地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/04/03
会議録
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会します。 委員の異動について御報告いたします。 本日、玉置猛夫君が委員を辞任され、その補欠として塚田十一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(久次米健太郎君) 地方税法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、第一に、個人の住民税、個人の事業税、電気ガス税等について負担の軽減合理化をはかること、第二に、宅地等にかかる固定資産税について、住宅用地に対し軽減措置を講ずるとともに税負担の激変緩和を行ないながら、課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずること、第三に、特別土地保有税を創設することをその重点といたしております。 以下、順を追って改正の概要について御説明を申し上げます。 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げ、配偶者のない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除の額を二万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、特別障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても二万円ずつ引き上げるほか、新たに年齢七十歳以上の者について老人扶養控除の制度を創設するとともに、扶養親族のない未亡人についても寡婦控除の適用を認めることといたしました。 なお、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得四十三万円までに拡大することといたしております。 さらに、市町村民税につきましては、特に低所得者層の負担軽減をはかるため、所得割りの税率の緩和を行なうことといたしました。 その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除額を二十万円引き上げて八十万円にすることといたしました。 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、固定資産評価基準の改正等に伴いその負担の合理化をはかるため、免税点について、土地の取得にあっては十万円に、家屋の取得にあっては新築分二十三万円、承継分十二万円にそれぞれ引き上げるとともに、新築住宅にかかる控除額を八十万円引き上げ、二百三十万円にすることといたしました。 また、いわゆるコンテナ埠頭の用に供する不動産等の取得について非課税とするほか、財産形成融資にかかる新築未使用住宅及びその敷地について新たに特例措置を設ける等、負担の軽減合理化の措置を講ずることといたしております。 その四は、娯楽施設利用税についてであります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場にかかる娯楽施設利用税の標準税率を八百円に引き上げるとともに、ゴルフ場所在市町村に対して交付する娯楽施設利用税交付金の交付率を三分の一から二分の一に引き上げることといたしました。 その五は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減をはかるため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を二千四百円に、飲食店等における飲食の免税点を千二百円にそれぞれ引き上げることといたしました。 その六は、自動車税及び自動車取得税についてであります。自動車税につきましては、その納税事務の簡素合理化をはかるため、年二回の納期を一回とすることといたしました。 また、自動車取得税につきましては、国の補助を受けて購入した過疎バスにかかる自動車取得税を免除するとともに、自動車排出ガスにかかる保安基準に適合する低公害自動車にかかる自動車取得税を軽減することといたしました。 その七は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、宅地等にかかる固定資産税について、現行の負担調整措置に伴って生じている税負担の不均衡を是正し、課税の適正化をはかるため、住宅用地についてその課税標準を二分の一とする軽減を行なうとともに、昭和四十八年度及び昭和四十九年度において激変を緩和するための措置を講じながら、評価額に基づいて課税を行なうことといたしました。 また、負担の軽減をはかるため、免税点につきまして、土地にあっては十五万円に、家屋にあっては八万円に、償却資産にあっては百万円にそれぞれ引き上げることといたしました。 なお、水産業協同組合共済会の事務所及び倉庫について非課税とするほか、本州四国連絡橋公団の鉄道施設について課税標準の特例を設ける等、負担の軽減合理化をはかるとともに、重油にかかる水素化脱硫装置等の課税標準の特例措置の適用期限を延長することといたしました。 その八は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、税率を六%に引き下げるとともに、電気にかかる免税点を千円に、ガスにかかる免税点を二千百円にそれぞれ引き上げることといたしました。 また、社会福祉事業を行なう一定の施設において、その施設の入所者の保護等のために直接使用する電気及びガスに対しては、電気ガス税を課さないこととする等の措置を講ずることといたしました。 その九は、特別土地保有税の創設についてであります。特別土地保有税は、土地税制の一環として、土地の投機的取得を抑制することを目的とし、市町村税として、次の要領により創設することといたしました。 特別土地保有税は、昭和四十四年一月一日以後に取得された土地または昭和四十八年七月一日以後の土地の取得に対し、当該土地所在の市町村において、当該土地の所有者または取得者に課することといたしております。この場合において、相続、合併等形式的な所有権移転にかかる土地、あるいは農林経営規模の拡大、工場の地方分散等、国の施策等に適合する用途に供されている土地等については、非課税とするとととし、また、その市町村ごとの面積の合計額が指定都市にあっては二千平方メートル、都市計画区域を有する市町村にあっては五千平方メートル、その他の市町村にあっては一万平方メートルに満たない場合は、課税しないことといたしました。 特別土地保有税の課税標準は、土地の取得価額とし、その税率は、土地に対して課するものにあっては百分の一・四、土地の取得に対して課するものにあっては百分の三とし、当該土地にかかる固定資産税額及び不動産取得税額に相当する額を控除することといたしております。 なお、土地の所有者等が非課税の要件に該当する土地を取得し、その土地を二年以内に非課税土地として使用を開始し、かつ、その旨市町村長の確認を受けたときは、特別土地保有税の納税義務を免除することといたしました。 このほか、地方税制の合理化をはかるための規定の整備等、所要の規定の整備を行なっております。 以上の改正により、昭和四十八年度においては、個人の住民税におきまして一千六十二億円、個人の事業税におきまして百三十四億円、不動産取得税におきまして百五十八億円、料理飲食等消費税におきまして百四十五億円、電気ガス税その他におきまして二百十八億円、合計一千七百十七億円、これは平年度二千百四十一億円になりますが、その減税を行なうこととなります。一方、固定資産税の課税の適正化により四百十一億円、特別土地保有税の創設により十二億円、娯楽施設利用税について五十億円、国の特別措置の改正に伴い十二億円、合計四百八十五億円の増収が見込まれまするので、差し引き一千二百三十二億円の減収となります。これは平年度一千四百五十七億円になります。 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(久次米健太郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。佐々木税務局長。
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の内容につきまして、お手元にお配りしてございます地方税法の一部を改正する法律案関係資料のちょうどまん中辺の、青い紙が差しはさんでございますが、そこの新旧対照表により、補足して御説明を申し上げたいと思います。 まず、総則の改正でございます。 一ページから二ページにかけてでございますが、第五条の改正は、市町村税の普通税として新たに特別土地保有税を創設しようとするものであり、第十七条の五の改正は、これに伴い特別土地保有税の更正、決定等ができる期間を五年間とするものでございます。 次に、道府県民税の改正であります。 二ページから三ページにかけてでございますが、第二十三条の改正は、夫と死別した後婚姻をしていない者で、年所得百五十万円以下のものについても寡婦控除等が適用されるよう、寡婦の範囲を拡大しようとするものであります。 第二十四条の五の改正は、障害者、未成年者、老年者または寡婦の非課税限度額を、現行の年所得三十八万円から四十三万円に引き上げようとするものであります。これは、給与所得の収入金額に換算いたしまして約六十七万円に相当いたします。 次に、三ページから四ページにかけてでございますが、第三十四条第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額をそれぞれ二万円引き上げて現行の十万円から十二万円とし、特別障害者控除額を現行の十二万円から十四万円に引き上げようとするものであります。 次に、四ページ、第三十四条第一項第十号以降の改正は、配偶者控除の額を現行の十四万円から十五万円に、扶養控除額を現行の十一万円から十二万円に、基礎控除額を現行の十五万円から十六万円に、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除額を現行の十二万円から十四万円にそれぞれ引き上げるとともに、扶養親族のうち、障害者を除き、年齢七十歳以上の者について、通常の扶養控除にかえて、老人扶養控除十四万円を設けようとするものでございます。 なお、基礎控除額等の引き上げによって、住民税の課税最低限は、夫婦子供二人の給与所得者の場合、現行の八十万四千円から八十六万五千円に引き上げられることになるわけであります。 次に、五ページ、第五十三条第四項の改正は、租税特別措置法の改正に伴う規定の整備であります。 次は、事業税の改正でございます。 六ページから七ページにかけてでございますが、第七十二条の十四及び第七十二条の十七の改正は、租税特別措置法の改正に伴う規定の整備であります。 次に、八ページ、第七十二条の十八の改正は、個人事業税の事業主控除額を現行の六十万円から八十万円に引き上げようとするものであります。 同じく八ページ、第七十二条の五十九の改正は、個人の事業税の賦課徴収に関し、市町村長が道府県知事に関係書類を閲覧させまたは記録させる旨を規定しようとするものであります。 次は、不動産取得税の改正であります。 九ページ、第七十二条の二第三項の改正は、住宅を購入してその雇用する勤労者に譲渡する特定の事業主等が、新築未使用住宅を購入して当該購入の日から六月以内にこれを譲渡した場合においては、当該事業主等に対しては、不動産取得税を課さないこととしようとするものであります。 