社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/06/19
会議録
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 六月十五日、徳永正利君が委員を辞任され、その補欠として鹿島俊雄君が、六月十八日、森中守義君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 労働問題に関する調査中、白ろう病に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。 厚生行政の基本施策について調査を進めます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○石本茂君 たいへん、時期的にちょっとずれていってしまっているのですが、 〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕 この国会当初、大臣の御所信を承りました。その中で一、二のことについてお伺いしたいと思っております。 まず、初めにお伺いしたいと思いますのは、いつでも言っていることでございましていまさらということになりますが、非常に看護職員の需給対策が、一生懸命にお心をいただいていると思うのですが、うまくいっておりませんで、病院もあるいはまた福祉機関におきましても、どこをながめましても、足りない、足りないということで、まあ、私など全国あちこちいたしますものですから、そのたびに、まるで私が悪人であるかのように、たいへんなおしかりをいただいている最中でございます。そこで私が、非常に現在ただいまでさえもが足りなくて、病棟のベッドがからのままに患者が待っているのにという現状がございますところへもってきて、労働省の、いわゆる働く者のしあわせということで週休二日制という声が非常に大きくいまのぼって、世評の中で論議されているところでございます。で、先日も医務局長さんの御意見を伺いましたときに、一〇%ぐらいの増強をはからなければ、週休二日制というものはとても実現することはできないだろうということでございました。で、この一〇%というのは、現在ただいまの足りないのを充足してなおかつ一〇%が足りないのでございますか。それとも、いま足りないものも含めましての一〇%ということでございますのか、あるいはまた、厚生省の所管しておられます国立の病院、療養所等の定員等から割り出しましての一〇%ということでございますのか、その辺を明確に承っておきたいと思うのでございます。お願いいたします。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、先生のただいま設問されましたように、結論的に申しますと、ニッパチ体制等を充足する方向で試算した養成計画を立てた上に、さらに四十四時間労働が四十時間になるという意味で、単純な計算として、あのときも申し上げましたように一〇%ぐらいわが国全体で定員の増的な考え方に立たないと、具体的には労働強化なりあるいは勤務体制なりを現状と変える方法をとれば、これはまた違ってくると思いますが、仮定の条件としては、そういう勤務体制なり交代制というものを現状のままにおいた形で、しかも医療サービスを落とさないように、また労働強化にならないようにというようなことを満たそうとすれば、勢いやはり定員の増を必要とする。したがって、われわれが当面考えております養成計画の上にさらに一〇%がいわゆる週休二日制の完全実施のためには必要になるという意味のお答えでございます。
○石本茂君 よくわかりました。 そこで、大臣にお伺いしたいのでございますが、このことについての、やはり局長の御所見でございましたが、一番最後に、医療職におります者は週休二日制というものが実現できるのではないかと、あらゆる職種が全部先行いたしまして、最後になるであろうというような御見解でございました。それに対しまして、労働大臣は、それでは困ると、少なくとも三年ぐらい先に実現するべきではないかという御意見でもございました。このことにつきまして、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますのか、全部の職種、職能にいる者が先行し、そして、その一番あとに、現在でも一番落ち込んでおります医療職従事者が実現するというようなことになるのでございましょうか、どうか。お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 週休二日制実施の際に、医療関係従事軒がどうなるであろうかと、こういったふうな御趣旨の御質問でございますが、私は、気持ちとしては、あとになる先になるというようなことではなしに、やっぱりやるならば一緒にやるというのが、私は筋じゃないかと思うのです。ただ問題は、医療従事者というのは、ほんとうに大事な国民の医療に従事する、生命、健康を預る仕事に従事しておるわけでございますから、その準備に相当私は時間がかかるんではないかと思うのです。週休二日制になれば、それだけ休みがふえる。休みがふえて最近の交通事情からいって、また交通事故でけがをされるという方が多くなりはせぬだろうか。そういうふうなときの救急医療とのかね合い、そういうことも十分やっぱり頭に描いて、慎重に準備をしないと、これは国民医療という責任を果たすことができない。そういう面から考えてみますと、まあ、おくれるというわけじゃありませんが、 〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕 準備に少し時間がよけいかかるんではないかと、役所の一般の事務職員の週休二日制とは違って、よそに及ぼす影響が大きいわけですから、その準備を慎重にやっておかないとたいへんなことになる。こういう意味で、準備に相当時間がかかるという意味合いにおいて医務局長が多少おそくなると、こう言われたのだと思いますが、私はやっぱり、やるなら一緒にやるというのが望ましいんですから、よそが準備しないうちにこちらが先に準備していれば、それだけ早くなるわけですから、私は医務局長にいつも言うているのです。これからは週休二日制というのは、これはもう労働界の大勢で、一年先になるか、二年先になるか別として、必ずそういうふうになると、そこで休日、急患というものをどうするか、ということをいまからもう準備しておかないと、その場になって、にわかに勉強を始めたのでは間に合わぬじゃないかと、こういうことを言うているわけでございまして、私どもの準備体制ができれば、一緒にもなりましょうし、こちらの準備が少しおくれればあるいはおそくなるかもしれぬと、まあ、そのような感じでございます。しかし、国家公務員として全部やるということがきまれば、それはそれに合わせるようにやることが望ましいと思いますが、普通の職員とは違って相当準備が要る、こういう仕事であるのではないか、こういうふうに私は理解をいたしておるわけでございます。
○石本茂君 大臣はいま、できるだけ同時期に実現したいと、努力をしたいとおっしゃってくださいましたので、私はそのおことばを心から信頼しておきたいと思います。 それで、なぜ私がこういうことを言い出したかといいますと、現在でも非常にこの看護労働というのは魅力がなくて、魅力がないというのには仕事の内容そのものもありますけれども、賃金も低いし、いま申されました労働基準法の線すらも守られておらないような労働実態であるというようなところへもってきて、またこれがうんとおくれるということになりますと、全くお手あげの実態が出てくる。日本の医療は看護職がおらないために崩壊していくのじゃないだろうかということを現段階から推測いたしまして非常に私なりに気になるわけでございます。 そこでもし、かりにいまでさえもが魅力のない職場だというので、せっかく看護教育を受けた者が他に転職をし、あるいはもうほんとうにぞうきんでもほうるようにして簡単にやめてしまうというこの段階にあるわけなんですが、しからば、その時期など、いつになるかは抜きにいたしましても、充足対策というものをどの辺に一体力点を置いていかれようとしているのか、これをひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(滝沢正君) 充足対策につきましては、もろもろの対策を総合的にやる必要がございまして、まず、その看護婦の、ただいま御議論がございましたように、給与の改善というようなこと、あるいは労働条件の改善、このニッパチ体制の完全実施の方向を目ざす、こういうことにはやはり量の確保がどうしても計算上必要になってまいります。そうしますと、養成所をやはり増設する必要がある。ただいまわが国の総合病院で、二百床以上で養成所のないのがまだ二百カ所ぐらいございますので、やはりこういう養成所の設置の補助金あるいは運営費の補助、これは従来やっておりますが、これを一そう強化する必要があるというふうに思うわけでございます。そのようにしていわゆるニューフェイスもどんどんふやすということも必要でございますし、また、いま申し上げたように、魅力を持つ職場としての条件をできるだけ整えるということも必要ですが、潜在の看護婦さん、これをやはりいまの御議論のございました週休二日などを大臣のお答えのように、われわれが責任を持って公務員全体と同様に実施するとするならば、やはり養成計画ではもう間に合うことができませんので、やはり潜在看護婦の活用ということに画期的な対策を講ずる必要がある。私は、四十九年の予算要求にからんでいま長期計画を立てておりますが、その中で、やはり従来にない政策として、いわゆる潜在看護婦を把握するために相当の施策も講ずる必要があるだろうというふうにも考えております。また、官民を問わず看護婦として長期に御勤務願うような場合には、場合によっては、これに対する特殊な社会的な感謝の意をあらわするような一つの制度を生むというようなことも検討する必要があるというふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、従来の施策の延長だけでは、このような問題の解決には困難でございますから、そういう気持ちで、また具体的な対策を立てて対応したい、こういうふうに考えております。
○石本茂君 いま、医務局長さんのほうからも処遇の改善等に関するような御意見があったわけですが、ここで人事院の給与局長さんにお尋ねしたいのですが、国家公務員給与表の中の医療職三表につきまして、ちょっと御意見を承るわけですが、私どもこの給与を受けております者の非常に不満といたしておりますのは、この業種の職制というものがどの程度一体給与表の中に盛り込まれているんだろうかと、たとえば、看護学校を出ました者は、たとえ短期大学であろうと、各種学校であろうと、高等学校を出て三年の教育を受けて国家免許証を持っております。この初任給の問題ももちろん問題になっておりますが、さらに問題になりますのは、五、六年たちまして、非常にベテランになってまいりますころから、この給与表はずっとこう斜線じゃなくて柳の枝がちょうどしだれるようにだらっとなっていくわけです。そうすると、一体われわれは五、六年の労働を提供をすればあとはもうよいんだという国の考え方じゃないかと、できるだけもう二十五、六歳になったらやめていってくれというようなこれは俸給表だということで非常にその辺に大きな不満を持っております。そのころがちょうど結婚するときであり、子供を持つときでございますから、なおさらに、こんな給料ならいっそのことやめてしまえと、家族も言うし、自分もそう思ってしまって、局長、いま申されましたけれども、いわゆるその離職をなかなか防止することは困難な給与表でございます。で、しかも、人事院等の御意見もたびたび承っておりますが国家公務員の給与が一番高いんだと、民間が低いからしかたがないんだということを再々言われて涙をのんできたわけでございますが、私はむしろ国家公務員の給与表が民間の看護職のすべての者の目上標になっているのでございますから、人事院こそ思い切って、特別によくしてくれと私は言うんじゃございませんが、看護職の専門性に対する職能給の正当性というものもいち早く打ち出していただきませんと、とても今後、先ほど来大臣も申しておられますけれども、人並み同等の条件でこの労働の場というものを守っていけないんじゃないだろうかと、そういうことで局長さんの御意見を承りたいと思うわけでございます。
○政府委員(尾崎朝夷君) 看護婦さんの給与につきまして、ただいま学歴あるいはその勤務の程度に応ずる現在の給与がたいへん低いというような御指摘でございます。私もそのとおりだと思います。看護婦さんの学歴は、いわば学校の先生にほぼ匹敵していると思います。現在の学校の先生は四年制が主軸でございますけれども、短大卒も相当おりますし、そういう点で申しますと女の方の職業としては学校の先生に匹敵するような学歴、資格でもございますし、ともに非常にりっぱな職業という形であろうと思います。そういう関係の学歴、資格という点で見てまいりますと、非常に違いがあり、私どももたいへん残念に思っているわけでございます。 ところで、一方で民間の看護婦さんの給与を見ますると、現在調査中でございますけれども、毎年調査をいたしております結果は、まあ大体初任給のほうは公務員のほうがあるいは先に改善して、あとから民間のほうは改善されるのかもしれませんけれども、大体初任給のほうは公務員のほうがややいいぐらいだろうと思いますけれども、御指摘のような三十代後半から四十代ということになりますと、民間の給与は昇給がほとんど少ないというようなことだろうと思いますが、公務員に比べて二割も三割も少ないというのが現実の給与でございます。そういう点でございまして、従来はまあ民間の給与というものとの関係をかなり考慮してまいっておりますけれども、それにもかかわらず、公務員部内の均衡ということで、まあ民間よりは高めに改善してきているということは御承知のとおりだと思いますが、しかし、それにもかかわらず、御指摘のようにほかの同一学歴に比しますとたいへん低いという点がございます。やはり現在の看護婦さんの需給問題をほんとうに看護婦さんがほかの職種と選択をして看護婦さんになろうということの上には、ほかの同一学歴の職種と同じような条件がやはり必要になっているだろうというふうに考えるわけでございます。で、そういう点で、いま御指摘のような、あまり民間にかかわってまいりますと、どうしても悪循環ということにならざるを得ないという点がございます。従来の経験でございますけれども。ことし、たとえば教員の関係は、さらにまあ改善の関係ということもございますけれども、そういうことも考えますと、やはり看護婦さんにつきまして、まあ、従来の関係をさらに一そう一歩進めたような方向で改善をしていく必要があるのじゃないかというような気持ちでございます。ただ、私どもときどき民間のお医者さんから、看護婦さんを国立あるいは公立のほうに、高いものだから取られるということの苦情をときどき伺っておりますけれども、そういう点は若干まあ考慮をしなくちゃいかぬかとも思いますけれども、そういう、さっき申しましたような方向で考えていかなければなるまいというふうにいま考えておるわけでございます。
○石本茂君 お考えいただいておりますことを非常にまあ私感謝するわけですが、お考えだけでは形になりませんので、ぜひひとつ思い切った処遇の改善という意味で、この基本になります給与表の改定こそがみんなの期待するところでございまして、もちろん夜間勤務手当の増強でございますとかというようなことを公務員関係ではやかましくお願いしておりますけれども、これももちろん必要でございますが、それよりも何よりもやはり基本給を高めていただくということが職場にとどまる率も高くなりますし、なりたいと思ってなったのに、やっぱりいやになったという大きなポイントを調べますと、やっぱりこの給与が低いということと、労働があまりにも過重であるということが大きな原因になっておりますこともおわかりいただいておりますけれども、さらに御勘考願いまして、そうして、特に中年になりまして、この仕事に専念いたしております者のほとんどがやっぱり独身でございます。で、お嫁に行きたくなくて行かなかったわけじゃないのですが、仕事の場にばっかり目を向けておりますと、私どものように生涯ひとり身でいってしまうかっこうになるわけでございまして、そうなりますと、四十にもなって給料を見てみたら、ばからしいけれども、いまさら行くところがない。こういう悲しみを盛んにみな言っていますし、それは言われなくても私自身が身をもって体験してきた人間でございますので、どうか専門職能のといいますか、確立ということについても、ひとつ人事院当局の御助力をお願いしたい。そういう意味でも、この給与改定につきましては、特段の御配慮を——私は、決して他の公務員を飛び越えてものすごくよくなってうれしいという意味ではございませんが、職能の性格だけは十分におわかりいただいて、その上で給与の基準というものをおきめ願いたいということを心の底からお願いいたしまして今後を期待するわけでございます。 次に、関連でございますが、いま助産婦の調整号俸がつけていただいておりますけれども、この調整号俸だけではとても助産婦満足しておらぬわけです。というのは、これも実際してみないとわからない職場でございまして、やはりあのお産のときの、あの職場での気持ちの使い方というのは、重症のいまなくなりかかっている病人の看護とまた違いまして、親子二人の命を扱うわけでございます。これはきょうここにお医者様方もおいでになりますので、私が言わぬかってわかってくださると思うのですが、これは並みたいていの心疲れと、そして技術の提供ではないのでございますので、この分につきましても、ひとつまた、厚生省当局にもお願いをいたしますけれども、この調整のほうもしっかり考えていただきたいということが一つ。 それからもう一つ、この基本給の問題にからまると思うのですが、えてして国家公務員である職場、国立病院、療養所あるいは文部省等におきましては非常に重症患者を扱うということと、それから、特に重度の心身障害児を扱っておりますし、精神病もおりますし、らい病もおりますということで、一般民間の病院等ではあまり扱っておらない、あるいは扱いかねるような症状群が入っておりますために、非常に気疲れと、いま申しました専門職能としての知識と技術をもう一〇〇%提供しなければつとまらない場所でございますので、どうか民間との比較ということだけは、私はやっぱりこの際除外にしていただきたい。で、国家公務員の給与がいいから民間にはいつかないとおっしゃいますけれども、これはもう、医務局長さんのお立場もございますが、絶対数が足りませんものですから、それで、連れていった、とっていったということで確かにけんかもございますが、そこまで人事院当局がお気づかいをいただくことには、私はその仕事に従事してきた人間として感謝はいたしますけれども、そうなりますといつでも足を引っぱられまして、そして行きつくところにも行けないという現実が出てまいりますので、例外中の例外かもわかりませんが、ひとつよろしくこの点をお願しておきたいと思います。で、この調整手当、助産婦の手当のことについてちょっとお伺いしておきたいと思います。 それから、含めまして、時間が十分ありませんので、看護婦等の夜間勤務手当、夜間の看護手当につきましても、今年度はたいへんに御配慮をいただきましてありがとうございましたが、これでよしとするほどではございませんので、この点につきましてもただいまどのようにお考えあそばしておられますのか。この二点をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(尾崎朝夷君) 助産婦給与でございますけれども、これは学歴上、一般看護婦のさらによけい訓練をされるということで、その分だけの調整をいたしておるわけでございますけれども、産科関係はほかのところに比べていろいろ忙しいとか、いろいろな点があるということを厚生省からいろいろ伺っておりまして、そういう関係についてもう少し研究をいたしたいというふうに考えております。
○石本茂君 どうぞひとつ、この点も十分御研究願いまして、みんなが感謝するようなところまで持っていっていただけることを期待いたしまして、私、お願いしておきます。 公衆衛生局長さんにこの際お伺いしたいんですが、実は保健婦の方たちの立場でございますが、非常に広い社会活動の中の公衆衛生看護業務に従事いたしておりますと、非常に危険といいますか、伝染病もおりますし、あるいは精神病もおりますということで、危険な条件の中で仕事をしているわけです。で、もう数年前から特殊勤務手当をぜひひとつお願いしたいと言ってきているわけですが、これがなかなか実を結びませんのですが、このことについて、局長、どのようにお考えになっておられますのか。あわせまして、大臣もどのようにこの問題をお考えになっておられますのか。小さい一駒じゃないかとおっしゃるかもしれませんが、仕事をしている者にいたしますと、なかなかそう簡単には解決されては困るというようなことを思っておりますので、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(加倉井駿一君) 御指摘のように、保健婦の方々の仕事が、最近は伝染病から精神障害者のいろいろの問題に対する処理に当たるようになってまいりました。したがいまして、伝染病はもちろんでございますが、精神障害者等の処遇につきましてもいろいろ危険が伴います。したがいまして、私どもといたしまして、保健婦の方々の処遇につきまして、危険手当と申しますとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、特別な手当を支給すべくいろいろ検討はいたしておりますが、まだ確実なる成案を得るに至っておりません。御指摘のような問題につきまして、今後早急に結論を出して何らかの措置をとりたいと、かように考えております。
○石本茂君 いかがでございましょう、大臣、たいへん恐縮でございますが。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 保健婦の問題でございますが、これは御承知のように国家公務員にはそれがございませんので、地方公務員ばかりの職員でございます。そんなことで、人事院のほうからは保健婦に対する勧告というものがないわけでございますが、しかし、その資格から申しますと非常に高い資格になっておるわけでございますから、私どもも、そういうふうな学歴、そういうものを十分にらみ合わせながら十分前向きに対処していく必要があると、かように考えております。今回、看護婦の処遇の改善について大幅な善処方を人事院にもお願いしておりますから、そういうふうな結論を待ちまして、助産婦との振り等を考えながらできるだけ処遇の改善に努力をしていく、こういうふうにいたしたいと考えております。
○石本茂君 いま大臣申されましたように、保健婦につきましては、国家公務員がおりませんので、つい、人事院の給与表に、保健婦・助産婦はこれに準ずるというようなことになっておりまして、いま、ほとんど、地方自治体の中の、いわゆる保健所の保健婦等は、いっそのこと行政職にしてくれと、そのほうが俸給もよし、それからまた仕事の中身を考えましても、そっちじゃないかという意見すらも出てきてしまいましたので、私といたしましては、保健婦も助産婦も看護婦もすべて看護職というのは専門の職業でございますから、この専門性を持つ者の給与体系は一本で、やはり、みんながそのワクの中で、保健婦の給与でけっこうですと、助産婦の給与でけっこうですと言われるようなものをおつくりいただきたいということを、もう一ぺん人事院の給与局長さんにお願いしておきたいと思います。 それから、続きまして、処遇改善のやはり一端でございますが、病院の中に保育所がどんどんできてまいりました。なお、厚生省当局におかれましても、共同保育所の予算を一昨年からお取りいただきまして、目下、建設費としてはいただいておりますが、まだ、運営費というところまでいっておりませんので、この運営費という問題を今後お考えいただけますものかいただけないものか。私のお願いとしては、共同保育所も、もっともっとふやしてほしい。そして、できますことならでなく、ぜひ、運営費もお考え願いたいという気持ちでございますが、いかがでございましょうか、局長さんお願いいたします。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、私たちも、結論的には、運営費は出したいという方向でただいま検討いたしております。共同保育所の予算上の個所数は、非常に試験的な段階で、六カ所、本年四十八年十カ所程度でございました。四十九年は、個所数についても、いよいよ、試験段階が終わって、やはり地域的に必要である、それで、やっぱり共同保育所というようなものが地域によっては可能性があると、こういうことがわかりましたし、それから現実には、各病院内の保育所がかなり急速に伸びてきております。四十七年二百十一カ所が四十八年の一年後では三百四十八カ所というふうにかなり伸びてきておりますので、それと、こういう問題が、診療報酬、いわゆる看護婦養成と同様診療報酬によってまかなえる云々という問題にもつながりますし、一応、看護婦確保対策という一つの政策論からいっても、私は、運営費の補助については十分検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○石本茂君 そこで、保育対策との関連になるわけでございますが、いま医務局長も申しておられましたように、病院という一つの事業所の中に保育所がどんどんふえていますし、また、他の企業体にいたしましても、かなり、企業体内の保育所を持っているわけでございますが、もし、ここの保育所が、いまの所管されております保育所の、どう言いますか、認められる条件を整えたとしても、これはやはり地域保育所ではございませんので、そういうものについては公認がいただけないものかどうか、いわゆる認可いただけないかどうか。それからもう一つは、いま局長も申されましたが、厚生省の共同保育所じゃなく、手前で、診療報酬の中で運営している保育所がたくさんあるわけでございますが、こういうところへ児童家庭局のお立場で何らかの運営費を措置できますものかできませんものか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) 第一点の問題でございますけれども、医療機関にいたしましても一般の企業にいたしましても、現在、雇用政策と申しますか、労働力確保というような見地から内部的に保育施設をつくりまして、そこで職員の子供の保育をやるということがふえてきていることは事実でございます。ただ、児童福祉法上の保育所ということになりますと、やはり地域に開放されていて一般的な子供が措置をされてくる、保育に欠ける子供が措置されてくるというようなことで初めて児童福祉法上の保育所になるわけでございまして、したがって、現在企業内あるいは医療機関内の保育所というのはどっちかと申しますと、いわば閉鎖的なものでございまして、それぞれの職場の人たちの子供たちを保育するということになっております。一般の地域からの子供というものは受け付ける性格になっておりませんので、そういう意味では児童福祉法上の措置費と申しますか、運営費を出すということは私どもとしてはできたいというように考えているわけでございます。ただ、それじゃこういうものをほうっておくかという問題でございますけれども、確かに企業内のいわゆる保育所ではありませんけれども、一種の保育する施設につきましても、やはり子供の福祉という問題はあるわけでございまして、やはりそこで子供に対するいろいろな養育なり、あるいは訓練なり、あるいは保護なりというような問題については決してそこが水準が低くていいというわけではございませんで、やはり子供であればみな同じような水準でもって保育される必要があると思われますので、そういうことで私どもとしてはそこに行なわれる保育活動というものの質が低下しないように、やはり何らかの手だてを講じなきゃいけないというように考えるわけでございます。一つには、現在は都道府県に実態を把握させて、いわゆる内容の指導というものをやるとか、あるいはまた場所的な面からいいますと、年金福祉事業団その他から融資が出る道がございますので、そういった融資をあっせんして場所的な整備をはかってもらうとかいうような手だては講じているわけでございますが、現在のところではまだそこに運営費をずばりと出すかどうかということについては私どもとしてもいまは考えていないわけでございますけれども、しかし、あそこの保育の水準というものが低下しないために私どもとしてどう措置したらいいかというような問題は一つの宿題としてあるわけでございまして、そういったような面から私どもとしてはこれは今後検討してみたいというように考えております。
