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71回国会参議院1973/06/05

内閣委員会 第10号

発言数
211
登壇者
18
会派数
4
開催日
1973/06/05

会議録

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曾根通商大臣。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 通商産業省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  戦後長きにわたりまして、通商産業省は、所得の向上を求める国民的要請にこたえまして、その行政の重点を産業の発展と輸出の振興に置いてまいりましたことは、皆さま御承知のとおりであります。そして官民の努力によりまして、この目標はほぼ達成してまいったわけでありますが、他方、最近の内外における社会経済情勢の変化はまことに著しいものがあり、単純に産業の発展、輸出の振興をはかるということではなく、国民福祉と国際協調、さらには将来にかけて産業が好ましい発展を遂げるための新しい通商産業政策の展開が強く要請されております。  ひるがえって、現在の通商産業省の機構を見直してみますと、その骨格は、昭和二十七年に定められまして、自来それほど大幅な改正が行なわれることもなく、今日に至っており、新たな時代の要請にこたえるための通商産業省の機構のあり方につきまして、昨年来鋭意慎重な検討を進めてきた次第であります。その結果、このたび成案を得るに至りましたので、ここに通商産業省設置法の一部を改正する法律案を国会に提出いたしました。  以下、同改正法案の内容の要旨を御説明申し上げます。  改正の第一は、通商産業省の任務に関する規定の整備であります。通商産業省の任務のうち、輸出品の生産の振興に関する規定を削除する等若干の規定の整備を行なっております。  改正の第二は、本省の内部部局の再編成であります。現在の一官房九局を一官房七局及び資源エネルギー庁に改め、本省の内部部局として、大臣官房並びに通商政策局、貿易局、産業政策局、立地公害局、基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局の七局としております。  改正の第三は、通商産業審議官の設置であります。多角化し、かつ、複雑化しつつある通商産業行政に対するさまざまの課題に迅速かつ的確に対処するため、通商産業省の所管行政に関する重要事項について総括整理する通商産業審議官一人を新たに設けることとしております。  改正の第四は、現在の通商局及び貿易振興局を再編成し、通商政策局及び貿易局とすることであります。通商政策局におきましては、対外的な通商政策を一元的に所掌することとし、このため、現在貿易振興局で所掌しております通商経済上の経済協力を所掌し、これに伴い経済協力部を通商政策局に移すことといたしております。貿易局におきましては、輸出及び輸入の増進、改善及び調整、輸出検査、輸出保険等貿易に関する事務を一元的に所掌することとしております。  改正の第五は、産業政策局の設置であります。現在の企業局を母体として、企業局が所掌しております省の所掌にかかる事業の発達、改善及び調整に関する事務の総括、流通消費関連事務等のほか、大臣官房の所掌しております商鉱工業に関する基本的な政策及び計画の立案等に関する事務を行なうことといたしております。  改正の第六は、立地公害局の設置であります。公害保安局と企業局の立地関係部局を統合して、立地行政と公害防止行政の緊密化をはかるため、立地公害局を設置することとしております。なお、同局では火薬類、高圧ガス等の取り締まり、鉱山保安に関する事務もあわせて所掌することといたしております。  改正の第七は、基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局の設置であります。重工業局、化学工業局及び繊維雑貨局につきまして、それぞれが所掌しております産業の産業構造上の地位、問題の共通性等により、これを再編成し、基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局に改めることといたしております。基礎産業局におきましては、鉄鋼、非鉄金属製品及び化学工業品等を所掌いたします。機械情報産業局におきましては、機械器具、自動車、機械類信用保険、情報処理振興事業協会等に関する法律の施行事務等鉄鋼以外の現在の重工業局の所掌事務を所掌することといたしております。生活産業局におきましては、現在繊維雑貨局で所掌しております繊維工業品及び雑貨のほか、住宅等に関連いたします土木建築材料等を所掌することとしております。  改正の第八は、現在工業技術院の付属機関である工業技術協議会を産業技術審議会に改め、本省の付属機関とすることであります。  改正の第九は、特許技監の設置であります。特許技監は、命を受けて、工業所有権関係の事務のうち、技術に関する重要事項を総括整理することとしております。  改正の第十は、資源エネルギー庁の設置であります。総合的かつ強力な資源エネルギー行政の推進の必要性にかんがみ、鉱山石炭局と公益事業局を統合し、通商産業省の外局として資源エネルギー庁を設置することといたしております。資源エネルギー庁は、鉱物資源の開発及び電力等のエネルギーの安定的かつ合理的な供給の確保等に関する事務を行なうことを主たる任務とするとともに、同庁に内部部局として、資源及びエネルギーに関する基本的な政策及び計画の立案等を行なう長官官房並びに石油部、石炭部及び公益事業部の三部を置くこととしております。  改正案の主要点は以上でございますが、ほかに若干の規定の整備を行なうこととしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ意のあるところを御賢察いただき、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 引き続いて、本案の衆議院における修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理加藤陽三君。

加藤陽三自由民主党

○衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました通商産業省設置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府原案では、本改正案の施行期日は「昭和四十八年四月一日」となっておりましたが、衆議院における議決の時期がすでにその日を経過しておりましたので、これを「公布の日」に改めた次第であります。  以上が修正の趣旨であります。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 以上で説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 中曾根通産大臣が過般大阪の演説会で発言されたことが大阪の新聞には報道されているけれども、東京の新聞には報道されていませんですけれども、けさの私どもの国対でもこれが議題になりまして種々論議をいたしたわけでありますが、いま特にきょう大臣に発言いただかなくてもよろしいですけれども、いずれこの問題は増原さんの発言の問題と一緒に、総理も出席するだろうと思いますから、その際に中曾根通産大臣の大阪発言というものを取り上げて論議をしなければならぬだろうと思っておりますので、特にいまここでは発言をおいておきます。そのことだけひとつ申し上げておきたいと思います。  いま御説明のありました通産省設置法の一部改正について、たいへん大きな改正ですが、いままで例のないたいへん大きな改正ですけれども、その中で立地公害局というのが新しく——新しくといいますか、局としてはそういうものができることになっておりますけれども、また機構改革の全体の流れといたしまして、方向といたしまして、成長型から活用型へというようなことになっておりますけれども、この立地公害局に関係しまして、いまたいへん問題になっております有明海の公害の問題について、若干考え方を伺っておきたいと思います。  新聞等で報道のように、また、わが党といたしましても調査団を派遣いたしまして調査もいたしておりますが、五月の二十二日に天草の有明町で十名という水俣病に類する患者が発見されたということで、たいへん衝撃を与えたわけでありますが、その後また六月の二日に宇土市で二名の患者が死亡しておったという問題が報道されまして、その後また六月の三日には同じ宇土市で死亡者が出ている、あるいは症状を訴えている患者が三名、四名おるというような報道が行なわれておるわけです。この問題はこれから全国的に第四、第五の水俣病が出てくるのではないかということで一そう衝撃を与えたわけですけれども、この問題について通産省の調査がたいへんルーズだったんじゃないかと、基本調査すらやっていなかったのではないかというふうに見られているわけですけれども、通産省のこの問題についての処理について、どういうふうにやられているのか伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 第三水俣病の発生が報道されまして、水銀の使用並びに排出量等の調査が必ずしも万全でなかったことは、まことに御指摘のとおりでありまして、遺憾の意を表する次第でございます。  昭和三十四年七月当時、熊本大学におきまして水俣病の原因物質として有機水銀説が出てきたことにかんがみまして、三十四年十一月にチッソに対して排水処理施設を完備すべき旨を指示し、他のアセチレン法アセトアルデヒド工場、塩化ビニールモノマー工場に対しても水銀の処理の状況、その工場排水中の含有量などを調査するよう通達をいたしたところであります。この結果、チッソは昭和三十四年十二月にサイクレーターを設置し、また三十五年八月、循環装置を設置しましたが、他の工場においても排水処理の状況は以前と比べて改善されたと思われます。  また、通産省としましては、水銀触媒を使用していない製法への転換を指導しまして、この結果として、三十九年から四十三年にかけてアセチレン法によるアセトアルデヒドの生産がすべて中止されることとなりました。この生産を中止させたというところから水銀の保管並びに排水量等について気をゆるめたところがあったんではないかと反省しております。  昭和四十三年九月二十六日に、水俣病、新潟水俣病に対する政府の統一見解が発表されましたが、通産省といたしましては、電解ソーダ工場、アセチレン法塩ビモノマー工場に対しまして、メチル水銀は検出されないよう万全の措置を講ずると同時に、全水銀についても発生源で極力処理々行ない、環境汚染防止に努力するように要請したところでございます。  その後、水質保全法に基づいて水域の指定及び水質基準の設定が行なわれまして、所管大臣が工場排水規制法によってその監督を行なうという体系で行なわれてまいりました。水銀に関しては、毒性が明らかになってくるに伴いまして、昭和四十三年七月に大牟田水域が指定され、メチル水銀についての水質基準が設けられましたが、続いて四十四年二月に水俣水域など関係水域が指定され、メチル水銀についての水質基準が設けられました。水質基準の制定された以後は工場排水規制法に基づきその順守について立ち入り検査を行なうなどの指導監督を行なってきたところでございます。なお、水銀の定量分析に関する研究を東工試で行なわせまして、水銀など重金属含有排水の処理技術の研究なども実施してきたところでございます。  最近、第三水俣病の発見に伴いまして、水銀を使用したと思われるすべての事業体、鉱山等につきまして、その状況を緊急調査させました。大体の概数が出てまいりましたが、この点につきましては係官から御説明申し上げさせます。いずれにいたしましても、水銀全般に関する把握が必ずしも万全でなかったことは深く反省しておりまして、いまからでも的確にこれを把握いたしまして、関係庁及び関係各省と協力して住民の皆さまに不安のないようにいたしたいと思っております。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) 水銀を過去に使用いたしましたり、現在使用いたしております工場の水銀の使用状況でございますが、この水俣で水俣病といわれました、いわゆるアセチレン法によりますアセトアルデヒドの関係では、七社八工場が昭和三年から四十三年にわたりまして稼働をいたしまして、その間投入いたしました仕込み量の水銀が約二千三百六十トンでございます。それから回収いたしましたものが千八百七十五トン、それから停止をいたしました時期で回収したものが百三十二トンでございまして、差し引き三百五十二トンが未回収ということになっております。ただこれは、工場外にこれが全部流れ出たという意味ではございませんで、排水等につきましては、いろいろの排水処理施設を設けまして処理をいたしておりますので、相当部分はこのうち工場内のたとえば沈でん池等に残存をいたしておるというふうに見ております。ただ、どれぐらいこの中で実際に工場外に流れ出たかにつきましては、ただいま現地に調査団を出しておりますので検討中でございますけれども、非常に実態の把握は古いことでもございますし困難かというふうに考えております。  それから同じくアセチレン法で塩化ビニールをつくっておりました工場が十五社十九工場ございますが、なおこのうち四社四工場は現在もアセチレン法等で塩化ビニールをつくっておりますが、これの昭和四十五年までの中止いたしましたものと、それから現在稼働中のものにつきましての今年七月までの水銀の消費量は、投入量が六百六十一トン、回収量が五百七十八トン、差し引き未回収量八十ミトンでございます。それからこの八十ミトンも、ただいま申し上げましたように、いろいろ活性炭、あるいは硫化ソーダ、あるいは鉄粉等によりまして回収をいたしておりますので、現実に流出した量はきわめてわずかだというふうに想定されます。  それからもう一つ一番大きな水銀の使用土場といたしまして電解ソーダ工場がございますが、これは現在三十六社四十九工場が稼働中でございまして、四十七年の水銀消費量が三百十二トンでございます。これも、ただいま申しましたように、ほとんどが回収されておりまして、現在水質汚濁防止法の規制が適用されておりますので、排水中からは水銀は検出しないことという基準が適用されておりまして、現実に取り締まりを行なっております府県等の報告によりましても、ほとんどの工場で水銀は排出されていないという報告を受けているところでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これはもう水俣病が問題になりましてから十数年たっておるわけなんですが、問題はその蓄積水銀にあるということははっきりしているわけですね。いま説明をいただいたのですが、これは会社側の報告に基づくものなのか、あるいは通産省で直接調査しておられるのか。それで現状はどうだこうだという、これはまあ現状はこういうふうになっていると、確かに法令に違反しないような形になっている。しかし問題は、いままでの長年の間の蓄積水銀が問題になっているわけですから、いままでどういうふうに水銀の量を使ってきたのか、そうしてそれがどれだけ流出されておるのかという、過去の蓄積をこれははっきりさせておかなければならぬのだろうと思うのですが、そういう面についての調査は行なわれているのですか。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) ただいま御報告申し上げました数字は、今般当地の会社からヒヤリングを詳しくいたしまして、その会社の報告によります数字でございます。  過去の指導でございますけれども、ただいま大臣から申し上げましたように、昭和三十四年に熊本大学から水俣病の原因は工場排水中のメチル水銀ではないかという説が出ましたときに、当時まだ一般的な説でございませんでしたけれども、工場排水に十分注意して排水処理施設を設けるようにと、そういった指導はいたしたのでございます。また、その後、工場の排水処理施設の実情並びに改善状況といったようなものにつきましては、四十三年、四十五年と二回にわたりまして調査をいたしておりますが、水銀そのものが法律によります排出についての規制が昭和四十四年までございませんでした関係で、しかも、たとえばアセトアルデヒドで申しますと、昭和四十年ごろに全部水銀は使わない製法に転換いたしております関係もございまして、水銀の使用量につきましての公式な調査をいたしたことがございませんで、実はまだ把握をしていなかったという状況になっております。  今回、現地に調査団を出しまして、過去の排水処理が、たとえば沈でん池等にその排水が導かれまして上澄み液を外へ流す、こういったことをやっておったわけでございますが、その沈でん池の状況等を現在調査をいたしますとともに、工場に残存しております帳簿等もできれば調べまして、排水中にまじりまして工場外に出ました水銀量をなるべく正確に把握をいたしたいと考えてはおりますが、古いことで、企業のほうにも帳簿等が散逸しておるところも多うございまして、なかなか困難な作業だというふうにも考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これはどうも報告をいただいたけれども、それは通産省がお調べになったんじゃなくて、会社の報告、ヒヤリングで報告された。これはもう私はとんでもない話だと思うんです。先ほど以来言っておりますように、三十四年当時からその後にかけましても、これは蓄積水銀というのはたいへん問題になったわけだし、したがって、当然水銀を使っているところは全国に散在しておるわけですから、だから、どういうふうな水銀が流されておるのか、どれだけ使われ、どれだけ流されておるのかということは、やはり通産省は通産省として直接調査をすべき事柄だと思うんですけれども、まあいまお話を聞きますと、第三水俣病ということがたいへん問題になっている。この五月の二十二日に問題になっている。そこで関係会社を招致をしてそのヒヤリングを行なったというような話では、これはどうも私ども聞いておりますとたいへんおかしな話だと。水俣病という水銀から出るこのたいへんな病気に対しまして、どういう感覚を通産省は持っておられるのか。あくまでやっぱりどうも生産第一主義で、それさえあればいいんだというような感じを非常に強く受けますですね。ですから、もっとこれは根本的に調査すべきだったんじゃないかと思うんですけれども、どういうわけでなさらなかったのか。まあ調査なさったが、それはいまどう使っているか、いまどうなっているかという状況の調査のようですね。過去にどういうふうに使ってきて、どういうふうに流れているかという問題についてば全然把握していらっしゃらない。まあ会社に聞いてみるというと、どうも資料が散逸しているというような話では、これはもう全然やみくもみたいな話ですね。そういうことで一体いいのかどうかですね、大臣の見解を聞きたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げましたように、使用を中止させまして、そのために安心したと申しますか、全使用量についてその把握を怠っておったということは、御指摘のように深く反省しているところでございます。  そこで主として、一番使っているのは苛性ソーダとか塩ビとか、あるいは場所によっては水銀鉱山というようなものもございますので、おそまきながら全工場その他について会社から事情聴取をしながら、いろいろ資料等を引き合わせつつ、いま厳重に探査しておるところでございます。概数につきましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、しかし、いま環境庁と連絡いたしまして、その周辺に水俣病らしきものがありはしないかということをいろいろ疫学的その他の点からも調べておりまして、もしそういうような疑いのあるものがあったら、さらに的確にその水銀の流出状態等を重点的に調べていかなければならぬと、そう思っておる次第でございます。今回のこの問題を機に、水銀の問題につきましては、さらに厳重に監督しながら行政を進めてまいりたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 先ほど三つの種類に分けて工場をお話しになりましたですが、その三つの種類に分けた工場について、現地で、通産省として全国的に過去に流した水銀、過去に使った水銀というものについて調査をされるわけですか。調査をしていらっしゃるわけですか。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) 三つの中で、二つの種類はすでに過去において製造をやめまして他の製法に転換をいたしております。で、これにつきましては、現在残っております沈でん池あるいは排水処理をしましたあとの汚泥等の保管状況、こういうものを調査をいたしますとともに、その中の水銀含有量等を試料を採取いたしまして測定をして、できますれば、それらから工場内に残存しておる水銀の量等を把握いたしたい、かように思いまして調査をいたすことにいたしております。  それから現に稼働中のものにつきましては、現在稼働中の設備の状況、それから排水の処理の状況、それからもちろん水銀の消費量、それの回収状況等につきまして詳細調査をいたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 くどいようですけれども、三つに分類されたのですけれども、すべてについて、その工場のすべてについて調査をしていらっしゃるのですか。過去にどう流した、どう使ったということを調査していらっしゃるのかどうか、そこのところ少しはっきりしないのですけれどもね。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) アセトアルデヒド工場が七社八工場ございます。それから塩ビが十五社十九工場、電解ソーダ関係が三十六社四十九工場でございますが、このすべてにつきまして通産局の担当官を派遣をいたしまして、ただいま申しましたように、現在も残っております沈でん池の状況とかあるいは過去の残滓の保管状況、こういつたものの調査をいたしまして、これがさらに工場外に流れ出るようなことのないような施策、対策を検討いたしたいというふうに考えまして、そういった面の調査をいたしておりますが、同時に、できますれば、その沈でん池等の水銀の残存量等を調査をいたしまして、工場外に排出された量もできれば探ると申しますか、数字をよく、会社からのヒヤリング結果と実情がどうかという点をさらに詳しく調べてみたいというふうに考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 今度問題になっております宇土市にあります日本合成化学熊本工場、ここで工場長が、新聞で報道しておるところによりますると、水銀関係の資料というのは五年か七年か保存をしておることになっておって、ないのだというような報道がせられておりますね。そうしますと、過去にどういうふうに使ってどういうふうにということは、これはもうわからないということになるのじゃないですか。これから問題は別にいたしまして、これからの問題は、これは十分調査をして、そういうことにならないようにやってもらわなきゃならぬと思うのですけれども、しかし過去の問題については、どうも新聞の報道によりますと、熊本の工場の工場長の話ですと、書類はないと、七年前のやつはあるけれども、五年ですかね、七年前のまであるけれども、それ以上のものはないんだというような話ですね。そうしますと、わからないということになるのじゃないですか。どういうふうに調査される予定なのですか。そこら辺をはっきりしてもらいたいと思うのですよ、できなければできないと。どういうふうにしてやるのか。私ども見ますというと、熊本工場の工場長の話では、どうもこれは調査できないんじゃないか、どうしてそういうようなことになったのか。とにかく三十四年ごろからたいへん問題になっているわけで、問題になっておるにかかわらず、もう七年も、五年も前のやつはないという話では、これは隠蔽したのじゃないかと思うぐらいに、疑いたくなるぐらいじゃないかと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) 御指摘のように、非常にむずかしい問題でございまして、日本合成化学からの報告によりますと、まずアルデヒドの生産量につきまして、昭和二十九年から四十年までは有価証券報告書が出ておりますので、それで算定をいたしまして、アルデヒドの生産量が推定ができますが、昭和二十八年以前につきましては資料がございません。  それからこれに使いました水銀の仕込み量及び回収量でございますけれども、仕込み量は、生産量から一定の原単位をかけまして会社は推定をいたしております。それから仕込みの伝票等は残っておりません。それから回収量につきましては、たまたま昭和三十九年の回収実績資料がございまして、一年間でこれぐらい三十九年に回収したという数字が、経理の関係の資料でございましたので、それを使いまして、過去の回収を推定を会社はいたしております。  そういうことで三十九年の資料がございますだけで、あとは資料はすでに処分されておりまして、そういう関係で非常に推定の部分が多いわけでございます。私どもこれから現地調査をいたします際に、その三十九年の回収資料の現物に当たりまして、会社側の陳述の正確性をさらに確かめたいというふうに考えておりますが、そのほかに、できますれば、排水が、あそこはカーバイトのかすの中に排水を引きまして、そこで自然沈降させるといったような方法を従来とっておりましたので、そのカーバイトかすの中の水銀含有量といったようなものも試料を採取いたしまして調べてみたいと思っておりますが、カーバイトかすに水を引きます前に、コンクリートのピットで、一ぺん排水をそこに入れまして、そこでいろいろ中和剤を入れて凝集沈でんさせまして、それをさらに回収して処理業者に回すといったようなこともやっております関係で、カーバイトかすの中だけの水銀量の算定ができましても、回収された全体の水銀量はなかなか推定がつきません。そういう意味で、実際問題として、非常に確度の高い工場外の排水量を算定することは、現場調査をいたしましてもまず非常に困難だというふうに考えておりますけれども、できるだけの資料はとってみたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 聞いておりまして、どうも非常に理解に苦しむんですね。ですから当然三十四年当時たいへん大きな問題になったんだし、したがって、その時期にこれはやはりはっきりした考え方で、こういう水銀を使っている工場についてこれは徹底した調査をしておかるべきだったと思うんですけれども、何らの調査がない。そうして、そこへもってきて、第三水俣病というこれは水俣と全く違う汚染源から出ている。それが発見されて、あわてて工場関係者を招致してまあヒヤリングをやったというような状態ではこれは通産省が全く企業一本やりの、生産一本やりの考え方で終始しておったというふうに言って差しつかえないんじゃないでしょうかね。とてもこれは理解のつかない話ですね。

