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71回国会参議院1973/04/24

商工委員会 第7号

発言数
138
登壇者
15
会派数
4
開催日
1973/04/24

会議録

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十日、棚辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として剱木亨弘君が選任されました。  また、昨二十三日、植木光教君、剱木亨弘君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君、高橋雄之助君が選任されました。     —————————————

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、阿具根石炭対策に関する小委員長から、小委員会における審査の経過について御報告をお願いいたします。阿具根小委員長。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ただいま議題となっております法律案について、石炭対策小委員会における審査の経過を御報告いたします。  小委員会は、四月二十日開会し、中曽根通産大臣の中近東訪問の目的、石油業法の再検討、米国エネルギー教書の意義、石炭の再評価、三菱大夕張礦業所の閉山提案、五十年及びそれ以降の出炭目標、石炭対策のあり方、石炭管理体制、石炭企業の石炭生産部門分離問題石炭専焼火力発電所建設の可能性など、石炭対策の当面する諸問題について質疑を行ない、同日で小委員会の審議を終了いたしました。  質疑の詳細は会議録で御承知いただきたいと存じます。  以上、御報告を終わります。

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 以上で小委員長の報告は終わりました。  本案に対し御質疑のある方は御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。  石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 賛成多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 時間が非常に限られておりますので、重点的に御質問申し上げていきます。  大夕張の閉山によりまして約二千三百人の失業者が出るが、それに対する対策は一体どう考えておられるか、まずそれから御説明願います。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 三菱大夕張礦業所の閉山につきましては、目下、会社側の閉山提案をめぐりまして労使でお話し合い中と聞いております。私どもの掌握いたしております数では、常用労働者が千九百人、下請その他を含めますと二千四百人程度の大規模な閉山だというふうに私ども掌握いたしておりますが、現時点におきましてはお話し合い中でございますので、具体的な対策については申し上げる段階でございませんけれども、もし万一閉山がきまりました場合には、閉山の規模が大きゅうございますので、大がかりな態勢を組みまして、その離職者対策について万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そこに資料があったらお知らせ願いたいと思いますが、現在まで北海道地域で相当な閉山が行なわれておりますが、それに就職をしてない人がどのくらいおるか、数がわかっておったらお知らせ願います。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 最近閉山になりました山別に申し上げますと、奔別炭礦が四十六年の十月二十五日に閉山になっておりますが、手帳を発給いたしました方が千八百六十一名で、うち就職されました方が千四百四十八名で、これから対策を講じなきゃならないまだ残っておられる方が百三十六名と、こういうふうになっております。  それから住友歌志内につきましては、昭和四十六年十月二十五日に閉山になっておりますけれども、手帳を発給いたしました数が八百六十七名で、就職されました方が六百八十九名、なお今後いろいろな対策を講じなきゃなりません方が五十一名。  三菱美唄炭鉱につきましては、四十七年の四月二十九日に閉山になりまして、手帳発給を受けられました方が千二百五十名、就職されました方が七百三十名で、なお今後対策を講ずる必要がございます方が二百七十七名。  次に、北菱鹿島炭鉱でございますけれども、四十七年二月二十八日に閉山になりまして、手帳発給者が三百二十二名で、就職されました方が二百六十九名、なお対策を講じなきゃならない方が十八名。  それから新夕張につきましては、四十七年の四月十七日に閉山になっておりまして、手帳発給されました方が二百五名、就職されました方が百二十五名で、なお対策を要する方が五十二名、こういうようなことになっております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、いま数字を聞いただけで大体五百名の残留者がおられる、仕事がない方がおられる、こういうことになると思うのです。  そうしますと、石炭の閉山は、御承知のように、九州から始まって九州に非常に大きな失業者が出て、田川等の一部ではスラム街みたいな非常に気の毒な状況まで起こっておる。そういうことを一応解消するために、緊就なり開就なりを九州ではやられて相当な効果をあげておられる、それにも意見はあります。今度の予算では二百名からの減員になっておる。そういう点もございますが、現在はほとんど北海道に移って、北海道が次々に閉山が行なわれている。そうして、特に北海道は、九州と違って一年のうち半年は雪でございますので、滞留した方々は非常な苦労をされておる。  前は、北海道で閉山があった場合でも、北海道に滞留された方はほとんどなかった。ところが、最近は非常にこういう大手の山が閉山していくということになりまして、残留されました職のない方、いわゆるどんないなかであろうと、人間が自分の一生を通じて働いた職場には、その地方には非常な人間的魅力もあるし、そこに残られる方、外に出られない方、こういう方も相当あると思うんですが、なぜ北海道に緊就なり開就なりを持ってこないのか。そして、北海道のこの失業者対策を万全にやれないのか、その理由をお伺いいたします。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 先生御承知のように、緊就事業は三十四年に事業を起こされたわけでありますけれども、北海道におきましても、緊就をやるかやらぬかという議論がございまして、結果的には、いま先生御指摘のように、積雪寒冷地というようなことで実施をされなかった経緯がございます。  開就につきましても同じようなことが言えるかと思いますけれども、私ども、この両事業が北海道で行なわれてない理由を申し上げますと、北海道におきましては、大体雪が降りまして、他の公共事業も同じように七カ月程度しか工事ができないということが一つございます。緊就、開就事業というのは、特に開就事業につきましては、他の公共事業とうまく組み合わせをしまして、年間、失業者の方が就労できるような仕組みでこの事業を運営いたしておるわけであります。そういたしますと、北海道では、他の公共事業も冬の期間行なわれませんので、失業者が年間を通じて就労ができないという事情が一つあるわけでございます。もし公共事業が少なくて、九州の場合で公共事業があまりなくて、十二カ月うまく働けなくても、そこでは失業保険をうまく組み合わせまして、通年的に手当てができるというような体制が組めますけれども、北海道におきましては、全くもう七カ月程度しか事業ができないというようなことで、失業対策上非常にむずかしいということが言えるかと思います。  もう一つ、やはり北海道でもいろいろ御研究いただいておりますけれども、冬期間の、冬の雪の降っている中で工事をすることが非常に技術的にむずかしい。工事したあといろいろな問題が技術上出てきております。そういうようなことで事業効果上、非常に問題がございますし、事業の経費の面からも問題がございまして、やはり事業吸収方式によるその失業者対策というのは非常に問題があるということで、現在実施していないようなわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 九州もそうですけれども、北海道は特に御承知のように、炭鉱があるところは非常に便利の悪いところである。たとえば美唄の場合は、三菱も県も入り、政府も一応御了解の上だと思うんですけれども、相当の企業を持ってくるということが約束であったわけです。企業を持ってきて、失業者を滞留しないように救済いたしますという約束であそこは閉山になったと思うのです。しかし、実際ふたをあけてみると、企業はなかなか来てくれない。しかも親会社である三菱が、企業は責任を持って持ってきますと言ってやっておりながら、見るべき企業も来ておらない。  今度また大夕張になってきましたならば、御承知のように、大夕張はいまもそうですけれども、昔は鉄道が一本あって、三菱の汽車に乗らなければ行けなかった陸の完全な孤島なんです。いまだって道が一本ありますけれども、それはなかなか企業を持ってこいなんていっても、行けるところじゃないです。一番の陸の孤島で、一番不便なところなんです。そういうところに企業は持っていけない。そうすると、一体この人たちはどうするのか。  たとえば、札幌で今度離職者センター、非常に画期的なことを労働省のほうも踏み切っていただきまして、これは非常に大きなモデルになるだろうと思って、私も相当期待しておりますが、それで吸収ができるのか。そのほかにこういうやっぱり大きな都会にそういう住宅なりセンターなりをつくって、そうしてわざわざ僻地に企業を誘致しなくても、その人たちが働けるような職場が見出せるかどうか。どういうふうな考え方を今後持っておられるか、お尋ねいたします。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) これからの北海道における閉山は、非常に山奥で起こるということがございまして、先生の御指摘のように、なかなか企業誘致ができないということがございます。まあ離職者の御希望に応じて私どもは御相談に乗るわけでございますけれども、最近、やはり道内で就職をしたいという希望が非常に高くなってきております。そのことを十分頭に置いてやっていかなければなりませんが、なおそれでも足りなければ、やはり県外で御就職をいただくということもあわせてやっていきたい。最終的には、失業者の方が安定した雇用におつきいただくことが離職者対策のやはり基本だと思いますので、そういうふうにやってまいりたいと思います。したがって、県外の就職につきましては、今回の法案改正で、求職活動費をつくって他地域に就職いたしますわけですから、非常に不安がございますので、県外に出かけていって、紹介された事業所を見て、安心をして働らけるなら行っていただくというような形で、今度求職活動費というものを新設いたしました。  それから、道内で御就職いただく方につきましては、先ほどお話がございましたように、札幌その他道内の事業地にできるだけ山のほうからおりてきていただくと、そのためにはやはり住宅対策というものが基本になりますので、近く札幌に約一万坪の土地を確保いたしまして、住宅団地をつくりたいと思います。そういうような構想で、他にも土地を、むずかしいいろいろの問題がございますけれども、土地を求めて、住宅対策を基本といたしまして、積極的に道内の就職あっせんをはかってまいりたいと、こういうふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうすると、今度の特色は、いわゆる県外に就職を求める人が、紹介所のあっせんで県外に出ていった場合は、その旅費なり旅館代をめんどう見ます、こういうことなんですな。そうすると、いま部長が言われましたように、北海道は非常にへんぴなところで、そこで仕事をするといってもなかなかないから、できれば県外に出てください、しかしその費用や旅館賃は持ちますよ、こういうことだろうと思うのです。そうしますと、せっかくあっせんをしていただいて、旅費をもらって、宿賃をもらって行ったけれども、どうもそれは私のからだに合いそうもない、それで帰ってきた、たまたま今度また県外にいい就職口があるよというような場合には、二回でも三回でも見るようになっているのか、一回きりなのか、お尋ねいたします。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) まあ私どもは安定所で紹介いたします場合には、事前に十分に奥さんを含めまして御相談に乗って、行きました場合には、大体成功率は非常に高いものでいくように運営いたしたいと思います。したがって、そういうたてまえから一応予算上は一回といたしております。もちろん、最近、会社とも十分相談をして、もしその一回で足りない場合には、いろいろ会社との相談をしながら、具体的にそういう就職に結びつくような場合は、実質上、そういった広域求職活動ができるような措置は講じてまいりたいと、こういうふうに思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 数回もということも少し疑問があるかもしれませんけれども、まあ炭鉱の平均年齢が四十七、八歳としても、それから再出発するということは容易ならぬことなんです。だから、いまの部長の話をそのままうのみすれば、まあいよいよ四十七、八、五十に手の届くようになってから県外に出ていくと、子供を連れて出ていかにゃならぬということになったら、相当な勇気が私は要ると思うんです。それを一回だけでということは、もう無理くりそれに当てはめるんだという結果になってくる。ことばを裏返せば、今度行ってだめだったらもうあと知りませんよ、こういう結果になりやしないかと、こう思うわけなんです。  私が心配いたしますのは、いま親がかりの青年諸君とか、子供が一人か二人かおって親がいないというような身軽な方々だったら、どこへ行っても仕事はあると思うんです。しかし、九州の滞留を見てみましても、残っておる人は相当年輩の方々ばかりなんです。だから、これに対しては特に注意をしていただかねば、何か無理くりおまえはもうこれで終わりだぞ、これの言うことを聞かなかったら、もうこれからはあんたはここで生活保護を受ける以外ありませんよというような姿になるような気がしてならないんです。  それは一つはなぜかと申し上げますと、私は足尾の閉山に最近行ってまいりました。ところが、足尾では退職した人の五倍ぐらいの求職があるわけなんです。そうすると、今度は町は、そんなみんな出てもらうならば過疎地になってしまうじゃないか。それで、ここに企業を持ってこい、こう言われるわけなんです。企業はなかなか来ない。しかし、青年は出ていくけれども、残ったのは年寄りばかりだと、過疎になってしまって、しかも残ったのは年寄りばかりだと、生活保護の対象になるような方ばかりだということが往々例がありますので、もう少し何かあたたかい方法はないだろうか。  これは中高年齢だということを頭に置いてもらいませんと、若い人だったら、いま時分心配はないと私は思うんです。なかなか仕事がない、そういう方々が滞留するんだから、しかも北海道の雪の中なんです。よほどひとつよく考えていただかねば、緊就もできない、開就もできないような雪の事情だと、そうすると一体どうなるだろうか。現在、美唄でも相当な人たちが残っておる。そうしてこの人たちは仕事がなくて困っておられる。美唄がいまの報告では二百七十七名ですな。