○石本茂君 局長、いまお話の中にもありましたように、そこに入っている子供はやはり児童福祉法上の措置費が出せないたてまえになっているとおっしゃることはよくわかるのですが、入っている子供はこれはすべてどのような状況下におろうとも児童福祉法の適用を受けるのは私は当然だという気持ちと、それからなぜ企業体の中に保育所を必要とするのか、特に病院等でございますが、一般地域保育所に連れてまいりましても、あるいはまた、夕方連れにいくにいたしましても、時間の制限がありますために、なかなか地域保育所を利用できかねているというような困り果てた結果のこれは一つの措置でございますので、十分連れていって、また連れにいけるだけの余裕がありましたりということなら、こういうことは考えなかったと思うのでございます。その辺も、ひとつ幅広くお考えをいただきまして、私、あしたからというのではございませんが、十分御研究の結果、やはり児童福祉法上の措置によります一般地域にあります保育所と同じようにお取り扱い願えるところまで拡充していただけないかどうかということをお願いしたいわけなんです。このことについては局長の御意見はわかりましたが、大臣いかがでございましょうか。やはりこれはだめなものでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 実は私、この問題、非常に心配して何とかこれは考えなくちゃならぬだろうと思って苦慮しておる問題の一つでございます。 御承知のように、病院あるいはその他の企業においても労力確保といったふうな面から特にそのことは労力が逼迫しておる今日、さらにまた将来とも非常に深刻な問題に私はなってくる問題だと考えております。そこで仰せになりましたように、地域保育であるからその措置費を出す、それから経営主体が病院その他の企業体であるから出さぬ、しかしそこに生活しておるのは同じ子供であります。その点においては何らの差がない。経営主体によって一方は地域的であり、片方は閉鎖的であるにしても、企業体がそれによって差をつけるというのはどうであろうかという問題が私はあると思います。それと同時に、これをお世話する保母さん方の資格の問題についても、いまにしてこれを統一してきめておかないとたいへんなことになると思うのです。そういうふうな問題等もありまして、これは厚生省と労働省の両省にまたがり、さらにまた、厚生省の中においても医務局と家庭児童局との問題があるわけでございまして、その問題については何とか解決の道を見出して、統一的な取り扱いをするような方向で私は努力すべきだと考えておるわけでございまして、来年度の予算編成、国会でも済みましたら、いよいよ来年度の予算編成に入るわけでございますので、その国会でも済みましたら労働省、厚生省、何かしら、こういう面の協議会をつくるように私も労働大臣に呼びかけるつもりでありますが、そうして、一緒になってこの問題を考えてみたいと思います。それにつけても厚生省の中で違っていたのではまずいのですから、こちらはこちらで統一的な考えを持ち、そうして労働省のほうとも十分相談しながら、こうした問題は、私は前向きに解決していくべきだと思います。いまのうちといいますのは、労働省所管の企業内の保育所も、病院内の保育所もいまは数が少ないからけっこうなんですが、これがどんどんふえていくと思うのです。そうなったときに、そのお世話する保母さん方の資格が違う。あっちじゃ使い道になるけれども、こっちじゃだめだ、これはやはり女性の職業として考えてみたときに、私は好ましいことじゃない、かように考えておりますから、将来何かしら同じ方向で統一的なことができないか、私は十分努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○石本茂君 大臣、ほんとうにありがとうございます。私はぜひ働く者のしあわせのための保育所というのではなくて、これやはりそこに入っている子供のための保育という意味から、ぜひこれは一元化していただきませんと、何か行政そのものがばらばらだという感じも受けましたし、子供の立場に立ちましても、何か差別があるんじゃないかという気もいたしますし、ただ、一部承るところによりますと、企業体の中でも非常に裕福な企業体がございまして、そういうところについて何も措置費などを出さぬでもいいじゃないかというような意見、見解も承っておりますけれども、私は、そういうこと自身もやはり児童家庭局のお立場では、子供はみな一緒なんだというような御見解の上に立って、この問題を、大臣もいま申してくださいましたように、十分御研究願いまして、できることならば、差別のない保育体制というものをぜひつくっていただきたいことを希望しておきます。 で、なお医務局長さんにはくどいようでございますが、何とかひとつ病院にあります三百所を越えますものについていろいろどれもこれも一緒だというわけにいかぬと思いますが、運営費の設置方でございますね、これ、ひとつおとり願って、国もそういう看護婦の職務の離職防止対策には十分気をつけているのだという姿をひとつ打ち出していただきたいことをあわせてお願いをしておきたいと思います。 次にお伺いしたいのは、この保育所の中で乳児保育でございますね。それからもう一つは夜間保育、二十四時間保育とは私は決して申しません。夜間業務に従事する女子労働者もたくさんおりますので、この女子労働者を守るのではなく、働く母親にかわって子供を守るというたてまえに立っての保育所ということになるわけですが、これについてはどんなふうに一体促進しようとしていらっしゃるのか、現在どんなふうな状況にありますのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) 乳児保育の問題でございますが、乳児の保育につきましては昔からいろいろな賛否両論なり問題が言われているわけでございまして、非常に保育の中でもむずかしい問題ではないかと思います。ただ、それはそれといたしましても、最近乳児を預けて働きに出るというようなおかあさん方がふえているということもこれは事実でございます。したがって、乳児保育というものの必要性と申しますか、重要性というものがだんだんにふえつつあるということは、これはやはり否定できないと思います。それで私どももしたがって昭和四十四年度から一定の基準を設けまして、保育所で乳児保育ということを始めているわけでございまして、四十七年度対象八百人というのを、四十八年度には予算上千八百人にふやしたわけでございますけれども、やはり来年度の予算におきましても、何と申しますか、乳児保育の重要性というものを考えながら、この面についてはさらに拡充、強化をはかっていかなければいけないというように考えております。 それから、夜間保育の問題につきましては、これはまた乳児保育とは別な意味で非常にむずかしい問題がいろいろと関連して出てまいって、昔からこれについては賛否両論があるわけでございますけれども、しかし、たとえば夜間勤務の看護婦さんでありますとか、あるいは電話の交換手でありますとか、やはり夜間そういった勤務をする体制にあって、やはり預けざるを得ないというような職業にある女の方が多いわけでありますので、したがって、私どもこういったことを含めて、いわゆる保育需要の多様化というものにどう対処していったらいいかということにつきまして、現在中央児童福祉審議会の保育特別部会に御検討願っているわけでございまして、その検討の結果をいただきまして、その基礎に立ちまして、いまお話ございました乳児保育、あるいは夜間保育というような問題について、これから積極的にいろいろと研究をしていかなければいけないんじゃないかというように考えておるわけでございます。
○石本茂君 それをぜひ、このほうもそんなにたくさんあっちこっちに一ぱいというものじゃございませんけれども、何とかもっとじょうずに促進をしていただきまして、安心してお預けできるというところを私、やはり望んでおるわけでございまして、何とぞよろしくお願いいたします。 次に、母子保健対策に関すること、一つ、二つお伺いしたいのですが、妊産婦と乳幼児、特に新生児の指導に関しまして従来とも指導の、訪問指導手当を出して助産婦さんたちが従事しているわけでございますが、この事業を今後ともますます大きく伸ばせていこうとなさっているのか。そうじゃなくて、かわるものをお考えになって、もはやそういう家庭への新生児訪問指導はやめて、そして地域の中で何かそういう健康センターのようなもので集約していこうとしていらっしゃるのか、ちょっと疑問に思っておりますので、まず将来の展望をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) 新生児の保健指導の問題は、これは生まれたての赤ちゃんでございますから、一番大切な時期であるわけでありまして、したがってそういう意味でやはり母子保健対策の基礎の一つになると思います。それで現在、私どもも保健所、あるいは市町村というようなところを通しまして訪問指導活動というものをやっているわけでございますけれども、やはりこれからの方向としては、こういった訪問活動と申しますか、訪問指導と申しますか、そういったようなものはいま以上に充実をはかっていかなければいけないんじゃないかというように考えているわけでございます。
○石本茂君 そこで、私が疑問に思うと言ったのは、そのことなんです。むしろ一つの指定された場所に指導を受けに来なさいというような行政はもう遠くなっていきつつあると思うんです。そうなりますと、いやでもおうでもその道の資格を持つ、いわゆる専門性を持つ者が家庭等に出入りいたしまして、育児のことだけじゃなく、妊産褥婦の問題含めましても指導が非常に必要だと思うんですが、いま現に、その仕事をしております例の新生児の訪問指導をなさる助産婦さんたちの手当が毎年二十円上がりました、三十円上がりました、私ほんとうに今の世界にこじきはおりませんけれども、こじきに物をくれてやるようなことで、まあ、課長さんもおいでになりますけれども、私ほんとうに残念なんです。ですから、いまのようなあの仕事のあり方でよいとは私は思いませんけれども、この問題はもっともっと内容を充実、強化していただきまして、そうして涙金のような国家予算の中で二百三十円でございます、八十円でございますというようなものじゃなく、これは横に公衆衛生局長さんもおいでになりますけれども、やはり両々相まって幅広い指導活動というものを、ぜひ実現してほしいと思うことと、それからもう一つ、ものの置き場がちょっと違うのですが、家庭に対します相談員という方がおられます。家庭相談員という方々と、いま言う分野の、分野、分野がありますけれども、いわゆる妊産婦、新生児の指導員、それからもう一つきょう局長さんおいでになっておりませんが、大臣の御所見をあとで承ることになると思うのですが、例の婦人相談員といいまして、転落してしまった婦人のための相談員がおります。ところがこのごろ毎日、日本じゅう諸所方々のロッカーの中から生まれたての赤ん坊がいつの間にかほうり込まれて死んでいる。これはそういう家庭の相談とか、あるいはいままた、ここでお話になっております、そういう指導体制だけで割り切っていけると思いませんけれども、私は、母子保健対策というこの根っこをつかまえていただきまして、いまちまたにあふれております、こういう思想だとおっしゃれば、それは社会の風潮だとおっしゃれば、それっきりかもわかりませんが、この対策を持つのは一体どこでしょうかと、厚生省の中なら一体どこがこれを持つのでしょうかということで非常にわからないままに疑問を持っておるわけですが、これはいかがでございましょう、どこが一体どうしていただいたらとこういうことの指導ができるんでしょうか。まず局長さんの御意見を承りたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) まず、第一点の訪問指導をしていただく場合の予算の問題でございますけれども、ことしは御承知のように、一件当たり三百円から三百五十円に値上げをいたしまして、五十円というのは非常にみみっちいじゃないかというようなお話になると思いますけれども、いろいろと努力をいたしまして五十円の値上げで約八千万から九千万ぐらいの予算になったわけでございますけれども、引き続いて来年度以降もこういった面については大いに努力をしていかなければならないというように考えておるわけでございます。 それから、第二点の問題でございますが、確かに、現在いろいろと新聞で連日のように子供が殺されたり、捨てられたりというような記事があるわけでございまして、私自身、やはり子供のしあわせというものを確保することを責任としております立場から申しますと、むしろ、私自身が被害者のような感じさえ持つわけでございまして、したがって、子供にかわってどういう声をあげたらいいかということについて新聞の記事を見るたびに非常に苦慮をするわけでありますが、これは非常に広範な問題があるわけでございまして、たとえば、家庭内のトラブルその他ということであればいまお話にございましたような家庭相談員の相談活動その他があるわけでございます。また、最近子供を殺すということの一つに、やはり育児に対する知識がない、あるいは育児に対する自信がない、あるいは育児というものの価値と申しますか、とうとさというものについての認識が薄いというような、いろいろな問題もあるわけでございまして、したがって、私どもも、保健所を中心とします母親学級でありますとか、あるいはまた、ことし新しく予算を計上いたしまして、愛育班活動のてこ入れと申しますか、強化をはかるというようなああいう地域活動を通してやはり母子の保健なり、その前の子供に対する親の気持ちの問題その他についていろいろとやらなければいけないし、やっていくつもりでおるわけでございますけれども、事は、じゃそれで済むかというと、それはほんとうのいろいろな対策の一つにすぎないわけで、やはり非常に根本にさかのぼりますと一つの何と申しますか、社会教育と申しますか、あるいは人の心の持ち方と申しますか、そういったようなところまで触れてまいりますので、そうしますと厚生省だけではなかなか手が及ばないというような面も出てくるわけでございまして、そういうことで私どもどうしたらいいか、正直な話、私ども自身としても非常にこのままでいいとは決して思っておりませんし、これは世の中の風潮であるからしようがないといってほうっておくわけではございませんけれども、じゃどうしたらいいかという、この点について、非常にむずかしい問題に直面させられるわけで、私どもも先ほど申しましたように、子供にかわってどういう声をあげたらば一番適切だろうかということに非常に苦慮をしているわけでございます。ただ、いま申しましたように、私どものできる分野でもって、やはり手が足りないためにそういうことが起こるということもあるわけでございますので、その点はやはり十分反省をいたしまして充実をはかっていかなければいけないというように考えているわけでございます。
○石本茂君 大臣、この問題でございますが、いま局長が申されましたように、確かに厚生省だけのことではございませんで、文部省もその他も参画なさってのことだと思うんですが、私、非常に簡単なものの考え方をしていますけれども、さっきちょっと申し上げました、転落した女性を救うための婦人相談員制度がございますが、この相談員と、児童家庭局の所管でございましょうか、例の家庭相談員でございますね。この辺をかね合わせて、そして家庭の中での、母親学級に来る人はいいことでございますけれども、そういうところに来れない人は一ぱいおるのですから、やはり家庭の中に入り込んで、そういう指導がもしできれば、いまよりはちょっとよくなるのじゃないかと思うんですが、大臣いかがでございましょうか。これは非常に簡単なものの考え方なんですが、もう転落してしまってから、その者を救い上げるというよりも、転落以前に何かいい措置がないものでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 最近の、お述べになりましたような世相、ほんとうに遺憾なことだと思います。基本は、私はやっぱり人命尊重ということだと思うんですが、口ではみんなそう言うのです。人命尊重、福祉優先、こう言うんですが、現実に社会にあらわれておりまする現象は、そういう嘆かわしい現象がたくさんある。やはりもう少し国民が人の命を尊重する、こういうやっぱりもう少し風潮を身をもって体験するような社会を築きあげていくように、お互い努力していかなければならぬのではないか。こういうことをしみじみ考えております。しかし、このことは一厚生省だけの問題ではなく、ある意味からいえば政治全般の問題でもございます。そこで、厚生省としてなし得ることは、いまお述べになりましたような母子相談員とかいろいろな制度があるわけですが、それを総合的に運営したらどうだろう、これも私、一つの方式だとも思います。さらにまた、先ほど冒頭にお話がありました新生児の訪問指導の問題、これ、私のいなかでも実はいろいろな話を聞かされるのです、助産婦さんから。わずかことしは去年に比べて五十円上がった。しかもまた、予算のワクでしばられている。百軒歩いても百軒はくれない、五十人分だけだ、こういうふうな調子なんです。この制度も私は伸ばしていかなければならない大事な仕事だと思うんです、仕事そのものは。特に初めて子供さんが産まれた母性などに対してはそういう指導をすることは絶対に必要だと思うんです。はたしてこういうような、三百五十円とか、その程度の金で片づけるようなやり方で、この問題が片づくのかと、もう少し、やはり基本的に事の重要性に即したやり方、これを何か考える必要があるんじゃないかなということを私はしみじみ考えております。そういう意味において、人命の尊重なりあるいは育児の必要、自分の産んだ子供は自分がほんとうに愛情を持って育てなければならない。それについてのいろんな必要な勧告なり助言なり、お世話をしてあげる、そういうやっぱりとうとい職種というものをどういうふうにつくったらいいか、ひとついまお話のありましたような点も頭に描いて、十分検討いたしたいと考えております。
○石本茂君 どうもありがとうございました。ぜひ、ひとつ、このことを私どもも考えなきゃいけないのですが、よろしくお願いいたします。 次に、心身障害児のことで、一つ二つ承りたいんですが、心身障害児ということになりますと、重度の心身障害児、これはまあきょうは、者のことも含まるわけですが、者は除いておりますけれども、それから家庭において療育できる程度の子供とあるわけでございますが、このごろ、局長、大臣も御承知のように、民間の施設、いま全国で三、四カ所ございますが、ほとんどもう運営ができませんということで、寄付行為にたよる面が多いわけですが、とても思うような寄付もございませんし、従業員にはとても人並みな報酬も払えませんので、入れている子供すらも地方に分散し、持っていってほしいというような現実が出てきております。この重度心身障害児を収容しておりますところに対しましての運営費でございますが、これが措置費でございますけれども、これはよほど考えていただきませんと、とてもいまの状態では乗り切れないし、それならいっそのこと全部国立でございますね、国家の所管にしていただくか、どっちかにしてもらいませんと、実際行ってみると、身につまされるなんてことばで言っちゃいけません。入って、出るまで、涙を流しながら出てこなきやならない。そんな同情で事は済みませんので、この問題についてどういうふうに一体対処をしようとしていらっしゃるのか。それからもう一つは、いま申しました家庭における療育の点でございます。これもただ家庭におればいいというのじゃございませんで、やっぱり通院、通修もございますし、そこに入り込んだ指導の体制もあると思いますので、このこと、二点お伺いしたいと思います。
○政府委員(穴山徳夫君) 第一点でございますが、重症心身障害の施設は、御承知のように、これは医療機関になっておりまして、したがって、その施設の運営費の大宗はいわゆる基金に医療費を請求いたしまして、一般の病院と同じように医療費の支払いを受けて、それで運営していくということになっているわけでございます。ただ、純粋の医療機関ということではなくて、やはりそこに重症の心身障害児者を預かってもらって、福祉的なサイドからもめんどうを見てもらっているわけでございますので、そこで、私どもは重症指導費という特別の加算する制度を設けまして、医療費のほかに重症指導費を各施設に配付いたしまして、それを合わせていま運営をしてもらっているという形になっているわけでございます。ただ、現在のその重症指導費の程度がいいかどうかということについては、これはまだ問題がございますから、来年度はこの重症指導費についても、この間大臣の御指示もございまして、大幅にこれを改善するように、来年度の予算についてはがんばらなければいけないというように考えているわけでございます。そういうことで、この運営費につきましては、今後とも私どもも大いに努力をしなければならないし、またがんばらなければならない一番大切な問題であるというように考えているわけでございます。 それから家庭内の問題でございますけれども、現在在宅対策としていろいろなことをやっているわけでございます。十分かどうかということは別といたしまして、いわゆる児童相談所でありますとか、そういったような公的機関の相談あるいは訪問指導、それからまた民間のそういう相談活動もございますから、そういうものに対する助成でございますとか、あるいはいまお話しになりました小規模通園施設についても、非常にこれは要望がございますので、ことしは個所数をふやして予算に計上するというようなことで、これも逐次整備をしていく必要があると思いますし、また、こういう心身障害児を持っておられるおかあさん、あるいはおとうさん、御両親の方が子供と一緒に、また同じような方が相連れ立って一泊旅行をいたしまして、そこで集団的に家庭内における子供の扱いの指導その他を指導してもらったり、あるいはまあ、いろいろ苦労話をしたりというようなことで、いま、療育キャンプという制度があるわけでございますが、それもことしは前年度の回数を倍にふやすとかいうような、いろいろなことをやっているわけでございます。ただ、私ども、反省いたしますと、とかく、従前は施設に対する対策がまず第一、最もそれが緊急の要請であったわけでございますけれども、やはり施設の充実と同時に、私どもとしても、いまの時点に立っていろいろ考えますと、やはりいろいろの角度からの在宅対策というものをさらに充実していかなければいけないというように考えるわけでございまして、そういう意味で、家庭内での療育についての対策、あるいは指導体制というものは、これから充実をするように考えていかなければいけないというように考えております。
