社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/02/22
会議録
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 四十七年十二月二十二日、高山恒雄君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が、二月二日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(矢山有作君) 理事辞任の件についておはかりいたします。 本日、高橋文五郎君から文書をもって、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任は、先例によりまして、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に丸茂重貞君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(矢山有作君) 次に、社会保障制度等に関する調査並びに労働問題に関する調査を議題といたします。 労働行政の基本施策について、加藤労働大臣から所信を聴取いたします。加藤労働大臣。
○国務大臣(加藤常太郎君) このたび労働行政を担当することになりました加藤でございます。第七十一回特別国会にあたり、当面の労働行政について、一言所信を申し上げ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 私は、今後の労働行政を進めるにあたっては、福祉優先を基本とし、すべての労働者とその家族の「明るく豊かで安心できる暮らし」の実現を目標として、実効のある対策を勇断をもって推進いたしたいと考えております。 当面の重点対策としては、次の五つを考えております。 まず第一は、週休二日制の普及促進と余暇対策など勤労者福祉対策の推進であります。 週休二日制については、そのすみやかな普及をはかるために関係者に積極的に働きかけるとともに、業種、地域等の実情に即した方法で、計画的、段階的に指導援助を進めていきたいと考えております。 また、週休二日制の普及等によって増加する余暇が有効に活用されるよう、環境を整備することが要請されています。このため、政府全体として、各種の必要な施設の設置につとめているところでありますが、労働省としても、勤労者が、家族連れで自然に親しみつつ手軽に週末等の余暇な過ごせるような「勤労者いこいの村」等を設置したいと考えております。 特に、勤労婦人や勤労青少年の福祉対策としては、従来の勤労青少年ホームや働く婦人の家を増設するとともに、新たに、勤労青少年フレンドシップセンター及び勤労婦人センターを新設いたします。 第二は、定年延長の促進を中心とする高齢者対策の確立であります。 勤労者を含め国民全体の高齢化が進む中で、高齢者が生きがいのある安定した生活を送ることができるようにするためには、老後の社会保障を充実するとともに、高齢者の職業生活を不安のないようにすることが必要であります。 労働省としては、当面六十歳を目途として定年延長を促進することとし、定年延長を実施した企業に対しては、定年延長奨励金を支給いたしたいと考えております。 また、高齢者が能力と希望に応じて再就職することができるよう、退職前の職業訓練、職業講習などを行ない、その雇用の促進につとめます。 第三は、働く人の安全と健康を守る総合的対策の推進であります。 働く人の安全と健康を守ることは、福祉の基本であります。昨年制定された労働安全衛生法を中心に労働災害防止対策を推進するため、新たに、昭和四十八年度を初年度とする労働災害防止計画を策定いたします。この計画に基づいて、職場環境の改善、健康管理対策、安全衛生教育等を進めます。また、今特別国会において、労働安全衛生に関するILO条約の批准について、承認をいただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。 また、通勤途上の事故について、一般の労働災害と同様の補償を行なうため、今特別国会に所要の法案を提出することといたしております。よろしく御審議くださるようお願いいたします。 第四は、生きがいのある職業生活を目ざす雇用対策の展開であります。 今後の雇用対策は、新しく策定された雇用対策基本計画に基づいて、次の四つを柱に強力な施策を推進する考えであります。 一つは、労働者の職業生活の各段階に対応した施策の推進であります。新規学校卒業者の職業選択の適正化、青壮年期における能力の開発向上につとめるとともに、高齢者の職業安定対策を進めます。 二つは、国土の総合開発に対応した地域雇用対策の推進であります。 工業再配置等国土の総合開発を通じて、大都市に集中している就職の場を地方へ分散し、所得の地域格差の縮小や出かせぎの解消につとめます。 なお、高齢者の職業安定対策等を推進するため、所要の法案を提出することといたしておりますので、よろしく御審議くださるようお願いいたします。 三つは、産業構造の変化に対応する雇用対策の推進であります。特に、輸送革新の影響が著しい港湾労働者の雇用安定策及び炭鉱離職者、駐留軍離職者関係の対策の拡充については、それぞれ所要の法案を今特別国会に提出することといたしておりますので、よろしくお願いいたします。 最後は、手厚い援護を必要とする人々に対する雇用対策の推進であります。特に、心身障害者や同和地域住民の援護対策を強化し、心身障害者を多数雇用する事業主に対する特別の融資制度や税制上の優遇措置の創設、同和地域住民を雇用する事業主に対する雇用奨励金制度の新設等を行なうことといたしております。 なお新たに、地域における民間の職業訓練のセンターとして、「人材開発センター」を設置するとともに、職業訓練推進員制度を設けて、事業主等に対する指導援助を強化し、民間の職業訓練の振興をはかります。 最後に、合理的労使関係の形成について申し上げます。 今日、労使関係の動向は、政治、経済、社会の各般に大きな影響を及ぼすようになっております。労使が広い視野から自主的に話し合うことによって、問題の合理的、平和的な解決をはかるよう期待するとともに、その基盤づくりを進めてまいります。 先ごろの予算編成時に、総理と労働団体代表との第二回目のトップ会談が行なわれましたが、今後ともこのような意見交換の場を持つとともに、産業、地域、金業等各レベルにおける労使のコミュニケーションを促進して、合理的な労使関係の形成に資してまいります。 なお、今日、公共部門の労使関係の安定をはかることは非常に重要な課題となっており、政府としてもこの問題に真剣に取り組んでいるところでありますが、労使関係者においても、各般の問題についてよく話し合って信頼関係を確立することが当面何よりも重要であると考えております。 以上、当面する労働行政の重要事項について、私の所信を申し上げました。各位の御鞭撻と御協力をお願いする次第であります。
○委員長(矢山有作君) 葉梨労働政務次官から発言を求められておりますので、この際これを許します。葉梨労働政務次官。
○政府委員(葉梨信行君) 私は先般労働政務次官に任命されました葉梨信行でございます。新しい展開期を迎えます労働行政に参加できますことは、私の光栄とするところでございます。私は責務の重大なることに思いをいたし、全力投球をする覚悟でございますが、どうか委員会各位におかれましては、よろしく御指導御鞭撻くださいますように心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
○委員長(矢山有作君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(矢山有作君) それでは速記を起こして。 厚生行政の基本施策について齋藤厚生大臣から所信を聴取いたします。齋藤厚生大臣。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私は先般厚生大臣に就任いたしました齋藤邦吉でございます。何とぞよろしく御指導をお願い申し上げます。 第七十一回国会の社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを兼ねて厚生行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。 福祉優先の考え方が国民の各層に定着し、社会福祉施策の充実を求める声はかつてないほど高まってきております。いまや福祉国家の建設は大きな時代の流れとなってきつつあると思われます。 このような国民の要望の高まりあるいは考え方の転換のさなかにあって、福祉行政を進展すべき責めにある厚生行政を担当することになりました私といたしましては、その責任の重大さをあらためて痛感する次第であります。 皆さまの御支援を得つつ、全力をあげて厚生行政と取り組んでいく覚悟でありますのでどうぞよろしくお願いを申し上げます。 明年度予算の編成につきましては、福祉の向上を求める国民的な支援のもとに、厚生省予算は前年度に比し三一%増、二兆九百億円余に達する額を確保できる見通しであります。 以下当面の主要課題について申し上げます。 第一に年金制度の改善であります。 急激な人口の老齢化に直面しているわが国において、老後保障の中核となる年金制度の改善充実は最も重要な課題であり、昭和四十八年度においては年金制度の改善を最重点の事項として取り上げたところであります。 まず、年金制度の中核をなす厚生年金及び国民年金について年金額の大幅引き上げと多年の懸案でありました年金額の実質価値の維持のためのスライド制の導入をはかり、安心して老後を託することのできる年金の実現を目ざすことといたしております。 また、福祉年金についても、老齢福祉年金を月額五千円に引き上げるとともに、扶養義務者の所得制限につき大幅緩和をはかることとしており、これらを内容とした改正法律案を今国会に提出し、御審議願うことといたしております。 年金積み立て金の管理運用についても、還元融資ワクを従来の新規預託金増加額の四分の一相当額から三分の一相当額に大幅に拡大するとともに、新たに老人のための大規模年金保養基地の設置、被保険者住宅資金貸し付け制度の実施をはかるなどの措置を予定しております。 第二に老人対策の充実であります。 老人の方々に日々の生きがいを持って健康で安定した生活をしていただくことは最も大切なことでありますが、年金制度の改善にあわせて明年度においては、老人、医療費の支給を六十五歳以上の寝たきり老人にまで拡大するほか、寝たきり老人や一人暮らし老人についてきめのこまかい施策を講ずることを考えております。 第三に難病対策の推進であります。 難病に苦しむ方々とその家族の方々に対して積極的な難病対策の推進をはかることとし、調査研究の充実、医療費の自己負担の解消、医療施設の整備を三本の柱として総合的な対策を講ずることとしております。 第四に医療保険の改善でありますが、この問題につきましては、国民の合意を得つつ、段階的に実現可能なものから着実に実施に移していく必要があるものと考え、今回の健康保険の改正にあたっては、国民的要請の最も強い家族給付の改善に着手することとし、三十年来据え置かれたままになっております給付率を当面六割に引き上げるとともに、高額な医療費を要する病気にかかった際の負担の軽減をはかるため、高額療養費の支給制度を創設するほか、配偶者分べん費等についても大幅な額の引き上げをはかる措置を予定いたしております。 同時に、これにあわせて、政府管掌健康保険の健全な制度運営のために新たに定率一〇%の国庫補助を導入するとともに、累積収支不足額のたな上げ等所要の措置を講ずることといたしております。 なお、保険料負担については、標準報酬を改定して、著しい不均衡を生じている現状を改めるとともに、給付改善に見合って、応分の負担をお願いすることといたしております。 また、日雇い労働者健康保険につきましても、関係審議会の答申に即して所要の改善を行なう考えであり、これら医療保険制度の改正法案について御審議願うことといたしておりますのでよろしくお願いを申し上げます。 第五に社会福祉施設の整備などの問題であります。 福祉対策の基盤となる社会福祉施設の整備については、その需給の状況にかんがみ、特に緊急を要する寝たきり老人や重症心身障害児者のための施設及び保育所を中心に計画的整備を促進するとともに、職員を確保し、入所者及び職員の処遇の一そうの向上をはかるため、措置費の大幅な改善、施設職員の退職手当の改善を行なうことといたしております。 また、在宅の心身障害児者に対する施策も拡充をはかってまいります。 第六に生活環境の整備と消費者の安全対策であります。 まず、廃棄物の増大や水需要の増大等に対処して生活環境施設の整備には特に力を入れる必要があります。このための予算は明年度大幅な伸びを見ることができましたが、これにより、廃棄物処理施設の計画的整備をはかるとともに、水道の供給体制の確立と水道事業の基盤整備としての広域化を推進する考えであります。 なお、機構面においてもこれら生活環境施設の整備を強力に行なうため、環境衛生局に水道環境部を設置し、対処することとしております。 また、消費者の安全確保対策については、食品の安全性の確保、医薬品の安全性有効性の確保などの施策に一そう努力を払うとともに、近年問題となっております家庭用品の安全確保についても積極的に取り組んでいくことといたしております。 以上のほか、厚生行政の分野には、戦傷病者戦没者遺族等に対する援護の問題、原子爆弾被爆者に対する施策等多くの問題がありますが、いずれをとりましても国民一人一人の毎日の生活にかかわりのあることでありますので、それぞれ真剣に対処し、迅速かつ確実に処理していく所存であります。 各位の御指導、御鞭撻を重ねてお願いいたす次第でございます。
○委員長(矢山有作君) 山口厚生政務次官から発言を求められておられますので、この際、これを許します。山口厚生政務次官。
○政府委員(山口敏夫君) 私、先般、厚生政務次官に就任いたしました山口敏夫であります。 第七十一回国会における社会労働委員会の御審議に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。 ただいま厚生大臣からもお話がございましたが、今日の社会ほど国民の福祉充実を求める声が大きくなっているときはないと思います。政治の場においてかねてから国民福祉の向上のために力を注いでこられました本委員会の先生方に、深甚なる敬意を表する次第であります。 私、この分野ではたいへん経験が少ないわけでございますが、どうか委員の先生方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。
○委員長(矢山有作君) 次に、昭和四十八年度厚生省関係予算につきまして、政府から説明を聴取いたします。木暮会計課長。
○政府委員(木暮保成君) お手元の資料に基づきまして、昭和四十八年度の厚生省所管予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 資料の一番上に総額がございますが、来年度の総額は二兆九百三十億円でございます。これは昭和四十七年度の当初予算一兆五千九百七十四億円に対しまして、額におきまして四千九百五十五億円。率におきまして三一%の増でございます。 一枚おめくりいただきまして、この表はただいま申し上げました厚生省予算を主要経費別に内訳をしるしたものでございます。 なお、一番右の欄に一般会計十四兆二千八百四十億円に占める比率をしるしてございます。一番下をごらんいただきますと、厚生省所管予算は一般会計予算全体の一四・七%を占めることになったわけでございます。 次の二ページをごらんいただきたいと思いますが、以下主要費目を掲げてございます。 生活保護費でございますが、三千五百五十五億円を計上いたしております。その中で生活扶助基準につきましては一四%の引き上げを予定いたしております。一級地でただいま四万四千三百六十四円でございますのが標準四人世帯で五万五百七十五円となるわけでございます。そのほか入学準備金、教育扶助基準、出産扶助基準等につきましても改善を予定いたしておるわけでございます。 次に、社会福祉施設の整備費につきましては百八十六億円を計上いたしております。本年に対しまして六十六億円の増額でございます。 それから社会福祉施設の運営費につきましては千八百六十二億円を計上いたしております。本年に引き続きまして施設職員の処遇と入所者の処遇につきまして、各般にわたりまして改善を予定いたしておりますが、その詳細につきましては三ページから五ページにかけてしるしてございます。 一つだけ五ページをごらんいただきたいと思いますが、五ページの一番上に(九)特別育成費というのがございます。これは児童福祉施設等に収容されております児童、ただいままでは義務教育まで認めておりましたのを高校に進学する道を開いたのでございます。二千百九十三人を予定いたしておるわけでございます。 それから六ページをごらんいただきたいと存じますが、老人福祉対策といたしまして三千三億円を計上いたしております。その一番が老人医療対策費でございますが、七百八十九億円を計上いたしております。本年一月一日から始まりました七十歳以上の老人医療無料化に引き続きまして、本年は六十五歳以上の寝たきり老人にまで対象を広げ、また扶養義務者の所得制限を六人世帯で六百万まで緩和をするということを予定いたしております。 それから、七ページをごらんいただきたいと存じますが、寝たきり老人対策費といたしまして十二億六千百万円を計上いたしております。家庭奉仕員の人数をふやし、手当月額を増加する等の改善を予定いたしております。 それから、一人暮らし老人対策費といたしまして一億七百万円を計上いたしております。電話相談センターの増設、それから介護人派遣事業の充実等を考えておるわけでございます。 四番目に生きがい対策費といたしまして十一億五千六百万円を計上いたしておりますが、老人就労あっせん事業の設置個所をふやし、また老人クラブの助成を充実する等の予定をいたしております。 それから、八ページをごらんいただきたいと思いますが、まん中辺になりますが、老齢福祉年金の給付費といたしまして千七百九十億二千七百万円を計上いたしております。その中で、年金額をただいま三千三百円でございますのを月額五千円に引き上げるほか、扶養義務者の所得制限の緩和をはかっておるわけでございます。 それから、九ページをごらんいただきたいと思いますが、心身障害児者対策費といたしまして八百五十三億八千五百万円を計上いたしております。 一番目に重症心身障害児(者)対策費といたしまして百二十四億三千百万円を計上いたしております。備考のほう、アにございます国立療養所に重心障害児(者)の施設をさらに千四十ベッドを増設する等、各般の施策の充実をはかっておるわけでございます。 それから一〇ページに参りまして、身体障害児対策費といたしまして百三億三千万円を計上いたしております。これにつきましても、一〇ページの備考の一番下になりますが、重度障害児日常生活用具給付費につきまして、次のページにございますように、電動タイプライターとか特殊マットを新しく対象に加える等、充実をはかっておる次第でございます。 