物価等対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/19
会議録
○委員長(山下春江君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十八日、玉置猛夫君が委員を辞任され、その補欠として中西一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(山下春江君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。 玉置猛夫君の委員異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に塚田十一郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 当面の物価等対策樹立に関する調査のため、本日の委員会にセメント協会流通委員長原島保君、全国建設業協会理事 土屋伊作君、日本左官業組合連合会常務理事 鈴木清次郎君、北海道漁業協同組合連合会専務理事 田面剛君、丸紅株式会社取締役副社長松尾泰一郎君、日本不動産協会理事長 江戸英雄君、日本衛生材料工業会会長 川本新之助君、日本綿スフ織物工業連合会会長 寺田忠次君、伊藤忠商事株式会社取締役副社長 藤田藤君、以上九名の方を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 この際、参考人の皆さま方に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用のところ、御遠路わざわざ本委員会の調査のために御出席いただきまして、たいへんありがとうございます。 これからの会議の進め方につきまして申し上げます。 最近、諸物価の騰貴が問題になっておりますので、本日は特に生活に関連ある品目につきまして、まず午前中はセメント及びコンブの価格問題等に関し、委員の方々からの質疑に対する答弁という形で御意見を述べていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○小柳勇君 参考人の皆さま、御苦労さまです。 経済の動き全般的なものを冒頭に経済企画庁長官からお聞きした上で、各業者なりあるいは仕事をされている方の御意見を聞きたかったのでありますが、長官がちょっとおくれておりますので、ぶっつけ本番で、セメント協会の原島さんのほうからまず第一問をお聞きいたします。 本年に入りましてから急速にセメント不足が叫ばれました。私どもとしては、昨年の暮れの臨時国会で補正予算を組みましたあと公共事業がうんとふえました、そういうところからすでにもうセメント不足の原因はあった、また傾向もあったと考えておるのでありますが、今年に入りまして急にセメント不足が叫ばれて、公共事業も民間の事業も仕事ができないということであります。 したがって、お聞きいたしますのは、セメント協会としては需給計画というものについてどのようになっておるのか。たとえば、臨時国会で昨年の暮れなどは相当の公共事業投資をふやしました。ふやしますと、すぐ政府なりあるいは適当なところから協会にあて、これだけ公共事業がふえましたからセメントがこれこれふえますよ、したがってこれこれの生産をお願いしますというような、直接的な具体的な計画の指示があるのかどうか、そういう点も含めまして、あるいはもう政府と全然無関係に、業界だけで今年はこれだけ生産しようというように需給計画をおきめになるのか、この点からひとつお話を承りたいと存じます。
○参考人(原島保君) 原島でございます。 ただいまの御質問でございますけれども、われわれ業界といたしましては、大体業界独自でセメントの需給予想を立てております。それに見合って能力を増加してまいるというのが業界の通例でございますので、政府のほうからの、来年は何トンだから何トンつくりなさいというような御命令によってわれわれが生産販売をいたしているわけではございません。 ただ、一言申し上げますと、昨年度、先生からただいま御指摘のございましたように、非常にわれわれの需給見通しが狂ってしまいました。これは、当初われわれ業界といたしましては、四十七年度は六千四百万トンという想定を立てました。しかし、この三月で大体六千九百八十一万六千トンという、われわれの想定と五百八十万トンという過去二十年間に例を見ないような大きな違いを発生してしまいました。 その間の事情について、お許しをいただけるならば若干御説明を申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。 われわれは六千四百万トンという需要想定を立てますにあたりましては、過去十数年、セメント協会で調査委員会というものを設けまして、来年度の国家予算がきまりますと、それをもとにいたしまして、官庁需要が何千万トンあるだろうかというような作業をいたします。その作業は、マクロ的な観察によって出すのとミクロと二通りのやり方でやっておりますが、大体指標というのがきまっておりまして、経済指標といたしましてはセメントに関係のございます民間の設備投資、民間の住宅投資、政府の固定資本形成、これらの指標を使いましていろいろな、私もよくわかりませんが、専門家、われわれのほうの若手の統計学を学んだ者が、通産省とももちろん御連絡はいたしますけれども、それらの経済指標をもとにいたしまして毎年の需要想定を出しております。 昨年はしかし、それらの需要想定が全部狂ってしまいました。当初われわれは、おととしの十二月に円が一ドル三百六十円から三百八円になった。去年の一月二月ごろの経済見通しというものは、非常に一般の民間の景気が悲観的でございまして、われわれが当初、四十七年度の見通しを立てますときの参考にいたしました数字を申し上げますと、日経センターの数字は、経済成長率の名目で、時間がございませんので名目だけ申し上げますが、日経センターの経済成長率が一一・五の予想でございました。野村総合研究所の数字は一一・五、興銀の調査九・九、こういうものでありましたが、実績は一七・五くらいに上がりました。それから、われわれが一番よく見ております民間の住宅投資、この数字は、昨年の一−二月ごろの数字でございますと、日経センターは伸びが一〇・九、野村総研が二〇・二、興銀が一二・一でございましたが、実績は三六・五と、非常に大きく伸びました。それから民間の設備投資でございますが、日経センターの見通しでは二・五でございました。野村総研はマイナスの六・三、興銀がマイナスの六・九でございましたが、実績は一三・〇%。それから政府の固定資本形成、これはそう狂いませんが、日経センターが二六・八、野村総研が二三%、興銀が二七・二に対して実績が二五・五。こういうような、結論から申しますと実績のほうが非常に景気がよかった。 われわれといたしましては、昨年の六千四百万トンという数字は、おととしが六千十六万トンでございまして、七%弱の伸びの見込みであったわけでございます。ところが四月−六月の実績が出てみますと、これが、われわれは七%程度だと思っていたのに、どういうわけか一四%も出ておる。四、五、六の平均の伸び率が一一五・八でございました。 これは一体どういうことかと、われわれも非常に不思議に思っておったわけでございますが、その間、海員組合のストが三ヵ月にわたって行なわれました。日本のセメントの流れは、大体九州と中国がセメントの主たる生産地でございまして、品物は船でもって近畿、東海、関東のほうに上がってまいります。それが三ヵ月海員組合のストライキが行なわれたために、一方、需要が七%と思っていたのが一四%も一五%も出たということで、需要地にございますわれわれのセメントの在庫が百万トンぐらい減りました。まあこれも異常なあれで、その当時はわれわれもよくわかりませんでしたけれども、これもおそらく補正予算の追加や何かがこう出ているのじゃないだろうか、去年からの繰り越しで一四%ぐらいで、七、八月で少し落ちつくのじゃないだろうかというふうに考えておりましたところが、七月は、もちろん海員組合のストが十三日の晩に解決いたしましたけれども、そのために七月は数量がなくて一一〇・八%という伸びでございましたが、八月に至りまして一二一・五という数字があらわれたわけであります。 非常にわれわれとしてもびっくりいたしました。非常に高い伸び率で、それで生産に励んだわけでございますけれども、何ぶん第一四半期の時点におきましては、船が動かないために生産のほうが阻害された。これは船でもって運び出すセメント工場では、船が入ってきませんと工場でつくった品物が満ぱいになります。そういたしますと、もう生産ができなくなる、置き場がありませんで。われわれのほうの工場でもそういう工場がだいぶ出まして、計画変更と称して、一ぱいになると修繕をする。そのために、何だかんだ合わせまして、四−六と申しますか海員組合のストのときに、生産も百万トン押えられた、それから需要地の在庫が百万トン減ってしまった。そうこうしているうちに八月が一二〇%も出まして、それでいよいよ九月以降の需要期を迎えたわけです。 セメントの需要というものは、大体四、五、六、まあ七月までは雨期がございますし、四−六のときは端境期でございまして、従来はその期間にボイラー検査とかいろいろな修繕計画をやりまして、大体九月からフル運転に入るというのが業界の常識でございます。それで、われわれといたしましては、これはたいへんだということで、需要想定ももちろんもう一度洗い直しました。その当時、景気の見通しがはっきりいたしませんでしたけれども、六千四百万トンを一応六千七百万トンに改定いたしまして、これは十月のセメント協会の理事会で六千七百万トンというふうに改定をしたわけでございます。 それで十一、十二とフル運転を続けまして、十二月に入りまして、だいぶ品物は窮屈でございましたけれども、どうやら社会問題に発展するようなこともなく十二月、越年いたしました。そのときの全国のセメント、半製品とセメントの在庫が約二百三万トンぐらいございました。二百万トンを切らずにどうやら越年した。 しかし、一月以降の在庫がございませんと各会社とも非常に販売上困難いたしますので、ことしのお正月は七十二本のかまが、特別に労働組合の御協力をいただきまして、お正月三が日休まずにずうっと三十一日、一日、二日、三日と、みんな正月に出勤をいたしまして、七十二本のかまが動いて一生懸命生産をいたしました。その結果、二百二万トン程度であった在庫が一月末に二百五十六万トンにふえました。私といたしましては、業界の流通事情として、大体一月末で二百五十六万トンいけば、どうやら二月三月はこれで乗り切れるだろう、こういう考えでおりました。 ところが二月の十日、十二、三日の時点で、まず最初に中国地区から火がついてまいりました。 一月の末に中国地区のセメントを売っておる会社の支店長が皆相談いたしまして、これは毎月、私のところに一月の末に二月の需要予想量というものを言ってまいるわけでございますが、一月の末に広島にあるセメントの各社の支店長が皆相談して、自分の手持ちの契約その他から、中国五県でございますけれども、五十二万トンという需要想定をわれわれのところに出してきておるわけであります。それを地区別にずっとセメント協会で集計いたしております。二月の初めにわれわれは中国五県の需要は五十二万トンというふうに承知いたしておりましたところが、二月の十二、三日に現地から電報がまいりまして、非常に逼迫しておる、七十万トンに改定する、こういう電報を私によこしたわけでございます。 それで、一体十日もたたないうちに十八万トンも狂うというのは、現地の支店長、怠慢じゃないか、なぜそういうばかばかしいことになったのかということで、実情を調査いたしました。 大体十万トンと申しますと、瀬戸内は港がわりあいに浅いわけでございます。岡山にいたしましても、福山にいたしましても、広島にいたしましても、一万トン、二万トンのセメントタンカーを着ける港がございません。大体浅い港が多いものでございますから、セメント業界で現在百十数はいのタンカーを持っておりますが、瀬戸内に走っておりますタンカーの平均の積載量は千トンでございます。十万トンと申しますと、十二、三日の日に、最後に私の手元にまいりましたときにはもう十五日ぐらいになっておったわけですが、あと十三日しかないのに十何万トン持ってこいなんて、できっこないじゃないかと。千トンのタンカーを百ぱい持ってこいということで、これは全く不可能です。 これは、なぜそういう見込み違いが起こったか、これをわれわれ検討いたしました結果、昔は生コンクリートというものがなかったわけでございまして、中国縦貫道でも山陽新幹線でも、それから災害復旧の工事でも、セメント屋が直接業者の方と取り引きをしてセメントをお届けしておったというのが昔の姿であったのでありますが、ここ数年、生コンクリートというものが非常に発達いたしました。だから、われわれの第一の得意先は生コン屋さんなんです。そうすると、生コン屋さんがどんな契約残を持っているのかということは、われわれのほうはわからないわけであります。それで、急に生コン屋さんが今月から倍よこせとか、いままで二百トンとっていたのを今度はあしたから四百トンよこせとか、そういうことで短期的にばあっと需要が出た。そういう生コンの契約残というものをわれわれが掌握していなかったというところに、こういう事態が発生した一つの原因がございます。 われわれといたしましては、そういう状況でございましたので、さっそく通産御当局、あるいは九州地建とか、そういうところと連絡いたしまして、いま応急の措置を講じておりますが、そこに端を発しまして、二月の十日現在で一三六%の伸び率を示しました。それで、非常に高い伸びでございまして、これは何も中国だけでございませんで、ことしの二月は、北海道から青森、北陸は雪が降りませんでした。青森のほうも災害復旧工事が進みまして、そういう関係で非常に各地区にセメントが逼迫したわけです。 で、セメント工場でつくる能力も、もちろん一生懸命やりましたが、一番の問題は輸送でございます。われわれのほうも急に三割も五割もふえますと、バラで持っていくトラックも不足いたします。生コンのほうの砂利砂の問題もございますし、そういう点で非常に困っておったわけでございます。たまたま二月から順法闘争が始まりまして、また、陸上の輸送が大混乱をいたしました。私どものほうは、一日約三千両のタンク車でございますが、セメント業界で持っているタンク車でピストン輸送いたしておりますが、一日順法闘争をやられますと、後遺症が三日から一週間ぐらい続きます。順法闘争もいろいろと強いところと弱いところとあるらしいので、私内容はよくわかりませんが、地区によって順法闘争のやり方も違うようでございますが、いずれにいたしましても、セメントの輸送は全く混乱しておる、そういうのが現状でございます。 大体そんなところでございます。
○小柳勇君 第一の問題は、政府が公共投資などをふやして景気調整しようとしても、そのことはストレートに業界へ来ないというお話をいま聞きました。業界自体は、大手十三社及び全社二十二社でございますが、協会から各工場、各会社に対しましてはちゃんと自由に、統制といいましょうか計画が伝達できますか。たとえば減産とか増産とかという伝達は、できますか。
○参考人(原島保君) われわれのほうは任意でやっておりますので、ただ、われわれは商売でございますから、需要があってよけいつくればそれだけコストが安くなりますから、需要があればどんどんつくる。ないものは、セメントの場合には幾らつくろうと思いましても、ある一定の限度までいって売れなければ自然に工場はとまってしまう。 と申しますのは、入れておくところがございません。野積みもできませんし、セメントのサイロ、それしかないわけでございますので、それ以上の生産をやろうとしましても、自然にそこでストップしてしまう。石炭とか鉄材みたいに、どこかほかのところへ置いておくということはほとんど不可能な品物でございますので、工場の内外の貯蔵設備が満ぱいになれば、自然にそこでとまってしまう、こういう品物でございます。ですから、各社が自分の採算で、需要があればどんどんつくる、こういうのが現状でございます。
○小柳勇君 わかりました。 いまずっとお話を聞いていますと、各会社がつくりましたのを協会のほうが積算をして、その需給を把握しておられる。その程度であって、昔の軍需産業みたいに、命令して増産、減産の指示などはやっておらぬ、やらぬのが当然であるというふうに理解して話を進めますからね。 そこで問題は、たとえばけさの新聞でも、総理が昨日午後、経済企画庁長官を呼びまして、在庫放出の促進を指示したというお話がございます。過去のことはまたあとで質問いたしますが、当面、いまセメントが足らない、しかも値もどんどん急騰しているから在庫を放出しなさいという指示をしてあると。 いまのお話を聞きますと、経済企画庁から業界に話が来まして、業界から各工場に指示をいたしましても、フル運転をやっている、そういうことであるので、しかも在庫というものは、その日その日でほとんど出てしまっておって、二百万トン在庫するのが精一ぱいである、それもほとんどもう危険な状態であるという話でありますが、いまから在庫放出などということがきくものか、きかぬものか、お話を聞きたいと思います。
○参考人(原島保君) 昨日の、田中総理がそういう御発言をなさったということは、けさ私新聞で拝見いたしました。何か非常に大きな勘違いを総理はしておられるのじゃないか、鉄と混同しておられるのじゃないかと、ちょっと私けさ新聞を見ながら考えたわけでございます。 これは私の推察でございますが、新聞で拝見いたしますと、稲山さんが新人事で総理にお会いになっているということがありますので、おそらく稲山さんあたりの鉄のお話をお聞きになって、セメントも同じだろうとお思いになってそういう御指示をなすったのだろうと思うのでございますが、鉄の場合にはおそらく、私もよく存じませんが、問屋さんというのが相当自分で在庫を抱いて御商売をなすっておる。セメントの場合には自分で抱くということは不可能でございます。セメントというのはほとんどいま、ばらでございます。袋物はどこかの倉庫に入れまして、それをビニールで包んで、一ヵ月も寝かせばだんだんかぜを引いてだめになってしまう。そんなものを抱くような商売はできないわけであります。 現状を申し上げますと、二百万トンの在庫のうち、いわゆる需要地にあります在庫、すぐ需要家に届け得る在庫でございますが、それが三月末で六十八万七千トンございます。 しかし、帳面づらは六十八万七千トンございますが、その在庫の中には、タンカーが現在動いておりますのが百十五はいございまして、そのタンカーの中で、半分がかりに荷を積んで走っていると仮定いたしますと、タンカーが四十一万トンございますので、荷を積んで走っている分がその半分といたしますと、二十万五千トンでございます。それからわれわれのほうは、鉄道で四十トンのばらの貨車を業界全体で三千二百両持っております。その貨車が、かりに半分は品物を積んでおるというふうな考え方でいきますと、六万四千トンでございます、貨車が三千二百両、四十トンで十二万八千トンでございますから。そうすると六万四千トンは貨車に載って走っている。それからセメントの包装所、コンクリートの大きなまるいサイロがございますが、一万トンぐらいのサイロでございますと、一割はデッド・ストックになります。われわれが中に入って掃いて出せば全部出ますけれども、普通一万トンなり五千トンなり六千トンなり回転いたしますと、サイロから出し切れないで横にくっついたり何かしている分が約一割ございます。そういたしますと、包装所、サイロの分量が工場以外に二百二万トンございますので、二百二万トンの一割といたしますと、二十万二千トンがデッド・ストックという形になります。 そういたしますと、三月末で出荷可能な、きょう取りに来たらあしたすぐ渡せるという在庫は、二十一万六千トンでございます。 そうすると、いま四月の予想を私のほうは六百九十万、約七百万トンと押えておりますが、一日当たり二十三万トン、全国でセメントがどんどんそういうところがら出ているわけですが、二十三万トン毎日毎日出るについては、出せる在庫が二十一万六千トンしかないという現実でございますので、総理がおっしゃったように、どこかに置いておくとか、袋でごくわずか、大工さんがきょう十袋使うのに二十袋お手持ちになっている、そういうものはあるかもわかりませんけれども、いまセメント業界全体からながめますと、そういう在庫は全く皆無である。けさ現在、夜中に船が入ってそこへ揚げて、きょう一日分が全国へ出ているというようなのが現状でございます。
○小柳勇君 次は、第一のお得意さんが生コンだとおっしゃいました。しかも生コン屋さん方は独自でやっているから、十分業界としてもその実態が把握できぬとおっしゃいましたが、その生コンのほうで、たとえば六千七百万トンの生産高の何割ぐらいを生コン屋さんが扱っているのですか。
○参考人(原島保君) 五八%から六〇%弱だと思います、四十七年度の実績は。
○小柳勇君 次は、通産省のセメントに対する今後の対策の中に、過去に、セメントの生産及び流通に関する設備の増強というのがあります。これも自由経済の中の会社経営でありますから、通産省はもちろん行政指導されるでありましょうけれども、さあひとつ増産のために設備を増強しなさいと、こうぱっと政府から行政指導されまして、すぐ間に合うかどうかということですね、その点いかがですか。
○参考人(原島保君) これはとうてい間に合いません。現在、工場を新しくつくるという場合には相当の期間かかると思います。まず土地の取得で三、四年かかります。現在は公害の問題が非常にやかましゅうございます。現状では、ほとんど新しい工場をつくるということは不可能でございます。いま、新しく工場で月産十万トンなら十万トンのかまをつくろうという設計を始めてから、約二年間かかります。 現在、通産のほうの御指導をいただいておりますのは、各会社で、先行きの見通しをそれぞれの会社で立てております、これから先需要がふえるかふえないか。これは会社のロケーションによっても違いますし資金力によっても違いますが、いろいろ御計画がありましたものですから、それを通産の御指導によって早めるような措置は、いまいたしております。しかし、それとてもそう一年も早くなるということはありません。現在そういう機械の発注が限度に来ておりますので、むしろ機械のほうの納期で押えられるような結果でございます。 一般的に申しますと、われわれのほうでは、土地を除きまして、土地がもう現在ある、そしていまある工場の中に新がま一本入れるというような場合には、大体二年かかるというふうに御理解いただきたいと思います。
○小柳勇君 その問題ですが、四、五、六は雨期にいたしましても、八月、九月、秋になりますとまたたいへんセメントが要るのですが、たとえばことしの九月ごろは、現在よりも一体何割ぐらい設備の上で増産可能と御推定されておりますか。
○参考人(原島保君) この四月から九月までにできますかまを簡単に申し上げますと、東北開発の岩手の三号がま、小野田セメントの津久見の四号がま、これが四月にできます。それから五月に三菱セメントの苅田工場の四号がま、同じく五月に私の日本セメントの上磯工場の八号がま。それから住友セメントの彦根工場の一号がま。九月に住友セメントの栃木の七号の増設、日立セメントの様式変更がございます。 九月まででございますと、いまちょっと計算させますが……。いま御報告いたします。
○小柳勇君 わかりました。 もう一つ、メーカー側にお聞きしておきたいのは、値段が、ばらも袋物も相当上騰しておる。私どもの党でも具体的にいろいろ調査したのでありますが、極端なところ、民家のばら買いしているようなところは、二倍も三倍もの値でやっと手に入っているという情勢でございますが、メーカー側としては、その値段の問題をどのように把握しておられますか。
○参考人(原島保君) セメントの価格は、ばらの値段と袋物に分かれます。袋物は四十キロの袋に入っております。これは袋代がよけい要るわけでございまして、それから小運搬の費用も多いので、ちょっと普通のばらの値段と直接に理論的には結びつきませんが、われわれといたしましては、おととしぐらいから、拡大再生産するためには現状でも六千四百円ぐらいの値段は、ばらでもらいたいというふうに考えておりましたが、遺憾ながら、たいへんな大量を買っていただいている生コン業界の景気が悪くて、六千四百円なんという値段はなかなか通りませんでした。それで、生コンがここへきて若干上がってまいりましたので、現在おそらく六千円から六千二、三百円になっているのじゃないかと思います。これは会社によってみんな違いますので、公定価格で売っているわけじゃございませんので、高いものもあれば安いものもあるというふうに御理解いただきたいと思います。 それから袋物の値段でございますが、これは私どものほうの会社から一時、特約店というのにまず卸します。その卸ししたものを今度は二次店がお買いになって、左官屋さんとか大工さんのほうに流れていくわけでございます。そういう袋物は、従来三百円から三百二十円ぐらいしていたと思うのです。それが現在四百五十円ぐらい、全国平均すると取引されている値段は、品物もございませんから四百五十円ぐらいから五百円ぐらいじゃないかと推察いたしております。これは私どものほうでコントロールできる値段じゃございません。 ただ、巷間伝えられるように一袋千円だというと、トンに換算すれば二万五千円ということになりますが、そういうのは非常にレアケースでございまして、私昨日ちょっと調べてみましたが、この間、東京で順法闘争がございまして、陸上の包装所の在庫がなくなってしまった。そうすると、大工さんがお買いになる品物がなかなかないわけです。そういうときにどこへ取りに行ったらあるかと申しますと、遠くのほうにあるわけです。住友セメントさんの栃木の工場であるとか、浜松の工場であるとか。近くの、私どものほうの埼玉の工場なんていうのは近いですから、みんなトラックでどんどん出しますから、これは順法闘争と申しましても一応トラックで来れますけれども、栃木とか浜松とかは、東京までトラックで運ぶというのはほとんど不可能でございます。そういうところに建材屋さんが自分のトラックでお取りにいらっしゃる。そういうことで計算いたしますと、一袋が八百円とか千円になるのであって、これはお客さんに頼まれて、値段は幾らでもいいから、おまえとにかく十袋でも何とかしてこいといわれたらやむを得ないので、現実にいま日本の国で取引されている袋物の相場は、私の感じでは大体四百五十円から五百円ぐらい、さように考えます。
○小柳勇君 計算されたものを……。増産計画、九月までの増産量です。
○参考人(原島保君) 九月末で月産約四百万トンふえる予定でございます。
○小柳勇君 ありがとうございました。 次は土屋参考人にお聞きいたしますが、いまメーカーのほうの生産の状況についてはお話を聞きました。これを使用して建築される側の御意見を聞くのでありますが、冒頭にも申し上げましたように、昨年の五、六月ごろから一部建材が値上がりの傾向にあった。それが暮れに、臨時国会で過分に公共投資をふやす補正予算を一兆円も組みました。大蔵省としては初め二千億ぐらいで予算を押える様子であったようでありますが、列島改造との関係もありましょう、最終的に一兆円ばかりの補正になった。そのために、この品不足の上にさらに値が高くなって、ますます今年に入りまして品不足になったと思うが、建設業界としてこの辺の事情をどのようにとらえておられるか、お聞きいたします。
○参考人(土屋伊作君) ただいまの御質問でございまするが、私どもの業界といたしましては、昨年の補正予算によりまするところの、工事量の増大に対する問題という点においてセメントが不足したとは考えてはおりません。 現在、先ほど御説明ございましたが、中国、九州はセメントの生産地である、それが海員ストあるいは順法闘争による輸送難による不足が来たした、こういうような御説明でございまするが、順法闘争は三月でございまして、すでに二月、一月にセメントは不足しているのが現状でございます。 特に、セメントが不足いたしておりますのは全国的でございまするけれども、一番困難を来たしておりますのは中国、東海でございます。現在九州の長崎、熊本は、需要に対する供給が約五〇%というのが現状でございまして、長崎県では業界自体が韓国と話し合いをいたしまして、韓国から輸入するという段取りをつけております。これも現在、先ほど日本のばらセメントがトン当たり約六千二百円とおっしゃいましたが、大体一万五千円くらいの価格で韓国からでも輸入しなければいけないという状況でございます。あるいは中国におきましても、災害が一番多かったのが昨年度は中国でございます。続いて東海でございます。災害地の多かったところに限ってセメントが大きく不足しているのが現状でございます。あるいは東北におきましては、青森県におきましても、現在は北海道まで買いに行って工事を施工しているのが現状でございまして、生産地であるから余るということはございません。 全国的に、私はこれは流通機構の関係があるいはどうかと考えておりまするが、現在当局で発注されておりまする公共工事の増大とセメントの生産設備と、昨年一昨年の状況からいきまして、私は現在の設備でけっこう間に合っているのじゃなかろうか、こう推察いたしておりまするが、これはもう生産者側のことでございまして私どもに関係ございませんが、私どもの業界といたしましては、工期は限定されている、請負金は限定されている、しかも昨年の暮れは木材は三〇〇%も上がった、あるいは現在おびただしいのは、セメントにおきましても三〇〇%くらいに上がっているという状態でございまして、大きい著大工事につきましては、国が発注している工事についても、高速道路関係はセメント支給で大手業者に渡しております。 しかしながら、地方の業者はすべて自分がセメント持ちでやっておりますので、公共工事、災害復旧工事を優先にという当局のかけ声でございまするけれども、大きな高速道路工事をやっておりまする大手業者の現場では、もうふんだんにセメントがありまして、全然セメントには困っておりませんが、地方の中小業者も災害復旧工事をやっておりまするが、その高速道路のすぐ隣で災害復旧工事をやっておりまして、もう仮ワクも鉄筋も組んで、打設するだけになっておりますけれども、一ヵ月も二ヵ月もセメントがこないので、コンクリートを打つことができない。雨期になってまいりましても、この災害復旧工事ができない。しかし、そのすぐ一キロあるいは五百メートル隣の高速道路はふんだんにセメントがあって、生コンはフルに回転をしている、こういうのが現状でございます。 と同時に、私ども、工期がきまっております、請負金もきまっておりまするが、もう末端の零細業者ほど、この手待ち、あるいはセメントの値上げあるいは入手難によりますところの、いろんなすべての諸経費によりまして倒産は続出する、かように考えております。現在もうすでに静岡県におきましては、生コン工場もセメントの配給が足りませんので倒産をいたしております。 現在私ども、コンクリートを打設しょうという場合には、約五立米、三立米、こういうものは十日なりあるいは二十日なり待てば生コンから持ってきてくれますけれども、大きな建物になりますると一ぺんに百立米、三百立米、一回に打設いたしませんと強度的に技術的に満たされない。それをもらおうといたしますると、一ヵ月も二ヵ月も待たねばならぬ。あるいは生コン工場が二日休んで一日操業している、こういうような状態でございまして、特に足らないのは災害の多かったところほど足らない。現在中国におきましては必要量に対する四〇%の供給しかない。あるいは東海地区におきましても、あの激甚地であったところで見ますると二〇%から二五%が、きょう現在足らないのが実情でございます。 あるいは袋物によりましても、大きな著大工事になりますと、民間におきましてもあるいは公共におきましても、大手さんはいろいろな商社との関係あるいは系列等がございまして、そこから販売店のほうへ連絡をとりメーカーに連絡をとって、セメントを持ってきて生コンに支給されて、それを練って自分の現場に持っていかれますが、現在地方の、全国建設業協会の約三万人の会員の中の九九%までは中小企業者でございまして、その業者はそういうような系列がございませんので、生コンから持ってきてくれるのを待つよりしかたがない。したがいまして、四十七年度の災害復旧あるいは公共工事に対しましても、現在完成いたしておりませんのがほとんどでございます。災害復旧工事の発注されましたのは、十一月、十二月、一月あるいは二月、おびただしいのは三月に発注されております。しかしながら、セメントがございませんので着工するわけにいかないというのが現状でございます。 そういうような実情でございますので、私は中国におきましても、あるいは九州におきましても、昨日も調査いたしておりまするが、もう生産地であるからあるんだということじゃなくして、長崎県は現に韓国からの輸入を五千トン、業界がいま話し合いを進めておる、こういうのが実情でございます。東海、中国におきましても、中国はもうセメントの生産地でございます。海員ストもあるいは順法闘争も影響ございません。順法闘争前に、すでにセメントは消費あるいは供給とのバランスが五〇%にもあるいは四〇%にも満たないような状態になっておるのじゃなかろうか、かように考えております。
○小柳勇君 同じような問題を鈴木参考人にもお聞きしたいと思うのですけれども、いま土屋参考人からは、大手の、しかも官公需の仕事をやる場合は官のほうからセメントを買って与えて、それでやっているが、中小企業、零細企業のほうでは、ほとんどセメントが手に入らぬという話でございました。皆さんのいまのセメントを買う御苦心、あるいは、いま土屋さんのほうでは、現在の生産能力でもうまく流通したら間に合うのではないかという意味の御発言がありましたが、その点についてもお考えがあればお聞きいたします。
○参考人(鈴木清次郎君) 参考人の鈴木でございます。 私は日本左官業組合連合会の者でございますが、左官工事、これはセメント全体から見ればわずかな数量しか使用しないと思います。特に、大手企業と申しますか、建設業者でも大手の建設業者は会社でセメントを契約しまして購入して、左官に使用させておるというのが現状でございまして、一番現在困っておるのは、中小企業の建設業者の下でやっている左官業者または直接注文主から受けている住宅建設のような工事に携っている左官業者、これが一番現在困っておるわけでございます。 不足し始めたのは、広島、山口地方の中国地区が昨年の暮れから不足を来たしております。次に愛知、三重、東海ブロックが一月から、北海道、九州が約二月、関東地区は一番おそくて大体三月から非常に不足してきたわけでございます。 同じ左官でも、大手のところでやっているもの、同時にまた官庁工事、公共事業をやっている工事に対しては、前もって請負契約を結んだ時点において、代理店を通じましてセメント業界と契約する、そういう立場でやっておる方は、同じ間に合わないながらも何とかやってきた。それを全然していない小さな業者の場合は、店売りがないのだ、あるいは建材屋さんに前日の夕方入ったものを、次の日の朝お得意さんがみんな来て分けて持っていくんだというのが現状でございます。それが需要の約半分ぐらいでございます。 先ほど、セメントが千円するというようなことがございましたが、これは実際にセメントが千円しているわけではございません。ただ取引のない業者、たとえば左官でも一番小さな業者と申しますか、それとブロック業者とタイル業者、大量に使用しない業者が注文施工の現場へ行って、その近所の建材屋さんでいままでは現金で買っておったというような業者が一番困っておりまして、千円で買ったのも私どもも聞いております。千五百円で買ったという方もございます。結局、店にないんだと、実際それはメーカーさんのほうではどうか知りませんが、現在、町の建材屋さんには実際にございません。そういう関係で、千円で売ったものか千円で買ったものか、これははっきりしてはおりませんが、そういう事実は現在ございます。そのために工事を中途で中止しなければいかぬ、セメントの手当てがつくまでやめておくんだ、実際できないんだというのも所々に見られるようなわけでございます。 私ども、はっきりどれだけの数量が足らないのかというデータは持っておりませんが、町の左官屋さんが一〇〇%の仕事ができていないんだ、セメントが不足だからこれぐらいでやめておこうということで、結局それが経営にも響いておるような現状でございます。終わります。
○小柳勇君 土屋参考人に。さっきは大手の建設業者はあまり苦労はないとおっしゃいました。中小企業のほうでは倒産まで出るというお話でありまするが、あと流通問題についてはまたメーカーのほうにも聞きます、あるいは政府にも聞きますけれども、いまとにかくこれだけのこういうふうな大問題をかかえて、どうしてもらいたいと思いますか、あるいは政府なり国会なりにですね。きょうここに御出席いただいたのでありますから、具体的にいろいろありましょう。どうしてもらいたいという、その御希望があれば御開陳を願います。
○参考人(土屋伊作君) 私、先ほど申し上げました大手さんの関係でございますが、これは一部の現場においては大手さんはいろいろな系列から入りましてやっておられますが、不足していることは大手さんでも事実でございます。あるいは大手さんは、大体高速道路関係は大手さんの施工でございますので、高速道路は全部セメントが支給でございますから、何ら不足を来たしておらない、こういう意味を申し上げたわけでございます。 そこで、どうしたらこれが円滑に回るかというような案がないかというお尋ねでございまするが、私は、木材にいたしましても、鋼材にいたしましても、すべて戦後におきまして、また賃金にいたしましても、相当な価格が上がってきたわけでございます。セメントにおきましては、五年も八年も十年も価格が全然上がっておりません。したがって、このセメントの生産されますところの原価を十分御当局が御調査をいただきまして、妥当な価格までセメントの価格をお認めいただきまするならば、私はメーカーさんの原島さんを前に置いて申し上げてはいけませんけれども、妥当な価格までは認めるべきではなかろうか。これが、セメントが百円二百円上げるということになりますると、独禁法ということですぐ調査とか云々と新聞によく出ておりまするが、私はすべてのものが上がって、一〇〇%も二〇〇%も上がってきておるのに、セメントだけはほんの五%上げようとしても、独禁法とかいろいろなことでかかってくる。 したがって現在の、これは私個人的な意見でございまするが、日本の生産設備からいきますると、約九千万トンは年間に生産ができると私は考えております。そこで先ほどの説明のように、消費は七千万トンでございます。あるいは通産省の発表によりますると、四十七年度は二百万トン海外に輸出をすることになっておる。日本のセメントは余っておるわけでございます。政府が輸出するということは、余っておるわけでございまするが、それを百万トンだけ輸出を減らさそうということで、先般通産省のほうで建設省との話し合いのときにお答えがございましたが、私は現在のメーカーの設備されるのと消費いたしますのと、バランスは十分とれておると考えております。とれておらないのは生産価格ではなかろうか、かように考えております。 したがって、メーカーに対しますところの価格を押えますのは、私ども発注単価によりますところの単価で購入しなければ建設業者が出血するということから、セメントの価格を業者も押えておりました。あるいはセメントメーカーも生産が過剰でございましたので、ここ二、三年前まで、あるいは去年まで、去年の暮れまではダンピングをしてセメントを安く入れておった。それで生コンを安く入れた。そして生コンがどんどん倒産した。そこでこれはいかぬということから、あるいは根拠はございませんけれども、すべてのことを勘案いたしますると、生産調整というものが加味されたのじゃなかろうかと考えられます。そこで、私は妥当なセメントの価格は御当局に認めてやっていただきたい。それによって公共工事も、あるいは民間工事にいたしましても、災害復旧にいたしましても、潤滑に現在ある設備で私はセメントは回ると、かように考えております。
○小柳勇君 原島さんにお聞きいたします。 これは私どものほうで先般現地をいろいろ調査いたしまして、一つの見方ですから、これに対して率直にお答え願いたいと思うのですが、消費者価格の高騰の原因は、一つは、年約一億トンからの生産能力があるにもかかわらず、メーカーが意識的に生産出荷の調整をしておるのではないか、これが一つです。 第二は、大手建設業者が買い占めておるのではないか、これが第二です。 第三は、メーカーとセメント販売代理店が組んで値上げしておるのではないか、これが第三です。 第四は、メーカーが建設業者との取引条件の改善を目指しておるのではないか。いまおっしゃいましたですね、土屋さん。セメント単価を上げてくれと。 この四つが、私どもがこの間討論いたしました、いろいろ調査して、その一つの考え方ですから、これに対して原島参考人の御意見を拝聴いたします。
○参考人(原島保君) われわれが生産調整をしているのじゃないかという御質問でございますが、その事実は全くございません。いまのようなときは、各社ともどんどんつくって、どんどん売ったほうがこれはもうかるわけでございます。もう、どういうところでそういう疑念がお出になったのかと、われわれはちょっと理解に苦しんでおるわけでございます。 それから、二番目は売り惜しみでございますか。
○小柳勇君 大手業者の買い占め。
