商工委員会 第13号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1973/06/21
会議録
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十五日、木島義夫君及び黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として安田隆明君及び峯山昭範君が選任されました。 また、昨二十日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として片山正英君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐田一郎君) この際、おはかりいたします。 大谷藤之助君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 つきましては、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に剱木亨弘君を指名いたします。 —————————————
○委員長(佐田一郎君) それでは次に、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤田進君 やがて環境庁長官も御出席いただくようでございますから、見えましたら、時間の都合でそのほうに切りかえさしていただきます。 先般、質問をいたしまして、大半は問題がまだ究明されず残っておりますが、本日、理事会の模様を承りますと、きょうじゅうにできれば質疑を終了したいとの意向のようでございますから、これに協力いたしたいと思います。 そこで、先日、各省庁にわたる、主として通産省についての質問の通告をしておきましたが、この点もしそちらで整理ができてお答えができれば、私のほうから反復しないで、指摘申し上げました諸点について一とおりの御答弁をまず承って議事の促進に供したいと、かように思います。
○政府委員(齋藤太一君) それでは、藤田先生から前に御質問の御通告をいただいておりましたので、それに即しまして御説明を申し上げたいと存じます。 まず、今後の新規に開発されます化学物質は年間どれぐらいになるかという点でございますけれども、従来は、大体年間国産が七十件から百件、輸入が三十件から五十件ぐらいでございまして、年間百件ないし百五十件新たな化学物質というのが毎年生まれておったのでございますが、本法が施行になりますと少しそのスピードが落ちまして、年間国産で三十から五十件、輸入は二十から三十件、合計五十ないし八十件ぐらいの件数になっていくのではないか、かように考えております。 こういった年間の開発されます新しい化学物質が全部事前に届け出がございまして、それの安全性を審査することになるわけでございますけれども、その試験の方法といたしまして、一つは分解性の試験ということで、活性汚泥を使いまして分解性の試験をいたします。それから蓄積性の試験につきましては、魚を使いまして、化学物質を混ぜました水の中でその魚を培養いたしまして、その魚の中での蓄積度を見る、こういうことによりましてまず試験をいたし、その結果、蓄積性が高く分解性が悪い、こういう場合には毒性試験に進む、こういうことになるわけでございます。 この審査にどのぐらいの期間を要し、どういつだ機関でそれを行なうか、ころいう点でございますけれども、まず、試験につきましては大体蓄積性、分解性の試験を行ないますのに二カ月ぐらい要すると考えております。さらに毒性試験にまいりますと、一年ないし二年を要するのではないかと思います。 この試験をどこでやらせるかということでございますが、これは財団法人化学品検査協会という機関、原則としてその機関に試験をさせまして、そのデータを化学品審議会の専門家でもあります審査の分科会にかけまして、その審議会の意見を聞きまして、通産大臣と厚生大臣が判定をする、こういうふうな段取りになってまいります。 審議会の構成でございますけれども、大体、医学、化学等の各分野の専門家並びに言論界、業界、需要者、消費者と、こういった各界の代表をもって構成をいたしたいと、かように考えておりますが、ただ、安全性の判定に関します分科会につきましては、専門の学者だけで構成をいたしたいと、かように考えております。 なお、現在ございます軽工業生産技術審議会はどうなるかという点でございますが、化学品審議会に模様がえをいたしますと、非常にその審議事項が多くなりますので、従来ございました軽工業生産技術審議会の雑貨部門、土木、建築材料関係の審議につきましては、通産省の現在ございます産業構造審議会のほうにその仕事を移しまして、化学品審議会はもっぱら本法の施行に関します問題、そのほか化学品に関します重要事項を審議する、こういうふうにいたしたいと考えております。 それから、この法律で難分解性、蓄積性、それから毒性があるということで、特定化学物質ということになりますと、製造、使用につきまして各種の規制がかかってくるわけでございますけれども、どういうものが特定化学物質として考えられるかという点につきましては、ただいまのところPCBを指定の第一号として予定をいたしております。そのほかのものといたしましては、まあ要注意と申しますか、特に念を入れてこれから審査する必要があろうと考えておりますのは、塩素系の、あるいはハロゲン系の多環化学物質、つまりベンゼン核がたくさんついておりますような、しかも塩素、臭素、弗素と申しますようなハロゲン化合物、この系統がこれから審査に念を入れる必要のある一つのグループかと存じます。もう一つは重金属の化合物でございまして、水銀化合物、あるいはカドミ化合物、こういったものにつきましては十分な審査が必要かと、こういうように考えております。 それから、この特定化学物質を規制するにつきまして、製造面でどういう規制がかかってくるかという点でございますが、製造そのものが許可制になりますが、同時に、製造の設備の基準というものをこの法律によってきめまして、その設備の基準に即して漏洩しないように製造を行なわなければならないということになっておりまして、基準にはずれております場合は、改善命令といったようなものをつけることにいたしております。 特定化学物質になりました場合に、どういうものが使用を許可され、どういうものが許可されないかと、こういう第十四条の関係でございますが、その点は、この特定化学物質になりますと、いわば人の健康を害する物質でございますので、私どもとしては原則として使用は認めないように、つまり製造も認めない、こういう姿勢で臨みたいというふうに考えております。ただ、ほかに代替品がなくて、その機能から申しましてどうしても必要なものであるということでございまして、しかもその使われ方が閉鎖系でございまして、使用中に漏洩するおそれがなくて、しかも回収が確実で無害化処理ができると、こういう用途がございます場合には、非常に限られた形で、使用の届け出制をしきながら使用を認めるというふうな法律の構成にはいたしておりますけれども、ただいま申し上げましたように、原則として特定化学物質になった場合にはその製造使用を認めないと、こういう方針で臨んでまいりたいというふうに考えております。 それから輸入の制限の関係では、十三条の関係でございますが、「政令で定める製品で特定化学物質が使用されているものを輸入してはならない。」、こういうふうな条文を置いております。特定化学物質あるいはその製品につきましては、国内で国産されるものにつきましては、政令で定める用途以外には一切使わせないことになりますが、輸入につきましては、特定化学物質の自体の輸入は許可制にかかるわけでございますけれども、これを使っております製品につきましては、特定化学物質が中におさめられておる製品であります場合には、外からなかなか特定化学物質が入っておるかどうかの見きわめが困難でございます。したがいまして、あらゆる輸入物質につきまして特定化学物質がその中に入っておるかどうかを一々輸入業者にチェックさせて、違反があれば罰すると、こういう法規制の形をとりますことは、非常に過剰防衛になりまして、実際上むずかしい面がございますので、特定化学物質が使われておりそうな品物を、いろいろ政府のほうで各種の情報なり外国のニュース等を調べまして、たとえばPCBで申しますならば、トランス、コンデンサーに主として使われるとか、あるいは感圧紙に使われるとか、そういう用途がわかりました場合に、そういう用途に即しまして品物を指定をいたします。そうすると、指定をされました製品につきましてはそれは輸入をしてはいけないと、こういうことになりますので、その製品の中に特定化学物質が入っておるかどうかは、輸入業者が自分でチェックをして判断をする、もし違反があれば罰則が適用になる、こういうふうな法律の構成をとっております。 それから既存化学物質の試験でございますけれども、現在既存化学物質は、この法律の公布日で大体七千種類ぐらいあるというふうに私ども判断いたしておりまして、これにつきまして、国の費用でもって今後なるべく短期間に一わたり安全性の審査を終わりたいというふうに考えておりますが、非常に大量に生産されておるもの、それから要注意と目されるような品目類、こういうものを先に取り上げまして、順次数年の間にこの七千品目の審査を終わりたいと、かように考えております。 概略、御説明を終わります。
○藤田進君 局長の答弁途中ではございますが、三木環境庁長官、特にお忙しいところを御出席を要請いたしましたところ、短時間ではありますが御出席いただきましたので、環境庁長官に質疑申し上げ、引き続いていま局長の答弁の残りはお願いいたしたいと、かように思います。 そこで、環境庁長官にお伺いいたしますが、本委員会は、ただいま化学物質についての新しい法制定について取り組んでいるところでございますが、御承知のように、いまやPCBの新しい汚染、これが魚介類を通じて人体へと、問題になっていることはもう御承知のとおりであります。これらのいわば汚染に対して、今回、水銀等汚染対策推進会議、これを環境庁長官主宰のもとに設置せられたのでございますが、これを見ますと、経過からすればPCBは何かこう軽く、当初の案にはなかったようなどうも経過もうかがえるわけでございますが、すでに問題になっております水俣その他のいわゆる有機水銀系、これらについては問題はございますが、あわせてPCB関係等を推進会議の課題にせられたように思います。 ところで、いろいろ現在提案されております法案について検討を進めてみますと、化学物質の審査及び製造等の規制に関するこの法案につきましてもそうですが、あまりにもこの法案だけでも通産大臣、環境庁長官、厚生大臣等々名前が出てきて、窓口が非常に複雑になっております。今度の推進会議を見ますと、これもどうも有力国務大臣ではございますが、しかし、あとは局長クラスを主として構成されていて、今日わが国の議会政治、政党政治等から見て、何といってももう総理大臣がうんと言わなきゃどうにもならないというのが現状じゃないでしょうか。きのう公害対策特別委員会でも申し上げたかったが、時間がなかったのですが、どうも環境庁は代々、時の内閣の国民に対する接触面としては、当たりさわりのいいことはたいへん大石さんも言ってきたし、その面で非常な期待を国民はいたしましたが、その成果がほとんどあがってないのですね。あがってないからこういうことになった。景色をこわすとか、そういうもの等のほかにもっと緊急なものが実はこういうふうになってしまっております。 そこで、いかがでしょうか、推進会議、いまとっさにどうにもなりませんでしょうが、早急にもっと有力な法制上の根拠を持ち、これはもう今日の法の構成からいえば、私的委員会とかそういったものは本来とるべきでないシステムになっているんです。したがって、環境庁であればそれでもけっこうですが、もっと一元化した——当面する汚染源をまずなくすることと、すでに汚染されている当面する問題と、これを今後どう復元していくかという、大きくは三段階に問題があると思うんです。とするならば、第一回会合の内容はあとでお伺いしますが、これだけ見ても相当な問題ですけれども、もっと行政の一元化と法制に根拠を持った対策、機構をお持ちになるべきではないだろうか。正力さんのときに科学技術会議なんて、総理大臣も引っぱり出してございましたが、これは実際には効果がなかったように私は思います。しかし、これは当面しておる国民的問題ですから、その辺の行政、窓口を含めたかまえ、取り組みというものについてもっと強化してもらいたいし、これは成果を早く有効に生み出すための私の希望でございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 御承知のように、現在の行政機構が各省に分かれて、そういうセクショナリズムの弊害というものがいろいろな場合に出てくると。しかし、さりとて公害問題の場合でも、いろいろ事業なら事業の所管官庁としては通産省がありますし、また、漁業の問題といえば農林省がありますし、だから公害行政を一元化するということはこれは不可能に近い。そこで、どうしても推進会議のような会議体で、そこで各省間のばらばらになっておる行政を一元的に運営していくということが現実的な方法だと思うんです。 だから先般は、あの推進会議のときに集まった者は局長でありましたけれども、必要があれば閣僚の会議もいたすわけであります。具体的に問題をきめたいと思ったので局長の会議にしたのでありますけれども、しかし、いろいろな方針をきめる場合には閣僚の会議をしなければならぬし、しかも、まあ私がこの会議の終始議長としての責任をとったわけでありますから、今後各省にまたがるような行政面のことについては各省が緊密な連絡をとらなければなりませんが、責任はやっぱり一元的に環境庁長官が持つべきである、そういうことでこの推進会議も運営をしたわけでありますが、今後もそういう形で運営をしていきたい。藤田委員の御指摘のような、ばらばらで何かまとまりがつかないような従来の会議に反省を加えて、いま言ったような形で環境庁の長官が議長としての責任をとる、きめたことに対してはこれを実現をはかるために推進もしていくし、そういう形でいまの分かれておる公害行政を事実の上において一元化するように運営をしたい、こういうやり方がいまの行政機構の中からきわめて一番現実的ではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○藤田進君 名称は対策推進会議ですが、この内容は、今日まで発表された限りでは、各関係省庁がそれぞれ対策を樹立する、この会議でではなくて。その樹立された対策を相互に調整をはかっていく、その対策、きまったものを推していく、推進するのだと、対策機関ではないのだと、こう見るわけですが、いかがでございますか。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはりこの場合に、きまったものといいますけれども、それは会議の中で一体どういう問題をいま早急に解決せなければならぬかということも相談をするわけでありますから、対策について協議をし、そこできめられたものを推進の責任をとっていこうというのが推進会議の役割りでございますから、対策もそこで協議をするのであるということでございます。
○藤田進君 そうすると、かりにヘドロ処理とか、あるいは各種の調査の実施についてのプロセスとか、あるいは予算、これはかなり膨大な予算を伴うと思いますが、これらは環境庁長官が主宰するこの会議、もちろんメンバーは案を持ち寄るのでしょうけれども、ここが最終的には調整をはかって結論を出して、そうして、この結論については内閣全体がこれに従う、大蔵省も予算についてはとやかく言わないと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(三木武夫君) そのように理解してくださってけっこうでございます。
