農林水産委員会 第25号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/08/28
会議録
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十七日、棚辺四郎君、佐藤隆君及び山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として大松博文君、柳田桃太郎君及び塩出啓典君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀井善彰君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。 委員の異動に伴いまして理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に塩出啓典君を指名いたします。 —————————————
○委員長(亀井善彰君) 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を議題といたします。 本案に対する質疑はすでに前回終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決を行ないます。 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀井善彰君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 ただいま可決されました畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案に対する附帯決議案が、先ほどの理事会においてまとまっておりますので、便宜私から提案をいたします。案文を朗読いたします。 畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、畑作農業および施設園芸の健全な振興発展に資するため、地域農業の実情をふまえた経営改善対策、生産基盤の整備等の実効ある諸施策を一段と強化し、試験実施事業については、その成果を本格実施事業に反映せしめるため、制度上の諸問題を十分把握検討し、三年間を目途に本格実施への移行が円滑に図られるように努めるとともに、左記事項の達成を期すべきである。 記 一、畑作物共済については、現在予定されている対象地域、対象品目の拡大について、すみやかに実態を調査し、可及的に事業対象に加えるよう検討すること。 二、被災農家の再生産の確保を図る見地に立ち、地域性を反映した基準収穫金額、掛金率等の設定を指導するとともに、補償限度の引上げ等、補償内容の充実を検討すること。 三、共済目的の特性に対応し、組合等の元受責任の適正化、適切な足切り水準の設定、損害評価の実施等の検討に努め、無事戻し等の実施方針を明確にすること。 四、園芸施設共済については、施設保険の実態に即した制度内容の整備、推進体制の確立を期し、さらに施設内の農作物に対しては適切な被害の把握、実質的なてん補の充実を検討すること。 五、両共済事業の複雑性にかんがみ、事業実施体制の整備、事業の効果的運用を確保するため、共済契約者に対する交付金の実態に応じた交付割合、共済団体に対する必要な事務費の助成を措置し、また共済団体の事業の適正な運営を図るため、職員設置費等についての助成の拡充強化について配慮すること。 六、肉豚、鶏等の新種共済については、早急に調査検討を行ない、基準資料の整備を進め共済制度化の実現に努めること。 七、沖繩等のさとうきびについては、災害の実情に照らし、共済制度の補償の充実に一段と配慮するとともに、土地基盤の整備・省力機械の導入等による生産振興対策、価格安定等の施策を強力に実施すること。 八、最近の不安定な気象条件にかんがみ、気象の観測、有効な通報システム等の整備を図り、これに対応する農業生産対策の強化に努めること。 右決議する。 以上であります。 それでは、本附帯決議案の採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀井善彰君) 総員挙手と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、櫻内農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。櫻内農林大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの附帯決議につきましては、その決議の趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(亀井善彰君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(亀井善彰君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、前回聴取しておりますので、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○辻一彦君 私、いま議題になりました通称農林年金、この問題につきまして若干の質問を行ないたいと思います。わがほうの足鹿委員が専門でありまして、三十日にかなり時間をかけられて十分な論議がなされると思いますが、幾つかの問題についてあらかじめ伺っておきたいと思います。 一つは、この農林年金の年金額というものが、ほかのたとえば国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、また公共企業体職員の共済組合、私立学校教職員の共済等に比べて約半分ぐらいの数字になっておりますが、四十七年末でこのそれぞれのいま申し上げた四つについて大体、年金額は年度末でどのぐらいの金額になっておりますか。ごく大まかな数字がわかれば、ちょっと初めに聞いておきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 年金額自体の数字につきましては四十六年度末でございますので、四十七年度三月末におきまする標準給与について数字を申し上げまして、それから年金額について御説明申し上げたいと思います。 農林年金の四十七年三月末におきます標準給与は五万一千四百三十六円でございます。それから国家公務員共済、これは本俸が基準になるわけでございますが、六万九千六百五十五円、これは農林年金を一〇〇といたしますと一三五になるわけでございます。それから地方公務員共済が七万五千百九十円、これが農林年金を一〇〇にいたしますと一四六になります。それから私学共済が五万八千六百七十四円、そこで農林年金に対しまして一一四%。厚生年金が標準報酬が六万四千三百一円、農林年金に対しまして一五%になっているわけでございます。 そこで、年金額でございますが、四十六年末の数字で退職年金について申し上げますと、地方公務員が四十五万三千円、これは四十六年度でございます。それから公共企業体職員共済組合が四十二万五千円、国家公務員が三十七万四千円、私学が二十七万円、農林年金が二十三万円、こういう数字になっております。
○辻一彦君 ちょっと念のために、公共企業体の職員共済の場合は、標準給与といいますか、これ幾らになりますか、給付。
○政府委員(内村良英君) ちょっとただいま数字を持っておりませんので、御必要があれば後刻提出いたしたいと思います。
○辻一彦君 じゃ、あとでけっこうです。 そこで、いまの数字を見ましても、四十五年もそうでありますし、たとえば四十五年の数字を見ますと、農林年金が二十万二千円、これにしますと、一番大きなのは地方公務員の共済組合ですが四十万一千円。農林年金の四十六年末が二十三万で、この二十三万に対して地方公務員共済が四十五万と、大体数字としては半額になっております。そこで農林年金がほかに比べて、特に地方公務員共済に比べて約半分というのは、これは一体どういう理由によってこれは半額になっているのか、これをまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 共済年金の標準給与、これが掛け金徴収及び給付の基準になるわけでございますが、標準給与は俸給を基礎としてきめられるわけでございます。そこで農林年金の場合に、地方公務員、国家公務員、私学に比べまして年金額、給付額が安いのは、基本的には在職時代の俸給がそれらのものに比べて低いからというところに原因があるわけでございます。
○辻一彦君 第一に、基本報酬が低いということですが、この場合、いま出された、発表された数字で、私学のほうと農林年金のほうは、これは手当を含んだ額になりますね、大体。それから上のほうの国公、地公、公共企業体等は本俸が中心ですね。だから、手当を含んでなお数字がこれだけ小さいわけですが、これを上と同じように、いわゆる地公、国公と本俸において比較すればまだ、この数字は低くなると思いますが、そうなりますか。
○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘のとおり、農林年金、私学共済の場合にはボーナス等を除いた手当が入っております。それに比べまして国家公務員共済、地方公務員共済は本俸だけでございますから、確かに先生のおっしゃるようなことになっているわけでございます。
○辻一彦君 そこで、この給与が低いということ、これについてはあとで少し論議をしたいと思うのですが、私もう一つは、勤続年数が非常に——非常にというとちょっと語弊がありますが、大体短い。たとえば調べた数字でいいますと、年金到達に、二十年に達する場合に、これは農林年金では二〇%ぐらいが到達する。それから国家公務員では五四%、公共企業体で国鉄の場合は七五%が大体二十年で年金クラスに達するパーセントになる。こういうのと比べますと、非常に長く続いていないといいますか、勤務がわりと短いということ。逆に言うと年金受給者の勤続年数というものを調べてみると、国家公務員や地方公務員は大体三十年ぐらい、それから農林年金の場合は二十年から二十一年。こういうふうにうらはらの関係でありますが、どっちから比べても非常に短いということがいえると思うのですが、ここらの点について、いわゆる標準給与が低いということと、もう一つ勤続年数が概して短い、このことについてはどうお考えになりますか。
○政府委員(内村良英君) 国家公務員、私学、農林年金というものを比較いたしました場合に、ただいま先生から御指摘がございましたように、農林年金の場合、すなわち農林漁業団体の職員の場合には、勤務年数が他に比べて短いというのは事実でございます。そこでこの点につきましては、農林年金が社会保障的な面と職域年金的な面を持っておりまして、そういったところにつとめた人に、より長くつとめてもらうということの一助といたしまして農林年金制度があるわけでございますから、私どもといたしましては、農林漁業団体職員が国家公務員あるいは地方公務員と同じように長い間勤務してもらうほうが、そういった団体の運営上も非常にいいわけでございまして、団体自体の運営も安定するという面がございます。したがいまして、そのように持っていかなければならないわけでございますが、まあいろいろな事情もあるかと思いますが、現実はただいま先生の御指摘のございましたように、農林年金の組合員の場合には他に比べて勤務年数が短いというのが現実でございます。
○辻一彦君 まあこれは年金額にかかわる大事な問題と思うのですが、勤続年数が少ないというような理由というもの、こういうものを、農林省のほうから農協をはじめ農業団体を見て、長く続かないといいますか勤務勤続年数が短いという、そういう理由はどういうところにあるとお考えになりますか。
○政府委員(内村良英君) 私どもの調査によりますと、農協——農林漁業団体の中の農協の場合でございますが、これは勤務年数が平均八年ぐらいになっております。そこでなぜ早く他に比べて職員がやめていくかということでございますが、一つには、御指摘がございましたように、給与が役場あるいは郵便局等に比べて低いという、給与の面がございます。したがいまして、役場に来ないかと言われれば農協から役場に行ってしまうという面があると思います。それから農協職員の実態を調べてみますと、そこへ在村しておりまして、まあ兼業農家の子弟がつとめるというようなこともございます。そこで他の職に比べまして村に住んでいながらつとめているというような人が多いものでございますから、やはりおとうさんが死んで自分が農業の経営者になるというような問題もあるのではないかというようなことが考えられますが、いずれにいたしましても、月給が安いということは事実でございまして、これが一つの原因になっていることは争えない事実だと思います。
○辻一彦君 そこで、給与が安いということは、何といっても長く続かないというか、こういう大きな原因であるということは当然いま言われたとおりであると思います。大体この農林漁業団体職員の給与水準というものをほかの産業と比べて、あるいは地方公務員と比べて、さらに町村の役場と比べて、数字的にどのくらい把握されているかちょっとお伺いしたい。
○政府委員(内村良英君) 公務員給与等との比較でございますが、四十七年三月末の数字によりますと、これ三段階に分かれておりまして、まず最初に市町村段階では農林年金の組合員の給与は四万八千五百六十五円、これに比べまして公務員の給与は五万五千八百五十五円ということになっております。県段階になりますと、農林年金の組合員の給与が六万三千百四十七円、公務員は八万七千五百十円ということになっています。全国段階では農林年金の組合員の給与は七万九千二百九十八円、これに対して公務員の給与は八万二千四十五円ということになっております。そこで市町村段階、県段階、全国段階それぞれにつきまして農林年金に対する公務員給与の割合を見てみますと、市町村段階では、二五%、県段階では一三九%、全国段階では一〇四%になっております。
○辻一彦君 私の見た数字でも同様なことがいえますが、地方公務員と比べると一万二千円程度の差であり、あるいは町村の職員と比べても一万円程度の差がある。県、全国にいきますとだんだんこの差がパーセントとしては減っていくといいますか近づいていくと思いますが、ところが市町村段階でそういう開きが大きいということがいえると思います。これがどうしても市町村の農業団体に勤務する職員がやはり長く続かないというか、そういう意味の大きな原因になっているのではないか。 そこで問題は、新規採用が大体農業団体で最近いろいろと困難になっているとか、あるいは中途でいまのようにやめる人が多いとか、こういうことがたくさん出ておりますが、今日の農業情勢からして、農林漁業団体の中に優秀な人材をやはり確保する。こういうことが非常に大事なんですが、その点で初任給はもちろんですが、給与ベース等もどうしても市町村段階における給与水準というものを引き上げるような努力がされなければ、これはどうしても人材を確保していくことが、今日のこれからの大事な農業情勢に対処することができないのではないか。そこで毎年、国会では、ここ数年、この農林年金の問題が論議をされますと、必ずあとで附帯決議がついて、そしてこの附帯決議の中で、農林省は行政指導等を強化をして、この市町村段階における農林漁業団体職員の給与が引き上げられるように努力するべきである。こういう附帯決議が行なわれ、大臣からいつも、趣旨に沿って努力をするという答弁が常に行なわれておりますが、実際として過去どういうような指導といいますか、努力をされてきたのか、これを具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 農協の、特に単協の職員の給与が安いと、これが農協の職員のやめやすいという一つの原因になっているということは、そのとおりかと思います。そこで、今後の農協経営等を考えました場合に、やはりわれわれといたしましても、優秀な人材が農協の仕事に定着するようにしなければならぬということは先生の御指摘のとおりでございます。 そこで、それでは、どうやって農協職員の賃金水準の向上をはかるかという問題になるわけでございますが、いずれにいたしましても、農協は一つの経営体でございまして、その経営体として職員に対して賃金を払うわけでございますから、所要の賃金原資が確保できなければならないわけでございます。それで賃金原資を確保するためには農協経営の改善、合理化につとめまして、できるだけ収益をあげて高い俸給を職員の方に払うことができるようにしなければならないわけでございますが、御承知のとおり、農協経営はなかなか楽でないというのが現実でございます。それで農林省といたしましては、従来からしばしば御説明申し上げておりますように、農協合併の推進、それから経営実務者の研修の助成あるいは単協につきましては県が農協の検査を担当しているわけでございますが、そういった県の検査を通じての指導等を通じまして経営基盤の強化ということにつとめているわけでございます。 さらに、今年度からは米の生産調整の進行に伴いまして、倉庫業というものが従来は黒字であったものが経営として赤字になっているということもございますので、農業倉庫の整備、合理化の助成を行なうというようなことをいたしまして、行政庁といたしましては、極力農協の経営の改善、合理化のための指導、助成を行なっているわけでございますが、今後、現在農協が置かれている問題から見て、一そうの経営改善、合理化につとめ、それによって農協職員の賃金水準の向上をはかっていくということをしなければならないというふうに考えているわけでございます。