齋藤太一通商産業省化学工業局長

○政府委員(齋藤太一君) 当時は水銀の排出につきまして法律上の規制もございませんでしたし、一応水銀排水が問題ではないかとはいわれておりましたけれども、まだそういった意味での水銀に関しての科学的知見が少のうございまして、これが原因であると確定したといった状態でもなかったわけでございます。そういう意味合いにおきまして、ただいまから考えますと、非常に私ども当時の措置が不十分であったということを反省をいたしておりますけれども、当時はそういう状態でございましたために、年々の水銀の報告といったものは法律の根拠にございませんし、とっていなかったといったような状態になっております。ただ昭和三十四年にチッソに排水処理施設をつくるようにという勧告をいたしましたとき、あわせて当時のアセトアルデヒド及び塩化ビニールのアセチレン法によります工場につきまして、水銀の消費状況について、それから排水処理の状況につきまして報告を求めておりますけれども、その報告書が実はだいぶ前のことでございまして、処分されたものか現在通産省に残っておりません。三十四年に一応の調査はしたというように記録にはございますけれども、残念ながら、今回こういうことで今後の指導、それから実態解明のために当時の資料をさがしましたけれども残っておりませんことは、まことに遺憾に思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうもはなはだ不満足な話ですが、不満足で済まない問題だと私は思うんですね。通産省のあり方というものを根本的にこれは検討しなきゃならぬ問題だと私は思いますが、まあ今回立地公害局というのができるんですけれども、そういう姿勢ではとてもという——しかも今度できる立地公害局、あとでぜひ見解も聞きたいと思いますけれども、こういう局のつくり方じゃ公害に対する考え方というのはそう変わっていない、通産省の考え方は変わっていないと私は思うんですがね。大体、立地と公害と一緒にするなんというのは、立地公害局、一緒に置くという考え方そのものが私はもう理解がつかないんですね。これはもう立地に圧倒されますよ。名前も立地のほうは上にきておるんですね。これはこまかい話だけれども、よく局をつくる場合にはどっちを上にするか、二つを一緒にする場合にどっちを上にするかというのはえらい論議になるわけです。立地公害——公害のほうが圧倒されちゃう、上のほうに立地が乗っかっちゃっている。立地中心主義のそういう局になっておると私は思いますけれども、それはあとほどでまたお尋ねをしたいと思います。  それから海洋汚染について、昨年の秋ロンドンで八十数カ国が集まりまして、そうして海洋法規、規制をする条約が採択されております。もちろんこの中には水銀、カドミウム等が含まれておるわけです。ところが、米英はじめ三十六カ国がこれに署名しているというんですけれども、日本政府はいまだに署名していないというんですが、水俣病でたいへん国際的に有名になったわけですけれども、水銀の問題で世界的にたいへん有名になったわけですが、そういう日本において署名をしていない。いまだに日本が署名をしていないというふうなことは一体どういうことなのか。これは通産省のいままでのそういう姿勢が外交面に反映してこういうことになっているんじゃないかと私は思いますけれども、お尋ねをしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国連で海洋投棄を防止するための条約がつくられておりますが、通産省は本条約の署名に反対しているという事実はございません。同条約は昨年十二月二十九日から本年十二月三十一日まで署名のため開放されており、署名期間中はいつ署名してもよいことになっておりますが、わが国の場合は国内法との調整の関係もあり、外務省を中心に各省間で内容を検討してきたところでありますが、近く署名が行なわれる予定であると聞いております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 だから日本の場合は、この海洋に投棄する、それを規制する条約というのは日本にとってはたいへんな問題だと思うのですけれどもね。タンカーの問題にいたしましても、これだけの石油を輸入する、水銀の問題でもたいへん有名になっている。まあ公害の問題についてもたいへん有名になっている国が、こういう問題について署名が三十数カ国、三十六カ国すでに署名しているのに日本がいまだにその署名をしない。する予定だというような話では、これはどうも私はやっぱり通産省の姿勢というものがこういうところにはっきり出ているんじゃないかというふうに思うのですけれども、大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) こういう海洋投棄物に関する国際的規制につきましては、私は賛成であります。一つには水銀あるいは重金属等の害、あるいはさらに原子力発電等が行なわれましたところの廃棄物処理、その残滓の海洋投棄というものが将来どういう影響を及ぼすかということも、地球は一つという考えに立って厳重に国際的にも規制さるべきであると私は思っております。したがいまして、わが国としては、この条約については賛成の立場をもってこの期日までには署名して成立せしむべきであると私は考えております。通産省がおるためにそれを署名が行なわれないというようなことはやらせたくありませんし、ただ、いま各省間の事務的調整が若干あるようでありまして、その調整を待っておる段階である、そう思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも私は通産省のやっぱり姿勢というものが非常に根強いんじゃないかという心配をするわけです。大臣のいまのお話はわかりますが、通産省のやはり姿勢というものに非常に大きなものがあるんじゃないか。いま私は水銀の問題を取り上げて、水俣病の問題を取り上げまして伺ってきたわけですけれども、そういう点からいいますと、つくづく通産省自体の姿勢の中に大きな問題があるのではないかというふうに私は考えるわけです。  次に、さらに機構の中に入りまして、たいへん大きな機構を改正をされるわけですが、各省の中で、これだけでっかいといいますか、看板だけかもしれませんけれども、とにかくたいへんでっかい機構改正が行なわれるわけですが、その趣旨とするところはたいへん了解のつくことであります。了解つくと思いますが、ただ、ここにありますように、産構審のほうから中間報告として七〇年代の通商産業省の基本政策、その中間報告が一つの契機になって、産業構造、産業政策というものを大きく転換しなければならない、成長型から活用型に大きく転換しなければならぬというふうな産構審の中間報告が大きな契機になって、昨年からこの機構の改正について取り組んできたというお話ですが、しかし、単にこれは通産省だけの問題ではなくて、もっと大きな観点から取り上げなければならない性質のものではないかと思います。  たとえばエネルギー庁というものが今度新しくできるわけですけれども、一体そのエネルギーという問題を通産省だけで取り扱うべきものかどうかということも考えなければなりませんし、言うならば、やはり政府全体の問題としてそういうエネルギー庁みたいなものができて、そして通産省は通産省として所管の問題についてやるというような構想が必要ではないか。原子力の問題を取り上げてみましても、それから水力の問題を取り上げてみましても、どうしても政府全体としてこのエネルギーという問題を取り上げる必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思うんです。そのほかの局の機構の問題にいたしましても、政府全体として考えなければならぬ問題があるわけですけれども、今回はまあ通産省の機構改革として、大きな機構改革として出てきておるわけですけれども、通産大臣はどういうふうに考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) エネルギー問題を総合的に政府全体で考えなければならないという御指摘は、私も同感でございます。そういう面から見ますと、水力のダムの建設とか、そういうことは建設省の仕事でございまして、また原子力に関する科学技術的開発は科学技術庁、原子力委員会でおやりになっておりまして、われわれのワク外にあることでございますけれども、実施官庁としてその施設をつくるという場合の所掌は大体通産省の系統に属しておるわけでございます。発電所ということになりますと、これは通産省が公益事業局でやってきて、これは水力も原子力も火力も同じであります。それからガスの問題、あるいは原子力の問題、あるいは石炭の問題、非常に重要な問題がございます。これらの問題について国の必要とするエネルギーを総合的に資源との関係においてにらみながら調整を行なう、そういう意味で今回資源エネルギー庁をつけまして、その中に企画の部門と、それから石油、石炭、原子力、そういうような部面をおのおの所掌させまして、そして企画の部面においてその総合的なエネルギーの需給見通し、政策というものをいろいろ取り扱わさせ、現業官庁的な仕事はいまの各部において行なわさせる、そういう考えに立ってやっておるわけでございます。国全体としてのエネルギー需給につきましては、いろいろのエネルギー関係の審議会、調査会等がございまして、そこで総合的に見ておるわけでございますが、その総合的な結論を見詰めつつ、通産省としては通産省に所管していることの現業事務を発展させておるわけでございまして、まあ現状において必ずしも万全を得た機構ではございませんが、まあこれで一段階発展させて、そしてこれを充実させて現在のいろいろな要請にこたえたい、そう考えておるところでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ、エネルギー庁の問題、日本全体のエネルギーの問題から考えますと、いまの通産省が出しておられるエネルギー庁というのは、その一つの大きなステップとして理解をしたいと私は思っております。  それから、これ、昭和二十七年以来のたいへん大きな改正なんですけれども、二十年ぶりといいますか、通産省始まって以来のでっかい改正なんですな、表向きは。いまたいへん大きな改正なんですけれども、その間に臨時行政調査会が通産省についてどうやこうや言っております。また、行政監理委員会がまたどうやこうや言っておるわけですが、この臨調と行政監理委員会が通産省の機構についていろいろ言っておるわけですけれども、まあこれはちょっと古い。この三、四年の間たいへん変わってきておりますから、行政監理委員会やあるいは臨調の考え方なんというのも古いんだという感じもあると思うんですけれども、二十年ぶりにこういうたいへん大きな機構を改正するにあたって、そういう問題については臨調なり行政監理委員会の意見、そういうものについてはどういう配慮を払われたのか、通産省のお考えを聞きたい。なおまた行政管理庁の見解も聞きたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 昭和三十九年九月に臨時行政調査会の答申が出てございます。それから行政管理庁におきまして機構改革に関するいろいろな所見がその後も出ておりますが、そういうものをすべて参考にいたしまして、そしてその趣旨を生かして今日の社会経済情勢の変化に対応する新たなる行政機構の建設を考えたわけでございます。たとえば資源エネルギー庁というようなものにつきましては、多分に臨調の答申の線に沿ってそういう部局をつくったということも特に指摘さるべきであると思います。大体通産省が考えておりまする行政の方向、つまり福祉国家建設という方向に通産省のウエートを転換していく、そして生活優先あるいは消費行政を重視する、あるいは無公害社会を建設する、そういういままで手薄であった部面についてかなり目を注ぎまして、そういう方面の補強も非常に強く打ち出しまして今回の機構改革になっているところであり、かつ輸出優先あるいは成長優先という時代に分立しました貿易あるいは繊維雑貨、あるいは重工業、そういうような配列形式から一つの総合的な体系にまとめまして、基礎産業局とか生活産業局とか、そういう方向に切りかえて総合行政の実をあげようと、そういう考え方にもなってきておるわけでありまして、これらはいずれも臨調答申あるいは行政管理庁の方向と一致するものと考えます。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 今回の通商産業省の機構改革にあたりまして、基本的な指導理念といたしまして、臨時行政調査会や行政監理委員会がしばしば指摘しておられるような新しい行政需要の増大に即応した行政及び機構の整備充実をはかるとともに、全体としての機構の膨張を抑制するという精神を貫いておるわけでございます。それが第一点でございます。  第二点といたしまして、臨時行政調査会答申が具体的に通商産業省の機構について個別的に言及いたしておりますのは、大きな点といたしましては二つございまして、第一点は、石油、石炭及び電力等の主要エネルギー源に関して総合的施策の企画、実施が行なわれるよう関係部局の体制の整備をはかる等、その再編成を行なうということでございますが、この点については、先生先ほど御指摘のように、資源エネルギー庁という形で一歩前進させるということにいたしたわけでございます。第二点といたしまして、重工業局、軽工業局及び繊維局につきまして、その機構を整理、再編成して、重工業局、軽工業局及び化学工業局にするということを当時指摘いたしておりますが、この点につきましては、その後一応新しく化学工業局を設置いたしますとともに、軽工業局の雑貨部門と繊維局を統合して繊維雑貨局という形で一応処理してまいったわけでございますが、ただその後における新しい行政需要の進展等に即応いたしまして、その点につきましてさらに再検討いたしまして、いわゆる物資の持つ性質の共通性、生産工程の関連性、業態の類似性等に着目してつくられてまいりました機構につきまして、新しい観点から産業活動と国民生活との接触する各面における問題の発生等にかんがみまして、産業構造に占める当該産業の位置を組織原理の中心に置いた機構改革を行ないました。そういう意味におきまして、今回これらの局が基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局という形になっているわけでございまして、これは時世の進展に即してさらに臨調答申の考え方を進めたものと私どもは理解をしているわけでございます。  なお、こまかな点につきまして、通商産業行政機構につきましていろいろ指摘をされておりますが、今回の本省庁の機構に直接関連いたしますものは、以上御報告申し上げた点がおもな点であろうと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで、まず一つお尋ねをいたしたいことは、臨調も指摘をしているわけですが、また国会でもたびたび問題になってきているわけですけれども、鉱山保安関係ですね、これを分離すべきじゃないかと思うのですね。昨年の十一月、北海道の石狩炭鉱の爆発があって、そのために三十一名の死亡者が出ている。ことしの三月もまた北海道の三井炭鉱の爆発が起こって死者が五名出ている。さらに、ついこの五月の二十九日、福島の常磐炭礦の炭鉱火災で、これはたいへんな事故にならなくて済んだわけですが、私どもの党も直ちに常磐炭礦の調査に出向いておりますけれども、死者四名、そして一酸化炭素中毒の重軽傷二十五名という、まあ一歩誤ればたいへんな大きな事故になったと思うんですが、どうも昨年の年末からちょこちょこと出ております問題を見ましても、鉱山の生産を進めるということと、こういう労働災害というもの、これはやっぱりこの際分離すべきじゃないかと私は思うんですね。今度視察してみても、やっぱり生産第一主義になっている。生産が中心になって、保安というものがどうしても二次、三次というか、経営者は本気でやる気がないんじゃないかという印象を非常に強く受けているわけですね。従来からこれは臨調も問題視してきているわけですし、国会でも、これは炭鉱だけこういうことをしないで分離すべきじゃないか。保安は保安としてやはり別の機関で取り扱うほうがいいという考え方を言ってきているわけですが、いまや炭鉱関係もかつてと違いまして十分の一程度のものになっておりますし、さらにいま、通産省のこれからの通産政策の基本方向として、たいへん生活に重心を置くんだとか、生産第一主義という考え方でなくなったんだというようなお話があるんですから、この機会に二つを分離したらどうですか。その点について見解を聞きたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 保安関係と生産関係の問題は、いろいろ御議論をいただいておるところでございまして、われわれも常に研究しておるところでございますが、鉱山におきましては、深い地下で仕事をして、しかも移動しておるというところで危険の度合いも非常に多い情勢でございます。やはり坑道の確保とか、ガスの排除とか、保安と稼行を分離できない要素もあり、常に万全の管理がなされなければならないところで、ある意味においては、生産と相付随してそれらの措置が行なわれなければならない。そういう意味において、保安と生産と切り離すことはなかなかむずかしい情勢にございます。こういう観点から、わが国におきましても、鉱山保安行政は、明治以来、生産行政を所掌する農商務省、商工省及び通産省において一貫してしてきたところであり、世界の主要な国におきましても、鉱山の生産行政を担当する官庁が保安行政も一元的に所掌しているところでございます。そういう面から、やはり生産の監督を厳重に行なうということが保安にもつながる、ある程度有機的に両方をにらんで保安を確保しておくというほうがやはり実効性をあげるのではないか、こういう観点に立って切り離さないほうが適当であるとわれわれは考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そういう話は、まあ事故が起こるたびに毎回伺っているわけなんですよ。しかし、まあ実際事故が起こったときに調査団で視察をして調査してみるというと、どうもやっぱり生産中心主義になり過ぎている。保安についての事柄がまあ二次、三次、とにかくやる気がないんじゃないか。特に最近になってそういう批判が非常に強いんじゃないんでしょうか。臨調が指摘をした、臨調はいろいろ指摘しておりますけれども、いろいろなことを言っておりますが、まあ全部が全部いいとは言えないと思うんですが、私はこの鉱山の保安について、二つにやはり分離すべきだという考え方は、これはいい指摘じゃないか。国会でもそのつど問題になってきているわけです。ですから私は、通産省がいままでの政策を大きく転換しようという機会でありますし、しかも鉱山も非常に小さくなってきていますし、十分の一という小さなものになっているし、これからますますそういう懸念をするわけですよ。どうしても生産中心主義になっちまう、保安がやる気がないというようなところに追い込められるんじゃないかと、そうあってはならぬですけれどもね。この際私は二分したらどうかと、そういう主張なんですよ。いままでの考え方はわかっておりますよ。いま転換されようとするわけですから、この際分離されたらどうかと、こういうふうにまあ考えるわけです。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 生産と申しましても、鉱山監督という部面が非常に強く今日は出ておる状態でございまして、常に巡回をして、切り羽のほうまで入っていって監視もしておる。そういうことで、生産技術と保安というものが相一体になっておるのが現状ではないかと思います。落盤の状況とか、地盤やその他の状況とか、それをささえるいろいろな構築物であるとか、これはもう生産兼保安という情勢にもあると思うんです。そういう面から見まして、まあ一長一短、制度にはございますけれども、鉱山のような場合には、やはり生産を監督する者が保安についても責任を負っておると、そういうほうが実効性をあげるのではないかと私たちは考えます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ、大臣もそうおっしゃる、生産と保安というのは一体だと、だから通産省でやるんだというお考えですけれども、そうなっていないじゃないか。いつも災害が起こるたびにそうなってない、やる気がないじゃないか、あるいは二の次になっている。今度の常磐炭礦の問題でも、簡単なことのような私どもとしては印象を受けているわけです。だが、生産中心になっているものだから、そういう簡単なことがやられていない。だから私は、いま転換をされようとするんだから、この機会がいい契機じゃないかということを主張しているわけです。ですが、まあ大臣はそういうお考えですが。  次に、同じようなことなんですけれども、この国会に御承知のように電源の周辺整備の法案が出ております。たいへん評判が悪い。まあ五十年、五十一年、たいへん電力危機だと、そして火力発電にいたしましても、原子力の発電にいたしましても、住民の反対があって至るところで立ち往生している、このままではたいへんな事態に至るということで、急遽だろうと思いますが、周辺整備の法律というのができた。だけれども、これはたいへん評判が悪いというのは、問題は住民が非常に反対をしているのは、いずれにしてもその公害の問題なんですね。その公害源についてはそう目立った手は打たないでおいて、何かその周辺を整備するということで、これは当然国がやるべきことであって、電源と関係なく政府がやるべきこと、自治体がやるべきこと、そういう問題に何かすりかえて、元凶であるその公害についてはこれという対策なくして、こういうようなことで電力危機を回避しようとするということで、たいへん評判が悪いんですね。まあこの間も、全国の電源開発、原子力発電、火力発電の反対の百団体が集まって、この周辺整備の法案について反対するという全国的なキャンペーンを展開しておるわけですが、その意味では、私どもとしては、この電源開発については住民の反対運動というのは新しい段階に入ったというふうに思うんですけれども、これなんかもやっぱり生産第一主義、電源そのもの、公害そのものについての的確な政策というののは出されないという印象を強く受けているんですけれども、その点について通産大臣の考え方をお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 電源の立地に関する地帯整備と公害防除に関する施策というものは、おのおの十全を期して行なわるべきであると思います。公害防除につきましては、環境庁から基準がつくられまして、その基準を順守させるように、われわれ及び科学技術庁ともに相協力してやっておるところでございます。特に最近は温排水の問題等もございますし、それから廃棄物処理等の問題もございまして、そういう面については特に住民に不安を与えないように、規定を厳守いたしまして、監視し、実行しておるところでございます。これはこれとして十全な措置を講ずべきであると思いますが、また、一面におきまして、それらの発電施設等の設置される町村及び県等からも長年強い要望がございまして、その発電施設を置く場所について住民が歓迎するようないろいろなめんどうを特に見よと、そういう御要望がございまして、いろいろ緑地帯の設置とか、あるいは公園の整備とか、あるいは道路、あるいは港、排水、あるいはモニタリングシステム、そういうような諸般の問題について、国としてもっと積極的に政策を拡充すべきであるという御要望があって、その市町村長やあるいは県知事等の要望にこたえまして、今度ああいう立法を、長年の懸案でございましたが、提出したわけでございます。あれでもうほかのことをしなくてもいいという趣旨ではございませんので、公害問題は公害問題として、いままで以上にそのいろいろな技術的改革に伴いまして規制もさらに強めていくと、そういう考えに立って進めていくべきであると思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは、通産大臣ね、原子力の問題についても、たとえばいまお話しのありました温排水の問題について、これは全然その規準がない、研究データもないという。安全性の問題についても、これは住民の納得を得るところまで至っていないんです。だから、これは住民の反対運動というのがある。それから火力発電にいたしましても、これは公害があるから反対をしておるわけですね。そういう問題についての的確な私は施策というものはないと思うんです。だから、一方こういうものが出てくる。ですから、この五月の二十九日ですか、百団体が集まったときにも、住民の反対運動というものを、公害反対運動というものを、これは金で買収するんじゃないかというような言い方までして反対をするわけです。私はどうも通産省の考え方というのが、やはり原電をつくるということ、原子力発電所をつくるということ、それがどうしても中心になっている。そのためには、それは環境整備もやってやろうという考え方になっているんじゃないか、こういう考え方を持つわけですけれどもね。それはまた、いま申し上げました問題も引っくるめてあとで立地公害局のところで重ねてお伺いをいたしたいと思います。  先ほど来申し上げておりますように、通産省が二十年ぶりのたいへんな大改革をなさるわけでありますが、これは政策そのものがここで転換をするんだと、その趣旨は先ほど大臣もお話しになりましたとおりであります。したがって、かつて見ない、各省になかった大きな省改革が行なわれる。中を見てみますと、どうも局は全部名前が変わっちゃった、全部と言っていいぐらい局は全部名前が変わっちゃった。その局そのものを見ますと、大臣のおっしゃるようなものになっているが、それは看板だけじゃないかと。問題は中身なんですから、中身はどうも従来とほとんど変わっていない。念のため私はちょっと、課が一番重要ですから、課が仕事の単位になるわけですから、課を見てみますと、ほとんど変わっていないのですね。まあ四つか五つぐらい新しい課ができていますが、ほとんどの課が変わっていないのです。そのことは私はどうも看板はできたけれども、実際の中身というのはほとんど変わっていないのじゃないかと思う。実際の中身は変わらぬのじゃないかと。中身を含めて変わっていくには相当これは長い年数が要るんじゃないかという気がするのですが、中身をどういうふうに見ておられますか。実質はほとんど変わっていない。どういうふうに大臣は考えていらっしゃるのか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 私の考えを申し上げまして、技術的なことは局長から御答弁申し上げますが、通産省の首脳部及び各局におきまして方向をきめて、その指導精神に沿って、課というものあるいは部というものはその指導精神に沿った道具として使われるべきものである。そういう意味におきまして、課その他はわりあいに専門的な技術的な力を持っておるところでございまして、それを動かしていくのは局長あるいは通産の首脳部の政策方針によるのでございます。したがいまして、課まで名前をそれほど大きく変えるということも一つのお考えでございますけれども、また一面において、そういう専門的知識や技能というようなものはそのまま活用できるもので、従来の名前を変えないでも転用できると、そういうことも非常に多いのではないかと思います。まあ一面には行政事務から見ますと、課の名前を変えると用紙から判こからみな変えなければならぬという、そういうこともありまして、使えるものはそのままなるたけ使おうという考えにもよっておるのでございます。専門的なことば局長から答弁させます。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 今回の通産省の行政機構の改革は、資源エネルギー庁の設置、各局の再編成がその中心となっておりますことは先生御指摘のとおりでございます。各局、庁内の課の編成につきましては、御承知のとおり政令で定めることになっておりまして、今後法制局、関係各省と調整を要するため確定的なことは申し上げられませんが、現在の当省の考えているところを申し上げますと、従来の行政の継続性につきまして考慮しながら、課につきましても相当程度の手直しを行なう予定でおります。今回の機構改正によりまして、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、局、庁の組織のプリンシプル並びに大ワクが確定を見ることとなるわけでございまして、今後はその趣旨に従いまして、行政需要の変化に応じて、逐次課のベースにおきましても、その再編成を進めることといたしております。今回の改正におきまして現在考えておりますことは、既存の課の改廃によりまして物価対策を専門に所掌する課を設けたいと考えております。さらに企業構造の適正化に関する事務を所掌する課、住宅産業を所掌する課、国際資源問題を所掌する課、ガス保安を所掌する課等を設けることによりまして、今回の機構改革に伴いましての省内の課ベースでの対応ぶりといたしまして、冒頭申し上げました国民福祉の確保、国際社会における摩擦の回避というような趣旨を担保してまいりたいと考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 局の名前が全部変わる、ほとんど全部変わっちまう。まあそのことは、プリンシプルが変わっていくんだと、これが変わっていくんだと、したがって、課そのものは従来の課がほとんどだが、若干四つか五つぐらい新しい課が出てくる。名前は変わっていますけれども、中身は、ほかのところはほとんど変わっていない。だが、逐次そういうプリンシプルに従って課も変わっていくんだというお話ですね、わかるような気がするのですけれども。さっき大臣が、局がきまれば課も変わっていくんだというお話ですけれども、私は若干違っておりまして、課がやっぱり一つの単位になっているというふうに思いますけれども、しかし、まあいま局長のおっしゃるように、まず局が変わって、そしてプリンシプルを変えながら、全体として、通産全体がそういう方向に課の編成をしていくんだというふうに受け取りまして、やはりそういうことで了解をいたしたいと思っております。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 鶴園先生の御指摘のとおり当方も了解いたしておりますし、大臣が申し上げました部局が変われば課がおのずから変わっていくという趣旨の御答弁も、また先生の御趣旨と開きがないものと了解いたしております。つまり通産省の権限、任務を遂行していく際におきまして、課というエレメントがございますが、そのエレメントの集合といたしましての通産省というものは、その集合の原理といたしまして、今後は、冒頭申し上げました国民福祉の向上、国際経済社会に対する調和というような新しい原理で、エレメントは同じでございましても、新しい姿勢で今後の行政需要に対応してまいりたいと、こういう趣旨で大臣から御答弁があったものと私としては考えておる次第でございます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩     —————————————    午後一時七分開会

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再会いたします。  休憩前に引き続き、通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 特許庁に技監が置かれたわけですが、これは賛成ですね。技監を置かれたことについて賛成なんですけれども、ところが附則でですね、当分の間は併任だという書き方がしてあるんですけれども、せっかく置かれたのに附則でこういうような措置をされるということは、どうも好ましくないんじゃないかというふうに思うんですけれども、なぜ附則で併任ということにされたのか、理由をまず伺いたいと思います。

三宅幸夫特許庁長官

○政府委員(三宅幸夫君) 御指摘のとおり、法律の附則で当分の間兼務ということになっておりますが、この特許技監という業務内容は、スタッフの機関でございますが、これが現業のラインと遊離することなく有効に機能するためには、現在の時点では兼務制のほうがむしろ遊離しないんではないかという判断もございました。また、他方、特許技監の職務は審査、審判に関する事務のうちで技術的に特に重要な事項、たとえば審査内容の基準の統一化とかあるいは人事の適正配置、こういう業務がおもな内容でございまして、これは従来審査、審判の各部長が行なっておりましたのを統合するといいますか、新しい特許技監のもとで再調整すると、こういう観点のものでございます。その結果、従来の各部長がやっておった仕事の延長的なものが相当ございますので、特に当分の間は、さしあたりの間は非常に大きな業務量になるとも考えられませんので、こういう形の兼務にしたわけでございます。ただ附則で「当分の間」とございますように、今後特許行政は非常に国際化のスピードを高めてまいっていくと考えられますので、特許技監がいずれの日にか専任になる日もあろうかと考えておりますが、その時期は、今後この兼務制による特許技監の運用の実績を見た上で関係各方面とあらためて御相談したいと、かような趣旨から当分の間の兼務制をとったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 その置いたのに、せっかく設置したんだけれども、いまの話を聞いておりますと、ちょっと見通しのない、まあ当分の間はそうだと。じゃ、なぜ置いたのかということも聞きたくなるわけですね。ですから私は、特許庁はたいへん員数的にも大きな定員を持っておりますし、それから仕事の面でもたいへんな仕事量をかかえているわけですし、いままたお話のように国際的な方面にもたいへん大きく発展をし、問題が出てくるだろうと思いますし、そういう意味からいいますと、これは置いたのはたいへんいいと。で、これは審査第一部から第五部までありますし、それにもう一つ審判部というのがありますしですね、一部から五部と、それに審判部としますと六部ということになりますが、それぞれ内容を見ましても、定員の関係を見ましても、これはもう部としてりっぱなまあ内容がありますし、六部ということになりますれば、これは当然こういう技監というものを置いて処理されたほうがいいだろうという、そういう感じを私どもは非常に持つわけです。ですから、置かれたことはたいへん賛成なんだけれども、だが、いまお話しのように、当分の間という話では、これはなぜ置いたのかというふうにも聞きたくなりますしですね、せっかく置かれたんなら、これは併任じゃなくておやりになったらどうだろうというふうに思うんですけどね。どうも私いま伺ってますと理由がはっきりしない。何か人的に問題があるような感じもしますしですね、そうではないんじゃないかと思うんです。だから、これはもうこういう附則をつけないで置かれたらどうだろうというふうに思いますけどね。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) あるいは私がお答えすることが適当かどうかわかりませんが、審査に当たります立場として、ちょっと御説明を補足いたしたいと思いますが、特許技監を置くことは、実は当分の間特許技監を置くというわけではございませんので、特許技監の設置自体は恒久の職として置きたいというふうに考えておるわけでございます。ただし、先ほど特許庁長官から御説明申し上げましたように、現在における特許庁の業務の状況からいたしまして、直ちに専任の特許技監を設けることがいいかどうかという問題、いろいろ検討いたしました結果、当分の間兼務制という形で置いてはいかがかという結論に達したわけでございます。実際問題といたしまして、その運用の状況を見まして、兼務ではとうていその仕事が行ない得ないという状況になりますれば専任化するということを考えなきゃならぬわけでございますが、さしあたりの問題としては、兼務制で技監を置くという形にいたしたというわけでございますので、その点もし誤解がございますれば、私どもの説明不十分ということになりますので、補足いたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そうしますと、私は置かれたことはたいへんいいというふうに思うわけです。かつて内閣委員会で特許庁の問題につきましてたいへん論議になったことも記憶いたしておりますし、その後そう情勢、状況が変わっておるとは思いませんし、たいへん重要な仕事をやっていらっしゃるし、また仕事もたいへん多いところですし、これからもまた、いま長官のお話のように、国際的な問題にもいろいろ関係してくるし非常に重要だと思う。しかも五部あって審判部が一部あると、定員の数からいいましてもこれはやはり置かれたのは非常にいいと。ですけれども、いまのお話を聞いておりますと、どうも今日ここに置かなきゃならぬと、今度の機構改革のときに置かなきゃならぬというふうに理解できない。何か今回機構改革をやるので、この際ひとつ置いておったほうがいいというような程度に聞こえるわけですね。そういうふうに受け取られるわけなんです。これはどうもまずいように思うんです。せっかく置いたんだから、これはやはり直ちにできるだけ早く、この「当分の間」という附則でたな上げしたような形ですね、これは。法律でたな上げしますというと、これはまた法律を改正しなければ置けないということになりますし、ですから、どうも私が聞いておりますと、何か便宜的にこの際機構改革するからその際に、まあ三年あとになるか四年あとになるかわからぬけれども、とにかく置いておこうというような便宜主義的な感じがしてしょうがないんですけれどもね。これは設けたんだから、私たびたび言うように置いたらどうだと、併任じゃなくて置いたらどうだというように思いますけどね。

