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71回国会参議院1973/09/18

逓信委員会 第18号

発言数
220
登壇者
14
会派数
4
開催日
1973/09/18

会議録

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として松本賢一君が選任されました。  また去る十四日、野坂参三君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。  さらに昨十七日、山田勇男君が委員を辞任され、その補欠として青島幸男君が選任されました。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 日本放送協会昭和四十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。  前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 質問に入ります前に、私も初めてでございますし、また会長さんも新しく御就任になりましたところでございますので、新しくNHKの会長になられていろいろと御抱負もおありでございましょうと思いますけれども、最も会長として大事にしたいと思われるような点、まず、その御所信をお伺いさせていただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お答え申し上げます。  私が最も大事であると思いますことは、NHKの公共放送としての立場を堅持しようということでございます。  この点につきましては、いろいろ放送法上明確に規定がございますけれども、国民の幸福と社会の福祉の増進に役立ちますように、広くできるだけ多く放送が利用せられ、そのことが民主社会における発展の基礎になることを願っておりますし、その意味から申しますと、編集の面につきましても厳正、公正、中立の立場をとりまして、この激動の社会の中におきまして国民に最も有益な、ためになるデータを提供する、こういうところに使命があろうかと思います。この使命の貫徹に全力を尽くしてまいりたい、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 たいへんけっこうな御決意のほどを伺いました。  それでは質問に入らせていただきますけれども、まず、いまおっしゃったようなそういうNHKにするために、いろいろな機構もあろうかと思いますけれども、その中で最高の意思決定機関である経営委員会というのが非常に大きな役割りを占めているし、大事にしなければならない問題だと、そういうふうに私も考えさせられます。  そこで、経営委員会そのもののメンバーでございますね、それはどういう基準で選ばれているかというような点をお伺いさせていただきたいと思います。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 経営委員会の選任の基準は放送法にあるわけでございますが「委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」と、放送法の十六条でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 たいへんけっこうな基準になると思いますけれども、具体的にメンバーがあがっておりますですね。  そのメンバーを見まして、たとえば「教育、文化、科学、産業」というふうになってます。産業は非常にわかりやすくて私しろうとでもすぐわかったんですけれども、たとえば科学の立場からというような方はこの中ではどういう方がお入りになっていらっしゃいますんですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 委員の中で長谷慎一氏がございますけれども、この方が科学界ということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そうしますと、科学の代表も入っていらっしゃる。文化——文化ということになりますとこれも幅広いわけですけれども——ちょっとそれじゃ時間もきょうはゆっくりそうだし、ひとつどのメンバーがどの代表だというふうにおっしゃっていただけますか、初めっから。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 個人別に申し上げますと、伊藤佐十郎氏は水産業、それから木村四郎七氏は文化関係、それから長谷慎一氏が科学、工藤信一良氏が言論、藤田たき氏が教育・言論、古垣鐵郎氏が言論・文化、鈴木俊三氏、この方が産業一般でございます。それから太田十氏、この方が中小企業、桜内氏が公益事業、それから藤田三郎氏が農業、赤羽善治氏が公益事業、新里氏が公益事業、それから伊藤義郎氏が産業一般、こういうことでございます。  そういたしますと、多少重複いたしますけれども、言論関係が三、文化関係が二、教育一、科学一、公益事業三、水産業一、中小企業一、農業一、産業一般二という分野でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 詳しくわかりました。  そこで、たとえば漁業が入っている、それから農業も入っていますね。そうすると、いま日本の人口の中で圧倒的多数を占める労働界というものを代表するという声がここで聞けないんだけれども、それはどういうふうに考えられますか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) そういうような労働界とかあるいは資本家階級とかいうような分け方はいたしておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 抜けているというのは、自然に抜けちゃったんですか、それともそこまで気がつかなかったのか、抜かしちゃったのか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 社会の各界と申しますといろんな領域があると思いますけれども、それをすべて色分けいたしまして、それの代表を選ぶということはほとんど不可能に近いのではないかと、十余名の定員でございますので。そういうことで必ずしも全分野が代表されているということではないと思いますが、できるだけ多くの分野から代表をいただくという配慮で選定してあると思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 私も無理言うつもりないんですよね、だから各分野別に出せなんてそんな無理なことを言わないんですよ。だけどやっぱり労働者階級というのがいま非常に多くなっていますでしょう、人口比率から占める。そして社長さんなんか、ここのメンバーを見ると忙しい方ばっかりですよね、会長さんだの社長さんだの、どの程度聞いていらっしゃるかちょっと疑問なんですね。やっぱり一番聞いている階層といったら働く人たちが圧倒的に多い階層を占めている。そうすると各分野別じゃなくて階層別として考えれば、やっぱり働く人たちの、実際に聞いている者の声というのが反映されるということが私は大事なんだと思ったんですけれども、その点大臣いかがですか、私の言うのは当然だと思うんですけど、どうでしょうか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 御意見の点は理解できるところでございますが、やはり階層別にということでなく、それぞれの分野にわたって幅広く代表者を選んでおるような次第でございまして、御指摘の点等につきましても将来検討すべき事柄ではないか、かように考えます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 幅広いのもけっこうですけど、やっぱり一番聞いている、ウエートを占めているというところの意見を反映しなければ役立たないんじゃないか、そうすれば幅はなるほどたいへんこっちのほうの幅は出てますけど、ほんとうに聴視者の中で大きなウエートを占めているというのが出ないということはおかしいと思うんですよ。その点は理解できるとおっしゃったわけですけれども、理解できればどういうふうにお考えになりますか、入れようとお考えになりますか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 理解できると申し上げた点は、将来の検討事項として、私はいろいろ各方面の意見を聴取しながら考えさしていただきたいと、かような意味で理解できると申し上げた次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 将来といいますと非常に長いことになりますんで、私が言いましたのは、NHKがほんとうにその役割りを果たすそして聴視者にも喜ばれるようなそういういいものになってもらいたいという立場でございますから、将来にわたって検討しましょうなんてあと何年先のことかわかりませんし、早急にその問題について検討されるというふうにお答えはいただけますでしょうか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) やはり広範な皆さんの御意見を十分お聞きをいたしました上で、検討さしていただきたいと思いますので、その時期、機関等につきましてこの際申し上げることは適切ではない、かように存ずる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 広範な方々の意見を聞かれるというような手だても必要だと思いますけれども、具体的にそれじゃそういう広範な人たちに聞くというのは、どういう筋道でそういうメンバーを選ぶということを検討されますか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 各方面の御意見がいろいろなルートで郵政省に集まるわけでございますので、それを十分に検討しながら、最終的には国会の同意を得るわけでございますので、国会の同意を得て最終的にきめていく、こういうことでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 終点だけわかったんですけど、行く道がわかんないんですよ。いろいろなルートというのはどういうルートが具体的にあるんですか。それはこのメンバーがきまってくるルートにもつながると思うんですけど、どういうルートでそういう委員会のメンバーというものが出てきて、そして郵政大臣から出されて国会にかけられるということになりますか。いまおっしゃったいろいろなルートでというその抽象的なことばがどういうルートに当たるのか、それから十分検討するというその検討する機関というのはどういうものが考えられるのか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 人事に関する問題でございますので、こういうルートでだれからだれが聞いてこう何するという確たる仕組みがあるわけではございませんが、郵政省といたしましても各地方地方に電波監理局というものが置かれておりまして、たとえば電波監理局長がその地方の有力者、たとえば県の知事さんとかいう方々あるいは公益事業の代表者の方々、こういう方々の御意見をおりに触れてひとつ頭の中に入れておく、そうしてたとえば北海道なら北海道で選定するという場合には、いままでいろんなそういうようなルートで入ってきた一つの知識を持ち寄って選定の資料にするということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 結論はそういうところまでしか出ないのかもしれませんけれども、電波監理局が知事や公益事業の方々などの意見を聞いてと、そしておりに触れてと、こうなりますでしょう、そうすると、そのルートで十分検討するなんてもう実にふわっとしているんですね。そういう方たちにおりに触れてそこまで考えていただけるかどうかということはちょっと考えられませんね、常識的に言っても、お忙しい中で。だからそういう方々の意見をおりに触れて聞いて、そして考えようなんていったら、将来なんていったら、いつの将来かますます不安になるわけですよね。  そういうことで、私は一つの問題提起としてきょうお願いをいたしますが、やっぱり一番聴視者の声を代表できる——NHKを一番その人たちは考えていると思うんですね、ほんとうの意味で。そういう方たち、特に階層としての働く人たち、労働者階層の中から入れるという点について、おりに触れて聞くなんて自然的なものでなくて、こういう意見があるけれどもこの点についてはどうだ、というような積極的な立場で意見をお聞きになるということが私はいまやっていただきたいことなの。それは将来も検討しようとおっしゃるならば、当然そういうふうな手だてがなされなければできないことだと思うんですけれども、そういうふうに御努力いただけないでしょうか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 意見を聞くという意味は、やはり国会での論議を通じて国民を代表しておみえになります国会議員の皆さんの意見を聞く、場合もありましょうし、あるいは報道関係等を通じて世論の動向を聞く場合もありましょうし、いろいろの方法があろうかと思うのでございます。ただいまの御質問の要旨、私としてはよく理解できるところでございますので、この点については十分考えまして検討さしていただきたいと存じます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、しつこくなりますからもうやめますけれども、私の言っていることもおわかりいただけると思います。無理なこと言ってないつもりでございますので。そのところはほんとうに前向きで——前向きでも立っているだけじゃなくて歩き出して、検討していただくというふうにお願いしたいと思います。  それでは、私もう一つ心配いたしますのは、こういうたいへんお忙しい社会的な方がお出ましになりまして、ほんとうに一番大事な最高意思決定機関である経営委員会というものの内容が伴っているのかどうかという一つの心配がございますのですね。形だけ来ても、こっちで出すのにああそうか、ふんふんという程度では、ほんとうに御意見を伺うというようなこともございませんし、その実態はどういうふうにいままでごらんになっていらっしゃるか、会長さんのほうでもけっこうですけれども、ほんとうに役に立っている委員会なのかどうか、その辺役に立つのでなかったらたいへんだと思うんですよ。いろいろお手当などもお出しになっていらっしゃいますでしょうしね、どれくらいお出しになっているのか、何回くらい月にやられているのか、そしてどれくらいの内容で、ほんとうに実りのあるものかどうか私存じ上げませんものですから、ちょっとお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 経営委員会の立場は、NHKの重要問題について基本方針を決定する最高機関でございます。いわば意思決定機関でございます。会長はその経営委員会によって任命をせられ、経営委員会で決定された方針に基づいて協会を代表して業務を執行する、こういう立場になっております。さように考えますと、経営委員会の存在というものはNHKにおきましてはきわめて重要なる存在でございます。これが十分な所期の成果をあげ得ないということになれば非常に問題だと思いますが、幸いのところ、現在の状況から申しますと、私はNHKの最高機関であり、意思決定機関としての十分な使命を果たしておられる、かように考えております。  会議の回数から申しますと毎月定例一回でございますが、二日の日時を充てまして会議を開いておられます。その他臨時の経営委員会を開かれることも事柄の次第によってはございますけれども、昨年一ぱいの実績から申しますと、十三回正式の経営委員会を開いております。そのほかに在京経営委員会、いわゆる東京にしょっちゅうおられる経営委員が四名ほどございますけれども、これは月二回、経営委員会の正式の会議とは別に会合を持たれて、NHKの中におけるいろいろな問題について報告を受け、それについて意思決定をする基礎を非常に御勉強になっております。また地方の経営委員の方々は随時局に来られるとか、あるいは番組審議会等があればそこにも出席せられ、いろいろな資料を集められる、それによって経営委員としての任務を全うする予備的な知識の吸収をせられておるわけでございまして、その意味から申しますと、私は今日のNHKの経営委員は十分にその使命を果たしておられる、かように考えておりまして、法定の重要事項はもちろんのこと、法律に明記してございません重要問題につきましても、NHKの基本的歩みに関係がある問題につきましてはいろいろと御勉強になり、また会長私とも月二回は必ず経営委員長、代行、これがひざ突き合わして意思疎通をはかり、またいろいろな意見交換をいたしておるような次第でございまして、私は、今日の段階では、経営委員会の存在意義は十分にある、かように信じております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 その在京の四人とおっしゃったのはどなたでございますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 木村四郎七さんが東京在住でございます。古垣さんがそうでございます。それから藤田たきさんが東京在住でございます。そのほか長谷慎一さんがそうでございます。工藤さんがそうでございます。四名と申しましたが、人数をちょっと間違えました、五名。そのほかに経営委員長の伊藤さんが、東京には住所がございませんけれども、この在京経営委員会には必ず出席されております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 経営委員会のほうに労働者階級の代表が入っていないということと、それからもう一つ私感じましたのは、やはり一番聞いているのは婦人なんですよね、そうすると婦人の声というのもやはり入れていただきたいなとそう思います。また番組審議会なんかにも、ずっとメンバーを見せていただきましたら婦人がちょっと入っているところもございましたけれども、圧倒的に少ないですね。やっぱりまだ婦人軽視が残っているのかなとちょっとひがんじゃいますけれども、やはり一番聞いています。婦人が。科学とか教育、文化なんという立場からいうと、婦人はまだ無理だというふうにお考えになるのかもしれませんけれども、婦人婦人と申しましても最近の婦人はたいへん勉強しておりますし、非常に興味を持って見ているということは今後いろいろな問題点を発掘する場合の参考になりますしね、ぜひ婦人も入れていただきたいということを切にそれもお願いしたいと思うわけなんです。  それで、会長さんも、幸いなことにこれは使命を果たしているとおっしゃっていましたけれども、私もいろいろなところで伺いますと、これはあんまり役に立っていないのじゃないかというような点が多いわけですよ。だからおたくのほうでごらんになれば、使命を果たしているとおっしらなければならない立場ですから、まあおっしゃらざるを得なかったと思いますけれども、それを客観的にこういうふうに話し合いが進んで、こういうふうな意見が出てというような、たとえば国会なんかですとこうやって議事録がとられているから、そのことでみんなが知ることができるし、たいへん私たちも知りたいなと思うんですけど、議事録なんかおとりになっていらっしゃいますのですか、その場合。おとりになっていらっしゃるかどうか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 経営委員会の議事録は、詳細ではございませんけれども、主要点につきましては記録にとどめております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃそういうのは一体どういうふうに運営されているのか、私も初めてでございますのでいろいろ勉強させていただきたいわけなんで、大体、どういうことが話題になって、どういうことが話されてきたのかというそのことを見せていただくなんていうと、いわば公開ですね、そういうことができるものですか、それとも部外には全然そういうことはお出しにならないということなんでしょうか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 郵政省には御報告申し上げてございますけれども、一般に公表はいたしておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃそれはもう絶対見せてもらえないということになるわけですか、見せて都合悪いですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 別段に都合悪いということでもございませんけれども、これはやはり日常の活動を通じまして、たとえばセンターの建設等につきましても、原案がかなり経営委員会のきわめて有益、適切な御意向によってより充実し、整備され、また不要なところはこれを削っていく、こういうような運用にもなっておりますし、そういったいろんな面を通じますと、私は、現在の経営委員会は、この議事録を発表するしないにかかわらず、十分その使命を達成されておる、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 公開するということはもろ刃の剣でございまして、自由な意見が言えないというような点もございますから、いろいろ御配慮になっているのだと思いますけれども、私の心配いたしますのは、おたくのほうではこういうふうにやってる、放送法に基づいて公正適切な中立の立場でやってらっしゃるとおっしゃっているのだけれども、たとえば世論調査なんかにいたしましても、これは見せていただいたのですけど、日放労で、七三年の一月ですからことしでございますよね、ことしの一月にモニター運動報告というのが出ておりました。  そこでは体制、権力の側に立っているというのが七〇・二%ですね。それから中立、公正の立場に疑問があるというのが二一%。どうも先ほどおっしゃっていた立場にしては、現実にはこういうふうに反映されてきているという、やっぱり決して中立だとは言えないじゃないか、体制側に立っているというのは合わせますと九一・三%というのが出ておりましたので、私はなるほど私もそう思ってちょっといろいろ問題があるなと思ったけれども、やっぱりそういうふうなのが出ているというふうに思いましたし、またこれは何回も出ておりますけれども「暮しの手帖」なんかで問題になりましたですね。ああいうようなことを考えますと、いたずらにNHKをやっつけるなんていうけちな考えじゃなくて、やっぱりガラス張りなんだという証明をするためにも、いま言ったような何らか客観的に証明できるような方策をお立てになるほうがNHKさんとしてもいいんじゃないかなと、そういうふうに考えていたわけなんですよ。  それで時間もなくなりますから次に移らしていただきますけれども、先ほどいい御答弁をいただいたけれども、たとえば具体的に問題を出しますと「総理と語る」いま「総理対談」ですか、ああいう番組がございまして、これは全然評判悪いですよね。それでこの番組がいつできたかというと三十六年のことでございますね。三十六年といいますと、あの安保で一騒動があったあとでございます。この背景を考えるとちょっとひっかかりますし、こういう番組が登場したのは政府から申し入れがあってこの番組をお組みになったのか、それともNHK自身の中でこういうのが必要だということでお取り上げになったのか、その点いかがでございますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) この番組の発端は、開始をいたしましたのはちょうど池田内閣の当時でございます。これは外からどうこう言われた問題ではなく、NHK自体が必要を感じまして自主的に組んだ番組でございます。  そういうことで池田総理に御出席をいただきまして開始した番組でございますけれども、その趣旨といたしますところは、一国の総理大臣でございます。政府の施策そのものは国民生活に非常に重要な関係を持つものであり、その点が明快になりますことは、国民の立場から申しますと生活上非常に利便の多い問題でございますので、そういうような見地から総理の所信をいろいろ披瀝していただく、こういう意味合いで開始した番組でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そういう意味でお取り上げになっていらっしゃるとおっしゃいますけれども、具体的にその内容を見ますどね、まさにはっきりしたことばで皆が言っているのは、政府の一方的なPR番組になっているというのはもう大体みんなの感じているところですよね。そうすると放送法四十四条の番組基準などからいっても、やっぱり問題にされてもしようがないような内容だったんじゃないかというふうに言わざるを得ないのですけれども、その点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 立場によっていろいろ考えが違おうと思います。この番組は非常に視聴率の高い番組でございますし、そのあとの結果を調査いたしますと、非常にためになった、役に立った、こういうような意見が多いのでございまして、決してこれが一方に偏した番組であり、放送法の公正、中立の立場を曲げておるものというような批評は大勢的には受けておりません。まことに喜ばれておる番組と、私どもは、世論調査等の関係から見ましてもこれを裏づけ得る、かように信じております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 お信じになるのはけっこうなんですけれども、視聴率が高いというのは確かだと思います。私たちもよく見ていますからね。それで見ていて視聴率高い、そのままいい番組だとは言えませんよね、批判的に見る目もございますね。  そうすると放送法にも番組基準にももとっていないとおっしゃいましたけれども、たとえば四十四条の三項の四号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」私たちも別に共産党的な発言をしたからいい番組だなんてそんなことは考えておりません。公共放送の立場ということを考えればおのずからそこに守るべき節度があると思います。しかし具体的に私が言いたいのはここなんです。明らかに二つの意見で国論が対立しているというようなときに、一方的な立場の総理が語る、そして聞くというのも、それに対して反論して問題を深めて国民の聞く側に役に立つような内容で聞いてくださればいいけれども、そうじゃなくて、総理が次々としゃべりやすいように誘導するだけで、ほんとうに国民が聞きたいという立場に立っていないということから考えても、やっぱりいまおっしゃったことは私はいただけないわけなんです。「朝日」の投書も私見たのですけれども、総理への礼を尽くしながらも、そのテーマについて、私たち国民が一番聞きたいことを率直に質問できるような、権力を恐れぬ立派な人物を選んでほしい。」というようなことが出ていますんですよね。これを聞いた人たちはみなそういうことが意見として言えると思うのですよ。  だから、私は、たとえば一番問題になったのは、五月段階の小選挙区制が非常に大きな問題になっていたときでございますよね。これはいい悪いは別として、二つの立場に立って非常にあれが問題になっていたときでございましょう。総理大臣のとうとうとお述べになったことは一方の政府の立場をおっしゃったわけですわ。そうすると聞き手のほうもそれを進めるという役目だけであって、国民の一番聞きたいと思う、総理はそうおっしゃるけれどもこの点はどうなんだと、こういう意見もあるじゃないかというように、かみ合ってみんなに判断できる素材を与えるということが大事だと思うのですね。放送の中で国民の役に立つという立場に立っていない、まさに一方的に総理がしゃべるということになっているわけですね。だから内容がいい悪いというのじゃなくて、二つのこんな大きな問題になっている問題を、片一方だけの意見をお出しになっているというのはちょっとやっぱり、いろいろとことばでおっしゃっても、現実には国民はそう見ていないということを申し上げたいと思うのですよ。  そこで次に、そこから進めますけれども、それじゃそういうふうな不満がある、一方的な政府の宣伝の中身でしがなかったという批判があったときに、これに対して片一方の意見ですね、両論分かれているとき、片一方の意見を国民の前に明らかにする、そういう救済措置といいますか、そういう保証ですね、公正な立場ということになれば両方の意見を出さなきゃならない、そういうときに、一体、どういう救済措置を考えられているのかお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 「総理と語る」という番組は、いわゆる日本の行政、政治の最高責任者であり、国民のためにいい政治をしなければならない責任を負っておられます総理大臣の方針なり考え方なり、これを国民に知っていただくことは国民生活に非常に緊密な行政の問題でございますので、これが必要だということで設定をした番組でございます。  四十四条の精神を生かし、いろいろな反対の意見がある場合には、それも紹介しなければならない。もちろん言いっぱなしでなしに、それに対する反論もありましょう。そういうものを取り上げる面につきましては、NHKといたしましては、あるいは世界に例のない国会の中継あるいは政治討論会、国会討論会、幾多の番組を組んでおりまして、その際にそういった重要問題についてのいろいろな意見をすべて紹介できるような配意を下しております。そのような面で、一つ番組があれば、その意見に対して直ちにそこでその反対の意見も紹介するというようなことを個々の番組ごとにやるということは、必ずしも四十四条の精神はそのようなことをいっておらないと思います。番組全体として、そういった広く意見の分かれる問題は漏れなくそのような意見を御紹介する、こういうふうな措置は番組全体を通じましていろいろ努力もし配意もし、またある程度の実績をあげておる、このように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いろいろな番組の全体を見れば、決して一方的な宣伝だけではなくて、全体として公平な立場で放送しているとおっしゃいましたけれども、おたくの「文研月報」で見て——きょうちょっと持ってこれなかったのですけれども、そういう反対意見が抹殺されるというようなときの救済は、やっぱり同じ時間帯で、同じ持ち時間で影響力も同じというところで救済されなければ、朝の解説はこういうふうに言っています。こっちでこういうふうに言っていますなんて全体から見ればそうだけれども、一番視聴率の高い総理番組のあそこのところでこう言われたということについての救済措置というのは、全体から見ればそうなっているということでは、私はそれは言いのがれにしかすぎないし、初めの所信表明はたいへんけっこうだったけれども、だんだん成績落ちてきたですよ、そこのところへきますとね。  だから、そういうことは慎重に考えていただかなければ、ことばでは中立の立場を守っていると言われながら、国民が見る目というのは客観的にこれを批判しているわけですから、同じ番組に総理しか出られないのだから、総理でない者が出るというわけにはいかないけれども、やはりそれに対するちゃんとした救済措置というものがなければ、全体で多面的にこうだということではちょっと私はまずいと思うんですよね、大臣どうですか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 先ほどNHKの会長からるるお述べになりましたように、放送全体を通じて政治的に公平であるような措置がとられておるように私は考えます。  ただいま小笠原委員から御指摘のような意見もあろうかと思いますし、またそうでない意見も私はときどき耳にするのでございます。たとえて申し上げますれば、政党を支持する率がそれぞれ違うのであるから、政治討論会の場所においては、一対一というような立場ではなくして、その支持されておる率に従って加わる人の人数をきめるべきではないかというような意見も私はときどき耳にするのでございます。これはただいま御指摘の御議論とははずれておるかもしれませんが、いろいろの私は意見があろうかと思うのでございます。  しかし、あくまでもこれは放送当事者がこの編集の番組につきまして御検討をいただき、また実施をしていただいておるような次第でございまして、放送法上の規定を逸脱しないように、国民の皆さんがほんとうにNHKのあり方についてよく理解をし、またこれに御協力をいただくような、喜んでいただけるような放送が行なわれることを私は望んでやまないものでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それで聞き手のメンバーというのはどこで選ばれるのですか。総理の希望をおとりになるのですか、NHK独自でおきめになるのですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 原則といたしましては、NHKが自主的に判断をいたしまして、決定をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 自主的に判断をされたとすれば、あんまりいいメンバーじゃないですね。いいメンバーじゃないというのは、総理をこう持ち上げてずっと話を出させるというような聞き手が多いですよ、いままで見せていただいたら。だから、少しは改善されてきているというのは認めますけれども、やっぱりそうだとすれば、もっとその時間だけでけっこうですから、総理がそういういろいろの問題を持ち出したときに、それをすごく深めて、   〔委員長退席、理事古池信三君着席〕 そうして判断は国民自身がするという聞き手を選ばなければ、その時間帯というものがもう無意味になると思うのですよ。そちらのほうで言わせれば、これは視聴率が高くていい番組だとおっしゃるし、私のほうは一般的なたくさんの世論だと確信はしているわけですけれども、そういう意味で、聞き手の問題についても、もしもその番組でやるとするならば、それが深まるような、はっきりさせるようなそういう聞き手を選んでもらわなければならないと思います。それを要望として申し上げます。  時間がないもので進めますけれども、九月十七日、昨日の「読売」で、総理はこれがたいへんお気に入りですね。お気に入りだというのは、たいへん効果があると思っていらっしゃるからお気に入りなんだけれども、これを倍増したいというお申し出がございまして、それについて坂本放送総局長は、これは受け入れるというような御発言をなすっていらっしゃるのですけれども、私はこれは新聞で見たのですけれども、これは事実でございますね。