一〇ページ、第七十三条の四第一項の改正は、本州四国連絡橋公団の不動産の取得を非課税とするものであります。 同じく、第七十三条の十四第一項の改正は、新築住宅にかかる控除額を現行の百五十万円から二百三十万円に引き上げようとするものであります。 次に、一一ページ、第七十三条の十五の二第一項の改正は、免税点を、土地の取得にあっては現行の五万円から十万円に、家屋の取得のうち、新築等にかかるものにあっては現行の十五万円から二十三万円に、新築等以外のものにあっては現行の八万円から十二万円に引き上げようとするものであります。 次に、一一ページから一ページにかけてでありますが、第七十三条の二十四の改正は、住宅を購入してその雇用する勤労者に譲渡する特定の事業主等から、新築未使用住宅及びその敷地を当該勤労者が取得した場合について、当該土地にかかる不動産取得税を軽減しようとするものであります。 次に、二三ページ、第七十三条の二十七の七の改正は、土地改良区が換地計画において農用地以外の一定の用途に供する土地として定められた換地を取得した場合において、当該土地を取得した日から二年以内に譲渡したときは、土地改良区について納税義務を免除しようとするものであります。 次は、娯楽施設利用税の改正であります。 二二ページ、第七十八条の改正は、ゴルフ場にかかる娯楽施設利用税の標準税率を現行の六百円から八百円に引き上げようとするものであります。 次に、一四ページ、第百十二条の二の改正は、ゴルフ場所在市町村に対して交付する娯楽施設利用税交付金の交付率を、現行の三分の一から二分の一に引き上げようとするものであります。 なお、この改正は、昭和四十八年六月一日から施行することとしております。 次は、料理飲食等消費税の改正であります。 一四ページでございますが、第百十四条の四の改正は、飲食店等における飲食の免税点を現行の九百円から千二百円に、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食、いわゆるチケット食堂における飲食の免税点を現行の四百五十円から六百円に引き上げようとするものであり、第百十四条の五第一項の改正は、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を現行の千八百円から二千四百円に引き上げようとするものであります。 次に、一五ページ、第百二十九条第三項の改正は、免税点の引き上げに伴う規定の整備であります。 なお、これらの改正は、昭和四十八年十月一日から施行することとしております。 次は、自動車税の改正であります。 一五ページから一六ページにかけてでありますが、第百四十九条の改正は、自動車税の納期について、現行四月及び十月の年二回とされているものを五月の年一回としようとするものであり、第百五十条及び第百五十一条の改正は、それに伴う規定の整備であります。 なお、この改正は、昭和四十九年四月一日から施行することとしております。 次は、市町村民税の改正でございます。 一七ページから一九ページにかけてでありますが、第二百九十二条から第三百十四条の二の規定の改正は、障害者等の非課税限度額の引き上げ、各種所得控除額の引き上げ、老人扶養控除の創設等の改正で、道府県民税と同様でありますので、説明を省略させていただきます。 次に、一九ページから二一ページにかけてでありますが、第三百十四条の三及び第三百二十八条の三の改正は、市町村民税所得割りの税率を引き下げようとするものであり、二%の税率を適用すべき所得区分を十五万円から三十万円に改める等、百五十万円までの所得区分を改めようとするものであります。 次は、固定資産税の改正であります。 二三ページでございますが、第三百四十八条第四項の改正は、水産業協同組合共済会の事務所及び倉庫を非課税とするものであります。 次に、二四ページ、第三百四十九条の三第二項の改正は、地方鉄軌道にかかる特定の車庫の新増設をするために敷設した構築物について課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 同じく、二四ページの第三百四十九条の三第四項の改正は、公害発生の抑止等の性能を有する機械その他の生産設備について課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 次に、二五ページ、第三百四十九条の三第十三項の改正は、中小企業等については、昨年の租税特別措置法の改正により、五十万円以上の機械設備等はすべて特別償却の対象とされたため、従来のように国税の取り扱いに準じ機械設備等を特定して課税標準の特例措置をとることができなくなりましたので、この特例措置を廃止しようとするものであります。 なお、別途小規模企業の負担軽減をはかるため、あとで述べますように、償却資産にかかる免税点を大幅に引き上げることといたしておるのであります。 次に、二五ページ、第三百四十九条の三第十五項の改正は、本州四国連絡橋公団の鉄道施設用固定資産について課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 次に、第三百四十九条の三第二十一項の改正は、産業廃棄物の処理施設について課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 次に、二五ページから二六ページにかけてでありますが、第三百四十九条の三第二十五項の改正は、石油開発公団の技術研究指導施設について課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 次に、二六ページ、第三百四十九条の三の二の改正は、住宅用地について課税標準を価格の二分の一とする特例措置を設けようとするものであります。 次に、二九ページ、第三百五十一条の改正は、固定資産税の免税点を、土地は現行の八万円から十五万円に、家屋は現行の五万円から八万円に、償却資産は現行の三十万円から百万円に、それぞれ引き上げようとするものであります。 次に、三〇ページ、第三百八十四条の改正は、住宅用地の課税標準の特例措置に伴い、住宅用地の所有者等に対し、市町村長は、当該市町村の条例で定めるところにより必要な事項について申告させることができることとしようとするものであります。 次は、電気ガス税の改正であります。 一三ページから三三ページにかけてであります。第四百八十九条の改正は、非課税品目について、焼成燐肥を削除し、三年間の暫定非課税期間の満了する人工軽量骨材及びブチルゴムを加え、新たに無水マレイン酸を暫定非課税品目に追加しようとするものであります。 次に、三三ページ、第四百八十九条第十一項の改正は、特別養護老人ホーム等社会福祉施設に驚いて、その施設の入所者の保護等のために直接使用する電気及びガスを非課税としようとするものであります。 次の第四百九十条の改正は、電気ガス税の税率を一%引き下げ、現行の七%から六%にしようとするものであります。 次が三四ページでございますが、第四百九十条の二の改正は、電気ガス税の免税点を、電気については現行の八百円から千円に、ガスについては現行の千六百円から二千百円に、それぞれ引き上げようとするものであります。 次は、特別土地保有税であります。 第八節の規定は、特別土地保有税の創設に伴う規定でありますが、特別土地保有税の概要について御説明申し上げます。 三四ページ、第五百八十五条は、特別土地保有税の納税義務者等の規定でありますが、特別土地保有税は、原則として昭和四十四年一月一日以降に取得された土地または昭和四十八年七月一日以後の土地の取得に対し、当該土地の所在の市町村が、当該土地の所有者または取得者に課することといたしております。 次に、三五ページ以下でございますが、第五百八十六条及び第五百八十七条は、特別土地保有税の非課税の規定であります。 第一項は、国及び地方公共団体についての人的非課税の規定であります。 第二項は、第一号から第二十九号まで用途非課税の規定でありますが、このうち、三五ページから三六ページにかけての第一号、イからルまでの規定は、地域開発立法により新増設された工場用の建物敷地にかかるもの、三六ページから三八ページにかけましての第二号、イからチまでの規定、第二号から第四号までは公害防止施設または保安施設にかかるもの、三八ページ、第六号から第八号までは農林水産業関係のもの、第九号は卸売り市場等にかかるもの、三八ページから三九ページにかけましての第十号から第十四号までは中小企業関係の構造改善事業または共同利用施設等にかかるもの、三九ページの第十六号は流通関係の施設にかかるもの、四〇ページから四一ページにかけまして、第十七号から第十九号までは住宅用地にかかるもの、第二十号から第二十二号までは都市基盤整備、再開発等にかかるもの、四一ページの第二十四号は公益法人が贈与等を受けた土地にかかるもの、第二十五号は文化財保護法の特別史蹟等固定資産税の課税免除等に対する地方交付税上の特例措置の対象となる土地にかかるもの、第二十六号は土地収用法に規定する一般自動車道、地方鉄道、港湾施設等にかかるもの、第二十七号は固定資産税の非課税規定の適用のあるもの、第二十八号は不動産取得税の非課税規定の適用のあるもの、四一ページの第二十九号は、以上のほか、この税の性格にかんがみ、市町村におきましても、それぞれの議会の議決を経て定めました建設に関する基本構想に即する用途であるとして、特に当該市町村の条例で限定的に定める用途については非課税とすることができるよう規定するものであります。 次に、四二ページ、第五百八十七条は、土地改良事業に伴う換地等形式的な所有権の移転等に対する非課税の規定であります。 次に、四二ページから四四ページの第五百八十八条から第五百九十二条までの規定は、徴税吏員の質問検査権及び納税管理人に関する規定であります。 四五ページ、第五百九十三条は特別土地保有税の課税標準の規定でありますが、これを土地の取得価額とすることといたしております。 第五百九十四条は特別土地保有税の税率の規定でありますが、土地に対して課するものにあっては百分の一・四、土地の取得に対して課するものにあっては百分の三とすることといたしております。 第五百九十五条は特別土地保有税の免税点の規定でありますが、市町村ごとの土地の合計面積が、指定都市の区にあっては二千平方メートル、都市計画区域を有する市町村の区域にあっては五千平方メートル、その他の市町村の区域にあっては一万平方メートルに満たない場合には、課税しないことといたしております。なお、第七百三十七条の改正により、都の特別区の区域については、指定都市の区の区域と同様に取り扱うことといたしております。 四六ページ、第五百九十六条は特別土地保有税の税額の規定でありますが、その税額の算定にあたっては特別土地保有税の課税される土地にかかる固定資産税相当額及び不動産取得税相当額を控除することといたしております。 四七ページ、第五百九十八条及び第五百九十九条は特別土地保有税の徴収の方法についての規定でありますが、特別土地保有税は、申告納付の方法によることとし、一月一日において基準面積以上の土地を所有する者にあってはその年の五月三十一日、一月一日または七月一日前一年以内に基準面積以上の土地を取得した者にあっては、それぞれその年の二月末日または八月三十一日を納期限として納付することとしております。 四八ページから五二ページにかけてでありますが、第六百一条から第六百三条までは特別土地保有税の納税義務の免除等の規定でありますが、土地の所有者等がその所有する土地を非課税とされる土地、優良な分譲宅地等として使用しようとする場合において、市町村長がその事実の認定に基づき定める日以後二年内に、建物等の建設に要する期間が通常二年をこえること等やむを得ない理由がある場合には、市町村長が定める相当の期間内に、当該土地として使用を開始し、かつ、市町村長の確認を受けたときは、市町村は当該土地にかかる特別土地保有税の納税義務を免除するものとし、当該非課税とされる土地等として使用されるまでの間にかかる特別土地保有税については徴収猶予し、すでに徴収した当該特別土地保有税は還付することといたしております。 