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71回国会参議院1973/09/18

大蔵委員会 第31号

発言数
106
登壇者
13
会派数
5
開催日
1973/09/18

会議録

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  本日、渡辺武君、伊藤五郎君、西田信一君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君、寺下岩蔵君、君健男君が選任されました。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 次に、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。  栗林卓司君が一時委員を異動したことに伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。   それでは、理事に栗林卓司君を指名いたします。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 次に、通行税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました通行税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、別途日本国有鉄道の運賃の改定について御審議を願っておりますが、この際、通行税法についても所要の調整を加えるため、この法律案を提出した次第であります。  日本国有鉄道の旧二等寝台に相当するB寝台については、現在、一般の乗客がこれを利用することから通行税を非課税とするよう免税点を定めておりますが、今回の運賃改定によりB寝台の料金も改定されることとなりますので、この際、通行税を非課税とすべき寝台料金の範囲の規定を改正し、一般の乗客が通常利用する寝台にかかる料金として政令で定めるものに対する通行税を非課税とするほか、所要の規定の整備をはかることとしております。  以上、通行税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容の大要を申し上げました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 本案に対する質疑は後刻これを行ないます。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題とし、これより質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まず大臣に、当面の経済動向等について質問をいたしたいと思うんですが、その第一点は、現在いろいろ理論がありますけれども、今回の引き締め以降、どうも景気が悪くなるんじゃないかという意見と、いやそうではない、こういう二論が大勢を制しているように思うんですけれども、大臣はどう一体お考えになるんでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いろいろの見通しや、意見がございますけれども、政府としての方針は、要するに、物価の騰勢をできるだけ鎮静をするということが当面の目的でございまして、安定的な成長をたどるようにしたい。特に、一部で言われて懸念されておりますような、いわゆるスタグフレーションというようなことを絶対に起こさないようにしたい。これが政府としてのねらいでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大臣のいまの回答ですと、スタグフレーションにならないような対策、対応措置をとっていきたい、こういうことは、現行の経済動同をそのまま持続したいという意向でしょうか。その辺どうですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 経済運営の基本を、ドラスチックな変化というようなことは考えておりませんが、前々から念じておりますような、福祉国家に日本が早く名実ともになれるようにしていく、そのためには、基本であるところのインフレなき福祉ということを目標にしていくべきであると、かように考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 経済動向の正しい判断をということは、現在非常に大事なことじゃないかと思うんですけれど、十分そういう点を配慮されて、第四次金融引き締め政策をとっておられるんだろうと思うんですが、今回の金融引き締め政策についても、やや私は金融独走体制、こういう考えを持っておるんですけれど、たとえば消費流通体制についても一端の手は打ちました。打ちましたけれど、たとえば自動車関係の販売についての割賦制度等に対する若干の手当てをしたようでありますが、これはほとんど、私は、効果が出ないんじゃないかという考え持つんですけれども、そういう部面に対する大臣の見解はどうでしょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 実は、今朝も物価閣僚協議会をいたしました。そして最近の経済状況全般の現状、あるいは今後の見通し等についても論議をかわしたわけでございますけれども、たとえは八月三十一日にきめました政策も、いわゆる財政金融政策というのは、その五つの中の二つであって、もちろんそのほかの問題も関連はいたしておりますけれども、まあ私は率直に申し上げますならば、財政、金融の措置というものは、いわばこの時点におけるところの総仕上げである、たとえば公定歩合にしても、外国に比べればまだ低いわけでありますけれども、日本とすれば一%の引き上げを行なう、七%になったというようなことは、やはり日本としては相当思い切った措置であると思います。  それから財政の措置にしても、かなり思い切った措置をとっておるつもりでございますから、まずこの辺のところが、この時点における総仕上げということが言えるのではないかと思います。かねがね私自身もさような点を深く考え、かつ協力をお願いしておったわけでありますけれども、物資の需給、また個別の物資対策というものが、相当に関係当局の関心を呼び、そして非常に熱意のある具体策が講ぜられることになってまいりましたので、こういった面が、あわせて総合的な効果を発揮するものと考えております。  それから、消費者信用の問題は、いまお話がありましたように、まず第一に、乗用自動車、軽自動車等に対する頭金の引き上げ、あるいは期限の短縮というようなことが、まず行なわれたわけでありますが、その他の物資関係等についても、通産省等の意見を徴しながら、必要があれば、消費者信用の調整についてさらにくふうをし、あるいは実行していく必要があろうかと考えております。ただ、住宅ローンあるいは中小零細企業、これらに対する金融措置等においては、たとえば財政資金等の繰り延べも対象外といたしておりますし、それから、中小金融企業の実態等については、この上とももう十二分の配慮をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 金融引き締め政策の大綱五項目でありますが、これらの内容については、この前一般調査案件の中で、東大の館教授なり、日銀の政策委員の渡邊委員を参考人に招請をしまして、いろいろと意見を戦わしたところですから、そういった問題についてはできるだけ避けてまいりますが、いずれにいたしましても、今日までの金融引き締め政策、景気過熱鎮静化については、政府の対策は後手後手であったのではないか、こういう指摘が館教授等から明確にされております。そういう意味合いにおいて、これが総仕上げという大臣の金融引き締め政策は、これ以上はやらないということですか、もうこれでけっこうだと、あとは必要ない、こういう見解でしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この時点における総仕上げと私は申しております。この時点における総仕上げと申しておるわけであります。金融政策等は、機動的な運営をしなければならないのがその趣旨でございますが、いまもお話がございましたように、一方においては後手であると言い、またこれは行き過ぎであると、両方の批判や御心配があるわけでありますが、政府といたしましては、いろいろの御意見を伺いながら、適切妥当と思われる措置をとることが国民のためであると、かような考え方から、具体的の政策を行なっているわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これはあとで触れますけれども、いずれ四十九年度の予算編成等の問題が差し控えておるわけですから、いずれにしても、景気動向に対する明確な回答を政府は出さざるを得ない時期に差し迫っているんだろうと思うのです。これは、一カ月後になるか、二カ月後になるかは別にいたしまして、そういう回答をいずれにしても政府は出さなければいけない。こういう状況になっていくと思うのですが、そこでこの金融引き締め政策に対するいわゆるタイムラグ、これが非常におそいということが言われていますね。同時に、この四十九年度の予算編成等を控えて、一定の景気動向に回答を出して、新しい編成というものをやっていかなければいけないのですけれども、その場合に、かりに現在の金融引き締め政策というものを解除をする、こういう状態になるのかならないのか。なるとすれば、その解除時のいわゆる指標というか、そういうものは一体どういうところに置いているのか。具体的には、たとえば卸売り物価あるいは消費者物価、こういっためどをどの辺に置く、それから設備投資体制についてどの辺に置く、あるいは在庫投資の率をどの辺に置く、いま二八%以上続騰を続けている日銀の発行率というものをどの辺に置く、そういった物価とのかね合いでもって、それぞれの指標、個別指標というものをどういうふうに整理されたら、解除体制に持っていくのか。この解除の指標というものは、やはり一定のめどというものを置かないと、私は、誤まるんじゃないかという気がするんですけれども、この辺の見通し、大臣どうお考えでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは国際的な問題でも、いろいろ議論されるところでありますけれども、私は、一つの客観的な指標だけで、政策のかじ取りということをきめるのは非常にけんのんなことであると思います。総合的な判断によらなければならない。同時に、まだ解除の時期というようなことは考えておりませんが、スタグフレーションあるいはインフレということを起こさないためには、物の需給のバランスがとれでいる限りにおいては、いわゆるインフレというようなことの心配はないはずなんでありますが、まあ日本の場合におきましては、現在需給の関係ということにおいては、私は心配がないと思います。ただ、そのときどきの状況下において、いわゆる総需要のほうが供給に比べて非常に多いとか、あるいは仮需要というものが心理的にいろいろの作用を起こすとか、そういうことはありますから、そこで現在の状況においては、まず総需要、仮需要というようなものが、不当にならないように、これを押えることは、やはり金融的な手法というようなもの、あるいは財政的な手法というものが、マクロ的には非常な効果がある。  しかし、それだけではもちろん十分でないので、個別的な需給関係とか、あるいはたとえば在庫にいたしましても、メーカーの在庫が幾ら幾らである、これが何%で、これが前月に比べてどうかということも、もちろん大切な政策の一つの指標でありますけれども、同時に、今日のような状況においては、いわば流通在庫というような、メーカーからだんだんと流通過程において流れていくべきはずの物の動きというふうなものが、もっと適切に掌握されるというようなことが、今日においては非常に必要なことであると、かように考えますから、それに対応するような手法、そして政策や、具体的な措置というものが行なわれつつあると、こういう状況でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあおそらく大臣の見解としては、総合判断、これが前提にあるんだろうと思うのですけれども、しかし、総合判断といっても、いま私が指摘したような各個別指標、こういうものを無視することはできない。これはまあ大臣もあとでお答えになっておりますけれども、何かその辺の物価安定に対するめどというものをあらかじめ見通しておかないと、いまの金融引き締め政策がどの程度に、いまの指摘した個別指標というものはなっていくのか、その辺はやっぱり私は目安として一応見ておかなくちゃいけないんじゃないかというような気がするのですけれども、そういう意味合いにおいて、そういう個別指標の積み上げが総合判断になって、それでこの辺で引き締めを解除するとか、あるいは持続するとか等々の対策がまた出てくるんだろうと思うのですけれども、その辺の見解は、私の理解は間違っておるでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) たとえば従来であると、金融の引き締めをすれば、これが対外的に、輸出のこれは逆に非常な刺激剤になるというようなことが言われもし、現実の姿であったわけでありますけれども、今回のような、現下のような状況においては、そうなってはまたぐあいが悪いわけであって、一方には国際収支の均衡のある安定というものが望ましいわけでございますから、これは一つの公式論で、こういうこう指標と、こういう指標をかみ合わせて、こうしなければならぬというだけで、生きた国民経済、そしてその中から出てくる物価問題というようなものに対する対応の姿勢としては、少し形式理論に過ぎるのではないかと、私は率直にこういうふうに考えておるわけでございまして、生きた経済政策というものは、もっと流動的で総合的でなければならない。  そこで、それなら、何も目標がないじゃないかと、どうするんだということが、その次に出てくるお尋ねだと思いますけれども、私は、現在それなら卸売り物価が、たとえば前年同期比で何%であればどうであるかというような数字をあげて、一つの指標だけで、金融の引き締めを解除する時期というようなことを申し上げる勇気はございません。同時に、私はこう思いますけれども、主要各国が、まあ五、六の国があげられると思いますけれども、同じようなある意味では条件下にそれぞれ問題をかかえ、苦悩しておりますが、主要各国と非常に似たところがございますから、まず当面の目標としては、主要各国に比べて卸売り物価も消費者物価も安定している、上がり方がそれらに比べて急激ではないという状態をつくり出すことが、まず第一のいま目標ではなかろうか、こういうふうに考えますので、たとえば本日の閣僚協議会におきましても、主要国の最近の物価の動向というようなものについては、非常に大きな関心を持って論議をいたしておるようなわけであります。  また同時に、これを前年度同期とだけ比べるということ、これだけであっては私はいけないと思うのでありまして、もっと短期的には、前月との比較はどうであるか、あるいは長期的に言えば、十年間ぐらいの相当長い期間を置いて、その間の動向について、いろいろと過去の教訓もあるわけであります。あるいは違った条件もありますから、それらを十二分に参考にしていかなければならない。ひとしく、物価にいたしましても、たとえば消費者物価でも、物別により、あるいはサービス料金にいたしましても、ある程度の長期で見れば、上がり方の中にもずいぶん大きなアンバランスがある。そういうこともやはり頭に置きながら、物価問題あるいは料金問題等にも対処していかなければならない。  同時にまた、これをどういうふうに切り開いていくかということにつきましては、もっともっと掘り下げた国民的な理解あるいは国民的な問題の提起と、それに対する国民的な批判、希望、意見というようなものが、もっとどんどん取り上げられていかなければ、政策というものはうまくいかないものだと思いますから、そういう面につきましても十分の配慮をしていきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そのねらいは、あくまでも物価安定、こういうところに趣旨を置いていろいろな対策を打ち、努力をされておるわけですけれども、   〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 現在の勤労者の収入増は、大体支出増よりもはるかに下回っておるのですね。これは総理府の統計でも明らかなんですけれども、そういうところで、どうしてもやはり物価安定というものを何とかしてやってくれないかというのが、いま切実な国民の声だと思うんですけれども、いま大臣からいろいろと詳細にわたって答弁はいただいたんですけれども、その卸売り物価なり消費者物価の安定のめどですね、これはいろんないま大臣が指摘されるような見方というものはありましょう。短期対策、長期対策、いろいろございますけれども、当面の第四次金融引き締め、物価安定のめどですね、これは一体どの辺に置いて大臣、いまの対策を進められるのでしょうかね、その目安をもしお答えできるなら、ひとつ差し示していただきたいと思うんですけれども。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) めどは、したがいまして、現下の世界的な状況をにらみながら、主要各国よりも低いところの騰勢にとどめたいというのが当面の目標でございます。現在は必ずしもそうはいっておりません。しかし、これも期間のとり方あるいは物の選び方等々でいろいろなまた差異もありますけれども、相対的に言って、卸売り物価の騰勢、消費者物価のあり方については、主要諸国よりも低いところというところを目標に当面やることが先決問題であると思います。  