坂本朝一日本放送協会理事

○参考人(坂本朝一君) 取材にあたりまして、私がそのように答えたわけでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それて、この申し込み——いままで一カ月おきですか、民放とNHKと。これを倍増したいというような御希望があったわけですけれども、これをどういうふうにお受け取りになって、どうなさるおつもりでいらっしゃいますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 池田内閣当時にこの番組を始めまして、NHKとしては、できるだけこういった番組はひんぱんにやったほうがいいと——もちろん討論番組ではございません。そういうような意味合いで国の政治の方向、実態、そういった事柄を国民に十分に知っていただくことが日常生活に非常に便するところが多い、こういうようなねらいからこの番組を始めたわけでございます。できるだけひんぱんに開くほうがいい、こういう要望は持っておりましたが、いろいろな事情で、あるいはNHKだけでなしに民放さんも参加したい、こういうようなことで回り持ち方式あるいはその他のいろいろな関係で回数はさほど多くありませんでした。  NHKとしては、これを開始いたしました当初から、現状よりももっと回数が多いほうがいい、こう望んでおったわけでありますけれども、総理のほうでもそういったNHKの長年の要望も取り入れられた結果でありましょうか、もう少し多く出演してもいいというようなことになりまして、NHKとしてはそのような運営が望ましい、こう判断をしておる次第でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃ倍にしたいというのをお受け取りになって、そういうふうに企画するということですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) これはかねがねのNHKの要望でもございますので、押しつけられてそうするということではなく、その要望がここに至って満たされたというように判断をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 政治の方向や実態を国民に知らせるということですね、そのことはいいと思うんですよ。しかし先ほどから聞いていますと、全くもうあれですね、政府のPR番組のやっぱり片棒をかついでいらっしゃるとしか言いようがないですね。  たとえば小選挙区制のあの番組の問題のときでも、私たち国会議員としては、国民の代表が集まっている国権の最高機関である国会で総理自身小選挙区制についてどう考えているかということを表明すべきであると国会で再三要求したのに、田中さん審議拒否ですよね、全然お出にならない。国権の最高機関である国会に全然お出にならないでおいて、NHKさんのほうを使ってかってなことを言って——こんないいことないですよ、総理にしてみれば。だから当然もう倍ふやしてほしいというのはあたりまえのことだし、また伺いますと、会長さんは田中さんとたいへん仲よくていらっしゃる、これはもういい仲だから話はつけてもらえるんだというようなことで、田中さんもここのところでもう一つふんばってまた宣伝しようという意図が明らかに見えるわけですね、どうおっしゃっても。それはいろいろと放送法やなんかに決してもとるものではないとおっしゃっても、やっぱり客観的な国民の受ける問題としては、これについでは非常に大きな批判を持っています。はっきり言って。それはもういろいろおっしゃっても強弁なすっても、これはもう認めざるを得ない問題だと思いますよ。  だからこういう問題が非常に大きく起きているときですから、いま田中さんの要請を聞いて二倍にもふやすなんということではなくて、それじゃこの番組についてみんなどういう意見を持っているんだと、それこそ世論調査所もお持ちになっていらっしゃるんだから、こんな大きな問題だったら調査なすって、客観的にこういう問題として世論が出てきたというようなそういうものがあれば、私はまた考えられます。しかし、いまおたくのほうの答弁だけで、この番組は決して偏向してない、政府の一方的なものではない、だからよくみんなに知らせるためにもつとふやしますというのは絶対にいけないと思うんですよ。少しそこのところを慎重に御配慮いただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 私どもも軽率に判断をしておるわけではございませんで、非常に慎重に扱うべき問題であることは御指摘のとおりだろうと思います。  もともといまに始まったことではなくて、この種の番組はひんぱんにやるほうがいい、このように発足当時から考えておったわけでございますので、たまたまそのような願望とも一致いたしますので、そのように扱うべきじゃないか、このように考えておるわけでございまして、田中総理と私との個人的な親しさというようなことは毛頭ございません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ほんとうにいまの政治の動きを知らせるということをお考えになれば、いまの政治というのは田中さん一人でやっているわけじゃないんですから、田中さんの話をこの番組で大きな時間をとってやるのじゃなくて、もっとほんとうにいまこういう実態だ、こういう問題があるんだ、こういう意見があるという、それこそそういう中身を考えてやるべきだと思いますよ。  これで見れば、聞き手も少しは改善されたといっても、まあ田中さんに都合のいい聞き手だし、そうしてなすっている内容というのも、私たちに言わせれば事実に反している点もあります。田中さんがあの調子でお話しになるから。そういうことを——あれもうたいへんな聴視率でしょう、たいへん高いとおっしゃったんだから。影響甚大ですよ。慎重に考えてほしいというのはやっぱりそういう国民に対する影響ですよね。これが何と言われようとも、この内容を調べていけば、二つの意見の一つのほうの表明にしかすぎないということから考えて、そういう立場で慎重に考えてやっていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説のお気持ちはよくわかります。回数はそのようなことでございますけれども、この番組の運営の中身については、いろいろお説のようなお気持ちも十分に考えながら配慮を下す余地もあろうかと思います。  問題は、従来のそれも総理の一方的な話だけでなしに、こういう意見もあるんだがという反対の意見も紹介して、総理はどうお考えでしょうかと、こういうような場面もございます。その辺はこの番組の運用のしかた、生かし方であろうと思いますので、こういった面についてはなお十分な成果があがりますように考えてまいりたい、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 こういう反対の意見もございますが総理いかがでございましょうかというところが問題なんですよ。反対の意見どうですかと、それについては総理がうまいことごまかせるんですよ、そこで。ごまかせるからなお悪いんですよ、私に言わせれば。そうじゃなくて、そこで対等に、そうおっしゃるけれどもそれはおかしいじゃないかと言えるような、そういうところが必要だと言うんです。やっぱりまだ理解していらっしゃらないです。私の言うことを。こういう御意見がございます。いかがでございますじゃ、もういいところをそれこそますます宣伝されるということになりますからね。だからその辺のところをほんとうに考えてもらいたいということですね、中身として。  それから回数をふやすという問題ですけれども、先ほどからおっしゃっていましたように、いま国民の要求というのは非常に多面化しております。多様化しておりますよね。そうすると、あんな番組だけふやしてあんな時間とってそれで宣伝するんじゃなくて、もっと客観的にいい宣伝の方法——おたくのほうが国民のためになる番組の編成だって考えられてしかるべきだと思うんですよね。そういう意味から少なくともふやすなんということは絶対避けていただきたいと思います。どうですか。   〔理事古池信三君退席、委員長着席〕