次に、五三ページから六二ページにかけてでありますが、その他第五百九十七条、第六百条及び第六百四条から第六百二十条までにおいては、特別土地保有税の賦課徴収に関し必要な事項について規定いたしております。 次が、六二ページから六三ページにかけてでありますが、都等の特例の改正であります。 第七百三十四条、第七百三十六条及び第七百三十七条の改正規定は、特別土地保有税の創設に伴う規定の整備であります。 次は、本法附則の改正であります。 六四ページ、附則第六条の改正は、住民税について肉用牛の売却による農業所得の免税措置の適用期限を昭和五十三年度まで五年間延長しようとするものであります。 六五ページ、附則第八条及び附則第九条の改正は、租税特別措置法の改正に伴う住民税及び事業税についての規定の整備であります。 六六ページから六七ページにかけまして、附則第十条第一項、第三項及び第四項の改正は、期限満了等に伴い不要となった規定を整理しようとするものであり、第二項の改正は、コンテナ埠頭の用に供するため昭和五十三年三月三十一日までに取得する不動産またはフェリー埠頭の用に供するため昭和五十一年三月三十一日までに取得する家屋について、不動産取得税を非課税とするものであります。 六七ページから六八ページにかけまして、附則第十一条第六項の改正は、入り会い林野整備等による土地の取得に対して課する不動産取得税の課税標準の特例の適用期限を二年間延長しようとするものであり、第九項の改正は、防火対象物に該当する家屋を昭和五十一年三月三十一日までに建築した場合の不動産取得税の課税標準については、当該家屋の価格から消防用設備の価格に相当する額を控除した額としようとするものであります。 六八ページから六九ページにかけまして、附則第十五条第三項の改正は、重油の水素化脱硫装置にかかる固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものであります。 六九ページ、附則第十五条第四項の改正は、特定織布業商工組合が取得した機械その他の設備等にかかる固定資産税の課税標準の特例措置を廃止しようとするものであり、その考え方につきましては、さきに御説明いたしました中小企業の合理化機械と同様でございます。 六九ページから七〇ページにかけてでありますが、附則第十五条第六項及び第八項の改正は、船舶による物品運送用の大型コンテナー及び営業用の倉庫にかかる固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものであります。 七〇ページ、附則第十五条第十項の改正は、コンテナ埠頭について一定期間、固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 七〇ページから七一ページにかけまして、附則第十五条第十一項の改正は、フェリー埠頭について一定期間、固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を設けようとするものであります。 七二ページ、附則第十八条第一項の改正は、宅地等にかかる固定資産税について、附則第十八条の二に規定するものを除き、昭和四十九年度まで現行の負担調整措置を継続しようとするものであります。 同条第八項の改正は、住宅用地等について現行の負担調整措置を継続する場合、評価額に対する課税標準額の割合の最低限度を、昭和四十八年度にあっては百分の十五、昭和四十九年度にあっては百分の三十にしようとするものであります。 七三ページ、附則第十八条の二第一項の改正は、住宅用地以外の宅地等で法人の所有するものについて、昭和四十八年度及び昭和四十九年度に限り税負担の激変を緩和するための調整措置を講じようとするものであり、調整の方法としては、これらの年度の税額を、評価額に基づく税額から、評価額に基づく税額と現行制度に基づく税額との差額の昭和四十八年度は三分の二を、昭和四十九年度は三分の一を減額した額にしようとするものであります。 同条第二項の改正は、住宅用地以外の宅地等で個人の所有するものについて、昭和四十九年度に限り、税負担の激変を緩和するための調整措置を行なおうとするものでありますが、調整の方法としては、評価額に基づく税額と現行制度に基づく税額の差額の二分の一を評価額に基づく税額から減額した税額にしようとするものであります。 七四ページ、附則第十八条の三の改正は、税額算定の特例が認められる住宅用地等について、用途または所有者等の変更がある場合の税額の算定方法について必要な措置を設けようとするものであります。 七七ページ、附則第二十八条の改正は、附則第十八条及び第十八条の二の規定により新たな調整措置を講ずることに伴い、現行法の規定と同様に、調整の行なわれる宅地等の課税標準額を固定資産課税台帳の登録事項としようとするものであります。 八〇ページから八一ページにかけてでありますが、附則第三十二条第一項の改正は、国の補助を受けて昭和五十二年三月三十一日までに取得した過疎バスにかかる自動車取得税を非課税とするものであり、第二項及び第三項の改正は、国の保安基準に適合する低公害自動車にかかる自動車取得税について、昭和四十九年三月三十一日までは三分の一、同年四月一日から同年九月三十日までの問は三分の二に軽減しようとするものであります。 以上でございます。
○委員長(久次米健太郎君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(久次米健太郎君) 速記起こして。 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○神沢浄君 これから、個々の質問を申し上げていきたいと思っているのですが、私は、それに先立って、ちょっと基礎的な問題を若干お聞きをしておきたいと思うわけです。 さっき大臣の提案理由の説明を伺ったんですが、その中に、「明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、」と、こうあります。政府の用語には、えてしてこういうたいへん次元の高いような言い方が多いわけでありまして、「地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、」と言われても、具体的に何にかんがみておるんだか、ちょっとわかりかねるわけであります。したがって、それをもう少し懇切に説明をしていただきたいと思うんですが、
○政府委員(武藤嘉文君) こまかい数字につきましては事務当局からお答えをさしていただくといたしまして、その考え方だけ私から申し上げさしていただきます。 御指摘の点につきましては、地方財政が十分その地方の住民のために行なわれるということが、これは当然必要でございます。と同時に、一方においては、地方の住民の税負担というものが、できる限りこれも軽減されるべきということは当然だと思います。その辺のかね合いをもちまして、地方の住民の税負担もなるべく軽減をしながら、しかしながら、一方において、地方の財政が、円滑にその地方の行政が行なわれるだけの財源を確保しなきゃならない、こういう観点からと、こういう意味と御解釈をいただいてけっこうかと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 最近の社会経済情勢等から見まして、財政の方向についての考え方を大きく転換させなきゃならないという時代の要請がございます。これは、地方財政自体は、その行政の性格が住民の日常生産に直結した仕事であり、住民福祉の向上ということを地方財政は以前からその大きな目標として掲げたわけでありますけれども、国といたしましても、産業優先から福祉の優先へというふうに、大きな財政の方向の転換が行なわれるということになってまいりますと、その仕事の性格から、地方財政の需要というものは非常に大きく膨張してくるわけでございまして、明年度の財政計画の策定にあたりましても、その財政収支を合わせるということについては非常な苦心が要ったところであります。ただ、一方におきまして、昨年、昭和四十七年の当初におきまして見込みましたところの経済情勢というものが、その見込みよりも早く回復が見込まれまして、財政収入の面におきましても、昨年の年度の途中からでございますけれども、相当収入が増加をした。そういう増加傾向を受けまして、昭和四十八年度の場合におきましても、相当大きな、特に税収入を中心とする財政収入の伸びが見込まれるような状況になったわけであります。これらの財政需要の増加傾向並びに租税収入の増加状況というものをにらみ合わせながら、やはりこの税収入の相当増加分というものは、一面においては物価上昇の影響を受ける部分もございますし、そういうものにつきましては、できるだけ納税者に還元をしていくということを考えながら、そして大きくふくれ上がってくる財政需要をどういうふうにまかなっていくかという、これらのかね合いでこの減税ワクというものを一応想定したわけであります。地方税収入も、来年度は自然増収で約一兆三千億程度が見込まれるというような状況になってまいっておりますので、私どもとしましても、でき得る限り個人の住民税、個人の事業税を中心にいたしまして、地方税としては従来にない思い切った減税をしていくという考え方をとったわけでございます。
○神沢浄君 そうしますと、この提案理由の説明の中に、最後の締めくくりのほうに、「地方税制の合理化をはかるため」云々という表現があるわけなんですが、いまの御説明に基づく限りにおいては、今日、地方財政が当面をしておる諸矛盾、諸困難、こういうようなものをやっぱり解消をして、さっき次官がおっしゃられるように、やはり地方財政の実態と、それから税制とのかね合いというのか、その関係を合理的にこれを改めていくと、こういう意味に受け取ってよろしいわけですね。
○政府委員(武藤嘉文君) たとえば住民税でございますと、国のほうの所得税が減税されますが、それに対して当然地方税のほうも、それに付随いたしまして住民税においての負担も軽減をしなければなりませんし、また、一方におきまして、固定資産税というものにつきましても、従来負担調整措置をとってまいりましたけれども、こういうものも、やはり一方においては、固定資産から入ってくる収入を確保できるように考えながら、また、一方においては、急激な負担がかかってもいけないと、こういうような形を加えていくということでございますから、そういうものをいろいろひっくるめて、こういう形で書いてあるわけでございます。