○参考人(原島保君) セメントは、大手業者の買い占めというようなことは、実際にやろうとしても物理的に不可能でございます。先ほど申しましたように、セメントを買って置いておくというところもございませんし、これはやろうとしても実際物理的にできないということでございます。 それから、われわれが販売店と組んで値段を上げているのじゃないかということでございますが、われわれも値段を上げていただきたいと思っております。いま土屋さんからたいへん御理解のあるお話を承ったのでございますけれども、現在われわれのほうが非常に困っておりますのは、やはりここ数年、われわれが乱売をいたしまして、競争が激しくて体質が悪くなっておる。一方、諸物価が高騰いたしまして、現在十万トンの、現在生産能力をふやす場合には、大体最低の規模といたしまして月産十万トンのかまでございます。月産十万トンのかまを、工場に土地があって、機械だけ入れるというのに大体六十億かかります。約二年の月日と、費用といたしましては六十億かかります。その六十億の金利、償却で年間十四億かかります。いま私どものほうの会社は資本金が百億円でございます。一割二分の配当をいたしますと十二億の配当をしなければならない。かりに十二億しかもうかっていなければ、大体一本かま入れたら赤字になってしまう、配当もできなくなってしまうということでございますので、われわれといたしましては、今後増大する需要には対処するためには、多少の値上げはさせていただかないと拡大再生産ができないのじゃないか。したがってそういう努力は、値段を適正価格に持っていくという努力はするつもりでございます。 大体それでよろしゅうございますか。
○小柳勇君 通産省の局長は見えていますね。 四十八年度末の生産需給、この生産量、最高を九千八百七十万トンぐらいには持っていかなければ今後の需給に間に合わぬというような見解のようですが、さっき原島さんの御意見では、九月までに現在よりも四百万トンぐらいの増産しかできない。しかも四十七年度末の生産は八千五百三十七万トンです。これに四百万トンプラスしますと八千九百万トン。九千万トンぐらいがまあやっとではないかという気がするのですが、通産省としての見解はどうですか。
○政府委員(齋藤太一君) 昭和四十八年度のセメントの需要見通しでございますけれども、セメント協会等とも協議いたしまして、また各省の需要見通し等も建設、農林、運輸各省からいただきまして検討しました結果、本年度に対しまして一八%増の八千八十万トン見込んでおります。これに対しまして能力でございますが、大体八〇%ぐらいの操業率を見ておいたほうが、あまり操業率を高く見ますと、さらに需要が伸びました場合に弾力性がございませんので、八〇%前後の操業率と見込みまして、一億トン弱の能力が必要ではないか、こういうふうに考えまして、現在の能力が、四十七年度が約八千六百万トンでございますので、これに千三百万トン、年間の生産能力といたしまして増加をする必要があろうと、こういうふうに考えまして、セメント協会に対しまして千三百万トンの年度間の生産能力の増強を要請をいたしておるところでございます。
○小柳勇君 増産の要請を通産省がやっておられるようですけれども、業界のほうでは、そう政府がおっしゃいましても、自分たちのほうでは工場の能力もありますし、お金の都合もございますし、そう政府が指示されましても、そのままストレートに会社のほうは生産増強などはできませんよとおっゃっておる。どういう関係になっていますか、その点は。
○政府委員(齋藤太一君) この千三百万トンの増強の内訳でございますけれども、それぞれ各会社の工場別に中身を大体割り振りまして、業界のほうともおおよそ了解がついております。千三百万トンの内訳はおおよそでき上がっておりまして、私どもとしてはこの増強は予定どおりに達成できるものというふうに考えております。
○小柳勇君 このセメントの不足の原因が、原良さんの御意見あるいは土屋さんの御意見によりましても、北海道や東北などの暖冬異変、あるいは災害多発。これは年々同じじゃないですね、平常ベースでいけばそれは一千三百万トン増産を各会社にお願いをして、そうやりましょうとなりましょうが、これがたとえば暖冬異変でなくなって冬ある仕事ができません、災害が少なくなりますというと、もうセメントが要らなくなりますね。最高が八二%ぐらいで考えておられるようだけれども、これが六五になる可能性もある。そういう場合には政府はこれに対する、損害に対する補償ぐらいする決心でいま増産の依頼をやっておられるのですか。
○政府委員(齋藤太一君) この設備の増設は、業界に対する要請でございまして、指示とか命令ではございません。ただいまのところ八千八十万トンの需要があるということで増設をお願いしておるわけでございますけれども、もし、今後経済の推移によりまして、下期に若干需要の伸びが鈍化するといったような事情が出ます場合には、またその時点でその後の増設計画の見直しをいたしたいというふうに考えております。
○小柳勇君 経済企画庁長官にお聞きいたしますが、原島さんや土屋さんの御意見によりますと、生産が不足するのではなくて、値段の調整が悪いからセメントが不足しているのではないかとおっしゃっています。経済企画庁としてはこの問題に対して、現状なり将来に対してどうお考えですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) セメントの価格が数年来現状のままにあったことは事実でありますし、そういう面から、設備の増設という点では非常にテンポがゆるかったということも否定できないと思います。しかし、今度のこの問題は、先ほどからも話がありましたように、暖冬によるところの影響、従来冬季間の工事のなかったところで冬季間工事がなされたということが相当な影響を持っていることは、これは御承知のとおりであると思いますが、そこで通産省とされていかが計画を立てられて、業界に要請をしておられるか、これは業界としてその計画を受けて、自主的に判断して増産計画を立てられるについては、やはり価格の問題等もいろいろあると思いますが、そういうことについては、もっとその実態に応じて、私どものほうに相談があればそのときに判断をいたしますが、全般的に申しまして、経済企画庁の立場としては、価格は上げないでもらうにこしたことはないと、こう思っております。
○小柳勇君 ただいまの参考人の供述をお聞きになったように、とにかく不足していることは事実です。しかもその不足は、まあ順法闘争とか何とかおっしゃいましたけれども、それは一つのやっぱり原因としておられるでしょうが、土屋さんは、それが原因でないとおっしゃっておる。率直に言って値段ではないかと。いま経済企画庁としては−もちろんわれわれは値上げ反対です。反対ですが、セメントが不足して仕事ができないことはなおたいへんです。 そういう問題で、もう一つの問題で経済企画庁にお聞きしたいのは、これから列島改造論などで一〇%の経済成長を目途にしておられる。ところが、原島参考人の御意見にもありましたように、政府の計画でたとえば一〇%でありましても、実際は三〇%ぐらい仕事がふえましたと、その他の、経済研究所の観測などよりも数倍上の事業量がありましたと、したがって、これも不足の原因でありますと言っておられる。そういう将来のことを考えまして、セメントがいまの状態でこのままいくならば、おそらくこの一年ぐらい不足が続くのではないかと思うが、経済企画庁としてはどういう対策をお考えですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) われわれは市場メカニズムというものを前提にものを考えておりまして、いまのように非常に工事をすれば、これは経済行為として、これが有利であるというふうに考えてみんながそこに殺到する。そのためにセメントが非常に要る。すると、セメントの価格が非常に高騰する。そうすると工事そのものが当初の見込みと変わってくるわけでございます。そこで工事の差し控えが行なわれる。そこで価格が安定してくる。これが市場メカニズムであると存じます。 しかし、それだけで済まされない国家の要請、たとえばもう少し地方中核都市というものを繁栄させなきやならぬ、そこにはどういうふうな建物が必要であるというようなことから、またこの市場メカニズムだけにたよれない要請というものも出てきているのが、これが近代国家のいまのあり方であると思います。それに対して、国がどういうふうな全体の方向づけをするかということも問題があると思いますが、いまの状況というものは、一言にして言えば、非常にアブノーマルな状況でございます。この状況も漸次鎮静化に向かいつつありまするので、この鎮静化を待って判断をするほうがよいのではないかというふうに考えております。
○小柳勇君 公取の委員長に質問いたしますが、公取委員長は去る三月三十日、衆議院商工委員会で、大手のセメントメーカー十三社に立ち入り検査をいたしました、価格協定などの疑い等がございますが、現在まだ結論が出ておりません、早急に出したいと思っておりますという御発言をしておられますが、この結論が出たのかどうか、お聞きいたします。
○政府委員(高橋俊英君) セメント関係につきまして、私どもが立ち入り検査を行ないましたのは三月九日でございますが、その際の相手先は、会社の数はセメント協会及び二十一社、立ち入り検査を行ないました事業所の数、立ち入り検査先は二十四ヵ所をやっております。 これは第一には、ポルトランドセメントの、ばら売りの販売価格を協定して引き上げることとしたということが一点。次に、販売先の制限を行なうことをきめたと、こういう点でございまして、販売先の制限でございます。だから、価格の引き上げの協定と販売先の制限でございまして、価格は自然に自由な市場で決定さるべきものであるというのが基本でございますから、協定によってこれを引き上げることは独禁法違反になる。こういう見解で立ち入り検査をいたしました上、ただいま審査中でございます。 で、審査中の事件でございますので、これにつきましては、いろいろと申し上げることを差し控えなければなりませんが、できるだけ早く結論を出すように督励はいたしております。
○小柳勇君 われわれ国民としては、公取が、もちろん公正なる価格も必要でありますが、現在の物資不足、セメント不足というものが解消される方向に、公取としてもいろいろ知恵を出してもらいたいと思いますが、結論もなかなか出ないようでございますけれども、公取としては、そういう面についてはもう全然配慮なく、ただ価格の問題のいわゆる取り締まりといいましょうか、価格協定などの問題だけでの取り調べでございますか。もう一回、くどいようでありますが、質問いたします。
○政府委員(高橋俊英君) あらゆる場合に、たとえば、協定の背景となった事情を一切考慮しないのかと言われますと、それについては、全くないとは申しません。しかし、これは原則論でございまして、独禁法上は公正取引委員会は価格そのものを統制する、規制するというふうなものではございません。要するに、一定の取引分野における競争をしないこと、そういう行為を排除するのでありまして、その中に生産数量の制限もございますし、販売価格の協定というのも入っておりまして、これは価格の、販売協定の事実がある以上は、ほとんど例外なくこれを排除しなければならぬという立場にございます。
○小柳勇君 メーカーとセメント販売代理店が組んで値上げをしておるような実態があるのではないかという疑点がありますが、こういう問題についても、公取としてはお調べになることは可能でありますか。
○政府委員(高橋俊英君) ただいま調べておりますが、メーカーそのものが、セメント協会として二十一社全員の協定によって価格の引き上げをはかったということでございまして、販売業者とのいわばなれ合いでということではございません。
○小柳勇君 通産省にもう一回質問いたしますが、セメント中央需給協議会で当面の対策を立てています。同時に、通産省独自の対策があります。四つの対策がございますが、これを、メーカーも、あるいは利用者もおられますから、御説明願いたいと思います。 問題は四つあります。「官公需発注計画の事前連絡と発注平準化」、それから「災害復旧、治山治水等緊急を要する公共工事のセメントメーカーとの直接契約の実施」、それから(ハ)は「セメントの生産および流通に関する設備の増強」、四番目は「昭和四十八年度および第一四半期需給見通しの作成」、今後の対策、四つあります。非常にこれは緊急の問題でありますが、この四つを具体的に御説明を求めます。
○政府委員(齋藤太一君) 第一の、官公需につきまして発注の平準化をはかるという問題でございますが、たとえば四十七年度で申しますと、八千六百万トンの能力に対しまして、生産の実績が六千九百万トンでございまして、ならした操業率は八割ちょっと上ぐらいのところでございます。ところが、月によりまして非常に需要の波がございまして、特にことしは一、二月が、例年ですと前年比三、四%の伸びであるものが、ことしは一月も二月も二十数%も需要が伸びたわけでございますが、これは一つは暖冬異変の関係で、民間の工事が非常に伸びております関係と、官公需のうち、災害復旧等が発注が少しおくれまして、ことしに入ってから去年の秋の災害復旧関係の発注が非常に固まって出てきた。こういうことで、能力に対しまして非常に負担がかかるような需要が固まって出ましたために、一時的にその需要に追いつけない、こういう事態が発生したわけでございます。 したがいまして、なるべくならして発注をしていただきますと、操業率も高まりますし、こういったセメント不足を来たすこともないと、こういうふうに考えまして、建設省あるいは運輸省等の発注官庁と相談をいたしまして、四十八年度につきましては、なるべく早目早目に発注をしていただきまして、年間の発注を、月によって波を打たないように平準化をはかっていただきたい。こういう点を現在相談をいたしておるところでございます。 それから第二点の、公共事業の中で災害復旧とか治山治水と申します緊急を要する工事につきましては、これが生コン屋さんまかせ、あるいは土建屋さんまかせになっておりますと、必要なときにセメントが手に入らないといったような事態が出るおそれもございます。と申しますのは、そういう場合には、どうしてもぎりぎり必要になるまでセメントが発注をされませんで、ほんとうにぎりぎりになってから建設業界から発注がくる。こういうことで、需要が一時的に重なったりいたしますので、なるべく発注官庁が直接セメントの発注をやっていただく、こういうふうにいたしますと、全体の需要の見通しがつかめまして、生産も対応しやすい。こういうことから、極力セメントメーカーに対する直接契約というものを発注官庁にお願いをいたしております。 それから、第三点の設備の増強につきましては、ただいま申し上げましたように、四十八年度千三百万トンの能力の増加を業界に要請をいたしまして、ただいまのところ、すでに四−六では大体月産能力が八百万トンに達する見込みでございまして、去年の四−六が七百万トンの月産能力でございましたので、百万トン能力は上回っております。 それから、最後の需給見通しの作成、特に四−六の需給計画でございますけれども、ただいま申しましたように、ただいまの能力が八百万トン弱になっておりまして、生産は四、五とも七百万トンを一応予定をいたしておりまして、これは昨年の四月、五月が大体五百万トンでございましたので、四割増ぐらいの伸び率を見込んでおりまして、こういうふうにフル生産を四−六月続けまして、なるべくすみやかに現在のセメント不足を解消いたしたい、こういうふうに考えております。 なお、もう一つ、輸出を内需に振りかえるという問題でございますが、大体年度間で二百万トンの輸出を見込んでおりまして、そのうち上半期に百万トンはすでに実績で出ておりますからして、最近のセメント不足に対処いたしまして、下半期につきましては極力輸出を押えるということで、この一−三月の輸出実績は、おそらく十四、五万トンぐらいにとどまるのではないか。つまり、月に五万トン以下に落ちる見込みでございます。昨年の四−六が大体月平均十五万トン輸出を出しておりましたので、三分の一くらい、既契約でどうしても切れないものだけに押えるようにして輸出を押えております。 それから左官屋さん等小口の需要家から、袋物のセメントが入手が困難であるというお話がございますので、今週の月曜日から、全国の七十九ヵ所にセメントのあっせん所、小口のあっせん所を設けまして、実需の自家消費分ととして出ました場合には、一人一回十袋を限度といたしまして、必ず品物をお届けする、こういったあっせん所を開設をいたした次第でございます。
○小柳勇君 韓国のセメント輸入がさっき話題になりました。中曽根通産大臣も、韓国から一万トン緊急に輸入するという発言をされたようだが、その後の経過及び、長崎でも直接韓国からセメント輸入しておるという話だが、その輸入の実態について御説明を求めます。
○政府委員(齋藤太一君) こういうようなセメント不足でございますので、海外から輸入できるものは至急に輸入いたしたいと考えまして、セメント協会にも輸入方を要請をいたしたのでございます。戦後、日本は世界一のセメントの輸出国でございまして、一回も輸入をした実績はございませんけれども、ただいまのこういった急迫した状態に対しまして、韓国、台湾にお願いをして、輸入の促進方をはかっております。 当面、中曽根大臣が韓国の金首相にお願いされまして、四月に一万トン、袋物が入着する予定になっております。現在事務的にこの相談の進行中でございまして、近く入着するのじゃないかと考えております。それから来月もう一万トン入れるという計画で話を進めております。 そのほかに沖繩向けといたしまして、日本セメントが、今月一万五千トン、来月以降十月まで毎月二万トン、韓国から輸入する計画になっております。それから三菱商事が、五千トンずつ韓国から同じく今後入れる計画、これも大体話がまとまったようでございます。そのほか、中小商社等でもいろいろ買い付けの計画がございまして、たとえば今月の上旬に広島地区に、東洋実業という会社が買い付けられた韓国のセメントが五千トン入着しております。それからまた同じ今月上旬に、大阪の堺に一千トン、台湾からこれは入りまして、下旬にもう一千トン入着する。 こういった状況で、逐次輸入ものも入着を見つつございますけれども、何と申しましても、先方の輸出能力が少のうございまして、たとえば韓国のセメントの生産能力は、一年間の能力が、日本の一ヵ月分でございます。したがって、年間の輸出力も百万トン前後でございまして、日本が輸出を大幅に切りましたために、その振りかえで韓国と台湾が従来日本の輸出しておった地域に輸出をしておりまして、たとえばベトナム復興等にセメントが大量に出ておりますので、非常に輸出余力が小さいということでございまして、そういう意味で、あまり輸入に期待はかけられない。現在の四−六月あたりの逼迫した状況に対するカンフル剤、こういうふうな意味で考えております。
○小柳勇君 時間がないので簡単に御答弁願いますが、一つは中小企業、零細業の左官屋さんなど、いまセメント不足を救うために、袋物のほうをふやす必要があるのではないか。現在三%程度のようでありますが、それには通産省として行政指導ができますか、あるいは原島さんのほうでその指導ができるかどうか、御答弁を求めます。
○参考人(原島保君) ただいま御質問のございました小口用の袋物のセメントでございますが、通産大臣からも御指示がございましたので、現在、袋物優先に出荷するようにいたしております。大体もう旬日ならずして全国的に落ちつくのじゃないだろうか。東京あたりはこの二、三日、もうその気配が見えてまいりました。九州とか大阪はまだすっかりまとまっておりませんけれども、大体小口のものはわれわれが優先的に回すという、これは量が少のうございますから、それを優先的にやれば、今月一ぱいで大体何とか片づくのじゃないだろうか、かように考えております。
○小柳勇君 それではその問題公取委員長にお聞きいたしますが、私の地元の福岡で、福岡県建設業協会が、福岡県生コンクリート協会の福岡支部長と支部会員を、生コン値上げ要求は独禁法違反であるということで公取に提訴したようであります。生コン値上げについては、生コン側から、四月一日から新規契約分については一立方メートル当たり五千五百円、既契約分についても四月一日以降納入のものは、一立方メートル当たり四百五十円を上積みするとの要求が出され、交渉が難航し、価格改定が認められない場合は、民間はもちろん、公共事業であっても経営採算上、生コンの安定供給ができないとして、値上げを拒否した建設業者に対しては生コンの納入をストップする状況も出ておる。このような値上げ要求のしかたは、独禁法の第八条第一項の一に触れるのではないか。これが第一の質問です。
○政府委員(高橋俊英君) ただいまの点は、すでに私どものほうで申告として受け付けておりますので、いま予備調査をいたしまして、近く審査を始める予定になっております。
○小柳勇君 もう一つ。これは建設省に聞きたいのですけれども、骨材の値上げで砕石業者と生コン業者が対立しておりまして、その上セメントが不足し、操業が危ぶまれておる。また生コンは、前代未聞といおれる既契約分の単価改正も行なわれるなど、波乱状態が続いておるようであるが、地方の中小建設業者の窮状についてどう考えておるか。これは建設省に聞きたいのですけれども、通産省にも何か入っていますか。
○政府委員(齋藤太一君) 生コン業界でございますけれども、全国三千社ぐらいございまして、非常に過当競争が従来激しくて、平均操業率三〇%ぐらいをこの数年推移いたしておりまして、経営状態が非常に悪いという状況でございました。通産省としましては、こういった採算割れの状態に対しまして、もう少し業界がしっかりして、経営内容もしっかりする必要があるということで、むしろ協業化、組合化を進めまして、組織化をはかってまいったわけでございますが、現在、ほぼ全国のどの府県にも組合ができまして、この生コン業界の組織化が進みつつある状態でございます。 御承知のように、砂利の値段が最近上がりまして、それが生コン業界のコストを圧迫させる要因になりまして、そういう状況で、ここ数年ほとんど生コンは値上がりを見ておりませんけれども、現在、いまお話がございましたように、立米当たり五百円ぐらいの値上げを業界でお願いをしておる状況でございますけれども、確かにコスト的にはいろいろ問題があるようでございますので、話し合いによりまして、妥当な価格の形成というのはある程度必要であろうと私ども考えておりますけれども、ただ、やみカルテル、やみ協定的なことがありますれば非常に問題でございますので、そういうことのないように指導をしてまいりたい、こういうように考えております。
○小柳勇君 最後に、時間がきましたから最後でございますが、全国建設業協会から建設大臣に申し入れがあります。非常に具体的な重要な問題でありますので、建設省を呼んでおりましたが担当官が見えておりませんので、私が聞きまして、建設業協会のほうに御返事をいたします。 それから最後に経済企画庁長官に質問いたしますが、セメントの不足、いま当面している問題、しかも値がどんどん上がります。ごれで災害復旧もおくれるし、特に民間の住宅建設など、ほとんどできません。この問題に対して、通産省も取り組んでおられるが、一番担当大臣である経済企画庁長官は、どういう決心でこれの打開をはかられるか、お聞きいたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(小坂善太郎君) まず、この現状の鎮静化と申しますか、全体の経済の過熱的な傾向に対して、いわゆるポリシーミックス、財政的な調整、それから金融を、御承知のように今度は公定歩合を〇・七五%引き上げました。相当金融は締まっております。 そこで、そうした全体の景気の鎮静化ということと同時に、セメントのお話でございますから、これだけについて申し上げますと、セメントの供給をできるだけ円滑にいたしまするように、通産省に行政指導をやってもらう。ことに、先ほどのお話にもございましたように、従来、セメントというものは余るものなんだと、こういう頭で、配給についても生コン業界まかせであるとか、あるいは販売店まかせであったというようなものを、もう少し生産者とそうした配給業者との間の連携を密にし、通産省におきまする行政指導も、そういう面について特に御配意をお願いするということにいたしておるようなわけでございます。 ただ、あの品物の特性からいたしまして、御承知のように、せいぜい一、二ヵ月もすれば硬化してしまう、こういう品物でございまするので、やはり地域的な配分というふうなものについても十分意を用いなければならぬと思うのでございます。ことに、最近の状況で一番私心配いたしておりまするのは、交通機関の麻痺が問題でございまして、いわゆる交通ストということが、こういうものに対して与える影響も十分関係者が配意していただきまして、できるだけ平穏なうちに、国民の非常に必要としているセメントの需給が極端に混乱することがないように特に配意を願いたい、こう思っておる次第でございます。
○小柳勇君 終わります。
○田代富士男君 きょうの物価対策特別委員会の開催につきまして、先日理事懇談会におきまして、何をわれわれは委員会でやろうかということを協議したおりに、われわれ生活に最も身近な衣・食・住に関係のある問題を取り上げたい。衣・食・住の衣を代表いたしましてガーゼの問題、食を代表いたしましてコンブの問題、住を代表いたしまして土地の問題あるいはセメントの問題、こういうことでやろうということになりまして、私はコンブの問題を取り上げて行ないたいと思います。 この問題につきましては、先日の予算分科会におきまして、私は北海道漁連を中心といたしましたコンブの生産から消費地に至るまでの流通段階における、いろいろな問題点を指摘してまいりました。そうして私は、生産者も、そして業者も消費者も、お互いに納得できるような、そういう時代に合ったものを確立してもらいたい、そういう意味で予算委員会で取り上げた次第であります。 その後、私が委員会で質問しましたことにこたえまして、北海道漁連におきましては即座に号外が出されました。私、ここに持っておる「ぎょれん」という、この号外でございます。この号外を突如として出さなくてはならないような騒ぎに、どうしてなったかということであります。 その号外を読んでみますと、「現在のところ、速記録等による正確な国会論議の詳報をつかんでいないし、新聞報道だけではいろいろと誤解を招くようなことも考えられるので、この際私共が現在までやってきていること、これからやろうとしていることについての所信をはっきりさせておきたいと思います。」、このように、きょう参考人でおいでいただきました、道漁連の専務理事の田面さんの所信でこの号外一面が埋められている。私は驚いた。「新聞報道だけでは誤解を招く」、これはたいへんなことじゃないかと思うんですよ。毎日の新聞が、真実を伝えておるのが新聞の使命です。それが「誤解を招くようなことも考えられる」。何という考え方であるだろうか。私は、この一番最初の出だしにひっかかりました。これは新聞報道というものを、北海道漁連の専務理事は信用してないということ。何という横暴であろうか。 そうして、「結論的にいうと、いささかも現在までのわれわれの共同販売制度、その仕組み、およびその中で行なわれていることについては、いささかも法に抵触し、また指摘をされるようなことはないと確信しています。」一番最初にこのように断言されている。少なくとも道漁連の責任者です。会長、副会長といっても非常勤の人です。事実上の責任者は田面さんです。その人が——委員会で取り上げるということは、根も葉もないことを取り上げておるものではありません。ちゃんとわれわれなりに調査もし、取り上げている。それに対して「指摘をされるようなことはない」と。あるから指摘しているじゃないですか。もしも、あったらどうしますか。あったらどうするか。あるにもかかわらず、ないと言う。謙虚に、そういうことがありました、私も責任者として知らないところもありますから、そういう点があるならば改めていきますという謙虚な姿勢が一番最初に出るならば、われわれとしても協力しがいがあるけれども、挑戦状です、これは。国会の審議に対する、予算委員会の審議に対する挑戦状、新聞報道に対する挑戦状です。 あなたは挑戦しますか。するならやりましょう、挑戦するならば。このような姿勢が現在の北海道漁連の姿勢です。端的にこの号外の一面にあらわされていると思います。謙虚に受け入れていこうという姿勢があるかないか。もしもこれに書いたことが、あなたがどういう意味で書いたか、もしも、われわれの指摘するところについてはそのようなことはないと言うなら、私が先日の予算委員会で何を指摘したか、簡単に言ってください。何を言おうとしたか。私が言ったことを言えなかったならば、あなたは私が言ったことを何ら知らずして、自分よがりの独善的な紙面ですよ。まして、新聞報道だけでは誤解を招くと、よくもこういうことを責任者として言えたものだと思うんです。だから、あなた自身が、もしも指摘されているようなことが一つでもあったならばどうするか。こういう国会審議において、根も葉もないことやりません。われわれとしてもそれなりのことを確証をつかんでやっていることです。謙虚に反省する意思があるのかどうなのか、まず田面参考人からお願いいたします。よくおしゃべりになるということを聞いております。一回話したら十分、二十分。国会のルールは制限時間があります。その時間内で審議をしなくちゃならないですから、簡単にまずお願いいたします。
○参考人(田面剛君) 田面でございます。 最初に、非常に手きびしい御指摘をちょうだいいたしましたけれども、このような席でお話を申し上げる機会をお与えいただきましたことを厚くお礼を申し上げたいと思います。 ただいま御指摘がございました点につきまして、簡単率直に私の現在の心境を申し上げます。 ここに書かれておりますように「誤解を招くような」という意味は、先生の先回の予算委員会における発言も、私どもまだつい最近でございますが、速記録その他を通じて拝見したばかりでございます。なお、新聞その他でいろいろと報道がなされますけれども、詳細に論議の過程、質疑の内容等についての記事にならないのは通常でございます。要点の説明であるとか、要点の報道がなされるのは当然でございます。これは当然でございます。そういう要点だけの御報道の中にはいろいろな意味が含まれておりますので、とかくそういうものに、裏表に通じない私ども漁民にとりましてはいろいろな誤解を、漁民が誤解をする、こういう意味でございます。したがいまして、新聞報道が間違いであるとか、そういうことは一切言っておるのではなしに、そういう報道だけを中心にした論議をすると誤解を招くということを申し上げたのでございますので、その点ひとつ、ぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それから二点目に御指摘がありました中で、いささかも法に抵触し、指摘されることはないと確信をしているということを申し上げましたのは、もしも私自身が抵触しており、御指摘されるような事態があると自覚をしておりましたならば、これこそ私の責任問題であろうと思います。法に抵触することを知りつつ、指摘されることを知りつつ業務の運営をしたということになりますと、私どもも、私自身も執行上の責任でございます。執行する限りにおきましては、私の考え方に足りない点、浅い点はあろうかも存じませんけれども、私は私なりに、御指摘を受ける点がない、抵触する点がないと確信を持って運営をし指導するのが、私の責任であろうと思います。 ただ、いま申し上げましたとおり、私自身もごらんのとおり野人礼にならわざるの男でございます。また、法律的にも社会的にも知識の薄い男でございます。したがって、ただいま田代先生から非常にありがたい御指摘を賜わりましたけれども、私どもの足りない点、また私ども認識の不足の点、そういう点が御指摘があって、なるほど私どもが間違っておった、こういう点に納得できますれば、率直に反省をし、業務の改善につとめることにはやぶさかではございませんし、現在までもそういうつもりできておりますし、今後もそういうつもりでおりますので、ぜひ私どもの真意をおくみいただきたいと思うわけでございます。 どうもありがとうございました。
○田代富士男君 私は、ありがとうございましたと言われる立場のあれじゃないです。あなたがほんとうにありがとうございましたと言うならば、もっと謙虚に聞く耳を持ってもらいたい、私はそう思うんです。だから、いまあなたが、自分なりの確信を持ってやるべきことはやる、と。しかし、この号外を見ますと、挑戦状ですよ。このような、一つやったことに対して論議を呼ぶ、誤解を招くような論議を呼ぶ、そこが問題なんです。 あなたが法に抵触するようなことばない、確信を持っているという微動だにしないものであるならば、生産地の漁民の人々や、そういう人が論議を呼ぶわけがないじゃないですか。論議を呼ぶような日ごろのそういううっぷんが、いままで道漁連という圧力を加えてきた、総会等組合の会合で言いたいことも言えなかった、言えばいろいろな圧力を加えられる、そういう人々が万歳と言わんとしたのが今回のものです。それに対して、誤解を招くような論議という、まるで新聞報道が誤解を招かしたような意味です。あなたのいまの答弁でも、そういう意味にしかとれません。新聞報道に対しては、あなたは謙虚にそれを受けとめる姿勢がありますか。あなたのいまの説明では、新聞報道によって漁民が誤解を招いたというような、同じようなことを言っていますよ。その点を明確にしてください。大事なことです、これは。その点明確にしてください。
○参考人(田面剛君) 私が申し上げましたとおり、私自身が判断をしたことでございますから、私どもが新聞報道等が虚偽であるとか、事実を伝えてないという意味で「誤解を招く」ということではございません。新聞は忠実に事実を報道されておいでになりますけれども、記事の扱い方によりまして、カットされるもの、また取り上げられる点、いろいろと前後の関係もございます中で、記事の面でいろいろと取捨選択をされるのは、取材される新聞の皆さん方の権威でございます。したがって、そういうことによって、あらざる誤解が起きてはならないという心配を私はしたものですから、こういう形で申し上げたわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○田代富士男君 この問題で時間をとれば時間がなくなりますが、私が言うのは、聞く耳を持ってない、と。あなたがそういう謙虚な姿勢がほしいという、端的な証拠を一つあげましょう。 これは経企庁長官にお尋ねします。 長官、先日分科会でもお会いいたしまして、その席上で、コンブの販売というものは、他の水産物と違って、特殊な共販制度という制度によって行なわれている。コンブを購入しようとした場合には、共販会員、すなわち全国でたくさんのコンブの業者がおりますが、共販会員は七十人そこそこの団体で運営されている。その共販会員以外はコンブは買えない、ほかのものは道漁連から買えない。そこにそもそもの独占的な販売がなされてる点を私は指摘してまいりました。その共販会員の中でも、七十数団体の中でも、その中でまた特殊な人のみによって上質のコンブが多量に扱われる。コンブ自身は供給量が絶対的に少ない。コンブがあればあるほどもうかる、そのような不公平な取引がなされているという事実を取り上げて、私は先日の予算分科会に臨むにあたりまして、荷割りがどのようにされているかという点に対しまして資料要求をいたしました。三ヵ月ほど前から私はこの問題を言っております。ところが、荷割りの一覧表が出ない。 そこで、私は正式な分科会の席上で、その共販会員に対してどれだけの荷割りをしたのか、提出をしなさいということを私は申し上げました。委員長を通じて、資料要求を委員長からいたしました。その時点で長官が、私が責任を持ちまして、水産庁長官もいらっしゃったが、農林省に言って出させますという約束をいただきました。これは去る四月の五日のことでした。それを持って私は次回の委員会で経企庁長官に再びお会いいたしましょうということで、今日再びお会いした次第でございますが、今日に至るまでその資料が出ないということは、一体経企庁長官、どうなっていますか。 私が要求している資料要求が無理な資料要求でしょうか。何も無理なことありません。共販制度という制度によって七十数団体の人に対しまして、どれだけ荷割りをしたか。これが何百件あるならばいざ知らず、これを広げても百数十件です。その人の過去五年間の資料を提出をしろと言った。それすらも今日出ないくらい北海道漁連というものは、出さなくても言われてもまかり通るというような、そういう横暴なのが北海道漁連であるのか。経企庁長官、約束は約束です。ただ単なる約束じゃない。委員長からの資料要求、それが出されてないことに対していかがでございますか、長官から聞きたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) なお事務局から補足してもらいまするけれども、北海道漁連の集荷率は八〇%強である、そこで、集荷品について他の二〇%強のものはどうなっているかということでございましたわけですが、これはあのときも申し上げましたように、本来コンブの集荷というようなことに関しては、これ担当は農林省でございますし水産庁でございますので、そちらのほうへ申しまして、そのときは水産庁長官も一緒におりましたので、田代委員の御要求にこたえるように私は申しておったわけでございます。その点につきまして、今日まで出ていないということをいま御指摘でございます。私はその点確認しておらなかったことは、はなはだどうも遺憾に思いますけれども、もうあのときの話でいっているものだというふうに思っておったわけであります。 なお、事務局から申し上げます。
○政府委員(小島英敏君) ただいま大臣から申されましたとおり、私も実はこの前、水産庁長官が非常にはっきりと資料をお出ししますということを言われましたので、そのように取り計らっているものと思っておりましたが、いまの御質問でたいへん驚いたのでございます。事務側のほうに問い合わせましたところ、現在水産庁が作業中だそうでございまして、決してお出ししないということではなくて、やや時間がかかっているということだそうでございますので、御了解いただきたいと思います。
○田代富士男君 長官、先日も私たびたび申しておりましたが、これは私もう出ているものだと思っておりましたと。まあ所管が違います。しかし、あのときに長官がお約束をしていただいたし、いまだに出ない。七十数社ですよ。それがいまだに出ないということは、一体これはどういうことなんですか。 田面さん、どうですか、どうして出ないんですか。いや出さないわけではありませんと。三ヵ月もかかるんですか。そういうように事務が停滞しているんですか、道漁連は。荷割りがめちゃくちゃなんですか。その点を、長い答弁でなくて、簡単に言ってください、簡単に。
○参考人(田面剛君) 簡単にお答え申し上げます。 道漁連に資料の提出の御指示がございましたのは、先生が御指摘になりました四月五日でございます。三ヵ月前に私どもに資料の提出方を要求があったという事実はございません。したがいまして、五日以後は正確な資料をお届け申し上げるのが私ども義務でございますので、職員三人を張りつけにいたしまして、過去五年間の商社の取り扱い実績を、倉庫にあります伝票会計の伝票をほとんど徹夜で洗い出しております。 ただ、先生がただいま七十社と、わずか七十社と言われましたけれども、コンブの共販会員以外に売っておらないという御指摘がございましたけれども、売っております。 ちょっと御参考に申し上げますと、四十七年度だけ見ましても、共販会員が五十八社、共販会員以外は百五十四社、合計二百十二社になるわけでございます。したがいまして、この二百十二社についての伝票会計によります伝票の集計をやりますためには、たいへんな手間と労力がかかったのが実態でございます。その結果、水産庁からのそういう御指示に対しての提出が間に合わなかったというのも、そういう事情があろうと思いますと同時に、そういう膨大な資料を提出したわけでございますから、水産庁御当局といたしましても、これを整理し、先生方に御理解のいただけるような作業をおつけになっているのではなかろうかと私は感じております。そういうことでございます。
○田代富士男君 田面さん、北海道漁連のなさっていらっしゃる仕事がどういうものであるか、これは後ほどこの表をもとにして私はお尋ねしたいと思いますが、端的に言いますと、これは厚岸昆布販売協議会の設立されたときのことを説明しようと思うんです。このときには、設立にあたりまして、この協議会において、漁連とか、そういうものが販売したならば販売先を明示しなさいと、これは全部、産地の厚岸マル民の人にも堀田商店にも、販売先を明示して出しなさいということは、協議会で協議されている。そのように約束がされているのですよ。この規約も私はここに持っております、後ほどやりますが。 それで発足しまして、第一回目の報告がされた。そのときに販売先が明示されているのは、どこですか。堀田商店は明示されております。大阪の山口商店にこうこうしかじか売ったということで、この控えです。北海道漁連の場合は、販売先が書いてないじゃないですか。規約に書かねばならないということを指導してつくった協議会でありながら、ほかの堀田商店や、こういう厚岸漁業協同組合が売った先、これも問題がありますが、これは全部販売店は書いてある。漁連だけが書いてない。こんなことをしているから一週間も十日もかかるんじゃないですか。これが証拠です。インチキ書類でも何でもないです。このようなずさんな点、認めますか、どうですか。
○参考人(田面剛君) ずさんという御指摘がございますれば、率直に反省を申し上げます。だた、私どもとしましては、いま先生が御指摘ございました厚岸だけの問題ではなしに、全国のコンブ業者に対する過去五ヵ年の販売実績の提出と、こういうふうに私ども承りましたので、過去五ヵ年間にわたります各商社別の販売実績表をつくりますためには、そのような時間と労力がかかったということを申し上げたわけでございます。