○辻一彦君 私も農協が、あるいは農林漁業協同組合にしましても一つの経営体としての側面を持っている。だから、そこの原資が獲得されなければなかなかむずかしいという側面はわかります。それはわかりますが、しかし、いまの状況ではなかなかその水準を上げていくということも容易でない。 そこで、数字が出されておりますが、たとえば農林省は全国段階における各単協等の、あるいは漁村における漁協等、あるいは森連における森林組合等の賃金実態というものを、かなりこまかく実態をずっと調査をされているが、これは県、それから国、市町村というそういう段階における格差もありますが、またこの地域的な一つの格差というものもかなり大きいわけですが、その実態をこまかく承知をされておるのか。承知をされておれば、必ずそういうものについての、よりきめのこまかいいろいろな助言や指導等もやっておられるのかどうか、その点いかがですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましても、農林漁業団体の賃金については調査をしております。そこで年齢別にどういうふうに違うか、あるいは団体ごとにどう違うかということは調べておりますが、地域ごとの格差というものについて、必ずしも統一的な調査はございません。しかしながら、地域につきましては、都市近郊の農協のほうの賃金が、純農村地帯の賃金よりも高いということは、これはまあ事実ではないかというふうに考えているわけでございます。
○辻一彦君 たとえばこれは全農協労連でかなりこまかく——年齢別に単位農協の中にまて入ってこまかい調査をやっておりますが、これはまだまだ私十分ではないと思うのです。少なくとも農林省のほうで、単協レベルぐらいの、こういう年齢別の賃金調査を具体的にやられた事実はありますか。大まかな数字はもちろん調べておられると思いますが、かなり詳しく調査をされた事実がありますか。
○政府委員(内村良英君) 特に賃金調査ということで、賃金だけを深く調査したことは残念ながらございません。しかし年齢別の賃金その他につきましては、現在農林年金が非常にこまかいデータを持っておりますから、私ども、年齢別の——四十八年四月につきまして、年齢別の給与の資料を持っておりますけれども、これは農林年金の持っているデータからつくったものでございます。かなり信頼度は——もちろん年金の基礎になる数字でございますから高い、非常に信頼度は高い数字でございます。
○辻一彦君 それを活用してもらうのもたいへんけっこうですが、農協の実態は、私は事こまかく一度よく調べてほしいと思う。というのは、確かにまあ大型の農協が合併しまして、何千戸かという農家を集めて、預金なんかもずいぶん獲得をしてよくやっているところも見た目にはありますが、中を見ると、これは農協法の改正のときも論議されましたが、植木や庭石、こういうものを非常にたくさん集めるとか、需要もありますから。元来の、もともとの農協の趣旨とは、かなり変わったほうに農協活動のウエートも置かれている点もあると思うのです。しかし、まだ都市のほうはいいとしても、農村あるいは山間部のほうに行くと、かなり農協自体も苦しい点もあるし、その中でこの給与水準を引き上げるということは、言うことは簡単ですが、なかなか私は、容易じゃないと思うのですね。そういう点で単位農協にわたって、 一度詳しい調査をしてもらって、もう少し強力な対策を立てて、そうして、毎回衆参両院で附帯決議をしておりますが、これか飾りものみたいにならないように、どうしても努力をしてもらいたい。農協自体もやってもらわなくちゃならないことでありますが、これは私は政府のほうにもそういう努力をお願いしたいと思う。そういう点でこの問題について、農林大臣から一言所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御質問に伴いまして、地域別の実態の把握が十分でないという点につきましては、私どももそういうことであってはいけない、今後もっと農協の実態を十分把握するようにつとめたいと思います。この町村段階あるいは県段階、全国段階、そういうようなことでの一応の計数は持っておるわけでございまするし、また、それぞれの公務員の実態との比較については、先ほど局長のほうからお答えを申し上げたわけでございまして、一応現状がどういうものであるか、また、給与の実態に欠けるところがあるというようなことについては認識を持っており、これについての対応策は、先ほど局長から申し上げたようなことでありまするが、いずれにしても、ただいまの御指摘に伴ってもっと分析もし、掘り下げて検討していく必要があるということは私としても認める次第でございます。
○辻一彦君 二つ目に私、沖繩の農林漁業団体の年金問題に一言触れたいと思います。 ごく大まかな数字でけっこうですが、沖繩県の農林漁業団体につとめる職員の大まかな数と、それからその給与水準がどういうふうにあるか、それは、こまかい数字でなくてもけっこうですが、いまそこでおわかりであればちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 農林年金の標準給与は、毎年八月一日に決定するわけでございますが、四十七年八月一日におきまして標準給与のいわゆる決定をみた組合員は、沖繩では二千百三十二人でございます。この定時決定における標準給与を見てみますと、県段階以下の団体の組合員の平均額は五万八千五百七十一円。これは全国段階の団体の職員の標準給与を除いておるわけでございますが、全国平均五万八千五百七十一円に対しまして、沖繩の組合員の平均額は五万六千百十一円ということで、全国平均よりも若干低い実態にあるような数字になっております。
○辻一彦君 そこで沖繩県の農林漁業団体の職員が、継続をしてつとめている場合に、本土復帰に伴って五五%の期間はこれは認めるけれども、四五%はこれを認めない。こういうことになっておるようでありますが、それは間違いないのか。間違いないとすれば、一〇〇%認めないという理由は何なのか、この点をまず伺いたいと思います。
○政府委員(内村良英君) まず第一に四五%の減額措置はそのとおりでございます。それは沖繩の農林年金制度の本土の農林年金への承継にあたりまして、掛け金が納付されていない期間に対応する給付の額について、四五%の減額措置をとったわけでございます。これは、その期間について満額の給付を行ないますと、掛け金を納めていないわけでございますから、本土の組合員との均衡を著しく失することになるわけでございます。そこで沖繩の返還に関しまして、いろいろな措置を政府部内で論議いたしました場合におきまして、他の共済組合制度におきましても、これと同様の措置をとったわけでございます。すなわち本土の復帰に伴って本土の組合員との均衡を考慮して決定した措置と、こういうことでございます。
○辻一彦君 掛け金をかけてない期間がかなりあった、そのための減額措置である。こう言われますが、そうすれば掛け金をかけていなかったのだから、沖繩県民のほうに、あるいは沖繩県における団体の職員に責任があるので、これはやむを得ないという、こういう政府の見解と私は思いますね。 そこで沖繩復帰のこれはいろんなむずかしい論議もあろうと思いますが、ずっと本土に復帰できずにおったという状況、こういうものは沖繩県民の私は意思でなかったと思うんですね。昭和二十七年に、言うならば本土の犠牲というような形でアメリカの施政権下に置かれた。その中では、なかなか農林漁業団体の職員が掛け金をかけるとか、あるいは積み立てをするというような余裕を全然持たない条件に置かれておったのでないか。そういうことを一律に掛け金をかけていないから四五%減額だ、こういうことは、私は歴史的な沖繩返還の経緯ということを考えた場合に、非常に問題があるように思いますが、この点についてどうお考えになるか、いかがです。
○政府委員(内村良英君) その点につきましては、沖繩復帰に関連いたしまして、共済年金制度全体についてどうするかということを政府部内で論じましたときに、いろいろ問題になったところであります。しかしながら、この年金制度につきまして、こういった減額措置をとらないということになりますと、それがやり方によっては、全部それまで入っていた本土の組合員の負担になるというような問題もございます。そこでそういったことを考えまして、ただいま申し上げましたように四五%の減額措置をとったわけでございますが、ただ、すぐやるということでは問題になりますので、復帰後三年以内に農林年金の受給権を得たときは、復帰の前日に退職したと仮定して、沖繩法の規定によって計算した場合の年金額を保障するということにいたしまして、一定の期間の経過措置はそこにとっているわけでございます。そういった経過措置をとりながら、本土の組合員との均衡を逐次とっていくということで、すぐ既存のそういった既得権をとってしまうということではなしに、経過措置をとりながら緩和された形でしわ寄せしていくという措置はとっているわけでございます。
○辻一彦君 数字を計算すれば私はいろんなことが言えると思いますが、しかしその当時アメリカの施政権の中にあって、農民がたいへんな苦労をしておった。しかも、これはおそらく農村や農民が非常な苦労をしているということは、同様に、農業団体に働く職員も同様の苦労を重ねておったと思うんですね。言うならば、血みどろの本土復帰の戦いといいますか、運動をずっと続けてきておった、そういう人たちが掛け金をかけるとか、そんな余裕のあるような状態にはほとんど置かれていなかった。だから、そういうことを考えれば、なるほど経過措置というものが若干とられているということはわかりますが、もう少し考えてみる必要があるのじゃないか、こう思いますが、重ねて局長どうでしょう。
○政府委員(内村良英君) 確かに先生の御指摘があったような気の毒な事情というものが、沖繩の農業関係者にあったことは、私どもも十分認識していたわけでございます。そこで、現在の年金の掛け金の負担というものにつきましては、事業主と組合員が半々持つ、それに給付について国庫負担があるというわけでございますが、そういった制度がございましての負担があるわけでございます。その場合に、沖繩については全然そういう制度がなかったわけでございまして、その間、本土の組合員が事業主及び国の負担によって受けていた五五%程度のものは、沖繩につきましては年金制度がなかったにもかかわらず認めると申しますか、みるということになりましたので、そういった点につきましては、沖繩の特殊な立場というものは、十分われわれといたしましても考えたわけでございます。そこで全然制度がなかった期間につきまして満額をみるということは、やはり本土の組合員との均衡を失するのではないかという議論が有力になりまして、他の共済組合制度におきましても、全部同様の措置をとったわけでございます。
○辻一彦君 大臣にちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、昭和二十八年ごろ、二十年前ですが、農林大臣は当時保守党の青年将校といわれた時代だったと思いますね、二十年前。その時分に、沖繩県から初めて青年団体の代表が本土に来ました。私もちょうどそういう関係の仕事を前にやっておりましたが、そのときに来た青年代表、これは民主団体として初めて正式な代表として本土に来た。昭和二十八年の三月ごろであったと思います。そのときに、いま沖繩の農民は米軍の飛行場拡大によって全部その農地や家を取り上げられている。農地はもちろん自分の家にもガソリンをぶっかけられて火をつけて燃やして、あとはブルドーザーで整理をしている。そういう状況の中で、戦車の前に農民や若い人がすわり込んでいるんだ。これを本土のみんなはどう思うんだ、と言って、こういう血のにじむような声を二十年前、二十八年に私たちは聞いて、そこから——本土における沖繩復帰の運動が、それこそ沖繩県人以外でそこから出発をしたと、こう思っております。そういう状況の中において私は、農民がそうであるし、またそれと一緒に苦労した農林関係漁業団体の職員がとうてい掛け金をかけたり、そういうような余裕なしに、全く血みどろの運動をやっておったのではないかと思うわけなんです。それでそういうことを考えれば、私は、この掛け金がかけてない、積み立て金がないから、だから五五%を認めたということはまだ優遇措置である、あるいはいまのようにいろんな経過措置やいろんな措置を考えているんだから、これはかなり考えた優遇措置だと、こういうような考えがあるとするなら、私はこれは非常に認識が十分でないと言うことができるんじゃないかと。当時の農民と農業団体の諸君が置かれた環境ということを十分考えてみるならば、私はこれは一〇〇%認めるべきである、こういうふうに思います。というのは、たとえば計算すると二十六年で五五%しか期間を認めぬということは十四年半ですね。戦後、米軍に占領されて本土に復帰するまで二十六年の日がたっておりましたが、そのうち十四年半は認めるけれども——初めからつとめておった人かあるとすれば、十四年半は二十六年のうちに認めるが、約十二年はこれは認められないと、こういうことは私は、当時置かれた沖繩の農林漁業団体職員の環境からおいて酷なやり方じゃないか、こう思います。二十年前に、当時そういう面に非常に深い理解を大臣持っておられたはずでありますが、この実態を踏まえてどういうようにお考えになるか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) こういう農林年金制度あるいは共済制度それぞれこれは掛け金に応じて、そして国がどのようにみるか、というようなことで仕組みが成り立っておると思うのであります。ですから、そういう制度の上から、仕組みの上からいたしますると、先ほど来局長のほうからお答え申し上げておることも御理解がいただけると思うのであります。 ただいま昭和二十八年当時の沖繩の農村の実態、基地として農地が取られていく、そういう点から御指摘になられました。おっしゃるとおりに、私もまあそのころには相当若かったんでありまするから、日本人としての共感の上で血を燃やして、沖繩の早期復帰についても積極的な意思表示をしておったことを記憶しております。 まあ、いまのお話は、これが他の共済制度との全部の関連の上にある。また、したがって農林省のみならず、他の省もみな関係をしてくるということで、相当検討した結果が四五%の減額措置で、またこれでひとつ本土との均衡の上からもがまんをしていただく以外にないのではないかという結論に至ったと思うのであります。そのことが、いま沖繩の置かれた実情からして当を得ておらないではないかという御意見は、私は耳を傾けることについてやぶさかではございませんが、それかといって、この農林年金はもとより、他の共済制度全般についてここで御指摘のようにこれは改善しなければならないということを即答申し上げることも、どちらかというと私の立場からは軽率ではないかと思うのであります。 しかしながら、いまの御意見を聞いておりまして、もっと他にとるべき適切な方法があるかどうかということをも、全然それはもう考慮の余地がないのであると言うのも、沖繩の実情からしていかがかと存ずるのでございまして、まあこの全額支給するようにすぐ改善するが妥当かどうかということについては、すでにお答えを申し上げておるような措置でやむを得ないということでございますが、もっと何か検討すべき点がないかどうかということになりますれば、その辺は私としても関係各省とよく検討することについては、やぶさかではございません。