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 御要望は承ったということにさしていただきたいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 承って——もうきまったんですか、倍にふやすというのは、おたくのほうで。受け入れてふやすんですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) ありていに申しまして、そのように決定をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 じゃその決定をもうお出しなさったと思いますけれども、これ非常に問題が多うございますし、私も時間がありませんからきょうはこの程度になっちゃいますけれども、そこのところをもう一度決定なすったところの機関にはかっていただきたい。いろいろな意見を持っている人がたくさんいるんだということで、もう少し慎重に考えていただきたいと思います。  それじゃ次に、受信料の問題についてちょっと伺いたいと思いますが、前会長は、衆議院でわが党の平田議員の質問に対して、将来とも放送法の三十二条の規定は変えないと答弁をされているわけです。つまり受信料の支払いを強制するような法改正はしないというふうに前会長は言明なすったんですけれども、小野さんもやっぱりそういうふうに引き続いてお考えになっていらっしゃいますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 三十二条の改正問題につきましては、もっと明確に、支払わなければならない、こういうように規定してはどうかという意見もございます。前田会長は、その必要はないと、現在の「契約をしなければならない。」で十分だと。  と申しますのは、契約すれば金を払わなければならぬことは事柄の性質上当然でございます。三十二条の規定だけでなしに、それに続く規定では三十二条を受けて受信規約をつくります。大臣の認可が要りますけれども。その認可を受けてきまった受信規約上の料金は正当な理由なくして減免してはならない、このような規定もございます。そういうことを総合して法律判断をいたしますならば、いわゆる契約をすれば支払わなきゃならぬことは当然付随しておるわけでございまして、何も事新しく三十二条を支払わなければならないと、こう規定する必要はない、このように考えて前田会長も答弁されたわけでございますけれども、私も今日同様な感じを持っておるわけです。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 確かに契約しても払いはないという人がいますよね。そういうのは、別に不払い運動なんというのはいいということは言えませんけれども、その人たちがなぜ不払いをしているのかというのは、やっぱりそれはいまいろいろおっしゃったけれども、NHKの番組そのものに相当批判を持っているということがその形にあらわれたんだと思うんですよね。そうするとその批判があるということに対してNHKは反省をしてもらうということが必要だし、それに向かって強制的に取り立てるというようなことでは、民主主義の問題から考えてもちょっと問題になるんじゃないか。でまあ前会長がそういう強制的な取り上げをするというような改正は考えていないとおっしゃったものですから、そういう意味でも考えていてくださるのだなと思ったわけで、きょう確認させていただいたわけです。  大臣もその点はやっぱり確認できることですね。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいまNHKの会長がお答えになったとおりでございまして、現行の受信料制度というのは、御承知のとおり、受信者とNHKの信頼関係を基礎にしてNHKの費用を受信者が負担する制度でありまして、長年の間にすでに国民の間に定着をいたしておると思いますので、これは現行の制度そのままで継続していくことが望ましい、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いろいろ免除の規定を見せていただいたんですけれども、私とっても考えちゃったんですけれども、この委員会でも議事録見せていただいたらずいぶん問題になっておりましたけれども、お年寄りの聴視料のほうを何とか免除してほしいということが切実な希望になっておりましたけれども、まあお年寄りといってもだれでも七十歳以上になったら全部免除なんということはちょっと無理だと思います。  せめて一人暮らしで寝たきり老人なんということを考えれば、生活保護を受けている人が多いだろう、困窮者のこの項目に入るだろう、そうすると残っている者というのはほんのわずかになると思うんですね。まさに生保にも入らない、困窮者にも入らないというようなボーダーラインのところでわずかに残っているというような実情があると思うんですよね。そうすると、そういうわずかなものであれば予算としてもわずかなものでしかないし、国鉄さんなんかでも自障者なんかに割引なんということをやっていらっしゃるから、そこでNHKさんが、そういう寝たきり老人で一人暮らしでこの免除からはずれているというのをあたたかく、わずかのところで救済してもらうというようなことを考えていただけないのかなあと、大きな額にならないと思うのですよね、その辺どういうふうに考えていただけますでしょうか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 社会福祉の見地に立ちます受信料の減免の努力は、従来、最大の努力を尽くして今日に至っております。その現状についてもまだまだいろんな要望がございます。寝たきり老人のいわゆる老後の問題もございましょうし、そうでない身障者の分野につきましても現状をもっと広げるような御要望が強いわけでございます。その必要を認めぬわけではございません。NHKの財政が許せば、在来もそういうことに非常な努力を払ってきたのでございますから、そういう努力を拡充していくべきものと考えますけれども、これは財政とのかね合いでもございます。  問題は、国全体をあげまして福祉国家を標榜し、福祉政策が政策の中に占める比重は漸次大きくなりつつある。そういう面からNHKだけの施策でなしに、やっぱり国の施策としてそのようなことにも目を向けられることがNHKとしても非常に歓迎し、また喜ばしい方向ではないかと思います。現在のNHKの財政規模の中でそういう要望を満たしていくということになりますと、これはいろいろ限界もあろうかと思いますので、今日の現状では、遺憾ながら現在の状況がNHKの持つ力では手一ぱいではないか、かように考えております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 私も、こういう問題の出すところというのはやっぱり厚生省の予算ですよね、そういうところで出すべきだと。私もいままで社労をやっていましたから、もう当然筋としてはそうだと思うんですよ。しかしまた社労に行ってて実情を見ますと、こっちで目玉つくりますと、あとしわ寄せ来ているんですわ、去年難病でわっとやったらこっちの予算が削られちゃってね。そういう中身よくわかっているものですから、きのうもちょっと計算してみたんですよ。そうすると老人福祉年金もらっている人は四十九万からいるわけですね。その中で九万人は生保のほうに入っている、残ったのは四十万。四十万にして計算してみたら三億何ぼというお金が出たんですよね。だからこれじゃちょっとNHKさんもたいへんだと言われるかもしれないと。そこでだんだん狭めていきましたら、ここのところでフォローされていない部分というのはもうごく少数になったわけですよ。  そこで財政とおっしゃれば、いろいろと投資もなすっていらっしゃるし、あの決算書を見せていただいても決して楽だということはないと思います。しかし楽だ楽でないというのはどこに基準を置くかということですよね。そうしたら、もう大きなホールなんかをおつくりになってやっていらっしゃるというようなあの大世帯から考えれば、寝たきり老人の生保にも困窮者にも入っていないボーダーラインのわずかくらいのところは、これは筋は厚生省の予算でとるべきだけれども、それくらいはNHKさんものわかりいいんじゃないかなあと思って、きょう私は期待してちょっとお伺いしたわけですけどね。いまのところだめだなんて冷たいんじゃなくて、もうちょっと色いい返事というのは出ないですかね。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) NHKのいわゆる基本方針からまいりますと、できるだけそういう面は取り入れていったほうがいいと思います。私はそのように考えております。明年度予算あたりでもやはりそういう政策を一本掲げることがNHKとしての任務を果たすゆえんではないかと思いますけれども、現在、四十八年度を起点といたしまして三年間は値上げをしない、こういうようなこともお約束をしておりますし、いわんやその中身を申しますと支出と収入の伸びのそれは二%強のギャップがございます。それだけのやはり下回った収入増でものを考えなければなりませんので、理念的にはそのようなことも大いに好ましいと思いますけれども、現実にはたしてそれを織り込むことが可能であるかどうか、いまその辺の自信がないわけでございまして、つい非常に突っ放すような御答弁になりまして非常に恐縮に存じますけれども、この問題は、やはり国が国がでは、こればかりではいけないと思います。NHKとしても、事情許し財源が可能であればそのような面も考えるべきだというような点につきましては御同感申し上げるわけでございますし、いろいろ検討してみたいと思います。その結果は必ずしもそうやすやすとできる現状でないということだけはお断わり申し上げますけれども。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 もう一問で終わります。時間になりましたから。  そういうことでちょっとあったかい気持ちにさせられましたけれども、何とかそういう点を頭に入れていただいて、もう見ていますとほんとうにテレビが命でございますね、ああいう方たちというのは。そうするとやっぱりそこのところであったかく何とか配慮をしていただきたい。まあ御検討くださるということでございます。結果はどうなろうともそういう立場で御検討いただくということを心からお願いしたいと思います。  それじゃ時間になりましたので簡単にお伺いしたいと思います。  千歳市の騒音で聞こえないというような問題なんですけれども、千歳の町の中で長都と釜加という部落がありますんですね、そこのところが対象地域に入っていないんですよ。対象地域をきめるのはどうだということになりますと、前後五キロと横川キロというような区画がございますね。しかしほんとうに基準として考えれば、区域できめるんじゃなくて騒音で基準をきめるのが当然のことですよね。しかし一定の基準というものはそういうふうな区域できめられたのもけっこうだと思いますけれども、実際に騒音でたいへん聞こえないというので、陳情書もNHKの北海道本部長あてに、千歳の市長さんが添え書きをつけて聴視料減免措置にしてほしい、その対象地域にしてほしいということが来ているんですけれども、それはおたくのほうでも御存じでいらっしゃいますですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま御指摘の陳情書はことしの二月にちゃんとまいっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それで、郵政省として六月ごろ調査に行くというようなことが言われておりましたね。たしか衆議院の多田議員が伺ったときにお答えになったと思うんですけれども、こういう問題について六月に調査に入るということをお答えいただいたんですが、ほんとうに入っていただけたのかどうか、その辺ちょっと伺いたいと思ったんです。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) NHKと一緒に調査いたしまして、それでいま先生が御指摘のところは例の区域の中に入ってないということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 入ってないから陳情が来たんですからね、入ってないのを調べに行く必要ないですよ。入ってないけれども、そこが実際に聞こえないから、だからその対象地域に入れてくれという要請なんです。それに該当するかどうか。  ちょっと離れているというのは、道路とか川とかというんじゃなくて、長都、釜加というのは地理的に、御存じないかもしれませんけれども、同じ千歳市内なんです。騒音も非常にひどいというところなんですね。だから当然その何キロのワクには入らないけれども、運用で騒音のひどいところは対象にするということはほかにもございますね。あの一キロ二五キロというのはもうきちっときまっているわけじゃないでしょう。やっぱりちょっとこう曲がって対象地域をふやしたり、削ったりというような地形によって変わってきているわけですよね。ここはこの一キロ二五キロのワクには入っていないけれども、聞こえない、同じ千歳市なわけですから、そうすると、それについて調査に入られたと私は思うのですよ。その結果どういうことになったんですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) ただいま御指摘の地域は相当一キロ−五キロの範囲から離れておる、報告によりますと十キロ程度離れておるんではなかろうかということでございますので、いま直ちにこれを一キロ−五キロの範囲と同じように免除の対象にすることはむずかしいと思います。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 何月何日、どういうメンバーで調査なすって、報告書というのはあるかどうか、その点簡単に、時間がありませんから。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 先ほどちょっと答弁が少しずさんでございましたが、NHKに調査してもらって、それを私のほうが聞いたところが、いま申し上げましたような調査結果でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 いつですか、いつどういうメンバーで行っていますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま電監局長の申し上げました件でございますが、ちょっと私のほうではその辺の詳細な報告を聞いておりませんので、何月何日、どのような調査をしたかということはいまつまびらかにしておりません。  ただ、いま電監局長も申し上げましたように、一キロ−五キロという運営につきましては、私どものほうでもできるだけ弾力的な運営はいたしております。すでにこの千歳周辺でも、その村落の地形等に応じましてかなりゆとりを持った措置をとっておるわけでございます。しかしながら、いま御指摘の長都、釜加につきましては、かなりまたそこからは距離がございまして、現在のところ、そこまで含めまして半免の措置をとることはちょっと困難だということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃNHK独自で調査なすっているんですね、郵政省一緒にだれか入っていますか、NHKだけですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) NHKだけが調査いたしました。その調査結果を私のほうが伺ったということでございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、その伺ったというのは口頭でお伺いになったんですか、報告書をおもらいになったんですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 口頭でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そんなことでほっておかれたら困るんですよ。  きょう具体的にお持ちにならないからここで問題にできませんけれども、何月何日にどういうメンバーでどれくらいの時間をかけてどういう調査をなすったかというのは、おたくがなすったんだからあるわけでしょう。だから、その何月何日どういう時間帯で、メンバーはどういうメンバーで行った、その結果はどうだったんだというその調査された報告書、それをすぐいただきたいですが、いいですね、ありますね。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま調査をしたというその経緯が若干食い違っておりますけれども、私のほうでも独自の調査はあるはずでございますから、それは調べまして後刻お知らせいたします。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 この問題について、わざわざ行って調査をしたということはないんですか。この問題が陳情されて——この陳情を知っていらっしゃるとおっしゃいましたよね、知っていらっしゃると、当然、聴視者の立場に立つNHKであれば、これを調査して納得のいく処理をしなければならないわけです。だから、これについての調査をお出しになっていらっしゃるわけでしょう、そうじゃないんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 特にこの問題について、いついつどういう調査をしたということは、私としてはもらっておりません。  私どものほうは、こういう陳情をいただきまして、現在、騒音の程度ということで免除をするしないということを考えておりませんで、この辺の経緯につきましては地形その他免除の範囲に入るか入らないか、こういうことについては調べております。しかし騒音の程度ということについては調査をいたしてございません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 騒音がひどくて聞こえないから、免除の対象にするということにならないんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 確かに、一般的に言えば本来そういう性質のものでございます。ただし、現在、基地の騒音につきましてそういう科学的に騒音の程度を測定するという方法を講じておりませんで、これは免除基準、郵政大臣の認可を受けた基準にもそうはっきり書いてあるわけでございます。三十九年当時から一つの地域という考え方で免除を実施しておりますし、それを四十五年度に拡大いたしまして、御指摘の一キロ−五キロ、この範囲であればほとんど通常のひどい騒音は入るということで実施し、なおかつそれをある程度弾力的な運営ということでやっておりますので、そういう面での調査をいたしております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 それじゃ、わざわざこういうふうに陳情をして出して、そして市長さんもこれは当然受けてほしいという添え書きをつけて出されているわけですよね。だからやっぱり騒音のために聞こえないということになれば、それはそれなりに、お金は防衛庁なら防衛庁が出すということになるんでしょうけれども、免除という対象のワクに入れてほしいという、そういう住民の要求というのは当然だと思うんですよ。だから、それが当然であるかないかということの調査もされないということは、これはこのままほうっておかれたということです。いままでね。そういうことになりますでしょう。だから早急にこれは騒音がひどいというのが実態なんだから、実態を調べてください、おたくのほうで。そして実際にひどいと、騒音で聞こえないというようなことになれば、そうしたらその一キロ−五キロというのはきちっとした数字じゃないってさっきから確認していただいていますから、やっぱり距離じゃなくて、聞こえるか聞こえないかの問題になってくるわけでしょう、免除というのは。そうでしょう、そうじゃないんですか、違うんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 少なくとも現在NHKが基地周辺に対しましてとっております免除の措置は、その騒音の程度——本来はそういうことから議論が始まったわけだと思いますけれども、そういうことではなくて、一応、その基地からの距離ということを基準に、明確なそういう文書による基準をもちまして、それをもって運営しておりますので、一般的な騒音ということでは措置をしておりません。  ただし、先ほど申し上げますように、運用については、ある程度の実際の地形とかその村落の境目とかということがございますから、算術的幾何学的に五キロの線を引いてということはしておりません。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 結局、それでいきますと、離れ過ぎているということが障害になっているわけなんですね。そうすると、やっぱりその規定ですよね、何を基準にして免除対象にするかという規定が問題になるわけでしょう。だからそれは距離ではなくて——まあいまは距離で文書化されて、それが免除の承認を得るということになっているけれども、実際に騒音で聞こえないというところに対象というものは置くべきでしょう。その対象を置くために、一応距離というのは近いところが騒音がうるさいというのは常識だから、その線というのを引いたわけでしょう。だから基礎になっているのは騒音の程度からその筋というのが出てきたわけでしょう、そうでしょう。そうすると騒音の程度によって筋が出てきたんだから、だから騒音で聞こえないというものについては当然運用しなければならないというので、運用で対象を広げていらっしゃるわけですよね。  そうすると、その対象を運用でどの程度までなら広げられるけれども、長都、釜加はちょっと遠過ぎるから、この程度は運用できないという、その運用の基準というのはあるんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) そのまた運用の基準というものは正直ございません。一キロ−五キロ……

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 ないんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) ございません。基準のさらにまたその弾力的運用の基準、そういうものはございません。  その辺は全く常識的に一キロ−五キロという線を引きまして、その五キロの線の前後ということは当然ある。しかし、いまの御指摘の地域はさらに十キロくらいかと思いますけれども、それくらいの距離になりますと、いささか弾力的運用の範囲を少し越えるという考え方でございます。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 そうしますと、会長さん、お願いしたいんですけれども、やっぱり騒音で聞こえないというところの住民の言ってきているというのは無理じゃないと思うんですよね。そうすると運用ということで救済してくだすった、そうしたらその弾力基準もないとおっしゃった、そうすれば常識的にちょっと長都と釜加は遠過ぎるというようなことでは科学的な裏づけにならないんですよね。だからその辺のところは運用という面を生かしていただいて、ぜひこれも対象に入れていただきたいというふうに私は切望するわけなんです。私何度も行ってますし、しょっちゅう地元なものですから、やっぱり無理もないと思いますので、その辺のところ、時間もございませんからきょうはこれでやめますけれども、ぜひその運用の面で救済するということを考えていただきたいということを具体的に検討してください。委員会でなくても、私のほうで電話をかけますから、検討していただいた結果を教えていただきたいと思います。  それで最後に、防衛施設庁を呼んでましたから一つだけ伺いますけれども、いま千歳地区——ほかの基地もそうですけれども、半額免除ということでおたくのほうで持ってくだすっているわけですよね。だけど半額というのも、これもまたちょっとけちな話なんですね。やっぱり見ているほうにしたら当然原因者の責任だということになれば、防衛施設庁さんちゃんと出すべきじゃないかということがもう全国的な基地の中で問題になってますね。その辺のところ、もう時間がないからこれでやめますが、いままで半分のうちの二分の一を持ってらしたのが今度五〇%のところを全額持つというふうに、これもだんだん改善されてきていますから、だから改善するならもうちょっと改善して一〇〇%そこのところで出すというように漸次考えていくというふうにしていただきたいんですが、そのところの御意見、お考えをちょっと伺って、終わりにしたいと思います。

福嶋宗二防衛施設庁施設部施設対策第一課長

○説明員(福嶋宗二君) いまのお話でございますけれども、私たちの減免の問題につきましては、NHKの基準によりまして一応その基準の減免額、二分の一を四十八年度から補助いたしました、先生のおっしゃるとおりでございます。今後いろいろ問題がありますけれども、減免基準に従いましてこれが適当と判断いたしましてやったわけでございますので、現在の基準を全額というわけにはいかないと思います。今後は、いろいろと運輸省のほうの関係もございますので、各省の関係等のバランスを考えまして、検討はする段階にあろうかと思いますけれども、いまの段階では、二分の一を補助するということになっております。