それから一三ページをごらんいただきたいと思いますが、精神薄弱児(者)対策費といたしまして二百六十四億四千二百万円を計上いたしております。従来から行なってまいっております各般の施策の充実をはかりますほか、新しいものといたしましては、一五ページをごらんいただきたいと思いますが、一五ページの上のほうの(7)に精神薄弱者療育手帳交付費といたしまして九百万円を計上いたしております。精神薄弱者の療育指導の充実を期するために八万九千二百二十五件の手帳交付を予定いたしておるわけでございます。 それから、このページのまん中になりますが、身体障害者対策費として百億六千万円を計上いたしております。新しいものといたしまして、一六ページをごらんいただきたいと思いますが、上から二番目にウといたしまして身体障害者福祉モデル都市設置費といたしまして六千万円を計上いたしております。 また、このページのまん中から下のほうになりますが、アといたしまして重度障害者介護員派遣費といたしまして、新しく重度障害者の方に介護員を派遣する事業を開始することを予定いたしております。 また、一八ページをごらんいただきたいと思いますが、まん中からちょっと下になりますが、5の国立リハビリテーションセンター設置調査費として一千二百万円を計上いたしております。所沢の米軍基地あとに国立リハビリテーションセンターをつくることがきまっておりまして、来年度は基本設計費等を計上いたしたわけでございます。 それから一九ページをごらんいただきますと、障害福祉年金といたしまして二百八十八億一千九百万円を計上いたしております。年金額がただいま月額五千円でございますのを七千五百円にするほか、扶養義務者等の所得制限の緩和もはかっておるわけでございます。 それから二〇ページをごらんいただきたいと思いますが、民間社会福祉事業育成費といたしまして四十二億八千二百万円を計上いたしてございます。新しいものといたしましては、まん中からちょっと下にございます(2)の奉仕銀行助成費三千万円でございますが、民間の方の社会奉仕を助成することといたしまして奉仕銀行八十四カ所分を計上いたしております。 それから次のページをごらんいただきたいと思いますが、社会福祉施設職員退職手当共済事業費、まん中のちょっと下の(7)でございますが、ただいま三万七千円を最高といたしまして四段階で退職手当を計算いたしておりますが、これを十段階とし、最高を十万円ということで退職手当の計算をするということにいたしまして、これによりまして民間の社会福祉事業施設職員の退職金がおおむね公務員並みになるということになるわけでございます。 それから次の二二ページをごらんいただきたいと思いますが、同和対策費として九十四億五千七百万円を計上いたしております。本年度予算の五〇%増で、備考にございますようないろいろな事業につきまして充実をしてまいりたいという予定でございます。 それから二三ページをごらんいただきたいと思いますが、母子等福祉対策費といたしまして百十八億六千七百万円を計上いたしております。備考のほうでごらんいただきますと、(3)の児童扶養手当につきましては、ただいま月額四千三百円でございますのを六千五百円に引き上げるほか、障害福祉年金等との併給、所得制限の緩和を考えておるわけでございます。それから、このページの一番下になりますが、母子・準母子福祉年金につきましても、月額四千三百円を六千五百円に引き上げる等の改善を考えているわけでございます。 二四ページをごらんいただきたいと思いますが、保育対策費として八百二十八億三千三百万円を計上いたしております。備考にございますような各般の改善を考えておるわけでございます。 それから、二五ページに参りまして、家庭児童育成対策費といたしまして三百五十五億円を計上いたしております。新しいものといたしましては、備考の下のほうになりますが、エの母親クラブ活動費ということで、母親クラブ千二百を対象といたしまして活動費の助成を予定いたしております。 それから、二六ページをごらんいただきたいと思いますが、母子保健対策費といたしまして二十一億七千四百万円を計上いたしております。おもな内容といたしましては、備考の(4)母子栄養強化費、これはただいまは市町村民税の所得割り非課税世帯を対象といたしておりましたのを所得税非課税世帯まで拡大をするということを考えております。また、(5)にございます妊婦乳児健康診査費でございますが、これはただいま所得税年額四千八百円以下の人を対象といたしておりましたのでございますが、全国民を対象にするというふうに対象の拡大をはかっております。 それから二八ページをごらんいただきたいと思いますが、二八ページは医療保険対策でございます。 まず政府管掌健康保険でございますが、ただいま大臣が申し上げましたような法律の改正を予定いたしておりますが、政府管掌健康保険につきまして八百十一億三千四百万円を計上いたしておりますのは、定率一割の国庫負担額を計上いたしたものでございます。 それから二九ページをごらんいただきたいと思いますが、日雇労働者健康保険でございますが、これも先ほど大臣が申し上げましたような法律改正を予定いたしておりますが、国庫からの繰り入れといたしまして百三十一億二千三百万円を計上いたしておるわけでございます。 それから、三一ページをごらんいただきたいと存じますが、児童手当に要する経費といたしまして三百四十八億五百万円を計上いたしております。これは対象年齢をただいま五歳でございますのを十歳に引き上げることによりまして、対象人員が九十四万一千人から百九十四万七千人になることに見合います経費でございます。 それから三二ページをごらんいただきたいと思いますが、国民健康保険助成といたしまして五千六百七十六億円を計上いたしてございます。療養給付費補助金、財成調整交付金、国民健康保険組合臨時調整補助金に並びまして本年一月一日から行なわれております老人医療の無料化に対処いたしまして、(4)の老人医療対策臨時調整補助金ということで新たに三十四億円を計上いたしております。 また、(5)にございます療養給付改善特別補助金七億三千三百万円は、国民健康保険でも行ないます高額療養費に関しまする補助金でございます。 それから、三二ページの下から年金制度の改善でございますが、厚生年金につきましては五百二十六億七千四百万円を計上いたしております。これも先ほど大臣から申し上げましたような年金額の引き上げあるいはスライド制導入ということを中身といたす改正に見合うものでございます。 それから、三三ページをごらんいただきたいと思いますが、一番下になりますが、拠出制国民年金につきまして九百六億四千九百万円を計上いたしております。 まず年金額の引き上げにつきましては、三四ページの備考の上からごらんをいただきたいと思いますが、二十五年年金につきましては、ただいま八千円でございますのを二万円に、十年年金につきましては五千円でございますのを一万二千五百円に、五年年金につきましては二千五百円でございますのを八千円にそれぞれ引き上げるほか、スライド制の導入あるいは国庫負担の強化等を考えておるわけでございます。 それから福祉年金につきましては二千八十五億九千万円を計上いたしておりますが、これは中身につきましては老人福祉対策あるいは身体障害者対策のところで申し上げましたので、省略させていただきたいと思います。 それから三六ページをごらんいただきたいと思いますが、保健所費として百十七億五千三百万円を計上いたしております。新しいものといたしましては、三七ページのまん中から少し上にございますが、三十保健所を初年度取り上げまして、ガスクロマトグラフとか赤外分光光度計とか新しい要請に応じます機械の整備を特別にはかるということで四千五百万円を計上いたしております。 それから三八ページをごらんいただきたいと思いますが、原爆被爆者対策といたしまして百三十三億二千四百万円を計上いたしております。本年度に引き続きまして来年度も法律改正を行ないまして諸手当の引き上げ、受給要件の緩和等を考えております。 それから四〇ページをごらんいただきたいと思いますが、先ほど大臣から申し上げました来年度の重要施策の一つでございますが、難病対策といたしまして百八十二億四千二百万円を計上いたしております。 調査研究費につきましては、対象の増をはかる等によりまして九億三千九百万円を計上いたしております。 医療費につきましては、これも対象疾病の数をふやすか、あるいは対象人員の拡大をはかりまして百十八億八千三百万円を計上いたしておるわけでございます。 それから四三ページをごらんいただきたいと思いますが、難病奇病対策のもう一つの柱でございます医療機関の整備と要員の確保でございますが、これに関しまして五十四億二千万円を計上いたしております。それで、四四ページをごらんいただきたいと思いますが、備考の上のほうの(2)の国立医療センター研究所整備、それから(3)の国立小児医療センター整備を中心といたしまして各種疾病に対しまする専門病院の整備を考えておるわけでございます。 それから四五ページをごらんいただきたいと思いますが、結核対策費として五百六十五億五千百万円を計上いたしております。 それからこのページの下にございますが、精神衛生対策費といたしまして五百三十二億七千万円を計上いたしております。いずれもほぼ従来の施策の線に従いまして充実を期しておるわけでございます。 それから四七ページをごらんいただきたいと思いますが、伝染病対策費といたしまして十三億九千九百万円を計上いたしております。 それから四八ページにまいりまして、らい予防対策費といたしまして九十億三千六百万円を計上いたしております。そのおもな内容といたしましては、次のページの備考の上になりますが、患者給与金、ただいま月額一万一千円でございますが、これを二万三千円にする予定にいたすほか、一番下のウになります国立らい療養所施設費といたしまして七億円を計上いたしております。 それから成人病対策費といたしまして九十五億五千八百万円を計上いたしております。 新しいものといたしましては、次のページの一番下をごらんいただきたいと思いますが、循環器対策の中で(1)循環器疾患等健康診断費二億九千百万円でございますけれども、これはただいま行なっております結核の健康診断に合わせまして四十歳以上六十四歳までの方につきまして成人病に関しまする検査をするということを新しく取り上げたわけでございます。それから五一ページに参りまして、国立循環器センターの整備費といたしまして来年度分として十億円を計上いたしておりますほか、(5)これも新しく国立療養所にメジカルリハビリテーション病床を整備するということで五億四百万円計上いたしております。 それから五一ページのまん中にございます健康増進対策費といたしまして二億三千五百万円計上いたしております。おもなものとしましては、備考の(1)にございます健康増進のモデルセンターを来年度は五カ所整備をいたしたいという予定にいたしてございます。 それから五十二ページに参りまして、農村保健対策費といたしまして二億八千三百万円を計上いたしております。新しいものといたしまして、備考の(1)にございます農村健診センターでございますけれども、全国に四カ所をモデルとして取り上げまして適当な公的病院に農村健診センターを整備いたしまして、下にございますような患者移送車を使いまして、健診を必要とします農民の方を集めて健康診断をしてみようという試みでございます。 それから五十三ページに参りまして、救急医療対策費といたしまして六億六千五百万円、それから下に僻地医療対策費として六億三千二百万円を計上いたしてございますが、備考にございますようないろいろな事項につきまして充実を期しておるわけでございます。 五七ページをごらんいただきたいと存じますが、看護婦確保対策費といたしまして百十二億二千二百万円を計上いたしてございます。これも従来から行なってまいりましたいろいろな施策を充実させておるわけでございますが、新しいものといたしまして、五八ページをごらんいただきたいと思いますが、備考の上から二番目、(7)の国立看護教育研究センターでございますが、これを設立することをきめまして、来年度は準備費として四百万円を計上いたしておるわけでございます。 それから五九ページにまいりまして、一番上の公的病院財政再建対策費でございますが、これは日赤、済生会等四団体の病院が国立、公立の病院と並びまして地域医療の確保につとめていただいておりますので、診療部門につきましてその運営費の助成をいたそうというものでございます。初年度といたしまして二億八千八百万円を計上いたしております。 それから六〇ページをごらんいただきたいと思いますが、下のほうになりますが、戦傷病者戦没者遺族等援護費といたしまして四百十二億六千万円を計上いたしております。おもな内容は次のページをごらんいただきたいと思いますが、次のページの備考の一番上になりますけれども、障害年金・遺族年金等の増額を恩給と合わせまして二三・四%予定いたしておるわけでございます。それから次のページに参りまして、これも備考の上から二番目になります(2)の戦没者遺骨収集等諸費でございますが、間もなく終戦三十周年を迎えますので、昭和四十八年度、四十九年度二カ年にわたりまして遺骨の収集を推進をいたしたいということで、来年度分二億三千六百万円を計上いたしておるわけでございます。それからそのページの一番下から次のページにかかりますが、ただいま戦没者の妻、それから戦没者の父母の方に対しまして特別給付金が交付されておりますが、その交付期限が参りますので、そのいずれにつきましても増額、継続をするということで所要の経費を計上いたしてございます。 それから六五ページをごらんいただきたいと思いますが、生活環境施設整備費でございますが、中身は簡易水道、水道水源、屎尿、そういう廃棄物の処理でございますが、来年度は本年度の二百二十六億に対しまして三百八十九億九千万と大幅な増額をばかりまして事業の早期実施を考えておるわけでございます。 それから六八ページをごらんいただきたいと思いますが、環境衛生営業対策費といたしまして十九億七千三百万円を計上いたしております。新しいものといたしましては備考の(2)環境衛生金融公庫補給金という欄がございますが、来年度環境衛生金融公庫で千八十億円の資金計画で貸し付けを行なう予定をいたしておりますが、その中で備考の一番下のほうになりますけれども、小企業経営改善資金といたしまして新規に四十五億円を予定いたしまして無担保、無保証でもって百万円まで貸し付けを行なうということを考えておるわけでございます。 それから六九ページをごらんいただきたいと存じますが、医療情報システム開発費といたしまして、一億一千万円を計上いたしております。コンピューター等を使いまして、僻地医療とか住民の健康管理あるいは救急医療に新しい面を開きたいということで研究開発費を計上いたしたわけでございます。 それから麻薬・覚せい剤対策につきましては六億七千七百万円を計上いたしまして、従来の施策の充実をはかっていく予定でございます。 それから七〇ページをごらんいただきますと、血液対策費といたしまして十七億一千二百万円を計上いたしております。日赤を中心といたします献血をさらに進めますと同時に、将来の血液問題に備えまして幾つかの調査等を考えておるわけでございます。 それからこのページの下になりますが、消費者行政関係費といたしまして、三億五千八百万円を計上いたしております。家庭用品の安全対策あるいは医薬品の安全衛生対策、PCB対策等をこれによりまして行なう予定にいたしておるわけでございます。 それから七四ページをごらんいただきたいと思いますが、七四ページ、一番下でございますが、社会保障長期計画懇談会費といたしまして、一千百万円を計上いたしております。社会保障につきましては長期計画をつくるための事務費でございます。 なお、以下厚生省所管の四つの公庫、事業団、それから五つの特別会計につきまして総括表をつけてございますので御参照をいただきたいと存じます。 以上でございます。
○委員長(矢山有作君) 昭和四十八年度労働省関係予算につきまして、政府から説明を聴取いたします。大坪会計課長。
○政府委員(大坪健一郎君) 労働省の会計課長の大坪でございます。お手元の昭和四十八年度労働省関係主要事項予算案概要につきまして御説明申し上げます。 まず予算の規模でございますが、一番最初のワク組みの中に入っております数字でございます。労働省の所管総計といたしましては、その一番最後にございます一兆八百二十七億一千六百万円が昭和四十八年度の要求額でございます。 内訳は一般会計が一千六百八十八億一千八百万円、労働保険特別会計が九千二十九億五千百万円となっております。それから石炭及び石油対策特別会計が百九億四千七百万円でございます。労働保険特別会計は昨年度から失業保険料と労災保険料の徴収が一元化されまして労働保険料として徴収されることになりました。これに伴いまして昨年の四月から特別会計が一本になりまして、労働保険特別会計で処理されることと相なったわけでございます。したがいまして労働保険特別会計は四十七年度から始まったものでございます。内容は労働者災害補償保険を扱います労災勘定、失業保険を扱います失業勘定、それから保険料の徴収を扱います徴収勘定の三つに分かれておりまして、労災勘定は四千二百七十七億九千二百万円、失業勘定は四千七百五十一億五千九百万円、徴収勘定は重複になるわけでございますが、保険料の徴収見込みといたしまして六千六百十一億三千三百万円となっております。 次に、大臣が御説明申し上げました重点対策に沿いまして、主要事項の御説明を申し上げたいと思います。 一ページの一番下の欄にございます週休二日制の普及促進と余暇対策など勤労者福祉対策の推進が第一番目の重点事項でございまして、これに関係いたしまして、二十一億八千九百万円の予算を計上いたしております。昨年に対しまして十四億九千六百万円の増加となっております。(1)は事務的な経費でございます。 次のページに入りまして(2)でございますが、「勤労者いこいの村」というのがございます。これは新しい予算項目でございまして、週休二日の進展に伴いまして、あるいは労働時間の短縮に伴いまして、勤労者の方々が余暇を有効に過ごせるような余暇対策の受けざらを用意するというものでございます。右にございますように「勤労者いこいの村」――「別荘村」とも別称いたしておりますが、一カ所八億円程度の施設を全国で六カ所。それから、野外趣味活動施設といたしまして、これは野外のいろいろな運動施設、あるいは散策施設等のものを総合的にまとめた施設でございますが、一カ所一億円程度のものを十カ所。合計十六カ所、総額で五十八億円でございます。着工が若干おくれます関係で、予算は十三億六千万円計上してございまして、残りは債務負担行為で行なうということになります。 それから、(3)は、勤労婦人・青少年福祉対策でございます。これは従来とも予算でお願いを申し上げてまいりました勤労青少年ホーム、働く婦人の家をそれぞれ前年と同じ個所数だけお願いするとともに、新しく勤労婦人センター、それから勤労青少年フレンドシップセンターを計上いたしてございます。これはともに宿泊施設を伴いまして、グループ活動なり指導者育成に役立てる施設でございます。 