○石本茂君 そこで、この関連になりますが、指導体制ということで、私ども最も身近にやはり考えるのは、保健婦の活動の中にこれがかなり大きく将来のしかかってくるし、また、こなかったらおかしいと思うんですが、これは公衆衛生局長さん、このことについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。現在、ただいま保健所等の保健婦、まあ国保の保健婦など、ずいぶん働いておりますが、どういうふうな将来体系で保健婦活動がなされていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(加倉井駿一君) 先ほど、新生児のところで御指摘がございましたように、保健婦が一カ所におりまして、母親などを集めまして保健を指導すると、こういう形は非常に距離等の限界がございまして、やはり活動に限りが出てまいると思います。したがいまして、従来、保健所の保健婦というのは、保健所を中心といたしまして所内活動と、大きく分けまして訪問活動の二つに分かれておると思いますが、やはり、今後の私どもの方針といたしましては、地域におきます医療計画に沿って保健婦の活動を指導してまいりたいと、かように考えておりますので、特に、その地域におきます医療機関、あるいは国保の保健婦等との連携を強化いたしまして、やはり訪問活動を中心といたしました体系を考えるべきではないかということでございまして、先ほどの手当とも関連いたしまして、今後、保健所の再編成と申しますか、保健所は、地区あるいは地域の問題の対処のしかたに応じまして保健婦の活動もしかるべく体制を整えなければならないというふうに考えておりまして、その結論ができしだい、私どもといたしましては、保健婦活動の指導要綱を定めてまいりたいと、かように考えております。
○石本茂君 ぜひ、せっかく専門の知識と技術を持っておる人々でございますから、もっともっと幅広い地域活動ができれば、それだけそこに住む人々はしあわせになるわけでございますから、これは母子保健対策とか、あるいはいま申しております心身障害者対策だけでなく、私は、ほんとうに保健婦活動の大きな、どういいますか、将来の展望というものをこの際に打ち出していただきたいことをお願いしておきたいし、あわせまして、身分、処遇の問題も出てまいりますので、これは人事院と直結いたしませんけれども、基礎であります看護婦の給与が全部、これ、枝分かれをしておりますので、その辺も、また、給与局長さんにあわせてお願いいたします。 なお、さっき児童家庭局長さんのお話のあります重度心身障害児・者の収容施設の中の、医療機関ということでありますために、医師と看護婦との確保が非常にたいへん大切な要件になってきております。やはり、行ってみますと、看護婦がおらないというのは、これは絶対でございまして、もう入所希望者がたくさんいるのにベッドはみな遊んでいる。それからもう一つは、せめて特類看護ぐらいとりませんと、仕事もできないし、また、収入の面のはね返りもないというので、他の医療機関よりも非常に手を多く必要としているわけです。ところが、そうもまいりませんところに問題が出てしまっているのですが、これ、どう考えましても、医務局長さん、やはり看護婦の増員対策というものが非常に大切になってくるわけですが、そこで、私は、関連になるかもわかりませんが、この看護婦養成に関しましてひとつお尋ねしておきたいんですが、いろんな問題が山ほどございますけれども、ぜひひとつ公立の養成所でございますね、国または自治体の養成所の入学定員の増ということは御検討いただけないものかどうか。 それともう一つ、民間を含めることになりますが、養成所に対します運営費でございます。この運営費がかなり気をつけていただいておりますけれども、やはりいまの状態でございますと、診療費の中から持ち出しをたくさんしなければ看護教育ができておりませんので、この辺等につきましてもう十分お考えになっているところでございますけれども、この機会に確認をさしていただきたいと思います。お願いいたします。
○政府委員(滝沢正君) 特に、国立はみずからいまのような御提案——入学定員の増、特に建物の増改築のときには必ず定員の増が期待できますように考慮をいたしますが、公立の養成所につきましてもそのような御配慮を願うことで、従来、建物の補助金の運営については考えておりますが、いまの御提案のように、運営費の補助につきましては、実は公営企業法との関連もございまして、地方自治体の病院の付属の看護婦養成所につきましては、自治省のほうからの特別交付税等の配慮があるわけでございますけれども、従来、したがって、われわれのほうでは、日赤済生会以下、民間の養成所には運営費を出しておったわけですが、御提案の、自治体立の養成所にもやはり補助金を出すべきだという声が、基本的には、私、あると同時に、それは看護婦養成というもののたてまえ、また、政策としてこれを強化していく立場から申しますと、やはり運営費の強化を公立の、地方自治体の病院付属の養成所まで拡大するという方向が、私は、ぜひとりたい方向でございますので、そのような方向で予算の要求等について考えております。それがやはり定員の増ということにも確かにつながらなければなりません。そういう意味で、建物の増改築のときに定員の増になるばかりじゃなくて、運営費等を出すことによって、たとえば定員一ぱいとってくれとか、あるいは定員以上に努力してくれるところには運営費が多くいくように配慮するというようなことも意見としてもございますし、そういうことも私は具体的には検討に値する問題だと思って、極力、御趣旨の方向で努力いたします。
○石本茂君 これは無理なお願いになりますけれども、私は決して一〇〇%とは申しませんけれども、いまのようなやはりワク内ではお話にならないと思いますので、せめて全所要経費の八〇%ぐらいは、とにかく早く見てやろうというようなお気持ちで、看護教育は国がするんだというたてまえを大きく打ち出していただきたいことを、さらに、この際切望しておきたいと思います。 そこで、これはちょっと枝葉になるかわかりませんが、いま、准看護婦さんが看護婦よりもはるかに多く現場ではなりました。そうしてこの人方は、みな看護婦になりたいという非常な希望を持っておりますので、しかし、いまの二年制あるいは三年の進学コースだけでは、とてもその希望を満たすことができないわけでございますが、働きながら、さらに上位の勉強のできる、いわゆる通信教育の導入方ということがかなり前からいわれておりまして、日本看護協会におきましても、本年度総会でそれを決議したようでございますが、局長、いかがでございましょう、この教育方法を早急にお取り入れいただけないかどうか、その辺ちょっと承っておきたいと思います。
○政府委員(滝沢正君) 准看の皆様方の看護婦への国家試験受験の資格を確保するために、進学コースのような制度以外に、仕事をしながら通信教育によってこれが確保できないかという御提案は、かねがねあったわけでございますが、この点につきましては、各方面にもまあ賛否両論ございまして、われわれとしても、可能性は十分あると見込んで、検討は続けてまいったわけでございますけれども、やはりそのような賛否両論を踏まえて、最終的に踏み切るまでに至っておりませんでしたが、ただいま御指摘のように、看護協会等の総会におきましても、通信教育を適切に導入するならば進学課程と同様に資格を取る根底の条件として国家試験受験の資格を取るのに可能であろうというような御提案があったようでございますので、当面われわれとしては、全般の通信教育というもの、これはなかなか実はむずかしい問題だと思います。その内容といい、仕組みといい、あるいはこれに伴いますところのスクーリングと申しますか、一般的な通信教育に伴う集合教育、あるいは実習制度、こういうものを組み合わせる方法、あるいは年限等を考えまして、十分慎重にやらなければなりませんけれども、しかしその看護問題はあまり慎重ばかりも言っておられない非常に重要な段階でございますので、私どものほうでは直轄の国立病院・療養所を持っております。そういう面で、国立病院・療養所のほうで、検討と同時に並行して実験的な試みというものも可能ではなかろうか、こういう考え方を持ちまして、ただいま具体的に検討に入っておりますので、教育の実現という方向に努力し、またそれがほんとうによき看護婦をつくる上にいい制度であるというような通信教育にならなければなりませんので、この点に努力いたしたいというふうに考えております。
○石本茂君 ずいぶんお詰めいただいておりますようで、ぜひ私は、来年度国家予算あたりにひとつ試験的にどこか御選定いただきまして、実施していただけることを重ねてお願いをしておきたいと思います。 それからもう一つ、このことはもう言わぬでもいいことかわかりませんが、病院などの夜間の管理体制でございますが、あってはならないことでございますが、火事がありましたり、いろんなことがあるわけです。まあ、地震のようなものは、これはしかたがないにしても、火災のような場合、もちろんそういう天災も人災もあると思いますが、この場合に看護婦だけがいま夜間勤務体制がほとんどしかれておりますが、他の職員につきましては、非常に備えるわけですから、決して十分なんというものはいっておりませんので、一朝、事ありますときにはたいへんな混雑と、看護婦だけがうろうろしなきゃならない実態がございますので、この辺につきましてどのような一体行政の中で指導をしておられますのか、これを一点この機会に聞いておきたいと思います。
○政府委員(滝沢正君) 先般、済生会八幡病院の火災等にかんがみまして、この問題を非常にまた再び議論し、またわれわれとしても検討を加えたわけでございます。ただいま、各都道府県を通じまして病院の総点検を消防庁の関係と一緒にいたしておりまして、六月一ぱいぐらいに御報告がいただけるものと思うのでございますが、そのときに出しました通知の中で、ただいまの看護婦が病棟に夜間唯一の勤務の職員であるわけでございますが、病院全体からながめましたときに、今度の済生会八幡病院の反省の一つに、この夜間の防火あるいは火災発生等における指揮・監督の責任者の定めが比較的いままであいまいであった点、各部屋に、それぞれ、官庁にいたしましても、病院にいたしましても、火元取り締まりの責任者の名札などは張ってございますけれども、これが夜間体制に入ったときの指揮・監督の責任が不明確であった点を、これは看護婦よりもむしろ事務系統なり、場合によっては医師を含めた職員にその責任を明らかにし、指揮・監督、通報の手順、そういうような問題が今度の済生会の火災の反省事項の一つにございましたので、これは明確にいたします。ただ、病院で夜間の病棟における勤務者が看護婦以外の者を考えるべきだという、そういう意見も一部ございましたけれども、しかしながら、われわれは、病院というものの特殊性と、それから病人の状態を一番知悉しておる看護婦という職種とを考えたときに、夜間の災害にはこれに応援体制を早く導入することによってその現場を知っておる看護婦さんを助ける、助けた上で、全体としてのいわゆる避難体制なり救護体制ができるようにする、この仕組みが大事だということに結論的にはなるわけなんです。 そこで、たとえば済生会八幡病院は看護婦宿舎が二キロほど離れておる。したがって、そこまで通報が行くような仕組みになっておらなかった。たとえば国立病院などは敷地内に看護婦宿舎がございます。そこにただいま火災が発生すると同時に通報が行く仕組みというものは電話しかないという状態になっておるのが大部分でございますが、今回、検討いたしておりますし、また、具体的に予算上やりたいと思っておりますのは、やはり本院のほうに火災が発生したら、その火災探知器と同時に看護婦宿舎にもベルが鳴るというような仕組みの可能性があるようでございますし、そういうようなことを踏まえまして、すみやかな応援体制というものをつくる、そのときにだれが何の病棟を受け持つというようなことはふだんの日常訓練とやはりその仕事の責任を確立しておくことにあるわけです。したがって、たまたま十人内外の夜間の看護婦さんだけにその避難誘導の責任を持たせるというにはあまりにも過酷であり、実態としては、実際に合わない問題でございますから、消防署に通報することによって消防隊を至急火災現場に導入する、それから職員を動員することによって全体の防火体制なり避難誘導体制をすみやかに編成がえするということの組み合わせが今後の病院の重要な課題でございます。したがって、そのためにこの看護婦さんの夜勤は少なくとも二人というものの確保も大事でございましょうし、そういう全般医療の面から以外の、そういう災害防止の立場からも職員の増強が必要ですけれども、看護婦以外の職員まで病棟に配置するということはなかなか困難でございます。ただ、一般的には民間の病院等ではいわゆる民間の警備保障会社というような方にお願いして、見回りをしてもらっているというようなケースは若干ふえてきているようでございます。この点は、やっぱり対策の一つであろうと思いますので、国立などではこれをすぐに実施することは困難ですが、わが国全体の病院の防火体制としては、都市型のところではやはりそういう警備保障会社等に巡視を夜間お願いするというような仕組みも踏まえていく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えて、看護婦だけの責任にもならぬように、また、その看護婦がとるべき対策はやはり責任を持ってとっていただけるように、そういうふうな趣旨の通知を流し、また今後の医療監視の上でも防火訓練等が、従来は回数などもあんまり明確に示してなかったわけでございますが、三カ月に一ぺんはこれを必ず実施するというようなことで具体的な指示もいたしておりますので、極力病院の災害防止には努力いたしたいと考えております。
○石本茂君 いま局長の申されました体制の指導、たいへん当然だと思うのですが、私は、もうちょっと具体的に、たとえば病院の建物の点検もしていただいて、できるだけ不燃物といいますか、燃えやすくない物を使う、たとえばふとんにいたしましても、カーテンにいたしましても、あるいはこの辺に張ってあります板にいたしましても、火が出ても、もういち早く煙になって、わあっとなってこないような状態をつくってくだされば、われわれ看護婦も患者の誘導が十分できるわけですが、煙が一度に出て、一度に火が出てきますと、ほんとうにもうどうにもできないし、私は、火事にあったことはありませんが、長い間外地におりまして、戦争中しょっちゅう飛行機が飛んできて爆弾を落とされたわけですが、あの避難訓練をどんなに受けておりましても、いざ爆弾が自分の病院に落ちてきますと、とってもそんな、日ごろ訓練しているようにうまく患者さんを連れてこれは逃げ出せるもんじゃございません。しかたないから、やっぱりその辺にはいつくばってしがみつくぐらいが関の山でございます、特に重症患者を持っていますと。ですから、私は、訓練も必要ですが、そういう火災等が容易にわっとならないような病院の建築、あるいは様式、あるいは材料等についてのきびしい御指導を入院患者を持っておりますところにつきましてはちょうだいしたいなということを重ねてお願いしておきたいと思うのです。もうしていらっしゃると思うのですが、その辺をお願いしておきます。たいへんありがとうございました。 以上、委員長、私、時間がきたようでございます。きょうはほんとうにありがとうございました。大臣、どうかよろしく……。一こまの小さい問題ばっかりを私、取り上げましたけれども、人命尊重という根幹につながる条件のことごとだったと思っておりますので、よろしくお願いします。 なお、人事院局長さん、お願いでございますから、何だかんだ申しましても労働条件の第一点の給与問題がよい意味の解決ができませんことには、どんなに騒いでみたところで先ほど来申しておりました問題解決はできませんので、よろしくお願いします。 以上終わります。ありがとうございました。
○委員長(矢山有作君) 以上で本件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(矢山有作君) 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。
○須原昭二君 前委員会におきましてこの原子爆弾被爆者の援護に関する法案が出てまいりました。それに関連をして、戦後二十八年間、とりわけ独立国になってから二十年をけみしておるわけでありますが、とみに問題になってまいりましたいわゆるABCCの日本における法的地位、法的根拠についていろいろと前回質疑をいたしたわけでありますが、きわめてつまびらかになりません。したがいまして、きょうはわざわざ大平外務大臣にお出ましをいただいて、さらにこの点を明確にしていただきたい、かように存ずるわけです。したがいまして、まず最初に外務大臣にお尋ねをいたしまするが、本年四月二日、日米間で取りかわしたいわゆるABCCの存続に関する新口上書は、日本が引き続きABCCの存続を認めるとともに、ABCCをアメリカの大使館の付属機関からアメリカ政府機関にし、あわせてアメリカ人職員の外交官の特権を撤廃させた、したがって従来治外法権であった広島、長崎のABCCの施設は当然治外法権でなくなったと私は理解しておるわけでありますが、この点を明確にひとつ大臣から見解をお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(角谷清君) ただいま先生御指摘のとおり、四月初めに新しい口上書を取りかわしました。旧口上書におきましては、本ABCCを米国の政府機関としての地位のみならず、大使館の付属機関ということで認めておりました点を改めまして、後者の点を改めまして、大使館としての付属機関、これはもう認めない、したがいまして、それに伴う特権関係は一切認めない、ただし政府機関としての地位は引き続き認める、こういうことにいたしておるわけでございます。
○須原昭二君 政府機関の地位は認めていくということについては、後ほどいろいろと議論を申し上げたいと思うわけですが、大臣に所見を承わっておるわけでありまして、ぜひともせっかくの機会で、外務大臣にもあまり私はお目見えをしたことがございませんから、ひとつ、なるべく御答弁に立っていただきますようお願いをいたしておきたいと思います。 とりわけ治外法権でないとすれば、幾らアメリカといえども、わが国の国内法を守る義務が私は出てきたと痛感をいたします。したがいまして、当然であると思うのでありますが、外務大臣はこれを守らせる決意があるかどうか冒頭にお尋ねをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 当然のことと心得ております。
○須原昭二君 もちろん独立国家のはえある日本国の外務大臣でありますから当然守る決意はあると私は思いますし、また守っていただかなければならない、こうお願いをいたしておきたいと思います。 ところで、今度は科学技術庁にお尋ねをいたしますが、わが国におきましては原子力基本法というりっぱな法律が私はあると思います。この第二条には、「(基本方針)」としていろいろのことを書いておりまするが、いわゆる原子力の利用の問題について平和的あるいは民主的、自主的あるいは公開の原則、いわゆる四原則というりっぱな規定があるわけでありますが、この点をどう理解をされておるか、まず冒頭に所信を承っておきたいと思います。
○政府委員(伊藤宗一郎君) お話のとおりで、わが国の原子力基本法の第二条に民主、自主、公開、平和この大三原則を明確に規定をしておりまして、この方針にしっかりと基づいてこれからの原子力開発を進めていかなければならないことはもとより当然のことでございます。先生の御指摘のとおりで何も付け加えることはございません。あくまでもこの基本法の大三原則を守りながら今後原子力のすべての諸問題に対処してまいりたいと思っております。
○須原昭二君 いま三原則とおっしゃいましたが、三原則ではなくして、いわれておりますのは、いわゆる平和的、民主的、自主的、そうして公開、この四原則だと思いますが、間違いありませんね。
○政府委員(伊藤宗一郎君) そのとおりでございます。四原則でございます。
○須原昭二君 この四原則がはたして今日守られておるかどうか、完全に守っておられるかどうかということ、それに対する決意、その点についてお尋ねをいたしたい。
○政府委員(伊藤宗一郎君) わが国が世界で唯一の被爆国家というきびしい、悲しい、また今後絶対にそういうことはなくさなくてはいけないというわが国の、また世界のこれは趨勢にかんがみまして、われわれはあくまでもその基本方針にのっとっていままでもまた今後も進めてまいりますけれども、いろいろと御指摘の点もあろうと思いますので、さらにそういう御意見にきめこまかく対処しながら万全を期してまいりたいと思っております。
○須原昭二君 そこで、私はお尋ねをいたしますが、ABCCの研究、調査はわが国の原子力基本法にいう、いわゆる第二条でありますが、この原子力の研究、開発、利用とある研究に該当するものであると私は思うのでありますが、科学技術庁の政務次官といたしましてはこの研究に該当するかどうか、この点を明確にひとつお答えを願いたい。
○政府委員(伊藤宗一郎君) 多少従来の事情もございますので、とりあえず原子力局の次長から答弁させていただきたいと思います。
○説明員(倉本昌昭君) 原子力基本法は先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、わが国の原子力の研究、開発及び利用を進めるにあたりましての基本原則を定めたものでございます。このABCCにおきます調査、研究につきましては、これは原爆の被爆者を対象といたしました調査、研究でございまして、その趣旨からこれまで厚生省の国立予防衛生研究所とABCCが共同して行なってきたものでございます。それで本件につきましては、その原子力基本法にいいます調査、研究とどのような関係があるか……
○須原昭二君 どのようなじゃない、該当するかどうかということです。簡単にやってください。
○説明員(倉本昌昭君) その点につきましては、この原子力基本法にいう調査、研究であるかどうかという点については、はっきりその原子力の利用に関するものであるというぐあいには現在考えておらないわけでございます。
○須原昭二君 いま重大な御発言がございますが、原子力の平和的利用に直接関係がない。こう断定をされました。私は非常にこの点は重大な問題だと思うわけです。いわゆる原子力の平和的利用におきましても、その過程の中からいわゆる放射能が出てくることは皆さんも御案内のとおりです。この放射能が人体に及ぼす影響というものはきわめて、いま原爆と原子力発電所の設置の問題についても大きな国民の不安を抱いておるわけでありまして、やはり人体にどのように原子力の平和的利用にいたしましても、それがその付近におけるところの国民の人体にどのような影響を及ぼすかということは、原爆のこの被爆者の調査にいたしましても、そういう関連性は十二分に私はあると思うんですが、その点はどうですか。
○説明員(倉本昌昭君) 原子力の平和利用に関しまして、放射能がどのように人体に影響を及ぼすかという問題につきましては、科学技術庁におきます放射線医学総合研究所を中心にして進めてまいっておるところでございまして、このABCCにおきます原爆被爆者に関してのその調査、研究の結果等につきましては、この放射線医学総合研究所におきます研究、開発にその成果を、十分にこれを活用さしていただいておるわけでございます。
○須原昭二君 だから、この研究に関係があるんでしょう。該当するんでしょう。その点明確にしてください。
○説明員(倉本昌昭君) ただいま先生のおっしゃいましたような関係で、この調査、研究が、被爆者に関するその影響が、人体に及ぼす影響に対しての研究に非常に貢献をしておるという点においては関係があるわけでございますけれども、現在……
○須原昭二君 そこで、ひとつまた、外務大臣にお尋ねをいたしますが、このアメリカ合衆国はわが国において、わが国の法律、いわゆる原子力基本法をはじめ国内法を守るということは、日本の独立後は当然なことであり、言うまでもなく今度治外法権になりました、そのきっかけとなった新口上書の交換以後は、私は変わらなければならないと思うんですが、その点の御所見をひとつ承りたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほども申し上げましたように、国内法令を順守していただくことは当然のことでございまして、そのフレームの中で厚生省の予防衛生研究所と共同の調査が行なわれておると、私は承知いたしておるわけでございまして、万一、問題が生じた場合におきましては、国内法に照らして処置しなければならぬと思います。
○須原昭二君 厚生大臣、お尋ねをいたしますが、やはりいま外務大臣がおっしゃいましたように、原子力基本法をはじめ日本の国内法を守らなければならない。こういうふうに断言をされたわけでありますが、今後のABCCの運営について、この国内法を守っていかれる決意のほどを簡明にお答えをいただきたいのであります。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど、外務大臣から御答弁ありましたように、国内法のもとにおいて共同研究の趣旨を生かした運営をしていくべきものである、かように考えております。
