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71回国会参議院1973/06/28

大蔵委員会 第24号

発言数
80
登壇者
8
会派数
4
開催日
1973/06/28

会議録

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る六月二十一日、野々山一三君が委員を辞任されたのに伴い、同月二十五日に西村関一君が選任をされました。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 次に、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。  ただいま御報告いたしました委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に成瀬幡治君を指名いたします。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 速記とめて。    〔速記中止〕

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 速記起こして。  愛知大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 最近起こりました大蔵省職員の非行容疑事件につきまして御説明を申し上げ、また、まことに遺憾に存じますので遺憾の意を表明いたしたいと思います。  昨年九月、殖産住宅相互株式会社が東証第二部上場のために、九百四十万株の増資を行ないました際に、岡村証券監査官は、新株を、公募価格でありまする一株千二百五十円で取得いたしました。これは有価証券届け出書の審査等に関連しての収賄との疑いによりまして逮捕されたものでございます。  職員の非行防止につきましては、日ごろから厳重に注意を喚起しておりましたが、今回このような事件が発生いたしましたことは、まことに遺憾でございまして、今後さらに綱紀粛正を厳格にして、二度とかかる事態が起こらないよう厳重に留意してまいる考えでございます。  また、上場につきましては、上場基準の強化等、種々の措置が講ぜられてまいったところでありますが、今回の事件を契機といたしまして、株式公開制度のあり方について基本的に再検討を加え、所要の整備をはかりたいと考えております。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) ただいまの大蔵大臣の発言に対する質疑は、後日これを行なうことといたします。     —————————————

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 次に、国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。愛知大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  最近における社会的要請に即応して、国有財産の無償貸し付け及び減額譲渡等をすることができる場合を追加するとともに、国有財産の有効利用並びに管理処分の適正化及び合理化をはかるため、国有財産法及び国有財産特別措置法の二つの法律について、改正を行なう必要がありますので、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、国有財産の無償貸し付け制度及び減額譲渡または減額貸し付け制度の拡充をはかったことであります。無償貸し付けの対象として、(一)社会福祉事業施設等のうち、保護施設、児童福祉施設、老人福祉施設、身体障害者更生援護施設、精神薄弱者援護施設及び更生保護施設で、一定の要件に該当するもの(二)災害による著しい被害、児童・生徒の急増等特別の事由がある地域にある義務教育施設等を加えるとともに、減額譲渡または減額貸し付けの対象として、(一)公害防止事業施設(二)スポーツ施設及び目防災施設のうち、政令で定めるものを加えることとしております。  第二は、普通財産の処理の特例について合理化及び改善をはかったことであります。  まず、道路、河川等の公共の用に供している財産で、地方公共団体等がその維持、保存の費用を負担し、または代替施設を設置したものについて、その用途を廃止した場合に、当該地方公共団体等に譲与することができる財産の数量の算定方法を合理化することとしております。  次に、普通財産である老朽居住用建物を地方公共団体が取りこわして整備する場合の延物及び敷地の譲渡の特例に関し、その要件を緩和するとともに、その敷地の譲渡価格について合理化をはかることとしております。  また、居住用施設として貸し付けている特定の普通財産について、その処理の促進をはかるため、買い受け勧奨制度を設けるとともに、これを売り払う場合の延納期限を現行の十年から二十年に延長することとしております。  第三は、国有財産の管理の合理化をはかるとともに、国有財産の有効な利用に資することとしたことであります。行政財産につきましては、現在貸し付け、または私権を設定することは、一切できないこととなっておりますが、国が地方公共団体等と建物の合築をする場合及び地下鉄等に使用させる場合には、その例外を認めることとしたほか、管理委託のできる対象を旧軍用財産から普通財産一般に拡大する等所要の措置を講ずることとしたことであります。  なお、本法律案により無償貸し付けの制度を拡充したことに伴い、社会福祉事業等の施設に関する措置法(昭和三十三年法律第百四十二号)により措置されている施設につきましては、すべて改正後の無償貸し付け制度の対象となりますので、同法は廃止することといたしております。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 最初に、先ほど大蔵大臣から遺憾の意を表されました殖産住宅の点でございますが、なるほど検察庁で取り調べ中でいろんな問題があると思いますが、しかし、いままでにこういうケースは初めてでございますが、いままでこういうような公開株がどのくらいあったかというような件数なり、それから、それがどんなふうになってきたかということ。それから、問題は、やはりあなた方も反省をされて、今後こういうことについて留意しなくちゃならぬと、こういうことをおっしゃっておりますが、こういうことについていままで担当官一人がチェックしていったものか、許可になるルートと申しましょうか、その処理のしかたというものは、どんなふうにしておったかということで、もし図解入りか何かで資料がお出し願えればそれでいいじゃないかと思います。  それから、今回の事件でいままで知り得ておる概要、たとえば、いつお出し願えるのかわかりませんが、その知り得ておる範囲内の資料というものを御提出願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま御要請のございました資料、現在までの上場の際における各種のやり方等につきましての実情、それから、それの図表で示す説明書、それから今回の具体的な事件につきましての知り得る限りの状況等は、できるだけ誠意をもって早急に提出いたして、御審議の便に供したいと思います。  同時に、現在第二段の具体的の件につきましては、被疑者が逮捕されておる関係等もございまして、大蔵省としても独自の調査には、あるいは若干の、数日あるいは十数日の時間の余裕をいただきませんと、的確な状況の御報告ができかねるかと思いますけれども、誠意を尽くして御要請にお答えいたしたいと、かように存じます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 それと、資料が出てまいりましたら、あるいはまたそれに関連しながら資料要求等をするから、その節はひとつよろしくお願いしたいと思います。  それでは議題になっておりますこの法律案についての若干質問をいたしたいと思います。  管財局から理財局になったのは、国有財産が少なくなったというようなことが大きな理由だろうと思いますが、いままで、これは資料要求でございますが、約昭和四十年ごろから、一応払い下げられた国有財産あるいは皇室財産、そしてそれを払い下げられた先、そして用途指定がついておると思いますから、用途はどういうわけでやったかというようなことについて、あるいは価格でございますが、を資料として御提出が願いたいと思います。ただし非常に小さいものはいかがかと思いますから、まあ面積はどのぐらいか、あるいは価格はどのぐらいか、その辺のところは、私は、理財局のほうで取捨選択されてけっこうでございますから、価格で切られるか、あるいは面積で切られるか、それは適当な処置でいいと思います。そういう全部といえばたいへんなことだと思いますから、適当なところで切られた資料をお出し願いたいと思います。いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 御要請に応じまして資料をできるだけすみやかに提出いたします。全部ということになりますと、御質疑のようになかなか広範に及びますから、まず事務当局において、ある限界をおきまして、大きなものを提出し、それから御要請に応じ、あるいは特殊と認められるものにつきましては、同時に資料を提出する、こういうことにさせていただきたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 国有財産の処分、まあ物価、いろんな問題で地価の問題、いろいろとございますが、これは大蔵大臣というけれども、国務大臣として御答弁いただきたいわけでございますが、一体、地価対策、土地対策と申しますか、そういうようなことに関して、政府として将来への展望を含めてどういう対策を持っておみえになるのか。