商工委員会 第24号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/09/11
会議録
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案を議題といたします。 本日は、本法案について参考人から御意見を承ることになっております。 参考人として、日本百貨店協会会長代行井狩彌治郎君、日本チェーンストア協会会長中内功君、全日本商店街連合会会長並木貞人君、以上三名の方々の御出席を願っております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、皆さまには御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。 本日は、ただいま議題となりました法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承りまして、本委員会における審査の参考にいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 なお、参考人の方々には、初めにそれぞれ十五分程度の陳述をお願いをし、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、まず井狩参考人からひとつお願いをいたします。
○参考人(井狩彌治郎君) 私、日本百貨店協会の会長の職を代行いたしております大丸社長の井狩でございます。 実は、古屋会長が病気静養中でございますので、その間、私が会長代行をつとめておりますような次第でございます。 さて、日本百貨店協会と申しますのは、百貨店業界を代表いたします唯一の団体でございます。会員が百二十四社、店舗数では二百二十五でございまして、百貨店法適用店の売り上げ高の九四・七%を占めておるような次第でございます。なお、御参考までに申し上げますと、百貨店の売り上げ高は欧米諸国とほぼ同様でございまして、小売り業界全体の約一割を占めておるのでございます。 さて、本日意見を求められております大規模小売店舗法案につきましては、日本百貨店協会といたしましては賛成でございます。以下、その理由につきまして若干申し述べさしていただきます。 私どもはかねて、従来の百貨店法につきまして、時代の変化に即応した改正の必要性を痛感いたしておったのでございますが、特に昭和四十五年五月以来、しばしば法律の改正を政府に要望してまいったのでございます。 まず、その理由を簡単に申し述べさせていただきます。 御承知のように、百貨店法は、昭和三十一年六月十六日に施行されまして、そのまま今日に至り、実に十七年余を経過いたしておるのでございますが、この間に、百貨店法のよって立つ経済社会情勢は一変してしまいまして、いまや激動する流通業界におきましては、何人といえども、この変化に対して、適切果敢に対応していかなければならないきびしい環境下に置かれながら、大型小売り業の中でひとり百貨店業者のみが、しかも、十七年余も前に制定されたままの法律によって拘束されているということでございます。このようなことは、百貨店とその他の大型小売り業との競争条件の不公平という点からはもちろんのことでございますが、流通近代化の推進、消費者福祉の増進、さらには外資の自由化の推進等、新しい流通政策の流れの中にありまして、きわめて不合理なことと考えるからにほかならないのでございます。 私どもは、現行百貨店法のあり方の再検討にあたりましては、ひとり百貨店の立場だけでなく、広く多くの中小小売り商、消費者の立場、流通近代化の路線、資本自由化の本格化等、私どもなりに多角的、総合的な観点から、七〇年代におきます流通政策のあり方につきまして、真剣な検討を加えてまいったのでございます。 その結果、基本的考え方といたしましては、小売り商業全般の秩序ある発展を期する見地に立ちまして、自由競争原理では一がいに律し切れないわが国小売り業界の現状を踏まえながら、当面まず、現行百貨店法を、現在及び将来にわたっての経済社会情勢に十分適合するものに改正することが、何よりも先決であるとの結論に到達いたしましたような次第でございます。 私どもの要望しております法改正につきましての考え方の要点は、次の三点でございます。 まず第一は、中小小売り商の立場を考慮しながら、流通近代化の円滑な推進と消費者福祉の増進に重点を置いた考え方へと、法律の性格を前向きに改めていただきたいということ。 第二は、百貨店とその他の大型小売り業について、法の公平をはかることを主眼としていただきたい。 第三は、法律の規制対象及び規制内容について、合理化、近代化していただきたい、こういうことでございます。 以上、私どもの宿年の主張につきましてその要旨を申し述べさしていただいたわけでございますが、一方、政府におかれましては、去る昭和四十五年十二月以来二年余に及ぶ通商産業省産業構造審議会流通部会の審議及び関係業界を含めての慎重な検討の結果に基づきまして、今回の法律案の提出に至ったものでございまして、この間の御努力に対して、私どもは深く敬意を表するものでございます。 本日、意見を求められております大規模小売店舗法案につきましては、以上申し述べました私どもの年来の主張がおおむね取り入れられた内容になっておりますので、冒頭に申し上げましたとおり賛成でございます。 いまや、わが国流通部門に対する資本自由化の要請はきわめて強く、また、国内におきます流通近代化の推進は焦眉の急となってまいったのでございます。つきましては、強大な外資の本格的進出が始まろうとしております今日、外資をも含めてわが国小売り業界全体が健全な秩序ある発展を遂げることができる体制を、本法案の今国会における成立によりましてぜひ確立していただきますよう、重ねて切にお願いを申し上げるものでございます。 以上で本法案につきましての意見は終わらせていただきますが、この機会に二点ほど申し上げさしていただきます。 まず最初に、御理解をいただきたいことは、われわれ百貨店といたしましては、今後、消費者福祉の増進に一そうの努力を重ねることはもとよりのことでございますが、特に納入業者との取引関係の面における改善向上につきましては、これを機会に決意を新たにいたしまして、格段の努力を重ねる所存であるということでございます。 次に、私どもと日ごろ御関係の深い中小小売り業者の方々に対しましては、この法律と相まちまして、このほど国会を通過成立しております中小小売商業振興法をはじめとするもろもろの振興策が講ぜられることを期待し、中小小売り商との共存共栄の実をあげるよう、今後とも努力をいたしてまいる所存でございますことを申し添える次第でございます。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。 次に、中内参考人にお願いをいたします。
○参考人(中内功君) 日本チェーンストア協会の中内でございます。 本日は、この参議院商工委員会の席に参考人としてお招きをいただきまして、御審議にかかりますこの法案について意見を述べる機会を与えられましたことを、まことに光栄に存じている次第でございます。厚くお礼を申し上げます。 長年、小売り業界で論議の中心にありましたこの法案が、本国会において審議されることに関しまして、チェーンストア業界の一員といたしまして、まことに感慨深いものがございます。 結論から先に申し上げますならば、われわれチェーンストア業界の意見といたしましては、いろいろこれからの弾力的な運用についてのお願いはございますが、本国会においてこの法案を成立させていただきたい、この一言になると思う次第でございます。 去る七月、衆議院商工委員会に参考人としてお招きを受けました際も申し上げたところでございますが、もともと私どもチェーンストア業界は、流通業としての本来のあり方は、公正にして自由な競争、これを柱として確立されなければならない。この自由競争原理に立ってこそはじめて流通の近代化や合理化が進められる、そして企業の創意くふう、生産性向上への努力により生み出された成果が消費者指向型経済への移行を早め、また、個別企業としてはよい品をより安く売る仕組みとなり、その結果が社会へ還元されることになる、このような基本的な考え方に立っているのでございます。経営の姿勢も、すべてこのような信念で貫かれているべきだと考えている次第でございます。 したがって、自由競争の規制として働く制限的な制度、また、古い既得の権益を温存しようとするいろいろな保護の体制につきましては、常にその緩和や撤廃を要望し続け、意欲ある小売り業者の育成による流通業界におきます近代化を要望し続けて今日まできている次第でございます。したがって、百貨店法に関しましても、かねがねその撤廃を要請し続けてまいりました。しかし、ここ三年にわたります産業構造審議会流通部会を中心として進められましたいろいろの御相談にもあずかり、また、答申が出ましたあとに数次に開かれました小売問題研究会における議論も踏まえまして、私どもといたしましては、その結論に一応従うことが現時点におきます現実的な解決方法であると考えるに至っております。われわれといたしましても、消費者の本格的な参画のない小売り業界の利害調整だけによりますこの結論には、納得のいたしかねる点も多々あるわけでございます。しかし、長年論議を重ねてまいりましたこれまでの経緯や複雑な環境情勢を勘案いたしまして、新法の設立施行に同調いたすことといたしたような次第でございます。 御承知のごとく、私どもチェーンストア業界は、大衆の日々に使用されます生活必需品を中心として品ぞろえをいたしております。よりよい品質の品をより安い価格で供給するということをその存在の理由としまして、百貨店、小売り店との間に近時急速に拡大しております消費の大きい空間を充足させるべく、また一方、太い短いパイプによる流通の近代化による流通コストの削減に努力を続けてまいりました。この二、三年特に上昇を続けております消費者物価、これが引き起こしております問題のさなかにあり、チェーンストア業界に課せられましたその使命と任務の重大さにいまさらながら思いを新たにいたしておりますような次第でございます。 一例をあげさしていただきますと、本年三月ごろより原料大豆の極端な不足によりまして、豆腐の小売り価格が一斉に値上がりいたしましたことがございました。その際にも、私どもチェーンストア業界だけは、何とか計画的な仕入れ、計画的な販売により、従来の価格を維持しようとすることで力を尽くしてまいりました。また、少しでも物価値上がりの歯どめになりたいというふうに考えまして、一部の商品でございますが、価格凍結宣言などもいたしております。当協会企業の中におきましても、次第にこの実行に取り組む姿勢をとるものがふえてまいっております。また、価格凍結いたしております商品の品数も、昨年よりも徐々にその品数をふやしていきつつあります。その他の商品につきましても、契約による大量仕入れによります薄利多売、このような方法、また一方、流通の合理化という手段によりまして流通コストの削減をはかっておる次第でございます。消費者の利益の確保、そして少しでも消費者のお役に立ちたい、このような考えに基づいて企業の姿勢をつくり上げている次第でございます。 しかし、消費者の利益の確保とともに、一方におきましても、既存の百四十万軒に及びます中小小売り商業との間の協調も考えなければならないことは承知いたしております。ひっきょう、完全な総合小売り業というものはこの世の中には存在しないものであります。ことに消費の高度化、多様化、複雑化、また個性化の時代を迎えておる現在におきましては、それぞれの客層に応じた小売り業が競争的に補完関係をつくり上げることが必要となってきておると考えておる次第でございます。 豊富な品ぞろえと強力な配達経を持つ百貨店、専門的な知識技術を提供する小売り店、販売のセルフサービスと大量仕入れによる仕入れの合理化、これによる安さを強調するチェーンストア、それぞれが個性を持ち、強く消費者に訴えねばならない時代が来るべきだと考えておる次第でございます。 このような観点から、われわれチェーンストア業界といたしましては、いよいよその存在理由を明確にし、低価格による日常生活必需品の販売に挑戦してまいりたいと考えております。 さて、低価格販売をささえる大きな要素といたしまして、規模の大きさに基づく大量仕入れによる仕入れの合理化、このことがあるわけでございまして、先ほども申し上げましたとおり、日常生活品につきましては、生産者、メーカーより計画的に商品を大量に仕入れ、大量に販売する組織が必要だと考えます。それを可能にするものが、端的に申し上げますとチェーン店の店数をふやすこと、つまり出店をしていくことであります。自由な出店を規制するということが、現時点では流通近代化を阻害する最も大きな要因の一つになると考えておる次第でございます。 特に、最近上陸しつつあります、われわれ日本のチェーンの規模の十数倍に近い巨大外資を含めまして、流通業界が国際化時代を迎えることは論を待たないことでございます。これに対して国内体制を固める、そして当面の課題を考えますと、出店の規制を強化されますことは、どうしても賛成いたしかねるものでございます。法案の御趣旨が、単なる大規模小売り業と中小小売り業との活動分野の調整ということにとどまることなく、消費者利益、これの保護に十分に配慮することを明記されていることを高く評価して、中小小売り業の事業活動の機会を確保しなければならないとすることについては、現状では強調いたしたいと考えておる次第でございます。このような理由でこの法案の成立に賛成いたしたいと考えておる次第でございます。 以上、申し上げましたとおり、法案の成立には賛成するものでありますが、その他大幅にゆだねられております運用面におきましては、次のことをお願い申し上げたいと存じます。 一といたしまして、事前審査ということでございますが、これを特に法文の中に字句で表現されましたことによりまして、審査が許可制と誤って運用されることのないように、つまり、次第に原則的に新増設が禁止されること、このように変質したり変貌したりすることのないように、行政当局におかれましては、この運用に誤りのないようにお願いをいたしたいと存ずる次第でございます。 第二といたしましては、営業時間と休日の問題でございます。この国の現状といたしましては、週休二日制が普及してきております。休日を中心としました余暇活動の大型化の時代というものを迎え、大都市周辺部への生活の範囲を拡大しつつあるわけでございます。また、共かせぎ家庭の激増、主婦のパートタイマーへの進出、勤務時間の多様化による深夜における購買の機会の増加等、このような新しい生活態様の変化というものがございます。それはひっきょう、生活者の行動が拡大し、解放されつつあることでございます。勢い、これらの消費に対応する時と場所と機会にいつでも応じられるような販売体制というものが要求されることとなってきております。また一方、北海道から沖繩まで、おのおのの日没時間の差がありますことや、または都道府県におきましてもその地域の事情や、同じ都市内におきましても駅前商店街、住宅地域など地区地区の事情もございます。それは千差万別と考えられますので、消費者の利便をそこなわないように、特に営業時間、休日につきましては、弾力性のある運用が与えられますように御配慮をお願い申し上げる次第でございます。 以上、いろいろと意見を申し上げさしていただきましたわけでございますが、終わりに重ねてお願いを申し上げますが、法案には結論として賛成をいたしております。本国会におきまして成立することを期待しておるものでございますが、その運用におきましては、十分弾力的に消費者の利便、流通近代化による流通コストの削減、このような社会的要請を勘案していただきますことをお願い申し上げる次第でございます。ことに出店活動につきましても、届け出制の本旨をそこなうような規制を加えませんように切にお願いを申し上げる次第でございます。 以上、参考人としまして意見を述べさせていただきました。まことにありがとうございました。
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。 次に、並木参考人にお願いいたします。
○参考人(並木貞人君) 御指名を受けました並木でございます。 私ども小売り商がかねてよりの念願でありました中小商業振興法案が、当委員会の諸先生方の御理解と御支援によりまして過般成立されましたことに対しまして、この機会をかりまして、代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 また、私ども多年の要望でありました本法案の御審議の席上において意見を述べる機会をお与えくださいましたことにつきましても、感謝を申し上げる次第でございます。意見を求められました本法案に対しまして、以下、私どもの考えを申し上げたいと思います。 私どもの団体は、全国各地の商店会を会員として構成されています都道府県商店街連合会の統合した全国商業団体であり、その中には振興組合、協同組合、専門店会等々の法人組織も包含されているものであります。したがって、現在全国約二百万店といわれています小売り商の代弁機関でありますとともに、中小小売り店または商店街のために環境の整備、経営指導、あるいは消費者対策、その他の事業を積極的に進めているものであります。全国小売り商業の規模は、九九・七%が中小企業者でありまして、四人以下の従事者を持っている店は八六・五%を占めている現状にあります。したがって、かように多くの零細商業者をかかえている小売り商業団体といたしましては、主として小規模対策とともに協業化、協同化、さらには商店街町ぐるみの再開発、近代化等の集団化対策、連鎖化等を中心に推進をいたしておる現状でございます。 御承知のとおり、今日のわが国経済界はきわめて激しい変化を示しており、海外の経済動向、国の施策、商社等、大企業を含めた方策等の影響は私どもにきわめて大きく影響し、小規模商業者の存否にかかわるまでの重要性を内蔵するにまで至ってきております。特に、百貨店法の適用を作為的にのがれているスーパー等の大型店は、各地とも繁華街を中心としての進出であり、その進出度合いも、年とともに大きくなりつつある現状にあります。 私ども中小商業者は、戦後荒廃の焼け野原から、寒暑にもめげず、日夜にわたり鋭意努力して今日の繁華街を築き上げるとともに、その営業成績の成否にかかわらず地域社会及び当局の要請等により地域の防犯、防火、衛生、清掃または交通安全、勤労青少年補導の諸対策及び納税、貯蓄等、社会福祉の貢献とともに、街路灯、アーケード等の設置等、環境の整備に努力をいたしてまいったのであります。時代の変遷、交通機関の発達、経済社会環境の変化、並びに消費者ニードの多様化等にあいながらも、現在において国民消費の大部分は私ども中小商業者に依存しており、特に、大企業が手を出し得ない山間僻地の需給をも受け持っておるのが、私ども中小商業者の現況ということを御認識をお願い申し上げたいと思います。 しかるに今日、かつての町づくりでの功労者であった中小商業者が、繁華街において漸次無秩序なる大型店の進出に侵食されて脱落していくことは、資本力、経営能力、設備、労働力、サービス等が劣るがためとのみは言いがたく、大型店の不調和な販売戦の激化に起因しているものもあると考えられます。私どもはこれらにかんがみまして、協同化、協業化、チェーン化、近代化等をはじめ、経営指導に、運営の合理化等に役所当局の御協力を得て、せっかく積極的に努力中であります。 かかるときにおいて、私ども多年の強い要望でありました百貨店法の適用からのがれていたスーパー等大型店が、百貨店と同様私ども中小商業者と調整し合える規制法である本法案が国会審議の段階にまで至りましたことは、まことに喜びにたえないとともに、諸先生方の御理解と御支援によりまして一日も早く本法案が成立されますよう、全国中小商業者を代表し、御願い申し上げる次第でございます。 本法案の内容、骨子等については、通産省当局等よりたびたびの非公式ながら諮問等も受けておりますので、十分了承しておるものにて、その内容も私どもの要望とおおむね一致しているものと考え、賛成であります。この機会に、大型スーパー等の中小商業者への影響と必要性を簡単に申し述べさしていただきます。 大型スーパー等が出ることによりまして、中小商業者が長年にわたる団結と努力により形成された繁華街をつくり上げましてようやく発展してきた時点に、突如としてその繁華街に進出、開店するがために、既存の小売り商業への影響はきわめて大きいのでございます。また、比較的出店のスーパーは地元商店街に非協力であります。また、大型スーパー等の開店により商店街の町の流れを変えるため、ごく一部を除いては全体の町づくり、商店街活動等に好ましからぬ結果を来たしておる例が多々ございます。大型スーパーの無秩序なる進出開店は、後日、地域の再開発計画に悪影響を及ぼしているのでございます。 大型スーパーの開店は、またそのほか従業員対策上より考えてみますると、従業員の雇用が地元においては集中して大型スーパー等に行くので、中小規模の商店街には従業員の雇用が困難になりつつあるということでございます。また、既存の小売り店からの引き抜きの見られる点も地域によってはございます。また、雇用条件への影響も小売り業者には大きな影響を及ぼしてきております。セルフ化の影響によりまして、近隣の小売り商業の接客態度が非常に悪くなってくるという影響も見のがせないものがございます。 現在の、百貨店との対比でございますが、百貨店法による現在の百貨店は、法の運用に必ずしも満足とはいえないまでも、一応法により規制され、地域商店街、商業者との調整下に法の精神を理解され、運用されておりますので、地元との協調もよく、開店後は問題を起こしておりません。一方、大型スーパーについては、現在規制もなく、行政指導による運用の道がありましても必ずしも満足のいく結果は得られず、各地にて問題を起こしておるのでございます。 また、大型スーパーは消費者性向の店であるといわれますけれども、これは百貨店はもちろん、私ども中小商業者も時代環境を十分認識、勉強し、消費者のニードにこたえるべく目下せっかく努力中であり、全国の売り上げ高を見ましてもおわかりのように、消費者は中小企業者への依存度がより高いのでございます。したがって、大型スーパーのみが消費者性向の店であるなどというのは一部の声にすぎないものと思われるほか、消費者ニード等にこたえる道は、今後とも中小商業者の活用に待つべきものが多いと考えられます。 以上のような影響を考えるほかに、今後、外資系スーパー等の大型店の進出が予想されますし、さらには、国内大企業が外国資本との合弁または提携による新しい商品の開拓、資本の大型化等による繁華街への進出も予想される等を考えますときに、今後、非常なる危惧を抱くものでございます。 次に、本法案通過後の効果について申し上げたいと思います。 百貨店法適用外の大型店は、多分に繁華街への進出が多いのでありまするが、繁華街は、前述のとおり中小商業者のたゆまざる努力と犠牲によって築き上げた町だけに、大型店の突如としての開店は、よそ者的感覚があり、お互いに疎外感を持ち、営業も対抗的となり、感情むき出しの激烈な販売をしている向きが多いのでありますが、本法によりまして、お互いの調整の場を終えて、その了解のもとの出店であるならば、気持ちよく互いに町の一員として手をとり合い、町づくりに協力し合い、要請されているところの町の再開発、近代化、環境の整備、あるいは消費者の諸要請等におこたえすることがともどもにできるものと考えられます。 また、販売面におきましても、お互いに話し合い、調整し合い、それぞれの分に応じた持ち味を出し合い、相補完し合い、一つの商店街としてさしたる不均衡も摩擦も起きない、調和のとれた町づくりが生まれるものと考えられます。 また、本法案が成立いたしましても、私どもは安易な考えを持たず、この法案の趣旨にのっとり、大型店と協調し合い、町の再開発、環境の整備をはかる一方、接客態度の改善、運営の合理化等をはかり、物資流通のむずかしくなってきておるおりから、物資流通を含め消費者並びに当局の諸要請におこたえするとともに、都市機能の重要な一環をになうものとして、脱落者の起きないよう共同の力にてささえていく考えでございます。 以上、申し上げましたが、最後に御要望を一点申し上げたいことは、法律は運用にあるといいますし、特に本法は、政令、通達、運用等にゆだねている幾多の問題点があるものと予想されます。政府当局並びに法に成文化されているもの等の運用いかんによっては、私どもは大きな影響を受けるものが出てくるかと思われますので、今後の運用にあたっては、私ども中小商業者の現状と本法案の趣旨を十分御理解いただいた運用であられますよう、切にお願いいたす次第でございます。 先生方の御尽力によりまして、本法案が一日も早く成立いただきますよう重ねてお願い申し上げまして、私の陳述にかえさしていただきます。
○委員長(佐田一郎君) ありがとうございまし た。 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。 これから参考人の方々に対する質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿具根登君 中内さんにちょっとお尋ねいたしますが、三十一年にこの百貨店法ができます場合に、それまで二十年間で百貨店の売り場面積の拡張は一九%だった。それが百貨店法ができるというようになって、審議中にかけ込み増設ですか、三十数%一ぺんにふくれ上がってしまった、こういう結果が出ておるわけなんです。さらに、今度この法律案がかかっておるというようになりましてから、もちろんこれはスーパーが中心でございますが、スーパーでも、ちょうど百貨店のかけ込み増設のように、非常にいま大きな増設をやられておるということですが、これはいかがでしょうか。
