内閣委員会 第5号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/03/29
会議録
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 きのう、上田哲君、前川旦君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君、神沢浄君が選任されました。 —————————————
○委員長(高田浩運君) 先ほどの委員の異動に伴いまして、理事に一名の欠員を生じておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に、片岡勝治君を指名いたします。(拍手) —————————————
○委員長(高田浩運君) 次に、国の防衛に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○神沢浄君 私は、質問に入るに先立って、政府の明確な答弁をいただきやすいようにするために、私の質問の主意を先に申し上げておきたいと思います。 三月二十二日の参議院の予算委員会において、北富士演習場問題に関して、上田哲委員、足鹿覺委員の質問がありましたが、これに対する政府の答弁はまことに不得要領のものでございまして、私にはどうしても納得がいかないわけであります。したがって、私は、この際あらためて、まず第一に政府の——日本の憲法下の政治におきましては、いわゆるシビリアンコントロール、軍事優先ということはないわけでありますが、その軍事政策の優先のために住民の権利が不当に押えつけられましたり、あるいは、いま日本の政治の中におきましては、国民の命や健康を公害や自然破壊等から守らなければならない環境政策というものが第一義的なものだろうと思うのですが、その肝心の環境政策までを犠牲にされているような、きわめてゆがんだ政府の政治姿勢、政策上の矛盾、こういうような点について政府の考え方を明らかにしていただきますと同時に、反省を求めて、政策上の一つの転換を求めたい、こういうふうに考えているわけであります。 そこで、さっそくに、官房長官がたいへんお忙しいんだそうでございますから、官房長官への質問から入らせていただきたいと思うのですが、北富士演習場の県有地の暫定使用協定に関しましては、二階堂内閣官房長官と田辺山梨県知事との間に四十七年八月二十八日に覚書なるものが取りかわされているわけです。そこで、まずこの覚書の点から私はお尋ねをしていきたいと思うのですけれども、長官、これは公文書ですか私文書ですか。
○国務大臣(二階堂進君) 内閣官房長官の肩書きで取りかわしておるものでございますから、公文書であると思います。
○神沢浄君 私も、内閣官房長官肩書きつきの二階堂進、山梨県知事田辺国男と、こうなっておるのですから、当然これは公文書でなければならぬと思うのですけれども、そうしますと、私的立場の立ち会い人が介在しているということはどういうことですか。
○国務大臣(二階堂進君) これは、そのときここに呼ばれたときも、金丸君が入っておるのはどういうことかということがございましたので、私は、ちょうどそのとき来ておったものですから、君は出て行けと言えなかったものですからおったんだと、こういうことを答弁申し上げておる。これは速記録に載っております。これはどういうわけであったか署名もいたしておりますが、山梨県の一人であるし、県民の代表だということであろうと思っております。私はそのときお尋ねがございましたから、何でおったのかと思って見ておりましたが、君は出て行けと言えなかったものですからおったんだと、こういうことをこの前御答弁申し上げております。
○神沢浄君 その辺の論議をしてもおもしろいと思うのですけれども、時間をむだにしてもしようがないですからやめておきますが、しかし私は、少なくとも政府と県との間で公な取りきめが行なわれるというにつきましては、他の関係の知事あたりが、利害その他のかかわり合いがあって立ち会いに入るということなら納得できますけれども、全く私的立場の人たちが二人も立ち会い人に介在しているというのは、非常にこれは非常識、不自然な文書のように思えて、もうすでにこれからして、あの覚書なるものはなるほど公文書ではあるかもしれませんけれども、内容的には私文書的な、いわゆる取引のにおいというものが非常に強い内容である、こういうふうに考えているところであります。 そこで、これは昨年の八月三十一日に参議院の当内閣委員会で、足鹿覧委員の質問に対しまして長官がお答えになっておるものがあるわけなんですが、これをちょっと私が読みまして確認をしていただきたいと思うんです。「先ほどお尋ねのありましたこの覚え書きは、私はまあおっしゃるとおり提出してもいいと思います。いいと思いますが、一応、山梨県知事とも連絡をとって、できればきょうじゅうにでも提出いたしたいと思います。」、こういうところから始まりまして、「それはそうさしていただきたいと思いますが、大体内容は、山梨県知事及び県議会のほうと話をされた内容がそのままでございまして、私は県知事が持ってこられましたものをそのまま了承いたして、何ら意見をつけ加えることなく、私はこれを了承して覚え書きに署名をいたしたものでございまして、その内容は御承知のとおりでございますが、北富士演習場について三カ月間、山梨県の土地をアメリカ軍の演習に使用する。それから第二は、国有地の開放について引き続き努力をする。第三は、北富士演習場周辺の整備事業を進める。第四は、林野庁の補償」——これはおそらく林雑補償の間違いだと思いますが、「その他懸案の事項の解決に努力する。第五は、富士保全法を制定し、富士山周辺の環境保全をはかる。こういう大体の骨子になっておるものでございまして、この内容は、いずれも山梨県知事及び議長のほうから提出されたものの内容でございます。私は、これに対して何ら意見も差しはさむことなく、署名をいたしたものでございます。」と、長官がお答えになったものですから別に確認するまでもございませんけれども、あとの質問の都合もございますから、ひとつそのことに間違いがないかどうかお答えいただきたい。
○国務大臣(二階堂進君) この覚書を締結するまでには事務当局、特に防衛庁と山梨県側、あるいは私のほうの参事官と県の事務当局との間にいろいろこまかい打ち合せをやって、その結果、結論として持ってこられたものがいまさっきお述べになりましたようなものでございまするが、その骨子は、国は国有地の開放に努力せよということが一点。第二点は、周辺整備事業の拡充と地元負担の軽減につとめなさい。第三点は、富士保全法(仮称)というものを策定しろ、こういう三つのおもな項目でございました。私は、いきさつはいろいろあったにいたしましても、その他のこまかいことは事務的に打ち合せて、私に主として要望され、また持ってこられたものは、こういう三点が大体大きな骨子になっておりましたから私はそれに署名をいたした、こういうことでございます。
○神沢浄君 ところが長官、山梨県が発行しているこの山梨県民室発行の文書としてこういうりっぱなものがあるんです。この中にはどう書いてあるかといいますと、知事の返還申し入れに対して「内閣官房長官の申し入れ」、こう書いてありまして、その内閣官房長官からの申し入れの内容というものを見ますと、第一に「北富士演習場を従来どおり使用したい。ただし防衛施設庁がさきに示した二十一パーセントは返還する。」、第二は「富士保全法を立法するとともに、地元の民生安定のため諸施策を講ずる。」、こういう申し入れが内閣官房長官から山梨県知事の返還要求に対して逆になされたと、こう書いてある。そうすると、さっきの、委員会でもって長官がお答えになりました内容は、県から持ち込んだからそれを受け入れたと。ところが、この県のほうで言ってるのは、返還要求に対して長官のほうから申し入れをしてきたと、これはどっちがどうなんですか。それで立ち会い人が必要ということになるのですかね。
○国務大臣(二階堂進君) どちらが本物かと言われれば、私は内閣官房長官、政府の代表として、相手は山梨県知事との間に取りかわしたものが正しいものであって、また、これに関しての質問に対してお答えをしたものが本物だと私は考えております。山梨県の県庁のどこでそういうものをこしらえて、どういう方がお書きになったものかわかりませんが、少なくともこの公文書に署名したそのいきさつ、内容というものは、この公の国会の場において説明したものがほんとうだと、かように了解していただきたいと思います。
○神沢浄君 そうでなければ困ると思うのですけれども、しかし山梨だって公の存在でありまして、山梨県の知事が、こういうもうはっきりした公の文書の中でもって言っておるということになりますと、これはどちらが真相であるかということはさだかに——その長官のおっしゃることだけをそのまま受け入れて信用するというわけにもこれはまいらぬのでありまして、今後の論議の発展いかんによっては、これは委員長にお願いをしておきたいところでございますけれども、いつかは知事を呼んだり、今度こそなるほど立ち会い人が初めて必要ということになりますから、立ち会い人も呼んだりして、やっぱり事の真相を明らかにする必要があると思うのです。私は、そこまでいって初めて、なるほど立ち会い人を置くということの意味がわかりました。しかし国は、県の言うことをそのままのみ込むと、県のほうでは、実は同じ内容のものが国のほうからこれは申し入れがされたと、こういうことになりますと、おそらく山梨県の県民は、知事さんの言ってることを信用していると思うのですよ。これは内閣官房長官がおっしゃることを、議員のわれわれは、なるほどそれはさもあろうというふうに考えられる面も出てきますけれども、山梨県の県民は、これは知事さんの言うことを信用することにきまっておりますから、そうなりますと山梨県の県民はだまされておるということになるわけであります、と違うのだから。長官の言うことをそのまま信用するとすれば、その長官の言われる真実とは全く違うことを山梨県の県民は信用しているということになるわけです。重大な問題だと思います。これでは国と県でまるで共謀して国民や県民をごまかしているということ以外の何ものでもなくなるわけであります。 そこで、そういう点から、ひとつこれから真相を確かめるために問題に触れてまいりたいと思うわけでありますが、そこで問題に入るために、実はいま言っておりますとおり、県が言っておるのがちょうどなのか、国が言っておるのがちょうどなのか、実際その辺が、これ私どもはじめ不明ですけれども、それとちょうど同じようなケースがいま目前に生じておるようですけれども、ついでにお伺いをしておきたいと思うのですが、この三月三十一日に再度延長をしました暫定使用協定が切れて、そしていずれにしても協定を、本協定になるのかどうなるのか知りませんけれども、この間の参議院の予算委員会においては、何か強行しても本協定を結ぶようなニュアンスを持った答弁がされておりましたが、聞くところによりますと、県のほうではまあひとつ暫定協定の延長でいきたいと、こう言っておるのを、国のほうがむしろ何か本協定を結べと圧力をかけておるというようなことをそれとなく聞いております。そういう事実ありますか。
○鈴木強君 関連。 きのう山梨県知事が望月企画調整局長と一緒に官房長官のところに見えて会見しておりますね。まず、その会見の内容がどうであったのか、いまの神沢委員のと関連してひとつお答えをいただきたいのです。
○国務大臣(二階堂進君) ことしの三月三十一日で暫定協定の契約期限が切れるわけでございます。政府としては、たてまえとして本協定を結びたい、結んでもらいたいということで、極力県側とも話をいたしておることは事実であります。これは国のたてまえとしてそういう方針で進めておることは事実であります。そのために県の知事とも三回ぐらいも、二月、三月は会っております。また地元から出てこられていろいろな話もございますし、また事務当局の間でも話をしていると私は考えております。まあいずれにしましても、その期日がもう迫っているわけでございますから、この契約を結ぶには、また先ほど申し上げましたような富士保全整備法はどうなっておるのか、あるいは全体、整備事業の総ワクはどのくらいになるのか、あるいは補助率はどうするのか、いろいろなことがございますから、そういう打ち合わせもずっとやってきておることは事実でございます。そこで、期日が迫っておりますが、知事さんのほうもいろいろなことを——県の議会もいま開かれておるさなかでもあると思いますが、説明したり何かするにもちょっと時間も必要だ、したがってまた本協定でなく暫定協定に持ち込まざるを得ないというような空気もあるからどうだという話が、先日来あったわけでございます。これらの問題をめぐって北富士演習場対策協議会会長の小林さんですかも来て、いままでも話をいたしておりますが、そのことに関連して、実は夕方知事も見えられました。正式の会談はいたしておりません。私もちょうど急いで、もう二、三分、立ち話で、出かけて、歩きながら話をしただけであります。全く時間がなくて、また私に予告なく急に来られたわけでございますので、全く予定はいたしておらなかったということで、私もきのうはずっと忙しくて、それから午後の日程もありましたし、夕方の日程もありましたから、ほとんど腰かけることもなく立ち話で話をいたしましたが、まあ暫定協定のことについて話がございました。したがって、後藤田副長官とよく話をしていただきたいということで、私は出てしまったのでございます。したがって、それじゃきょう会おうということで、立ちながら歩きながら話をいたしまして、きょうお見えになるということを私は承知をいたしております。そういういきさつでございます。
○鈴木強君 地元の新聞も私は拝見しておりますし、それからきょうの毎日とか五大新聞にも記事が出ておるのは、やはり長官がおっしゃるように、正式の会談でなかったことはいまわかりました。何か数分間廊下で話をしたので、あとで後藤田副長官があなたにかわって知事と会っているように聞いているのです。そのいきさつは詳細に山梨の現地の新聞のトップに経過的に書いてありますけれども、きょうもまた来て会うという話なんですけれども、こういうふうな事実はあったんですか。あなたが廊下で立ち話をするにしても、まあ三十一日に切れる暫定協定を、知事のほうでは、富士保全法の内容のうち、特に五条と二十条ですね、これについて非常に問題があるから、このままでは政府が言うような本協定はできない、こういう趣旨の回答ですね、知事は。それからあなたのほうでは、一カ月では長過ぎるからもう少し短かくしてくれ、具体的に後藤田副長官の段階では半月ですね、そういうような話も出たと聞いておるわけです、報道されているわけです。ですからそういう事実は、しかし事実としてあったのでございましょう、会談であったか、立ち話であったかどうかは別といたしまして。そういう事実関係だけはひとつ明らかにしてもらいたいのです。
○国務大臣(二階堂進君) 先ほど申し上げましたとおり、まことに失礼でございましたが、私は立ち話をいたしまして、後藤田副長官とそういうこまかい問題は経緯がよくわからなかったものですから話をしておいていただきたい。また、けさ後藤田副長官から詳細な報告は受けておりません。ここに来る前もいろいろ忙しかったものですから。それは当然に詳細なお話を聞いてくるべきでございましたと、いまそう思います。しかし、私はそのとき承ったのは、協定文の中に、前文に知事が考えておるような民生安定云々の文句が入っていないから、あのままでは私は承知できませんという意味の田辺知事からのお話がございました。そういうことはよく後藤田君と話をしてくれと、こう言って別れたわけでございまして、それじゃきょう会おうという話でございましたが、きょうはいいですよと、こう言って実はきのうお別れしたとおりでございまして、なお、後藤田副長官と田辺知事との間の話し合いが地元の新聞に出ておるということでございますので、私も詳細にまた聞いて、そうして、いずれまた御報告申し上げる機会があれば、ちゃんと御報告申し上げたいと思います。
○鈴木強君 それでは、いい機会ですから、私はこの際基本的な問題について若干あなたに申し上げておきたいのです。それは予算委員会のほうで防衛庁の御発言でございましたか、施設庁長官でしたか、米軍からはあの演習場を返していただいて自衛隊が使用する、いわゆる二条四項(b)の形をとることについてアメリカ側は了承しているという話を聞きました。それはもう一回確認しますけれども、事実ですね。
○政府委員(高松敬治君) アメリカ側は、その点は了承いたしております。
○鈴木強君 そうしますと、その使用転換の問題について、山梨県知事なりあるいは演対協の小林会長なりから、何らかのそういう使用転換をしてもよろしいという地元側の話があって了解ができておるかどうか、その上でやったのかどうか、アメリカと。
○政府委員(高松敬治君) 米軍との話はだいぶ前のことでございますけれども、そういう原則でいくということについては了解がついております。それから山梨県側の問題といたしましては、施設庁としては、前の島田長官の時代、それから私の名前でも一回文書を出しておりますが、それには使用転換を前提にして協定を結びたい、こういうことをはっきり申し述べております。それから山梨県側からの使用転換についての確たる返事は、私どもまだ耳にいたしておりませんけれども、これは本協定を締結されるときに同時に、どういうことになりますか、同時に解決される問題であると思います。
○鈴木強君 そんなばかな話がありますか。山梨県知事は全面返還、平和利用という公約を国民に、県民にして当選した知事ですよ。ですから、そういうことはあなたもよく知っておるはずなんだね。しかるに、県側の何らの了承も得ない間に、それは独断専行じゃないか。君たちのほうでアメリカ軍とすでに早々と使用転換について了解を得るなんということは。これは一体どういうわけだ。全く、あなた方が国会の中で地元の意見を尊重するとか、粘り強い話し合いの中で円満に解決しようという、そういう美辞麗句を並べていることは、全く国会対策上の一つの詭弁じゃないですか。それは根本的に違いますよ。その地域の住民が、いま北富士演習場についてどういう感じを持っているかは、あなただってよくわかっているはずですよ。それを、地元の知事も、演対協というのは、これはあなたによく申し上げておきますけれども、自民党サイドだけの、それと県が入ったものになってしまって、いまでは機能を発揮していないのですよ、これは。あれは平和利用のために県民の意識を統一するという目的でつくったのだけれども、みんな脱退してしまって自民党サイドと県だけが入った演対協で、これは名前だけなんですね。運営の面においては機能は麻痺しているのですよ。そういう人がこちらに来ていろいろ話をされているのだけれども。その点はひとつ、一応そういう事実だけは事実として知っておいてもらいたい。先般も新政会という無所属の議員の方々が全部脱退しているのです。それはまあ、一応の念を押すわけなんだが、少なくとも地元側の何らの意思表示もなしに、一方的にあなた方が米軍と使用転換について了解を得ておるということは、これは許すわけにいかぬ。それはもうひとつやり直して、それから県民の、地元の意見を聞いてからやりなさい。そんな越権行為をしちゃいかぬよ。
○政府委員(高松敬治君) 少し古いことになりますが、昭和三十六年八月に、基地問題閣僚懇談会了解事項というのがございます。この際に本演習場の使用転換方針というものが、そこで決定されているわけでございます。米軍との交渉もそのころから話があって、そうして私どもも今度の、特に国有地の返還問題につきまして米軍といろいろ折衝いたしたわけでございますけれども、その際に、米軍もこの使用転換ということには同意をしているということでございます。
○鈴木強君 これは全く答弁にならないしね。あなた方の姿勢というものが、そういうことであるとすれば、これはたいへんな間違いですよ。少なくともその地域の住民の方々が何回も言うのは、やりたくないんですけれどもね、あすこは平和的に利用したい、それにはひとつ返してもらいたい、六百四条で返ってきた、そういう段階であるだけに、暫定協定についてもかなりこれは反発があるし、そういう中で、ことさらに使用転換までもすでに相手方と了解を得ているなどということは、全くもってのほかですよ、これは。これは防衛庁長官もひとつ心得てもらいたい。 そこで、官房長官がどうも時間が制約されているようで、これは残念です。少しがまんして、時間をひとつ、いてくれませんか、官房長官。それで私は、あなたにもう一ぺん言っておきたいんですがね。昨年の九月、ハワイで田中さんとニクソンが会いましたね。そのときに日米間に安保条約の運用協議会というのをつくることの了解ができて、この一月十九日にこれが設置されているのですよ。ここでは安保条約の円滑かつ効果的運用、これを基本方針として実施する機関である。したがって、ここでは日本にある在日米軍の基地の問題を含めてどういうふうにするかということの話し合いをすることになっているのですよ。したがって、こういう場所をもう少し活用されて、そうしてただ暫定協定を三十一日に無理やりにやるというような、そういうことだけではなくて、こういう場所において北富士演習場をほんとうに返してもらうという積極的な姿勢で臨んでもらいたいんですよ。これは、今度予算委員会を聞いておりましても、官房長官でも、あそこに演習場のあることはあまり好ましくないと言っている。三木環境庁長官も、願わくはないほうがいいと言っている、同じように。ないほうがいいですよ。ただ安保条約上なかなかむずかしいということを言っておられるわけですから、こういう機会をとらえて政府が積極的に米軍基地の縮小なり返還というものをもっと前向きでやっていくんだという姿勢が国民の前に出なきゃいかぬですよ。そういうことを、せっかくのこういう機会をつくって、われわれが意見を述べることができるようになっておるにかかわらず、そういう点については、まあ第一回の会合がいつ開かれるかわかりませんが、その舞台に乗らないで、一方では使用転換などということをかってに進めるような、そういう政府の態度では、これはいかぬと思いますよ。これは官房長官もいらっしゃるわけですから、田中内閣の、この庶民的な宰相、そして官僚でない宰相、この人は必ず何か国民の期待に沿ってやってくれるだろうという、そういう強い願いを持っている内閣でしょう。せめて県民が、地域の住民が何を考え、どうやっているかということを十分に検討した上でないと、軽々にアクションを起こしてもらっては困ると思う。いまの防衛施設庁の長官の答弁なんというのは、これはいただけませんよ。どうですか。その点ひとつこの運用協議会というのを十分活用し、何とか日本に富士山を返してもらって、ほんとうの意味において霊峰富士、われわれのシンボル、富士を保存するようにやるべきですよ。そういう点について、ひとつ官房長官と防衛庁長官からお答えをいただきたい。
○国務大臣(二階堂進君) 私も時間はがまんすることはがまんしますが、向こうのほうの予定もございまするので、きょうはまああと四、五分でお許しをいただきたいと思うんです。 いまお説になりました基地の問題につきましては、これはもう私もしばしばアメリカのインガソル大使を通じても二回も会っていますが、会ったたびに私はそのことを強く言っておるんですが、また外務省のほうにもお願いしております。これは基地の問題が、いろいろ最近相模原の問題もそうでありますが、あるいはその他のところでも地域住民との間に好ましからざる問題。いろんな問題、トラブルが起こっておることは、これは私も先生の御指摘をいただかなくても十分承知をいたしております。したがって、こういう問題は、私はできるだけ縮小すべきものは縮小していただきたい、返すべきものは返していただきたい。そうしなければ住民や国民の間に非常な好ましからざるいろんなことが起こってくるのは、これはもう政治の上からもたいへん好ましくないことであるということはしばしば申し上げておるんです。したがって、先般日米安保協議会ですか、開かれましたときにも外務大臣からも、防衛庁長官も出席されておられましたが、病気中を押して出席されて、そのことを強く申し入れられまして、そうして、できるだけ返すものは返しましょうということで、数カ所ですか、いろんなものの返還がきまって、また関東地区においては関東集約計画などが発表されました。これについてもいろいろな意見がありますけれども、そういうことで、特に都会の密集地帯における基地などについては十分考慮していただきたいということは、もうしばしば申し上げておるとおりでございまして、また私どもも、政府の立場といたしまして、そういうことを主張すべきは大きく主張してまいるつもりでございます。ただ、この北富士演習場の問題は、先ほど施設庁長官も述べましたとおり、昭和三十六年に大体方針が一応閣議了解事項としても発表されておるわけでございますが、これは私は今回のこの使用転換のことにつきましても、先般先生もおいでになりましたか、あの忍草の婦人の方々もたくさん見えましたし、足鹿先生も御指摘になられましたとおり、住民の方々にも強い反対があると、また一部の方々は全面返還だと、こういう主張をなさる方もあることは私もよく承知をいたしております。ただ、まあ国のたてまえといたしましては、また同じことを言うかとおしかりを受けるかもしれませんが、日米安保条約、地位協定の関係から、必要なものは提供しなければならぬと、その必要なものの一部にやはりこの富士の問題があるんだ、と、ところが富士山は国の象徴である、自然保護の関係からもあそこに演習をするような場所を認めてはならぬと、こうおっしゃることも、これは三木環境庁長官もそういうことはよくわかりましたと、私も個人的にはもう演習場があるよりないほうがいいと言ったことはございます。しかし、国の立場としては、やはり安保条約、地位協定の関係から施設は提供する義務がありますから、その義務だけは政府はその協定がある間は履行せざるを得ませんという立場は明確にいたしてきておるわけでございますが、ただ、いまおっしゃいましたとおり、私は、政府のほうは知事に対しまして返還の申し入れを文書でいたしておると、しかし、確たる知事からの、県民の理解を求めてよろしいということにはなっていないということでございますが、私はこの本協定を結んで、しかもこの目的の返還を期するならばという話をする際には、少なくとも県民の代表である知事の理解だけは得ておくことが前提である、こういうふうに思っております。そのことについては、全力を私はあげて話をいたすつもりでございます。
