内閣委員会 第7号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/04/17
会議録
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次発言願います。
○岩間正男君 最初に総務長官にお聞きしますが、きょう十七日は、日本の労働者にとって初めて国への制度要求の一つである年金制度の大幅改善を要求して、年金統一ストが戦われているのであります。初めに、このような年金制度の大幅改善を大多数の労働者が要求して戦っている現在のこの段階で、公務員の定年制について、政府はこれをどう考えるか、これを導入する考えがあるのかどうか、まず最初に伺っておきたい。
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の定年制という問題につきましては非常に重要な問題でございますので、政府といたしましては、あらゆる角度から慎重に検討をいたしておるような次第でございます。ごく最近の二十日の閣議におきまして、週休二日制並びに定年制等を含めましての閣僚協議会を開きまして、これらの問題につきまして十分政府といたしまして討議をいたす予定に相なっておるような次第でございます。
○岩間正男君 あらゆる角度から慎重に検討中だと言うのですが、これは導入する考えでやっているのか、それとも、そうでないのか。こういう基本的な態度は、これはどうなんですか。政府の意向というのがあるだろうと思う。その意向によってこれは慎重検討ということになっておるのだろうと思いますが、これはどうなんですか。
○国務大臣(坪川信三君) 国の行政を能率的に遂行するためには職員の新陳代謝をはかることは必要でございますので、そうした角度から今日まで勧奨退職の制度によってこれを行なうというようなことはよく御理解いただいておるとおりでございますが、今後、職員の新陳代謝をはかるためにこの定年制を設けて行なうべきか、それとも、現在の勧奨退職の制度を続けていくべきかということにつきましては非常に重要な問題でもありますので、いま申しましたような態度で慎重にこれに対する検討を加えておるような次第でございます。
○岩間正男君 検討の中で、労働者の立場、これについて意見をいままで何回も展開されておると思うのですが、これは十分に慎重検討の中に入るのですか。こういう意見について、これを聞く、十分にその話を聞いてその実情をつかむ、そうして検討する、こういうことになるのですか。それとも、政府の、すでに定年制を導入するという、いわばそういう方針が大体きまっていて、それに合わせるような形の慎重検討なのかどうか、この点が非常に問題ですから、この点の態度を伺っておきたい。
○国務大臣(坪川信三君) 岩間委員御指摘のとおりでございまして、政府といたしましては、あらゆるものを含めまして、岩間委員の御意見すべてを含めまして、十分に検討を加える。一定の方向をきめまして検討いたすという態度でないことを明らかにしておきたいと思います。
○岩間正男君 この定年制というのは、非常に何といいますか、機械的に行なわれて実情に合わないという、そういうこともあるし、あるいは官庁だけの都合で行なわれるという、そういう実態があるので、公務員労働者の場合はこれに対して賛成していない、そういう方向が出されておるわけですから、十分にその意見を聞いて、具体的にこの問題を検討する必要がある、こういうことを特に私は要望しておきたいのですが、いかがですか。
○国務大臣(坪川信三君) 全く同感でございます。
○岩間正男君 それじゃ、そのことを確認しておいて、次にお伺いしますが、まあ、定年制がないかわりに、勧奨退職というような制度、まあ制度といってもこれははっきり確立したというものじゃないと思いますが、これはそういう実際の運用でやられているわけですね。現にこれが各省でやられておるのでありますが、当然、これをやるについて、各省間に実施要綱というようなものがあるんですか、ないんですか。あるとすれば、その中身はどうなっているのか、それから運用の実態はどうなのか、こういうことを説明してほしいと思います。
○政府委員(皆川迪夫君) 勧奨退職ということを実施いたしております、これは昭和二十年代の半ばごろからずっと実施をいたしておりますが、これに対して政府で何歳から統一的に勧奨退職を行なうというようなたてまえはとっておりません。各職場の実態に応じて適当な年齢において行なうということにいたしております。ただ、制度面では、それを受けるために退職手当のほうで割り増しを支給をするということをいたしておるのでございます。
○岩間正男君 そうすると、この勧奨退職というやつは、ちゃんと制度化されたものではむろんない。各省庁間の運用の実態を見ても、これは必ずしも一つになっていない。そうすると、非常にそこのところに主観的な判断が入る可能性があるわけですね。そうすると、そういう実態、各省庁間で勧奨退職について何か内規のようなものがあるのかないのか、こういう点については総理府のほうでつかんでおられると思うのですがね、どうですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 私のほうで各省を通じまして具体的な取り扱いの詳細をつかんではございません。
○岩間正男君 つかんでいるんですか。
○政府委員(皆川迪夫君) おりません。
○岩間正男君 そうすると、これは大臣答弁で、定年制というものは考えていないんだ、いまのところ検討中だ、それにかわるべきものとして勧奨退職ということを考えているんだ、こういうことなんですが、その実施面では必ずしも統一されたそういう方針ではないわけですね。これは総理府さえも、実際それをつかんで、それについて十分な検討をしていないのですから、非常にこれは主観的に運用される、そういう危険性を持ってくると思うのですが、どうでしょう。
○政府委員(皆川迪夫君) これは、各職場の実態、また、担当しておる職種の内容に応じまして、適当な新陳代謝の時期にくるという場合に、各省庁の判断で実施をいたしておるわけでございますが、主観的ということになりますと、定年制が最も客観的な一つの法律上の基準ということになろうかと思いますが、勧奨退職という取り扱いになりますと、どうしても各省庁の職場の実態というものを尊重しなければなりませんので、もちろん個人的な主観ではないと思いますが、その職場における勧奨等によってつくり上げられました一つの基準によって運用されているのではないだろうか、また、それが勧奨退職というものを比較的無理なく運用させることになるんじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○岩間正男君 職場の実態ということで、主観的ではないんだと、こういうことでありますが、しかし、この勧奨退職というやつは、実は非常に公務員労働者の権利制限あるいは弾圧の具に供せられるというような運用の実態がある。こういう実態にしばしばわれわれは触れているわけです。つまり、勧奨の名によって、好ましくないとか、あるいは組合活動に専心したとか、あるいは批判的であるとか、そういう者についてこの勧奨が加えられていく、そうして、やめなさい、やめれば、勧奨退職でいけば退職のときに有利な条件を同時に与える、いわば、えさである、えさのようなものを目の前にちらつかして、それで勧奨退職に追い込んでいく、そういう実態があるんじゃないかと思うんですが、そういうふうに運用されるべきものなのかどうなのか。私はいろいろな実例を知っておりますから、そういう点から質問を申し上げているんでありますが、これは一つの労働者に対する権利制限あるいは弾圧の武器としてこれが使われておる現状については、総務長官、どうですか。御存じですか、御存じありませんか。
○政府委員(皆川迪夫君) 勧奨退職の実際の進め方につきましては、各人事担当者のところでいろいろ御苦労をいただいているのではなかろうかと思います。したがって、こういう制度よりは一律的な定年制のほうがいいというような御意見も生まれてこようかと思うんであります。ただ、私たちは、これは基本的に、なるべくその職場の実情、個人の担当している職務の内容等に応じて——もちろん、中にはきわめて特殊な個人的な事例で、もう一、二年延ばしてくれというような事例も出てまいりますけれども、なるべく客観的な一つの基準を設けまして運用されるように期待しておるのでございます。いまお話のありましたような職場の弾圧的な作用を営むということは、ないものと信じております。
○岩間正男君 これは、実態をあげろと言えば、たくさんそういう例をあげることできるんですが、時間の関係から、きょうはここでやりませんけれども、こういう点については実際はつかんでいられないんですね。 そこで、これはもう定年制にかわるものだというふうに簡単に見ておられますけれども、私は、もう少し実情をやはりつかむ必要がある、そうしてまた、政府の方針だったら、もっと統一的なそういう方針が確立されなければならないわけですが、それもできていない。非常にこれはあいまいなものだ。そうして、主観的なものが入らない、現状ではそういうことはないんだということでありますけれども、これは実際はそうなっていない。そういう点から考えますというと、非常に問題があると思います。 もう一つ、この勧奨退職というやり方で利益を目の前にぶら下げておいて、そうしてそれに応ずれば有利だ、そういうところで、つまり退職をすすめる、こういうやり方なんですね。いわば真綿で首を紋めるようなやり方だ、実際は。ところが、労働者の権利というものは、一体、こういうふうな、いわば主宰者の意思によってこういう運営をするということは望ましいですか。私は、労働者の権利というものをほんとうに保護する立場に立てば、勧奨だろうが一般の退職だろうが、ここのところを区別をするというやり方でなくて、むしろこれは、やはり勧奨退職で現在行なわれているようなこういう一つの利益の点というものは当然一般にも適用するというような方法をとるべきじゃないか。そこを非常に差別をしている。差別をすることによって退職を容易ならしめる。こういう形に使われているという点については、これはどうですか、非常に前近代的なにおいがするんでありますが、これはほんとうに労働者を尊重し、そうして労働者の基本的権利というものを認めた立場に立っているようには考えられない、私はそういうふうに思うものでありますが、これはどうお考えになりますか。これはやっぱり総理府総務長官にお答え願います。
○国務大臣(坪川信三君) 岩間委員御指摘の問題につきましては、非常に大事な基本的人権に関する問題でございますので、いま人事局長も申し述べましたごとく、各省庁等の人事課長、人事労務管理をいたしておりますような責任のある当事者は、そうした点の批判、誤解あるいはそうした点の不満等のなきよう十分配慮をいたすべきであることはもちろんでございます。当然でございます。すなわち、退職を強要するというようなことでなくして、理解と納得の上に立っての管理を、勧奨をいたすべきであり、そういうような行政指導を、私も今後十分指導してまいりたい考えであります。
○岩間正男君 それじゃ重ねてお聞きしますが、このような現行の運用のしかたについて、もっと総理府は調査すべきじゃないか、これは行管の任務であるかしれませんけれどもね。総理府は実施者でありますから、実施の立場から、この勧奨退職というものは現状でどういうふうに行なわれているか——私か指摘したような、一つの好ましくない、そういうところをやめさせる、そういう道具にも使われている、あるいはまた、いま言ったように真綿で首、そういうことで、目の前にいささかの利益をぶら下げておいて、それによって退職をすすめる、こういうような、ほんとうに基本的権利とは必ずしも相いれないような、こういう運営がされているんですから、この点について、やはりもっとこれは検討する必要があるというふうに考えるわけです。 現行の具体的な問題に入ってまいりますと、現行を考えると、現行でも、勤続三十五年での勧奨と自己都合との間では九・六カ月分の、平均水準で百万円の差がある、それが今回の改正では、勧奨退職と自己都合退職との間では、勤続三十五年で二十一・六カ月分、二百万円という大きな差に拡大する、こういうことになるわけですね。このことから、本人の生活上の理由で、退職の意思がなくても、やめていかざるを得ないということが起こりかねないと思います。これは勧奨退職を強要する武器として結局は運用されるというふうになると思うんですが、こういう点はいかがでございますか。
○政府委員(皆川迪夫君) 岩間先生も御承知のように、勧奨退職はなかなか運用上むずかしい制度であると私たちも存じております。民間のようにはっきりした定年制度をとれば、そこに個人的な不満が起こらないという点もあろうかと思いますが、半面また、いまお話がございましたような一つの機械的な作業になるということにもなってまいるわけでございまして、総理府がこの勧奨退職の基準に各省統一的な歩調をとるような態度で臨むというようなことになりますと、また、やはり職場の実態というものと多少離れてくるような懸念もあるわけでございます。したがって、私たちはあまり深く立ち入りをしておらないわけでございますが、お話にございましたように、実態についてはできるだけ把握につとめてまいりたいと思います。 で、いま御指摘のございました三十五年で勧奨を受けておやめになる場合と、そうでない場合との差が非常に大きくなるということは御指摘のとおりでございますが、これはあくまでも、前回もこの席で申し上げましたように、民間における定年退職に比べまして、まあ、これに実質的に相応する公務員の勧奨退職の場合の退職金の支給が低いと、こういうふうに思われましたので今回の措置を講じたのでございまして、それは結果的にはそういう差が出ますけれども、それがやはり日本の、永年勤続、定年退職というものに対する、まあ御苦労であったという意味も込めた民間の水準になっているかと思いますが、これを官民比較という見地から公務員についても採用したのでございまして、特にこれによって、差別的な方法によって勧奨退職を強く促進していこうというような考えは持っておらないわけでございます。
