P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
71回国会参議院1973/06/15

物価等対策特別委員会 第6号

発言数
93
登壇者
16
会派数
3
開催日
1973/06/15

会議録

山下春江自由民主党

○委員長(山下春江君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。  生活関連物質の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案、生活関連物質の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 企画庁長官にせっかくきょうもおいでいただきましたから若干御質問を申し上げて御意見を承りたいと思いますが、御承知のように、昨日ニクソン大統領がアメリカのインフレ退治をやるということで、物価の凍結六十日間ですかというものを出してまいりましたし、そのほかにもいろいろな対策を出してきたわけでありますけれども、この措置が日本に一体どう影響してくるかということでありますけれども、特に物価関係に及ぼす影響というような点について、企画庁長官としては、いまの日本の物価情勢に対してプラスになってくるのかマイナスになってくるのか、こういう点はどのようにお考えでございますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの御質問にお答え申し上げまするが、ニクソン声明の一番のねらいというものは、国内のインフレに対してアメリカ政府が非常な強い姿勢で取り組むというところにあるわけでございますけれども、国外に対する影響というものについては、むしろそれほどに考慮が払われていないのではないかというふうに思われますので、一部の新聞等には国外に対する影響はあまり考慮されていないというふうにいわれておるわけでございます。  わが国としまして一番心配なのは、輸出、特に穀物関係の輸出の問題でございまするが、幸いに農林省等の把握している状況では、すでに契約をしているものについてはこれを変更する気持ちはないと、こういうことでございます。アメリカの物価を凍結するという考え方も、やはりこれを下げていくという基本観念に基づいておるわけでございまして、その意味で、農作物の生産調整、これは相当にゆるめていくというふうに考えられるのでございまして、先般もこの席で申し上げましたように、財務長官の話でも、小麦の作付は順調にいったと、大豆もそうである、トウモロコシは懸念されたがそれもよくいったというふうな話で、かなり制限を解除しつつも、しかも順調に作付が行なわれているということでございまするから、われわれの輸入している小麦とか、大豆とか、あるいはトウモロコシとか、あるいはコウリャンとか、そういうようなものにつきまして、すでに契約が相当進んでおるので、この点はあまり影響はないのではないかと、むしろわれわれとしてはないことを心から願うわけでございますが、そういうふうに思うわけでございます。私の知っておりまする範囲では、小麦は大体十一月ごろまでのものがすでに買い付けてある、大豆は十二月分まで買ってある、こういうふうに承知しておるわけでございまして、それらが順調に入荷すれば、その後の作付はいま申し上げたようなことでさらによくなってくるわけでございますので、この点ではよろしいのではないかというように思うわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 きのうあたりの商品市場を見ますと、アメリカから輸入される穀類、こうしたものの相場が非常に高騰しています。これが直ちに現物相場に具体的に響くかどうか、これは今後いろいろな問題点はあろうと思いますが、今度の法案を出された当の責任官庁として、おそらくこういう情勢が続いてくるということになりますと、やはり投機あるいは買い占め・売り惜しみというような情勢というものが再び出てくるのじゃないか。それがこの前ほど大きなものであるかどうかはわかりませんけれども、たとえば大豆にいたしましても、アメリカ大豆はいまおっしゃったとおりでございますけれども、たとえばとうふ原料として最適な中国産大豆なんかの輸入というのはあまり期待できないというような報道をしているわけでありますが、そうなってまいりますと、とうふに最適な大豆というようなものについての現物の買い占め・売り惜しみというような問題が一体出てくるのか出てこないのか、この辺がたいへん心配をされるわけであります。それに対して、私は、金はだぶついているんだし、そういうことになりますれば、ある程度の買い占め・売り惜しみというのは当然出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのですがね。これは企画庁長官としての見通しは——なるほど、物は、いまおっしゃられたように、十一月あるいは十二月まである、こういうふうに言われるのですけれども、これは一体どういうふうに考えたらいいのか。これは農林省もお見えになっているでしょうから、長官でも農林省でもどちらでもいいんですけれども、どうもこれだけ大きい規制というものが出てくると、何かそういうインフレマインドのところへ締められてくるという感じがある。ただ、輸出規制も、具体的にどういうふうに規制されるのかというのは、まだ新聞で報道される限りわからないわけですね。全面的にもういままで契約した以後のものは契約されないのかどうなのか、あるいは全面的にストップになるのか、ある程度の量を規制してある程度のものは引き続き契約ができるようになるのかどうか、こういうような点もあんまり明らかになっていないような感じがするわけです。そうなってまいりますと、やはり、この際少しでも大豆を買っておこうとか、あるいは飼料を買っておこうとかいうことになるわけであります。たとえば、これは新聞報道でありますからよくわかりませんけれども、あるいは若干山をかけて話しているのかもしれませんけれども、たとえば日清製油の会社の話ですと、油のストックですか、これは一カ月しかないということがいわれているわけですね。そうなってまいりますと、油というのは、夏は需要期だかどうか私はよくその辺はわかりませんけれども、よくお中元に油が使われるというところを見ますと、やっぱりある程度油というのは夏は需要が上がってくるんじゃないだろうかというふうに思われますけれども、中元の油はほとんど出荷済みだという話でありますから、お中元用の油は上がらないにいたしましても、しかし、これは小売り段階で上げるかもしれませんし、そういう形ではどうも物価、特に小売り物価に対するかなりの影響というものが出てくるんじゃないだろうか、こういうように思うのですが、それは、先ほど企画庁長官のおっしゃったように、とにかく十一月ないし十二月までは品物は契約分を含めてあるんだから、もう物価がこの要因によって上がることはないと、そういうふうに楽観的に——私はたいへん楽観的に受け取ったわけであります。どうも、実際問題はそうじゃないんじゃないか、そんなに楽観は許されないんじゃないかという気もするんです。その辺、ひとつ、どちらでもけっこうですから、的確にお答えをいただきたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 先のことでございますけれども、私はたいへん楽観論を申し上げているようで、あるいはおしかりをいただくかもしれませんけれども、何とかこの状況を大きく変化させたくないという気持ちは根強いわけでございまして、またそれが可能であるというふうに考えておるわけでございます。先般の投機がしょうけつをきわめ、世間の指弾を受けましたときには、非常な過剰流動性が存在しておったわけでございまして、あのだぶつきというものを背景にして国内需要も非常に強い、だから商社が非常に買いあさったという状況でございますが、今日では、その高いところをつかんだ者が非常に困っておるということもまた現実でございます。あの貴重な体験を基礎にいたし、しかも、その後私もやかましく申しまして、かなり金融関係も引き締まってきたように思いまするので、ああいう状況はないのではないかというふうに思っておるわけでございます。  また、アメリカのインガソル大使と私は直接会ったわけではございませんが、仄聞するところによりますと、日米の友好関係というものについては十分に配慮をしておるんだからというようなお話をされたやに聞いておりまするのでございまして、特段の大きな変動というものはこちらの態度によってはないのではないか。こちらがいわば一犬虚にほえて万犬実を伝うるような非常な騒然たる状況になれば知りませんが、それはこちらの問題であって、われわれが努力してそういうことをしないようにするということが大切であるというふうに思っておりまするわけでございます。  それから小麦の問題にいたしましても、これは確かに価格は上がってくるわけでございますけれども、しかし、私は、けさの閣議でも申したのでございますが、小麦というのは食管を通しているわけでございまして、米審で小麦の払い下げ価格を近くきめるわけでございますが、これはひとつぜひ上げないという方針できめてもらいたいというふうに、政府としてはそういう話をしてもらうように、決定は米審の決定になるわけでございますが、そういうことを強く申しまして、閣議でも了承されているようなことでございまして、問題は、物価を上げないということにわれわれがみんなでこれはもうほんとうに国民的な基盤において上げないように努力するということによって、このアメリカの措置が日本に大きな影響を持たないようにすることができるというふうに思うのでございます。  それから大豆の問題では、中国等の合意によっていろいろ入ってくるわけでございますが、こちらで、実は、生産者中心主義というか、中国の安い農産物が日本に入ったんじゃ困るんだというふうな声があるわけでございます。これは実は妙なことでございまして、中国側でペイする価格であれば、日本はそれを受け入れたらよろしいと思うのでございますが、そういう点で、安いものを中国が入れてくださるならば、われわれは喜んでこれを受け入れてそうして物価対策上これを有効にテコとして使っていくということを考えたらよろしい、かように考えておりまして、輸入もアメリカだけではございませんので、他のあらゆる国との間に、できるだけ安いものを入れるというくふうを同時にやっていくべきであるというふうに思っておる次第でございます。

澤邊守農林大臣官房審議官

○政府委員(澤邊守君) 今回のアメリカ政府の穀物を中心といたします輸出規制措置につきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、具体的な内容、方法、品目等は、これからでございます。輸出規制を行なう権限を政府に付与するようにアメリカの国会に対して要請をしておるというふうに聞いておりますので、今後、はたしてどの程度の範囲の品目がどのような方法で規制が行なわれるかあるいは行なわれないのかという点は、今後の推移を見なければ判断できないわけでございます。今後、具体的な措置が行なわれる過程におきまして、わがほうといたしましても、アメリカ政府に対して種々要請をして、わが国がアメリカの農産物の輸出市場として最大の顧客であるという点を十分尊重してほしいという態度で臨みたいと思っております。  先ほど企画庁長官からお答えがございましたように、当面の先物の手当て、在庫等は、年内、あるいはものによっては十一月なり十月分までは一応確保しております。すでに成約のできております既契約分につきましては十分尊重するということを言っておりますので、当面は不安がないというように考えておりますが、先生の御心配いただいておりますような投機あるいは買い占め・売り惜しみ等のことのないように、ただいま申し上げましたような実情をできるだけ国民の方々にも御理解をいただくとともに、必要によっては他国からの輸入の促進、積み出しの促進、あるいは国内生産物の出回りの促進というようなこと、あるいは商品取引上におきます規制措置の一そうの強化、商社に対します協力要請とかいうようなことを必要に応じてあらゆる手を活用いたしまして、御心配のような事態にならないように全力を尽くしたいと思っております。その意味からいきましても、ただいま御審議いただいております法案が成立いたしますれば、新しい法を活用いたしまして徹底した指導をやりたいと、そのように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、お話を聞いていて、抽象論、楽観論、期待論、こういう形に一応終始しているような感じがするんですが、金融が引き締まったといえ、必ずしもこれは、まあ相対的な問題であって、はたして十分に金融が引き締まっているかということになりますと、これは日銀総裁も言っているし、あるいは愛知大蔵大臣にしても、いままでの金融引き締めというのは十分じゃない、まだ企業の手元流動性はある程度あるんだ、こういうふうに言っているわけです。したがって、すでに御承知のように七−九のこの三カ月間の窓口規制というものもかなり予想された以上の引き締めというきつい引き締めになっているというのは、反面にはやはり過剰流動性がまだ消えていないということを示していると私は思うのです。また、日銀総裁も、公定歩合の引き上げについても必ずしも五月三十日の第二回目の公定歩合の引き上げを最終だというふうには言っていないわけです。こう考えてみますと、どうも経企庁長官のおっしゃる金融引き締めはもうオーケーなんだということには私はならない。そういう点では投機というものが全然起こらないというような金融情勢では必ずしもない、こういうことが言えると思います。もちろん、ことしの初めに起きたようなああいうようなきわめて大規模な投機というものは、あるいはないかもしれぬ。しかし、小規模な投機というもの、あるいは小売りの段階に近いところでの小規模な投機というものが一斉に行なわれる、そうした点に対する小売り物価の引き上げというものは当然起きてくるのではないだろうか、こういうふうに思われるのですが、それに対して具体的にどのような手当てがされているか、こうした点も早急にやはり手が打たれるべきである。何らかの形でそうしたものが起こらないような具体的な措置がさっそくにも打たれていかなければならないと私は思うのです。それでなければ、やはり一番末端の小売り価格というのは必然的に上がってくる、こういうふうに私は思うのですが、そういう措置ということについては、打たれているのか打たれていないのか、これは企画庁あるいは農林省で具体的にどんな手を——二十四時間くらいのものでありますけれども、この間にやはり私はいまの段階では打つべきであると思うのですけれども、そういうお話は聞けなかったというのは非常に残念です。  それから、農林省では、具体的にアメリカがどうしようとしているのか、向こうの発表を待たなければわからないというふうに私には聞こえるわけです。私は、もっと積極的に、アメリカにだって日本の在外公館があるわけです。もっと積極的にいま手を打たなければ、やはり日本の国内の物価情勢にもいし影響は及ぼさないと思うのですがね。農林省は、在外公館に具体的にどういう手をいま打っているのか、この点をひとつ明らかにしてほしい。  以上の点について、ひとつ両者からお答えをいただきたい。

澤邊守農林大臣官房審議官

○政府委員(澤邊守君) アメリカにございますわが国の大使館を通じてどのような手を打っているかというお尋ねでございますが、農林省といたしましては、昨日から何回も電話で連絡をとりまして、まず実情の把握に最大限の努力を尽くしております。だんだんわかってまいりましたけれども、先ほど申しましたように、輸出規制につきましては、現在直ちに発動するということではなくして、まず権限を包括的に経済安定法の改正によって政府に与えるということを現在要請しておるわけでございまして、われわれの得ておる情報によりますと、なおそれが成立するまでには若干の時日がかかるようでございます。それが成立いたしまして、しからば大豆について適用するのか、あるいは小麦にも適用するのかという点は、今後の推移を見ながら、と申しますのは、昨日のアメリカの措置によりましてもう一つ行なわれておりますのは、主要な農産物——穀物だけではございませんが、主要な農産物につきまして商社に報告義務を課しております。これはすでに商務省の省令改正によって適用されておるというように聞いております。第一回が六月十三日現在の契約を二十日までに政府に報告をする、それを今後毎週報告をするということがすでに実施に入っておるように聞いております。これをアメリカ政府は見ながら、どのような輸出契約が行なわれるかというようなことを見ながら、また、七月の初めにアメリカが今年度の農産物の作柄予想を中間的にまとめることになっております。それが七月の十日ごろにはおそらく発表されるのではないか。その辺を見た上で具体的な規制措置、と申しますのは、品目の範囲をどこまで広げるかということ、それから規制措置の方法、これは禁止ということはまずないのではないかというふうにわれわれは想定しておりますけれども、そのために割り当て制度をしくのかしかないのか、その割り当てのやり方をどうするのかというようなことを、報告義務を課したことによって輸出の動きあるいは先ほど申し上げました国内生産の見通しがある程度ついてきますので、それを見た上で順次決定をしていくのではないかというように見ております。その決定が行なわれるまでわが国として手をこまねいておるというつもりもございませんので、今後日本としてどのような要請をアメリカ政府に行なっていくのかということは現在検討いたしておるところでございます。昨日のアメリカ大統領のテレビ放送を見ましても、主要な各国とは協議をして実施をしていくということを申しておりますので、最大のお得意さんであるわが国との話し合いの場は十分に持ち得るのではないかと、それに対するいろいろ検討を進めておるところでございます。

小島英敏経済企画庁国民生活局長

○政府委員(小島英敏君) ああいう事態が発表されますと、やはり仲間相場というものはどうしてもそれを反映してある程度上がることはやむを得ないと思いますけれども、私どもがやっぱり注意をしなければいけないのは、消費者自身がそういう動きに動揺して買い急ぎをするということになりますと、これはまさに消費者価格の上昇につながるわけでございますから、幸い、いまの段階では、農林省から先ほどもお話がございましたように、当面の既契約分で十分年末近くまでカバーできておりまして、そこから先の長期的な問題は、確かに、アメリカの作柄がどうなるかということとか、それからそもそもアメリカがどういう具体的な措置をとるかということ七影響してくるわけでございますけれども、これらはやはりかなり長期の、長期といいましても今年末から来年にかけての問題でございますから、当面は何しろ既契約分がたっぷりある限り心配はないということは、これは十分消費者のほうに情報を提供いたしてまいりたいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 情報を提供いたしますというのですけれども、やはりこういう時期というのが上げるには非常に便利のいいときですわな、いろいろな問題を。先のことはどうなろうと、そのときの情勢で、商人の方というのは、ちょっと先行き不安だということになると、こうちょっと上げるということになると思いますね。しかし、あなたは何か消費者が買いだめをするというのですけれども、品物を見ますと、洋服の生地じゃありませんし、布類じゃないし、そんなに、私、最終末端の消費者が買い急ぎをするというようなものはあまりないと思うんですよね。えさだって最終の消費者が買いだめするというわけにはいかぬだろうし、牛乳だって最終の消費者がそんなに買いだめするわけにいかぬ、卵だってそう買いだめするわけにいかぬ、ブロイラーだってそう買いだめしておくというわけにはおそらくいかぬと思うんですよね。ですから、どうしても私は末端の商店のほうに消費者じゃなくて、売るほうの販売態度といいますか、むしろそこに問題が出てくるのじゃないかと思うんですよ。ですから、やはりいまこういう時期でありますから、そういう推測だけで問題を処理しているということは私はあまり適切な措置じゃない、何らかやはり政府側からの情報というものを提供するというならば、もっと大々的な提供があっていいと思うんです。そういうものもあまり聞こえてこないわけですから、何ら具体的にこうした情勢があっても企画庁としても、物価担当省としても、どうも積極的にすぐ手を打つというようなことはちょっと見られないわけですがね。私は当然何らかの形できょうあたりはかなり新聞あたりに大きな手が打たれているのではなかろうかと思ったわけですが、いまのところそういうものがどうも打たれていないようです。何かそのままで推移をしているという感じがしてならないわけですが、いままでのままでこのまま推移をしていくんですか、どうなんですか。何か手をこれから打とうと考えておられるんですか、どうなんですか。私は必ず上がってくると思う。それは算術計算でいくと、なるほど十一月あるいは十二月まで確かに物資の供給は困らないということであろうかと思うのですが、それだけじゃないと思うのですがね。局長、それでずっといくつもりですか。何か手を打つ考え方があるけれども、まだ手が打てないというところですか。どうなんですか、その点。