それから東京の中野に勤労青少年会館が完成されるに伴いまして、なお同程度のものを大阪、名古屋に設けたらいかがかということで、勤労青少年センターの建設調査費を二カ所ほど計上させていただいております。 5の職業生活と家庭生活との調和対策、以下次のページの11までは婦人少年局関係の事務的経費でございます。 三ページの左側の(4)でございますが、勤労者財産形成事業、これは四十七年の一月から始まった制度でございますが、勤労者が財産形成貯蓄をいたしました実績に伴いまして、百億円ほどをその積み立てられた額から雇用促進事業団が借り受けまして、これを事業主に貸し付けて勤労者の住宅に分譲するという趣旨のものでございます。雇用促進事業団債を百億円発行いたしまして、これによりまして貸し付けを行なうというものでございます。 次は、大臣の申し述べられました重点の第二点でございまして、定年延長の促進を中心とする高年齢者対策の確立でございます。定年延長につきましては、啓蒙開発活動を行ないますとともに、(1)の右の3にございますように、定年延長奨励金制度を新しくつくりまして、定年延長を制度として行なわれる事業所に対して、該当する定年者一人当たり二万五千円程度の補助金を出すという制度をつくるということでございます。三億円ほど予算を計上してございます。 次は、(2)の高年齢者雇用対策でございまして、これにはやはり大臣が御説明になりましたように、定年延長にかかります高年齢退職予定者に対しまして、退職前の職業講習でございますとか、職業訓練でございますとか、あるいは受講奨励金を支給するというものでございます。 次のページに参りまして、次のページの左側に働く人の安全と健康を守る総合的対策の推進というのがございます。これは重点事項の第三点になっております。百七十億三千九百万円の予算が計上されております。これは昭和四十七年度に労働安全衛生法が施行になりまして、これに伴いまして各般の施策が必要となっておりますので、それを重点的に行なうものでございます。 (1)は、労働安全衛生法第十三条に産業医の制度がございまして、産業医を育成する必要がございますので、新しく産業医科大学をつくるということの調査費でございます。 (2)は、昭和四十七年度から三カ年計画で産業医学に関する総合的な研究所の建設を進めることになっておりまして、総額約三十億円で、現在労働省にございます付属機関である労働衛生研究所を発展的に拡大をいたしまして、産業疾病の予防、治療、リハビリ対策まで一貫した研究を行なうというものでございます。 (3)は、従来、各方面から御要望のございました通勤途上災害につきまして、関係委員会の御調査も終わりましたので、それに基づきまして通勤途上災害保護制度を、労働者災害補償保険制度にあわせて行なうというものでございまして、新にに労働者災害補償保険の保険料に千分の一を追加いたしまして、給付人員十六万人を予定して、百十三億円の予算で始めさせていただくという趣旨のものでございます。事務費等あわせまして、その他の事業の費用もあわせまして、百三十六億四千万円の予算計上となっております。 それから、次の五ページでございますが、労災関係につきましては諸施設の充実がはかられる予定になっておりますが、鹿島に建設予定の労災病院の新設、それから労災関係の障害者に対しまするリハビリテーション等の施設の拡充の予算があわせて計上されております。 それから、(4)でございますが、労働安全衛生法に基づきまして、各種の検査あるいは事前の審査等が要求されるようになりましたので、それに基づきます施設の建設を中心とした予算が二十五億四千百万円ほど計上されてございます。 その中で新しいものを申し上げますと、五ページの右側の下のほうから六行目でございますが、安全器具の検定施設というのがございます。これは安全衛生法の四十四条によりまして、防爆型の電気機械器具でございますとか、アセチレンの発生装置等は、安全性の検査をいたすことになっております。そのための特別の施設を全体計画一億円程度でつくるというものがこれでございます。 それから、次のページに移らせていただきまして、上から二行目の労働衛生検査センター、これは安全衛生法の五十八条に基づきまして有害物の調査、検査を事業主がいたさなければならないことになっておりますので、それをかわって検査を行ないます施設を、全体計画二億五千万円で準備をいたそうというものでございます。 それから、健康診断が法律で義務づけられておりますので、これを行ないます労災病院の付属施設、健康診断センターと申しておりますが、これを二カ所ほど増設をする予算及び民間の健康診断機関に対しまする機械等の助成の予算が計上されております。 以下は前年に準じました予算でございますが、安全衛生融資は二十億円が五十億円に増額になって計上になっております。 それから、労働基準監督官は四十名の増員、安全衛生専門官は三十名の増員、そのほかに、通勤途上災害に関係いたしまして百三十一名の増員が見込まれてございます。 次は、七ページでございまして、四番目の重点事項でございます生きがいある職業生活を目ざす総合的雇用対策の展開、雇用対策の予算でございます。予算総額は四千六百八十二億五千六百万円になっております。これは公共職業安定所を中心といたします雇用対策の全体的な予算でございます。 (1)は、勤労者の生涯を通ずる職業対策の確立。学校を卒業いたしました学卒者の職業紹介と、一度就職をいたしました者が職業を変えてまいります転職対策、それから高齢者になりましてからの高齢者の就職対策、雇用対策という、大きく三つの段階に分けまして、予算を計上してございます。 七ページの一番下にございますが、職業紹介即時処理方式というのがございまして、これはわが国が世界に先がけまして行なっております電算機を利用いたしました即時職業紹介方式でございますが、これを従来百四十五カ所の安定所で行なっておりますものを二十一カ所ほど増加をいたすという趣旨のものでございます。 それから次のページに入りまして、一ぺん職業につかれましてから職業転換をされるというような方々のための諸施策として職業能力の発揮向上と再開発の推進等が予定されております。 それから定年延長の促進を中心とする高齢者対策は先ほど御説明いたしたところでございます。 次は九ページでございまして、左の(2)魅力ある地域社会の形成をめざす雇用対策の推進でございます。これは国土総合開発に対応いたしました地域雇用対策でございます。工業再配置促進法あるいは農村地域工業導入促進法に伴います雇用対策と御了解いただけばけっこうだと思います。予算は四十八年度といたしまして七億九千六百万円を計上さしていただいております。 右側にございまするように、工業再配置の促進と地域雇用対策の強化といたしまして、工業再配置促進法に伴いまして移転をいたします工場の従業員の移転の円滑な推進を行ないますために移転資金を必要な条件を満たす場合には支給をする。それから移転が困難で離職をせざるを得ない従業員に対しましては再就職の援助措置といたしまして受講奨励金を月額八千円程度支給をする。 それから最後は工場が移転をしてまいります場合に移転先の地域に雇用促進住宅を建てますることとか、あるいは福祉施設を準備をする。福祉施設は三カ所ほど調査費を計上いたしてございます。それから関係企業に住宅をつくる雇用促進融資を行なうというようなものが計上されております。 それから農村工業化の促進と離農転職の円滑化でございますが、これは農村地域工業導入促進法に基づきまして導入企業で行ないます事前の職業講習あるいは転職者の移転費の支給等でございます。 次のページに参りまして、一〇ページでございますが、(3)産業構造の変化に伴う中小企業雇用対策等の強化でございます。これは産業構造の変化に対応した雇用対策でございまして、総額で二百五十八億二千八百万円の予算が計上されております。まず、産業構造の変化に対応いたしまして職業訓練を地域の産業事情に合わせるというのが策一点でございます。これは後ほど訓練のところで出てまいります。 それから次は失業保険と対応いたしまして、就職が比較的困難な方、あるいは産業構造の変化に伴って再就職を必要とされる方々に対する職業転換給付金の引き上げでございます。これは訓練手当でございますとか、移転資金でございますとか、就職指導手当等が支給されておりますが、これらを一五%程度引き上げようというものでございます。 次は、大量の離職者が発生いたします場合、たとえば円の切り上げ等で予想されまする離職者発生の場合に対応いたしまする再就職援助の措置を従来にも増して強化をするという予算が計上されてございます。 それから中小企業雇用対策の推進といたしましてさまざまな施設をつくることになっておりますが、下のほうにございます雇用促進住宅が前年度と同じ一万戸、それから勤労総合福祉センター、これは一カ所六億程度の大きな施設でございますが、建設にかかりますのが四カ所、次のページにございますように新しく対象場所を調査いたしますのが五カ所計上させていただいております。 それから勤労青少年体育施設、これは一カ所三千万程度のものでございますが、前年度十カ所を二十八カ所。それから共同福祉施設、これは中小企業が共同して行なわれる場合の施設でございますが、やはり一カ所三千万で雇用促進事業団がつくるものでございます。前年度六カ所を十一カ所に増加する。それから雇用促進融資は二百一億でございます。 それから一一ページの中ほどにございます(4)は職業生涯を通ずる能力開発施策、職業訓練の関係でございまして、二百二十八億一千万円でございます。先ほど申しましたように地域産業の実態と需要に対応いたしまして職業訓練校の内容を再編成するというのが主たる眼目でございまして、ここに掲げてございますように、訓練科目を増設をいたしましたりあるいは従来のものを再編整備するというものでございます。 それから次のページの一二ぺージでございますが、入らせていただきますと、2の事業内訓練の拡大振興というのがございます。これは十一万人程度の対象人員に対しまして中小企業が共同して事業内訓練を行なわれる場合に訓練生一人当たりに補助金を差し上げるという制度と、中小企業が共同して訓練施設をつくられる場合には補助単価四百万円の施設補助を行なうという二つでございます。 それから職業訓練の融資制度といたしまして三億円が準備されてございます。 それから3は人材開発センターでございます。これは地域の職業訓練センターといたしまして成人訓練の実施でございますとか、企業の行ないます教育訓練への施設設備の提供等を行なうものでございまして、従来の訓練校に付置をいたすという予定で予算計上をさせていただいております。十カ所ほど新設をいたしたいということでございます。 なおそこで働きまする職業訓練推進員を一カ所二名、全体で二十名ほどお願いをいたしております。 それから生涯訓練体制といたしましては、従来職業訓練行政として行なっております新規学校卒業者に対しまする養成訓練あるいは企業からの受託訓練、成人訓練等の実施でございまして、前年度とほぼ同じ形で実施をさしていただきたいと思うのでございます。 それから二二ページに移りまして、職業訓練の指導員の養成確保と資質の向上、これは職業訓練校で教えます教員のことでございますが、教員の養成確保と内容充実といたしまして教員の指導施設を職業訓練大学校と申しておりますが、この施設を約総額二十五億円程度で新しく新設をいたしまして、昭和四十八年度から発足をするというのが中身でございます。 それから技能検定制度も相当定着をいたしてまいりまして拡大を必要とされておりますので、職種の拡大、それから技能検定に携わります協会の充実をお願い申し上げるというものでございます。 それから一三ページの(5)は輸送革新に伴います港湾労働者対策の抜本的強化でございまして、これは法律の改正をお願いを申すとともに、それに対応する予算を十三億三千八百万円ほど計上してございます。これは港湾労働法を改正いたしまして六大港に地方港湾労働協会、中央に中央港湾労働協会をそれぞれ認可法人として設立をいたしまして、ここに日雇い港湾労働者の登録、紹介、訓練その他雇用調整を一括してやっていただく。その実施によりまして雇用調整手当等の実務の改善等も行なわれるということでございます。 それから最近のラッシュ船でございますとか、コンテナ船の増加に伴いまする余剰はしけあるいは余剰引き船等の部門につきましては、これが買い上げられることになりますので、それに対応した離職者に対しましては手帳を発給いたしまして繊維関係の離職者対策並みの対策を行なうというものでございます。 それから二二ページの一番下の(6)炭鉱離職者対策駐留軍関係離職者対策等の推進でございます。これは炭鉱離職者臨時措置法、駐留軍関係離職者等臨時措置法がともに期限が参りますので、炭鉱関係は三年、駐留軍関係は五年の期限延長を法律改正でお願いいたしますとともに、それに対応いたしまする予算措置を計上させていただいておるものでございます。 それから繊維関係の離職者対策、沖縄離職者対策は、前年度に引き続き、離職者対策を進めるというものでございます。 それから(7)番目、失業保険事業の運営でございますが、失業保険は、前年、昭和四十七年が五十六万七千人の受給者実人員を想定して予算を策定をいたしました。昭和四十八年度は景気が相当向上いたしておりますが、円問題その他ございますので、なお前年とほぼ同様の五十五万一千人の受給着実人員を見込みまして、総額三千五百四十四億七千四百万円の予算を計上させていただいております。 それから(8)は、失業対策事業の運営改善でございまして、四百三十四億八千万円、吸収人員が前年度とほぼ同じ十万二千人、労力費単価は二二・二%のアップで千四百五十円八十四銭でございます。 それから特定地域の開発就労事業は、吸収人員が前年度と同じ五千人、事業費単価は四百円アップの三千九百円でございます。 次は一五ページ、次のページでございますが、特に手厚い援護を必要とする人々に対する対策でございまして、第一番目は心身障害者対策でございます。心身障害者の雇用促進といたしまして、従来の施策に加えまして、新たに心身障害者を多数雇用いたしまする事業場をモデル工場といたしまして、このモデル工場につきましては、工場全体の施設に対して特別の融資を行なおうという制度を新しくつくることになりまして、これに関する予算を計上させていただいております。これは中小企業で心身障害者を五〇%以上雇用する事業場に対しまして、その工場全体の必要経費を融資しようというものでございます。 それから盲人対策、ろうあ者対策といたしまして、カナタイプ購入資金の貸し付けでございますとか、手話協力員の設置等を予定いたしております。 それから心身障害者に対しまする職業訓練といたしましては、重度身体障害者職業訓練施設といたしまして、新たに一校、五科目のものをつくるということと、従来の国立身体障害者職業訓練校を中心とする身体障害者訓練校の整備拡充を行なおうというものでございます。 二八ページにまいりまして、一番上は先ほど御説明申し上げました労災関係のリハビリテーション施設でございます。 それから左の(2)の季節移動労働者対策は、俗称出かせぎ労働者対策でございますが、三十一億四千万円ほどの予算を計上させていただいておりまして、前年度に引き続きまして、季節移動労働者を送出いたしまする対象県二十二県を中心に就労前におきまする講習会でありますとか、健康診断、あるいは関係の出かせぎ労働者に対しまする指導資料の送付、懇談会の開催、あるいは相談の実施等の事務的諸経費をそれぞれの県に補助をいたすという趣旨のものでございます。 それから季節移動労働者の福祉センターといたしまして、昭和四十七年度は三カ所、東京、大阪、名古屋に福祉施設をつくりましたが、昭和四十八年度は北海道に一カ所、これをつくるという予定になっております。 通年雇用、その他は前年のとおりでございます。 それから、一七ページにまいりまして、(3)の同和地区住民の援護対策でございますが、同和対策といたしましては、就職援助の措置を特別に強化をいたす趣旨で、雇用奨励金の制度を新しく設けることにいたしております。月額八千円で同和地区の住民を雇用された事業主に対して雇用奨励金を支給するというものでございます。それから、関係の同和地区に対しまする職業相談員が置かれておりますが、これを倍に増員をいたします。 それから、職業訓練は科目を増設をいたしまして、なお、関係者には受講奨励金を支給するというものでございます。 それから、一七ページの6は、大臣の御説明になりました重点事項の第五番目に相当いたしますが、総理大臣と労使のトップ会談を頂点とするコミュニケーションの推進でございまして、コミュニケーションを推進いたすための懇談会の費用でございますとか、資料費等の事務的諸経費でございます。 それから、最後のページでございますが、七番目は、積極的労働外交の展開でございまして、東南アジア諸国で最近日本の企業進出が非常に著しいわけでございますが、労使問題につきまして若干のトラブル等があるようにも伝聞をいたしておりますので、東南アジア諸国の労使関係を中心といたしました労務管理なり労働問題の情報を十分収集いたしまして国内に提供いたすという国際労働インフォメーショーン事業というものを新しく起こしたいということでございます。これに関しまする予算は二千七百万円ほど通産省に計上いたしまして、通産省所管のジェトロでこれを行なう、ジェトロに労働省から関係の職員を派遣するという趣旨のものでございます。 それから(2)は、これも新しい予算でございますが、労働組合の幹部が国際交流を行なわれる場合にこれを援助しようというものでございまして、東南アジア中心でございますが、派遣が五名、招聘が五名ということになっております。 それから技術援助は、労働関係では職業訓練が中心でございますが、職業訓練を通じまする国際協力の拡大のための予算がここに八千八百万円ほど計上されてございます。 それから、八番目の新しい行政展開のための体制の整備は、労働情報提供の関係のコンピューターその他の費用、それから職業紹介関係、失業保険関係の事務の合理化のためのコンピューターの費用等が中心でございます。 簡単でございますが、労働省関係の予算を御説明申し上げました。