○国務大臣(増原恵吉君) ただいま官房長官からお話のあったとおりでございまして、私どもとしては、防衛庁の立場としては、そこを演習場として使わしてもらうという立場でございます。これは御承知のように三十六年の方針決定の際にも、二4(a)で使っておるものは、やはりなるべくならば二4(b)にするほうが適当であるという大体の考え方もそのとききまっておるわけでございます。そういうことで、もちろんこの北富士の問題は、山梨県知事が私どものほうへも参られました際——これは官房長官のほうへ行かれる前ですけれども、全面返還を要求されたわけでございますが、私どものほうでは私どもの、いま官房長官の申されたような事情を述べて、全面返還ではなくてひとつ御了承を得たいということで話をしたのでございまして、二4(b)にするということについても、官房長官が申されたとおり、もとより地元知事の了承を得てやるわけでございまして、そうして、そういうことが大体一般的な方針、方向として政府としてもいままで考えてきておるということであると、あくまでも地元の了解を得てやるということでございます。
○神沢浄君 官房長官がえらいお忙しいそうですからね、私は重要なことを、質問をまだ用意をしたのが残っているわけですけれども、一問だけ、これだけはひとつ長官からはっきりお答えをしておいていただきたいと思う点をお聞きします。 いま、長官の御答弁を聞いておると、アメリカから返してもらう努力はしておるのだと、こう言われております。ところが、アメリカから返ってきたら自衛隊が使いたいというところに実はこれはたいへんな問題かあるんだと思います。私は、まあ先ほど、県から言ってきたことをみんなうのみにしちまったという、これはもう長官が自分でもっておっしゃっておる。このことはたいへんな問題のことでもって、国政の運用なんというものはそんな軽率なものでいいかどうかという私は非常に大きな疑いを抱いております。しかし、まあおそらく賢明な長官が、そんな軽率なことを理由なくしてやるようなことはこれはありはせぬでしょう。なぜにそんな不自然なことまであえてなさるかというのは、いまたまたまその話に触れてまいりましたように、アメリカから返してはもらうけれども、あとを自衛隊が使いたいんだというそのことを県側に押しつけるために、多少の注文じゃうのみにみんなひとつ聞いてやってもいいんじゃないか、こういう性格と内容を持ったものが今回の私はあの覚書だというふうに考えているわけであります。したがって、あの覚書を締結をいたしましたその理由というのは、自衛隊への使用転換というものを目的にしておるからだと私は考えておるんですけれども、その点を長官からひとつはっきりお答えを願っておきたいと思います。
○国務大臣(二階堂進君) 私が地元の意見を——知事が持ってきたやつをうのみにしたと、こうおっしゃいますが、そこまでくるには、皆さんのほうもいろんな問題を解決するためには、何べんも会って、話をしたり、こまかいことを詰めたりして、最後に四、五分で話をきめるときには、まあこれでどっちもものを言わぬことにして、うんと言おうという話を詰めてやることが往々にしてあるわけでございますから、私がこれを表明するときには、それはいろいろ詰めて話をしてきた結果、事務的にもまだこまかいこともありますよ、そういう話を全部詰めてきて、それを聞いておって、そしてこのときにはこうだという話になったので、私はここであまりこれはどうだこうだと蒸し返すものもないと思ったから、そのまま御了承を得たということでございまして、何でも県が、知事が持ってきたものを、そのままそのままと言っていないことは、これはもういまのこの富士保全整備法のことについても、いろいろ政府の立場もありますしということは言っているんですから、何でもかんでも知事が持ってきたものを——そんな不見識なことを官房長官がやったかというようなことでございますが、それは、そうでないということはいま申し上げたとおりでございますから、御理解をいただきたいと思います。 なおまた、自衛隊が使うことを前提にしてこういうものをやっておるんだと、これは先日足鹿さんも何かそういう質問を予算委員会でされましたが、そんなに——たとえば俗なことばで言うと、あめをやってだますんだというようなことは絶対にございません。また、自衛隊が使用する場合にも、全面返還になれば、そのとき地元の知事なり、自治体の長、あるいは県の知事さんとも話をつけて、そして自衛隊が使用する使用しないということはきめるべきものだと私は考えております。
○神沢浄君 たいへん重要なことに触れてきたんですが、うのみということばの意味なんですが、実はあの覚書に、さっき言うように、どっちが言い出したかそれはあとから明らかにすることにしまして、話をしたというその直後、私などは、私なりの照会や調査もいたしましたが、あの内容の中には、あとから触れてまいりますけれども、たとえば基地周辺整備法の関係の事業などについてはこれはべらぼうに予算が広がるわけですね。あるいは保全法を制定をするということは、とにかくこれは立法行為ですよ。そういう重大なことが、聞いてみたら環境庁も知らない、大蔵省も知らない。重要な関係の省庁が知らなくて覚書ができ上がっちゃったんてすから、これは官房長官の手元でもってうのみにしたと言われても、これはやむを得ぬのじゃないかという意味で申し上げているわけなんです。 そこで、それほどの不自然な非常識な取りきめをなぜやるか。これは私は相当大きな理由がなければ、そんなことは官房長官ともあられる方がなさるはずはないと思うわけです。私は、その理由が何であったかということを、なるほど、たとえば九月の上旬には二日だか三日だか田中・ニクソン会談があったから、それに間に合わせるように急遽おっつけ普請でやったというふうなことも、あるいは一つの理由かもしれませんが、しかし、何か重大な理由がなければ、私は、そんなに行政の秩序までも無視したような重大な内容を持ったような覚書を、はい、よろしい、というようなことでもって、官房長官の手元だけでもってあっさりきめてしまうような、こんなことはあり得ぬと思うのですよ。そういう点が何としてもこれは大きな疑問が存在するものでありますから、それではそのようなことをなさるその大きな理由というのは何であったかということを、これをやっぱり長官からはっきり聞いておきたいと、こう思うのです。
○国務大臣(二階堂進君) いまお述べになりましたとおり、政府が何かこう使用転換を認めさせるとか、あるいは自衛隊が使用するとかいうことをあらかじめ考えておるような問題であれば、いまおっしゃるとおり、保全法も準備したり、あるいは整備法も準備したりするようなことを、まずこちらのほうは考えておるということがたてまえにならなきゃならぬはずですよ。ところが、いまのこの北富士の問題で話を——私も就任直後からでございましたから、話をしているうちに、いままあはっきりしていただきたいと思いますが、県のほうからこういう話を、ぜひつくってくれ、保全法もつくってくれという話、それがあとでまた保全だけではだめだから保全整備を入れてくれという話がきて、私は、小山——もとの環境庁長官小山君であります。そのとき閣議で、こういう話がありますと、したがって、環境保全法というものをつくって、そして話を進めなきゃなりませんと閣議で発言をして、閣議了解を取りつけたわけであります。でありますから、政府が前もって考えて、こんなものをやって県に押しつけたということは全くなかったというふうに御了解をいただきたいと思うのです。最初から政府が考えて、こういうものを押しつけて何とかしてもらおうという考えであるならば、政府のほうから、富士整備保全法を用意しておりますよ、あるいは地元の整備事業に対するいろんな内容の問題もこうしますよと言ったはずでありますが、そういうものがなかったということは、むしろこの話をする間において、県の立場においては、どうしてもこういうものが必要であると、あるいは東富士と比べて金額も、いままでの周辺整備に使われた金額というものも東富士の整備事業などと比べてみても話にならぬと、だからもっとふやせと、そういうものをぜひやってくれというのが知事を代表とする地元の強い要望であったと、こういうことを私は繰り返し明瞭に申し上げておるのでありまして、そういうものをひとつ何とかしてくださいと、保全法だけじゃだめだ、そうじゃなく、整備法も入れてくれとか、あるいは十カ年の総ワクの計画というものを七十億円にしてくれとかいうような話がずっとあったわけであります。いまもあるわけでございます。そういうものはできるだけ、あるいは補助率の問題につきましてもどうするか、かさ上げをどうするかという問題もありますから、それは誠意をもって私は知事さんなり地元の方々の要望、市町村長の要望というものをできるだけ組み入れて、そうしてりっぱな、十分御期待に沿えるものでないにいたしましても、何かそういう内容のあるものをつくりたいと、こういうことで努力をしておるわけでございます。
○神沢浄君 そうしますと、長官、簡単に一問だけお聞きしますが、あの覚書は別に使用転換を目的にしたものではないと、こうおっしゃっているわけですね。
○国務大臣(二階堂進君) そういうものを前提にしてこんなものをつくったものでないということは、るる私が申し上げておるとおりでございます。
○神沢浄君 時間がどんどん経過いたしておるものでありますから、簡単にやっていきますけれども、いずれにしましても、覚書に基づいて政府の側では努力をされてきておると、こういうことのようであります。 そこで、覚書の内容というのを見ますと、いろいろありますけれども、大きく取り上げてみると、国有地の返還に努力をする、二百十ヘクタール以上の返還に努力をする。それから周辺整備事業のワクの拡大をする。それから林雑補償その他の懸案の解決をする。それから富士保全法だか富士保全整備法か法律の制定をする。こういうところがおもな内容だと、こう思うのですが、大体その覚書条項というものへの努力というものがいまどの程度になっておるのか、これをお聞きをいたしたいと思います。
○政府委員(山下元利君) 官房長官にかわりまして御答弁さしていただきます。 この暫定使用に関する覚書に基づきまして、ただいま先生御指摘の措置すべき事項につきましては、御承知のとおり、県側及び対策協議会と話し合いを続けておりますが、国有地の開放につきましては米側から約二百十ヘクタールの返還を受けることといたしました。また、民生安定事業につきましては、東富士演習場周辺地区との均衡を考慮しながら、県及び地元の市村等が実施する事業に対しまして必要な助成措置を行ない、また林野雑産物補償その他懸案事項については極力解決を見るように協議を進めております。なお、最後の富士保全整備法の制定につきましては明日閣議決定をいたしまして、できるだけ早く今国会に提案をいたすべく予定いたしておるところでございます。
○神沢浄君 そこで、関連して聞きますが、民生安定事業と称するいわゆる基地周辺整備事業の関係について、四十七年度の予算額は幾ら、それからいわゆる覚書に基づいての四十八年度の予算額については幾ら、これをひとつ先にお聞きしましよう。
○政府委員(平井啓一君) 北富士周辺で、防衛施設周辺整備法関係で障害防止あるいは民生安定、道路等の予算として、四十七年度においては二億五千八百万ということで現在年度末に向かって執行中でございます。四十八年度の予算につきましては、予算が成立いたしました後、四十八年度の実施計画の段階におきまして細部を詰めていって内容を確定する予定にしております。
○神沢浄君 四十八年度について、実施計画の段階でと言うのですけれども、幾らになっているのですか、予算額は。
○政府委員(高松敬治君) 四十八年度の北富士周辺の周辺整備費につきましては、目下山梨県側にもいろいろ御希望がございまして、それをいろいろ現在煮詰めておる段階でございます。まだはっきり確定はいたしておりません。四十八年度の予算といたしましては、おおむね十億前後というふうに私どもは考えております。
○神沢浄君 私は、大体防衛庁、防衛施設庁の秘密主義というものが実に何といいますか、遺憾にたえないですね。私はこの問題を調査するために、防衛庁に対して、本年度の予算額とその事業の内容の明細等の資料を求めました。出さないですね、何と言っても。ところが、その資料はもう県へ行っていますよ。私は県のほうからもらいました。十三億何がしという。委員会でもって説明できぬのですか。予算がなくて仕事がやれますか。そういう秘密主義はやめなさい。どうなんですか。
○政府委員(高松敬治君) はっきりまだ確定はいたしておりませんのですが、私が申し上げましたのは、補助金ベースで大体そのくらい、事業費ベースでありますと、それよりもっと上回る予定でございます。
○鈴木力君 関連。 いま聞いているのは大事なことだから、はっきりしてもらいたいのは、県知事側のほうには示しておる。ところが神沢委員が資料要求したときには、これを示すことができないと言ったと、その関係をまずはっきりしておきなさい。でないと、これからの審議がたいへんなんだ。どうして県には示したけれども神沢委員の要求は拒否したか、それをはっきりしてください。
○政府委員(高松敬治君) 現在、その点についていろいろ煮詰めておるわけでございます。ただ、県に対するものというものもいろいろな段階がございまして、これができるとかできないとか、これを採択するとかしないとか、いろいろいままで段階があったわけでございます。それで、私どもが申し上げておりますのは、そういうことを申し上げたとすれば、それはまだそういう点で県側との話が確定しない、つまり予算としてどれだけ使うかということについての確定をしないので、確定するまで御容赦を願いたい、こういうことであると思います。
○鈴木力君 おかしいのです、それは。そうすると、いまの予算委員会にかけている予算書というのは、県と確定しないうちは予算書というのは仮の予算書ですか。一つ一つの予算の使用目的があるものの積み重ねが予算書で、いま予算委員会で審議しているのですね。その部分を聞かれたものに、県との話し合いがつかないからまだ金額がわからないという答弁はどういうことなんですか。もし仮の予算書であったら、すぐにわれわれのほうで予算委員会に連絡をして審議をやめなくちゃいけない。どっちなんですか。
○政府委員(平井啓一君) 毎年概算要求をいたしますときに、概算要求の中身につきましては一応事案ごとに積み上げをやっております。しかしながら、これは予算が成立しましたあとに、補助金事業でございますので地元側の負担の問題もありますし、そういった点も細部的に詰めた上でなければ事業の内容が固まらないわけでございます。そこで、一応概算要求の段階で足がついたものと、実際に予算成立したあと実施するものとの間にはおのずから相違ができてまいりますので、今回の段階におきましては、ただいままで申し上げたような答弁になっておる次第でございます。
○鈴木力君 それは私がいま北富士のことを——具体的には神沢委員の質問ですから。ただ私は、いまの答弁が気に食わないから関連で言っているのですよ。それならそれで、知事にはそういう状況で説明しているなら、それをなぜ神沢委員に説明ができなかったかということなんです。これは、防衛庁はしばしばあるんですよ、そういうことは。よそのほうには、折衝中に、あなたのほうにはこれだけ差し上げますよとかなんとかやっておるけれども、しかし、正規の審議する委員会にはそれを隠そうとする。なぜ神沢委員の要求にそういう答えができなかったのか、もう一ぺん言ってください。
○政府委員(平井啓一君) そういうお問い合わせがわれわれのほうにあったということにつきまして、遺憾ながら私承知いたしておりませんので……。
○鈴木力君 それなら、どこで切れたか調べなさい。そんなこと答弁にならぬ。
○政府委員(平井啓一君) その間の事情については、どういう経緯であったかはわかりませんが、ただいま申し上げましたように、個別の事案についてどうこうということは、あくまで予算が成立したあと実施計画をつくって大蔵大臣の承認を得た上で事案が確定するわけでございます。
○鈴木力君 委員長、もう一つ。それじゃ副長官に。いま神沢委員が要求したことは、本人が言っている事実だ。ところが、そちらのほうにはまだ届いていない。そうすると、要求の経路をたどって、どこで切れたかはっきり調べてください。
○政府委員(山下元利君) ただいま先生の御指摘を伺っておりますのに、一般論といたしまして……。
○鈴木力君 一般論じゃなくて、具体的なもので答えてください。
○政府委員(山下元利君) ちょっと、じゃ御説明だけ……(「ちょっとじゃなしに、きっちり言いなさい。」と呼ぶ者あり)現在、御承知のとおり、本院におきまして四十八年度予算は御審議を承っている最中でございまして、こうした予算がきまりました上で、それで実施計画がきまるわけでございます。(「そんなこと聞いていない」と呼ぶ者あり)予算編成の過程におきまして、種々のいろいろと積み上げていくとかそういう作業は行なわれておりますけれども、私どもといたしましては、予算の審議の最中でございますので、きまりました上、正式に実施計画をきめて御報告申し上げたいと、このように思っておるのが先ほどの答弁だと思っております。(「知事にはそれをしゃべって、こっちにはなぜしゃべらないんだ。」「つかえちゃったから、それを調べてくれと言うんです、どこでつかえたか。そのことを言っているんだ。」と呼ぶ者あり)
○神沢浄君 最初、質問に入る前に断わっておいたように、時間をむだにしないようにひとつ明快な答えをしてください、よけいなことは言わぬでもいいから。 私が資料の要求をしたのは、たしか三月の八日、政府委員室へしてあると思います。あとで調べてください。 それだけでなしに、大体不親切ですよ、防衛庁は。大体、防衛施設周辺整備法の何か今度改正案が出ているでしょう。あの改正案を先にほしいと思って要求しておいたところが、届けてくれないうちに議院のほうで送ってくれた。それから少しこっちも腹立ちまぎれに電話をしたら、それじゃもうお送りしないでもいいですねと、こうきた。そりゃいいですよ、もう手元に入っちゃったんだからね。まあ、いろいろ調べてみてください。 それから、私は四十八年度の予算を聞いたんだから、予算の何といいますか、扱いのしかたなんということを聞いているわけじゃないんです。概算要求が幾らあったか、それを答えてくれればいいんです。実施計画についてはまだですと、こう言ってくれればそれではっきりわかるわけです。そこで、四十七年度においては二億五千万、ところが四十八年度では十億と、四倍ですね、四倍。しかも、われわれの聞くところによると、これは先取り予算までしておって、大体五年間に百億というんだそうです、覚書に基づくところの県との話し合いにおいては。それではなおまだ県のほうが不承知だということでもって、じゃ二、三十億また乗っけようと、こういう話にまでなっているんだそうです。聞いた話ですよ。 そこで、最初お伺いしたいのは、二億五千万がどういう理由で一ぺんに四倍になるんですか。周辺整備法には、整備法の定めるところの事業の対象範囲もあるし、補助率もあるし、事業をきめるためにはそれなりの理由が必要だしというわけでしょう。そうすると、いままでは富士基地周辺の事業というのは不当に押えつけておいたということですか、今度のやつがほんとうだとすれば。そうでないとすれば、今度その四倍にも広がる理由は何ですか、その辺を明らかにしてください。
○政府委員(平井啓一君) 防衛施設周辺整備法で行ないます事業に、第三条に定められておりますところの障害防止事業というのがございます。それから第四条におきましては、民生安定等のいわゆる助成事業でございます。いずれもこれは補助金をもって施行していただく事業でございまして、地元からの申請に基づいて予算の執行が行なわれるわけでございますが、御存じのように、最近の北富士周辺地域におきまして、演習場問題をめぐりましていろいろと地元との関係におきましても、いわばまあ不安定と申しますか、いろいろ問題がありまして、そういった問題について十分に地元、地方公共団体等といろいろお話し合いをしながら実施をしていくという面において、必ずしも十分でなかった面があったのではなかろうかと思います。しかし、実際に障害が起こっておりますものを防止するというような事業については、毎年度、相当今日までも実施してきております。特に四条関係の助成事案等につきましては、ただいま申し上げたような点が一つの原因であったろうと私は思います。
○神沢浄君 そういう抽象的なことを私は聞いているわけじゃないのです。二億五千万がなぜ十億になるか。十億になるには、これこれこれだけの仕事をしなければならない、そうでなければ理由にならぬじゃないですか。私のほうから理由を言いましょうか。要するに、使用転換を実現するために金の取引をしているということじゃないですか。そうじゃないですか。そうでないとすれば、その理由をはっきり言ってください。
○政府委員(高松敬治君) 周辺整備の対策事業につきましては、従来からいろいろやっておりますけれども、予算は必ずしも十分な予算ではない。本年度、四十八年度はかなりそれが三三%ばかりふえまして、約九十億ぐらい、予算としてもふえた査定を受けまして、現在それを御審議願っておるわけでございます。そういう意味では、従来よりもより多くの周辺対策が実施できるような段階になったということが一つ。 それからこの覚書に基づきまして、覚書にもありますように、現地の山梨県側としては、東富士に対しても非常に大きく見劣りがしている。だから、それについてもっと均衡のとれるような措置をとってもらいたいというのが強い要望でございまして、それから具体的にも、まあ新聞にも伝えられておりますように、三百数十億ですか、非常に大きな金額の御要望がございまして、それらな検討いたしまして、われわれとして採択できるものを大体選んでいきまして、大体そういう、先ほど申し上げましたような金額のものを初年度として実施していく、こういうふうに考えておりますけれども、まだ幾つか話の煮詰まらないものがございまして、それらをいま鋭意折衝している、こういう段階にあるわけでございます。
○神沢浄君 まあその問題一つ詰めても、これは時間を食ってしまってどうにもならぬものですから、またあとの機会にしたいと思いますけれども、私がその十三億何がしというものの、これは県から入手をしました内容を見ても、それ、公園をつくるとか、何とかセンターをつくるとか、おそらく理由にはたいへん苦しむであろうようなものがかなりこじつけて仕組まれておるようです。また、どう考えたってやっぱり使用転換を、また県有地の使用を金を出して片をつけようということのこれは一環にすぎません、われわれの判断としては。さっき私は林雑の問題についても聞いたのですけれども、林雑の補償等の懸案事項の解決についてはどうなっています。