○田代富士男君 それじゃ全部資料を持ってきますよ、そういうことを言うならば。時間がないから、ここで説明をする協議会の一つの資料として持ってきた中にも記入されてない。これ一ヵ所じゃないです。全部やっているから時間がかかるというけれども、一つの面を取り上げると、よその堀田商店やほかは全部記入して書いている。ずさんだと指摘をされたならば、謙虚に受けとめる姿勢がないじゃないですか、いまのあなたの姿自身が。あなたが一番最初にこの号外で、そういうことはないと言った。「指摘をされるようなことはないと確信しています。」、指摘されるようなことがあるじゃないですか。あった場合は私の責任問題だと言ったじゃないですか。 小さいと言えば小さいですけれども、こういうことが一つ一つ、ちょうど、うみがたまりたまったところへメスを入れればうみが出てくる、そういう状態です、端的に言うならば。私もコンブのことではしろうとだ。しかし、メスを入れた、うみが出てくる出てくる。どこを刺してもうみが出てくる。この病根というものは、切開手術をしなくてはよくなりません。このようなことで、出てこないのはあたりまえだと私は思うのです。はっきりとここで出してもらいたい。 それで、いま申し上げますとおりに、共販制度という名のもとに、いま共販会員以外にも売っておりますというが、これは微々たるもので、全国の共販会員以外には売らないのです。その共販会員の中でも、一握りの特定な人のみに売られている。 その端的な問題が、北海道漁連が、協同組合にもかかわらず一〇〇%の出資をもってつくっている大市水産という株式会社が、大阪にあります。ここにおきましては、いろいろなことがうわさをされております。一〇〇%出資した、そういう会社です。その漁連と大市水産の関係はどのようになっているか。これを簡単にまず御説明お願いします。
○参考人(田面剛君) 関係ということでございますので、どの程度までを申し上げたらよろしいのかわかりませんので、足りない点があれば、また御指摘をいただきたいと思います。 大市水産という会社は、現在私どもが一〇〇%出資で経営をしておる会社でございまして、これの目的は、商売をやることが目的ではなしに、主たる目的は、生産者みずからが消費地における消流の実態、消費の動向、需要の動向等を察知いたしまして、適正な価格を構成いたしたいということが主たる目的でございます。そのために当然そういう商行為を行なっておるわけでございます。 したがって、そういう考え方でございますので、従来、一部外部資本が入っておりましたけれども、昨年の総会で、全道漁民の総会におきまして、全額漁民資本によって行なう、そういう業務を的確に行なうことにより流通の適正化をはかりたい、こういう趣旨でつくられた会社でございます。 私どもといたしましては、かりにそういう形ではございましたにいたしましても、これは一つの別会社でございます。その間にいろいろな誤解、いろいろな特殊な関係が生まれてはならぬということは、再三再四私どもは反省をし、厳重に注意をしておるのでございます。したがって、代金の回収にいきましても、コンブの販売にいたしましても、その限りにおいては、他商社と特別区別し、特別な恩恵を与え、特別な関係を結ぶということは厳に慎んでおるつもりでございます。 以上でございます。
○田代富士男君 いまあなたがおっしゃったことを、私、テープがあるならばここでテープをとりまして、大阪の業者の人に全部聞かせてあげたい。おそらく、まあ何と、言うべきことは言えますなと言うでしょう。大阪の業者の声をあなたは知っていますか。 いま大市水産のことを、これは商売をやる目的ではないと、開口一番申されて、るる話された。そのようなことを確信を持ってやっていると。この号外の一番最初に、あなたが結論的に、確信を持ってやっていると。それが確信ならば、もうそれにすでに違反していますよ。 この大市水産の、大阪におけるコンブ販売のシェアがどれだけ大きいか。そのために大阪の全部の業者が、大市水産に対してどういう気持ちを抱いていますか。一切の優遇措置は講じてないと言うけれども、上質のコンブが一番多量に大市水産へ入っているじゃないですか。よそと同等だ——。だから、私が荷割りの一覧表をほしいというのは、そこなんです。なぜ出さないんです。大市水産には優遇措置をとっていないというが、優遇措置はとられている。だから、同じ共販会員だけにコンブが販売されるという、協同組合というそういうたてまえのことについてはあとで論議しますけれども、これも私は問題があると思うんですが、物において優遇していないというけれども、優遇されている。 この問題につきましてはあとでまとめて何いたしますが、この大市水産の問題におきましても、四、五年前に疑惑を持たれるような事件が起きております。詳しい内容につきましては、次回の委員会で、これはひょっとすれば来ていただきたいと思うのです。これもやりたいと思うのです。大阪の業者は疑惑を持ったまま、そのままの状態です。 だから私は大市水産の過去五年間の業務内容及び決算報告書、収益の配分報告書、これを荷割りと一緒に提出していただきたい。これは委員長、お願いしたいと思うのです。よろしゅうございますか。
○委員長(山下春江君) はい。
○田代富士男君 よろしいですね。これを出していただきたい。
○参考人(田面剛君) はい。
○田代富士男君 ただ、一つの例として、私は大市水産の問題として、四十六年度の決算報告では、経常収支が六千八百七十二万円、それから告示が四千二百五十三万五千円、これが四十七年度の決算報告では、経常収支が八百七十九万円、四十六年度の決算と四十七年度の決算で極端な違いがある。これは不安定な経営状態と言わなくちゃならぬと思う。それで、四十七年度には年商七十二億円をこの大市水産が扱っておる。それから考えても、これはちょっとおかしいじゃないですか、この経営は。四十六年度は経常収支が六千八百七十二万円、四十七年度の決算報告で経常収支八百七十九万円、これはちょっとどうなんですか、この点。
○参考人(田面剛君) いま御指摘がございました決算書は、お届けを申し上げたいと思います。 四十六年度と四十七年度の決算の内容等についての比較がございましたけれども、これの端的な減少の理由を申し上げますと、これはコンブ業界全般にわたります問題でございますけれども、四十六年度のコンブ業界の収益は、各社とも非常に高い年でございました。それがまた私どもの問題点の一つでもあるわけでございますけれども、これにはいろいろな理由がございます。したがって、大市水産が格別特別なコンブの恩恵を受け、格別な恩恵の中でこういう収益が出たというものではなしに、この年はコンブをお扱いになる各業界とも、異常な好況の中で年を越した時期でございます。したがって、四十六年度には平年度に返ってきておるわけでございます。 ちなみに申し上げますと、大市水産の場合、そういう特殊な性格を持っておりますので、先生は上質コンブだけをよけいやっているとお言いになりますけれども、私どもの印象では、詳細な数字を持ち合わせておりませんのでたいへん失礼でございますけれども、私どもは、漁民のコンブを売りますために、どうしても引き取り手がないコンブを売らなければなりません。何とか金にかえてやらなければならぬというものも、これは大市水産という漁民会社なるがゆえにそういうものもぜひ売らせる。こういう形のために、四十三年度は一億五千三百万円の赤字、四十四年度は六千万円の赤字、四十五年度は八百万円の黒字、そして四十六年度に、御指摘になりましたような内容になっておるわけでございます。 したがって、私どもは、そういう意味において、決算その他をお届け申し上げて、御検討いただければ、その間の事情を御理解いただけると思うわけでございます。
○田代富士男君 最近では、私はこれは大阪で聞いた話ですよ、スルメの連鎖倒産で一億五千万円ほどの赤字を出したといううわさが出ているんですが、ほんとうですか。
○参考人(田面剛君) 詳細な数字をちょっと手持ちがございませんので明確にお答えできませんけれども、大塩スルメその他の倒産に関連いたしまして貸倒れ損失、こげつきが出たことは事実でございます。その数字が一億でございましたか、ちょっと記憶がございませんけれども、それは事実でございます。
○田代富士男君 これは次回にもっと私は決算報告書をいただいてからじっくり取り組みたいという、その姿勢でおります。 そこで、私の聞いた数字では、いま田面さんは金額的にまだつかんでいらっしゃらないと思いますが、約一億五千万としましょう、これだけのこげつきをかかえた。スルメの倒産といいますけれども、私は、いま本院におきましても買占め法案が審議されることになっておりますが、いま投機の問題がいろいろ論議を呼んでおりますが、協同組合という本来の使命を忘れて、こういう投機的な行為をやっていたのじゃないかと、私はこのように思うのですが、どうですか。
○参考人(田面剛君) 私ども連合会は、御案内のとおり協同組合員のつくった組織でございますので、投機、思惑は一切やっておりません。ただし、大市水産が長年つちかっております商売の中の一つに、コンブのほかにスルメがございます。したがって、スルメの通常取引を従来どおり行なっておった結果に基づく、倒産旋風に巻き込まれた結果だと、そう私どもも検討の結果判断をしておりますので、大市水産が思惑をやってという問題はないと確信をしております。
○田代富士男君 いまそう申されるが、スルメの問題は多分に投機的な行為をやったにおいがするんです。その点につきましては今後またやりましょう。しかし、あなたがこの「ぎょれん」の号外で、大市水産は全道漁民のものである、したがって今後とも大市水産を強化発展せしめなくちゃならないというのですけれども、こういう投機的な、やってないと言うけれども、スルメの場合は多分にそういうあれがありますよ、こういうことをやりますと、漁民のためにやると言いながら、これは一体どういうことなんですか。こういうことを強力にやればやるほど連鎖反応を起こして、また赤字になるような可能性があるのじゃないですか。私はそういう点が心配でならないのですけれども、どうなんですか。
○参考人(田面剛君) ここで私が大市水産の育成、強化を今後も強化してまいりたいと申し上げましたのは、スルメの投機をやったりコンブの投機をやったりして強化すると、こういう考え方は毛頭ございません。大市水産設立の本来の趣旨に従って、北海道漁民が生産をしておりますものは単にコンブだけではございません、スケソウもあれば、スケソウの子もある、サケもある。そういうものを末端販売に近い段階で、できるだけ適正な価格で消費者の方々に食べていただき、喜んでいただけるような組織をつくりたい、その一環として大市水産をさらに強化活用してまいりたい、これが私どもの心からの願いでございますので、いま御指摘がございましたような点も十二分に反省をいたしまして、御指摘を受けることのないように会の運営を進めてまいりたいと思っております。
○田代富士男君 また、こういう声があります。大市水産の場合は、スルメのことも含んでこういう連鎖倒産がなされたという、こういうこともからんで、大市水産の決済面というものが非常にゆるいのだ、極端なことを言うならば、大市水産には決済がないんだという、極端なことばです。約手の支払い日が来たけれども、書きかえをお願いしたいと。そのまま書きかえる。そして金利でかせぐといえば語弊があるかもわかりませんが、一般商社であるならば、二ヵ月、三ヵ月サイトで約手が落ちなかったら倒産です。しかしそういう面、相手に買わすだけ買わして、いま良質のコンブしか扱っていないと私が言ったのはただ説明だけであって、多量に扱っています。大阪でいうならば、ある人が言っておりますが、これはあなたのほうから資料が出ないからはっきりした数字は言えませんが、大阪でうわさされているのは、大市水産が四〇%ぐらい、大阪だけで扱う量の四〇%ぐらい扱っているんだと。それで、大市水産が全部扱っているんですよと。 しかしあなたのほうから資料が出ていないから、これはこれだけということは言えない。出てきたならば何ぼと言えますよ。そしてその決済が非常にゆるい。決済があるようでない。こういう会社というものは、私は商都大阪の中でも、聞いてびっくりしましたよ。こんな会社であるから、倒そうと思ったら踏み倒しもできますよ、これじゃ。漁民のためにとあなたは言いました、漁民のために今後も力を入れていくと。そういう約手の決済がきても延ばすことができるということは、北海道漁連というバックがあるからそれができるのじゃないですか。同じコンブの業者で大阪に共販会もたくさんあるんです。物の面で、質の点で、量の点で大量に入る。コンブを入れればもうかる。資金的にもそれだけの、いま申し上げるような決済がないような、こういうことをやっている。私は、零細なコンブ業者に対して守るというけれども、還元されるというけれども、還元された実例も聞いておりません。 こういうところから考えて、これは私は公正な取引ということはその一面から見ても言えないし、協同組合という逃げ道もあるかもわかりませんが、私的独占禁止法の第二十四条の精神、特にまん中のただし書きからあとの精神、あなたがこの号外で言っていらっしゃる、一番最初に「共販制度そのものが独禁法の適用除外を受けていることも、そこに基本があるからです。」こう言っている。これは、この第二十四条の精神を知った上で書いたのかどうか。あなたはこの精神を知った上でこれを書かれたのですか。 私は、このような取引、一定の業者に大量に、上質のコンブもすべて大量に、そして資金的には、そのような決済がないような、そういうこと、これは取引においても、これ自身が公平な取引というわけにはいかぬ。だから私は、この条文にもありますとおりに、不公正な取引方法、独禁法のこの十二項目ある、特に一、二、三項目にこれは抵触するのじゃないか。これは公取委員長にお尋ねしたいと思う。二十四条のただし書き以後の「不公正な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合は、この限りでない。」協同組合であろうとも、こういうただし書きがついているけれども、これが公正な取引ということは言えるかどうか、まず公取委員長にお尋ねしたい。 それから田面さんには、あなたがこの号外で言ったこれは、二十四条のただし書きの以後の精神を知って述べられたのか。 まず公取委員長からお願いいたします。
○政府委員(高橋俊英君) ただいま問題になっております北海道漁連の扱いますコンブの関連につきましては、御指摘の点のみでなく全般について問題があると思われますので、すでに事件として取り上げております。事件として取り上げておりますので、この中身につきまして、こうである、ああである、また、私が意見を申し上げることは、法律の三十八条でこれは禁止されておりますので、その点は控えますが、もしも不当な差別取り扱いなどをしておりますると、ただいま御指摘のようなただし書きの、不公正な取引方法を用いたことになりはせぬかと思いますから、これは仮定の話でございまするが、二十四条ただし書きが働く場合がありまして、独禁法違反になることもある。 ただし、私は、事件の内容そのものを十分審査をした上で、結論を出した上でないと意見としては述べられませんので、その辺は仮定の話としてお受け取り願いたいと思います。
○参考人(田面剛君) 私どもも、これは民間会社と申しますか、もちろん民間でございますけれども、法律に基づいてつくられておる連合会でございます。したがいまして、そういう意味においては、ほかの商社とは全く別な性格を持っておる団体でございます。したがいまして、私どもが日常の運営の中で最も注意しなければなりませんことは、法律に抵触をしたり、社会的な御批判をいただいて、国民大衆の皆さん方に御迷惑をかけるようなことがいささかでもあっては相すまぬということを私どもの運営の基本に置いているわけでございます。 したがいまして、いま御指摘がございましたとおり、独禁法二十四条、そのただし書き等について、そういうことの精神を十分くんでやっておるかという御指摘でございますので、私どもは私どもなりに、私どもの判断の中で、その法を忠実に守る姿勢をもちまして今日も運営してまいってきておるわけでございます。
○田代富士男君 公取委員長がいま一応意見として、調査中であるから、三十八条の精神によっていまのところは明確に言えないとおっしゃる立場はわかりますが、しかし一応問題点として私は提起しておきます。そして不公正な取引方法、一、二、三と、時間がありませんから読みませんけれども、これに対してはどうなんですか。私はその点もお聞きしたい。 それから高橋委員長が、十六日の衆議院の物特の委員会で、商社の特定品目の輸入シェアをただしたことに対しまして、商社の投機行為が独禁法に触れるかどうかとただされたことに対しまして、委員長は、輸入シェアの大きさだけから判断することはできないが、シェアが三〇%以上の場合は一応要注意と言うことができる、あと幾つも言っていらっしゃいますね。ここの問題ですね。このときには商社の特定品の輸入シェアの問題を委員長は言われたと思いますけれども、これを国内にも考えた場合に、たとえば、ある特定な品物が特定な地域でこのようなシェアによってなされた場合には要注意とみなしてよいのかどうなのか、この点ですね。これは輸入品に対して言われたけれども、国内の商品、たとえばコンブの場合、こういうことに解釈してもよいのか。また、さっき申しましたけれども御答弁がなかった、不公正な取引方法の一、二、三、十二項目ありますが、一、二、三項目に対してどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点をお願いいたします。
○政府委員(高橋俊英君) 事件の概要について、いわゆる申告としては十分いま承っておりますが、現地におきましても、北海道の事務所におきましても、これを取り上げてしさいに審査をしております。これは東京におきましても、その法律の適用についてどうなるか、審査しておりまして、相当実はこの審査に当たりますと関係者の供述も必要でございますから、関係者が非常に強く否定しておるという場合にはかなり手間取ることも考えられますが、その内容につきまして、それの事実の有無、つまり法令違反の事実の有無があるかどうか、あるいはそれに対して意見がどうであるかということは、非常にきびしく三十八条で明確に禁止されております。したがいまして、一般規定の一号、二号、三号いずれに該当するかとおっしゃられましても、いまはお答えできない。しかし仮定の話として先ほど、不当な差別扱いをしていれば不公正な取引方法のいずれかに該当することはあり得るということを申し上げただけにとどめております。 なお、輸入のシェアとちょっと話が違うのでございますが、国内における非常に大きな取り扱い量、たとえば全体の七、八〇%に相当するものを実は道漁連が支配しておるわけでございます。しかしながら、これは御承知のとおり、二十四条に規定いたしておりますところの適用除外によりまして、私的独占等の規定は当てはまらないことになるわけであります。つまり、道漁連が相当実質的に他の事業者の事業活動を排除して、私的独占に近いようなことをしておるといたしましても、その分については適用がないというのが現在の運用で、農業関係におきましても、やはり大きな団体が農産物の一手の大きな販売もやれば購入もするということをやっておりますが、これも純然たる中小企業の集団である協同組合の場合には、適用はないということになります。 そういう点は、この法律上、何とも現在矛盾であるという指摘もございますが、事柄としては、適用除外は行き過ぎているのじゃないかという説はありますけれども、現在の法律のたてまえ上、そう言わざるを得ないわけでございます。しかしながら例外として、不公正な取引方法と、不当に対価を引き上げるというふうな場合には、やはり独禁法の適用を受けるのだ、こういうふうになっておるわけでございます。
○田代富士男君 いまの委員長の、道漁連全体を申された場合はいまのお話だと思うのです。大市水産となりますと、これは会社です。大阪の大市水産は株式会社です。道漁連が一〇〇%出資した、以前は別な人も出資していたけれども、いま田面参考人が言われたとおりに、道漁連が一〇〇%出資会社として入ってしまった。会社です。これが二五%ないし三〇%、大阪だけでコンブ販売のシェアを占めた場合にはどうなるか。協同組合と違います。株式会社ですよ。これが三〇%、四〇%占めた場合はどうなるか、その点どうでしょうか。
○政府委員(高橋俊英君) 取り扱い量の問題として、民間の企業が自然に、ただいまの事件につきまして言いますと、北海道漁連が株式を一〇〇%持つ、そこまではよろしいのです。一〇〇%持っているところに大きな割合を扱わせる。そうしますと、他のコンブを加工する等の目的で購入する者がある程度シェアを狭められておる、そういうふうに見られるわけでございますが、その点につきましてはたいへんむずかしい問題でございますが、一般に株式会社がシェアを、たとえば五〇%以上まで支配することになりましても、それのみをもっては直ちに私的独占としてこれは扱うこともできない。いわゆる他の競争事業者の事業活動を排除して何かをするという、そういう事実がないと独禁法には触れない。シェアが、極端な場合にはいま現に六〇%、さらには七〇%を支配している民間企業がございます。競争の結果そうなってしまった場合には、いまのところでは独禁法上何ともしがたい。 しかし私は、それらのものについては十分注意をする必要があるし、いまの法律体系にはありませんけれども、解釈上なし得る範囲において、何らかの規制措置、弊害を規制する措置を考えておくべきではなかろうかというふうに思いまして、その方向に向かっては鋭意研究を進めているわけでございます。
○田代富士男君 この問題につきまして、こちらの問題で時間がずいぶんなくなってしまいました。これも委員長、冷たいと思うのです。いま大市水産自身が一〇〇%漁連であって、いまからもお話しますけれども、全面的に優遇措置が講ぜられているわけなんですね。そういう面について煮詰めたいと思いますが、時間がないから、またの機会にしたいと思います。 それで、私はこういう資金的に決済面がゆるやかであるという、その裏づけの一つに、漁連自身の人の構成といいますか、これにもいろいろなつながりがあると思うのです。きょうおいでいただきました田面専務理事が北海道の道信連の常務理事である。漁連と金融的に密接な関係の一番深い道信連の常務理事です。それから名畑政雄常務理事ですか、この人が北海道漁業基金協会の専務理事である。同じく常務理事が道漁連の大崎良三さん、これは農林中金から天下りといえば天下り。このように金づるといいますか、そういう金のパイプの太いところの人が全部漁連の幹部である。そこからの天下り、それによって北海道漁連の幹部は構成されている。今度は北海道漁連の幹部の天下りが大市水産の幹部。大市水産の幹部は漁連の幹部のOBです。現職の道漁連の幹部が三名入っている。このような仕組み、こういうような金融面のつながりといいますか、そしてお金の面においてもこういう形態、物の面におきましても、優遇措置を講じられている。これはいま高橋委員長がおっしゃいます精神もわかりますが、明らかに私は二十四条のたてまえはたてまえ、ただし以後のここを適用を受けてもしかるべきじゃないかと私は思うんです。 その点につきましては今度またあらためてやりたいと思いますが、次に進みまして、まず水検の問題でありますが、いま北海道において生産者の水検がなされている。この水検制度において、端的に言うならば品質が低下している。たとえば水検においてコンブの一等品というそれがつけられると、最終の加工業者まで一等品でまかり通っている。しかし、内容は二等品あるいは三等品がまざっている場合がある。そこで最終業者の加工業者が、問屋、卸屋、小売り屋さん、加工業者へと行って、これは一等品ではないと、このように申し出をした場合、道漁連では、おれは知らぬ、それは水検の責任である。責任の所在が明確ではない。この点に対して田面さん、どうですか、どこに責任がありますか。
○参考人(田面剛君) 水検の問題についての御指摘についてお答えを申し上げたいと思います。 水検、水産物の検査、特にコンブの検査につきましては、商品の性質上、銘柄による取引が慣例でございます。したがいまして、その銘柄の格づけということが取引の重要な材料になりますと同時に、円滑な取引を行ないますための要件でございます。したがいまして、現在私どもは官営でぜひお願いをしておるわけでございますけれども、その中におきましても、あれだけの広範な地域で種々雑多なコンブで、採取時期も違うということでございますので、中には検査の手落ち等によりましてそういう等級品以外のもの、等外のものがまざり合うことがあり得るということでございます。 しかし私どもは、これは明確にお願い申し上げたいと思いますことは、事あるごとに、あらゆる機会を通じまして、私ども生産者の希望は、正しい商品を正しい価格で消費者にお届けしたい、この一点に尽きているわけでございます、したがって、もしもそういう中にあって不良品がまざり、また特に作為をしたような、そういうものがまざった場合には、一切私どもが責任を負います、どうぞ御遠慮なくお申し出いただきたい、こういうことをどんな機会にも業者の関係の方にも申し上げておるのでございます。ただその場合に、業者の方々から、まあわかればいいわということで私どものほうにお申し出がないのかどうか知りませんけれども、まいりました場合には、私どもは生産者ともどもにそういうものについての責任を負うことを明言しておりますので、御理解いただきたいと思います。
○田代富士男君 私はいまのあなたの話もテープにとっておきたいです。あなたがほんとうに明言されたのを、これは許されるならば、共販会員の総会の席上や業者の席上でそのテープをかけてあげたい。事実は、そういう文句を言ってくる。文句を言った人に対しては、水検だと逃げられている。もう品物渡さぬぞとおどしをかけられている。これが事実ですよ。あなたは知らないと。知らない世界で、おれは確信を持ってやっていると言う。 一番最初に言ったのはそこなんです。だから聞く耳を持ちなさいと言っているんです。そういうことはありませんじゃなくて、あるから私は言った。あなたはそういうことはないと明言をもって言いますけれども、事実と反したことがあるから言っている。それをあなたは確信を持ってやっていると。そこにズレがあるから、聞く耳を持ちなさい。故意にはやらないかもしれないけれども、しかし現在の水検があるために、そのために生産者は、いかにして要領よくこれを何しようかと。一応手落ちがあるかわからないと、あなたも一部認められた。広大な北海道だから。そうです、広大な北海道。そこで水検をやる人は何人おります。七十数人じゃないですか。 七十数人で、あれだけの北海道の検査ができますか。検査員として養成されるのは一年間、浜で仕事をしているのは四十年、五十年やった人。一年間で何の検査ができます。それが二等品を一等品に入れれば、一等品としてまかり通っていく。正直者がばかをみる。要領いい人がうまく伸びていくことができる。こういう実態になって、現地においては水検反対の声が起きているじゃないですか。単協に水検をやらせよう、そういう声が一ぱい出ている。この問題、あなたは実情を御存じでしょう。知って知らないようなことを言っているのか、はたして知らないのか。 一年ぐらいの人が、コンブのあれがわかりますか。七十何人で、手落ちがあるかわからない。しかし、いずれにしても一等というグリーンのベルトがかけられます。二等は赤、三等は紫、四等は茶色、それが最後までまかり通っていく。しかし一応これは規格としては、JAS規格に合っているかどうかということをこの水検でやる。グリーンのベルトがあったら一等でまかり通っておる。だから、これは内容と表示とは一致しないじゃないか。そういう点から言うならば、私は不当表示に通ずるのじゃないかと思います。この点、委員長いかがでございますか。
○政府委員(高橋俊英君) 水検の点は、これは別に規定があってやっておるわけなんで、私どものほうの景品表示法の関係から申しますると、一般消費者に誤認されるおそれのある表示という一般消費者のための表示でないものでございますから、景品及び不当表示の防止法に触れないことになってしまう。それから水検自体は、一等から二等、三等、四等というような、梱包に色をつけて仕分けをするということになっておりますけれども、それは、言ってみれば業者向けの表示ということになりますので、不当表示防止法の抵触にはならない、こう思っております。
○田代富士男君 業者向けと、こうおっしゃいますけれども、消費者も買っていますよ。業者向けだけじゃない。その点は実情を知った上で発言していただきたいと思います。業者向けだけじゃないですよ。一般の人も買っているのですよ。業者向けであろうと、二等品とかそういうものが一等品でくるのですよ。水検で一等品ときめれば、最後の最後まで文句の言いようがないのですよ。どうなんですか。
○政府委員(高橋俊英君) 実は、私どものほうでコンブの一等品か二等品かというふうな点について特別に訓練をするのはたいへんなことでございますので、水産庁の水産課でございますが、そちらに対しまして、この水検のやり方、いまおっしゃいました下級のものを上のものと見せかけるような、そういうもののまぜ方をして、それにマークをつける。私ども知っている限りにおいては、包装箱に包装のひもを色分けをしてつけるということになっておりますが、もしいま御指摘のように、一般の消費者向けのものもそれはあるのだということでございますれば、やはり不当表示に該当する場合があります。ただし、その内容につきましては、十分専門家である水産庁のほうで指導していただくということが一番よいのではないかというふうに考えております。
○田代富士男君 水産庁見えていますか。いま公取委員長が言われるとおりに、これは水産庁の問題でもありますから、やってください。 時間がありませんから次に移りますが、この水検で一番問題は、北海道の条例におきまして、第五条だったか、水検を受けてないものは荷物を動かしてはならぬ、こういう条例になっている。たとえば、そういうものを動かした場合には、村において制裁を受ける。要するに一括集荷、水検を受けたものは全部道漁連に集めなくちゃならない。強制的に集められる。もしも水検を受けて、受けた数がわかりますから、それを道漁連に集めなかったならば制裁を受ける、こういうことが行なわれている。こういうことをやっていいんですかね、田面さん。道漁連へ出すよりも浜売りのほうが高いからそちらへ売った、それだけでその人の生活権が脅かされる。こういう事実があっていいでしょうか。どうですか、田面さん。
○参考人(田面剛君) 多少おしかりを受けるかもしれませんけれども、時間を拝借いたしたいと思いますことは、私どもは共同販売運動をやっております。そのたった一つの願いは、零細な、年間八十万そこそこの収入しかないコンブ取り業者が、適正な価格で、できるだけ安くいい品質のものを消費者にお届けいたしたい、こういうことを念願として共同販売運動をやっておるのでございます。したがって私どもは、協同組合は本来、強制的に、何らかの形において強権発動したような形において団結がされるのは本筋ではなしに、そういうお互いの利益をお互いに守り、相互扶助の崇高な精神に基づいて全体の利益を向上していこうということが目的でございますので、本来的には、指導を行ない、納得をし、説得をし、理解をする、これが過去何十年間われわれの先輩が続けてきた共同運動の歴史でございます。 したがって私どもは、強制的に圧力をかけてでもこれを集荷するということを本筋の問題としては考えておりません。ただ、私どもは同志としまして、たった一人のそういう共同の輪に入らない方、また共同の利益を求めずに自分の利益だけを追求されるという方がおることも事実でございます、そういう方々に対して、この理想と理念と哲学を理解をしていただくという、そのためにいろいろな意味の指導をしておるのでございます。したがって、先般の委員会でも御指摘になりましたような、ああいうような誓約書、念書を一部取っておるという事実を御指摘になりましたけれども、そのとおりでございます。しかし私どもは、道漁連が直接ではございませんが、単協がそういうことをやっておりますが、そういうことによって村八分にした、基本的人権である共同漁業権を停止した、そういう事実はございません。 そういうことで、私どもはあくまでも指導の一環として、手段として行なうこともあり得るということを考えておるわけでございますけれども、この問題につきましては、私どもいろいろ御指摘がございますので、その内容等については現在調査し、不穏当な点があれば今後是正してまいりたいと考えておることもあわせて申し上げます。
○田代富士男君 いま田面参考人は、そういうことはないとおっしゃった。そういうことはしてないとおっしゃった。その確信のもとに道漁連の専務理事としていまやっている。 事実を申し上げましょう。散布漁業協同組合、三村仁太郎さんという人が昭和四十五年ごろ、この人は百四十駄、浜売りをした。水検を受けた品物です。ところが、組合の規約違反だと、この人は漁業権を取り上げられました。漁民にとって漁業権を取り上げられるということは生活権の侵害です。ただコンブの漁業権だけでなくして、この人はこの浜に住んでいるときからウニの漁業権も持っていた。ウニの漁業権までも取り上げられている。それから組合を脱退しろと。こういうことをやられた事実が四十五年にあるじゃないですか。あなたはないとおっしゃった。漁業権まで取り上げられている。漁業権というものは一体だれのものか。道漁連のものか、単協のものか。漁民のものじゃないですか。このような事実をどうするか。あなたはないといま言った。ないと言ったけれども事実ある。 もう一つの例をあげましょう。函館の佐山商店。函館は北海道でも一番よいコンブがとれるところです。大船あたりの組合長が値段の相談で佐山さんのところへ行った。単協ぐるみで佐山商店に品物を売った。そこで道漁連から共販脱退行為であるということで強く締められた。そこで道漁連が手を打ったのは、佐山商店が買ったコンブが売れないようにしようじゃないか、そうすれば二度とこういうことはしないだろう、みせしめをしてあげようというわけで、全国に対してその連絡をとった。その結果どうか。佐山商店のコンブの入札を東京でやったが、人が集まらなかった。この事実ですね、強制的に集荷している。 あくまでも自由意思じゃないですか。津軽海峡を越えた青森や岩手や仙台は全部浜売り、浜買いの自由競争ですよ。北海道だけが水検をやって、何で強制集荷しなくちゃならないか。そしてときたまその品物、自分でとった品物を売れば、漁業権が剥奪され。生活権の侵害。基本的人権に触れると思うのですよ。この問題どうするのか。 またあなたが誓約書を取った場合もあると言う。取り方が問題です。その例をあげます。 四十六年の五月、棹前昆布解禁のときに鑑札を全部渡します。その鑑札を渡すと同時に、おまえにコンブをとる鑑札を渡すぞと片手に渡すときに、片方に誓約書を渡して、この誓約書を書けと言って、鑑札を渡す、誓約書を書けと、両手でこれを渡される。その誓約書の内容たるやどうですか。 その誓約書読んでみます。昭和四十六年五月の分です。「組合長理事長崎勝利殿」、そして自分の氏名を書いて出す。 昭和四十六年度棹前昆布漁業の漁業権行使に 当り、私は、昨年の昆布製品を浜売し、組合と の約束を履行しなかったことを深くお詑びする としもに今年度水揚された昆布製品(棹前昆 布、夏昆布、しづみ昆布)は全面的に組合へ出 荷することを誓約致します。 尚、この誓約を履行しないときは、今年度に おいての夏昆布漁業の鈎数の制約あるいは漁業 権承認(夏昆布)を全面的に取り消しされても 異議ありません。 こういう出荷というものは自由意思、自発的でやらなくちゃならぬ。共販制度というものも漁民を守るということであるけれども、この誓約書のために反対にどれだけの漁民が苦しんでいるか。こういうことを考えた場合に、あなたがそういうことはやっていないと断言された。そういうことはないと言う。確信を持ってやっていますと言うけれども、もろくもくずれたじゃないですか。 公取委員長にお尋ねしますが、こういうことが公正な取引といえるでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(高橋俊英君) ただいまの、浜売りをやった者に対して漁業権を剥奪するということにつきましては、独禁法そのものの問題であるのか、あるいは協同組合のあり方として、非常に基本的な人権を奪うことになりますから、そういうところまで協同組合の共販制度が強く容認されているものか、私としてはたいへんに疑問に思いますが、なおいまここでは、そういう漁業権の剥奪ということが行なわれているということまでは実は承知しておりませんでした。たいへん申しわけありませんが、非常に、何らかの法律に抵触するおそれが十分にあるのではないか。独禁法の上で、その協同組合の行なうこと、これは協同組合自身が加入脱退が自由でなければならぬという制約があるのです、加入脱退が自由であれば、そういうことが条件になって独禁法の適用除外になる、こうなっておりますが、その共販制度そのものに関連して、基本的な漁業権そのものを剥奪するということがいいのかどうか、いずれにしてもたいへん問題であると思いますが、独禁法のどこに触れるかという点についてまだ検討不十分でございますので、答弁はきょうのところは留保させていただきます。
○田代富士男君 じゃ、委員長自身が、何らかにこれはもう抵触するんだと。それは明確にしていただきたいと思うのです。時間があればここで一々なにしたいと思いますが……。 それから、零細な漁民に対してコンブの乾燥機を購入させる。その場合に、乾燥機はどこのメーカーの何を買えということを、漁民に対して漁連が指示を与える。漁民の平均収入というのは年間で百五十万円前後。それに乾燥機一台百万円、全部それが負担になってくる。それに何のメーカーの機械を買いなさい、それを買わなかったら、いま言うように誓約書を渡すぞ、鑑札を渡すぞという漁権の問題とからんでくる。これはとんでもないことです。 それから、漁連がやっていることが首尾一貫しないということに対して、いまの集荷の問題に対しましても、これはことしの三月十九日、道議会におきまして公明党の野村道議会議員が、漁業権を振りかざしての集荷は行き過ぎであるということを指摘しまして、道水産部においてもそういうような漁業権を侵害するようなのは行き過ぎであるということを、確認しております。こういうことも田面さん知っておいていただきたい。 あなたがやっている指導というのは、もう一つどのようにずさんかということを——もう時間が来てしまいました、四十八分までということでありますが、いまからが本番に入るのです。 これは厚岸昆布販売協議会なるものを、漁連と厚岸漁業協同組合、それから産地の商社、厚岸のマル民、それから堀田商店、それから浜買い商社、この四つで協議会をつくろうという、共販体制の確立と商流の適正化をはかるためにこういうことが考えられた。なぜかといえば、最終の消費地ヘどういうコンブが流れているかといえば、漁連を通じて流れていく場合と、産地の商社を通じて消費者にいく場合と、浜買いの商社を通じていく場合と、この三通りある。そこで、これを一本化しようじゃないかというところで四十七年の五月にできたわけなんです、北海道道漁連の指導によって。それで一本化してやろうということになった。ところが、コンブの割り当てがどうされたかといえば、この協議会に一〇〇のコンブが来たとした場合に、マル民さんに六〇%、堀田商店に六%、それから直販という、漁連がじかに販売するのが二〇%、厚岸の漁業組合に一四%。 これは何でもないことのようですけれど、問題はここにある。この厚岸の漁業組合という、コンブを集める立場の漁業組合になぜコンブを割り当てしなくちゃならぬのかです。幾通りも方法があるからこれを一本化しようといったにもかかわらず、こういうところへなぜ割り当てをするか。職務を分担しよう、集めるほうは集める、販売は販売とやるならば、どうして漁連自身の直販を二〇%持ってきたか。 漁連にこれを現地で確認したら、浜買いをしちゃならぬ、浜買いをした者は道条例によって懲役一年以下罰金十万円以下の罰則を受ける。道漁連が、浜買いをしたら追跡調査をやるとそう言っているにもかかわらず、この二〇%は浜買いの人に、入りなさいと言ったときに入らなかったから、いずれは入るだろうから、その人の分として二〇%をとっているというのです。それならば、言うならば浜買い等はさせてはならぬと言っている道漁連が、浜買いを認めたことじゃないですか。それならばコンブの浜買いをやったって、これはどの浜で浜買いをやっても、道漁連としてはそういうことはタッチするわけにはいかぬ。しかし浜買いは、青森、岩手、仙台では、昼間、浜売り浜買いは自由競争。北海道では夜中に浜売り浜買いを行なう。何で北海道だけが自由競争できないのか。 ここに漁連の横暴——共販制度という制度でコンブを集めるだけで、二億から三億の手数料が入るじゃないですか、漁連としてコンブを集めるだけで。そうして漁民をいためつけている。いま事例をあげましたとおり。田面参考人はそういうことをやってないと。事実をあげた。あなたの言ったことはくずれた。 この時点で一本化しようということはこういうことなんだ。この協議会の本質から言うならば、マル民と堀田商店に一〇〇%を与えましょうというのは、これはコンブの業者の方です、これならば筋道がわかる。この漁連の直売の二〇%はどこに売り渡されたか。これがいまさつき問題になりました大市水産に行っているのです。大かた大市水産に行っている、一〇〇%出資の大市水産へ。大市水産へと草木もなびくで、コンブが全部行っている。二〇%、浜買いの人用だといって。そして厚岸のコンブを集めるほう、販売するほうじゃない、ここに一四%売っている。これがどこに売り渡されたかと言えば、岡山の長船商店、ここに売り渡された。漁屋さんですよ。コンブ屋と違う。 そこで全国の業者から、コンブが足らないのに何で魚屋なんかに売ったかと。扱ってはならない立場でしょう。そこで厚岸の漁組がたいへんなことになった。これをマル民と堀田商店がやったというふうにしまして、三%の手数料をマル民さんと堀田さんに持ってきた。堀田さんはそんな金は取れないといって返した。 そうして、そのときに、この協議会を設立をするときの趣意書がありますけれども、そして、その協議会に入ると同時に今度はそこにおいて誓約書がとられた。どういう誓約書か。 今回貴組合が行なう昆布取扱い流通改善方針 に賛同し昆布生産者よりの直接取扱いの行為は 一切致しません。 万一直接取扱い行為の発生がある場合、貴組 合よりの如何なる措置を受けても異論ありま せん。 厚岸漁業協同組合 組合長理事 長崎勝利殿 これが協議会の会長からならばいいけれども、厚岸の漁業組合の組合長からこういう誓約書を出されて、堀田商店の堀田さんは、こういうのは書けないと。そうしたら、この組合から除名された。昨年の十月ぐらいから堀田商店は商売はやっておりません。死活問題です。そうして公取に提訴しています。こういうことがあってよいものか。今日に至るまで堀田商店は商売していませんよ。こういうことを田面さんは知っていますか。 高橋委員長、このような事実、これでも公正な取引がされていると言えるでしょうか、どうでしょうか。そのあと田面さん、こういう実情をどう思うか。まず委員長から。