○須原昭二君 そういたしますとですね、私は、こういういまの討論から通じて感じますことは、ABCCが問題は平和的であるかどうか、民主的であるかどうか、あるいは日本の自主性が認められているかどうか、秘密の保持があるかどうか、公開の原則が完全に守られているかどうかというところに、私は重大なポイントが出てくるわけでありまして、長年にわたるところの占領政策が半ば継続、半ばずるずると継続をされているところに、日本民族としての重大な私は関心事があろうかと思います。 そこで、さきの当委員会で私は資料要求をいたしました。アメリカの原子力委員会と学士院とにかわされた契約書。いわゆる古い契約書、契約書号はAT49−1−GEN−72号、新しい契約書号であります契約書、いわゆるAT(30−1)−72号、この二つを私は要求したのでありまするが、実はこの二つの中で、新しい契約書は再三私は請求をいたしました。本日の当委員会に出すということでありましたけれども、私は質問に立つ以上、この膨大な資料をもらって、さっそく討論をするわけにはまいりません。したがって、少なくとも昨晩じゅうにくれと、こういう要求をいたしましたところ、昨日おそく、七時過ぎにですね、私のもとへAT(30−1)−72号の新しいほうは、従来非公開を固執されてまいりましたけれども、ここに明らかに提出をしていただきました。この新しい契約書は出されました。古い契約書についてはいまだに提出をされておりません。新しいのはこの委員の皆さんにもいま配付をされておりまするが、この古い契約書はまだ出ておりません。なぜ新しい契約書が昨日おそくまで、請求をいたしたにもかかわらず、おそまきに出されたのか。 もう一つは、古い契約書はなぜ出されないのか。この理由をひとつ外務省からお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(角谷清君) 契約書につきましては、古い契約書、すなわち一九四八年のいわば現契約書というのがございまして、それから現行の新しい契約書、一九七〇年のものが二つございます。この二つの契約書につきましては従来からも資料提出の御要求もございまして、しばしばアメリカ側とも話をいたしましたが、何せ性格といたしまして、アメリカ政府部内の書類ということが最もむずかしい点でございまして、遺憾ながらアメリカ側もそれは困るということで、ずうっと参っておったわけでございます。しかしながら、委員会の強い御要求にもかんがみまして、また、契約書自体に特に問題があるわけでもございません。アメリカ側にこの契約書を提出いたしますことにつきましてさらに説得を重ねました結果、ようやく昨日、先方からそれではけっこうであるという返事が参ったわけでございます。返事がおそくなったことはまことに遺憾でございまして、さらに非常に大部のものでございまして、われわれ事務当局、一生懸命この翻訳にかかったわけでございますが、大部なものでございましたので、さしあたって、ともかく新契約というものを昨日、夕方までに訳しましてお手元に提出したと、目下、大車輪で旧契約を翻訳いたしておりまして、これにつきましては一両日じゅうに御提出いたしだいと思っておる次第でございます。
○須原昭二君 この討論については、あとから付随してまたお尋ねをいたすこととして、そこでもう一度科学技術庁に戻ります。 かつて平泉さんが科学技術庁長官の際、長官はわが国においては平和、民主、自主、公開の四原則は必ず守らなければならない。こうおっしゃいまして、しかもこのABCCの問題についても、決して秘密の保持はすべきではない、こういう断言がされたことを私は議事録から読み取ったことがあるわけでありますが、現在の科学技術庁は今後の原子力問題について姿勢としてどのように対処されていくのか、もう一度政務次官から確認をしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤宗一郎君) 先ほどお答えを申し上げたとおりで、御指摘いただきましたけれども、平和利用、民主、自主、公開、この平和利用につきましての四原則をしっかりと守りながらさらに万全を期してまいりたいと思いますし、ABCC委員会のことにつきましても研究の成果が公開をされているということも承知もしておりますし、さらに私の役所の御意見、あるいは厚生省の御意見等とも十分な連携のもとに被爆者の援護はもとより、そのことに基づいてのこれからの原子力の平和利用につきまして公開の原則をしっかり守りながら、その成果をこれからの平和利用にしてまいりたいと思っております。
○須原昭二君 けっこうでございます。 そこで、外務省にまた戻ります。このたび問題になっている新しい契約書につきましては、昨年五月二十四日、衆議院科学技術特別委員会で橘外務参事官が秘密の保持は取り除かれたと答えられております。この見解の発表は正しいのですか、その点を明確にお答えを願いたい。
○説明員(角谷清君) 一九四八年の、いわゆる原契約におきましては秘密保持と申しますか、秘密保持に関します条項がございまして、それから、念のため申し上げますと、軍事目的、あるいは安全保障というようなことばが入っておりますが、これは実態上は原契約におきましても何もなかったわけでございまして、新契約に移ります際、一九七〇年、現行の新契約におきましては、これが形式上も実態上も少なくとも文言は全部落ちておるわけでございます。
○須原昭二君 実はいま私が指摘をいたしております古いAT−49−1−GEN72号、これは邦文でここに持ってきておるわけです。昨晩聞いたところによりますと、新しい契約書につきましても従来おたくは、外務省は持っておられた。だからアメリカのイエス、承諾があるならば直ちに出せるように翻訳しておきなさいと私はお願いしたのだ。にもかかわらず、きのう報告があって、それから翻訳をしておそくなったと、こういうことなんだ。古い契約書についてすでに私の手元にあるわけです。まだ翻訳して、きょうか、あすか、二、三日のうちに提出いたしますと言われておりますが、はたして私の手元にある古い契約書がまだ翻訳されているということは、私はどうも理解に苦しむわけですが、私の持っているところの古い契約書、これがほんとうのものであるかどうであるかということをまず御確認いただきたいと思います。
○説明員(角谷清君) ただいま先生からいただきましたテキストは、英語と日本語と両方ございまして、英語のほうは原文そのまま、原文は英語でございますから、原文だと存じます。日本語のほうはこれは外務省が訳したものではございませんが、この本文の翻訳であろうと思うわけでございます。
○須原昭二君 いま御答弁がありましたように、大体間違いのないということでありますから、この文案と新しい口上書との関係について実は先ほど申されましたように、外務省の橘参事官は明らかに秘密保持がなくなった、こう発言をされておりますが、実はゆうべ新しいやつを私はいただきまして、徹夜にひとしい作業をいたしました。このように付せんをたくさんつけざるを得ないのです。秘密の保持があるのです。なぜうそを言うのですか。もちろんいまお話がございましたように、古い契約書におきましてはその目的といたすところに「本契約は一九四六年の」アメリカの「原子力法にもとずいて社会全般の防衛と安全のために取決められる。」こういって目的がはっきりされておりますが、さらに情報の公開については秘密の原則、それを漏らした者に対して罰則を加える、あまたのきつい契約がございますが、それに準ずるような内容がここにあるのですよ、この中に入っているのです。これだけ付せんをつけざるを得ないです。なぜうそを言うのですか。その点を明確にしていただきたいと思います。
○説明員(角谷清君) 私、ちょっと申し上げ方が不正確でございましてたいへん失礼いたしました。新しい契約書の中にも「情報の公開」というタイトルのもとに公開に関します叙述がございます。ただ、申し上げたかったことは、秘密保持に関する罰則規定というものは旧の原契約からはずれておるわけでございます。
○須原昭二君 罰則だけ消されておるということであって、秘密保持は現に明記をされておるということに解釈をしてもいいですか。
○説明員(角谷清君) ただいま申し上げましたとおり、罰則規定というものがなくなっておるわけでございまして、ただ、そのほかに実際問題といたしましては、研究の経過というものはすべて公開でございまして、実質上は何も秘密のものはないわけでございます。
○須原昭二君 非常に日本語というのはむずかしいわけでありますね。いま、何かわかったようなわからないような御答弁をされましたけれども、一つ一つ、じゃ、これからお尋ねをいたしましょう。 八条をごらんいただきたいと思います。「特許」の項の(a)、読んでおりますと長くなりまするから中段ごろに「右発明、発見についての権限及び権利、特許申請、申請の結果生ずる特許等の処理につき決定する権利を有することとする。」こう書いてありまするが、ABCCの活動において、かって発明、発見、どのようなものがあったかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(柳瀬孝吉君) いままでのところ発明、発見という種類のものはございません。
○須原昭二君 今後起き得るであろうかもわかりませんが、こういう点について明確にうたっているところに、非常に私は、今後お尋ねをしていく前提としてたいへんな問題に結びついてくるわけであります。 (b)の項目をごらんいただきたいと思います。四七ページです。この項目をずっと読み上げますと、またこれ時間がたちますけれども、これは重要な問題点ですから読み上げておきましょう。「本契約に基く作業の過程において、契約者及びその職員は、随時、」随時ですよ、「随時、機密保持の要件の範囲内で、」——「機密保持の要件の範囲内で、」と書いてある。「本契約作業の過程で生ずる技術、科学的発展についての情報の外部への発表を希望することがあろうことは認められる。かかる情報の公表が委員会の特許に関する利益を損うことのないように、情報を公表することにより発明あるいは発見が公けにされる場合には情報の公表は差控えるものとし、右発明、発見は速刻委員会に」——委員会というのは原子力委員会です。「委員会に報告されなければならない。」と、こう規定をされております。しかも三行次に、「原子力委員会に対して報告された後四カ月間公表を差控えることとする。」と、こういうふうに明記をされている。これは機密保持はあるのではないか。こういうことを具体的に書いております。「機密保持の要件の範囲内で、」ということがここに明記されておりますが、具体的に何をさすのですか。さらに「四カ月間公表を差控えることとする。」とありまするが、機密の保持を特許ということばでごまかしているのではないか。「四カ月間公表を差控えることとする。」ことがあるかどうか。どういうことなのか。この点を明確にしてください。
○説明員(角谷清君) 本個所は特許の件でございますが、具体的にどういうことをここで言っておるのか、これは必ずしもはっきりいたしません。したがいまして、しかるべくアメリカ側にも照会してみたいと思っております。
○須原昭二君 一々アメリカに相談をして見解を聞くというようなぶざまなことは全く遺憾であります。 さらについででございますから、第十一条を見ていただきたいと思います。五三ページ、「情報の公開」ですね。この中に、「本契約に基づく活動は、部外秘機密資料等の秘密指定を受けた情報あるいは資料を含むことはないであろうと契約当事者は相互に期待する。」、「相互に期待する。」と書いてある。どういう意味なんですか、これは。御見解を尋ねたいと思います。これも聞くんですか、アメリカに。
○説明員(角谷清君) この「相互」と申しますのは、これは米側の契約の当事者たる二者でございますが、まあ、「相互に期待する。」ということはどういう意味かという御質問でございますけれども、これはおそらくそういうことはないということを相互に信じ、かつそれを実施しておるという趣旨であろうと思います。
○須原昭二君 この表現自身が第三者にはわかるようなわからないようなことでごまかされているわけです。こういう契約書をうのみにして相手を信頼するだけでは、私は日本の自主性、主体性というものは生まれてこない、こう言わざるを得ません。さらに中段からまた朗読をいたします。「いずれにしても、機密資料等の秘密指定を受けた情報、資料に関して契約者は適用さるべき法律及び委員会の要件に従って右情報、資料の秘密分類及び保持を行なうほか、かかる機密指定を尊重して行動し、機密資料等の秘密指定を受けた情報が関係して来る場合が生じる際には、速やかに委員会に対して文書で報告することとする。」それから(b)「契約者は改正された一九五四年の原子力法」云々とずっと書いてありまして、「機密資料等の秘密指定を受けた情報に関知することを許してはならない。」と、こう書いてある。どういうことなんですか。
○説明員(角谷清君) ただいま御指摘の条項等につきましては、これは原子力委員会が他の当事者等からします契約に含めますところのいわばスタンダードフォームと申しますか、標準的な文言でございまして、そういう意味でこの契約書には入っておる。しかし実質上は何もその秘密というものはない、資料も全部公開されておるという次第でございます。
○須原昭二君 何もないということがここで言えますか。これだけ明確に機密保持の問題について明記をされておるにもかかわらず、秘密がないとあなたは強弁できますか。外務大臣、御答弁を願いたいと思う。
○説明員(角谷清君) ただいま申し上げましたとおり、これは標準の書き方でございまして、その秘密がないということは、われわれがアメリカ政府から聞いておるところでございます。また事実、そのABCCに基づく資料は全部公開しておるというように聞いております。
○須原昭二君 そこまで白々しく明確にお答えできるのだったら、根拠はよく、内容はよくおわかりのことだと思います。この(b)項の「一九五四年の原子力法及び委員会の規則」のどの条文を除いているのか、この点は明らかにされてもいいと思います。この点はどうなっていますか。それまではっきり言われるのだったら、その内容を明らかにしてください。どの条文を除いているのですか。
○説明員(角谷清君) ただいま御指摘のは(c)項の「一九五四年の原子力法」でございますか。
○須原昭二君 (b)項です。
○説明員(角谷清君) この(b)項の「一九五四年の原子力法」、御指摘の点は、現時点ではつまびらかにいたしませんので、調べまして御答弁申し上げたいと思います。
○須原昭二君 はっきり明記をされておって、あなたは断言をされておって、私たちが聞くとわからぬと言うのでしょう。こういうわからぬことがたくさんあって、あなたが機密保持がないのだ、ないのだと言ったって、われわれは了承できませんよ。すべてつまびらかにあなたたちは知っておって、その上において機密保持がないと言うなら私はわかりますけれども、この具体的に書いてある「原子力法及び委員会の規則、要件」によってきちんと条文を「除いて、」と書いてあるのですから、どこが除かれているのか、どこが該当するのか、こういうものをつまびらかにせずして、一方的な、ただ、これは機密保持がないのだというふうな御答弁では私は納得できません。——委員長、お取り回しを願いたいと思います。
○委員長(矢山有作君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。
○説明員(角谷清君) 機密保持の点に関しましては、秘密がないということをアメリカ側からも聞いておるわけでございますけれども、先生御指摘の原子力法関係の規則、要件というものは、さらに詰めまして、その上で、もし私の答弁が間違っておりましたらこれは改めさせていただきたいと思います。
○須原昭二君 じゃあ、ついでにもう一つ聞いておきましょう。 (c)へいきましょう。「本条における「機密資料」とは、原子爆弾の設計、製造、使用、もしくは、特殊な核物質の生産、もしくは、エネルギー生産における特殊な核物質の利用に関するすべてのデータを含むものとするが、」、こう規定をされております。設計だとか製造だとか使用だとか、いわゆる原子爆弾によって被害を受けた被爆者の人体を調べて、そのデータをまた反復作用さして製造に、あるいは設計に、あるいは使用上の問題点に参考にいたしておるというきらい、いわゆる核戦略の軍事的な側面との深いつながりを私ば示すものではないかと、そう感ずるわけでありますが、こうした調査がABCCで行なわれてることは、私は先ほどから科学技術庁あるいはまた厚生大臣にもお尋ねをいたしておるように、あるいは外務大臣に国内法を守りますかという前提の御質問をいたしてることは、日本の原子力基本法の中の、平和、民主、自主、公開の原則、これに、はずれておる、こういう疑いを私は、疑念を持たざるを得ない。この点をはっきりしていただかない以上、私はこの質疑を続けるわけにはまいりません。——わからないことはもう一ぺんアメリカに聞いてみます。アメリカは秘密保持はないんだと言ってる、それをうのみにするだけですか。そのようなことでは日本の自主性というもの、日本の主体性というものは守られませんよ。外務省はアメリカの外務省と対等平等でこの問題を明らかにすべきです。この問題が明らかにされない限り、このABCCの法的地位、法的根拠というのは依然としてやみからやみへ葬り去られていくと言っても私は過言でないと思う。外務大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 従来、ABCCにつきまして、そのステータスの問題を国会で御指摘いただいたわけでございまして、先ほど政府委員からも御答弁申し上げましたとおり、大使館の付属機関たる性格は今回の口上書で取り除いたわけでございまして、私といたしましては、まあその点に関心の重点があったわけでございますが、本日、本委員会に出てまいりまして須原さんの御意見を伺いますと、このABCCの機能と原子力の平和利用の四原則との関連において問題が究明されておるわけでございまして、とりわけ、秘密性云云の問題が御指摘になっておるようでございまして、で、実は、これは原子力平和利用の原則とこの機関の機能との関連、それからいまのいうところの秘密の問題でございますが、それは過程における秘密であって、結果として全部公表するような仕組みになっておるのかどうか、そのあたり、私もよく事態を聴取いたしておりませんので、外務省におきまして、いま御指摘になりました点につきましては、しばらく時間を拝借いたしまして、検討の上、本委員会に御答弁申し上げることにさしていただきたいと思います。
○須原昭二君 せっかくの大臣の、よく調べて後ほどまた当委員会に報告をしていただく、こういうお話でございますが、事、原子爆弾の被爆者援護に対する法律案がいま出ておるわけであります。この被爆者の援護に関連をして多くの被爆者が疑念を持っているこのABCCの問題は、私は早急に、この時点で明らかにすべきである、明らかにされない以上、私たちは今日の法律案そのものについても審議が停滞をせざるを得ないと思います。先ほども参事官がおっしゃいますように罰則はなくなった、こうおっしゃいますけれども、五五ページ、「職員の行動」「契約者は、その職員の能力、行動、誠実性を満足すべき水準に維持するよう責任を持ち、また、職員に対して必要な場合には懲戒的措置をとる責任を有する。」と明確に罰則は明記をされてはおりませんけれども、こうした罰則らしき規定が付帯的にあるわけです。「懲戒的措置をとる責任を有する。」とあるけれども、具体的にどうするのか。ABCCには四百五十名の日本人の職員がおります。この日本人職員に対するペナルティーを含むのかどうか。日本人には秘密や機密になることには触れさせないということではないのか、こういうふうに私たちは解釈をせざるを得ないのです。私は多くの問題点を、この付せんをつけたものを全部一つ一つ解明をしたいのですが、特に重要な点だけを私はきょうは披瀝をいたしました。あなたたちは秘密がない、秘密保持の規定はない、こう言って、これを出すまではそう言ってその場をしのいできたわけだ。出してもなお白昼の強盗と言いたいぐらい、強弁を張って秘密保持はないんだ、こういうことでは審議は続けられませんよ。罰則はない、罰則はないけれども、ここにちゃんと「懲戒的措置をとる責任を有する。」と書いてある。しかも、具体的な人事の問題については一番初めのこの目次のところを御参照いただきたいと思う。「付録A人事政策」「付録B契約の追加規定」「付録C米合衆国内における活動に関する契約の追加規定」、これらは「削除」と書いてある。当然契約書の付随書類を出さなければならない任務があります。この点についてはいまだもって削除ということでわれわれに報告はない。この「人事政策」の中におそらくこの「懲戒的措置をとる責任を有する。」この項目に関連をする項目がこの中にひそんでいると私たちは言わざるを得ない。どうですか。
○説明員(角谷清君) 秘密の点につきましても、それから懲戒のお話がございました。これも、いずれも実際にやっておる仕事、あるいはその雇用条件というものに関しますので厚生省のほうから御答弁いただいたほうがよろしいかと思いますが。
○須原昭二君 厚生省じゃない、あなたたちが契約をしたのだから、契約じゃない、口上書を結んだんだから、その付随資料として当然知っているはずですよ。
○委員長(矢山有作君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。 本案に対する質疑は、午前中はこの程度にとどめます。 午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 —————・————— 午後三時六分開会
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任されました。
○委員長(矢山有作君) 休憩前に引き続き、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○須原昭二君 きょうはABCCのわが国における法的地位、法的根拠をただしてまいるその前提として、どうしても解明しておかなければならない、いわゆる、このアメリカ原子力委員会と学士院とに取りかわされておる契約書、この内容について従来秘密保持の問題があったわけですが、現行のこの契約書の中には秘密保持がないと、こう従来の委員会でも発言がなされて答弁があるわけでありますが、新たに出てまいりましたこの資料を提出していただきました新しいこの契約書の中にも、まだまだこの秘密保持の問題点が多くわれわれとしては発見せざるを得ないわけであります。この問題について、先ほども外務大臣お見えになりましたけれども、どうも外務省の中できちんと位置づけられていない。せっかく大臣がお見えになりましたけれども、明確な御答弁がない。まことに残念しごくであります。したがって、私といたしましては、これが明らかにならない以上、質疑はできないという気持ちもありまするが、幸いに理事の皆さんのお取り計らいによって、問題点だけ明らかにして、後ほど明確なるひとつアメリカ当局との折衝の中で、この解釈の問題についてただしていただいて、そして、自後なるべく近い機会に本委員会に御表示をいただきたい、こういう前提の上に質疑を続行いたしたいと思います。 そこで、もう一度問題点だけ明らかにいたしておきたいと思うわけでありますが、やはり秘密の保持の問題については、明確に私たちはこの新しい契約書の中にあると、こういうふうに断定せざるを得ない問題点を指摘をいたしておきたいと思うんです。 まず四六ページ、第八条特許の項におきまして(a)の項の中における発見、発明等云々とありまするけれども、ABCCの活動においてかつて発明、発見についてはどのようなものがあったかという御質問をいたしましたところ、いまのところない、こういう御答弁でありました。したがって、私たちは今後あり得るかどうか、あり得るからここに発明、発見というものが、項目が特許という形で示されたのではないかと思うんですが、今後あり得るかどうか、どういう点を想像されておるのかという点を明らかにいたしていただきたい。 それから次の四七ページの(d)項の段階において「機密保持の要件の範囲内で、」と明記されておるわけでありまして、この機密保持の要件の範囲内というのは、具体的に何をさしておるのであるか。ここに私は、機密保持の規定というものが何らかひそんでおる、こういうふうに言わざるを得ないのでありまして、この具体的な範囲内とはどういうものか、これを明らかにしていただきたいと思うわけです。 さらに、四八ページ、「四カ月は公表を差し控えることとする。」と、こう規定がなされておるわけでありまして、機密保持を「特許」ということばでごまかしているのではないかという疑念を持たざるを得ません。しかも、「四カ月間公表を差し控えることとする。」と、こう規定があるのでありますが、これはどういうことなのか、この点を明らかにしていただきたいと思うわけです。 さらに、九条の「製図、デザイン、設計明細書」この後段のほうに、一番後尾に書いてございまするけれども、これは先ほどの休憩前におけるところの質疑には入っておりませんから明確にしておきたいと思うわけですが、この後段に「契約者が前記資料を保管し、使用する権利は本契約中に存在する機密保持及び特許の規定により制限を受けるものとする。更に、契約者による前記資料の使用は本契約上の作業に関連した使用に限定される。ただし、他の使用目的のために委員会」——すなわち原子力委員会「の文書による承認が与えられる場合はこの限りではない。」と、こう明確にうたわれておるわけでありまして、これでは資料の公開ではなく、私は機密保持、こういうものの解釈に立つのではないか。さらに、委員会の承認を与える範囲とはどういうものをさしておるのか、この点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。 さらに、第十一条、「情報の公開」でありまするが、この点の中において先ほども御指摘をいたしましたけれども、第一に、「本契約に基づく活動は、部外秘機密資料等の秘密指定を受けた情報あるいは資料を含むことはないであろうと契約当事者は相互に期待する。」と、こういう表現というのは私は非常にぼやかした表現であって、どういう意味をさしておるのか、この点をきちんと明記をして明らかにしていただきたいと思うわけです。さらに、中段に書いてありまする、「いずれにしても、」云々と「速やかに委員会に対して文書で報告することとする。」と、こう文章がなっておりまするけれども、ここには明らかに機密の保持をはっきりと認めるべきではないか。従来、外務省は、各委員会においても今度の新しい現行の契約書の中には秘密保持はない、こう言ってきたことがまっかなうそであるということがここではっきりしてくるわけでありまして、そういう点についてきちんと御解明、御答弁をいただきたいと思うわけです。 さらに、(b)項の中におきまして、ここで「一九五四年の原子力法及び委員会の規則、」のどの条文を除いてか明らかにしていただきたいと思うわけであります。 さらに、(c)項においては「設計」とか「製造」とかあるいは「使用」とかいっている点は核戦略の軍事的な側面との深いつながりを私は示すものではないか、こう疑念を持たざるを得ないのでありますが、この点について明確にひとつしていただきたいと思うわけです。こうした調査がABCCで行なわれることは私は日本の原子力基本法の平和、民主、自主、公開の四原則にはずれたものではないか、こういう点を指摘をいたしておるわけでありまして、この点についてはっきりしていただきたいと思います。 さらに、先ほども参事官は罰則がなくなったと、こうおっしゃいましたけれども、第十二条「職員の行動」の項につきましては、古い契約の九条の項の具体的な表現を抽象的にしたものにすぎないのではないか。「懲戒的措置をとる責任を有する。」とここに明記をされておりまするが、具体的にどうするのか。 さらに、ABCCの日本人職員に対するペナルティーは含まれているのかどうか、この点を明確にしていただきたい。日本人には秘密や機密になれることは触れさせないのではないかという疑念を側面から考えざるを得ないのでありまして、この点を私は明確にしていただきたいと思うわけであります。この問題点については、理事会の席上におきまして、参事官は、これは米国内におけるところの原子力委員会と学士院との間におけるところの契約であって、私たちはあまりその内容をつぶさに探索することができないと、こういう御答弁がございましたけれども、少なくともABCCが日本の国内に存置し、しかも治外法権になった以上深いかかわりを持つものでありまして、この点は明確にしていただかなければ、私は、今日まで二十数年間国民が持ってまいりましたABCCに対するほんとうに多くの疑念、こうしたものが天下のもとに白日にならないと私は思うのわけでありまして、この点については御答弁がきょうはできないような状態でございますから、どうぞ、二の点は明確にしていただきまするようお願いいたしておきたいと思うわけです。 そこで、厚生大臣にお尋ねをいたしまするけれども、聞いていていただいて、よくおわかりだと思いまするけれども、従来秘密保持がない、秘密保持がないと外務省は言ってきたんだけれども、私のきょうの質疑の中において、これは秘密保持があるのではないかという疑念を国民が持つのは当然ではないかと思うのですけれども、厚生大臣はどうお受け取りになったか、御所見を承っておきたいと思うわけであります。