○神沢浄君 そこで、私も、今度提案されているこの法案を勉強さしていただきまして、次のようなことを特に感じているわけなんですが、合理化といい、あるいは現状の分析といい、実態の把握ということにいたしましても、やっぱり当てるスケールによってこれは違ってくることになるようであります。政府側がやはり中央の考え方に基づいての尺度ではかった分析と実態把握、それから地方側の立場に立って、いわゆる地方側本位のスケールを当てて考えた場合には、これは非常な相違が生ずるのでありまして、ですから、同じ合理化といいましても、中央本位に考えた合理化と、地方の考えておる合理化というものには、これはかなりの違うものが出てくると思います。したがって、この法案の中でもって、合理化を目ざしてやられたと、こういうことでありましても、中央本位の現体制の中でもってやはり若干手直しをしたにすぎないというようなことではないかと思われます。私どもが常に主張をしてきておりますように、ほんとうに地方自治の本旨の達成を目ざしておるもののようには思えないところが多いわけでありまして、したがって、そんなような観点に立って、これから若干の質問をさしていただこうと、こう思うのです。 そこで、先ほどの御説明でも言われておりますように、国の経済政策のもたらした結果、社会経済の変動というものが著しいものがありまして、それが地方行財政にも非常に大きな変化というものを招いている。これはもう客観的に、どちらの立場から見ても認められるところだと思います。したがって地方制度調査会などにおきましても、ここ数年にわたってそのことを指摘をして、それに対応すべく幾つかの問題点の提起というものがされてきているわけであります。 まあ私は、この際、昨年の十二月に行なわれました第十五次の地方制度調査会の地方税にかかわる点を一べつしてみましても、まあここに大体六点ばかり指摘が行なわれているようであります。この地方制度調査会が、これは私どもは地方制度調査会の指摘そのものをも、必ずしも十二分に地方の実態にこたえ得るものとも考えていないわけなんですが、その地方制度調査会の指摘したものすらも、私は国側は誠意をもってこたえておるようには思えない点が多いわけでありまして、そんな観点から、地方制度調査会の指摘をいたしました六点について、この法案の中へどう対応されているかというふうな点をひとつ明らかにしていっていただきたいと、こう思うのですが、第一点にこう書いてあります。「人口、産業等の大都市集中に伴って増加する財政需要に対応する都市税源の充実をはかるため、応益負担の見地から、大都市地域に所在する企業に対し、その保有する固定資産の額等に応じて課税する都市整備のための新税を創設するものとする」、こう指摘をされておるんですが、この点が、今次の法案の中へどうそれでは対応されておるか、実現をされておるか、この点をまずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(武藤嘉文君) 御指摘の点はたいへん私どもつらいところでございまして、正直、自治省といたしましても、御指摘のような地方制度調査会の答申に基づきまして整備税の新設というものも考えてきたわけでございます。たとえばその都市整備税の中身といたしましては、従業員割り、あるいは前年度支払いました固定資産税に対する固定資産税割りと申しますか、あるいは前年度の支払いの住民税に対応いたします所得割りと申しますか、そういうような一つの基準を設けまして、もちろんその前に一定面積、一定規模以上の面積という形で網をかけておりますけれども、そういうような構想も持って進んできたわけでございますが、たまたま通産省関係からは、工場再配地に伴います、いわゆる追い出し税というようなことばで言われておりましたが、そういう税の問題とか、あるいは中核都市構想というものがございまして、これは建設省関係が主でございますけれども、そういうところからの税の問題とか、いろいろな問題が出てまいりました。最終的に、この税法改正案をまとめますまでにそれらの意見調整がととのわなかったものでございますから、御指摘の答申にどうも沿っていない点は確かにございますけれども、私ども、鋭意この点は今後前向きに、積極的に取り組みまして、ぜひとも四十九年度においては何らかの措置をとりたい、こう考えておるわけでございます。
○神沢浄君 この都市新税の問題で、これはもう昨年の調査会のみならず、一昨年の十四次調査会の中におきましても、例の事務所・事業所税の問題提起がされているわけであります。私どもが承知するところによると、都市人口が急増して、いま日本の全人口の七〇%が都市に集中をしておる。したがって、企業も同様に集中をしておるわけでありまして、私の手元にあるこの資料などに基づきますと、一平方キロメートル当たりの事業所数というのは、大都市においては二百五十八、大都市以外の市町村においては十、全国の平均が十三というような数字があるわけでございますが、こういうような実態からして、一昨年以来、やはり都市に人口集中して過密の状態を起こしている。こういう実情からして、その過密によって利益を得ておる者と、過密によって非常な不利益をこうむっておる者と、まあ分かれることになると思います。過密によっての利益の側はやっぱりこれは企業の側であって、不利益の側はだれでもない、いわゆる都市地域の住民というようなことになっておると思うのでありますから、したがって、事務所や事業所税を、少なくとも都市新税の第一着手として当然考えられるべきだというのが、これは一昨年来の調査会の答申の指摘しておるところでもあろうと思うのです。これらの点について、いま国としてはどんなように考えておられるのか、この点をひとつ伺っておきたい。
○政府委員(武藤嘉文君) いま申し上げましたようなことで、税の面はできなかったのでございますが、たとえばその自治体が困る場合には——人口急増地帯と申しますか、そういう大都市で人口が過密になっておるところで、学校施設などつくります場合に非常に負担が大きいわけでございます。でございますので、今度の予算案の中でもお願いをいたしておりますけれども、そういう生徒数、児童数が急激にふえておる市町村につきましては、従来の、たとえば義務教育の公立学校の施設の補助を、二分の一いたしておりましたのを三分の二にするとか、あるいは校地の取得につきましても、従来の率を三分の一を二分の一にするとか、いろいろの手段を講じまして、地方自治体の財政が苦しくならないようにするとともに、あるいは国といたしましては、いま御指摘のように、住民がその過密によって非常にこうむる害を押えるためには、御承知のとおり、公害防止その他につきましては、少なくとも過去とは違って、相当各企業に対してきびしい基準を設けてやっておる、こういうことでございます。
○神沢浄君 この事務所・事業所税については、ことしはできなかったにいたしましても、今後どんなに国として考えておられるのか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(武藤嘉文君) まだ正直固まっておりませんが、一応事務当局で四十八年度に実施をするとした場合に考えました案は、都市整備税の案といたしまして、事業所の床面積が五百平米以上の企業を対象にすると、そして従業員割り、資産割りと申しますか、前年の固定資産税にかける率、あるいは前年の住民税にかける率、こういうものをいろいろ一%とか、〇・五%とか、いろいろ考えまして、その合算したものを都市整備税と、こういう名前でかけようと、こういう案は事務当局の段階ではつくっておったわけでございます。でございますから、当然自治省といたしましては、四十九年度の税制改正に取り組みます場合には、それが考え方の基礎になるということだけははっきり申し上げられると思います。
○神沢浄君 これはさっきから触れておりますように、もうすでに二年越しの答申にもなっているわけですから、少し積極的、前向きの取り組みを要望してやまないのです。 次に、十五次調査会の指摘の第二点は、「固定資産税の負担の適正化をはかることとし、住宅用地以外の土地については負担調整措置を廃止し、評価額によって課税するものとする。」と、こうなっておりまして、これはこの法案の中には一応反映されておるように考えられます。しかし、ここで言っておるところの「固定資産税の負担の適正化をはかる」ということについて考えますと、今次の法案の中に反映されたもののみでもって必ずしも十分であるかどうかということは、これは問題のあるところだろうと、こう思うんですが、そんな点について、何か国のほうの、さらに構想するものがありましたらば御説明をいただきたいと、こう思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在、固定資産税は、評価額を課税標準にして課税をするという方式をとっております。まず負担の適正化という観点から見ますと、まず課税標準の算定がどうかという問題は、この前提にあるわけでございますが、いままで、何ぶんにも、特に土地の場合には評価額がそのまま課税標準にならずに、負担調整措置ということで割り落としをいたしておるわけでございます。そういうことで、いまの評価額自体にやや問題はあるにいたしましても、少なくともまず第一段階としては、評価額に基づいて課税をするという方式をとらなければならない、それがまた家屋償却資産との負担の均衡をはかるゆえんでもあるということで、今回負担調整措置を廃止をして、激変の援和をはかりながら、昭和五十年段階で他の資産と大体足並みをそろえるという方式をとったわけであります。しかしながら、まだこうした負担調整措置をとってまいりました関係で、評価額がいわゆる適正な時価に到達しているかどうかということになりますと、土地の場合も、本年評価がえの年でありますけれども、まだ残念ながら、おそらくその評価水準は二分の一程度であろうというふうに考えられるわけであります。そういうことで、次の段階におきましては、そうした評価額課税という方向で、土地、家屋、償却資産というものの負担の調整をまずそろえていくということが必要であろうというふうに思っております。ただ、その際に、特に土地の場合には、非常な地価の値上がりという問題がございますので、そうした方式をとります場合には、もう一度固定資産税の負担のあり方というものも全体として考えながら、負担水準、負担の適正化ということを再検討する必要があるであろうというふうに考えております。
○神沢浄君 さっきの提案理由の中で問題になります合理化という目標ですね。私はこの固定資産税などの内容については、これは幾多の問題があるように思うのですが、たとえばこれは一つの問題として提起したいと思うのですけれども、いまおっしゃられたように、地価がどんどん上昇する。特にこの都市地域などにおきましては著しい上昇が行なわれているんでして、これはきのうの新聞だったですかね、もう公示制度は意味ないし、昨年だけでもって一年間に全国平均で三〇・九%も上がっちゃっていると、都市部分などでは三三%くらいになっておるような報道がされているわけなんですが、こういう中でもって、私は次のようなことが非常に重大な問題化してきておると思うのです。この固定資産の中には、いわゆる国民の生活という点について考えなきゃならない部分と、それから、企業は、これはもう企業の採算の上に立って立地をしていくでありましょうから、同じ土地、家屋といっても、全然、今日においてはその固定資産の性格というものが全く別のものになってきていると思います。都市地域に住んでおる国民の立場からいたしましても、やっぱり生活の最低の標準というようなものは保持されなきゃならぬわけでありまして、ちょうどこれが——住民税はあとからお聞きをしていきたいと思うのですが、課税最低限を定めなきゃならぬという問題と同じように、やはり固定資産税においても、国民の標準的生活を、これを保持するためのいずれかの措置というものが必要になってきておるのではないか。企業の場合と同じように税金をとられていかなきゃならぬということは、私はいまの社会経済の現状、実態の中からいうと、もう非常に大きな矛盾としてこれはあらわれてきておるのではないかというような点が考えられると思います。したがって、一つの問題として取り上げてみたいと思うんですが、国民の生活の上においての、まあ住宅用地としての一定の標準を定めて、まあこれは免税をする、こういうような考え方というものを税制の中に導入するような考え方というものはお持ちにならないだろうか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(武藤嘉文君) 今度の法案改正の中にも、免税点の引き上げをやっておるわけでございますが、これはまた事務当局からも答えていただければと思っておりますけれども、端的に言いまして、先生御指摘にもございますように、たとえば今度土地については十五万円、家屋においては八万円。どうも私個人といたしましても、こういう問題は将来もっと思い切って免税点の引き上げをやるべきであると、そして御指摘のように、最低の住宅というようなものに対しては、ほんとにもう少し考えていかなきゃならないんじゃないかと考えておる次第でございます。
