内閣委員会 第26号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/09/06
会議録
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。
○委員長(高田浩運君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥野文部大臣。
○国務大臣(奥野誠亮君) このたび政府から提出いたしました文部省設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、文部省の内部部局として新たに大学局及び学術国際局を設置し、学術国際局にユネスコ国際部を置くこととし、これに伴い、大学学術局及び日本ユネスコ国内委員会事務局を廃止するものであります。 近年、高等教育への進学希望者は年々増加し、今後ともますますその傾向が続くものと見込まれております。また、大学入学者選抜制度の改善など解決すべき課題が存しております。このため、高等教育の拡充整備とその改革のための諸施策を推進することが重要となっております。また、学術研究の振興につきましては、近時における学術研究の進展にかんがみ、長期的展望に立ってわが国の学術の振興を一そう充実するため、研究体制及び研究条件の整備改善を強力に推進する必要があります。 さらに、国際化時代に対応して、教育、学術及び文化の国際交流を一そう推進し、わが国と諸外国との間の交流、協力関係を深めていくことが緊要の課題となっております。 このような現下の課題に適切に対処し、諸般の施策を積極的に推進していくため、現在の大学学術局を再編成して、高等教育の計画的な拡充整備とその改革に取り組む大学局と、新たに学術の振興と教育、学術及び文化の国際交流の推進に取り組む学術国際局とを設置することといたしました。 また、学術国際局にユネスコ国際部を置き、省内に分散している国際関係行政部門を一元化して、国際関係事務の総合的な推進をはかることとした次第であります。 なお、日本ユネスコ国内委員会の事務は学術国際局において処理することとし、国の行なうユネスコ活動の積極的な推進をはかることといたしましたので、同事務局は廃止することとしたものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。
○委員長(高田浩運君) 引き続き、本案の衆議院における修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理加藤陽三君。
○衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました文部省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府原案では、その施行期日を「昭和四十八年四月・一日」としておりましたが、衆議院における議決の時期がすでにその日を経過しておりましたので、これを「公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日」に改めた次第であります。 以上が修正の趣旨であります。
○委員長(高田浩運君) 以上で説明を終わりました。 本案の審査は後日に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(高田浩運君) それでは前回に引き続き防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
○鶴園哲夫君 私は二つの問題をお伺いをし、また質問をしたいわけであります。 一つは定員の問題であります。まず、この問題につきまして国家行政組織法と防衛庁の関係でお伺いをいたしたいわけです。 防衛庁は、これは申し上げるまでもなく国家行政組織法に基づいて設置されておる機関だと思っておりますが、まずその点について行政管理庁のひとつ見解を聞いておきたいと思います。
○政府委員(平井廸郎君) お説のとおり、防衛庁は国家行政組織法第三条の機関でございます。
○鶴園哲夫君 国家行政組織法に基づく行政機関の一つでありますが、そこで、行政管理庁は、定員の管理あるいは機構の問題等について、当然これは行政管理庁設置法の権限によりまして防衛庁の問題についても直接管轄をしていると思うんですけれども、その点について確かめておきたいと思います。
○政府委員(平井廸郎君) お説のとおりでございます。
○鶴園哲夫君 それから同じように、行政管理庁はその権限で行政組織機関に監察並びに勧告、そういう権限を持っておるわけでありますが、したがいまして、それは国家行政組織の一つである防衛庁の問題についても監察をし、あるいは勧告をする、そういう権限を持っておると思うんですけれども、この点もひとつ確かめておきたいと思います。
○政府委員(平井廸郎君) お説のとおり権限を持っております。
○鶴園哲夫君 そこで、まず監察局長にお伺いをいたしたいんですが、行政管理庁として防衛庁の監察、業務の監察、そういう問題についておやりになったことがあるかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(大田宗利君) お答えいたします。 自衛隊の監察につきましては過去数回やっております。それから一般行政の監察につきましても、防衛庁を対象といたしまして監察を実施しております。 具体的に申し上げますと、第一に三十二年に陸上自衛隊の補給処の業務につきまして監察をいたしております。それから三十二年の同じく陸上自衛隊の駐とん地部隊の業務監察を実施しております。それから同じく三十二年に海上自衛隊の地方総監部につきまして監察を実施しております。その他防衛庁の病院関係、それから航空自衛隊の業務監察、それから中央調達業務の行政監察というものを対象として実施しております。そのほか一般行政の監察につきましては、気象行政監察、それから災害防止に関する行政監察、それから国の行政事務の簡素合理化についての行政監察、それから公益法人の指導監督に関する行政監察、それから国有財産の管理に関する行政監察、それから航空行政の監察、それから窓口の改善に関する行政監察等、いずれも防衛庁を対象として監察を実施しております。
○鶴園哲夫君 この間行政管理庁が出しました「行政管理庁二十五年史」というのが出ておりますが、その中にいまおっしゃった監察の中身がある程度出ておるわけですけれども、八回ほどやっていらっしゃるわけですが、まあ一番最後は、三十四年が一番最後になっておる。三十四年以降についてはやっていらっしゃらない。八回やっていらっしゃるんですが、この中でいずれも、何といいますか、一般行政事務みたいなところを監察していらっしゃるように思うんですね。まあ糧食の供給関係の業務あるいは補給業務、それから病院あるいは防衛庁の中央調達業務、まあ施設庁の業務と、こういう内容になっておりまして、この中で特に駐とん地部隊の業務監察というのがありますね、三十二年にやられたやつ。それと同じく三十二年の海上自衛隊の地方総監部の業務、三十三年の航空自衛隊の業務監察、この三つなんですが、あとはごく一般の業務だと思うんですよ。この三つですね、陸上と海上と航空と、それぞれ監察をやっていらっしゃるわけですが、これは中身は一般の行政事務みたいなものをやっていらっしゃるわけでしょう。その点を、中身を見ますと、一般の行政事務と似たようなところを監察していらっしゃるというふうに言えると思うんですけれども、その点について中身をひとつ簡単に説明をしていただきたい。
○政府委員(大田宗利君) 行政監察は、行政機関の業務の実施状況を監察するということでございます。したがいまして、防衛庁全体を対象といたしました場合でも、やはりその業務の実施状況ということを中心とする、中心として見ていくということでございます。その業務の実施状況に関連いたしまして、人員の問題あるいは組織の問題というものも関連して監察は実施しております。ただいま御指摘になりました陸上自衛隊の駐とん地部隊の業務でございますけれども、この中身につきましては、ただいまお話の調達業務、それから補給業務、それから整備業務、それから当時の予算の執行状況、その他訓練の実施状況、それから業務に関連いたします人員関係、それから職員の勤務状況ということも監察いたしております。
○鶴園哲夫君 まあ、三十四年以降はないわけですが、いまお話の航空と海上と陸上と、それぞれ一回ずつ、言うなら部隊の業務の監察をやっていらっしゃいますが、部隊そのものの監察はおやりになっていらっしゃらない。つまり一般行政事務みたいなところの監察と。私が伺いたいのは、部隊そのものですね、部隊そのものの監察はやっていらっしゃらないというふうに私は見ておるわけですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(大田宗利君) ただいま御説明申し上げましたとおり、監察は業務の実施状況を中心と いたす関係で、やはり業務を中心として調査いたしております。部隊全体ということでございますけれども、ただいま申し上げましたとおり、三十二年の七月に実施いたしました駐とん地部隊の監察につきましては、ほとんどの業務関係は対象といたしまして見たつもりでございます。
○鶴園哲夫君 私は、八回やっていらっしゃるわけですが、この十数年はやっていらっしゃらないわけですけれども、ですから、初めに三十四年までやられたその自身を見まして、一般行政事務と類似したような形のものですね、そういうものはひとつ監察しておられるけれども、しかし、部隊の問題については監察していらっしゃらないという感じを持っておるものですから伺ったわけなんです。これはあとほど伺いたいんですけれども、監察という場合に、冒頭にお伺いしましたように防衛庁も国家行政組織法に基づくところの行政組織の一つ。しかしながら、その一番問題は部隊だと思うんですけれども、その部隊についての監察は、まあいままで一般行政事務の関係をやっておった関係でなじまないという点もあったのかどうか知りませんが、どうもそこのところは除外をされているという点を私としてはひとつあとほど問題にしたいと、こう思っておるわけなんです。 そこで、これはどうなんですか、自衛隊の場合に、定員の問題が非常にこの十数年やかましいわけですね。定員の問題について、一般の行政官庁の関係についてはたびたび行政監察が行なわれていることも、これは私も承知をいたしておりますが、たいへん十数年にわたって問題になっております実力部隊である自衛隊そのものの定員の管理あるいは実情、そういう問題についてどの程度監察を行なわれたことがあるのか、それをひとつお尋ねをいたします。
○政府委員(大田宗利君) 定員関係につきましては管理局のほうで所掌しておりますので、定員そのものについての監察は実施しておりません。これは各省庁ともでございますが、ただ、監察といたしましては、業務の実施状況というものと定員関係というものはやはりうらはらでございますので、そういう関係につきましては、大体対象として調査いたしております。
○鶴園哲夫君 それでは、これは行政管理庁全体の問題だと思うんですけれども、その定員の問題について監察をしたり、あるいは調査の意向というものはいままでなかったのかどうか。私の承知をしておる限りにおいては、どうもこの問題についてはおやりになっていないというふうに思っておるわけですけれども、いかがですか。
○政府委員(大田宗利君) 定員だけを対象といたしました監察は、どの省庁につきましても実施しておりません。ただ、業務に関係いたしました定員に関しましては、対象として調査しております。
○鶴園哲夫君 定員の問題について詳細に監察をなすったことはあるでしょう。これは行政管理局の依頼ということになりますか、ということで、行政官庁全体について定員の状況について全国的に詳細な調査をやられたことが何回かある。その場合に、自衛隊の隊そのものの定員、こういうものについては監察も調査もなさっていらっしゃらないか、やっていらっしゃる中身を明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(大田宗利君) 定員関係につきましては、管理局のほうで機関別の実態調査ということをやっております。これは管理局の計画に即しまして、現地の地方局を動員しております。これはあくまでも実態調査でございまして、監察といたしましては実施しておりません。機関別の調査ということではないかと思います。
○鶴園哲夫君 まあ、この十数年の間、防衛庁の自衛官の定数関係について国会においてもこれはそのつど問題になって論議されてきている。だが、その定員の問題について行政管理庁としてどのような調査をされたのかどうかと、あるいは業務とのうらはらの関係でその監察をやられたのかという点を私は疑問に思っておるわけなんです。
○政府委員(大田宗利君) 陸上自衛隊の駐とん地部隊の監察を実施いたしましたときには、定員関係、それから組織関係というものは調査いたしております。したがいまして、勧告にも定員の充足状況、特に当時といたしましては業務隊の業務を中心として見ておりますので、その辺の所要の勧告をいたしております。
○鶴園哲夫君 その局長のおっしゃる業務というのはどういうことですか。一般行政事務と同じような感じのものを業務と言っていらっしゃるのですか。
○政府委員(大田宗利君) 先ほど御説明いたしましたとおり、調達業務、それから補給業務、それから整備業務、それから訓練、勤務の状況、それから人員関係もそれに関連しまして調査いたしております。
○鶴園哲夫君 どうも私がお聞きいたしておりますと、行政管理庁として防衛庁、特にその中の自衛官の問題について何か除外されているような感じがしてしようがないのですけれども、まあ定員の問題については何回かにわたりまして、行政組織といたしましては徹底して調査をしているわけですね。ところが、二十数万という自衛官の問題についでは、たびたび国会で問題になっていろいろ論議されているにもかかわらず、その調査というものが何となく何か別ワクのような形になっているという印象を非常に強く持っているものですから、若干いままでお伺いをいたしたのです。 まあ、そこで別ワクみたいな形になっている理由はどういうことですか。これは一般行政組織なんだけれども、国家行政組織法に基づく行政組織なんだけれども、しかし、これは武装集団として別ワクみたいな感じで処理されているんじゃないかという感じを私は強く持っているわけなんです。これは行政管理庁長官にお伺いするのが筋かもしれませんけれども、何か一般の行政組織とは違った私は感じを受けている。監察をなさる場合でも一般の行政事務と関係のある、あるいはそれとなじむような、そういう問題についての監察なり、そういうものは行なわれていらっしゃるけれども、二十数万という自衛官のところの問題については何か別扱いのような感じを非常に強く受けておるわけなんです。どういうお考えなのか。何か別ワクにしているという感じですね。何となく別ワクにしているという感じですね。その点について伺いたいと思います。
○政府委員(大田宗利君) 監察関係につきましては特に別ワクという考え方は持っておりません。先ほど御説明いたしましたとおり、最近でも数回対象としておりますが、ただ監察ということから見ますと、やはり業務関係というものが中心でございますので、全般的なそういう定員の問題というよりも、むしろ業務に密着した定員の問題というものがやはり中心になろうかと思います。まあ監察いたしますとやはり勧告ということが当然ついてまいります。そういたしますと、やはりその業務に密着しました具体的な問題について指摘する、あるいは勧告するということになりますので、どうしてもきめのこまかいことになってまいります。そういうことで業務関係を中心とする定員関係ということにしぼられてくるというふうになって、特に別ワクとか、あるいは特別扱いということは監察としては全然考えておりません。
○鶴園哲夫君 一般の行政事務と似たような、あるいはそれに類似するような問題については、これを見ますとやられておりますが、自衛官そのものの業務というのか、あるいは運営といいますか、行動といいますか、そういうものについてはやっていらってしゃらないわけでしょう。
○政府委員(大田宗利君) 先ほど申し上げましたとおり、訓練の実施状況、それから職員の勤務状況というものも当然対象として見ておりますので、単に業務関係だけということではないと思います。やはりそれに関連する人員の充足状況、あるいは実施状況、あるいは勤務状況ということも当然監察の対象になって、調査の対象としているということになっております。
○鶴園哲夫君 まあ、私はそういうふうに見ていないのですけれども、局長がそうおっしゃるなら——何か部隊の駐とん地隊の、つまり一般行政事務に関連したところの調査、監察はしていらっしゃる。しかし、若干そこのところ少しはみ出るような感じがするから、ここに出ております、三十二年にやりました駐とん地部隊の業務の監察、それから同じく三十二年にやりました海上自衛隊の地方総監部——これはまあ地方総監部だから、これは当たりませんわな、部隊の行動そのものに当たりますがね。それからあともう一つ、航空自衛隊の業務監察。それではこの航空自衛隊の業務監察ということは、内容はどういうことをなさったのですか。この二つですね。まあちょっと私が伺っておって言えることは、八つのうちの航空自衛隊の業務監察というものと、それから陸上駐とん地部隊の業務監察と、この二つですね。そこで、いま何でしたら、あとほどこういう監察であったという資料を出していただいてけっこうです。けっこうですけれども、わかっておれば説明をいただきたい。あとでも資料があれば資料でもよろしい。
○政府委員(大田宗利君) 監察結果の大きい柱につきましては大体わかっております。第一が人員関係、それから職員の勤務関係、それから訓練の実施状況、それから予算執行、調達、補給、整備業務という関係でございます。詳細につきましては、後ほど書類を整えまして御報告いたしたいと思います。
○鶴園哲夫君 私は、いまのような事態も三十四年以降はほとんど顔を出さないわけですけれども、十五年ぐらいにわたって顔を出さないわけですが、その前に行なわれた八回の問題を見ましても、部隊そのものについて、自衛官そのものの問題についてはやっていらっしゃらない。やっぱりその駐とん地隊にある事務所に行っていろいろのことをやっていらっしゃるというふうに、この二つの中の一つはそういうふうに思うわけですね。ですから、私の感じとして言いたいことは、国家行政組織法に基づくところの行政組織の一つであるけれども、どうもその監察については、実力部隊については、武装集団の問題については別ワクみたいな感じを受ける、感じを受けざるを得ないということをひとつ申し上げておきたいわけです。 もう一つ、定員の問題について、これは管理局長のことになるのだろうと思うのですけれども、たびたび国会でも論議になって、たいへんやかましい問題だと、しかも定員の管理という立場からいいますれば、これはたいへんな欠員がある、まあいま二万六千という膨大な欠員がある。この十数年にわたってたいへんな欠員があって、しょっちゅう問題になっているんだと。それについて、全部について何らかのやはり行政管理局として、行政監察とともに調査をするなり、何かそういうことがあってしかるべきだと思うんですけれども、何かそういうようなことはとられていないという私は印象を強く持っているわけで、そういう感じを持っているわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(平井廸郎君) 確かに御指摘のように、主として陸上自衛官につきまして相当の欠員があることは事実でございますし、それがかなり長い期間にわたって継続していることも事実でございます。ただ、御承知のように、陸上自衛隊の定員は一般の定員と若干異なった性質を持っているわけでございまして、有事に際してわが国防衛のために必要な各種の機能及び能力の観点から計算されているわけでございます。したがいまして、平時におきましては、たとえある程度の欠員がありましても、有事に際しましては欠員を緊急に募集いたしまして、その部隊が本来予定している機能及び能力を発揮し得るようにしなければならない、また、それは可能であるという観点から定められているわけでございます。したがいまして、これらの実態については、私どもも毎年報告を受けてよく承知をいたしているわけでございますけれども、そういう意味で、欠員が非常にあるということから、直ちにその欠員の問題を定員管理上他へ流用するとか、あるいは新編部隊の編成について、そういう問題を考慮して査定するというようなことはやっていない点がございます。
○鶴園哲夫君 自衛隊がたいへん欠員が多いと、特にその中でも陸上自衛隊がたいへん多いわけです。ですが、また海上自衛隊にいたしましても、空の問題にいたしましても、非常に欠員の多いところもあるわけですね。特に士のあたりは、海上だって空だって欠員が非常に多い。そういうものは一体国家行政組織としての防衛庁、自衛隊にどういうことになっているのかという点についての監察なり、あるいは定員の関係から調査なりというものは、これはやはり当然いままでにあってしかるべきだという私は感じを持っておるわけですけれども、まあしかし、いまお話しのように、どうもこの問題も何かちょっと違った——あとで陸上自衛隊の問題についてはお尋ねをしたいと思いますけれども、何かちょっと違った感じを受けている。このことは私は国家行政組織法に基づくところの一つの組織として、行政組織の一つとして防衛庁なりあるいは自衛隊というものが行なわれているのだけれども、だが政府としては、あるいは行政機構なり組織なり定員を管理する行政管理庁としては、何か一つの違った取り扱いをしていらっしゃる。で、そのことは、これはやはり一つの大きな矛盾だと思うんですけれども、まあ旧軍人時代というんですかね、国政と統帥というものが二元化されておった、そういうようなやはりなごりといいますか、伝統といいますか、そういうものがずっと尾を引いておって、どうも一般行政組織とは違った処理のしかたなり考え方を持っていらっしゃるという感じを非常に私は強く受けているわけなんです。 ですから、これはまぎれもなく国家行政組織法に基づくところの一つの行政組織であるわけだから、だから、たとえ一般行政事務となじまない点もあるけれども、これは積極的に監察をする、あるいは定員の問題についても調査をしてみるというような、これは積極的なやっぱり姿勢が必要だと私は思うわけなんです。これは言うまでもなく総理大臣が最高責任者として指揮監督することになっている。そうしてシビリアンコントロールという立場からいえば、一そうもっと厳重に、定員の問題についても、そのことによってどういう事態が起きているのか、あるいはその能率の問題、効率の問題、運営等の問題について、武装集団そのものについてやっていくというやはり態勢が私は必要だと、そう思っているんですけれども、これはいずれ最終的には総理大臣もお見えになるんでしょうし、あるいは行政管理庁長官もお見えになるんでしょうから、一体これからどうなさるおつもりなのか、こういう点について、どういうふうになさるおつもりなのかということをその際に伺いたいと私は思うんです。私はどうも、これからいろいろ伺っていきますけれども、行政組織法に基づいてできている行政組織にかかわらず、いろいろな意味においてその別ワクの形をとっていらっしゃるという印象を受けるということであります。そのことは、かつてのように国務と統帥が分かれておった、二元化しておった、そういう形態というものは、なお、いまの中にあっても続いているという印象を受けます。感じを強く持っているわけです。これはいずれ管理庁長官なり、あるいは田中さんにも伺いたいと思うんですが。 そこで、次にこの定員について伺いたいんですけれども、防衛庁には定員についていろいろなことばがあるんですね。そこのところをまずお尋ねをしたいわけです。それで防衛庁設置法によりますと、「自衛官の定数」ということばを——国家行政組織法では定員ということばなんですけれども、定数ということばを使っている。で、私もいろいろちょっとこう見てみますと、いかにも定数という感じを受けるわけですけれども、定員という感じは受けないんですが、ですから、定数、定員という感じは、これは全然違うのかどうか、それをまずひとつお尋ねをします。
○政府委員(平井廸郎君) 定員と定数ということばにつきましては、本来の文字上の意味からいたしますと、同じように一定の定まった数というふうになるわけでございまして、差異はございません。ただ、かつて旧行政機関職員定員法におきましては、定員と定数ということばを区別して使っておりまして、その第三条におきまして、各行政機関の定員の範囲内において、その内部部局、地方支分部局、付属機関別の定数を府令、省令で定めるというような規定をいたしておったことがございます。ただ、現在のいわゆる総定員法におきましては、すべて定員と規定いたしているわけでございます。また地方自治法の第百七十二条におきまして、地方公共団体の職員につきましては定数ということばであらわしておりまして、地方公共団体の職員の定数は条例でこれを定めるというような使用例になっておるわけでございます。したがいまして、それぞれの法律によって規定の文言は違っているわけでございますが、少なくとも法律的に見まして、定員と定数につきましては、現行法上は特別の差異はないというふうに考えている次第でございます。
○鶴園哲夫君 まあ、防衛庁では、非自衛官のほうは定員ということばを使ってあるわけです。自衛官のほうは定数ということばを使っている。で、自衛官と非自衛官をこういうふうに定数と定員と分けるというのは、だから何かわけがあるんじゃないかという感じを持つわけです。ですから、定数と定員というのは同じだというお話ですが、私はどうもそのように受け取れないのですけれども、防衛庁のほうの見解を聞きたいと思います。定数と定員は違うのかどうか。いま管理局長が答弁になったからいいようなものですけれども、非自衛官のほうは定員で、自衛官のほうは定数というやつですね。
○政府委員(田代一正君) お答えします。 防衛庁設置法、自衛隊法で、定員とか定数ということばが出てまいりますけれども、この両方で見る限りにおきましては、防衛庁全体の人員のワクといいますか、それは定員ということばを使ってございます。それから自衛官につきましては、先ほど御指摘のとおり、定数ということばを使っております。これは、なぜそういうことになっているかという沿革でございますが、先ほど平井局長からもいろいろお話があったかと思いますが、総じて申しますというと、府とか省とか庁とか、非常に大きくワクを示す場合に、どちらかというと定員ということばが使われる。その細分したワクをきめるときに定数を使うというのが非常に過去長い間続けられた観念かと思いますが、そういった観念が残って、防衛庁設置法なり、あるいは自衛隊法なり、こういうことに使われてきたのじゃないかと、こういうぐあいに考えられます。
○鶴園哲夫君 私はそれ以外に、防衛大学校のあれは何ということになっておるのですか。それから今度できます、できるということで提案をしてあります防衛医科大学の学生の数がきまりますね、その数はどういうふうに、定数ですか、定員ですか。
