふうな施設の整備状況も不十分だという面もあるわけでございます。そういう面につきましては大臣も先ほど申し上げましたようにそういう施設が整い次第、次第にそのワクを広げていくというふうなことは、今後私どもの課題として考えていかなければならないことではないかというふうに考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、いまのままだったら非常につまらない一時間のクラブ活動になってしまうと、そのように思うんです。こういった祭日、休日がふえるわけですから、そういった日こそ先生とともに外に出ていってクラブ活動を推進していくということが一番望ましいじゃないかと、そのように思うわけです。と同時に、クラブ活動を実施する、指導する先生の取り扱いといいますか、何といいますか、先生に対する措置ということになってまいりますけれども、これは一昨年教特法の審議のときに、せっかく西岡政務次官から十項目の中に私案として、教員に対し時間外勤務を命ずる私案が出たわけですけれども、結局法律には措置できないで、それがそのままになっているわけですね。したがいまして、休日の日に生徒を連れて、子供たちを連れて試合に行くとかなんとかいう場合にもこれに適合しない。そのために、学校としては旅費と日当を支給するということにとどまって、こういう法律で、せっかく私案として出ておりながら消えてしまっている。こういった祭日の日に先生方が子供を連れてそういうクラブ活動に専念した場合のそういった措置がなくなったということになっているわけですが、この点はいかがでしょうか。やはりだめですかね。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど申し上げました正規の学校教育としてのクラブ活動以外に、各学校でいろいろくふういたしまして行ないます部活動と申しますか、そういうものがあるわけでございます。これは先生御指摘のように学校の自由、生徒の希望、そういうもので実際に行なわれているわけでございまして、私どもが何をやれかにをやれというふうなことは申しておりません。ただ、最後に御指摘になりましたような、実際上そういう活動が行なわれております場合につきましての手当の問題でございます。これは、実は十二月二十八日に人事院の規則が出ておりまして「人事院が定める対外運動競技等において児童又は生徒を引率して行なう指導業務で泊を伴うもの又は勤務を要しない日、休日若しくは給与法第十七条第二項の人事院規則で定める日「以下「勤務を要しない日等」という」に行なうもの」につきましては千円の手当、教員特殊業務手当と申しますものが出るようにいたしたわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 これで質問終わりますが、いよいよこういった週休二日制あるいは休日がふえてまいりますと、どうしても、余暇の利用ということを考えないでダブったからふやしていくという考え方でなしに、余暇の利用を十分検討した上で実施していただきたいと、このように思いますので、この点の善処方をお願いして、私の質問は終わります。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 たいへんおそくなりましたので、いろいろお聞かせいただきたいと思っておりましたが、ほとんど割愛いたします。  まず一つ、お伺いしておきたいのは、国民の祝日というのは現在十二あるわけでございますね。それに対して政府はどのように周知徹底をはかっていらっしゃいますか。その点ちょっとお聞きしたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 御指摘になりましたそれぞれの法の制定に基きまして制定されました祝日は、それぞれの、日本の民族にとっては非常に民族的な魂の通ずる日であると私は考えておるのであります。したがいまして、それらに対するところの行政配慮をどうすべきかということにつきましては、それぞれの各省庁間につながる問題でございますので、各省庁間において適時な指導がなされており、また、それをさらにやっていただくよう、私は総理府という立場からお願いもいたし、また指導もいたしてまいりたい、こう考えているわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 実は憲法記念日につきましては、初めのほうはかなりいろいろおやりになったわけでございますね。ところが最近はどうもそれがなされていないように思います。しかし、憲法ということにつきまして、憲法の内容につきまして、いまひとつ私は皆さんがほんとうはよく御存じないというふうな面もあるやに考えます。たとえば労働省におきましても、まだまだ男女の格差というものが非常に多くあるというようなことは、労働省におきましてもなおかつ憲法の精神というものが徹底していないのじゃないか。