農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/02/23
会議録
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 昭和四十八年度農林省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。 まず、農林大臣の所信を聴取いたします。櫻内農林大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私は、昨年十二月に農林大臣に就任いたしましたが、農林水産業及びこれをめぐる内外の諸情勢がまことにきびしい時期でもあり、その職責のきわめて重大であることを痛感している次第であります。全力をあげてこの重責を果たしてまいる所存でございますので、委員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。 最近のわが国経済社会は、これを取り巻く国際経済動向の変化や、公害、過密過疎、異常な地価の高騰等、解決をはからなければならない多くの困難な問題をかかえております。 また、わが国農業は、国内的には、米の生産調整、農業所得の伸び悩み、農業就業者の中高年齢化、無秩序な開発による国土資源利用の競合の激化等の問題、対外的には、経済の国際化に伴う農産物輸入の拡大の要請の高まりや昨年年央からの国際的な穀物需給の逼迫など、内外ともにきわめてきびしい情勢のもとにあります。 農政がこのような情勢に対処して、農業と農村の健全な発展をはかっていくためには、農政の総合的、計画的な展開をはかっていくことが基本的に重要であると考えております。 農業は、一億国民の必要とする食料を安定的に供給するという重要な使命と役割りを果たしており、また、農業が営まれている農村は、国土の大部分を占め、国民の約半数が住んでいる地域であって、そこでは緑と国土を保全しつつ農民を中心として健全な地域社会を形成しております。 わが国農政を推進するに当たっては、まずもってこのような農業と農村が持っている重要な使命と役割りを前提に置きつつ、わが国土の多様な自然条件に恵まれている特徴を十分生かし、適地に農業者の創意に満ちた高能率の農業を育成するとともに、農業者の生産と生活の場である農村地域を人間性にあふれた豊かで近代的な高福祉の地域社会として建設していくことが重要であります。 このような農政の推進こそ、現内閣に課せられている「豊かな人間社会の形成」と「国土の総合的な開発」という課題を達成する上で重要な役割りを果たすものと確信しております。 まず、高能率農業の育成について申し上げます。 高能率農業を展開するためには、まず、農業生産基盤の整備が基本的に重要であります。このため、「農産物需給の展望と生産目標」に即して新たに今後十カ年にわたる土地改良長期計画を策定し、圃場整備、農道網整備、畑地かんがい、草地造成等農業基盤整備を計画的、効率的に推進してまいる所存であります。 また、高能率の生産体制を整備するため、農業団地の形成、農業構造改善事業をはじめとする一連の生産、構造改革のための施策を一そう拡充強化してまいる所存であります。特に、近代的な機械、施設の導入と各種の生産の組織化等を進める農業団地育成対策の強化、農作業の受委託等による集団的生産組織の育成をはかるほか、農地保有合理化事業の拡充強化等により農地流動化の促進を強力に推進してまいりたいと存じます。 なお、最近における地価の異常な高騰等により農地等の権利移動を通ずる農業経営規模の拡大が進んでいない状況にかんがみ、農地制度につきましては、経営規模の拡大に資するよう農地の流動化及び集団的生産組織の育成に必要な改善につき、引き続き検討を進める考えであります。 次に、農業生産の再編成について申し上げます。 農業生産の再編成を進めるに当たりましては、米作の過剰基調に変わりはないと考えられますので、引き続き米の生産調整を計画的に進めるとともに、需要の増大する畜産、野菜、果樹等の作目への転換に主眼を置きつつ、稲作転換対策を総合的に推進していく必要があると考えております。その際、稲作につきましては、需要の動向を勘案しつつ、適地における良質の米の生産を中心として、その生産性を向上させ、稲作経営の合理化にも資してまいりたいと存じます。 なお、食糧管理制度につきましては、現在の制度が生産者の所得の確保と国民消費生活の安定等に大きな役割りを果していることにかんがみ、これを維持するという基本方針のもとに、その制度・運営の改善について、引き続き検討を進めてまいる考えであります。 また、畜産、野菜、果樹、養蚕、畑作物等需要の増大する農産物につきましては、生産、流通、加工等の各般にわたる施策を一段と拡充強化する考えであります。特に、畑作物につきましては、北海道その他の重要畑作地帯において、輪作体系の確立、畑地基盤の総合整備事業の拡充等によってその生産の振興をはかるとともに、主要な畑作物等について共済制度の試験的実施の準備を進めたいと存じます。 畜産につきましては、その生産対策を一そう強化し、近代的経営の育成、飼料基盤の整備を行なうとともに、近年問題になっている畜産経営をめぐる環境問題に対処し、その総合的整備をはかるほか、畜産基地の建設等、主産地形成のための施策を推進してまいる考えであります。 次に、高福祉農村の建設について申し上げます。 御承知のように、産業と人口の地方分散を進め、わが国土の均衡ある発展をはかることをねらいとする国土総合開発の構想が明らかにされつつあります。この場合、産業と人口の分散の対象地域は、主として農村地域であり、そこで営まれている農業と農村住民の生活に大きな影響を及ぼすことになるのであります。また、従来から農村地域の生活環境は、都市に比べて立ちおくれておりますが、今後の地域開発に当たっては、都市と均衡がとれるように農村が開発され、整備されることが基本的に重要であると考えます。 このような観点から、農村地域の生活環境の整備を強力に推進することとし、従来の施策の拡充強化をはかるとともに、四十八年度から新たに農業生産基盤と農村環境の整備を総合的かつ計画的に推進する農村総合整備モデル事業を実施してまいりたいと考えております。 さらにこれにあわせて、農家所得の確保と農業構造の改善を進めるため、農村地域への工業の導入を計画的に推進するほか、農業者年金制度を通じて農業者の老後の生活の安定と福祉の向上をはかるようつとめる所存であります。 さらに、農産物の価格流通対策につきましては、これが、消費者の生活安定と生産者の所得確保にとって大きな影響を与えることにかんがみ、需要の動向に即した生産性の高い農業の展開と相まって、価格対策、流通・加工対策、消費者対策の一そうの拡充強化をはかることが、肝要であると考えております。 このため特に、野菜、加工原料用果実等について、その価格安定対策を拡充強化するとともに、中央、地方を通ずる卸売り市場の計画的整備、総合食料品小売センターの増設等によりまして生鮮食料品の流通の合理化、近代化を推進いたします。また、流通経路の多様化をはかるため、生鮮食料品集配センターの設置、野菜の大規模新流通方式の開発等を推進する考えであります。さらに、これにあわせて消費者保護対策、食品産業の振興の充実にも力を注いでまいる所存であります。 農林金融につきましては、その整備拡充を一そうはかることとしております。 まず、系統金融につきましては、農協系統資金を積極的に活用することとし、農業近代化資金の融資内容を改善するとともに、農業信用保証保険制度を拡充強化するほか、農水産業協同組合の貯金者の保護をはかるため、貯金保険制度を創設することとしております。 また、農林漁業金融公庫資金につきましては、金利の引き下げ、融資率の引き上げ等その融資条件を改善することといたしております。 さらに、本年十月に存立期間の満了する農林中央金庫につきましては、農林漁業協同組合系統の中央金融機関として、その役割りが今後も一そう重要であると考えられますので、その機能を継続させるとともに、業務範囲の拡充等をはかる所存であります。 次に、林業について申し上げます。 わが国の森林・林業をめぐる最近の情勢は、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全等森林の公益的機能に対する国民的要請が一そう高まっている一方、昨年末における木材価格の上昇が著しかったこともあり、木材の持続的安定的な供給をはかることが大きな課題となってきております。 このような情勢に対処して、森林・林業政策は、森林の公益的機能と木材供給等の経済的機能を総合的かつ最高度に発揮させるようその積極的な展開をはかってまいる所存であります。 まず、森林資源に関する基本計画及び全国森林計画の改訂を行なうとともに、林地利用に関する規制、森林計画制度の改善等を内容とする森林法の改正をはかるほか、治山事業の拡充、造林、林道等生産基盤の整備、林業構造の改善等各般の施策を拡充強化して、森林資源の維持増強と林業生産力の一そうの向上につとめる考えであります。 また、最近の木材の需給事情にかんがみ、国内林業生産基盤の整備等の拡充とあいまって、外材等を含め、木材需給の安定、林産物の流通加工の合理化等につとめてまいる所存であります。 さらに、国有林野事業の改善につきましては、昨年十二月の林政審議会の答申を十分に尊重し、公益的機能をより重視する事業運営を指向することとし、治山事業等を拡充強化するとともに、公益性を重視した森林施業の拡充をはかるほか、木材の計画的、持続的供給をはかることを目途として、事業運営及び組織・機構の合理化の推進等その事業全般にわたる抜本的な改善を行なうこととしております。 次に、水産業について申し上げます。 水産物に対する需要が引き続き増大している一方、わが国水産業をめぐる情勢は、国際規制の強化、開発途上国を中心とする領海または、漁業大域拡大の動き、沿岸漁業における工業化、都市化に伴う公害の増加等著しくきびしいものとなっております。これらの情勢に対処して、国際協力のための体制整備によって海外漁場の確保につとめるとともに、深海漁場等の新漁場の開発により海洋水産瞥源の積極的な利用をはかるとともに、沿岸の栽濟漁業につきましては、従来の瀬戸内海のほかに新たに日本海においてもその実施に着手することとしております。 また、近年の漁船の大型化や水揚げの大量集中化等の漁業情勢の著しい変化に対処して漁業の仕産基盤としての漁港の計画的整備を強力に推進することとし、新たに第五次漁港整備計画の策定を行なうこととしております。 水産物価格の安定につきましては、生産対策の推進とあいまって基幹産地における流通加工センターの形成、冷凍水産物の流通の促進など水産物の流通加工の合理化をはかることとしております。 なお、近年における漁場環境の悪化に対しましては、漁場汚染の防止と漁場機能の回復につとめる所存であります。 農林水産業の環境保全機能につきまして一言申し上げます。 最近における工業化とこれに伴う公害の増加等の状況から、国民の間に緑の自然と良好な生活環境を希求する声は次第に高まってきております。農林水産業の健全な営みは、自然環境の保全と倖養に資するものであり、その機能は、人間の生漁環境の改善を進める立場からも新たな評価が行なわれつつあります。 農林漁業に関する諸施策の展開にあたりましても、この点に十分配慮するとともに、さらに農林水産業が有する環境保全機能について組織的、総合的な試験研究を実施することを予定しております。 今日わが国経済の飛躍的な発展に伴い、開発途上国の農林業の発展に対する協力は、わが国が輸入に依存する農林産物の安定的供給の確保をはかる観点からも次第に重要性を増してきておりますので、今後は、その効果的な推進の方策について検討を進めてまいりたいと考えております。 また今後における日中間の農林水産物貿易問題、漁業協定につきましては、政府間交渉を開始する準備を進めているところでありますが、特に農林水産物貿易問題につきましては、貿易取りきめの締結交渉等を通じまして、適正な輸入が行なわれるよう対処してまいりたいと存じます。 これまで申し述べました農林水産業に対する施策の推進をはかるため、昭和四十八年度予算の編成にあたりましては、所要の財源の確保につとめ、主要な施策を推進するために必要な経費につきましては、重点的にこれを計上したところであります。また、必要な法制の整備につきましても、鋭意法律案の作成を取り進めているところでありますが、本委員会においてこれら法案についてよろしく御審議のほどをお願いいたします。 また、今後の農政の方向に対応いたしまして昨年十二月に農林省の組織を再編整備して、構造改善局、農蚕園芸局及び食品流通局を新設するなどその体制を一新したところでありますが、本年は水産庁につきまして、国際漁業対策、漁場保全対策等に重点を置いた組織の再編整備を行なうこととしており、決意を新たにこれらの機構改革の実をあげるようつとめてまいる所存であります。 以上、所信の一端を申し述べましたが、農林水産行政推進のために、本委員会及び委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(亀井善彰君) 次に、昭和四十八年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。鈴木農林政務次官。
○政府委員(鈴木省吾君) 昭和四十八年度農林関係予算についてその概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十八年度の一般会計における農林関係予算の総体につきましては、農林省所管合計は、一兆四千七十三億円で、これに総理府、外務省、厚生省及び建設省の他省所管の農林関係予算を加えた農林関係予算の総額は、一兆五千三百四十六億円となり、これを昭和四十七年度の当初予算と比較しますと、二千三百四十九億円の増加となります。 以下、この農林関係予算の重点事項について御説明いたします。 第一に、高能率農業の展開に関する予算について申し上げます。 わが国経済の発展とその急速な国際化の進展に対応して、国民経済の一部門としての農業の均衡ある発展をはかるためには、その体質改善を急速に推し進め、生産性の高い近代的な農業として確立することが基本的に重要であります。このため、今後十カ年にわたる土地改良長期計画を策定し、これを踏まえて農業生産基盤の重点的な整備開発を進めるとともに、農業団地の育成、農業構造の改善等の諸施策を強力に推進することとしております。 まず、農業生産基盤の整備について申し上げます。 農業の構造改善と生産性の向上をはかるとともに、農村環境の整備に資するため、昭和四十八年度から十カ年にわたる土地改良長期計画を策定し、総事業費十三兆円をもちまして、高能率の機械化営農が広く可能となるよう農業生産の基盤となる土地及び水の条件の整備開発を積極的に進めることとしております。 昭和四十八年度につきましては、その初年度として、圃場整備、農道整備、畑地帯の総合整備、農用地開発等の各種事業を積極的に推進することとしております。 圃場整備につきましては、七百十二億二千四百万円を計上して、末端圃場条件の整備をはかることとし、また、農道の整備につきましては、六百五億一千二百万円を計上して、事業の大幅な拡充をはかることとしております。 畑地帯の総合整備につきましては、一百三十二億三千二百万円を計上することとし、また、農地開発事業につきましては、四百三十九億一千八百万円を計上して、事業の拡充をはかるとともに、新たに、広域未開発地域において大規模な畜産基地の建設を進めるため、開発構想の具体化した一部の地域について特別の国営総合農地開発事業に着手することとしております。 畜産基盤の整備につきましては、一百四十九億八千二百万円を計上するとともに、新たに、共同利用模範牧場設置事業の一環として畜産基地建設事業を実施するほか、畜産経営をめぐる環境問題に対処するため、畜産経営環境整備事業を実施することとしております。 また、基幹農業用用排水施設の体系的整備につきまして、八百三十四億八千四百万円を計上しております。 以上のほか、農地防災事業、調査計画費等を合わせて、農業基盤整備農業費として、総額三千四百四十五億九千四百万円を計上しております。 次に、農業団地の育成について申し上げます。 生産性の高い近代的農業としてわが国農業の体質改善を進めるとともに需要の動向に即応した農業生産を推進するため、四十七年度から実施している農業団地育成対策について、その一そうの拡充強化をはかることとしております。近代的な機械、装置の導入を中心に団地として農業生産の組織化を進める高能率生産団地育成事業につきましては、一百二億七千九百万円を計上して事業の拡充をはかるとともに、新たに、米、落葉果樹、花卉、養豚を対象作目に加えることとしております。 また、農業団地育成対策の一環として、広域営農団地整備事業について四十二億六千八百万円、モデル農業団地形成事業について二十五億三千七百万円をそれぞれ計上して、事業の拡充実施をはかることとしております。 次に、農業構造の改善について申し上げます。 農地流動化の促進につきましては、四十七億七百万円を計上して、農地保有合理化法人の行なう事業の拡充、その運営基盤の強化等を進めることとし、第二次農業構造改善事業につきましては、その計画的推進をはかるため、新たに二百三十地区について事業に着手することとして、三百二十八億七千九百万円を計上しております。 高能率な農業生産を実現するためには、経営規模の拡大と並んで集団的な生産組織の育成が重要でありますので、新たに、高能率集団的生産組織育成対策事業を実施し、専業的な中核農家群を中心とする農作業受委託組織を広く育成することとし、六億二千七百万円を計上しております。 また、農業者年金制度の運営につきまして、九十七億五百万円を計上するほか、農業就業近代化対策、出かせぎ農業者営農改善対策等につきましても、施策の拡充をはかることとしております。 第二に、農業生産の再編成の推進に関する予算について申し上げます。 米作の過剰基調に対処し、需要に対応した農業生産の展開をはかるため、引き続き、米の生産調整と稲作転換の推進をはかるとともに、需要の伸長が期待される畜産、野菜、果樹等について生産、価格及び流通加工にわたる各般の施策を拡充強化することとしております。 まず、昭和四十八年産米の生産調整につきましては、米の需給事情に即し、目標数量を二百五万トンとし、転作及び休耕の態様に応じて米生産調整奨励補助金を交付することとし、総額一千七百五十八億四百万円を計上するとともに、別に、米生産調整協力特別交付金二百億円を計上しております。 また、水稲から今後需要の増大が見込まれる農作物への作付転換を一そう推進するため、稲作転換促進特別事業等各種助成事業の拡充強化をはかることとしております。 次に、畑作農業の振興について申し上げます。 野菜対策につきましては、生産及び価格の安定が強く要請されていることにかんがみ、前年度に引き続き施策の大幅な拡充実施をはかることとし、まず、生産対策につきましては、野菜指定産地の生産出荷近代化事業、露地野菜生産団地の育成等を引き続き推進するとともに、新たに、野菜指定産地のうち特に規模の大きい産地に基幹的産地としての役割りをになわせるための基幹野菜指定産地近代化推進事業を実施することとしております。 野菜の価格対策につきましては、特に春夏期等の野菜の価格補てん事業の拡充をはかることとし、対象品目の拡大、国庫負担率の引き上げ等を行なうほか、野菜の売買保管、緊急輸送、消費地における大規模低温貯蔵庫の設置等の設置等につき引き続き助成を行なうこととしております。 野菜の流通加工対策につきましては、引き続き、野菜集送センターの設置、野菜冷凍工場の実験的設置等につき助成を行なうほか、新たに、低温流通方式等開発実験事業を実施することとしております。 以上のほか、野菜試験研究の強化、卸売り市場の野菜関係施設の整備等を推進することとし、これらを含めました野菜対策の総額は、一百五十四億八千三百万円となっております。 果樹農業の振興対策につきましては、果樹広域主産地形成事業等の拡充実施をはかるほか、新たに、温州ミカンの品質の保持をはかるための共同予措事業、落葉果樹の生産振興のため果樹園の総合整備等を行なう落葉果樹生産振興特別事業等を実施することとしております。 また、加工原料用果実価格安定対策事業について、新たに、かん詰め用温州ミカンを対象に加える等その拡充をはかるほか、引き続き、温州ミカン等の近代的な果汁工場の整備を進めるとともに、新たに、大消費地に冷蔵果汁の製造集配施設を設置することとしております。 これら果実の生産、価格、流通加工対策に要する経費として、総額四十六億五千七百万円を計上しております。 養蚕対策につきましては、引き続き、主産地等における集団営農の推進等をはかるほか、新たに種繭生産モデル地域育成施設設置事業を実施することとしております。 