○政府委員(高橋俊英君) そういう実情を目下調査いたしまして、審査しております。ですから、事件として扱っておりますので、その点についての意見の公表は、この際は差し控えさせていただきますが、かりにお説のように、誓約書を守らなかったという理由で完全に締め出しをしたということが事実であるといたしますれば、明らかにこれは法律に抵触することになるのではないかと思います。そういう仮定の話として、それが事実であれば法律に抵触するというふうにお答えするほかございません。
○参考人(田面剛君) 私、こういう会議のルールをよく存じませんので、私のほうから発言を求めていいのかどうかわかりませんので控えておりましたけれども、発言の機会をお与えいただきましたので、いままでいろいろと御指摘になりました点、一方的にいろいろお話がございました。それについて私どもの率直な意見を申し上げたいと思いますので、お聞き取りいただきたいと思います。 まず第一点の、私が、共同漁業権の停止等について、誓約書を取る、その取る事実の問題は別問題として、そういう事実がないというふうに申し上げましたけれども、ただいま御指摘がございまして、散布に四十五年に共同漁業権を停止させたという事実があったとしますと、これは私の寡聞にして知らざる事実でございます。したがいまして、この問題は、帰りまして、私どもも、これは組合のやった問題でございますけれども、当然道漁連としての指導上の責任もございますので、帰りまして十二分に調査をして、この事実関係を明確にいたしたいと思いますが、あったとしますと、その問題は行き過ぎであろうと私は考えております。 それから佐山商店の問題でございますけれども、これは私自身がこの大船組合との話し合いをした経験がございますので申し上げますけれども、私どもは、大船組合がどうしても全道の組合のそういうコンブの中で、ことしにだけ限っては売りたくない、売らない。それはもっと高く売りたい。共販価格で、公正で妥当だと思われる価格を提示したわけですけれども、どうしてもそれじゃ売れないということで、御自分で売りたいということを何回も申して、私も説得をいたしました。しかし、これは生産者が主体になっている組合でございますから、生産物をおつくりになった組合が、どうしても売るというものについて私どもは強制権もなければ強制すべき問題でもございません。私の説得の足らざることによりまして佐山商店に売られたということも事実でございます。 その間に私は、快く私の説得の足らざることをわびて、明年以降再度検討してほしいということを申し上げておいたわけでございますから、この大船組合に私どもが特別なまた圧力をかけておるということをおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、そういう事実は毛頭ございませんということを私は明確に申し上げておきたいと思います。 ましていわんや、売り先がどこであるのか、これはなかなかっかまらないのが実態でございます。そういう形で売ったコンブでございますから、なるべくあまり大っぴらに売りたくない、批判の対象になりたくないということでございますから、佐山商店に行ったのかどうなのか、この事実関係を私どもはよくつかまえることができないということでございます。行ったのでしょう、おそらく。したがって、そういう実態でございますから、ましていわんや、佐山商店の品物を買ってはならぬとか、買った者には荷割りしないとかいうことを、全道、全国の業者に指示命令をする、そういうことはあり得ないことでございます。したがって、そういう点もひとつお聞き取りいただきたいと思うのでございます。 第三点の、長崎組合長、厚岸組合長の棹前の問題でございますが、多少詳しく申し上げます。 先ほど申しましたとおり、私どもは漁民といえども、漁業協同組合員である前に日本の国民でございます。当然、生存をし営業を営む権利があることを十分承知をしております。したがって私どもは、基本的人権を侵害するような、そういう措置をとることは、これは独禁法とかなんとかという問題ではなしに、憲法以前の問題でございまして、基本的人権にかかわる問題でございます。かって、そういう事態が相当前にございました。人権委員会に提訴された方がおいでになります。明確に基本的人権違反である、こういう結果も出ておりますので、全道の組合長はそういう点を十二分に知っておると思います。 この厚岸の場合には、そういう前提がございますので、組合の決定なり漁民の切なる願いで、みんなの利益を高めよう、そのために共同運動をやろう、共同販売をやろうときめた中で、やはり数の中には自分だけの利益を守り、目先の利益だけをほしいという漁民がいることも事実でございます。そういう方が団結を乱して浜売りをする、それがまた相場を混乱させる、そういう実態がある中にあって、樟前昆布のコンブの採取権につきましては、そういうものであっても、基本的人権にかかわるものであるから、全組合員にはどんな事情があろうとも、一つだけの、一棹だけの採取権利は与える。ただし、現在の浜の状態からして、数字をいまちょっとわきまえておりませんけれども、かりに多少まだ着業の、資源的に見合った隻数が余裕があるという場合には、当然漁家の生活の実態、家族数、そういうものによって二棹三棹与える場合がございます。 その決定は理事会に総会でまかされているわけでございますが、そのときの一つの要件に、いままでやったものについてはよろしい、だけれども、全体の利益とともに、もう二度と目先の利益にこだわらないようにやってほしい、そういうことのために、そういう方からただいまいったような誓約を取ったというふうに私は聞いております。 これは私は、それをたてにとって現実に棹前昆布の操業を禁止した場合には、これは明らかに何らかの法律に関連すると思いますけれども、そういう指導の一環としたものである。ただし、ただいま田代先生から御指摘がありましたような、強権であるかのごとく、また、そういう点についての御指摘がございましたので、こういう点については、その表現の方法にしましても内容等についても十二分に検討いたして、御指摘にこたえたいと思うわけでございます。 それから乾燥機の問題でございますけれども、私どもは漁民が必要とする生活資材をはじめとする漁業資材を、できるだけ安価に、できるだけ適正な価格で、できるだけ良質の品物を供給する責任を持っております。したがって私どもは、現在こういう形で公害問題が盛んになっている時代でございますから、一つの商品を扱うにしましても、しょうゆ一つ扱うにしましても、添加物が入っておらないか、有害食品が入っておらないかということで詳細に検討し、しかも、その価格はメーカーと十分に話し合いをし、不当な利益が含まれておらないかということも検討した結果に基づいて売ってまいります。したがって、乾燥機もその一例でございます。私どもは私どもなりの考え方、判断でヤンマーを調べ、ダイヤを調べ、クボタを調べ、いろいろな方と相談をしてまいります。そして、その中で最も適正であり、最も漁民に必要なものであり適格なものであるというものを、私どもの推奨品として漁民に推奨をしております。 ただし、これを買わなければ棹前昆布をとめるとか、これを買わなければ金を貸さないとか、こういうことを私どもは指導した覚えもございませんし、現に私どもが推奨しております一メーカーについて申し上げますけれども、あるメーカーについて推奨しておりますが、そのシェアは、やはり機械でございますから漁民の好みがございます。また慣例もございます。したがって、各社にわたっての台数が出ておりまして、私どもの扱いはわずか五〇%を切っております。これが実態でございます。したがって、そういう事実は私どもはないと考えております。 それから最後の、道議会のお話が出てまいりましたが、これは私ども、そういう考え方で道ともいろいろ打ち合わせ、御指導をいただきながら、適切に事業を実施してまいりたいと考えております。 最後に厚岸のコンブの問題につきまして、いろいろと、どなたからお聞きになり、どういう方からの御調査か存じませんけれども、一つだけ御理解を賜わりたいと思いますことは、コンブという商材は保存のきく商材でございますて非常に銘柄の多い商材ですし、等級格差の非常に多い、細分化してまいる商材でございます。したがって、それの生産も約半年以上かかります。最初は一月か二月で済みますけれども、これを製品にし市場に出すまでには、半年以上かかるコンブもございます。それをお買いになった業者の方々は、加工業者の方々にまた一年かけて売ってまいるという仕組みのものでございますので、ともしますると、いま社会的に御指摘になっております思惑材料に最も適した商材でございます。全道合わせましても、たかだか百二十億の商材でございますから、思惑による価格の高騰を招くおそれがある、また、暴落を招くおそれがある商材でございますし、私ども漁民は、その暴騰、暴落にたいへん迷惑をしました経験を持っております。 したがって私どもの願いは、こいねがわくは、私どもが取ったものを私どもの手で売りたい、直接消費者の皆さま方に差し上げたい、そして中間の経費を節約をしてできるだけ安く食べていただきたいというのが念願でございますけれども、私どもは生産者でございます。商業機構というものを、長年の経験と実績をお持ちの方々におまかせをする以外にはございませんので、こいねがわくは、中間における経費もできるだけ節約をしてほしい、思惑はやらないでほしい、そして私どもの生活を高めつつ、消費者の皆さま方に少しでも安いコンブを食べていただきたい、これがほんとうに心からの私ども生産者の念願であるわけでございます。 今回取り行ないました厚岸のコンブのやり方も、従来はどちらかといいますと、いろんな形で値踏みが行なわれました、それからの段階で、一部商品が一割も二割もかけて売られたという事実も出てまいりました。加工屋さんから、あんな高いコンブは買えないという反論も出てくる。しかし、私ども生産者はそんな値段で売った覚えはない、こういう値段で売っているじゃないか、にもかかわらず二割も三割もかけて売られていく。こういう実態も、消費者の皆さん方に申しわけない、生産者の手で何とか直せないであろうか、この切なる願いが共販運動の根本でございます。 したがって、この厚岸で行ないましたのも、従来そういう形で二十年もやっておりますと、こういう形の中で多少思惑が始まってくる。商社間の転売がある。その間で価格がどんどん上がる。こういう状態を直すためと、いま一つは、そういう形で、生産者は何でもいいから高く売ればいいという考え方は持っておりません、ほんとうに適正な価格で消費者の方に食べていただくのならば、それはそれなりに私どもは満足していきますけれども、中間の思惑や投機によって価格が暴騰をされるということについては、生活がきびしければきびしいほどに、経営が零細であればあるほどに、歯ぎしりするほどくやしいのでございます。したがって私どもは、こういう形においてできるだけ安定した価格で売っていきたいということと、浜買いをして、団結を乱して、自分さえよければいいという商社の方がいると困る。しかし、その人にも生活権がございます。したがって、どうかわれわれと一緒にやってください、そのかわり、皆さま方がお扱いになっている荷物と同じように集めたものからお分けしましょう、これが今回の改善の基本でございます。ただしそのときには、お分けするけれども販売はひとつ公開をしてほしい、暴利を取らないようにお願いをしたいと。 したがって、いま先生御指摘になりました、それならば厚岸という生産者が一〇%売って何するのだというお話がございますけれども、これは御理解をいただけないでしょうか。わずかでも自分のとったものを、コンブは、ほんとうに零細漁民が家族労働で夜なべでコンブをつくります。それを売るときには、ほんとうに嫁にやるような気持ちでコンブを売ります。そのコンブを自分で売りたいという気持ちを持って、なぜ悪いのでございましょうか。それも、従来の商圏を乱してはならぬ、侵害してはならぬということで、どうぞひとつ皆さん一〇%だけは組合で売らしてくれないかというお話をして、みんなで了解して、じゃ一〇%だけやってみなさい、しかしうまくいくかねと、こういうこともございました。 第三点。もう終わります。もう一点で終わります。 そこで、そういう意味もございますので、堀田さんがそういうことについて、先生のほうにどういうお話があるのか存じませんけれども、私どものほうでは現在でも堀田さんに、誓約書を入れないからおまえには物を売らない、分荷しないと言った覚えはございません。これは組合も調べまして、担当者も調べてまいりました。ただ、私どもが聞きました範囲内においては、組合で説得をしたけれども、おれはこんな仕組みには入れない、したがって浜買いもやめられない、だからおれは帰ると言ってお帰りになったということでございます。お帰りになった方をどうかひとつとお引きとめして、浜買いされてもけっこうですから、どうぞ荷物を買ってくださいと言わなければならないのでございましょうか。しかも、私は現在でも堀田さんと話し合いをする気持ちはございます。組合長にもその旨を言っております。できるだけそういう方々とひざを突き合わせての懇談の中で、みんながよくなるような仕組み、みんなが利益をあげるような仕組みをつくっていきたい、これがいまの偽らざる心境でございますので、御指導を賜りたいと思います。
○委員長(山下春江君) 田代委員に申し上げます。時間が超過いたしておりますので、簡単に願います。
○田代富士男君 もう終わります。道南コンブのことはもうやめます。ずいぶん時間が長くなりましたから。 いま話をされた中で言いたいことはたくさんあります。生産者を守るため、全部の皆さんを守るためというが、生産者の声も、消費地の業者の皆さんの声も、声は、共販制度をやめてもらいたい、それから水検もやめてもらいたい、青森や岩手、仙台でやっている入札と同じように従来どおりやってもらいたいというのが声です。これを知ってもらいたい。 それから、生産者に対してはそういう圧迫をするようなことはしていないと。鈎数は漁民の命です。鈎数は最低一つ与えているとおっしゃいました。しかし、厚岸の「承認方針・操業要項」という、これは組合の幹部だけ持っていらっしゃる。このコンブ漁業承認方針の第四項目に「前年度において、昆布漁業の着業者で当該漁業の生産物の出荷実績がないものには承認しない。」鈎数を渡さない。あなたは最低一つ渡すと言ったが、渡さないと書いてある。浜売りをかってにやった者には渡さない。だから、いま申されたことに対して私反論したら三十分かかる。いまあなた、二十分くらい話された。 だから、私は最後に言うけれども、このように結論として何らいささかも反省するところがないとおっしゃる。しかし、きょう出したのはほんの一部分ですが、きょうの委員会を通じてでも、ここにあなたが出したこれは幾ぶん反省すべき点があるのじゃないかと思うのですが、どうですか。それでもなお反省しないのですか、どうですか。最後にひとつ聞かしてください。簡単にお願いします。もう時間が超過しておりますから。
○参考人(田面剛君) 何しろ私こういう立場に初めて立ちますので、多少あがっております。ただいま御指摘ございました点につきましては、後ほど、いろいろとお話の中にも反省すべき点があるやにも考えます。しかし、これは詳細にわたりましていま一度心静かにきょうの議論を反省いたしまして、反省すべき点が自覚されれば率直に反省いたしたいと思います。
○塚田十一郎君 定刻をたいへん過ぎて、参考人の方々にはたいへん恐縮かつ御迷惑と存じますけれども、三十分ばかり自民党として私のいただいた時間があるので、その範囲でお尋ねをさせていただきます。 先ほどセメントのことについていろいろと伺っておって、私として感じておりますことは、需給の関係に若干のアンバランスが現在の状態ではあるということでありますが、それが原因して、大口需要に価格の騰貴が出ておることがないかどうか。私はどうも大口需要のほうには、セメントが高い、高いというけれども、そういう価格の騰貴という現象は出ていないように了解をしたのですが、それで間違いはないでしょうか。
○参考人(原島保君) 大口需要のほうが安くて、小口が高いということでございますか。
○塚田十一郎君 いやいや、大口需要は大体きめられた値段で売っておる。ただ一袋千円とかそういうのは、ほんの小口のものにだけあるんだというように理解をしておいてよろしいのか。
○参考人(原島保君) 私も先ほどそのように答弁いたしました。そういうことでございます。
○塚田十一郎君 そこで化学工業局長にも聞きたいのですが、大口のものは需要の増を時期的に押えることができると思うのですが、どうですか。たとえば公共事業は少し繰り延べるというような形で、これは一つの工事をあれすれば、消費量が非常に大きいですから相当な需要を押えることができると思うのですが、そういうことはできませんか。
○政府委員(齋藤太一君) たとえば、先生の御指摘の大口の公共事業等について繰り延べが若干できないのかという御質問でございますが、お話のように袋ものが不足をいたしまして、一部に若干値段が上がっているものもあるようでございますので、セメント協会に要請をしまして、現在袋もののほうの増産を急いでおるところでございますが、そういたしますと、大口に回るばらものを袋に切りかえますので、ばらもののほうの生産を若干比率を変えなければなりません。そういう関係もございまして、大口の需要先であります公共事業につきまして、治山治水といったような緊急を要するものを別といたしまして、それ以外の公共事業につきまして、できれば一番需給面で苦しい四月、五月、六月につきまして、七月以後に繰り延べができないだろうかということで、現在建設省、運輸省等と御相談いたしておりまして、きょう夕刻会議をしまして、その繰り延べの内容を決定をいたしたいと実は考えまして、現在、作業中のところでございます。
○塚田十一郎君 そこで、政府の方針が、一応こういう工事はひとつ繰り延べようというようにきめたときに、セメント業界としては、その方針に従って生産を配分していくことが事実上できますか。
○参考人(原島保君) 現在でも通産省の御方針によって、この間うちは最初に公共事業、災害復旧工事、これを大急ぎでやれということで、その手を打っておりますが、それから今度は中曽根大臣からも、小口の大工、左官も困っているからそれを助けろ、これもいまわれわれ全国に各社とも指令を出しまして、小口の非常にお困りの方については、先ほど局長からお話があったように、あっせん所を設けてやっております。したがいまして、今度政府からそういうお話があれば、それを末端に通して、その方針でわれわれのほうが配給する、配給というのはおかしいのでございますが、できるだけその方針で商売するように指導してまいって、大体いくと思います。
○塚田十一郎君 そこで、それでは一袋千円とかいうばか値段の出るのは、どういうところでどういう形の取引で行なわれるのでしょうか。
○政府委員(齋藤太一君) セメントの生産の八割はばらで行なわれておりまして、これはセメントメーカーの需要地にございますサイロに一ぺん入れられまして、それから生コン業者あるいは大口の需要者に直接渡されております。約二割が袋ものでございますけれども、その二割の中のまた八五%は、同じく需要地にありますサイロで袋詰めにいたしまして直接需要家に届けられておりまして、残りの袋ものの一五%、全生産で申しますと三%に当たる部分が、特約店からさらに末端の二次販売店に渡りまして、そこでいろいろ小口の需要家に渡されておるわけでございます。 ですから、量としてはきわめてわずかな量でございますけれども、これが小袋で四十キロ袋でございますけれども、非常に目方にいたしますと目方もございますし、需要家の手元にオート三輪等で届けるといった手間もかかります関係もございまして、その末端の二次販売店で売られている袋ものが、場所によりまして、輸送してきたとかというような事情のときには若干高値を呼んでいるものもある、こういうふうな状況のように見ております。
○塚田十一郎君 先ほど、そういうことを防ぐために小口の分配所を全国で七十九ヵ所ばかり設けたと言われたが、どういうぐあいにこの七十九ヵ所が全国に配分されているか。
○政府委員(齋藤太一君) これは三つ系統がございまして、一つは、各通産局の商工部の振興課というところの窓口でそのあっせんをいたしております。それからもう一つは、各県庁の担当の課をきめまして、そこに窓口をこしらえております。それからもう一つは、業界のほうで、福岡ですとか、名古屋とか、各ブロック単位の幹事会社がございますけれども、その幹事会社の支店を一つの窓口にしますのと、それから各県ごとに、その特約店の中の一つを選びまして、それをあっせん所といたしまして、そこの窓口で受け付けたものをブロックのまとめの支店のところに全部集めまして、それでまたほかのメーカーと相談しまして、小口の販売店を指定してお客さんにお渡しをする、こういうことであっせんをやっております。その数が七十九になっております。
○塚田十一郎君 この七十九ヵ所をつい最近設けられたもののようですが、いままでに何か実績が少し出ておりますか。
○政府委員(齋藤太一君) 一昨日、店開きをいたしましたので、まだ詳細な報告がまいっておりませんが、広島の通産局からまいりました報告によりますと、一昨日が申し込み者が三十七件で、数量にいたしまして三百六十六袋でございます。それから昨日の申し込みが四十五名で三百九十袋、これは広島管内の実績でございます。
○塚田十一郎君 この七十九ヵ所における需要が今後ふえてきた場合には、必要なだけは回されますか。
○政府委員(齋藤太一君) 現在業界に対しましては、月間生産大体七百万トンでございますけれども、これの二%に当たる約十五万トンの袋ものをふやしてほしいと、こういう要請をいたしましたわけで、これをいまのあっせん用等に回しまして、あっせん分については絶対に不自由を需要家にかけないようにいたしたいというふうに考えております。
○塚田十一郎君 土屋参考人や鈴木参考人の御関係になっておる業態は、こういうところを御利用できますか。
○参考人(土屋伊作君) 私どもの業界では、そういうところができたのでそういうところで購入するようにという指導はまだきように至って受けておりませんので、利用いたしておりません。
○参考人(鈴木清次郎君) 私どもでは昨日、うちのほうの事務局で通産省からそういう機構ができたという報告を受けたそうでございますが、まだそれに対する具体的な内容も検討しておりませんし、また先ほど、ないから千円のセメントということで、一番困っている人は、その日に使う商売の人が一番困っているわけでございます。そういう機構でどのような手続によってわれわれの手に入るか、非常にこれは時間がかかるのじゃないかと思います。それよりも、われわれはやはり袋ものをふやしていただきまして、各建材屋さんにいままでより多く配給していただきたい、これがわれわれの切実な願いでございます。あまりむずかしい機構でも、きょう使うのに前からの申し込みでなければできないんだというようなことでは因るわけでございます。先ほども申し上げたように、大口は困っていながらもそれほど困っていない。一番末端の、その日その日に使う業種の者が一番困りておる現状でございますから、そういう点もお考え願いたいと思います。
○塚田十一郎君 大体わかりましたが、ひとつ通産省に、そういう小口のもの、それから緊急のもの、それから建設業者が使われるものでも小さな業者の使われるものは、なるべくいまのその配給所を通して優先的にやっていただきたいということと、もしここに需要が非常にふえた場合には、二%とか三%とかとらわれずに、どんどんそれをふやして当面の危機を乗り切ってもらいたい。これをひとつお願いをしておきます。 それから田面参考人に一つお伺いしておきたいのですが、いろいろ伺いまして非常に参考になりましたが、そこで四十八年の供給の見通し、したがってそれに伴う価格、現在どうなっているか、これから先どうなるか、それらのことをおわかりでしたら……。
○参考人(田面剛君) 生産見通しにつきましては、現在のところまだ確固たるものはつかまえておりません。と申しますのは、そういう天然現象に左右される産物でございますし、特に北海道の場合には流氷その他の被害で、非常に大減産、大豊作になる事実がございますので、これからいろいろと各組合を通じまして調査をするのですが、いままで入りました情報だけを総合しますと、大体三万トン前後の作柄ではなかろうか。これは全く推定でございますので申しわけございません。 それから価格の見通しでございますが、この価格も、私ども一方的に生産者からはこうだということを申し上げることはございますけれども、十二分に商社の方とお話し合いをし、そして消費の動向、消費地の在庫、それからコンブの売れ行き等も十分参酌しまして、あらゆる情報を集めて、長時間かけまして価格をつかまえるわけでございますので、いま端的にどうなるんだということは申し上げませんが、私どもはほぼ昨年と同様な横ばいをするのではなかろうかと、こういう感じでございます。
○政府委員(矢野登君) ただいま御指摘のございましたセメント問題につきましては、通産省はあらゆる対策を講じて今日までやってまいりました。政務次官会議の検討事項にもいたしまして、一応の結論をつくりまして、関係担当者がセメント会社の社長さん全員と懇談の機会も持ちまして、それから、中曽根大臣が工場を現地視察をするというような対策も講じました。私といたしましても、セメントがこのいう状態で進むということではとんでもない事態が生ずるというようなことで、協会に対しまして、もし資金の不足でもあるというようなことがあったならば、これは大蔵省のほうにあっせんをいたしまして、炉の建設というようなものに対して遺憾のないような対策もとりましょうと、こういうことも進言いたしました。 そうした結論からいって、大体大企業のほうは、年ぎめあるいは長期契約によって需要をまかなっておられる。問題は、中小需要者の要望をいかにいれるかということでございまして、この七十九ヵ所の相談所を設けたというようなこともそこから出発しておりますので、大体この七十九ヵ所の相談所をフルに動かしまして今後対策を講じていきたいと、こういうふうに考えております。よろしくひとつお願いいたします。
○委員長(山下春江君) 参考人の皆さま方に一言お礼のございさつを申し上げます。 本日は、お忙しい中を本委員会の調査のため貴重な時間をさいていだだきまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見等につきましては、今後の本委員会の審議を通じまして、物価対策樹立のために十分に活用させていただく所存でございます。 長い時間たいへん御苦労さまでした。ありがとうございました。 午後二時十五分再開することといたし、暫時休憩いたします。 午後一時三十四分休憩 —————・————— 午後二時二十五分開会
○委員長(山下春江君) ただいまから物価等対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 この際、参考人の皆さま方に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用のところ、御遠路わざわざ本委員会の調査のために御出席いただきまして、たいへんありがとうございます。 これからの会議の進め方につきまして申し上げます。 最近、諸物価の騰貴が問題になっておりますので、午後は生活に関連ある土地及び繊維につきまして、その価格問題等に関し、委員の方々からの質疑に対する答弁という形で御意見を述べていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。
○中西一郎君 実は、最近の物価の大きな流れはそう変わってないと思うのですけれども、きょうの新聞によりますと、三月の下旬、この四月上旬にかけてでしょうか、若干下がったものもあるという情報を経済企画庁で出しておられますが、上がったものと下がったもの、特に対前年同月比で資料をお持ちでしたら御紹介いただきたいと思います。
○政府委員(小島英敏君) まず、この間から問題になっております、いわゆる思惑対象物資といわれておりますような問題物資につきましては、大筋におきまして、この間までの異常な暴騰傾向がようやく四月に入りまして反落に転じているものが多うございます。 大豆等はすでにピークが、ことしの一月下旬の一万五千円という高値でございましたけれども、現在は四千八百円から五千円程度まで下がっております。それから木材も昨年の十二月ごろがピークで、米杉が、一立米当たりの数字でございますが、ピークが五万五千円ほどでございましたが、その後現在までどんどん下がってまいりまして、最近の数字は三万七千円ほどになっております。 それから繊維原料の関係も大体同様でございまして、生糸、これが横浜の相場でございますが、一キログラム当たり、ピークはことしの三月で約一万五千円ほどになっておりますが、現在のところ、最近の数字は一万二千円ほどになっております。 それからモチ米は、なお高値でございまして反転の傾向は見えません。 それから毛糸でございますが、これも四十八番双糸一キログラム当たりでございますが、ピークはことしの三月初め約三千円でございましたが、その後反落に転じまして現在二千五百円台でございます。 あと、綿糸等も大体同様の傾向でございます。 それから、おっしゃいました一年前に比べて上がっているものはどんなもので、下がっているものはどんなものがあるかという御質問でございますが、まず上がっているもので、ことしの三月のCPIの東京の数字でございますけれども、二〇%以上上がっているものということで先日整理をいたしまして新聞発表をいたしましたわけでございます。 大体個々に申し上げますと、非常に品目が多うございますので概略を申し上げますと、魚介類が大体二割以上上がっておりますものが数品目ございます。それから牛肉がやはり三割近く上がっております。それから大豆は、このときはまだ三月の末でございますので前年同期に比べて四割アップ、それから木材の関係で角材、ベニヤ板等がやはり一年前に比べますと約二倍から二・二倍ぐらいになっております。それから家具什器等も、おさらとか、はさみとかというようなものが二割台、それから衣類も、中振りそで、ちりめんその他が三割台、それから婦人服、スカーフなども四割から六割ぐらい。その他繊維品が一般にかなり高うございまして、二割から三割上がっておりますものが十品目ぐらいを数えております。それから加工食品も比較的割り高でございまして、これも二割から三割上がっておりますものが七、八品目を数えております。それからサービス料も、これは最近に限らず前からじり高でございまして、家賃とか、ふすまの張りかえ料とか、あるいはくつの修理代とか、仕立代とか、入浴料、これらのものがやはり二割から三割台の上昇を示しております。
○中西一郎君 下がっておるもの、おもなものをちょっと……。
○政府委員(小島英敏君) 下がっているものが、これは二、三日前に発表いたしました三月のCPIで、一年前と比べてかなり下がっておりますものが、全体の四百二十五品目の中で前年同月比で下がっておりますのが六十四品目ほどでございます。これは主食で申しますと、押し麦、即席ラーメン、魚ではブリ、イカ、カキ、特にイカが前年同期より二割安でございます。それから沿岸魚介として丸干しイワシ、スルメ、シラス干し、ミリン干し等、乳卵類の中のバター、それから野菜の中のカンショ、ニンジン、カリフラワー等でございます。
○中西一郎君 大体それでけっこうです。 いま私聞きました趣旨は、物価全体というものは、上がるものもありまた下がるものもある。そうしながら、国民生活全体にあまり影響のないように動いてほしいものだとは思うのですが、ともかく対前年同月比で下がったものが幾らか見られるようになってきた。これからの物価情勢全体がどうなるか、国民全体が非常に大きな関心を持っておる時期でございます。 それに関連して、財政金融課長見えておりますか、ことしに入りましてからいろいろな引き締め政策が進んでまいり、預金準備率の引き上げも、一月の九日、三月の二日、それぞれやる。公定歩合の引き上げもやる。大蔵省筋の話をいろいろ聞いてみましたら、預金準備率の引き上げの波及効果は、直接凍結量の大体六倍から七倍ぐらいあるのじゃないかというお話のようです。で、一回目に大体三千数百億ですか、二回目も大体同額程度となると、七千億近い。それの六、七倍ということになりますと相当大きな引き締め効果があるのじゃないか。ここへ持ってきて、銀行の貸し出しについていろいろ窓口規制もやっておられる。そのこと自身はいいのですけれども、要するに、金融全体、財政全体の、全体のバランスをどう持っていくか非常にむずかしいとは思うのですけれども、こういうふうに引き締めておることが、この秋か、あるいは冬か、いつごろ経済全体に影響を及ぼすかというようなことについての御見解がありましたら聞きたいのです。
○説明員(小泉忠之君) お答えいたします。 御指摘のように、本年の一−三月、特に日本銀行を中心にいたしまして金融の引き締め措置がとられてまいっております。先生御指摘のように、一月九日に預金準備率の第一次の引き上げがございました。十六日から実施されております。凍結資金量は約二千九百億円というふうに推定いたしております。引き続きまして第二次の預金準備率の引き上げが、去る三月二日に決定いたしまして、十六日から実施されているわけでございます。同様に凍結資金量は約三千五百億円というふうに推定いたしております。さらに、過ぐる三月三十一日に決定を見まして、四月二日から公定歩合の引き上げが、引き上げ幅〇・七五%、かなり大幅な引き上げが行なわれたわけでございます。 御承知のように、わが国の経済は、昨年、景気の回復という重要な課題を、財政金融政策を中心にいたしまして効果あらしめまして、所期の予想を上回って順調に回復が行なわれたわけでありますが、昨年の後半から、全般的な経済が上昇拡大の局面に入ったようでございます。しかしながら総需要全体、総需要自体は、スピードとしてはある程度の高さ、速さということが観測されるわけでありますが、商品あるいは在庫、設備投資等につきましてはバランスのとれた伸びということも同様に観測されるわけであります。 しかしながら、御指摘のように、物価の情勢がかなり急激に表面化いたしてまいっている、こういう事態でございまして、先ほど申し上げましたように、本年の初頭から、過剰流動性の吸収をはかる、さらに総需要の——需要の適正な調整をはかるという観点から、準備率の引き上げが行なわれたわけでありますが、今般の公定歩合の引き上げは、さらに総需要を金融面から抑制していくという角度からとられたわけでございまして、さらに最近、物価安定策の一環といたしまして、財政金融政策につきましても弾力的な運用をはかるということが政府部内でも決定を見たわけでありますが、これら財政金融面の諸政策の効果は四−六月以降あらわれてくるというふうに私どもは観測いたしておりますが、特に四−六月の金融情勢はかなり、予算の年度初めでございますので、緩和基調といいますか、例年ですと緩和する見通しでありますが、それに対しましてはかなり引き締まりの影響を及ぼしてくるのではないか。さらに行く行くは設備投資あるいは在庫投資の面につきましてもよい効果を及ぼして、なだらかな上昇が見られるというふうに考えております。 なお、わが国経済を観測する場合に、やはり何と申しましても中長期的な観点から経済の基本計画と申しますか、全体の経済を、この際国民の福祉という面に成長の成果を転換していくという、もう一つ重要な課題を認識いたしておる次第でございますので、四十八年度の経済運営というのは、そういった角度から申しましても、短期、長期通じまして、きわめて慎重に、しかも適正に運営していくという所存でございます。したがって、先般来、政府の経済見通しとしてお示しいたしております本年度の実質成長率一〇・七%という、経済の目標といいますか、予測であり目標であるわけでございますが、それへ日本経済を持っていくという基本的な態度につきましては、いささかも変わっておらないという現状でございます。
○中西一郎君 四月−六月期に効果があらわれるだろうというお話ですが、もうぼちぼちあらわれつつあるのじゃないかと私は思っておるのですが、行き過ぎても困りますし、その辺に、ポリシー・ミックスということばがありますけれども、世界各国を見るとそれぞれやり方に悩みもありむずかしさもある、非常に大きな問題だと思うのですが、物価問題の根底に横たわる問題だけに、経済企画庁全体としてはよほど慎重に対処していただきたいと思います。 それからもう一度小島局長にお願いしたいのですが、ことしの消費者物価のげたですね、どのぐらいで、このまま横に推移して対前年幾らになるのか、簡単に。
○政府委員(小島英敏君) まだ三月の全国の数字が出ませんものですから、げたがはっきりいたしませんけれども、二月現在で計算いたしますと大体三・五%ぐらいの、げたである。一二月に当然ある程度まで上がりますから、それよりも三月末現在の、げたはさらに大きくなるというふうに思っております。
○中西一郎君 ここで現状のベースでずっと横ばいでいった場合の、対前年の上昇率を教えてもらいたいのです。
○政府委員(小島英敏君) げたと申しますのがまさにその趣旨でございまして、かりに三月末で横ばいになった場合、いまの水準で申しますと、二月の数字で横ばいになりますと、年度内に全然上がらなくても前年度に対して三・五%上がります。そういうことでございます。
○中西一郎君 すると、あとアローアンスは一・五か二弱ということでございますね。そういう意味でことしの物価の運営は非常にむずかしいと思いますが、そこで、話を商社の問題に移したいのですけれども、民事局長お見えになっていますか。 商社商社と毎日、新聞に出ない日はないのですけれども、他方、この国会に商法の一部改正も出ております。監査役の監査機能といいますか、業務監査させるとか、いろいろ改正法案が出ておるのですけれども、そのこととも関連はあるのですが、実は商社なり法人、大企業の社会的責任が問われ始めてもう五年、十年たっております。そういった社会的責任を追及するという意味でなしに、社会的責任について行動基準をつくるとか、いろいろいま財界でもお考えのようですが、一つの考え方としまして、商法でいっておる営業報告書の中に、その法人あるいは企業が、言ってみれば工場のある地域の所在地、その地域あるいは製品のお客さんである需要者あるいは消費者、あるいは国民経済全体、あるいはこのごろ対外経済援助・協力の問題もやかましうございますから、世界あるいは人類、それぞれに対しましてそれぞれの企業がどういう貢献をしたか、これはプラスの貢献は大きく書いてけっこうですし、マイナスの貢献も書いていただきたいと思うのですけれども、そういうことを営業報告書に書くことの意味をいろいろ考えておるのです。 おそらく、それを決算のときにお出しになる、それをしかるべき人がみな見まして、企業の方もそれを書くについてはいろいろ議論をしてお書きになるでしょうし、読むほうもいろいろな関心を持って読むでしょうし、その次に何が出てくるかとまでは考えるまでもなく、そういうことを営業報告書に書くという慣習といいますか、制度というのが、商社あるいは大きな企業の社会的責任を自覚してもらう契機にもなるだろうし、世論全体が正しくそれを把握するための資料にもなるだろうし、何かそういった形で商法の特例法のようなものができないだろうかという、非常に大ざっぱな考え方ですけれども、そういう考えを持っておるのです。そういう発想は、商法というのは営利主義の基本の古典的な法律ですから、そういう社会的責任とか道義的責任は受けつけないのだということなのか、あるいは新しい資本主義の発展段階を迎えて、特に日本は新しい前人未踏の経済社会の中を泳ぐわけでございますから、そういった意味で考慮に値するのか、お考えになったことがあるかないか知りませんけれども、御意見を聞かしていただきたい。
○政府委員(川島一郎君) 企業というものが単に営利を追求するだけでなくて、社会的な責任を果たしながら、その企業活動を通じて社会に貢献をしていく、そういう角度からの評価を受けるということは当然仰せのとおりであろうと思います。その意味におきまして、営業報告書に企業がどれだけの利益を上げたかといったような経済的な指標に基づく事項だけを書くのでなくして、さらに社会的な関係において、企業活動を通じて社会にどういう貢献をしたかというようなことを記載するということは、私、非常に傾聴に値する御意見であるというふうに思うわけでございます。現にそういう御意見が経済界の一部にもあるようでございまして、三月の十六日だったと思いますが、経済同友会がまとめられました社会と企業の相互信頼の確立について、という提言がございます。その中にも、営業報告書あるいは会社のことを記載した刊行物などにも、その企業が社会的にどういう役割りを果たしておるかというようなことを記載するようにすべきではないか、こういう御意見があるようでございます。そういう趣旨から、先生の御意見には、私実質的には賛成でございます。 ただ、これを法律に、書くことを強制するかどうかという点につきましては、若干技術的な問題があろうかと思います。たとえば、そういう事項を義務づけるにいたしましても、どの程度、どういう範囲のことを書けば法律の要求する要件に合致することになるのか、といったようなことを考えながら規定を設けていかないといけないわけでございます。現に現在、営業報告書というものは記載事項が法定されておりませんで、会社の任意にまかせられております。したがって、立法でこれを解決するということには若干問題があるように思うわけでございますが、現に財界などでそういう営業報告書をつくろうというような機運がきざしつつあるという情勢でございますので、私どもとしては、これをなるべく助成するような方向で側面から見守っていくし、将来の課題としてやっていかなければいかぬというふうに思うわけでございます。