○政府委員(田代一正君) いま御指摘のような防衛大学校とか医科大学校とか、それ以外に予備自衛官という制度がございます。これはいずれも定員外の者という意味で員数ということばを使っております。定員外の者である、こういう意味でそういうことばを使っております。
○鶴園哲夫君 防衛大学校と、今度できるということで出ております防衛医科大学とは、ことばの使い方は違うのじゃないですか。一方のほうは定員になって、一方のほうは定数じゃないですか、員数じゃなく。
○政府委員(田代一正君) 同じでございます。
○鶴園哲夫君 それは調べてもらいますよ。どうも員数ということばが出てくるですね。予備自衛官は員数ですがね。それから医科大学校のほうは定員と書いてあるように思うのだけれども、防衛大学のほうはこれは員数ですね。ですから、ごたごたしないで、私の結論は、言いたいことは、どうも防衛庁の定員についての考え方というのが非常にあいまいじゃないか。あいまいと言うのかな、粗雑と言うのかな。というのは、各省というのはたいへんなんですよ、定員をふやすとか、どうこうするという問題については。何せ防衛庁というところは、どかどかふえるという関係もありまして、何か定員なりそういうものについての考え方が粗雑である。同時に私は、行政管理庁としても、防衛庁の定員なり定数なり、そういうものについての考え方が非常に消極的で粗雑ではないかという印象を強く受けるものですから聞いているわけです。どうですか。
○政府委員(平井廸郎君) あるいはおしかりを受けるような粗雑な査定をしているといたしますれば、まことに申しわけないと思いますが、私どもの考え方といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、基本的には定員管理の対象でございますし、その意味におきまして、定員の管理について、厳重にこれを管理していかなければならぬという点については、他の省庁とは変わりはないということでございまして、ただ、先ほど来申し上げておりますように、欠員——これは自衛官の欠員問題については、一般の行政官庁の欠員と性質上やや違ったところがあると、そういう点には特色があるということだけを例外として考えているわけでございます。
○鶴園哲夫君 そうしますと、この防衛庁設置法にいう自衛官の定数というのは、定員と同じだというようにとっていいんですね。
○政府委員(平井廸郎君) さようでございます。
○鶴園哲夫君 それじゃ国家行政組織法に基づいてできている行政組織の一つでありますから、統一をしてもらいたいと思うのですね。一方は定数といい、一方は定員という、統一をしてもらいたい。同じにしちまう。こっちのほうも、防衛庁設置法の七条、定数ということばを定員に改めて、同じ国家行政組織法に基づくものでありますから。こういうものがあるものだから、どうも私は政府全体として、防衛庁というものを何か別ワクにしているのじゃないかという印象を非常に与えるわけです。これはひとつ行政管理庁長官の話だろうと思いますけれども、もし御答弁ができますれば、この点について答弁をいただいておきたいと思います。
○政府委員(平井廸郎君) 確かに立法論として考えました場合、誤解を避けるという意味におきましては、先生の御指摘は仰せのとおりでございますが、ただ私ども、定数と書いてございますから特別扱いをしているわけではございませんので、そういう意味におきましては、まああえて必ずしもこれを直さなければならないというふうにも考えておりません。
○鶴園哲夫君 予算書で見ますと、防衛庁の自衛官についても、予算定員ということで、定員ということばを使っておる。ところが、一方今度は自衛隊法によると定数という。私はあとほど質問しますけれども、定数だと思っているのですよ、これ、文字どおり。たとえば今度千名出ましょう、定数をふやすという。中身は何かさっぱりわからぬのですよ。数字だけ出している。千名という数字だけ出している。員じゃないです。何を何名ふやすのか、将官を千名にふやすのか、あるいは佐のところを何名ふやすのか、さっぱりわからぬ。数しか出していない。その意味では私は数じゃないかというふうに思っておるわけです。ですから、数というふうに私はあったほうがいいように思うのだけれども、だけれども、定員と使っているし、定数と使って、いろいろ言っている。しかし、国家行政組織法に基づいた同じ行政組織だから一本になさったらどうですというふうに私は言っておるわけです。これはまあいずれ両方の問題ですから、防衛庁と行政管理庁と両方の問題ですから、あとほどひとつまた保留しておきまして、結論を出していただきたい。それと員数ということばを使っている。員数ということばはどうも古い、われわれの感じで言いますと。自衛官は定数と書いて、それ以外の者は員数ということばですね。これはどうもあまりよくないのですね。そういうことばは、どうも自衛官だけが何かその定数で、あとの者は員数だと、一方は人間で一方は物だというような感じが非常にするのですね。そういう感じがどうも至るところに残っていますね。残っているというのか、何か私は筋が入っていると思うのですよ。そういうものが残っているという印象じゃなくて、何かきちっとしたものがあるという感じを強く受けるのですけれども、どうですかね、これ。
○政府委員(田代一正君) いま先生、語感が非常に悪いとかおっしゃっておられましたけれども、定員と申しますのは、やはり各省庁で恒常的に置く必要がある職に当たるべき常勤の者のワクという観念が一応できております。そういたしますと、やっぱりそうではないという人についてのそういった観念を何か考えなければいかぬ。当然、やっぱり定員とは違ったことばを使わにゃいかぬということに相なろうかと思います。そこで員数ということばが出てまいるわけでございますが、これは読んで字のとおり、定員外ということでございますので、語感といたしましても、やはり定員と違うんだという観念をはっきりさすためにはこういった観念があってしかるべきじゃないかというぐあいに私は考えております。 なお、先ほど先生から御指摘がございました医科大学校でございますが、これはやはり員数になっておりますので、間違いございませんので、一言申し上げておきます。
○鶴園哲夫君 それでは今度はこの中身についてちょっと伺います。 この定員の取り扱いについて——定数ですね。さっきは官房長は恒常的な何とかという話をしましたね。しかし、自衛隊法では、自衛隊は隊務を遂行するということだったでしょう。これは恒常的な隊務じゃないですか。だから隊務ということをいうと恒常的ということになりますけれども、それはあとほど伺いますけれどもね、その自衛官の定数の具体的な取り扱いについて聞きたいわけなんですよ。先ほど管理局長は、陸の場合は若干違うという話がありまして、海空と違うというような話があったのですが、陸上自衛官の定数の審査ですね。それを具体的に聞きたいのですけどね。どういうふうな審査をなさっていらっしゃるのか。
○政府委員(平井廸郎君) 具体的な審査のやり方でございますが、御承知のように、各省庁と同様に、防衛庁におかれましても、それぞれ自衛官あるいは非自衛官について、隊の新編とか、あるいは改編その他に基づいて要求をお出しになるわけでございますが、それは一方では装備についての予算要求であり、それに合わせての定員要求というかっこうで出てまいります。その場合に、具体的にそれぞれの要求内容の緊急性、優先度を勘案いたしまして、さらに一方では合理化とか能率化で対処し得る面がないかという点も検討いたしまして、それぞれ個別具体的に査定をいたしているわけでございます。この点につきましては、一般の場合と差異はございません。
○鶴園哲夫君 先ほど管理局長は、陸上自衛隊の場合は違うというお話だったんですけれども、そうしますと、一般行政組織の定員の取り扱い方と陸上自衛隊の定数の取り扱い方については差はないというように受け取れるんですけれども。
○政府委員(平井廸郎君) ちょっとことばが足りなかったわけでございますが、その際に、既存の自衛隊の自衛官の欠員につきまして、通常の場合でございますと、非常に欠員が多い状況であれば、そういった状況を勘案して査定をいたすというのが当然でございますが、この自衛官定員につきましては、一朝有事の際のための定員である。もちろん、それが平時から充足されていることが望ましいことではありますけれども、かりにそういう平時においてある程度の欠員がございましても、有事の際には、先ほど申し上げましたように緊急に欠員を充足いたしまして、隊としての機能及び能力を発揮するというたてまえでできておりますので、そういうものとして取り扱っていると。その点が違っている点であるということでございます。
○鶴園哲夫君 一朝有事の際に定数を充足するということなんですが、これは防衛庁の局長、久保局長ですね。久保局長、そうすると、この陸上自衛隊の定員数というのはどういうことになるんですか。何かわれわれ考えている定員と違いますね。
○政府委員(久保卓也君) 陸上自衛隊の定数、まあ定員と言ってもよろしいわけですけれども、この場合に、法律的な観念は、他の法律あるいは行政管理庁で言われる定員であり、定数であり、それは変わりありません。しかしながら、実質的に違いがあるように私どもは思います。なぜかなれば、一般官庁の定員、あるいは海上及び航空自衛隊の定数の場合におきましても、それが一〇〇%充足されることが期待されるし、そうすべきである、そういうものでありますが、陸上自衛隊の場合には、部隊の編成を中心に考えます。したがいまして、個々の人間、あるいは装備ができてきたからその装備に人がつくということではなくて、新しい一つの部隊をつくるときに、その部隊をつくる場合には、定員としてのワク、定数としてのワク、それが必要である。したがって、言うならば部隊をつくるための人のワク、それが陸上自衛隊の場合の定数であるということになります。そこで、それをどの程度満たすかということは充足率ということになりまして、これは毎年度予算でそこに査定をされるということになります。 なかなかわかりにくい問題でありますが、ちょっと例をあげてみますると、一つの師団でたとえば連隊が四つあります。特科大隊が一つある。その他幾つかの部隊があるわけでありますが、そこへAという部隊を一つつけ加えたいという場合には、欠員があるからその欠員を持ってきてAという部隊をつくればよろしいではないかというふうにちょっと考えがちなんですけれども、しかし、それぞれの連隊あるいは特科大隊その他の既存の部隊というものは、積み上げ計算、人と装備からなる積み上げ計算でもう定員のワク、定数のワクとしては固定をされている。人間がそこに充足されているとは限りませんけれども、人のワクとして、つまりそれぞれの部隊のワクとしては固定されている。したがって、そこから引っぱってくるわけにいかない。そこで、新しくAという部隊をつくるときには、その部隊用のワク、人のワク、言うならば定数増を来たさなければならない。しかし、その定数増をしたところで、それでは総体の実員がふえるかというと、それは別問題でありまして、実員をふやすかどうかということは、実際の募集の問題あるいは予算の問題、そういうところできまる。そういう点が海上自衛隊なんかでありますると——航空自衛隊もそうでありますけれども、航空機とか艦艇が入ってまいりますると、それを運用するために何人要ると、これは具体的に計算されます。そしてまた、それらの修理、整備などにどれぐらいの人数が要るというようなことでおのずから計算されてくるという、そういう点が陸上自衛隊について一般官庁及び海空の自衛隊との実質的な意味での違いだと思います。
○鶴園哲夫君 そうしますと、その陸上自衛隊の場合は、編成定数といいますか、あるいは総定数というか、編成定数ですね、編成定数というものがあってそれがまあ出てくると、こういうのが優先するわけですね。あと、海上自衛隊それから航空自衛隊は違いますと、陸だけについては武装定数というものがまず出る。武装というものがまず先だと、それに定数というのがくっついているんだと。武装定数というものが先に出てくるという感じを非常に強く受けるわけですね。これは一体どういうことなんですか。だって、陸上だってこれは九千名の師団もありますし、七千名の師団もあるわけだし、武器だって変わっていくわけでしょう。それについての員数だって変わっていくわけでしょう。そうでしょう。九千名だという師団だって、これは武器やその他の変化によっては九千でなくてもよろしい、八千でもよろしい、あるいは七千でもよろしいというようなことだってあるわけでしょう。ところが、陸だけが、そういうふうに海上と航空と違って、武装と言うのかな、武装定員と言うのかな、そういうものがまず先に出ている。そして、それについて予算が幾ら、予算定員が幾ら、充足率は幾らにするとかという問題は——また予算は大蔵省の問題であるというような話ですね。それが陸だけについてなぜそういうことになっているのか、これが一つ。 それからもう一つ、それと関連して管理局長に伺いたいのは、これは武装定員というものが先にくるということになりますと、これは行政官庁とは違う。これは久保さんのおっしゃるように一般の行政官庁とは違う。武装定員というのできますと、これは査定の余裕はないのじゃないですか。審査の余裕はないということなんです。
○政府委員(久保卓也君) 武装定員ということばよりも、先ほどおっしゃいました編成定数あるいは編成定員と言ったほうが正確であろうと思います。つまり、現在十七万九千でありますが、十七万九千の中で五方面隊、十三個師団、その他長官直轄の部隊等々いろいろあるわけでありますが、その十七万九千の部隊の中でも、ある程度やりくりはやります、実際上は。私がいま申し上げたのは特徴的なところを申し上げたのでありまして、実際上には、たとえばホークの部隊、対空ミサイルの部隊でありますが、これができる場合には、古い高射砲の部隊をつぶしてそれで新しい部隊の編成にそれを充当するとか、あるいは施設部隊に新しい機材が入ってきました場合には、それで効率化、人員の節約ができるということで人をそちらから回す。しかし、そういうような彼此やりくりをやりましても、なおかつ、たとえば沖繩の部隊を新編する場合に人が足りない、あと千名どうしても浮いてこないという場合に初めて定数増というようなことでお願いするわけであります。したがって、行政管理庁のほうでは十七万九千はともかくとしまして、新たに千名ふやす場合のやりくりとか、あるいはそれの増員する必要があるのかどうかという点は十分に審査されているところでありまするし、また、今後もされるだろうと思います。
○鶴園哲夫君 どうもおかしい話ですね。私が聞いておりますと、武装定員——これは海と空と違いますよ、陸の場合においては武装定員というものが出てくるのだと、武装定員というのが出てくる以上、これは行政管理庁で査定の余裕ないでしょう。まあ聞いて承っておくと、なるほどそうですかということにならざるを得ない。陸上だけが特別扱いをしているということはどういう理由ですか。
○政府委員(久保卓也君) 言うまでもないことですけれども、海空の自衛隊につきましては、これは物、つまり航空機とか艦艇とかが、言うならば戦う力あるいは防衛力としての実体をなすものであります。ところが、陸上自衛隊の場合には、当然装備を持ちまするけれども、人そのものが言うならば防衛力あるいは戦う力である。そういうことになりまするので、陸の場合には部隊の編成が中心になってくる、定員の問題につきましては。したがって、こういう部隊をつくるのがいいのかどうかということで定数が出てくる。海空の場合には、そういう航空機がふえるかどうか、あるいは各機種によっての定員割り当てが適当であるかどうか、そういうような問題になります。もちろん海空でも、部隊もございますから一がいに言えませんけれども、海空と陸を特徴的な点を申せば、そういうところ、つまり人が中心の言うならば戦う力、それから物、装備が中心である海空の戦う力、防衛力であるという点に実質的な相違がある。しかしながら、これを法律的に見るならば、定員、定数、あるいは一般の官公庁と変わるわけではございませんので、行政管理庁がたぶん十分に審査、審理されていると思います。
○鶴園哲夫君 どうもおかしいですね。陸のほうは人間が兵力だ、まあ武力ですか、武力だと。あと空と海のほうは武器が戦力だというような感じを受けるわけです。しかし、陸の場合に、これは確かにどっちも兵力がなければどうにもならぬけれども、兵力が武力だと、あるいは戦力だと——まあ戦力ということばはお使いにならぬでしょうが、簡単に言えば戦力だというような言い方にとれるのですけれどもね。だから、そういう取り方をしますと、これはもう兵力そのものだ、武力そのものだということになりますと、これは行政管理庁としては取り扱いはたいへん困るでしょう。おそらくそれはお聞きをして、そうかと——いろんな話はなさるでしょうけれども、これはそのまま通ってしまうということにならざるを得ないんじゃないですか。ちょっとその意味では、私は一般の定員とは違うと思うのですね。行政管理庁が取り扱っている行政組織の定員という考え方とは違うというふうに思いますね。陸だけが別だという言い方、これがわからぬわけです。同じじゃないですか。武力と言った場合、陸だって海だって空だって、それはやっぱり武器が中心でしょう。中心になって、それに人がついているわけでしょう。昔みたいに鉄砲をかついでいる時代ならそれは別ですよ。いまはそういう時代じゃないでしょう。陸だけが何かその武装定員というのが先に出てしまう。武装定員というのが出ますれば、これはちょっと行政管理庁としてはお困りになるでしょう。私の感じですよ、これはなると思う。どうだこうだという査定の余地はないんじゃないですか。
○政府委員(久保卓也君) 武装定員というのはちょっと実体がよくわかりにくいので、先ほど申したように、編成定員あるいは編成定数ということばのほうが正確だと思います。 そこで、個人個人の人に注目しませんで、部隊単位に見るわけであります。たとえば、一つの師団でありますると、普通科の連隊を三つか四つほしい、あるいは特科の連隊を一つほしい。これは一つの師団が総合的な戦力を発揮するために、あるいは施設の部隊が必要である、補給の部隊が必要である。こういった一つの師団が円満具足な戦闘力を発揮するために必要なそれぞれの機能を考えるわけであります。その機能の中で普通科が占めるウエート、あるいは装備、整備とか補給とかの占める割合、戦車大隊の占める割合、そういうものを考えていく。したがって、そういうような個々の部隊が必要なのかどうかという判断が必要でありまするし、その個々の部隊の規模をどうするか、大隊にするか中隊にするかということを判断をしまして、いまの師団であれば一部は九千人の師団、一部は七千人の師団が適当であろうということになるわけであります。したがって、そういうようなものをまず正しいものとしますると、そこで新しい部隊を編成する場合に、師団を動かさないで他の部隊から捻出できる場合はよろしいのですけれども、それができない場合にはやはり増員という形に持っていかなければいけない。いずれにせよ、そういった一つの部隊——師団であれ団であれ、一つの機能を発揮するためにどの程度の単位部隊が必要であるか、それの構成がどうであるか、そういうことを勘案して陸上自衛隊の場合は定員、定数がつくられていく。 ところが、海空の場合には、これは予算といいますか、増員をする場合に具体的に積算するわけでございまするけれども、一つの船ができる、DDAならDDAという船がかりに二百七十人なら二百七十人要るということでありますと、そのDDAという船が来年度は就役してくるから、その乗員として二百七十人必要でありますということになります。あるいは潜水艦がだんだんふえてまいります。そうすると、その潜水艦について何人要る、従来は八百トンの船が今度は千八百トンになったから、人員がどれくらいよけいに要る。前の八百トンの船が減耗しますとその分は差し引きになるわけですけれども、差し引きして新しくどれだけふえるか。それからまた、潜水艦の数によっては、二つの隊をつくって一つの群司令部というものをつくりたいというときには、群司令部というものの要員を検討するということになります。その点は、装備の増加に伴う部隊の増といいますか、あるいは人員の増ということになるわけであります。そういう点が海空と陸とやはり実質的には違うのではないか。しかし、それを行政的にあるいは法律的に介意してこれを十分チェックされるということは、私ども別に陸だけがほかと違う、陸について関与を許さないというような態度を示したことは全然ないわけで、これは十分に行政管理庁に御説明を従来からもしているところであります。
○鶴園哲夫君 じゃ、たとえば簡単な話が、一個連隊をつくるということになりますと、その編成定数というのはぴしゃっときまっておるわけでしょう。一個連隊をつくるとその編成定数というのはさまっておる。そうすると、防衛庁への口出しはできないでしょう。管理も何もない。
○政府委員(久保卓也君) たとえば普通科の一個連隊をつくるといたします。私たちのほうでそういう希望を持ち、予算要求をしたいと考えます。その場合には約千人なら千人の増員が必要でありますが、その場合に、私どもの希望であって、これをどうチェックするか、やはり行政管理庁及び大蔵省、行政事務当局におきましてはそういうレベルでチェックが行なわれるということであって、その点においては他の官庁と変わらないんじゃないか、そういうふうに思います。もしそうでないのであれば、行政管理庁のほうから念のために御答弁いただいたほうがよろしいかと思います。
○鶴園哲夫君 それはもう全然違いますね。いま申し上げたように、一個連隊をつくるという場合には、それは編成定数といいますか、編成定数というのはぴしゃっときまっておるわけです。それを行政管理庁がとやかく言えないし、どうなっているのか。ところが、各行政官庁において局をつくるという場合には、これはいろいろやり方はありますよ、全然それはもう違う。この局について、これの定員は要らぬ、こうなるか、こうならぬかということで中をずっと締めますから、課をどうするとか局をどうするとか、五百人と言ったって、これは編成定数じゃないですから、局の編成定数じゃないです。ところが、自衛隊の場合は編成定数ですから、連隊をつくるのに千七百名ということになっておるんでしょう。そうすれば、これは行政管理庁として削りようがないです、全然これはフリーパスです、聞くだけだ、さようでございますかということになって、そこどけそこどけお馬が通るというそれだけの話です。局とはもう全然違います。私はそう思いますよ。これは念のために局長の答弁を伺ってもいいですけれども、これはもう全然違うんですよ。だから私は、久保局長は違わないような話ですけれども、初めは違うとおっしゃったんですよ。陸上自衛隊は違うんだ、一般の行政官庁の場合とは違う、海と陸とも違うんだ。海と空とも違うんだと、そのとおり違うんですよ。いま最後は何か同じような話ですけれども、違うんですか。
○政府委員(久保卓也君) ちょっと答弁します。 先ほども申しましたように、法律的あるいは行政的には違わない、性格的には違わない。つまり一個連隊で、私のほうはその一個連隊の定数の中から増減されることは困るわけでありますが、しかし、行政管理庁がそれに対して何らかのことを言われることは十分あり得るわけであります。たとえば一個連隊の規模を縮小することが不可能であると行政管理庁が思われたら、あるいはそれをゼロにすることも可能であるかもしれません。つまり一個連隊をふやす必要はないんじゃないかという言い方も可能であるかもしれません。ただ、私がいま言いましたのは、実質的な面においては海空及び他の官庁の定員、いわゆる定員というものと違います、実質的には違いますと、いまおっしゃったような面も含めまして。しかしながら、法律的あるいはこれを行政管理庁がどう対処するかという意味においては、その点は変わりませんということを申し上げたわけです。
○鶴園哲夫君 それはいまおっしゃるとおりだろうと思うのです。ですが、実質は違う、その実質は全部まかり通っているということだと思うんですよ。実質は、陸上はやはり海空と違った面がある。それから陸上の場合は一般の行政組織と違った面がある。一個連隊をつくる、編成定数というのがきまっているということになりますれば、これはどうだこうだということは、これは行政管理庁としては言えない話なんです。そこら辺に私は行政管理庁というのが、国家行政組織法に基づいた一つの機関である防衛庁、そして自衛隊——陸上自衛隊等の定数を審査するという場合に非常に違っているという感じを強く受けるわけです。私は、実は総定員法の中から自衛隊の定数を別ワクにしたということは、これはやはり自衛隊の問題については、これは武力集団だから、その武力集団というところに注目をして、これはシビリアンコントロールというものをはっきりさせていく必要があるというところから別ワクになったと思うんですよ。 それだけに、これは行政管理庁としてはもっと積極的にその自衛隊の中の定数、そういう問題についてはチェックをしていく、審査をしていくという態勢が必要だと思うのです。ところが、私の印象では逆に行政官庁よりもうんとある。一般の行政官庁の局をつくるとか、あるいは部をつくるとか定数をふやすとかいう問題についての取り扱い方と——そうきびしくして、よくコントロールしていかなければならない。自衛隊の問題については何か別ワクになって、言うならば武装定員というか編成定員というのが出て、査定の余裕なしというような形で通ってしまうという形になっているのがこれは解せない。積極的に私は行政管理庁としてこれは乗り込んでいって、乗り込んでいくというのか、一般の行政官庁と同じように、あるいはそれよりもきつくこの定員の管理なり定数の査定なり、そういうものをやるべきだと思うわけですね。実態はそうなっていない、全然なっていない、全部違う。これも行政管理庁長官に伺わなければならない問題かもしれぬし、総理大臣に伺わなければならない問題かもしれませんですけれども、そういうことで局長、よろしゅうございますか。
○政府委員(平井廸郎君) 先ほど連隊新設を例にとって御指摘がございましたが、かりに連隊を新設するということを認めました場合におきましては、現在の連隊のあり方というのは、現在の国防水準においては大体きまったパターンがございますから、そのパターンに従って査定をする。そういう意味においては、自衛官の数というのがきまることになろうかと思います。ただし、新しく連隊を編成をして追加する必要があるかどうか、そういった点につきましては、私どもなり予算当局なり、両方連絡をとりまして十分査定をいたしているわけでございまして、そういう点については必ずしも差異はない。 さらにもう一つ、先ほど防衛局長からもお話がございましたように、かりにそういうものを新しく、たとえばナイキなり何なりの部隊を新設しなければならぬというような事態がありました場合にも、その場合に一体他に廃棄されるべきものがあるのかないのか、さらには他の部隊でやりくりがつくものがあるのかないか、そういった点も私ども審査の対象にいたしておるわけでございまして、そういった点で査定をし、やっている点については変わりはないというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 局長はそういう答弁なさるけれども、それは久保局長の答弁と私は違うように思いますね。連隊ができるという場合と局ができるという場合は全然違う。実質ですよ、形式は別ですよ、実質的にはもう全然違う。連隊というのはこれは当然総編成というか、編成定員というのがぴちっときまっているわけですから、ですからそれをどうこうするということにはならぬというふうに思います。