○政府委員(高松敬治君) 林雑補償につきましては、これはもう御承知のとおり、四十二年度以降が未払いになっております。これはいままでも北富士周辺の各農家の経営実態等の調査を実施するということで、地元各入り会い組合間の調整をいろいろ演対協を中心に御依頼をして調整をはかってまいったのですけれど、どうにも地元間での調整がうまくつかない、つまり御承知のような取り分についての話が一致しないということで、不本意ながら今日までこれは未払いになっているという状態でございます。それで今度は何とかこの機会にその問題も解決したいということで、これもいま鋭意話し合いを進めているところでございます。まず忍草入り会い組合に若干御議論があるようでございますけれども、何とかこの際、長年にわたって未払いという問題もこれもいかがなものかと思います、こういう機会にひとつ解決するように努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○神沢浄君 わかっておるようなことをなぜ答弁できないんですかね。私が聞いておるところでは、四十二年以降もうすでに六年間にわたって林雑補償はストップしていますね。今回、県の演対協に対して国が示した案というのは、四十二、四十三、四十四の三年間については従前の調査に基づいて一括支払う、四十五年以降は調査をして支払う。しかもそれは演習場対策協議会を窓口にして入り会い団体には白紙委任をさせる、こういうのだそうですね。そこで、もちろん忍草あたりから異論の出るのはあたりまえですよ。忍草はもう脱退して演対協の加盟員ではないのだから。加盟員でないところの入り会い団体、しかも林雑補償といったって七五%は忍草でしょう。林雑補償問題を解決するには忍草を除いて何の解決がありますか。そういう実情の中で、演対協の加盟員でもないところの忍草にまで演対協への白紙委任状を書かして、そしてそういう方法で支払いをする。こういうことを県に対して、演対協に対して示しているじゃないですか。こういう非常識なばかげた方法が示されたものですから、私もそれを聞きまして、長官がいなかったから、たしか鶴崎次長ですか、そういう非常識なことをやってもらっちゃ困るという申し入れをしてもおきました。そういうお答えをしていただきたかったのですよ、抽象的なことでなしに。まあ私がかわって説明をいたしましたが、これは間違いないですね。
○政府委員(平井啓一君) いわゆる演対協という組織が、御存じのように、最近北富士をめぐる積年の諸問題をこの際何とかまとめて解決しよう、また国としてもそういう組織で県と相まって問題を解決していただこう、そういう姿勢でいろいろの問題に取り組んでおります。その過程におきまして、四十二年以来懸案になっております林野雑産物補償の問題についても演対協が何とかまとめ役になっていただく、そういう点につきましては私どもも同じ考えでございます。ただいまお話のありました白紙委任とか、そういう形でわれわれのほうとしてはお話し合いをしていたわけではございません。
○神沢浄君 そういうことを言ってもだめですよ、ここに白紙委任状を私も手にしておりますよ。演対協に対して白紙委任をしろ、受け取るのは演対協の会長だそうです。白紙委任状を全部まとめまして、そして演対協の会長が今度は受け取ってきたやつをそのとおり入り会い団体に分けてやる、こういう仕組みなんですね。なぜこんなことをするんですか。これはかつて四十二年の十二月十五日の、当時の山上長官から田辺知事あてに、林雑補償の受給資格及び適正化についての回答書というのが出ておりますが、受給資格は入り会い団体そのものであると、適正化については、四十二年まではすでに調査したものによって支払うけれども、四十三年以降というのは調査をし直してやるんだと、こういう公文書が出ているではありませんか。これに基づいて考えると、大体その回答書を無視をしまして、四十三も、四十四も——四十二年まで三年間まとめて前の調査で支払っても、私はこういう措置にも問題が一つ存在すると思いますが、支払い方について、演対協からいま忍草も抜けておるし、県内におきましては社会党の議員団も抜けておるし、新政会も抜けておるし、私の知る限りにおいては野党関係全部抜けているんです。残っておるのはまあ自民党と、それから地元のいわば市村、ちょうど政府側からいえば、使用転換のためにも、基地継続使用のためにも、金で片がつけやすいような、金で話がつけやすいようなメンバーだけが残って、いま演対協とこう称しているわけです。その演対協を窓口にして白紙委任状を書けと、こんな非常識なことがありますか。これではせっかく支払おうと思ったって、それじゃ支払いできません。ですから、私も鶴崎次長にそういう申し入れもしてはおいたのですけれども、そのまままたストップになっているわけでしょう。 そこで、私はずばりお聞きいたしますが、三年間支払うときめた以上は、これはそんな演対協の窓口を通じてなどという方法ではなくて、入り会い団体、いわゆる受給資格者である入り会い団体に直接支払ったらどうですか。そういうことになりませんか。それとも、国のほうのお声がかりであるところの演対協に、白紙委任状を書いた者だけには支払うけれども、ほかの者には支払わないなどという態度でやるんですか。その辺をはっきり答えておいていただきたいと思います。
○政府委員(平井啓一君) 白紙委任状がなければ、裏返せば、演対協会長でなければ払えないとか、そういう形の問題じゃなくて、先ほども御答弁いたしましたように、積年の北富士の問題をこの際に県と演対協という組織とで、しかも演対協という組織は、残念ながら忍草関係はまるいテーブルにすわっていただけない形でおりますが、その他の入り会い関係各市村、恩賜林組合、みなまるいテーブルにすわって話し合いをやっていただいておる組織でありますので、そういった組織でいろいろな問題をこの際解決していただこう。そこで、演対協の会長がひとつあっせん役になってこれをまとめていただこうということでお話し合いを進めておりまして、忍草入り会い組合を除くほかの入り会い組合の関係につきましては、その線で進めていただくことで今日話が進みつつあるわけであります。忍草にもいろいろ長い間の問題がありましょうが、そういった趣旨で演対協の会長もこの際忍草の問題についても解決していただきたい、そういう意味でこの問題を取り運んでいるわけであります。
○神沢浄君 ちょっと私いまわかりかねるところがありますが、私がもし判断したようであるとすれば、これは重大なことだと思いますよ。そうすると、演対協に加盟をしている団体には演対協を窓口にして支払いをする、忍草はさておきましても、こういう意味ですか。
○政府委員(平井啓一君) ただいま四十二年度からの林野雑産物の補償につきまして、四十二年から三カ年分については一応従来の算定方式を基礎とした形で支払いを進める、それ以降のものにつきましてはできるだけ早く実態調査を行なう、そういうことで演対協のほうともお話し合いをさせていただき、各入り会い組合も御了解をいただいているわけですが、忍草に対しましてもこういうことで進めたいということで、忍草にはわれわれのほうから直接お話もいたし、また演対協会長からもお話をしていただいているわけでございます。その調査等に関しまして、いろいろと忍草のほうから、この調査の内容、やり方等につきまして、こういう点がおかしいじゃないかというような御意見もいただいているわけであります。そういった過程を通じながら忍草の問題についても解決していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
○神沢浄君 いや、どうもその前段のもう情勢がわかっているようなことを繰り返し繰り返し私はお聞きする必要はないと思うのです。ずばりこれに答えていただければ、ずばり聞きますから。そうすると、演対協を窓口にして請求ができる団体へは支払う、あるいは忍草はあと回しにして支払うと、こういう意味ですか、どうなんです。
○政府委員(平井啓一君) たびたび同じような答弁になって申しわけないのですが、そういうふうなことにならないように、何とか全体が円満にまとまった形で過去の問題も整理し、今後の問題も一体となって進めていただこう、そういうつもりで何とかまとまってもらいたいと思っているわけでございます。
○神沢浄君 それは、努力はしてくださいよ、大いに。努力を大いにしてくださいよ。私の聞いておるのは、忍草はあと回しにして、演対協窓口でもって委任状——そんなものは二割五分か何ぼかの連中だけれども、その連中には先に支払うのかと、こう聞いているのですよ。どうします。
○政府委員(平井啓一君) 何とか忍草ともお話し合いをして……。
○神沢浄君 そんなことを聞いているのではないのですよ。どうするかということを聞いているのです。
○政府委員(平井啓一君) 他の入り会い組合と一緒の時期に、同じような形でお支払いをするように努力したいと考えております。
○神沢浄君 まあ、そんなことで時間をとっちゃっては私も困るので、とにかくそれでは一緒の時期に支払うと、そういうことでいいですね、一緒の時期に支払う。
○政府委員(平井啓一君) 円満に問題を解決しながら、同じ時期に支払うように努力したいと思います。
○神沢浄君 一緒の時期に支払うということを私は確認をして、次に移りますが、それで文句があったらあとから言ってください。文句あるのですか。
○政府委員(高松敬治君) もともとこの問題は、御承知のように、農家経営の実態調査をやるというときに非常に反対があって、それでその実態調査に基づいての林野雑産物補償ができなくなった。それが四十二年以来いままで続いていると、こういうことでございます。そこで今回は、非常に話が古くなりますので、四十二年以降三カ年については従来の形でやろうと、それからそのあとの三年間につきましては、これから農家経営実態調査を実施して、できるだけ早く問題の解決をしたいというのが問題の出発点でございます。そこで、いま同じ時期にやるかという御質問でございますけれども、できれば私どもとしては全部を一緒にしてやりたい。しかし問題は、忍草について、その林野雑産物補償についての条件が折り合いがつくかどうか、その支払いの時期までに、ということが問題でございます。折り合いがつけば、それは直ちに支払うということになりましょうし、どうしても折り合いがつかなければ、若干それが延びるということも考えられないわけではございません。しかし、われわれとしては、何とかこの問題はこの際一緒に解決をして実行していきたいというふうに考えておる、こういうことを申し上げているわけでございます。
○神沢浄君 おかしいですね。四十二、四十三、四十四については、従前の調査で支払うというんでしょう。折り合いもくそもないじゃないですか。三カ年分については、すでにもうできておる調査で支払うというんだから。四十五年以降は、それは折り合い云々が生じてくるかもしれぬけれども、支払うには困らないですよ、二、三、四の三カ年は。ただ、私が聞いておるのは、国が何か白紙委任状をそれぞれ入り会い団体に、演対協あてに書きなさいと、そうすれば演対協の会長にその金を渡すから——これを見てください。これはひどいものだぞ、これ。本補償に関する委任事務の遂行にかかる一切の件をまかせろと、こういうことになっている。何でこんなおかしなことをやるんですかね。そうやって忍草の口でも封じようと、こういうんですか。それよりほかには考えられませんよ。もうすでに演対協から脱退をしている忍草にまで白紙委任状を書けと。忍草の人たちはそんなだらしない人たちじゃないからですけれども、金でもほしくてもうしょうがないということになれば、いままでのいきさつもあるけれども、頭を下げて演対協の会長のところへ行って、白紙委任状を書いちゃって、お願いしますなんということを通じて忍草をもう一度押えつけようと、こういうようなねらいでもなければ、こんなおかしなことをする必要はないんですよ。受給資格者は入り会い団体なんだから、国が方針をきめたら、入り会い団体あてに直接払えばいいじゃないですか。わかり切っている簡単な道理じゃないですか。それにもかかわらず、演対協の立場を尊重して、政府側がそうやるんだと、こういうことであるならば、それじゃ演対協に加盟をしていない忍草だけは抜きにして、演対協加盟のところへだけ先に払うなどというようなことをしますかと言って私は聞いたわけです。そしたら、それは一緒の時期だということでもっていま確認をいたしましたから、その表現でもいいです。一緒の時期に支払うということであればいいですが、そうしたら、今度また施設庁の長官が何かいちゃもんをつけたようなかっこうというわけですね。しかも、そのいちゃもんの内容というのは、折り合い云々と、こういうことなんです。私は何としてもわからない。四十二年以降のものをある調査に基づいて二、三、四、三カ年は払うというんだから、折り合いも何もないじゃないですか。その調査でもって払えばいいじゃないですか、忍草組合には直接に。どうなんです。
○政府委員(平井啓一君) 四十二年度以降のものにつきまして、今日までのものをどう処理するかということで県なり演対協とお話ししております過程で、四十二年から四年までの分は従来の算定方式を基礎として支払いを進めます。それ以降のものについてはさっそく実態調査を行ないます。この二つが一緒になってお話し合いの中身になっているわけでございます。その二つの問題を合わせて皆さんの御理解を得た形で進めたいということで、いま、今後の調査の問題についても忍草のほうとも話し合いを進めさしてもらっているわけです。 それから四十二年から四十四年度までの分は従来の算定方式と申しておりますが、それは、主としてそれを基礎としておりますが、しかしながら、その中には変動要素としてつかみ得るものもあるわけでございます。たとえば稲わらの単価だとか運賃等につきましてその後の変動の要素等もあるわけでございます。そういったものにつきましては、その変動した数値をできるだけ早くつかんで算定の基礎に入れる。それから今回四十五年度以降の調査の中身にもなります実態調査、これにつきましては一応その調査を待たなければなりませんので、それまでの分はそのままにしてお払いしようと、そういうことで考えているわけでございます。
○神沢浄君 ぼくは二時間という貴重な時間を約束をしてあるんですけれども、さっきからもうわかり切っているような答弁を繰り返し繰り返し、はなはだ迷惑ですね。まあいいです。だから、同じ時期に支払うということを再度確認をして、これはここでおきましょう。 そこで、次の問題へ移りたいんですが、その前に、大蔵省来ていますか。大蔵省に一言聞いておきたいと思うんですが、いまの林雑補償の支払いの扱いにしてもそうですし、それから先ほどのいわゆる四十七年度二億五千万が一ぺんに十億にもふくらんでしまうという、こういう問題についてもそうなんですけれども、私はこの基地、ことに北富士演習場関係についての金の使い方というものについては非常に疑点が多過ぎると思うんですよ。何か金でもって地元の住民を、ないしは多少なり政府の考え方に協力しないような者を金で押えつける、金ですべて片をつけてしまう、そのためにはもう法律の定める限度でも何でも、こじつけてでも拡大解釈をしてやってのける、こういうような傾向が非常に感じられてなりません。まあこういう問題はまたあとから——きょうは時間がないからだめですけれども、いずれあとの機会に、もう民生安定事業の内容その他等についても詳しくやりたいと思っておりますが、きょうはおきますけれども。 そこで、大きな問題として、こういうようないま論議の中でもって幾つか指摘をいたしましたが、こんなものは氷山の一角です。こういうような情勢がある以上は、大蔵省もやっぱり財政上の管理の責任からしてこれは調査ぐらいしてみる必要がありますね。調査ぐらいはしてもらわなければ、これは行政というものに対する信頼がなくなっちまいますよ。どうですか。大蔵省の所見をひとつお聞きします。
○説明員(宮下創平君) お答え申し上げます。 四十八年度までの予算計上のことにつきましては、計数的な点にわたりましては省略さしていただきますが、この種の経費について大蔵省が調査してはどうかという御意見でございますが、大蔵省としては会計法のたしか四十六条で監査権限を持っております。予算の執行が適正かつ効率的に行なわれているかどうかということにつきまして監査の権限を法律上与えられてございますので、必要があればそれに基づいて調査をすることは可能だと考えております。
○神沢浄君 まあ、いまに必要があるようにいたしますからね、ひとつ厳正にやってください。 環境庁の長官がお見えいただいたようですから、そちらのほうへ移りたいと思います。 実は、北富士問題について、長官、いままでずっと論議をしてまいりました。私がその論議を通じて特に感じますのは、この間予算委員会の際に、上田、足鹿質問の中で取り上げられましたあの覚書というのがあります。北富士の県有地を継続使用するために、国と県との間でもって取りかわした覚書なんですが、この覚書の中の一、二の点についていま論議をかわしてみました。そういう中から私どもがはっきり感じとれるのは、日本の政治がいかに軍事優先に傾斜をしているかと、こういうことだと私は思うんです。しかも、その目的のためにはすべて金で解決をする、こういうやり方がとられているわけであります。覚書の中のおもなる条項というのは、できもしない国有地の返還を約束をしております。これはごまかしであります。第二に、民生安定の事業のワクの拡大をする。これはなるほど、いま聞きましたらば、昨年は二億五千万だった、ことしはそれを十億に広げる、こういうんであります。それで、いまその理由を聞いたんですが、はなはだ不得要領のうちに終わっております。これはあとから機会と時間を新たにして明らかにしていきたいと、こう思っておるわけであります。懸案の林野雑産物補償の扱いを聞きましたけれども、これまた実に政府側の一方的な措置でもって、入り会い団体、いわゆる受給資格者の立場というものを無視してやっております。その無視してやっておる目的も、いわば政府があの県有地を使用の継続をしたい、やがては自衛隊への使用転換にそれを持ち込みたいということに照準を合わして、それに都合のいいような措置をつけているのが実態であります。こういうふうにながめてまいりますと、あの覚書というのは、これは政府が県有地の使用を継続したいがために、そしてその前途にあるものは、アメリカ軍の演習場のために、安保条約があるからやむを得ないというようなことを言ってまいりましたけれども、その実は自衛隊が使いたいわけなんです。これは防衛庁の長官がここにいらっしゃいますけれども、それはもう防衛庁でもはっきりそうおっしゃっておるんですからね。 そういたしますと、私は、この点をまず環境庁の長官に第一問お伺いをいたしたいわけなんですが、あの覚書の中に富士保全法の制定という一つの項目があるわけであります。私はこの点について三点ばかり非常に大きな疑点を持っております。第一点は、演習場をそのままにしておいて富士保全などということが可能であるかどうかという、この点であります。これはもう遠くて長官の目にはうまく見えないかもしれぬですが、これは富士と戦車が取り合わされた写真であります。
○国務大臣(三木武夫君) わかります。
○神沢浄君 わかりますか。——これは演習場のために、富士の岳麓をブルドーザーがもう掘り返し、ひっかき回したあとの写真であります。こんなことをされますと、雪解け水のときにはいわゆる鉄砲水になって周辺の地層がきわめて危険であります。これも同様であります。こういう演習場をそのままにしておいて、はたして富士保全などということができるかどうか。聞くところによりますと、保全法の地域というのは富士を中心にして半径二十キロだと、こういうんであります。これは環境庁からいただいた地図でありますが、その地図の中へ、私は演習場をこう入れてみたんです。赤いのが演習場です。まるくなっておるのが半径二十でもって書いた区域であります。この区域のどまん中にこの赤い演習場が存在をするわけです。ここでは大口径の砲弾がうなりをあげて演習が続くわけであります。あるいは、さっき写真をごらんいただきましたように、ブルドーザーがもう掘り返し、ひっかき回すわけであります。戦車が音を立ててこの中を走り回るわけであります。砲弾の音のために、一方においては鳥獣保護だなんといいましても、もう鳥も小さなけものもみんな逃げて行ってしまうわけであります。こういう実態をそのままにして、一方において、建物を少しばかり高くしてはいけないなどという規制をしてみましたり、車はこれ以上乗り入れてはいけないなどという規制をその他の地域にしてみたところでもって、これはとうてい富士保全とは私は言えないと思うわけであります。その点が一点でございます。 さらには、私は、環境庁が生まれ、そして環境庁長官というその大臣が生まれ、これはいままことにほしいままに大企業などをはじめ自然を破壊し環境をぶちこわし、そういう中でもって国民の命や健康の問題がきわめて重大な問題化をし、まあ人の命は地球より重いというようなことばもありますが、いま日本の政治の中でもって何が第一義かというと、国民の命を守るという環境政策、これだろうというふうに私自身は考えているところであります。にもかかわらず、その第一義的であるべきところの環境政策が、これがほんとうに演習場をなくしちゃって、そうして富士を、霊峰富士の名にふさわしく、ほんとうに国民の渇仰するところの、いわゆる国の象徴にふさわしいものに保全をしようという法律なら、それは私なども、それこそもろ手をあげて喜びます。国民の大かたの皆さんもそうだろうと思います。ところが、その第一義的に人の、国民の命が尊重されなければならないはずであるところの環境政策が、覚書を審議をする中で明らかになってまいっておりますように、あそこを演習場として存置し、しかも自衛隊の使用にゆだねようとする、その軍事目的のために道具にされるというこのことが、私は何としても許せぬ気持ちであります。ふんまんやる方ない気持ちでございます。 この前、予算委員会の質疑応答の中でもって、長官はこう言われました。演習場の存在などは好ましくない、こう言われました。私はある種の感銘を覚えて聞いたわけであります。それとあわして、しかし安保が存在をすることにおいてやむを得ない、こうも言われました。私どもは安保に反対でありますが、しかし、安保が存在をするから、そのために国際信義上の問題もあり、日本側の義務もある。こういうことについてでは、その意味においての説得性というものもあると思います。しかし、何でしょうか、自衛隊が使おうというのであります。あの覚書は自衛隊の使用転換を目的にしたものであります。そんなものに貴重な日本の国民のための環境政策というものがお先棒をかつがされる、道具にされるなどというこんなことは、私は絶対に許せぬことだと考えるわけであります。演習場問題を抜きにして富士の保全はないということと、環境政策が軍事目的のために軍事政策の道具にされてしまうなどといういまのまま、あの法律が出てくるとすれば、これは富士保全法でなくて北富士演習場保全法ですよ。北富士演習場を存続させるために、その取引の代償の一条件として出すわけだから。こんなことは許せぬじゃないですか。私は、その点についてまず長官のお考えを聞きたいと、こう思うんです。
○国務大臣(三木武夫君) 私も、神沢委員と同じように、でき得べくんば、演習場のないような富士山という——日本の象徴的な地域ですからね、日本人の。それは演習場のないようなそういう一つの環境にすることが好ましいという考え方を持っておるわけであります。そういう点では、何とかこれは返還できないだろうかという防衛庁にも話をいたしたのでございますが、どうも演習するのにあれだけの広い代替地というものが容易に見つからないということで、この問題は時間をかすよりほかにはない。そうなってくると、これはまあ神沢さんとわれらの立場、安保条約というもの、自民党は、政府は、これを認めておる立場でありますから、これは立場上違いがあると思いますが、そういう現実の上に立って、しかも日本人の象徴的自然環境、この富士というものの環境をどのようにして保全していくかということは、これはきれいさっぱりとなれば、私はそれはやっぱり理想だと思うんですが、そのことができないという現実の上に立って、できる限り環境保全にふさわしいような整備をしていくということが、せめても与えられた条件のもとにおける環境庁の仕事であるということで、いまそれに関係をする法律案を用意いたしておるわけでございます。まあ、いろいろ御批判もあろうと思いますけれども、そういう現実の上に、現実を踏まえて環境保全のために最善を尽くしたいというのが環境庁長官の立場でございます。
