社会労働委員会 第21号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/08/28
会議録
○委員長(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る八月二十一日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が選任されました。 —————————————
○委員長(大橋和孝君) この際、御報告いたします。 去る七月十七日、斎藤十朗君から提出されました健康保険法等の一部を改正する法律案、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案の四法案の質疑終局の動議は、理事会で取り扱いを協議することとなっておりましたが、本日、斎藤君から撤回する旨の申し出がございました。 なお、本日の理事会において、今後かくのごとき事態が起こらないよう努力する旨の申し合わせを行ないましたので、あわせて御報告をいたします。 —————————————
○委員長(大橋和孝君) それでは、健康保険法等の一部を改正する法律案、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案、以上四案を一括議題とし質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小平芳平君 年金の関係について質問をいたしますが、田中内閣発足以来、福祉優先ということ、特にこの年金には力を入れるというて、また厚生大臣もしばしば国会等でそうした発言をなさってこられました。で、いろいろ事情があったにいたしましても、非常にこの年金の成立が長引いております。今日の時点において、厚生大臣としてこの年金問題に対する総括的な御意見、そしてまた、もう一つは、確かに年金が老人福祉のきわめて重要な部分ではありますが、年金を含めた老人福祉対策全般について御所信を承りたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 昨年田中内閣が成立いたしまして以来、国民各層の間に福祉優先の政治を求める声が高まりました。その世論の背景のもとに、田中内閣としては福祉のために最大の力をいたそうということで努力をいたしておるわけでございます。 御承知のように、わが国の社会保障制度は、戦後皆さま方の御協力も賜わりながら逐年制度の改正を見、発展をいたしてまいりましたが、内容的に西欧先進諸国に劣っているものが多々あるわけでございます。特に年金問題につきましては、西欧の先進諸国に比べまして、その中身において劣っているものが多いといわれてまいっておるわけでございます。すなわち、現行の国民年金法、さらにまた厚生年金法は、すでに御承知のように二万円水準の年金でございまして、はたしてこれで現在の経済社会状況のもとにおいて老後の生活をささえるに足る額であろうかという大きな反省の上に立ちまして、西欧先進諸国並みに大幅にこれを引き上げる必要がある、かように私どもは考えまして、今回の法案の提案になったわけでございます。 すなわち、二万円水準の年金を五万円の水準年金に引き上げ、さらにまた、最近における物価等の変動等も激しい際でもございますので、物価変動に伴う貨幣価値の下落というものを防がなければならないということで、すなわち物価スライド制というものを背景にもちながら五万円水準年金を実現いたしたい、かように考えまして本案を提案いたしたわけでございまして、私どもは一日も早く、健康保険法等の法律と相並びまして、この年金法の成立をこいねがっておるような次第でございます。 ところで、この五万円年金制度は、五万円の水準年金に高め、物価スライド制を背景として物価変動に伴う減価を防いでいこう、こういう考え方の所得保障の体系でございますが、この所得保障だけで老人対策すべて終われりという考え方ではございません。特に、老人はとかく何かしら病気がちな方々でございますので、こうした所得保障と相まって、医療保障をできるだけ厚くしていくということが必要であると考えておるわけでございまして、すでに御承知のように、本年一月から七十歳以上の老人に対しましては、老人医療無料化というものを実行、実現をいたしてまいりましたし、さらにまた、本年度の予算におきましては、六十五歳まで年齢を下げて、しかも、その方々は寝たきり老人の方々——寝たきり老人の方々につきましては、この十月だと思いますが、十月から老人医療無料化を実行していかなければならない。こういうふうなことで、所得保障、年金の改善と相まって、老人の医療について手厚い援護を行ない、同時にまた、身寄りのない方々、そうした方々につきましては、特別養護老人ホーム、その他の老人ホームを整備いたしまして、さらにまた、家庭に一人暮らしをしておられる方々にはホームヘルパー等の措置を講じながら、今日まで御苦労をなすった御老人の生活の安定のためにできるだけの努力をいたしておるような次第でございます。 しかし私どもは、もとよりこうした施策を進めておるわけでございますが、今後とも年金の充実と相まって、医療の問題、日常の生活の問題の上に皆さん方の御指導、御協力をいただきながら、万全の努力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○小平芳平君 たいへんそういうふうに、厚生大臣の説明を聞きますと、手厚い万般の施策がとられているように聞こえます。ところが、具体的に私はまだ、いまの老人医療の問題にいたしましても、そのほかの点にいたしましても、明らかにしたい点が数々ありますが、きょうは総括的な問題としまして、すでにこうした本会議でも委員会でも再三提起されている定年制と、定年退職と年金との結びつき、これなども、こんな不合理な制度では相ならぬということは、おそらく厚生省当局の人も、世間一般にも、当然のこととして受け取られておりながら、一体どれだけ改善をされているか、現状をひとつ事務当局から御説明いただきたい。