○中西一郎君 さて、物価の中でいま非常に騒がれておる一つ、土地の問題ですが、宅地部長さんお見えになっておりますか。 いきなり技術的な質問になるのですけれども、建設省で昨年の末以来、農住開発についていろいろ御検討にもなり、数年前から利子補給制度なんかもとっておられる。幾らか実例も出てまいりました。そこで、それを法制化しようという動きが一時あったように思うのですけれども、たくさん法律が出てきた中に見当たらないので、その辺の経過はどうなっていますか。
○説明員(河野正三君) 先生ただいま御指摘のとおり、昨年の国会で新都市基盤整備法を御審議をちょうだいいたしました。成立するに際しまして附帯決議がつきました。その中にも一項目、農住の開発の促進のための手法を検討する、できるだけすみやかに国会に提案をはかるという御趣旨の御決議がございました。 自来、農協中央会等と当省との間でいろいろ検討会を持ちまして詰めてまいりましたが、時あたかも、御承知のように、市街化区域内の農地の取り扱いの、固定資産税の取り扱いの問題もございまして、これとのからみが多少あるということで、農協中央会のほうの御了解を得た形で作業を一応停止いたしまして、その結果を待って再び検討に入る、こういう段階になっているのでございます。決して、国会の附帯決議がありながら怠っているというわけではございません。
○中西一郎君 ただいまのお答えが実情だと思うのですけれども、地価の問題あるいは住宅建設の問題、いまほど急がれておる時期はない。一年といわず、この国会においてでも、ぜひとも実現の方向で努力をしていただきたい。 土地を買って家を建てるのもいいですけれども、売りたくない人もたくさんおるのですから、その人たちには、自分の土地を提供し、所有権は移転しないままで家を建ててあげましょうというスタイルで始まった農住開発ですから、これにエネルギーさえ与えれば相当な家が建つだろうと思うのです。そのエネルギー助成、援助対策がまだ足りない。それぞれの農協あたりで非常に有能な人がおるところは火が燃えていますけれども、事柄自身を理解し切らない地域もたくさんある。そういった点について特段の配慮を御要望いたしておきます。 食糧庁、来ておられますか。農蚕園芸局、来ておられますね。 米の生産調整のことですが、都道府県といろいろおやりになってこられて、大体大詰めまで来ていると思うのですが、この秋の世界全体の穀物についての不安感がまだ抜け切っていない。ことしの冬あたりもソ連であまり雪が降らなかったようで、ことしの麦も心配だというような情報も入っていますが、去年のように中共でたくさん雨が降って、アメリカで雪が降って、大豆の出荷がおくれるというようなことで、いろんな問題が起こってきた経過にかんがみまして、米の生産調整というのを、いままでどおりずっとやってきた、その延長線で実行していいのかどうかという疑問なり心配なりが、最近各方面で起こっておるわけです。これは御承知のとおりです。そういう事情のもとで、四十八年産米、どういうふうに大詰めに近づいておるかという、その姿を御紹介いただきたい。
○説明員(有松晃君) 米の生産調整の問題につきましてお答え申し上げます。 米の生産調整の目標数量は二百五万トンということできめたわけでございますが、これは、そのきめた時点におきまして、最近の米の需給の点を考慮いたしまして、米の生産の状況、需要の状況、こういった面を考えまして、昨年は目標が二百十五万トン、これは実績は二百三十三万トンまでいったわけでございますけれども、ことしはそれよりも押えて二百五万トンということで決定されたわけでございますが、先生の御質問は、その後の実施面での需給に不安はないかということではなかろうかと思いますけれども、私どもも、ただいま都道府県にその目標を県別におろしまして実施に入っておる段階でございますが、この定めました目標自体は、これは需給面から見ても不安はないというふうに考えておりますし、この目標の線に沿って生産調整が行なわれるようにということで指導をいたしておりますけれども、その面で出来秋の不安は起こらないというふうに考えます。
○中西一郎君 いまお話のような考え方が農林省全体の基本的なものであるということはよく了解しておるのですけれども、これからの物価情勢全体がどうなるかということも関連しますが、物があって、どこかで物がないという、その現象があらわれたときに、日本列島全体に物がないような受け取り方が、このごろときどき見られる。これは全体のインフレムードの中でやむを得ないことだと思いますけれども、しかし、そういうムード全体を消すことは、物価対策全体として、総合対策としても、また先ほど来話があった財政金融上の措置にしても、有意義に働くとは思いますが、物の対策としまして、アメリカでたとえばトウモロコシがとれなかったということで、えさがどうだというようなことになって、それで主食がどうだということになって、お米をたとえば二千万世帯が十キロずつでも買って、あるいは六十キロ買ったということになると、これはたいへんなことになる。そういうようなことになっても政府はこういうふうに手当てしているから心配要りませんよということを、秋口の初めごろに言えるだけの用意はしておいていただきたい。秋になって諸外国でまた洪水が出たり、干ばつがありましたり、あるいは雪が降り過ぎたりすることがあっても、お米についてはこうなっていますということを言えるような状態を必ず実現していただきたい。あとになって大騒ぎになって、そのあとで、あのときに説明しておけばよかったとか、あるいは数ヵ月たってからやっと鎮静しましたとかということのないように、特に農林省、きょうは食糧庁も見えておりますけれども、御要望をいたしておきます。
○説明員(森実孝郎君) 米の問題につきましては、先生御指摘のように、全体需給の数字とし、私どもことしの米穀年度末には五十万トン古米を持ちますほか、新米もすでに二百五十万トン以上買い入れられておる。そういう意味で不安はないと思っております。 しかし、何と申しましてもなかなかむずかしい社会経済情勢でもございますし、特に最近、生産調整を実施している過程で、一方で余り米が発生し、他方でむしろ正規流通の流通量を確保できないという現状があることはいなめない事実でございます。余り米が、えてしてやみ米に走りやすいという状況も、私ども否定できないと思います。かような観点から、生産調整の行き過ぎを押えると同時に、できるだけ余り米がやみ米になりやすい条件、こういうものを押えていきたい。かような意味で予約限度の調整、買い入れ基準数量の調整、並びに余り米の検査その他の取り扱いについて、本年産米から特に新しい手法で改善策をとりたいと思って、現在検討中でございます。
○大橋和孝君 本日は、たいへんお忙しいところ、参考人の方においで願いまして、ほんとうにありがとうございます。 五人の方々にいろいろとお尋ねをいたしたいと思いますが、実は去る二日発表されました地価公示価格は、前年に比して三〇・九%にも及ぶ暴騰を見せておりますし、庶民のマイホームの夢は破られている、こういうふうにいわれておるわけであります。この最も大きな原因は、的はずれな列島改造論、あるいはまた政府の経済政策の失敗からきた巨額の過剰流動性の暗躍、あるいは土地政策の失敗などに起因しておると思うのでございます。また、投機と売り惜しみの傾向は、本年に入りましてから、大豆とか木材、セメント、羊毛、生糸、綿糸、米、果てはガーゼと、あらゆる商品に及んでおるわけであります。 本日は、各関連業界の代表の方々をお呼びしておるわけでありますから、われわれ、国民の声を謙虚に率直に聞かれまして、経営者としてその社会的な責任を全うされるようにお望みを申し上げながら、以下、若干質疑をしたいと思うわけでございます。 まず初めに、企業の経営あるいは責任者として商社の使命、役割りをどのように認識されておりますか。そういうことをひとつ代表の方々に、時間がございませんので、基本的な態度を一言にまとめてどうぞお聞かせを願いたい、こういうふうに思います。
○参考人(松尾泰一郎君) 私は丸紅の副社長でございますが、ただいま先生の御指摘の点につきまして、一言われわれの心がまえを申し上げたいと思います。 われわれ、いわゆる総合商社でございまして、貿易だけを専業にしておるわけでもございませんし、各社によって若干は違いますが、過半、五割以上は国内の流通業務に携わっておるわけでございます。また、その他不動産の面についても、広くではございませんが、若干の営業をやっておるということで、万般の業務をやっておる次第でございますが、最近の物価騰貴につきまして、われわれ総合商社に対する非常に強い御批判をいただいておるのであります。もちろん、われわれといたしましても、反省すべきものは十分反省をいたしましておる次第でございますが、二、三年前あるいは過去と比べまして、現在われわれ商社がやったことはそれほど大きく違うわけではないのであります。われわれとしましては、あくまでも日本経済、世界経済の発展に寄与するということで、日本だけではなしに、世界をまたにかけまして、流通面を通じまして寄与するということであります。輸出、輸入をはじめ、海外の資源開発もありますし、また国内のメーカーさんと一緒に、いろいろの新しい企業の、海外から技術導入をはじめといたしまして、新規事業の開発にも参画しておるわけであります。 しかしながら、最近の物価問題につきましても、主としてわれわれは輸入面におきまして関連をしておるわけでございますが、若干長くなるかもしれませんが——木材をはじめ輸入物資につきまして、かなり高騰していることは事実でありますが、しかし、その根源は、世界のインフレ、世界の物資需給の不均衡、また、それは一時的なストライキその他の原因による輸送力の逼迫、また天候異変によるところの産出量の減少というふうな点がいろいろかかりまして、輸入物資につきましても、海外ですでに価格は高騰していることは御了承のとおりであります。国内におきましても、われわれ商社のファンクションは、概して輸入したものを国内で一応渡たすというのが第一次的な使命でございますが、過去に数ヵ月前に買ったものが、輸送して持ってきたとたんにおきまして若干の値上がりをしているという場合に、その値上がりに応じて売ったことがいいのか悪いのかという御批判ではないかと思うのでありますが、いろいろな業務をやってみまして、たとえば百円で買ったものが百五十円になったという場合に、担当の係といたしましては、なかなかこれを百二十円、三十円に売るということは実際むずかしいことは事実でありまして、百五十円で売っているのが実態でございます。したがって、率直に申しまして若干の利益が出ていることも事実でございますが、われわれ総合商社から手を放した段階において、二次、三次の段階においてかなりの高騰をしているということも、これは御理解をいただかなければならぬわけであります。 しからば、そういう高騰の原因がどこにあるかということでありますが、御存じのような、国内においてもインフレ機運が非常に横温いたしております。これは別段、商社の責任でもなかろうかと思うのであります。最近の現象としましては、昨年来の過剰流動性のために若干金融がゆるんだということで、確かに商社団体にしましても、これまでやりたくてもやれなかったことをやったというようなことはありますが、この金融の緩慢というものは、われわれの商社団体だけじゃございませんで、これは各層一般に通ずる現象であります。したがいまして、このインフレ下におきましては、各層の買い急ぎというか、そういうような現象が重なりまして、非常な大きな仮需要となってあらわれた。実際は、輸入にしましても生産にしましても、それほど変化はないにかかわらず、その需要が急増したということに原因があって最近の価格高騰になったのではないか、こう思っておるわけであります。したがいまして、その間に立ちまして、われわれとしても、最近のインフレというものは非常に憂慮いたしている次第でございまして、何とか協力できるものは協力したいというふうに考えておりまして、日夜、若き営業マンにそういう趣旨のことを常々申しておるのでございますが、何ぶん商社だけの力では、これはいかんともいたしがたい面も御了承願いたいわけでありますが、こういう社会的責任の特に強く要請される時代におきましては、これは社会的責任はいまだけではなかろうと思いますが、われわれ商社、大企業と申しましても全体の中における地位というものはそれほど大きなものじゃないのでございますが、いわゆる俗称大企業といわれるものとしましては、特にこの社会的責任を自覚しまして、誤りなきを期したいというふうに心がけてはおる次第であります。何ぶん、この商社の力というのはそれほど大きなものではない、物価騰貴に対しても責任はないとは言えませんが、責任の大部分をわれわれ総合商社に負わされることは、いささか困ったものであるというふうに考えておる次第でございます。 少し言い過ぎました点は、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○大橋和孝君 簡単に伺いたいと思いますので、ごく一言ずつでけっこうです。もう大体言ってもらいましたから、簡単でけっこうです。
○委員長(山下春江君) ごく簡単にお願いいたします。
○参考人(江戸英雄君) 私、不動産業界の代表者としてまかり出たわけでございますが、ただいま先生のおことばの中に、社会的責任をどう感じているかというお話でございますが、私どもの担当いたしております土地、住宅地、住宅の問題、これの建設製造ないし流通の問題、これは非常に国民生活に重大な関係を持っておりまして、これを取り扱うわれわれといたしましては非常に重大な社会的使命がある、こういうことを感じております。 昨年来、私ども業界に対しましてもいろいろな御批判をこうむっております。また、その御批判に対しまして、私ども謙虚に反省するところがあると思うのでございますが、私どもといたしましては、業界全体とともに一つの倫理綱領みたいなものをつくっていこうじゃないかということで、いま検討しておるところでございます。 住宅地が三一%近く上がったということは非常に重大なことであると思うのでございますが、これにつきましては、私はいまの経済機構のもとにおきましては、需給のアンバランスということが非常な大きな原因ではないか。この需給のアンバランス是正、それにつきましては私どもも具体的ないろいろな考えを持っておりますが、長くなりますから、簡単ということでございますからとどめますが、ただ私どもといたしまして非常に大きな社会的責任があると、こういうことを感じ、これに対応するような心がまえでいきたい、こういうように思っております。
○参考人(川本新之助君) 川本でございます。日本衛生材料工業連合会の会長でございます。 ガーゼは、この二月ごろ北海道のほうから、非常に逼迫しておると、こういう医師会からお話がありました。それ以来、驚きまして、非常にこれは重大なことであるということで、厚生省関係とも連絡いたしまして、もっぱら増産につとめておる次第でございます。しかしながら、この原料は綿布でございまして、四十番手の綿糸をもちまして織る織物でございます。そうして価格構成からいいましても、その価格の七〇%が織物でございます。価格の点におきましては、この織物が安くなるということを私は念願いたしております。それから量におきましては、厚生省の御統計によりますと、昨年の一月−三月の数字に比べまして二割の増産になっております。それで今後は、需給関係につきましては全く御心配ないというふうに確信をいたしております。 それからまた、最近は日本薬局方が改正されまして、少し従来のものよりは目の荒いものも御使用願うようになっております。それからまた、代用品としまして不織布製品も出ておりますので、そういうものも極力増産いたしまして、お間に合わせをして、絶対御迷惑をかけないようにいたしたいと、かように考えております。 そして先刻来、社会的責任とおっしゃいましたが、全くそのとおりでございまして、医療に差しつかえて一般の方に御迷惑をかけるということはまことに責任上重大でございますので、今後、各業者一致協力いたして増産につとめたいと存じておる次第でございます。
○参考人(寺田忠次君) 私は日本綿スフ織物工業会の会長の寺田でございます。 私どもの織布、織物業者は全国で一万七千企業ございます。従業員が十一万五千名でございます。織機台数は三十四万五千台。大体、一企業につきまして六・八名ぐらい、そのぐらいな人でございまして、織機台数は二十台前後ということになっております。年間の生産額は大体約五十億平方メーター。そういうもので、大体綿スフ織物を生産しているわけでございますが、その品種は数百種類に及んでおります。 そこで、大体その営業のしかたといたしますと、大企業あるいは紡績会社とか化繊会社あるいは商社、問屋等の下請でございまして、大部分は原料の支給にまっております。そうして自主性がほとんどございません。ございませんので、工賃で生活をしているものでございます。したがって、私どもは織物とか原料の価格にはたいへん弱いわけでございますが、中でもごくわずかなものが、糸買い、布売りということをやっているわけでございます。そして、ほとんどが賃織りでございますので、糸を支給されて織る、そうして受注先へ納めるというようなことでございまして、現在そういったことで、まず技術的な面で大いに研究いたしまして、日本の衣料のにない手として恥ずかしくないことにしていこうという覚悟でやっているわけでございます。 以上でございます。
○参考人(藤田藤君) 伊藤忠商事の藤田でございます。 昨今におきまして、国民生活に非常に必要な、重大な影響をもたらす生活関連物資の価格の高騰に際しまして、商社の最近における活動がいろいろと批判されておりますが、その原因の一端が商社にあるという批判をいただいておるわけでございますが、これらにつきましてわれわれも深く反省をしておるわけでございます。今後、企業の社会的責任を一そう自覚いたしまして、節度ある企業活動を行ないまして、国民の皆さまの信頼を得たいというふうに基本的に考えております。 先ほど御質問の点でございますが、特に私は伊藤忠におきまして繊維部門を担当しておるのでございますが、先ほどの御指摘の、繊維の関係の物資、羊毛、毛糸あるいは生糸、綿糸と、こういった重要商品が相当、昨年の暮れから昨今にかけまして大きな価格の高騰をいたしております。これらについて若干御説明を申し上げたいと存じます。 まず、天然繊維の原料が、昨年来の生産があまりふえなかった、中には相当減産になったものがあるというような事情で、国際的な需給関係から上がったという要因も相当大きな原因となっておりますけれども、それ以上に、日本において価格の大きな高騰を示しております。これらには幾つかの要因がございますけれども、こういう需給が詰まってくるというようなことを心配して、繊維業界の各層にわたりまして相当仮需要というものが起こってまいりました。繊維業界は御承知のように、商社が原料を輸入したりあるいは確保をいたしますけれども、それを加工される紡績から始まって、いろいろな段階を経て加工をいたしております。そうして流通業界へ入りましても、日本にはまだ問屋とかいろいろな制度がございまして、そういう段階を経てまいるのでございますが、各段階において、物を十分に余裕を持って手当てしておかなければ商活動ができないというようなことで、相当のそういう仮需要というものが起こってまいりました。そのほかに取引所というものがございまして、これは平常の場合には、われわれ繊維業界におきましても、取引所というものはもう実際欠くことのできない重要な機関でございますけれども、取引所は、御承知のように、自由に業界外の人も売ったり買ったりできるような状況になっておりますので、これらの需要が非常にそこに大きく入ってきたということが、一そうこの物価高に拍車をかけたというようなことがいえると存じます。 しかしながら、私ども全般の繊維の取り扱いをいたしております立場から申し上げますと、現在日本の国内の需要も、相当所得水準の向上その他によりまして消費はふえておりますけれども、十分それにこたえられるだけの供給体制が私はできておると考えております。にもかかわらず、足りない足りないといってみんなが買いたしますと、消費者の皆さま方に至るまでそういったことを心配して余分にお買いになりますと、これは十分な供給体制がありましても不足をする、あるいはまた価格が上がる、こういうような要因が今回は相当あったように思っております。 昨今におきましては、通産省から足りないことはないんだという発表が先般ございまして、これによってかなり市況は鎮静化してまいりました。ものによりましては大きな下落をしたものもございまして、だいぶ落ちついてまいりました。私はそういうことから、ここ二、三ヵ月間にわたりまして非常なそういう過熱的な状況がございましたけれども、今後はこういう実態をよく皆さんが知っていただくならば、だんだん平静化していくものだろうというように考えております。
○大橋和孝君 いまお考えを聞きましたが、そのもとにいろいろこれから御質問さしていただきたいと思うわけです。 まず、先般四月の三日に通産省では、大手六社の実態調査の発表の際、商社の代表の方に、社会的責任の自覚と、国民生活に直接関連のある衣食住、これに関連する物資を取り扱うときは十分な配慮と注意を行なうことを喚起して、政府の価格引き下げの方向に対する協力を求めた。要請に対しまして関係各社は協力方を約束したようでありますが、具体的にどんなような方策を打ち出されたのか、まずひとつ御説明をいただきたい。
○参考人(松尾泰一郎君) 原則的には、そのとおりわれわれも日本貿易会におきましてそういう打ち合わせをいたし、一般的な行動基準を目下作成中でございまして、まだ、いまここで具体的にどうするかということまでは、おそらく各社においても決定はされていないかと思います。その趣旨でできるだけ今後の営業活動を反省しつつ、自粛しつつやってまいりたい、こういうふうに考えます。
○大橋和孝君 どうも私のほうでいろいろ発表されているところを見ますと、各業者の方々には相当通産省としては強力な協力方を申し込んでおった、こういうことはいまお認めくだされたようなわけで、事実やっておったように思うわけでありますが、それがほんとうに具体的にはちっともあらわれていない。いまおっしゃられることにしても、具体的になかなかそれが出ていないようにおっしゃっておるわけでありますが、これは先ほど私が申しましたように、重要物資に対して、物価騰貴にならないようなことに対して、商社の協力というものはなければいかぬのじゃないか。 先ほどちょっと聞いておりますと、一部には、商社の首脳の方々は、責任はむしろ通貨政策の失敗にあると、暗にこの責任は政府の責任だという非難をしていられるようでございますけれども、私はそれはむしろ責任転嫁であって、大きい商社の方々も、私が先ほどお尋ね申し上げましたようにこの責任はあって、衣食住、国民生活にほんとうに関連性のあるものに対しては、ただもうけようかなあるいはまた商売上は当然だというふうな考え方も私はあると思うのですね、この自由経済の中で。しかし、そういう関連物資に対してはやはりある程度のモラルを持っていただかなければいかぬのじゃないか、そういうことを私は通産省も六社の方々にも提起しておるのだろうと思うのであります。 それを、いろいろなところで読んでみますと、先ほど申したようにこれはむしろ通貨政策の間違ていだ、流動しおるお金がダブつくものだから当然そのようなことになるのじゃないかということで、むしろ政府、政府ということになっておるようでありますけれども、私はもちろん政府に責任はあると思う、十分あると思いますけれども、何かそこのところに、もう一つ商社の方々にも反省をしていただきたい点は多々あると、私はこう思っておるところであります。もちろん現在まで、株だとか土地からあるいは繊維、大豆、あるいはまた米にまで投機の手が伸びるまで放置されておった無策ぶりは、確かに私は政府に対しても追及をしなければならぬと思いますけれども、そういうことをおっしゃるのは社会的責任の自覚に欠けた発言であるというようにも思いますし、一体どう思っておられるのか、やはり多少はそういうことを思い返してもらって、そしてその責任を感じてもらうべきじゃないかと思うのですが、現在の心境はどんなふうでございましょうか。
○参考人(松尾泰一郎君) 先ほど申しましたように、社会的責任の自覚におきましては、わが社のみならず各商社一様に深く自覚をし、反省すべきものは十分反省いたしたいということにつきましては異論はないのでありますが、現実にいますぐにここでどうするかということになりますと、日常の行動においてそれを表現するほかいたしかたないわけでありまして、かりに在庫が若干あるにいたしましても、それは正常な在庫である場合に、その正常在庫を出してしまうというと、かえってまたこれは社会的混乱のもとになるわけでございます。したがいまして、営業に携わる者がそれぞれ自覚をしつつ活動する以外に、いまここで、何か売り惜しみとか買いだめをして現実にここに物を持っているということでありますれば、これは適当な放出をすればいいのかもしれませんが、そういう、具体的にいまここでこういうことをいたしましたということが言い得ないということを申し上げたのでありまして、社会的責任は十分反省しておりまして、その方針で日夜やることにいたしておる次第であります。
○伊部真君 ちょっと関連して。 今回の物価騰貴の品目を見ると、やはり商社扱いが非常に多い、しかも商社でなければ扱えないような輸入物に非常に多いということ、それからもう一つは、商社が市場を支配できるような、そういう点で非常に有利な状態の品目に集中されているということを見ると、これは商社の責任というのは非常に大きいというふうに言わざるを得ないのです。ことしの三月の決算、六商社の平均を見ると大体利益の増が、総額は二百五十億ぐらいで、前年の同期に比較すると八〇%の増、売り上げは大体二〇%の増であって、利益がそれだけうんとふえているということ、しかも丸紅と日商岩井というものが、平均よりもうんと出ているということを見ても、私は商社のモラルというものが、あるいは経営姿勢というものが、物価に非常な影響を与えるということは間違いないと思うのです。そういう意味でいくと、今日の物価高騰に対する商社の責任というのは重大だと思うのです。 特に木材なんかでも、一年、二年前のマージンと、いまのマージンというのは、この間の衆議院の物価特別委員会でも日商岩井の社長が言っておりましたが、大体一二%ぐらいになった、昔は五%ぐらいであったのが、この際はそうなっておる。そういうことになると、やはり直ちに商社がこういう状態の中で考え直してやらなければいかぬ点があるのではないか。もちろん行動基準というものも必要でありますが、そういう点が私は問題点だと思います。 そういう意味で、いま一度そういう問題について見解をいただきたいということと、同時に、これは通産省のほうにも回答をいただきたいのでありますが、価格の安定というのは、今度の場合は、需給関係が均衡とれておるのに価格が上がっているというところに問題がある。需給関係で価格が安定するというのがいままでの考えでありますけれども、市場を独占し、あるいは輸入扱いを商社が独占をしておるときには、均衡状態があって、需給関係が均衡であるのに物価が上がっているということは、明らかにこれは商社の買い占めだとか、あるいはそのテクニックが作用していることは確かでしょう。 たとえば木材の関係でもそうではないでしょうか。あるいは羊毛の関係でもそうではないでしょうか。木材は少し事情は違いはありますけれども、そういうものじゃないでしょうか。それからセメントの場合でも、先ほどお話がありましたが、四十六年が六千万トンで四十七年が六千九百万トン、相当の供給があるのにそういう状態になっているということは、これは公共投資の問題もありましょうけれども、需給関係がかなり均衡を保っておったのにこれが出ているということは、これは明らかに買い占めということになりはしないでしょうか。この点は通産省のほうではどのようにお考えになっておられるか。 もう一点あとからお伺いします。
○説明員(黒田明雄君) いま御質問の、需給が均衡をしているのに価格が高騰したのではないかという御質問でございますが、一般的に申しまして、値上がりした品目については、やはり需給がタイトになっているという条件がございます。いま御指摘になりましたセメントでございますが、これも年間の需給計画で見ますとバランスがとれているのでございますが、ことしはいろんなことが起こりまして、時期的に需給が逼迫したという状況がございます。一つは暖冬異変でございますが、通常、寒冷地におきましては、冬季には工事が行なわれないところに、ことしは暖冬であったために工事が進捗いたしまして、時期的に……(「そんな一般的な答弁するなよ、長々と。こちらのポイントと違っているじゃないか」と呼ぶ者あり)
○伊部真君 今度の場合のことを言ってください、セメントだけ。
○説明員(黒田明雄君) 一般的に申しまして……。
○伊部真君 いや私は、この間へ通産省が六商社を呼ばれて、その報告を出されましたね。この報告の中には、各品目ごとに通産省の見解は明らかに出ていると思うんです。それはやはり問題があるということを言っておられるのですよ。一般的な形というのは、それは部分的にはそういうことがあるけれども、各品目ごとには、綿糸であろうと半毛であろうと、需給均衡は必ずしもそうではないのにこういうことが出ているということは、いままでと違っている現象が出ているということを言っているわけだから、その点を前提にしてやらないと、これは、商社の責任だとかどこに問題があるということの焦点をしほったことにならぬと私は思うんです。通産省が出されたこの書類、全部出ていますよ。
○説明員(黒田明雄君) 商社調査の結果は御指摘のとおりでございまして、一部の品目について、商社の買い占めないしは買い急ぎと見られる傾向があるのは事実だというふうに考えております。そのほかに原因がないかと言われれば、需給問題とか、いろいろあると思います。
○伊部真君 これはあなた、価格の形成の原則をそこに置いているわけですからね、それはあたりまえのことなんだけれども、今度の場合は、そういう問題があったということは通産省も認めているわけですよ。だから、何も商社に遠慮したような言い方をしなくても、これははっきりとその原因というものは明確にしなければいかぬ。 それか心、さっき申し上げたことは、あとで松尾参考人にひとつお答えをいただきたいと思います。金融の問題もありましょうけれども、やはり使い方、運用によっても違う。それからマージンの問題でもそうだ。それからもう一つ私がお尋ねをしたいのは、この価格形成を、いままでのように自由競争によって、需給関係によって価格がきまっていく、安定をしていく、あるいは価格が需給関係を支配をしていくという関係だけでは、もはやどうにもならぬようなことになってきているのではないか。市場を大きな商社あるいは金融が支配するような状態になってきているわけでしょう。事実、輸入品目の七割以上は大手商社が扱っているじゃないですか。大手でなくても、商社の重要なところはほとんど輸入を扱っているじゃないですか。輸入を扱っているということは、市場独占をするという可能性が非常に大きいわけですからね。 ですからこういう場合に、当然にいままでの自由競争の原理のほかに政府として考えるべきことがあるのではないか。あるいは行動基準を先ほど言われましたけれども、価格についてもやはり指導をすべき点があるのじゃないか。セメントが、何ぼ需給関係が部分的にあったとしても、三倍になるようなばかなことが、木材が二倍になるようなばかなことがそのまま放置されていて、そうして、その責任はあとになって問題になってくる。商社はもううんともうけたあとですよ。経常利益でいままで十何年間ももうけたことのないようなもうけを、丸紅はしたじゃないですか、日商岩井はしているじゃないですか。そのことについては、私は当然に反省があるべきじゃないかと思うのです。 もう一つは、当然にこのマージンの問題について追跡調査が行なわれて、どこに問題があるのかということ。私はこの間、各商店を回ってみました。糸屋さんにも行きましたし、薬局へも行ってガーゼを見てまいりました。私は生糸を、この糸ですが、これを二月の上旬に買ったのが七十五円だったのです。私は白をもらおうと思ったら、白がないと言って断わられた。赤しかないというから、しょうがないから赤を買ったのですけれども、もう品物がなくなった。二月に七十五円なのが、三月の中旬になったら百五十円ですよ。いまちょっと遠慮して百三十五円ですよ。で、小売り屋さんに聞きました。これはどこでどうなっているのかと言ったら、みんなが段階的にもうけるようになっていると言うんですよ。いままで七十五円で売っているときは原価が何ぼかといったら、うんとその差が小さいのですよ。だけれども、そういうようにどんどんみんなもうけるから、足していっている。このしつけ糸でも、これがいま売り出しは百円ですよ、小売り店で。しかし、これは二月の上旬のときには幾らだったというと、四十五円で売っていたんです。仕入れは、二十九円で仕入れていたんですよ。それなのに、いま百円で売っていて、何ぼでもらっているかと言ったら七十円そこそこで仕入れている。ここのところで三十円プラスされている。そうなると、小売りも値上がりのチャンスにもうけようとする。卸も、日商岩井の社長が言われたように、いままで五%くらいしかなかったやつを一二%ももうけようとする。こんなことを中間でやられたのでは、買わなければならぬ消費者はたまったものじゃないですよ。だから私は、流通過程でどこがどれだけもうけたのか、そして、この問題についてはこれからどうすべきなのかということが問題だと思うのです。少なくとも私は、行動基準を考えるなら、流通のマージンについても基準というものを設定して、政府はそれを指導すべきだと思うのですけれども、その点について、経済企画庁なり通産省は、こういう状態に対してどういうふうにされようとするのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(橋口隆君) ただいまお話の点でございますが、野放しにしておいたのでは、もう需給の均衡にゆだねるわけにはいかない、政府が何か介入すべきではないか、こういう御質問だと思いますが、それにつきましては、私どもも放置しておいてはいけないので、どうしてもまず経済の実態を明らかにしたい。そして買い占めあるいは売り惜しみの、その実際の証拠があるかどうか、それを調べたいということで、この委員会にも、今回の買占めの防止に関する法案を御審議願っておる次第でございます。 実際残念ながら、現在政府はいろんな物質につきまして、立ち入って調査したりあるいは資料を要求したりするような、そういう権限を持っていないのでございます。それだけに、どうしても今回はそういう権限を政府に与えていただきますれば、直接に繊維なり食糧の、その生産の現場なりあるいは流通過程に立ち入りまして、その実態を明らかにしたいと思います。 現在、商社の問題が、先ほどからいろいろと問題になっておるようでございますけれども、しかし通産省の調査によりましても、各商社から提供された資料に基づいて判断をされている。したがって、ほんとうに買い占めの証拠があるということがつかめないので、あの通産省の発表といたしましても、買い占めをした歴然たる証拠はないけれどもその疑いが多分に濃厚である、こういうような表現をとっておるのでございます。そういう意味で、実態を明らかにする権限をお与えいただいて、それによって、政府は各省足並みをそろえまして、生活関連物資については徹底的に調査して、必要があれば、値段は政府がきめるわけにはまいりませんけれども、適正な値段で売り渡しができるように勧告をしたい。また暴利と認められます場合には、物統令を適用することも可能でございますから、もうあらゆる力を振りしぼって、自由主義経済の中で認められる方策を探究してまいりたい、こう考えておるのでございます。 特に、ただいまお話がございましたが、マージンについて最近われわれも耳にしておりますが、非常に便乗値上げが多くて、商社の段階でもうけた、その次は卸だ、さあ小売りもひとつついでにもうけようというような、便乗の機運が見られますことは非常に遺憾でございます。われわれもいろいろとそういううわさを耳にしておりますから、現状を実際に把握するためには、今回の法案をどうかひとつ早目に上げていただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。 また、それが間に合わない場合におきましては、実際上の行政上の指導によりまして、そういうような方策を探究してまいります。それまでは各省実際上の行政措置によりまして、そういう措置をとりたいと考えております。
○委員長(山下春江君) 政府側に申し上げます。答弁は要点を簡潔に明瞭にお願いいたします。
○大橋和孝君 去る十一日には、食管法違反の疑いで東京本社が、茨城、福島、北海道、三警察本部の手入れを受けた。いま申された商社の使命、責任から申しまして、全く恥ずべき商行為ではないか、こういうふうに私は感ずるわけであります。責任者として、どのように社会的責任を果たしていくお考えなのか、ひとつ伺っておきたいと思います。 同時にまた、時間がありませんから御質問はかためてさせていただきますが、丸紅の問題は、一つ米の問題ばかりではございません。警察権の介入した現在、米の問題はさておきましても、土地、有価証券への投機であります。数年来の企業の行動を見ているというと、インフレ対応策として、値上がりの激しい土地や株に手持ちの資金な投入して企業防衛するのは、むしろ経営者の才覚の一つというふうな心得違いが横行しているのじゃないかというふうに見受けられるわけでありますが、土地や株への投機について、どのような動機でなされましたのか、御説明をいただきたい。 それからもう一点、私の調べによりますと、貴社の現預金は、四十七年九月末で短期借り入れ金は二千九百億円、長期借り入れ金は二千五百億円、現預金は一千五百億円と、二年前に比べますと倍以上の大幅増加になっておるのであります。もちろんその中には、取引高が増加をいたして、それに伴うものも含まれておるとは思いますけれども、この大半が、株や土地あるいは米その他の投機的な物資に向けられたと思うようにも考えられるわけでありますが、それは間違いないでありましょうか。 これらの金は純粋に民間の資金でありましょうか。国家目的に沿って、長期にしかも低利で貸し出されておるところの輸出入銀行や海外経済協力基金からの融資が含まれているのではないでしょうか。この点はいかがでございましょうか。これらの金利の安い政府機関の貸し出し残高は、四十七年九月末でどのくらいありましょうか、これもひとつ教えていただきたいと思います。
○参考人(松尾泰一郎君) 大橋先生御指摘の米の問題につきましては、まことに申しわけないことであろうと思っております。部下の監督不行き届きとはいうものの、ああいう疑惑を招きましたことは、まことに深く反省をいたしておる次第でございます。内地米の取引につきましては、したがいまして、中止をするという決定をいたしたわけでございます。これにつきましては、もうおあやまりいたし、おわびをするよりいたし方がございません。 次に、土地及び有価証券への投資の動機かと思いますが、われわれ総合商社は、先ほど申しましたようにいろんなことをいたしておりまして、土地だけが目的でもございませんので、確かに、最近の金融緩和に伴いまして、若干その方面への資金の投入は多かったことは事実でございますが、決して投機的な目的ではございません。 私たち総合商社の土地の問題は、ほかの各社と若干歴史が違うわけであります。私どもはもう十数年前から始めてまいっておりますが、いわゆる土地を買いまして、それを右から左に切り売りをするというようなことはいたしておりませんで、かなり大きな地域の土地を買いまして、それを造成をし、造成したものを売る、また建物を建てて売るということでございます。したがいまして、かなり大きな土地を集める過程におきまして、若干時間もかかります関係上、何か買って持っておるじゃないかという御指摘があろうかと思いますが、これは、いずれもそれぞれの地方当局なり、関係方面の了承を得てやっておることであります。またその他住宅地区改良法に基づく市街地再開発というようなことについても、できるだけ協力をしたいということで、かなり良好な実績をあげて喜ばれておるわけであります。商社の土地事業というもの、そう広範にやれるものでもなし、またそういうつもりでもございません。いわゆる計画を持ちまして、それぞれやっておる次第でございます。 有価証券につきましては、これも説明が若干長くなりますが、われわれ企業のいわゆるグループ化等、また優良企業との提携ということを主体に進めたのでありますが、その過程におきまして、こういう株価の上昇もありまして、不必要な株を処分したというようなことで、若干の利益が出たことも事実でございますが、決して投機を目的とはいたしておりません。 それから現預金の数字でございますが、いまちょっと手元に資料がございませんが、御存じのように、一日に大体八十億円ぐらいの商売をいたしておりますので、かなりの使用資金を必要とするということも御理解願えるかとも思うのであります。したがって、土地とか有価証券に大半をつぎ込むなんということは、とうていできる話でもございません。ごく一部をそちらに効率的に使っているということでございます。 それから、輸出入銀行及び協力基金から低利で借りた金を云々ということでございますが、御存じのように、輸出入銀行あるいは協力基金から借り入れをいたす場合には、非常にむずかしい条件もありまして、これは、いずれも海外へのプラント類あるいは重機械類等の延べ払い輸出、またそれに関連いたしますような投資に関連して借り入れるわけでありまして、その手続も非常に厳重でありまして、またその金も全額は貸していただけぬわけであります。八割を貸していただければ一番多いほうでありまして、五割の場合もありますし、六割の場合もある。あとの残余の分は手元資金でもって調達せにゃいかぬということであります。これは、そういう政府系の金融機関からの借り入れにつきましては、少しお調べ願えば、当然でありますが、ほかへの流用というようなことは全然できぬようになっておりまして、そういうふうなことはいたしておりません。もし、そういう誤解がありますれば、ひとつ何とぞ御理解をいただきたいと、こう思います。