○神沢浄君 いまの長官のお答えですけれども、もしあの覚書から始まったような発想の動機と経過がなしとして考えるならば、現実的にそういう考え方というものにも一つの共感するものは出てくると思います。ところが、そうでないところに私は非常に重大な問題を感ずるんです。保全法が環境庁から、いま長官がおっしゃられるような独自的な発想に始まっているんじゃなくて、さっき二階堂長官も、いろいろここでもって論議もあって、もうすでに出られちゃったんですけれども、二階堂長官と山梨県知事との間にあの演習場を暫定的に使用するための覚書というものが取りかわされて、その覚書の中に保全法の制定というものが一項目ありまして、それが動機になって今日の保全法提案と、こういうことになるわけです。これはどう考えましても、やっぱり覚書の一項目を、それを実現するための法案提出ということ以外にはこれはないと思うんです。だから、そういうことの結果は何かというと、これは繰り返すようでたいへん恐縮ですが、やっぱり演習場を存置するための保全法だということにこれはならざるを得ないわけでありまして、そんなことを私は環境庁がさせられるというところに、これは日本の政治の大きなゆがみを感ずるんです。そういうものをこそほんとうに身をもって防いでいただくのが、立ち向かっていただくのが、国民の命を守るための環境政策であり、私は環境庁長官ではないかと、こう思うんです。ことに三木長官の場合は、世間で言っておりますように、田中内閣の良心です。その良心を国民が失望してしまったら何が残りますか。私は笑いごとじゃないと思うんですよ。国民は政治を信頼しないようにならざるを得ないでしょう。これは重大なことだと思うんです。できますならば、ここでもって、さっき何か二階堂長官の説明では、三十日に、あしたですね、三十日に何か閣議でその法案をきめるんだそうですけれども、まだ間に合うわけですから、ぜひひとつ勇気をふるって、こんな法案提出は見合わせにしていただきたいと、こう思います。 ついでにお聞きしておくんですが、この前、予算委員会の論議の中で、演習場も保全地区の中に含まれると、こう長官御説明になっておりました。そうであるとするならば、今度はこの保全法が出れば演習の規制ということが、たとえばほかの、地区の建物の規制をしたり、車の乗り入れの規制をしたり、あるいは国民の行動上の規制をしたりするような規制ができるんでしょうか。その点もひとつあわせてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、何とか返還を求めたいと思ったのは、国立公園の中に入るわけです。約二千ヘクタールぐらい入るんですか、今度は二百十ヘクタールぐらいは返してくれたわけです。そういうことで、演習の規制ということはできませんけれども、工作物に対しては、これはやはり国立公園の中ですから、これは規制をいたしていくつもりでございます。しかし、演習それ自体に対して規制をすると、そういうふうなことはできませんが、環境に対して、いま言った施設等に対しては十分な規制を行なっていくつもりでございます。
○神沢浄君 同じことを繰り返してもしようがないですから、やめておくんですけれども、私が訴えたことは、ただ一国会議員の私だけの気持ちではありません。おそらく国民の大半の方たちは同様に考えておられると思うんであります。私は日本の政治にひとつ良識を望みます。環境政策までが、どうも軍事優先の演習場を存置するための道具にされてしまうなどということになっちゃったんでは、私は日本に政治が失われてしまうと思うんであります。一方においてシビリアンコントロールなどということを言うんですけれども、どこに文民統制の実体があるんでしょうか。しかも、あの北富士演習場というのは、御承知のとおり、昭和十一年、十二年、十三年という当時、旧陸軍が買い取ったものであります。買い取ったと言えば表現はよいですけれども、サーベルをがちゃつかせてそうして取り上げたものなんです。問答無用の時代でした。そして今日まで、あの住民との間に長い間の確執や紛争が続いておるんです。そのためにあの周辺の住民は非常に大きな迷惑や不幸をこうむってきておるわけです。昨年、民法の六百四条の問題が、これも長い間の戦いでしたが、やっと政府の認めるところになって県有地が戻ることになりました。しかし、それもわずか一カ月のつかの間にまた取り上げられているわけです。それも最初はアメリカとの条約があるからやむを得ないということで、日本国としての義務だからというふうなことでもって、またやむを得ないかもしれないというような気持ちでもっていた向きも多かろうと思います。しかし、いまあらわれてきているものは何でしょうか。自衛隊への使用転換であります。こういうことばは語弊があるかもしれませんけれども、日本の新陸軍であります。かつて軍国主義時代に旧陸軍に取り上げられた北富士演習場が返ってきたと思ったけれども、つかの間にして、また日本の新しい陸軍が取り上げてしまうという、こんなことは私はしてもらいたくないんです。日本の将来のためにも、新しい憲法のもとに私ども国民が待望する日本の政治のためにもこんなことは是が非でも私はやってもらいたくないです。そういう観点からいたしましても、最後に私は、環境庁長官の御答弁をいただいてこの問題については打ち切ろうと思いますけれども、長官、勇気を出して、あしたの閣議でがんばっていただけぬでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 神沢委員との間にいま防衛政策に対していろいろと意見の相違がありますから、なかなか御納得のいくことはむずかしいとは思いますが、私はこういうふうに考えているんですよ。 これはいろんな動機はあったでしょうが、環境庁が環境保全に関しての提案をし、これを法案の実施に対して責任をもっていくわけですから、そういう条件のもとでやはり環境の、富士環境保全のために今後この法案というものの御審議を得て、国会で通過いたしますれば、この法案の実施に対してはもう環境保全という見地に立ってきびしい態度でこの法案というものを実施していきたい。それは、そういう必要は現にあるんです。半径二十キロというところでは、ああいう富士山という日本の象徴的な地域ですからいろんな乱開発も行なわれるし、たとえばいろんな公共的な事業などもやらなきゃならぬものがおくれておるような面もありますし、したがって、根本の点については神沢委員との間に違いがあるが、われわれに与えられておる条件のもとで富士の環境をできるだけりっぱな、国民のみな気持ちの中にも富士山というのは特別な気持ちの中で生き続けておる地域でありますから、それにふさわしい環境の整備をやっていこう。したがって、その富士山という環境にふさわしくないような開発は認めない、ほんとうのやはり国民の気持ちの中に生きておるような富士の環境を保全するためにこの法律というものを運用をしていきたいというのが私の真意です。ただ、何かこの演習場を保全するために一方において環境保全のための法律案を出したという、そういうふうな、いろんな動機はあったにしても、この法律を提案し、これを実施するときには、そういうふうな考え方でこの法律を運用することは絶対に許さない。環境の保全ということで与えられた条件のもとで、最善を尽くしたいというのが私の心境でございます。あしたは勇気を出してこれをつぶせという御提案であったけれども、勇気を出すのは、環境保全のための勇気を出していきたいという考えでございます。
○鈴木強君 関連。 いま田中内閣の良心だと言われた三木長官のことばですけれども、たいへんな矛盾を感ずるんですね。いまあなたのおっしゃったことが、実際にいままで私たちがおたくのほうともいろいろ折衝し、聞いてまいりました中で、一つ矛盾を感ずるのはこういう点です。国立公園法によってかぶせられない地域がいま乱開発をされている。したがって、そこに頂上から二十キロの部面をこの法律によってかぶせるんだということ。ところがその中に演習場がありますね。演習場の中で、いまあなたは、建物などを建てる場合にはこれは規制できる。しかし、いまこの写真をごらんになればわかるように、米軍があそこで火炎放射機を持ってきて草木を焼き払っています。そのために火事が起きる。大砲をぶっ放す、そのために火事が起きる。富士のすそ野の自然は極端に阻害されているわけですね。破損されていくわけです。そういうものに対して、富士の自然を保護し、環境を整備し、保全していくというのがこの法律の精神であるとするならば、米軍があそこでむやみやたらに傍若無人な演習をすることに何も手がつけられないということであれば、あなたが言っている富士保全ということはできないですよ。そういう大きな矛盾というものをはっきり持ちながら、ことばの上では環境保全のために政治的生命を果たすというそのことを知りたいのですけれど、大きな矛盾を持ってそういうことを言われましても、私たちは、何だ、ごまかしをしているじゃないかというふうに端的に受けるわけですよ。だから、せんだって梅本次官とお会いしたときにも、現地から来られた皆さんも納得できないのはそこなんですよ。火炎放射機はやらせない。大砲によって火災を起こすようなことはない。もう鳥がいなくなったとか、要するに富士のすそ野というのは明治陛下も何回かあそこにいらっしゃっておりますけれども、あそこには無限の野鳥が住んでいるのです。そういうものがどこかへ姿を消してしまっているという、これを守ることこそ三木さんのいまの言われる趣旨じゃないですか。それが守れないじゃないですか。そんな矛盾撞着したことを言われましてもわれわれは納得できないわけですよ。もう少し正直に矛盾は矛盾としてその矛盾を直すように、米軍に対してもある種の規制をするというくらいなことは、さっきも私は申し上げたのですけれども、安保協議会があるわけですから、今後は富士の美観を損しないようにこの法律によって規制するというなら、これは私はある程度妙味が出てきますけれども、そうではないでしょう。私の言っているのが正論で、あなたの言っているのは、表向きは正論なんだが、裏を返せば論理の矛盾を考えながら言っていることです。どうです。
○国務大臣(三木武夫君) 私もこの演習場がないほうがいいという意見なんです。したがって、何とかこれはできないかと言ったけれども、いまは代替地もないからこれはやはり相当時間をかけなければいかぬというので、そういう条件のもとで環境保全のために最善を尽くしたいということで、これは何もごまかしではないわけでございます。そういうふうに心から考えておるわけです。ただ大砲をぶっ放すことをとめさせるといっても、演習場ですからそれはできないけれども、しかし環境の保全ということについては、その演習という目的そのものをやめろと言えばもう演習場の問題は片づくわけですから、それ以外に環境の保全に対しては米軍に対しても協力を求めたいと思っております。工作物ばかりでなしに、富士の環境を保全するために、できる限りの協力は米軍にも要請をするつもりでおります。
○神沢浄君 環境庁長官との論議はこの辺においておくことにします。まあしかし私が心から期待をしてやまないのは、やはり富士を愛し、国民のために考えるほんとうに政治家としての良心、決意というものは、これは人一倍に長官はお持ち合わせだろうというふうに信じているわけであります。まあひとつがんばっていただきたいと思うのですよ、今後ですね。 それでは私は、次に入り会い権の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。この問題につきましては、当委員会におきましても、これはもう今日まで繰り返し繰り返し論議をいたしてきておるわけでありまして、私が記録を調べたところによりますと、この委員会でも昭和三十六年からもう十年越しの論議が続けられてきているところであります。その論議の上に立って考えていくのですが、その前に防衛庁の長官にお尋ねをしたいんです。昭和三十五年の八月九日に、当時の江崎防衛庁長官から忍草区長の渡辺勇さんあてに質問に対する回答書というのが寄せられまして、その中でもって、忍草部落の梨ケ原におけるところの使用収益の入り会いの慣行というものを、これを認め、今後に対しても尊重していくという、こういう内容のものです。さらに、同様のものが、二十六日には丸山何というのですか、調達庁の長官からも再度確認をした形で出されてもおりますし、それから三十六年の九月十二日には、当時の藤枝泉介防衛庁長官から、忍草区長の天野茂美さんにあてまして、さらにその意味を強めた回答が寄せられております。それから三十九年の六月二十四日には、防衛施設庁長官の小野裕氏ですかね、施設庁長官から忍草入会組合長の天野茂美氏あてに、やはり同様の回答書が寄せられております。これは事実関係を経過的に申し上げたんですが、これはお認めになりますね。
○国務大臣(増原恵吉君) 事実関係、そのとおりであると思います。
○神沢浄君 そこで、今度は、この委員会におけるところの審議の経過ですけれども、これも歴史的に言うと、さっき申し上げたように、昭和三十六年の九月の十一日に、内閣委員会において、当時の、いまはなき人ですけれども、山本伊三郎委員からかなり詳細な点に及んでの審議が行なわれております。それを皮切りにして、今日までそれこそ数回、あるいは十数回になるかもしれませんけれども、この入り会い権の問題につきましては審議が繰り返されてきておるところであります。近くは昨年の、四十七年の四月の二十五日に、当委員会において足鹿覺委員からの質問に対しまして、島田施設庁長官が答弁をいたしております。参考までに申し上げますと、こう言っておるわけであります。島田豊施設庁長官の答弁は、「私どもとしましては、実際上の措置といたしまして、国有地、これは旧陸軍が買収した土地もございますし、調達庁が買収した土地もございますけれども、この土地に従来から入り会いの慣行があった。その旧陸軍におきましても、演習場を使用することにつきまして、特に演習場使用に支障のない限りにおいては入り会いを認めておったわけでございまして、ただ、演習に特に支障がある場合におきましては、その入り会いの実施をこれを排除しておったということがございますけれども、それに支障のない限りにおいては入り会いを認めておったという慣行がございます。したがいまして、われわれといたしましては、この慣行はあくまで尊重していきたい。したがいまして、今日におきましても、演習の実施に伴いまして入り会いの阻害がある分につきましては、これに対しましては補償をしてまいったわけでございますし、」以下云々と、こういうような答弁がされているわけであります。あわせて、同じ委員会の中でもって、これは私が質問をいたしておるわけでありますが、私がこういうふうに質問をしております。「入り会い権問題、国側の入り会い権を認めないという根拠は、これはもう私が午前中からの論議を通じて認識するところでは、大正四年の大審院判例のみを根拠にしておるというふうに受け取れますけれども、それでよろしゅうございますか。」と、こう聞いておるわけであります。これにも島田施設庁長官が答えておりまして、「この件につきましては、今朝法務省のほうからも御答弁がございましたように、大正四年の大審院判決もございまして、その後これをくつがえすだけの新しい判例が出てきておらない。したがいまして、この考え方はその後も継続的に国としては持っておる、こういうことでございまして、私どもの国有地の入り会い権の問題につきましては、けさも申し上げましたように、大審院の判決を根拠にしておるわけでございます。」と、こう答弁をされているわけであります。このようなやりとりはその後もしばしば行なわれているのでございまして、それに対して足鹿覺委員からの要求もありまして、政府の統一見解なるものを出されました。その公式統一見解に対して、当委員会では四月には現地の調査なども行ないましたが、十月段階においては参考人を、これは大学の教授三名だったと思いますけれども、招致をいたしまして、その陳述も聞いております。そのような十分な審議を経過をいたしまして、その上に立って、足鹿覺委員が十月十七日の委員会の中でもって突き詰めた論議をいたした末、たしか後藤田副長官だったと思いますけれども、目下におきましては、とにかく大審院の大正四年判決というものがあって、これが司法の最高意思である。したがって、その司法の最高意思に行政府としては従わざるを得ないと思いますと。それじゃ最高意思が変わったらどうかと言った際に、変わったらそれには当然従わざるを得ないと思いますと。この旨の応答がされているわけであります。長官、いまや司法の最高意思は変わりました。去る三月の十三日に青森判決に対する最高裁の判示ははっきり出ました。国有地におけるところの入り会い権は確認されたわけであります。 こうなりますと、私は、忍草のその入り会い権というのは、さっき長官に認めていただきました政府からの、幾たびか確認をしてまいりましたところのその入り会い慣行と、将来にわたって補償するというところのこの政府の確認、さらに当委員会においての審議の経過の上から積み重ねられて、最終的には司法の意思が変わればそれに当然従うというこういう経過の積み上げからしますと、いまや忍草の入り会い権というものは自動的に確定をするものというふうに私は判断をいたしますが、その点をひとつお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(増原恵吉君) この従来の事実関係として入り会い慣行を認めておるということは、お答えをしたとおり、そのとおりでございます。そうして従来この根拠として大審院の判決を根拠としておるという御説明をしたこともそのとおりでございます。新しく青森における判決が出たことも私ども十分承知をしております。この関係につきましては、私が申し上げまするよりも、法制局長官に説明をしてもらうことが適当であると考えまするので、法制局長官から御説明をさせていただきたいと、かように考えます。
○政府委員(吉國一郎君) 去る三月二十二日の参議院の予算委員会でも、上田哲委員の御質問に対してお答え申し上げたわけでございますが、今回、三月十三日の最高裁の判決が出ました以上は、政府としては、その趣旨を尊重すべきことは、これは全く当然のことでございます。その当時、答弁で申し上げましたように、先般本委員会の要求によって防衛施設庁から提出をいたしました政府の統一見解の中で、同判決に矛盾する部分は当然修正しなければならないということは、去る予算委員会におきまする私の答弁においても申し上げたとおりでございます。 ところで、この最高裁の判決におきましては、非常に長いのでございますが、その当該部分を申し上げますと、「官有地に編入された土地についても、」「その編入によって、入会権が当然に消滅したものと解することはできないというべきである。」と申しまして、そのあとで、「もっとも、その後官有地上の入会権を整理し、近代的な権利関係を樹立しようとする政策に基づいて、従前入会権を有していた村民の官有地への立入りを制限し、あるいは相当の借地料を支払わせて入山を認めることとした地域があり、このような地域においては、従前の入会権が事実上消滅し、あるいはその形態を異にする権利関係に移行したものとみられるが、一方、官有地に編入されたとはいえ、その地上に村民の植栽、培養を伴う明確な入会慣行があるため、これが尊重され、従前の慣行がそのまま容認されていた地域もあり、このような地域においては、その後も官有地上に入会権が存続していたものと解されるのである。」ということを判決では申しておりまして、すなわち官有地に編入された土地について、その編入によって入り会い権が当然に消滅したという趣旨を判示いたしました前の大審院の判決と異なりまして、官有地に編入された土地にはこのような二つの形態があるということを言っております。そうして、その屏風山の実態について、官民有区処分によって入り会い権が消滅したかいなかについて、事実関係を詳しく述べまして、その事実関係に立ちまして、結論としては、屏風山については入り会い権が存続しているという原審の判決を、判断を支持したものでございます。このことは、個々の事案によりまして入り会い権が消滅している場合と存続している場合とがあるということ。それは個々の事案について判断すべきものであるということを判示したものでございます。私は先回の参議院の予算委員会における答弁におきまして、個々の事案ごとに判断すべき問題であると申し上げましたのは、まさにただいま申し上げました最高裁判決の趣旨に従ったものでございます。 そこで、本件につきましても、私どものほうは具体的な事実関係については知悉をいたしておりませんので、この北富士演習場内における問題につきましては、その歴史的経過、現在の実態などをどう認識するかについて、関係省庁によって十分なる事実認識をした上で判定すべき問題であるというのが私の考え方でございます。
○神沢浄君 まあ一般論として、最高裁のあの判決が出た以上、当然国有地上の入り会い権を認めるというのは、これは総理も答弁されておるのだから、その点はもういいわけですね。あとは、その個々だと、こう言われるのですが、私は百歩譲って、法制局長官が言う、その個々の場合の一つの個、一ケースとしても忍草の場合は、今日までの長いあの積み上げ審議のその経過の上からいっても、国がまた使用収益の慣行を認めて、将来にわたって尊重するところの確約をしておるという政治責任の上からいっても、これは明らかに認めなければならない一つのケースではないですかと、自動的にこれは確認されるものではないですかと、こう聞いているわけです。その点はどうですか。
○政府委員(吉國一郎君) 先般、参議院の予算委員会で、総理から最高裁の判決を十分尊重するということをお答え申し上げました点は、そのとおりでございます。私がいま申し上げましたのは、従来の、大正四年の大審院判決をいわば私どもは最高の権威あるものとして、その大審院の判決では、官有地の編入処分があったことによって、その官有地に編入された地域については当然に入り会い権は全部消滅している。したがって、北富士の演習場内で、従来官有地に編入された歴史的経過を持っている土地については、もう入り会い権の有無を論ずることなく当然に消滅しているんだという前提で出発をしてあの統一見解を作成したわけでございます。今度の判決では、その官有地に編入処分によって当然に消滅したということ、そのことを引っくり返しているだけでございます。したがって、個々の事案ごとに、北富士の中にどういう地域があるか、私はその事実関係は存じませんけれども、その地域ごとに、これがこういう歴史的な経過があって、こういうことでこうなっていると、この地域はこうこうであるということを具体的によく実態認識をいたしました上で、その上で判定すべきものだと思います。 ただいま神沢委員の御指摘のような、国会での審議のやりとりがあったことは、そのとおりでございましょうけれども、それだけで直ちに入り会い権ありと断定することができるかどうかは、私には直ちにお答えはできないと思います。
○神沢浄君 まあ、時間の関係もございますので、本来ならば、この際、法制局長官との間に少し論議を深めなければいけないと、こう思っているんですが、私は率直に言って、さっきも申し上げるとおり、十年越しにこの問題については論議が積み重ねられてきておって、昨年のごときはそのために、国会の会期中であるにもかかわらず、当委員会はわざわざ現地の調査までも行ない、参考人を呼んでまで十二分な審議というものを重ねてきているわけなんです。その結果、司法の最高意思が変わればそれに従いますというところまでいっているんですから、司法の最高意思が変わったのだから、これはもう自動的にあの忍草の入り会い権というものは確定するということでなければならないと、こう思っております。しかし、いまどのケースに当たるかというようなことをこれから調べなければわからないんだと、こう言われておるのですから、時間もありませんからあとにいたしたいと思いますが、そこで委員長、お願いですが、私はこの委員会としましても、入り会い権につきましては、もう十年越しにこの問題の解決を目ざしてやってきているわけです。したがって、本日は、長官が調べなければわからないのだと、こう言っておりますから、そこでおきますけれども、これはさらに調査の必要があれば調査をする、あるいはその現地を視察する必要があればそれもいたさなければならない。さらには学者等の意見をもっと聞いて深めなければならぬということにつきましても、そのようなことをも含めて、そしてひとつ今後の審議にゆだねていきたいと、こう思うのですが、その点のお取り計らいをぜひひとつ委員長にお願いをいたしておきたいと思います。 それから防衛庁長官にお尋ねをしておきますが、そうなりますと、私は重大な問題が一つ残ると思うわけであります。これから結論は出るんですけれども、忍草をはじめ、あの北富士演習場に関連をするところの住民の入り会いの権利、私はさっきから申し上げておるように、当然これは自動的に確定するものだというふうに自信を持っております。しかし数百歩を譲りまして、いま法制局の長官が言われておるように、今後の結論に待つ、こういうことにしたといたしましても、あの住民の権利というものは、これは要するに有無がまだきまらないわけであります。私はあると思いますけれども、数百歩譲ったところでもって、あるかないかがまだきまらないわけであります。これは重大な国民の権利関係であります。それをそのままにして、私はこの演習場の問題というのを政府がかってにきめてしまうということはそれはできなかろうと思うのです。それを待って権利関係を明らかにしなければ、演習場の問題というのは、北富士演習場の問題というのは、これは政府としてもきめてはならない。これは法理上当然そうならざるを得ないと、こう思うのですが、その点を防衛庁長官の所見を聞いておきたいと思います。
○政府委員(高松敬治君) いまほど法制局長官から御説明のありましたように、今度の結果で、従来官有地に編入されたものについて、北富士の場合にはたとえばどちらの場合に当たるか、判決の言うどちらの場合に当たるかということが問題であろうと思います。それで、これにつきましては、私どももいろいろ検討し、また、従来の裁判においても、政府側としていろいろ述べておることもあるわけでございますけれども、まあいずれにいたしましても、権利であるか、慣行であるかというふうな問題になります。なりますが、ただ、それの帰着を待って、演習場についての契約なりあるいは許可なりという問題をとるということには……。