○政府委員(横田陽吉君) 定年制と年金の問題でございますが、原則的に申しますと、定年で働かなくなった場合には、それ以降は退職年金あるいは老齢退職年金でもって生活のおもなささえにする、こういうたてまえでございます。たとえば、厚生年金について申しますと、御承知のように、現在、厚生年金保険におきましての老齢退職年金は六十歳でございます。それに対して、大体民間企業の定年制はおおむね五十五歳でございますので、その間に五歳程度の年齢の開きがある。この問題は非常な問題だと思っております。 ただ問題は、そういった場合に、厚生年金の受給開始年齢を定年制の現状の定年まで引き下げるか、あるいは定年の延長等の措置をあらゆる手段を講じて実現するか、そのいずれかの方法によってこの間隙を埋めるという以外に方法はないと思いますけれども、私ども厚生省といたしましては、労働省ともいろいろ随時協議をいたしまして、実際問題としては、定年をお過ぎになりましても、何らかの形で再雇用されておるという実態でございますので、むしろそういったことではなしに、定年自体をある程度延ばして、できるだけ早い機会に年金の受給開始年齢に合わせるようなそういった努力をしてまいりたいと思っております。 それから、ほかの公務員共済でございますとか、地方公務員共済でございますとか、いろいろな共済グループがございますが、そういった制度におきましては、従来から年金の開始年齢が五十五歳でございますが、こういった点につきましては、それぞれのグループごとにおけるその制度を立案いたしました当時の定年の実態との関連で、それぞれの制度で年金の受給開始年齢が異なっておるという点がございます。ただ、いずれにいたしましても、開始年齢の点だけをとりますと、共済グループのほうが退職をすればすぐ年金に結びつき、厚生年金グループのほうがその間に数年の開きがあるということは、問題でございますので、その点につきましては、先ほど申し上げましたように、定年の延長ということをできるだけ早く実現することによりまして、定年制と年金の受給開始年齢のリンクということを実現いたしたいと考えております。
○小平芳平君 そういう抽象的なものではなくて、きょうはあらかじめ通知してありませんでしたので、また、聞きにも来ませんでしたので、ですから、次回までに、一律定年制はどの程度の事業所でとっているか、それからその事業所の規模別と定年に達する年齢、それからそれを比率で出しますと、五十五歳定年というところのパーセントが六五%とか、五九%とか、六六%とか、そういう大多数の事業所でいまなお五十五歳定年が実施されているんです。定年退職された方は、きょうの生活、あすの生活に、もうほうり出されて困っているという、そういう実態をもう少し具体的に調べて、あるいは労働省と御連絡をなさるなら労働省と連絡の上で御答弁いただきたい。これはいかがですか。
○政府委員(横田陽吉君) ただいま御指摘の点につきましては、可能な限り資料を準備いたしまして、口頭あるいは文書で御報告申し上げます。
○小平芳平君 それから、先ほども答弁で触れられました、同じ年金制度で制度がばらばらであるという点、いま具体的には厚生年金と共済組合について、一方は六十歳支給開始、一方は五十五歳支給開始というアンバランスがあるのをどうするとおっしゃっておるんですか。この目的、法律の目的——厚生年金と共済組合は同じ目的なのか、共済組合のほうはプラス別の目的を持っているのか、この点はどう理解されておりますか。
○政府委員(横田陽吉君) いまの時点で共済と厚生年金というものの制度の趣旨というものは一体同じかどうかという点でございますが、それは同じような理念のものであると考えております。ただ問題は、制度の発足の沿革等を考えますと、公務員関係の共済は、御承知のように、恩給制度を引き継いだ形で来ておりますので、したがって、制度発足の当初におきましては、どちらかと申しますと恩給的な色彩をそのまま引き継いだ、そういったものであったわけであります。ただ、現時点並びに将来にわたりましては、いろいろ職種、業種は違いますけれどほも、被用者年金といたしまして、同じような理念のものであり、同じような運営をされるべきはずのものと考えております。ただ問題は、先ほども少し触れましたが、それぞれの被用者グループにおきまして定年制の実態なり何なりというものが異なっておるわけでございますので、そういった相違点を無視して、年齢を一律にそろえるというようなことはなかなか困難だと思いますが、しかしこういった問題は、それぞれの被用者グループにおきましての実態に即した制度の整合性という観点から考慮すべきものだと考えております。
○小平芳平君 そうしますと、この厚生年金のほうは、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという目的、たとえば国家公務員共済組合法は、「国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」という規定と、ほかに「公務の能率的運営」、あるいは「公共企業体の円滑な企業経営」というような、あるいは「私立学校教育の振興」というふうな、それぞれの法律にはそれぞれの目的を掲げておりますが、こういうことは別に関係ないということですか。