それから、いずれこれは来年度の経済の見通しから始まりまして、来年度の計画をかっちり御説明申し上げなければならないわけでございますが、相対的に言えば、いわゆる実質成長率をどういうふうに持っていくか、その際に、名目成長率との開きがどのくらいにとどまるかということが、終局的な一つの基準になる、いわば指標であると、こういうふうに考えているわけでございますけれども、これらを一口に言えば、やはり安定した成長率、それから、たとえばいま給与の問題にも言及されましたけれども、実質的な給与の安定、ノミナルな賃上げだけではなくて、実質賃金の安定ということに、たとえば給与の問題について言えばこれが重点になる、これは裏から言えば、とりもなおさず物価の安定ということになる、こういうふうな考え方でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 次に進みますけれども、二十四日に大臣はナイロビ総会に出席をされるわけですね。大臣のナイロビ総会出席の主題は一体何でしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ナイロビの会議は、御案内のように、IMF定期総会というのが、今年はナイロビで行なわれるものですから、国際通貨基金の年次総会である。そしてこれに対しまして、国際通貨基金の総務の一人である日本の大蔵大臣として、総務の資格においてこれに参加する、というのが一つの使命でございます。同時に、今回はIMF総会に先だちまして、いわゆるC20蔵相会議が開かれることになりましたから、このC20蔵相会議につきましては、一番最近では、七月の三十、三十一日と、アメリカで開かれましたC20会議の続行であると、こういうふうに考えております。その方面におきましては、いわゆる国際通貨改革案の取りまとめ、それから、その以後における本件の取り上げ方についてのスケジュール等が主たる相談の対象になろうかと、こういうふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま大臣から御答弁あったような内容だろうと思うのですが、なかんずく国際通貨問題に対する調整といいますか、これはやっぱり主題、議題になってくるのではないだろうかと思うのですが、そこで、田中総理もそういうことを言明をされておる。大蔵大臣も言明されたと思うのですが、いわゆる国際通貨の面の、来週あたりは少なくとも固定相場制は可能だろうと、こういうことを御指摘になったように記憶しているのですけれども、そういう見通しでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 調整可能な固定為替相場が望ましい姿であるということは合意ができておると思います。これは三月以来のC20会議の共同コミュニケに明らかにされているところでございますが、これをどういう形でつくり上げるかということが、三月以来それぞれの当局が苦心して検討していることであり、その間においては、いわゆる蔵相代理会議が相当ひんぱんに行なわれておりまして、これを取りまとめた、合意された部分もあるし、あるいは議事録的にしかまとめ得ないこともございましょうが、そういったことが、今回のC20蔵相会議に対して、代理会議の取りまとめが報告される、その報告をもとにして、閣僚レベルでこれを検討する。そしてその結果が、IMF総会に二十カ国を代表した者から報告をする。こういう段取りになっておるわけでありまして、日本政府といたしましては、なるべく早い機会に、調整可能な固定為替相場というものが国際的な合意で確立されることを心から望んでおるわけであります。同時に、複雑なむずかしい問題でございますから、おおよその時間的なターゲットというか、目標としては、一九七四年、すなわち明年の定時IMF総会のときには、いわゆる法律的用語をもってするところの規約、憲章というものが、取りまとめられるように国際的作業を推進していこうということも、大体合意をされておると私は思いますけれども、そういう点がこの二十三日からの会議においてさらに明確になることを期待して努力をいたしたいと、こういう状況でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その大臣がいま指摘をされました法律的規約、憲章、この制定に立ち向かう、一年後、一九七四年、こういうことですが、具体的にはやはり固定相場制復帰ということ、そういう形になるのでしょうか。もしなるとすれば、その間のいろいろ国際通貨調整の条件ですね、どういう条件がそろったら、大体そういう固定相場制復帰の大本に行くのか、その辺の条件なり目安というものがあれば示していただきたいと思うのですが。  それからもう一つは、いまやっぱり国際通貨、これ金本位制から離脱をして、さらに世界各国見てもドルも基軸通貨になり得ない、こういうやっぱり不信頼から今日の情勢を招いていると思うのです。そういうものが近い将来、一年の間に基軸通貨になり得るような状況がはたして来るのかどうか、この辺の見通しも一つあると思うのですね。いまこれは、私が再々過去何回か指摘をした点でありますが、どう見てもいまブロック通貨圏体制に行っているのじゃないだろうか。一つはEC、一つはドル体制といいますか、もう一つは元等を中心とした、こういったものに行かざるを得ない、そういう状況に大体走りつつあるのじゃないだろうかというふうに考えるのですけれども、この見解は間違っておりましょうか、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私は、終局のところは、日本政府が当初から主張しておりますように、ワン・ワールド・エコノミーということが理想であると思います。つまり世界の三十七億の人たちが一つの、みなの合意のもとにでき上がった通貨体制のもとで、それぞれの経済的な福祉が向上していくということが終局の目標でなければならない。イデオロギーを越え、国境を越えて、そういう考え方がわれわれ人類の目標であるということは、従来の、少なくとも今年初頭以来の国際通貨問題においての終始一貫した、しかも、公にこれを公表した態度で臨んでいるのは日本政府だけであると思います。私はそれであくまで進みたいと思います。同時に、国際通貨問題というようなものは、理想だけを言っていても、いつまでも論議だおれになりますから、いわゆるワーカブルな、実行可能な、そしてきめたならば、誠実にそれが守られるような体制でなければならない。きわめてこういう点においては、実際的な立場をとらざるを得ない。その終局の目標を頭に置きながら、現実的な案をまとめていかなければならない。そういう点から申しますれば、現にあるものはIMF体制だ。これにはまだ入っていない国もある。これは、それぞれ相当の成果もあげてきたと私は思いますけれども、でき上がって、世界の相当の部分にこれが行なわれておるようなところに、いままで参加していないところも、私は参加するようなかっこうに早くなったらいいのではないかと、それを望んでいきたいと思います。  それから、現実的にその実行可能な方法ということになりますと、ぐっとこれは問題は具体的になってまいります。その中で、一番片づけていかなければならない最大の問題は、要するに、国際収支の調整過程におけるやり方をどうするかということ、それから、現在で申せば、ドルが一つの基準通貨としての役割りを果たしてまいりましたが、この現状に対して、いわゆる交換性の問題ということ、この国際間の資産決済をどういうふうにするか、これはしばしば、日本におきましても、日本としても大きな問題ですから、こまかい論議も展開されておるわけでございますが、そういう点を頭に置いて、この交換性の問題というものを、できるだけすみやかに国際的な合意の上に取りつけていかなければならない。いわゆる調整過程をどうするかということと、そして交換性の問題についての合意ができますれば、これは相当他の問題はスピーディーに片づいていくと思います。参加各国も、二十カ国もその点においては違った意見ではないと思います。したがって、その調整過程と交換性の問題について、合意ができるように、この上とも大いに努力をしなければならない。  ところが、この二つの大きな課題に対して、それぞれ相当の違った意見があります。複雑でございますが、大分けに分ければ、いわばA案、B案というふうになろうかもしれません。あるいは交換性の問題についてはC案、D案というような、いわば異なった意見を態様的に分析すれば、意見の対立ということがあるかもしれません。そういうふうに私は分析、理解しておりますけれども、こういうふうな状況でありますから、場合によってはA案もB案も、もっとそれぞれが譲って、たとえばAマイナスアルファ、Bプラスアルファというふうに歩み寄ってもらいたい、それからCとDについても、考え方について、あるいはCマイナスアルファ、Dプラスアルファというところで歩み寄ってもらいたい。そうすれば、この二つの大きな命題についてA、B、C、Dという考え方が、とにかくこん然とした一つのコンセンサスができるはずであると、これが何といっても、今日の最大の問題であると思います。  それから、いまお尋ねの点に入るわけですが、私はこういうふうに考えております。金の問題もなかなか複雑でありますが、IMF体制の中においては、金が通貨としての基準であると、こういうふうな考え方というものはもはや消えつつあると考えます。見受けられます。考えるというよりも、客観的にそういうふうに見受けられます。それから、ドルはもはや唯一の基準通貨ではあり得ない、こういう認識が正しいと思います。いわばこうしたIMF体制の中で、アメリカあるいはドルというものは先生であった、教壇の上に立っていた一人の先生であった、しかし、現在は、多くの国々の中で、従来は生徒であったが、その列の中に入ってきた、あるいは級長であるかもしらない、副級長くらいの力はあるかもしりませんが、とにかくもはや先生ではあり得なくなった、これは自他ともに許すところではないかと思います。こういう状態を踏まえて考えれば、やはりSDRあるいはこれにかかわるようなものが中心になって、そしてこれを主要通貨がサポートするというか、リンクするというか、SDRの価値というものを万人が認め得るような形できめまして、そしてこれを中心にして、いま申しましたような基本的な国際収支の調整と、それから交換性というようなことの考え方が、まず前提としてきまっておれば、これがいわゆるワーカブル、実行可能な動き方をするわけでありますし、したがって、またSDRというものか——特別引出権というようなものが略語でSDRと言われているわけですが、そういう考え方になってくれば、SDRというものの価値というものをどういう形できめるか、そしてそれが中心で動くということになってくれば、当然名前も変えなければならないというのが日本の主張でございます。したがって、SDRの名前については数十といっていいくらいの各国が考え方が出てきているというふうなこと、これはしかしむしろ第二義的な問題だと私は思います。SDRの実体がまずきめられなければならない、それにふさわしいような名前がつけられなければならない、そういう意味で日本も提案しているわけでございますけれども、こういったような点で、現在の参加国が合意ができ、そして相願わくんば、これに対して現在入っていないところも快く入ってくるようになると、こうなれば、そのいわゆるワン・ワールドという主張や理想が、漸次非常な成果を発揮するようなことになり、人類の幸福である、私はかように考えるわけであります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間ありませんから次にまいりたいと思いますが、日本でガット会議が開催されて、終了したわけですが、最終的にはガット東京宣言等を発表されまして、非常に評価されているわけです。まあ大臣だいぶ御努力なさったようでありますが。そういう状況で一応終止符を打ったわけですが、その中で、ジャパンラウンド等と言われるくらい評価されているんですけど、具体的な構想はどういうことなのか。たとえばこの関税引き下げの範囲の問題とか、あるいは時期的には、二、三年内で実行するとか、いろいろこうあるようでありますけれども、そういう内容等まで全体を論議をされて——私たちは新聞等で報道された内容以外はいまのところ明らかにわかりません。非常に膨大な資料が相当収録をされるわけでありますので、どういう具体的な構想が持たれているのか、この構想があれは——当然この評価されるほどいろいろと論議をされたわけですから、私はあるんだろうと思いますが、この内容について発表できればひとつ大臣から御説明いただきたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ガットの会議につきましては、取り上げられた問題、それから内容、これはずいぶん詳しい東京宣言に盛り込まれておりますから、まだお手元に配付しておらなかったといたしますならば早急に……、いわゆる東京宣言と言われることになったわけでございますが、満場一致で参加百二カ国で採択されましたこの宣言をお読み取りいただきたいと思います。  で、率直に申しますと、この中で一番問題になりましたのは第七項でございます。と申しますのは、第七項で、通商の問題と、それから現にIMFの土俵の上で論議されている国際通貨の問題と、その関連性をどういうふうに考えるべきか、そしてこの取り扱いをどうすべきかということが、この宣言の上にあらわれているところでは第七項でございますけれども、文章そのものというよりは、むしろ考え方の問題がかなり議論が活発であった点でございます。それから、同様その第七項に触れられておりますけれども、開発途上国の扱いということ、これも同様といいますか、相当大きな論議の対象でございました。で、この二つの問題は、それぞれ日本としても非常に強い関心を持っておるところでございますから、実はジュネーブにおけるガットの準備会議でこの草案が検討されましたときに、この二点は残ったわけでございまして、東京にいてこの二つの問題が特に大きく取り上げられたわけでございます。   〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 で、日本といたしましては、実はA案、B案という二つの日本案を用意いたしまして、それぞれの関係国との間に個別的に話合いをし、あるいは集団的な協議をして、相当骨が折れましたけれども、終局的にはそれぞれが日本案のB案というものを中心にして、そして最初は対立しておりました一方の意見、他方の意見というものを、橋渡し役になりまして調整をいたしまして、最後はもうほんのわずかな二、三語の表現というところで、最後のところは最も強い意見を持っていたところ同士に話し合いをしてもらって、しかも、これでまとまるということにおぜん立てをして、終局的にこれが解決をいたしました。同時に、開発途上国に関する部分につきましても、大体同じようなプロセスを踏んで最終的にまとまりまして、まあほっとしたような次第でございます。  その経緯はそういったようなことなんでありますけれども、内容と今後でございますが、まず内容といたしましては、ある立場をとる国々は、通貨の問題についてもう少し切れ味のよいというか、歯切れのよいコンセンサスがつくれるはずだ、と、それがもう少し具体的な見通しがなければ、通商問題についていろいろやっても効果はないではないかという意見であるわけですし、それから一方は、そう言っても、通貨問題がそんなに歯切れのいい解決が早急に出るはずはないので、これはひとつガットの土俵における通商問題もどんどん進めて、それと両々相まっていくべきではないかという、せんじ詰めてみればそういうふうな意見の相違であると、こういうふうに御理解いただいていいのではなかろうかと思いますが、まとまりました考え方は、いわば車のこれは両輪であると、双方とも一緒に馬力をかけてやろうと、そうして先ほど通貨のほうについて言えば、いままで出ている話も、来年のIMF総会のときには何とかという機運があるし、一方ガットのほうは、一九七六年ということが一つのタイムターゲットとしても話に出ているわけでございますから、双方の状況を見合いながらやっていきましょうということに落ちついたということであるわけでございます。したがって、日本といたしましても、ガットの場においても、それからIMFの土俵の上においても、これからもできるだけの努力を一そう励まなければならないと思いますが、なかなかこれは国際的な、それぞれ内政問題もかかえておりましょう、あるいは対外的にもいろいろ国際政治の問題も大きくここに反映しているわけでございますから、私は、そう簡単に楽観的に終点を予想するわけにはまいりませんし、そこに言及するだけの私も度胸はございません。実情及び私の見た現状を御説明いたすにとどめたいと思います。  それから、新国際ラウンド——東京ラウンドとも言えるような状況だが、何をやるのかと。これは今後、過去におけるケネディラウンドでもそうでございましたが、工業製品五〇%一率引き下げということができ上がるまでには、まずケネディラウンドという宣言というか、ドアが開かれて、それからジュネーブその他で非常に努力が各国間で重ねられて、正確な年数は覚えておりませんが、相当の年をかけて結論が出たわけです。したがって、このよきラウンドをつくろうということで、各国の努力が、これからドアが東京で開かれて、この相談に入るわけでございます。したがって、その結論がどうなるかということはこれからの問題であって、にわかに予断することはできません。  日本といたしましては、おもな点について若干申し上げますと、これはそういう状況ですから、日本政府がこういう見解であるということまでは、相談ごとですから、いまの段階で申し上げられませんが、私としては、従来の経緯あるいは将来の理想から言いましても、関税はなくすべきものだと思います。  それから、したがって、そういうことを頭に描きながら、方法論としては、いわゆる一律引き上げということもありましょう。一括引き下げということもございましょう。実質的に関税というものがなくなるような方向に向かって、段階的に入国の意見がまとまるような努力をしていくべきものであると、私はこう考えております。  同時に、関税のほうがそういうふうな考え方でまいりますと、非関税障壁というものが相対的に非常に大きな比重を占めてまいりますから、非関税障壁についても、同様にこれは撤廃するという方向にいくべきものであって、そういう方向に日本としては態度を腹に入れながら、具体的な相談に乗っていくべきものではないかと、こういうふうに考えるわけです。それから、セーフガードの問題というようなものも大きな問題であります。これはやはり各国がいろいろの意見を持っておると思いますが、私は、セーフガードというものは、多角的に取り上げられるべきものである。多角的に自由に取り上げられるべきものであるが、これを乱用されることになってはたいへんなことになる。