○岩間正男君 私の主張しているのは、やっぱり退職金を底上げして、そして勧奨というような形で非常に身分を支配するような、そういう武器には使うべきじゃない、そういう点を主張しているんですから、そういうふうに運用されているんじゃないかという実態をつかんでほしいと、この現状というものをもっと検討してほしいと、こういうことを言っているんですから、そこのところ、あなたのいまの御答弁とは趣旨がだいぶ違いますから、はっきりさせていただきたい。 次に、今回の改正で、公務外で死亡した場合に、二十五年以上の勤続者には五条の適用で二割加算になる。ところが、二十五年以上の勤続者でいまも働いている者にとっては、勧奨退職によらなければ公務外の死亡退職と同じ水準にならない。現に働いて生きているより死んだほうが有利ということで、死亡退職とのバランスから考えるなら、勧奨退職の運用については大きな格差が生まれているようなんですが、こういう運用をすべきではないと、こういうふうに考えますが、この点はいかがですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 二十五年以上の長期勤続者につきましては、今回、公務外の死亡の場合には五条適用をすることにいたしましたから、勧奨退職を受けて退職をなさる場合にも同じ取り扱いでございます。特に死亡の場合に比べて不利な扱いにはなっておりません。
○岩間正男君 いや、私の聞き方が少しくどかったかもしれませんが、結局、それは死亡者と勧奨退職とは同じになる。しかし、勧奨退職に応じない、そういう場合の退職の場合には、非常にこれは割りが悪いわけですね。そうすると、死亡をした場合と一般の退職の場合、これを比較してみるときに、そこに格差があり過ぎるんじゃないかと、こう言っているんです。つまり、一般の退職というものは優遇されないのだな。勧奨に応ずるか、あるいは死亡するか、そういうような場合には、これは、一応優遇の措置を考えておられるが、そこのところがあまりに格差があり過ぎるんじゃないか、こういうことを問題にしているのですが、これはいかがですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 二十五年以上の長期勤続者の場合には、大体もう私たちは勧奨退職の扱いになっておるのではなかろうかと。まあきわめてレアケースとして、そうでない者もあるかもしれませんが、まず、勧奨退職の取り扱いになっておるのではなかろうかと考えます。
○岩間正男君 だから最初に私は念を押したのですよ。公務員の組合ですね、こういう組合の場合に、二十五年がきたからというので、これは定年退職制というのはないのでありますから、しかも実質的には必ずしも年齢によって能力が一律に同じように減退しているわけではない、十分使うことができる、それからその人の意思からいっても、もっとやりたい、そういう場合に勧奨に応じない、二十五年以上突破する、そういう場合に保護がないわけですね。死亡するか、勧奨に応ずるか、これに対して一応の政府の手当てはあるわけです。そうすると、結局は二十五年で定年退職をすすめるような、そういうような方向にこれは行ってしまうのではないか。生活基盤が弱いのですよ。労働者は生活基盤が弱い。結局は老後のことを考える。こういうことがありますというと、どうしてもそのような手段に落ちざるを得ない。そういうところに落とすのではこれはまずいのではないか。こういう点を問題にしているのですが、どうですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 職場にいま勤務している者個人個人から見ました場合に、いつまで在職することがいいかどうかという問題と、公務員全体として考えた場合に、やはりある程度の年齢にきた場合に新陳代謝をはかったほうがいいかどうかという問題が、まず基本にあろうかと思います。やはりその点については、一般的には、新陳代謝をはからなければ、いつまでも在職されておったのでは、かえって公務の能率が下がるということで、定年制なりあるいは勧奨退職制というものが生まれてきていると思うのでありますが、したがって、非常な御都合によって勧奨退職に応じられない、そのかわり、自分はもうしばらく——まあしばしば出る例としては、子供が病気であるとか、あるいはまだ小さいとかというようなことが起こるのでございますが、そういう場合に、勧奨退職を受けなくてもいいからもう少し在職したい、ということも出てこようかと思います。その辺は、御本人の実情と、それから職場におけるそれを許されるような環境にあるかどうかというところを十分考慮をして無理のない措置をするということが、人事管理担当者の一番頭を悩めているところではないだろうか。いまお話のございましたように、勧奨退職ではない長期勤続者、みな同じような扱いにするということは、これはむしろ民間の定年退職とそれ以外の者との取り扱いにおける差異等から考えましても、どうも公務員の場合も実態に合わないのじゃないだろうかというように私たちいま考えているわけでございます。
○岩間正男君 定年退職という制度をとっていないのですから、そうすれば、本人の自由意思というものは、いま言ったようないろいろな手段によって曲げられない。そこのところが、どうも真綿で首のような方法に考えられるのですね。 それじゃお聞きしますが、最近の資料でいいのですが、勤続二十五年以上、五十五歳以上の退職者について、自分の都合による、まあ四条適用ですね、の退職者と、それから五条適用の勧奨による退職者のそれぞれの人数、これ、わかりますか、どうなっているか。
○政府委員(皆川迪夫君) 昭和四十三年の資料で、若干古いので恐縮でございますが、そのときの調査結果によりますと、勤続二十五年以上の退職者については、四条の適用を受けました者が約七%、五条適用者は約九三%となっております。ここで四条の適用を受けました方は、いずれも公務外の死亡、あるいは自己都合による退職でございます。
○岩間正男君 いまの、四十五年ですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 四十三年の調査です。
○岩間正男君 最近とっていませんか。最近のやつはないのですか。四十三年というと……。
○政府委員(皆川迪夫君) 四十六年の調査をただいま集計中でございます。
○岩間正男君 私たちもこの数字を持っているのですが、四条適用が、七一年ですから四十六年ですか、四十六年度、七百二十四名、勧奨者が七千六百九十四名、大体パーセンテージからいうと、先ほど発表されたような数字になりますね。そうすると、ほとんど勧奨なんですね。ここのところも、実際は、自己都合でやめる場合と勧奨の場合の、非常にやはり待遇上の今後の差が開き過ぎている。二百万ですか、さっきあげた例ですけれども。どうしてもそれは老後のことを考えれば、まあ勧奨におちいらざるを得ない、こういうふうになるわけですね、現実から見ましても。結局は、政府のそういう方針というものを貫くには勧奨というのはぐあいがいいということになるわけですが、基本的な、とにかく定年制を認めていない、そこにはそれだけの理由があるわけですから、そしてその基本的な労働者の権利というものをもう少し確立していくという立場に立つというと、現状は必ずしもそうなっていないということを統計が示していると思うんですね。この点はどうでしょうね。
○政府委員(皆川迪夫君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、他面、いまの勧奨退職制度というものは、ただ長期勤続者の優遇になっているんじゃないか、長くつとめておればみんなそういう特殊扱いを受けるのじゃないかというような御批判も一方では出てこようかと思いますが、私たちは、先ほど来申し上げておりますように、定年制という機械的な方法にかわる措置としてこれをとっておりますので、やはり実際の運用上、それが無理のないようにすることを心がける。もちろん、人事担当者としては、そういった無理な勧奨退職をすすめることについては、非常に心理的な負担を負うわけでございますから、そういうことは、私たちはないかと思っておりますけれども、いま私が数字を申し上げましたように、長期勤続者については、まあおおむね勧奨退職の取り扱いを受けておるということは、逆に言いますと、この制度が比較的、少なくとも形の上においては有効に働いているのではないか、個々の場合に非常に無理なケースがあるということについては、これはくれぐれも戒心をし、注意をしていかなきゃならぬと思いますけれども、全体的にはこの制度がうまく作用するのではないだろうかと考えているわけでございます。
○岩間正男君 この公務外死亡とのバランスから考えるならば、勧奨退職をすすめられた者が、本人の生活上の不安ということで、退職を断わってそのまま働いていた場合に、その人が退職するときにこれは再度勧奨扱にするのかしないのか、これはどういうふうになっているんですか。
○政府委員(皆川迪夫君) その辺の実態は、私たちもまだ十分承知をしておるわけじゃございませんが、ただ、何べん勧奨をしても、再び、やめる場合にはまた勧奨の取り扱いをするということは、なかなかむずかしいんじゃないんだろうか。もちろん、勧奨退職という制度を適用する場合に、初めからこれを振りかざして話をするというようなことも、実際はないだろうと思うんでございまして、むしろ職場の実態、本人の環境等を考えていろいろお話が進められていくものであろうと思います。したがいまして、一度そういう話があった後絶対もう二度と勧奨退職の取り扱いはないかと、こういうことになりますと、必ずしもそういうことも言えないと思いますが、さればといって、一度勧奨した者が、そのときは、もうしばらくつとめさしてもらいたい、その次、あるいは二度、三度目に、いつでもやめる場合には勧奨の取り扱いをするということも、これはなかなかむずかしいのではなかろうか。やはり、これはあくまでも職場の実態なり個人の環境、立場というようなものを総合的に考えて、勧奨なさる場合の態度というようなものと結びついて最終的に判断をされておるのではなかろうかと考えております。
○岩間正男君 この、一ぺん勧奨に応じなかった者は勧奨にはしないという、そういうはっきりした規定はこれはないんですね。あるんですか。
○政府委員(皆川迪夫君) これは総理府のほうで別に統一的な規定というものもつくっておるわけではございませんが、ただそういう取り扱いをしておるところも、これはあろうかと思います。
○岩間正男君 そうすると、やはりいまの生活の実態、非常に低賃金だ、物価高だ、そういう中で妻子——また子供か非常に幼い、こういうことで必ずしも勧奨に応じられないという、そういう事情があるわけですね、そういう点から断わった。しかし、そのあとどうしても退職せざるを得ない、そういう事態が起こってくる。そうすると、さきに断わったために、おまえ断わったんだから、どうもその恩恵的な条項には、これは適用できないんだ、こういう形にこれはいくのか。それとも実情を実際具体的に考えて、そうしてそういう適用もあり得ると、こういう形で運用されているのか。大体これはまあ法的にもはっきりしないんですね。何らこれは基準がない。勧奨扱いになった退職者はこうなるということは五条に規定されているだけで、実際の運用面というようなものは、非常に先ほどから申し上げたようにいろいろ各省庁で違う。また、これを実施する立場からもいろいろ主観的判断が入り込む、こういう事態でありますから、これは公務員労働者の生活の現状ですね、そういうものに立って考えるときに、この勧奨というものを、いま言ったように、そのとき言うこと聞かない、聞かないからしかたがないんじゃないかというような、そういう突っ放したやり方でいいのかどうか。だから私は、退職金というものをもう少し底上げをして、勧奨というものをそういうような武器に使うべきじゃないということを、これは主張しているわけなんですが、その点はどうでしょうか、これは基本的な態度として。その辺明確に、これはやっぱり総務長官ね、それから人事院総裁もこれはどう考えますかな。その辺ちょっとお聞きしておきたいと思う、労働者に対する基本的な態度の問題になるから。どうでしょう。
○国務大臣(坪川信三君) 基本的な問題でございますが、私が先ほど申し上げましたとおりでございまして、決してこれをもって武器といたして基本的な人権を侵犯するなんという考えはみじんもございません。
○岩間正男君 そうすると、この勧奨制度というのは、やはり現状を十分に明らかにする、行なわれている実態を明らかにする、そうしてこれに対して、いま申しました基本的に労働者の生活権、こういうものを守るという立場に立つとするなら、これについて相当これはこの適用の面で考えていく面があるんじゃないか。単にこれが定年退職制をとらないからやっているんだという、しかもそのやり方が非常に不明瞭だというような形になってはまずいのですから、この点について、いま検討しているという話でありますけれども、これ、どうなんです。いつごろこれについて明確な態度を明らかにすることができるか。これは人事院総裁についても見解をお聞きしておきたい、どうです。
○政府委員(佐藤達夫君) 最終的な終着点は、結局定年制を採用するかどうかという問題であろうと思います。これはまあ私どもの所管事項でもございますし、また公務員制度の上では非常にこれは重要な研究課題でありますために、従来真剣にその点の検討は進めておりますけれども、なかなか、しかしいまのお話にも出ておりますように、これは非常に機械的な形になっている。まことに場合によっては冷酷むざんな形にもなる制度であるわけです。したがいまして、その辺も考えて、かつまた、その定年制というものはどういう趣旨でそれを取り入れるか。役所における新陳代謝を促進する意味でこれを採用するかどうか。まあ一般民間では職員の新陳代謝を促進するための制度として考えられておりますけれども、私どもの場合において、いまの現状から見ますというと、むしろ引きとめ策としておくべきではないかというような御議論も、たとえば、いわゆる天下りの問題で追及を受けるようなときには引きとめ策として定年制を設けるべきじゃないかという全然違った角度からの御追及を受ける場面もあるわけです。したがいまして、これはたいへん重要なことでありますが、要するに、非常に画一的な制度であるという点が大きな問題点だろうと思います。 それに比べますと、現在勧奨退職ということが運用上行なわれておりますけれども、これはなかなか弾力性のある、運用次第によっては非常に味のある制度であるというふうにわれわれ考えるのですが、ただ、私どもの立場から言いますと、勧奨に名をかりて結局定年制と同じような強制力ということにこれが使われては、これは重大なことでございますから、これは許すべからざることであるとして、それさえなければ、なければ勧奨退職の制度というのはなかなか味のある、うまみのある扱いではないか。各省それぞれお家の事情によって、それぞれの適当な年齢をきめて、そうしてどうだと言って肩をたたくという制度は、そうしてそれでやめれば相当退職金の水増しをしてやる、そういうふうに考えれば捨てがたい面もあるというふうにこれは見ておるわけでございます。