まず、そういう、何と申しましょうか、大方針と申しましょうか、とにかく地価がこれだけ上がっちゃあたいへんじゃないかということは、だれでも言われていることでございますし、いろいろと政府のほうもそれに関連した新全法などを御提出になっておったり、あるいは列島改造論というようなこともいわれているわけでございますが、ともかく土地政策と申しましょうか、土地をどういうようにするのか。いわゆる所有権の問題等にも関連があるのかないのか。ただ単に地価を押えるのだという、そういうことばだけでは、私は済まされない問題だと思いますから、そういうような問題について、どんなふうにお考えになっているか、まず御意見があったら承りたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 今回、ただいま御提案を申し上げました法律の改正というものは、そもそもが国有財産の管理、処分というものは、財政法に基づきました基本的な観念から出発いたしました国有財産の管理についての基本法でございますので、その基本法をさらに一そう適正化を期したい、合理化をはかりたい、そして国有地の有効利用に資したいということを目的にいたしているものでありまして、これが国有財産、特に、土地につきましての基本的な政府の考え方でございます。同時に、この基本法の改正につきましては、現下の国民的な大問題でございます土地問題の処理ということにも、寄与し得るようにということを配慮している次第でございまして、これが同様に、政府としての基本的な考え方である、こう申し上げてよろしいかと思います。  これを一言にして申しますと、国有地につきましては、一そう公用、公共用に活用するということを基本的なたてまえにして、そのたてまえに基づいて今後管理、処分をきめてまいりたい、こういうふうな考え方でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私は、国有地を今度無償にしたり、あるいは減額譲渡したり、いろいろするわけですが、それはそれで、公共用に活用するということはそれでいいことだと思います。しかし、土地全体がそういうふうに公共用になってくる、あるいは民間に払い下げてくる、あるいは公益事業等に払い下げてくるということになってまいりますときに、土地というものを将来どういうふうに地価対策——地価が上がっていくというのは、将来下がる見通しがあるというなら話は別だと思いますけれども、どうも地価というものは永久に上昇を続けるのじゃないかというふうに考えておりますから、そこで、土地の所有権などに何らかの制約を加えるというようなことを考えてまで、土地問題に対処しようとしておられるのかどうか。何にも考えずに、地価を押えなくちゃいかぬわいというようなことで、あるいは需要があるんだから、それに対して供給を増していきさえすればそれで問題が解決するというような、そういう供給の中に国有地を入れて、それでいいんだというような政策をとってみえるのか、とろうとされようとするのか、その辺のところがちょっとわかりかねますから、たとえば道路をやろう、あるいは公共事業をやろうというときに、土地収用法なんぞと強権を発動する場合に、もっと強権を強くしていこうというような片方には考え方がある。いわゆる私有権に対して制限を加えていこうというような考え方があるわけでございますが、それは単に収用だけの問題なのか。もっと言えば、全般的な土地所有権に対してまで制限を加えようとされておるのかどうかですね、その辺のところの考え方が承りたいと思う。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず、土地全体に対する対策としては、これは別に御審議を願っております国土総合開発法の系統といいますか、法体系の中で対策を考えているわけでございまして、これは憲法の関係から申しましても、私権の制限ということのぎりぎりのところまで政府としても考えていきたい。たとえば、土地の利用計画をきめ、あるいは具体的には都道府県知事が土地の譲渡等について、好ましからざる譲渡が行なわれようとするようなときに、勧告をして、勧告に応ぜざる者に対しては、一般的にその経緯等を国民に対して明らかにするということで、その効果を発揮させようというようなところをくふうしておりますのは、やはり土地の国有化というようなこと、あるいは私権の制限というところまではいかないぎりぎりのところで、政府の立場において地方公共団体の協力を得て、好ましい方向で土地の活用がはかれるようにしたい、同時にそれは地価対策の面におきましても相当の効果が発揮できるであろう。同時に、税法その他におきましても、補完するいろいろの措置を講じたい、こう考えておるわけであります。  ところで、国有地につきましては、現に国がこれを所有しているわけでございますから、この点は、一般の私有地の場合とは全然基本的な条件が違いますから、当面のいろいろの要請にこたえて、国の管理や処分については、一そう現下の要請にこたえ得るように、先ほど申しましたように、公共用に活用できるようにということを一番の主眼にして管理運用をいたしてまいるべきである、こういうふうに考えているわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 憲法との関係がございますから、私権というものの制限はたいへんむずかしい問題だと思います。しかし片方では、ものの考え方として、一体、土地を商品としてこれを認めて、いわゆる利潤の対象として認めていくという、そういう政府は今後も姿勢を貫かれようとしておるのか、それとも、土地というものは一般の商品とは違いますよという、そういう立場に立って、土地問題に取り組まれようとしておるのかどうかですね、もっと私は突っ込んだ御意見がと申しますか、方針というものが承りたいと思うわけです。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申し上げておりますように、この問題は、国土総合開発法等の関係においてもっと深刻に論ぜらるべき問題であると思いますけれども、私の考えとしては、政府としては、土地については他の商品等とは異なるものである、こういうやはり基本的な考え方でもって、そして他の商品等に対するとは違った姿勢で、特に、現下の情勢におきましては対処すべきであるという考え方から、土地の処分その他については相当の規制を加えていくべきであると、こういう考え方が基本になっている、こう申し上げて差しつかえないのではないかと考えるわけでございまして、その規制ということがあるいはなまぬるいというような、具体的な方法論としてはいろいろの御批判、御論議もあろうかと思いますけれども、政府としては、先ほど申しましたように、憲法の趣旨、精神とぎりぎりのところに接点を求めまして、社会的な要請にこたえていこうというところが、明らかに土地に対しては、他の物件に対すると違った基本的な意識を持っているということのあらわれであると、こういうふうにお考えいただいて適当ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 税法で、今度改正されたその土地の利益に対する重課みたようなやり方というものは、これは一つのあらわれだと思いますが、そうではなくて、取引に対して何らかの制限を加えていく、そういうことまでお考えになっておるのかどうか、いわゆる売買に対して。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) その売買ということに関連して、先ほど申し上げましたように、たとえば勧告をする、そして勧告に従わない場合においては、これを公示するということによって、道義的と申しますか、そういう角度から取引に規制が加えられる、これを法律的に、たとえば勧告に従わなければ収用するとか、あるいは処分の取り消しを命ずるとかいうところまではいっておりませんけれども、勧告、同時にこれを公示するというようなことで、私のことばで言えば、ぎりぎりのところまでの接点を見つけ出して、これで効果をあげようということは、いわば取引についての一つの制限的な規制的な効果をねらっているものと、こういうふうに考えてもいいのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 金融でチェックをしていくとか、あるいは税でチェックをしていくとかいうようなこと、今度は面積によって、取引の許可制と申しますか、認可制にしていくというようなことがずっと進められていくと思いますが、他方では、土地を持っている人が売りたいというような場合に、それをだれが今度は買うかというような問題になってきたときに、国が買っていくと、ですから、あるいは市町村が購入するというようなことまで、行く先々考えておみえになるのか。いわゆるいままでは国有財産というものは、大体売っていくほうが多いわけです。買うということが非常に少ないわけでございますが、そういうようなことまで考えておみえになるのかどうか。そういう対策まで織り込んでいろいろなことを考えているのか。土地を持っている人の立場でいえば、自分は売りたいと思っているということになるから、片方では買う人も出てくると思うわけです。