○神沢浄君 何ですか、重大な国民の権利関係ですよ。それが結論がないままに、政府といえどもかってにやるなんというわけにはいかぬじゃないですか。
○政府委員(高松敬治君) これにつきましては、鋭意検討を加えていきまして、契約締結までにはわれわれの考え方というものをまとめてまいりたいと思いますけれども、私どもとしては、従来どおり、立ち入りであるとか、補償であるとか、そういう形で実際的に問題をひとつ解決をしてまいり、そして法律的な権利であるか、慣行であるかということについては、さらにこれを煮詰めてまいりたい、さように思っておるわけでございます。
○神沢浄君 時間にはなっておりますけれども、重大なところですから。まあ、二時間余にわたっての論議の中でもって明らかなように、とにかく防衛庁、かってですよ。まあ法律でも何でも、自分の都合ではねじ曲げて拡大解釈でも何でもしてしまう。今度のこの場合だってもそうじゃないですか。法制局長官が、結論がつかない、まだこれからだと、こう言っているのです。私はそのこと自体だってもかなり文句があります。私は当委員会がちょっと愚弄されているのではないかというぐらいに思っております。このぐらい十年越しの論議を進めてきて、そして待っておるのは最高裁の意思決定だけ、司法の最高意思の決定だけ、ここまでもうきちゃっているのだから、足鹿質問に対する後藤田答弁を見てごらんなさい。足鹿さんからだめを押されて、そうすると最高裁の判決があればそれに従いますねと、行政府としては司法の最高意思に従うのが当然でございますと、こういうやりとりまでいっておるんです。それがいま出たんだから従うのはあたりまえじゃないですか。私は、それをまだ調べなければだめだなどと言っておることは、当委員会をむしろ愚弄しているぐらいのものだと、こう思うのですが、時間の関係もあるししますから、それはまあ一応今後の審議にゆだねましょうと、こうまでそれは譲歩をしておるわけであります。しかし、それはまだ海とも山とも、白とも黒ともきまらないのでしょう。国民の権利問題です。ところが、やることはどんどんやってしまうのだと、こういうのでしょう。そんな態度が許されていいですか。
○政府委員(高松敬治君) この前の統一見解につきましても、官有地についての部分の見解は、先ほど来御説明申し上げておりますように、これは修正の要がある。それから二番目の民有地に編入された土地につきましての論議というものは、私は、これはこの通りで残るんだと思います。それで問題は、判例にも指摘しております、事実上入り会い権が消滅している場合、あるいは形態を異にする権利関係に移行している場合と、それから従来の慣行がそのまま容認される場合、その二つの場合のどちらに当たるかという問題になると思います。これについては、判決後まだ日が浅くて統一見解というところまで現在まいっておりませんけれども、しかし山梨県においては、旧陸軍が買収しました当時、すでに恩賜林管理規則というものが設けられておりまして、ほかに例のないような交付金制度、あるいは部分林の設定、貸し付け契約というふうなものが、当時あそこの二千町歩の国有地に買い上げた中にはあったと、そういうふうに林野の利用形態というものがずっと変わってきております。それから、そういう点からいっても、入り会い権があの買収のときに存続していたかどうかについては、やはり疑問があると思いますし、それから民有地についてのこの解釈にありますように、旧陸軍が買収した当時は、すでに一切の権利の付着しない完全な所有権を移転すると、こういう契約をとっている。そういう点からいって、私どもがなお……。
○神沢浄君 法律の専門家がこれから調べてきめると言っているのを、何もあなたがいろいろ言う必要ないですよ。そうでしょう。国の法律の解釈をあずかる法制局長官が、これからとにかく調査をしてきめるんだと、こう言っているのを、施設庁の長官が何もつべこべ言うことないじゃないですか。ですから、私もきょうは時間がないから、数百歩譲って、そしてこの審議は委員会の今後にゆだねましょうと、こう言ってさっき委員長にもお願いをしたわけですから、施設庁の長官が自分の私見をここでもって申し述べる必要はないです。そうでしょう。法制局の長官は内閣においての法律の解釈を受け持つ長官なんだ。その長官が言っているやつを、何も施設庁長官がここでもってつべこべつべこべ私見を差しはさむということはおかしいじゃないですか。やめてください。いずれにしても、もう時間も切れましたから、さっき委員長にもお願いをいたしましたように、今後のひとつ委員会としての何にお願いをいたします。
○政府委員(吉國一郎君) 昨年の八月二十二日付で防衛施設庁から内閣委員会要求資料としてこちらに提出をいたしましたいわゆる統一見解、これは御存じだと思いますが、この中に二つ項目がございまして、一つは、「官有に編入された土地について」云々、それから第二には、「民有に編入された土地で、その後国が買収したもの」という二つを大きく分けて説明をしております。私が先ほど申し上げました大審院判決から最高裁判決に変わって云々というのは、この第一項の問題でございますから、念のためその点申し上げておきます。
○岩間正男君 関連。 この問題につまりいま反論をしたわけですね。反論があるなら出しなさいよ。そうして討論して、その結論が出ないうちはこのような強制執行はまかりならぬというのは当然だ。これは委員会の意思ですよ。ところが、あなたたちは、その見解がまとまらないのだと言ってずるずるやっている。そうして追い詰められると、これに反論を加えてくる。こういうやり方は、これは当委員会の運営というものを愚弄しているのですよ。はっきりすることは、これは国務大臣答弁しなさいよ。国務大臣としての責任において言いなさい。いまとにかく結論が出ないのでしょう。結論が出ないうちに強制できないだろう。これは常識でしょう。民主主義の常識だ。そういう立場に立って反論があるなら出せばいいんだ。はっきり出しなさい、統一見解を早くきめて。出しもしないでおって、そんないまのような小出しの答弁をやっていて反論したって話にならぬ。見解を出したらいいでしょう。そうしてここで討論して、いままでの行きがかりからいけば、当委員会は重点的にこの問題をやってきているのだから、当委員会の意思をじゅうりんしてあなたたちは強行する気ですか。そういうことはできないだろう。それだから、少なくともこの結論が明確になるまではできないという、そういう言明をはっきりこれは国務大臣はしておく必要がある。増原長官に答弁を求めます。
○国務大臣(増原恵吉君) いま施設庁長官から申し上げましたのは、やはり法律問題としてはいわばしろうとでございまするから、法制局長官が申しましたように、統一見解としての具体的なこの問題を早く取りきめてもらうということにいたすつもりでございます。
○岩間正男君 それがきまるまでは何もできないでしょうな。そうしてここで、当委員会で議論しなければなりませんよ。当委員会で議論しなければ、当委員会はそれをやらなかったら、何のためにいままであれだけの努力をしたかということになる。そうでしょう。したがって、ここに出して、それについてもう十二分にやはり討議をして、国民の前に明らかにするというのは少なくともわれわれの任務なんだ。この国会の審議権をじゅうりんして、あなたたちは一方的に強行することはできない。これははっきり明確に、その点は国務大臣として明らかにしておいてください。
○国務大臣(増原恵吉君) 法律問題としてのあれを申し上げたのでありまするが、いま協定を結ぶ、あるいは暫定協定をもう一ぺん結ぶようなことになるかもしれませんが、その問題については話し合いを、入り会い慣行というものに基づいた形の話し合いをしておるわけでございますから、これは何といいますか、強行するとかなんとかという性質のもではございませんで、暫定協定なり本協定を結ぶという形のことは、これはやらせていただくようにしたいと思います。
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。 先ほど神沢委員から委員長に対して御要望のありました件につきましては、後刻理事会において打ち合わせをいたしたいと思います。 本調査に対する午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時に再開することとし、休憩をいたします。 午後一時十二分休憩 —————・————— 午後二時七分開会
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の防衛に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○黒柳明君 聞くところによりますと、四十九年度の業務計画、その検討指示をされたやに聞いているわけですが、どのような構想を持っておるものか、内容的に。もし御発表いただけるようなものがあったらお聞かせいただきたいと思うんです。
○政府委員(久保卓也君) 通常、四十九年度の業務計画の長官指示といいますものは、四月から五月にかけて出すことにしております。今回は幾らか早目に四月上、中旬ぐらいには出したいと思っておりますが、現在私どものところで検討を進めさせております。まだ結果は私のところへ上がっておりませんが、考え方といたしましては、大筋のものは四次防できまっておりますので、主要な事業計画というものは格別出てまいりません。しかしながら、そういったいわば正面兵力と申しますか、主要な装備についてはきまっておりまするので、来年度の事業計画としましては、できるだけ着実な、そして内容を充実する、また後方部門の整備といったようなところに重点を置く、そうしてまた本年度も二法案で増員をお願いする予定になっておりますけれども、最近の募集事情の非常に窮屈な情勢も反映いたしまして、増員はできるだけ極力落としてまいりたいというような構想で考えております。いましばらくいたしますると、もう少し具体化されると思います。
○黒柳明君 長官、省力化構想というのがあるということですけれども、いまのこれは充足率については前からいわれていることですけれども、それに伴っての問題、あるいはこれからの四次防、あるいは国会における防衛二法の審議に伴っての増員計画、これが二年間ストップになっておるわけですけれども、それに伴っての構想だと思うのですが、その省力化というのは、いまの時点においてどんなことをお考えになっているのか、これもまたお聞かせいただける面があったらお願いしたいと思うんですが。
○国務大臣(増原恵吉君) 四次防では、いまちょっと防衛局長も触れましたが、増員の困難性というものを私どももいわば深刻に受けとめまして、仰せの省力化については、管理部門や補給、整備部門の整理統合によるもの及び業務の機械化、自動化、それから雑務的なもの——にも限りませんが、部外への外注委託等によることのできるもののほか、装備品についても、火砲の自走化、そして護衛艦がだんだんもう更新をされる時期になってまいりましたので、護衛艦の更新に際しては、操縦系統の集中化などによる省力につとめていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○黒柳明君 海幕ではもうそういう省力化委員会なるものが発足して、相当人員の合理化というものが進んでいるわけですか。
○政府委員(久保卓也君) これは海、空もそうでありますが、特に陸は、定員が昔から十八万という目標計画を立てておりまして、将来もそれが変わらないという観点からいいまして、陸の系統が一番進んでおります。そこで、いま長官が申されたわけでありまするが、二、三例を申し上げてみますると、たとえてみますると、陸上自衛隊の施設関係の部隊で、いま施設群と、それから建設群というもののほかに、野整備隊本部というものがございますが、そういったものをたとえば施設団に統合するということで司令部要員を相当数浮かす。あるいは施設部隊の器材を相当数導入することにいたしております。これは今回の四次防の一つの特徴でありますが、その反面、器材によって施設能力というものがだいぶ向上いたしまするので人員を省ける面が出てまいります。それから今度の四次防の中でも出ておりまするけれども、火砲の自走化、つまり自分で引っぱっていく、自分で動いていくようにするわけでありまするが、そういう自走化によりまして要員が若干減ってまいります。たとえば一〇五ミリのりゅう弾砲というのは、従来は牽引式でありましたが、その場合には十人の要員が要ったのが、それを六人に減らしていくというようなのがございます。それから外注ということをいま言われましたが、武器、施設、通信、需品、その他、部分的に整備などについての外注を行なってまいりたい。 それから海上自衛隊についていまお触れになりましたので、若干例を申してみますると、たとえば艦艇でいいますると、機関室の機関関係を自動化していく、あるいは集中制御をするというようなことで機関関係の要員を減らしてまいるというようなこと、それから潜水艦なんかで見ますると、潜航操縦装置というのがありますが、これを自動化し、かつ集中化していくというようなこと、それからやはり同じ艦艇の中の操縦関係、監視装置の関係、こういったものの自動化というようなことをはかってまいりたい。艦艇における自動化の推進による要員の節減というのは、世界的な傾向として各国も努力しておるところでありますが、われわれもそういった方向でできるだけ省力化を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○黒柳明君 これはますますこれから新規の採用なんか不可能だろうと、六十年まではちょっと見通しがないと、充足率も横ばい、ないしは低下になるではなかろうかと、こういう面もありますし、先ほど私が指摘したような増員の面もあるでしょうし、今後の情勢を踏まえての、いまおっしゃったような人手を省くと。省けない面というふうなものはどういう面なんですか。省ける面と省けない面というのは。
○政府委員(久保卓也君) 一般的に申しますると、機械を使っておる分については、これは省ける面が——これは機械の設計その他によって違ってまいりまするけれども、そういう点がある。それからもう一つは後方関係。それと、特にこれは外国でも問題になっておりまするが、いわゆる雑務と申しますか、たとえば営内で掃除をする、それから厨房——食事の関係をする、あるいは警備関係をするといったような、そういう後方関係、いわば、雑務ということばはよろしくありませんけれども、そういった部門の面は、これは相当省けるのではなかろうか。ところが一般の、特に陸なんかで省力化が非常にむずかしいのは、普通科の部隊ですと、人そのものが言うならば装備といいますか、戦力といいますか、そういうものに当たりますから、この点はなかなかむずかしい。それから航空機にいたしましても、現在のところ、一機当たりパイロットのほか整備要員その他が非常に厳密に計算されて、一機ふえれば何人つくということになっておりまするけれども、従来からもこの点はぎりぎりにしぼられておりますので、この点の節約というのはなかなかむずかしいというようなことであろうと思います。
○黒柳明君 そこで、私疑問に思いますのは、陸、海、空の定員充足率、これは絶えず数字として出ているのですが、たとえばその歩兵なら歩兵、この充足率、これはもう一番低いやに聞いております。七〇%台であろうと、あるいはぎりぎりであろうと、そういうものについては、もうすでにある意味においては人員不足、省力化する余地がない。これと反面、今度は三次防の時点考えても、やっぱり定員だけの武器はあるんじゃないでしょうか。まず一つの歩兵部隊について考えましょう。どうでしょう、この点。
○政府委員(久保卓也君) 歩兵は、われわれ普通科の部隊と申しておりまするが、普通科の部隊は全部持っております。のみならず、いまちょっと私の記憶にありまするのは、戦車を除いてはこれは火砲などは米軍から供与を受けたものがだいぶありますので、後に新しいものを、たとえば対空火器などを整備してまいりますると、若干ずつ余裕が出てくる、一部以前返したものもありまするけれども。したがって、戦車などのように一部のものを除いては、十八万定数というものに見合うだけの装備は持っております。ただし、たとえば小銃でありまするとか、機関銃でありまするとか、数は定数どおり、あるいはそれをこえて持っておりまするけれども、新しいものにいま切りかえておるわけでありまするから、その新しいもので定数どおりにはまだ至ってはおりません。
○黒柳明君 まあ、新旧いま交代する時期ですからね。たとえば歩兵が一個中隊二百有余名いると、現実が百三十か百四十だと。訓練についても非常にそれなりの訓練法をやっている。これはいいと思うのです、充足率がないのですから。ところが、それに見合っての鉄砲、小銃、これは二百数十人分ある、こういうことですね。そうすると、いま現在、各部隊によって、普通科部隊によって、その充足率若干違うと思いますけれども、全体的に見ますると、相当この小銃が余っている。これは間違いありませんですね。その余っている数、どのくらいあるのですか。
○政府委員(久保卓也君) 小銃で見ますると、定数が、現在十八万体制の中で小銃が十六万五千ばかりが定数になっておりますけれども、そこで余っておりますのが、これは四十七年度末でありますが約七万丁分であります。ただし、このうち予備自衛官の分がありますので、それを差っ引きまするとさらにその半分ぐらいが一応余っている。ただし、もちろんこれは米軍のものが現在で十一万ばかりありますので、その分を含めての話であります。
○黒柳明君 七万、予備自衛官がいらっしゃる、しかし予備自衛官の義務である定期的な訓練にも昨年二割、あるいはそれ以上出てこない、こういうことでありまして、それで現場に行きますとこういうことを言うのですよ。余っているからおっぽっておくわけにいかないというわけです。これは当然でしょうね。整備しなければならないから、油を塗らなければならない。そうすると、どうしてもいまいる人がそれをやるわけです。十六万の七万、一人で二丁と考えればこれは簡単なことですよ。だけれど、数の上でいきますと、いわゆるヘビーなスケジュールの中で自分のものじゃないのを一生懸命やっぱりめんどうを見なければならないという必然性が生まれてくるというのです。こまかい問題みたいですけれども、私はいま普通科連隊だけとったわけです。それからいまの鉄砲のことでなくて、普通科連隊のことではなくて、それじゃ全体的な武器の中、兵器の中で、そういう余りという数字つかんでいらっしゃるのはどのくらいあるんですか。
○政府委員(久保卓也君) 定数とそれから現在の保有数で見ますると、差し引きがちょっとここに出ておりませんが、たとえば機関銃で見ますると約四百丁、それから小銃擲弾器で約二千、それから八九ミリのロケット発射筒で約四百、それから一〇六ミリの無反動砲これで約三百、以下若干まだ例もございます。
○黒柳明君 これから四次防の重装備になると、また問題は違いますのでね、これは分けて考えたいと思いますがね。そうすると、定員が明らかに充足できない、だからこういう構想化するわけでしょう、省力化という問題。さらに重装備に対してはもっと構想を考えているわけですね、訓練教育。そうすると、いま現在でもそういう余りがある。全体的なトータル、私はわかりません。それはいろいろあるのですけれどもね、余りがある。そうすると、明らかに充足率が足らなかろう。まして今国会においてあの防衛二法がまた廃案になり、また来年度の選挙で政局がちょっと、若干変わりますと、局面が、さらにその増員というのはむずかしくなるであろう。だからこういう構想をいま打ち出し考えているわけですね。ですけれども、それに先行して、すでにもう兵器というものは相当数ですね、極端に言えばですよ、極端に言えばこれはむだ金ですよ。何もこんなものを使うことを是としているのじゃないです。定員に見合った武器をはたしてつくる必要はあるのか、今後の問題。定員に見合った武器をつくって絶えず置いておかなきゃならないのか。なぜかならば、定員に見合ったものが、定員に見合わないという前提がある程度あって、こういう構想化が始められているのじゃないですか。そうなると今後兵器についても、定員は歩兵部隊が二百十三だから二百十三丁の銃を置く必要があったのだと、いままではそういう考えもある程度妥当であろうと思います。ですけれども、あらゆる面から考えてもう皆さん方のほうで判断されているわけです。非常にこれからの定員に対して充足率は困難であるということを先を見越していろんな手を打たれているのですから、そうするといま言ったような、いま現在すらもそういう武器の、極端に言うと、むだづかい、余っている。そんなものは使わないほうがいいんです、実戦には。だけれども、訓練しないまでも手入れがたいへんだという現場の声があるのですよね、そこまで皆さま方声を聞かれたかどうか。それはともかくとして、遊んでいるものじゃないか、今後もこのペースでつくるのかどうかということですよ。もしこういう構想を打ち出すならば、その面でも構想を当然いまの時期に並行して変える必要があるんではなかろうか。いつまでも定員だ、定員だ、定員だ、それに見合った武器だ、武器だ、武器だ、いや充足率だ、足んないんです、足んないんです、足んないんだ。これはうまくないと、六十年までも新規の募集は当然ないと、年齢的構成からいっても、だからこういう構想を打ち出すのだ、そうなれば必然的にいま言ったことも並行してこないと私は矛盾するんじゃないかと、こう思うのですが、長官いかがです、そこらあたりは。
○政府委員(久保卓也君) 私が先に答弁をいたしますが、この点は二つ分けて考える必要があると思います。 一つは、十八万人というのが定数であって、現実に持ち得る人員、つまり予算定員ではございません。そこで二次防以降十八万人体制を確立するという場合の思想というものは、いつでも人が集められ得る箱をつくっておく、定員ワクをつくっておく、それが十八万人ということであります。さらに防衛力というものが、本来有事即応であることが望ましいという立場に立ちますると、その十八万人に見合う兵器は持っておりたいという発想がございます、よしあしは一応別にいたしまして。これが従来からの防衛庁の発想でありました。そこで、大体さっき申し上げた戦車など一部を除きましては、十八万人体制としまして、十八万人に応ずる装備を持っておるわけであります。ところで、それをこえて持っておるものは何かと申しますと、当初米側から非常にたくさんもらったというものが残っていて、これは火器などは悪くならないものですから、したがって、その間新しい装備を国産で補充をしていくということになりますると、前の米側の供与品が残っております。そのものは本来ならば米国との協定の上では、日本側が要らなくなったら返すたてまえになっております。それを返しておらない。返しておらないのは、防衛庁の四次防原案のころ、予備自衛官を約六万人にする計画でおりましたが、予備自衛官をどういうふうにもっていくかというようなことが問題である。それからまたこの四次防によって装備をどういうふうに、新しいものはどういうふうに充実をしていくかということの関連がありまして、したがって、いま十八万体制をこえて持っておるもので、米側から供与されている古いものを返すことにするか、返すとすればどの程度のものにするかという検討がまだ進んでおらない。そういう二点の問題があろうと思います。
○黒柳明君 いままでの考えは、と、こういうことで、私はいままでの考えはまず百歩譲って是としてもですよ、それは了承するとしても、これからの考え、だからこういう構想を打ち出すのじゃないですか、いま言った省力化とか。さらに重装備についてはもっと実戦部隊を訓練教育に回わすというんでしょう。ですから、これからの考え方として国産化に移行していく、国産のものに移行していく、当然それがまた十八万になると、これは極端に言えば七万丁じゃなくてもっと遊ぶ可能性だってできてきますよ。これは歩兵だけの問題じゃないと思いますけれども、先ほどから重装備は除いてと、これからの問題としてもこういうことです。ですから、それをあわせてやっぱり考えませんと、予算は十八万の予算じゃない、そうでしょう。だけれども、定員分の兵器はつくってございます。こういうことでしょう。ですから、これからも古いものを新しいものとかえて、アメリカのものから国産にかえていく。それは定員分だけはつくっておきます。これはいざとなったときとります。私はいざとなったときにとるものがあることをクレームつけておるんじゃないのです。いざとなったときとる人がなければ、つくっておいてもしょうがないじゃないかということなんですよ。まして予備自衛官だって、私、申しわけないけれども、集まってこない状態じゃなかろうかと。こういうことで、いま一つの一番端的な歩兵普通科連隊をとっただけでも、そういう問題を並行してこれから検討しないと、ただいままでみたいな定員分だけをつくっておけばいいんだという考えではうまくないじゃないでしょうか。それが私はこの構想にも、これからの構想にも当然相マッチして出てくる問題じゃなかろうか、こういうことを言っておるのですけれどもね。
