大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1973/03/29
会議録
○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨二十八日、竹内藤男君が委員を辞任され、その補欠として柴田栄君が選任されました。 —————————————
○委員長(藤田正明君) まず、有価証券取引税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題といたします。 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 関税政策の基本的な方向といいますか、特に貿易政策の中で輸入政策を一体どう考えるのか、この辺、私、いまの大蔵省の考え方の時点で、まだいままでの考え方とあまり変わっていない、こういうふうに思うんですが、なくなられた方の論文を引き上げて、ちょっとその点悪いのですけれども、前の関税局長が月報にお書きになっているトップに「関税は、本来、国内産業を、これと競争関係にある外国産品の輸入から保護することをその基本的機能とするものであり、従来は関税政策も、主として、このような機能の観点から運営されていた。」と、こういう趣旨の御発言がトップにあるわけですけれども、この考え方でいきますと、関税政策というもののあり方が、国内産業の保護と同時に、輸入政策のあり方というものを一体どう考えるのか、輸入をむしろチェックをして、そしてむしろ国内産業を保護して、したがって、また輸出を重点にするという思想というものが関税政策の中にまだ残っているんじゃないか、こういうふうに思うんですが、少なくとも貿易の黒字基調が停滞した今日における考え方というのは、むしろ輸入政策というのは、比較優位産業は当然日本に残すんだけれども、比較劣位産業については、これはむしろ他の諸国における生産性というものを認めて、そしてそうした品物はむしろ日本に輸入をする、こういう国際分業的立場というものがもっと強調されていかなければ、少なくとも今日の日本の貿易政策というものは成り立っていかないんではないのか。そうすることによって、良質安価な生活必需品なり、それに類するものというのを一日本の国民に提供をしていく、こういう思想でなければならないと思うんですが、どうも赤羽さんの論文を引いて述べるわけでありますから、新しい局長の論文を私、まだ拝見していないものですから、そういうものがあれば、ひとつそういうまた新しい観点で議論ができると思うんですが、まあ月報に載っておられるのは、やはり関税局なり大蔵省の考え方の基本というものが、これに載っているのじゃないかというふうに私なりに推測をしてお聞きをするわけでありますが、どうもその辺がまだ一向に、去年もかなり関税問題では議論をしたわけでありますが、その辺が一向に変わっていないような気がするのですが、どうなんでしょうか。
○政府委員(大蔵公雄君) ただいまの竹田先生の御意見、私も全く実は同感でございまして、前の赤羽局長がそれに書きました時点は、おそらく昨年の四月ぐらいの時点ではないかと思います。確かに、今日までの日本の関税体系のあり方と申しますものは、主として国内産業の保護と申しますか、いわゆる生産者の立場に重点を置いた関税体系であったということで一応言えるかと思います。その具体的な形といたしまして、いわゆる一次産品に低く、要するに製品に高いという、いわゆるタリフエスカレーションという形で日本の現在までの関税体系がなっていたわけでございまして、昨年の十一月に、いわゆる関税率審議会から、今後の関税の体系のあり方という問題に関しまして答申をいただいたわけでございますが、その答申の中におきましても、これら今日までのわが国の関税体系のあり方に対する反省並びに今後のいき方というものが示されておるわけでございますが、昨年の十一月に製品関税を中心といたしまして、一律二〇%の引き下げを行ないましたのも、やはり今日までのいわゆるタリフエスカレーションの是正という観点を重点といたしまして、幾らかでも現在のいわゆるタリフエスカレーション関税の、関税体系の傾斜というものを是正をしていこうという観点からまず手をつけたものであろうかと思います。今後私どもが関税体系を進めます上におきまして、やはりただいま竹田先生の御指摘になりましたような方向で、もちろん基本的に検討を進めてまいらなくてはならないものであると思いますが、何ぶんにも関税というものの今日までのあり方を、あまりに急激に変革をいたしますると、国内産業に対しまする衝撃が非常に大きなものになるということで、やはり私どもはこれはある程度時間をかけまして、徐々にそういう方向に持っていく、具体的にはそういう方向で対処をしていかなくてはならない。最終的には私どもの理想といたしましては、日本の製造工業に対するその関税というものは、ゼロの方向に持っていくという方向で今後推し進めてまいるべきではないか、かように考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 局長、少なくともあなたのことばじりをとるようで悪いのですけれども、これ載っておるのは、八月号に載っておるわけですよね。そうすると、去年の関税定率法のすでに法案を論議したあとに発表しておるわけです。だから、もしそのときの考え方が違っているということになれば、その前に、税法改正前に載っているものなら、これはある程度私はしかたがないと思うのです。少なくとも税法改正が終わって、今後の関税政策などが、非常に論議しているさいちゅうに世の中にその論文が出たということであるとすると、私は、その書いたのはいつかわかりませんけれども、しかし、もし四月以前にそれが書かれているとすれば、それは当然内容が修正されて載るべきだと、こう思うのですが、そういう点では、同じようになっているということは、私は、ひとつたいへん遺憾なことだと思うんです。それから、いまの局長の発言の中で、確かに関税を急激に変えていくということになりますれば、国内産業がそれに対応する対応策というものを講ずる時間的ないとまがないということで、非常に急激な変動ということになりますけれども、しかし、基本方針はこういう方針だというものは、もっと先に掲げておいて、実質的に関税の税率をいじるといいますか、訂正するというのは、私は、それは時期を見て、あるいは産業の対応のしかたというものを考慮しつつ税率をいじっていくということはもちろん必要だと思うのです。しかし、基本方針というものは、これからの日本の関税政策、貿易政策はかくあるべきだと、こういうことはもう少しはっきりと掲げていくべきではないか。いまの局長の発言ですと、どうもやはり国内産業保護という色彩、これがやはり強いような感じを受けるわけですが、もう少しその辺は今後の日本の関税政策なり、貿易政策のあり方というようなものをやはり明確にして臨んでもらわなければなるまい、こう思うんですが、ちょっとまだ局長の頭の中自体でそんなに変わっていないというような感じを私は受けるんですが、どうなんですか、その点は。新しい、私がさっき言いましたように、輸入というのは、とにかく日本では非常に生産費の高いものを、外国ではその地域性あるいは資源の立場あるいはいままでのその生産の歴史、そういうものからいいものを国民に安く提供する。最近の家具などは私はまさにその一つだろうと思いますね。スウェーデンなり、あるいは西欧の長い間の伝統、そういうような中から生まれた家具というのは、おそらくはるかに日本の家具よりも私は、いいものがあるだろうと思うのです。全部が全部とは言いません。そういうものはどんどん安く提供したらいいと思うのですよね。どうもその辺の点がどうもまだ局長の頭の中に迷いがある。まだ新しい関税政策に乗り切っていない。こういまの御答弁では感ずるんですが、どうなんでしょうか、それは。もう一回。
○政府委員(大蔵公雄君) ただいま私が申し上げましたことが、竹田先生にそういうふうな印象を受けたとすれば、非常に私表現があるいは間違っておったのかもしれませんが、私自身といたしましては、相当やはり現在の日本の置かれておりまするところの国際的な国際収支の現状その他から考えまして、相当思い切って、いわゆる国際分業——なんでもかんでも自分の国でつくるという今日までのあり方というものに対して、相当強く反省をするべき時期に直面をしていると考えておりますので、したがいまして、その製品関税の引き下げにつきましても、今後相当勇気を持って、むしろ日本の国内構造の変化に役立つような方向で検討をしたいと、かように決意をいたしておるわけでございまして、ただ私どもも、やはり国内産業というものの立場、その急激な緩和を与えず徐々にということは、考えなくてはいけないかと思いますが、それには、関税を相当思い切って今日までのあり方から手直しをするという勇断が必要である時期に来ているということは、私も強く考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 じゃ、その問題はひとつ今後の推移を見ながらまた議論を将来進めていきたい、こういうふうに思うわけでありますが、去年はUNCTADの会議を前にしまして、やはり南北問題として、関税の問題というものが非常に論議をされたわけであります。その実態というものは、私は、ことしにおいてもちっとも変わらないと思うわけです。ですから、発展途上国にある程度、彼らの自国の産業というものを起こしてやっていく、そういうためには、発展途上国からの製品あるいは半製品の輸入というようなものは、ことしにおいても相変わらずそういうものは日本として受け入れていく、こういう姿勢というものがないと、今後の国際経済の中で、日本の立場というのは非常に苦しい立場に追いやられると思います。 特に、最近の国際通貨情勢の中で、パリの蔵相会議で、いままではダーティフロートの問題というものが、これはいわゆるきたない介入ということで、世界的にはある程度そういうものはすべきではない、こういう議論というのがあったわけであります。日本なんかもそのダーティフロートをやった張本人、一番ひどい国だということで、たいへん世界的に批判を浴びていたわけでありますが、この間のパリ蔵相会議において、私は、そういう意味では、市場への介入というものは合法化されたと判断をいたしました。そうなってまいりますと、今後の世界経済というものは、ECの共同フロートということと関連いたしまして、純粋な自由貿易という立場から、事態がどうもかなり変わってくるんじゃないか。ある意味で、ECのブロック化というものができるのかできないのか、これは相当な時間的な推移を見なければわかりませんけれども、ある意味ではECの共同フロートから、ECの統一通貨の創設という方向に向かっていく可能性も私はあろうかと思います。 それから、一方アメリカのほうは、新通商法の問題が出てくる可能性があると思うわけです。そういたしますと、アメリカ自体の保護貿易主義的なあり方というものが強まるか強まらないか、これもかなりの推移を見なければわからぬと思いますけれども、ある意味ではそういう問題が出てくる可能性があるとある程度予想をしなければいけない。 そういうふうになった場合に、はたして円を中心とする経済圏はどうなっていくのだろうかというものが、これは国民もかなりそういう点についてはある意味では疑問を持っているわけであります。そうした観点から見ますと、円というものと開発途上国との関係というものもかなり改善をしておかなければならない問題があるのではないかと、こういうふうに思うんですが、そうした国との関係の問題というのは、一体どういうふうに考えておられるのか。
○政府委員(大蔵公雄君) ただいま先生御指摘になりましたように、確かに拡大ECのいわゆるブロック化の可能性と申しますか、まあ心配、あるいはこれからアメリカの新通商法案がアメリカの議会に提案されるであろうと予想されるところの内容を新聞紙上等で報道されておりますところによりますと、かなり保護主義的な意見が相当強いという可能性もあると思います。したがいまして、私どもも、日本の立場からいたしますると、いわゆる後進国というものに対するわが国の態度と申しますものは、今日までよりはさらに重要になってまいるわけでございまして、御指摘のようにケネディラウンドに対して、後進国グループ、いわゆるUNCTADのグループは非常にこれに対して不満が強かったわけでございます。と申しますのは、先進国間同士が話し合ってお互いに関税を引き下げて、お互いの貿易を拡大をするのには役立ったかもしれないけれども、そのおかげで自分たちが先進国に対して輸出をする面においては、それを阻害をされた面があるわけであって、そういった意味においては、第一次の、いわゆるケネディラウンドというものは、後進国側にとってはあまりプラスにならない面があったという不満がかなり強かったわけでございます。したがいまして、これから本年度新国際ラウンドというものが始まるわけでございますけれども、新国際ラウンドの場におきましては、その後進国側のそういった前回の要するに不満と申しますものに対する要望と申しますか、そういった先進国側に対しまする要請は非常に強いものがあろうかと思います。私どもといたしまして、やはりその後進国に対する態度は、ECなりあるいは米国なりいわゆる先進国側と、ある程度相談をして進めていく必要はあるかと思いますが、世界がいわゆるほんとうの意味の自由貿易と申しますか、そういったようなものがなかなか現実問題として進まないときに、後進国、発展途上国に対しまする日本の立場と申しますものは、いままでよりはより積極的な態度で、姿勢で臨むべきであることは、これは間違いのないところであろうと思うわけでございまして、今回御提案をいたしておりますところの、発展途上国からの輸入に対する特恵関税の適用ワクの拡大であるとか、あるいは弾力化、こういったような問題も、まず、その第一歩といたしまして、私ども考えたいと、かように考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 そうしますと、去年とことしと比べまして、特恵関税の内容にも入ると思うんですが、シーリングワクはどのぐらい、どういうふうに具体的に拡大をなさったわけですか。
○政府委員(大蔵公雄君) 特恵関税のシーリングワクは、関税暫定措置法によりまして、御承知のように毎年の特恵ワクと申しますものは、現在のところ四十三年度の後進国からの輸入をまず基準といたしまして、たとえば四十八年度の特恵ワクを策定をいたします場合には、前々年度、すなわち四十六年度の先進国からの輸入ワクの一〇%をそれに加えましたものを、四十八年度の特恵適用国からの輸入ワクとするというふうに法律で定められておりますので、その計算に基づきまして、自動的に特恵輸入ワクというものは出てまいるわけでございます。
○竹田四郎君 はたしてそういう形だけでいいのかどうなのか。情勢というものはかなり急激に変わっているわけですから、いつまでもそういう形でいいのかどうなのかということになりますと、かなり問題があるのではないか。その辺も、今後はただ一〇%だけふやせばそれでいいんだというものではないと思うわけですがね。それはもう検討の余地はないわけですか、どうですか。
○政府委員(大蔵公雄君) 確かに今後の特恵ワクの、いわゆる輸入ワクのシーリングの拡大というものに関しては、私どもも真剣に検討いたさなくてはならないと思いますが、何ぶんにもこの特恵制度の発足と申しますものが、昭和四十六年の八月に発足をいたしたわけでございまして、その際に法律で輸入ワクの制定がなされたわけでございますが、その後一年半しか現在のところにたっておらないわけでございます。時代は急激に変化をいたしておりますので、やはり特恵ワクのあり方というものに関しましても、私どももやはり検討をいたす必要はあろうかと思いますが、現在のところ何ぶんにも一年半しかたっておりませんし、また、ほかの先進諸国も、それぞれ日本と同じようなシーリングワクの設定をいたします際に、昭和四十三年度を基準といたしまして、ECあたりも設定をいたしておりますという関係もございますが、日本がこれに先立ってまた考えるということも一つの考え方かと思いますが、現在のところいましばらく情勢の推移を見て、今年度はいわゆるシーリングワクを設定をいたしまするが、そのシーリングワクに達しても、国内産業に対して重大な影響がないときには、このシーリングワクをこえても輸入をできることの体制にしていただくために、シーリングワクの弾力化ということをお願いをいたしておるわけでございます。
○竹田四郎君 このシーリングワクの中で、日別管理と月別管理という問題があるわけですが、日本の場合には、一般的に受益国側から、どうも日別管理が強過ぎる。だから、要するに港へ特恵関税の適用を受けるという形で荷物が入ってくる。ところが、日別管理だからきのうでもう締め切られちゃって、きょうから税金を取るよと、こういうおそらく形になってきていると思うんですよ。こういうのは、どうもお互いの貿易の上からも、あまり感心したことではないと思うのですがね。だから、ある意味で一定の、たとえば、向こうの国で積み出しなり契約のとき、その辺での感じではこれ以外はもうだめですよというくらいのことにしないと、せっかく税金がかからないつもりで来たのが、ぱっと取られるということになれば、それは買うのは日本の国民ですからかまわないわけですけれども、やっぱり向こうとしてみれば、ある意味でこれはかからないだろうということで予想して輸出をしているわけです。その辺はもう少し弾力的なあり方をしないとまずいんではないかと思うのですが、私、去年もその点は指摘したわけですけれども、その辺は何か改善をされたのかどうなんですか。
○政府委員(大蔵公雄君) 確かに、先生の御指摘のように、日別管理と申しますものは、毎日毎日いつとまるかわからないという心配があるわけでございまして、私どももいまのシーリングワクの弾力化というものを考えます際に、日別管理よりは、むしろやはり同じ弾力化をするのであれば、月別管理のほうが、相手国側に対しましても、与える印象もよかろうということで、四十八年度におきましては、今日まで日別管理でございましたものを、できるだけ月別管理、いわゆる管理が比較的ゆるやかである方向に持っていきたいということを中心といたしまして検討をいたしまして、日別管理品目が昭和四十六年度九十五、昭和四十七年度七十三であったものを、今回、昭和四十八年度には、日別管理品目を六十三に減らし、それを月別管理のほうに移すということを考えているわけでございます。
○竹田四郎君 具体的にはそういう品目というのはどういうものなんですか。今度日別から月別へ移していくという品目ですね。
○政府委員(大蔵公雄君) 具体的には、十品目のうちおもなものは、ソーダ灰であるとか、マンガン鉱あるいは凝集コルク、こういったような種類のものでございます。
○竹田四郎君 あとでその品目を、メモでけっこうですけれども、ひとついただきたいと思うのですが。
○政府委員(大蔵公雄君) あとで先生のところにお届けいたします。
○竹田四郎君 これは、昭和四十七年中に特恵関税の適用が停止されたもの、これはいつ、何月何日に適用が停止され、さらにどういうものが、どこの国のものが具体的にどういうふうに適用が停止されたのか、わかりましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(大蔵公雄君) 非常に品目が多いものでございますから、後ほどその停止をされた品目に関して資料を作成いたしまして先生のお手元にお届けいたしますが、たとえば、日別管理の中で一番早く停止をされましたものは、四十七年度の例で申しますと、四十七年の四月中に、韓国からのかさであるとかつえであるとか、これらの部品、これが四月の四日、わずか四日ぐらいで停止をされております。さらに竹製の引き抜きざお、これは台湾からの輸入でございますが、これが四月の六日、はきものが、これも主として台湾でございますが、四月の二十日、そういうようなものが一番早く停止をされたものでございまして、その他今日現在までに停止をされております合計品目の数は、七十一停止をされております。
○竹田四郎君 おそらくそういうものというのは、国内産業との摩擦の問題というものが当然一方にはあると思うんですが、その後、そういう発展途上国と、わが国の生産とが摩擦をしていくというものについては、これからどういうふうに考えていこうとしているのか、その辺に私は基本的に、日本の輸入政策なり貿易政策の根幹というものがあるんじゃないかと思うんですけどね。具体的にその七十一品目というものは、発展途上国から見れば、それこそ日本あたりに買ってもらいたい、そうして国の産業を興して生活水準を上げていきたいと期待している品目であると思う。それが日本の国内産業とぶつかってきているというのが現実にここへあらわれているものだと思います。そういう点で、これはむしろ通産省の役割りかもしれませんけれども、これはむしろ政務次官にお聞きしたいんですけれども、そういうものを今後政府としては一体どう考えるのか。せっかく特恵関税でその国に受益させるというふうに期待していても、とにかくその期間が始まって四日ぐらいでもうとめられているというものがあるわけですね。こんなものはむしろ特恵関税にするのが適当であるかどうかすら疑問に思うわけですけれども。まあ、年度半ばでとめられるというようなことはある意味で私はいいと思う。始まったその月にもうだめになって、ワク一ぱいになっちゃって、あともうだめなんだと、こういうようなことがはたして特恵関税としての、特恵たる意義があるのかどうなのか、私は疑問に思うんですよ。それよりももっと基本的には、日本のそうした競合する産業とのあり方をどう導いていくべきなのか、この辺はひとつ政務次官にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(山本敬三郎君) 先ほど大臣も局長と話しておられましたけれども、私、やっぱり大蔵省の対応がおくれていたことは事実と認めざるを得ない。たとえば、昭和四十三年から日本の輸出のパターンが明らかに変わったと、外貨のウインドードレッシングをして、黒字は定着していないと言っていた張本人は大蔵省であったと思います。世界の貿易の中で、私の記憶する限り、百億ドル以上の輸出超過をしたというのは、アメリカが一回あっただけではないか。八十億も九十億ドルも二年にわたって輸出超過していくというようなことが国際社会においてそう認められるはずはないので、そして、特に発展途上国に対して日本は、国によっては違いますけれども、おしなべては非常な片貿易になっている。これが、ベトナム戦争が続いている間はいろいろな問題があったかもしれませんけれども、これからはもっとシビアな時代になってくる。したがって、特恵制度自体は、先進国は相互にどういうふうにしていくかということもあるかと思いますけれども、やはり日本にとって貿易がバイタルな性格を持っているという点については、もっと根本的に考え直して、そして他国との調和だけではなしに、国内産業の保護だけではなしに、やはり日本の置かれた国際社会における地位というものについて、しっかりと自覚してやっていかなかったら、世界的に保護主義の風潮や、ブロック化の風潮が大きい中で、日本の前途が案ぜられるのではないか、そういう点では、さらに勇敢に考えていかなければならぬ、こういうふうに考えておりますし、これは私だけの考えかもしれませんけれども、大臣や部内でもそういう発言をして、できるだけ日本の置かれた国際社会における地位というものを自覚するような形にさしていくべく努力をしたいと考えております。
○竹田四郎君 そこで、ひとつお聞きしたいのですが、ベニヤ板ですね、合板。これは一体どのくらいの関税率、税率はどのくらいになっているのですか。
○政府委員(大蔵公雄君) 現在合板に対する関税率は二〇%でございます。
○竹田四郎君 これはどうして二〇%というので据え置かれたのか。当然これはある意味では完成品といいますか、半製品なわけです。だから私は、むしろこういう仕事という、合板の作業なんというのは、それぞれの開発途上国あたりでこういうものこそやって、製品輸入という形でやっていくべき性格のものじゃないのか。比較優位の原則から言っても私はそう思うのですが、おそらくこれはこの前引き下げられていないのだろうと思うのですけれども、なぜ引き下げられなかったのか、引き下げられなかったときの事情をひとつ御説明いただきたい。
○政府委員(大蔵公雄君) 確かに最近合板につきましては、韓国であるとか、台湾であるとか、そういうところの合板製造というものが非常に急激な発展を示しておりまして、日本で現在合板製造業者というのが約三百、これは非常に中小企業が大部分でございますが、約三百業者おりまして、目下中小企業近代化促進法によりまして合理化が進められておるわけでございますが、いわゆる日本のその中小企業におきまするところの国際競争力と申しますものが、韓国、台湾に比べてそれほど強くないという現状があったわけでございまして、また合板と申しますものが、非常に過去の実績によりますると価格の値上がり、値下がりが激しいとともに、ちょっと値段が上がりますると、非常にその輸入が急激に増加をすると、それから、さらに下がってまいりますと、その次の年には輸入が急激に少なくなりまして、というような非常な波動を示している品目でございまして、今日まで特恵関税の適用からも合板ははずされておりまするし、昨年度十一月に千八百六十五品目にわたる非常に大幅な関税の一律二〇%引き下げをやりました際にも、実は合板に関しましては、国内メーカーの立場というもので、関係の省もこの合板は例外品目にしてほしいという非常に強い要望がございまして、二〇%引き下げの対象にもいたしません例外品目といたしまして、二〇%のまま据え置いてきたと、かような現状であったわけでございます。