○委員長(矢山有作君) 両件に対する質疑は後日に譲ります。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○委員長(矢山有作君) 次に、労働問題に関する調査について質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大橋和孝君 今回、私は、警備業務の名のもとに、いわゆるガードマン会社が企業と結託をいたしまして、職場において右翼暴力と申しますか、集団化したそういうふうな力をもって労働争議に介入したり、労働者の団結権あるいはまた団体行動権、さらには市民権までこれをまっこうから侵しているような問題がここにありますので、これにつきましていろいろと質問をしてみたいと思うわけであります。御承知のように、この暴力ガードマンの問題につきましては、昨年の八月の十日及び九月二十八日の二回にわたりまして、本委員会で仙台市にある本山製作所事件を中心にいたしまして取り上げて、関係当局の早急な解決を要請したのであります。それで私は少なくとも事態は、この本山事件におきましても収拾の方向に向かっているんだと心得ておったわけであります。ところが昨年の十一月の一日に警備業法が実施に移されまして以来今日に至るまで、本山の現地におけるガードマンの暴力と労働運動への介入、あるいはまた弾圧の度合いというものは、日ましにエスカレートしているということを聞きまして、非常に私は意外に思っているところであります。特に組合及び支援団体員の負傷者の数は何と七百人以上になっておるということを聞きましたに対しては、実にこの暴力団の介入というものが非常におそろしい暴力行為を行なっておるということでありますので、これはほんとうにゆるがせにしておけない問題であるというふうに考えておるところであります。あとで詳しく述べる予定でございますけれども、仲裁に入った社会党の県会議員に対しましても暴行を加えて重傷を負わせておる、こういうようなことが発生しておるわけでありまして、やはり議員というものは、そういう暴力事件あるいはまた労働争議なんかのときには、あまりそういうことにならないために、むしろ中に入って取り持つという役目をするのでありますが、そういう方々に対しましても重傷を負わせるようなことがあるということは、まことにもってこれは日本の全体で考えて恥ずべき行為であるし、たいへんなことではないかというふうに私は評価をいたしておるところであります。ことにその背景にガードマンをうしろのほうからあやつっておるような、そういう勢力のなみなみならぬ意図があることが察知されますので、事はまた一そう重大であるし、これは社会的な重要問題をはらんでおるのではないかというふうに考えるわけであります。施設の管理、一般警備等が主たる任務だとされておりましたこのガードマンのある部分が、現実には一たび職場に配置されますと企業等の完全な私設機動隊のような役割りを演じたり、あるいは労働者への組織的な弾圧部隊としての本性をあらわしていくというような形が見られますので、それはもうすでに御存じだと思いますが、あの報知新聞の争議や、成田の闘争、あるいは茨城県の那珂湊市役所の争議、あるいは光文社、あるいは細川鉄工、ゼネラル石油精製、あるいはまた教育社、そのようなところ、またこの本山製作所もさようでありますけれども、全国各地において一連に行動されておる、こういうような状態だと思うわけでありますが、この辺のことにつきまして、どんなふうに当局は受けとめておられるのか、ひとつ労働省並びに警察庁のほうから聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(石黒拓爾君) 本山製作所の争議は、たいへん長いこと続きまして、その上に御指摘のごとくガードマン等の介入もございまして、暴力傷害事犯等が頻発いたしましたことは非常に遺憾でございます。その間、宮城県当局が非常に解決のために努力いたしましたが、いまだに解決に至っておりませんが、十二月十八日からは会社側がロックアウトを行ない、さらに地労委のあっせんが十二月二十五日から行なわれましたけれども、これも十二日に一応不調に相なりました。しかしながら、なお地労委も再あっせんの態勢をもっておられるようでございますし、当事者間ではこの機会に解決に持っていきたいという機運がなお非常に強いようでございますので、この機会をのがさずに事態の解決に向かうことを私ども切望いたしておる次第でございます。 なお、暴力事犯等につきましては、これは労働争議に関連してこういうことがありますことはまことに遺憾なことでございまして、法による厳正な処置がとられることを強く希望しております。
○政府委員(山本鎮彦君) 本山製作所の関係では、第一組合が昨年の春の春闘で賃上げ要求をしまして、さらに前第一組合の副委員長の懲戒の解雇処分、これの撤回要求ということで、昨年の四月以降ストライキを断続的に実施して、会社側の出入荷を阻止したり、その過程でいろいろな傷害暴行等が行なわれておるという事案があったことから、会社側としては、昨年の五月十九日に特別防衛保障株式会社と警備の委託業務契約を締結して、五月の二十日からガードマン五十人が交代で社屋内外の警備に当たっておったわけです。九月以降は十数人に縮小した模様でございますが、その後昨年十一月一日に警備業法が施行されるということで、昨年の十月二十三日に会社は新たに警備課をつくって、特別防衛保障株式会社との警備の委託業務契約、これを解約いたしまして、同社のガードマンをそのまま警備課員として社員に採用いたして、その後この警備課員が主体となって警備に当たっておる状況でございまして、まあ会社側はこの第一組合の時限スト、指名ストに対抗して、昨年の十二月十八日に第一組合に対してロックアウトをいたしております。その後昨年の十二月二十五日に宮城県の地労委が臨時あっせん員四名を委嘱して職権あっせんに乗り出して、本年の二月九日に同あっせん員から労使双方にロックアウトの解除及び会社は警備課について可及的すみやかに善処するなどの四つの順守事項を示したあっせん案が提示されたわけでございますが、会社側のほうは十二日に無条件で受諾する旨回答いたしましたが、組合側は、十二日に、ロックアウト中の賃金の支払い、警備課員の即時解雇など四項目の条件つきであっせん案を受諾する旨の回答をいたしたわけでございます。このため臨時あっせん員は、翌十三日に、組合側の要求条件はのめないということで、あっせん打ち切りを言明して現在に至っておるわけでございますが、その後十九日と二十一日にも団交が開かれたというふうに承知いたしております。 この間の不法事案として、昨年四月争議発生から五月二十日のガードマンが導入されるまでに六件、ガードマンが導入されて十月までに十六件、十一月以降現在までに十一件、計三十三件の暴力事件が発生をいたしているわけでございまして、宮城県警察では、このうち十四件について捜査を遂げまして、三十四人の被疑者を仙台地検に送致あるいは送付いたしております。残りの十九件については現在鋭意捜査中という状況でございます。
○大橋和孝君 もう一つ、その本山もそうでございますけれども、いま最後に私が指摘いたしましたように、各所の争議に対してガードマンが介入してやっておる、こういうようなことは、前の質問のときには、警備業法ができたらばこれで取り締まれるけれども、警備業法が十一月から実施されるのでそれまでの間にはなかなかそれがむずかしいのだというような答弁もありましたけれども、実際各所にこういうことが行なわれている問題に対してどういうふうにとらえられておるのか。むしろ私はこういうふうな問題は各所各所に起こっておるような感じがいたしまして、いわゆる暴力ガードマンと申しますか、そういうのが介入して、当然与えられている労働者の権利というものがみな踏みにじられている事件が各所にあるわけですね。こういうような問題を踏んまえて考えるときに、私は非常に重大な問題じゃないかと思う。この問題に対してどう把握して、どうそれをしていかれようとしているのかという基本的な姿勢をひとつ聞かせてもらいたい。これは労働大臣、ひとつ一ぺんよく聞かせていただきたいと思うのです。 それから同時に、第二点としましては、この本山製作所における事態、先ほど申しましたように、去年の間に質問をして、いろいろ私もまたほかの委員からも御質問があったわけでありますが、そういう中でもう少し前向きに、こういう問題が進んでおるんだ。ことに十一月からは警備業法も施行されますので、これがもっとうまいぐあいに進みつつあると、こういうふうに観測しておったんでありますが、それどころじゃなくて、いま申し上げたように非常にたくさんな事件が起こっておる。負傷者も起こっておる。しかもいま警察庁のほうから話を聞きますと、何件やらについては送検をしておると言うんですが、とてもとてもいま起こっておる実情を十分に調査が尽きていない。まあいまのお話では調査中であるというお話でありますから、それもよく理解する上においてまだまだ私は不十分じゃないかと、こんなことでほんとうに、まあたとえば労働者の側からだって非常に不安定な、いつ骨を折られて、いつ自分のからだに危険が来るかもしれないという状態で働かなきゃならぬというようなことがいまのこの法治国家の中で許されるのかどうか。それで、そういうふうな恐怖感というか、そういうふうなことが起こりつつあるような状態を見ますときに、私は総体的に考えて、この問題に対しては非常に重大な問題だというふうに考えるわけであります。特にこの警備業法が行なわれましても、ほとんどこれは無力で、実際において効果があがってないとするならば、これは私は一体どこにあるのか、これを一体関係当局としてはどういうふうに責任を受けとめておられるのか。私はそういうことがあってはいけないというのでこの法律ができたのにかかわらず、これがまだまだそのままで行なわれているとするならば、一体当局は基本的な姿勢としてこれをどう受けとめておられるのか。そして緊急に解決が迫まられておる現地の状態を見まして、一体それに対してどう対処されるのか。この三つの点について明確なひとつ御答弁をいただきたい。特に大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(加藤常太郎君) 大橋委員から御指摘のように労使の紛争でありますが、各所で最近でもありますけれども、特に数年前は不当ないろいろな問題が各所で頻発したのでありますが、最近はだいぶん労使関係が話し合って、あまり悪質なことはなくなりつつありますが、この本山事件については私が就任いたす前から私としても聞いておりまして、何とか労使でうまく話し合って解決してもらいたいと、こういうふうな気持ちでおりますが、いま御指摘のように、特にこの問題はガードマンが介入してなお悪化したと、ガードマンの問題はその他のいろいろな不備な点もありますので、政府において十一月の一日にガードマンの警備業法が制定されたのでありますが、いま御指摘のように法の趣旨に従って不当な介入はできないんでありますけれども、どうもこの点については県当局を通じてきょうも、朝、事務当局から十分これをお聞きしたんでありますけれども、どうもすかっと解決できないと、こう言うので、今後このガードマンの問題に対しましても、いろいろこれは紛争だけでなく傷害事件も起こしたり、これはもうちょっといろいろの点を何とか早く解決いたさなければならぬという気持ちでおりますので、いままでもいろいろ労働省としてそのまま放置したわけではありません。県当局と連絡をとって、時にはロックアウトの解除のあっせん案も出したんでありますが、二月ごろこれが不調に終わったと、こういうふうな経過を経ておりますが、今後何とか、かえってガードマンのためになお紛争が解決しにくいと、まあガードマンのいろいろな警備の問題については労働省の監督下ではありませんので、警備局長からお話があったとおりでありますが、今後何とかしてひとつ早期に解決したいと、こういう労働省としてはこれば本格的な気持ちで……。ただ労働省が現地へ行って介入してどうということもなかなかこれはむずかしい。きょう聞きますと、事務当局は、大臣、それはどうもむずかしいと、こういうようないろいろな関係もありますが、大橋委員の御指摘のように、早くガードマンの問題を解決して、ともにひとつ労使がこの問題を早く解決すると、長期にわたると、労使ともこれはたいへんな影響がありますので、御趣旨に従うように、地労委並びに県当局その他を督励いたしまして、解決をひとつ推進したいと、こういう所存でおります。
○大橋和孝君 私、まだ個々の詳しい問題であとからいろいろ伺いますが、いまの前提の問題として、こういうふうな暴力ガードマンと申しますか、暴力的なことまでやって、そうして正当な権利を侵害しながら、あるいはまた市民に至るまで恐怖感を与えているという、こういう状態は、この警備業法でもって取り締まれるものだというふうに考えておったわけですが、これはしかし現にいま話してみましても、労働省もなかなかそこの労使の関係だから入りにくいとか、また警察当局のほうもまあ何かの目にあらわれた、たとえば暴力の行為そのものしか取り締まれないのだとか、こういうようなことになりますと、何かその実際受ける側に立ったら、――国民側、あるいはまた労働者側から見ますと、実にたよりのないどこへたよっていいかわからないという状態、特にここらのあたりでは、地労委に提訴しても、あるいはまた地裁に対してのあれを受けましても、それがまだ実際実行されていないと、こういうようなことになりますと、これは世の中やみでありまして、どうにもならぬというわけでありますが、これを警備業法ができましたころからのことに振り返ってみて、一体どうあるべきだということを、労働省の大臣のほうではどう把握しておられるのか。また警察庁のほう、法務省のほうでは一体どう考えて、この問題に対して、これから、抜本的に処理をするか、こういうことについて一ぺん基本的なことを話してもらいたいと思うのです。
○説明員(奥秋為公君) お答えします。いま大橋先生の御指摘になりました、要するに特別防衛保障会社についてつとめていた人間が一たんその身分を離れて、今度本山製作所に新たに採用されて、その人間が違法な行為をやっておる。その場合に警備業法でもってそれが取り締まれないかという点が一番中心だろうと思うのですが、この点は現行法のたてまえから申しますと、先生もいろいろと御承知と思いますけれども、現在の警備業法は、警備業をやっている業者、その業者に雇用されている警備員、その二者がもし第八条に掲げている基本的なああいう正当な団体活動等につきまして干渉するような行為が出てくれば、これは直ちに八条違反ということで処断されるという形になるわけなんですが、一たん身分を離れて、それで新たに本山製作所のようなところに雇用されてしまいますと、直ちには警備業法は働かない仕組みに現在なっております。それで私、主管課長としまして率直なことを申しますが、こういうふうないわゆる脱法的な行為が行なわれるということにつきましては、今後の警備業法の運用等を考えた場合に、非常に私は重大な問題だと思うのです。したがいまして、警備業法ではこれが直ちに手が出ないとしましても、他の法令等に照らして、これを何らかの形でもって処断する手続はないかという点でいろいろ検討しているわけです。それで現在いま一応私のほうで検討している結論としましては、職業安定法違反でもって何かの罪が立たないかということで、特に労働供給事業違反というような関係でもっていろいろ検討を進めて、現在捜査を行なっている状況であります。 それから先ほどの一番最初の御質問がありました中で、特に特別防衛保障株式会社というものは非常に悪い会社である、これはまあ確かに先生御指摘になったように、過去においていろいろな問題を起こしている札つきの会社であることは事実です。それでわれわれとしましてもこの札つきの会社につきまして今後どうするか、これは一応いまある警備会社の中で一番超重点にこの特防をどう扱っていくかということを現在考えております。それで、実は昨年の十二月十三日に、これは築地にあるわけですが、警視庁で立ち入り調査をしていただきまして、それで法律でいろいろ規定されているような事項につきましてよく調査いただいたわけでありますが、そこで、大体この特防なるものが非常に臨時職員ですね、これを多く入れていると、その際調査したときにも正規職員が六名で、臨時職員が十三名というようなことが実はわかったわけです。しかも、十三名の職員が正規職員一名に引き連れられて江戸川競艇に行って、競艇の警備を担当しておったと、そういうことがわかったわけでありますが、特にこの会社につきましては、この臨時職員が会社に雇われているときに、特防に行きましても、この臨時職員がいろいろ不都合なことをやっているわけです。それで、私のほうとしましては、この特防につきまして今後その臨時職員をなるたけ減らすように、それから、特にこれは教育の面でもって規制を加えていけばある程度の効果はおさめ得るのではないか、実はこう考えております。それで、今後引き続いて特防本社につきましてもよく調査をしまして、特に江戸川競艇等におきましても何らかの職業安定法違反等が出てくればこれ等につきましても立件したいというふうに現在考えております。以上です。
○説明員(田邊明君) 法務省民事局におきましては、前回の御審議の後に、問題になっております特別防衛保障会社の成立からその経緯を調査いたしてまいりました。概略申し上げますと、この会社は昭和四十年の八月に大一工事株式会社という名前で成立しております。資本金が五百万円でございます。当時の事業目的と申しますのは、コンクリート製品の製造、それから水道、暖房工事、こういうふうな営業の目的になっておりますが、その後社名が変更されてまいりまして、同年の十二月に巴開発株式会社という名前に変更され、さらに四十四年の四月に現在の特別防衛保障株式会社という名前に変更されてまいりました。この間営業目的にも変更が加えられまして、最後の社名に変更いたしましたときに問題の警備保障関係を事業目的に加えておるわけでございます。そして、この会社を構成します取締役員でございますが、飯島勇という者が代表取締役の地位を占めてきておりました。法務省といたしましては、この会社の設立の経緯から調査をいたしますとともに、昨年の十月の六日に代表取締役の飯島から事情を聴取いたしました。そして十月の七日に代表取締役の飯島がこの会社から退任するという変更登記をいたしてまいりました。 経緯はこういうことでございますが、先ほどから警察からの御説明がございましたように、飯島本人の事情聴取の過程で知り得たことは、いわゆる警備保障のためにも一般の社員、そのほか特別隊員というような者を擁している。この特別隊員がおそらく臨時職員のような系列の人かと思うわけでございますが、本人自身の本件に対する答弁は要するに事実関係を否認するわけでございます。私どものほうの調査目的は、商法五十八条にございますように、会社の取締役が刑罰法令違反行為を繰り返して行なっていないかという点にあったわけでございますが、本人は事実関係を否認すると、こういう状態でございます。調査の過程におきましても、五十八条で問題となりました法務大臣の警告の要件に該当するかどうかということを検討しているわけでございますが、私どもとしては事実上飯島に十月六日には警告を発しております。つまりこの種の行為が会社の行為として認められ、これを反復継続する場合には警告があり、解散命令の対象になり得るという警告をしたわけでございます。まあその結果でございましょうか、翌日に本人は身を引いたというかっこうをとってまいったのでございます。これは現在までの調査経緯でございますが、引き続き関係省庁と連絡をとりながら五十八条の要件を満たす事実の認定というものをさらに見きわめていきたい、こう考えております。