○藤田進君 時間がないようでございますが、そこで、だとすれば、いま第一回会議で出ておりますものだけ見て私はいろいろ問題があると思います。たとえば監視体制の強化、これは海上保安庁などが監視体制の中心、強化をはかるとなっておりますが、もう海上保安庁の段階ではおそいのじゃないでしょうか。工場、いわゆる汚染源そのものが、これは通産大臣の所管でしょうから、工場をその時点で押えていかなければなりませんが、いずれにしてもこういう強化、それからヘドロの問題、あるいはまたこれに関連する下水道浄化諸施設等々を見ますと、第一回の御指摘の点十項目、これらについてこまかく聞きたいのですが、時間がないようですから。幾らかかりますか、これで。 〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
○国務大臣(三木武夫君) この中で予算的な措置をいますぐに伴いますのは、漁業に対するつなぎ資金ということと、それと健康調査、環境調査というものは、これは大きな金額にはならぬわけでありますが、この点については大蔵省も、ここの会議できめた予算は支出をするということでありますから、さしあたりは健康調査、環境調査、漁業のつなぎ資金と、大きな金額にはならない予定でございます。
○藤田進君 もう一点だけ。かなりの金額にならないとすれば、これは全く問題じゃないでしょうか。そこでこの機関以外に閣僚の協議会、閣僚の会議を用意しておられることがいま御答弁にありましたが、これは閣僚ではなくて——閣議はもう恒例、見ましても、能率だけがあがっておりますけれども、内容はなかなか問題があるようで、この閣僚会議はどういう機構でどういう運営が考えられているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(三木武夫君) この推進会議でいろんな対策も協議して、そして現在の実務的な結論を出すわけですが、大きな方針に関係をするようなことは——この会議体のメンバーというものは公害問題に関係をする会議でありますから、必要に応じて閣僚会議を開催をして、そして大きな方針はきめるような必要が起こったときには、閣僚のレベルでの会議を開きたいということで、この会議と関連は持ちますけれども、しかし、それは必要に応じて大きな方針をきめなきゃならぬ場合に閣僚会議を開くという考え方でございます。
○藤田進君 齋藤局長のいままでの御答弁でございますが、かなり私どもその所論に対する異なった意見——あるいはもっと詳しく聞きたい点はございますが、なお質問を通告いたしました自余の重要な諸点について、続いて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(齋藤太一君) 次に、第二十二条の関係の特定化学物質の指定に伴います措置命令でございます。新規にこれからつくられます化学物質は全部事前に、製造前に審査いたしますので、特定化学物質という指定があります場合に、そういったものがすでに出回っておるとというふうなことは考えられないわけでございますけれども、既存の流通を現在いたしております物質につきましては、これを本法施行後安全審査をいたしましたときに、特定化学物質に該当するということで指定をいたすことになりました場合は、すでに出回っておるものをどうするかという問題がございます。で、それが少量でございます場合には、あるいは回収の必要がない場合もあろうかとも思いますが、相当大量に出回っておりまして、これ以上の環境の汚染の進行を防止するためには、それを回収をしたほうがいいと、こういうふうに考えられます際には、そういった特定化学物質のメーカーあるいは特定化学物質を使った製品のメーカーに対しまして、その特定化学物質なりそれを使いました製品の回収をはかることを命ずる規定を設けております。また、製品の回収以外にもたとえば使用製品の製品名を公表するとか、在庫を動かさないように指示をするとか、販売先を全部確認して報告しろとか、各般の所要の措置命令が出せるような条文を置いておりまして、これによりまして既存の化学物質につきましても、それが特定化学物質になりました場合の汚染の進行を極力食いとめたい、かような規定を設けております。 それからもう一つは、二十三条の関係で勧告という規定を置いてございます。これは特定化学物質に指定をいたすにつきましては、先ほど申し上げましたように、一年ないし二年の毒性試験を必要といたしますが、その毒性試験のまだ完了しませんうちに、どうも試験の中間的な結果では、相当特定化学物質になる可能性が強いというふうな事態になりました場合、あるいは、外国ではすでに禁止措置がとられているといったような事情が判明いたしました場合には、まだ国内では特定化学物質にするほどデータが全部試験が終わっておりません場合でも、自主的にこの製造なり輸入、あるいは使用を制限するように勧告をすることができる規定を置いておりまして、これによりまして当面それ以上の汚染の進行を中止させまして、さらに試験が完了しました結果、特定化学物質ということになりますれば、特定化学物質としての指定をいたしまして、所要のこの法律に基づく規制を行なう、こういうことになるわけでございますけれども、そこに道程での、中間的な過程でも、製造、輸入等をとめさせる勧告をする規定を設けております。 それから、審査がミスがございましたりして、化学物質を審査して、一応安全であるということで製造を認めましたのちに、これが有害物質等であったというようなことが判明をいたしまして、いろいろ対策を講じなければならぬ、こういうことになりました場合の国、企業の責任はどうかという点でございますけれども、まず国につきましては、この法律に基づきまして、新規の化学物質等は事前審査を行ないますが、その審査につきまして過失が国側にございました場合には、国家賠償法の賠償の適用があろうかと存じます。したがいまして、審査につきましては、十分慎重を期しまして、さような事態がないようにいたしたいと考えます。 それから、国が審査をして、一応安全であるということで認めたものについては、後ほどそれがそうでなくなった場合には、企業は賠償の責任を免れるかということでございますけれども、およそ企業は、自社の製造販売いたします製品の安全性につきましては、常にそれが安全であることを確認する注意調査義務があろうかと存じますので、その注意調査義務に懈怠がありました場合には、たとえこの法律によりまして一応製造を認められたものでありましても、その企業としての民法上の賠償責任を免れないものと判断いたします。 それから、化学工業におきます無公害化のためにどういった施策をとっていくかという問題でございますが、私ども考えますのに、大体三つの段階があるのじゃないかと考えております。 第一は、製造工程におきまする無公害化の問題でございまして、そのためには、一つはクローズドシステムをとりまして、有害物質を絶対に外に、大気あるいは排水中に排水をしない、こういった生産工程をとらせるように努力をいたしたいと考えます。さらにもう一歩進めまして、およそ有害物質が出ないような生産工程に切りかえていく、こういうことも必要かと存じます。たとえばいま問題になっております水銀電解法によります苛性ソーダにつきましては、現在も水質汚濁防止法の規制がかかっておりまして、排水中からは水銀を検出してはならないことになっておりまして、この点はいろいろの慎重な排水処理をいたしておりまして、監督をいたしておられます都道府県の立ち入り検査によりましても、違反は現在は判明するようなケースはございませんが、さらに念を入れまして排水を外へ出さないで、水銀工程に使いました水は全部もう一ぺんもとの工程に戻しまして循環をさせる、こういった水の工程に切りかえるような指導をいたしまして、来年の九月までに苛性ソーダ工場は全部そういう工程にかえさせたいというふうに考えております。さらに抜本的な対策といたしまして、おおよそ水銀を使わない製造工程に工場を転換をさせたいというふうに考えておりまして、これは五十年の九月をめどにいたしまして極力その転換を進めたい、かように考えております。 それから二番目が、ただいまのは工場の工程におきます無公害化の問題でございますが、次に、つくりました製品が公害を起こさない、これが二番目の問題でございます。この点が本法の主たるねらいとするところでございまして、つくられた製品が市場に出回りまして使われて廃棄された場合に環境を汚染しないように、世界にもあまりまだこういった立法例ございませんが、事前審査制というものを導入をいたしたわけでございます。 それから、三番目が廃棄物の安全の問題でございまして、これにつきましては、プラスチックの廃棄物等が非常に処理が困難である等の問題がございますので、プラスチックをさらに油に還元する方策、それからプラスチックをもう一度プラスチックに変える方策、あるいはこれを完全に燃焼させまして無害化する方策、こういったものの試験、研究を進めますとともに、プラスチックの処理専門業者の設備の増強に対しまして国が債務保証資金を出しまして、そういった処理業者を多数つくりましてプラスチックの安全処理を急ぐ。それからただいまの試験、研究につきましても業界のプラスチック処理促進協会に補助金等を交付いたしまして研究をさせる、こういった施策等を講じまして廃棄物の無公害化に現在努力をいたしておるところでございます。 御説明、概略以上のとおりでございます。
○藤田進君 若干答弁漏れもあるようですが、私の持ち時間の関係で、また他の委員の質疑に期待をいたしたいと思います。 それで通産大臣、いま局長からの答弁がございましたが、連合審査の際に環境庁長官からも指摘のあった、どうも環境庁長官としてはソーダ工業についても五十年九月ではなくてもっと短縮して、これが製造工程システムの転換ということで隔膜法を少なくとも期待されたようにもうかがえるわけですけれども、通産省は、五十年九月を目途にして極力ということですけれども、二年と三カ月まだあるわけで、日に日に伝えられるものを見ますと、すでに徳山湾が基準を相当大幅に上回った汚染状態がすでに伝えられております。 徳山から岩国へかけてチェックの体制も非常にずさんですし、問題があるわけですが、これはPCB、それから徳山関係は主として徳山曹達等に見られるソーダ工業でありますが、そう二年もこれを放置されるということになりますとたいへんなことではないだろうかと思うのであります。これを極力というのでなくて、何とか——それは工場は困るでしょう。困りますけれども、この周辺の者、私も広島ですけれども、地元へなかなか帰れないが、いろいろ送ってくるもの、それから地元の中国新聞等がこうしてここに届けられておりますが、もうすでにやみみたいなことで、徳山、岩国関係の魚介類が広島ないしそれ以遠に、市場に出ていて、これがいま問題になっております。出荷停止後出回っておりますね。そういうなかなか捕捉しがたい現状なのですから、汚染源だけは何とかこれは早くとどめを刺していただきたい、かように思います。岡山県もすでに水銀汚染が問題になって、いま私のところにきております。これは政府はむろん御存じないことはないと思いますので、二年三カ月と言われて、われわれがああそうですかというわけにまいりませんので、時間もないので、しばしば立ち上がって追及いたしませんが、中曾根通産大臣、決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 地元の皆さんの御心配はごもっともなことであると思います。通産省といたしましては、技術的に見まして、また隔膜の材料供給等の関係も見まして、この時期を一応お願いしたわけでございますけれども、この期間内におきましても、できるだけ早く切りかえを行なうように企業を督促して、一体になって皆さんの心配をなくすように努力してまいりたいと思います。それから、やはり企業の工場管理をもっと徹底させるように私たちはいたしたいと思います。放置しておきますと、ややもすればずさんになります。したがいまして、住民の皆さんに御迷惑をおかけしないという点については、われわれも共同責任を持っておるという気持ちでございますから、そういう意味におきまして、われわれの責任であるという気持ちを持って一生懸命努力していきたいと思います。
○阿具根登君 関連したかっこうになりますが、大臣に御質問いたします。先ほど三木長官の御説明でも、責任は環境庁だということを言っておられたのですが、私はどうもこれはあまり納得できないんです。予算もないし、機構も持ってない環境庁が、膨大な機構、予算を持っておる厚生省や通産省を押えていけるか、私は有名無実だと思うんです。 そこで通産省にお尋ねいたしたいのは、もう十四、五年にもなりましょうか、水俣病ということばが言われた当時、私は社労委員長をやっておりました。そして水俣も郷里でもございますし、数回私は帰って実態を見てきたわけなんです。そして熊本大学の所見もお伺いして、国会の場で論争いたしましたが、このとき厚生省は熊本大学の見解を肯定してくれたわけなんです。ところが、通産省は会社側の科学者の見解を持ってきて、そして会社の代弁を通産省がやったから今日まで長引いてきたんです。あの当時、今日のように公害で騒いでおらなかった。しかし、この公害はもう当然出ておったわけなんです。そうやった場合に、あのときに通産省が、熊本大学が出してくれた資料に基づいてこれは公害だということを言って対策を立てておったらば、ずいぶん私は変わっておったと思うんです。ところが、通産省は会社側の考えた方をのんでしまった。厚生省は熊本大学の考え方を一応肯定してくれました。しかし、そのままこれは進まなかった。だから、通産省の態度が私は今日の状態を生み出しておると思うんです。その後でもつい三、四年前、三年前になりますか、通産省が中へ入って、そうして和解をさせる。この和解については一切文句言いません、提訴もいたしません、一切御一任申し上げますという白紙案を出したのは通産省なんです。だから今度は裁判に踏み切ってきた、こういうことで、通産省の姿勢が企業から離れない限りは、私は何ぼりっぱな法律案をつくっても、あるいは環境庁に責任があると言っても、私はなくならないと思うのです。 これは中曾根通産大臣に責任があると言っているわけじゃございません。当時の通産省を責めているわけではございません。その当時はそういう機構であったと思う。また、世間もそこまでこの問題について騒がなかった。しかし私は、自分の言った問題を議事録を見てみても残念でしょうがない。そのとき、通産省が熊本大学の出したのを資料として、これはほんとうに公害だという診断を下しておったならばずいぶん変わって、今日こういう問題は起こっておらなかったかもしれない。あげて通産省に責任があると言っても私は過言じゃないと思うのです。だから、この責任の所在を明らかにせよということを藤田委員も迫っております。私も迫っておるけれども、環境庁長官がこの責任を持つとおっしゃっても、膨大な力を持っており、予算を持っており、機構を持っておる通産省が本気にならなければだめだと、私はこう思うのです。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘の点は、通産省として大いに反省しなければならぬ点であると思います。公害に対する認識がまだまだ非常に不十分でございまして、疑わしきは措置する、そういう精神に欠けていたように思います。やはり今日の時点に立って見ますと、これは将来われわれ戒めなければならぬことでありますが、疑わしきは措置するという精神で厚生省と一体となってやってみたいと思います。 直接、工場、会社に対する責任、監督は通産省が担当しておることでありますから、その点は深く戒めていきたいと思います。