ですから、その辺のところはどういうふうにお考えになっているのか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 買う人がどういう人であるかとか、どういう法人格であるかというところまでは、現在の政府の考え方としては規制を考えておりませんが、目的として、国としては、たとえば公園として指定をしている、あるいはそれが望ましいと考えている、そのときに、買いたい人は、工場をつくるために買いたいというような場合に、それに相当の介入をして、それを阻止して公園にするようにしむけていくという基礎を法制的にもできるだけ整備していきたい。こういう考え方でございますから、目的的に土地の利用計画が国家的に望ましいように進められるようにやっていこうと、こういうところであって、あの人では、あるいはあの法人では譲り受け人として適当でないというところまでは踏み込んでいないと言ってよろしいのではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 そうすると、買うほうに対しての規制はあるわけです。いろんなことをぎりぎりのところまでやっていこうじゃないかというふうに受けるわけですが、売るほうの側で、わしは土地を売りたいのだということになるから、そこに買う人も出てくる。いまは買うほうがあるから売るほうがあるというのじゃなくて、逆な立場で言えば、売るほうがあるから買うのが出てきたというときに、さてそういう規制というものがどこまで効果があるのか、ないのかという問題になってくると思うわけです。ですから、売るという人があるといったときに、それを市町村なり、あるいは国が買うということはあるのか、ないのか。将来への展望として、その辺のところはどういうことをお考えになっておるのか。いまお聞きしますと、買うほうの制限は、おっしゃることはよくわかるのです。売るほうの場合にこれはどういうことになるのか。そこをちょっと明らかにしてもらいたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私は、売るほうにもそういうふうな事実上の規制が働くものと考えるわけでありまして、たとえば、公園にしたいというときに、売るほうは売りたい一心で、工場であろうが、あるいはごみごみした住宅になろうが、売りたいと、しかし、それは、土地の利用計画から見て望ましくないというときに、たとえば地方公共団体、あるいは市町村で買ってもらうことが望ましいという場合には、市町村等にそのところを買い上げてもらうように行政指導といいますか、話し合いでやっていくということは、現状よりははるかに可能の度合いが進むと思いますし、それから、市町村等についての資金的な必要というような場合においては、たとえば地方債とか、レンタル資金の活用であるとか、利子の補給であるとかいうことも考えましょうということが、土地の総合利用対策といたしまして閣議できめている基本方針もそういうところに触れておるわけでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 具体的に伺いますが、市町村で公害条例を制定をしております。あなたは、騒音を出す工場である、たとえばプレスだとか板金だとか、それだから、ここは住宅街ですから、悪いからひとつ出てくださいと、よろしゅうございましょう。行き先の土地は大体市町村であっせんをするわけでございますが、あと地はさてどういうことになるかというと、本人の売買になるわけです。ところが、売買がなかなか容易じゃないわけです。で、こちらのほうは融資はしてもらう、土地はあっせんはしてもらったけれども、結局金利負担等があるから、工場のあと地は売りたい。そのあと地を市町村が購入する。公害条例で立ちのくんだから。さあ市町村が買う。こういうことになるわけだと思うのですが、なかなか市町村にはそれに対する財政的な裏づけがないわけです。いまおっしゃるのを聞くと、地方債でどうだとか、こうだとか言われるけれども、一体それじゃそういう資金というものを、これは大蔵大臣ということになるとおかしな話になるのですが、自治省がそういうものを認めておるのか。あるいは大蔵省とすれば、主計で自治省の予算を、地方財政計画を立てるときに大蔵省がそれをチェックしちゃって、全然認めていかないというのが実態じゃないですか。ところが、いまお聞きしますと、そういうものはむしろ見ておるというような前向きの御答弁なんですが、実態は私はそうじゃないと思う。ですから、ただ単に公社をつくってやっておるとかなんとかいったって、ていさいのいい話というものはあり得ても、実質は、それが動いておらぬというのが実態なんです。ですから、だから私は、この場では少し筋違いだと思いますけれども、主計というところで地方財政計画をチェックする大蔵省の基本方針を明確にしてもらえれば、今後の運営というものに対して前進があると思いますから、重ねてこういう具体的な話として御答弁願います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) まず、具体的な方針としては、閣議でもって、土地の総合的な対策として、一般的に、先ほど申しましたようなことが考え方としてきめられております。  そこで、具体的にそれが実情に沿わないではないかというお尋ねでございますが、これはそういう点を私は否定いたしません。現在ではまだ十分よくいっておりません。しかし、具体的な例をあげますと、空港周辺の、たとえば大阪伊丹飛行場等の関係でも適例がございますけれども、いわゆる第三セクターというものを設定する。そうして騒音その他の被害のところからほかに移転をする。その補償、あるいはそれに対して受ける地方公共団体の資金的なお世話というようなことについては、補助率の増額であるとか、あるいは補助金であるとか、そういう点についても、一番具体的に問題の焦点になっておりますような局地的な面につきましては、すでにある程度の具体的な措置が伴って実行されつつあるわけでございますが、これを全般的にどういうふうに進めていくかということにつきましては、抽象的な考え方がきめられておって、さような場合の地方公共団体の財政負担については、大蔵省といたしましても原則的にいろいろの方法を検討いたします。「たとえば」ということになっておりますが、地方債を計画以上に出さねばならぬようなときには、その起債消化等については十分協力をする。あるいは、その消化資金等についても、特別な、たとえば、系統資金のレンタル資金とかの活用とか、あるいは利子の補給であるとか、こういうことが二、三の例として総合対策の上にも上がっておるわけでありまして、これは大蔵省としてもそれを承認いたしておるわけでございますから、今後予算その他の計画の上におきましても、これを十分念頭に置きまして進めていくようにいたしたいと、こういうふうに考えております。  まあくどいようでございますが、局地的に現に非常に大きな社会的な問題になっておりますような地点におきましては、ある程度具体的に予算上、法律上の制度も改善されつつあると、こういうふうな実情であると思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私はぜひ、そういう公害条例等の問題もございましょうし、あるいは工場で出ていけという指定を受けなくても、地主が売りたいというようなものがあれば、なるたけ地方自治体が、あるいは国が買っていくというような方向に今後持っていってもらいたい。特に財政資金、財投資金が今後どんどんふえていくと思うのです。ただ単に国債を持っておるというだけじゃいかない。もう民間の銀行預金よりも、二、三年先には、私は財投資金は上回るということになると思う。ということになったときに、これがどういう方面に運用をしていくかというようなことは、今後の日本の景気なり国民経済をどういう方向に進めていくかという大きなことになるだろうと思う。ですから、将来は理財局で処理していいものなのか、あるいは経済企画庁との関係をどういうふうにしていくかというようなことをいろいろと勘案しながら、この土地問題というのにも関連して、何としても物価の上昇の元凶は地価だと、こう言われておるわけですから、この土地問題に対して徹底的なひとつ私は対策というものを立てていただきたい。そういう中で、いまの国有財産のあり方についてもいろいろと問題があると思いますけれども、とにかくそういうことをやってもらいたい、こう思っております。  これは、希望でございますが、それに関連しながら税の問題で言えば、これは私はよく現地へ行って調べたわけでも何でもございませんけれども、アメリカのピッツバーグという鉄鋼の町は、五十年前と地価があまり変わっておらない。それはなぜなんだといったら、それは、土地とその上に建つ建物との関係でいったときに、建物にはなるたけ税を——日本などでいえばかけて、土地のほうを安くしておるけれども、逆に土地に税を重くして、そして建物は土地に対する二分の一ぐらいしか税がかかっておらないという、そういう税のあり方を、一九一三年からやっておるというわけでございますから、もう六、七十年やっておる。それが地価が上がっておらない理由だというようなことが報告されておった記事を読んだから、こういうのも一つの方法かなどということを考えておりますから、こういうようなこと、大臣、一応何らかのときに私は検討をしてもらいたい。  そこで、もう一度本題のほうに戻りましてお尋ねしておきたいと思いますのは、今度国有財産を無償で、地方公共団体でいろいろなことをおやりになる、あるいは減額譲渡をおやりになるということは非常によろしゅうございますが、こういうことになりますと、地方公共団体で、国有地のあるところは、まあ国有財産が無償であったり、減額譲渡されるから非常に助かるところと、それから、国有地のないところは、私は、どこがどうだということはちょっとわかりかねるわけでございますが、そういう格差というものが当然生じてくると思うわけでございますが、そういうことについてはどういう対策を立てておみえになるのか承りたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、たとえば、公立文教施設の場合などに、私もよく各地域の陳情とか実情に触れて、私自身も、これは何とか考えなければならないと思う事例がよくございます。