○岩間正男君 総理府総務長官、どうですか。いまの人事院総裁の見解に対して、どうお考えになりますか。
○国務大臣(坪川信三君) 佐藤人事院総裁のお説と全く私も同じ意見を持っております。
○岩間正男君 これを定年退職に追い込むようなそういう武器に使用するということは、これは人事院総裁もいかぬということを認められておるんですから、そういう点で政府の方針というやつはね、ここで十分に検討する必要がある。 具体的にもう一つお聞きしたいんですが、ここに建設省と農林省の「高令職員の退職勧しょう実施要綱について」というのがあるわけですね。たとえば建設省の実施要綱には、第二に退職勧奨の年齢基準として「イ 役付職員(係長以上)については満五十八才」、「ロ イ以外の職員については満六十才」とし、第三で、高齢職員の退職勧奨は「基準年令に達する者及び基準年令に達した日から一年を経過していない者の全員に対して実施するもの」となっていて、勧奨の優遇措置を考えあわせれば定年制にひとしいものとなっている。しかも、この勧奨は一度だけのものではなく、その基準年齢に達すると一年間は、受諾しない職員についてはその後も適宜勧奨を続ける。すなわち、勧奨は単に一回のみ話をすればよいというのではなく、場合によっては、家族にも説明したほうがよい場合もあることから、何回も本人の意思を打診するというぐあいに進められ、まさしく退職の強要につながるものである、こういうふうに考えられる。これは農林省でも同様でありますが、以上のことは退職の強要であり、実際的には定年制とひとしい運用を実施しているのが実態です。そうすると、先ほどの人事院総裁のこれに対する見解と非常にこれは食い違って実施されているということになる。長官はまた人事院総裁のこの定年退職に追い込むということには反対であると、賛成できないというような説に賛成されたのでありますから、当然長官もそうなっているが、実際はそうなっていないわけですね。こういうこの、よくあるわけですね。こうなると、なかなか政府の説明と実際はこれは合わないんですね。これはどう考えますか。
○国務大臣(坪川信三君) さっき私は、佐藤総裁の話を聞いて、やっぱり佐藤総裁だなという感を深くいたしましたのは、肩をたたいてという、このところでございますね。いかにも人間関係、私はやはりこうした面が運用に妙を得なければならぬということでございます。要は、私は運用なりということで、まあ私も浅い経験でございますが、かつて福井の市長をいたしましたときに、どうだろう、もうそろそろ年もきたのでというような気持ちで、お互いその身分になって第二の人生を考えてやる。それじゃそうしましょう、ここではどうも、というようないろいろ家庭的な事情、いろいろの社会的な環境、あらゆる問題がありますから、それをやはり肩たたきながら、お互いが人間関係を深めながら話し合っていくところに私は退職勧奨の妙味があるんではないかと、こういうような気持ちをいたしますので、一律に大根を切るような態度でやるというようなことでなくして、私は先ほどから運用に妙を得たいと、これに配慮するのが行政の大事なところであると申し上げているのはここであるので、その点をひとつ御理解願い、また、私もそうした気持ちで行政指導をやってまいりたいということで御理解願いたいと思います。
○岩間正男君 福井市長時代の経験までお出しになって、肩たたきというような点のすぐれた点をお述べになったのですが、その点は別として、私はそういうような長官のもとに、実際は各官庁でいま言ったようにちゃんと基準まで設けて、そうして一ぺんで聞かなければ家族までこれは説得に行って、何とかそれに応じさせようとする報告があるのですから、こういう点については、やっぱりますます実態を明らかにする必要がある。 以上申し上げましたが、以上の経過から考えてみるなら、二十五年以上の勤続者については、すべてに退職時においては勧奨扱いにしたほうが勧奨本来の趣旨も生かせるし、運用においても矛盾も出てこない、そういうふうに考えるわけですけれども、つまり年金の額の引き上げ、底上げですね。そうして応じた者、応じない者の差別というものをあまり厳重におくと、こういう形でないほうが、これは基本的に労働者の権利を守ると、生活権を保障するということになると思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(皆川迪夫君) 制度全体として考えました場合には、なかなかそういう取り扱いはむずかしいんじゃなかろうか。あくまでも、先ほど申し上げましたように、定年制がないならば、何らかまあそれと同じでなくても、ある程度効用の働くようなものがなければ職場の能率というものはだんだん衰えていくことになるわけでありまして、これは国民にとっても好ましいことではない。公務員全体の立場から見れば、やはり能率をあげるように努力をしていかなければならないということになるわけでございます。先ほど来お話がありました個人的な事情を十分頭の中に入れた上で、弾力的にこれを運用していくということがその効果をあげているのじゃなかろうかと思うのでございまして、ただ長期勤続だけで退職金の計算をするということは、どうも民間と比較した場合にも無理があるのじゃなかろうかというように考えまして、なかなか一がいにそのような方向に踏み切るということは、ここで申し上げかねるような気がいたします。
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
○岩間正男君 結局、これは日本の労働者の低賃金制が生んでいるものですね。一つは、基本的に生活権の確立がもっとしっかりしておるなら、こういう事態もずいぶん変わってくる。もう一つは、社会保障制度というものが十分にこれは行なわれていない。この二つからきておる。いわば、その過渡的なそういう形の前近代的な制度、残存した制度というふうに考えられるのですから、これはやはり十分に検討する課題だというふうに考えます。 このことをつけ加えて、私の質問を終わります。
○鈴木力君 私は、いまの岩間委員の質問に対する政府の答弁を伺ってみましても、もう基本からわけがわからなくなってしまったような気がするんです。 そこで、総務長官にまずずばり伺います。退職手当というのは一体どういうものであるか、どういう性格のものであるか、あるいはどういう目的のものであるかですね、それをはっきりと説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(坪川信三君) ずばり問うという御質問でございますので、私は、やはりこれは勤続報償的な性格を持っているものであると、こう解釈いたしております。たぶんそのほうが多く含まれているということです。
○鈴木力君 勤続報償を目的としたものが退職手当であると確認してよろしゅうございますね。
○国務大臣(坪川信三君) 全部一律的には申しませんけれども、大部分かく考えておるということでございます。
○鈴木力君 それでは、一律以外のものを述べてください。
○政府委員(皆川迪夫君) 退職手当の性格、いま長官から申し上げましたように、勤続報償と、まあそのほかに在職時の俸給のあと払いであるとか、あるいは、やめたあとの生活に一助にするとか、いろんな考えがございますけれども、在職の期間に応じてその金額を計算をするというのが、加算金を含めまして一般的な傾向でございますから、そういう意味で勤続報償的なものということを申し上げたわけでございますが、さらに、つけ加えて申し上げますならば、民間においては定年退職に非常に大きな加算をしておるわけでございます。こういうものになりますと、勤続報償プラス長年御苦労であったということのほかに、この際おやめいただくから割り増しをつけるという考えが入っているのではなかろうかと思います。そういう意味で、勤続報償を基本としながら、そこに、民間におきます場合には、定年退職制度というものに対する、一つの御苦労に対する謝意というものが入っているのではなかろうかと考えております。
○鈴木力君 あとの御説明の民間で定年退職になった場合に加算をする、これは結局は勤続報償なんでしょう。定年までつとめた者に対して加算をしてあげるということなんだから勤続報償でしょう。そうすると、長官がさっきおっしゃった、全部一律に勤続報償とは言えないと、その勤続報償と言えない部分というのは、一体何を考えていらっしゃるのかはっきりしていただきたいのです。
○政府委員(皆川迪夫君) これは国家公務員の場合には定年制度がないために、これに対応するものとして昭和二十年代の中ごろから行なわれてまいりました勧奨退職と、まあ法律上はまだ別にやめなくてもいいんだけれども、職場全体の能率、新陳代謝という観点からおやめいただく、それに対する報償的な意味が含まれているかと思います。
○鈴木力君 それもあれでしょう、さっきの岩間委員の質問に対する御答弁等から伺いますと、趣旨はやはり勤続報償ということなんでしょう、退職勧奨という意味は。そうでしょう。要するに、まあ定年制というのは、あとで多少伺いますけれども、議論のあるところだと、むずかしいところだという御答弁はさっきから伺っておる。だから、それはまあ一応おいておいて、退職勧奨という一応の目安をこうつくって、そこでまあ肩をたたくか、最近はぼくは首をたたくように見えてしょうがないのだけれども、まあ一応肩をたたくと、そうすれば、これはやはり勤続報償ということなんでしょう。私はどうも長官があとにつけ加えた——黙ってずばり勤続報償の性格でございますと御答弁をいただければ、すなおにすとんと私は理解できたんです。何か奥歯に物がはさまったみたいに——とは言いますけれども、一律には申されませんと、そこのところがどうも私は気にかかってしょうがない。これはしつこいけれども、そこははっきりと伺っておかないと、このあとの質問ができないものですから、はっきりそこはさしてください。
○国務大臣(坪川信三君) まあ御理解いただけないかもわかりませんけれども、私は大部分はいわゆるかく感じていると、こうとるべきであると、こういう気持ちでおることで御了解願いたい。
○鈴木力君 その大部分と全体というところが違うものですからね。そこで、大部分という場合には例外を予想していらっしゃるわけだから、予想されている例外は何かという意味です、別に聞けば。
○政府委員(皆川迪夫君) まあ基本には勤続期間というものがあるわけでございますから、勤続報償的な考え方があると思います。ただそれに、定年制がないために、適当な時期に、まだ必ずしもやめなくてもいいんだけれども、おやめいただくという意味における加算がある、これももちろん勤続期間に応じて出しますので、基本には勤続報償的性格があると思いますが、同じ勤続報償の中で、まあ勧奨によっておやめいただくということで割り増しがあるというところが、ちょっと違う点だろうかと思います。
○鈴木力君 そうすると、こう理解していいんですか。要するに、勤続報償を中心とすると、それは大部分がそうだ。しかし、もう一つの退職勧奨の意図は、いわば首切り料だと、はっきり言って。そう理解してよろしいですか。
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから申し上げましているごとく、理解と納得と合意の上でございますから、私は首切り手当などという考えはみじんもございません。
○鈴木力君 それならば、勤続報償で割り切られるのですね。勤続報償のワク外に退職勧奨の手当を入れておるところに、いまのおことばはおことばのとおりには解釈できないわけです。だから、いまおっしゃるとおりなら、勤続報償に統一をしてもらったほうがはっきりする。どっちです。
○政府委員(皆川迪夫君) なかなか申し上げにくい点も……。
○鈴木力君 その申し上げにくいところが一番聞きたいんだ、こっちは。
○政府委員(皆川迪夫君) 正確に伝えにくい点がございますが、基本は、公務員について定年制がないということのために、まあ定年制をとることがいいのか、勧奨退職制度ということを進めることがいいのかというところに問題があるわけでございまして、現在はその勧奨退職制度というものを進めておる。その際に、おやめになる際に、勧奨によっておやめになる際に、民間の定年退職金というものと均衡をとってその金額を算定するというところには、法律的にどういうつながりがあるのかというと、なかなかむずかしいかと思いますが、まあ実際上定年制度にかわるというと語弊がございますけれども、それに準じた新陳代謝の作用をしておるというようなことを含めまして、現在勧奨退職の割り増し制度というものが生まれているのではなかろうかと思います。
○鈴木力君 どうもくどいようですがね。その退職勧奨のあり方、実態は、あとのほうで私はもう少し掘り下げてお伺いしたいと、こう思っておるのですかね。ただ、概念的に言いますと——概念的にというか、常識的に言いますと、まあ方法上からいえば、定年制にかわるものとしていま退職勧奨制度を——制度といいますか、法律的にはともかくも、まあ具体的には制度化されているでしょう。それは私はわかるのです、そのやり方については。中身は別としても、その考え方は私は理解しているつもりなんです。だから、そういう意味で言えば、私は退職手当というのはやっぱり勤続報償だと。しかし、勤続報償という意味は、さっき長官も、それから局長も答えられたように、それは退職後の生活保障という意味も当然含んでおるわけであります。それはまあそれとして私はよく理解できる。ただ、どうしても私もこだわり、政府もこだわっているのは一つなんですよ。それは勤続報償でいいじゃないかと言っているのに、そうでない部分がある、そして私が伺おうとしていないところに退職勧奨の説明をなさる、そして、言いにくいことだとかそういう前提が出てくるから、ますますこの点の問題というのが問題になってくると思うのですよ。まあ一応それは退職勧奨についてはあとでもう少し伺うといたしますが、大部分は勤続報償ということなんだと、それは一応私はわかりました。 そうすると、この法律の趣旨というのは、公務員に就職をして、長年勤続をして、その職務に従事をするということに対する一つの報償だ、その報償が退職後の生活の、最近じゃもう生活保障なんて言ったら笑われますけれども、いずれ精神的にはそういう意味も含んでいる、そういう理解は一応いたします。そういう理解をした上で今度の法律を読んでみると、どうしてもわからないのは三十五年で切っているということですね。勤続年数を三十五年をこえたものは三十五年で切って、そして上限を押えてしまっておる。したがって、私はこの上限を押えた根拠をはっきり説明をしていただきたい。これは適当な説明じゃ私は納得しませんから、前もって申し上げておきます。