○阿具根登君 それから別な問題だけれども、水産庁と厚生省にお尋ねいたします。 これは私陳情を受けて、まだ現地へ帰っておりません。近々現地に帰りますが、有明海は御承知のように遠浅でありまして、潮の干満の差が非常に大きいところであり、魚介類の宝庫であります。私の子供の時分は、海に行ったならば貝は、自分の一家が食えるほど、自分のからだで持てないほどの貝がいつもとれたところなんです。ところが、大牟田川の汚染ということで、汚染地域だという指定を受けて、その貝はとれなくなった。とれなくなったから非常に貝が繁殖しておる。とってもその付近の人は食いません。買いません。売れません。だから非常に貝が繁殖している。ところが、いつの間にか夜だれかが来て、船でその貝を多量にどっかに持っていく、こういうことなんです。そうすると、その貝はだれかが食っておるわけです。魚は遊泳しておるからなかなかむずかしいのだけれども、貝は泳いでおらないわけなんです。その貝が夜どんどんとられてどっかに売りさばかれておる、こういう陳情を受けております。 そうすると、水産庁はこういう問題に対してどういう対策をとっておられるか、さらに厚生省は、今日こういう問題が起きておるときに、たとえば貝のつくだ煮、かん詰め、そういうものを検査されたことがあるかどうか。汚染された地域の人たちは食わない、買わない。ところが、知らないところにその貝が大量に出回っておって、あるいはかん詰めなりつくだ煮になって市販されておるのではないか、私はこう思うのです。それに対してどういう監督をされておるか、調査をされておるか、その点を水産庁と厚生省にお伺いいたします。
○説明員(前田優君) お答えいたします。 有明海の問題につきましては、特に水銀の問題につきましては、先般の武内教授の発表によりましてクローズアップされました問題でございます。したがいまして、有明海の環境調査というものも、いままで十分に行なわれていなかったということになるわけでございます。したがって、あの政府のいわゆる水銀汚染の対策推進会議におきましてきまっておりますように、有明海の環境調査につきましては環境庁が中心になりまして、魚介類等につきましての分野は水産庁が担当いたしまして、早急に調査を開始するという段取りになっているわけでございます。 なお、先生御指摘の、大牟田川の河口周辺におきますところの貝の問題につきましては、あそこのところは漁業権が設定されておりまして、おそらく密漁船の問題かと思うわけでございます。したがって、衛生面におきますところの禁止区域とか、または自主規制区域というものの設定がまだ行なわれていないわけでございます。漁業の問題としての密漁の問題につきましては、当然私どもなり、または海上保安庁なりが取り締まらなければならない責任があるわけでございます。御指摘もございましたので、十分調査いたしまして善処してまいりたいと、このように考えます。 〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
○政府委員(松下廉蔵君) ただいまのお尋ねの点、私、薬務局長でございまして所管でございませんので、ただいま担当者を呼んでおります。間もなく参りますので、お答えをしばらく留保させていただきたいと思います。申しわけございません。
○阿具根登君 厚生省もまだ見えておらぬ、運輸省も見えておらぬようですから、水産庁に重ねてお尋ねいたしますが、有明海全域の問題については、第三水俣病で今度問題になりまして、確かにそれから調査されておられるからまだ結論は出ておらない、私もそれは肯定いたします。しかし、大牟田川は、もう当初からこれは汚染されておるということが言われておったわけです。そうして、あの一番潮干狩りにいいところは、潮干狩りは禁止されておるわけです。だれも食べないわけなんです。それで非常な繁殖をしておる。それが夜どんどん船でどっかに運ばれておる。とすれば、その貝をだれか食っておることは事実なんです。わざわざ責をとって、どっかに捨てにいく人もいないでしょう。だから、これは売るためでしょう。そうすると、大阪であれ東京であれ、そういう汚染された貝が加工されて国民の口に入っておらないとは断言できないわけです。 だから、そういう汚染区域を指定されたならば、水産庁は直ちに手を打たなければならないと私は思っておるわけです。有明海全域の問題じゃないですよ。それから水俣湾とかあるいは大牟田河口というのは、当然いままでに調査もされておらなければならないし、監督もされておらなければならないわけなんです。それを全然ほうっておかれたのではないか。ただ水俣だけが水俣病ということで非常に騒がれておるから、これはまあ相当計画されておったかもしれないけれども、この大牟田川について非常な手落ちがあったのではないか、現在もそういうことが繰り返されておるのではないか。私は近々に帰りますから現場を見てきたいと思っておりますが、その点について何か対策を立てておられたのか、どうされておったのか、有明海全般の問題じゃないです。
○説明員(前田優君) お答えいたします。 大牟田の問題につきましても、いわゆる現在問題になっておりますところの宇土の日本合成の問題にいたしましても、また徳山の問題にいたしましても、岡山の問題にいたしましても、逐次いろいろなデータまたは情報によりまして、汚染の状況が明白になってきているわけです。で、大牟田の問題につきましては、カドミウムの問題につきましてはいろいろ問題になりました過程がございまして、私どもは報告を受けておりますが、水銀の問題につきましては、あまり県からも実は報告を受けておりませんものですから、直ちに連絡して、調べまして善処したいと思います。
○説明員(三浦大助君) ただいまの魚介類をつくだ煮にして売っているというお話でございますけれども、水銀の基準値を間もなく私どもきめたいと思っております。もしそういう事態があれば、この基準値に照らし合わせまして立ち入り調査ができます。それによってまた食品衛生法上とる態度がございますので、もしわかりましたらひとつそれを教えていただきますと、私どものほうで手を打ちたいと思っております。近く基準値等ができますので、その基準値に基づいて指導なり監視なりするということになろうかと思います。
○阿具根登君 つくだ煮だ、かん詰めだと限定しておるわけじゃないんです。いいですね。ここは汚染されておるからこの貝は食べちゃいけません、とっちゃいけませんと言われておるから、今度は取らないから貝がうんと繁殖しておる。すると、その貝を夜船でどこかに運ばれておるとするならば、あるいはそのままどこかで売られておるかもわからない、あるいはつくだ煮にして売られておるかもわからない、かん詰めにして売られておるかもわからないけれども、この汚染されておる、汚染地域だと言われておるところの魚介類がどこかに持ち去られておる、どこかで売られておるという現実があると、それならばそれに対する厚生省なんかが基準をやられる場合に、たとえばかん詰めの貝なら責、どこでとれた貝かわからないでしょう。これは水俣でとれた貝ですとか魚ですとか、有明海の魚ですとか言わないでしょう。いま売っておるところは汚染されておらない魚です。汚染されておらない貝ですと言って売っておるんです。これは汚染されておる貝ですと言って売っておるところはないです。そうすると、どこで汚染されておるかわからないから、抜き取り検査でも何でもいいから、かん詰めにしろつくだ煮にしろ、大阪でつくったにしろ東京でつくったにしろ、そういうのも検査しなければならぬじゃないか。そうしなければ、どこから来たかもわからぬ汚染されたやつが国民の食ぜんに上がるじゃないか、それを厚生省はどう考えておりますかという質問なんです。
○説明員(三浦大助君) そういう疑わしき事実がございますれば、私ども貝類を重点的に監視、指導する手段もできるわけでございます。もしそういうことがございましたらひとつ教えていただきまして、また、実際そういう汚染がありましたら、今後貝類を重点にやるという方法もとれますので、そのように対処してまいりたいと思っております。
○阿具根登君 じゃ、もう運輸省がきょうは見えないそうですし、時間もありませんからやめますが、通産省じゃないですけれども、通産大臣に聞いてもまずいかもしりませんけれども、水俣湾のヘドロでこれは運輸省のほうに一億数千万の予算がついておる。また、これは県のほうでもやるようになっておりますが、水俣湾でこれだけ汚染された湾のヘドロを一体どう処理しようとするのかという問題なんです。もしもこれを、ポンプでヘドロを引き上げるということになってくると、相当な撹乱が起こってヘドロが流れて出回る。そうしますと一部の湾は、一番汚染されておるところは埋め立てせにゃならない。そうすると一億や二億の金でどうにもならない。こういう問題がありまして運輸省に質問したかったのですが、きょうはどなたもおいでじゃないそうですし、私も時間が少ないですのでやめますが、通産省の所管でないから大臣に質問してもまずいでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 事務当局に聞いてみましたら、汚染濃度の高い地域を埋め立てる計画をいま各省で相談している由でございます。予算が不足の場合にはこれに必要な予算を各省で措置して埋め立てを行なう、こういう方針でいる次第でございます。
○藤井恒男君 通産省にお伺いしますが、本法案の審議が始まってかなりな日数になり、多くの方からいろいろ質問されておりますので、重複するものを避けて一つだけお伺いします。 それは既成化学物質ですね、既成化学物質が輸入品二千、出回っているものが七千種類というふうに聞いております。この既成化学物質の審査を行なうにあたって両三年は要するであろう、これはせんだっての連合審査のときにも局長から御答弁があったわけです。そうしますと、特定化学物質というものに指定されたならば、その時点において疑わしきものについて回収等の措置は講ぜられるというものの、現実の問題として数年、長いので四年かかるということだけれども、その間にたまたま現実の問題として、いま起きておるPCBの問題あるいは水銀の問題というような問題が自後に発生した場合、その責任は国がとるということになるのかいなか。数年間は審査に要しておる、そうしてかりに六、七年後にいま起きておるような問題が起きた場合、その責任の所在はどうなのか、やはり発生源たるこれは企業がそれを負担するものであるか。この法案が通った以降、それは法に基づいて特定化学物質として審査を受けておる状況、リストにも載っておる状況、その製造はまかされた、あるいは制限を受けつつもそれを製造することが許可されておるという状況が発生をしていくわけなんです。この辺のところを先々のことであるが、現実の問題としていまPCBの問題も起きているわけですから承っておきたい、どうですか。
○政府委員(齋藤太一君) 御指摘のように、既存の化学物質は約七千でございますが、全部が全部試験を要するわけではございませんで、大体過去の知見等から見まして、まあ安全であるということが判明しているものも相当ございまして、七千のうちでおおよそ試験を要するものが四百ぐらいであるというふうに考えております。これにつきましてはなるべく、大量に現在生産、使用されているもの、一応年間千トン以上生産されておるものを先に審査をしたいというふうに考えております。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたような構造から見まして、いろいろ人の健康に害を及ぼすおそれが、ほかのものに比べますとやはり危険性が高いと目されるもの、こういうものをなるべく先に取り上げまして試験をしてまいりたいと考えておりますが、試験を実施いたします機関が限られております関係で、やはり全部終了しますには三、四年かかるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。その点は極力早く進むように、予算措置をさらに来年度等も大幅にふやしまして実施をするように努力したいとは考えております。 それで、これの審査がまだ終わらないうちにPCB類似の問題を起こした場合の国の責任いかんという御質問でございますけれども、早くその審査をしてこれを見つけるべきであったにもかかわらず、審査がおくれまして、そのために本法施行後にもそういったPCB類似のものがまた出現をしたというような場合につきましては、もっと早くそういうものの審査を終わるべきであったという意味合いでの国の行政上の怠慢等を責められると申しますか、そういう意味での行政の姿勢としての問題、批判等は出るかと存じますけれども、法律的に、国がそれで賠償の責任があるといったようなことにはならないと思っております。
○藤井恒男君 現在、実際に審査を必要とするものは、七千種類のうちまあ四百種類ぐらいだろう、その他大体知見でわかる、四百種類のうちもさらにしぼめていけばかなり減っていくだろうということでございますが、現実の問題として化学工場などの実例を見ますと、それが生産されている規模の多寡にかかわらず、きわめてPCBに類似する化学物質というのは現実に多いわけですよ、触媒その他が非常に発達しておるわけで。そうだとすれば、私がいま言ったようなことは起こる可能性は十分あると思うんですよ。そのときに、いまおっしゃるようにこれは行政上の面から見れば企業と通産省の関係になっていくと思うのだが、行政上の面から見れば、企業としては国に責任を転嫁するという論旨は、これは私は成り立つと思うんですよ。本法施行後の問題ですからね、だからこの辺のところはよく考えなきゃいかぬ。しかしまた一面、それをおもんぱかって、疑わしきはということですべてシャットアウトするということになると、これはまた化学工業界においてはたいへんな混乱を招くことになる。だから一見非常に新規のものは完全に、何といいますか、輸入品であろうと何であろうと窓口をつくって水も漏らさぬ体制という形はよくわかる。しかし同時に、既存のものというのがあるわけなんだし、しかも日々これが生産されておる、こいつがあるわけですから、この辺については非常に机の上ではうまく処理されるようなプログラムが組まれておるけれども、現実の問題としては非常に私はあとに問題を残しておると思うのです。この辺について大臣どうですか、これは重要な問題だと私は思うんだけれども、詰めがもう一つ足りぬのじゃないかという気がするんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 藤井先生おっしゃいますように、いま既存のものの中で、ないということは保証はできないのでありまして、あるいは少量つくられている、使われているものの中にあるいはあるかもしれません。そういう意味をもっていろいろ検査をするわけでございますけれども、やはりPPPの原則に基づいて汚染者負担ということで、責任は、やはりそれを使っており、産出している企業が責任を負うべきであって、この点は明確にしておかなければならぬと思います。やっぱりつくっている者が社会に責任を負うのであって、政府は国民の名前において監督するという立場にあるわけでございますから、責任者に対してやはり責任を厳重に究明するという立場はしなくてはならぬと思うのであります。そういうふうに企業を指導して、そして、自分でそういう責任に応ずるだけの検査なり何なりもやるべきである。国におぶさって試験検査まで依存して、国の責任のような感じを持つこと自体が間違いである、私はそう思うわけであります。そういう精神で企業を指導していきたいと思います。