○参考人(中内功君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。 私どもとしましては、チェーンストア業界全体が拡大の傾向の中にあるわけでございまして、出店と申しますのは、約三年ほど前から立地を調査しまして、要員を育成して、そして出店計画というものを進めておるわけでございまして、この意味で、この法案ができるということで、急速かけ込みというふうなことは実際上はできないわけでございますし、一方では、拡大の傾向にありますのが、急にそれが目立ってきたというふうなことでございますので、業界としましては、数字を調べてみましても、急激にことしだけ拡大を行なっておるということではございませんので、歴年パーセントが上がってきておるというふうに考えております。 以上でございます。
○阿具根登君 スーパーについては、もちろん、本法ができます場合はスーパーのことは考えてもおりませんでしたし、急速に伸びてきたのだからそれはわかります。しかし、私どもの調査では、この法案ができてから、ダイエーさんをはじめとして、相当大がかりな増設が行なわれておるということか聞くわけです。これも商売上としてはいたし方ないと思うのですけれども、百貨店法について私どもはここで質問いたしました場合に、これは百貨店の拡張法案だ、これがいつまでもかかればかかるほど百貨店はその間に拡張に拡張するということで、これは拡張法案だということをここでも言われたことがあるんです。いま言われておるのは、これはスーパーの拡張法案だ、いまのうちにうんと拡張しておけ、そうしないと事前審査で引っかかるというようなうわさが出るほどなんですね。だから、この法の精神をお考えいただいて御賛成願っておるならば、もっと方法があるのじゃなかろうか。商売として広く大きくやったほうが、それは利益もあがるしいいじゃないか、これは自由主義経済では言えるかもしれません。しかし、それが野放しにできないのでこういう法案ができておる。とするならば、何か御協力が足りなくて、しぶしぶ法案に賛成されておる。まあ一つは、百貨店が許可制から届け出制になったので、スーパーから見ればあまりおもしろくないとは思うのですが、そういうことはお考えになりませんか。
○参考人(中内功君) ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。 四十六年を一〇〇としますと、四十七年で一二〇、四十八年で一四〇というふうに、歴年二〇%ぐらいの規模の拡大がこの業界では行なわれてきたわけでございますが、その意味で急激にこの法案に対しての、まあ防衛的な意味で拡大をしたというふうにはわれわれは考えておりません。ちょうど建築コストの上昇の問題とか、いろいろな予見が重なりましての若干の出店増加もあったかと思います。また一方では、この法案が成立する見通しがつきましたので、一部の小売り商の方々からかけ込みではないかというふうな疑いの目で見られておるわけでございまして、業界としましては、この点に対しては反省をしておるわけでございます。現状におきましては、私どもとしましては、無用の刺激を与えるような、そういう言動に関しては厳重に注意をしていきたいと、業界としては考えておる次第でございます。
○阿具根登君 まあ業界としてはそうでしょうが、私どものいただいた資料の中では、現在でもダイエーさん、西友ストアーさんなどは非常に大きく店舗のかけ込み拡大をやられておる、こういうことを聞いておりますので質問を申し上げたわけなんです。 それから、百貨店協会の会長代行さんに質問いたしますが、最近、大都市では百貨店の拡張はもうほとんど終わったのじゃなかろうかと思うくらいに拡張を済んでおると、こう思うのです。だから今度は、地方に向かって非常な勢いで百貨店が進出されておる、こういうことを聞いておりますが、そういうことがございますか。
○参考人(井狩彌治郎君) 百貨店の増設の御質問でございまして、地方に対する店舗拡張の問題でございますが、経済の発展に伴いまして、地方の方面の経済の発展に即応いたしまして、既存の百貨店自身も増床しておられますし、また、都市百貨店のほうからも進出をしておることも事実でございます。しかし、御案内のとおり、現在の状態では百貨店法というものが厳然としてございまして、しかも、その地方の地元の方々の十分な御意見を集約いたしました結果に基づいて営業を許可されておりますので、私どもといたしましては、適正な範囲内で営業をさしていただいておるというふうに理解いたしておる次第でございます。
○阿具根登君 一つ実例を申し上げますが、ある県で百貨店法が非常に尊重されて、そして、商調協の意見が強くて既存の百貨店がどうしても拡張できない、だから、その県は日本じゅうで一番小さな百貨店になっている。いわゆる売り場面積が日本じゅうで一番少ない。ところが今度、それに目をつけた東京の大百貨店がそこに百貨店を開く、こうなってきたわけなんです。そしておっしゃるのは、いま言いましたように、この県は他県に比べて百貨店の占めるシェアが非常に少ないのだ、だからここに大きな百貨店をつくるのだ、こういうことをやられたわけなんです。だから、法を守って商調協と話し、中小企業と話し合いをして、共存できるように、これ以上われわれも店舗をふくらましませんと言って十数年やってきた人はばかを見るじゃないか。それなら、なぜぼくらに許さなかった、こういう反論が私らのところに非常にくるわけなんです。まじめに法を守っておったならば、ここは百貨店が狭いからと中央から大百貨店が進出してきた、それで大問題になったわけなんです。こういうようなことは百貨店協会としては一応調整の上やられるのですか。地方の百貨店が泣いてもしかたがない、大資本には大資本の行き方がある、こういう行き方なのかどうか、御説明願いたいと思いますが。
○参考人(井狩彌治郎君) 私どもといたしましては、百貨店協会というものがございまして、これは大都市、地方都市を含めましたもので形成をいたしておりますことは御案内のとおりでございます。したがいまして、全体の協会店そのものは日本百貨店全体の状況などをよく知悉しておるのは事実でございます。したがいまして、一つの百貨店自体が強引に出ていって、かりにそういうことがございましても、実際問題といたしますと、地方によりましてみな一つの、その地方の経済情勢にもよりますし、地方の発展力にもよりますし、いろいろな事情が内在いたしておりまして、その事情に即応したやり方でもって規制を受けておるような次第でございますので、われわれ百貨店協会といたしましては、各地方におきます皆さん方の公正な調整に期待をいたしまして、われわれといたしましては、それに従っていくより現在のところは方法はないのでございまして、協会としてこれを強制的にどうこうするというような権限をいま持っておりませんが、これはあくまでも、いま御指摘がございましたように、われわれ自身の、お互いの店の良識で判断して地方に進出していくということが望ましいことかと考えておるような次第でございます。
○阿具根登君 そうしますと、とにかく、商調協や既存の百貨店の反対を押し切ってそこに今度は大きなスーパーをつくられる、百貨店をつくるのに地方から反対かあり、許可がおりなかった——そうでしょう。既存の百貨店は、法を守って商調協の話し合いの上に一坪だってふやしていないのですから。ふやしていないが、人口はふえてくる。そうすると、百貨店を二つ合わしても足らないような大きな百貨店を持ってくる、東京の大資本ですから。皆さん方の協会というのはそういうものなんですよ。そして、地方のその同じ百貨店であっても、百貨店協会の一員も追い落としていく。 それができないというのだったら、今度は大マーケット、大スーパーができるわけです。これはスーパーさん、どうでしょう。商業として、私が言うように、とにかく自由経済だからかってにやらせろというお考えなら別です。しかし、今度は百貨店ができぬならスーパーでこい、百貨店は自分が申請したが、百貨店は地元が反対してだめだ、そんならこれを全部スーパーにする、大スーパーができる、こういうことはいいことでしょうか、悪いことでしょうか、教えていただきたいと思います。どちらからでもけっこうです。
○参考人(中内功君) 御質問に対してお答え申し上げたいと思います。 スーパーと百貨店とは、私どもは、基本的には扱い品目が違うというふうに考えておるわけでございまして、百貨店で反対されたからスーパーに転身させるということは理論的にはできない。と申しますのは、スーパー自体は、生鮮食料品をはじめ生活必需品というものを売っておるわけでございまして、店舗面積としましても一応二千四百坪ぐらいまでの範囲しか商品の供給ができないわけでございまして、それ以上大きな店は、地元の商店の方々の御協力を得まして、そしてショッピングセンターとしていろいろな補完的な業種を入れておりますので、店舗は一部大きなものもできておるわけでございます。この意味でスーパー、ショッピングセンターという形のものもあるわけでございますが、基本的には、百貨店と違いましたこのような生活必需品的なものを扱っておるのがスーパーだというふうに私どもは考えております。
○阿具根登君 わかりました。店舗としてはそうかもしれません。しかし、資本としては大百貨店がスーパーを開いている。こっちは百貨店で、一応いままできまった規定でやっている。ところが、同じその資本の百貨店がスーパーを経営していく、そういうものについてどうせ午後の時間に当局にお尋ねする予定なんですが、井狩さんのほうでわかっておったら、いまの百貨店がスーパーを経営しておるところはどのくらいあるか、教えていただきたいと思うのですが。
○参考人(井狩彌治郎君) 現在の百貨店が経営いたしますスーパーの正確な数字は、私、いま持っておりませんのですが、主として電鉄関係の百貨店として進出なすっておられるところが非常に多いと思います。しかし、その規模はどれを取り上げましても、一つ一つの店舗を取り上げてみますときわめて小規模なものです、数は多うございますけれども。したがいまして、それが直接的に非常に大きな影響を与えておるというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
○阿具根登君 それでは質問を変えてみますが、百貨店に店員さんと手伝い店員といいますか、がいますね。この比率はどのぐらいでございますか。 それから、ついでにスーパーさんのほうにも。パートはどのくらいの比率がありますか、お尋ねいたします。
○参考人(井狩彌治郎君) 百貨店におきます手伝い店員の数は、正確な数字は把握しにくいのでございますけれども。従来の統計で出ておりますのは、大体平月におきまして全国で約四万人でございます。それで、十二月なんか繁忙期になりますと約五万人程度になると思いますが、これが比率から申し上げますと、全従業員の約二割弱に該当するというふうに記憶いたしております。
○参考人(中内功君) 正社員とパートタイマーの比率でございますが、大手の十二社の統計を見ますと、正社員七万五千名に対しましてパートタイマーは二万九千名でございまして、正社員に対しましてはパートタイマーの比率は四〇%ぐらい、全体の総数に対しましては、パートタイマーは三〇%ぐらいでございます。
○阿具根登君 大体私の調査と同じ数字をおっしゃっていただいたわけです。百貨店のほうは二十一万六千二百七十九名のうち四万二千二百三十名、全従業員に対する比率が一九・五%と、こうなっておるわけなんです。スーパーさんのほうも、大体比率としては私の調査したのと同じなんですが、その待遇はどうなっておりますか、お尋ねいたします。
○参考人(井狩彌治郎君) 待遇という御質問でございますが、この質問の内容は給与の問題でございましょうか。
○阿具根登君 はい。
○参考人(井狩彌治郎君) 給与につきましては、これは問屋さんのほうでお支払いを願っておるわけでございます。
○参考人(中内功君) 私どものほうは正社員、パートタイマーということばすら正式には使っておりませんので、正社員と準社員というふうなことば、また、一部ではフルタイマーとパートタイマーというふうなことで、身分上の差別はしないようにということが業界の一つの慣行になっておるわけでございまして、最近におきます中高年の活用、また女子の職場への進出ということで、われわれ小売り業の場合におきましては、そのような新しい労働力を獲得するということが必要になってきたわけでございますので、この意味で、福利厚生施設をはじめ正社員とパートタイマーの間の格差というのは、漸次解消するように努力をしておる次第でございます。
○阿具根登君 お二方に申し上げるのですけれども、私たちのところに参っておりますのは、正社員とパートタイマーといいますか、正社員と手伝い店員といいますか、この差が非常にあり過ぎるために、名目としては何々百貨店の名目で売られます。しかし、手伝い店員は自分の地元が一番大切なんですね。それに反して買う人は、これは何々百貨店のものだというて買って喜んで帰る。しかし、実質はそうじゃないんだと、こういうことが言われておるわけなんです。 それは何かというと、やはり、手伝い店員はおれのところじゃないからおれは知らぬのだ、給料も何も見てないから幾らあるか知らぬといま協会の代表言われますけれども、その気持ちがそれだけ店員に反映しておることは事実なんです。あなた方自身が、自分の店で売っておる人を、これは手伝い店員だから、地元から金をもらっているのだからおれは知らないのだと、こういうことだから私は差が出てきておると思うのです。それが買う人に不快の念を与えておる、私はこう思うのですよ。たとえそうであっても、三越なら三越というレッテルを張った店で、しかもその包み紙で物を売るなら、その店員になり切らなければならないと私は思うのです。それが二割近くおる、こういうことはおかしいと思うのです。 スーパーさんにも私は言えると思うのです。同じになるように努力をしておるとおっしゃるけれども、同じ店で同じに働く、ただ環境が違うだけ、時間が短いとかそういうだけならば、それだけ同じように、やっぱり自分の会社の従業員であるならば見てもらわなければ、ここに格差つけられるということは、店そのものに格差をつけるのだ。同じ三越のマークでもマークが違うぞ、こういうことはかえって、将来から見てみれば店のためにもならぬのじゃなかろうか、私はこう思うのです。 それから、これはスーパーさんのほうが多いと思うのですが、チェッカーというのですか、タイプのようにカチャカチャやるああいう人たちが、非常に長時間のあれでキーパンチャーのように一つの病気が出てきておる、職業病だと、こういう陳情も受けておるわけなんです。こういう人たちは、いま大体何時間勤務でやらしておりますか。
○参考人(中内功君) ただいまの御質問にお答え申します。 先に、私どものスーパーのほうは、手伝い店員というものは一部の高級化粧品以外のところではとっておりませんので、いま先生おっしゃいましたような正社員とパートタイマーの格差は全然ない、また、ないように努力をしておるわけでございます。給料も全部各チェーンで払っておるわけでございまして、作業並びにその福利厚生すべてがチェーンの責任でやらしていただいております。この点は、百貨店とは少し違っておりますことを申し上げたいと思います。 御質問の腱鞘炎の問題でございますが、この問題に関しましても、最近、腱鞘炎問題というのが出てきたわけでございまして、単にチェッカーだけではなしに、銀行の札数勘定、またテレックス電話のオペレーター、いろんなところに腱鞘炎の問題が出てきておりますので、私ども自体もこれに対する対策をいま急速行なっておるわけでございます。先ほどの正社員、パートタイマー十万四千八百八十四名の中で、チェッカー数が全部で一万七千五十七名、これがチェッカーの数でございまして、その中で、現在腱鞘炎と私どものほうで考えられておりますのが二百七十二名。パートタイマーには現在のところ幸いにして腱鞘炎患者は出ておりませんが、この二百七十二名に関しまして、全従業員に占めます比率は〇・二六%というふうなことになっておりますので、業界としましても大きな関心を持ちましてこの対策に当たっておるわけでございます。 労働省のほうからも指導要領が出まして、私どもとしましては、現在当社でやっております例で御説明申し上げますと、常時レジ一台につきまして二名のチェッカーを置くというふうに改正さしていただきまして、連続の作業時間は六十分を標準としまして、六十分ごとに一回の割合で十五分の休みをとらすということにさしていただきまして、それからレジスター自体を、いままでのような機械化した、いわゆるわれわれはメカと言っておりますが、それから電子を使いましたECRという新しい機械にかえさしていただいております。それから組合と話し合いをしまして、定期の健康精密診断というものを行なっております。それから患者治療に関しましては、全面的に会社のほうで責任をもってこれに対して対処する。それから、チェッカーから苦痛の訴えがあった場合、また、そういうふうなことに対しての気分的な問題も多いわけでございますので、そういう場合は急速配置がえをする、並びに作業環境の改善としましてはチェッカーの休養室を、これを専属でつくるというふうなことで対処さしていただいておりますので、この問題に関しましては、業界としまして非常に大きな関心を持ちまして改善に努力をさしていただいております。
○阿具根登君 非常な関心を持っていただいておることはありがたいと思います。 このあとは当局に質問いたしますが、最後に、大きな百貨店はおそらく交代制でやっておられるかもしれませんが、三人の方にお尋ねいたしますが、今日のこの状態から見て、週休二日制というのは避けられないものなんです。こうなってくると思うんです。そこでお三方、週休二日制ということについてはどういうお考えをお持ちになっておるか、最後にお尋ねいたします。
○参考人(井狩彌治郎君) 百貨店側といたしましては、週休二日制の問題につきましては、前向きで検討いたしておりまして、すでにもう実施に移しておられる店舗もございます。だんだんとこの傾向が急速に進んでまいるものだと理解しておりますし、われわれのほうもそうういうぐあいに進めたいと考えております。
○参考人(中内功君) 私どもの業界としましては、大手の場合はほとんどが週休二日制を実施さしていただいております。これは私ども小売り業の一つの利点でございまして、完全なシフトを組みまして、そしてそのシフトによります作業ということによりまして、週休二日制がわりあいに他産業に比べましては導入しやすいという状況でございます。先生おっしゃいますように、週休二日制というのは、これは今後はもう絶対不可欠の要件になる、またそうすべきだというふうに考えておる次第でございます。
○参考人(並木貞人君) お答え申し上げます。 私どものほうの団体の考え方といたしましては、時代の趨勢を見まして何らかの形で二日制を考えていきたい。一斉休業とかそういうことでなくして、あるいは町ぐるみとかそういうようなことを考えないで、個々の店舗なら店舗を、まず第一段階としては何らかの形で週休の方法を考えていきたい。しかしながら、先ほども申し上げましたように、私どもの九十何%に近いものが中小企業でございますので、これら等を踏まえまして、無理のないような、また、家族経営店というものもたいへんありますので、いろいろ踏まえながら考えてみたいと思いますが、考えといたしましては、何らかの形で週休制へ向かえるように努力をさしていただきたい、かように考えております。
○阿具根登君 どうもありがとうございました。
○大矢正君 時間もありませんので、私、一問だけお三方にお尋ねをいたしますが、特に中内さんにはいろいろ他との関係等もおありのように承っておりますので、お答えをいただきたいと思います。ただ、私自身、先入観念を持ってお尋ねをしておるわけじゃないんです。そのことをお断わりしておきたいと思うんです。 それは、先般来議会でも、特にこの商工委員会におきましても若干問題になっております、公正取引委員会の例の再販制度の洗い直しと原則自由と申しますか、競争原理を働かせるという前提に立った再販制度は原則的になくする、例外として若干のものを認めるというこの大きな転換の問題がございます。しかし、これは直接きょうお見えの皆さんに御質問することではないのでございますが、これと関連をして、公取が発表いたしております安売り問題に関しての考え方であります。何を称して安売りというのか、安売りの限界は何かというようなことはいろいろあると思いまするし、まあ私どもも、おとり廉売その他、当委員会におきましても何回か議論してきた内容でもありますが、この点については特に中内さんはたいへんごりっぱな御意見をお持ちのように漏れ承っておりますが、いまの段階で、公取が言っている安売りというものの内容は、具体的にどういうものかということはつまびらかではありませんが、皆さんが過去における経緯その他から御判断をされまして、どういう考え方を持っておられるか、この辺についてお答えを願いたいと、こう思うわけでございます。
○参考人(中内功君) お答え申し上げます。 私どもとしましては、再販に対しましては反対を申し上げておったわけでございまして、再販自体が、いわゆる寡占メーカーの販売政策として使われておるということに対して非常に危険を感じておったわけでございます。御存じのように、再販が認定されましたときは、ほとんどのメーカーはそれを活用しておらなかったわけでございますが、販売競争が熾烈化しますと、再販による小売り商の系列化と、そして価格規制を行なうことによって、その余剰の利潤自体を非価格競争のほうへ向けていくと、いわゆる宣伝、販売、リベートというふうなことになってきたわけでございまして、ますます製品価格をつり上げていく、そして余剰の価格自体をそのような非価格競争へ投入するということで、商品の名前をただ単にデラックスとか、ネオとか、スーパーとか、いろんな名前をつけまして、値上げをするという傾向が、化粧品をはじめ薬品業界にも非常な勢いで浸透してきましたので、反対運動を続けておったわけでございます。 今回、一部その手直しが行なわれ、値幅再販とか、また一部は撤廃ということになってきたわけでございますが、そうした場合におきまして、その反対に今度は安売りを制限しようということで、漏れ承るところによりますと、六%、これを算定の基準にする、仕入れ原価プラス六%というふうなことになるそうでございます。六%というのは、私どもとしましても、全然その理論的根拠がないんではないかというふうに考えておるわけでございまして、ことに、最近のように消費者の嗜好自体が急激に変化しておりまして、商品のライフサイクルと申しますか、そういうものが非常に激しく移り変わっておる時代に、そのような商品の見切りとか、また、それを販売して資金を回収するというようなことがほとんど不可能になるというふうなことになりますし、一方では、そのような制限によりまして、安く売ってはいけないんだというふうなムードが小売り商業の間に広まっていくこと自体が、これまた非常に危険だと思うわけでございまして、やはり自己の計算で商人として活動しております者が、創意くふうによりまして、そして他に大きな迷惑をかけない、この範囲内におきましての競争を行なっていく、そして生産を上げていくということが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。私どもとしましては、六%というふうなこの安売り制限ということに対しては、あくまでも反対をしたいというふうに考えておるわけでございまして、六%の根拠、直接経費というものは何かというふうなことについては、今後とも大いに反対をしていきたいと、このように考えておる次第でございます。
○参考人(井狩彌治郎君) 私どもは、この再販価格という問題につきましては、実はもう数年来、非常に大きな関心を持っておるわけなんでございます。と申しますのは、まあ百貨店は従来、戦前からワンプライスということをもってたてまえとしておりまして、これでもって百貨店の実際の信用を維持してまいったようなことでございます。かようなことでまいったわけでございますが、戦後におきます最近の情勢は、いまのスーパーの進出その他の関係もございましたし、また流通の情勢も変わってまいりましたし、あらゆる意味において経済情勢が一変してまいりました今日において、この再販価格というものがどういうぐあいに取り上げられることが一番望ましいのかと、私どもといたしましては、秩序のある、またお客さまが安心して買いものをしていただける、またわれわれも安心して流通の仕事に携わっていけるというような体制ができることが一番望ましい、こういうことでございます。したがいまして、この安売りの問題につきまして、私はまだ結論をここで申し上げる段階ではないというふうに考えておりますし、この問題は商品の内容によっても違いますし、いろいろと複雑な問題が商品的にもございますし、お客さんの要望も非常に複雑化し、高級化してまいりました今日におきまして、ここで百貨店側といたしましては、何とかこれを秩序のある販売体制というものが確立されて、しかも、一般の顧客に喜ばれるというようなことに各商品別に確立されることになれば、非常にけっこうだというふうに思っております。