○政府委員(横田陽吉君) 年金制度のあるべき姿という点から申しますと、それはそれぞれの被用者グループにおきましての被用者の退職後の生活の安定を中心に考えるべきものでございます。ただしかし、その年金制度を運用いたします際に、たとえばいろいろな積み立て金の運用の問題でございますとか、あるいは福祉施設の設置、管理の問題でございますとか、いろいろなものを通じまして副次的にいろいろな目的を追求する、こういうことはあり得るわけでございますので、公務員グループにつきましては特段そういった点について法律でもって触れておりますけれども、厚生年金についてはそういった条文がないからといってそういった点は全く考えないというものでもございませんで、年金制度として考えました場合には、恩給的な残滓をだんだん払拭いたしまして、やはり特定の被用者グループごとの老後の安定のための年金制度というかっこうで発展してきておるものでございまして、将来はそういった方向でものごとをすべて考えるべきものだと考えております。
○小平芳平君 まあ、制度の統合というようなことは、それぞれ根を張っていることであって、一本化するというようなことは実際問題できないことだというようなことが前提にあることは承知しておりますが、ただ、給付の関係はなるべく統一していくのが当然ではありませんか。たとえば支給開始年齢、それから退職要件、資格期間、その他、こうした給付の面できわめて制度がばらばらになっているということは、年金制度を根本的に検討すべきものが、そういうものがなくちゃならない。ただ、金額を引き上げますと、二万円年金が五万円になりますと言ったって、そこに非常な問題があるということは、後にまた具体的に指摘をしたいわけですが、さしあたって、同じ社会保障制度として年金制度がある、それが各職域によってばらばらな給付、それがそのままほっておかれていいということはどこにも理由はないと思いますが、いかがですか。また、そのための検討を進められるおつもりかどうか、具体的な検討をする、ほんとうにそういう検討をするおつもりかどうか、あわせて厚生大臣にも御意見を承わりたい。
○政府委員(横田陽吉君) 各制度間の格差の問題でございますが、御指摘のように開始年齢の問題あるいは資格期間の問題あるいは年金額を算定するその算定のしかたの問題いろいろございますが、結論から先に申しますと、各制度間におきましてのもろもろの格差につきましては、合理的な格差は当然これは今後とも存在すると思いますけれども、不合理な格差はできるだけ解消するような方向で私どもも本気になって取り組むつもりでございます。合理的な格差という非常におかしい言い方を申しましたが、それはまた別の表現で申しますと、年金制度は、御承知のように、各被用者グループにおきましてそれぞれのニードと申しますか、そういったものに即応して制度が発案され、策定され、そして運営されて今日に至っております。したがいまして、制度がばらばらであることが必ずしも絶対に悪いということではございませんで、それぞれのグループごとのニードに具体的にこたえるためには、やはりある程度制度がそれぞれ別のものでなければならないと、こういう事情もあったわけでございますし、今後ともそういったことはあり得ると思います。ただ問題は、何の理由もなしに、ばらばらの制度であるゆえをもって、いま御指摘のようないろいろな点について格差があるということは非常に問題でございますので、それぞれの被用者グループにおける二ードを具体的に検討すると同時に、不合理な格差はできるだけ解消するような方向で私どもは本格的にその検討に取り組みたいと考えております。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私からもお答えを申し上げますが、先ほど来局長から御答弁申し上げてありますように、各種の共済組合、年金等につきましては、まあ、それぞれの沿革からできておる関係もありまして、お述べになりましたようないろんな格差があることは私も十分承知しております。特に公務員につきましては恩給という、恩給法の流れをくんで支給開始年齢が五十五歳というふうなことでございまして、厚生年金に比べますと非常に早い年齢になっております。しかし、これはまあ戦争前からの古い沿革からそうなっておるわけでございます。しかし、諸外国の年金というものを見ますと、ほんとうを言うと、あまり早く開始しない、むしろ高齢者になって退職した人を厚く見るというふうなことが諸外国では基本になっておるわけでございます。そこで、こういうふうな恩給の流れをくんだ共済組合等について現在五十五歳、それを今度は六十歳にしましょうというふうなことになると、これはたいへんなことになるわけでございまして、こういうふうな、それぞれの沿革でできておる、そういう点はなかなか私は一致させるということは困難かと思います。 それからまた、それぞれのばらばらの共済組合においては、いま年金局長からも話がありましたように、その共済組合の適用を受ける被保険者がぜひこれをやってくれという特殊なものもあるようでございます。そういうふうな差というものは、どうもいまにわかにこれを統合するということは困難だと思いますが、しかし、やはり各制度間の不平等な格差、これだけは何とかしてまとめあげていくように努力をすることが私は政府としては当然のつとめだと思います。特に、いろいろな年金、共済組合との通算問題、これなどは非常にもう大事なことだと思うのです。国家公務員共済組合あるいは三公社五現業の共済組合をおやめになって、かりに五十五歳からその共済組合の年金をもらえるといたしましても、あと遊んでいるというわけにはこれはまいりません。ですから、そういうふうなことで、各種共済組合間における通算などというものは思い切った、まあ、今日でもできるだけいたしておりますが、まだまだ私は不十分な点もあるように感ぜられます。そういうふうな問題等につきましては、私は今後とも真剣に努力をいたしてまいりたいと思いますし、しかも、年金の中枢は、やはり厚生年金を所管しておる厚生省だと思います。そういうふうな意味合いにおいて、私も各種共済年金とのいろいろな調整につきましては、今後とも最大の努力をいたしてまいるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○小平芳平君 局長に伺いますが、必要のある格差とは具体的にどれどれですか、二、三あげてください。 それから、必要のない不公平な格差というのはどれどれですか。