○大橋和孝君 四十七年の九月末ではどれぐらいの金額になっておりますか、帳じりは。低利資金で借り入れられた金の残高、おわかりになりますか。
○参考人(松尾泰一郎君) ちょっと失礼——いまのはあれでございますか、輸出入銀行なり協力基金からの借り入れ額でございますか。
○大橋和孝君 政府機関ですね。安い金利で借りておられる政府機関の帳じりです、残高。四十七年九月末でどれぐらいか。
○参考人(松尾泰一郎君) 四十七年九月末におきましては八百億円、ラウンドナンバーで申しまして八百億円でございます。それから、海外協力基金からは百十億程度でございます。
○大橋和孝君 そうです。やっぱり私の調べでも約八百億くらいだったということになっておるわけですが、この政府機関の金が、いま低利で長期に流れている金でございますが、いま御説明では、それはむずかしいからほかに流用はできない、こういうふうなお話でございますが、私のほうでは、考えますのに、金に区別がありませんので、あるいは株や土地に一時流用——投機が国家目的に沿うものといえるでしょうかというふうなことを私どもは考えたいわけでありまして、投機に使われる危険もあるんじゃないか、こういうふうに私は考えるわけであります。 で、調査によりますと、最近では三ヵ年間に、丸紅さんは二千九百ヘクタール——二千九百十一万平方メートルでありますが——の大きな土地を買い占めておられる。土地の投機熱をあおってきた総元締めであると、こういうふうに私どもは考えておるわけでありますが、通産省の調査でも、六商社の品目、商品用の土地というものは、一年間で約二倍に増加しておるわけであります。そういう報告も出ておりますが、これらの土地について、即刻その全貌を明らかにして、これを放出されるような計画を明確にされたほうがいいんじゃないかと私は思うんですが、そういうふうなお気持ちはないんでしょうか。そういうばく大な土地を持っておられるわけですから、少しは放出しよう、こういうふうに考えていただきたいと思いますが、その点はいかがでございますか。
○参考人(松尾泰一郎君) 土地につきましては、先ほど申しましたように、若干土地の手持ちのふえていることは事実でございますが、それぞれの計画を持ちましてやっていることであります。市当局または県当局の御指示によりまして、あるいは第三セクターにも参加しまして、計画的な処理を進めておるのでありまして、いまその計画を中止するというわけにもいきませんし、また、現に分譲中というふうなものもかなりあるものでございますから、まあひとつ、研究はさしていただきますが、いま私たちの手元にある資料によりますれば、もうほとんど全部計画済みでございます。御了承願います。
○竹田四郎君 いま、大橋委員から土地の保有の問題が出ましたんですが、私どもの調査でも、丸紅さんは、まあ歴史的な条件も違うかもしれませんが、ほかの商社に比べますとだいぶたくさん持っておる。で、いまおっしゃられたんですが、なるほど、計画的におやりになるということは、確かに計画的におやりになるんだろうと思うのですが、大体何年ぐらいで回転をさせるつもりでいらっしゃるのですか。それでなければ、結局買い占めということになると思うんですね。三年なら三年で回転をしていく、二年で回転をしていく——何年ぐらいでおたくではお持ちの土地を回転するつもりなんですか。その点を明確にしていただかないと、土地というものは再生産できないわけであります。そして、国民も一番いま土地ということは問題にしているわけであります。ただ計画的にやるというだけでは、私は、国民は納得しないと思う。一体何年で回転するか、その点をはっきりひとつお聞きしておきたい。
○参考人(松尾泰一郎君) その、いろいろの計画の種類にもよりますが、大体三年ぐらいをめどに考えております。
○竹田四郎君 三年で回転していくということになりますと、年間、おたくは、丸紅さんは、一体どれだけの宅造なり、あるいは建物なり、毎年どれくらいを国民に供給していくわけですか。その戸数なり、あるいは宅地の区画数なりおっしゃっていただきたい。
○参考人(松尾泰一郎君) これまでに、完成をしてもう分譲をしました土地が百五十五万四千平米になっております。また、いま造成中のものが二百六十八万平米になっております。マンション等で完成、分譲済みのものが二千三十戸また、工事中、近く着工予定のものが五千六百戸になっております。
○竹田四郎君 これは年次別にちょっと出していただきたいんです。いままで三十年か四十年間のを一緒にやられても、これは意味ないわけですから、年間にどのぐらい出しているか、この点がはっきりしないと、三年ぐらいで回すと言ったって、三年ぐらいで回りゃしないわけですから、その点ひとつ明確にしていただきたい。
○参考人(松尾泰一郎君) ちょっとただいま年次別の数字を持っていないんですが、現在持っております土地は、分譲中あるいは造成中あるいは近く着工予定ということにいたしております。先ほども申しましたように、最近、若干の土地の手当てが進んでおりますので、まだ、これで売っちまった、あるいはもう処分しちまったというのは、いま先ほど申し上げました程度の数字でございますが、これからは、需要もふえましたので、最近の住宅事情にもかなり寄与するのではないかと思います。しかしながら、これはわれわれ、先ほども申しましたように、総合商社の土地部門というものは、全体の専門の業界から見ますとささやかなものでございまして、あるいは九牛の一毛かとも思いますが、われわれはわれわれの身分相応の最大の努力をして最近の政策に沿いたいと、こう思っております。
○竹田四郎君 あのね、それじゃあとからでけっこうですが、その年次別の資料をひとつお示しください。いまのお話聞いていますと、どうもその点が不明確なんです。最近、手当てが多くなったと。買い占めたことは手当てが多くなったことですから、その辺もはっきりしてもらわないとどうも答弁が不明確へこういうふうに思います。これで私、関連質問終わりますけれども、ぜひその資料を出してください。
○委員長(山下春江君) 松尾参考人、いま竹田委員の参考書類はお出し願えるでしょうか。
○参考人(松尾泰一郎君) ええ、ひとつ勉強さしていただきます。
○竹田四郎君 委員長、ひとつよろしくお取り計らい願います。
○大橋和孝君 それじゃ、今度は江戸理事長さんにちょっとお尋ねしたいんです。 今回の土地の税制について、新聞紙上の対談で、市街化区域内の投機買いの土地には、もっと思い切った、一〇ないし二〇%の保有税をかけたらいい、土地を吐き出させるには取得価格の一・四%の税率では低過ぎると、こう言っていらっしゃいますのを私は存じておるのでありますが、現在の土地上昇の状態では、私も持ち越し費用を高めて供給を促進するためには低いと思うのでありますが、現在でもその考え方は変わりませんか。
○参考人(江戸英雄君) お答えいたします。 この土地保有新税一・四%では、土地を吐き出させるためには低過ぎるということを申したことは事実でございまして、いまもそう思っております。
○大橋和孝君 日本列島の改造や金融緩和の影響もありまして、商社など他の法人の土地買い占めも盛んでありますが、これをごらんになりまして、理事長としてどんなふうに見ておられるか。 それからもう一つは、今回の土地税制におきまして、譲渡税重課も保有税も、一定の要件に該当する望ましい宅地供給は適用除外になっておりまして、不動産協会さんのもとのデベロッパーは、全く安全圏内におるというふうに見られるわけでありますし、新税には痛痒を感じておられないように思うんでありますが、そうではないでしょうか、ちょっとその二点。
○参考人(江戸英雄君) お答え申し上げます。 御案内のように、過剰流動性ということから、全国にわたり一億総土地買いというような状態であったことは、これは事実でございまして、これはほんとうに、土地を開発し住宅地を供給するという立場からいたしますと、遺憾な事態であったというふうに私ども考えております。 それから譲渡税の問題でございます。御案内のように、これは昭和四十四年一月以降に買った土地を売った場合に、普通の法人税のほかに二〇%、合わせて七〇%課税する。ただし、これには適用除外と。非常にきびしい条件でございます。開発許可、公募、それから適正利潤率、三つのワクがあります。その適正利潤率が二七と一応承っておりますが、この率によりまして、私ども、有力業界の前期の決算に当てはめてみますと、赤字ないし大幅減益が多いんでございます。それはなぜかと申しますと、大体、ストックが多過ぎるというような御批判でございますが、ストックは、これは大体、住宅公団ですら約八年分ぐらいだそうでございます。私どもといたしましては、御調査になって相当大きなストックがあるというようなお考えでございますが、これは虫食いの土地がありたり、あるいは開発許可の手続をとっておるものがあり、あるいは、これに非常に手間どるというようなことで、たとえば、かりに十万坪の土地をまとめますのに約三年かかります。そういうことで、私どもといたしましては一刻も早く供給したいんでございますが、いろいろなネックがございましてブレーキになっておるわけでございます。それで、いわゆる望ましい宅地供給をするものは安全圏とおっしゃられましたが、事実はいま申し上げたようなことでございまして、われわれは非常に意欲喪失、非常に危機的な感じを持っております。こういうことは実際でございます。
○大橋和孝君 ちょっと、そこらのところは私ちょっと見解が違いまして、私どものほうの調査の結果では、いろいろありますが、どうも時間も制限されて、四時二十分一ぱいではどうにも——まだまだほんの少ししかお尋ねをしていないわけでありますので、ちょっと急ぎます。 最近は、全国で土地の買い占めが進みまして、地価をつり上げていることは御存じのとおりでありますが、ことに新全総の対象地域や国鉄新幹線、高速道路の用地、周辺土地などは、計画を事前に知った不動産業者や一般企業が買い占めて大もうけをしておると。これはもう通常のことに言われておるわけであります。三井不動産の場合なんかは、新全国総合開発計画のむつ小川原開発地域で、九百二十ヘクタールもの土地を買っているのも私ども調べてきたところでございます。現在、この土地の価格は、買い入れ価格の六・七倍にもはね上がっておりまして、開発利益をひとり企業が吸収をして膨大な利益を見込むのは問題だと、こう思うのであります。地域開発を利用してこんな利益をあげるのは、私ども庶民の側から見ますと、何だか道義的に問題があると、こういうふうに思うのであります。こういうことは、理事長さんはどういうふうに思っていらっしゃいますのか、その点。 これもちょっとまとめて質問さしていただきますが、昨年来の金融緩和の影響もあって、法人の土地、株投機が問題であり、目に余るものがあるわけでありますが、このような法人の土地投機に対する積極的な姿勢は、税制面における個人の長期譲渡所得に対する分離課税の特例がお手伝いをしているというふうに考えておるが、そうでないでございましょうか。 その結果、法人の土地保有の増加が目立つようになるのとともに、個人の長期保有土地の売却益に対する課税上の優遇措置が、大地主に対してたいへんな恩典を与えることになったと思っておりますが、四十四年導入の土地税制と法人の土地投機の関連について、どのように認識されておるのか、それもあわせてひとつ聞かしていただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) お答え申し上げます。 むつ小川原の問題につきましては、ちょっと長くなりますから、これは書面でもって先生に差し上げます。私どもは、これは担当当局と打ち合わせいたしまして、現在全部会社のほうに移管いたしまして、決してばく大な利益を占めようと思っておりません。 それから譲渡税の問題でございまして、四十四年の個人の譲渡税と法人の買い占めの関連についての御質問でございますが、これは四十四年の個人の譲渡所得に対する分離課税を、長期譲渡する分に対しまして軽課いたしました。これは私といたしましては、住宅地の現在用地を取得するのに非常に役立ったと思いますが、一つ抜けております。それは法人に対しまして——法人といいますのは、個人と同様な、自分の持っている会社、自分の支配している会社、そこに渡す場合には、これは当然例外にするというような規定が必要だというわけでございます。これがなかったために、去年騒がれたような、個人が大きな長期土地譲渡の利益をあげている、こういうことになりますか、あれは例外を設けるべきだったのではないかと思います。
○大橋和孝君 こういうふうに、金融緩和の影響もあって、法人の土地投機が問題であって目に余るものがあるんですが、これは法人ばかりの問題ではなくて、必ずしも一部商社のみが責任を持つものではないということも先ほどちょっとことばの中にございましたが、もっとも、これは政府の態度が非常にいままで野放しになっておりまして、資金を送り出しました日銀の金融政策にも、またそれに便乗した銀行の態度、こういうようなものがいろいろあるわけでありますから、もちろん政府も、こういう問題を十分謙虚に反省をしてもらわなきゃなりませんが、ちょうど建設大臣もおいでになっておりますから、ひとつ、いまのような税制の問題、あるいはまた、こういうような新全総の開発の中で、こういうような大きな土地が買い占められているというもの、こういうところを取り上げていただけましたならば——ほんとうに国民の側からは納得のできないことが非常に多いわけですね、ですから、こういうところを含めて、今後私はこういう土地問題に対して、あるいはまた、商社がこういうことをやられるのも、一面から言えば、先ほどことばにありましたように、これは商法の一つのやり方だというふうな形で、また、むしろそういう金がルーズに出てきたこと、金がだぶついたことに原因があるんだということも言われることもないわけでありましょうが、そういうことも含めまして、私はやっぱり、政府のほうでこういうことをきちっとやってもらわなければ、物価に影響することは非常に大きいし、こういうことが堂々と行なわれておって、一般の国民が見ておりますと、これではどうも納得のできないという問題が非常に大きく広がっていくわけですね。これは非常に社会に及ぼす影響も大きいわけでありますから、これについて、ひとつ十分確かな考え方を国民の前に披瀝してもらって、なるほどということを国民にも理解してもらう必要があろうと思いますから、ひとつ大臣もおいでになっておりますから、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) 土地というものは、普通の品物と違うということでありますし、また、きょうこの時点にまいりますと、普通の考え方の土地ということでなくて、いわゆる土地は公共優先すべきであるという考え方、それからいま、この土地がないために住宅が建たない、住宅が建たないということについて非常に青年に希望を、あるいは働く青年に希望を持たせることができ得ないというような現状にある。きょうわれわれが、ここで政治をやりながら、苦労して次の時代を考えておるのも、次の時代をになう青年のために苦労しておる。その青年に希望が持てないということになったらこれはどうなるんだと。そういう意味で、私は青年に、働けば住宅が持てるという政策をやることが政治だと私は考えております。そういう意味で、一億国民投機だという姿もあります、こういうことはまことに残念でありますが、まあいろいろの、国総法等によりまして、それぞれの手続によって、土地がいわゆる提供されるような状況、あるいはまた、一億国民が、一つのこういう時点に立って、次の時代をになうという世代をつくるためにも一つの使命感を持つべきだと、こういう私は感じがいたしておるわけでございまして、きょうの政治問題としては、この問題を解決せずして政治問題は——ほかの解決するのは次の次だと、まず解決するのは土地問題だと、それによって住宅問題が解決つくんだと、このように私は考えておる次第でございます。
○大橋和孝君 繊維の問題について、ちょっと私、尋ねたいことはたくさん持ってきておりますけれども、ちょっと時間が、もう延ばしてもらって半までしかありませんので、私、その中でおも立ったことだけをちょっと聞かしていただきたいと思います。 特にガーゼの問題でありますが、このガーゼの品不足あるいは価格の急騰に対して、ほんとうにいま医療機関では手術もできないという状態になっておるわけでありますが、それを振り返ってみますと、昨年の秋ごろから、値動きが非常な大きな異常な動きを見せまして、本年に入りましては、薬価基準の百三十二円六十銭をはるかに上回る三百円とか四百円、ときによっては六百円もしたわけであります。ところが、上では百三十二円六十銭に押えられておるわけでありまして、これでは医療機関の中で非常に大きな問題になったと思います。価格をこう押えられて、買うのには六百円も出さなきゃならぬのでは、どうにもこうにもならないわけですね。手術をすれば、ごつい大きな赤字になってしまう。そういうような形で、手術の態勢にも大きな影響を及ぼしてきたのでありますが、こういう問題について、私は非常に大きな心配な状態があったと思います。現在は少し値も落ちつきかかっているとはいいますけれども、先ほどからお話にありましたように、需給関係、たとえば原糸の方面は、先ほどのお話の中によると、あんまり大きなアンバランスがないわけですね。それであるのに価格がそういうふうに上がってくるということは、どうしても私はわからない。詳しいことは、私も調べまして、その値動き、去年とことしの値動きの比較、そのときの需給関係というようなものを表にして、私もずいぶん調べてみましたんで詳しいことは私も持っておりますけれども、こういうことが起こることは一体何なのか、これは私は、ひとつこういう時期に、業者の方々にもあるいは政府関係の方々にも、私は十分に銘記をして考えてもらわんけりゃいかぬことじゃないかと思います。たとえて言うならば、法にさえ触れなければ何をしてもかまわないんだと、これはまあ、伊藤忠商事の社長さんがおっしゃったとか、おっしゃらないとかという私は記事を読んだことがございますが、こういうことから見ましても、私は国民の間では、企業のイメージは、いまもう非常に失墜していると思うんですね、そういうことばがちょっと出ただけで。私はそういうことで、ほんとうに生命に関係するガーゼなるものがそういうようなことであって、そしてもう理不尽ですわね、ちゃんと上ではガーゼはこうだときめられてその価格があるのに、それのもう何倍も、五倍もするような大きな金をかけなければ買えないという状態、手に入らないという状態が起こっておる。それで、そういうことになってくると、これは私は非常に大きな問題だと思うのでありますが、こういう意味におきまして、やはり私は、商社は買い占めとかあるいは売り惜しみとか、そういう操作があったのでそういうことになったのではないか、こういうふうに、国民の中からも、そういうふうに思われているわけであります。 通産省は三月中旬ごろに、大手商社の六社を対象にして調査をされました。そして、四十七年度の上期または下期の買い入れ及び売り渡しの契約残高、こういうようなものについて、商社の買い急ぎ傾向が見られているという報告、あるいはまた、売却利益も四十六年の上期には四億四千四百万円であったのが、四十六年の下期になりますと、一挙に七億二千六百万円にはね上がっておると、こういうようなことなんかも、この調査で明らかになっておるわけでありますが、こういうことにつきまして、この伊藤忠商事さんの仕入れ、販売金額、数量、あるいはまた売却益の実績、こういうようなものをひとつ、通産省に報告されていると思いますから、通産省からこれをひとつ私は資料としていただきたい。もう時間がありませんから、そういうふうにまとめて私要求をしておきますから、ひとつ通産省はそれを出していただくように、またあとから委員長、ごやっかいかけたいと思います。 それから昨年秋口に、原糸の五割アップ、それから織元の先行き不安から、付加価値の高い包帯、あるいはまた生理綿への生産転換、あるいはまた工賃の急騰、こういうようなものが要因をなしまして、じりじりと高くなってきたというのも事実だろうと思います。問題なのは、衛生材料工業連合会筋が、品不足を承知しながら、値くずれを防ぐために品不足事実を隠して、極力報告しないで、生産規模あるいはまた織屋さんへの注文を縮小するなど、私は出荷調整、需給調整などをされたというようなことを聞いておるわけであります。こういう点についての、ひとつどうだったかということもお知らせを願いたい。 それからまた、お話にありましたように、二百万メートルぐらいの増産を申し入れて原糸の相当量を市場に送ろうとした、こういうふうなことも政府の行政指導が行なわれようとしたわけでありますが、それに先回って、もう企業的な動向を見抜いておられたのか、衛材連のほうでは、むしろ出荷調整、需給調整、こういうようなことを特にやられたというわけでありますが、そういうことから申しましても、私は一つの裏づけになるのじゃないかと思います。 私は、通産省にちょっとお尋ねしたいのですが、昨年六月に通産省は、この中小企業団体法に基づいて、織機の買い上げ、破棄をやられて、その企業数の五〇%ぐらい、織機の三〇%ほど業界から姿を消したわけでありますからして、その品不足、価格の高騰へのはね返りが起こってくるわけでありますが、政府の意識的なこういう行政手段は、繊維製品の輸出制限、綿糸の輸入拡大という外国からの圧力があったことは言いながらも、やはりインフレに拍車をかける一つの大きな要因になっているわけでありますから、こういうふうなところで、繊維の相場をより強気にしたこともまた事実だろうと考えますので、この金融機関の余剰金は、大きい商社を経て一連の投機売買となったわけであるというふうに考えられるのですが、ことに、昨年十一月の二倍の価格を形成した四十番の綿糸なんかの状態を見ましても、そういうことが言えると思いますが、政府みずからがインフレ行政をとりながら、そして高騰景気に大きな役割りをし、商社に責任を転嫁するような形でやっておる。こういうふうな行政の無策とか失敗、これもはっきりしていると思います。通産省は、日本綿スフ織物工業組合連合会に原糸をあっせんすることを伝え、綿工連でも、いままでの生産に上のせをしてからに、四ないし五月には二百万メートルの増産をすると言っておるわけでありますが、こういうこともひとつ振り返って見て、私は、仕入れ金額と、それから数量、それから販売金額とその数量、こういうものを、増産体制でやっておられるところの資料をいただきたい。 それから厚生省のほうにも、ちょっと私は伺っておきたいのは、こうしたような形で、非常に価格が、いまお話を承っておりますと、もうだんだんバランスがとれてきたから安くなると、こう言っておられますけれども、まだ、業者のほうの末端へ、私調べに行きますと、なかなか下がらないと言っているのですね。一たん上がったものは下がらない。なぜならば、工賃も上がっておる。それからして下がらないと言っておるのですが、こういうことは、厚生省の薬務局長のほうでは、一体どういうふうに把握しておられるのか。いま申したように、薬価基準にきめられているのに、一方では下がらないと言っておるのだと、こういうことになれば、そこらに大きな矛盾があるのですが、そこらをどう解決されるか、こういうことについても、あとから一言御説明をいただきたいと思います。 まあ、言いたいことたくさんありますが、これはちょっとやめまして、それから公取のほうにもちょっと聞きたいと思いますけれども、これもやめまして、私は、最後に京都のほうの問題についてお尋ねしておきたいと思います。 西陣の絹織物でございますが、私ここへ調査に参りましたら、大体ここでは、いまのような生糸の値上がりから、三月一日から五日ごろまでは非常に大きな——まあ二月ごろからも上がったわけでありますが、猛烈に上がりましたね。そして五日から十五日までですか、なんかストップいたしましたですね。これなんかをずっと調査をしてみますと、この上がったときに、上がってまいりましたからここで何日間か休みました、企業が休んで、そしてストップをした。そして少し価格を上げました。そうしたら、公取の委員長のほうからは、すぐここへ調査に参ってしかられた。ところがストップになって、ストップになったころには大手商社はどう言ったかというと、いよいよ糸がなくなってきたと、こう言われたものですから、びっくりして、そのストップの値段よりはるかに上回ったところで業者は仕入れているわけですね、高い糸を買わされているわけです。そして、そのストップの間じゅうに、大手商社は全部小さい業者に売り渡してしまった。ですから、値が下がるときには、商社は一つも損をしないで、ストップの価格よりは高い価格で売りつけているわけですね、もっと上のほうは。そして、今度再開されてきたならば、今度は通産省のほうの、先ほど御答弁の中にありましたけれども、もう糸の需給関係はうまくいくから、いま買わぬでおきなさい、将来は安くなりますよといって、足を引っぱられたものですから、今度は、高い糸を買わされて、そして再開されて、糸で品物をつくるころには、みんな安くしなさい安くしなさいと言うものですから、逆に今度は値段が下がっちゃう。こうなってみると、大きな商社は、その上がったところで金をもうけてさっと逃げてしまった。一般業者、小さい零細企業は、金を使って、そして高いものを買い込んで、品物にしようというころには、もう安くなりますよ、買いなさんなと不買の奨励をする。こうなると、いきしなには公取でバンドを押えられて高いものを買わされて、そして安くなるから今度は買いなさんなということになるから、もう業者はつぶれかかっていると、こういうわけですね。 こういう状態を私は見てまいりまして、これはほんとうに私はたいへんなことだと思います。ですから、これをどうしたらいいかということを私いろいろ業者とも相談しましたが、時間がありませんから、その答えはあとでいただきたいと思います。これは経企庁のほうからも、長官おいでになるし、またいろいろなところの方々からお話を承りたいと思います。大蔵省にもお話を承りたいと思いますが、ここでしてもらいたいと言っていることは、金のないことです。ですから、前の円ドルの問題のときにも、糸が、絹織物が出ないということで、ストックに対して特別手当てをされたですね。ああいうような形で、今度はひとつ何とかそういう業者に対して、組合に対して、ひとつ金を、補助金をもらいたい。あるいはまた低利な融資をいただきたい。あるいはまた、いままでの税金がありますから、この税金の納期をひとつ延期をしてもらいたい。こういうような希望が、ほんとうに血のにじみ出るような状態で出ているわけですね。こういう問題を政府のほうではひとつ取り上げてもらいたい。 また、こういうことを見てまいると、大手商社というものは実にうまいことをやっておられる。一番高いところで、しかもストップの値段より高いところで売って逃げておるわけですから、一つも痛みをこうむっていない。こういう点から考えましても、私は商社あたりが何らかの手を打って、業者に対しては補償してやるぐらいの、あるいはまた、何とかして助けてやるぐらいのあたたかい気持ちがいまあっていいんじゃないか。商社の方にはそういうことをお願いをいたしたい。政府としては、やはり金融面なり納税面なりについて何とかすることが必要だ、こういうことをひとつ考えてもらいたいと思います。 非常にはしょりまして、私の質問があれしているかもしれませんが、半までにおさめなければならぬので、あと答弁を聞いて質問を終わりたいと思います。
○参考人(川本新之助君) ただいまのお話のうちで、日本衛生材料のほうから、通産省のごあっせんに対して御辞退しましたということはありません。それは誤解であると思います。誤道、誤った報道であると私は信じております。非常に逼迫しているということでありましたので、そういうごあっせんは喜んで受ける、こういうことでございますので、それは……。
○大橋和孝君 まだ出てないの。
○参考人(川本新之助君) いやもうできました。
○大橋和孝君 だんだんやっていますか。
○参考人(川本新之助君) やっています。それはどうぞ御安心いただきますようにお願いいたします。 それから価格のほうですが、これは衛生材料には、あなたが御指摘の薬価基準というのがございますので、これを適正なところできめていただくように、再三陳情をしておるんですけれども、その間、原糸なり綿布が非常に流動的でしたので、どの辺でしていいかということが、二度ほど、ここに事務局もおりますけれども、出したんですけれども、どこでおさまるかということがわからなかった。それでまだきまってないんです。それで、私は薬品の薬価基準というのはどういうふうにしてきめるのか知りませんけれども、事綿布に関する限り、やはり綿布相場というものを基準にしてきめぬことにはきまらぬのですから、それがどの程度にきまるかということを、見通しさえつけば、おそらく厚生省は薬価基準をきめられると思います。 それから、最近、病院で非常に人手不足等の関係で、普通の十メートルのガーゼを折りたたんでくれとか、また、いろいろな手数を言われる向きもあるんです。そういうことで、相当やはり手間もかかっておりますんで、そういう点をやはり見ていただきまして、適正なところできめていただかぬと、何ぼ生産せいと言うたかて損してまではやれませんので、その点をひとつお願いしたいと思います。
○委員長(山下春江君) 御答弁の方が多いものですから、どうぞ簡潔にお願いを申し上げます。
○参考人(寺田忠次君) ただいま御指摘いただきましたことについて御回答申し上げます。 私どもの包帯、ガーゼでございますが、これはどれまでが包帯になり、どれまでがガーゼになるということはわかりません。大体、小幅織機で織っているわけでございますが、その産地といたしましては、愛知県の知多郡、大阪の泉州方面、これによっております。織機台数は、いま大体五万台で織っております。そうして、その生産数量は非常にふえております。四十七年、去年は一億二千六百万平方メーターになっております。そういったことで、たいへんふえているわけでございますが、大体、そういったことで製品をふやして、この間のお話も、通産省並びに厚生省からお話をいただいたというようなことで、さっそくお引き受けしまして、四月と五月に生産して出すようなことになっております。どうかひとつ。
○参考人(藤田藤君) ただいまの御質問に対して、私の御回答を申し上げせんならぬことは、二点あったと思います。 最初に、ガーゼに関連の綿糸でございます。これが、御指摘のように、非常に短期間に、ここ数ヵ月の間に約倍近くなったと、特に、今年に入りましてから非常に急騰したということでございました。しかし、それは、昨今におきましてはかなりまた大きく反落した。大体私の記憶で申し上げますと、昨年の秋ごろ二百円ぐらいであったものが、約三百八、九十円になった。これは四十番手の綿糸を申しております。しかしながら、これがその後反落いたしまして、いま三百円ちょっと割った二百数十円、こういったところになっております。 こういう現況にございますけれども、これについて申し上げたいことは、綿糸が不足して上がったという要因は、ほとんど少のうございます。私ども、先般通産省へ御報告した数字もございますが、相当の在庫をかかえております。在庫というのは、これは売り約してしてしまった在庫を持っております。ということは売り約品が全部スムーズに買い方の方に引き取られていない。たとえば、現在四月になりましたが、まだ三月の契約品がかなり残っておる。こういう状態がずっと続いておりますので、不足しておったんではなく、別な要因で綿糸が上がったというように私ども判断しております。 それからいま一つ、西陣の絹織物について御指摘がございました。これは、生糸がこうして、先ほどもお話のございましたように、この二月の初旬には、たしかまだ九千円前後の生糸の価格が、一万五千円ほどまで非常に早く、わずか一月足らずの間に急騰したという現象がございます。この生糸の価格が一番正確に表示されるのは、取引所でそういう価格が生まれるんでございます。その取引所で、なぜそんなに上がったんだということを申しますと、取引所の中には、業界に関係のない方のそういう投機が相当介入してまいりました。この二月の、私ずっと数字を調べてみましたんですが、横浜と神戸の両取引所で、二月一ヵ月間に取り組まれた数字が、小売り俵数に換算いたしますと、約五十九万俵ほどの生糸が取引されております。一年間の日本全体の需要が五十万俵というような推定をいたしておるのでありますが、それが、わずか一ヵ月の間に両取引所で取引されたというような事実を見ましても、非常に過熱したということが言えると思います。しかし、その時点におきまして、私ども商社はどういう態度をとったか、あるいは日本の製糸業者はどういう態度をとったかと申しますと、ある程度は、ヘッジといいまして、持っておるものを売りつなぐということをやりましたけれども、こういう取引所が異常な状態になりますと、われわれはそれに手を出すことは非常に世間の疑惑を受けます。売っても買っても受けます。一切そういうことはいたしておりません。にもかかわらず、そういう業界側の方の大きな取り組みによってそういう現象が起こった。これが一つの大きな価格高騰の原因だったと思います。 それから、根本的には、生糸は日本の消費が世界の全体の——全世界で推定約七十五万俵という生産が行なわれておりますが、そのうちの五十万俵近いものは、今日日本で消費されており、しかも、年率小一割消費がふえておるというような現況にございますので、そして、それに対する日本の生産は、三十万ちょっとしかございません。正確に申しますと、昨年あたり三十一、二万俵です。ということは、その不足の約二十万近いものは海外から輸入せんならぬ状況になってきております。昨年は約十七万俵ほど輸入しまして、非常に需給の状況がタイトになっております。今年はどうかといいますと、予想しますと、さらに生糸の国内消費がふえるということです。これはいろいろな要因ございます。もうそれを申し上げておると時間がございませんが、非常にまだふえつつある現況にあります。一方、われわれは、国内ではもう増産できませんので、どうしても海外で増産してもらって、それを持ってきてカバーせんならぬと、こういう現況にございます。そういうタイトの中でそういう過当投機が入ると、どうにも、われわれ商社とか製糸では防げないような問題がございます点をひとつ御承知いただきたいと思います。
○大橋和孝君 ちょっと薬務局長。
○政府委員(松下廉蔵君) ただいまのガーゼの供給量、それから価格の問題でございますが、供給量につきましては、先ほど参考人から御答弁がありましたとおり、終始生産量はむしろ増加してまいっておりまして、ことしの一月から三月までのガーゼの生産量は、昨年同期の約二割増しになっております。これは統計法に基づく動態統計でございますので、確実な数字でございます。ただ、価格につきまして、先生からも御指摘がありましたような綿糸の高騰、それから工賃の高騰というような要素のほかに、上がり始めますと、もっと高くなるのではないかということで、手当てがつかなくなるとたいへんだという医療関係者の、いわゆる仮需要というような要素がございまして、かなり御心配をかけるような価格になりましたことは事実でございます。で、私どもといたしましても、まず供給を安定させることに主力を注ぎまして、なお価格につきましても、並行して、通産省にも御協力をいただき、業界にもお願いをいたしまして、幸い綿糸も反落してきた時期でもございますので、今後価格の安定につきましては、できるだけの努力をいたしたい。ただ、工賃等の問題の関連もございまして、いまの薬価基準まで下がるということは、ちょっと御指摘のようにむずかしいかと存じます。 薬価基準の改定につきましては、ただいまちょうど、昨年の全般的な薬価調査に基づきまして、中医協でも御審議をいただいておる段階でございます。保険局と十分相談いたしまして、できるだけ早い機会に実態を反映できる基準の改正をいたしたいと、さようなつもりで努力をいたしております。
○政府委員(山本敬三郎君) 生糸の暴騰暴落について、西陣を例にとって、ドルショックのときと同じように融資、補助あるいは減税というような対策がとれないかというお話でありますけれども、確かに生糸も三分の二ぐらいに暴落しておりますが、木材はもっと暴落している。したがって、ばばをだれが持ったかという問題になってくるわけであります。場合によると、消費者が持った場合も当然にあり得るわけです。ドルショックの場合には、輸出関連の中小企業が一律に免れざるを得ないような、そういう問題になってまいりましたので、政府としては、各種な措置をとったのは当然でありますけれども、こういった場合に、一体ばばをだれが持っていたかということを調べ上げるということにも、非常な困難がつきまとう問題ではないかというふうにも考えます。ただいまお答えできますことは、大蔵省としては、納税等について徴収延期してほしいというような要望があれば、それにおこたえする用意はあるようでありますが、それ以上については、事態の推移を見て、政府全般で考えるべき問題ではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。
○大橋和孝君 すみませんけどね、私は個々を調べてやれと言わないんです。その業界でやっていることがわかるわけですね。ですから、たとえば西陣絹織物の協同組合というところでやったこともわかっているわけですね。そういうものをちょっと把握してやれば、いまの輸出関連産業でやっておった痛手と同じことがわかる。これの原因には、私は商社もあると思うのですよ、いまのような形ですからね。必ず、政府が全部やれということでないかもしれぬけれども、何かそこらのところの橋渡しをして、何か、弱い中小企業がこぼれていくことはしようがないんだということにはならぬわけでしょう、こういう問題があるときには。だからして、こういう異常なときでありますから、最後には、やっぱりそこらのところにちょっと手当てをしてやらなきゃならない。これは六月ごろにくるのですよ。私は西陣へ行きまして、いまころころ落ちているかというと、そうじゃないのですよ。製品ができてきて、高い糸を買い込んで、それで製品をつくってきてからに、いよいよ何ヵ月かの手形でもってやるころにつぶれてしまうのですよ。ですから、いまのうちにやっておらないと、いま見ておれば、六月か七月ごろにはもうみなぼろぼろいくことがわかっているわけですね、私は見に行きますと。そういうことをいま政府がやることこそ、やはり国民に対してのあたたかい行政ではないか。だから、もうそれはいまの日本の国の経済ですからね、だから、そういうことをやろうと思えば、それはもうごく微々たる金。だから、そういうことであれば、商社のほうから言われましたが、私はまだきょういろんなデータでもっといろいろなことをしようと思いますけれども、去年の利益を見ても何千億という利益が上がっていますわ。そういうことからいけば、そのときもうかったやつを少し吐いてやろう、それぐらいのあたたかさがなきゃ私はいけないということをいま申しているのでありますから、どうぞひとつ、そこらのところを、政府のほうでは十分把握をしてもらって見殺しにしないようにする。これはぜひやりますということをひとつ考えていただきたい。 それから薬務局長、いまお話がありましたけれどもね、それはできるだけ早い間に上げますと言っているけれども、これはがちっときまっているでしょう、統制の中で。百三十二円六十銭というのはね。こちらで上がっているやつを見て、これからひとつ中医協へはかって十分考えましてと言っておったら、その間困るのは患者なんですよ、使っている。医者のほうが困るんじゃないんですよ。患者のほうで何とかするということになるわけですから、患者が困る、病気した人が困るわけですからね。これは、これから中医協へはかって云々というようなことにはならぬわけだから、それはひとつ十分厚生省の中でも検討していただきたい。
○政府委員(山本敬三郎君) 通産省や農林省と打ち合わせいたしまして、西陣の問題について慎重に検討さしていただきたいと思います。
○中沢伊登子君 それでは、初めに伊藤忠商事の藤田参考人にお伺いをいたしますが、いま、私が御質問を申し上げようと思ったことが、多少大橋委員のほうから御質問になりまして御答弁がございました。そこで、さっそく質問にかからせていただくわけですが、いまの御答弁を伺って、生糸についての世界の生産量が約六十万俵、それから日本の生産量が約三十万俵、日本の消費量が約五十万俵、輸入が約二十万俵、こういうお話を伺いましたが、そういたしますと、日本は世界一の消費国であるということになるわけですか。そうなりますと、日本の企業によって絹の価格操作ができる、こういうふうなことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(藤田藤君) お答え申し上げます。 ただいまおっしゃられました数字に、若干ちょっと間違いがあるのではないかと。世界の全生産——日本も含む生産は、昨年約七十五万俵と概算言われております。それから、一昨年も大体同じような数字で横ばいだった。昨年は増産にならなかった。原因は、世界各国の天候不順の関係で農作物全般にそういう影響があったという結果でございます。それから、日本の国内消費は、御指摘のように昨年は約五十万俵であった。今年はそれがまた少しふえるだろう、こういうことを推測しております。それから、昨年輸入されたのは約十七万俵弱でございます。一昨年はそれが十万俵弱、昨年の輸入は約七割ほどふえております。それでもって日本の国内消費が満たされた、そういう現況でございます。そういうことで、いずれにいたしましても、日本のこの国内消費というのは、全世界の七割近いものを昨年度でも消費しておるという非常に大きな消費国でございますので、いま御質問の、日本のほうで価格操作できないのかということは、バランスがとれておったり、あるいは需要が上回っておるというような、こういうタイトな状況のときには、逆に日本のほうが売り手国の、相手国から大きく価格を支配されるという関係にございます。たとえば、中国あるいはその他、まあ外国がたくさん日本へ供給してくれておるのですが、これらの国は日本の価格を見ながら売ってくるということで、結局日本が操作されるようなかっこうです。しかしながら、私どもは将来に向かってはこういう考えを持っております。いまの生糸価格というのは、あらゆる農産物の中で最も採算性の高い商品でございますので、諸外国におきましては、これらのものを相当今後増産してくることは間違いないと思います。そういう供給が日本の需要を上回るところまできますと、いま御指摘のような、日本のほうで、買い手のほうである程度の操作ができるのではなかろうかというように考えております。