○参考人(並木貞人君) お答えいたします。 再販問題の廃止につきましては、私ども業界関係の各種団体との結論をまだ得ておりませんので、結論は申し上げられませんが、再販商品を扱っているところのお店等の団体の意見等を聞きまして申し上げたいと思いまするが、再販につきましては、従来の精神、それを廃止することによりまして設定当時の精神がくずれるというほかに、非常に安売りのおとり商品としてもってこいの商品になりやすいので、一つの乱売的な結論が出やすいということで、再販をまだ暫定的に現状どおりにお願い申し上げたい、かように考えております。 なお、安売り防止の問題につきましては、いま百貨店協会のほうからもお話がございましたけれども、なおその内容、あるいはどうあるべきかというようなことが私どものほうの情報でこまかに掌握しておりませんので、ここで結論を申し上げられませんけれども、いずれにいたしましても、再販の一部にしろ廃止になりました暁には、乱売的なおとり商品的な要素が多分に出るということで、これらを含めまして再販は暫時現状のままでお願いを申し上げたい、かように考えております。
○中尾辰義君 私は、消費者の立場でちょっとお伺いしますけれども、最初に百貨店協会の会長代行の井狩さんにお伺いをします。従来、百貨店に対しましては、非常によい品を適正な価格で、しかも非常に開放的な雰囲気の中で楽しい買いものができると、まあこういうような評価をしておったわけでございますけれども、最近の百貨店の商法には、インフレや投機ブームに便乗したり、過度に消費者を刺激し、幻惑させるような行き過ぎた面が相当あるんじゃないか。これは先般も国会で問題になったんですが、例の百円札束十万円が百貨店で十八万円で売られておったとか、あるいは元値の十数倍で輸入画を売るというあこぎ過ぎるデパート商法が問題にもなった。また最近では、ことしの五月ですか、例の切手のネズミ講ですね、二年で五万円が十五万円、一千万円なら三千万円と、こういうふうなキャッチフレーズで庶民の夢をかき立てている新たな商法が全国の大手デパートなどに進出している、こういうことは新聞にも出ておりますがね。こういうことを百貨店としてはどうお考えになっているのか。それは百貨店側としては店を貸したんだとか、いろいろおっしゃるようでありますけれども、その辺ですね。せっかくきょうは会長代行さんお見えになっておりますから、その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(井狩彌治郎君) いま御指摘いただきました点でございますが、先般も御指摘がございまして、私どもといたしましては、去る六月の八日におきまして、たとえば絵画等特殊商品の販売方法におきまして御指摘がございましたので、これらの問題については、われわれ百貨店としての従来からいただいている信用を失わないように、十分厳重な管理をする必要があるということで、一応の警告を発して自粛をいたしておるわけでございます。この絵画の販売のみならず、宣伝の広告の取り扱い方につきましても、慎重にこれを取り扱うようにわれわれは自粛をいたしておるような次第でございます。 一時、インフレムードと申しますか、そういったものが非常に過熱をしておりました状況下におきましていろいろな面が出てまいっておりまして、これに対してやはりわれわれといたしましては、納入業者に対する管理を十分にやっていかなければならぬし、さらには宣伝広告の内容にももっと末端においてチェックしていかないといけない、われわれ幹部はわかっておりましても、末端におきますチェックの方法について再検討を要するということを自覚いたしまして、全国の百貨店に対して、これらに対して一般のほうから御非難を受けないようにするように厳重に申し渡しをいたしまして今日に至っているような次第でございまして、最近はそういうようなことはほとんどないというふうにわれわれは信じている次第でございます。
○中尾辰義君 それから、もう一つお伺いしますけれども、これはまあお客に対する働きかけといいますか、非常に最近は百貨店の商法も積極的になってまいりまして、たとえば化粧品売り場のキャッチガールとか、あるいは洋服の売り場とか、そういうようなところで、店を歩いておっても呼びとめられ、あるいは手を握られるとか、いま買わないと秋には値上がりしますとか、若干押し売り的なそういうような態度が出ている、どうも近ごろ歩きにくくなったと、こういうような批判もあるようですけれども、これはちょっと行き過ぎなような感じがするのですがね。その点、顧客の誘導効果という点はあるかもしれませんけれども、もう少し節度が望ましいのじゃないか。従来の百貨店に対する信用といいますかね、百貨店なら、一般的に包装紙を見ただけでどこの百貨店のしるしが入っておるか、それだけで、大丸あるいは三越といえばそれでもう信用があったわけですからね。ところが最近は、かなり、相当積極的に逸脱して押し売り的な行動まで出ているというのは、非常にいやな感じもすると、そういうような批判の声も出ております。もう少し節度が望ましいのじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
○参考人(井狩彌治郎君) いま御指摘の問題は、いわゆるサービスの問題に関連する問題だと理解いたしますが、実際の現場におきまして、いま御指摘のような、いわゆる押しつけがましいようなやり方というようなことは、厳にこれはわれわれも戒めておるわけでございまして、これはわれわれの従業員の教育の問題に関連する問題でございまして、戦後におきます従業員の教育につきましては、百貨店の経営におきまして最も重要な、また、最も切実な問題の一つとしてわれわれとしては非常な関心を持ちまして、これの改善に全力を傾倒しておるというのが私どもの立場でございます。 申し上げるまでもなく、百貨店は信用をもって立っておる。お客さんに買っていただかなければ商売が成り立たないわけなんでございますので、お客さんにいやしくもそういうような御批判を受けるようなことがありましては、これは信用はもちろん商売それ自体も成り立たないということでございますので、これらの点につきましては、いまも御指摘ございましたように、できるだけ今後におきましても厳重にこれはチェックいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと思います。
○中尾辰義君 それではもう一つ、今度は百貨店の誇大広告の件ですが、たとえば、お中元やお歳暮になりますと、全館大バーゲンと、こういうような看板が出て、大々的にお客さんに宣伝しておるわけです。行ってみますというと、一部の限定された即売行為であると、そういうような場合もあるわけです。そこで百貨店業界でも、業界、団体として公正競争規約のとりまとめをやっていらっしゃるように聞いておりますけれども、これはどうなっておりますか、その辺をお伺いしたい。
○参考人(井狩彌治郎君) いまの御質問に関連いたしまして、総括的に申し上げますと、まず一つは、取り引きの改善の問題につきましては、百貨店業界全体の重要な課題の一つとして、すでに四十六年から教育改善専門委員会というものを設けまして、鋭意取引先との関係の改善につとめてまいってきておるわけでございます。派遣店員の問題につきましても、これに関連がございまして、鋭意この改善に取っ組んでおるわけでございます。 ただいま御指摘の誇大広告というような問題でございますが、これらの点につきましては、公正取引委員会からも御注意をいただいておりますし、行き過ぎのないようにわれわれとしてはやってまいりたい、それについてはいま御指摘ございましたように、われわれ自身の公正規約と競争規約というものをみずから自主的にいま成案を得つつございまして、まだ最終的な段階までまいっておりませんが、ほとんど一応の案はもうできておるんでございますが、なお関係方面その他ともよく御連絡申し上げまして、最も完全なものでこれを仕上げまして、われわれ自身がみずからを規制して、今後の一般情勢に即応するような姿勢をまず打ち出していくべきだというふうに——これは遠からずこの公正規約もでき上がりまして、この方向で進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 並木参考人に一言お伺いしますけれども、中小小売り業者の方々の現在置かれております立場、これはよくわかりますが、消費者の立場からいいまして大規模小売り店と中小小売り業者、その間にも有効な協同関係が働いたほうが望ましいと、これは私が言うまでもないことですが、この点についてどのようにお受けとめになっていらっしゃるのか、私は消費者の立場から聞いておるわけですが、いかがでしょう。
○参考人(並木貞人君) お答えいたします。 いま——もう一回ちょっとあれですか、有効なる競争があったほうがよろしいという……。
○中尾辰義君 競争関係が働いたほうが、消費者側から見た場合にはいいんじゃないかという考えもあるわけです。
○参考人(並木貞人君) はい、ほぼわかりました。お答えいたします。 現在は、先ほど申しましたように、一つの店舗が幾らりっぱであっても、いろいろやってもなかなかお客には、あるいは消費者の要請にはこたえられないので、町づくり全部がひとつ環境の整備なりいろいろやってお客さまの御要請におこたえしようというので、協同化、協業化のような町づくりという一つのグループによっての接客関係を考えておるわけでございますので、法律なり規制によって私どもの了解を得まして出られました百貨店なりスーパーなりというものは、これとは決してあまり競争関係でなくして、町の中に溶け込んでいただいた一つの町づくりの一員としての立場で、気持ちよい町であるというような感覚でお客さまをお迎えしていきたいと、かように考えております。
○藤井恒男君 時間がありませんから、まとめて私、御三方に一、二問ずつお伺いします。 まず、井狩参考人にお尋ねしますが、きょういただいたこの資料の六ページの中で、特に納入業者との取引関係の面における改善向上について、決意を新たに、格段の努力を重ねるというふうに述べておられるわけだけど、この納入業者との取引関係の改善向上というのは具体的に何をいっておられるのか、この点少しお聞きしたいと思います。 それから、中内参考人にお尋ねしますが、スーパーにおける資本と売り上げとの関係ですけど、私の承知しておるところではダイエーと長崎屋、それからイトーヨーカ堂の三社が株を上場しておる、他は上場企業がないということを聞いておるんです。この売り上げと資本との関係がその他の、まあこれは序列ということじゃないでしょうが、たとえばニチイにしろジャスコにしろ西友あるいはユニー、こういったところはわれわれが見るところもうすでに上場する実力があるし、資本の民主化という意味からも上場することが好ましいというふうに思うわけだけど、業会の内部でこの辺どういうことになっておるのか、お聞きしたいと思います。 それから、たとえば東京で例をとると、生活の態様が著しく変化している。たとえば一時間ないし一時間半という一のはごく普通の通勤距離である。しかもその人たちが共かせぎを余儀なくしておるというような現状に徴して、消費者に便宜を供与するという面からいくなら、一がいにこの閉店時刻というものなどが一律的に規制されることについて不便を感ずる。たとえば、いまスーパーの場合には七時が大体原則だろうと思うんだけど、私の調べた範囲では、むしろ共かせぎの人たちは、七時直前に飛び込んでくるというような状況を私は承知しておるわけです。この辺たいへん矛盾を来たすように私は思うわけなんで、どういうふうにお考えであるか。 それから、これに対応する場合に、シフト勤務を現在しいておられると思うんです、開店の時間帯から見てですね。今後、時間規制になってくると、このシフト勤務というものが、全体の時間が狭まっていくと、二組のずれ勤をやっておった場合には非常にこのロスが多い。勢い、百貨店のようにまあ日勤勤務を主体にしょう、足らぬところは、これは手伝い店員でカバーしておる。まあ手伝い店員というのはいけないわけですから、これは井狩参考人にもお聞きしたいわけだけど、開店時間の中でぎりぎり一ぱい実働八時間という基準法を守っていこうとすれば、出店前と閉店の残務整理をこう計算しますと、結局どこかで何かカバーしなければ成り立たない。あるいはずれ勤をしなきゃならぬ。スーパーの場合には、明らかに開店時間が長いからずれ勤が有効に作用しておるわけだけど、これがずっと縮まっていくと、スーパーも二組でこれをやることに無理を感ずる。結局、これ一組で常残業やらそうかということに、経営を合理化するならやっていかざるを得ぬわけですね。その辺のところをどういうふうに見通しておられるか。 それから、並木参考人にお伺いしますが、私の聞いておる範囲では、スーパーの出店によってその繁華街が非常に影響を受けるというお話でした。で、その影響を受けるのは中小小売り商が被害を受けるというようなニュアンスで私は受け取ったわけなんだけど、まあ、本来繁華街はおれたちがつくったものだと、そこによそ者が出てくるのけしからぬ、それによって顧客を取られるという印象に私は受け取ったんです。しかし、私の聞いておるところでは、スーパーなり百貨店なりが出店をすることによって客足がひんぱんに動くわけですから、その周辺地域における中小小売り商の売り上げはむしろ伸びるというデータが現に出ておる。この辺をどう理解したらいいのか。 以上、御三方に承りたいと思います。
○参考人(井狩彌治郎君) ただいま御質問いただきました、納入業者等の取引関係の面におきます改善向上ということを冒頭御説明申し上げたわけでございますが、これには具体的に申し上げますと、一つは、派遣店員の問題と返品の問題でございます。で、これらについて強力にひとつ改善を進めてまいりたいということで努力をいたしておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、この問題は、歴史的な過程もございましていろいろな事情がございますので、実は、四十六年の九月から取引改善専門委員会という問題を設置いたしまして、もうすでに今年の九月までで二十五回もこれの開催をいたしまして、その間、納入業者団体の代表とも懇談をしながら、改善の実を徐々にあげてまいっているわけでございまして、また、公取方面からも御指導もいただいております。したがいまして、この派遣店員の問題につきましては、これを廃止の方向へ持っていきたい、努力目標を廃止することに置きたいということで、いま作業を始めておるわけでございます。 また、返品問題につきましては、これもいろいろと取引の契約時におきますあいまいなところのないように、お取引の契約時に条件をはっきりしておいて、こういう問題がいたずらに起きてこないように明確にしてまいりたいということで、これらの問題に真剣にこれから具体的に取っ組んでいきたいというのが、先ほど申しました改善向上の問題でございます。 それからもう一つ、従業員の勤務の問題でございますが、この問題は、いまも御指摘もございましたように、一定の勤務時間でございましても、開店と閉店の問題がございまして、どうしても時間外の勤務というものが起こりがちなんでございます。したがいまして、これをさらに徹底しますのには、個人的に指定いたしまして、何時何分に帰る、明確にこれは交代して帰るということを指定、指示いたしまして、こういう問題が起こらないように漸次これを改善していくということでいま取っ組んでおるような——これは各店によりまして違いますのですけれども、この問題は、いずれ全般的に取り上げて改善をしていかなきゃならぬ問題だろうかと存じておるような次第でございます。
○参考人(中内功君) お答え申し上げたいと思います。 第一番目のスーパーの資本の関係でございますが、私どもとしましては、現在御指摘のようにダイエー、長崎屋、イトーヨーカ堂、この三社のみが株式公開を行なっておるわけでございまして、この秋に準備をしておりますのは、いずみやさんが準備をされておるやに承っております。 業界の一つの傾向としましては、やはり先ほど御指摘のございましたように、大衆資本の導入によります経営の近代化、そして所有と経営を分離しまして新しい管理の態様をつくっていく、そして、もっと積極的に御利用いただいております消費者の声を直接的に経営にこれを反映させていきたいというふうに考えておるわけでございます。何ぶん私どもの業界自体が非常に若い業界でございまして、各社とも設立十年ないしは十五年でございますので、企業の安定が、これが見通しがはっきりしてきました段階においては、ほとんどの企業が株式公開に踏み出していただくことになろうというふうに考えておる次第でございます。 第二番目に御質問いただきました消費者の生活の態様の変化でございまして、御指摘のように、一時間半ぐらいが通勤の一つの常識になっておるわけでございまして、五時に退社されます——五時と申しましても、五時にすぐ退社できませんので、共かせぎの方であれば五時半ぐらいに会社を出られまして、郊外の駅へ着かれますと大体六時半から七時ぐらいというのが一つのパターンになっておるわけでございまして、ここで一律に七時に閉店するというふうなことは非常に御不便をおかけすることになるわけでございまして、アメリカと違いまして、日本の食生活またはいろんな買いものの購買習慣と申しますものが、通勤の途上についでに買って帰るというふうなことで、また、週休二日制というものが普及しますと、やはり休みの日は買いものよりはレジャーを楽しみたい、ことに、家庭内におきますいろんな余暇の活用というものが盛んになると思いますので、そういうふうな新しい消費の動向に対応しましては、通勤の途上でお買いものがしていただけるような、そのような仕組みというものが必要だと思うわけでございまして、この意味で、このたびこの法案で今後御指導にあずかると思います届け出制によりまして、地元の商店街並びに既存のいろいろな業者の方との話し合いを十分に進めていきたい。 ことに、ここでお願いをいたしたいのは、単に大規模小売り業者と中小小売り業者との間における利害の調整ということではなしに、やはり消費者代表の方——地元のほんとうに毎日商店を御活用いただきますそういう主婦の方々の代表、いわゆる消費者代表を商調協に必ずおいでいただきまして、ほんとうの消費者の声というものを今後この法案の運用においては活用さしていただきたい、このように存ずる次第でございます。 三番目のシフトの問題でございますが、私どものほうはこの意味では、シフト制度というものに対しては創業以来各社とも取り組んでおるわけでございまして、ことに各社とも現在では完全週休二日制へ邁進しておるわけでございまして、週四十時間労働ということで、このごろの労働組合と常時話し合いを続けておるわけでございます。女子の残業というふうな非合理的なことは一切やらないように考えておるわけでございまして、この意味では、今後とも御指導にあずかりまして、働く人々に対しましても人間的なそういう生活ができるような仕組み、これはやはり営業時間と勤務時間とを完全に分離して考える。営業時間はお客さまに合わせていろいろ多様化する。ただここで労働時間に関しましては週四十時間、週休二日制というものを確立しまして、ともどもその間におきます調和を保っていきたいと考えておる次第でございます。
○参考人(並木貞人君) お答えいたします。 御指摘のとおりに、そこの商店街に大型店が出ることによりましてのそれが全部悪いとは言いません、若干のその点の恩恵をこうむる点がございまするが、大きく分けまして商店街全般として考えて、その商店街の意思決定を見ているわけでございまするが、その場合に、まず大型店等の開店におきましては、その町の一会員、一商店という考え方でなくして、別格的な存在となりまして、その町への協力度合いが別格扱いになりまして、一般の商業活動あるいは宣伝その他売り出し、いろいろな面においても別扱いで、町とは遊離いたした存在としての活動になりまして、密着がしがたいという点でございます。 第二には、その出ました通りは非常に繁華街になりますけれども、従来の栄えた通りであっても、そこにスーパーや大型店が出なくてほかへ出た場合には、従来の客の流れを全部変えてしまって、せっかくそこにおいての都市計画あるいは消費者の観光的な歩道、いろいろなものがスーパーの進出に地点において消費者の流れが変わってしまうために、お客さんあるいは商店街等において非常な混乱を来たし、また、そのために非常に被害を受けるものも出てくる。それから、業種によりましては非常にスーパー等の大型店の進出において事実上営業上に打撃を受けているものがございます。特に周辺部における小売り商は大きなる痛手を受けておるわけでございます。ただ、いいことは、大型店の出ました通りは客寄せのために方々から集ってまいりますので、その通りだけは多くの恩恵は受けるでありましょうけれども、広域的な商店街という観点から見るならば、これはあまり好ましくないものという判断において、結論が商店街で出されておるわけでございます。 以上申し上げました観点から、集団的な結論といたしまして、好ましくないという結論を出しておるわけでございます。
○須藤五郎君 お三人にお尋ねしたいのですが、物価問題と流通問題との関係、非常に物価が高くなってきて、みな困っているわけですが、皆さんもその点においてはいろいろ苦心をしていらっしゃると思うのですが、この流通問題ですね、どういうふうにしていくべきか、どういうふうにしたら物価をもう少し下げることができるようになるのかという点で、いろいろ考えていらっしゃる点もあろうかと思いますので、現在やっていらっしゃるやり方、また、これからこういうふうにいったらいいと思うお考えがあるならば、参考までに聞かしておいていただきたいと思います。 どうぞ百貨店の代表の方から。
○参考人(井狩彌治郎君) いまお話のございました物価問題につきましては、いま一番大きな問題として取り上げられておりますので、百貨店側といたしましてもできるだけこれに御協力申し上げたいということでございます。 具体的に申しますと、われわれのできます範囲内のことということになりますと、先ほどこれは中内参考人からもお話がございましたように、やっぱり大量仕入れすることによってコストを下げていく、そして一般のメーカーの方々にも喜んでいただくし、われわれもそれによって安く仕入れることができて、安くお客さんにも提供することができるのじゃないか。これが一つと、それからまた、産地と直結していくやり方もあろうかと思います。産地の方々と実際の提携をいたしまして、あるいは計画的な、商品によりましていろいろまちまちでございますけれども、物によりましては計画生産と取り組んでやってまいることも、これも一つの方法かと存じます。 それから、いま流通のパイプが複雑になっておりますのを、なるべくできるだけこれを単一化できるような方向でも努力したいと思います。一番大きなネックになっておりますことは、やっぱり流通センターと申しますか、物流の問題が、これはなかなかわれわれ一つの企業だけでは解決できませんが、これは、全社、全政府機関の御支援をいただいて、全体として物流のコストをできるだけ安くしていただきたいということでございます。 それからもう一つは、百貨店の取り扱っております商品が、御案内のとおり、国際的になってまいりまして、これが非常に複雑で、日本よりもむしろよそで買ったほうが、外国で買ったほうが安い、あるいは外国で加工したほうが安いという問題が現実に起こっております。したがいまして、シェアを国際的に広げまして、そして物資の調達をはかっていくことが、われわれのこれから取り組んでいかなければならない一つの大きな課題ではなかろうか。これは、一つの会社だけでやっておりましても十分な効果があがりませんので、できれば数社が集まるとか、あるいはまた協会自体の問題としてこれを取り上げていくとか、いろいろな問題があろうかと思いますが、これは、最近における著しい大きな、いわゆる国際的な仕入れ網を拡充して、それによって最も安い商品を、最も安くお客さまに提供するということも一つの課題ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○参考人(中内功君) お答え申し上げます。 私どもチェーンストアとしましては、やはり物価の中で値上がりするものと、それからもっと下がっていいものとはっきり二つに分けて、毎日われわれの店を御活用願っております消費者の方々に情報として差し上げたいというふうに考えておるわけでございます。値上がりするものに関してはできるだけこれを押えるように、また、消費者の御協力を得ましてそういう品物はなるべく買わないような、そういう仕組みをつくっていく。それから、値下がりするものに関してはどんどん値を下げていく。値が下がらない一つの歯どめというものはいまこの国の物価にはたくさんかかっておるわけでございまして、そういうふうな歯どめを解いていただきまして、値下がりするものに関してはもっと大幅な値下げをして、物価全体がやはり安定してくるということが必要だと思うわけでございまして、この意味でやはり規模を拡大していく。 小売り業者自体が非常に、先ほども申し上げましたように、百四十七万軒もあるわけでございまして、現在、人口当たりアメリカの倍の商店をわれわれは持っておるわけでございまして、この意味では、やはり規模を拡大して、そして生産性をあげていくことが大事だと思うわけでございまして、このために今回、国会におきましては小売り商業の振興法案というものをつくられたわけでございまして、それを機会に商店街の近代化とか、またボランタリーチェーンの育成というふうなことで、おのおのの店が主体性を持ちながら、しかも仕入れものにおきましては、ボランタリーチェーンとしてチェーンの大きな力を持っていくというふうな仕組みが必要になってくると思うわけでありまして、そのような仕組みの中でいろいろの不合理というものを今度は除去していくということで、やみ再販、寡占価格、管理価格というふうないろんな仕組みがあるわけでございまして、そういうふうな安く売れないような仕組みに関しては、これを是正をしていただくということが必要だと思うわけでございます。 また一方では、消費者に関しましては、サービスとそして商品の価格というものをはっきり分けて考えていただく。たとえば牛乳であれば、牛乳で上がっておりますのは牛乳価格も少しは上がっておりますが、サービス料のほうが、いわゆる配達料というもののほうが上がっておるわけでございまして、配達料がそれだけ物価を押し上げておるということならば、牛乳店なりスーパーの店頭なりで牛乳を消費者の方に直接買っていただくというふうな仕組みが必要になってくると思うわけでございます。 また一方、井狩さんも申されましたように、政府におきましても、長期的な安定的な供給体制というものを確立していただく。ことに輸入政策におきましての弾力的な活用、食料品をはじめ輸入にたよっているものも非常にたくさんあるわけでございまして、大豆の問題牛肉の問題、豚肉の問題、また飼料穀物の問題というふうなことで、飼料穀物が上がりますと卵から牛乳からもう豚肉、牛肉、畜産物、ハム、ソーセージに至るまで全部値上がりするわけでございまして、この点に関しましての輸入政策の活用によりまして、このような材料費が上がらないような仕組みというものをお考えいただきたいと思うわけでございまして、いろんな仕組みを通じましてやはり生産性の高い、そして物価を引き下げるようないろんな仕組みというものをつくり上げていただきたい、このように考える次第でございます。