三宅幸夫特許庁長官

○政府委員(三宅幸夫君) 今度のこの特許技監は突如出てきた構想ではございませんで、ここ数年来特許庁としてかねてから念願としておった案件でございます。特許の事務が非常に高度化し、複雑化し、膨大化するという中におきまして、優秀な技術屋の士気を高める意味におきましても、こういう制度がぜひ望ましいと考えておりまして、たまたま今般の機構改革で実現を見ることになったわけでございます。ただ、行政機構の膨張を抑制するという政府の基本的な方針もございますし、また、特許技監の営もうとする機能は、従来は各部の中において営まれておりましたので、当分の間現在の延長という感じで、新しい専任の特許技監を設置しないで、特許技監という制度はございますが、適当な部長が当分の間これを兼任をする。で、今後特許行政がますます国際的に激しい流れの中に入ってまいると思いますので、そういう実情並びに今後の運用の実績を見まして、専任の問題をあらためて早急に検討いたしたいと、かように考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうもよくわからないんですけれどもね。だから、附則で置かないで当分の間併任で置くというなら、まあ内部のいろいろの事情があってなさるのだろうということですけれども、わざわざ附則で、法律で併任という、当分の間併任ということで置かれるところに私は問題があるように思うのですよ。それじゃなぜ今回おやりになったのかということを伺いたくなる。私は、いま長官のおっしゃるように、これはやはり当然置いてしかるべきだし、従来から私はあってしかるべきだと思っている。だから、ここにできたのだから、置かれたらどうだと、併任じゃなく置かれたらどうだと。ただ、まあいろいろな事情があって併任ということをなさるなら、これはわざわざ法律でそういうような附則をつける必要はないじゃないかというふうに思うのですけれどもね。ですから、行管のほうでどうお考えになっていらっしゃるのですかね。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 先ほど御説明申し上げたように、特許技監自体の設置の必要性は当然これを認めておるということでございまして、その限りにおいて、まあ運用上で併任でやればいいのじゃないかという御意見であろうかと思いますが、実は今回の査定の経緯を見ますと、特許技監という御要求はかつて数年来出ておったことはございますけれども、本年度は実は次長という御要求がございまして、最終的な折衝の過程において、ラインの組織である次長ではなくて、スタッフとして技監というものを考えるということに変わってきたわけでございます。もちろんこういうスタッフとしての技監制度についての議論は過去においてございましたから、初めて出てきた議論ではございませんけれども、スタッフとしての議論を行ないますに際しましては、一体事務量として、スタッフとして独立しなければならない程度のものがあるのかないのかというような問題の検討は必ずしも十分ではございませんし、また、従来特許庁におきましては、審査、審判の各部長が、審査、審判に関する技術的事項、たとえば審査、審判に関する基準の統一とか、あるいは審査、審判の手法の改善、合理化、あるいは先生御指摘の国際協力等の問題をそれぞれ所掌いたしておったわけでございますが、これがどの程度新しい技監に移るのであるかというような点も必ずしもつまびらかでない点がございます。したがいまして、直ちにいま事務量等から見まして専任の技監を設ける必要があるかどうかという点については、実際の運用をまって検討する必要がある点が非常にあるわけでございまして、そういった点から、技監というもののスタッフとしての性格は当然恒常組織として認めると、ただし現実の問題として、事務量等から勘案いたしまして、当分の間これを兼任するという形にいたしたわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、説明はわかりました。わかりましたですがね、どうもそれじゃ今回置かれたことについてこれは疑問があるというふうに思いますですね。ですから私の主張は、従来から置いたほうがいいと、せっかく置かれたんだら賛成ですからとやかくこれ以上申し上げませんですけれども、私の考え方としては、せっかく置かれたんなら、これはもう置かるべくして置かれたのだと思うし、すみやかにこれは併任ではなくて附則をはずして置かれるように希望をいたしたいと思います。  次に伺いたいのは、通商局と貿易振興局が再編されまして、そして輸出と輸入がいままでは二元化していたものを、これをまた一元化するということになるわけですが、四十年に輸出入を二元化するということで提案があって二元化したわけですね。で、それをまた今度一元化なさるわけですけれども、前は輸入と輸出は分けたほうがいい、今度は輸入と輸出を一本にしたほうがいいという理由になるのですけれども、御承知だと思うんですけれども、この四十年のときに内閣委員会でも附帯決議がついておりまして、どうも二つに分けるのは問題があるということで附帯決議がついておったわけですけれども、そのときからおかしいと——おかしいというのか、それは困るじゃないかという話があったのですけれども、今回また一元化される理由についてですね、お尋ねをしたいと思います。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 先生御指摘のとおり、昭和四十年におきまして貿易振興局が通商局から独立をいたしました。当時におきましては、両局間の機構、人員、事務量のバランスをはかることを前提といたしまして、貿易振興局はおもに輸出振興行政に携わることとし、輸出管理事務及び経済協力事務を所掌することといたしたものであります。残る通商局のほうは対外経済交渉事務を中心に所掌することといたしましたことにかんがみまして、輸入自由化、輸入割り当て額の設定等、対外経済交渉事務と密接な関係を有する輸入業務は通商局で所掌することといたしたものであります。  今回の機構改正におきましては、輸出入管理等貿易実務を一元的に行なう貿易局と、対外経済政策の企画立案及び対外交渉を行ないます通商政策局とに再編成することといたしておりますが、これはわが国を取り巻きます経済環境が昭和四十年当時とは大きく変化してまいってきておりますことの反映でありまして、具体的には、わが国経済の大型化に伴いまして国際収支面では大幅な黒字が発生するに至っておりますし、このような状況を反映いたしまして、貿易政策の目標は輸出の振興から輸出及び輸入の均衡ある拡大に変化をしてまいっております。このために対外政策面でも輸出と輸入を総合的に勘案した政策の立案が必要となりましたし、また、これに基づく貿易管理面でも、輸出入管理業務を機動的かつ有機的に推進する必要性がますます強まってまいっております。このような時代の要請に的確にこたえますため、通商政策局で輸出入を含めて通商政策の立案を行なうことといたしますとともに、貿易局で輸出入政策を一元的に行なうことといたしたものであります。なお、経済協力行政は、従来は貿易振興局に所属しておりましたが、今般総合的な市場政策を展開することの必要性から通商政策局に移しかえることといたしたものであります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 御説明は御説明なんですけれども、もう一つ立地公害局というのができますね。これもその当時ですけれどもね、立地と公害というのは分けたほうがいいと——なるほどそうだと思うのですね。立地と公害がやはり一本にあるということはよくない、ですから分けたほうがいいというお考えだったんですね。ところが、今度は公害と立地がまた一本になりましてね、それで立地公害局というものができるわけですけれども、これもどうもいままでの通産省のお考えからいうと、全く逆になっちゃったのですね。ですから、私の感じでは、どうも四十年代に輸出ということが盛んにいわれるということで、何か二つの局ができてしまう、それを今度はまた一本にしてしまう。公害と立地の問題につきましても、前は別々のほうがいいという御主張だったのですけれども、今度はまたどういう理由なのか、これを一本にするという。どうも終始一貫しない感じを非常に強く与えるわけですね。しかも局ですからね、局の処理にあたってこういうふうにたいへん変わられたんではどうも理解しにくいのですけれどもね。ですから、公害と立地を一緒にされたということについても説明をいただきたいですね。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 通商政策局関係に関しましての御指摘から御答弁申し上げたいと思いますが、昭和四十年当時におきましては、何と申しましても、わが国経済の一そうの発展をはかりますためには輸出の振興が第一の急務でございまして、自来八年の歳月が流れ去りまして、この八年間の間におけるわが国の努力によりまして、先生御承知のような国際収支状況にただいま相なっております。このように経済が拡大し、対外関係が、世界の貿易市場におきまして占める日本の位置が急激に高まってまいりますと、いわゆる輸出の振興は従来と何ら劣ることなく重要な最高な経済政策として追求すべき目標ではあろうかと思いますが、他面、そのような輸出の振興を可能にするためには、これに見合いました均衡のとれた貿易政策というのが裏に存在いたしませんと、輸出の振興それ自体が怪しくなるのではなかろうかと考えております。すなわち、輸出の一そうの推進をはかるためには輸入をさらに推進する必要があり、また、経済協力等の問題に関しましても、輸出の振興という観点ではなく、相手国市場との緊密なる経済関係の樹立、相手国市場の発展というような観点をずっと強めてまいらねばならぬ時世になったのではなかろうかと考える次第でございます。このような意味合いにおきまして、従来の輸出の振興ということから対外経済関係の均衡というふうに、通産省の置かれました使命の変化に伴いまして今回の通商、貿振両局の再編成をお願いをいたしておる次第でございます。  また、先生御指摘の立地、公害関係の組織でございますが、公害のない社会を建設したいということは、今日の重要な国民的な課題でございますし、通産省といたしましても最重点施策の一つとしてこれに取り組んでいるところでございます。今後公害政策を実のあるものとするためには、昨年の四日市判決におきましても指摘されましたように、単に事後的な排出規制等にまつだけでは十分ではなく、工業立地段階から公害の防止に十分配慮していく必要がございます。その具体的なものとしては、今国会に提案をいたしておりまする工場立地法案がその一つの例であります。このように緊密度が増しました公害行政と立地行政の連携を強化するとともに、他面、行政機構の膨張抑制という要請にものっとりながら国民の期待にこたえようとするのが今回の立地公害局設立の趣旨であります。両行政を一つの局で有機的、総合的に推進することによりまして、公害行政はより実効性をあげるものと考えておる次第であります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも私は、従来通産省が言っておられた、公害について立地と公害を分けると、そのほうがよりベターだという、その考え方は賛成なんです。ところが、今度立地と公害が一緒になるということはどうも理解がつかない。いま立地があらゆる面で立ち往生しているのは、これは公害の関係が最も大きいと思う。そうすれば、立地と公害を一緒にするというのはどうも理解がつかない。公害局というのをおつくりになるならこれはわかる。公害局というものが独立をして、これが公害の問題をやるんだという、そういう姿勢ならわかりますけれども、そうじゃなくて、どうも立地と公害を一緒にしてしまって、従来から通産省の大きな流れとしては立地がやはりどうしても中心になって、公害というのは下敷きになっているという印象を強く与えておるわけですから。しかし、通産省の従来の考え方は私はよかったと思うんですけれどもね、別にしておるということは。いよいよ今度は別にしてやらなきゃならぬのじゃないかと、公害の面を中心にして問題を考えていくという段階にきているというときになりまして、今度は公害と立地を一本にするというのはどうも理解がつかないんですね。それで立地と公害というふうに、さかしまにならないで、立地のほうが上についちゃって、公害立地というのがさかしまになっているような感じですね。やっぱり立地が公害におおいかぶさっている、この点どうも私は理解がつかないですね。  それから輸入と輸出を一緒にしたほうがいいとわれわれも考えておったんですけれども、まあ通産省としては別だという考えできたと、しかし、今日になってみてたいへん輸出も伸びたし、いろいろな情勢でまたひとつ一本にするんだとお考えですけれども、しかし、言うなら二つに分けておったほうがそれぞれいい結果が生まれたんじゃないかと思うんです。今日のような異常な形にならなくてよかったんじゃないかという気もします。ですから、どうも二つとも私は、前のほうは二つに分けておったほうがいいという意見、公害と立地は従来から通産省が言っておるように別にしておったほうがいいと、機構としては。やり方の姿勢は別ですけれども、別にしておったほうがいいと、今度は一緒になると、全然二つとも私の考えと逆なんです。いずれも通産省の従来の考え方とまるっきり逆な形になるわけですけれども、いまの説明ではどうも理解がつかない。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 立地行政もまた時代の、時の流れの課題に従いまして、その重点とするところを変えてくるのもまたやむを得ないところではないかと考える次第でございます。わが国が、国民所得の増大を求めて輸出振興第一の時代におきましては、立地問題に関しましては、そこで国際的に有効に戦える企業の樹立、国際的に通用する商品の生産という観点におきまして、立地問題はやはりその効率性ということが大きなファクターとなっておったことはいなめないところではなかろうかと存じます。今日、ここまで経済活動が活発になりまして、時代が課しておるところは、経済活動と国民生活との接点、過密問題、公害問題等が最大の課題になってまいりますと、立地問題に関しましても、その立地条件の効率性という点は、むしろ公害に対していかに対処するかという課題にその席を譲るべき時代になったのではないかと考える次第でございます。  御承知のように、従来、旧機構におきまして、公害保安局におきまして環境庁と緊密な連絡のもとに、通産省といたしましても公害の防除ということには最大の努力を払ってまいってきたところでございますが、何と申しましても公害行政を有効に推進いたしますためには、そのような公害が起きないような立地関係に関しまして、事前に十分な配慮がなされることが最も肝要ではなかろうかと考える次第であります。このように、いまや時代の課題といたしまして、立地行政という問題は、公害の防除という観点に最大の力点を置かれるべきところかと考えまして、立地公害局として御審議をお願いしておるところでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま大臣がお見えになりましたですけれども、いまこういうことを伺っているわけです。一つは、これは四十年ですから、七、八年前のことになるのですが、そのときに通産省としましては、輸入と輸出は分けたほうがいいということで二つの局に分けたと、輸入と輸出と別々の……。そのときに、国会では論議がありまして、附帯決議がついて、これは二つに分けるのはよくないと、しかし、まあ二つに分けるなら、これは緊密な連絡をとってやるようにという附帯決議がついたんです。ところが、今度はまた一本にするというわけですね。これは従来もここで論議のあったように、一本になることですからいいことですけれども、どうもしかしそういう主張をしなかったのです、従来。どうしても二つに分けなければいかぬと、離したのですね。  それからもう一つは、立地公害局というのが今度できるわけです。これは三年前に、昭和四十五年に、通産省としては立地というものと公害というものは分けたほうがいいと、こういう主張だったんです。こればそのとおりだと、ところが、今度は三年たったら立地と公害を一緒にすると。ですから、いま問題にしておりますのは、その通産省の考え方に一貫性がないじゃないかということを伺っているわけです。ですから、前者のほうは、輸入、輸出の問題は一本になりましたから、いまここでとやかく言うつもりはないですけれども、ただ、一貫してないじゃないかということを伺っているわけです。いま官房長のほうから二つの問題についての説明がございました。  そこで、これから伺うわけですけれども、いま申しましたように、輸出入のほうは一本になったから、首尾一貫しない点はありますけれども、これはそれでいいと。公害の問題と立地の問題について、三年前に、別のほうがいい、そのとおりだと思っておりました。通産省はそういう主張だったのですけれども、三年たったらこれを一本にしている。それも理屈がない。これからますます公害というのが、立地というよりも公害というのが重大な問題になってきている。三年前だって同じですけれども、ますます公害というのが重要になってきているときに、立地公害局という形で立地と一緒にするということは、これはどうも理解がつかない。あるいは局をふやさないとかなんとかということで何かあるのかもしれませんが、むしろそれなら立地というものを、部をどこかへ置いたらどうですか。どこかの局に置いたらどうですか。公害は公害として独立さしたらどうかという私は感じがするのです。そうすれば別に置かれますからね。その点について通産大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これは官房長が御答弁になったと思いますが、立地ということは、最近は無公害ということでなければ立地してはならない、そういう時代の著しい変化が出てきたと思うのです。今度は工場立地等につきましてもいろいろ規制法を出しておりまして、立地ということばの中には必ず無公害というものが随伴して行政的に処理されなければならない。したがって、通産省の観念におきましては、立地ということばは、すなわち無公害という同義語でこれを処理するという観念に立って行政をするという方針をやっぱり具現するという意味において、立地と公害というものを一つにして、そして公害という観点を最重点に置いた立地というものを考える。経済成長を頭に置いた昔とまるっきり変わりまして、やはり公害を排除するということを頭に置いた立地という精神を貫くという意味で一本にしてあると考えます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は二つに分けておいたほうがいい、通産省も従来はその主張だった。四十五年のときには二つに分けるべきだ、そのとおりだと思います。立地と公害と一緒にあるということは、どうしたって従来の通産省の非常に根強い生産中心主義からいいますと、どうしてもそれは圧倒されちゃう、公害が圧倒されちゃう。私は先ほどから電源開発の問題にいたしましても、有明の問題にいたしましても、炭鉱の災害の問題につきましても伺ってきたわけなんです。そこからはっきりうかがえることは、どうしてもやはり通産省の本来の骨格というものは、これは生産中心主義になっているのだ、いまでもそうじゃないか。だから、そういう中で二つに分けておく必要があると私は思うんです。いま大臣は、立地といったら公害のない立地だとおっしゃいますけれども、むしろ分けておって、そして立地を制約していくという体制をとるほうがベターじゃないかと思いますのですけれども、いままでの根強い生産第一主義からいいますと、ますます私はそうだと思います。むしろ立地というのは部としてどこかに置いておいて、そして公害局というものを設けて、これが中心になって無公害の立地というものをしていくという強い体制をとらなければ、いままでの生産中心主義からいいますと、とても期待できないと私は思います。三年前そういう主張だったわけですから、それでいいじゃないですか。別にしたほうがいいと思います。ただ局をふやすことはどうだこうだというような形の便宜主義にとらわれてはいけないと私は思います。これから最も重要なことは私は公害だと思うから、通産省にとってはそうだと思います。ですから、公害局というものなら公害局というものをつくって、それで立地部というのはどっかに従来どおり置いておくというふうな措置をされたらどうですか。  なお、立地公害局という名前ですけれども、名前にこだわるわけじゃないけれども、またあとで名前にこだわりたいところもありますけれども、まあ局をつくる場合、どっちを上にするか、二つを一緒にする場合に、これは通産省ではもう当然立地が圧倒的に強みがあると思うんです。ですから、これは立地公害局になっている。で、私は、先ほども立地というのは公害を完全におおいかぶさっている、圧倒しているじゃないかという印象を非常に強く受けるわけです。ですから、そういうことのないようにするには、いま申し上げたように、私は公害局というものを独立をさして、そうして立地部というものをどっかの局に置いておくというほうがいいんじゃないかと重ねて主張いたします。大臣の見解を承ります。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 無公害を非常に重視なさるお考えは私も全く共鳴しておるところでございます。ただ、われわれの考えといたしまして、立地ということをやる場合に無公害をおろそかにしてはいけない。だから、むしろこの場合には公害という面が中心であって、立地という場合には無公害に従属するという考え方で一緒にして、そして立地のほうを無公害という面から厳重に規制しよう、そういうアイデアに基づくものなのでございます。行政官庁の内部におきまして、やはり一人の局長のもとに、無公害ということを中心にして立地を従属させてやらせるというほうが、行政の運用のしかたによってはより有効に働けるんではないか。裁判官みたいな三権分立という思想でチェックするということも十分考えられるところでございますが、役所全体の方針がそういう方針で確固としてきまっておりますならば、そういう一人の人間が公害を中心に立地というものを考えて処理していくというほうが有効ではないかというように考えられます。そういうふうな方針でこれを私たちは運用していきたいと思いますので、御理解をいただければありがたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで立地公害局の中身を見ますと、公害というのは横すべりになっただけで何も課がふえているわけじゃない、公害の二課がそのまま横すべりになっている。それから立地関係はそのまま立地関係の四課が、三課ですね、が、こう入ってきておる。ですから、何も公害が中心で立地が従だというようなものにはなっていない、中を見ますと。大臣はいま、運用のしかたによってはというお話でありますけれども、確かに運用のしかたによっては、同じ局長が立地と公害を取り扱う場合がいいということも、これは大臣の話、わかりますが、ですが、従来の通産省のあり方からいった場合には、なかなかそれはうなずけないと私は思うんです。今日といえども、これからもそういうことはうなずけないと私は思うんです。ですから、従来の通産省の主張が別のほうがいいと言っておるんだから、そのとおりだと思う、そのとおり貫いたらどうだ。ますます公害というのは大きくなっていく、公害に対する行政機構というものは大きくなっていくということはうなずけますけれども、何も変わっていない。そうして立地と一本にしただけだ。前の悪いところに立ち返ったような感じがしてしようがないんですね。大臣のお考えとは違うんじゃないでしょうか。官房長どうです。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 従来公害関係は、通産省におきましては企業局立地公害部というところで所掌いたしておりましたが、先般公害保安局を設けましたときに、立地は企業局に残りまして公害保安局というのが策定された経緯がございます。この当時の原則として私が考えますには、やはり経済活動の異常な活発化という事態に対処いたしまして、公害問題に関しては最大の重点をしぼり、純粋なかつ先鋭な行政を行なっていく必要があるという判断をいたし、御承知のような公害関係の立法も見ましたし、また環境庁の設置も見たところでございます。このようにして通産省といたしましても、公害行政の達成には時代の流れとともに最大の力点を置いたところでございますが、さらに経済活動の伸展に伴いまして、いまや、先ほど御答弁申し上げましたように、立地政策に関する最大の課題は、大臣から御答弁もありましたとおり、公害のない立地ということが立地行政に関します最大の眼目点となってまいっておるところでございます。このようにして、けさ、今回の通産省の設置法の眼目は何であるかというお尋ねに対しまして、やはり国民の福祉の追求、国際社会における調和の確保というような点が述べられたように記憶しておりますが、この国民福祉の確保という観点を、立地公害関係で新しい局の組織のもとにおきまして、御指摘のありましたように、その局を構成しておりますエレメントとしての課に関しましては、さしたる移動もございませんでしたが、新しいプリンシプルにのっとりまして立地に関する通産省の姿勢、公害関係に関する通産省の姿勢をこの立地公害局の設置とともに推進し、かつ国民の期待におこたえ申し上げたいと、このように考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも大臣、これは私はどうしてもやっぱり三年前の通産省の考え方がよろしいというように思いますですね。ますますそういう方向にいかなければならぬときになって一本にするというような考え方、こういうような考え方、どうも理解がつかない。しかも、いままでの通産省のその性格からいいまして、思い切った、そういう二つに分けて公害局というようなものをつくるというぐらいの考え方で対処なさらないと、どうもいままでの大きな惰性といいますか、大きな方向というものは転回できにくいという気がするわけです。むしろ従来の私は通産省の見解に賛成なんです。そして、これだけ大きくなってきているんですから、三年の間ですけれども、公害の問題にいたしましても、これは鉄鋼業にいたしましても、もちろん工業にいたしましても、電源の問題にしましても、すべて公害との問題にぶち当たって動きがとれない、立ち往生しているときですから、公害という局をつくって、立地部というのは従来どおりに置いておく、別に置いておくという考え方のほうがよりはつきりする。通産省が確かに公害というものにまつ正面から取り組んだという印象を私は受けると思うんです。このやり方は納得しにくいですね。これ、たびたび答弁をわずらわして恐縮ですが、大臣はどう考えられますか。どうも理解がつかないです、これは。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 官房長からお答えがあったかもしれませんが、いままでは立地関係は企業局の関係であったように思います。つまり企業サイドあるいは成長優先というような考え方から企業局に立地関係の部局があったわけでございますが、今回はその考えを改めまして、公害の中に立地を入れたという考え方をわれわれはとったわけでございます。この立地の置き場所によって、そういうふうに立地の観念というものは変わってきているとお考えいただければありがたいと思うのでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、私はそういうふうに受け取らなくて、立地の中に公害が入っている。公害の中に立地が入ってくれればいいのですけれども、どう見ましても、名前からもう立地のほうが上なわけです。圧倒されている、上に乗っかっちゃっている。中を見ましても公害課というのは従来と同じでありまして全然変わっていない。そういう点からいいますと、大臣のお考えと違っちゃって、公害の中に立地があるんじゃなくて、立地の中に公害が含まれてしまっているという印象を非常に強く受けるから、それは通産省としてまずくはありませんかということを先ほどから申し上げているわけです。ですから、これは以上で終わります。時間の関係もありますから、以上で終わります。  続いてお尋ねをいたしたいのは、これは行政管理庁にも伺いたいんですけれども、今度通商政策局というのと、それから産業政策局というのが出てくるわけなんです。それで、これは政策局という名前を冠した局が二つ出てくるものですから、ちょっと非常に異様な感じを受ける。で、中を見ますとそうでもないんですね。政策という名を冠した課というものはどこにもない。一つもないんです。企画という字を冠した課もない。にもかかわらず、こういう産業政策局というでかいやつが出てきまして、それからいまありました通商政策局というのですね。  それで、もうちょっと古いことになりますが、こういう政策の政というのを掲げたものが出てまいりまして、建設省ですが、建設省がたしか建政局というのを出したことがあります。建政局という、たしかそういうのが出てきまして、国会で修正をしまして、それでたしか修正をしまして、計画局でしたですかね、というような名前に変わった記憶があるわけです。そのことは、これは行政管理庁としても御承知おきのことだろうと思うんです。まあ労働省に労政局というのがありまして、これは戦後できた。農林省に農政局というのがあります。これは戦争前からあるやつですが、今度この政策という面を正面に出したのは初めて見るわけです。どういうふうに考えていらっしゃるのか、まず通産省と、続いて行政管理庁のほうにお尋ねしておきます。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 議院内閣制のもとにおきましては、行政権は内閣に帰属するものとされております。これに基づきまして内閣が政策の企画立案に当たることは、先生御承知のとおりでございます。具体的には、各大臣の手によって行なえることとなります。また各省の事務当局といたしましては、各大臣の手足となって政策の立案の任に当たることとなりますが、これに対しまして各局がどのように寄与するかはそれぞれ各省設置法で定められているところであります。通商産業省は、従来、輸出入、経済協力等の通商部門と、産業構造問題等の産業部門をかかえておりまして、これらに関する政策の立案の任に当たってきたことは、先生御承知のとおりでございます。  今回の機構改正に伴う各局の名称につきましては、通商関係は二局でございます。その二局間の問におきまして、また産業政策の立案に当たる部局と各原局との間におきまして、それぞれの事務の内容が明確に反映されたものとすることが必要であろうかと考える次第でございます。以上のような考え方に基づきまして、今回の機構改革により、輸出入、経済協力等の通商政策の立案の任に当たることとなった局を通商政策局とし、各原局を通ずる全体的な産業政策の立案の任に当たる局を産業政策局といたしたものでございます。また、通産省におきましては、一昨年五月、産業構造審議会によりまして、七〇年代の通商産業政策のあり方につきまして答申を得まして、現在この答申のラインに沿いまして政府部内における各省の任務、権限等の範囲内ではございますが、通商産業政策の転換を鋭意進めてきておるところでございます。こうした政策を遂行している局を明確にするという意味合いもございまして、局名にそれぞれ通商政策局及び産業政策局という名称を冠することとした次第でございます。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 先生ただいま御指摘の建設省設置法に関する問題につきまして、私ども勉強いたしてまいりましたが、当時の議論をつぶさに読んでみますと、建政局の所管事項として考えておりましたものは、建設事業に関する総合計画及び長期計画に関する調査及び立案に関する事務等をつかさどらせるというふうになっておりまして、当時の御質問なり御意見では、こういう内容のものであるならば、むしろ計画局という名称のほうがふさわしいではないかと、それをしいて建政局というような名前にすること自体が必ずしも適当ではないのではないかという御議論があったようでございます。また、その建政ということば自体がいわば非常に熟さないことばでございまして、ある意味においては、非常に高次の政治的レベルの問題を処理するかのごとき感じを与えるという点も当時御批判があったように伺っております。  そこで、今回の問題でございますが、まず通商政策局の問題につきましては、先ほど官房長からも御説明がありましたけれども、今回通商関係の局を二つに分けるにあたりまして、一つは貿易実務面、いわば輸出入管理業務を中心とする貿易実務面を所管するものを貿易局といたしたわけでございますが、それと対比いたしまして、通商政策の企画立案機能を担当する局として通商政策局というものをつくるということにいたしたわけでございまして、そういう意味におきましては、むしろ仕事の内容をはっきりさせるという意味において、通商政策局という名前は適切ではないかと私どもも考えたわけでございます。また、官房が持っておりました「商鉱工業に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。」、通産省設置法では「樹立する」ということばを使っておりますが、これは企画立案するという意味と解しておりますが、樹立する事務を所掌するとともに、各原局を通ずる全体的な産業政策の立案の任に当たる局について産業政策局という名前をつけるということにいたしたわけでございますが、そもそも政策ということばが出てくるのは、いまも申しましたように、基本的に設置法に政策の企画立案に当たるということが書かれているわけでございますので、それを名称に取り入れること自体について直ちに必ずしも不適当とは言えないのではないかと、むしろ実体的にどういう仕事をやっているかということをできるだけ明らかにするという意味においても、こういった形の名称を使うことは適当ではないかというようなことを考えたわけでございます。もちろん、それが政治的なレベルの政策決定をそこでやるのだというふうに御理解されるということになれば、これは問題がございますけれども、まあ労政局なりあるいは農政局に例をとりましても、いわば事務レベルにおける政策のための企画立案というふうに理解すれば、必ずしも不適当ではないと考えておる次第でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 七〇年代の通商政策という中間報告が出ている。さらに大臣からもお話がございましたように、従来の政策というものを転換をしていくのだ、こういう方向に転換をしていくのだというところからたいへん政策づいているということは、これは理解ができます。しかし、中身は私はそうじゃないのじゃないか。いま管理局長のほうから建政局の設置法が出ましたときにこういう論議があったというお話ですが、建政局というのはあまりなじまないということから言いますと、政策局というのはますますなじまない。いままでこんなこと聞いたこともない。政策局はなじまない。そして、まあたいへん政治的なというものを感じさせるのじゃないかということが建政局を論議したときにも出たというお話ですけれども、これはもっと政策局というのは政治的なものをはっきり思い浮かべさせるという点等からいいますと、これはやはり慎重に考えるべきじゃなかったのかという私は印象を非常に強く持っております。  しかも、いま管理局長のほうからもお話がありましたが、たとえば産業政策局というのを見てみましても、これは流通関係、うんと入っているんです。中身を見ますと企画とかそんなものは何も入っていない。何か設置法の中に文句が出てくるとおっしゃいますけれども、これなんか産業局でいいますと通商関係、つまり流通関係が半分近く占めている。これは私はどういう立場からいいましても、いまさっきも行政管理庁のほうからも説明ありましたように、建政局というのは政という字がなじまない以上に政策局というのはなじまない。かってこういうのを聞いたことがない。なじまないということもありますし、それから政策の政よりもっとこれは政治的なにおいを非常に強くかもし出すものだという点からいいましても、これはもっと慎重に行政管理庁としても、それから通産省としてもお考えになってしかるべきじゃなかったのかというふうに思いますですね。何か小さいことにこだわっているような印象を与えるかもしれませんですけれども、私はいままでの各省の機構の関係からいいまして非常にこれは異様な感じを受けますがね。大臣いかがに考えますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 政策局となると、ちょっと大げさみたいな感じもあるかもしれませんが、やはり省全体を見渡したいろいろな基本的な共通事項に関する基本政策という意味を持ちまして、わざわざ政策ということばを使ったんだろうと思います。通商関係は通商政策局、それから内政の方面においては産業政策局、そういうような意味もあってシンメトリカルに使っているんだろうと思います。  今日の通産行政を見ますと、政策部面で先取りしているということが非常に重要な要素になってまいりまして、いままで企業局という面、あるいは官房でやりましたが、ややもするとこれが成長優先とか企業サイドの印象をぬぐい得ないものが企業局とかそういうものにはございます。そういう断面を切断いたしまして、非常に高い見地から総合的に政策を練る、また実行するという意味でわざわざ政策局という名前をつけたのでございます。これはまあ人による感触でいろいろ違うと思いますけれども、私たちはこういうしっかりとした門がまえをつくることによって政策的にも通産省を前進させたい、こういう考えを持っておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 どうも大臣、事務当局の見解にあまりにもべったりという感じを非常に強く受けますですね。私も内閣委員会におって長い間、七、八年おりまして、機構の問題を取り扱ってきて、まあここ五、六年の間留守をしまして、今度また内閣委員会に帰ってきたんですけれども、しかし、まあ非常に関心ありますから、ずっと十二、三年の間、十四年になりますか、見てきておりますけれども、どうもこれはあまりにも政治的だという印象を非常に強く与えますですね。繰り返して恐縮ですけれども、これは管理局長のおっしゃるとおり、またここの国会で、内閣委員会で論議があったように、たいへんなじまない名前です。初めて出てきました。のみならず、非常に政治的な感じを強く与えていますね。こういう名前でなくて、別な名前だってあり得るんです。いい名前つけられると思うのです。そろいもそろって二つ政策局出てくるんですがね。先ほども言いましたように、通商政策局にしましても、この中身はそんなに変わっているものじゃないんです。それから産業政策局ですか、産業政策全体を取り扱うような印象を与えているのですけれども、中身はそうじゃない。課の構成その他から見ましてもそうじゃない。こういう点はやっぱりすっきりしておいたほうがいいんじゃないでしょうかね、大臣。べったりの印象じゃなくて、大臣としての考え方をすっきりしておいたほうがいいと私は思いますが、大臣がこのとおりだと、まさにこのとおりだというお話であれば、これまた別な論議をしなければいけないと思いますけれども、これは管理局長もおっしゃるように、確かにこれは異様な感じです。いわんや非常に政治的だという、政治的なにおいがするという、これはもう建政局よりももっと政治的な感じがします。それから異様だという点からいいますと、これは建政局よりももっと異様な感じがする。政策というものを管理した局が出てくるわけですからね、政策局というのは。