○大橋和孝君 大臣ね、私はいま、さっきから申し上げているように、去年質問さしていただいて、十一月から警備業法が適用されると、この問題は非常に対象にしやすいというような話も警察庁のほうから聞いて、まあまあ十一月になって、それが適用されたならば、もう少しいろいろなところでその法律を生かした運用をしていただいて、そうしてこういう問題はいい方向にいくんだろうと、こう思ったんですが、いま逆なんですね。だから法の盲点を突いて、それを悪用していくと、こういうようなことがあって、しかもいまちょっとお話しになったそのいままでの警備会社の一番の主体者はちょっと外にいのいたからそれでいいという、それがまた一番元を引いてこれをやっておるということであれば、名前は変わっても主は変わっていないという形で、一つもこれはおさまっていないわけですね。そうなれば、もうそれで警備業法そのものは適用除外になるのかということになれば、これは私は法の裏をくぐっていけば暗黒は何ぼでも続くということになるわけですから、これはたいへんじゃないかというふうに思うわけですね。ですから、私はここらの状態、もっとこまかしい具体的な例はこれからお話を聞いて、私もいろいろな意見もお伺いしたいと思っておりますけれども、その総元締めで、警備業法ができたけれども実際においてはもう何ぼでもそれは悪用というか、法の盲点を突いていけるという状態のままで置くならば、この警備業法そのものはざる法であるというか、かえってもう悪いほうに助長していくような形になっちゃうわけじゃないか。私はそういうことから考えまして、こういう問題にこういうことが起こっているのをもう少し真剣に見つめてもらって、どこにそれがいけないか、どこで取り締まることができるのか、あるいはまた、どういうことでもって正しい法律の精神が生きるのかというものを私はやってもらわぬ限り、それは、これはできましたけれども、社長が変わりましたからもうそれでいいんですとか――まあいいとはおっしゃっていない。これからまだやられましょうけれども、その突くところが結局薄まっていくとか、あるいはまた、これは七百件ですよ、件数が、私いま聞いてみますと。そこの中で実際対象として調査されているのはほんのわずかしかないわけですね。中には、あんた、県会議員なんか骨を折っているんですよ。骨折まで起こしているというような大きな暴力行為といえば、これはもうたいへんな問題じゃないかと思うんですね。それで私はいまここにも写真を持っておりますから、あと具体的な例のときにはこの写真を一ぺん見てもらおうと思っておりますが、私、こういうのを見ましても何かこう戦慄を覚えるわけですね、これでいいのかしらという、それからまた、そういう場面に入ったらどうなんだろうと。私どもも国会議員として何かそういう争議のあったときにはよう行きますね。その現場によく行きます。それでどういう目的で行くかといえば、そういうまずい面が起こらないように双方の中に入って話し合いをつけるように援助に行くわけなんですよね。そいつまでなぐり飛ばしてしまって骨が折れるほどやるというような、こういうことをやられていること自身があるとするならば、私はこれは一体だれが守り、だれが一体そういうことに対しては正しさを説得するのか、私はそれはもう全然問題じゃないんじゃないかというふうに思います。ですから、私は労働者の権利を守ってもらう労働省の中で労働大臣は、こういう問題に対してまず積極的にどういう方向を示すかということをひとつはっきり聞いておかないと、あとこまかしい問題をしておりましても、ふやふやに済んでしまうのじゃないかという感じもしますので、私はもうほんとうにこの問題を強くひとつ何とかの形で、どうしたらいいのかということを私も教えていただきたい、こういう立場なんです。
○国務大臣(加藤常太郎君) 私も就任当初であって、いろいろ各方面の意見を聞きましたが、この委員会の最終過程までに大臣としてのこれに対処する最終の方針を御答弁いたしますが、とりあえず事務当局のほうにいろいろの意見をひとつ私も聞いて最終的にいたしますが、やはりいろいろ法律の裏を裏をというようなかっこうのような感じがあって、ほんとうに大橋委員から話したとおりでありまして、とりあえずこの問題に対していま警察、法務省の関係聞きましたから、労働省の安定局長からひとつ労働省のほうのこまかい状態を説明させます。そして最終的に私から方針について申し上げたいと思います。
○政府委員(道正邦彦君) 特別防衛保障会社の職業安定法違反の問題につきましては、労働省といたしましては宮城県あるいは関係の職業安定機関に調査を命じまして実態把握につとめたわけでございますが、これまで各方面の調査によりまして判明した事実によりますと、少なくともガードマンが本山製作所の警備課員として採用される以前のガードマンの派遣につきましては、職業安定法に定めまする労働者供給事業違反に当たる疑いがきわめて濃厚であるというふうに考えます。で、その点につきましては警察御当局にも御連絡を申し上げている次第でございます。現在は警察で捜査を進めておられますので、所管機関といたしましては司法警察権もございませんので、警察御当局にお願いいたしまして、その推移を見守っている段階でございます。
○大橋和孝君 またあとから聞かせていただくことにして、まず前の問題、いろいろこまかしい問題をいまお話がありました職安法、警備業法違反の具体的な問題だと思うわけですが、昨年の十月の二十三日に、警備業法が施行された、実施の直前になって本山製作所では社内に警備課というのを設けられて、そして特別防衛保障会社、いわゆるガードマン会社を辞職させたガードマンを警備課員として採用した。これは一つの脱法行為の形態となったわけでありますけれども、こういうふうなガードマンのときは警備という名目があった手前で職場内に入ってこなかったわけでありますけれども、今度は警備課員となりますと、公然と職場内に入り込んで正当な労働争議なんかを戦っているところの労働者に対しましてなぐったりけったり威嚇、あるいはまた大声でどなるというような状態で隊列を組んではそういう暴力行為をすることがほとんど日常化されてしまったというわけですね。これは本山の社長以下の職制がガードマンを自分の手足に使っているわけでありまして、みずから手を下すよりも、こういう悪質な手段をとっておるということになるわけでありまして、これに対しまして会社側は社員であるから警備業法にあるいろいろな条件に従う必要はないということを強弁をしております。ガードマン会社の暴行に涼しい顔をしておると、こういうふうな状態が起こっているわけでありますが、こういうようなことが、会社に入っていくということによって警備的な考え方が、もっと、何というか、いままでのガードマンできておったよりは悪くなっている実態があるわけです。こういう問題についてどんなふうにお考えになっているのか、こういうことがあっても、これはあたりまえだというふうにはならぬと思うのですが、どんなものでしょうか。
○説明員(奥秋為公君) 先生の御指摘の点につきましては、私まことにそういう点は遺憾と思います。ただもう一度繰り返しますけれども、警備業法は会社が自分の会社でもって雇った、要するに自衛警備ですね、自衛警備につきましては、法律制定の段階でいろいろ御議論ありましたけれども、一応自衛警備についてははずされているというのが現状なんです。したがいまして、会社が右翼か暴力団みたいのものを雇って、それで争議の中へ介入していくということにつきましては、警備業法ではいまのところ何としてもこれは手当てできないという現状になっております。
○委員長(矢山有作君) 一つだけお伺いしたいのですがね。いま聞いておりますと、道正安定局長のほうはこの特防の会社については、その特防の会社の警備員が本山製作所に雇用された、その経過について職安法違反の疑いがあるという見解を警察庁のほうに連絡をしてあるそうですが、その前提で警察庁のほうもはたして職安法違反があるのかどうかということを私は具体的にもう調査をされておると思うのですが、その中でどういうふうな判断を持っておられますか。それとも労働省から職安法違反の疑いありという連絡は受けたけれども、まだ十分な調査ができておらないということですか。どちらですか、その辺はっきり……。
○説明員(奥秋為公君) 一応現在まあ極力その労働者供給事業違反の点につきましては、現実に捜査をしております。それでその違反と思われる疑いのある事実が出てきつつあります。われわれとしてはできるだけその線でこれは捜査を続けて事件をまとめたい、こう考えております。
○大橋和孝君 だいぶそこらのところを明らかにしていただきましたけれども、私もう一ぺんちょっと詳しく聞いてみたいと思います。このガードマンがかってに本山の警備社員として採用されているという、これはいまおっしゃっているように職安法の四十四条違反、労働者の供給事業の禁止に明らかに抵触しておると私も思いますし、いまそういうことの事実がだんだんあらわれておるということでございますが、これは本年二月に開かれた社会党の労働委員会あるいは地方行政委員会でも法務委員会でも問題になって調査されたわけだと思いますけれども、やっぱりこれは労働省当局は四十四条違反が濃厚であるということを十分に考えておられるけれども、なお一そうこれが調査のためにということで私は非常に遷延しているのがこうした問題をずっと持続させている一つの原因になるように思うわけでありますが、その辺のところをもっと詰めてやっていただくことが第一。それから労働者の募集に関する職安法の三十五条、この「(文書による募集)」ですが、「通常通勤することができる地域以外の地域から、」は、これは公共職業安定所長に通報、あるいはまた三十六条では労働大臣、地域の方は県知事という形でいろいろ規定されているわけでありますが、この三十五条、三十六条違反の疑いがあるともちろん考えておられると思いますけれども、こういうことに対してももう一つ詳しく規制をしてこれをひとつ進めてもらわなければいかぬのじゃないかというふうに考えます。ですから、もう前々から、この前の質問のときにもこのことは指摘をして、職安法違反でいるのが濃厚なんだから、それをやってもらうようにお願いをしましたし、それをやっておってくださるにしましても、私はこういうふうな問題は非常に明らかでしょうから、もっときびしく話を進めてもらわんければだめじゃないかと思うのですが、その辺いかがですか。何で時間がそうかかっているのか。
○政府委員(道正邦彦君) 私どもももう一年近くたつわけでございまするし、一日も早く事態が円満に解決することをこいねがうわけでございます。その中にありまして法律違反の問題があれば、これを早期にはっきりさせてしかるべく処置をするというのが当然かと思います。先ほどもお答えいたしましたように、特防会社の職業安定法違反の点につきましては、警察御当局と連絡はとっております。で、私どもの考えも申し上げてございます。その結果、警察におかれまして現在捜査をお進めいただいているわけでございます。私どもといたしましては、一刻も早く捜査が終了し、しかるべく処置がなされることを心から期待している段階でございます。
○大橋和孝君 警察庁のほうにちょっとお尋ねをしますけれども、前に私、質問さしてもらったときに、警備業法が実施されると、その十分な運用をして、こうした問題は大体適正な措置がとれるという見解を出してもらって、これは議事録にも出ているわけでありますから御存じだと思いますけれども、私は、先ほどから言ったようなそういう感じを非常に持っておったわけですね。ところが、ずっと経過を見てみますと、雇用ガードマンがそういうふうになれば、警備業法では取り締まりができない。何かすぐ警備業法というものがもうできないというふうにほうり出してしまって、そうしてこれを片づけておくところに私は問題があるんじゃないか。いま言う警備業法で行なわれている中で、こういうふうな暴力ガードマンが中に入っていってこういうことをやる。こういうような正しい労働運動にも介入してめちゃをする。しかも負傷までさしておるわけですから、ここで警備業法をほうり出してしまって、もうだめなものだというふうな、それでは何の取り締まりもできないんだというふうなことにすぐ片づけてしまう前に、何かそこで考えてもらえないかという、私ども、そこのところ、法そのものに対するこまかいところには多少欠けている点はあるかもしれませんけれども、国民の受ける側から見れば、せっかくそういう暴力ガードマンを取り締まるための警備業法ができても、それをちょっと裏をくぐれば、それがもっとエスカレートして、いままでは表にしかおらなかったやつが、今度は職場の中まで入り込んでいくということにすっといってしまっても見ておらなきゃならぬのだと、警察庁のほうでそうであるということは、何かその脱法行為に対して手が打てないということ自身が非常に納得できないわけですね、市民感情として。ですから、こういうことに対しては、ひとつやはり相当考えてもらえないだろうかと、私はこういうふうに思うわけです。これは社会党の合同調査委員会の席上でも、職安法なんかの違反の事件の取り締まりができないという点について非常にいろいろ疑義を申し出て考えたわけでありますけれども、ことにこの職安法の四十四条の違反というものもこれは濃厚であることはいま指摘されていますが、これをもっと綿密に関連をつけて、そして、これがほんとうに実効をあらわしていくように持っていかなきゃ、やはり調査する、調査するということだけではどうも納得できないんですが、労働省の側にも私はそういう意味で御意見を伺っているわけです。ほんとうにだれが守ってくれるのかということが全然できないわけですね。ですから、あまり法の表のほうばかりにとらわれないで、もっと真にそういう事実を突きとめて、それは何とかの解釈とか法の運用、これは妙味によって法というのはどうでも使えるわけですからね。まあ、どうでもというわけにもいきませんけれども、いろいろ妙味があるわけですから、もう少しこういうふうなことを積極的に適正な措置がとれるものだろうと、私は心からそういうふうに思うわけですが、その職安法四十四条の見解についても、違反があるだろうということをどういうふうに生かして、そういうことが取り締まっていけるのか、そういう可能性というか、そういうようなものをもう少し前向きに答弁してもらわないと、どうも私は質問者に立って非常に、何といいますか、空虚を感ずるわけですね。そこのところをひとつ踏んまえて御答弁願えぬでしょうか。
○説明員(奥秋為公君) ちょっと一般的なことをまず初めに御説明いたしたいのですけれども、警備業法が施行になりましてから、特に警備業法の八条を非常に重要視しまして、これができたならば、今後正当な団体活動の中にガードマンが介入することがほとんどなくなるだろう、それを非常に期待したわけなんです。 それで全般状況を見てみますと、いまのところ、特防を除きましてはほとんど争議につきまして問題を起こしている警備業はありません。 それから、特防のこの関係につきましては、先生も御存じだと思いますけれども、労働者供給事業関係でいままで立件したというものは過去にないわけです。しかし、それでも今度こういうふうな脱法行為をやる者については何としてもやる、そういう固い決意をわれわれは持っているわけです。それから、宮城県警もそういう決意を持って現在捜査に着手しておりますから、おそらく形が整ってくるんじゃないか、かように思います。 なお、内容等につきましては、現在捜査段階でありますので、具体的な説明等につきましてはお許しをいただきたい、こう思います。必ずやりますから。
○委員長(矢山有作君) 私のほうからもう一つ大臣がせっかくおいでだからお伺いしたいんですが、この問題が当委員会で論議をされたのは昨年の八月、引き続いて九月です。でありますから、労働省関係の方も、それから警察庁関係の方も、もうとつくからこの問題については注目をされておらなければならぬはずなんです。そして警備業法の施行が十一月、その時点で特防のほうから、本山製作所に特防の社員を本山製作所の社員として採用した形をとったわけですから、そういう時点で当然これは職安法違反があるんではないかということに注目をされていいはずだと私は思うんです、常識的に考えるなら。そうすれば、その時点で直ちに労働省が職安法違反があるのかないのかということに関心を持たれて調査に着手されるなり、そして、それと連絡をとって警察庁が動かれるなり、そうするならば、私はこの問題の解明はもっともっと早くいっておるんじゃないか。ところが、そういう点の活動の機敏さというか、事態に即応して動こうという姿勢がないから、十一月にそういうふうに特防の社員から本山製作所の社員に切りかえがなされておるのに、この二月になるいまの段階に至るまで十分な調査ができないでおるんではないか、こういうふうに感ずるんです。そういう点では労働省としてもやはり警察庁としても、もう前からわかって非常に問題になっておる事件なんですから、迅速な処理をするように、そして適切な処理をするように努力をしていただかなければならぬと思いますので、これはいままでの審議の経過を見ておりまして、私は委員長としてきびしく注文をしておきますから、答弁は要りませんから、今後十分注意していただきたいと思います。
○大橋和孝君 いま委員長もお触れになりましたけれども、私は、警察庁としてはもっと十分な注目をしてもらって、本山製作所にこういうガードマンが採用されていくということ自身も、あるいはまた何かの事件も何回も起こっているわけですから、そういう事件に際して、こういうガードマンを撤去しなければならぬというぐらいなことを明らかになさるような処置はとってもらわなければならぬと私は思うんです。 それからまた同時に、これを考えてみますと、本山製作所だけじゃなくて、細川鉄工でも大阪で行なわれているわけですよ。警備課員として採用したわけでありまして、しかも、その背後には特防の飯島が、やはりこの本山にもあるいはまた細川鉄工にも、何かそこで事故を起こした人を入れかえしたりしているわけですね。細川へ行っておったのを本山へやったり、本山のやつを細川へやるというのをうしろから引いているのがいわゆる飯島だ。飯島は何か特防からのがれた。こういうことでもって、こういうようなものがずっと仕組まれておるとすれば、なお一そう、その調査結果を出していただいて、その辺のところでどうであったかということもひとつ私は伺っておきたいというふうに思うわけです。 それからまた、本山製作所の本山軍蔵という社長は「警察友の会」の会長です。防犯協会役員などをやって、そして、仙台の北署との間の関係を聞いてみますと非常に密なるものがある。このことは、昨年十二月に県警本部の巡査長さんなんかが労務課主任として迎えられておるという点もあるわけです。あるいはまた、仙台南署からはもう一人、総務課の主任として雇用されているという事実なんかがありますと、警察署とこの本山製作所に何か癒着的な関係があるんではないかというのが、私はまた考えられると思うんです。ここでこの「警察友の会」の会長を本山社長は現在やめているのかどうなのか、また「警察友の会」の全国的な実態も私は一ぺん聞かしていただきたい。そしてまた、その警察署におった方がその労務なり、あるいはまた総務課の主任なりというような形で入っておられるということ自身も、何か明瞭でないものを感ずるわけでありますが、こういうようなこともひとつ教えていただきたいし、同時に、私は、この警備業法施行前の本山の採用者の氏名一覧表、それからまた、飯島が雇用しているのは何名かの氏名一覧表なんかをひとつ資料としていただきたい、こういうふうに思っておりますので、その点についてもひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(山本鎮彦君) 社長が友の会の会長ではないかという御質問でございますが、これについては、会長であったことはございますが、現在すでに会長はやめておる。二月十四日にやめたというふうに聞いております。