そうすると、美唄、大夕張というところで私は千名をこす中高年齢者の滞留が出てきやしないかと、これに対して何か抜本的に考えていただかねば、とてもこれは救済にはならないと、こういうふうに考えるんですが、ほかに何かいい考えございませんか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 北海道の離職者の問題は、なかなかこれはいろいろな困難な事情がありまして、特に長年居ついて、その職業になれまして、いま言ったように活動費を出して県外へ行けと、こう言っても、実際は行ってそれが居つくかというと、なかなかこれはまた舞い戻る。やはり故郷という味も忘れられない。しかもいま大夕張のように、そこが大量に閉山したら、そこでこう何とかと言っても、これはまあ工場——総理が日本列島改造を言っておりますが、それは別にいたしまして、何とか仕事を導入してくると言うても、大夕張のようなへんぴなところには、これはなかなか来ません。そういうような関係で、やはり離職者に対してあたたかい手を差し伸べると、ただ理論とか理屈の表現でなく、安定した雇用の確保と、安心してもうここでひとつ定職したのでここに居つこうと、こういうようなあたたかい、北海道は北海道の方の人心を把握したやり方をせにゃいかぬ。  これは私の役所のほうでもいろいろ考えておりますが、当然いろいろな援護対策も講じにゃいかぬ。あらゆる離職者対策は講じなくちゃならぬけれども、阿具根委員から、私、役所の連中から聞いたのでありますが、ちっと抜本的にやらにゃいかぬということをお伺いいたしまして、北海道については、やはり都会へ出てくるといったって住宅はない、それだけの建設するだけの能力もないと。会社は閉山するのでありますから、それに対して会社並びに組合があっせんするといってもなかなかいきませんので、阿具根委員から御指摘のような、ひとつ、まずまあ工場の導入の問題も大事だが、安定するような住宅を考えにゃいかぬと、こういうので、御趣意の点を尊重いたしまして、四十八年度初めて予算化したんでありますが、これを来年度も相当大夕張とかいろいろな離職者の動向を勘案いたしまして、これに本腰を入れまして、本年は、まあここに資料は持っておりますが、二万何千平米の土地を先に確保して、そこに離職者の方が入ってもらうように、本年度は四百を建設する。そして、そこで住宅を与えて、それから大夕張のような大問題が出たときには、やはり通産省なり各省の協力を得て……。  このごろ、私は四国でありますけれども、日本列島改造問題と別に、ある面では求人という点で企業がかってに都会などに行くと、労賃が高いとかいろいろな悪条件がだいぶ山積いたしておりますので、自然と工場が導入するような機運がだいぶ出てきております。それと相マッチして、そうするといったって、まず、住むところをせなかったら、これは出ていかなければならぬ。出ていってまた帰ってくると、もううろちょろうろちょろして、結局、固定的な安定雇用ができませんので、これをひとつ大いに力を入れたい。まあいまのところでいろいろな援護対策を講じますが、これもそうお一人お一人に全部の金を出すということも、いろいろな費用を出すということもできませんので、とりあえず本年度は、先生の御指摘のような問題にまず着手して、そしていろいろな援護対策を導入いたしまして、きめこまかい対策を講じたい所存であります。  以上が、いま私の考えておりますまあとりあえずの方法であります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大臣がおっしゃいましたように、札幌の、一万坪からの土地を買い上げてもらってモデル的な離職者センターつくってもらうことは、私も感謝いたしておりますし、ここにおる大矢さんも私も相当この問題じゃ北海道もかけずってまいりましたが、私たちが現場に行って労働省の皆さんと話をする場合でも、ちょっとなるほどなという問題があるわけなんです。  たとえば今度の予算でも、関税の十二分の十で一千八十億というのが通産省についておる。労働省には十何億しかついてない。そして会社閉山を許可し、指導するのは通産省じゃないかと、そして今度出てきた失業者は労働省を、わんわんあなた方をたたくけれども、土地はどんどん値上げしてくるし、どうにもならぬじゃないかということを現場に行けばよく聞くわけなんですね。どうでしょうか、いまの予算で、たとえば今度の大夕張のやつがかりに出たとすれば、それに対する収容能力はあるかどうか、それを一点お伺いしておきます。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 現在、北海道には各地に住宅を持っております。ただ、多少需要地に、必ずしも交通至便なところにあるかという問題がございます。したがって、私どもといたしましては、いませっかくやっております住宅対策以外にできるだけ土地を物色いたしまして、早急に住宅の拡充対策をはかっていきたいと思っております。大夕張で約二千三百の方々でありますが、おそらく県内のほうがウエートが高いと思いますので、その辺の今後の就職動向と見合わせながら住宅の計画を立てていきたいと思います。  なお、応急的には、いろいろ住宅確保奨励金その他の制度も活用しながら、この大夕張の方々の安定した雇用に結びつくように努力をいたしてまいりたいと思います。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大臣が列島改造論とはこれは違うのだということで何回もお話しになりましたが、実際、北海道の土地を買うときに、私もいろいろ調べてみましたけれども、ほとんどいい土地はもう商社が買い占めてしまっているわけなんです。これは列島改造論の責任なんです。土地対策を持たずにああいうことをやったから——ここでやるべき問題じゃありませんけれども、土地が高くなってしまって、札幌なんてもっといいのがあったんです。しかし、商社が手に入れてしまって、これは労働省の予算じゃ買えなかった。  ところが、たまたま今度の一万坪というのは、非常に良心的な方が、私が考えても、よくこのくらいで公共のためだといって投げ出していただいたと思って、私は感謝いたしておるぐらい好意的な措置をとっていただいたのです。だから、いまのような土地の値上がりで、いまの予算関係の中で、数万坪の土地を買い占めるということはきわめて困難だと思いますので、その点はひとつ十分弾力を持って早急に手に入れてもらい、自後の対策を立ててもらいたい、こう思うわけです。  それからもう一点お尋ねしたいと思いますのは、ここじゃ黒い手帳と言いますが、求職手帳をもらっておるのは一体どこどこなのか、これをお尋ねいたします。石炭とそのほかにどこどこがあるか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 黒い手張と申しますと、三年間の期間にわたりまして、手当をもらいながら就職指導その他の対策を受けられる方々のことでございますが、現在、類型といたしましては、この炭鉱離職者と駐留軍離職者、それから沖繩関係離職者、それから繊維の買い上げに伴って離職されました方々、この四種類になっております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 何かこの石炭問題が、関税の中からいただいておるので、石炭だけがかわいがられておるというような一部の誤解もあるようでございますが、じゃこの場合、どうして同じ鉱山であり、同じ坑内労働である金属鉱山、非鉄金属鉱山の求職手帳というのはないのか、それをお尋ねいたします。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 金属鉱山の離職問題につきましては、先生御指摘のとおり、なかなかたいへんな問題でございますけれども、先ほど失業対策部長から御説明しましたような、炭鉱それから繊維、こういうような場合は、施設、設備の買い上げというようなことを前提とした場合に、三年間の手帳というのを出しているわけでございます。それから、駐留軍と沖繩につきましては、これはそれと同等あるいはそれ以上の大きな変動というようなことで、沖繩の場合は復帰ということで、税制が変わる、あるいは法律が変わるというようなことでもって出しておるわけでございます。したがいまして、金属鉱山の離職者につきましても、私ども、個別にきめのこまかい対策を講じてまいっておりますけれども、三年間の手帳制度というのは、そういう買い上げその他を前提としておらないということで、手帳制度をとっておらないわけであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 紡績は織機を買い上げたから、その失業に対しては求職手帳はやる、石炭に対しては、鉱区、採掘権、租鉱権、一切のものを買い上げてしまってなくなったから、これは求職手帳で三年間見てやる、沖繩もそれに類似したもの。しかし、金属鉱山はこれだけ閉山になっても、何も国が買い上げてないからめんどう見ないんだと。これは一応表面にはそう見えますけれども、それじゃ、金属鉱山は一切国の援助を受けなくてやっておるのかどうか。  私の知る範囲では、現在は銅の地金が四十数万円になっているから出ておりませんけれども、三十八万五千円までの間は税金が取られてないのです。三十八万五千円以上になったら、これはもう一応楽にいけるということになっている。ロンドン建て値だから、いろいろあるでしょうけれども。しかしその間、税金を取らずに安い鉱石を日本に入れて仕事をしておるから、国が買い上げる必要がないんだけれども、ちょうど油に関税をかけたように、鉱石に関税をかけておったら石炭と同じことになるわけだ。それをそうしなくて、関税を取ってない。だから企業家は、国内の鉱石を使えばコストが高いです、なるべく国外から鉱石を持ってくれば税金がついてないから安いわけです。だから国内の鉱山はなるべくつぶれていくようにしていくわけです。なるべく大会社から国内の鉱石を掘っておるところは分離していってしまうんです。そうすると、安い国外から来る輸入鉱石を使っていくのだ、税金のかからないやつを使っていくのだ、こういうシステムになっておるから、結局、その金が、大蔵省に入らぬ特別会計ではないけれども、しかし実際は企業者のふところにうんと入っておるわけなんです。だから、国の施策でこれはやられておるんです。  そうすると、閉山になって出てきた失業者というのは同じことなんです。だからこの失業者に対しても、黒い手張ということがまずいならば、求職手帳に何かかわるものを当然考えてやらなければ、これは一方的じゃないか、こういうふうに考えるわけです。確かに金属のほうは親会社が大きいから、相当な就職率もあるようです。石炭よりもいいようです。いいようだけれども、ただ一つの考え方として、これは会社が税金でまかなっておられようと、税金を免除してもらっておろうと、その職場がなくなって出た失業者というのは同じ条件だと私は思う。だから、なぜこれに求職手帳を渡して、そして政府がめんどう見ないか、こういうことなんですがね。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 金属鉱山の離職者に対しましては、確かに手帳は出しておりませんけれども、たとえば四十五歳以上のこの人たちは、中高年の方々は特に手厚くしておりますし、それから中高年に達しなくても求職、求人のバランス等におきまして、三十五歳以上の方はたいへんでございますので、訓練手当、それから移転資金、広域求職活動費、住宅確保奨励金というようなものは一応めんどうを見ているわけでございまして、私どものほうとしましては、手帳は出しておりませんけれども、この方々に対しましては、その実情に応じて十分なお世話をしておるわけでございます。  特に先生も御指摘のように、かなりかたまって離職者の方が出る、それからその地域がやはり炭鉱と同じように山の中である。私もこの間、足尾に行ってまいりましたけれども、相当いろいろたいへんな、求人は確かにあるけれども、長年住みなれたところを離れなければならぬ、あるいは残る場合でも、住宅の問題がある、たいへんでございますので、私どもとしましては、そういう実情に即しまして十分手厚い措置を今後ともとってまいりたい。したがいまして、手帳を出すことはいまのところなかなかいろいろの問題があると思いますけれども、実情に即しまして手厚いきめのこまかい措置をもって進んでまいりたい、こういうふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 石炭の失業者と鉱山の失業者と、まあ鉱山の失業者は三十五歳から四十五歳の中高年ですか、これを見ておるとおっしゃるけれども、ただ三年間だけの差なのか、その他どれだけ開きがあるのか、一般の失業者と金属鉱山はどれだけ開きがあるのか、御説明願いたい。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 金属鉱山の場合、炭鉱離職者に対しまして三年間の就職促進手当ですね、これは失業保険金が切れてからもらうものでございますけれども、こういうものがないわけでございます。  それから再就職奨励金、これは、失業保険をもらっている間には、失業保険の制度によりまして就職支度金などというものを十万円、あるいはそれ以上のまとまった金が出るわけでございます。それに匹敵する失業保険が切れてから出る再就職奨励金、そういうものがないわけでございます。  それから雇用奨励金、これはそういう離職者が出たという場合に、事業主のほうに雇用を促進する意味でもって、こういうお金をやるから雇ってくれ、こういうお金でございます。そういうものがございますが、その他若干ございますが、おもなものとしましてはそういう点が差があるわけでございます。  それから、先ほど金属鉱山と一般との間はどういうことになっておるかということでございましたけれども、三十八年の当時、金属鉱山の離職者に対しまして特別の措置を講じたことがございますが、現在は、金属鉱山の離職者は一般の離職者の一環としてその意味では取り扱っております。したがいまして、炭鉱の離職者と金属鉱山の離職者につきましては、そういうようなことで若干の転換給付の種類に漏れがある、こういうことになっております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そうしますと、国が直接買い上げてないから求職手帳はやっておらないとおっしゃるけれども、一応会社に対しては、石炭も鉱山も同じ手当てをしておられるわけですね、就職奨励金、住宅確保奨励金。会社に対しては同じように、石炭も金属も同じ手当を出しておるじゃありませんか。そしてどうして労働者に出せないのか。会社に金を出すほどだったら、なぜ労働者にやらないのか。国が買い上げてないからこれはめんどう見てないというのは、会社に対してめんどう見ませんというのはわかりますよ。労働者に対してはめんどう見なくて、会社に対しては金属も鉱山も同じじゃないですか。これはどうなりますか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 会社に対しましても必ずしも全部同じじゃございません。たとえば、いまの雇用奨励金というものがございますけれども、これは炭鉱の場合には出しておるわけでございますが、金属鉱山の場合には出しておらないわけです。したがいまして、会社にやるやつは差別つけないとか、そういうことではございません。一般的に手当とかそういう奨励金について、若干金属鉱山の場合には欠けているものがある、こういうことでございます。雇用奨励金は会社に出すものでございまして、これが金属鉱山の場合には、現在ないわけでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 住宅の問題はどうなっていますか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 住宅確保奨励金の場合は、先生御指摘のように、石炭の場合にも、それから金属鉱山の場合にも出ることになっております。差別はございません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 だから、会社に対してそういう奨励金的なものを渡して、そうして実際その山を離れていく、失業する人には渡さないというのが私には納得できないんです。