そこが重点であると思いますから、そこをしっかり胸に置いて、セーフガードの問題については対処してまいらなければならないと思います。それから、開発途上国等の関係では、特恵の問題が大きくあるわけでございます。これらにつきましても、日本のこの日本らしい立場において、特恵問題につきましても、しかっとした態度で進むべきものではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。それ以外にもいろいろ問題ございますが、あまり長くなりますから、基本的な私の考え方としては、そういう方向でガットにこれからも、相当の年月かかると思いますけれども、変わらざる日本としては努力をするべきものであると、かように存ずる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 ありがとうございました。それで、時間がありませんから、一括三点について最後に御質問をして終わりたいと思うんですか、その第一点は、四十九年度の予算編成問題ですけれども、二日ほど前に、相澤次官が日経連の皆さんと懇談会を開きまして、四十九年度の予算編成等について懇談を行なったようであります。若干新聞等で報道されております。これによりますと、四十九年度の予算総額は十七兆円をこすんじゃないかと、公債発行は削減いたしましょう、こういうことになっておるわけですね。いままで総理や大蔵大臣の言明等伺いますと、大体所得減税大幅一兆円見当ひとつ減税をしていく、こういう構想で十七兆円こす予算編成ということになりますると、歳入面でどうしても私は、無理がくるような気がするんですが、その一つは、大幅所得減税一兆円見当、この減税をやる。そうすると一面で、やはり増税という体制がとられなければいけないと思うんですね。現行よりも約三兆円見当オーバーしていくわけですから、この財源をどうしても税収に、何割を求めるかは別にいたしまして、いずれにしても求めなければいけない。こういうことになりますと、その辺の税収体制について多くの検討を要すると思いますが、一つは、この歳入部面の大幅減税について、いままでいろいろと示唆された内容によりますと、課税最低限でおおむね処理をしようということですが、税率緩和の方策もとっていく、この辺が一つ焦点になる。この辺の見解。  それからもう一つは、増税体制についてどういうものが考えられるか、そういう内容について、おおむね想定されるものがあれば、ひとつお示しを願いたいと思うわけです。  それから歳出問題ですね。政府の目玉商品は一体何があるかですね、これがあれば具体的にお示しをいただきたい。  それから通行税の問題ですけれども、これは歴代大蔵大臣に、国鉄運賃の値上げのたびに私はいろいろと質問をいたしまして、そのたびに福田大蔵大臣も水田大蔵大臣も、十分意見をしんしゃくし検討いたしますと、しかし、今日まで明快な検討の結果の回答が何にもなされていないのですね。私は、少なくとも、原則的には戦費調達の手段として通行税等が設置をされたのですが、その目的が失われたんじゃないか。四十九年度の税収体制を見ますると二十八億円見当、こういう話ですから、額にすればそう大きいことはないのですね。ですから、検討結果について、ひとつ大臣に明確に、私は、国会の中での国民背景の論議ですから、当面できないならできない、それでけっこうだと思うのです。検討でぼやかされて、八年も九年もやってこられて、どうもこっちも、いつ明快な検討内容が出てくるのかわかりません。ですから、その辺ははっきり、現段階ではそれはできませんならできませんでけっこうです。  それからもう一つは、大体重量税なんかも、目的税として制度化されて、自動車の使う道路等に対して幾ばくかの環元体制がとられた。もちろん国鉄にも一部いっておりますけれども、そういうように税制制度からいっても、内容を聞きますとサービス課税だと、こう言うのです。きわめて抽象的なんですね。具体的にサービス課税というのはどういうのか、それは国鉄運賃制度からいけば、料金制度があって、寝台使用の場合には、そのシートとかなんかという洗たく代とか、サービスと目されるものはそれなりに手当てをしているわけなんですから、はたしてこのサービス課税という抽象的な目標で、いまの制度の維持ということについて若干私は疑問を持つのです。そういう意味合いにおいて、この通行税の、従来ずっと論議をされてきましたから、あえて私は詳しい論議はしませんけれども、端的にいまの二点の問題についてお答えをいただきたいと思います。  以上です。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 第一の問題は、大きな問題でございますが、御質問がございましたから、ちょっと時間かかりますけれども、お許しをいただきまして、大体の状況を御説明いたしたいと思います。  八月三十一日に締め切りまして、各省の概算要求を取りまとめました。その結果は十七兆をこしておりますし、財投のごときは十一兆、昨年に比べて七二%の増、こういう概算の要求が出たわけでございます。ところが一般会計の概算の要求は二二・五%の増加になっております。今年の当初予算に比べますと。しかし、これは食管が抜けております。したがって、食管を今年度予算から抜いて、それから概算も出ておりませんから、これをのけますと二五・五%の増加になっておりますので、そういうところから十七兆をこすということが一般的な話題として出ておるのは御指摘のとおりでございます。ところが、これはいずれ正式に年度の終わりごろになろうかと思いますけれども、あらためて国会に御審議を願いたいと思いますが、この四十八年度の現在年度経過中でございますけれども、公務員の給与関係で、一般会計に出てきますもので、年内は資金繰りからいって、これは、改正給与法が通れば完全に実施ができますが、一月あるいは二月になりますと、そういう関係で、補正が必要になってくるかと思います。その額はおおよそ二千数百億円になるかと思います。  それから、消費者米価を据え置きまして、生産者米価を相当引き上げました関係で、二千億近くの食管に対する繰り入れが必要になりますほかに、昨今の海外物価の予想外の騰貴によりまして、麦の関係とか、あるいはえさの関係とかいうようなことが、国内の物価対策との関係等からいいまして、食管の関係では米だけではございませんで、ある程度これがふえるということを年度中に予想しなければなるまいかと考えております。  それから、これに対して歳入のほうでございますが、これは実は私の手元に正確にございます。私のところまで出てきておるのは六月末まででございますが、計画に対して三・二%増収でございます。で、ございますから、年度中にどれだけの自然増収になるかということは、ただいまにわかに申し上げられませんけれども、これは相当の額にあるいは達するかもしれません。しかし、いま申しましたように、年度中の財政需要が相当多うございますから、その財源としてこれを振り向けなければならない。それから、オーソドックスの、この財政法に基づくところの考え方から申しますと、もし自然増収がそれをオーバーいたしますようなことが見通される場合には、公債の発行を減額いたしたいと、かように考えておる次第でございます。  それから、年度を越しました四月以降の見通しは、ますます的確に申し上げることが困難でございますけれども、現行税制をもってまいりますれば、今年を基準にすれば、相当の増収ということになると思いますので、これは私は前々から申し上げておりますように、所得税の大幅な減税はぜひ実行したいと、また実行しなければいかぬと、かように考えておるわけでございます。  それから、御指摘がございましたように、財政需要のほうがまた、いま若干年度内のことを申しましたが、これをこのままに推移してまいりまして、特に、福祉関係予算等におきましては、当然増の経費が相当ございまして、おそらくこうした関係だけでも、二兆円以上の当然増的な経費を予想しなければならない。これは概算要求のものと重複したり、入り組んだりしておりますから、ただ単にその上にプラスして申し上げるというわけではございませんけれども、かりにそういう単純算術をやりますと、これはもうたいへんな額になりますので、これはひとつ財政当局といたしましても、既定経費等に相当の大なたをふるって、そしてすでにお約束をし展開している福祉関係予算などの当然増は、当然これを見ていかなければならぬ。それから、さらに新しい施策も考えていかなければなりませんことは当然でございますが、同時に、相当の減税もいたしまして、それから、公債の発行もできれば今年度の依存率よりは低くいたしまして、予算の規模は、できるだけ控え目に編成をいたしたい。しかし、その範囲内で、所得税の減税は必ず実行できるし、またしなければならない。この自然増収が相当予想されるようなときには、当然これはいたし、また公債もある程度減額をするようにしたい、こう思いますが、十分できます。というのは、法人税の増徴で、そこのギャップを埋めたいと思います。  それから、間接税、流通税の関係でございますけれども、これはもう少し話がこまかくなって恐縮なんでありますが、たとえば道路財源については、特定財源の制度がございますが、実は、特定財源の税目の伸びが、これはまたあまり期待ほどではない。それから、需要が多いのに対しまして、特定財源の充足率が、まあ現在では九割前後でございますか、とてもそこまでまいらぬという関係もございまして、あるいはそういう税目の税率を若干引き上げるということは、政府として考えざるを得ないかもしれません。しかしこれは、財政政策の問題ももちろんでございますけれども、交通政策と申しましょうか、そういう点にも非常な関係が深い問題でございますから、なお、政府部内でも十分時間をかけてやってまいりたいと思います。  それから、間接税の他の面につきましては、これはいろいろ御意見をいただくことと思いますけれども、やはり税制としては、間接税というものをやはり相当大切にしていかなければならないのではないかと考えるわけでありまして、いろいろとこうもやろうか、ああもやろうかというようなくふうはいたしておりますけれども、まあ何と申しますか、その間においてのくふうについては、いま税制調査会でもいろいろの御論議をいただいておりますが、今日まだ的確に申し上げるところまではいっておりません。  それから、今日のこの御提案いたしております問題ですが、これはやっぱりB寝台なんでありまして、まあB寝台を利用されるという方々については非課税にいたしまして、従来からの考えを踏襲して、そして手続的には、これまでは千六百円でありましたのを、政令に譲ることにした点が、現行と違うだけでございまして、趣旨においては、私は現在においてはこのやり方というものが一番適切かと考えているわけでございます。まあ前にいろいろ政府が申し上げたこともあろうかと思いますけれども、現在の時点におきましては、政府としては、これが適当であるということで、御提案している次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 あと十分しか時間がございませんから……。  私も実は、四十九年度予算、補正予算のことをお聞きしたい、こう思っておりましたら、お答えいただきましたから大体見当がとれたわけですが、十、十一、十二月の大体物価——卸ですね、その後の上昇をどのくらいに大体踏まえておみえになるのですか。全然ないというわけじゃないと思います。どのぐらいに、こういままで緊急対策、金融引き締め、いろんなことをやってきた、結果としてどのくらいのものだというふうに、大体予測をしておみえになるのかお答え願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、卸売り物価と消費者物価と両方ございますが、先ほどもちょっと申しましたように、ちょうどこの八月の末ぐらいが、一つの新しい何かこの傾向があらわれてきたかに思われる点がございますが、政府全体としては、前月に比べて、まず消費者物価の上がり方を、当面の問題としては、前月比が少しでも低下することを望んでいきたい。  それから、卸売り物価のほうにつきましては、海外物価の高騰というものが相当決定的な要因でございますが、たとえばロイター指数というようなものも注視しておりますが、世界的な市況にやはり若干の鎮静の傾向が見えているようでございますから、卸売り物価につきましても、いままでのような急激な高騰が続くということはなかろうかと期待しておるわけであります。ただ、これを〇・何%にとどめるとか、二%にいくとかいう数字を、十一月には幾らにするというようなことを、これは私としては申し上げるだけの数字を持っておりませんわけで、先ほど申しましたように、抽象的でありますけれども、海外の状況をにらんで、そこまでにはいかないようにということを、当面の目標にしておるというような次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 まあ数字は、検討しておみえになっても、言えないかもしれませんが、はずれるかもしれませんが、私が聞きたい点は、あなたは鎮静するという大体見通しだとおっしゃる。ところが、かりに八月末の傾向からそれを判断したんだと、もう間もなく八月末の数字は出てくると思いますが、九月にきたときに、また上がってきた、いやどうだというようなときには、さらにこの上に、どういうようなことを、まあ原因は国債とか、あるいは需給ギャップだとか、あるいはインフレマインドとか、いろんな理屈はございますが、何の手を次に打とうと考えておみえになるか。どうにもならぬ、計画は三分の一ぐらいしかできない、三分の二ぐらいしかできないとか、たいへんにみんな物価には迷惑をしております。特に生活は、給料もこれだけ上がったけれども、物価のほうが上回っちゃっておる、どうにもならぬと、こういうのが国民一般の感じなんですがね。ですから、物価に対してどういうそれじゃ——いま政府が発表した、だけれども、それでもなお期待がないと、それに今度は何をやるんだということが、私は検討されておってしかるべきだと考えますが、いかがでしょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) それはおっしゃるとおり、もう特にいまは感覚的に上がる上がるという心理状態が、まだ残っているようでございますから、これをまず目に見えて下がる状況をつくり上げなければならない、これがもう一番問題だと思いますが、ちょうど、先ほど来申し上げておりますように、私どもが検討しておりますごく新しい指標で見ましても、たとえば季節的な商品を除きました総合指数を見てみますと、前月に比べて、三月ごろからずっとこう下がった傾向が顕著に出ております。もちろん季節的な商品を省いておりますから、たとえばこれから季節的な関係で野菜の出回りが悪いというようなことになれば、またこれがちょっと変わってくるかもしれませんけれども、こうした傾向というものは、やはり私どもとしては、かなり累次の政策の効果があらわれてきていると思います。で、こういった計表や指数や数字を幾ら論議をしてみても、現実に主婦が買いものをする買いものかごの中が下がらなければ、これは心理的な効果とは言えませんけれども、こういうふうな状況にこの三、四月ごろから八月までの傾向が出てきている、ということは、私は、必ずこの日常の買いものの上にあらわれてくるのではなかろうかと思います。  それから、これは指標にあらわれませんけれども、土地の問題にいたしましても、累次の土地融資の抑制、あるいはこれから実施される税制等から見まして、最近ある程度の出ものが出てきたということもよく言われるわけでございます。  それから、先ほど来申し上げておりますが、海外のロイター商品相場指数も、八月の中旬から騰勢がちょっととまっているのです。こういうことは、やはり多少の時間的なラグがあるかもしれませんけれども、日本の卸売り物価に対しては悪い傾向ではない、もう少し忍耐強く、今後どういう措置をとられるのかというのがいまの御質問ですけれども、私は、財政、金融の措置としては、当面のところは総仕上げをしたつもりでございまして、たとえば財政の繰り延べにしても、本来はほんとうにやりたくないことであり、同時に、現に各地方等からも、小学校とか、下水道だとか、環境整備施設などは、何とか繰り延べないでやってほしいという要請が次々ときておりますが、単価の是正を若干やりながら、そういったようなところは、一兆円の繰り延べの中からなるべくはずして、そして大規模な公共事業のほうに重点を置いていくというやり方をやっているわけですが、もうこれ、物価といえば財政、金融とこう言われるような、こういうムードというものは、一方においては少し冷やして、お互いに考えていかなければならないのじゃないか、私はそれを切に関係当局にもお願いをしているわけでございまして、物価問題というと、一番初めに財政、それから公定歩合引き上げというのがいつでも出てくる、この考え方というものは、あまり今後は実態に沿わないのじゃないか、したがって、物資の需給関係を切り開いていくこと、それから、個別的に生鮮食料あるいは牛、豚というようなものの輸入の促進、冷蔵の整備と、これらは実は、御案内のように、四十八年度予算では相当多額の予算が計上されておるわけでございますから、これをむしろどんどん執行して、使っていただいて、効果をあげるようにしていただきたいというのが、私ども財政当局から見ますと、切なるこれは希望なんであります。これがようやくと申しますか、各方面の関心を深くして、これが動き出してきた、したがって、くどいようでございますが、最近の物価問題の閣僚協議会などは、財政、金融というようなことがあまり出なくなりまして、むしろ即物的な対策について協力をもっとどんどん進めなければならない、こういう空気が非常に強くなりましたことを、私は一面で喜んでいるような次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 需給ギャップということになってまいりますと、たとえば、いまセメントなり鉄なんていうのは、過去に設備投資を抑制することによって需給ギャップが出てきました、あなたの片っ方で言えば、総需要抑制の中で、民間設備投資を個別的に押える、いろいろなことで個別行政で押える。ところが片方じゃ、そういうもので民間設備投資を結局進めなきゃならぬというようなジレンマがあると私は思うのです。そこら辺の総需要抑制と、それとのバランスをどうしてやるかというのが非常に大きな問題だ、あなたの立場に立ってものを言っていくと。