○政府委員(皆川迪夫君) 今回の提案にあたりまして、民間における退職金の支給状況を調査をいたしたわけでございますが、一般的に均衡がとれているようでありますけれども、長期勤続の定年退職という民間の場合におきます民間の退職金の中にはいろんな加算金が入っておるということが調査の結果出てまいったわけでありまして、それが一般的に二十年以上ぐらいのところで二〇%ほど違っておるという実態が出ましたので、その部分についてかさ上げをはかろうとしたわけでございますが、ただ、民間の場合も、三十五年以上になりますと必ずしも民間のほうが多いということも——二〇%まで多くないという数字が出ておるわけであります。たしか三十九年の勤続年数でとって見ますと、一二%余り民間か多いという数字になっております。二〇%まで達していないわけでございます。これは民間の場合の退職金の支給の方法が、特に定年退職の場合には、勤続年数一律でなくて固定された金額を支給をしている例が多いわけであります。そういうものが入っておりますために、三十五年あるいは四十年と、長くなればなるほどそれに比例して退職金が上がるという方法でないところが多いようでございます。そのために、公務員と比較した場合には、三十九年ぐらいになりますと一割そこそこだけオーバーしておるということになりまして、そのために三十五年で頭打ちをさせまして横ばいにいたしますと、大体一五、六%ぐらいのところのアップになるわけでございます。そういう角度から、こういう方法をとることが一番適当ではないだろうかということで改正案をまとめたわけでございます。
○鈴木力君 それは、ただ民間に右へならえをしましたというだけでしょう。さきの勤続報償という趣旨を大きな柱にした退職手当が、三十五年以上勤続した者については、報償どころか、これはストップだ、大体この法律の最初の趣旨と、実際の扱いと違うじゃないですか。要するに、公務員というのは三十五年以上勤続することを好ましからざる立場を政府がとっているのと違うのですか。
○政府委員(皆川迪夫君) もちろんそういうわけではございません。現在でも御案内のように最高六十月で押えておるわけでございます。現行法では六十月というのが退職金の限界になっておるわけでございますけれども、この考え方は、大体三十五年程度でおやめになる方が、これから先おもらいになる年金と、その際に支給されます退職金というものを年金の割合で計算をして、利子が若干出ますので、年金計算をしまして、大体俸給月額に見合う程度のものにしたいということでできておるわけでございます。ただ、もちろんこの年金換算をする場合に、その方が将来どれだけ生きておられるか、平均余命がどれだけあるかというようなことが時代とともに変わりますので、たしかこの計算をしましたのは、昭和三十四年の共済組合法をつくる際にそういう計算をしたわけでございますので、現在は若干余命が延びておりますので率が変わってこようかと思いますが、基本的にはそういう考え方でありまして、退職金というものは年金とバランスをとって、大体三十五年なり、あるいは四十年なりおつとめになった方については、その俸給月額程度のものが年金と合わせてもらえるようにしたいということでつくったわけでございまして、長期勤続を別に拒否しようとか、それを好まないとかいう考え方はないわけでございます。
○鈴木力君 これは政府の考え方を統一をしてもらわないと、何か私に言わせれば少し政府の考え方が独善的に過ぎる。退職金の、三十五年を勤続したそのあとの部分については年金でカバーさせますという言い方、簡単に言いますと。それは数字は、逆算をして、やり繰りをして逆算をしてつくり上げたものですから、現行法のつじつまは合いますよ。数字上の話は時間がありませんから、それを一々こまかいことをほじくり出しません。ただ、いまは年金というのは共済組合の年金ですからね。昔の恩給ともまた違う。年金の換算をしますときには、年金を上げるときに掛け金というものが必ずつきまとってくるわけ、もちろん国側の分担金もありますけれども、そういう形で年金は一応独立した制度にさしてあるわけです。これは年金の一時金とは全然性格が違うものでしょう。その場その場で適当なことばを使ってものをごまかしておる、糊塗しておる、そういうところに中身はつじつまの合ってこないものがたくさん出てくるということなんですね。ですから私は、たとえばいまで言いますと、大体定年制とか、退職勧奨と言いましても、さっき岩間委員が指摘しましたように六十歳とか、そこらあたりが非常に数が多くなってきているでしょう。 そうすると、三十五年をこえるというのは、ほんとうに一生をその仕事にかけるというのは、三十五年をこえるのは常識になっておる。そういうものを首を切ろうということがこの退職手当の法案には見えてならないのです。給与の上からいっても、若干このカーブをまるくして下げていくとか、そういう考え方があったにしても、上限をここに押えるということは私は再検討すべきだと、こう思います。それを、その性格の違った年金で、掛け金を積み込ましておいたもので、それでカバーしますなんという言い方については、私は納得できない。だから、私が一番最初に勤続報償制なのかという場合に、そうすると、政府は勤続期間の適当な期間というのを頭の中に描いているわけです。それが退職勧奨と結びついてくるところに、先ほど以来問題になっている問題が出てくるわけです。だから、私のいま言った、論理的にものを詰めてまいりますと、一面からいうと、首切り報償金でございますと、こういうことになってくる。そこに問題をかもし出しておるわけです。せっかくこういう二〇%アップ——民間も見たと、そういう調査をなさったということも私はわかりますよ。それから政府自体が、この今度の法案を改正するためには相当苦労なさったことも私はある程度は知っているつもりです。努力をなさった点もある程度私は知っているつもりです。決して悪意だとかなんとか言うつもりは全然ありませんが、しかし基本的に、政府のものの考え方に、働いている公務員労働者の立場をもう一歩突っ込んで考えるということを考えないと、これはいけないのではないかということなんです。 たとえば、民間と比較をしたと、こう言います。民間はいま退職後の生活保障にどういう手を打っていられるか、全部調べておりますか。あるところでは、もう二十何歳代かに、退職金を一つの保証金にしたような非常に低利にして、もう住宅の準備をさしておる。それは年金でもなければ退職金にも入らないわけです。そういう施策を一方にしておって、退職金制度というものをつくっておる、定年制というものをつくっておる。それも、共済組合で住宅資金を貸し出していますなんと言うことは、答弁になりませんよ、私のいまの指摘に対しては。そういう面も全部見て計算をしますと、年金でカバーをしましたなどと言うことは、とてもじゃないか、人前で政府が言えることばじゃない。私は、だから先ほどの退職勧奨の議論を蒸し返すつもりはありませんけれども、退職勧奨というのは、ある一定の時期に、そろそろどうだろうかという場合に、肩をたたいて、都合がつけばやめてくれないか、こういうことなんです。それならば、四十年だったら四十年なりのそれの報償というものを見てやるべきだと思うんです。 それから時間がありませんから、あまりくどいことは申し上げません。いまこういう形で、今度の改定になった退職金でも、大体いまの公務員にどれだけ役に立つと考えておられますか。時間がありませんからあまり質問——質問という形じゃなしに申し上げますが、おそらく公務員の皆さんのほうの最高のところを歩いてなさった方がいま退職をなさっても一千万そこそこでしょう、二千万いく方が若干ありましょうけれども。その途中ぐらいのところが大部分です。もし公務員住宅に一生入っておって勤務をなさった方は、退職後は自分ではとてもじゃないが自分の家を持てない。それがいまの退職金の制度でしょう。金額ですよ。それを年金でカバーされたと。とてもじゃないが、どうにもならない。それを三十五年に切って、あとの五年は余分だというような、これは私はぜひ再検討してほしいと、こう思いますね。今度の法案にはこれは間に合わないと思いますけれども、民間のもう少しそういうような福利施設やなんかの事前の検討もほんとうに詳細にされて、そうしてこれは早急に再検討をしていただきたいし、もう一つは上限というものについての検討もし直していただきたい。これは私のほうから強く御要望申し上げておきます。 それからその次に、先ほど議論になりました退職勧奨制度ですがね、これは岩間委員の御質問に政府側の御答弁がずいぶんありましたから、私は同じことを繰り返すつもりはありません。ただ私は、総理府が、特に人事局長さんが、各省がどの程度の年齢で、どういう退職をなさっていらっしゃるかを掌握をしていないという先ほどの御答弁には実はがっかりしたのです。せめて総理府の人事局がそういう点を掌握をしておかないというところに、この退職勧奨制度が、肩をたたけば非常にいいという話はさっき長官からあったけれども、道具がよくても使い方によっては凶器になるわけです。そういう事実があちこちに出てきておる。そういう危険性があるわけなんです。したがって、これも私は総理府としては早急に御調査をいただきたい。そうして、もしその肩をたたくのが、肩でなしに首をたたいているようなそういうことであるならば、これを是正をしていただきたいということも御要望として申し上げておきます。 そこで、他省のことは伺いませんが、総理府に勤務されている職員で、現在最高年齢は何歳ですか。よそさまのことじゃない、あなたのところを聞きます。総理府では何歳になれば退職勧奨をなさっていらっしゃいますか。
○国務大臣(坪川信三君) 正確を期する意味において、いま政府委員が調べまして、すぐ御報告いたします。
○鈴木力君 もう御答弁はいただかなくてよろしい。総理府総務長官みずからが退職手当法案を提案をしておって、そうして退職勧奨問題が議論になる、当然のことなんです。そのときに自分の省が何歳で退職勧奨しているのかを聞いてみもしなかったということだけでけっこうです。答弁は要りません。そういう状態でいままで公務員の管理をやってきている、そこに日本の公務員の不幸があるということだけを長官はっきりと頭に入れておいていただきたい。今後は基本的にその態度を改めていただきたい。これは要望申し上げます。 そこでもう一つ、退職勧奨制度と、それから退職手当法なんですけれども、地方公務員に対しては、この退職手当法はどういう形に適用になるのですか、政府はどういう期待を持っておりますか。
○政府委員(皆川迪夫君) これは、国家公務員に、給与全般について、地方公務員の場合には準ずることが望ましいと、こういうことになっております。もちろん、この法律が直接作用するところではございませんが、したがって、この法律の改正の趣旨に準じて、地方でも改正をしてもらうことが望ましいのではなかろうかと思っております。
○鈴木力君 これはちょっと、あるいは御無理な質問かもしれませんけれども、地方公務員がこの法律を準用する、これは給与もそういうたてまえですから、退職手当のほうも地方公務員が準用することを期待なさることは私は当然だと思います。いまの御答弁でけっこうだと思いますが、そもそも退職勧奨について、一体地方公務員にはどういう状態で行なわれておるのか。自分の省を調査なさっていらっしゃらないから地方公務員まではなさっていらっしゃらないだろうと思うのですが、関心を持って、だれからか、ちらっとでも聞いたことがありますか、人事局長。
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど来掌握が不十分だというお話がございまして、私たちも恐縮に存じているわけでございますが、ただ、先ほど基本的に申し上げましたように、これは個々の職場の実態に応じてやることが好ましいのだと考えておるわけであります。人事局のほうで調査をいたしますと、いろいろな状況がはっきり、私たちもある程度存じておるわけでありますが、正確に調べますといろいろな状態が起こってくる、これを一体そのままほうっておいていいのか。むしろ、一つの統一的な基準をつくる必要があるのではないかというような議論に発展しがちでございまして、もちろん、そういうことが一がいにいけないとも考えませんけれども、どうもいまの実態からしますと、あまり統一的に取り扱うことは好ましくないんじゃないか、ある意味においては無理も出てくると、かように思うものでございますから、多少掌握が十分でなかったと思うわけでございますが、しかし、まあ将来の方針はともかくとして、実態は私のほうでもある程度お話もございましたように掌握いたしたいと思います。地方公務員につきましても、私たちしばしばその事例も伺いますし、状況も存じておりますが、まあ個々の団体によってかなりこれは差がございます。具体的には、お話の点がどの点にありますかよくわかりませんので、これ以上はお答えできませんけれども、非常にまあ個々の市町村、地方団体ごとに、あるいはまた職場に応じて差があるのが実情でございます。
○鈴木力君 いま地方公務員の退職勧奨のあり方のひな型に、文部大臣においでをいただいておるんです。まだお見えになりませんから、ただ総理府の総務長官、文部大臣に私が御質問申し上げるこのあとのことをひとつ聞いておっていただきたい。 それは、私はまあまだその中身がわからぬでこういう話を申し上げても恐縮なんですけれども、非常にたいへんな問題を含んでおります。それはなぜかと言いますと、結局各省自体が国家公務員の、各省自体が先ほど岩間委員が指摘をされたような、それぞれの勧奨の手引きみたいなものをつくったり、いろいろ相当な無理なこともやっていらっしゃるように見受ける。それが地方公務員にだんだんに悪いところが準用されていっている、そういうことになると私はにらんでおるんです。それで、きょうは各省の実態については申し上げませんけれども、そういう意味で、ひな型に文部大臣にいまおいでをいただきまして御質問申し上げますけれども、この勧奨制度というものを生かした退職手当法が、この法がだんだんに地方の公務員に広がっていくに従って非常に曲げられて運用されているという実態は、ひとつ長官よく注意をされておいていただきたい、こう思います。 まだ文部省お見えにならぬ。それではいまの、文部大臣おくれているそうですから、これはあと回しにいたしまして、もう一つだけ私は総理府の長官にお伺いいたしたいのは、今度のこの法案に出ております公社、公団との交流の扱いですね。これは国家公務員から公団に行かれた場合、公社から国家国務員になった場合を通算をすると、こういうことなんでしょう、わかりやすく言えば。それで一体、いまの公社、公団と国家公務員との退職手当の実態はどうなっておりますか。