これはどういうことなんですか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) ちょっともう一度、すみません。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 たとえば住宅手当ですね、これは会社に出るのであって個人に出るのじゃないでしょう。そうして、これは金属鉱山も石炭鉱山も同じですね。他の繊維関係も同じでしょう。そうすると、会社に対しては、たとえば、買い上げてないから求職手当の手帳の対象にならないんだと、こうおっしゃるところに、会社に対しては住宅手当もちゃんと支給されておる。どうも矛盾を感じはしませんか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 先生のおっしゃる意味は、おそらくこういうことじゃないかと思うのでございますが、やはり先ほど申しましたように、金属鉱山の場合も非常に立地条件、それから一度にまとまってかなりの離職者が出るということに当たるので、会社に渡すものでなくて、労働者に渡すような奨励金あるいは手当というものも、何か普通のものにないようなものも考えたらどうかという、こういう御趣旨でございますが、先ほどの再就職奨励金というものが金属鉱山には欠けておるわけでございます。  ただ、再就職奨励金というのは、技術的の問題になりますが、就職促進手当というものとのからみといいますか、その上に乗っかるような形でできておりますので、非常に技術的な問題もございますけれども、先ほど先生御指摘のとおり、金属鉱山につきましては、そういう立地条件、それから離職者の態様、こういう点から見ますれば、私は石炭と似ている点が非常にあると思いますので、この再就職奨励金そのものずばりがいいのか、あるいはこれにかわるような、もっと効果的な金属鉱山の実情に適したものがいいのかという点につきましては、いろいろあると思いますが、いずれにしましても、こういう金属鉱山の離職者の方々に対しまして、先生御指摘の点はもっともでございまするので、その再就職を促進する、あるいは奨励するという措置について、誠意をもって検討してみたいと、かように存じます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 これで終わりますが、いまの問題で、ひとつ大臣の気持ちを披瀝してもらいたいと思うんです。一方は、何回も言うように関税で相当な優遇をされておる。関税を特別会計にしてその中から優遇をしておる。だから、私はそれが税金をかけるとかかけないとかという前に、一応同じような手が鉱山にも石炭にも打たれておると、こう見るわけです。そうした場合に、労働者の住宅の問題だから、これはどちらにやられてもいい。なぜ会社にやるかという問題じゃない。これは石炭にしてもどっちにしても言えるわけなんです。会社にやれ、あるいは個人にやれというのはどっちにしても言えるわけなんです。しかし、それを会社のほうには見ておって、同じ失業者、炭鉱と同じ条件のもとで、非常な山奥で失業されておる方々、確かに金属のほうが就職率はいいんです。だから、実際問題としては微々たるものであると思いますけれども、同じ鉱山の労働者であって、一方には求職手帳がある。そしていろんな問題で優遇されておる。ところが、一方は一般と変わらないのだ。こういうことになってくると、何かそこに矛盾を感じるわけなんです。だから、これに対して大臣がどういう対策を今後立てていくかということをお伺いしておきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 御指摘のように、金属、炭鉱といっても同じ鉱山でありますから、労働者から見ると、特に鉱山だけを手厚くして、われわれにはちょっといろいろな対策が不足しておるのじゃないか、この御不満は私、出ると思います。  先ほどから政府委員から言ったように、まあ国が買い上げたらとか、国の政策が直接変更したというものに対して、駐留軍だとか石炭だとかいうものには少し、これは相当手厚くなっております。まあ金属の問題も、同じ鉱山でありますから、石炭と金属とどこがどう違うと言われると、これはもうほんとうに御意見のとおりでありまして、そこまでいきますと、次にまたいろいろな問題も出てきますので、いまさっそく炭鉱と同じような対策の変更ということも、なかなか困難な事情であります。  特に、鉱山は御承知のように、中高年齢者が多いんでありますから、就職の奨励金を渡すとか、何かひとつ具体的に阿具根議員の御指摘の点に沿うように、いま、いみじくも中原審議官からも、ちょっと何とか対策を講じたいという意見がありましたが、私からもこれはひとつ考えなくちゃならぬと、こういうふうな意味で、この問題に対して熱意を持って何らかの対策を具体的に検討いたします。いまさっそく、これが一番最適だという方法も見ておりませんが、奨励金を出すとか何か、奨励金でも足らぬと——ほとうはまあ促進手当を一つ加えりゃいいんでありますけれども、いろいろな関係もありますので、何か代案をこしらえて、具体的にそれが対策を講ずるような方向に持っていきたいという所存であります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 終わります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それじゃ、私は二、三質問したいと思うのですが、今回の法案の概要について初めに御説明いただきたい。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 今回の法案の改正の主要な点を申し上げますと、第一点は、現行の求職手帳の発給要件を緩和した点でございます。  現行法は、過去の特定の日に在籍することを要件といたしておりますけれども、今回の改正案では、昭和四十六年七月以降その離職の日まで一年以上炭鉱労働者として引き続き雇用された経歴を有する者に対しても、手帳が発給できるようにいたした点でございます。  第二の点は、公共職業安定所の紹介によりまして、県外等の広範囲な地域にわたって求職活動を行ないます炭鉱離職者に対しまして、広域求職活動費を支給することができるということでございます。  第三点は、現行法の廃止期限が昭和四十九年三月三十一日となっておりますのを、昭和五十二年三月三十一日とすることでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ただいまの三点の改正によりまして、いわゆる救済される人数というのはどのくらいですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) この求職要件の緩和につきましては、閉山される山ごとによりまして新しく入ってきた労働者の数が相当違いますので、何とも一がいに申し上げられません。  ただ最近、山野、漆生という閉山がございましたので、その二つの山について一応の概算をいたしましたところ、大体九%程度が新しく手帳の発給が受けられると、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまのは第一点ですね。  第二点の、広域求職活動とありますね。そういう点で、実際にことし一年間、そういう法案のいわゆる改正の恩恵を受ける人は大体どのくらいいるのか、それから——その第二点もうちょっと。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 広域求職活動費の対象者は、先ほど申し上げましたように、県外就職を希望される方が安定所の紹介によって事業所を見たいということになりまして、一応平均単価一万円組んでおりまして、六百三十万円でございますから、大体対象といたしましては、一応予算的には六百三十人ということになりまして、数は少のうございますけれども、六百三十万を一応組んでございます。これは実際の運用において、予算の実行によって数がふえれば手当てをいたしてまいりたいと、こういうふうに思っております。  それから第三点の、三年間延長することによってどれだけ対象になるかということになりますと、昭和五十年度で二千万トン見込まれるわけでございますが、これも、どの山がどうなるということがはっきりいたしませんので、対象の数が一がいに申し上げられません。私どもとしては、今後、予算によって逐次積み上げて対象をはっきりさせていきたいと、こういうふうに思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうもいまのわからなかったのですがね、六百三十何ですか、六百三十人で、六百三十万円が予算ですか。この予算のあれによりますと、炭鉱離職者就職促進手当というのは、この表によると百三十二万ですね。これはもっとほかにあるんですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 私どもの手元の、炭鉱離職者促進手当の経費は十三億二千万でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 十三億二千万ね、わかりました。この予算の点はわかりました。  そうしますと、先ほどからいろいろ質問がありまして、離職者の再就職の対策の問題についてもいろいろ話がございましたが、そこで特に中高年齢層の就職の問題再就職の問題について種々話がございました。しかし、具体的には、結局、先ほど大臣から住宅の問題がありましたけれども、その中高年齢層の人たちに対する具体的な就職についての労働省としての対策は、私、なかったと思うのですけれども、これは具体的にどういうことなんですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 炭鉱離職者の大部分の方が中高年齢者と思います。したがって、炭鉱離職者対策の援護対策を十分やっていくことと同時に、一般的に中高年齢者対策といたしましては、中高年齢者に対する就職促進特別措置法というのをまた別に法律を持っておりまして、たとえばそれの中では、求人条件を中高年齢者向きに緩和してもらうとか、あるいは中高年齢者に向いた適職のあっせんとか、あるいはその適職についての雇用率というものを設定いたしておりますので、そういった中高年齢者に対する他の対策と炭鉱離職者の援護対策とを組み合わせて、中央、地方力を合わせてやっているようなわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 実は大臣、私もこれをいま質問しておりましても、非常に残念に思うのですけれども、私自身ことしから商工委員会を担当しまして、炭鉱問題をこの間から取り上げて一生懸命やっているわけです。これから勉強していきたいと私も思っておるわけですけれども、いろいろな話を聞き、実際に現地を私自身見ていないというのは非常に残念でございまして、どうもこれから勉強したいと思っておるけれども、なかなか力が入らない。具体的にわからないわけです。しかし、いろいろな話を総合して私も考えるのですけれども、確かにいろいろな何といいますか、中高年齢層の方々がどんどん離職をしなくちゃならない、職場がなくなっていく、そういう人たちに対する具体的な対策というのは、やはり政府が私はもっと基本的に町づくりといいますか、そういうようなことをやらないといけないのじゃないか。  前の議事録なんか読んでみますと、たとえば先ほどもちょっと話がございましたけれども、企業誘致をするとか、あるいは国営の企業、公共事業等をどしどしやる必要がある。しかしながら、そういうようなのがなかなか思うようにいかないということが私はあると思うのです。実際問題として工業を誘致するにしても、これは要するに、工業が来れるような、また企業がその町に誘致できるような、いわゆる立地条件といいますか、そういうようなものが完ぺきに整わないと、実際のいわゆる企業を誘致したり、あるいはそこに公共事業をするというようなことはできないと私は思うのですね。だからそのためにはやはり、これは労働省だけじゃなくて通産省やその他のところも、政府全体がかかって道をつくったり、あるいは水資源を確保したり、あるいは電力をちゃんとしたり、その中の一つとして住宅というものがあるのじゃないかと私は思うのです。こういうようなやはり全般的な政府の対策というものがなければいけないのじゃないかと私は思うのですが、ここの辺のところ、大臣、どうですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 御指摘のとおりであります。私も大臣に就任いたしまして、特に炭鉱の場合には、長年勤続して中高年齢に、お年寄りになったのでありまして、ただ従来のような万般の訓練だとか、対策本部を設置してやるというような体制はできておりますが、もう少し私、遺憾の点もあります。この点については、これはほかの役所を非難することではもう全然ありませんが、会社がいろいろな国内の産業、エネルギーの転換、またはいろいろな貿易の自由化、科学の問題、その他のいろいろなしわ寄せが来まして炭鉱もこれが遺憾ながら閉山に至ると、こうなるのでありますから、離職者が出た、もうそれは労働省の管轄だと、おまえのほうでかってにやれと言ったって、これはなかなか労働省の予算も限られておりますし、本年の予算の編成のときにも、こういうような予算の確保では困るぞと、こう言って私も強調いたしたのでありますが、微力でまだ私の理想の点まで達しておりません。そういう意味で政府、通産省その他がやはりあたたかい目を持ってこれに対して本腰を入れる。  住宅問題につきましては、ただ建設省は、もう労働省のほうはおまえ関係ないと言っていないで、建設省のほうもこれに関係する。そうしてやはりケース・バイ・ケースによって閉山した鉱山の立地的条件とかいろいろな関係がありますので、やはり対策本部に対して、それはもう労働省でおまえは関係ないというかっこうでなく、各省の協力のもとに対策本部をつくって、それに対する万般の——工場の誘致といったって、労働省ではどうも力がありませんので、やはり本腰の対策を講ずるのが当然と思います。  そういう意味で、従来は訓練をするとか、職場紹介するとか、職業相談をするとか、中高年齢対策でいろいろやるとか、促進手当を何か出すとか、手帳を出す、これで万事OKだというのではいけませんので、御指摘のような点をよく考えて、相当な大量の離職者が出る場合には、私は今後関係省と緊密な連絡をとって本腰でかかる。人間尊重だといっても、これはいままでは国策に準じてやったのに、政府の政策、社会、エネルギーの転換とかいろいろな問題の犠牲者でありますので、やはりこれに対するいろいろな御指摘のような点について対策を講ずるのは当然と思いますので、私も、微力でありますが、御指摘のような方向に沿って本腰でやりたいという決意でありますので、この点を申し上げたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣の決意のほどはよくわかりましたけれども、まことに失礼ですけれども、大臣は炭鉱に行って見たことございますか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 一回はありますけれども、私もまだ就任して——一ぺん、この春闘が済みましたら、さっそくこれおそまきながら、最近の事情もわかりませんし、現在盛んにやっておる鉱山と、それからさびれた鉱山、それからもう閉山したところ、三個所ぐらいを私はぜひ回りたいと、こう思っておるわけです。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ぜひ私も大臣と同じように思っておるわけでありますが、いずれにしても、非常に日本の産業の中でも重要な問題をいま持っているところでございますので、ほんとうにいま大臣がおっしゃいましたように、力を入れていただきたいと思いますし、また、現場の方々のいろんな意見も聞いて、そしてそういう方々の意見がほんとうにこういうふうな政策の面に反映するようにしていただきたい、そういうように思います。  そこで、最近における炭鉱の災害ですね、災害の状況についてちょっとお伺いしておきたいと思います。