また、特産農作物及び甘味資源作物の生産対策につきましては、特産物生産団地の育成、てん菜大規模集団産地の育成等を引き続き推進するとともに、新たに、食用バレイショ等の品質の保持をはかるための放射線照射利用実験事業及びてん菜の共同育苗施設の設置事業を行なうこととしております。 これら、養蚕、特産農作物等の生産対策として総額三十七億一千万円を計上しております。 さらに、砂糖及び甘味資源作物の価格の安定対策として六十二億九千三百万円、大豆なたね交付金等として十八億三百万円を計上しております。 なお、北海道その他重要畑作地帯における畑作の振興をはかるため、新たに、高能率集団畑作経営確立対策及び耕土改善対策を実施することとし、これらに要する経費として、七億八千八百万円を計上しております。 花卉対策につきましては、国民生活の向上に伴い、増大する花卉需要に対応して、新たに、花卉集団産地育成事業、フラワーセンター設置事業を実施する等施策の拡充をはかることとし、これらに要する経費として、四億六千六百万円を計上しております。 次に、畜産の振興対策について申し上げます。 まず、畜産の基盤となります自給飼料の確保につきましては、公共事業による草地開発の拡充をはかるほか、既耕地における飼料作物の生産利用の促進及び水稲の飼料作物への転換を強力に進めることとしております。 また、酪農及び肉用牛につきましては、市乳供給モデル団地の育成、肉用牛生産団地の育成、乳用雄子牛の利用促進、家畜の導入等の事業を拡充実施して、引き続き、その生産振興を推進することとしております。 さらに、養豚につきましては、豚肉の需給事情、生産環境問題等に対処して総合的な振興対策を推進することとし、新たに、繁殖経営の安定的拡大をはかるための養豚団地の育成、原種豚育種集団の強化推進等の事業を実施するほか、養鶏対策につきましても、国産種鶏の増殖、優良種鶏の集団育成等の事業を実施することとしております。 また、畜産経営をめぐる環境問題に積極的に対処するため、新たに、高能率養豚施設の設置、悪臭防止対策の推進、公共事業による畜産経営環境の総合的整備等を行なうこととしております。 このほか、家畜衛生対策等につき、所要の経費を計上することとしており、これらを含めまして、畜産生産対策の総額は、三百七億一千七百万円となっております。 畜産物の価格対策につきましては、引き続き、加工原料乳に対する不足払い、肉用牛の価格安定、乳用雄肥育素牛の供給及び価格の安定等の事業を実施することとし、また、流通加工対策につきましては、引き続き、基幹食肉流通施設の整備、成鶏肉処理加工の合理化等を推進するほか、新たに、濃縮乳生産専門モデルプラントの設置、食肉取引安定特別対策、食肉処理技術者養成施設の設置等の事業を実施することとしております。 さらに、学校給食用牛乳の供給について、新たに、僻地校に対する牛乳供給を促進するための事業を実施することとし、これらを含めまして、畜産物の価格、流通加工対策の総額は、三百十六億八百万円となっております。 次に、米麦の生産改善対策について申し上げます。 まず、稲作につきましては、生産性の向上と良質米の供給を促進するため、新たに、高能率の機械化一貫作業体系の導入をはかる高能率米麦作団地育成対策事業を実施するほか、広域米生産流通総合改善事業、直まき稲作推進事業等を引き続き推進することとし、また、麦作につきましては、高能率稲麦作団地育成対策事業等の実施により生産性の向上をはかることとし、これらに要する経費として、二十九億二千二百万円を計上しております。 第三に、高福祉農村の建設に関する予算について申し上げます。 豊かで近代的な農村を建設し、農業の健全な発展と農村居住者の福祉の向上をはかるためには、都市に比べて立ちおくれている農村環境の総合的整備開発を進めることが大切であります。このため、昭和四十八年度から五カ年の計画で農村総合整備モデル事業を実施し、農業生産基盤とあわせて、集落道路、生活排水施設、農産物廃棄物処理施設等を総合的かつ計画的に整備することとし、従来からの農村基盤総合整備パイロット事業とあわせて二十六億五千万円を計上しております。 また、農村地域への工業導入を促進するため、新たに、二百五十市町村について工業導入実施計画を策定するほか、市町村による工場用地の造成等に対する資金融通及び工業導入関連諸施設の整備を新たに推進することとし、六億九千一百万円を計上しております。 さらに、農業ないしは農村の持つ環境保全機能、レクリエーション機能を積極的に評価し、その増進をはかるため、新たに、国の大型プロジェクト研究の一環として、農林漁業における環境保全的技術に関する総合研究を実施するとともに、自然休養村の計画的整備、花卉対策の充実等をはかることとしております。 また、生活改善普及事業、農山漁村同和対策等を拡充するとともに、第二期山村対策事業として、四十七年度に計画を樹立した九十地域につき、農林漁業特別対策事業を実施することとしております。 第四に、食品流通加工の近代化と消費者対策の充実について申し上げます。 生鮮食料品等の流通を近代化し、消費者物価の安定をはかることは広く国民的な要請となっておりますので、野菜、畜産物等の流通加工の改善をはかり、消費生活の安定に資するための事業を積極的に推進することとしております。このため、さきに御説明しましたように、野菜、果実及び畜産物についての対策を拡充するほか、中央卸売市場及び地方卸売市場の施設整備の促進、総合食料品小売センターの増設、生鮮食料品集配センターの設置等について助成を行なうこととし、これら生鮮食料品等の流通加工対策に関する経費として、一百五十三億六千一百万円を計上しております。 また、消費者保護対策につきましては、農林物資規格表示の設定普及、テレビによる啓発、情報提供等を引き続き行なうほか、JASに準ずる地域食品認証制度、消費者テレフォンサービス等の新規事業を実施することとし、また、食品産業等農林関連企業対策につきましては、新たに、産業及び人口の地方分散に即応した食品企業の適正合理的な立地目標の策定と食品工業団地の適正な形成を促進することとし、これらに必要な経費として、四億九千四百万円を計上しております。 第五に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貨し付け計画額を三千三百七十億円に拡大するとともに、土地改良資金、畜産経営環境保全資金、造林資金、卸売市場近代化資金等各種資金について、貸し付け金利の引き下げ、融資率の引き上げ等融資内容を幅広く改善することとしております。なお、この原資として、財政投融資二千四百八十八億円を予定するとともに、同公庫に対し補給金二百七十億三百万円を交付することとしております。 次に、農業近代化資金制度につきましては、貸し付けワクを三千億円とするとともに、貸付金利の引き下げ及び貸し付け限度額の引き上げ等をはかるほか、所要の利子補給補助等を行なうこととし、また、農業信用保証保険制度について、保険の対象となる資金の範囲を拡大する等その充実をはかることとし、合わせて九十四億九千一百万円を計上しております。 また、農業改良資金制度につきましては、貸し付けワクを一百九十億円とするとともに、新たに、技術導入資金を活用して、農業者の自主的な技術開発及び集団的生産組織の育成、運営に必要な資金の融通をはかることとし、これに要する経費として四十億五千三百万円を計上しております。 さらに、漁業近代化資金制度につきましては、貸し付けワクを五百五十億円に拡大することとし、これに要する経費として十二億三千三百万円を計上しております。 このほか、農水産業協同組合貯金保険機構に対する出資、開拓融資保証制度を円滑に農業信用保証保険制度へ移行させるための、農業信用保険協会の融資資金造成等を行なうこととしております。 第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 治山事業につきましては、六百二億八千三百万円を計上して、これを積極的に推進することとし、このうち一百億円を国有林野内治山事業に充てることとするほか、新たに、治山事業施行林地につき、保育に対する助成を行なうこととしております。 さらに、森林開発公団が行なう水源林造成事業につきましては、一般会計からの出資金七十億円を計上しております。 次に、林業生産基盤の整備を促進するため、林道事業につきましては、二百七十億四百万円を計上して、事業の拡充実施をはかるとともに、補助体系の改定及び大規模林業圏開発林道事業の新規実施を行なうこととし、造林事業につきましては、一百七十五億二百万円を計上して、事業の推進をはかるとともに、補助体系の改訂及び保安林等における育林作業の新規実施を行なうこととしております。 また、国土緑化の推進につきましては、都市部を含めた国土の緑化を一そう推進することとし、新たに、総合的緑化技術のコンサルティング活動、緑化用苗木の需給情報の提供等を行なうために設立される法人に対し、基金造成等の助成を行なうこととしております。 このほか、第二次林業構造改善事業につきましては、四十七年度に事業計画を樹立した一百地域において事業に着手することとし、第一次林業構造改善対策事業と合わせて六十七億七千七百万円を計上するとともに、森林計画制度の運営、森林病害虫等の防除、林産物の生産流通の改善、森林組合の育成強化、林業労働力対策、林業普及指導等について拡充実施をはかることとしております。 第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 漁業生産基盤の整備につきましては、昭和四十八年度から五カ年にわたる第五次漁港整備計画を策定し、総事業費七千五百億円をもちまして漁港の計画的整備をはかることとし、四十八年度につきましては、その初年度として五百三億二千七百万円を計上するほか、大型魚礁設置事業、浅海漁場開発事業及び漁港関連道の整備を引き続き推進することとし、合わせて五百三十六億八百万円を計上しております。 次に、海洋水産資源の開発につきましては、沿岸海域における栽培漁業の振興をはかるため、瀬戸内海における従来の事業を引き続き推進するほか、新たに、日本海における栽培漁業センターの設置について助成するとともに、遠洋及び沖合い海域における海洋新漁場開発事業を拡充し、新たに未利用の深海漁場の開発体制を整備することとし、合わせて三十八億一千八百万円を計上しております。 また、発展途上国を中心に領海等を拡大する動きが強まっていることに対処し、海外漁業協力事業に必要な資金の融通等を行ないわが国海外漁場の確保と海外漁業協力とを一体的に推進することとし、これに必要な経費として外務省計上の経済開発等援助費のうちの十億円を含めて二十二億一千一百万円を計上しております。 水産物の価格安定対策につきましては、冷凍水産物等の流通改善、水産物産地流通加工センターの形成等の事業を拡充するとともに、新たに、水産物入出荷合理化促進事業、水産物市場情報収集事業等を実施することとし、合わせて二十二億二千三百万円を計上しております。 さらに、漁場環境保全対策につきましては、四億八千四百万円を計上して、新たに、P・C・B汚染漁場の定期点検及び赤潮被害防止対策を実施することとしております。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算について申し上げます。 まず、農林水産業の試験研究につきましては、新たに、農林漁業における環境保全的技術に関する総合研究等を実施するとともに、試験研究費の増額、施設の計画的整備等により試験研究の強化をはかることとし、これらに要する経費として二百四十二億三千三百万円を計上しております。 なお、研究学園都市建設促進のため、特定国有財産整備特別会計に必要経費を計上して、新たに、果樹試験場、蚕糸試験場等の施設の建設等に着手することとしております。 次に、農林水産業の改良普及事業につきましては、農業改良普及事業について、新たに、農業団地特別指導事業等を行なうことを含めて一百二十一億八百万円、生活改善普及事業について二十五億五千五百万円をそれぞれ計上しておりますほか、畜産経営技術の普及指導として四億五千三百万円、蚕業技術の普及指導として十七億七千三百万円、林業普及指導事業として二十三億四千万円、水産業改良普及事業として三億九千四百万円をそれぞれ計上しております。 このほか、農業団体の整備強化に八十二億六千一百万円、農業炭害補償制度の実施に五百四十一億八千四百万円をそれぞれ計上するとともに、農林統計情報の充実整備、公害・環境保全対策、災害対策公共事業等につきましても所要の経費を計上しております。 次に、昭和四十八年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。 第一に、食糧管理特別会計につきましては、国内米、国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運営をはかるため、米の生産調整対策及び自主流通米との関係に配慮するとともに、過剰米の計画的な処分を引き続き実施することとし、所要の予算を計上しておりますが、一般会計からは、調整勘定へ二千六百八十億円、過剰米の処理にかかる損失の計画的補てんに充てるため、国内米管理勘定へ七百五十億円を繰り入れることとしております。 また、国内産イモでん粉及び輸入飼料の買い入れ等の実施のため、一般会計から、農産物等安定勘定へ七億円、輸入飼料勘定へ九十四億円をそれぞれ繰り入れることとしております。 第二、農業共済再保険特別会計につきましては、果樹保険の本格的実施等を含め、農業災害補償制度の運営のため必要な予算を計上しており、一般会計から総額三百二十億二千万円を繰り入れることとしております。 第三に、国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の財務状況に対処し、森林の持つ公益的機能の維持増進、木材の持続的かつ計画的供給という国有林に課せられた使命を果たしつつ、可能な限り経営の合理化を進めることとしておりますが、国有林事業勘定の歳入予定額は一千八百八十一億三千二百万円、歳出予定額は一千九百五十一億三千二百万円でありまして、差し引き歳出超過額七十億円は、前年度からの持ち越し現金をもって充当することとしております。 また、特別会計の財政事情を考慮し、治山勘定において実施する国有林野内治山事業につきましては、一般会計から一百億円を繰り入れその大幅な拡充をはかるとともに、国有林野事業勘定において実施する造林事業につきましては、新たに、資金運用部から二百億円の借り入れを予定することとしております。 第四に、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計につきましては、漁船再保険事業及び漁業共済保険事業の実施のため必要な予算を計上しており、一般会計から総額三十五億二百万円を繰り入れることとしております。 以上のほか、自作農創設特別措置、特定土地改良工事、森林保険及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、昭和四十八年度の農林関係財政投融資計画について御説明いたします。 財政投融資の計画額としましては、農林漁業金融公庫、農地開発機械公団、森林開発公団、八郎潟新農村建設事業団及び特定土地改良工事特別会計に対するもののほか、新たに、国有林野事業特別会計に対するものを含め、総額二千九百五十一億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和四十八年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。 —————————————
○委員長(亀井善彰君) 本件に対する質疑は後日行なうこととし、当面緊急を要する問題として、大豆対策等、当面の農林水産行政に関する件を議題として、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○杉原一雄君 ただいまの大臣の所信表明のところにも大きくひっかかってくるわけですが、先ほどの所信表明の五ページに「農業生産の再編成」ということばが述べられたわけですけれども、この中で、六ページにわたって「需要の増大する畜産、野菜、果樹等の作目への転換に主眼を置く」と、こう書いてあるわけですが、いま、委員長から提起された大豆の問題等につきましては、いわゆる大臣が言う農業生産の再編成という観点から、この中に大豆とかアズキとか、そうした雑穀類については具体的な表現を欠いているわけです。まあおよそ「等」というところに含むだろうと思いますが、「等」というところに位置づけるところに今日の大豆問題、とうふ値上げの問題が起こると思いますので、はたしてここの「等」のところに入っているのかいないのか、これはひとつ大臣からはっきりお伺いしたいと思います。 と申し上げますのは、去る一月、農林省から出されました「今後の農業生産の推進の方向」という指針があります。これはそちらでお持ちだと思いますが、そのところで、私がいただいているパンフでは三ページでありますが、「農業生産の再編成」という別項が起こされております。この中では、こういうところがあります。「また需要は強いが生産が減退している麦類、だいず等についてもその振興に努めるものとする。米の生産調整に当たってもこれらの作目への転換を基本とし、わが国農業生産の再編成を進めることとする。」と、ここにはっきりうたっておるわけです。だから大臣が取り上げたから以下省略と、こういうふうに取り上げていいのかどうか、この辺を実ははっきり聞きたいわけであります。まあとりわけいまの——ちょうど自民党の皆さんから問題が提起されると思いますが、全中が大豆対策として、政府に対して、二十日の日に、あるいは国内自給率を大幅に引き上げることなど、また大豆の基準価格についての値上げの問題、そうした問題等を提起しているわけです。こうしたこととあわせ考えた場合に、最終的に大豆の緊急対策をお伺いしたいと思っておりますけれども——いま、大臣の所信表明をお伺いしますと、どうもこう粗末な扱い方をされているような感じがするわけですが、その辺のところ正直にこの文章の面からどう理解すればいいのか。先ほど申しました、一月農林省が発表しました「今後の農業生産の推進の方向」というところで述べられていることとの関係、この辺のところを大臣から明確に答え、かつ全中の政府に対する要求等について、具体的な対策等がまだ発表できる段階ではないと思いますけれども、私、実は最終的にお伺いしようと思いましだが、いまの時点で農林省としてはっきりした態度が表明できるものは表明させていただきたい、こう思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま申し上げました所信表明は、私がいま申し上げるまでもなく、四十八年度の予算をお願いする、あるいは今国会の法律改正をお願いするにかんがみまして述べておるところでございます。そういうことで、御指摘のような不十分な点があろうかと思いますが、その辺は御了承願いたいと思うのであります。 で、農林省としては、昨年の十月に、これからの農産物の需給の展望と生産目標の試案をお示しをしておるわけでございます。かいつまんで申し上げますなら、大豆のようなものは、食品用にあてがうものは国内でやろうと、こういうことで五十七年の目標を明示いたしておるわけでございますが、これを食用油まで全部国内で自給をするということにつきましては、これはきわめて困難性があると思うのです。それは、一つにはやはり日本の農業の実態が、海外に比較いたしまして、大豆をつくるにしても相当な価格になると、国民生活の上から考えまするならば、海外へ仰ぐが適切だと判断のできる場合がございます。それからまた、大豆をつくってもらうにいたしましても、なかなか——たとえば、反当たりの家族労働報酬をとって見ますると、奨励をいたしましても、なかなかつくってもらえない実情もあろうかと思うのであります。そこで、そういうところを勘案しながら、しかし、食品用の、今度も問題になりました、とうふ、みそ、しょうゆ、こういうようなものは、できるだけ国内でつくるがよかろうと、それには大豆、なたねの特別交付金などを活用いたしまして、その範囲は奨励していこうという一応の目標を立てておるわけでございます。 それから、全中の要請というのにつきましては、たぶんお尋ねは、北海道農業協同組合中央会の要請のことではないかと思うのであります。この要請の中で、当面問題となりまするのは、大豆生産について特別生産奨励金を出したらばどうか、あるいは大豆の基準価格を大幅に引き上げるようにということであろうと思うのであります。これらの点につきましては、現在検討中でございまするが、大体この基準価格については、収穫直前にきめるように法律がなっておると思います。この拡大解釈すれば、もっと早くとも言えそうな点もございまするけれども、しかし、従来収穫時に、パリティ計算を中心に基準価格を出しておるようでございますので、現在これをさっそくに基準価格をきめようという考えは持っておらない。従来の行き方でいかがかと思うのであります。そういう基準価格を出す場合に、需給を勘案して、生産奨励の考えもそこに加味しておると思うのでございまして、いま特別に別途生産奨励金をやるがいいかということにつきましては、基準価格のほうで十分考えられるのではないかというような気持ちを持っておるのでございますが、これはもう少し検討さしていただきたいと思うのであります。 以上、一応申し上げまして、足らざるところはまた補足いたします。