○参考人(並木貞人君) お答えいたします。 物価問題につきまして申し上げまするならば、私どもの小売り商は非常に多様多面的で一がいに申し上げられませんけれども、おおむねの点で申し上げたいのは、物価の上昇は、私どもの点で考えるならば、卸とメーカーからの押し寄せの上昇になってきているわけでございまして、私ども小売り商自体が上げている、マージンをよけい取るとか、あるいはいろんなことがかさむ、経費が上がったとか、いろんなことによる上昇を招いているものではございません。他動的なものと考えております。これを下げる点について申し上げるならば、私どもは現在ボランタリーチェーンあるいは連鎖化等その他によりまして共同仕入れをすることによりまして、なるべく仕入れを安くいたしましてお客さまの御要請におこたえしたい、かような点で指導いたしておるわけでございます。 流通を含めて申し上げまするならば、いま申しましたように、メーカーと卸の点から押し寄せるのでございまして、特に、メーカーと小売りとをつなぐところの御段階に問題があるのではないか。先ほど百貨店のほうからお話がありました物流過程の中に何らかの方法を考えていただくならば、価格にも流通の合理化にもあらゆる点で問題が解消されるのではないか、かように考えております。
○須藤五郎君 百貨店の井狩さんにお尋ねしますが、私はこの間、東京の流通センター——羽田に行く途中にありますね、あそこを実は見にいってきたんです。そうすると、ある百貨店はワンフロアを全部借り切って、そしてオートメーションで物の出し入れをやっておる。まあ非常に便利にできております。物もスムーズにどんどんと動いておるのですね。だから、物の動くスピードという点から言えば非常にうまくいっているように思うんです。ところが、それができたからといって、その百貨店で売っている品物はよそと比べて別に安くはなっていないと私は思うんですね。 そうすると、流通さえうまくいったらいい、流通センターがうまく動いていけば物価にそれが反映するというふうに、簡単に考えられないような気がするんですね。物の流通をスピードで、スムーズにどんどんと回転を早くするということは資本の回転が早くなるということであり結局そのもうけが多くなるということにつながるんであって、消費者の立場に立てば、どうも物価が安くなるということに通じないような感じを持って私は帰ってきたわけなんです。だから、ほんとの意味ならば、そういうんじゃなしに、流通をうまくスムーズにどんどんスピードが早まるならば、それがやはり消費者に対して物価を下げるという点で還元されていくというのが、これがほんとうじゃないかと思うのですが、いまどうもそういうふうになっていないような感じして私は帰ってきたわけなんですがね。百貨店としてはその点はどういうふうに考え、今後どういうふうにしていこうというふうな考え方を持っていらっしゃるかを伺っておきたいんですがね。
○参考人(井狩彌治郎君) いま御指摘ございましたのは、ちょうどいまの情勢が非常に物価がもう上がりつつあるという情勢でございますので、実際の面になりますと、それを防止しているような役目を果たしておるというような形じゃないかと思うのでございます。でございますから、たとえば家具一つ取り上げましても、家具の需要というものは非常にばく大なものがいまございます、日本の住宅事情もございまして。これをかりに確保しようと思いますと、これが相当な場所を持って一括して押えておきませんと、どんどん上がっていきますから、したがいまして、一つの倉庫の中へ、こちらへ入れまして、そして、それには相当な倉庫を持って臨んでまいりませんと、従来のようないわゆる納入業者だけにおまかせして、そのつどやっておりましたのではもう上がる一方でございますから、これは何としてもわれわれのほうが計画的に生産をお願いして、それを自分の倉庫の中へ入れて自分で確保して、そしてお客さまに提供する。いまの役目はちょうどそれの歯どめのような役目、むしろ消極的な役目しか果たしていない。これを積極面に、さらに安くするというところへ持っていくのには、まだ相当大きな政治的な面からこれを御解決願わないと、われわれの業者だけではとうていこれはできない問題だろうかと、かように考えるわけでございますが、ごらんいただきましたあれは、そういう意味においては非常に大きな役目を果たしておるんじゃないかというふうに考えておるのでございます。
○須藤五郎君 井狩さん、いまどんどん物が上がっていく、だから自分たちとしても大量に物を貯えて置く必要があるのだ、こういう御意見ですね。それじゃ、安く買ったものを、物がずっと上がっていった値段でお売りになるのですから、たくさん貯えたものは買い込んだときの値段でそれに少しの利潤をかけてお売りになればともかく、たくさん買い込んで、物の値が上がった段階でその値でお売りになるのですから、やはり買い占めと同じことになるのじゃないですか、それは。
○参考人(井狩彌治郎君) いや、それほど、半年も一年も買いだめておくほど商品は、回転率はおそいことございません。実にそれが刻々上がってまいりますから、でございますから、とてもおっしゃるような余裕もございませんし、また、われわれはそれだけの資金を持ってやるような商売じゃございませんので、決してそういう、いわゆる結果的に見て買いだめになるような結果ということにはなりませんで、むしろ、現在の家具一つ取り上げましても、あれだけ大きな面積を取るのでございますから、これはおのずから限度がございます。でございますので、決して上がったら上がりっぱなしで、それでもってわれわれのほうがもうけているということは決してございませんで、まあごらんいただきましても、決してわれわれのいまの益率が非常に上がっておるというようなことは毛頭ございませんで、むしろ防戦これつとめておるような状況が現実でございます。
○須藤五郎君 私、議論をするのはやめます。実態だけ私は申し上げたので、流通センターが資本の回転を非常に早くするということのために利用されておるのであって、物を消費者に安く売るためにというふうに流通センターが利用されていないという点を申し上げたのでして、そうじゃなしに、やはりこれから流通をどんどんああいうふうに便利にするということは、とりもなおさず、物を安くするという方向でそれが運営をされないと意味がないのじゃないかということをいま申し上げたのでございまして、これ以上議論は私はやめておきますから……。
○委員長(佐田一郎君) それでは、これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の各位には、御多用中、長時間にわたり御出席をいただき、また、貴重なる御意見を拝聴させていただきました。まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。 それでは、午後一時二十分まで休憩をいたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 午前に引き続き大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案を議題といまします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿具根登君 公取委員長の時間がないようでございますので、この点を先に御質問申し上げますが、百貨店における手伝いの店員が、公正取引委員会の資料によりますと、本年一月現在において、従業員数が二十一万六千二百七十九名のうち四万二千二百三十名もおり、全従業員に対する比率が一九・五%、しかし、この数字は二百七十二店舗の平均でありまして、大手の有名な百貨店では、どの本を読んでも三割もの手伝い店員がいるということが書かれている。この程度の手伝い店員がいると見るのが常識であろうかと思います。この手伝い店員につきましては、公正取引委員会においても、従来、再三にわたって業界の自主的な改善努力を要請しておられるということでございます。なお、昭和四十五年の十一月には、百貨店業者に対して改善するよう強く勧告をして、百貨店から改善計画書の提出を求めて強力に改善を指導しているとは聞いておりますが、その効果もあがっておらない、こういうことでございます。四十七年の手伝い店員の占める割合が二〇・三%であったのが、本年わずか〇・八%下がって一九・五%になったにすぎません。この点について通産大臣と公取委員長の御意見を伺ってみたいと思います。
○政府委員(高橋俊英君) 御説のとおり、百貨店の手伝い店員は改善すると、することをたびたび計画しながらその効果があまり明確にあらわれておりません。たいへん遺憾なことでございます。いま公取としては百貨店に対して、それぞれ自主的にどういう計画で派遣店員を減らすかというような点について計画の提出を求めまして、その実行を監視する、それによっていままでの速さよりは相当テンポを速めて、そういう派遣店員というふうな制度を大幅に縮小してまいりたいと考えております。百貨店によりましては、すでに計画に自主的に着手していくところもありますけれども、全体としてはまだ不十分な点が多うございます。手伝い店員にいろいろな事情があることはわかりますけれども、しかし、いずれにしても、それは経営の合理化その他の点から見ましても好ましいことではない、納品業者に対する対策の上から優越的な地位をちょっと乱用し過ぎているのではないか、こういう観点をもちまして、相当厳粛に是正を求めるつもりでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 手伝い店員の問題につきましては、かねてから返品問題とともに不公正取引におちいらないようにという見地から、公取とも連絡しまして、百貨店協会等を通じていろいろ警告もし、これが廃止を行なうように努力してきたところでございます。 手伝い店員については、公取の見解では、特殊な技術または能力を持っておる者について限定的にやむを得ぬと認めるときには認める、というような態度であったように思いますが、まさにそのとおりでありまして、これが一九%以上にも及んでいるということは、著しく趣旨に反することでございます。今後とも公取とも連携をとりまして、全廃を目途に大いに行政指導をしたいと思っております。
○阿具根登君 公取委員長は時間がないようですから、そのものずばりを質問していきます。 不当表示につきまして、少し古い資料を見ましても、西武池袋店等は四割が不当表示だということがやられております。さらに、絹一〇〇%がナイロンがまじっておった、あるいは大蔵省から払い下げたダイヤモンドがそうじゃなかったと、こういうことが言われておるわけなんですね。それで大蔵省のダイヤモンドなんですが、大蔵省からどれだけダイヤモンドを出したのか、それを百貨店がどれだけ売ったのか、いまどのくらい残っているのか、それがわかっておったら教えてもらいたいと思いますが。
○政府委員(熊田淳一郎君) 大蔵省の払い下げダイヤモンドの放出の時期は、昭和四十一年度から開始をされました。その放出の方法は二つございまして、一般入札と委託販売の二つの方法がございます。委託販売のほうは、昭和四十四年度をもって中止をしております。 現在までの放出量でございますが、約十二万二千六百六十カラット、個数にいたしまして約六十万二千五百四十個でございます。現在大蔵省に残っておるといわれておりますのは、約三万八千五百カラットということでございます。
○阿具根登君 それを委託販売したのは中止したということですが、それじゃ、委託販売は中止したからもう委託販売で残っているのはないと。一般入札でどれくらい処分されたかということを聞いておるわけです。
○政府委員(熊田淳一郎君) 一般入札と委託販売とで量がどの程度であるか、ちょっと手元にただいま数字を持っておりません。
○阿具根登君 大体それがわからないと、不当表示だと言ってもどのぐらいあるのか、大蔵省に三万何千カラットあると、これは大蔵省にあるんだから問題ありません。しかし、委託販売は四十四年で打ち切ったからこれはもうないはず。そうすると、一般入札でどの業者がどれだけ買ったのかということはわかっているはずなんです。そうすると、その業者はどれだけ売ったのか。じっと握っているのか、じっと握っているのを許しているのかどうか。おそらく一般入札したならば、これは早く売りなさいということでしょう。それが一般入札は四十一年からですか、四十一年からやったのが、四十八年の今日までまだこれは大蔵省の払い出しダイヤモンドですと言うぐらい持っているのかどうか。それがわからなかったらなかなかむずかしいんじゃありませんか。それはわかりませんか。
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいま手元に実際に販売されました量という数字を持ち合わせておりませんので、申しわけありませんが、ちょっとその点ははっきりしたお答えができないわけでございます。
○阿具根登君 じゃ、公取委員長にお尋ねしますが、四十一年に一般入札した、それをいま、これは大蔵省の払い下げですと言って売った場合は、四十一年といまの物価と比較したら幾らに売れますか、一カラット。
○政府委員(高橋俊英君) 私実は、ダイヤモンドの値段の値上がり程度はよくわかりません、はっきり申し上げまして。相当騰貴しているということは承知しております、確かにおっしゃったとおり。それから大蔵省が一般入札であれ、委託販売であれ、出す場合に、市価よりも高い値段をつけることはないんで、若干低い価格であろう、通常そういうことでないと処分ができませんから、少し低い価格でやっている。そして、ことにインフレムードが高まったような今日、貴金属類等に対して非常に投機的な買いものが多かったということも承知しております。そういう点から申しますと、かなりの値上がりを来たしていることは確かであろうと思います。
○阿具根登君 そうしますと、これはやはり昔でいえば隠退蔵物資ですか、そういうふうにこんな場所もとらないやつはしばらく置いておけばいいじゃありませんか、そういうことを大蔵省は許すかどうか。四十一年に払い下げた、それを少し売ってあと売らなかった、そして物価の上がるのをずっとにらんでおって、今日になってまた大蔵省払い下げですと言って市価よりも安く売るけれども、膨大な利潤をそこで得るじゃありませんか。これが十二万二千六百六十カラットですか、六十万二千五百四十個。残っているのは三万八千五百カラットです。そうすると、十二万カラットからのダイヤモンドが出ておるはずなんです。そのダイヤモンドをそのとき少しだけ売って、あとはずっと隠しておいて、いま時分になって大蔵省の払い下げですと、こう言って売れば、置くのに場所も何も要らぬのに、ばく大な利益を得さしていることになるではありませんか。だからその数をつかんでおられますかと、こういう国の、しかもこれは戦時中のものであって、国民の衆人環視のものなんです。それが大蔵省からどれだけ払い下げられて、どれだけ売れて、どれだけ残っているのだと、それもつかめないんですか。それじゃ、不良表示だとか不当表示だと言ったところで、きめ手にならぬじゃありませんか。そういうのを押える手はないんですか。
○政府委員(高橋俊英君) 実は、御承知と思いますけれども、私どもはそのダイヤモンドの払い下げそのもの、なお、その追跡というふうなことについて直接そこまで監視をする立場にはないんじゃないか。私どもの不当表示というのは、大蔵省からの払い下げだと称して中身が正体不明のものを百貨店で売ったと、こういう事態につきましては、それは不当表示の疑いが大いにあるわけです。ですから、私どものほうの権限としてなさなければならないこと、なすべきことは、まさにその不当表示の問題としてこの問題を取り上げている。その際に、いろいろ調べてみたけれども、全部は把握できません。それは大蔵省からどれだけ払い下げた、いま取引部長から申し上げたとおり、そういう点は当然わかっております。残っているのもわかっておりますが、それが、第一次に払い下げを受けたものをそのまま直接販売するわけじゃございませんで、それからさらに転売されて、それでデパートにいくものもあるし、他の貴金属商によって売られるものもある。 なお、四十一年に払い下げたものが今日まで、あるいは最近に至るまで置いてあったというふうに考えられることはないのでございまして、ダイヤモンド等に対する投機的な買いが特に起こって、したがって売り惜しみをしたかもしれないというのは、私はやっぱりドルの動揺のときからではないかと思うんです。そのときから、つまり金価格が上がり始めると、外国で金価格が上がって、ダイヤモンドもいままでよりは速いテンポで値上がりするというような事態が起こってきたということはございますが、それらの間の事情について公取が逐一その行くえを調べるということは、ほとんど至難のわざといいますか、困難なわざでございます。ただし、取り締まりの対象といたしましたのは、不当表示の疑いが濃い、こういうことで権限を行使するに至ったわけでございますので、その点は御了承をいただきたいと思います。
○阿具根登君 じゃ、通産大臣はどうお考えになりますか。——それは大蔵省の役人見えておらぬから、呼んでおりませんからしようがないんだけれども、公取委員長は、ただ大蔵省の払い下げでないやつを払い下げだと言ったから、これは不当表示だと。私は、そこまで言うなら、どれだけ大蔵省の払い出しが残っているかということをつかんでおかなければいかぬと思うんです。なぜなら、大蔵省の払い下げだから安いんですよと言えば不当表示になるので、しかし、実際のものだったら、昔のやつよりもいまのやつのほうが高いはずなんですよ、常識から言えば。それをなぜこれは大蔵省の払い下げですと言うかと、これは問題があると思うんです。これはダイヤモンドといっても、ピンからキリまでいろいろあるでしょう。しかし、そうだったら、あなた方も、それは大蔵省の払い下げじゃないのをなぜ払い下げと言ったかというだけじゃないんでしょう。それだけだったらそれはだれでもできますよ。そうじゃないでしょう。これは大蔵省の払い下げのやつよりもいいやつであるか、あるいは悪いやつであるか、あるいはその大蔵省の払い下げはどのくらいあったからどのくらい残っているのか、そういうところをつまびらかにしなかったら、何もきめ手がないじゃありませんか。 じゃ、通産大臣はどうお考えになりますか。四十一年からいままで持っておるわけがないでしょうと、それは公取委員長ならそうでしょう。しかし、いまの百貨店の経営者諸君は——きょうも朝会ったですが、その連中がそういうことも目につかぬで商売できますか、あなた。大蔵省から安く払い下げたなら、一部は安く払い下げても、あと握っておけば高くなるということは百も承知していますよ。だから私は、まだどこかに隠してあると思うんです。そういうのも追跡しなければ、とてもじゃない、不当表示だ、不当表示だと言っても、その不当表示は高く売っているわけじゃないわけなんです。通産省、どういうふうにお考えですか、大臣は。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまお話を承った範囲におきましては、阿具根委員の申されるとおりだろうと私は思います。幾ら、いつ、どういう品物が出たかということを的確につかんでおかなければ、不当表示であるかないかという根拠がわからぬだろうという考えはごもっともであると思います。いまどういうふうになっているか私はわかりませんが、大蔵省から払い下げを受けたときに、大蔵省のほうで検印でも押して、何カラットのこの品物は何月何日大蔵省から払い下げたものでありますと、こんな判こでも押して、一つ一つについて証明書みたいなものでもつけておけば、そういう証拠ははっきりしてくると思いますけれども、もしそういう手続をしておらなかったとすれば、大蔵省の払い下げであると書くことは非常に疑わしい行為になると、そう思います。
○阿具根登君 まあ、大蔵省が来ておりませんからしようがないのですけれども、先ほどから申し上げますように、戦時中にこれは国民から取り上げたダイヤモンドなんです。普通の、国がよそから買い上げたダイヤモンドじゃないのです。国民から取り上げたダイヤモンドなんです。そのダイヤモンドが、国から払い下げる場合に、どれだけ払い下げたけれども、その行くえはどこにいったかわからぬと、そういうようなずさんなことは許されないと私は思うのです。これは大蔵省に言うことばなんですよ、皆さんに言うことばじゃないんです。そういうものでしょう、このダイヤモンドというのは、性格から考えても。ただ、払い下げてやったからそれから先は商人がどうしようとかってだということじゃないと思うのです。それは国民に報告せにゃならぬと思うのです。これは非常な問題になって払い下げしたやつです。それなら国民に、どれだけ払い下げて、どれだけいま市場に回って消化されてしまったというくらいのことは、大蔵省は当然つかんでおかねばならぬ。そうしなければ、四十一年に安く払い下げてもらって、いま時分に大蔵省の払い下げですというダイヤモンドを売ったら、私は何十倍ともうかると思うのです。そういうことをしかねないですよ、商売人というのは。商売人というのは利にさといのです。そういうことができなくては商売はできぬくらいだというのです。だから、これを大蔵省に言いたいと思うのですけれども、おられませんから、一応私の意見だけを申し上げておきます。 それから、先般、公正取引委員長の命令でいわゆる目玉商品、不当に安い商品は仕入れ価格の六%ですか、それ以外下げちゃならぬ、こういうことでずいぶん消費者の集会から抗議が来ておるようですが、その点について少し御説明を願いたいと思います。