平井廸郎行政管理庁行政管理局長

○政府委員(平井廸郎君) 私どもの説明が不十分で、あるいは誤解を招いたかと思いますが、確かに建政局といわれるような場合、私ども常識的に見まして、あまり世上いわれていないことばでございますので、そういう意味で異様な感じを与えると、当時にもいわれたわけでございますし、私どももいまでもそう考えるわけでございます。ただ、通商政策とかあるいは産業政策ということば自体は、率直に申しますと、一般的に使われていることばでもございますし、必ずしもそれ自体がいわば私ども異様な感じを与えるというふうには考えておりません。ただ、従来局の名称として政策局という名前をとったものがないという意味においては新例を開くことは事実でございますけれども、労政局は労働政策局の略称であるというふうに考え、あるいは農政局は農業政策局の略称であるというふうに考えますれば、実体的に見てそうおかしなものではない。ただ、建政局は建設行政、建設政策となるのかどうかわかりませんが、どうも建設政策というようなことばは世上なじまないことばでもございますので、そういう意味で局名として必ずしも適当でないという面は一つあったと思いますが、名前の問題としては必ずしもおかしなことではないだろう。ただ、政策局という名前をつけると非常に政治的なにおいがするかどうかというのは、これは御感触の問題でございますけれども、私どもは先ほどあげました二つの例から見ましても、それは理解のしかたでございまして、政策の企画立案に当たるという点については、実体的にはそう表明しておる限りにおいては必ずしも不当とは言えないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 農林省の農政局というのがまずいということで、だいぶ論議になったことがあるんですね。しかし、それは戦争前からあったということもあって、そのときはそのままになったんです。たいへん問題になりました。それで続いて問題になりましたのは建政局ということですね。農政があれば建政もあっていいじゃないかということでしょう。それで建政局が出てきて、それがまた内閣委員会で論議になりまして、先ほどのお話のように変わったのです。そういう経緯からいいますと、ここに新しく政策局という名前を冠したものが出てくるということについては、これは行政管理庁としてもいろいろ考えていただかなきゃいけないと私は思うんです。慎重に取り扱っていただかなきゃいけないと思うし、それから通産省としましても、これはもう少し実情に合ったように、前は通商局の中には通商政策課というものがありましたですが、これは今度総務課に変わったですね。あとは特にそういったものはどこにもないですね。しいてそういう名前をつける必要はないじゃないか。実体にふさわしい内容のものをつけたらいいじゃないか。もし政策立案というものの表現をとらえるならば、それは各省にありますよ。各省にそういうことばはある。そうすれば、これは各省だってこういうふうになってきますよ。各省も名前を変えてくる。その場合に行政管理庁としてもとやかく言えなくなると思う。また、国会の中でもそういう論議がいままで行なわれてきているわけですから、これを安易にとらえたのじゃ困るというふうに私は考えているわけです。これはぜひ考え直していただきたい。大臣も、どうもべったりの話じゃなくて、考えていただきたいと思います。これは私の推察は、ごく事務的にお考えになったんだろう、そう思います。ですけれども、経緯があるものですから、ここで、内閣委員会でそれを論議した経緯がありますから、これは困る。通産省としていままで誘導行政なりあるいは指導行政というものを中心にしてやってきておられるわけですから、ですから、政策というものをどうもここで出してこられるということについては異様な感じを受けますし、しかるべく考えていただきたいということを申し上げて、少し時間が過ぎましたので、きょうのところは終わりたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 ただいままでのいろいろ審議を聞いておりますと、設置法の一部改正、省として相当な機構の改革があるわけでありますが、あくまでも中曾根大臣のもとに、名実ともに国民の方向に向いた充実したものにならなければならぬと思うのですが、ただ残念ながら、目下の公害に対する取り組む姿勢なんかは若干基本的な積極性に欠けているのではなかろうかと、こう思います。  私は、この法案については後半に譲ることとしまして、今日は通産省の、なかんずく大臣の基本的な公益事業に対する姿勢というものをお伺いしたいと思うのですが、なかんずく公益事業の民間のデベロッパーに対する投資、いまの内閣の土地政策というものを踏まえて公益事業が民間デベロッパーに投資する、それについて大臣は、基本的にどうあるべきか、こういうお考えからお伺いいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 公益事業は、その事業の性格からいたしまして、投機的な土地売買とかあるいは土地所有とか、そういうことをやることは慎むべきであると思っております。ただ、公益事業を推進するために必要な用地の確保ということ、あるいは公害に対するいろいろな防除施設の観点から、グリーンベルトであるとかあるいは森林地帯を培養しておくとか、そういう意味においては考えられる点もございますけれども、少なくとも財産取得とか、あるいは投機的意味を持つことを第一にした用地の確保、あるいはデベロッパーに対する投資というようなことは慎むべきである、そういうように思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 まず、土地の問題が一番シビアな東京と関西地区にしぼって資料をいただいておりますけれども、東京電力、関西電力、東京瓦斯、大阪瓦斯、おのおのデベロッパーに投資しているわけですが、投資先の会社名と投資金額、その目的等をお教えいただけますか。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) デベロッパーに対する投資額等でございますが、東京電力におきましては、三井不動産に一億二千七百万円程度の投資をいたしております。目的は用地の造成、地下変電所の建設等でございます。それから北総開発センターに対しまして五百万円の投資をいたしております。これは地域開発の協力のためでございます。それから日本新都市開発に対しまして三千二百万円の投資をいたしております。これは地域開発の協力と社員の住宅地の確保でございます。それから総合開発機構につきまして六千万円の投資をいたしております。これも同様でございます。さらにむつ小川原の開発会社に対しまして五百万円の投資をいたしておりますが、これは発電所の用地を取得するためでございます。それから鹿島の都市開発に対しまして三百万円投資いたしてございますが、これは社員の住宅確保のためでございます。それからジャパンデベロップメントについて三千万円投資をいたしておりますが、これは地域開発の協力のためでございます。  関西電力につきましては、大同阪急住宅に対して二百万円、これは社員住宅の宅地の確保のためでございます。それから、むつ小川原開発に対しまして十万円でございますが、これは電源開発、広域運営の協力ということでございます。それから苫小牧の東部開発に対しまして十万円投資いたしておりますが、これは地域開発と広域運営ということを目的といたしております。  以上でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 東京瓦斯、大阪瓦斯……。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 東京瓦斯でございますが、東京瓦斯につきましては、東京ガス不動産に三億円の投資をいたしておりまして、これはガス用地の確保のためでございます。それから日本新都市開発に対しまして一千四百万円の投資をいたしておりますが、これは所沢のニュータウンの建設のためでございます。千葉経済開発公社に対しまして二十万円、これは稲毛のニュータウンの建設の関係でございます。  それから大阪瓦斯でございますが、これは西大和開発につきまして二千五百万円、これは西大和のニュータウンの建設のためでございます。  以上でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 大臣が、投機的なものはこれはうまくないと、こうおっしゃいました。これはいろいろ問題があるんですけれども、一番最後におっしゃった大阪瓦斯、西大和開発、これはどういう仕組みになっておりますか、この投資は。この事業主体はどこになっておりますか。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 西大和開発でございますが、大体株式投資といたしまして、いま申しました二千五百万円の投資をいたしているわけでございまして、この会社は鉄道関係のことをやっているのではないかと記憶いたしておりますが、明確でございません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 明確じゃないから、私、大臣、これが西大和ニュータウン、ここで日本生命、大和銀行、近鉄、関西電力、大阪瓦斯、五社による開発です、団地のですね。すでにこの周辺は一平方メートル四万四千でどんどん売っているのです、分譲。これは国有地の払い下げも受けているのです。非常にこれはまた管轄が違いますので、そこまでは触れたくないのですけれども、そこにこれは関西電力も投資しているのですよ。これ、抜けているのですけれども、ちょっとこれ抜けたのか、わざと隠したのか、あるいはミスだったのか、関西電力も入っているのです、この中に。こういう公益事業の主体が、こういう五社で——まあ日本生命はいいでしょう。大和銀行も、近鉄もいいでしょう。ところが、関西電力、大阪瓦斯と、公益事業にタッチしているものが相当多くの投資をして株を持って、そしてこういう分譲をやっている。しかもその中にはいかがわしい国有地の払い下げまでも受けて目下分譲が進んでいると。こういうことなんですけれども、これがここに出ますと、西大和ニュータウン建設と、こういう事業目的になってあらわれてくるのです。どうでしょう大臣、こういうあり方というものは。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いま初めてそういう分譲をやっているということをお聞きいたしましたが、よく調べてみます。単にそういう投機的なものや金もうけ本位でやるということならば適当でないと思います。あるいは情勢によっては、ガスとかあるいは電気の供給をこの辺にやらなければならないというので、あるいは多少つき合っているのかもしれません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いや、それは全然違う。そんなことじゃない。それでは一目見てごらんなさい。(資料を提示)これはここではないので、大蔵のところなんですが、そんなガスや何か、そんなことではないんですよ。管轄がちょっと、大蔵のところですから、国有地の払い下げの問題があるのであれですけれども、そんなガスや何かという問題ではなくして、もう何万と分譲してあれしているわけですから……。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これはどこですか、場所は。

黒柳明公明党

○黒柳明君 西大和、奈良県の北葛城郡です。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) よく調べてみます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 よく調べてみますと言うけれども、これはもうちゃんとこういうりっぱなものがありまして、どんどんこれは分譲しているわけです。だから私、ここであえてこの法案審議の最中に、こういう問題はやっぱり早急に取り上げないと、機構だけ変わりましても、取り組む根本姿勢というものが那辺にあるかということの一端を私は聞かなければ、この設置法の審議もむだになると、こういうことで、こういう公益事業がこういうあり方をしていいのか、土地を分譲していいのか。  しかも、これは国有地の払い下げがありますね。大蔵省、来ていらっしゃいますね。ちょっと面積と、それから年月日と金額とだけ言っていただければ、あとは実情は私があれしましょう。

勝川欣哉大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(勝川欣哉君) ただいま御指摘がありました国有地でありますが、これは奈良県北葛城郡河合町所在の国有地でありまして、数量は二万九千二十二平米、売り払い年月日は昭和四十七年三月三十一日、売り上げ価格は一億一千二十三万六千円であります。  なお、念のために、黒柳先生御存じだと思いますが、釈明させていただきたいと思いますが、本件は実はかんがい用ため池でありまして、四十三年……。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それはまたあとでやりましょう、じっくり、ゆっくりと。大蔵省の払い下げの問題云々につきましては、私、またあとでやりましょう。  いま話のあったとおり約二万九千平方メートル、しかも単価が三千八百円ですよ。四十七年三月、そうですね。ところが、すでに昭和四十七年十一月にこの西大和ニュータウンで売り切れているのは、その周辺、もういまのため池として払い下げたけれども、ここはまわりが全部このニュータウンの建設になっている。大蔵省いわく、まわりがすでにその団地用になっているからここも払い下げたのだと、ここはもう詭弁を使っているのですよ。これはあとの問題ですけれどもね。この周辺が四十七年十一月に平方メートル四万、平均三万五千円で売られているのですよ。四十七年の三月に払い下げたのは一平方メートル三千八百円、そういう払い下げまでもここは受けているのです。これについては所管じゃないものですから、そういうところもあるということですよ。それでこういう事業体を組んで分譲をどんどんやっている。これは近辺にガスや云々だなんということではないですよ。見れば土地分譲のパンフレットですよ。ちゃんとこういうふうにどんどん区画をつくって、すでにほとんど、相当売れていますから。ですから、これは調べてみる、大いにけっこうです。ですけれども、この事実は間違いありません。もちろん大蔵省もちゃんとその事実は知っております、何回もお聞きしておりますから。ここにはもう住宅も建っています。こういうことがあるのです。ですから、ここでは社員住宅の用地の確保とか、地域開発——この地域開発は何ですか。これは土地の分譲ですよ。そういうことですよ、これは。ここに書いてありましょう。日本新都市開発、これは東京瓦斯、所沢ニュータウン、それから同じく東京電力の日本新都市開発、社員住宅、地域開発、結局これと同じなんです、全部。名目は若干違いますよ。地域開発とか社員住宅とか書いてありますけれども、結局この会社自体は、私が言うまでもなく、宅地分譲、土地分譲、これをやっているのです。そこにこういう投資をどんどんどんどんしているということじゃないでしょうか。そういうあり方というのはやっぱり公益事業としてうまくないのじゃないでしょうか。その証拠には——銀行局おりますか。せんだって私が第一勧銀の土地の払い下げをやりました。これは、あるいはその後だったでしょうか、各銀行に、関係不動産会社との関係について通達が出ておりますね、事務連絡。これは趣旨だけでけっこうですよ。一、二、三とあります。読むと長くなってしまう。どういう趣旨の……。

岩瀬義郎大蔵大臣官房審議官

○説明員(岩瀬義郎君) 銀行自身が出資いたしております関係不動産会社に対する通達でございますので、これは銀行業務に直接関係がない一般向けの不動産業務を営んでいるものでございますので、銀行の社会的な公共性にかんがみまして、銀行が誤解を受けることがないようにという趣旨で、これから銀行がそういうものの会社に対して出資することに対しまして自粛するという通達でございます。  内容は、会社名につきまして銀行の略称を使用しないようにする。使用しているものについては本年以内に改めるということでございます。第二点は、銀行からそういう会社に職員を出向させておる。それは出向させているものにつきましては二年以内に全部引き揚げるということであります。銀行からの融資、これは同じ系統の会社であるからといって甘くしないできびしく抑制するということ。それから持ち株比率でございますが、これは独禁法では一〇%という制限がございますが、それの範囲内であっても五%以内に持ち株比率を減少させるということ。その他一般の取引においても特別の取り扱いをしないということ。さらに銀行の建物の中に一部そういう事務所を置いているというようなことにつきましては、こういう会社と銀行との癒着関係を社会に、世間に誤解のないようにするために、できるだけ早くこれを撤去する、こういう内容でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 一民間銀行、私企業までも、この際不動産、特に土地の問題については国民の批判もうるさいことだしと。政府の土地政策もやっぱり抜本的に前向きであるはずなんですから。ところが、そういう関係、人的、資金的な関係もこの際疑惑を招かないように癒着度を少なくすると、こういう連絡が出ているわけですね。当然です、こんなことは。ところが、この場合においては、もう一〇%、それ以下にしろと。これ、一五%も二〇%も出ているんですよ、投資額が。役員だったってみんな兼務をしていますよ。もうそうなれば、公益事業としての主体のあり方が、一民間私企業だったってそういうやっぱり疑惑というものを招いちゃいけないというときなんですよ。ですから、こういうあり方というものが、当然いまいけないんじゃないでしょうか、大臣、こういうことは。調べてみますということじゃなくて、こういう確かに社員住宅の確保とか、あるいは地域開発、原子力用地取得と名目はうまくなっていますけれどもね、この会社に投資しているんですよ、みんな。会社に。会社は何をやっているかというと、みんな——それからニュータウン建設となっていますけれどもね、全部これと似たり寄ったり、同じです、全部、一つ一つあげれば。代表的なのをあげただけですよ、代表的なものを。そういう投資のあり方は全部やめるべきだ、そんなことは。大蔵省だってそういう態度をとったんです。なかなか大蔵省というのはそんなことやらないんです。もう煮えたか煮えないかで、てこずりました。しかし、第一勧銀を主体にして四銀行だったですかね、あの通達を、連絡出した。ですから、もうこれだけの機構を抜本的に改善して、それで前向きに公害の問題、あらゆる問題に進もうというときにあたっては、こういうあり方というものは、これはもういけないんだと、こういうふうにならなければうまくないんじゃないですか。料金の値上げなんて、こういうこともささやかれていますね。そういうときに、こういう土地をどんどんどんどん投機的な投資をやっていると。これは明らかに大臣が一番冒頭におっしゃったそのことにこれは当たっているんですけれどもね、いかがでしょう。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) そういう疑いもありますから、よく調べてみたいと思いますが、また、もう少しこう同情的に探ってみると、あるいは変電所をつくるとか、ガスの導管を入れるとか、そういうことで用地を確保するので、つき合って用地の確保を簡単にしようという意図はなかったのかなという気もまたするわけです。ともかく調べてみます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 もう大蔵省と同じ、あんまり煮え切りませんね。大阪瓦斯は西大和ニュータウンの建設です。これは変電所でもなければガス、水道工事でもないですよ、これは。いま言ったとおり、土地の分譲です。よろしいですね、これ。これ調べるも調べぬもないんですよ。こんなことを調べる——まあ調べるというなら御自分で調べることけっこう。だけれども、こういう資料があって投資もしているんですから、これは間違いないんです。  それから東京瓦斯、稲毛ニュータウン、所沢ニュータウン、東京ガス不動産、いま大蔵省が指摘した東京瓦斯も東京ガス不動産もこれこそもうとんでもない話なんですよ。関西電力、地域開発、これは十万ぐらいですからね、十万ぐらいということも言えないですけれども。それから広域運営の協力、それから東京電力、地域開発、それから大臣の言ったことをもし私のほうが善意に解すれば、東電用地造成、地下変電所、ここぐらいのものですよ、三井不動産の。地下変電所の賃貸し、このぐらいのものですよ。あとは全部地域開発という名目の宅地分譲、造成、そういうことなんです。決して変電所をどっかに持とうとか、あるいは電気工事のための用地を確保しようなんていうことは、もし善意的に解すれば、むつ小川原、それから三井不動産、それから関西電力のむつ小川原、このぐらいのものですね。これだってわかりはしません、内容は。あとは、このニュータウン建設と地域開発というのは全部土地の造成です。お調べになってくれるのけっこう。だけど、この問題についてはどうですか。これが事実としたら、全部やめさせますか。お調べになってけっこう。この土地分譲、間違いないんです。大蔵省は、何を大臣と——よく知っていらっしゃる。じゃあ大蔵省ちょっと言ってごらんなさい。これは土地分譲ですね、宅地造成ですね、西大和ニュータウン開発は。