○中沢伊登子君 それでは農林省にお伺いをしますが、生糸の需給実績はどうなっておりますか。
○説明員(有松晃君) 生糸の需給実績でございますが、年々国内の需要がふえてまいりまして、四十七年におきましては約五十万俵の需要と、こういうことでございます。これは前年は四十万俵、ここ二、三年は四十万俵で推移しておりましたけれども、昨年急激にふえて五十万俵、で、現在は輸出は非常に少なくなっております。この五十万俵の分に対して、供給面では国内生産が年々三十一、三万俵でずっと推移いたしまして、残りの十六、七万俵を、これを輸入、こういうふうな実態になっております。
○中沢伊登子君 私がいま手に持っておりますこり資料は、丸紅が出された資料でございますが、それによりますと、昭和四十六年に日本の国内生産が三十二万八千俵、それから輸入が九万八千五百十俵、昭和四十七年、つまり昨年が、生産が二十一万八千九百四十五俵、これに対して輸入が一六万八千六百四十一俵、相当去年のほうがふえているわけですね。ところが、ことしになってから相当の大幅な値上がりがしてきました。特に農林省の事業団の放出、これが四十六年には全然ございませんでした。ところが昭和四十七年になって一万九千七百九十七俵、これだけの放出を農林省がしているわけです。ですから、昨年の需給というものは非常に大幅にふえているのです。ところが、先ほど大橋委員が質問されたように、ずいぶん大幅な値上がりが今年度してしまった、こういうことですから、一体それはどこに原因があるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○説明員(有松晃君) 先ほど申しましたように、昨年以前の二、三年間におきましては、景気の若干の後退ということもございまして、需要が横ばい、四十万俵ぐらいで横ばいに二、三年推移しておったわけでございますが、昨年は景気の回復ということもありまして、一方、国内の絹織物の消費が、非常に、一つのブームだと思いますが、急激にふえると、こういうことがございまして、そういった需要面がひとつ非常に大きな要素であったというふうに考えておりますが、特にことしに入りまして値上がりがひどくなりましたのは、昨年は、先ほど申しました、先生もおっしゃいましたように、輸入が急激にふえたわけでございますけれども、これは主としては、中国から半分以上でございまして、現在私どもが聞いております——これは正確な統計は実はございませんけれども、大体把握しておりますところでは、中国の生糸につきましては、過去のストックがだいぶ食いつぶされておるというふうにも聞いておりまして、ことしの輸入は昨年よりも若干下回るのではないか、こういうふうな見通しもございます。一方、国内の生産のほうは、これは繭の生産等のいろいろな条件等がございましてなかなかふえがたい。こういうようなこともございますので、それに対しまして、需要のほうは今後さらに伸びるであろう。そういたしますと、需給のギャップが若干生じておるし、これからもまた需給はきついんではないかというようなことがございまして、そういうようなことから、生糸の需要者である機業地等での生糸の買い込みというようなことも、かなり活発に行なわれたのではないかというふうに見ております。まあ、そういったことが背景になりまして、ことしの三月に非常に急騰したのではないか。で、先ほどお尋ねの事業団、これは確かに四十七年に放出をいたしましたが、これは生糸の価格安定のためでございまして、この事業団は。これは、この二万俵放出した分は、その前に生糸が非常に下がったときに買い込んでおった分を、これはある程度の値段までくると売らなければならないというような仕組みになっておるものでございますから、そこで二万俵全部売ってしまったわけでございますが、値上がりはそのしばらくあとに生じたわけでございますので、現在では事業団等の手持ちは全くないということで、需給の逼迫で上がっている、こういうことでございます。
○中沢伊登子君 そうしますと、今年度、もっともっと生糸の需要がふえてきたときに、価格を安定させるための事業団の放出分が全然ないとすると、またことしは大幅に値段が上がるということでございますか。
○説明員(有松晃君) 私どもといたしましては、生糸の価格があまり大幅に上がるということは、物価対策上からも決して好ましいことではないというふうに考えておりますので、何とか、この価格の安定をはかりたいということで、これはいま申し上げましたように、需給という面がございますので、一方では供給をできるだけふやすということで、これは供給面と申しますと、原料の繭についての国内の増産、これは農林省がまさに所管でございますが、繭の増産についてもいろいろ手当てをしておる。それからさらに、製糸業段階での生糸の増産についても、製糸協会のほうにもお願いもしております。さらにもう一つ、輸入の面につきましては、先般来、中国に対しましても、外交ルートを通じて輸入の促進方を要請した。こういうことと、それからもう一つ、輸入の促進をはかるために、三月には中国に対する生糸の関税の引き下げを行なった。こういうふうな手を打っております。で、一方、しかし需要のほうがかなり強い。そのギャップがございますので、需要者のほうに対しましても、あまり需給のギャップが大きくなって価格が急騰するということでは困りますので、その面では、織物業界の方々のほうに対しましても、団体を通じまして自粛をお願いする、こういうような措置をとっております。
○中沢伊登子君 私は、着物を全然着ませんけれども、着物を着る人の話によりますと、絹の着物というものは何ものにもかえがたい。ですから、なるべく消費を自粛してもらおうと、こう思いましても、なかなか消費者のほうではこれが自粛できないのがほんとうのところなんです。 そこで、話がたいへん小さくなりますけれども、主婦連の調査によりますと、先ほども伊部委員がちょっと触れられましたけれども、絹糸ですね、縫い糸。先ほどの和裁用の八十メートルものの一巻きが、四十六年には大体七十円前後で、四十七年まではほとんど値上がりをしませんでした。ところが、これがことしになって急激に上がり出して、三月の五日には九十五円、これは先ほど伊部さんもおっしゃられたとおり。三月の十六日、わずか十一日たってこれが百三十円、三月の二十六日になりますと、これが百六十円に値上がりをしております。あっという間に二・三倍になってしまった。そこで、今度は四月の十五日になりますと、これが百二十円に値下がりをしております。これはどういうことなんでしょうか。おそらく、あんまり買いだめをしないでもう少し待ったほうが下がりますよというようなことが、新聞でも伝えられたりなんかしたことに関係があるかと思いますけれども、こんなに大幅に縫い糸までが上がってしまったのでは、これは経企庁の長官にお答えをいただきたいのですけれども、内職をしている人、着物を縫うために内職をしている人たちが、この糸が手に入りにくくて非常に困っておる、こういう話があるのですが、こういうことについて経企庁の長官はどうお考えになられるか。また藤田参考人については、先ほどのあまりに急激な糸の値上がり、これについて何かつかんでいらっしゃったらお答えをいただきたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ、これは生糸だけの問題ではないのでありますが、今度の値上がりは非常に大きな仮需要の波というような、そういうものがあったような感じがいたします。この波は、漸次平静化しつつあるというのが現況のようでございまして、なぜそうなったかということについては、これは過剰流動性対策に対する政府の姿勢、あるいはまた情報、たとえば、品物がなくて将来値上がりをするおそれがある、いま買っておかぬといかぬというような、そういうことはないのだと、それで、これは虚偽の情報であるということが明らかになり、また売り惜しみ、買いだめに対するところの国民の強い批判と申しますか、国会を中心としたそういう姿勢というものが、あるいはそういうことをしておったと思われるような人たちの反省を得たのではないかというような感じがしておりますが、一方、そういう高いところで品物を持っておった人たちに対して、現在安くなった段階でどうするかということ、ことに、いまお話しのような弱い立場の人が、非常に無理をして原料を仕入れて、それが下がりつつある。これに対してどうかということは、よくまた実態を調べまして、これは非常にお気の毒なことでございますから、そういった弱い方の立場に立ってできるだけ御心配を申し上げたいと、こう思っております。
○参考人(藤田藤君) 縫い糸の件に関しましては、私どもの立場におきましては、ほとんど、縫い糸の先の業界のことはあまりタッチしておりませんので詳しくは存じません。しかしながら、縫い糸全体で、年間に、生糸の先ほど申し上げました五十万俵のうち、約一万五千俵ぐらいが縫い糸に使われるということは聞いております。また、私どもの生糸の販売先の中に、一部、有力企業の縫い糸生産をやっておられる方がございますが、全般としましては、大半の方は非常に零細企業の方が縫い糸を家庭その他においてつくられておるというふうに伺っております。したがいまして、われわれと交渉のある大企業の方とよく相談いたしまして、この縫い糸が大体どのくらいでできるのか。私、先ほど価格のお話がございましたけれども、どのくらいが限界なのか全然存じませんので、よく、生産される大企業の方が一部ございますので、そことわれわれ取引関係もございますので、よく相談いたしまして、できるだけ適正価格をひとつきめまして、それに私どもが十分な原料を供給できるように努力したいと、こう思っております。
○中沢伊登子君 ぜひそのようにしてあげていただきたいと思いますね。 そこで、今度は生協の調査、生活協同組合が調査したニュースを私いただいてまいりました。それによりますと、生糸は一キロ当たり、四十八年の一月、ことしの一月に八千六百円だったのが、三月の八日には一万四千九百九十五円になった。これは先ほどもちょっとお話に出ておりました。ところが、今度三月の二十八日になりますと、これが一万二千六百十円になりました。これも先ほどお話があったとおりでございますけれども、ところが、輸入物で中国からのCIF渡し、これは昭和四十七年一月からことしの一月までは、わずかに五%しか値上がりをしていない、このように聞いておりますが、そのとおりでしょうか。通産省ですか、どこか——農林省わかりますか。
○説明員(有松晃君) 中国からの生糸の輸入の価格でございますが、中国はこちらへ輸出をする場合に建て値制をとっておりますので、日本の国内の相場に追随をして逐次建て値を引き上げる、こういうふうなことをやっております。で、ことしに入りましてから、建て値を何回かにわたりまして引き上げをやっております。これは、二月の二十八日に、元で申し上げますと七十二・九元ということで、一挙に三七・三%上げまして、その後三月八日に八十四・五元、これは一五・九%のアップでございます。それからさらに、三月十二日現在では九十六元、これはさらに一四%の上げ率です。こういった値上げを徐々にやってきております。ただ、御指摘のCIF価格であまり値上がってないではないかというお話でございますが、これは建て値をきめてから契約が行なわれて、契約が行なわれてから船積みされてくるまでに、三ヵ月から六ヵ月ぐらいの時間がかかるわけでございまして、一月に着いたものは、前の安い建て値のころに契約が行なわれたものが着いたということでございまして、したがって、御指摘のようなことであるというふうに考えております。
○中沢伊登子君 私が伺ったのは、四十七年の一月からことしの一月までのCIFの渡しですね、CIF渡しで五%の値上がりしかしてないらしいけれども、それはそうかと、こう伺ったわけですね。それはどうもそうのようですね、いまの御答弁で。ところが、あなたの御答弁では、中国が初めから値をきめて、日本のいろいろな状態を見て値をきめて、こう出してくるのだと、しかし、それには三ヵ月くらいかかるということですが、これは三ヵ月もかからないうちに、三月八日には一万四千九百九十五円になっているわけでしょう。ですから、これはずいぶん大幅な値上がりです。まあ、いわば倍近い値上がりがしているわけです。それはことしの一月に八千六百円だったのが、三月八日には約一万五千円になったと、こういうふうに申し上げたわけです。ですから、この辺のところにこれだけの何か大幅な値上がりがあったのは何が原因なのかと、これを今度は伊藤忠のほうに伺いたいと思います。
○参考人(藤田藤君) 先ほどお示しの、昨年の一月とことしの一月の価格が五%しか上がってないじゃないかということに対しては、私は、何かのお間違いじゃないかなと。私ども、いま手元に持っております資料によりますと、昨年の一月は、簡単に申し上げますために円換算したものを申し上げますが、円換算いたしますと大体七千百円ぐらいだったわけでございます。それがことしの一月におきましては、大体八千五百円ぐらいにアップ、約二〇%ほどの、昨年一月とことしの一月と値上がりがいたしております。 それから第二点の、そんなにまた、その後もどんどん上がって一万四千幾らになったじゃないかということにつきましてですが、先ほどもちょっと触れましたように、中国だけじゃございません、韓国も含めまして海外の日本に輸出してくれるそれらの国は、日本の価格を基準にして売り値を出してきているという現況でございまして、向こうの国内事情で上げたり下げたりするという要素は、今日においては非常に少のうございます。大体、日本の価格はもう向こうにその日にわかるような状態になっておりまして、それを参考にして値を出してきているということから、大体もう日本の価格に追随しているという感じでございます。
○中沢伊登子君 それでは、私の時間が何か五時十八分までということで、次に進ませていただきます。 で、公取委員長にお尋ねをしたいのですが、公取は、木材やセメント、羊毛や生糸も含めて、現在の商品投機の物資になっているものについて、独禁法の観点からどのような調査をされましたか、具体的にお伺いをしたいのですが、時間がございませんから、できれば生糸に焦点を当てて御答弁をいただきたいのです。
○政府委員(高橋俊英君) 私どもは、大豆、木材、羊毛、生糸、綿糸その他米など、数品目について、まあ調査をしておりますが、もちろん、この目的はその職務の必要上でありますから、たてまえは、つまり独禁法違反がなかったかどうかという点をまず見出すことが主眼でございまして、しかしながら、その関連によりましては、当然業界の実情あるいは値上がりの要因等についても、ある程度の調査はいたしております。いまのお話で、時間がございませんから、私どもも、実はこれを公表する性質のものか、ちょっといささか疑問に思いますけれども、いままでの生糸の問題についていろいろな質疑応答がございましたが、確かに、この数字の上で見ますと、四十五年、六年に比べまして、四十七年中の供給量、これは十万俵ばかりふえているわけでございます。四十万何千俵から五十万俵にふえております。にもかかわらず、その年を越したところで、にわかに商品取引所で急騰いたしました。それがとほうもない値段で、一万五千円近くまで一俵当たりいってしまいましたが、私どもも、実はこれについては非常にわかりかねる点がある。しかし、供給量を確保するという点では確かに多いのでございますが、需要の面で若干、絹そのもの全体に対する、生糸ですか、それに対する需要が強くなってきたのじゃないかという説もかなり有力でございます。需要の面で、これが右から左にさばけているという点からいえば、これは実需が伴っていたという面もありますが、しかしそれだけではこんな急騰は来たさない。これは明らかに先行き不安をあおり立てた行為がどこかにあった。特にそれは商品取引所において大きな仕手として登場したもの、一ヵ月の取引高が一年間の五十万俵に相当するというふうな、とほうもない投機が行なわれました。その投機をやった、だれがやったかという点は、これは必ずしも、絹について、生糸についていえば、商社とも限らない。大きい商社がおやりになったかどうかわからぬ。この辺のところは商社としては当然否定しておられる。そのほか、個人でも相当大きな金を動かしている。これはそういう投機資金というものは、かねてから、いろいろ吉野ダラーとか浪速ダラーとか言われる投機資金がありますが、東京あたりでも、兜町で非常な仕手株として騒がれるものの中には、そういう、個人であるかあるいは小さな企業、一見小さな企業なんですが、資金力としては非常に大きい、そういうものが投機専門に動いているという点がございます。そのあおりが、いろいろな商品市場に火が移ったといいますか、そういうことによる部分が、相場が短い期間に急騰した中には相当大きな影響を持っているのじゃないか。特に取引所における動向についてはそうである。いま、はしなくも先行きの輸入の見通しですね、国産についてはにわかにこれは増産もできないでしょう。そうしますと、輸入は中共がたよりになります。中国がたよりになりますから、そちらからの入手が順調にまいりますれば、これは不安がないわけでございます。ですから、その点、本来は私ども起こる理由がわからないのですけれども、どうもやはり中国が在庫の吐き出しを行なってしまったために、中国の生産力から見て、在庫の吐き出しを行なったために先行きいままでの量が確保できないのじゃないかというとしますと、そうすると、また、いままでの五十万俵が四十万俵台に落ちてくる可能性がある。そうすると、需要がもし減らない場合には先高になるのではないかというふうな説が唱えられる。私どもは、実はそういうことを調査する目的ではありませんけれども、どうもやはり今回の投機に関連いたしましては、一方には実需との関係で値上がりしたものがありますが、これを生糸の例で言いますと、実需の増加も確かにあったでございましょう。それに大きくプラスしたのが、大きな仕手と称するそれらの投機行為によってあおられ——あおった原因は、先行き不安があるというふうなことで、まあ非常にまことしやかに、私どもはそれがほんとうであるかどうか突きとめ得ないのですけれども、そういうことが先に流布されて、そして大きな金を持ってきて、ちょうどばくちでございますから、そういうことで押し上げられていった。したがって今度は、それは根拠が必ずしもありませんから、不確定でありますから、取引所において証拠金を、丸代金を取るというようなことになりますと今度は下降する。投機を封ずれば実際の需給と見合ったものになっていくんじゃないかと思うのでございますが、それらの政策につきましては、私どもの所管でもございませんので、まあこれは、実は私個人の感想をまじえて申し上げた次第でございますので、よろしく御理解願います。
○中沢伊登子君 商品取引所の問題も、私もちょっとだけ調べてみましたら、何とかすればじきにストップ高、それからまたその次はどうやらするとストップ安ということで、たいへん乱高下をやって、そこら辺がずいぶんでたらめだなということは多少は調べてみたんですけれども、相場のことは私よくわかりませんので。 ついでに、公取委員長にもう一つお尋ねをしたいんですが、それは先ほど大橋委員から西陣のネクタイの問題が出てまいりましたけれども、二月の末に四日間も休機をいたしましたね。こういう問題や、あるいは原料や品不足を理由にして、二〇%の値上げの価格協定を結んだようでございますが、これも独禁法に照らしてどういうことになるのですか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(高橋俊英君) その問題は、すでに私ども事件——事件というとおわかりにくいかもしれませんが、いわゆる独禁法違反の容疑として、これを事件として取り扱う審査を審査部でいたしております。
○中沢伊登子君 実は今度の商品投機の問題で、一番初め私どもの耳に聞こえてきたのは、この西陣のネクタイ業者のことでございました。そこでこれがまず初めでございまして、そのうちにどんどんどうも商品投機があったり、売り惜しみだの、買いだめだのといういろいろな問題が相当新聞紙上をにぎわしてまいりました。私どものほうでも二班に分かれて大手商社に調査に参りました。そのときに生糸について、たしか伊藤忠さんだったと思いますが、中共並びに韓国等々が自国の加工に踏み切ったために今後の輸出希望が薄れた、そのために地方機屋業者の買い占めが起こっているという御答弁であったと伺います。ところが、いまのあちこちのお話を伺っていますと、ちょっと何だか話が違うようなんですけれども、そこはどうなんでございますか。
○参考人(藤田藤君) ただいまお話しの、中国並びに韓国から生糸で日本へ輸出するのをだんだん製品にしてくるという傾向の問題でございますが、これは事実でございます。これは先ほど申し上げました輸入数字の、十六万とか十七万とかという数字の中には含まれておりません。これは生糸のほうの数字です。しかしながら、韓国、中国におきましては、できるだけ原材料で出すよりも付加価値を高めて出したい、輸出の売価をできるだけ高めたいというような意図から、相当強い制限がだんだん起こりつつあるということは、これは事実でございます。したがって、先ほど来のお話は、生糸に触れておりますので申し上げておりませんが、絹の裏地とか、あるいはまた表地とか、あるいは皆さまもよく御存じのあのしぼりとか、こういった付加価値の高い商品は、韓国あるいは中国からだんだん漸増してくる。したがって、日本の絹の需給を満たすということについては、原材料も少しふやしていかなければ、日本にたくさん中小業者の方がおられましてつくられますし、それから一方においては、そういう絹織物で向こうが出してくるものも買って、一緒にして供給を満たさなければ満たせないと、こういう状況にございます。
○中沢伊登子君 四月の十七日の毎日新聞の記事でございますけれども、衆議院の自民党の物価問題緊急対策本部の調査団が、横浜港の輸入倉庫二ヵ所の実態調査をしたときに、生糸や羊毛がどっさりあったという記事が出ております。これは三井物産、日綿実業、伊藤忠商事の依頼による輸入生糸が段ボール箱で天井まで積み上げられ、狭い倉庫に一ぱいあった。これは明らかに商社の思或買いによる買い占めだときめつけておられるようですが、これはどうなんでございますか。
○参考人(藤田藤君) その件に関しましては、私も毎日新聞であの大きな記事を見まして、その中に伊藤忠の名前が出ておりましたので非常に心配いたしまして、担当の部長、担当者を全部呼んで調べましたところ、現実には私ども、その御指摘の倉庫にありました品物は、天井一ぱいとおっしゃいますけれども、数量ではっきりいたしました。それは生糸のコリ数にすると二百二十俵でございます。それが全部国産の、日本の品物でございまして、輸入品ではございません。それは日本の生糸は三十キロずつ段ボールの箱に入っております。ですから二百二十というと四百四十個ほどの段ボールの箱が高く積まれておったと、積まれておった状況は私は存じませんが、そういうことの間違いだろうと思います。二百二十俵といいますと、私のほうは一ヵ月間に相当の、大体六、七千俵の生糸の取り扱いをいたしておりますので、ほんのわずかな数字に該当するものでございます。 それからなお、輸入品は、あの新聞には輸入品と書いてございました。輸入品ですと、六十キロずつ木の箱に入っておりまして梱包が全然違いますので、国産品の間違いだろうと思います。
○中沢伊登子君 そこでお尋ねを申し上げたいのは、一昨年の繊維の不況のときに、商社は業者の系列化を進めてこられたようでございます。すでにそれは業界の三〇%以上にも達していると言われておりますが、事実でございましょうか。それは伊藤忠さんだけでなくて、商社と業者の系列化、御存じありませんですか。
○参考人(藤田藤君) いまの御質問は生糸に関してでございますか、それとも繊維関係全体についてでございましょうか。
○中沢伊登子君 大体繊維関係ですけれども、私のお尋ねしているのは大体生糸でございます。
○参考人(藤田藤君) 私どもの生糸は、先ほど来申し上げておりますように、相当量の取り扱いをいたしておりますけれども、取引の相手先はほとんど中小企業の方が多うございます。機屋を中心にして、そのほか生糸を使われるいろいろな業界がございまして、これらに対しては系列化というようなことは私ども一切いたしておりません。系列化という意味は、できるだけ私どもから買っていただくということでございまして、しかも相当長期の手形をもって、そういう資金的な面もお助けしながら買っていただく、こういう商習慣になっておりますので、先ほどもちょっとお話がございましたように、中小企業が非常に痛むというような心配が起こりますと、一番心配が大きくなるのは私どもでございます。いままでもそういうことで、ずいぶん中小企業の方を御支援したり、あるいはまた中小企業の方の倒産その他によって大きな被害を受けている。したがって、できるだけそれを防ぐために御支援をしていきたい、こういう関係でございまして、支配するとかなんとか、そういった意味のあれは全然ございません。
○中沢伊登子君 これは三月八日の朝日新聞なんですけれども、それに相当大きく書いてあるわけですね。それば「丹後の生糸にぎる商社」、これずっと中身を読んでおりますと、いろいろやはり商社の介入があったり、商社が糸をあげるから、そしてこれで織りなさいと、それで原反ができるとそれを必ず買ってやると、こういうようなことを言っているということがここにも書いてあるし、実は私のほうでもそういう話を聞いてまいりました。そして、この質問をいまするわけでございますけれども、そういう事実はあまりないということでございますが、そこでもう一つ公取委員長にお伺いをしたいんですが、実は私どものほうの信頼すべき筋からのこれは話なんです、いまの話はですね。いわゆる系列化が進んでいるというような話は、私どものほうにも実は繊維関係の議員もおりますので、そういう人の話というのはおそらく私は信頼していいかと思います。そこで、今回の商品投機問題と関連して、六大商社は関連会社の系列支配の手段として、これらの会社の株式を取得しているが、この実態を公取はどのように把握しているか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(高橋俊英君) 公正取引委員会は、独禁法第十条によりまして株式保有の状況を、現在では決算期以後二ヵ月以内に全部報告させる一ただし全部ということではございません、ちょっと訂正いたしますが、まず持ち株率が五%をこえる会社については全部を報告させることになっている。それから記載事項といたしましては持ち株数、持ち株率、対前期比、増減等を書かなければならない。これはただし資産が——これは資本金じゃございません、資産が五億円超で、そして持ち株率一〇%超の会社にありましては、役員人事の関係はどうか、親会社との競争関係はどうかと、取引関係、それから持ち株の理由、こういうものを全部記載させることになっております。それをこちらのほうで、専門の担当官がおりまして、その理由等を見ながらその支配関係なり何なりが不当なものではないかどうかということを調べております。 ただいまの御質問のうちで、たとえば公開されておる——一方でもって有価証券報告書のほうでも記載をしなければならない義務の範囲がありまして、これはたとえば五〇%超のものは関係会社として有価証券報告書に記載しておりますから全部それが表面に出ております。別に特別な調査をなさらなくてもこれは公開されておるわけでございます。それから一〇%超でありましても取引関係があって支配関係があるものは書けということになっておりますし、なお投資会社については別途非常に小さな比率ですが、親会社資本金の〇・二%以上のものは記入しろとなっており、これは有価証券報告書に基づく株主保護の立場からのものでございます。私どものほうのは独禁法の面からこれらの株式保有状況を常に監視しておりませんと、株式保有を通じて一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合これは私的独占になりますので、そういう場合にはこれを排除しなければならないという観点からその目的でやっております。 ちょっと繊維についてだけ六社の分を申しますと、いまのうちで一〇%をこえる——五%じゃありません、一〇%超のものを六社が持っている総数は百十二社でございます。一社平均まあ二十社足らずということになりますが、それからその内訳としまして、五〇%超の会社の数を調べてみますると、ほぼこれは各社とも、六社とも平均しておりまして十九社でございます。一社だけが四社でありまして、他はすべてこれ三社ずっと偶然にもそういう数字になっております。
○中沢伊登子君 商品投機のあの生糸や綿布の一番ネックになっているのは、私はこの大手商社が自分のもとに系列化した業者を置くという、これが一番ネックではなかろうかと実は考えているわけですが、この点について経企庁長官は何かおっかみでございますか。
○政府委員(高橋俊英君) 私ども、いまこの四十条に基づきまして調査をしている過程におきましても、その子会社を使って偽装している点はないのかどうかという点まで突っ込むように担当官には指示しておりましたが、しかし、なかなかその点は非常にこまかい分類に入りますので非常に把握しにくい、いわばこちらが強制的に立ち入り検査をして、必要なものをいただいてきて調べるならいいですけれども、全部の資料の提出を求めて、向こうでつくってきたものをこちらで見る、そうして供述も、全部事情聴取しておりますが、供述もこちらに呼んで調べるというやり方でありますので非常に手ぬるい感じがいたします。 そこで、これらの関係会社が——関係会社と言ってもよろしかろうと思いますが、こういう役員等を兼任しているものもありますので、そういうものを一たとえば、これは株式としてはあまり大きな会社じゃないんです。一〇%超の会社は、一つ一つはどちらかというと小粒の会社が多いんです。だけれども、非常に金融が超緩慢な時期におきまして、これは融資という形で、あるいは融資ではなくても手形その他の操作によりまして、その子会社に現物をいろいろと扱わせることも——これは推測でございます、私がそこまで言うのは言い過ぎかもしれませんが、金融的な関係によっていろいろ使い分けをするということは不可能なことではない、その程度しか私はいま申し上げることはできないのであります。
○中沢伊登子君 ほんとうは時間があればこの生糸だけではなくて、そういうやり方をしているという問題は、実はブロイラーの会社だの、いろんなところからも陳情がきているわけです。それですから、時間があればそういうことも突っ込んでみたいんですけれども、きょうは生糸だけにしぼっておりますので、もうこれ以上はその問題に触れないと思いますが、せっかく小坂長官が来ていてくださるので、ひとつ最近の庶民の生活について、もう一つだけお伺いをしたいと思います。 それは、このごろちょっとした着物を着て奥さんがどっかへお使いに行くと、そういうときには大体着物から、帯から帯あげから、それからぞうり、それくらいを足しますと、大体三十万円から七十万円くらいのものが身につけられるそうです。それくらい着るものが上がっているわけですね。そうしますと皆さんが、奥さんが歩いておられると、あれは三十万円が歩いている、五十万円が歩いている、あら、あれは七十万円が歩いているんだと、こう言われるそうでございます。そこで、一体勤労者の平均月収はいまどれくらいになっておりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、私この間テレビを見て非常に驚いたんですが、結城という着物がありますね。これは幾らかという——私は全然わからなかったんですが、百三十万円と言っていました。私は非常に意外に思いまして、こんなべらぼうな高いものをだれが買うんだろうかと非常に驚いたんでございますが、いまの奥さんが買いものに行くのに七十万円の着物、ぞうりをつけていくというのは私にもちょっとよくわからないんでございますが、まあ私の立場からは、どうぞそういうむだなことはなさらないでとお願いしたいと思います。毎勤の統計がございまして、いま非常な勢いで上がっておりますんですけれども、非常な小規模事業の雇用者、これと大規模の経営されているところの従業員との格差というものが、非常に最近縮まってきておることは事実でございます。私はちょっと正確な数字を持ちませんので事務局に言わせますが、ボーナスについてだけここに持っておりますが——四十七年度平均で九万八千五百二十八円、これはボーナス込みで。これは調査の対象は常用規模三十人以上の事業所ということになっております。なお補足して御説明いたします。
○政府委員(小島英敏君) 以上のとおりでございまして、特に新しくつけ加えることはございません。
○中沢伊登子君 もう二問だけにしますから。 そういうようなのが実態でございます。結城の百三十万円もするというのを買えるのは一部の方でございましてね。昔めいせんなんというのは、ふだんいつでも家で着ていたものです。そういうものを着てすら三十万円が歩いていることの、五十万円が歩いていることの、ということになるんで、ほんとうにこれはたいへんなことだと思います。 そこで、まだ少しあるんですが、時間が来てしまいましたからもうこれでやめますけれども、たいへん立ち入ったことをお伺いして恐縮でございますけれども、先ほども過剰流動性のことがずいぶんいろんな話題になっておりました。私どもも多少このことは心得ているつもりでございますけれども、これはやっぱり信頼すべき筋からの情報でございますけれども、去年の夏ごろから、円の再切り上げは必至と見られて、商社では為替レート二百八十円で取引をしておった、こういううわさを実は聞いておるわけでございますが、これの真偽のほどを御答弁いただきたい。
○参考人(藤田藤君) 為替が、非常に先行き円が高くなるだろうという趨勢は昨年の秋ごろから起こってまいりました。したがって、その当時から日本は、御承知のように基準レート三百八円というのを一昨年設置しました。そうして、それには上限下限がございまして、大体円が高いという情勢でございましたので、三百一円の下限に大体もうついております。しかしながら、それはスポットでございまして、私ども商社が輸出の成約をいたします場合は、大体二月、三月、またこれは繊維にしぼって申し上げましても、大体長いのになると数ヵ月後の成約をいたします。そうして、注文を受けていろんなものをつくるわけですから、そういう数ヵ月後の、今度は為替市場をお調べくださいますとおわかりのように、そのころはやっぱり二百八十円ぐらいになったり、あるいはまた、それでも為替の予約ができない時代がございました。私どもは成約いたしますと、為替が非常に危険な状態になってまいりましたので、そのつど二百八十円で——成約したときには二百八十円のそのレートで全部それを予約しております。したがって、それがその後に早く出て、そしてもし三百一円で何しましても、もうすでに二百八十円で予約しておりますから、その分に対する不当な利益というものはほとんど受けておりません。われわれ商社はどうしても輸出では非常に為替の変動あるごとに損が大きゅうございます。前回の、一昨年の暮れには非常に大きな被害を受けました。ところが今回は——今回というのは、ことしのあれに対しましては、比較的それが非常に軽微だったという理由は、いま申しましたように、用心して、そうして予約をずっとやってきたことと、いま一つは、私ども輸入を拡大せにゃならぬような日本経済の状況になってまいりました。輸入を相当ふやしてまいりましたので、このほうでは逆にそれが幾らか損を軽減するということになったと思います。
○中沢伊登子君 最後に。 これは今度私のほうの要望をさせていただきたいと思います。それはこの間、三菱商事がつい最近に襲われましたね。あれは、私どもはひょっとしたらああいうことがあるだろうということは予想をしておりました。なぜかと言えば、消費者は大手商社のことをたいへんきついことばで言っております。札束暴力団大手商社組だ、まあこういうふうに消費者はほんとうに言っているんです。そうしてこの間、三菱のああいうことがあるかもしれないというのは、国鉄の順法闘争が先ごろあれだけ続きまして、ついに上尾駅の事件が起こりました。乗客にもがまんの限度があるということでああいうことが起こったわけですけれども、こういうふうな商社をあだ名で呼ぶような状態が続きますと、消費者にもがまんの限度がある、こういうことを盛んに消費者の方々も言っているんですけれども。そこで、利潤追求を第一とするのは商社の常識かもしれません。ところがもうけのためには、国の中でも国外でも手段を選ばずに強引な商法を展開することは慎んで、企業モラルを重んじてほしいと私ども思っているわけですね。 最近、オーストラリアやマレーシアや、あるいはシンガポールで、あちこちで日本の商社の買い付け方がすさまじいので、現地でたいへん不快な感情問題になっていると聞いております。日本のイメージを著しく傷つけていることは御承知のとおりですが、日本人同士の過当競争が、原産地にまで物価の高騰を招いたり、あるいは物資不足で悩ませたりしないように、十分この点をお考えをいただきたいというのが私の最後のお願いでございますが、ずいぶん前に聞いた話でございますけれども、ヨーロッパに行っておりますと、たとえば日本の商社なら商社が行っていろんな買い付けをしますね。そのときに、いまこれに手を出すとあぶないぞというときは、外国の方はみんなお互いに目くばせをしながらさっと手を引くと。ところが日本ではそうではなくて、自分だけ引いて、日本の同じような商社の方が一商社そこにひっかかって相当損害をしたりなんかすると、むしろうしろで舌を出して、それみたことかということで自分だけ危害を免れていると。こういうのは何と日本人はいやらしいなという話を、ずいぶん私実は前に外国にいる人から聞いたことがございます。 こういうことですから、商社もこの辺でイメージをもう少しアップしてもらうように御努力をしていただきたい。釈迦に説法みたいなことですが、これを要望して、私の質問を終わらしていただきます。
○渡辺武君 私は、いま非常に深刻な問題になっております住宅用地の問題を中心に土地問題、地価問題について、幾つか伺いたいと思います。 本題に入る前に、不動産協会の江戸さんに、予備的に二、三伺いたいと思います。 いま、日本不動産協会の会員はだいぶふえているようでございますが、何社くらいおられましょうか。
○参考人(江戸英雄君) たしか百八十二社と思っております。一、二社あるいは出入りがあるかもしれません。
○渡辺武君 日本のおもな不動産業者が、ほとんど全部加盟しているんじゃないかというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。おもなもので加盟していないものがあったらおっしゃっていただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) 仰せのとおり、大体加盟しております。ただし、最も大手でございます私鉄関係——私鉄各社並びにその子会社の関係不動産会社が、別途に地域開発の団体を今般つくることになりまして、これが二十五社でございます。もっとふえるかもしれません。そういう情勢でございます。
○渡辺武君 いまの私鉄関係の人たちは、その日本不動産協会から脱退するわけですか。
○参考人(江戸英雄君) 脱退するわけではございません。オーバーラップいたしますが、しかし地域開発問題については専門の別団体でございます。ちょうど、いま高層住宅協会というものがございます。これが不動産協会に加盟いたしておりますが、オーバーラップして別途の、専門のいわゆる高層住宅関係の協会をつくっておりますが、それと同じような関係になります。
○渡辺武君 最近、商社だとか、あるいはまた鉄鋼メーカーだとか、あるいはまた繊維産業だとか、いままで不動産業に手を出したことのないようなところが、宅地を含めて土地買いに広範に乗り出しているという実情でありますけれども、こういうところも加盟はしておるわけでしょうか。
○参考人(江戸英雄君) はっきりした記憶はございませんが、加盟していないところもあると思います。たとえば三井物産——三井物産はあまり土地はやっておりません。商社関係ないし大会社でもって、直接に不動産を扱っているところでは加盟していないところあるかもしれません。はっきりいたしません。
○渡辺武君 なお、もう少し予備的なことを伺いたいんですが、売り上げ高や使用総資本などから見て上位十社、これは一体どんなところがございますか、加盟団体の中で。 それから各おもな不動産会社は、それぞれグループをつくっているというふうに考えておりますけれども、そのおもな上位十社とそのグループですね、これの構成会社、この辺をちょっとおっしゃっていただきたい。
○参考人(江戸英雄君) ちょっとこれ、不動産協会の調査役が参っておりますから答えさせます。——上位十社と申しましても、ちょっと判断の材料がむずかしいということでございますが、大体私が判断いたしまして、そうずば抜けて大きい——不動産業と申しましても幾つもございます。いろんな種類がございまして、オフィス・ビルをやるビル業、それからアパートをつくる中高層住宅業、ないしは土地開発をやる、住宅地供給をするところ、あるいはしゅんせつ、埋め立てをやって土地を造成する、各種の内容がございます。その全部をひっくるめて、売り上げ全体としてどのくらいかということですと、あるいは調べると出るかもしれませんが、まあ大体売り上げで一番大きな、主要なあれでございますと、ビル業といたしますと、三菱地所が世界一でございます。総合的な売り上げ高は、私のほうが若干上かもしれません、現在では。それから東急不動産、あとは東京建物とか、大阪建物、野村不動産、住友不動産というようなところがございますが、不動産業者はわりあいに規模としては小さいんでございます。そして、序列におきましても低い序列にあります。それが十年前に不動産協会をつくりまして、大手各社をはじめ三十八社、いま百八十社をこえたわけでございますが、比較的大手が結成したということでございます。