たとえば、ある市と町村が隣合わせにある場合に、ある町は、たとえば旧軍の施設をたまたま持っておったために、そこの土地が国有地として利用ができる。ところが、隣の市ではそういうものがないために、土地の買収のために非常な負担である。それがきわめて地理的に近接しているところであって、そういう面から言えば、たまたま条件が、偶発的な条件であるために、結果において不公平である。こういう場合におきましては、やはり当該の市町村も非常に苦労されるわけでありますが、何らかの方法で中央としてもこういう点のめんどうをもう少し親切に見てあげる必要があるということは、かねて私も感じておるところでございますが、しからばそういうところに一線を画して、たとえば、公立文教施設に対する補助率をどうしようとかどうとかいうところまでは現在具体的に考えておりませんけれども、これは確かに検討に値する問題である、かように考えるわけでございます。しかし、総じて申し上げますと、全般的に見て国有財産、国有地であって、そしてこういった文教施設その他に活用し得るものというものは、これからはあまり総体的には多くない、こういうふうなことが言えるのではなかろうかと思います。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 全く運、不運というよりほかになくて、ですから、片方で言えば、私も、たとえば、生活保護施設なり、あるいは児童福祉施設に対する、あるいは老人福祉施設に対する、あるいは身障者更生援護施設に対して補助率がどうとかという数字をあげてとやかく言うものではございませんけれども、片方は無償だといって、土地代はただだ、あるいは医療施設なり保健所、そういうようなもので言えば、地価の三割で、そのときの国有地なら三割で入手ができたんです。非常に負担が軽くて片方は施設ができた。片方はそうじゃない。ですから、せっかくいい意味の私は政治だと思うのです。これは、無償なり減額をやられるということはいいことだと思う。ところが、そのいいことが、片方では不公平を生むということについては、何としても忍びないことだと思うのです。  そこで、いまは考えておらぬということじゃなくて、私は、当然こういう措置というものがとられてくれば、やはり大きく生産第一から福祉社会への建設に変わってきたわけでございますから、何らかの対策を早急に立てられる時期がきておるのじゃないか。まあそうたくさんないよとおっしゃればそうかもしれませんけれども、そういう不公平を及ぼさないためにも、早急に私は、こういう施設に対する補助率というものは、当然この法律案を提案されることを契機として、対策を早急に立てられるときがきておると思いますが、これは片方で厚生省の問題があってみたりいろいろな問題があるかもしれませんが、閣議等で当然この不公平を解消する努力というものがされなければならないと思うのですが。不公平は認めるけれども、対策は考えていないじゃ、話がおかしいと思うわけですから、重ねてお考えを承りたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 特に、国有地の配分状況、配賦状況等の関係において、現在のところまだ名案を考えているわけではないということを率直に申し上げたわけでございますが、今年度の予算の編成にあたりましても、御案内のように人口急増地域につきましては、補助率もかなり上げたわけでございます。小中学校等につきましては。これは実は、やはり人口の急増している地域に、たまたま国有地で学校等の用地になり得るようなところは比較的乏しい。これは、いろいろの意味で、急激に人口が急増したところでございますから、自然用地はもとよりですが、その他の面においても、そういう施設をつくるのに困難を感じるわけです。したがって、そういうところは、まず人口急増地域というところの範囲の問題もございますが、財政的な観点を考慮しながら、今年度相当の負担率を国が広げたということも、総体的に見ればこういう点について着目してやっていることでございますが、それらとの関連におきましても、今後検討に値する問題であると、かように考えており、またそういう趣旨を先ほど申し上げたつもりでございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 民間への国有財産の払い下げでございますが、これは理財局のほうで御答弁願えばいいのですが、一般の、民間に対してのいま国有財産の払い下げはどんなふうになっておりますか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 国有地を民間に払い下げます場合でありますが、昨年来、国有財産一般の処理方針といたしまして、公用、公共用に優先的に活用するということで、民間に払い下げることは都市の再開発とか、環境保全、こういったことに関連のない場合は原則として行なわないことにいたしております。ただ、これにつきましては、若干申し上げますと、従来は産業の保護、奨励という要請がございまして、現に予算決算会計令でも随意契約の適格性が与えられておりまして、鉄鋼とか造船とか、そういった民間企業に相当国有財産を払い下げたわけでございますが、こういった産業に対しまする随意契約につきましても、現在の時点におきましては、やはり見直しまして、再検討する時期にきているということで、先般私どもは国有財産中央審議会にこの問題を付議いたしまして、随意契約の洗い直し、ないしは契約方式の再検討ということにつきまして御審議をお願いしているところでございます。  それから、もう一つは、こまかい民間への売り払い事例といたしまして物納財産というものがございます。それから、物納ではなしに、民間の工場とか店舗に貸し付けている財産がございます。これは戦後の土地の事情がございまして、民間企業に貸し付けているわけでございます。それから、宅地造成をいたします場合に、介在しております里道、畦畔といったものがございます。こういったものにつきましては、やはり貸し付けの権利ないし里道、畦畔という特殊性にかんがみまして、特別の縁故があるということで、たまたまそこにおります民間の方に払い下げることはやむを得ないのではないか、かように考えておる次第でございます。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 私は、意見として申し上げておきたいと思いますが、民間には一切払い下げはやめたらどうか。たとえば、いままで産業保護、産業育成という立場で、いま小幡次長から鉄鋼、その他には優先的に払い下げたよというようなことであったけれども、今後はもう一ぺん見直すということで、たいへんいいと思いますが、全部やめちまったらどうか。極論を申し上げるのは、たとえば、民間が私有地を購入して、そしてここに住宅をつくるために開発していく。そこにたまさか里道なり畦畔というものがあったんだと、だから、それは民間に払い下げるよと、こういうことになっておりますが、そういうことはやめちゃって、その面積は全部、緑の問題がございます。公害の問題等ありますから、それはもう払い下げない、そこのところは形は変えてもいいけれども、面積だけは確保して、小公園等にされたらどうだ。全く二坪、いま坪と言わないのですが、平米だと思います。十平米だとか、あるいは二十平米と全く小さいじゃないかといえば、むしろそれを逆に三十平米とか、あるいは百平米に、それを民間デベロッパーで住宅をつくるほうが、それにむしろ土地を提供して小公園をつくっていくというような、そういうふうに方向を、一切払い下げないと、しかも、その土地を活用するというような方向に、方針を変えることはできないものか。あるいはいま承りますと、都市再開発などをやる場合と、こういう例がございましたが、同じことであって、道路なり、おそらく換地はかまいませんけれども、その中におけるところの換地というものは認めることはできるかもしれませんけれども、とにかく緑を確保するというような立場に立って、一切民間への国有財産の払い下げというものはむしろやめるべきじゃないか、やめていくほうがむしろ時勢に合っていくじゃないかという考え方を持っておりますが、これに対して御意見を承りたいと思います。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 御指摘の宅地造成地内にあります里道、畦畔、この処理の問題でございますが、現在におきましても、宅地造成業者がその造成地内に道路とか水路をつくる、こういった場合におきましては、里道、畦畔と、その相手方のつくった施設を交換するということを、現に小規模ながらやっているわけでございます。ただ、御指摘のようにこの里道、畦畔をまとめて緑地等と交換すべきではないかということにつきましては、実は、私どももこれを現在検討しているところでございまして、できるだけまとめまして、すみっこに公園緑地をつくる用地と交換するというような線でいけないものかということを検討に取りかかっているわけでございますけれども、何ぶん里道、畦畔といいますのは、千差万別でございまして、位置もいろいろなところにございますし、それをまとめてはたして宅地造成地内の一カ所に緑地を取れるか、こういうような問題もございますので、ケース・バイ・ケースにつきまして具体的に検討していきたいと思っております。  