勝川欣哉大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(勝川欣哉君) 黒柳委員の御指摘のとおり、宅地造成、分譲でありますが、二点ばかり私の承知している点は、一つは、これは奈良県知事の認可を受けました土地区画整理事業でありまして、事業主体としては、土地区画整理事業を主体としてやっておることが第一点。第二点は、本件の分譲は日本住宅公団も一部分譲を受けて、公募、入居しておるわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 住宅公団のことも何も、これ、いまおっしゃったとおり。分譲なんですよ。こんなところに変電所をつくるんじゃないんですよ。同じことだ、全部。これははっきりした場合に、これは全部取りやめさせますね。調べていただくのはけっこうですよ。こういう公益事業のあり方というのはうまくないと一番冒頭におっしゃったじゃないですか。投機的なものはうまくないと。投機です。べらぼうにもうかります、これ、確かに。もうけ主体だとしたら、これはもう非常に頭のいいやり方ですよ。だけれども、冒頭にやっぱりそういうことはうまくないとおっしゃったんです。お調べいただいてけっこう。これが投機的な分譲だったらばやめさせると、こういう資金は、投資は。どうでしょう。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 電力会社と申しますのは、先生御承知のとおり、非常に地域性が強うございまして、各地域におきましては非常に代表的な企業になっております。したがいまして、各地域でいろんな地域開発計画があります場合には、特にそれが非常に住宅その他のような場合には、そこに配電線が来まして、あるいは変電所をつくったりいたしまして、需要が新しく起こるという観点がございまして、そういう地域開発の計画をされる方からいろいろと協力を求められる場合が需要開拓にもなるではないかというようなことで多いのではないかと思います。したがいまして、そういう程度から逸脱しているかどうか、その辺を十分に調べまして処置いたしたいと、こういうふうに考えます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 だってね、民間デベロッパー、いま一番問題になっているところですよ、この土地政策。国有地の払い下げなんかとんでもないんですよ。大蔵省にちょっと聞くんですけれどもね、国有地が不動産業者に払い下げになっているんです。これに至ってはもうあいた口がふさがらないんですけれども、これは大蔵省のことですけれども、要するに地域に協力を求められる、それで何億も土地業者に、デベロッパーに資金を与えて、それで土地分譲の手助けをする必要はないじゃないですか。そんな協力なんかする必要はないじゃないですか。どうですか、大臣。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 最初に申し上げましたように、こういう公益事業が、もし投機的な土地売買をやるとか、あるいは住宅分譲をやるという趣旨でやるなら不適当でありまして、もしそうであるならば、それは手を引かせるように私は指導していきたいと思います。  ただ、ちょっとお尋ねしたいのですが、二千五百万円の金額の中で資本金はどれぐらいになるんですか、この会社は。