ですから、そういうことはほんとうにできますか、この業界はこうなんだから認めますと、こっちはどうというような、そういう行政指導というものによって操作することが、それだけの政府には力がございましょうか、できぬじゃないかと思っているのですが、どうなんですか。たとえば鉄鋼が、この間までは不況カルテルを認めておいて、それが今度値上がって、ばく大な利益を計上するなんていう、全くばかげたことが政治の上でも行なわれておるということについて、もっとお互いが反省をしてかかっていかなくちゃならぬ問題だと思っておりますが、どうも話を聞いておると、もう金融、財政の手を打って総仕上げ、やることがなくなった、今度は個別だ、個別へ入ってくると、どうも話がおかしいところへいってしまうというものの考え方を私は持っておりますが、いかがなものですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申しましたように、マクロ的にといえば、総需要抑制ということが何より必要なことでありますが、同時に、大中小も、それから、大切な仕事もストップするようなことになってはなりませんから、先ほどくどく申し上げましたように、たとえば小型棒鋼で例を言いますれば、八月の八日から措置を開始して、小型需要者に対するあっせんを政府が展開しているわけです。それから、たとえば水道用塩化ビニール管についても同様、電線についても同様、そしてさらにセメント、綿糸、毛糸、一部の繊維製品、これらはすでに需給協議会が設置されて需給の調整をはかっております。こうしたやり方がてきめんに相当の効果をあらわしておりますことは、指標の上の価格の面にもある程度の数字があらわれてきているようになっておりますし、それから、中小零細企業の必要とする資材あるいは住宅にしても、個人の勤労者の住宅が、途中で建ちかかりになったというところに対する電線とか木材の供給のあっせんというようなものも、一面においてはある程度効果をあらわしているようであります。もちろんこれは政府だけではできませんので、それぞれまず各都道府県に協力をお願いいたしておることは御承知かと思います。で、大きなところは抑制を徹底する、しかし、小さなところ、末端のところには、そのひずみが寄らないように、で、金融のほうでは、中小金融はできるだけ窓口規制におきましても引き締めをしないように、あるいは積極的に、倒産等が起こらないように——倒産についても、企業の放慢その他によるところの倒産はいたしかたないわけでありますけれども、黒字倒産というようなことがかりそめにも起こることのないように、配意をしておるつもりでありますけれども、常時情報を敏速に収集しながら対策を講じている、これが現状でありまして、たとえば日本銀行等においても、各地方の支店等に徹底して、そういう趣旨が理解され、あるいは地方からも積極的にそういったような意見具申を求めて、窓口指導にもこうした配慮が浸透するようにいたしておるわけでございますが、なお具体的あるいは地方的にいろいろの問題がございますれば、どういう方面からでも御様子を伺って遅滞なく対処したい、こういうふうに思っておる次第であります。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 もっといろんないまの答弁に対しては反論が、逐一末端価格等から例をとって反論したいですけれども、時間がないからもうやめますけれども、最後に一言だけ。  一般会計を、大体十七兆四千八百七十九億という数字が出ておりますが、これはまだベースアップその他の問題が入っておりませんが、そうしますと、どうしても十八兆前後にいっちまうと思いますけれども、一体このいま出そろっておるのを、経費合理化いろんなことをやってあなたは落としたいということをおっしゃいましたが、一体押えるのは——いま出ておるこの数字よりもふえるというのが大体予想なんです、大方の。また、当然増になってくると、だれでも考えておる。そこであなたは、この数字をめどとして、下の予算を組むことができるかどうか、これが一つ。  それからもう一つは、補正予算等は、いまおっしゃっておるのを聞いておりますと、大体五千億前後の補正予算になるように私は受け取りましたが、まだちょっと早過ぎるんじゃないかということもあるかもしれませんけれども、組まんとしておる補正予算は、どのくらいの大体規模になるのか。どこら辺で一これは当然、何と申しますか、支出増になると思うわけですが、どのぐらいになるのか。その概算の数字をお答え願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 来年度予算の規模は、これから来年度の経済見通し、GNPが中心に置かれるわけですけれども、これの見通し、それから、国民経済の中における政府としての財貨サービスの購入の度合いとか、いろいろの角度から実体的に詰めて考えていく、これが一つのワクであると思いますが、それから同時に、財政需要をどういうふうに切り盛りして押え得るか、伸びるべきところは伸ばすことが、どのくらいの限界でできるであろうかということと、それから、歳入面で先ほど申しましたように、現行制度でいったならば、どのくらいの伸びが予想されるか、それをしたがって、できるだけ国民に還元するために、大幅な減税はどれだけしなければむしろならないというふうに問題を設定する。それから、公債の依存度は、今年も、先ほど申しましたように、若干は減らしたいと思いますし、それができると思っておりますが、それらも勘考して、来年度は公債の依存度を自制したい、こういうふうに考えております。これができるかどうかということで、ここに苦心の存するところがございますけれども、概算要求の数字は、先ほども申し上げましたようなことですが、それをはるかに上回る財政需要がある、と。しかし、同時に、減税をし、かつ財政規模は相当圧縮し、公債の依存度も低くしようと、この両方の要請をかみ合わせて、若干の規模の増大、ことしに比べれば。これは当然と思いますけれども、十何兆がいいか、あるいは何%増ならいいかというところまではまだ申し上げられません。  それから、次に、補正の問題でございますが、これは先ほど率直に、いま私の胸算用を申し上げた確定的な数字であって、五千億というようなことよりは、相当上回ることになろうかと想像いたすわけでございます。これは財政需要の面から申しまして、ほぼ既定のものが相当出てまいりましたから。そういうふうに御了承いただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 大蔵大臣に、八月二十三日に、私が政府に対して、経済、財政運営の質問主意書を出しました。その答弁を九月四日にいただいたのでありますけれども、ちょっと納得のできない点か、ありますので、そういう点で大蔵大臣に、経済、特に、財政運営の最高責任者でもありますので、若干お伺いをしたいと思うのですが、わが国の現在の経済状況について、どう把握しているか、この政府の把握の状況を、私は質問で伺ったのですが、その答弁の中で、卸売り物価と消費者物価、この両方に対して、一方は根強い実需の増大、海外素材高を背景の騰勢、一方は卸売り物価が上がったから、消費者物価が上がっている、という二つのことを述べているわけです。こういう点から見ますと、これは、政府自身として、インフレになった、インフレーションであるということを認めているような答弁に私は受け取ったのですけれども、はたしてはっきりとインフレーションということで受けとめているのかどうか、そこのところを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ことばの問題あるいはインフレーションという定義の問題にもかかわりますけれども、私は、現在日本がインフレーションであるとは考えておりません。というのは、インフレーションということは、たとえば失業もたくさん出ている、そして食べるものもない、そして毎日毎日が不換紙幣を発行しなければやっていけないというような状況のことを言うのではないかと、きわめて常識的にはさように考えておりますけれども、現在の日本は、完全雇用であり、そして先ほど申しましたように、物の需給ということからいえば、十分これはマクロ的には心配はない、いろいろの原因が錯綜して相当急激な物価上昇が行なわれておる、あるいは仮需要が行なわれておる。その事実に対して総合的な、あるいは具体的な対策が行なわれて、相当の時日はかかりましたけれども、だんだんに鎮静の過程に入っている、この現状を私はインフレーションとは見ておりません。ただ、答弁書にも御答弁申し上げましたように、事実をそのまま現象的に客観的に認識しているところを掲げた次第でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 答弁書の中に、海外インフレーションの進行もあってということばが出てまいります。その点で、海外のほうについて、いま大蔵大臣の言われたような不換紙幣の大増発が連日のように次から次へ行なわれているという、そういうわけじゃないわけですけれども、全般的な海外の物価高ということを、そのままインフレーションということばでとらえておるのです。そういう点から見ると、これは大臣の答弁でわかるような気がしますけれども、やはり国民としてはインフレーションと認めなければならないような状態じゃないかという感じがしてならないわけでございます。その点はちょっと矛盾があるようなんですけれども、甘受をします。  もう一つ伺いたいのは、経済見通しの問題で、私のほうから、主要経済指標が、こう物価が上がったのでは全部狂わざるを得ない、経済運営の基本的態度というものを変更しないわけにはいかないじゃないかということで御質問をいたしました。ところが、それについての答弁がなされていないわけです。当然、これは経企庁のほうかもしれませんけれども、財政を預かっている大蔵大臣として、その指針というべき経済見通しのほうで、物価が大きく狂ってくれば、財政運営のあり方も変わってくるというのは当然だろうと思います。見通し全部を改定するというのは困難ならば、若干でも暫定の指数をつくるなりして改定して、そうして緊急の経済運営というものをはっきりと課題として出すべきではないかということを言ったわけなんでありますが、答弁をいただいてないわけであります。これは経企庁のほうかもしれませんけれども、全体の財政運営の問題となれば、やはり大蔵大臣の決定する点、影響がものすごく大きいわけでありますので、その点についてどうお考えになっておられるか、伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私は、もうすでに四十九年度のいろいろの計画に取り組みつつあるわけでございまして、いずれ、ただいまも言及いたしたわけでございますが、予算の、たとえば規模や、性格等をきめてまいりますためには、来年度の経済見通しというものが当然その背景になければならない、そういう意味で、来年度の経済見通しというものについては当然企画庁におかれてもいろいろ苦心をされているところと思います。  さて、それ以前に年度中にどうかということについては、これはまだ企画庁のほうとも御相談をしておりませんけれども、したがって、企画庁のほうからお考えをいただくことがよろしいかと思いますけれども、あるいは必要に応じて見直す点、あるいは注意すべき点というようなことについて御説明があろうかと思いますので、一応そのほうからの説明を聞いていただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは当然大臣としてはそういうことになるだろうと思いますけれども、財政運営の責任者として、いままでのような物価の行き方で、これでどうなんだろう、経企庁のほうから改定云々ということがなくても、これでは今後の財政に与える影響も大きい、たとえば見通し自体が大きく狂わざるを得ないとなれば、基礎も変わってしまいますので、そうすると財政そのものが大きく動かなければならないということになります。その点で、少しでも修正ということを経企庁のほうへ御要求をなさるというような気持ちはございませんか。その点のことを私伺っておるわけなんです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 現在の時点で、直ちに修正を大蔵省として要求するという立場はとっておりません。むしろ、別に企画庁としては、やはり当面物価の抑制ということを使命としておられるので、その点についてできるだけの協力をするという、非常に具体的かつ切迫したような気持ちで大蔵省としては対処しておるわけでございまして、こちらから積極的に経済見通しを修正その他してもらいたいという態度は、いまとっておりません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 わかりました。  その次に、物価安定対策の問題で、金融引き締めの効果の問題、この答弁もいただいたわけでありますけれども、今後総需要の抑制に十分な効果を発揮していくだろう、こういう答弁になっております。そこで、ちょっと伺いたいんですけれども、いままで何度も何度も総需要を押えようということで、金融引き締めの問題が出てきた、ところが、十分な効果がなかった、また、さらにということになってきたわけでありますけれども、これは経済の実体面に効果があらわれるのは一体いつごろとお考えなんですか。この前のときの、ここでの参考人として、日銀の方から伺ったときは、ぼつぼつあらわれているというような話がちょっとあったわけでありますけれども、まだ確定的なものではないように思われたんです。その点は、大臣は一体いつごろ効果があらわれるというふうに思われるのか。それが一つと、質問もあったかもしれませんけれども、その場合ちょっとオーバーキルというような心配が今後出てこないかどうか、その点もひとつ伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 時期の見通しは、皆さんがよく言われることですけれども、巨大なるタンカーのごとき日本経済のことですから、切りかえてもすぐには効果が発揮できない、やはり過去の例その他から申しましても、数カ月はかかるであろうと考えております。しかし、先ほど来申し上げておりますように、ある程度もはや効果は出てきたと、私としてはそういう認識をいたしております。そして、これが計数の上にもぼつぼつあらわれるようになってきた。先ほどもお示しいたしましたように、物価の、たとえば本日の検討いたしました資料で見ましても、わずかながらほぼ底をつきつつあるかなという感じが出てきたのは、やはり金融政策の転換ということからいえば、四回か五回になりますし、それから財政関係でも二度、三度にわたってやっておりますので、やはりこういう効果は、四月以来半年近くの時日は経過いたしましたが、こういうふうに出てきたというふうに認識しております。  それから中小企業その他に不況倒産というようなことが、特に、黒字倒産というようなことが出てこないようにということは、一番の関心事でございますから、これらの点については、金融財政上の措置は十分配慮してやっておりますし、さらに今後においても機動的にやってまいりたいと、こういうふうに思っている次第でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いま一つは、この前、予算委員会の席上で、私が政府に対しての質問で、景気過熱の危険を非常に心配をして指摘をして、道路、港湾、産業基盤、こういうものを、つまり国民生活とは直接関係の薄いものについて、公共事業費の繰り延べということを主張した。そのときに政府は、年度内調整でという話をずっとしてこられたわけでありますけれども、今回繰り延べということが、若干であるけれどもできてくると、これは明らかに、いままでの政府の経済政策としては大きな失敗になったということではないかと、その点が一つの、やはりすべての財政の基盤というものもすっかり変わってしまったというふうにわれわれは考えざるを得ないんですけれども、この点、率直に政府としては失敗という点を認めるのかどうかですね、その点はいかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まあこれは失敗であると申し上げることを御期待かもしれませんけれども、政府としては失敗とは考えておりません。  それから、繰り延べでございますけれども、これはやはり財政の機動的な運営の一つでございまして、これは閣議の決定におきましても、情勢が安定することを期待してやっておることでございますから、年度末までまだ相当の時間もございますし、これは繰り延べを解除することも考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 最後に、財政運営の問題ですが、四十八年度の租税収入が非常に好調で、このままでいけば、おそらく年度内自然増収が史上最高、一兆円をこえるだろうと、こういうように予想されてたんですが、それに対しての政府の答弁書の中では、増収の具体的な額をいま出すことは非常に困難であるというふうに言われておりますけれども、具体的でなくても、大体の推定で一体どれくらいというふうに——これは長年の御経験からも十分わかるわけで、どう見ても今回はかなりの金額になりそうであるということがもうはっきりしてきています。  それからいま一つは、そういうような自然増収があるとなれば、この使い方について当然考えなきゃならない。たとえば所得税の年度内減税ということですが、これは考えていないということですけれども、じゃ来年度は——いままでのところでは所得税については大きな期待ができないような感じがあるんでありますけれども、はたして明年度については、かなりの所得税減税というのは期待ができるのか、こういう大きな自然増収があるだけに、どういうふうに扱われようとしているのか、その二つの点についてお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 前段は、自然増収の数字を的確に申し上げることは困難でございますけれども、一兆円こえるかもしれません。  それから、その場合、しかし同時に、年度内にすでに予想されまする需要のほうを申しましても、給与、米価その他相当ございますから、先ほど率直にお答えいたしましたように、年度内に補正をいずれお願いしなければならないと思いますが、その規模は、五千億を相当上回ると思います。