○政府委員(皆川迪夫君) 実態は、大体国家公務員の退職手当に準じた規定を公社で設けておるわけでございますが、ただ、この政府の改正案は、国家公務員から公庫、公団に行って、それからまた帰ってくるという前提の制度でございますから、そういうことを御了解の上でのお話であろうかと思いますけれども、そういうことになっておりますので、直接は非常にその間に不衡というものは出ないわけでございます。
○鈴木力君 どうも私がこの制度を見る場合に、大体何人ぐらい国家公務員か公団の職員になって、何年勤務をされてまた戻ってくる。しかも、そちらに出向させるときには、もう入ってくるのを約束をしているという、何かこう特殊な人たちのための制度みたいに見えるですね。そういう点についてはどうも私は多少の問題を感じます。これらの点については、全然均衡上は何もないわけですか。特に、この公団に勤務をされておる、あるいは公社に勤務をされている期間のその部分を国が肩がわりをして退職金を払うわけでしょう、勤続報償制ですから。そういうものの公社、公団側から国に対する納入金とか、それはどういう手続になっておるのか。
○政府委員(皆川迪夫君) これは別に納入金というものは取る仕組みになっておりませんで、まあ数の上においては国家から公庫等に行くのが多いだろうと思いますが、相互に通算措置をする。その基本にある考え方は、公庫、公団というのは、法律によって、国家、公共の業務に準じた仕事をしていただくということが基本にありまして、そして相互に通算をし合うということにいたしておりますので、その間の納入金というようなものは設けてないわけでございます。
○鈴木力君 もう一つだけ伺いますが、国家公務員のほうから公社のほうに出向されて、途中で、あと帰るのがいやになったと、こういう場合の退職金の扱いはどうなりますか。
○政府委員(皆川迪夫君) まあ、どうしても国のほうに帰ってくることがいやだと、そこでやめるということになれば、そこで支給をすることになります。公庫等で支給をすることになります。で、国家公務員のほうは退職金は支給しておりませんので、国家公務員の分も通算して、そこで支給をすることになるわけであります。
○鈴木力君 いずれにしても、その通算制ということなんですね。 それから、もう一つだけ私はどうも疑問なのは、その場合の指定職はどうなりますか。
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫、公団の役員のことでございますか。
○鈴木力君 いやいや、国家公務員の指定職の退職金の扱い。公団に出る場合もある。
○政府委員(皆川迪夫君) 国家公務員の指定職の方が公団においでになる場合には、いわゆる役員等になって行かれる方がまず大部分なんでございます。したがいまして、もちろん退職金はそこで中断をいたします。
○鈴木力君 これはですね、私は給与法上からどうも一つ疑問を感じておるんです。これは私の考えが間違っているかもしれませんが、先ほど以来、たとえば三十五年で頭打ち、限度をつくった。これも民間を調査をされたと、こう言うのですね。それから今度の二〇%のものも、民間の報償制度というものが、あるいは加算額というものが基準になっておる。この民間というものを、いろいろな形で、こういう基準にしていまやっておるわけです。是非はいろいろ議論があるところですけれども、法律はそういうたてまえになっておる。ところが、民間は職員から役員になる場合には、一たん退職金をもらって役員になっている例が多いでしょう。そうすると、国家公務員の場合には、指定職になる場合には退職金の清算払いがあるのですか、それから通じてずっといっておるのですか、どうですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 指定職になる場合には退職金をもらうことはございません。通算して最後にもらうわけでございます。
○鈴木力君 その辺が民間とのバランスを中心にしたこの法案の趣旨と合わない、そうでしょう。民間では、職員から役員になりますときには、一応退職金をもらって役員手当のほうに入っていく、そういうケースが非常に多いじゃないですか。国家公務員の指定職だけは、そこの退職金をそこで清算せずに通算をして、そうしてそこで退職金をもらう。何となしに、この指定職の皆さんがつくった法律だから、指定職外の職員から見ると、御自分たちはよさそうなと見えるのはあたりまえじゃないですか。しかも、その指定職の皆さんが今度は公社、公団に行きますというと、また非常に高額な退職金をもらって、たらい回しにずうっと退職金かせぎをやっておる。私は、これは御答弁は要りませんけれども、こういう点もメスを入れて、きちっと調査をしてくださって、すべてやっぱり下から上までが納得できるような制度というものをつくるべきだ。そういう意味で、いまの扱いについても御検討いただきたいと、こう思うんです。これも御要望申し上げておきます。何か、しかし、ありそうですから、お伺いします。
○政府委員(皆川迪夫君) 二、三点御要望の点でございますので、その趣旨に沿って御検討申し上げたいと思いますが、ただ、指定職の点につきましては、民間の場合のような扱いにしますと、もちろん指定職の在職期間の退職金をどうするかという問題はありますが、必ずしもいまの扱いが有利かどうかということは、いろいろ御議論があろうかと思います。それから三十五年の頭打ちの問題が、年金とのからみ合わせ、これは私も十分に検討しなきゃならぬことであろうかと思いますが、この点については、いろいろ答弁申し上げますと、またなかなか時間かかるかと思いますが、よく民間のこれから先の推移を調査してまいりたいと思います。
○鈴木力君 どうも急いだものですから、あるいは数字等も行き違いがあるかもしれませんが、しかし、やっぱり総理府みずからも具体的な資料等をもう少し整備をされて、あとでも、われわれにも納得できるようなものを整備していただきたいと御要望を申し上げます。 文部大臣お見えになりましたから、さっきの続きでお伺いいたします。大臣お見えにならなかったときに、退職手当と国家公務員の退職手当法をめぐりましての退職勧奨のあり方等もだいぶ議論をしておったんです。その中で、議論の焦点は、退職勧奨というのは、本人の意思、本人の事情、職場の事情等も十分勘案をして、そしてまあ適当——適当と言うとことばはよくありませんけれども、一定の年齢、その状況に見合ってまあ退職をしてもらうと、それに対しては、勤続も含めた報償制度というものもこの退職手当制度に含んでおると、そういうことで大体政府の答弁も統一をされたと思う。そうして地方公務員もこれに準ずることを政府は期待している、そういうことだったと思うんです。ところが、文部省は調査なさっていらっしゃるかどうか、地方の公立学校の教育職員に対する退職勧奨のあり方は、いままで政府が、総務長官なり総理府の人事局長さんなりが説明をしたような退職勧奨というのは、きわめてまれなんです。非常に私はこの制度はゆがめられていまも行なわれておるんではないかと、こういうふうに思うので、特にきょうお出ましを願ったわけです。もっとも、この公立学校の教育職員に対する退職勧奨のあり方については、私は文教委員会でも何べんか、ものを申し上げたこともありますし、非常に無理な首の切り方というのは、だいぶ私は文部省の御指導もあったのではないかと思いますが、数年前とは、だいぶ改善をされた面は私も評価ができると思ってはおるんです。しかし、実際にやっておることを見ると、どうしても私はわからぬことがある。 そこで、まあ時間もあまりありませんから、端的に伺いますが、一体、このいま教育職員に対する退職勧奨で男女の差をつけておる、男性は何歳、女性は何歳とつけておる、そのうちの共かせぎの女性はさらにランクが一つ下につける、こういうケースが非常に多い、そういう事実を文部大臣は御存じですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省が昨年の三月末現在で調査したようでございまして、それによりますと、小学校の先生につきまして七つの県が男女差をつけているようでございます。それ以外にはつけていないようでございます。県によりましては人口がどんどん減っていく、文部省としては定員の充実を年々はかってきているわけでございますけれども、人口の減っていくところでは、せっかく定員の充実をはかりましても配当定員がそれほどふえない、新陳代謝をやらなきゃならない、自然かなり無理なところに線を引いて退職勧奨をやって、その場合に、さらにまたいろんなことから男女差を設けている、あまり好ましくないところが今日なおそういう形で残っているようでございます。
○鈴木力君 そうすると、あれですか、過疎現象によりまして児童、生徒の数が減ってくる、そういう場合に、いまの定数法では教育職員が減らなきゃいけないから、婦人教師を若いうちに退職をさせるんだと、そういう意味ですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) そうじゃございませんで、従来、勧奨退職の年齢がかなり低い、それに大きな問題があったと思います。これをできる限り上げていきたいと努力をしている、その努力を定員の充実とあわせて並行的にやっているんです。ところが、過疎化のところでは、せっかく充実しても基礎定員がそれほどはふえない、しかも退職の年齢を上げていきたい、自然男女差をなくしたいのがなくせない、そういうところが七県、現在なお続いているんですと、こう申し上げておるわけであります。
○鈴木力君 私が調べたのは七県どころじゃない、まだあるんですね。ただ、各県のアンバランスを一ぺんに直せと言っても直らない事情がある、これは私も全然わからぬわけじゃないんですよ。もちろん、アンバランスというのはいいことじゃありませんけれども、いま大臣がおっしゃったような事情もあって、直ちに、一ぺんに画一的に六十歳だ、六十一歳だと、上げろと言ってもこれは無理かもしれません。しかし、相当の無理な退職勧奨した年齢は上げるべきであるという御指導は、まあ大臣、いまおっしゃったことを伺うと、御指導なさっていると私は伺いますから、それはそれとして、どうして男女の差をつけなければならないのか。婦人教師を早くやめさせるというのは、これは過疎現象とは関係ないでしょう。それはどう把握されておるんです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が申し上げているのは、退職の年齢を引き上げていく。引き上げていく場合に、全体的に引き上げたいけれども、言いかえれば、男女差をなくしてやっていきたいけれども、なかなか引き上げにくい、その場合にどうしても女性のほうが置いてけぼりになってきている。七県でありますが、高等学校の場合は四県のようでございますけれども、見ますと、やはり過疎県のようでございます。ですから、そういう県、県によって、なかなかいろいろの理想を持っているけれども、すぐにそこにいけないという事情があるんじゃなかろうかと、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○鈴木力君 私はどうもいまの御答弁は納得できないんです。この男女差があるということを、私どもは文教委員会ではもう数年前から議論になっておる。それが今日もなお現状がそのとおりにいっておる。結局文部省も、大臣みずからが、まあやむを得ないや、というような態度をとっておられるとそういう形になってくるのではないかと、こう思いますけれどもね。 特に、私がもう一つ伺いたいのは、共働きの婦人教師を早くやめさせる。こういう現象は、これは七つどころじゃありません。私が調べたところでは十一県ございます。共働きの婦人教師というのはやっぱり叩くやめるべきという理由はどこにあると文部省は考えますか。
○政府委員(岩間英太郎君) まあその理由と申しますと、これはまだ日本の社会が男性中心と申しますか、やはり男が職場で働いて家族を養うと、そういうふうなしきたりと申しますか、そういうものが続いているために、ある県におきましては、まあ住民の考え方としまして、そういうふうに二人で働いておられるところにつきましては、後進に道を譲るような機会をつくらなければならないとすれば御婦人のほうから先にやめていただく、そういうふうな考え方であろうと思います。それがいいか悪いかは別でございますし、また、私どもも定年の延長とからみましてそういう問題を検討しているような次第でございますけれども、まあ理由はそういうことではないかというふうに考えております。
○鈴木力君 理由がないことを何年もやっているということになると、これはまたおかしいことになりますね。要するに、退職勧奨制度というものをきわめて悪用している例でしょう。ひどい県は、まあ名前をあげてもいいですけれども、鳥取県です。鳥取県は四十九歳になるとやめさせられる。そうするというと、今度の退職手当の、この法の恩典にもあずかれないような状態になっている。こういうことをほっておいてもいいのかということなんです。これはいつか、前にも私がそういうことを言ったことがありますけれども、きわめて安易な人事行政を許しておると、一体、教育人事というのは何なのか。大体退職勧奨を受けたほうの、やめろと言われた人の訴えを聞きますと、おまえさんは、もうだんなさんも今度校長にもなるし、そろそろ生活も楽になるからやめたらどうだという、肩たたきですか、首たたきが行なわれておる。私は失業救済事業に教員を雇っておるのかと言ったことがある。こんなことが、私に言わせれば、きわめて不まじめなことが全国的に、といって全国全部そうじゃありませんけれども行なわれておる。これは私はことしの場合はもう済んだことですけれども、来年からはもうこういうことが絶対ないような御指導というものを文部省はやるべきだと、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(岩間英太郎君) 大臣がお答えになります前に、具体的な例でございますので、鳥取の場合を申し上げますと、鳥取の場合は、三年計画で、共働きの者につきましてもこれを引き上げていくというふうな計画で進んでいるようでございます。ただいま御指摘のとおり、四十七年度は四十九歳ということのようでございますが、これはまあ年々引き上げるということの方向で進んでおるようでございますので、私どものほうも、それを推進してまいるということにいたしたいと考えております。