○政府委員(高橋俊英君) ただいま御質問の点は、小売り業における不当廉売を特殊指定という方法で規制しようという案でございます。これはいずれ公聴会なぞをやりませんと告示ができませんので、私はあえてこれを案と申し上げます。また、公聴会の模様などによりましては多少の変更があり得るということも含んでおかなきゃなりません。私どもは、原案そのものを固執しなければならぬというふうには考えておりませんが、御指摘のとおり、その一般的な基準としましては、いままでの目玉商品といわれるものが仕入れ価格さえも割っておるというのがしばしば見られます。そのことにつきましては、かねてから公取に苦情が——主として小売り業でございます、競合する小売り業から、これは何とか規制して取り締まってもらえないのかと。ところが公取としては、実は一般的な基準、一般的な指定としましては、不当な価格であるとかあるいはその不当な利益、非常に高い価格とか不当に低い価格というふうな表現でございますから、一般指定の中にあるのでございますが、判断の基準が明確でございませんでした。そこでこのたび、再販問題等も実はからんでおるのでございますが、そういうブランド商品、目玉商品になりやすいようなもの、つまり手ごろなものを非常な安い値段をつけて売るということはいろんな点で弊害のほうが多いのじゃないか。それで外国の例も参考にしまして、この際、これを特殊指定、一般指定ではなくて基準をもっと明確にすべきではないか、こういう観点から基準をつくろうとしているわけでございます。 ごく簡単にその目安を申し上げますと、スーパーあるいは一般小売り店がどのくらいの一般管理経費、つまり販売するために必要な経費を要しておるかということを調査いたしました。特別に極端なものを除きます。これは中には理解できないようなものもございますから、それらのものは除きまして平均をとりますと、スーパーの場合においては、仕入れ価格に対して二二%の経費がかかっております。それから、一般小売り店の場合にはそれが二九%でございます。ですから、これは仕入れ価格に対してでありますから、小売り価格に対する、販売価格に対する割合はこれより低くなりますけれども、私どもの規制の標準としては、実質的な仕入れ価格から、たとえばリベートとかあるいは現品添付でもって実質的な値引きが卸から行なわれている場合、これはその分を考慮した実質的な仕入れ価格を基準にいたしまして、それに六%を加えた額までは目玉商品として販売することも差しつかえないと、これは言わざるを得ないわけです。 いままでの基準は、仕入れ価格そのものじゃないかというふうな考えもとってまいったのですが、実際にはこれはどこにも書いてない。しょうゆ、みそ業界に対する回答の中で、大体一ぺんそういうことを昭和四十年に出したことがございますが、それ以外にはないのでございまして、そこでいろいろな事情を勘案いたしまして、これらのいまあげましたスーパーの場合でも、平均すれば二二%の販売関係の経費がかかっている。そのうち直接費と間接費に分けます。——間接費ということばは適当でないのでございますが、一般管理費と申しますが、直接販売費は、スーパーの場合に一二%、小売り業の場合に一五%が平均でございます。むろん最高、最低をとらえますと、これよりもかなり誤差がございます。 そこで、いろいろな観点から、まず六%を加えた額であればほとんど全部の場合に、商品別原価をかりに原価計算いたしましても赤字になることは確実であろう、相当の赤字になる。ですから、かなりの程度までの赤字販売はこの際認めるといたしまして、それを割って非常な安売り、赤字販売をすることは、おとりを使って客を呼び寄せる方法であり、それらの方法はほとんど全部の場合、スーパー等の大型小売り店において可能であり、一般の小売り店ではそういうことを継続して繰り返し行なうことはほとんどできないのでありますからして、公正な競争、なるべく自由な競争を行なわせるという趣旨、これは景品類や懸賞、不当景品類を相当厳格に規制しておる考え方と同じでございます。 不当な景品によって客を誘引するのも、おとりを使って、おとり商品によって客を他から自分のほうに奪い取ろうとするのも公正な競争とは言いがたい、このような見地で、もちろん、これは事実問題として妥協点でございますが、六%に厳格なる根拠があるとは申しません、しかし、その程度が外国の例なども調べた上でまずまずの線ではなかろうか。相当な赤字販売までは認めるが、あまり極端な、仕入れ価格をも相当割るような実例がございますので、そのようなことは消費者のためにならない。実質的にはおとり販売をすることによって実はそれ以外の商品を買わせるように仕向け、そして相当の利益を得ておる、こういった商法、商いのあり方について、やはりこれを放置すべきでないという観点で、今回の案を立てたわけでございます。
○阿具根登君 あなたと論争する時間はもうないようですが、それでは下限を六%までときめられたならば、上限は何%におきめになりますか。まさか安売りだけはできぬぞ、高売りは何ぼ高く売ってもいいのだぞという考え方じゃないでしょう。安売りをきめたら、高いところもきめにゃなららぬと私は常識的に思うのですがね。高いところもひとつ教えてくださいよ。仕入れ値から何%以上利益を取っちゃならぬぞと、そこに公正の問題か出てくる。安売りだけは売っちゃいかぬ、目玉商品まかりならぬ、高いのは規制せぬ、わしはそういう理屈はないと思うから、その点だけひとつはっきりしてもらいたい。
○政府委員(高橋俊英君) 高く売るほうについて規制せよということになりますと、やはりこれは利潤統制といいますか、利益、価格そのものを規制するようなものの考え方に非常に近くなります。そこで、それらは私どもの考えとしましては、あくまで自由競争、公正で自由な競争を促進する、これは独占禁止法の根本的な考え方でございまして、高いほうを、値段そのものを規制する、あるいは利益率を規制するという考え方をとることは、いまのところ私ともの考え——私どもといいますか、おそらく自由経済という点からいいますと、競争を促進することによって、いまおっしゃったようなばか高い利益を納めているものを何とかそういうふうにならないようにする。しかし、そうは申しましても、このいろいろな業種の間に、独占的な企業になりました場合は、利益率が他の一般の平均に比べて高いという問題がございます。それにつきましては、これを寡占対策、独占に近い状態のものの価格のあり方について別途対策を講ずべきものと思いますが、いまその対策を直ちに立てるまでには至っておりません。十分検討してみますし、いずれは何らかの対策を打ち出さなければならない問題だと思いますが、かなり深い検討を要するし、慎重に考えていきたいと思います。
○阿具根登君 その点に私との食い違いがあるわけなんです。いいですね。自由主義経済だから自由だとおっしゃるなら、下限をきめることはできないんです。いいですね。それは小売り業者のために、赤字だからこれはやらさぬという気持ちはわかりますけれども、一般消費者はどうなりますか。消費者は目玉であろうと何であろうと、少しでも安かったら電車賃を使っても買いに行くのが消費者の気持ちなんです。そこへ行けばあとの高いのを買わされるから同じことじゃないかという解説が出ておりましたが、それなら高いものを規制しなければ何にもならないのです。高いものは規制しなくて、それは自由主義経済だから高いものはだめですよ、安いものは規制しますよと、それは自由主義じゃないじゃないですか。それは逆に消費者を圧迫する政策です。自由主義経済なら自由にやらすべきなんです。下をこれ以上赤字で売っちゃならぬというなら、上だってこれ以上もうけちゃならぬというのが私は常識だと思うんです。上はかってにもうけるだけもうけなさい、仕入れが幾らであっても、何倍になろうと、それはあなた方の競争ですから御自由ですと言いながら、下は六%以下で売っちゃだめですと。それはおかしいんじゃないですか、それは消費者を無視したやり方じゃありませんか、私はそう思うのですけれどもね。その点、一点だけ。
○政府委員(高橋俊英君) ただいま御指摘のような非難が一般消費者の側からは強く主張されております。私もそれは十分、痛いほど知らされておるわけでございますが、こちら側の考えといたしましては、たとえばそういうおとり廉売に使われるのは、これは非常に仕入れ価格に近い相場ですから、六%乗っけましても、これは普通の値段じゃないんです。そういうものだけを消費者が買っているとしたら、これは買い得るという状態は想像できないのでして、それだけを買っておりましたら、これは店は、そのスーパー全部どこでもつぶれてしまいます。出血であること、赤字であることは、もう当然先ほど申し上げたとおりで、平均して六%というようなことはあり得ないわけです。ですからやっているやり方は、一部の商品を特にお客の一人に対して一個とか二個とかというふうな制限をしながらやって、何時間かで売り切れてしまうというのが実態でございます。そういうのを月に十何回も繰り返しているという例が認められます。 これは一般の小売り商にはありません。そのような廉売をするにはよほど、まあスーパーに匹敵するというか、大型資本の、特殊なごく一部の腕力のある、資本力のあるものだけが続け得るものでして、全商品を安売りしたら、これは結局は自分で自殺するにひとしいことでございますから、それはない。消費者の立場からいいまして、いかにも私どもがそういう目玉商品をある程度最低価格を押えることによって、不利であるというふうに御認識になるかもしれませんけれども、それは当たらない。全体としてむしろ平均して安く売っていただくのが、すべての一般消費者があまり不公平でなく安い消費財にありつける方法であって、目玉商品だけを追いかけて買って歩く方があるいはあるかもしれませんが、そうすれば、ほかの方はそれらのものにありつけるチャンスはほとんどなくて、適正といいますか、それを埋めて余りあるだけの価格でスーパー等が販売するのを買ってくる。 そして、スーパーは今日非常な勢いで販売量が伸びております。もちろん利益もそれに伴ってある程度伸びていることは確かでございますが、そういうことは一般消費者の購買の結果がそうなっているのでございまして、それ以外にはないはずでございます。一般消費者がそういう値段で買っていると、適正利潤を確保せしめ、そしてその事業の伸びを、特に大型になればなるほど高いわけでございますから、それをささえているのは一般消費者にほかならないわけであります。でありますから、おとりというような方法によって他の小売り業者に圧迫を加え、一般消費者の目をそらして客を誘引するという方法はなるべく控え目にしていただいたらいいのではないか。 上限に対して押えなければ、下限だけを押えるのはおかしい、片手落ちだという御意見はごもっともと思いますけれども、その点については先ほどお話し申し上げたとおりに、上限に対する規制ということはかなり容易ならぬことでありますが、不当な廉売行為、つまり明らかに不公正な廉売行為というものに対して規制するのは、公正取引委員会の姿勢としてはさほど筋道を離れたものではないのではないか、かように存じている次第でございます。
○阿具根登君 どうもかみ合いませんね。たとえば、スーパーならスーパーが正常な場合に相当な販売量があって、相当な利益があった。この利益はやはり一般の消費者に還元しなければならぬ。還元する方法は何か。いろいろ景品をつけたりなんかすることもあるでしょう。しかし、直接そういう要らないものを景品としてつけてやるよりも、必要なやつを、ひとつ赤字でもいいから安く売って、そして利益を還元しましょうと、こういう気持ちだったらあたりまえじゃないですか、何もおとりだ、おとりだということではなくて、自分のところは今期はこれだけ黒字になった、これはお客さまに対してこれだけ助けてもらったのだから、これは少しお返しせなければならぬという気持ちで、これは赤字になっても、他が黒字になったから、だからこれはお返ししますよということだったら、これはあたりまえじゃないですか。これは不当じゃないじゃないですか。安売りが不当だというなら上限も不当なんです。 だから何か小売り業——まあ、この法律案は小売り業を守るための法律案ですから、だから飛躍するかもしれませんけれども、実際は購買者の利益を考えてこれも出ておるわけなんです。そうすると、いま論争しているのは、購買じゃなくて小売りだけのことを考えておられる。小売りだってやっぱり利潤があったならば、何かこれを還元してお客さんに喜んでもらうようにしていくのが私は道だと思うのです。だから下限だけをぴたっときめてしまうということはどうしても私には納得できない。あなたの気持ちはわかりますよ。気持ちはわかりますけれども、私には納得できない。——あなた二時からでしょう。もういいです。あと大臣に質問いたしますから。またほかの人の質問のときにはその質問に答えてください。大臣に質問いたしますが、提案理由にありますように、本法案では、一方では消費者の利益を確保すると同時に、小売り業者の方々が置かれておる立場に対してその調整を行なう、こういうことが重要な柱として指摘されておりますが、その具体的な調整の方法として、いわゆる事前審査制がとられております。この事前審査制について通産大臣に若干御質問申し上げたいと思うのです。中小企業者の中には、依然としてこの事前審査制に対して反対を声明しており、百貨店の新増設についてはあくまで現行法どおりの許可制にすべきであると主張しておる。私が指摘するまでもなく、中小小売り業者はわが国の経済社会に非常な大きなウエートを占め、店舗数では百九十万、また、就業者数では六百六十二万人といわれておる。これは全産業就業者数五千万人の一割以上を占めておるものです。農林業従事者が約八百三十万人。とすると、これと肩を並べるような大きなもの。それにもかかわらず、農業や中小製造業等に対る施策に比べて、中小小売り商業に対する国の施策には従来あまり見るべきものはなかったと思います。中小小売り業者は、現在も現行の百貨店法による新規参入の規制にたよるところが大きいと言わざるを得ない実情であります。この点を考えて、現行法どおり許可制にすべきであるという中小業者の意見に対して、大臣はどのような受けとめ方をしておられるか、お伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業者からの、許可制ということを考えていらっしゃるという要望はよくわかります。しかしながら、最近の情勢を見ますと、スーパーが非常に進出してまいりまして、百貨店よりもむしろスーパーとの紛争が地方の商調協等では多いようでございます。しかしまた一面、スーパー、百貨店等を見ますと、小売り商業、零細企業に対してそれぞれの機能をまた果たしておりまして、百貨店は非常に多種多様の品物をそろえて、百貨店は物を買いにいくと同時にレクリエーションにいくというような、ちょっといい気分にさせるというような庶民にとって独特の場所でもあります。それから、スーパーはスーパーでやはり流通機構の合理化の中で機能も果たして、消費者のために両方ともかなりサービスしてきているという面もございます。一面においては、小売り零細企業は非常にやりにくい商売であるというので近代化しないという面もあると思いますが、ともかく、百貨店やスーパーがお客さん目当てにいろいろサービスしたり努力しているということは、零細小売りにとっても非常な刺激になって、それは消費者に対してはプラスの面であるわけであります。そういう面から、このスーパーというものもあながち否定すべきものではございません。 だがしかし、百貨店やスーパーが不当または過剰にサービスその他をやりますと、これは零細小売り店が非常に困ります。特に商店街が困ります。そういう意味において、いままでの百貨店法では、スーパーは網の中に入れておりませんでしたけれども、スーパーをどうしても百貨店並みに規制する対象に入れなければいけない。そういう面からスーパーを入れる。それと同時に、やはり消費者時代でもあるからお客さんにサービス本位ということで、ある程度商店街や何かも刺激を与えながら競争的共存をやりながら、しかもわれわれは小売り商店を保護していきつつ発展していく、そういう考えに立ちまして、届け出主義という形で規制を行ないながら、そしてスーパーも取り込むという面から届け出主義という考えにきたわけでございます。 しかし実際は、商店街や小売り零細店を守る必要がございますから、商調協、商工会議所を中心にする一つの機構の網をくぐってこなければそれは営業を開始されない、そういう文句がある場合にはできない、そういうことを一つのチェックポイントにしまして、通産省が事実上行政指導を行なえるようにしたわけです。それによって、もし言うことを聞かないという場合には営業停止ということを食らわせますし、また罰金も三百万円と大きくいたしました。デパートあたりは三百万ぐらいいたしたことはないかもしれませんが、営業停止というものは非常に大きなものでございます。そこへいくまでの間に従業員の勤務時間、開店時間、サービスの内容、条件等についても地元と調和させるようにして、これは従来百貨店についてありましたが、スーパーも同じ条件でそういう規制の網にかぶせることにしたわけでございます。 もう一つ考えられますことは、寄り合い百貨店というのがございまして、これは中小零細の商店が集まりまして、百貨店類似の大きな店舗をつくってきているというのがございます。これらは商店街や商店が自衛策として伸びていこうとして努力している形で、むしろこれは奨励すべきものであります。しかし、それが百貨店なるがゆえにといって著しい規制を受けるということも、これまた考えなければなりません。そういう意味において、寄り合い百貨店というようなものはむしろ奨励をする、助長する。それ以外のいままでのスーパーや百貨店については、小売り商店街や小売りとの関係を調整する。そういう意味において当局が届け出という形はとっておりますけれども、事実上許可に近い内容をもってこれをチェックする、そういう形で流通体系の調整をはかったわけでございます。
○阿具根登君 これがいま大臣が言われましたように悪質な場合は、営業停止するような強力な罰則をかけた、私は、これでこの法案に対して賛成の気持ちになったわけなんです。いままでは罰則、罰金でも、打ったところでそれは問題にならないんです。 ただ、大臣にお尋ねしたいのは、寄り合い百貨店とか寄り合いスーパー、これはまあいいとして、じゃ、その百貨店がスーパーを開いたのはどのくらいあるか、これは大臣かどなたかひとつ答えてください。その百貨店が百貨店の規制をはずされて事前審査になった、これは百貨店としては喜ばしいことです。スーパーとしてはこれは困ることです。小売り店としても困ったことなんです。なぜ規制をはずしたか、こうなります。しかし、現実の問題は私は、百貨店がスーパーを開いているのは多数あると思うのです。私の知っているところだけでも相当数あります。だから、百貨店がああじゃこうじゃ言いながらスーパーまで自分がやってしまっているじゃないか、百貨店とスーパーと二つやって小売り業者をたたいているのが百貨店の実態じゃないか、こう思うわけなんです。だから、百貨店がスーパーを経営しているところはどのくらいあるか、知らしてください。
○政府委員(森口八郎君) 百貨店を営んでいる企業が、直接同一の人格でスーパーを営業しているという百貨店はございません。全部別個の人格を持ってスーパーを営業いたしております。その数がどれだけあるかという御質問でございますが、百貨店協会の調査によりますと、先ほど申し上げましたように関係企業でスーパーをやっているもの、そういうものを持っております百貨店は、全体で五十四社というような数字に相なっております。
○阿具根登君 五十四社というと、それはまたあとで出てきますけれども、何社あって五十四社ですか。直接百貨店が、何々百貨店のスーパーだなんて出しているのはありませんよ。全部そういう百貨店の系列ですよ、資本参加ですよ。それから、材料の仕入れなんか一切その系列でやっているのですよ。
○政府委員(森口八郎君) 五十四社と申し上げましたのは、百貨店であってスーパーを中心に営んでいる企業を持っているものが五十四社あるということでございます。五十四社が持っております関係小売り企業の数は百三社でございまして、店舗の数といたしましては、全部で五百三十七店舗ございます。
○阿具根登君 百貨店協会の調査でそうだそうですが、大臣、これはどうお考えになりますか。自由主義経済だから、百貨店がスーパーをやってもそれは何も文句を言うところはないのですけれども、しかし、やはりそういう大資本が中小企業を圧迫している。百貨店はこれ以上店舗をふやすことはなかなか困難だ、こうなってきますと、今度はスーパーのほうにうんと力を入れる。 熊本を御存じでしょう。熊本では既存の百貨店が二つありました。これは商調協が絶対店舗の拡張を許さない、だから三十一年から今日まで一坪も店舗は拡張しなかったのです。ところがそれへ持ってきて、中央の大手の伊勢丹やらあるいは地方の大手の岩田屋が、ここは人口当たり面積が非常に狭いから、だから百貨店をここにつくりたい、既存の百貨店を二つ合わしても足らぬような大きな百貨店をつくると、こう言い出したわけなんです。そうすると、法を守っておった百貨店はばかを見るのです。何ぼ申請しても商調協の反対で通産省から許可がおりない。そうして十何年しんぼうしてきたところが、人口に比して百貨店が少ないから中央から大きな資本がどかっとおりてきた、それで大問題になってきたわけなんです。法を守った者はばかを見る。それで、その売り場面積まで入れると東京よりももっと人口に比しては広い百貨店になっちゃった。ところが今度は、その百貨店は許可されぬというようになってきたところが、それをそっくりスーパーにしてしまった、こういうことをやっているじゃないですか。これは一体どういうことなんでしょうか。こういうことができれば法の目は何ぼでもくぐっていける、こういうことになると思いますが。
○国務大臣(中曽根康弘君) 熊本の場合は、阿具根委員の御指摘のとおりでございまして、鶴屋と大洋が店舗拡張の要請をだいぶ長い間やっておりましたが、地元の商調協を通らないで抑制されてきたわけです。そこへ持ってきて、産交交通の前のターミナルを使って、岩田屋、伊勢丹が大きな百貨店をつくるということで、商調協でずいぶんもみましたけれども、結局、いままで申請を抑制されてきた既設の二百貨店の店舗拡張をまずやるべきである、そういうことで、岩田屋、伊勢丹の願いは通らなかったので、そういうような行政措置を当方はしたわけでございます。これは穏当な措置であったと思います。しかるに今度は、通らなかった伊勢丹、岩田屋がスーパーを開いたということは私ちょっと初耳なんでございます。おそらく、それも商調協である程度調整しながらやったんだろうと思いますけれども、商調協を無視してそれはやれないと思いますが、その辺は事務当局に答弁させます。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のありましたスーパーにつきましては、十月に開店予定であります。 本件は、確かに御指摘のとおり、岩田屋、伊勢丹の合弁会社が百貨店申請に及んだわけでございますが、大臣御説明いたしましたとおり、従来の大洋、鶴屋のみに増設許可を認めるという決定をいたしましたので、岩田屋、伊勢丹の合弁会社は百貨店営業の許可申請を取り下げをいたしたわけでございます。百貨店営業の取り下げをいたしたわけでございますが、同時に他方、百貨店は許可はされないということで、それではスーパーでもう少し小さな規模で営業をいたしたいということを、同時に地元にはかったわけでございます。 スーパーにつきましては、御存じのとおり、私のほうで行政指導をいたしておりまして、スーパーの開設につきましても、地元の小売り商とよく話し合い、必要によっては商工会議所等で調整を行なうというようなことにいたしておるわけでございますので、岩田屋、伊勢丹のスーパーの開設の件も地元の商工会議所ではかりました結果、四十八年五月四日の小売商業振興協議会におきまして御了承願って、そういうような次第でスーパーを開店するというような運びに至ったわけでございます。確かに表面的に見ますと、百貨店がだめだからスーパーになったということは事実でございますが、地元の小売り商との調整その他につきましては、地元のほうでも必要な諸手続は踏んでおりますので、当方としてもこのスーパーの開設については問題はないというように考えておるわけでございます。
○阿具根登君 少し脱線しますが、この場合も、名前は申し上げませんけれども、通産省関係の役人の方がこの相手側の代表窓口として通産省と折衝されたことを私は承知しております。 〔委員長退席、理事劒木亨弘君着席〕 そういうことなんですね。そうすると、私は、一般的な問題としていつでも考えているのですけれども、まあ、通産省のお役人上がりの方がこの百貨店なら百貨店の重役なり副社長なり、あるいは何なり重要な役目をしておられることについて言っておるわけじゃないんです。そうじゃなくって、少なくとも官庁の行政府につとめられて、局長じゃ、いや次官じゃと最高の地位にあって、そしてその場合は、たとえば自分の所管の業者は、おい、ちょっと来い、ちょっと来いとこう呼ばれる。呼ばれるけれども、非常に若くて次官になられて、今度は相手側は自分よりも大学は五年も十年も古い人、地位はこちらが指導的な立場にある、そして早く次官やめにゃいかぬから、やめたらどこかの会社に今度は頭下げていかにやならぬ、あるいは百貨店に頭下げていかにやならぬ、そしてその人が使われにゃならぬ、こういうのがいまの日本の繰り返しだと私は思うんです。 この場合でも、たとえばもうお役人しておるよりも、いまのうちにこれは百貨店に行ったほういいわいという方も、それはおられて無理はないと思うんです。で、次官の方だって五十そこそこでやめていって、それから先、年金で食えるわけでもないし、これはどこかに雇われねばならぬ、こういうことが天下り、天下りで今日非常に大きな話題を残しておる。大蔵省にしても通産省にしても、これは労働省にしてもどこでも一緒です。こういう問題について、これはちょっと脱線なんですけれども、あまり出世が早過ぎるのじゃないか。極端に言えば、位人臣をきわめて次官になった、次官になったとたんに、私はもうあと二年でやめにゃなりませんという、これは退職予告通知をもらったようなものなんです。で、次官とか局長とかいうことになったならば、やはり大学の年次からいってもあるいは社会的な地位からいっても、こちらのほうが上で、会社の社長、ちょっと来なさいと、これはむずかしいですよというようなことを言うのは、五年も十年も下の若い人が六十も七十にもなった人にそんなに言えないだろうし、役人の弱さが出てくる、そういうのが、こういうところにあらわれてくるのじゃなかろうかと思うんですけれども、これは一般的な——脱線の質問ですけれども、そういうふうな点、いかがお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまの熊本の御指摘の例は、調べましたところ、福岡の出先機関の職員が退職後地元百貨店に入社しておりますが、退職前の本人の職務は百貨店と関係のない職務で、また、地元百貨店に入社した後のポストも正式のラインの仕事ではなくして、部付の嘱託ということであります。総合企画部付嘱託ということで、四十六年十二月に入っておるわけでございます。しかし、この者がいまの百貨店の申請について活躍したかどうかということは、どうも活躍したというようなことはあまりわれわれのところへは出てきておりません。ポストも課長待遇というところで低いポストでありまして、通産省に働きかけるほどの力はない人間であります。また審査は、商調協を中心にして行なわれたのでございまして、厳正にこれは行なわれてもおりますし、そういう活動の余地はないものであると私らは思っております。なおしかし、将来こういう職員の天下り等によって疑惑を受けるようなことはよくありませんから、これらの点については大いにわれわれも戒めたいと思っております。 それから、最後にお触れになりました役人の出世が早いということは、私も実はそういう感じがしておりまして、私は、科学技術庁の長官をしていましたときには、次官はできるだけうんと使えと、次官と女房は古いほどいい、そう思いまして、篠原という次官はたしか六十近くまで、六十をこしてもやっていたかもしれません。そういうふうにして有用な人は長くやってもらって、特に科学技術政策のようなものは中心がないとだめですから、大黒柱として、本人は非常に後輩に対して悪いような顔をしておりましたが、私はがんばらしてやらしておったのであります。日本の官庁全体が定年の問題もあると思いますけれども、おっしゃるようにもう少し年齢を引き上げて、次官のようなポジションになる人間は五十五をこして六十ぐらいまでやっぱりやらしたほうがいいと、私はそう思います。これはしかし、行政機構全般に関係することでもありますが、案外現役の諸君はそれを喜ぶんじゃないかとも思います。いままでの慣例で早くやめるということになっておるから、あまりおるというと、あいつはしみったれだとか何とか言われるから、二年ぐらいでさっさと席を立つのかもしれませんが、官庁全体としてのシステムをもっとゆっくりやるようにすれば、そういうこともなくなるんではないかと思います。