○竹田四郎君 ところが、その合板というのは最近はものすごい値上がり、去年の総選挙の前には、三、六といいますか、あれが一枚せいぜい百七十円、われわれが買っても二百円足らずという状態であったわけですが、総選挙が終わってことしの今日の状況ということになりますと、家具メーカーが手に入れる場合には一枚四百二十円くらい、われわれが手に入れるということになりますと四百八十円ぐらい、それでも実は手に入らない。で、すでに家具メーカー等では、生産の縮小をせざるを得ない、こういう事態になっているわけであります。特に高崎あたりを中心とした家具メーカーでは、もう一部操業短縮をやらざるを得ないという事態になっているわけですが、それにもかかわらず、輸入のほうは確かにたいへんふえている。十一月と十二月を比較しますと、約三倍ぐらい近くの輸入数量がふえて、一月もふえているわけです。二月の数字は私持っておりませんが、やっぱり二月もかなりの数字になる。ふえていると思います。まあ、国内メーカーがはたしてそういう操作をやっているのかどうかは別としまして、おそらくそうしたメーカーが価格操作をできないだろうと思う。で、関税率をそういうふうなことに維持しても、それが実際、国内のメーカーにプラスになって返ってきているという節はどうも私は少ないと思うんですが、一体こんなに輸入してもこんなに高いということは、一体それはどこに原因があるのか。まあ、関税率も一つの引き下げるべきものだと私は思いますが、これもなかなかそう実際の合板メーカーの状況から見まして、まあ、一ぺんに半減するというようなことも、これもむずかしかろうと思いますが、漸次引き下げていくという方向でなければならないと思いますけれども、一体どうしてそんなに合板の値が上がってしまっているのか。輸入量から見ますれば、対前年同月比等から見れば十倍あるいは十倍以上輸入しているわけですね。そういう輸入していても、べらぼう上がる。これは一体どこに原因があるのですか。
○説明員(吉田雅文君) お答えいたします。 昨年の十一月から十二月にかけまして、針葉樹を中心にいたしましたところの木材価格が非常な値上がりをしたことは御承知のとおりだと思います。その時点におきましては、ラワン合板は比較的まだ低位にございました。そういう中で、特にこの針葉樹の中でも、いわゆる屋根の下に使いますところの屋根の下地材あるいは畳の下に使いますところの畳下材、こういうものが非常に高く上がりまして、私どものほうでは、できる限り、住宅の建築コストを下げるためにも、そういう安い合板を代替して使うように建設省とも相談いたしまして、その使用促進につとめたわけでございますが、まあ、合板それ自体が住宅用の資材としてかなり使われるわけでございますが、そういう屋根の下地材あるいは畳の下地材、こういうものの代替需要が急速にふえてまいりまして、ただいま御指摘のように、輸入品も非常にふえておりながらも、価格がなかなか下がらないというような状況を呈しておることは事実でございます。 そういう中で、先ほどお話ございましたたとえば家具業者が非常に困っておるというようなことにつきましても、私どもも陳情を受けまして、名古屋地区あるいは東京地区で、とにかく直接メーカーと、それから家具のほうの組合とが直接取引できるようにということであっせんをいたしたわけでございますが、ことしに入りまして、輸入品のほうもかなりふえてまいりましたし、国内のほうの生産量も相当増加してまいりまして、両方合わせますると、昨年の供給量に対しまして、この一−三月の供給量は約一四〇%というような見通しでございます。こういうような状況でございまして、最近、この一週間ほどでございますけれども、急速に頭打ちないしは一部、コンクリートパネルというようなものにつきましては、価格が何か下落し始めておるというような状況でございます。
○竹田四郎君 せっかく税率は国内メーカー保護という形で下げないでおいて、輸入も足りないというので、どかっと輸入をした。それでいてもこういうふうに上がった。まあ最近は幾らか鎮静したといいますが、どこが原因なのか。何がそういうふうに上げた原因なのか。その辺は農林省では突きとめたことあるわけですか。その辺をぴしっとしておかなければ、また一時下がるけれどもまた上がる、こういうことを繰り返すだけだと思うのです。おそらく、いまたいへん下がってきたという明かるい見通しをおっしゃられたのですけれども、これだってそんなに旧に復するような下がり方はおそらくしないだろうと私は思う。かなり高いレベルで安定をするというようなことに私はなるのじゃないかと思うのですけれども、その原因と、いいですか、何でこういうふうに上がった、輸入もふえていながら何で上がったということ、その原因ですね。いまのお話ですと、供給は一四〇%もふえている。一体その原因がどこにあるのか、突きとめたことがあるのかどうなのか、それから今後一体どのレベルで安定をさせるということを農林省としては考えているか、この辺をひとつ明確にしていただきたいと思いますが、どうですか。
○説明員(吉田雅文君) 確かに御指摘のように、現在の価格水準というものは、私ども考えておりましても非常に高い水準にあるというふうに考えております。そこで、この価格の高騰がどういうところにあるかということにつきましては、実は私どものほうでも、若干おそまきではございましたけれども、流通現況調査というものを実施いたしたわけでございますが、そういう中で、現在の輸入原木、これは主としてラワン合板は、ほとんどが——ラワン原木というのは、南方地域から輸入されますところの輸入原木に原料を依存しておるわけでございますが、この輸入原木がかなり入ってはきておりますが、昨年の十二月以降、非常な現地での値上がりを示しておるというようなこともございまして、そういう面からもかなりコスト的に高くなっていることも事実でございます。しかし、私は、この現在の合板の高値というのは、やはり需給関係がまだ、非常に輸入が増加したというものの、いままでの状況は、需給関係がかなりタイトであったというようなことが原因と思われるものですから、このような現在のような輸入水準が続きますると、早晩価格は低下していくものと考えております。
○竹田四郎君 もう少しそれを、具体的に調査なさっているのですからね、原木の値上がりがどのくらい、労務費の値上がりがどのくらい。それからもう一つ、需給関係がタイトになっているというのですがね。これはほんとうに実需なのか仮需要なのか、この辺も明確にしてもらわないと私はいかぬと思うのです。せっかく関税を下げるべきのをとめておいてやったのが、そういう形で悪用されたんでは、国民はたまらないわけですよ。もう少しその辺を明確にしてください。それは需要がふえた需要がふえたということでおっしゃるだろうけれども、一体実需がどれだけふえたのか、仮需要が、私は、かなりふえているのじゃないかと思いますがね。
○説明員(吉田雅文君) その値上がりの原因につきまして、数量的なものを正確にはまだつかんでいないわけでございますけれども、現在の合板企業の特質と申しますか、これは木材業も同じでございますが、非常に自己資本率が低いというようなことで、合板工場のいわゆる製品の在庫といいますか、手持ちは大体が一週間か十日ぐらいしかないと、それが常態でございます。そういうような状況でございますものですから、需要が急激に増加してまいりますると、どうしてもそういう面で需給が逼迫しがちであるというようなことで、私どものほうでは、現在の合板の構造改善事業の中におきまして、そういう価格の高下を繰り返さないように、ひとつ安定的な価格が維持できるようにということで、その共同倉庫の建設を促進さしておるような次第でございます。 なお、原木の合板価格の中に占めるウエートというものは、半分以上が原木であるというような状態でございますので、原木の価格にはかなり支配されることは事実でございます。
○竹田四郎君 原木の価格が上がっているというのはわかるけれども、これは三倍近く上がっているわけじゃないでしょう。おそらく、私も具体的には知りませんけれども、上がったところで三割か五割程度だと思うんですよ。三倍なんかに原木が上がっているとは思いませんよ。 それからもう一つ、一体、おたくのほうが需給関係がタイトになっているということを言っていらっしゃるならば、それがはたしてほんとうの実需なのか——ほんとうに実需が上がっているからタイトなのか、あるいは——私は、仮需要がかなりあると思うんですが、その需要の内容を具体的に、どのくらいその中で実需があり、仮需要がどのくらいあるのか、その辺をひとつ明確にしてほしいと思うんです。
○説明員(吉田雅文君) それにつきましては、後ほど調査して御報告いたしたいと思います。
○竹田四郎君 後ほど調査と言うんですが、この間調査したわけじゃないんですか。——それでなければ、需給関係がタイトでありますと言えないはずでしょう、流通調査をさっきやっていると言っているんですからね。その辺は、やっていないんですか。
○説明員(吉田雅文君) 先ほど流通現況調査をやったと申し上げましたんですが、これは製材と合板と一緒にいたしてやったわけでございまして、その際の調査は、製材関係を主としてやったわけでございます。もちろん合板関係のものもやったわけでございますが、きわめて部分的な調査でございましたもんですから、もう少し広い範囲の調査なりをいたしまして、その上で御報告申し上げたいと思います。
○竹田四郎君 どうも政府の調査というのは、物が下がってきてからやるわけで、国民が一番つかみたいというときには少しもやってくれない。安定してからやるから、何にも結論出てこない。これじゃね、調査なんか、調査費用を損するだけだよ。その辺は困ると思うんだよね。まあやらないよりはやったほうがベターかもしれないけれども、いつやるんですか、そういうような調査を。いま、やるとあなたはおっしゃっていたが、いつやるんですか。いつまでにその調査結果を出すんですか。
○説明員(吉田雅文君) 時日ということになりますると何でございますけれども、早急にひとつやっていきたいと思います。
○竹田四郎君 そういうことばというのは、私どもいつも聞いているからね、きょういまここで答弁できなければ、次の機会、あしたも委員会あることですからね、とにかくきょうじゅうに、早急にどういう調査をして、いつまでにその結果を出すということを明確にしてもらわないと困ると思うんですね。この問題、いま私がきょうここで突然出したわけじゃない。もうかなり前から、大蔵省を通じて、おたくのほうには、こういう調査の要求がいっているということは知っているはずです。それをこういうふうにされては実に困るわけですがね。 これからもう一つ、先ほどお聞きした、農林省としては大体どのくらいの価格で安定を期待しているのか。その辺もちょっと言ってください。
○説明員(吉田雅文君) この問題はなかなかむずかしい問題だと思いますけれども、私どもでは、現在のメーカーの価格が三百円前後でも私は十分いけるんじゃないかと、あるいはそれをもう少し下回るような段階でも、合理化等の努力をしていけばいけるのではないかというふうに考えております。
○竹田四郎君 そうすると、大体今後三百円ぐらいのところで安定されるであろうということに理解してよろしいんですか。そのぐらいになったらもう輸入もあんまりしないと、そういうことですか。
○説明員(吉田雅文君) 私は、現在のまた原木価格の動向にもこれは非常に支配されますので、ここで、現在の原木価格のままでいけばという前提がございますので、原木価格というものは、過去この五、六年の水準を見てまいりましても、ほとんど輸入原木というものは値上がりいたしておりません。そういうことで、産地のほうでは、どんどん原木の生産地が奥地化してきておるというようなことから、非常に日本の商社の買い付けが少しきびし過ぎるというようなことで、産地の非常に反発が強いような状況もございます。 そういうようなことで、産地のほうの生産費に見合う価格というものは、このような価格ではとうていできないというような声も聞いておるわけでございますので、このような状況を反映して、今後の原木価格はどういうふうになっていくかというようなからみもあると思っております。
○野々山一三君 関連質問で。 あなたは、メーカーが調子を見て出す出さないと、こう言っているわけでしょう。そうでしょう。メーカーが——メーカーの話ばっかりなんですね、あなたのは。そうでしょう。 そこで、私ずばり聞きますけれども、私は人をついこの間まで関係諸国へずっと回らせまして、日本向けの品物が向こうの港にごろんところがっておるんですよ、一ぱい。それを買っているのはどこであるかということ御承知でしょうか。——どこでしょうか。私言いましょうか。この間ちょっと私、米の問題で問題にしたあの会社——一つだけはあがりましたね。つまり、メーカーにがたがたがたがた言ってみたところで、あなたの言われるように、資本が小さい、したがって手持ちが少ない、在庫がない。そのメーカーにいろいろなことを言ってみたところで、どうしようもないんです。そこへ持ってくる商社が、全部国内へ持ってきて押えている。向こうで押えているんですから。そのことをあなた調べてきたかね。会社の名前全部言ってごらんなさい、そういうことに関連している会社を全部。どういう会社が、どういう商社が全部そういう問題に関連しておるか、名前を全部あげて。そして、どれだけのものを持っているかということを全部答えなさい。そこから原因を解明しなくては、目先のことを言ってみたって問題の解決にはならない。それを発表しなさい。
○説明員(吉田雅文君) ただいま御指摘の輸入原木の取り扱い商社の件についてでございますが、いまそれに関連した資料をこちらで手持ちしておりませんけれども、輸入の原木を扱っている商社は、いわゆる三井、三菱、その他伊藤忠、丸紅、関係商社、南洋材を扱っている商社は約七十社ほどございます。
○野々山一三君 その七十社が、ストレートにやっている場合と、それと、正直に言うと、ダミーでやっている場合が一ぱいあるんです。私どもは、あなた方と違って、机の上で仕事をしているわけじゃないんです。全部派遣をして、現地でどうなっているかを全部調べて、持っているんです。ですから、日本に入る木材がどんどんどんどん上がるということの原因はそこにあるということを私はまず考えなければいけない。——国内の問題もありますよ。この両方が、やっぱり計画的に需要に応ずるというような体制というものができなければ、いまあなた三百円と言ったね。いいですね、三百円で。三百円にならなければ下がったとは言えません、安定したとは言えませんと答えられたが、責任とりますね。——ということが一つ。余分なことはいいですが。 それから、七十社ほどなんて言わなんで、その七十社なら七十社、かりに百歩譲って七十社でもよろしい。それがどれだけ持っている、その関連のダミーの会社がどれだけある、それがどれだけやっているか、そのためにどれだけの金が動いているかということを現実に調べてあるはずでなければいけない。それでなかったら、あなたのような、三百円にしますなんという話は音の話ということになる。いかがですか。あなたで答えられぬならば長官を呼んでください。 これは関連質問ですけれども、あとで私もまた詰めますから、同じことですから、長官を呼んでください。
○説明員(吉田雅文君) 現在の輸入原木を扱っておりますところの商社の数量割合については後ほど提出いたしたいと思います。しかし、ダミーがどれくらいのものをそれを扱っておるかということにつきましては、なかなかそれをつかむことはむずかしい状況でございまして、それがどれくらいの割合になっているかということについては、ちょっと私のほうではつかめない状況でございます。 なお、先ほどからの合板価格の適正な価格は一体どの程度までに落ちつくかという見通しにつきましては、私はいまの自分の考えといたしましては、現在の原木価格の水準という前提でいきますならば、私は、まあ三百円あるいはそれよりも若干上回るかもしれませんけれども、その程度にいくんではないかというふうに考えているわけでございます。
○野々山一三君 あなたの話はすぐ先のほうへいってしまうんで、どうももとの話が答えられていないから、これは竹田君も何べんでも聞くでしょう。私も何べんでも聞きます。そういうことになりますから、政務次官、いまの木材だけの話でも、これは課長さんではとても、申しわけないがだめですね。あなた政務次官として、この問題の一つだけですけれども、いままで一ぱいありますけれども、このポイントを解決するためにどうするか、責任者をひとつお呼びいただいて見解を明にしていただきたい。それにはたとえば——たとえばと言いますけれども、どの会社がどれだけ国内で持っておるか、それから向こうでどれだけ押えて船に載せないでおるか、それから、その額は幾らか、それがどれだけ、いつ、どういうふうに入るか、そうしたならば三百円になるということになるわけですから、その明確な考え方、内容を示してもらいたい、これが一つです。 それから第二は、ダミーというのはわからないというのは、そのダミーということばの理解であなた方お使いになるけれども、こんなものはおかしなものです。少なくともたとえば——たとえばですよ、丸紅なら丸紅、日商岩井なら日商岩井が、関連して取り扱ってきた三年間なら三年間の実績、これを押えてください。それから、資本系列がどうなっているか。少なくとも、たとえば、二割なら二割資本を入れているというようなかっこうでやっている場合が多い。そういう、以上の会社はどういうものということを押えれば必然的に出てくるんです。これは私も、しろうとですけれども、同時に私は、いま申し上げたように、私自身がこの貿易問題に関与していますから、人間をついこの間まで二カ月外国をずっと回らせて全部調べておりますから、あなたと言うことが違うかどうか、私はそれこそ態度で示しますよ。それこそ数字で示します。場所で示します。そういうことですから、それを明らかにしてもらえば、竹田君の質問の趣旨に合致することになるのではないかと思いますから、その二つをあなたで答えられぬでしょう、いかがですか。
○政府委員(山本敬三郎君) 最初に、竹田先生及び野々山先生の御質問のうち、大蔵省に関係する分と申しますと、昨年の二〇%ダウンのとき合板は問題になったようです。ところが入れなかったのは、昨年の三月ごろですか、中小企業が初めて生産制限をするというようなことまでやりまして、メーカー価格は普通品で百六、七十円まで下がる、卸売り価格で二百円くらいというような非常な不況だったようであります。そこで、こういう不況の直後であるから、関税の問題は議論になったようですけれども、今回は下げないというようなことであったようであります。したがって、昨年対比で見て十倍になるというのは、昨年が非常に少なかったということだというふうに私は実は考えております。 それからその問題の普通の合板のコストの半分ぐらいは原木が占めておる。その原木については、農林大臣がいろいろ御答弁なさっておるようでありますけれども、少なくとも昨年の林野庁の木材輸入の見通しは、私は結果においては誤まっておったと思います。極端に申しますと、おととしの暮れから金融が緩和して、住宅ローンが始まっているから、昨年は住宅建設がかなりふえてくるだろう。したがって、材木は相当需要になるだろうというふうに当然見るべきであったと思います。私は、自民党の部会の中でも、これを盛んに林野庁を責めたことがあったわけですけれども、そういう見込み違いもあり、かたがた商社が限られた地域へと、過当競争でめちゃくちゃに買いあさる、そういう結果が非常に人為的に材木の値段を上げておるということになっていたと思うわけであります。そういう点について課長さんだけでの御答弁では不十分のようですから、明日でよろしゅうございますか——。
○野々山一三君 きょう。
○政府委員(山本敬三郎君) きょうは向こうの都合がどうかちょっとわかりませんので、きょう、または明日、林野庁長官にきていただきまして考え方を御答弁させるように連絡をいたしたいと思います。
○委員長(藤田正明君) それではあした林野庁長官をして、いまの質問の趣旨は明確ですから、それについて御答弁願います。
○竹田四郎君 結論的にはこういうことになると思うんです。あなた方は、合板メーカーのために税率を維持している、こう言っているんです。しかし、今度の高くしておるというのは、メーカーじゃないですよ、三百社ばかりのこんなに多いメーカーが価格操作ができるはずがない、問題は、回りの商社なり、そういうものが実はやっておるわけです。だから、もうけさせておるのは、実際に救わなくてはならないというメーカーではなしに、商社を救ってしまう結果になっておる、この辺の数字も明確にしてくださいよ。どういうふうな形で、たとえば商社がどれだけ輸入して、それを幾らでメーカーにやって、それが一体どういう形でメーカーに請負さしておるのか。メーカーに原木をやってしまって、そこでメーカー自体が自分のものとしてやっておるのかどうなのか、委託加工の分も相当あると思う。この辺の数字も明確にあしたまでに出してください、できればきょうじゅうに出してください。そういうものを見てまた話を進めていきたい、こういうふうに思いますから、一応私の質問は、きょうのところは終わりにしたいと思います。
○野々山一三君 第一に、輸入だけでなしに、輸出のほうにもかかわりがございますけれども、これは未承認国の輸入などが中心でしょうが、延べ払いですね、そういうものは一体どういうふうにしようとしておるのか、どうなっておるのか、いまのところは、たとえば、未承認国なんかではどうなっておるのか、全くといっていいほどやらない。それで一年半くらい前ですが大蔵大臣がケース・バイ・ケースで対処いたしますということをおっしゃった、この委員会ですか、私の質問に答えられたのですが、その後の状況はどうなっておるのかというのが、私の第一の抽象的ですけれども質問なんです。
○政府委員(山本敬三郎君) それはひとつ国際金融局でないと、はっきりしたことは私にもわかりません。ただ、特恵関税の問題にしても、未承認国に直ちにやるということはなかなかむずかしい問題があるようですから、プラント等の延べ払いについてもいろいろむずかしい点があったことは常識的に存じておりますが、野々山委員が質問されて一年半、どういうふうな経過をたどったか等についてはまた国際金融局からひとつお答えさせたいと思います。
○野々山一三君 実際は、もう一回繰り返しておきますが、大蔵大臣はケース・バイ・ケースでそれは認めますということでお答えになったわけでございます。 そこで、実際問題を提起いたしましても、いまのところ、ほとんどプラントなんかの相当な引き合いがございましても、結局延べ払いというものが、ワクがないとか許さないとかということで実効が全くないと言っていいくらいなんでございます。そういうことから関連いたしまして、次に特恵問題の対象になるような後進国、低開発諸国からの輸入というものも必然的にワクが小さくなる。そこで、この法案の説明の趣旨から見ますと、特恵のワクを拡大をしようというお考えで提案をしてらっしゃる、こう解するわけですけれども、実際は、商売ですから、売り買いということとのかね合いになることは必然でございます。そうすると、結局これはしようがないから三角貿易みたいなかっこうになったり、あるいは輸入を扱っている企業そのものの自己資金ではとても足りないから、金融機関から金を借りるということでしょうか。そういうぐあいになるわけですね。そうすると、その負担が重くなる。そこで、私の言いたいのは、ワクを拡大するというふうな考え方のようですけれども、一体どういうふうにいこうとなさるんでしょうかということなんでございます。非常に限界があるんでしょう、これは。限定されたワクでしょう。だから、それこそ一日か二日でワクはおしまいということになるような感じがするわけですね。それじゃワクの拡大と言ってみたって、これは言うだけの話という感じがするんで、そこのところをもっと前向きに対処しなければいけないではないかというのが、私の考え方なんでございます。その意味で、どういうふうに進めようとなさるんだろうかということが次の質問でございます。
○政府委員(大蔵公雄君) ただいまの野々山先生の御質問でございますけれども、一応そのワク、毎年毎年の天井と申しますかシーリングワク、輸入ワクと申しますものは、先ほど御説明いたしましたように、この法律によって定められた一定のワクが各品目ごとにでき上がるわけでございますが、一日か二日でそのシーリングワクが停止をされます品目と申しますものは、たとえば台湾からのかさであるとか、ごく限られた一、二品目が一日か二日で停止をされるということで、現在まで約七十品目が停止をされておるわけでございますが、これはかなりの日数が停止をされましたものも、半年なり一年の間に停止をされますものが七十品目ぐらいのものでございまして、大部分のものは停止をされないわけでございます。しかしながら、停止をされるほどの品目であるならば、輸出国の立場から見れば、非常に日本に対して輸出したいという品目に当たるわけでございます。したがいまして、今日まで、定められました天井ワクに達しますと、直ちにその日に停止をいたしたわけでございますが、今年度お願いをいたしたいと思っておりますのは、かりにその天井ワクに達しましても、そのとき、日本の国内産業に対しまして、さらにその輸入が増加をいたしましても、日本の国内産業に対しまして影響がないと、こういうふうに判断をされました場合には、天井を越えても、かつ発展途上国からの輸入をすることが、特恵税率の適用による輸入ができるようにすると、こういうことにいたしたいと、こういうことでございます。
○野々山一三君 そうすると、限られた品物で、限られた国の物が大体すぐ満ぱいになると、こういうことでございますか。
○政府委員(大蔵公雄君) 仰せのとおりでございます。
○野々山一三君 私の思うのは、そういう限られた品物が使用されて、日本全体のと言うよりは、日本に及ぼす影響を考慮しながら処理をするというのがおたくの考え方ですね。ところが、実際問題としていかがでしょうか。この種のものは、中小企業の使うもののほうが多いのではないかという実情ではないかと思うのでございます。そうすると、そのワクはもっともっともっと拡大するという立場こそ、中小企業対策ということをよく政府も言われるわけですけれども、それに合致するのではないかという考え方がとれるわけですね。そこで、なかなかこれは個別のものを当たってみなければ、そう一々は言えないので原則的な話になりますけれども、積極的拡大という考え方をとられないのでしょうかというのが次の考え方でございます。