小笠原貞子日本共産党

○小笠原貞子君 検討する余地はあるんですね。

福嶋宗二防衛施設庁施設部施設対策第一課長

○説明員(福嶋宗二君) 検討する余地は持っておりますけれども、いまの段階では二分の一ということで進みたいというふうに考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ただいま小笠原さんの質疑をいろいろ伺っておりまして、私も日ごろ経営委員会のあり方につきましてはたいへん疑問に思っている点がございますので、その辺からお伺いしてまいりたいと思います。  伺っておりますと、何となくばく然と経営委員会のメンバーがきまってきているというようなことも感じられますし、何よりこの問題の基本をなすものは、国民の一人一人あるいは受信者の一人一人がわれわれはNHKの経営に参加しているのだという自覚が持てない仕組みになっているからではなかろうかという気がするのです。と申しますのは、経営委員会のメンバーは国会で承認することになっておりますけれども、国会議員ですら隔靴掻痒という感じがいたしますから、自分の選んだ議員が出ていることはわかるけれども、その国会できまった意思がはたしてほんとうにわれわれの意思であるかどうかということ、これは民主主義の基本に基づく問題ですけれども、いずれにしましてもそこでまた選ばれて決定されてくる。そうすると何だかわからない人たちが国会の承認を得て運営をなさっている。おれたちが何か文句言う筋合いのことではないのではなかろうか、実際にわれわれの代表がそこに行っているのだという実感にほど遠い、そこからさまざまな問題が生じてくるという気がいたします。その辺が受信者のNHKであるという自覚に欠ける点から、まかせておいても安心なんだという自覚がない、そこから個々の問題の偏向その他につきましても受信料不払いの問題につきましても、派生してくるのはではなかろうかという気がいたします。  現に行なわれております経営委員会のあり方、メンバーの一人一人の御見識と御誠意につきまして疑問を差しはさむものではございませんし、会長の御見識と御努力には私もいささかの疑問を持っておりません。皆さん誠心誠意取り組んでいられるだろうと思います。しかしそれが国民の一人一人がそう感じてないというところに私は重大な難点があるんじゃなかろうかと思います。  大臣、もう少し、法改正をしなくても、実際に国民がNHKの経営に参加しているのだという認識を持てるような仕組みに変えていくようにできませんか。変えていったほうがいいと少なくともお思いかどうか、その点からお伺いしたいと思います。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 先ほどもお答え申し上げましたように、そのような御意見が出ることは十分私は理解できるところでございます。でございますから、今後、経営委員会の任命のあり方並びに運営のあり方等につきまして、皆さんの広範な御意見を伺いまして、将来検討さしていただきたい、かように考えておる次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 検討していただくという御意思がおありだということはわかりました。それをどういう手続を経てやるかということ、これ重大な問題なんですけれども、いま伺っておりますと、何ですか、知事さんあるいはその他の方々を通じて、日常おりに触れて検討をして、たまたま任期が切れた方の補欠をその中から補って任じていただくというようなかっこうで、はたして国民の一人一人がほんとうにわれわれの代表がそこに参加していると、たとえ国会の承認を得ましても、認識を持ち得ないのは普通だと思うのですよ。しかもこれが慣習化してまいりますと、実際には国民の全く関与しないところで行なわれているという事実が如実にあるわけですよ、国民の中に。  ですから個々の問題一つ一つ、たとえばそれが偏向しておるという批判があった場合でも、われわれが選んだ経営委員がそれをよしとしているのだから、これは民主主義のルールとしていたし方のないことだ、そういうふうな偏向を感じさせるような経営委員は今後選ぶのはよそうという認識があれば、民主的な運営がなされるわけですし、そういうふうであってしかるべきだと思います。  全くばかばかしい提案のようにお考えになるかもしれませんけれども、実際に受信している者が経営に参加する、一株株主になり得るということのためには、受信料の領収証をもって一票の投票権にかえるというような形をたとえば考えまして、その経営委員会に参加なさろうと思われる方々を郵政省で選んでもあるいはNHKで選ばれてもけっこうですけれども、抽出なさって、そしてその方々を支払い領収証をもって一票の権利とかえるというような形で投票するような形をもし用いたといたしますと、実際に見ている人間、支払った人間がその経営に参加できるという具体的な手ごたえを持ち得るわけですから、その辺の考え方からすると、これは私はそういうふうにしてきまったものをあらためて国会の承認を得る形で進めていかれるということも、この法を変えなくてもできるのではなかろうかという感じがいたしておりますけれども、どのようにお考えになりますか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 受信料の受け取りでもって一票にかえる、それで選ばれた方を国会に持ってきて承認を得る、こういうことの御提案だと思いますが、これはいまの現行法のたてまえから考えてみますと、いまのままではちょっと実行が不可能ではないかと考えます。  これはやはり十六条に書いてありますように、各般の学識経験者を選定いたしまして、国会の同意を得るというところに法律の眠目があるわけでございまして、法律を離れて少し考えますと、もし聴視者の選挙制度で選ぶということであるならばあるいは国会の同意が要らない、それも考え方としては、この現行法を離れて考えますと、あり得ると思いますけれども、その妥当性その他についてはまた慎重な検討が必要ではなかろうか。少なくとも現行法では、いまのお話のような制度は適当ではないのではないかと考えます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私も実はあしたからこれをやってくれという趣旨で申し上げているわけではございませんで、少なくともそういうかっこうで視聴者の一人一人、受信者の一人一人が私どもの代表、私どものNHKなんだという認識をお持ちになっているということが実は大事なことでしてね。そうでないとますます反感を買う、反感を買うから結局は受信料不払いになる、受信料不払いになるから法的視制を強めるということになりますと、国民とNHKとの間の相互の信頼というものはもうひどいことになりますね。  いずれにしても、いまあるやり方は私は妥当だと思います。受信者とNHKとの相互の信頼関係に基づいて聴視料が払われ、番組が流されて、しかもそれがじょうずに運営されていかれるというこのあり方をとっても大切にしていかなければいけないと思います。このあり方を大切にしていくためには、その基本にある受信者とNHKとの相互の信頼関係というものをじょうずにはぐくんでいかなければ成り立たないですね。じょうずにはぐくんでいくためには、われわれも経営に参加しているのだ、われわれのNHKなんだという認識を受信者が持たなければならないわけでして、そこにもってきまして受信者が経営委員会と全く関係か持てないような状況の中では——おそらく経営委員に選ばれている方々は見識の高いごりっぱな方々で識実におつとめいただいていると思います。御協力をいただいておると思いますけれども、その御協力の成果が国民にそのまま伝わらないというところに私は大きな信頼関係を毒する欠点があると思う。  この問題を、たとえば選挙制度にしないまでも、何とかして回復していく、あるいはあたため育てていくというもう少し積極的なお考えでこれに取り組んでいかないといけないのではなかろうかという気がします。会長、いかがお考えですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説もっともでございます。NHKは受信者の方との信頼の基盤の上に存立していかなければならないと思います。これを法で規制してどうこうというような手段は講ずべきじゃないのでありまして、やはりNHKの業務を通じて、それが非常に受信者の方々に共感をしていただき、そういった共感をもとにしての信頼関係のもとで番組を利用していただき、またこの事業をささえる財源であります受信料も円滑にお支払いいただくという姿が最も理想であり、そのような理想の境地を目ざして運営していくべきものと思います。  これはひとりそういうようなためには経営委員会と申しますか、経営委員の任命、任用だけではなく、NHKの業務万般を通じてそのような方策を講じなければならないと思いますので、あるいは国民の方々の意向を十分に経営に反映し、これを吸収する、これも法律が要請しておるところでございますけれども、そういったような面も考えなきゃなりませんし、また仕事場であります会館等も広くこれを受信者の方々に開放して十分出入りをしていただく。また番組自体についても、専門の方々だけでなしに、広く受信者の方々が参加して、一つの愉快なおもしろい番組ができるような受信者参加の番組も考えていかなきゃならぬと思います。  どのような任命形式をとりましても、そこにやはり任命された人がNHKのそういう理想を胸に描いて、そのような運営に心がけようという精神的基盤がなければ、お説のような理想の境地は築き得ないと思いますので、私はあらゆる面を通じて、そういった心がけで運営すべきてあろうと思います。経営委員の方々は国会の同意を得て総理大臣任命という、こういう形になっておりますそれも、どんな方が任命されても、NHKの経営委員としてNHKが受信者との信頼関係の上に円滑な業務運営をはからなきゃならぬ、こういう意識を十分に持たれれば、私はそれで十分成果をあげ得るのではないか、かように考えます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから、その経営委員の方々の御誠意と御熱情については全く異論のないところでございまして、しかしそれが国民の一人一人がわれわれの代表だという的確な認識を持たなければ、御努力が水のあわだということを先ほどから申し上げておるわけでして、だから選挙制度にしたらどうかということまで申し上げておるのですよ。  もう少し前向きに検討していただくことが大事で、少なくとも総理大臣が任命するということばを聞きますと、その一言だけで、ああ政府の息のかかった方々があそこに並んでいらっしゃる、これは政府の宣伝機関の一つであるなという認識を軽々しくお持ちになる方もおいでになるかもしれません。そういうことがみぞを深めてしまうのではなかろうかという気がするのです。  大臣、いつかは放送法も改正しなければならぬと思いますけれども、読んでみますと、実にこれは納得できないのですよ。この経営委員を選ぶ条項につきまして「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」というのですけれども、こんな神さまみたいな人はいやしませんよ。こんな方がおいでになったら、こういう方に総理になっていただいて独裁政治をやっていただいたほうがよほどいいと思いますよ。こういうことがうたわれているという条文の真意はぼくはナンセンスだと思います。  そういうことが何人かで行なわれて、しかもそれが国民の総意に裏づけされているというかっこうになるようでなければならないわけですし、ですから放送法改正にあたりましても、もう少し先ほど来るる申し上げております趣旨をお取り上げいただきまして——いまの経営委員がだめだからかえろということを言っているんじゃないんですよ、重ねて申しますけれども、皆さんりっぱな方だと思います。しかしその御努力が報いられないようないまの法制のあり方では、いつまでたってもNHKを経営する側と放送されているものを受信する側との間のみぞは深まっていくばかりで、相互に流通が行なわれない。  たとえば施設をごらんいただく、あるいは御利用いただく、御意見もいろいろ聴取しますというようなかっこうでは——基本的に、このNHKの意思決定の最高の機関と私どもは直接に結びついているという認識がなければ、私どものNHKという認識はないはずですよ。ですから、この辺の条文の一々についてとやかくするのも何ですけれども、今後、放送法を改正するような場合に、もう少し受信者と経営側とのみぞが深まらないような、考え方を反映するための施策をお考えいただくわけにはまいりませんかという趣旨の質問をいたします。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 先ほど来申し上げておりますように、御指摘の点につきましては、十分これは注意を要する点でございまして、よく理解のできるところでございます。この経営委員会の任命の点等について、放送法改正などの際に、これを取り上げてはどうか、こういうことでございますが、やはりこれはただ単にその点を改正の中に入れるとか入れないとかいうことではなくして、各方面の広範な御意見を拝聴した上でこうした問題は処理をしていきたい、かように思います。  放送法改正につきましては、ただいま検討中でございまして、まだどういう形で成案を得るか、あるいはまたはどういう内容のものにするか、また国会へいつどういう形でこれを提案するか、まだきめていないのでございます。検討中としか申し上げられない段階でございます。できる限り皆さんの広範な御意見をひとつ拝聴いたしたい、かように考えております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから、広範な御意見を聴取するためにも、何らかの手だてを講じなければならない。  あらためて提案いたしますけれども、先ほど法制上ちょっと無理があるんじゃないかと。受信料の領収証をもって一票にかえるという選挙の問題ですけれども、NHKもしくは郵政省がそういう形で選んだ人を国会に承認を求えるというかっこうでいけば、何ら私は疑義が存在しないんじゃないかという感を新たにしますけれども、いかがですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 十六条のこれが委員の任命のあり方の規定でございますけれども、やはりこれは先ほど御批判がありましたけれども「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。この場合において、」云々、こういうような条文がございますので、この条文をそのままにして、選挙と同じような結果に基づいて選定するという事柄は十六条の趣旨からは出てこないのではないかということをお答え申し上げたわけでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 その辺もたいへん見解を異にしますけれども、おりに触れて選ばれる方と選挙によって選ばれる方、どこが違うわけですか、法制上。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 先ほど申し上げましたのは、どういう適任者かおるか、あるいはある人の学識経験その他いろんな事柄がどういうことでわかるかということに関しまして、選挙で選ばれた人が必ずしもそうだということにはならぬと思いまするし、それから人間の知識、経験、こういうものはそのときどきで選ぶものではなしに、相当長期間にわたってその人を観察し、あるいはその人と接触した人たちの大かたの御意見がそうだということであるときまって、それで初めてその人の公的な、何といいますか、学識経験者であるかどうかあるいは適任者であるかどうかということがきまるわけでございまして、必ずしもどこかで欠ができたから、それじゃどうだということであわてて選定するというような性質のものではないのではないかということを申し上げたわけでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 わかりました。  それでは全く逆のことから申しますけれども、この条項に全く適合するという考えから、たいへん片寄った考え方の人たちだけを選んで——選ぶほうに片寄った考え方があれば当然片寄った方が選ばれるわけですね。そういう事態がたとえばあったとしますならば、全く片寄った考え方の方々が経営委員会を牛耳ると申しますか、会の支配的な考え方になるかもしれない。そうして圧倒的多数を持つある政党が両院でこれを承認いたしたとしますね、そうすると、その考え方だけがこの公共機関であるNHKを通じて公にされるという事態に立ち至っても、法制上何らこれは歯どめになることができないですね。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 第十六条の規定に基づきまして、公正な選定ができるということでわれわれは考えておるわけでございまして、そういうような特異な構成のときにどうなるかという事柄をこの十六条が予見しているとは考えておりません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ですから、これはそういうことの歯どめは一つもないんですよ。だから国民が非常に不安に思うわけですよ。そうなってしまうのではなかろうか、一部の人はあるいはもうそうなっているんではなかろうかという危惧を抱いている人もいます。  真に国民の代表である人がNHKの経営を左右するという認識を国民に与えるためには、もっと積極的な努力が必要なのではなかろうかと先ほども会長にお尋ねしましたところ、会長は、日ごろ施設を御利用いただいたり、意見をお述べいただいたりすることで、NHKとの間に親密な信頼関係ができると、そうお答えになりましたけれども、基本的に経営を左右する方々と国民がつながっていないという認識を国民が持てば、それではいつまでたってもみぞが埋まらないと思いますし、そのやり方が一方に片寄ってしまうことがないという歯どめが一つもない放送法の条文によって選ばれているわけですから、これをこのまま置いておいたら、たいへん危険なことになるのではなかろうかという気がします。  ということは、民放と違いましてNHKはあれだけの組織を持っておりまして、日本国民のほとんど全員に、NHKは使命がありますね、九十何%というカバレージを保持しておりますし、国民の一人一人が全く同様のサービスを受けるようにつとめていかなければならない使命をNHKは持っております。これだけの規模の放送網を持ち、マスコミュニケーションの中の一番大きな手段、メディアを持っているNHKの運営に当たる経営委員会が国民の意思と全く違う方々によって占められるということがもしあれば、これは全く重大な問題に発展してくると言わざるを得ません。  ですから、早急に国民の安心の得られる手だてを考える必要があると思いますけれども、繰り返してお尋ねしましても、大臣のおっしゃることは同じですしね、これはやりませんけれども、私は、何らかの手だてを考えまして、御提案させていただくつもりでおります。この法を変えなくても、国民の皆さん方の親近感と申しますか、信頼感を得られるような方法で経営委員が選任されて、その運営に当たられるという手だてがあるはずです。  こんな神さまみたいな人はいませんよ、ほんとうにこの条文はナンセンスです。しかもこの条文によって選ばれる方々は全く偏向してしまう可能性もあるということ、この危険性を私は重大な問題だと思って指摘しておきますが、これは先ほど小笠原さんもその辺にたいへん不安を感じていらっしゃるし、国民の大多数の皆さんももしNHKがそうなったらたいへんだという認識は深くお持ちだと思います。この認識がますます深まっていけば、そんな一方的なものを流すNHKに金が払えるかということになりますと、相互関係はますますくずれてまいります。ましてやこれを法制化していかなければやりくりがつかないということになりまして、ろくに気に入らないものを流しておきながら、おれから強制的に銭を取るとは何事かというような声が出てきましたときには、NHKが崩壊するときでありまして、日本の民主主義も崩壊するときだと思います。  日本の民主主義の基本、根幹にかかわるこの重大なNHKの運営の問題について、これが明らかでないということは、私は非常に不満です。この不満は明らかに大臣にぶつけますけれども、もう一度お尋ねします。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) この十六条の規定は、先ほど来事務当局からもお答え申し上げましたように「両議院の同意を得て、」というところにウエートがかかっておるわけでございます。それで「内閣総理大臣が任命する。」というのは、その手続上のことであるというふうに私は理解をいたしておるわけでございます。  両議院の同意を得てというのは国会の皆さんの御承認を得てということでございますが、やはり政党政治でございますから、いまの議会制度のもとにおいては多数決でこれが同意を得られる場合もあり得るわけであります。しかし現在の国会の同意人事につきましては、私自身国会対策並びに議院運営委員長の職にもありましたが、こういう国会の同意人事につきましては、慣行といたしまして、あとう限り各党が一致してこれに同意していただけるような制度で運営されておるように私は理解をいたしております。国会議員の皆さんは国民の代表でございますから、やはり国民の代表の皆さんの御意見でこの経営委員会が任命されておるというふうな理解を持っておる次第でございます。  そうした点について、ただいま仮定の御質問ではございましたが、権力の座にある者が偏向した人事を行なうというような場合にはどうなるかというような貴重な御意見がございました。この御意見については、私といたしましては傾聴すべき御意見だと思うのでございまして、NHKの公共放送としての使命に非常に重大な影響を与えることになるわけでございます。でございますから、これらの点につきましてもやはり十分配意をいたしまして、経営委員会の任命にあたっては広範な国民の皆さんの御意見が反映でき得るような運営がさるべきではないか、かように考えておるような次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 わかりました。しかし、大臣もいみじくもおっしゃられたように、多数決できまってしまう場合があるわけですよね。そうなると可能性があるからこそ、その辺を私は仮定の問題ですけれども心配をしておるわけで、少なくとも仮定の問題としてもそういう可能性が残されているということ、それは国民にとっては大きな疑問点でありますしね、その辺を正していくようにしなきゃならないんじゃないか。必ず全会一致で円満にということがあればそれはいいですし、いままでの例から申しましても、一部を除いてほとんど承認をするという形で受け継がれてきておりますけれども、しかしそういう可能性が残されているというところに御着目をいただきまして、その辺は運営についてお気をつけいただく——といっても、どう気をつけていいかわかりませんけれども、その辺の御認識を持っていていただきたいと思います。  会長のほうには重ねて御要望申し上げますけれども、経営委員会がほんとうに国民の皆さん方の意思を代表しているんだということを積極的にお広めになって、国民との間の信頼感を深めていただくように御努力いただきたいと思いますが、その辺いかがでございましょうか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説ごもっともでございまして、そのような努力は常にNHKとしてはいたしてまいらなきゃならぬと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 少し質問が残りますけれども、また機会がありましたら、その節にあらためてお尋ねすることにいたしまして、ありがとうございました。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      —————・—————    午後二時二十七分開会

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、日本放送協会昭和四十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 休憩前に引き続きまして、委員長のお許しを得まして、なお若干の質問をさしていただくことにいたします。  先般来、この委員会でいろいろ論議をされまして、委員会の意思として附帯決議までなされました例のNHKの外部協力者に対する処遇の問題でございますが、この委員会の意思をさっそくお取り上げいただきまして、前向きに改善いただきたいということで深く感謝しております。  どういうふうになりましたか、その辺の改善の点を御説明いただきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会理事

○参考人(坂本朝一君) 青島先生の御質問にお答えいたしますと、先般、この委員会でも御質問の出ました点でございますけれども、テレビの芸能関係の専門出演者の基準料金を改定いたしました。テレビの個人出演料の基準料金、三十分番組、これが昭和四十七年度におきましては最低四千円から三万円の範囲内で十一ランクでございましたのを、最低五千円から三万円までの十ランクにいたしました。それからラジオにつきましては最低三千円から二万五千円まで十一ランクでございましたのを、同じく最低五千円から二万五千円の九ランクに改めました。  要するに、テレビにおきまして最低料金の四千円を五千円にいたしましたので、二五%アップということになろうかと思います。それからラジオにつきましては三千円から五千円に最低料金を引き上げましたので、六七%のアップということになろうかと思います。  また楽団の方々につきましても、最低がそれぞれ従来はテレビ四千円、ラジオ三千円でございましたのを、芸能関係の専門出演者と同じように、ラジオ、テレビとも最低を五千円ということにいたしました。  その他、文芸、音楽等の委嘱料、使用料につきましても、それぞれできるだけの改善をいたしました。  以上でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 さっそく改善していただきまして、さかのぼってふえた分を受領することができたというたいへん喜びの声も私も聞いております。しかし、いずれにしましても外部の協力者のそういう意味の協力がなくては充実した番組制作は不可能ですので、この辺の処置につきましてもなお一そうの御配慮をいただきたいと思うんです。  いずれにしましても、もう予算のきまっているワクの中でこの委員会の附帯決議の趣旨を受けたと申しましても、これはおのずと範囲のきまったことでございますから、やりくりをつけるのにはいろいろお骨折りもあったと思います。十人のところを七人にする、あるいは五人のところを三人にするというようなことがあって最低料金が上がったのであれば、今後やはりゆゆしき問題を残すので、しかしきめられたワクの中ではそれ以上無理でございますし、予算を国会の承認を得てお使いになるようですから、むしろそのほうが適切なわけです。その辺で制作費に占める割合を大幅に動かすということのほうがむしろ間違いかもしれません。予算の時期も近づいてまいりましたし、ほかの一般物価等に引き比べまして、今後ともNHKの放送の内容を充実させていくためには著作者、出演者その他の外部協力者に対する処遇を改めていくことが番組充実に対する一つの考え方かもしれないと私も思っておりますし、予算の面につきまして今後一そうの御努力がありたいというふうに御要望申し上げますけれども、その点会長からひとつお答えいただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 過般、ただいま放送総局長から御報告申し上げましたような改善をいたしたわけでございますが、予算の執行過程において手直しをいたしますことは、予算もかなりきびしい予算でございますので、非常に苦労を要したのでございますけれども、権威ある国会の附帯決議の趣旨もございますし、いろいろ努力いたしましてただいま御報告申し上げましたような改善を見たわけでございます。  明年度以降の問題につきましても、予算事情は決して楽な状況ではないわけでございます。むしろますますきびしさが増してくると思いますけれども、その中でもいろいろ最大の努力を払いまして、可能であれば御趣旨にできるだけ沿えるような措置を講じてまいりたいと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 はい、よくわかりました。なお一そうの御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。     —————————————

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、田中茂穂君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君が選任されました。     —————————————

森勝治日本社会党

○森勝治君 私の質問が最後になったわけでございます。そこで私の質問が終了後採決ということに相なります。時間がもう二時半でございますから、私は十分御意見をお聞かせいただきたいと思って立ったわけでありますが、時間がありませんから、はしょって質問をしたいと思うのです。  その冒頭の第一点は、昭和四十五年度にNHKが採用された職員の数はどのくらいか、ひとつお聞かせ願いたい。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) ちょっと調べておりますので、暫時お待ちを願います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 じゃその数はあとでお聞かせ願うことにして、採用基準というものがありましたなら——これは学歴その他じゃなくて、私は限定して質問いたしますが、五体満足でなければNHKは採用しないのかどうか、この点をお伺いしたい。たとえば身体障害者はNHKの職員採用基準にはずれるのかどうか、この点をお伺いしたい。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) 私どもとしましては、仕事の性格上できるだけ心身ともに健全な者ということではございますが、しかし仕事の内容によりまして必ずしもからだにつきまして万全なものを要求されないものもございますので、仕事によりましてはからだの不自由な方も採用の中に入れて選考しております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 採用の中に入れて選考はしても、採用しなければおっしゃった趣旨が生かされないわけですね、そうでしょう。  そこでお伺いしたいのですが、俗にいう身体障害者と目される方々を過去どのくらい採用されましたか、採用されませんか、この点端的にお答えいただきたい。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) 何人どういう形の方を採用しているかということは後刻資料を提出したいと思いますが、現実問題としては採用いたしております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それはNHKの独創的な採用の方法でしょうか。かつて閣議で、官公庁の場合には職員の五%は優先的に身体障害者を採用しようということを申し合わせて、各官庁でこれを通達として下部に流したのですね。そういう線に沿ってNHKが身体障害者の皆さんをあたたかく迎え入れるようになったのか、全然関係なくおやりになっているのか、この点をお伺いしたい。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) 閣議で決定されたことにつきましては、私ども存じております。精神としてはそれも私どもの方針の中に加えながら選考しているということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 数わかりませんかな、そんなに大ぜいの数じゃないでしょう、採用者概括でもわかりませんか。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) ちょっといまはっきり記憶してございません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうすると、採用したであろうけれども、それをつまびらかにすることは現時点ではできないということですね。具体的にそういう採用をした記憶がありますか。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) いまはっきり覚えてないということを申し上げていることでございまして、すぐにそれは調査してわかることでございます。資料もございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 じゃ何人をどういう条件で採用したかということはわからなくとも、採用した事実があるということはおっしゃることできますね。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) ちょっと聞き取れませんでしたが、採用した事実があるかということでございますか。