○杉原一雄君 いまの答弁できわめて不満な点がたくさんございますが、最終的に食品用大豆緊急対策という時点で詰めていきたいと思います。だから、その前の段階として大豆の生産についてでありますが、国内で今日まで最高の大豆の生産をあげたのは昭和何年ごろで、幾らであるか。これは大臣でなくてもいいですが、その後大豆が現在のような状況で三・六%の自給率ということでがた落ちしたというこの傾斜の関係ですね。それはどう政府で理解しておられたか。今日までそれに対してどのような指導行政と申しますか、政府が手を打ってきたか。——かなり波があると思うのです。私が得た資料では、最高は五十二万トンも実は取れたことがあるわけですけれども、その後少なくとも五万トン段階でがたがた下がっていったわけですからね。その五方トン段階でカーブが下がっていく。その時点は経済的にも、あるいは自然状況その他から判断してどういう要因が働いていたか。そして、政府はそれに対してどの種の手を打ってきたか。傍観をしてきたのかどうか。失礼なことですが、そういうようなことはないと思いますけれども、その辺のところに一応考察のメスを加えないと……。いま大豆対策について、全中でない、北海道だとおっしゃったが、日農、日本農業新聞では、全中と北海道と連名して言っているはずですから、文書をもう一回確かめていただきたいが、そのことはあえて問題にしません。しませんが、そうした大豆生産について、なかんずく国内の生産についての屈折状況、それに対する農林省の行政指導ないし考察というものを、あらましでいいですから、時間がかかりますから簡単にひとつ。
○政府委員(伊藤俊三君) お答え申し上げます。 大豆の作付面積は、昭和二十九年が最高で、四十三万町歩でございます。最高の生産は、二十七年の五十二万一千トンでございます。その後、昭和四十四年までにほぼ二万町歩、毎年ずっと減り続けてきております。そういうことでありましたが、四十五年には、前年に比べまして七千町歩の減少にとどまりました。さらに、四十六年には、稲作転換の推進等もありまして、十七年ぶりに約五千町歩ほど増加を見ておるわけでございます。生産量は、先ほど申し上げました二十七年の五十二万トンを最高に、好不況による変動はありますが、作付面積の減少に伴いまして、大体二、三年間隔で五万トン減ってきておる。四十七年が十二万七千トンということになっております。こういうような作付面積の減少は野菜でありますとか、桑、飼料作物並びに水稲等への転換がはかられたわけです。それから、自家消費用が減退しておる。兼業機会の増大等によることであると思います。 それから北海道につきましては、以上のほかてん菜への転換が進んだというようなことも大きな要件であろうかと思います。 私どもといたしましては、こういうようなことに対応しまして、大豆につきましては、 〔委員長退席、理事初村瀧一郎君着席〕 従来から大豆、なたねの価格の支持の法律がございますが、この法律に基づきまして、パリティ指数、生産事情その他の経済事情を参酌いたしまして、一定の基準価格で支持をするというようなことに努力をしてまいりました。特に最近におきましては、そういう大豆の支持価格をできるだけ引き上げるようにも努力をいたしてきておるわけでございますが、さらに、適地適産というようなことを考えまして、従来から生産性の高い団地を育成する等によりまして、その生産の合理化とか、流通の近代化をはかってきておるわけでございます。特に、稲作から大豆への転作の促進というようなことにつきましては、転換水田における土地条件の整備でありますとか、省力機械の導入、種子対策等によりまして、大豆への転作の促進をいたしましたり、あるいは国産大豆の販路確保、集荷、販売体制の整備等も推進するようにいたしておるわけでございます。
○杉原一雄君 大豆の自由化ですね、それは昭和何年でしたか。
○政府委員(伊藤俊三君) 昭和三十六年でございます。
○杉原一雄君 そのときもうすでに作付は終わっているわけですから、三十七年度の作付面積とそれから生産量。
○政府委員(伊藤俊三君) 昭和三十六年の作付面積は二十八万六千七百町歩でございます。昭和三十五年は三芳李九百町歩——ヘクタールでございます。生産は、三十五年が四十一万七千六百トン、三十六年が三十八万六千九百トン、そういうことになっております。
○杉原一雄君 その次の年。
○政府委員(伊藤俊三君) 三十七年を申し上げますと、生産面積が二十六万五千五百町歩、それから生産量は三十三万五千八百トンでございます。
○杉原一雄君 そうしますと、明らかに、三十六年七月一日、農産物自由化が大豆を第一号として行なわれたわけですが、まあ私らに言わせると安保条約第二条ですけれども、その影響がそうした形で出たと私は思いますけれども、それはそういうふうに理解していいのか。あるいは自然状況とか、政府の指導とか、稲作との転換との関係があるとか、いろいろあるわけですが、やはり自由化の直撃を受けたと見ていいですね、三十七年度の現象は。
○政府委員(伊藤俊三君) 全く影響がないということではないかとも思いますが、先ほども申し上げましたように、他作目への転換とか、自家消費用の減退等の理由がございます。三十六年だけ減ったわけではございませんので、それ以前からもずっと傾向としては減ってきておったということでありますから、それだけが原因であるとは申しかねるのではないかと存じます。
○杉原一雄君 私の質問、よく聞いてください。そんなこと言ってない。だから、三十六年の七月一日に、三十五年に安保を改定したわけです、そういうこととの関連があって、自由化の第一号として押しつけられた。そのことが大きな影響で、特に北海道のようなところが大きな後退をし始めた。これは、農民だって自己防衛上やむを得ずそういう手段をとるでしょう。でありますから、今後の緊急対策を考える場合に、そうしたことが大きな農政上の教訓になるということを想起しないと、何かしら一生懸命うしろがまえの論理の準備をされては困る。 それでは、四十七年度の国内生産について、作付面積なりそれから生産高なり、それに対する経済条件、自然条件等の考察を簡単に言ってください。
○政府委員(伊藤俊三君) 四十七年は、作付面積が八万九千ヘクタールでございます。生産量は十二万七千トンということに相なっております。これは先ほどお話し申し上げたかと思いますが、こういうことでございまして、特に最近の様子では、北海道を除く各都府県ではまだ減少の傾向が見られるわけでありますが、最近、北海道の豆というものがかなり国内でも評価をされておりまして、北海道では若干ふえてきておるというような傾向が見えております。
○杉原一雄君 政府の今日まで発表してきた大豆対策のことを信頼するならば、これは最低の底だと思うんですね、大豆生産の。ここから上がらざるを得ないわけです。大臣の所信表明にしろ、農林省が発表している生産の今後の方向づけ等を見ても、これがまあぎりぎりだと思うんですね。そこで、このぎりぎりの底にいまたどりついたわけです、四十七年は。それは幾つかの要因があると思うんです。その要因をひとつはっきり——あるいは雨が降ってどうだとか、アメリカのように雪が降ったとか、いろいろあるわけですね、アメリカなんか、何百万トンも減収していますから。そういうような自然条件なり政治条件なり、経済の条件等があるわけです。その底になったその辺のところを明確にしていただくことが、底からはい上がっていく一つの農民へのビジョンなり政策が出てくるわけですから、そこのところを明らかにしてください。
○政府委員(伊藤俊三君) いろいろ理由があったかと思います。先ほど大臣からもお答えがありましたが、他作物との比較におきまして労働報酬が低いというようなことがありますが、そのもとといたしましては、反収の低さとかいうようなことも、一つ大きな理由であろうかと思います。 それからまた、大豆の生産というものが大きな団地で行なわれておらない。ばらばらに小さな、何といいますか、圃場ごとに行なわれているというようなことで、大豆の生産の合理化というものが、非常にしにくいというような点もあろうかと思います。また、集荷、販売というようなことにつきましても、農家が非常にばらばらでございますと、それをうまくまとめて、農協が集荷し有利に販売するというようなことがなかなかしにくいような点もございまして、そういったような事情がいろいろ重なり合って大豆の面積が減ってきたというように私どもは考えおるわけでございます。
○杉原一雄君 それでは、消費の動向なり需給の状況等について一応、さかのぼるとたいへんめんどくさいですから、少なくとも四十七年度の状況はどうですか。国内の消費、それから需給の状況、簡単に言ってください。
○政府委員(池田正範君) 御指摘の四十七年の状況、一部見込みが入りますが、申し上げますと、需要は三百五十一万二千トン、そのうち油をしぼります製油用が二百五十万トン、食品用が七十二万トン、あと期末のストックが二十七万トン程度になります。供給のほうは同じく三百五十一万トンでございますが、国産が、ただいま園芸局長が申し上げました約十二万トンの中で、出回るものが五万六千トン程度でございます。 したがって、輸入のほうは三百四十万トン以上ということになりまして、四十二年ごろに比べますと、この約五年間で、むしろ国産が五八%程度に落ちましたが、輸入が一四二%程度に伸びまして、需給全体といたしましては三八%の増加というのが現状でございます。
○杉原一雄君 そうしますと、三百四十万トンというばく大な輸入をしているわけですが、それは輸入先、たとえばアメリカ、中国等あるわけですが、大体大づかみにしてどれくらいで、しかも、その国の、さかのぼりませんから、四十七年度の作付状況はどうなっておるのか、これをひとつお聞きします。
○政府委員(池田正範君) いまの約三百四十万トンの中で、おもなる輸出国はアメリカと中国でございます。そのほかに若干のものがございますけれども、ほとんどこれはネグレクトでございます。 アメリカから入りますものが、大ざっぱに申し上げまして三百万トン余でございます。それから中国から入ってまいりますものが、通常でございますと大体三十万トン程度でございます。しかし、御案内のように、昨年は中国の食品用大豆の生産が、作柄が非常に悪うございまして、そのためにこれはおそらく二十六、七万トンに落ちるのではないか。したがって、この部分はアメリカからの輸入がふえるという形で、全体としてのつじつまが合わされるということになろうかと考えております。 それから、昨年の世界の生産状態でございますが、一部の推定を含むことをお許しいただきまして、アメリカの大豆の作付面積は、一九七二年で四千五百八十万エーカーでございます。生産量は三千四百七十万トン、世界の供給力の大部分はアメリカの供給力にたよるという形になっております。中国のほうは、これは作付面積はつかむことができません。また、この生産量につきましても、一九七一年におきましては六百七十万トン程度の生産があったように推測をいたしておりますが、七二年におきましては不明でございますが、一般的な常識から考えましてかなりの不作を伝えられておりますので、それよりはかなり下回った生産量ではないかというふうに考えております。 それから第三の問題として、ただいまのところは供給力の中に入っておりませんけれども、ブラジルが最近とみに生産力を増してまいっておりまして、一九七二年におきますところの作付面積の見込みは、約五百六十万エーカー程度であったのではないか。したがいまして、この供給力は、これも推定でございますが、三百万トンをこえる量を持つのではないかというふうに考えられます。
○杉原一雄君 中国の足らぬところはアメリカから買うと、こういうことなんですが、アメリカにしても、昨年は雨が降ったり雪が降ったりして大豆の予定数量、生産目標をはるかに下回ったというふうに承っているわけですね。その辺は確認できますか。
○政府委員(池田正範君) 昨年度の不作は、ほとんど油糧作物を含めまして全世界的な様相であることは御承知のとおりでございますが、その中では、比較いたしますと、アメリカが一番軽微でございまして、三千五百万トンの生産量というのは、そうきわめて著しく全体として減ったというものではないと思います。ただ問題は、その全体の生産力の中で、特に日本がほしがっておるところの固有の用途である食品用大豆、これがオハイオとかミシガンとか、いわゆる五大湖の周辺の数州に限られた形で栽培をされておりますが、その地域における気候条件というのが、ただいま御指摘のようにあまり芳しくなかった。そのことが非常に日本の需給に対して強い影響力を与えた。しかも、それが中国の、中国豆と要するに言っておりますが、食品用大豆が非常に悪くて、その船積みがおくれたこととダブルパンチになって、日本の市場に非常に強い不安感を与えた。それは量と品質の悪さということと重なってその不安感が非常に歩増しされたというふうに私どもは解釈しております。
○杉原一雄君 私のここに持っておる資料では、七二年の生産目標は三千六百七十二万トン、先ほど言ったような条件で、減収したのは二百七十二万トンと、こうあるわけですね。そうした輸入先のやはり農産物のことですから取れたり取れなかったりという非常に自然的な条件が左右するものが多分にあるということを確認をすることが非常に大事だと思うし、いまはからずも局長のほうからブラジルの話が出たんですけれども、これは国内との取引関係はどうなっておりますか。
○政府委員(池田正範君) ブラジルのほうは、実は産地といたしましてはきわめて供給源としては新しいほうでございまして、ほとんど現在まではヨーロッパに向けての供給でございまして、日本との間ではきわめてわずかの見本に近い取引以外は大きな供給力にはまだかたまっておりません。
○杉原一雄君 それでは、とにかく日本は自給率が非常に少ないわけだし、大臣の期待するものは、油以外の少なくとも食品関係の大豆は自給したいんだと、こういう政策的な意図を持っておいでになるようでありますが、いずれにしろ、大豆が足らぬからとうふが上がったという大衆に直接的な大きな打撃を与えた大豆不足の問題ですね。これについて農林省は、二月三日に何か、特に「食品用大豆緊急対策」というのを出されたように承っておりますし、ここにも簡単な個条書きのものを持っているわけですが、このポイントはどこにありますか。どういうところに一番力点を置かれているのか。ちょっとさっと読んだだけでは私わかりにくいのですが、この政策目標のポイントはどこにありますか。二月三日緊急対策を出したわけでしょう。それは否定することないでしょう。出しましたね。そのポイントはどこにありますか。
○政府委員(池田正範君) 当時の大豆価格の値上がりが一月の十日前後からきわめて急速に異常な値上がりになりましたので、したがってとりあえずは、価格の問題もさることながら、一部には市場の中に食品用大豆が姿を消すのではないかという非常な不安感が醸成をされました。したがって、緊急対策といたしましては、まず民情の不安感を取り除くことがまず第一条件であるというふうに考えたわけでございます。そこで、やり方といたしましては、市場の中に大豆を送り込むオーソドックスな対策を立てることが第一。第二は、価格形成の中にあって不安感、不信感を払拭することが第二。第三といたしましては、さらに、今後のあり方についての指針をある程度打ち出すことが第三というふうに三つのおもな論点を考えたわけでございます。 まず第一のマーケットの中に大豆をふやすという形で価値の異常な値上がりをとめるということにつきましては、いま申し上げましたように供給先であるアメリカ、中国というものが、これはこの際、緊急対策といたしましては、唯一の輸入ソースでございますから、そこでアメリカへの緊急要請、それから中国に対する繰り上げ輸入の要請といったものを外交ルートを通じまして早急に手を打ちまして、一月、なるべくすみやかにアメリカのオハイオ州から約八万トンの食品用大豆の緊急輸送を商社を通じて要請をいたしました。また同時に、こちらから直接外交ルートを通じても要請をいたしました。これは大体見込みが立ったわけでございます。それからもう一つは中国のほうでございますが、これは昨年の九月積み以降がほとんど配船がとまっておりまして、全体としてかなりの滞りが出てまいっておりましたので、これは早々に中国政府に対して要請をいたしました結果、十二月積みのスリップ分を含めまして一月、二月と各月ごとに二万トンずつ計六万トンの配船を確保する旨の確約を受けまして、その後一月の二十日前後に第一船が入りましたのを皮切りに、現在滞りがちでありましたのがやや回復しつつある状況でございます。そのようにして、まずマーケットの中に豆を送り込むことが第一でございます。 それから第二の問題といたしましては、国内に豆があるのにどうも偏在しているのではないかという不信感がありました。これがありますと、非常にまた不必要なスペキュレーションを注ぎ出すことになります。そこでそれに対応する対策といたしまして、とりあえず現実に大豆をこれは持っておるところからどうしてもないところへ必要やむを得ないだけは緊急融通をさせるということが一つ。もう一つは、御承知のような自由取引でございますから、したがって価格が異常に変動することに対する一つの指針といたしましては、商品取引所の価格形成機能が異常に動きますというと、これが社会にかなり悪い心理影響を与えることになります。したがって、この二つについて早急に手を打つということから、五万トンの油糧用としてストックをいたしておりましたものを、とりあえず、とうふ、納豆といったような当面の対策のために、仲介の業者を通ぜずに直接実需者に売り渡すという形を緊急対策としてとりました。それから商品取引所につきましては、かなり急ピッチな上げもございましたけれども、これが後半になりますというと、いわゆる上げ幅制限がなくなりますので、とりあえずは、個人としての取引数量に制限を加えると同時に上げ幅の規制をする。それから、新規に取り組みをすることについての規制をする。さらに三段がまえとしては、当時一月でございましたので、七月から新甫に入りますが、この新甫以降の取引について自発的にそれをやめさせるといったようなことで、大豆の商品取引機能というものを当面、まあいわば眠らせるという形をとったわけでございます。 最後に、今後の対策でございますが、この中で述べられておりますのは、やはり何と申しましても、海外依存というものを急速に脱却することはむずかしいわけでございます。しかも、食品用大豆というものは、全体の大豆のワクがあっても依然として窮屈感を持つ場合がことしのようにあるわけでございます。そこで当面、この一月から七月までの上半期についてこれはない、できの悪かった食品用大豆は追いかけてもございませんから。とりあえずは、大豆としての不足感をなくすという意味で、上半期全部で約二十万トン程度、前年よりも分量をふやして輸入するという方向で輸入商社の指導を行ない、これはほぼ契約済みでもう見当が立っております。ただ、そういたしましてもなお食品用大豆の問題は残りますので、そこで、これはできれば今後の問題でございますけれども、実需者の買い付け先をもう少し長期の供給契約に結びつける、あるいは今後ブラジル等の開発輸入等を含めてやはり今後食品用大豆の供給ソースを多角化していくといったような方向を含めて今後考えていく必要があるだろうというふうなことも実は緊急対策の中に盛り込んだようなわけでございます。 以上が大体の概要でございます。