○政府委員(横田陽吉君) 必要なもの不必要なものを論理的にきちんと御説明申し上げるということはなかなか問題だと思いますけれども、例示的に申し上げます。 たとえば、年金額の算定の問題がございます。公務員共済におきましては、御承知のように、退職前三年の俸給を基礎にいたしまして年金額を算定いたします。それから、厚生年金につきましては、全雇用期間を通じましての平均標準報酬を基礎にいたしまして年金額を算定いたしております。この点につきましては、なぜそういうふうな差があるのかという問題でございますが、端的に申しますと、公務員につきましては御承知のように全く一本の俸給表でもって俸給が規律されておりまして、しかも、その俸給表は大体を申しますと年功序列型の給与体系になっております。したがいまして、退職前三年間というものはその方の全雇用期間を通じまして一番俸給が高いところにいっておる。こういうふうなことがございます。したがいまして、年金をできるだけ有利にという観点から考えますと、そのような年金の算定方法をとることが合理的であろうかと思います。ところが、厚生年金のほうは、御承知のように、業種を見ましても職種を見ましても、あるいは企業の規模を見ましても千差万別でございます。大体平均的に言えますことは、企業の大小、業種、職種の差別を捨象して申しますと、大体四十歳の後半が一番給与としては高い水準に達する。したがって、六十歳近い、そういった退職に近い時点になりますと、どちらかといえば八割程度まで給与がダウンするような、そういった業種なり職種、あるいは企業というものも非常に多いわけでございます。したがいまして、全職種全企業、全業種を通じまして最も公平で、しかも有利な年金制度を実現するためにはどのような考え方をとるべきかという点は、公務員の場合とは異なった処理の方法を必要とする、こういうことになります。したがいまして、今回改正の際にもいろいろ苦労いたした点でございますが、全雇用期間をとるということは、そういった職種、業種あるいは企業規模等を考えました場合に最も公平なやり方であるが、しかし、相当以前の俸給をそのままのなまの形で年金額の算定に使うことば非常に問題であるというような点から、過去の給与につきましては、現在時点の給与の水準でもって再評価をするというふうな手法を加えることにまりまして、このような全雇用期間を通じての平均の標準報酬を年金額の基礎に使う、こういうふうな結論に達しております。つまり、公務員につきましては退職前三年であり、厚生年金につきましては全雇用期間を通じましての平均の標準報酬をとる。この違いなどは、いまるる申し上げましたような観点を御理解いただきますと、やはり合理的な格差の一つではないかと考えております。 それから不合理云々の問題については、いまの時点で、はっきり不合理云々と言うことができるかどうかの問題でございますが、支給開始年齢の問題などはそうであろうと思います。公務員につきましては、先ほど大臣のお答えにもございましたように、恩給時代から定年が非常に早かったというふうな伝統を受け継ぎまして現在でも五十五歳になっておりますし、それから厚生年金につきましては六十歳と、こうなっております。 この点につきましては、やはり定年制の実態というもののからみ合いを考えてものを処理しなければなりませんけれども、おそらく片や五十五歳、片や六十歳というものがほんとうに合理的な格差であるかどうかという点については相当問題があろうと思います。ただ、いまの時点でこれは不合理な格差の一つのサンプルであるというまで申し上げる自信はございませんけれども、やはり相当検討に値する問題であると思います。そのほかいろいろございます。たとえば障害年金の問題でございますとかあるいは遺族年金の問題でございますとが——で、公務員につきましては、御承知のように遺族年金につきましては、今回の制度政正前におきましては十年間の被保険者期間を必要といたしておったわけでございます。それに対して厚生年金のほうは半年、国民年金のほうは一年というふうに、まあ、この点につきましては厚生年金グループのほうが被保険者期間については非常に有利であったわけでございますが、公務員につきましても、幸い今回の改正によりまして十年がことしの十月から一年に短縮されるというようなことで、その不合理は解消されると思います。まあ、いろいろそのほかに、こまかい点あるいは大きな点で具体的に御説明申し上げなければならないのかと思いますが、事例的に申しますと以上のようなことでございます。
○小平芳平君 それだけ局長が説明された再評価ですね、それに対しては、社会保障制度審議会では「再評価することは、一つの進歩であろうが、年金は老後の生活設計のよりどころとなるものであるにもかかわらず、その方法が複雑にすぎ、また、将来の展望を欠いていることは遺憾である。なお一層の工夫を要望する。」となっておりますが、こういう点も十分承知しておりますでしょう、どうですか。