森勝治日本社会党

○森勝治君 あるかどうかということです。

藤根井和夫日本放送協会専務理事

○参考人(藤根井和夫君) ええ、採用しております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 電電公社でもすでに身体障害者の皆さん方に職場を開放しているわけですから、NHKもぜひとも今後も積極的におやりになっていただきたいのです。失敬でありますが、ここ数年間一名も採用してないというふうに聞いておるわけでありますから、私はあえてこの席上、唐突でございますが、以上の質問を申し上げたわけです。いま私の発言した問題についてはこれ以上御返答はけっこうでございますけれども、どうぞひとついま申し上げたようにどんどん門戸を開放していただきたい、このことをお願い申し上げて、次の問題に移ります。私はいよいよ最後でありますから、皆さんもう一通りおやりになりましたから、できるだけ重複を避けて質問をしたい、こう思うんでありますけれども、私が最後の質問のどんじりでありますから締めくくりと申し上げるとすでに御質問された皆さん方におしかりを受けるかもしれませんが、そういう意味合いを持って一応私はその重複する問題についても若干触れながら、できるだけ角度を変えて質問をしてみたいと思うのであります。  そこで会計検査院にまず聞きたいんでありますが、会計検査院から、NHKの四十五年度決算については特に不当と認めた事項はなかったという簡単な検査報告を伺っておるわけですが、しからば当年度の実施検査の実施概要、いわゆる検査の重点、対象局あるいはどのくらいNHKの検査に会計検査院の方々を網羅されたか、この点をひとつお聞かせを願いたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 昭和四十五年度のNHK関係の検査でございますが、これにつきましては本部のほか中央放送局——これは地方本部にあたりますが、これを六カ所、それから放送局を四カ所、計十一カ所について検査を施行いたしました。  これに要しました人員でございますけれども、担当しております課は八名の職員が調査官でございますが、おりまして、これがそれぞれ班を編成いたしまして検査に当たったわけでございますが、述べにいたしまして二百十三人目——この人日と申しますのは、二人編成で一日参りました場合二人目、あるいは一人が二日参りました場合も二人目、こういう勘定のしかたでございますが、二百十三人目にわたって検査を実施いたしました。これはNHKの検査対象個所数に比較いたしますと、本部については一カ所でございますので一〇〇%ですが、地方につきまして中央放送局につきましては八五%、放送局については六%という検査の施行率になっております。  それから検査の内容でございますけれども、八名の調査官で検査をいたしますわけでございますので悉皆的な検査はなかなかできかねますので、検査の重点を定めまして、これを中心に検査を施行いたしたわけでございますが、四十五年度につきましては、国内放送費の関係を検査の重点といたしました。これはこの国内放送費が番組の制作に要する経費あるいは技術、施設の維持運営に要する経費でございまして、NHKの基本的な費目である、こういうところから前年度すなわち四十四年度に引き続いて検査の重点といたしたわけでございます。  内容的には、これらの費目の内容として、物品の購入とか役務とかそういった諸契約を含んでおりますので、それらが検査の対象の中心になったわけでございます。これらの重点項目につきまして、検査のさらに着眼点といたしましては、国内放送費のうちの番組制作費——そこで支弁しておりますたとえばフィルムとかビデオテープとかそういった物品類の調達について、調達計画の策定の段階から追いまして、その計画上採用した数値が妥当であるかどうか、あるいは実際に調達を実施した時期なりあるいは価格なりといったものが適正であったかどうか、あるいは調達したあとそれらのものが有効に使われているか、適正に管理されているかといったような一連の実施の状況につきまして検査をいたしたわけでございます。  検査の結果でございますが、ただいま例示いたしましたような調達金そのものについては、特に経理上不当というような点は見受けられませんでした。  そのほか、たとえばNHKにおける本部なり放送会館で電力についての受給契約を締結いたしておりますが、その受給契約のあり方で契約種別を変えれば電力料金が節減できるのではないかというような観点から御注意を申し上げまして、さっそく是正をされたというような例とか、あるいは海外総支局の会計の制度の仕組みにつきまして、私どものほうで拝見いたしましたところ、本部のほうに海外支局からは会計報告がまいりますが、その会計報告に残高証明がついていないというところで、実際に言ってみれば、海外取材費については現地の海外報道員の、何と申しますか、良識にまかせる、あるいは臨時に本部から職員が海外に行かれた場合にその内容をチェックするというようなことで、経常的なチェックのしかたが不十分ではなかろうかというようなところから、それについても是正方の御注意を申し上げ、さっそく会計を整えていただくというような経緯がございます。  そのほかは、この決算審議の冒頭にも御説明いたしましたように、特に検査報告に掲記いたしまして不当あるいは違法というような内容は見当たりませんでした。     —————————————

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) この際、委員の異動について御報告申し上げます。  本日、山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。     —————————————

森勝治日本社会党

○森勝治君 四十五年度NHK決算検査のために会計検査院が投入した延べ人員は二百十三名というお話であります。これは四十三年には百三十七名、四十四年には百七名ですから、四十四年度に比較するならば四十五年度は約倍の人材を投入したわけです。先ほど私がこれに触れて申し上げたように、いまもお答えにあったように、特記すべき事項なしということでありますけれども、四十四年から比べて約倍の人間を検査に投入したということを見ますと、これは会計検査院がNHKの決算の検査に対して例年よりも体制を強化されたというふうに見受けるわけです。  もちろん今日のNHKは世界に冠たるNHKですから決算資料も膨大であります。それは四十四年度よりもはるかにまた資料もふえたわけですから、ある面では検査する員数がふえるのは当然でありましょう。しかし四十四年から倍ということになると、何か特別な意図いわゆるある目的を持って——完ぺきを期すということをわれわれしょっちゅう言っておりますから、そういう線に沿っておやりになったのかと思うのですが、四十四年から比べて約倍の人間を投入したわけですから、もう一ぺん復習いたしますと、検査を強化したということになります。ですから、その点はどういう意図に基づいておられるのか、これが二割か三割ふえたというなら別だが、倍ということになると何かあるように、どうもげすの勘ぐりで恐縮でありますけれども、その点ひとつ明快にお答えいただければと思うのです。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 先生御指摘のとおり、確かに前年度に比べましても約二倍の密度でNHKの検査をいたしたわけでございますが、これは前年度までが、そう申しては何でございますけれども、私どもの検査の体制が不十分であったということになろうかと思います。  実は、四十六年の一月に役所の中の組織がえをいたしました。でいまも先生おっしゃいましたとおり、NHKは膨大な予算の執行を行なっておりますので、私どものほうの検査の対象といたしましても非常に重要な個所でございます。そこでこの検査の充実をはからなければならないという趣旨から組織がえをいたしたわけでございます。その前は、一つのNHKを担当している課で課員が課長以下十名の課でございましたが、そこでNHKのほか十六団体を実は担当いたしておりました。そういうところからなかなか手も回りかねまして施行率も落ちていたというところから四十六年の一月に現在の担当課を新たに設けたわけでございますが、現在の担当課は課員は二名少なく八名でございますけれども、担当しております団体数が九団体ということで、それ以前の十六団体に対しまして九団体と大幅に減らしまして、この組織がえによりまして検査の充実をはかることといたしたわけでございます。その結果といたしまして、たとえばNHKの本部の検査は従来は年に一回がぎりぎりであったわけでございますが、四十五年度からは年二回伺って検査をいたした、このようなことにいたしております。  それから四十四年度につきましては、ちょっと特殊な事情も実はございまして、万博の開催の関係で、予算規模の大きな、私どもといたしましては毎年伺っておりました大阪の中央放送局の検査をとりやめております。  こういったような関係もありまして、四十五年度は従来よりも検査の充実が期せられたと、しかし、私どもといたしましては、これでもなお必ずしも十分な検査を行なっているとは私ども自身としましても考えていないわけでございまして、先ほども申し上げましたように、必ずしも悉皆的な検査はやっているわけではございません。ただ前年度からの比較におきましては、そういう事情で四十五年度以前よりは充実した検査ができるようになったということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 はい、わかりました。  そこで、これは私がこの場で聞いてよいものかどうかいま戸惑うのでありますが、ちょっと聞いてみたいと思うのですが、最近、受信料の支払い問題が非常にクローズアップされてまいりましたね。堂々と受信料は払わぬと宣言される方々も一部にあるのです。これは会長になられました小野さんが副会長時代に、これはほんの一握りであるからそう御心配には及びませんとおっしゃっておられたのですが、今日的段階ではそうこれをなおざりにすることのできないような要素をはらんできたように私には思われるのです。ですから、この点、会計検査院の立場としてどう把握されて、どう御指導なさっておられるのか、差しつかえなければひとつお聞かせを願いたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) たいへんむずかしい問題でございまして、必ずしもお答えになるかどうかわかりませんが、受信料の契約漏れにつきましては、これは受信料は言ってみますればNHKの財政上の根幹をなすものでございますので、非常な関心を私どもも持っております。  そこでまず第一段階といたしまして受信者の把握、つまり契約漏れがないかどうかということが第一の関、心事でございますが、いわゆるNHKの分類によりますところの世帯用、非世帯用、その場合の世帯用につきましてはNHKも非常に御努力をされまして、その契約の把握についてはほぼ満足のいくところまでいっているのではなかろうかと私どもは考えております。しかし非世帯用につきましては、NHKのほうもまあ世帯用に比べまして手薄になっているというところから、これは先ほど申し落としましたけれども、四十五年度決算の検査の段階から、私どものほうでは非世帯用の契約、これにつきましての調査を進めてまいりました。昨年これを取りまとめましてNHKのほうに御注意を申し上げたようなこともございますけれども、いずれにいたしましてもこれはまず契約の把握の問題でございます。  それで、その根幹をなしますのは、放送法の三十二条でございましたか、要するに受信装置を設置している者は必ず契約をし、そうして受信料を払わなければならないという法律の規定がございます。この規定のたてまえから申しまして、不払いということは、そこに何らかの特殊な事情があるにいたしましても、現行法規の上からまいりまして、私どもといたしましては言ってみますれば法律にたがった措置である、このように考えるわけでございますけれども、これにはいろいろとむずかしい問題がございますので、この事実につきましては私どものほうでも確かに確認はいたしておりますけれども、さてこれをNHKの検査上の問題として取り上げます場合に、非常に社会的ないろいろなむずかしい要素がかみ合っている問題でございますので、私どもとしましては、現在のところ、特段の意見を申し上げていないというのが現状でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 どうも局長はだからむずかしいとおっしゃるもんですから、これ以上私もことあげしてさらに深く質問することを避けたいと思うのですが、これはいずれ、決着という表現はどうかと思うのですが、ピリオドを打つ段階が近い将来くるだろうと思うのでありますから、やはり法にのっとった立場で、会計検査院もNHKに対して、あなた方の立場でひとつ御指導をいただきたい、このこともですね。  そこで次の問題に移りますが、御承知のようにNHKが予算を執行するにあたりましては、予算総則においてその大綱を定めているのみで、実態はNHK自身の内部の規程によることになっておりますから、もちろんNHKが業務を運営するにつきましては企業会計の原則を守っておることは当然でありましょうけれども、それが適正かつ効率的に執行されておるかどうかということを判断するには、規程の定め方いかんという点が当然問題になってくるわけでありますが、会計検査院としては、その中身をどのように把握されておられるのか、この点をお伺いしたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 御承知のとおり、NHKの会計経理の取り扱いにつきましては、定款にも定めがございますが、その細部につきましては内部規程の経理規程その他の規程によって実施をされておられるわけでございます。当然、私どもも、検査をする立場といたしましても、それらの規程にのっとって予算の執行が行なわれているかどうかということは常々それらと対比しながら検査をいたしておるわけでございます。  ところで、その規程の内容でございますけれども、その規程の内容そのものが不備であるために、経理そのものに不都合を生ずるというようなことがあってはならないわけでございまして、その点も私どもといたしましては検査上の一つの着眼点でございます。これにつきましては、十年ほど前に勘定科目の問題だと聞いておりますけれども、これについてNHKに御注意を申し上げ、さっそく是正をしていただいたというような事例があったと聞き及んでおります。これは十年前のことでございますので、どの点についてということはいまはっきり申し上げられませんが、そういったこともあったと聞いておりますが、その後、NHKにおかれましてもこの経理規程については逐次整備をされていかれました。現在の規程につきましては整備をされておる、その規程の不備のために経理上の不都合が生じているというようなことは見受けられない、このような報告を検査担当者から聞いております。以上であります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 四十四年度の決算審議の際にお願いしておったことがあったはずであります。  それはNHKの出資については法律に厳格な規定というものがありますが、いわゆる出捐については制約がないということです。そこで検査院はどのようなものさしでこの出捐行為の可否を判断するかという検査院の指針を四十五年度決算審議までにお示しをいただくことになっておりましたのですが、このことについてはどういう考え方をお持ちですか、このことをお伺いしたい。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 私どものほうから先生にお教え申し上げるというのはたいへんおこがましいことでございます。また一年前にお約束をいたしましたことについての明快なお答えになるかどうかはなはだ危ぶむものでございます。  確かにNHKの外郭団体に対する各種の出捐金あるいは財政的援助、そういった助成金のたぐいにつきましては、どこに幾らやるべきかということについての確たる基準は現在ございません。それで私どものほうで検査上それについてのものさしというものがあっていいのではないか、また当然あるべきであるということで、当時お答えをいたしたはずでございますが、しからばそのものさしは何かということでございましたのですが、これもなかなかむずかしい問題でございまして、たとえばそこの予算の何%までが妥当なものであるかというような、そういった数値をもって一律にものさしをきめるということは実際問題としてなかなかできかねるということで、どうもたいへん抽象的なあるいはお答えになるかもしれませんが、以下申し上げるようなことではなかろうか、このように考えるわけでございます。  そこでNHKが出捐をしている団体は相当数ございますけれども、その類型によって区分いたしてみますと、まず第一がNHKだけが助成をしている団体、それから第二がNHKが他の団体と共同で助成なり出捐をいたしておる団体、大きくこのような二つに分けられるかと思います。  そこで、まず第一のNHKのみが助成している団体、たとえば例をあげますとNHK交響楽団のようなものがございますけれども、これにつきましては放送法の九条の二項第一号、NHKのみずから行なう業務のほかの業務の筆頭に掲げられているものでございますけれども、それを根拠といたしまして助成をいたしておる。でこういったたぐいのものにつきましては、交響楽団が事業を行なうわけでございますが、その事業に要する経費、それと一方交響楽団が公演等を行ないまして事業収入があがります。その事業支出と事業収入との差でございますけれども、要するに事業収入が事業支出に不足をしている、これがNHKが助成をする金額の対象になるのではないか、このように考えるわけでございます。  それから次の分類で申しますと、要するに他の団体と共同で助成しているもの、これもいずれもNHKの業務の内容として、放送法の九条の根拠によりましてNHKが関与しているわけでございますが、そのうちの例といたしますと、たとえば東京ケーブルビジョン、これは四十四年度だけにNHKといたしましては出捐をとどめておられるようでございますけれども、これについてはたとえば在京の民放五社とかあるいは新聞協会とか電力会社とか、そういった要するに東京ケーブルビジョンが業務の内容としていることに関係のある諸団体八社が共同でその経費の分担をいたしておるわけでございます。その場合には均等で負担をしておられる。もちろんこの場合の経費の負担も、行なう事業費と事業収入との差額、その不足額というものがまずその算定の対象になるわけでございますけれども、要するに関与する度合いを均等のものといたしまして出捐をNHKがされておる、こういうことでございます。  ただ、私ども内容を調査いたしまして、いま申し上げましたような観点からいたしますと、ちょっとどのように考えたらよいかということで難渋しておりますのが放送番組センターでございますけれども、これはNHKと民放とで共同で出捐をしているという団体でございますが、この場合には民放よりもNHKのほうが多く負担をしている、こういう実態になっております。しかし、これにつきましては以前国会でも前田前会長が御説明をされたと伺っておりますけれども、当初は民放とNHKで半々で負担をしよう、こういうところから始まったようでございますが、民放のほうの財政事情でございましょうか、民放側の出捐が当初の予定よりも少ないというところから勢い番組センターの業務の内容もそれにつれて縮小されていく、このように伺っております。  ということで、放送番組センターについてはちょっと私がいま申し上げましたような一つの基準といいますか、はなはだ抽象的ではございますが、考え方からしますと、ちょっと判断上難儀するところがございますけれども、いずれにいたしましても、ただいまあげましたような二つの分類によりましてNHKだけが助成する場合、それから他団体と共同で助成する場合、この二つの分類があり、それぞれについてはいま申し上げたような観点からその出捐額というものがきまってくる、またきまってくるべきものであろう、このように考えるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 NHKにお伺いしたいんでありますが、この前のお話ですと、放送文化基金財団を十月までに発足させるということでありまして、その構成につきましては事業計画、運営方法などは各界の有識者を網羅して設立準備委員会を設けてきめていきたい、こういうふうにおっしゃっておられましたが、もう間もなく十月の声が聞こえようというのに、どうも具体化した模様も——私の耳が遠いせいでありましょうけれども、聞こえてまいりませんので、この点ひとつお聞かせを願いたい。

野村忠夫日本放送協会専務理事

○参考人(野村忠夫君) お答えいたします。  国会で本年度予算の審議が議了いたしまして、放送文化基金に対する出捐の事業計画等も確定いたしました。その後、私ども協会内部におきましては、国会における説明どおり準備委員の選定にかかっているわけでございます。   〔委員長退席、理事古池信三君着席〕  現在の段階は、その準備委員の選定を協会一存という形で一方的に行なうことを避けまして、協会内部の作業ではございますけれども、客観的な立場にある数人のお方にまず基本的なお話を申し上げております。特に国会における審議の状況、両院から付せられたこの文化基金に対する附帯決議の内容等につきまして御説明申し上げて、この九月の半ば過ぎにはそろそろその人選のめどもつこうかと存じます。で御承知のように協会も内幸町から渋谷のほうに引っ越しまして、この九月の末には完全に放送施設等の撤去も完了いたします。