○鈴木力君 私はいまの局長の答弁には納得できないのです。これは文部省の役人的な考え方からすれば、年度計画でそろばん玉が合えばそれでいいかもしれない。教育の現場というのは、そういう教師がやめさせられるというと、年度計画じゃないですよ、かけがえがないんですよ、その先生には。こういうことぐらい私は直ちに直させるべきだ、直すことができると思う。特に文部省自体は、もう定員法の改正もいま考える時期にきておるわけでしょう。そういうものとあわせても、退職手当なら退職手当、あるいは勧奨なら勧奨というものが、その趣旨に合ったようにいかなきゃいけないと思う。岩間局長に言わせると、日本はしきたりで、婦人のほうは家にいるということになっているからと、文部省が率先してそういうことをいつまでも言っておるうちは、これは日本の教育なんというものは、将来とてもじゃないが民主化できないじゃないですか。まず文部省の指導で、職場こそが、理想的な民主的な社会をつくってやることから日本が直ってくるのじゃないですか。大臣いかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 男女差のことも問題でございますが、私たちといたしましては、全体として退職年齢を引き上げていきたい、こういう気持ちを強く持っているわけでございます。総理大臣も施政方針演説の中で、先生方の定年を引き上げていきたいのだと、そうして退職後のことを必配しないで、先涯を教育にささげるその気魄を持ってもらえるようにしたいのだと、こう申しておったわけでございますが、そういう意味で、全体的に引き上げていく、計画的ということについて若干御批判がございましたけれども、やはり各県で計画的に退職の年齢を引き上げていくという方向に進んでもらいたい、具体的な計画を私は持ってもちいたいと、こう考えているわけでございます。そういう問題に並行して、おっしゃいますような男女差の問題も解決していきたい、こう存じておるわけでございます。また、そういうことがしやすいように、四十八年度から、代替教員といいましょうか、非常勤教師といいましょうか、二分の一国庫補助制度で、先生方に教職で働いてもらえるような道もつけたわけでございますので、ある意味においては引き上げることがしやすくなってきたのじゃないだろうかと、こういう考え方も持っているわけでございまして、ぜひ全体としての教職員の退職年齢を引き上げることに全力を傾けるつもりでございます。
○鈴木力君 これはもう少し、少しくどいようですけれども、ちょっと基本認識が違うんじゃないですか、大臣は。いま、男女同権ということが日本の憲法で保障している権利なんでしょう。婦人教師なるがゆえに首切りの年齢を制度的に差をつけられているものを、これをまず直すというところに取りかからないで全体の年齢を引き上げていきたいという御答弁では、私は基本認識が全然違うと、こう思うのですよ。特に、さっき鳥取の例は四十九歳、これは年度的に計画的に直すというお話もありました。五十一歳、五十二歳というのがざらですよ、共働きの婦人教師に。ところが、教育上からいいますと、共働きの五十歳をこえたぐらいのところが、逆に言えば、子供さんの手間もあまりかからなくなって教育に専念できる時期になってくる、学校の中心になって働ける時期になってくるのですよ。そういう人たちが、婦人なるがゆえにということで、四歳も五歳も差をつけられて首を切られているのを黙って見ておる。そうして全体を上げたいというようなことでごまかそうとするのでは、私は納得できない。 もう一つ言いますと、独身教師の退職勧奨年齢が早い。これも婦人教師です。独身教師はなぜ早くやめなければいけないのか。これはもうお伺いしたって適当な理由が出てくるはずがない。そういう問題を文部省がもう少し親身になってものを見てやるべきだ。私は、文部省の人事管理について基本的に——ことばの上からいうと、教師は尊敬されなければならないとか、いろんなことを言っております。しかし、いま社会的な職業人で、教師ほど政府から侮辱をされている職種はないのじゃないですか。前には旅費の話を申し上げたことがあります、この委員会で。これは少しは改善するということになった。教師なるがゆえに男女の差をつけられて早く首を切られる。教師なるがゆえに独身女教師は早くやめるのだ。こういうことを文部省が黙認をしておるところに、先生方を尊敬されるようにいたしたいなんて大臣があっちこっちしゃべって歩くことが、そらごとにしか聞こえてこないわけです。だから私は、今度退職手当が改正になりますよ。地方は条例をつくってこれに準じて改善をするでしょう。そういう中に、そうした者が、少なくとも五十歳近くまで勤務したようなそういう人たちが、勤続報償のねらいを持っていると総理府総務長官も説明をされたこの法案の趣旨が、すべての公務員に行き渡るようなものに人事運営管理をやってほしい。直接文部省の管理じゃございませんと言うかもしれません。しかし、処分のときには直接指導するのですから、こういう面について指導ができないとは決して文部省言えるはずかないのです。来年度からは完全に直せるような指導をすると、ぜひひとつ文部大臣、ここでお答えをいただきたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私、先ほど少し先のことまで頭に置いてお答えしたものですから、誤解を生んでいるようでございます。県によりましては、男女差、最高退職年齢で七歳まで違いがあるのです。七歳まで違いがあるひどいのを、すぐ一挙になくせと言いましても、なかなか困難だと思うものですから、それを先まで申し上げて、全体を引き上げながらだんだん一緒にさせるのだと、こういう気持ちで申し上げているわけでございまして、男女差をなくす、これはもう私の非常な希望でございます。希望でございますけれども、一挙にそれを言うても、七歳を一ぺんにやめちまえと、これはなかなか言うことはやさしいけれども、その県のいままでの事情もあるわけでございましょうからむずかしいことだと考えて、あわせて、そのようなことを申し上げたわけでございます。基本的に男女差をなくしていくということについては同じ方向でいきたい。女性の場合には、退職年齢を男子の場合の二倍、三倍に延ばし方を上げるというようなことでだんだん合わせていくと、こういう気持ちもあって私は申し上げたことを御理解賜わっておきたいと思います。 なお、勧奨退職の年齢につきましては、引き上げるほかに、特別低いところで無理なことをしないように留意しなければならないこと、これはもう当然のことだと思います。
○鈴木力君 くどいようで申しわけありませんけれども、それはすべてのものというのは、一朝一夕にして完全になったという例はそうはないということは私もわかります。しかし、少なくとも私は文部大臣に、基本的に今日までの男女差別待遇をしておったことが誤りであったということははっきりと認めるべきだ。その上に立って、これを是正しますということを言わなければ、これは文部行政の責任者としてのことばとしては足りない、それだけははっきり言ってこの質問を終わりたいのですが、言ってもらいたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど申し上げましたように、小学校で七県になった、高等学校で四県になったということは、これはだんだんよい方向にきていると思うのでございまして、そう遠くない時期には御期待になるようなことになると思うのでございまして、ぜひ、そういう時期の早く到達しますことを念願しながら、私も努力していきたいと思います。
○委員長(高田浩運君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 —————・————— 午後一時四十一分開会
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 午前に引き続き、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎正義君 先日の本委員会で私質問をいたしました中で、結論といいますか、それが達しないと私は思っておるので、公庫、公団等の役員の退職手当について質問を若干したいと思います。 私は、最初から公庫役員の退職手当の支給に関する基準を中心に質問をいたしましたのですが、話の回答、やりとりをやっている間に、いつの間にか人事局長のほうは一般職のほうの答弁を一生懸命されておった。どうもそこでウマが合わない、合致点を見出さないで、そのまま時間がないために次の問題に移ってまいりましたので、この点につきまして、もう一回確認をしながら、将来の方向といいますか、そういうことについてお伺いをいたしたいと思います。なお、これは主務大臣が大蔵大臣ということになりますと、大蔵大臣をお呼びしたいのでございますが、時間の都合等でお呼びできないのですが、長官、ひとつ大蔵大臣にどうか趣旨の点をよくお伝え願いたいことを、前もってお願いをいたしまして質問に入ります。 公庫役員の退職手当支給に関する基準の資料、これがございましたらばお示しを願いたいと思いますし、この公庫、公団の、国民金融公庫とか住宅金融公庫とかずっとございます。これ、一々は申し上げるまでのことはないのでありますが、おのおの基準が違っているんですか。公団、公庫の各自体において基準が違っているんじゃないかと思うんですが、この点どうなんでしょう。
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫、公団の役員の退職手当につきましては、所管のそれぞれの各省庁と、それぞれの公庫、公団等が御協議を申し上げた上、大蔵省に協議をいたして支給の基準を定めることになっておる。したがいまして、大体統一がとれておるたてまえであると存ずる次第でございます。
○宮崎正義君 私の手元にある、きょうは、いま資料請求をやっておりますのですが、その請求した資料が届きませんので、その内容について一々やることはできないし、また、私の限られた時間の中ですから、きょうは個々については申し上げませんですけれども、私の手元にあるものについてのみお伺いをいたしたいと思います。 従来、役員についての退職手当というものはどんなふうに考えられているかということにつきまして、私の調査によりますと、一ヵ月につき俸給の月額の百分の六十五であったものが、国会等のいろんな天下り人事とか、あるいは高給だとかいうような問題等が過去にあったようでありますが、それで昭和四十五年の二月に百分の四十五というふうに、三割低くしてあるというふうに聞いておるわけなんですが、この点どうなんでしょうか。
○政府委員(皆川迪夫君) ただいま御指摘のございましたとおりの経過をたどっております。御案内のように、当初民間の有力な人材も入れたいということで、民間ペースのかなり高い百分の六十五という率をとっておったわけでございますが、いろいろな御論議の末、四十五年度の二月以降、百分の四十五にいたしておるわけであります。
○宮崎正義君 これは、先日も私お伺いして、人事院総裁のほうからも回答がありましたんですが、要するに、早く言えば、公庫に行きたがらないというような、新しい仕事につくこと、長年の経験を生かすことについてはやぶさかでないけれども、いままでなれないところに行くということは、なかなか容易じゃないということの意味を私は申し上げましたら、大体そのような御回答がございまして、そういうような関係で、かなり短い期間を対象にされて基準が設定されている関係で、一ヵ月というものを基準にしているんじゃないか。このように思うのですが、その点、どういうふうなんでしょうかね。
○政府委員(皆川迪夫君) 一ヵ月を基準にするか、年を基準にするか、いろいろあろうかと思いますが、これは計算上のことだけでございまして、年にした場合に、端数をどうするかというようなことが出てまいるわけでございますが、一ヵ月にしたということは、必ずしも在職期間が短いとか長いとかということには関係がないんじゃないだろうか、計算の基礎としてそういうものをとったのであって、大体任期制をとっておりますので、そういうことと直接関係はなかろうと思っております。
○宮崎正義君 非常に退職金が多いということは、これはいなめないであろうと思うんですが、今回は通算ということになりますと、かなり長期的なものに、勤務も短期じゃなく長期的なものになってくるだろうと思います。国家公務員のほうは、一年を基準とした基礎計算でございまするが、公庫のほうは一ヵ月だとしますと、こういう点につきましても、今回の改正にあたって国家公務員の退職手当の算定というものに対する比率というものを、どういうふうに公庫のほうとしては考えを合わせて持っていこうとするか。その点について、主務関係でないから何かたいへん答弁は困難だろうと思いますが……。
○政府委員(皆川迪夫君) 今回、通算をいたそうといたしますのは、ただいまお話のございました役員ではなくて、職員同士の通算でございます。職員の場合の退職金の規定は、国家公務員の場合に準じまして年単位で計算をいたしております。お話のございましたように、そう長い期間出向しているという例は少ないかと思いますが、今回通算措置をしたということは、別に現状を変えようというわけではございませんので、そのことによって特別に長くなるとかいうことは起こってまいらないだろうと思います。
○宮崎正義君 一般と役員と、いま答弁の中でわかるわけですが、私の求めているのは、役員も一般並みの給与基準のほうに基準率というものをこう変えていくべきじゃないかということを言っておるわけなんですがね。
○政府委員(皆川迪夫君) まあ、計算のし方が、一般の場合は年単位、公務員と同じように年単位で計算をし、役員の場合は月単位だという点が一つ違っております。役員の場合には、任期が二年とか、三年とか、四年とかというふうになっておりますので、まあ必ずしも月単位で表現するということが、どういうことでそうなったのか私もよく存じませんが、一般職員との間には、そういう計算の方法のほかに、月給の金額が違うということによって若干の差があることになっておるわけでございますが、その点につきましては、一般の民間のそういった役員と職員との均衡等を頭の中に入れてこういう率が出されているものと考えておりますが、私のほうから的確なその理由についての答弁はちょっとできかねる状況でございます。
○宮崎正義君 本俸のことについても、国家公務員並みの行き方をしていくようにするのが本来の——役員であろうが、一般職員であろうが、考えはそうあるべきだと、こう私は思うから質問をしているわけでありますが、いずれにしましても、所管が違いますので、これをやりとりしましてもなかなか結論も出てこないだろうと思いますが、長官、いま私の申し上げている、やりとりしましたことと、いま私の申し上げたことについて、どんなふうにお考えになりますか。また、大蔵大臣に私が要請をいたしたいこと等もどんなふうにお考えになっていかれようとしているか、その点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(坪川信三君) 冒頭にお述べになりましたごとく、私といたしましては、十分大蔵大臣に意のあるところを、御質問の意のあるところをお伝えいたしておきたいと、こう考えております。