こういう例をあげますれば幾つもあるわけでございますけれども、そういうことでやはり憲法の精神といったようなものは、何としても国民全体にしっかりと憲法の精神を把握していただかなければならぬ、こういうことで、最近政府としてはどういうことをやろうとしておられますのか。その点簡単に承りたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) わが国の平和憲法が制定されました直後の数年間というものに対しましては、政府が指導的な立場で指導をいたしまして、その憲法の意義、憲法の順守すべきという点などあらゆる啓蒙活動もいたしておりますとともに、また、記念事業も十分いたしてまいったわけでございますが、先生御承知のとおりに、七、八年後以降はそうした憲法記念事業をとっていないという点は御指摘のとおりでございますが、私は、この日本の平和憲法というものは国民の各界各層に定着いたしてまいったと考えておるのであります。したがって、特殊的な記念式典を行なわなくとも、国民みずから平和憲法に対するところの国民的な気持ちをそれぞれ持っておりますので、事あらためて式典というものを政府が指導的に行なわないというのも決して他意があるのではなくして、そうした観点からやっておるということでひとつ御理解を願いたいと思いますが、しかし、御承知のとおり、五月の憲法週間というものを一週間設けまして、そうして、やはりあらゆる場を通じてそれらに対するところの活動は続けておるのでございますが、衆議院においてもそうした点も御指摘を受けましたのは事実でございます。そうした点、私は、自然な姿でこうした点に対する行政配慮をいたしてまいりたいと、こういうふうな気持ちであることをひとつ御理解願いたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 まあ、何と申しましても、憲法記念日というのは非常に重要な私は祝日だと思いますので、もしそういうことで、これから後もまだなおなお周知徹底をはかるためにいろいろ御配慮いただきますようにお願いをいたしたいと思います。  それでは時間がございませんので、次に、学校の週休二日制について承りたいと存じます。  まず、国立の教育大学附属小学校は一週間おきに登校しない日を設定しておりますけれども、ねらいはどこにございますか。また、実施後の教育効果はどうなっておりますか、承りたいと存じます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) 昨年の四月から東京教育大学の附属小学校で、ただいま先生御指摘になりましたように、隔週二日休みをとっているようでございます。ねらいと申しますのは、これは学校側の資料によりますと、「子どもの主体的な活動を重視し、自主性、創造性を高め個性の伸長をはかるとともに、いろいろな人とのふれあいを通して、社会性を培い、豊かな人間性の育成をめざす」というふうになっておりますけれども、具体的に、まだ一年たっておらないわけでございまして、結果は出ていないようでございますが、ほんの一例を申し上げますと、一体、一番何に使っているかということになりますと、やはり勉強とか読書とか、そういうものが一番多くを占めているようでございます。それから父兄の反応でございますけれども、二日の休みで計画的に利用ができるというふうな、一番いい面としてはそういうのが一番多いようでございますが、悪い面としましては、規律正しい生活が乱れるというふうなことも指摘されております。そのほかに、遊んでばかりおって勉強しないというふうな意見もあるわけでございますけれども、いまのところ結果はまだはっきり出てないと申し上げたほうが正確ではないかというふうに考えます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 これは、私立の青山学院初等科でも五日制を実施しているわけでございますね。これも、この実施状況とか教育効果というものについてはつかんでいらっしゃいませんですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(岩間英太郎君) この分につきましては、ちょっと私どものほうで十分な資料はございません。ただ、私どもが聞きましたところでは、その日に集中的にクラブ活動等を行なうというふうにしておられるように聞いております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 これから週休二日制というものを学校でも実施しようかという段階のときでございますから、こういうことをやっていらっしゃる向きにつきましては、できるだけ調査をしていただきたいというふうに考えるわけでございます。公立学校では、このような試みはまだどこでも行なわれていないと思いますけれども、現在の週休二日制の時代の流れに即して各府県の公立学校についても教師の週休二日制、学校五日制について実験的な試みを行なわれる指導はこれからされるおつもりがございますか、ございませんか、これは文部大臣にお尋ねしたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろ研究していく必要は多分にあると思います。