小島英敏経済企画庁国民生活局長

○政府委員(小島英敏君) やはり、消費者が買い急ぎをするといいますのは、先生おっしゃるように何でもかんでもでございません。おそらく油ぐらいではないかと思います。油みたいなものをいまのうち買っておこうかというようなことが場合によっては考えられるということで、ほかのものはなかなかおっしゃるようにそう買い急ぎをするような適した品物がないと思うのですけれども、当面何をやるかというお尋ねでございますけれども、やはりそもそも今度のアメリカの措置によって具体的にそれがどうあらわれるかということがあらゆる情報判断の前提であると思います。したがいまして、いま農林省からのお話にもございましたように、まさにアメリカ自身が最終的にはっきりしない点がある、こちらの出先の大使館の人でもどうも具体的にわからないというのがきのうの話なものですから、その辺の話はやはりこれから農林省、外務省を通じて事実を、ファクトをなるべく正確に早くつかまえて、それに基づいて消費者に十分流していくということが必要であろうと思います。現在の段階で、よくわからないけれどもだいじょうぶですということをあまり大々的に言う時期でもないように思っておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、その辺の打つ手が、確かにおたくのほうは具体的な資料がなければできないかもしれまもんけれども、いまの時期というのは私はそういう時期よりもう少し状態としては進んでいるように思うんですよ。とにかく値打ちがあるかないかわからないけれども絵だといえば飛びつくという、あるいは貴金属だといえば、それがどういう貴金属であろうがなかろうが飛びつくというようなマインドがあるわけですね。ですから、そういう科学的なものも確かに必要であろうと思いますけれども、マインド的なものが、それを冷やしていく措置というものが何らかの形で一方でとられないと、私はやはりその方向に行くんじゃないかと思うんですよ。そういう点で、数字を並べるだけが私は冷やしていくための手じゃないと思うのです。やはりかなり私は新聞紙面を見まして動揺というものはあると思うんです。ないというわけはないと思うんです。その点をひとつ手を打っていただきたいと思うわけでありますけれども、農林省としては、こうしたものがきのう突然に降ってわいたような一体事態なんですか。それとも、何らかの形でそういう動きというものを事前に察知したのか、あるいは察知できなかったのか。この辺は、アメリカは日本に穀物あるいは飼料類というものは一方的に売ってくれる、あるいは押しつけでも売ってくれるというような形だけの考え方でいたのじゃないですか。したがって、いまになってかなりいろいろな点で実情把握しなくちゃならぬ。そういう点では実情把握はおそらくおくれるということになってしまうと思う。そうすれば、情報を流すほうも結局はおくれてしまう、こういうことになると思うのですがね。どうもいままでそういう点でアメリカ一辺倒、アメリカを信じ切っていた、間違いないと、こう思っていたというそういう態勢があったのじゃないですか。どうなんですか、事前に十分にそういう情報というものを得ていなかったのじゃないかという感じがするんですが、どうですか。

澤邊守農林大臣官房審議官

○政府委員(澤邊守君) アメリカ政府はわが国に対しましては非常に安定した供給源だから心配してくれるな、安心してくれと、こういうことをしょっちゅう売り手でございますから言うわけでございますが、われわれといたしましては、昨年の夏以来の世界的な穀物需給の逼迫、価格の高騰という事態に対しまして食糧をできるだけ安定して供給するということのためには輸入の安定をはかるということが重要でございますので、アメリカ政府の言っていることをそのまま信用してそのとおりに安心しておったわけではございません。実は、二、三月ごろからすでに一部の農産物については端境期——これから大体端境期に入るわけでございますが、端境期ごろに輸出制限措置がとられるのではないかというようなうわさもないではなかったわけでございます。さらに、ここ一カ月以前ごろからは新聞にもちらちら出ておりますので、われわれといたしましては、ことしの初めごろから特に食糧庁が扱っております小麦とか大麦とかいうような食管物資につきましては、従来以上に先物を手当てをするということを努力をして在庫もふやしておるわけでございます。民間におきましてもそのような穀物情勢を前提として例年よりは先物を買う、在庫をふやすというようなことをいたしておるわけでございますので、具体的な内容についてはまだ不詳な点もございますし、今回この程度のものが行なわれるかどうかという点につきましてはっきり予想したとまでは申しませんけれども、そういう心配はあるというのでかねがねそれに対しますできる限りの対策は講じてきたつもりでございます。  なお、先ほどのお尋ねに関連してちょっと加えさせていただきたいのは、とりあえずは先行きに対する不安感を解消するということが一番大事であろうということでございますので、先ほど企画庁長官から御説明いただきましたような政府なり民間の在庫あるいは先物の契約状況等につきましてなるべく国民の方に明らかにして事態を理解をしていただくということが不安感を解消するために非常に必要なことであろうというので、きょう新聞記者発表でも大臣からそのような発言をされておりますし、近く別の方法をとりましてさらに詳細に実情について国民の方にわかっていただくような方法をとりたいというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がありませんけれども、日本の食糧政策あるいは飼料輸入政策というようなものが世界的な異常気象といいますか、そういうものも一段加わってくるということになりますと、やはり日本の農業政策そのもののあり方あるいは輸入政策のあり方というようなものを何らか検討し直すということが早急に私は必要だと思うのですけれども、そうした面ではどういうふうに農林省としてはお考えになっておりますか、簡単にひとつ……。

澤邊守農林大臣官房審議官

○政府委員(澤邊守君) 昨年来の世界の穀物需給の基調の変化、これは将来どうなるだろうかという点についてはいろいろな推定、推測がございますけれども、われわれとしては、戦後二十数年来、過剰基調下で安値で買い手市場で買い得たというような事態はやや変わってくるのではないかというように、どの程度変わるかについていろいろ議論はございますけれども、単なる一時的現象とだけで言い切れない面が残るのではないかというふうに考えまして、かねてから長期の生産目標の試案等も昨年秋出しまして、国内で生産できるものはできるだけ国内で確保していく、しかし、気象条件その他あるいは価格面におきましても国内で生産は無理だというようなものにつきましてはできるだけ輸入の安定をはかる、そのためには長期協定を結ぶとか、あるいは輸入先を分散するとか、場合によっては開発輸入ということも考えるとか、あるいは輸入物を中心といたしました備蓄を強化するというような点につきまして現在検討を進めております。鋭意検討努力しておるところでございます。まだ結論という段階には至っておりませんが、省をあげて検討しておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ、農林省の方はよろしゅうございます。  公取委員長がお見えになりましたから公取委員長に伺いたいと思いますけれども、公取委員長は、この物価の値上がりに対して、公取の果たしてきた役割りというものは正しかったかどうか、間違いはなかったかということについて自信がありますか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 御質問の趣旨は、おそらく不況カルテルのことをおっしゃっているのじゃないかと思うのですが、そもそも、公取自身は、物価政策の物価総合、物価の全体を規定するような、つまり総需要をどうするとかというふうな問題については責任を持っておるわけではございません。そのようなつまり権限もございません。ただし、昨年の不況カルテル、一連の不況カルテルにつきましては、たとえば鉄鋼の不況カルテルを十二月末認めたことについて時期がおそ過ぎたのではないかという非難を何回も受けておりますし、私どもも、十一月半ば以降の市況を考えてみたときに、生産を制限するどころか、むしろ大いにふやさなければならぬ、カルテルをその場で打ち切るというよりも、もうカルテルは目の前にもう十二月で切れることになっておりましたから、その限りにおいては私どもは鉄鋼業界にものを申すことができたわけです。そうして、そういうわけで、業界に対して、全く反対でございますが、増産を要請する、緊急増産で百万トンを増産してもらいたいというふうなことを公取としては不況カルテルの中にありながら全く矛盾したことを言っておる。矛盾しているけれども、私どもはそうすることが当然の責務であろう、適当であろうと考えましたのでそういうふうにいたしました。ですから、そういった点について、物価問題について全く責任がないとは申しません。しかしながら、現在においてもなおかつ需要の強さは衰えないどころか、むしろさらに上回っておる、増設分があるにかかわらず、価格の騰勢は一時下火になったんですが、また強くなっておりますから、そういう点では総需要の問題が根底にある、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 カルテルというのは、たしか粗鋼生産のカルテルというものは六カ月、六カ月二回にわたって私は認可したと思うんですね。一年じゃなかったと思うんですね。十二カ月じゃなくて、六カ月、六カ月、二回じゃなかったですか。その点はどうだったですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 最初のカルテルは鉄鋼の場合に六月で切れております。七月以降半年間の延長を認めたわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 しかし、公取というのは、経済情勢をどうこうするという権能はないですね、これは。しかし、経済情勢を分析して、これから一体見通しがどうなるだろうかということの分析はやるのでしょう。これも公取はやってはいけないのですか。私は当然それをやっていいと思うのです。ですから、経済情勢をずっと見ていきますと、私みたいなしろうとでさえ、新聞の情勢をずっと見ていけば、すでに去年の一月において日銀は景気は底から上向きになったということをはっきり宣言をしていますね。ですから、私どもとしても、景気はもうかなり回復してきたということを去年の五月、六月ごろには言えたわけですよ。公取としてはもっとそういう点では経済関係を分析できる立場に私はあると思う。それでいながら七月からさらに六カ月間延ばした、その結果はどうですか、ことしの鉄鋼各社のもうけは。たいへんなもうけじゃありませんか。ついに通産大臣は、配当をこんなに多くしちゃ困ると配当の制限をすら指示せざるを得ないほどもうけているじゃありませんか。これは今度の三月期決算だけじゃ私はないと思う。すでに昨年の九月期においてもそうした面では利益の価格効果というものはたいへんあった。それはあなた方は知っているはずだ。それにもかかわらず、引き続き——それは要請したかもしれませんよ、要請したってそんなものは必ずしも聞かなくちゃならぬという問題じゃないわけです。私は、そういう点では、鉄鋼、あるいはビニールあたりもそうであります、全く見通しを誤った、それが今日の状態において鉄鋼の価格を引き上げ、さらに鉄鋼の品不足という事態を招いていると思う。そういうものについての反省というものはあまり感じられないわけです。私は当然もっと反省があってしかるべきだと思うのですが、どうなんですか、それは。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) ですから、私どもは、反省という点においては、見通しを誤った。しかし、その見通しについて、しからばいまおっしゃいましたように六月の時点にすでに相当な好況が予想されたとおっしゃいますが、であるとすると、これは公取として全体の景気動向をみずからこまかく分析するほどの能力は持っていません、これは実態として。ただ、鉄鋼についてはたして事情はどうであるか、これは通産省の意向なども十分それは参照しなければなりません、専門に見ておられるわけですから。そこで、鉄鋼そのものについては、まずその時点においては非常に稼働率が一般に低かった。高炉メーカーも、これは七〇%前後、せいぜい七〇%程度であって相当な設備余力があって、そうしてほんとうの意味の不況からは脱却しておらない。その後の鉄鋼会社の営業の伸び率は非常に高いのです。一年前と比べるとまるで違った様相になっておりまするが、それは主としては稼働率が非常に低く、つまり購入が非常に少ないために不況にあえいでおったというのが実態でございまして、厳格な決算をすれば赤字になるというふうなものもあったが、全体を通じて見るととんとんぐらいでしょうけれども、対象品目として取り上げたようなものについては、粗鋼ベースで全体をならして見ますが、必ずしも成績が上がっていたというふうには見られません。これは六月の時点においてはそうであった。延長の申請を行なったのは六月でございますから、その時点で鉄鋼だけの需給見通しとしては決してそんな明るいものでなかったということだけは言えると思います。つまり、それは見通しの誤りでございますが、なお全体の景気動向については円に対する対策が一番重点に置かれおったものと私は思いますが、いまでもそうであると思いますが、つまり、政策の今日の誤りといいますか、私ども言うのは僣越でございますが、当時政府一般が予想していたよりは、今日の景況はまるで違ったものになっておる。これは争えない事実だと思いますから、六月の下旬になって公定歩合の最後の引き下げを行なった。四分二厘五毛というかってない低い公定歩合を実現したのは実は六月の下旬でございます。そういうところを申しますと、これは明らかに景気刺激のためにそういう政策を金融面から行なったものと私どもは判断をせざるを得ません。その当時の先行きの見方については、結果は違っております。政府も私は違っておると思いますが、はっきり申しまして今日のような過熱的な状態をおそらく予想した者は政府側には少なくとも少なかったんじゃないかと思います。公取といたしましても、そういう点については見通しを誤っておりまして、その辺は私は否定はいたしませんが、全体の景況の問題についても、六月の下旬に公定歩合が一段と引き下げられるような情勢であったということは、私ども公取として全体の景況を判断する上においては、そういう点はやはり参考にせざるを得ない、こういうことでございまして、何ら反省しないとは申しません。まあ見通しを誤ったということだけははっきり申し上げます。しかし、全体としての景況判断は公取の独断だけでそうなったものでないということも御容赦願いたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 何かちょっと人の省に責任をぶっかけて、そのために自分のほうが見通しを誤ったという、他人に責任をおっかぶしているような立場なんですが、私はもっとそういう点は公取というのは一つの独立の政府委員会でありますから独自な判断をして一向にかまわないと思う。そういう点では、ひとつ、もし人がないというなら、人をふやしてもらったらどうですか。確かに公取委員会の各出先へ行きますと、これは、私、たいへんだと思います、見ていて。全く一人の人が何役か兼ねて、残業のない日はないぐらいにやっているんですから、それは確かにたいへんだということはわかりますよ。たいへんであるならば公取委員長みずから声を大にして定員要求をなすったらどうですか。他の省庁に責任を転嫁して自分の誤りをそっちへ転嫁するというようなことは、私はあまりおもしろくないと思う。まあ一応見通しを誤ったということで白状なさったから、そういう意味ではその後の施策というものも正しくなかったということにこれは当然なろうから、まあそのくらいにしたいと思うのですけれども、高橋委員長はときどきたいへん景気のいいラッパを吹きますけれども、ラッパは盛んに吹くんですけれども、どうも実行がそれに私は伴っていないように思うのですがね。たとえば再販問題にいたしましてもそうです。私は、再販問題なんというのは、もうほんとうに再販商品というのは限定してしかるべきだと思うのです。いまの消費者は、戦後、戦争直後のような何でもかんでも商品にかぶりつくというようなそういう時代ではないと思う。商品選択についてもいろいろな運動もありますし、かなり細心に分析をしながら私は商品というものを買っていると思うのです。そういう点で、再販制度の問題、あるいは中小企業安定法、あるいは中小企業の団体に関する法律、こうしたものもいまの時期においては若干見直してしかるべきだ。いままでのものを安易に続けていくというやり方は、競争条件をあるいはなくしてしまっていままでの安易な惰性に流れる、こうしたものもないわけではないと思う。こういう問題についても、私は、かなりの程度見直してみる、こういう必要があろうと思うのです。再販価格についてはもうかなりの程度私は縮小すべきだと思う。こうした面で再検討の時期に入るべきでありますし、それは独占禁止法にいたしましても、いままでは独占禁止法の改正というようなことを手を出すと、むしろ大企業のほうから独占禁止法の骨抜きをねらってくるという点がありましたから、独占禁止法の改正についてはへたに手をつけられなかったと思うのですけれども、私はいまの時期においては独占禁止法というものをもっと強化をすべきだと思う。たとえば、寡占価格、管理価格、こうした問題についても、さらに規制をしていくというような措置も私はとるべきだと思う。公取としては消費者パワーをバックにして一番いまそうした消費者行政をやりいい立場に私はあると思う。この間の渡辺委員の御質問にもその点があまりはっきりしませんでしたけれども、こうした自由競争を制限するような諸問題、一連の問題をここでひとつ徹底的に見直してみる、こういうお気持ちはございませんか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 私は非常にラッパを吹くというふうに、これはまあ見方でございますが、たとえば再販問題については、先般ある特定の新聞に再販問題が私の写真入りでトップで出ました。私は一回もそのことについて面接もいたしません、記者会見でもこれは話しておりません。だから、その点をおさしになるとすると、これは再販問題については私は昨年以来触れていないのです。昨年、これは定例記者会見のときだったと思いますが、再販問題についてはできるだけ早い機会にやりたいと思うが、かなりめんどうであるから、来年一ぱい、つまり四十八年の暦年中には何らかの方向を取り出したいと。つまり、現状のままで置くということはあまり適当と思えない、そのことは認めるけれども、これはいろいろないきさつもありますし、利害関係も完全に対立しておるわけでございます。そういうことでありますので、一年ばかり時間を借りたいということを申し上げたのでございまして、それ以後は再販問題についてどうこういうことは一回も申したことはないのでございます。しかしながら、御指摘のように再販問題でいろいろと指摘されておる面があるし、消費者の側からは全面的に撤廃すべきではないかという意見も非常に強く出ております。そういう点を考慮いたしまして、十分に私どもただいま検討中でございます。先ほど申しましたように、年内一ぱいには何とか何らかの形で結論らしきもの、ただしこれは私は全廃するということを言っているのではありません。全廃が一番いい方法であるというふうにきめつけておるのだったらこれは問題はないのですが、そんなことではないので、どうしたらばいいかということで、あるいは一方におとり廉売という問題もございますから、そういうものとのかね合いで現在の小売り業者の立場なども考えなければならない。そういう点についても検討を加えている。ですから、放置しているわけではありませんし、いま申したように自分たちで自分の限界を——限界といいますか、期限をつけて解決しようという意欲で取り組んでおる次第でございます。  なお、さらに御指摘のような中小企業団体法に基づくカルテルはずいぶん長いものがございます。中に、調べてみますと、十年に及ぶようなカルテルがあるのですが、全体の件数で申しまして工業組合、商業組合合わせまして五百八十四件概数中小企業団体法の対象のあるうちで二百三十二件というものは十年以上にわたっている。これは制度的にはもうすでに御承知であると思いますので多くは申しませんが、私どもとしては好ましいことではないと。しかし、この大部分が実は繊維関係、繊維関連でございます。このカルテルの大部分は、例外はございますが、非常に多くの部分を占めているのが繊維の関連でございます。これに対してはすでに対策も一部で法律的な意味でもとられつつあって、何とか過剰な設備を、やみ設備を減らすような措置も講ぜられているというのでありますが、まだまだ解決にはちょっと間がある。公取としてはこれは実は自分の手を離れちゃったような問題でございます。実際問題として公取の立場からこれは当該監督官庁に何とかしていただきたいと申し上げるべきであるし、申し上げてはおりますけれども、主として私のほうが認可権を優先的に持っているわけじゃありませんので、希望を述べて、なるべくそちらで自主的に解決していただくということにいたしたいと思っております。その矛盾については十分私どもは承知しております。  そのほかのいろいろな、独占禁止法をいかに強化するかということについては、私どもは、いまのような御時世で、確かに反企業的ムードが非常に強い時期にやるのはいい機会だとおっしゃるかもしれませんが、そういう一つのムードに乗るということではなくて、もう少し長期的に見て、日本の経済構造のあり方、ことに大企業を中心とした企業の寡占的傾向に対してどうブレーキをかけていくか、現行法のもとでできるだけ私は対処したいと思います。しかしながら、法律改正というものも絶対にやらないというふうな固い考えを持っているわけじゃありません。必要とあらばその範囲においてはやはり独禁法そのものを改正する機会があってもいいのではないか。しかし、これは一朝一夕にそういうふうに持っていくということはなかなか事実上むずかしいので、十分各方面のある程度のコンセンサス、合意を——まあ完全な合意はないでしょうけれども——得た上でそういう問題を解決していきたい。功をあせるよりもなるべくりっぱなものにこれを改めていって、独占禁止法が有効に社会の建設的な発展に役立つように、消費者のためになるようにということを目途にその取り扱いを考えていきたいと思っております。