○渡辺武君 それでは、次に読み上げる会社は不動産協会の加盟会社かどうかおっしゃっていただきたいと思うんですが、東京急行、それから西武鉄道、京王帝都、京成電鉄、小田急電鉄、京浜急行、これはどうでしょうか。
○参考人(江戸英雄君) 東急はメンバーでございます。西武もメンバーでございます。京成も、それから京急は不動産部門が入っております。あと二つは何でございましたか。
○渡辺武君 あとは京王帝都、小田急。
○参考人(江戸英雄君) みな入っております。
○渡辺武君 それでは、まことに恐縮ですけれども、私ども今後の調査の都合上、あなたのところの会員名簿ですね、これをいただきたいと思いますが、いただけますか。
○参考人(江戸英雄君) けっこうでございます。
○渡辺武君 それでは本題に移りますけれども、最近の地価の高騰は、私が申し上げるまでもなく、もうよく御存じのとおりだと思うんです。この間、地価公示価格の発表もございましたが、全国平均で三〇%を上回っておる。特に首都圏では五〇%から七〇%というようなところも随所に出ているというような状況でありまして、自分のマイホームを持ちたいという庶民の夢がますます高ねの花になってきつつあるということは、これはもう私が申し上げるまでもないことだと思うんです。はたしてこの異常な地価高騰の原因がどこにあるのか。これを江戸さんはどんなふうにお考えになりますか。
○参考人(江戸英雄君) 私は、この一年来の地価の高騰のおもな原因は、資金の過剰流動性にあると思います。さらに、住宅地の値段、これはずっと昭和三十年来平均して一〇%ぐらい上がっておりますが、結局これは需給のアンバランス。供給が少ないところへもってきて、国民所得が上がって需要が非常に多い。しかも大都市に集中する。したがって、都市内外の住宅、ないし住宅地に対する需要が非常に大きい。これに対して供給がこれに伴わない。そういう情勢にあるところへもってきて過剰流動性が出た。銀行が金を出す、返すと言っても受け取らぬ、もっと使えと言う、そういうようなのが一時の状態でございます。これが一般のいわゆる専門の不動産会社以外、まあ一億総土地買いというような形で全国的に底が上がったと、こういう状態ではないかと思います。
○渡辺武君 伺っていて、私は非常に意外な感じがいたします。なぜかと申しますと、最大の根源は、最も事情に精通していらっしゃるはずのあなたが述べておられるという点が非常に意外です。どうでしょうか。あなたの団体に加盟している不動産会社、大手が多いとおっしゃいましたけれども、まさにこの大手不動産会社の大量な土地買い占め、これこそが、いまおっしゃったような過剰流動性、あるいはまた都市における需給のアンバランス、これを奇貨として猛烈な勢いで進んでいる。ここに地価の高騰の最も大きな原因があるんじゃないでしょうか、どうでしょう。
○参考人(江戸英雄君) 先生のおことばでございますが、私は、大手の業者だけの問題でございませんで、全国的に不動産業者が御案内のように七万ないし八万ございます。その半分が個人でございます。それで、その多くはいわゆる取引仲介でございます。こういう人たちがだんだん全国的に実力がついてきて、それで金融の余裕も出てきた、信用もついてきたということで全国的に土地を買い始めた。ですから、大手業者だけのあれではございませんで、全国のみんなが一億総土地買いをやったという、こういう点に私は原因があるのではないかと思います。その点先生と多少見方が違います。
○渡辺武君 私も大手不動産会社だけだというふうに言うつもりは少しもございません。しかし、最大の根源、これは大手不動産会社にあるのじゃないか、その土地買いにあるのじゃないかということを申し上げている。その点はどうですか、重ねて伺います。
○参考人(江戸英雄君) これは私、的確な数字を持っておりません。この百八十社がどの程度買ってどういうふうにしたか、ないし、全体の土地買いがどういうふうであったかという数字を持っておりませんが、先生の見方と多少私は違いますが、全国的な一億総土地買いという状態、これと過剰流動性、ここに私は原因があったんではないかと思います。
○渡辺武君 それでは申しますけれども、私が各社の公式に発表した資料によって大まかに計算した数字を申し上げてみたいと思うのです。先ほどの予備的な質問で、これが全部日本不動産協会に加盟している会社だということが明らかになっております。三菱地所、三井不動産、住友不動産、東急不動産、東京急行、西武鉄道、京王帝都、それから京成電鉄、小田急電鉄、京浜急行、東武鉄道、この十一社、これが四十七年九月末現在で販売用の土地をどのくらい持っているか。値段にしますと五千三十二億円です。面積にいたしますと、これは価額だけ発表して面積を発表していないところがありますので、同じ種類のたとえば京王帝都ならば、西武鉄道と京浜急行などが面積と価額を両方発表しておりますので、その辺から内輪に推計したものです。これを申しますと、これを含めて、ですから全体としては推計ということになりますけれども、この十一社の販売用の土地の面積の総計ですね。これが一億三千八百万平方メートルに及んでおります。これは大部分が首都圏内のものであります。大体八割から九割、この合計の。私鉄各社は自分の私鉄の沿線、これを買いあさっておりまして、たとえば東京急行の場合だったら神奈川県の三浦地区、あるいはまた千葉県の房総地区、ここが販売用土地の中心になっております。あるいは東急不動産の場合で申し上げますと、千葉県、神奈川県、埼玉県、この辺が最大の重点になっております。このようにして、大体これはもう首都圏にある。しかも、販売用の土地であって、別に宅地に極限されているわけじゃないけれども、しかし、ほとんどこれが宅地だということを推定し得る根拠がある。それは公表された資料からそういうふうに判断できるわけであります。時間がないのでこまかい内訳を申すことはできません、残念ですけれども。しかし、一億四千万平方メートルに近い土地がわずか十一社の手にある、販売用の土地として。これはたいへんなことだと思う。いま国会で宅地並み課税が問題になっております。首都圏内のA、B農地——宅地並みに課税をして、無理やり土地を放出しなければならぬと、いわばそういう方向に強制されている農民のA、B農地、これは全体でどのくらいあるのかといえば大体一万ヘクタール。平方メートルでいえば一億平方メートル程度。それ以上の土地が、宅地として利用できる土地が、わずか十一社の手に握られている、これが実情です。私はこれこそが住宅不足、地価高騰の最大の根源になっているんじゃないかと思いますけれども、江戸さんの御見解どうでしょう。
○参考人(江戸英雄君) 私は、私鉄各社、これは大体現在の料金では、本業は全部赤字でございます。そういう関係で、これはもう宿命的なものでございます。そこで土地を開発する、その利益でもって補っていると、これが現状でございます。そういうことで、私鉄各社は昔からこういう土地は多いのでございます。それから後発、われわれも後発でございます。これは大体私内容をよく知っておりますが、これはもう持っている土地は全部開発目的を持っている。ただ、御存じの市街化調整区域、市街化調整区域内に——首都圏内におきましても、不動産協会全体の実態調査をいたしますと、調整区域内に約五〇%くらいの土地を持っています。これはいわゆる線引き前に大体買ったものです、線引前。昭和四十四年の都市計画法、あの前に買ったものです。これは御承知のように開発を押えられております。各社といたしましてはむしろこれは手放すと、こういうふうな現状だろうと思いますが、そういう状態なんでございます。そこで、私はこの十一社が買いまくったことが最大の原因ということには、どうも先生の御説明は私賛成できないのでございます。
○渡辺武君 そういうことをおっしゃっておられたら、国民は納得しませんよ。あとから私実例を申しますけれども、なお一、二の数字はぜひ江戸さんに聞いていただかなければならぬと思う。 最近わが党が首都圏、その中でも千葉県と埼玉県と神奈川県と、それから東京都の中でも八王子、町田、青梅と、この三市、これだけを限って、そうして宅地を造成すると目的で企業が買いながら、しかも一回もブルドーザーを入れていないという土地がどのくらいあるのかといって調査いたしました。その結果、約二万ヘクタール、つまり二億平米、これだけの土地が一回もブルドーザー入れられないで遊んでいる、そういう事実が判明いたしました。 また、これは宅地だけではございませんけれども、最近共同通信社が調査して、三月末現在で調査した企業の土地買収状況というのがあります。これによりますと、全国で三十六万三千五百七十ヘクタールが企業の手に買い占められている。三十六万ヘクタールですよ。全国土面積の〇・九六%に及んでいる。その広さというのは、奈良県あるいは埼玉県の全面積にほぼ匹敵する。そうして、これを買っている会社上位十社が出ておりますけれども、西武グループ、東急グループ、三菱グループ、三井グループ、江戸さんの三井不動産もその中に入っておりますわ。その他、これ全国にわたって土地を買っている。そうしてこのことが、これが従来は大都市圏で最も急激であった地価の高騰が、いまや日本全国に広がっている。日本全国総地価高騰という状態になっていることが最も根本的な原因です。これは衆目の見るところですよ。先ほど江戸さんは、一億総土地買いだというふうなことをおっしゃったけれども、まさにその一億総土地買い、かりにあなたのおっしゃることをいただいたとすれば、その先頭に立って最も大量に、最も徹底的に買い占めている、これはまさに大手不動産業者を中心とする大企業じゃないですか。どうですか。
○参考人(江戸英雄君) 先生のおあげになった数字のことにつきましては、私どものほうでもひとつ調査をさせていただきたいと思います。 ただ、申し上げたいと思いますことは、私どものように開発を目的とする業者は、必ず開発目的を持っております。それで、現在御案内のような開発規制、あるいは金融規制、あるいは税制、こういうようなことで、いわゆる住宅地として開発できないところ、ないしはレジャー用地、セカンドハウス用地、こういうところでやれないところ、いやむしろレジャー用地、セカンドハウス用地すらもまとめて売りが出ております。したがいまして、値段は下押しになっております。ただし、住宅地それ自体は下がりません。これはもっぱら需給のアンバランスが認めておるところでございます。先生の御質問にあるいは多少ずれるかもしれませんが、そういうふうな情勢でございます。
○渡辺武君 需給のアンバランスを盛んに強調されておりますけれども、まさにその需給のアンバランスをつくり出しているのがあなた方じゃないですか。たとえば先ほどちょっと申しました数字の中で、東急不動産の例をあげてみましょう。東急不動産は、これは一千七百五十九万平方メートルの販売用の土地を持っております。これだけの土地を、これを何年かかったら一体販売できるのか。開発目的を持って買っているのだと言う。しかし、一体何年かかってこれを住宅用地として販売できるのか。たとえば、私調べてみました。東急不動産、四十六年の下期、つまり四十六年の十月の一日から四十七年の三月三十一日までに、東急不動産が販売した土地の量、これは四十六万一千九百六十平方メートル。それからその次の期の四十七年の上期、つまり四十七年四月一日から九月の三十日までの期間、売ったのは三十五万三百四十八平方メートル。合計すると八十一万二千三百八平方メートル、一年間にこれしか売っていない。いいですか、一年間に八十一万平方メートルしか販売していない。一方では、いま申しましたように千七百五十九万平方メートルもの販売用の土地を持っている。これで、単純に計算しても二十二年分の土地をかかえ込んでおるということになります。割ってごらんなさい、そうなります。こんなことをやっているから宅地のほしい人にも宅地が手に入らない。そして、買い占めをどんどんやるからして周辺の地価はぐうっと上がってくる。公示価格が暴騰するのは当然のことですよ。そして、地価の値上がりを待って販売する。たいへんなもうけがころがり込むという仕組みになっているんじゃないですか。どうですか。一体何年分ぐらいの土地をかかえ込んでいるんでしょうか。
○参考人(江戸英雄君) 開発のために……、東急不動産の場合は、これは特別多いと思います、しかし、公団ですら八年分くらい持っております。それは総計いたしますと八年分でございますが、面積だけで見ますとそうなんでございますが、大きな、たとえば二十万坪、三十万坪まとめるには少なくとも三年、五年かかる。それで、虫食い状態も全部まとめないと開発できない。開発の可能性が出てきても、今度は許可に手続が要る。あるいは公共、公益施設を分担、負担させるとか、そういうことで、どこも要するに開発業者は土地を原材料として、それを原材料として住宅地をつくるわけでございます。いまおっしゃられました東急不動産の例は、確かに非常に多過ぎるような感じがいたしますが、いま申し上げましたように、公団ですら累計いたしますと八年分くらいのものを持っている。それが全部がすぐ開発できるということではないわけであります。開発業者としましては、できれば一刻も早く開発したい、製品化したい、そういうのが全体を通ずる希望であります。利子負担でもって非常にまいっているというのが現状であります。市街化調整区域に大きなものをかかえ込んでいて、それで非常に閉口しているという実例はたくさんございますが、できれば一刻も一早く開発したい、そして供給したい、これが現状でございます。
○渡辺武君 そんなこと言ってだれが一体信用しますか。できるだけ早く供給したいと言ったって、それぞれの会社に土地の造成能力の限界がありましょう。一年間に、これでいえば一千七百五十九万平米も造成して、放出できますか。しかも、その上にどんどんどんどん買っているじゃないですか。そうでしょう。私はいま二十二年間と申しましたのは、これから先一坪も土地を買わなくても、現在の手持ちの土地を造成して、現在の、おそらくこれは何でしょう、東急不動産の能力一ぱいで売って、そして年間に、さっき申し上げたような数字の販売しかできないという状態だと思う。この需給関係の逼迫したときにですよ、フルに回転してもそういう状態だと私は思う。いまから数年前に、あなた方が首都圏の分譲住宅用の土地、これがどのくらいあるかというのを発表したことがございました。そのときにある専門家が、西武鉄道の所有地が大体一千万平米ある、そして西武鉄道の年間の土地造成能力は大体三十万平米だ、それから考えてみれば三十三年分の土地をかかえ込んでいる、こういう計算をいたしましたよ。いま私があげた数字もほぼそれに近い数字、たいへんな買い占めをやっているじゃないですか。幾ら良心があるようなことをおっしゃったって、この現実を見れば、あなた方が土地の買い占めにより地価を暴騰させている最大の元凶だということが明らかじゃないですか。しかも金利負担が多くて困るなんておっしゃるけれども、そんなことはないでしょう、どうですか。 私、ここに日本銀行の主要企業経営分析というものを持ってまいりました。これはあなた方が公表した数字に基づいて計算したものですけれども、ここでこういうことはちゃんと数字が出ている。売り上げ高純利益率、全産業の場合には大体昭和四十六年の下期で二・七二%、製造業の場合には三・六四%、ところが驚くなかれ不動産業、これは五社を平均したものでございますが、一四・九%というものすごい高率、庶民が住宅用地が高くて困っている、それに乗じて高く売りつける。買い占めて地価を暴騰さして、それに乗じて高く売りつけて、猛烈な利潤をあげていることがはっきりとあらわれているじゃないですか。これでいまの地価暴騰の責任はないというようなことを言えますか。
○参考人(江戸英雄君) 私、責任がないと申し上げたわけではございませんで、ただ、大手不動産業者だけがそういう責めを負うことはない、これは一般的な問題ではないかというふうに申し上げたわけでございます。 それから開発能力をはるかに越える土地を持っているじゃないかというようなこと、これは一部にそういうふうなことがあるかもわかりませんが、現在では、私の知っている限りでは全部買収はストップであります。それから買いかかったやつも全部ストップ。御承知のような土地税制で、これは開発利益が出ました場合には、税金としては重課されるということになっておりますし、もう一つ金融の問題の両方から現在ではストップ。それのみならず、北海道とか東北に持っておる広大な土地が相当売りに出されておりまして値下がりの状態にある。住宅地だけはまだそういうふうになっていない、そういう現状でございます。
○渡辺武君 土地を買わないようにする、放出をいま急いでおる、あっちこっちでは地価も下がり始めた、けっこうなお話を伺いましたけれども、これはほんとうのことだろうか、私は失礼だけれども、まゆにつばをつけて聞かざるを得ないと思いますね。いま私はここに、大手不動産会社が先頭に立って猛烈な土地買いをやっておるむちゃくちゃな実例をたくさん持ってまいりましたが、もう時間がほとんどなくなりましたのでそれに触れることはできません。しかし、江戸さん御自身だって、むつ小川原地区でもってどんなことをやったのか、御自分の胸に聞いていただきたいと思う。たいへんなことですよ、これは。 私は、とにかくこの大企業の土地買い占め——大企業だけじゃない、大手不動産業界だけではないけれども、多少は責任があるようなことをおっしゃいましたので、江戸さんにぜひお願いしたいと思うんですけれども、国民にこの土地買いの実態ですね、これを公表することが私は必要だと思う。そうしてはじめて、あなた方がほんとうにこの地価の値上がりを押えようとしているんだ、良心を持って自分たちのやったことを国民の前に明らかにして、国民とともに解決しようとしているんだということが私はわかると思う。 そこで、この委員会にぜひ次のような資料を出していただきたいと思うんです。 一つは、あなたの会員の会社ですね、これの全国都道府県別の所有地の総面積と、そうして価額、これを出していただきたい。特に所有地というものの中には営業用の土地ももちろん含めていただきたい、販売用だけではなくして。販売用、営業用別に分けて、含めていただきたい。それから使用目的別に分けていただきたいと思います。その使用目的の中で特に住宅用地、それから、まあ住宅用地の中には宅地関連施設ですね、これらも含めてけっこうでございますから住宅用地、それからゴルフ場、それからその他のレジャー用、それからマンション用、それから工業敷地用、それから自分の会社でお使いになっている自社用と、そのほかにあればその他、というような項目で、面積と価額をぜひ出していただきたいと思う。それからその中で特におもな会社十社ですね。これは私がさっき申しました共同通信の資料でかりに申しておきますけれども、西武グループですね、このグループの構成は皆さんのほうがよく御存じかと思いますので申しませんけれども。それから東急グループ、三菱グループ、三井グループ、それから名鉄——名古屋鉄道ですね、名鉄グループ。それから伊藤忠グループ、それから大和ハウスのあの大和グループ、それから丸紅グループ、それから藤田グループ、それから近鉄グループ——近畿鉄道ですね、近鉄グループ。大体こんなところを分けて出していただきたいと思います。いただけますか。
○参考人(江戸英雄君) ただいま先生おあげになった程度でございましたら、特に頼んでみようと思いますが、全部にわたって必ず差し上げられるかどうかちょっと——それほどの統制力がございませんから、ちょっと私、ここではっきりお約束できませんけれども、とにかく依頼はいたします。 それから先ほど、むつ小川原のほうのことをちょっとほかの先生から御質問ございましたので、簡単にお答えしたのでございますが、私は五年ほど前に、これはちゃんと関係当局と打ち合わせをいたしまして適正な使用目的と適正な開発目的、それで、これは全面的に将来組織ができた場合には供出すると、こういう約束でやったのでありまして、現在提供いたしておりまして、私はこれについて大規模な、大幅な利益を得るという意思は全然ございません。これだけ申し上げておきます。
○渡辺武君 時間が来ましたので、じゃそれは先ほども大橋委員でございましたか、文書で出してくださるというようなことですので、私にもひとつ検討させていただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) はい。
○渡辺武君 最後に、私、きょうここでこういう問題をいろいろ伺った最大の理由ですね、これは庶民に一日も早く住宅用地を供給してほしい、その願いから出発しているわけであります。 ところが、いま申しましたように、いや宅地にするのを急いでいるのだとおっしゃるけれども、それぞれの会社には宅地造成能力の限界があって、結局のところたくさんの土地をかかえ込んでおかなければならぬような事態になっている。かりに良心的だと、百歩譲って、千歩譲ってそういう見地に立って見たところで、客観的な事実はやっぱり買い占められているという、そういう状態。これを一日も早く放出してもらわなきゃならない。安い値段で放出してもらわなきゃならない。私どもは不動産業者を中心とする大手企業の買い占めた土地、特に住宅難の激しいこの大都市圏では、これは地方自治体などが適正な値段でこれに収用措置を発動して、そしてこれを住宅用地その他に利用すべきだというふうな政策を主張しておりますが、江戸さんはそういう措置を待たずして、会員の会社の方々が買い占めている、たくさんかかえ込んでいる土地を、この住宅難にあえいでいる市民のために安い値段でもって、造成してなくてもいいですよ、放出するお考えがありますか。 また、経済企画庁長官に伺いたい。宅地並み課税をやって、そうして一万ヘクタールそこそこのA、B農地を、農業をやりたいという意思を持っている農民にさえ高い税金をかけて無理やり農業から引き離す、こういうばかばかしいことをやって、大手不動産業界を中心とする大企業のこの膨大な土地買い占めにただの一言も触れようとしていない。しかも農民が土地を出した場合、不動産会社はそれを買う権利を持っている、権利というとおかしいけれども、自由を持っている。おそらく農民が土地を売り出したら、一般庶民の手には入らないでしょう。たちまちのうちに不動産会社が買いあさってしまう。こういうことであるから私どもは反対している。そういうような政策ではなくて、いま私が明らかにした、また江戸さんも半ば認められた大企業の買い占めた土地、これに収用措置を講じて、そうして公的な住宅の中心とする。しかし、同時に一般庶民個人が、自分のうちを建てたいという夢を満たすためには、個人にもその土地を安く分けてやる。こういうことをやれば、いまの住宅難なんか一ぺんに解消するんじゃないでしょうか。そういうことをおやりになるおつもりはありますか。先ほど私があげた約一億数千万平方メートルの土地、これで大体百万人以上の住宅難が解決できるんですよ。どうですか、おやりになるおつもりはありますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 国土の利用の問題は、マクロ的に見ると案外たやすいんであります。御承知のように、三千七百万ヘクタールある国土の中で、住宅用地というのはいま五十万ヘクタール、工場用地が十万ヘクタールということでありますから、それをかりにいま大都市に集中している人口がこのままの趨勢でふえていったとしても、これのやり方によっては収容できる。ところが、いまの異常な、これも土地についても仮需要と申しますか、そういうものがあって買い占めが行なわれていると、これは現実であります。それをどうするかということについて、御承知のように、本院に提案しておりまするが、国土総合開発法というものを改定いたしまして出しておるわけですね。それには土地利用基本計画というものをつけておるわけであります。そしてもっと計画的に土地の利用を考えていこうということでございます。 いま渡辺委員の言われることも、非常によく分析されて、つくべきところをついておられると思います。これをどうするかということで、渡辺委員はいみじくも自党の言っておられる農地の宅地並み課税といこう関連づけて、それの反対理由のようなことをおっしゃいましたけれども、私はあれはあれでいいと思うのですよ。あれといまのお話と両々相まっていくということはこれは可能でございます。あるいは私ども、庶民のための安い住宅をつくるという、それには土地問題の解決が先行しなければならぬ。先ほど建設大臣が言いましたように、働くまじめな人にマイホームの夢を失なわせちゃいけないと、これはもう政治の根本であるということについては、私どもほんとうにそう思っておるわけであります。その方法論について、いろいろ私ども誤りない方法論を考えていこうと、こう思っておるわけであります。
○参考人(江戸英雄君) 渡辺先生の御質問にお答えいたします。実は私、先般財界人と建設省幹部、大臣以下と懇談をいたしました。その際私は、住宅地を大量に出すというには、市街化調整区域の開発を促進する以外にないというようなことを申し上げたわけです。それに対しまして担当局長から、それは民間の持っているやつを民間人にやらせることは無理だと、公団か公社ならいいと、これは全く私の私見でございますが、それならば公団、公社に供出してもよろしいと、これは私の私見として。それがやはり早く住宅地を多く供給する手段になると思うんです。ただそれには道路とか、下水とか、上水とか、そういう公共・公益施設を、これは国ないし公共団体が思い切ってやるという必要がございますが、それと相まって、大量の住宅地が供給できるようになると思うのであります。 それからもう一つ、私は現在、東京の例を申しますと、たとえばあの戸山っ原とか荻窪あたりの土地に対する申し込みは千五百倍、荻窪は八千倍でございます。一面、埼玉県の奥のほうにあるこま川団地などは三分の一も入っていない、実際。そういう状態でございまして、どうしても東京の二十三区内に多くの住宅を、住宅自体を供給する必要がある。これは十分私、手があると思うんです。具体的な提案をいたしております。そうすることがやっぱり地価問題に対する一つの解決の手段なんであります。こういうふうに考えておるわけであります。 それからもう一つ、先生の先ほどおっしゃった、農地の宅地並み課税をやったら大企業がみんなそれを買っちまうというようなことをおっしゃられましたが、私の知っている範囲におきましては、少なくとも現時点において私の知っている範囲では、私はそういうことはやれないと思います。これは私の知っている範囲だけのことでございます。できないと思います。それだけのことです。
○柏原ヤス君 日本不動産協会理事長の江戸英雄さんに御質問いたします。 土地の価格の高騰の問題は、いろいろ問題が日本にはございますが、基本的な重要問題の一つであると思っております。あなたがこの問題に取り組んで、三井不動産の社長として、営利を目的とする企業の実務をリードされてまいりました。また、業界の理事長という要職の立場におられます。そうした江戸理事長に対して、貴重な御意見を伺わせていただきたいと思います。 まず、最近の政府の発表する土地政策、もうすでにごらんになっていると思いますが、その中の商社の規制の問題などについて、マスコミではずいぶんこれを取り上げて報道しております。このマスコミにあらわれた一つの雰囲気、これについて感想なりお考えなりを承りたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) 率直に私の考えを申し上げます。 私は、マスコミにあらわれておりますあの傾向につきまして、生活に非常に直結した物の値段——土地、住宅もその一つでございます。これに対する庶民大衆の怒りというものがマスコミに表現されていると私は思います。私も、実は戦後のこれはアップレでございますが、不動産業は。土地を供給し、住宅を供給し、あるいは埋め立てによって土地をふやすと、こういうことに大いに社会的意義ありと信じてやってまいったのでございますが、どうも土地を営利の対象にするということに非常な抵抗を感ずるようになりました。これは私個人でございますが、十分実はいま反省をしておるところでございます。これを率直に申し上げます。
○柏原ヤス君 なぜこのようなことをあなたにお尋ねするかと言いますと、ここにこういう資料がございます。これは「日経センター会報」の四月号で「政策シンポジウム・土地政策」という中で、あなた、江戸理事長はこのようにおっしゃっております。「私は土地政策大綱を通観し、また最近の新聞で見ると、商社の規制問題など全体がどうも感情的すぎるのではないかという気がする。それは内閣の姿勢そのものにあるのではないかと思うし、保守陣営の危機感というのが手伝っていると思うが、もう少し冷静に遠い将来をみた施策が必要ではないか」、こういうふうにおっしゃっております。この中でお聞きしたい一点は、「全体がどうも感情的すぎるのではないか」とおっしゃっておりますが、この「感情的すぎる」ということはどういうことなのか、もう少しお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) 確かにそのような趣旨のことを申し上げたこと、事実でございます。私が申しましたのは、やはりその土地問題、土地政策は土地を多く供給することが一面、さらにまた、いまの投機規制ということが他の一面。そういう意味においてのその後者におきましては税制、金融引き締、それから今度の国土総合開発法の改正と、こういう点がございます。後者につきましては、実は私ども、最近ほとんどこれは現実にはない。そこで私は、こういうふうに投機規制とか、金融引き締めとか、税制強化と、こういう面だけが強く打ち出されるということは、これは現実の土地政策の面からすればマイナスじゃないか。やはり何と申しますか、いまの世論といいますか、そういうものに非常に誘導されて、ほんとうに遠い将来を見た土地政策ということを考えますと、やはり土地自体を多く供給するというその面も取り上げて考えるべきじゃないか、それを一面だけが強調されている、こういう点におきまして私は「感情的すぎる」、こういうふうに申し上げたわけであります。
○柏原ヤス君 その中で「内閣の姿勢そのものにあるのではないか」とおっしゃっておりますが、この「内閣の姿勢」というものをどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○参考人(江戸英雄君) 内閣の姿勢と申しましょうか、政府の姿勢と申しましょうか、私どもの不動産業界の観測といたしまして、規制の面だけをきびしくしちゃっていると、非常な一種の危機感からそういうあれを非常に前面に強く打ち出しちゃっている、これは大きな意味の土地政策、住宅政策、地価対策の面からすればマイナスじゃないか、こういう意味でございます。
○柏原ヤス君 また、いまもおっしゃいましたが、保守陣営の危機感が手伝っていると、こうおっしゃっておりますが、「保守陣営の危機感」というのを具体的にどういうふうにお考えになっているか。
○参考人(江戸英雄君) これは私があらためて御説明申し上げるまでもなく、先生十分御存じと思いますので、これは釈迦に説法でございますから、ひとつ答弁は御辞退させていただきます。
○柏原ヤス君 次に、またこの中で、冷静に遠い将来を見た施策が必要だということをおっしゃっておりますが、もっとこれをふえんしてもらいたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) それは住宅地を大量、豊富に、計画的に供給する、これは昭和四十一年以来の地価対策閣僚協議会の基本方針でございます。住宅地を豊富、大量、計画的に供給すると、その基本方針を実際の施策の上に出してもらいたいと、こういうことでございます。
○柏原ヤス君 江戸理事長は、いまのお立場で土地そのものをどのようにお考えになっているか、基本的なお考えをお示しいただければ幸いに思います。
○参考人(江戸英雄君) 御質問の御趣旨が、ちょっと私、はっきりしない点がございますが、土地そのもの、これは非常に公共的な色彩の多いものでございまして、逐次公的な力が強く働いていくと、こういうふうに私、認識いたしております。ただし、土地と申しましても、現在、問題は住宅地であると思いますが、しかし一般の土地自体につきまして、もっともっと公的な力が加わっていくべきだと思います。そういうふうに認識しております。
○柏原ヤス君 そこで、先ほどのシンポジウムの中で、江戸理事長さんはこういうふうに述べていらっしゃいます。「私ども不動産業は、製鉄業が原料の鉄鉱石や粘結炭を買って鉄をつくるというのと同じように、われわれは土地を素材とし、材料として買って、それを加工し、開発して売るという仕事である。」、こう言っていらっしゃいます。 そこで私は、不動産業イコール製鉄業という、また鉄鉱石と土地が同じような素材だというこの考え方に、非常に注目させられたわけでございます。このことについてお考えをお聞きする——これは非常に重要な意義があると思いますので、もう一度このお述べになったことについてお答えいただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) 私の申し上げましたのは、土地を値上がり待ちで買って、そいつを値が上がったら右から左に売ってもうける、そういうことでなく、開発業者はその土地を原材料として持っているんだ、これは製鉄会社が、鉄鉱石や粘結炭や石灰石を持ち、あるいは石油精製会社が石油を持つと同じような意味合いではないか。ただ土地自体と、鉄鉱石や石灰石はこれは全く性格が違います。土地自体はこれは代替物じゃございません。片一方は代替性がございます。そういう意味で一種の住宅地製造販売業者である、こういうふうなことを申し上げたくて製造販売業と、そういう点、原料自体が同じだといった意味じゃ全然ございません。その点は、あとで河野宅地部長の御意見がありましたが、そのとおりだと私は思います。
○柏原ヤス君 その点お聞きしたかったのですが、この座談会の記録で、不動産業はイコール製鉄業だという御発言に対して、河野さんという方が反論していらっしゃいます。その一つは「製鉄業と同じと言われるが、鉄と土地は素材としての性格が違う、という認識の問題である」という点一点。「土地は国民全体の、共通の資産だという立場で考えていかないと、限られた国土を立派に仕上げていくことはできない」という二点の反論がございます。またもう一つ、「民間デベロッパーはそういう特殊素材を扱っているために、その素材を寝かしていた間の自然値上がりも利益の一部に組み込まれている。したがってデベロッパーの販売利益の中に付加価値によらない部分があるのではないかということに対しては、社会公共に還元を求める立場に立つとなかなかばく論することが難しくなってくるわけだ」と、こういうふうに反論が出ております。この記録の範囲ですと、江戸理事長のこれに対するお答えが出ておりません。この点について、先ほど同意見だというようなことをちょっとおっしゃいましたが、非常に大事な点なので、この場でできるだけ明確にしていただきたいと、お願いいたします。
○参考人(江戸英雄君) それは土地が開発の原材料だと、住宅地の原材料だと、そういう意味合いにおきまして製造業者が原材料として物を持つ、それと性格は同じ。原材料そのものは土地とないしは鉄鉱石とは同じような種類のものだということでございます。それはまさに河野部長のおっしゃるとおりだと思います。
○柏原ヤス君 ついででございますが、これもまたその座談会での河野発言の一部ですが、「土地が非常に限られたもので、経済成長度が非常に激しい場合、ある程度土地の価値や生産性が上がるのは当然だが、その場合、値上がり益は地主、開発者、最終需要者の三者間に適切な配分がなされなければならないだろう」、この発言について理事長のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) 私、そのとおり認めます。技術的にそういうふうな報告があればそのとおり認めます。先ほど渡辺先生の御意見もございましたが、今度の税制では、仄聞するところによりますと、そういう場合に、公共施設による付加利益というものに対して税金を重課するというような計画があるやに伺っておりますが、趣旨として私はそうあっていいと思います。
○柏原ヤス君 江戸理事長がいろいろなところで、新都市計画法に反対の意見を表明していらっしゃいます。世上、不動産業者が買った土地が売れなくなったので騒ぐんだということを言っている人もおりますが、これについて御意見のあるところを率直にお述べいただきたいと存じます。
○参考人(江戸英雄君) 私は、新都市計画法に反対と申したことはございません。私は新都市計画法に賛成でございます。そこで、新都市計画法のねらうとおりに施策が実現すれば、私は土地問題のあり方が非常に違ってきたと思うんです。と申しますのは、先ほど企画庁長官もおっしゃられましたが、既成市街地が五十万ヘクタール、それから新都市計画法によって指定された市街化区域は七十万ヘクタール、都合百二十万ヘクタール、市街化調整区域がその三倍と言われておる。それでその七十万ヘクタールに対しまして十年間に市街化できるようにする。そのために公共投資を先行的に投入する。一キロ平方ごとに、一キロ四方ごとに道路、下水というような公共施設を先行的にやる、こういうふうなねらいであったわけでございまして、私はそれがほんとうに実現すれば、住宅地自体の供給のあり方が全く違ってきたと思うんです。これがフォローアップがほとんどなかった、ここに問題があるんじゃないか。かえってそれが土地値段を、市街化区域の値段を上げることになりました。これは公団も、われわれのほうも同じでございますが、まとまった土地が買えなくなってしまった。そこでもって大規模な開発がやれなくなってしまった、こういうことがございます。そういう意味で多少ネガティブなことを言いますが、都市計画法の立案といいますか、立法については、私基本的な姿勢というのは、基本的には賛成でございます。フォローアップが足りなかったということを申し上げたいと思います。
○柏原ヤス君 最後に、田中内閣の発足早々に、江戸さんはある雑誌におきまして国有地、また公有地の高度利用を訴えられました。そこで「何故にこの自明のことが実現できないのか。役所間のセクショナリズムの弊である。打開の道は総理の断以外にはない。各省庁の抵抗を排除してこれを実行することは、至難の道かもしれない。しかし、戦後の総理大臣は絶大の権限をもつ。実態の重要性にかんがみ、総理の英断によって国公有地の総合的活用をたとえば建設大臣に移管、実施については低所得者用住宅の建設は公的機関、その他は民間を活用すればよい」というように述べられておりますが、田中内閣の今日までの実行ないし決断力、実績、こういうものをどのように感じ、評価されておるか、これについてお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) お答えいたします。 ただいま先生のおっしゃられたことはそのとおり私いつも申しております。東京都二十三区の中に千二百五十ヘクタールの国有地がございます。それは四十三年の、行政管理庁と関東財務局の調査でございます。その後利用に付されたところもあると思いますが、いま申し上げましたのは低利用、木造の官舎なども入っております。その後利用に付されたものもあると思いますが、たとえば朝霞みたいに大規模な接収解除もございますから、大体その見当はよろしい。専門家の説によりますと、大体そこに立体化いたしますと、三、四十万戸の住宅が建つ。これは土地を買わずに済む。そうして、最も都民が希望する二十三区内に住宅を供給できる。ぜひこれをやるべきじゃないだろうかということをいつも申しております。ただその後、これが実はある新聞に、佐藤さん時代に書いたのでございますが、田中さんの実行力をもってすればこういうことをやれるんじゃないかと思っていましたが、いまのところまだそういうあれが出ておりませんわけでございます。ただ、そういうことを期待はいたしております。
○委員長(山下春江君) 江戸参考人に私から申し上げておきますが、先ほど渡辺武委員からお願いいたしました参考資料は、できれば一週間か十日以内におまとめをして御提出を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○参考人(江戸英雄君) いまちょっと事務当局に聞きますと、十分なものができるかどうか。まあ一週間以内、そういうことは非常にむずかしいと思いますが、できるだけやってみます。
○委員長(山下春江君) 委員会全部に出していただきたいと思います。
○参考人(江戸英雄君) これは九州までメンバーがございます。ですから、先ほど渡辺先生がおあげになった十一社くらいですと、この点はとれるかもしれません。現に資料もあるかもしれません。全部にわたって必ず差し上げられるということをお約束できないと思います。できるだけ努力いたします。
○委員長(山下春江君) 資料は委員全部に御提出を願いたいと思うのでございますが。
○参考人(江戸英雄君) 委員全部に……。
○委員長(山下春江君) はい。
○参考人(江戸英雄君) とにかくそういうことで頼んでみます。ただ一週間以内にまとまるかどうか、あるいは全部出してくれるかどうか、私のほうの協会はそれほど強い強制力がございませんから、ちょっと。
○委員長(山下春江君) 渡辺委員、いまお聞きのとおりですから、できるだけすみやかにということでよろしくお願いしたいと思います。 参考人の皆さまに一言お礼のごあいさつを申し上げます。 本日はお忙しい中を、本委員会の調査のため貴重な時間をさいていだだきまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べいただきました御意見等につきましては、今後の本委員会の審議を通じまして、物価対策樹立のために十分に活用さしていただく所存でございます。長い時間たいへん御苦労さまでございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十三分散会 —————・—————