○辻一彦君 まあ私も、各省にわたる問題でありますから、事は簡単ではないと思います。しかし、まあいまの大臣答弁のように、これが一〇〇%、そういう希望、おそらく私は沖繩の皆さんがそういう強い希望を持っておられるし、今日も持っておられると思いますが、一〇〇%かりに満たされないとしても、何らかの検討によって各省庁とも連絡をとられて、これはひとつ手を打っていただきたい。何らかの意味において検討し努力をすると、こういうことについてもう一度大臣のお考えを確かめておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどお答えを申し上げましたように、何か方法があるかどうかということについて、関係各省との間で検討をすることについては、やぶさかではございません。
○辻一彦君 次に三つ目に、農林年金の改定問題について若干伺いたいと思います。 この経済変動にあたって、年金額の実質的な価値を維持するためにいろんな措置を講ずる、こういうことは公の年金制度として私は当然な使命と言えると思います。今回、公務員給与の伸び率をそのままとって、その前々年度から前年度にとったということは、いままでに比べて一歩の前進と、こういうことは言えると思うんですね。 そこで、これからはもうこの年金額の改定にあたっては、公務員給与の伸び率を基礎にしていくのかどうか、この点はどうなんですか。
○政府委員(内村良英君) 今回の年金額の改定は、ただいま先生から御指摘がございましたように、国家公務員における年金額の改定措置に準じまして、国家公務員給与の上昇率を指標として実施したわけでございます。 そこで、今後、国家公務員の賃金、すなわち年金の額を修正して改定していきます場合に、物価をとるか賃金をとるかという問題が前からあるわけでございます。そこで、生産性の向上等によりまして賃金の上昇のほうが大体物価の上昇よりも過去において高かったわけでございます。そうしますと、賃金をとったほうが、まあ有利、不利ということばを使ってどうかと思いますけれども、受ける人たちの立場から見れば有利だということがあるわけでございます。 そこで、今後この問題は結局スライド制をとるかどうかという問題になってくるわけでございます。スライド制をとるということにつきましては、まだ共済年金につきましては明確な結論を得ておりませんけれども、いずれにいたしましても、そういった方向にいった場合に、賃金をとるか物価をとるか、あるいは両方あわせてみるかというような問題がございますので、その辺のことにつきましては、なお今後慎重に検討しなければならぬ問題だというふうに考えております。
○辻一彦君 私も、いろんな団体からこれについての要望がありますが、多くは賃金をもとにとったほうがよいと、こういう意見が強いように思います。これをとってもらえば一番いいと思いますが、それはやはりことしはそうであったけれども、来年から以降はまだどれをとるかについては確定されていないということなんてすね——じゃ、念のために伺いますが、厚生年金や国民年金は消費者物価上昇率をとっていますね。農林年金のほうは賃金上昇率をとったということは、賃金上昇率のほうをとったほうが有利であり、農業団体の職員の皆さんにはプラスになろうと、こういうような判断でこれをとられたのかどうか、その点どうですか。
○政府委員(内村良英君) 厚生年金につきましては物価によってスライド制をとるということになったわけでございますが、共済年金につきましては、まだただいま御答弁申し上げましたように、その辺のところが明確にきまっていない。しかし、今年以前におきましては、共済年金におきましては物価と賃金と両方をとっていたわけでございます。それが四十八年の改正から賃金だけになったということでございますから、まあ今後におきましても賃金のほうにウエートを置いて考えていくだろうというふうに御推定いただいてもいいのではないかと思いますけれども、まだ最終的にスライド制をとる場合にどっちをとるか、スライド制をとるかどうかということについて目下検討している段階でございます。
○辻一彦君 これは賃金をとるほうにウエイトを置いて努力していただきたい。 そこで、厚生年金のほうは自動スライドといいますか、スライド制をとられていますね、導入された。農林年金の場合にはまだそれが導入されていないというのはどういう事情によるか、その点いかがですか。
○政府委員(内村良英君) 御承知のとおり、現在の農林漁業団体職員共済組合法の中に、第一条の二に「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」というような規定が入っているわけでございます。そこで、これをはっきり今度はスライド制にしてしまうというところまで法律改正をしてやらなければならないわけでございますが、ただいま申し上げましたように、給与改定の基準として何をとるかというような問題につきましても、必ずしも十分な結論を得ておりませんので、年金制度の連絡会議というものがございますそこのところで、十分今後検討して、極力すみやかにスライド制を導入するようにしなければならないと思っておりますけれども、いろいろな技術的な問題もございまして、今後とも慎重に検討していかなければならぬ問題になっているわけでございます。
○辻一彦君 衆議院の論議の過程を経ての約束事項というのは、まあこれはどういう性格か私もちょっとわからぬのですが、まあメモで見たんでありますが、おそらく答弁をされたことを整理をして、それが約束事項ではないかと、こう思いますが、その中で、明年度に抜本的改正を目ざして努力をする、こういう項が出ておりますが、このスライド制は抜本改正という中で、スライド制をとるという方向でいまの御答弁もありましたが、努力していくと、こういうふうに確認していいですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) いまお尋ねの点でございますが、この抜本的な改正の中にはスライド制の問題を検討することももとよりでございます。そこで、この問題についてはすでに公的年金制度調整連絡会議におきまして、このグループ分けをいたし、私学共済、農林年金は一つのグループとして検討するようにということでございまして、私どもは、そういう連絡会議の協議をも参考にいたし、適切に、前向きに考えてまいりたいと思っております。
○辻一彦君 まあこれは抜本改正の方向でもそうでありましょうが、ぜひこのスライド制を一日も早く導入して安定するように願いたいと思います。 そこで、この最低保障額の引き上げについて若干伺いたいと思います。最低保障額については退職年金、障害年金、それから遺族年金が大体倍額程度に引き上げられておりますね。これは厚生年金の改定に対応するもので当然であろうと思いますが、しかし、旧法の既裁定年金で、昭和三十九年の九月末以前に発生したものについては据え置きになっております。そこで、最低保障というものが定額年金者に対する保障機能を持つと、こう考えるならば、年金の発生時期によって相違があるというのは非常に問題があると思いますが、この点どういうように考えておられるか伺いたいと思います。
○政府委員(内村良英君) これは、私どもといたしましても、はっきり申しますと非常に悩んでいる問題でございます。で、支給を受けた退職一時金と控除前の最低保障はいわゆる新法において初めて設けられたものでございます。そこで、御承知のとおり、現在農林年金には新法、旧法というものがございまして、それぞれ体系が違っているわけでございます。と申しますのは、年金でございますから、一つの制度を前提にいたしましてそこで掛け金を払って一定の給付を受けるというかっこうになるわけでございますが、新法、旧法、制度の違いがございます。したがいまして、現在のところ、原則として旧法下のものは旧法、新法下のものは新法で措置するという措置をとっているわけでございます。 さらにこまかいことを申し上げますと、一般的に言って、新法は厚生年金と非常に似ているわけでございます。したがいまして、厚生年金のほうでそういった改正があれば、共済年金のほうもこれに連結して改正するということになります。旧法はむしろ恩給制度にかわるものとしてできました旧国家公務員共済法に非常にいろいろな基準が似ているわけでございます。したがいまして、この年金制度について恩給制度が尾を引いているということについては、いろいろな批判があることは私ども承知しておりますけれども、現在のところ、先ほども申し上げましたように、原則として旧法下のものは旧法、新法下のものは新法で措置するという措置をとっておりますので、したがって、今般いわゆる恩給を中心とする旧法関係のものについては最低保障について措置をとらなかったというようなことがございまして、他の年金制度との均衡上、ここのところに手を加えることができなかったという事情になっているわけでございます。 なお、この点につきましては、確かにいろいろ問題もございますので、私どもといたしましては、今後この点については、特に四十九年度においては考えなければならぬというふうに考えているわけでございますが——これは正確な報道かどうかわかりませんが、日曜日の新聞報道によりますと、恩給についても同様な措置をとるというようなことが出ておりますので、恩給法とのバランス等が非常に問題になる旧法でございますから、そういったことになってくれば、当然農林年金の旧法につきましても同じような措置をとるということになるのではないか。いずれにいたしましても、これは非常にむずかしい問題、すなわち体系の違いとそれから歴史的な沿革というものがございましてむずかしい問題でございますが、今後この辺は前向きに考えなきゃならぬというふうに考えております。
○辻一彦君 まあ旧法と新法の適用によって差が生じているということはわかりますが、現実に起こっている問題としては、三十九年の九月を境にしてこの最低額の引き上げによってその格差というのが非常に大きくなるわけですね。この間をそれじゃ一体どういうふうに埋めるといいますか、対処するのか、この点具体的な考え方があれば伺いたいと思います。
○政府委員(内村良英君) その点につきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、やはり他の恩給あるいは他の共済年金の旧法関係との調整をとりながら、新法並みに引き上げていく以外に現在のところそのギャップを埋めるというような技術的な方法はないわけでございます。
○辻一彦君 私はその恩給法が手直しされれば、それに準じて年金もまた変わっていくだろうと、こういうのではなしに、農林年金のほうから少なくもそういう矛盾が明らかであればそこの手直しをしていくというか、その矛盾を埋めていく。こういう努力を先にやってもらいたいと思いますが、その点あとにいくよりも、農林年金については先に積極的にそういう構想を具体化する考えはありませんか。
○政府委員(内村良英君) あとか先かという問題でございますが、この共済年金の問題につきましては、国の中に幾つかの年金制度があるわけでございますから、どうしてもその間の均衡ということが特に財政負担等の場合には問題になるわけでございます。そこで私どもといたしましては、この点はなるべく早い機会に是正しなければならぬ一つの問題であると、検討すべき問題であるという問題意識は持っておりますから、その問題意識に基づいて先ほど大臣からも御答弁がございましたように、連絡会議で私学共済と農林は一つのグループになっておりますから、文部省等とも十分相談しながらこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
○辻一彦君 これは適用を受けた人にとっては何日かの違いでたいへんな大きな差が出るわけですね。大きな矛盾だと思いますから、早くひとつ具体的に取り組んで埋めてもらうように願いたいと思います。 次に、遺族年金の受給資格の要件ですね、これについて簡単に伺います。いわゆる遺族年金を受ける場合ですが、配偶者について、「死亡当時主としてその収入により生計を維持していたもの」と、こういう生計要件がいままではつかなかったのが今度十年以内の場合にはついたわけですが、これは改正点からいうと後向きというか、改悪のほうになりはしないかと思いますが、この点の見解はどうですか。
○政府委員(内村良英君) 先生から御指摘がございましたように、今回の改正案におきましては、組合期間十年未満の組合員にかかわる遺族の範囲につきまして、配偶者についても生計維持関係があることを要するものとなったわけでございます。これは遺族年金の受給資格期間を一律に十年以上から一年以上に短縮する措置を講じたことに関連してとられた措置でございまして、他の社会保険の取り扱いとの均衡を考慮したものでございます。すなわちこれまでは十年以上であったのを一年以上にした点につきましては、これは非常に前向きと申しますか、改善措置になっていると思います。それに伴ってとられた措置でございます。 そこで、そうなると非常に不利になってくる人が出てくるのではないかということでございますが、この結果、職務上傷病により死亡した場合の遺族年金、または職務上の障害年金の受給を受けている者が職務外の傷病により死亡した場合の遺族年金につきましては、従来でも十年未満でももらえていたわけでございますから、そういった人が非常に不利になるということはございます。しかしこの人たちの人数は非常に少ないわけでございます。現在私どもが農林年金から聞いているところでは三人程度そういうような不利な扱いになる人がいるようでございます。しかしながら、その場合、生計維持関係の有無の認定が問題になります。それで国家公務員共済の場合におきましては、配偶者の所得額の許容範囲を年額二百四十万円ぐらいまで拡大したい、それで実施するというふうな措置をとることになっておりますので、農林年金につきましても所得額の許容範囲につきまして二百四十万ぐらいをとりたい、こう思っております。そうなりますと、その三人の人の所得はわかりませんけれども、いずれにいたしましても二百四十万円ということであれば大体救済できるのではないか。したがいまして、こういった措置をとりましても実際に被害を受ける人はまあないのではないかというふうに考えているわけでございます。いずれにいたしましても、これは繰り返して申し上げますが、他の社会保険と同様の取り扱いをするという結果出てきた問題でございます。
○辻一彦君 衆議院の答弁においても、二百五十万ですか、二百四十万という数字が一応は出されております。実質的にそういう金額に一応の線を引けば、被害といいますか、その被害をこうむる人はほとんどないと、こう言われますが、まあ、それなら、その条項も他と均衡あるということはわかりますが、実質的にそれにかかる者がないというならば、これははずしたっていいのじゃないかと私は思うのですが、この点は無理なんでしょうか。
○政府委員(内村良英君) この点は他の社会保険と同様な扱いになっておりますので、それらとの均衡を考慮して処理しなければならない問題ではないかと思います。
○辻一彦君 この点は実質の面でそういう被害といいますか不利な点が出ないように、これは十分配慮してやってもらいたいと思います。 もう一つ、国庫補助の引き上げについてでありますが、これはもう従来から何年越しにこの国庫補助を厚生年金並みにまずは二〇%まで引き上げてもらいたいと、こういう声は農業団体、あるいは団体の職員の皆さんからも強く出ておったと思います。現在一八%になっておりますが、ことしはある意味では年金の年と、こういうことでも非常に大きく年金問題がとり上げられておりますが、このときにあたって厚生年金並み二〇%にどうして引き上げることができないのか、この点はいかがですか。