山下春江自由民主党

○委員長(山下春江君) 竹田委員の質問をちょっと中断いたしまして、通産大臣が時間が少のうございますので伊部君の質疑を願います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 通産大臣がほかの委員会の関係があるようでありますから、質問者にたいへん失礼ではありますけれども、中にはさんで質問させていただきます。  去る四月の二十一日の衆議院の物価問題等に関する特別委員会で、大臣が、私が参議院本会議で質問した内容について、補足という形ですか、ちょっとあいまいな形でありますけれども、それで本会議の答弁をかなり後退をした答弁をされているというふうに思います。  私は、そのときに本会議のときに質問を申し上げたのは、今日の物価高騰の流れを見てみますと、それは需給関係の問題もありますけれども、同時に、流通の機関の問題、あるいは流通の過程におけるマージンの問題、それから価格の問題、こういう問題についても、単に需給関係が価格をきめたりあるいは価格が需給関係に影響を与えるというふうな形での今日の状態だけでは不十分ではないのか。そういうことで何らかの方法を考えるべきではないかというふうに質問をしたのでありますが、それに対して、本会議では、情勢により行政指導ないしはこの法律の発動によって規制する必要があると思うという意味のことを、これを柱にした答弁をされておるわけであります。それが、衆議院の特別委員会の中では、いろいろ議論の末に、結局ここに提案されております法案の第四条、売り渡し価格の指定をする場合、これを柱にして、そして価格についての行政指導面を考えるというふうにかなり限定をしておられるわけでありますが、その内容についてひとつお答えをいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私が御答弁申し上げましたのは、いま伊部委員が申されましたような趣旨で実は参議院本会議におきましても御答弁申し上げたのでございます。マージンを統制経済のように直接いま規制するということは、適当でもないし、また、できないことでございますが、しかし、私が行政指導またはこの法律の発動によりという意味は、行政指導という面につきましては、この法律によりまして調査ができることになっております。したがいまして、実地調査等によって立ち入り検査の結果、不当なマージンを是正していくというように行政指導がこれで可能になるだろうと思います、売り惜しみまたは買い占めの疑いがある場合には。それからもう一つは、第四条によりまして売り渡し価格を指定して在庫の売り渡しを勧告する、そういう意味において法律を発動して売り渡し価格を指定して在庫の売り渡しを勧告する、これでマージンをある程度チェックできると、そういうふうに考えまして、法律の発動によりという意味は、いまのような価格の指定によるマージンのチェックということが頭にあってお答え申し上げた次第なのでございます。  取引は非常に多様でございますし、また、自由経済を原則としてわれわれはいまの経済運営をやっておるわけでございますけれども、そのときも申し上げましたように、自由の乱用は許さない、それから力があるということによってその力を過剰に行使することは適当でない、そういう原則は依然として私たちは堅持していきたいと思っております。また、商社の側におきましても、最近は、各団体が連合しまして、通産省に対しましても、社会的責任を重んじて自重した態度をとると、そういうことをわれわれのほうへ申告してまいっております。われわれは、企業の自主的な行動を尊重しつつ、かつ社会性を維持するように、いまのような立場を善用いたしまして価格のチェックをやっていきたいと、こういう考えでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 行政指導の中でというおことばがありましたが、行政指導というのは、具体的にどういうことが行なわれるのか、内容について、これは抽象的にはお答えが困ると思うのでありますけれども、たとえば木材の問題のときには、あるいは大豆の問題のときに、具体的にどういうような行政指導ができるか、その点を……。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは立ち入り検査をやる場合もございますし、しない場合もあり得ると思います。それでいろいろ外部的に調査をいたしまして、取引状況を相手方からもいろいろ調べたり、そういうことによって著しく不当な価格でマージンを得ていると、そういう場合には、直接注意するということもあり得ると思うのです。社会的責任を重んずるということを通産省当局に言っている以上は、その社会的責任を重んじているとこれで言えるでしょうかと、そういうことで反省を促すということはもちろんあり得ますし、また、そういうことは増産の要請とか、あるいは騰貴の抑制とか、そういうものでいままでもやってまいりました。鉄鋼につきましては増産の要請をして、きょうも発表いたしましたが、六月には十九万五千トンさらに増産方を要請して、先方が受け入れて鉄鋼価格の引き下げをやろうと思っておるわけでございます。それからセメントやその他の場合におきましても、いろいろ内面的に上げないように通産当局としてはいろいろ話し合いをして、それに従うように要請をしたりしてきておるわけでございます。しかし、この法律ができますと、立ち入り検査ができますから、帳簿も見ることができますし、幾らで買い入れたかということがはっきりいたします。そういう場合に、じゃ一定の銀行利子そのほかのマージンを入れて、どの程度が適当であるという判定もつくわけでございますから、当局としてはこの辺で売ったら適正ではないかという勧告もできます。まあそういうような具体的な例をもってわれわれは行政指導をやろうとしておるのでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はその注意を促す程度でこれが有効であるかどうかということについては非常に大きな疑問を持っております。しかし、これは時間がありませんから、私、後刻続いての議論にしたいと思いますが、同時に、現実に生産についてのかなりタッチをしているセメントについても、今日までの過程でそれは価格の面の調整ができなかった、抑制ができなかったという点では、私はそれだけでは効果的であるかどうかということについて非常に大きな疑問を持ちます。まあしかし、次に移ります。  そこで、マージン、価格は、私は当然に指導基準という意味でもやはり尺度を持つことはできると思うのです。また、持つべきだと思うのです。たとえば公共料金のほとんどは、あるいは認可料金というのは、政府がこれを認めてやられるわけでありますから、その場合には、国鉄運賃に例をとりますと、ほとんどこれは原価計算主義であります。ですから、原価計算だけでいいのかどうか、その業種によっては便益主義が入るという場合もありましょうし、あるいは負担力の関係も考慮するという点がありましょう。しかし、何の根拠でか、やはりこのマージンなり価格というものはあると思うのです。また、なければいかぬと思うのです。ただ取れるからという形で今日行なわれているような商社の行為に対しては、やはり尺度を持つべきだと思うのです。いまの商社のやり方というのは、私はしばしば申し上げるように、情報を独占し、市場を独占しておる限りは、これは非常に危険な状態です。価格操作ができるという状態です。そういう意味ではやはりある程度の指導基準というものは持つべきではないかというふうに思うのでありますし、価格について尺度を持つということは私はどうしてそんなに警戒をされるのかですね、そういう点についてもう一度お伺いしたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 輸入業者とかあるいは販売業者の機能の中には、やはり長期的に価格を担保すると、自分のリスクにおいて、そういう要素が多少あると思うのです。たとえばことしの大豆のようなものは、もう先物まで相当買っております。そこで、いまアメリカ大統領が大豆を輸出制限すると言っても、日本は先回しに相当買っておるので、アメリカのほうからすでに売った分は少し返してもらえないかと、そういうようなものもあります。しかし、これは、日本国家のためには、安いときに大量に買い付けて、これは商社がやっていることであります、輸入業者がやっていることでありますが、これはある意味においては国民生活のためにもなっていることであります。ですから、そういうように、ある意味においては長期的安定を担保すると、そういう意味もあります。しかし、これがまた別の事態が起こると暴落したりして損をするということもありますけれども、問屋とかあるいは輸入業者とか、そういうようなものの中には、ある意味においてはそういう自分で危険を負担しながら長期的安定という面からはある意味において安定性を担保するという機能もなきにしもあらずであるわけであります。しかし、問題は、品物が不足したというときに売り惜しみとか買いだめをうんとやって不当な暴利をむさぼること自体が悪いのであって、通常の商行為によって売ったり買ったり、損したり得したりするということは、自由経済の基本において許さるべきことであり、わが党はそういう基本的な考えに立ってやっておるわけでございます。だから、そういう自由経済を基本にして自己の危険負担において、売ったり買ったり負けたり勝ったり、それが結局は担保的機能も営んでおるわけでございますから、そういう機能まで否定しようとは思いません。われわれはそういう意味において公定価格的な統制経済的思想はないので、もしそれをやるとすればかなり緊急な事態において臨時的に暫定的に行なうべきものであるという思想を持っておるわけであります。そういう考えからいたしますと、一応適正利潤を基礎にして経済が平衡的に安定的に横ばいで運営されることが望ましいとわれわれは一応そう思いますけれども、しかし、木材の場合でも、今度はずいぶんもうけたところもあるようですけれども、これらは税金でがさがさ取るべきだと思いますが、しかし、その前には、だいぶ損したこともまたあるわけであります。それで、やっぱり商行為の中には得もあれば損もあるというところもありますから、だから、それは自分の危険負担でやったことで、自分が負担をするという原則でやるべきであると思いますが、しかし、もうけるという場合に売り惜しみとか買いだめという行為によってもうけること自体は、これは適正でないと、そういう場合にはたとえ前に損をしておってもわれわれとしては国民生活の安定のために発動していくべきである。売り惜しみ・買いだめによってもうけるということ自体は適当でないと、そういう考え方を私たちは持っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これは議論しますとだいぶ長くなりますけれども、大臣が言われるように正常な価格での取引をやっているときには私は問題はないのです。しかし、不正常な状態が出たから、しかも、その出た扱い品目を見たり、取り扱っている商社を見ると、ほとんど輸入に依存をしているような、羊毛だとか、あるいは大豆だとか、木材だとか——木林は全部とは言いませんけれども、しかし、六割をこえているという状態ですから、そういう状態で、しかも扱った商社は限定されている。そこにいわゆる情報の操作ができ、あるいは市場の占有ができ、価格の操作にまで出てくるという問題があるから、そういうものに対しては、やはり価格というものについては規制をするということ、これは一本値段でなくてもかなりの幅があっても規制をするということが必要ではないのか。また、そのことはできるのではないか。いまの場合でも、認可料金制度というものは、そういうふうな面で国民生活に非常に大きな影響を与えるものは、やはり政府の介入があるわけですから、そういう点を私は申し上げておるのです。  この点についてもう一つお答えをいただきたいのと、それからいま大臣が言われた中で、じゃかじゃか税金で取ればいいじゃないかというお話があって、私ももっともだと思うのです。しかし、今日の税制でいきますと、個人の場合には累進ですけれども、法人の場合は累進制度がないので、それは、確かに、おっしゃるとおり、五十億もうけたところも二百億もうけたところも三六・七%というのは私は納得ができないわけです。それは非常にたくさんもうけたときは二百億の場合は当然にそれに見合った税制を考えるべきだと思うのでありますから、大臣はいまたまたまそういうふうにおっしゃいましたが、そういう点について今度の閣僚として次の税制の場合にその趣旨に沿って努力をされるということでありますかどうか、その二つをお答えをいただきたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 売り惜しみや買いだめによって不当な暴利をむさぼったという場合には、私は税制上もある特例を考えて税で徴収するということも考慮の余地があると思っております。それが経済の正常な行為によってやった場合には別であります。それからたとえば寡占的輸入というような体制があって管理価格的にある価格がつくられるというような場合、輸入というものは情勢によっては利権化している場合もなきにしもあらずであります。そういうような場合で不当な価格が形成されると、そういうことは好ましくないのでありますから、そういう場合にはこれはいろいろここに法の発動によって実地調査ということによってはたして適正な利潤であるか不当な値段を得ていないか、そういうことが考えられるのではないかと私は思います。特にいま御指摘のような輸入が寡占的に行なわれてそして常識で考えられないような値段が形成される、ゆがんで形成される、そういう場合には、できるだけ行政指導や法の発動によって大いにそういうことを是正していく努力を行政的にもやることが適当であると、そう思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 もう時間がないようでありますから、一問だけ質問をいたしますが、アメリカの商務省で、今年の二月、全米四万五千の企業に対して、いわゆる石油だとかガスだとか電力だとかというふうな資源問題で、限りがあるもの、こういうものに節減を求めるというようなことで書簡を送ったようでありますけれども、私はその処置を日本の場合に適当かどうかというのは、今日の物価騰貴のような場合に問題があろうかと思います。しかし、アメリカ以上に資源を外国に依存しているという状態から考えてみて、資源を節約して使うという意味での指導というのは必要ではないのかというふうに思うわけです。それは、単に指導だけではなしに、具体的に申し上げると、学習院の岡本教授があるところで主張されたようでありますけれども、大口消費者に対しては、いままでのように逓減制度、販売価格を逓減するという形ではなしに、むしろ大口は一定限度をこえたものに対しては高くすべきではないか。たとえば水道にしても、あるいは油にしても、国民生活に、各個人が必要最小限度のものは、極端に言ったらうんと安くする。あるいはただにする。しかし、それ以上にこえたものに対してはむしろこれは高くしていく。何もいまの価格をそのままで高くするということを私は申し上げるのではありませんが、そういうことも考えながら資源の節約というものは考えないと、これは日本の問題だけではなしに、世界的な今日の資源保存、あるいは資源を大事に使わなきゃいかぬという状態の中で必要ではないかというふうに思うわけでありますが、この点についての御見解をひとつ伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) そのお考えは、資源節約という面からは適当な考え方であるだろうと思います。しかし、価格騰貴、物価抑制という面からすると、また逆の作用が出てまいると思います。つまり、電力料とか、あるいは石油代金とか、そういうようなものが原価構成でかなり高い比率を占めてまいりますと、結局、できてくるいろいろな製品が高くなってきて、それが国民生活を圧迫するという面も出てまいります。ですから、資源節約という面に関する限りはそういう発想もいいと思いますけれども、物価政策全般を見た場合に、それが正しいかどうかは、その時代の要請を見て考えないと、一がいには言い得ないと思います。しかし、一般論といたしまして、資源を節約しなければならぬということは、非常な大きな重要な政治の目標でございまして、特にエネルギー資源については逼迫する予想もありますので、これはアメリカのみならず日本のような多消費国にあっては特に資源節約についてわれわれも積極的にPRしていきたいと思っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまの問題について私は企画庁長官に御質問したいのでありますけれども、現状の中である水準から以上のものに高くするということになりますと、これは確かにそうだと思いますけれども、しかし、全体の価格の配分の面で考えていくと、将来そういうことを考えていくというのが必要なのではないだろうか。これは、いま、通産大臣は、それは価格に影響するということで、たいへん困難なように言われますけれども、現実には、この岡本教授の話の中で言われておるように、アメリカのコンエジソンあるいはデトロイトエジソンというふうな電力会社ではそういう体系をとっているというふうに聞いておるわけです。ですから、私は、どの品目も全部というわけではありませんけれども、将来的にはそういうことも考えないと、たとえば小口の需要者と大口の需要者との価格の問題は、従来ですと、コストから考えていって大口のほうを安くしていく。