○政府委員(大蔵公雄君) おっしゃいますように、昨年四月中にその特恵関税の適用が停止をされました。すなわち一カ月以内にその特恵関税の適用が停止をされました品目というのは、かさ、つえ及びこれらの部分品、これは主としてやはり台湾、韓国からの輸入品でございますけれども、こういうもの、それから、竹製の引き抜きざお、くし、これは台湾からの輸入が主たるものでございます。それから四月二十日に停止をされましたのが、はき物でございまして、それが台湾、韓国からの輸入で、それから、第四番目が絹紡つむぎ糸で、これは主として韓国からの輸入で、これは四月の末に停止をされておりますが、確かに仰せのとおりに、これらの品目に関しましては、日本でこれらの国と競合をいたします産業は、どちらかというと中小企業の製品があるわけでございまして、私どもも本年度弾力化をし、拡大をしようと申しますものは、こういったような品目は、相当かなり国内産業に——非常に多量に入ってまいりますれば、国内産業に対する影響はかなり大きいものと判断をいたしておりますので、こういうものの輸入のワクというものを、この法律で定められました以上に、輸入は本年度設定されました輸入ワク以上にこれを弾力化し拡大をしようと、こういうことを考えておるわけではないわけでございます。
○野々山一三君 ちょっと具体的な話ですけれども、たとえば絹、あれはどうなんですか、絹糸。
○政府委員(大蔵公雄君) 絹並びに生糸は特恵の例外になっております。
○野々山一三君 例外ね。——そうすると、やっぱり税のほうで言えば普通である、普通の一般のものと同じであると、こういうことでございますね。ところが、実際問題として伺いたいのは、これは非常に価格の変動があるという間はまだいいものの、このごろべらぼうに上がりましたね。ここ十日か十五日で、絹の着物なんというものは倍ぐらいに上がりましたね。そういうものについて、一体どう、値が上がるということと、輸入政策ということとの観点でどう考えるか、それから、国内の絹をこしらえるというそういう者及び加工業者及び消費者というところの関連において、おたくとしてはどういうふうに対処する考え方なのかということを伺いたいんです。先ほどの木材とよく似ているわけですね。これはもう非常にほしがっているわけですね。だから、むしろもっと自由に入るというぐらいなことも考慮しながらコントロールするということが一つ必要だろう。 それから、ことばじりじゃありませんけれども、弾力的にということばが、非常に弾力的に使われるわけでございますね。それこそ弾力的に弾力的にと言っている間に、ほんとうに何となくわからなくなってしまうというのが私の素朴な疑問なんでございます。それに対処する対策はどういうことなんでしょうかということを聞きたいわけなんです。
○政府委員(大蔵公雄君) ただいまの、確かに生糸、絹織物、こういうものの値段が国内的に非常に高くなっているということは、仰せのとおりでございまして、私先般——生糸は大体日本の主たる輸入国の対象が、中国と韓国でございます。で、まあ主として中国が、日本のその輸入の大体六割を中国からの輸入が占めておるわけでございますが、中国からの生糸は、今日まで輸入関税が一五%であったわけでございますが、私どもの立場といたしまして、幾らかでもその国内の生糸の高騰に対して抑制をすることに役立つというものであったとするならば、中国からの生糸の輸入の関税を引き下げるほうがよろしいと、こう判断をいたしまして、この三月の十日に政令を出しまして、生糸の便益関税を中国に対して共与をすると、すなわち日本の最恵国待遇と同等の七・五%という税率に生糸の税率を引き下げまして、中国からの生糸の輸入が幾らかでも安く入ってくるようにというふうな方策を講じたわけでございます。その結果、結果といたしましてはどうも、最近中国からのいわゆる生糸の値段そのものが非常に高くなってきておりますために、それが直接、その一五%が七・五%になったということによって、中国からの生糸の輸入が安くなったという事態に至らなかったのは非常に私も残念に思っておるわけでございますが、これは中国側の売り出す値段が非常に高くなってきておりますので、その効果があまりよくあらわれなかったと、まあこういう結果ではないかと思います。 それから、絹織物に関しましては、国内、御承知のように絹織物の生産業者、中小業者が非常に多いわけでございまして、何か最近の状況によりますと、それは原料が非常に高くなっているということで、原料高の製品安と、こういうような現象が絹織物に対しましてはありまして、中小業者は非常にかなり困っているというふうな話を聞いております。これは国内の原料が非常に高くなってきているということで、こういったようなものに関しましては、私ども関税面におきまして、やはりかなり考えなくてはならない問題でございまして、中国産の絹織物の輸入価格が最近は昨年に比べまして一〇%ぐらい値下がりをしておるわけでございます。したがいまして、現在の関税率が輸入を阻害をしているというふうには私ども考えておりませんので、まあこれを、絹織物の関税に関しましては、ただいまのところ手をいじらないほうが、国内生産業者のためにはよろしいのではないかと、かように考えておるわけでございます。 それから、シーリングワクの弾力化弾力化と言ったら非常に幅の広いことばであって、弾力化という意味でございますが、私ども考えておりますのは、その弾力化をいたしたいと思っておりますのは、その当該特定の産業の国際競争力が非常に強くて、その特恵関税率の適用を継続いたしましても、依然としてその国際競争力が強いために、国内といたしては——国内産業としては何らの被害を受けることはないという、しかも、安い税率で発展途上国からの輸入がふえれば、それだけ消費生活にも役立つわけでございますし、まあそういったような品目を選びますのに、過去二年間にわたる輸入実績等を調べまして、たとえば、その輸入実績がそのシーリングワクに達しなかったような品目であるとか、あるいはシーリングワクには達したけれども、国内需要に占めるその特定受益国からの割合が比較的少ないもの、こういったようなものを弾力的に考えると、こういう方向で、現実問題といたしましてはその輸入が天井に達しましたときに、関係省と協議をいたしまして弾力的に扱うと、こういう実行をいたしたいと、かように考えているわけでございます。
○野々山一三君 それと、いま絹の話だけで申し上げますと、やや中国は一時上がったけれどもこのごろ下がってきておる。そこで、税率を下げたので安くなるはずであると、こういうことでございますね、あなたのほうの御認識は。
○政府委員(大蔵公雄君) 生糸でございます。
○野々山一三君 そうですね。なぜでしょうか、このごろだだだっと上がっていくのは。あなたの話とまるきり反対の現象が起こっている。そうでしょう。どういうことになっているのでしょうか。
○政府委員(大蔵公雄君) これは、生糸の高騰の原因に関しては、農林省のほうにお尋ねいただきたいと思いますけれども、いわゆる関税の面から、その生糸の高騰に関税が作用しているということはないんではないかと、こういうふうな考えでございます。
○野々山一三君 関税面で言えば下げたんだし、下がるはずであるというお考えは、これは関税面では認めていいと思うのですよね。ところが、実際は上がっているということの疑問は、これではちっとも解決しないわけです。それで、これは——農林省の係の方いらっしゃいますか、実際問題として上がっているわけでございます。それで、じゃ品物はないか、あるかという問題でございますけれども、これは私直接会社と、きのう——おとといです、もう電報でどんどん来ます、品物は。これで買ってくれるかというのが、実は三、四カ月前に買った値段と同じもので、これでいいか、こういうわけで電報がまいりました。目の前で私はその電報を見てきております。そうすると、これは私の知っている、その現物を見てきたところはせいぜい一・二%くらいのマージンで落としている。これは当然の管理費として、それぐらいなら安過ぎではないかと思うぐらいな感じでございます。専門家じゃないからよくわかりませんけれども、一・二%から三%ぐらいなら、これは通信費だってそのくらいかかる、人間も行ったり来たりしますからかかるだろう、いわゆる管理費でございます。それで落としているところがあるのにかかわらず、なお上がっている。そうすると、もっとよけい買っているところか、あるいはどこかが何とかしているかということの疑問を持つのは当然じゃないでしょうか。そこで、それをあなたのほうでどう認識なさっているか。さてそれをどういうふうに対処するか。そうして消費生活の面にどういうふうに、その税のほうの立場で言われる。税はまけたんだ、安くなったんだ、だから、品物はあるんだ、入ってくるはずであると、こう言われる。それが死んでしまっていることが、解決できるかということについて、あなたのほうの立場で、具体的に——どうも私がしゃべっているのは抽象的なんで、あなたのほうに具体的に言えと言ったってむずかしいかもしれぬが、しかし、まず具体的に答えていただきたい。
○説明員(吉岡裕君) 先生のただいまの御質問でございますが、私も直接根本的な知識を持ち合わせませんので、もし必要があれば、また蚕糸関係の担当局のほうから御説明をしていただくほうがいいかと思いますが、御承知のように、生糸と申しますのは、非常に景気変動との関係が深い産品でございまして、これはもう戦前から非常にその糸価変動というものは景気の変動と関連しまして激しい産品でございます。そこで、蚕糸事業団というふうなものがございまして、一定の価格幅の中で糸価安定をはかっていると、買ったり売ったりしまして糸価安定をはかっておると、こういう仕組みになっておるわけでございます。 それで、最近の非常な価格の値上がりでございますが、具体的には私も申し上げる資料を目下持ち合わせておりませんが、たとえば、昭和四十五年の年間の生糸の平均卸売り価格が、キログラム当たり八千六十九円ということになっておりまして、昨年四十七年の平均が七千七百四十九円ということになっており、四十五年に比べますと、まだ昨年一年の平均はそれほど高ものではなかったということは言えるわけでございます。しかし、昨年末から最近にかけまして九千円をこえるような価格になっておって、御承知のように生糸取引所も一時閉鎖されたというふうな事態になったわけでございます。基本的には、昨年の後半から非常に国内の景気が回復をしてまいりまして、絹織物需要というものが非常にふえてきたということが基本的には原因の一つであろうかと思います。 それからもう一つは、国産の生糸が、最近の養蚕の伸びが思うように伸びませんで、国内生産のほうにかなりの制約がある。そういうことになりますと、結局輸入によってその需要と生産の差が調節されるということになるわけでございますが、先ほどお話ございましたように、韓国と中国がその主要な供給国である。ところが、韓国のほうは非常に生産の伸びがそれほど十分ではございませんで、なおかつ、なるべく絹織物の姿で付加価値性を高めて輸出したいという政策を韓国としてはとっておるわけでございます。したがいまして、生糸そのものとしましては、やはり中国に依存せざるを得ないということで、先ほど関税局長からお話ございましたように、関税も下げて、さらにもうちょっと輸出をしてほしいということを依頼をした。向こうもいろいろ国内生産及び在庫の都合もございまして、どの程度追加供給をしてもらえるかという点は、私ども、現在では正確な数字はつかんでおらないわけでございますが、とにかく検討はしたいと、こういうことを先方は申しておると、こういう状況でございます。したがいまして、まあ一般論でございますが、基本的にはそのような需要の非常に強いということと、供給の制約というものが基本的な理由であると、こういうふうに思っておるわけでございます。
○野々山一三君 まあ、供給量が足りない、需要がふえたと、それで先ほど外国からの入るものと、国内の生産との関係ということを申し上げたんですけれども、正直言うて、変動の多いものであるということは、私も実は、もともとそういうお蚕を飼ってきたうちに育った人間ですから山ほどそういう経験を持っておりますが、実際は、いまごろほとんどやっていませんですね、国内。そういうところはもっと、何というか土地効果の高いものをつくるということになるようになってしまっておる。それは事実だと思います。問題はあれですね、私ずばり言って、小さな商社が買い取る場合にはわりあいに早くさっさっと流れるんだが、幅が小さくて。ところが、大きな商社は、どんと買うことが、中国とのこのごろの関係でふえてきたことは事実で、それでいまあなたのおっしゃったような生糸の市場を閉鎖したという事態が起こったと言われるけれども、起こった間にまた上がっているんでございます。それほど問題が問題になればなるほど、なることをいいことを幸いにそれを上げる。それには単に生産価格が高くなったとか、加工価格が高くなったということももちろんあるでしょうけれども、それ以外の操作というものが非常に顕著にあらわれているのが、ほかの問題もありますけれども、生糸なんかそういうことなんでございますね。これはやっぱり供給源というものをどうするかという根本的な対策というものを、これは中国との間にも、朝鮮との間にも抜本的に立てなければならない時代である。時代であるということのことばをひとつよく受けとめてもらわなければいけないわけで、その対策を、もっと抜本的な対策を早急にとるべきじゃないかということを言いたいわけなんです。それの具体的な考え方をもうちょっと、わしみたいな者にもわかるように答えられないでしょうか。 それで、同じような問題で、ずばり言いましょうか。さらし、綿ですね、これなんかも、実はついこの間まで一反当たり四百円くらいでしたね。もう一日おきに上がっていって、いまは千円をこえる時代になりましたね、綿類全体が。たとえば、ふとんのシートカバーなんかでもそうですが、ついこの間まで二千円であったものが三千円でございます。りっぱなデパートでもそうです。有名な西川ふとん屋にもこの間行ってきました。「上がりましてね」ということばだけでございます。張ってある紙きれは上がりますから、買う人は銭を出すよりしようがない。こういうことになる。そうすると、実際このごろは奥さん方が、早う買ったほうがいいぞということばがはやってきております。早う買ったほうがいいぞと言って行った人たちは、みな高いものになってしまってから買っているというのが実情でございます。これほど事態は急テンポに変化しているわけですね。これもやはり木材、生糸と同じように、こうなる原因が何かということを抜本的にお考えにならなければならない点が大事じゃないかというのが私の意見なんでございますが、それに対してのずばりのお考えをひとつ伺いたい。対策、今後どうするか、どれくらいになるか。先ほどの合板ではないけれども、三百円くらいになるというのですから、幾らくらいにしますと、こういうことにならなければいけないと思いますですね。 これから、いまのあなたのお話、四十五年は八千八百六円であったのが、四十七年は七千七百四十九円になった。なったのに何で消費者のところでは上がるのでしょうかということでございます。 そうすると、あと次の問題に進みますけれども、今度の法律改正の第二のポイントである国民生活安定のために税率全体を変えますという考え方でございますですね。私はそれはいいと思います。中身については、なお、いろいろ意見はありますけれども、考え方としてはわかるわけです。さて、実際はいかがでしょうか。もうめんどうくさい話はやめにいたしますが、ウイスキーならウイスキーといたします。ジョニーウォーカーの黒がついこの間、前は一万円くらいでしたね。八千九百円くらいになりました。十日から一カ月くらいたったら、また九千五、六百円になりました。そこで、私の言いたいのは、これはおたくの関税のほうに伺いたいのですけれども、税金が下がったならば、当然販売価格が下がるべきである。それがちょっとの間に上がっていくわけです。それでは一体、税金を下げても意味がないじゃないかというのが国民のしろうと、私みたいなしろうとの当然の認識ではないでしょうか。どう対処されたでしょうか。これからどうするのでしょうかということを伺いたい。
○政府委員(山本敬三郎君) 一般的に生糸にせよ、合板にせよ、投機をどうして押えるかという問題でございますが、私はやはり本年の二月まで円レートを絶対に動かさないというたてまえでおりましたために、国内的な金融引き締めという手段を出ることができなかった。黒字国が金融引き締めをやりますと、なおさら輸出圧力がかかってくるわけでありますから、かえってその輸出の黒字を減らすために、内需を振興しようというので、大型予算、補正予算を組んでいくという形をとっておって、インフレ対策というものに、フリーハンドがなかったという点で非常なおくれがあったことは私は事実だと思います。 そこで、いま問題になります過剰流動性をどういうようにして解消していくかという問題について着々やりつつあるということですが、私は、それだけじゃなしに、先ほど生糸の問題でお触れになりましたように、確かに需要はふえておるといいますけれども、その需要の中には、仮需要なしとはしないということが明らかに言えると思います。私の聞いた話では、非常に京都の産元の一部、あるいは全国の機屋さんの一部も、すでに株の所有とか、あるいは金融という形で、総合商社に隷属しているというような点もあることを事実として認めざるを得ない。そういうようになりますと、私は、私見を申しますと常におこられて、そんな自由民主党があるかと言われるのですけれども、いまのような時代において、古典的な自由というものが許されるかどうか、外に向かってエコノミックアニマルの先頭に立った総合商社が、これから中へ入ってきたら、これはもう際限もないことになってくるのではないか。そこで、やっぱり一つ一つの投機を末端で取り締まるということ以上に、総合商社がいまのように持ち株会社であっていいのかどうか、総合商社が銀行にとってかわって金融機関の役割りを代替するような形がはたしていいのかどうか、こういう問題を抜本的に考えていくべき段階ではないか。実はこの間公取委員長にも、いまの独禁法で公正な取り引きの範疇で考える余裕はないかどうか研究してみてくれと言いましたし、また、大臣にもいまやそういうことが国民サイドから見ても必要な時代です、何とか考えなければいかぬと思いますということを申し上げて、大臣も予算や重要法案が上がったらひとつ前向きに検討しようじゃないかということを言っている点でありまして、やっぱり問題は、根幹について考え直していかなければならぬ点があることは私は、事実でなかろうか、こういうふうに考えております。 第二段は、局長から……。
○政府委員(大蔵公雄君) 私どもも関税を引き下げれば、それが特に国民生活の関連物資であればあるほど末端価格に直接その関税の引き下げ効果が及んでもらいたいという意欲は非常に強いわけでございます。何のために一体関税を引き下げるかというと、ある程度国内産業に犠牲になってもらっても、要するに、生産者の立場を犠牲にいたしましても、消費者のために関税を引き下げて、外国から安い品物が入ってくるようにしたいという目的を持って、関税を引き下げるわけでございますから、これが末端価格に及ばなければ、何にもその関税引き下げの効果がなかったということに相なるわけでございまして、私どもといたいましても、経済企画庁なり、あるいは担当の局なりに関税を引き下げたあとのアフターケアというものは、ひとつできるだけ力をふるってやってもらいたいという要望をいたしておるわけでございます。
○野々山一三君 たとえば、かつて関税を下げたときに、店屋にものを買いに参ります。そうすると、税金が幾ら幾ら下がったので、幾ら幾らのものは幾ら幾らに売りますと、こういうちゃんと表示したわけでございますね。これは正直に言うと、十日か一カ月ぐらいでみんなその紙はどこかへいっちゃうわけです。とたんに数字が上に上がるわけです。あなたのほうによく聞きますと、いつも追跡調査をしていましてと、こう言うわけですけれども、そのとき追跡調査をやったとか、そのときこうしろと言ったとか、そのときの話はいまここでしゃべって、あした昼から別のことになっておったらどうしますか。そこで、政治信頼という観点から見ますと、提案説明の中で国民生活安定のために、関税率を引き下げますというのですが、これは紙に書いたぼたもちであってということにならないようにするためにどうしますか。私は、たとえば、三カ月に一回ずつとか、二カ月に一回ずつ確かにこれだけ下がっていますということを、チェックするという計画的な追跡調査をしますということを、内外に声明するということがやっぱり一つの策ではないか。 それからもう一つ、たとえば、お酒なんかの話でずばり言いましょう。小売り店に卸屋が渡しておいた、そうしたら税金が下がりました、安くなりました、ぱっと買い占めます、また買い戻します、二カ月くらいたちますと、品物がなくなりますからさっと出します。そのときは小売り商店はちょっとも損しないわけでございますね、ちょっとも損しないわけです。それで買い占めます。卸屋が買い占めまして、また出します、それでも上がるわけでございます。卸屋というものがそういうことをやるのは、先ほど政務次官言われたように、その上にもう一つ商社がからんでおって、金融的な処置をいたしますからできるわけでございます。こういうものを一ぺん私に言わせると、現実に調べてください、こんなものは在庫品調査すればすぐわかる。帳面調べればすぐわかる。これも単なる抽象論でありません。こんな小さいときから育ててきたやつがやっていまして平気でそういうことを言います。連れて来ましょうか。何軒でも連れて来ますよ。そういうことをあなた方はおやりにならなければいかぬのじゃないでしょうか。そうしないと、こんなことを書いて、国民生活安定のためになんといって、法律改正いたしましてなんておっしゃっても、ちょっとも国民は信頼しない、たいへんなことが起こるというのが、第二の問題じゃないでしょうか。 そういう具体策の一、二をこう述べながら、あなたのほうの抜本策というやつを、忙しい時間が終わったらやります、それじゃとてもだめですね、いかがでしょう、政務次官。すぐやらなければいけないことで、あなたは忙しいでしょうけれども、事務局の人は忙しいたって、それが仕事じゃないでしょうか。そうしなければ役所の仕事というのは、一体何やっているだろうかということになるのは、これはしろうとじみた話ですけれども、本質じゃないかと思うのでございますよ、いかがでしょうか、お考えをお伺いしたい。
○政府委員(山本敬三郎君) 具体的には企画庁から来ているようですから、企画庁のほうが追跡調査をやっているはずでございますから、企画庁から。
○説明員(斎藤誠三君) ただいま先生の御指摘の点につきまして、われわれも努力いたしておりますが、不十分な点のおしかりは覚悟の上で意見を申し上げます。関税の引き下げのみならず、一昨年のレートの切り上げ等含めまして、輸入価格の低下を消費者の利益に還元するよう昨年三月六日に閣議決定をいたしまして、追跡調査等の品目をきめたわけでございます、約六十品目につきまして。関係各省及び企画庁独自でまとめておりますのは十五品目でございまして、三カ月ごとぐらいに大体その価格の推移を発表いたしております。さらに企画庁としては、昨年の秋ごろまでに二十二品目についてやや構造的な流通機構その他につきまして調査を行ないまして、その概要は新聞等に昨年末発表いたしておりますし、今後もその種の調査は十分続けていきたいと思います。なかなか流通機構自体が非常に実態の究明がむずかしいわけでございまして、また御承知のように、必ずしも消費者の利益に関税引き下げその他の利益が還元されておらない面もございますので、今後はこの一年の経験にかんがみまして、さらに詳細な調査を行ない、適時公表いたしたいと考えておりまして、四月の早々にそういった考え方なり、具体策をまとめるべく本日も午後、そういった種類の各省会議をやる予定になっております。
○野々山一三君 これはやりたいなあという、やりたいなあという言い方では失礼ですけれども、やるつもりですという話で、これは正直言って、先ほども言ったように、数カ月たつとすっとまた上がってくるということは、追跡調査がそのままずっと行なわれてない証拠だと、こういうふうに見るのは私は当然だと思うんでございますよ。そこで、いまも申し上げたように、具体的に、こういうことをこうやって、こうやってこうやって追跡調査をいたします、それから国民の前に、こうやって税金が下がったんだから下がります、下がるはずですと、そういうことを表示するとか、あるいは広告するとか、発表して国民によく周知徹底をはかるとか、それから、公取なんかも、私に言わせるとちょっとこのごろ骨抜きみたいですな。みたいというよりは骨抜きですわ。私と一緒ですね。これはやっぱり非常に意味がないことです。ついては、私は正直言うと公取の委員長にでも来てもらって、このごろの具体的な問題について、もっとしっかり対処する考え方を持ってもらわなきゃいけないし、言うならば公取の価値というものをもっと高めなきゃならぬ、権威というものを高めなきゃいけないということをしみじみ思うのでございます。それに対して、そういうようなことを具体的に、あした、まだこの法律審議しますから、ひとつ具体的に考え方を、あしたから調べます、考えますなんてそんなこと言わないで、きょう徹夜してでもやってくださいよ。そしてあした、こういうことでやりますということをひとつ提起して、そして国民の皆さんに明らになるように、われわれも、この法律がいいならいいということが言える判断をできるようにしてもらいたい。まあ、あしたあげてくれと言ったって、そんなもの、あげませんよ、そんなこと言ったって。ということになりますね、これは。これは話はまた別ですけれども。そういうように具体的にしてもらいたいということが私の注文ですがね。で、あしたにその問題は保留いたします。 で、公取の問題は、これまたひとつ御協議いただいて、あした竹田委員の質問にもございますから伺うことにいたします。対処してもらいたい。これはお答えがなくても、よく聞いておいてもらって間違いないようにしてもらえばいいということだけ言っておきます。 それから、一番最初に申し上げた未承認国などの諸国との間における延べ払いの問題について、担当の審議官お見えのようですから、ごく簡単に繰り返しますけれども、一年半ちょっと前でございますね、この委員会で、未承認国などのプラント輸出に対する延べ払いはケース・バイ・ケースで対処いたしますというのが大臣のお答えであったわけです。実際はどうなっているでしょうかということがまず一つ。それから、私の意見、感じを先に申し上げると、実際にはほとんど不可能、実際にはケースがない、ないというよりは、幾ら言ってってもだめだというのが実情でございまして、それではやっぱり大臣のお話が生きていないんじゃないかという意味で伺いたいわけです。