○政府委員(内村良英君) 共済年金制度におきます国の補助率につきましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、農林、私学共済では一八%、国家公務員、地方公務員、公共企業体では一五%となっておりまして、補助率だけから見ますと農林年金は共済年金の中では最高の補助率になっているわけでございます。一方、厚生年金は補助率が二〇%でございますから、農林年金のそれを上回っているわけでございまして、かねがね関係者から農林年金につきましても補助率は二〇%にしてほしいという要望が強く出ていたわけでございます。そこで、四十六年までは一六%であったわけでございますか、四十七年度におきましてそういった関係者の熾烈なる要望等もございましてこれを一八%に上げたわけでございます。そこでなお二%の開きがあるではないかという問題でございますが、厚生年金との比較の問題におきまして常に問題になりますことは、厚生年金と農林年金に給付額計算の基礎となる給与のとり方に違いがあるわけでございます。すなわち厚生年金の場合には、給付額のとり方は全勤務期間の平均、それに比べまして農林年金の場合には退職直前三年の平均ということで給与の取り方に相違があることがございます。それから年金の支給開始年齢が違います。すなわち、農林年金は五十五歳、厚生年金は六十歳ということになっておりますので、そういった制度の立て方の違いがございますので、直に二〇%と一八%を比較することには問題があるわけでございます。それから農林年金の場合には財源調整費というものが国の補助としてついております。これが大体四十八年度におきましては一・七七に相当しておりますので、これを加えてみますと大体補助率はほぼ二〇%になっているわけでございます。 そこで、今後、国庫負担の増加ということを考えていった場合に、国庫補助率の引き上げというオーソドックスな行き方でいくのか、あるいは財源調整費を実質的にふやしていくか。すなわち、先ほど申しましたように、国家公務員、地方公務員、公共企業体は一五%だと、それに対して農林等だけ二〇というのはかなり問題があるのではないかということを考えました場合に、そういった国家公務員共済その他の共済と農林年金とのバランスというようなことを考えた場合には、むしろ財源調整費のほうをふやしていったほうがいいのではないかという意見も、あるいはあり得るかと思いますけれども、われわれといたしましては、従来の経緯もございますので、四十九年度予算につきましては、少なくとも定率補助を二〇%にするということで要求したい。近く予算も大蔵省に出るわけでございますが、農林省といたしましては、従来どおり二〇%ということで要求するつもりでございます。
○辻一彦君 いま御発言がありましたが、衆議院でこの論議が行なわれたのは五月の半ば、あれから三カ月たっておりますね、いろいろな事情によりまして。すでに衆議院でいろいろな要望事項や附帯決議等がなされて、すでに明年度の予算の編成もいろいろと行なわれているそういう時期だろうと思う。すでに衆議院等で、ここにも出ています約束事項というか、あるいは附帯事項というもの、こういうものが今度の予算の中に具体的に盛り込まれておる点があろうと思うのですが、その中でこの二〇%確保という点は、重点的なこの種の問題についての事項として計上しているのか、あるいは毎年出していろいろやっているから、という程度で出されているのか。そこらのウエートの置き方は一体どうなのか。この点、大臣からも伺いたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 本年度の予算の場合におきましても、農林省サイドとしては二〇%の補助ということを強く要望したのであります。しかしながら、先ほどから局長からお答え申し上げましたように、理屈の上からいいますと、農林年金は共済制度の中では補助率が一番高いとか、あるいは厚生年金と比較しても非常に給付水準は高いんだというようなことで、昨年上げたのであるから、ことしはこれでがまんをせいというようなことで、いわば理屈負けをしたようなかっこうで最終的に一八%据え置きということになったことを記憶いたしております。そういうことで農林省としては、やはり厚生年金が二〇%ということであれば農林年金もまた、当然そうすべきであるという立場を厳守しているのでございまして、昭和四十九年度の予算要求の中におきましても二〇%の要求をぜひいたしたいということは、これは非常に重要視して要求をすることは言うまでもございません。
○辻一彦君 この問題は、先輩の足鹿委員が長年にわたってずっと論議をされ、要求されてきております。足鹿委員のことばをかりれば、ここらで一ぺん結着をつけたらどうかと、こういうことをしばしば言われておりますが、四十九年度予算の中で、重点的な取り組みとして実現ができるように、ぜひ大臣以下農林省の努力を願いたいと思います。 最後に私、この労使の負担率について若干伺いたいと思います。農林年金の場合では、積み立て金の不足分を現在では労使両方が負担していますが、国家公務員の場合は国がこの分を負担しております。そこでこの農林年金では、労使負担ということになりますと折半と、五と五と、こういうことになって、そのために農林漁業団体に働く労働者の、職員の掛け金といいますか、負担がほかに比べてもかなり高くなっている。こういう事実がありますが、この負担を、積み立て金の不足分というものを、国で対処するという、そういう考え方ができないのかどうか、この点はどうでしょう。
○政府委員(内村良英君) 掛け金の負担割合につきまして、団体と組合員との折半を改めて、団体側の負担を多くしてくれということは、これは私どもも農協の労働組合等からしばしば耳にしている事項でございます。しかしこの掛け金の負担割合につきましては、わが国の共済年金制度というものは、労使折半負担を大体原則としておりますので、この原則にかかわる問題になってくるわけでございます。それからさらに考えてみなければならないことは、それでは団体にそれだけの負担能力があるだろうかということも、現在の農林漁業団体の経営状況から見れば考えなければならぬ問題でございまして、要求は私どもとしてもよくわかるわけでございますが、いろいろな現実の問題を考えました場合に、一つの原則論の問題がある。それからさらに関係の農林漁業団体にそれだけの負担能力があるかどうかというような問題もございますので、これらの問題につきましては、今後慎重に検討したい一つの検討事項だと思っておりますけれども、いまのところ、それをすぐ改正するだけの用意はないということでございます。
○辻一彦君 まあ、他に比べて掛け金が大きいということは、これは事実として言えると思うのですね。その点で労使間における折半を、比率を変えるか、あるいはそれがむずかしい場合には、国のほうが、こういう問題について負担をするとか、私は、考えればいろいろな道があると思うのです。労使間の割合を変えるという問題を十分検討してもらうということも大事ですが、国のほうがこういう問題について負担をするという、そういう可能性はないのですか。
○政府委員(内村良英君) これは年金の保険数理とも非常に関係のある問題でございます。それで現在の掛け金率は、四十四年の数字を基礎にいたしまして計算ができているわけでございますが、この場合に掛け金が上がるという問題がございました。そこでそれにつきましてはたとえば任意継続組合員制度をやめるということとか、あるいは利差益を入れるとか、いろいろな措置をとって、実際組合員の負担が上がらないように、掛け金負担が上がらないように措置したことは、昨年ここでも御論議になりましたし、御承知のとおりのことでございます。それで今後料率の再計算ということになってきた場合に、現在のところ、多少制度の改正によりまして整理資源のほうに積んでいる不足金がございますので、そういった問題をどう処理するかという問題として今後出てくる問題でございます。 そこで、国庫負担をどうするかという問題でございますが、原則につきましては、これをあまり変更を加えるということは、他の共済年金制度との均衡その他の問題もございますが、財源調整費自体につきましては、これは財源調整費でございますから、その算出の基礎として整理資源のどこをどうするかとか、いろいろな計算のやり方は将来出てくるのではないか。いずれにいたしましても、この問題につきましては、将来の料率再計算の場合に、われわれといたしましては、極力組合員の実質負担をふやさないという線で処置しなければならぬと思っておりますけれども、その場合に技術的にどう処理するかという問題として検討すべき幾多の事項があるのではないかと思っておりますけれども、現在のところ、まだそこまで料率改定の仕事もやっておりませんので、具体的にどうというようなことにつきまして御答弁できるだけのものがございません。
○辻一彦君 ここで、具体的にどうするかというのは出なくても、方向として組合員の負担を少なくする、そういう方向で検討していく。こういうことは確認できますか。
○政府委員(内村良英君) 前の料率改定の際にも、組合員の掛け金負担が増加しないという線で処置したわけでございますが、今後におきましても、極力そういった線で事に当たりたいというふうに考えております。
○辻一彦君 この点は、農協に働く職員や労働者の皆さんからも例年強い希望のある点でありますから、十分検討してもらって努力をぜひしていただきたい、こう思います。 最後に、これは農林年金とちょっと問題が違いますが、十分間ほど私伺っておきたいことがございます。それは農業者年金の問題でありますが、これについては、別の機会に詳しい質問をいたしたいと思いますが、およその考え方をちょっと伺っておきたいと思います。というのは、農業者年金は、早く経営を次の代に譲り渡すように、こういう意味で批判側からすれば、首切り年金というようなことばもありましたが、いわゆる経営を移譲すれば、そこに発生するという、そういう要件があります。しかし、今日の日本の農業情勢、まあ、われわれが住んでおる北陸の米の地帯を見ても、なかなか年配の人が、早く次の世代に経営権を譲り渡すというような状況になっていない。農業だけではやれないということで、都会に行ったむすこはなかなか帰ってこない。こういう中で、昔であれば隠居で、お孫さんの子守をしておった。そういう年輩の人が六十を過ぎ、七十になっても、こういうことでまだ第一線で働いておる。これが日本の農業を守っているという実態じゃないかと私は思うんです。そうしますと、従来の農業者年金の構想というものが、かなり実情に合わなくなっている。こういうように私感ずるんです。こういう農業の情勢の変化、それからもう一つは、これは私よく聞きますが、農村で。つとめの人は二十年働けば、大体何かの年金というものが、従来であれば恩給、今日ではかなりないろいろな年金というものがつく。百姓は二十からやって六十歳までやれば四十年、七十代までやれば五十年働くんだけれども、ほとんど老後は安心できるような保障というものは何もない。一面ではこういう声がまた農村の年輩の方から非常に強い。これも私は事実だと思うんですね。この二つの間に立って、一体農業者年金というものをどういうように考えていかれるのか。この点の基本的な考え方をできれば伺いたいと、こう思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) いまの農村の実情からいたしまして、農業者年金がふさわしいかどうかという疑問をお投げかけいただいておるわけでございます。この疑問は疑問といたしまして、いずれは年輩になり経営を移譲しなければならないという、そういう事実はあるわけでございまするから、したがって、そういうことを念頭において、いま農業者年金が、これが必要がないというようなふうに考えるようなところはないと私は思うんであります。そういたしますると、農業者年金がもし実態にそぐわない点があれば、それを改善するのがいいということになりまするが、いま辻委員から具体的にそういう点の御指摘があったわけではないし、また私自身として、いまの農業者年金がどこに欠陥があるか、自分としてはこう考えたいというようなことも、いまここでにわかには持っておりませんので、この農業者年金の趣旨を十分生かしながら、そして農村の経営者育成の上に、あるいは農業者年金の給付を受ける方のためになるようにつとめてまいりたいと思うのでございます。 それから、次の二十から農業やって六十までやっても四十年、七十までというと五十年もつとめて、しかし農村で働く人々に対する報い方が現実においてどうかということになりまするが、御承知のように、一般的な国民年金制度とのからみ合いで考えておるわけでございまするから、したがって、こういう年金制度が戦後に発足をいたしまして、まだそれほどの期間がたっておらないわけでございまするが、各種年金を総合しながら考えていきまするならば、一がいに農業者については非常に冷たい措置をとっておるんだ、こういうことではないんではないか、かように見ておるわけでございます。
○辻一彦君 これは質問通告もしておりませんし、私もここで詳しい質問を行なう考えはありません。ちょっと伺っておいて次の機会に具体的な問題として質問を行ないたい、こう思っております。 そこで、私は、実態はかなりいろいろな問題があるから改善の必要があるだろうと思いますが、その具体的な問題については、また別の資料を用意して、そのときにいたしたいと思います。 もう一つ、農村の主婦の問題なんですか、いまは米場地帯を見ても、一人前の元気な男の人は大体出かせぎにいくとか、あるいは一定の職場にいくとかして、主婦が実際米づくりというか、農業を守っておるという例が非常に多い。だんなさんのほうは土曜日曜に手伝って、あとは奥さんががんばっておる。私どもの近辺を見ると、ある面では日本農業、米場も主婦労働によってささえられている面が非常に大きい、こういうように思います。その中でこの主婦が、機械もいま入りましたが、その機械を自分で使い、たいへんな体を無理をして過労の中におちいっている。献血運動があって、車が回ってきて血液を献血してくれといって、農家の主婦がそれをやりますと、血が薄くて役に立たぬ。こういうことで、せっかく献血にいっても断わられる。これぐらいいま日本農業を守るために農家の主婦が過労状況、いろいろと無理な働きをしているのじゃないか。こういうことを私は思います。そこで、この主婦が、しかもお嫁さんにきて、あるいは結婚して四十年、五十年たってずっと働いているんですが、これは農業者年金の対象にもならぬのですね、経営者じゃありませんから。経営者はあくまでも名目、名前は御主人のほう、これは出かせぎや職場に行かれる方が多い。実態は主婦が働きながら、経営者じゃないということで、今日の問題はありますが、問題のある農業者年金の対象にもならない。こういう中で、いうならば日本農業の半面をになっておる農家の婦人の皆さん、農協の婦人の皆さんから強い声がありますが、これは私は何か考えていくべき問題でなかろうかと思っております。これについても詳細な資料を準備をして別の機会に質疑を行ないたいと思いますが、ごく大まかな考えでけっこうでありますが、大臣からこういう日本農業を守り、しかも過労状況に置かれている主婦に対して老後を考えることについて、あまりにも私は薄いと思いますが、これについて何らかのお考えがないのかどうか、この点をお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私から申し上げるまでもなく、辻委員が十分御承知であろうと思いますが、現在農協の中には婦人部がございまして、いまの実態に即しての御要望というものが団体を通じて強調されておるわけでございます。そして私どももその中から、十分とは申し上げられませんけれども、具体的措置のとれるものについては取り上げてまいっておる。特に、農村の主婦の栄養欠陥であるとか、あるいは農婦症であるとか、というような問題につきましては、それぞれ、栄養指導であるとか、あるいは健康診断の車を出してその健康維持につとめるとか、いろいろくふうをしておるわけでございまするが、しかしいま辻委員の言われたとおりに、いまの農村の実情が主婦に負っておるところが非常に大きいという、このことについての認識をさらに一そう深めまして、そうして農村主婦に対する対策を十分にしていくということは、これはもう言うまでもないと思うんであります。そうして、私どもが反省をしなきゃならないことは、そういう点について十分であるかと、こう言われれば私はやはり相当考えなきゃならない点があると、こういうふうに思う次第でございまして、いずれ、いろいろ具体的な御質疑をちょうだいするということでございまするので、そういうことをわれわれも十分参考にいたしまして、農村主婦対策についてはこれから万全な措置を講じてまいりたいと思います。