森勝治日本社会党

○森勝治君 御承知のとおり、この基金は、私がいまさらちょうちょうするまでもなく、国民の財産ともいうべき放送会館の売却費を充てるものでありますから、しかもその額が百二十億円という巨額でありますだけに、視聴者たる国民の関心も非常に強いところであります。また当委員会でも活発にこの是非をめぐって論議がかわされたところでありますが、NHKはなるべく早い時期に基金の使途や財団の運営方法等については明確な方針を国民に明らかにすべきではないかと思うのであります。したがいまして最高責任者であります会長も交替したことでありますから、この際、小野新会長からこのことについてのこれからのあり方についてひとつ御所見を承っておきたい。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり、この基金が非常に重要な意義を持っておりますことは申すまでもありません。そういうことで前回予算審議の過程におきます御答弁では、おおよそ設立の時期は十月と見ておりましたが、現実には田村町の土地建物の売却の代金が入ってまいりますのは十二月、一月になるようであります。そういうような関係と資金の調達の面もございますし、かたがた非常に重要な問題でもありますので、その準備体制は万全を期してまいらなければならないと思います。  この基金が何をやるべきか、こういう点については予算審議の際の御質問にお答えを申し上げたわけでありますけれども、さらにもう少しそれにつけ加えるものはないかどうか、現在、鋭意検討を加えてまいっております。それと基金の設立のいわゆる準備委員等の選定並びにその後における作業等についても粗漏のないような体制を整えなければなりませんので、ただいま野村専務からお答えを申し上げましたように、この基金の設立に大きな意義を持ちますいわゆる設立準備委員といったようなものも今月半ば過ぎぐらいにはおおよその目鼻がつこうかと思いますし、またこの法人の掲げる目的並びに事業計画等についても鋭意準備を進めまして、おおよそ法人設立の時期は今年末か来年早々ぐらいになるのではないか、かように考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 次の問題は、郵政省にお伺いしたいんでありますが、NHKの新ホールの問題であります。  これは先般の当委員会で同僚委員の質問に対しまして、郵政省はかなり硬直したいわば厳格な態度を表明されておりましたが、これが急転直下結論が出されたわけであります。このことは私は歓迎してよいわけでありますが、しからばどのような理由で開放して差しつかえないということになったのか、その経過を郵政省からお伺いしたいんです。  なぜ私がこういうことを申すかといいますと、かつてこのNHKの四千五百人といういわばいままでになかった大ホールで、はたしてこれで運営が可能なりやいかん、もてあますことはないかというような、いろいろ微に入り細をうがった質問等が表裏ともに尽くされたわけですね。表はこの委員会であります。裏は、それぞれ担当者にわれわれが事あるごとにただした場合に、いやこれはもうNHKがこれを全部使ってもまだ足りないんです。ですからもてあますというようなことは毛頭ありませんから御心配これなきようにということで、特にそういう言明があったように私は記憶をいたしておるわけです。  そういうことはさておきまして、この辺の問題が、このNHKホール開放をめぐって郵政当局とNHK側との考え方が放送法第四十七条をめぐって必ずしも一致しておらなかったような気がするんでありまして、この際、この点を明確にひとつしていただきたいと思うのです。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま御質問のNHKホールの使用につきまして、前回の当委員会における私の答弁が簡単なために十分意を尽くさない点があったことをまずもって申し上げておきたいと存ずる次第でございます。  私は「放送法上の規定がございますので、この規定をはずれて貸与するということはでき得ない」と「考えております。」というふうに当初答えたわけでございます。でこの四十七条の規定は前段と後段の二つに分かれておるわけでございます。そこで、その貸与する際の態様によってこれは変わるという認識に立ちまして、あとで私は「これを聴視者の皆さんに有意義に活用していただき、皆さんにお報いすることができるような使い方、方策はないものか、今後、検討さしていただきたい」と考えている次第でございますと答えておるわけでございます。  そのような答弁をいたしました背景は、四十七条の後段に規定をいたしておりまするように「これを他人の支配に属させることができない。」という一句がございます。でこの法文上の解釈につきまして、いろいろ法制局との間で郵政省が協議をいたしました。その協議に基づきまして、NHKホール利用規程というものをNHKでつくっていただきまして、この規程に基づきましてこのホールを使用する、かようにいたしたような次第でございます。  もちろん、このホールは「放送設備」でございます。そういう解釈の上に立っておるわけでございますが、しかしその「放送設備」を「他人の支配に属させることができない。」というこの解釈の上に立って、いかに聴視者に利用していただき、お報いすることができるかどうかという点を重点にして、法律上の解釈と運用上の問題こういうような点等につきまして、NHK当局あるいは法制局とも協議をいたしまして、この規程ができたような次第でございます。  規程の内容につきましては、事務当局からお答えさせていただきたいと存じます。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 補足して御説明申し上げます。  NHK放送センターのホールの外部使用の問題につきましては、郵政省としましては、初めからこのホールが広く国民に有効に利用されるという事柄に対してはいささかも異論があったわけではございません。当然そうあるべきだということで考えておったわけでありますけれども、このホールが、いま大臣から御説明申し上げましたように「放送設備」であるという認識に立ちますものですから、それを開放する手続の問題についていろんな慎重な検討を加えたと。貸すこと自体には反対ではいささかもございません。貸す手続をどうするか、これが問題の焦点だったわけでございます。  それからNHKがホールの利用規程というものを定めまして、こういうことで利用させたいがいかがだろうか、これがはたして四十七条の手続を要するものだろうかどうだろうかという事柄を御相談を受けたわけでありますけれども、その利用規程を見ますと、簡単に申しますと、NHKが放送を行なうために必要とするきには、いつでもこれがほかに貸したのを取り消して利用もできる、それからホールの管理権、人に貸すといいますか、利用させまして、管理権はNHKが手中に握っておる、こういうような態様の貸し方をいたしますという事柄が利用規程に書かれておるわけでございます。したがいまして四十七条にいうところの「他人の支配に」この「放送設備」を「属させる」ということには当たらない、したがって四十七条の手続は、この利用規程によって貸す限りにおいては、抵触しないと申しますか、四十七条の手続を要しないという郵政並びに法制局の一致した見解に立ち至ったというわけでございます。  したがいまして、繰り返して申し上げますけれども、郵政省は初めからホールの他人使用を渋ったあるいは反対の意向だったということではございませんで、ただ、その手続問題について慎重な検討を加えた、こういうことでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 お伺いしたいんですが「他人の支配に属させる」というこの意味はどういうことですか。これ狭義と広義に分かれますね。都合の悪いときは狭義に解釈し、都合のよいときには国際至るところどこでも通用するような広い意味で解釈されると、先ほどの会計検査院に質問した、ものさしというものは何かということになりかねないんでありますから、その点もう少し「他人の支配に属させる」というのは何をさすか、この点ひとつお答えを、お答えというよりむしろお示しをいただきたい。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 放送法四十七条の規定の趣旨は、NHKの放送がいかなる場合においても障害を来たさない、「放送設備」を「他人の支配に属させる」ことによってNHKの放送に障害を来たさないというのが四十七条の趣旨だと思います。  したがいまして、ただいま問題になっております。ホールを貸した場合に、貸す態様いかんによってはおそらく他人の支配に属すということもあり得ると思いますけれども、先ほど申し上げましたNHKの利用規程からいきますと、いかなる場合でも、貸した場合においても、NHKが放送を行なう上に必要な場合には、これを貸すことを取り消すというような一項が入っておりますので、これはNHKの放送に支障を来たさない、そういう意味合いからして、立法の趣旨からいきまして、これが法で保護している法域を侵害するということには当たらないという解釈をとったわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 他人に貸すということはどういうことですか。たとえば朝十時から夕方五時まで他人に貸す、貸すということは占用を認めることになりますね。占用を認めるということは何か、当然借りた者が借りた条件による介入権があるわけでしょう。その内容についてはNHKは立ち入りができないでしょう、ホールを貸した以上は。貸す場合には、出しものはころですああですといって確かに話し合いをすりゃ変わるが、一ぺん入ってしまえば、私なら私が借りて興行か何かやる、N響のような大きなものをやる、その時間帯だけはすべったころんだ言えないでしょう。貸しちゃって、あなたがおっしゃったように、じゃNHKが放送するんだからおん出ていけと言うことはできませんね、占用を認めるのですから。  ですから、この「支配に属させる」という意味は、ものさしは何ぞと言っているのですよ。占用を認めることは、広い意味では「支配に属させる」ことになるんだ、私はそう思うのですね、そう思いませんか。占用を認めるんでしょう、たとえ一時たりといえども認めるのでしょう。なるほど管理権はあるでしょう、自分の所有のものですから。所有権はNHKにあるんですから、当然管理権はありますよ。いわゆる賃貸借でしょう、時間を区切った、長期短期にかかわらず、時間帯を区切って貸すならば占用を認めることになるでしょう。  そこでホールというものが「放送設備」であるかどうかという議論がまだ明確になっていないんだ、正直言って、この委員会でも。ホールは「放送設備」だという解釈はNHKはあまり明確にしないで、そこはぼかしているのですよ。大臣は、この前の談話でも「放送設備」であるがと言って、その貸与条件のいかんによるとしていた。貸与条件のいかんによるといっても、何といったって朝十時から五時なら五時まで貸与することは占用権を認めるのですから、所有権の移管じゃないんですから、だから「放送設備」だということになれば「他人の支配に属させる」のですよ。一定の制約があるであろうけれども、社会通念上これはもう自由に使ってよろしいんですよ、契約の内容にさえ抵触しなければ、そうでしょう。「他人の支配」になるのじゃないですか、その一定の時間だけは。あなたは短期間だからよろしい、長期間だからだめだ、所有権が移管しないからいいじゃないか、管理権がわが手にあるからいいじゃないかと言うけれども、料金をとって貸し与えるのですから、借りたほうはそれを使う権限が生まれる。貸した者は条件に抵触した場合には意見を差しはさむことはできるけれども、貸与条件を全うするならば何だかんだ言えないでしょう、そうでしょう、そうじゃないですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 確かに先生がおっしゃるような論もあるわけでございます。四十七条を厳格に解釈いたしますと、いかなる場合でも、他人に貸すという場合は「支配に属させる」と解釈すべきであるというような見解と、普通の賃貸借または使用貸借における借り主の有する支配の程度に達しない使用権、これが使用者に属することになっても「他人の支配に属させる」ことにはならないという見解も一つあるわけでございます。  きわめて厳格に解しますと、先生がいま御指摘になりましたような見解になるわけでございますが、私があとで申し上げましたような「他人の支配に属させる」こととならない使用権、これが使用権者に属するということも、四十七条の解釈と申しますか、あるいは他人の支配に属させる属させないということについての解釈があり得る、厳格な解釈と若干広義な解釈と二つあり得る。  そうしますと放送法の四十七条というものは何を守ろうとする法規か、守ろうとする法域は何かということを考えてみますと、NHKが放送を実施する上において支障にならないということが一つのめどだと思います。したがいまして政府といたしましては、慎重な検討を経た結果、何と申しますか、二説あるうちのあとに私が申し上げました説が四十七条の解釈上妥当であろうという結論に達した、こういうことでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 だから、重ねて申し上げますよ、一定の期間を限って、それがよしんば三十分であろうと一時間であろうと、貸借契約を結んで料金を取れば法律的にこれは有効ですね、法的効果を発揮いたします。千円でも二千円でも貸してしまえば。だからその貸借した午前十時から午後五時までは借りた者の使用権が生まれているのですから、そのときは占用権が生まれてきたんですから、出しものを自由にできるじゃないですか。そうしたら、その者が占用している時間、借りている間はホールの運営はその者の支配に帰するのじゃないですか、そうじゃないですか。ごく平凡な社会通念上から言ってもそうじゃないですか。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) NHKの利用規程というものを見ますと、実際の問題はまた別といたしまして、理論上考えますと、いついかなる場合でもNHKが放送を行なう上においてホールが必要だというときには、いつでもこれが利用できるという一項目が入っているわけでございます。ただ、その場合に、現実の問題としてお客さんが入ってきたときに、そういう必要性が起こるかどうかということになりますと、現実の問題としてはそういうことはまずあり得ないだろう、あらかじめNHKが放送番組をつくるあるいは放送する場合には一週間なり一カ月なり前に、たとえばそこに貸したといたしましても、自分で使うという計画がある場合には、おそらくそういう措置をNHKはとるであろうということでございますので、お客さんが現に入っておる、理論上はこれを追っ払うということはできるわけでございますけれども、現実の問題としてはそういうことはあり得ないのではないかということが一つの解釈のめどになっているわけでございます。  それから四十七条の条文でございますけれども、これがしからばはたしてNHKがホールを他人に貸す場合に、もし「他人の支配に属させる」、したがって郵政大臣の認可、料金の同意という事柄を要するといたしますと、実際問題としては一つ一つ借りたものにそういう手続をとることが可能かどうか、むしろ不可能に近いのではなかろうか、というような配慮も加えて判断したわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 NHKが必要とあればいつでも契約を破棄するなんて二回も繰り返しておっしゃるけれども、何もそれは特筆、広言するしろものじゃないんですよ、全国の至るところの公共用の公会堂あるいはまた会館等、公立、国立すべてそういう内容なんですよ。NHKのホールだけがさももっともらしいことを言われちゃ迷惑千万なんですよ、公共用の建物というのはみんなそういう内容で貸すんですよ。  しかし貸した以上は自由に使えるじゃないかというんですよ。そこで芝居を出します。興行を打ちます——興行を打つといってダンスをやったら契約違反になるかしらぬが、興行を打つその中でどういう興行をやろうともNHKは容喙できますか。いまあなたの話を聞きますと、芝居を上演する、上演した中身まで運営まであたかもNHKが管理、監督権を発揮するがごときお話なんですね。そうじゃないでしょう、出したらもう容喙できないでしょう、差しはさめない、その時間中。芝居なら芝居を打つといえば、時代劇をやろうとも現代劇やろうとも喜劇をやろうとも、借りた者の意向で運営するんでしょう、運営は、そうでしょう、そうじゃないですか。だから、この場合の「他人の支配」ということばは何ぞと聞いている。これはお答えがないんですよ、ただ差しつかえない、差しつかえないと言っておられるんです。  あたたの言われるのは、もう一ぺん言いますけれども、公共用建物を他に、第三者に貸すときには、その所有者、管理する者の都合でいつでも明け渡す、事前に契約しても、県の建物なら県で必要なときは明け渡しますというただし書き一項が入っているんですよ。いわゆる官公立のホール、集会所でその項目の入ってないのはどこにもないんですよ。別にNHKだけが特別じゃないんですからね、困りますよ、そんなことを言われちゃ。  いま申し上げたことをひとつお答えいただきたい、前段で申し上げたことを。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 四十七条の解釈の問題を検討する場合に、われわれが討論しました内容をいささか披露いたしますと「支配」ということば、これはもともと現実的実質的な概念であって、他人にNHKホールの使用を認める以上は、どのような厳重な使用条件をつけても、何らかの使用権が使用者自身に現実に属することなり、その限りにおいては、他人の使用を認めることは一切「他人の支配に属させる」ことになるという解釈、これが一つ、先生が先ほど御指摘になりましたこれが一つの説、考え方かと思います。  それからもう一つ、先ほど私が申し上げたのは、通常の賃貸借または使用貸借における借り主、借りた人の有する支配の程度に達しない使用権一例で申し上げますと、NHKのホールはNHKが使用する場合にはいっでもNHKが使用できる、こういうような支配の程度に達しない使用権、これを使用者に属させることになっても「他人の支配に属させる」ことにはならないのではないかという説が一つ、この二つの説についていろいろ討論したわけでございます。これは私のほうだけではなしに、法制局とも十分連絡をとりやがら協議を重ねたわけでございます。  ひるがえって四十七条の条文を見ますと、この守る法域は、先ほどから申し上げておりますように、NHKの放送に支障を来たさないということだと思いますので、私が申し上げました後者の説をとりましても、NHKの放送に支障を来たすことは万々ないだろうというような認識のもとに、いまNHKがつくりました利用規程によって貸すことは、要するに結論としては、四十七条でいうところの「他人の支配」には属することにはならないという解釈をとったわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 あなたとこうやって堂々めぐりやってもしようがないですな。しかし、あなたのおっしゃるのは、あなた逃げておられるんですよ、明らかに。「他人の支配」というものの定義を明確にされておらないんだ、あなたは。いいですか「支配」という表現を明確にされないで逃げておられるから、私が執拗にいま食い下がっているわけです。しかしこの問題ばかりしていたら、これで五時、六時になっちゃいますから、あとたくさんあるんですから、私は一つの課題を差し上げておきます。  郵政省の中でも甲論乙駁あった、あなたのところでもね。このことについては必ずしも郵政省とNHKの見解が一〇〇%合致したとは認めがたい、従来のやりとりからいたしまして。これは将来のこともありますから、もう一度ひとつ皆さんで、両者で、両者というのはNHKと郵政省で、そういう疑問の起こらないように「他人の支配」とはそもいかなるものかという定義づけをしていただきたい。私はきょうは時間がありませんからそのことをお願いして、次の問題に移ります。いいですね、検討してくれますね。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 一言、よろしゅうございますか。  いろいろ議論があったことは確かでございますけれども、そういう結論が出まして、NHKとの間においても完全な意思の一致を見ております。また政府部内においてもこの統一見解に対しましては完全に一致しております。したがいましてNHKとの間に意見の不一致はございません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は公式のこの席上で疑問を投げかけておるんですよ。私が疑問を提示しているんですから、このことについて両方でもう一度御検討をわずらわしたいと申し上げているんですよ。いいですか、あなた方は公式発言したんだからなるほど郵政省の公式見解はきまったでしょう、しかし当時は、あなた方はシビアな発言をされておったんですからね、いまはそうやって白々しいことを言うけれども。そうでしょう、私はまだこれ疑問を持っているんですよ。国民に開放することは大賛成、賛成だけれども、この放送法上疑問を持っているからこうやってテーマを投げかけているんですから、検討してくださるぐらいのこと言ったっていいでしょう、疑問だと言っているんですから。  それで、もう討論する余地がないとおっしゃるなら、ここで私は延々とあなたとやりたいんだ。どっちに賛成してくれますか、これからこのことをあなたとここで議論をするのをあなたが好まれるか、後日に譲ることをお好みになるか、ひとつ御返事いただきたい、いずれの方法をとるか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 先ほど来いろいろと議論の展開が行なわれたわけでございますが、法制局との間にいろいろ検討をいたしました結果一応の結論が出たわけでございます。その結論に対しまして、森委員からまだ明確な定義づけがなされていないというただいま御意見が出たわけでございます。この御意見に対しまして、やはり放送法四十七条の規定につきましていろいろの御疑念があるようでございますから、この定義づけにつきましては十分御納得のいくように検討させていただきたい、かように存じます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 大臣、私が申し上げたのは「他人の支配に属させる」というものの定義を求めたわけですから、このことだけひとつ御検討をいただきたい。  そういうことですから、次に移ります。  御承知のように、このホールは三十数億という巨費を投じて建設されたわけであります。NHKがこれを第三者に利用させることにすることは聴視者対策という見地からいっても、あるいはまたNHKのそろばんをはじく手前からいっても、それはあいておるものを国民に開放することはけっこうでありますよ。だが、このホールをつくるときの説明をされた当時の状況からいたしますと、開放する余地はほとんどないような気がするんです。当時皆さんがわれわれに説明された事情が当時のままならばあまり余地というのはないはずです。  ですから、このままでいけば何といっても四千五百名というのはほかにありませんから、もうこれをNHKが開放するとすると希望者が殺到するような気がしてならぬのです。そうなると、その選択に今度は困ってくる。したがって今度は開放するにも一定の条件が必然的に生まれてくるわけです。斉藤局長は必要とあればいつでも取り上げるのだとおっしゃっているけれども、現実的にはそれはないと言って打ち消されているから別ですが、いろいろと出てくる。これほんとうに担当の係は応接にいとまがないほどおそらく頭を悩まされることが出てくるんではないかと思うのですね。そうなるとこれはたいへんですから、りっぱなものをつくって、そんならいっそ貸さないほうがいいということになってしまわないとも限りません、私はそれを心配しているのですよ、断わるだけでもたいへんだと思うのですよ。したがって、そのことについては早くひとつ基準をきめてもらわなければならぬわけですね。  参考資料を見ますと、何か利用料金等もお出しになっている模様だが、じゃこれが開放してはたして妥当な料金かどうかとなると、どうも、あれで安いとは言いがたいような気がするわけですね、またそういうところに疑問を持つわけです。これは開放というのは賛成だけれども、使用をめぐってトラブルが続々と発生してくるような気がしてならぬわけですから、これは私の単なる杞憂ならばそれでけっこうですけれども、どうもそんな気がしてなりませんから、無用なトラブルを私は避けたい、ですから早く明確にひとつおやりにならぬとこれは問題になるのではないか、こう思うのです。したがってこの点について、これがNHKのほうからひとつお答えをいただきたい。   〔理事古池信三君退席、委員長着席〕