○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいまお尋ねになりましたような問題につきましては、今後外務省において米側とも話をして明らかにしていただくわけでございまして、私もそれまでは何とも申し上げかねるのではないかと、かように考えておりますが、やはり国民のためにはいろいろな疑点を明らかにするということは大事なことである、こういうふうに申し上げることはできると思います。
○須原昭二君 厚生大臣も、外務省当局に対して、私の言ったことについて、積極的にひとつ明らかにしていただくように御努力を願いたいと要望しておきます。 さらに、問題点はかくたくさんございまして、このようにたくさんの付せんがついておりますから、一々やっていきたいと思うわけですが、時間の関係もございますから、私は、質問の過程の中で、さらに問題点をあとから補足をさせていただきたい、かように思っております。したがって、その点はひとつ御留意を願いたいと思います。 特に私は、修正契約という形で今度の新しい契約書が出てきておるわけでありまして、旧契約書AT(30−1)−72の改訂No.61、今度の新しいやつですね、この前書きには、「本修正は、米国原子力委員会に代表されるアメリカ合衆国」云々と、こう書いてありまして、旧契約、すなわち旧称といいますと、「(AT49−1−GEN−72)」との関係をうたいながら、これを修正したことになっております。古い契約書の冒頭には、「本契約は一九四六年のアメリカの原子力法にもとずいて社会全般」——すなわちアメリカ社会全般——「の防衛と安全のために取決められる。」すなわち、アメリカの核戦略の軍事面をここで強調しておるわけでありまして、この点が、この修正された新しい契約の中においてはこれがぼかされておると言わざるを得ないわけであります。この点の修正の問題について、どのように感じておられるのか、この点については、後ほどでけっこうでございますから、これまた、アメリカ当局と折衝の上、明らかにしていただきたいと、かように存じます。 そこで、質疑を続行してまいりまするが、私は、この新しい契約書と、かつての契約書との相違、この問題点がいま質問の課題になりましたが、今度はもう一つ、御質問をいたしておりましたABCCはアメリカ政府のどこの出先かということが一つ問題点なのであります。政府の統一見解を求めておるわけでありまして、この点はきょうも解明がございません。したがって、ABCCは口上書の上においては政府機関であるということを断定している、明記しているわけです。しかし、政府のほうは、この間から答弁をされておるのは準政府機関である。どうしてこのような矛盾が起きてきているのか。この点を明確にしていただかなければならないわけでありまして、この点は、ひとつ、前回の質疑との過程もございますから、もう銘記をされておると思いますから、御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(角谷清君) ABCCのわが国におきます法的地位の問題でございますが、このABCC自体、一九四六年のアメリカ合衆国大統領の命令、及び四十八年の先ほどから御審議になっております学士院と米国政府機関たる原子力委員会というものの契約書に基づいてできておるわけでございまして、実際の設置と申しますか、機関としての存在はわが国にあるわけでございます。政府といたしましては、そのような関係、さらに、これを実質的に見ました場合に、やはりこれは米国政府機関としての地位を有するものであるという認識に到達しておるわけでございます。 そこで、実質的な関係と申し上げますのは、一つは、やはり、このABCCの行動の経費というものが全額米国政府予算によってまかなわれておるという点でございまして、毎年、米国会計検査院当局、これによりますところの監査に服しておるということがございます。ABCCの不動産施設の所有権等、これも米国政府に属しておると、こういう経費関係において米国政府の活動を行なっておるという点が第一点でございます。 第二点といたしましては、ABCCの米国籍の職員というもの、これが米国政府の発給いたします公用旅券、つまり、米国政府といたしましては、これらの職員が公務に携わっておるということで公用旅券というものを発給いたしております。ちなみに、この米国学士院の職員というものは必ずしも海外に参りますときに公用旅券の発給を受けるのではないのでありまして、むしろ一般的には、一般旅券の発給を受けておる、しかるにもかかわらず、本件ABCCに関しまするところの職員、これはいずれもアメリカ政府の発行にかかる公用旅券を所持しておるという実態がございます。 さらに申し上げますと、第三の点といたしましては、課税上、米国の国内法によりますと、アメリカの一般市民というものは海外に十八カ月以上在留いたします場合には、米国政府により所得税を課税されないということになっておりますにかかわらず、本件ABCCの職員というものは一般のアメリカの公務員というものと同等に本国において課税をされておるという事実もございます。したがいまして、わが政府といたしましては、これらの実態というものを勘案いたしまして、米国政府の機関としての地位、これは認める、ただ外交特権は与えないということはけさほど申し上げましたけれども、そういう実態に即しても、これは政府機関として認めるものであるという次第でございます。
○須原昭二君 私は、口上書に政府機関と正式にうたってあるわけで、しかし、答弁のほうでは準政府機関、すなわち学士院が出先機関だというような言い方をされているわけです。この矛盾を、口上書でははっきり、じゃ、アメリカの出先機関、準政府機関であるところの学士院とどうしてうたわなかったのか。「正」と「準」ですね、この関係はどう理解をされておるのですか。
○説明員(角谷清君) 準政府機関と申し上げますのは、この学士院というものは、なるほどアメリカ側のものによりますれば政府機関に準ずるという意味で準政府機関という記述はございますけれども、ABCCが準政府機関であるというようなことは、これはアメリカ側も言っておりませんし政府としても言っておらないわけでございまして、御指摘の前回の答弁で、準と仰せられますのは、前回の答弁の意味は、準政府機関というのは学士院自体でございます。
○須原昭二君 ちょっと誤解をされていると思うのですけれども、政府機関と正式にうたった以上は、どの出先になりますかと私は尋ねているのです。そうしたら、この間の御答弁では、その政府の出先機関というのは学士院であります、学士院は準政府機関でありますから、これが出先でありますと、こうおっしゃるんです。そうしたら、なぜ、その口上書に政府機関といったのか。私は、時間の関係がございますから、端的に言いますが、アメリカの原子力委員会と学士院との間に契約を結んであると、したがって、ほんとうは、ABCCはアメリカの原子力委員会の出先機関であるけれども、契約を結んであるその学士院の実は出先機関としてABCCを位置づけているんだ、こういうように私は解釈をするのですが、そのとおりですか。
○説明員(角谷清君) 仰せのとおり、この原子力委員会と学士院の契約のもとに生まれたものでございますが、その学士院の監督に服するということになっておると了解しております。
○須原昭二君 原子力委員会の監督……
○説明員(角谷清君) いえ、学士院のでございます。
○須原昭二君 実は、現地のほうにおけるところのABCCの広島、長崎の建物の施設及び調査、研究備品は全部アメリカ原子力委員会の所属財産なんだ。所有財産なんだ。無形のものだけが学士院の所属になっているわけです。したがって、アメリカ原子力委員会というものは、御案内のとおり、核の、原子力の平和的利用の面と、いま一つは、われわれが一番おそれておるところのアメリカの核戦略の軍事面と両面持っておる。両面持ったものが、この原子力基本法にうたっておるところの四原則が日本にあるから、これを直接持ってきたら日本の国内法にひっかかってくる、だから、学士院を通じて契約を結んで、あたかも学士院が出先機関のごとき姿をもって臨んでおるのではないかという疑いを持たざるを得ないのです。この点を明確にしていただきたいということが私たちの大きな願望なんです。この点はどうですか。
○説明員(角谷清君) われわれといたしましては、そのような疑惑と申しますか、疑念と申しますかというものは持っておりませんで、これは原子力委員会と学士院との間の契約で学士院に所属するというかっこうで来ておると観念しておるわけでございます。
○須原昭二君 非常に不明確でありますが、だければこそ、この契約が明らかにならない以上論議が進まないんですよ。この契約の条項の中に軍事的な側面というものが埋没して隠されておると言っても私は過言ではないと思う。だから、古い契約書と新しい契約書において防衛と安全のために寄与するというような項目がどこか抜けておるような、中にひそんでおるような私たち疑いを持たざるを得ないわけでありまして、その点は、きょうもまた、これに時間をかけておりますと、なかなか先へ進みません。したがって、口上書に政府の機関、政府機関である、出先であると、こう明記をされております。なぜ答弁の中において準政府機関の学士院がその出先機関であるか、この点については大きな矛盾があるわけです。この点を、はっきりと次の機会までに、先ほどの問題点と同じようにひとつ統一見解を私は外務省に要望しておきたいと思います。委員長のお取り回しをお願いしたいと思います。 そこで、それに関連をしてまた契約書に戻りますが、やっぱりこの契約書を見まするとその疑念が出てくるわけです。二ページを見ていただきますと、(b)の項。「「契約官」とは、政府に代って本契約を執行する者及び契約官として正当に指名された係官あるいは職員を意味する。」というこの契約官。これは原子力委員会の所属になっております。これは現地のABCCまで来るのか来ないのか。この辺が一つの問題点です。どうですか。わからないですよ。また、アメリカに聞かなければいかぬでしょう。
○説明員(角谷清君) この契約自体がアメリカ側の、アメリカ内部のものでございますので、われわれは有権的な解釈というものはできかねるわけでございまして、その意味でやはりどうするかは向こう側に照会するということになろうと思います。
○須原昭二君 かくしかじかで、全部これからまた問題点出しますよ、まだこんだけ付せんがついていますから。全部言います。一つ、一つあなたたちはアメリカに聞かなければわからぬのでしょう。だから議事が進行しないのですよ。そこに日本の主体性があるのか。厚生大臣が、ABCCは主体性を持って、自主性を持って運用をすると言われましても、こういう内容では私たちは信頼できません。 今度は四ページにいきましょう。「事業概容」、この(a)の項の三行目です。「本研究は、放射能の生理学的及び生物学的影響の調査、並びに右調査遂行に際し必要とされ、望ましく、又は付随する作業を含む。」と書いてある。日本とアメリカと一緒に仕事をやっておって、その仕事の内容が明らかにならなければ共同作業はできないわけです。この「付随する作業」とは何ですか。わかりませんでしょう。もう一ぺん聞きますか。
○説明員(角谷清君) このものの解釈といたしましては先ほども申し上げたようなことになるわけでございます。ただ、日本側とどういう関係になるかという点につきましては、これはABCCと日本の予研でございますか、との話と、了解ということになろうかと思います。したがいまして、この点につきましてはあるいは厚生省のほうから話があるかと思いますが……。
○政府委員(柳瀬孝吉君) このアメリカの原子力委員会と学士院の間の内部の取りきめは別といたしまして、厚生省の国立予防衛生研究所の支所とABCCとの間では、研究に関しまして、どういう研究について共同研究をするかということ、これは大体四つの研究に大きな柱が立っておるわけでございますが、それぞれにつきまして同意書といいますが、お互いに協定書のようなものを五年ごとに結びまして、そこで、その研究、調査のやり方、内容等について、どういうふうにするかということをきめておりまして、たとえば先ほどの秘密の問題につきましても、その同意書の中で、お互いの所長間で、この研究の結果はきちんと日米両国語をもって公表をいたしましょうというようなことを中身で取りきめておるわけでございまして、研究の内容につきましても、これは死亡調査、それから成人健康調査、それから病理学的調査、それから子孫の死亡調査、こういう四つの研究につきまして、それぞれ共同研究の内容、やり方等について取りきめておるわけでございます。
○須原昭二君 きわめて不明確で、これまた「付随する作業」というのはどういう概念なのか、この点もアメリカに聞いておかなければわからぬでしょう。外務省は直ちに聞いてください。もう問題点ばかりですから、問題点だけ明らかにしましよう。 それからその四行ばかり下へ下がって「契約当事者はABCC活動に日本政府がより積極的に参加することにつき考慮が払われていること、」、こう書いてある。共同研究じゃないのですよ。日本に参加を要請しているだけなんです。厚生大臣がおっしゃるように、自主的、そして主体性を持った条件のもとで共同作業を行なうのではなくして、日本は参加すればいいという付属的な意味がここに明示されているわけです。これは意見として申し上げておきましょう。 さらに、五ページの(c)の項に参りましょう。五ページのまん中辺から「契約者は、作業の進捗状況を委員会に知悉せしめ、」、アメリカ原子力委員会に知悉せしめですよ、「また本契約の下の作業の過程で遭遇することのある如何なる困難についても」、——いかなる困難についてもです。——「如何なる困難についてもアメリカ原子力委員会に知悉せしめることとする。」と書いてある。この「如何なる困難についても」とはどういうことなんですか。日本は治外法権になっておらないから、日本の国内法律があるから、こういう条件があっても無理をしてでも、いかなる困難があっても原子力委員会に知悉せしめること、こういうことなんですか。どうなんですか。
○説明員(角谷清君) これは、いろいろ研究活動を行ないますにあたりまして、ABCCとしてもやはり遂行上、いろいろ困難があるであろうというものを考えますときに、いまその困難の種類あるいは量そういうものがどういうものであっても、これはABCCとしては委員会に知らせるべきだという内部の了解と申しますか、そういうものであると考えます。
○須原昭二君 もう少し明確に、ぼそぼそ言わずに自信を持って言いなさいよ。「如何なる困難についても」というと、われわれの立場から言うならば、いかに日本の国内に法律があっても、これは無視してかかれとは言いませんから、何とか、いかなる法的な網をくぐっても原子力委員会に知らしめよと、こういうふうにわれわれは受け取らざるを得ないわけで、この点も明らかにしていただきたいと思います。 さらに(e)項。「もし、本契約下の作業過程において委員会にとって特別の関心事であると契約者が考える事態が発生した場合には契約者は直ちに」、——直ちにですよ、——「直ちにかかる事態につきアメリカ原子力委員会に報告するものとする。」と義務づけているわけです。直ちにですよ。こういう一連の問題から考えますと、特別な事情があると契約者が考えた事態、すなわちアメリカ原子力委員会が、一方の契約者であるアメリカ原子力委員会が特別の関心事であると断定した場合には、直ちに報告をさせる、こういう規定になっているわけです。日本への報告はどうなるのですか。共同作業でしょう。共同調査でしょう。日本への報告はどうされますか。
○説明員(角谷清君) 日本への報告と仰せられますけれども、ただいま御指摘のものは、これは内部のものでございますから、アメリカ内部の手続ということになるわけでございます。それから「直ちに」という点を御指摘になりましたけれども、これはおそらくアメリカ側としては、とかくこういう契約と申しますか、こういうものはあらゆる、まあ、予想し得る最大限の網をかけると申しますか、わけでございますから、そういう意味で書いたのであろうと想像するわけでございます。 それから日本側との関係につきましては、これはやはり予研との取りきめということになると思います。
○須原昭二君 想像ではいけませんから、こんな重要な問題点を、想像して、かってにやらしておいてはだめなんです。だから、アメリカに聞いてこれまた報告を願いたいと思うんです。 それから四四ページは、これはたしか「会計、記録、監査」の項目でありますが、この「検査」の中で「委員会は、適当な時期及び方法で」云々と書いてありますが、「委員会は、適当な時期及び方法で本契約上の契約者の作業及び活動を検査する権利を有する。」こう書いてあります。そうすると、アメリカ原子力委員会は直接ABCCについて活動を検査する権利があると書いてある。日本は治外法権になっていない。アメリカ原子力委員会は直接ABCC、広島、長崎を調べるのですか。重大な問題点ですよ、これは。これまで許すのですか。
○説明員(角谷清君) この規定は特にむずかしいものではないと思います。内部におきまして、その契約者の作業、委員の仕事、そのやりっぷりと、そういうものを上部団体として委員会が検査する権利を持っておるのだということだけをしるしたものでございまして、別に日本の治外法権云々というようなこととは関係ないと思います。
○須原昭二君 いま御答弁されておりますが、「適当な時期及び方法で本契約上の契約者の作業及び活動を検査する権利を有する。」と書いてあるのですよ。だからアメリカの学士院、すなわち学術会議のアメリカの中のことで検査することについては私は何も言いません。その出先機関である広島、長崎にあるABCCの作業、活動を検査する権限があるかどうか。少なくともアメリカの原子力委員会は、先ほどもくどくどしいことを言っておりますが、平和的利用と軍事的な側面が両方あるのですよ。そういう機関が直接に広島、長崎のABCCに検査に入る権限があるかという、そこなんです。この点を具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(角谷清君) アメリカの機関、ここで原子力委員会になりますが、その機関がABCC、アメリカの機関の活動を検査するということは何ら問題はございません。
○須原昭二君 少なくとも私は、アメリカ原子力委員会の性格というのはあなた方御案内でしょう。原子力の平和的利用の問題と核戦略上の軍事的な側面と両方持ったのがアメリカの原子力委員会ですよ。そういう軍事的な側面を持った原子力委員会が、直接ABCCを検査することは、われわれ日本国民にとって、全く私たちは許すことができないことですよ。そういう行動は、日本の原子力基本法、すなわち民主、自主、公開、平和、この四原則を曲げることになるのです。この点についても、これはもう課題を残しておきます。明らかにしていただかなければなりません。明確にしてください。 さらに七ページにまたもう一度戻りますが、「本契約下の作業遂行期限は一九七五年九月三十日に切れることとする。ただし、本契約の正式な改訂により同期限は延長することができる。」と、こう書いてあります。一九七五年の九月三十日以降どうするのか。本契約の正式な改訂となり、同期限の延長には日本政府はどう対処するのか、この点については明確に御答弁を願いたいと思います。
○説明員(角谷清君) この契約期限は、これはもちろん原子力委員会と学士院の契約書の効力につきまして、アメリカ側の内部でどうしよう、こうしようという問題でございます。したがいまして、アメリカの内部でこれを両者が延長するとかしないとかという問題につきましては、わがほうとして意見を申す等は妥当でないと思います。ただ、これが日本側との関係という問題を生じます側面におきましては、これはその時点で日本においてどう受けとめるかということは、その時点で当然考えるべき問題であると思うわけであります。
○須原昭二君 この問題は後ほど、日米間交渉の結果に待つところが、関連性がございますから、その点のときに譲るといたしまして、やはりこういう文章がある以上、日本政府はどう対処するかという態度ぐらいはやはりいまから明確にしておかなければならない問題点です。これまた、一つ指摘をしておきたいと思います。 そこで、この問題は、やはり問題点は、こうしますよ、ああけっこうですというような口上書交換で、このような重要な問題を処理されてきたところに問題点があるわけです。したがって、去る五日の本委員会でも、私は外務省に対して質問いたしました。今後ABCCを存続させる方法として、口上書のような交換によるものではなくして、やはり二国間の協定——対等、平等の立場において、独立国家としてアメリカと対等の立場で二国間の協定をやる方法が必要だと、こういうことを私は主張いたしました。そういたしますと、まあ、二国間協定でやる方法もあるという御答弁がございました。協定という場合は、概念として国家間のお互いの主体性のもとに合意した権利・義務を明確にしたものです。厚生大臣がおっしゃいました、主体性のあるABCCの運営ということになれば、このような口上書の交換によってきめるのではなくして、私は二国間の協定の締結、こういう形でやらなければ主体性というものは守れない、こう思うわけでありますが、厚生大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私どもは、今日までのいろんな反省の上に立って、今後、まあ、主体性を持った運営に当たるように努力していかなければならぬし、したいと考えておりますが、それがために、二国間の協定でいったほうがいいのか、そういうことは外交上のやっぱり技術の問題がございますので、これにつきましては外務省から答弁していただきたいと思います。
○政府委員(高島益郎君) このABCCを日本に設置しまして、その設置したABCCにどのような待遇を与えるかという点につきまして、従来口上書という形でもって処理してまいりました。将来、いまABCCの日本政府との関係につきまして、これから話し合いがあるというふうに聞いておりますけれども、そのお話し合いがまとまりまして、新しい協力関係というものが設定される場合に、どのような方法で二国間で約束をするかという点につきましては、その時点において最も適当な方法を考えるということで処理したいというふうに思っております。
○須原昭二君 日米間交渉の問題点については後ほど指摘をいたしますが、いずれにしても、政府は口を開けばこの主体性を強調しております、その都度。ほんとうに主体性を強調するならば、なぜ二国間協定という方法をとらなかったのか、ここが問題点です。なぜこの二国間協定というものの方式をとらなかったか。何か理由があるんですか。
○政府委員(高島益郎君) ABCCに限りませんけれども、一般に外国の政府機関あるいは準政府機関を日本に設置し、その機関に対しましてどのような待遇を与えるかという点につきましては、これは国際慣行でございますけれども、どの国でもいわゆる口上書という形でもって処理しております。特に、このような政府機関につきましては、これはあくまでも日本の法令の範囲内で行動すると。したがって、その点につきましては、さらに明確にその口上書の中で、そういう国内法の範囲内で行動するという点が相互の理解の前提になっておるわけでございまして、もし、これが国内法のワク外に出るというようなことでございますれば、これは当然国会の御承認を必要とする条約でなければいけない。協定どころではなくて、条約でなければいけないというふうにわれわれ思っております。そういう点から考えまして、ABCCに限りませんけれども、現在日本にございまする各種の政府機関ないし準政府機関はすべて日本の国内法の範囲内で行動すると。そういう外国の政府機関に対してこういう待遇を与えるということは、もっぱら外務省の設置法に基づきます権限の範囲内で処理し得ることであるという前提に基づきまして承知したわけでございまして、それ以外の特別の理由はございません。