○説明員(前田多良夫君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問の御趣旨は、おそらく輸銀の使用に関したものだと思いますが、念のため、この延べ払い全体の方針といたしましては、これはオン・ファイナンスで行なう場合には、一切、承認国、未承認国を差別しておりません。それで、ただいま御質問の輸銀の使用につきましては、ケース・バイ・ケースで処理しているということは、まことにそのとおりでございます。それで、それではその例があるかと、こういう御質問でございますが、東独に対しましては、四十五年の八月に、アンモニア製造プラント、金額にしまして約三千九百万ドルのものにつきまして輸銀使用を認めた例がございます。その他につきましてはございません。あくまで案件を見まして、それぞれの案件につきましてケース・バイ・ケースで処理していきたいと、こう考えております。
○野々山一三君 正直申し上げて、たとえば、プラント輸出の場合に引き合いがありまして話を進めてまいります。そうすると延べの問題が当然のように起こります。これは、いまお話しのように一件だけしか実際に通ったことはないと、そのとおりだろうと思います。なぜ通らないか。これはおたくの関係ではない要素がございますが、技術家が入国ができないという問題、設計監督の技師の入国の問題がございまして、そして、実際は引き合いがございましても話が進まないのはそこがネックになるわけでございます。これはちょうど、予算委員会でベトナムの革命政府の代表の入国の問題がございましたと同じように、そこが大きな一つのネックになっておりまして、それで、たとえば、船なんかでも一万トン級の船七隻——私が知っている具体的な例ですけれども、引き合いがございまして、ぜひともというわけで四社も五社もやりたいということですけれども、実際は、いま申し上げたように技術者の入国ができない。そういう問題がございまして西ドイツにみないってしまったのでございます。そういう金融面での処置だけではなしに、入国問題という問題が一つの大きな問題になっていて、ケースとしては一件しかなかったということになるのは私も承知の上でございますけれども、これはあなたのほうだけでは処理ができないでしょう、政務次官お見ですが。ことばではケース・バイ・ケースけっこうでございますとおっしゃっても、いま言ったような一例があるようにネックがございまして処理ができない。こういうことは、やはり、非常なまじめな意味での、いい意味での輸出、そして経済友好という観点が阻害されていることは特に後進国に関しては多い。あるいは未承認国といわれる、たとえば北ベトナムだとか、あるいは北鮮のほうですね。そういうようなところは多いわけでございますね。これは、確かに政治的な姿勢の問題もあるんでございましょう。けれども、これも含めてケース・バイ・ケースでやるというのが、前の私の質問に対する大臣のお答えであったわけです。だから、一体化せなければいけないということがよくおわかりいただけるんじゃないかと思うのでございまして、外務省当局やら法務省当局との間にもその調和をはかってもらいたい。これが私の意見であり、そのお気持ちを伺いたい。 それから、もう一つだけ申し上げておきたいんですけれども、農産物などの自由化の問題でございます。たとえば、ミカンの話がよく問題になります。これは農林のほうにもかかわりがあるのでございますけれども、冷凍ミカンでなくても、完全に保存できて、半年もたってもちょっとも色も変わらない、かっこうも変わらない、中身も変わらないというような技術は十分できておるのでございますね。ということが一つあるんでございますけれども、そういう事態のもとで輸出する、あるいは輸入するという観点から見ますと、国内製品だけをカバーするために自由化をやめるという考え方は、必ずしも、私はそれだけでいいということには思わないんです。なぜか、ミカンなんかで自殺事件が起きましたね、そういうようなことは、やはり抜本的なというか、もう少し高い次元で対処するということが、税金面でもそうですし、自由化という面、それから輸出入の政策という観点から見ても必要じゃないかということを考えます。これは第二の問題でして、見解を承りたい。 それから、たとえば、自動車だとかICだとか、あるいは電子計算機の問題が国際的に非常に問題になっていますね。わけても、自動車なんというのは、きょうも新聞に出ましたが、トヨタは一千億以上のもうけです。日銀なんかうんと下へいっちゃいましたな。まあ、日銀はいろいろな事情があることはわかりますけれども、ああいうところへ、なおかつ自由化を許さないというたてまえというものは、非常に私は問題だと思うんでございますよ。そういう点についてどうしろということは、まだ私も的確には申し上げないことにいたしますが、どういうお考えなのかということを第三の問題としてお伺いいたします。 それから、特恵の問題に戻りますけれども、たとえば、後進国から入っておったものが、このごろはあまり率として、ここ数年来率として非常に低下して、よその国へどんどんいっておりますね。アメリカなんかには相当いっていて、それで国内の企業の製品が売れなくなっている、ということなどは、後進国開発あるいは後進国の物を入れるためにめんどう見るという特恵の方式が手ぬるいではないかということが感じられるわけですね。バランスがとれてない——手ぬるいというよりは、バランスがとれてないという意味で、これまた抜本的に検討すべきだし、この前法律が流れておることもございますが、そこらの対処策は早急にすべきでないかというのが私の個人的見解です。その対処策について伺いたい。
○政府委員(山本敬三郎君) 農林省も通産省も来ているようですから、あとで必要あれば補足していただきます。 第一の延べ払いの問題ですけれども、おっしゃるとおり、入国管理令によって人間が来るということが前提になっているわけでございます。この問題については、南ベトナムの解放戦線の方も入る入らないというような事態にもなってまいりましたので、大臣にもお話しして、ケース・バイ・ケースをどうして考えていくかということについては、外務省や法務省ともお話しをしてもらうというふうにしていただきたいと思っております。 それから第二に、ミカンの問題でありますが、自動車とあわせてでありますけれども、おそらく一つの国が八十億ドルも九十億ドルも輸出超過でいくということが世界的に許さるべきでないという時代が明らかにきているのではないか。ことに対米関係で四十億ドルも輸出超過、これは相手国にとれば、相手国の工場や会社がつぶれて失業問題を起こす。アメリカのごときは、財界ではなしに、むしろ労働組合が強いということでありますと、やっぱり資源を世界に仰がなければ生きていけない日本、貿易の自由ということがバイタルな色彩を持っている日本としては、やっぱり何とかして是正していかなければならない。そうすると、どうしても輸出を何らかの形で押えていくか、輸入をふやしていくか、あわせて両方をどう使うか、こういう問題になってくるわけであります。しかし、国内において非常に零細な業者が、その変化にどういうふうに対応していけるようにするか、その変化に対応させるように、どういうふうに政府として調整策を講じていくかというようなことと結びつけて考えていかなければならぬ。で、私は、農業の問題を、農業さえよければどうでもいいという考えは許されない、農業に過保護でいけばその分のしわがどっかに寄ってくるのだ。たとえば、レートが上がって、中小企業がやっていけなくなる。そういうものとの比較において、やはり考えていくことが全く必要な時代だと。で、ことに自動車等、レートが変わりましたから、輸出は少し頭打ちになるかもしれませんが、本年の実績でも相当伸びている。自動車の伸びることが、逆に中小企業が倒れていくことと間接には結びつくというようなことを考えますと、やっぱり真剣に日本の対米貿易収支が、第三国からアプレシエートされるくらいにしていかない限り——新聞によれば、愛知大臣のこの間の発言も、天に向かってつばするものだという批判を受けるような結果になるのではないか。日本が国際経済の中で発言権を持つためには、やっぱり苦しくても、対内的にある程度のことをやって、そうして国際収支で他国に大きな迷惑をかけないという形をとっていくべきではないか。それは、いまは対米収支だけの問題でありますが、未開発国にとっても全くの片貿易でありますから、これがいつまでも許されるべきものではない。たとえば、韓国にしても、ベトナム出兵がなくなれば、特需がなくなってくるわけですから、もう収支が非常に苦しくなる。わかり切っていることでありますから、特恵等についても、まあ関税局といたしますと、昨年以来かなり発想を転換したつもりと思いますけれども、それでもまだまだ客観的には不十分ではないかというふうに考えて、大臣にも相談して、できるだけそういう方向に前向きに勇敢に歩んでいただくようにしたいと考えております。
○野々山一三君 いまの自動車の問題で言えば、輸出するやつがうんと額が安い価格でいっていますね。それで、国内ではうんと高いというか、率直に言って、うんと高い価格で保護されている。まさに過保護という感じが私にはするわけです。しかも、今度は、四月ですか、五月ですか、排気ガスの問題でちょっと自動車を直す、あれだって、みんなメーカーが本来私はやるべきだと思うのです。ところが、みんな車を持っている人に銭を出させるわけです。小さな車でも五千円出させる。それでいて、会社のほうだけはやたらもうかっている。こういう考え方は、抜本的に技術革新時代における企業というもののあり方として重大な問題だと私は思うのです。 それからさらに、この間も別な問題で質問をして資料要求しましたけれども、全然出てこないのはカドミウム汚染。法律ではちゃんと起因者が責任を持つということになっている。認定は県でございます。県はしない。私は、いなかに帰った。市長は、あなた余分なことを言ってくれたねと、こう言われた。それで、結局どうなるかというと、埋め立てするわけでございますね。その銭は、国と県と市でやるわけです。企業は知らぬ顔。こういうことが、この時代に許されていいかということは、根本的な産業政策全体の問題として私は、考えなければいけないというよりは、措置しなければいけない、こういう時代だと思うのです。それを含めて、いまおっしゃるように、考えるというお考えの中に、早急にその方針を明らかにして対処してもらいたい。これは別な委員会で私は少しやりたいと思うのでございます。 自分がつくった自分の車を、変わったから買ったやつが銭出せ、そんなばかな話ありますか。しかも、マスキー法に反するやつは、トヨタであり日産である。本田と、それから東洋工業だけはマスキー法に合致する、ということは、国際的にもう明らかになっているわけでございましょう。そうしておいて、そうなっているにもかかわらず、これを延期してくれと言うのです。そういう措置を延期してくれと言うのが日本の産業です。それをよろしゅうございますと言うのが自民党だ。それでは、あなたのほうだって困るでしょう。私が、そんなことをぎゃあぎゃあ言ったら。まじめな意味でそれはぜひお考えをいただきたいということを注文としてつけて、あとの問題はあしたの質問に保留いたします。 以上です。
○委員長(藤田正明君) 午後三時再開とし、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 —————・————— 午後三時十四分開会
○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 有価証券取引税法の一部を改正する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渡辺武君 有価証券取引税について若干伺いたいと思うのですが、この取引税の税率を引き下げたということについては私ども賛成なんですけれども、問題は現在のような株の投機が非常に盛んに行なわれているときに、株式の譲渡所得税ですね、これが原則的には非課税ということになっている点について、これは私どもも思っているんですが、国民一般大衆もこれはもう納得できないということを非常に強く主張しているところだと思うのです。ところが、原則的には非課税であるはずの株式の譲渡所得税について、所得税法にも例外規定があると思うのですね、何々が例外規定になっているのか、どういうケースが課税になるのか、その辺をまず伺いたいと思います。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま渡辺委員御指摘のとおり、現在株の譲渡から生じます利益につきましては、法人は法人税を負担してもらっておりますが、個人の所得税は原則としては課税をしない、ただし、事業譲渡類似の株式譲渡から生じます利益、これは課税をいたす。それから、何と申しましょうか、常時、ほとんど商売として株を扱っていると考えてもいいようなケースという考え方から、取引回数、取引株数を基準といたしまして、ある程度の大きさの取引を年間行なっておる方の株式の利益については課税をする。さらには上場をいたします際に生ずる利益につきましては、一定の条件のもとに課税するというような各種の規定を設けておる次第でございます。
○渡辺武君 ちょっと抽象的でよくわからないんですが、たとえば、所得税法の施行令の二十六条を見てみますと、個人の株の譲渡の場合ですね、まあ継続的に取引されておるということが条件なんでしょうけれども、一年間に五十回以上の売買が行なわれて、しかも、まあ一回に二十万株以上というのが条件になっていると思いますが、そういうような形でもうちょっと詳しく言っていただきたいと思います。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま御指摘の、いわば営業に近いと申しますか——タイプの継続的な取引から生ずる所得につきまして課税をいたします基準はおっしゃいますとおり、所得税法施行令第二十六条に規定いたしております。その二項におきまして、その「売買の回数」と、これ年間でございます。年間回数が五十回以上である、また売買をいたしました株数または口数の合計が、これまた年間でございますが、二十万以上であることということで、こういうふうな大量あるいは多数の回にわたる取引から生ずる利益につきましてはこれを課税をいたす、そのように規定いたしております。
○渡辺武君 所得税法にそういう形ではっきり法律として定められているのですけれども、この法律の施行状況ですね。一体これで税収がどのくらいあるのか、その他の施行状況ちょっと教えていただきたい。
○説明員(磯辺律男君) 国税庁のほうで統計をとっておりますけれども、ただこの株式の譲渡による売買益その取得がどれだけあったというふうな、そういった個別的な所得の内容についての統計はございませんので、遺憾ながらどれくらいかということは申し上げることはできないのでございますけれども、ただ、税務署、国税当局といたしましては、こういったことを不当に免れまして、そうして譲渡をした売買益に対して課税されずにおるというようなことのないように、第一線を督励しておりますし、また、私どもが第一線のいろいろな営業実績の報告等を聞きますと、かなりこういった大口の売買所得については課税されておるということは申し上げられるかと思います。
○渡辺武君 たとえば、件数がどのくらいあって、そうして納税額どのくらいかというようなことわかりませんか。
○説明員(磯辺律男君) まことに申しわけございませんけれども、そういった統計とっておりませんのでお答えできません。
○渡辺武君 いや、そういう状況ではこれは非常に不確かな話ですね。法にも定めてあるわけでしょう。しかも、最近では、やっぱり株式売買の回転率というのが非常に高くなっていると思うんです。私が簡単な形で試算してみますと、東証上場株式の一年間の回転率、昭和四十二年には三四・七八%でしたが、四十六年には五二・七%、四十七年には八〇・七%というふうに、回転率は非常に高くなっているんですよ。だからいま言ったように、年間五十回以上の株の売買、しかも二十万株以上と、こういう大口の取引で、しかも、一年間に相当ひんぱんに売買をして、そうして非常にたくさんの売買益をふところに入れているという人たちがたくさん出てきていることは、これは当然のことだと思うんですね。ところが、それについて確たる統計さえもないというようなことでは、どういうことになりますか。法律を定めておきながら、その実施について何らの責任を負ってないということになるんじゃないでしょうか。実際にどのくらいの税収があるものですか。概略でもいいですよ、おっしゃってください。
○説明員(磯辺律男君) 渡辺先生御指摘の点はまことにごもっともと思いますけれども、御承知のように、所得税の課税状況につきましては、利子所得であるとか、あるいは配当所得、不動産所得、そういった所得の種類ごとについて分類して税務統計をとってきておりまして、この場合に株式の大量の売買によるところの所得につきましては、いわゆる事業所得であるとか、あるいは雑所得というふうなかっこうの所得の中に入るわけでありますけれども、ただ、その事業所得とか雑所得の中に、株式の売買だけについての所得が幾らかというふうな細分した統計はとっておりませんので、申しわけございませんけれども、そういった統計は手元に持ち合わせてございません。
○渡辺武君 私どもは、最初に申しましたように、有価証券取引税、これは流通税ですから、これだけでは現在の異常な株の投機、これについて適正な課税が行なわれているとはとうてい考えられないですね。やはりこの取引税を分離して、分離してというとおかしいですけれども、並行して、この株の売買についての譲渡所得については、法人、個人を問わず相当高い課税をすべきだと、これはもう世論だと思いますね。ところが、その制度さえもない。しかも、所得税のほうの中に原則非課税ではあるけれども、しかし、大口の個人の取引について課税をいたしますというのがちゃんと条項でもって盛られていて、しかも、その実施について、責任のある実施もやらしていないというようなことでどういうことになりますか。いまおっしゃった御答弁聞きますと、それじゃ架空名義でもってやっている場合は全然捕捉できないということになりゃしませんか、どうですか。
○説明員(磯辺律男君) 先生御指摘のとおり、株式の売買による譲渡益というものの課税というものは非常にむずかしい問題がございます。一例としましては、先生ただいま御指摘のように、架空名義による取引、こういったようなものを捕捉するというのは非常に困難な問題が多いわけでございます。しかしながら、その中で、特に大口であるというふうなことで、その脱税の悪質なものにつきましては、最近新聞紙上等でごらんになったかと思いますけれども、査察ということによりまして強制調査をするというふうなことで、私たちは鋭意そういった大口悪質な脱税が行なわれておりました場合には、それを捕捉するために努力しているところでございます。 それから、ただいま申し上げましたように、株式の譲渡による所得がどれだけかというその統計はございませんけれども、しかし、私どもの第一線といたしましては、鋭意そういった所得を把握するために努力いたしておりますし、それからまた、先ほど申しましたように、各第一線のいわゆる優良事績の検討会等をいたしますと、その中でかなり大口の有価証券の売買による所得を把握したというような事例が数多く含まれております。ですから、統計はございませんけれども、私どもとしましては、その把握について非常な努力をやっておるということは申し上げてよろしいかと思います。
○渡辺武君 努力している、努力しているとおっしゃいますけれども、たとえば、これは私しろうとなんですがね、簡単に計算してみますと、四十七年の一年間で、一日平均の売買高を見てみますと、三億二千七百万株ですよ。べらぼうな株が一日平均で取引されているのです。特に、昨年の十一月を見てみますと、一日平均十億株ですよ。たいへんな投機が行なわれていると見ていい、異常株高ですよ、これは。それについて、これは個人が大口の取引をやっている可能性は十分あるわけですから、だから、あなた方、いま鋭意やっていますと言うけれども、当然この点については十分に調査をして、そうして課税源を捕捉して、適正に課税する、やるべきだと思う。その点どういうような捕捉のしかたをやっておりますか。
○説明員(磯辺律男君) きわめて大口な事案につきましては、これは私どもの調査査察の立場としましては、いろいろな各種の情報等を集めまして捕捉しております。それから、一般の事案等につきましては、やはりこれはどういうような方法でと言われますと、ちょっと答えにくいわけでございますけれども、税務署員としては、いろいろな資料を総合したり、あるいは各種の情報を集めることによって、その実体をつかんでおるということは申し上げていいかと思います。繰り返し申し上げますけれども、非常にこういった有価証券の売買による所得の把握というのはむずかしいわけでございますけれども、第一線の職員はそれを捕捉するために一生懸命やっておるということだけは申し上げてよろしいかと思います。
○渡辺武君 捕捉困難だ、困難だと言うけれども、中小企業なんかの場合には、ずいぶんきびしい捕捉のしかたをしているでしょう、推計課税などの方式をとって。ところが株の売買になると、いわば不労所得ですよ。それについて、そんな甘い立場では私はいかぬと思うのですね。やはり捕捉のしかたをもっと研究すべきだと思う。特に架空名義の取引について、鋭意そういうことのないようにつとめると言いますけれども、一体株屋さんの店頭に架空名義取引についての注意事項が公示されておりますか、どうですか。
○説明員(磯辺律男君) 私どもの知る範囲におきましては、たとえば、銀行預金等につきましては、架空名義による銀行預金というものはやめてくれということは聞いておりますが、証券につきましては、あまり聞いておりません。
○政府委員(坂野常和君) 証券の営業をやっていく上で架空名義というのは二つの問題があります。 一つは、やはり証券会社と顧客の間に証券関係の事故を起こさないために正確な名義を使ってもらうということは、証券業協会でこれは指導をしております。私どもも行政の立場からそういうことをやかましく言ってきております。 もう一つは、税の問題に直接関係はございませんけれども、やはりそういった税のほうの関係もあって、かつて架空名義が税務上問題になった時期もございまして、それ以来架空名義は使わないようにというような指導方針を出しております。
○渡辺武君 預金については無記名預金の場合ですよ。無記名定期預金の場合ですよ。この場合は、銀行にちゃんとお客さんに見えるように、無記名の定期預金の場合は、あとで困ることが起こりますというような趣旨のことが、ちゃんとお客さまの目にわかるように公示されているわけですよ。株屋さんには、その架空名義の株の売買についてそういう公示が行なわれていないのでないですか、どうですか。
○政府委員(坂野常和君) 証券業協会の自主規制でそれを行なうというルールになっております。
○渡辺武君 ルールになっていて実際行なわれていないのはなぜですか。
○政府委員(坂野常和君) 行なわれていない場合は、これは証券業協会の取りきめ違反でありまして、そういうことは許されないというたてまえであります。
○渡辺武君 そうすると、今後それ徹底させますか。
○政府委員(坂野常和君) これまでもかなりやかましく言ってまいりましたし、今後ともこの点は徹底していきたいと思っております。
○渡辺武君 それから、先ほどのあの所得税法の施行令の第二十六条——これはいろいろ話散らすとややこしくなりますから、二十六条についてだけ伺いますけれども、捕捉が困難だと、それで、第一線の調査官が一生懸命調査していると、こういうことを言っておられるけれども、もう少しやはり合理的な捕捉のしかたを考えるべきじゃないかと思うんですね。その点、何か検討したことありますか。
○説明員(吉田冨士雄君) 株の捕捉の問題でございますが、特に、五十回、二十万株という押え方でございまして、御案内のように、二十万株のほうはまだまだそれはわりあい簡単ですが、一回をどうやるかという点が一番いつも第一線で争いになっております。と申しますのは、一回というのは、委託契約一回ごとということになっておりまして、実際の取引では、一回注文委託いたしましても、それが現実問題としては何回にも分かれて売買されている場合が多いようでございまして、その場合に、処理といたしましては、それぞれの売買によって売買報告書が出ておりますが、一回という注文グループ、それをどうやって押えるかという点が必ずしも売買報告書だけでは押え切れないという点がございますので、そこで注文伝票を一回というところでまとめて何か押える方法はないか、いろいろ証券のほうと御相談しておりまして、総括注文伝票というものを新しく——これは法定資料じゃございませんけれども、お願いして、それを実施したいということで検討しております。