○辻一彦君 終わります。
○委員長(亀井善彰君) 暫時休憩いたします。 午後は一時から再開いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後一時三十七分開会
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○塩出啓典君 それでは非常に初歩的な質問で申しわけないのですが、農林年金が昭和三十四年にいわゆる厚生年金から分離して、そうして厚生年金と農林年金には、午前中質疑もありましたように、支給される年齢が六十歳と五十五歳で違うとか、あるいは標準給与は最後の三年をとる違いがあるとか、そういうような内容の違いがあるわけでありますが、農林年金がいわゆる分離独立をしたというその目的と意図はどこにあったのか、それをちょっと説明してもらいたいのですが。
○政府委員(内村良英君) 農林年金が厚生年金から出まして、別な共済年金の一つとしてできましたことの背景につきましては、やはり農協あるいは漁協等の農林漁業団体といたしまして、労務管理の面から職域年金的な色彩の年金がほしいというような要請があったというふうに聞いております。と申しますのは、やや具体的に申し上げますと、現在七割以上の農協の定年は五十五歳でございます。厚生年金の場合には六十歳から給付が始まるわけでございまして、その間に五年のギャップがある、というふうなことはやはり人事管理の面からいきましても非常に問題があるというようなことで、職域年金的な年金がほしいというところから、独立すると申しますか、厚生年金から分離したのではないか。同時に、いろいろ制度の違いからいきまして、共済年金になったほうが、給付自体——掛け金はもちろん高くなるわけでございますけれども、給付自体も充実するというような現実的な要請もまたあったというふうに聞いております。
○塩出啓典君 私は、やはり農業というのは非常にいま大きな曲がりかどというか、ほんとうに今後検討していかなければならない一つの危機にきていると思うんですね。そういう点から、今後農協の果たすべき役割りというのは非常に大きいものがある。いわゆるこれからは規模の拡大ということが非常にむずかしくなってくれば、今度は作業規模の、共同作業によって規模を拡大していかなければならない。そういうような政府の方針のようでありますが、そういうような点からもやっぱり農協の果たすべき役割りは非常に大きくなってまいりますし、したがって、農協に優秀な人が集まってこなければいけないのではないか。そういう点で、農林年金が厚生年金から独立したということは、その当時においてもやはりいわゆる農協等の諸団体につとめる人たちが、その実力を十分に発揮できるように、特別に厚生年金よりも一段よくする、そういう意図で分かれたのじゃないか、そのように思っておったんですけれども、そうじゃないんですか。大体ぼくの言ったそういうような考え方でいいのかどうか。
○政府委員(内村良英君) 農林漁業団体として職域組合的な年金がほしいということは、ただいま先生の御指摘があったような事実に基づいているわけでございます。
○塩出啓典君 だから、ぼくは職域的組合とかいうのはちょっとよくわからないんですけれども、いまぼくが言うたようなことを、別なことばで言えば職域的組合ということになるんですか。
○政府委員(内村良英君) 共済年金につきましては二つの性格があるわけでございます。一つはいわゆる社会保障的な面、それからもう一つは労務管理等と結びつきまして職域組合的な考え方ということでございまして、そういった職域組合的な考え方がほしいということは、やはり給付の充実、それから労務管理面でも、五十五歳でもらえるということは、六十歳でもらえるよりも非常にぐあいがいいとか、いろんなことがございまして、大体先生がおっしゃったと同じような意味で農林年金が独立したというふうに考えていいのではないかと思います。
○塩出啓典君 そうしますと、この厚生年金から農林年金が独立をしたときよりも現状のほうがさらにその重要性は増しておる、こういうようにやっぱり理解していいのかどうか。私はそう思うんですけれでも、これは農林大臣にその見解を承っておきたい、まず最初に。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま局長のほうからお答えを申し上げておるとおりに、私としては職域年金が必要だと、こういう当時の強い要請に基づいて農林年金が発足をしておる。また、現在におきましてもその情勢というものはいささかも変わりがないと。したがって、職域年金として充実されたものに今後一そう育成をしていく必要があるのではないか、こういうふうに私は見ているわけでございます。
○塩出啓典君 それで、午前中にもいろいろお話がありましたように、いわゆる農林年金の支給額がほかの国家公務員共済組合とか、そういうのに比べて非常に低いと、そういう数字をあげてですね、そうしてその原因はいわゆる給料が安いからだと、そういうようなお話であったわけですけれどもね。したがって、その結果非常に勤続年数が短い。ということは、一つの農協につとめておっても、ほかのところに引きがあれば、そっちのほうへかわってしまう。こういうことでは、これは非常に農業の将来にとってはよろしくない、これは当然じゃないかと思うんですね。これはまあ年金以前の問題かもしれませんけれどもね。こういう問題について午前中ではいろいろ農協の合併を促進するとか、いろいろなそういう対策を政府は講じてきたとおっしゃるわけでありますけれども、その結果ははたして出ているのかどうか、そういう点はどう考えていますか。
○政府委員(内村良英君) 合併を進めておるわけでございますが、合併した組合につきまして給与が合併以前よりは上がっているということは、これはいろいろな私どものほうの調査でもはっきりいたしております。
○塩出啓典君 しかし、このデータを見ますと、かなり給料の差というものもだんだん拡大をしているわけですね。拡大をしているわけなんですよ。はたしてこういうことでいいのかどうかですね。もちろん、ある人によれば、農協の職員は兼業をしている人がいるから、まあそれでいいのだと、そういうようなことも言う人もいるわけでありまして、それはそれでよければそれでもいいわけでありますが、しかし先ほど申しましたように、給料が安いために、より高い給料を求めて農協をやめていく。そういうようなことが繰り返されることは、私は日本の農業にとってもこれは非常にマイナスでもあるし、そういう点はやはりどうなんですかね。
○政府委員(内村良英君) 先生御説のとおりでございまして、私どもといたしましても、農協の今後の発展、拡大のためには、やはり職員の人たちが定着いたしまして、長く農協につとめ、業務に励んでもらうということが必要なことは申し上げるまでもないわけであります。ただ、現実問題として、午前中も御答弁申し上げましたけれども、やはり農協の経営の問題が給与の問題とは関係があるというところから、私どもといたしましては、合併の促進あるいはその他の助成措置を通じまして経営をよくしていくということがやはり給与改善の根本的な問題ではないかというふうな認識を持っているわけでございまして、その面につきまして、指導面等では努力はしているつもりでございますけれども、結局は、経営体自体の問題に大きな問題があるわけでございます。
○塩出啓典君 だから、経営が悪いために給料が安い、給料が安いためにいい人が出ていく、その結果ますます経営が悪くなる。こういうやはり悪循環になりやすいと思うんですね。けれども、それがまあそれぞれの経営の問題だと言ってしまえばそれまでであって、しかし農協が非常に経営が悪いということは、これはもちろん農協の幹部の問題もありますけれども、やっぱり農業そのものが、非常にあらゆる困難な条件が備わっているという問題もあると思うんですよ。それを、その悪循環をやっぱり改めていくのが私は政治の一つの役割りではないかと思うんですけれども。そういう点でいろいろ合併については助成を出すと、そういうこともやってきているわけですけれども、現実においては非常に差かますます拡大をしているということ。で、そういう手を打たなければもっと差は開いておったかもしれぬ。その差が拡大しているけれども、その拡大の度合いがゆるやかになったのだと、そういうことが言えるかもしれませんけれども、しかしそれではやはり日本の農業にとってはよくないと思うんですよ。これはやはりもっと抜本的な対策を立てて、そうして、そういう格差がなくなり、優秀な人材が逃げないように、効果のあるところまで手を打たぬことには、私はやっぱり政府としても無責任じゃないかと思うんですけれどもね、まあそういう点でこの点はどうなんですか。午前中の質問では、そういうような実態については実際農林省としてはあまり調査をしていない。ただ農林年金のほうでいろいろ数字的な報告がきているということでございますけれども、これは農林年金の立場ではなしに、農政の立場から、やはりもう少し実態の調査をする必要がないのかどうか。ということは、一つは賃金を上げなければならないのかどうかという問題ですね。やっぱり賃金をもっと上げなければ優秀な人たちが逃げていく、実際に逃げていっているのかどうか。それともう一つは、ある学者によれば、農協はやっぱりもっとベースアップをできるそういう能力はあるんだ。いろいろたくさんのりっぱなビルもつくっているし、それを不当にみなの賃金を安くしておるのだ。ほんとうに努力すれば、いまの現状でもベースアップすることはできるんだ。そういうことをいっている学者もいるわけなんですね。われわれはそういうところがよくわからない。しかし農林省としては、そういうあたりをもっと詳細につかんで、やっぱり日本の農政の立場で取り組んでいかなければならないのではないかと思うんですけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましても、農協の職員の給与体系その他につきましては、一応の調査は持っているわけでございます。もちろん正確な、非常にこまかい信頼度の高い数字ということになりますと、やはり農林年金等の数字を使わなければならないわけでございますが、一応新卒者の採用はどうなっておるかとか、あるいは職員の平均給与、それから退職金がどうなっておるかとか、そういうような調べはもちろんしているわけでございます。そこで、これらの点につきましては、もちろん極力組合員、職員の給与が上がるように、われわれとしても、指導、努力はしているわけでございます。繰り返して申し上げますけれども、最終的には、やはり、農協の経営をよくしていく、それに向かって助成なり、指導をするということが究極的には給与体系の改善につながっていくんじゃないか。いろいろビルなんか立てているじゃないか、そこで、そういうものを給与のほうに回したらどうかという御意見があるかとも思いますけれども、特に、職員の給与を圧迫してまでそういう建物を建てているということにはなっていないのではないかというふうな認識を持っております。
○塩出啓典君 それで、たとえば農協につとめれば、いわゆる老後の農林年金が非常によろしい、条件がいい、そういうことであれば、いま少々給料安くても、やっぱりそこに定着をしていく。そういう点で、農林大臣に、これはもう非常に大事な問題ですから——いま国の補助が、国庫負担が一八%だ、これは厚生年金、ほかのに比べて一八%は高い、あるいはこれ二〇%にする。そういうことが午前中にも論議されたわけですけれども、いまの農業の立場ということを考えれば、農業というのは、どうしてもほかの産業とは違って、やはり生産性は上がっていかない。どうしてもやはり国の力で強力にバックアップしていかなければいけない産業、これはやむを得ないと思うんですね。そうすると、農業の部門に非常に重大な役割りを持つ、そういう農林関係の職員の人たちの職業を定着するためにも、せめて農林年金の補助率を、たとえば三〇%ぐらいアップして、そうして農協につとめておれば、少々給料は安くても、やはり老後はいいんだ、退職後はいいんだ、そういうことになれば、また農協にも優秀な人が集まってくるんではないかと思うんですね。やっぱり農協に入りたいがなかなか入れない。おれは役場へつとめているけれども、農協のほうへ行けないか。そういうような状態に持っていかなければ、農協にはいい人は集まらないし、したがって、経営のいわゆる体質改善というものも、幾ら口先頼んでも、いい人が集まらなければ、そういうことはできないわけです、事業は人なんですから。そういう点で私はこの国庫補助にいたしましても、野党が主張していますように、三〇%ぐらい思い切ってやる、それがやっぱり農政の私は大きな転換じゃないかと思うのですがね。これは農林大臣どうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 本年度の予算の編成のときにもいまお話のような三〇%という、そういう国庫補助ではございませんが、われわれとしては厚生年金並みの補助率は実現したい、こういうことでございましたが、しかし各種の共済制度を比較してみまするときに、農林年金は最高の補助率である、また給付の制度としてはそう見劣りをするものでないというようなことで実現をいたさない。しかし最終的には整理資源の一・七七がつきまして、まあまあというかっこうがついたわけでございまするが、いまの御質問を聞いておりますると、どこに基本的に問題があるのか、こういえば農協の給与にあると思うのですね。この年金の制度そのものからいえば、国庫補助あるいは事務費補助、整理資源等を見て、そう見劣りをするようなことになってないと思うのです。ただ、現実に受け取るところの年金というものが非常に見劣りをしておる。それは基本になるところの給与に問題がある。したがいまして、局長のほうから申し上げておりますように、農協の給与を改善するためには一体どうしたらいいのかということから、各種の施策を先ほどから申し上げておるところでございます。また、農協自体でいまお話のように、建物はよくなっているじゃないかというようなことも目にとまるところでございまして、したがって、給与規程であるとか、退職金支給規程の整備とか、初任給の給与の取りきめなど、給与体系の整備をはかるというようなことについても、私はっきり記憶しませんが、系統農協としては三年ぐらいの総合計画を持っておったんじゃないかと思うのでありますが、同時に、農林省自体としては基本給与が何としても上がるように仕向けていかなければならない。そのための必要な施策は十分とっていこう、こういうふうに考えておるようなわけであります。もとよりこの国庫負担についてもっと考えろということにつきましては、四十九年度の予算要求のときにもぜひこれは、その幅は別といたしまして、私としては努力をしてまいりたいと思います。