○政府委員(佐々木喜久治君) 確かに最近の経済情勢からいいますと、固定資産税について、いわば最低の生活部分についての非課税といいますか、あるいはそのやり方としては、基礎控除というようなやり方もあるかと思いますが、そういう方式をとるべきではないかという御意見のありますことは、私どもも承知いたしております。ただ、また一面税の性格から見ますというと、固定資産税は、土地、家屋償却資産という資産に対する課税である。そうした所得課税のような、いわば最低生活部分といいますか、そういうものを控除するというような税制であるべきかどうかという点についても、やはり制度上の問題点はあるだろうと思います。 そこで、今回とりました考え方は、住宅用地と事業用の土地というものは、御指摘のように、その税金の負担の態様が違っておる。そういう点から見ますというと、やはり個人の所得の増加状況というものと、地価の上昇割合というものは、相当、バランスがくずれておるというような点も見られますので、自分の所得から直接支払われなければならない住宅用地の固定資産税については、やはり事業用のものとは区別をして考えていこうということで、まず第一段としまして、住宅用地の課税標準を二分の一にするという措置をとったわけでございます。さらに、これを基礎控除制をとるかどうかということになりますと、やはりこの税の性格等から見て、十分これは検討してみなきやならない問題でございます。税制調査会等の御意見も聞きながら、そういうものについての負担のあり方等をさらに検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○神沢浄君 税の性格論ということを言われておるわけなんですが、これはまあ何か理論上の問題としてはわかるんです。わかるんですけれども、税の性格論とか、そういう理論というようなものに拘泥をして、国民の生活の問題が等閑に付せられていくということになると、これは政治ではないということに、これは税制のほうが間違っておるんだから税制を直さなきゃならぬということになっていくのではないかと思うんです。いま御説明されておりますように、確かに、今日の固定資産税の内容というものには非常な矛盾が大きく出てきておると思うんです。言われますように、居住用と事業用というようなことになりますというと、これは極端な例だと思いますけれども、NHKのあと地を三菱が買ったと、一千万円以上、千百万円余の——これは評価額の倍ぐらいになるそうですけれども、それでもやっぱり事業としては成り立つ問題です。もともと性格が違うと思うんです、同じ固定資産といっても。ところが、都市地域に住んでおっても、繰り返すようになりますけれども、それは居住用のものは、別に地価の上昇や過密の状態によって利益なんかを受けておる立場じゃないですから、むしろ、逆に迷惑をこうむっておる立場でありますから、同じ税制の中でもってこれを一様に扱っていくというところに大きな問題点があるわけなんで、むしろ、いまやこれはもうこのままでは放置できない矛盾が露呈をされてきておるということであります。少なくとも事業用のものと居住用のものとは、まあことしそれは芽を出すというか、そういう問題の取り組みをされておることは認めます。しかし、これではとうてい実態に対応できるものではないと、こう考えるわけでありまして、今後、この問題の解決のために、ひとつ積極的な、よくいわれる前向きの取り組みをやっていただかぬと、これは重大なことになってくるんではないかと、こんなふうに私ども考えるところでありまして、重ねて、今後への構想というようなものをひとつお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(武藤嘉文君) 先ほど、特に私と税務局長とそれぞれに答弁をさしていただきましたのは、私はあくまで個人的な見解を申し上げたわけでございまして、いま先生御指摘のとおり、私の個人的見解といたしましては、やはり社会政策としてこういう問題は真剣に取り組まなければならない問題だと私は思います。特に、評価額に対してこれから課税をされていく方向にいくわけでございまして、宅地については二分の一という制限を加えましても、たとえば地価が上昇しなければ、それで評価額もおのずとストップをいたしますけれども、将来、また地価が上昇いたしますと、評価額もまた上がっていくということになりまして、そうなってくると、二分の一ということで押えておっても、正直、住んでおる人間にとっては、これはたいへんな税負担ということにも将来なりかねない状況というものは予想されるわけでございまして、そういう点において、私はやはり社会政策として真剣に考えなければならない。ただ、しかし税の理論だけからいきますと、先ほど税務局長お答えをいたしましたようなことで、なかなかむずかしいと思いますので、これはわれわれ、政治の立場で真剣に考えなければならない問題だと、こう考え、ぜひそういう方向で私も努力さしていただきたいと思います。
○占部秀男君 ちょっと関連。 いま、次官の御答弁ですが、問題は税制と、そして税制の特にあり方の問題、根本の問題なんですけれども、いま、次官は個人的に考えて云々と言われた。これは非常に迷惑な話でね。やはり自治省の大臣のかわりとしてやられているんだから、大臣、自治省としての立場からやってもらわぬとどうにもならぬと思います。で、問題は、まあそれは実は神沢先生がおこるべきところなんだけれども、まあ一応理事として、私は、そういう点については、大臣がほんとうに来られたときにいまの点について答弁をしていただくと、こういう計らいをやっていただきたいと思う。
○神沢浄君 まあ、きょうは予備審査だそうですから、本審査のための土台づくりをお願いをしているようなことにもなるのですが、確かに、いま占部委員のほうからも指摘がありましたように、私は、固定資産税はもうすでに今日においては国民の生活、あるいは社会、経済の実態というものに対応しきれない、こういうもう現状になってきておるように思うんです。この問題は、いま、それぞれ所信のほどもお聞きをいたしたんですが、今後、ひとつお互いに真剣な取り組みをしていかなきゃならぬ問題だというように考えております。 次に移ります。 調査会の指摘をいたしました第三点と四点を一緒にあげますが、「地方団体、とくに市町村の道路整備事業における道路目的財源の比重が極めて低い事情にかんがみ、道路整備五箇年計画の改定に即応して、軽油引取税の税率の引上げ等地方道路目的財源の拡充を行なうものとする。」と、(4)には、「地方団体が実施する公害対策に要する経費にあてるため、重油の消費に対し重油消費税を創設するものとする」、こういう指摘になっております。確かに、これは地方団体の側からいたしますと、国の経済政策の全くこれは犠牲をしわ寄せされておるような大きな側面があるわけでありまして、道はどんどんつくっていこうというんですけれども、地方の側からすると、税源を持っていないんですから、これはそのために地方の財政の硬直化の相当大きな原因をつくっておると思います。公害問題またしかりでありまして、国は方針を定めれば済みますけれども、住民の生活と直接につながっております地方の行政の中におきましては、ただ、方針を定めただけで済ませるというわけにはまいりません。これはもう現実的に対応し、解決をしていかなきゃならぬわけですから、その点についてもやはりこれは税源が問題になってくる。したがって、調査会としても、その点に立って少なくともこの二税についての指摘をしたんだろうと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(武藤嘉文君) 軽油引取税の問題につきましては、正直、まだ、新しい今度の道路五カ年計画が発足いたしまして、それ以降具体化してくるのは——実質的には本年度これによって相当負担がかかるということにもならないんではないかというようなところから、来年度の問題、来年度以降においては、これについてはぜひ検討しなければならない。何らかの形で、地方道、特に市町村道路の財源強化という点については考えなければならぬと思っております。
○政府委員(佐々木喜久治君) 若干補足して申し上げますが、道路整備計画は、御指摘のように、幹線道路の整備が相当のところまで進んでまいりまして、次第にその重点は市町村道のほうに移ってくる傾向にあるということになると思います。その点に対しまして、現在市町村の道路目的財源の比率が従来の計画で二四%、おそらく、これから事業費の配分が行なわれるわけでありますけれども、新しい五カ年計画に対しましての市町村の道路目的財源の比率というものは、一六、七%ぐらいのところになるだろうというふうに予想されるわけでありまして、どうしても、市町村の道路目的財源の拡充ということは考えなければならない問題であります。 ただ、非常にこれは困った問題でありますけれども、軽油引取税、重油消費税にも関連する石油関係につきましては、国際情勢が非常にいま微妙な問題がございまして、特に石油産出国におきましては、石油の消費国で税金をかけてもなお消費が行なわれているというならば、その分について、石油産出国についてもその価格の一部を配分すべきだというような観点から、原油の引き上げということが相当計画的に行なわれているというような現状にもございます。そうした点も十分配慮しながら、この問題については真剣に取り組んでいかなければならない問題であろうというふうに思っております。 なおまた、道路財源としましては、この燃料課税だけに限定をして財源を強化するか、ほかにまた、車両課税の面におきましてもその財源充足の方法があるのではないかというような点も含めまして、道路目的財源につきましては、十分、昭和四十九年度の税制改正において具体化をするように、努力してまいりたいと思っております。
○神沢浄君 ぜひそうしてください。 私どもは、手元にあります資料によりましても、道路整備五カ年計画の財源内容によりますと、国の場合は、目的財源が八〇%、一般財源が二〇%と、こういうことになっております。府県分はどうかというと、府県はまだしもでありまして、目的財源が七〇ある、それから一般財源が三〇%、ところが、これが市町村となると、市町村が一番問題だと思うんですけれども、目的財源がわずかに、さっきもちょっと言われましたように、一七%、一般財源が八三%と、こういうことになりますから、これは身動きがつかないことになるわけであります。これはぜひひとつ、ことしあたり、ほんとうはもっと大きく芽を出してもらわなければならなかった点ですけれども、いま四十九年度と言われておりますので、別に四十九年度を待たなんでもいいと思います。これはひとつ積極的に取り組んでいただきたい点でございます。 それから、次に進んでまいりますが、調査会の指摘の(5)は、「個人事業税について事業主報酬制度を設けるべきであるとの意見があるが、個人事業税については、その性格およびすでに事業主控除制度が設けられていることにかんがみ、事業主報酬制度は導入しないこととすべきである。」と、こう指摘をされているんですけれども、その点、政府の考え方というのは若干違っているようでございますが、この指摘についてはどんなように考えておられるのか。