それから、一切民間に対する処分をやめるべきではないかということでございますが、私ども、できればそういうふうに持っていきたいというわけでございますが、ただ、それを民間に処分しないで残しましても、使い道のない、要するに公用、公共用に適する土地でございますれば、これは留保するということも考えられるわけでございますが、他の土地に介在しております土地あるいは隣接の隣の方が、小規模の国有地を一緒にして利用するほうがむしろ土地全体の有効利用になるという場合もございますので、そういった場合に限りましては、やはり民間に処分することもやむを得ないではないか。ただこの場合におきまして、私どものほうは、できるだけ国有地を減らしたくないということで、交換によりまして他の公用、公共用に充て得る土地を、相手方から他の場所に出してもらうというような方針で現在処理を進めておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 まず最初に、今回の改正法案それ自体について伺いたいと思いますが、今回のこれを見ていますというと、国有財産の無償貸し付け及び減額譲渡、そういうことの問題があります。あるいは普通財産の処理の特例の合理化。国有財産の有効利用、管理処分の適正化、合理化。こういうことになっておりますが、それが要点であるとわれわれは理解できるのですが、その中で、特に、国有財産の有効利用という問題、管理処分の適正化、合理化という問題、こういうことについて大蔵大臣は基本的にどういう見解をお持ちでございますか。まずそれを伺いたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 国有財産の管理処分ということは、国民の財産でございますから、非常に大切なことであるということは、まず、基本的な考え方でございます。そうしてそのことは、財政法上にも法律的にもはっきり基本的に心得べき趣旨が規定せられておるわけであります。それを受けて国有財産法等ができておると理解いたしておりますから、国有財産法をこの段階においてさらに一そう効率化、合理化をしなければならない。これはやはり基本法の改正でございますから、基本法としてあるべき姿を守りながら、しかも、現下の社会的な要請にこたえなければならない、土地問題の解決の一助にも資し得ることになる。こういうような角度で考えておるわけでございますから、自然この法律が改正になりましたあとの運用としては、従来にもまして一そう公用、公共用の用途に活用ができるように、こういう趣旨で運用してまいりたいと思っておるわけでございますが、なお、具体的な点につきましては、政府としても十二分に考えてまいりたいと思いますが、同時に、国有財産法によりまして、中央の審議会、それから地方の審議会にもいろいろ御諮問をいたしまして、基本的な活用の方針について、あるいはまた具体的な処理の案件について、それぞれの審議会、それから、地方的な地方公共団体等の意見が十分反映され、審議会を通してそうした意見が政府の処理の扱い方について十分反映するようにしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 国有財産法の第十条から第十四条までに、国有財産の「管理及び処分の総轄」、こういうことの規定があります。そうして、管理と処分の適正については大蔵大臣が最高の責任者になって、そうして各省庁の長に対しての義務づけを行なっています。そこで、そういうことになりますと、国有財産の現況あるいは国有財産が処分をされていく、あるいは取得をされていく——物納等ございますから、そういうものがございます。あるいは土地を買うのもございます。そういうことで増減もあるわけでありますし、行政財産から普通財産になるものもあるでしょうし、そういう点で、こういう現況に関する記録状況、特に、土地に対しては正しく記録をされているかどうか、この辺が非常に大事な問題だと思うのですが、その辺はどう御判断になっていますか。確信がございますかどうか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 国有財産法の第三十二条によりまして、各省が管理します国有財産につきましては、国有財産台帳を備えまして、たとえば、国有地を取得する場合、あるいは所管がえしたり、あるいはまた売り払いとか処分をいたします場合、こういった場合には、直ちにその増減の異動を台帳に記載するということをいたしているわけでございます。  それで、その台帳に登載された土地の現状が実態と合うかどうかという御質問でございますが、これにつきましては、私どももできるだけ実態に合うようにしたいということで、たとえば、実測いたしまして、数量が変わったという場合には、実測による増減あるいは全国に財務局等たくさんございまして、いろいろ報告漏れなどがございますから、そういったものは報告漏れに基づく増減、あるいは誤謬もございますので、誤謬訂正、これをそのつど行なっておりまして、できるだけ正しいものにしたいと考えているわけでございますが、どうも現実に財産を、特に、土地を処分いたします場合に、地方におきましては、いわゆるなわ延びがございまして、登記簿ないし台帳に記載しております面積に比べまして、実際に処分する場合にはかりましたら、かなり多いということはよくあるわけでございまして、その点はやはりある程度、全部実測にすぐやれと言われましても、相当の事務量と経費を要するものでございますから、現在は処分する場合に実測で実際のものをそこで把握するということもある程度やむを得ないのではないかと考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまほど土地が問題になっている時代はないと思うのですね。すべて土地問題が重大な問題になり、土地の高騰がマイホームの夢を捨てさせて、しかたがないと、やけ酒飲むわけにいかないから、車でも買おうということで、車の売れ行きが伸びているとか、いろいろなことが言われております。そういうふうに、土地問題の解決が一番大事なときになってきております。それであるのに、いまの答弁からすると、国有財産についても、こまかい点はけっこうですけれども、十分な掌握がないようなふうに受け取れたわけでございます。全国的な土地の調査、土地の統計、こういうものがわが国にはまずないわけです。皆無にひとしい、こういわれております。それでは内政上土地問題の政策も立てられない、せめて国有財産ぐらいはっきりしておかなくてはならないと思うわけでありますが、国有財産法の第十一条で、国有財産の現況に関する記録を備える、またその状況を明確にしておくということを大蔵大臣に義務づけられておるわけです。  それで、いまある国有財産の土地の総面積は九万平方キロと、こういうふうにいわれておりますけれども、その国有地面積についての正確な調査とか、統計とか、こういうものがなされていると、いまの答弁だとどうも理解できないんですけれども、どうなんでしょうか、この辺は。大臣いかがでございますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはいま小幡次長から率直にお答えいたしましたように、一〇〇%掌握しているかと言われますと、遺憾ながら掌握ができていないと申し上げるのが正確なお答えでございますが、その中で、いわゆる返還国有地と申しますか、こういう点につきましては、実測が行なわれていなかった場合があります。大蔵省としての責任と権限におきまして。そういうところが、最近御案内のように返還されるところが相当出てまいりましたが、そういうことの話し合いがアメリカとの間に進むにつれてできるだけ早急に実測ということをやりたいと思っているのが現状でございますけれども、その他の部分につきましては、登記簿や台帳をもちろん個人的に当たるだけの余裕はございませんけれども、それ以外のものについてはそう多くの誤差というものは私はあまりないのではないかと思いますが、しかし、国有財産法上に規定されている義務ということから申しましても、これはなるべく心がけて正確に実測したところを掌握して御報告をしなければならないと、こういうふうに考えております。同時に、これは相当多くの人数と、相当の時日を要することであるということは覚悟していかなければならぬことであると考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 公簿上の国有地面積はいまはどのくらいになっているんですか、正確に。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 国有の土地について申し上げますと、全体で九万二百八十七平方キロでございますが、この中には、行政財産もありますし、普通財産もございまして、特に約九五%、八万五千九十五平方キロ、これが国有林野でございます。大蔵省が所管として把握しております普通財産は、そのうち約一万平方キロちょっとでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 七〇年の万国博覧会がありまして、その会場の買収面積が公簿上は二百十二万平米だったと、それが実測の面積が三百五十万平米と、四割も違っていたわけです。これは氷山の一角にすぎないかもしれませんけれども、そういうことから見ると、この九万二百八十七平方キロという公簿上の面積も、ただの数字上の面積になってくるんじゃないかというふうに考えられるんですがね。その点のことから見ると、財産台帳それ自体が信じられなくなってくるということですから、そういう国の基本的な、先ほど大臣は、相当なあれもかかる、たいへんだと、こういうこともありました。