○塩出啓典君 私が言わんとするのは、そういう給料が上がらないから、その年金も低い。だから給料をよくするためには体質を改善しなければならぬ、そのためにはいろいろ施策をやっているけれども、それが結局効果が出ていない、実際に差が開いているわけですから。であるならばたとえば年金のほうの国庫の補助をふやして、そういうのがよくなれば、人が集まって、その結果経営もよくなっていく。——そういう点で実際いままでやってきた政府の施策で農協の経営がよくなって、そうしていろいろ給料をベースアップしていけば、年金もふえていく。そういうことになるわけですけれども、それが結局そうなっていかない。だから、やっぱりそこに政治的にもっと大きな立場で手を打っていかなければいけないのじゃないか。そういう意味で申し上げたわけなんですけれども、これは今後も検討していただきたい問題だと思います。 それで、同じ農林漁業団体の給与にいたしましても、総合農協、開拓農協あるいは農業共済——農業共済なんかは非常に給与がいいわけですね。また開拓農協とか専門農協、そういう土地改良、そういうような面は非常に安い。また都市と農村においてもだいぶ格差がある。こういう状態でございますけれども、こういう問題についてはやはり農林省としてはどういう対策を立てておるのか。何か悪いところはますます悪くてしり細みになり、いいところはだんだんよくなってくる。だんだん格差が拡大していくようではこれは困ると思うんですけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもも農林漁業団体の職員の賃金につきましての統計は持っているわけでございますが、確かに、先生御指摘のように、農業共済あるいはたばこ耕作組合等がかなりいいわけでございます。と申しますのは、農業共済の場合には農協に比べまして平均年齢が六歳高いというようなこともございます。それから、農業共済の場合には最近かなり、仕事が保険でございますから、逐次機械化等が進むというようなことにもなっております。というようなことがございまして、農業共済がいいのではないかと思っておりますけれども、この年齢差を捨象して考えますと、各農業団体あるいは漁業団体の間におきまして、それほどひどい格差があることにはなっていないのではないかというふうに思います。 それから平均組合員期間を見ましても確かに年齢が高い関係から農業共済が高いというようなこともございまして、その辺のところは十分、同一年齢をとってみるとか、同一学歴をとってみるというような形で分析しなきゃならぬ問題でございますが、特にどこだけちょっといいというようなことにはなっていないのではないかというような印象を持っておりますが、なお十分分析してみなきやならぬ問題があるかと思います。
○塩出啓典君 そういう点は印象で話されても困るわけで、やっぱり農林省としても詳細にひとつ検討していただいて、そういうような格差がひどくなりますと、ますます悪いところは悪くなって人間が出ていく。いいところへは人が集まる。そういうことになってはアンバランスになる。——悪いところはますますしり細みになっていく。そういうことがないようにしていくのが私は政治であり、農林省のつとめではないかと思うのですね。そういう点をひとつさらに対策を立てていただきたいと思うのですね。 それで、今回の改正案で、掛け金、給付の算定の基礎となるいわゆる標準給与の下限、それから上限ですね。これをそれぞれ引き上げておるわけでありますか、下限を一万八千円から二万六千円、上限を十八万五千円から二十二万円。これはどういう根拠に基づいてこれだけ引き上げたのか。また引き上げというものがいわゆる年金の受給額に、年金をもらう場合の金額にどういうような影響を及ぼしていくのか。というのは、たとえば厚生年金の場合は五万円年金、そういうキャッチフレーズですね。この内容は非常にまやかしではありますけれども、一応は五万円年金という、そういうキャッチフレーズでいっているわけですけれども、それに相対して今回のこの上限、下限の引き上げというのはどういう関係になるのか。そのあたりをちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 標準給与の下限の引き上げは、その金額以下に位置づけられていた者にとりまして、実給与が変わらないにもかかわらず掛け金が高くなるという一面もございますので、従来から標準給与の下限を定めるにあたりましては、その分布割合が一%前後のところをめどとしてやってきたというのが実情でございます。そういった点と、それから農林共済と並ぶものといたしまして私学共済があるわけでございますが、私学共済における標準給与の下限というようなものとの均衡も考慮しなきゃならぬということもございまして、今般下限を二万六千円に引き上げたわけでございます。 また上限につきましては、現在の上限十八万五千円が定められた四十六年当時に比べまして上限をこえる給与を受けている者が増加している実態にございます。そこで、この点につきましても他の共済制度との均衡を考慮いたしまして今般の引き上げを行なったわけでございます。 そこで、この標準給与の引き上げがどういうことになるのであるかということでございますが、掛け金と給付、これが基礎にしてきまってまいりますので、標準給与が上がれば当然それだけ給付は厚くなる。一方、上がればそれだけ掛け金が高くなるという面もございますけれども。標準給与というものは掛け金と給与の両面に使われるわけでございますから、両面への影響がある、こういうことに相なるわけでございます。
○塩出啓典君 しかし、それはあれじゃないんでしょうか。たとえば十八万五千円よりもたくさんの標準給与の人の場合に当てはまるわけであって、大体平均は五万一千円ですか、そういう人たちが一番多いわけですから、そういう人たちは別に関係がないわけですね。別に年金がふえるわけでもないわけですね。そう考えていいわけですね。
○政府委員(内村良英君) 上限、下限と関係のないところにいる方々にとりましては別に関係がないわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、これは総理府社会保障制度審議会の意見ですが、これによりますと、「今回、厚生年金が大幅に改善される結果、本制度の年金受給者が著しく不利になるおそれがある。」、こういうことをいっておるわけでありますが、これは結局、最初話したように、厚生年金から農林年金が独立したというそういう点から考えても、やっぱり農林年金のほうが厚生年金よりも一歩前進していかなければならぬ。それがおくれをとるということは結局よろしくないと思うんですけれども、これについてはどう考えておりますか。
○政府委員(内村良英君) 厚生年金が五万円年金ということで、非常に給付の充実に向かっていることは御説のとおりでございます。しかしながら、けさからも御答弁申し上げておりますけれども、先生御承知のとおり、厚生年金と農林年金ではその内容において制度の仕組みが違っております。したがって、単純な比較は困難でございますが、これらの制度の相違点というものを考えて計算いたしますと、なお農林年金の給付のほうが厚生年金の給付よりも高いということにはなっております。ただ問題なのは、厚生年金にはいわゆる定額部分と報酬比例部分とございます。したがいまして、社会保障的な色彩は厚生年金のほうが濃いわけでございます。 そこで、給与の低い人たちについて計算してみますと、今度の厚生年金の改定によりまして厚生年金のほうが有利だというような計算が出てきております。具体的に申しますと、単年度で単純に計算いたしますと、八万一千二百八十五円というのが境になりまして、それより下の人は厚生年金が有利であり、上の人は農林年金が有利であるということになります。ただ制度の違いがありますので、余命年数を加味して比較いたしますと、要するに五十五歳と六十歳の給与のスタートの違いがございますから、そういったことを加味して計算いたしますと、五万七千三百八円がその分岐点になるわけでございます。それから、金利を五・五%でみまして年金現価を加味してみますと四万一千九百九十一円が境になるということで、現実の場合にどっちで考えるかということにつきましては、制度の違いから考え方の違いが出てくるわけでございますが、いずれにいたしましても、今般の厚生年金の改正によりまして、下の人にとっては厚生年金が有利であるということが出てきておることは事実でございます。そこで、この問題につきましては、今後、他の共済年金もみんな関係があるわけでございますが、われわれといたしましては、他の共済制度にも共通の問題として、厚生年金の改善に関連する問題について、今後共済年金をどうするかということについては検討を進めなきゃならぬということで、私どもといたしましては、特に同じグループに属しております私学共済というものがあるものでございますから、文部省あるいは地方公務員共済の所管をしておる自治省とかというところと十分連絡をとりまして、今後、共済年金の制度の改善・拡充というものにつとめなければならぬというふうに考えているわけでございます。
○塩出啓典君 いま、給料の安い場合は厚生年金のほうが有利、それから高い場合は農林年金のほうが有利だと。その分岐点が八万一千円とか、あるいは五万七千円とか、四万何ぼとか、そのあたりは私よくわからない、どういう計算になるのか。しかし、まあまん中をとりまして五万七千三百八円としても、この資料によりますと、いわゆる農林漁業団体職員共済組合の昭和四十六年度の平均報酬月額は五万一千四百三十六円であると。そういうことになりますと、大半の人が、結局、まあ一番最後の四万何ぼであれば別としても、まん中の五万七千円をとりました場合でも、大半の人が厚生年金のほうが有利ということであれば、じゃあ一体この農林年金というのは大半のそういう農協で働いている職員のための年金ではなしに、一部のそういう最高幹部の、月給をたくさんもらっている人の農林年金じゃないか。そうなってくると、その農林年金の意図するものが非常に私は違った方向にいっているんじゃないか。そういう点から、やっぱりもう少し、むしろ上のほうよりも下のほうにとってやっぱり厚生年金よりも農林年金のほうがいいんだと、そういうように改善をしていかなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもも先生のお説のとおりに考えているわけでございます。そこで、御承知のとおり、国家公務員、地方公務員、公企業体、私学、農林年金、さらに公企業体の中はいろいろ分かれておるわけでございますが、そういったわが国全体の共済年金制度の問題としてその問題は取り組んでいかなきゃならぬ問題でございまして、農林省といたしましても、関係の方面と連絡をとりながらこれについては真剣に取り組まなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 ひとつ農林大臣、いまも私学共済等と一緒にやっていくという、そういうお話でありますけれども、私はこの農林年金というのは、事、食糧に関する問題ですから、これはもう、ほかの大学というのはたくさん——まあ大学を別に無視するわけじゃありませんけれども、やはり農林年金というものは、やはりいま農業そのものが一つのやっぱり大きな重大な局面を迎えているんですから、そういう点考えるならば、ほかのそういう私学共済等とはこれは別個にやっぱり抜本的な対策を考えていかにゃいかぬ。まあ厚生年金、国民年金の対策が発表されて、これは決して、われわれは内容においては非常にまやかしであると、そのように思っておりますけれども、しかし、政府が国民にPRするためにそういうものを考え出したその意欲は多とするわけで、まあそれ以上のやっぱり意欲でこの農林年金に取り組んでもらわないと。その抜本対策がやはり一歩おくれたということは、私は非常に農林年金の関係者の人たちに対して農林省としてもこれは反省をしなければならないと思うんですね。そういう点で、農林大臣としては、特にこの農林年金については抜本的なやはり対策を、改正をひとつやってもらいたい、このことを要望するわけです。
○国務大臣(櫻内義雄君) この私学共済等の関係は年金調整会議の一つのグループとして検討されておる点から申し上げておるわけでございますが、農林年金は農林年金として、また農林省は農林省の独自の見解で改正すべきところは改正していくと。これは、基本的には私は御質問の御趣旨について別段の異論はございません。そのほうがより好ましいと思いますが、せっかくある年金調整会議で三つぐらいにグループを分けて検討しておると、こういうことで、まあ、それはそれとして尊重してまいりたい、こういう考えでございます。
○塩出啓典君 それから次に、いわゆる既裁定年金の額について、いわゆる四十六年三月末日までに生じたものは二三・四%、それから四十六年四月からあとは一〇・五%それぞれ増額をすると。この二三・四%それから一〇・五%、これはどういう根拠によるのか。このように二段に差をつけた理由は何ですか。
○政府委員(内村良英君) 公務員のベースアップの数字を基準としてやったわけでございます。そこで、二年分を一ぺんに取り返すという関係になっておりますので——要するに二年間を一ぺんで取り返しているわけでございますから、あとの一年分につきまして給付発生の理由が生じたときにまだ組合員でなかった人については一年分、こういうことになっておるわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、四十六年三月末が二三・四%ならば、その前の四十五年三月末は三年分と。その前は四年分というように、それを四十六年三月末までは、一応それまでそれぞれ上がってきているわけだから、それで全部一律にしたと。それで、四十六年四月以降の分については、その既裁定年金というのは全然値上げがそれから以後なされてなかったと、そういうことなんですね、これは。——わかりました。 それで、国民年金あるいは厚生年金等は、いわゆる物価によるスライド制という改正案が出されておるわけでありますが、農林年金においてはそういうスライド制が入っていない。私たちは、やはり、賃金によるスライド制をやるべきであると、こういう主張でありますけれども、いずれにしても、スライド制というものが全然入ってないということはやはり一歩おくれておるわけなんですけれども、これはどういうわけで厚生年金、国民年金よりも一歩おくれをとっておるのか。やっぱり、将来は賃金によるスライド制、これが当然じゃないかと思うんですけれども、これはいつからそういうふうにするのか、その見通しはどうですか。
○政府委員(内村良英君) 厚生年金はすでに物価によるスライド制を打ち出したのでございますが、共済年金につきましても、やはり、将来の方向としては当然スライド制に持っていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。 そこで、スライド制をとる場合に、ただいま先生から御指摘がございましたように、賃金をとるか物価をとるか、あるいは両方平均してとるかとか、いろいろなやり方の問題があるわけでございます。そこで、現実問題といたしましては、四十八年からの既裁定年金額の改定につきましては、国家公務員の賃金のアップ、すなわち賃金をとってやってきておるわけでございます。そこで一つの制度として確立する場合に、一体どっちでいったらいいかということにつきましては、いま公的年金連絡会議でやっておりまして、先ほど大臣からも御答弁がございましたが、私どもも、去年も文部省と、ことしになりましても、一応話をしているというところでございますが、まだ結論を得るに至っていないというところでございます。ただ、四十七年までは物価と公務員のベースアップと両方とっていたのが、四十八年は公務員のベースアップだけになったというところから、大体いかなる方向に向かっているかということにつきましては御賢察いただけるのではないかと思うわけでございます。
○塩出啓典君 まあひとつ、せっかく一歩前進したんですから、それがまたあとへ戻るようであれば、これはむしろ喜ばしておいて、あとで悲しませるわけですから、非常に悪いわけであって、せっかくこういう賃金にスライドするという考え方できた以上は、これを後退させるようであってはこれはもう非常に重大問題になると思うんですね。そういう点はひとつ早く制度化をするように、これを要望しておきます。 それから、いわゆる最低保障額の引き上げの問題ですね。これで、午前中の質疑におきましての、いわゆる新法と旧法の問題ですね。この新法と旧法においては仕組みが違うんだと、そういうわけで、今回は旧法のほうはそのままになったわけでありますけれども、まず、新法と旧法による現在すでに年金を受けている人の数というのは大体どのくらいいるのか、それをちょっと教えてもらいたい。
○政府委員(内村良英君) 既裁定年金者でございますが、退職年金が二万三千七百九十七人、障害年金が八百五十二人、遺族年金が五千九百四十一人、合計三万五千九十人になっております。 そこで最低保障でございますが、新法の最低保障の該当者が一万八千八百十八人、それから旧法最低保障の該当者が二千五十七人、こういうことになっております。