○政府委員(武藤嘉文君) ここに御指摘のあるとおり、私どもも、事業税と所得税と同じ考え方で課税をするという点においては、性格が違いますから、これはそのままというわけにはいかないと思っております。事業税というものは、やはり事業がその活動に応じまして地方団体の経費をある程度負担をすると、こういう考え方に立った物税であると私どもは考えております。でございますから、所得税のほうで事業主報酬制度というものをつくりましても、それをそのままこちらへ持ってくるということに対してはいささか私は問題があると思いますけれども、また反面、現在の事業税というものが、そういう形で、その性格どおりに、課税の対象を、たとえば売り上げ金だとかあるいは従業員数とか、そういうような形であれば問題がないわけでございますけれども、実態といたしましては、所得に応じて事業税がかかっておりますので、その点において、もう少しはっきりした理論構成を事業税に対してとらなければ、なかなか事業主報酬を受け入れないと、こういうはっきりしたことが言えないんじゃないかと私は考え、そのように、四十九年度を目ざしてこれは事務当局で検討をしていただいております。
○神沢浄君 この指摘の(5)については、われわれの立場からいたしましても、なかなかこれは理論上の構成が容易じゃないような点があるんです。これは十分にひとつ検討をする必要があると考えておる次第であります。 指摘の(6)ですが、「非課税および租税特別措置については、この際抜本的に見直しを行ない、租税負担の公平をはかるとともに地方税収入の確保に資するものとする。」と、こうあるんです。確かにいま、地方財政の立場からすると、国がその方針としてきめて非課税を行ないあるいは租税特別措置を行なっておるために、大きな迷惑なはね返りを受けておるのが実態だとこう思うんですが、そこで先にお伺いしたいと思いますのは、いま、国が定めるところの、これは特に法人関係だと思うんですけれども、非課税と租税特別措置による地方税の税収への影響というのはどのくらいになっておるか、その点をひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) 租税特別措置法の関係でそれが地方税に影響が出ております減収額が、四十八年度の見込みで千二百七十億程度となっております。
○神沢浄君 私の手元の資料だと、四十七年度において、租税特別措置によるところの地方税へのはね返り分、いわゆる減収見込み額というものが、二千七十二億になっておるんですよ。それから、非課税の措置による減収見込み額は、府県、市町村税合わせますと千七百六十一億になっておるんですけれども、いまの数字とはよほど違うんですけれども、どうなんでしょうか。
○政府委員(佐々木喜久治君) 国税の租税特別措置法の影響を受けます地方税の減収額は、四十七年の場合も大体千二百億の水準で、それほど租税特別措置法関係は増減がなかったように記憶いたしております。地方税自体におきまして、非課税あるいは特別措置、課税標準の特例措置による減収見込み額が、昭和四十八年度で約千九百億、合計で三千二百億、この数字は、合計額は、それほど昨年の場合と比べまして大きな変動はないように考えております。
○神沢浄君 私の手元にある数字というのは、これ見ますと、自治省の資料によって試算をしたという東京都のつくったものなんですけれども、数字の相違をここで論争しておってもしようがないですから、それはさておきまして、いずれにしても大きなはね返りがあるわけです。これに対して、たしか、一昨年の調査会の答申の中でも、また昨年の答申の中でも、これは国の責任でもって当然見返り措置を講ずべきであるということが指摘をしてあります。その点についてはどうでしょうか。
○政府委員(佐々木喜久治君) 私どもも、国税の秘税特別措置によりまして、その特別措置による減収が地方税に影響を与えるということにつきましては、できるだけ遮断をしたいというようなことでこれまでも努力をしてまいったところでありますけれども、やはり一面、税制の仕組みから申しまして、なかなか現実問題として遮断をしきれない面がどうしても残るわけでございます。そういう趣旨で、国税の当局におきましても、国税自体の租税特別措置というものをできるだけ整理をし、洗いがえをしていくということを検討をしてきたところでございまして、私どももそういう方向で、国税とともに協力しながら、こうした租税特別措置の洗いがえ方式というものを極力進めてまいりたいというふうに考えております。確かに、地方団体におきましても、こうした租税特別措置による減収について、何らかの財源手当てというものを考えるべきではないかというような意見のあることも承知いたしておりますけれども、これらの問題につきましては、やはり地方財政全体として配慮していかなけりゃならない問題であろうというふうに思っておるわけでございます。
○神沢浄君 それで、その一つの構想として、これは非課税といいあるいは租税特別措置といっても、やっぱり法人関係が大部分を占めるわけでありますが、法人の集中しておるところの都市の場合は、特にこれはひどくあらわれる。そこで、これは指定都市などにおいての強い要望にいまやなってきておるようですが、法人二税の超過課税ですね、法人二税の超過課税という構想があるんですけれども、この点についてどう考えますか。
○政府委員(佐々木喜久治君) 最近におきます特に大都市地域等の財政需要の増加傾向から、大都市におきまして法人関係の超過課税を行ないたいというようなことで、内々検討しておるということは私どもも伺っております。これにつきましては、それぞれの都市の財政の実態に応じまして超過課税を行なうということは、やむを得ないところであろうというふうに考えております。 ただ、私どもも、そうした超過課税を行なわなければならないような事態になる前に、何とかまた税制というものについて、そうした大都市地域に比較的税源の多い税目についての税制として、現在の地方税制の中に取り込んでいくという方向もあわして私どもは考えていく必要があるだろうというふうに思っているわけであります。
○神沢浄君 確認をするような形になりますけれども、いまの御答弁によりますれば、東京などをはじめとする指定都市等において法人二税の超過課税を行なうと、実施をすると、こういうことについてはやむを得ないというお考えと受け取ってよろしいですね。
○政府委員(佐々木喜久治君) その超過課税を行なうということは、これは地方団体がそれぞれの議会の議決を経て定めることができるわけでありますので、法律の規定の範囲内において超過課税を行なうということは、私どもとしましてはやむを得ない措置であろうというふうに考えております。ただ、地方税法には、それぞれ、法人二税につきましても定められた税率の体系があるわけであります。そうした税率の体系というものを十分くんで超過課税を行なうのであるならば、超過課税をしていただきたいということを申しておるわけでございます。
○神沢浄君 その辺がまた問題になるところだと思うんですけれども、しかし、先ほどの固定資産税の場合と同じように、私は日本の法人税というやつは、そもそもが内容的に相当の大きな矛盾というものを持っておると考えております。したがって、非課税あるいは特別措置、こういいましても、そのほとんどはこれは法人税にかかわるものでありまして、そのために地方財政がはね返りとして非常に大きな影響を受ける、その見返りとして法人税の超過課税を行なう、これはもう理論的にもきわめて妥当な関係として成り立ってくると思われるわけでありまして、それは税制上のいろんな拘束等もあるかもしれませんけれども、私はやはり自治省の態度としても、それらについてはいわば建設的な方向でもって対応していかなければならないのじゃないかというように考えますので、意見として申し添えておくわけなんですが。 そこで、私は、いままで調査会指摘の六項目について順次お尋ねをしてまいったわけなんですが、率直に言って、指摘六項目についての政府の対応というのは、決してこれは満足すべきものであるとは言えないと思います。ことし、今回の法案などにそれがどのように実現をされているかという点につきましては、いかんながら、まことに見るべきものは見当たらないのでありまして、たいへん残念なことだと思うわけなんですし、同時に、今日の地方税の問題を私どもが論議をする際に、そういうような調査会すら——という言い方は語弊があるかもしれませんが、調査会の指摘に対してすらもこのような対応では、私は地方税問題というのはこれはもう解決していかないのじゃないかと。当初、地方税の現状にかんがみ、地方財政の実情にかんがみ、合理化を目ざし云々ということを言われておるのを最初お尋ねをしたのはそのことでありまして、私はやっぱりスケールの当て方というものに間違いがあるのじゃないか。どうしても中央本位の尺度をもってはかってしまっていて、地方の今日置かれておる実際の苦悩、こういうようなものにまで親切に及んでいないのじゃないかという点が、これはどうしても出てくるわけでありまして、その点を指摘をしておきたいと思うんです。 そこで、法人税の問題が出ましたので、この際、法人所得の課税とそれから地方税の関係についてお尋ねをしておきたいと思うんですが、法人税の税源の配分状況というのはどんなようになっているか、御説明を受けたいと思うんです、国税、地方税に及んで。
○政府委員(佐々木喜久治君) 事業税も一応法人の所得課税というものに含めて考えまして、法人の所得課税の配分は、年度によって若干の変動がございますけれども、大体国税が六六%程度、府県税が二七%程度、市町村が七%程度というのがまあ大体平均的なところだろうと思います。
○神沢浄君 いま御説明ありましたように、大体国税が六六くらい、それから府県税が二七、市町村税が七、これは著しく市町村税が低いわけでありまして、これは繰り返すようなことになるかと思うんですが、最初お話がありましたように、社会経済の変動の結果、まさに発想の転換を迫られてきておる。成長から福祉へ、あるいは企業の論理から生活の論理へ、政府の論文などを見ましても、こういうことがしばしば書いてあるわけであります。そうなりますと、やはりこれは福祉といい、たとえば公害対策一つ取り上げましても、その最終のにない手というのは、これは市町村なんです。国は方針、計画を定めればそれで済んでしまうかもしれませんが、市町村の場合におきましては、住民の生活と目の前でつながっているわけですから、これは計画が不離不即であるから、あるいは方針が十分でないからといって、それだけで済ましておくというわけにはこれは市町村の場合はまいらないわけですね。ですから、今日市町村では非常な苦悩をしているわけです。ところが、法人税の税源の配分の状態を見ると、さっきのような、わずかに市町村の場合は七%、こういうことでは私はやっぱりいかに発想の転換を唱えてみても、もう今日求められている政治に対応する姿勢ではないというふうに思われるのでありまして、この市町村の法人税の配分を、もう少しやっぱり引き上げていかなければならぬのじゃないか。そういうような構想を大体お持ちであるかどうか、そういう点についてどんなようなお考えを持っておられるか、あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(武藤嘉文君) 四十五年度に、御承知のとおり、法人税の税率改正に伴いました法人税割りの増収分が、これは市町村へたしか移譲いたしたと私記憶をいたしておりますが、来年度において、また法人税の改正はこれは行なわれると思います。そういう点においては、いま御指摘のございました、市町村へ厚くということは当然考えられることでございますので、そのような方向でやりたいと思います。