○杉原一雄君 海外等についての手の打ち方、早いかおそいか、適切かどうか知りませんけれども、とりあえずの問題解決の一つの糸口になったかと思います。そこで、価格形成の問題について不信感を払拭するための努力ということなどで、大豆商品現物の過熱防止ということでいま局長からいろいろ答弁があったわけですが、きのうですか、総理を中心として物統令の適用の問題をめぐって商品投機の問題について何らかの立法処置をとろうじゃないかという話が政府与党の間で意見がほぼ一致したということがきょう伝えられておるわけですが、まあ大豆のあとはまさにこの問題で大きな問題になっているし、時間があれば、モチ米の問題もお聞きしたいと思っておりますが、モチ米、大豆を含めてですね、これに対して農林大臣が相談にあずかられたかどうか知りませんが、少なくとも閣員の一人として情報は御承知だろうし、大臣の考え方も確立していると思いますが、物統令は適用しない、だが新法によって対処するというのが大体のきょうの報道ですけれども、これは大臣としても確認できますか、どうでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) けさ新聞でいろいろ報道をされておりまするが、大体、間違いのない情報をニュースにしておると思います。現在農林省のほうにつきましては、物統令はなかなかこの際活用することはむずかしいであろう、したがって、暴利取り締まりのようなことについて農林省側の考えはどうであるかというように、いまわれわれのほうの何か適当な考えがないかということを求められておる段階でございます。きょうの閣議でもその話が出まして、直ちにこの委員会に入っておりまするので、きょうこの委員会が済みますれば、省内の関係者に指示を与えたいと、こういうふうに考えておる段階でございますが、ただ、農林省の関係といたしましては、いまモチ米の話もちょっと触れられましたけれども、米の問題について、御承知のように、食管法がございまして、いままででも食糧事務所を通じての一応の調査といいますか、見当もつけておる、あるいは買い占めのような事態につきましては、大手商社にそういうことのないようにという警告も出しておる、こういうことでございまして、現行法の中でやれることについては現にやっておるわけでございまするが、しかし大豆につきましては、御指摘のとおり、これは何か新しい措置を講じなければ取り締まる方法に欠けるのではないかと、こう思います。したがいまして、いま党やまた政府の一部の動きに応じまして農林省としても対応してまいりたい、こういう次第でございます。
○杉原一雄君 いろいろのやりとりから集約しますと、今日のとうふの値上げ、大豆の不足という問題等を通じて、まあ、ある雑誌が書いているように、安上がり農政は最終的にこういう結果になったんだという結論めいたことを言っているようですが、そのことの是非はとにかくとして、いま農林大臣の所信表明等を通じても、少なくとも、食用大豆については将来自給体制をとりたいという政策意図が明確になったわけですけれども、具体的な手だての問題、手段の問題ですね、それは先ほどばらばらに実は出ているわけですが、国内自給する、食用大豆を。そういう一つの仮説に立った場合に、とりあえず全中なり北海道農協が提起したような問題は、問題をおそらく集中的にしぼっていると思います。その点について、大臣から先ほど若干の答弁が実はあったわけですが、もう一度、高い視野に立って、大豆をこれからつくらせる上において五千八百円では足らないんだと、これは言うまでもないことですし、高能率化しようとする日本農業としては問題にならないという現状もよくわかるわけですが、そうしたものを踏まえて、主産地形成なり技術指導なりあるいは価格政策なり等いろいろあると思いますが、それを簡単に要約して、これからの大豆生産に備えて農林省はどのような行政努力をするか、努力目標等を明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 第一は、やはり価格面からの刺激の必要があろうかと思います。それについては、この要望書の中にも触れられておるわけでございまするが、これは農林省としても、できるだけ農家の生産意欲の起きるようにしむけるような基準価格を考えたい、不足払いをいたしたい、こういうことが第一でございます。 それからことしの稲作の転作対策の中で、できれば大豆生産のほうへ力を入れてもらいたい、こういうようなことを考えておりますが、そのためには土地条件の整備、省力機械施設の導入、種子対策など大豆への転作の促進をはかりたい、かように考えておるような次第でございます。 そこで、先ほどちょっとお答え申し上げましたが、この基準価格やあるいは生産奨励金の問題につきましては、多少専門的になりまするのが、必要がありますれば、局長のほうから詳しくお答えをさせます。
○杉原一雄君 一応わかりました。まだ不十分な点がございますが、後ほどまた時間をいただきます。 モチ米の問題、あと五分でございますから簡単に申しますけれども、とりあえず政府当局があるいはタイからの輸入その他で応急措置を実はおとりになったと思います。ただ問題は、なぜモチ米が高騰したか。私も百姓して大正モチをつくった大昔のことを思い出すわけですが、モチ米というのはウルチからみれば生産量が非常に少ないですから、モチ米を国内需要に合わせるようにするためには、やはり今後食糧庁等の対策が必要になってくるわけですが、とりあえずなぜモチ米が高くなったかということ、これに対しては先ほどの大豆でないけれども、商品相場といいますか、これには商品ということは当たらないかもしれませんが、非常に過熱状況を呈していた、そこで警察庁が手を入れたということがいろいろ伝えられているわけですが、警察庁からその実態把握にについてどのような努力をして、長官のところに、かくかくのところでモチ米が眠っておったといったような、摘発的なことを含めて勧告があったかどうか。そこで、今後モチ米の問題に対してやはり食糧生産の大きな観点からどのような政策努力をしようとするのか。先ほど私も百姓であるからと言ったわけですけれども、モチ米は、やはりどんなに努力をしても技術的にウルチより少なくなるというのは一般的です、よほどの篤農家は別として。そういう状況の中でモチ米がウルチと対応していく場合には、かなりの価格の問題なり技術指導の問題なりやはり農林当局にはやらねばならないことが一ぱいあると思います。だから、とりあえずいまモチ米はばか値を出す、高騰しておるということ、それに対する政府のとった処置、タイ米の輸入等、それから、その原因の中で先ほど申したような警察庁の手までわずらわしたという事実等についての具体的な状況、それに対応する長官の考え方、こうしたものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私からまず一応お答えを申し上げたいと思うのでありますが、国家公安委員長から米の買い占めの事実があるように思うが、農林省と協力をして取り締まりたいという、そういう趣旨の発言が閣議でございまして、それを直ちに受けて農林省から国家公安委員会の担当官のほうへ連絡をとりました。先ほど申し上げましたように、具体的には警察が直接に手入れをしたとかいうような事実は私の知っている限りではございません。それは、食管法に基づいて農林省のほうで調査等のできるものでございまするから、そのほうを考えたわけでございます。この問題が起きましたのが十四日でございますが、十六日に関係業者を農林省としては呼びまして厳重な警告をいたした。また、主要な産地及び消費地の在庫状況を調査するということをいたしたようなわけでございます。 それからモチ米の暴騰の原因は、言うまでもなく、需給の関係で、四十七年五十七万トンの生産に対して需要が六十三万トン、六万トンほどの不足ということが主たる原因であったと思うのでございます。そこで、この不足につきましては、昨年の十一月に政府手持ちの一万七千トンを売却するとともに、本年になりましても、逐次、放出をする、あるいはタイからの買い付けを急ぐというような措置を講じておるのでございますが、これからの方針といたしましては、生産者団体等を指導して契約栽培による計画生産を行なわせて、確実に自主流通米として流通させたいと、かように考えております。 あとこまかい点は、長官あるいは局長のほうから説明いたさせます。
○政府委員(中野和仁君) 概略いま大臣がお話しになりましたとおりでございまして、私からあまりつけ加えることがないわけでございますが、なぜこう高くなったかという原因につきまして——元来モチ米は昔から一年おきに豊凶がございまして、ちょうどそれがことし非常に強く当たっていたというふうにも思われるわけでございます。そのために、現在、自由米相場等も二割何分か自主流通米に比べまして上がっておるような状況でございます。 そこで、具体的な緊急対策といたしましては、先ほど大臣からお話しありましたように、すでに大手の商社、それから関係の米屋の業界全部に警告をして、もし手持ちがあるならすぐ放出しろというところまで話はいたしております。それからあわせまして、消費地、主要な生産地についてのただいま調査を始めておるところでございますが、こういうことをやりますれば、まだ騰貴というような値段まではいっておりませんけれども、これで若干鎮静するのではないかと思います。と同時に、やはり基本的には絶対量が不足する場合には値段が上がるわけでございます。輸入をいたさなければなりません。その場合に、タイその他東南アジアはかなりことしは米が不作でございます。なかなか玉が集めにくいといううわさが一時出たために、若干急に二月に入りまして上がったのではないかと思います。昨日発表いたしましたように、とりあえずタイと一万五千トンの話がつきまして、三月から四月に入ってまいりますので、これで相当程度は鎮静するのではないかというふうに思っております。 恒久対策につきましては、大臣が申し上げましたとおりでございますが、そういうふうにして、自主流通米を中心にして計画的に契約栽培をやりますと、どうもモチの場合は、ことし少ないと来年よけいつくるというようなことがあるものですから、その場合には自主流通でやりますけれども、もし過剰になった場合には自主流通のUターンといっておりますが、食糧庁が買い入れるということをいたしております。また、不足の場合には、当然これは輸入に待つということもいたさなければなりませんが、その場合にはあらかじめいろいろ手を打って、いろいろな情勢を察知しておきませんとなかなかできませんので、そういう点の情報の収集にも十分努力をしたいというふうに考えております。
○工藤良平君 いまの問題とも関連をしますけれども、この前、ミカンの問題で私保留しておきましたので大臣に、わずか十分間でありますけれども、お聞きをしたいと思います。 先日伊藤局長のほうから、ことしのミカンの生産高の問題について私とずいぶんやりとりいたしましたけれども、私はどうしても納得できません。いまの食糧庁長官と同じように、でき過ぎたときには豊作といって足りなかったときには裏年というのです。そんなばかばかしい話がありますか。私は、この前、統計的に四十年以降の数字をあげまして、裏年と表年の統計をとって、三百三十万トンというものは当然統計上からも出てくるのだ、にもかかわらず、なお表年と豊作が重なったから、来年度は二五%も下がりますというようなとぼけたことを言っているのです。大臣にその点について、この前、計数的に指摘をいたしましたその私の主張と、伊藤局長が説明いたしましたのとどちらが正しいのか、あなたの判断を的確にしていただきまして、ミカン対策を立てなければならぬと思いますから、まずその点を私お聞きをいたしたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねは、四十七年度の生産の状況が隔年結果の表年になった。そうして、天候にも非常に恵まれて三割方の増産をしたのだと、その点について工藤委員のお考えからすれば、そういう天候の関係だけでなく、植栽面積その他いろいろ考えられて、そのほうに原因があるのだというふうに御指摘であるのではないかと思うのでありますが、私はそのいずれも原因になっておる、豊作であるとか、天候であるとかそれも要素である。あるいは予定よりも植栽面積が上回っておった結果から出てきておる、これも要素として言えると思うのでございまして、したがいまして、これからの対策の上におきましては、それらのことを頭に置いての対策をやる。たとえば、今後も引き続き植栽面積がどんどん進むようではいけませんから、その辺はやはり押えるべきである。それから昨年と同じような生産が、ことしはそういうことはないだろうと推定はしておりまするけれども、そういう場合に備えて、ジュース、かん詰めへの加工面に、より一そう持っていけるように、施策をやらなければならないというように一応考えておるわけでございます。
○工藤良平君 私は、もう一つ計数的に申し上げますけれども、たとえば、昭和四十年のミカンの植栽面積が全体で十一万ヘクタール、そのうち成木園が約六万ヘクタール、その際の収獲高が百七十五万トンであります。四十七年度は、総面積において約十七万ヘクタール、そのうち成木園が十二万ヘクタールあるわけです。したがって、それは当然三百三十万トンから三百五十万トンというものが、平均反収約二千七百キロととってみても、そういう数字はおのずから出てくるわけです。したがって、さらにそれが豊作と表年が重なれば、本来計数的に見ると、四百万トンぐらい私はことしはできているのではないかという気がするのです。そういうような計数からいたしますと、農林省の伊藤局長がこの前答弁したようなかっこうで、また来年は二百数十万トン程度で終わるなんというとぼけたことを言っておりますと、たいへんなことが起こるということを私は指摘しているわけです。その点、大臣、大豆の問題だってそうです、モチ米の問題だってそうなんです。減反で一兆二千億も金を使って対策を講じておるときに、モチ米が足らないその理由を裏年だからなんということで、農林大臣、逃げられますか。農民に対して、消費者に対して、そういうことを為政者として言えますか。私はそういうことが残念でしようがないわけですよ。大豆だって、いま杉原委員から指摘されましたけれども、そういうことを繰り返していっているからこそたいへんな事態が起こるわけでしょう。そういうことを考えて私は、農林省としてこれからは長期予測を的確に行なう。これは農林省の最大の任務だと思っているのです。これをやらなければ農業なんてつぶれますよ。消費者も困るのです。それがまず第一番。 それからもう一つは、この前、堀本委員も御指摘をいたしましたけれども、農林省は、ミカンがたいへん余っているときに、アメリカのジュースを輸入して、それをブレンドして売ればおいしいからいいなんということを指導しているという話も、この前私はお聞きをしましたけれども、もしもそんなことを農林省が考えているとすれば、どこを向いて一体農政をやっているのですか。私は腹立たしくてしかたがないのですよ。だから第一番目のいま言う的確な予測を立てる、その予測に基づいて的確なやはり植栽計画なり栽培の計画を行なうということがまず前提条件。 それからもう一つは、やはり自由化の問題について、麦や飼料や大豆を自由化してきた。その自由化をした結果というものが、こういう事態が起こってきたわけなんです。これは今後なお一そう予想されることなんです。少なくともやはり、食糧の長期見通しに立つならば、やはり、できる限り国内で需給をしていくということが前提条件でなければならない。でなければ、こういう事態が起こるわけでありますから、そういう点を踏まえて自由化の問題についてもきびしく、アメリカを中心としたそういうことではなくて、日本の農業ということを中心にして、あるいは日本の国内の需給体制ということをまず前提において考える、自由化についてもきびしい態度で臨むということが、やはり農林大臣としての私は任務ではないかと思いますけれども、その二つの点について、時間がありませんから的確に答えていただきたい。これがまたもし不明確であれば、私は何べんでも追及をしてまいりたいと思いますから、その点をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) あらゆるデータの上に立って、そして見通しを立てる。これは、当然のことだと思います。 昨年の機構改革の際におきましても、それがために統計情報事務所に改組をさしていただいておるわけです。昨年のミカン増産の結果を顧みてみまするに、そういうしっかりしたデータのもとに迅速な情報提供が行なわれて、そして、農業団体がそれを信頼できるような前提があれば、もっと改善されたんではないか、こう思います。そこで、統計情報の関係につきましては、これは、専門語で基準筆の大幅な増加をはかり、予測精度の向上につとめたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、農産物の自由化に関連しての、濃縮ジュースを入れてブレンドをさせるというお話に触れられたわけでありますが、少なくとも、私が就任後に、そのような指示をいたしたことはございませんし、私として、いまオレンジとかあるいは果汁の自由化は一つも考えておりません。
○高橋雄之助君 私、現在きわめて深刻になっておりまする家畜の濃厚飼料の問題、さらに、先ほどから杉原委員から質問のありました大立の問題について、質問とさらに意見を申し述べたいと思いますが、幸い農林大臣御臨席でございますので、この機会に農林大臣のいわゆる決意のほどをお伺いいたしたい、こういうふうに考えるわけでございます。 と申しますのは、一昨年来、いわゆる農産物の自由化のことについていろいろ取りざたされまして、農林省もそれぞれこれに対応してやってこられたことは御承知のとおりでございます。さらにまた、昨年の暮れに至りまして、田中総理が閣議で、いわゆる農産物の二十四品目、さらにまた、工業製品の九品目、これについて可能な限りの自由化を進めたいから、それぞれの関係省は、これについてのいわゆる作業を始めてもらいたいという話があったということで、私どもその報道を聞きまして、まことに危機感を感じたわけでございます。したがいまして、大臣をはじめそれぞれ関係の方々に、この自由化に対しての真相をただし、さらにこれに対する反対を申し上げたことも御承知のとおりであろうと存じます。ところが、ここ二、三日前に、また総理大臣が、今日の為替変動制その他いろいろな関係に基づいて、農産物の自由化の問題を再度発言されておられるわけでございます。このことについて、農民はまことにいま一喜一憂の感でございまして、一体どうなるのかというような不安の念に日々かられておることは御承知のとおりでございます。この問題について、農林大臣は、総理からこのようなことを申されましたことについて、どのように受けとめておられますか。この二十四品目の問題等についての事柄について、大臣は省内においてどのように詰めておられますか、そのことについてお伺いいたしたいと思います。まず、その点お願いします。
○国務大臣(櫻内義雄君) 当面のお話を申し上げるのについて、ちょっとこの経過を御承知願うほうがいいと思うのです。 昨年暮れに、農産物の自由化を含めての検討の話が出ました。これは大蔵大臣が閣議で第三次円対策というものがあると、こういうことを言われることによって、その中に自由化問題も含まれたということでございまするが、私は、これに対しましては、その後、自由化問題の一番当面の相手になるのがアメリカである。そこで、米国と日本との関係で、ほんとうに自由化の必要があるのか、ないのかというとこで、一つ一つの問題について詰めていきまして、たとえばジュース、これを自由化しても、アメリカははたしてブラジルのジュースと競合できるのか、あるいは雑豆などについて自由化して、これからの日中の貿易が進んで、アメリカのためになるのか。肉は一体、子牛を五千頭入れても、これはアメリカの強い要望でやったが、アメリカのものは入っておらぬじゃないかというように、一つ一つ詰めていきまして、ちょうどまたミカン問題も起こりまして、ミカンのこういう問題が起きておるときに、アメリカが、オレンジや果汁の自由化を求めてくるということが、それがほんとうに日本を理解するものかどうかというようなことで、これはもう対米関係としては、自由化問題はないと、私はその必要はないと、こういうことでずっとまいりまして、そのことは大かた関係方面で理解されておったと思うのであります。今回のドル切り下げ、変動相場制への移行に伴って実質的な円の切り上げをしておる。また、円の切り上げを控えておるというこの段階で、重ねて自由化問題についての検討をしてみるというような問題が起きたわけでございます。 私は、これは別に農産物の自由化を強要されたものとは思っておらないんです。円の切り上げ、あるいは対策よろしきを得ずに再々切り上げにいくような問題を起こしてはいけない。そのためには、現在自由化されてないもので、国内対策が十分できるかどうかの検討をそれぞれすると、こういうことで、これを、検討はできませんというわけにはいきませんから、まあ、こういう話が出たということで一応の検討はいたすように省内でも話しておるわけでございます。しかし、それはあくまでも、正直に申し上げて、私としては、国内的に対策があるかどうかということを見きわめたいのでございまして、それじゃ、いまの農村の、また、農業の実情からして、自由化をすることが、大局的に見ていいものかどうかということになってまいりますれば、私は絶対に、そういうことについては基本姿勢として反対である。農村のいまの政府に対するいろんな不信感というもの、これを払拭して、そして農政を進めることが私に課せられた一番の責任であると、それは、前段で申し上げました問題のときから鋭意つとめておるところでございまして、今度の問題が起きましても、私の基本的な考えとしては、それはごうも変わっておらないんであります。ただ、一応の検討をせよというのを、それは検討はできませんと言うことがいかがかと思うので、いずれいろいろと検討した結果を、それはおそらく、こうこうこういう事情で、一つ一つのものについてむずかしいという結論が私は出るものと思うんです。それを申し上げればいい、検討が即自由化をするため、というふうには考えておらないんであります。一つ一つの問題を詰める、私は、一つ一つが全部大きな壁にぶつかるものと思っております。それを率直に言えばよいと、こういうふうに思っております。