○政府委員(横田陽吉君) その点は、長時間にわたりまして制度審議会で御審議をいただいた中心のテーマの一つでございますので、内容はとくと承知いたしております。 第一の、複雑過ぎるという点でございますが、この点につきましては、私どもももっと簡単な方法はないだろうかということでいろいろ検討いたしましたが、あまり簡単な方法を現在導入いたしますと、先ほど申し上げましたような有利な年金であり、かつ、企業、職種、業種の区別を通じまして平等な年金の実現という点から申しますと相当問題が残るわけでございますので、そのような方法をとったわけでございます。 それから将来展望の問題でございますが、これはかいつまんで申し上げますと、この次の改正あるいはその次の改正の場合にも、今回採用いたしました再評価の手法をそのまま採用するのかどうか、こういう問題を中心としての議論だったと記憶いたしております。私どものほうは今回はそういったことで、今回御提案申し上げておりますような再評価の手法を採用いたしたわけでございますけれども、この次の政策改定の時期に同じような具体的な手法をそのまま採用するのがいいのかどうか、この点について疑問がございますので、したがって何らかの方法によりまして年金の実質的な価値を維持するというふうなその方角は認めつつも、今回と全く同じ再評価の手法をとるかとらないかという点については実は消極的な結論を持っておるわけでございます。したがってその点に関しましては、ただいま先生御指摘のように、将来の政策改定の際の年金水準の維持のための手法がはっきりしておらないから、したがって将来展望という点から見ました場合には、制度的な安定性を欠くのではないか、そういうような御批判があったわけでございます。しかし、その辺につきましては、ただいま申しましたように、その時点になりまして、どのような手法が最も適当な手法であるかということを十分検討いたしまして、とにかく標準報酬の六割という今回設定いたしました年金水準を将来にわたっても維持するという、そういった方向はきまっておるわけでございますので、具体的な手法はその時点になってまた十分な検討をさしていただいて、そこで御相談を申し上げる、こういうふうな考え方でございます。
○小平芳平君 厚生大臣、いまの局長の答弁をどのようにお聞きになりますか。年金は将来の展望がはっきりしてあるべきだという意見ですね。それに対して、あまり、将来のことはまだこれからの検討事項だと言っているわけですが、そういう点。あるいは支給開始年齢などは五十五歳ということについては、大臣先ほど触れましたが、国民年金の六十五歳、厚生年金の六十歳、それに対する定年制の最初指摘した問題、そういう点も含めた取り組みが必要じゃないでしょうか、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 年金はあくまでも退職した老後の生活をささえるというふうな考え方でございますから、年齢があまり早過ぎるということは私は基本的には好ましいことではない、私はさように考えております。したがいまして、しかも日本のいまの社会経済状況からいいまして、できるだけ元気なうちはやっぱり働いていただくということが私は基本だと思うんです。そういう意味においては、五十五歳定年なんというものは私はもういまの時勢においては合わない、私はさように思います。五十五歳定年なんというものもいつの間にかこれは民間にでき上がっておるんですが、役人などの考え方も戦争前は御承知のように、大体五十歳前後にはもうみんなやめてしまう。したがって五十五歳から恩給と、これが常識であったわけでございます。でございますから、こういうふうなことが民間にも普及して五十五歳、最近は五十七歳、五十八歳というのもできてきておると思いますが、私はあくまでも定年というものは六十ぐらいまではもう延ばしていくと、これが私はほんとうじゃないかと思うんです。おそらくそういう趨勢にもなると思います。そういうような意味において私は年金の支給開始年齢を五十五に合わせるような考え方は逆なんで、むしろ六十あるいは六十五、そして六十五になったら手厚い年金額にする。こういう方向に持っていくべきものではないかという、多少一般的な話かとも思いますが、私はさように考えます。したがって、将来は定年制はできるだけ延長していただいて、それから年をとったあとは年金額を多くしていく、こういう方向で進んでいくべきではないかと、かように考えております。 なお、私どもは将来の年金額というものにつきましては、いまも年金局長からお話がありましたように、全労働者の平均標準報酬が八万四千円でございましたから、その大体六割、五万円水準年金というものを考えておりまして、この法案を提案をいたしておりますが、この標準報酬の平均の六割、これがいいかどうか、これは私はやっぱり問題が将来の問題としてはあると思うのです。いまの御提案申し上げておりまする法体系は平均標準報酬の六割という考え方でございますが、私はやっぱりこれは年金額としては最低ではないか、最低の額ではないか、かように考えているわけでございまして、今後の方向としては平均標準報酬の六割をあくまでも最低として、もっとその上に六割が七割、こういうふうに額が引き上げられるように将来の努力目標としてはしていくべきではないか、かように私は考えておる次第でございます。したがいまして、支給開始年齢は五十五歳といったふうに下げることなく、むしろ六十歳くらいまですべての制度が整えられ得るならばそれは私は望ましいと思います。しかし、いまにわかにそれはできないと思いますが、そして老後の退職した方々については年金額は手厚くする、平均標準報酬の六割というのはもっと高めるように、これは私は将来の展望としてはそうあるべきではないか、かように考えている次第でございます。