したがいまして、一方自然増収も例のないほど多いと思われますが、需要もまたなかなかのもんでございまして、これで補正の財源にすると同時に、やはり考え方はいろいろございましょうけれども、財政法等の趣旨に基づきまして、さような場合におきまして、さようなことが見通される場合におきましては、せっかくちょうだいしております公債の発行権——限度はございますけれども、年度内にある程度これを削減するということが、今日の経済情勢下においてはいいのではないかと思います。と申しますのは、一面において、所得税は年度内に減税をせよ、法人税については増税せよというおことばもございますが、こういう状況下でございますから、ひとつ補正についてはそういう考え方で考えさせていただいて、来年度におきましては、しかし、こういう年度内の状況でありますだけに、現行税制をもってすれば、かりに試算をすれば、来年度は、まあ四兆円とかいうような数字も出てきそうに思いますので、これはむしろ来年度は大幅な減税をしなければならない、還元しなければならない、むしろ積極的にそう考えるべきであって、むしろ財政規模はできるだけ大きくならないように、税のほうでは相当思い切った所得減税を中心にした減税をやりたい。しかし、それだけでは、やっぱり一方当然増の経費が相当あり、新規の政策費も必要でございますから、足らずまいのところは、ひとつ法人のほうで負担を願うと、また公債については、今年度の依存率よりも、できればこれを控え目にしたいと、まあ大ざっぱでございますが、そんなふうな考えでおりますので、所得税の減税には御期待をいただいてけっこうであると、かように存じます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この前、物価安定緊急政策を政府は発表したわけでございますけれども、これら一連の施策によってどの程度有効需要が押えられると思っているのか。  それから、今回の金融引き締め政策あるいは総需要抑制政策によって、ほんとうに現在のインフレを押えられると思っているのかどうか。  また、先ほども大蔵大臣は、財政あるいは公定歩合の引き上げ、こういった問題だけでは物価対策にはほんとうはならないんだとおっしゃっていましたけれども、こういう金融引き締め政策の効果を重点とした抑制政策だけで、スタグフレーションの危険性がないのかどうか。  それから、物価安定緊急政策の中に、なぜ公共料金の抑制あるいは補正予算の編成——先ほども五千億をこえる補正予算の年内編成が必要だということをおっしゃっていましたけれども、この問題が物価安定緊急施策の中に入ってこなかったのか。その辺をまずお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 四月以来の、たとえば金融政策の面におきまして、これは御必要ならば数字をずっと申し上げてもいいんですけれども、要するに、各金融機関の貸し出しの増勢というものは相当顕著に鈍化してまいりました。それから、反面において、中小企業関係の金融はゆるやかにいたしております。これは数字の上で相当はっきり出ております。それから、企業の、よく数カ月前までは問題にされておりましたが、いわゆる手元流動資金、これも指数の上にはっきりあらわれてまいりまして、減少しておりますし、それから、金融関係から見てみますと、企業の実質預金が減少しております。こういうところは、総需要、特に、仮需要というものが、もうとまったことを私は示しているものと、かように考えているわけでございます。  それから、需給関係で言えば、これはまあ私からお答えするよりも、物資担当のほうからお答えすべきところでありますが、景気はやはり非常によろしいと、設備投資の状況なども非常に動意活発というわけでございますから、やはり今後におきましても、こういう点は押え目にやっていくべきことがこれは当然の要請である。しかし、在庫の状況等について、まあ私の見方からすれば、メーカーのところの在庫は減っているかもしらぬけれども、飛ぶように売れるけれども、これが途中の流通過程においてどういうふうにその物が動いているかということが、今日問題の点ではないかと思いますが、それらの点につきましては、関係の各省庁が、業界あるいは地方公共団体等の積極的な協力を得て、点検、検査調査あるいはあっせんというところまで踏み込んで、現在行政措置が行なわれておりますから、これは私は、相当効果を期待できるのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第であります。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この前の物価安定緊急対策の中に、突如貯蓄の奨励をはかるという項目が最後に入ったわけでございますけれども、まあいま物価高騰で、個人預金の実質損失なんかも、昭和四十七年度上半期だけで二兆五千億円を上回るのじゃないかとも見られております。そういった関連から、貯蓄の奨励をはかるんだったら、やはり預金の金利引き上げは大幅にやるべきだと、そうしなければ、貯蓄の奨励にはならないと私は思います。ところが最近、ようやく〇・二五%程度の預貯金の金利引き上げを考えているようでありますけれども、私はもう一%とか二%とかそういう大幅な預貯金金利の引き上げ、郵便貯金も含めて考える必要があると思いますけれども、これはどのように考えておりますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 預貯金の金利の問題につきましては、実は今朝、臨時金利調整法等の規定に基づきまして、私から預金金利の引き上げについて、諮問と申しますか、発議をいたしましたので、審議会等で十分御審議をいただきまして、大体十月十五日ごろから実施ということになることを期待いたしております。その幅等につきましては、審議会等で十分御審議をいただくと思いますけれども、長期金利等の関係もあって、大体〇・二五%ぐらいのところが適当なところではないかと考える次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 大蔵大臣は、この前テレビ対談等で、七月末ころでございましたか、ことしの予算はインフレ予算じゃないかと聞かれたのに対して、四十八年度一般会計がインフレ的ではない、国民所得ベースで、政府支出は一六・六%程度にとどまるんだという表現をしておりますけれども、この前の、いわゆる公共事業関連費の繰り延べなんかを考えましても、一般会計で八%というのでは、ざっとこれは二千億ぐらいしか繰り延べにならないわけで、二四・六%増の四十七年度会計当初予算に比べますと、一・五%くらいにしかならないわけです。また今度も、五千億円を相当上回る補正予算を年内に考えているというお話でございますけれども、そうなりますと、これはもうことしの予算というものは非常にインフレ予算であると、このようになるわけでございますが、大臣はどう考えますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) インフレということについては、先ほども鈴木委員にお答えいたしましたように、政府としては、今日の日本の状態がインフレとは考えておりません。それから、私は、かたくななようでございますけれども、今年度の予算がインフレ予算だということについては、全くさように考えておりませんで、非常に大きな、私としては異議がございます。決してインフレ予算ではないと思います。  それから、補正予算の点も、先ほど率直に申し上げたのでございますけれども、たとえば財政需要のほうからごらんいただきましても、これは公務員の給与の引き上げということは当然であり、そうして人事院勧告を完全実施するというのが政府の基本的方針でもあり、国民的な合意も私はいただけることであると思います。  それから、消費者米価を据え置くということも、財政のほうの問題からいえば、意義のあることはあるかもしれませんけれども、しかし、これまた現下の消費者物価問題が、これほどの国民的な関心である、何より大切な主食については、これを据え置くということをいたしましたことも、私は、御理解がいただけるのではなかろうかと思います。同時に、この生産者米価についても、妥当な引き上げをすると、そして現在において、まあ常識的にいいまして、その差額というものが財政上の負担になる、これは私は、やむを得ざることであると思います。そして今日の歳入の状況等から申しまして、適度の補正予算を組むというのは、むしろ政府としての責任であり、義務である。したがいまして、まあ年度の終わりまでの間、つまり四十八年度が終了するまでの間におきましては、補正予算を編成いたしまして、そうして国会で十分御審議をいただくことにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 最後に、来年の税制の調整策についてお尋ねしたいのですが、本年は相当の補正後の増収が見込まれているにもかかわらず、所得税の年内減税はしないと、あるいは前から強く要求されていた年内の法人税の引き上げも、これもやらないということで、大臣は明年度の税制改正について、いわゆる所得税減税とか、そういったものは非常に望みが多いような答弁をされておりますけれども、まあいま税調でやられていることでございますけれども、たとえば課税最低限を百五十万程度に引き上げるとか、あるいは法人税率は四〇%程度にするとか、さらには道路関係、自動車関連税の間接税をふやすとか、いろいろいままでも言われているわけでございますけれども、そういった税制改正の要点をどう考えているか、それに加えて、いわゆる租税特別措置の中でも、交際費とか、課税の強化とか、あるいは各種の大企業に対する租税特別措置を大幅に改革する問題、準備金の問題、引当金の問題等いろいろあるわけです。そのほか、けさの報道によりますと、文部省では、いま幼稚園から大学まで修学費が非常にかかりまして、父兄負担が増大している。そこで、修学費の非課税措置を来年の税制からとってもらいたいというような強い要望をしているわけです。たとえば高校、大学等では、国公立でも大体二万円から四万円程度の授業料とか、そういうはっきりした修学費がかかるわけでございます。私立の大学等では、もう二十万以上もかかると、こういったものは、やはり父兄負担が非常に増大しているので、この修学費の非課税措置をぜひともとってもらいたいというような要望も文部省からあるわけでございますが、こういった点もどのように考えておられるのか、こういった問題も税調に追加諮問するのか、来年度の税制の要点についてひとつ大臣からお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 年度内増減税については私はやる考えはございません。四十九年度の税制改正については、意欲的に現に取り組んでおりますし、それから、所得税減税については、前々から申し上げておりますように、最低限度百五十万円で、大幅減税をやりますことはあらためてはっきり公約申し上げて差しつかえございません。  法人税については、税率四〇%ということを中心にいたしまして、これは御案内のように、いろいろそれをまず基本的にきめて、そうしてこれに関連するまあ配当課税の問題その他いろいろございますが、これらについて、現在まで国会でいろいろ御論議をいただいたようなことも、舞台を税調に移しまして、その検討をこまかくやっておりまして、もうそんなに長い期間じゃなく、だんだんにできるところから、あるいは中間報告というかっこうででも、政府の税制調査会からもだんだん御答申が出てくると思いますが、それらを見合わせて、具体的なこまかい点も調整をしてまいりたい、こういうふうに考えております。かねがね申し上げておりますような線で十分やっていける、かように考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 最後にお伺いした、文部省から要求のあったいわゆる修学費の非課税措置というような問題は、考えておられるのかどうですか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 実は、いわゆる教育費控除という問題については、私自身もずいぶん考えたこともございますけれども、ただいま申しましたように、所得税の最低限度の引き上げということに関連いたしまして、こうした教育費控除とか、あるいは家賃控除であるとかというような取り上げ方が、はたして税制としてよろしいかどうか、こういう点も相当やはり考えなければならぬ要素もあるのではないかと、私自身も考え直しておるわけでございまして、これらの点については、さらに十分検討して結論を出したい、ただいまの時点においては、積極的にやる方向で考えますというところまでは、まだ私の心境としても積極的にはなっておりません。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 先ほど通貨問題に対する大臣の構想と熱意をお伺いしました。また、昨今の新聞報道を通じましても、そのなみなみならない御努力のほどはうかがえるように思います。  そこで、あえて重ねてひとつ大臣の御所見を承りたいと思うんですけれども、現在大きな悩みであるインフレ、物価高騰の問題について、これは国際通貨とたいへん結びついているんだという所論がございます。あえてここで申し上げるまでもありませんけれども、各国通貨が変動相場、フロートしております。通貨価値が不安定なものですから、通貨をストックしておくよりも、物をストックしておくほうがより有利であるというところから、世界的な投機需要なり、仮需要が発生をして、物価高をさらに押し上げていく、さらにはまた、これもよく言われることですけれども、ドルの過剰流動性の増加ということを背景にして物価高が起こっている、それやこれやを考えると、国際通貨問題の決着ということがない限り、世界的なインフレ問題の解決は、日本の場合も含めて不可能である、こういう所論があったり、さらにはまた、そういう各国のインフレに対して、各国政府がとる対策いかんによっては、世界的な大不況もまだ心配しないわけにはいかぬという神経質な取りざたさえされている昨今だと思います。そういう中にあって、日本の現下のインフレ問題を解決するためには、国際通貨の決着ということが不可欠の前提なんです。そう御認識になっているところが、昨今の大臣の通貨問題に対する熱意である。このように理解してよろしいでしょうか。あるいはまた、この種の問題について、先般ガットの総会で、各国の経済閣僚とお会いになったと思いますけれども、それぞれはどんな問題意識と感触で取り組んでいたと御判断になりましたのでしょうか、この点ひとつお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 基本的には、お話のとおりだと私は認識しておるわけでございます。現在のような、つまり金からも糸が切れてしまった。それから、つまりドルも金から糸が切れてしまった。そしてドル自身も、基準通貨としての役割りは果たせそうもない、こういうふうな状況がいつまでも続きますと、金価格の暴騰であるとか、あるいは各国のそれぞれの通貨自身が投機の対象になる。こういうことは、いま小康を得ているからといっても、あしたどうなるかわからない、あるいはユーロダラーの跳梁というようなこと、これはコントロールができないというようなことを、このままにしておくことは、これは日本のみならず、各国とも、要するに、通貨に対する信認が失われていくということであり、これがインフレ問題につながるということは論を待ちませんし、同時に、恒久的に過熱した景気でも、あるいは不況にでもならないと、安定しながら繁栄をしていくという経済機構ができないということになりますから、私は、できるだけ早く通貨問題がかっこうがつくということが、各国のためにも望ましい、こういうふうに私は考えております。  各国がどういうふうな認識であるかということを、的確に一〇〇%正しくお伝えすることはできないと思いますけれども、大なり小なりそういう認識は強いと思います。それが何か危機的様相が起こるたんびに、非常に緊迫した零囲気になり、何とかしようという勢いが強くなる。こういうことにも示されておるように、私は認識いたしておるわけでございますから、大なり小なり同じような感じではないか。かように存ずるわけでございます。  私がおそれるのは、あまりこういう時期が長く続いて、大ワクで片づけることができそうもないというような零囲気になってくると、たとえばヨーロッパはヨーロッパでまとまるとか、アメリカはほかの国がどうなってもいいんだ、自分さえ守ればというような、いわゆる保護主義的な考え方が、通貸、通商の面に出てくると、これはほんとうに一大事だと思いますので、そういったような認識の上に努力を進めていかなければならない。こういう気持ちは、御指摘のとおりに持っておるわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いま大臣がおっしゃった点、たいへんそのとおりだと思うんですが、では、通貨問題がどのぐらいの時間的見通しの中で結論が求められるだろうかということになりますと、先ほど大臣が、当座の物価に対する指標としては、先進主要国の中で、よりいい形をつくるのが、さしあたってのめどでしょうと言われましたけれども、それを裏返していくと、通貨問題の決着というのは、まだまだ時間がかかるし、たいへんなんだという御認識のあらわれだろうと思うのです。  で、問題は、そういった中で、日本の国内のこの毎日ぴんぴんと感ずるような物価高をどうやって少しでも解決をしていくのか、そうなりますと、海外の要因に伴う物価高はある程度時間をかけなければしかたがないとしても、そのほかの国内対策というのは、相当思い切ってやらなければいかぬ、そこに一つをかげながらやっていかないといけないのじゃないかという気がいたします。そういう中で、先ほど大臣が、実は現在日本の需給関係、需要の姿というのは、そう心配はない、総需要、仮需要というものもだんだん頭を打ってきて、鎮静化したのではあるまいかと思っているんだという御発言とか、それから、現在はインフレということばはそぐわないのだという御発言を伺いますと、いまわれわれがとり得る手段というのは、国際会議のほうは相手があることですから、そう簡単な決着はむずかしいということになると、少なくも国内で手が打てるところは、よほど思い切った政策をしなければいけないのじゃないか。