○高橋雄之助君 大臣の非常に強いお考えの御意見があったわけでございますが、しかし、一国の総理が何回も、いわゆる自由化の問題に対して発言されておることを考えますると、われわれは、やはり一国の総理がそういう発言をしておるんですから、これはあるいは自由化に踏み切るということを非常に心配しますし、そうではないかということを非常に強く考えるわけでございます。何といっても、総理が強くそれを踏み切った場合において、いまお話があったとおり、大臣はこれに対して、やはりいろいろな意見は申し述べられましょうけれども、最後まで、これが反対して通せるかどうかということを非常に心配するわけでございます。そういうことで端的にこれを申し上げて、まことに失礼でございますが、もし総理があくまでもこれを自由化するということに踏み切った場合においては、大臣はどのような処置をされるか、いわゆる責任をとられるか、この点をひとつ率直にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは別に私は、あまりこまかく神経質にはなっておらないんです。三十三品目のうちで、なるほど農産物が非常に多いわけでございまするが、それぞれ検討をするのでございまするから、その検討の結果の結果で——その多少のことを申し上げては行き過ぎかと思いますが、いろいろと結論が出るものと思うんですね。そうしたその結論にのっとっての総理の判断が下されるものと、こう思うのでございまして、私は先ほど申し上げましたように、農産物に関する限りは、私の見通しとしては、いろいろ検討をしてみて、非常に大きな問題が総合的に必ず出てくるものといまそういう見通しに立っておるのでございまして、それをも押し切っての何か措置ということはいまここでは考えられません。
○堀本宜実君 関連。 ただいま大臣のお話を承って、安心をしていいのかと思っておるんですが、この機会に、いまのような御決意であるならば聞いておきたいと思いますが、ただいま、アメリカのカリフォルニアにありまする大きいミカン会社、サンキストの副社長が、この四、五日前から日本に来ております。そうして全農なりあるいはいまアメリカにおります宮脇中央会会長なりに、サンキストと日本の農業協同組合がジュースの販売業、いわゆる企業として合同合弁の企業をやろう、出資はサンキストから一〇〇%出そうということのようでございます。これはどんなに器用なことを言いましても総理が下知をした、いわゆる指示をした、そのことができる、できないということよりも、現実に相手が来て相談をしておるわけで、これは足立農林大臣のときに突如として起こってきた問題でございます。順次、お話を申し上げたほうがいいのかもしれませんが、時間がございませんから、それは省略をいたします。足立構想の一番初めは、アメリカ全土の果汁をつくる会社と、日本の果汁をつくっておるいわゆる農業協同組合とが、合弁で企業をするということについては、日本政府は許可をしてもいいというようなことを言ったと思うのです。ところが、いまアメリカはサンキストだけが代表で来ておるので、合弁だとは思われません。これは一つの単位会社でございます。それでまた、日本におきましても、農業協同組合といいながらも、これは総合農協もございますし、専門農協もございます。こういうところがすでに十何件ジュースをつくっておるのでありますが、そういう単一でない、複数でなければ許可をしないという考え方に立っておったものが、総合農協なら総合農協だけの全農と契約をして企業化すということでございますれば、それはほとんど単独に総合農協だけにとどまるわけでございます。この問題についてどのようなお考えを持っておられるのかどうか。 これはどこかでブレンドしたジュースを飲んでみたら、たいへんうまかった。ジュースというものは品の違ったものをまぜると、かおりが出てきて、味が出てくるというような言い方をしておるのですが、アメリカのジュースをつくる製法、いわゆるジュースをつくりまする方法と、日本がジュースをつくりまする方法とは、方法が違うのですよ。御承知のように、アメリカでは熱処理はしないのです。日本では清涼飲料水をつくる方法でジュースをつくっておるわけです。これが九十三度にぬくめるわけです。あるいは八十度で三十分間熱するわけでございます。私はジュースをかんして飲むなんということを聞いたこともないのです。ジューかんというやつですが、そういうことをする国で、いわゆる技術はきわめておくれておって、それを振り返って改正しようとはしない。どこかで飲んでみたらたいへんうまかったということで、ブレンドしたらうまいのだという考え方でいきますることは困ると思いまするが、どうかこの点についてお答えいただきたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) たいへんそっけないお答えになるので恐縮なんですが、確かにサンキストの副社長であるのか、だれかが来て動いておられることは耳にいたしました。しかし、当面この問題については、宮脇全中会長がアメリカに行かれてお話に触れられておるということも聞いておりますから、できたら、やはり宮脇会長が帰られてから、直接私はいろいろと聞いてみたいと思うことが一つです。 〔理事初村瀧一郎君退席、委員長着席〕 それから、具体的にサンキスト一〇〇%出資のジュース工場をつくるということについては、すでに堀本委員よく御承知だと思うんですが、このジュースの関係は、五〇%以上は、これは外資導入は承認を得なければならないんですから、ですから、そういう段階があると思うのですね。したがいまして、かってにいまつくれるというわけのものでないと、こう思います。 それからもう一つ、足達農林大臣の当時に、ブレンドする問題について、いろいろ前大臣の御意向もあったようでございまするが、その後の日本のミカンのいまの状況、特に政府は相当な緊急対策を講じておる段階におきまして、ジュース工場をここでつくる問題、あるいはオレンジの自由化という問題というものは、おのずから客観情勢は違っておると、こう思うんでございます。
○高橋雄之助君 先ほどの大臣の非常に強い御発言を私は了承いたします。 私は、まれに見る大臣として、後世にその名を残すようにひとつお願いをしたい、このことをお願いしておきます。 飼料の問題でございますが、本日は、全国の酪農民が集まりまして大会を開催しておるような状況でございます。この飼料の価格問題でございまして、なぜ、このように非常に変動が激しいかという問題は、いまさら申し上げるまでもございません。 四十四年以来ながめてみますと、四十四年には八百三十七円値下げした、こういう経過がございますが、さらに四十五年に至りまして千四百円、これは四月でございますが、さらにまた同年の十月に二千二百七十円という値上げをいたしまして、合計三千六百七十円の値上げがあったわけでございます。そういうような経過をたどりまして、四十六年に至りまして、この秋でございますが、トン千八百五十円の値下げ、さらに四十七年の一月に二千三百円の値下げ、また四月には千三百円、このように三回にわたって値下げが行なわれました。これは、アメリカの作況その他まれに見る状況その他のいろいろないい条件が重なったことと思いますが、合計して五千四百五十円の値下げがあったわけでございまして、このときにあたりましては、畜産農家は一応愁眉を開いて畜産に精を出そうという気がまえを持ったことも事実でございます。ところが、そういうような愁眉を開いた間もない時期に、四十七年、昨年の秋でございますが、海外の作況並びに諸般の悪条件によりまして、飼料の原料価格が急騰してまいったわけでございます。 したがって、今年の一月一日から全農連の配合飼料がトン三千二百円、さらにまた高騰を続けておりまする今日、三月一日から四千八百円、これを値上げするということに決定になっておるわけでございますが、それにとどまらず、さらに六月以降この秋までに何回かの値上げをしなければならない、いまの状況では。したがって、その見通しは合計しまして一万円に近い値上げをしなければならぬという状況でございます。 こういうような状況でございますから、酪農民は非常なこれは困惑をしておるような状態でございます。 特にまた、鶏卵にしましても、ブロイラーにしましても、豚肉にしましても、牛乳にいたしましても、牛肉にいたしましても、こういうような値上がりによりまして、当然、これは消費者価格を上げなければならないという状況下にありますが、かりにトン千円の値上げをするということになりますれば、鶏卵にいたしましても、一キログラムが三円、あるいはブロイラーも同じ、豚肉も牛肉も同じでございます。牛乳にいたしましても二十五銭の値上げ、これが一万円ということになりますれば、この十倍になるということでございます。こういうような状況でありますれば、これは全く畜産酪農民は、もう破滅の状態に追い込まれるというようなことでございます。これに対しましては、政府といたしましても、いろいろ緊急的な対策を講じられつつあると思います。先ほどもちょっと質問がありましたが、その緊急対策としての事柄もある程度お聞きしておりますが、具体的にどのように進められておるか、その事情をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 飼料の値上がりについては、非常に影響が大きいので、憂慮いたしておるわけでございますが、まずお尋ねの対策につきましては、三月から六月の本来からいうと、上期に集中というわけでございますが、もう二カ月たっておりますから、三月、六月に集中的に、政府操作飼料の麦類約二十五万トンの売却を行なおうと、それから古々米につきまして、約五十万トンを集中的に売却すると、そのことによっての効果を期待をしておるわけであります。 それから御承知の全農、全酪で、安定基金がございまして、それによって値上げをカバーしておるということでございまするので、この安定基金が十分活用されるように、政府としても支援いたしたい。その中身といたしましては、出資がいいのか、融資がいいのか、まだ煮詰まっておりませんが、何らかの積極的な安定基金への援助は、これはいたしたいと、こういうふうに考えております。 なお、畜産農家のいろいろこうむる影響につきまして、低利の融資によって一応つないでもらおうというようなことも考えておりまするが、これらのこまかい点につきましては、現在大蔵省と折衝中でありますので、担当局長のほうからその模様を申し上げることをお許しいただきたいと思いますついずれにいたしましても、政府としてのとり得る措置はここで緊急にいたしまして、値上がりを幾らかでも、その幅を押えるようにつとめてまいりたいと、こういう所存でございます。
○高橋雄之助君 いま大臣から御答弁がありましたが、とりあえず緊急に——えさのいわゆる放出の問題、さらにまた値上がりに対するところの金融の措置、あるいは基金に対するところのいわゆる政府のてこ入れ、こういうお話でございましたが、これは緊急にひとつその点を酪農民、あるいは畜産農家が安心のできるような形の中で実現してもらいますことを強くお願いしておきます。特にいまわが国の畜産振興については、国も非常に力を入れておる状態でございますけれども、それがなかなかそういうように進んでいない。かりに、全国の酪農の関係において考えてみますると、三十八年には四十一万七千六百戸といういわゆる酪農農家があったわけでございますが、それが四十七年においては二十四万三千戸、このように減ってしまっております。さらに四十八年度を考えますると、まだ一割程度減るだろう、こういうことでございます。ことに北海道は稲作転換で、酪農に変われ、畜産に変われ、こういうことを盛んに強く言われておる中においても、三十五年には六万三千——約六万四千戸あった酪農家が、今日二万九千戸、このように激減しておる状況でございます。頭数は、かなり多頭化の方向に行っていますから、頭数はかなりありますけれども、酪農民そのものが減ってしまっている、こういうことでございます。その他の畜産農家も同じようなことがいわれるわけでございまして、政府の施策と実態とがこのような食い違いをしておるということに大きな問題があるわけでございます。えさの問題ばかりではなく、いわゆる経営拡大による大きな資金に対するところの借金、あるいはその他のいろいろな経費、——さらにはえさの問題、いま申しましたような事柄が積み重なって、このようなことになっておるわけでございまして、いかに政府が畜産振興を唱えても、現実はそれと全く反対の方向に進んでおるというのが現実でございますので、この点を十分ひとつお考えの上、さらに今後の対策を練り直してもらいたい、このように考えるわけでございます。 時間がもうすでになくなっておりますが、まだまだたくさんあるんでございますけれども、以上申し上げまして、緊急対策と今後の対策について、えさの問題も——稲作転換に伴うえさのいわゆる増産奨励、これなどもいろいろと施策を講ずれば、これはできることでございます。デントコーンあたりでも、どんどん水田にやらしておる。北海道あたりは特にこのデントコーンの生育がよろしいわけでございますが、これに対して機械その他のいろいろな対策、その他の具体的な対策を進めますると、いわゆる自給率が非常に高まるわけでございます。こういう点もひとつ思い切ってやってもらいたいと思うのでございますが、たとえば食糧全体の問題、えさの問題、これは関連することでございますけれども、いま世界的にこういうような状況でございます。 米の問題も韓国をはじめとして、各国が日本の米をほしいということで、非常な強い要請があることも大臣御承知のとおりでございます。そうしてまた、いまモチ米を入れなければならない。さらにはまた今後十年、十五年たちますると、人口の増加というものは非常に激しいわけでございます。二十五年たつと、いまの三十六億の人口が七十二億になる、あるいは七十四億になるといっています。そういう状態の中で、世界的な食糧の問題がこの際非常に大きく台頭してきておるわけでございますから、私はそういうものに対応して、場当たりでなく、やはり今後に対応して、思い切った措置をしなければ、日本の食糧あるいは飼料の対策は全く窮地におちいる、こういうことを私は端的に申し上げたいわけでございます。そういうことでございますので、ぜひともその点よろしくお願い申し上げたいと思います。 大豆の問題、先ほどいろいろ質問がありましたが、昭和三十六年にこれはいわゆる自由化、全く自由化されたわけでございます。そういうようなことを考えますると、自由化にあたりましては、ずいぶん強い反対があった一わけでございます。大豆を自由化されることが、非常に農民が受ける影響というのはきわめて大きい、こういうことがあったわけでございますが、そのときにはやはり政府もその点については十分生産対策、保護対策、いわゆる不足払い、こういうものに全力をあげる、だからこれを自由化することを了解してもらいたいという国会の答弁もありましたし、団体に対する言い分でもあったわけでございます。ところが、なるほど三十六年についてはいわゆる交付金あるいは不足払い、その他についての予算として三十億取ったわけです。こういうような金を政府は取ってくれました。三十億という金はかなり大きい金ですから、政府もほんとうにこの点については力を入れてくれているなあ、こういう考えを持ったのでございますが、しかし結果としては、八億二千万しか使ってない、これは大豆、なたねを含めてですよ。大豆、なたね含めて三十億の予算を取りながら、八億二千万しか使わない。単なるパリティー方式による計算その他によってはじいた大豆の価格に対するいわゆる交付金に過ぎない。生産対策その他の問題には何ら触れていない。そうして二十億七千万という金は余している。その後ずっと見ましても——時間がありませんから省略いたしますが、その次の年は十七億、十四億、こういうふうに余しておるのです。私は、大豆を——やはり国内で、国民の生活の中で、あるいは家畜の生活の中で、その日に米を食べなくてもパンを食べておる。いわゆる大豆を原料としたみそ、しょうゆ、あるいはとうふ、納豆あるいはもやし、これは必ず食べておる。むしろ米よりも重大な主食でございます、数は米ほどではありませんけれども。それほど重要な国民の必需品であるものを軽視して今日に至っておる。その責任は私は政府にあると思います。こういうようなことを言い切って、やっておるにかかわらず、まさに今日はまことに微々たるものに過ぎない。こういうような状況が今日の大豆、なたねの現状でございます。なたねは全くその影をひそめておる。大豆は需要の四%しか生産していない、そういうようなことでございます。そういうようなことを考えますると、やはりこれは国内で自給率を高めて、そしてやはりいざいろいろな問題のあったときに、国内である程度調整ができる、こういう見通しの中でやらないと、単なる、えさにしても外国の耕作——いわゆる日常の食糧にしても、外国に依存すればよろしいと、いままで学者あるいは経済界でいろいろ言っておることを農林省はそのまま行なっておる、そこに問題があるわけでございます。この際、ひとつ思い切って、やはり国の将来、いま申し上げましたとおり、人口の増加に伴う食糧不足が目の前にあるわけですから、そういうことを真剣にお考えになってやってもらいたい。 昨年の基準価格をきめるときにおいても、私どもは団体からの強い要請がありました。やはり価格に対して七千何ぼ、そして二千円の奨励金をつけてくれと。これも長くは要らない。いわゆる大豆が相当作付できる、定着するまでの間、一俵二千円の奨励金をつけてもらいたい。われわれもそれを引き受けていろいろとやりましたけれども、いろいろ問題がありまして、なかなかその実現ができなかった。しかも大豆は五千八百円に基準価格がきまった。そういうような中で、今日、北海道の産地でもって、すでに六十キロ一万二千円。東京へ来て一万五千円、一万七千円、あるいはそれ以上にいわゆる相場が立っておるという状況でございます。五万トンのもので冷やすといいましても、その五万トンはいずれまた消化されましょう。いろいろアメリカ、中国の問題も言っておりますが、そういうような他力本願的なものの考え方は、いずれ大きな問題があらわれてくる。こういうことをお考えになりまして、やはり本年の春、これはもう九月、十月に収穫になりますが、九月のあるいは十月の収穫の時期にあたって、交付金の関係から基準価格をきめるということは、今年作付する意欲がわかないのです。したがって、三月中に、いままでの制度がありますけれども、その制度は変えればいいんであります。ですから、この作付前に、本年の大豆はこれこれの価格にきめよう、それで、国は、いま申し上げたようなことでございますから、国民全体のために使う金です、国民全体のために使う金で、生産者ばかりではありません。したがって奨励金を二千円なりそれ以上のものをつける、こういうことで大豆の一大増産運動を展開する、こういうことにひとつお考えを願いたい。このことを特にお願いするわけでございますが、幸い、大臣おられますが、私が申し上げたようなことについて大臣はどうお考えになりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大豆についての御意見は十分理解ができます。また同時に、私としては昨年の国際的な不作というものを受けての、日本のこれからの農産物に対してどう考えていくか、非常にいい転機がきておるように思うのであります。また同時に、ただいまるる申し述べられましたように、農林省の一番大きい目標が食糧の安定供給と、その安定供給に支障のあるような事情というものがここにいろいろあると、こういうことは当然われわれの責任でございます。これを安定供給のできる方向へ変えていくということがわれわれの使命だと、こう思うのであります。そういう基本的な考えの上に立ちまして、大豆の生産については現在四%のほんのわずかな自給率である。これを少なくとも食品用のものについては、すみやかに自給できるように持っていくのが、お話のような、とうふとか、みそとか、しょうゆとか、生活必需品に最も関係があるのでございまするから、当然やらなきやならないというふうに思います。昨年十月の試案からいうと、五十七年で一二%の自給率で、食品原料用が七九%と、こういうことでございます。これは相当権威ある方々によってつくられたものでございますので、私は十分尊重はしてまいりたいと思いまするが、しかし、昨今の諸情勢を勘案いたしまするときに、もう少し自給率を高めるべきではないか。また、食品原料用は、できれば、一〇〇%近いところへ持っていくようにするのが、この際、私としては考えたいところでございます。 そこで、四十八年度の予算の上におきましては、特にことしは、米の生産調整では転作に力を入れよう、こういうことで、その転作も主として飼料の関係に使おう、こういうことでございます。この辺は、ひとつ高橋委員にも御理解をちょうだいしたいと思うのでございまして、御指摘のありました、大豆増産のための各種の施策に、もっと積極的に手を打っていくということにつきましては、私も全く同感であるということを申し上げておきます。