石井甲二労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(石井甲二君) 災害補償でございますか。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 最近の炭鉱における事故の様子と、それからもう一つは、炭鉱における最近の落盤事故とかいろいろな事故があると思いますが、そういう事故による死亡者もずいぶん出ておると聞いておるんですが、その実情についてちょっとお伺いしたい。

原木雄介通商産業省公害保安局石炭課長

○説明員(原木雄介君) 先生の御質問にお答え申し上げますが、最近三年間の石炭鉱山の死亡者数を申し上げますれば、四十五年、これは全部歴年でございまするが、四十五年百七十、四十六年百一、四十七年百十八といった数字でございます。  それから、いわゆる同時に死亡三名以上、あるいは負傷者を入れますと一度に五名以上というのを重大災害と申しておりますが、そういったものの発生につきましては、四十五年以降の数字を申し上げますと、重大災害といたしましては、四十五年には七回、死亡者が四十二名。四十六年には二回、三十三名。四十七年四回四十一名といったような数字でございます。  ちなみに、もうひとつ大きな問題としまして、死亡者十名以上の重大災害というものを申し上げますと、四十五年に三井砂川炭鉱のガス爆発で十九名、四十六名が歌志内炭鉱でガス突出で三十名、それから四十七年が、去年の十一月でございますが、石狩炭鉱のガス爆発で三十一名といったのが最近三年間の大きな災害の状況であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この実情を見ましても、確かに私たちしろうとが見ましても、炭鉱の災害というものは危険な、災害自体が大きな災害になりますし、必ず死亡者を伴う。しかも毎年の死亡人員が百名以上をこえている。非常に私はたいへんなことだと思うんですけれどもね。  そこで、具体的に労災ですが、これは平均どういうふうになっているのですか。

石井甲二労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(石井甲二君) 炭鉱災害で不幸にして亡くなりました方々の年金による補償額でありますが、現在ある労災法におきましては、なくなられた方につきましては、妻一人の場合、平均賃金の年額の三〇%、標準的には妻及び子供二人の場合、これが五〇%、それから最高六〇%ということでございまして、その個々の平均賃金の年額によってその率を乗じたものがその補償額ということになるわけでございます。ちなみに、三井の砂川鉱の落盤事故によります遺族補償年金の平均は、約五十四万円ということになります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この遺族年金というものは、私は非常に一般の災害の場合とはやはり多少違うのじゃないかということをしろうとなりに感じるのですけれどもね。給与の百分の三〇というのが最低で、それから表によりますと、最高でも百分の六〇ですか。そうしますと、これは給与の関係もございますけれども、非常に低い金額になっておると私は思うのです。しかも、一時金の問題を見ましても、これは時限立法になっておりますし、四百日分の一時金という前払いを受ける制度があるようでありますけれども、この点もあとでいろいろの問題があると私は思うのです。けれども、これは、たとえばいままでいろいろ議論があったかもしれませんが、労災保険を会社なり、あるいは個人としても、また国が持つなりして、労災保険料というものをもっとよけいかけるようにして、実際、危険度からいいますと、ほかの職業からすれば相当あるわけですから、もう少し何らかの形で優遇措置というものはできないものか、そこら辺のところはどうなんですかね。

石井甲二労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(石井甲二君) 労災保険は、その事故によりまして、特にそれが業務上の災害、つまり、業務上の理由による災害に対しての補償でございます。たとえばその仕事の性格による災害ということではなしに、その災害の態様といいますか、それによって年金を補償するということにいたしております。たとえば、傷害が非常に高い場合には、その傷害の等級に応じまして補償をするという仕組みでございますので、全体の体系上、たとえばその仕事が特異な性格であるということではなしに、その結果としての災害の態様によって見る、こういう体系でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そういうようなものに、たとえば危険度というものは、あと、結果による補償でしょうけれども、非常に危険な職場という場合、危険に対する補償の内容というものは何らか加味されないものですか。

石井甲二労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(石井甲二君) これは、そういう考え方は、労災補償の場合におきましても、業務上の理由による災害と、その災害の程度ということでございますので、全体の体系上、これをその仕事の性質その他のことによる特別な配慮ということは考えられておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、労災が、この遺族補償年金のこれは、まあそれは災害を受けた、その結果による年金としてわかるわけですけれども、業務上、もちろん業務上というのは、それは当然でしょうけれどもね。その業務が非常に危険だから、要するに、もう事故が起きる前から危険だということがわかっているわけですよね。普通の職場で災害を受けるという場合と危険度からいっても、相当これは危険度が高いわけですよね。特に、毎年たくさんの人が死んでいく。しかも石炭を掘るという作業はどの程度、どんなに危険な作業かというのは私自身わかりませんけれども、実際にもぐってやったことないわけですからわかりませんけれども、過去のいろんな実績から見ても、非常に危険であるということは、われわれしろうとが想像しても非常にたいへんなものだなと思うんです。そのためには、それだけのちゃんとした——もし事故があったときということは、やっぱりそういう人たちはもう真剣に考えていると私は思うんですね。そういう点から考えても、そういうふうな面の何らかの補償なんというものは、危険手当という、まあ危険のその度合いですね、による、たとえば保険料を会社なり国なりがもう少しようけ持つと、そのかわり、たとえばこの率を、これは法律があるから、これは法律に基づいていまやるんでしょうけれども、法律とは別な考えで私、いま話をしているわけです。要するに、そういうふうな率を上げるとか、そういう事故の起きたあとに対する、そういう人たちに対する補償というのが何らかの形でプラスするという、そういうような考えはないものかということ。

石井甲二労働省労働基準局労災管理課長

○説明員(石井甲二君) 繰り返しますように、労災保険の場合には、その結果といいますか、によりまして、一元的に一つの補償体系をつくり上げておると、したがいまして、先生御指摘のような危険度というものは、たとえば現在の鉱業のグループ、あるいはそのほかのグループも非常に大きな危険度の災害、これに対しましては、やはりそれなりのいわゆる予防措置というものを徹底するという別の次元の問題があると思いますけれども、補償の問題につきましては、やはりけがをしたという事実によりまして、その方々がたとえば危険な作業の場所でけがをしたというものと、そうでない場所における危険の程度というものには変わりはございません。いわゆる補償の一元性ということで措置をしていくということでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 よくわかりました。  そうすると大臣ですね、要するに事故そのものは、もうこれはやむを得ないとしても、国としてこういうような炭鉱なんかの場合には、安全なところで働くという、これは非常に大事な問題だと私思うんですけれども、この安全ということが炭鉱の場合はおろそかになっているんじゃないかと思うんですよ、やっぱりね。これだけ毎年百人も死ぬ職場なんていうのはそんなにないと私は思うんですがね。そういう点から考えても、国自身が炭鉱の安全ということについては本気で考えなけりゃいけないんじゃないかと、こう感じるわけですがね、これはどうですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) この問題は、過去に重大災害もありましたし、労働省のほうもいろいろこういうような点は安全衛生法その他で対策を講じておりますが、やはり会社の、企業のほうの問題でありますので、私のほうから通産省へ、こういうようなことに対しては万全の策を講じてくれと、安全を。まず、災害が起きて補償金の問題よりは、やはり未然に防ぐことが大事でありますので、通産省とも連絡をとって、なるべく安全だと、そうしてやはり炭鉱のほうが、最近、企業のほうもちょっと不振でありますので、へたをすると安全問題に対して予算その他金が回りにくいという危険性もありますので、通産省によく相談いたしまして協力を得て、通産省は対策を講じて会社にいろいろ指示をすると、いろいろ基準法でこっちからチェックする方法もやっておりますが、やはり通産省のほうにもひとつ御協力を願いたいと、これについては通産省からもひとつどうぞ答弁……。