○国務大臣(山中貞則君) 鶴園さん、私から答弁しましょうか……。 いままでそれぞれの両省庁の局長から話があったわけでありますが、確かに海空についてはある程度の御理解もいただいたと思いますが、陸上についてなお釈然とされない点があろうと思いますし、なお、定員、定数、員数という問題等についても、やはりいままでは問題が提起されなかったユニークな角度からの質問として私も傾聴いたしましたが、ただ、員数というのは物件じゃなくて、最高裁の判事の定数とか、あるいは両院の常任委員会も員数というふうになっておりまして、これはやはり他にも例があるわけでありますから、ここらのところはやはり何も物件扱いをしているわけではない。したがって、そういうところは問題点はあろうけれども、いまのままでそう大きな問題点として検討しなければならない点として受けとめるところまではこないのじゃないか、こう思います。 陸上の場合でありますが、たとえば私どもは、来年度予算に一応要求を約束どおり八月末までに大蔵省に提出をいたしておりますが、陸上自衛隊については十八万名を増員する計画はもうございませんので、来年度の予算要求は、定員について陸上はゼロであります。予算要求なしであります。しからば、現在御審議願っている一千名増の十八万とは何ぞや、沖繩配備という理由がつけてあるけれども、しかし、十八万名とは一次防以来、陸上のあるべき定員の目標は十八万だと言っていた、いわゆる悲願とも言うべき目標ではなかったのか。それをたまたま沖繩が返ってきたから、それを理由にして、悲願の十八万名達成をはかったのではないかという、そういう御疑念もあるいは起こり得るかと思います。質問の先取りをしていたらあとでおわびをいたしますが、そういうことを考えますと、本来沖繩県があれだけの長い島嶼をもって、本土の一県として、しかも国境を接する県として復帰をいたしました場合に、陸上として配備さるべき定員はまるめて一千八百名と思われますが、しかしながら、一千名の増にとどめておりますのは、これは高射群等のナイキ化等に伴う合理化による員数を振りかえ、その他によって八百名を浮かし、どうしても足りない一千名をお願いした結果が十八万になった。したがって、本来、今日まで陸上自衛隊、防衛庁として切望しておりました定員からいうならば、十八万一千八百名という定員をお願いしなければならないところでありますが、十八万名というものは長い間議論されて定着をしてまいっておりますので、これをさらにふやすことについては問題があろう。したがって、御指摘にもありましたような装備の近代化、合理化、さらに隊の一そうの——隊員の欠員問題のちょうど議論になりましょうから、そういう点等を努力を重ねて、十八万名でやっていける体制にしようということをもってやったわけでありますから、その意味において、久保局長が申し上げておりましたような編成定数というものと、平井局長が申しておりました必要であるかどうかの査定、あるいは相談というものは、当然そこに行なわれた結果が今回の一千名増である。陸上についてはそうである。したがって、来年度予算にはもう要求をしておりませんという事実で、一応は御理解を少し賜わる点があるのではないかと考えておりましたので、一応私から御答弁をさしていただいております。
○鶴園哲夫君 この行政組織で言いますと、行政需要があってそこに恒常的に置く職というものがきまって、その職の総数として定数がきまる、これが行政組織の定数のきめ方なんです。しかし、防衛庁設置法によりますと、自衛官というのは隊務を遂行する、こういうことばになっておりますね。隊務を遂行する恒常的な職というのはさまっている、その職の総数として自衛官の数がきまる。たてまえは同じをとっていると思うんです。行政組織の場合と、自衛隊の定員の場合と同じたてまえをとっている。しかしながら、いままで論議いたしましたように、自衛隊の場合は、防衛庁設置法の中には五十九条に自衛官というものは隊務を遂行する、こうなっております。恒常的に置く隊務というもの、それの総数として定数がきまってくるというふうに見れば、これは一般の行政組織の定数の考えと同じです。しかし、いままでの論議ですと、そうではなくて、編成定員というものが先に出てくる、これはおかしいじゃないか。この際私は国家行政組織法の立場からいって、あるいは防衛庁設置法そのものが、隊務を遂行する、恒常的に隊務を遂行する人間を置くと、定数を置くということですから、そういう武装定員といいますか、編成定員というものをこの際改めるべきだ。そうしないと、国家行政組織法全体の中に入らない、逆の形じゃないかというふうに思うのですよ。 ですから、これは行政管理局長にお尋ねしたいのですけれども、これは防衛庁設置法にいうように、隊務を遂行する、その恒常的に行なう隊務、それの総数として定数が出てくるということを貫けば、編成定員とかというようなものは出てこない。だから国家行政組織法として、そういう立場をとってもらいたい、一本にしてもらいたい、別扱いにしてもらいたくないという考え方なんです。
○政府委員(平井廸郎君) 先ほど来申し上げておりますように、たとえばかりに連隊を設置する場合においては、連隊の編成定員というのがかりに一千名とすれば、そういう形で査定をする。いわば査定をいたします場合に、査定の型がきまっているという点において、確かに先生御指摘のような点はあろうかと思いますが、ただ基本的にはそういった隊を認めるかどうか、そういった点につきましては他の場合と全然変わりはございませんし、また、そういう隊を編成するにあたって、他にやりくりのつく点はないのかという点についても検討をし、全体としての定員について見るべき点は査定をいたしておりますので、基本的には変わりはないつもりでございます。ただ、そういう文章の書き方からいたしまして、隊務を遂行するということが前提になっておって定員を査定しておるのではないかという点でございますけれども、これはまさに自衛と申します国の一つの大きな行政分野について、あるべき形が遂行されるように定員査定が行なわれることは、これは当然だと考えておりますので、その点については矛盾はないというふうに私ども考えております。
○鶴園哲夫君 私は、いま先ほど申し上げましたように、一般の行政組織におきましては、行政需要というものがあって、どうして恒常的に置く職というものがきまる、その恒常的な職というものの総数として定数がきまっていく、これが定数の考え方ではないか、定員の考え方ではないか。自衛隊の場合にあっても、この防衛庁設置法の五十九条に書いてあるように、自衛官は隊務を遂行する、その恒常的な隊務についての職というものがきまる。その職の総数として定数がきまってくる。自衛隊の定数というものがきまってくるということに一本にしてもらいたい。そうでなければ、武装定員というようなもの、あるいは編成定員というものが先にきまってしまうというのでは、これは国家行政組織法上からいって矛盾じゃないか、防衛庁設置法上からいっても矛盾じゃないか、こう言っているわけです。防衛庁設置法にこう書いてあるんですから、隊務を遂行すると。恒常的な隊務を遂行するのに職が要る、その職の総数として定数が出てくる。ところが、いまはそうじゃなくて、編成定数というものが先に出てくるわけですよ。だれが何と言おうと、一個師団は九千名だ、編成定数が先に出ちゃって、あとはどうにもならない、これはおかしいじゃないか、矛盾じゃないか、だから防衛庁設置法の立場からいっても、国家行政組織法の立場からいっても一本にしなさい。総編成定数というものを、これは国家行政組織法の立場からいって、防衛庁設置法の立場からいって、ここで認めないという態度が要るのじゃないか、そうしないと一貫しませんよ。
○政府委員(平井廸郎君) 確かに防衛庁設置法第五十九条に「自衛官は、命を受け、自衛隊の隊務を行なう。」、そういう官職の集団が自衛隊であるということは事実でございます。ただ、こういった自衛官が個々人で、ばらばらで自衛隊の隊務を遂行するわけじゃないことは申し上げるまでもないところでございまして、こういった自衛官の集団が自衛のために活動を行なうためのパターンが、いわば編成定員、定数という形で示されておる。いわば一つの自衛集団と申しますか、そういうもののパターンが現在の国防上の理由によってきめられたパターンとして考えられているというところに、いわば陸上自衛隊の特色があるだろう。ただ、そういう点につきまして、すべてのそれぞれの師団なり連隊なりが、地域ごと、あるいは師団ごとに違った形で編成されるということは、現実の問題としては必ずしも適当ではないのではなかろうか。やはり全体として考えました場合に、そういったいわば型にはまった集団として動いていくのが陸上自衛隊の通常の形ではなかろうか。そういう意味におきましては、かりに師団を一つ認めれば七千名なり九千名というパターンが出てくることは御指摘のとおりでございまして、そういう意味で型にはまった査定であるということは言えますけれども、しかし、査定そのものはあくまで先ほど申し上げたような形で行なわれている、その点は御賢察をいただきたいと思う次第でございます。
○鶴園哲夫君 これは私はやっぱり大きな矛盾だと思いますね。国家行政組織法のたてまえからいって、さらに防衛庁設置法の五十九条の規定からいいまして、これはやはり何といいましても矛盾する。まあまあ国家行政組織法の中に一つのいまおっしゃるように戦力部隊という特殊なものがあるから、したがって、矛盾があると言えば矛盾があるということになると思うのですけれども、しかし、いまの国家行政組織法の立場からいえば、これはまた防衛庁設置法の中にあるこの五十九条の立場からいえば、私は編成定数という概念は、考え方というものはこれは否定すべきだというふうに思いますですね。一本でいくべきだ。五十九条にも書いてありますから、隊務を遂行すると。その恒常的に置く員というのがきまってくる、その総数として定数というものがきまってくる、定員というものがきまるという形にすべきであると思いますがね。これは、それじゃまた、この問題も一つ残して、次にひとついきたいと思いますが、どうも私は、たいへん取り扱いが違いますね。違うのは、これはやっぱり武力集団だという、戦力だというところからくる矛盾だと思うのですよね。根本的にはそうだと思いますけれども。 ところで、次に伺いたいのは、防衛庁が今度定数を千名ふやすとかいろいろ出ておりますね。海が三千六十五であり、陸が千名、そして空のほうは二千九百十八名と出ておるわけですけれども、千名の中身が何にもわからない。これは文字どおり定数ですよ。数ですよ、これは。員じゃない、これは。数ですよ。中身が何にもわからない。一体、佐官を何名ふやすのか、尉官を何名ふやすのか、何かさっぱりわかりゃしない、千名という数字ですね。そしてわれわれの手元に出ております資料で見る限りは何にもわからない。当然これは一般の国家行政組織法で伺いますというと、定数をふやす、たとえば通産省が定数をふやすという場合には、この局に何名、この局に何名、それだけじゃなくて、この課に何名、この課に何名という数字が同時にわれわれの手元にあるわけですよ。ところが、自衛隊の場合は何もそれがない、千名だ。あと将官がふえるのか、尉官がふえるのか、士がふえるのか、さっぱりわからない、これは一体どういうことなのか。
○政府委員(久保卓也君) 千名の増は陸士であります。階級的には陸士一本で千名の要求になっております。それから内訳ということでありますが、先ほど防衛庁長官が申されましたように、本来沖繩に部隊を千八百名陸上自衛隊が配置をするならば、十八万千八百名が目標になるべきであるというお話でありましたし、それを従来からの目標であった十八万、これは閣議決定されておりまする数字でありまするから、その中で処理をするということが適当であろうというのが今回の千名増ということになっているわけですけれども、そこで、千八百名の新たな行政需要に対しましてほぼ八百名というものは内部のやりくりでやりましょう。たとえば先ほどちょっと申し上げましたように、ホークの部隊、対空ミサイルの部隊が沖繩に配置されまするけれども、それの大部分というものは、従来、古くなっておりまする高射砲の関係部隊をつぶしてそれに充当するといったようないろんなやりくりをして八百名は出るけれども、あとの千名はどうしても出ないということが残りの千名が陸士による増員ということになったわけであります。 そこで、階級別にどういうことになるかと申しますと、千名は陸士でありまするけれども、階級は階級としてまた別に、これは総体の中で、たとえば将なら将をふやしていただきたい、このポストについて将をふやしていただきたい、あるいは一佐をふやしていただきたいというふうに個別の折衝をまた別にするわけであります。したがって、現実には予算要求の中では千名の増員は陸士でありますけれども、沖繩に部隊が配備されれば将補以下幹部がおりまするから、その幹部を含め、また本土にありまする一般部隊の中から、いわゆる格上げと申しておりますが、そういった格上げを必要とする——沖繩におきまする千八百名の部隊において必要とする階級、それから本土におきまする一般部隊の中でいわゆる格上げというものを必要とする階級及びその数というものを別途に総合的に計算をいたしまして、それはそれとしてまた別に要求をする。ですから、この増員としての千名というものは陸士だけであると、こういうかっこうになります。
○鶴園哲夫君 陸は千名、そして海のほうが三千六十五名、空のほうが二千九百十八名という数だけが示されておって、いま千名は土だというお話ですが、一般の行政組織で言いますと、こういう数字が出てくるときには、当然どことどこへどういうふうに数字が出るというのがぴしゃっと出るわけですよ。政令なり省令でぴしゃっと出るわけですけれども、それが出てくるわけですけれども、その定数をふやすときにわれわれの目の前に何が何人ふえるんだ、中身はどこにどういうふうになるんだというような話は一ぺんも資料として出たことがない。これは私は、非常に従来から古い軍の時代に編成とかそういうものはこれは国務とは別だという考え方がありましたですね。そういうやはり伝統というものが引き継がれているんじゃないか。どこを見たらわれわれは、この人はどこへ配置されるんだ、これは政令でおきめになるのですか、それとも庁令でおきめになるのですか。当然ここへやっぱり出なければいけない。国民としてはわからないですよ、これ。士だけふやすといういまお話ですけれども、それでは陸はどうなんだ、海はどうなんだ、空はどうなんだ、どんなふうになるんだ、それはどこへ配置されるのだというようなことについては、これは国民は全然知らない。ここへ出ていない以上全然わからない。このことも私は、やはり国務というものと統帥というものが分かれておって、軍の編成なりそういったものについては、これは一切国務がタッチしなかったという、そのことがそのままここにあらわれているんじゃないかというふうに思うんですけれども、どこでどういうふうな——これは訓令でおきめになるんですか。
○政府委員(久保卓也君) 法律におきましては定員が定められ、また法律で定められるべき先ほどの編成さるべき部隊というのがあります。法律でなければ設定されない部隊というのがあります。また政令にゆだねられている分もあります。それを除いた部分につきましては、すべて防衛庁長官のいわば編成権と申しますか、防衛庁長官が部隊を新編し、つまり法律、政令に書かれているもの以外については長官か部隊を編成し——編成ということは装備とそれから人、定数をきめることでありますが、それは長官にゆだねられている。その結果というものは防衛庁の長官訓令の中で出ているということになります。
○鶴園哲夫君 それは当然定数をふやすという場合に、これはひとつ国民の前へ出してもらいたい。何かそういうものが一切出てこない。だから私の言うように、千名というのは何だと、数だけ示してあるじゃないかと、海の場合はどうなっているんだと、どこへいくんだと、全然わからない。で、一般の行政組織の場合はそうではなくて、私が先ほど申し上げたように、全部わかっていると、全部ですよ、これは。だから、そういうことをおやりにならぬから、どうも昔と同じような考え方というものが相当根強くあるんじゃないかという感じを受けるわけなんですよ。その点について、海空の場合。
○政府委員(久保卓也君) たとえば海上自衛隊の場合に、計算のしかたを申し上げますると、四十六年度、七年度、八年度、この三カ年にまたがるわけでありますが、その三年間に出てまいりまする艦艇、たとえば四十三年度にヘリコプター搭載の護衛艦をつくりましたが、それが四十七年度に出てまいります。そうすると、その要員として二百七十八人が必要である。まあそういった艦艇が個々に計算をされるわけでありますが、それから航空機などで申しますると、航空機が何機ふえると、どういう機種が何機ふえると、それに伴ってどれだけの人数が必要であるというのが出てまいります。たとえば航空機の機数増に伴う定員数は、たとえば四十八年度で見ますと七百五十三というふうになります。ところが、片方で艦艇が除籍されます。あるいは飛行機が減耗してまいります。そうしますと、その要員というものは三角に立てなければならないわけで、たとえば一つの例をあげますと、ある掃海母艦が除籍をされますると百十五人それは要らなくなる。それから航空機が減耗してまいりますので、たとえば四十八年度で言えば三百四十七人要らなくなる。そういうことの差し引きをいたしまして、各年度の、四十六年度分が六百六十三名、七十七、八と、こうあります。その総体が三千余名というふうになるわけであります。そういった増員の内訳、説明についてわかりいい資料をあるいはつくって差し上げたほうがよろしいかと思います。
○鶴園哲夫君 ですが、この点はいままではいつも数字でだけ出けてくるわけですよ。千名とか何名とか、中身は全然わからない。文字どおり数が出てくる。定数が、きまった数が出てくる。これは定員じゃないなあという私は感じを持っている。しかもいまおっしゃるように、軍艦が一つ新しくできたと、艦船が一つできたと、そのために何人要ると、一つが廃艦になったと、何人減ると、その職種はどうなっていると、どれが少なくなって、どれがふえるというような数字というのが出てきて、初めてここにあります海で言えば三千六十五という数字が出てくると、そういうものを出してもらいたいと思うんですよ。そうじゃありませんというと、数字だけ出してしまって定員をふやせ、そうすると、これは感じとしましては、依然として昔の国務と統帥と分かれておった、中の編成がどうなのかということはこれは国民の関係しないことだという通り一ぺんの考え方というものをだれしも抱かざるを得ない。そういう具体的な数字を出すべきだと思うんですけれどもね、いままで一ぺんも出たことがない。いま局長がおっしゃるような答弁でもきわめて不十分ですね。だから繰り返し言いますけれども、一般行政組織の定数がふえる場合、びしゃっときまっておるわけですよ。政令が出てきて、省令までくっついて出てくるわけですよ。ところが、それが全然ない。どこにどうなるのやらさっぱりわからない。どの職種がふえるのか、それもわからない。これで定数をふやせという言い方は、これは昔の編成権の伝統ではないかと私は思います。ですから、すみやかにその点を出してもらいたい。飛行機が幾らふえると、これこれ、こうこう、こういうようになると、中身はこうこうなってくるんだと、したがって、これこれの定数がふえるんだというふうにしませんというと、審議のしようがないでしょう。しかもいま言いましたように、国務とは別だという考え方があるんじゃないかというような印象すら強く与える。だから、どうしてもこれはやはり一般行政組織の定数のきめ方とはもう全然違うのです。
○政府委員(久保卓也君) 階級別ということでありましたが、陸の千名が士でありますが、自衛隊の場合には増員のときはいつも士で要求、査定をされております。したがいまして、海空も士であります。
○国務大臣(山中貞則君) いまの鶴園委員の御質問は、確かに編成その他について実際にどのような形で必要とされる最終の人数がはじき出されて積算されたかということについて必要な資料であると思います。これはさきに私どもが提出しておくべき資料であったかもしれませんが、ただいまの御要望に沿うように作業させて提出をさせます。
○鶴園哲夫君 これはまあ繰り返しになりますけれども、いま長官のほうから御答弁がありましたように、ぜひ出しませんというと、どうしたってそういう疑いを非常に強く残す。わけがわからないです、これ。定数を示してふやせと、まことにこれは国務とは別だという印象を非常に強く与える。ですから、私はいままで行政監察の問題、それから定数の問題それから実際の定数の査定なり、そういうものの考え方をずっと伺ってきたんですけれども、最後はここですよ。すべて国家行政組織法の一つであるにかかわらず、これは大きな矛盾だと思うのですけれども、現実の問題としてはたいへんに大きな矛盾だと思うんだが、結論的になってくればどうも別だというような形が非常に強く残っておるということを申し上げて、いま長官のおっしゃるように、ぜひひとつ、こういう形でこういうところに配置になってこうなるのだと、だから千名と、二千名だと、三千名だと、合計六千九百何名だというようにはっきりしてもらいたい。
○委員長(高田浩運君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後一時三十八分開会
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
○鶴園哲夫君 午前中に定員の問題について、管理の問題を中心にして伺ったんですが、続きまして、定員の欠員の問題につきまして、中身に入ってお尋ねをしたいわけです。 それで、この審議資料によりますと、四十三年から五年の間に、陸上のほうは充足率というのは急速に低下しているという状況ですね。四十三年当時九一・七%から八六%というふうに急速に陸上のほうは低下しているわけですが、海のほうも、これもやはりこの五年の間にだんだんだんだん低下してきて、一%以上低下している。空のほうも同じようにだんだんだんだん五年の間に低下してきている。自衛隊全体として、四十三年当時に九三・八%という充足率であったわけですが、これが四十七年の十一月に八九%というふうに、全体といたしましても四%以上低下してきた、五%近い低下。全体として自衛隊がこういうふうに五年の間に、陸にいたしましても、空にいたしましても、海にいたしましても、いずれも低下しておるという、こういう状況にあるわけですが、さらにその中身の実在定員というのを見てみますと、これも陸のほうは実在の定員というのは十五万六千から十五万四千というふうに低下している、減ってきている。海のほうは若干ふえている。空のほうは若干減っているという状況で、全体として実在員も、四十三年から五年たった今日、約二千名ほど減っている。実在員も減っている。こういう実情にあるわけですが、実在員もこういうふうに二千名程度減っているのですけれども、しかし、この間に、御承知のように陸のほうは七千五百名定員がふえておりますし、海のほうも三千三百ほどふえている。空のほうも二千百何名ふえている。全体としましては一万三千名この間に定数はふえているわけですけれども、一万三千名定員はふえているけれども、実在員は二千名ほど減っている。こういう実情にあるわけなんですけれども、今回約七千名ふやすということに提案が出ているわけですが、五年の経緯から見まして、定員は一万三千ふやしたが実在員は二千名減っているという、こういうことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。定員はふやしたけれども、実在員は減っている。一万三千名ふやしているのに実在員は減っていると、こういうことですね。これについて局長のひとつお考えをお聞きしたい。
○国務大臣(山中貞則君) いまの問題は、率直に内幕と申しますか、本音を申し上げますと、私たちの一番苦慮している点であります。これは量の問題と質の問題もあります。そしてさらに、一たん入隊をした者がやめていく問題。たとえば陸上一期二年の間に、二期目に継続していく者とやめていく者とが、途中でやめ、任期が来たときにやめる者を含めるとほぼとんとん、半々ぐらいに達している。このような問題等も背景にありまして、この問題を、私たちは一番重大な、今後の自衛隊のあまり表に出ない問題として、解決の努力を重ねなければならぬと思いますが、その個々の施策は別にして、その背景はわが国のいわゆる適齢期と申しますか、私どものほうから見れば、そういう若い青年諸者の高校進学率が逐年向上し、また大学進学率も向上の一途をたどっております。趨勢値をとりますと、おそらく昭和五十五年には高校進学率が九〇%近くになり、大学進学率が五〇%をこえるであろうという想定を認めざるを得ないわけであります。 他面、わが国の経済の成長段階におきまして、わが国の失業率は一・二から大体一・四%程度でありますが、これも実際にどうしても食えない、職がないというような意味のせっぱ詰まったいわゆる失業率ではありませんで、要するに選択、もっといい職場、あるいは気に食わない職場から行かないという意味の選択の要素が、日本の場合には求人倍率その他から考えて存在しておると考えますと、日本はいまのところ進学する者以外で就職する者は、大企業、中小企業含めて完全雇用の状態にあるのではないか。 このような背景を考えてまいりますときに、ただいま御指摘になりました問題は、いろいろと今後数字的にも御議論を提起されるでありましょうが、私たちにとって前途はそう容易ではない、むしろかえって暗い。そのために何をなすべきかという問題はいろいろと考えておりますので、これは決しておろそかにできない問題として、今後私どもの間で真剣な具体策を考えてまいりたいと思いますので、後ほどそれらについてもお答えはいたしてまいりますし、こまかな問題等は担当局長に説明をさせることをお許しいただきたいと思います。
○鶴園哲夫君 まあ、この五年をとりまして実数が減ってくる、実在員が減ってくるという、しかもその間に一万三千名というものをふやすと。一万三千名という定員をふやしてみても実在員はだんだん減ってくる。これがどうもようわからぬわけです。実在員は減ってくるのに定員はふやしておる。ふやしてみたって実在員は減ってくる。さらに、今回は約七千名おふやしになる。定員をふやした価値というのは全然ないじゃないかと、減ってくるんですから。そこら辺が、実在員というのは減るのに定員をふやすという考え方が私としては理解しにくいわけなんです。いま二万六千名という欠員でしょう。その二万六千という欠員があるにかかわらず、しかもだんだん現在員は減ってくるでしょう。それなのに定員はこの間に一万三千ふやしたということですね。これは行政管理庁がおったら行政管理庁に大いに聞きたいところなんですけれども、なぜこういうこと——それをどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。