○渡辺武君 とにかく法律はちゃんとあるわけですから、だから、それをどう厳格に施行するかという問題なんですよ。 それで、たとえば、何でしょう、この株式の配当金を五万円以上出した場合には、これはちゃんと会社から報告させるわけでしょう。さっきそういうふうにおっしゃっておられた。それと同じことだと私は思いますよ。証券会社にこの、何ですよ、五十回以上、二十万株以上、相当大口ですから、これはわかるはずですよ。これについて報告を義務づけたらどうですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 制度といたしまして、ただいまおっしゃいましたような方法も、今後キャピタルゲイン——個人の株のキャピタルゲインの課税を研究いたします場合に、当然私どもいろいろ研究すべき問題であろうと考えております。ただ、現在の二十六条のもとにおきまして、どの程度までの資料を法定資料として求めることが妥当かどうか、これにつきましては、なお研究すべき問題があろうかと思います。たとえば、年間一人当たりのという規定でございますものですから、どういうお店を使うとか、どういう会社へ行くとかということをすべて通じての年間でございますので、店当たりないし証券会社の企業当たりということがどの程度のことまでできるか、またそれが、率直に申し上げて、証券会社としての過重な事務負担になる危険はないかというふうなことをあわせましてなお研究をいたしてみたい、かように考えております。
○渡辺武君 とにかく、五大証券がもうほとんど株の取引については独占的な地位を持っているわけですから、大体その五つの会社を通じてやられていると見て差しつかえない。小さな会社もありますけれども、こういうひんぱんな大口取引ですね、これはあんた五つの会社押えさえすれば、ほとんどもうわかるというような、まことに単純明快な事態になっていると思うんですね。それについて、しかも、株の売買でもってたいへんなもうけをあげている。けさの新聞にだって、証券会社大もうけあげているといっているわけだから、だから、所得税法にきまっている個人の大口取引について報告義務を課して、それで事務負担がふえて困るだろうなんというよけいなしんしゃくする必要は少しもないと思う。やりなさいよ。これは国民ひとしくそう思っているんだから。毎日毎日あなた働きに来て、一生懸命かせいで、あなたこの物価の値上がりのおりに、一家をささえることができないような賃金でもって苦労して生活している人たちが所得税取られて困っているんだ。一方では株の投機をやって、べらぼうなもうけをやって、あなた方の捕捉が甘いために、いいかげん脱税していると見られている。それについてきびしい態度で臨まなくてどうしますか。しかも、これから先、法を新しくつくれというんじゃない。もうすでに所得税法に例外規定としてちゃんと定められているそのことについてさえ、責任を持って実施しようとしていない。そんなことでどうしますか。やるおつもりがありますか。
○政府委員(大倉眞隆君) 渡辺委員御指摘の御趣旨は十分わかっておるつもりでございますが、先ほど申し上げた点、なお技術的に申し上げれば、特定の株数で切りますると、その株数以下に取引を分散するということはもちろんあるわけでございます。それから、特定の企業だけから要求いたしますと、資料要求をされない企業のほうへ取引が動いていくというような問題もあろうかと思いまするので、その辺を十分考えました上で、具体的な案が、どういう案が一番いいかどうか、なお研究をさしていただきたい、かように思います。
○渡辺武君 なお、この問題については私幾つか伺いたい点があるんですが、これは大臣がおいでになってから伺いたいと思います。 それで、次に少し伺いたいのは、いまの株式投機ですね、これはもう悪いということは、いろいろな立場もあるけれども、しかし、まあおそらく世論の一致しているところだと思うんですね、過度な株式投機。これについて、これを押えるのにどうしたらいいのかということはどんなふうに考えておられますか。
○政府委員(坂野常和君) 株価が異常に高い、しかも、短期間のうちにきわめて高い水準に上がったということにつきましては、第一に、わが国の株式市場の持つ構造的欠陥があげられます。これは戦後ずっとそういう傾向が続いておったんですが、機関投資家の株式売買というものがあまり活発に行なわれない、銀行等は早くから株を持っておりますけれども、これは必ずしも収益目的ということでなく株を持っておりますので、市場の株式は機関投資家に吸い上げられることはあっても、それが出てくるという傾向が少なかったわけであります。そこへもってまいりまして、一昨年、昨年のいわゆる過剰流動性というようなことから、大量の株式がさらに機関投資家に上がり込んだというところから、市場の浮動株は著しく減少しておりまして、こういう状態でございますと、ちょっとした買いが入ってどんどん値段が上がる。しかも、その上がり方が、いわゆる連続して上がるのではなくて、急速に飛び上がっていくというような現状になっております。したがいまして、基本的にはこの構造が直らない限りは、なかなかわが国の株式流通市場が、いわゆる正常化という方向にはいきがたいというふうに思っております。 その方法でありますが、これはやや時間のかかることでありますが、機関投資家がもう少し売り買いをするような、そういう環境になるかどうかという点と、それからもう一つは、株の新規供給、すなわち増資がどの程度行なわれるかということにかかっておると思います。その増資も、現在のような五十円額面でありながら、時価発行するという増資の方法では、たとえ五百円資金調達をいたしましても、時価が五百円の株につきまして五十円しか資本はふえないわけでございます。こういう方法ではなかなかむずかしい。理想的に言えば、無額面による時価株発行というようなことが行なわれれば、かなりそういう点は改善されるのではないか。それから第三に、そういう市場におきまして証券会社の営業の問題がございます。浮動株が著しく減っておりますので、価格は非常に上がりやすい傾向にありますので、そういった市場での営業、昨年私どもが非常にやかましく注意をいたしました法人営業を主体とするようないき方をしておりますれば、ますますそういう傾向を増すわけであります。その辺についての証券会社の営業態度の自粛といいますか、長い目で営業をしていくというようなことが肝要であろうということで、行政の方針としております。
○渡辺武君 まあ過剰流動性あるいはまた株の供給が案外少なかったというような問題については、ちょっときょうは時間もないので、議論は差し控えておきますけれども、いまおっしゃった株の時価発行の問題ですね。私は、このやり方にいまの異常な株高、あるいはまた株の投機、これの一つの大きな原因がありはせぬかという感じがしますけれども、その点どうですか。
○政府委員(坂野常和君) 確かにそういったことが関係がないとは言い切れないと思います。ただ、それが直接株高の原因になったわけではないんじゃないか。私どもは、やはり株高の原因は、先ほど申し上げましたようなことがあって、その株高に便乗してと言っては言い過ぎですが、株高を利用して額面の株式の時価発行ということが行なわれた。したがいまして、配当負担ということから考えますと、非常にコスト安になります。そういうことが時価発行を盛んにさした。時価発行を盛んにさしたことが、間接的には株高に影響した、こういうふうに考えております。
○渡辺武君 アメリカの機関投資家が、日本の株式に投資をして、そうして日本のこの株価というのは、アメリカその他の諸国にない異常な変動ぶりだというようなことを言っておったのを、私新聞で読んだことがあるんですね。この日本的な特殊性ですね、一体どこにあるとお考えですか。
○政府委員(坂野常和君) 一番の特殊性が、先ほど申し上げました機関投資家の売り買いが、まあ買いは大いにこのところあったのですが、いわゆる株が高いと思えば売り、安いと思えば買うという、そういう動きがないということ。ロンドンやニューヨークの姿を見ておりますと、やはり機関投資家が大きく動きまして、それによって株価というものがある程度調整されていく。個人投資家はむしろそのあとからついていくというような現状、大ざっぱに言うとそういう現状だと思います。わが国の場合はそうでなくて、機関投資家はいろんな理由から株を集めますけれども、株が高いからといってそれを売って、価格の平準化を求めるというような態度はほとんどないわけであります。したがって、非常に株価が上がりやすい、これが構造的にわが国独特の株式市場の構造だと私は承知しております。
○渡辺武君 そういう事情もわからないことはないんですけれども、私、率直に申し上げたいのは、やっぱり日本の新株の発行のやり方ですね。これが従来は額面で発行する。したがって、株主にとってみれば、額面で新株を応募して持っていれば、それは株の市場価格とはたいへんな開きのある価格ですからね。だから、大きな増資プレミアムが株主のふところに入るという仕組みがございますね。これはまさに私は、日本的特質だというふうに思っておりますけれども、こういうような仕組みが依然としてある場合には、これはそういう仕組みのない場合の株価の形成とは違って、いわば利回りの採算だけで株価が形成されるということじゃなくして、株の額面と市場価格との違いからくる大きないわば投機利潤といってもいいような、それがすでに織り込まれて株価を形成していくと、こういうことになるんじゃないでしょうか。この辺に大きな一つの理由があると思いますが、どうですか。
○政府委員(坂野常和君) 額面、しかも、株主割り当て制度が長く続いておったわけでございますが、これも一種独特の株式市場の構造に影響したことは事実だと思います。しかし、額面制度、しかも、株主割り当て制度、これが続いておりました時代に、その当時としてはかなり大きな増資があったわけでございます。これは三十六年でございますが、当時有償増資で九千四百六十四億円という、その当時としては非常に大きな増資があった。そのあと、御承知のとおり、三十七年、八年、それから四十年の不況というものにつながってまいったわけであります。したがいまして、その額面増資、額面制度このものが株高を形成、株高になっている一番の理由だということではなくて、むしろ流通市場の構造が株高に大きく影響しておる、私どもはそういうふうに考えております。それがわが国独特の株式流通市場の構造である、こういうふうに考えております。
○渡辺武君 あなたのおっしゃること別に否定するわけじゃない。そういう要因も確かにあるでしょう。あるけれども、それを増幅する要因として、やっぱり額面新株の発行による増資プレミアム、これが株主にたくさんあって、これが株価の中に織り込まれて非常に暴騰さしていくという事情があることは、これは否定できないと思うんですね。うなずいておられるんだけれども、私の意見にも反対じゃなかろうというふうに思いますけれども。 さて、いま行なわれている時価発行のやり方を見てみますと、私は、そういう株の暴騰、暴落を増幅させる仕組みの上に、いまの株の時価発行というものが行なわれているんじゃないかという感じがしますけれども、その点どうですか。
○政府委員(坂野常和君) やはり、先ほど来申し上げましたように、時価発行が無額面の場合と、額面で時価発行する場合と、これはえらく違うと思います。特に、いまのような額面で時価発行いたします場合は、発行会社にたくさんのプレミアムが入るわけであります。これはもともと株主勘定でありまして、決して発行会社がそれを利益として考えるわけにいかないものでありますけれども、しかし、巷間伝えられるところによると、それを利益の一部のように考えておる経営者がおるというような話が出ております。これはたいへんな間違いだと思います。したがいまして、逆に、いまの制度で時価発行を行ないます場合は、株主にそのプレミアムをどう還元するかということを長期の計画を立てまして、十分そういった計画にこたえていけるような発行会社でなければ、この制度で時価発行するということは非常に問題であるという感じがいたします。
○渡辺武君 その点さらに加えてということになろうかと思いますが、私、こういう点も大きな理由になってやせぬかという感じがするんです。 それはいまの時価発行のやり方をとってみますと、増資の分全部が時価発行になっているんじゃなくて、増資新株のうちの一部が時価発行だという場合がほとんどですね。 それからもう一つには、会社が時価発行をやる場合に、あらかじめこれを株主に周知徹底させるというやり方をとらぬ、発行のときに初めてこれを発表する、こういうことが行なわれているんですね。そういうことをやりますと、そうすると増資新株のうちの一部だけが時価発行で、あとは額面で発行されている、そうして増資プレミアムが入ってくるという条件がありますから、だから、時価発行の株もそれに応じて非常に高く時価がついてくるという関係になってくる。しかも、それがあらかじめ発表されているならば、これは長期の利回りの採算で大体そろばんをはじいて幾らぐらいということはわかるでしょうけれども、時価発行の新株を出すそのときになってから、これこれの額については時価発行だ、こういうことを発表されては、株主の立場からいったって、利回りの採算のそろばん勘定をはじきようがない。そのことがいまやはり時価発行の新株が異常な株高を形成する。また、この異常な株高を形成するために、いろんな形で株の操作をやる。協同飼料ですか、あの例は私は氷山の一角じゃなかろうかというふうに思いますけれども、大証券会社までがそういう株の操作に加担をしてああいう事態を引き起こしているというようなことが行なわれると思うのですね。この点をどういうふうに解決なさるのか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(坂野常和君) 言われますとおり、旧株主を優遇するということからいえば、ほんとうは株主優先の制度、株主にまず公募の割り当てに応ずる気持ちがあるかどうか聞いて、あればこれを優先的に扱うという制度をとれば、旧株主保護といいますか、優遇といいますか、そういう面からは非常にうまい制度であるわけでありますが、これは増資の手続上かなり長期間を要しますので、なかなかその制度が実行されません。したがいまして、その次に行なわれますのは、いま言われました一部株主割り当て、それから、一部公募という形で、旧株主もある程度のプレミアムを得る、それから、会社のほうも公募によってプレミアムを得ると、こういう行き方をとっておるのが現状かと思います。 そういうことになりますと、いま御指摘のようにまだ慣行も確立しておりませんので、発行会社のほうも、それから、払い込む投資家のほうも、幾らのコスト、どういうコストに持っていったらいいのかということがはっきり計算できないような、そういう現状であろうかと思います。したがいまして、これはもう少し年月をかけてそのプレミアム還元のルール等が確立してまいりますならば、あるいはすでに株主に還元した実績もふえてくるならば、そうしたコストもはっきりしてくるわけでありますけれども、いまのところはまだそれらが不十分である。不十分であるだけに、よほど慎重に時価発行というものをしぼっていかなければならない。これが最近、証券界等が考えております考え方です。昨年の十二月から時価発行のルールをつくっておりましたが、さらに今年の四月からそのルールを厳格化いたしまして、発行会社の質的基準、どういう発行会社が発行ができるかという点について、その質的な評価をいたします。また、その個別銘柄の増資額は、資金の使途、それから収益性、それから市場における需給関係、その会社の資金繰りとか、資金計画、これをやかましく見まして不要不急のものとか、あるいはいわゆる流動性のあるような会社は極力これを遠慮してもらうというようなことになっております。 またその消化につきまして銀行とか、事業会社に片寄った消化、これを是正していく。あるいは発行額が過大に流れないように、また間隔があまり密にならないようにというようなことをやっていく。さらにまた、ただいま御指摘のように協同飼料事件のようなこともありましたので、アンダーライターの過当競争を避けまして、アンダーライターは企業の財務内容の的確な把握、そして株価の価格形成につきまして、これがフェアに形成されているということを十分把握しなければ、引き受けをやらないというようなこと。これらを新しい基準として申し合わせをつくりまして、すでに実行しておりまして、新年度の第一四半期から七月、八月ごろまでの時価発行について相当厳格な態度で臨んでおります。その結果といたしまして、時価発行の予定額が大幅に減少いたしまして、ただいまのところの本年四−六月の発行予定額は千二百四十億程度ということでございます。ちなみに一−三月は二千二百億円であったわけであります。
○渡辺武君 それからもう一つ、いまのやっぱり異常な株高、株式投機を促進させる要因として、やっぱり証券業界がほんの四つくらいの大証券会社によって、いわば独占的に握られているというところにあるんじゃないかという感じがしますが、その辺はどう考えておられますか。
○政府委員(坂野常和君) この点につきましては、昨年の証券取引審議会において問題が出たところでありまして、一つは、中小証券の育成、それから一つは、いますぐではありませんが、あまりそういった寡占的な状態が続くならば、新しい引き受け会社等を免許してはどうだという、いわゆるニューカマー論等があります。しかし、そういった全体の方向のほかに、具体的に大きな証券会社が市場を支配できないような、そういうルールをつくっていく必要があるということで、ごく最近それをいまルール化しようと思っております。ごく最近ルール化ができ上がる予定でありますが、その内容は、やはり大証券の自己売買と、それから委託売買の執行のやり方であります。 従来、大きな証券会社はたくさんの注文を取ってまいりますので、それらを一件一件市場に流してつないでおるということが、物理的にも時間的にもなかなかできにくいので、まとめて一挙にそれを執行するという、いわゆるクロスという方法をとっておったわけでありますけれども、このクロスの価格をどういう価格で行なうかということが、大証券会社の営業利益と密接なつながりを持っておったわけであります。 そこで、このクロスの価格はやはり市場の価格に従うべきである、人為的な価格をつくりまして、それでクロスをするということは一切許さないというルールが一点であります。もう一点は、規模の大きな証券会社の自己売買のやり方であります。自己売買は新値を形成してはいけないというルールであります。新値と申しますのは、その日の朝からできている値段で、買いの場合は一番高い価格、売りの場合は一番安い価格というのが限度になりまして、自己売買によって新しい価格を形成してはいかぬ。まだほかにも若干こまかいことがございますが、そういったことで、いままでやってまいりました大証券の市場における支配力を削減すると申しますか、市場の価格形成をよりフェアなものにすると申しますか、そういうことをいま検討しております。ごく最近においてこれをルール化したいというふうに考えております。
○渡辺武君 なるほどそのルールも必要ではないと言うわけじゃないですけれども、やはり問題は、市場支配ができるような体制そのものを改めていくということが必要じゃないでしょうか。たとえば、日本の証券会社、これは総合証券です。株の引き受けもできる、いわばアンダーライターとしての機能を一面で持っておりますね。同時に、また株のブローカーもできる、また株のディーラーもできる、こういうことになっているかと思うんですね。そういう仕組みがあって、それをそのままにしておいて、いま言ったような、いわば道徳律みたいなものを、これをやらせようと思ったって私は無理だと思うんですが、どうですかその辺。
○政府委員(坂野常和君) いま申し上げました自己売買とかクロスの執行方法は、ブローカーとディーラーをセパレートするという思想から出ております。セパレートという意味は、これを会社を分けるということではなく、それを兼務しておっても、価格形成上それが不公正な価格形成につながらないという、そういう遮断方法であります。したがって、自己売買を規制するとか、大口の委託注文を一括して執行するときの遮断方法として考えておるわけであります。 もともとわが国におきましては、お客を取るほうの証券会社と、市場で価格を調整していくほうの機能を同一人がやっておるわけでありまして、これはわが国の市場構造の一つの欠陥であります。しかし、現状においてこれをにわかに改めることもできませんので、まずブローカーとディーラーのあり方については、先ほど申し上げたような方法をとる。もう一つは、御指摘のアンダーライターとブローカーの間の問題でありまして、これにつきましても、かなり昨年の秋以来いろいろな議論が出ております。会社を分離しなければこれはだめではないかというような御議論もあります。しかし、会社を分離いたしましても、アンダーライター業務についてのいわゆる内部者情報をプロパー業務に使うということがございますと、かりに分離してもそれはだめだということになります。したがいまして、とりあえずは、これを兼務しておっても、そのいわゆるインサイダー情報が悪用されないという、そういうたてまえを各社それぞれ大至急にとってもらうということを考えております。また、現にこれは各社ともその用意をいましております。それがどの程度効果が発揮できるか見きわめました上で、効果が発揮できればそれでいいと思いますが、できないときは、さらに第二、第三の方法も考えなければいけない、こういうふうに考えております。
○渡辺武君 その辺ね、たとえば、引き受け会社になる場合は、言ってみれば、その会社の幹事会社になるわけですね。その会社の資産内容、あるいはまた融資上の取引先、その他等々について深く情報をやっぱりつかむのが、これは当然のことなんですね。ところが、その会社が一方でブローカーをやり、一方でディーラーをやる、こういうことになれば、これはもうあなた、情報提供するなと言われても、同じ会社の中ですから、当然のことながら自分の知り得た情報を持って、そうして株の売買をやるということにならざるを得ないですよ、これは。だからその辺について十分なやっぱり規制措置を講じなければ、これは大証券会社の自己売買による株価操作、これを何とかしろと言われてもなかなかむずかしいんじゃないかという感じがしますが、どうですか。現在の証券取引法ではアンダーライター、ディーラー、あるいはまたブローカーですね、これを一括して認可するというような形にはなっていないと思いますが、どうですか。
○政府委員(坂野常和君) 免許は四本からなっておりまして、一括して免許するというたてまえにはなっておりません。しかし、現実に比較的規模の大きい証券会社は四つの免許をみな持っておるというのが現状であります。なお、そのインサイダー情報の取り締まりにつきましては、現行の証券取引法ではやや困難な面もありますので、これは将来の問題として法律の検討をしなければならない。しかし、法律以外のルール、たとえば、取引上のルールとか、あるいは自主ルールというようなことでやりますれば、その抑制もできると思いますので、とりあえずは、法律によらない方法で進めていきたいというふうに考えております。
○渡辺武君 免許は各業務ごとにやっておって、そうして、しかし、同じ会社がその四つの免許を全部取る。そして事実上やはりいわば市場支配能力を持つような事態をつくり出している。ここの辺を検討してみる必要があるんじゃないかという感じがいたします。つまり、昭和四十一年の証取法の改正の根本趣旨が、実質上やはりねじ曲げられているということがいまの実情になっておって、そうしてそのことが、現在のやはり株式投機の中心に、四大証券がすわってやっているというような事態の一つの原因になっているのじゃないかという感じがします。その点はきびしい規制措置をとる必要があると思うので、重ねてひとつ御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(坂野常和君) 言われますとおり、公正な価格の形式というものが阻害されるようなことがあれば、これは証券市場の一番大事な問題がそこなわれるわけでありますから、これはいかなる手段方法をとっても防がなければならない、そういうふうに考えます。
○渡辺武君 それから最後に伺いますけれども、この間のこの協同飼料ですね。ああいう形で大きな証券会社までがあれに加わって、そうして時価発行の株価を相当高くつり上げるために、つまり別のことばで言えば、協同飼料の時価発行プレミアムを、これをたくさん積み上げるために共謀してああいうことをやった。ああいうことをやった会社についてはどういう措置をとりますか、証券会社については。
○政府委員(坂野常和君) ただいま独自の調査をしております。その調査の結果を待って措置したいというくらいのことを考えております。
○渡辺武君 少なくとも、そういう事件を起こした会社の株の引き受けですね。その業務は当該の証券会社はやっちゃいかぬというようなくらいなことをやりませんと、こういう点は、あれはたまたまあらわれたから問題になっているけれども、おそらくはずいぶんやられていることじゃないかと思いますけれども、その辺の措置をとるおつもりがあるかどうか。
○政府委員(坂野常和君) ただいま検察当局の調査とは別に私どもが調査をしておりまして、まだそれも完了しておりません。完了しました暁に、どういう措置をとるのがいいか十分検討したいと思います。
○渡辺武君 現在の法律ではどういう罰則があるわけですか、ああいうことをやった証券会社について。
○政府委員(坂野常和君) 証券会社の一部または全部の業務について営業停止処分——この期間はいろいろございます。それから、免許取り消しということでございます。
○委員長(藤田正明君) 速記をとめて。 〔午後四時五分速記中止〕 〔午後四時十七分速記開始〕
○委員長(藤田正明君) 速記を入れて。
○野々山一三君 証券を中心にいたしまして、大臣並びに関係各省に伺いたいと思います。 最初に、自社株というのは一体どういうものなんですか。これをひとつ大臣にまずお答えをいただきたいのです。で、自社株というやつの、それについての性格とは一体どんなものかということについて伺いたいのです。
○国務大臣(小坂善太郎君) 証券局長から申し上げます。
○政府委員(坂野常和君) 商法で自己株、自社株の保有を禁じておりますが、法律的には、そういう自己株式のことを自社株というと思います。
○野々山一三君 どういうのを禁じているのでございましょうか。簡単に答えてください。 で、大臣、あなたをお待ちしていたので、あなたがお答えにならないなら、これはもうこの審議は私はやめにいたします。たとえば、悪い言い方ですけれども、きょう大臣になったにしたって、大臣は大臣なんですから、それは臨時なんだからというならば、総理大臣にかわって来てください。そのことについてまず見解を伺ってから、自社株について……。