安くなっているわけでしょう、現実には。水道でもそうですし、電力でもそうです。そういう形は、やっぱり修正をすべきではないのかというふうに思うのでありますけれども、お考えをいただきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 非常に味のある問題であると思うのでございますが、従来、原価主義をとっておりまする場合に、たとえば発電所から非常に遠いところに電力を送る、その場合に、トランスも要るし、送電線も要る。そこで、その場合、大量にそこで電力が消費されるのならば、その建設費というものはオーバーヘッドに見て安くてもいいという、割りかかりにおいて見ると安くていいわけになるわけでありますね。特に電力の場合は、非常に電力が豊富にありまして消費が少ない場合には、季節的に余る場合があるわけです。たとえば深夜であるとか、そういうような場合には電力が余ってまいりますので、そういうときに電力を消費してくれることがむしろ発生者としては望ましいわけで、そういう余剰電力を大量に消化してくれる先には安くてもいいという考えに立っておったわけでございます。ところが、個人個人の需要家からいたしますと、一軒の家へ電力を引いてもらうにはコストは高いのであろうけれども、個人の家計から見ると、これは安いほうがいいわけでございます。ところが、電力のようなものの需要がたいへん変わって、需給の関係が変わってまいりまして、今日では余剰電力なんてものはほとんどないし、電力というものは非常に貴重な資源になってきておる。水道の場合も、これ同様でございますわけです。水なんてものはただだと思われたものが、非常な貴重な資源になりつつある。そうなってまいりますと、大量に使う者はやっぱりたくさん使うんだから高くてもいいんだという、いままでと逆な価格構成の要件が出てくると思うのです。それをどう調和するかということはむずかしい問題で、まあ要はほどほどということになってしまうかもしれませんけれども、御提案の点は、確かに一つの見識だと私も思いますし、実は昨年の暮れにNHKで私もそんなような趣旨を言ったこともあるわけでございます。まあ、従来のやり方をそのままに、今後も固定的に考える必要はないと思いますけれども、しかし、通産大臣がお述べになりましたように、また、大口の消費者というものは、ある意味で電力を原料として使っている場合があるわけでございますね。われわれ電力というものを家庭では原料ではなくて生活の手段、消費の対象そのものとして使っておるわけですが、大口の消費者は電力を使って鉄なり肥料なりあるいはそれから先の製品なりをまたいろいろつくっているわけで、そのコストというものになってくる。そうすると、大口消費者の電力を上げるということはコストを高くすることになって、これは結局消費者の消費物資の価格を上げるということにもなってくるわけなんでございまして、その辺のかね合いを全体を見てあんばいするということではなかろうかと考えるわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、いまの価格については、まあ品目によっていろいろ要素が違うのでありますけれども、しかし、非常にちぐはぐな感じのものが多いわけです。それは、そういうものだといえばそれまでですけれども、たとえば価格の基礎は原価計算に置くということでありましても、先ほど大臣が言われたように、へんぴなところへ行ったら、線を引いていけば高くなるわけですからね。だからといって、それを価格にはね返していくということになりますと、これはもう負担自身ができなくなる。これは国鉄の運賃でも電力でも水道でもみんなそういうことだと思うのであります。ですから、やっぱりそういう意味では価格というのには必ずしも原価計算主義は貫けないと思います。いろいろな要素をやっぱり加味していかなければならない。ある程度の加味はされていると思うのでありますけれども、そこへもう一つ今度は資源が非常になくなって、たとえば油のような場合は、もう外国では配給の問題が出てきている。私の聞いているのでは、国内消費でも、最近ではトラックの油がない、ガソリンスタンドではもう何かチケットで何本以内しか売らないということで、飛び飛びであるスタンドで入れたらその次のスタンドで入れるというようなことで、なかなか満タンにはできないというようなことになってきているわけですね。そういうような状態を見ると、やっぱり資源全体はかなり問題になってきている。たとえば石油の場合でも、もう御承知のとおりでありましょうけれども、二十年とか三十年とかいう——前も二十年、三十年と言っていましたけれども、これは鉱脈の新しい発掘によってこうなったということなんでありますけれども、しかし、それはいつまでもそういうことではないと思います。そうなると、電力にしても、油にしても、そういう問題についてやはり取り組まなければならぬという時期にきているのではないか。そうすると、価格の問題のあり方について、いますぐにこれがどうというんじゃありませんけれども、やはり検討すべき時期に来ているのではないか。大口消費に対していままでのような考え方でいいのかどうか、そういうふうに思うわけで、この問題については、ぜひひとつこれからも十分な検討の課題にしていただきたい。私は、価格よりも、もう資源の枯渇問題が重要なる課題に目の前に来ているのではないかというふうに思います。  それからもう一つ、先ほど通産大臣のお話もあったのでありますが、マージン、価格の問題です。この問題は、私はどうも流通過程を見て非常にふしぎな感じがするのは、物流関係というのはたいてい原価計算から積み上がってきているわけですね。わからないのは、流通費の中で商的流通の場合にわからなくなっちまうわけです。物的流通の問題では、計算をすればどの程度の原価になるかということは、他の競争相手がありますから、そういう意味では出てくるわけです。ところが、商的流通の場合には、取り扱う業者が限定されて、そこのっぽの中で、あるいはそのたらいの中でのマージンですから、どうもわれわれが分析のできない部分が出てくるわけですね。私は前に言ったかもわかりませんが、たとえばリンゴを私は前に見たことがあるのですが、リンゴの生産をする生産者は、国光や紅玉をつくっても、手間やとかあるいはそこへ投ずる肥料なんかを計算すると、デリシャスや陸奥をつくると同じくらいか、もしくは国光のほうが非常に手間が楽だというんですよ。しかし、都会のほうではデリシャスや陸奥がどんどん売れていく。ほんとうはあれよりは国光のほうがうまいというのは生産者が見たらそういうのがわかっておるんだけれども、何で東京の人は味よりもみえを大事にするんだろうかというようなことを私は聞いたことがある。これをずうっとたぐっていったら、そうしたら、消費者がそういうことを望んでいるのかどうかということになると、疑問があるんですよ。秋葉原なら秋葉原に来たときに、そこの仲買いのマージンというのは全部販売価格の何%ということで取っておるわけですね。国光が一箱千五百円なら、千五百円のパーセンテージですよ。デリシャスが三千円、四千円になったら、それのパーセンテージだから、これはだれが考えても一箱扱うのにデリシャスを売ったほうが得だということから、ポスターに金をかけて、やはり町でデリシャスのほうがおいしいおいしいという宣伝をするようになるんですよ。そういうところに消費者の口ですら操作をされるというふうなことがかなり出ていると思うのです。全部が全部とは私は申し上げませんよ。しかし、そういうようなことを考えると、やはり商的流通でのマージンが適当なのかどうか、あるいは、商的流通の機構というものが生産者のところで農協があったり仲買いがあったり、消費者の場合にまたそういうよう中間の機構があるというな形というものについて考えると、やっぱり個々の品目について、流通の機構についてのメスと、マージンについても品目ごと程度の指導基準というものがある。また、規制まではどうかというのなら、私は指導基準まで明らかにすべきではないかと、それはひいては品目別にほかの商品の流通過程でもそうです。木材でも、あるいはその他のものでも、昨年よりは十倍も二十倍もマージンを取るというようなことは、その場合に鏡があったら、指導基準というものがあって、たとえば私はしろうとだからわかりませんけれども、前年度の倍、あるいは三倍以上はこれは全く誤りなんだというそのことをあらかじめ商社の社員もみんなが知っておれば、私はやっぱり商社の姿勢というのは変わってくると思う。私は、前のときに、商社の行動基準というのは精神訓話といって申し上げたのは、やはり具体性がないからだと思うのです。上のほうで言っても、下のほうで、下の現場の社員たちが、ほんとうに目安としているものがなければ私は何にもならないと思うのです。そういう意味で、マージンの問題なり流通機構の問題について、一つ何かの指導基準なり規制のしかたというものができないものかどうか、お答えをいただきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 商的色彩といいますか、それは何であるかということでございますけれども、まことにむずかしい問題でございまして、どうもそういうものがないほうがいいんじゃないかということで、戦争中はそういうことを排除したわけでございますが、どうも流通を考えまする場合に、これは不可欠であるというふうなことになりまして、私は実はそういうほうの学校を出たものでございますから、商的色彩というものが一体近代においてそういうものがあっていいんだろうかということをずいぶん考えたこともあるのですけれども、どうも流通を考えます場合に、商業的なマージンというものはどうしても若干見ざるを得ないということは今日の状況でございます。  ただいまの御指摘は、結局、マージンの基準、流通過程におけるマージンの基準を定められないか、ということでございまして、私は、マージンの基準もそうでございますけれども、できるだけ流通過程における段階を少なくしていくということが、まず第一であろうというふうに思うのでございます。マージンということになると、なかなかその基準をつくりまする場合に、あるいは労働の対価である。結局、一般の生産過程におけるベースアップというものが認められている以上、商業配給に携わる者のベースアップも当然に認めるべきであるとかいうような議論になりまして、どうもなかなかマージンの基準を定めてこれを守らせるということは、どうもむずかしいように思うわけでございます。  私は結論として考えますことは、できるだけ産地直結というような制度を持つことが、これがやはり流通過程を合理化する一つの刺激剤になる。もう一つは、流通過程をできるだけ近代化する。そのためには、政府として公設市場等をつくったり、冷蔵、貯蔵設備等をつくったり、そういうことで指導していくということが考えられるのでございまして、御指摘の流通過程におけるマージンの基準をつくるという問題もよく検討いたしますけれども、なかなか、これはむずかしい問題で、基準そのものもそうでございますが、やはり複雑した前近代的なそういう形態をできるだけ近代化していく、こういうことをあわせまして考えていくのがよろしいのではないかと思っておりますが、なかよく検討さしていただきます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまのお答えの中で一つ私は重ねてお聞きをしたい点は、かなり前から流通過程の段階を少なくするということが必要だといわれておりながらなぜできないんだろうかと、なぜこれが何年もかかってできないんだろうかと、どうもそこら辺がわかりませんので、それが大事だという長官の御意見はそのとおりだと思いますけれども、これはもうずいぶん学者も言い、ずいぶん昔から議論されているが、どこにその障害があるのかということですね。  それからもう一つは、私が申し上げておるのは、マージンは、人件費の高騰なんかもあることですから、常に固定するということやそれに定着するということは、それは無理かもわかりません。しかし、マージン以外のことで普通生産工場でつくられる製品も、やはり原価計算が行なわれて、人件費の高騰がそこにプラスされて、そうして出てくるものだと。しかし、ほかの、いま問題になっている農産物だとか、木材だとか、そういうものについては、私らは、ほとんどは販売価格のパーセンテージというところが私は問題だと思うんですよ。ベースアップがなくても、何がなくても、高いものさえ売れればもうけが多くなるというやり方、長官は御存じかもわかりませんが、秋葉の市場へ行ったら、販売価格は、ほとんど仲買いのパーセンテージというのは金額じゃありませんよ。パーセンテージですよ。八・五%とかね。そういう形は、これは高く売ればいいということですよ。ですから、ほかの産業と同じように、物的流通と商的流通とを比べたなら、同じところでやっているときには、たとえばリンゴの輸送賃は一箱十年も前もいまも輸送の機械化なり合理化によって変わらないんですよ、百二十円から。それはむしろいまのほうが安くなっているというようなことですから、十年の貨幣価値があっても、百二十円から百五十円、一箱ですね。それは適当かどうかは別にいたしまして、原価計算からそれは出ているわけでしょう。料金の認可をする場合でも認可料金その他の問題も、トラック料金も、みんなそういうことから出ているわけでしょう。ただ、商的流通の場合のマージンだけは販売価格のパーセンテージになっている、それを何も手をつけぬというところに、私は非常に疑問を持つわけです。だから、これは当然にマージンについての指導基準をつくってもらいたいというのは、その壁をどうやってやぶれるかということだからです。どうもそういうところに今日の行政が入り込めない何かがあるような気がいたします。それではいかぬと思います。そういう意味で、そういう考え方について長官のひとつ御意見をいただきたいと、こう思っておるわけです。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの御指摘の点は、よく今後検討さしていただきますが、お話の中にありました行政の入り込めない壁が市場の中にあるということはそのとおりのように考えますが、そうだからといってほっておいていいということは思いませんので、よく検討さしていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 先ほど中断されたわけですが、公取委員長、あとは質問しませんけれども、公取の職員というのは、どうもあなたの姿勢というのははっきりしないということですよ。仕事をやる上にかなりもやもやしたものがあるという話が私の耳に聞こえてまいります。あなたの耳にはそういうことが入らないと思います。少ない人員で効率的に仕事をやるという立場でものを考えますれば、やっぱり委員長の方向というのを明確に公取の委員会の中に貫き通しておくことが私は必要だと思うのです。そういう点についてぜひひとつ今後の、反省と同時に、あなたの物価対策に対する方針、たくさんの問題が山積みされているわけです、その点をひとつ明確にしておいていただきたいと思います。これは御答弁は要りません。  松浦議員にひとつ御質問するのですが、この政府からの提案というのは、どうも、私、何を言っているのか、さっぱりわからぬという感じがするんです。それで、まず第一に、この法案の場合、政府自体の責任というものがほんとうに反省された上に出ていないような気がするんです。価格調査官を置くというのですが、この価格調査官にしても、たいした人数じゃありませんし、それから買い占めあるいは売り惜しみの基準といっても、これは非常に微妙なところがあると思う。そういう点で、どうも、一体、何を言っているのか、よくわからぬし、おそらく一つの品物を指定すれば、ほかへウナギのように逃げていってしまうというのが商行為の実態だろうと思うのです。それで、あとただ単に公表程度のものだと。私は、もともと、商品投機が起こるというのは、なるほど商社の行動というのも確かに悪いところがあります。しかし、商社にそういう行動をさせるような環境をつくってしまった。先ほども公取委員長が、とにかく、政府のほうに経済の見通しの誤りが非常にあったということを言われましたけれども、まあ何といっても金融政策、財政政策というものが誤っていたということが私は今度の商品投機の起きてきた一番根源だろうと思う。そういう点に対する反省というのはほとんどなしに、ただ、こういうことをやれば商品投機というのはおさまるだろう、こういうのです。まあこの前みたいな、非常に大規模な商品投機というのはこれによってあるいは幾らか自粛されるかもしれません。しかし、小さな商社によって、あるいはダミーを使ってのそうしたものというのは、なかなかとらえ切れない。実際、そういう面で起きるのだろうと思う。ですから、そういう意味で、ひとつ、衆法で出された案はその点では少なくとも処罰というものがついている。だから、あとになってこわいということになりますが、政府案ですと、公表ですね。人のうわさも七十五日ですよ。森永の砒素ミルク事件だって、あれは砒素の被害者がいまずっと残っているから、森永というものはかつて砒素入りのミルクを出したということがわかるわけです。あれでもし後遺症を持った人がなければ、おそらくそういうことはもう忘れられちゃうと思うのですよ。そういう意味で、私はそう思うのですけれども、松浦議員の、政府案の欠点と、出された衆法の最も効果的な場所というのは一体どの点なのか、その点をひとつお答え願いたいと思う。