何かそんなことを感ずるだけに、需要の問題とかについて、大臣のお話を伺っていますと、そう安んじて見ていてよろしいんでしょうかという気がいたしますけれども、重ねて、現在の需給関係の姿について御見解と、そこに重点的にほんとうは取り組んでいくのか、相当荒っぽいことも含めて取り組んでいかなければいかぬとお考えになっているのかどうか、重ねてお伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 第一に、ちょっと私の申し上げたことを補足させていただきたいのですが、通貨問題は非常に意欲的に、先ほど申しましたような認識で取り組んで努力を新たにしなければならないわけでありますが、そうかといって、これはある程度の時間がかかる、その間はそれなら不安が続くのか、こういうふうな点でございますけれども、これは私の認識では、日本に対しては非常に幸いなところだと思いますが、私は、したがって、現状においては、しばらくの間は、この現在とっております対外的には変動相場制、これをクリーンなやり方でやっていくということは、しばらく続きましても、日本としては、当面のところさしたる障害はないと思います。同時に、たとえば為替管理のあり方というようなことも、あまり大それた考え方で、これをゆるめるとかなんとかいうことは、これはきわめて慎重に対処すべきものであると、こういうふうに考えております。したがって、日本としては、国際通貨問題の解決は、早ければ早いほどいいという努力はしながら、当面この種の問題については、自信を持ってやっていけると、こういう認識を私はいたしておるわけでございます。  そこで、その需給の関係等からいって、もっと手荒いやり方をしなければならないのではないか。これは日本的な、国内的な問題としては、よく言われることでございますが、やはり土地問題等についての御意見をお持ちの上での御質疑かと思いますが、私もそういうお気持ちには同感でございます。したがって、土地対策については、金融面からいっても、それから税制面からいっても、かねがね申しておりますように、税の政策としては、従来なら考えられなかったようなことをやり出しておるわけでありますし、それから、国土総合開発法等の考え方というものは、相当現行憲法のぎりぎりのところまで政府としては考え及んでやっているわけで、現在におきましては、相当のやり方ではないかと思いますけれども、これは私見ではございますけれども、さらにそういったようなところで、足りない面があれば、もっと強力にやっていきたい。  しかし、決してぐちを言うわけではございませんが、これほど土地問題というものが大切であるのに、政府としての考え方や、法案に御不満もあるかもしれませんけれども、何日かかっても、御論議もいただけない、法案も成立ができないと、こういう状態は、まことに私は、率直に申しまして残念でございまして、もっと超党派的に建設的にこの種の問題に取り組んでいただけることができないものであろうかと、こういうふうに考える次第であります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 時間がありませんので、重ねてあと一点だけ関連してお伺いするのですけれども、いまの大臣の御発言、率直に受けとめたいと思いますけれども、実は先日、少し離れますけれども、参考人をお呼びしたときに、日本の需要というのは、どうも健全とは思えない。理由としてその参考人がお述べになりましたのは、一つは、広告によってつくられた需要という面が強い、もう一つは、社用消費である。たいへん目立つところですから、そう御指摘になったと思いますけれども、問題の一つがそこにあることも事実だと思います。  そこで、広告の問題、社用消費、俗に言い直せば交際費ということになりましょうけれども、この点についても、あわせて、いわばものの考え方、取り組みをこの際、あらためて、土地問題も含めて、抜本的に取り組んでいくんだということを、政府みずからが国民に明らかにする意味でも、相当思い切った取り組みをすべきではなかろうかと思いますけれども、簡単でけっこうでございます。その点を伺って質問を終わります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) この広告の問題、それから交際費の問題、これについては、法案の御審議のときにもいろいろ御質疑をいただき、政府の見解も申し上げたわけでございまして、まあ一つの考え方ではあると思いますけれども、なかなかこれも複雑な考え方がございまして、一方に割り切ってということについては問題が多いように思いますが、御意見のございますことは、従来から承知いたしておりますので、私どもとしてもいろいろとさらに検討いたしたい。  実は、流通税というか、間接税といいますか、これは税制のほうからのアプローチですが、先ほどもちょっと触れましたように、私は、間接税というものは非常に大切だと思うのです。将来ともに日本といたしましては。したがって、どういう形の間接税が国民的に受け入れられるであろうか、また私は、年来の考え方ですが、税というものは、簡素で率直でなきゃならない。そういう点からも考えますと、間接税というようなものは、たいへんいいところもあるのじゃないかと思います。私は、前々から申し上げておりますように、付加価値税というようなものを、あらためて提案する勇気はございません。しかし、間接税あるいは流通税、物や、あるいはサービスや、その他のたとえばまた印紙税というようなものは今日現存しているわけですが、これが現状にそぐうかどうか、税率や税額の点からいって。簡素で簡単で、そして国民的に理解を受けやすいような面で、ひとつ間接税を考えてみたいという点についても、相当の意欲を持っておりますことを申し上げておきたいと思います。いずれ、これらの点は、もう少し具体的に検討いたしまして、いま御質疑の問題等についても、政府としての見解を申し上げ得る段階が近づいているような感じがいたします。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 私の質問は、小さいことですから、大臣をわずらわすのは非常に恐縮だと思っているのですけれども、その点御了解の上お答えいただきたいのです。  一般庶民が、家とか土地を買いますね。そうすると、たとえば数百万円の金の出所でも、非常に税務署に、きびしく、徹底的に洗われるというか、追及されるわけですね。所得があいまいだということでやられるのはわかるのです。時には、プライバシーにまで踏み込まれるようなこともある。これはけっこうですけれども、ところが、金を持っている連中が、いわゆる金持ちが、かりに書画、骨とうを数千万、あるいは億の単位で買う。こういう場合には、その金の出所というか、その裏を追及されるということがあまりないようなんです。登録されてないからわからないと言えばそれまでですけれども。そういうことがあるのですね。ぼくの周辺でもずいぶんありまして、三千万円のつぼを買ったんですが、それは銀行のいわゆる隠し預金で買っているのですけれども、全然追及されないわけですよ。そうすると、これを一般の庶民から見ると、庶民にはきびしくて、金持ちには甘くて、かなり税の執行面というか、の中で、調べ方でも不公平で不明朗だという気がしていたわけですよ、いままでね。最近の例で言いまして、ルソーの「熱帯」という絵がありまして、これが日本に輸入されて、六億円だというのですよ。銀座のある画廊がだれかに売ったんですよ。正確な値段はわかりませんよ、画廊の言う話ですから。正確な値段はわからないんだけど、ともかく億の単位ですよ、世界的な、世界の宝と言われるような絵ですから。これは個人が買ったか、企業が買ったかわかりませんが、だれがこれを買ったか、つまり相手を調べることができるのですか。そういう権利があるのですか。まずそれをちょっとお伺いしたいのですがね、税務上……。

田邊昇国税庁直税部長

○説明員(田邊昇君) お答え申し上げます。  いまお話しの絵画とか骨とうなどにつきましては、現在の税務では、主としてそれを取り扱っております画廊とか、美術商など、こういう方は法人が多うございますが、そういう方々を中心として調査をいたしております。ところが、お話の趣旨は、個人がそういう画廊とか美術商にお売りになった場合の調査でございますが、これは……。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 買ったほう。

田邊昇国税庁直税部長

○説明員(田邊昇君) 買ったほうの個人の調査でございますが、現在のこういう種類の取引きは非常に特殊な相対のものでございますし、それから、現金取引が非常に多うございますので、御指摘のとおりなかなか調査はむずかしゅうございます。しかし、買った方は、必ず相当巨額な資金を必要とするわけでございますので、それは土地をお売りになったり、有価証券をお売りになったり、または預金をおろされるというようなことを通じまして、税務の調査の対象になることが間々ございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 要するに、買った相手はわからないということですか。画廊なり売った人が、相手の名前は税務署には教えなくて、それで済むということですね。

田邊昇国税庁直税部長

○説明員(田邊昇君) 画廊とか美術商の方は、こういう業界の特殊な慣行といたしまして、売られたという事実は、税務調査の場合には金額その他申されますが、相手方の名前をおっしゃることは非常に少ないわけでございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そこが釈然としないんでね、数億円のものを買う人なんというのはごくわずかですよ。特殊な人ですよね。その金がまともな所得申告で生じた金で買ったものであればもちろんいいし、あるいはまた内緒の隠し金で買う場合ももちろんあるでしょうし、その辺の事情を、庶民を調べると同じ姿勢で洗うのが、これ当然なんで、相手の名前を画廊なり、売った人が言わないから調べられないと、それで終わりだというのは、ぼくはどうも姿勢が一貫しないでおかしいと思うんです。ましてや画商とか画廊とか、それから、骨とうを扱っている連中は、国税庁お調べでわかるとおり、売買のやり方とか値段が実にあいまいでしょう。あいまいな上に、フェアーでない取引だから脱税すごくしているでしょう。脱漏所得というんですか。この間も脱税の番付じゃかなり出てきたけれども、これ昔からやっているわけですよ。売り手も買い手も、芸術というものを商品取引、芸術の取引の場で、非常にくさい金をあやつっているというのは、もうはっきりわかっているわけですね。  そこで、言いたいのは、かりにこの数億円の世界的名画を買った人が、これ脱税王かどうか知りませんよ、それは。まともな金で買ったかどうかは知りませんが、やはりこの場合に、画廊が売った相手を教えないからといって、ほうっといて、そのままにしてしまうというのは怠慢のような気がするわけです。  そこで、大臣に聞きたいんですがね、数百万円の土地買ったと、庶民は追及されると、中にはしぼられて、あとでえらい目にあう人もいる。しかし、数億円の絵を買えば、黙ってこれすんなり通っちゃう。どう考えてもこれ矛盾であって、こういう不公平に対して何の対策も考えていないのか、あるいはこれはもうしかたがないことだからほうっといていいことなのか、大臣自身はどう考えますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 税務執行のやり方からいって、なかなかむずかしいということは、お聞こえのとおりですけれども、かりにいま六億円という話がありましたが、一人の個人、法人でない個人が、六億円をキャッシュでルソーの絵を買うということになれば、私は、どっかでぼろが出ると思うんですね。これはその個人は何らかの意味で、何らかの税法の違反なり、あるいは犯罪のにおいの濃い行為をやっているに違いないんであって、これはだから、断固としてそういうものは追及するような措置をいろいろ考えてみましょう。同時に、このごろ案外法人が多いんです。法人のほうですと、いろいろのことで有能なる日本の税務官吏は適切な措置をやって、最近も相当やりまして、その結果などもあらわれておりますが、かなり手きびしく現実を把握してやっておりますことを申し上げます。具体的な事例は政府委員から説明いたしますが、ごもっとも千万だと、けしからぬことだと思いますから、ひとつこの上ともいろいろお知恵をかしていただきたいと思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 ぼろが出るといっても、だれが買ったかという相手が、画廊も言わない、しかも、税務上の捜査権もないというと、相手わからなきゃぼろが出ない、それまでで、けしからぬといっても、ことばで終わっちゃうんですよ。  そこで私は——これ税の問題だけじゃないです。世界的な宝と言われるような美術品あるいは骨とう品、こういうのは、やっぱり一般に見せるという義務があるわけで、世界には、いわゆる世界的芸術を私物化するというのは、もう一種の罪悪だという考え方すらあるわけですね。ですから、こういう特殊な、世界的なルソーの数億円もする絵が日本に入れば、やっぱりこれは文化的な意味からも、だれが買ったのかと、その人もたまにはだれかに見せてもいいじゃないかというのが、これは芸術ファンの残念とするところなわけですよ。  そこで提案するんですが、以前ぼくが、こういう投機化した書画、骨とう、いまは投機化はかなり冷えましたけれども、ああいう投機化するようないいかげんな取引やられている書画、骨とうに課税したらということを言いましたら、文化国家としては大臣はそういうことはできないということをおっしゃいまして、それはそれでけっこうですが、ひとつこういう売り手、買い手のあいまいな世界というのは、脱税にもつながるし、それから、こういうふうに買い手がわからない、せっかくの宝をだれもが見ない、こういうことは、どう考えても不自然だ。  そこで、一千万円以上、かりにですよ、一千万とかりに仮定して、一千万以上の価値ある書画、骨とうの類は、これ売買報告書というか、そういうものを出さすぐらいの、義務化するぐらいのことがあってもいいんじゃないかと、売り手、買い手の間でそういうものが移動することをはっきりさせることは、税務当局としても非常に、いままで一番あいまいで、脱税をよくやっていた連中に対して、公正な課税をやりやすくすることにもつながるし、それから、庶民感情としては、おれたちはもうきびしく、何が何でも税務署は罪人扱いにして調べるくせに、金持ちとなると甘やかされていると、金持ちにはいろんな抜け穴があって得だなというような不公平感をなくす上でも、必ずメリットも出てくるというわけで、一千万ぐらい以上の高額な書画、骨とうの取引には、正式な売買報告書、取引報告書といいますか、そういうものを出させるという、こういう案はどうかなと、こうまあ思っているんですが、大臣としてどうですか、反対、賛成含めて検討する価値ありと認めていただけますか、もしあるならば、そうやったほうが、ぼくは、これから脱税を防ぐ意味からも非常にいいことだし、それから文化的な、私物化するのを防ぐことでも、買った人がおれはいやだと言うならこれは別ですが、やはりだれが買ったかということを明らかにすることぐらい、別に何の迷惑もないと思うんで、ひとつこの案に対して大臣のお考えを聞いて終わりにしたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 建設的な御意見でございますからひとつ十分研究いたしましょう。  それからもう一つは、日本に買えるような文化財を政府で買うということも一つなんです。しかし、これもかつて参議院でも大問題になりましたが、国立美術館で、あればだれの絵でしたか、わざわざ予算を配賦して海外まで行って専門家が見て買ってきたら、それはにせものだったということで、参議院でもたいへんな御追及を受けたこともございますので、なかなかこの書画、骨とうとか芸術品の扱いというものは非常にむずかしいものであるということも考えなければならないと思いますので、ひとつ専門家の意見も聞きながら、建設的な御意見十分承って善処いたします。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 速記とめて。   〔速記中止〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 速記入れて。  本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 再び通行税法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 何回かいままで通行税については審議をしてまいりましたから、複合する点は削除いたしまして、要点三項目について質問をしてまいりたいと思います。  その第一点は、制度上の問題ですけれども、今回のこの通行税改正の附則の「この法律は、公布の日の翌日から施行する。」こうなっておりますね。ところが、国鉄運賃法は、これは本会議でもって修正されまして、三月三十一日までいわば延期ですね。実質的には四月一日以降実施、こういうことになりました。そうすると、運賃法の改正は四月一日以降、通行税法は、このほうは法律案でまいりますると直ちに発効ということなんです。ところが、適用対象がないんですね。これは制度上私は非常に疑問に思っておるんですが、これでよろしゅうございますか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) 政府が、現在の通行税法の一部改正法を提出いたしました段階では、御指摘のように、国鉄運賃に関係いたします法律と、通行税法とが同じ時期に国会で御承認いただけると、それから、運賃もその直後に改定をするということを前提としておったことは事実でございます。その後、いろいろお話し合いの結果、運賃法の施行の時期がずれたということでございますが、そのことを踏まえまして、いまの附則のあり方でよろしいかどうかということを、つい最近に研究いたしてみましたが、この法律は、御存じのように、現行ではB寝台が課税になりませんように、千六百円までは課税いたしませんということを、法律で規定しておりました法律形式を改めさせていただきまして、今後政令できめさせていただくと。