○神沢浄君 いろいろ意見もあるのですけれども、予備審査だそうですからあとへ回しますが、大体法人税の問題にいま触れてみたわけですけれども、法人税に限らず、この辺が私は地方税を論議していく場合には最も基本の点だろうと考えておるのですけれども、税制の総体においてやっぱり市町村というのが非常に低いわけですね。軽視されておると申しますか、大体税の配分の総体を見ますと、圧倒的に国が大きくて、それから都道府県になって、市町村、こういう形になっておりまして、市町村の場合は非常に低い。たとえばことしの、本年度の地財計画の中における地方税自体の伸長率などを見ましても、都道府県の場合は二九%になっておるけれども、市町村は二四%にしかならない、こういうような数字が明瞭に示しているわけです。さっきも触れておりますように、いま求められておる福祉行政について考えてみても、これはやはり最終のにない手は市町村なんだから、何といっても市町村の税制というやつをもっとぐっと拡充するような考え方というものをひとつきちんと据えませんと、私は地方税問題というのは片がついていかぬものじゃないか、こんなふうに考えているところであります。 それでは、なぜこの市町村税の伸びというものがそもそも低くなっていくのかという点でありますが、やはり一つには、たとえば減税を実施をする、こういう場合にも、当然これは住民税ということになってくると思います。住民税ということになりますと、もとよりこれは市町村の比率が高いわけですから、減税の重点を住民税に当てれば、それだけでも、やはり市町村の税総体におけるところの比率というものは下がってしまうのは当然でありまして、それに対して見返りをというか、手当てを考えていないところに、非常に私は大きな問題があろうかと思います。そういう点についてはどうなんでしょうか、政府の考え方としては。
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在の地方税法が組み立てられました昭和二十五年の段階におきましては、市町村は基礎的な地方団体ということで、その税源の配分は市町村税に厚く、府県税に薄くということで、むしろ市町村のほうに税収入を多く配分されたことは御承知のとおりでございます。ただ、その後におきまして、その税の組み立て方というものを見ますというと、日本経済の発展に対応するところの税収の伸びというものが、府県税のほうに多く見られて市町村税がわりあい伸びなかった。その結果、次第に府県税のほうが多くなって、市町村税のほうが少なくなってくるというような結果が出てきたことはもうおわかりのとおりでございます。この辺が、私どもが地方税制を組み立てます場合に、やはり発想の転換ということをいま御指摘になったわけでありますけれども、そういう考え方についても、もう一度私どもは振り返ってみる必要が出てきたのではないだろうかということを考えているのでありますが、市町村税を組み立てます場合に、どうしてもその財政収入の安定性というもの、それから税源がどこの市町村にもある、いわゆる普遍性——安定性と普遍性ということを考えて、市町村税を組み立ててまいったわけであります。そういうことで、市町村税として取り上げられました税制というものは、そういういわば考え方に縛られたために、非常に市町村税としての選択の範囲が狭くなってきたのではないかと考えるわけであります。確かに、どこの市町村にも税源があるという税制が望ましいということは、十分私どもも考えるわけでありますけれども、しかし、現在の状況から見ますというと、一方においては過疎が進行し、一方においては過密が進行してきておる。そういたしますと、税源の上においても同じような現象があらわれてきておるわけでありまして、過疎地域においてどのような税金を考えてみましても、税源自体がなくなってきておるわけでございまして、そういうことで、あまりにも普遍性というものにとらわれ過ぎますというと、市町村税制というものはなかなか組み立てにくい。そういうことで、やはり税源のある市町村には税源を与えていく。そのかわり、税源がどうしてもない市町村には、やはり調整制度としての地方交付税制度を利用せざるを得ないのじゃないか。そろいうことで、もう少し市町村税の組み立て方というものを考え直す必要があるであろう。そういたしますと、従来、法人所得課税というものは、どこの市町村にも法人がおるわけじゃない。比較的大都市地域、都市地域に税源が豊富だから、どうも市町村税にとっては法人所得課税というものはあまり適当ではない税制だというような考え方についても、もうそろそろこの辺で考え直すべき時期であろうというふうに考えているわけでありまして、これは税制調査会におきましても、やはり都市税源の強化という観点から、法人所得課税を市町村税にもっと配分すべきだという御指摘もあるわけでございまして、私どもも、そういう趣旨で、少し市町村税制については割り切って考えていく時期にきているというふうに考えております。そういう方向で、私どもも今後の市町村税制の強化という点を検討してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○神沢浄君 いまの御説明の中にも出ておるように、シャウプの勧告当時においては、これはもう市町村においてもやっぱり税収が六〇%ぐらいは占めておる状態から始まったにもかかわらず、私は今日の、もちろんいろいろな理由があると思いますけれども、大きく分ければやっぱり二つになるんではないかというように考えております。 一つは、国自体がやっぱりこう中央集中性を進めてきておるということと、それからもう一つは、やっぱり国の経済政策でもって、社会経済の要素というものがきわめて市町村に不利に変わってきてしまっておる。いまお話しのように、いま過疎町村などにおいては税源自体がもうなくなっております。こういう実態だと思うんです。ですから、こんな状態のままでもって今後推移するということになりますと、これはもう町村というものの自治性というものは、これはもうなくなってしまわなければならない。私はそういう観点からも、地方税制そのものをやっぱり抜本的に見直さなきゃ、今日の地方税制では、中央に、その自治というものに対応し得ないのではないかというような考え方を基本的に持っております。そういうような点について、いまここで論議をしましてもこれはたいへんですから、また大臣でもいらっしゃるような機会に譲ろうかと思います。 そこで、関連しますから、住民税の減税の問題についてちょっとお伺いをしておきたいと思うんですが、減税、減税とこう一口に言いますけれども、減税ということの目的は何かということを、まず第一にお聞きをしてみたいと思うんです。
○政府委員(武藤嘉文君) 先ほどお答えいたしましたように、まず目的は、やはり住民の税負担を軽減するということが目的だと思います。
○神沢浄君 私は、まあ減税の目的というのは、これまたそのときどきの政策的要求に、政策上の要求によっていろいろ異なって定まる点もあろうかと思うんですけれども、たとえば、その購買力の増強をはかるというふうなことなどもある場合もありましょう。しかし、何といいましても、減税というものの、国、地方税を問わず、目的の第一義的のものは、やはり国民の生活の保護といいますか、安定といいますか、そういうところに置かれておらなければならないわけでありまして、したがって、減税というのは、一方においては経済の成長が名目的な成長を加えていると思います。そうすると、ごく簡単な言い方をいたしますと、昨年なら昨年を一つの基準にすれば、本年に向かって名目的な上昇がどの程度になっておるか。少なくとも、その名目的上昇部分というものは減税をしてやらなければ、昨年の状態は保持できない、こういうことにならざるを得ないと思うのですが、今日のその減税というのが、内容的にそういうことになっておるのかどうなのか。ついでにお尋ねをするんですけれども、大体ことしの地方税の自然増というのはどのぐらいに当たるわけですか。
○政府委員(佐々木喜久治君) 地方税全体の現行制度に基づく自然増が一兆三千億円でございます。そのうち、住民税の関係でございますが、府県民税の自然増収が千七百六十億円、市町村民税の自然増収が三千百億円というような状況でございます。
○神沢浄君 その中でですね、先ほど触れましたように、住民税にかかわる場合、いわゆる名目的上昇分というものを減税でもってこれを相殺しておるかどうか。そういう点の数字はどうなっておりますか。
○政府委員(佐々木喜久治君) いわゆる物価調整減税と言われるものでございますけれども、この計算方法はいろいろあるかと思います。単純に、物価の上昇率に見合って減税をしなければならないという単純計算をいたしますと、住民税全体といたしまして四百六十億円でございます。それから、これに以前、十年ほど前、税制調査会が、物価調整減税の場合に、その税収の弾性値を考慮すべきだというようなことで考えられました算式があるわけでありますが、それによる必要減税額というものが七百五十億円ということになっております。したがいまして、これらの両方式による物価調整減税の額も、いずれも今回の減税額を上回っておるという状況になっております。
○神沢浄君 いまの御説明のとおり、私は減税という呼び方がそもそも気に入らぬのですけれども、実際には少しも何もまけてもらっておるわけじゃないですね。まけてもらっているどころじゃなくて、まけなきゃならぬものもまだまけていないような実態になって、何か言い方とすれば減税だということで、そこの響きからくるものは、何か税金をまけてもらって楽になるんじゃないかというような感じを持たせるですけれども、そうではなくて、むしろいまの計算にだっていろいろ問題がありまして、物価の上昇率というものも、その内容に入ってみますると、それが生活に直接かかわりのある部門がどうなっておるか。平均的なものと直接的なものとは、これはよほどの相違というものもあるわけですし、これらは非常にこまかい計算になると思うのですが、そこで、その方法として課税最低限の引き上げという手段をとられるわけですし、ことしは夫婦と子供二人ですか、でもって八十六万ということになっておったのじゃないかと思いますが、そうしますと、八十六万といえば一カ月に大体七万円ですか、そうすると、夫婦と子供二人、一カ月七万円で暮らせますかね。私はやっぱり減税をするからには、その辺は、たとえ理論の上だけでも説明がつくようなものでなければおかしいと、こう思うのですが、その辺の数字的な根拠というのはどんなようになっていますか。
○政府委員(佐々木喜久治君) いわゆる課税最低限というものはどういうものかという議論は、所得課税の場合にはいつも言われるところでございますが、相当以前までは、最低生活費というものが一応課税最低限をきめます場合の一つの目標になっておったわけでありますけれども、現在、いわゆる最低生活費というものは、どちらかというと、課税最低限の議論の場合には、現在それを相当上回る水準のところまできておりますので、それほど問題にはならなくなってまいりまして、どちらかといいますと、最近の課税最低限の議論は、いわば標準的な生活を営む場合の生活費との関係において論議をされているのではないだろうかというふうに考えます。この辺は、やはりそれぞれその時期、時期の社会経済情勢なりあるいは国民の生活水準なりというものとの関連で論議をされなけりゃならない問題であろうと思います。大体、いまの住民税の課税最低限は、たとえば人事院が出しております標準生計費の数字と大体見合うぐらいのところまではいっておるのではなかろうかという感じがいたしておるわけであります。 ただ、課税最低限の機能は、一番大きい機能としましては、所得課税をいたします場合のいわば負担の配分の基準であるということが大きい使命だろうと思います。そういたしますと、市町村税の場合は、それぞれの課税主体が市町村ということになりますので、その個々の市町村におけるいわば負担の配分の基準としてこの程度の金額がいいのかどうかという点でも、一応検討される必要があるだろうというふうに私どもは考えておるわけであります。先ほども御指摘がございましたように、最近の市町村のいわば経済水準というものが、大都市地域と過疎地域とでは相当差がございます。そういうことで、現行の課税最低限で住民税の納税義務者が極端に減少してきているというような実態が見られるのでございまして、市町村人口の二割以下の納税者を持っている市町村が大体四五%程度を占めているというような実態にございます。そういたしますと、住民税というものがその地域社会の費用を所得に応じて負担し合うという性格が、次第に住民税の課税最低限の引き上げによってくずれつつあるというような状況が見られてまいりますので、私どもとしましては、確かに所得税との比較において常に課税最低限が議論の対象になるわけでございますけれども、そうした負担の配分という観点から住民税の課税最低限をながめます場合に、どうも所得税の水準までは、いまの日本の経済状況から見ましてそこまではなかなかいけない。むしろ、現在のところ私どもとしましては、一応の目標は八〇%水準のところの辺が、むしろ現在の状況から見れば適当ではないだろうかというようなことを考えておるわけであります。そして、市町村のほうからのいろいろな意見を聞きましても、むしろ低所得階層の減税を行なうとするならば、課税最低限の引き上げよりは、低所得階層の税率緩和というようなことを行なってもらうのが実質的ではないだろうかというような意見もあるわけでございまして、まあことしの改正はこの両方を何とかやりたいというようなことで減税をやったわけでございます。なかなか、住民税につきまして税率に手をつけるということにつきましても非常に心配があったのでございますけれども、幸い、自然増もある程度見込まれるというような状況になりましたので、税率緩和にも踏み切ったというような実情にあるわけでございます。