黒柳明公明党

○黒柳明君 これが一五%くらいです。一億九千二百万円。ですから、二千五百万円ですから一五%くらいですね。そういうことです。いま大蔵省がおっしゃったように、これははっきりした分譲なんです。ですから、ひとつ調べて、手を引かして、地域協力なんというようなことを名目にしないで、確かに協力を頼まれているのも一、二あるんです。妥当でありそうだなというのは一、二、私も善意に解した上であるような気がしますよ。ですけれども、これも過半数は全部やっぱり類似です、これと。  それからさらに、これは東京、大阪だけでしょう。まあ首都圏ですからこういうところが一番の問題になるかと思います。ですけれども、まだまだこういう問題は東京、近畿だけの問題ではないわけです。中部、愛知県でもそうです。福岡でもそうです。これを全部とりますと、これはたいへんなことになるわけですよ。そこまで含めてやっぱり私がやろうかと思ってたんですが、きょうは法案審議なものですから、ですから、あんまりこういうものをだらだらやってもどうかと思いましたので、東京と近畿圏だけに限りました。しかも代表的なものを一つ具体的にあげました。そして、大臣の基本的な公益事業に対する取り組む姿勢というものをはっきりしていただきたい、こう思ったわけであります。ですから、これが投機的なものならやめさせると、こうなりますと、あしたからすぐこれは資本の引き揚げをさせる、こういうふうに私は一〇〇%確信しております。これはいま大蔵省おっしゃったとおりです。分譲ですから、非常にもうけてます。国有地でもさらにもうけようとしているのですから、払い下げを受けて。十倍ですよ、右から左に十倍になるのですよ。私は、ひとつ早くお調べになって、その結果を報告していただきたい。大臣のそのおことばを確信しております。  時間があれしましたから、また同僚の宮崎が法案のこともあれしますので、私はまた後段に法案の審議をいたします。  以上で終わります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 今回の改正は、おもなるところは資源エネルギー庁の設置であろうと思います。それで総合的かつ強力な資源エネルギーの行政の推進の必要性にかんがみて、それを今度は庁としての設置をするんだという説明が大臣から先ほどございました、提案理由の説明で。  それで、この資源がもうすでに枯渇していくんじゃないかという問題が大きく論議をされております。ある学者の人はこういうふうに言っております。第二次大戦後の急速な経済成長、人口増加等は、全世界的な構造変化を生じさせているのではないかという認識が深まっている。たとえば現在の南側の発展途上国の人口増加率は二・五%をこえ、この二・五%の増加率が今後も維持されれば、人口は二十八年で倍増し、百年たつと十一・八倍にも達し、世界人口は四百億人をこえることになる。また経済成長率五%が百年間続けば百三十倍にもなる。こうした幾何級数的な成長を許容するだけの資源がこの有限な地球に存在するかどうかと考えると、悲観的にならざるを得ないという説を言っている学者がおります。そして、その人はまた同じようなことをこのように言っております。他方の極においては、人間の英知や技術革新に期待をかけ、楽観的に受けとめ、バラ色の未来予測を行なう考え方を持つ。ハーマン・カーン氏などは代表されるといわれるが、資源を取り出して利用すればするほど資源の埋蔵、供給量は増大するという、利用が供給を増大させるモデルを提示している。現在の技術でも地球は一人当たりGNP二万ドルの人間を二百億人養うことができるとしているといわれているが、こうしたいま申し上げましたような長い歴史的な展望のもとに資源枯渇問題をとらえてみると、学説はいろいろあろうと私は思いますが、私は専門家ではございませんので、こういうふうな学説のことはわかりませんけれども、このエネルギー庁を設置された大臣の将来に対する考え方、また、枯渇問題に対する考え方等を承っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の前途を見ますとエネルギー問題というものは重大問題であります。たとえば石油一つを考えてみましても、現在、昨年約二億三千万トン使っておりますけれども、九九%は外国から買っておるわけであります。それから石炭の問題あるいは原子力の問題等考えてみましても、いろんな問題が付随して起きております。総じて言えば、エネルギーの非常な不足に日本は悩まなければならぬ危険性が起こりつつあると見て差しつかえないと思います。そういう意味において、この資源の手当てをいかにするか、それからいかに公害をなくしてそれを流体エネルギーあるいはそのほかのエネルギーに転換しながら国民経済に貢献させていくか、あるいはいかにして資源を節約していくか、そういう諸般の問題について総合的な観点から国策を検討し政策を実現していく、そういう時期に入りつつあると思いまして、この際資源エネルギー関係を一括して総合政策をつくらせよう、そういう考えでやったわけであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 言うはやすくなかなかたいへんな重大な問題であります。午前中も、一通産省だけでなく政府全体で取り上げてやるべきだという意見もございました。そのとおりだと思います。大臣もそのような考え方、賛成だとおっしゃっておられました。現在の資源枯渇の程度を判断する一つの指標として、確認されている各資源の埋蔵量をそれぞれの年間生産量で割って得た可採年数が用いられているが、一九七〇年現在での計算をあげると、先ほどの学者は言っておりますが、鉄鉱石が二百三十三年である、ボーキサイドが百四十六年をこれはこえるだろう、ニッケルは六十三年であろう、天然ガスは四十八年、ウランが四十五年、石油が三十三年、銅が二十三年、鉛が十五年、亜鉛が十三年と、この資源枯渇というものはこれらに対してほんとうに差し迫った問題と、現在の一九七〇年時点で学者は言っているわけですが、この可採年数はその計算の時点での埋蔵量と生産量から割り出したものでありますから、今後の探鉱活動によって埋蔵量の大幅な増大は期待できるであろうけれども、可採年数がどれだけの意味を持つかというものも疑問であるということを言いながら、一応の目安として、こういうふうな一九七〇年の現在から見ていくとこうなるんじゃ甘いか、こういうふに言うわれております。いま大臣の御答弁がございましたけれども、こういう具体的な問題等もこれはお考えになっておいでになって、今日行政を進められておるかどうかということを伺っておきます。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) ローマ・クラブの報告は私も拝見をいたしました。その中で一番ショックを受けたのは、人口の爆発的増加ということであります。それからあとは油とか銅とかニッケルとかいう重金属類、主として重金属類がたしか二十年から三十年ぐらいで可採年数が終わってしまうという数字であったと思います。そのとおりであるとすると、よほどこれは地球の汚染と同時に、資源の内容といいますか、節約ということも考えなければならぬし、また、公害と同時に資源の全面的活用、余すところなく活用して廃棄物は少量にしていくというようなことも考えていかなければならぬと思っております。日本は資源の多消費国でありまして、そういう面では地球に迷惑をかける度数の非常に大きい国であるので、そういう面からの特別の施策が考えられなければならぬ。先ほど海洋投棄に関する国際規制の問題がありましたが、私らそういう面からも大賛成なのでございます。それはむしろ日本が主唱してもやるべきものではないかと、そういうように考えているわけでございます。地球がいつまでも無限であると考えたのは、かねて過去のことであって、精神的には無限であるかもしれぬが、物質的には有限になり、一個の不動産に転化してきた。そういう考え方に立ってわれわれは資源行政をやるべきであると考えます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私、先ほど無限であるという面から私も話をしたわけですが、おそらく無限ということはなくなっていくのではないか。いま大臣がおっしゃったように、わが国は消費国の最も大きな国であるというその観点の上から、先ほどお述べになったように二億九千万トンですか、石油も使っているという、そういうお話がありました。  その石油の話が出ましたので、せんだって大臣は産油国を訪問されましたですね。一説には、これは石油外交だとも報道されております。イラン、サウジアラビア、クウェート、アブダビ、この中東四カ国ですか、これをずっと歴訪されました。これで石油化学、精製あるいは輸送、またそれに関連する自動車問題、電気、製鉄事業等をこれらの国は自国で建設をしたいという要望が強いということは、これはだれでもが知っているわけでありますが、大臣が行かれて、日本の技術の援助とかあるいは製品の販売の協力等のことについてどんなふうな話をされてこられたのかどうか。私がいまさら申し上げるまでもなく、現在では、いま申し上げましたように世界的なエネルギーの危機というものから考え合わしてみて、従来からの国際石油資本との関係もある中で、大臣は帰国されて、新聞等で私は報道を見たわけですが、日本は消費国同盟には参加しないと、このように産油国寄りの意向を大臣は表明されたと言いますけれども、この点どうなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 油の問題は非常に重要な問題であると私考えました。そのほかに、イランそのほか三カ国については、日本との関係がどうもこすっぱくなっておったのであります。イランにつきましては貿易協定が一年近く経過してもまだ延期されないで空白のまま流れておりましたし、それからパーレビ国王がおいでになりまして、自来日本からもいろいろ行きましたけれども、どうも民間の財界人だけが行って話しした程度では、向こうはほんとうに日本がやる気かどうか疑っているという要素がございました。クウェートにつきましては、クウェートの外務大臣が日本に来たときにちょっとしたそごがあったようで失礼をしたというので、非常に不愉快に思っておる点があったようでございます。サウジアラビアについては、王さまが万博においでになりましたが、その際にも国情の相違から、こちらは十分御接待申し上げたつもりだけれども、必ずしも先方から見れば愉快なことではなかったことがあるやに聞いております。たとえばイザヤ・ベンダサンの話を聞かされて非常に先方は不愉快に思ったというようなことも、うそかほんとか知りませんが、向こうはユダヤ人がきらいでありますから、そういうようなこともあったといううわさ聞いておりますし、経済技術協定がなかなか調印されないでむずかしい状態にあったわけでございます。それからアブダビにつきましては、BPの株を日本が譲り受けたわけですけれども、これはイギリスのBP側から、BPがアブダビ政府との関係を処理することは黙っていて、黙って受ければいいと、そういうことで黙って受けたら、先方はまるでたな子が大家に黙ってかってにものを処分できるのかと、なぜアブダビ政府に断わらぬのかということで、非常に不愉快に思っているということがありましたし、ジャパンラインが直接政府が売り払う原油を購入するについて、通産省が値が高いとか言ってブレーキをかけたというようなうわさも先方にあって、先方の石油大臣やその他は、アブダビ政府が日本に非常に好意を持ってこうやったことについて、なぜそういう態度をとるかというような誤解あるいは不信があったわけでございます。そういうものをこの際一掃する必要があるというので、私が行ったわけでございます。  たまたま先方の国々はなかなかむずかしい情勢でもあったので、あすこのサウジアラビアやクウェートやそれからベイルートの日本の大使からも、ぜひ通産大臣か担当大臣がこの地帯へ来て関係国を回ってくれという非常に強い共同の要望書が提出されました。それを受けて、外務大臣と相談して、外務大臣もぜひ大事なときだから行ってくれと言うので、行ったわけです。先方の国々は、もう金は、ずいぶんあるわけです、油代金が。だから、金の問題じゃないと、将来油が二、三十年でなくなっちまったときにどうして民族を食わしていくかということが問題なんだと。いまのうちにその金で工業施設をつくって、油が切れたときでもその工業施設で民族を食べていけるようにさしといておきたい。それに協力してくれる国に利権を与える、あるいは政府の油を売ってやる、そういう方針にはっきりきまっておると。そこで、日本はそういう点については全面的に御協力いたしますと、したがって日本にぜひ油を売ってくださいと、そういう話も率直にいたしました。それから工業建設等につきましても、各国で具体的な話をみんなしてまいりました。そういう過程で、日本に対する独得の期待があるように思いました。これは、ヨーロッパの国々がいわゆるシオニズムの運動で汚染されているというふうに回教の国は考えておるようです。日本にはユダヤ人はおらぬわけでありますから、そういう点では日本はフリーハンドを持っておる。そういう点も、アラビアの国々が日本に協力を求めやすい、民衆に対して日本に依頼しやすいポジションに日本もあったわけであります。そういう情勢のもとに参りまして、そして経済協力を誠実にやるということ、それから油もぜひ日本に直接売っていただきたいという話、それからいろんな懸案の技術協定や経済協定も調印いたしましょうと、それも二カ所において話をして、糸口をつけてまいりました。イランのほうは、すでにそれができたところであります。そういうようなことと同時に、閣僚会議を開いて随時経済建設等について担当者で話し合いしましようと、民間だけのレベルに話をつけておいたのではいけないというので、通産大臣と向こうの石油大臣との定期会議をやろう、そういうことで話をしてまいったわけです。  行って非常に感じたのは、ものすごい攻勢を西欧の国があの地帯にしているということです。アメリカは、コナリー財務長官が去年の十二月、ことしの二月、特別機を飛ばして王さまに会いに行っております。それからフルブライト上院議員とかケネディ上院議員とかジャクソン議員とか、あるいはアメリカはホワイトハウスで石油大臣を招待しておるという話を聞いておりまして、それは一つはあすこのサウジアラビアの首府の南に第二鉱区の利権の入札がありまして、日本とアメリカがいま最後にせっているところでもあります。そういうわけで、サウジアラビアはアラムコの大きな利権地帯であって、アメリカとしてはアメリカの手に確保しておきたいのでしょう。しかし、日本もあそこの利権が入って油田が当たれば三千万トンから五千万トンの油が期待できるという見込みもあるわけですから、この機会にどうしても日本の手に入れたいという気持ちもあったわけです。向こうはそういうふうに石油大臣をホワイトハウスが呼ぶぐらいに協力しておる、あるいは最近見ましても、軍事援助をかなりやる気配がある、ファントム戦闘機をサウジアラビアに売ったりしている、あるいはクウェートに売っておる。われわれにはそういう手段はありませんし、それがいいとは思いません。したがって、経済協力を誠実にやるということで一生懸命いって、私らの考えでは、日本が自主開発でほかの国の世話にならずに直接その国と取引できる油の量を三割までふやしたいと思っておるわけです。それがまたメージャーを牽制し得るネゴシエーションの非常な道具に次に生きてくるからでもあります。アメリカやあるいはメージャーの一部には、日本はアメリカの油のかさに入っていりゃそれで安全じゃありませんかと、そういう考えもあるかもしれませんが、やはり日本の独立性ということを考えてみると、じわじわ自主原油をふやしていくというのがわれわれの長期的な目標であるだろうと思っております。  それで私が行きました方々じゅうで聞かれたのは、いわゆる消費国同盟に日本は入るかという質問でありました。私は、消費国同盟という話は聞いていない、内容もどういうものであるかわかりません。しかし、同盟というのだから、何かあるものに対抗する連合組織のように思うが、そういう挑発的な、対抗的な対決を意味するようなものであるならばわれわれはそういうものに入らない、われわれは協調と話し合いを中心にものをやっていこうというのであって、もしそういう言われるごときものであるならば、われわれは入らない、そういうことを言いましたら非常に喜びました。これは最大の消費国、輸入国である日本が、そういう考えを持って産油国と消費国の間の融和と話し合いを基本に考えておるならば、これは非常にいい融和剤になるというような考えがあったんではないかと思います。  それからもう一つはキッシンジャー博士が言う大西洋同盟に日本が入るか、こういう質問でありました。私は、その話を聞いていない、また、どういう内容かわからぬ、と。しかし、日本はアジアにおる国で、太平洋に面している国で、これが大西洋の同盟に入るということは妙な話じゃありませんか——私はそれはイランのホベイダという首相に聞かれたんですが、そのときに、日本はアジアの東にあって王制の国です、あなた方はアジアの西にあって同じく王制の国で、ともに古い伝統を持っておる国家です、この二つの国が東と西で手をつないで経済協力をし、お互いに繁栄して、アジアの安定、世界の平和のために貢献するということは非常に欣快なことであると思います、そういう返事をしたら、ホベイダさんは、これまた私らが考えると思いがけないぐらいほっとした喜びの表情をしました。イランあたりでも、西欧の国がかなりあそこへ伸びてきておるので、いろんな感情があるようです。日本が、われわれが考えている以上に一種の期待を持って見られているということも察知したわけであります。消費国同盟については、ピーターソンがアメリカから二月に来たときにも、そういう構想がもしあるとすれば適当でない、対決方式は日本はとらない、そういうことを言っておいたのです。そのかわり、日本とアメリカの間で資源、エネルギーについて専門家の話し合いをやらせようではないか、随時協議をやろうじゃないか、そういうことを言いました。ある国へ行きましたら、石油大臣が同じように消費国同盟の話を私に聞きましたから、同じように答えて、私らは産油国と消費国が協調する組織を考えていきたいんだ、そんなものがありますか、何かアイデアがあったら教えてくれと向こうの人が言いますから、そういうアイデアこそ産油国の皆さんに出していただいて、われわれはそれを検討して一緒に協調する道をつくりたいのだ、一体あなたはどういうことをお考えですかと石油大臣に聞いたら、国連の下部機構として資源やエネルギー問題を世界の国が集まって討議するということは一つのアイデアだと思いますと、こういうことを言いました。私は、いまOECDがあるのだと、OECDのワク内で、その石油委員会でわれわれは相互融通とか、あるいは技術的開発とかという問題を討議すればいいので、それ以上対決的な消費国同盟という考えは私はいまのところないと、そういうことも言っておいたのであります。これが私が考えておるすべてであります。  いままで日本の石油政策というのは、戦争に負けてマッカーサーの指令で太平洋岸の製油所の再開を許されて、外資が入ってきて、民族系を育成して、しょせん日本列島の沿岸地帯における製油所政策にすぎなかったのであります。いまやガルフの沿岸からシベリアの大陸に至るまで油を獲得するということも入れた石油政策に転換してこなければならぬ時代に入った、そういう意味において、石油業法の改革まで含めた石油行政というものを私は考えたいと思います。で、産地はいまガスをみんな燃して流しているわけです。このガスを使って肥料会社をつくりたい、あるいは製鉄所をつくりたい、さまざまな要望がございますけれども、国々によって合理的な計画には日本も積極的に参加して国際協調を旨としたそういう体系をつくり上げていきたい。したがいまして、アラビアあるいはイラン等においても、ヘトロールケミカルの工場を日本は積極的に協力してつくっていくことになると思いますが、そうなりますと日本の製油所の製品との競合が出てまいります。そこで産地の製油所、あるいはペトロールケミカル施設、あるいはインドネシアや韓国等における中間製油所あるいは本土における製油所、いろいろ段階ができてきます。これはコンピューターでどの成分をどのくらい、どの製油所からつくって、過不足ないようにしなければいけないから、重い油から軽い油までさまざまなものができてきますし、石油製品についてもさまざまなものができますから、一つのものが過剰にできたら非常に困るわけです、世界じゅうが。でありますから、その辺のディストリビューションまで考えた、コンピューターシステムまで活用した、産地から中間地から日本の内部における石油精製までを含めた包括的な政策をこれから考えていかなければならぬ、そういうふうに考えているところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 詳細にわたってお話をしていただきましたけれども、大臣の御答弁にありましたように、消費国同盟というのは何であるかわからないという、この消費国同盟に入らない、参加しないというこの是非論の前に当然考えなければならない問題は、いま非常に日米欧のエネルギーの全体が危機問題として叫ばれているこの中において、いかなる日米欧と協力をしていくかという、こういう考え方もお互いに話し合って、そしてわが国はその同盟に参加するとかしないとかというその白黒をそれから出してよかったのではないかと私は思うのですがね。これをやりませんと、あといろいろな問題が起きてくるのではなかろうかと思います。これは資金の問題にしましても、また技術、消費、節約等いろいろなことから考え合わせてみても、そういうふうな問題が自然に起きてくるのではないかと思いますがね。この是非論の前に、同盟に参加するとかしないとかというその問題の以前の問題があるんじゃないかと思うのですがね、どうでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 確かにそういう問題があると思います。あると思いますが、私がそのときまでに得た情報では、大体ヨーロッパの国は消費国同盟というものには反対だと、というのは、産油国を刺激して、あのスエズ戦争の際に油をとめられてひどい目にあっているわけです。ですから、特にフランスを中心にして産油国、特に共産、社会主義圏、社会主義的リビアとかイラクとかそういう国々に対しては非常に慎重な態度をとって対決方式を避けている。一番評価の高いのはフランスでした。フランスは非常にうまく巧妙にやっております。ポンピドーがこの間サウジアラビアの王さまをつい三週間くらい前招待をいたしましたし、あるいはドゴール将軍がサウジアラビアからあの辺全部回っておりますし、そういう積極的努力をして現地の情勢を実によく知悉しておるわけです。ですから、大体ヨーロッパの国は、消費国同盟というような対決方式はもう刺激するばかりで、生産制限をちょっとやられたらたいへんだと、値が二割、三割上がってしまう。そういうことできわめて慎重で消極的です。それからヨーロッパのメージャーは、メージャーも大体そういう傾向ですが、メージャーは商売で、相手国政府とコマーシャルで話をつけたい。そこに政治が入ってくるとシオニズムとか対決というものが出てきて不測の抵抗を受ける。そういうことでありますから、大体メージャーもコマーシャルでいきたいということで、政府が入ってくることについて消極的です、一部のものは別ですけれども。  そういう情勢も私はある程度知っておりまして、それで王さまやそのほかにそういうことを突然聞かれましたから、その場合に、いままで日本の態度というのは、ややもすればあいまいな態度をとって、右でもない左でもないと、中立的な態度をとってきたことが必ずしも成果を生んでいない。しかし、この間のパレスチナ問題やあの中近東問題については、武力による進攻や領土の占有を許さない、武力によってつかめたところは返すべきである、こういう安保理事会の決議二百四十二号に日本は賛成投票している。もう一つは、パレスチナ人の民族自決を支持する、こういうことも日本ははっきりしておる。フランスあたりは棄権しております。そういう面から、日本はアラブ地帯には非常な好感を持って迎えられておる。それは人口や消費力等を見ながら、外務省もそういう政策は慎重にとってきておるのだろうと思います。私はそういう背景も考えまして、いまのような表現でこの問題に関する日本の態度を伝えることが、日本が当面している日本側の要望を達するために非常に貢献する、そういう考えを持ちましていままでやってきた。これは一般的、理論的に考えているお立場と、現実に油を、自主開発原油を手に入れたいと真剣に考えている第一線のものとの考えには、やはり多少のニュアンスの差があると思うのです。これらは歴史がいずれ証明してくれるのじゃないかと私は思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 欧州のほうの状態というものを、大臣は大臣なりのお話がございましたけれども、心配なのは、とりわけ米国との利害関係の調整をどうしていくか、こういう問題が当然起きてこなきゃならないと思いますし、米国は豊富な未利用資源を持ってると同時に、またその政策展開といいますか、それらも世界の将来の需給というものに米国が与える影響性というのは非常に大きいのじゃないか。こういう点について、どうなんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに大きいです。ですから、アメリカとの協調というものは非常に大事な路線であると私は思います。しかし、アメリカ側から消費国同盟をつくりたいとか、そういうプロポーザーはいままで一回も私のところにはありません。ただ、そういうのを風のたよりに聞いたという程度であります。それでほんとうにアメリカがそれを考えておるかどうか、私よく知りません。  それから石油の融通、緊急事態における融通とか、あるいは開発とか、あるいは取得に関するむだな競争を避けるとかいう点は、アメリカとも非常に協調してやらなきゃならぬところであると思って、その点はもちろん異存のないところであり、積極的に努力していきたいと思っておりますけれども、この油の、日本が三割の自主開発原油を手に入れたいという目標をつくりまして、いま世界石油情勢が大きな変化を遂げているときに、日本のそういうポジションをセットしていくという意味において、その程度の積極的姿勢というものは、将来、長い間を考えたら必要ではないか、そういうように私は思うのです。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 私が申し上げるまでもなく、メージャーの面では米国が世界第一だと思います。こういう最大のアメリカが、今度——わが国がずっと依存をしてきた関係で、この点がまだ明確に大臣から答弁がないわけですが、そういう米国との関係性というものはどういうように見ておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) この前、読売新聞を見ましたら、メージャーの世界最大のエクソンの会長さんが、日本の記者のインタビューに答えて、消費国同盟というような挑発的な考えには反対である、そういうことを言っておる記事を私は見ました。つまりメージャーの商売している人たちは商売人なのであって、観念論というようなものでその商売の円滑性が害されるのを非常におそれているだろうと思うのです。それは現地の事情を知れば知るほどそういうものです。アメリカでは国会で、OPECをつぶしてしまえという演説をした議員がいるそうですが、これが非常にOPEC地帯を刺激しているわけです。それで消費国同盟というものもそれと同じ根を持った発想できているのではないかという猜疑心がまず出ております。アラビア地帯の民族は非常に誇り高い民族ですけれども、西欧の巨大資本や大国主義に対してはきわめて警戒的でもあります。そういう面からいたしまして、日本が誤解を受けるような立場を誘導する必要はない、そういう考えを持ちました。メージャーとの話し合いはもちろん協調してやっていかなければなりませんけれども、私はよくその点はわかるだろうと思いますし、帰ってきましてから、通産省の係官をしてメージャーといろいろ話し合いをさせました。その結果はよく理解をしたと、そういうことであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これは議論をすれば際限ないと思うのですが、メージャーとの、今度、一国、一国との国の政治問題ということになってくるとなかなかむずかしい問題が出てくるだろうと思いますか、そこでもう一つ伺っておきたいのは、日米安保条約によって日本は今日まで結ばれてきておりますが、米国は石油というものに対して——このことばが当てはまるかどうかわかりませんけれども、戦略物資としての考え方を持っているというふうにも聞いているんですが、こういったような、それがかりに一つの定義のような形であるとするならば、わが国の輸入原油なんかの問題、あるいは海上安全輸送の問題の責任分担等のことがからんでまいりますと、これはアメリカが自認をしておる日米安保条約の中の運用をしておる中で、わが国がどういうふうに追い込まれていくかというようなことが非常に心配なんですがね、この点どうなんでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの態度はどういう態度であるかはまだ必ずしも腹中を察したわけではありませんが、伝えられるところの大西洋同盟というものの中には、東西兵力削減等の事態に対応してヨーロッパも相当の負担を背負ってくれ、そうすればアメリカも三十万の兵力をヨーロッパにおいて維持する、そういうような基本的なかまえがあるというように私も勉強しておりますが、アジアにおいてどういう形が出てくるか、これはまだわからないところであります。しかし、日本はいまの憲法を捧持して、そして安保条約を基本にして日米関係を維持していこうというので、安保条約を変更しようという考えはない。だから、いまの現行の安保条約を基礎にして日米関係を維持していこう、そういう基本線をくずすわけにはいかぬと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 安保条約のことについては、いろいろまた別の角度で言わなきゃならないのですけれども、きょうはそれは別にして——。  六月の二日に、原油の値上げをきめましたですね。これに対してわが国の影響性というものはどんなふうに考えておられますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 大体世界の情勢を見ますと、値が上がるという要因は幾つもあります。第一は、テヘラン協定でインフレぎみの分だけ値を上げろということで、毎年正月元日に二・五%プラス一バーレル五%アップの判こを押させられているということです。第二に、ジュネーブ協定で主要国の平価切り下げ分だけ当然上げろということで、それによって最近一一・九%——ドルに対して、それが妥結したと報ぜられておるところです。それから第三番目は、いわゆるパーティシペーション・オイルで、ことしから産油量の二五%、六十二年に五一%を産油国政府が獲得して、それを自由に売れると、そういうふうに変わってきたことであります。それから国によってはクウェートのように生産制限しよう、つまり長続きしてもたせようという、そう節約的産出ということも出てきております。ですから、ほっとけばそうした、新しい油田が発見されなければ、石油の値は上がっていくし、需要量がばく大に伸びていきますから不足ぎみになるということは、長期的には考えられることです。そういうことを頭に置いて日本の石油政策を推進していこうと、こう考えているわけで、今回の一一・九%の値上げが日本の消費者価格の上にどういうふうに響いてくるか、これはいろいろな石油会社の経理もよく調べた上でわれわれも検討してみたいと思っております。おそらく石油販売業者たちは、原油の値が上がったから価格も上げさしてくれと、そういう意向を持っていると思いますが、はたして計算的に合理的にどういうふうな数字が出るか、検討を要することだと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 申し上げるまでもなく、円の対ドル関係のいまの日本の実情から見まして、一一・九%というものは当然この現実の面からいけば低いわけですから、ですから、そういうものをチェックしていきながら、その指導体制というものが持たれなきゃならないと思います。この点どうなんですか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いろんな値上げ要因、それから値下がり要因等をよく電子計算機に入れまして、そして正確な合理的な数字に基づいた価格がきめらるべきである、そういうように思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 非常に重大な、消費者の立場に立てばこの問題を等閑視するわけにいかないわけですから、この点については十二分にお考えを願って処理をしていただきたいということを要望しておきます。  時間の関係等もございますので、石炭のことについて、このエネルギーの一端をになっていく石炭のことについてお伺いをしたいと思います。  せんだって私は大臣のもとに申し入れに参りました。大夕張の閉山の件につきまして申し入れをしたわけですが、その後どんなふうにお考えになっているか伺っておきたいと思います。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 大夕張炭砿は、御承知のように五十年の歴史を持つ大炭鉱でございまして、これが会社側の言うごとく閉山問題ということに直ちになりますと、地域社会への影響も非常に大きい。それから、かつ第五次答申の発足した直後にこういった大きな問題が起こったことに対しましては、私どももこれは慎重に判断しなければならないということで、実は矢野政務次官を長とした調査団を派遣していろいろ御調査を願う、あるいは地域の各方面の御意見を聞く、あるいは石炭鉱業審議会のいろいろな学識経験者の御意見を聞くというふうなことで、現在鋭意調査を進めているところでございます。で、できるだけ早いうちにその私どもの見解をまとめなければならないわけでございますが、いまのところ、会社側としてはどうしても閉山をしたいという気持ちが強うございます。しかし、同時に組合のほうでもいろいろな再建案というふうなことも考えているようでございまして、私としましては、それらもよく見きわめ、かつ助成制度がどの程度可能であるかということも会社側によく話すような機会をつくりまして、その上で会社側の判断を求めたい、できるだけ早いうちにそういう機会を持ちたい、こう考えている次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 どのぐらいかかる予定ですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 少なくとも来週中には結論を出さざるを得ないだろうと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまおっしゃったとおりです。その長い歴史を持った夕張、北海道といえば、石炭といえば夕張、夕張といえば大夕張というような古い歴史を持ったところでありますし、また良質炭が相当出ていたところでありますし、おっしゃられたとおり、その付近の人たちは直ちに生活に困窮していくようになるわけでありますので、十二分にこの点を考慮してもらいたいと思います。  それから大臣にもこのことについて御答弁をひとつ願っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 大夕張の件につきましては、非常に心を痛めておるところでございます。私も直接いろいろ局長等とも相談をいたしまして、できるだけ閉山しないような措置が講ぜられないかということを中心にいま検討させ、また、自治体その他とも連絡をとりまして、万全の措置をとれるように計らっておるところでございます。今後とも努力をいたします。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大臣、第五次の答申が出ております。このことについて、どんなふうにお考えになっていますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 五十年に二千万トンを下らざる出炭量を確保するということが一つの骨でありますが、その点はあくまで実現するように努力してまいりたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 この答申の内容について、こまかくいろいろお伺いをしようと思っていたのですが、時間の関係で省略をしていきますが、この答申の最後のほうにも出ておりますが、これをやるためにはこの期間中約四千七百億から五千億の金が必要であると、これに対する大臣の考え方、これがはっきりしませんと、いろいろな個条書きがございます。一つ一つあげますと、もう一つずつ答えをしていただきたいのですけれども、省略をしまして、この第五次答申の全体はこれだけが必要なんだということを、この裏づけの財政というものをどんなふうに考えておられるか、それを伺っておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 第五次答申に規定された期間内にそれだけの金額を大蔵省その他から出してもらうように私たちは全力をふるって努力をいたします。そういう線はわれわれが約束した線でございますから、大蔵省当局にも理解を得て実現するようにいたしたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまの大臣の御答弁を期待しております。  エネルギーの分野における石炭というものの重要性というものは、いまさら申し上げることがありませんし、また、石炭による火力というものの考え方というものもこの際どんなふうにお考えになっているか、石炭問題について最後に聞いておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 第五次答申の中にも触れてございましたが、石炭専焼火力をつくれという考えについては、私たちも鋭意努力しておりまして、手始めに北海道でぜひ一カ所つくりたいと思っております。この間も電発総裁を呼びましていろいろ相談をいたしまして、問題は地点をきめることでございまして、公害問題等でいろいろ騒がれているおりから、できるだけ住民の協力を得て、まず地点をきめて、そして来年度の概算要求にその経費を実はとりたいと思って努力しておるところであります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 もう一つ、いまの地点ということが出ましたので、石狩炭田の地域のことも、これも大臣のところへ陳情しておる。これらをどうかひとつ検討されて、いまのことを実現していただきたいことを要望しておきます。  次に、伸銅品の需給関係、これは今回機構改革になりまして、基礎産業局がこれを担当するようになるわけですかね、これはどうなんでしょうか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) そのとおりでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これの俗にいう光り物ですか、これらに関する需給のバランスの状態、こういうものをひとつ説明を願いたいと思います。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 伸銅品の需給状況でございますが、四十五年度及び四十六年度という両年度におきましては、需要がかなり停滞しておりまして、業界の一部で稼働率の低下を余儀なくされました。しかし、四十七年度に入りましてからは電気機械あるいは自動車、そういった需要を中心に非常に回復してまいりました。特に昨年末以降は、国内の生産能力の増強にもかかわらず、世界的な需給の逼迫及び御承知のような銅価格の上昇というふうな影響を受けて、かなり需給は堅調に推移しているというふうに承知しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 数字的にどうなんですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 供給が、まず四十五年度が五十四万七千トン、四十六年度が五十三万トン、四十七年度が六十五万四千トンとふえまして、さらに四十八年度の見通しといたしましては六十八万二千トンという見通しを持っております。一方需要は、電気機械器具あるいは輸送機械、いまの自動車等の需要が非常にふえておりますが、電気機械関係が四十八年度の見通しで申しますと十七万七千トン、あるいは自動車向けが八万六千トン、そのほかの用途を入れましてほぼ六十八万二千トンの需要が満たされるというふうに考えております。この点は四十七年度、四十六年度が若干供給が過剰であったのに比べまして、供給と需要がバランスしているというふうな数字と私どもは承知しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これの原料ですね、原料の状態はどうですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 原料と申しますと、地金とくずとどんなような割合かというふうな御質問だと思いますが、四十七年度で申しますと、新地金の生産で五七%、それからくずの回収で四三%というふうな供給事情になっております。この点はあまり各年度変わっておりませんで、そのようなバランスで最近は推移しているところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これはまた資料としていただいておるんですが、いまおっしゃった問題で私のところにないのもあるわけですが、いずれにしましても、これに対する、取り扱っている——これは伸銅品ばっかりではございません、一切の非鉄金属等を取り扱っている回収業者といいますか、その人たちの状態というものはどんなふうになっていますか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 現在、非鉄金属くずの回収業の団体といたしまして、非鉄金属問屋組合全国連合会というのがございますが、回収業者数は約八百から九百社ということで、かなり零細な企業がこの回収業務に携わっているわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 先ほどのくずが四三%と言っておりますけれども、一般には三割だというふうに私は見ているわけですがね、これはどうなんでしょうか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) そればおそらくくずと申しましても、私が申しました四三%の中には、回収とそれから工場で発生する分と、それからもう一つ輸入のくずと三つを入れましてパーセンテージを申し上げているわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 そこで、この基礎産業局の流通問題ですね、この資材がどんなふうに流れているかというその問題をひとつ伺ってみたいのですが、どういう経路をたどって、そして消費者のところへ渡っていくか、これをひとつ御説明願いたいと思います。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) くずにつきましては、工場の工程中で発生する発生くずと、工事現場あるいは家庭等から回収されまする回収くずと両方ございますわけでございますが、前者につきましては、ほとんどが工場内で採取をされるわけでございます。後者については、買い出し人からその現場、たとえば中間問屋を経まして精錬業者、再生業者、加工業者に供給されるというふうなシステムになっているわけでございます。ただ、先生がいま御指摘になりましたように、この流通問題については私どももまだ勉強不足の点が多々あるようでございまして、一般にこういったくずの回収問題につきまして、非鉄金属に限らず、いろいろなものについてのくずの流通問題というものについて少し勉強をしなければならないということで、昨年度からそういった経費を計上いたしまして、現在、各物資のくずについて企業局において統一的な検討をしているというふうに承知しております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 正直におっしゃられて困ったんですが、ほんとうに流通問題は大事なことなんです。あまりよく知らなかったということはもう言えないと思うのです。今日まで通産省が何年間あったかというようなことになりますし、また鉄にしましても、非鉄金属にしましても、伸銅品にしましても、長い歴史を持って今日まできているわけです。製品として、また消費者は消費者としての利用価値を持ってきているわけです。にもかかわらず、流通機構がよくまだはっきりわかっていないという御答弁を非常に私は情けないと思うのですがね。たとえば一つの製品をつくり上げたいと、何というんですか、私どもがしんちゅう製品を、文鎮なら文鎮を買いたいという場合には、どういう経路をたどってきて私どもの手に入ってくるのか、その段階はどんなような段階を経て、そして金額がどのように、消費者のところまで入ってくればこうなるんだということを実例で御説明願えれば一番手っとり早くてわかるわけですがね。たとえばメーカーからどこへ行くのか、その行った先が今度はどことどこと通って、そして小売り商に行ってわれわれのところに入ってくるのか、その間にどれくらいの率で値段がきめられてくるのかというようなことですね、そういうようなことをひとつ御説明を願いたいと思う。こういうふうなことをひとつやっていきませんと、いつまでたっても流通面の問題についてはよく承知していませんでしたと、いつまでたっても同じことを言うんじゃなかろうかと思うのです。ですから、私はあえていま申し上げて、そしてこういう段階があるんだから真剣に取っ組まなきゃならないんだという認識をしっかりしていただきたいために申し上げているわけですが、どうなんですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 私の所管しておりまする非鉄金属くずに限りましてもそういう検討の必要性を痛感するわけでございまして、そのほか紙の原料あるいは鉄の原料、すべてくずが重要な役割りをしているわけでございまして、御指摘のとおりだと思います。まあ現状の認識と、さらにどうあるべきかという考え方をここで出すという意味でも、今後の勉強の余地が非常に多い分野ではないかというふうに私ども考えております。いまここで的確なお答えができないのはたいへん申しわけございませんが、昨年度からせっかくスタディを始めているところでございますので、その成果をもちまして私どもも的確な手を打つように努力したい、こう考える次第でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 しつこいようですけれども、このデータ、参考資料をいただいているわけですが、これがいま見えますかどうかわかりませんけれども、このまん中に茶と黒との色刷りができております。これが伸銅品のおたくから出していただいたデータですが、これによりますと、現在が六百円ということになっているんです。これは非常に詳細に調べられたせいか、値段は今日の——私は実態に入って見ました結果、そう狂ってないんです、違いはございますけれども。  ところが、こういうことも知っていただきたいんです。品物をつくると言いながら、原料をひとつもらいたいと言っても直ちに原料入ってこない。大体一つの、たとえば文鎮なら文鎮をつくるために見積もりを出さなければならない。そうすると、この見積もりを出す場合には、いまの時価がどれくらいになっているんだろうか、特に変動が激しいといわれております——どれぐらいになっているんだろうかということを一応大問屋といいますか、あるいは中間問屋といいますか、大問屋の下にまた問屋がある。それから今度はその中間の問屋に持っていきまして、工場に持っていって製品にして、今度は製品にしたものが卸に行く、卸に行ったものが小売りに行く、小売りからわれわれの消費者に入ってくるというこの過程を考えながら、原料の価格がこれに六百円となっている。じゃ、これをつくりたいんだが、どれだけの数量が間に合うかと言ったら、間に合わないと、こう言うわけなんだ。ところが、幾らぐらいにするから、たとえば六百円を六百五十円にするからと言えば、じゃ、すぐ入りますよと言って、どっかで集めてくれと言えば、その日のうちに全部集まってくる、材料が。で、その製品を何とか入れてくれという段階では、いま、うちにないとか、相場が変わっているとかというような口実でなかなか原料が入ってこない。この私の調査したところなんか非常に綿密に何年間というものを統計をとっているわけです。このグラフにあるようなものをちゃんと統計をとっている。業者ではなかなかそういうことをやる者は少ないんです。行き当たりばったり、もう生活に困るから、仕事に困るから、従業員を遊ばすわけにいかないから、もう値段が高くなろうが何であろうが製品にしなきゃならないということで、そして仕事をやっているわけです。私の調べた二、三軒のうちでは、ずっと前から統計をとっているものですから、大体のいまの相場というものはわかるわけです。だから、どれくらいだろうかと聞いたら、これぐらいという返事がくる。その返事に対しては、こうじゃないかという回答をしながら、まあ大体そんなところでしょうと言って見積もりをした。で、さっき言いましたように、さてそれじゃ材料を送ってくれと言ったときには材料を送ってこない。ちゃんと値段を百円なり五十円なり上げればその日のうちに入ってくる。こういう今日の実情でございます。これは東京都内。こういう状態から見ていきまして、新しく機構改正になるのに、このスタートをしていくためには、逆に消費者から小売り業者、それから卸、それから製品をつくっていく工場、工場からその中間問屋、それから大問屋、メーカー、この逆な経路をたどっていって追っかけていけば、幾らの原料が実際われわれの手元に入ってくるのはこんなになるのだということははっきりするわけなんです。こういう段階を経てこなければならないということなんです。  紙はどなたがおやりになっているんでしょうか、紙は。——紙の問題で、いま非常に文明開化になればなるほど紙の需要というものははなはだしくなるといいます。いま御存じのように薄物の紙というのは非常に高くなってきている。伝票なんかのあの薄いやつがついておりますね、あれなんかは非常に薄物が高くなってきております。まああとで私そのこまかい値段まで全部言いますけれども、紙の問題でも同じようなことが言えるわけなんです。いま私は伸銅品のことについて言いましたけれども、紙も同じことが言えるわけなんです。もう紙が良質とか中質だとかいうようなことを言っていられない。仕事をやらなければ金にならない。金にならなければ従業員に金を出してやることはできないという、そのやりくりをやっている中小企業の人がどんなにこの流通機構というものに悩んでいるかということ、これを承知をしていかなければいけないのじゃないかと思うんです。したがって、紙の不足というもの、もう生産工場では、パルプのメーカーはどんどんどんどん生産しても生産してもその需要に追っつかないというのが現況でありながら、また、その反面どんどんどんどん公害を出しているということ、公害問題については、あとでじっくりと瀬戸内海問題で電力の問題あるいはパルプの問題、製鉄の問題、こまかい数字をあげて瀬戸内海問題で質問をいたしますけれども、いま紙のことで申し上げているんですが、紙不足と紙の大幅の値上げでダブルパンチを食って、中小企業では注文もとれない。どうやって今後やっていこうかという者がずいぶんいるわけです。  そこで、印刷業、印刷工業界といいますか、印刷をやっている人たちが、どれくらいの中小企業で位置を占めているかということ、こういう点についてひとつ伺っておきたいと思うんです。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 御指摘の紙不足対策に関して御説明申し上げます。  先生御指摘のような状況にございますので、去る四月二十三日繊維雑貨局長が製紙業界、流通業界の代表を通産省に招きまして、当面の需給緩和策につきまして懇談をいたしております。迫品種につきまして設備、原材料を重点的に投入して増産するよう要請をいたした次第でございます。これを受けまして、各社より四月−六月期の生産販売計画の提出を求めることといたしました。このようにして提出されました計画によりますと、各品種とも前年同期及び前期に比べましてかなりの増産となっており、需給の逼迫は緩和の方向に向かっているものと考えておる次第でございます。また需給逼迫が、生産、流通の各段階を通じまして先生御指摘の便乗値上げというようなことがかりにもあってはなりませんので、業界に対しては自粛を強く要請いたしますとともに、通産省としてもその監視、指導に万全を期することといたしております。  また、印刷業に関してのお尋ねでございますが、恐縮でございますが、紙業課長が参っておりますので、およろしければ紙業課長のほうから御説明をさせたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 けっこうですよ。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) それでは御説明申し上げます。  印刷業の事業所数でございますが、約二万事業所ございます。そのうち三百人以上のいわゆる大企業というのが、合計いたしまして約四十企業ということで、残りはすべて中小企業、大ざっぱに申し上げてそういうことになっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大ざっぱではなくて、もう少しこまかく言ってくださいよ。たとえば三十人以下とか、あるいは百人以下とか、十人以下とか、そういうものがどれだけあるか。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) 九人以下が一万四千三百四十六事業所でございます。それから三十人以下がちょっと集計いたしておりませんので、あれでございますけれども、五十人未満にいたしますと約一万八千事業所になると思います。それから三百人以上のいわゆる大企業というのが四十事業所ということになります。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 いまちょっと伺っただけでも、いかに中小企業、零細企業という方たちが、私たちの生活の中に大きな役割りをしているかということがはっきりしていると思うんですね。全国的に見て、従業員三十人以下の企業というものが八五%ある、十人以下が七〇%ある。まさしくいま説明のとおりの姿だと思うんですが、その前に、私はもう一回伸銅品に関係がある製品のことについて逆戻りしてまたお伺いします。  これはある時計のメーカーなんですが、流通機構でですよ、一次代理店、二次代理店等をつくって、そうして今度は問屋にやって、小売り店にやって、消費者に入ってくるというような形態をとっているというふうにも、私の調べたところによると、そういう一流メーカーがあるわけなんです。この流通機構のあり方というものも、中を分析していきますと不可解な点がずいぶん出てくる。一次代理店、一次代理業ですね、それから第二次代理店、一次、二次なぜ分けなければならないのか、ここにも問題点があるわけです。それから今度は問屋がある、小売りがある、消費者、こういう形態をたどっているところというのもあるというふうにも私の調査ではあるわけです。そうかと思いますと、直輸入をしていく資格を持っている、権利を持っている業者というのは、直輸入して、そしてこの日本のメーカーと同じその金で問屋だけ通して売っていくというような形態もある。これはあからさまに私は申し上げればけっこうですけれども、これは内容を申し上げないで、こういうふうな形で品物が流れているという面も一応知ってていただきたい。  それから今度は紙の問題もやはり同じなんです。紙も同じような形態をたどっているところが非常に多いということ。で、一つの原因としては、先ほどお話がありましたけれども、ちょっと私の調べたようなものと違う点があるんですが、いろいろな業者に聞いてみますと、原料がとにかく不足しているからということが市場に流れてこないという一番大きな原因だということを言っているわけです。この点、どうなんですか。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 原料の点に関しましては、国産材の予想外の落ち込みによりまして全体として不足ぎみに推移し、紙の生産面での制約となっておりますが、業界では原木の相互融通や輸入材の増加対策に努力いたしておりますので、四十八年度下期には原料面でも緩和に向かうものと考えております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 輸入と国内の、自国のやっとを言ってくださいよ。どんなふうな率になっているのか。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) お答え申し上げます。  四十七年度で申し上げますと、原木の関係で国産は二千百九十一万二千立米でございます。それに対して輸入が七百九十一万九千立米ということで、大体二五%が輸入でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これはどんなふうな系統になっていますか。流れていく系統。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) 国産の場合は、大部分は製材業者から製材くずのチップという形で買うのが一つの大きな流れでございます。そのほか林材業者からチップ専門工場を経ましてチップという形で購入するという場合と、大きく分けまして二つに分かれます。輸入につきましては、各メーカーが専用船を使いまして北米あるいはオーストラリア等から直接これを入れるという形になっております。大体輸入品につきましては十年ぐらいの長期契約という形で行なっております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 その見通しについて。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) 今後の見通しでございますけれども、非常に長期に考えますと、私ども今後十年間の紙、板紙の需要は大体六・七%前後で推移するものと思っております。そういたしますと、八〇年におきましては大体原木量が五千八百万立米、必要になってくるわけでございますけれども、現在内外で手当て済みのものを一応計算いたしますと、四千三百万立米ぐらいしか手当てがついておりません。したがって、千五百万立米ぐらいが八〇年には足らなくなる。そういうような大きな予想を立てております。そのため業界をあげまして海外への進出ということでいろいろ準備を進めておりまして、その一つの大きなプロデュースといたしまして、ブラジルで四十万ヘクタールにユーカリを植えて、これをチップ化するということで、そういたしますと、約年間六百万立米というようなことで、その半分くらいが大体埋まるということで、そういうプロジェクトをどんどんさがして遂行していくというところに主眼を置かなければいけないと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 大手業者なんかは自分の自家所有のものなんかでどれだけの、たとえば王子とか十條とかいろいろあります。大手商社の関係なんかはどんなふうになっていますか。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) メーカーも土地を、山林を持っておりますけれども、自家消費率は、私ちょっとデータをただいま持っておりませんので、後刻御説明申し上げたいと思います。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 それがないと、ちょっとこの次の質問ができないのですが、それはあとに譲ります。  直接の問題として和紙ですね、これが非常に高くなっている。これはまた四国では和紙のメーカーというのが非常に多いわけなんです。和紙を使う、習字を教えている先生方、これが一番困るわけです。また習いに行っている国民、庶民は一番泣いていなければならない。和紙なんかに対するいま値上げがどんなふうになっているか、また和紙に対する見通しはどんなふうに考えておるか、これらがわれわれの手元に入ってくるまでの流通機構というものがどんなふうになっているか、そういう点について詳細に説明してもらいたいと思います。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) 和紙の関係でございますが、大きく分けまして機械すき和紙と手すき和紙というふうに分かれると思います。機械すき和紙と申しますのは、主としてちり紙類あるいは障子紙というようなところに使われておりますが、これにつきましては価格は比較的安定いたしております。  いま御指摘の和紙というのは習字用紙ということで、手すき和紙というのがかなり多いんではなかろうかと思われますが、これにつきましては、価格の統計は持っておりませんけれども、人件費のいわば比率が非常に高いものでございますから、年々コストアップをいたしております。ただ、中国からかなり輸入が行なわれておりまして、まあそういうことでかなり需給バランスもとれておるということでございますが、コスト面ではかなり上がってきておるという状況でございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 たよりないですね。一応どれぐらい上がっているかという年次別のことぐらいはお話ししていただきたいと同時に、いま三カ月ぐらい単位にずいぶん上がっているんです。ぐんぐん上がっているんです。こういう実情を、どこに隘路があるのか、これは私追っかけていきました。そういうことは課長さんにやれということは無理かもわかりませんけれども、一度追ってみたらいかがでしょうかね。どうですか。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) 確かに、私ども、どちらかといいますと、紙といいますと印刷用紙等を中心にいろいろ施策を考えておりまして、和紙という系統は必ずしも十分いままで勉強いたしておりませんので、重点的に今後価格動向、それから需給問題を追跡いたしたいと思っております。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 印刷用紙だってそうですよ。データをもらっております、ここに。印刷業謄写印刷用紙の昭和四十五年度の工業統計表から出した面、これは従業員数とそれから事業所数、それから用紙品種の価格推移、こういうものをいただいております。いただいておりますけれども、これは卸でございましょう。卸ですね。