ただし、政令で定める基準を法律上明らかにさせていただくという形式をとりました結果、今回この法律を通していただきましたならば、やはり予定どおり公布をさせていただきまして、そしてそれに基づいて、とりあえず政令を定めさせていただく。その政令は、従来の通行税法にありました千六百円と同じという形で定めさせていただく。  と申しますのは、千六百円以下でありますれば、B寝台にはかからないことになるわけでございますから、法律に書きました千六百円というのを、今度は政令のほうで千六百円というふうに書かせていただく。そして将来しかるべき時期に運賃が上がりまして、B寝台の値段が、たとえば千九百円なら千九百円に上がりましたならば、その段階で政令を改正する、将来ともそういうかっこうをとるということでございます。  今度の改正の趣旨は、いろいろ御意見はございましょうが、この点については、政令でその分を定めさせていただきたいという、形式的にはそういうことでございますので、それが予定外に政令を出す時期が早くなったということの変化は、今回の運賃法の改定の実施時期の変動に伴って、提出いたしました時点とは変化が生じましたが、私どもの仕事の面におきましては、そういうことをいたしますれば差しつかえがないというふうに判断をいたしておりますので、施行時期に関する附則につきましても、現在御提案いたしております形で御承認願いたいというふうに考えます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま主税局長説明された内容、理解はできるのですけれども、だけれども、これを直ちにこの法律で公布しますと、適用対象がないんですから、結局は四月一日以降実行ということになってしまうんですね。だから、制度上の問題として、運賃法の改正、料金改定、もちろんいまおっしゃられたように、ここも私、疑問なんですけれども、従来たばこの値上げ等については国会承認、それを政令委任事項に持っていったわけですね。非常に弾力的条項だろうと思うのですが、当時私は反対したわけですが。ですから、国鉄運賃の中に、いまの定義でいけば確かに運賃法、運賃だけというふうに限定されて、料金は別だということになりましょう。しかし、いまのこの国鉄内部の運輸収入のウェートからいけば、料金制度というものは非常に重要になってきておる。これが運輸大臣の認可条項で、政令事項に委任をしているということ自体も、私は制度上としては若干検討の余地ありというふうに考えておるわけですが、それはその内容として、いま主税局長が説明をされた内容について理解はするんですけれどもね、しかし、この適用対象がないんですから、結局、公布して発足をさせても、四月一日までそのまま遊んでいると言っては語弊があるけれども、そういう状況でしょう。だから私は、公布、施行月日は、運賃のいわば取り扱い上の問題として、運賃、料金改定後この発足をさせるという、制度上の取り扱いとして提案をしてくるのが当然のあり方ではないかというふうに考えるのですけれども、この見解は主税局長、どうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) 重ねて申し上げますが、今回の通行税法の一部改正法は、実態は、従来どおりB寝台につきましても、通行税の課税対象にならないようにしようという、実態はそれだけのことでございます。その際に、二つの法改正形式がございまして、従来のように、金額を法律、通行税法の中に明らかに書き込むと、そして運賃体系、料金体系が変わりますたびごとに、法律の御審議をお願いするというのが一つの考え方でございます。  で、しかし、もう一つの考え方といたしましては、いまお話もございましたように、何ぶん先般来、料金につきましては、国鉄総裁が定めて、運輸大臣の承認を得る事項に改められました結果等も関連いたしまして、大体どういうものから免税するかという基本方針を法律で明示していただいて、そして法律に明言されました方針に従って、幾らから免税するかということを政令で明らかにするという形式に変えていただくということを、今回の通行税法の改正法でお願いをしておるわけでございます。この考え方の是非につきましては、いろいろ御意見があろうかと思います。御意見があろうかと思いますが、私どもは、運賃法及び料金の定め方についての現行のあり方と、通行税法のあり方とは、この新しい方式のほうが整合性があるというふうに考えるわけでございます。  そこで、その形式を変えますのを、本来ならば必ずしも今回に限らず、昨年なり一昨年なりしかるべき時期に御提案することも考えられたわけでございますが、何もないときに御提案するのもいかがかということで、運賃の改定、それに関連する料金の改定の機会に、こういうふうに法形式を変えさせていただくことの御審議を求めることにいたしたわけでございますので、この機会にこれをお許し願いますならば、運賃の改定と関係なく、形式のほうだけ改めさせていただくということが先行することになるわけでございますが、実態としては、それで一向支障はないのではないか。また考え方といたしましても、それで私どもは政令でやらしていただいてよいのではないかという前提に立っております関係上、そういうふうにこれから半年なり、さらにそれより長い期間政令でやらしていただいて、法律的には差しつかえがないのではないかと確信をする次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 まあ担当局長が制度上支障なしと言うから、私もあまり深く検討しておりませんから、いずれいまの制度上の問題については検討いたしまして、今回は局長の答弁で了承いたしておきます。  第二点は、四十九年度全総額として二十八億、こういうことになるんですけれども、いままでのこの税制、制度上からいけば、たとえば自動車重量税ですね、これは明らかに目的税として制度化されて、したがって、その使用は道路整備その他に対して幾ばくかの税収の中から還元措置をとっているわけです。これは明らかに政策還元をしているわけであります。あるいはいまの交通違反罰則金、こういった問題についても当時違反金等の徴収金額については、明らかに交通違反防止あるいは安全対策、そういう問題について若干の使用を認める、こういう趣旨で制定されてわれわれも了承しているんですけれども、この通行税はサービス課税、そういうことが発生要因だとこう言っているんですけれども、非常に私は抽象的だと思うんですね。さっき大臣にもちょっと質問したんですけれども、まあそういう趣旨からいけば、いま国鉄では設備投資、機械近代化、あるいは保安体制の整備、各般の金を使うこの使用目的というものは一ぱいあるんですね。たとえば一つの、踏切の整備一つとらえてみても、非常に多い、そういうものを年次計画でもって整備していく。結局、金が先に立つんですから、そういう面で政策還元方式というものは考えられないのかどうか。非常にこの国鉄運賃値上げ等で多くの論議がなされましたけれども、いま公共負担もやれば、あるいは地方自治体に対する一定の還元金もある。そのわりあいに、この財政投融資とか、国家融資とか、補給金とか、若干やりましたけれども、まだまだこの自動車や港湾や各般の、あるいは航空とか、そういった同じ交通機関に対比して考えてみましても、国鉄に対する融資なり補給体制というものは非常に少ない。こういう面からいっても、そういう通行税に対する使用等については、もう少し前進をした形で考えなきゃならぬ。先ほど事務当局からそういう見解を聞いたのですけれども、どうもそのことによってひもをつけて国鉄を縛ることになるのじゃないか、そういうことは私はあまり考えられないのですけれども、それは国家事業としてやっているのですから。ですから、そういう面で、主税局長、この使い道を少し政策的に考慮はできないのか、この辺の見解はどうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) 国鉄は長年、主として運賃、料金、つまり受益者の負担ということで経営が進んでまいったわけでございます。で、国鉄に対して一般会計から助成が始まりましたのが昭和四十五年度からでございます。で、現在急激にその一般会計から一般財源として国鉄に助成をする金額がふえてきたわけでございますので、将来の問題といたしましては、国鉄の整備なり、経営難のために国から助成いたします金について、目的税的なものを考えまして、そしてそれによって国鉄の整備を進めていくというようなことが一つの考え方として出てくる可能性は十分あるわけでございます。ただ、現行通行税について考えますと、昭和四十八年度の予算で申しますと、国鉄に対して一般会計が出しております国鉄助成費は千六百九十九億円に及んでおりますし、通行税のうち、この国鉄関係から納めていただく、言いかえれば、国鉄の利用者から納めていただく通行税の額は、わずかに二十八億ということになっておりますので、全体のこの一般会計からの投入額と、その通行税の額とがあまりに開きが多きゅうございますから、もし何か国鉄の再建を促進するために目的税的なものをつくることがむしろ望ましいという御議論でありますればともかくといたしまして、現行通行税のうち、国鉄にかかる部分について目的税にするということにつきましては、いろいろ理屈の問題は別にいたしましても、現実の金額のこの大きさの点からいって、実はあまり意味をなさないのではないかというふうに考えるわけでございまして、現段階では、御存じのように、通行税は、歴史的な理由のある戦争中からのしっぽを引いた制度でございますが、それがそれでいいというわけではなくて、しかるべき時期にいろいろ考えなきゃならぬことは御指摘のとおりでございますけれども、どうも現在の通行税を目的税として考えるということは、主としてこの金額の点からぴったりこないという感じがいたすわけでございます。  なお、もう一つ申し上げておきますが、ガソリン税は道路の目的税ということになっておりますが、この場合は、およそガソリンを消費される場合のすべて、自動車によってガソリンを消費する場合のすべてが課税対象になっておりますが、通行税は、現在グリーン車と寝台車だけということに限られておりますので、一般税的な性格を持っておりませんものですから、そういう面からも、実は税の角度から見ますと、目的税になかなかなじみにくいという性格があることをつけ加えさせていただきます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 これは税関係だけを限定してぼくは考えないのですけれども、政務次官、これもいろいろ論議されてきたから、ぼくはここでやろうという気はないのですけれども、ただ問題は、諸外国のように、イギリスとかアメリカ——アメリカはまあ航空だけですけれども、イタリアとか各国においては絶対、通行税はいま実施しています。確かに。しかし、イギリスは違うですね。ですから、イギリスの例を見ますと、二十数項目の国鉄に対する投資ないし納付、そういう援助体制というものを事こまかにやっておりますよ。たとえば共済関係一つをとってみても、いま大蔵省としては一五%ほんとうは国が負担するということになって、あとは折半方式、四五%でいこうということになっているけれども、それは帳簿上の問題で、実際は、国鉄当局が六〇%負担している、こういうことになっているのですね。ですから、そういう面からいきますと、非常に国の国鉄に対する仕打ちというものは財政的には非常に冷淡だ。もう少しやはり新幹線全国ネットワークをしくということですから、大改造ですね、国鉄からいえば、一つの設備革新からいくならば大改造ですよ。まさに田中総理が提唱している列島改造以上のそういうものをやろうとしているのですから、そういう状況の中で、特別の措置を打ってもいいのじゃないか。せめて、イギリスまでいかなくても、私は日本流に、条件をいろいろ検討して、そこでいろいろな財政投融資ばかりじゃなくて、政府の一般財政から、あるいはそういう名目的ないわゆる通行税なども含めて、総合的に検討する時期ではないか。そうでなければ、財政再建計画で、とにかく十五万人首を切っていくのですからね、実質的には。もう大要員削減ですよ。私はこれは安全体制からいったらたいへんなことになると考えているわけですけれども、しかし、そういう立場に追いやっているわけですから、いまは。そうすると、輸送の安全体制からいくと、これは最大モットーですから、そういう面もたいへん危険な状態に追いやられているということになりますから、いずれにしても、財政全般からも、そういう面を十分検討する時期じゃないか、こういうふうに私は考えるのですけれども、これは政策問題ですから、大臣おりませんから、政務次官、そういう点ひとつ確信のある前進的な答弁をお願いしたいと思います。

山本敬三郎自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(山本敬三郎君) たいへんむずかしい問題のお尋ねでございますけれども、確かにイギリスのように、公共負担でありますとか、あるいはローカル線の赤字分でありますとか、その他の個別の点に着目して、国鉄を助成するという方式もありましょうし、また日本で十カ年計画で組んでおりますように、国鉄が今日の赤字をもたらした最大の理由の一つは、道路投資その他に比べて国家投資が非常におくれていた、近代化投資がおくれていた、こういう点に着目して、初めて十カ年で一兆五千億を上回る出資をいたしましたり、補助をいたしましたり、孫利子の補給をするという形で十カ年で三兆六千億を投資する。イギリスの財政投資の金額や、フランス等の金額と比較をいたしましても、まだ及びませんけれども、かなりそれに近いものになっているわけであります。もちろん十カ年計画と申しましても、変動する経済社会でありますから、計画どおりいくとは限らないわけであります。その十カ年の間には、変化に対応する弾力的な措置も必要ではあろうかと思いますけれども、十カ年後の国鉄の現状というものは、確かに累積赤字の二兆六千億も残りますし、また借入金も十兆円を上回る状況でありますが、そのときにおける国鉄の収入とのバランスを考えていきますと、現在よりもはるかに健全な状態になり、したがって、独立採算制で公共企業体としての、公共性を満たせるような立場になれるだろうという見通しのもとに、現在の国鉄財政再建措置を講じているわけであります。御趣旨のほどは、今後の十カ年計画は、経済の変動に応じていろいろまた修正されていく場合もあろうかと思いますが、そういうときに、十分御趣旨を体していくべきものだというふうに考える次第であります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この一点で終わりますが、現行国鉄内部における通行税の収納事務は、どういうふうに取り扱っておりますか。その辺ちょっと説明してください。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 通行税の納付手続の問題に関する御質問でございますが、ごく概括的に申し上げますと、駅の窓口で売って、その対象になった額、これを監理局に全部まとめまして、そして各監理局のものを一括して本社で計算いたしまして、本社が麹町税務署に一括して納付すると、こういうことでございます。  なお、多少詳しく申し上げますと、まず駅の出札窓口で通行税の対象になっておりますグリーン券と、それからA寝台券、これを発売した場合には、これは一般乗車券と同じように、乗車券簿というものによって発売枚数がわかるわけでございますけれども、これに金額を乗じまして、収入の整理を行なって、月報でもって監理局に報告するわけでございます。で、今度は、監理局ではこれを本社に送付いたしまして、本社でこれを集計した上、全部の対象の料金合計額に十一分の一、これを乗じまして通行税額を算定する。で、これを一括いたしまして、翌月の末日までに、先ほどの税務署に納付するわけでございます。で、これは概算納入でございまして、その後、駅の窓口だけじゃなくて、車内で車掌が発売したり、あるいはまた払い戻し額というようなものもございます。そういうものを今度は精算という形でもって、そのまた翌月の末に精算納入をするという形になっているわけでございます。  なお、つけ加えて申しますると、駅の手数でございますけれども、駅では、御案内のように、収入整理上、発売の切符の種類ごとに収入額を算定する必要がありますから、通行税納付のために特別手数をかけなくても、先ほど申し上げた額が算定できる、このようになっておるわけでございます。  以上でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 その事務取り扱い上、職員のオーバー労働なんかにはなっておりませんか、その辺はどうです。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) この取り扱いのために特別オーバー労働になるということはまあないと考えるわけでございます。なお、駅で手で売っておる切符のほかに、このごろはだんだんコンピューターでもって発売するというケースが多くなってきているわけでございますけれども、これはまあ自動的に先ほど申し上げました計数が算定されると、こういうことになっておるわけでございます。  なお、オーバー労働の点でございますけれども、精算のために若干要るじゃないかと、こういうことでございますが、その点につきましては、大蔵省のほうと協議いたしまして、できるだけ簡易にそれができるような方法でもって、その精算事務も簡易合理的にやる方法を講じてやっておると、こういう次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 十カ年計画で十五万人も要員削減へ追い込まれていくわけですから、その主体はどうしても営業部面にくるんですね、あるいは事務部面。どうしたって最低運転保安確保上こちらのほうは限界がありますから、どうしてもそちらへしわ寄せがくる。そういうことになりますと、いまですら業務量の密度というものはおおむね二百倍、こういうことになっているんですから、そういうものにこういう微収事務がどんどん入ってくる。これはなかなか事務の機械近代化というものは国鉄内部でもそう極度に進んでいるわけじゃないですね、いま、実情としては。いまの説明じゃコンピューター方式でということがありましたけれども、それはどっかの集約事務、そういったところに存在をするだけであって、個々的に職場で発売をした、あるいは車掌が発売した、そういうものの集約はやっぱり自営的にやられるわけですから、そういうものについて相当なやっぱり私は事務ベースの面でノルマが食われていると思うんです。だから、こういう問題については、国鉄当局自体にも十分要員配置等について配慮を願わなければいけませんし、同時に、そういう事務の機械近代化等について、一応大蔵省としては委嘱をしているんですからね、早い話が。当然だなんて思ったら、いまの憲法上……。そこまで飛躍した話はしませんけれども、徴収事務というのは、本来納税者が個々的にやるのがあたりまえなんで、それを事務所や何かでこう全部負担してやっているわけだけれども、そういう意味から言っても、その辺の、何といいますかね、一つの機械近代化等についての大蔵省や何かでの改善の配慮策というものはありましょうか。