○神沢浄君 さっき固定資産税についての論議の際にも同様でございましたが、住民税の場合にもやっぱり同じことが言えるのではないだろうか。結局、今日の地方税制というものが、今日の激変した——まあこれは原因は国の政策ですが、国の政策によって激変した様相に変わり、もうその様相に対応し切れない、内容的にもきわめて矛盾なものを内包してきてしまっておる。固定資産税しかり、住民税しかり。地方税の主たる二つの柱、両税についてもやはり同じことが言えるのではないだろうか。いま負担の配分というお話がありましたが、負担の配分といいましても、負担をするだけの、負担可能であるだけの標準的な収入といいますか、国民生活、そういうようなものを無視をして、そしてもっと言いかえれば、もう生計費一ぱいの経済の規模の中から、なおかつやっぱり負担配分方式によって税金を出させるということ自体が、私はこれはもう不合理だと思います。税の性格論、理論上の問題は別にしましても、もう家計費極限の中から、生計費極限の中から、どういう形であろうと税金を吸い上げるということは、これは私は税制の根本的な間違いだ、そういうように考えますし、ことに、住民税の場合は均等割りというものがあります。これはおそらく、さっきお話しの負担の配分の最低額という、そういう意味になるだろうと思いますが、もう均等割りという制度が加わっておる以上は、私は家計費に税金をかけるような実態であっちゃならない、こういうふうに考えるわけです。これはやっぱり根本的な見直しというものが住民税においても必要な時期に際会をしてきておるように思います。これは町村会の出しておる「町村週報」というプリントですが、これによりますと、消費支出については、四十七年度の平均家計調査によれば、一カ月間一家庭が九万九千三百円だと、こうなっておるのであります。と、九万九千三百円ということになりますと、さっきの八十六万、かりにこの数字をとってみましても、八十六万といえばこれは七万ですから、まあ大体その標準を夫婦と子供二人というようなところに置いてみまして、そうすると、もうその差だけでもって二万をこします。これは生計費の極限内から税金を吸い上げておるという実態になってくるわけでありまして、この点については、これはひとつもう税制そのものを見直していくという、税制の内容そのものを見直していくという、こういう考え方がひとつぜひ必要だろう、こういうふうに考えざるを得ないのですが、どうなんでしょうか。
○政府委員(武藤嘉文君) 税制そのものの見直しというお話でございますが、私どもは課税最低限、御承知のとおり、今度また国税の所得税のほうで百三万を百十二万一千幾らまで上げることになっておるわけでございまして、当然、またそれに見合って、依年度この課税最低限の引き上げは住民税のほうも当然行なわなければならないと思っております。いま御指摘のように、約九万、約十万近くでございますと、ちょうど所得税のほうは大体それに見合うというような計算になるわけでございますが、なるべくこれも、論議されておりますように、所得税の課税最低限、住民税の課税最低限、これをもっと近づけるべきであるということは当然でございますので、これはもうできるだけそういう方向で努力をさしていただきます。
○神沢浄君 所得税の課税最低限へ住民税の場合近づけなきゃならないというのは、これは多年にわたっての常識的主張でありまして、漸次近接しておることは認めます。しかし、まあ幾らかずつ毎年近寄っておるなんというそのこと自体が私は問題だと思うんでして、もう生計費の中から税金を吸い上げるなんという実態は、即座に解消されなければおかしいではないかというふうに考えているところであります。 次に、時間も大体なくなってまいりましたから、一、二、特別保有税についてお尋ねをして終わりたいと思うのですが、いま税の性格というやつがよく飛び出してまいりましたが、この特別保有税という税の性格というものがはなはだ不明確であるように思うんですが、これは大体固定資産税との関係というものは、どんなようなことになりますかね。
○政府委員(佐々木喜久治君) 私どもは、この特別土地保有税は政策税制であるというふうに考えております。やはり土地の投機的な取引を抑制をする、それを通じまして地価の安定に寄与するということをねらいにしたところの政策税制であるというふうに考えております。ただ、その手法を、固定資産税並びに不動産取得税の手法を借りておるということでございまして、そういう面からの税の性格ということになりますと、確かに財産税の性格を持っておるということが言えるわけでありますけれども、固定資産税と、その課税標準の取り方を変えております。そういうことで、特に昭和四十四年以降取得したその土地についての税負担を高めていくと、それによって先ほど申しました政策の実現をはかっていくと、こういう意味で政策税制として設けられた税であるというふうに考えておるわけでございます。
○神沢浄君 そこで、政策税制だとすれば、私は政策税制という言い方にだっても問題があろうと思うんですが、政策税制でない税制というようなものがあるかどうかということにもなろうかと思いますけれども、しかし、特別に一つのまあ限定した目的を持っての税制と、こういうことで考えてみたといたしましても、そうであるとするならば、この一・四というような税率というものが、はたして言うところの政策目的を可能とするかどうか、こういう疑問が多分にあるわけです。一・四%ぐらいのものなら、簡単にただその取引の時のあれですね、たとえば何年経過いたしましても、地価に上積みされて終わってしまうんじゃないかというような危惧のほうが大きいんですけれども、その辺は、いわゆる政府とすればどんな考え方でもってきめられておるのか、お尋ねをしてみたいんです。
○政府委員(佐々木喜久治君) 一定の政策目標に応じた税制ということを考えます場合には、やはりその政策目的を実現するための税負担というのを考えるのが当然だろうと思います。ただ、この税制を組み立てます場合に、土地の投機的な売買によって土地を取得をし、そして土地の値上がりを待ってその土地を未利用のまま保有しているというような土地に対して、いわばそういう投機的な未利用地に対して、目標を定めて課税をしていくというような方式がとれますならば、それに対応した税率を考えていっていいわけでありますけれども、現実問題として、未利用地課税というものが、現在のいろいろな土地制度の上においても、その判定が困難なことが非常に多いわけであります。そしてまた、実務的に見ましても、未利用地課税というものが、これを実施していくことが非常な困難を伴うわけでございまして、これは従来から休閑地税あるいは空閑地税というような税制が考えられながら、実現できなかった理由でもあるわけでございますけれども、そういうことで、今回の特別土地保有税は、いわば昭和四十四年以降取得された土地全体を課税対象にするというような方式になったわけであります。そういうふうに、全面的にそうした土地に対して課税をするという方式をとれば、それに対応いたしまして、税率としてはどうしても薄くならざるを得ない、こういう結果になったわけでありまして、そういう点から見ますならば、政策税制としては、その効果というものはそれだけ薄れていくということはいなめないところであろうというふうに考えます。ただ、現在、固定資産税が全部の土地を対象にしながら、その評価額並びに課税標準額というものがだいぶ低い水準にありますだけに、同じ税率で課税をいたしましても、固定資産税の課税標準額と土地保有税の課税標準額との間には相当な開きがございます。そういう点で、土地保有税として、いわば実質的には固定資産税の身がわり的な課税の方式になるわけでありますけれども、相当高い負担を求めるという意味においては、政策効果はある程度実現されるであろうということを私どもは考えておるわけでございます。
○神沢浄君 委員長、もう時間が来ちゃったもんですから、大臣もいらっしゃいませんししますので、私はまた大臣のおいでのときにもう少し続けて質問をさせていただくことにいたしたいと思います。この特別土地保有税などの問題につきましても、これはいろいろあると思うんですけれども、もう少し時間をかけて納得のいくような説明をしてほしいと思いますが、それはいま委員長にお願いをいたしましたように、また次の機会に譲りたいと思うんです。 ただ、最後に一点ですね。これは大臣がおいでになったときにお尋ねをする問題ですけれども、この間、私、本会議のとき、農地の例の宅地並み課税の点に触れまして、何で政府は責任をもって今回提案をされぬのかと言ったら、これは議会を尊重するからというような答弁をされておりましたが、これはひとつ次官、そうおっしゃっておいてくだすって、今度の委員会でけっこうですから、あの答弁は直してもらわぬと、様相が変わりましたから、宅地並み課税についてはやっぱり大臣の答弁とはかなり扱いが食い違ってまいりましたから、それはまたいらっしゃる機会にでもひとつ訂正をしていただきたいと思うんですが、それに合わせて、とにかく四月一日からいまの法を発動されているわけですね。そうしますと、結局、いま提案を見ております法律がきまるまでに時間があるわけでありまして、その間の扱いは政府でどのように考えておられるのか。その点をひとつ、これはもういま目の前のことですから、お尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(佐々木喜久治君) いわゆる市街化区域農地に対する新しい課税方式について、先週末に自民党からの修正案が提案をされたわけでありますが、この審議の状況によるわけでございますけれども、審議がおくれまして、四月に固定資産税の第一期の納期になるわけでありますが、審議がおくれまして、新しい法律がこの納期に間に合わないというようなことになります場合には、衆議院の段階におきまして、必要な、たとえば納期の改正等もお願いをしなければならないようなふうになるのではないかと思っておるわけでございます。そういう意味で、できますれば、私どもとしましては、四月の課税事務に支障の生じないように、まあできるだけ早く法案を上げていただくということをお願いをしておるわけでございますけれども、いずれにしましても、これからの審議の状況ににらみ合わせまして、必要な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。 これにて散会いたします。 午後一時三分散会