○国務大臣(小坂善太郎君) 実はたいへん失礼を申し上げました。私が申し上げますよりも、局長が答えて私が裏打ちをするほうがよりよいかと思ったのでございますが、御要望でございますから、私がはなはだふつつかでございますが、申し上げます。 自社株というのは自分の社の発行する株式、それを言うのだと思いますが、それを自分の会社で持つということを、自社株を持つということだと思いまして、そういうことでは実は株式を出す、発行する意味がないわけでございます。そういうことで禁じておるのであるというふうに思います。
○野々山一三君 何を禁じているのですか。
○政府委員(坂野常和君) 特定の場合を除きまして、その自己の株を持つこと、あるいは質に入れることを禁じております。
○野々山一三君 そうすると、例外というのは、私は時間がないから進めますけれども、株式の消却の場合、それから合併または他の会社の営業全部の譲受の場合、三番目にその会社の権利の実行にあたり、その目的を達するために必要な場合、株主の買取請求権に応じて株式の買取りを行なう場合、こういうことが例外で、いまおっしゃったようにほかは禁じている、こういうことですか。その性格は何ですかということを先ほど伺ったはずですけれども、お答えがないんでもう一ぺん。
○国務大臣(小坂善太郎君) 結局、商法二百十条にございます場合は、自己の株式を取得し、あるいは質に入れることを目的としてこれを受けることができないという意味でございますから、性格とおっしゃいますと、何か会社自身の資本の保持のためにする制限であるというふうに考えます。
○野々山一三君 ほんとうは、禁止している理由にいろんな書き物によりますと、資本充実維持の原則に違反し、債権者の権利を害する。それから二つ目に、株主平等の原則に違反する。三つ目に、会社経営者による投機行為が行なわれやすいからいかぬ。それから四つ目に、投資家を欺まんする懸念がある。五つ目に、会社支配の手段として利用される。こういう理由で禁止している。こういうふうに書き物にはなっているんですが、間違いがあるでしょうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) そのとおりでございます。
○野々山一三君 それでは、さっそく中身、内容の問題をちょっと伺いますけれども、予算委員会で和田君が質問いたしました三光汽船の問題です。あれによると、大ざっぱに言うと脱税行為というふうに言われているんですけれども、簡潔に内容を一ぺん国税庁で述べてください。要するに、一言にいえば、この新聞しかありませんが、三光汽船が大蔵省へ提出した四十六年度の有価証券報告書を見ると、河本社長の自社株買いは三億一千二百万円。七億余円も借金買いをした事実はない。有価証券報告書から計算上得られる四十二年から四十五年までの四年間の同社長の配当所得は一億一千二百三十一万円にのぼる。ところが実際にはまったく申告されていない。これは脱税ではないか。というのに対して、脱税だと、この指摘の通りなら脱税になると思う。という答弁をされているように新聞は伝えているわけですけれども、これは新聞だけの話。この新聞から見まして、脱税だという観点から和田君は指摘をしておるんですけれども、私正直に申し上げて、五年間、六年間、七年間の全部の申告の内容をみな持っています。それによると借金ではない、借金で株を買ったのではないかというかっこうに見られる節があるわけですね。それならば、この和田君の指摘の点とはちょっと角度が違うわけですけれども、一体、実体は何かということを全部ここで調査をされたのですから、ここで述べていただきたい。私は、数字を税務署から聞いているもの全部持っておりますから、あなたのほうで読み上げられないならば私が全部読み上げる。そういう角度から、借金なら借金で株を買ったというなら、どこからどういうふうに借金をして、どういう保証人がどういうふうになって、何を担保にしてどういうふうにして買ったか、そのためにその借金の返済あるいは金利の返済、これがどうなるかということから見て、一体、自社株なのか——時間がないから自分の印象で言いますけれども、都合のいいときには自社株という、自己株という、都合の悪いときには自分のもうけだという感じがする。言いましょう。私が読み上げますよ。河本敏夫という人ですね。この人は、河本氏は三光汽船大株主として、昭和四十二年より四十六年の五年間の受け取り配当金は、手取り一億六千七百九十四万円になるが、この配当所得を申告していない。これは河本氏が三光汽船株式を買増ししたり、有償割当増資の払込みに銀行借り入れした場合、借り入れ金利息が五年間で一億六千七百九十四万円となって相殺され、申告の必要はないが、借金の利息が年一〇%とした場合、河本氏は五年間で三光汽船株式を十六億七千九百四十万円取得したことになる。これは間違いないかという問題なんです。それに対して河本氏はこういうふうに陳述していらっしゃいます。五年間のデータを準備してないが、四十六年度は三光汽船株式取得に七億六千三百六十万円の銀行借り入れをした。その利息七千三百八十五万円を四十六年度配当収入七千六百三十六万円と相殺し、残りの残が二百五十万円なので、それを配当所得として申告したのだ、こういうふうに答えているわけです。 さらに第二番目に、河本氏は、四十六年度に三光汽船株式取得に七億六千三百六十万円の借金をしたと言ったが、昭和四十二年から四十六年の五年間の逆算借入金十六億七千九百四十万円から七億六千三百六十万円の借金を差引いた九億一千五百八十万円は、昭和四十二年から四十五年、四年間の借金になる。この四年間で三光汽船株式を九億一千万円強取得したのか。という質問に対して、データが四十二年から四十五年までのデータを準備していないので答えられない。 査察部長に聞きたい。これだけ、私はある全容を述べたわけです。まだあります。 そこで、一体どういう査察をしたか、それから、この事件は予算委員会でも相当問題になっていますから、あなた方御存じだろうから、この事件を一体どういうふうに見ていらっしゃるかということをまず聞きたい。いまの二点。
○説明員(吉田冨士雄君) 河本氏個人の問題は、直税部の問題でございまして、三光汽船の問題は、調査査察部の問題でございますので、はなはだ恐縮でございますが、最初、河本氏のお話を私からさせていただきたいと思います。 ただいま先生のお話しのように、先般、参議院の予算委員会で、和田先生と私のほうの江口次長とでその点につきましていろいろやりとりがございまして、ただいま先生の御説明のとおりでございます。その際、和田先生のほうからこまかいいろんな数字を表にしてお示しになられまして、江口次長のほうに、一体これは正しいかどうか、そして、もし自分の言うほうが正しければ、脱税と考えられるかどうかというお話がございまして、江口次長からは、御案内のように、私ども個別案件につきましては、守秘義務を課されておりまして、所得税法で加重されておりますものですから、個別の案件として詳しい話はできませんが、ただいま和田先生のお話しの点が事実であれば、その点は脱税だと思います。こういう点をお答えしていると同時に、この案件につきましては、現在調査中でございますという点を、江口次長としてはお答えしております。 さらに、一般論といたしまして、配当所得があって、片方に借入金の利子があった場合に、プラスマイナスすれば申告としてはどうなるかというお話がありまして、それはプラスマイナス・ゼロ、あるいは赤字の場合には、申告書としてはゼロ申告になりますというお話を、江口次長としては一般論としてしておられます。 なお、その際に、それでは内容が言えないならば、一体公表された所得の金額は、河本氏個人としては幾らかというお話がございまして、これにつきましては四十六年分は二千六百八十八万円を所得として申告しておられますと、二千六百八十八万円——若干端数はございますが、申告しているということを次長はお話しいたしまして、その際、和田先生から、その中に一体配当所得が幾らあって、どういう内訳かというお話もございましたのですが、この点も全体の所得金額以外は実はお話しできないようになっているものですから、そういう意味でお答えできないということをお断わりしてございます。 以上でございます。
○野々山一三君 配当所得は一億九千七百五十八万円だと、私は先ほど読み上げたわけです。みなわかっているんです。なぜここでそういうふうに隠すんです。だから私は、それならば、過去のこの数字を全部読み上げまして、あなたの認識について違いがあるということを言わざるを得ない。それが一つ。 それから、この事件は、自己株つまり自社株なのか個人の株かということについて御認識を伺いたいんでございます。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私も、実はいきさつをあまり詳しく存じませんが、ただいまいろいろと話を聞いておりまする限度においては、河本氏個人が買ったものは河本氏個人が買ったものであるという認識を持ちます。
○野々山一三君 これは、三光汽船社長河本敏夫という名前で買えばこれは自社株でしょう。持てば自社株でしょう。河本敏夫という名前で買えば個人の株でしょう。違いますか。そういう意味で言うと、ことばは簡単に言いますが、調子のいいところでは自社株、自己株と言い、調子の悪いところでは個人の株だと言うことは数字で全部わかっているのですよ。時間がないから非常に残念だけれども、全部数字は私はわかっているんでございます。そこで、あとで決算報告や何かの問題についても伺いますけれども、もう少しずばりと話をしてくださいよ。時間がない、そのことは承知の上で言ってください。
○国務大臣(小坂善太郎君) 会社で買ったのか個人で買ったのかということになると、個人の名前で買っていると個人のものだということになると思いますけれども、一体何のために個人で持ったのかということ、それからやはりどういう金の支出があったのかということですね。個人の金で個人が自分の名前で株を買えば、これは自社株でも何でもないと思うんです。その目的と金の出てきた道、そういうものがやはり問題になるんじゃないかと思います。ただ、お断わりしておきますが、私、実はこの問題はいままで関係して調べたことがないものでございますから、私のは一般論で申し上げているわけでございます。
○野々山一三君 これは、私はどうも数字を全部もう一回読み上げないと、どの金でどうなったかということの原因はわからないみたいな答え方をされる点は、事の本質を突かないんで、国税当局としては承知していらっしゃるはずだと思うんで聞いているわけですけれども、明らかに私は、断定的にこれは商法上の違反の疑いがあるというのは、むしろ全くこの商法上の自己株というふうに考えられる数字を持っておる。いかがでしょうか。これが第一点。それでだめなら、以下だめならちょっと休んでもらって、数字をあなたのほうと突き合わして審議を促進する方法を考えますし、きょうはやめてあしたやるということにしてもけっこうです。 それから次に、いま申し上げたように問題点は幾つかありまして、河本社長の持ち株は三光汽船の商法上の自己株じゃないかというふうに考えられる。で、芦屋の税務署の公示も調べてあります。河本氏の場合、四十二年から四十六年までの期間中の申告所得の中に、三光汽船の持ち株の配当所得は、ちょっと数字をやめましたけれども、全然申告にないわけです。ごらん入れましょうか、もう一部ありますから。おわかりでしょう。それが一つ。それから、配当所得のある人たちは、その金額の一定条件によって、これは半年で二万五千円までは申告しなくともいい。この事件は二万五千円のはずはない。山ほどある数字は先ほど申し上げたとおり。そういう点から見まして、申告の当然対象になるのに申告がない。これは事実。一体申告しなかった理由は、あなた方のほうとしてはどういうように認識されておるか、そこで、先ほどおっしゃった、借金でやったら、返済及び利子について配当から差し引いて、ゼロになればゼロ、赤になれば赤として処理される。これは税法上そうですね。ところが、あと並べます、あと質問に対する答えのいかんによっては次次次に私は問題点を明らかにいたしますが、一体、自己株なのかどうかということについてどういう認識をされていらっしゃるか。申告しない。株は持った。配当はもらった。どっちでしょうかという疑いができるのは当然でしょう。その点について、ひとつ責任者としてお答えをいただきたい。
○説明員(吉田冨士雄君) 国税のほうといたしましては、自己株かどうかは、当面の責任ではございませんが、申告につきまして一言申し上げたいと思うのですが、ただいま先生のお話の所轄税務署での公示でございますが、公示の際には、先ほど申しましたように、所得の内訳、配当所得は幾らとか、給与所得は幾らとか、そういうことは公示しておりませんので、総所得で公示しておりまして、その所得しか表にはわからないはずでございます。その所得金額で申しますと、四十二年から四十六年までずっとプラスの申告が出ておりまして、四十六年は先ほど申しました二千六百八十八万円になっております。
○野々山一三君 そうすると、私どもが申告しますね。必ず呼び出されて聞かれますね。あなたのほうは申告があったから、それでよろしゅうございますと、こういうわけですか、聞きましたか。聞いたらどういうように言ったか。一体話は、先ほど私があなたのほうの尋問の記録をちゃんと読み上げたのですから、言っているにきまっているわけですね。そのことについて、こんなくらいじゃ足りないのだから、どういうように言ったか、ひとつ正確に聞きたい。正確にです。正確にです。どうぞ答えてください。
○説明員(吉田冨士雄君) 通常の場合は申告が提出されましたならば、その際、納税相談という形で一応の御相談をいたします。さらにその後資料を総合いたしまして、申告審議をやりまして、そこで、脱漏が多いときには呼び出しなり、あるいは御照会するなり、そういうやり方で一般にはやっておりまして、その結果、修正公示あるいは更正決定という、そういうかっこうになるわけですが、ただいま私が申しました数字あるいは内容は、これは公示価格の問題でございまして、公示価格は御案内のように、総所得金額一千万円以上の方だけを一応公示しております。ただし四十五年以前は、五百万円以上の方を総所得金額として公示しておる、その金額でございます。
○野々山一三君 四十二年から配当所得が河本さんにはなかったのですか、あったのですか。
○説明員(吉田冨士雄君) 先ほど申しましたように、四十二年から四十六年まで河本さんの申告総額といたしましては、普通・公示になっておりますが、その内容につきましては、私どもとしてはお話できない立場にございます。
○野々山一三君 四十二年からの配当所得、私が読み上げます。あなたが言えなくても、私は国政調査権の立場で読み上げます。明らかにいたします。四十二年には一千三百九十万円、四十三年は一千九百九十七万円、四十四年には三千七十七万円、四十五年には四千五百八十万円、四十六年には八千七百五十八万円、合計一億九千七百五十八万円、こういうぐあいなんです。ところが申告の場合には四十五年まではゼロなんです。どういうふうにお考えでしょうか。 そこで、当然の疑いとして出てくるのは、自社株なのか、自己株なのか、個人の株なのかという疑いが出てくるんじゃありませんか。そこで、性格づけできなければおかしいじゃないですか。われわれなら月給から取るでしょう。国民なら月給から取るでしょう。それで、しかも、申告したらやれどうだこうだとおっしゃるでしょう、徴税効果を高めるために。私がわかって、あなた方がわからないはずはないでしょう。それであなたは、予算委員会では二百五十万円だけが云々ということで、最後に決算をしたら二百五十万円だけが脱税と、こう言われた。膨大な額ですよ、これは。これを逆算してみましょうか。これを、かりに年七%の金利であったとするならば二十三億九千万円、五年間で借金していることになるでしょう。かりに八%の金利だったら、二十億九千九百万円強です。九%だったら、十八億六千六百万円なんです。一〇%だったら、十六億七千九百四十万円。ところが、先ほど申し上げた数字からいくとゼロであるという理由の借金はどう考えてみても七億六千万円強です。そしてまたさらに出てくるのは、先ほど申し上げたように、借金で差し引いた額と、借金というものとの間に差がございます。十六億七千九百四十万円から、借金は七億六千三百六十万円、したがって、九億一千五百八十万円というものの差がある、それは準備しておりませんので答えられませんと、税務署に述べられたんです。これは一体どういうことなんでしょうか。その答えいかんによっては順々に問題がありますが、ちっともあなたが答えられぬから、わしからしゃべる。こんなことを何でしゃべらなければならぬのか、何で私のほうからしゃべらなければならぬか。秘密というなら、個人の秘密なら何でもいいというなら、何でもやりましょうか。そのことを許すのですか。大臣、その見解を承りたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) 秘密と申しますか、役所としてやり得る業務の権限がございまして、この権限を越えて公開の場で言っていいことと悪いこととあるわけでございまして、これが告発でもされ、法律的な問題となりまして、法務省の問題になるという場合には、これは別でございますが、行政官庁としてやはり申し上げにくい、申し上げてはならない業務権限の範囲というものはあるというふうに考えております。
○野々山一三君 申し上げてはならないというのだが、それじゃ、私が申し上げた数字は違いますか、違いませんかということを言っている。イエスかノーかと答えてください。
○国務大臣(小坂善太郎君) また、国税庁のほうから申し上げますけれども、国家公務員としての職務権限の範囲というものがございまして、公務員が職務上知り得た秘密というものは漏らしていけないものは漏らしてならぬということがあるわけでございますので、野々山委員におかれましても、その点ひとつお含みを願いたいと考えておる次第でございます。
○野々山一三君 問題は、本論から離れますけれども、秘密問題については、私は法務委員会で十何回も議論をして、いま大々的に改革をしている最中なんです。御存じでしょう。国家公務員の秘密、百条にかかわる問題については、いまあなたから御講義をいただくまでもなく、あることはわかりますが、その内容についてはいま内閣官房でも、各省でもいま集まって根本的に大改造いたしますということになっているのです。 そんなら私はあらためて秘密会を要求いたします。委員長、善処してください。
○委員長(藤田正明君) 速記をとめて。 〔午後四時四十五分速記中止〕 〔午後五時五十三分速記開始〕
○委員長(藤田正明君) 速記入れて。 大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの野々山委員の御質問にありました、河本氏及び三光汽船など、これに関連する案件については、国税庁としてあらゆる角度から厳重な調査を行ない、適正な処理をいたします。
○野々山一三君 正直申し上げて、全く質問の入口でお答えがないという事態なので、調査をするということでありますから、私は、本件についての質問は保留をして、次の機会に譲ることにいたします。どうかひとつ、たいへんいろんなところで審議されておる状況を見てみましても、全く正直言って中身に入れないうちに終わっているというのは、調査もしているはずなのにしていないという印象が非常に強い。だから、大臣のおっしゃるように厳重に調査するということでありますが、これはしっかりと受けとめて善処してもらいたい。それこそ善処じゃなくて、調査をしてもらいたいというのが私の希望です。なお、この際、申し上げておきたいのは、私は三光汽船問題だけを問題にしているのではなくて、このごろ各委員からも御指摘のありましたように、株式投機という問題が非常な社会的な問題になっているということにかんがみて、ひとつ政府としても、企画庁としても、そういうことによって起こる大衆投資家の利益がそこなわれる、あるいは大企業が独占をするというようなことのないような処置を、この際、特に留意して対処してほしい。これが、私の保留はいたしますけれども、注文としてつけておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○委員長(藤田正明君) 野々山君の質疑につきましては、後日調査事件としてこれを取り扱います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○多田省吾君 私は、三法について大臣に、時間もございませんので、ほぼ一、二問ずつお尋ねしたいと思います。 最初、有価証券取引税に関連しまして、いわゆる有価証券の譲渡益、すなわちキャピタルゲインの課税については、個人の分については、アメリカやイギリスは実施しているのにもかかわらず、わが国においては実施していないわけです。所得税法第九条には、一項から二十二項に至るまで、非常に数多くの非課税所得が規定されておりまして、個人の有価証券の譲渡益もこの中の第十一項にあげられております。これらの数多い非課税所得の大部分というものは、生活保護などのための給付だとか、あるいは恩給遺族年金等の社会保障的政策的配慮によるものあるいは小学校、中学校等の児童の預貯金の利子とか、あるいは慰謝料等のように、担税力の乏しい者あるいは出張、転勤等の実費弁償的なもの等、こういったものがやられているわけでございます。ところが、この個人の有価証券の譲渡益につきましては、ばく大な利益をあげていても、それがいわゆる五十回以上とか云々という、営業的なものでない限りは非課税所得として扱われる。これは所得税の基本的な精神から考えて、担税力が過分にありながら、いろいろな税務執行の面、あるいは行政上だけの便宜の上から非課税所得とすることは非常に適当ではない。しかも、この所得税法の中にこういった規定をすることもおかしいんで、これはもう当然そういう規定を、もしするんだって、これは租税特別措置としてやるべき問題でございます。まあそれはおくとしましても、大臣として、やはり今後はイギリス、アメリカのように、こういった非課税措置という重大な問題を、やっぱり課税するほうに向けていくべきではないか。 それからもう一点は、今度国税庁で、いわゆる営業上年間五十回以上で、しかも二十万株以上の所得として、まあこのたび一件、戸栗社長、こういった問題をいわゆる脱税として強制調査したようでございますが、こういった問題も調査すればもっともっと多いんじゃないかと思う。大臣として、このキャピタルゲイン課税の問題についてはどのように考えておられるかですね。
○国務大臣(小坂善太郎君) 個人の有価証券の譲渡による所得につきましては、ただいま御指摘のように、有価証券市場を育成するという見地と、譲渡損の問題など、執行上の理由もありまして、昭和二十八年以来原則として非課税の扱いをしておるわけでございます。御指摘のように、この非課税措置については、税負担の公平の見地から疑問があることは、私もよく承知をしておりまして、税制調査会にも審議をお願いいたしまして検討してきたところでございますが、一般的に課税対象とすることは、その前提条件がまだ整理されているとは言えませんで、譲渡損の問題等かえって負担の不公平を招く結果ともなりかねませんので、この問題については、今後引き続き検討を続けてまいりたいと思います。が、しかし、多田委員の仰せのことは私どももよく理解せられるところでございます。
○多田省吾君 それは、いわゆる譲渡損——キャピタルロスにつきましては、アメリカなんかでもきちっと法改正して、そういった問題が起こらないようにしてあるじゃありませんか。それはもう大臣の言いのがれに私はすぎないと思う。これはもう衆議院の段階でも、野党の修正案も取引税に関しては出ております。また附帯決議においても、こういったキャピタルゲイン課税については強力な附帯決議もついているわけです。そういった観点から、私は、取引税につきましてももっと上げてもいいんじゃないか、またキャピタルゲイン課税についてはやはりもっと前向きに積極的に考えるべきじゃないかと、このように思うわけです。 それから第二の問題、いわゆる相続税でございますけれども、国税庁の発行した四十七年度版の「私たちの税金」という中学校、高校生を対象にした教材の参考資料用という本に、相続税の覧を読みますと、こういうことが書いてある。「相続税や贈与税は富の過度の集中を防いで、その再配分を図るほか、生存中に国の便益の提供によって蓄積することのできた財産の一部を国に還元するとともに納税者が相続や贈与により偶発的に受けた富に担税力を求めて課税することを目的にしている。その上、贈与税は相続税の補完税としての性格を合せもっている。将来、相続関係の生じる親子などの間で財産が分割され贈与される場合、結果的には相続税の負担を免がれてしまうことも考えられる。この場合、贈与を受けた個人に贈与税を課税することによって、相続税の公平を補完するわけである。」云々と、このような説明があります。もし大蔵省がそういうのならば、現行の相続税制というものが、富の過度の集中を抑制し、高額な遺産を相続した者と、そのような機会に恵まれない者との負担の均衡をはかるという社会経済的な機能、あるいは所得税の補完税としての機能を十分に果たしているかどうかとなると、非常に私は疑問だと思う。特に中小農民の営農資産、それから小中零細業者の営業資産への課税、あるいは勤労者の居住用資産への課税の軽減、こういった問題も当然起こってくる問題でございますし、また、高額の相続財産取得者に対する高度累進課税等、これも当然八〇%まで上げてもいいんじゃないかと、こういう考えでございますが、これはもう衆議院でも参議院でも多くの議論があったところでございます。大臣は、こういう現行制度、また今回も若干最低限度を引き上げましたけれども、私たちはまだまだ不十分だと思うが、こういうものに対して矛盾がないと考えておられるのか。特に、もっと高度累進課税を強めたらいいんじゃないか。この現行税率というものをこのままでいいと考えるのかどうか。また、改正する必要があるとするならば、どういうお考えに立って改正しようとなさるのか。まあ、ことし、あるいは来年のことをひとつ大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小坂善太郎君) 御指摘のように、この資産の評価をいたしてみたりいたしますと、かなり農地等の評価の場合変わってきておると思うわけでございまして、そういう観点から、今後相続税の問題は検討すべきものだと考えておるわけでございます。 それから現行につきまして申し上げますと、現在の課税最低限は、配偶者を含む相続人が五人の場合で千二百万円となっておりまして、これを今回五〇%引き上げまして千八百万円といたしておりますので、純農村の通常の農家では、相続税の課税は生じないということに考えておるわけでございます。しかし、これはまたその評価のしかたにも問題があるというふうに思います。 そこで、相続税の性格でございますが、これは所得税の補完税として、生前所得に対する清算的な機能と、偶発的な財産所得に対する重課によりまして富の集中化を抑制し、その再分配の機能を有するものであるというふうに考えまして、これは私は、多田委員の御質問と同様に考えておるわけでございます。相続税の税率は、現在最低税率を一〇%、最高税率を七〇%にいたしまして、この間を五%ごとに刻んで、取得遺産額の増加に応じまして定率に累進する税率になっておるわけでございます。ことに、最高税率の七〇%は、相続人一人ごとの所得遺産額一億五千万円をこえる部分に適用されまして、財産そのものに適用される相続税の税率としては、決して低くはないと考えておるわけでございます。これを相続税の課税状況から見ますると、昭和四十六年分で遺産額二千万円以下の階層は、人員で四九・二%を占めているのでありますが、この階層からの相続税収入は九・〇%でございまして、一方遺産額一億円をこえる階層は、人員では五・七%にすぎないのでございますが、その相続税収入は五八%に達しているのでございます。これから見ましても、相続税は十分その機能を果たしていると考えるのであります。しかし、相続税が富の分配機能を一そう促進する見地から、税率を見直すべきであるという御意見もございまして、これについては今後さらに検討していきたいと考えておる次第でございます。