○藤井恒男君 いろいろ若い研究者などの話など聞いてみますと、そのことが人体に影響を及ぼすという疑いがあるにもかかわらず、その化学製品を用いておるということは考えていない、自信を持っておる、しかし、現実にこれは未知の世界だから、それがやがて人体にあるいは動物等に被害を及ぼす結果になっておるんだということを、私はある意味でわかるんですよ。そうだとすれば、いまおっしゃる点はこの筋論として私よくわかりますけれども、要はこの検査体制というもの、やはり本法施行後の問題ですから、検査体制というものをもう少し確立して、すみやかに既存物質について洗いをやるということにしなければ、問題は非常に複雑だという気がしてならないんです。もちろん私は、企業側のサイドに立ってものを言っておるんじゃないんですよ。むしろ、それを受ける国民の立場に立ってものを言っておるんだけれども、一面、この生産活動というものはゆるがせにできない問題でもあるという状況から、十分この検査体制の強化というものをはかって、そして既存物質の洗いを急ぐということにしていただかなければ困るんじゃないだろうかと思います。四年もかけておったんでは、とってもじゃない、私は問題が続発する危険性があると思いますので、念のために申し添えておきたいと思います。 それから最後に一つだけですが、それはこの本法の審査の期間中に、たまたま私も申し上げましたし、多くの方たちからも指摘された問題が凝縮して発生しておる状況があります。それは愛媛県の問題で、私も愛媛県ですからこの事件は手にとるようにわかるんですが、住友化学の菊本製造所、これは水銀を使用しておるんですけれども、もう新聞、テレビなどで連日報道されてよく御存じのとおり、新居浜と垣生の漁業組合が、とうとうたまりかねてこの住化の排水口二本を閉鎖するという実力行使に出た。しかも、住化に出入りする船舶はそこでシャットアウトするという状況になっております。住化としては漁業補償はしないということで、この漁民に放水などをしてこれを散らす、また、海上保安署は巡視艇を出動して漁民にその封鎖解除を呼びかける、たいへんなこれは騒動が起きている。同時に、新居浜市内にある魚の小売り業者は三日間にわたって小売りの販売をやめた、いわゆるゼネスト、そしてその補償を住化に求めておる。これは新居浜市内、小さな漁村、工場街でございますが、たいへんな混乱におちいっておるわけです。大阪曹達の松山工場についても類似の、高浜、和気、三津浜の三町の漁協が水銀使用の問題で一日休業して、この問題に処置しろという問題提起をしておるわけですが、新居浜の問題に限って私お伺いするんですけれども、一つは通産省に、この住化の問題について住化をクロと見ておるのか、シロと見ておるのか、あるいはこの問題はいまに起きた問題じゃないんだけれども、行政指導としてどうしておったかということをお聞きしたいと思います。それから、現在この状況に照らして住化の操業はどうなっておるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(齋藤太一君) 住友化学の菊本製造所の件でございますが、ここは水銀電解法によりまして苛性ソーダ並びに塩素を製造いたしております。今回、第三水俣病と申しますか、有明海の汚染問題が出ましたので、この際、水銀を使用する工場の総点検をいたすことにいたしまして、今月中に苛性ソーダの全国の五十工場余りを全部通産省並びに県等で現地調査をすることにいたしておりまして、この住友化学の菊本工場につきましても、現在、現地調査を実施中でございます。これはこの工場ができまして以来の使いました水銀の量、それからそれがどういうふうに処理されたかと、工場外にもし排出されておるとすればその排出された量等々につきまして、現場に当たりまして現在調査をいたしております。まだ調査の結果が出ておりませんので、いずれ調査結果がわかりましたらばこれは公表いたしたい、こういうふうに考えております。 なお、工場の指導につきましては、水銀工場につきましては、排水中から水銀が検出されないことということが現在の水質汚濁防止法の基準になっておりまして、それに合致するように工場側としましては各種の排水の処理装置をつけまして、活性炭処理、アルキド樹脂処理、イオン交換樹脂処理、そういった樹脂等を使いまして排水中の水銀を回収をして、排水の中に一切水銀が検出されないように行なっておるはずでございまして、これは県が現在水質汚濁防止法に基づきまして取り締まりの権限がございますけれども、県の取り締まりにおきましてもその違反はないというふうに私どもは聞いておるところでございます。 ただ、問題といたしましては、水銀のこういつた水質に関します規制が始まりましたのは昭和四十四年からでございまして、それ以前は何も法律的な規制がなかったのでございます。そのころは通産省が行政指導という形で排水処理等の指導を行なっておりましたけれども、ただいまのような時代と違いまして、水銀の危険性につきましての知見も当時はまだ鈍くございましたし、そういう意味で、これは非常に古い工場でございますので、過去におきまして、あるいは若干量外に流れておる分があるんじゃないかというふうにも懸念されますが、この点はただいま現地調査中でございます。
○藤井恒男君 時間がありませんから、私一括してあとお聞きしますけれども、この住友の問題、新居浜の問題は、先ほど私が申したように、まさに今日的な凝縮された形のものだろうと思うのです。工場側は、法に照らして何ら疑わしきものはないぞ、だからわれわれが操業するのは一向差しつかえないじゃないか、補償その他に一切応ずる必要ない、こういう姿勢をまず持っておる。それを規制する何ものもない、まだ行政指導としても取り締まるものもない、クロかシロかの判定もできていない。ところが新居浜でとれる魚は、腰が曲がったりした魚が現に幾らでもとれているじゃないか、したがって、それを人は買ってくれない、漁民は食うに困る、操業できない。明らかにその周辺では菊本工場しかないじゃないか。だけれども、持っていくすべがない。したがってその補償を工場に求める、工場は払わぬと言う。実力行使でもぶっつぶせということになる。あるいは小売り業者も店を締めてしまう。そうすると食えぬじゃないかと、このことの持って行き場所がない。新居浜の小さな市役所、あるいは愛媛県庁にかけ込んでもどうにもらちがあかない。また、そのことによって海上保安庁から巡視艇が出てきて、やめろやめろと言う、あるいは水をぶっかける。これは結局行政がどこにも存在しない。みんなが逃げ合って、その谷間にいる新居浜に住んでいる人たちの魚は食おうにも食えぬじゃないかと、町は騒然としておる。一体だれが悪いのだ、どうするのだということですね。これは私重大な問題だと思う。こういう問題が方々に勃発していくと一体どうするのか、現実問題としてどうさばくのかということになろうと思うのです。 ところが一方、私も前にお伺いしたように、発生源の調査は水産庁、最終処理は、排出基準は環境庁、人体にかかわる慢性毒性は厚生省、漁民の補償は水産庁、全部各省庁に分かれてものごとを処理している。私のところは関係ありませんよ、関係ありませんということばかりだ。どうにも私、これは問題の持って行き場がないということを国民の前にさらしておることだと思うのです。したがって、これについて漁業規制というものがここで行なわれておったのか、今後行なうのか、あるいはこの漁民に対する補償を、いまでもやはり漁民に対して、おまえらは工場が悪いのだから工場に行けというふうに自主交渉にゆだねておるのか、それを水産庁にお伺いしたい。 それから環境庁に、総合的な面から見てこの種の問題をどうさばこうとしておるのか。これは住民との争議に関する問題だからそれは総理府に関する問題だというようなことでは、これまた話にならぬわけなんで、環境庁としては、先ほど三木長官のお話じゃないが、総括的な対策については環境庁が責任を負うということを言っておられるわけですから、この問題をどう処理しようとしておるのか。 また、厚生省がおられたら、厚生省は、いままでこの種の魚が出回っておるということは公知の事実なんだが、それを、先ほども出ておりましたように食品衛生法に照らして何らかの措置をとっておったのかいなか、あるいは今後どうするのか、これをお聞きしたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○説明員(前田優君) お答えいたします。 まず第一点の、規制が行なわれていたかどうかの問題ですが、先ほども厚生省のほうから御答弁がございましたように、実は水銀に関しますところの基準がまだきまっておりません。まあ近々中にきまるということになっております。したがいまして、個々の場所におきます漁業者によるところの自主規制と申しますか、水産庁が行ないます行政的な面での規制というものは行なわれておりません。 それから次に、漁業補償の問題でございますが、この問題につきましては水産庁としては、先ほども御答弁したところでございますけれども、いわゆる全国調査の一環といたしましてこの水銀につきましての調査は当然行なわなければならない。したがって、汚染水域がある程度明確にならなければ企業との結びつきというものもなかなか出てこないわけです。企業の側の汚染源の究明の問題につきましては、通産省は現在おやりになっているということで、その結果との突き合わせによって汚染源の究明ということが出てくるのではないかと、このような調査方法をとってまいりたい、そのように考えております。 なお、現在漁業者が、あくまでもPPPの原則とはいいながら当面全然魚が売れないということで非常に困惑されている、また生活にも窮しているという事態もございますので、これにつきましては、原因者が判明するまでの間、いわゆる災害補償法に準じましたところの融資を行なって急場の救いにしたい、そのように考えております。
○説明員(太田耕二君) ただいまの御質問に対しまして、環境庁として総合的に見てどうさばくのかという御質問でございます。もうすでにいろいろ御説明があったかと思いますが、環境庁として総合的な対策という意味で、実は十四日、御承知のとおり水銀等汚染対策推進会議でもって十一項目にわたる具体的な施策をきめたわけでございます。その施策の中には、ただいま水産庁から話がありましたつなぎ融資の問題等も含まれておるわけでございます。環境庁といたしましては、いずれにいたしましても、汚染の実態が明らかになりませんと因果関係がはっきりしないということでございまして、住友の菊本付近の海域につきましても、もちろん排水口、それから回りの海の水、どろ、魚等を各省並びに県と連絡して六月中からでも一斉点検して、その上でもって厚生省がきめます魚の安全基準に照らし合わせてどうかと、それでもって汚染源が明らかになるのだろうと思うのですが、そこで初めてその企業に対する指導というものは通産省並びに水産庁と相談の上きまってくる問題ではなかろうかと、かように考えるわけでございます。 で、そういった一斉点検の問題のほかにも、今後の問題といたしましては、排出規制の強化を通じましてこれは住友の菊本に限りませんですけれども、水銀関連工場等につきまして厳重に規制をかけて監視測定を行なってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○説明員(三浦大助君) 厚生省といたしましては、ともかく魚の水銀の安全基準を一日も早くきめるということだと思いますが、これにつきましては慢性毒性試験の結果を照らし合わせまして、目下急拠基準づくりをやっておる最中でございます。近くこの基準がきまりましたら、また環境庁、水産庁とも連絡いたしまして、しかるべき対策をとってまいりたいと考えております。
○須藤五郎君 この前の委員会におきましても、私は、第一条の「必要な規制を行なう」とある、その「必要な規制」について政府の運用の姿勢はどうなんだ、基本的には禁止するという姿勢なのか、それとも規制を行ないつつ製造を認めていく、すなわち、認めることに重きを置いていくという姿勢なのかどちらなのか、こういう意味の質問をしたと思うんです。私は、そういうものは製造を禁止しろという立場に立っていろいろ質問しましたが、厚生省の立場はそういうふうになってない。しかし、きょうやがて、あとで出されるであろうところの附帯決議の第一項も、私の言った気持ちと同じような趣旨がその附帯決議に出ておると思うんですが、一体政府はどういう姿勢なのか、そこをはっきりもう一度聞いておきたいと思います。
○政府委員(齋藤太一君) この本法で指定を考えております特定化学物質は、継続的に摂取されます場合には、人の健康をそこなうおそれのある物質でございます。したがいまして、本法の運用におきましては、特定化学物質という指定をいたしました場合には、基本的な考え方としては、なるべくこれを製造させない、使用させない、こういう考え方で運用してまいりたいと考えております。
○須藤五郎君 これは同じ化学物質でも、化け学の化学物質でないかもわかりませんが、私たちは原子力発電所をつくるときにも、この原子力発電による魚の汚染、海水の汚染、そういうことがはっきりしていないから、いま直ちに原子力発電所をつくるということに対しては反対の意思表示をしてきておるんです。ところが政府は、原子力発電所は絶対安全でございますというその認識のもとに立って、今日まで日本国じゆうに原子力発電所を二十カ所もつくろうと、こういう方針でただいま臨んでいるように私は聞いておるわけですが、最近、沖繩におきまして、アメリカの原子力潜水艦の汚染で沖繩港並びにホワイトビーチのほう、その辺で採取した魚介類からコバルト六〇、セシウム一三七、ストロンチウム九〇などが検出されているということを報道しております。 私は、これは六月十四日の毎日新聞紙上の記事によっておるわけでございますが、こういうことになってくると、原子力潜水艦の日本の本土入港ということも、あらためて私は問題にしなければならぬことであると同時に、原子力発電所の問題も、これはもう一度私は政府当局としては考え直していかなければならぬ問題だと、こういうふうに思っております。政府はこれに対してどういうふうに対処する考えか、伺っておきたいと思います。——これは政治的な問題ですからね、通産大臣、大臣がお答えしてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 原子力潜水艦の出入に関しましては、科学技術庁が中心となりまして、厳重な規制をやっておりまして、特に冷却水を出さないこと、そのためにいろいろのモニタリングシステムをやっておりまして、港の各所においてその検知をやっているわけであります。そういう厳重な規制をやって、いやしくも放射能を出さぬように努力をしているわけでございまから、危険性は防がれていると私は思います。今後もそういうように検知制度を厳重に施行いたしまして、人体にかりそめにも影響があるようなことをなくすべきであると思います。沖繩の問題につきましては、私、その情報をよく調査してみないとわかりません。本土の各県がやっているのと同じように、厳格に検知制度をもちまして規制していくべきものであると思います。 原子力発電所につきましては、これは、放射線の許容量についてはICRPの国際基準がございまして、その国際基準の範囲内において厳重な規制をまたやっておるわけであります。日本の場合の規制は、ICRPよりも少しきびしくなっておるように私記憶しております。これも同じようにモニタリングシステムをつくってやっておるのでございまして、この点も同じように厳格な検査を行なって、放射線量が許容されている以上に漏れないように監視していけば、私は安全度は保てるものであると思っております。