○須原昭二君 私は、非常に外務省はこの問題点については軽く取り扱っておられるんじゃないかと実は思います、いまの御答弁を聞いておりますと。私は、そういうことではなくして、従来の日本の姿勢は予算一つをとってまいりましても十八分の一なんです。こういう少額であるからこそ、先ほどのこの契約書の中にありますように、より積極的な参加を求めるというような、主体はアメリカにあって、まあ、日本は参加してもらえばいい、そして共同という調査の形態だけ保てばいいというものの考えに立っておるのではないのか、そういう状態を黙認しておればこそ、協定というような形でやるとたいへんなことになる、財政的な不安がある、そういう問題点でしり込みをされておるのではないかと実は思うわけです。この点について、私はそうではないかと思うんですが、どうですかね。財政的な問題じゃないんですか。
○説明員(角谷清君) 口上書にするか、国際協定にするかという点は、別に特にそれとは関係ないと存じます。これは、ただいま条約局長から御答弁申し上げたとおりの法技術上の問題であろうと思います。 で、自主性云々の点につきましては、これは今後ABCCの仕事を日本側としてもどういうふうにやっていくかという実際の政策の方針の問題でございまして、これはむしろ厚生省のほうから御答弁いただいたほうがよろしいかと思いますが、政府としては、この自主性と申しますか、日本側がより大きな任務を、仕事をしていくと。したがって、財政的にもより多くの負担を分担をしていくという方針と了解しております。
○須原昭二君 きょうの段階では私はこういう明確な答弁が出てこないであろうという予想に立って質問とっておりますから、この点は後ほどまた指摘をすることとして、いずれにしても、アメリカ原子力委員会の性格、そういう問題点と、契約という形式をとって、この出先機関が原子力委員会なのか、あるいは学術会議なのか、アメリカ大統領の直属であるのか、はっきりしません。そういうはっきりしないままに、ただ一片のあいさつ文で確認をし合うというような安易な手続きの方法では私は適当ではない。これでは国民の多くの疑惑を招くのは当然だと言わなければならないわけであって、したがって、二国間協定をするのかしないのか。これをするのがほんとうだと、もし、ABCCを存続をさせるということであるならば、二国間協定というような独立国家として主体性を持って臨むべきである、こう思いますけれども、この二国間協定の問題と、そして先ほどのこの出先機関の、どこであるか、この問題点については統一見解をひとつ出していただきたいと思います。できないならできない。なぜできないのか。そういう統一見解を後ほど出していただきたいと、かように思います。 さらに、それに付帯してちょっと申しおくれておりますが、もう一つ資料要求をしておきます。 契約書の一番下に、実は罰則の問題に関連をして、秘密を漏らした場合には罰則規定があったけれども、実は今度は抽象的になっております。しかし罰することの権限はあると規定されておりますが、そうした問題点は、この目次の一番最後に「付録A人事政策」「付録B契約の追加規定」「付録C米合衆国内における活動に関する契約の追加規定」これを削除されております。聞くところによりますと、外務省にあるそうでありまして、翻訳をいま、ただいまやっておるということでございますから、後ほどでけっこうでございますから、膨大ということですけれども、ぜひともこの資料提出をお願いしておきたいと思います。委員長お願いいたします。
○委員長(矢山有作君) 高島条約局長、いまの須原君に対する答弁にあわせて、あなたの先ほどの口上書問題に関連する答弁で、ちょっといままでのあなたの答弁と比べてかなり食い違っておるところがあるような気がしますので確かめたいのですが、あなたは、かつてこういう機関の設置を口上書という形式で認めたことは、いまになって反省をしてみると、必ずしも適当ではなかったと思うというような答弁をたしか衆議院かどこかでやっておられるとぼくは記憶しておるのです。だから、そういうことがあったのかどうか、これはあなたの記憶をたどって確認してください。 それからもう一つ、口上書で設置を認めるというような場合というのは、たとえば法令の範囲内で行動することが前提となっておると、そういう場合には口上書で認めることがあると、こういうことですね。ところが、私はそこで一つ疑問を感ずるのは、ABCCというのはアメリカ原子力委員会とアメリカの学士院との契約に基づいて、そして設置をされ、その契約に基づいて活動しておるわけです。したがって、ABCCのその活動が、すべて日本の国内の法令に沿って活動できるという、活動するのだということが保証できるのかどうか。たとえば第一回目のあれは何年でしたか、一九四八年の最初の契約書あるいは今度の新しい七〇年の契約書を見ましても、やはりABCCの活動の中には機密に属する部分がかなりあるような感じを受けます、この内容を目を通してみて。そうするとABCCの活動というのは、いわゆる原子力の利用に関する、広義にいうなら原子力の利用に関する研究ですから、そうすると原子力の利用に関する研究というのは日本では公開が原則です。ところがABCCは、先ほど言いました契約書に基づいてやっておるわけですから、その中にはいかに日本側が強弁をされようと、機密として扱われる部分があるはずです。そうすると、そのABCCの活動がすべて国内法令に従ってやっておるということは断言できないのじゃないかという感じがするわけです。そういうような重大な機関を口上書で設置を認めたということは、私は問題があるんではないかと思うし、そういうあなたに認識があったから、かつての答弁では口上書で設置を認めたことは必ずしも適当ではなかったというような意味の答弁があったように記憶しているのです。話が前後しましたが、その点であなたの見解を須原君の質疑に対する答弁にあわしてお示しいただきたいと思います。
○政府委員(高島益郎君) いま委員長御指摘の私の答弁と申しますのは、私は、この関係では一回しか出席したことございませんので、おそらく昨年五月二十四日の衆議院におきます科学技術振興対策特別委員会、そこでの田中先生からの御質問に対する答弁じゃないかと思いますが、いま委員長御指摘のような趣旨のことを私、お答えしたつもりはございませんで、このときは、要するに田中先生の御指摘は、過大な特権を与えていると、その点は大問題だという御指摘がございまして、そういう点はやっぱり修正しなくちゃいけないと思うということを率直に私、認めた趣旨の答弁はございますけれども、口上書ではいけなかったんではないかという趣旨の答弁をした覚えは私ございません。 それから、第二点の委員長の御指摘の点につきましては、私、先ほど原則論といたしまして、要するに、日本がアメリカに限らず、外国との間にこういう政府機関ないし準政府機関の設置を認める場合には、大前提として日本の法令の範囲内で行動するんだということが相互の理解であると、そうでなければ認めることはできないということを申し上げました。私実はその点に関しまして、このABCC自体がどのような活動をしているか、また、それが日本の原子力基本法に背馳するかどうかという点につきましてはつまびらかにいたしませんけれども、あくまでも原則はそうでございます。その範囲内でしか認めるわけにはいかないというのがたてまえでございます。
○委員長(矢山有作君) そういう御答弁があると、そのまま済ましておくわけにはいきませんで、原子力委員会の活動が外務省としてつまびらかでないままに口上書で設置を認めるというならますます矛盾になってくるんじゃないですか。口上書で設置を認める場合には、その設置を認める機関は、法令の範囲内で行動することが大前提になるわけですから。したがって、ABCCのように、日本政府が直接関知しない、アメリカ側の契約書によって日本に設置をされて活動をしておるわけです。そうすると、その活動が日本の法令に準拠して行なわれるというこれは保証はないわけです、現実に。そういう重大なものを口上書で認められるということが問題。しかも、ABCCの活動内容についてその口上書で設置を認められた外務省は、ただいまの高島条約局長の発言によれば、認識がないという、どういうことをやっているのか中身を知らない。中身を知らないで、活動の中身を知らないで、口上書で、こういうものの設置を認めるということは、ますますこれは問題じゃないですか。
○政府委員(高島益郎君) ただいま申しましたのは、私自身が個人として承知しておらないということを申しましたものでございまして、外務省としては当然口上書によりまして、こういうABCCを認める際にはいろいろ検討いたしまして、この活動が日本の国内法に抵触しないということを確認することが必要であろうというふうに思っております。
○委員長(矢山有作君) じゃ、ついでですから、あまり長くなると思ったからやめようと思いましたが、一言だけ。 それは、政務次官お見えですがね、ABCCの活動が国内法令に違反することなしに、確実に行なわれるんだという確証の上に立って外務省は口上書を認定されたんでしょう。高島条約局長は御存じないはずですが、外務省としてはいまの発言によれば知ってやっておるんだと、こういうことなんです。その点どうなんですか。
○説明員(角谷清君) 外務省といたしましてはもちろんこのABCCの任務、仕事、これは日本の国内法に背馳するものではないという認識で当初は発足しておるわけでございます。
○委員長(矢山有作君) あまり長くなるからやめたいのですがね。そういういまの答弁はね、角谷参事官。かなりあなたのいままでの答弁と矛盾するのですよ。というのは、この新しい契約書の中身ですら、あなたはアメリカと相談してみなければ、聞いてみなきゃわからないという答弁を続けておられる。そういう答弁を続けておるときに、いまのような答弁というのはつながらないわけですよ。ですから、ABCCの活動内容は知らないままで、口上書で設置を認めたんなら認めたとはっきり認めなさい。そうすれば、これはまた別個の観点から議論になるところなんです。それを牽強付会によって言い抜けをしようとするからね、ますますうその上にうそを積み重ね、矛盾の上に矛盾を積み重ねることになるのです、答弁が。
○政府委員(水野清君) ただいま参事官から説明をいたしましたが、不十分だと思いますが、ABCCの活動範囲というのは予研との契約もありましてこれが条文に明記をされております。条約局長が先ほど来申しましたのは、個人的にということでございまして、もちろん条約局長として知らなくちゃいけないことでございます。いまここでは存じ上げないということを申したわけでございます。担当の局はやっぱりアメリカ局でございますから、そういう意味で、気楽な意味で申し上げたんだろうと、こういうことでございます。
○委員長(矢山有作君) どうもね、私がしゃべると、またしゃべり過ぎだという話が出そうなんですがね。ちょっと違うんですよ。つまり、ABCCは、アメリカ原子力委員会と学士院との間の契約によって活動しているわけですね。その契約内容については、先ほど来の角谷参事官の答弁によると不明なところがたくさんあるわけです。特に機密問題に関連して。そうすると、そういうものがね、R本の法令に準拠して活動する機関なのであるということを断言できるような情勢ではないでしょうと、したがって、そういうようなものを口上書でお認めになるということは、先ほど高島条約局長のおっしゃった、法令の範囲内で行動することが前提になっておる。口上書で設置を認める場合はね、これが前提になっておる。こういう発言と照らし合わせて、矛盾じゃありませんかと申し上げておるわけです。したがって、こういう機関の設置をやる場合は、当然何らかの協定とか、交換公文とか、正式なそういう二国間の合意によるべきじゃありませんかと、正式の二国間の合意。そういう意味で申し上げておるのです。誤解のないように願いたい。その点は。
○政府委員(水野清君) 委員長のお話のとおり、このABCCがアメリカの原子力委員会と、アメリカの学士院でございますね、その間の契約によって運行されており、そのためにアメリカのこれは政府機関内のことでございますから、ABCCがいろいろな検査を受けるとか、いろいろな制約を受けるということは私はあろうかと思います。それは先ほど来この契約書の中にも明記されておるとおりでございます。しかし、日本側としましては、これは予研との間に契約書ができております。活動範囲というものは、私は文章上明確になっておると思います。それで御理解をいただけると思います。
○須原昭二君 どうも政務次官のお話を聞いておっても明確になりません。契約そのものは、アメリカ原子力委員会と学士院の契約はアメリカ国内のことであると、これはよくわかりますよ。しかしながら、事、ABCCの設置場所は日本にあるのですから、ABCCの運営あるいは作業内容は、日本の国内の要するに法律に準拠して行なわなければならない。こういう点はおわかりになりますね。ただし、そのどこでそういう国内法を守るかという確証が実はないわけですよ、いまのところ。いろいろお尋ねしても、契約の内容すら参事官は御理解願っていないのですから、ですから、それをどういうところで保障するかという確認がどうしても私は必要だと思います。そういうことも、これは議論をしておってもこれはらちあきませんから、これは後ほど、ひとつ統一見解といいますか、外務省の見解を、はっきりとわれわれが理解できるように、そういう見解をまとめて後ほどひとつお出しを願いたい。委員長、お願いします。 そこで、さらに進めてまいりますが、今度はABCCの今後の問題、現在の運営の問題について入りたいと思いますが、せっかく政務次官お見えになりましたから、先ほど、休憩前も大平外務大臣自身が協定の契約の内容、あるいは口上書によって運用されておるその実態、そういうものについてあまりつまびらかに御理解を願っておらないような気がするわけです。ですから、あまたの問題点を、疑点を私たちが御質問いたしましても、参事官はもちろんのこと、大臣もあまり明確なる答弁が出てきません。ですから、どうぞひとつ、大臣にお伝えをいただいて、早急に私が指摘した問題点についてわれわれが理解できるような御回答を即刻賜わりまするようこの機会にお願いしておきたいと思います。 そこで、現在のABCCの状態について若干関連をしてお尋ねをいたしておきたいと思うのですが、薬務局長さん、長いことお待たせをいたしました。さっそく入りたいと思いますが、私が仄聞をいたしたところによりますと、ことしの四月二日、新口上書が締結された直後、四月九日、中国地方の麻薬取締官事務所の勇捜査課長ですか、この方が中心になられまして、広島にあるABCC施設内に立ち入り検査を行なわれたという事実がありますが、事実でありますか。この点だけ、事実だけ聞いておきます。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘の、立ち入り調査をいたしましたことは事実でございますが、時日は御指摘のときより少しおくれておりまして、五月九日でございます。
○須原昭二君 失礼いたしました、五月九日ですね。その結果、私が聞いたところによりますと、多量の麻薬が発見をされた。どのような麻薬か、どれだけ、どこから入ってきたものか、この点は搬入経過について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 当日の報告によりますと、五月九日現在で在庫いたしておりました麻薬は、リン酸コデインシロップ五千八百二十六ミリリットル、硫酸コデイン二百三十四錠、ダーボン二千カプセル、塩酸ペチジン百九十四錠、リン酸コデイン四百十一錠、硫酸モルヒネ注三十一本。これはいずれもABCCの回答によりますと、必要のつど米国学士院あてに麻薬の送付を依頼いたしまして、米国学士院から軍事郵便で岩国基地に送られまして、これがABCCに搬入されていたと、そういう報告でございます。
○須原昭二君 この麻薬の問題については、ベトナム戦争以来、いわゆる沖繩を経由してすでに日本に入ってくるという経過が非常に多いわけでありまして、厚生省が麻薬取り締まりについては非常に鋭意努力をされているその姿に対しては敬意を払います。しかしながら、軍事基地という問題点がここに介在をして、いわゆる治外法権でありましたところのABCCがその搬入経過の一過程にあるのではないかというおそれが実はあるわけであります。御案内のとおり、ABCCのいままでの特権というものは関税の免税、米軍の岩国基地から軍の物質を購入できる、米軍の岩国基地の物資の輸送、郵便の利用ができるわけです。さらに、ABCCの外人の、アメリカ人の職員の特権として、所得税・地方税の免税、米軍岩国基地から軍の物資の購入ができる公的パスポートを持っておるわけでありまして、実は、この問題は衆議院で指摘をされておりまするけれども、沖繩基地において多くの麻薬が軍施設から出てきた、軍病院の中から出てきたという経過が、これは衆議院の内閣委員会でしたか、指摘をされました。ですから、この問題には触れませんけれども、四十六年の十月十五日、十七日、十八日、この三日間にわたって沖繩基地から岩国基地へ、かつて麻薬が戦闘機の翼に隠されて搬入された経過が新聞紙上に——ここにありまするけれども、毎日新聞にも書いてありますが、出ておるわけであります。 そういうABCCはいま医療行為が行なわれているというようなことを聞きましたけれども、現地の被爆者の皆さんからお話を聞くと、医療行為をあまりしていない。していないのにこのような多量の麻薬等があるといういうことについては、いささか私は疑念を持たざるを得ないわけであります。この麻薬取締法違反で、一カ月たった後でありまするけれども、今後におけるところの麻薬取り締まりについてどのような態度で臨まれるのか、薬務局長の所見を承っておきたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のように、四月二日以後におきましては外交官に準ずる特権を持たないという形になりますので、それまでの時期におきましては、国内法の適用について、特に麻薬取締法等の罰則が適用されない関係で、麻薬がいま申し上げたような経路で搬入されていたわけでございますが、四月二日以後におきましては、当然国内法に基づいてまず、麻薬を用いてその治療に当たる医師が麻薬取締法に基づきます麻薬施用者としての免許が必要でございます。これを確実に指示をいたしまして、この免許の申請につきましては、これは御案内のように知事あてでございますので、保健所を経由し、知事を経由いたしまして、すでに県に提出されて現在手続中でございます。 それから麻薬の入手につきましても、現在持っております、いま申し上げました五月九日現在で確認いたしました麻薬につきましては、これは国内法に基づきます成規の手続を経て入手したものではございませんので、また、内容につきましても、日本では麻薬に指定されておって、アメリカでは麻薬になっていないというようなものもございます。表示もグレーンをもって表示しているというようないろいろな違いもございますので、全部これを廃棄をさせる、職員を立ち合わせて廃棄させるという指示をいたしております。これは確実に実行いたします。 で、そういった諸般の手続によりまして今後は、医療法に基づいてABCCの中に設置されております診療所において施用される麻薬につきしては、全部国内法である麻薬取締法の規定に基づいて施用させる、そういうことを確実に指示し、向こうもそれを守ることを誓約いたしております。
○須原昭二君 参考までにお尋ねしておきますが、麻薬の施用者は日本人ですか、アメリカ人ですか。
○政府委員(松下廉蔵君) 現在申請が出てきておりますのは、当該診療所に勤務いたしております日本人の医師でございます。
○須原昭二君 これはひとつ、いま沖繩の軍事基地あるいはまた軍病院ですら麻薬が隠されておったという事実から関連をして、非常に重大な関心を持っているわけです。したがって、ABCCが治外法権でなくなった以上は、的確にひとつ掌握をして指導していただくよう要望しておきます。七そこで、次は人事の問題に入りたいと思いますが、ABCCはアメリカ人が主体の機構になっています。ABCCの代表の所長はすべてアメリカ人で占められているわけです。総務、統計、病理、医科社会学、臨床検査、放射線、臨床の七部がありまするけれども、医科社会学の部長、現在では和田さんだけが日本人です。あとはすべてアメリカ人で運営されているわけです。現所長のアレンさんはかって副所長の肩書きを持っておった人でありますが、現在、この副所長は空席になっています。予研の支所長はABCCの準所長というあいまいなポストを兼任をしている。副所長と準所長とはどのように解釈すべきか私は判断に苦しむわけですが、この関連性はどうお考えになりますか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおり予研の支所長がABCCの準所長というような形でなっておりますが、これはいわば名誉所長といいますか、そんなような関係でございまして、しかしながら、やはり今後のABCCと予研の共同研究のあり方という面から考えますと、そういうそれぞれ自主的な機関としてお互いにこれから協力していくという関係から申しますと、そういう準所長というようなあいまいもことした地位というようなことは好ましくないというふうに考えますので、そういうような扱いは今後しないように現在指導しておるわけでございます。
○須原昭二君 広島、長崎の支所長は損さんと永井さんですが、槇さんは二十五年も同じポストにずっとお見えになります。あるいはまた永井さんについては十六年間ですか、同じポストにお見えになります。人事が停滞をしております。同時にまた準所長だとか副所長だとかというあいまいもことした、そういう実は立場にあって、この準所長のポストづくり、これがアメリカ偏重の批判をかわすために置いてあるのではないか。形は日米共同研究機関のABCCと言っているてまえ、こういうことをやむを得ずやっているのではないかと思うわけで、この点を私は明確にすべきだと思います。したがって、二十七年間も戦後ずっと所長でおる、あるいは十六年間もおる。七十歳の高齢である。人事が停滞をしておりまするが、その点はどう処置をされますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) あいまいもことしておるような地位というものは、先ほど申し上げましたように、この際、疑わしい誤解を受けないように、きちんとするようにしたいと思います。人事の停滞の問題につきましては、仕事が仕事でございまして、やはり相当練熟した医師というものが引き続き所長としての任を果たして、やはり御活躍をされて、その功績を持っておられるわけでございますから、それはその面でまた大いに意義があることと思うんでございますが、しかしながら、御指摘のような面もありますので、これについては早急に検討したいというふうに考えております。
○須原昭二君 早急に検討をするというお話でありますが、やはり現地の被爆者の心情からいいますと、こういう準所長というようなポストをつくって、そして、あたかも日米共同研究機関のような体裁を保つためにそういうことをしておるのではないか、そういう批判を、国民の、被爆者の批判を避けるために厚生省みずからそれを手助けしているんじゃないかと、こういう異論もあるわけですよ。日本の全官庁の中で戦後二十七年間同じ支所長にすわっているような、同じポストにすわっているような人がありますか。あったら具体的に出してください。それをいまごろまだ検討をする、こんなことで私たちは引き下がるわけにはいきませんよ。明確にそれを刷新するという意気込みぐらいはやっぱりこの機会に明らかにすべきだと思います。厚生大臣、どうでしょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来だんだんのお話、私も実は非常に傾聴いたしておるわけでございます。二十数年前、これができた当時はいろんないきさつがあったでしょうが、何ぶんとも向こうが膨大な費用を負担し、こちらがわずかということでございますので、共同研究というのにはまことにおはずかしい。私は実際率直に認めたらいいと思うんです、率直に。どうも名前は共同研究だが金は向こうがたくさん、膨大に出す、こっちは十八分の一とかというお話でございます。ですから、これはなるほどこういう状態のもとで私が主体性をなんてなことを言いましても、聞いているほうが本気になさらぬのは私はあたりまえだと思います。そこで、どうしても共同研究について主体性を確保するということであるならば、やっぱり日本政府も応分の金を出すというふうなことがまず前提であろうと思います。そういうふうな前提の上に立って、いま申し上げましたような人事の問題もおのずから改めていかなければならない、かように私は考えております。先生は具体的な人を名ざしてのお話しでございますが、その点は多少私も控えさしていただきますが、やはり時が来れば人事の刷新、これはもう当然必要なことではないかと思いますが、あまり具体的なことになりますと、私も私の部下でございますので、ここでどうするああするということは言いにくいわけでございますから、その点は差し控えさしていただきますが、やはり将来の方向として、共同研究の主体性を持つというならば、それなりの体制を確立する、これが最も大事なことだと、私はさように考えます。