○政府委員(久保卓也君) 定員増がありましても実員が若干下がっておるわけでありますが、ここで陸とやはり海空と別にお考えいただきたいと思うわけであります。したがいまして、この定員増と実員の差が非常にふえた理由は陸の場合でありまして、海空の場合も、若干おっしゃいますように減っておりまするけれども、今日では九八%ないし九%充員しておりますので、これは艦艇、航空機ができているにもかかわらず、四十六年度からの増員ができておらないということで非常に高いわけでありますが、通常であれば九五、六%程度というのを一応の目標にしております。その点からいいますると、海空については、定員増があっても——あとで説明あると思いまするけれども、九五、六%程度の充員が可能である。 しかしながら、陸の場合には、かつて充足は九一、二%まで高くなったこともございまするけれども、漸減をしてまいりまして、今日では一応ずっと八六%程度でありますが、結局募集減の関係もありまして、陸の場合には八六%前後で大体推移しそうである。空と海は九五、六%で推移する——今日は九七、八%でありますが。したがって、海空についてはあんまり問題ございませんけれども、陸について、いま申し上げたように八六%程度。したがって、従来増員ワクがありましても、募集の面から見ますると、八六をもっと高くするということは非常に困難である。そうすると、それじゃ充足がその程度であるならば、欠員がまた二万数千名あるから定員増は要らないじゃないか、こういうことがよく言われるわけでございますけれども、この点は、けさほど御答弁申し上げましたように、部隊をふやす場合のいわば定員のワク、定数のワクというものが必要なんであります。実際にどの程度充足するかということは、これは部隊を設置していただいた上で、あとは実員の充足の問題として予算上審議していただくものであります。そこのところは分けております。こう御説明申し上げたわけですけれども、そういうふうに海空とそれから陸と分けてお考えいただければ、一応実情は御賢察いただけるのではないかと、そういうふうに思います。
○鶴園哲夫君 まあ、陸のほうは、いまお話しのように八六%程度に下がっているわけですね。四十三年には九一・七ぐらいまであったのですが、それが八六・六%程度に下がっている。その間にしかし定員は七千名ふえたと。陸のほうですね、七千名ふえたという形になっているわけですね。で、おっしゃるところは、要するに編成定員といいますか、武装定員というのか、それがあるのだ、だからそれに向かって一路動いているのだというような印象ですね。だから、定員があき定員があろうとなかろうと、とにかく定員はどんどん陸のほうはふやしていきたい、こういう感じですね。この問題については、またあとほどお伺いしたいと思っております。 そこで、実在員が、いま言いましたように、全体としては、固定しているというよりもむしろ低下してきておる、二千名という数字でありますが、低下してきている。それから充足率もどんどん下がってくる。まあ四十三年当時は全体として九三・八%程度あったものが八九%というふうにぐっと下がってくる。率がどんどん下がってくるというやっぱり一番大きな原因というのはこれは明らかであって、実在員というのはふえないんですから、実在員はふえないで若干ずつ下がってきている、定数はふやしていくということでありますから、あき定員はどんどんふえるし、率もどんどん下がる。こういう事態になっておるのですけれども、ですから、そういう点からいえば、自衛隊のほうは、なに、あき定員ができようが、何といいますか、充足率が下がっていこうが、そういうことは言わぬ、とにかく定数さえふやせばいいんだ、こういう感じを非常に強く受けるわけです。まあ国会で二回、三回審議して通っているからいいようなものの、次から次へ通してしまったら、どんどん率はまだまだ低下するということになるでしょうね。ですから、率がどんどん低下して、あき定員が一万五千名あったものが二万六千名というたいへん大きなことになっているということは、これはどんどん定数をふやしたからこういう結論になっているのだということになるんじゃないでしょうか。定数をふやすからどんどんあき定員がふえる、ものすごいあき定員になっちまう、率もどんどん低下する、こういうことになっておるのじゃないですか。そんなことはおかまいなしだ、かまわぬというような感じを受けるわけです。
○政府委員(久保卓也君) 一がいにおかまいなしというわけではございません。で、いま申し上げましたように、今日定員と実員の差が開いておる大きな理由は陸にあるということを申し上げました。そして四十四年度に陸は六千名の増員をしまして、連隊を三つつくったわけでありますが、連隊を三つ、つまり九千人師団というものを三つつくるために定員操作上六千名のワクをいただいた。しかしながら、充員の問題は、先ほど申し上げたように、必ずしもそういっておらないということであります。しかし、海空のほうは、若干の減はあったでありましょうけれども、おおむね増員に見合っての充員は可能である、今後の見通しもそうである、こういうことであります。 そこで、問題なのは、今後陸について、まあいまの二法案では千名の増でありますけれども、あと十八万からこえて要求する計画は防衛庁としては持っておらない、四次防で十八万ということになっておりますから。海空につきましては、これは整備計画の関係上、あるいは装備が実際に出てくる計画の関係上、この五カ年計画の中では比較的前倒しになっておった。つまり初めのほうに増員がよけいに出て、あとに増員があまり出てこないというやむを得ざる事情がありまして、したがって、今後出てまいりまする増員所要というものはそれほど大きくはないというようなことから今日程度の充足率。ただ海空については、特別の事情でいま九八%に高くなっておりまするけれども、九五、六%程度、訓練に支障のない程度というものは充足できるであろうというふうに考えているわけでありまして、過去においては、そういった定員がふえたことと反比例いたしまして、募集は非常に困難になっておったということがこの格差をもたらした理由でありますので、今後はこの定員増が、陸の場合にはもうございませんし、海空については比較的少ない数字に押えられる見通しである。そしてまた反面、人事教育局のほうからも答弁があると思いまするけれども、いろいろの施策をして募集の人員を確保するというようなことと相まって、繰り返しまするけれども、所要の充足率というものを維持できそうであるという見通しを持っておるわけであります。
○政府委員(高瀬忠雄君) 確かに先生のおっしゃるように、四十三年と四十七年を比較しますと、その充足率は落ちております。しかし、先ほど久保局長から話がありましたように、この数字は教育訓練には支障ないというたてまえをもとにいたしました数字でございまして、そういったことの採用数を目標にいたしまして、毎年採用に努力をいたしております。ことに、先ほど大臣からお話しございましたように、最近の適齢人口である十八歳から二十四歳というものが私どもの募集対象と考えておりますが、この人口がだんだん減っております。そういったことと、それから進学率の向上とか、それから社会における雇用事情というようなものが反映いたしまして、確かに募集は非常にむずかしくなっておることも事実でございますけれども、しかし、われわれ募集あるいは採用の担当者といたしましては、毎年そういった点を十分見詰めながら努力をいたしまして、新たに採用する者に対する魅力をつけまして、採用すると同時に、隊内におります隊員につきましても、途中でやめる者を少なくする、任期に満たない中途退職者の数を少なくするとか、あるいは定年に達しないで前に退職するというような者を少なくするということで、いわゆる部隊の中における魅力化というものを十分やりまして、それからさらに退職時におきましては腕を身につけて、そして一般社会に復帰ができるというような魅力化、その他各種の措置をいたしまして所要の目標の隊員数を確保する、こういうことの努力をいたしておるわけでございます。それで、確かに数は減っておることは事実でございますけれども、この採用者の数もいまのような施策を今後大いにやりまして、努力いたしまして、充足率といいますか、これをふやしていくということの努力をしたいと思っております。
○鶴園哲夫君 久保局長のほうから話がありましたんですが、私、先ほどあげましたように、空のほうも海のほうも率は低下してきているわけですよね。低下しておるんですよ。五年の間に低下している。空の場合には実在人員も低下している。四万一千から四万というふうに低下してきている。率ももちろん、空も海のほうも低下してきている。その間に、先ほど申し上げましたように、海は三千何百名ふえている。空も二千百名ほどふえている。ふえたことが埋まったということにはならぬ。海のほうは若干言えるかもしれませんがね。率は低下してきているですね。やっぱり一番大きな原因は、先ほど募集定員が何だかんだというお話がありましたけれども、これはあとで伺いますけれども、定数はふえるけれどもこれは充足できない。定数がふえるけれどもふえない。あるいは減るから、空みたいに減るから、だから率も減ってくる。これはもう当然じゃないでしょうかね。何か同じようなお話だから、違いますよと。陸はそれはちょっとばかり大きいけれども、空だって海だって充足率というのはだんだん減っているじゃないですか、空の場合にあっては実在員も減っているじゃありませんかと、こういうことを申し上げておるわけです。
○政府委員(高瀬忠雄君) ただいまの御指摘でございますが、陸は確かに四十三年と四十七年度を比較いたしますと、九一%、約九二%から八六%に減っておりますけれども、海空もそれぞれ増員があったわけでございますけれども、海につきましては九八%が現在も九八%、それから空も四十三年が九八%でございますけれども、四十七年度は九七・七ということで若干減っておりますけれども、増減がありましたけれども、ほぼその充足を満たしておるということが言えるのじゃないかと思っております。問題は、御指摘のように陸の場合におきまして充足率が減っておることは確かでございますが、海空の場合は、大体五年以前の充足率を維持しておるということは言えるんじゃないかと思います。
○鶴園哲夫君 そこで、私はこの五年間の経緯から見まして、ここで七千名近くを増加するというんですが、これによって、いま全体である二十三万という実在員がふえるというふうにお考えになっていらっしゃるんですか。七千名近くふやすが、いまの二十三万何がしという総体としての自衛隊員の数というのが、ふえるんだというようなお考えを持っていらっしゃるんですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 実在員につきましては、先ほどの御指摘のように逐年少しずつ減ってまいりましたけれども、今後努力いたしまして、そしてふやす方法をとっていきたいと考えております。
○国務大臣(山中貞則君) これは来年度予算で大蔵省と最終的に妥結しないと、あまり大きな顔をして言えないことでありますけれども、いろんな事情を分析をいたしまして、募集についてもいろいろ配慮を予算上も加え、また一ぺん確保されました、入隊いたしました隊員たちの、どこの時期に一番やめるか等の調査をいたしました。結局、一番大切なことは、特別職といえども、ほかの国家公務員にない二年ないし三年という任期制の公務員になることを承諾して入ってくる諸君に対して何が必要か。これはやはり実人員の問題になりますと、二年を経過し、ないし三年を経過しても、引き続き次の任期に自分は自衛官としてみずからの使命を感じて継続していきたい、こういう諸君にいま少しく報いてやる道を考えなくてはいけないのではないかということで、現在四期目を除いては、継続した場合の特別退職手当を百日分といたしておりますものを、二期目に進みました者については二百日分と改め、三期目については百五十日分に改め、四期分は据え置く。これは大体階級あるいは働き場所等の関係から、一番必要な二期目に重点を置いたわけでありますが、このような処置を考えて、少しでも——先ほど私がおおむね一期目でやめていく者が半分、継続する者が半分と申しました。まずこの率を——少なくとも継続してつとめたいと願う者を二期目に進ませるということが一番まず手近に必要なことではないか。 さらにまた、つとめました後に、生きがいを感じて、あるいは自分の生涯を自衛官としてささげてもいいという気持ちになっていきますためには、自分たちのそれぞれの人生において、未来への自分たちは生きがいが、実際上制度としても待遇としても存在するのかという問題にやはりこたえていかなければならぬと思います。優秀な者は試験を受けて幹部への道ももちろん開かれておりますが、しかし、その他の者についても、やはりそれに対して報いる道を考えなければならないと思いますし、それがまたある意味の生きがいでもあろうかと思います。したがって、四十三歳で定年、四十五歳で定年ということも、これまた今日の日本の国民の平均寿命なり、あるいは一般の退職年次の推移等を見まするときに、あまりにも中途はんぱな年代で自衛隊をやめていくことになり、子弟の教育その他についても前途にはなはだ不安を感ずることになるのではないか。したがって、この問題はいろいろの方策を講じ、すなわち曹の定員をふやすこと、あるいはまた、先般設けられました准尉の制度というものを、これを曹の吹きだまりという感じの袋小路ではなくして、私の私案として一応大蔵省に要求しておりますが、准尉に進級した後に三年間実務を行なって、これは試験を経ずして、きわめてある部門において優秀であって、したがって、三尉の地位に残り二年を勤務せしめることが可能であるという者を、来年度から対象人員の約一〇%程度、八十六名くらいは見られると思っておりますが、そういう者を三尉の位に残り二年の任期をつとめさせるというような手段を講ずること等が、やはり生きがいの問題と、実質上曹の定員増等によって、これが四十三歳、四十五歳等の定年は実際上は存在しなくなって、希望をするならば五十歳が最低の定年である。これ以上になりますと、また今度は尉官、佐官、また将、そういう立場における定年の問題に波及いたしますので、天井がつかえますから一挙にそこまではいたしておりませんが、これらの措置等を講ずることによって、自分たちのある意味における職場、人生を、一回しかない人生を傾けていい職場という、生きがいというものを感ずることに貢献するならば、これは全力をあげて来年度制度化し、予算化したいという念願を持っておるわけであります。予算要求の内容でありますから、とらぬタヌキの皮算用と言われればそれまででありますが、私らは私なりにそのような努力というものをぜひともこの際やっておかないと、いま御指摘のありますとおり、いたずらに国会をお騒がせして——表現が不穏当なら別の表現にいたしますが、審議を相当長時間いただいて、しかも過去二年成立もしないで、三年分をまとめてお願いをしておるというような形式等を考えますときに、やはり私たちは今回は成立さしていただくつもりでおりますが、その貴重な御審議の結果いただいた定員に対して、私たちは正当な努力を重ねて、それにこたえる充足率あるいは実人員の配置というものをしなければならないきわめて大きな責任を負うものである、そのように考えている次第であります。
○鶴園哲夫君 大臣のお考えはよくわかりましたですが、私はいま二十三万の実在員、これは今回約七千名定員をふやすことによって、この二十三万というのが動くというふうに思えないわけです。先ほど私は申し上げたのですが、この五年の間実在員というのは固定をしておる。むしろ、いまこまかく言えば二千名ほど減っている。しかし、その間一万三千名という定員はふやしておる。だから、先ほどから話がありますように、適齢人口というのですか、十八歳から二十四歳までのその適齢人口というのは、三十五年を一〇〇としますと、四十八年が一一〇ですか。だから、その意味では、適齢人口という、俗称適齢人口というところは非常な勢いで上がっておった時期なんですね。一〇〇から一一〇というふうに非常にこう上がり坂にあった。そしてこの四十八年がピークに達すると、これは減っていく、これから。ですから、このピークに、どんどん上向きに適齢人口というのが非常な勢いでふえる時期に定員を一万三千名ふやしたけれども、実在員は二十三万名からふえない。五年たってふえない。しかも若干減ったと。そういう前提から言いますれば、これはこれからこの二十三万名というものを維持できるのか。定員をおふやしになりますが、二十三万といういまの実在員、これは維持できるのかということをさっきから伺っているわけです。私は、これは維持できないというふうに思っているわけです。 というのは、御承知のように四十八年をピークにいたしまして、これから五十五年に向かって適齢人口というのは減っていくわけでしょう。高等学校への進学もずんと上がっていきますし、大学に対する進学率も上がっていくということになりますと、適齢人口は、これはいま四十八年をピークにして減っていくわ、進学率はずっと上がっていくわということになりますと、ずっと上がり坂で適齢人口がうんとふえていくときに、減ってきている。それをこの二十三万名というのをこれから維持できるのかといいますと、私は二十三万名は維持できないだろうという考え方を持っているわけなんです。ですから、そこを維持できると、あるいはふやしていくことができるのだというふうな御説明をいただかなきゃいけない。これから、四十八年を一〇〇といたしまして五十五年に向かって適齢人口というのは一三%落ちる。いままではこう上がっておったのです、一〇%。今度は逆にそれ以上に下がるわけです——じゃないんですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 御指摘のとおり、適齢人口、十八歳から二十四歳までの適齢人口の数は、四十六年をピークにしてだんだん下がっていくことは統計上示されております。それは事実でございまして、確かにわれわれが面しております募集環境というものは、非常にきびしいことは事実でございますけれども、しかし、現在われわれが認められているこの定数の中において所要の実員を維持しようという、このわれわれ募集担当者といたしましては、先ほど大臣からもお話がございましたが、入る者に対する施策、それから中におります者の処遇改善、その他の施策、それから退職する者に対する各種の施策、これを大いに今後進めまして、そうして自衛隊に対する魅力、それから中途ではやめないというような、こういったいろいろな施策をしまして、少なくとも教育訓練あるいは部隊運営に必要なだけの定数、実数は維持しようということを考えている次第でございます。 現在、毎年大体三万名というのがわれわれの採用する目標数でございますけれども、いままで大体この五年間を見ましても、これに対する応募者というものはおよそ倍の数が参っております。したがいまして、大体計画そのものがどうかという問題があるかもしれませんけれども、計画数に対しては所要の隊員をとってきたということが言えると思いますし、それから三万名をとると。それから退職者の数を——任期途中でやめる者の数がかなりございます。まあ相当な率であるわけでございますけれども、そういったその任期途中でやめる、中途退職をするというような者を、先ほどの魅力化対策、処遇改善というふうなことによりまして防止をすることによりますれば、毎年の採用者の数を三万名からもっと少なくすることができるのじゃないかというふうな考えも、希望を持っておりまして、そういった施策を一つ一つ実際の応募者あるいは隊員に対するきめのこまかい考え方、行き方、態度をとりまして、そして所要の計画数を達成したいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 これもあとで伺いたいと思うのですけれども、士のところの平均年齢というものは二十一歳ぐらい。そして班長というのが、昔で言えば分隊長というようなものでしょうが、二曹三十八歳という年になっているのですね。三十七・七歳というのですがね。これは想像以上ですよ。二十一歳の、昔で兵長、いまで言えば何と言うのですか、士長と言うのですか、士長から一士、二士——まあ三士は非常に少ないですから、含めて二十一歳。分隊長は二曹三十七・七歳。いま言うように、そういうような政策、いまおっしゃったような政策をやったところで、曹のところが非常に高年齢になっているのですね。これで私は部隊の訓練ができるのかどうか、あとで聞きたいと思うのです。いま言ったようなことをおやりになると、ますます曹のところの年齢というのはうんと上がっていくのじゃないでしょうか。二曹でも三十七・七歳です。部隊の訓練ができるのかなというふうに私は思うのですけれども、それはいずれにいたしましても、私が申し上げているのは、非常にその適齢層、十八歳から二十四歳という適齢層が、非常に上昇期にあって一万三千という定員をふやしたにかかわらず、実在員というものは減ったじゃないか。二十三万名と実在員が減ったじゃないか。これから適齢人口というものがずっと下がるじゃありませんか。いまはずっと上がって、それ以上に下がってくる。これは四十八年を一〇〇とすると、八七という非常な下がり方をする。しかもその間に高等学校から大学への進学率も、中学校から高等学校への進学率もずんずんと高まっていることは、これは御承知のとおり。そういう中で、いまある二十三万名というものを維持できるのかどうかという話をしているわけですよ。まあ、長官もいろいろおっしゃいました。いま教育局長もお話がありましたですけれども、私はこれはいままでの経緯から見て、これからのことを見て、二十三万名というものを維持できるなんということはとうてい考えられないですね。どういう奇抜な手をお考えになるかしれませんけれども、どうにもならぬのじゃないか。二十三万名なんというものを維持できないで、もっと減っていくというふうに見ざるを得ないのじゃないでしょうか。そこまで踏み切ってお考えになるならわかります。そこのところを、もう少しはっきりしてもらいたいです。ね。何かふえていくような話、とんでもない話ですよ。減るぞと、これは。もっと減ってくるぞという考え方でお考えにならないと、どう言ったって私には理解できないです。もう一ぺんひとつお伺いします。
○政府委員(高瀬忠雄君) 先ほど申し上げましたことの繰り返しでございますが、採用をするいわゆる適齢——採用される側の適齢者の人口は減りますが、われわれが、先ほどたびたび申し上げましたようないろいろな施策をすることによりまして、採用者の数はたくさんとらなくても、やめる者の数を減らすことによりまして、そうして所要の隊員の数を維持しようという、そのことを一ついま考えておりまして、もちろんそれにはいろいろなじみな、隊員、一般の青年の気持ち、感情に合ったような、いろいろなきめのこまかい施策をしなくちゃなりませんけれども、それで先ほど大臣も申し上げましたけれども、そういった施策の一環として、ただいま隊員の生きがいを重視をするとか、あるいは処遇を改善して生活環境をよくする、兵舎の中における二段ベッドを一段ベッド化しまして生活環境をよくするとか、あるいは浴場とか食堂も整備するとか、いろんなことをただいま考えております。そういったことによりまして、まあ確かに募集環境は非常にきびしい、それは事実でございます。が、その中において、あえてなおかつ所要の定員は、ぜひ、ものにしたいというのがわれわれ募集担当者、人事担当者としての決意でございます。
○鶴園哲夫君 これは私は先ほどから言っているように、適齢人口がどんどん一番ふえるときに定員はふやしたけれども、維持できなかったんですから、二十三万という数字を。しかもそれは減っているわけでしょう。これから適齢人口が今度は逆にずっと減っていくわけですよ。すごい勢いで減りますよ。それへもってきて進学率が上がるんでしょう。その中で二十三万名が維持できますかと聞いているわけですよ。それからいろいろおっしゃるけれども、私はこれは二十三万名というのはとうていこれ維持できないと、だから、ここでやっぱり非常に大きな転換期だというふうに思いますし、根本的にこの問題を考えなきゃならないというところに来ていると思うんですけれども、何かはっきりしないですね。きびしさというのかな——がないですね。ぼくが防衛当局だったら、これはとにかくねじりはち巻きですな、これで。たいへんなことだと、これは、これから。ということなんだけれども、たいへんきびしい程度の話で、そんなものではないのじゃないですかね。非常な状態に来ているんじゃないかというふうに私は思うんですけれどもね。まああとで伺いますけれども、空の場合だって、士のところはものすごい欠員ですよ。たいへんな欠員ですよ。陸よりもひどいですね。陸のほうもたいへんですけれども、空のほうだって、士のところはがばっと少ないですよ。ものすごく少ないですよ。ですから、全体として見通しを聞いているんだけれども、どうもお話が何かちょっと精神論みたいな話になりまして——まあしかしこの問題は、私は自衛隊全体として見た場合にたいへんな転換期に来ていると、根本的に考えなきゃならぬときに来ているというふうに思うものですから、いままで申し上げたわけです。 今度は、それじゃ、いま問題になっておりました募集の問題についてお聞きしたいわけなんです。これは募集の問題は、四十八年度の募集の問題についてはあとほど具体的に伺いますけれども、その前に若干いろんな点について伺いたいんですが、いまお話しのありましたように、せっかく募集をするけれども、一年に大体、四十七年でいいますと約三万という士を募集をしているわけですね。一年にやめる人は非常に多いというお話で、一万三千名とか一万四千名、一年に。せっかく募集して集めるけれども、一年間に一万三千名か四千名か、やめるというような話も聞いているんですけれども、一体一年間にどの程度の人がやめるのか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 四十七年度につきまして申し上げますと、大体士のクラスにおきましては二万六千百名、約二万六千名の者が退職しております。そのうちで、いわゆる任期、一任期あるいは二任期というふうな任期が満了いたしまして退職する者が一万二千四百名でございました。したがいまして、先ほど申しました中途退職の者が一万三千七百名、まあ退職者のうちの半分ぐらいが中途退職者でございまして、先ほど申し上げましたが、この数を減らすことによりまして、この募集の実績も上げることができるのじゃないかというのが私どものねらいの一つでございます。