○宮崎正義君 先ほど、鈴木委員のほうから御前中質問がございまして、勤続三十五年以上の退職者の支給率の上限を三十五年ときめたということについての、勧奨問題等からのお話がございましたけれども、この国家公務員等退職手当法の第六条によりますと、現在の退職手当の支給額の最高限度をこの六条できめておりますが、この点を、一口に言ってしまえば、高卒と大学卒との勤続年数の平均を欠くような関係になってくる関係から、これを少なくとも三十七年に延ばすべきじゃないか、上限を三十七年にして、そして今回の改正にもこれを適用していくような行き方を考えてはどうかということを、明確にひとつお答え願いたいと思うんですが。
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど、午前の質疑の際にお答えを申し上げましたが、現在は、年金と退職金のバランスをとりまして、三十七年で六十カ月が最高だと、こういうことになっておるわけでございます。六十カ月の退職金と、それから年金によって、大体その在職当時の奉給額程度のものをめどに支給をしようということに相なっておるわけでございますが、今回三十五年で六十九・三月になります。六十九・三月になりまして、六年も七年も同じように六十九・三月と、四十年になりましても六十九・三月と、いわゆる頭打ちにしたわけでございますが、三十六年をとってみますと、現在五十七・七五月であるのが六十九・三月になりまして、一六・七%のアップになるわけでございます。で、午前中に申し上げましたように、このくらいのところの在職者につきましては、実はまあ三十六、七年という正確な数字は統計をとってないわけでございますけれども、三十九年程度のところをとってみますと、官民の比較がまあ一二%ぐらいのアップであるということから、それをならしまして、一五、六%のところにとどめたわけでございます。あくまでも、従来三十七年のところで頭打ちになっておったのを三十五年で頭打ちにしたということは、二〇%のアップをしましたために、官民比較をすると若干上がり過ぎるんじゃないかという懸念が出てまいりまして、そのような取り扱いをしたのでございまして、この点につきましては、午前もお答えいたしましたように、今後十分その点の官民の比較をさらに調査をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○宮崎正義君 ですから、最高限度額は、当分の間勤続期間を三十五年とした場合の支給割り当てをしているから、いまのおっしゃったようなことなんですけれども、三十七年を六十カ月としないで六十九・三カ月としているからいいんじゃないかというような答弁だと思っているのですが、しかし、この三十六年、三十七年の——あれですか、二十年からの三十五年までの増加率から計算していくようにしますと、相当な差額が出るということはこれははっきりしていると思うのですが、その率のまま増加していくとどれだけの違いが出るかということ、そう考えますと、少なくとも退職手当の不均衡という、そういうものの是正というものは、今回のこの法律の改正のときに、やはりこの線までは当然考えていかなければならないのじゃないかというふうに私は思うわけなんですが、この点を伺ってみたいと思います。
○政府委員(皆川迪夫君) もし、かりに二十年の人と同じように二〇%アップにいたしますと、六十九・三月というのが三十六年のところでは七十一・二八月になる。まあ計算すればそうなるわけでございまして、約二カ月分ぐらい頭打ちで押えられるということになるわけでございます。これは先ほども申しましたように、官民の比較をいたしますと、民間の場合には、在職年数がうんと多くなりますと、退職金は俸給の率だけで出してないというような点もありまして、官民の比較、格差が若干落ちてくるという実態がございますので、三十五年で頭打ちをいたしたわけでございます。これから先、雇用年限の延長とか、いろいろな定年制の延長とかいうこともいわれておる時代でございますから、民間の動向を十分注意をいたしまして、調査をいたしてまいりたいと考えております。
○宮崎正義君 民間の動向もけっこうなことですけれども、退職手当は、民間に比べれば退職手当のほうは率がいいのだというような考え方が頭の中にあることは、私はよくないだろうと思う。俸給は民間とどれだけの差があるかといえば、これは私が申し上げるまでもないことなんですが、官庁のほうが少ないにきまっているのですから。そういうふうな意味から言いましても、民間のことを考えることなく、先ほど大臣から御答弁がありましたような精神の上からいまますと、当然三十七年ぐらいまでは今回の改正で上げるべきだというふうに、私は強くこれを主張したいと思うのです。 これで私の質問を終わりますが、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(坪川信三君) いまの問題、非常に大事な何でございますが、十分ひとつ検討を進めてまいりたいと、こう考えております。
○中村利次君 前回の委員会で、時間の関係もございまして、十分お答えをいただけなかった点について補足的に質問をいたしますけれども、今度、まあ退職手当の一部改正法案が出ておるのですが、これはやはり、いつも私申しますように、ベターを求めた改善だと思うのです。そういう意味からしますと、たとえば、まあ外国政府に就職をして、敗戦によってやめて、また日本政府に就職をしたいわゆる満・日方式は、これはもうくどくど言ったってしょうがないんですが、日・満・日方式と全く当時の条件下としては同一条件のもとに行なわれておるということですね。それからまた年金についても、これは満・日方式は年金の場合には通算をされているわけでありますから、そういう点の比較からいって、私は現在の時点で、これがいいのか悪いのか、あるいは当然ではないかという議論になりますと、これは法案を修正しなきゃならないわけでありますから、そうではなくて、やはり現在の取り扱いなり法律というものがあるのは、それなりの理由があったからあるのだと思います。しかし、そういういろいろな関係があります。これはもう恩給法、年金法にしても同じですけれども、現時点で検討をする必要がないとお考えなのか、現在の取り扱いがいい悪いの議論ではなくて。だから、私は立場を変えて質問をしたいのですが、現在の議論ではないんですよ。現時点において、これを再検討をする必要があるとお考えか、あるいはその必要はないというぐあいにお考えか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(坪川信三君) 大事な問題でございますから、責任者の私から一応答弁いたしたいと思います。 こうした問題は非常に大事な問題でございます。単なる退職だけの問題じゃなくして、恩給の問題いろいろとこう関連してくる数々の問題のあることも、私もいささか知っておるようなわけでございますので、こういう点をどう取り扱うべきか、どう処置を講ずべきか、あるいはこのままの姿で放置しておくべきか、いろいろと私は解明すべき問題点があらゆる角度からあると思います。したがって、これを、もうそれはこういうことだからだめだというようなことでなくして、時代の進展に伴いながら、やはりこれらに取り組む方向はどうすべきであるかという、一つの進行形の形でこうした問題のたぐいをやはり考えていくべきであると。まあ一つ一つをやはり懸案事項として解決していき、それが国民のしあわせに通ずるものであるならば、それを一つずつ解決していくというのが政治の妙であり、政治の要諦であると、こう考えておりますので、これはもうだめですという、断念とか放置するというようなことでなくして、取り組まなければならない問題としての、進行形の形で進むべきであると、取り組むべきであると、こういうような気持ちであることを率直に申して、ひとつ御理解をいただきたいと、こう思っております。
○中村利次君 これは、現行の制度あるいは法律がいいか悪いかの議論でなければ、結局それで私も納得する以外にないと思うのですが、これはほかのことと違いまして、これは政治的には与野党なんというものを離れて、やはり人道的といいますか、実情に沿っていままでずっとやはり前向きに解決されてきた中のいわゆる取り残し事項だと思いますから、ぜひひとつこれは前向きの検討をお願いをして、私の質問は、この問題についてはこれで終わります。 次に、これはやはりこの間遺憾ながら時間がなくて、ちょっと触れただけで積み残しになった問題ですけれども、林野庁の長官は……。常用作業員、定期作業員の退職手当の三項はもう適用されていますね。——これは総務長官ですわ。四条、五条の適用について、これはたとえば勧奨退職だとか、整理退職とか、こういうことは、基幹作業員についてはこれは関係ないということはないんですね。実際問題として雇用は継続しているわけですから、ずうっと。ですから、これは当然、だからこそ四条の一部を適用されているのです。これはあるいは四条の一項の自己都合、あるいは公務外傷病・死亡、病気で死んだと、こういうのには適用されているのですね、常用作業員の場合。それで勧奨、整理等はないというのは、これはまことにこう珍妙ですね、解釈のしようがないくらい。これはいかがですか。
○政府委員(皆川迪夫君) これは前回もお答えを申し上げたと思いますが、いささか理屈に走るようで恐縮でございますけれども、任期を、任用の期間を限って雇用をしております。ただそれをずっと実質上継続しているから長期勤続者の扱いにはいたそうということで、四条の適用を二十五年以上の者について受けているわけでございます。ただ、勧奨ということになりますと、どうも自己矛盾といいますか、期間を限って任用しておいてやめてくれと、こう勧奨するというところが非常に無理がございまして、私どもとしましては、何べんもお答え申し上げているようでございますけれども、やはり基本は任用の問題、あるいは定員の問題、あるいは林野経営の問題であるので、それをそのままにしておいて、退職手当のほうからだけ実情が気の毒だということでは、なかなかこれはもう踏み切れない、むしろ、雇用の問題を片づける以上に私はむずかしいのではないかというように存じておるのでありまして、まあいささか理屈めいた話でございますけれども、たてまえ上非常にむずかしいのではないかと考えております。
○中村利次君 これは雇用の問題を含めて検討されるということは、私は非常にけっこうだと思うのですね。しかし、こういう具体的に部分的に取り上げてみましても、まあ公務外の私傷病、それから公務外の傷病・死亡、これは年数によって全部適用されているのですよ、病気して死んでも。ですから、それと比較しますと、これは珍妙にならざるを得ないのですね。ですから、雇用関係が違うとおっしゃっても、それではなぜ勤続通算がなされているのか。二十年、三十年勤続通算されているのです。それがされなければ第四条の適用はできないわけでございますから、でしたら、これはちぐはぐですよ、明らかに。ですから私は、こういう問題はちぐはぐであって、雇用問題等を含めて十分にひとつ検討してみたいということでありましたら、これはもうその中に含めてやっていただけばいいわけですが、その点いかがですか。
○政府委員(皆川迪夫君) まあ、在職の事実をとらえておるわけでございますから、そして、またそれが実態的に継続しておるわけでございますから、そのいわゆる勤続の取り扱いにすると、あるいは公務上の傷病を受けた場合の取り扱いも勤続者として扱うということは、私も一応まあ退職手当法なりの立場から、そういうことをやって差しつかえないんじゃないかと思っております。ただ、何べんも申し上げるようでありますが、勧奨退職というものを、いまの制度をそのままにして、そして退職手当のほうだけでこれをそういう取り扱いにすることは、あまりにもこれはもう安易、理屈を離れてしまった取り扱いになるんじゃなかろうか。私も、もちろん総理府人事局として、雇用される方々の立場にも立たなきゃならぬところでございますが、もちろんこういった方々の実態がわからないわけじゃない。したがいまして、まず全体的に見た場合には、雇用の問題が先にあるんじゃないのだろうかと。それができないのに、退職手当のほうで勧奨の取り扱いをしろというのは、もっと無理なことになるんじゃないだろうかということを率直に申し上げているわけでございまして、雇用の問題を検討することは、私はもういささかもそれを避けるべきではないと思います。ただ、私のほうがそれを、主導的役割りは果たせないわけでございまして、これは関係各省と十分に協議を要する問題であろうと思います。
○中村利次君 関係各省庁の統一見解は二年前に出ていることでありますし、本来ならば、それはもう答えが出てなきゃならないんですが、まあここでそういうことを言ったってしょうがないですから。いまのお答えによりますと、それでは整理退職、勧奨退職ということは考えておらないと、こういうことになりますね、そんなことはないんだと。
○政府委員(皆川迪夫君) 現在の雇用形態の上では無理ではなかろうかと思っております。
○中村利次君 無理と言うよりも、整理退職は事実上あり得ないということですね、整理はしない、こういうことですね。
○政府委員(皆川迪夫君) これは御承知のように、林政審議会のほうからこの国有林の経営と労務問題をあわせて御答申があったわけでございます。その結果、林野庁を中心にして対案が出てまいるわけでありますが、その結果によって私どもでは考えてまいりたいと思います。