○塩出啓典君 まあ、そうしますと、旧法のほうは非常に少ないわけですね、数が。 それで、先ほど新法と旧法の仕組みの違いというお話しでございましたけれども、最低保障というそういう趣旨からいえば、いろいろなそういう仕組みの違いで安い者もいるかもしれぬけれども、これだけは保障しましょうという社会保障的なそういうやはり意図が、ここに、最低保障にあると思うんですね。であるならば、それを新法と旧法に分けて、旧法のほうは三分の一だ、これでは私は道理がちょっと通らないと思うんですけれどもね。しかも数からいえば二千五十七人、おそらく年もだいぶとっておるお年寄りが多いと思うんです。まあ先も短い人が多いんじゃないかと思うんです。そうであるならば、この最低保障額を上げてもそれほどたくさんな、ばく大な予算が要るわけではないんではないかと思うんですけれどもね。そういう点で、最低保障というそういう趣旨からいって、いかなる仕組みであろうとも、月給が安かろうと高かろうと、制度がどうあろうとも、これだけは保障していく。そういう意図からいうならば、当然旧法についてもこれを適用すべきである、再検討すべきだと思うんですが、その点どうですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましても、ただいま先生から御指摘がございました旧法の最低保障については、現在のままでいいとは決して思っていないわけでございます。ただ、けさ御答弁申し上げましたように、現在の農林年金のおい立ちにつきましては、いろいろないきさつがあるわけでございます。そこでこれまでのやり方といたしまして、原則として旧法下のものは旧法、新法下のものは新法で対処するということになっております。それから新法は先ほど申し上げましたけれども、やはり厚生年金との関係を非常に考えております。旧法のほうは恩給法から成り立った国家公務員共済との関係を主にしてできておるということで、実は恩給につきまして最低保障的な考え方が必ずしも全部に入っていないというような、バランスの問題があるわけでございます。これも年金の問題につきましていろいろ御説明申し上げます場合に、よくバランスのことを口にするわけでございまして、それはおかしいのじゃないかという御意見もございますけれども、やはり現実の問題として、財政負担してやっていくということになりますと、どうしてもバランスの問題がそこに出てくるという問題がございます。そこで恩給のほうにつきましても、制度改正の意向あるやに聞いておりますし、私どもといたしましても、そういった意向を持っておりますので、旧法の最低保障の問題につきましては、これの改善について四十九年度は最大の努力をしてみたいというふうに考えているわけでございます。
○塩出啓典君 この点につきましてはそういう、バランスがあるかもしれませんけれども、しかし道理から言ってもこれは上げるべきだと思いますね。そういう恩給法のほうがあるならばそっちのほうを改めていけばいいわけですから、こっちが主導権を持って。ひとつそういうように、これは早急に前向きに検討していただきたい。数も二千五十七人で、しかも旧法ですからおそらくだいぶ高齢者が多いわけですから、だんだん先細りになって、そんなに予算もばく大な予算ではないと思います。そういう点をひとつ要望しておきます。 それから最後に、今回こういうようないわゆる最低保障額の値上げとか、そういうような点、それからいわゆる既裁定年金の値上げ、そういうような問題があるわけでありますが、財政的に見て、見通しとしてはどうなのか。やはりそれが料率の引き上げ等になってはいけないと思うのですけれども、その点はどういう見通しか、それをちょっとお聞かせいただきたい。
○政府委員(内村良英君) 今般の改正——年金財政といたしましての不足財源の見込みは、今般の改正で千分の四・五八不足額が生ずることになっております。これは当面の問題といたしましては、整理資源の中に入れまして、その中で現実には対応していくわけでございますけれども、次の料率改定期の場合には、この問題をどうするか、というのが一つの大きな問題として出てくるわけでございます。もちろん、料率算定につきましては、いろいろな前提、たとえば脱退率がどうなるだろうとか、給与の状況がどうなるだろうかというようなことがございますので、現在まだ計算しておりませんので予言はできませんけれども、数理的保険料がどうなるかという問題がございます。そこで数理的保険料がどうなるかわかりませんけれども、整理資源についてみれば、これはもう整理資源の一つの不足財源として出てくることははっきりしておりますので、今度の料率改定の際に、これをどう処理するかということは、保険経理の問題として処理しなければならない問題でございます。 そこで、先般の料率改訂のときには、組合員の実質的な掛け金負担が増高しないということを趣旨として対処したわけでございますが、その料率改訂につきましても、精神としてはその精神でやらなけりゃならぬと思っておりますが、やはり現実の数理的保険料がどうなるか等の数字を見なければ、その処理についてどうするかということを申し上げるだけのものがございません。しかし、いずれにいたしましても、この改正によって千分の四・五八程度の影響が出てくるということは事実でございます。
○塩出啓典君 そういう、当然給付の条件をよくしていけば、やはり財源としてそういう不足をきたす。そうなってくれば、それをどこに求めるかということは問題になってくると思うのでありますが、これはやはり農林年金のその重要性から考えて、一番大事な食糧問題を背負って立つ農協の職員の諸君がやはりその職場に希望を持って定着できるようにするためにも、これは国策として、たとえば国庫負担を三〇%にするとか、あるいは掛け金を上げるにしても、やはりこれは労使の比率を半々ではなしに、今回の野党の案では五対二の割合ですが、そのような点を考えるとか、十分そういう点を配慮していただかないと、農協にりっぱな人材が集まらない。悪循環をする。したがって、そういう点を検討していただきたい、このことを要望しておきます。 それで最後に、いわゆる財政方式の問題でございますが、これは厚生年金の場合も論議されたことでありますが、現在のいわゆる積み立て方式というのでありますと、現在も千七百億のそういう積み立て金があるわけでありますけれども。やはりいまのように物価の上昇の激しいときには積み立ててそうしてもらうと、そういうときにはかなりの年数が、二十年、三十年かかっておる。そうしますと、物価の上昇が非常に激しいために、出すときは一生懸命苦労して出したけれども、もらうときは価格は暴落している。そういう点から、やはりこれは積み立て方式というんではなしに、いわゆる社会全体の共同扶養的な賦課方式にすべきである、そういうような意見も非常に強い。私たちもそのほうがはるかに合理的である。このように考えるわけでありますが、農林省はこういう問題については検討しているのかどうか、また、それについてはどういう考えを持っているのか、これを聞かせていただきたい。
○政府委員(内村良英君) 共済年金の財政方式を、積み立て方式あるいは修正積み立て方式、あるいは賦課方式でいくかということは、これは大問題でございます。このことは、単に農林年金だけではなしに、他の共済年金制度全体の問題でございますが、これについてはまあいろいろ学者の人たちも意見も述べておりますように、いい面と悪い面と両方ございます。 そこで、具体的な数字だけをちょっとこの際申し上げておきたいと思いますが、農林年金の場合、現行制度を前提といたしまして、かりに賦課方式として試算をしてみますと、昭和四十七年度でございます、昨年の掛け金率は千分の二十八程度で済むわけでございます。これは現在の掛け金に比較いたしまして大幅に下がるわけであります。ところが、年金者の増加等に伴って次第に大きくなりまして、昭和五十七年、これは現在の制度そのままにして計算いたしますと負担が千分の七十二になります。さらに十年後の昭和六十六年には千分の百二十八になりまして、その後千分の三百くらいまで掛け金が上がってしまうということになるわけでございます。すなわち、賦課方式というのは、申し上げるまでもなく、そのとき働いている人たちがそのときの年金受給者たちを養っていくという制度でございますから、人口が老齢化していくということになり、若い人間が減ってくれば、それだけその者に、後代に対する負担がよけいかかってくるというような関係に相なるわけでございます。まあただいま数字を申し上げましたように、われわれといたしましても検討はしております。しかしながら、賦課方式でいけばこのような数字になるという現実がございますので、そういったことも考えながら、農林年金の長期的な財政方式というものを考えていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○塚田大願君 今回の改正案につきましては、だいぶ質疑も進みましたので、私はいわば中心的な問題点について二、三質問したいと思います。 申し上げるまでもなく、今日社会福祉の充実というのは国家的な課題でありまして、であればこそ、ことしは年金の年だとすら言われ、あるいは五万円年金というものが盛んに政府筋から喧伝をされると、こういう状態であったと思うのでありますが、今回の改正案の最大の柱は、何と言ってもこの給付内容の改善の中で、特に安心して老後が送れるという意味で、退職年金の最低保障額の引き上げ、これがやはり今度の改正案の一番大きな柱ではないかと私は考えるわけであります。 この点につきましては、いまも申し上げましたように、国民あるいは農業関係者は非常に大きな期待を持っておったわけでございますけれども、結果から見ますと、確かに農林年金の場合、倍以上の伸びは出ております。つまり、十五万円から三十二万千六百円でありますから、そういう点では確かに数字的には伸びましたけれども、しかし基本的に考えてみまして、年金という観点から考えてみましたときに、はたしてこれで老後の生活が保障されるかどうかという問題であります。私どもも、農林省の皆さんがいろいろ努力されていることも知っておりますけれども、はたしてこの最低保障額が三十二万千六百円に伸びたといっても、この程度ではたして老後の生活が保障されるかどうかという問題をやはり重視する必要があると思っているわけであります。 そこで、お伺いしたいのでありますけれども、退職年金の最低保障額についての考え方であります。とにかく二十年も働いて、ほかに就職しなくても、これで生活ができるというふうに農林省としてはお考えなのかどうか、この点をまず第一にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 今回、退職年金の最低保障を三十二万一千六百円、これは国会での修正で最終的になったわけでございますが、これをもって老後の生活を全部をまかなわなければならないのかどうか、こういう点になりますると、この共済組合における年金を受けている場合ですね、年金以外の収入とか、資産の有無というようなもの、こういうものは全然関係なく、生活のささえの一つとしてこの退職年金があると、こういうような見地に立ってまいっていると思うのであります。これをもってたとえば最低生活の保障である生活保護をやるんだというようなこととはいささか趣を異にしておると思います。したがって、野党の皆さん方の修正というか御意見を考えましても、たしか月四万円のお考えを提示されたと思うのでありまするが、私はその受けとめ方としては、この退職年金が全く老後の生活維持をそれだけでしなきゃならないということでない。まあことばが十分でございませんが、生活のささえの一部か中心をなす、こういうようなふうに受けとめておるということを申し上げておきたいと思います。
○塚田大願君 いまも大臣おっしゃいましたが、労働組合あるいは私ども野党といたしましては、月最低四万円がもう限度だ、いまの物価やその他の関係から見ましてぎりぎりの線だと、まあそういう観点で月最低四万円という数字が出ておるわけでありますけれども、いまの大臣のお答えをお聞きしますと、必ずしもこの年金は、それですべて老後をまかなうというふうな性質のものでない。こうおっしゃるわけですが、では一体ほかにどういうものがあるのか、どういう収入をお考えになっておるのか、どうもその辺がすっきりしないのですけれども。たとえばの話でけっこうでございますから、ぜひひとつその三十二万千六百円ぐらいで生活費の何%ぐらいがまかなえるのか。そうするとその残りの、同じぐらいの金額になろうかと思うのですけれども、それは一体どういう形で保障されるとお考えなのか、もうちょっとその辺を具体的に教えていただきたいと思うのですが。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは掛け金を拠出願い、国の助成によって農林年金制度が確立されておるその場合に、老後の一切のことをまかなう、最低生活というか生活保障、これを中心にして考えてまいりまするならば、掛け金にしても、あるいは国の助成にしても、おのずから考えを変えていかなければならないと思うのです。そこで、現在の農林年金制度というものが、先ほど申し上げたように、生活のささえになるものではあるけれども、一切をまかなうというそういう思想の上に立っておるのではないんじゃないか。他にある程度の収入を得られる方もありましょう、あるいは何らかの資産を持っておる場合もございましょう、その資産の運用による収入もあるのではないか。まあそういうようなものが、この農林年金制度の上においては、ある程度頭のすみに置かれつつこの制度というものがつくられておるのではないかと、こういうことを申し上げておるのであって、もし全くそういうものもなく、そしてこの制度によって一切をまかなわなきやならないということになると、この制度に対する考え方というものをもう少し考えていかなきゃならない。したがって、その場合はそれぞれの個個の方々の負担増もはかられなきやならない。まあ現状においては、この程度で生活のささえのある部分をなすようになっておるのではないかという御説明を申し上げておるわけであります。
○塚田大願君 その辺やはり大臣と私どもの年金制度というものに対する考え方の相違があるように思うわけであります。大臣に言わせれば、年金をふやすためには掛け金もふやさなければいけないのだとかというふうなお考えでございますが、私どもに言わせれば、これはやはり社会保障なんでありまして、決して本人の負担によって老後をまかなうというのではなくて、やはりこれは社会として国家として、長年働いた労働者に対して報いていくという、いわば社会保障的な根本理念から私どもは申し上げておるわけでありまして、その点になりますと、だいぶ根本問題になりますので——これはわれわれもちろんこの年金制度を根本的に改正するところにやはり来ているのではないか。これはいろいろな年金制度がございます。それにはもういろいろな矛盾が出ております。しかし、今日国家的な問題として提起されておる、いわゆる五万円年金なる厚生年金の場合でありますけれども、その考え方というのは、やはり国家が、社会が、老後を保障するという、そういうたてまえをとっておると思うのであります。もちろん現実と政府の提案は、だいぶその理念から離れているのでありますけれども、しかしその考え方は私は当然そうあるべきだし、そうなければならないと考えるわけでありまして、その点で農林年金の場合でも私は根本的に考えるところに来ておるというふうに考えますし、いままでの論議も、かなりそういう点でいろいろな問題が提起されてきておると思うのです。 とにかくそういう制度上、理論上の問題は別といたしましても、いまの農村の実態を見ましたときに、これはもうこまかく申し上げなくても農林省よく御存じだろうと思うのでありますけれども、農村でいまお年寄りやなにかの生活環境がどうなっているか。特に最近老人の自殺というのが非常にふえているわけでありまして、特に日本はそういう点では世界第一位を占めているという、まことに不名誉な状態であることは、大臣もよく御存じだろうと思いますし、そういう点から見ましても、やはり私どもが主張しております月最低四万円というのは、決して不当なものではないのではないかというふうに考えるわけであります。 そこでもう一回大臣にお聞きしたいのですが、大臣のお考えでいきますと、月四万円のこの最低の年金というのは何か不当なものだというふうにお考えなのかどうか、現実実際問題としては、そこまでやりたいけれどもやれないというのか。それとも、こういう要求というのは、農林省としては不当だというふうにお考えなのか、その点あらためてひとつ聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私は、せっかくの御提案がなされておるものを、当を得ないとか、不当であるとか、まあそういうような見方はいたしておりません。いまの御質問の中にもありましたように、各種の共済制度、年金を見まして、いずれも十分であるかないか、こういうことになっていきますれば、まだ考えなきゃならない点が多々あると思うんであります。まあこういう場合に国が全部見ていく、こういうことはもう言うまでもないことでありますが、それは税金に財源を求めていく、それが中心になると思うんですね。しかし、まあ相互扶助の上からかけ金をどの程度とっていくかと、まあいまの各種の制度を見ると、かけ金もとり、またその足らざるところを国庫補助で補っていく。ただいまの御質問の御趣旨から言えば、もう国庫補助を十分にして、しかも、その生活保障のできるところまで一気に持っていくのがいいんではないかと、これはわれわれとしても理想としてはそういう方向は好ましいことだとは思うんでありますが、お話のとおりに、各種の共済制度があるという現実からいたしまして、しかも、過去の経緯をごらんいただきまするならば、それぞれの制度を逐次改善をしながら、そうして理想に近づけておるという、そういう過程にある問題ではないかと思うんであります。したがって、いまの農林年金制度がどういう位置にあるかということについては、先ほど来申し上げたような、ことばが十分でないが生活の一部の支えと考えておると、まあこういうふうに御説明を申し上げたわけでございまするが、これからの制度が今後拡充をされ、しかも、加入者の負担があまり過重にならずして理想に近づくということは好ましい姿だと思います。