○鶴園哲夫君 四十七年も約三万名という士を募集をされたわけですね。四十八年もまた三万名程度の士を募集をされるわけですけれども、しかし、その実績はどうかわかりませんが、いずれにいたしましても、採用はするけれども、途中でやめる者が約一万三千七百名といいますと、採用したけれども途中で半分以上の者がやめる、こういう事態だと思うんですね。その途中でやめるということについて、それをできるだけ押えたいと、これはだれしも考えることであって、いままでのところ、それをやっていらっしゃったと思うんですけれども、これは一体どういうところに原因があるんでしょうかね、採用する中の半数は中途でやめちまうということですね。私は感ずるに、たいへんポスターなんかいいのが張ってありまして、たいへんPRはしてある。まあそういうつもりで来るのかどうかしれませんが、入ってみたと、それが何ととんでもない話だということで、どかすかやめる。どかすかやめるだけの騒ぎじゃなくて、半分はやめちまう。そのことは私はたいへんに悪影響を及ぼしているのじゃないかと思うんですね、中におる者にとりまして。入ったが、ぞろぞろやめる。それはもうぞろぞろやめるというだけじゃなくて、がばがばっとやめちまうということになるんでしょうからね、採用した者の半分がやめるというのですから。これは私は決定的な影響を及ぼすのじゃないかと思うんですね。いままでも努力してこられたのでしょうけれども、半分もやめるという、半分以上やめるでしょう、おそらく中途でやめる者が。これは一体どういうところに原因があるのか。ポスターを見て、えらいイメージを持って入ってきた、ところが、来てみたら全然そのイメージが違っちゃったと、そこでやめるということになるのじゃないかと思うんですけれどもね。それはどういう理由だというふうにお考えになりますか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 入隊者につきましての、自主的にやめていく者の統計がございますのですが、大体退職をする者は、教育隊における基本教育といいますか、この教育期間中にやめる者が多うございまして、大体入隊後一年以上たちますと、ある程度安定をするというようなかっこうになっております。それで、どうしてやめるのかということにつきましては、必ずしも一つ一つ十分な統計があるわけでございませんが、いままでの調べによりますと、任期制隊員、二年または三年ということで入ってくるわけでありますけれども、入りましてから、やっぱり将来に対するいろんな不安を持つとか、あるいは隊に入りましたけれども、やはり一般社会における生活と隊内の生活の事情が違うとか、そういった何といいますか、非常にある程度規律正しい生活をしなくちゃいけませんので、そういったことに対する不なれとか、あるいは隊舎の中における生活環境が異なるというようなこと、あるいは団体生活に必ずしも直ちに対応できないというようなことで、ほんとうに自衛隊の中の生活、教育訓練というようなものになれないうちに退職をしていくというのが多いようでございまして、そういったことについては、私ども反省をいたしまして、一人一人の悩みなり、あるいはその事情なりを聞きまして、それに対応するような指導あるいは教え方をするというようなことで、こういったことを少なくするように今後していかなくちゃならぬというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 私は欠員の問題を見まして、それはこういう士のところがたいへんものすごく欠員状態になっている。それで曹というところは満足に充足していますね。空のほうだったら、海だったら定員オーバーしているわけです、曹のほうは。ところが、士のところが、これはどこもそうですけれども、空のほうも海のほうも陸のほうも、みなたいへんな欠員だと。それともう一つ、欠員は医官ですね、医者ですね。三三%ぐらいの充足率ですね。七割というのがいない。非常に私は自衛隊を象徴しているように思うんですよ。インテリにたいへん受けが悪いわけですね、七割もいないなんという。それから士のところというのは大衆ですよ、ほんとうの。これはまたすごく足りない。ものすごく足りないんですね。どうも私は自衛隊のこれは一つの存在というところからきているというふうに思いますね。それからあと、防衛大学についても伺いたいんですけれども、防衛大学だってやはり御承知のとおりですね。ですから、私はいま申し上げた、新しく募集する士のところがものすごくやめるということについてのお考えがはっきりしないですね。われわれ考えたら、とんでもない話じゃないかと。定数だけはとってごたごた言うけれども、三万名募集するとか言っておいて、そしてその半分は任期の途中にどかどかとやめちまう。そういうことで、一体この国会に定員をふやせふやせというようなことを言えたものかという私は感じがしますよ。今度だって七千名おふやしになるのはほとんど士だというような話だったですけれども、とんでもない話ですよ。二万七、八千名か二万六千名か採用して、途中で一万四千名近い者がやめるという事態があって、そして士のところの定数をふやせふやせというお話は全然聞こえないですね。しかも一万数千名、毎年途中でやめるという者についての調査も、どうも行き届いていない。はっきりしない。それは人数があまりにも多過ぎて調査がしにくいという点があるいはあるのかもしれませんけれども、毎年ある問題なんですから、もう少しはっきりした見解を持っていてもらいたいというふうに私は思いますがね。
○政府委員(高瀬忠雄君) ただいまの欠員の問題で、士のところが非常に欠員が多いというお話でございましたが、これは六月三十日現在では、確かに陸につきましては士のところの欠員は多うございますが、海空につきましてはもうほとんど欠員はございません。むしろちょっと多いぐらいな感じです。まあその時期によりまして士の欠員の増減はございますけれども、一番問題はやはり士にある。というのは、こういった事情も一つあるかと思います。というのは、士のクラスから一任期、二任期あたりになりますと、曹の階級に昇任する者がかなりございます。そういった昇任の関係がありまして、そしてそこから士が上がっていくというようなことで、士の数がある時期によっては少なくなるというような事情がございます。 確かに三万名近く採用するというのは士でございまして、士の採用についてはなかなかむずかしい点があることは事実でございますが、先ほども申し上げましたけれども、大体採用計画がありまして、採用計画どおりの採用は、私どもとしては、しておるつもりでございます。それから新隊員が教育期間中にやめる。それで、これもただいまの十分な調査もしないでというお話がございましたけれども、私どもといたしましては、実は一人一人いろんな事情を聞いておりまして、そうしてそれぞれ、どうしてやめるのだと、どういう事情だというようなことは一人ずつ聞いているつもりでございまして、ただ、それに対する、どうしてもやめるという者に対する対応のしかたなどにつきまして十分でないという点はあるかもしれません。ですから、これは先ほど申しましたような環境の改善とか魅力化というようなことで解消するというのも、あるいはいろんな話を聞いて、カウンセリングというのもありますけれども、そういった制度などを駆使していく。悩みを聞いて、そうして自衛隊に定着するというようなこと、その他できるだけのことは今後もしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 いまの、こういうふうに採用するけれども半数以上の者は中途で離れるという問題については、どうも私はいまのお話ではまだ納得できないわけです。たいへんな問題だと思うんです。にもかかわらず定員をふやせというお話ですね。 ですから、それは一応おきまして、新聞なんかによく脱走ということばが使われておりますね。脱走というのは、要するに無断で出ていくということでしょう。無断で中途で離隊をする、隊から離れるということだろうと思いますけれども、これは年間でどの程度あるものですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 四十七年度につきまして申し上げますと、約四百二十名の者が離隊をいたしております。
○鶴園哲夫君 四十六年はどうですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 四十六年は四百七十名でございます。
○鶴園哲夫君 これは自衛隊法の四十条に、任命権者の承認を得るということになっていますね。これは国家公務員法にはこういう規定はないのですけれども、自衛隊法には任命権者の承認を得るということになって、いずれも一万数千名という者は任命権者の承認を得てやめたんだろうと思います。そうすると、無断で離隊するという、要するによく出る、昔のことばで脱走ということばの脱走という者は、要するに任命権者の承認を得ないで抜けてしまうということだろうと思います。 防衛庁のいろんな新聞もちょくちょく目を通して見ますと、やめる者についてはたいへん説得をするという努力はあるようですね。夜を徹して説得するという場合もあるらしいですね。しかし、この離隊者の場合は、いわゆる無断で離隊をするという、これはどういうことなんですかね。承認がたいへんむずかしいからそこで離隊をするということなんでしょうか。たとえばこの間新聞に出ました、宇都宮の、飛行機で離隊をしたというやつですね。これなんかは、一番大きな理由の一つに、承認がなかなか得られなかったということが一つあがっておるようですけれども、これはきびし過ぎる。ということになるのか、どうですかね。ところによっては、たいへんきびしいのかですね。防衛大学の同窓会誌なんか見ますと、たいへん夜を徹して説得をしておられるようですね。そのほか、まああちこちそういうのを散見しますけれどもね、非常にきびしいのかもしらぬ。だから、こういうふうに無断で逃げる、無断で離隊をするということになるんでしょうか。それともまた、この四十条の規定というのはどういう趣旨なのか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 隊員が離職をする場合は、本人が申し出まして、そして承認を受けて、発令になって、そして退職する。これは原則といたしましては、やめさせないというようなことはございません。それで、およそ本人から退職をしたいというような申し出がありましたときに、いろいろ事情を聞くことがあると思います。それから、せっかく志願をしてまいったわけでありますので、まあどうしてやめるのかというようなことを聞きまして、将来どういうふうな方向に進むためにやめるのか、いろんな事情を聞くことはありますし、それからまた非常に親御さんが、自分の息子を頼みますよというようなことで頼まれておるというような事情もありまして、子供はやめたい、親は置かしてくれというような話なんかもありまして、そういったことで、その隊員を預かった部隊としてはいろいろ悩みがあると思いますが、まあたてまえといたしましては退職は自由。ただ、退職する場合には、ちゃんと申し出があって、そして発令をするということがなければ正式にやめたことになりませんわけでありますので、それがこの法律の規定の趣旨であると思いますが、まあLMの話が出ましたけれども、あれもやはり本人がやめたいと言っておりましたけれども、やはり親に聞きましたら、本人の言っているような事情が両親のほうにはなかったというふうなことで、ある時間説得をいたしましたけれども、ただいまのお話のように、一晩じゅう寝せないで説得をするというようなことは私聞いておりませんけれども、確かにに退職の事由等についてはよく話を聞いて、そして本人が将来間違いのないような行き方をするというようなことまで確認をして、そして退職させる者は退職をする、あるいはアドバイスの必要な者はアドバイスするというようなことで、ある程度時間をかけるというようなことがあり得るかと思いますけれども、まあ特にやめるのはけしからぬというようなことではないと私は考えております。
○鶴園哲夫君 その五百名近い無断で離れる、要するに、よくいわれる脱走というのはどういう理由ですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) この脱走者につきましては、必ずしも一人一人理由がわからないのでございますけれども、やはりいまのように、申し出があって、そしてやめたいというようなケースではなくて、もう何となくいやになって、そしてやめていくと。それでしかも成規の手続をとればいいのに、脱走というような手段に訴えて出ていくというようなことで、まあこれは十分、そういったやめるにはやめるだけの手続をとってやめなくちゃならぬというようなことを知らずに、何となくやめていく、やめていったというような者じゃないかというふうに考えます。
○鶴園哲夫君 自衛隊の士の募集ですね、士の募集の具体的なことをちょっと伺いたいわけなんですよ。四十八年度の計画についてはあらためて次にお伺いしますけれども、一般に約三万名、士を毎年募集する。そのやり方についての概略をごくかいつまんでお伺いしたいわけなんです。
○政府委員(高瀬忠雄君) 簡単に申し上げますと、自衛隊には募集を実施する窓口といいますか、実施機関として、地方連絡部というものが全国に五十カ所ございます。そこが自衛隊での募集の実施機関でございます。地方連絡部で地方の広報宣伝を行ないます。それから試験を実施します。それで採用者をきめます。そういう行き方をしております。と同時に、募集につきましては、都道府県、市町村に事務の一部を法律によりまして委任をいたしております。そこで募集期間の告示とか、広報宣伝、そういったものを行なうわけでございまして、いわゆる都道府県、市町村に委任されたその行き方と、それから防衛庁における地方連絡部での実施、両様相まって募集を行ないます。
○鶴園哲夫君 県と市町村ですね、地方自治体に対しまして、自衛隊法に基づいて事務を委任して募集をしているわけですね。これをもう少し具体的に聞きたいんですが、これはどういうことを委任しているというんですか。その項目だけでも聞きますとわかりますから、市町村に委託していることはどういうことを委託していらっしゃるのか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 「募集事務の一部委任」という規定が自衛隊法にございます。都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところによって、自衛官の募集に関する事務の一部を行なう、委任をするということになっております。ただいまの御指摘は、市町村長ということでございますから、市町村長だけについて申し上げますと、市町村長につきましては、市町村の区域内に現住所を有する者から志願票の提出があったときに、その志願者が応募年齢に該当し、応募資格があると認めたときには志願票を受理するということです。それから志願票を受理したときには、志願者に受験票を交付する。それからあとは、そのほかにまあ応募資格の調査で、市町村の場合におきましては、その市町村に対して調査を、その市町村長に委嘱をするというような、そういうことが市町村長に委任されている。それから市町村長は自衛官の募集に関する広報宣伝を行なうということです。この広報宣伝というのが、市町村に対します事務の中で非常に大きな位置を占めるものでございます。
○鶴園哲夫君 いまの個々の志願票の受理、それから受験票の交付、応募資格の調査、それから広報宣伝、これを市町村に委託しておると。で、たびたび問題になります、市町村が十八歳から二十四歳の俗称適齢期年齢というのですか、そこのそういう人たちの適格者名簿をつくっているというのがよく問題になったことありますね。この具体例を、適格者名簿というのは市町村ではどの程度つくっているのか、中身はどういうことになっているのか。適格者名簿についてちょっと伺います。
○政府委員(高瀬忠雄君) この適格者名簿につきましては、いまから六、七年前に問題になったことがございますが、そのころから適格者名簿というものがつくられたわけでございますが、その適格者名簿をつくる趣旨でございますけれども、これは募集に関する広報宣伝を効果的に行なうというのがねらいでございまして、応募の資格と、それから可能性のある者の所在を把握するという必要から、この適格者名簿、こういうものをつくろうかということになっておるわけでございまして、そして適格者名簿につきましては、これは市町村でそれぞれ独自につくっているわけでございまして、われわれのほうで、それをつくりなさいということを義務づけてつくらせているわけではございません。先ほどの市町村長は広報宣伝を行なうというその一環として、広報宣伝を効果あらしめる、これを広報宣伝に利用するというようなことでそれぞれつくっておるわけでございます。で、その内容ですが、これは適齢人口の十八歳から二十四歳までの適齢者、応募資格のある者の男子の住所、名前などを掲げております。これは市町村のつくり方によりましてそれぞれ特色がありまして、必ずしも一定しておりません。それでは、どの程度の市町村がつくっておるかということでございますが、これはまあだいぶ前からの話でございまして、相当数の市町村でつくっているようでございますけれども、その市町村の数につきましては、私どものほうでは、特にどことどこがつくって、どこがつくらないかというような把握はいたしておりません。
○鶴園哲夫君 いまのその適格者名簿の中に、年齢とかあるいは住所とかいろいろありまして、それと応募資格というようなものが載っているという話ですが、応募資格というものになりますれば、犯罪があるかないかとか、準禁治産者であるとか禁治産者であるとかいうような欠格条項というのがいろいろありますね。そうしますと、十八歳から二十四歳までのその町村に住んでおる者について名簿をつくって、その一人一人について、適格者であるかどうか、犯罪があるかどうか、どんなことを行なったか、あるいは禁治産者であるか準禁治産者であるか、そういうようなものも含めて適格者名簿というものができているのだろうと思うのですね。適格者名簿ですからね、よくいわれるのは。適格者名簿ですから、当然犯罪の有無から何から載ってるだろうと思うのです。こういうことをおやめになったらどうなんです。これは広報の一手段にならないのじゃないですか。それぞれの個人のプライバシーに対する侵害ですよ、これ。一人一人について、年齢から何から、適格者ですからいろいろ書いてあるわけでしょう。犯罪があるかないか、罰金を食ったかどうかとか、あるいは準禁治産者であるとか禁治産者であるとかいうようなものが載っかったようなそういう適格者名簿というのは、これは私は重大な問題だと思うのですけれども、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。 聞くところによりますと、相当数の市町村がこういうものをつくっているというのだけれども、それは市町村が独自でやっているというふうなお話ですけれども、どうも私にはそう思えないのですけれどもね。そういうようにしむけられてあるのじゃないかというような感じがするのですけれども、これは市町村長の問題でありますけれども、委託をしているところから起こってる問題なんですから、ですから、こういうものはおやめになったらどうかと私は思いますね。一人一人にとっちゃこれはえらい話ですよ。名簿ができちゃって、その中に何やかやと書いてあるわけでしょう、適格者ですから。犯罪から罰金から何からかんから載ったようなものを、名簿をつくっておくということは私はよくないと思うのですけれども、おやめになったらどうですか。それをやらせているわけでもないと言うのだから。しかし、問題は、事は委託しているところから起こっている。しかもそのほうが何かいろいろ都合がいいのでしょう。地連のほうからいろいろする場合に、そのほうが都合がいいから、あるいは地連のほうでそういうようなふうにしむけているのかどうか知りませんけれども、私はこういうふうな適格者名簿というようなもので一覧表つくってあるということは、それはよくないと思いますね。おやめになったらどうですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 適格者名簿は、まず、防衛庁のほうでぜひつくりなさいということでつくらしているものでないことは先ほど御説明したとおりでございます。 それから適格者というあれでございますが、これは犯罪とか何かまでは載っておりませんで、どこに住んでおるかという住所、これは市町村の区域に応募適応者が住んでおるかどうかということを知り、あと、名前を知ればよいわけでございます。あとは年齢を知ればよいわけでございまして、その程度のことでございまして、犯罪歴とか、禁治産者であるとか準禁治産者であるとか、そういったことは、これは別途調査をすることになっておりまして、これはまあ隊員となるときにはそういった調査が必要でございますけれども、これは単に自衛官の広報宣伝、PRをするための手段としてのあれでございまして、さようなものは載っていないわけでございます。非常に限定された事項しか載っておりませんので、いま先生御指摘のようなプライバシーを侵害するというような問題は生じないと、私どもは考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 名称そのものは適格者名簿というふうにいわれておるわけですね。適格者名簿となっている。先ほど局長の答弁の中に、応募資格というものも出ました。適格の調査もやっておるという話でした、この適格者名簿の中に。名簿そのものも適格者名簿。局長の説明の中にもそれが出た。したがって、私は適格者名簿というのは、適格であるかどうかという名簿だろうと思う。適格でない者に広報宣伝なんか要らぬわけでしょうから。一人一人やるんでしょうから。そうすれば、当然適格というのは、これは犯罪があるかどうか、罰金を食ったかどうか、あるいは準禁治産者であるとか禁治産者であるとかというのが適格かどうかということなんでしょう。それを一覧表にしたのが適格者名簿というふうに私は受け取ったわけですよ。それじゃ困りますよ。ところが局長は、いまの答弁では、いや、そういうものではございません、ただ姓名、名前を書いてあるだけです、住所を書いてあるだけですという話ですけれども、名簿そのものは適格者名簿ですよ。適齢者の名前じゃないんです。適格者名簿というふうにいわれておる。局長も先ほど答弁の中にそんなお話を言われました。何が載っているのかと言ったら、こうだという話だ。それはおやめになったらどうでしょう。お調べになったことがありますか、適格者名簿を。何か三千くらいの市町村の中で二千くらいがつくっておるといわれていますね。これは委託したところから起こっておる問題であって、それをつくっておることが、地連としては、自衛隊としては、非常に便利だから、こういうことになっているのじゃないかと思うんですよ。しかし、もしそういう名簿が適格者名簿という形であるなら、これは私はおやめにならなければ困りますよということを言っておるわけです。
○政府委員(高瀬忠雄君) 確かにこの名簿によりまして自衛官募集の広報宣伝に使っております。そういう意味では非常にこれは広報宣伝に役に立っておりますが、いま先生が御心配になるような、いわゆるその適格名簿に載っておるものが全部適格かどうかを、これは実際に試験を受けてもらって、そしてあとで隊員となるために必要な、他の欠格条項というものもほかに調べますから、それに当たれば、この適格者名簿に載っておる者でありましても採用し得ないわけです。ですから、そういう意味での名簿でございます。 で、そういう意味で、これはかなりの数の市町村がつくっておりますけれども、この名簿そのものの存在によって、直ちにこれに載せられた人のプライバシーを侵害するというようなことはないと思います。というのは、これは市町村の中にだけ置いてあるものでございまして、これをみなだれにでも見せて云々するというような性質のものではありません。もちろん内容的に見られても差しつかえないものだと思いますけれども、そういう公開をするというようなものでもありませんし、それから目的が、年齢と住所とそれから名前と、その程度がわかればよろしいというようなものでございますので、いまのような心配はないのじゃないかと私は考えております。
○鶴園哲夫君 私は適齢者名簿と言うならまだわかるのですよ。十八歳から二十四歳までのですね、適齢者名簿と言うならわかる。しかし、名称は適格者名簿ですから、適格であるかどうかという名簿ですから。適格であるかどうかということは、禁治産者であるか、準禁治産者であるか、罰金か、犯罪かというようなものも入らななければ適格者名簿とならないでしょう。適格者名簿と言うからそれは困ると。先ほど局長、応募資格のものも載っているような話だったですよ。ですから、おっしゃるようなものであるのか、それとも、いま私が言うように、文字どおりり適格者名簿なのか、適齢者名簿なのかということなんですよ。ですから、適格者名簿というものであるなら、これは困りますよと、困るじゃありませんかと、おやめになったほうがいいじゃないですかと私は言っているわけです。その点をはっきりしたらどうなんですか。私はどうも、適格者名簿ですから、適齢者名簿じゃないですから、いま言ったような問題がずらっと並んだ一覧表だろうと思うのですよ。それは困ります。こう言っているわけです。
○政府委員(高瀬忠雄君) ただいま先生がおっしゃったような意味では、まさに適齢者名簿というのにふさわしいものでございます。
○鶴園哲夫君 どうも私こだわるようですけれども、私、いままでのような、問題が適格者名簿となっているもんだから、適齢者名簿じゃない、適格者名簿となっているもんだからこだわっているわけで、しかし局長は、そうじゃありませんと、適齢者名簿ですというお話ですね。しかし、文字どおり適格者名簿というものであるなら、これは私はおやめになったほうがいいと。事柄は、自衛隊が、防衛庁のほうが委託しておることから起こっておる問題でありますから、おやめになったほうがいいと、こう言っているわけですよ。適格者名簿であったらおやめになりますか。適齢者名簿に変えますか。
○国務大臣(山中貞則君) これは前の国会でも議論があったように私も承知いたしておりますから、適格者名簿という名前によって誤解を生ずるということがありますならば、今後適齢者名簿ということにいたします。
○鶴園哲夫君 いや、長官、いまも言っているように、名前を変えただけじゃ、中身が適格者名簿では困るわけでして、その点を申し上げておきます。
○国務大臣(山中貞則君) それは適齢者名簿であっても、その人は現在高校に在学しているとか、大学に進学しているとか、あるいはもう相当長期の公務員とか、何か展望できる職場についているとかといえば、これはもう適齢者であっても、まず役場のほうでそういう者は落とすでしょうし、広報宣伝の対象にするというのですから、その意味ではある程度選別はされるでしょうけれども、それ以外の人たちに対しての適齢ということですから、選別もしないで、学生まで全部、適齢期の者は全部記載したほうがいいというなら、どっちでも私たちのほうはいいと思うのです。
○鶴園哲夫君 大臣、あれなんですよ、この国会でもいろいろ問題になりましたようにね、学生であろうが、中小企業に入っていようが、大企業に入っていようが、ばんばんやるのですから、そんなものはおかまいなしでしょう。公務員になっていようが、どこにいようが、どんどん勧誘の文書を出すわけですよね。そういう名簿の中に、いま言ったように公務員であるとか、どこの会社につとめている、さらに、それに今度はいわゆる準禁治産者か禁治産者か、あるいは犯罪によって罰金を食っていると、そういう名簿だろう、名簿じゃないかと。これは困りますよと言っている。それで大臣は、いや適齢者名簿ということにしますと言うのだけれども、名前だけ適齢者名簿になっちゃって、中身は前と同じだというのじゃ困りますから、そこのところを具体的に、教育局長、あとでもいいですから、はっきりさしてくださいよ。いまでなくてもいいから、どんなものなのか。ありますか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 適格者を記載しているのじゃないかというお尋ねでございますが、いわゆる先ほど先生がおっしゃいましたような厳密な意味での適格者じゃございませんで、まさに先ほど申しましたような、適齢者、いわゆる年齢的に応募資格のある者というような趣旨での名簿でございます。すなわち、何回も申し上げますが、名前と住所とそれから年齢と、そういうものがわかればよろしい、いわゆる自衛官募集の広報宣伝の対象になり得る年齢的な条件、そういったものを知って、そして自衛隊でいろんなそれらの広報宣伝をする、そういう形ということでございます。ですから、いわゆる禁治産者とか準禁治産者とか、それから犯罪のある人というようなものの記載はもちろんございません。