ただ、教育大の附属、青山学院の附属ということになってまいりますと、家庭もかなり恵まれているんじゃないかと思うのです。同時にまた、東京でありますとある意味においては地方よりも外の施設は整ってきている面が多いかもしれません。そういうこともございますので、なかなか一律的な研究はむずかしいんじゃないかと思うのでございます。しかし、どういうところに問題があるのか、カリキュラム編成の問題もあるわけでございますので、御指摘のような方向を研究していきたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 一部国立でやり、一部私立でやると、やっていないところは公立だけだと、こういうことでございますから、これはぜひ一度御研究をわずらわしたいと、こう思います。  で、日本の国は明治以来学校が唯一の教育機関でございました。それはわが国の教育環境の貧しさからくるものであったということも考えられます。しかし今日は、たとえば図書、出版、テレビ等教材は学校以外にたくさんあるわけでございます。したがいまして、また、今後図書館とか児童館とか社会スポーツ施設の充実といったことも考えられるわけでございます。したがいまして、学校は唯一の教育機関というよりは、むしろ学校は子供の中心的教育機関として位置づけられたといってよろしいのではないかと思います。学校だけですべてをやっていた時代はもう過ぎたと、こう考えます。で、そういったような観点に立ちまして一体先進諸外国はこういう実態からどういう態度をとっておられますのか、承っておきたいと思います。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃいますように、教育は学校教育だけではございません。ことに生涯教育のことが特に強く指摘されている時代でございますだけに、学校教育、社会教育、家庭教育を通じて万全をはかっていかなければならない。そういう意味では学校外の教育施設、体育施設は日本の場合には非常に不備だと、こう考えておるわけでございまして、文部省では一応の計画を持ちながら整備を急いでいるところでございます。  諸外国の週休二日制の例、先ほど松永さんにちょっと答えたわけでございましたけれども、アメリカ、カナダ、スウェーデンここは日曜日のほか土曜日が休日でございます。イギリスは日曜日のほか土曜日が休日でございますが、一部の私立学校では土曜を休日としておりません。西ドイツでは日曜日のみが休日でございまして、しかし、学校は月曜日から土曜まで半日授業でございます。一部の州の実験学校では土曜日を休日としてその授業時数を他の日に振りかえているようでございます。フランスは日曜日のほか原則として水曜日が休日になっているわけでございます。これらの国と比べますと、日本の義務教育の授業時間数は多いわけでございまして、そういう意味で日本の教育程度はこれらの国に比べてかなり高いと評価されているわけでございます。こういう教育水準とのかね合いの問題もございますので、いろいろ私たち多方面にわたって研究を続けていかなければならない、こう思っているところでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 その教育水準の問題でございますけれども、どういうことを教育水準として見るかと、こういう問題もあろうかと私考えるのです。いろいろ学校に毎日子供を縛りつけておくよりも、伸び伸びと地域社会の社会教育活動の中へ子供を溶け込ませて生き生きとした人間関係を学校以外で持たせるということは非常に大事なことではないか。とにもかくにも、いま子供というものが、ほんとうに私は伸び伸びとしたところを失ってきたのではないか。ほんとうに学校へ行っていなければ塾へ行っているといったようなかっこうで、子供らしい、ほんとうに子供の時代を楽しむというものがなくなったと、そういうことから考えても、いろいろ勉強をする子供にとって教材があるんだと、そういうことを考えたときに、私はこういう観点からひとつこの週休二日制という問題をお考えいただいてはいかがであろうかということを考えるわけなんでございますね。必然的にそうなりますというと、カリキュラムの問題も出てくると思いますけれども、こういうことをほんとうにお考えになっていらっしゃるんでございましたら、文部大臣いかかでございましょうか。こういう角度から週休二日制というもの、学校五日制というものをお考えいただいたらと思うんですが、それについてどのようなお考えをお持ちでございましょうか、承りたいと存じます。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 一週間に子供さんに休みが二日あるとなった場合に、家庭がこれを受け入れられる姿がどうなっておるか、あるいは社会がこれを受け入られる姿がどうなっておるか、これがたいへん大切な問題になるわけでございます。受け入れられるように急ぎたい、こう申し上げておるわけでございます。