○河口陽一君 時間がないようですから、はしょって個条的に申し上げます。 私は、前段に申し上げたいことは、日本農民は、今日ほど農政に対する不安と不満を持った時期はないと考えておるものでございますが、そこへさらに自由化というような問題がおおいかぶさってまいっております。大豆の値上げ、アズキの値上げ、さらに承れば、モチ米も値が上がった。この値上がりが農民のふところに入っておれば、私はある程度満足するんですが、これはことごとく農民の手に、ふところに入っていないという、こういうところに農政の貧困さを訴えられると考えておるのでございます。昭和三十六年でしたか、農業基本法をつくったときは、今後、日本の農産物を自由化に対応するために、あの農業基本法が基本的につくられたと私どもは理解をいたしておりますが、結果的には、御案内のように、日本の高度経済の成長にそれが全部吸い取られ、農民は現状維持に、もうきゅうきゅうとしておるという現状でございます。農業基本法を非難する意思は私はございませんが、自由化までに到達する役目を果たさなかったというところに、非常な不安と不満を持つような事態を生んでおると考えます。いろいろ農政に対する意見も申し上げたいんですが、そういう経過の中にあって、今回ビートに対しては非常に農林省も積極的にこれと取り組んでいただき、昭和三十八年に砂糖と大豆の自由化が行なわれる。今日になってみて、大豆は四%の生産、ビート糖に至っては、当時十四、五万トンであったものが三十五万トンに余る生産が達成される、こういう経過を見ますと、この自由化に対応する対策も、十分ひとつ両者を比較して御検討いただかなければならぬと存じます。 いろいろ申し上げる時間がないから、そういう問題点を指摘して核心に触れたいと存じまするが、昨年は異常天候でビートの一大増産が達成され、北海道の反収ビート量は世界の第二位とか言われるもう欧州を凌駕するだけの品種改良、栽培技術というものが向上いたしました。これはビート価格というものが安定しておるところに、農民が意欲を持って取り組んだ成果と言わなければならぬと存じます。まあ、そういう成果をあげたんですが、ことしは暖冬異変で、いまだかってない、農家から出荷されたビートが、パイルされておる段階で腐敗をいたしておるのでございます。これが畑で腐敗したのであれば、これは災害対策で取り上げて十分対応する対策が検討されると思うのですが、残念なことに農家からすでに出荷され、代金は受け取ってしまった段階で、流通段階というか、加工段階で腐敗をした。その損害額が四十二億円と言われておるわけでございますが、きびしいこのビート行政の中で、加工賃にいたしましても、生産費にいたしましても、しさいな試算の上に立ってこれが運営されておるために、工場等においても、企業等においても余力が全くない。そういう段階でこういう事態が起きた。 先般来いろいろ陳情申し上げて、過去において市価参酌の問題が非常に大きく取り上げられ、従来市価の七〇%しか計算をされておらぬものを、生産者並びに企業は、一〇〇%参酌をしていただきたいという要請を重ねてまいりましたが、今回、農林省の御努力によりまして、急遽九〇%まで参酌が行なわれるということに対しては、私はこの席から厚くお礼を申し上げ、ビート対策に対する農林省当局の御熱意に敬意を表する次第でございますが、この市価参酌によって、ことしのビート糖の恵まれる金額は十九億円といっております。しかし、一方、ビートの腐敗のほうは、四十二億円の損失という計算を業界から出されておるわけでございまして、このきびしいビート製造業にあって、これの損失を補てんする力は全くないと私どもは考えておるので、これらに対する農林省は積極的なひとつ御研究をいただき、対策を立てていただきたいという意見を申し上げる次第で、先般も私は、北連の中斜里工場、日甜の帯広工場等を視察をいたしてまいりましたが、畑で腐った分は人手で選別をいたしたものを、工場に運んでこれを水洗いをすると、さらに腐ったものがある。それを手よりで選別をしている。中斜里工場では、一日三千七、八百トンの処理をいたしておりますが、一日三十トンぐらいずつの腐ったビートをより出さなければならぬ。手間はかかる、製品は非常に歩どまりが低下する、まあ全く同情すべき状態であり、日甜の工場は二千トンまで切っておらぬようでしたが、ここでも、一日十トン余の手よりをして選別をいたしておる。過去三十六年に、こういう水ビートのような状態がございましたが、そのとき私は当事者でございましたので記憶いたしておりますが、あのビートを砕断してタワーに入れると、それが溶けてしまって、のりのようになって、砂糖の回収に非常に苦労をしたときがございましたが、そういう水ビートでも、天候の関係で腐らずに済んだんですが、ことしは年前に雨が降ったり、あるいはあたたかいために、寒くならぬために、これらの水がビートの中に浸透して腐敗したと聞いております。非常に天災的な要素が多いので、これらに対する農林省の今日まで研究された対策、今後の対策等、大臣を含めて局長の御意見がありましたら承りたいと存じます。
○政府委員(池田正範君) ただいまの河口先生からお話ございました現地の実情、私どもも非常に心配になりまして、この三日から七日までの間に日甜の芽室、美幌の両工場、あるいは北通の中斜里、北糖の北見、本別といったところを、ずっと歴訪いたしまして現場を見てまいっております。確かに御指摘のように、いわゆる俗に言うろうそく病といいますか、ろうそくビートが非常に多く出ておりまして、そのために機械の目詰まりを起こすといったような形で、全体としてかなり収量に、製品の歩どまりに悪い影響が出てきていることは、そのとおりであろうかと思います。特にてん菜の生産量自体が、当初見込みました二百四十五万トンに比べまして二百七十六万トン、大根のでき自体はまことに大豊作でございまして、大根の目方買いをいたしておりますから、農家自体としてはそれでいいのでありますけれども、中の砂糖分が薄いということで、これを買いました工場自身がロスが非常に大きくなった、あるいは歩どまりが低下するというふうなことから非常に困っておるわけでございます。 そこで、実は最近のいろいろな実情の中で、一つは糖価安定の制度の中で、これも輸入糖との関連で、一定の安定帯をきめて政策を実行しておるわけでございますが、その市価が必ずしも他の農産物に比べて高くないというふうなことから、ただいま御指摘いただきましたように、とりあえずの対策といたしましては、市価参酌率を九〇%に引き上げることによって、当面の対応策を考えたわけでございますけれども、しかしながら、歩どまりの悪化の面につきましては、最近の暖冬状況から、かなり材料の分量がふえて、こなすのに時間がかかるというふうなことで、いまの状態でいきますというと、おそらく三月の十日過ぎくらいまで、平生からいいますというと、おそらく一週間ないし十日くらいよけい先になりませんというと、全体の製糖の結果が出てこないという状態にございます。したがって、私どもとしては、それらの結果を待ちまして、十分地域別の問題点も洗い出しまして、全体の対策を検討しなければいけないというふうに考えております。 ただ、一つだけ申し上げておきたいことは、これはいわゆる農家が売り渡す大根の価格は、安い、高いの問題ではなくて、たまたま買った大根の歩どまりが非常に悪いために、製糖会社自体の採算が非常に悪化する。これに対して、何らかの形をとらなければ、これに売り込んでおるところの農民が非常に安定した生産ができないのだというところに問題があるわけでございます。したがって、毎年毎年私どもとしては、これは事前にビートの価格をきめます際に、一応の歩どまりなり、ロスなりを見込んで、それに平均的な製造経費を見込んで対策を立てておるわけでございますから、そこで、大根のできが、時によってはいい、時によっては悪い、これは農作物でございますから、当然変動が出てまいるわけでございます。会社側はそれを買うことによってある場合には、当初見込みました歩どまりよりもよい場合もございます。そういう場合には、当然ある意味での余裕が出てくるわけでございます。ところが、ことしのようなことになりますと、逆に悪くなる。そこにある程度の幅が、企業採算上、のみ込める幅と、農作物の天候に支配される部分の不安定性との相関で、のみ込めるか、のみ込めないかということがきまってくるんだろうと思います。 そういうふうな企業の独自性の問題もございますので、そういったことを含めて、十分ひとつ検討した上で、これは買う先の砂糖会社が全部つぶれてしまうということになりますと、北海道のビート農家が非常に困るわけでございますので、そこいらは十分頭の中に入れながら、対応策を考えてまいりたい、そういうふうに考えております。
○塩出啓典君 それでは、時間もだいぶたちましたので、質問も要点をやりますので、答弁のほうもひとつ要点だけお願いしたいと思います。 最初に、これも非常に緊急な問題でございますが、二月十二日に、何者かによって日本海に大量の油が不法投棄されまして、これが島根県の東部海岸に二月十二日の朝漂着をし、漁民の通報によって初めて海上保安庁も知ったと、そういうような事件があったわけでございます。油の量は、県の発表では三百トンとも一千トンとも言われ、漁業被害は数億円出ておる、このように聞いておるわけでございますが、海上保安庁は、犯人の捜査に全力をあげているようでございますが、犯人がわかったのかどうかその点。簡単でいいです。
○政府委員(紅村武君) お答えいたします。 実は、まだ本件につきましては、捜査中の段階でございまして、詳細な内容を御説明申し上げますことは、ちょっと控えさしていただきたいのでございますけれども、現在私どもが考えておりますのは、当時沖合いを通行いたしました内航のタンカーというものがまず可能性が大きいのじゃないかというふうに考えております。それからさらに内航タンカー以外に、たとえば陸上のタンクを洗った油を流したというような可能性もまだあるのではないかということも考えられます。それからさらに、これは未確認情報でございますけれども、実は十二日より相当程度前にもある程度の浮遊油を日本海の沖合いで見たという未確認情報もございまして、そういう未確認情報も考えますと、実は非常に捜査の範囲が広くなってまいります。そういうことで、私ども現在鋭意捜査をいたしておりますけれども、まだ実は具体的な目星はついていないという段階でございます。今後も鋭意捜査を進めたいと思っております。
○塩出啓典君 それで、いまも話がありましたように、二月の十二日の朝、海岸に着いてわかったわけでございますが、実際は前日の昼ごろ油が流れておったというのを確認している船もあるし、あるいはずっと前に流れているというそういう情報もある。ところが、そういうのが海岸に着かなければわからない、こういうことでは、まことに非常に困ると思うのですね。私も先般、境の海上保安部へ参りましたところが、あそこは巡視艇が二隻ございますが、四百五十トンの「へくら」というのは昭和二十六年の建造、もうすでに二十年以上たっているわけですね、スピードは十二ノット、二百七十トンの「ながら」というのも、昭和二十六年建造で十二ノットである。それから巡視艇は十五メートルと十二メートルがあるわけですが、十五メートルのほうは昭和四十五年にできて十六ノットでございますが、十二メートルのほうは戦前のやつを昭和四十三年に改造して、現在スピードが十三ノット。この巡視艇は風速十メートル以上が出ると湾外に出れない、そういう状態ですね。そして飛行機も全然第八管区、日本海側にはないわけですね。こういうことでは、もちろん非常に限られた予算の中だと思うのですけれども、われわれは自衛隊の装備に比べて、あまりにもこういう点が手薄じゃないか、これではまことに海の上は無法状態と言わざるを得ない、そのように思うのでございますが、この点については、海上保安庁としては今後どうしますか。
○政府委員(紅村武君) 申し上げるまでもないことでございますが、この海上公害の問題につきましては、現在、海上保安庁といたしましても、最も重点を置いておるものの一つでございまして、こういたしました観点から、私ども昭和四十三年度から五カ年計画でタンカーの交通量の多い地区からこういった、具体的に申し上げますと、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海といったところから、重点的に整備を始めてまいったわけでございます。そういうようなことで、実は日本海側は、先生御指摘のように、若干手薄な面があったということは否定できないところでございますけれども、こういった重点的な地区が一応整備の目鼻がつきましたので、私どもといたしましては昭和四十八年度以降からは、ただいま申し上げました地区以外におきましても、日本海をもちろん含めてでございますが、タンカーの出入の比較的多い港を中心といたしました地区につきまして、流出油防除体制を強化いたしますために、三十の海上保安部署にオイルフェンス、それから油処理剤といったようなものを四カ年計画で整備してまいりたいというふうに考えております。それで、この三十の海上保安部署の中に、日本海側は八カ所が含まれております。 それから現在、日本海側に配備されております巡視船艇でございますが、これはただいま先生御指摘ございましたように、実は非常に老朽船艇が多いわけでございますが、現有勢力といたしましては、巡視船が十四隻それから巡視艇が二十六隻日本海側に配属いたしてございます。しかし、このうちの実は約半分ぐらいが、これは海上保安庁が発足当時、当時非常に資材も悪うございまして、それからまた、占領下でもございまして、性能上の制約というものがありまして、そういう条件のもとに建造されたものでございます。御指摘のとおりに速力もおそく、装備も非常に悪いという低性能船舶でございます。これにつきましても、現在私どもとしましては、鋭意こういった老朽船舶を、できるだけ早く代替建造を行ないまして、いい船にかえてまいりたいというように考えておりまして、四十八年度におきましても、相当の予算が認められておるわけでございます。この予算の中から、日本海側には、四十八年度では三隻ぐらい巡視艇が代替できるものというふうに現在私どもは考えております。 それから、なお航空機の関係でございますが、これも御指摘のように、現在、日本海側には新潟に航空基地があるだけでございます。しかしながら、広島に航空基地がございまして、ここには固定翼航空機もおりますし、それからまた羽田にはYSが二機おります。こういった航空機を効率的に運用することによりまして、できる限りの効率をあげてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 水産庁長官にお伺いしますが、日本海は最近イカ釣り漁船も非常にふえているわけですね。大和堆という、これは日本海のどまん中のあたりでございますが、ここに多いときには八百隻ものイカ釣り漁船が操業しておるわけですね。それで現在、たとえば境の港から十二ノットの船で参りますと、二十四時間かかるそうでございまして、こういうことでは、漁民の生命を守る上からも、あるいは急病人が出た、けが人が出た、その場合でも、海上保安庁としても非常に弱いわけですね。私は、そういった漁民の——遠く日本を離れた海上で操業している漁民の生命を守るためにも、やはりこういう海上保安庁の体制は強化すべきではないか。これは水産庁長官としても強力に推進していかなければいけないんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(荒勝巖君) ふだんから海上保安庁のほうに漁船の安全につきましては、特にお願いいたしまして、北は遠くオホーツクから南のほうまでお願いしておるわけでありますが、このほか水産庁といたしましても、ふだんから多少取り締まり船等を持っておりまして、共同いたしまして、こういう取り締まりを中心としながら、なお漁船の安全につきましては、その一助にしておりますけれども、私たちといたしましても、なお水産庁も船の強化をいたしまして、こういった事故のないように今後極力努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
○塩出啓典君 農林大臣に要望いたしますが、これは農林大臣の出身県の島根県のことでもあるし、また、これは海上保安庁の体制を強化していくということは、やはり国全体の姿勢の中で考えていかなければならない問題でもありますし、そういう点で農林大臣は、水産方面についてもこれは権限があるわけですから、そういう立場から、これは海上保安庁の監視体制の強化とともに、そういう漁民の海難救助の面からも、これはさらに強力に推進をしていかなければいけない問題ではないかと思いますし、そういった点、今後ともひとつ大いに力を入れてやってもらいたい。そのことを要望したいわけです。
○国務大臣(櫻内義雄君) 塩出委員のお話は、私の出身県の関係のことでございまして、きょうの御質問を実はたいへんありがたく承っておったわけでございます。 国務大臣の一人として、海上保安庁の日本海側の現状、境港を中心としての現在の巡視艇の非常に能力の落ちておる点などの御指摘は、私もそのとおりに感じまするし、今後の日本海における航行船舶も相当ふえることと思いますので、日本海側に対する海上保安庁の配艦と申しますか、配船と申しますか、あるいは飛行機等を十分配備していただくように私もつとめてまいりたいと思います。 また、漁民の海難に対しての御注意をいただいたわけでございまするが、日本海側の状況あるいはまた山陰沖には隠岐の島を控えております状況から、漁民がもっと安心して操業に従事できるように、水産庁としても、できるだけの措置を講じていくことは当然だとかように存じます。
○塩出啓典君 まあ先般も一月十日に水島、あるいは一月十六日に瀬戸内海の玉野等においても、タンカーの事故がありまして、大量の油が海に流され、そのために、非常にノリ等に対して何億の被害が出たわけでございますが、現在、海へ油が投棄された場合の対策というのは全くお手上げの状態であります。この日本海沿岸の境海上保安部にもオイルフェンスが五百メートルしかない。処理剤もいいのがない。結局は、むしろで吸わしたり、手じゃくで汲み取ったり、そういうようなことで、この科学の時代に、まことに原始的なやり方で、はなはだこれはよろしくないと思うのですね。そういう点で、これについては、いまも海上保安庁のほうから、オイルフェンスあるいは処理剤の問題についても、四カ年計画で整備をしていくというお話でございますが、やはり油を処理する近代的なそういうものも現在の科学ですれば、本気になってやれば、当然できる問題ではないかと思うのですけれども、そんな油を処理する方法、サンドポンプみたいに、機械でぱっぱっと吸い上げるとか、そういうような方法もやはり含めて、今後そういう問題については研究をしていただきたい。このことを要望しておきます。 それから先般、海上保安庁の昨年十二月二十六日の発表によりますと、年々油の廃棄の件数が増大をして、昭和四十七年では、四十六年の一・七倍も汚染の件数がふえている。しかもその八六%は油である。また、二月十二日から五日間一斉調査をやったそうでございますが、多くの違反が摘発をされまして、瀬戸内海の第六管区では六隻に一隻が違反をしておる。そういう状態で、私は、船のモラルというのは全く地に落ちているんじゃないかと思う。こういうことでは、国民にとっても、非常によろしくないことですしね、また漁業にも大きな被害を及ぼすとすれば、これも非常に大きな問題じゃないかと思うんですけれどもね。そういう点で運輸省等はどういう指導をしているのかですね。非常に私はなまぬるいと思うんですが、その点どうですか。