○須藤五郎君 一度通産大臣もこの記事を読んでもらいたいと思うのですがね。これは毎日のみならずほかの新聞にも出ているはずですが。この沖繩の原水協の発表によりますと、こういう記事があります。「魚介類の調査は四十六年九月から四十七年八月まで、沿岸全域で行なわれた。その中で、放射能を検出したのは、四十七年二月、ホワイトビーチから採取したシャコガイ、ハリセンボン、マサキガイやアジ、トウゴロウイワシ、ミル。また那覇軍港から同年五月採取のカニ、テレピア。ホワイトビーチに面した中域湾で四十七年五月採取のブダイ、テングハギ=含有放射能は図表。」で示すと、こういうふうに出ております。また、「さらに沖繩県公害衛生研究所が未公表の調査結果でも、明らかに人体に有害なストロンチウム、セシウム、コバルト60が認められている」、こういうようにはっきり報告をしておるのですね。これは佐世保で問題になったときに原水協が那覇港でも放射能を測定した、それがわかってからアメリカ軍は、四十三年九月以降原子力潜水艦の寄港地をホワイトビーチに移して、那覇港への寄港を避けている、こういうふうに出ておるのですけれども、明らかに原子力潜水艦の結果、魚や貝類がストロンチウムやいろいろの汚染を受けているということは、これではっきりしてきているわけですね。こういうことがどうして起こり得ないというふうにあなたは断定をなさるのか、起こり得ているのです。もうこういうことが実際起こっているのですが、こういうことを起こらせないためには、させないためには一体どうしていったらいいか、その点通産大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 少なくとも本土に復帰してからは、本土の憲法及び諸法令が通用するわけでございますから、各県がやっているのと同じような厳重な規制をやっているはずであります。復帰以前において、米国が施政権を握っていたときにどういう状況であったか、あるいはその結果がいま影響が出てきているのかどうか、その点はまだつまびらかにしません。いずれにせよ、そういう情報があるならば、科学技術庁を中心にしてすみやかに正確にそのデータを調べ、またみずから魚介類等の検査を行なってみて、住民の皆さんに安心のいけるような措置をすべきであろうと思います。
○須藤五郎君 こういう危険があるから私たちは原子力潜水艦の寄港に反対をしているわけですね。並びに原子力発電所の設置にも反対しておる。そのときに絶対危険はないというようなことで佐世保や横須賀に原子力潜水艦を入れているわけですね。そういう事実が調査してわかったというんではぐあいが悪いので、そういうことのないよう、未然にそういうことを起こさないようにしていくのが私は政治だと思うのですね。起こってしまってからではだめなんです。東京湾の魚介類に、横須賀入港のためにこういうことが起こってしまってからではだめなんです。また、その検査もしないで起こってからというようなことでは私はいけないと思うのですね。現にこういう起こった例があるんですから、そういうことの起こらないように未然にそういうことをやめていくということが、私は国民の立場に立った要求であり、また、国民の健康を守るという立場に立つならば、政府としてやはりそういう方向に行政的にやっていくべきではないか、こういうふうに私は思いますので、あらためてもう一度伺っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) そういうための規制及び監視措置は政府はやっていると思います。私はいま科学技術庁長官でないので、私の立場で正確にお答えすることはちょっとまだできませんけれども、私が在職していたときには、少なくとも確実にモニタリングシステムを運用し、ともかく、法規できめられた許容量をこえているかこえてないか、原子力潜水艦が入ってきた場合、その前後みんな調べて報告を受けておったわけでございます。でありまするから、今日も同じようにやっていると私は思います。
○須藤五郎君 これについて環境庁並びに厚生省の意見、水産庁がおったら、こういう状態をどういうふうに処理するか伺っておきます。環境庁からひとつ。
○説明員(橋本道夫君) いま先生から御質問のありました点につきましては、原子力基本法で放射性物質の問題はすべて科学技術庁の原子力行政に一元化されておりますので、科学技術庁のほうで責任を持って処理されることと環境庁のほうは解しております。なお、原子力施設の問題に関しましては、環境庁の自然保護の観点から環境破壊の問題、あるいは温排水等の問題につきましては、現在、環境庁と科学技術庁のほうと連絡をとりながら密接にいたしておるところでございます。
○説明員(前田優君) 水産庁でございます。お答えいたします。 いまの先生の御指摘の点につきましては、現在まで原子力発電所等の問題につきましては、特に水産関係に影響があるものとして温排水の問題につきましていろいろ検討してきたことでございます。いまの御指摘の問題につきましては、私ども詳細承知しておりませんですから、沖繩県のほうに照会いたしまして……。
○説明員(三浦大助君) ただいまの沖繩の魚介類が放射能によごされているというお話でございますが、これにつきましてはまだ私どものところに詳しいデータが参っておりません。至急取り寄せまして検討をさせていただきたいと思います。 なお、科学技術庁が中心になりまして大気とか雨水、あるいは食品の調査を行なっておるわけでございますが、現在までのところ、特に食品につきましては高いものはないというふうに私ども聞いておるわけでございます。しかし、原子力の平和利用の発達に伴いまして魚介類に対する汚染というものがもし高度のおそれあるならば、私どもは早急に実態の把握をしなきゃならぬと思います。
○須藤五郎君 コバルト六〇は、これはやはり蓄積されていく性格のものなんです。いま法律できまったそれよりも少ないといっても、これがだんだんと蓄積されていくということは、これはたいへんなことなんですね。第一、それが沈でんして魚介類にどんどんとコバルト六〇の被害が起こってくるということは、常識的に考えても考えられることだと思うんですよ。だからいままであなたたちは、こういう新聞記事を見てもまだ調査してないとか何とかいうことは非常に私は怠慢だと思いますよ。いまから私に指摘されて、これからそれじゃ調査しましてということではぐあいが悪いと思うんですな。やはりそれ以前にはっきり調査してくるべき性質のものだと思うんですね。何も政府がつかんでなくて、答弁することができないじゃないですか。だから、さっそく調査して、責任ある態度をとるということですね、これが必要です。それからこういうような蓄積していくものがかりに現在微量であっても、それがだんだんと蓄積されるならばこれはたいへんなことになるんだから、そんなものはもう即刻やめるという、そういう方向で私はいくべきだと、こう思っております。どういうふうにあなたたちは考えますか、私のこの意見に対して。
○説明員(三浦大助君) おっしゃるとおり、蓄積ということも考えられるわけでございますが、また、放射性物質の種類によっては半減期というものがございます。人体に対する影響というものは種類によってまちまちであるわけであります。こういう事態があれば、私ども早急に実態の把握をしたいというふうに思っております。
○須藤五郎君 あなたのほうで調査ができてないから、それ以上は追及はやめますが、こういう事態があるということは大いに念頭に置いて、それでこういう事態が佐世保や横須賀にも将来は起こる可能性は十分にあるということを念頭に置いて、そしてそれに対する対策を立てていくという必要があると思うんです。私らはもちろんこういう危険なものは入れるなと、アメリカの原子力潜水艦なぞは日本に寄港を認めるべきでないという、その立場に立って私たちはこれまでずっとやってきた。今後もそのために私たちは戦ってまいるわけですが、事実を私はあなたに示していくわけです。 それと同時に、これは復帰前の汚染は不問に付するとさっき通産大臣もおっしゃいましたが、復帰前と復帰後というのは、沖繩なぞは復帰前にある程度あった。それから復帰後もまだ入ってくるわけですね、原子力潜水艦。だんだんその蓄積が高まっていくわけでしょう。その復帰前と復帰後とどこで線を引いてどこで区別をすることができるか、通産大臣、どういうようにお考えですか。これはむずかしい問題じゃないですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が申し上げましたのは、規制の厳重さについて申し上げたのでありまして、復帰後は内地の法令が適用されますから、科学技術庁の関係法律及び政令、告示等が全部通用されまして、厳重なモニタリングシステムのもとに検知が行なわれておるわけです。復帰前は米軍が施政権をにぎっておりましたから、そういうことは日本政府側としてはやれなかったところもございます。米国の統治側の責任者に責任があったわけであります。そういう差があるということを申し上げたのでありまして、現在は本土並みの厳重な検知が行なわれておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
○須藤五郎君 科学技術庁はどういうふうに考えますか。
○説明員(倉本昌昭君) 原子力軍艦の放射能調査の問題でございますが、沖繩に関しましては、昨年五月十五日に一応本土復帰になったわけでございますが、その時点におきまして私どものほうで従来、佐世保、横須賀等において行なっておりましたと同様に、沖繩におきます原子力潜水艦の出入港の際におきます放射能調査という問題を私どものほうで行なうことにいたしたわけでございます。それで復帰直後、四十七年の五月二十四日に、これは現状がどうなっておるかということで、沖繩におきます那覇の港内、また中城湾、またホワイトビーチ、勝連崎周辺というところにおきまして非常にきめこまやかな試料の採取を行ないまして、これについての分析を行なっておるわけでございます。 先ほど先生御指摘の、新聞に最近出ました問題でございますが、これは、沖繩県がこの生活科学研究所というところにほかの目的で御依頼をされた中に、この放射能問題が出ておるわけでございますが、本件につきまして、私どものほうからさっそくこの生活科学研究所のほうにこの照会をいたしましたところ、先方では、このデータは確かに間違っておったと、それで、大体その新聞に出ております数字も、これは私どものほうで昨年の五月に実施をいたしました数字そのものでございまして、また、これが現在この新聞に出ます過程におきまして、いろいろミスプリント等があったために、その単位等もだいぶ違ってきております。 それで、この点につきまして、私どものほうといたしましては、昨年の五月の測定の結果からいたしまして、これは全く問題はないと考えております。また、この測定調査におきましては、これは必ずしもその原子力潜水艦による影響のみではございませんで、これは過去におきまして米ソ等で行ないました核実験によりますそのフォールアウトによる影響も多分にございまして、そういった点も含めて、現在は原子力、その放射能関係の調査を実施いたしておるわけでございます。それでその後もこの放射能関係につきましては、定期的にこれは大体四半期ごとに一回ずつ調査は行なっております。またさらに、このモニタリングポスト、モニタリングカー等による周辺の放射能監視という問題につきましては、入港するとしないとにかかわらず、これは毎月一回ずつやっておるわけでございます。またさらに、この軍艦が出入港いたします場合には、米側から二十四時間前に外務省を通じて連絡がございますので、その前に係官を現地に派遣をいたしまして、寄港をいたします二十四時間前からその事前の調査、また入港時にはその周辺の調査、また出港後におきましてもその試料の採取並びにその他のものの調査をいたしておるわけでございます。 それで現在の時点におきまして、先ほどお話がございましたが、本土復帰以前の放射能の調査の問題につきましては、これは琉球政府と米軍との間で共同で調査をしておりまして、その調査結果等につきましては、外務省等を通じて私どものほうに報告をいただいております。
○須藤五郎君 政府当局は、いつも事アメリカ軍のことに関するとそういう答弁をなさるんですが、四十三年五月の佐世保港で異常放射能事件が起こった。アメリカ側は、決してアメリカの原子力潜水艦のためじゃないというようにまあ否定しておったですね、最初。しかし、原子力潜水艦の一次冷却水による汚染であるということがはっきりと裏づけられたわけですね。だから、そういうことが今後横須賀なり佐世保で十分起こり得る可能性はあるわけですね。だから、そういう危険なものはやめてしまえと、来るのを断われというのが私たちなんですよね。しかし、あなたたちは非常にアメリカ軍を擁護するというか、その立場に立って、常に国民のこういう切実な気持ちを否定してくるのですね。国民には原子力のいろいろな小さいもの、専門的なことはわからないですよ。その国民がわからぬところをうまく利用して、何とかかんとかことばでごまかしていこうというけれども、事実がそういうふうに示しているのですからね。 国民の立場に立てば、いささかでもそういう汚染があるということはいやなんですよ。だから私たちはそういうことを言っているのですがね。あなたたちはそういうことを言い、また原子力発電所の問題でも、必ずそういう安全度というものがまだ確保されてないときにどんどんつくろうと言う。しかし東海村では、原子力発電所がやはり故障を起こして汚染したりしているでしょう。私たちはそういうことがないようにはっきりと安全度を確認して、そうして安全度がはっきりとするまではそういうことをやるなと、そういう立場でおるわけです。ですから、この間も私はこの法案に対して、やっぱり安全措置がちゃんとできるまで製造はやめたらどうだと、こういう立場に立って議論をしたつもりなんです。これ、いつまでやっておってもだめですから、もう時間が来ますから、私はこれはこの程度でとどめますけれども、これはあらためて科学技術の特別委員会かどっかでしっかりとやってもらわなければならぬ問題だと、私はこう思っていますよ。 それじゃ次の質問に移ります。 第四条の第一項に、新規化学物質が特定化学物質であるかどうかの審査期日を、「届出を受理した日から三月以内」と、こういうふうに改めておりますが、なぜ三カ月以内としたのか、これで十分だと考えていらっしゃるのか。 時間がありませんから、二つ質問を続けてやりますが、ある新聞、これは六月一日の朝日新聞でございますが、その座談会で、環境庁の橋本さんですね、この方がこういうことを言っていらっしゃるのですね。簡単に読みましょう。動物実験でも二年から四年もかかるそういうこの化学物質の検査ですね、それをわずか三カ月でということは一体どういうことなんだと、こういう意見を述べていらっしゃるようですね。そこで政府は、何でこういう問題を三カ月以内というふうに定めたのか、それは一体どういうところからきているのかという点を私は伺っておきたいと思うのです。あまり短過ぎやしないかということですね、三カ月以内ということでは。どうですか。