欧米の場合だったら皆さん日曜日は教会に行くものですから、それなりに非常に有意義な日曜日が送れるわけでございますが、そういう形になっておりませんので、それが可能なような態勢をつくりながら、週休二日制に臨んでいかなければならない。同時に、またおっしゃいますように、そういう意味の子供の時間の過ごし方、子供の将来にとって非常に大切だと。ことに団体活動などができますと、規律自由の中に責任も考えるようになるわけでございますから、非常な教育効果が私は出てくるのじゃないだろうかと、こうも考えるわけでございます。それが可能な社会にしていきたい、これがいま文部省が念願にしているところでございまして、ぜひ施設の整備に努力していきたいと思っております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 まあ、いまぜひその場ですぐにということにはならないかもしれませんけれどもね、さっき日本は教育水準が高いというお話でございました。それで私が尋ねましたのは、教育水準とは一体何かと、こういうところを考えていただいて、まあ、家庭がどう受け入れるかという問題、これは社会教育のほうにも関連がある問題でございましょうけれども、あるいは地域がどういうふうにそれを受け入れるか、この問題はぜひ考えていただかなければなりませんが、日本の国は六日間勉強しておりますから、だからこそ教育水準が高いんだという考え方は、私はどうも納得いたしかねるという面もあるわけでございますね。そういう点も十分お考えをいただきたいと思います。それに、たとえばこういう子供たちを学ばせるところ、いわゆる図書館の問題あるいは博物館の問題、あるいはスポーツをする施設の問題、こういったようなことにつきましても、よほどこれは文部省としてもお考えをいただかなければいけない問題じゃないだろうかというふうに思います。だから、それがそういう時代がくるのを待っているというんではなくて、そういう時代をつくるために私たちはどう努力をする、これが大臣の一番大事な問題ではございませんか。私は、それをぜひ大臣から、こういう週五日制になる、そうしたらあとの二日は子供についてはこう学ばせ、こういうように伸び伸び生きさせると、これを私は大臣からお聞きをしたい、こう思ったわけなんです。しかし、まあ、いまは時間もございませんから、すぐに、じゃその二日をどう過ごさせるということはむずかしい問題になるかもしれませんが、これを私は軸に置いてお考えをいただきたい。そしてその知育の水準と申しますか、こういうことについても広い視野に立って人間をつくるという意味について、こういう問題は御検討をいただかなければいけないのではないかというふうに思います。  で、先ほど余暇の増大について、健全な余暇の過ごし方をよほど詳しく内田先生のほうからお尋ねになったわけでございますが、最近、徐々に個体二日制を採用している企業もふえてきたわけでございますけれども、まだ日本人はその余暇をもてあましぎみであるということも考えられます。たとえばテレゴロということば、これは大臣御存じでございますか。それから雑踏の中へ飛び出す、こういうことではたして週休二日制というものの意義があるかどうかということを考えるわけでございますけれども、この余暇の健全な過ごし方に対してどのような構想を持っていらっしゃるか。これはひとつ社会教育局長さんからお尋ねをしたいと思います。

今村武俊文部省社会教育局長

○政府委員(今村武俊君) ただいま仰せられますように、テレビを見てごろ寝をしているといったような傾向が強くて、積極的にからだを使う、積極的に集団活動をするといったようなことが少のうございます。それで目下社会教育の上で非常に重要なのは、従来社会教育のリーダーと申しますか、指導者の点について手を染めるようなことがなくて、少数のボランティアに依存してきた傾向があったわけでございますが、昨年度から社会教育指導員の増員等につとめまして、今年度は二千五百名の指導員の報酬を払うことにもなりました。またつい先ごろは、大臣の御命令があって、社会教育審議会に市町村における社会教育指導者の充実強化のための施策について諮問をいたしました。そうして社会教育の指導者の拡充強化の方策を求めつつございます。また一方、社会教育研修所、その他都道府県教育委員会と連絡いたしまして、指導者がいかなる内容の能力を持つべきであるかということをみんなとともに研究を進めております。で、こういうことに精出すことによって、徐々にではございますが、現在はきわめて微力でございますので、徐々に力をつけていくことができるのではないかと考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私は、前の稲葉文部大臣が、社会教育主事の半額国庫負担の問題、五ヵ年計画ということをおっしゃいまして非常にこれはうれしいと、まあ数としては少ない数ではございますけれども、それでもその社会教育主事のそうした問題を半額国庫負担にするとおっしゃったときには非常にうれしいと思ったのです。ところがそれが見送られたという形になりまして実はがっかりいたしました。その見送られました理由でございますね。