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおり、いろいろ希望が殺到してその選択に非常に苦慮する場面が出やしまいかというようなお話でございますが、そのようなことも予想される面もあろうかと思います。当初、NHKが、これはもう他に貸す余地がない、一ぱい一ぱい使うんだ、こういうようなことを言ったように仰せになりましたけれども、これはやはり一定の利用効率というものがあります。その効率の面においてはこれは決して低下するような状況にはないというような気持ちで申し上げたわけでございますが、今日の利用の実態から申しますと、年間三百六十五日のうちで、もちろん保守等の所要の日数等も入れまして二百九十日はNHK独自に使う計画を持っております。そういたしますと大体八〇%をこえる回転効率、利用効率ではないかと思います。いろんなこういった種類のホールあるいは歌舞伎座とかいろんな施設等の関係から見ても、八〇%をこえる回転効率というものはかなり高いものだと私は自負しております。  そうなりますと、あと七十日ばかりが貸せば貸せる間でありますけれども、もちろんその間にいろんな要望が殺到することも考えられますけれども、要はやはりNHKが使う場合にはこれは貸与できないということは明確にしなければなりませんし、また規程上もそのようなことは明確にいたしております。  そういうようなことと同時に、先ほども法律論議をめぐって、私が出しゃばるのもどうかと思いますけれども、森先生は他人の支配に属せしめるその基準というのは何かということをお尋ねでございますけれども、なるほど貸した間は占用は先方にあるわけであります。これを支配といえば支配といえましょうけれども、四十七条の精神から見た他人の支配に属せしめる行為というのは、NHKがNHKの放送に使うためにつくったものであります。その用途を妨げ、NHKの放送のための利用を排除する状態における支配の状態をこれは禁じておるものと私は考えておりますので、ただ単に占用の状態が出るかどうかということよりも、それと同時に一歩進んで、NHKの利用を排除する、こういうような形における支配があるかどうか、これが一つの支配の基準であろうと思います。  そういうような面から見まして、いろんな厳格な利用規程というものはよく事前に御承知を願わなければなりません。利用の対象はどこにでもというわけにはまいりませんので、きわめて高度な公共的な催しもの、日本の教育文化あるいは福祉の増進、こういうことに役立つような催しものにお貸しするということがねらいであろうかと思います。そのことがやはりこのホールの効率を高め、また社会の福祉、国民の要望にも沿い得る貸し方ではないかと思います。そういった面から見れば、ある特定の政治目的のために使うとか、あるいは特定の宗教活動に使うとかいったようなことはいま規程の中で排除するようなことにいたしております。さらに事柄はよくっても、それが営利を追求するところに重点があるというようなところも、これはやはりお貸しすべきではないと思いますので、そういう営利追求の催しものについては規程上お貸しできません、こういうことを明確に定めるようにいたしております。  いずれにいたしましても、先生の御趣旨はそのとおり一〇〇%共感を持ち、またそのような運営でなければならないと思いますので、この利用規程については厳格なそういった検討を加えたものを十分につくりあげて、これを一般にもよくわかるように周知をしなければなるまいと思っております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 次の問題に移りたいんでありますが、N響の定期演奏会は御承知のように会員制がとられておりますから、会員以外の者の入場券の入手は非常に困難だということがいわれているわけです。新聞等に出たのを見てもわかりますように、定期会員や会員の買い占めによりフリーの客はほとんど入場ができない。しかも希望すれば同じ席で半永久的に会員となれるという仕組みになっている模様ですから、九〇%は継続会員である、こう報道をされておるわけです。したがいましていまお話をいたしましたホールの完成によって、今度はこういう点はある程度改善をされる、収容人数が多くなりますから改善をされるだろうとは思うのでありますが、この点について見通しをひとつ聞かしていただきたい。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 管弦楽団の定期演奏というものは運営が非常に本来むずかしいものでございまして、国内並びに国外のいろいろな実情を調べてみますと、やはり定期演奏会というのは定期的な会員制という制度をとっておるものがほとんどでございまして、N響の場合も従来そういう方法をとってきたわけでございます。  しかし、いま御指摘がありましたような問題もございますので、あわせて今回ホールが開設されましたので、この際、約三千名ぐらいの座席がふえる予想がされております。また定期演奏会でなくて、臨時の演奏会の回数をふやすというようなこともあわせてこの際考えなければならないと思っておりますし、それから当日発売をする枚数、こういうものもふやしていくというような、いろいろな角度からの改善策というものをいま私のほうとN響との間で話し合いをしておるという段階でございまして、何がしかの改善策というものが出てくると思っております。  また、ちなみに現在約三千余の新しい座席がふえますので会員を募集いたしておりますが、現状のところでは殺到をして非常にたくさんの方に御迷惑をかけるというようなところには至っておりません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうしますと、見通しは楽観論でよろしいですね、山本さん。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 楽観論といいましても、どこぐらいが楽観論になりますか、いろいろこれはまた先ほどのお話のようにものさしの問題になってまいると思いますけれども、私たちの判断では、あまりたくさんの方に御迷惑をかけるということなしに大体遂行していけるのではないかというふうに考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうしますと、従来N響というのは、収容能力が、たとえば上野あたりでやりましたね、あれは千五百か二千ぐらいですか、ですからその程度だったものが今度四千五百人も収容できるから、特殊な人だけがそれを聞くことができるというような、入場することができるというようなことじゃなくて、大体トラブルがなく、非難されることなく、期待される出しものがつつがなく出せる、こういう見通しが新ホールによって開拓された、こういうように理解してよろしいですね。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 私が申し上げましたのは、ホールの部分だけで全部解決をするということではございませんで、N響自身の臨時の演奏会の回数をふやすとかその他当日売りの枚数も再検討するとかというような方法を全体として考えまして、先ほど申し上げましたN響の経理状況、運営の状況、そういうものもあわせまして、たてまえとしては定期会員ということを中心にして運営していくということは従来どおりやっていきますが、あわせて付帯的にいろいろなことを考えていくということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私がなぜこのような問題を質問するかと申しますとね、四十五年度では二億三千万もN響に助成金を出し、四十八年度では三億何がしかも助成金を出しているわけでしょう。いわば国民の金をN響に補助金として出しているわけですから、それが特定のグループに買い占められて、希望する人が入れないということになれば、NHKの存在価値、運営等についても疑問の眼が向けられるから、そういう点を非常に心配して私はこの質問をしているわけですから、この点ひとつ、山本さん、明らかにしてもらわないと困るのです。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) ただいま申し上げましたように、ある一つの部分だけでこの問題を解決するということが値ちに急速な改善策ということとして目的が達成されるかどうかということになりますと、やはり私は多少日にちをかしながら、何回か今後の演奏会の模様なども見ながら、どういうところに手直しをしていったらいいかということもこれからの一つの課題だろうと思います。一挙にすべての問題が解決するという形まではまいらないと思いますが、方向としてはそういう方向に逐次努力をしていきたいということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 N響がNHKのホールを使っておやりになれば、いま申し上げたように四千五百名で収容能力が従前に増して約倍増するわけですから、N響自体の収入もこのNHKのホールを使えば増収することは当然でありますね。そこでお伺いしたいのでありますが、NHKが先ほども若干数字を並べましたが、N響に助成金を出している、しかも今年度は約三千万ばかり昨年度より多くなったわけでありますが、この助成をする算出根拠はどういう根拠をもって助成額をきめておられるのか。  たとえば、従来は、いま申し上げたように二千人もしくは二千五百人程度あるいは千五百人でおやりになった模様でありますけれども、そういうところでおやりになった。今度は四千五百ということになれば、N響自体のそれが——もっとも満席ということですよ、満席という条件が可能であるならば財政が豊かになるんだから、必然的に助成金が少なくても自主運営ができてくるわけであります。にもかかわらず、ことしは約三億一千四百万ですから四十五年度に比して約一億近い金が助成金としてふえているわけですが、その辺のかね合いもどういう見通しでお出しになったのか、ひとつその点をお聞かせ願いたいのです。  それから、いま私はホール収容能力四千五百と言いましたが、これは公式には四千ですね。補助いすがあるとふえるんでしょう、そうじゃなかったでしょうか、そのことをまた後ほどお聞かせをいただきたい。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 順番が逆になりますが、座席は補助いすその他を入れませんで計算をいたしますと、三千五百でございます。  それからN響に対する補助のしかた、こういうものの算出の根拠というお話でございますが、これは先ほど会計検査院のほうからも御説明がありましたように、確としたものさしが先にありまして、そのものさしに応じて交付金を出すということではございませんで、毎年、その年の事業計画、そういうものを提出してもらいまして、その提出された事業計画、それからその年のNHKの放送事業計画、そういうものとどこでそれがからみ合うか、それからまたその必要度はどうであるか、そういうことの判断を計画面からいたしまして、具体的に一つ一つの計画が妥当であるかどうかということをいわば積み重ねをいたしました上で、このぐらいの経費というものを交付しなければならない、そういう活動をしてもらわなければならないということで、その金を交付金という形で出すというのが実際上の交付の金額の算出のしかたでございますので、はっきりいたしました何%とかいう基準が先にあって出しているというわけではございません。  それから、ただいま御指摘がありました、ホールが開設になりましたらN響のほうの収入もふえるだろうということでございますが、そのとおりでございます。したがいまして前年度に比べましてN響自身が約一千七百万ほど収入が上がるということになっております。  ただ、本年度は昨年度に比べまして約三千万の交付金の増加がございますが、これはその年その年のたとえば海外派遣をするとか、あるいは五十周年何十周年の場合の行事ということで、N響自身の活動の状況がその年その年によって違いますので、大体の趨勢といたしましてはふえてきておる情勢でございますけれども、今年度も一千数百万の増加を見込んでおりますけれども、それは定員がふえたことによる収入でございまして、N響自身が今度は使用いたしますホールの使用料という形ではそれだけの出費がふえるということでございますので、全体といたしましては、そういう内容を個別に審査をいたしまして、きめておるということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 定期演奏はNHKと共催ですね。そうなりますと今度新ホールを使うときに、使用料というのはどういうことになりますか。もらうものはもらって、補助金出すものは出すんですか。それともN響との間では無料使用を認めるんですか。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) N響もこれはNHKと別な法人格を持っておる団体でございますので、ホールを使用いたしますときには、使用料というものをもらうというたてまえにいたしております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 次は長期経営構想と財政問題について若干お伺いしてみたいんですが、このことにつきましては本年度の予算審議の際にも触れたわけでありますが、その後、物価、人件費、金利の高騰等、経済情勢が著しく変化を来たしておりますことは御承知のとおりであります。したがって長期計画というものは全面的な見直しをしなければならぬ時期にきたと思うのでありますが、これについてどう対処されようとしておられるか、この点ひとつお伺いをしたい。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおり、今日の段階で見ますと、かつての五カ年構想というものをもう少し緻密に検討する必要があろうかと思います。  特に四十八年度を起点にいたしまして五十年度末まで受信料は値上げをしない、こういうことをお約束いたしております。そういった見地から申しましても、五カ年というような構想でなく、公約どおりに値上げなしにやっていけるようなめどを早急につけなければなりません。そういう意味から四十八年度から五十年度までの三カ年間の緻密な計画を策定することが必要であろうと思います。ただいまそういうことを要望いたしまして作業をいたしております。  できれば明年度の予算の編成期前までにはそのような見通しを得たいと思っておりますけれども、何しろ非常に困難な作業であろうと思います。いろいろ物価その他の上昇の過程で、しかもNHK自体から見ましても、いかに合理化に努力をいたしましても、支出の伸びよりも収入の伸びが二%強下回っておるような現状でありますし、そのためにはいわゆる収入面のそれについても在来の見通しでいいかどうか、これはいろいろ在来の実績等をも基礎に置かなければなりませんけれども、収支の両面にわたって三カ年の推移を厳密に検討する必要があろうかと思いまして、目下作業中でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いまもちょっと触れましたが、最近は特に経済情勢の変化に加えて、いまも若干お話がありました受信料の伸び率の鈍化、これは従来よりも激しくなってきたような気がするのです。当然そうなれば収納率も低下をするわけですから、従来NHKの財政というものは非常に全般的に楽観的な風潮があったことはいなめない事実でありますけれども、昨今当面している背景を見ますと、そういつまでもいつまでも楽観論で終始できないような気がするわけです。  一応昭和五十一年まで、いまも会長言われたように、NHKの会館売却資金等を充てるというようなことで、あのときに向こう三年間値上げはいたしません、こういうことでNHKは対外的に発表しているわけでありますが、いまのような状態でいきますと、先ほど長期構想というものの見方を変えていかなければならぬということを私は申し上げたわけでありますが、したがってこれから五十一年度までの財政と建設計画の見通しというものをもう少し詳しく聞かしてもらいたいのです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 先ほどお答えをいたしましたように、いま目下鋭意その検討をいたしておるわけでございまして、まだその結論は出ておりません。したがいまして、これを数字的にどういう傾向になるというようなことを断定的にお答え申し上げる段階でございません。  ただ、問題は非常にきびしい環境の中にありますことは当然でございまして、そういうような意味合いから収支の両面にわたって厳密な三カ年間の歩みについて値上げなしに確実にやっていけるのだ、こういう目安を早く打ち立てたい、かように考えておる段階でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 会長御みずからいま直ちに具体的に説明はできないとおっしゃるその気持ちはわかります。  ただ、私が心配いたしますのは、何かお聞きいたしますと建設費が百二十三億五千万ですか、これを繰り延べしたり、九十一億円にわたる事業費の節減、合理化によってカバーしようとする空気があるということを聞きます。そうなりますと、前田会長時代は攻めの会長といわれたNHKがあなたになって今度は守りの小野ということになりはせぬか、まことに失礼な表現でありますが、そんな気がしてならぬわけでありますので、私は以上の二点を御質問申し上げたわけでありますが、私は若干数字を二つばかりあげましたが、この辺のかね合いというのはどうなっておるのですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) ただいま申されましたようなおおよその構想は前田会長も確かに申されております。私もそれに参画をいたしておりますので、その間にそごはないと思います。ただ、それをやはり厳密に現実の収支に即して一体どういうようなことができ、一体何をどういうようにあんばいしたらいいのかということを目下作業をいたしておるわけでございまして、別段に攻めが守りに変わるとかいうようなことでは毛頭ございません。もっと三年間の収支の推移を厳密に検討をいたしておる段階でございますので、そういうことが明らかになれば、またはっきりした御説明ができようかと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは次の問題に移りますが、これは申し上げるまでもなく、NHKの基本的な使命というものはもちろん放送の全国的普及と良質、豊富な番組の放映によって国民生活に寄与することでありますから、当然そうなりますと、難視の解消と番組の質的向上というものには積極的に取り組んでいかなければなりません。この点については従来ともよくおやりになってきたわけでありますが、今日以降なお積極的な営業活動によって財政の確保をはかっていただかなければならぬと私は考えます。  そこで、私は先般の委員会でも質問したわけでありまして、この財政の確保というものについては、これはいろいろなやり方がありますけれども、何といっても非世帯の面で受信契約の普及、開拓の余地が大いに残されていると思うので、この点も先般指摘いたしました。ついせんだっての塩出委員の質問に対しましても、ホテル、旅館などにおいては必ずしも常時満室とはならないし、また季節的な営業等もあり、設置台数を契約単位とする現在の契約基準は再検討を要するという趣旨の答弁をされているわけでありまして、非常に私としては、これは期待感を持っておったけれども、前よりも後退しているような御答弁というふうにしか受け取れないんです。  かつて、私は、全国の旅館、ホテル等の契約が放任されておるじゃないかと指摘をいたしました。私はこのことについては二回ぐらい質問したわけでありますが、いまは数字がだいぶふえましたが、当時は十九万五千ぐらいが捕捉できる全国のホテル、族館等の受像機の数だというふうにお答えをいただいたような気がするわけでありますが、この塩出委員の質問に対する会長のお答えというのは、これはもう受信料の性格にも触れる問題であると思うのでありますが、いま申し上げた非世帯の受信契約についての考え方をもう一度ひとつお聞かせを願いたいと思うのです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 世帯、非世帯を問わず、契約をしてもらわなければならぬ面については、これはそのとおりでございまして、契約を実現するように努力をしてまいらなければならないと思います。  ただ、今日、非世帯の面につきましては件数にして百二十数万あり、その中で実績は四十万台しか契約になっておらない、これはいかにも世帯の面ではかなり進んでおるけれども、世帯と比較して非世帯の面では非常な努力漏れがあるような取り上げ方を一部されておる向きがございます。もちろん、現在をもって私は満足しておるわけではございません。世帯、非世帯を問わず、契約をしてもらわなければならないたてまえのものはどこまでも契約をしてもらうように努力をし、また収納も十分に行なわれるようにはかっていかなければならないのでありますけれども、問題は、非世帯の関係につきまして百二十数万の対象があるのに四十万しかやっておらない、ほとんどこれは漏れが多いというようなそれは必ずしも実態とは合っておらないのじゃないだろうか。  百二十数万の非世帯の対象のそれは、もう一度ほんとうに非世帯として契約をしていただかなきゃならない対象は一体どのくらいあるのか、こういうことを厳密にやはり把握する必要があるであろう。もちろんこの中にはいろいろ非世帯として、世帯でないものとして数えられるものもあるでありましょうけれども、生活の実態からいえば、世帯とほとんど分けがたいようなものも百二十数万の中には入っておるわけであります。そういうものについて世帯でも契約、またこれは非世帯だからと、こういう概念的な扱いでこの分もまた別に契約ということは受信者の方からの共感を得られないことにもなろうかと思います。  そこで、世帯と非世帯の関係をもっと厳格に規定をいたしまして、その対象になるものは決して取りそこねるようなことがあっては困るのでございまして、すべて契約してもらわなきゃならないわけでありますけれども、一応、そういう根底には、世帯、非世帯別立てで取ることについての、なるほどもっともだという共感を得られるような状況をまず確実に把握することが必要であろう、こういうように考えまして、非世帯の問題については、ただ単に機械的に世帯でないものがすべて非世帯、こういうようなことで件数を百二十数万といっておるそれがはたしてそれでいいのかどうか検討を要するであろう、こういうような意味合いで申し上げたわけでありまして、現在、世帯、非世帯に分けて契約をいただかなきゃならないたてまえになっておりますそれをくずすつもりは毛頭ございません。決してその面で後退をするというようなつもりはないのでありまして、受信者の方々の共感を得られる世帯契約、非世帯契約、これは厳然と努力をしてまいるべきものと考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 まことに失礼な発言でありますが、従来、NHKは取りやすいものから取る、取りにくいものは手数がかかるからというわけじゃございませんけれども、どうもなおざりにする傾向があったような気がするんであります。私はそう思っている、これは私の推量でありますから。  しかし、最近は、そうでもなくて、いまをときめく郵政大臣のところまで徴収に行ったというんですから、これはNHKがいかに財政確保のために御努力を願っているかという端的な、しかも雄弁に物語ることだろうと思うのであります。ですから、この点は非常に高く評価をしたいのでありますけれども、しかし、大臣のところへ行くのはけっこうですが、やはり相手の身分その他も十分考えてもらわないと困るんでありまして、これは久野さんのような人情大臣ですからこの程度で済んだと思うんでありますけれども、やはりちょっと考えていただかなければならぬような気がするんです。  そこで、私は申し上げるわけでありますが、よく最近の新聞を見ますと、知らない間にかってに受信契約というようによく最近こういうことが見られるんですね。白黒がいつの間にかカラー契約になっていたとか、いつの間にか銀行振替になったというようなことがあるわけでありますので、積極面は大いに私はすすめたいのでありますが、若干先を急ぐあまり、少し拙速という懸念があるような気がするんであります。もちろんこれは何百万件というのを扱うのですから、ときにはそういうこぼれも出るでありましょうけれども、だからといって国民の信頼を裏切ってはならぬわけでありまして、この辺のことはどうなっておられるのか、ひとつお聞かせをいただきたい。これは担当の理事さんでけっこうです。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま私の名前が出ましたので、釈明をさしていただきたいと思うのでございますが、どうも報道が一部誤って伝えられておるようでございます。抗議を申し出ようかと思いましたけれども、それもいかがなものかと思いまして私は抗議をいたしませんでした。  実は、たまたま、非世帯、世帯を問わず、収納のために外務員のお方が非常に御苦労をしてみえるという実態を証明する一つの例として私は申し上げたのでございます。もちろん私が大臣に就任をいたします前のことでございます。  私の住まっております九段の議員宿舎へおいでになりまして、そうして私は今日でもまだ白黒のテレビしか持っておりません。カラーテレビは備えつけていないのであります。それはけちんぼだからそうしているんじゃないのでございまして、外へ出ることが多うございますし、私の家内もよく出ますものでございますから、間に合うということであるならば、白黒がまだ見えるのだからそれでがまんしようといって二人で相談してそのままにしておるだけのことでございます。けちでそうしておるわけじゃないのでございますが、それを外務員のお方がどうしても御納得なさらなかったのでございます。それはおそらくカラーテレビを隠してごらんになってみえるのではないでしょうか、こうおっしゃるものですから、うちの家内がそこまでお疑いになるのならばどうぞ上がって部屋の中をひとつごらんいただきたいと御案内をいたしましたら、部屋じゅう回って歩かれまして、なるほどカラーテレビはございません、確認いたしました、こう言ってお帰りになったのでございます。納得して帰られたのでございます。  それほど熱心に受信料徴収のための外務員のお方は御苦労なさってみえるのでございますから、どうかNHKの関係者の皆さんの御苦労に対してひとつ皆さんあまり強いおことばでお責めにならずに、ぜひこのことを理解していただきたいという意味で、一つの例として私は申し上げたのでございます。  どうか、その点、公式の場で森先生から非常に私に対してありがたいおことばをちょうだいいたしましたので、たいへん失礼だとは存じましたが、釈明させていただきました次第でございますので、御理解を賜わりたいと存じます。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま森先生御指摘のように、私どもとしましては、受信料というのが協会の基礎を固めるものでございます。これが全国民の負担の公平という見地から、もし払わないでおられる方がそのままであったら、せっかくお払いいただいている方との公平の見地もございますし、いろいろな面から、現在、かなり集金の者を督励いたしまして、十分聴視者の御納得の上ではあるけれども、きちんといただくものはいただいてこい、こういうことで指導しているわけでございます。  いま、たまたま大臣のお宅にまで上がったというお話、まことにお宅にまで上がるというのは、いささか私どもも指導としては至らなかったというふうに思っております。  ただ、最近、特に受信料に対して一部からいろいろな御批判もございますので、本来のところは、とにかくNHKの仕事をすべての国民の方に御理解いただいて、その上でちょうだいするということでございますので、そういう点は十分教育し徹底をさしているつもりでございますけれども、いま御指摘のような点がときにございまして、たいへん各方面に御迷惑をおかけして申しわけないと思います。  森先生御質問の、どのようになっておるのかという点につきましては、少なくとも白黒からカラーテレビに変更をした——もちろん、その前提としましては、その前に白黒テレビの御契約をいただいておって、その後カラーテレビを実際にお求めになって見ておられるということが前提にあるわけでございます。そのことを確認しました段階において、これは法律のたてまえもございますし、ぜひひとつカラーテレビの御契約をしていただきたい、契約の変更をしていただきたい、こういうことを十分お話して、私どもは全部集金に必要な届け出の契約書と書いた伝票のようなものを持たしておりまして、それに原則としては受信者の方の判こもいただいてくるようにという指導をしているわけでございます。ときにその点がまあそこら適当にというようなこともあったりいたしまして、多少事務のほうに手抜かりをいたす場合がございます。そういうのが間々あとになりましていろいろ問題を起こすので、先般一部新聞紙上に指摘されましたあとにおきましても、十分全国にその旨を通達いたしまして、今後事務処理はきちんとやるようにということを重ねて通達いたして、指導を強めている次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 大臣も人情大臣ですから、おいでになった職員をかばった気持ちが人情あふれんばかりで、身につまされました。  大臣が体験談を出されましたから、私もここで体験談を語らなければ大臣の趣旨に沿うゆえんではなかろうと思いますので、私のこのNHKの受信契約についての体験談をお話して、NHKの善処を求めたいと思うのです。これはNHKをけなすんではないんです。テレビはもうたいへんな数ですからね、ときにはそごがあるでしょう。ただ、そごがあったら率直に改めていただきたいということで申し上げるんです。  私は国会の事務室の受信契約を結んでおるんです。あれは前納すれば、半年は二分の一カ月ですか、一年では一カ月ということになっていますね、そういう契約で結んだんですが、NHKの徴収はまるまる取られました。それでおかしいじゃないかと言って質問をしたら、どなたかがお返ししますと言ったままそのままになっているような気がするんであります。これはささいなことでありますが。こんなささいなことを出すということはおとなげないと思うのですが、しかし一事が万事右のとおりであってはなりませんから、私も勇を鼓舞して私事を言うのです。お返しいただいておるもんだと思うのですが、まだどうなっておりますか、銀行に戻っているかどうか知りませんが、ささいなことでも、ひとつそういうのは十分拙速に、これこそ拙速ですね、早く処理していただかなきゃなりません。すでに私の口座に戻っておれば私のこの暴言はお許しをいただくわけでありますけれども、とにかく約束事は守ってくださらなければならない。約束事を守る、りっぱな行為をする、そこにNHKが期待されるゆえんがあるわけですから、ひとつそういうことで国民の信頼にこたえるように今後とも御努力いただきたい。  特に、経済界の変動がさだかでない時代には、集金人等に払った払わないでトラブルが起こりがちであります。特に不払いの動きが御承知のように若干見られるときでありますから、だれでもこれは払わないで済めば済むということで、この風潮がやがてまた横に広がっていくような懸念を私は心配し、これは小野さんにもしばしば数次にわたって御質問申し上げているわけでありまして、そういう問題からNHKのこの大きな期待される事業がアリの一つの穴からくずれるようなことになってはゆゆしき大事だと思って、これはあなた方から見れば、NHKは堅実経営であり、依然として信頼にこたえ得る自信があるからそれは杞憂だとおっしゃっていただければまことにけっこうでありますけれども、どうぞそういうことのないようにひとつお願いをして、次の問題に移りたいと思うのであります。  御承知のように、先ほどもちょっと触れましたが、収納率は四十四年度から漸次低下してまいりまして、四十七年度からは予算上も一・一%の欠損処分見越し額を計上しております。これは前は一・一じゃなくて〇・〇五ぐらいだったんじゃなかったでしょうかね、もとはね。それがまあ一%ということになります。そうなりますと、受信料の総額が一千億をこえている今日でありますから、回収不能額も相当の金額にのぼるだろうと思うのです。これは経営財源を確保するためにも、また負担の公平を期すという見地からも一そう努力を要する事柄だろうと私は考えます。  したがいまして、これら未払い者の中には、宅地造成などによって難視が発生しているのがありますけれども、あるいはまたカラー化に伴って画質が低下しているもの、またはいわゆる新宿等に見られるビル陰の問題それから航空騒音など、いわゆる都市の難視世帯というものが相当含まれておるのではないかと推察されるわけでありますが、そこで、こうした世帯に対してはある程度考慮すべき余地があると思われるのでありますが、これに対するNHKと郵政省の見解をお伺いしてみたいんです。  特に基地周辺における難視聴については減免措置がありますけれども、それから先の実態に即する難視聴については、いざとなると、NHKは、はだ合いとして情感としてはそれらの異議を唱える方々の心を了としながらも、一線を画したその線をくずすと次から次へということを、先のことを見越しておるせいかもしれませんけれども、なかなかそこを開こうとしないわけであります。もちろんこれはNHKの立場を守るためにはそれは必要やむを得ないのかもしらぬけれども、実際難視聴でほんとうに受信料を払うに値しないようなことが現実に起こった場合には、やはり国民のNHKでありますから、その点は大乗的見地に立っての配慮こそ望ましいもんだと私は思うのでありますが、この点についてひとつお答えをいただきたい。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) たいへん森先生に失礼をいたしたようでございます。この機会に心からおわびを申し上げます。実情はよく調査をいたしまして善処してまいりたいと思います。  要は、やはり営業活動を非常に活発にいたし、受信料制度の公平を維持するために最大の努力を尽くさなければならないことは当然でございますけれども、その間において行き過ぎとか、あるいは受信者の方々から非常な反感を買うようなことがあってはこれはマイナスであろうと思います。NHKは受信者の方々との信頼関係の上に運営をしてまいらなければならないことは大前提でございますので、そういった面については今後一そう心して運営に当たってまいりたいと思います。  ただいまの宅地造成その他都市構造の変化に伴いまして、在来見えておったものが非常に見えが悪くなる、こういったような地域についていわゆる受信料上の配意を加えたらどうか、なるほどごもっともだと思います。と思いますけれども、これまた非常に限界の不明確な面がございまして、やはりそういう面がいろんな面に波及をいたしまして、かえって困るような場面も出てまいろうかと予想されます。気持ちの上ではよく理解できるのでございますけれども、実際の運営となると非常にむずかしい面が多々あろうかと思います。そういうことで、むしろこれは難視聴を解消する努力を積極的に現在よりもやっていくということに重点を置いて運営いたすことがいいのではないか、目下そのように考えておるわけでございまして、将来の財政の健全化、いわゆる値上げなしに三年間を歩んでいくその過程におきましても、いろいろ設備投資等の面については削減を考えておる現状でございますけれども、難視聴解消の面については現在のそれを消極的に考えるようなつもりは毛頭ございません。より積極的に難視解消の努力をいたさなければならない、そのように考えておりますので、まず難視をなくする、こういう努力を集中して、ただいまの難視地域に対する受信料額上の考慮の点についてはいささか直ちにいまそのようにいたしますと、こうは実は言い切れぬ現状にございますので、どうぞ御理解を賜わりたいと思います。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) お話のように、難視聴の問題でございますけれども、これは難視聴の態様がきわめて区々にわたっておりまして、まあ全然見えないところ、これは論外でございまして、受信契約の必要はいささかもないわけでございますが、そのほかに、どの程度見えたら受信契約を結ぶ必要が出てくるかということでございますが、態様がきわめて区々でございますので、きめ方いかんによりましてはNHKの財政上に非常に大きな問題をもたらすということではございますけれども、いま先生の御指摘になりました御趣旨の線に従って慎重に今後検討してまいりたい、こういうぐあいに考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 郵政省にお伺いしたいのでありますが、都市構造や社会事情の変化によって都市難視というものは急激に増加しております。また辺地難視の解消についても必ずしも解消が進んでいない、はかばかしくない。したがってこの都市と僻地対策というものが非常に重要な問題になってきたと言うことができるわけであります。当委員会でもしばしば僻地の難視解消、都会の谷間の難視解消、こういう問題が議論をされてまいりましたが、私はそこで郵政省の中にテレビ難視対策調査会というものがあるわけですから、当然これらの機関によっていろいろ御検討をされているものだと思うのでありますが、どうも結論というものが当分見込めない模様でありますね。一体、このテレビ難視対策調査会というものがありながら、早急を要するこの問題についてどうされておられるのか、いつごろ結論を出されるのか、ひとつそのことをお伺いしたいのであります。  この問題は、御承知のように、放送衛星の活用方策とも関連があると思われるわけです。したがいまして、いずれ日を改めてこの難視対策を論議したいと考えておりますが、しかしNHKは現実に受信料を取っておるわけでありますから、あながち辺地住民の要望を無視することは相ならぬわけです。したがって難視対策についても当然積極的に推進してもらわなければならぬわけですから、そのことについてのひとつお答えをいただきたい。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 難視の問題は、御指摘のようにきわめて大きな問題になっているわけでございますが、お話のように辺地難視と都市難視があるわけでございまして、辺地難視につきましては、NHKにつきましてもまだ残されておる部面が相当あるわけで、約百二十万程度の世帯がテレビの電波の届かないところにおるわけでございます。特に対策を要すると思われますのは民放の難視でございまして、これは数で申しますと、NHKの置局の場所が大体全国で千六百——たとえば総合テレビならば総合テレビで計算しますと千六百ぐらいございますけれども、これが民放が一局でも置局されておるところが大体六百六、七十ということでございまして、約千地区近くが、NHKはあるけれども民放が置局されておらないという実態でございます。これにつきましては、民放はほとんどが会社形式で免許を受けてやっているわけでございますので、政府としては強制的に、難視解消という事柄を指導するというわけにはまいらぬと思いますが、将来におきましては何らかの形でこの格差を縮めていきたい、しかもできるだけ早く縮めていきたいという事柄が一つの焦点でございます。  それから都市難視でございますけれども、これは全国で約三十五万程度の難視があると思われますが、これにつきましても、いままでビル陰ということで責任者がはっきりしております部面につきましては、行政措置としてビルを建てた建築主というものの責任においてできるだけひとつこれを解消していただきたいという指導をしてまいりまして、これも年々この解決の率が向上しておるわけでございます。およそいま問題になっておりますビル陰の半数程度、今年度あたりビルの建築主の責任において解消するというような数字になろうかと思います。しかしこれとても必ずしも一〇〇%責任者が解消するというたてまえが確立したわけではございませんし、あるいはまた複雑な反射によるゴースト、これは責任者が必ずしも明確でない。どこかビル群がありまして、それが電波を複雑に屈折させまして、それによるゴーストで非常に見えにくくなる。これにつきましては必ずしも責任者が特定できませんものですから、これに対する対策をどうするかという事柄が将来の一つの焦点になろうかと思います。  こういうような問題につきまして、いま先生御指摘のように、テレビジョン放送難視聴対策調査会というものを今年の六月につくりまして、これは法律、経済、都市政策、技術あるいはその他各方面の権威者の方々に御参集いただきまして、十九名の委員をもって構成しておるわけでございますが、すでにいままで三回会合を持ちまして、あした会合がありますと四回になるわけでございますが、いままで難視聴の実態それから実際に解決  した実例等につきまして調査を進めてもらっておったわけでありますけれども、今後、さらに精力的に議論を進めていただきまして、難視聴解消——都市難視並びに辺地難視につきまして抜本的な解決策をひとつ検討していただく、それが出てまいりますと、省としては、各般の準備を整えて、もし立法が必要であるならば立法措置をする、財政的措置が必要であるならば財政的な措置をする、こういうかまえで一日も早く大筋の結論が出るという事柄を期待しておるわけでありまするが、何せ問題がきわめて広範であり、かつ必ずしも解決策が容易に見つかるという問題ではございませんので、一応今年度一ぱい予定しているわけでありますけれども、今年度中にあるいは答申がすべてまとまるということにはならないかもしれませんけれども、一日も早く答申をいただくようにお願いしている段階でございます。  それから、その間何もしないかと申しますと、私のほうといたしましては、都市難視につきましては、いままでどおりビル建築主に対しまして行政指導をもってひとつビル陰は解消していただくということを強力に進めてまいりたい。  それから、ことしは御承知のように十月一ぱいで三年間の放送局の免許期限が切れるわけでございますので、この再免許の機会に、特に各民放の責任者の方から、おのおのの放送区域内における難視聴問題についてどのような計画を持っておられるかという事柄について、強制はできませんけれども、できるだけ詳細にお聞きしたい。それで地域社会に対してこの問題についてどんな認識を持っておられるかという事柄もあわせてひとつ十分お聞きしたい、こう考えておる次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 特に都市難視の解消については、郵政当局もNHKも所管に応じて御努力なさっていることはそのとおりでありますけれども、これはやはり郵政省やNHKばかりがかけ声をあげただけでは、奔走しただけではだめですね。特に建設省等に働きをかけて協力を求めなければならぬわけでありますが、いま各省との連絡ですね、この難視聴解消のための各省との連絡というのはどうされているんですか、定期的に会合をお持ちなのですか、それともそのつどケース・バイ・ケースでおやりですか、その点どうです。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) ケース・バイ・ケースでやっておりますが、先ほど申し上げました調査会には各省の関係者が全部入っていただいております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 郵政省としては相当強力に、特に建設省については強力に御発言をなさっている趣でありますけれども、もっと強く働きをかけぬとなかなかこれは解消しない。しりのいくのはNHKか郵政省にいくわけですからね。うちのテレビが買えない、なぜやってくれないのかというのは建設省にいきませんからね。ですから、そういう点はもっと積極的に他の省の協力を強力にやることをより一そう御努力を願いたい、この点、大臣、たいへんでしょうがひとつお約束をいただきたい。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘の都市難視につきましては、原因者負担の原則に従いまして処置をいたしておるわけでございます。しかし、その原因者が不明確な点も多々あるわけでございます。そのために今日なお電波障害のために受信に困難を来たしておる地域も多々あるわけでございます。そのためにこの調査会を設けまして、実態の調査並びにその原因の調査、今後の措置こういうものについて具体的に検討を進めておるような状態でございますが、御指摘の点につきましては十分配慮いたしまして、でき得る限り早期に結論を出し、対策を打ち立てたい、かように考えておるような次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 新幹線の難視聴の問題ですが、たとえば一番いま問題になっているのは名古屋の千種地区ですね、あそこはだいぶ進んだ模様でありますが、このままでまいりますと、近く東北新幹線、上越新幹線、たくさんできてまいりますと、この問題が次から次へとクローズアップされてまいります。  で失敬でありますが、まだ抜本的な新幹線対策というのは郵政省の中でも最終的な結論がきまってないような気がするんですね。もちろん、これは国鉄当局にいま言った原因者負担ということで働きかけるでありましょうけれども、もう少し具体的なことをやっていただかないと、不満がどうもだんだん膨張してくるような気がしてならぬのですが、この点についてひとつ担当局長、考え方をお聞かせ願いたい。