○政府委員(齋藤太一君) 第四条で、新しい化学物質の届け出を受理いたしました場合には、三カ月以内にそこにございますような一号、二号、三号のいずれかの判定をすることにいたしておりますが、これは申請者にいろいろ待たせますと、この新規の物質の製造の時期がおくれるということもありまして、なるべく早めるという趣旨もございましたわけですけれども、ただ、この三カ月以内の判定は、過去の知見に基づきまして従来からいろいろ知識の積み重ねがございますので、それによりまして届け出られました化学物質の性状、構造等を判断いたしまして、まずこれは安全なものと、それからこれは安全でなくて特定化学物質に該当するもの、いずれかに、シロかクロか判定するわけでございますが、もう一つ、第三号にございますように、シロともクロとも明らかでないものという三種類に判定をすることにいたしております。したがいまして、三カ月以内の判定は、全く安全ということが試験をしないでも明らかであるものと、これを全くクロであるというものと、どちらともわからなくて灰色であるという、この三つのいずれかの判定をするわけでございます。 問題は、第三号に該当しますどうもシロともクロとも判定がつきかねる、こういうことになりました場合には、そのときからまた試験を事業者に命じまして、そうして事業者はこれを適当な第三者機関、大体化学品安全センターを考えておりますけれども、そこに自分のところのサンプルを持ち込みまして、政府がきめた試験をそこでやってもらいます。そうして、試験のデータを再度政府に提出をいたしましてもう一ぺん判定をするわけでございます。 蓄積性試験と分解性試験は大体二カ月くらいで終わるように私ども考えておりまして、その判定にまた一カ月と事務的な手続を考えますと、最初の届け出から六カ月以内に第一次試験の結果につき判定は出てまいります。その結果どうも蓄積性も高い、分解性もよくないということで、これはさらに毒性試験をやる必要があると、こういうふうに厚生大臣、通産大臣が判定をいたしました場合には、再度毒性試験を命じます。そうなりますと、大体一年ないし二年さらに発ガン性試験とか催奇性試験、突然変異性試験と、こういった各種の特殊毒性試験を行なうことになりますと、あるいはもっと時間を要するかもしれませんが、そういうことで試験を要するという判定が出ました場合には相当時間をかけてやるということになりますので、最初の三カ月の判定は、試験を要するか、試験を要するまでもなくシロかクロかそこまでの判定をするだけでございます。
○須藤五郎君 それじゃ万一、三カ月以内の審査で特定化学物質ではないとされたものが、実際には被害を与えるような事態が起こった場合は、通産大臣としてはどのような責任をおとりになるつもりですか。
○政府委員(齋藤太一君) この点の審査につきましては、過去の知見からの審査でございまして、試験をやらないで審査をする段階でございますので、確実に過去の知見からだれが考えても安全であるというようなものしかここでは安全とはしませんで、やはりその点に疑いがありそうなものは全部試験に回すことになろうかと存じます。そういう意味で、まずここで安全としたものが後ほど安全でないというような結果になることは、万々私どもはあるまいと考えておりますが、万一ありました場合に、その安全と判断をしたことにつきまして政府に過失があったということであれば、政府の国家賠償の問題になろうかと存じます。
○須藤五郎君 私は大臣に、そういう場合に大臣としてどういう責任をおとりになりますかということを質問をしているんですよ。大臣どうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 試験そのものを厳重に行なって、そういうミステークがないようにしなければならぬと思いますが、万一そういうことが起こるようなことがありましたら、その関係をさらに厳重に見きわめてみまして、どうしてそういうことが起こったか精査してみて、そして、そういうことを再び起こさないように厳重に監督していくということが必要であると思います。
○須藤五郎君 もう時間が切迫してまいりましたから、私も質問をまとめていたしますが、まあ質問は二、三削除します。 最後の質問になるわけですが、どうも政府の責任というか、私は、そういうことの万一にもないように、十分日にちをかけてやるというのが私の意見なんですね。三カ月ではずさんではないかという、そういうことで私は申しておるんですが、万一あった場合は、政府の責任は十分感じるという局長の意見ですね、万が一あった、そこをもう一ぺんはっきり言ってください。大臣の答弁じゃそこがもやもやとしているわけですから……。
○政府委員(齋藤太一君) 政府が審査をいたしまして、安全と一応判定をいたしましたものが後日安全でなかったといったような事態になりました場合には、政府としては、その判定につきまして過失があったという場合には国家賠償の責めを負うものと考えます。したがいまして、こういったミスがありませんように万全の審査をいたしたいと考えております。
○須藤五郎君 最後にお尋ねしますが、環境庁長官が厚生大臣や通産大臣に対して説明を求めたり意見を述べる必要があると認めるのはどのような場合か、何を根拠にあるいは何を手がかりとしてその必要ありと認めるのか、これが第一ですね。 それから第二問は、環境庁長官が意見を述べる場合、こういう意見を述べましたということを国民の前に同時に発表する必要があると思いますが、それを発表するのかどうか。 それから第三問は、環境庁長官の意見が厚生大臣や通産大臣に受け入れられない場合は、一体それはどうするのかという点です。 それから第四は、通産大臣は環境庁長官の意見を尊重し、受け入れるのかどうか、もし受け入れられない場合は、その理由を環境庁長官だけでなく国民の前に明らかにすべきであると思うが、それはどうするか。 この四点を質問しておきます。
○説明員(橋本道夫君) まず第一の、必要ありと認める場合はどういう場合かということでございますが、これは私どもは、この物質を今後審査することになってきますと、一体どういうような物質でどういうところに使われるものと予期しているかということの情報をまず頭に置く必要がございます。そういう点で環境庁自身が技術的な基準をきめます。総理府令で定める条件と申しますのは、環境の中でメチル水銀のように化学的に変化をするものであるかどうかとか、あるいは幾つかの事項がございまして、そして、その条件と通産省側がテストをされますいろいろな化学的な性状、将来こういう場合に使うと思われるということとあわせて環境庁としての意見を述べるということでございます。そういう点で必要があると認められる場合はといいますのは、先ほどのポイントと、環境庁として問題としている事項について、どのような納得がいくものがあるかどうかということでございます。 それから、意見を述べるということでございますが、意見を述べまして、必要があればこれは当然発表いたします。 もう一つは、長官の意見が受け入れられない場合どうするかというときでございますが、これは、この物質の指定は政令指定でございますから閣議にはかります。いかにしても意見が相ととのわない場合には、閣議にはなかなか通らないということがあるわけでございますから、政令指定の場所で環境庁長官はそこに加わるというぐあいに考えております。
○政府委員(齋藤太一君) 本法案によりますと、新しい化学物質の届け出がございますと、その案件ごとに環境庁長官に写しを送付することにいたしております。その写しによりまして環境庁では環境庁として検討されまして、安全と認めるか認めないかという点につきまして御意見があれば意見を申し出られると、こういう仕組みをとっているわけでございます。環境庁長官は、環境の保全につきまして責任をお持ちでございますので、その環境庁長官からの御意見は通産大臣、厚生大臣がその化学物質の審査をします際に、当然、十分に尊重をいたすことに相なろうと存じます。また、その意見が食い違いまして、通産大臣が環境庁長官の意見を受け入れられない場合はという話でございますが、十分調整をしまして、そういうケースはまずあるまいというふうに私ども考えますけれども、そういう場合には理由を公示すべきであるという御意見でございますが、私どももさように考えます。
○須藤五郎君 もう一点だけ。環境庁関係の審議官、必要があったら国民の前に発表するこういう御意見ですが、それはどうでも使えることばで、われわれ国民の立場、私たちの立場にとっては必要だと考えております。あなたが必要でないというので発表しないということになりますので、その場合はすべて発表するというこれが基本的な原則だと思うのですが、どうなんですか。
○説明員(橋本道夫君) 従来、環境庁の方針は公表していくという方針でございますので、先生のおっしゃる方針と大きな差があるものとは考えておりません。
○委員長(佐田一郎君) 須藤君の質疑は終了いたしました。 ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 阿具根君から発言を求められておりますので、これを許します。阿具根君。
○阿具根登君 ただいま可決されました化学物質の審査及び製造等の規則に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の五党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。 案文を朗読いたします。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、現在PCB等の有害物質による汚染が深刻化し、国民の生活に多大の不安を与えている実情にかんがみ、今後PCB類似の化学物質による環境汚染を絶対に生ぜしめないようにするとともに、当面の汚染問題に対処するために、次の諸点について特に火急かつ万全の措置を講ずべきである。 一、特定化学物質として指定された化学物質は、それが如何に工業原料その他に優れた化学物質であっても、生活優先、人の健康と命を守る見地から原則として製造、輸入は禁止すること。 一、既存化学物質についても、その安全性確認のため、早急に総点検を実施し、その結果、特定化学物質として指定された化学物質、あるいは特定化学物質となる疑いのある化学物質については、環境汚染の進行を防止するため、すみやかに回収命令の発動、勧告等必要な措置を講ずること。 なお、回収命令の発動、勧告等を行なった場合は、その旨公表すること。 一、新規化学物質等の安全性を確認するために行なう命令で定める必要な試験の項目、技術的な事項については、試験分析技術等学術の進歩に即して見直しを行なうこと。 一、化学物質の安全性を確認するための試験機関である財団法人化学品検査協会の業務運営等については、同協会の公共性にかんがみ公正が確保されるよう十分指導監督を行なうとともに、その他関係試験機関を含め、試験体制の整備拡充を図ること。 一、PCB及びPCB使用製品の回収の促進を図るとともに、回収されたPCB等の管理、処理体制の整備を図ること。 一、PCB等の有害物質による水域、土壌等の汚染については、早急にその汚染源の徹底的究明をするとともに、汚染源企業を公表すること。 一、汚染水域における漁獲の中止に関する指導を行なうとともに、漁獲中止に伴う漁業者および関連事業者に対する漁業補償等その救済について原因者負担の原則により適切な指導を行なうこと。 一、食品中のPCB暫定規制値の見直しを行なうとともに、未だ規制値を設けていない米、野菜等についても、早急に規制値を設け公表すること。 一、PCB等を含むヘドロの処理については、二次公害を発生させないよう万全の対策を講じつつ、しゅんせつ、密閉化等の処理を実行すること。 一、有害物質による環境汚染防止対策の実効を期するため、行政を強化拡充するとともに、総合対策を推進すること。 一、現在の公害行政は、環境庁、厚生省、水産庁、通商産業省等各省庁にわたり、その責任の所在が不明確であることにかんがみ、公害行政の責任体制を確立すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(佐田一郎君) ただいま阿具根君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、阿具根君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し中曾根通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまの附帯決議の御趣旨を体し、対策に万全を期する次第でございます。 ありがとうございました。
○委員長(佐田一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(佐田一郎君) 次に、中小小売商業振興法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曾根通産大臣。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小小売商業振興法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小小売り商業は、全国で店舗数百九十万を数え、わが国経済においてきわめて重要な役割りを果たしており、今後とも、国民生活水準の向上に伴い、その役割りはますます増大するものと思われます。 しかしながら、中小小売り商業は、資金力の不足、経営体質の改善のおくれ等多くの問題をかかえており、さらにはわが国経済の発展に伴う人手不足の深刻化、消費者の欲求の多様化等新たな経済環境への対応を迫られております。 加えて、最近、百貨店、大型スーパーとの競争が激しくなっており、また、流通部門に対する外国企業の進出が相次いで伝えられるなど中小小売り商業を取り巻く環境は、一段ときびしさを増しております。 このような情勢に対処して、中小小売り商業者の自主的な近代化努力を促進し、その能力を効果的に発揮できるよう必要な援助を行なうことは、流通の近代化ひいてはわが国経済の発展のためにもきわめて重要な課題であります。この点に関し、昨年八月に取りまとめられた産業構造審議会流通部会第十回中間答申におきまして、中小小売り商業の振興をはかるため、立法措置の検討を含め中小小売り商業施策の一そうの強化、拡充をはかるべきであるとの御意見をいただきました。 本法案は、この答申の内容に沿って、中小小売り商業施策を抜本的に強化、拡充するとともに、これを総合的に推進することにより、中小小売り商業の振興をはかることをねらいとするものであり、その方向は、昨年八月の中小企業政策審議会の意見具申「七〇年代の中小企業のあり方と中小企業政策の方向について」の内容にも合致したものであります。法案の概要は次のとおりであります。 まず第一に、通商産業大臣は、中小小売り商業の振興をはかるため、中小小売り商業者に対する一般的な指針を定め、その要旨を公表することといたしております。 第二に、中小小売り商業振興のため特に重要である商店街の整備の事業、中小小売り商業者の店舗の共同化の事業及びボランタリーチェーン等の連鎖化事業について特別の助成制度を設けることといたしております。すなわち、それぞれの事業について中小小売り商業者を中心としてつくられた組合、会社などが計画を作成して、政府の認定を受けることができることといたしております。国は、認定を受けたこれらの計画の実施を促進するための特別の助成策として、金融面では、中小企業振興事業団の融資を強化、拡充するとともに、中小企業信用保険法の一部を改正して近代化保険を適用するなどの措置をとることとし、また、税制面では、租税特別措置法の定めるところにより一定の資産について特別償却をすることを認めるとともに、一定の土地について地方税法の規定による特別土地保有税の課税対象から除外することといたしております。 第三に、中小小売り商業者の経営の近代化のための諸施策について規定を設けることといたしております。すなわち、国は、中小小売り商業者の経営の近代化のため必要な資金の確保等につとめること、地域における小売り商業の実態等を調査し、その将来の展望を明らかにするようつとめること、中小小売り商業の従事者の資質の向上をはかるため研修事業の実施その他の措置を講ずるようつとめること、中小小売り商業者の経営の近代化のため必要な指導及び助言を行なうこと、また、これらの施策を講ずるにあたり、小規模企業者の経営の近代化のために特別の配慮をすること等を定めております。 第四に、いわゆるフランチャイズ事業の運営の適正化をはかるための措置について規定しております。すなわち、最近発達し始めたフランチャイズ事業において、本部企業と中小小売り商業者である加盟店との間で契約の内容をめぐるトラブルが生ずることを防止する必要がありますので、本部企業は、加盟しようとする者に、契約に先立ち、あらかじめ、重要な契約事項を記載した書面を交付し、その内容について説明しなければならない旨の規定を設けるとともに、政府はこの規定に従わない本部企業に対して勧告を行なうことができるようにいたしております。 これが、この法律の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。