○阿具根登君 私も全く同感です。それは若い人たちは早くなりたいでしょうけれども、しかし、自分の将来を考えていけば、自分がその順番にくるのですから、やっぱり五十歳ぐらいでやめていくならば、このあと何をしようかと考えるのは当然のことなんです。そういうようにひとつ御指導を願いたいと思います。 それからもう一つ、これにはいろいろな問題があります。これが必ずしも間違いだときめつけて言っているわけではありませんけれども、この百貨店等から見れば、商調協が目の上のこぶなんです。何とか商調協が自分の思うとおりになってくれればいいがと、ところがなかなかそれがなってくれない。だから、商調協に対する圧力をかけてもらわにゃならぬということで、ある時期、通産省からこういう省令というのか通達というのか、通達が出たことがあるんです。それは、商調協の委員になるのは二期でなければならない、それ以上なる場合は通産省の了解を受けねばならぬ、こういう意味の通達が出たことがございます。これはあるところの特殊なボスに対する考え方であったようです。しかし、それは別なところで非常に大きく利用された。 ということは、商調協というのは、小売りからあるいは一般消費者から選挙されて出た方々です。それを通産省が一方的に、二年間だけでなけりゃ、二期だけでなけりゃできないぞ、それ以上は通産省の許可を受けなさい、こういうようになってくると、これは民主主義の破壊です。たとえその中にボスがおったろうとおるまいと、それをみんなが選んだならば、選んだその人たちが悪いのであって、何も通産省がそれに対して、その人は切りなさいということはできないはずなんです。そういう通達が出たことがございます。私はその当時、直ちにそれの訂正を申し入れて、訂正は出しましたけれども、これは一つの非常に大きな波紋を描いていっておるわけなんです。 そういうことを見る場合に、通産省は何か大きなスーパーやあるいは百貨店に非常な好意を持っておる。そうして商調協も、その人たちの自由になるような商調協をきめなさいと、そうすると一つもトラブルが起きずに、店舗拡張ときたならば商調協も賛成ですと、こうついてくる、そうするとばさっとそれを許可する、こういうことを考えておられるんですね。これは何も悪意でやられたことでないことは私も知っております。それでいままでやらなかったのです。で、いよいよこの改正案が出て、私の質問も終わるので、一応そういうこともありますということを申し上げて、そういうことがいいのか悪いのか、大臣御存じなかったらほかの人で御答弁願います。
○政府委員(森口八郎君) 御存じのとおり、商業活動調整協議会は、百貨店法の運用についてきわめて重要な職分を果たしておりますし、また、新しい法律におきましても中核的な存在を果たす機関であるというように私どもは存じております。したがいまして、商業活動調整協議会の委員の構成とかあるいは委員の任期とか、いかなる人を選ぶかということについては、いろいろな人々からいろいろな意見が出ておるところであります。私どもは、構成はできるだけ公正に、各界の意見が漏れなく出るような構成にしなければいけないというように考えております。したがって、確かにそういうような構成をとりますと、中央、地方でなかなかそういうことを代表する人材が少ないということも十分承知をいたしておるところであります。したがいまして、確かに委員の任期を二年として再任を認めないという原則は、商調協を構成する上においてきわめて不都合な事例が生ずることも、場合によっては考えられるところであるわけでございます。ただ、先ほど阿具根委員もおっしゃいましたとおり、やはりあまり留任を認めて任期が長い委員の中に、一部とかくのうわさのある委員が出てきておるというようなことも、これまた事実でございますので、御指摘のありましたとおり、昭和四十七年十一月一日付の企業局長通牒によりまして、委員の任期は原則として二年とするということといたしたわけでございます。 ただ、再任は絶対にいけないということではございませんので、やむを得ない場合に限り再任することができるということといたしたわけでございます。したがって、再任はできるという立場でございますが、おっしゃいましたとおり、いろいろな事情であまり特殊な人が長く留任するということは好ましくございませんので、通商産業局と事前に十分に連絡をとれというような通牒をいたしておることは、これまた事実であります。ただ、商工会議所の会頭がこの委員を任命するということといたしておりますので、どういう人を選ぶかということは、方針としては通商産業省は示しておりますが、具体的にいかなる人を選べというようなことは一切言っておりませんし、これは商工会議所が、みずから、こういう問題を解決するのにどういう人が必要であるかという観点から選ばれるということでございますので、決しておっしゃるように、通産省の意のままになるような商業活動調整協議会というようには私どもは考えておりませんし、現在までいろいろ百貨店問題で商業活動調整協議会から御報告書等をいただいておりますが、おおむね妥当な意見が述べられておるというように考えております。 なお、くどいようでございますが、委員につきましては原則二年でございますが、再任は妨げないということになっておりますので、阿具根委員の御指摘になった点を十分しんしゃくいたしまして、この制度の運用をしてまいりたいというように考えております。
○阿具根登君 御意見はよくわかるんですがね。確かに委員の任期は二年である、再任を妨げずと、これは普通なんです。これは普通の民主主義なんです。それをニュアンスをちょっと変えて、再任をする場合は通産省の了解をとりなさい、その上で商工会議所の会頭は任命しなさいと、こうたってくると、これは全然性格が違うんです。そういうふうにとられて、あなた方が、こうなったら困ることだなというねらい打ちされたやつが、別なところに当たっておるわけなんです。それで別なところでは、いや、その代表に総評の事務局長がなるのはけしからぬ、これは通産省の了解を受けにやならぬと、あるいはあの人は六回目だ、これは通産省の言うのに該当するというようにとられてくるわけなんです。だからその点は十分注意していただきませんと、商工会議所の会頭自身が自分の都合のいいような委員をほしいのは事実なんです。だからそういう通達がいけばそれにぴったり合うじゃないかと。あんた困りますよ、あんた困りますよと、こうなって、とんでもないところで大きなトラブルが起こってきましたから、その点は、そのほうには取り消しをお願いしましたから、そういうことのないようにお願いいたします。 それから、昨年の七月の箱根会談において、流通業の自由化についていろいろ議論がなされましたが、いずれ一〇〇%の自由化をしなければならないときがくるだろうと思います。ただ現在のところ、アメリカの小売り商は、いずれもわが国を商品仕入れ市場として重視し、家庭用電化製品、雑貨類、衣料品などを買いつけておる程度でありますが、それでも買いつけのほうは問屋を通さずにメーカーから直接大量に仕入れておる。わが国のスーパーや百貨店が大部分を問屋を通して仕入れているのと比べて、相当流通経費が低くなっているものと思われます。これが流通業の自由化で外資がわが国に本格的に入ってきて、自由に店舗網を持つようになりますと、わが国の中小小売り業に与える影響は、残念ながらきわめて大きなものであると言わざるを得ません。この関係各業界が一致してこの法案の成立を希望しておるといっても過言でないと思いますが、また、このような脅威である外貨が既存のわが国の店舗を買収したり、年中無休や、また深夜営業などの猛烈経営をしてきた場合に、本法案のような事前審査だけの規制では十分であるかどうか、私は非常に疑問に思っておりますが、この点について大臣の御見解をお尋ねいたします。
○政府委員(森口八郎君) 本法案は、外貨系のものであろうと何であろうと平等に適用されるということになるわけでございます。したがいまして、御指摘のような深夜営業等につきましては、当然大規模店舗であります限り、この法案によって規制を受けるわけでございますので、そういうような事態にはなるまいというように考えております。
○阿具根登君 法案では建物主義を採用しておりまして、大規模な小売り店舗において小売り業を営もうとする者はすべて届け出を必要としておる。したがって、一定規模以上の建物において小売り業を営む限り、百貨店、スーパーはもとより、中小小売り業者の寄り合い百貨店、寄り合いスーパーも対象となり、建物内に出店する個々の小売り業者についても、法律上は変更勧告等の調整措置が講ぜられることになりますが、しかしながら、寄り合い百貨店、寄り合いスーパー等は、通常その立地する地域の中小小売り業者の協議を経ているものが多く、問題となるケースは非常に少ないと思われ、また、百貨店や大型スーパーとの関係と異なり、競争条件に大差のない中小小売り業者間のこのような建設については、本来の自由競争にまかすことが私は妥当であると思います。したがって、寄り合い百貨店、寄り合いスーパーなどについてはよほどの事情が認められない限り、第一条後段の規定により、政府においては調整措置の運用上特別に配意されるものと私は理解するのですが、こういうふうに考えてよろしいのですかどうですか。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のように、本法案は大型スーパー等を調整対象として漏れなく把握いたしますために、いわゆる建物主義をとっております。したがいまして、百貨店、大型スーパーだけではなく、御指摘のように、駅ビル、寄り合い百貨店等々すべて大規模小売り店舗になりまして、これに入ります中小小売り商業者はやはり届け出義務を一応負うということになりますし、制度的にも一応調整の対象になるということは御指摘のとおりであります。ただ、本法案の政策的意図が、大型小売り店の進出から中小小売り商業者の事業活動の機会を守るということにあることを考えますと、たとえ大規模小売り店舗に入居している場合でありましても、中小小売り商店の事業活動を調整するということは適当ではないというように考えるわけでございます。この法案の十一条におきましても、勧告命令にあたりまして、大規模小売り店舗内におきます中小小売り業者に対して特別の配慮をするということを明示いたしておりますので、こういう点を考えまして、政策目的に合致した適正な運用を行なうべきであるというように考えております。
○阿具根登君 次に、かけ込み新増設についてお尋ねいたします。 先ほども参考人の方にお尋ねしたんですが、この百貨店法が三十一年にできたとき、三十一年までの二十年間をもってみてもたった一三%しか百貨店の店舗はふえなかったんです。ところが、百貨店法がここにかかってから通るまでの間に三三%の店舗がふくれ上がってきたんです。まあ、事実新宿の伊勢丹を見てもらえばわかる、あの伊勢丹はこれが出てから倍になっております。そういうことをやられたのがこの前の百貨店法案です。で、そのとき私は、これは百貨店の拡大法案だと言ってここで毒づいたことがございます。ところが、今度もこの法案が出ると同時に、スーパーがかけ込み増設をどんどんやっておるわけなんです。これは御承知のとおりです。これに対してどういうお考えをお持ちになっておられるか、お尋ねいたします。
○政府委員(森口八郎君) 最近の特定店舗の届け出状況——私どもが特定店舗と言っておりますのは、いわゆる大型スーパーでございますが、届け出状況を見ますと、確かに若干ふえております。四十六年度百六十九件に対しまして、四十七年度は二百三十七件というように確かに若干最近はふえてきております。ただ私どもは、先ほども御説明申し上げましたとおり、こういうスーパーの増設につきましては、チェーンストア協会のほうと打ち合わせをいたしまして通達を出して、スーパーの新増設については、先ほども申し上げましたように実際上の行政指導を行ないまして、その設置を規制するということにしておるわけでございます。 なお、この法案の施行の前後のかけ込みについて申し上げますと、百貨店業者につきましては御存じのとおり、本法案の施行後も直ちに調整の対象となりますので、いわゆるかけ込みというようなことはないかと存じます。その他の小売り業者について言いますと、若干のかけ込みはあるかと存じますが、四カ月前に営業の開始届けを出さなければいけないというようなことを法律で定めておりますために、もし、直ちに規制をするということになりますと、施行後四カ月間は一般の小売り業者は開店できなくなるというようなおそれがありますので、施行後四カ月間は経過期間を設けて、その間は自由ということといたしておるわけでございます。ただ、先ほど御説明申し上げましたように、この自由な期間におきましても、私どもといたしましては、スーパーが過大に店舗を増設しないよう、地元の小売り業者と摩擦を起こした増設をしないよう、指導をいたしてまいる所存であります。
○阿具根登君 確かに局長通達を出されております。そうして業界に自粛を求められておりますが、昨年の十月までの月平均十二件のチェーンストアの届け出が、それ以降はずっと月平均二十二件になっております、ものすごいこれはかけ込みなんです。通達を出されてもこれは聞くもんじゃないんです。そういうなまやさしい連中はいないんです。だからこれに対して、法の精神はこうあるんだからということでどこかでチェックしなければ、この前の百貨店法をつくったときと同じように、百貨店法が施行されたときはもう百貨店はふくれるだけふくれてしまっておった、今度もこれができ上がったときは、もうチェーンストアはふくれるだけふくれてしまっておるんじゃないですか。何かチェックする方法はないですか。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のとおり、また先ほど申し上げましたとおり、確かに最近のスーパーの増設のペースはそれ以前に比べてふえております。ただ、ぺース自体はふえておりまするものの、異常という程度のふえ方ではないのではないかというように判断をいたしておりますし、また、現在までのところ、大型スーパーにつきましては、おおむね、現地の小売り業者との調整が終わって後にその店舗を開設するというような状況になっておりますので、特に問題点はなかろうかというように存じております。
○阿具根登君 いや、問題点はあるんですよ。あるからこういう質問をしているんです。どんどん向こうはふやしているんですから、西武池袋——それからもう一つ一番大きいスーパー、こういうのはどんどんやっているんです。だから、そういう小さいところが多少ふえるのを言っているわけではないんです、私が言っているのは。そんな本のはこの法律ができてもできるんです。百貨店よりもでかいスーパーを持っておる人がふくらかしておるわけなんですよ。そういう人たちを何とかチェックしなければならぬと言っているわけです。小さいのが多少ふえるというのは、それは問題じゃないんです。百貨店よりもでかいですよ。全部合わしてみなさい、たいへんなものなんですよ。 次に、この法案の附則第一条において、「公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」ということになっておりますが、ただいま申し上げましたように、いまでさえもかけ込みがこんなに多いんだから、これはおそらく、この六カ月の間に無用の混乱や批判を招くことが私は相当出てくるだろうと思うんです。それで、先日通過いたしました小売商業振興法などは、一カ月で政省令を作成し施行すると私は聞いているんです。これは一カ月じゃできぬでしょうけれども、六カ月以内というのがまるまる六カ月じゃなくて、せめて二カ月か三カ月の間に政省令を出してこれを実施するんだ、こういうことにやってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(森口八郎君) 確かに、施行時期まで六カ月もあるというのはきわめて長過ぎるというように感じます。したがいまして、できるだけこの施行時期を短い期間、三カ月とかその辺の期間に短縮する努力をいたしてみたいというように考えております。 ただ、御理解を願いたいのは、中小小売商業振興法と若干事情が異なっております。御存じのとおり、現在大規模小売り店に入っておる者は、これは届け出をしなければいけません。届け出をする対象者が約二万人おるということでございますので、やはりその者に対するPRの期間として相当要するのではないかというように思います。やはりこういう人たちに法律を周知させませんと、知らずして法律違反を犯すということになりますので、多数の人を相手にしておる法案、しかも罰則の伴う法案でございます。そういう点について若干の日にちをいただきたいというように感ずるわけでございます。
○阿具根登君 次に、脱法行為についてお尋ねいたしますが、これにつきましても、私は、現行法制定の際の委員会審議において指摘したところでありますが、残念ながら私が懸念したように、続々と疑似百貨店が続出してきて、今日のような問題を生じたことは御承知のとおりでありますが、これについては、一面においてスーパーのようなものが出てきたという時代の要請もあります。また、お客さんの利便ということも非常にあって、一がいに、直ちに規制できなかった点があったことは認めますが、今回の改正では建物主義をとり、大型スーパーが疑似百貨店方式で脱法することを排除はしておるものの、新しい脱法行為が絶対に起きないという保証はありません。そういう脱法行為に対する通産大臣の基本的な態度を伺いたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 本法が成立する前後を問わず、行政指導は依然として生きておるわけでございますから、スーパーの新設等につきましては、商調協にかけて地元の了解を得るようにして、初めてその開店を認めるという形に依然としてやっていくつもりでございます。したがいまして、いままでのペースで商調協等を通じて行政指導をやっていくつもりで、かけ込みのようなものが行なわれないように制御いたしたいと思います。
○阿具根登君 たとえば通産省の統計によりますと、チェーンストアは、九百平方メートルから千四百平方メートルの売り場面積の店舗が最も効率のよい売り上げがあることになっている。法案では、基準売り場面積千五百平方メートル未満は、届けすら出さなくても自由に新設できる。たとえば、千五百平方メートル以上の店舗をすでに二つも三つも持っているような人か公道——一つの道をはさんでまん前に新たに千四百九十平方メートルの建物をつくって本法案の規制を免れる意図があったような場合は、これは明らかに脱法行為である、こう私は思うんです。こういう場合にはどういう対策をおとりになるか、この点をお聞きいたします。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のように、公道をはさんだ二つの建物は原則として一つの建物とはみなさないで、おのおのについて店舗の面積を算定することと相なっております。したがいまして、御指摘のように、公道をはさんで千四百平方メートルの店が二つあるという場合には、本法の規制の対象とはしないということを考えておるわけでございます。 本法案は、御存じのとおり、従来の企業主義から建物主義に考え方を変えたわけでございます。大きな建物を持っておるものが顧客吸引力があるという立場をとっておるわけでございます。その建物を千五百平方メートルでなぜ切るかというところについては、議論があるわけでございますけれども、千五百平方メートル以上の建物が顧客吸引力がある。したがってこれを、小売り商の事業機会を適正に確保するために調整の対象にするのだという立場をとっておるわけでございます。したがいまして、千四百平方メートルの建物は、小売り商の事業機会について一応の大きな影響はないというたてまえをとった法案になっておるわけでございます。 ただ、この法案にも書いてございますように、千四百平方メートルの建物二つが現実に同じ企業で向かい合ってあるというような、こういう非能率な形は、現実には存在しないわけでございますけれども、二つの建物を地下道で結んだり、あるいは空中回路で結ぶというような場合は、これはこの法案でも一つの建物になる、その場合には合算をするというたてまえをとっておるわけでございます。そういうような場合には当然本法の対象になるわけでございます。で、私どもは、千五百平方メートル以下の店舗は、それ自体としては小売り商に著しい影響を及ぼさないのではないかというたてまえをとっておるわけでございますが、なお御指摘のように、そういうような建物で非常に地域で問題を起こすというようなものがございました場合には、地元の商工会議所あるいは商工会等を仲介役といたしまして、そういう店舗を持っておる者と地元の小売り商との話し合いが行なわれるよう指導してまいりたいというように考えております。
○阿具根登君 公道を境にして千四百平方メートルの店が二つできて、地下道でそれをぴたっと結んでおるならあなたのおっしゃるとおりなんです。ところが、地下道ということでなくて、その地下道も店舗である、他の店舗がたくさん地下道にあるんだ、たまたまその地下道から上がっていくところにスーパーが二つある、そういう場合はどうなりますか。
○政府委員(森口八郎君) 地下道の性格にもよるわけですが、地下道自体が、両方にある店と同じ人格でそこの商店街が営業されておるということでありますれば、その二つの店舗は合して一つということになるわけでございます。ただ、地下道が公道——公の道というようにみなされます場合は、これは別々の店舗として計算をするというようなことに相なるわけでございます。
○阿具根登君 私、それを質問しておるわけなんです。いま、公道に面して、ただスーパーからスーパーに行く道を地下を掘るような、そんなことはしませんよ。そんなことはありませんよ。そういうところは地下道が全部商店になっているわけなんです。地下をくくってしもうてあるわけなんですよ。そして、それから上がっていけばスーパーが両方にあると……。
○政府委員(森口八郎君) 非常にむずかしい御質問なので、ちょっと手間どって恐縮でございます。 お尋ねの件ですが、いろいろケースがあって、実態によって異なってくるということだろうと思いますが、二つの店舗がありまして、その間が地下道で結ばれておる、その地下道は公道ではなしに、二つの店舗をつなぐためのもっぱらの目的のためにつくられた道でありますという場合には、先ほど申し上げましたとおり、二つの店舗は合算をして考えるということになろうかと思います。 それから第二のケースは、おのおの二つの店舗が公道に面してありまして、その間が地下道で結ばれておる。しかし、その地下道にある商店街が全然別の経営者によって営業されておる、全然別の経営主体によって営業されておる。要するに、そこの地下道にある商店街と、それから地上にあります、公道の両側にあります建物とが一体とみなされない場合、これはやはり別途として計算するということになろうかと思います。 それから第三に、その二つの建物がありまして、その間に商店街があって、その商店街自体は、両側にある建物と同一の経営主体によって運用されておるというような場合は、これは先ほどの単なる通路によって結ばれております場合と同様、地下道にあります商店街、それから両側にあります店舗、両方の面積三つを合算したものを一つの建物であると認むべきであると思います。 いろいろなケースがございますけれども、要は、一体として、建物として把握されるかどうかというところが判断の基準であろうかと存じますが、ケースはいろいろございますので、具体的にどういう場合がどうだということを御説明できないのを非常に遺憾に存じます。