原木雄介通商産業省公害保安局石炭課長

○説明員(原木雄介君) ただいま御指摘になりました炭鉱の保安状況自体につきまして申し上げますれば、確かにほかの一般産業に比べて災害率等は高くなっております。これに対しまして私どもといたしましては、特に鉱山保安法という体系、それから私どもの全国、九北はもちろんでございますが、各地に保安監督局あるいは鉱山保安監督部といったものを持ちまして、監督官をもって巡回いたしております。  現実には、ただいまのところですと、普通の炭鉱で坑内掘りをやっております炭鉱については、特に監督官が数名組みまして、月に最低一回は穴へ下がって検査をしております。そのほかに、問題があれば一週間後ぐらいまた追跡をやるといったように保安の万全をはかっておりますが、いずれにしろ、保安の確保といったものは企業の裁断が一番の問題だと思います。企業に対する啓蒙その他についても十分やっておるわけでございますが、まだこのような災害がときどき起こっておりますが、非常に遺憾でございますので、今後ともなお監督には万全を期していきたいと、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、理事若林正武君着席〕

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) いま通産省から御答弁ありましたけれども、まあ労働省のほうは基準法で監督をする指示権がありますから、これをもう少し活用して、今後、全国にいま御指摘のような点を感じましたから、なお一そう労働基準法を活用して点検をするように特に指示いたしたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣、私は、炭鉱の問題については実際あまり詳しくわからないわけです。しかし、私、労働省に対してほんとうは何回か質問したいという機会がありましたんですけれども、その機会がありませんでして、きょう、久しぶりに私は労働省の方に質問するわけですけれども、職場の安全という問題については、確かに労働省は非常に重要な問題だと思うのです。しかし、実際問題としては、労働省自体が非常に弱体である。  というのは、たとえば膀胱ガンの原因になるところのべンジジンなんかの製造の問題について、これはもう相当前から問題になっておりましたけれども、実際問題、職場に対していろんな安全基準というのをつくって回しているわけですけれども、実際はその基準どおりにいかない。たとえばおふろを使わないといけない、あるいは衣類は全部着がえないといけないという基準をつくりましても、企業がそのとおりやっているかどうかというチェックはなかなかできない。   〔理事若林正武君退席、委員長着席〕 しかも専門のお医者さんが地方の労働基準局にいない。大阪みたいなところでも専門のお医者さんというのは一人か二人しかいない。そういうような実情がものすごくたくさんあるわけです。そして  しかも外国では、そういうような企業に対してはとうの昔に製造使用禁止しておる。製造使用禁止は通産省の担当ですけれども、職場の安全という点については労働省の管轄なんですね。そういうような点がてきぱき、何というか表面上法律はできておる、その法律はできて、そのとおり実際にやっておれば安全かもわかりませんけれども、実際にはそのとおり実施されているかどうかをきちっと監督することができない。たとえば企業に行くときには、いつ行くということをちゃんと前もって言うておる。言うておるから、そのときにはちゃんとやっている。しかしながら、それがなくなると全然そのとおりやらない。それはもう実際、夏場のいろんな問題のときに非常にすごいその服を着てやるなんていう、たとえば染料の中間体なんかの場合には非常にむずかしい問題があるわけですね。そういうような点から考えて、私は職場の安全という問題について労働省がほんとうに本気にもっと取り組んでもらいたい。そして、そこで働いている人たちの安全という問題について深刻に考えてもらいたい。そういうように考えて私はきょうはちょっとだけその点について聞いたわけです。  この問題は、あとでまた大臣からも一言お答えしていただくとしまして、次に、大臣、もう一点お伺いして、私の質問は終わりたいと思うんですけれども、先般、衆議院におきましても、この炭鉱離職者の審議の際、あるいはもう一つの炭鉱の合理化法の問題のときに参考人の方がお見えになりまして、その参考人の陳述の中にもいろんな問題を含んでいるわけです。  それといいますのは、特に中高年齢層という話がありましたけれども、中高年齢層で働ける人は私まだいいと思うんですね、実際問題。ところが老人問題というのがやはりそういうところにたくさんあるという陳情がございました。これは大きな社会問題になっておると、こういう話がありまして、特に住宅の問題とか賃金の問題とかいろいろな問題がありますけれども、それは別にして、たとえば北海道の場合ですね、一人住まいの老人というのがたくさんおると、そういう数字もあげて説明がございました。しかもそういうような中で、お年寄りの方が、迎えにくるのを待ちながら働いている、あるいは生活費を送ってくるのを待ちながらいわゆる産炭地で生活をしている、こういうふうな人たちのいろいろな陳情が陳述の中にありました。そうしますと、これは考えてみますと、労働省だけの問題じゃなくて、ほんとうに国全体の問題として考えなきゃいけない社会問題だと私は思うのです。そういう点から考えて、やはり今後、政府自体がこういうような問題にどういうぐあいに取り組んでいくかというのは重要な問題だと思うのですが、この辺のところはどうですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 私どもも最近、先生の御指摘のようなことをときどき耳にするようになってまいりました。産炭地から県外に御就職になるときに、私どもといたしましては、できるだけ奥さまとか家族の方の御意見も十分聞きながら就職相談に乗っておるわけでございます。できるだけ家族御一緒に県外に行っていただくように相談はいたしております。そういうことから、関係会社とは住宅問題その他も十分協議をして進めておりますし、また、移住資金という家を移りますいろいろな手当がございますが、それも家族全部が移れるような形にいたしております。  ただ、やはりその地域になじみがあって県外に行きたくないというような方も、老人の方の中には最近ふえてきておるというような実情も私ども耳にいたしております。今後とも就職相談その他を通じて、老人の方が一人さびしく山元に残らないような形にいたしてまいりたいと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それだけの要するに指導をやっておりながら、現実にはやはり五百人、六百人という人たちが残っているわけですね。しかも、家族も連れていくように指導し、かつ、政府のほうからそれなりの手当も出しておる。要するに、家族の人も連れていけるような手当も出しているとはいいましても、幾ら出しているか。私は具体的に知りませんけれども、これは大臣、ささやかなものだろうと思うのですよ、家族を連れていく、そのために出している費用なんというものはですね。したがって、そういう点も含めて、やはり今後これはいままでそれだけ指導しておりながら、具体的に六百人も七百人もそういう人たちが、一人住まいのお年寄りが現実には残っているわけですね。  それで、そういう方々が現実に、たとえば北海道から離れたところ、あるいは北海道のいろいろなところに行って就職して、そうして幾らかのお金を送ってくるのを待っている、あるいは現地へ行って落ちついたら迎えにくる、そういう体制でみんな待っておられるんだろうと思うのですがね。そういう方々がほんとうに安心して生活できるような状態にするには、相当のやはり国としても力を入れなければいけないのじゃないか、そういうことを感じるわけですけれども、そういうことも含めて、大臣の答弁をいただいて、私の質問は終わりたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) いままでの御質問の点、総体的にお話しますと、保安、安全の問題も、御指摘のような点が、これは認めるわけにはいきませんが、やはりいろいろ問題が、実際に御指摘の点がこれはあるということも私考えられます。安全の問題に対しましては、なお万全の策を講じる。  また、労災の補償の問題、これも最近は、世間一般の公害だとか航空機だとかいろいろな事故の問題も金額は高くなっておるのであります。ところが、労災のほうの関係は多少おくれておりますので、一時金と年金問題、スライド制をわれわれのほうは採用いたしておりますが、比較対照することはなかなか困難でありますけれども、かようなことに対していろいろな意見も出ておりますから、かような問題を含めて審議会でいま鋭意検討中で、何とか労災保険の問題について、もう少し大いにこれを改善したいという決意を固めつつあります。  それから老人の置き去りの問題でありますが、これは総理府のほうで——厚生省も関係がありますが、これはとても、私はそれの責任を回避するわけではありませんが、関係省とよく相談して、やはりどうしても社会の風潮が、老人を尊重するという念も、少し昔のわれわれの時代と違って変わっておりますので、やはり政府がそれに対してあたたかい手を——よくきめこまかいというようなことばを使いますけれども、ただそういうことばだけでなく、もう少し政府全体の責任として考えなくちゃならぬと思います。  炭鉱のいろいろな援護措置につきましても、対策本部を設置して、就職のあっせん、訓練、相談、各方面から現地にそれに対する係員の派遣をして、会社なり組合なり、また地方の府県なども協力してやると、こういうふうにきちっとなっておるのでありますが、もう少し不足がちの点もありますので、いま言ったように四点の点をなお一そうよくほんとうに——私の言っているのは、明るく豊かと言うけれども、やはり心が安心できるような対策を講じたいというので、熱意に燃えておりますので、御指摘の点を大いにくみまして、万般の処置を講じたいという所存であります。  それから、一度どうしても私、これは答弁のための答弁でなく、予算の審議とかそういうのでおくれておりますが、炭鉱のところへ行きたいということで、これが済みますと、連休明けでも行きたいと思っております。そしてまた、この委員会でいろいろな点を御相談いたしたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 石炭合理化法は、地下資源、石炭を守ることにならず、閉山を合理化し、労働者の権利を抑圧するものとして私は先ほど合理化法案に反対をしたわけでございますが、皮肉にも合理化法案審議中に大夕張炭礦が閉山を提案、ただいま労働組合は千八百四十名の組合員がそれに反対をして戦っておる。きょうの報道によりますと、千八百四十人は、二十三日午前十時から臨時組合大会を開き、閉山反対の方針を明らかにして戦う体制を確立した、会場の協和会館正面には「閉山提案を撤回させ再建対置要求の獲得と会社、政府の責任を追及しよう」こういうスローガンを掲げまして、各代議員は、戦う以外に道は開けないと発言、全員一致で閉山反対をきめておると、こういう報道が届いておりますが、労働省としましては、大夕張閉山に対しまして何らかの措置をしたのかどうかという点を伺っておきたいと思います。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 私ども、三菱大夕張の閉山につきましては、ほんとうにごく最近情報を入手したようなわけでございます。現在の仕組みといたしましては、私どものほうとしては、事前に閉山をキャッチしましていろいろ会社と相談するような仕組みになっておりませんので、結果的には、最近情報を聞いたということでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、労働省としては閉山を知ったのはごく最近である、こういうことですね。通産省は前々から知っておったということでございましょうか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) たしかこの間の十九日に、大夕張炭礦の閉山提案を会社のほうは労働組合にしたわけでございますが、二十日の日に先生にもお答えしましたとおりでございますが、昨年の暮れから坑内の状況がきわめて悪くなっておったのは事実でございます。したがいまして、通産省といたしましては、これの延命策、次にかわる切り羽はないかということで、ずいぶん探鉱を指導しておった次第でございます。ただ、閉山というのは十九日でございますか、閉山提案をしまして、このように閉山提案をしたということを聞いたような次第でございます。二十日の日と同じような答弁で申しわけございませんが、われわれとしては、現在も、ほかにかわるべき切り羽があるかどうかということを詰めておる最中でございます。しかし、現実には相当きびしい状況であるということは変わりないようでございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、通産省としては会社側が十九日に閉山を発表する前から、閉山のおそれはあるということはキャッチしておったと、そうして、どうしたら閉山をしないで済むかということに対して指示はし、検討はしておったと、こういうことですね。そうすると、どうしても閉山はやむを得ない問題なのか、どうしたら閉山をしなくても済むのかという、その結論は通産省としてはまだ得てないということなんですか、どうですか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) これもまた同じようなことで申しわけございませんが、昨日もその案を検討しておったわけでございます。なお不十分な点がございますので、きょうの委員会を終わりましたら、また私のほうで詰めた検討をいたしたいと思っておりますが、現実はなかなかきびしい状態であることは事実でございますが、なお場所があるかどうかということについて鋭意検討し、指示もしたいというふうに思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その閉山やむを得ないという結論に通産省が達した、それはどこの資料によってそういうふうな結論に達せられたんですか、どうですか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) 閉山やむなしということに結論はまだなったわけではございませんで、状況がきびしいということでございますが、その資料は、会社から聞きました資料もございます。それから、主として札幌通産局の係官が現地に行ったときの状況、それが主体でございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、本省としては責任ある方、局長なり何かは現地に行ってそういう検討はしてないということなんですか、どうですか。本省も行ったわけですか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) 本省から直接行っておりませんが、私たちのほうは地方に通産局という相当なりっぱな組織もございます。そこを信任してやっておりまして、実は、昨日も担当の者に来てもらって十分検討しておるわけでございます。局長が参ったわけではございません。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私の希望としては、出先機関にこういう重大な問題をまかしておくんではなく、やはり本省から責任ある人が行って、そうしてつぶさに検討して対策を立てるという、その姿勢は必要じゃないでしょうか。どうですか、あんたどう思いますか。必要はないと言いますか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) その辺の推移で、必ず行くとか必ず行かないとかいうようなことではもちろんございませんで、十分検討するために必要でございましたら、いろんな手段をとってまいりたいというふうに考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私はいまからでもおそくないから、こういう問題に発展していっているときに、その当局である通産省がじっと東京に腰を据えて、遠めがねで向こうをながめているというようなことではいけないと思うのですね。やはり責任ある人が現地へ行って、そして検討すべきじゃないかと思うのですが、どうですか、さっそく行ってみたらどうですか。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) 先ほど申し上げたと同じようなことでございますが、十分今後の推移を見まして、上司とも相談をして適切な措置をとってまいりたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういう答弁をしておってはいけないですよ。通産省に熱意がないというふうにとれますよ、私が聞いていますと。なぜ千八百人からの人が失業しなきゃならぬかというような重大な問題が起こっておるときです。なお、日本の石炭をどうしたら守っていくかという問題がいま論議されておる最中ですよ。そのときに、皮肉にもこういう問題が起こったんだから、さっそく局長なり——大臣が行けなければ局長が行って、つぶさにその情勢を調べて、そうして国会の答弁にそれを役立てなきゃいけないと思うのですがね。いまから行く意思はないんですか、どうなんですか。あるんですか、ないんですか。そこを答えてください、はっきり。