一体どういうことなんでございましょう、か、大臣から承ります。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 率直に申しまして私その仕組みをぜひとりたいと思っておりました。また私なりにそういう努力もしてみました。ところが事務当局間の折衝の過程におきまして、四十七年度から社会教育指導員三分の一ほどで、去年は千名設けられた。それもふやしていきたい。それを千名から二千五百名にふやす。そのかわりに社会教育主事は将来の問題に見送るということで話がついちゃったわけでございまして、たいへん残念なことになっちゃったなと私は言ったわけでございますけれども、ぜひ、将来、社会教育主事に有能な方々がなってもらう。そうしてやはりある程度市町村を回られていいのじゃないかと思うのです。そのほうが広い視野が生まれてくる。指導力を身につけてくる。また、補助制度をつくることによって、素質のある方がこの社会に入ってくださるということを私自身は期待しているわけでございまして、将来の問題としてぜひ実現させたい。そして社会教育の目玉、目にしていきたい、こう思っておるところでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 社会教育を進める上には、何といっても人と場ということになると思います。それで局長さん非常に御努力をなさいまして、公民館の問題もだんだんと進めていてくださるようでございますけれども、それにしましても学校教育、社会教育は車の両輪だといわれるのには、まだまだいまだしという感が非常に強いわけでございますね。で、先ほどの図書館の例、私はちょうど佐藤総理の最後の決算委員会でその問題を、図書館の問題を取り上げました。総理も非常にびっくりをされるような状態であったわけなんですが、なお、あんまり進歩していないようでございますね。ですからこの問題につきましても、私はよほどこれから考えていただかなければいけないのではないかというふうに思います。  で、最近、自治省は総額一兆五千億円というこの十ヵ年計画を打ち出しておりますね。これ文部省、こういうことを自治省が先におやりになったのですけれども、こういう問題は、文部省いかがでございますか。

今村武俊文部省社会教育局長

○政府委員(今村武俊君) 自治省の構想を聞かしていただきましてまことにけっこうなことだと思っています。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 これはけっこうでございますけれども、やはりこういう問題は社会教育のほうとしても十分これやってもらわなければならない問題だったと思うのです。どうも文部省は、これ大臣もほんとうに申しわけないのですけれども、文部省やそれから厚生省はどうもその大事なところであるのにもかかわりませず、ほかのほうに予算を取られ過ぎるというふうに私は考えるのでございますがね。大臣いかがでございますか。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省の予算も正直いいますと、毎年毎年前年の伸び率よりも高い伸び率を示しておるわけでございまして、特に文部省の公共事業的な事業だけ見ていきますと、一般の公共事業のこの十年間に五割ぐらいよけい伸びているようでございます。まあ、努力はしているのですけれども、かかえている範囲がたくさんあるものですから御期待に沿っていないと思うのでございます。ぜひ御期待に沿えるように一段と努力をしていきたいと思います。  自治省が、余暇の利用につきまして総合的な整備計画を立ててくれたわけでございますが、文部省の社会教育局、体育局なども自治省と話をして、文部省の保健体育審議会からもらいました答申、これが完全に実現できますように協力を求めているのでございます。やはり、政府間で力を合わせながら計画を立てて、それの完全な達成に努力をしていかなければならないと、かように考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 やはり、私は、この前の予算委員会のときに、縦割り行政というものは非常にぐあいが悪いんじゃないかということを申しました。そしたら、福田長官は何か禅問答のようなお答えをしてくださったわけでございますけれども、やはり、こういったあちらにもこちらにも関係のあるところというものは、やはり、タコツボ行政ではぐあいが悪い。ささら型行政にしていただいて、あちらにもこちらにも連絡のあるところは、ひとつのところにやっぱりちゃんとやっておいていただかないと、今度この余暇利用なんということについては、これは週休二日制になれば当然出てくる問題ですから、これは文部省としても十分考えていただかなければいけないのではないか。特に、先ほど私が申しましたように、学校五日制でもとることになれば、子供の週休二日の問題だって十分これは考えなければいけない問題だと思うんです。だから、そういうことについて、ひとつ、文部大臣は、こういうことがぱっと出たときに、どういうふうにお考えになりましたか。