○説明員(勝目久二郎君) お答えいたします。 先生の御指摘まことにごもっともな点がございます。先般の島根沖の油の漂着事故におきましても、先生先ほどおっしゃいましたように、漂着以前に他の船舶がそういう油が漂流しておるということを認めているわけでございます。で、海洋汚染防止法におきましては、大量の油のそういう漂流がありた場合には、直ちに関係部署に通報しろということになっているわけでございますが、そういう改正がありながら、実はそういうことが守られていないという実情があるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、関係事業者、船舶等に対します指導等を従前にも増して強化してやらなきやならぬというように考えておるわけでございます。海上保安庁と連携をいたしまして、たとえば、海の週間あるいは海の月間というような記念行事の際に、あわせてやるとか、あるいはこの間のような、立ち入り検査を一斉に行なうとかいうような、海洋汚染防止に関する趣旨の周知徹底をはかるということを、さらに一そう行なわなければならぬというように考えておるわけでございます。予定といたしましては、油濁防止管理者の養成とか、PR関係の事業をさらに充実をするというようなことを通じて、その海洋汚染防止の趣旨を徹底させるよう努力していきたいというように考えております。
○塩出啓典君 私は、非常に罰金が安過ぎると思うんですね、罰金がね。大体二十万円以下の罰金、六カ月以下の懲役と。いままで海上保安庁からもらった資料では、二月十二日の松山海上保安部のS号油排出事件では三万円の罰金ですね。それからJ号油排出事件では五万円の罰金。やはりタンカーが、たとえばバラスト水に入っておる油を、現在海洋汚染防止法ではちゃんと排油処理場で処理しなきゃいけない。ところが、そうなると、時間もかかるし、それには金がかかるわけですね。そういうことよりは、少々ばれても罰金払ったほうが安いわけですからね。そういうわけで——これは、罰金はもっと、罰金払えば非常に損するんだと、やっぱり法律を守ったほうがいいんだと、そういうようでなければ、正直者がばかをみるんじゃないかと思うんですね。この点で、海上保安庁としても海洋汚染防止法の罰則をもっと強化をしてやってもらいたい。どうですか。
○政府委員(紅村武君) ただいま罰金が、あるいは罰金以外の罰則がちょっと軽過ぎるのではないかという御指摘がございますが、実はそういう御批判もあるわけでございますけれども、実はこういった罰則につきましては、法務省のほうとも御相談をいたしまして、ほかの案件との比較考量というような問題もございますので、実は海上保安庁だけではこの点はいかんともしがたいというのが実情でございます。ただいま先生おっしゃいましたように、罰則をかけるのは何でございますけれども、それ以上にやはりモラルの問題であるというふうに思います。ただいま安全公害課長が申し上げましたが、私どもといたしましても、これは運輸省におきましても当然やるわけでございますけれども、海上保安庁といたしましても、できるだけそういう機会をつくりまして、そういうモラルを向上させるというふうに広報活動を強化してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 これは農林大臣に農林省水産庁に聞きたいのですが、結局今回の場合は原因がわからないわけですね——それは、調べているからわかるかもしれませんけれども、いままでわからない場合というのが非常に多いわけですよ。わからない場合は、結局漁民の人が、いままで瀬戸内海等においても、ノリ等に大きな被害を受けても泣き寝入りをしなければいかぬ、こういう状態ですね。これはやはり私は非常によくないと思うのですね。いま、私もこの新聞で見たのですが、昨年の十二月二十八日に、ロンドンにおきまして油濁損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約、こういうのに日本が署名をした。こういう新聞記事をきのう読みましたけれども、そういう油による漁業被害あるいはその他の被害の補償というのは、やっぱり世界的にも大きな問題になってきていると思うのですね。現在の保険制度では、犯人がわかれば、それは保険加入しておれば出る。犯人がわからない場合どうするか。やはり私は、たとえばそういう場合には、全タンカーの共同責任として、タンカーがそれぞれ基金を積み立てておいて、そうしてそこから払うと、そういうことになれば、やっぱり一つのタンカーが、隣のタンカーがたれ流しておると、いま海上保安庁はそういう通報制度もとっておるようですけれども、なかなかよそのことなんか、自分に関係なければ通報なんかしないと思うのですよ。けれども、やっぱりタンカーの共同の責任ということになれば、そういうことからもやはり海のモラルというものは向上していくんじゃないか、また泣き寝入りの漁民も救うことができると思うのですね。そういうわけで、この国際条約においては、これは船主じゃなしに、石油会社など、油の受け取り者が基金を拠出すると、何かそういうふうになっておるそうでございますが、石油会社は、現在のドルの切り下げによりましても、非常にそういう点でばく大な利益、そして油の値上げをしてもうけているわけですから、そういうところからこういう基金を出せるということは、現在十分可能な問題じゃないかと思うのです。そういうような、やはり原因不明の場合の被害の補償体制というものを検討すべきだ。これを何でもかんでも、もう国から出すとするのは、やっぱり国から出すのは国の税金ですから、国民感情としてもよろしくない点があると思うのですね。こういう公害は原因者が負担すると、そういうPPPの原則からいっても、私はそういった新たな制度をつくるべきであると思うのでございます。その点検討する決意があるのかどうかですね。
○政府委員(荒勝巖君) 最近とみに、ただいま御指摘のように、油によります漁場の被害が非常に頻発というか、ふえてきておりまして、私たちこれが対策に非常に苦慮している次第でございます。特に原因者がはっきりしています場合は、それぞれ原因者負担の原則に基づきまして、それぞれの被害漁民のほうから請求書が出され、また大方のタンカーあるいは船は、それぞれ船主保険というような形で保険にも加入されておりまして、それで大体何千万円とか何億円とか、支払いがわりあいに行なわれまして、保険のほうから結局それが補てんされているという形になっておりまして、これはわりあいにうまくいっているのでありますが、問題は、原因者がわからない、夜陰に流されたとか、あるいは多くの船が、どの船が流したかさっぱりわからぬというようなときの処理に非常に従来困っておりまして、それがさらに最近頻発してきておるということで、極力そういった犯人の追跡には保安庁のほうにもお願いいたし、また、県当局等もいろいろ調べているようでございますが、結局わからないときはわからないということになっているわけでございます。その結果、被害が非常に大きな場合には、二十億円くらいをこえるような場合には、国といたしまして天災融資法に準じた発動ということで、一昨年でございますか、新潟のような事故の場合は、国として処理いたしておりますが、非常に小さい事故、明らかに油の被害による事故であっても小さな金額の場合は、その当該県のほうで、いろいろ天災融資法に準じた措置等を講ぜられ、被害対策を講ぜられ、あるいは当該市町村で、その油の防除に要した経費等を持たれるというような形で、まあ現在推移しているわけでございますが、私たちといたしましては、やはりこういうふうに頻発してきておりますので、何らかの形でただいま御指摘がありましたように、油の公害のみならず、そのほかの水産につきましての公害等につきまして、何らかの形で別途いろいろ対策を講ずべきではなかろうかということで、先般来、内部でもいろいろ検討はいたしておりますが、そういうものにつきまして、いま直ちにここで検討結果といいますか、結論を申し上げる段階ではございませんが、やはりその泣き寝入りといいますか、被害を受けた漁民に対する対策ということにつきましては、国としても別途姿勢を正して検討せざるを得ないんではなかろうかと、こういうふうに考えている次第でございます。
○塩出啓典君 今回の島根沖の場合、被害の金額、これはどうなりますか。
○政府委員(荒勝巖君) 先般の島根県の被害に際しまして、直ちに私のほうから担当の参事官を現地へ派遣いたしまして、県並びに地元あるいは海上保安庁等といろいろ調査したわけでございます。いまのところ、まあ概算でございますが、おおむね被害金額といたしましては三億六、七千万円前後というふうに被害額が一応報告されておりますが、そのうち岩ノリにつきましては、まあ大体ああいうコールタール状の油が付着いたしてしまいまして、これはまあおおむね全滅といいますか、もうどうにも対策は講ぜられないと、ただ養殖ワカメ等につきましては、しばらくの間、とらずに海の下へ沈めておきまして、やがて油のにおい等がなくなる時期を待ちまして、とれたら、あるいは利用できるんじゃなかろうかということで、採取の中止、そのほかアワビ、サザエ等の、こういった貝類につきましても、ただいま採取を停止いたしまして、その状況を見守っている次第でございまして、これらが、そのうちに食用にたえ得るようになれば、あるいは被害額ではなくて、多少の販売期間が延長になるという形で、まあ救出といいますか、助けられるんじゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。 と申しますのは、新潟で非常にああいう大災害があったときの先例で、これはたいへんなことになったという考え方があったんでございますが、その直後にはその当該魚とか、こういった魚介類等も水揚げしますと、くさくて食用にたえない。これはあまり死滅が少なかった例もありまして、その直後には、油の質等の関係もございますが、わりあいに早い機会に食用にたえ得るようになったという経験、まああまりよくない経験でございますが、そういう経験値もございますので、担当官が現地に参上いたしまして、特に島根県の場合は、こういった事故は初めてだったということで、現地の漁民も、県も、非常に、まあショックといいますか、があったようでございますが、そういったことにつきまして、水産庁より話をいたしまして、しばらく採取を差し控えると、岩ノリだけはどうもしようがないけれども、あとの魚介類、あるいは養殖ワカメ等につきましては、しばらく様子を見た上でやるように、試験研究機関も動員いたしまして、そういった指導をいたしている次第でございます。
○塩出啓典君 これは補償については結局いまのところ方法ないわけですね。簡単にひとつ……。
○政府委員(荒勝巖君) 補償につきましては、ただいま県がさしあたり一億円を漁民に低利融資をするということで、信連に預託をするという方針で進んでいる次第でございます。 さらに漁場の復旧対策等につきましては、岩ノリ、サザエ、アワビ等の漁場の掃除費ということをやっておりますが、これは市町村が事業主体でございますが、県といたしまして約六百万円ほどの清掃費、それから岩礁、ああいう、べとべとした油が付着いたしますと、来年岩ノリができなくなるということで、そこの岩礁の表面を爆破してやるという費用が約二千万円ぐらいでございますが、こういったものにつきまして県が相当な費用を持つということのほか、さらにくさい魚が売れなくなるという心配等もございますので、だいじょうぶになったときには、広報活動する、あるいは試食会をやって食べられるということを大いに宣伝する、あるいは被害の調査等を調べておる、そういう調査費を県が担当する。 さらに問題は、この油を、先ほど御指摘になりましたが、岩間に集まった油を手ですくいまして、市町村が主体になりまして集めたのはいいけれども、それをどうするかということが非常に問題になっておりまして、あの辺の中国ブロックのあたりには、その油を焼却する設備がないということで、それをはるばる陸路運んだ上、さらに海上から運んで愛媛県へ輸送して——愛媛県にそういう焼却設備があるようでございますので、その油を愛媛県へ輸送し、かつ焼却する。そういう費用については、これは私のほうといたしましても、たいへんな話でございますので、関係の、特に自治省でございますが、自治省とも相談申し上げたい。その費用がいまのところ、まだちょっと見当がついてない。トラックで運んだ上さらに海上輸送というようなこともございますので、その辺の費用の計算が十分でないので、まだ具体的にはなっておりませんが、そういう方針でいま進めている次第でございます。
○塩出啓典君 この問題につきましては、今回の問題を含め、また今後のやはり根本的な対策について検討していただくよう農林大臣にも要望しておきます。 それから、時間がだいぶなくなりましたので、二、三大事な問題につきましてお聞きしますが、今回こういうことが起きまして、やはり食糧の自給率を高めなければいかぬと、そういう意見でございますが、農林大臣は農産物需給の展望と生産目標というものを昨年発表したわけでございますが、これを検討しなきゃならないというようないまお話もあったんでございますが、検討するのか、あるいはしないのか、あるいはこの目標は目標だけれども、実際の政策の上において自給率を高めるようにしていくのか、その点だけ簡単にひとつ。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私はせっかく相当権威ある方々によってできた指標でございますので、目標は目標として尊重いたしたいと思いますが、今回のようないろいろな諸事情を勘案いたしまして、政策の面では、あるいは急ぐようにいたしたいという考えを持っておるものもございます。
○塩出啓典君 それでこれはまあ十年後を目標にいたしまして、今回問題になりました大豆の場合は現在四%の自給率を一二%に掲げる、あるいはそれ以上にもふやしていきたいとそういうようなお話でございます。しかし、実際に現実の問題といたしましては、まあ反当たりの収量も大体三俵とか、そしてまた政府の保証価格も四十七年度は五千八百円、そういうことで、農林省の目標が一二%といっても、はたしてそこまでいくのかどうか、やっぱりそこにいくためには、農民の人たちが張り切って大豆をつくっていこうという、そういう意欲のあるところに、増産もあるし、技術も向上していくんじゃないかと思うんですね。そういう点で先ほど、高橋さんが言いましたように、たとえば基準価格というものを十月にきめるんではなしに、もっと金額を上げて、いまもその交付金が非常に余っているわけですから、もっとやはり基準を高くすることも可能だと思うのですね。そしてその値段も、作付の始まる前に、今年は最低線これだけで買いますよと、そういう線を示さなければいけないと思うんですけどね。その点については、先ほどの質問に対する答弁が明確になかったように思うのでございますが、その最低保証価格を大幅に上げるのかどうか、そしてその値段を決定するのには、法律が何とかかとかいう話ですが、そんな法律は変えればいいのですから、もっと早くきめるべきではないか、この点どうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどから同じような御意見が出ておるわけで、政治的な判断としては一応考えられるのでありまするが、しかしまた収穫直近にパリティ計算などで計算をし、そこに需給状況等も勘案してやっていくという、現在のやり方についても、それなりのやはり考慮が払われておると思うんです。そこで、この大豆の場合におきましては、価格対策ももちろん重要でございまするけれども、生産構造対策、流通対策、いろいろとこう総合的な大豆に対する生産意欲を燃やしてもらう方法も別途当然あると思うんですね。だから、それらのことを考えながら、基準価格をどうするかということも判断をいたしたいと思います。
○塩出啓典君 確かに、そういう価格政策だけではなくて、やっぱり構造政策ですね。しかし、そういった面もある程度価格において明るい見通しがないと、その構造改善をやっていくにしても、農民の皆さんの意欲が燃え上がってこないと思うのですね。そういう点でやはりこの面もあわせてひとつ、少なくとも昭和五十六年ですか、一二%の目標を越えるようにやってもらいたいと思うのです。 それで、生産量にいたしましても、東北地方の農業試験場のある研究では、十アール当たり六百キロから七百キロぐらい、十俵以上とれているような、そういう報告も私は聞いておるわけでありますが、非常にもうこの大豆というのは品種がたくさんありまして、そういった、ところどころによって非常によくできたり、できなかったり、その点、非常に敏感だそうでございますが、この点から考えれば、かなりこういう研究を推進をしていけば、特に北海道の大豆等は上質でございますから、米にかわる一つの基幹作目として非常に私は有望な点もあるんじゃないか。そういう点で特に構造改善、それから価格保障、基準価格の引き上げとともに、こういういわゆる技術といいますか、品種改良あるいは栽培技術の問題、そういった点にもやはり農林省としてはもっともっと本格的に取り組んでいただきたい、こういうことを要望しておきます。大体時間も参りましたので、以上の要望で終わりたいと思います。 それについて研究とか、技術面とか、そういう面にも力を入れていくのかどうか。それだけ回答をいただきたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 塩出委員のおっしゃいました品種改良などの技術面の問題、これも当然、農林省として考える必要のある面であると存じますので、そのような方向で考えていきたいと思います。
○塚田大願君 私は大豆問題について大臣に御質問したいと思います。 私のいだだきました時間は、二十分ということでございますが、大臣のあとの御都合もあるようでありますから、なるべく集中的に大臣に御質問申し上げて、能率をあげていきたいと思っております。 私の質問は三つございます。大体三点にわたって御質問申し上げたいのであります。 第一は、この大豆の異常な値上がりの問題は、もう論じ尽くされたといってもいいと思うのでございますが、結局その異常な値上がりが、いわば大手商社の買い占めあるいは投機、こういうことで今日の状態が生まれてきたということは、もう繰り返して申し上げるまでもないと思うのであります。これは、大臣自身も言っておられますし、あるいは田中総理も閣議でこの点を指摘されておるし、また、二階堂官房長官も記者会見でそういう趣旨のことを言っておられる。ですから、これはもういまさら論ずる必要はないと思うのでありますが、しからばそういう買い占めあるいは投機がある。その結果、こういう異常な値上がりがしているということに対する政府の施策というもの、あるいは対策というものは、今日新聞その他でもいろいろ論じられておりますけれども、報道されておりますけれども、これというきめ手がない。先ほども出ました、物統令の話も出たけれども、きのう出て、きょうまたそれが取り消される。まあこういうことで、実態調査というものが必ずしも進んでおらないと思うのですが、この実態調査をまず投機——買い占めあるいは投機の実態というものを押さえなければそれは当然この対策というものは出てこないと思うのです。そこで農林省として、大臣としては、この実態をどのように把握されようとしているのか、これに基づいてどういう対策をたてようとされておるのか、この問題でございます。この問題について、まず大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大豆の大半は製油用で、製油工場にいく、これは御了承をいただけると思うのであります。 そこで食品加工用は、先ほどから担当局長のほうから御説明申し上げたように、米国の事情、中国の事情等によって入荷が少ない、おくれたというような諸事情も、これもおわかりいただけておると思うのであります。海外から入ってくるものでございまするから、その経路というものは、そう把握するのに困難ではないと思うのですね。また、国内のものについては、大豆、なたねの交付金の制度がございまするから、その交付金の対象になるものも流通経路はおよそつかめると思うのでございます。ですから、大豆の問題から考えていきまするならば、特に強権的なことを考えなくても、今回の緊急措置でもおわかりのように、行政指導の面で相当効果をあげていけると、こういうふうに見ておる次第でございます。