○中村利次君 これはやはり整理退職、勧奨退職は、退職手当法上は考えられないということは、これは、そういうことは事実上ないということに私は受け取っておきたいと思います。ですから、そういうことを、そういう事案が起きましたら私はあらためてこの問題はまた取り上げますけれども、人事局長の先ほどからのお答えでは、やはり総体的に含めて十分に検討をしたいということでありますから、きょうは、できるだけ時間を切り詰めて質問をしたいと思いますので、そういう認識の上に立って、この問題はこれで終わりにします。 次に、これもどうもはっきりしなかったんですけれども、林野庁長官、これはもう団体交渉事項ですから、だいぶ前から、日林労からも団体交渉としていわゆる月給化の問題が出ているはずですね。そのままこれは懸案事項として残っておるわけです。この間からちょっといろいろ関係の方たちに聞いたところでも、団体交渉の対象としていわゆる月給化することが、私は当然これは月給化すべきではないかと、問題については労使交渉の場でこれをきめる、きめて一向差しつかえないはずでありますから、これは答えがどう出るかは、これは本院のあずかり知らないところであります。団体交渉をして、とにかく努力をしてみると、努力をしてみるのも悪ければ団体交渉をしてみる、こういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(福田省一君) 定員外の作業員の問題につきましては、給与のあり方、あるいは職種区分のあり方、あるいは雇用区分のあり方とか、いろいろの問題があるわけでございます。私たちは現在林政審議会の答申を受けまして、そういった一番重要な問題でございますので、国有林の経営上必要な雇用員というのは、やはり国有林経営に出てまいりますところの仕事の量、そういったようなものに見合いながら、いまお話ししたような雇用の問題、つまり給与の立て方であるとか、あるいは雇用区分の問題であるとかというふうなことを慎重に検討していかなければならぬと考えておるわけでございます。 御指摘の点につきましては、国有林の常用あるいは定期作業員の給与を月給制にするということにつきましては、御承知のように、公労法上団交事項ではございますけれども、これらの作業員というものは、やはり日々雇用の現在は非常勤職員であるのでございまして、給与特別法の適用を受ける林野庁といたしましては、給与法の二十二条にございます適用のもとの日々雇用の非常勤の職員の給与というものが、日額で実は定められておるという事情を考慮する必要がございます。で、現行のままで月給制にすることにつきましては、したがいまして問題がございますので、ただいま申し上げました。そこで、雇用制度のうらはらの関係のものといたしまして、と申しますのは、給与と雇用制度との関係というのは、やはり非常勤職員は日々雇用であるので給与は日額で定められておりますし、それから常勤職員につきましては、常時勤務であるからということで月額をもって給与は定められているわけでございますから、したがいまして、そういう関係から、関係省庁とも協議しながら対処をする必要があるというふうに実は考えておるわけでございます。基本的には、冒頭に申し上げたような考え方でございます。
○中村利次君 いまお伺いをしたところでも、常用作業員については、これは読んで字のごとく常用なんですよ。日雇いではなくて常用なんですね。ですから、勤続年数が二十年も、三十年も、四十年もというのがいて、それでこれもいわゆる退職手当法上はずっと通算されているのです。三条、四条、五条、同じ五条の中で、三は適用するけれども一は適用しないというアンバランスはありますけれども、それは検討をしていただくことにしまして、とにかくずっと継続して二十年、三十年、退職手当も通算をされておる。これはもう歴然たる事実ですよ。ですから、日雇いであると言ったって、これは現実には日雇いでないわけですから、したがって先ほどの御説明の中に、私はそれをやっちゃいかぬという法律があるとは受け取りません。受け取りませんから、やるやらないは、これは関係省庁との関係はもちろんありますでしょう。ですから、そんなことをやっちゃいかぬと私言っているわけじゃないのですから、やはり、ゆえなくして団体交渉を拒否するというわけにもいかぬでしょうから、公労法のたてまえからいっても。したがって、やはりどういう答えが出るかは別にしまして、団交等もこれに応じて、十分これは双方の誠意をもって交渉をするのが当然であると思うのですよ。ですから私は、そういうぐあいに解釈します。それがたとえば法律上こういう点で問題がある、あるいは、それはできないなら、こういう理由でできない、こういうことであればともかく、お伺いしたところは、法的なできないという根拠は全く私はないように思うのですが、いかがですか。
○政府委員(福田省一君) 常用作業員と定期作業員につきましては、国有林の仕事をやっております場合のいわゆる基幹的な労働の中心になっておるものである、基幹的な作業員であるというふうにいわれておりますし、私もそう思っておるわけです。で、この常用と定期をともにいたしまして、常勤制を与えてくれというふうな要求が組合からも出ておりますことは、先生御指摘のとおりでございます。その意味は、いわゆる定員内職員に匹敵する処遇を、ということでございます。これにつきましては、私ただいま冒頭に申し上げたような考え方でおりまして、月給制であるか、日給制であるか、あるいは現在の雇用区分が適切であるかどうか、あるいは職種区分が適切であるかどうか、そういったものをすべて総合いたしまして、林野のそういった基幹的な労働員の雇用の条件というものを定めなければならぬと考えておるわけでございます。したがいまして、林政審議会と先生おっしゃいましたけれども、これは一番重要な問題でございますので、なおその中に労働の部会を設けまして、そういった方面の御意見も聞く予定にいたしておりますし、組合とも、そういったものにつきまして、よく話し合っていきたいと、かように前々から考えておるわけでございます。ですから、この問題だけを切り離してということではなくて、雇用条件全般につきまして、あるいはあり方全体につきまして、特に国有林の経営の中では一番中心として考えなければならぬ問題でございますので、先生の御指摘の方向に沿うて、それ以外のものをひっくるめて真剣に検討してまいりたい、しかも、これは各省に関係してくる問題でもございますので、そういう意味では私ども前向きに折衝していきたい、かように思っておるわけでございます。
○中村利次君 これは各省庁に関係するものも確かにあるんです。しかし、それに直接関係のないものもあるんですよ。——全くの無関係と言うのではないのですよ。特に私が抽出をして取り上げたのは、やはりこれは林野庁自体の問題であって、まあ主務大臣としてこれは農林大臣でできることである、あるいは林野庁長官でできることであるというたてまえで質問をしているわけです。そういう意味では、むしろ私は抽出をして、非常に予盾であると思われるものを取り上げたんですが、長官のいまの御答弁では、もっと総合的に雇用関係等を含めて、これはまあ総務長官の答弁がございましたから、それに類する答弁がございましたので、私はこの問題はきょうはこれ以上続けることはやめます。ぜひひとつこれは前向きに、それで、そういう点についても労使間の話し合いというものを私は当然これはもっともっと続けられていくべきだと思いますし、そのことも答弁の中にございましたから、私はそういうぐあいに確認をして、この質問をやめます。 それから次に、これは専従対策問題ですけれども、もうきょうは時間もうんと切り詰めてくれということでありますので、私は、これは総務長官、ひとつ政府の前向きの御検討を期待をいたしまして、これは民間の八〇%がやっておるということは、やはり戦後三十年近くたって、好ましい労使関係づくりのためにたいへんにこれは努力をされて、いまや慣行みたいになって、圧倒的多数がこの退職金通算をやっておる。これに不当労働行為だとかあるいは不利益な取り扱いの法律、条文を適用して、ああでもない、こうでもないと言う以前に、やはり健全な労使関係というものは、それ以上に育成助長をしていかなければならないはずでありますから、ですから、これはひとつぜひ実情に即した御検討を要望して、私は質問を終わりますけれども、それでよろしゅうございますか。
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめてください。 〔午後二時二十五分速記中止〕 〔午後二時四十五分速記開始〕
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。 ほかに御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決を行ないます。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社及び共産の五党共同提案にかかる附帯決議を提出いたします。 まず、附帯決議案を朗読いたします。 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は次の事項についてすみやかに善処するよう要望する。 一、勤続期間が二十年未満で勧しようを受けて退職した者の退職手当および上限のあり方についても、その改善について検討すること。 二、国家公務員等の期間と公庫等の職員期間との通算措置に伴い、国と公庫等との間における相互人事交流については、いわゆる天下りの弊を厳に慎み、その適正を期すること。 三、林野庁における非常勤職員の雇用条件についても実情にそつて検討すること。 右決議する。 附帯決議案の趣旨は、条文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。 以上でございます。
○委員長(高田浩運君) ただいま片岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただしいまの決議に対し、坪川総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坪川総務長官。
○国務大臣(坪川信三君) 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしましたところ、長時間にわたりまして、あらゆる角度から御検討を賜わり、今回全会一致をもって御可決を賜わりましたことを深く感銘いたしておるような次第であります。御審議中に賜わりましたる貴重なる御意見また御要望等につきましては、十分拝承いたしましたので、今後の総理府といたしましては、万遺憾なきを期し、委員長はじめ諸先生の御期待に沿いたいと考えておる次第であります。 さらに、ただいま附帯決議として決議されました点につきましては、勤続期間二十年未満で勧奨を受けて退職した者の退職手当につきましては、今後における民間の退職金の動向を配慮しながら、検討をしてまいりたいと存じております。 また、国と公庫等との間における人事交流は、天下りとは別の事柄であると考えますが、決議の御趣旨を体し、政府といたしましては、十分今後検討いたしてまいりたい所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(高田浩運君) 引き続いて、林野庁長官の発言を許可します。福田林野庁長官。
○政府委員(福田省一君) 附帯決議第三項の「林野庁における非常勤職員の雇用条件についても実情にそって検討すること。」、この点につきましては、御趣旨に沿いまして努力してまいりたいと存じます。
○委員長(高田浩運君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(高田浩運君) 次に、国の防衛に関する調査を議題といたします。 この際、増原防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。増原防衛庁長官。
○国務大臣(増原恵吉君) 昭和四十七年八月二十二日、当委員会において文書で提出いたしました北富士演習場内国有地の入り会いに関する政府の統一見解につきましては、昭和四十八年三月十三日の最高裁判所において、大正四年三月十六日の国有地入り会いに関する大審院判決とは異なる新たな判決が示されたことに伴いまして、当委員会及び予算委員会において質疑のありましたことについて、今回あらためて統一見解を文書にして提出をいたす次第でございます。 なお、その内容について申し上げます。 北富士演習場内の国有地については、明治初年の地租改正の際、官民有区分によって官有に編入された後、公有または民有となり、さらに国が買収したものと、官民有区分によって民有に編入され、その後国が買収したものとに大別されるが、これら国有地については、いずれも入り会い権は存在しないと解すべきである。 一 官有に編入された土地は、明治二十二年御料地に編入され、ついで同四十四年山梨県に下賜され、県有地(恩賜県有財産)となったが、その一部は大正五年恩賜県有財産保護組合(以下「恩賜林組合」という。)に払い下げられ、さらにそのうちの一部が民有となった。これらのうち県有地、恩賜林組合有地及び大部分の民有地は昭和十一年から十二年にかけて国(旧陸軍)に買収され、さらに残る民有地も戦後国(調達庁)に買収され、国有地として現在に至っている。 これらの土地に関する地元住民による林野利用は、官有地編入当時かりに入り会い権によるものであったとしても、その後大正初年にかけて土地の所有者または管理者により林野利用に関する諸規則が定められ、地元住民の利用は土地所有者等の監督のもとに置かれるに至り、土地利用の法律関係も昭和初年に至るまでには入り会い権とは全く別個の人工造林または桑の栽培を目的とする借地契約及び人工造林を目的とする部分林設定契約等に変化しており、入り会い権は消滅したものと考えられる。 また、国(旧陸軍)が土地を買収するに際して土地所有者は国に対し一切権利の付着しない完全な所有権を移転することを承諾し(昭和十一年五月二十日付恩賜林組合長承諾書第四項、昭和十三年一月二十七日付山梨県知事土地売渡証書第一項)、土地利用者に対し相当な補償がなされているので、おそくとも買収後においては入り会い権が存在したとは考えられない。二 民有に編入された土地で、その後国が買収したものについては、次のとおりである。 (1) 戦前国(旧陸軍)が買収した土地については、買収にあたり土地所有者は国に対し一切の権利の付着しない完全な所有権を移転することを承諾しており(昭和十一年五月二十日付恩賜林組合長承諾書第四項)、土地の利用者に対し相当な補償がなされているので、おそくとも買収後においては入り会い権が存在したとは考えられない。 (2) 戦後国(調達庁)が買収した土地については、かつて恩賜林組合が所有していたものであり、かりに入り会い権が存続していたとしても、大正十五年に富士山麓土地株式会社が恩賜林組合から購入したのが別荘地分譲の目的によるものであったから、入り会い権が付着していたとは考えられず、したがって、現在入り会い権は存在しないものと解するのが合理的である。 以上でございます。
○委員長(高田浩運君) 本件については、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十五分散会 —————・—————