○多田省吾君 最近のいわゆる所得の配分の格差というものが非常に強まっていると思うのです。で、一応政府与党の立場にあると見られる、たとえば日本生産性本部、そこの調査によっても、この前の報告では、もうわが国における最高、最低の富の配分、所得の配分というものは、ますます何百倍と開いています。ですから私は、やはり相続税におきましては、当然最高率を八〇%くらいまで引き上げてもよろしいのじゃないか、このように思います。 最後に、財政投融資の問題でお尋ねしますけれども、二重議決という問題は、この委員会でも相当論議されましたけれども、私たちはまだ納得していない。その是非論は別にしましても、この法律制度上の問題から、そういう理屈をこねて財政投融資の原資の性格、あるいは支出の面において、何となくこういう提出のしかたは、非常に国民にとって理解もしにくいし、また論議もしにくい大きな欠点があります。もっと、提出されるならば、一般国民にも理解できるような形で提出すべきである、このように思います。今後の問題として大臣はその点はどう考えておられるか。 それからもう一点は、いわゆる厚生年金、国民年金の積立金というものは、資金運用部資金の大半を、相当多くの部分を占めておるわけでございます。大蔵省の資料にも、宣伝資料にも、この資金運用部資金は国営の金融機関であると、こういう断定のしかたをして運用しているわけですが、私は、年金の積立金の性格から見て、そういう言い方は非常に当を得ていないと思う。そして、本年二月末で厚生年金、国民年金の積立金総額は約七兆四千億円にも及んでおります。毎年何兆円とふえているわけです。郵便貯金も合わせればこの資金運用部資金の増加率は、毎年三兆五千億、あるいは三兆円、こういった増加のしかたをしているわけです。現在だけでも二十一兆円をこえている。来年はまた、二十四兆円をこえるでしょう。その調子でいって、日本において独特のこういう運用のしかたをされているのでは、過去において少しは役に立ったこともあったかもしれませんけれども、現在においては害毒ばかりが強いのです。ですから、産業構造なんかも、回転できないような姿にいやおうなしになっているじゃありませんか。ですから私たちは、どこまでもこういう厚生年金、国民年金の積立金をいたずらに大きくするんじゃなくて、やはり賦課方式あるいは修正賦課方式にして国民に還元すべきであると、また将来十年後、二十年後老齢人口がふえる、こういった問題も緻密に計算すれば、これは解決のつく問題でございます。年金の五万円、こういった問題はすぐにもやるべきだと私は思います。ですから、この大蔵省の資金運用部資金の問題、いまのままで続けていかれるおつもりなのかどうか、その点が第二点です。一 それから、最後にお尋ねしたいのは、今度四月に入りますと、大蔵省あるいは日銀当局で公定歩合の引き上げを考えているようでございますが、その場合、郵便貯金のやはり預金の金利値上げも、当然、田中総理もやると言っておりますから、ただし、公定歩合を〇・五%引き上げた場合、郵便貯金は〇・五%金利を引き上げるのか、あるいは〇・二五%にとどまるのか、それはもう大蔵大臣が帰ってからと申されるでございましょうけれども、そうじゃなくて、小坂大臣としては、大体どの程度が妥当と考えているのかどうか、私は、当然〇・五%以上にすべきだと思います。こんな安い預金金利で、郵便貯金が十一兆円もこえている。そしてそれを政府がいまの産業構造で、こういった使い方をしているということは、私は、非常によくないと思いますのでお尋ねしたい。この三点をお伺いします。
○国務大臣(小坂善太郎君) まず、財投の計画問題でございまするが、今度御承知のように、資金運用部資金の長期運用特別措置法案を御審議をいただきたく提出しておるわけでございますが、まあ、これはいままでの財投の計画というのは、議決の対象となっていなかった資金運用部資金及び簡保資金の長期運用について、特に、やはり先生方の御審議をわずらわすべきものであるということを考えたわけでございまして、この点では、私どもはやはり、ただいま御意見もございましたけれども、全般の総合的な見地から、これを、全体として運営するのが最も有効な運営方法ができるのではないかと、かように考えておるわけでございます。しかし、その説明等につきまして、まだ不十分な点があることは私もそう思いますのでございまして、今後一そう各般の資料の整備につとめまして、国会の御審議の便宜に供したく努力したいと考えておる次第でございます。 次に、年金の問題でございますが、これは、御指摘のように非常にふえつつあるのでございまして、これを現在の積み立て方式から、賦課方式に変えたらどうかという御意見もしばしばの機会に伺っておるのでございまして、御意図のあるとこはよく私どもも承っておるわけでございます。ただ、現在のこの積み立て方式も、そのままの積み立てではなくて、いわゆる修正積み立て方式とでも申しますか、さような考え方に基づいておるのでございます。一方、年金というものが非常に成立以来日が浅いということで、まだわりあいに成熟の度が若いということもございますし、また人口構成が非常に老齢人口がまだ多くないというようなこともございまして、今後の問題として十分検討さしていただきますが、現在のこの修正積み立て方式というのは、決して積み立て方式そのものではないんだということを特に申し上げさしていただきたいと思うのでございます。 第三点の公定歩合の問題でございますが、これは愛知大臣帰られて、おそらく引き上げになることだと思いますが、まあその場合の一般の預金の金利がどうなるであろうかということは、これはまた今後決定さるべき問題で、それとの関連におきまして、郵便貯金の預金利子をどうするか、これは上げることは間違いなく上がるわけでございますが、やはりいままで郵政省が現在も権限を持っておるものでございますので、大蔵大臣がかってきめるわけにはまいりません。郵政省と十分協議をしながらきめる問題でございますので、まあ具体的な数字をここで申し上げることは、私も実はできないのでございまして、御了承をいただきたいと思います。
○多田省吾君 第三の問題ですが、やはり郵便貯金、預金の金利の問題は、いつも郵政省が上げてもらいたいというふうに、大蔵省にもきびしくそう頼んでおるわけですから、問題は、郵政省がきめるといっても、やはり大蔵省が押えよう押えようとするわけです。だから、大蔵省がそういう国民の立場、庶民の立場に立って、公定歩合の引き上げパーセント以上に引き上げると、こういう姿勢があるのかどうか、そういう大蔵省の姿勢をお伺いしたい。
○国務大臣(小坂善太郎君) 郵便貯金は、やはり非常に小口の、国民の汗の結晶というべき性格のものでございますので、できるだけこれを優遇することは当然であると思うのでございます。ただ、いま、御承知のように、非常に原簿等の関係で、それが各所に分かれておる関係もございまして名寄せができない。そこで、小口ではあっても、実はそれがいろいろ分かれて、一人の人になるとかなり大口になるというような問題もあるようでございますので、そういう名寄せのできるような整理をすることが必要であるということで、先般の預金利子を下げたときにも問題になっておったことは御承知のとおりだと思うのでございまして、今度もその問題をやはり一方にかかえておるということで考えていかねばならぬ点もございますわけです。しかし、いずれにいたしましても、いまの御趣旨の点は十分心得まして、愛知大臣が帰られましたら、御趣旨のほどをよく引き継ぎたいと思っております。
○戸田菊雄君 おとといですかね、政務次官に同様の年金問題で質問をしたのですが、政策上の問題については大臣でなければ答弁できないというので、残念ながら答弁いただけなかったのですが、いま多田委員が質問いたした内容の回答というものは、かつて内閣総理大臣が発表したという五万円年金の骨格とはだいぶいまおくれているんじゃないかと思う。むしろ逆になっているんじゃないかと思う。だから、ほんとうに政府自体が今後五万円年金を実行していくというようなことであれば、この積み立て方式か賦課方式かということ、これを避けては、私は、五万円年金の内容充実にはいかないと思うんですね。それはどうしてかというと、たとえば、厚生年金ですね。この前も話をしたんですけれども、十七年に発足をした当時は、戦費調達の手段として国民のふところから吐き出させようという考え方であった。だから、制度は二の次にきておったんですからね。だから、そういう意味合いからいけば、これは制度的には非常に欠陥があるわけなんです。だから、これを抜本的に改善をしなければ、五万円年金の内容を充実したものにはいかないという考えを私は持つんです。すでにもう多田委員も指摘したように、膨大な貯蓄累積高があるわけでしょう。私の計算でいけば、すでに利子だけで二千四百億ですよ。で、二千三百万近い加盟者の中で、受給者が六十万人くらいですね。総額八百億ちょっとですよ。だから、利子だけで相殺したって、積み金取らなくたっていまできるような状況になっておるわけでしょう。だから、こういうものを適切にやはり加盟者なり、老人に対して、老後保障ですから、そういうものを還元していくというものを優先的に考えないと、それはもう大衆的な零細貯金なんだから、長期的に安定化の傾向にあるんですからね、性格として。そういういわば性格を持っておるんですから、それをどうしてもやはり当該人に還元をしていくというものを考えて、上乗せしていくような方向を考えていかなければ、政府が幾ら口で五万円年金内容を充実させますといったって、裏側でやはり掛け金の積立金を上げていくしかないんですよ、結局。これじゃ私はイタチごっこだろうと思うんです。だから、そういう面について明確なやっぱり方向をひとつ示してください。
○国務大臣(小坂善太郎君) 年金を積み立て方式とするか、賦課方式とするかということは、年金をどのような方式の国民負担で行なうかということ、御指摘のように、ただいま非常にあるから、それで分けたらいいじゃないかという御意見も確かにございますわけでございますが、しかし、御承知のように、わが国は非常な勢いで老齢型の社会人口の国になりつつあるわけでございまして、どうもいま直ちにこの問題に踏み切るということについては、私どもとしては自信がないと言わざるを得ないわけでございます。結局、やはり国民負担の問題で考えますと、財政投融資の原資をどうするかという問題とは、別の問題のように考えるわけでございまして、資金運用部資金は、それぞれ個有の目的を有する各般の制度に基づいて郵便貯金なり積立金等を統合保管して、またこれは国民のお金であるから、国民のために安全有利に運用するという受動的な性格もあると、こういうわけで、そういう点からこれらの資金の源泉とも言うべき問題に対してわれわれは非常に慎重に考えざるを得ないわけでございまして、その点についてせっかくの御意見でございますが、御意見のあるところはよく承りますが、直ちにそれじゃ賦課方式でやってもいいんだというふうな気持ちにはなり得ないことを御了承願いたいと思います。
○戸田菊雄君 関連ですから終わりますけれどもね、結局戦時中は年金を戦費調達の手段としてやったと、戦後は、言うとおり皆さんが進めておるこの高度経済成長策に全部資金として流入しているでしょう。だから、ほんとうに経済の発想の転換をやるという、社会保障の充実なり、あるいは社会福祉の充実なり、そういうことでやっていくということになれば、この辺から発想を変えて実行していかなければ、それは政府の言うことは違うんじゃないですか。それはもう経済企画庁長官としても、大蔵大臣代理大臣としても私は納得できかねるんですね。どういうふうに考えるんですか、その辺。これは全部高度経済成長政策に資金流入しているんじゃないですか、いま。それは産投会計見たってですよ、あるいは財投計画見たって、これは融資先は全部きまっているでしょう——これはあしたやりますけれども。そういう考え、発想というものを転換しなければだめですよ、大臣。どうですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 御指摘の点はよく承りますが、やはり私どもは、個人に分けるということも一つの方法でございますね。国民消費をふやすような方法で転換をするというのも一つの方法でございますが、やはりそれを住宅投資なり、あるいは公共投資なり、そういうもので個人の利益を増していくということ、これも一つの考えであると思うんですが、どうでしょう。で、私どもは、全体の中で、いままで産業の投資に向けられたような部分を減らしまして、そうして公共投資なり、あるいは個人の住宅投資なりに向けていくと、そして国民消費もふやしていくと、そういう方向で考えたいと思っているわけでございます。 振替所得の中で、一番欧米に比べておくれておるという点、欧米の振替所得に比べて日本の振替所得が少ないという点は、やはりいま御指摘のように年金であると思います。年金がおくれているからであると思うんでございますが、これにはやはり相当の準備と企画が必要である。どうも私どもは、いま申し上げておるように、直ちに賦課方式の方向に持っていくということは、全体の人口構成が急速に老齢化しつつあるこの日本の社会構成から見てどうも踏み切れない。もう少し時間をかしていただきまして、御意見もございますから、よく研究さしていただきたいと思いますけれども、まあいまのところは、修正積み立て方式というのが一番実態に合うのではないか、かように思っておる次第でございます。
○栗林卓司君 大臣にたいへん素朴な質問を三点いたします。時間の限りがありますので簡明にお答えいただきたいと思います。 お伺いする気持ちを申し上げますと、よく高福祉・高負担ということが言われます。で、これから、福祉の内容を高めていかなければいけないと考えますと、高負担というのは避けがたい道だと思います。それを税で負担するのか、価格で、物価で負担するかは別ですけれども、いずれにしても、高負担という姿は生まれてこざるを得ないと思います。それを進める場合には、国民の理解と納得が不可欠であると思います。そこで、それを求めるためには、何よりも大切なのは、国民の側から見た公平感というものだろうと思います。そういう点から素朴に三点お伺いします。 一つは、時価発行の問題なんですけれども、時価発行しますとプレミアムが入ります。で、この制度については、従来から、これもまた自己資本充実のりっぱな方法の一つなのであるという御答弁がございました。そのことは否定はいたしません。ただ実際に時価発行している側の気持ちから見ますと、プレミアムというのは金利負担、配当負担がつかない金が入ってくる、こういう意識が非常に強いし、それがあるから、昨年を含めて時価発行がたいへん伸びてきておる。この現実は否定なさらないだろうと思います。 そこで、国民の側から見て、一般国民が一生かけてやる一番の大事業は何かといいますと、住宅の建設ということだと思います。企業の場合には、金利が一切つかない金がプレミアムで入ってくる、そういう制度がある。国民が住宅をつくる場合に、比べてみていいなと思わないだろうか。それについて何らか対策を打つ必要がないのだろうか、まず第一点、ここのところをお伺いいたします。
○国務大臣(小坂善太郎君) 時価発行がまあ非常に盛んに行なわれまして、まあ今後は投資家の保護とか、そういうような意味もあって、もう少し厳正にすべきであるということでこれをしぼっておりますが、まあ一面からいいますと、これは少しうま過ぎるではないかという国民の気持ちに対する一つのお答えも含めて考えたいと思っているわけでございます。で、ただいま御指摘のように、勤労者が住宅をつくる場合に、当然金利がなけりゃならぬ。一方非常に資本を持っておる者は、時価発行によって金利のつかぬ金が入ってくる、不公平じゃないか、こういうこともございますのですけれども、まあ私どもは、やはり住宅をつくりまする場合の金利はできるだけ安くするように、勤労者住宅資金融通法、ああいうようなものでできるだけ安くいたすようにいたしますし、これ一つの考え方ですが、そういうふうな金利のつかない金を得た会社は、その金をもって社員、職員の住宅を、それこそ金利のつかないような、もう非常な低金利でつくってあげるということも可能であろうかと思いますので、まあ私どもその会社に指図するわけにはいきませんけれども、そういう気持ちで誘導したらどんなものであろうかという気持ちを持っておるわけであります。
○栗林卓司君 国民の気持ちの側からいまの大臣のお答えを聞きますと、大きな会社に入っているやつはいいなということになるだけなんです。で、いろいろ公平という、議論をするとこれだめなんです。単純にどう考えるのだと、われわれだってこれからさあうちひとつこさえるのだといったら、できるのかしらとみんな思うわけです。民間企業のほうは大きなところに限って、時価発行で、全くつかない金が取れるのです。一生の大事業が、何で同じ、いいなと思わせてくれないのか。これはひとつ、たとえば、こんな方法もあるじゃないかということをお伺いしますと、財投の中で、住宅金融公庫に回している分は数千億だと、全部ゼロにした場合に、それ以外に金利のかさ上げするのはおそらく一〇%ぐらいでしょう。単純に頭の中で考えれば。そういう発想ができないものなんだろうかということを単純に伺ったんです。
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ財投の中から、住宅投資に向ける資金をできるだけふやしていくし、その金利も下げる方向で考えるということは、従来、ここ数年、ことにこの両三年来その幅をふやしているわけでございます。御指摘のように、時価発行できるような大きな会社につとめている者は、いわゆるフリンジベネフィットとして社宅も非常にりっぱなものができる、場合によってはそれが自分のものになるという制度もできるわけでございまして、この点不公平といえば不公平なことはあるんでしょう。しかし、一方、公営的な住宅についても、公営住宅は、場所もございますが、都市の再開発上支障のないようなものについては、これは払い下げるとか、いろいろなことを政府としてもやっておるわけでございます。できるだけ負担の公平を考えながら、いまの一番大きな問題である住宅について、まじめに働く人たちの住宅が手に入りますように、極力努力してまいりたいと考えております。
○栗林卓司君 実感として、とてもやっていると思えないから、素朴にお伺いしているんです。 時間がありませんから、もう一つ、次の質問に移ります。相続の問題ですけれども、きわめて地価の高いところで百坪の土地を相続をした人がいたとします。同様に千坪の土地を相続した人がいたとします。どうなるかといいますと、地価の高いところで百坪の土地を相続しますと、今回控除を引き上げましたけれども、なおかつ全部はカバーができません。御存じのとおりです。じゃそれを売っぱらってどっかに移るのかと。相続という不幸にあわせて、今度は引っ越しということになる。千坪の人はどうかといいますと、今度は十年間の延納が認められました。何だかんだ言って十年引っぱってるうちに、その間の利子を払ったって、土地の値上がりで十分元が取れて、しかも、売って自分の居住地は確保ができる。たまたまいまあげた二つの例で、目立った不公平が出るわけです。その点について、どうしたらいいとお考えになりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) これは、相続税とか、税とか、そういう問題もさることながら、土地の価格そのものに問題があると思うのでございまして、たいへんおそくなったといえば、そういう御批判はある程度避け得ないと思いますが、ようやく国土総合開発法というものができまして、国会に提案したわけでございますが、あれによりまして、よほど、土地の利用計画に従いまして、いままでのような考え方が、いままでのような現状が相当改善されるというふうに思うわけでございます。そういう点で、土地の価格そのものについての不公正、これをできるだけなくするようにするのがまず第一である。 それから、その上に立って、相続税の問題として考えますると、住宅といたしまして、いまの課税最低限の引き上げをするにあたりましては、サラリーマンが通常住居する程度の住宅には課税が生じないような配慮をしているわけでございますが、どうも土地の価格というものが千差万別でございますので、一律に何坪までは課税をしないというような、そういう線が引きにくいということは、御理解を願いたいと思う次第であります。
○栗林卓司君 通常ならば、何坪が一番課税最低限に当たる坪だと、これは評価額でお伺いしているのではありません、坪だとお考えになって政策を動かしておいでになるのか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 建蔽率もございまするが、五十坪程度ではどうかというふうに思うんですが、ただ、ほんとうにもう土地というものは、なかなかその場所によって価格が違いますので、都心では五十坪というとこれは相当に高いわけです。まあその程度かと思います。これは大蔵省の専門家のはじき出した数字でございますが、さようなことになっております。
○栗林卓司君 昭和四十二年、内閣でやった世論調査があります。それによりますと、東京周辺では、大体七十坪、それを望む声が一番高いんです。大阪近辺では百坪。で、五十坪から百坪の間を希望する者の比率を足しますと、全体の六〇%前後になります。しかもその気持ちは、せめてそれだけの宅地はほしいということでしょう。そうなりますと、あっさり五十坪とおっしゃいましたけれども、なるほどそういう計算をしたんでしょうけれども、そういう通り一ぺんのお答えをいただきたくないから、素朴にと最初に申し上げているんです。 時間がありませんから、最後にもう一つお伺いします。 相続財産の中で、評価額を見ますと、七割が土地だといわれています。一つは土地の値上がりということがありますけれども、もう一つは、いわゆる架空名義という問題があって、相続財産がほんとうにつかめるのか。これは一まつの不安であります。一まつどころか、現実にあるから、銀行の窓口に張り出している面があると思います。いつもこの架空名義になりますと、事実上は、実務上無理ですというお話であります。 そこでお伺いしますけれども、百万円の預金の場合、一千万円の預金の場合、一億円の預金の場合、同じように無理なんでしょうか。一律、架空名義を全部調べろということになると、これは私ども含めてたいへん不便になりますから、ちょっと待ってくれになりますけれども、実際に実効をあげるやり方で取り組む場合には、一体幾らの預金なのか。こういう選別を一つしてみる必要がありはしないか。百万の場合、一千万の場合、一億の場合、いかがでしょうか。 これだけ最後にお伺いして質問を終わります。
○政府委員(山本敬三郎君) かつて日本で、資本を非常に充実したいと、蓄積をふやしたいというときに、無記名預金というような制度も出てきたと思うわけです。あるいは、先ほどの証券の場合にも、証券市場を育成したいという一つの要素があったわけです。しかしいまは、それ以上に、国民の間にある不公平感というものを重視していかなければならぬ。そういう点から見ますと、先生のおっしゃるとおりに、いままでは技術的にむずかしいむずかしいと言っておりました架空名義預金等について、段階に応じて、非常な差があるわけですから、そういったものについて、さらに一歩前進して考えていく必要があるのではなかろうか。これは愛知大臣にも申し上げているところでございます。 それからさらに、相続税が完全に把握されているだろうかどうだろうか、こういうお話がありましたけれども、これは局長をまじえて大臣とお話ししたんですけれども、やはり不公平感を払拭するという点からいったら、非常に薄くてもいい、しかも、かなり高度の所得の人だけでもいい、富裕税というようなものを考えて、相続税等の捕捉に万遺憾ないようなことをやっぱり考えなければいかぬ時代ではないか。大臣も、財産税という名前は、国民にかつて悪いイメージもあったから、名前はいろいろなことを考えてほしいがそういう行き方も一つあるというふうに言っておられますので、前向きにそういった問題は考えていただきたいというように考えております。