ちょっと承りたいと思うんです。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) 実は私、この案のできる過程におきましてもお話も受けておるものでございまして、積極的に大いにやりなさいよと、激励したものでございますが、文部省におきましても、先ほどちょっと触れましたように、週休二日制を頭においてもろもろの施設を整備したいということで、社会教育局や体育局が案を持っておるわけでございます。それをこちらのほうの協力も得ながら進めていくわけでございます。ぜひ、御期待いただいておりますとおりの施設が計画的に整備されていきますように努力を払っていきたいと思います。  御承知のように、自治省は、地方公共団体のお世話をやいているわけでございます。地方公共団体は、総合的な行政の運営について責任を負っている。文部省はおっしゃいましすように、縦割りでございましょう。その縦割りのいろんな注文を自治省や府県や市町村に受け入れてもらって、そして、総合的にも完全な計画になっていかなきゃならないと思いますから、縦割り、横割りを両方通じまして目的を達成させるということになるんじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 時間がございませんから、これで私は終わりたいと思いますけれども、自治省がこういう十ヵ年計画をお出しになります前の段階で、文部省はこの週休二日制を踏まえてこれを自治省以前にこういう問題をお考えになったでございましょうか。その点はいかがでございますか。

今村武俊文部省社会教育局長

○政府委員(今村武俊君) 私どもも事務屋でございますので、週休二日制が実施された場合、どういうぐあいになるかということを前提にいたしまして、いろいろ計算は出してみました。そして、昨年度もすでに社会教育振興五ヵ年計画案というのをつくって、そして目標を設定して、その目標に基づく計数をはじいてみて、そしてこういうことを基礎にして財務当局とも予算折衝もしましたし、折衝の根拠の数字にもしたわけでございます。ところが、御承知のように、現実の予算があまりにも少ないし、それからまた一ぺんに予算を伸ばしても、地方公共団体の関係者の理解がございませんと、結果としては、国民の税金のむだ使いというような形にもなります。したがって、現実はやっぱりそれを処していって、順に考えていかなければならないので、いろいろプランは立てながら、そして自治省の十ヵ年計画も参考にしながら、私どももプランを立てておるのでございますが、まだ、これを社会教育審議会等にかけて正式のものにし得ない悩みが現実にはあるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 先ほど、市町村に「青年の家」を一つずつぐらいはつくりたいと、こういうことでございましたね。これをやっていただけると私はたいへんうれしいと思うんです。ところが、そういうものをつくろうといたしましたときに、土地の問題がやっぱりひっかかってくるんじゃないかと思うんですね。その見通しはいかがでございますか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 「青年の家」を各市町村にぜひお願いしたいという気持ちは非常に大事なことでありまして、政府といたしましても十分考えてまいりたい。しかし、これはやはり各地方自治体の問題でもありますので、自治体の御協力を得なきゃならぬということも十分われわれといたしましても配慮せなきゃならぬと、こう考えております。とともにいまの土地の取得ということについては一番先行すべき問題でございますので、御承知のとおりに、新たなる土地対策の問題、税対策等の問題を踏まえまして総合開発法もぜひひとつ議決をいただきまして、そしてこれらに対するところの先行取得、土地の規制、これの利用計画等について立法措置を十分生かして行政指導をいたし得ます段階をぜひとも迎えたいと、こう考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしますと、この前のときに田中総理は列島改造の問題で、私は鳥になったつもりでちょこちょこと上から見て言ったんだというお話だったんです、私に対する答弁でございますね。ですから、そのことから考えましても列島改造論というのは、こういったような福祉施設もつくらなきゃいけないんだという形で空からこう鳥になったつもりで見ていただきませんと、どうも列島改造論の中には私はもっと人間の心を変えるということも触れてないからけしからぬと、こう申しましたら、第二巻を書きますと、こうおっしゃったんですけれども、その心の問題に触れるその以前の福祉の問題としましても、こういう週休二日制があるということになったら鳥になってもう一ぺん下を見おろしていただいて、どこにどういう施設をつくればよろしいかということをもう一回見直していただく必要が私はあるんじゃないか、これはまあきょう総理がいらっしゃいませんからちょっとお答えがいただけないんですけれども、しかし、この問題について総理になりかわっていかがでございましょうか。