佐伯博蔵通商産業省鉱山石炭局石炭部長

○政府委員(佐伯博蔵君) いま情勢を盛んに分析し、検討しておる最中でございますので、その内容によりまして、上司とも相談をして適切な処置をとりたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そういうのんきな答弁をしておってはいけませんよ。いま行くべきときなんですよ。早く行くべきときなんですよ、いま。問題が勃発しておるときですから。そんなものが落ちついてしまってからもう行く必要ないんですよ。いま行って調査をして、通産省としての方針をはっきりと立てて、そうしてわれわれの質問に対して、通産省はこう考えますということを答えなければ、いま調査しているところでわかりませんというような、のんきな答弁をしておってはいけぬと私は思うのですね。いまから早く行っていらっしゃいよ。私はそのことを通産省に要求しますよ。  労働大臣、こういう無責任な態度のあと始末は労働省がしなきゃならぬということになるのですね、そうでしょう。労働省はこれに対してどういう措置を考えていらっしゃいますか。どういうふうにしようと考えていらっしゃいますか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 実は、先ほど政府委員から答弁があったように、聞いたのは最近でありまして、やはり経営の問題にいままで労働省はタッチできないという難点もありますが、実は前から、そういう監督署のほうから問題ができるというので、よく調査してみろと、いろいろ現地の話を聞いたんでありますが、何とか存続するようにしてくれぬかと。これは閉山して千八百人も出てくるともうたいへんなことになります、これは生活にも関係いたしますから。よく私のほうで、これはまあしろうとのほうでありますから的確とは言えませんけれども、どうも避けられないと。鉱脈が尽きたんで、これ以上やった場合にはどうしても赤字と、こういうような関係で、表面に言えないことでありますが、多少もうこれは閉山に追いやられるんでないかというような情報は、私のほうも察知いたしております。やはりできてからぼちぼちこちらから行ったんではいけませんので、万般の処置を講ずるように監督署を通じて、私はもうさっそく——なるべく閉山しないほうに大賛成でありますが、千八百人出た場合にはこれは大問題であります。  特に、夕張の場合には僻地でありますので、いろいろな対策を講じなきゃいかぬので、これに対しましてはやはり道庁の応援と——私は、まあこれはほかのことをいろいろ批判するとかそういうようなことは毛頭ありませんけれども、やはり経営の場合でも、主務官庁でも、労使が一つの一体であります。それでありますから、労使の関係をやはり通産省も考えるし、会社も考えるし、そうして組合もやはり事態を把握いたしまして、万やむを得ぬ場合にはこれはまあ納得せねばならぬ。いろいろ退職金の問題もありましょう。そして、私のほうの関係は離職者対策でありますが、やはり道、そうして通産省、会社、組合、そうして労働省と、この五つが一体となって万全のいろいろ離職者対策を講ずると、そうして現地に、これはもう動員の態勢をととのえております。  さっそく現地から相当な者を派遣して、現地の機関と連絡をとって、対策本部を現地に設置して、職業の相談、紹介、訓練、住宅問題、いろいろな点を、できればあそこに工場を誘致して、何とかこれをそのまま職を転換したいんでありますが、どうもそれは、私、多少経済のほうわかりますが、これはちょっと無理だと、こういういろいろ地図を見ましても。やはりこれに対する万般の離職者対策は、これは本腰でやる所存でございます。これはただここの答弁だけではありません。おい、やれと、こう言って指示いたしておりますので、万般の処置を講じたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 大臣、私たちも、石炭を守っていくという立場はもちろんのこと、労働者の生活をどうするかという点ですね、その二面から私たちも非常に気をつかっているわけですね、この問題について。私は、いま国会が終われば現地へすぐ飛んでいって、現地の労働者の声を聞いて、労働者と相談するんですね。労働者諸君、この山をどうしたら守れるかと、労働者は守ると言っているんですね、この山を。閉山に反対しているんですよ。まあ退職金がどうとか、そんな問題は一つも出していないんですよ。山をどうしたら守っていくことができるか、閉山をしないで済むかということを組合大会なんかでも論議しているんですよ。こういうときに通産省がこっちに押しつけて、知ったことじゃないという顔をされておったのでは、これはかなわぬと思うんですね。私どももすぐ行って、労働者とひざを交えてどうするかということを相談したいと、私自身も思うぐらいなんですよ。  だから、労働省としてもやはりその点は積極的に進めて、いろいろ相談して、どうしたら山を守ることができるか、どうしたら閉山して労働者がほっぽり出されるというようなことがなくて済むか。それはいろいろな問題があると思いますよ。立地条件が北海道は悪いので、すぐ別の産業を持っていって、そこでみなに働いてもらうということもなかなかむずかしい。それはあなたもさっきおっしゃったとおり、私もそのところはよく知っていますよ。これは九州の山とまた違う条件なんですよ、北海道は。だから、そういうことをやはり労働者と相談ずくで問題を解決していくという、この姿勢が私は必要だと思うんですよ。この姿勢に対しては労働大臣は、私は反対をなされないと思うんですがね。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) この問題は、政府委員、通産省のほうも心配しておるんであります。ちょっと答弁がへたでありましたから——通産大臣とも相談したんであります。そのとおりだと、衆議院のほうでは同じ並んで答弁いたしましたから、おい、中曽根さん、ひとつこれは本腰でやってくれ、うちのほうも本腰でやるからといって相談いたしておりますので、決して通産省のほうが、いま須藤議員が御指摘のような、何というか、考えておらぬという気持ちはありません、心配しております、これは。  私、弁解する気持ちはありませんが、ちょっと政府委員の答弁がへたでありましたが、心配いたしておりますので、中曽根大臣とも相談いたしまして、やはりこれはもううちらは離職者ができたときのと言うけれども、やはり通産省のほうの責任のある方も出張してもらって、これはほんとうは両大臣が行ったほうがいいんですが、当面国会を開いておりますのでなかなか無理かもわかりませんが、相当な責任者を両省から派遣して、そうして道庁のほうにも前もって、行くからと、道庁のほうの応援も得たいと思いますので、通産省、労働省、道庁、やはりこっちから相当な責任者が行くようになったら道庁も来ると思います。そういうので組合の方並びに会社の方、やはり何といったってこれは政府に責任がないかといったら責任があるのでありますから、エネルギーの一つの大転換がここへしわ寄せが来たのでありますから、いろいろな問題もありますし、また予算的にも、多少ここで申し上げにくい点がありますけれども、まあいろいろの点も考えられますので、須藤議員の御指摘のように、これはもう本腰でいろいろな問題を、対策を本部を設置してやりたいという固い決意であります。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 まあ労働大臣が固い決意を披瀝されましたから、この点は私これ以上追及はしませんが、どうぞ労働者の生活を守り、日本の石炭を守るという立場に立ってひとつしっかりとやっていただきたいということを述べておきます。  それから、離職者法のちょっと内容に触れますが、この問題は過去何回となしに私たちやってきた問題でありまして、もうこれといってあらためていろいろさかのぼってやる必要がないと思うのですが、この際、私、今度提案される第五次石炭対策、それの審議の参考にちょっといたしたいと思いますので、この際、お尋ねしておきますが、炭鉱離職者再就職の実情についてちょっと伺いたいと思うのです。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 炭鉱離職者対策の求職手帳制度、いわゆる黒い手帳制度ができました三十八年度以降の実績を申し上げたいと思います。  昭和三十八年度から昭和四十八年度、一月末でございます新しい数字、約十年間でございますが、二十万五百人の求職者に対して手帳を発給いたしております。それで、安定所の紹介によって就職されました方が十三万四千人、六六%でございます。就職をした者の約六割を安定所が紹介をいたしております。あと会社あっせん、自己開拓等の形によって再就職されました方が六万二千人でございます。  再就職の地域別状況を見ますと、統計がやや年次を異にいたしますけれども、四十二年度から四十七年の十二月までの数字でございますが、産炭県県内で就職されました方が六〇%でございます。県外の他地域で就職されました方が四割、こういうことになっております。  それから就職先の賃金でございますけれども、これも数が多うございますので全国的な統計がございませんで、昨年十二月、北海道、神奈川、愛知、この三県で抽出調査をいたしました内容を申し上げますと、就職先の産業は、製造業が六三%で最も多うございます。次いで建設業が一五%、運輸通信業が九%、こういう順序になっております。  賃金につきましては、平均七万一千円でございます。最高は十二万円というような就職先もございますが、また一方において、最低は四万円というようなところもございます。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 そうすると、いま話を伺っておると、職種もいろいろ多岐にわたっておるし、給与は七万一千円平均で、最低が四万円程度に落ちついているということですが、最低四万円というのは少し気になる数字でありますが、今日の物価高ではたして四万円で暮らせるかどうかということですから、この点はもっと考えて指導していっていただきたいと思うが、その地域や県内が六〇%、県外が四〇%という数字ですが、県外に出られる方、県内におる方はもうほとんどかつての炭住は全部出られているのですか。炭住をそのあとも住居として使用されている方がどのくらいあるのですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 私ども炭住の居住率という数字を持っておりませんけれども、最近になりまして炭鉱の会社のほうで、最近、住宅難でございますので、炭住を払い下げるという傾向が出てきております。最近三月に閉山になりました山野と漆生炭鉱では炭住を一部払い下げております。離職者の方はその炭住を改造して、何かいましておられるという話も聞いております。そういった実情で、過去は炭住はほとんど住んでおられません。ごく最近はそういう炭住を払い下げるという傾向が出てきております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 その炭住払い下げの条件ですがね、私は、かつて、炭住払い下げの問題が出たときに、佐賀県の杵島炭鉱ですか、福岡に近いほうですね。そこにはアパートに類するようなりっぱなコンクリート建ての炭住があったと、新しいのが。それでそこが閉山になって、労働者はその家に住みたいという希望を述べたときに、それは労働者に売るんではなく、ほかの人たちに、希望者にそれを売り払ってしまって、その炭住に住んでいた労働者はそこから締め出されてしまった。そのために通勤が、そこだったら福岡に出るなり市内へ出るなりできる便利があったんだが、そうでなくなったために、通勤に非常に困ったというような問題がある。  それから、炭住の売り渡し条件が非常に高いことを言うわけですね、炭鉱が。自分のところが閉山しておっぽり出す労働者に、これまで労働者が住んでおった炭住を高い値で売りつけようと、こういうような矛盾があって、労働者がみな非常に困ったということを私は聞いておるんですが、今日、そういう問題はもう起こってませんか。どういうふうに処理されていますか、そういう場合。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 私どもの最近入りました情報では、比較的いい炭住を離職者の御希望によって払い下げる、それも非常に低廉で払い下げるということで、喜んでその住宅を手に入れておられるということを聞いております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 それならばけっこうだと思うんですが、ぜひそういうふうな方向で、やはりこれまで住んでおった労働者に低廉な価格で炭住を提供して、そして、そこを根城にしてほかの職場へ働きに出るということができるように考えていくべきだと私は思っておるんですね。  それでもう一つ、先ほど峯山さんもちょっと質問していましたが、おやじが炭鉱から失職して外に働きに出る、あるいは地方に働きに出る場合、老人、子供の学校の関係がある。老人などはやはり居住した炭住に残るというようなことも、私は起こり得るだろうと思うんですね。そのときにも、やはりお年寄りなんかのことを考え、子供のことを考えて、あまり労働者の負担にならないようなことで私はこれを解決していってほしいと思うんですね。長年住んで、もう労働者を働かして炭鉱は相当もうけたんですから。だから、気前のいい炭鉱主なら、この家はおまえに上げるよと、こう出ても私はいい問題だと思うんですね。それで、炭鉱の企業は政府からいろいろな補助金をもらったりなんかしているんですから、何回となしに。これまで第一次から第四次まで石炭対策として、もう何兆近い金を出しているんじゃないですか。だから、そのぐらいのことは私はしていいと思うんですが、それに対して政府は何かこう指導されておるかどうかですね、炭鉱主に対して。どうもそういってないように私は聞くんですよ。これは通産省のお答えですか。