○委員長(佐田一郎君) 次に、本案については衆議院において修正が加えられておりますので、この際、衆議院における修正部分について修正案提出者衆議院議員佐野進君から説明を聴取いたします。佐野衆議院議員。
○衆議院議員(佐野進君) 中小小売商業振興法案の衆議院における修正につきまして御説明申し上げます。 修正点の第一は、振興指針に定める事項として、「中小小売商業の従事者の福利厚生に関する事項」を加えたことであります。申すまでもなく、中小小売り商業者はいかにして従業員を確保するかということが、当面する重大な問題となっておりますが、これを解決して中小小売り商業を魅力あり働きがいのある職場とするためには、振興指針に定める事項として、中小小売り商業の従事者の福利厚生に関する事項を明示することが必要であると考え修正した次第であります。 修正点の第二は、「主務大臣は、特定連鎖化事業を行なう者が勧告に従っていないと認めるときは、その旨を公表することができる。」こととしたことであります。 本法におきましては、特定連鎖化事業を行なう者が、加盟しようとする者と契約を締結しようとするときは、あらかじめ、その者に対して、重要事項を記載した書面を交付し、説明をしなければならないこととなっており、これに従っていないと認めるときは、主務大臣が従うべきことを勧告することとなっております。しかしながら、本部事業者が、この勧告に従わない場合も考えられますので、勧告に従っていないと認めるときは、その旨を公表することができる措置を規定することが必要であると考え修正した次第であります。 よろしく御審議をお願い申し上げます。
○委員長(佐田一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。荘中小企業庁長官。
○政府委員(莊清君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して簡単に御説明申し上げます。 わが国小売り業におきましては、中小小売り商業がきわめて大きなウエートを占めておりますが、その経営体質は、はなはだ脆弱なものであります。このため中小企業基本法第十四条においては、特に「小売商業における経営形態の近代化」をうたっており、政府としては、これまでも各般の施策を講じてきたところであります。しかし、中小小売り商業の経営体質の改善をさらに強力に進めて行くためには、立法面での裏打ちが必要であり、新たに本法を制定することによって、中小小売り商業に対する施策を体系的かつ強力に推進できるようにしようとするものであります。 本法案は、昨年八月の産業構造審議会第十回中間答申に提言されているところに従い、「中小小売商業者が個々それぞれに、あるいは共同して行ないつつある経営体質強化のための近代化努力に積極的な助成を行なう」ことなどを内容とするものであります。 すなわち、まず第一に、通商産業大臣は、中小小売り商業者に対する振興指針を定めることとしておりますが、この振興指針は、中小小売り商業者の経営の近代化の指針として策定されるものであります。その内容としては、個々の中小小売り商業者の行なう経営の近代化のあり方及び中小小売り商業者の事業の共同化のあり方をともに定めることとしております。 第二に、この振興指針を受けて、その内容を総合的かつ高度に達成する事業として、商店街の整備、店舗の共同化等の高度化事業を取り上げ、その事業計画の認定等に関する規定を設けております。政府の認定を受けた計画に従って実施される高度化事業に対して、国は、必要な資金の確保等につとめることとしております。四十八年度においては、アーケード等商店街における公共性の強い共同施設や小規模小売り商業者が入居者の大部分を占める共同店舗に対しては、中小企業振興事業団から新たに融資比率八割、無利子の融資を行なうなどのほか、高度化事業に参加する個々の中小小売り商業者等に対しても中小企業金融公庫及び国民金融公庫から特利の融資を行なう制度を創設しております。そのほか、税制面では、特別償却制度の適用、特別土地保有税の適用除外、金融面では、中小企業信用保険法に基づく近代化保険の適用が認められることとなっております。 第三に、振興指針に従って経営の近代化を行なう個々の中小小売り商業者に対しても、金融面で特別の助成を行なうこととしているほか、その体質改善を推進し、経営形態の近代化をはかるため、中小小売り商業の従事者の資質の向上や経営の指導についても特に意を用いることとしております。 まず金融面については、高度化事業の実施以外にも中小小売り商業者の経営の近代化のための事業の実施に必要な資金の確保等につとめることとしており、このため、四十八年度においては中小企業金融公庫及び国民金融公庫の融資制度を改善し、振興指針に従って設備等の近代化をはかったり、消費者や従業員の安全のための設備等を設置する中小小売り商業者に対し特利で融資を行なうこととしております。また、特に小規模の小売り商業者の設備の近代化をはかるため。小売り業も設備貸与制度の対象とすることとしております。さらに、四十八年度から創設することとした国民金融公庫の小企業経営改善資金貸し付け制度も、中小小売り商業者の経営の近代化を十分念頭に置いたものであります。 次に、中小小売り商業の従事者の資質の向上をはかるため、研修事業の実施等の措置を講ずるようつとめることとしており、従来から中小企業振興事業団や都道府県に行なわせてきた研修事業等を拡充するほか、四十八年度から新たに日本商工会議所等の行なう小売り業従事者の検定試験に対して補助金を交付することとしております。また中小小売り商業者に対し、その経営の近代化に関し必要な指導、助言を行なうこととしており、四十八年度においては特に商工会、商工会議所の経営指導員、小規模企業振興委員等の大幅増員などをはかっております。 さらに、中小小売り商業者が地域的条件を考慮して適切な経営の近代化を行なうことができるようにするため、地域における小売り商業の実態等を調査し、その将来の展望を明らかにするようつとめることとしており、都道府県や日本商工会議所を通じて必要な調査、計画の策定を行なうこととしております。 第四に、いわゆるフランチャイズ事業の運営の適正化に関する規定を設けております。フランチャイズ事業に関する契約をめぐる本部企業、加盟店間のトラブルは、契約に不なれな中小小売り商業者が、契約内容について十分な情報を得られないまま契約するため生ずることが多いといわれております。このため、本法では中小小売り商業者が本部企業から契約や事業の内容に関し正確で十分な情報を得て、それを十分理解、吟味した上で契約を締結することができるよう担保し、不測の不利益をこうむらないようにするものであります。なお、フランチャイズ事業については、振興指針においてその望ましいあり方を規定し、また健全なフランチャイズ事業を助成することにより、中小小売り商業者の経営の近代化と流通の合理化に貢献する健全なシステムとして発展するよう指導していくことを考えております。 以上、この法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(佐田一郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(佐田一郎君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とします。 両案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿具根登君 通産大臣にお尋ねいたしますが、景気の見通しについてどういう見通しを持っておられるか。最近における消費者物価の上昇の特にひどいことは御承知のとおりです。このまま推移するならば、今年度の物価の見通しは一〇%をこえるものと予想されております。その上、国鉄運賃、電気料金、米価、さらにきょうの新聞等では大阪瓦斯、いずれも二十数%から三〇%以上の高率の値上が要求されておるようでございますが、これが実施されるとするならば完全なインフレになる、私はこう思うんです。で、そうなってくると、おそらく政府がとられる措置は強力な引き締め政策が行なわれるんじゃないか、こういうふうに考える。そうなってくれば、結局、そのしわ寄せは中小企業に寄せられて倒産が続出するのではないか、私はこういうふうに思うんですが、今後の景気の見通しについてどういう御見解か承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 景気の現状及び見通しにつきましては、公共投資、住宅建設、消費支出が引き続き高調を持続していることに加え、民間設備投資も昨年来製造業を中心といたしましてかなり回復を示し、強さを増しております。鉱工業生産指数、卸売り物価の最近の動きも依然として根強い動きを示しております。各業種の操業状況を見ましても、一部の例外を除いてフル操業の状況にあります。このような情勢に対処して物価の騰勢を押え、安定的成長を達成するよう総需要の抑制をはかるために、年初来、公定歩合の二回の引き上げ、預金準備率の三回にわたる引き上げ、窓口規制の強化、公共投資の繰り延べ、一部設備投資の繰り延べなどの諸施策を講じてきたところであります。 ドルショック当時、中小企業の倒産が心配されましたが、その当時はそれほどではございませんでしたが、ようやく倒産がふえてきたようでございます。で、これらについては十分われわれは手当てをしていかなければならぬと思っています。経済情勢の今後の推移を正確に見きわめることはなかなかむずかしいところでございますけれども、すでに述べましたような総需要抑制策の影響、変動相場制移行に伴う円高相場の影響等から、年度後半以降伸びに頭打ちが予想されるところもあります。情勢の推移を慎重に見守りながら、機動的な政策の運営を行なっていく必要がございます。 特に中小企業につきましては、このような経済全般の動向の中で、金融引き締めによる資金繰りの悪化、ドルショックによる輸出の停滞、原材料費の高騰等の影響を強く受け、経営の悪化が進むことが懸念されるところであり、今後の中小企業対策については万全を期していく次第であります。特に政府系中小企業金融機関については、今後中小企業者の借り入れ期待が大幅に増加するものと予想されますので、各金融機関の四半期別貸し出しワクの繰り上げ、補正による年間貸し出しワクの追加等の弾力的運用により適宜適切に処置してまいりたいと思います。
○阿具根登君 端的にそれじゃお伺いいたします。 ただいま私があげました公共料金の問題、国鉄運賃は、現在国会で論争されておりますからこれはおくといたします。米価も、通産大臣の所管外でありますからおくといたしまして、現在要請されております電気料金、あるいはきょうの新聞のガス料金、相当高額な値上げが要請されておるということを新聞で報じておりますが、これに対してはどういうお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 四国電力及び関西電力から値上げの申請が参っております。四国電力関係は、電力関係平均二六・九六%の改定率になります。関西電力におきましては、総合計にいたしまして約二八・一三%の改定率の申請でございます。これらの内容につきましては、内容を厳重に検査いたしまして、法規の定むるところに従いまして処理をしていきたいと思いますが、最近の物価の情勢、あるいは社会生活の情勢等から見まして、政府の一般的な方針であります公共料金の抑制という精神に沿ってこの問題を処理していきたいと思います。
○阿具根登君 そういう御答弁しかできないとは思いますが、これだけの物価高で、いま国民は非常な不安な生活をしておることは御承知のとおりです。それなら、まず歯どめとなるものは公共料金だと思うのです。政府がまず打たねばならぬ問題は。そうしますと、一応、私も新聞で見たばかりですけれども、私は値上げに全く反対でございますが、一部の考え方として、いままで大企業あるいは企業に対して非常に優遇しておったのを、今度はいままでのようにはいきませんよ、やはり世論がこわいのでしょう。だから今度は企業のほうにも、うんと値上げしますよという考え方が少しは変わってはきておるようです。しかし、この電気料金、ガス料金が上がってくるとするならば、私はたいへんな物価高を招く、いまでさえこうやっておるのに。だから、今日のこの状態において、大臣が、慎重にこれは検討しなければならぬ、なるべく上げたくないんだと、こうおっしゃっても、国民に与える影響というものは、大臣がここで、いや、公共料金はこの際上げることは考えておらないんだというようなはっきりしたお答えができるならば安心するでしょう。 しかし、いまのようなお答えだったならば、またこれは電気料金も上がってくるか、ガスも上がってくるか、これはもう直接生活に影響する問題です。しかも、これが中小企業に与える影響というものは相当大きなものだと考えなければならぬ。だから、まずそういう根を絶たなければ、いかにこういう法律案を出されても、私はこれは、結局は同じことを繰り返していく。何とかしなければならぬ、こうすればいけるんだと言うけれども、基本になる料金がどんどん上がっていくならば、結局国民の生活を圧迫するし、中小企業の倒産も招いてくる。だから、こういう根を断たなければならぬ。その根に対して確固たる信念がないということは、私は、どういう法律をつくられても結局は同じことを繰り返していく。そうして物価高にあえいでいく、中小企業を倒産に招いていく、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 電気料金が生活や物価に及ぼす影響については、われわれも非常に深い関心を持っております。申請が出たばかりでございますので、その中身をよく精査してみないと結論はわかりませんが、その理由としてあげられてきていることが、十九年間値上げを抑制してストップしてきたと、その間にかなりの燃料費の高騰とか、人件費の高騰とか、公害施設関係の費用の高騰とか、こういうようなことが理由にあげられておるようであります。しかし、現在の国民生活の状況やあるいは電力料金等の及ぼす影響等を考えてみますと、できるだけこれを抑制するというのはわれわれの方針でございますから、この中身をよく精査いたしまして、そうしてできるだけ抑制するという精神に沿って努力してみたいと思っております。