松浦利尚日本社会党

○衆議院議員(松浦利尚君) いま突然質問されまして、実は前もって質問の打ち合わせがありませんから、お答えが満足いくものでないかもしれませんけれども、率直に申し上げまして、野党の出しました法律というのが、人為的に流通を縮めて物を滞留させることによって価格をつり上げる、そのことを防ぐためには、どうやっても品物を流通に乗せなきゃならぬ。ですから、公表するだけでは、品物がただ流れていかないわけでありますから、それでは一つも問題の本質的な解決にならない。ですから、命令という法的効果を持たして滞留しているものを流通の中に乗せて流す、そういうところに根本的な政府案と野党案の違いがある。それでは、野党案で物価が落ちつくのか、こういうことになりますと、個々の物価について価格までこの野党の法律というものは支配するものでありませんから、要するに、需給を満たす、流通を太くする、パイプを太くするということだけが目的でありますから、その間にまた管理価格、寡占価格あるいは独占価格というようなものの作用が入れば、それはまた別の法律で規制せざるを得ない。この法律は物を流すための法律であると、こういうふうに理解していただきたいと思います。これが、野党が、命令をやり、しかもその命令に違反した者に対してはきびしい罰則を設けたそのゆえんであります。これが根本的に政府案との違いであるというふうに理解してください。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 よくわかりました。もちろんこれだけで価格抑制なり商品投機を一切押えるということは、野党案でもちょっとこれは無理な点がある。でありますから、今後さらにこれは改善されていかなくちゃならぬだろうというふうに思うわけでありますけれども、ひとつ松浦先生にもせっかくもっといい案をこの次はお出し願うようにお願いをしておきます。

松浦利尚日本社会党

○衆議院議員(松浦利尚君) どうもありがとうございました。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それからほかの問題があるんですけれども、去年のちょうどいまごろだったと思うのですが、地代の問題を私は一回質問をして、地代のものすごい暴騰ということを何とか防げということを物価の委員会で申し上げたことがあるわけでありますけれども、しかし、依然としてどうも地代の値上がりというのは、とまるどころか、さらにどんどん上がってきておるわけです。こういう事態で、私の地域でもそうですし、あちらこちらで地代紛争というのはますます広がってきていると思うのですけれども、これは経企庁でも建設省でもいいんですけれども、一体どのぐらいの地代紛争が、まあ家賃も含めて、地代紛争というのが燃え上がってきているんですか。大体把握されているんですか、どうですか。

沢田光英建設省住宅局長

○政府委員(沢田光英君) 私のほうは、正直に申し上げて数量的には正確にはつかんでおりません。ただし、そういう問題が各所に起こっております、そういうことはいろいろと私どものほうでも存じております。それで、先生のおっしゃいました去年の時点と申しますのは、いわゆる地代家賃統制令の告示を改定をいたしまして、それの便乗で家賃あるいは地代、こういうものの高騰を招くと、こういう事例が出てきたわけでございます。それに対する御注意があったと思います。私どものほうも、こういうものが確かにあるということで、さっそく通達を出しまして、各都道府県、市町村末端の窓口にこの問題を周知徹底をいたしまして、そこでいわゆる統制令によります告示の内容というものはどういうものなのかと、そうめちゃめちゃに上がるものでもございませんし、また、その対象になりますものはほんの一部でございまして、御存じのように、二十五年以前に建築されたもの、しかも九十九平米以下の住宅ということで、一部に限られた対象のもの、ところが、それが市中ではそちらが上がったんだからということで適用対象でないものまでを上げておる、そういうことで紛争が起こりまして、その窓口を各市役所のほうに、公共団体のほうに設けることを慫慂いたしまして、そこで紛争が出てきたものを逐一お世話をすると、かようなかっこうで実はやってきております。そういうことで、全体をながめ渡してみますと、この地代・家賃は、指数的に申しますと、全国で、総理府統計局におきます消費者物価指数の統計によりますと、四十七年度、四十六年度、この辺の対前年の毎月の値上がりを見ておりますと、大体七%台、あるいは一番高いので八%程度、かようなことでございまして、マクロ的に見ますと、他の物価に比べましても、突然その告示の改定で上がったということは認められておりません。ただし、やはり生活に密着した問題でございますから、個々に非常にいろいろな問題が起きているということは事実でございまして、それに対しましては、先ほど申しましたように、通達を出しまして、その窓口に一々受けて、それを調停をして——調停と申しますか、話し合いの指導といいますか、そういうものをしておる。統制令違反のものは統制令違反だというふうなことを教え、要求者のほうが無理なときには要求者に勧告をする、かような指導を実はしてきたわけでございます。ただし、具体的な件数は実は私どものほうでつかんでおりません。  さらに、新たな事態といたしまして、今回また、またと申しますか、いわゆる固定資産税の評価額、これが改定になりました。これによりまして固定資産税が上がるわけでございます。これはまあ坪当たりにいたしますと、十円とか二十円とか、そういう台の値上がりになるものでございます。これを契機にまたまた統制令と同じようなことが起こるというふうな憂えもございます。一部にはそういうものがすでに私どものほうに報告をされております。地方自治体の窓口ではそういうものの世話をだいぶ多くし始めておるという情報が来ております。そこで、私どもは、建設次官それから自治次官、両名の連名で、今回の固定資産税評価額の改定あるいはいわゆる課税標準額の扱い、そういうものに関して便乗値上げはいかぬと。したがって、そういうものについては十分指導するようにというふうな通牒を実は出して、その後の様子を見ておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、あなたの数字というのはおそらく全国的な数字ですから、中には過疎の地域ではもう人が入っていないわけですから、実際上がるどころか、もう下げざるを得ないというような個所もあると思いますけれども、問題は、やっぱり土地投機あるいは特に都市の周辺です、この部分での値上がりということがたいへん大きいと思います。あなたが、いま、市町村の窓口を通じてたいへん指導されたということで、それによって解決をしたようなお話なんですが、どうもそういうことによって大して解決していないわけですね。一つは力関係もあると思うのです、この問題は。弱い地主で強い借地人ということになると、上げたくても上げれないという実態もあります、これは。そういうのがこう相殺されておりますから、全体の数字をとると、あんまり上がっていないようなんだけれども、個々の場合でいけば三倍、四倍上がっているというのはもうざらですわな。そういうものが建設省で出した通達——この前も出しました。私も拝見しました。これによって改善されたという話はあんまり入ってこない。まあけんかをする材料になったことは確かに材料になりました、解決されたという例は見ないんですけれども。  自治省に聞くのですが、こういう地域は、固定資産税の激変緩和の調整措置も当然一・四ぐらいですか、あるいは一・三ぐらいとか、そういう税制の調整という措置もおそらく入っているだろうと思うのです。そうしますと、ことしは、評価額の変更、評価がえというのと税額調整のものというのがこう二つ重なるという時期になるのじゃないだろうかという感じがするわけでありますけれども、大体どのくらい標準的に、都市近郊で、まあ三・三平米というのが私は一番頭にぴんときますから、三・三平米当たりですね、もしそれが計算が出てなければ平米当たりでもけっこうですが、大体どのくらい上がるのが、税金の上がった分プラスアルファというのですか、アルファというのはほんの小さいものだと思いますけれども、その分で上がるのが大体適切だというふうにお考えになりますか。まあとりあえずそちらがどれが適切だということがおわかりにならなければ評価額の変更その他のことで税金だけでは大体どのぐらい上がっているわけですか、都市近郊ということで。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 固定資産税の評価がえが今年度行なわれまして、確かに、全国的に見ますと、宅地価格は、昭和四十五年度の評価額に比べまして、大体一・八倍ぐらいの評価の上昇でございます。この評価の上昇が見られるておりますけれども、平均的な宅地におきましては、従来の負担調整措置が継続をするという形で課税標準が計算になっておりますので、土地によりまして若干の差はございますけれども、従来の一割、二割、三割、四割という負担調整率がそのまま適用されるということになっております。ただ、昭和三十八年度の評価額に対する上昇率が、四十八年度の評価がえの結果、さらに上昇率としましては高くなるわけでありますから、負担調整率が、従来二割でありましたものが三割になった、三割でありましたものが四割になったという宅地もございます。そういうところは、従来の上昇率よりはやや高い上昇率が見られるという結論になっております。  それからもう一つ、これは今年度の改正でございますけれども、特に東京近郊に例が見られるわけでありますが、この地域が地価の上昇が非常に激しいために、従来から評価額と課税標準額との間の開きが非常に大きかったわけでございまして、評価額に対して課税標準額が一〇%とか、あるいは極端なものは五%程度といったようなものがあったわけでございまして、こういうものは、やはり同一の評価額に対する税負担というものに非常に差が生じておるわけでございますので、四十八年の改正におきましては、課税標準額の最低限の規定を設けたわけでございます。これが評価額に対する一五%というところで設けております。これは、一般の平均的な課税標準額が大体三〇%程度でございますので、その二分の一程度のところに課税標準の最低限を置くという措置をとったわけでございます。  ところが、現実問題として、税負担の上昇率というものから見ますと、どちらかというと、この課税標準額の最低限が適用された宅地、これの負担の上昇率は案外に大きかった、こういう結果が出ておるわけであります。これは、東京都の周辺部、埼玉県あるいは神奈川県の一部等にこういう事例が見られるのでございます。ただ、絶対額の金額から申しますというと、従来から高かった地域といいますか、課税標準の割合が高い地域の税負担に比べますというと、その水準までにはまだまだ到達をしておらないわけでありますけれども、負担の上昇率は高い、こういうことになっておるわけでございます。そういう意味で、まあ全国的に見ますというと一部の地域になりますけれども、一部の地域と申しますか、一部の宅地でございますが、そういう例がありまして、その辺は、おそらく地代問題というものがややほかの土地と違った問題が出てくるのではないだろうか、こういう感じがいたしております。  それで、私どもが平均的なところで計算をしてみますと、都市の平均的な計算をやってみますというと、五十七坪の土地というものをとって税額を計算いたしますと、昭和四十七年度で五十七坪当たりで計算しまして八千百五十九円というものが、四十八年度が一万一千四百二十三円ということで、増加額が三千二百六十四円、こういうふうな数字になっております。これがさらに負担調整率が進行いたしまして、来年度が一万五千九百九十二円、年額で四千五百六十九円の増と、こういうような形になっておるわけでございます。  なお、住宅用地につきましては、一般の負担の上昇ということも考慮いたしまして、二分の一の課税標準の特例が置かれたということは、御承知のとおりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 税務局長、評価額の算定ということで、土地投機によって周辺の土地が上がってきたということで、これはある一つの点を選んで順次計算していくのだろうと思いますが、そういうことで土地が上がってきたということは、やっぱり評価額にかなり影響が出ているのでしょう。全然影響がないということは言えないわけでしょう。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 固定資産税の評価は適正な時価で行なうということになっておりますので、やはり現在の地価の上昇というものは評価額に反映をしてきているということは事実でございます。ただ、現実の問題としまして、この評価の水準がどの程度のところにいっておるかということになりますと、たとえば建設省でおやりになっております公示価格というものを基準にとって調べてみますというと、まだ公示価格の二分の一程度の水準ということになっております。ただ、その低い水準でございますけれども、地価の上昇というものはそれぞれの市町村において反映されておるということは言えると思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そこで、企画庁長官にお尋ねするんですがね。とにかく、土地投機とか商品投機に何ら関係のないわずかな住宅地に住んでいるのが、付近の土地が上がってくることによって、どんどん自分のその地代も上がるし、税金も上がってくるって、こんなばかなことは私はないと思うんですがね。ですから、私は、少なくとも最小限の、まあ私ども社会党は百坪まではひとつ課税をやめろと、これは生活の基盤ですからね、そのくらいまではやめろと、こう言っているんですがね。私は、こんな不公平なことはないと思うんですよ。まあ、これでも、どこかへ勤めている人はまだいいですわ。老人夫婦なんかになったら、もう全くみじめなものですね、これは。どんどん地代は上がる、税金は上がる、こういうような形で、どうもその辺は、生活の基盤に必要な最低限の土地、これは税金を免除し、免除すればしたがって地代の上がる要因というのも私はなくなってくるはずだと思う。そのくらいのことは、どうですか、発想の転換、生活を重んじるという立場で私は当然打ち出すべきだと思うのですが、この案についてはどうですか、長官。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私の承知している限りで申し上げまするので、脱落している点は、ひとつどなたか専門家がおられますから補足していただいたらいいと思いますが、事業用地と住宅用地、これは、それぞれ収入が違うわけでございますので、これは変化があっていいと思うのでございます。また、そのように案がなされておるように承知しております。  そこで、住宅用地でございますが、一般論として申しますれば、これは、財産価値が上がっておるのでございますから、それなりの課税というものは受け得る余地があるわけでございますが、しかし、それは、ただ、財産価値というのは処分した場合にあるのではないかという議論も当然あるわけでございます。そこで、収入の点は、これはまあ相当にふえていることも現実でございまするから、その収入のふえ方に著しく背馳しない程度で税を納めていただくということも、これはある程度はやむを得ないかと思うのでございます。ただ、最後に御指摘の、老齢者で、いままでの働きの結果、家は持っておるが、今日収入がないと、こういう方については、これはやっぱり別に考えていいのではないかというふうに、私個人としては思います。ただ、いまこういう関係で御相談を受けておりませんものですから、いまの御質問に個人的感想を申し上げることになりましてたいへん失礼でございますけれども、そうした気持ちを持って、いま御質問がございましたから、さらによく税務当局の方とも相談をさせていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 時間がないからもうあと一括して一瀉千里でお聞きしますからお答えをいただきたいと思いますが、私は、そういう意味で、何ら商品投機によって利益も得ない、物価は上がっておるという中で、生活の一番基盤のところが二倍、三倍、ひどい人になると五、六倍、こういうことに上げられるということは、これはどう考えたって不合理だと思うし、やっぱり何とかそれは避けなければならないゆえんのものだと思うのですけれども、とにかく、そういう点でお寺さんというのはたいへん土地持ちなわけですよね。これはあちらこちらの駅にでもお寺の名前がついたところがあるから、そういうところというのは大体大きな土地持ちですよ。こういうところが三倍、四倍と、こう上げているわけですよ、現実には。こういうことは私はやはり何とか押えていかなければ、これはさらに悪循環を重ねると思うのですよね。そこで、これは文部省からもお見えになっていると思うのですが、宗教法人が土地を貸すという場合に、一体、宗教のためにそうしたものを利用する場合もあるでしょうし、営業のためにそういうことをやる場合もあると思うのですけれども、そういうものをほんとうにはっきりと区分さしているのかどうなのか。自分のポケットへ入れちゃうのがけっこう多いのじゃないか、こう思うのですが、これは国税庁のほうもお見えになっておると思うのですが、その辺をはっきりさせないでやっている。お寺のことだからしょうがないといって地代の値上げに承認をしてしまうけれども、実際にはお寺の坊さんのポケットへどんどん入っていく。経理がまた、お寺というのはほんとうはもっと近代的にならなくちゃいけないんでしょうけれども、感じの上ではあんまり近代的な感じを受けないわけですけれども、そういうことで経理が不明確なために適正な税金が課されていないというような点も私はあるだろうと思うのですけれども、そういうことは、一体、文部省としてはどのように具体的に指導しているのか。もしそういうようなことをやっているとすれば、私は宗教法人の価値はないと思うのです。当然宗教法人として私は問題があろうと思う。そういうことは具体的に一体どうやっているのか、その二つの点をひとつお聞きをしたいと思うのです。  それからもう一つ、これは税務局長に聞きたいと思うのですが、たとえば商店兼住宅というのはたくさんあるわけです。そういう場合に、一体、地代というのはどういうふうにあるべきか。これは建設省でもけっこうですけれども、そういうときの地代というのは一体どういうふうにあるべきかという点もあわせてひとつお願いをしたいと思うのですが、大体そういうのは小さな商人ですから、私はそうきわ立って、さっきの、事業用だからたくさん地代を取ってもいいということにはならぬと思うのですけれども、その辺。  それからもう一つ、通達をお出しになったんですけれども、先ほども御答弁をいただいたけれども、今度も出されているんですが、具体的にこの通達によってどういうふうになったかということを点検されて、まあ過去にはあんまり点検されていないような気が私はするんですけれども、今度の場合、こういう通達を出されたんだけれども、その通達のとおりどう実施されているかという点検ですね、これは今度はおやりになるつもりなのかどうなのか。時間がありませんから、その辺をお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのですけれども、三者あるいは四者の方からひとつ御答弁いただきたいと思います。