○阿具根登君 これはいろいろそういう複雑な問題もございますから、そのときどきにまたお尋ねしてみたいと思います。 次に、百貨店における特殊指定の問題についてお尋ねいたします。 これは先ほど公正取引委員長にも御説明願ったんですが、大臣にもちょっとお答え願ったんですが、百貨店業については、昭和二十九年の十二月に特定の不公正な取引方法を告示で指定しておる。問屋からの手伝い店員の出向、不当返品、問屋への押しつけ販売などは原則として不公正な取引方法として禁止されておりますが、その実態は以前と比べて少しもよくなっておりません。極言すれば、百貨店はこのようなことをしておるから、中小小売り業者よりも競争上優位な立場にあるとも言えると思います。またこの問題につきましては、昭和三十一年に現行法を審議する際、わが党の案では、百貨店法できびしく規制すると考えておったんですが、御存じのことと思いますが、通産省においてこの手伝い店員等のことについてどういうふうにお考えになっておりますか、再度お尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げましたように、公取からも警告もありますし、手伝い店員並びに不当返品の問題はかねてからの問題でございまして、われわれとしてもいままで注意してきたところでございます。しかし、いまも産業政策局長に話しまして、もしこの法案が成立したら、直ちに全百貨店に対してそういうことが行なわれないように新しいスタートをするに際して深く戒めて、そうして通産局にも命じて、ときどき抜き打ち検査等の措置をするように指示しておったところでございます。 〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
○阿具根登君 この問題は、労働省もお見えになっておりますからちょっとお尋ねしますが、同じ百貨店で、そこの職員とそれから手伝い店員というのは全然違うわけなんです。先ほど百貨店の代表の方にお聞きしましたが、手伝い店員は幾ら給料もらっておるか、問屋が払っているんだから私は知りません、こういうわけなんです。そういう無責任なことで百貨店はやられておって、同じ百貨店の中で百貨店の看板を背負って、百貨店の包み紙で品物を包んでやっておる。お客さんはそのままこの百貨店の者だと思っておるわけです。ところが、一方は出向社員である。だから、百貨店ということよりも自分の問屋のことだけ考えておる。ところが、自分の給与は百貨店の店員よりもうんと下だと。同じ店舗で同じに働いておって、そして一方は問屋から出てきておる出向社員である、一方はその本店の社員であるというところで段違いの給与をもらっておる。こういうことは労働省として、基準局としてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(渡邊健二君) こういうような派遣店員あるいは出向店員の場合には、同じ職場におりましても雇用関係は、百貨店の店員は百貨店、それから派遣されました店員は派遣元と雇用関係がございますわけでございますので、労働条件についてもいろいろ給与等において違いが出る場合があるわけでございます。同様なことは、百貨店以外におきましても、下請が元請の事業場の中に混在して就労している場合に同様なことがあるわけでございまして、そのこと自身労働条件に格差があることは好ましいこととは存じません。また特にいろいろ問題がございますのは、混在して仕事をしております場合に、使用主としての関係が非常にあいまいになる場合があるわけでございます。 たとえて申しますと、百貨店のほうが超過勤務などをやる場合に、派遣店員のほうも同じ店舗におるためにやらざるを得ない。派遣元の使用主が十分にその辺を承知しないで超過勤務が行なわれるといったような、使用主責任が非常にあいまいになる場合がございまして、私どもはそういう点は非常に問題だという考え方から、でき得る限りそういう場合について使用主の責任関係を明確にするように、こういうふうに指導をいたしておるところでございます。ただ、賃金等につきましては、これは格差があることはもちろん好ましいことではございませんけれども、賃金についてどうせいというようなことは、直接役所としていろいろ介入しがたい点もございますけれども、使用主責任等につきまして不明確なためにトラブルが起きないようにという点については、指導をはかっておるところでございます。
○阿具根登君 スーパーについてはいかがですか。今度は出向社員と違って、スーパーはパートですな。パートと正社員ですな。正社員と準社員といいますか、その待遇の差がいまついておるわけなんです。これはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(渡邊健二君) パートにつきましては、まあ、近ごろは非常に多く行なわれておるわけでございまして、あらゆる業種にございますが、私どもパートにつきまして、これはスーパーだけではございませんが、百貨店、スーパーその他商業関係のパートの労働条件につきまして昭和四十六年六月に実施いたしました調査によりますと、大体パートの人の一カ月の実労働日数が二十三日、一日当たりの実労働時間数は五時間が平均に相なっております。したがいまして、労働時間が常雇の人とは非常に差がございますから、賃金等にもちろん違いがあるわけでございますが、一時間当たりの賃金に直して計算をいたしてみますると、パートの人は当時で、女子でございますが、一時間当たり百九十五円、それから常雇の一般労働者の女子は二百七円というようなことで、まあ差は意外に少のうございます。若干の差はございますが、これも勤続年数はやはり常雇の人が三・七年であるのに対しまして、パートの人は二・二年ということでございますので、勤続年数も違いがございますので、この程度の差はそう大きな差とは言えないのではないかと、かように考えます。 ただ、特別給与、すなわちボーナス、夏期、年末のボーナス、これは非常に差がございまして、一般の労働者は、当時の調査では年間約十万二千円程度のボーナすであるのに対しまして、パートの人は年間の特別給与が平均いたしますと一万四千円程度と、非常に差があるわけでございます。これは大きな差でございますけれども、労働時間自身も、一般の労働問は八時間でございますのに対して五時間であるというようなこと、あるいは長期雇用がすべての人に必ずしも予定されていないといったようなことで、このような差ができてきておると考えるのでございますが、こういうようにボーナス等についてはかなりの格差がある。したがいまして、パートと常雇の労働者の方々とは、あまり違わない面と非常に大きな差がある面と混在しておる形になっております。
○阿具根登君 次に、労働問題について若干お尋ねしますが、法案では、大規模店の休日、閉店時間は届け出制になっている。近所の中小小売り業者の苦情がなければ自由に営業できることになっておる、この休日、閉店時間などの労働条件にからむ公益性の問題につきましては、そこに働く従業員も非常に強く関心を持っておるところです。これにつきまして通産省では、第九条の通産省令で定める基準というのはどのような基準を考えておられるのか、御説明願います。
○政府委員(森口八郎君) 第九条で定める届け出の基準は、おおむね現在の百貨店法で定められております基準を踏襲をいたしたいというように考えておりますが、現在の百貨店法の基準は三十一年当時にきめたものでございますので、具体的にどうするかということにつきましては、さらに関係者の意見もよく徴しました上で定めたいというように考えております。
○阿具根登君 労働省のほうはいいですか。
○政府委員(渡邊健二君) 私どもも、このきめ方いかんによりますと、まわりの中小企業の労働者等にもいろいろな労働条件上の影響があると考えております。そこで、そこ点につきましては、この法案の立案当時から通産省とは密接な連絡をとっておるわけでございまして、この閉店時刻及び休業日数等をおきめになります場合には、労働省と十分に御連絡をとっていただきたいということを通産省にお願いし、通産省のほうからも、そういうようにするという御回答をいただいておりますので、今後十分に両省間で連絡をとってまいりたいと、かように考えております。
○阿具根登君 先ほどの参考人の方にもお尋ねしたのですが、参考人の方々はなべて三名とも、百貨店代表もスーパー代表も、小売業者の代表も、週休二日制というのは世論のおもむくところである。だから、これは当然週休二日制に持っていかなければならぬのだ、そういう点については前を向いて自分たちも考えていきたいということを言っておられたので、労働省も通産省のほうも、もう週休二日制というのはこれは当然近い将来にきまることでございますから、こういう機会にそういう指導をしていっていただきたい、かように思いますが、いかがですか。
○政府委員(渡邊健二君) 週休二日制の普及につきましては、労働省はかねてからその普及に努力をいたしておるところでございまして、今年の二月御決定になりました経済社会基本計画におきましても、計画期間中に大企業においては大部分が完全週休二日制に到達する、中小企業においてもかなりの程度週休二日制が一般化するようにつとめるということが、この計画で規定されておるわけでございまして、この線に従いまして、労働省といたしましては、それぞれの産業、企業の実情に応じまして労使の話し合いによって週休二日制が導入され、計画期間の中でもできるだけ早い機会にこの目標が達成されるようにということで指導につとめておるというところでございます。 百貨店、スーパー等についてももちろんのことでございます。ただ、業種の性格等からいたしまして、ほかの産業は土・日であるのに対しまして、これらの産業については土・日以外にする、あるいは交代制も導入するといったようなことがとられる場合が多く、現にそういうような形で、現在百貨店及びスーパーにおいてはかなり週休二日制がすでに普及をいたしておりますので、今後一そうこの普及がはかれますようにわれわれとしても努力してまいりたいし、通産省におきましても通産行政の面から御配慮を願いたいと、かように考えておるところでございます。 それから、中小企業につきましても、われわれは、中小企業の労働者もそういう一般労働者の労働条件の改善におくれることなくそういう労働条件の改善の恩恵にあずかれるようにしたいということで、週休二日制の益及をはかっております。したがいまして、これはなかなか実情からいって一挙にはいかない、段階的に月一回とか二回から除々にいかざるを得ないと思いますけれども、そういう中小企業における労働条件の改善というものと、百貨店あるいはスーパーの労働条件とがお互いに改善の妨げにならないような配慮をしていかなければならない、かように考えますので、この閉店時刻あるいは休業日数等の問題についてもそういう点を考慮しながら通産省と相談をしてまいりたいと、かように考えております。
○阿具根登君 これは、三人とか四人とか家族でやっておるところは別なんですが、この零細の三人、四人とか五人とかいう従業員でやっておるところは、店主が非常に従業員に気をつかうわけなんです。やはりそういうところでは店員が一人抜けたら大打撃なんです。だから何とかして店員に居ついてもらわなければならぬということで、私は相当苦労していると思うんです。だから、大きなところよりも小さいところのほうが苦労して、何とか二日はこれは休暇でもやらなければ、店員がやめてしまったら店を締めなければいかぬと、なかなかいまそう人は集まりませんよ。だからそういう点も十分配慮されて御指導願いたいと思います。 それから、チェーンストア協会の加盟店の従業員を調べてみますと、社員が六万九千百五十五名、臨時職員が二万四千九百二十四名で、大体九万四千人おるんですな。そのうちにチェッカーが一万三千九百六十三名、臨時職員が三千九十四名、一万七千名ばかりチェッカーがおりますが、そのチェッカーのうちに、チェーンストア協会の加盟店だけで百九十二名のチェッカーの病人が出た。これは表面に出ただけがそのくらいだから、相当多数の人がそういう病気になっておると思うのですね。これに対して労働省ではどういう対策を考えられるか。
○政府委員(渡邊健二君) 一、二年前からスーパー店等におきます金銭登録作業につきまして、連続してレジスター業務に従事している時間が長い労働者につきまして、いわゆる頸肩腕症候群といった健康障害が発生して問題になってきております。したがいまして、労働省といたしましても、こういうものが非常にふえる傾向にございますので、本年二月から三月にかけまして実態調査をいろいろいたしますとともに、こういうものの職業性疾病発生の予防を期しますために、金銭登録作業の指導要領というのを策定いたしまして、原則として、繁忙時におきましては一連続作業時間をおおむね六十分にせい、そして十分ないし十五分の休憩を与えるようにする、それから、そういう繁忙時においてはチェッカーの仕事が、レジスターを打つのと包装等の作業と両方やっているという場合が多いのでございますが、そういう場合にはサッカーを別に配置して二人制とするように、それから、繁忙時以外においても特定の労働者に長時間レジスター作業等をさせないように配慮せい、それから、作業環境につきましても、そういう作業を行なう場所はでき得れば気温十七度以上二十八度以下、照度も四百ルクス以上とするようにする、換気等についても十分注意して、事務所衛生規則の基準に準ずるようにするように、その他金銭登録作業につきましては休憩・休養の設備、騒音の軽減等の配慮をせいといったような指導通達を出しまして、そのような職業性疾患の発生の予防をはかるようつとめておるところでございます。
○阿具根登君 スーパーの代表の方もそういうことをおっしゃったのですが、この新聞の一部をちょっと読んでみますと、「チェッカーはねえ、まるでぞうきんのように使われてるんですよ。朝十時からの八時間労働で、休憩はお昼の四十五分間と、午後四時からの十五分間だけ。へんな話ですけど、お客がつかえてトイレに行けず、レジ台でぶつ倒れる人もあるくらい。」、こういうことが書いてあるわけですね。だから、一応そういうお考えはけつこうですから、実際現実に移されるようにひとつ御指導を願います。現実はまだそこまでいっておりません。「現代版女工哀史」と新聞に出るぐらいなんです。その点はひとつ十分御指導願いませんと、使う人はぞうきんであろうがボロであろうがかまわないんで、金さえもうかればなるべくしぼってしぼって取り上げたほうがいいんですから、そういうことがいまでも行なわれておったらたいへんですから、ひとつ御指導願いたい、かように思います。 あと、こまごました問題ですから、最後に、デパートの保安衛生について大臣にお尋ねいたします。 七月十五日——ちょっと前ですが、「吹き抜けいけません」、「改造費十億円どうしましょう」と、これは都が勧告したわけです。吹き抜けができておるのは煙突になる、百貨店で火災が起こった場合は大惨害が起きるといって、通産省が注意したんじゃなくて、これは都が勧告したんです。都が勧告したところが、改造費に十億円もかかっちゃうからそんなことはできませんというようなことを言っておるんですね。非常に火災に対する準備かなされておらない。それから、これは日経が取り上げておりますが、同時期のやつですが、室内の環境が非常に悪い、だから神奈川県の百貨店などは浮遊粉じんが多くて非常に不衛生だ、こういうことを言っておる。これも新聞に出ております。それから、小田急の百貨店等はぼやが出ても通報もしなかった。消防署がかんかんになって厳重警告したと、こういうことも新聞で次々と出ておるわけなんです。百貨店そのものがこういう災害に対して少しずさんじゃないのだろうか。このところ当分百貨店の火事かあまり起こっておらないから——起こっておるかもしれぬけれども、何万人もの人が入っておる百貨店でもしもこういう災害があったならば、たいへんなことになる。こういうことが指摘されておるんですが、通産省はこれに対してどういうお考えをお持ちになっておるか、どういう御指導をされておるか、お伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 百貨店は、消費者及び大ぜいの公衆が集まるところでございますから、その保安及び衛生ということにつきましては、当該百貨店のみならず、監督官庁であるわれわれとしても大きな責任があると思っております。 御指摘の吹き抜けの問題は、これは消防法とかあるいは建築基準法等によって規制されておりまして、いまのようなお客さんの立場という面からはあまり考慮はなかったんではないかと反省いたします。むしろ、そういう吹き抜きがあるほうがお客さんの引きつけによろしいと、非常にきらびやかに見えたり、装飾が置かれるという考慮があったかもしれません。そういう点につきましては、消防関係及び建築基準関係ともよく相談をいたしまして、いろいろ検討してお客さまの衛生及び保安について心配がないように処置していきたいと思います。
○阿具根登君 大体私の時間は終わったようですから、質問は終わります。
○中尾辰義君 一番最初に、流通政策の基本的な考えについてお伺いをいたします。 流通機構の近代化の促進ということは久しく叫ばれておるわけですけれども、なかなかそれができない。そして今日、これが物価高の大きな要因となっておることもまた事実でありまして、物価対策上からも流通近代化が大きく叫ばれておりますが、また他方では、豊かさを求めて個性的なもの、高級的なものを指向する消費者の需要の変化、意識の変化に流通業が十分にこたえているかどうかも私は非常に疑問に思っているわけです。そこで、この問題を解決するには、通産省に流通消費局を設けるぐらいの積極的な政府の態度が要請をされておったんですけれども、残念ながらこの前の通産省の機構改革では、わずかに流通担当の審議官を置いて流通問題に取り組むということにすぎないことになった。そういうことで、通産大臣から中小小売り商業を含めた今後の流通政策のあり方に対する基本的な考えをお伺いをいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の流通機構体系は、最近は非常に大きな変化がございまして、従来の小売り商業、特に零細企業、商店街、それからスーパーというものが出現をし、それから百貨店も最近は全国に手を伸ばしまして、先ほど阿具根委員のお話にもありましたように、資本的に地方の群小百貨店に手を伸ばすとか、あるいは百貨店自体がスーパーを別の系統で営むとか、そういうような変化が出てきております。あるいはさらに、連鎖店、ボランタリーチェーンとか、そういうような系統のものが出てまいりましたし、最近は、コンビニエンスストアというような新しいアメリカの体系も導入されつつあります。そこへ持ってきて、外資が小売り商業に進出する可能性も出てきておるわけでありまして、そういう大きな変動の波の中に、一面においては消費者の利益を守ると同時に、零細小売り商業の地位を守り、それからいまのような名段階に出てきた新しい商店や体系に対して摩擦を起こさないようにこの調和をとるということが必要でありますし、特にまた公正取引を確保して、大きなものが自由を乱用して支配力を強めるというようなことを抑制させる、そういう問題が今日われわれの当面の行政目標として出てきておるところでございます。そういう観点から、今回審議されておりまする法案を提出したという関係もございます。 なおそのほか、連鎖店等につきましても、いろいろ行政指導をもって規制しなければならぬ面もあるのではないかと思っております。 もう一つ大事なことは、流通段階が幾つか出てきますと、物価高を誘発するという問題がございます。これらは、日本の各製造者、問屋、小売り店にかけてマージンがどの程度累積していくか、そういう点もいま実態調査をやらしておりまして、各企業別にそれをどういうふうに処理していくかということを、合理化していく方法を検討しておるというのがその実情でございます。
○中尾辰義君 スーパーの小売り商に対する影響のことですが、流通業の近代化の一つの大きな原動力となっておるのは、安売りを武器にセルフサービス販売と連鎖店の拡大を進めておるスーパーの流通活動であり、今日の物価高を幾らかでも食いとめてくれるのも残念ながらスーパーであると、こういうふうに思うわけであります。といって、スーパーによる中小小売り商の影響を無視するものではないのですが、通産省ではスーパーをどのように評価され、また、スーパーの周辺中小小売り商に与えている影響をどのようにつかんでいらっしゃるのか、お伺いをします。
○政府委員(森口八郎君) スーパーは、昭和三十年代にわが国で初めて登場したわけでございます。その武器とするところは、セルフサービス、それからやはり商品の大量購入、あるいはチェーンオペレーションというようないろいろな斬新な商法を用いまして、低価格で消費者に日用品を提供するという面で非常に大きな地位をかちとったわけでございます。そういう意味で、スーパーがわが国の流通業界に与えましたよい面というものは、それはそれなりに評価しなければいけないと思うわけでございますが、他面、スーパーが出てきますと、場合によっては周辺の小売り商にいろいろ影響を与えるというようなこともまた出てくるわけでございます。たとえば人の流れが変わるとか、あるいは周辺の小売り商の売り上げ高とかあるいはマージンに影響が出てくるとか、そういう周辺の小売り商に影響を与えるということもまた十分考えられるところでありまして、中小企業庁で、スーパーについてどういうふうに考えておるかということを周辺の中小小売り商業者に聞いてみますと、スーパーが出てくると不利であるとする者が四二・三%を占めております。ただ半面、スーパーができますと、スーパーと競合しない商品について売り上げがふえるというような小売り商がおることもまた事実でございまして、そういうような、スーパーが出てくると有利だと言っておる小売り商が二一・一%おります。また、スーパーの出店によって変わらないとする者が三一・四%、わからないとする者が五・二%あるというような状況になっております。いずれにいたしましても、周辺の小売り商に何らか不利の影響を与えておるということは否定できない現状でございまして、今回の法案を提出をした理由も、一つはここにあるわけでございます。
○中尾辰義君 次に、今回のこの改正案のバックボーンとなっておる昨年十一月の産業構造審議会の第十回中間答申でも、現行の百貨店法が制定されてから十七年も経過し、その間、流通業の自由化の具体化等もあって、小売り商業をめぐる商環境が著しく変化し、また、新たな政策要請として流通の近代化の推進、消費者利益の確保などの見地が重視されるようになったために、流通近代化、消費者利益の確保の視点を法の中で明らかにする、このことを答申したのであると私は理解しておりますが、今回の改正案ではこれが具体的にどのように明文化されているのか、念のために説明をお伺いします。また、流通近代化の文言が改正案の目的の中に入っていないが、この点はどうなっておるのか。 以上。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のように、産業構造審議会の答申では、消費者利益の確保と流通近代化の増進ということの二つを主要目的としてあげております。まず、消費者利益の確保について本法案においていかに配慮したかということでございますが、第一条の目的の中で、「この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、」調整を行なうのだということで、法案全体として消費者の利益の保護に配慮するということを明らかにいたしております一また、本法案の第十一条におきまして、勧告を行なうにあたりましては消費者の利益に配慮するという規定を特に挿入いたしまして、実際上の運用についても遺憾なきを期しておるわけでございます。 流通の近代化につきましては、本法案で特に言及をいたしておらないわけでございますが、さきに成立いたしました中小小売商業振興法によりまして中小小売り商の近代化の促進を行なうことといたしておりますので、通産省といたしましては、この二つの法律によりまして答申の示した二つの基本的方向は充足されておるというように考えております。
○中尾辰義君 それじゃお伺いしますが、経済の流れに反した統制とか規制は必ずいつかは破られることは、われわれの多くの経験が教えてくれるところであります。また、この消費者の利益の点から考えますと、豊富な品ぞろえを提供する百貨店、あるいは専門的な知識、技術を提供する専門店、なお、もより的な便宜性を提供する小売り店、セルフサービスによる安さを強調するチェーンストア等、それぞれ公正かつ自由に競争するという経済原則に従って初めて消費者の利益も得られるものと私は理解しております。もしこれを政府が、業者の置かれている立場を考慮して調整を行なうというならば、その理由を消費者によく納得できるように説明し、了承してもらうことが最小限必要であると思いますが、この問いについて大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 消費者の利益を確保するためには、各種の形態の小売り店が適正な競争を行なうことが必要であることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、自分だけの力で顧客吸引力を持つ大型店と、それを持たない小売り店とでは競争条件においてたいへんな落差がございます。したがって、御指摘のように、小売り業における適正な競争環境を形成するためには、わが国の小売り業の現状においては、大型店の事業活動を調整し、両者の競争基盤の格差を埋めることが必要であると考えております。通産省としては、消費者代表を含む学識経験者によって構成されている、産構審流通部会の答申に示されたこのような考えに基づいて本法案を立案した次第でございますが、今後ともいまのような精神に基づきまして、大型店それから連鎖店——チェーンストアやらスーパー、それと商店街等との調整につきましては、公平かつ公正に行なわれるように大いに努力してまいりたいと思っております。