そういう管理、処分の問題は行管庁からもいろいろ勧告もされているわけでありますから、その点は本気になって改善をして、たとえ国有林野は別としても、普通財産だけでもはっきりまず押えてしまうとか、実測し直すとか、こういうことをやって、公簿上の面積と実測の面積とがあまりにも、万博の土地のように四割も違っていたなんということのないようにしなければいけないと思うんですけれども、その点、くどいようですが、もう一度伺いたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私としては、これは正確に実測をして、その事実に基づいた上の掌握ができていなければ、これは申しわけないことである、私はかように考えております。そしてそれが、事実現在十分にできておりませんことを率直に遺憾といたすわけでございます。したがって、たいへんな手数と時日がかかると思いますけれども、その方向へ向けての努力は今後ともいたしたいと思っております。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 先ほど大蔵省の一般会計の土地の数字を一万平方キロと申し上げましたが、これはたいへん失礼いたしました、一千平方キロでございます。訂正いたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 次に、都市部における国有地の管理、処分についての放漫な利用、不合理な国有地の利用、こういうことで行政監察の結果の具体例をあげて、昨年十月行管庁が大蔵省をはじめとして、通産省、文部省、厚生、建設、それから防衛庁、そういうように十二省庁に対して行政改善勧告を行なっております。どういうように各省庁が改善をされていったのか、それが一つ。特に、この当該所管の大蔵省はどうなのか、それをひとつ伺いたいと思います。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 昨年の十月二十三日に行政管理庁から、主として未利用ないし不効率使用の国有財産につきまして勧告を受けたわけでございます。これにつきましては、包括的に申し上げますと、たまたま行管が調査を実施されましたのは、昭和四十七年、昨年の一月から三月の間でございまして、たまたま大蔵省といたしましては、国有地の有効利用に積極的に取り組み始めまして、ちょうど三月に国有財産中央審議会の答申を得まして、今後未利用ないし低利用の国有地につきましては、利用計画を洗い直すという作業、それから、現況を把握いたしまして、そういった有効利用に差し向け得る余剰地を、全国的に集中的に調査しようということで、四十七年度四月から取りかかったわけでございます。行政管理庁から勧告がございました指摘案件、これも含めまして、現在ようやく一年かけましてその調査結果が出てまいりました。これをこれから内容を洗いまして、行政財産につきましては各省庁と十分協議いたしまして、未利用、不効率使用と認められるものにつきましては適切な是正措置をとる。たとえば、大蔵省が用途廃止を受けて引き継ぐとか、あるいは用途変更をしてもらうとか、いろいろな措置を講ずることにしたい。そのためには、実効を確保する意味におきまして、まあリストを国有財産中央審議会に御報告いたしまして、そこで処理計画をオーソライズしていただきまして、それを各省に通知いたしまして処理をきめる。その実施状況につきましては、また国有財産中央審議会に報告をする、こういった段取りでいきたいと考えておるわけでございます。  それから、行政管理庁から指摘されました案件につきましては、直ちに、大蔵省はもとより、各省庁にも通知がいっておりますので、今日までに、あるいは大蔵省に引き継いだものもございますし、相手方のほうで適切な利用計画を付してある程度処置したものもございます。しかし、全般的に申しまして、そういったものを含めまして、全国的にそういった未利用ないし低利用の洗い直しということをしたいと考えておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これらの省庁別の未利用地、いまの都市部、そのほか指定されたやつ、この件についてその未利用地を省庁別に面積あるいは利用効率、その後の改善策、これからいろいろやられるということでありますけれども、もし計画の一覧表がありましたらば、あとで御提出をお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 御提出いたします。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 次に、郵政省のほうから見えておりますので、ちょっと伺いたいんですが、埼玉県久喜市の久喜郵便局の件であります。この郵便局のあと地、郵便局が移転をするということなんですが、その移転について、私が聞いている範囲では、元の持ち主が返してくれ、これはだめになったわけですけれども、移転の際の価格、そのほかについてどんなような経緯をたどっているか、ちょっとこれは郵政省のほうから伺いたいと思います。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) 御質問の久喜郵便局の敷地のことでございますが、ただいま久喜郵便局が存在しております土地は、昭和二十九年八月十七日に、ただいまおっしゃられました吉田勝太郎さんから買収した土地であります。そのときの土地の値段は五百十一・九平米で、土地だけで百十四万二千百六十円、一平米当たりに直しまして大体二千三百円ぐらいになるかと思います。その敷地の上に郵便局を建てまして、現在でも使用しておるわけでございますが、何ぶん手狭になりましたので、新しい敷地をさがしておりましたところ、適当な土地を発見いたしまして、その土地の全部ではございませんが、その土地の一部分、その土地は久喜市本町三丁目にございますが、その土地の面積全体といたしまして郵便局敷地としては約三千平米というのを予定しておったわけですが、そのうちの千三百八十二平米の土地を四十八年五月二十八日に、所有者の久喜市、池田さんと申しますが、その人と、元の久喜郵便局、昭和二十九年に買収した土地でございますが、それと交換をいたしたい、そして交換ということにつきましては、著しく有利でなければ交換してはいけないということがございまして、現在の郵便局が建っております土地——お渡したほうの土地でございますが、その土地の評価をいたしましたところ、日本不動産研究所、住友信託銀行から評価をとりまして、その平均値十五万三千円、これは平米当たりでございますが、その三割増し、有利であるということを三割増しというふうに解釈いたしまして、平米当たり十九万三千三百九十七円に当たりますところの九千九百万というふうに評価してお渡しいたしました。そして受け取りました土地は、これは場所の違いがございますので、平米当たり七万三千五百五十四円の価格でございますが、その土地をいただきまして、その敷地交換、四十八年五月二十八日に移転登記を行なっておりますが、鋭意設計中でございまして、その土地に新しい郵便局を建設するという予定になっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは私が疑問に思っているのは、一つは、近傍隣地の価格に対して、いま日本不動産研究所からの評価だ、こう言うのですが、若干低過ぎるのじゃないか。不利な扱いをしてはならないというのは、これは前にも何度も決算委員会等で指摘され、そういう答弁もあったわけでありますけれども、この辺の近所の第一勧銀の用地が坪二百万、平米七十万前後です。埼玉銀行が同じく二百八十万前後、こう言われているわけなんです。この久喜の郵便局のあと地が、いまあるところが、どうも東武家具センターというところに持っていかれるようであります。そういう点で、私はどうも納得ができない。一方の久喜市の千三百八十二平米について、平米当たり七万三千百二十五円という計算になっておりますが、その算出の根拠等も私は聞きたいと思うわけです。  それで、本日は時間もありませんので、次回にこまかくやっていきたいと思いますので、これについての資料として、契約書の写しをまず一ついただきたい。それから近傍隣地の価格、特に、第一勧銀、埼玉銀行等の取得したときの価格というものを一ついただきたい。三番目に、農協のいわゆる千三百八十二平米——農協というか池田さんというところから買ったということになっておりますが、この土地の金額査定の根拠、この中に調整金等も含まれているということでありますけれども、それをいただきたい。もう一つは、この千三百八十二平米についての登記謄本。いま申し上げた四つの資料を要求したいと思うんですけれども、どうでしょうか、いただけますか。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) ただいま御要求になりました文書でございますが、当省に関係いたしました文書はお渡しできると思いますが、ほかの、まああえて申しますれば他人でございますが、他人が土地を売り買いしたということについてのその契約書ですか、そういうものはちょっと出しかねると思いますので、いかがでございましょうか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私言ったのは、契約書はいまの郵便局の交換したときの契約書ですよ。近傍隣地の価格というのは、こういうやったものがありますから、大体のことは見当がつくと思いますので、調査の上出してほしいと言うんです。