鹿海信也文化庁文化部長

○説明員(鹿海信也君) 宗教法人の設立につきましては、御承知のとおり、宗教法人法に詳細な規定がございまして、これにのっとって設立されるわけでございます。この宗教法人法に、「宗教法人は、公益事業を行うことができる。」それからまた、「宗教法人は、その目的に反しない限り、公益事業以外の事業を行うことができる。」で、この場合において収益を生じたときは、その宗教法人自身あるいは公益事業のために使用しなければならぬ、こういう規定がございます。そういたしまして、宗教法人の設立に際しまして、その宗教法人におきましてはどういうようなことを規定した規則を設けることになっております。したがいまして、この規則を設け、この規則にのっとって公益事業あるいは収益事業が行なわれますことは、その宗教法人の自身の問題として認められておるわけでございますが、いま先生が御指摘なさいましたように、したがって、土地を貸すというようなことも認められておりますが、これの収益につきましては、これは当然その宗教法人自身あるいは公益事業のために使用しなければならない。で、そのことは規則に定められておる、こういうわけでございます。したがいまして、寺院の境内地等を賃貸いたしますならば、その収益は住職個人の収入ではなくて当該宗教法人の収入として経理すべきものでございます。しかし、今日、おうおうにして、御指摘のとおり、その間の経理の明確でないというような点もございます。で、私どもといたしましては、第三年目でございますが、四カ年計画で宗教法人の行なう事業を調査いたしました。その事業の実態を把握いたしますとともに、宗教法人の管理運営の適正化をはかるための研修会、これに参加いたしますのは、都道府県の宗教行政の担当者、また宗教法人のそれぞれの法人の事務担当者でございますが、こういう方々の参集を得まして、全国六ブロックで宗教法人の管理運営の適正化のための研修というのを行なっておりまして、先生もお話しございました宗教法人法の近代化ということにつきましてその方向に向かうように努力をいたしておる次第でございます。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○説明員(吉田冨士雄君) 法人税法のほうの取り扱いにつきまして御説明します。  通常の場合には、宗教法人がプロパーの仕事だけやっておれば当然非課税でございますが、御案内のように、公益法人——宗教法人も含めました公益法人等というグループでもかなり収益事業をやっている場合がございますので、その際には法人税法の施行令で収益事業の事業の内容を特定いたしまして、そういう収益事業を行なっている場合には課税をするということになっております。で、ただいま先生の御指摘のようなケースは「不動産貸付業」ということで政令で収益事業の中に入れてございます。  実際の課税の問題でございますが、本来のお寺の末寺と申しますかに直接貸すとか、あるいは霊園、よくお寺のデパートといいますか、お墓のデパートですか、霊園のようなときには、その政令ではずしてございますが、それ以外の場合には収益事業として課税することにしておりまして、現に、特に都会地周辺のお寺からはある程度の申告は出ております。しかし、その内容につきまして、われわれとしては、最近のこういうブームでございますので、できるだけこまかく調査いたしまして、普通の法人と同じように調査をやっておるわけでございます。その際、収益事業の収入のほうのグループの分け方は、貸してある相手方によりましてかなりはっきりいたしますが、収益事業の経費をどう見るかという点につきましては若干トラブルの起こることもございますが、まずまず、それほどの問題なく課税のほうも調査を実施しているのが実情でございます。

沢田光英建設省住宅局長

○政府委員(沢田光英君) まず第一点の店舗併用住宅の御質問でございますけれども、店舗併用住宅にも非常ないろいろな様態があろうかと思います。ただ、それの一つの例といたしまして、地代家賃統制令の中でいわゆる統制適用の対象というふうにいたしておりますものは九十九平米以下でございますけれども、その中に、いわゆる三十坪の中に七坪程度の店舗が入っておるもの、これまでは一応全部対象ということにしております。したがいまして、きわめて小規模な店舗のようなもの、こういうものはまあそういうものを考えなくてもいいと、住機能のほうが大きいと、かようなことを考えて入れております。したがいまして、現在ではこれが一つのめどかと思います。したがいまして、大規模な店舗があってそれに住居がほんの少しついておるというほうは、これはやはり店舗のほうの地代というふうな支配が大きくなろうかと思いますが、ただいまのような小規模のものは当然住機能のほうが大きくなる。ただし、小規模といいましても、店舗が成り立つからには、やっぱり純粋住宅地よりも地代は高くなるのじゃないかと、こういう傾向はあろうかと思います。その程度のことしか現在考えておりません。  第二点の問題でございますが、確かに、先生おっしゃいますように、私どもいろいろ努力をしておりますが、そういう実は行政がいままであまり熱を入れて統制令の改定以前はやっておりません。そこで、地方行政体の中でのそういう窓口とかそういうものも十分には整っておりません。したがって、十分な成果もあげていないということにもつながるわけでございますが、こういう生活に関連いたしましたことは、今後ともますます起きてきますので、こういうものは充実をまずはかりたいと思います。はかりたいと思いますが、さらに先生の御指摘のいまやっているものをフォローアップしたらどうかと、これはぜひやりたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) まず第一点の宗教法人の関係でございますが、宗教法人は、その本来の用に供している部分は固定資産税は非課税でございますけれども、宗教法人がその土地を個人に借地として貸し付けるというようなものにつきましては、固定資産税が課税対象になっているわけでございます。これはことしの課税にあたりまして、地方税法の成立がおくれました関係で、地方団体によりまして課税の態様がやや第一期分はまちまちになりましたが、東京都の都税として取っております固定資産税の扱いが、法人所有の土地につきましては全部事業用という課税を第一期分としてはしたわけでございます。したがいまして、宗教法人が所有しておって通常の住宅が建っておるというような土地も事業用地の方式で仮算定をいたしたものでございますから、事業用地はことしは大体二倍半から三倍上がるというのが普通のところで、そういうことになっているわけです。そういう意味で宗教法人の所有している固定資産税が非常にはね上がったという事例があるわけでございまして、ただ、これは、いま住宅用地の認定の作業をやっておりますので、この作業が済み次第、できる限り三期、四期の納税の段階で調整をしたいということは東京都のほうで申しております。そのほかの地域は、こういう問題はなかったかと思います。通常の課税の方法だったと思います。  それから第二点の併用住宅の問題でございますが、通常私どもが町で見かけます店舗併用住宅というものの用地は、住宅用地としての扱いにすることでやっております。これは政令でその基準をきめておりますけれども、住宅部分が四分の一から二分の一未満というものにつきましては、その用地の二分の一を住宅用地として認定をする、二分の一以上住宅部分がある併用住宅は全部を住宅用地として認定をするということにいたしております。大体ほとんどの併用住宅は住宅部分が二分の一以上というのが通例でございますので、併用住宅は、まず、通常、住宅用地としての扱いになるということでけっこうだと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 もう時間がありませんから、私、この法律案の内容について一、二点お伺いをしておきます。  それは、政府案によりますと、一条で「緊急」ということ、二条で「異常」ということ、それから四条で「多量」ということ、このいずれもがたいへんに尺度がむずかしいと思うのです。どういうときに「緊急」なのか、どの程度が科学的に見て「異常」なのか、量的にもそれはその品目によっても違いがある、こういうあいまいなものを残しておったのでは、非常に緊急性を持つこの法律案の発動について部内で問題が起きると、むしろそういう議論が出てきてこれの適用というものに非常に問題が起きるのではないか。少なくとも、こういう問題は、やっぱり非常にすみやかにその措置をせなきゃならぬような内容でありますから、そういうあいまいさを残すということは適当ではないのではないか。したがって、そういう意味では四党の修正案にはそれが除かれておるわけです。政府案も、そういう意味でこれは尺度についてどのようにお考えなのか、あるいはこれを撤回されるお気持ちがないかどうか、端的に御質問申し上げたいと思います。

小島英敏経済企画庁国民生活局長

○政府委員(小島英敏君) 第一条の「緊急」という意味は、まさにこの法律全体の性格を言っておるわけでございまして、正常な経済の運営が行なわれている場合にはこういう法律の適用は必要ないわけでございますけれども、まさに買い占めあるいは売り惜しみというようなことによって経済が異常な事態に達しそうな場合に緊急措置としてこういう措置をとるということを宣明しておるわけでございます。したがって、どうしてもこの「緊急」という意味は抽象的にならざるを得ないというふうに考えております。  それから第二条の「異常」という表現は、おっしゃるように、何%以上が該当するのかという数字をあらかじめきめておきますことは実際上不可能でございまして、やはり、各種の状況に応じて、まあ正常な理由のある価格の上昇であるならば、それはパーセントが多少大きくても海外の市況などが非常な勢いで上がって、それに応じてリーズナブルな国内価格の上昇があるならば、それは本法の対象としにくいわけでございます。そういう意味で、やはり合理的な線と考えられる以上に価格が上昇する、または上昇するおそれがあるという際に本法を発動する要件の一つとしようということでございまして、おっしゃるように、どうも抽象的な御説明しかできないのは遺憾でございますけれども、そういう事情でございます。  それから第四条の「多量」という表現がございますのは、本法は野党の御提案と非常に違っております点は、先ほど松浦先生もおっしゃいましたように、必要な場合に命令を出して、聞かなければ罰則をかけるという強制力を持たないわけでございまして、勧告、公表という社会的な制裁をバックにした間接的な強制しかしないわけでございます。その目的は、要するに、かなり大きな企業が買い占めまたは売り惜しみをやって、そのためにその物資の需給がノーマルでない、価格がそのために高騰すると、そういう事態を防ぐことが目的でございますから、比較的小さな企業がその企業としてはノーマルなランニングストックなんかに比べてかなりたくさんのものを持っておりましても、それはマクロ的に見ますと「多量」とは言えないわけでございまして、また、そういうものを一つ一つこの法律を適用しようということは考えていないわけでございます。やはり相当な大きな企業がマクロ的に見てもその事態を改善させることによってその物の需給に大きな影響をもたらす程度の量を持っている、そういう場合にこの法律を適用しようということでございますので、その意味で多量という表現が入っているわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はいまのお答えはどうも筋が通らぬような気がいたします。野党案は、調査、公表だけではなしに、やはり命令まで入るから、そういう意味では量の問題について多量であるかどうかということは、むしろそっちのほうが必要かもわからぬけれども、それのないのになぜ多量ということばをつけて非常にあいまいな形にするのか。多量ということばがなくても、品物によりますから、品目によっては、これは大豆の場合と木材の場合と量というのは全然違うわけですから、当然にその品目によって応用動作がきくし、すぐにやらなければいかぬという意味では、どうもいまの御説明は納得ができません。しかし、これは私も時間があれば申し上げたいのでありますけれども、いつの場合に緊急であるのか、あるいは量的にどの場合に多量であるのかというのは私は抽象的な議論ではいかぬと思うのです。いまこの法律が出たということは今日まで異常な事態だから法律を出しているわけですから、それじゃ、この一年間にさかのぼって、いつの時期に発動すべきであったのか、この法律を逆に適用した場合、遡及して考えた場合、いつの時期に、あるいは商社のこういう状態——私は前回にも申し上げたのですが、必ずしも三月の決算で出たことではない。商社のもうけ過ぎの事態は昨年の九月決算のときにもはや木材においても明らかだった。そういう状態から見たら、いつの時期にどの程度の状態でこれを発動ができるのかということは、私は一年間さかのぼって施行ができると思う。そういう具体的な説明は、大豆の場合はこの程度のとき、あるいは時期的にはこのときというふうに具体的に私はやはり出していただくのが非常にわかりやすいと思う。そういうことができるかどうか、ひとつお答えをいただきたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 後段は局長からまた言ってもらいますが、先ほどの御質問でございますが、この法案の全体の考え方についての私どもの気持ちを申し上げたいと思いまするが、この法案は、問題の物資を早く流通過程に乗せてもらって、そして国民の要望を満たし、価格を下げるということが主眼でございまして、そのためにはむしろ命令とか処罰とかいうことよりも、社会的な制裁ということを重く見ようというのが全体の考え方の流れでございます。もし、命令を考え罰則というふうなものを非常に強く主張しまする場合には、当然にその命令が妥当であるかどうか、行政訴訟が起きた場合にも勝ち得るかどうかということが前提になるのでございまして、そういたしますと、やはり緊急性から見て時期を失するおそれがある。そういうことで、何も不当な買い占め・売り惜しみということではなくて、むしろ全体から見て緊急に放出させることが必要である。そういう点に主眼を置いているわけでございます。したがいまして、多量という点も、相対的に多量であればよろしいのでございまして、小さな零細企業が持っておるものを一々摘発するというようなことではなくて、全体の大豆なら大豆の中で相当相対的に多量なものが保有されていると考えられるときにはこれを放出してもらうようにしようではないか、こういうことを申しているわけでございまして、野党案についても大いに敬意を表しますけれども、この書き方になりますと実際問題として動かなくなってしまう、こういうふうにわれわれは考えておる次第でございます。  それからこの法律は実は三月十日に出しておるのでございまして、われわれとしては一日も早くこれが作動することができますように心から期待をいたしているわけでございます。しかし、この法律は公布の日から施行されるわけでございますので、さかのぼっての事態については残念ながら適用されるわけにはまいらないわけでございます。今日のまだ価格上昇が非常に続いている段階におきまして、私どもは一日も早くこの法律を手に握って物資の流通を早く軌道に乗せたいというふうに心から念願しておることを申し上げたいと存じます。

小島英敏経済企画庁国民生活局長

○政府委員(小島英敏君) かりに一年前からこの法律が施行されていたと仮定いたしますと、私どもの感じといたしましては、木材につきましては、やはり九月、十月ごろには当然政令指定をいたしたであろうと思います。それから大豆につきましては、一月の中旬以降急激に上がっておりますので、やはりその段階で指定いたしたことになったであろうと思っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 きょうはそれをやっていると時間がありませんから、私はいずれ機会を見て議論したいと思いますけれども、時期的に九月決算が出ておるということはもう締め切ったときに利益が倍、三倍出ておるわけですから、その時期に発動したのでは私はもうおそいと思うのですね。ですから、やっぱり法律の効果というのはもうけ過ぎてからあとを追っているならこれは何にもならないわけです、もうけてしまったんでは。そういう動きがあったときにすぐに手早く手が打てるかどうかが問題なんです。そういう意味で、私は一年さかのぼって一ぺんこの法律が生きておったら効果があったのかどうか。私は総体的に見て、いまの政府案では、これを出されてブレーキになったかどうかというのは非常に疑問です。あるいはこれからもこれでブレーキになるかどうかというのは非常に疑問です。重要な点が抜けているからであります。そう思うのでありますけれども、しかし、この点の適用がいつごろになったときにこれがどれだけのブレーキになったかどうかということは、非常に私は試算として重要なことだと思います。これはひとつぜひ当局のほうでもお考えをいただいて、一ぺん試算をしていただきたい。施行するとしたらどういうことになったんだということを一ぺん考えてもらいたい、こう思います。  それは別の機会に譲るといたしまして、さて、いま長官が早期に放出させるということのためには、むしろ争いを避けて公表する、あるいは調査、公表というふうなのが緊急性に即応したものだというふうに言われるわけです。私はそうは思えないんです。やっぱり、そういう事態になって議論があるところに売り渡しの命令を出すというところに緊急に対応できると、こう思うのであります。そういうことについて野党案の四党の提案者である松浦さんにお聞きをいたします。  それからもう一つは、この法案をめぐって議論されされたあとの途中に商社のほうから行動基準が出されましたですね。私は、あの行動基準というのは新入社員の精神訓話みたいなもので、事実問題としては具体性がないし、あるいは商社としての反省がない限りは、あれはそんなにこれからの商社の行動を売り惜しみ・買い占めについての行動を規制するというふうには思えないわけでありますが、そういう点について、ひとつ御見解をいただきたい。  まず、この二つをお願いいたします。