○大橋和孝君 だからそんな――やはり南署あるいはそういうところがら行っておられることは事実ですか。県警本部あるいはまた仙台南署……。
○政府委員(山本鎮彦君) 巡査長が本山製作所に入っているかどうかというお話でございますが、確かに宮城の県の警察官でやめた巡査長の方が昨年の十一月十五日に健康上警察の仕事ができないということで一人やめております。そして、この方は胃かいようと肝臓機能障害で四十二年に長いこと入院されておりますので、その後、勤務かたがた療養したんでございますが、再びぐあいが悪いということでおやめになったというふうに聞いております。そして、おやめになったので、上司が、困るだろうというので、就職先、軽い労働ということで仙台市内のある建材会社に、本人のほうが自分のほうでここへつとめるんだということだったので、特にお世話はしなかったというふうに聞いております。その後、本人がその建材会社で元気にやっているというあいさつ状が来ておって、そこの上司もそういうことでつとめていると思っておったわけでございますが、その後、そこの会社をやめて、昨年の末に警察官が本山製作所のほうに行ったところ、そこに入っているということが初めてわかったわけでございまして、これも全く、何と申しますか、本人の意思でそういうことが行なわれたわけで、警察としては全然知らなかったということでございまして、職業選択の自由と申しますか、それまでちょっとわれわれのほうで知らないし、それまでは干渉するわけにいかないという実情であります。
○大橋和孝君 それは、まあそういうことは私もあまり触れたくはないと思います。 ですけれども、何か、いろいろ、いまも私が申しているような形で非常に長引いてまいりますと、いろいろなことに予測的に考えられることでありますので、そういうふうなことは別といたしましても、ひとつ、やはり、そうしたことを基準に、厳にやっていただきたいということとともに、私は、いま二月二日の日に合同調査委員会のほうから資料を要求したわけですね。それの要求されておったところの警備業法施行前の本山の採用者氏名の一覧表と、それから飯島が雇用しておるところの何人かの氏名一覧表というものの資料を提出してもらうようにお願いしていただけますか。
○説明員(奥秋為公君) 先生、たいへん恐縮なんですが、実は、本山製作所でもって元特防のガードマンを採用した名簿につきましては、一応わがほうで捜査資料として会社から提出さして、それを現在使用している状況なんです。そういうことで、現在まだ捜査中でありますので、その名簿提出はお許しをいただきたいと思いますが……。
○大橋和孝君 これは、いつごろになったら……。もし、捜査の結果で……。
○説明員(奥秋為公君) 大体捜査の結末がつきましたならば、その時点でお渡しいたしたい、こう思います。
○大橋和孝君 会社の雇用しているやつもそんなことになるわけですか、名簿は。これは労働省にも一ぺん聞いておきたい。十一月の施行前に雇用したのとあとで雇用したのをちょっといただきたい。そういうことは頼むことはできないですか。これは二月の二日に合同調査委員会が資料提出をお願いしているわけですね。しかし、それがまだ出ていないわけで、それはいまの話を聞いてわかりますが、その警備業法の施行前の本山製作所で採用している氏名の一覧表、これはもう会社のものですわね。そうして、飯島さんが雇用しているやつなんかもわかればいいですけれども、飯島さんのほうは問題があって警察庁のほうでちょっと先までというならば、会社が採用している者なんかはそんな関係なくいただけるのではないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(道正邦彦君) 雇用関係が成立いたしますと、私どものほうに失業保険の書類が出ます。したがいまして、それを調べます。そして警察と御連絡いたしまして、捜査に支障があるかないか、警察の判断もいただきまして、ないということであれば御提出いたします。
○大橋和孝君 それから飯島さんが、というのは警備会社が名簿を出すということは、あれに、法律の中に規定してあるじゃないですか。その氏名を……。それはどうですか。
○説明員(奥秋為公君) 警備員の名簿は、警備業法第十二条の規定に基づき警備業者が営業所ごとに備えつけておくことになっております。
○須原昭二君 関連。はっきり申し上げますが、関連でちょっと資料提出をお願いします。 この警備業法の第十二条に「(警備員の名簿等)」、これで名簿をきちんと備えておかなければならない。「必要な事項を記載しなければならない。」と、こう規定をされているわけです。法律でで規定をされているものを出すというぐらいのことはできるんじゃないですか。これは出していただきたいと思います。あえて要求いたします。
○説明員(奥秋為公君) 現在の特防の名簿は営業所に備えつけてありますので、これは法律によりまして。それならば検討さしていただきたいと、こう思います。
○委員長(矢山有作君) それは出せるはずだろう。どうなの、それは。検討というのは。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。
○説明員(奥秋為公君) 提出いたします。
○大橋和孝君 じゃもう一つ。次には、裁判所の仮処分決定と労働委員会の勧告無視の点でございますが、昨年五月の二十九日に仙台地裁で、会社ガードマンが全金本山支部の集会、デモ、ビラまき等の組合活動を妨害してはならない旨の仮処分決定が出されております。また、昨年の六月の十五日には、宮城県の地方労働委員会で、ガードマンを撤去せよとの勧告をしておる。以降、三回を重ねているわけでありますが、会社側はこれらの決定勧告を全く無視してこれを拒否し続けてまいっておりますし、暴力行為を続けてきております。これに対しまして、警察当局は何ら仮処分勧告を保護し、あるいはまた助けて、そういう勧告の実施に向かって一つも保護してこなかった。それをまた警察庁はどういうふうにこれを考えていらっしゃるのか、ひとつ伺っておきたいと思います。
○説明員(室城庸之君) ただいま御質問のございました仮処分の内容につきましては、昨年五月二十九日に仙台地方裁判所から、第一組合側の申請を認めた「組合活動に対する妨害禁止」の仮処分の決定というものが出されております。 その内容といたしましては、「会社側は、ガードマン等をして、組合員または共闘関係者の組合事務所の使用およびそのための会社構内への立入りを実力をもって妨害してはならない。」 第二としまして、「会社側は、ガードマン等をして、組合事務所およびその周辺に掲げられた組合旗を焼却、撤去してはならず、または組合員が行なう組合掲示板への印刷物、ポスター、ビラなどの掲示、出退勤時、休憩時間その他勤務時間外に会社構内においてする組合集会、デモ行進を実力をもって妨害してはならない。」という内容のものでございます。 この第一項の、組合事務所の使用関係につきましては、ただいま申し上げましたように、「組合員または共闘関係者」というふうになっておるのでございますが、第二項のほうの会社構内における集会、デモ等につきましては「組合員」というふうに、一項と二項とでは対象を別にはっきり書き分けてございまして、組合員以外の者はいわば除外されておるわけでございます。 そういうことで、十二月十二日の事件の際に、県議団などいわゆる支援関係の方が御一緒に入ろうとされたというようなケースにつきましても、厳密に言いますと、仮処分の内容は組合員が入ってもいいということでございまして、支援関係の方は組合事務所に行くまでの間が妨害されないというような仮処分の内容になっておりますので、警察といたしましても、この仮処分の内容につきましては十分尊重いたしまして、現場措置等において誤りのないようにということを期しております。 なお、会社側といたしましては、十二月十二日事件の際にも、組合事務所に通ずる道路には、幅は狭うございますけれども、一応まあ通路というようなものを確保しておりまして、あとは構内の他の部分に入らないようにということでロープを張ってあったというようなことで、会社側といたしましてもこの仮処分の内容につきましては尊重する態度で臨んでおるということでございます。
○大橋和孝君 こういうふうな裁判所の決定、あるいはまた労働委員会の決定というようなものは、非常に読んでみたらむしろあたりまえのことであって、もうそれぐらいのことすら踏みにじられちゃったということで、われわれとしては驚くわけなんですが、そういう状態のときにてきぱきとした指導をやられないということが、こういうエスカレートしていく一つの段階であったんではないかということをわれわれは感じるわけでございますので、そういう点からいっていま私これを質問さしていただいているわけですが、もっとこういうふうなことの仮処分の決定内容というものは、実にもっともとのことでありまして、それぐらいのことがかろうじて行なわれたというふうなことになるのではなしに、もっともっとそういうことを明確に、そこで断を入れてってもらうことが、こういうことにエスカレートしない一つの方法だろうと思うものですから、こういう点についてもう少し私ども考えてみるならば、警察庁のほうではこういう問題についてもっとてきぱきした捜査もしてもらうし、あるいはまたいろいろなことを明確な態度で進んでいただくということが、こういうふうなガードマンあるいはまた暴行という行為をエスカレートしないでおさめていくということが必要じゃないかということが根本的に考えられます。ですから、そういうところのことを十分ひとつ配慮していただきたい、これは私の望むところでございます。 それから次には、商法五十八条で、先ほどちょっと触れましたけれども、法務大臣の解散請求権の問題になるわけですが、現在、本山におきます暴力傷害事件というのはきわめて悪質な犯罪行為であるということは御存じのとおりだと思いますけれども、警察庁でもすでに昨年八月十日の社会労働委員会の答弁で認めていらっしゃるとこでございますから、先ほど委員長もお触れになりましたが、この企業は法務大臣が解散命令を請求すべきであることは五十八条の趣旨からいって当然の措置ではないかというふうにも考えるわけですが、法務省の民事局のほうは昨年の九月二十八日の答弁において、法務大臣の権限行使に伴う各種の作業が現行法制では十分でないことに私どもは気がついており、これは検討しているところだという説明がありましたけれども、この五十八条の存在が警備業法と同様死文化されてしまうようでは、現在までに非常に問題があるわけでありますから、内部でどう検討しておられますのか、あるいはまた権限行使をする意思がおありになるのかどうかということも含めて、ひとつ明確に答弁をしていただきたいと思います。
○説明員(田邊明君) 法務省といたしましては、五十八条に定める大臣の解散命令請求権、これに該当する事実があればその権限をぜひとも行使したいという考えでおります。前回お答えいたしましたように、この権限行使を実効あらしめるための法令上の諸問題を現在検討いたしております。具体的に申し上げますと、私どもは会社の成立の経緯から現在の役員等についての事情聴取をいたしております。これも大臣の権限行使の前提としていたしましたが、先ほど申し上げたように、いわゆる任意の調査ということになっております。この権限行使をするためには五十八条の法律問題もございますけれども、要するに、いま問題になっているような会社の行為、特に取締役の行為について刑罰法令違反という事実を確認する必要がございます。現場で起こっている事件というものを私どもも承知しておりますけれども、私どもが一応呼び出した飯島というふうな代表権ある取締役がその行為にどういう関係を持っているか、これをつかみたいということなのでございます。そこで検討点といたしましてはこの調査等についてどのような権限を与えるかという問題でございます。これはもちろん調査を受ける者、それとの関係における利害関係人の地位の保証の問題、それから権限行使をいたしまして、ある事実関係を固めていった過程においていよいよ解散を命ずるというような段階にもし至りますれば、これに対しての関係者に弁明の機会を与えるような措置が必要ではないか、こういう一連のことを現在検討しておるわけでございます。私どもも現行法制の範囲内で現在はできるだけのことをやっているということでございます。
○大橋和孝君 このような悪質な問題については、私はこの法を生かさない限り、もうこの警備業法ができましてもほんとうに死文になっちゃうわけですね。これは悪いですよ。そういうのがありまして、それをまた法の裏をくぐってまでやっているというふうな現実が出てきておったら、こういうのこそ一ぺん法を適用しなかったら、これからも法を適用されるのは一体何だろうか。解散請求権云々といったところで、この商法の問題からいっても、これはもうこういうようなことをやらなければ非常に意味ないことになっちゃいます。ですから、これは商法から照らしてもどうしてもやってもらわなければならぬ問題だと私は思います。ですから、検討もさることながら、どうぞひとつ早い面でこの結論を出してください。私はこれを特に要望しておきたいと思います。 それから、もう時間もあれですからできるだけ縮めたいと思いますから、あと二問重ねてちょっとお伺いしますが、労働基準法の違反という立場から、たとえば休憩時間中での組合員の活動は、これは労働基準法第三十四条で規定されておりますね。あるいはまた自由であるはずなんです。それからまた、ガードマンの妨害が激しく、実質的に活動できなくなっておるという条件があるわけでありますから、これは基準法の一つの違反であろうと思うのですね。それからまた、ガードマンが作業中の組合員を脅迫して暴力をふるっているということは、これは同法の五条にいう、いわゆる強制労働の禁止にも違反することになるわけでありまして、私は、労働省当局ではこの問題は労働基準法違反というものでこれを十分取り締まるべきじゃないかというふうに思います。この点、ひとつ聞かしていただきたい。 それからまた、社会党の議員団が暴行されたというこの問題、先ほどから申しておりますが、県会議員三名がガードマンの一方的な暴行行為によって一カ月から三カ月の重傷を負っておる。骨が折れた人もおるというわけでありますが、明らかにこれは公党である日本社会党への攻撃というか、非常に侮辱であるわけでありますし、これはたすきがけの議員はいなか議員だとか、ばり雑言をあびせかけてくるというような、県会議員さんたちに対しての非常な態度たるものは問題になるところがあると思うわけですね。こういう暴力的なものに対して、あるいはまた党に対しての謝罪もしないということでありますから、私はこれは警察当局としては早急にひとつ明確な取り締まりをしてもらわなければならないし、こういう問題に対してはある程度き然たる態度を示してもらわなかったならば、世の中の秩序がなくなると、先ほどからしてもそういうふうに思いますね。こういう点について、この問題に対してはどうされるのかということも含めてひとつ警察庁のほうの御意見を伺っておきたい。この二つの点についてお伺いをして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) 労働基準法違反についてお答え申し上げます。 本山製作所は事件が起きましてから労働者側から申告その他で基準法違反の指摘がございまして、基準監督署といたしましては数回にわたり臨検監督を実施いたしましたり、労使両当事者を呼んで調査をいたしたりいたしまして違反の事実が認められるものについては是正をさせる、その他の指導をいたしておるところでございます。 先生御指摘の休憩時間の自由利用に対する違反、基準法三十四条違反の問題につきましては、前に休憩時間中にビラ張りをしたいということを妨害されたということがございまして、それにつきましては、これはビラを貼付するということになりますと、施設の管理権の問題がございます。したがいまして、それを許す、許さないというのは施設管理権の問題で、三十四条違反ではないのではないかということで基準局が処理したことがございますが、ただいま先生御指摘の集会妨害の点につきましては、私どものほうに昨日まで報告を受け取っておりませんでしたので、昨日さっそく現地にお話を伺いまして問い合わせましたところ、集会違反の問題につきましては、現在までのところ申告もその他監督署には申し出がなかったということでございますので、早急に事実を調査するよう、昨日指示をいたしたところでございます。その結果を待って具体的事実については判断をしなければなりませんが、一般的に申しますと、御指摘のように、三十四条によりまして休憩時間中は労働者にその時間の自由使用を使用者としてはさせなければいけないということでございます。ただ、そういう場合に、たとえば集会をやる場合に会社の施設を使ってやるというようなことでございますと、その施設を使わせるか使わせないかということについて使用者が許可したりしなかったりということがあり得るわけでございますので、そういう合理的な理由がある場合にはこれは別個でございますが、そういう合理的な理由がなしにもし休憩時間中の自由な集会を妨げるというようなことになれば、これは三十四条違反になると存じますので、それらの点につきましては、調査の結果によりまして判断をし処置をいたしたいと、かように考えるわけでございます。 なお、基準法五条の強制労働違反の問題でございますが、基準法五条は、先生御承知のように、暴行、脅迫、監禁等によりまして、その事実だけじゃなしに、労働者の意に反して労働を強制させた場合に、これが成立するわけでございまして、いままでも労働者から五条違反ではないかという申告がございまして、臨検検査等によって調査いたしましたけれども、労働を強制したという事実までは認定するに至っておりませんので、五条違反ということはただいままでは認定しておらないわけでございます。今後とも十分そういう事態については厳重に監督をしてまいりたいと、かように考えるわけでございます。
○国務大臣(加藤常太郎君) 先ほどのお答えで、最終的に大臣の見解を申し上げると言っておりましたので、最終的な私の方針を申し上げたいと思います。 この問題は、県当局並びに地労委が熱心になっておることは、これはもう間違いないと思います。この二月にあっせん案を出し、今後もひとつ何とか解決したいと、こういう意味で、まあ労働省はすぐにどうだと言うこともなかなかむずかしいし、これはまあちょっと速記をとめていただきたいのでありますが……
○委員長(矢山有作君) いや、あなたがかってに速記をとめるわけにいきません。(笑声)
○国務大臣(加藤常太郎君) そういう関係で、いろいろひとつ労働省が現地へ行って何とかというようなこともいろいろ当局と話したのでありますが、なかなかそうもいろいろな点でむずかしいらしいので、なお今後何とか早く労使がひとつ高い視野に立ってこれが解決するような指導を県当局を通じてやりたい。まあ大臣ちょっと型破りでありますので、実は県知事、副知事などを招致したいと思って連絡をとったのであります。ところが、選挙だというのでどうもこれはちょっとぐあいが悪い。県警の関係でありますが、まあ本部長も私、特別な関係がありますのですが、これはまあ大臣として招致するということにもいきませんので、実は休暇で上京したときに、何とかこれはひとつガードマンの問題に対して、安定法の四十四条、基準法の三十四条、五条の問題についても、県警のほうでひとつ相当強固にやって、要は解決することが最終でありますので、いまの委員長から話があったように、どうも不熱心だというようなことを言われても困ると、こういう見地からいろいろ対策を立てて、今後県当局を督促いたしまして早期に解決いたしたいと、こういう指導をいたす所存であります。