○政府委員(久保卓也君) いま一般論を私は申し上げましたが、具体的な問題としましては、この装備の定数というものは一定不変のものではございません。したがって省力化が行なわれ、また部隊の改編、合理化が行なわれる過程におきまして、この装備の定数というものは常に見直されます。ですから方向としては、いま先生の言われましたような方向で進むだろうと思います。
○黒柳明君 そういうことです。長官、それがあたりまえだと思うのですよ。現場に行きまして、おえらいさんとではなくて、やっぱり中堅クラスと話しますと、いろいろそういう実際的な国を守ろうという精神、気がまえとは別に、実際的な武器の手入れをどうするのだ、あそこに余っているのはあれはどうするのだ、一朝事あったって使う人がいないのになぜ置いておくんだという、そういう意見もあるんです。それに対して私はいま、そういう相当長期的にこれから四次防、重装備を含めて、人的配置というものを考えるならば、それと並行して、いま局長がおっしゃったように、いま持っている武器も当然人員と見合って、むしろ定員のワクだけつくっておくんだということではなくて、これしか来ないものを余分につくる必要はないじゃないか。当然見合ってダウンすべきじゃないか、こういう方向にいかなければおかしいと、こう思うのですが、いま局長が答弁されたんですけれども、どうです、長官。
○国務大臣(増原恵吉君) 局長が答えましたように、基本的な観念で、仰せのとおり、いま一番顕著なのは小銃だと思いまするが、大体これは米軍から供与を受けたというふうな形で定数たっぷり持っておる。若干ずついま新しい国産で補っておるという形でたいへん目立つわけですが、しかし、これは省力化ということを一方においては進め、同時に部隊装備としても十分その点は見直しをしていく。ただ、定員というものはもう充足できないにきまっておるんだという黒柳委員の御前提は、私どもいまたいへんむずかしい時期であるということは重々承知をしておりまするけれども、これはなおそういう採用についてのあれは、定数を合理化するとともに、やはり必要な定数は確保するようにいろいろ手段を講じていくということでまいりたいと思いまするし、そしてまたこの何か望ましいことでは決してありませんけれども、いわゆる有事という際における緊急補充ということはある程度のものは考え得ると思いまするので、そういう点をやはりある程度考えた上で、基本的にはいま御指摘になったようなことでこれから考えてまいります。
○黒柳明君 たとえば、こまかいことですけれども、局長ですね、重機関銃、あれは整備するのにどのくらいかかりますか、時間的に。
○政府委員(久保卓也君) 残念ながら、私は存じておりません。
○黒柳明君 いま機関銃が四百丁とおっしゃいましたね。数は多いですよ、人手は、だけど自分の分担は一丁なんですよ。これ五人つくのは一丁なんです。人のものまで、遊んでいるものまで銃器の手入れするなんていうことは、いまの若い人は考えないんですよ、そんなものは。これはやっぱり義務でしょう、責任でしょう。まあ変なことを言えば、そのためにお給料をもらっているんですからね。もらっているんですから、変なことを言えば。それは義務でしょう。だけど、遊んでいて自分で関係のないものまで手入れさせるとなると、いまの若者おこりますよ、これは。おまえたちは国土を守るために志願したんだろうと、そのためにきちっとしたサービスも待遇もしているんだろうと、いくら言ったって、自分の守備範囲ならいいですよ。が、何やってんだ、そんな遊ばして、なんということがあるということもひとつよくお考えになって、それで、いま私の言った意見ね、頭に入れていただいて、いまこの構想化とともに、兵器というものも、当然定員の十八万だけ鉄砲を充足しておきゃいいんだ、機関銃を持っておきゃいいんだという考えが、現場に行きますと、手入れ一つとっただけでも不満が非常にあるということも、これはもうこまかいことで申しわけないですが、私は現に耳に入れたことなもんですから御忠告しておきたいと思います。 そこで、先ほど言ったこの省力化の問題。一つは機械化、一つは民間委託。いま民間委託というのはどんなものがあるんですか、現時点で。
○政府委員(高瀬忠雄君) これは現在まだやっておりませんけれども、四次防の一つの構想といたしましては、たとえば、さっきちょっと話が出ましたけれども、さらを洗ったり、それから一般の草を取ったりする雑作業、こういったものは隊員は必ずしも希望しない仕事でございますので、これはいわば本来の教育訓練とは直接関係のないことでございますし、そういった隊員のいろんな希望なども勘案いたしまして、四次防の期間中で若干そういった部外委託の部分をつくっていこうということで、とりあえず四十八年度におきまして、たとえば先ほど申しましたが、食器の洗浄の部外委託とか、それから給食業務、これは食事を支給する給食業務の機械、あるいは草刈り機等を購入するというようなことで省力化をすると同時に、一部、先生の御質問のこの部外委託というような要素も入れまして、そうして隊員の負担を少なくしていこうというようなことを考えております。
○黒柳明君 現在は、さら洗い、草刈り、あるいは洗たく等も入りますかね。この次は、草刈りあるいは給食、もうほかには構想はないんですか。現時点において民間委託ができるであろうと、こう考えるような部門というのは、いまおっしゃったような二、三点ですか。
○政府委員(久保卓也君) いま人教関係で申し上げたわけでありますが、そのほか後方関係で、たとえばこれは空の例で申しますと、航空自衛隊の例で申しますと、補給処におきまする処内整備、それから一般車両の整備、それからこれはフライトシュミレーター——航空機のパイロットの飛行訓練をやるシュミレーターの整備、こういったものを部外に一部委託しようと。それから陸の場合に、たとえば車両のエンジン類、それからブルドーザー、そういったもの、それからコンプレッサー、そういったものの整備についての外注ということを計画しておるようです。
○黒柳明君 いま両局長おっしゃったようなことは、相当これはもう検討の段階でしょうけれども、長官としては、実行に移していきたいと、こういうお考えでしょうか。
○国務大臣(増原恵吉君) 申し上げたうちの一部は、四十八年度にも実施するように考えておりまするが、逐次いま申したようなものは実施に移していくつもりでございます。
○黒柳明君 それで、その場合にいろんなネックが考えられるし、問題点が考えられると思うんですが、これももうすでに実施する方向だということが断定、決定ですから、そうすると、もうすでにそれについての問題点も当然検討されてしかるべきだし、検討されていると思うんですが、考えられるそういう業務を民間委託した場合に、どういう点がやっぱり注意しなきゃならないか、心がけなきゃならないか、考えている問題だという点はどんなことでしょうか。
○政府委員(久保卓也君) 実はこの分野はアメリカでも非常に問題になっておりまして、いわば古いタイプの方と新しいタイプの方との思想の相克があるようであります。古いということを悪いという意味で申し上げているわけではありませんが、といいますのは、旧軍でもそうでありましたが、掃除をする、警備をするということ自身が訓練であり、規律を厳正にしていく手段であるというような発想がやはり今日でも残っておるようであります。そうでなくて、そういったものはいまの若い人たちには合わないんだということで、できるだけそういうものを外に持っていきたいというのが、両方の意見はありましたものの、アメリカのいま動いている方向でありまするし、日本もといいますか、自衛隊もそういうことで踏み切ったということであります。そういった一つのものの考え方の問題がございます。 それからもう一つ、私は整備の関係で申したわけでありまするけれども、本来、大きな整備はともかくとして、できるだけ整備能力というものを自衛隊が持っているということ、これまた外の力をかりなければ装備の整備ができないというのも本来はまずいわけでありまするけれども、しかし、自衛隊というのは本土で防衛作戦に任ずるものである、したがって部外の力を十二分にかりられるものであるというような発想に立てば、しかもまた今日のように人員募集が非常にむずかしいというような点に立てば、部外の力をなるべく利用していいんじゃないかというようなことにもなります。したがいまして、全面的とはなかなか申せませんけれども、可能なところから手をつけて、部外に整備能力を依存していくということも考えてしかるべきであろうと、そういうようなことであろうと思います。
○黒柳明君 それに伴って、ちょっと方向違いますけれども、明年度くらいからですか、曹ですね、下士官クラス、相当停年で大量にやめる、一千名くらいになるんですか。五十歳ですか、停年は。そういう人たちを何かそういう機関に受け入れるとか、あるいはそれは全然別の構想で、また相当大量に停年でやめていくような曹クラスの千人にも余るような人たちについてどう考えているかということと、それと、いま言ったような発想と何か結びつきがあるか、また考えているか、この点はどうでしょう。
○政府委員(高瀬忠雄君) いま先生御指摘のように、四次防期間中の曹の停年で退職する者の数は千名前後で推移すると思いますし、それで、だいぶ先になりますけれども、今後ピーク時には三千名くらいのところで退職する。そういうふうに安定するかと思いますが、こういった傾向を今後十年先くらいまで見ますと推移をたどると思います。それで停年退職者、それから任期制の隊員の退職者につきましては、再就職をする場合におきまして、自衛隊で教育を受けたその成果を隊外で十分に生かすとか、生かすと同時に、これはいろいろ自衛隊の中でいま教育をしておりますけれども、そういった教育と関連するいろいろな技能、それから資格、それから経歴、そういったものと関連しますところの高資格をとらすというようなこともありますし、それからこれは最近非常に私ども重視して考えておりますんですけれども、退職時におきまして、部内でできるものはもちろん部内でやりますけれども、部外的なものにつきましては、部外のたとえば国あるいは都道府県、あるいは雇用促進事業団あたりの機関に依頼しまして、隊員が技能を身につけて退職をするというような機会をつくるということで、いろいろな技能の職種につきまして考えておりまして、退職前六カ月くらいの間は、夜間でございますが、夜間そういった職能の教育訓練をいたしまして、そうしてできるだけりっぱな教育を受けた者が隊外に出て就職ができるというような体制を現在は考えております。で、いま先生は非常に積極的に、将来どうするかというようなお話がございましたけれども、まだそこまでわれわれ人事関係としては考えておりませんけれども、少なくとも部内で教育を受けた者がしっかり部外において就職ができるという体制をつくることが非常に大事であるというふうに私ども考えておりまして、重点的に今後施策を進めたいというふうに考えております。
○黒柳明君 いまお聞きすると、十年間、ピーク時は三千人くらいと、こういうことで、停年は五十ですね、曹クラスですと。そうすると、まだまだこれこそ働き盛りもいいところでありまして、えらいさんなら天下りということもありますが、それもできない。しかも子供ももう高等学校でちょうど教育負担もかかると、それが千名から三千名退職して、行く先もというようなことになったら、これは全体的な士気にも関係する問項ではなかろうか。さらに長期的、中期的には新規の募集にも当然大きなやはり悪影響を与える問題です。が、これはいまの長官が考える問題でもないし、内閣全体として、当然長期的にやっぱり責任を持つ問題だと思うんですけれども、まだ人事的にはそこまで考えていらっしゃらない。だけれども、来年ですか、千名がすぐ退職という期間がきているわけですね。そうすると、長官としては、いま防衛局長がおっしゃったことと関連しないまでも、まず第一に退職していく働き盛りの人たちに、どういうふうに就職先を考えるのか。それともう一つは、いま言った省力化と相まって、そういう者の受け入れ先というものをきちっとしていくつもりなのか、この企画とともに一緒に何か構想をお持ちなのか。もうこれとタイアップしていく必要があるんじゃないでしょうか。もう来年からそういう現象が出てくるとするならば、そのあたり御構想はお持ちでしょうか。
○国務大臣(増原恵吉君) 現在御承知のように、曹は、三曹が四十三歳、二曹が四十五歳、一曹が五十歳ということですが、これは曹の定員の関係及びこれは相当練達な者を残しておきたいということで、大体一曹の定員を少しふやしてもらう。それで三曹、二曹でやめていく必要が少なくなるようにという配慮は具体的に行ないつつあるところでございます。そうしてやはりいろいろ技能を在隊中に、隊におけるあれとしても身につけさせるものがありまするが、隊そのものの訓練のほかにも、出て行ってからの就職に役立つような技能を得させる、これは隊内においても、また隊外に派遣してもやらせるようなことも考えておる。そういう就職できるような組織をやり、また就職を十分手伝うことのできるような援護組織も強化をして、関係労働機関のほうに協力を仰ぐことももとよりやっていきたいというふうに考えておりまするが、いま省力化と伴って、いろいろやりまする部外委託や何かと関連して、そういう方面の人も活用していくか、これも当然そういうことを考えていくべきだと思いますが、まだちょっとそういう点については、具体的な案をまだ部下からも聞いておらないということでございます。これは十分考えていきたいと思います。
○黒柳明君 それで、四次防の重装備についての、いまの省力化に伴った人員増難を見越しての問題点、どういう手をお打ちになられているか、あるいは御構想があるか。
○政府委員(高瀬忠雄君) 募集の対策をどうするかということだろうと思いますが……。
○黒柳明君 募集対策じゃなくて、重装備に対する兵員の配置問題です。
○政府委員(久保卓也君) これは、たとえば重装備でありましても、戦車について申しますと、これは先ほど申し上げたように定数一ぱいは持っておりません。三次防末で六割ばかり、四次防末で七割ということでありますので、これは装備の数に見合う分だけの人員の配置ができます。それから他の、たとえば自走化の進展に伴いまして、そういったものの兵員が少なくなりますが、火砲で余っている分については、これは補給処などで先ほど言われましたように保管せざるを得ません。したがって、あとは各部隊にどの程度の配員をして、訓練をするかということでありますけれども、一番充足率の悪い普通科の中隊でも約七〇%程度の充足、これが訓練の最低限であるということであります。したがって、陸の場合には、総じて申しまして、装備に見合った配員はできませんけれども、それぞれ重要度に応じて、たとえば航空関係の部隊及びホークの部隊、対空ミサイル、ホークの部隊については一〇〇%の充足をする予定であります。 それから海上につきましては、これは全般的に海、空ともに九五、六%の充足でありまするから、一般的には問題がございませんが、しかし、海上自衛隊についての艦艇では、これは全般的には九五、六%でありまするけれども、たとえば学校教育をやる、あるいは司令部要員が十分に配員されるといったような観点から、大体八五%の充員でございます。そういたしますと艦艇で八五%といいますると、たとえば火砲についてそれぞれ弾丸運びがありまするが、そういったものを省いておかざるを得ない。あるいは長期訓練の場合に、当直要員が若干減ってまいるといったような不便な点はありまするが、一般的な訓練は何とか八五%でやれるということであります。 それから航空自衛隊につきましては、やはり九五、六%の充員で、これは航空機の就役に伴って定員及び、実員を配置いたしまするので、この点は問題ございません。 結論を申し上げれば、陸上自衛隊の全般的な面と、海上自衛隊の艦艇について若干問題が残るということであります。
○黒柳明君 一〇〇%ですね、ホークやミサイルに対しては充足できる。そのためには、もうすでに補給、支援ないしは実戦部隊から、その訓練教育というものも、すでにいまの時期に始めて、四次防のいつの時点か配置をするということも行なっているわけですか。
○政府委員(久保卓也君) そういうことを行なっております。行なっておりまする関係上、他の特に普通科の部隊にしわ寄せがいくと、陸上自衛隊で全般が八六%であるにもかかわらず、普通科の中隊で七〇%、連隊程度でやはり同じ程度の充足というのは、いま申し上げた航空とかそれからホークとか、そういったところの重点装備に要員をよけいに回して、事前の訓練をやるということの関係もそこに影響しておるということは言えます。
○黒柳明君 そうすると、あれですか、四次防の実施段階に入る以前に、一年か二年か、あるいは半年か前に、その技術指導なり何かもうすでにスタートしている、そういう体制をとってきておる、こういうことになるわけでしょうか。
○政府委員(久保卓也君) これは常に要員は先に訓練をするという観点で、四次防のホークの分がどうなっていたかちょっと記憶がありませんが、そういうことをする。つまり四次防で採用される装備の要員ということでなくても、そういった航空関係あるいはナイキ、ホークの関係、これは技術度が高いわけでありまするから、あらかじめ要員を持っておって、代替人員を持っておるということは、三次防なら三次防の兵力についても重要な必要なことであろうと思います。
○黒柳明君 私、いままでのことを含めまして、昨日、定員と現員と充足率、陸上自衛隊普通科・機甲科・特科、海上自衛隊艦艇・航空、航空自衛隊飛行・通信・電子、こういうのをもらったんですけれども、私は一番冒頭から疑問だと、こういう御質問したわけですが、やっぱり今後重装備も含めまして、それじゃ普通科ならば支援の部隊の定員が幾らだとか、補給部隊の定員が幾らだとか、実戦部隊の定員が幾らだと、戦車が何台あって、その一台に対して何人が定員であって、それに対して支援が何人いるのか、こういう定員というものがあり、当然その充足というものが明確になっていなければおかしい、それが積み重なりまして、こういう普通科・機甲科・特科云々と、こういう充足率、定員が出てくるわけなんです。なぜかというと、私はいま言った兵器の予算というような問題も考えまして、そういうものをぜひ私は一回見していただけないか、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(久保卓也君) 見せる見せないと言いまするよりも、いま言われましたような、何といいますか有機的な部隊、有機的な定員の区分けが、ある意味で非常に重要であろうと思いますけれども、現在のところは部隊単位に定員、実員をとっているものですから、先生の言われたように整理されておらないということでありますが、どういう形でまとめますか別としまして、いま言われましたような方向で検討してみることは重要だろうと思います。
○黒柳明君 若干時間がありますので、ちょっと問題変わりますけれども、機動隊が、長官、基地内で訓練をやるという、こういうことについては、これはどういうことなんでしょうか。施設庁はいないですか。
○政府委員(高松敬治君) 機動隊が米軍の基地内で訓練をやっておるという話は、私ども承知いたしておりません。ただ、あすこの朝霞の根津という区域がございますが、そこで警視庁の交通機動隊、白バイですが、白バイの乗務員の運転の訓練をやったことがあるというふうに聞いております。
○黒柳明君 これはあれですか、手続上は問題ないでしょうか。
○政府委員(高松敬治君) 地位協定の三条で米軍が管理権を持っているわけですが、その管理権の範囲内で一時的にそこを使わせるということは差しつかえないと思います。
○黒柳明君 ただ、二4(a)、それから第三条の、いつも国会で問題になりますね、どこからどこまでが範囲かというのがはっきりしないと。でき得るならば一定の時間、あるいは一定の規模、あるいはそういう規格があるものは、しかるべき手続をとってやったほうがいいというお考えじゃないでしょうか。
○政府委員(高松敬治君) 御指摘のように二4(a)と申しますのは、日本側が使用したいときに、一定の条件のもとで米軍が日本側に使用を認めるという場合でございます。これは、この場合には合同委員会の合意を得て日本側の使用を認めるというきっちりした手続があるわけです。 〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕 それに対しまして、先ほど申し上げました三条による管理権の範囲内のものというのは、そういうきっちりした手続がございませんで、きわめて暫定的なものとか、きわめて短時間のものとかいうものは、こういう三条による、それでも差しつかえないかと思いますけれども、少なくとも恒常的な形になればやはりきっちりした二4(a)なり、そういう手続によることが適当であろうかと、そういうふうに思います。
○黒柳明君 東大和の米軍基地、やがて返還されるわけですけれども、それは第七機動隊の訓練用にと、こういう話が日米協議会で一月末にあったと、こういうことでしょうか。
○政府委員(高松敬治君) 日米間ではそういう話は全然ございません。ただ、私ども聞いておりますのは、警視庁にあのあと地の利用について、そういう希望があるということでございます。
○黒柳明君 多摩弾薬庫で第七機動隊が四十七年から四十八年に対して定期的に行なっているわけですよ、訓練を、百五十ないし二百。これはやっぱり地元ではどうなんだと、米軍の基地の中で第七機動隊が——まあ確かに訓練施設もなかろう、だからこれに符合しまして東大和の米軍基地を訓練所として何とか確保したいと、こういうことも出てきたわけですけれども、やっぱり四十七年の五月十五日から始まっているんです。七月、十一月、十二月、一月、二月、三月、ずっと続いているんです、百五十ないし二百。この問題、やっぱり第三条で解決すべき問題じゃなかろうと、こう思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(高松敬治君) 私、その事実全然存じておりませんので、一回調べまして、そして、そういうことが適当なのかどうか、その辺はまた検討さしていただきたいと思います。
○黒柳明君 適当であるかどうかという御判断、これも御自分でやっぱりお調べになっていただいたあとがいいと思いますけれども、五月の十五日、七月の十二日、十二月、一月中旬——四十八年ですよ、四十八年二月十三日、百五十から二百名ぐらい米軍の基地の中で一生懸命訓練していると、こういうものを目撃すると——多摩弾薬庫です、これは。何かそこにまた自衛隊の立川移駐ないしは東大和の自衛隊基地をつくりたい、訓練施設をつくりたいということと相あわせて、非常にやっぱり地元では、自衛隊に米軍基地が移管することがあたりまえであると、多摩弾薬庫も一部は返還されましたから、そのやっぱりなしくずし的な行為ではなかろうかと、こういうことで非常に問題化されております。地元の市会では、稲城市ですけれども、三月十二日はこのことでもう問題にもなっているんです。ですから、つかまれていない、つかんでから適当かどうか処理すると、こういうことであるかと思いますけれども、もしこういう事実だとすれば、やっぱり私は二4(a)の手続をとって、それで手続だけでも、それがあるからいいということは私言いたくない、やっぱりうまくないと思うんです。だけれども、手続上きちっととってやるという姿勢がありませんと、どこでもここでも第三条によって警察が、機動隊が訓練すると、それがエクスキューズされるということではこれはうまくない、こう思います。ですから、ひとつ調べ、またこれは事実間違いありません。市会でも問題になっておりますから、しかるべくきちっと疑惑を起こさないような手を打ってもらいたいし、また、この事実がこうであったとしたなら、私は当然手続だけでもとらなきゃならない、ほんとうならばこんなことやらないほうがいいですよ、長官知らないように。外務省のほうには全然届けてないんです。ですから、機動隊がやっているのはこの多摩弾薬庫だけですよ。第七機動隊です。それから東大和訓練所にやりたいと、すぐそばですからね。そういうことで、ひとつこれは手続をとれということよりも先に、やっぱり訓練施設はないけれども、ひとつそこのところはあんまり変なことをなさるなよと、こういうことのほうが私は望ましいと思うんですけれども、もう一回どうですか、最後に。
○政府委員(高松敬治君) 私も御意見のとおりだと思いますが、実情を調べまして適当に処置したいと思います。
○理事(内藤誉三郎君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○理事(内藤誉三郎君) 速記つけて。