松浦利尚日本社会党

○衆議院議員(松浦利尚君) 政府案は勧告、公表どまりです。率直に申し上げまして、現在の自由経済のもとで、ただ単に行政指導による勧告、それを聞かなかった場合に公表だけで物が流れるかどうか、その点に私たちは非常に疑問を持っておるわけです。ですから、政府案と同じように、勧告から公表までは同じ手続を経ます。そして、そこで勧告に従えばそれまでですが、なお公表をやっても物が流れない場合には、これに命令を課すと、私はそれは当然の行為である、こういうふうに考えて野党案をつくっておるわけです。ですから、物を流す場合には、物統令の十四条に明確に規定しておるように、売り惜しみ・買い占めというのは、これは一つの犯罪行為である、そのことを明確にしておかないと、あいまいな態度では物は流れない、そういう考え方です。ですから、政府も、当然物統令が現在生きておるとするならば、物統令の十四条による売り惜しみ・買い占めの処罰規定というものの精神というものを振り返ってみれば、四党で出しておる案が現在では政府案よりもベターであるということは言えると思います。  それから二番目の商社の行動基準の問題でありますが、これは私も新聞を見た限りでありますので、しかも四党で打ち合わして答えるわけではありませんから、私個人の私見になりますけれども、これはただ単なる倫理規定でありまして、あれほど商社に非難の集中した商社活動を規制するものにはなり得ない。もし自主的につくるんだとするならば、公正取引規約的なものをつくるべきだ。行動基準的な倫理的なものじゃなくて、やっぱり公正取引規約等のきびしい自主規制というものを盛り込むべきだというふうに思います。しかし、極端に言うと、日本の経済活動の、特に輸入関係の寡占的な状態に今日商社がなりつつあるわけでありますから、そういった意味では商社法という法律をつくることによって商社の活動というものをある意味でチェックする、規制をする、こういったことを考えなければ商社活動にブレーキをかけることは不可能ではないだろうか。特に自給率が低下をしておる食料品、現在までの高度経済成長のもとで重化学工業偏重の政策がほとんど一次産品の輸入等をおろそかにしてきた、自給率を低下させてきた、そういったことで今日では商社がほとんど主要なものを握ってきておる段階でありますから、そういった意味では国民生活に重大な影響を与える商社活動について商社法というものをつくるのは私は当然だと、このように考えております。これはあくまでも私見であります。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いま一つお聞きをいたしますが、もちろん商品投機の抑制というものはこの法案によって抑制されるというふうなものではないと思う。もっと総合的な政策が必要だということは、金融、予算、公共投資やら、あるいは税制、公共料金の問題も、すべてのものが集積されなければいかぬと思いますが、その中で、私、先ほどから議論しておりましたように、もう一つの問題点というのは、やっぱり価格の問題ですね。需給関係が非常にラフな場合は、これはいままでの実績からいってもそれほど私は心配したことはないと思うのでありますけれども、いまおっしゃったように、輸入の寡占状態、あるいは情報の独占状態というものがもう非常に強化をされている。で、何社かによってその品目については需給関係もあるいは価格関係も操作ができるというふうな状態の場合に、ただ、公正取引委員会の場合は、事前協定ができたかどうかというだけであって、それは事実問題としていまの場合、商社の会合というのはほとんどいつもあるわけですから、これがほんとうにまぐれで当たるかどうかという程度でありますから、結局、やっぱり価格、マージンについては規制をすべきだと。それはあらゆる品目全部というわけではありませんが、そういうおそれのある品目について、おそれのある企業については私はやっぱり規制をする必要があろうかというふうに思うのです。政府のほうはどうもそれは絶対にタブーのようでありまして、そこらだけはもう聖域のように言われるわけでありますけれども、四党案の審議のときにそういう問題についてどのように御議論がありましたか、御見解をいただきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもの案が非常に手ぬるいようなお話をいただきますのでございますが、第五条による倉庫への立ち入り検査、これはもう非常に画期的なことでございまして、行政指導によっても相当効果がありまするが、さらにまたこの立ち入り検査ができるということでございまして、これは全体に物統令にいうところの不当な利益を得る目的で買いだめあるいは売り惜しみがなくてもやれるわけなんです。一般的に見て、当局が、これは売り惜しみあるいは買い占めの行為があると、それが多量であり、緊急にそれを放出させる必要があると認めれば、これはやれるわけなんでございまして、その点は私は非常に機動性に富んだいい案であると思っておるわけでございます。しかも、これによって、そこまでこれによって、そこまでやられれば物資をどのくらい持っておるかが明らかになり、したがって、この仕入れは幾らであり、販売価格は幾らであるということが明瞭になりますので、当然税というものはこれについてくるわけでございます。だから、これはいまの体制下にない非常に強い措置であると考えております。  それから輸入に関する寡占の状況云々というお話がございましたけれども、これは国外との話でございまするので、やはり各国の必要物資の中から妥当な価格で日本が輸入していくというためには、さなきだに過当競争によってわが国の利益が失われつつあるということがいろいろ言われておる際でもございますので、これをあまり野方図にするということは私は国益から見て適当と思わない次第でございまして、したがって、また、利潤統制というようなことよりも、むしろ自由な——寡占というお話がありましたけれども、非常に能力のある者が十分に競い合って、そこにおのずからなる利潤が生まれてくるということが、いまの日本のような輸入をしなければやっていかれない国柄から見て適切なものであろうと、こう考えておる次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は長官に質問しているのじゃなくて、松浦さんに質問しているんです。

松浦利尚日本社会党

○衆議院議員(松浦利尚君) 大臣が私にかわって答弁をしてくれましたが、(笑声)だいぶ違っておりますので、私のほうからお答えをしておきたいと思います。  実は、現在の独禁政策の中で介入できないもの、どうしてもやれない部分というのが、実は俗にいう寡占価格、または管理価格、これは一つの盲点でありまして、極端に言うと、共同行為その他が行なわれたかどうかわからない形で下方硬直あるいは格が上昇する、こういったものに対しては現在の法律体系の中では取り締まれない。ですから、そういった意味では、寡占価格というものに対する規制のための法案、あるいは管理価格規制法案、こういった法律が独禁政策を補完する意味で必要だと、特に寡占状態に進む日本の経済情勢の中で物価が上がるという条件の中ではこういった法律は特に必要だということが野党四党で議論をされたところであります。しかし、売り憎しみ・買い占めというものとはちょっと関連のない法案でありますから、別個に野党四党で話し合いをしておるということを申し上げておきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 最初に、小坂長官にほんの一言だけ伺いたいと思いますが、前回のこの委員会で、私は、長官の御出席なすったOECDの閣僚理事会の共同コミュニケに関連いたしまして、日本政府としては賃金物価凍結令あるいは所得政策、こういう方向を考えておられるのじゃないかということを伺いました。その際、長官の御答弁では、いや、日本では国民的コンセンサスを得ることがまだ困難な状態なので、所得政策などを採用することは時期尚早と考えるというような御趣旨の御答弁があったと記憶しております。ところが、けさの「毎日新聞」によりますと、アメリカで今度御承知の「物価凍結などを含む新経済政策を発表すると同時に、近く所得政策の第四段階へ移行することを明らかにした」というような事態と関連して、見出しを読んでみますと、「所得政策の導入検討を」「政府内に声高まる」「物価鎮静の手段」に「財政・金融政策すでに限界」と、こういう見出しで、長官のこの間の御答弁をそのまま引用されて、そういうこれまでの政府の公式見解とはニュアンスの違う発言が政府部内に出てきている。つまり、所得政策を日本としても導入すべきであるという声が政府部内に出てきている。新聞社の予想では「七月にも政府がなんらかの形で国民に対し所得政策の必要性を訴えるという事態も予想される。」と、こういうことが書かれているわけです。この点について、長官、どのようにお考えになっておられるのか、伺いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの「毎日新聞」の記事は私も拝見いたしましたが、私としては毛頭考えておらないところでございます。理由は、先般申し述べましたと同じ理由でございます。きょうも閣議がございましたわけでございますが、どなたからもさような点の御指摘はもちろん公式の場においてもございませんし、私に対して特にそういうお話も個別にもございませんのでありまして、私といたしましては、ただいまのお読み上げになりました記事は全く関知せざるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 一流新聞の記者が、しかも一面のトップに書くというような場合には、相当やっぱり裏づけをとった上で私は書くんだろうというふうに推測します。私自身もこの前質問したのは、別にあて勘で質問したわけじゃなくて、たとえば、ここにも書いてありますが、「財政・金融政策すでに限界」とはっきり新聞でも書いてありますように、この年初以来いろいろ金融引き締め措置あるいは財政繰り延べ措置等々をとっても、依然として物価は上がり続けている、しかも急テンポで上がり続けているという事態が一方であるわけですね。しかも、他方では、田中総理大臣のこの間のテレビ放送などを伺っておりますと、いまの物価対策、インフレ対策のいわばきめ手であるかのごとくに、今度出す予定であったといわれる経済安定法のことを盛んに強調しておられる。しかも、この経済安定法というのをよく調べてみますと、すでに西ドイツで十年ばかり前に制定されて、時の経過によってインフレ抑制には何の効果もないということが事実によって証明された、それとほとんど内容上同じようなものを国会に出そうということで準備を進められるというような状態です。こういう動きを見ますというと、国民の前で何とかインフレ対策、物価対策をやっているんだということを少なくとも政府としては示さざるを得ない。そこで、長官御自身もこの前も推奨しておられましたが、西ドイツのああいうやり方ですね、これを法案として出してやってみたけれども、うまくいかないと、やむを得ずこれは所得政策のほうに行かざるを得ないんだということをいわば事実によって積み上げていこうというようなお考えがあるんじゃないかという気がするんですね。長官のいまの御答弁を伺いましても、所得政策そのものについて別に否定的な態度をとっておられるんじゃないような感じがいたします。ただ国民的コンセンサスが困難だということで手控えているというような感じがいたしますが、その点、どうですか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私、実は、昨年の暮れにこの職を奉ずることになりまして、すぐにこの一月当初に申しましたことが幾つかございますのですが、たいへん私の非力のためにどれもこれもあまり実効をあげておりません。その一つは、もう早急に公定歩合を上げるべしということであったわけでございます。これはなかなか実現しませんで、ようやく二月の終わりごろになってそういうような機運になってまいったということになっておりますし、それから輸入の完成品の輸入をもっとふやすために輸入関税を下げなければならぬということを、そのことを政府に授権させることはどうかということを申しましたが、これは関税定率法を下げたばかりであって、とうていそういうことにはならぬであろうということでございました。それからもう一つは、国債を発行したらどうか。それは、自分は多少経済のことをやっておったので知っておることだが、とうてい配当の見込みのない会社の株式が異常な高値を呼んでおる。これは異常なことなんだから、こういう際に政府が保証する国債というものを個人消化と考えれば必ず売れるであろう、だからそれを考えてみたらどうだろうというようなことを、その他まあ幾つかを、長いからやめますけれども、提案をしてみたのでございますが、いずれも目下そういうことはもうだめなんだ、国債というものはこういう程度でやっておりますというような話でございまして、いずれもものになりません。いまごろになって安定法を出してもなかなかむずかしかろうというふうな気がいたしますわけでございますけれども、インフレ対策というものはタイミングが大事だと思うのでございまして、そういう意味で、はなはだ私も微力を恥じておるわけでございます。しかし「財政・金融政策すでに限界」というのは、私はさように思っておりませんのでございまして、先般も公共事業の五九・六というのをきめましたわけですが、あれなどももっと思い切ってやる方法はないかとずいぶん考えたわけでございます。こういう点をもう少し切り詰めることも一つの方法でございましょうし、それから金融政策面におきましてもまだ窓口指導の強化あるいは公定歩合の問題についてさらに金融当局に検討してもらうことも必要でございましょう。まだまだいろいろやる措置はあると思います。全般的に国際的なインフレの波が日本に来たことと、それから私はしばしば申し上げているように、日本の生産第一主義の体制から福祉中心主義に切りかえて、国民の所得がふえた、国民の所得がふえたのに比例して消費がふえていく、そのことが物価を押し上げる、こういう問題が一ぺんに来ておるので、いわば新しい福祉国家への生みの悩みを悩んでおるというのが現今の状態であるという認識におきまして、私はこのいまの燃え盛ってくる物価の火の手を何とか消しとめるその方法はあるというふうに思っておりますが、そういう考え方で私はまだ財政金融その他いろいろなプロパーミックスによりましてこの物価の騰勢を断ち切るということを努力したいと考えております。所得政策については時期尚早という考え方は私は依然としてとっておる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 重ねて伺いますが、所得政策は原則的に反対だという立場ではなくて、つまり、ただ時期尚早にすぎないということなのかどうか。  それから時間がないのでまとめて伺いますけれども、この新聞記事によりますと、「経済企画庁だけでなく、政府部内には」云々ということで、この所得政策導入という声が強くなっているということをいっておられますが、その点、どうか。  それからもう一点は、「七月にも政府がなんらかの形で国民に対し所得政策の必要性を訴えるという事態も予想される。」ということが書かれております。その三点について伺いたい。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 結論から申し上げますと、はなはだ突っぱねたような言い方になって恐縮でございまするが、その新聞記事には責任を持ちかねます。  ただ、私の所得政策に対する考え方を述べようということでございましたならば申し上げますけれども、私はそういうことをやるにはどうしても国民の協力というものがなければならないと思います。いま残念ながら直ちに政府がこれをやりますと言って、国民が協力するような素地にないと、こういうふうに考えまするわけでございます。  それからもう一つは、所得政策というものをやります場合は、どうしても短期でなければならない。長期にわたってそういう政策をするには非常な政治力が要る。しかし、日本のいまの政治情勢というものは、そういう情勢にないということは言えると思うのでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは本題に入ります。  この四月の初めに通産省が六つの大きな商社のヒアリングの、聞き取り調査の結果を発表いたしました。ところが、その後に各会社の三月期決算が発表されまして、それによりますと、たとえば経常利益で申しますと、三菱商事は百七十二億円、三井物産は百五十二億円、それから伊藤忠が百六十四億円、丸紅が百三十一億円、端数は全部切り捨てましたけれども、昨年の十月からことしの三月までのわずか六カ月の間に、実際胸のむかつくような荒がせぎをやっているわけです。そうしてこの荒がせぎの最大の源泉は、これが木材、あるいは綿糸、綿花、それから羊毛、生糸、大豆など国民生活必需物資の買い占め、価格のつり上げによるものだろうということは、すでに私は国民の常識になっているんじゃないかと思うのですね。特に、一番最初あげました木材がこの高利潤の一つの大きな源泉になっているというのは、各社の新聞発表の数字によっても十分にうかがわれるわけでして、木材が一つの投機の大きな主力になっているということもまた国民的常識になっているようなものじゃないかと思っているわけです。ところが、通産省の先ほど申しました聞き取り調査の報告を見てみますと、木材についてはこういうことが書かれておりますね。「なお、売却益は、輸入価格と国内で商社が売渡す価格の決定時期にタイムラグがあること等により著しく増加している。特に昭和四十七年下期は前年同期比三倍強の増益となっている。」と、こういう評価が加えられているわけです。つまり、その増益の原因は価格決定時期のタイムラグだと、こういうことになっているわけですね。  それから最後に総評価が出ているわけですけれども、「以上を総評してみれば、当省において調査した商社の段階で明白な買占めおよび売惜しみが行なわれたと断定できるものではないが、羊毛、毛糸、綿糸および生糸について買い占め(少なくとも買急ぎ)が行なわれ、あるいは、商品取引所における投機が行なわれた疑いはある。」と、こういうことになっているですね。なお、続けて念のために読んでみますと、「また、ほとんどの物資に共通して言えることであるが、商社の段階では投機行為がない場合であっても、その下の流通段階たとえば、問屋等が買占めおよび売惜しみを行なっている疑いもある。」云々と、こういうことになっているわけです。つまり、木材については投機行為がなかったんだと、商社は。これが私は通産省の結論だと思うんですね。実際木材についてこの六つの商社の投機が行なわれなかったのかどうか、この点をまず伺いたいと思います。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) 木材につきましては、通産省が輸出入を総括しておるという立場と、商社活動の実態を知りたいということで調査いたしたわけでございます。ただいまの先生の御指摘の点につきましては、主として取り扱い数量が必ずしも大きくふえておらないといったところから、むしろ木材価格の安い時期に仕入れたものを高くなる時期において売り出したという観点から、その利益率の大なることは認めておるわけでございますが、積極的に買いだめあるいは売り惜しみがあったのではないのではなかろうかという判断にその時点においては立っておったわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまの時点ではどうですか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) いまの時点では、まだ詳細な調査をやっておりませんので、われわれの立場におきましては、根拠を持って判断結果を申し上げる段階でございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 四月三日に発表されたこの断定ですね、これについては商社からのヒヤリングの資料に基づいてそういう判断をされたと、こういうことですか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) ヒヤリングの結果としての判断でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この商社の報告、これについてはどうもそれが真実かどうかということを疑わさせる幾つかの問題点が私はあると思うのですね。たとえば、この商社のあなた方に報告した有価証券売却益、これを見てみますと、七一年度の上期は二十九億七千六百万円、こういうことになっているんですけれども、同じ六社が有価証券報告書に計上した同じ有価証券売却益、これは三十七億八千八百万円と、こういうことになっている。同じように、七一年の下期は、これは通産省の発表によれば五十八億四千三百万円であるが、有価証券報告書によれば六十四億一千二百万円になっている。七二年の上期は、通産省発表によれば八十一億七千七百万円ですけれども、有価証券報告書によれば八十三億六百万円と、こういうことになっている。通産省報告のほうが少ない。内輪に内輪に発表されている。これが特徴です。  それからこれは衆議院の物価特別委員会でも問題にしましたけれども、この六大商社の所有土地、これについて見ますと、七十二年上期で見てみますと、その前の期から、つまり七一年下期の所有地面積ですね、それに比べての増加した面積だけもうめんどうですから申しますけれども、これによりますと、百十四万四千平方米、これがふえたことになっております、通産省発表によれば。ところが、有価証券報告書によりますと、六社合計で計算してみますと、五百一万七千平方米、これが七二年上期の増加面積なんです。非常に大きな違いがある。公式に発表されたものと、通産省が直接に聞いてそうしてそれをそのまままとめて発表したものと、大きな食い違いがある。通産省発表のほうがはるかに内輪になっているわけです。  いま私が申しました木材についても、非常に疑惑を抱かざるを得ないような事態がいろろあるわけですよ。十分六社の報告の内容を検討した上であなた方はさっきのような断定をされたのか、あるいはさらには商示の報告とそうして実態との照合を十分にやられた上でああいう断定をされたのか、その点を伺いたいと思います。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) 当省の調査いたしました時点は三月の中旬でございますので、一つにはその時点では一月末までの数字しか、しかもヒヤリングとして聴取したにすぎなかったという点と、それからいま一つは、決算の結果について聞いたのじゃございませんで、単純に仕入れ価格と売り上げ額との差を一応粗利益という形で把握したわけでございまして、公表いたしました資料の中にもそういった断わり書きをつけておるわけでございます。その意味においては十分実態を把握した上での判断ということは言いかねるかと思いますが、土地問題につきましては、審議官のほうから御説明させていただきます。