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 国土開発推進本部の副部長という立場でお答え申し上げたいと思いますが、御承知のとおりの都市に人口、産業すべてが集中いたしまして、ほんとうにまあ病的なほどスプロール化してしまっておる、この不幸を避けたいと、均衡のとれた国土開発をいたすべきであるというのが、このたびの日本列島改造の総理の大きな一つのアイデアであり構想であると、こう考えますときに、それをなしましてあらゆる施設を、いわゆる均衡のある施設を地方に分散するということの優先すべき問題は、やはり人間環境の整備をいたすということが優先する問題でございますので、そうした点から公害の問題あるいは施設の問題、すべてを考えなきゃならぬと、こういうことで政府は取り組んでおりますので、どうかそうした点をひとつ、いわゆる均衡のとれた、ほんとうに魅力のある地方のそれぞれの町が、村がつくられていくということで、いま御指摘になりましたような施設あるいはそうした場をつくってまいりたいと、こういうようなことに優先して考えておることを御理解願いたいと、こう思っております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 終わりますけれどもね。どうもあの列島改造論を拝見いたしました限りにおきましては、私は、そういうにおいをかぐことがむずかしゅうございます。ですから、いまそういうお答えでございますから、ぜひそういう面に力を入れて、これからほんとうに国民がなるほど福祉国家になったなというような気持ちで喜べるような、そういう施設がまずまず先につくられていく、私はどうも福祉と言うんだったら福祉に使う予算にしましても、福祉に使う予算を先取ってあとそれをやるために経済はどうあるべきかというのなら私はなるほどと思うんです。ところが、やっぱり経済のほうが先になってということになりますと、経済社会基本計画のほうが先に出ちゃって、あとで社会福祉計画ですか、そういうものがことしじゅうにつくられるというのも多少本来転倒ではないかということを思うんです。だからそういう基本計画、そういう政府のお考えが、私はどうも列島改造論とおっしゃっても、これは福祉のためにつくられるものは、そんなにたくさんないという感じが私にはいたします。だから、きょうはたいへんいい御答弁をいただいたわけなんです。だからぜひ、この青少年というものをほんとうに愛するというお気持ちなら、なんじの国の青年をわれに示せ、われなんじの国の前途をトさん、こういうように、青年をりっぱにするためには、いまおっしゃったように、ほんとうに社会教育の予算は少な過ぎます。だからもう少しがんばっていただいて、もうたっぷり予算も取って、ほんとうに青年のための施設をどっさりつくっていただきたい。そういうことをお願いをいたしまして、質問を終わります。決意のほどをちょっとお聞かせください。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 決意を申し上げます。ものの豊かさを喜ぶ前に、日本民族としての心の幸せ、心の豊かさ、心の貧乏を排除したわれわれの国民生活を取り戻すということが、このたびの日本列島改造の最終の目標であるということだけは、ひとつ御理解願い、さような方向に向かうことの決意を申し上げて御理解願いたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そんなことおっしゃったら、私は言いたくなりますよ。そんなことおっしゃらないで、正直に、総理もお認めになった、だからこそ第二巻を出しましょうと、私にお約束になった、そういうことをお考えになって、やはりそれはいまのような線に沿ってやるんだ、日本列島改造論はちょこちょこっと書いたから、目標にはなってない、目標を逸したのだと、総理がみずからおっしゃっているんですからね。だから、そんなことおっしゃらないで、もう少し正直にお答えをいただきたいと思います。

坪川信三自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(坪川信三君) 十分拝承いたしまして、その方向に努力いたします。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 終わります。

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) ほかに発言もなければ、質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野鎮雄自由民主党

○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時二分散会      —————・—————

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