○須原昭二君 まあ、個人的な名前を出して非常に恐縮でありますが、やはり現地の声を聞きますと、そんなにゆうちょうした問題点ではないんです。ここで明確に首切るとか配置転換をさせるというような答弁を私は得ようとは思いません。しかし、この際は厚生大臣、ひとつしっかり腹に持ってこれを、人事の刷新をしていただきたいと思います。ついででございますから、一人あげたものは三人あげようも一緒ですから、もう一人あげますけれども、長崎支所の大田庶務課長などは、自分の部屋にテレビはもちろんのこと、冷蔵庫まで入れて、ビールまで入れて、あまり仕事もせずにふんぞり返っているという話です。これでは現地の日本の国民は、被爆者の皆さんは、まあアメリカから十五万円も、五万円も、十万円も、三十何名がみんなもらっておるんですから、日米共同研究というていさいだけ整えるために人事配置をして、そしてアメリカの言うなりになってハゲタカのように遺体あさりの役目だけやっているというような感じを抱くのは当然だと思う。この全体についてひとつ人事の刷新を要望しておきたいと思います。 そこで問題点の、今度はABCCの運営と、四月二十五日から三日間行なわれました、外務省で、二十一年ぶりだそうでありますが、あれだけ問題になったABCCの運営について二十一年ぶりに日米交渉が開催をされたというところにまた一つ問題点があるわけです。なぜ二十一年間もほかっておいたのか、この問題はもう問いませんけれども、いままでの質疑の中できわめてあいまいもこであり、あまりにも主権がアメリカにあって、追従をしてきた経過からいってもう言うまでもありませんが、私の調査によりますと、この日米交渉の中で米国側は今後のABCCのあり方について、日本に対して三つの要求課題を出したと聞いております。私の言っていることが間違いかもわかりませんから、もし間違っておれば御訂正を願いたいと思いますが、まず一つは、調査、研究のテーマ別に米国と日本側との分担制をしこうではないか、これが一つ。 二番目は、日本の法律によって特殊法人を設置して日米双方の代表者によってこれを支配する、これが二項目。 第三項目は、ABCCの職員を今後、将来にわたって数多く予研のペイロール、使用人名簿に移していく、こういうことが提案されたと聞きますが、この点はほんとうでしょうか。その真実性に ついて、イエスか、ノーか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) いまお話のありました点はいろいろな相談の過程で向こうからそういう考え方も一応出されました。ただ三番目の、職員を予研の職員にというのじゃなくて、たしかこれはABCCが使用している職員の人件費を日本政府で分担してもらえぬかと、こういうふうに理解しております。
○須原昭二君 これは学士院のローゼンタール財政部長が報告をしておることですから、アメリカ側で。ですからこれは明らかだと思うんです。そこで第一項目の問題点については、政府は、日本の政府は反対をしたそうですが、そうですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) これは反対をいたしまして、米側もやはりこれは無理だろうということで了解しております。
○須原昭二君 第二点、第三点については、八月末までに回答するということであちらに通達をされておるそうでありますが、そうでしょうか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 第二点の特殊法人をつくって、という問題につきましては、これは私どものほうでもこれは非常に無理な問題であるということで、ABCC側も、なるほどよく聞いてみると非常に無理な問題であるというふうな認識を持ってもらったと思います。 それから、三番目の問題は、これはやはり予算に関係する問題でございますので、人件費も含めまして研究費あるいは今後の運営費その他の問題について日本側としても主体性を持って、口も出すかわりに負担すべきものは負担しようということで予算編成の終わる時期までには明らかにしてこれを米側に連絡ないし伝えたいと、こういうふうに考えております。
○須原昭二君 八月末までに報告するということはほんとうなんですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) これはABCCと日本側との共同研究を今後どういうふうに持っていくかということの具体的な詰めをいまやっておるわけでございますが、これが構想が固まり、その裏づけとなる予算がやはり問題になるわけでございますから、そうするとやはり予算審議の内容にもなってくるわけでございます。 したがいまして、大体恒例といたしまして、九月初旬に大蔵省に予算を持ち込みますから、それまでの間に予算編成を通じましてABCCとの共同研究に対する予算的な裏づけというものをどうするかということがきまるわけでございますから、きまったものはアメリカ側にお話をしたいと、こういうことでございます。
○須原昭二君 そこで、具体的にこの二項の問題については、そんなことは無理だと、こうおっしゃっておるわけですが、私の考えるところによりますと、特殊法人にした場合、米国が言っていることは、米国は理事者を十二名として、資金の出資割合に応じて日米間の理事者数の分配を行なうという提案をしているようです。少なくとも日米対等、日米のお互いの自主性を高めようとするならば、やはり人事も六対六でなくてはならぬと思うわけです。それには当然予算措置が重大なかなめになることはいまおっしゃったとおりでありまして、今日その人事と予算の関連を見ますると、一九七二年度、ABCCの予算は四百九十六万七千九百八十二億ドル、一ドル三百二十円と計算して十五億八千九百七十五万五千五百二十円と、こうなるわけですね。昭和四十七年度の日本政府の予研支所の決算見込み額を見ると、八千七百六十四万五千円、昭和四十七年度の日本の財政分担比率は、日本の一に対してアメリカが一八・一になるわけです。しかも四十七年度に比べて四十八年度の日本の政府の予算増加額はわずか五百七十万四千円ですよ。これはなぜ私は数字を明らかにしたかというと、厚生大臣が言っておられるように、この点は自主性を高めていく、主体性を強くしていくという立場からいうならば、やはりこの問題点が、予算措置が大きな私はかなめになっておるということがいえると思うのです。こういういまの一対一八のような姿では、これではいま厚生大臣がおっしゃるように対等、平等ではなく、主体性も自主性も持つことはとうてい不可能です。四十九年度の予算でどのように手当てされていくかというところにこれからのABCCの問題点がひそんでおるといっても私は過言でないと思うんですが、その点はどう対処されようとされますか、厚生大臣。
○国務大臣(齋藤邦吉君) これは先ほど来お答え申し上げてありますように、この原爆被爆者に対する医学的な研究というのは私は非常に大事な研究だと思います。したがって、この研究はできるだけ長期に継続さしていく必要がある。こういう前提に立って、そして、このABCCの問題につきましては、あくまでも共同研究の実を備えていくと、こういうふうにすべきであると考えます。そういうふうな考え方から問題は予算でございまして、日米の間に十分話し合いをいたしながら、来年度の予算において思い切った増額をするような概算要求をする必要があると私は考えておるわけでございます。そういう意味においてできるだけ早い機会と申しますか、八月末までに、大体の日米間の話し合いを多少もっと詰めていただいて、八月の末の概算要求の際に、いままで申し上げましたような研究についての主体性を日本が持ち得るような応分の予算の増額というものを思い切って出すべきではないか。で、それを実施することによって、人事の面において、運営の面において初めて戦後二十数年、おしかりをいただいておりますが、長いことかかりましたが、そこで初めて日米共同の主体性を持つような調査、研究ができるのではないかというふうに私は考えておるわけでございます。なかなか一挙に予算を増額するということは非常にむずかしい問題も私はあろうと思います。しかしながら、いままでのような状態で放置することが、日本のためにいいことであるかどうか、そういうことを十分判断して、最大の努力をいたしたいと、こういうふうに私は考えておるところでございます。
○須原昭二君 ことしの予算ではございませんが、五百七万円のわずかな増加額では来年度は何としてもだめだと思うんですね。ですから、これは抜本的にこの日米対等の共同研究にもしするとするならば、もういま厚生大臣がおっしゃるように、ほんとうに抜本的手当てをしなければならないと思います。ぜひとも、ひとつこの点はやっていただきたいと思う。 それと同時に、もう一つは、現在ABCCは米国の学士院のローゼンタール財政部長の報告によると、あちらで報告しているんですよ、アメリカで。七四会計年度、米国の収支決算額で約百万ドル、一ドル二百五十円ですかいま、二百五十円として換算して二億五千万円の赤字が予想されるといっておるんです。この解決の方法として、収入増をはかるために、先ほどから申し上げておるような日本側からの資金の増額を要求するか、それとも、それができないとするならば、現在の人件費を削減をするために、人員の削減、賃下げを行なうといって、逆に今度はABCCに働く四百五十名の労働者におどしをかけているというのが実態なんですよ。こういうABCCの職員の立場からいうならば、私は非常に遺憾といわなければならないわけでありますが、この点に対して政府はどのように対処される御決意ですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) お話のような百万ドルぐらい不足するだろうというような話も漏れ聞いておりますが、私どもは先ほどの日本側が主体性を保つためにも、応分の負担すべきものは負担すべきだという考え方から、大幅な予算の要求を来年度いたしたいと思っておりますが、これがたとえば研究費なりあるいは施設・設備費あるいは運営費、そういうもので負担がされるということになりますと、アメリカ側は、それだけ負担が軽減されるわけでございまして、アメリカ側は日本と財政制度といいますか、予算の制度が違っておりまして、人件費とか設備費とか運営費とかいうのが、まあ、がらがら計算といいますか、でやられておりますけれども、その負担減の部分は、それは人件費の面にもプラスにすることもできますし、研究費のほうにプラスにすることもできるというような考えでございまして、私ども大幅な予算を獲得するということがはね返ってそういうことの解決の一助にもなるというふうに考えております。
○須原昭二君 それで、その米国側のABCCの日本人職員ですね、まあ四百五十名ぐらいお見えになるそうでありますが、今後半数にして予研に移していこう、そして日米両国によって管理すると、こう書っておられます。現在あるABCCに働く職員の皆さんの、まあ労働組合の立場からいうと組織の分断の色彩も強いと思いますが、こうした米国の提案に対して政府は予研の中へ繰り入れていかれるつもりがあるのですか。もし繰り入れられるとするならば、全員、この際主体性を守るために、ABCCの職員はアメリカの指揮下にあるのではなくして、予研の中へ全部包含をしたほうが私はすっきりするのではないか、こういう感じがしますが、政府はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 先ほど申しましたように、研究費、運営費あるいは器材器具の経費というものを負担するということは、まあこれはお金の問題でございますから、相当の努力を払ってひとつ進めていきたいと思うのでございますが、人の問題になりますとこれはなかなかむずかしい問題でございまして、国家公務員の総人員を漸次削減していこうという方向にある時期に公務員を大量にふやすという問題につきましては、いろいろむずかしい問題もあるわけでございます。ただ、予研の機能の拡充という面からある程度の機能の強化というようなことは考えていかなきゃならないのじゃないかなあという点で、検討をしてみたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、先ほど首切りという問題とかございましたが、昨年もこのABCCのほうでベースアップ等の問題で、アメリカ側はお金がないというようなことで相当のあつれきがありまして、まあ、あれはたしかストも行なわれたように聞いておりますが、これも国内法に基づいた手続をもちまして中央労働委員会のほうに提訴いたしまして、中労委の裁定によりましてアメリカ側はこれだけの負担をすべきであるというような裁定がありまして、それにアメリカ側も服しまして、その財源的な手当ということをやった経過もあるわけでございまして、したがって、非常に不当な首切りをやるというようなことは現状ではなかなかむずかしい問題じゃないかというふうに思っております。
○須原昭二君 私は、首切りとは、まだそこまでは言及しておりません。賃下げです。賃下げというおどしをかけておるということを聞いておるわけで、そういうものに対して、これから日米交渉の過程の中でどう論議されていくかということを、後ほどでいいから御答弁をいただきたい。 そこで、関連をして申し上げておきますが、さきの本委員会でABCCと予研の癒着の具体的な事例として私は一つあげましたね。予研の所長が十五万円、それから末端の下級職員に至れば千五百円、三十二名の皆さんが、予研の皆さん全部、アメリカからお金を何らかの形でもらっておるわけです。これはもう公然たる事実なんですね。それは厚生大臣もお認めになって税金まで払っておるというのですから、これは当然、この間——その後何か新聞報道によりますと、まあ拒否をする、受け取らない、こういうことでありますが、はっきりこの席を通じてもう受け取らないのかどうか、この点を明確にしていただきたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先般の御質問がございました、辞退させたらどうか、こういうお尋ねでございましたが、まあ、しかしそうは申しましても、今日まで、好ましいことじゃありませんが、受け取っておったという事実も、これは無視することはどうであろうかという感じがいたします。そこで、私としては、仰せのとおり、国家公務員がそうしたところから月にきまって金をいただくということは好ましくない、こういうことで、筋を通しながら、暫定的には本人の経済的なそういう事情も十分頭に描きながら、合理的な解決をはかるように努力をいたしておるわけでございます。直ちに辞退させる、打ち切るということは簡単なんです、簡単でございますが、やっぱりその人たちの経済ということも私は考えてあげたいと考えておりますので、筋を通しながら、暫定的な措置を講じつつ正しい方向に解決をいたしたい、こう考えておりますので、今日のところは、もうちょっと具体的なやり方については、私の答弁を差し控えさしていただきたいと思いますが、先生の仰せになりました筋は必ず通します。しかしながら、本人の経済ということも考えてあげたいと私は思います。そういうことを考えながら、もう少しお待ちをいただくようにお願いをいたしたいと思います。
○須原昭二君 筋を通すということは、率直に、端的に言うと、何か厚生大臣こう口の中でもごもご言っておられますけれども、そんなような感じがするのです。筋を通すということはアメリカからもらわないということなんです、そうなんでしょう。もらわなければ、いままで二十何年間、所長は十五万円、下級末端の職員は千五百円程度、いずれにしても何らかの名目でもらっておった。しかも、これは厚生省も認めておった、税金もちゃんと取っておった。いわば公認してきたことなんです。したがって、いわばもらっておる労働者の立場から言うならば、私は既得権だと思います。だから筋を通してするならば、アメリカからもらわない、もらわないとすれば、日本の政府は、これを補てんをしてやるというのが当然の義務ではないか、経過からいって当然ではないかと私は思うわけですが、柳瀬審議官は、なかなかそういういい方法がないということを個人的にお話しになりました。あるんですよ、あるんです。やればやれるのですよ。なぜやらぬのですか、方法はないですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 大臣も御答弁申し上げましたように、ABCCから、いわゆる給与の一部というような形で金銭の給付を受けるということは、これは好ましいことではございませんので、できるだけ早い機会にこういう形態はひとつ取りやめるような方向で処理をしていきたいと思っておるわけでございますが、ただ、先生がおっしゃいましたような、じゃ、それを何らかの形で日本政府で負担できないかという問題になりますと、現在の段階で非常にむずかしい問題でございまして、給与の低いという、ある特定の国家公務員だけ給与を別に支給するということは、これは給与法上もできないわけでございまして、また、そういうことができますれば、これは現在いろいろ国立病院の看護婦が給与が低いとか、いろいろな点で指摘を受けているわけでございまして、まあ、ABCCの問題につきましても、これはもともとはアメリカの給与水準と日本の国家公務員の給与水準の違いから起こってきている問題なのでございまして、そこで、そういう国家公務員全体の給与問題との関係もあるわけでございまして、ある特定の公務員だけに上乗せして給与を支払うということはなかなかむずかしい問題である、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○須原昭二君 いや、特定の公務員だけに特別別に手当を増してやるというものの考え方ではなくして、もともとアメリカからもらっておった、それは筋が通らぬということになれば、それを認めてきたあなたたちに責任があるわけですよ、そうでしょう。あなたたちが認めておいて、もらっておけもらっておけと言ってもらっておいて、税金まで取っておいて、それで今度は筋が通らぬといって指摘をされたら、筋を通すと、それはけっこうですよ。そうしたら打ち切りごめんということでは既得権はどうなるんですか。 そこで私は率直に申し上げますが、特定の公務員に割り増しをするということはいかぬとおっしゃいますけど、いろいろやり方はあると思うんですよ。厚生省の会議費の運用の問題でも、出せば幾らでもあると思うんですよ。一千万や一億いう額なら私、話はわかる。たかが五十万か六十万のことじゃないですか。所長が十五万円もらってる——こんな高級官僚のことを私は言ってるわけじゃないんです。ほんとうに一生懸命働いておる下級職員の千三百円や千五百円、一万円から五千円ぐらいの額は、税金取った手前、あなたたちが責任を感じてやらなきやならないんです。補てんをするのが当然の責任ですよ。——そこで、財政法三十五条によれば、厚生大臣が必要な理由を明らかにして閣議の決定を求めれば、閣議の了承を得れば大蔵大臣は出せるという予備費の規定があるわけです。予備費、二千三百億あるんですから。二千三百億から月々六十万や五十万出せというぐらいなことは、厚生大臣が閣議で一生懸命がんばればそんなものはすぐとできる。そのぐらいの積極性をこの際示してもらわなければならないわけで、その点はどうでしょう。
○国務大臣(齋藤邦吉君) だいぶきびしい御質問でございますが、先ほど申し上げましたように筋は通して問題の解決に当たりたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたような本人のまあ、先生は既得権と仰せになりましたが、そういう問題等を慎重に考えまして善処いたしますから、きょうのところはしばらく答弁を差し控えさしていただきたいと申し上げている。まあ、切ればいいとか辞退すればいいなんていう問題ではないことは、もう先生もおっしゃったとおりですから、そういう点を十分頭に描いて、筋は通しながら問題を円満に解決すると、こういうことでございますから、きょうのところはあんまりそうきびしくおっしゃらぬでいただきたいと思います。
○須原昭二君 したがって、まあ、既得権ということばが至当かどうかはわかりませんが、一応保障されるであろうと、保障されると解釈してもいいですね。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 本人の負担が減らないようにつとめることは、私は当然のつとめだと思います。
○須原昭二君 それでよくわかりました。ひとつ一カ月でも間隙があかないように、善処を願いたいと思います。 そこで、実はこの間も指摘をいたしましたけれども、本年五月十一日、二十八年ぶりに返ってまいりました、広島、長崎の被爆資料が米国から返還されましたね。この重量が約二トンだとさきの委員会で御答弁がありました。その資料が全部であるかどうかは疑問である。その資料は県市の関係者あるいは原医研の責任者が立ち会って米国の係官に、資料が全部であるか念を押して確認したというんですけれども、これは米国側の一方的な説明だけで信用できますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) おっしゃられましたとおり、米国から資料を送ってきた責任者の係官にだめ押しをいたしまして、そういう答えを得たわけでございますが、現状ではその責任者の方の話を信用する以外に方法がないと思います。
○須原昭二君 それはチェックする方法がないんですね。具体的にないんですね。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 米国の病理研究所のほうに持っていった内容の資料なり、リストなりが私どものほうにはございませんので、確認の方法がないわけでございます。
○須原昭二君 そういうところにこの資料の返還に伴って広島、長崎では新たな不安が出てきているわけですよ。つまりABCCで遺体を解剖された標本資料がひそかにまたアメリカへ持っていかれるのではないだろうかという被爆者のおそれがある。これをチェックする方法はありませんか。この間も私が委員会で質問したように、被爆者の解剖拒否の実態が非常に多いということを尋ねましたけれども、そのときには理由を明らかに、御答弁がございませんでした。こういう点から考えますと、解剖拒否の理由を厚生省みずからが掌握されておらないんじゃないか。被爆者の心理というものはほんとうに的確につかんでおらないかという疑念を持たざるを得ないのですけれども、こういうまたアメリカへ持っていかれるのじゃないかというおそれ、そういうものがちまたに——長崎、広島に多いわけでありますが、この点は明確にこの際しておっていただかなければならないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 死体の病理解剖につきましては、病理研究につきまして日本側と共同研究をするということになっておりまして、その共同研究の過程におきまして、そういう病理標本なり遺体というものは、現在でも広島、長崎大学の原爆研究所ないし原爆研究施設に保管をするようにいたしておりまして、今後もそういうふうにやっていきたいと思っております。
○須原昭二君 この点は的確にひとつ国民の疑念を晴らすような努力をお願いをしたいと思います。 そこで、いま私はこの広島原爆被災地の被爆者の心理というものは非常に那辺にあるのか。ひとつ皆さんに御理解をいただきたいと思うのです。ABCCというものの実態からいって、たとえば「原爆の街に生きて」と、こういう歌集がございますが、この歌集の中をこの間読んでみて、つくづく被爆者の心理がこの歌の中から読み取れるわけです。「血を吐きつつ死にたる汝の解剖を申し込みきしよABCC」——どうですか、この気持ち。「モルモットにされに行くなとABCCの被爆調査を破り捨てつる」——厚生大臣、どうでしょう。「ABCCの解剖を拒みしと告げるとき汝の父は毅然たる表情をみす」——こういう淡々とした歌が読まれておるわけです。こういう状態からいって、私は過去二十六年間、いかにABCCというものが広島や長崎の被爆者にとって大きな屈辱であり、あるいは恐怖であり、怒りであるということが、この歌の中から私は読み取れると思うわけです。さらに現在なお、先ほどの契約書の中ではございませんが、アメリカの核戦略体系の一環としてABCCが存在しているという疑念は少しも明らかにされておらない。こういう点から考えまするときに、さきの口上書によって、一片のあいさつ文の交換によってこのような問題が処理されていく、あるいは契約書というものはアメリカ内部のことであってタッチができないというような自主性のないような形ではABCCの存在についてわれわれはその存続をこのまま認めるわけにはまいりません。そういう観点からひとつ、この対処をしていただきたいと思うわけであります。 とりわけ、この契約書の中で第十三条をちょっと見ていただきたいと思うのですが、「日本政府より受領する一定の資金に関する一定の資金に関する」と、二度もこう書いてありますが、ここに……。これは間違いだと思いますけれども、特別規定の第一項の(a)、(b)を参照いたしますと、「生存者、調査対象者ないしその家族に対して直接利益を与えること。」とあるが、「直接利益を与える」とはどういう意味なんですか、これは。さらに(b)には、「最大限の協力を得るために——必要と考えられる人々及びグループに対して直接利益を与える」、こう書いてあります。アメリカ政府が、アメリカの出先機関が、直接日本人に特別の利益を与える、グループに特別の利益を与えるとこの協定書の中に書いてありますが、この事例は何を指しておるのですか。外務省に御答弁を願いたいと思います。
○説明員(角谷清君) 「直接利益を与える」といっておりますことは、具体的に何を意味しているかわかりません。