牧野隆守通商産業大臣官房審議官

○説明員(牧野隆守君) 土地問題につきましては、二点ございまして、第一点は、有価証券報告書に報告されておりますいわゆる有形固定資産でございます。第二点は、報告書の中にはっきり出てまいらないいわゆる商品土地でございます。商品土地につきましては、有価証券報告書では機械設備あるいは建設という中に金額といたしまして把握されているだけで、どれだけの土地を保有しているかということははっきりいたしておりません。  私どものほうといたしましては、企業が事業用予算として把握しておりますいわゆる有形固定資産、これにつきましては、事業用でございますので、特に現在問題になっております商品土地と違いますので、そういう点につきましては、企業の説明どおりを了承いたしております。これにつきましては企業といたしましても特に隠さなければならないというような実態にございませんので、この点については全く間違いはないと思います。  第二点の商品土地でございますが、これは非常に短期間にそれぞれ各社の担当部門の数字を集めたというのが現状でございまして、かつ各社ごとに後ほど詳細にチェックいたしまして判明いたしたわけでございますが、たとえば金を前渡金を支払ったと、その支払った前渡金に相応する土地の面積だけを報告したもの、あるいは、これは手付だけであって所有権は全部移転していないということで報告していないもの、それからその後使用目的が変わってまいりまして、事業用土地のほうに変わったもの、あるいは事業用土地として考えておったものが商品土地のほうに移管されたもの、こういうような各社ごとの各部から直接聴取した次第でございますので、そういうズレがございまして、そういう観点から一部数字の変更が出ております。この点につきましては衆議院の物価対策特別委員会でも御指摘がございまして、問題の企業の個々の内容につきまして御説明いたした次第でございます。  なお、ただいま橋本次長から答弁いたしましたように、私どものほうの調査は一月末現在でございまして、三月末の数字は入っておりません。その間進行中のものがございまして、その観点からのいわゆる決算における報告の増というものは出ておるものと、こういうふうに了解いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 あのね、土地と有価証券売却益は、きょうは私はそれを中心に伺うつもりはないので、あんまり深く立ち入りませんけれども、しかし、私がわざわざ申し上げているのは、七二年の上期の数字を対照して申し上げているんです。下期は、あなた方がおっしゃっているように、確かに一月までの数字ですよ。あと二月、三月、この二カ月は入っておりません。だから、そこは問題にしていないんです、私は。ですから、月が少ないというようなことはこれは議論にならぬ。同時に、あなた御自身もおっしゃいましたように、十分に検討しないで、そうして結論を出されたというような形になっているわけでしてね。私は、その点、一体どういうつもりでこんな結論を出されたのか、非常に疑問に思いますよ。なぜかといえば、三月から四月にかけて、これはもう私が申し上げるまでもなく、商社が買い占めやっているんじゃないかと、これが大きな世論になってきているときですよ。そのときに、あなた方は、珍しくも商社に聞き取り調査をやっている。そうして、出た結論は、これは少なくとも木材については投機行為がなかったというふうに断定したことにひとしいような評価をなさっている。通産省といえば政府の一つの重要な省ですよ。それが、あの投機問題がずうっと問題になってきているときに、少なくとも羊毛その他若干のものについてはあったかもわからぬというようなことで、大もうけの一番中心を占めているというのがその後の三月期決算でもって明らかになった木材そのものについては全然その点を指摘していない。これは私は一定の政治的な意味があると思う。世論を鎮静させるというようなおつもりがあったんじゃないか。大企業を擁護するというおつもりがあってのことじゃないか。あまりにもずさんな調査に基づく結論を断定的に出される、けしからぬことだと私は思うのです。  ところで、「経団連月報」の五月号を私ここに抜き刷りを持ってまいりましたけれども、あなた方もごらんになったと思いますが、「商社機能をめぐって」という座談会があります。ここには三井物産の相談役の水上達三さん、丸紅の副社長の松尾泰一郎さん、三井物産の会長の橋本栄一さん、あるいは三菱商事の副社長の田部文一郎さん、その他、伊藤忠の副社長の戸崎さん、こういうような方々が出て、そうしていま私が問題にしているあなた方の調査の報告ですね、これをさかなにして座談会をやっておられる。その中で私は見落とすことのできないようなことが幾つか言われているわけです。たとえば水上さんはどういうことを言っているかといいますと、「大手商社営業活動の実態調査」というこの通産省の結果報告ですね、これについては、こういうことを言っている。「われわれは各社別にやらないようにしてもらいたいという申し入れをしたところ通産省も諒承して、一括してやることになったのですね」と、こういうことを言って、とにかく各社別の報告をしないということは商社側の要求によってそういうことになったということがはっきりここで言われているわけです。さらに、先ほど申しました丸紅の副社長の松尾という方は、こういうことを言っている。「私はこの間、つまらぬ発表をしてまた問題を起こすようなことをしないでくれといったら、それは慎重にやっています、発表する場合には業界のご理解を得てやりますと言っていましたが、」伝々と、こういうことなんですね。発表する前に業界の御理解を得て発表いたしますと。業界の御理解を得るとは一体何か。結局のところ、業界に損のいかないように発表するということになってしまうじゃないか。こういう発表で、断定的に木材について、少なくともですよ、投機をやっていないと言うごとき発表をやっている。商社擁護の発表だと言って差しつかえないのじゃないかというふうに考えざるを得ない。  もう少しついでに読んでみますと、水上さんはこういうことを言っている。「また、ここのところが大事なのですけれども、」と言って、この報告の個所を読んでいる。先ほど私が読み上げたと同じところですが、「「ほとんどの物資に共通していえることであるが、商社の段階では投機行為がない場合であっても、その下の流通段階、たとえば問屋等が買い占めおよび売り惜しみを行なっている疑いもある。さらにこうした思惑的行為が末端の小売店段階までに及んでいる傾向もいなめないと考える。当省の今回の調査においてはその段階までは明らかにできなかった」と言っているのです。」と言って、大いに強調している。それについて、新日本製鉄の稲山さんが「それはそのとおりです。」と、こういうふうにすぐ相づちを打つ。こういうことで、業界の人たちがあなた方の評価をどれほど推奨しているかということがよくこの文面にあらわれていると私は思う。何のつもりでこんなものを発表されたのか。  特に私が疑問に思いますのは、当時は商社の買い占め・売り惜しみが問題にされていたときです。買い占め・売り惜しみを問題にするならば、当然在庫量がどのくらいになっているのか、これを私は調べて発表すべきだと思う。その上で断定を下すべきだと思う。在庫量について調査いたしましたか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) 先ほどの「経団連月報」についてまずお答えいたしますが、私たちといたしましては、当時、いわゆる行政指導の一環として調査を実施したわけでございます。しかも、短期間に、限られた時間内にできるだけ早く実態をつかみたいといった要請から実施したわけでございますが、その場合、権限を持っていたす行為でございませんので、個別に名前を出さないからということを前提としないと、むしろ実態を無視した報告がなされることをわれわれとしては回避したかったと、さような観点からいたしたということを、弁解ではございませんが、申し上げておきたいと思います。  それから第二点の在庫量の問題でございますが、実は、買い占め・売り惜しみの問題から在庫量を考える場合には、単純に在庫量を押えるだけではなくて、手持ち在庫と申しますか、売り渡し契約のできていない在庫を確実につかんでみたい、そういった立場から六社のヒヤリングに臨んだわけでございますが、現実問題として、調査期間等の関係あるいは資料等の関係もございまして、十分把握し得なかったということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 行政指導のために調査したと、何の行政指導ですか。当時は買い占め・売り惜しみの問題が中心問題にずっとなってきて、そのためにあなた方も六つの商社を呼んだわけでしょう。そうして調べたんじゃないですか。行政指導、これはまさにこの買い占め、投機という反社会的行為に対してあなた方が一定の行政指導をするというつもりでおやりになったのじゃないでしょうか。その一番肝心かなめな在庫量について調査もしないで断定的な結論を出す、一体何ごとかと言いたくなる。しかも、もう時間がないので、私は次に質問を譲らざるを得ないので、この座談会について一言だけ申し上げておきますけれども、こういうことを言っているんです。先ほどの松尾という、これは丸紅の副社長ですけれども、こういうことを言っている。これは品物の売り買いについてですが、「とくに大手がやっていることは原則として右から左への商売であって、ここで買いだめだとか売り惜みをするようなひまはないというか、そういうことで社員も訓練されていないのではないかと思います。」と、こういうことを言ったあとで、少し間を置きますけれども、こういうことを言っている。「たとえば木材などは、これまで大きく暴落して、商社が何十億円も損をしたのですが、ここへきて海外の価格が非常に高騰しているのです。そんな情勢下で、アメリカが原木輸出規制をするのではないかという懸念もあり、不必要に国内が手当を急ぎ過ぎたということなんですが、商社はただ輸入して売り渡すだけなんですね。ですから、商社が値段を上げたというよりも、二次三次の問屋やユーザーの段階であわて過ぎたのです。」と、こういうことを言っている。私は、通産省のこの調査結果の報告は、まるでここでもって丸紅の副社長が言っていることをオウム返しに同じ内容のことを言っているというしか思えない。  そこで、この丸紅の副社長というのはどういう人かと思ってちょっと調べましたら、元通産官僚だということだそうですけれども、通産省のどういう地位におられた方ですか。

橋本利一通商産業省企業局次長

○政府委員(橋本利一君) かつて通商局長をもって退官されたと記憶いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういう状態でしょう。私は小坂長官に伺いたいのです。今度の法案で、先ほども問題になりましたけれども、商社の買い占め、投機、これについては勧告をするだけでしょう。言ってみればそういうことですよ。それで勧告を聞かなければ公表するというだけのことで、これほど問題になりながらおれは知らないよという態度で、しらじらしくも座談会へ臨んで、言ってみればこれは商社免罪論、これを「経団連月報」という公式の雑誌の上で堂々とPRしている。何の反省も見られない。こんな連中の名前を公表してどうして効果があるのか。しかも、政府が勧告すると。その勧告する人というのは、それぞれの担当官庁でしょう。その担当官庁の通産局長という要職を占めた人が大商社の副社長をやっている。全くこれはツーツーですよ。そんな状況でこんな買い占め・売り惜しみ法案が何の効果がありますか。野党案のほうがはるかに効果を発揮するだろうと当然これは考えなければならない点だと思います。その点、どう思いますか。

小坂善太郎自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は野党案と与党案の差を、まあ野党のを先に申し上げまして、敬意を表して比較検討させていただいたのでございますが、いま野党案ならいいが与党案なら悪いとおっしゃるその根拠は実は発見できないのでございます。この主要な違いは、まず、第二条にございます「不当な利得を得てはならない。」という精神規定がございますが、他に「不当な利得を得てはならない。」というものに続く規定はございません。この点が与党案と野党案の違うところでございます。  それからもう一つは、第六条に、「必要があると認めるときは、当該公表に係る勧告を受けた事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。」と。要するに、罰則を強化して命令を出して取り締まると、こういう点でございますが、先ほども申し上げましたように、命令を出すということになりますと、不当な買い占め・売り惜しみがあったということに対する対抗要件を政府は持たねばならぬ。それこそ、いま御指摘のように、なかなかしたたかなる諸君を相手にして十分行政訴訟で負けないだけのことをやろうということになると、これはなかなか簡単に命令が出せないということになって、結局は、おっしゃるように、これは非常にりっぱな力のように見えるが抜けないということになる心配があるわけでございます。  ただいま政府に対して非常に不信のお話がございましたわけですが、そういうものでは政府はないと思います。それは、一つの例を申し上げますと、同じ丸紅でございますが、予算委員会で、何か非常に弱い者いじめをして大きなものはのがしているではないか、呑舟の魚を逸するなという御注意がございまして、さようなことは考えておりませんと申し上げましたのは、やはりあれは今日の丸紅の起訴に対する裏づけをやっておったわけなんでございまして、われわれは決して大商社といえども悪いことをしておればこれを見のがすつもりはないということを十分に申し上げておきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 最後に一言だけ。きょうは、時間がないから、もうこれで質問を打ち切らざるを得ませんけれども、この質問は次回に保留します。  そこで、次回の質問のために、次の委員会までに次のような資料をぜひ提出していただきたいと思うのです。六社が衆議院の物価特別委員会に提出した資料ですね。そのうちの四十七年の下期の数字ですね。これは、さっき通産省の方も言われましたけれども、四十八年の一月までの数字しか出ていないわけですね。すでに三月期決算は各社とも発表しておりますので、四十七年の十月から四十八年の三月までの数字ですね、これを提出していただきたいと思います。それから特に、仕入れ、販売、売却益総括表というのが提出資料の中にありますけれども、これについては、これはできるだけ早く提出していただきたいと思います。  それからもう一点、お願いしたいのは、羊毛、毛糸、それから綿花、綿糸、生糸、大豆、木材ですね、これについて、主な銘柄別に、月別の在庫量、それから在庫金額、これを四十六年、七年、八年の、これは一月から四月まででいいですけれども、これについて報告していただきたいと思います。  それからもう一点、羊毛、毛糸、綿花、綿糸、生糸、大豆、木材、さっきの品目について、四十六年度上期、下期別、それから四十七年度の上期、下期別ごとに、主な取引先別の主要銘柄の仕入れ量、単価、金額及び販売量、販売単価、販売金額を、これも報告していただきたいと思います。  それから米の取引について、通産省のヒヤリングのあの要綱の中には、米も調査項目に入っている。ところが、通産省のこの報告、あるいは各商社の出した報告の中に、米について一言も触れられていない。さっき小坂長官も言われましたように、米の問題が、これが非常に重要なんです。そこで、米の取引について次の点を報告していただきたいと思います。四十四年度から四十七年度、各決算期ごとに主な銘柄別の仕入れ量、それから仕入れ単価、仕入れ金額及び販売量、販売単価、販売金額、それから売却益、在庫量、在庫金額、それから同じく米について四十七年度の主な銘柄の仕入れ量、仕入れ単価と仕入れ金額及び販売量、販売単価、販売金額、これを主な取引先別に報告していただきたいと思います。  これを次回のこの物価特別委員会の開かれるまでにつくっていただきたいと思います。この点、委員長、どうぞ確かめてください。

小島英敏経済企画庁国民生活局長

○政府委員(小島英敏君) 初めの二つの表は問題なく提出できると思いますが、そのあとは、私、現在の段階でお約束できるところまでまいりませんので、至急関係方面と検討いたします。  それから米の問題につきましては、これは食糧庁のほうに連絡いたしまして、これだけ全部そろうかどうか、いまの段階でお約束できかねますけれども、極力そのように努力いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 質問を私が持ち越しましたのは、こういう資料がそろわないとできない、具体的に。推測で御質問するわけにはいきませんので、だから、その点、ひとつ国会の審議を充実させるためにぜひお願いしたいと思うのです。重ねてこれは伺います。お願いします。

山下春江自由民主党

○委員長(山下春江君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