○小平芳平君 そうしますと、本来、年金で生活できるのがたてまえであるということが一つ。したがって、働いているうちは年金の支給はないということ。ですから、いまのような減額年金といいますか、減額支給ということは本来の筋ではないということ。したがって、年金の支給は現役から引退すること、つとめから引退することを条件とすると、こういうふうなお考えですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 白紙でものを書くというふうな考え方で私はものを考えるならば、できるだけ元気なうちは働いていただく、そして定年制は延長する。そして六十くらいまでは少なくとも働いていただく、こういうたてまえにして、そして六十で定年で退職をしたら、今度は手厚い年金を差し上げる、こういうふうな仕組みでいくべきじゃないかと思うんです。しかし、現実問題としては先ほど来申し上げてありますように、いろいろな制度ができました今日までの沿革から、すぐというわけにはまいりませんが、長い将来の方向としては、元気なうちはできるだけ働いて、そして退職したあとはその年金でりっぱに生活ができる額でなければならない、こういうふうに私は考えているわけでございます。
○小平芳平君 大臣のおっしゃる年金で十分生活できることということは、私たちも大いに賛成なんです。ただ、いつ、どういう形で実現できるのか、できないのか、そこに問題があると思うんです。先ほど定年制については大臣の御意見を求めませんでしたが、実際問題私のところで持っているこの定年制の資料も大臣がそう期待しておられるような進みぐあいを見せていないわけです。依然として五十五歳定年というものが半数以上の企業で行なわれているということ。で、六十歳というところも調査の中にはあらわれてきておりますが、まだまだそれはきわめて少ないということ。したがいまして、その点ひとつ大臣のほうから、いかにしていまおっしゃっている点を実現するかということを、労働省にまたがる分は労働省に対して申し入れするなり、とにかくこの現在の不合理の谷間で現に困っている人がいるわけですから、どう救済するかということをすみやかに立てていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私は、今後の年金問題を考えるときに、この定年制の問題と年金の支給開始年齢との問題、これは私は非常に大きな問題になると思うんです。で、いまお述べになりましたように、まだ五十五歳定年制というのは相当多いようでございますが、私はこれは給与との関係がありますものですから、民間会社等においてはなかなか思うようにこれはできておりません。しかし、この問題については、私は今後とも労働省とも十分相談をしながら給与問題の解決に当たりながら定年制の延長のために努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。 なお、公務員などの例を見ますというと、私も昔、役人時代がございますが、以前の役人は大体もう五十前後ではほとんどやめておったものでございます。最近は五十五近くまで、あるいはさらにそれ以上働いておる者も多くなってまいりました。しかも公団、事業団等になりますと、もっと六十歳近くまで、六十歳をこしてでも働く人がふえてまいっておりますから、私はやっぱりこの問題は、給与との関係ございますが、労働省とも十分連絡をとりながら定年制の延長のために努力をいたしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○小平芳平君 それから次に、賦課方式か積み立て方式かということでいろいろ議論がなされてまいりましたが、結果的にはおそらく御答弁は、そう賦課方式か、しからずんば積み立て方式かというものではないというふうな答弁じゃないかと思います。といいますのは、完全な積み立て一本でいまやっておるわけではない。今回の改正によっても積み立てを取りくずす部分がふえてくることは間違いないんじゃないかと思うんですね。ですから、そういう点、ただ積み立て方式を譲ることはできないというふうに言い張る必要もないじゃないですか。いかがですか。
○政府委員(横田陽吉君) ただいまの御指摘の問題でございますが、実は、私どもこの年金制度を設計いたします際に、積み立て方式でなければならないとか、賦課方式でなければならないとか、そういった方式論がまずきまって、それから年金制度の設計と、そういうふうな考え方は、実はあまり強く持ってないわけでございます。問題は、現在並びに将来にわたりまして、どれだけの負担をどなたがなさるかという点につきまして、できるだけ世代間の負担の公平を期しながらこの年金制度を運営してまいりたい、そういうことでございます。 そういった観点から考えますと、現在のように受給者が非常に少ない時点におきましては、どっちの考え方をとってもどうということはございませんけれども、理の当然といたしまして非常に近い将来において受給者が相当ふえました場合に、一挙にこの保険料を引き上げなければならなくなるということでは困る、これが第一。それからもう一つは、年金制度がだんだん成熟してまいりますと、非常に規模の大きい、支払い規模の大きい年金になります。厚生年金一つとりまして、現在御提案申し上げておるような水準の年金を将来とも維持するといたしました場合に、成熟期と考えられる昭和八十五年あたりでどのような規模になるかという問題でございますが、この点につきましては数百兆円の支払いというふうなことになります。そうなってまいりますと、どのような年金制度の設計をいたすにいたしましても二、三年程度の積み立て金を持ちませんと非常に制度運営がむずかしくなる、こういうことでございます。そういったファイナルな年金財政のプロポーションと申しますか、そういったものを実現する道行きといたしまして、当面はどの程度の保険料の御拠出をいただき、それから何年後にはどの程度の保険料の御拠出をいただく、こういうふうな考え方でございます。成熟期に達しますと、いわゆる成熟期というものは、すでに御承知のとおりでございますが、受給者に対する被保険者の割合というものは一定の割合で横ばいになります。