○塚田大願君 大臣のお考えも大体わかりました。まあ理想とおっしゃったんだけれども、これは理想というよりも私は、もう現実的な課題としていま問題が提起されているのではないかと思うんです。これはもう諸外国の例を見ましても、その点ではもう非常に明確でございまして、フランスやスウェーデン、イタリー、イギリスなどを見ましても、もうとても日本なんかの比ではないのでありまして、大臣も外国へはずいぶん行っていらっしゃるから、その辺のことはよく御存じだろうと思うんですけれども。そういう意味では私は単なるもう理想論ではなくして、やはり現実的な施策の問題として、今日的な課題として、私は政府は取り組んでいただく必要があるというふうに考えているわけであります。 そこで釈迦に説法でありますけれども、憲法第二十五条では、すべての国民は健康で文化的な生活を、最低限度の生活を営む権利が保障されておるわけでありますし、さらには、国際的な舞台におきましても、たとえば一九六一年十二月にモスクワで開かれました第五回世界労働組合大会で採択されました社会保障憲章というのがございます。ここでも、この社会保障憲章では、「身体障害および労齢年金の最低基本率は、じっさいに得ていた賃金にしたがって定められ、この額はその労働者に対して、正常な生活手段を保障し、年金受給者とその家族が通常の生活水準を維持できるものでなければならない。」と、まあこういうふうにうたっておるわけでありまして、これが今日のいわば年金の給付水準を示した国際的な基準ではないかというふうに考えているわけであります。そういう意味でこの問題というのは、今日非常に重大な問題でありまして、一農林年金の問題だけではございませんけれども、やはりこの年金の問題というものはもっと真剣に考える必要があると思うわけであります。 そこで、いろいろ先ほどからも質疑が行なわれましたが、まあその場合に、他の年金とのつり合い——バランスの問題とか、あるいは現実にはとにかく倍以上増額したんだというふうないろいろな説明がございましたけれども、結局そういう説明も、いままでの年金行政、あるいは制度というものが、あまりにもお粗末だったというだけのことではないかと私は考えるわけであります。ですから、年三十二万円ではたして老後の生活が送れるのかどうかということを、もう一度私どもはこの時点で考えてみる必要があると思ったわけであります。 それで、いろいろ大臣にも御注文を申し上げたわけでありますけれども、この点で、いまも大臣の御答弁でほぼ私も理解いたしましたけれども、今後やはり抜本的にほんとうに生活保障、最低の生活保障をする、そういう立場でこの四十九年度の——いま概算要求も出ていると思うわけてありますけれども、四十九年度の予算におきましては、ひとつもっと大幅な引き上げをしていただきたいと思うのですけれども、そういう御意思がおありかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 現実問題といたしまして、この最低保障額は、厚生年金制度における基本年金額と加算金額に由来いたしましてその最低額をとったわけでございます。そこで、厚生年金の給付が非常に拡充されまして、それに伴ってまあ他の年金制度の最低保障額も増額になったということでございます。バランスの問題をまた申し上げることになりますけれども、こういった一つの年金制度というものにつきましては、やはり財政負担をいたします以上、一つのバランスがございますので、他の年金とも十分相談しながらこの面の充実にはつとめなければならぬというふうに考えております。
○塚田大願君 じゃ、ついでに局長にお伺いしたいのですけれども、この最低保障額の対象となるのは、年金受給者の全体の何割ぐらいに、何%になるか、それをちょっと教えていただきたいと思うのです。
○政府委員(内村良英君) 六二%になるわけでございます。
○塚田大願君 まあ六二%、つまり六割以上の方々がこの最低保障額の対象であるということは一体どういう意味を持つのか。私は、やはりこれは一つには、先ほどからも出ましたけれども、賃金水準が非常に低いということ、それから同時に、今後この最低保障額の引き上げが実に切実な問題だということを意味しているのじゃないかと思うのですが、その辺の問題についてはどういうふうに理解されておりますか。
○政府委員(内村良英君) その点につきましては先生御指摘のとおりでございます。やはり農林年金が一番最低保障の該当者の率が多いのではないか、そのこと自体は、やはりもとにさかのぼって、在職時代の給与が安かったということでございます。そこで、やめてから今度は最低保障が六割もあるということは、この最低保障額というのは非常に重要な意味を持ってくるということは御説のとおりでございまして、先ほども申し上げましたけれども、そういった面の制度の充実についても、われわれは大いに力をいたさなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○塚田大願君 では次に、年金の財源問題について御質問申し上げたいと思うんですが、いつも給付内容が改善されますと、一緒に組合員の掛け金負担が大きくなってくる。これが問題を繰り返しているわけでありますが、今回の最低保障額の引き上げ、あるいは既裁定年金額の引き上げなどの改正によりまして、当然この財源率も上昇すると思うわけであります。現に他の共済よりも高い掛け金負担率となっております農林年金の実態から見ますと、これはやはり私は、国庫補助の問題以外に解決の道はないのではないかというふうに考えるわけです。実はこの問題というのは、毎年改正案のたびごとに論議されてまいりまして、昨年も二%アップされまして、一六%から一八%になりました。が、この点でやっぱり思い切った措置をとりませんと、結局は社会保障としての年金の役割りを十分に果たし得ないことになるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この辺について、もう一度ひとつ農林省の見解を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 先ほど塩出先生の御質問に御答弁申し上げましたとおり、四十八年度の年金改定によりまして、これによる年金財政への影響は千分の四・五八でございます。そこで当面は、これを整理資源の中に入れまして処理しておりますから、掛け金を上げなければならぬという問題にはならないわけでありますが、次の料率改定につきましては、これの処理が問題になるわけでございます。 御承知のとおり年金経理につきましては、保険料の計算は数理的保険料と整理資源率というものから成り立つわけでございますが、今度の計算でいろいろ与件がまた変わりますから、数理的保険料がどうなるかということはまだ私どもつまびらかにしておりません。それから整理資源がこういった制度の改正によってふえるのは、これは避けられないところでございます。そういった状況を、数字が出てまいりましたらよく勘案いたしまして、先般の料率改正に対応したと同じように、精神としては組合員の掛け金負担がふえないような形で処理したいというふうに考えているわけでございます。処理のしかたにつきましては、これは年金自体がどう負担するか、利差益の問題をどう見るか、あるいは国庫負担につきましては財源調整率の考え方をどうするか、いろいろな問題があるわけでございますけれども、そういったことを十分勘案いたしまして、次の料率改定期の際には組合員の掛け金負担が上がらぬという精神で対処したいというふうに考えているわけでございます。
○塚田大願君 実は昨年、当農林水産委員会におきまして、やはり農林年金の改正案が提案されまして質疑が行なわれました。その際、私は、厚生年金並みの国庫補助をと、二〇%にしたらどうか、という提案に対しまして、内村局長は、先ほどの答弁でもありましたけれども、とにかく農林共済と厚生年金とは、制度が違うんだと言われました。違うから、しかたがないんだと言われたわけですけれども、その際、私も強調いたしました。本来、給付水準にアンバランスがあってはいけない。しかし国庫補助の問題というのは、それとは関係なく、組合員の負担能力から判断すべき性格のものではないかと、これが社会保障としての年金のあるべき姿ではないかと、こういう質問をしたわけでありますけれども、今日、厚生年金の給付水準は、先ほどもお話がありましたように、引き上げられまして、厚生年金と農林年金の格差というものはかなりなくなっていると思うわけであります。だとすれば、昨年の政府の説明だと、制度が違うんだと、だいぶ厚生年金は給付が低いんだからと、こうおっしゃったのですが、いまの段階で考えてみますと、非常に厚生年金と農林年金の格差がなくなってきたわけでありますから、厚生年金並みに国庫補助を引き上げても決しておかしくないのではないかというふうに考えますが、この辺はどういうことになりましょうか。
○政府委員(内村良英君) 厚生年金の給付が改善されまして、農林年金との格差が縮まってきたことは、これは事実でございます。ただ、私どもが数理的に計算いたしますと、なお農林年金の給付のほうがよろしいという数字になるわけでございます。さらに、先ほど来申し上げておりますけれども、制度の違い等考慮すると、決して農林年金は厚生年金に劣っていないというふうに考えられます。それから共済年金の中にも、国家公務員、地方公務員、公企業体、これは一五%でございます、国庫負担が。私学と農林が一八%ということで、共済年金の中にもまたいろいろなバランス問題がございます。そこで、処理のしかたといたしまして、私どもといたしましても、極力この負担を上げたいということで、四十九年度におきましても、これから大蔵省に要求するわけでございますけれども、二〇%ということで要求いたしたいと思います。先ほど大臣からも御答弁ございましたように、これを重視して一生懸命やりたいと、こう思っております。一方また、財源調整費というものが農林年金にはございますので、そういったものの活用等もまた、場合によっては考えなきゃならないんじゃないかということも考えておりまして、いずれにいたしましても、次の料率改定の際は、極力その組合員の負担が重くならないということでやりたいというふうに考えているわけでございます。
○塚田大願君 農林省としては、組合員の負担を極力ふやさないように努力するというお話は非常にけっこうだと思うわけであります。ぜひそうあってほしいと思うのでありますけれども、私どもが今回の国庫負担の引き上げの問題を提起しておりますのは、単にほかの、他の年金制度とのバランスとかなんとかという狭い視点から問題にしているのではないのでありまして、たとえば国庫負担三〇%にせよというふうに言っておりますし、また労働者と経営者の保険料負担割合を三対七にしろというふうなことを主張しておりますのは、やはり、本来年金というものが、最初に論議いたしましたように、労働者の老後の保障は社会的国家的に保障さるべきものだという観点から申し上げているわけであります。つまり国家と経営者が負担すべきものである。国と経営者が負担すべきものが年金の本来の精神である、こういう点から申し上げているわけでございます。 そこで、先ほど経営者と労働者の負担の問題につきましても、農林省から半々というのがいわば一つの原則だと、五〇、五〇というのが一つの原則だというふうにおっしゃいましたけれども、私はこういうパターンを、やはり破らなければほんとうの年金制度の確立というものは生まれないんではないか。そういう意味では、国の補助という場合でも、いわばつけ足しみたいな考え方、あるいはそういう発想というものをやはり転換しなければ、私は、今日の社会的な要請にこたえていけないのではないか。先ほども話も出ましたが、日本の農業の発展という点から見ましても、そうでございますし、そういう社会経済的な観点から見ましても、私は、そういう発想の転換がいま必要なんだと、そういう意味でいろいろ数字の問題はございますけれども、やはり、そういうものの考え方の転換、これがいま非常に重要になってきていると思うんで、その辺は農林省としても、あるいは大臣としても、十分、頭の中におありのことだと考えてはおりますけれども、ひとつ、そういう点で積極的な、前向きな姿勢でこの農林年金に対処していただきたい。この点を最後に大臣にお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御質問の御趣旨につきましては、農林省の立場、あるいは現在の農村や農業の現状からいたしまして、そういう方向でものを考えるということにつきましては、私も真剣に検討をしてまいりたいと思うのであります。 ただ、農林年金制度とともに、私立学校の共済制度、国家公務員共済制度、地方公務員、公共企業体、まあいろいろございます。そうしますると、私が農林行政の立場からひとつ離れて、閣僚の一員として考える場合に、やはり全体の関係、これを全然無視していくというわけにはまいらない立場であるということも御了解をいただきたいと思いまするし、また、経営者との負担の割合、これは野党の皆さん方の三対七の割合について理解はできまするけれども、現に、この農林年金制度の最も基本になる給与という問題が非常に他の場合と比較して低いんではないかと。それは農協などの経営の実態が十分でないと、こういう現状におかれておるのでございまするので、その際、他の制度が五対五でいっておる場合に、農業団体はもう三対七でいけるんだというところへは、なかなか、私としては踏み切りがたい点があることを御了承いただきたいと思うのであります。 しかし、まあいろいろと申し上げて、うしろ向きへ、うしろ向きへと持っていくことでは前進がないのでありまして、最初にお答え申し上げたように、御指摘の方向というものについては私も理解は持っておると、こういうことで御了承いただきたいと思います。
○委員長(亀井善彰君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(亀井善彰君) この際、参考人の出席要求についておはかりをいたします。 本案審査のため、千葉商科大学教授松本浩太郎君及び農業者年金基金の役職員を参考人として出席を求め、意見を聴取することとし、その取り扱いは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十五分散会 —————・—————