○岩間正男君 私は北富士演習場の返還をめぐる問題についてお聞きしたいと思います。 第一の問題は、先ほどの答弁によりますというと、あす、この富士保全整備法が閣議決定を見ると、そうして国会に提案されると、こういうことを聞いたんでありますが、それは事実でございますか。
○政府委員(高松敬治君) 先ほど環境庁長官も明日の閣議に提案するというふうな御説明だったと思います。
○岩間正男君 これについては防衛庁長官も非常に関心が深いわけですね。なぜかというと、この暫定協定を結ぶときの条件、先ほど五つあげられました。神沢さんからあげられました。その中で、この富士保全法をつくると、これを一つの条件にしているわけですね。したがいまして、これについては内容が非常に検討されておると、こういうふうに思うんですが、お聞きしたいのは、これは保全法であったのが保全整備法というふうに名前が改められたその理由は何なのか。この点をはっきり御説明願いたい。
○国務大臣(増原恵吉君) 先ほどのちょっと御質問を十分に聞きとれなかったので失礼をいたしました。 防衛庁も富士保全法が提案されることに賛成をいたしておりまするが、この問題は、私どもが所管をして検討をしておるものではございませんので、環境庁から見えておりまするので、環境庁のほうから説明をしていただきたいと思います。
○岩間正男君 これは三木さん見えるんでしょう。そのとき聞きましょう。わざわざ見えるのに先に事務局に聞いてもしょうがない。じゃそのときに、これは官房長官とそれから環境庁長官が来てから、その点明らかにしたいと思います。 そこで、お聞きしますが、今年度の、これは先ほどから問題になりましたが、整備法ですね。周辺整備法に基づくところの予算が、先ほど、昨年度は二億何がし、六千万ぐらいに話がありましたね。それが十三億にこれはふえておると、こういうことなんですが、この理由をもう一度はっきりさしてもらいたい。どういうわけなんです。
○政府委員(平井啓一君) けさほども答弁申し上げましたが、従来の北富士周辺の整備事業というものが、北富士演習場をめぐるいろいろな問題で、市町村のそれぞれの立場で事業の申請をしてこられるという関係が必ずしもスムーズでなかった面が一つの原因としてあったかと思います。それから昭和四十八年度の予算に一応概算で、御指摘のような額で要求し、予算案に計上しておりますところの理由は、まず北富士演習場の問題解決のために、知事及び演対協会長と政府との間の話し合いが次第に煮詰まりつつあるという状況をひとつ踏まえた点と、昭和四十八年度の周辺対策の予算の伸び、そういった点から御指摘のような額を計上した次第でございます。
○岩間正男君 これは予算方式なら、あなたが何ぼだらだら答えてくれてもいいわけだ。ところが、両方で合計の時間になるんですよ、これは。予算の方式ならいまのような答弁でもゆっくり聞いていましょう、そういかぬのだ、時間制限されている。だから、聞いたことに的確に答えてほしいんだね。そうでないと、時間がいたずらにとられて、非常にわれわれは気をもむわけです。気をもませないようにこれはしてもらいたいと思います。 そういう点から聞いているわけですけれども、さっきからそういう答弁を繰り返していますね、概算要求だか何だか。ところが五倍でしょう、昨年の五倍だ。ここで急激にこんなに膨張する、こんなに拡大される、水増しされている、これは厳然たる事実ですよ。この理由というものを、いま言ったような技術的な答弁だけではこれは話にならぬわけです。富士保全法がいよいよ出される、これに伴うところのこの周辺対策費というのは非常にここで増強される。これは並べればわかります。四十六年度は幾ら、四十七年度は幾ら——四十七年度は二億六千万ぐらい。そうすると、その前の年から見るというと、そんなに急増していないわけですよ。そんなことはあり得ないんだ、これは。大蔵省のいままでのさいふの締め方から考えれば。ところがここで急激に出ているんだ。この原因は何だと聞いているんですけれども、はっきりいまの問題に答弁していないわけですね。これはもう明確じゃないですか。非常に私はそういう点では、具体的にどういうものにこれはいま使おうと検討されているのか、あるいは大蔵省に査定のときにこれはいろいろ出しているわけでしょう、この項目は、案件は。そうしてそれの大体の概算というのは明確だと思います。それを示してもらいたい。子供だましの答弁じゃだめですよ。項目と金額ぐらいずっと述べてください。あんまりお義理は要らぬ。
○政府委員(平井啓一君) 事項別に大別しまして、障害防止関係で約五億、民生安定助成関係で三億七千万、道路改修関係で一億、合わせまして約十億弱ということで概算要求いたし、計上している次第でございます。
○岩間正男君 もう少し詳しくいけませんか。ここはまたばかにあっさりしたね、さっきなにしたんで。どうですか、もっと詳しく言ってください。大きな項目ぐらい言ってくださいよ。一億ぐらいの項目はやれるでしょう、どうですか。
○政府委員(平井啓一君) けさほども答弁申し上げましたように、周辺整備事業の中身は補助事業でございまして、地元の負担との関係もあって、地元との話し合いが詰まった上でなければ事案は確定するわけにはまいりませんので、先ほどのような事項で一応御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 そういうことじゃ答弁になりませんよ。概算でも、これは予算——大体われわれ予算を審議するときに、この予算というものは何も決算じゃないですからね。だから、その概算というやつは当然これはわれわれが審議するのに必要なんだ。それに対して、何も言うことはできないと、こういうことですか。こういうことでは話にならぬ。大蔵省、もらったでしょう、査定をするときに、項目でこれこれ、そしてこれは幾ら、こういうもので大体合計幾ら、こういうことで査定したわけでしょう。それはどうですか。それはあるはずだから、それ、大蔵省から発表しなさい。
○説明員(宮下創平君) 御指摘のように、私ども大蔵原案を策定する際に事務的な査定をいたすわけでございますけれども、われわれといたしましては施設庁の要求を踏まえまして、これを極力尊重いたしつつ査定いたす、こういう方針でおりますが、まあ他にいろいろ財政需要等ございまして、それらの諸経費のバランス、また経費の重点度、プライオリティー等を考慮いたしまして、それらを総合判断して予算を計上しておるわけでございます。その上で、閣議決定を経まして、内閣の予算案というものが決定されるのは御承知のとおりでございます。 それからなお予算の執行につきましては、午前中来、あるいは先ほど施設部長からも御説明申し上げておりますとおりに、財政法の規定によりまして、公共事業費とか、その他大蔵大臣の指定する経費にかかわるものにつきましては、その支出負担行為の実施に関する手続を経まして、大蔵大臣の承認のもとに具体的な執行計画がきめられて、実施に移されるということに相なっておることはたびたび申し上げておるとおりでございます。したがって、実施計画上の段階で、個々の費目、個々のプロジェクトにつきまして、これから予算が成立いたしますとともに、実施計画の相談を受けるわけでございまして、その際に中身が変わり得る場合もあり得るということを申し上げたいと思うわけでございます。 それからその予算額につきましては、ただいま施設部長から申し上げましたように、私ども、四十八年度は先ほど申しましたように、まだ実施計画未定の段階でございますので、確定金額ではございません。しかし、防衛施設庁の要求を踏まえまして、われわれとして一応の積算はいたしております。その額は、いま施設部長から申し上げたとおりでございまして、大きな柱で申しまして、障害防止関係に五億、民生安定助成関係に三億七千万円、道路改修関係につきまして一億、合計九億七千万円。その他補償費等がございます。これは御議論になりました林雑補償料でございますとか借料等を含めまして、総額で十五億八千六百万円という査定になっておるわけでございます。
○岩間正男君 ちょっと委員長から注意してもらいたいんだね。こっちで聞いたやっと同じようなことを言っているわけだ。手続はどうでもよい、手続なんか聞いてないんだ。中身そのものを聞いておるんだ。どんな項目で、あなたはこっちから申請があったか。それをどう査定したか。それだけの項目わかっているわけだ。項目わからないで査定できないじゃないか。それをべらべら言って、それで調子を合わしている。こういうことじゃ話にならぬ。これは議員の審議権というものをもう全く無視していますよ。ことに時間の制限の中でやっているのだから、もう少しこれは御協力を賜わりたいものだね。こんなことじゃいけませんよ。 それではお聞きします。たとえば、周辺整備法によってこういうものはどうなったのか。富士吉田市のコミュニティーセンター、あるいは勤労青少年センター、それから忍野村のコミュニティーセンター、農民研修センター、山中湖の児童体育館、こういうようなものね、これはわかるでしょう。これは総額がわかって、補助額がわかるでしょう。具体的に例をあげたのだから、これに御答弁をいただきたい。まるで子供扱いしちゃだめですからね。こうやって、こうして査定したなんて、それくらいわかっていますよ、予算を二十何年やっていれば。わかるだろう、そんなことは。そういう子供だましの答弁じゃだめだ。
○政府委員(平井啓一君) ただいま御指摘のような公民館等の施設が、それぞれの市なり村からの一応要望として出てきておりました。それを踏まえながら、現在それを、予算が成立いたしました後において、実施計画としてどういう形で組み入れていくかということを……。
○岩間正男君 また始まった。実施計画をいま審議しているのじゃないんですよ。委員長、注意してください。実施計画について審議しているんじゃないんだ。予算委員会もそうでしょう。実施計画について、これは念を押したりすることはあるけれども、審議の対象そのものは予算でしょう。だから、概算について聞いているんだ、概算がどうだって聞いている。それ、答えられないんですか。そんなとぼけた答弁やっている。あなたがた、ちゃんと積算の根拠もあるはずだ、そうでなければ、これはかたりですよ、この出した計画書というのは。大体どうですか、コミュニティーセンター、これは富士吉田の場合は一億五千万円だと、補助が一億三百万、それから勤労青少年センター、これは大体二億円、それが一億七千万の補助、それから忍野村のコミュニティーセンター、これは一億五千万円、補助が六千九百万、それから農民研修センター、五千万に対して二千百万円の補助、山中湖の児童体育館、これは五千百三十万、これに対して千二百九十万の補助、まああげただけでもこれだけ、そのほかにこれはたくさんあるわけです。これはどうなんです、一体。こういう一体、民生安定の名でこういうものを出す——むろん私たちは、非常に僻地において恵まれないそういうところ、文化から非常に遠去かっているところ、そういうところに対して当然国家の手が伸びて、そうしてこういう施設をつくるということに反対をしているのじゃない。これは当然すべきだ。しかし、みなこれは何かというと、演習場を提供するという肩がわりとしてとられているところの予算なんですよ、はっきりそうなんです。そういう形で出されるところの予算そのものについては、厳密な態度をとらなきゃならないのです。だから、当然これは地方財政に対する援助という形、あるいは過疎地帯に対するいろいろな援助というこれは形、あるいはまた非常に高度が高くて、そうして生産性の低いところ、こういうところに対する住民の生活を文化的にもっと進めると、こういう政策は当然とられるべきだが、こっちのほうはやらないで、そうして基地の代償としての金をどんどんどんどんふやすというかっこうをとっているのがいまのやり方。 そこで、私はお聞きしたい。これは当然富士保全整備法の適用じゃないだろうと思うのですがね。そうするというと、これはいままでの現行法でしょう。そうすると、基地周辺整備法によるところの適用だと思うがどうですか。
○政府委員(平井啓一君) そのとおりでございます。
○岩間正男君 何条に該当する。
○政府委員(平井啓一君) 先ほど来、御指摘になっておる、問題になっておるような施設は、防衛施設周辺整備法の四条の助成事案でございます。
○岩間正男君 これは関係、直接ありますか。第四条については、衆議院議員の野坂浩賢氏からこれは質問主意書が出されている。こういう質問をしているわけです。第四条にある「著しく」とは、直接的かつ物的な生活上または事業経営上の被害が、客観的に著しく具体化していることをいうと解すべきだかどうか。これに対して、政府の答弁は、「法第四条にいう「著しく阻害されている」とは、このことが客観的かつ具体的に認定されるような状態にあることをいうものと解している。」、これによるところの当然補助でしょう。これはどういうことになるのです、どういうことになる。いまのたとえば、これによってコミュニティーセンターをつくるとか、児童体育館をつくるとか、こういうことは、これは直接この条項に適用しますか、どうなんです。
○政府委員(平井啓一君) 四条のただいま御指摘がありました防衛施設の運用と、その運用によって周辺地域の住民の生活とか、あるいは事業活動に阻害が及ぶ、それをどういうふうに防止し、緩和していくか、そういう関係におきましての相当因果関係というものは、当然第四条の事案については、それぞれ実施します場合にはっきりとした根拠でやっておるわけでございまして、御指摘のありました北富士の例で、これからまあ実施することになるわけでございますが、たとえば児童体育館施設等を考えます場合には、あの演習場周辺の部落の子供さんたちが、演習場がなければあの広場に行って昔は遊べた。そういう運動の場であり、子供たちの遊技の場であったところが、演習場として運用され、使用されているということに伴って、そういう運動の場を阻害されている実態を勘案して、それを緩和するための施設として、市町村からそういう事情を申請してこられた場合に実施するということで考えておるわけでございます。
○岩間正男君 それが、いまの政府の答弁によって、合致しますか。客観的かつ具体的に認定されるような状態——たとえば騒音がきびしい、防音装置をする、これなら、これはわかるでしょう。ところが、先ほどあげましたように、いろいろないわば文化施設のようなものにどんどんこれは伸ばしていっている。少なくとも周辺整備法のこれは適用外でしょう。それは明確だと思う。現にそのような形で運用されているのが、これは今度のつまり山梨県側の要求じゃなかったんですか。 たとえば、昨年の十月四日の山梨県議会で坂本県民室長は、こういう説明をしていますよ。三百六十二億円の内容として、周辺整備法を拡大解釈すれば、該当するもの、該当しないが必要なものが含まれているとこれは説明している。こういうかっこうで三百六十二億円の県の要求というものはこれは出されている。これは百万円に切られたということで、後藤田副長官が出ていってこれはそういう折衝をした、こういうことでございますけれども、そういう体制の中で今年度分が出されたわけだけれども、今年度分の中にはたくさんそういうものがまじっている。どうなんです、一体、こういう点。これは明らかにもう明確だと思うんですが、どうですか。
○政府委員(平井啓一君) われわれは防衛施設周辺整備法の法令の範囲の中で実施するたてまえでおります。
○岩間正男君 そういうことを言っていますがね、これはどうなんだ、この例は。この富士吉田市の整経サイジング施設建設に対する補助、こういう問題ですが、これはいままで建てられたんですけれども、旧陸軍の演習場使用による農家の転業救済という理由で補助金が出ている。補助額は四十二年から四十五年で約二億円、この施設の運営は富士吉田織物協同組合を中心として、市、それから富士吉田商工会議所等で運営委員会をつくって運営した。そしてほとんどこれは実際の零細な織物業者は、これにもうタッチできないような仕組みになっておるようです。で、この政令の指定する施設になったのが昭和四十三年六月二十七日なのに、四十二年から予算が計上され、着工されている。それで、四十二年度分はこれは違法だと思います。それから四十三年度分もこれは違法の疑いがある。そうして、この施設は、これはいま申しましたように、この零細な業者には利用されない、こういうかっこうにこれはなっている。そういう中で、最近これは問題になりますのは、四十八年の三月二十日、つい最近でありますが、富士吉田市長は織物協同組合に無償譲渡をこれはしている。こういうことは、われわれの情報で明らかになっておるんでありますが、これは差しつかえないのですか。ここにこの写真ございます。これはどうです。
○政府委員(平井啓一君) 最後の御質問の富士吉田市がこの施設を織物協同組合に無償譲渡するというお話は、現在富士吉田市の市議会で審議されているという事情は承知しております。これが適正化法のおそらく二十二条の問題だろうと思いますが、二十二条の問題としてどういうふうに扱わるべきかということにつきましては、富士吉田市のほうで市議会の審議が終わられた後に、当庁のほうへ申請という形か、何らかの形で御連絡があるものと承知しております。
○岩間正男君 これは当然補助金適正化法によれば許可が要るというふうに聞いておりますが、どうなんですか、許可を申請していますか。
○政府委員(平井啓一君) 補助金適正化法の……
○岩間正男君 いや、あるかないかと聞いているのです。それはこっちで調べているんだから、申請があったのですか、ないのですか。
○政府委員(平井啓一君) まだ、現在市議会で審議されていると聞いております。審議が終わりました段階で、市のほうから補助金を交付した防衛施設庁のほうに申請その他の形で、何らか御相談があるというふうに承知しております。
○岩間正男君 これはきょうじゅうに確かめてもらいたい。ここにわざわざ、これはいままでの補助金で、約二億の補助金で、この建物には、ここに写真ございますが、「この共同作業施設は防衛施設周辺の整備等に関する法律に基づいて防衛施設庁から補助金の交付を受けて完成したものである」、昭和四十六年三月一日付、これは富士吉田市長の名前まで、銅版ですかな、入っているのですよ。こういうふうにしてつくらしておいて、しかも今度はこれを一部に譲渡してしまう。こういうようなやり方をするということは、これは正しい執行だというふうに考えられますか。どういうことなんです。そうして、しかもこれは実際の零細の業者というのはほとんどこれを利用することができない。商工会議所がこれを独断でやっている。これは周辺整備法の精神から考えたって全く違法じゃないですか。こういうことを私が指摘しているのは、今度の予算を見るというと五倍もの水増しをやっている、昨年に比べて。そうして、どんどんどんどんこういうものがつくられていっている。民生安定の名前でこれはつくられていっている。しかし、これがだんだんとこの例のように私物化されて、そうして最初の目的から逸脱をする方向に運営されるという危険があるから私はこのことを指摘しているのです。こういうふうになると、実際はほんとうに周辺整備とか富士保全のためだとか、出されたところのばく大な血税というものは、実はその地におけるところの権力者、あるいは大企業家、こういうものにこれは独占されていく。何が一体民生安定なんだと私は言いたい。このことを指摘したい。これは重大な疑義があります、この問題については。そうして、このような基礎の上に立って、しかも昨年の予算の、先ほどの補助金まで入れますと十五億ということが明らかになったわけでありますけれども、六倍ものこれは予算が出さたてきておる。そうしてその背景には、先ほど申しましたように、これは山梨県の室長が明確に言いましたように、拡大解釈すれば該当するもの、該当しないが必要なもの、こういうものはどんどん入れるということで、三百六十二億のこれは要求を政府にやってきたというのが実情じゃないですか。私はこの前横田基地の周辺の福生に行った。この福生市の要求が出されたはずです。これは幾らですか。要求がきているからわかるはずです。幾らですか。膨大なものです。
○政府委員(平井啓一君) 四百億台でございましたが、四百六十億か七十億だったかと記憶しております。
○岩間正男君 何ぼでもこれでやっていけるんだ。便乗なんです。これは都合がいいから何でも言っていけというので、もう私、きょうはこの書類持って来なかったけれども、何でもみなこれにかこつけてやるわけだ。こういう形で運営される基礎を持っているのがはっきり今度の富士保全整備法案じゃないですか。 そこで、環境庁長官お見えになりましたからこれはお聞きをしたい。なぜこれは一体、最初から保全法であったのが途中で整備法という整備まで加えたのですか。これは富士吉田市との——これは官房長官のほうがいいですかね、折衝に当たったのだから。両者にお伺いしますけれども、なぜこれは整備法というものは入れたのですか。
○国務大臣(二階堂進君) 最初、この地元の知事や小林対策委員長などがお見えになりましたとき、富士保全法というものをぜひひとつ考えてもらいたいという話でありました。そこで、前の内閣の小山先生が環境庁長官のころでありましたが、私から閣議の席上で了解を求めて、富士保全法という法律を出すならば環境庁長官のほうにひとつしてもらいたい、引き取ってもらいたいと、こういう話で小山前環境庁長官は引き受けられたわけであります。ところが、あとまた来られまして、保全だけでは困る。それは地元に、各市町村にもレクリエーションセンターをつくるとか、あるいは道路の整備があるとか、あるいは廃棄物処理の問題もあるとか、いろいろなそういう病院、学校、そういうものなどもやっぱりつくってもらわなければ困る。だから保全となるとそういうものが非常に極端に制限されることは地元としては困る。だから整備というものを入れてくれ、整備というものを。そこで建設省とも話をしまして、整備となると建設大臣のほうに引き取ってもらったほうが、むしろそういう地元の強い要望があるならば、そっちのほうがいいじゃないか、こういうことまで話が出ましたが、たてまえとしてはやはり保全を考え、そうして強い要望がありまする整備も入れて、法律の名前を入れることにしまして、法律の名前を保全整備法と、こういうふうに変えたわけでございます。 〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕
○国務大臣(三木武夫君) 私、これはできるだけ早く閣議にはかって法案を上程の運びにもつていきたいと思うのですが、私がいま言っておるのは、これは環境も入れたほうがいい、環境保全整備法としたほうがいいということで、いま最後のそういう点で詰めをしておるわけであります。なぜ言うかといえば、やはり環境保全のための整備であるというこの性格というものを、法律の名前からやはりはっきりしておいたほうがいいということで、最後の折衝をしておるわけでございます。環境保全のための整備というものはこれは必要です。あるいは治山治水もあるし、あるいは下水もあるでしょう。あの周辺の都市に対しては公園の問題もあるでしょう。その整備の目的は何かといったら環境保全のためである。この性格をこの法律は明らかにしておいたらいいので、ひとつこの法案の名前もそういうのを入れたいと思って努力をしておるわけです。
○岩間正男君 これは食い違いがあるのですね。防衛庁長官、それから官房長官は、はっきりあす閣議で決定して提案したい。それから環境庁長官は、大体法案の名前さえもこれはまだ決定していないような——どうなんです。どっちがほんとうなんです。
○国務大臣(三木武夫君) あしたの閣議にかかるような手はずになると思います。いま内部で最後的な調整をしておるわけですから、明日の閣議には間に合うことになるということを言っておりますので、官房長官の答弁と食い違いはないものと考えます。