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) 見当でよろしゅうございますか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 見当じゃなくて…………。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) 売買実例ですか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 実例です。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) 承知いたしました。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いいです。きょうはそれでとめておきます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 大臣にお尋ねします。  お尋ねする前に、私がお伺いする立場を申し上げますと、まあ土地問題の解決ということが言われるわけですけれども、どうもそれを解決するためには、公有地の拡大というのが不可決ではないかと思います。よく議論として、土地所有権そのものを否認すべきである、あるいは土地の国有化をすべきであるという主張がございますけれども、よく考えてみると、これは問題のすりかえであって、土地を国有化したから、だから、問題が解決できるかというと、決してそんなことはないと思います。この点は御異論ないと思いますけれども、結局土地対策というのは、第一には、利用制限だと。利用計画と言い直してもけっこうです。第二は、税制でございましょう。第三には、公有地の拡大。おそらくこの三つが土地対策の中心的な課題ではないかと思います。したがって、国有地について考えますと、一切売却をすべきではないと私は主張したいわけでありますけれども、この立場から一、二お伺いをいたします。  まず第一は、物納財産として国が取得した土地の取り扱いの問題でございますけれども、これは本来お金で納入すべきものが物納されたんだ、そう考えますと、当然のこととして、売却をし、売却代金をもって国庫収入に充てるべきだという見解になります。ところが、物納という形はどうであれ、とにもかくにも公有地を取得したんだ、そう考えますと、売却の是非があらためて議論されなければならないと思います。では、大蔵大臣としては、物納財産として取得した土地は換金して国庫収入に充てるという立場をおとりになりますか、あるいは国有地をふやす政策の一環なんだという立場でお考えになりますか。この点はいかがでしょう。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 現在の状況下から申せば、お話しのように、むしろ、土地を国有化すべきではないかという議論も一方に非常にあるくらいな状況でございますから、現に国有地であるということの点からいえば、国有地の管理、これからの処理ということはなおさらもって私は大事なことであり、考え方をきちっとしなきゃならない、こういう御趣旨は私も全面的に同感でございます。したがって、これからの処理としては、公共用という用途に充てるということが何よりの基本方針でなきゃならない。  その次に、地方公共団体の問題が出てまいりますが、地方公共団体につきましても同様に、そういう国家目的に沿い得るような、場合において地方公共団体に対してあるいは貸し付けるということも必要であろうし、場合によっては売却するということも私は必要であろうと思います。これは、いずれにしても、公的な立場に立って公共用の目的のために活用されるということがもちろん前提になりますけれども、それが第二の場合であると思います。第三の場合として、私有地を広げるというようなことについては十分戒心していかなきゃならない。ただ、これには、先ほど来、小幡次長から御説明しておりますように、いろいろの従来からの経緯とか契約関係とかいうこともあるし、あるいは特殊の場合として畦畔というようなものもあると、こういうところの活用方法等についてもこれから十分戒心してまいらなければならないと思います。  そこで、その中の一つの問題として物納財産の処理ですが、お話しのように、これは本来なら金で納めてもらうべきものでございましたから、その面からいえば、政府が換金して金銭収入を確保するのがたてまえではないかと思います。しかし、そういう問題は、情勢の推移ということからいって、今日、やはり国有地が多いほうが土地政策としてはよろしいわけでございますから、この考え方をからみ合わせて適切な処理をしなければならない、こういうふうに考えます。物納財産ということの観点からだけに立てば、私は、できるだけ高価に処分をして、できるだけ金銭の収入を国としては歳入に確保するというのが一つのたてまえであると思いますけれども、これは、しかし、情勢の推移によって、現に物納されて国有になっているものの処理としては、やはり政策目標というものの転換に伴って相当の考え方を変えていくことも必要であろう、こういうふうに、これは抽象論でございますけれども、考え方としてはそう考えていってしかるべきじゃないかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 土地という問題についてどう今後臨んでいくかということですから、いま問われているのはどちらかというと、いま言われた抽象的なことでいいんですけれども、基本姿勢をどっちに置くのか。実は、物納財産のほうも実際に扱っている者の苦労というのは、冗談言うな、そこまで管理できるかというこまごまとしたものがつきまとうわけです。じゃ、その辺はそれぞれ現在土地の上に人が住んでいるんだから、分けてしまおう、これはそれで一つの合理的な対策だと思います。ところが、土地問題を解決するためには、とにもかくにも公用地をふやしていかなきゃいけない。これは国と地方自治体の差は問いません。そういうところにすわり切るんだったら、どんなに手間ひまをかけようとも、とにかく、一ぺん手にしたものは絶対放さない、こういうことになると思います。よく公用地の取得といいますと、土地の利用計画をきめて、あるいは強制収用してということが、公有地の取得の一般的な姿のように思いますけれども、もしかりに、公有地を広げていくことが土地対策なんだということを考えますと、じゃ、一体どの時点で土地を取り上げていくんだ。一番いい時点というのはおそらく相続でありましょう。ところが、現在、相続の段階がどうかといいますと、先日通過した法律では延納期間が延長になりました。今回の御提案では、物納財産にかかわる普通財産としての土地については買い受け勧奨制度ができ、その支払いについても延納期間が延ばされた。これだけ見ますと、公有地をあまり拡大しなくてもいいんだ、拡大しないで土地対策は打てるんだとお考えのように思えてならないんですけれども、この公有地の拡大ということについてどんな御見解をお持ちでございますか。よく土地は公共利用で、今回でも公共利用するものについてはといいますけれども、よく考えてみますと、一〇〇%私の使用というのは土地の場合存在していいのか。多かれ少なかれ個人の住宅用地であろうとも、公の色彩というものはつきまとっていくんではあるまいか。そういう中で、今後土地の利用形態がどう変わるかということは、きょう現在全く予測ができない部分があるわけです。いまできることというのは、とにもかくにも公有地をふやしておくと、もうこれしかないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ところが、たとえば、相続税の問題も御提起になりましたけれども、ところが一面におきまして、土地つきのマイホームがほしいということは、私は国民的な要請だと思います。で、相続税の場合も、これはケース・バイ・ケースではございますが、概していえば、少なくとも両親が住んでいたところ、あるいは先祖伝来が住んでいた、これはやっぱりマイホーム、あるいは中小零細企業あるいは個人営業等では、欠くべからざる土地であり、工場であるというようなものは、やはり私はこれは尊重すべきものじゃないだろうかと思います。  私は、けさもこの冒頭にも申しましたように、土地の国有ということは、これは憲法上から申しましても、相当これは、少なくとも現政府といたしましてはそこまでは考えておりません。しかし、同時に、考え方としては、いま申しましたように国有地になっておるところは、これはできるだけその立場を尊重していくことが、さらぬだに国有化ということが一部には叫ばれているくらいのときであるから、それを念頭に置き、かつ政府の土地政策の立場からいいましても、できるだけ現に国有地になっているところは、これはできるだけ尊重して、民間への払い下げというようなことについては十分戒心していかなければならない、こう申しておるのでありますが、同時に、私は、やはり政策目標といたしましても、できるならばマイホーム、狭くても庭つき土地つきのマイホームをつくってあげるということが、同時に大きな政治的要請ではないかと思います。そういうことも考え合わせてみますと、相続税の物納財産等について絶対にこれは、一ぺん相続税で取り上げたものはもう猶予期間などを延ばさずに取ってしまうということは、少なからず行き過ぎではないだろうかと。そういう点を配慮いたしまして相続税の改正もお願いいたしておる次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 相続ということで、その住んでいるところまで取り上げるのかということは、政府のほうが早く気がつかれて、実は控除限度というものを引き上げてきたわけです。