桑原敬一労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(桑原敬一君) 閉山になりましたとき、退職金の問題とか、そういった離職者を取り巻くいろいろの条件について労使交渉が行なわれるわけでございますね。そこで円満に御解決になって、閉山がきまっていくということになっておりまして、私どもも先生の御心配のようなことは最近聞いておりません。できるだけ基本としては、労働省としては、離職者の方が閉山にあたって、ほんとうにすっきりした形で第二の人生に出発されるということで、いろいろ就職相談とかそういった相談業務も援護業務もやっておりますから、その中で十分御相談に乗っていきたいと思います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 これは私の希望にもなろうかと思うのですが、労働大臣、私も炭鉱には再三参りました、中小炭鉱から大きな企業の。そうして、その穴の中にも入りました。中小企業の炭鉱へ行きますと、九州でしたかね、細い坑道でしてね。立って歩けないんですね、こうやってかがんで入っていかないと。それで切り羽へ行くと、そこで労働者は横になって、裸で石炭を掘っているんですね。そうして、その掘った石炭をかごに入れて追い抜いて出ていく。私はそれを見たときに、この昭和の時代にもこんなひどい職場があるかと思って、実は私は驚きましたよ。そういう炭鉱ばかりではありませんけれども、しかし、炭鉱の労働者というものはそういう困難をなめながら、とにかくがんばってきておる労働者なんですね。  それで何かあれば、保安状況がだめになれば、命を投げ出さなければならぬという非常に危険な職場だということも言えるわけですね。だから、私はこれまで再三行って、保安状況なども見てきて、いまのような炭鉱の保安状況では、もうこれは幾ら努力をしても労働者はいなくなると思うですね。労働者がいなくなることで日本の石炭産業はつぶれますよと、私はそこまでひどく言ったことがあるんですよ。最近はよくなってきておると思いますけれども、やはり閉山というものが近づくと、災害は起こりがちになるんですね。それで災害が起これば閉山と、こういうことになってしまうんですね、どうも悪循環なんですが。そんな閉山状態になってくると、炭鉱主も保安にあまり金を使わなくなるし、気を使わなくなるということだと思うんですね。労働者はそういう危険の中で働かされる。それで大ぜいの人が死ぬ場合が起こってくる。  ところが、労働者は死んだからといって、わずか五百万円くらいの弔慰金をもらって、そうして命をなくしてしまう。ひどいのは、何だか最近山鳴りがしてあぶないぞということが予知されておりながら、それを放置することで災害が起こって、労働者が埋められて死んでしまうというような、こういうことも起こってきているわけですね。私は、日本の企業家のモラルという問題をこの際あらためて提起して、あらゆる産業に対して企業家のモラルを問題にしなければならないときじゃないかと思うんですね。  イタイイタイ病一つ見ましてもそういうことが言えますね。九州のチッソの問題にしましても、それは死んで、チッソ会社は死んだ人一人について一千万円出すと、一千万円という金は大きいかもわかりませんけれども、命とはかけがえにならぬ問題ですね。だから、そういうことをして補償さえしたらいいんだというものの考え方が、日本のいまの企業にあるならば、これはとんでもないことじゃないかと思うんです、私は。そういう考えを持っているならば、私は、このような不届きな考えを持っておる企業に対しては、体刑を加えるべきだということすらも申し上げたいと思うのですよ。金で処置できるものではないんですよ。殺人罪に問うべき性質のものと違うかと、私はそこまで考えることもあります。だから、日本の政府としては、企業のモラルの問題を取り上げて、きびしく企業に対してこういう点を律していかなければいけない、そういうふうに私は考えております。労働大臣はそれに対して反対はなさらぬと思うのですがね。そういうことに対して賛成をなさるだろうと思うのですが、政府としてそれに対してどういうふうに今後対処していこうというふうにお考えになっているか。私の質問の最後です、これは。これは大臣がお答えくださいよ。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) いまお説の点は、これはもう理論でなくして、実際問題として政府としてもよくこれを踏まえて尊重しなくちゃならぬという点も、これはもう政府部内でも現在は、まあ何十年前にはどうかというようなことがありましたが、最近は公害問題とかいろいろな問題に対しましても、その方向で政府も進んでおりますから、御趣旨を尊重いたしまして、このいまの問題は労働大臣というよりは全体の問題でありますけれども、よく関係省と連絡とりまして、その趣旨に沿うように、そしていま言ったのはこれはもうほんとうに適切であります。閉山するとやはりこういろいろな関係が惜しみがちになる。働く方も何とかそこに気分的な問題があるということが災害につながる最大の原因と思います。私は、自分も多少企業をいたしておりますが、その苦い経験を持っております。そういう点もよく関係省と相談いたしまして対処いたしたいと思います。ほんとうにいい御意見であります。

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて午後二時まで休憩をいたします。    午後零時十二分休憩      —————・—————    午後二時十分開会

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  委員の異動について報告いたします。  本日、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として植木光教君が選任されました。     —————————————

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 消費生活用製品安全法を議題といたします。  本案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小野明日本社会党

○小野明君 この法律は、消費者保護基本法によって成立を見ていると思います。この法律の七条によりますと、保護基本法の七条ですが、「危害の防止」という項に「国民の消費生活において商品及び役務が国民の生命、身体及び財産に対して及ぼす危害を防止するため、商品及び役務について、必要な危害防止の基準を整備し、」云々とあります。商品につきましては、この法律によって不満足、不十分ではありますが、かなり内容が盛られていると思います。しかしながら、この役務という面になりますと、いかなる内容について、いかなる問題について今後この基本法の趣旨に沿って制定を見るのかという点が明らかでございません。これは通産省だけではなくて、経済企画庁にも当然関係がある問題になってくるかと思いますが、その辺の展望を経済企画庁あるいは通産の両方からお聞きをいたしたいと思います。

山下英明通商産業省企業局長

○政府委員(山下英明君) 御指摘のとおりに、基本法第七条の規定に基づきまして、今回、製品に関する安全のための総括的な立法案をつくりまして御審議をお願いしているわけでございまして、役務はこの法律に含んでおりません。含んでおらない役務に関する安全等につきまして、経済企画庁のほうから御答弁いただきます。

熨斗隆文経済企画庁長官官房参事官

○説明員(熨斗隆文君) お説のとおり、商品と同様サービスにつきましても、役務につきましても、安全で衛生的であるということはもちろん消費者の基本的な要求でございまして、従来からも、たとえば不特定多数の者が出入りします旅館でございますとか、興行場などにつきましては、建築基準法、消防法等で建物の耐火性の確保、避難施設、設備、消防用設備の設置の義務づけなど、各種の法令に基づいて安全の確保が期されているわけでございます。しかし、現状ではやはり消費者の安全確保上必ずしも十分であるとは言えないかと思いますので、先般、昨年の十月に行なわれました消費者保護会議におきましても、サービスの分野における、役務の分野におきます消費者利益の増進を当面の重点課題として決定したわけでございます。  また、この点に関しましては、国民生活審議会がことしの二月、「サービスに関する消費者保護について」という答申をしているわけでございますが、その中におきまして具体的な改善策がいろいろと提言されております。したがいまして、経済企画庁といたしましては、これから関係各省庁と十分連携をとりながら、現在もすでにいろいろ話し合いを進めておりますが、この提言の実現につとめることなどによりまして、役務に関します消費者の安全の確保につとめていきたいと考えているわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 いまのお答えによりますと、いかなる対象をとらえて危害防止につとめようとするのかという具体性に欠けると思います。いま少し国民生活審議会にこれからかけようとする内容、あるいはその審議会の審議の状況等がわかっておれば、当然、これは明らかにしていかなければならぬ問題であろうかと思います。商品の面では、この法案に見られますように、かなり前向きな点が見られるわけですから、この役務の点についてもいま少し明らかにしてもらいたい。  たとえば最近、医療におきましても、手術の事故という面が大きく指摘をされておるわけですね。こうした面はどうなるか等、ひとつもう少し具体的な構想を出していただきたいと思います。