○鶴園哲夫君 私はもう一つ、いまの問題と関連して伺いたいのですが、自衛隊のほうで、自衛隊法に基づいて、県、そして市町村に委託をしてやっておられる。一方においては自衛隊自身の地連を通じてやっていらっしゃる。このことが、どういうわけで県並びに地方自治体を通じておやりになるのか。それは法律に基づいてやっておるからだというお話があろうと思うのです。しかし、それはなぜそういうことになったのか。かつて徴兵係というものがあって、徴兵という関係を市町村、県が担当してやった。その上に新しくできた自衛隊というのが安易に乗っかってやっているのか、あるいはそういう従来の伝統というものの上に自衛隊が乗っかろうとしているのかどうか。たとえば国鉄にいたしましても、六十万という職員を持っている。これは一年間に何万という人を採用する。郵政省関係にしても、これは一万やそこらの人を採用する。しかし、これは決して恒常的に、自治体を通じ、市町村長を通じて募集しているわけではない。同じ国家公務員ですけれども、ただ自衛隊のみが、こういうふうに県並びに市町村長を通じてやっているのかという点についての理由をひとつ御説明をいただきたい。
○政府委員(高瀬忠雄君) 旧軍がそうであったからこうだということでは全くございません。これはそれとは全然考えが違うわけであります。募集の事務というのは国民一般を対象とした事務でございまして、地方公共団体を通じて隊員を募集するということが、そういった地域に住んでおって応募する、そういう者にとりましては、自衛隊の一つの地方連絡部が、県で一カ所で応募、募集するというよりは、それぞれの身近な市町村で志願票を出して応募するという体制のほうが、むしろそれぞれの市町村に住んでおる自衛隊志願者には非常に便利じゃないか。こういう発想でもって、応募者の便宜という観点を重視いたしまして、都道府県、市町村にやらすというようなことを考えているわけでございます。
○鶴園哲夫君 そういう便利論というものでは私はおかしいと思うのですね。 たとえば国鉄であっても、郵政省であっても、これは郵政省だけでもたいへんな人員をかかえているわけですね。毎年これはたいへん募集しているわけですね。自衛隊だって国家公務員、そして募集をしているわけですね。その中で自衛隊だけが、これは法律に基づいておるのだが、いま言ったように、県、自治体を通じてやっているということは、従来からあった兵事係、あるいはその兵事関係をやっておったということからくる安易な乗っかり方、あるいはそれをある意味で復活していこうという考え方になるのかという私は考え方を持つものですから、先ほどから私は、午前中から定員の問題の管理について、あるいはその組織の管理の問題について、国家行政組織法の中でどういう取り扱いをしているのかということで取り扱ってきたわけです。あるいは千名、人間をふやすと言うけれども、中身は一体どうだと、一ぺんも出したことないじゃないか、中身は。そんなことはそれは国政とは違うと、国務とは違うというような従来の考え方があったじゃないかと。そういうものの上の伝統にやっぱり乗っておるんじゃないかと。そして募集するという大切な事務の問題についても、便利論でお話しなさったんじゃ、これは郵政省だって、これは市町村長を通じてやったほうがいいでしょう。便利でしょう、そのほうが。同じ国家公務員ですよ。だから、自衛隊だけが法律に基づいてこういうふうにやっているということは、これは私は、先ほど言ったような状態の全体の中で考えなければ理解のつかないことではないかと、そういうふうに思ってるわけなんです。だから、便利論なんてのはおやめになったほうがよろしいと私は思っております。 そこで、次に労働省にちょっと伺いたいんですが、労働省は三回にわたりまして、三十年と、それから三十三年と四十七年と三回にわたりまして、この自衛隊の募集について職安局長名で通達を出しているでしょう。まあ新聞等で、たいへん職安の中で自衛隊の募集が目に余るというところからこういう通達が出たものだと思うんですね。それでこの四十七年に出された通達の内容をちょっと伺いたい。
○政府委員(岩崎隆造君) お答え申し上げます。 仰せのとおり、三回の通達を出しておりますが、自衛官募集に関する職業安定機関の協力につきましては、私ども公共職業安定所の本来の使命の範囲内——範囲を逸脱しない範囲で、かつ職業安定所の業務に支障のない限度で協力を行なうことを指導、徹底してまいったわけであります。しかしながら、この国会の場でも御指摘いただいたような、いま仰せのような問題がございましたので、四十七年に、徹底を期する意味で、職業安定所における自衛官募集の協力の結果、安定所自体が募集機関であるというような誤解を受けることがないように、趣旨の徹底をはかるために三点について通達を出しておるわけであります。 第一は、自衛官の募集につきますポスターとかあるいは案内書等、説明書というようなものを貼付いたしましたり、あるいは備えつけたりということは協力を申し上げているわけでありますが、それが安定所の業務の一部と誤解されるような場所、たとえば事務室とかあるいは待合室等におきまして、募集機関の方がその御説明をなさるというようなことにつきましては避けて、そのような誤解のないようにいたしたいということが第一点であります。それから第二点は、そのような募集担当者が、安定所の庁舎内におきまして、自発的には希望していない安定所に求職してまいります者に対しまして勧誘を行なうというような募集業務は行なわないよう留意していただく。それから第三点は、自衛官の募集の担当者が、机等を置きまして、庁舎内に常駐するというようなことのないように留意していただく。この三点を指導いたしまして、徹底方をはかっておるところでございます。
○鶴園哲夫君 いま労働省のほうから説明があったんですが、三十年、三十三年、四十七年と、この十数年にわたって出ているわけですが、このことは、いま最後にあげました、職安の中に机を持ってどうこうしないようにと、こういうのは前からありましたですね。十数年にわたってこういう目に余ると、何か職安が自衛隊の募集機関じゃないのかというような印象を十数年にわたって与えているということからきているわけです。それは困りますですね。新聞なんかの投書欄によう出るんですよ、これが。出て、私なんかちょこちょこ見るわけですけれども、どうも職安の中へ机を持ち込んでやっておるということも聞いたことが何回もありますし、あるいは書きよるというと、そばに寄ってきて肩たたいて、入らぬか入らぬかという勧誘をするという話やら、いろいろな話を聞いておるのですけれども、これはひとつ防衛庁としては、この通達は出ておるわけですが、三回にわたってこういうものが出ておるわけですけれども、なかなか徹底してないようですね。ですから、教育局長のほうで、こういうことのないようにひとつすべきだと思うのですが、局長どうですか、教育局長。
○政府委員(高瀬忠雄君) この問題につきましては、ただいまの通達の線に沿いまして、私どものほうでも地方連絡部に厳重に指導いたしておりまして、こういうことのないようにしたいということにしております。で、この前も参議院の決算委員会で御指摘がございまして、その後さらにその姿勢を正しまして、そういうことのないようにということで、いま戒めております。
○鶴園哲夫君 その問題は、それではわかりました。 そこで最後に——この最後というのは、この募集の問題の最後にですね、四十八年度のこの募集計画。ことしも、四十八年度も業務計画に基づいて自衛官の募集実施計画というのが行なわれると。九九・九%は士の募集ですね。この士の募集について簡単に御説明をいただけませんか。「朝雲」というのがありますね。「朝雲」と言うのですか、というのがありますね。私はあれでちょっと見たのですけれども、いろいろわからない点があるものですから、簡単でいいですからまず御説明をいただいて、そして伺います。
○政府委員(高瀬忠雄君) 四十八年度におきましては、二士の採用二万九千八百名、それからその他の募集といたしまして二千五百四十五名、合計三万二千三百四十五名の募集をしたいと考えております。それで、これを陸海空に分けますと、陸が約二万一千名、それから海が五千七百名、空が五千五百名でございまして、そして年度末の充足率を陸は八六・三%、海は九五・五%、空は九五・〇%、合計八九・二%というふうな募集計画を考えております。
○鶴園哲夫君 これはなかなか簡単過ぎまして、あまり簡単で、それじゃ私伺いますけれども、この「朝雲」に載っておりましたものによりますと、相談員というのが載っていますね。それから縁故募集というのがありますね。それから部隊の支援を強化すると出ていますね。それを募集事務所を二十七カ所増設する。それと、募集案内所を十六カ所増設すると。それから業務車二号と言うのはどういうのか知りませんがね、業務車二号、二百四十九両、これを補給する、そして地連の広報車の質的充実をはかる。こういうようなのが載っているわけです。 そこで、伺いたいのは、全部わからぬわけだ。相談員というのはどういうのか、どの程度置いてあるのか。それから縁故者募集というのはどういうのか。これはおそらく自衛隊員自身が募集するんだろうと思いますね。それからもう一つは、部隊の支援の強化、それと募集事務所を二十七カ所増設と。いままでどれぐらいの募集事務所ができておって、どれぐらいの人間がここに働いているのか。それから募集案内所、これは十六カ所増設すると。いままではどれぐらいあるのか。そこで働いているのはどういう人が働いているのか、どれくらいの人が働いているか。それからあと業務車二号、これを二百四十九両出すと。これはどうも広報車のような感じがするんですがね。こういうのはどういうものなのか。こういう点についてひとつ御説明願いたい。
○政府委員(高瀬忠雄君) まず相談員でございますけれども、これは部外者に対しまして、自衛隊に深い理解と関心を持っている人に対しまして、地方連絡部長が特に募集に関していろいろなアドバイスをする、相談をするということで、特に特別な報酬というものはございませんが、現在七十名ばかり、全国で地連部長等が依頼をして、自衛隊の募集に対して便宜供与を受けております。 それから案内所でございますが、募集案内所は、都会の繁華街の建物の一室を借りまして、そこに模型写真あるいは自衛隊のポスターなどを展示いたしまして、あるいは場合によりましてはスライド、映画などを映写いたしまして、そしていわば自衛隊の募集のための広報センターというような役割りを果たしてもらうということで、現在のところ東京、名古屋、大阪等に設置しておりまして、数から申しますと、四十八カ所ばかりございます。 それから前後いたしますけれども、業務車二号というのがございますが、これは小型のライトバンで、従来はジープを使っておりましたけれども、ジープと交換をして、広報宣伝用に使う小型ライトバンのことを業務車二号と称しております。 それから縁故募集というのは、これは隊員がそれぞれ自分の縁故をたよりまして、そして自分の知人あるいは親戚、そういったものに対しまして、自衛隊に入らぬかということで、そういった形での志願者を推薦する、そういった募集のやり方を縁故募集というふうに称しております。
○鶴園哲夫君 募集案内所を十六カ所増設する、それから募集事務所を二十七カ所増設する、募集事務所をつくる……。
○政府委員(高瀬忠雄君) 募集事務所は、地方連絡部の下にありまして、募集の担当者、募集の広報官をそこに派遣をいたしまして、そしてそこで募集の仕事を、地連の出先といたしまして、ある特定の地域を担当して募集活動をする、いわば地連の出張所的なものでございます。
○鶴園哲夫君 これを二十七カ所増設するというのですけれども、いま幾らあるのですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 全部で百三十八カ所でございます。
○鶴園哲夫君 これは地連は、地方連絡部は五十、そこに働いている人、広報官は二千名というのですが、これはどのぐらい働いているのですか、五十の地連に。おたくのやつは系統図を見ても何にもわからないのだ。あとの行政組織はみんなわかるのです。ところが、おたくのやつは何にも書いてないのだ。十九万何がしと書いてあるだけで、何にも書いてないのだ。
○政府委員(高瀬忠雄君) 地連の数は五十でございます。そこに勤務している御指摘の広報員は二千百名でございます。
○鶴園哲夫君 あとの、そこに働いている人、地連に働いている人、これ以外に。これは広報官でしょう。
○政府委員(高瀬忠雄君) はい。全部で地連に働いております者は約三千名でございまして、ただいま申しました二千百というのは広報員で、そのうちの一部でございます。
○鶴園哲夫君 たいへんな網の目をめぐらしてやっておるわけだ。市町村長を通じて、さらに地連があって、その下に案内所が四十八カ所ですか、それに十六カ所を今度増設する。それから募集事務所、今度はこの地連の出先機関として百六十幾つできるわけですね。ライトバンが二百四十九増強していく。たいへんな一大募集作戦ですよね。確かにたいへんな、これは一つ一つについて聞きたいような感じがしますですね。どういう金を使ってどんなふうになっているのか、たいへんなものだろうという気がするのですけれども、時間の関係もありますから、これはまあそれだけにして、大体わかりました、その募集のやり方について。 次に——そうですね、ここらあたりで十分ぐらい休みましょう。これから陸上自衛隊の内部に入りまして伺いますので、ここで、区切りがいいですから、十分ぐらい休憩してください。
○委員長(高田浩運君) 三時四十分まで休憩いたします。 午後三時二十九分休憩 —————・————— 午後三時四十一分開会
○委員長(高田浩運君) ただいまから再開いたします。 先ほどに引き続き質疑を行ないます。
○鶴園哲夫君 今度は、非常にたいへん膨大な欠員を持っております陸上自衛隊の欠員の内容に入って若干伺いたいわけです。 まず、大蔵省のほうにお尋ねをしたいんですが、−それじゃ、大蔵省のほう、あとにいたしまして、先ほど私が申し上げましたこの五年ぐらいの間の陸のほうの中身を見ますというと、将のほうですね、将のほうはこの五年の間、たいへん充足率はいいわけですね。佐のほうは相当低下して九四%という充足率になっておりますが、尉のほうも九四、尉官ですね、九四%、曹のほうは、五年の間充足をして九六%、士のほうが八四%から七四%に下がっております。つまり、士のほうがたいへん充足率が低いわけですね。八四%から七四%という、一〇%ほど大幅にダウンしているわけです。それで、これが、自衛隊がたいへん充足率が悪い、二万数千名という、二万五千名というたいへんな大きな欠員ができている一番大きなところは、士がたいへん欠員が生じている、七四%というふうな欠員になっておるという点が一番大きいんだろうと思います。 そこで、いま大蔵省のほうから見えましたので、お尋ねをしますが、定員に対しまして八五%ちょっとの自衛隊のほうは充足率になっているわけですけれども、人件費なり、それから糧食費なり、そういうものの計算をされる場合には、前年の充足率を見て、それを基礎にして充足の、何といいますか、率を想定をして、それに従って予算を計上をされるというふうに聞いているんですけれども、八五%ちょっとの欠員について、糧食費や人件費を計算される場合にはどういうふうな計算をされるのか、その点をひとつお尋ねをしたいと思います。 それからもう一つ、装備について、たとえば九千名の師団であると、小銃が八千一百丁あるとか、ざっと装備が並んでおりますね。この装備については、一体どういうような計算をされるのか、その点について伺いたいと思います。
○説明員(矢澤富太郎君) まず、最初の人件費、糧食費の計算でございますが、年度初の現在員を予測いたしまして、その上に採用計画に基づきます採用予定人員、それから年度間におきます退職人員、これの御要求を防衛庁のほうからいただきまして、その合理性等を検討した上でその年度間の在職人員を押えます。その在職人員に基づきまして、それに見合った人件費、それから糧食費を計算いたしております。したがいまして、ただいまの四十八年度にはその結果の充足率は年間八六%という数字になっております。したがいまして、欠員の一四%分に見合う人件費、糧食費は、これは計上いたしておりません。 それから第二の装備の点でございますが、装備の点につきましては、防衛庁のほうで部隊編成に見合った定数、これがございます。現在の自衛力というのは、御承知のように整備充実の段階でございまして、装備もいろいろ種類がございますが、そのすべてが一〇〇%の充足率を達しでいるというわけではございません。したがいまして、私どもとしては非常にいろいろ装備の種類が多うございますので、そのそれぞれにつきまして、防衛庁の御要求を踏まえまして、その上で合理性を判断して予算を査定するというような方針でやっております。
○鶴園哲夫君 八六%という充足率で糧食費、糧食関係、それから人件費をはじいている。それから武装費については、いろいろあるからどうだというお話でしたですが、八五%充員だから、武装について八五%しか組まぬというわけではないわけですね。
○説明員(矢澤富太郎君) ではございません。
○鶴園哲夫君 そうしますと、九千名の定員を持っている師団は、個人が持っている個人携帯装備、武器、これは幾つもありますですね。それから部隊の持っている装備というのがありますね。それから個人が持っている個人携帯の装備というのは、どうなんですか。やはり八五%ということでやるのですか。それとも、そうではなくて本来の姿でできているのかどうか。
○説明員(矢澤富太郎君) たとえば小銃等につきましては、これは部隊の基本的な武器であるというようなことで、十八万人に見合いました、定数に基づいてこの一〇〇%の充足を目ざしてやっております。 それから被服類とか、簡単に市場で調達できるようなもの、こういったものにつきましては、実際の充員率を加味した査定をいたしております。したがいまして、そのものによりましてかなり方針が違うということであろうかと思います。
○鶴園哲夫君 そうしますと、私は、装備については、個人携帯の武器であれば、これは一〇〇%という形で組んでいる。九千名の師団であれば、小銃は八千一百丁あるのだ、拳銃であれば八百十丁あるのだ、あるいはその他のいろいろな機関銃あるいはロケット発射台、無反動砲、迫撃砲、こういうふうなものも師団としての武装としてととのえておる、こういうふうに言っていいわけですね。
○説明員(矢澤富太郎君) 装備の充足率の詳細については、また防衛庁のほうから御説明いただきたいと思いますが、やはり火器等につきましては、充足率を高めるというような方向で進んでおります。
○鶴園哲夫君 それじゃ、防衛庁。
○政府委員(久保卓也君) 装備の定数とそれから定員との関連で申し上げたいと思うのですけれども、特に陸上自衛隊についてでありまするけれども、主要装備、私ども甲類とも申しておりますけれども、たとえば火砲でありまするとか、戦車でありまするとか、そういったものが主要装備あるいは甲類ということになりますが、そういったものは、部隊の定数について考えてみました場合に一〇〇%にすることが私どものほうの基本的な考え方であります。現実に一〇〇%持っているかどうかは別としまして、たてまえとしては、欠員があっても部隊の装備は一〇〇%にいたしたい。先ほど小銃は個人装備であるということでしたが、もちろん個人装備でもあり、またその部隊としては個人の集合体として部隊の装備にもなりまするが、いずれにせよ、そういったものを含めまして、主要装備は一〇〇%を充足したい。しかしながら、現実に一〇〇%になってないものもままございます。ところで、特定の装備でもって一〇〇%になってなくても、古い装備でもって代用し得るというものもございます。そういうものを含めて一〇〇%にしたい。しかしながら、古いもので代替いたしましてもなおかつ一〇〇%になってないものもあります。それは、たとえば一番代表的なものは戦車でありまするけれども、定数が千百両に対しまして約六〇%程度の充足である。それから百六ミリの無反動砲はこれは九二%の充足であるといったようなもの。あるいは大型雪上車が七〇%ぐらいの充足率である。こういったものもございます。 したがいまして、われわれのほうの全体的な考え方としましては、一〇〇%装備を充足しておきますのは、いざという場合には調達に長期間を要しまするそういった主要装備をあらかじめ準備をしておきたい。そうして人を集めたい。しかしながら、いま主計官も申しましたように、たとえばトラック類であるとか一般の車両などは緊急に調達することが可能である。こういったものはそのときの予算情勢、人員の充足状況等々を勘案しながら充足してまいるということであります。 そこで、配員の面でありますが、主要装備が一〇〇%ありましても人員が一〇〇%になっておらないわけでありまするから、これはその分が余剰になる場合もあります。余剰と申しますか、リザーブしておく場合があります。ただ、主要な装備である戦車などにつきましては、六〇%の充足と申しましたが、現実に戦車の部隊はおしなべて大体七〇%ぐらいの充足に、人員のほうはなっております。そういうような装備及び定員との関係を基本的な方針としております。
○鶴園哲夫君 この尉がたいへん欠員が生じているのはどういうことになるんですか。九四%の充足率。それから佐のほうですね、これが九四%の充足率というのはどういうことですか。
○政府委員(高瀬忠雄君) いま尉官のクラス、それから佐のクラスの欠員が多いというお話でございましたが、幹部全体の充足率は九三%でございまして、全体として、尉も含めまして、あるいは佐も含めましてまあ九三%というのは通常の充足率じゃないかと思うのですが、特に、そういうようなことで、ここは充足率が低いというふうには考えておりません。
○鶴園哲夫君 九三%。行政組織からいうと九三%というのは大穴があいているという形になるんだけれども、たいへんたくさんな人員を持っていらっしゃるから、六%や七%欠員があってもたいしたことないという感じかもしれませんですけれどもね。まあ欠員があるのはなれっこになっているという感じもするんですけれども、しかし七%、六%の欠員というのはたいへんですよ。これは一般の行政組織からいったら、目玉から火が出るほどたいへんです。ですが、たいへんおおような話です。 そこで、全体として欠員がこの五年の間に一万四千名から二万六千名という欠員になったわけですが、大体二倍欠員になっておる。たいへんな欠員になったわけですが、問題は、先ほど申し上げましたように士のところが非常に足りない。これが八四%から七四%というふうに一〇%ダウンしている。大幅なダウンですよ。一般の行政組織の概念からいいますと、とてつもないダウンです。これは一体どうなるんだという感じを受けるわけですけれども、しかし一〇%がダウンした。さらにこの中身を見ますというと、士長のところは、四十三年に八六%の充足率、そして四十八年に八三%の充足率。まあ下がったといいましても八六から八三ですから、士長のところは自衛隊の考え方からいいましても驚くほどじゃない。一般の行政組織からいうとたいへんですけれども。八六から八三と。それから士のところは、一士から三士——三士のほうは三けたですから少ない数字ですけれども、いずれにしましても一士、二士というところですね、これが八五%から六八%にダウンした。ほぼ二〇%近くダウンしている。これは一体どういうことなのか。士長はこういう状況ですが、士長を除いた一士、二士というところが六八というふうにダウンしているわけです。半分よりちょっと多いというようなところへ来ていますね。どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(高瀬忠雄君) ちょっと先生のおっしゃっている、先生の持っている数字が違うのでございますが、確かに士のクラスの充足率は低うございます。士長が七九%、それから一士、二士、これは三士も含めてでありますが七一%、士の合計が七四%という充足率、これは六月三十日現在の数字でございますが、士合計七四%ということでございます。これは士のクラスの充足率が低いというのは、全体としては八五%の充足でございまして、それで、幹部それから曹が充足しておりまして、先ほどから御議論ありましたように、採用する士のクラスの、二士の採用が非常にむずかしゅうございまして、その部分における採用が八六%程度採るということでございますので、それでどうしても士のクラスのところが全体としては充足率が低くなる、かようになるわけでございます。
○鶴園哲夫君 いま申し上げましたように、士全体として七四%と下がった、八四%から五年の間に一〇%ダウンした。さらにその中身を見ると、士長のほうはそう下がってはいない。しかし、一士、二士のところは六八%というふうな、五年前に比べますと約二〇%近く、たいへんなダウンをしている、こういう状態になっているわけですね。 そこで、次にお尋ねをしたいのは、曹のところは若干増加しているわけですね。曹のところは充足率も若干五年前と比べますと増加している。そこで五年前は、四十三年当時は、曹と士と比べた場合に、下士官と比べた場合に、兵のほうが一万四千人ほど多かった。ところが、いまになりますと、四十八年になりますと、逆転しまして、曹のほうが多くて、下士官のほうが多くて兵隊のほうが少ない、約六千名少ないという状態になりましたですね。五年前は一万四千名ほど兵のほうが多かった。しかし、今日の事態になってみるというと、下士官と兵が逆転しちゃって、兵のほうが六千名少ないという状態になりましたですね。これは異常な状態じゃないんでしょうかね。これで、一体こんなふうに変わったことについて——これはどうにもならぬぐらい変わっちゃったですね。曹のほうが多いでしょう。曹のほうが六千名多いですよ、下士官のほうが多いということですよ。
○政府委員(高瀬忠雄君) 確かに五年前と現在では曹の階級の定員がふえておることは事実でございます。というのは、御承知のように最近における科学技術の進歩、それで長期間の勤務が必要だということで、曹の階級の定員をふやしてきていることは事実でございまして、四十八年度の定員で比べますと、曹の定数が十万九千名に対しまして、士は約十一万名、これは定員で申しますと、わずかでございますが士のほうが定員が多くなっている。ただ、実際の人員でいきますと、先ほど申し上げましたように、この募集の関係で、定年管理をされている曹以上の幹部曹はほぼ充員されているにもかかわらず、士クラスの充足が困難だということで、実員からいきますと、ただいま御指摘のように定員上は士が多うございますが、実員ではいまのような状況になっているというのが現状でございます。
○鶴園哲夫君 おたくでいただきました資料で計算をしてもらったのですけれども、それで見ますというと、これはもともと五年前は実在員として曹のほうが一万四千人、要するに下士官のほうが一万四千人少なかったのだが、五年たってみたら下士官よりも士のほうが、兵隊さんのほうが逆に六千名少ないというたいへんな逆転をしたわけですね。ものすごい逆転ですよ、これ。これで一体陸上自衛隊というのはどうなるんだろうという感じがするのですがね。 そこで、自衛隊の十三個師団の中についてやってみますというと——これは久保局長に聞いたほうがいい。こういうふうになったときに、部隊の編成というのは一体どういうふうになるんですか。私がちょっと詳しく伺ってもいいんだけれども、まず局長の答弁をいただきます。