○須原昭二君 聞いてみなければならないようなことであっては、われわれはほんとうに了承できないことであって、この点もつけ加えて、ひとつ明確なる御答弁をお待ちをいたしたいと思います。 そこで、私は関連的に聞きますが、爆心地に五百メートル以内で被爆をしていまなお生き残っている人があるのです。爆心地で五百メートル以内に被爆をしていまなお生きている人がある、生きている人が。この方々は、アメリカにとっては非常に貴重な存在なんです。この人々に対して、もしあなたがなくなった際にはあなたの遺体を解剖さしてください、アメリカに提供してくださいという個々の契約がなされておると私は聞いております。これをさしておるのではないかと私は疑念を持たざるを得ないのでありますが、そして、契約を交わして月々ないしょで相当額の金が払われておるという事実があるということを聞いておりますが、厚生省は知っておられますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 私、承っておりません。
○須原昭二君 爆心地の中で、しかもあのような強烈な放射能のもとにおいて、五百メートル以内で生存をしたという方は、原爆の被災者の問題の最も貴重な私は価値のある人体であると思います。当然アメリカが相当額の金を払って、あなたがなくなったときにあなたの解剖をさしてくれというのは、私は、調査をする立場に立てば当然望むことなんです。あるといわれているのです。直ちに厚生省はこの実態を調査される意思がありますかどうか、御答弁を願いたい。
○政府委員(柳瀬孝吉君) よく調べたいと思います。
○須原昭二君 さっそく調べていただいて、報告を出していただきたいと思います。 もう最後でありますが、二、三点関連をしてお尋ねをしておきたいと思います。 きのうの朝日新聞に出ておりますが、宇品の被爆者の遺骨の問題です。二十八年も経過している現在、いまだに何千もの被爆者の遺体が、遺骨が地下に放置されたままになっており、被爆者の間に大きな怒りが高まっているという新聞報道がきのう出ております。そこで、政府は現在までに被爆者の遺骨調査をどの程度やってこられたのか。二十八年間も経過した今日、このような問題が提起されること自体が私は被爆者問題に対する政府のいいかげんな姿勢のあらわれと言わざるを得ないわけです。その点はどうですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 広島市には、そういう事実について調査をしていただくようにお願いをしてございます。場所が何かはっきりまだしないというようなんで、その場所を突きとめて調べたいというような意向に聞いております。
○須原昭二君 調査をするということでございますから、先へ進めてまいります。 本年五月、アメリカから返還された原爆被災資料の中に、被爆者の病理解剖記録に、いま指摘をしております第一陸軍病院の宇品分院で百三十三名のうち、半数以上が解剖されたことが明らかにされたというが、この点は事実なんですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) あれはまだ終戦直後の問題でございまして、まだABCCとかあるいは予研の支所というものができていない時期で、アメリカ陸軍の調査班が参りまして、当時日本のいろんな医師等も協力いたしまして調査をいたしましたようでございますが、その当時の記録がはっきりしておりませんので、確認がいたしてございません。
○須原昭二君 しかも、この広島のいま調査をしておるというお話ですが、広島の年金援護課の死没者の名簿と比べてまいりますと、この解剖例にあがった人々の名前はないということなんです。これは事実ですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 個人の名前があがっておりませんので、その目録にあるのかないのかが確認できないわけなんでございます。
○須原昭二君 新聞にこう書いてあるんですよ。まさか朝日新聞がめちゃくゃな記事は書かぬと思うんです。ですから、あがった人々の名前にないということなんですから、これを早急に調査してください。 それから二十八年間も放置された反省というものを私は指摘をせざるを得ないわけです。この記事によりますと、当時の建設省中国地方建設局医務室の看護婦さん、服部智恵子さんですか、この方の証言で、さきの第一陸軍病院宇品分院では八月六日の被爆直後から八月九日まで約六千人の被爆者が収容され、九月までに約三千人がなくなったと言っております。まさに生き地獄だったと回想されておりますが、一日に多いときには百五十体もガソリンや油をかけて焼却をしたといわれております。これは当時の宇品分院に勤務されていた服部さんの証言なんですが、まだいまだに行方不明の遺体、遺骨というものが発掘される計画がないということですか、その点はどうですか。発掘計画はありませんか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 私も八月の七日、広島に原爆が落ちた翌日広島に行ったのでございますが、やはりおっしゃられるように、たくさんの遺骸を山に積みまして石油やなんかをかけて遺体の処理をしておりましたんですが、名前もよくわからない、確認のできないというような死体がたくさんございまして、死体の処理、埋葬した場所なんかにつきましても、当時と現在、——なかなか場所の確認等が非常にあの当時の状況からいきますと、現在に至ってむずかしい状況になっているところも相当たくさんあるんじゃないかというふうに思っているわけでございますが、できるだけ調べられるものは調べてひとつ確認をできるようにしていきたいというふうに考えております。
○須原昭二君 さらにこれは証人があることですから、証人によってひとつ早急にこの遺体、遺骨の発掘計画を軌道に乗せていただきたいと思います。大臣いいですね、これは。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 当然、私どももできるだけ調査をいたしたいと考えております。
○須原昭二君 そして当時、宇品分院の院長だった、現在開業されているお医者さんの吉村実さんたちが「広島陸軍病院宇品地区被爆死者慰霊碑建立連絡会」をつくって、三千人の霊を弔う計画があったというんですが、それが実現できなかったと、非常に残念がっておられますが、これは政府として、この三千人の霊を弔うことは私は当然必要だと思うんですが、国としてやられる気持ちがありますか、厚生大臣。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 広島、長崎、それぞれの市におきまして慰霊塔を建設いたしまして、毎年行事を行なっておるわけでございますが、まあ、そういう無名の方につきまして合祀するというような問題につきまして、よく市当局とも御相談したいと思います。
○須原昭二君 ぜひともひとつ、それはもう二十八年間、ほんとうに忘れたままになっておった、この三千体の遺体を弔うことは当然な私は国の責任だと思うのです。どうぞひとつ、広島、長崎——広島市あるいは広島県と御相談いただいて、できるだけこの皆さんの霊を慰めていただくような、そして、被爆者の皆さんの気持ちが安らかになるように、そういうひとつ措置をぜひともお願いをいたしておきたいと思います。 時間を催促されておりますが、長い時間かけてABCCの問題を指摘をいたしてまいりました。厚生大臣、ひとつこの先ほどの歌集の歌を読み上げましたけれども、まさにABCCの存在というものについては二十数年間ひとしく国民が疑惑を持ち、怒りを持ち、あるいは一面においては恐怖を持ってきた、数々の多くの議論を呼んできた問題点です。今日なお外務省の御答弁を聞いておりますと、このABCCの内容についてはきわめて疑惑に満ちておるわけでありまして、どうぞひとつ、これは大平外務大臣とお話しをいただきまして、閣議の席上においてもABCCの今後の存続の問題、あり方の問題、そして口上書等によるような問題ではなくして、二国間協定というような形で、自主独立の姿で対等でアメリカと話し合うような、そういう中からABCCを見直していく、そういう基本的な姿勢を確立していただくために、厚生大臣として最後に努力をしていただきたい、こういうことをお願いをし、最後に厚生大臣の所見を聞いてきょうの質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほどお読みになりました、そうした歌を聞くにつけましても、このABCCの問題については予算の問題あるいは人車の問題、運営の問題等々について、戦後惰性的にきましたいろんな事態を反省し、その上に立って根本的な改革をいたすために最大の努力をいたしたいと思います。
○大橋和孝君 私は、この被爆者の問題に対してちょっと実態調査の分を少しお尋ねしたいと思います。 最近の被爆者の実態調査に対しての問題点といたしまして、被爆者の加齢現象によって被爆者の老齢化が進みましてその多くは原爆孤老の状態になっておる。 第二の点は、被爆当時幼かった子供が原爆小頭症で知能指数が低いまま今日二十歳前後になっておる。 第三の問題点は、この一、二のような問題をはじめとした被爆者が全国に散在した状態になっている。 第四の点は隔世遺伝から一般人より有病率が高い。 こういうようなことが問題点としていろいろ取りざたされているようでございます。私はここで、政府がこの被爆者の実態調査を特別措置法制定のときに行なっただけで、その後実態調査は行なっていないのであります。現在の実態について一体どのように把握していらっしゃるか、その点をひとつ聞きたいと思います。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 御指摘のように、被爆者の実態調査につきましては昭和四十年に実施をいたしまして、その後大がかりな調査をいたしておらないわけでございますが、現在被爆者に対する対策がさらに重視されている時期にあたりまして、再来年の国勢調査の時期にあわせまして相当大がかりな実態調査をさらに実施したいというふうに考えております。
○大橋和孝君 いままで長い間、この実態調査をしない。先ほど須原委員からも話が出ていました。いろいろな問題点があるわけですね。遺骨の問題からも、あるいはまた現在、爆心地の中で生きていらっしゃる方がどうなっているかということもつかまれていない。いろいろな問題が出されておりましたが、私はやっぱりこの実態調査というようなものは基本的なものでありますから、最も必要だと思うんですね。ですから、これはもうやらなかったことに対しては私は非常に大きな手落ちだったと思うのです。ですからこれらに対しては前向きに取り組んでもらわなければならないが、おっしゃるように、五十年の国勢調査の時期に、そうした被爆者の実態調査もあわせてやりたいと、こうおっしゃるその気持ちはよくわかります。理解ができますが、この実態調査の中で、じゃ、一体どういうふうに準備をして、どういうような状態でもってこの実態調査を真に明らかにしようとされているのか、その準備の状況はどんなになっておるか、あるいはまたそれに対してもいろいろと綿密な、いままでのいろんな過去の例をさかのぼってみて考えて、そして、現状でどうしなければならぬかということを相当明確な準備をしてもらわないと、やったけれども、あれも落ちておった、これも落ちておったということになるので、私は特にそれを注意をしていただきたいと思うのですが、その準備状況はどうなっておりますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) おっしゃるとおりのことで、相当大きな調査をいたしますには綿密な準備が必要なのでございまして、現在原爆医療審議会の中の福祉部会の中に実態調査のための専門家による小委員会を設置、小委員を委嘱いたしまして、そこでいろいろな社会学者その他、いろいろな専門の御先生方に集まっていただきまして、問題点とか調査のしかた、それから、その内容等につきまして十分検討していただくようにしたいと思っております。また、必要によりましては、来年度、小さなパイロットサーベーなどもやらなければならないのじゃないかというふうにも考えておるわけでございますが、これはいま検討中でございます。
○大橋和孝君 二十何年も経過をして、まだ不明のいろいろな問題があるわけですから、今度の調査のときには一つもひとつ残らないように、十分な調査ができるような形、特に、私はこの中で、隔世遺伝だとか、いろんな問題がありますから、そういうものもこの調査の中で実態がつかめるようなあれをしていただかないと、その陰に隠れていくのがたくさんあります。それからまた、これが染色体に及ぼす影響やらいろんなものが出ているわけですから、そういうようなものも一緒に、いろいろな疾病の中であるいはまたそういう検査もされているいろんなあれがあるわけですから、そういうものがこの調査の中にしっかり出てくるように十分な配慮をしていただかないと、いまのような状態だと、なかなかそれがまた埋もれる心配があろうと思いますので、ひとつ、よくその点を綿密にやっていただきたいというように思います。 それから、その次の点は、被爆者の相談業務でございますが、いまもいろいろ話に出ておりましたように、こういう業務が確立をして、体制がきっちりできておりませんので、私はまだあらわれるものがあらわれてこないというように思います。特に、先ほど申したように非常に各地に散っておられるわけでありますが、そういう方々が相談をしたいといういろんな問題があるときに、ほんとうに相談を受けられるような体制、こういうものが私はできていないと思います。この業務の強化についてはどのように考えていらっしゃるのか。これはもっといままでからやられてしかるべきではないかと思いますが、やられてはおりますけれども、実態がそのように出てこないようなやり方ではそこに欠点があるのじゃないかと思いますが、その点につきましてちょっと……。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 相談業務につきましては、被爆者の方々の御相談に何にでも応じられるように、県、市の相談機能を強化していくように指導していきたいと思っております。ただ民間の相談員制度を設けるかどうかという問題につきまして、これは四十八年度も一応は予算の要求はいたしましたわけでございますが、なかなか被爆者のいわゆる秘密の漏洩というような問題もありまして、一部に反対の意見もございましたものでございますので、その辺の秘密漏洩等に十分な配慮の行なわれるような形で相談員制度が設けられるかどうかという点につきまして、現在、いま検討しておるわけでございます。
○大橋和孝君 特に、これはひとつまた強化するために努力してもらいたいと思います。 それから次の点は、国保の特別調整の交付金でございますが、その増額手当、こういうような問題もいま非常に問題になっておるわけでありますが、原爆被爆者に原因するところの国保財政の支出増は、一体、どのような状況になっているか、ひとつ聞かしてもらいたいと思います。 それから第二点は、支出がもたらすところの保険税負担はどのぐらいの増加負担になっておるのか。 それから、特別調整交付金は、国保財政をどのような範囲でカバーしているか、こういうような問題を見てみますと、原爆そのものに対しての影響も考えられると思うんでありますが、その点はどういうふうに把握されていますか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 確かに、特に広島、長崎地域におきましては、被爆者の方々も多うございますので、しかも、被爆者の方々の医療が年々老齢化をしていく、あるいは不採算医療であるガン等による治療等が非常にふえてまいっておりまして、国保の財政にも圧迫を加えておるわけでございまして、この点につきまして国民健康保険を扱っている厚生省のセクションのほうに、毎年、その実情を話をいたしまして、特別交付税を手厚く見てもらうように配慮してもらっておるわけでございまして、今後もそういう点をよく把握をいたしまして、また、よく担当のセクションと接触を保って遺憾のないようにしていきたいと思っております。
○大橋和孝君 この調整交付金が増額されていかないと非常いけないだろうし、また、いろんなカバーしているかどうかということは、非常にまだまだ不十分ですね。また、広島やら長崎あたりで原爆病院あたりも赤字の処理というのが非常に問題になっているようです。こういうことなんかも考えますと、この責任は国とやはり県といいますか、そういうところでもって相当カバーしない限りこれはいけないわけでありまして、こういう声が問題にされたりしている程度では、非常に私は取り組みが鈍いように思います。この責任を明らかにして、具体的にこれに対してどういう対策をするかということなんかも明確にしておいてもらいたいと思いますが、この赤字対策、それからまたこういう国保に対するカバーのしかた、こういうことをひとつ徹底的にやってもらいたいと思うんですが、この辺のところをひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 原爆病院の赤字問題につきましても、私ども現在、早急に検討しておるわけでございまして、日赤側それから県、市等といま相談をいたしておりまして、再建計画をどういうふうに立てていくかということ、それに対して、いわゆる経営努力でどういうところまでできるか、県、市でどの程度のことが援助できるか、国はどういうふうな形で援助していくかということについて、いま、検討を進めている最中でございます。
○大橋和孝君 ちょうど国保のほうからも保険のほうも来てくださったから、そこらのところちょっと詳しくありましたら聞かしてください。——おいでになっていないですか。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 保険のほうからはちょっと見えておりません。
○大橋和孝君 それでは、もう一つお尋ねしたいのは、地方公共団体が支出しておる介護手当に準ずる特別手当ですね、この支給状況を年次別に、五カ年の間ぐらいについての資料をいただけますか。それとも御説明いただけますか。時間もかかりましたら、何だったらあとから知らせてもらい、資料をいただきたいと思います。 それからもう一つは、この生活保護の収入認定からはずす場合の取り扱いと、その現況はどんなふうになっているか、これもちょっとあわせて二点聞かしてもらいたい。
○政府委員(加藤威二君) 特別手当と生活保護の関係でございますが、これはこの前の委員会で、藤原先生からの御質問にお答え申し上げましたけれども、この特別手当は、やはり生活上の援護というのを目的といたしておりますので、生活保護法と競合する点がございます。そういうことで、一応、生活保護法の実施上は収入として認定いたしておりますが、しかし、一方におきまして、原爆の被害を受けた方は、一般の人よりもさらに栄養補給その他で必要な生活費というものがさらに出費がかさむということでございますので、放射線の障害者加算ということで、加算の中では最高額の五千円を加算いたしておるわけでございます。今度、この特別手当の額が引き上げになるということもございますので、それと見合いまして、この問題については前向きで検討してまいりたいと思います。
○大橋和孝君 この点あたりも、わりあい、もう少し手厚くしてもらわなきゃならぬ点もあると思いますから、十分、配慮していただきたいと思います。 それから、最後に一つ聞きたいのは、沖繩における専一病院の整備状況です。被爆協の調査によりますと、原爆手帳を交付されている沖繩の被爆者は二百八十二人おるといわれておる。このうちで、まだ自覚症状を訴え、入院治療を要する人は百五十名程度といわれておるわけです。しかし、戦後二十七年間、米軍施政のもとにありまして、本土への渡航が自由ではなかった、あるいは生活に追われ、旅費あるいは滞在費等の負担ができなかったというような理由によって、専門医もおらない、診療機関が貧弱である、こういうようなことの中で、非常に苦しんでおるままでおっている人が相当ある。以上の理由から考えますと、大部分の人が検診すら十分に受けられない。また、国、県の救済措置も、本土に比べますと、極端に悪い、民間団体の慈善的行為で細々と運営されてきたのが実情である、こういうことになっております。 そこで政府は、沖繩被爆者について、どうこれまで対策を講じてきたのか、あるいはまた、特に本土との格差を早急に是正すべきだと思います。この点につきまして、専門病院の整備状況なんかを明らかにしてほしいし、どうしたらそれができるかという状況なんかも明らかにしておいていただきたい、こういうように思うわけであります。あわせて御答弁いただきたい。
○政府委員(柳瀬孝吉君) 沖繩におきます原爆被爆者の医療の問題につきましては、御指摘のとおりに、医療機関も少のうございまして、これは一般的に、沖繩県全体の医療機関が配置ないし整備がおくれておるわけでございまして、まあ、そういう点もありますが、非常に不十分であることは仰せのとおりでございます。一般の医療機関の整備にあわせまして、やはり原爆関係の治療機関も整備をしていくようにやっていきたいと思います。 また、沖繩に専門医を派遣をいたしまして、専門的な診断、治療に当たってもらうというようなことも年々やっておりまして、今後も続けていきたいと思っておるのでございますが、たとえば昭和四十七年の三月には百六十四人の検診、派遣医四名というようなことで専門医の派遣をいたしております。それからまた、沖繩から広島、長崎の原爆病院等へ患者さんに来ていただいて入院治療をしていただくというようなことを、この移送の費用も含めまして、もちろん、入院治療は無料でございますが、そういう措置も若干はいたしております。そういう面をさらに今後強化をはかってまいりたい、こう思っております。
○大橋和孝君 大臣、いま私、気のついたところだけを、時間がありませんから、ちょっと簡単に申し上げたんでありますけれども、これはなかなかたいへんなことでありまして、いまなお、沖繩においてはこういう状態、あるいはまたいろいろ自治体の状態、いま四、五項目についてお話を聞いたわけでありますが、これはひとつ、大臣の考えによって、特にこれをひとつ、早く実行することのできるように督促してもらいたいと思いますから、一言だけあれを聞いて終わります。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 原子爆弾被爆者に対する援護措置につきましては、私ども毎年改善を加えてまいったつもりでございますが、まだまだ十分でない点があるわけでございまして、いまいま、ただいま御質問いただきましたような問題などにつきましては、特に解決を急がなければならぬ問題であると考えております。したがいまして、来年度の予算編成等におきましては、いろいろなそういう問題につきまして前向きに解決をし、原子爆弾被爆者のために努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○委員長(矢山有作君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(矢山有作君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○大橋和孝君 ただいま可決されました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案 政府は、本法の施行に当たり、次の諸事項について、その実現に努めること。 一、原爆被爆が人道的にも、国際法的にも、医学的にもきわめて特異のものである点にかんがみ、被爆者の療養と生活の保障をさらに一段と充実するための援護体制を検討すること。 二、最近の被爆者医療の実情に即応するよう認定疾病の範囲を拡大し、その認定にあたっては被爆者援護の精神に沿った運用がなされるよう努めること。 三、各手当および葬祭料について、給付額の引上げと所得制限の大幅な緩和を図ること。 四、健康管理手当について、年齢要件の緩和、対象疾病の範囲の拡大等支給範囲の拡大に努めること。 五、特別手当(家族介護手当等地方公共団体において支給するこれに準ずる手当を含む)については、生活保護の収入認定からはずすよう検討すること。 六、被爆者の医療費について、全額公費負担とするよう検討することとし、さしあたり、国民健康保険の特別調整交付金の増額について、充分配慮すること。 七、被爆者の子および孫に対する放射能の影響についての調査研究およびその対策について充分配慮すること。 八、原爆傷害調査委員会(ABCC)の日本国内における法的地位を明確にするとともに、国立予防衛生研究所がその調査に参画する場合には、わが国が調査の主体性を確保して、原子力基本法の精神に即した運営が行なわれるよう再検討すること。なお、各省にまたがる研究機関および民間医療機関における放射能の影響についての調査、治療、研究が一元的に行なわれるよう体制の整備をはかること。 九、昭和五十年の国勢調査を目標として、被爆者の実態調査を行なうこと。 十、被爆者の生活、医療等の相談に充分応じられる態勢の充実に努め、被爆者に対する相談業務の強化を図ること。 十一、広島、長崎の原爆病院等の特殊性にかんがみ、病院財政の助成について充分配慮すること。 十二、沖繩在住の原子爆弾被爆者が本土なみに治療が受けられるよう専門病院等の整備に努めること。 右決議する。
○委員長(矢山有作君) ただいま大橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(矢山有作君) 全会一致と認めます。よって、大橋君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、齋藤厚生大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。齋藤厚生大臣。
○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、今後とも一そう努力いたしたいと存じます。
○委員長(矢山有作君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十七分散会 —————・—————