○渡辺武君 株の投機による利得、これが不労所得であるということについては、私は議論の余地のないところだと思うのです。しかも、いままでの株式市場の経験をいまから振り返るまでもなく、株の投機で損をしているのは一般大衆投資家であって、そうして大口の取引をやっている大企業あるいはまた大きな資産家、これがたいへんな投機利潤を手にしているということも、またこれ議論の余地のないところだと思うんです。ところが、所得税法によれば、この株の譲渡所得は、原則非課税ということになっております。そして、大臣お見えになる前に、私質問して明らかになりましたのは、その非課税措置の例外として、個人の大口取引について課税が規定されているんですね。ところが、伺ってみますと、その件数が何件くらいあって、取引高がどのくらいあって、それから、税収がどのくらいあるかというような最も単純なことさえ、大蔵省ではつかんでいらっしゃらないのです。つまり、これはもう、事実上脱税を公認しているにひとしいというふうに見て差しつかえないと思うのです。 私が申し上げるまでもなく、一般の勤労者は、苦労をして毎日つとめて、やっと生活をささえるくらいの賃金をもらって、そうして所得税を納めさせられている。しかも、それは源泉徴収で、いわば天引きでもって税金を取られているという状態です。ところが、大会社、大資産家の投機による不当利得、これについては全く税金がかけられていない状態にひとしい状態になっているわけです。これは世論のきびしい批判の的にさらされている問題でありまして、先ほどほかの委員も質問しましたけれども、私も重ねてこの点を問題にしたいと思うのです。法人個人を問わず、大口の株式譲渡所得ですね、利得。これについては、やはり株式譲渡所得税を創設して、そうして所得税や法人税から分離して、高率の課税をすべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 株式の値上がりというようなもの、あるいは地価の問題は先ほど触れましたが、いわゆるキャピタルゲインというのは、これは従来はネグリジブルであるというふうに考えられておったわけでございます。そのゆえに国連の統計の中にはこういうものは入れないと、単なる貨物の移転だけで付加価値を生まないものだからこれはそういうものには数えない、こういうふうにいっておったと思うのでございます。ですから、そういうものの移転によって得をする場合もあるし損をする場合もある、株式によってもうける者もあれば損をする者もあるというふうに考えておったわけですが、御指摘のように、最近の状況は確かに社会的な不公正感を助長しているというふうに思います。連帯感をそこなうものがあると思うのです。ですから、こういうものについての御指摘の点があることは私にも理解できるわけでございますが、しかし、どうもこれをどういうふうに今後持っていくかという点で、この予算にはもちろんそういう問題と歳入面での税制の問題、これは考えていないわけでございますが、今後の課題として検討をさせていただきたいと思います。やっぱり証券界というものがなかなかむずかしい場所というふうに見られております。まあ一定のルールというものがなかなかできていない点もございます。やはり証券界全体のルールをつくり、そしてその中における取引の実態をつかめるようにする、そして課税ということになりませんと、どうも、いま御指摘になりましたそのことをそのまま申し上げますのですが、実態がつかめていないのに課税はできないじゃないかという問題もあるわけでございます。これは十分検討させていただきたいと思います。
○渡辺武君 同じキャピタルゲインでも、土地の譲渡所得については、まあまだ不十分ではありますけれども、一応分離高率課税という方向がいま出されておるわけですね。同じキャピタルゲインである株の譲渡利得に対してなぜできないだろうか、これは私非常に疑問ですけれども、重ねて御答弁いただきたいと思うのです。
○政府委員(大倉眞隆君) 実は、土地の譲渡益、特に法人の土地の譲渡益につきまして、今回通常の負担よりも重い負担を課するという結論を導き出します過程におきまして、ただいま渡辺委員御指摘の問題はずいぶん論議されたわけでございます。四十四年の個人の保有土地の長期分離軽課という措置を講じましたときにも、法人の仮需要を抑制するために、ちょうど今度御提案申し上げておるような重課をやったらどうかという御意見が確かにございました。しかし、そのときには、まあ当時の事情もあったとは思いますけれども、やはり取り扱い商品のいかんによって税の負担が変わるということは、法人税にはなじまないという意見のほうが当時は強うございました。したがって、四十四年の税制改正ではそのような措置はとらなかった。これはもう御承知のとおりでございます。しかし、今回はそれをあえて踏み切ったということは、やはりその間におきまして、諸般の事情から、土地というものは限られたものである、国民全体の共有の財産とも称すべきものである、したがって、私権を剥奪しないぎりぎりの限度においては、これは特殊な商品と考えて、通常の商品を扱う場合に比べて高い負担を求めることもやむを得ないではないかと、そういう経過を経まして今回の土地譲渡益重課が出てまいりましたものでございますから、これを土地以外の一般商品ないしは有価証券というものにまで及ぼし得るかどうか、それにつきましてはなお、その所得課税を、所得のタイプあるいは取り扱い商品によって差異を設けていいかどうかという問題をもう一ぺん根元から議論せざるを得ないのではなかろうかと、それが私どものいま率直な感じでございます。
○渡辺武君 どうも納得できませんよ。だれだって納得できないですよ。こんなひどい株の投機をやって、同じ土地の投機については、これはいま言ったように、分離高率課税ということにやっと踏み切った、これは世論の批判がきびしいからだと思うのです。株についても世論の批判はきびしいんですよ。何してるんだ、結局やらないというのは、いまの政府が——これはもうぼくはこんな席上で言いたくないけれども、結局大企業、大資産家本位の政治をやっているという、そこに根源があるのじゃないか、これは当然出てくる結論です。ところで、いま大臣、なかなか証券業界というのは複雑で、言ってみれば捕捉できないからできないのだという御趣旨のことを言われましたが、もし捕捉できればやりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 私はそういう意味で申し上げているわけであります。ですから、これから実態を洗い、証券業界にルールを確立させて、そして税金を取り得る状態にするということが、やはりこの問題を考える場合の前提条件になるというふうに私は考えています。
○渡辺武君 それでは伺いますけれども、いま証券会社が期末残高照合というのをやっています。これは御存じですか。
○政府委員(坂野常和君) 期末残高の照合をやっております。
○渡辺武君 これはどういうものでしょうか。
○政府委員(坂野常和君) 顧客との取り引きについて、一定期間の間の取り引きがどういうことであったか、残高がどうなっているかということを確認いたしまして、その間にそごのないように、それから、証券会社が事故を起こしたときにいろいろそういう不始末がないようにという意味でございます。
○渡辺武君 そうでしょう。私も事情を知っている人にわざわざ会って聞いてみたんです。そうしますと、株の売買を委託した人に対して、証券会社が手紙を出す。そうして、たとえば、四十七年の三月から九月までの期間について、あなたの委託した株はこれこれ、これこれでございまして、その間これこれ、これこれのような取引をいたしました。そうして現在は残高がこれこれでございます、こういうことを通知して、そうして本人がそれについて間違いないという確認をとる、これが残高照合でしょう。つまりだれが株の取引をどれくらいやったかということは、この残高照合の帳簿さえ厳格につけているならばはっきりこれはわかるんですよ。そういうものじゃないですか。
○政府委員(坂野常和君) 一つの証券会社と長年取引しておる顧客であるならば、言われるとおりの状態だと思います。しかし、顧客は一つの証券会社とのみ取引をしておりません。また、証券取引を一たんやりましても、数年置いて、それからまた新しく取引を開始する場合もございます。そういう場合には、同じ会社であっても、幾らで買われた株であるかということは証券会社サイドではわからないのでございます。
○渡辺武君 それはおかしい。一つの会社だけでもって取引している人なんていうのはほとんどないですよ。幾つかの会社でいろいろな取引をやっている状態が普通でしょう。しかし、法人の株の投機が非常に最近盛んだ、あるいはまた、大口の取引をやってきている、これもまた最近たくさん出てきたという状況です。ですから、これは残高照合さえ正確にやっていれば、厳格にやっていれば、必ず捕捉できるものですよ。特に架空名義の取引なんかについては、架空名義で住所、氏名が違っておれば、証券会社が出した通知が届かないはずです。返ってくるはずです。だから架空名義だということは一目瞭然になってくる。先ほどの私の質問に対するあなたの御答弁で、架空名義はよくないから、なるべくやらせないように指導している、こういうおことばがありましたけれども、もしそのおことばが真実ならば、この残高照合を厳格にやるなら、そのことははっきり浮かび上がってくる、ですから、私は、捕捉困難だというけれども、実態は捕捉可能な状態に置かれているのじゃないか、証券会社に一定の基準を示して、そうして、これこれの基準に適合する取引の場合は、これは政府に報告義務を課したらいい、そうしく場合によっては、この残高照合の帳簿を政府が立ち入り検査することができるようにしたらいい。そうすれば、たちまちのうちに把握できます。掌握できます。掌握、把握、捕捉できないなんということは口実にすぎないですよ。どうですか。現在の状況でそのことが可能なんだから、私はやはり、もし大臣のおっしゃることが真実ならば、この有価証券の売買益についてやっぱり高率の分離課税、これをやるべきだと思う。やりますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) この有価証券のいわゆる株式市場というものは、資本の民主化といいますか、会社の自己資本を、大衆資金によってできるだけまかなっていこうという、そういう任務もあるわけでございます。いまの株買いの状況といいますか、株式の価格というものは、非常に上昇の一途をたどっておりまするから、これに対して、そういういろいろな不公平な所得もあるではないか、なぜ課税をしないということも当然問題になることはわかりますわけでございますが、やはりこれは、一方から見ますと、また土地と違いますところは、価格の下落もあるわけでございますね。株式も取得することによって利益する場合もあるし、将来また非常に損失をこうむる場合もあるわけでございます。土地の場合は、これはもう限られたる資産でございますので、現在よりも下がらないであろうということは一般的に言えることでございますので、その辺ちょっと事情は違うわけだと思うんでございます。そういう点も勘案し、またいまの御意見等も十分頭に入れながら、税制調査会等でも議論をしていただきまして、将来の問題としてやっぱりいろいろと検討さしていただきたいと考える次第でございます。
○野末和彦君 先ほどからいろいろ問題になっておりますけれども、例のキャピタルゲインの問題ですけれども、大臣のお答えを聞いておりますと、これにはいろいろな問題点があるということで、ということは、今回の税制改正にあたって、譲渡益に課税をしようという方向で大蔵省のほうは検討をしたと、こういうふうに解釈していいんですか。しかし、検討したが、いま非常にむずかしいんだと、たてまえとしては課税すべきであると、こういう方向ですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 税制調査会におきまして、この問題は御論議いただきました。御論議をいただきます場合に、私どもから申し上げました点は、やはり最近のような株価の動きにかんがみますと、この問題を従来どおりの非課税ということをそのまま続けてよろしいでしょうかという問題意識を内に含めて御相談をいただきました。ただ、結論といたしましては、四十八年度税制改正でそれに踏み切るためには、なおいろいろな問題が残されているということになっております。
○野末和彦君 それでは伺いますが、この現在の非課税、キャピタルゲインに非課税している、この措置による減収額を知ろうと思いまして調べましたところ、昭和四十年度はたしか七十億ぐらいと、こう出ているんですね、減収額が。これは独立した項目で出ていたからわかったんですけれども、昭和四十一年からあと、この非課税措置による減収額という独立した項目がなくなっているんですね。なぜ、これは独立した項目がなくなっちゃって、これどこにいっちゃったんですか、この額。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいまの野末委員御指摘の点は、おそらく毎年、予算委員会からの御要求でお出ししております租税特別措置減収額試算、その中に、たしかおっしゃるとおり四十年までは項目があがっておった、四十年の数字もおっしゃるように七十億であったかと思います。それ以後は、独立項目になっておりません。私、いろいろ聞きましたところでは、直接の原因は、やはりこの数字に、何と申しますか、はなはだしく自信がない。計算方法をいろいろ聞いてみますと、結局先ほど来の渡辺委員の御質問に政府委員が答弁いたしましたように、税務統計上の資料が現在はないわけでございまして、したがって、よその資料から出てくる数字をいろいろに組み合わせて、かなり大胆な仮定を置いて一応試算をしてみた。なお申し上げますと、有価証券売買高、これはわかります。しかし、そのうち個人が幾ら売ったかというのはどこにもいま統計がないわけでございます。したがいまして、これは個人の保有割合、これもまた非常なサンプリングでございますが、それを使って、まあ保有割合と同じぐらいの割合で売ったとして見るかというふうな仮定を置きまして、それから、売った分の利益が幾らであるか、これは実は取得価格が全くわからないわけでございますから、これはダウ平均の上昇率のようなものでも使ってみるかと。それから、なお、当時でございますと三十万円、現行法でございますと、かりに課税するといたしまして四十万円の特別控除がございますので、その上にいくだろうか、平均的にどうだろうかと。 なお、いろいろございますが、そのような点、すべてに非常に大胆な仮定を置いて一応試算をしてみたと。しかし、この試算で、ほんとうにそれだけ減税になっておるのかなっておらぬのかということは、実は申しわけないのですが全く自信がない。そういうことがございまして、四十一年ごろからは、これを独立の項目として取り扱うことはやめようと、そういう経緯があったというふうに承知いたしております。
○野末和彦君 そうすると、四十年度七十億というのも、これが自信がなくて、その後、独立した項目ではないけれども、一応の数字はあるけれども、それもまた自信がないと。だから発表できないと、こういう意味なんですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 私、聞きましたところで、若干正確を欠いておりましたら、もしなんでしたらあとで訂正させていただきますが、二、三年前までは、その特別措置の減収の「その他」という項目の中に、所得税関係の、いわば一種の備忘価額といたしまして、項目としてはあるのだと。しかし、その積算がほとんどできないという意味で、一種の備忘価額として十億円とか十五億円とかいう数字を計上していたことはあるようでございます。
○野末和彦君 大臣に伺いますがね、これだけの不労所得ですよね、まあね。で、これに対する非課税というのは、非常にまあ総合課税というたてまえをくずして、非常に不公平な感じがする。これもはっきり自信がないからといって数字を「その他」というところにまとめちゃって入れているということ。これでいいとお思いですか。
○国務大臣(小坂善太郎君) どうも代理が、いい、悪いという権威ある発言をするのは、はなはだじくじたるものがあるのですが、できればもっと正確につかめるように努力することがいいんだというふうに思います。しかし、なかなか困難であるということも、いま御説明したとおりでございまして、まあとにかく、大体その株式市場というものは、昔からかなり乱暴なものでございまして、ばかにそれでもうけてみたり、すってんてんになってみたり、そういう社会であるというふうに私どもは考えております。どうもそういうところを非常に近代的に、野末委員のような非常な合理主義できっちり割り切るということは、なかなかむずかしいところがあるというふうに私は思うんです。
○野末和彦君 それでは聞きますが、はっきりした金額はわからないのでしょう。はっきりさすべきであるが、とにかくむずかしくてわからないんだというままに、この非課税措置を続けるというのは、これのほうがよっぽどわからないわけですよね。というのは、ある種の政策目的があって、これは廃止になったわけでしょう。そこの政策目的と、その効果を考えるのに、もう数字が出てこないと、これだったら、このものは存続させること自体おかしいんで、当然復活させなければいけないわけですから、これは存続させるにも、復活させるにも、自信のないような数字に基づいたこの措置を続けるということのほうが納得できない。これはどうなんですか大臣、理屈からいって。いや大臣ね、当然おかしいんじゃないですか。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣からお答えいただきます前に、野末委員の御指摘は、確かに、何と申しますか、コスト・ベネフィット・アナリシスというような角度から申せば、はなはだしくこの項目はそういうテストに向かない、つかみどころがない。したがって、そういうコスト・ベネフィット・アナリシスを量的にできないものはおかしいではないかという御質問は、それなりの御意見として十分承っておきますが、何ぶんにもそういう数字がないしするから、どうも量的にできないというところは御了承願いたいと思います。
○野末和彦君 それでは、昭和四十八年度のこの措置による減収額の見通しは、もちろん自信のない数字でけっこうですからね、それをひとつ教えていただきまして。というのは、どっちにしても廃止されたときの理由をいろいろ聞いてみますと、もう現在、廃止の理由は通用しないわけですから、ひとつ四十八年度の見通しの減収試算、これをひとつ教えてください。
○政府委員(大倉眞隆君) まことに申しわけないんでございますが、実は、いままでのところそういう計算はいたしておりませんので、いま直ちにお答えいたしかねるんでございますが、先ほど申し上げたようなやり方の、非常に大胆な推計をいろいろ加えたもので、こういう推計をしてみたらこのくらいかというのは、それはできると思います。そういうものでごかんべんいただけるということであれば、計算いたしてみたいと思います。
○野末和彦君 それでは、その大胆な計算法でけっこうですが、昭和四十年にはたしか七十億と出ていて、それ以後その他の項目が入っていますが、毎年大体どのくらいの減収額を試算していたか、それを一応数字にしてあとで教えてほしいんですが、つまり、はっきりした数字もないままに検討したわけですか。今度はひとつ課税しなきゃいかぬ、あるいは課税するにはどうもこの点が問題だという根本的な数字はなしにやっているわけですね、ことしは。あるいは毎年。適当な感じで非課税措置を続けているんですか。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいままでの御質問は、そもそもこれをいま全部やめると、いかに小さな取引であっても、小さい所得であっても、全部取るとしたらどういうことになるであろうか、こういう御趣旨であろうと思います。そういう意味での計数は、実は税制調査会にもお示ししたことはございません。税制調査会での御議論は、むしろ非常に大きな取引があるんではないか、その大きな取引が、いまの五十回、二十万株ということでいいのか、もう少し考えようはないのかというような角度から展開されております。
○野末和彦君 そうしたら、数字はあとでいただきますが、根本的に非常にむずかしいと、技術的にむずかしいからやれないと言うんでは、これはやる意思がないと同じで、要するに、取りにくいから取れない、取りやすいところは取るという、これは従来の姿勢と全然変わらないわけですよ。そういうふうに思わざるを得ないですよ。 そこで、私はもう時間ありませんから、最後に念を押しておきますが、これは課税すべきと思っているのかどうか。課税すべきであるなら、いつごろをめどにこれを課税の実現を期しているのか、その見通しだけを最後にちょっとお聞かせ願って、またおらためて別の機会にお聞きしたいんです。
○政府委員(大倉眞隆君) これは、私ども税制を現在担当いたしております主税局といたしましては、実効のある方法を考えて、少なくとも大きな取引については課税する方向でぜひ検討いたしたいと思っておりますけれども、しかし、この制度の創設以来の経緯もございまして、その裏にございます政策的な判断もございましょうから、その辺を合わせました上で、最終的な案をこれから練り上げていくということになろうかと思いますので、ただいま端的にいつからというお答えはちょっと留保さしていただきたいと思います。
○委員長(藤田正明君) ただいま議題となっております三法案中、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律案に対する本日の質疑はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(藤田正明君) 次に、有価証券取引税法の一部を改正する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案の二法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより二法案に対する討論に入ります。御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、有価証券取引税法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
○竹田四郎君 ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議案を私から便宜提出いたします。案文を朗読いたします。 有価証券取引税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、政府は、有価証券取引税の税率については、最近における証券市場の著しい拡大と国際化にかえりみ、諸外国の税率の水準等をも勘案しつつ、明年度以降さらに引き上げる方向で検討すべきである。 一、政府は、個人の有価証券譲渡益非課税の措置が税の公平を著しく阻害している実情にかえりみ、その課税方法について、税制調査会に諮問する等実施の方向で前向きに検討を加えるべきである。あわせて、無記名、架空名義による有価証券取引を排除するよう強力に指導すべきである。 一、政府は、拡大した資本市湯のもとで、企業の調達資金が、投機資金に向うことのないよう株価の形成、資金の調達方法、資金の使途について、適切な規制と指導を行なうべきである。 右決議する。 以上であります。
○委員長(藤田正明君) ただいま竹田四郎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤田正明君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次に、相続税法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○竹田四郎君 ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議案を私から便宜提出いたします。案文を朗読いたします。 相続税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、左記事項の推進に努めるべきである。 一、相続税課税の本来の趣旨に則り、資産再分配機能を一層充実するため、税率及び課税最低限について引き続き検討改善を行なうこと。 一、配優者の資産形成における寄与ならびに老後安定のため、民法との関連に配意しつつ、同世代間の相続について課税の軽減を図ること。 一、最近の地価上昇にかんがみ、標準的居住用資産については都市地域における最低限度の住居に対しても、相続税が課されることのないよう改善に努めること。 一、標準的農林漁業者および中小企業者の事業用資産に対する課税については、相続税の課税により、事業の継続が困難とならないよう努力すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(藤田正明君) ただいま竹田四郎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤田正明君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの二法案に対する決議に対し、小坂大蔵大臣臨時代理から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小坂大臣。
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたす所存であります。
○委員長(藤田正明君) なお、二法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後七時十分散会