そのときのお答えでも、住んでいるところを取り上げるということまでとてもできませんから、三千万にいたしますと、こういうことですから、問題はそれをこえた部分についてはどうなるかといえば、物納という形が起きる。起きたものも公有地をふやしていく一つのやり方なんだと、そう考えるか考えないかということだと思うのです。  そこで、いま、やっぱり庭つきのマイホームというものを国民に与えていきたいと。それは私も全く同感なんです。恒産なければ恒心なしでありまして、今日の住宅事情ということがどれほどいまの国民の心を荒廃させているのか、それを考えますと、庭つきのマイホームが与えられる可能性というものを、かりに時間がかかっても政府は約束をしていく。そうすべきだと思います。  ただ、そこでも、その庭つきマイホームというものを私の所有にさせるのか、あるいは貸し家にさせるのかという基本問題は、実は庭つきマイホームだけでは済まないんです。よく昔はよかったということで、大正年間あるいは昭和初頭は貸し家がずいぶんあったと。あのとき何世帯あったかといいますと、御承知でございましょうけれども、日本で約一千百万世帯ぐらいあった。人口は六千万人、今日はといえば人口は一億をこえて、しかも、世帯数は四十五年度の調査では約二千八百万世帯、やがて、これが四千万世帯になんなんとするであろうという核家族傾向の中で、いま言われた庭つきマイホームというのをどうやって実現をしていくのか。私は、申し上げている気持ちというのは、それを実現するためには、公有地というのを持っていなかったら、できないでしょうということを実は申し上げたいのです。もしかりに庭つきマイホームというものが私の所有で持てる条件をつくるのだと、もしそういう前提でお話しだとしますと、お伺いをしますけれども、そのときの土地、住宅を買うために、所得の何パーセントまでが負担限度だとお考えでございますか。私の乏しい知識で申し上げますと、それは三割とか四割とかいろいろ識者の主張があるようですけれども、ところが現在では、常識で考えられる負担限度を越えて銀行からお金を借りて土地を買っているのが実情だといいます。そうなりますとどうかといえば、もう生活に食い込んで、ぎりぎり目いっぱい、しかし、とにかく庭つきマイホームがほしいということで買うんです。その後の生活向上をどうするかといったら、当然、来年も所得がふえてもらいたい。行く先はとめどもないインフレへの期待感。片っ方では土地はどうかといいますと、インフレになれば、所得の増加を越えて土地はどんどん値段が上がってくるんです。そうなりますと、何年かかっても追い求められない夢だけが残るだけであります。ですから、もしかりに、私も庭つきマイホームというのは非常に賛成なんですけれども、それをやるためには、政府としてまず公有地をとにもかくにもふやしていくということにはならないでしょうか、重ねてお伺いします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) ですから、少なくとも現に国が国有地として持っているものは大切にして、その処分、特に、民間に対する処分ということについては十二分に配慮をしていかなければならぬ、こういうことを申し上げているわけでございまして、マイホーム土地つきというものも、たとえば民間のデベロッパーにいたしましても、土地つきの売り払い計画というものも計画しているところも相当たくさんあるわけでございますしいたしますが、それはともかくとして、国有地のこれからの管理あるいは処分に対する心がまえというものについては、私は、あなたと同じ気持ちである、同感であると、そういう気持ちでやってまいりたい。  それから、今後国有地をどうやってふやすかということについては、また別の問題として考えてみたいと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 予定の時間がまいりましたので、重ねて確認の意味で一つだけお伺いします。  いまの大臣の御見解をそのまますなおに受け取りますと、物納財産として取得した土地も含めて、原則としては売却をしない。それが、これは地方自治体に譲渡を、あるいは貸与する場合には、公の土地という意味では、帳簿上の振りかえみたいなものですから、これはどっちでもかまわないと思います。交付税でやるのか、土地でやるのかの違いですから。ただ、地方自治体の土地に対する扱いも含めて、公の土地というものは、手にしたらば、一切処分は、売却はしないということを原則のたてまえとして臨んでまいりますと理解してよろしいでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 一切売却をしないとは私は申し上げておりませんので、売却処分については十二分の戒心をしていかなければならない、こういうふうに申し上げておる次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 では、最後に一つだけお願いとして申し上げます。  よく物納の場合には何が問題かというと、その上に人が住んでいる。で借地権を含めて私権が設定されておりますから、貸し家業務まで国がやるのかという話に当然出てまいります。しかも、それは今後、かりに、たとえば、地方自治体の土地利用計画も含めて、そこまでなかなかぎりぎりは入ってこないだろうと、どうぞ、そこでお暮らしくださいということになるかもしれません。  ただ、ひとつお願いを含めて御検討を賜わりたいと思いますのは、今後老人問題が深刻になります。老人ホームというのは一体どこにおつくりになるおつもりですか。俗に風光明媚なところに老人ホームをつくればいいじゃないかというのは、これは形を変えた姥捨山でありまして、先が短くなった老人の人たちに、どこに暮らしたいのか、何が大切に思いますかと聞きますと、これは当然でございましょう、これまでの人とのつながりの中で私は生きていきたい。しかも、老人ホームをどこにつくるかといったら、その最適地というのは、疑いもなく町のどまん中です。そこに老人ホームをつくらざるを得ない。そのときに、やっぱり土地所有権という、まことに牢固に防備せられたものに対して、土地収用で迫りながら——そんなことができるものでしょうか。社会的摩擦をより少なくしながら老人ホームを町中にもつくっていかなきゃいかぬ、公園もつくっていかなきゃいかぬ、それを考えますと、現在物納された土地というのは、なるほど上に人は住んでいるかもしれませんけれども、土地政策というのは、十年、二十年で達成できるような息の短い問題ではないと思います。したがって、これはお願いですけれども、個々にいろいろ考えながらということですけれども、今後十年、二十年、五十年を展望しながらどうしようかということもあわせてお考えいただきたい。これは要望だけにとどめて質問を終わります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 資料だけ要求をしておきたいと思うのですが、その第一点は、行政財産の各省各庁ごとの、区分別にひとつ財産内容を出していただきたい、これが一つ。これは特別会計に準ずる政令内容のものも含めて、もしできればやってもらいたい。  それからもう一つは、中央審議会、三十名いると思うんですが、これの経歴と氏名、それから地方審議会も設定されておると思うんですが、その内容も含めて出していただきたい。  それからもう一つは、さっき次長が答弁の中で話をされましたが、産業奨励用に払い下げた民間対象のこの土地財産の内容、それから業種別に、これはわかりやすく一覧表的なものを出してもらいたいと思うのですね。これはいいですか、年度別。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 最後の御要求でございますけれども、あまりこまかいものは実はとっておりませんので、ある程度規模の大きいものにつきましては御提出できると思いますが。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 小さいものもほしいのですが、年度別に、できれば。

成瀬幡治日本社会党

○成瀬幡治君 四十年以降ぐらいなら全部の、用途までつけて——しかしあまりこまいことを言うとこんなになっちゃうので、価格と年度については適当に向こうで判断して………、こう言っておいたから。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それでは、成瀬理事が言われるような内容で提供されるのですね。——じゃ、それでもいいです。ただ業種別にやってくださいね。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) あまり古いものは資料があるいはないかもしれませんけれども、何年度ぐらいから調べますか。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 四十年度ですね、いいですね。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 御提出いたします。

藤田正明自由民主党

○委員長(藤田正明君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。  次回は、七月三日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後零時五分散会      —————・—————

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