○政府委員(久保卓也君) 現在員が約十五万四千人でありますが、これを若干部隊の種類に分けてまず概観をしてみますると、戦闘部隊、これは十三個師団を含め、たとえば戦車とか特科の、特別の部隊もありますが、そういうものを含めまして曹と士を比べますると、陸曹が、曹のクラスが約四万七千八百人、それに対して士が四万五千八百人で、ほぼとんとんというぐらいの数字になっています。それから戦闘支援部隊——これは施設その他通信関係、そういうような部隊でありますが、この場合は、曹が士の約倍ぐらいでありまして、六千六百人に対して士のほうは三千二百人ぐらい。それから司令部関係その他、行政支援と申しておりますが、そういった部隊は、これは圧倒的に曹のほうが多いわけで、これは司令部等の性格によるわけですけれども、曹のクラスが約二千三百人で士が七百人ばかり。それから教育部隊、これも事柄の性格上曹が多くて、五千五百人ぐらいに対して士が二千七百人と、大体こういうような姿になっております。したがいまして、戦闘部隊の中で、おっしゃいました曹が多過ぎるではないかというような問題もないではございません。 ただし、これは全般的な傾向として、いま人事教育局長も申しましたように、新しい兵器がどんどん入ってくるということもありまして、技能の高い人を要求するという分野がございます。また他面、本来自衛官の優遇という面もありまして、これは歴史的な経緯もありまするから、最初から曹がたくさん採れない、幹部がたくさん採れるというものではありません。毎年少しずつふえてまいるわけでありますが、そういうことの優遇というような意味も加味をいたしまして、曹の人員がふえてくる。片方で、募集が非常に困難であるということのしわ寄せが士にいくというような態勢になっております。
○鶴園哲夫君 もう少し具体的に伺いますと、十三個師団の中の九千名の師団ですね、これをとりますと、普通科連隊が四個連隊。これは中核は小銃部隊だと思うのですけれども、四個連隊。さらにそのほかに本部管理中隊というのがありますね。それに今度は中隊になりますと、中隊本部があって、小銃小隊が四個小隊、それに迫撃砲小隊に無反動砲小隊。それから中心が小銃小隊の四個小隊になるのでしょう。で今度は小銃小隊をとりますと、これは小隊本部というのがある。そこに班として三個班の班がある。班長は二曹、十一名で構成される、こういうようになるわけです。そこで、連隊は一体どの程度の充足率になるのですか。いま私があげました普通科連隊の充足率はどれだけになるのですか。
○政府委員(久保卓也君) この部隊ごとの充足率は、なかなか計算といいますか、調査しておりませんが、ある一つの連隊、これは山口にある連隊でありますが、この例で見ますると、普通科連隊としましては六七%の充足、連隊全体としては六七%の充足、それから普通科中隊だけをとってみますると六五%の充足。それから重追撃砲中隊というのがありますが、これが六九%の充足。それから小銃小隊をとってみますると、これは一個班の定数は十一名でありまするけれども、編成上現実の充足としては一個班の十一名について七名ずつ。それから小銃小隊の小隊本部についても、五名のところ一名の欠員、つまり四名の充足というふうになっております。しかしながら、小銃小隊をいま申し上げましたが、この普通科中隊の中の迫撃砲小隊、無反動砲小隊は、これは装備のありまする定数に一ぱい人をつけておりますので、大体充員されているようであります。
○鶴園哲夫君 小銃小隊——まあ連隊全体としては、普通科連隊でいうと六七%の充足だ。これはいろいろなところにとられるから、結局これだけの数になるのだと思うのですね。教育にとられたり、師団司令部にとられたり、いろいろするから六七%の充足率。さらに中隊になると六五%になる。連隊の中核をなす小銃小隊になるというとこれは六五%ですか、六十何%ですかの充足率と、またこれは下がらざるを得ないですね。小隊になるほど下がってこざるを得ないというふうに思うのです、上へ上へとられますからね。管理中隊にとられるでしょうし、連隊本部にもとられるでしょうしね。ですから、実際の部隊になってくるというと、実動部隊になってくるというと、だんだん実数が減るということになると思うのですね。それで、この小銃小隊の中の小銃班というやつ、昔では分隊みたいなものでしょうね、分隊。これは曹が三名ですね。班長が二曹で、曹が三名。そしてあと陸士が、士が八人、十一人で小銃分隊を形成をしていると、こうなりますね、形式の上では。これは一体どうなるんですか。
○政府委員(久保卓也君) 言われまするように、小銃小隊の場合の一個班は曹が三名、士が八名、合計十一名であります。 ところで、それについては、現在普通科連隊とも班を七名の班に充足上はいたしております。そこで、その七名のうちで曹が何人、士が何人であるかというのは実はつかんでおりません。これはどこか特定の部隊を調べればわかるわけでありますが、平均的にどうなっているかということはちょっと陸幕のほうでもわかっておりません。したがいまして、おそらく、推定いたしますれば、七名であれば、曹が二名の場合に士が五名になるか、あるいはかりに、曹が三名になることはまさかないと思いますけれども、三名であれば士が四名になる。大体二対五ぐらいのどころが平均的ではなかろうかというふうに推測をいたします。
○鶴園哲夫君 いや、防衛局長が最も大切な戦闘の単位である班の情勢がわからないというのは、これはちょっと解せないですね。自衛隊というのは相当なところですね。戦闘単位でしょう、班が。そこのところがどうもあいまいだというのは私には解せない。で、衆議院では、衆議院の議事録によりますと、久保局長は、小銃班というのは最低十一名が限度だと、こういう発言をしていらっしゃいますよ。永末君が質問したことに対しまして、久保局長は言っておられます。十一名が最低の班だと、最低の人員だということを言っていらっしゃいます。持ってきてもいいですけどね。そこで、これはあとほど伺いますけれども、十一人と。班というのは曹が、二曹を長にして、班長にして曹は三人、陸士が八人、そこで十一人で構成をしているということなんですが、私が言っているのは、先ほどから言っているのは、曹はあの欠員の状態からいえば三名にならないでしょう。二名ちょっとでしょう。陸士は、士のほうはこれは曹より少ないんですから、曹よりも少ない、逆転しちゃっているんですから、ですから、曹が二・五人ぐらいだったら、士のほうは二名しかいないでしょう。あの欠員の状況からいえば二名しかいないでしょう。こういう私は推定をしているわけなんです。しかも連隊全体としては、陸上自衛隊としては八五%の充足率であるけれども、連隊としては六七%しか充足率はありませんということになるというと、この小銃の班というところ、戦闘部隊の単位である班というところは、これはもうとんでもない話になるんじゃないか。それじゃ二個班を——一個班じゃなくて、二個班を一つにして一個班を形成するということになった場合どうなるのかということも考えられますし、その例も衆議院で答弁なさっている。その場合、やっぱり問題は、曹よりも士が少ない、大幅に少ないという点を念頭に置いてこの構成を見ないというと私はいけないと思うのですよ。私の見るところでは、いまおっしゃったように最低が十一名、曹は三人しかいないんだ、曹は三人なんかいっこない、これはもっと減る、二・ちょっぴりだ、二・五ぐらいしかない。二・五人しかいない。それよりも士は少ないんだから、士は二人いないじゃないか。曹よりも士が少ないんですね。そうすると、これはどんなふうなことになっておるんだ。ですから、小銃小隊の構成というのは一体どうなっておるのかという点をはっきりしてもらわなければ、陸上自衛隊の実態というのはわからないと私は思うのです。もちろん、これは二万六千名という定員が足りないんですから、定員が足りないんだから、三個師団分に当なるから、十三個師団じゃなくて、三個師団を減らして十個師団でやるということであれば、この想定に合う。しかし、そうじゃなくて、十三個師団というものをとっていらっしゃるならば、私はこのところの説明をしてもらわなければ納得いかないし、わからない。率直に言ってわからないということですね。
○政府委員(久保卓也君) 陸の場合に、曹の実数、現員が約六万九千、それから士の現員が六万三千、士が若干少ない程度というのが総体であります。しかし、その数字の比率をどのような部隊にも適用するのは実態と違うのでありまして、かりに曹、士の定員がそれぞれいろいろな各種の機関、部隊できまっておりましても、その性格によって士のほうをあけて曹を厚くするような配慮も当然しなければなりません。それは司令部関係、広報関係、そういったところ、それから教育機関の学校等。ところが、戦闘部隊などにつきましては、なるべく戦闘部隊の中でも単純な、比較的装備の単純な小銃小隊などについては、士を多く配員をするということを当然考えるわけでありまして、したがって、先ほど私が言いましたように、小銃小隊一個班十一名ということを言いましたが、これは定数十一名であって、現実には実員の配備としては七名しかないということを申しました。したがって、七名の中で曹がおそらく二名ぐらいでありましょうから、残りの五名が土になる。そこで士をたくさん食っておれば、当然ほかの部隊あるいはほかの機関等では士の配員が少なくなるわけでありますから、そうすると、相対的には曹の配員のほうが多くなる。ちなみに、小銃小隊全体をとってみた場合の、これは陸幕の一応の計算でありますが、小銃小隊をとりますると、幹部の定員が四名のところ現在員が三名、それから曹は四十名のところ二十名、士は百八名の定員のところ五十五名と、大体曹に対して士が二・五倍ぐらいというかっこうになっておるのがほぼ実態のようであります。
○鶴園哲夫君 局長、いま普通科中隊の例を言われたわけですね。
○政府委員(久保卓也君) はい。
○鶴園哲夫君 もう一ぺん、申しわけないですが、数をゆっくり言っていただけませんか。普通科中隊でしょう。
○政府委員(久保卓也君) はい、普通科中隊で、いま申し上げたのは小銃小隊のことを申し上げたのです。 小銃小隊の班は御承知のように十一名。これは定数としてきめられておるわけですけれども、現実の配員は七名であります。これは大体どこでも七名であります。その中での曹と士の配分は実ははっきりわかっておりません。私のほうでも、陸幕でも実はつかんでおりませんので、ここでお答えできかねるわけですが、しかし大体曹が二名で士が五名であろう。合計七名。ところで、小銃小隊全体をとってみますると、陸幕の一応の計算でありまするけれども、幹部が四名の定員のところ配員が三名、実員が三名、それから曹のところは定員が四十人のところが実員は二十名、それから士が定員百八名のところ実員が五十五名、したがいまして、曹と士の割合は、士がほぼ曹の二・五倍ぐらいの見当であるということを申しました。
○鶴園哲夫君 いま、小銃小隊で幹部のところが四人のところが三人と、曹が四十が二十と、それから士が百八人のところが五十五というお話ですね。そうしますと、士は半分ですよね、これちょうど。それから曹もちょうど半分ですね。これで小隊を構成されるんですか。ですから私は、おたくが最初から言っておられるように、武装定員ですという、編成定員ですと、こういうことをがんこに主張されるわけですね。しかし、中身に入ってみますと、とんでもないじゃないか。つまり、小銃小隊でいえば、これは幹部は四名なんですと、それからあとの曹は四十名ですよと、それから士は百八名ですよと、この武装定員、この編成定員ですよと、一文もまかりならぬと、こういう主張をされるわけでしょう。そして、実際になってみると半分ですよ。それで中隊動けるんなら、小隊動けるんなら、それでお考えになったらどうですか。それをかっこうだけつくって中身は何にもないから、私はこまかく分析してみたわけです。しかも、いまおっしゃったように、最もいま戦闘の中心をなす単位である班の構成がよくわからない。班の構成がわからないで全体の構成というものがわかるわけがないですよ。おそらく二名だろう、曹が二名で士が五名だろうというお話ですね。しかも、これはどこかの連隊の例である、だからその他のことはよくわからないというお話なんですが、これは師団によってみんな違うんですよ。
○政府委員(久保卓也君) 小銃小隊について見ますると——その前に普通科の中隊をとってみますと、普通科の中隊については小銃小隊を四つほしいというのが一つのたてまえになるわけでございます。
○鶴園哲夫君 たてまえじゃないですよ。たてまえじゃなくて、それが編成定員でしょう。
○政府委員(久保卓也君) そうですね。つまり普通科中隊一つについて四つの小隊があることが戦闘力を発揮する上では最も好ましい、そこでそれを編成定数とするわけでございます。そこで、今度は四個小隊の中の一個小隊については四個班あることが望ましい、その一個班についてはそれぞれ十一人であることが望ましい、それが班として最も効率をあげ、かつまた小隊としては四つの班があることが最も戦闘——失礼しました。三個班ですか、三個班あることが望ましいということで、それを編成定員とするということであります。ところが、現実には充員がなかなかできませんので、本部要員を減らしましたり、あるいはいまの班でいえば十一人あることが望ましいのに充員そのものは七名で済ます、したがって、有事の場合の戦闘力として使う場合には七名で戦闘力を発揮しようとするのではなくて、十一名に復元をして戦闘能力を発揮しなければ十分ではない、そういう考え方であります。ですから、有事の際に使用し得る編成装備、それが編成定員であり編成装備であるというのがわれわれの考え方でありまして、そういったあるべき姿に対して現実にどの程度充足できているか、その充足している度合いというものが平素の訓練もできないということでは、これはもともともうしようがない数字になってしまいますけれども、いまのような一個班が七名程度であれば、どうにか訓練はかっこうがついていくという程度のものである、そういう認識のものであります。
○鶴園哲夫君 そういう程度のものだそうですから、なかなかおおらかな話です。どうも私は解せないですね。編成定員だと、こう言っておいて、しかし、それはまあ言うなら理想定員といいますか、理想定員みたいな印象を与えている。それで中を見ますというと、何か四個小隊、小銃小隊というのは四つなければならぬのだけれども、四つはできませんですね、二つとちょっとしかできない。六五%の充足率ですよ。これは管理中隊にがばっと持っていかれるでしょうし、それから連隊本部にも持っていかれるでしょうし、ますます足らなくなってくる。とても、半数ぐらいのものになりはしませんですか、小銃小隊のところは。だから、そういう何が何でも——いや、そこでちょっと伺いたいんだけれども、有事の何とかのときにはがばっと集めるような話でしたが、どこからお集めになるんですか、徴兵ですか。
○政府委員(久保卓也君) 徴兵制はとらないことは政府はたびたび申しておりますから、そういうことではありません。ただ、警察予備隊が発足しましたときには六万円で七万五千人が募集できたわけでありまして、もし、治安出動はともかくとして、防衛出動のような場合には、やはりいわゆる十八万体制ということが望ましいでありましょうから、人員についてもそれだけの充足をしたいということで、そのために、たとえばいろいろな各種の手当の問題、そういうことでもありましょうし、また国民が日本の自衛のために立ち上がるということは私どもとしては当然予想し得る。あるアンケートでありましたが、有事の場合に、日本に対して侵略があった場合に自衛隊とともに戦うかという一つの項目がありましたが、それに対して一〇%前後の数字があったように記憶いたします。これは日本の人口の割合からいえば非常に大きなものでありまして、私はやはり日本人のそういった気持ちに期待するところも多分にあるのではなかろうか、こういうふうに思います。
○鶴園哲夫君 どうも私はこういう編成というのはめちゃくちゃのような感じがしますね。実際示してもらえませんか。私の手元にこういう資料が来ているわけですよ、ぴしゃっとなっているわけですね。実際はどうなっているか全然わからないわけです。いま説明をいただきますと、小銃小隊というか小銃班というのは、小隊の中に三個班小銃班というのはいるのだ。しかし、三個班というのはこうなっておる、こういう数字ですね、具体的に示してもらえないですかね。そうでないと論議にならないんですね。お話もどうもどこかの連隊の話のようですし、あるいは幕僚長がどこか行った数字でお話をしていらっしゃるようですし、私のは大体いままでの局長答弁なり衆議院における永末君に対する答弁等から推察しますと、連隊というのは大体六五%くらいしか充足していない、自衛隊全体としては八五%だけれども、これが連隊になると六五%くらいになる。これは私も理解できます。しかし、連隊にしても一さて、連隊になった場合には、連隊には管理中隊というものがありますよ。その管理中隊なり連隊本部というのはある程度きちっとしなければだめですよ。そこに兵隊をとられますよ。ですから中隊はまた定員があきますよ、少なくなりますよ。おっしゃるように六七か六五に下がる。さて、それじゃ小隊はどうなるかといえば小隊はもっと下がるでしょう、下がらざるを得ないでしょう。そうなった場合に、おっしゃるように班というものの編成はどうなるでしょうか。だから三個小隊ではなくて二個小隊になっておるのか。それから小銃小隊は三個班になっておるのだが、小銃小隊のワクは一個班しかないのか。私、そういうふうに、九千名の師団はこうなっております、七千名の師団はこうなっておりますという現状を明らかにしたものを出してもらえませんか。そのところから定員の問題を考えましょう。そうでないとわからないんですよ。武装定員というか、初めから何といいますか武装定員という形で言っておられるわけですから、実際はどうなっておるのか。ここのところは、九千名の師団の場合はこうなっております、七千名の師団の場合はこうなっておりますということを明らかにしてもらいたい。そうでなければ話は進まないですよ。先ほど久保局長は、小銃小隊は四個班だというようなことを言われて、あとから訂正されて三個班だと言われたのですが、ちょっとはっきりした数字を出してもらえませんでしょうか、九千名はこうだという。
○政府委員(久保卓也君) なるべくわかりいいような資料をつくって御説明を申し上げたいと思います。 なお、いまの小銃班だけここに資料がありますので申し述べますと、小銃小隊は四個小隊であります。一個小隊は三個班でありますが、その持ち方は二通りましまして、十一名の定員のところ七名しか配員がありませんので、各小隊が三個小隊三個班の場合と、先ほど申し上げましたように普通科中隊を四個小隊と申しましたが、三個班で三個小隊の場合、それからもとの編成定員と同じ四個小隊にするけれども実際の班員は二個班しかない、本来三個班のところ二個班しかない、繰り返していえば、四個小隊三個班というのが編成定数でありまするけれども、人員が少ないので、現実の部隊をつくっておりまするのは、場合によって三個小隊の三個班の場合と四個小隊の二個班の場合と、これは訓練に応じてやる場合もございますが、その部隊部隊の固有の班員その他によって違っているようであります。
○鶴園哲夫君 私言うのは何だといえば、やはりこういうことでは定数の問題についての論議もできないし、それから十八万体制という昔々の池田・ロバートソン協定みたいなものに基づいて何かそれがまかり通るという形でこうきておりますですね。何かそれが編成定員の至上命令みたいになってまかり通っている。かっこうだけは十八万体制に向かってここ十数年の間努力しておられる。しかし、中身はということになりますと、まあ下士官と兵隊が逆転してしまっている。逆転もちょっとじゃないですよ、六千名という逆転です。逆転している。そして二個小隊——小隊も何かかたがたになっているというような感じを非常に強く受けるのですよ。それで一朝有事というようなお話をお使いになりますが、平常の場合だってしっかりしてくれないと、平常の場合しっかりしなければ練習も何もできないでしょう。連隊と連隊との演習ができるのですか。私は練習ができなければ連隊の演習そのものもできないじゃないかというふうに思いますですよ。そんな訓練しているところに、一朝有事の場合何とかいってお集めになるというようなお話ですけれども、そんなものが使いものになりますか。絶対私は問題にならぬと思うのです。それは、もともと十八万というものをあまりにも固定をされるからいけないんです。虚構じゃありませんですか。そこのところをお考えになったらどうなんでしょう。何も昔々の二十八年の、二十年前の十八万人体制というもので何でもかんでもやらやければならないと。そのために定数をどんどんどんどんふやしているわけです。しかしながら、中身はさっぱりどうにもならない。りっぱな編成定数はここにお示しいただいたけれども、中身がはっきりしない。少なくとも私どもは、こういう部隊編成になっているということが審議できるような資料を出してもらわなければ、これは部隊の、武力を持っている部隊の審議にはなりませんですよ。私はそう思っておりますがね。それをお出しになってから審議しましょう。
○政府委員(久保卓也君) 特に陸上自衛隊の場合に、部隊が非常にたくさんありますので、なかなかうまく整理できるかどうかわかりませんが、御審議に役に立つような資料を勉強しまして御提出するようにしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) これはまだ全然結論も方向も得ておりませんが、私も就任以来、こまかに議論をし合うのが好きでありまして、そういうこまかな問題を突き詰めてまいりますと、たとえば先般北海道で演習の際に一人、空包を持って、銃と銃剣を持っていなくなったのがおりました。この際、まああとで山中を彷徨していて、出てきて、幸いにして本人も無事、武器も本人の言ったところに置いてありましたから、他人にもちろん被害を与えるという重大な、あってはならないことが起こらなくて幸いであったんですけれども、その際私が疑問に思ったことは、一体班長が掌握する最低の、最小の単位の人数を、いかに原野を展開前進する間といっても、わずか十名以内の者を掌握できないのか、自分の視野の中にとらえながら指揮していけないのかということが最初に感じた疑問でありました。 その前に、まあ陸上に限って申しますと、編成定員の十八万というもの、ここ当分非常な努力はしてまいりますが、いろいろな客観的な情勢から見て完全充足は相当先のことであるという状態の中で、編成定員だけの形をいつまでも、それだけでもって体制と言っていいのか。すなわち、それは十八万はわが国が備えていなければならない限度における、許容される限度内の編成であって、正常な普通の状態においては、すなわち普通に練度を高めるための演習を行ない、あるいはまた突発的に何かが起こった場合に、それに瞬間的に対応できる力、すなわち保有する現有勢力というものの定数というものを、十五万幾らならば十五万幾らというものを、そこらに目標を設定したものを、いわゆる実際に直ちに動き得る可能な定員というものを、別途内ワクのものを持ったらどうだというようなことを私の意見として、これは就任後一カ月以内であったと思いますが、そういうことを申しまして、事務当局もこれを、幕も含めて一笑に付してはおりません。きわめてむずかしい問題ではありますけれども、現状から見てそのような考え方も、私、なまじしろうとでありますから、かえってそういう疑問が出たのでありますが、決してむちゃな議論とは思いませんので、そのようなことが可能なものなどうか、検討をしてみましょうということで、その後まだ具体的な前進を見てはおりませんが、鶴園委員が御指摘の問題は、私自身もそのとおりしろうとながら考えて、何かそれに対応する手段をとらないと、先ほど申しました演習中にわずか数名といっていいものを率いる責任者が、演習の途中で掌握しておるべき十名以内の人間の一人を見失ってしまう、掌握していない。それははたして演習の練習を積むために、そういうことが起こり得ていいのかどうかという、指揮官の、下級指揮官の問題もありますが、そういうような編成の問題等も確かに疑問がありますし、この問題はこれはどうするということは申しませんが、ただいまの御議論は私自身も考えているし、検討を加えてみるに値する問題であるということだけを申し述べさせていただきます。
○鶴園哲夫君 いま大臣のお話のように、いま久保局長は、小銃班というのは七名ですよ。曹は二名おるわけですよ。そして士が五名おるんですよ。その二名の曹が五名のその士を統轄できないというのですね。これはもうたいへんだと思うんですね。しかも私はこの十五万名というのを、陸上自衛隊十五万というのを、いまの現員ですね。これを四十年代からいままで見て、ふえてない、減る、若干減っている、それだけではなくて、これから適齢人口というのはずっと減っていく、いままで上がり坂であったのがずっと減っていくという中で、私は十五万名というものを維持することはたいへん困難だ、困難じゃなくてできない、これは。むしろ減るというふうに見たほうが妥当だというふうに思うんですね。その場合に、この十八万名体制体制とおっしゃるけれども、中の、われわれが国会の中で武装集団を審議する場合に、中身がはっきりしないというようなことではこれは審議できないですよ。最も国会がシビリアンコントロールできちっとやりたいと思う。思うけれども、班の構成がよくわからない、小隊なんかの話がよくわからない、ここにもらっておるのは単なる紙きれにすぎないということではどうにもならない。しかし、いま久保局長がお話がありましたので、そこでそういうことでひとつ進めていきたいというふうに思います。 もう一つ、士の年齢は、先ほど私が申し上げましたように、士長から一士、二士——三士はもう非常に少ないですから、一士、二士、士長、この平均年齢は二十一歳だ、二曹は、班長三十七・七歳、これはもう私どもの常識では考えられないですね。班を指揮して陣頭に立っている班長が三十七・七歳という年齢ですけれども、これはもう年齢的にも非常な断層がある。その班が二十一歳の、この二十一歳足らずの士長、それから一士、二士というところをこれが訓練をし、一体となって動けるという私は体制にないと思うのですよ。班の中身を見てみて、年齢構成から見てみて、教育の形から見てみた場合に、越えられない断層がある。これは体力的にもどうにもならぬじゃないか、三十八歳の班長と。まだ昔で言えば、これは二十五、六の軍曹でしょう、二十七か二十六ぐらいの軍曹でしょう。それが三十七、八歳という分隊長と二十一歳という、これはどうも日ごろの感情から完全に断層がある、体力からいっても絶対に断層がある。そういう中で、この十八万部隊というんですか、十三個師団というのは、一体どんな形をしているのだろう、どういうようなことをしているのだろうという非常に大きな疑問を持つわけですよ。いまの班長、二曹三十七・七歳というものと班員の二十一歳という観点について、どうお考えになっていらっしゃるか伺いたい。