村田文男通商産業省繊維雑貨局紙業課長

○説明員(村田文男君) いわゆる代理店という一次卸の卸価格でございまして、このほか小口需要につきましては二次卸と、いわゆる府県商と申します卸を介在いたしますので、それにやはり五円とか十円というようなものがオンされることになるわけでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 これもたいへんなんです、いまの値上がりでいきますと。和紙はわかりませんと言って、和紙はそういうふうにおっしゃいましたけれども、上質紙もたいへんなものですよ。最近五割ぐらい上がっておりますよ。全部言いましょうか。なぜこういうことを言うかといいますと、商品の買いだめ、いろいろな問題が伏在されているんです。そして、先ほど御答弁がありましたように、管理価格を、再販売価格というものをとんでもないところでもやっているような傾向というものがある。そういう実態を調べてきたから私は申し上げることができるんですね。この紙にしましてもほとんどが五割高上がっております。ですから、さっき申し上げましたように、紙不足と大幅値上げのダブルパンチを受けてどうしたらいいだろうかというのが三十人以下の中小企業の八五%の人たち、特にその十人以下の七〇%の人たちというものは、自分たちの生活に脅かされてどうするかということ。  大阪では、何か新聞等の報道によりますと、大阪府の印刷工業組合は、一つの傘下印刷業組合の一五%が紙不足で悩んでおる。この組合では、紙の需要の多様化がどうにもならなくなってきているから共同購入をやってみたらどうだろうとか、あるいはストックをお互いが持つのをやめようじゃないかとかいろんなふうなことを、非常に理想的なことが報道をされている。業界ぐるみでこの紙不足に対する対策を考えようじゃないかといって大阪府のほうではやっているということが報道されている記事を見まして、非常にいいことだと思います。だけど、これは東京へ持ってきまして、東京の業者がそれじゃこういうことができるかといったら、だれ一人としてできません。今度大阪の工業組合でそういうことをやろうといって実現をするとなると、えらい問題が起きてくるわけです。これをやる前にいまの生活をどうするかということが問題なんです。ですから、こういう諸点の上から考えていきまして対処していかなければならない。せっかく今度は新しいスタッフで通産省が出発するというならば、こういうことを重視していかなければいけないということを私は強調しているわけです。  昔は外交に来たものです。つい四、五年前ぐらいですか、おたくじゃ紙使ってくれませんか、どうでしょうか、こうでしょうかと。しんちゅうもやっぱりそうだ。どうでしょうか、こうでしょうかといって外交員が来て要請していったわけです。いまそうじゃない。代理店が問屋へ割り当てする。問屋に行けば今度は品物がない。だけど、これだけ出すから、じゃ出してくれる。こういうふうな実態をよく認識をしなければたいへんなことになる。こういう意味で私は申し上げているわけです。これは局長もそうですが、私は大臣からこのことについてはっきりした答弁をひとつしていただきたいと思う。  マッチだっていま二〇%も上がっていますからね。ですから、喫茶店あたりでかりに入金伝票なんかこしらえるたって、一年間ぐらいのストックなんてとてもできませんよ。新しくつくれば、いま申し上げたようにもう三割も四割も五割も上がっている中でやっていかなければならない。それもやらなければ自分の生活ができないから、借金してでもそれを補わなければならないというので弱っているということなんです。こういう問題も、そのストックのこと等もございますが、流通機構というものが明確化してくれば緩和していくということも一つの大きな課題であるということ、こういう点について十二分に大臣から御答弁願いたい。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 紙の流通問題等について、いろいろ御心労をわずらわしまして恐縮に存じているところでございます。

宮崎正義公明党

○宮崎正義君 紙ばっかりじゃない、しんちゅうもそうです。伸銅品、鉄も。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 伸銅品そのほか諸般にわたりまして、需給調整関係の協議会等も開いていろいろ促進したところでございます。ただいま官房長から御答弁申し上げましたように、次第にゆるくはなってきつつありますけれども、まだまだ予断を許さない状態でございます。そこで生産、流通の各段階を通じまして、さらに厳重にこれを督促して、一面において、便乗値上げを避けるとともに、業界に対しても自粛を要請いたしまして監視を厳重にしていきたいと思っております。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。

中村利次民社党

○中村利次君 提案理由の説明、あるいはきょうのこの委員会での御答弁等によりまして、今度の機構改革がたいへんに激変をした事態に対応できるような、そういう改革をするんだということでありましたから、したがって、そういう意味では当を得たものだと思います。  ところが、そういう立場に立っても、やはり心配の種、あるいは問題点等がいろいろあるわけでありまして、まず第一に、いま国民が希求してやまない、何とか物価を安定してほしいというような問題につきましても、なかなかどうも物価の高騰はおさまらない。去年の七月に田中内閣が発足をした当時、新聞の世論調査なんかで非常にびっくりするくらい高い支持率を得ていたにもかかわらず、一年たたないでたいへんに支持率が激減をしたというのも、しょせんは、やはり物価高が非常に大きな原因になっておると思いますし、加えて、物価高の要因というか、投機あるいは買い占め等がたいへんに物価高に油を注いでいるというようなところにたいへん大きな原因があると思うのです。四月の物価の上昇率を見ましても、これは卸売り物価で一一・四%、消費者物価で九・四%という高騰になっておるということになっておるわけであります。そういう点から、通産省として、機構がどのようになろうとも、物価を適正な位置にやはり位置づけるという、そういう具体的な対策というものが当然なければならないと思うんです。   〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕 地域ごとの物価の実態だとか、あるいは需給の動向などを的確にこれを把握して、適時適切な手を打つとか、いろいろな方法があると思いますけれども、こういう点についての具体的な対策についてまずお伺いをいたします。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 物価の抑制の問題につきましては、いろいろ御心労をわずらわしまして恐縮に存じましたが、何しろ昨年、一昨年に続く過剰流動性という問題の処理がございまして、その処理が手おくれした感がなきにしもあらずでございます。それで過般公定歩合を二度上げまして、それから預金準備率も三回にわたって引き上げたりいたしまして、金融の引き締めを一生懸命やっておるところでございます。  それで、生産や出荷を見ますと、景気は依然としてまだ上昇ラインにあるように見受けられております。しかし、各企業体を見ますと、ほとんど適正操業率と試算されるものに対してほとんどフル稼働の状況にありまして、このまま需要がさらに伸びていくと、物価がさらに上がっていく危険性が出てくると思量されましたので、ある程度の需要の削減あるいは延期を考えまして、公共事業等については、今年度上半期に五九%の契約率に押えたところでございますし、また自動車その他の民間設備投資につきましても、業界に協力を要請して一部削減をいたしました。  そのほか個別物価に対しては、まず投機の抑制というような点から、各商品取引所に対する監視及びこれが条件のいろいろな加重をやりまして、それによって商品取引も鎮静させる方向に持っていかせるとともに、各製品ごとに需給協議会を設置しまして、需要と供給のバランスを、通産省が介入しまして、はかるようにいままで努力してきたところでございます。大体投機の現象は終わったと思います。それから不動産その他についても鎮静にきつつあると思いますが、まだ根強いものが底にはありまして、今後とも供給を多くして、そして物価関係をしまった、タイトなところをもう少しゆるめていくように、そして物価を漸次下降線へ向かっていくように努力していきたいと思っております。

中村利次民社党

○中村利次君 確かに過剰流動性を元凶とするいろいろなひずみというものはたいへんなものだったわけでありますけれども、やはりいまもって商社の投機あるいは買い占め等々、好ましくない方向というのは、私はやはり金融の引き締め、あるいは公定歩合等々によって即効——まあ確かにこれは効果的な措置であることは間違いありませんけれども、即効性をもってたいへん効果的だというぐあいには受け取っていないわけです。確かに投機等によって暴騰をした商品等々は、これは鎮静の傾向にあると思うのです。しかしながら、一回上がった物価なんというものは、鎮静されてもなかなかもとには戻りませんし、それから現在でも、どうも好ましくない、国際的にも非難されるような行為がやはり商社等によって行なわれておりますね。たとえば水産事業等に対して外国籍会社をつくってそこに商社等が融資をする、あるいは人手を出すというようなことで、国際的な非難を浴びるとともに、日本の国益そのものもそこねるのではないかと心配されるような、そういうこともいまもってやはり行なわれておるわけです。  ですから、こういうやはり問題なんかが、企業活動、産業、企業のモラルといいますか、そういうところまで議論をされる対象になっているのですが、こういう投機、買い占め等を、言うならば自由主義経済の破壊者だといわれるほどたいへんな問題になっておるのですけれども、こういう点を自由主義経済のもとでどういうぐあいに規制をしていくのか。これはもう当然国益に沿った何らかの対策というものがなさるべきだと思うのですが、そういう金融面だけではなくて、そういう企業行動に対して何らかの対策をお持ちかどうかお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 先般いろいろ商社に対する規制を強化いたしまして、一面においては、社長や責任者を呼び出していろいろ自粛を要請もいたしました。また、ある意味においては立法措置も講じて御審議を願っておるわけでございます。やはり一つはこういうように物資が不足してくるというときに、自由の乱用をやはり自粛してもらうとか、自由の乱用を抑制する措置を一面において講じて、騰貴そのほか買い占めの行為を起こさせないように努力するとともに、一面においてはやっぱり供給をうんとふやすと、そういう面も必要ではないかと思っております。自由主義経済の基本原則はございますけれども、その基本原則を乱さない範囲内において公的機関の介入もある程度はやむを得ない、あるいは税制その他の措置によって規制を加えていくこともやむを得ない、そういう多面的な方法を講じながら、あらゆる面から物価を押えるという総合的方策を考えていくべきであると思います。

中村利次民社党

○中村利次君 これはぜひひとつ多面的な政策によって総合的に国民の期待にこたえていただきたいと思うのです。  それから、いまこれはえらい——去年、おととしあたりからですか、問題になって、国際収支の問題が、黒字が多過ぎるというのでたいへんな問題になっておって、貿易振興局を貿易局に改編をして、そういうやはり国際収支面でも手を打っていこうということが今度のこの改革にはやはり意思として盛られていると思うのです。ところが、これはいろいろなことが言われておりますけれども、はたして国際収支の現況がどうなのか、あるいは中期的、長期的な見通しがどうなのか。これはまたその黒字対策で失敗をしますと、今度は赤字対策に転落をしたということになりますと、これはたいへんな問題だと思いますし、日本の貿易姿勢がいろいろなまともな対策によって正しくなったとかりに仮定しても、そういう問題に関係なく、私はやはり国際通貨というものは決してこれは平穏ではないという気がするんですが、将来構想として、加えてこれはエネルギー危機に重大な関係がありますけれども、この産油国の過剰ドルというようなことは、これはもう現在あるいは将来に向かってますますたいへんな脅威になってくる。そういう問題等を考えた場合、はたしてこの国際収支が中期、長期の見通しとしてどうなっていくのか。こういう点をひとつお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 国際経済の情勢はなかなか波乱含みでございまして、画一的な判断を許さない情勢であるだろうと思いますが、先ほど来見ましても、金の値段が暴騰してまいっておりまして、一オンス百二十三ドルをこえたという情報が入っております。これはドルが弱いということが表に立ってきていると思います。しかし、去年の貿易管理令の発動以来いろいろ努力をいたしまして、本年に入ってようやく輸出が減って輸入が増大いたしまして、年間、この間二カ月ぐらいの間は約十億ドルぐらいずつドルが減少してまいりました。ことしの荒い試算によりますと、対米関係だけで昨年は約三十八億ドルの黒字がありましたが、それが二十八億ドル前後に減るのではないか。もっとあるいは減るかもしれぬという予測も一時出てまいりました。しかし、アメリカのインフレーションがまだやまないという情勢から見ますと、あるいはその程度の数字になるかもしれません。一応の予測はそういうことでありますが、まあ総じていえば、輸出力が相次ぐドルの切り下げによって減殺されまして、輸入が増大して、日本の貿易は漸次バランスを回復しつつある、そういうところであると思います。で、われわれとしては拡大均衡を望むのであって、必ずしも貿易帳じりの黒を望むものではございません。そういう点において、総合収支においてゼロになるような、そういうことを一つの基準点に考えながら貿易のバランスをとっていきたい、このように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは拡大均衡、私はそのとおりだと思うんですよ。ですけれども、やはり心配なのは、はたして拡大均衡が可能なのかどうか、中期、長期の見通しとして。それにはいろいろな要素が、やはり憂えられる要素がたくさんあると思うんですけれども、いかがでしょう、そう点は。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の輸出入の情勢を見ますと、やはり量としてはふえておるようです、ドルにおける建て値においては。しかし、円建ての建て値で見ると必ずしもそれほどふえている情勢ではないので、まあ一四%ぐらいふえておりますか、円建てにいたしまして。まあ円建てを基準にしてやっぱりわれわれは貿易バランスを考えるべきである、そう思います。通産省でも円建てを基準にしてドルを併記する、そういう方向に転換させておりますけれども、いまの情勢で見ますと、先ほど申し上げましたように、順次バランスを回復しつつある過程にある、そう考えて、この傾向を持続するようにもうしばらく努力してまいりますが、   〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕 しかし、いずれにせよ、拡大だけは多少ずつしております。均衡が今日問題であって、輸出と輸入のバランスが大体年末において総合収支がゼロになるという方向を目標にして調節を加えていきたい、そう考えます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはまた別の面から、後ほど私は中期、長期の見通し等を大蔵省にもお伺いをしたいと思ったんですが、これは後ほどまとめてお伺いをすることにします。  先ほどから言われておりますエネルギー危機の問題ですけれども、これは通産省は、やはり所管省としてエネルギー危機については相当危機感をお持ちになっていると思いますけれども、私はどうもやはり政府全体として見た場合には、あまりどうもこの危機感というものは薄いのではないかという気が非常に強くしてなりません。そこで、一九八〇年あるいは八五年のわが国の原油の輸入量は、通産大臣として大体どれくらいに押えていらっしゃいますか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) これはいろんな試算の数字によって違うのでございますが、私の大体の勘で申し上げますと、八五年すなわち昭和六十年を大体頭に置いて考えますと、五億キロリッター前後ではないか、原油の輸入必要量はその程度になりはしないかと一応試算しております。

中村利次民社党

○中村利次君 これはたいへんどうも低く押えていらっしゃるので、これははたしてそういうことでおさまるのかどうか。一九八五年になるわけでありますから、六十年といいますと。五億キロあるいは四億キロ台に押えられるということになりますと、原油の輸入量を、これはだいぶ私は事態は変わってくると思うんです。結局多消費型産業構造というものを変革できたという前提に立った見通しだと思うんですけれども、これはもう大いに議論のあるところでしょうけれども、まあ五億キロを歓迎すべきかどうかは別にしまして、少なくとも全くエネルギー危機、石油危機も無視した、あるいは多消費産業体質も無視した、七億あるいは七億五千万というようなばかげた見通しから比べると、非常に意欲的な見通しだと思いますので、それはそれなりに私はいまの大臣の見通しとして受け取っておきたいと思うのです。しかし、五億キロリッターといたしましても、これは日本の原油の輸入先は、現在のところほとんど九〇%近く、八六%余りを中東に依存しているわけでありますから、先ほどの大臣の御答弁で、三〇%ぐらいは将来構想としては自己開発をしたいという御答弁がございましたけれども、実はこれはそういう方向性としてはたいへんにけっこうだと思いますが、昭和四十二年の二月にエネ調が、いまの大臣の御答弁と同じ三〇%は自主開発したいという構想を出して、OPECの猛烈な反撃にあって、共同開発というぐあいにおととしの十二月のエネ調ではこれを修正せざるを得なくなったという実態もあるわけですね。たいへんにこれはむずかしいことだと思います。  大臣はこの間、一カ月ばかり前に中東四ヵ国を訪問してお帰りになったわけですけれども、これは非常にタイミングもよかったようですし、相当の評価を受けるような資源外交に成功されたと思いますが、しかし私は、そういう大臣の感触からしても、なかなかそう自主開発の三〇%というのは容易でないと思いますし、それからもう一つは、先月出されたニクソンのエネルギー教書によりましても、はっきりアメリカが石油の輸入国に回るという、そういうことが明確にあの中で出されておるわけでありますけれども、その場合私は、アメリカも中東に輸入先を求める、日本も現状において八六%余の中東依存である、こういうことになりますと、いろいろなことを予想しますと、アメリカが自国の国益のためには、たとえばドルの切り下げもやる、あるいは繊維の政府間交渉もやらなければならなかった、あるいは輸入課徴金をやはり実際にやったとか、いろいろなことを考えまして、中東における日米のやはり石油を通じての相克という、そういう異常な事態というものが予測されないのかどうか、そういう点の心配についてはいかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は、最もわれわれが避けなければならないポイントであると思いまして、日米協調というラインでこの問題を進めていきたいと思っておるわけであります。いま八六%ぐらいの依存率でありますが、昭和六十年ぐらいには七〇%ぐらいに落とすように努力したらどうか、またそれだけの需要量は増大しているわけですから、それぐらいに落としませんと相当のタンカー隊が要る、そういうことにもなりますし、また各国が現地精製ということも出てまいりましょうから、そういうような要素もいろいろ考慮に入れておく必要があります。われわれのほうはシベリアから南米あるいはインドネシアあるいはオーストラリア、各地に石油及びガス等の資源を国際協調裏に入手するように多元的にいま努力しておるところでございますが、そういういろいろなスキームをぜひ合理的に達成するようにつとめてまいりたいと思っておるところでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは大臣がぜひそうしたいということはよくわかるんです。しかし、現実にやはり日米の経済関係の中でアメリカと日本は経済的なライバルとしてとらえた以降、いろんな事態が現実に発生したわけです。いまの御答弁でも、昭和六十年にだんだん中東依存度を減らしていって七〇%にしたいという御答弁でありましたけれども、それでもやはり七〇%は中東に依存せざるを得ない。アメリカもまた、これもとり方によってはいろいろあるようですけれども、たとえばNPC見通しでは一九八〇年、昭和五十五年ごろには三〇%から六六%の幅での輸入依存度である、この間のエネルギー教書にからんでも大体四〇%から一九八〇年で五〇%ちょいの輸入依存度ということがいわれているんです。そうなりますと、地球上で石油を食う何といいますか、巨漢のアメリカと日本がたいへんに大量の中東依存をして、それから中東の情勢そのものも、政情もきわめて不安定である、あるいは産油国として過剰ドルをうんと抱え込む可能性もある。その場合の何というんですか、生産調整もこれは決して考えられないことでもない。そういう場合のやはり対立といいますか、相克といいますか、これは私はもうきわめて身近な問題として想定されると思うが、何か具体的に対策をお持ちであればお伺いしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) なかなかむずかしい問題で、すぐ即効薬できくような具体的な対策はなかなかみつかり得ないのでありますが、確かに放置しておきますと、中近東地帯に日本とアメリカが競合して、せるという可能性がなくはないのでありまして、その点は私もかねがね腐心をしておるところであります。そういう意味で、日米間で資源エネルギーの専門家協議をやろうじゃないかということを、この間ピーターソンが来たときにも二月に私から話をしておるところで、そういう乱売みたいなことを避けて、安定させて秩序立てようという気持ちも私にあるわけであります。しかし、われわれが考えておる方向は、世界の各地にそういう油兆が出てきておりますから、その方面にできるだけ手を広げながら、ガスあるいは油あるいは原子力、非常に多元的なものをねらって、しかも多方面から入手する、それをしかも国際協調でやる。そういう方針を一貫して押し進めていって協調路線を見出していきたい、そう思うのであります。例の消費国同盟の問題にいたしましても、私は産油国と消費国が話し合いをして協調する機関は必要である。ですから、今回OECDの石油委員会が開かれますが、わがほうからも代表を派遣しますけれども、通産省の者には、産油国と消費国が協調して話し合いをやられる機関をつくるようにわがほうとして提起しなさい、そういう機会を見てやるように指示しておるわけで、そういうことで世界的な調整を両方で話し合いのうちに融和してやるということはぜひ必要なことではないか、こう思っております。

中村利次民社党

○中村利次君 それはおっしゃるとおりだと思うんです。たとえば困難なベトナム戦争にしても、やはりテーブルの上について和平が成立したわけでありますから、確かに消費国同盟をつくって産油国を刺激するというやり方は非常にへたなやり方だと思いますし、そういうものに対して明確な姿勢を出された大臣の態度というものは、私はやはり賢明であるとは思います。おっしゃるとおりに、産油国、消費国が同じテーブルについて石油資源について話し合う、相談し合うということが一番望ましいと思うのですが、現状ではやはりアメリカは消費国同盟を提唱し、OPECもまた、さっきの御答弁のように、国連を通じてやったらいいじゃないかという姿勢で、必ずしも大臣の構想ににわかに乗るという姿勢ではないと思います。これはしかし、私はまだきょうは時間も中途半ばでありますので、この次によほど回さなきゃならない分がありますから、その点はひとつ大臣の積極姿勢による御努力と、私は、もう一つは政府がもっと政府全体としてエネルギー危機、そういう資源問題についてオーバーな、アメリカなんというものはたいへんに私はある意味では政治的、政策的なものがあって、あれだけの資源を持っている国がエネルギー危機なんというものをものすごく打ち出している。こういうまゆつばじゃなくして、わが国はもう名実ともに掛け値なしの危機でありますから、したがって、そういう点については政府全体として、私は、危機意識とそれに対する正しい対策というものを特に要望をしておきたいと思います。  次に、これはやはり先ほど申し上げました国際収支とのからみなんですけれども、まあ資源問題がたいへん、石油がたいへん入手難であるということが心配なのに加えて、もう一つは、やはりOPECが非常に強くなったことによって、一九八〇年代はもう五ドルの油であるというのが常識であって、最低線が五ドル、石油専門家がどうも予測を誤るほどのたいへんな値上がりのベースでありますから、かりにバーレル五ドルとして試算をしてみましても、五億キロリットルといいますと大体二百億ドル、それがあれですよ、いまの円の実勢相場等で、ほんとうに大ざっぱな試算をしても二百億ドルぐらいになると思うのです。先ほど申し上げましたように、加えて産油国では、もう八〇年代になれば一千億ドルぐらいのドルがだぶつくであろうと予想しておる人たちがいますし、サウジアラビアだけでも、これはもうあそこの石油相がはっきり言っているのですから、いろいろ開発に使った残りでも、三百億から四百億ドルぐらいのドルの保有が、余るのができるのだ。そうなりますと、これはまさに国際通貨は乱調そのものになる危険性があり、いろいろ考えて、一九八〇年代の日本の国際収支はどうであろうか。これはひとつ通産大臣及び大蔵省からもお見えになっておりますから、非常に深刻な問題として私はこれは質問をしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 油の値段が上がる傾向にあることは御指摘のとおりでございまして、新しい油田が発見されない限り、需要は飛躍的に伸びていくのに対して、供給がそれほど需要に追いついて伸びてまいらぬと思いますから必然的に上がると思います。現にこの間ジャパンラインが入札したアブダビ石油の場合におきましても、二ドル三十八セントというのが高い高いといわれておりましたが、その後二ドル五十五セントになり、いまは六十八セント以上にもう上がってきて、半年以内にそういう情勢になってきている由であります。そういう傾向を見ますと、おっしゃるように五ドルを突破するということも必ずしも根拠のない数字ではないように思います。二月にピーターソン君が来ましたときに、どれぐらい一体金が油に使われるかという話をしましたら、彼の試算では、ある試算では、一九八〇年から八五年ぐらいになると、アメリカが年間二百億ドルから二百五十億ドル、日本が百五十億ドルから二百億ドル、ECが二百億ドル前後だと、それぐらいが中近東等を主に投下されるだろうと、そういう予想を言っておりました。やっぱり向こうの専門家も専門家なりに、われわれと同じような数字をはじいておるということを発見いたしました。  そうなりますと、確かにおっしゃるように、いわゆるシェイクダラーというものがかなり累積してまいりまして、現在、ユーロダラーの中で二百億ドルぐらいはシェイクダラーだと想像されておりまして、その量だけでもかなりばく大に蓄積されてまいって、これがアメリカにおける国際収支の赤字、日本における同じように国際収支の赤字要因として出てくるだろうと思います。そうしてますますドルは弱くなる危険性も出てまいりますし、それらのシェイクダラーが一たびねらったら必ず通貨変動を起こすということも起きてまいりますし、これらの通貨の処理をどうするかということが国際問題としてわいてくるところでございます。そういう面からも、当然これは国際協調で産油国と話し合いをしていかなければできない線なので、これを対抗的な意味を持った組織をつくるということは時代錯誤ではないかと私は思っている次第でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 確かにそのとおりでありまして、これはもう何としても政府全体としての危機感と、それに対する対応策というものが誤りなく立てられて、私はそれでも、とにかく見通しを誤らなかった、びっしりしたものであったという、ほめられるものであっても、なお一九八〇年、八五年になれば相当の問題が残るのではないかと思います。これは大蔵省の御答弁聞かないで私はまたしゃべっちゃったんですが、この問題はあとへ積み残して次に移りたいと思いますから、ひとつ大蔵省のあれもお伺いしておきたいと思います。