○中尾辰義君 ところが、主婦連などの消費者団体は、今回の法案は業者保護が優先し、ともすれば消費者の利益の確保があと回しになりがちである、こういうふうにきめつけて、産業構造審議会の答申どおり届け出制にすること等、規制の対象の拡大を行なわないことを陳情しておるわけですが、この点について大臣はどのように受けとめていらっしゃるのか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 産構審流通部会は、改正の重要な要点として消費者利益の確保をあげており、その答申の趣旨に沿って、本法案の第一条の目的に消費者利益の確保が明示されているとともに、第十一条において、本法案を運用する際には、消費者利益の確保に配慮すべきであるということが示されておるのであります。通産省としては、このような法案の趣旨を認識して、消費者利益の確保に十分に配慮しつつ、本法案を通用してまいりたいと思う次第でございます。 スーパーというものが出てきて、これがいままでの小売り商店街等にかなりの刺激を与えまして、また最近、連鎖店——チェーンストア、ボランタリーチェーンとか、その他いろいろ出てまいりまして、これまた刺激を与えていることは事実であります。そういうような新しい合理化された、近代化された体系が入ってくることは、進歩のためにも必要でありますが、そういうようなものが必要以上に自由を乱用すると、今度は小売り店その他が困ってまいります。お客さんの目から見れば、安くていいものが手っとり早く入るほうがいいという原則でありますけれども、また一面においては、そういう商売をしている人たちの生存権の問題も考えてやらなければならぬところがあります。そういう点から一歩一歩前進させて合理化を進める、近代化を進める、そういう精神に基づいてお客さまの要望にこたえるとともに、業者間の調整も進めていきたいと思っております。
○中尾辰義君 今日の物価が高いのは、これまた従来も何回となく言われておりますけれども、結局、いまの物価対策というものは消費者本位にものごとを考えていくべきじゃないか、その辺が少しこれは考えが至っておらないようなふうになっておるのじゃないかということは、従来もしばしば論じられてきておるわけです。それはいまの内閣自体が、まあ通産省は通産省で業界の味方に立っておる、厚生省は厚生省で、農林省は農林省で自分の所管の業界を守るような立場に立っておる、そういうところから、一体だれが消費者の味方になって応援をしてくれるか、これもしばしば言われておるのですがね。まあ、そういうことで私は今回も質問をしておるわけですが、非常に最近の物価の高いことは、サラリーマンの生活を圧迫しておるわけです。 そこで次の質問に入りますが、消費者の利益と中小小売り業者の利益は、必ずしもこれはもう相いれない、これは当然でありましょう。具体的な利害を調整することは非常にむずかしいことであると私は思うわけですが、法案では、これを従来の許可制と異なった事前審査制度によって調整しようとしているわけです。 そこで、率直に大臣にお伺いをいたしますが、この事前審査制は、従来の百貨店について適用されてきた許可制とスーパーに適用されていた届け出制と具体的にどう異なる調整をしようとしているのか、この辺わかりやすくひとつ説明して下さい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の規制の方法を、一面においては大型店の範囲を拡大してスーパーも取り込む、同時に、許可制を事前届け出、事前審査、勧告、命令という体系に改めました。これによって消費者利益に対する配慮の趣旨を規制方式の上で明らかにする一方、大規模小売り店舗に進出する小売り業者の届け出があったときには、通産大臣は、その内容を十分に審査して、その結果、中小小売り商業に相当程度の影響を与えるおそれがあると認める場合には、審議会の意見を聞いて必要な勧告、命令を行なうこととしてあります。この命令の中には業務停止命令というものがあるわけであります。したがいまして、事実上許可制に近い内容のものもあります。そういうような意味におきまして、歯どめは十分持っておりながらも、この業界の自由競争を促進しつつ推進していく、こういう考えに立っておるわけであります。
○中尾辰義君 続いて、これから開業しようとする大規模店舗の事業活動が、通産省における審査の基準に照らしましてどの程度中小小売り業者の利益を害するおそれがあるかどうかを判定する場合に、実際、具体的にどのような事項が審査の勘案要素となるのか、その点いかがですか。
○政府委員(森口八郎君) 法律の第七条に明らかにしておるわけでございますが、小売り業者から届け出がございますと、通産省のほうでは、その届け出にかかわる大規模小売り店舗の周辺の人口の規模とその推移、それから中小小売り業の近代化の見通し、ほかの大規模小売り店舗の配置及び当該地域の大規模小売り店舗における小売り業の現状等から、その大規模小売り店舗の進出によります買いもの客の流れの変化、それから、その地域における総小売り業者の販売額に占める中小小売り業者の販売額の割合等を推測いたしまして、いま申し上げましたような主要因に基づきまして、その届け出にかかわる大規模小売り店舗における小売り業の事業活動が及ぼす周辺中小小売り業者の事業活動への影響を審査するというようなことに相なろうかと存じます。
○中尾辰義君 それでは次に、商業活動調整協議会についてお伺いします。 この協議会は、調整機関の中でも実質的には非常に重要な役割りを果たすものであり、その運用いかんによりましては本法案の性格はだいぶ変わってくると言えるほどのものでありながら、法文の上では何の規定もありませんが、この協議会の性格はどのようなものであり、また、そのメンバーはどのような人が予定されておるのか、説明して下さい。
○政府委員(森口八郎君) 商業活動調整協議会は、各地の商工会議所の内部機関として設けられております。現在全国で百六十四の商業活動調整協議会が設けられております。構成は、学識経験者、消費者、商業者という三者によって構成されております。また、本協議会の任務といたしますところは、現行百貨店法のもとにおいて、地元における具体的な利害を調整する場として期待されておるわけでございます。この調整協議会は、新しい法案におきましても、利害調整の場として私どもは活用してまいりたいというように考えております。 先ほど申し上げました商調協の委員でございますが、各地によってその数は若干異なっておりますが、平均して十八人の委員で構成されております。先ほどの構成別で申しますと、学識経験者がそのうち三七%、商業者が四四%、消費者が約一七%というふうに構成されておりまして、このほか、地元の通産局あるいは地方公共団体の職員が参与として加わっております。私どもは、本法案の運用にあたりましても、この三者構成を踏襲してまいりたいというように考えております。
○中尾辰義君 いまこの協議会の構成メンバーのパーセントのことがありましたけれども、これは消費者代表が一七%、一番少ないわけですけれども、消費者を少なくしたのはどういうわけなのか。 それからまた、開店時刻あるいは休日等の問題に関しまして、当然それに最も密接な関係のある従業者の代表がこの中に入っていないのはどういうわけなのか、その辺を説明してください。
○政府委員(森口八郎君) 商調協というものは、御説明いたしましたとおり、非常に重要な役目を果たすものてございますので、その構成も適正なものでなければいけないということはおっしゃるとおりでございまして、私どもも、構成は適正でなければならないというように商工会議所を指導いたしておるところであります。ただ、消費者代表の数は、表面上は少ないわけでございますが、学識経験者は同時に消費者代表の役目を果たすというようなことも当然考えられますので、その点も考慮しなければいけないのではないかというように思っておりますが、なお、個別に見まして特に消費者代表が過小であるというような商調協につきましては、そういうふうな趣旨に沿いまして指導してまいりたいというように考えております。 なお、商調協に労働者代表を入れてはどうかという御意見でございますが、商調協自体は、先ほど来申し上げておりますように、大規模小売り店舗の進出に伴う小売り業者の事業活動の調整機関であります。したがって、労働条件の改善を直接に目的といたしておるものではございませんので、やはり現在の三者構成が妥当ではないかというように思っております。ただ、おっしゃいましたとおり、閉店時間あるいは休業日数等については、労働条件等に結果的に影響する面があるかというように存ずるわけでございますが、労働者は、商調協あるいは大規模小売店舗審議会に意見を申し入れることができるというようになっておりますほか、必要に応じて商調協あるいは審議会等が労働者の意見を聴取するように運用することといたして、その責めをふさぎたいというように考えております。
○中尾辰義君 次に、従来の協議会は、現行の百貨店法のもとにそれなりにある程度の役割りを果たしてきたとは思いますけれども、残念ながら、ともすれば百貨店側の言いなりになって、百貨店が申請してきた店舗面積をせいぜい削減するとか、開店日をおくらせるぐらいで、その機能を十分に果たしていないということも耳にしておるわけであります。通産省においては、今後の協議会の運営は、本法のねらいとするところを十分わきまえられて、このようなことを言われないように、協議会に優秀な人をできるだけ多数任命するなどして運営してもらいたい、こういうふうに思うわけですが、この点についてお考えをお伺いしたい。
○政府委員(森口八郎君) 全く御趣旨のとおりでございまして、そのように運用してまいりたいと思います。
○中尾辰義君 それから、改正案の第十条、「改善勧告」についてお伺いいたしますが、この規定が置かれている趣旨並びに一体どういう基準で勧告を運営されようとしているのか、その基準、また、その勧告の意義と形態についてそれぞれ詳しく説明していただきたい。 また、大臣は、勧告をしたときは、その旨を公表しなければならないことになっておりますが、いままでに公表した具体的事例があるのかどうか、紹介していただきたい。
○政府委員(森口八郎君) この十条は、現行の百貨店法の九条の勧告規定を引き継いだものであります。大型小売り業と中小企業は実力に格差がございますので、この法案では、新増設の規制とかあるいは閉店時刻、休日の規制とかいろいろな規制をやっておるわけでございますが、それのみではその効果が不十分な場合も当然予想されるわけでございます。したがいまして、これら以外の営業行為全般につきましても必要に応じ通商産業大臣が勧告することによりまして、両者の実力の格差を縮小したいというような趣旨のもとにこの規定が設けられたわけでございますが、営業に関する行為は広範にわたっておりますので、一々これを限定列挙できませんので、広く営業行為一般ということで規定をいたしたわけでございます。これを公表するというのは、やはり公表することによってその行為を社会的に批判させ、勧告の実効を期するというような意味で公表制度をとっておるわけでございます。 なお、現在の百貨店法九条によりまして、勧告をしたことがあるかどうかということでございますが、結論的に申しますと、この制度によります勧告はいたした実績はございません。ただ、勧告に至ります前に、百貨店の営業行為が目に余ります場合には実際上の行政指導をしてきたという実績がございますし、また百貨店のほうでも、この行政指導に従ってまいりましたので、申し上げましたように、実際上勧告した実績はないわけでございます。
○中尾辰義君 それでは改善勧告の規定は、いま説明があったように、現行百貨店法の改善勧告の規定と同趣旨のようでありますが、改正案では、建物主義を採用している関係で、営業行為の例示から出張販売が削除されております。しかしながら、百貨店、大型スーパーなどの大規模店舗における小売り業が一体的に事業活動を行ない、その一環として出張販売を行なう場合、当然これは改善勧告の対象となる営業行為に該当するのではないかと思われますが、この点いかがですか。
○政府委員(森口八郎君) 御指摘のような趣旨で、出張販売は文言上削除されたわけでございますが、大規模小売り店舗の相当部分を占める小売り業者が出張販売等を行なう、しかもその結果悪影響があるという場合には、当然この対象になり得るというように解しております。
○中尾辰義君 公取の委員長がお見えになりましたので、最後にちょっとお伺いいたします。 例の大安売り禁止令の問題ですが、先ほど阿具根委員からも質問がありましたけれども、この大安売りの禁止令につきまして、主婦連などの消費者八団体がこの公取の規制に反対しております。先週も緊急連絡会を開きまして、全国的に大安売り規制撤回運動を展開することをきめ、また、これまで消費者パワーと手を結んで再販制度廃止をとなえてきた日本チェーンストア協会では、再販廃止商品の安売り実現を求めるなど、非常にあわただしい動きをしているわけですが、公取の委員会では、どのような趣旨でこの不当廉売の規制を行なおうとしておられるのか。また、主婦連等の反対運動をどのように受けとめておられるのか。先ほどちょっとありましたけれども、あらためてお伺いします。
○政府委員(高橋俊英君) この不当廉売は、私どもの考えといたしまして、実はおとり廉売を規制するつもりであったわけでございます。ただし、おとり廉売以外にも規制の対象となるものが皆無であるかどうか、これはまた一言にして言えませんが、原則的には通常の普通の小売り業ではできないような、いわゆる大型小売り店、スーパー等でございます。そういうところが一部の商品を取りかえ引きかえ目玉商品として安売りするわけでございます。その安売りの程度がはなはだしいと、それは消費者のためになるかと申しますと、それを買ってほかのものを買わないということが貫ければ消費者の利益になりますけれども、そうではない。そういうことはあり得ないわけでございまして、おとりはあくまでえさでございます。おとりでございますから、そういうものを一部つくりまして、そして他の商品はみな少なくとも適正な利潤を得て売っておる。これは小さな業者には、まねをしようとしてもなかなかできない。消費者の側から見ますと、消費者の反発が確かに強いんでございますが、何か公正取引委員会が安売りそのものを規制したとか、価格を下からささえるようにしているんじゃないかという誤解、私どもとしては、これは誤解であると申します。安く仕入れたものをその分だけ安く売ることはむしろけっこうなことで、それだけ流通の合理化がはかられるということは歓迎するんでございます。そういうことをとめている趣旨は全くありません。 ただし廉売の基準が、不当であるかないかということの判断の基準がいままではっきりしていなかった。一般指定の五にございます、不当な値段で売っちゃいかぬ、非常に高くても安くてもいかぬとありますけれども、不当な安売りというのは何であるかの基準がございませんで、それで実は、実際の実例がいろいろございまして、特にその関係する小売り業界のほうからは訴えがございます。スーパーの行き過ぎた安売り、ことに、その仕入れ価格を割ってまでやっていると、だから同業者としては、同業者といいますか、同じ商品を扱っている専門店としては非常に耐えられない。スーパーは、各種の商品を品ぞろえしていろいろ豊富に売っているのが通常でございますし、それを大量に仕入れておるので、普通は仕入れ価格も安いのが原則でございますが、さらにその上にその仕入れ価格を割って販売するとなりますと、これは明らかに不公正な方法ではないのかということで指摘がございました。 その後、いままで完全な排除命令を出すに至っておりませんが、指導によってなるべくそういうことをしないようにということをやってきましたが、この際、はっきり申しまして再販の縮小ということも、もともと再販制度が不当な廉売から守るというふうな趣旨でつくられたいきさつもございますので、不当な廉売、これはもうほとんどがおとり販売を規制するという目的で、今回この基準を定めようとしているわけでございまして、決して消費者のためにならない、安く売ることがいけないんだという趣旨ではございません。全体として消費者が公正な競争から生まれる流通の効率化によって平均的に受ける利益のほうを守るべきであって、ごく一部のおとり商品だけを買うというような、偶発的とは言いませんけれども、ほんの一部の人だけが享受している利益を守る、それを保証するということよりはそちらのほうが大切ではないか、かように考えまして、仕入れ原価、これは実質的な仕入れ原価にその六%を加えたもの、これを境目といたしまして、それよりも安く売るというのはあまりにも行き過ぎではないか、こういう感じでございます。 ちなみに、スーパーの場合におきましても、先ほど申しましたが、仕入れ価格に対する販売経費の平均の率を申しますと二二%になっております。ですから、六%というのはかなりの安売り、出血サービスであると、こういうことはほとんど言えるのではないかと思っております。
○中尾辰義君 そこで、商品の仕入れ価格の平均に仕入れ価格の六%を加えた価格に満たない価格と、こういうふうに定義をされておるわけですが、これは昭和四十年にあなたのほうの公取の事務局長が通達をお出しになった。それには「製造原価あるいは仕入れ原価を割って販売すること、」と、こうなっているんですね。ですから、四十年の通達では、製造、仕入れ原価を割った場合に、これはまたその対象になるわけですが、今回は、原価プラス六%と六%上がったわけですが、四十年から四十八年、八年経過して、これは何か状況が変わったんですか。そういう点がまだ少し納得しないところなんですがね。
○政府委員(吉田文剛君) 四十年の事務局長の通達は、みその協同組合連合会の質問に対して、それに答えるような形での一般指定の解釈に対する基準でございます。そうしますと、確かにいままでは何も基準がないものですから、一般指定によりまして、一般指定の解釈として、これは「不当に」ということばを使ってあるだけでございまして、一般指定には実は数字は出ておりません。仕入れ原価ということも出ておりません。それを事務局長の通達で、早く言えば一片の通達で、その場をしのいできたというのが実情でございまして、私どもはこれは適当ではない、むしろはっきりした基準を定め、しかもその例外となるべき場合ですね、正当な廉売、半額で売っても、あるいは仕入れ価格に対してその何割かで売っても、なお正当と認められる場合には不当とみなさないというケースも具体的にある程度列挙し、さらにその上に、そのほかにも正当な理由がある場合に、たとえば、わずかの金額でありますけれども、手形の期限が差し迫っている、金融引き締めの関係等で資金繰りがつかない、あるいは当てにした他からの入金がないということから、緊急に品物を処分しなければ自分が銀行の取引を停止される、このような場合がございます。そういうような場合には正当な理由というふうに認めまして、どのような価格で売りましてもこれは一応とがめないというふうなことになりました。 ですから、今回のは特殊指定として、一般指定のあいまいであった点をなるべく明確にするという意図でありまして、四十年といまとが事情が違うというよりは、その後、相当深く検討いたしまして、諸外国の例も参与といたしながら、そしていまのような案に落ちついたと。しかし私どもは、その六%をどこまでも貫かなければならぬとかというはっきりしたものとは考えておりません。公聴会等も一再ならず行ないまして、各方面の御意見を十分承った上で最後の案を仕上げたいと思っておるわけでございます。 で、これは実は御承知だと思いますけれども、メーカーや小売り業界のほうからは低過ぎると言われ、今度は消費者の側、あるいは現に不当——私どもから言わせればおとり廉売をやっておりますスーパーと消費者の団体からは、これは高過ぎるというふうに言われて、ちょうど背中合わせの議論にはさまれておるわけでございますが、私どもとしては何らかのやっぱり基準が必要である。それには仕入れ原価というのは低過ぎはせぬかというふうに思うわけでございます。先ほど申しましたように、二二%プラスしなければ利益は全く出ない。二二%加えたものでもなお原価そのものでございます。仕入れ原価に経費を加えるとそうなるわけでございますから、六%を加えても出血は当然でございますので、仕入れ原価というのはいかにもこれはひど過ぎるというふうな感じでございます。しかしこれは、私どもが絶対にそれは正しいとかいうふうなものではありません。はっきり申し上げまして、いろいろなところからきた一つの経験、諸外国の例等から編み出した腰だめ的なものであることは認めざるを得ませんが、そういう趣旨のものでございます。
○中尾辰義君 いまの六%というのはこれは平均ですか。ただこの六%というのは少し大ざっぱじゃないかと、そういう意見もありますし、かりに六%にいたしましても、はたして業者がそういう六%を守ってきちっとやるのかどうか。一々それは調べるのもたいへんでしょうし、あるいは場合によってはあなたのほうでおきめになっても、かなり死文化していくんじゃないかと、そういうような批判もあるようですが、その点いかがですか。
○政府委員(高橋俊英君) 実は理想的なことを申しますと、たとえば直接販売費こういうものがございます。一般管理費等を経費のうちから除いたものでございますが、先ほどスーパーの例で平均二二%が全体の販売費割合ですが、直接販売費だけでございますと平均は一一%でございます。そこで今度の場合に品物別に見て、直接販売費が六%を下回るような場合があればここまではいいというふうにカッコ書きで実は入っておるわけでございますが、そういう点、考え方としては直接販売費の中で最も低いと思われる場合、六%というのが調べられる範囲ではおそらく最低ではないだろうかと。商品別にみな計算するのが正しいのですが、これはそうなればほんとうに実行不可能でございます。私どもはそこまで原価計算を商品別にやっていく手段を特ち合わせません。これはおそらく死文化してしまうでしょう。そこで画一的に、おそらくたいていの商品がそれ以下の直接経費ではあり得ないと思われる点、ましてや、全体の販売費としてははっきり赤字になるであろうという線といたしまして六%という数字を選び出したということでございまして、画一的な基準を定めなければ、わがほうとしてとても取り締まりをする能力はございません。 それから、仕入れ価格そのものでいくか、あるいはこういうふうに多少なりとも経費の一部を乗っけた価格を画一的にきめまして、それでこれはその程度であれば、案外そういうところは、販売上の仕入れの上においても販売面においても帳簿はそう簡単に二重、三重にはできない。全部レジスターで記録されております、販売面は。仕入れ面に実は問題がありますけれども、これも過去三カ月間の平均。というのは、廉売をするために、不当に安く売るために不当に安く仕入れるということをメーカーあるいは卸と契約しているのがあるわけです。つまり、あしたかあさって廉売しようと思うと、その直前にかって非常に廉売用の安い仕入れ価格をつくってしまっている、こういう作為が行なわれる公算が多分にございますので、過去三カ月間の平均といえばそういう作為はおそらくできないだろう、それを相手方から計算さして出させると、それと突き合わせるという方法でございますので、情報としては各消費者、あるいは同業といいますか、小売り業等からのいろいろな情報はおそらく予想以上に多いと思います。 で、これに十分対処できるかどうかやってみなければわかりませんが、私どもは指導も加えながら、実はこういうことについてある程度規制が可能であると、死文化してしまって何も働かないというようなことはないと、チェーンストア協会等に対しましてもいろいろな方法で実は自主的な規制を講じさせることも不可能ではありませんし、できるだけの措置をとって、死文化になるというふうな批判に対しては、そうでないということをお答え申し上げたいと考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 最後に、大臣にお伺いします。 いま公取委員長の答弁のように、なかなか確信を持って公取委員長は答弁をしていらっしゃいますけれども、実際、消費者の立場から見れば、国民感情といいますか、消費者の立場から考えて、まあ、これは素朴な理論か知れませんよ。こういうふうに物価が高いのに、安売りしたってどういう問題があるんだと、むしろ政府は物価を安定さし、また、安くするようにいま対策も検討しておるわけですからね。だから、どうも首をひねって消費者団体は反対しているわけですが、この両面から考えて、大臣はどのように調整なさるのか、その辺のところを最後にお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公取委員会は、われわれとは特立している機関でございますから、われわれがとかく申し上げることは差し控えたいと思います。自民党の中にもいろいろ考えはあるようでありますが、まあ、そういう手続問題の当否というような問題は多少あると思いますけれども、大局的に見て、今回の決断には敬意を表したいと思います。
○委員長(佐田一郎君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十三分散会 —————・—————