○政府委員(山本鎮彦君) いまお話のございました県会議員の負傷された事案について、事件を認知したのは所轄署は事件直後でございましたが、直ちに捜査員を派遣いたしまして種々事情を聴取いたして、この県議をトラックから突き落とした第二組合員一人を当日緊急逮捕いたしております。事件を重視いたしまして東京からも、警察庁からも係員を現地へ派遣いたしまして、向こうでいろいろと捜査の指揮をいたすという形でその後逐次解明されまして、現在までに製作所の警備課員四人を逮捕いたしました。その際、乱闘状況になりましたので、その相手ということで、相被疑者ということで第一組合員のほうも三人逮捕いたしておりますが、現在合計八人の逮捕者が出ております。さらに捜査を続行中でございます。また、こういうような事案が再び起きないように、連日のように部隊を付近に配置いたしまして警戒をいたしておるという状況でございます。
○大橋和孝君 たいへん大臣からもいろいろお話を承って早急に解決するという決意をいただいたから非常に私けっこうだと思いますが、私はこれからもこの委員会の皆さんにもお願いをいたしまして、この委員会全体がこういう暴力というものを許されないように、われわれ労働を担当する委員会として、これに対しては相当き然たる態度をもって進まなきゃならぬと、できれば私はお願いをして、これからこの院の決議のもとにやっぱり現地調査もし、あるいはまた、現地からはその当初の人もここへ来てもらって相当綿密な審議を進めないとこの問題はいけないんじゃないかと、もうほんとうに私はこの問題の解決に対してはちょっと手ぬるいということを不満に思っているわけであります。徹底的に取り組ませてもらうように委員長はじめ各委員にもお願いしようと思っているわけでありますが、そういう点からも考えて、労働省の大臣としても、ほんとうに労働者を守る側に立つ大臣でございますから、そういう立場からも、それからまた、先ほどから言っている非常に暴力が行なわれておるということなんかも、もっとてきぱきとやるときにはやらなきゃ、これはもういい悪いというのははっきりしないわけですから、ことに認められている権利を放棄されることが、そうやすやすに続けられていくようなことでは私はたいへんだと思います。ですから、そういう意味でひとつ警察庁のほうも、あるいはまた労働大臣のほうもあるいはまた法務省のほうも、いろんなほうの観点から、これを正しいように指導してもらうことが積極的に行なわれるようにというふうなことをお願いして、私は終わります。
○藤原道子君 関連して。私は、いま大橋さんが言われたから言うことないようですけれども、この問題あまりに長過ぎる。こんななまぬるい態度では安心して労働者はいられないと思う。特に、各地でガードマンの暴力事件が起きているわけでございます。こういう意味からも、この何回かやった委員会で同じような答弁できょうまできている。ぜひ早急にこの問題を調査していただきたい。特に大臣新しくなられたけれども、最初の仕事としてひとつがんばっていただきたいということを特に要望いたします。
○委員長(矢山有作君) それで、私も一つだけお伺いしておきたいんですが、法務省のほうへ。この五十八条の運用の問題について、あなたのほうでは五十八条を動かすについて、法務大臣の権限を動かすについて現行の法制が十分できていないと、こういう答弁をされておるわけです。きょうも大体そういう趣旨の答弁だったと思うんですが、それは要するに、五十八条を発動する、その裏づけを調査するのに民事局としては強制権限がないから調査しにくいんだと、したがって、この五十八条を発動できない、こういうところが私はどうも中心になっているんじゃないかと思うんです。ところが、この五十八条を発動する権限を持っているのは法務大臣ですからね、その場合に民事局にはなるほど強制権限がなくても法務省には刑事局があるはずですね、だから刑事局と民事局と連携してこれはやれないのか。民事局の問題はもう民事局だけであって、刑事局がどっち向いていようとどうしようとおれのところは知らないんだと、刑事局も民事局が何やられようとおれのところは知らないんだという形では、これは法務大臣の権限を私は十二分に発動して動かすことはできぬと思うのです。民事局の立場だけに限って言うなら、あなたの答弁のとおりだろうと思うけれども、私は法務省には刑事局があるんだから、やはりこれを使ってこの五十八条の発動のできる裏づけを十分とるべきだと、さらに、政府としてはこれは一体のものでありますから、警察庁というものも存在しておるんですから、民事局としては、警察庁の調査とも積極的な連携を持ってやっていけば、私は五十八条は発動できる。ただ、その場合に、あなたがもう一つ言われた弁明の機会を与える云々というようなことは、これは何も政令で一々そんなことを事こまかくきめなくたって、この五十八条は発動しようと思えば、当然当事者に弁明の機会を与えるぐらいなことは、これはあたりまえの話なんで、だからあなたのおっしゃるのは、私はむしろ五十八条を発動しないような、殺すような方向の発言ばかりだと、実はこの間から思っておるわけです。ここはやっぱり法務省全体として五十八条の問題をとると、さらに、政府全体として五十八条の問題をとるとするなら、私は良識的にこの五十八条は発動できないということにはならぬと思う。いわゆる法令を整備しなきゃ五十八条が発動できないというようなことは、これは私は詭弁にしかすぎぬと思うんですが、あなたの見解はどうなんですか、あらためて聞いておきたい。
○説明員(田邊明君) 委員長の御意見のように、現行の法制が全く不備だといういうことはないと思います。おっしゃるように、権限行使を実効あらしめるためには、現在の法制を見ますと、この手続を進めるために、もう一つ非訟事件手続法というものがございます。御指摘のように、刑事局が所管いたしますそれぞれの検察官をはじめとして、関係省庁の各担当官は、この五十八条に該当する事実を発見したときには法務大臣に通知をするという義務規定を置いているわけでございます。したがって、その線から、おっしゃるように、私どもも刑事局とは緊密な連絡をとっておりますし、他の省庁とも連絡をとってその種の事実を確認してこの適用に踏み切る場合があると、そういうことになろうかと考えます。したがって、前回申し上げておりました法令上の不備云々の問題点というのは、もう少し基本的な問題ばかしで、これは法律論の問題であるかもしれませんが、現行の五十八条の要件がはたしてこれを十分使え得るような要件だろうか、厳格に過ぎはしないかというふうな問題点を意識しておったわけでございます。本日の委員長の御趣旨のとおり、私どもはこの現行の法制に基づいて十分権限行使ができるように努力したいと、こう思っております。
○委員長(矢山有作君) もう一度だめ押ししますが、要するに、法令を改めて整備をしなくても、私が言ったような立場に立つなら五十八条の発動は現行法令上可能であるということでしょう。
○説明員(田邊明君) そういうことでございます。
○委員長(矢山有作君) はい、わかりました。
○小平芳平君 労働大臣が表明された所信表明については、別の機会に取り上げることになっておりますので、きょうは、具体的な問題で若干質問をいたしたいのですが、まあ、その質問に入る順序としまして、大臣の述べられた「働く人の安全と健康を守る」という、この点についてです。安全と健康を守るということが主眼でありながら実際にはカドミウムの作業場、PCBの作業場、あるいは砒素鉱山の従業員、こういう方が非常に健康を害されている。それで、それに対する労災補償の請求をしましても、はたしてそれが業務上なのか業務外なのかということで、本人からは業務上だということをいろいろ説明しましても、実際には適用になっていないというような数々の事例があるわけであります。 最初に、昨年来、私自身も何回か当委員会でも取り上げました問題ですが、砒素鉱山の従業員について、この砒素鉱山の過去の従業員については、宮崎県の松尾鉱山、島根県の笹ケ谷鉱山、この辺の鉱山の元従業員は労災――業務上の認定を受けた人が何人かおられます。したがって、まとめて質問いたしますと、両鉱山の元従業員で業務上という認定を受けた方が何人おられるか、それからどのような検診をおやりになったか、それからどういう給付が行なわれるか、以上三点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) まず、松尾鉱山について申し上げますと、松尾鉱山の元労働者につきましては、宮崎労働基準局におきまして、九州労災病院に委託し、昨年の四月に六十二名の元労働者につきまして第一次健診を行ないまして、その結果、砒素等の影響の疑いがある者が二十五名、これにつきまして、砒素ではないが精密検診を要する者三名を含めまして、九月に第二次健康診断を実施いたしております。その過程で、第一次健診のうち五名につきましては、業務上の疑いがきわめて濃厚であるというふうに考えております。で、全体の健診結果につきましては、第二次健診の結果も含めまして、健診班に専門家を加えました健康障害調査専門委員会で、その分析評価のための検討を行なってきたところでございまして、同委員会は現在最終結果報告を取りまとめ中でございまして、近く宮崎労働基準局にその結果が報告される予定に相なっております。で、基準局といたしましては、報告書が提出されましたならば、その報告によりまして業務上の砒素中毒であると認定される者につきましては、労災保険の適用のある労働者につきましては早急に所要の補償を行なう予定でございますし、それから労災保険法適用前の人につきましては、現在、鉱業権を持っております日本鉱業に補償を行なわしめるよう現在同社に対して指導中でございます。大体、同社もその指導を受け入れまして、元労働者については所要の補償をするものと考えております。 それから笹ケ谷の鉱山の元労働者につきましては、申し出がありました二名につきまして島根基準局におきまして、昨年六月から一週間、山陰労災病院に収容いたしまして検査を実施いたしました結果、砒素中毒と認められましたので、本年一月に両名とも業務上の疾病と認定をいたしたわけでございます。 それからなお、島根県が公害と関連いたしまして住民及び元労働者を含めまして健康診断を昨年七月に実施いたし、その結果に基づき本年、一月にうち七名につきましては砒素中毒の疑いがあると発表いたしまして、さらに、三月上旬にそれについての最終の検査結果が出る予定に相なっております。この七名のうち六名は元労働者であるわけでございます。で、この県が行なっております健診の最終結果が出ますならば、これらの元労働者につきましても十分にその県の健診結果を尊重いたしまして、業務上の障害と認定いたす所存でございますが、業務上疾病と認められた元労働者につきましても労災保険法の適用がある労働者につきましては、労災保険によりまして所要の補償を行ない、さらに、労災保険法適用前の労働者がその中に若干含まれておりますので、そういう人たちにつきましては、業務上であったということになれば、元事業主であった日本鉱業株式会社に実効ある補償を行なわしめるよう行政指導をすることといたしておるわけでございます。
○小平芳平君 よくわかりました。 特に、この日本鉱業に、実際問題として、確かに鉱山の鉱業権者は転々と変わっておりますが、笹ヶ谷鉱山においても日本鉱業の時代の従業員ですから、そうした従業員に対して日本鉱業が補償をすべきであるということを国の方針として指導してくださることが非常に私は適切な措置であると考えます。 いまの局長の御答弁ですと、業務上と現実に認定されている人は、島根県の二名と、それから宮崎県のほうは疑い濃厚という段階で、まだ認定にはなってないということですか。
○政府委員(渡邊健二君) おっしゃるとおりでございます。
○小平芳平君 とにかくもう昭和二十四年ごろ閉鎖になった山の従業員の方たちですから、年齢から申しましても相当な年輩の方でもありますので、早くそれは進めていただきたい。もちろん、早く進める方針だと思いますが、できるだけ早くしていただきたい。 それから局長は「所要の補償」と言われますが、具体的にこれこれこういう補償が可能であるということがわかっておられますか。
○政府委員(渡邊健二君) どの程度の補償が必要であるかということも調査の結果で明らかになると思いますが、検診の最終結果によって明らかになると思います。「所要の補償」と申し上げましたのは、現在その業務上の疾病にかかられたと認められる人たちが、現在も療養を要するということであれば療養補償給付をいたしますし、そのために休業を要するということであれば、その間の休業補償も行なうことになります。ただ、昔、疾病にかかって、現在ではすでに症状が固定しておる、したがって、現在は療養を要しないという方もあるようでございまして、そういう方々につきましては、現在すでに療養の必要はございませんので、療養補償、休業補償という問題にはなりませんが、たとえて申しますと、現在まで検診が進んでおる中には、鼻中隔せん孔と申しまして、鼻の両方の穴の間の隔壁に砒素中毒によって穴があいておるような方があるわけでございます。こういう方々につきましては、現在生じておる障害の程度に応じまして労災補償法に基づいて障害補償給付が行なわれることになるわけでございます。どんな補償になるかと申しますと、鼻中隔せん孔があって嗅覚が全くなくなっている者――嗅覚が脱失している者は、現在の労災保険法の障害補償で申しますと、十二級ということで、大体、給付基礎日額の百四十日分の補償が行なわれる。それから、そこまでに至らないで鼻中隔せん孔があって嗅覚が著しく減退しているという程度の方でありますと、障害補償給付の十四級ということに該当し、その場合には、給付基礎日額の五十日分の障害補償費、こういうことに相なるものと考えておりますが、個々の方につきましていずれに当たるかは、検診の最終結果等によりまして個々に判断いたすわけでございます。
○小平芳平君 わかりました。 そうしますと、大臣、この方々が、まあ、私たちに言わせればどんな残酷な作業をやらせられていたか、それはちょっと説明する時間がありませんので省略いたしますけれども、とにかくお国のためということで作業させられる、働く、その作業する人が砒素でただれちゃうわけです。顔も手も砒素でただれてしまう。一日か二日で普通の人は作業ができなくなっちゃうわけです。ですから、特別にからだのじょうぶな人で、砒素のただれに耐えられるような特別の健康の人がお国のためと言われて、そういう作業をやっていたわけです。それらの方々が、いま局長が説明されたように鼻に穴があいてしまったり、それから斑点ができているわけです、いま現実に。ですから、まあ、その他詳しい説明は省略いたしますが、大臣からも早く日本鉱業に対して補償しなさいと、――労災のほうは十二級、十四級というような、そういうことがあるのは法律のたてまえでしょうが、日本鉱業という企業が自分のところの元従業員に対して、名簿も提出されているわけですから、はっきりしているわけですから早く補償をするようにということを大臣からもひとつ勧告していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(加藤常太郎君) 事務当局から大臣の意向だというので日本鉱業に対して指示いたしておりますが、なお一そう私から、社長と心やすいですから日本鉱業に対して、小平委員のおっしゃるようにひとつ処置いたしたいと思います。 それから最初御質問があったように、新しい労働安全衛生法ができたのでありますが、工場の問題は、これは従来からもいろいろ有害物質があったんでありますが、最近は、工場の製造工程というか、新しくなりましたので、特に化学物質を作業するという関係でいま砒素とかカドミウムとかPCBのいろいろな問題は、これは今後健康を守る衛生の立場から、労働省としては適切な指導を特に強力にいたしたいと、労働省の新しい方針としては、明るく豊かと、そして健康、そして安心して働ける、こういうような方針でありますので、かような問題に対しましては労災保険を適用して万一不幸にしてそういうような立場になった勤労者並びに家族にも適切な補償をするように労働省としてはこれらも本格的に指導いたす所存であります。
○小平芳平君 それでは厚生省の加倉井局長にお尋ねしますが、砒素の、先ほど来申しますような作業をやっていた方々が、労災の請求をするということで労災病院へ入院いたしました。その労災病院は先ほど局長の説明されたように数日で退院をいたしました。ところが、鳥取医大へそのまま入院させまして、それで鳥取医大では約三カ月入院しておりましたが、その間何をしたかといいますと、特に綿密に――入院なさった弘中留吉さんという方ですが、事こまかに記録をとっているんです。この方の記録によりますと、皮膚を切り取られること四十八カ所、これは宮崎県の砒素被害者もそうでしたが、入院するときは元気で入院したんです。ところが、そう何十カ所も皮膚を切り取られるものですから、あんまり傷が大きいからといって今度はおしりの皮をはいでこっちへくっつけるとか、今度退院してきて寝込んじゃっているというようなことなんです。そういう荒療治をやられましては、とても私たちとしては労災の請求を出しましょうとすすめること自体ためらっちゃうわけです。そこで、大学病院へ行きましてどういうことをおやりになったかということを尋ねたわけです。そうしたら、病院では、ガンができていると言うんですね。老人性角化症、それからボーエンですか、私、医者でないものですから……。ボーエンあるいは老人性角化症、ボーエンの場合は皮膚ガンだということなんです。したがって、皮膚のガンを切り取ったんだと、あるいは放射線の治療をしたんだということなんです。したがって、専門的な局長にお聞きしたいことは、そういう砒素の鉱山で働いていた人は、皮膚ガンにいつなるかわからない、あるいは現に皮膚ガンになっている、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(加倉井駿一君) 御指摘の弘中留吉さんにつきましては、なお、私どもも十分鳥取医大に問い合わせまして、真相につきまして究明いたしたいと思いますが、現在のところ専門家の意見といたしまして、砒素は先生御承知のとおり昔、変質剤といたしまして医療にも使ってございます。現在でも皮膚科の領域等におきまして適応のある場合には厳密な管理のもとに使用してございます。砒素は御承知のように皮膚の過敏性を高める作用がございまして、その結果砒素によります御指摘のような角化症とか黒皮症というようなことを起こすことはよく知られてございます。砒素で皮膚ガンが発生したという報告も若干ございますが、その専門的な評価につきましては必ずしも明確ではございません。ある化粧水として用いられますホーラー水というのがございますが、これは一%程度の亜砒酸を含んでございますが、これを使いました者が二十年あるいは三十年、長期間にわたりました間にガンが発生したという統計的な事実を記載いたしました書籍もございます。それからまた、ラインの下流域でブドウを栽培しております者が、害虫駆除のために砒素を使いまして、慢性中毒にかかり、そして特異な皮膚ガンを発生したという記録もございますけれども、現在のところ、たとえばアメリカのNIH等の発ガン物質の調査書によりましても、砒素の発ガン性につきましては非常に否定的な報告がございまして、必ずしも現在の段階におきましては、砒素と皮膚ガンとの因果関係につきまして、明確な指摘がなされていないのが現状というふうに私どもは考えております。