藤岡真佐夫大蔵大臣官房審議官

○説明員(藤岡真佐夫君) ただいま御指摘の中東の過剰ドルの問題は、最近、国際金融の面におきましても大きな問題になりつつあるわけでございます。  国際金融の面から見ますと二つの問題があるわけでございますが、第一は、従来先進国を包括しておりましたOECDは相当な経常勘定の黒字を出して、これをOECD以外の国に援助その他で資金供与をしておったわけでございますが、いま先生御指摘のように、中東方面でドルがどんどんたまるということになりますと、こういった世界の国際収支目標に非常に大きな狂いが生じてくるのではないかという問題でございます。これは非常にむずかしい問題でございまして、まだ結論を得ておりませんが、最近専門家の中で非常な問題意識は起こしているわけでございます。  それから第二の問題は、これまた先生御指摘のことでございますが、たまってきたドルをユーロダラーに投資するということでございます。これは最近の通貨危機の一つの原因になっておるわけでございますが、それではそれを取り締まり得るかということになりますと、彼らとしてみれば、やはりせっかく石油でかせいだ外貨を元本の価値が減じないように、しかも有利に運用しようということでございまして、いまアメリカに投資するという方法もあることはあるわけでございますが、手軽にしかも自由に運用の転換もきくユーロダラーに出しておるというような現状でございます。しかもこれはドルだけではなくて、通貨情勢いかんによってはドルからまたほかのものにかわる、ほかの通貨にかわる、あるいは金にかわるというふうなことで、現在の通貨情勢の不安定要因になっておるわけでございます。これもまた非常にむずかしい問題でございまして、現にいま国際通貨の改革のための議論が行なわれておるわけでございますが、その場合に産油国をどう扱うかということに頭を痛めているというふうな現状でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これはやはり私は通産大臣がおっしゃるように、消費国、産油国が同じテーブルについて、産油国は非常な将来についての不安もあるわけですからね、資源が枯渇した場合に国民をどうして養っていくか。やはり工業立国ということ等を考えて、そういう面での経済援助あるいは技術援助というものを非常に期待、望んでいるわけですから、そういう点を含めた協調主義の中で解決できればこれは相当に——決定的な解決策にはならないまでも、ある程度の期待はできると思うのです。  これはまあまた後に譲りまして、これも先ほどから問題になっていました電源立地の問題は、これはもう石油以上に深刻でありまして、これはやはり社会混乱あるいは人命等に直接間接影響するような深刻な問題ですから、四十四、五年からこの立地問題はもう大暗礁に乗り上げて、おそらくことしの夏のピーク時なんかでは、近畿地方はもう現実に電力危機を迎えることは間違いないと思う。ただし、これはやはり他地域との融通その他で露骨な社会的大混乱を起こすようなところまではいかないでしょうけれども、しかし、現状のままでいきますと、これはもう三年ないし四年、大体昭和五十年以降はもうまぎれもなくたいへんな、社会問題を惹起し、それから、へたまごつくと、これは後ほど具体的に聞いてみたいと思うのですけれども、場合によっては人命すらどうなるかわからぬという、そういう犠牲者をも出かねないというたいへんショッキングな状態にあると思うのですけれども、この五十一年、五十二年ごろの電力危機の具体的な見通しと、それから予備率がゼロ以下になった場合のこの需給関係がどういうぐあいになるのか、通産省としてどういうぐあいにお考えになっておるのか、まずその二点から伺いたいと思います。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 電気の需給でございますが、五十年、五十一年ごろになりますと、相当需給が逼迫いたしまして、われわれ非常に危惧いたしておるところでございますし、また懸命に努力をしている段階でございますが、数字を申し上げますと、現在の需給見通しによりますと、大体五十一年には全国の予備率が一%得度になるであろうというふうに考えております。それから五十二年に至りましてはマイナス三・九%程度になるんではないかということでございます。  ただ、これは現在われわれが持っております電源開発調整審議会を通りました地点のみによりまして今後開発をしていくと、現在開発のめどが大体ついておるものだけをあげた場合にそういう需給バランスになるということでございまして、今後われわれは鋭意調整審議会を通しまして電源開発を新しくやっていきたいと考えておるわけでございますが、われわれが現在持っております計画がもし——非常に問題がございますけれども、もし予定どおりに進行いたすということになりますれば、五十一年の予備率は八%程度まで上げることが可能ではないか、あるいは五十二年度においては九・六%程度まで上げることが可能であろうということで、現在開発計画を鋭意検討いたしておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 電調審で認可をしたもので、いまおっしゃったようなきわめて深刻な事態になるわけですね。ところが、電調審で認可をしたところであっても、地域住民の反対にあってどうにもならない、着工できないというところがありますね。そういうのを計算しますと、まだ現状では、このままいきますとね、そういうものがますますふえないという見通し、確約というものはないわけでありますから、そうなりますと、これはもう異常なんというものじゃない、深刻なんというものじゃない、たいへんにショッキングな状態が五十一年、五十二年に——もう五十年、五十一年ごろからくると思うのですが、この予備率がゼロ以下になった場合、どういう事態が発生するのか、そういう点についてひとつ。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 先生御承知のとおり、われわれが考えております電気の需給は、年間の需要の一番ピークのときでございます八月の中、下旬あるいは九月の上旬を中心にいたしまして、その最大三日ぐらいの平均をとりましたところで考えております。御承知のとおり、電気というものは貯蔵ができませんので、需要の変動に応じまして供給することが可能であるという供給力を持つ必要があるわけでございまして、現在われわれが考えております予備率と申しますのは、その八月のピークを念頭に置きまして、その際における最高のキロワットが出た場合に対する供給力を考えまして予備力を考えているわけでございます。したがいまして、その期間におきましてもピークが出ます時間は、たとえば午後一時から五時までであるとかいうようなかっこうで、特定の期間の特定の時間にピークが集中するわけでございます。現在におきましては大体夏季ピーク、夏季の昼間のピークがピークになっておりますが、そういうことでございまして、予備力がゼロになりましても、その間におきまして、たとえば特約需要であるとか、大口に対する電気の調整、これはあるいはそのまま、なまにピークカットをやることもございますし、あるいは休日振りかえ等によりまして、実際上の生産に影響がないような手当てもだんだん講じながらそのピークのカットをしていきまして、そういうことによって、もちろんその前提といたしましては、各社間の電力融通は十分に行なうという前提でございますけれども、そういうことによってピークを乗り切っていきたいと、こういうふうに考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは予備率がマイナスになった場合にはピークの乗り切りようがないんですよね。正常な供給ができるというのが、予備率八%ないし一〇%といわれておるわけでありますから、したがって、もう予備率がゼロ以下になった場合には、何としてもこれはやはり計画的あるいは部分的な送電の停止をやらざるを得ないということになるわけですね。その場合、この電気事業法というのは、これは本来供給義務を規定したものなんですね。供給義務が守られないどころか、いわゆる電気をとめなければならない、部分的であっても。そういうことになるわけでありますから、これは電気事業法そのものの解釈をどうするのか、あるいはその場合の責任問題なんていうのは、これはえらいやはり国民的な問題になる可能性があるわけですけれども、いかがでしょうか。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 電気事業法上の電気事業者の供給義務でございますが、これは正当な理由がなければ供給義務を——正当な理由がある場合は、逆に申しますと供給義務というものは免除されるということでございまして、その正当な理由という中には、たとえば故障であるとかいろいろな点も入りますけれども、まあ企業が精一ぱいの努力をして、なおかつ十分な電源開発ができなかったというような場合もこれは正当な理由に入るものであると、こういうふうに考えております。  それからさっきお話がございました、ぎりぎりの場合の需給調整でございますけれども、これはやはり電気事業法に需給調整の規定がございまして、これは政令もございますが、要するに、一定の規模以上のものを限りまして、時間あるいは場所を限りまして需給調整ができるということになっております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは電源開発、立地条件がどうにもならなかった、それは正当の事由にならないと、これは事業法違反ということになるわけですから困るのですが、しかし、いま電源立地に絶対反対という人たちですら、実際に停電になれば今度は政府の責任追及、事業所の責任追及というものは私は必ずこれは起きてくると思うのですね。これがエゴとか何とかいったってそういうことになることは間違いない。これはごみ戦争を見ても、だれも解決できません。あれは美濃部さんにしたって解決できないですよ。幾らまあ人気を持ってしてもどうにもならない。やはり住民エゴという問題も起きておりますけれども、エゴであろうとなかろうと、現実にはもうああいう異常事態というものがどうにもならぬ形で出てきてしまうわけですね。その場合、私は、これは戦後のたいへんな電力不足のとき、電圧は低下する、サイクルは低下すると、そういうことがしょっちゅうあったわけです。予備率がゼロ以下になったた場合、需給調整によって届かないいろんな異常事態が生じますね。ですから、たとえば電圧が低下をした、サイクルが落ちた。病院で手術をしていた患者はこれは死ぬかもしれないという異常事態。これは人命に影響する問題ですね。それはパン屋さんがパンが腐っちゃってどうにもならぬとか、あるいは水道の水がとまったとか、あるいは文化生活を享受している水洗便所がどうにもならなくって不潔であるという、そんな楽な問題じゃなくて、人命に重大な影響を与えるような事態が五十年、五十一年、五十二年には私は起きてくると思う。ところがですよ、いまのやはり行政あるいはその国会論争というものはですよ、公害反対は徹底的にやる。これは当然です、やるのは。ところが、公害をなくして、どうして国民の電力を確保するかという議論は一つもないでしょう。非常に私はこれはつじつまの合わない相反する議論が行なわれておると思うんですね。石炭対策の問題を取り上げる、石炭、これはまあ重大なやはり国内産業であるから、したがって石炭を助成し、それから石炭専焼の火力発電所をつくるべきである。冗談じゃないですよ。日本の石炭なんというものは低品位でございまして、硫黄分が非常に高い。いまですよ、地域で納得をして石炭専焼の火力発電所ができたとしても、地球上の汚染上の問題では必ずこれは問題になる。そういうちぐはぐな議論を国会でやらなきゃならない。あるいは石油の問題にしても、輸入原油の二〇%は、これは中東の高硫黄分の、二%以上の硫黄分のものを輸入しておる。六〇%は一%以上の硫黄分のものを輸入しておる。八〇%はとにかく中、高硫黄分の原油を輸入して、これをどうするんです。そうしてクリーンエネルギーをつくるためにはナフサをたく、なまだきをするといえば、これは重油はどうするんだ、石油業界はどうするんだという、そういう政策とぶつかっておる。あるいは石油化学対策はどうするんだ。そういう全くあべこべなものを一面的に追求して騒ぎ回っているのが、私はいまの現状だと言うんですね。  こういうものを私はやはりあわせ考える場合、どうすればいいかという対策を真剣に追求しませんと、とにかくその原子力の問題にしたってそうですよね。仮想事故、これは世界の学者が一万分の一、いや、あるいは百万分の一の範囲内で重大仮想事故というものを想定しておる。ところが、かりに日本に原子力発電所が百できたとしても、百万分の一でしたら一万年に一回のこれは仮想事故ですよ。そういう場合には、科学技術庁あたりでは全く学者みたいな答弁しているんだけれども、科学技術庁あたりではそういう仮想事故に対して、どういう措置をとるかというものをびしり出して、そしてやはり千年、一万年に一回の仮想事故に対しても対処をすべきである。そういう安全には、絶対というものを国民に訴えるべきであると思うんだけれども、これがなかなかそうはいかない。そしてその裏では、これは世界で原子力のこの軽水炉になってから事故で死亡者というのは幾人出ています。ところが、電力危機が、実際に予備率がマイナス、赤字、ゼロ以下になったと想定すると、先ほど申し上げたようなことで何十人、何百人、何千人が生命を落とすかもしれないという、それほどの重大な事態に対して、私は危機意識というものは足りないと思う。これはひとつ何か演説が過ぎたようでありますけれども、そういうものに対して、私は政府がやはりこれはほんとうに真剣に取り組んで、そしてその対策を講じられるべきだと思う。そういう具体的な対策をひとつお尋ねしたいと思います。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 現在、電源開発が非常に停滞いたしております原因でございますが、その一つは、やはり先生の御指摘のとおり公害問題であると思いますが、これにつきましては、一つは低サルファ燃料の確保ということで大いに努力をいたしておりまして、一例を申し上げますと、たとえば原油のなまだきでございますが、昨年度が約千八百万キロリッター程度でございますが、本年度は二千三百五十万ということで相当の増量をいたしておりますし、それからナフサにつきましては、先年度三十二万程度でございましたけれども、今年度は二百三十万程度、その他エネルギーにつきましても大幅な増量をいたしております。こういうふうなことで、低サルファ燃料の確保につきましては、非常に入手に問題がございますけれども、極力努力をいたしておりまして、相当のめどを立てておるわけでございます。  それからいま一つは排煙脱硫の問題でございますけれども、これにつきましても、従来ややともすると、ややコストアップということで問題があったわけでございますが、これにつきましては、そういう段階ではないということで、今後つくります発電所につきましては大幅な、ほとんど全部、場所によりましてはフルスケールまでいかぬかもしれませんが、ほとんど全部のものにつきまして排煙脱硫装置をつけていくということでこれは決定いたしておりますし、なおかつ火力発電所につきましては、精密なる高性能の電気集じん装置を本年の八月ごろに全発電所につけさせるということでやっておりまして、それからその他ガス化脱硫の研究もやっております。そういうようなことで、たとえば現実に環境基準、あるいは県市等におきましては実際の基準の二分の一であるとか、あるいはひどい場合には十数分の一であるとか、あるいは数十分の一であるとかというところまで下げていっておりまして、われわれといたしましては、基準のいかんにかかわらず、できるだけサルファにつきましては低いものにしたいということで努力いたしております。  それから今度環境基準が改正になるという話がございますけれども、改正になりましても現在のものでやっていける、特にあれしなくてもいいというところがたくさんございます。そういうようなことで、相当進んだ先取りした低サルファ対策を実施いたしております。  それからいま一つの問題は、これは今回法案を提出いたしておりますが、要するに発電県と電力消費県との経済メリットをカバーする意味におきまして、発電県においては非常に経済メリットがない。これは普通の工場ですと、雇用効果があったりあるいは関連産業が、下請等が行ったりするということで、地域の発展に貢献するわけでございますけれども、電気の場合には、建設期間中を除いては非常にコンパクトになりまして、人もあまり要らない、関連産業も要らないというようなことになりまして、非常に地元に公害のようなケースが起こるにかかわらず、非常に地元に対するメリットがないということでございまして、これは現に共同火力のときはわりあいに建設がスムーズに進みます。これは電気と他の産業とが共同いたしまして発電所をつくりますので、片一方の半分側の経済メリットが地元に落ちるというようなことで、これはわりに進展するケースが多いんでございますけれども、そういうようなことで、本来の発電所につきましてはその地元に経済メリットがないという点もございましてなかなか進まぬということで、これに対しまして地帯整備を行ないまして、これは発電所ができますときの条件といたしまして、道路をつくったり、あるいは港湾をつくったり、水道をつくったりいたしますと、そういうものと、その当該地帯の整備計画と一本といたしまして当該地帯の整備計画をつくる。なおかつ、それ以外にあるいは消防署であるとか、体育館であるとか、診療所であるとかというような、そういう地域住民の福祉を向上するような施設をそこへつくっていくというようなことで地帯整備法を出しておりまして、そういうことで開発を進めていくということになります。  それからいま一つは、非常に従来電気の供給が潤沢に行なわれまして、スイッチをひねれば必ずつくものだというような感じでございますけれども、やはり非常にこういうことになりまして、省資源的な意味におきましても使い方をもう少し上手に合理的に使うということで、これはもうアメリカ等におきましては相当前から電力会社が非常に宣伝をいたしておりまして、いろいろと効果があがっておるそうでございますが、日本におきましても、昨年ぐらいから特に中央の三社等を中心にいたしまして、そういう宣伝やPRをいたしまして電気の消費節約ということもやっておるわけでございます。

中村利次民社党

○中村利次君 これは燃料の低硫黄化、これが実現をしますと立地の問題はほとんど解決することになると思うんです。ところが、これは先ほど申し上げましたように、たいへんにむずかしいことでしてね。方法は私はただ一つだと思う。たとえば先月の二十五日、中国の大慶油田というんですか、百万トンのきわめて低硫黄原油輸入契約があったそうでありますけれども、あれは、百万トンというのはリッターあるいはバーレルに換算すると幾らぐらいになるんですか。

外山弘通商産業省鉱山石炭局長

○政府委員(外山弘君) 大体百万キロリッターと考えていただいてけっこうだと思います。

中村利次民社党

○中村利次君 〇・〇八%というんですからね。こういうものをたけば、なまだきをすれば、全くこれは大気汚染の問題は一発でおしまいになると思いますがね。やはり石油化学なり、あるいは石油業界との関係なり、あるいは石炭対策との関係等々で、私は現実論を申し上げたいと思うんだけれども、これは非常にむずかしいことで、ただ一つ可能性があるとすれば、私は脱硫技術の開発によって高硫黄分の油でもやはり低硫黄化できるという、あるいはこれは最近はS分だけじゃなくてN分まで問題になってきておるわけでありますから、何といっても技術開発以外にはない。その場合のこれはもう技術の開発にしても、設備にしても、とてつもない金がかかる。私は、大蔵省お急ぎのようでありますから、その場合、はたして大蔵省は国民のためにさいふのひもを締めるだけでいいのかどうか。これはひとつ通産省にお伺いする前に、そういう深刻な事態をどういうぐあいに受けとめ、あるいはそれに対してどんなに費用がかかろうと、これはいろいろなコスト高の問題までからんできますからね、通産省にもお伺いをしたいと思うんですけれども、まず大蔵省がどういうぐあいにお考えか。

禿河徹映大蔵省主計局主計官

○説明員(禿河徹映君) 先生御指摘のとおり、エネルギー問題あるいは公害問題ということはきわめて重大な問題だと私どもも考えております。これに関連いたします科学技術の振興につきましては、私どもも従来から重点施策の一つといたしましてできるだけ推進してまいったつもりでございます。四十八年度におきましても、科学技術振興費といたしまして、総額二千九十八億計上いたしまして、基礎研究から開発研究に至るまで各般にわたります施策を講じてまいりたいと、かように考えております。確かにいろいろの問題で時代の要請がございます。私どもといたしましても、今後ともこういう時代の要請にこたえながら、研究開発の成果を踏まならがら前向きに取り組んでまいりたいと、かように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 これは私はもう機会あるごとに、このエネルギー危機、電力危機の問題は国民的な課題として取り上げ、大蔵省の姿勢等についても納得できなければもうとことんまで私は責任ある行政に徹してもらうよう要求をし、追及をしていくつもりです。お急ぎのようですから、きょうはどうも……。  科学技術庁はお見えになっていますか。——お見えになっていませんか。お見えになってなければいいですよ。  それではもうだいぶ時間も超過いたしましたから、いいかげんのところで、きりのいいところで次に回そうと思うんですけれども、どうしても先ほど申し上げましたように、現実的にやはり公害をなくしていこうということになりますと、技術開発による低硫黄化あるいは温排水の問題にしても、巨額な費用をかけて研究、技術開発をし、設備をするという一点に尽きると思うのですね。あとはどんなことを言っても、これはしょせんはやはり、ごまかしといったら語弊があるかもしれませんけれども、どっかにひずみが出ることを当面糊塗するというにすぎないと思うんですね。その場合、大蔵省の姿勢もお伺いいたしましたけれども、これは国民に対して私は通産省が事実を明らかにして、選択を国民に求めるという、そういう決意をお持ちなっているかどうか。公害をなくするためにはこれだけの費用が必要なんだ、その費用は事業者が幾ら持つのか、あるいはどうなるのか、国民負担がどうなるのか、そういう事実をそっくりそのまま国民の前に示して国民に選択を求めるという姿勢がおありかどうかですね。これはなかなかそういうことはやられにくいから、いままでやってこられなかったと思うんですがね、いかがでしょう。

井上保通商産業省公益事業局長

○政府委員(井上保君) 公害投資の問題でございますが、これは現在火力発電設備の中に占める公害投資は、四十六年ぐらいで約一七%程度でございましたが、現在は約三〇%程度、来年は三六%程度というふうに非常に大きくなっております。公害投資も相当ふえておりますけれども、先ほどお話がございましたようなローサルファ化の問題等がございまして、燃料経費の支払いも非常に大きくなっております。なおかつ原子力施設等の建設コストが高い、建設費が高いということでその減価償却もふえておりますし、したがって、支払い金もふえているというようなこともございまして、全体といたしまして非常に電力会社の経理内容が一般的に悪くなってきておるというのは現状でございます。しかし、電気事業の公益企業規制の基本的な考え方といたしましては、やはりコスト主義ということでございまして、かかるコストはやはり料金にはね返して、これを料金で取る、変な言い方でございますけれども、料金で収支相償わせるというのが現在行なっております公益企業規制の原価主義の根本的な考え方でございますので、将来とも根本的にはそういうことじゃないかと思いますけれども、ただ特殊な分野、たとえば原子力発電に対する設備投資であるとか、そういう特殊な分野につきましては、これは開発銀行その他国家資金の運用によりましてバックアップしていくということも引き続いて考えたい、こういうように考えております。

中村利次民社党

○中村利次君 私は、これは料金問題として取り上げているのではなく、とにかくやはり低硫黄分の燃料をたいて、そして公害問題を解決をして国民のための必要最小限の電力というものを確保するためには、これは現実論として、たとえばナフサのなまだきによって解決をするか、それじゃ重油はどうするのだ、どこがたくのかということになるのですね。日本国内で、やはり電力はナフサをたいて、重油は鉄鋼がたく、あるいはガスがたく、同じことですよね。ですから、立地の問題は解決できるかもしれぬけれども、公害の問題の総合解決にはならない。そうなりますと、これはやはり硫黄分を除去する、そういう技術の開発にばく大な金がかかる。ですから設備する、ばく大な金がかかる、これは電力だけじゃありませんよ。全般的にそういう選択を、コスト高になれば当然これは料金あるいは価格に反映をさせざるを得ないという、そういう単純なものではなくて、すべてを含めて、とにかく脱硫技術の開発のためには、完全なものにするためにはこれだけの巨額の費用がかかる、設備するためにはこれだけの巨額の費用がかかる、こういうものを国民の前に明らかにして、国民にその選択を求める、こういうまる裸になった、すっぱりした姿勢がとれるのかとれないのか。そういうところから私はやはり国民の選択というのはスタートをするんじゃないかと思うんですね。

和田敏信通商産業大臣官房長

○政府委員(和田敏信君) 先ほど来御説明申し上げましたように、わが国のエネルギー供給の大宗を占めます石油は、売り手市場へと変化を来たしております。価格も年々上昇しておりますし、また、今回の米国大統領教書にも見られますように、米国もエネルギー高コスト時代突入に踏み切った結果、国際的な石油価格の上昇も予想されており、わが国の石油輸入価格にも影響をもたらすものと考えております。一方、わが国の輸入可能な低硫黄重油、LNGなどの低硫黄燃料には限界がございますので、重油脱硫、排煙脱硫などあらゆる低硫黄化のための手段を駆使してクリーン化をはからねばならず、かつ、流出油分解、ガス化脱硫などの新技術の開発も促進をはかっていく必要があり、その点に関しましては、ただいま財政当局から御説明もあったところでございます。そのため、わが国でもクリーンエネルギー確保のための相当のコスト高になることがあるいは予想せざるを得ないというふうに考えております。これらのコストの増は、エネルギーに関連をいたしております、エネルギーを担当しております産業の企業努力によりまして極力吸収すべきであると考えるものでございますが、吸収しきれない事態に立ち至ることもあるいはやむを得ないところかと考える次第でございます。

高田浩運自由民主党

○委員長(高田浩運君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十三分散会      —————・—————

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