○政府委員(高瀬忠雄君) 確かに二曹の平均年齢は三十七・七歳でございますが、全陸曹のポストのうちで、ただいま先生が述べられました第一線で二十一歳の若い隊員に号令かけて引っぱっていくというポストも確かになければなりませんが、そのほかに、そこのポストは、武器、備品の整備とか、そういったものの運用、補給、それから教育といった、年齢にかかわらず豊富な経験とか、あるいは高度の技術、そういったものを駆使して働く分野が多うございまして、平均年齢は確かに三十七・七歳でございますが、私のところで、実際にいま御指摘の第一線に立ちまして若い隊員を先頭に立って引っぱっていくというようなポストは全体で、曹の中でどの程度であろうかということを検討をしましたところ、約一五%であるということでございまして、しからばその一五%に当たるこの曹との関連で曹の年齢を見てみますと、二十五歳以下の曹が一五%、それから三十歳以下で三二%という年齢的な構成を示しておりまして、概括的に申しまして、若い隊員と曹との訓練上における相対的な数から申しまして、そういった支障はないというふうに私どもは考えております。年齢構成からいきまして、若い隊員と一緒にやっていける若い曹も相当おるということが言えると思います。
○鶴園哲夫君 陸の場合も、それから海の場合も、空の場合もそうなんですけれども、曹のところがどんどん年齢が高まってきているわけですよね。これは先ほどおっしゃったような優遇措置とかなんとかということに理由するのだろうと思うのですけれども、四十三年と四十八年と比べてみるというと、それぞれ二歳ずつ高まっているわけですよ。これから、先ほどのようなお話になりますと、ますます曹のところの年齢というものも高まっていかざるを得ないです。ですから、私は、だんだんだんだん曹の年齢というのは高まってきていると、五年の間に二歳も高まっていますね。ですから、こういうことは国家公務員の行政組織でいきますと非常な問題ですよ、二歳も高まってくるということはですね。これがますます私は高まってくるのじゃないか、曹の年齢というのがですね。そうして士のところは、これは何と言ったって平均年齢二十歳、二十一歳ですよ。それはどういうことをおっしゃっても、三十八歳に達する、これは班長ですよ。部隊というのは班が単位でしょう。その班のところがそういう状態になってるんだから、これはたいへんな問題じゃないかと思う。異常な状態じゃないかと思う。訓練の上からいっても、精神的なつながりの面からいっても異常な事態だ。そこへもってきて、三万名採るけれども、途中から一万五千名ぐらいぼかっぼかっといなくなっちまう。そうして師団の編成というのは、何だかごちゃごちゃごちゃになって、二個班しかないとか、三個中隊しかないとか、ごちゃごちゃなっていると、そういった体制で一体どうなんだ、いまの自衛隊というのは一体どうなっているのだという私は非常に大きな疑問を持ちますよ。もっと実力部隊のところの具体的な数字を出してもらって——局長はお出しになるということだから、今度は教育局長のところももう少し具体的に出してもらいたい。そうでなければ、武装集団を審議するのにどうにもならない。どうも私は理解がつかないですね、教育局長のいまの話は。じゃ、わかりますか、その班長のところの平均年齢がどうなっているということが。二曹のところの平均年齢は。平均年齢はここにありますように三十七・七歳です。それが士との関係で、精神的な面で、日常生活の面で、訓練の面でどうなっているのだということですね。常識で言えばどうなんですか。おたくのほうの常識で言えば、それは士というのは平均年齢二十一歳だと。そうすれば、その班長としての立場というのは二十五、六歳というところがいいんじゃないでしょうか。もっと若くてもいいですね、昔はそうだったですね。われわれの経験ではそうだった。そうでなければ、三十七歳じゃどうにもならない。そこのところをもう少し具体的なものを出していただいて、そして審議をしたいと私は思うのですけれどもね。
○政府委員(高瀬忠雄君) 士の年齢と曹の年齢の問題でございますが、確かに第一線で若い隊員を引っぱっていくというそういう分野も相当ありまして、そういう分野ではこれは若い曹でなければいかぬと思います。それは確かに、たとえば普通科中隊とか野戦特科とか、あるいは戦車中隊というようなところで、若い隊員と一緒にそういった戦車を動かし、あるいは特科で大砲を撃ち、あるいは兵隊と一緒に匍匐前進をしたりするような人は、これは若くなくちゃならぬと思うのですが、曹の仕事の分野というのは、先ほど申しましたように、そればかりじゃございません、そのほかに非常に広い分野がございまして、したがって他の分野におきましては、むしろ経験豊富な、知識の豊富な者のほうが自衛隊にとりましては非常に大事なことでございまして、そういった知識技能を駆使するという必要があるわけです。そのほうの分野のほうが非常に多うございますので、平均年齢は高くなっております。これはそういったことであって、一つの点だけからいいますと、三十七歳というのはおかしいということは言えるかもしれませんが、いま申しましたような事情があります。 と同時に、もう一つは、この一曹の定年というのは五十歳です。二曹が四十五歳、三曹が四十三歳ということでございまして、四十三、四十五あたりで退職させるのは非常に気の毒だということで、いまでは曹の階級の格上げとか、上級の曹の定員増をやりまして、曹をどんどん上に上げているわけです。そうすることは同時に若い曹をつくるということにつながるわけでございますね。ですから、ただいまやっておりますような施策は、先生がいまおっしゃいましたような御心配の一部分にこたえることができるんじゃないかと思うんですが、そういったことで、若い曹も必要、それから熟練の曹も必要。さらに一方では処遇改善といいますか、定年を延ばしてやると、そういった別な面での処遇の改善といいますか、そういった面との関連も考えつつ曹の人事管理、昇進の管理、それから給与の管理、それから定年の管理というようなことをしなくちゃなりませんので、非常にデリケートでございまして、一がいになかなか言えませんけれども、ただ全体の数から申しますと、先ほど申しましたように、二十五歳以下の曹が一五%現在おります。それから三十歳以下の曹が三二%おります。そういった、一つ一つの部隊の分隊長は何歳という計算はしておりませんけれども、そういう数からいきまして、自衛隊全体の訓練、いわゆる先ほど申しましたような歩兵といいますか、普通科の訓練あるいは野戦特科で大砲を撃つとか、あるいは戦車を動かすというようなことには、全体的な点から観望いたしまして支障がないというふうに私は考えております。
○鶴園哲夫君 いや、いま曹の年齢をおっしゃったですけれども、曹を言っているのじゃなくて、班長は二曹でしょう。そうなっておるんですから、班長は二曹でしょう。その二曹の平均年齢というのは三十七・七歳になっていますよ、この五年の間に二歳はふえてますよ。それから三曹は二十九歳になっていますね、三曹のところは二十九歳。あまり断層が——士長の場合は二十二歳ですね。三曹の場合は二十九歳、陸の。海の場合は三つぐらいずつ下がりますね、空の場合も三つぐらい下がっている。三歳ぐらい下がるんですけれども、あまり班長——それじゃ、もう少しそういう点は具体的に、もうちょっと数字を出してもらって、この場だけじゃ、何%どうということだけじゃちょっとわかりませんものですね、これは。どうも私は十八万体制というものはたいへん虚構にすぎない、十八万という体制そのものが虚構にすぎないと。その十八万という体制のために中身が非常にゆがんじまっているんじゃないかと。曹を優遇しなきゃならぬ——曹を優遇しなきゃしようがないですよ。若い者はどんどん抜けますから、抜けるというのか、どんどんやめちまうから、曹のところを優遇する、曹のところはますます年齢が高まっちまうという形になりまして、そうして実在員は十五万しかいない。編成の問題についても、これは全くどうにも説明のつかないような、おかしな形になっちまうというような形になっているように思うんですね。ですから、もう少し十八万体制というものに、昔々の話にいつまでもこだわらないで、もっとすっきりとしたお考えをお持ちになったほうがいいんじゃないかと思うんですね。 まあそろそろ五時になりますから、ここでひとつ——どうしますか、次にちょっと若干入りましょうか。この問題は、それじゃ先ほどお話しになりましたように、久保局長のほうから、この紙っぺらではなくて、本物の実際の部隊の構成というものをきちっとお出しをいただく、これは紙っぺらですから、これじゃこういうふうになっていないですから、全然文になっておりませんわけだし、それから班のところに来た場合に、班が単位、戦闘単位になっているんでしょうから、そこのところの曹と士の間の年齢があまりにも開き過ぎておるじゃないか。これでは士もたいへんいづらいだろうと思いますよ。生活感情の面でも、いろんな感情の面でも、とてもこれは開き過ぎている、部隊の訓練の上でもたいへんだろうという気がしますから、実際どうなっているのか、そこら辺のこともきちっとした数字を出していただいて、ひとつお示しをいただきたい、こういうふうに思います。委員長、よろしゅうございますか。
○政府委員(久保卓也君) 可能な限りのものを整備してみます。
○政府委員(高瀬忠雄君) 年齢構成につきまして、資料を提出いたします。
○鶴園哲夫君 海の場合と、それから空の場合ですけれども、これを簡単に伺っておきたいと思うんですが、海の場合は、これも士がたいへん足らないですね。空の場合は六九%という数字になっていますね、士の充足率というのは。これは、だから空の場合のその形は一体どうなっているだろうというふうに思うんですけれども、海の場合もこれは士は九〇%ですね。空の場合はたいへん少ないですね、これも。だから具体的にお伺いするといいんですけれども、まあきょうのところは陸だけにいたしまして、次の問題にひとつ、少し入らしてもらいたいと思うんですけれどもね、委員長、ちょっと入らしてください。
○委員長(高田浩運君) どうぞ。
○鶴園哲夫君 次に、医科大学の問題についてお伺いをしたいわけなんですよ。それで、医科大学のお伺いをする前に、密接な関係にあります防衛大学ですね、この防衛大学の問題についてちょっとお尋ねをしたいんです。そして医科大学のほうへ進ましてもらいたいと思うんですけれども、防衛大学は、御承知のように、ちょうど二十周年を去年迎えたわけですね。それで二十周年を迎えまして、昨年の十一月に二十周年ということを迎えたわけですが、そこで教育内容について、従来の理科工学系統のコースに、文科学科を新しく四十八年度で設けるということになっているんですね。そして大学院に相当するものを文科系統にも理科系統にも設けるということだったですね。それで、この文科系統というものを新しく設ける、それから大学院に相当するものを設けるという、これは本来は、国立大学でありますと、これは法律事項になるんだと思うんですけれども、まあ防衛大学はこれは国立大学ではないしする関係もあって、これは予算上だけでできることですが、おつくりになるのかどうか、おつくりになっていらっしゃるのか、四十八年度予算で。
○政府委員(大西誠一郎君) 防衛大学校の専攻科に、従来の理工学系統の科目のほかに、人文社会系統の専攻科を昭和四十九年度から開設をすることを予定しています。それから、ただいま御質問がございました大学院については、現在そういう計画はございません。
○鶴園哲夫君 文科系統を一つ新しく新設するわけですね、四十九年から。
○政府委員(大西誠一郎君) 現在防衛大学校の定員は一学年五百三十名でございますが、この基準の定員のワクの中で、従来の理工科学系の専攻に並べて、そちらのほうに配分をする人員を少し減らしまして、新たに二つの系列を設ける、そういう趣旨でございます。
○鶴園哲夫君 五百三十名の人員は変わらない、その中が二つのコースに人を分ける。それは自衛隊の幹部になるんですか、文科系統をやって。
○政府委員(大西誠一郎君) 防衛大学校は、当初、理工学の専攻科目を中心にいたしまして発足をいたしました。これは将来の科学技術の急速な進歩に対処をして、科学的なものの考え方が幹部に必要であるという考え方が中心になっておりますが、そのほかに環境条件といたしまして、一般社会の科学の進歩に必要な人材というものがかなり需給が逼迫をして、防衛大学は、一般の国立大学、その他学校教育法の大学から理工系出身者を採ることはなかなかむずかしいだろうというようなことも考え合わせまして、自体で養成をするということで、理工学を専攻科目の科目として選んだわけであります。もちろんその場合にも、将来部隊を指揮をする幹部自衛官といたしましては、人文あるいは社会科学系統の素養というものも必要でございますが、それは一般教育の課程で埋めるという考え方でスタートをしたわけでございます。ところが、その後内外諸情勢がきわめて変化いたしまして、国防問題が複雑になるということで、やはり幹部自衛官には相当深い政治、経済、社会あるいは国際関係というものについての知識というものも必要であるということで、いろいろ検討をしてまいったわけであります。で、その問題を解決する手段といたしまして、従来の六つの理工学系統の専攻科目に並べまして、二つの人文社会系統の科目を新たに取り入れる。ただし、その場合全体の定員のワクは変えない。具体的に申しますと、五百三十名のうち七十名を人文社会系統の学生として養成をするという考え方でございます。
○鶴園哲夫君 そうしますと、いままで理工学コースというのが六つあって——中身はいろいろありましょう、六つあって、そこで理科工学の研究をやる、同時に、部隊の指揮官としての訓練を受けるということになっておったんだが、今度は文科系統の二つのコースというのを新しくつくる。政治経済とか国際関係とか、そういう二つのものをつくる、それに七十人程度の人をさく。これはやっぱり自衛隊の幹部としての教育をやるわけですね、指揮官としての。だいぶ違ってくるわけですね。理工学系をやったいままでの幹部というものと、それから文科系を出てきた者と、幹部といっても相当違いますね。これはどうなんですか。何かこの系統は、文科系統の二コースというのは、これは精神面の指導をやる幹部になるんですか。やっぱり一線の部隊の幹部になっていくんですか。どうもいまの企画を聞いておりますと、どうも何だか精神教育をやると言うのかな、何と言うのかな、そういうような幹部になるような気がするんですけれどもね。そうじゃないんですか。どういうことになるんですか。
○政府委員(大西誠一郎君) 従来の理工科系の科目を専攻する幹部と、それから今度できます社会科学あるいは人文系統の学科を専攻する科目の出身者は、特に将来の配置について区別することは考えておりません。しかしながら、自衛隊にはいろいろの職域がございまして、どうしても理工科系の素養がないとつとまらない職域もございますけれども、必ずしも理工科系の素養がなければならないということを必要とする職域でないものもございます。で、特に陸上自衛隊におきましては、もちろん一通りの科学技術的な素養が必要ではございますけれども、それにもまして、総合判断力というようなもの、あるいは社会とか経済とか、そういうような問題について学問として大学レベルの教育をおさめた者を適当とする職域もございます。そういうような観点から、二つの出身の幹部自衛官というものをこれから自衛隊に配置をしていくということが適当だろうという判断に立ったものでございます。
○鶴園哲夫君 二つ設けられるという文科系のコースというのは、どういう内容なんですか。
○政府委員(大西誠一郎君) 一つは国際関係論、もう一つば管理学でございます。
○鶴園哲夫君 自衛隊もだいぶ国際的になってきましたですね。国際関係論か……、管理学科、どうもえらいことになるようだな、これ。 これはあとほどまたお伺いすることといたしまして、防衛大学校の今度できます医科大学もたいへんに金のかかるものになるんですね。私はこれを見てつくづくいろいろな点を考えたのですが、防衛医科大学を見るについて、まず、前にできている防衛大学はどうかということで見てみたわけですけれども、これはたいへん金のかかることになっておるんですが、国立大学の学生一人に使っている経費と、防大で一人に使っている金と、どんなに違うんですか。
○政府委員(小田村四郎君) 国立大学のうちで防衛大学校と比較の対象になるのは理工学系統の学部でございますが、文部省の計算によりますと、四十七年度の国立大学理工系学部の学生一人当たり経費は六十二万七千円という資料がございます。必ずしもこの積算の内訳を聞いておりませんので、そのまま比較できるかどうかわかりませんけれども、四十七年度の防衛大学校学生の一人当たり経費を見ますというと、百四十一万円になっております。したがいまして、かなり防衛大学校生のほうが高いわけでございますが、ただいまの文部省の資料におきましては、事務職員の給与を除外しております。大学におきます事務職員の給与を除外して、給与費につきましては教官給与のみを計上しておるということでございますので、いま手持ちの資料では、防大生のほうの人件費のうち事務職員がどのくらいかということは、こまかい積算はいたしておりませんが、約四割ということで言われておりますので、その教職員の人件費の六割をとりまして、さらに防大生におきますもろもろの幹部自衛官としての訓練経費及び、全寮制をとっておりますので、糧食費、被服費あるいは営舎費等の経費がございます。さらに、学生には給与法に基づきまして学生手当を支給しておりますので、それらの経費を除外いたしますというと、四十七年度の一人当たり経費は約六十万円になります。したがいまして、国立大学におきます理工系学部の一人当たり経費とほぼ見合ったものではないか、かように考えております。
○鶴園哲夫君 いまの経費の積算で、給与を支給している、それから衣を支給している、食を支給している、住を支給している、そういうものはこの中には入っていないわけですね。国立大学と相応した形で出せばこういうことになる。しかし、防大の場合は給与を支給しておりますし、夏期手当を支給しておりますし、期末手当を支給している。さらに衣を支給し、食を支給し、そして住を支給しているという点を加えますとというと、言ったとおりのことになる。
○政府委員(小田村四郎君) かりに事務職員の人件費を四割と見まして計算いたしますと、約百十五万円でございます。したがって、国立大学学生一人当たりが約六十三万円でございますので、その差額が五十数万円になると思いますが、これが学生手当及び衣食住、並びに教育訓練に伴います特別経費でございます。
○鶴園哲夫君 そこで、防衛大学の資料を見ますというと、着校、合格したものに通知を出して着校、それから入学、それから卒業、そして任官と言いますかな、任官。こうありますね。それから途中。それで、着校するということは、合格通知を受け取って、そこへ入ろうということで学校の門の前に来た者を着校と言うのですか、着校しておって入学しない者が相当数ありますですね。それから卒業までの間に抜ける人が相当ありますですね。いよいよ今度卒業したときに任官を拒否するといいますか、任官しない者が相当ありますですね。それから任官をしてから今度は途中で、一、二年のうちに抜けるという数字がありますですね。そういう数字を五、六年の間か、あるいは十年の間のものを見てみますというと、相当の数字にのぼるんですね。着校して入学しなかった、入学したが在校中の間にいなくなった、卒業したが今度は任官を拒否する、一割以上の者が任官拒否する、あるいは任官したが、あと今度は途中から一、二年の間にまた抜けるというのが、ずっと五、六年なり十年なりを見てみますと相当高いものになりますですね。三割ぐらいのものになるんじゃないでしょうか。二割五分から三割という者がそういうことになるのじゃないでしょうか。そこら辺のことについてちょっと聞きたいわけです。着校というのがよくわからない。着校、入学、それから任官拒否、そして途中から、任官してからあと抜ける。二割五分から三割というふうに見られます。そこら辺のことをちょっと。
○政府委員(大西誠一郎君) 最初から順序を追って御説明申し上げます。 防大の入学試験に合格した者、つまり合格通知を出した者と、それから現に入校した者の間には若干の開きがございます。具体的に申しますと、昭和四十八年度は合格数八百七十七人に対して入校した者は五百九十人でございます。したがって、入校しなかった者は二百八十七名、この理由は、一般の大学を受験する学生と同様に、ほかの学校を受けている者も相当おりますので、途中でそちらのほうに回るという学生がおるということによるものでございます。それから在学中に退学をする者の状況でございますが、最近、御指摘のように若干ふえておりまして、ことしの三月卒業いたしました十七期生の例で申し上げますと、五百七十八名入学をいたしまして、在校中に八十二名退学をいたしております。これは大部分が一年のときにやめておりますが、その理由といたしましては、一つは、この時期の青年が自分の進路について明確な認識というものを持っておらない、あるいは防大の学校の性格についてあまりはっきりした認識を持たないで入ってきた、あるいは自分が考えておったイメージとだいぶ違う、これでは団体生活についていけない、いろんな理由で一年のときにやめていく者が多いわけでございます。それから卒業いたしましてから間もなくやめるという学生の数は、昨年の卒業生について申し上げますと、四百二十八名卒業いたしまして、一年間に六十九名やめております。それから全体的には、それ以降でございますけれども、それ以降につきましては特に防大の卒業生の退職率が高いということはございませんで、たとえば一例を申し上げますと、一期生は三百三十七名卒業いたしましたが、今日まで十六年間に五十七名退職をいたしております。この数字は一七%でありますが、自衛隊で考えております幹部の人事管理の計画における退職率を下回っております。
○鶴園哲夫君 合格通知を出して、来ないというのは、これはどこの大学でもあるわけです。これは問題は別にいたしまして、着校する。これは入るつもりで着校と言うんでしょう。着校してそして入学をしない、入らなかったというのがあって、それから今度は四年間のうち、一、二年のうちにやめる人が相当にある。いま四十四年を例にとりますと、着校が五百九十名だと、そして入学した者は十二名減って五百七十八名、卒業までの間に八十一名やめている。それから卒業して任官をするときに拒否している者は五十人いる。さて任官したあとでやめる者がまたこれはこの程度のものはある、五十名やそこらのものはあると、こう見なければならぬのじゃないですかね。そうしますというと、これは全額国庫費をもってすべて衣食住をやって、そしてすべて入学金も何もなくてやっているんだが、実際やってみますというと約三割というものはこれはまず入ってから、いま言ったような形で、いままでとしては三割は抜けるという状態ですね。 そこで、ひとつお尋ねしたいんですけれども、卒業して、四年間訓練を受けて、学校教育を受けて、いよいよ幹部になるときに任官を拒否する者が相当あるということ、五十名、五十五名、五十七名といった者が、ことしも続いてますね。その理由は一体何か、どうして拒否するのか。
○政府委員(大西誠一郎君) ただいまの御質問にお答えする前に、着校してやめる者という理由は、これはちょうど二期校の発表が防大に登校する時期と前後しておる関係であります。したがいまして、この理由は、先ほど申し上げました合格者の数とそれから入校数とのギャップと同じ原因でございます。 それから、ただいま御質問がございました卒業して直ちにやめると、これはまことにわれわれも遺憾な問題だと思っておりますが、ことしの三月に卒業いたしましてやめた者の原因を申し上げますと、性格的に自衛隊に合わない、したがって自信を喪失をしたという者が二十四名、家族の事情による者が十一名、大学院進学と称する者が九名、からだの故障による者が九名、合計五十三名、こういうふうになっております。
○鶴園哲夫君 私の手元にありますのは四十四年に入学した人です。ちょうどことしになりますね。五十名、卒業して任官をしてない。その任官をしてないことについての防衛大学当局の発表によりますというと、六〇%というものが、自衛隊が合わない、社会的な地位の問題だとか、こういうことを言っておる、六〇%は。あとは身体がどうである、家庭の事情がどうである、民間企業に行くとかいう問題。ですから、防衛大学で四年間教育を受けて、しかもその一割以上の者が、四百四十何名卒業する、その中で五十名というものが、四十三年の入学でいいますと、まさに四百二十八名のうち五十五名というものが任官を拒否する。しかもその理由が、六〇%というのがいま言ったような理屈になっている。自衛隊の問題について疑いを持っているといいますか、不安を持っているといいますか、不信を持っていると言うのかな。これは非常に私は重大だと思うのですね。これは決定的に私は重大だと思うのです。四年教育をして、しかもあれ見ますと、任官を拒否する場合においては、私先ほども言いましたが、とにかく徹夜をして説得していますね。説得に説得を重ねている。にかかわらずこれだけの、一割以上の者が任官を拒否するということは非常に私はこれは重要だというように思いますですね。ですから、一応きょうはここのところで終わりまして、あともう少しまたやることにいたしましょう。
○委員長(高田浩運君) 質疑者もたくさんありますから、続けてください。
○町村金五君 私は、この際、委員会の運営と議事の進行について発言をいたしたいと思います。 本院が八月の二十一日に正常化の申し合わせをいたしましてから今日まで、当委員会の防衛二法案の審議が三日しか行なわれておりません。もちろんこれには与野党間のいろいろの事情があることは私も承知をいたしておりますが、会期もあとわずかとなりました今日、委員長は今後どういう審議計画でこれからの委員会を運営されていかれるのか。これからの質疑の通告者、その質疑予定時間案は一体どうなっているのか、今後の具体的な審議日程をわれわれにも知らせていただきたいと存じます。具体的な審議日程がまだきまっていないのなら、次回までに具体案をお示し願いたいと思います。 なお、慎重審議をするためには、今後定例日外にも審査を行ない、審査時間も極力これを延長する必要があろうかと存じます。なお、本日までの審議の状況からかんがみて、明七日も委員会を開いていただきたいように思います。委員長のお考えを伺いたいと思います。
○委員長(高田浩運君) お答えいたします。 審議全体の見通しと計画を立てる上からいって、質疑の予定者及び質疑の予定時間、これを出していただくことが必要であると考えまして、先日、理事会において、各党に対して委員長から要望いたしまして、きのう午後の五時までに出していただくことにいたしたわけでございます。質疑の予定者につきましては提出がございましたが、質疑の予定時間につきましては、一部の党は出していただきましたけれども、一部の党は提出がございませんでした。そこで、けさの理事会において、再度きょう夕刻五時までに質疑の予定時間を出していただくよう要望いたしましたが、現在まだ入手をいたしておりません。かような状況でございますので、審議全体の計画についてはまだ打ち合わせができていません。 なお、自余の問題については理事会において打ち合わせをいたしたいと思いますので、暫時休憩をいたします。 午後五時二十四分休憩 —————・————— 午後五時五十二分開会
○委員長(高田浩運君) ただいまから再開いたします。 御報告いたします。先ほどの町村君からお話がありました件について、理事会を開いて協議をいたしましたけれども、きょうのところは協議まとまりませんでした。引き続き努力をいたしたいと思います。 本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会