その時点以降におきましては、その時期における保険給付に必要な金額をその時期における被保険者が負担しようと、それからまた、そういうものを将来にわたって、その時期の被保険者が現在の給付を負担するのではなくて、自分が将来もらう給付を負担するような方式をとりましても、受給者と被保険者の割合が定常化いたしましたいわゆる成熟期以降においてはほとんど同じことでございます。したがって、そういった観点から現在保険料は幾らいただき、将来、何年後には幾らいただくというふうなことを申しておるわけでございまして、ほんとうの意味での積み立て方式と申しますのは、国庫負担を除いた分につきましては積み立て金の利息でもって保険給付がまかなわれる、そういったかっこうのものでございますので、そういったものは、私どもとても将来の年金制度の設計として無理でございますので、二、三年程度の積み立て金をもって安定的に運営できるような、そういった年金制度の設計をいたしました場合には、逆算いたしまして保険料は現在及び将来においてどの程度の御負担と、こういう考え方でございます。
○小平芳平君 そういうことを言われながら、これは昭和八十五年の見通しですか、支出額が百三十八兆円ですか、それからそのときの積み立て金が四百十一兆円ですか、そういう計算を出されたが、その後衆議院で修正になっておりますがね。ですから、一体ほんとうのところ何を考えているのか、賦課方式では年度間のアンバランスが生ずるという、積み立て方式もそういう純粋な積み立てを考えておるわけじゃないと言いながら、四百十一兆円なんという積み立てをしようという計算でしょう。そういう点について審議会の答申でも現段階で保険料を引き上げるという説明ができてないということになっていますからね。何のために保険料を引き上げるのか、根拠がさっぱりわからないという答申になっていますが、いかがですか。
○政府委員(横田陽吉君) ただいま御指摘の数字でございますが、昭和八十五年になれば、大体わが国の厚生年金は成熟段階に達する、その場合の支出は先生御指摘のように百三十八兆円でございます。それで、大体このような規模の年金財政として、これからあとはそのつどそのつどの物価スライド、それから政策スライドによって引き上がる部分はこれにオンされるわけでございますが、ただ、根っこになります受給者と、それから被保険者の割合につきましては定常化いたしますので、そっちのほうは横ばいになります。そういった非常に膨大な単年度支出をかかえます年金の制度の運営といたしましては、二、三年程度の積み立て金というものを持たないと、場合によっては二、三年間非常に不景気が続くと、その場合に賦課方式をとっておったという場合には、保険料の膨大な歳入欠陥が出てまいりまして、勢い相当の積み立て金を持っておりませんと、支払い不能というような問題が出てまいります。それで、先ほど来、大臣も再々御答弁申し上げておりますように、ほんとうに働けなくなってからは年金が一番のたよりである、こういうことでございまして、そういった時期において相当多数の年金生活者が支払い不能等によって全く生活の手段を失うというようなことになっては困る。したがって、私どものほうは、成熟期に達した以降におきましては、大体三年間程度の積み立て金、この間、非常に最悪の場合、保険料が一銭も入らなくとも何とか年金財政は維持できるというような、そういった年金制度というものの実現を目ざして、そのためにはさしあたって今年はどのくらい、それから何年かあとにはどのくらいというふうな、そういった数理計算に基づいての保険料率を設定してみたわけでございます。御提案申し上げております年金の保険料率の改定の問題などはすべてそのような観点から設定をいたしたものでございます。
○小平芳平君 いや、それは設定して提案をしたのでしょうが、また衆議院で修正になったのでしょうが、その根拠がわからないという、社会保障制度審議会の意見としまして、合理的な根拠を示してないといっていることに対しての意見を求めているわけです。
○政府委員(横田陽吉君) この根拠の問題でございますが、私どももいろいろるる御説明を申し上げたわけでございまして、簡単に繰り返しますと、保険料率の計算の問題につきましては、いわゆる静態計算というのがあるわけでございます。そういったことを基本にして従来は保険料率を設定しておったわけでございますけれども、今回の改正によりまして、初めて動く年金になったわけでございます。従来の年金は、御承知のように、スライド制がございませんから、一回きめた年金水準というものは、その後、原則といたしまして五年後の政策改定まではその水準が動かない。したがって、そういった年金の場合には、静態計算でもって保険料率を設定するということは、合理的であったわけでございますが、今回はスライド制の導入をいたしました関係上、したがって将来にわたって各年次における単年度の保険給付というものがどの程度の規模のものであるか、そういったスライドをした場合の、それから五年に一回政策改定を加えました場合のその年金水準を前提といたしましての動態計算をする必要があったわけでございます。その動態計算の数字が、いま先生御指摘のように、昭和八十五年におきましては、単年度支出が百三十八兆円ということでございますので、こういつたことに即応いたしまして、各年度どれぐらいの保険料率にしたならば、世代間の負担の公平、もっとこまかく申しますと、各年度間の保険料の負担の公平が実現し得るかという観点から逆算いたしましたものが御提案申し上げました保険料率でございます。