齋藤義郎郵政省電波監理局長

○政府委員(齋藤義郎君) 新幹線の電波障害、確かに御指摘のようにきわめて重大な問題でございまして、NHKそれから運輸省、鉄道関係、私のほう、いろいろな協議を重ねておるわけでございますが、一応、いまは障害につきましてはNHKと国有鉄道ということで、費用の大部分は国有鉄道が持って、技術的な指導はNHKがやるというようなたてまえで障害の解消に取り組んでおる段階でございます。  ただ、どこまでが鉄道の障害で、どこまでがその他かといういろいろな技術的な問題もあることはあるわけでありますけれども、大勢といたしましては、新幹線関係につきましては国有鉄道の責任においてすべて処理していただきたい、これは東海道、山陽すべてについての郵政省の基本的な態度でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 この問題一つだけで終わりますが、最後の問題一点。  NHKの外郭団体と申しましょうか関連団体と申しましょうか、大体幾つありますか、これは担当は山本さんですね。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 取り方によって数が少し違いますが、厳密な意味では八つございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 名前をあげてくれませんか。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) NHK交響楽団、NHK厚生文化事業団、日本放送協会学園、日本放送協会健康保険組合、日本放送協会共済会、NHKサービスセンター、日本放送出版協会、NHK美術センター、以上の八つを私たちが普通外郭団体という名前で呼んでおります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 会長にお伺いしたいのでありますが、まことに失敬な発言をしておしかりを受けるかもしれませんが、お許しをいただいてひとつ聞いていただきたいのであります。  世界に冠たるNHKがなぜ国民からこれだけ高く評価されているかということは、何といっても皆さんがまじめに真摯に国民の放送たらんと心がけておられるからだと思うのです。これはもうわれわれは高く皆さん方の御努力を評価してあげたいわけであります。ただ、昨今、ややもすれば企業に利用されがちな傾向が見えてきておりますので、この点は厳に慎んでいただかなければならぬと思うのです。  いま、私は、ここであまり具体的なことは避けますけれども、いま関係団体は山本理事のお話では八団体だそうでありますが、NHKという名前は何といってもやっぱり信用があるわけですから、NHKという名前を前面に出せば商売ができる事業だってあるのですから、それを外郭団体といえども——NHKもとよりでありますが、そういう営利企業に利用されるようなことがあってはならぬと思うのです。この団体の名前はあげません。あげませんけれども、それは会長がひとつ今後厳重に慎んでいただいて、いやNHKのあずかり知らぬところだといっても、たとえば頭にNHKとあれば、それがサービスセンターであろうと何外郭団体であろうと交響楽団であろうとも、世間ではNHKの事業と考える、そうでしょう。NHKは広告を取らない、それは中立性を侵すことなかれということからきている、国民の放送たらんとしているところからきている。ところがそのNHKが一企業に利用されるようなこの動きということは、これだけは慎んでいただかなければならぬし、今後もひとつそういうことに傾かないようにしていただかなければならぬ。  最近、特にこれは私のところへ来たのですから間違いありませんが、あるゴルフ場の会員募集にNHKなるものを頭につけて、NHKと特殊関係があるがことき——そうじゃないとあるいはおっしゃるかしらぬが、とにかく印刷物はそういうふうに見える。これだとNHKに対する信頼度はなくなるわけですから、皆さんがNHKのたとえば報道の番組の中でも、電柱の広告なんかもなるべく出ないようにといって気をつかってカメラマンが写されている、その苦心談をわれわれはよく聞いています。聞いていますけれども、片一方でこういう団体が、さもゴルフ場に加担して、いかにもNHKと密接なごとき見せかけをやることは、これはちょっと慎んでいただかなきゃなりません。  私は、きょうは、具体的な名前は避けますけれども、そういうことは、今後、外郭団体の幹部の方とも相談していただいて、民間団体に利用されることのないように、NHKの名をけがすことのないように、ひとつこの点だけはこの席でお約束いただきたい。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) NHKが背負っております公共的使命が非常に高いことにかんがみまして、いささかも他の活動の便利のために利用されるようなことがあってはならないと思います。  具体的には申されませんでしたけれども、ゴルフ場建設についてそのようなことがあったことは私も承知をいたしております。まことに遺憾千万に思います。今後、そのようなことがないように厳粛に注意を喚起いたしまして、好ましくない疑惑を寸分も生じないように努力をしてまいりたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  日本放送協会昭和四十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三分散会      —————・—————

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