○阿具根登君 それ以上のお答えは、私も大臣の立場としてはできないと、そういうふうには感じます。感じますけれども、値上げを要請する場合に、理由がなくて要請することはこれはあり得ないんです。そういうことはないんです。しかし、一番国民の生活に密着しておるこの種ガスとか電気とかいう問題は、一番これは注意しなきゃならぬ。十九年も上げられなかった、あるいは十何年上げられなかったと言われるけれども、そういう点においては電力なんかというのは一番恵まれておったと私は思うんです。これこそ独占企業であるし、そう人件費が上がったといっても、たいへんな人間をかかえておるというわけでもない。私は、企業としては一番恵まれている企業じゃないかと思う。相当な収入も現在まであった。だから、ほかの物価が上がってきた、人件費が上がった、公害問題で手当てもせにゃならぬ、あるいは施設が老朽化した、おそらくそういう理由はあると思うんです。それも私はうそじゃないと思うんです。しかし、その間に今日までの利潤その他等を考えてみるならば、今日のこの場合にこの料金を上げるということは、私は承服できないんです。 御承知のように、いま一番国民が心配して身近に考えているのは、これ以上物価が上がるというのは、これはもうインフレもはなはだしい、耐え切れないんだという気持ちが、いろんな問題にこのごろ浮き彫りされているんです。とするならば、政府としては、どこにか断固とした一本の線を示して、国民に安心感を与えなければならない時期が来ていると思うんです。それに、こういう問題はやはり聞いてみなければならぬと言われる気持ちはわかるけれども、その前に日本経済全般を考え、国民生活全般を考える場合に、多少の無理があっても、これはしばらく待ったということをやっていかなければ、このあと米が上がってくるでしょう、あるいは運賃だってこの国会でどうなるかわかりませんけれども、そうしてくればもう野放しです。何ぼ規制されてももう規制はきかないんです。どこでこの物価を歯どめするかということになれば、おそらくこれで歯どめしなければ私はできない、こう思ってきておるわけなんです。これはもう大臣のお答えはいま聞いた以外には出ないでしょうから。しかし、私はこの法律を審議するにあたりまして、またその他にも私の発言の機会がありましたならば、公共料金の値上げについては、徹底的に反対して大臣の御所見を追及していきたいと、かように思っております。 で、次に、わが国の中小企業は、特に輸出中小企業では、今後、将来とも私たちがどういう考えで進んでおるにしても、日米の経済というものは、私は無視することのできない非常に大きいことだろう、かように思っております。そこで、わが国の中小企業の今後のあり方を考えますと、日米関係のあり方を抜きにしては考えられぬじゃないか、こう思うわけです。 そこで、端的にお伺いしますが、日米間の貿易収支は将来とも均衡するものと考えておられますかどうか。一応最近、電算機等の問題で通産大臣がやられて、何か非常に明るい見通しが日米関係の経済問題にはできたというようなことは言われておりますけれども、私は、いまのままでいけばやはり慢性的に輸出の超過が続くんじゃなかろうか。そうすると、いままでも圧力がかかっておりましたが、今後もアメリカから非関税障壁とか、課徴金とか、ドルの引き下げとかという問題が、さらにまた芽をふいてくるんじゃなかろうか。そうすると、結局後手後手に中小企業の対策を考えられる、こういうふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日米間の貿易につきましては、本年に入りましてから予想以上に輸出の鈍化、輸入の急増の傾向が見られまして、日米間の貿易収支における出超額は急速かつ顕著に縮小しつつあります。本年四月の時点で、物資別見込みの積み上げにより推計したところによりますと、四十八年度の対米貿易は輸出四・五%増、輸入三二%増で、わが国の出超額は二十五億ドル程度まで縮小すると見通されておりました。しかし、本年五月までの実績及び貿易先行指標は、従来の予想をこえるテンポで顕著なアンバランス縮小を示しております。すなわち、本年一月−五月の数値を年率に換算しますと、四十八年度の対米輸出出超額は二十億ドルをかなり下回る数字になることを示しております。これはかりに極端といたしましても、四十八歴年の対米出超額は、先ほどの二十五億ドルを下回る可能性も出てきていると考えられます。もっとも、この秋にかけまして金融の手詰まりとか、あるいは景気が下降線をたどってきた場合に、輸出の方向にドライブが向かってくると、この二十五億ドルを下回るという可能性はなくなると思いますけれども、一月−五月の数値を年率に引き延ばして見ます限りにおいては、そういう傾向が顕著に出てきているのであります。 こういう情勢と、最近コンピューター、IC等の自由化、五月一日に一〇〇%の自由化をやり、また輸入の自由化も四十九年及び五十年内にというそれぞれの目標を決定いたしまして公表いたしましたので、アンバランスの解消と、先方は最大関心を持っておりました品物の、資本並びに輸入の自由化等によりまして、日米関係の輸出に関する重苦しい空気は解消しつつあると思います。しかし、先ほど申し上げましたように、国際経済の推移いかんによりましては、いろいろ変動の可能性もあると思いますので、私たちは一面において中小企業に対する圧力を防除して、中小企業を健全に育成するということに、金融やその他の面におきまして最善の努力をいたすとともに、この貿易のバランス維持、回復という点についてわれわれも努力していきたいと思っております。
○阿具根登君 後日にいまの御答弁に対しては質問を延ばしたいと思います。 次に移りますが、輸出の中小企業にとりましては、為替相場の推移を抜きにしては、これは実際問題として考えられない。設備投資も事業転換のよしあしの判断もつかない。中小企業は、一刻も早く相場の安定、固定レートの復帰を願っていると思っておりますが、いつまで現在のような変則的な変動相場制が続くのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在の変動相場制はまだ当分続くと考えざるを得ない状態でございます。わが国をはじめ主要諸国の通貨は、すべて現在変動相場制でありまして、この中で各国が安定的な通貨制度確立のために努力はしておりますけれども、それができるまでの条件がまだ完全に整っていない状態であると思います。先物相場につきましては、二月−三月ごろの水準に比較して、ドル・ディスカウント幅も縮小し、かなり安定的な推移を示しておりますが、欧州市場の動揺を反映して、一時的に安くなる等、必ずしも明確な見込みが立ちがたい状態にあります。しかし、中小企業輸出については、中小企業製品の輸出にかかる為替予約の円滑化のための外貨預託等を実施しておりまして、支障を生じないようにつとめているところでございます。大体円、ドルの関係におきましては、六月十四日の市場レートを見ますと、二百六十四円六十銭程度になっております。
○阿具根登君 次に、先ほども申されましたが、一昨年のドル・ショックについては非常に心配をしたけれども、たいしたことはなかったじゃないかと、こういうことを言われましたが、今回のドル対策に対しても、中小企業の救済策ということは一応とられておりますけれども、いつもこれは事後対策なんですね。いつも、あとからあとからなんです。結果論でそうだと言われれば論争は別になりますけれども、しかし、もしも円の再々切り上げが行なわれるようなことがあったらば一体どうなるか。なれてきたからいいんだというものじゃないと思うのです。一番困るのは中小企業だと思うのです。そういうものに対して、何かそういうような変動が起こる場合は中小企業が一番しわ寄せを受けるのだから、まず、事前に中小企業を考えてみたらどうか、対策を考えたらどうか。確かに変動相場制をいま日本だけでどうせいと言ってもなかなか困難でしょうし、日本の経済全体を考えてみる場合も、世界の経済を抜きにして考えることはできません。しかし、日本の中小企業を考える場合は、日本の経済の中でどう位置づけていくのか、こういう変動があった場合に一体どう対処していくのかということを考えなければならないと私は思うのです。 そこで、まあこれで終わりますけれども、この法律案を見ましても、一応中小企業に対してはこれこれのことをやるんだ、こうやるんだということは書いてございます。書いてございますけれども、それについていけない中小企業はいつも倒産していく、倒れていく一番みじめな姿になっておるわけなんです。もしもこういうことで救済できない、これで立ち直りができないといって倒産していく場合の中小企業に対する手厚い手当ては、一体どう考えておられるか、その点をお伺いして私の質問は次に譲ります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の輸出関連中小企業の実態を御報告申し上げますと、主要輸出型産地の輸出成約状況は、変動相場制移行後一カ月弱経過後の時点では、大半の産地で成約が見られず、成約を見ている産地でも大幅減を訴えておりまして、三月も、総体として前年同月に比べて大きな落ち込みを示しておりましたが、四月−五月には依然前年同月の水準を下回ってはいますけれども、徐々に回復してきていると報告されております。 輸出関連中小企業の今後の見通しについては、前回のドル・ショック時とは異なって、金融が引き締められている中で、輸出向け納品価格の引き上げ難や人件費、原材料価格の上昇等によって経営内容の悪化が進み、深刻な響影が出てくることが懸念されております。政府としましては、前回ショック時に引き続き今回も輸出関連中小企業を中心に一連の緊急対策を実施しつつありますが、今後も細心に、小まめにその動向を見守りながら万全の対策を講じていきたいと思っております。 一つのポイントは、いま御指摘になりました、ついていけない中小企業をどうするかということでありますが、この点については、現在の企業を防衛するということのほかに、どうしてもやむを得ず転換しなければならぬというものにつきましては、省として指針及び指導要綱をつくりまして、各通産局より都道府県等に対してそれを示して指導しているところでございます。先般の場合の秋田のクリスマス電球とかそのほかのいろいろな先例等も研究いたしまして、やはりこれから転換すべき分野、転換する方法、それから販路や技術の指導の問題、それに伴ういろいろな金融的な措置等々につきまして、いろいろ具体的な手立てを指示しておるところでございます。 いままでの状況等から見まして、幾つかの分野がございますけれども、一つは環境整備需要への対応、これはスピーカー産業が医療分野へ出ていって自動血球計器に変わるとか、あるいは電気機器がガス漏れ警報機に変わるとか、あるいは洋食器がカーブミラーに変わるとか、あるいは自動車部品がごみ焼却炉に変わるとか、そういうような環境整備関係に新しい需要を見つけて変わっていくということがある。 それから余暇開発需要への対応。これは手袋がボーリング場に変わったものもございます。独立して。繊維製品がゴルフの練習場に変わるとか、洋食器がゴルフクラブに変わるとか、ゴム製品がゴルフボールに変わるとか、あるいは工芸鉄器が携帯用コンロに変わるとか、カバンが携帯用ハンガーに変わるとか、縫製品がリゾートマンションに変わるとか、竹すだれ業が大衆向けレストハウスに変わるとか、そういう例もございます。そのほか洋食器産業がサイクリングの部品、プレス関係が花壇のさく、火鉢がガーデンウエア、ミシン部品が畜犬管理、桐ダンスが楽器、線材が園芸用ビニールハウス、こういうふうに変わった先例もございます。 それからファッション型需要への対応といたしまして、たとえば銘仙が外衣ニットあるいは織布が外衣ニット、ケミカルシューズが高級化したくつに変わる。 そのほか住宅関連需要への対応として、人造真珠がインテリア家具、カバン地がインテリア布地、撚糸がスチール家具、メリヤスがインテリア家具、ぽっくりが厨房セット、スカーフがカーテン、撚糸がプレハブガレージ、プレハブトイレ、あるいはセントラルヒーティング関連機器、あるいは鋳物がアルミ鋳物製の門扉、木工が家庭用浄化槽、こういうふうに変わってきているものもございます。 いろいろな分野がございますので、これらのついていけない企業につきましては、その適正——持っておる技術能力をさらにこれを活用するということ、そういう基礎がないところへにわかに変えることはいずれの場合でも非常にむずかしいようでございます。持っておる部分的な技術でもあるいは販路でも、それを根拠にいたしまして次の方向へ転換していくということは、いままで成功した例のようでございますので、こういう面についていろいろな指導をし、また金融的な措置も大いに見ていきたい、こう考えておるところでございます。
○阿具根登君 いま、まあささえ切れない中小企業がいろいろな分野に転身した問題がございましたが、いまの大臣の説明を聞いておっても、いままでやっておった中小企業が、たとえば洋食器にしましてもその他にしましても、ほとんど生活と密接した仕事をやっておった人が、今度はレジャーのほうにどんどん転換していこう、あるいはゴルフのボールをつくるとか、ゴルフだとか、こういうような、私はそれがあながち悪いということは言いませんけれども、生活と密着したものについておった中小企業が、レジャーにくっついていってついていけるか、私は非常に不安だと思うのです。 いまやむを得ないからそうやっておるけれども、レジャーなんというのはこれは、いまから先もそれはあるでしょうけれども、余裕があって初めてそういうことができるわけなんです。そうすると、一番弱いところにその人たちはいま行っている。そうしたら必ず今度はまた転換しなければならないようになってくる、こういうことを私は感じるわけなんです。それで、特にまあ洋食器等は日本の中小企業の輸出の第一人者ですけれども、陶磁器なんかも、今度の円の切り上げではずいぶんこれは苦労しておるわけなんです。それじゃ陶磁器なんかというものをやっておるのを、これまたそれじゃ何というか、トイレのほうに回れとか、あるいは別のレジャーのほうに回れといっても、なかなか——私はそういうことはすべきじゃないと思う。これは日本の産業であります。今日まで長い伝統も持っておるのです。そういうものを育てていくのが私は中小企業に対する育成であって、そういうものがレジャーのほうに転換していくということは逆コースじゃないか、こう思うわけなんですね。 それで、こういう人たちもなるべく生産を行なうんですから、生活に直結した仕事がやれるように、おくれないように、先の心配のないようにしなければならぬ。まあ一部じゃ成功するでしょう。一部じゃ成功するでしょうけれども、たとえばボーリング等でも非常な勢いでボーリングはふえてきた。ところが、いまボーリングはどんどん変えねばならないようになってきている。そういう不安定なほうに指導しないように、もっと安定した、しかも国民の生活になるべく密着した産業のほうにいくようにしなければ、私はレジャーというものはそう安定したものじゃない、かように思うわけですが、いかがでしょうか。これで終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘のとおりだろうと思います。ただ、転換するという場合を考えますと、時間的な制約がございますので、いままで既存の業者のない分野へ出ていくという安易な道をどうも選びがちであります。既存の業者が地盤を張っている強いところへはなかなか出られない。だから新しい分野へ出ていく、そういうことでいまのようなレジー関係にも出ていかざるを得ないという実情であろうと思います。われわれといたしましては、そのことは非常なまだ不安定的な要素も含みますから、できるだけ公害とかあるいは自動車交通安全とか、そういうような安定した方向へ指導するように、できるだけ今後も努力してまいりたいと思います。
○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十一分散会 —————・—————