○小平芳平君 ですから、それは衆議院で修正になって、もうその動態計算は合うということですか。まあそれはいいです。要するに、厚生省だけがこの計算はきわめて合理的な根拠のある計算だと言って、そして制度審議会なら制度審議会の委員は、これは根拠が薄いと、あるいは合理的な説明ができてないと言っていると、われわれしろうとにはわからないわけですよ、一体なぜ保険料を引き上げなくちゃならないのか。三百何十兆円ですか、三百何十兆円なんという資金をかかえて、何をどうやって運営していくか、われわれしろうとは想像もつかないわけです、そういう説明をされましても。 それはそれとしまして、きょうは限られた時間で質問するように言われておりますので、もう一点だけ。もう少し私は局長からも大臣からも現在の制度のあり方について真剣に取り組む姿勢をいただきたかった。ということは、たとえば、家族の問題にしましても、一体厚生年金に入っておられる方のその奥さんは、どういう立場にあるのか、国家公務員の共済組合に入っていらっしゃる方のその奥さんはどういう立場なのか、子供はどういう立場なのか。国民年金だとまた全然別になりますが。そういうような点で基本になる制度がはっきりしないというところから、たとえば女子労働者で脱退手当金を受けた人が、ある年齢で脱退手当金を受けますと、年金制度から完全に締め出しを食うわけですね、現実問題。そうすると、国民皆年金、年金の年といいながら、しかも一方では脱退手当金を受けた人は、一生涯老齢年金にはもう当てはまらなくなる。しかも国民年金に入れという宣伝は来るわけです、強制加入ですよって。したがって、何疑うことなく、国民年金に入ったと、しかし実際はあなたは満六十歳までに二十五年払う機会はないと、しかも脱退手当金はある時期にもらったから、から計算とか、いろんな計算をなさるそうですが、そのいずれにも当てはまらないという人が出ているわけですがね。そういう点はどう考えますか。
○政府委員(横田陽吉君) 御指摘のように、脱退手当金をもらわれた方は年金権に結びつかなくなる可能性が非常に多うございます。まあ若い方でございましたら、おやめになったあとまた国民年金にお入りになってという方途はございますけれども、したがいまして、この脱退手当金という制度をなくすべきであるという議論ももちろんございます。ただ、問題は、女子労働者等の場合には、脱退手当金をもらって、まあいろいろその際の必要な支出にお充てになってというふうな、そういった御希望の方もございますので、いまの時点でこの脱退手当金という制度を全くなくしてしまうということも非常に困難である。ただ、年金の本来のあり方から申しますと、御指摘のように、脱退手当金でもってけりをつけるというやり方はできるだけなくすような方向をとるべきだと考えております。
○小平芳平君 いや、私が尋ねているのは、現に、年金制度からはずれてしまっている人に対する救済の考えはありませんかということを尋ねているんです。たとえば、法律のたてまえは満六十歳、二十五年でしょう。それを、たとえば満六十歳を、支給は六十五歳からですから、六十歳を延長するとか、何らかそういう救済の考え方が必要じゃないですか。
○政府委員(横田陽吉君) この問題につきましては、おそらく解決の一つの手法といたしまして、通算制度をどのように仕組み直すかという問題であろうと思います。まあ、その点につきましては、いろいろむずかしい問題もございますが、重要な検討事項であると考えますので、十分検討いたします。
○小平芳平君 そうすると、私の指摘した六十歳を延ばすということじゃなくて、むしろ過去の通算制度というふうにおっしゃいますから、まあ、それはそういうことで過去の通算制度で年金の中へつながればいいですけれどもね。こうした年金の年だ、福祉の時代だといいながら、わざわざ年金から、はずれている人ができているということを私は一つの問題として指摘しているわけです。で、それは今回の改正に入ってくるようにも一時伺ったことがあったんですが、今回は入ってないんですが、ほんとうにそういう問題やりますか。
○政府委員(横田陽吉君) 今回の改正でも、一つの大事な検討問題として検討いたしたわけでございますが、その場合に、多少こまかく申しますと、過去において厚生年金の被保険者期間をお持ちになった方、特に戦時中脱退手当金等でそういうように年金権から断ち切られた方、そういった方の問題をどうするかという問題これが一つございます。それからもう一つの問題は、被用者の妻の問題でございます。それで、妻の問題につきましては、先ほど先生も御指摘なさいましたように、被用者保険の妻は国民年金制度に任意加入の道が開かれております。それで、その任意加入の問題というものをむしろ強制加入にしてしまって、妻の年金権の独立というものを実現すべきであると、まあ、こういう御議論もございます。そういったいろいろな種類の問題があるわけでございますが、今回の改正につきましては、その問題の処理まではなかなか手が及びませんでしたので、将来は通算問題の再検討というようなことを中心の軸に置きまして、これらの問題も十分検討を進めてまいりたいと思います。
○小平芳平君 それでは、きょうはおもにこの厚生年金の問題を取り上げましたが、また、委員長にお願いいたしまして、次の機会に国民年金その他の問題について問題を提起し、また御意見を承りたいと思います。 それで、いまの被用者の妻の問題、また過去の通算の問題、いろいろ私も意見を持っているわけですが、これも一々ここで提起するまでもなく、かりにその同じ被用者の妻の問題を私が提起する機会がなくてもその点は必ず取り組んでいただきたいということを強く要望いたします。
○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいま御要望になりました妻の問題、それからいろいろな通算の問題こういう問題につきましては、次の解決すべき問題として十分検討いたしたいと、かように考えます。
○委員長(大橋和孝君) 四案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会 —————・—————