○岩間正男君 できるだけ早くというのは、あしたですか。どうもそこは不統一が出てきたわけですけれども、この法案そのものというものの大体性格というのは、いまのこの三者の御答弁を総合して考えるとよくわかると思うんです。ほんとうにこれは煮詰められ、それからほんとうにこれは検討され、そういうものでなくて、何か急速にまあ私生児的につくられていったその法案の正体というのがこれははっきり出ていますよ、いま。一方では、あした閣議に出すんだと言って、一方では、できるだけ早くと、名前もこれは違う、これでは不統一とこれは言わざるを得ないですね。この内容そのものもそうなんです。保全だと、しかし今度は整備が加わる、周辺整備法案のこういうものを何倍かに拡大して、これを補助していくというようなそういう体制をとろうとする、そうしてそれがいまの政府のこれは政策じゃないですか。重点的に米軍が使う基地、そうして自衛隊が共用するような基地、これはいろいろな手だては尽くしておりますけれども、これは二4(b)の形をとったり、あるいは二4(a)の形をとったりするけれども、結局はここの周辺のところはこれは重点的に金を出してやろうと、結局はこの基地を保全するところのそういうために、金力でもってこれは臨んできているということを何よりも示しているのがこの法案だということが、これは言えると思うんです。そうでしょう、そもそも発足がそうだものね。富士の暫定協定は認めなさい、そのかわりに今度は保全法をつくってあげます、こういうことから発足したんであります。大体これはほんとうに環境を保全するとか、そういうことからこれは出たとは考えられないんです。そういう性格のこれは法案だということが具体的になっていると思うんです。そうして、しかももう事ごとに予算をふやして、そうしてこれは水増しし拡大解釈を許してどんどんどんどんその要求をいれて、そうしてそれでもって地元の反対のそういう意向、軍事基地に反対するそういうふうな意向というものを、ほんとうにこれはくずしていっている。私はそれは具体的に見てきておるんだからね。地元あたりに行ってごらんなさい、福生に行っても昭島に行ったってもうはっきりしていますよ。羽村にも行ったし、あの辺みな見ました、瑞穂にも行ったんです。そういうところでは、あの基地に賛成なのはないんだ、腹の中ではないんだ。しかたがないからということで、ほんとうにボスがなだめて、そうしてそこのところに、まあしかたがないじゃないか、そんならばせめて金を取ろうじゃないか、そこに乗じてどんどんとその道を開いていっているのがお手のうちじゃないですか。官房長官どうです。
○国務大臣(二階堂進君) 現地をよく調査されて、予算の執行状態についていろいろお話があったようでございますが、私は詳細を承っておりませんが、まあどんどんどんどん政府が金をふやして、そうして使用するんだというたてまえで、どうもこういう法律をつくったり、予算をふやしておるというような意味のお尋ねでございましたが、私はいささかそれは少し了解しがたい点もあるわけでございます。まあ率直に申し上げますと、岩間先生たちの立場は基地反対でございますから……。
○岩間正男君 それ、言いなさんな。いま共通の話をしているんだ。
○国務大臣(二階堂進君) いや、共通の話ですけれども、ですから政府が一方的に金を出して、住民をだまして、それで何か一方的に法律をつくって、それで地元の言うとおり何でもかんでも予算をふやしていると、こういうふうな意見に私はなると思いますよ。しかし、私は率直に、これはこういう議論の場でございますから申し上げておきたい。そうじゃないんであって、しかも今度の富士保全整備法にしましても、十年間の大体事業費というものはこれくらいにしろという要求もございますが、しかし大蔵省や私どもはとてもそんなものはできない、一体どういうものをどういうふうに整備するのか、ケース・バイ・ケースで個々のものを積み上げていって、そして五年間、十年間の大体事業費というのはこれぐらいにしようということはいろいろこの間に詰めて、そして地元の要求をまるまるのむ考えもございません。必要な適切なそういう地元住民の要望、市町村の要望、県の要望にはこたえなきゃならぬと。しかし、それも無制限に、言ってきたとおりするわけじゃないということを言いながら、話を詰めてきておるわけでございますから、どうも岩間先生のおっしゃるとおりに、一方的に何かこう法律をつくって、そうして予算をふやしてやって、そうして法律違反をやっておるというような私は御意見には必ずしも賛成しがたいものがございます。
○岩間正男君 これはしばしば出るんで、共産党は安保の反対、私たちは安保を維持しなきゃいけない、だからまるで違うんだと、この話をやったんでは国会の討論、これは必要ないわけですね。そうでなくて、何が真実か、何が真実でないのか、何がこれは国民のためになるかならないか、この観点から批判するのでなければ討論になりませんよ。これは愛知大蔵大臣もこの前やったから、予算委員会できびしく糾弾したんです。そういう態度ではだめです。そんな立場でわれわれものを言っておるのではない。むろん基本的なそれは考えはありましょう。しかし、その基本的なものをきめているのは、そういう具体的なものを積み重ねて、その上に立って、日本のこれは利益から考えたらどうだという判断で、たとえば安保はこれは廃棄しなきゃならぬと、こう言っているんですよ。それを何かイデオロギーだの何とかというようなことをやるのは不見識ですよ。二階堂長官ともあろう方がこれは不見識だと私は言ってよろしいと思うんです。愛知大蔵大臣もこの前たしなめたんです、ばかなことを言うなと。そんなことなら議論する必要はないんだ。だから、そういう点ではいまの言い方というのはこれは改めていただきたいと、この態度は改めていただく。実際具体的にそういうことをあなた言われますけれどもね、今度の問題の一体この積算をずっとやるときに、十五億何ぼの金をきめるときに一々これは立ち入って調べましたか。調べないじゃないか。実際これはちゃんと見ているんですよ。いまのもうこの坂本県民室長がちゃんと政府の腹を見すかしているのですよ。周辺整備法を拡大解釈すれば該当するもの、該当しないが必要なもの、こういうものを含まれて三百六十二億円というのを出しているんです。二階堂官房長官これは折衝されたわけだ。こういうかっこうで非常にこれは水増ししている。しかし、それを百億程度のところで副長官が折衝してこれはまとめて、それでも足らぬということで、いままだこれは最終的な決定になっていないかもしらぬ。その初年度分がいま御承知のように国会でこれは審議されている。それを見るというと昨年より五倍になっている、五倍。それで、これの査定というものがほんとうに具体的に行なわれているかというと、どうです、入っていやしないじゃないですか。どうなんです。こういうことを一体国民が了承すると思いますか。整備をするんだと言ったが、いままで何やっていたんです。何もしないでほうっておいて、そしてここになってどうしても——これは民法六百四条で返った、県有地は。それをほんとうに県知事を抱き込むというようなかっこうで、御承知のように暫定協定のほうに持っていったんでしょう。そうするには金やらなけりゃならぬ、金で何とかそういう問題を解決しようという金権万能のこういう考え方というものが、この基地問題の背景にあるんだということですよ。これは重大な問題ですよ。どうなんです。
○政府委員(高松敬治君) 周辺整備法を拡大解釈して云々というお話がございましたが、山梨県が最初に提案してまいりました三百八十億ぐらいのものの中にはいろんなものがございました。それで県側としては、周辺整備法をそれこそ拡大解釈してもいろいろこういうものを取り入れてもらいたいと、それを全部積み上げると三百幾らになると、こういうお話でございました。しかし、私どもとしては、あくまでも周辺整備法のワク内でなければいけない、現在の周辺整備法がやや狭きに過ぎるという議論も一部にあることは確かでございますが、ともかく現行法の範囲内でそれを、採択すべき事業を定める、こういうことでいろいろ折衝してまいりまして、それでだいぶ額が、取り上げられるものがうんと少なくなってきたわけでございます。そういう意味では、私どもとして非常にこれを拡大解釈して適用しているということではございません。 それから十五億というお話がございましたが、私どもの数字では四十七年度が二億七千五百万でございます、実施計画。それで、それに対応するのが大体十億前後と、こういうふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、約三倍ぐらいということになるわけでございます。
○岩間正男君 五倍でも四倍でも、まあそんなことは何でもいい。しかし、四倍というのは、それはばかにならない数字ですよ、あなた。ちょっと数字に弱いな。だめだ、そんなことじゃ。そうして、しかもその内容はどうかというので、先ほど具体的に例をあげたんだが、ああいうものはどうして該当することになるんですか。どこの何条に適用するか。それで、その解釈についても、先ほど、これは質問主意書の政府答弁からいったって、これはどういうことになるんです。具体的にそんなら答えてごらんなさいよ、ひとつ。
○政府委員(高松敬治君) もう一つ申し落としましたが、山梨県側のもう一つの非常に御不満な点は、東冨士に対して、従来山梨県側が非常に少ないということでございました。周辺対策の事業量というのは、これはもう切りがないくらいあるいはあるかもしれませんが、そういう意味で、隣合わせている東富士と北富士とが非常にバランスを失うということもまことにぐあいが悪いので、それで東富士について従来やっておりました周辺対策の事業量と見合って、北富士周辺についてやる事業を大体見積もって策定してまいったと、その結果が先ほど申し上げました約三倍というふうな数に初年度はなる、こういう次第でございます。 それから、あとの問題につきましては施設部長から答弁させます。
○岩間正男君 時間がないからまあいいでしょう。まあ問わず語りということがあるからね。東富士に足らなかった、東富士並みにする。そのあとには何がある。二4(b)使用転換、条件は同じだ。金も同じに出してもらいたい。そうでしょう。ところが二4(b)の問題は、私はもう当委員会で何べんも口がすっぱくなるほど追及したかわからないわけです。あの二4(b)に転換をする、自衛隊に移管をする、しかしこれは米軍は使う、一時使用だ、一時使用の内容はどれぐらいだ、何日ぐらいだというふうに、私は東富士のあすこの組合に参りまして聞きました。そうしたら十日ぐらい、こう考えて、そうして当然あれは、今度は施設庁とそれから地元住民との間にこれは行政上の協定を結ぶわけでしょう。この協定も見ました。その協定によっては全くの、基地のあれに協力をしなきゃならないという、これは一札を入れさせられるわけでしょう。そうして強硬にそのようなことを今度は市町村長たちは責任をもってこれはしいられてくるんです。そうして、しかも米軍は何ぼ使っているか。これは、しばしば私は論議をしたのでありますが、たとえば一九七〇年、これは返還された翌年でありますけれども、二百三十九日使った。装甲車を持ってきた、火炎放射機を持ってきた、戦車を持ってきた。そうして、ことに問題なのは、原子砲を持ち込んでいるという、こういう事態が明らかになったわけだ。これをやろうというんですか、北富士で。そうでしょう。そのための金を大きく出さなきゃならぬというのは、そのねらいじゃないですか。 しかも、私は、ここで大きく問題にしたいのは、実は先ほどこの資料をもらったんです。なかなかこれは出さないのだ、いつでも施設庁出さないのでありますが、この使用状況について私は予算委員会で要求したのが、最近ようやく出てきた。これによりますというと、今年度の東富士と北富士の演習場の使用状況が出てまいりました。これはまだ十カ月そこそこのやつでありますけれども、今年度を見ますというと、これは東富士が百九十五日、そうして北富士が七十八日、人数については、これは東富士は何も書いてない。なぜ書かないのか。いままで出した資料は全部書いておったのに、なぜこれは書かないのか。それから今度は北富士の場合を見て驚いたのでありますが、りゅう弾砲、これはいわゆる一五五ミリ、まあ一〇五ミリもあるのかどうか、これはさっぱり書いてないので……。いままでの資料は全部これは書いておったんだ。一五五ミリ、二〇三ミリ、明確に出してあったのを、今年はなぜこれを隠したか。それをはずして、りゅう弾砲とだけ入れておる。しかし、それは北富士だけだ。北富士だけで六回使っている、りゅう弾砲を。そうすると、北富士は、まさにこれはりゅう弾砲の、いわゆる原子砲の演習場として使う。そういう方向にこれは変わってきた。東富士はいままでやはりりゅう弾砲を使っておりました。ところが、今年度は東富士ではりゅう弾砲はなくなってきている。そうして北富士だけでやっている。そうすると、まさにこの北富士演習場というものの性格が、やはりこれは現段階で一歩歩を進めておるのだということを明らかにこの資料は実証している。しかも、これはあとで資料を出し直してくださいよ。こんなもので承知しないからね。例年出しておったのを、いつでも出さない。この前もそうだ。沖繩国会のときにやっぱりりゅう弾砲を隠したから、これはけしからぬというので出し直しをしてもらったんだ。わかっているわけでしょう。こんなもんでは、私は承知しないんだから、出し直してください。そうすれば明確になるのでありますが、北富士演習場の性格というのはこういうものです。そういう中に、今度は東富士並みの金を出す。ところが、あそこでは行政上の協定をつくらされて、農民はほんとうにあの基地にこれはもう協力をしなければならない、場合によっては、あの登山口を越えて演習する場合もこれは了承しなきゃならぬというところに、そういうことまで了承させられているような条項がはっきり入っているんです。そうでしょう。これを金でなされているという事実、そうしてこれが金でなされているそういう実態というものは、一方これは先ほどから追及したような形になっているんです。これでいいんですか。こういうことで了承することは、私はできないと思うんです。一体、どうなんですか。
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
○政府委員(高松敬治君) こういう米軍なり米軍の施設・区域について金をその周辺に非常に多く出して、そうしていわば金でつって仕事をやっておるではないか、こういうお話でございますが、しかし、私ども考えますのは、やはりそういう施設・区域があることによって、あるいは演習場とか射爆場とか、そういうものがあることによって一般の住民が非常に被害を受ける、あるいは町の発展が阻害されるというふうな問題がいろいろあるわけでございます。そういうことに対しては、やはり政府としてはできるだけそういう障害を除去し、あるいは民生の安定につとめて、そういう何といいますか、そういう施設・区域があることによって受ける不利益というものをできるだけ少なくなるようにというふうに考えていくのも、私は現在の状態から見まして当然ではなかろうかというふうに思います。この点、意見がちょっと違うわけでございますけれども、私どものやっておりますのは、そういう意味で周辺対策を実施していくということで、金でつって問題をどうしていくということでは決してございません。
○岩間正男君 これは、実態を明らかにしなくちゃならないですから、委員長に要求します。一体どういうものが去年つくられたか、それから今後つくられようとしているのか。これは現地視察をしようじゃないですか。見なきゃならぬですよ。金の執行状態、ここだけでやっているとわからぬ。実際に行って、どういうものが——一体ほんとにここがいまの周辺整備法の適用範囲かどうかということは、これは一目りょう然わかるんです。現地へ行ってみなければわからない。むろん、それはそういう地方の自治体の要求とか地域住民の要求もあるでしょう。しかし、これをいわば金で買う形でもって、代償として米軍基地を提供し、自衛隊の基地を確保するためにやるというのは、ほんとうのこれは地域住民の願いでないと私は思うんですよ。やむを得ないところに追い落としておって、ボスたちがそういう支配をする中でこれはやられている。したがって、当然国会はこの問題について、私は視察をすべきだと思いますから、委員長にまずこのことを要求いたしたいと思います。検討していただきたい。 第二の問題は、会計検査院がここにお見えになっておりますな。このように非常に疑義がある。私たちは、少なくとも周辺整備法、拡大解釈、そうしてこれを何倍かに水増しをしてこのような金が出されておる、そうして正当にそれが運営されておるかどうかという、こういう問題については、私は一、二の例をあげましたけれども、非常に大きな疑義がある。会計検査院としてははっきりこれに対処しなきゃならぬと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(柴崎敏郎君) 周辺整備関係の補助金につきまして、私どものほうでは当然検査をいたしております。ただ、まことに遺憾ではございますが、悉皆的にすべての検査をやっているわけではございませんで、富士周辺の補助事業について申し上げますと、四十五年度、四十六年度あたりの例で、大体補助事業件数の三〇%程度の実地検査施行ということになっております。この場合に当然補助事業の検査といたしましては、補助金の交付決定の段階から私どもの検査は入るわけでございまして、この決定の内容が法律の趣旨に合致しているかどうかという点はもちろんのこと、当然の仕事といたしまして検査をいたしております。ただ、先ほどから先生も御指摘になっておられますように、この法律におきましては、その執行上の施行の規定を多く政令に委任しておると、こういうような事情もございますので、現在まで私どもが検査いたしまして承知しておる限りにおきましては、特に不当と認めたようなことはございませんけれども、今後の検査にあたりましては、補助事業の決定の適否、当否等についても十分意を注いで検査いたしていきたい、このように考えております。
○岩間正男君 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これには罰則があるわけですね。第二十九条には「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」、二項、「前項の場合において、情を知って交付又は融通をした者も、また同項と同様とする。」、こういう非常にきびしいこれは罰則があるわけです。補助金の、国費の適正なそういう運用に対して、これは非常に頂門の一針になっているわけです。そういうような点で私は疑義があるというのでただしているのでありますから、これに対して、当然これは会計検査院も十分に立ち入ってこの問題をやはり明確にされるように要求したい。ことに、この問題はすでに執行したんじゃない、これから執行しようという問題ですからね。単にでき上がったそれだけの執行では、これは会計検査院の任務は果たされないと思いますが、このことを私は要望したいと思います。 時間がありませんので、この点をまず明確にしておいて結論にいきたいと思うわけですけれども、官房長官帰られましたけれども、政府は毎日この問題で会合やらこれはやってますな。時間がないから困るんですけれども、第一に、二月二十六日に後藤田官房副長官は、これは防衛、大蔵などの事務次官による基地問題閣僚協幹事会を開いて、米軍、自衛隊の主要基地の地元対策を話し合っていると。そうしてどういうことを言っているか。席上、島田前施設庁長官、いまの防衛庁事務次官でありますが、自民党の基地対策特別委員会と相談の上、地元の抵抗をかわす特別立法を検討していることを報告、関係各省の協力を求めた云々というやつがあります。それから、その次の次の日の二十八日ですが、これは自民党の基地対策特別委員会でこういうことがいろいろ問題になっております。ことに立川のような革新市長のもとでの基地紛争が続出するおそれがあるので、政府自民党は特別立法などによる抜本的な対策を早急に打ち出すべきだ、これは自民党の意向であることは明白だ、そうしていろいろな条項をこれはきめております。いわゆる金づるの手ですね。これをいろいろきめておる。三月十六日には、これは二階堂官房長官が横田基地周辺の昭島、福生、武蔵村山各市、瑞穂、羽村各町から要請が出された基地対策について、当面の措置として対策を立てている。そういう中で、これは現行の周辺整備法による基地対策事業をできるだけ拡充する、関係行政機関の補助事業が重点的に実施できるよう調整する、周辺整備事業にかかってくる地元負担を軽くするため地方債を弾力的に広げる、国有提供施設所在市長村助成交付金を重点的に配分するよう検討する、このようなこれはいろいろな政府自民党の動きがある、こういう情勢の一端をわれわれはこの背景としてつかんでおるわけです。だから、決してこれは偶然にできた問題じゃない。二十年暮れて当然返される、この基地を確保するということは至上命令だ、そうして安保の効果的な運用をあくまでもこれはやっていくという、そういうたてまえに立って進められている。基地返還という名前のいろいろな統合もまさにそういう一環になっておる。しかも、この基地というのは、これはたいへんな犠牲においていままで提供したものですよ。たくさんな血税も払わされているのに。ところが、これを維持するために、一方ではばく大なまた金が払われている、ここに非常に大きな問題があるのです。結局安保に突き当たらざるを得ないのだと、この焦点を突き詰めていけば安保に突き当たらざるを得ないのです。私はこういう点から安保の問題を問題にしているのです。 そういう中で、最後にこれは環境庁長官にお伺いしますが、保全法とかなんとか言ったって、どうなんですか。米軍を残しておいて保全すると言ったって、これはナンセンスじゃないですか。米軍を全く保持するために、これを維持するためにこそこのような金も出されておるから、実は基地確保法だということがこの前の予算委員会のときにもこれはみんなから、不特定多数の声として出されたはずです。こういうことは一体これは許されないんじゃないですか。望ましいことだ、ないほうが望ましいんだと、米軍基地は、こういうふうに何回も申されました、なぜ望ましい方向に努力をされないんですか。望ましいんだけれども努力をしないでは、これはつじつまが合わないと思うんですね。こういう点はいかがなんです。とにかく三木副総理にこのぐらいの権限を、これは当然私はやられるのはあたりまえだと思うんですが、どうなんですか、その点は。これは三木さんのほんとうにかなえの軽重を問われますよ。
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
○国務大臣(三木武夫君) 政権を担当しておる者としては、理想と現実というものに対してはどのようにその問題をさばいていくかということは、これは政権を持っておる者の一つの悩みでもあるわけであります。演習場が富士周辺にないことが好ましいことは国民だれもがそう思うに違いない。一方において、安保条約、これは日本の国防上必要であるという立場に立って、そういう現実の中でどうして富士の自然の環境を保護していくかということが、この問題ばかりでないですね。そういう問題というものが、現実に政治を担当しておる者としてはそういう問題にぶつかるわけです。この問題もやっぱりその一つである。だから私は考えておることは、そういう現実がある、この問題の背景の中には。時間をかして、やはりこれはないほうが好ましいんですから、一ペンにこの問題を解決することはできないけれども、時間をかけて理想に近づけていく努力はしなけりゃならぬ。現実に、こうあるわけですから、その中でできることといえば富士の、このやっぱり国民の非常に象徴的な地域ですから、その環境というものを、与えられた条件の中で環境をできるだけ保全していくために最善を尽くしたい。だから、いま岩間さん、いまごろから名前をまだぐずぐず言うのかと言うのですが、私も、これに環境という名前は、環境保全ということをはっきりこの法案の性格に、名前から性格づける上においてもはっきりしておいたらいいということでやっておるわけです。だから整備といっても、それはやはり基地を置くための整備ではない。富士の自然的な環境を保全するための整備である。だから、みな整備というものの中には前提がある。それは富士の環境の保全である。その上に立って必要な整備をやっていこうというわけでありますから、基地はもう取り払ってしまえという岩間委員のお立場からすれば、私の申し上げておることが非常にもの足らなく感ぜられるでしょうが、まあ現実に政治をやっておる者としては、そういう条件の中で最善を尽くしたいというのが環境庁長官の心境でございます。
○岩間正男君 最後に、この総括責任者である防衛庁長官に最後にただしておきます。 先ほどの関連で、私は入り会い権の問題が明確にならないうちはあすこの使用転換を強行すべきではないという問題、もう一つは、新たな問題としては、このような疑義のあるこの予算の執行が現に問題になっているんです。したがって、これについては十分にこの正体を明らかにするまで、この二つの条件からいえば、当然この使用転換の強行はすべきじゃない。とりあえず、少なくともそれだけのことはお約束いただけると思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(増原恵吉君) この入り会いの関係は、担当の法制局長官のところで急いで具体的な問題についての新判例の適用ということについて検討してもらっております。急いでその結論をお示しをするようにいたします。私どもはこの何と申しまするか、申し合わせの実行、暫定使用なり本使用なりについての話し合いをいま進めておる段階でございます。これは強行をするなんというような形のものではございませんので、これはその方向を進めさしていただくようにしたい、かように考えておるわけでございます。
○委員長(高田浩運君) 本件に関する本日の調査はこの程度にとどめます。
○委員長(高田浩運君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会 —————・—————