熨斗隆文経済企画庁長官官房参事官

○説明員(熨斗隆文君) 国民生活審議会の答申におきましては、役務を六つの主要分野について取り上げまして、それぞれにつきましていろいろ答申をいただいたわけでございますが、その中で安全性につきましては、たとえばレジャー関係におきましては、防災設備、安全管理体制の整備、それから新種レジャー等に対する機動的な対策、雑居ビル等の火災対策の強化、そういった点が取り上げられております。  それから運輸サービスにつきましては、総合的な安全体制の確立、安全チェック機構の整備強化、避難救出体制の整備、事故処理体制の確立。  それから環境衛生関係につきましては、薬液、溶剤等の規制基準の明確化、環境衛生監視員の増強、経営相談員制度の活用。  それから医療関係におきましては、適切な受診機会の確保というような点から申しまして、診療所等を基礎とした医療ネットワークの整備。この内容は、公的病院の拡充、医師等の計画的育成、オープンシステム型病院の導入、医療機関のグループ化、団地化、医療情報センターの設置とそれから救急医療体制の強化、僻地医療対策の強化拡充、老人医療対策の強化、医療保障の充実、医療システム化への前提条件の整備といったような点が安全に関する提言として出されております。  これらを具体的にどういうふうに今後法律なり何なりに盛り込んでいくかという点につきましては、現在、関係省庁と事務的に詰めている段階でございまして、まだ具体的な提案までは申し上げられないような状況でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 大体この構想というのがそれでわかったわけですが、商品の部門はこういうふうにもう明らかにされておるわけですね。この法案によって明らかにされておるんですが、いま説明のありましたものについて、これは早急に具体化をし、提案があってしかるべきだと私は思います。いま四つのパートについて御説明がありましたが、一体いつになったらこれらについて国会に提案できるようになるのか、その時期等のめども当然立てておらなければならぬと思いますが、この点をひとついま一歩御説明をいただきたいと思います。

熨斗隆文経済企画庁長官官房参事官

○説明員(熨斗隆文君) 私どもといたしましては、現在、現段階で各省庁と具体的な話し合いを進めておりまして、できますならばこの次の消費者保護会議で御提案したいと考えておる次第でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 この次の消費者保護会議に、それはいつになるんですか。

熨斗隆文経済企画庁長官官房参事官

○説明員(熨斗隆文君) 例年でございますと大体九月か十月の秋でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうするとこの四つの部分について、たとえば法律案要綱とか、そういうふうな具体的な形になって提示ができると、こう理解をしてよろしいですか。

熨斗隆文経済企画庁長官官房参事官

○説明員(熨斗隆文君) そこまで実はまだ正直なところを申し上げまして各省庁と詰めておりませんので、法案の構想と申しますか、そういうところまで次回の消費者保護会議までに詰められるかどうか、その点はまだ若干私ども自信がないわけですが、少なくとも消費者保護会議でこういう問題を積極的に取り上げていくべきだろうということを考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 経済企画庁という役所は、私どもははたしてあっていいのか悪いのか、無用ではないかというような議論まで出ておる。通産省を私はほめるわけじゃないけれども、商品の安全法というのが出されておる。具体的にここまで構想がきておるわけです。これとせめて基本法においてはバランスをとって商品及び役務と、こういうふうに並んでおるんですから、役務の面についてももうすでに答申が出ておる。この次の十月にはまだ一向具体化しないということでは、まことに怠慢と言わざるを得ぬと思うんです。あんたに言うてもこれはなにかもしれぬが、ほかにおらぬから言わざるを得ぬけれども、もっと経済企画庁は馬力をかけて、ひとつこの法の趣旨に沿うように努力をしてもらいたいと思います。  次に進みます。  通産省にお尋ねをいたしますが、「四十八年度特定製品等安全法関係予算要求一覧」というのを見ますと、安全基準の策定という項目に基準調査委託二十品目、それから日本工業標準調査会、規格制定二十規格、こうございます。それで、この安全基準がそうするとこの法律制定後に二十品目について指定をされるということに予定をされておるわけですが、いまの商品の出回り状況、危険な商品の出回り状況から見て、特定製品の指定というのが二十というのはたいへん少ないと私は思います。これについてさらに増加をする意図はないのかどうか、その辺をひとつお尋ねをしたいと思います。

山下英明通商産業省企業局長

○政府委員(山下英明君) 現在、二十品目を予定しておりますが、この法律の施行は、順調に国会の審議を得まして実施されるとして、本年末を想定いたしておりますもので、現在、市中において考えられる危険なものから特定品目を今年度としては二十選び、最初の法の施行にあたって万全を期していこうという方針でございます。ただし、来年の四月から新年度に入りますことでもあり、それに対する準備等はこの八月から進めるつもりでございますが、その節は品目を飛躍的に拡大していきたい、こう考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 第二条に「特定製品」というものがあがっております。この特定製品についてこの法案によりますと、「必要な品質の基準を定めなければならない。」こうあるわけですね。予算も二十一品目で千万ですから、一品目について五十万ですか、基準が策定をされる費用が計上されております。この基準はどういう手続といいますか、どういう計画で、内容で策定をされるのか、その辺を御説明をいただきたい。

山下英明通商産業省企業局長

○政府委員(山下英明君) 基準を作成しますときは、審議会にはかりまして、かつ、その審議会が技術的、また商品知識等専門の方々を選んで御審議いただいて、その報告を待って政府できめていくわけでございますが、その場合の方針は、品物が通常の使用をいたしますときにどれほど安全であるか、もちろん、その商品の効用というのがございますから、その商品としてたとえば例を申し上げますと、あんかの安全という場合には、それがあんかとしてのある程度の温度は保ってもらわなければいけないが、過熱して危険になる場合は防がなければならない。この両面につきまして材料の強度あるいは圧力とか、その温度上昇の程度とか幾つかの性能に分けまして、そうして数値的な基準をつくって、その数値によって安全度がはかられるという種類の基準をつくってもらう方針でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そういう科学的な審査を行なうということはもちろん必要であります。  そこで、日本工業規格、いわゆるJISマークですね、これもそういった一つの手順を経ましてJISマークが張られる、こういうことになると思います。ところが、JISマークを張られておる製品にいたしましても非常に事故が多い。たとえば、電気製品にしましてもかなり指摘をされておるわけです。まあ農林省はきょうはお見えになってないと思いますが、JASマークに至っては、農林規格に至ってはまことにもうでたらめでありまして、最近のニッコー油にいたしましてもJASの張られた工場である。これは福岡でも起こった事件でありますが、カネミオイルもこのJASの張られた指定工場である。ですから、いわゆる政府規格、JISやJASに対する国民の信用というものが全く私は皆無にひとしくなっているのが現状ではないかと思います。  そういうことから見まして、今回のこの特定製品に対するマークというものは、それらの信用を回復するといいますか、完ぺきなものでなければ、これにまた障害が起こったとか何とかということになれば、またまたお役所仕事はこんなことかという指摘を受けるにきまっておると思います。このJISマークの場合と異なる手続、あるいは審査の方法というものがとられておるのかどうか、この辺をお尋ねしておきたいと思います。

山下英明通商産業省企業局長

○政府委員(山下英明君) JISマークと本法による基準との関係は、法案提出前に非常に関心を持って部内で詰めました点でございまして、まず、原則としまして、従来の工業標準化法によるJISマークは今後とも重複しないように行政上連絡をとっていこう、といいますことは、JISマークそのものも安全性を加味しまして、新しくつくりますものについては、そういう観点からも検討をいたしますとともに、こちらがその品物の基準を、安全法による基準をつくりますときは、JISの規準を参考にして歩調を合わせていこうと、それから従来JISがありますものにつきましては、安全性を加味して、本来、三年ごとに見直しをしておりますけれども、そういう観点からまた見直しをしていこうということで、簡単に申し上げれば、相補完し合い、かつ、今後は連絡しあっていこうということでございます。詳細につきまして、標準部長のほうから補足させていただきます。

佐藤淳一郎工業技術院標準部長

○説明員(佐藤淳一郎君) 工業標準化法は、まあ広く鉱工業の製品にかかわりますところの品質とか、あるいは性能とか等をいろいろ定めておるわけでございますが、その中の内容の一つといたしまして、製品の安全度あるいはその製品をつくるための生産方法の安全条件等につきましても定めておるわけでございます。したがいまして、今度本法で考えております安全基準といわゆる従来取り扱ってまいりました工業標準化法の中の、先ほど申し上げました安全度なり安全条件というものは本来一つであるべきであるという考え方をわれわれは持っておるわけでございます。  したがいまして、今度、本年度二重規格——先ほど先生の御指摘ありました二重規格につきましても、従来、この工業標準調査会というものの中に約一万六千人の専門の方々を委嘱していろいろ定めておるわけでございまして、こういう専門家の知識を十分に安全基準のほうに、本法でいう安全基準の中に導入していただくということと、われわれのほうもこういう新たな時代に入ってきておりますので、従来、工業標準化法の中に入っておりますところの規格に入っております安全の問題については、極力見直しのつどに、改正のつどにそれを改正いたしておりますし、それから新しくつくる場合は、当然、本法にいう安全基準と十分に連絡をとりながら新しく制定していくというかまえを考えておるわけでございます。法律のたてまえからいっても、工業標準化法は、必要があってもなくても三年ごとに必ず見直すということになっておりますし、われわれはここ二、三年、特に安全の問題について、三年ごとの見直しのときに最重点的にそれを頭においてやっていくという現状にございます。

小野明日本社会党

○小野明君 先ほど局長が、特定製品を政令で定める場合には審議会等にはかると、こうおっしゃっておられましたが、これは産業構造審議会ではなくて、この特定製品のための審議会、このように理解してよろしいですか。

山下英明通商産業省企業局長

○政府委員(山下英明君) そのとおりでございまして、本法の製品安全及び家庭用品品質表示審議会でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣に、お見えになりましたからお尋ねをしたいと思いますが、先ほどからお聞きのように、新たにこの特定製品というものを政令で定めて、これにマーク表示をするということになっておりますね。ところが、従来の政府の合格を表示するものにJISマークがあり、あるいは農林規格のJASがある。JASに至っては、最近の千葉ニッコー油事件でも信用がた落ちだ。ところがJISマークにいたしましても問題なきにしもあらず。たとえばナショナルの電気製品にしましても、JISが打たれておるにかかわらずいろいろな事故が報告をされております。  で、この法案で一つの大きな大事な柱というのは、政府がこのマーク表示をしたらば、絶対これは従来のものと違うというような信用を得ることが大事である。何よりもこれは安全なんだということが裏づけされていかなければならぬと思います。この点が最も大事だと思いますが、この点について大臣の御所信をひとつお聞かせをいただきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに御指摘のように、JISマークのついたものが電気事故を起こしたりなんかしている例が最近あるようでございます。いやしくも国の権威をかりたJISマーク、あるいはJASマークというものが出る限りには、消費者の皆さんに対しては絶対安全という保証を実際としても与えなければならぬ責任が国にあると思います。JISがふえるにしたがってだんだんマンネリズムになってまいりまして、検査とかその他がおろそかになったり、あるいは紋切り型になってくる危険性がなきにしもあらずであると思います。この際、もう一回引き締めまして工場の検査とか、あるいは製品の検査とか、特に抜き取りその他につきましても精を出してやりまして、この際、いままでJISやJASに対して与えられている漫然たる不安感というようなものを一掃するようにつとめたいと思います。

小野明日本社会党

○小野明君 きょうの私の質問はこれぐらいにとどめて、あとは次回にいたしたいと思います。

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  消費生活用製品安全法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田一郎自由民主党

○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十一分散会

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