住田正二運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○政府委員(住田正二君) 先ほど御指摘のありました十一万人の合理化というものは、これは相当の努力が要ることじゃないかと思っております。やり方といたしましては、御承知のように、首切りをやるわけではないのでございますけれども、退職者をこのあと埋めないということのためには、相当の近代化をやっていく必要があるわけでございます。今回の十兆五千億の投資の中でも、できるだけ優先的に近代化あるいは省力化できる面に投資をして、無理のない人員削減を行ないたいと、そのように考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 この通行税法の一部改正は、毎回やられていることでもありますし、まあ重複をなるべく避けまして、二、三点お尋ねをしたいと思います。  今回の通行税法の一部改正案の内容は二点だけです。その第一点は、附則の追加など形式的な条文整理でありますけれども、第二点は、運賃法の改正に伴って、従来課税対象外であったところのB寝台の下段料金が、千六百円が千九百円に値上げになるというようなことで、千九百円以下のものは全部非課税範囲にするというために、今度「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金トシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク」と、こういうことばに変えたわけですが、まあいままでは「一人一回ニ付千六百円ヲ超ユルモノニ限ル」ということですから、本来ならば、先ほど御答弁のように、「一人一回ニ付千九百円ヲ超ユルモノニ限ル」として、毎回国会審議の対象にするのが、私たちは順当であると思いますけれども、今回は政令に白紙委任をしたということが非常に特徴的なことでございます。で、衆議院の答弁でも、法律として表現する中身との関係で適当な表現がうまくできなかったとか、金額の表現は少々ぼけているけれども、法律の精神は非課税であるという明快な精神であって、決して租税法定主義のたてまえはくずしていないと、こういうような数々の答弁をしておりますけれども、特に、租税法定主義のたてまえから見れば、非常にこういう言い回しは重大でありますし、こういうあいまいの答弁じゃなくて、もっと納得のいく、理解のいく説明をお願いしたいわけです。ですから、われわれが感ずるのは、今後十年間に四回の国鉄運賃の値上げがあるだろうと、そのたびにこの大蔵委員会にこの通行税法の一部改正案が示されるのではめんどうだ、ややこしいということで、今回でこれは打ち切ろうという安易主義がその底にあるんじゃないか、このように感ずるわけです。ですから、そのために厳格な租税法定主義というものがくずれているんじゃないか、このように考えるわけです。  この租税法定主義の問題について、関係は少し違うかもしれませんけれども、まあ似たようなことが昨年論議されたわけです。というのは、関税定率法の改正のときに、関税局長は、答弁の中でいろいろおっしゃったわけです。その中で、ちょうど昨年は、大幅な黒字の外貨対策に対して、非常に政府が頭を痛めていたときでありますから、円対策七項目、あなたのほう外貨対策を立てたわけです。そのときたまたま七項目の中に、輸入関税の引き上げ等に関連しまして、輸出入関税の税率をそのつど法律改正によらないで、適宜適切に政府の権限で調整できるように政策的に一応考えられたわけでありますけれども、この点の質問に対しては、関税局長は明確に、関税定率法の改正の中でも明確に、租税法定主義の基本にかかわるものであり、政令委任にはできないと、このように関税局長は答弁されているわけです。内容は違いますけれども、やはり同じような関係で、こういう表現で今度国鉄運賃法の改正があっても、政令の白紙委任によって幾らでも変えられるということになりますと、私は、これは租税法定主義のたてまえをくずすんじゃないかと、このように考えられてなりません。この点をどう考えておられるのか、ひとつ明確にお答え願いたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) 租税法定主義は、税の制度におきまして一番大事な問題だというふうに思っております。その場合に、どこまで法律で書くかと、どこまでをある程度行政府におまかせいただくかという限界の問題は非常にむずかしいところでございます。で、現行の制度におきましても、そこは必ずしも統一的に整備されているということを言い切れないと思います。各税法の沿革なり何なりによりまして、多少のニュアンスの相違が出てきておるわけでございます。その精神はあくまで租税法定主義の考え方に立つべきものと存じますが、その場合に、どこから課税になるか、どこから非課税になるかというような限界を引く場合に、その限界を引く線を、たとえば金額なら金額で表示をする、あるいはまた物品税において一部見られておりますように、規格非課税と申しまして、規格によって明快にしておく、いろいろな方法があるわけでございます。そこで、金額で限界を定めます場合に、法律にきちっと金額を表示する方法が一つの方法でございますが、やはりある程度、法の精神に従いながら弾力的に措置できるようにさしていただいておいたほうが、いい場合もあるわけでございます。たとえば一例をあげますと、現在通勤手当について一定の金額以下のものは非課税ということになっておりますが、最近これを直しましたが、人事院の勧告によって通勤手当の額がふえるということになったことと関連いたしまして、公務員に関係なく、一般的に通勤手当の幾らから非課税にするかということを改めまして七千円にいたしました。これは制度上政令で定めることをお許し願っておりますので、それを随時やらしていただいたわけでございます。今度の寝台の問題につきましても、事の性質としては、非常に通勤手当の場合に似ているというふうに私どもは考えます。で、法律でぴしゃっと「一人一回二付千六百円」というふうなきめ方もございますし、大体要するに、B寝台は課税しないことにいたしましょうというきめ方もございます。先ほど御引用になりました衆議院での答弁が明確でないというおしかりを受けましたが、実は、B寝台ならば課税にならないんだなというふうに明確にもし書き得るならば、それが一つの方法であったわけですが、それが法律技術的に非常にむずかしいということで、「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金トシテ」云々というような、やや回りくどい表現になりましたので、その点表現が十分でございませんが、という御説明をいたしたわけでございます。しかし、この法律のきめ方は、要するに、一般の方が利用されるB寝台は、もうこれは通行税の対象でなくてよろしいではないかというルールを国会でおきめいただいて、そして「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金」というのは幾らなんだ、千六百円なのか、千七百円なのか、千八百円なのかということは、それはそのときそのときの国鉄のほうの料金規程に右へならえをしてきめさしていただくということにするのであれば、これは租税法定主義から決してはずれるものではないという考え方で、こういうふうに変えさしていただくということをお願いしているわけでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 いま局長は、通勤手当課税と似ているからという例を引かれましたけれども、私が先ほど引いた、いわゆる輸出入関税の税率の問題と比べて申し上げたわけです。そのときは、関税局長は明確に、租税法定主義の基本にかかわるものであるから、政令委任にはできないと答弁されているわけです。私は、この通勤手当課税の問題もありましょうけれども、むしろこの輸出入関税の税率、関税定率法の改正のときと、非常に似ているんじゃないか、むしろ私はそう思います。なぜあのときは租税法定主義の基本にかかわるとして政令委任には拒否して、今回は何だかちょっとわけのわからない「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金」なんて、これがB寝台だとは、普通の方はちょっと読めませんけれども、そういうことをあえてしてまで、こういう政令白紙委任にまかしたのか、その意味がどうしても納得できない。従来どおりでよろしいんじゃないんですか、千九百円までは云々ということで。どうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) 関税定率法との関係は、ただいま御指摘になっております点、まことに申しわけありませんが、どの条文のどの部分についてそういう答弁を関税局長申し上げたか、私つまびらかにいたしておりませんので、それとの比較による御説明は御勘弁いただきたいと思います。  で、この現在の通行税について、いまの現行法の方式でいいではないかという御指摘でございますが、私は、それは間違いだとは言えないと思います。従来もそういうふうにしてきたわけでございますから。従来どおり千六百円という金額を千九百円にして、改めてやっていくという方法も、それは決して租税法定主義から逸脱したものでも何でもないので、そういう技術もある、方法もあると思います。しかし、現在のところ、そういうふうなきめ方をいたしませんでも、この「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台」ということばそのものは、確かに不明確でございますけれども、それがいわゆるA寝台とB寝台という概念を前提として、B寝台については課税しないということになさいと、それでそのB寝台の額だけを政令で書きなさい、こういうふうに国会からおまかせ願うというのは、私は租税法定主義に決して反することではない。先ほどちょっとおことばの中に白紙委任とおっしゃいましたけれども、決して白紙委任をお願いしているわけではなくて、B寝台の料金に対応する部分までは、これはひとつ政府にまかせるから、これは非課税にせよというふうに法律でおきめいただくということでございまして、決して政府が、かってにいろいろとできるわけではなくて、そこでその範囲内でしかできないわけでございますから、そういう表現をとることも、千何百円という表現をとることも、租税法定主義との関連において、法の趣旨としては変わるところはないと確信をいたすのでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 重ねて申し上げますけれども、この通行税の免税点、非課税限度額を明記しないで、政令に委任するという三条改正は、まあいま局長は、るると租税法定主義の基本原則をおかさないという答弁でございますけれども、どうも今回の改正のねらいは、この今回の運賃改正に伴うところの国鉄財政再建計画案の中で、今後十年間に四回の運賃値上げを予定しているわけでございますけれども、運賃改正のつど、あわせて通行税の改正案を大蔵委員会に出すのは、どうも手数がかかると、そのたびに物議をかもして政府の不利になるという考えから、国会審議の対象としないで、ここで政令に委任してしまおうという安易な考えから出ているんじゃないか、発想はそういうところから出ているんじゃないかと私たちは疑うのです。ですから、あらためてまた質問しますけれども、このB寝台ということの説明にしましても、どうも非常に苦しいような説明、「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金」云々と、こういうことでは、われわれは研究すればわかりますけれども、一般乗客の方はこれはわからないわけでございまして、そういうことをあえてしてまで、こういう政令委任にしたということは、何らかそこにやましい考えがあるんじゃないかと疑いたくなるわけですが、これはどうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) やましい考えはないつもりでございます。これは二つ問題がありまして、この点を金額で表示をするか、非常に政府に限定的な範囲内で、金額で表示をしないで精神で表示をしていただくかということの相違であると思います。私どもは内部で確かに議論をいたしまして、この今回の改正法をお出ししますときに、こういう形式にいたしますか、それとも千九百円というふうに従来どおりの形式にいたしますかということは、実は、事務的にも内部でさんざん議論をいたしました。やましいと思われるではないかという点も含めて、研究いたしましたのでございますけれども、どうも租税法定主義ということばをどう理解するかということは、いろいろな方が、学者を含めていろいろ言っておられますけれども、私どもとしては、この程度のものは、精神を法律の上に明確にすれば、これはひとつおまかせをいただきたいということを含めて、租税法定主義を御理解願いたいというふうに思うわけでございまして、現行の、先ほど申しました通勤手当のきめ方以外にも、実はいろいろと所得税法なり、法人税法なりで政令できめさしていただいている事項がございますが、そういうものと比べ合わせてみましても、決してこのきめ方は、われわれがやましい考えを持っていることのあらわれだということではないというふうに御理解いただけると、確信を持ってこういうふうな法の改正案を選んだわけでございます。いろいろそのような御議論は、租税法定主義につきまして、そのつど御議論があるわけでございますが、私どもとしては、この表現方式は一つの正しいやり方であるというふうに思っておることを重ねて申し上げます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 それでは政府は、このB寝台を「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金」という名前を使ったことに対して、B寝台の売り上げ金額とか、利用人数とか、利用料金なんかをあげて、衆議院では、一般乗客なんだということで、これは妥当であるという説明をしておりますけれども、これはいろいろ調査してみますと、正当な根拠にはならないのじゃないか。改正案第三条のこの条文が、イコールB寝台であるという解釈は、あくまでも政府いわゆる提案者側の一方的な独断解釈であって、すなおに見ればこれはちょっとおかしいんじゃないかと思わざるを得ないわけです。  で、国鉄側の答弁によりますと、客車のA寝台は現在三千六百セット、B寝台が四万七千七百セット、電車のB寝台が九千二百セット、なるほど数の上ではBが多いわけでありますけれども、利用効率を見ますと、A寝台が平均九二%でB寝台が九一%と、こういうほぼ同数という数が出ているわけです。ですから、利用効率から見ますと、また大体満ぱいであるということが言えます。B寝台に空セットがないとAセットに移乗する乗客の方も非常に多いわけでございまして、このような利用率の状況では、担税力があるとかないとかという理由で区別する、あるいは一般乗客云々という名前で区別するということもちょっとおかしいのじゃないか。この辺はどうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○政府委員(高木文雄君) この「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金」という表現があまり読んだだけですぐわからないという点は御指摘のとおりでございます。で、この表現のテクニックについては、いろいろもうちょっとうまい方法はないかということを考えたのでございますが、現在は、寝台料金は国有鉄道運賃法の九条の二というところで、「日本国有鉄道が左の各号に掲げる運賃等を定める場合においては、運輸大臣の認可を受けなければならない。」というのがございまして、その五号に「寝台料金」ということばが出てくるというのが、他の法律にあります法律上の用語でございます。で、結局これは、国鉄総裁がきめて、運輸大臣の認可を受けて寝台の料金をきめるわけでございますが、そのうちのB寝台という実態を、何かもう少しこれ以外の方法であらわす方法はないかということをいろいろ研究いたしましたが、どうもいい用語がなくて、こういうことになったわけでございまして、その点は私どもも必ずしも満足をしている用語の使い方ではないわけでございます。ただ従来何回かの改正で、ここの部分につきましては、いつもB寝台の料金と同じ料金をここへ引っぱって改正をしてまいりましたから、それを形式的にこういう形に直さしていただいておるのでございますので、その事実と、この用語とあわせ考えていただきますならば、それはB寝台を意味するということで御理解を願えるものというふうに、政府部内では法制局を含めまして、まあ残念ながらこれ以外にいい用語なしということでこれを選んだわけでございます。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  通行税法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方は挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は、九月二十五日とし、本日はこれにて散会をいたします。    午後一時二十八分散会      —————・—————

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