○塚田大願君 この原因の問題につきまして、大臣はいろいろ外国の事情であるとか、輸入の事情を言っておられますが、輸入は一応順調にいっていることは、これはもう農林省のこの統計によっても明らかでございまして、食品流通局から出されました大豆に関する資料に、これは明らかに出ておる。特に、昨年の十一月−十二月は相当の量が入っておりまして、決して不足していたわけではないのです。これはもう数字ではっきり出ております。ところが、輸入は順調に入っているけれども、買い占めが行なわれた、これがやはりそもそもの一番大きな問題でありまして、私どもの調査によりますと、たとえば昨年の輸入実績で、アメリカ大豆を扱った日本の商社は大手で五社ございます。三菱、伊藤忠、三井、丸紅、日商岩井でありますが、この五社で全体の六六%を扱っておるわけであります。それから消費、使うほうではどうなっているかといいますと、日清製油、豊年製油、こういう大手の製油会社、六大製油会社が、国内需要の七六%を押えておる。これはもう数字ではっきり出ておるのであります。でありますから、やはり問題はこういう大手商社、大手製油メーカー、こういうところに相当の在庫量がある。これはまあ今度農林省が五万トン緊急放出されたと、この事実によっても裏書きされるわけでございまして、これも今日いわば常識でございます。そこで、零細な納豆、とうふ業者などがこの間も陳情に来ましたけれども、とにかく大手商社の在庫をひとつ調べてもらいたい、こういうことなんですね。私も、農林省の食品流通局の方に来ていただいていろいろ聞きました。まあ、いろいろ農林省としても調査をしている、しかし、調査をしているけれども、いわば事情聴取でありますから、権力で調査をするわけじゃないから、実態が必ずしもつかめるわけではない、まあ、こういうお話でございます。これでは、問題は解決しないのではないか。やはりもっと徹底的に実態を明らかにして、それに対する施策を行なう、これ以外に私はないと思う。その点では政府でもいろいろ輸入物資の追跡調査ということを盛んに言っておられるんですが、追跡調査というふうな、ただ、ことばだけではなくて、実際にそういう実態をまず政府がつかむということが、私はまず第一の問題だろうと思うのでございます。 そこで、私はいろいろ大臣にお聞きしたいんだけれども、時間がございませんから、もう端的に私どもの考えておる方策について提案をいたしますけれども、私どもは、こういう大手のこの商社の、こういう買い占め、独占的なやり方については、やはり国会に権限を持った調査機関が設けられて、そしてこの手によって調査をすると、あるいはその価格についての対策を考えると、こういうことが私は、やはり抜本的に必要なところへ来ているのではないかというふうに考えるわけでございますが、この点について大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) お話しのように、もっと積極的な調査、そして買い占め、投機を防ぐと、こういうことを頭において考えまするときに、何らかの立法措置の必要は私も否定するものではございません。そこで現在政府のほうにおきましても、また、農林省の内部におきましても、意見をいま取りまとめつつあるわけでございます。ただ、国会における調査権限と、こういう問題については、これは農林大臣の私としていまここで特に意見を申し上げることは穏当を欠くのではないかと、で、これは差し控えさしていただきます。
○塚田大願君 盛んに、この重要な問題を五分か十分で片づけろ、と言うのですけれども、無理な注文ですが、できるだけ協力をいたします。 まあ、いま、そういう調査の問題については、一応前向きな御答弁がございました。もちろん、国会に対する調査権というふうな問題は、ここでの問題ではございませんが、とにかく私どもの考えておりますのは、強力なそういう調査権を、政府あるいは国会が持たなければならないということでございます。 そこで、第二の問題に移りまするが、先ほど大臣は、農林省は国民の食糧を確保することが非常に重要な責務であると、こう仰せられました。特にこの大豆の問題というのは、先ほども出ましたけれども、いわば主食に準ずるような重要な品目でございまするので、これら需給、あるいは価格の調整、あるいはこの配給、こういうものは非常に農林省としても私は重要な課題だろうと思うんです。そこで、私はここでもひとつ提案を申し上げるわけですけれども、こういう国民の食糧を確保する、あるいは国民経済の安定をはかるために食管法というものがあるわけでございます。だとすれば、いまこの大豆の問題が非常に重要な問題だとして論ぜられておるこの段階におきまして、この大豆を食管法を適用してもしかるべきではないかというふうに私は考えるのです。で、食管扱いになれば、たとえば非常に品物が不足した場合には、政府自身の責任で緊急輸入をするということも可能でございますし、あるいは調査、報告徴取、臨検検査というふうなことがこの第十三条にも規定されておりまして、いま申しましたような特別な立法をしなくとも、緊急な場合にこういう調査を行なうこともできるわけでございますので、私はこの食管法を適用することはまず手っとり早い方法ではないか。特に、この食管法の第二条では、この適用は政令をもって定めることができると書いてございますから、政令であったならば、これは大臣の権限で決してできないことではないと、おまけに昭和二十二年以後、一定の期間この大豆について食管管理を行なった実績もございますし、そういう意味で、私はそうむずかしい問題じゃないと思うんでございますが、この食管法を適用してはどうかという私の考えについて、大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまこの場所で御意見を承ったので、にわかにお答えをしかねるのでございまするが、食管制度も、現状におきましては、主食の管理という考え方で、具体的には米麦類及び米麦粉等のその一次加工品を規制の対象としておるわけでございます。そこで、現在そういう実情にあるところへ、お話しのような大豆を加えて国がこれを流通管理し、売買をするということが至当であるかどうか、これはただいま御意見を承ったところでございまするので、まあそういうお考えも、なるほどと思える節もございまするけれども、にわかにちょっと即答しかねる面がございます。
○塚田大願君 わかりました。確かにその点ではひとつ農林省で検討していただきまして……。私は無理なことを提案していると思いません。
○委員長(亀井善彰君) 塚田君、大臣ちょっとよろしゅうございますか。
○塚田大願君 それで、最後に、二、三分で終わります。 先ほどから出ました価格の問題です。需給別の問題です。この需給別の問題は、やっぱり私は非常に重要な問題だと思いますが、いままでの政府の施策というのは、要するに、稲作転換の品目として大豆の増産をやると、こういう程度でございましたから、これはまんまと失敗していることは、この数字でも出ておるわけであります。この大豆の作付面積は、とにかく四十六年にちょっと、五千ヘクタールぐらいふえましたけど、四十七年になると一万ヘクタール減ってしまう。まるでこれでは逆でございまして、これでは私は長期需給の展望というあの目標というものは、これはとうてい達することはできない。やはり私は問題は価格だと思うんですが、この価格につきましては先ほど大臣、何回も基準価格の問題で解決していきたいと言っておられますが、この基準価格も実にもう矛盾だらけで、政府の発表した統計によりましても——農林省の統計によりましても、四十五年、四十六年では生産費より下回っておるんですね、基準価格が。これでは農民がつくろうという気にならないと私は思うんです。どうしても私は、政府はこの価格対策をやはり根本的に考え直していただく必要があるだろう。この問題が解決しない限り自給を一二%にふやすと言っても、これは絵にかいたもちでございまして、単なる数字をいじくっているだけでございます。私はやはり根本的な解決にはならないと思うのでございます。この問題につきましても、最後にひとつ大臣の御答弁をお聞きいたしまして、私の大臣に対する質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは先ほどから不足払いは適切に考えたいということを申し上げておるわけでございます。で、昨年の場合を考えましても、当時その試算をしたときには、国際価格が三千円ぐらいのところを五千八百円にきめたと思うのであります。そこでまた、この価格だけではなく、生産、構造、流通、各般の施策を構じ、大豆生産農家の意欲が高まるようにつとめたいということも申し上げておるわけでございまして、ただいまの御意見はまた御意見として参考にいたしたいと思います。
○塚田大願君 じゃ、引き続いて、大臣はおられませんけれども、関係当局にお聞きしたいと思うんですが、大豆の五万トン放出の問題でございます。 これはまあ一応五万トンとにかく大手メーカーから——大手メーカー十社でございますか、放出されましたが、この売り渡し価格ですね、これについて私は食品流通局長にお聞きしたいんですが、これは一体どういうふうになっておりましょうか。
○政府委員(池田正範君) 五万トンの大豆の放出をいたしました価格でございますが、これは実は当事者同士の本来話し合いによってきめるべき筋合いでございますので、直接政府がきめてそれに従うというふうな形のものではございませんけれども、たまたま時が時でございますし、やったことは物価の急速な騰貴を押えるという目的でもございましたので、通常の方策とは異なってかなり強い行政指導をいたしました。その結果、落ちつきました価格は、当時の平均の大豆のいわゆる市況気配と申しますか、仲間取引価格というのがございます。これはいわゆる商品取引所の価格とは違って、現物を現実に取引されておる価格でございますが、その価格よりも少なくともかなり安いところにきめなければ意味がないということで、一俵——六十キロ当たり六千円ということできめまして、その六千円の中にさらに一割の費用——実はこれは油糧用の、いわゆる搾油用の大豆でございますので、その搾油用の大豆ということから、かなりいろいろのものを選別して出さなきゃいけません。したがって、その選別費用を、約一割ぐらいかかりますので、現実には、その選別費用をさらにそれから差し引くということで、六百円を差し引きまして、一俵当たり五千四百円ということで、一応行政指導を行なった次第であります。
○塚田大願君 で、大体いま一俵当たり五千四百円というお話でございます。これはトン当たりに直すと大体十万円でございますか、ということになるわけですね。
○政府委員(池田正範君) トン当たりに直しますと九万円くらいになります。
○塚田大願君 九万円ですか、未選別で。
○政府委員(池田正範君) はい。
○塚田大願君 つまり未選別で九万円、選別すれば大体いろいろ費用がかかりましていわゆる十万円ぐらいになるということのようでございますが、私はこの選別して十万円になるという、で、実際に業者が使うのは、そういう選別したものでなければ使えないわけでございますから、大体十万円あるいはそれより切れるかもしれませんが、そういう程度の価格がはたして農林省が言っておられる「適正価格で販売させるよう指導する」ということに該当するのかどうか。私はちょっとこれに疑問を持つわけであります。これは農林省で出されました食品用大豆緊急対策の第三番目に書いてある問題でございまして、適正価格で販売させると、この五万トンを。こういうふうに言っておられるわけですが、どうもこの点ではたして適正なのかどうか。これは農林省はどういう根拠をもって適正価格と言われておるのか、これをちょっとお聞きしたいわけであります。
○政府委員(池田正範君) 適正価格と申しましても、別に公定価格があるわけでもございませんので、現実に幾らが適正かというのは、なかなか問題があろうと思いますし、また、非常に市況の変動が激しい際に、どこをつかまえれば適正かということについても御批判の余地があろうと思います。しかし、あの問題を決定いたしました緊急事態のもとにおいて、市況はいまのトン当たりで中国産を含む食品用大豆は十五万あるいは十八万、中には二十万円をこえるといったような状態のもとでのことでございまして、私どもとしては、まず大豆が幾らであるかということではなくて、とうふが、とにかく七十円、八十円、百円というとうふが出てくるではないか、したがって、末端の消費者が、そういう高く上がっていくとうふというものの価格を、どこまで食いとめれば一応安定したという感じを持ち得るかということにむしろ論点を置いたわけであります。 で、当時の食品用大豆の年間の消費を見ますと、先ほど申し上げましたが、約七十万トン程度年間の消費がございます。その中で約七割というものばこれはとうふ用でございまして、みそにいたしましても、しょうゆにいたしましても、あるいは納豆にいたしましても、その他のものは、それぞれこのとうふからいたしますと、比較的少ない消費量でございます。そこで、当面とうふの値上がりというものを防ぐということからいたしますというと——話はこまかくなって恐縮でございますが、私どもの調査によりますと、大体一俵の大豆、しかもそれが食品用の選別済みの大豆、この一俵から——木綿ごしあるいは絹ごしによりまして多少品質を異にいたしますけれども、大体七百丁から八百丁くらいのとうふがとれるということでございます。で、そういたしますというと、かりにいまの私どもの計算からいたしますと、四千円前後——四千円前後と申しますのは、いわゆる大騒ぎをいたします前の、平均的にとうふ屋さんなどが原料手当てをいたしておりました一俵当たりの大豆の値段でございますが、その四千円前後の時代における一丁のとうふの中に占める大豆の原料代というものは大体五円前後である。で、多少高いものを使ったところで七、八円。そこで、これがかりに八千円の、一俵当たり倍の値段の大豆を使ったところで、原料そのものによって、じかに上がるところの値上がり分というものは五円から七、八円であるというふうに考えられるわけでございます。したがって、いま六千円の未選別大豆ということになりますというと、これはいわゆる搾油用の大豆でございますので、通常より歩どまりが二割から二割五歩程度落ちるというのが技術的な結果でございます。そういたしますと、その分を上積みをいたしましたとして、かりに六千円の大豆が歩どまり換算で八千円程度に上がったといたしましても、大体原料代で五円から七円程度上がるということである。そういたしますと、東京を中心にいたします当時のとうふの一丁の値段、これは実は三百グラムぐらいから四百五十グラムぐらいまで非常に差がございますので、一丁が幾らということで、単純にはとても比較はできませんけれども、通常巷間言われておったところの一丁の値段の平均が大体三百五十グラム見当が、四十円見当で売られていたのが一番多いということからいたしますと、それが六十円、七十円の形に急激にはね返るということは、これは少なくとも少し値上がりが激し過ぎるということで、まあいわばおとうふ屋さんのほうに対して、行政指導を直接いたしますと同時に、いまの原価計算からいたしまして、放出大豆による値上がり率を少なくとも六十円、七十円のとうふはもう一ぺんもとに戻す、そういう意味で、少なくとも五十円以下のとうふに押え込む。こういうことを一つの行政目標にいたしまして、放出のほうの交渉をし、同時に、実需者側に対する行政指導をしたわけでございます。
○塚田大願君 いま価格を、市場の値段を勘案をしてきめられたと、こう言われましたが、しかし、なるほど市場価格は暴騰しておるわけでございますから、これはもう論外だと思うのであります。ただ、私がお聞きしたいのは、まあ製油メーカーが、実際に当時仕入れた価格というものは、大体四千円から四千五百円、一俵当たり。こういうふうに聞いております。したがって、これはまあ、トン当たりで言えば六万五千円から七万五千円ぐらいでございましょうか、大体。で、これをかりに管理費が相当かかったといたしましても、このトン当たり一方円ずつ不当に利益をあげたとしても、五万トンでございますと五億円になるわけです。これはまあ膨大なことですね。やはり、こうやって見てみますと、五億円という金が、黙っていて、寝ている間に、ころげ込んできた。こういうことになるわけで、私はそういう意味で、これはあまり適正ではなかったんではないかと思っておるわけです。しかも、とうふ屋さんに対する行政指導としては、大体、農林省は一割ぐらい下げろ、まあこういうことで、この値段をきめられたそうですけれども、一割でございましたら、いま六十円のとうふだったら、まあ五十五円にしかならない。やっぱり依然として、かつて四十円だったとうふが五十五円、こういうことになりますと、消費者の側から見ましても、これが正当な、妥当なものだとは思えない。ですから、結局放出の価格というものがトン十万円前後というのでは、少し高過ぎるんではないかと私は考えるわけです。せめて、これが八万円ぐらいになれば、これはまあ適正だとも考えられますけれども、九万円から十万円というのでは、私は、少しこの価格は適正でないというふうに判断して御質問しておるわけでございますが、その点についてもう一回ひとつ答弁を願いたいと思います。
○政府委員(池田正範君) 放出いたしました五万トンの大豆が、どの時点で幾らで買ったかということを、かりに特定できるといたしまして計算をいたしますと、ある部分では、あるいは塚田先生のおっしゃることが当たっているということを否定はいたしません。しかし、御承知のように年間約三百万トンに及ぶ大量のものを商社が扱っておりまして、しかも、そのうちの二百五十万トンは搾油用の大豆でございます。しかも、搾油用の大豆を大体現在の商社の先物取引で計算いたしますというと、ほぼ一割程度のものを残す大部分のものは、すでにアメリカで買い付ける段階で売り先をきめておる。そして残りのものも、ほとんど大部分は、船で運んでおる途中で大体売り先がきまる。したがいまして、商社が搾油用の大豆として、ランニングストックとして持っておりますのは、平均いたしますというと一割、すなわち年間二百五十万トンといたしますというと、一カ月分二十万トン、これだけのものは大体ランストとしてどうしても持っていなくてはいけない、こういうことになるわけでございます。したがって、入ってまいりましたものが、値段が少々いいからといって、それじゃこれは途中からUターンしてどっかもうかりそうなところへ急に売るといっても、その売る先はすでに実はきまっておりまして、それを油でしぼりますというと、大体八割が、かす、二割が油でございますが、その八割のかすは全農をはじめとする農業協同組合に三月ぐらい先の分まですでに売り渡す約束ができております。したがって、急に生産を落としてみたりという操作が、なかなか小回りがきかないのが、実はこの大豆の貿易の一つの特徴ということになっておるわけでございます。 そこで、いま私どもが放出を頼みましてやってもらった五万トンというのは、実はその油をしぼるため買い置いた分の中から五万トンの手当てを要請したわけでございます。したがいまして、もしその五万トンというものが当然その使われるべきところが落ちるといたしますと、当然それは補足しなければなりません。その補てんをいたします部分はもっと先の部分で手当てをする、つまりシカゴの大豆相場が三ドル何がしで買えた時代ではなくて、すでに五ドルをこえた時代の相場をベースにいたしまして、搾油用の大豆を手当てしなきゃならない。つまり身代わりは非常に高いところで買わなければならないという理屈にもなるわけでございます。むろん五万トン程度のものですから、はたして五万トンが先生御指摘のような形で完全に高いものと置き代わるかどうかというのは、ロングタイムで見た場合には、きちっとは算術は合わないかもしれません。しかし、全体として考えますというと、そういう長い品物の流れの中のショートカットでございますから、したがって、そのもの自体の値段がどうだということだけでは、なかなか必ずしも批判しにくいのではないかという感じがいたすわけでございます。
○塚田大願君 もっと聞きたいのですが、盛んに時間を督促されますので、最後に一つだけ、じゃあお聞きいたしましよう。これは価格の問題でございます。 これは先ほどから繰り返し各委員から質問がございましたが、この北海道からの、農協中央会から出されましたこの要求、一俵一万円以上という、まあ正確にいいますと一俵八千三百円ですか、これに生産奨励金をつけて一俵一万円ぐらいというふうなことが出ておりますが、やはりこの価格問題というのは、これはまあ生産者にすれば一番重要な問題でございまして、この問題がやはりはっきりいたしませんと、やれ構造改善だ、流通対策だといったところで、それは第二、第三の問題でございまして、まず、何といっても、生産者が意欲を燃やすような政策が私は必要だと思うんです。で、もう時間がございませんからいろいろデータを申し上げる必要はないと思いますが、とにかく先ほど大臣も言われました大豆、なたね交付金暫定措置法、これが実際にはほとんど役に立ってない。だから、せっかくの予算も余っておる、これが実態でございますが、しかし私はどうしても、この問題が、もっと基準価格なりを思い切ってやっぱり上げていくということが、何といっても最大の問題点ではないかと思うので、この点につきまして、私は政務次官がおられますから、政務次官から最後に、一言この問題につきましても御意見を承って私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(鈴木省吾君) 突然の御指名で、適切なお答えになるかどうかわかりませんけれども、まあ価格問題も重要な問題であることは論をまたないわけでございますが、価格だけで解決するというわけでもございません。生産条件なり、あるいは諸条件を整備しなければ、適切な生産をあげるということはできないと思います。十分価格問題も含めて総合的に検討いたしたい、かように考えます。
○委員長(亀井善彰君) 本件に対する質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十分散会 —————・—————