○小平芳平君 局長、では鳥取医大に尋ねてみてください。私が伺ったときには皮膚ガンが発生している、それが砒素であると初めから断定は確かにできがたいけれども、皮膚ガンが皮膚にたくさんできている。その人の経歴の中で、何がほかのお年寄りと違うか、それは砒素を扱っていたということ以外には考えられないというところから、砒素によってガンが発生するということはきわめて影響が大きいものと考えられるということ、あるいはブドウ園で砒素を殺虫剤に大量使用した、その地域にガン患者が多発している。その他砒素とガンの関係の資料がこんなに山とありまして、これが砒素とガンの関係の資料なんだというふうにお話をしておられましたから、それは尋ねてください。その続きはまた別の委員会で取り上げることにいたします。 それから次に、PCBの被害です。PCBを取り扱っている工場では、新聞には労働者に被害が発生しているということが報道されますが、労働省としてはどのような調査をおやりになったか、その点まずお尋ねいたしたい。
○政府委員(渡邊健二君) 労働省としては御承知のとおり特定化学物質等障害予防規則に基づきまして健康診断等の義務をPCB取り扱い事業場に対しては課しておりますわけでございますが、現に取り扱っております事業場に対してだけではなしに、昨年通牒をもちましてすでに取り扱いをやめた事業場に対しましても、過去にそういうものを取り扱った労働者に対して特化則と同様の健康診断を実施するよう通牒で指導いたしまして、そういうもののフォローアップの健康診断につとめておるところでございます。 なお、そのほかにPCBによります慢性中毒等につきましては、なお、解明しなければならない多くの問題がございますので、四十六年度におきましても、そのための調査を実施いたしておるところでございますし、それからまた、四十七年度におきましても、PCBの近ごろできております代替品につきましての有毒性の調査等々をいたしまして、PCBないしはそれにかわるものにつきましての有毒性の解明等につとめておるところでございます。
○小平芳平君 したがって、労働省自体は調査は何もしてないということですか。労働省でおやりになった調査の結果どうでしたかということを尋ねているわけです。
○政府委員(渡邊健二君) いま申しましたのは、労働省の労働衛生研究所が調査いたしておりますものでございますから、労働省として調査をいたしておるわけでございます。そのうち、すでに結果が出ておりますもの――現在調査中のものもございますが、結果が出ておりますものについて申し上げますと、昨年の四月に労働衛生研究所がPCBの慢性中毒等を解明いたしますために、PCBを製造し、または、使用しております七事業場につきまして作業環境調査をいたし、さらに、百三十三名について調査のための健康診断を実施いたしております。その結果が出ておりますが、それによりますと、作業環境中のPCB濃度につきましては、労働者が作業いたしております作業位置についてはおおむね特化則で定められております抑制濃度以下でございましたけれども、タンク等特殊な場所におきましてはそれを上回る個所も出ておるわけでございます。それから、それら百三十三名の労働者の健康診断をいたしました結果について申し上げますと、臨床的には現在治療をしなければならないような者はございませんでしたけれども、一部それらの労働者の中には、皮膚症状を呈している者あるいは血液中のPCBの濃度等につきまして要注意の段階にある者等を認めたところでございまして、それらの調査結果は、今後の行政指導につきましても、たとえば、その調査結果に基づきまして作業環境の測定のやり方等につきましては、昨年七月新しい指針をつくる際にこれを取り入れて、その新しい測定方法を公表いたしておりますし、あるいはPCBにかかる健康診断につきましては、ただいま申し上げましたような調査結果の問題点につきまして今後検討いたしまして、今後の検診項目等の整備をはかってまいる資料にいたす所存でおるわけでございます。 なお、先ほども申し上げました過去にPCBを取り扱った労働者の健康診断等につきましても、昨年のそれら労働衛生研究所の調査結果等を参照いたしまして、特化則上はその義務がないけれども、行政指導によってその実施を勧奨、指導しておるというようなことを進めておるわけでございます。
○小平芳平君 この労働衛生研究所の調査は、私も非常に驚いているわけです。それは皮膚症状が見られる人がB工場は四十二人中二十二人、半分の人が皮膚症状、E工場では八名中四名、そうした皮膚症状を訴えておられる方、あるいはA工場では胃の不調を訴える者が多い、二十三名中八名。ですから、これだけの結果を得ながら去年の二月-四月におやりになったこの調査ですね、これだけの結果を得ながらあと何をなさったか。要するに、いま局長も述べられたように、この方々が単なる皮膚の症状だけで済むものかどうか。あのカネミ油症患者のようにいまだに赤ちゃんが生まれると黒い赤ちゃん、あるいは生まれた日に歯がはえていた、そういうように、このPCBの毒性がいつ切れるかわからないわけでしょう。それにもかかわらず、これだけの作業をやっている人たちが異常を訴えておるということを労働衛生研究所で発見しておりながらどういうことをおやりになったですか。
○政府委員(渡邊健二君) 先ほど私からも御報告申し上げましたように、皮膚症状その他注意すべき症状が出ておる者がおるわけでございます。ただ、その調査の際に生化学的な検査も実施いたしたわけでございますが、それによりますと、肝臓機能の検査、脂質代謝の検査等々の結果ではなお正常の範囲内であって、いま、それらの人が直ちにPCB中毒であるということではないという結果が出ておるわけでございますが、先ほど私も申し上げましたとおり、正常の範囲内といっても要注意の段階にある方々が少なからずおられますので、そういう結果に基づきまして、先ほども申しましたように、すでにPCBの取り扱いをやめて特化則上は健康診断等の実施義務がない事業場につきましても、行政指導によって特化則に基づく健康診断と同様の健康診断をさせるよう行政指導を続けて、そういう方々についても自後の経過を健康診断によってフォローするようにいたしてお るところでございます。
○小平芳平君 要するに血液の中の、あるいは脂肪の中のPCBの蓄積が、もうほとんどカネミ油症患者と同じか一手前にきている人が発見されたということでしょう。ですから、そういう今後のもちろん追跡調査も必要ですし、それからもう少し従業員の、作業している労働者の安全を守る、健康を守るというところに重点を置いていただかなくちゃならぬと思うんです。先ほどの大臣の所信表明に反するわけです、そういうことでは。それが一つ。 それから次にまた、加倉井局長にお尋ねしたいのですが、PCBはからだの中に蓄積するものかどうかですね。要するに、衛生研究所の調査の発表ではある程度までしか蓄積しないということなんですね、結論が。血液の中に〇・四ないし一PPM程度で一応定常状態に達し、勤続年数が十年の者でも一年未満の者でもPCBの蓄積に変わりはない。したがって、厚生省で食品の暫定基準をつくりましたね、それはなぜかといえば、絶えず五PPMの魚をとっていけばからだの中へ蓄積していって危険が発生するといけないというところで暫定基準をつくったわけでしょう。それはとんでもない間違いだという報告なんです。よく新聞などで何PPMの魚をどれだけとり続けたらどれだけが蓄積するというようなことはナンセンスだというような書きっぷりなんですけれども、これについてはどう考えられますか。
○政府委員(加倉井駿一君) 先生の御指摘のように、カネミ油症の場合の症状等からいたしましてやはり体内に蓄積したことによりまして自後の症状が起こったというふうに私どもは考えておりますけれども、ただ、微量の場合にどういうふうな経過をとるかということにつきましてはまだ私勉強が足りませんので、十分存じておりませんけれども、その限界等につきまして目下検討中だということだろうと思います。ただし、先ほど申し上げましたように、大量摂取した場合には体内に蓄積することは明らかだろうと、かように考えております。
○小平芳平君 労働省はそういう専門じゃないかもしれませんけれども、局長ね。要するに蓄積しないと、血液の中にはある程度たまるけれども、ある程度までいけばあとは一年働いても、十年働いても何ら影響はない、関係ないという、この結論はどうなんですか、労働省はどう受け取ったわけですか。
○政府委員(渡邊健二君) 労働衛生研究所の研究結果は、先ほど申しました七工場、百三十三名の人についての調査結果としてこうであったという事実を研究所が発表いたしましたわけでございまして、それによれば、勤続年数が長い者がそれだけ多いという結果は出ていないという事実を調査結果として発表したものでございまして、先ほど厚生省のほうからもお話ございましたように、微量の、毎日とっておりますそういうPCBの蓄積がどうなるかという点については、まだまだ今後研究しなければならない問題が医学的にも非常に多いように、私しろうとでございますが聞いております。衛生研究所におきましても、このPCBの体内蓄積の問題につきましては四十八年度も研究テーマとして引き続き研究をいたすことに相なっておるわけでございます。今後とも一そうそういう点について研究を進めてまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 次に、東京都公害局が六十工場、三百数十人の調査をされたでしょう。公害局が労働者の健康調査をすること自体、ちょっと本来なら労働省のやるべきことを労働省がなかなか進めないからそこで公害局がやったんじゃないですか。その結果は聞かれていますか。
○政府委員(渡邊健二君) はなはだ失礼でございますが、東京都がやった公害の調査というのは、ちょっと私どもいま存じておりませんので、至急調査をいたして調べてみたいと存じます。
○小平芳平君 きのうちゃんと言っておいたんですがね。労働省の取り組みを、先ほどの大臣が述べられたとおりの取り組みを私は要望しまして、次へ参ります。 カドミウムによる健康被害者、これは四十七年十二月二十一日に五名のうち一名が業務上、それから四名が業務外、つまり合計五名ですが、この一人が業務上、四人が業務外ということで発表されておりますが、これは、このとおりですか。
○政府委員(渡邊健二君) そのとおりでございます。
○小平芳平君 そこで、問題は、結局、専門的な検診の結果、業務外だというふうにされることについてとやかくは申しませんが、一体業務外とされた四人の方がどういう検診を受けられたのか、何によってあなたは業務外という決定をされたのか、それはどうですか。
○政府委員(渡邊健二君) これは、カドミウム中毒であるということで補償請求が出されておりました五名の方々につきまして、業務上、業務外を医学的に検討いたしますために、労働省で四十六年の八月に専門家十三名を委嘱いたしましてカドミウム中毒研究委員会というものをつくったわけでございます。これは、労働衛生サービスセンター所長の久保田博士を長といたしまして各大学の先生あるいは労災病院の院長その他カドミウム関係の専門家といわれる方々十三名を御委嘱をいたしたのでございますが、この委員会におきまして小委員会を八回、委員会を五回開催されまして慎重に検討をされたわけでございます。この委員会の先生方は、直接自分でそれらの患者の検診をされたわけではございませんで、それぞれその患者の方々がかかっておられる医師の方々から出されております診断書、カルテ、各種の検査結果、エックス線写真、それから働いておりました作業につきましての監督署の調査結果等々の資料に基づいて、そういう資料をもとにして検討をされました結果、全員の異議なき結果報告ということで、五名のうちの一名は業務上のカドミウム中毒、それ以外の方々はそれに当たらないという判定をされたわけでございます。
○小平芳平君 そこで労働省に、こうしたもの――カドミウムあるいはPCBというような新しい物質による職業上の被害かどうかということです。そういう場合は、研究委員会をおつくりになるのはけっこうでしょうが、やはりもっと直接検診するように要請していただきたいと思うのです。全員異議なく四名は業務外ときまったと言われますが、中の研究委員会の委員の方が、直接検診すべきだという意見を主張したのだと、けれども、結局検診はしないで書類審査だけで業務外ときまってしまったのだ、こういうふうに言っているわけです。ですから、大ぜいの、数多いあるいは大体類型のはっきりしている職業上の被害者については、それは書類で行なわれることが当然でしょうけれども、いま言いますようなカドミウムとか、PCBとか、それがどの程度の被害が発生し、その被害が今後どうなっていくかということが医学上も明確でない、あるいはその医学上の論争がいまなおあるというような問題については、なるべく直接検診し、直接患者に当たるような方針でやっていただきたいと思うんです。いかがですか。
○政府委員(渡邊健二君) このカドミウム中毒研究委員会もそうでございます。そのほかの各種の職業病についての同様の専門家委員会もそうでございますが、私どもそういう委員会の専門家の方方がどのようなことで研究をされるかということは、会の運営を含めまして委員会に御一任を申し上げておりますわけでございます。したがいまして、委員会の中ではいろいろメンバーの方の御討議があって、一定の研究方法をお定めになり、それによって結果を出していただいておるわけでございますが、それらの先生方は十分医学的な見地、高度の見地から必要な調査方法をおきめいただいておるものと考えておりますけれども、今後ともそういう場合にできるだけ慎重な上にも慎重な態度で研究をしていただきますよう労働省としては取り計らってまいりたいと存じます。
○小平芳平君 大臣、私の言っている趣旨は御了解と思いますが、要するに、必ずしも医学上はっきりしてない、将来どういう被害が発生するかというような新しい化学物質によるそうした労働災害については、それは会の運営も、研究委員会に運営そのものをおまかせしてあるという趣旨もわかりますが、やっぱり依頼する大臣としては、あなたは業務外ですときめられた方の中で、自分はもっと専門的な検診を受けたいと、こう言っているんです、現実に。確かに近所のお医者さんで受けた診断書は提出をいたしましたが、自分はもっとカドミウムに専門的な、そういう医師の検診を受けたいと言っているんです。にもかかわらず、いやいやもう専門家がきめたんだからあんたどうせだめだって言い切るか、言い張るか。それとも、なるべくそうした新しい問題は専門家がなるべく直接検診をする、現地へ行く、そういうようなことを積み重ねていっていただきたいという、この私の主張は大臣どうですか。
○国務大臣(加藤常太郎君) いまのカドミウムの中毒研究委員会、これは私も聞いたのでありますが、名前から見てでも、現在の日本のかような研究会としては最高のものでありますけれども、また労働衛生研究所でPCBの問題、いろいろこれは研究すると。これもまあなかなか、この間視察いたしましたが、いいですが、どうもいま小平議員から御指摘のように、まあ先ほど大橋議員のときにも、どうも私見て、こう隔靴掻痒というか、歯がゆいんです、いろいろ役所のやっていることが。それでかってに宮城の本部長を呼んだ。これは個人的関係から呼んだのは間違いありませんが、この広山さんは、この問題に対しましてもう少し直接これが出てくるように、いまの小平議員から御指摘のような方法に……。大体こちらは何というか、役所に育った男でないので、理屈よりはもうちょっと効果があるようにというような気持ちで、この間うちから役人と相談しておるのでありますが、なかなか大臣こう思っても、いろいろな、何だかかんだか理屈ばっかりあって、もう一つこうかっといけないと、こういうことは感じております。今後かような問題に対しましても、ほんとうに実質的にいろいろな希望が達成できるように、行政指導を私としては十分やる考えであります。
○小平芳平君 これで、私の質問あと一間で終わりますが、これもまことに歯がゆい問題でして、大臣、これは要するに産業労働者の労働災害は労働省が所管しておられますが、農家ですね、お百姓の方々がけがをした、農薬で被害を受けたということは労働省の所管ではなくなっちゃうわけですね。しかも多いんです。相当多いんですが、きょうは農林省の方おられますか。――農業者労働共済というのがあるのですね。この農業者労働共済では、まことに実際の農家の方が受ける被害、災害に対しては手ぬるいと、きわめてこのままで置いては不備だというふうに感じませんか。
○説明員(有松晃君) 御指摘の農薬によります被害でございますが、農林省といたしましては、まず第一に農薬によります、これはまあ農薬の中にも人間に、使用いたします方々に対して危険性のある農薬、まあ、程度においていろいろございますが、これに対しましてまずもってそういう危険が起こらないようにという指導を、これは厚生省とも一緒になりまして通達その他の方法によって指導をいたしておりまして、最近、特にその指導も強化してまいっておる、こういうことでございますので、ただ、御指摘の共済制度で十分ではないのではないかという点でございますが、共済でも一部何と申しますか、急性な被害で、農業者が傷害保険、傷害共済に加入をしておる、しかも使用にあたりましてもいろいろ注意しておるわけですが、その注意を守ったにもかかわらず、なおかつ、被害が起こったという場合には対象になる次第でございます。
○小平芳平君 まあ、この問題は農林省の方、ここでいま詳しくはやりませんから、また別の機会にいたしますからね。それで結局、いまの農業者労働共済では動力農具だけが対象なんでしょう。したがって、動力農具だけが対象ですから農薬は入らないわけですよ。そうじゃないですか。しかも掛け金が高い、企業がないからね。企業負担というものがないから掛け金が高い。そしてなかなかこのままでは十分な労働災害補償とまでいかれないと、現実にいっていないというのが現状でしょう。そうじゃないですか。
○説明員(有松晃君) 先ほど申しましたように、農薬によります被害の防止につきまして私ども徹底して指導をいたしておる次第でございまして、特に昨年通達を出しまして、まあ、被害の実態の調査をするということでいま把握につとめておるわけでございますが、その調査におきましては、これは毎年一回提出をするということになっておりますが、特に著しい被害、これはたとえば死亡その他の著しい被害、あるいは新しい被害が発生いたしました際には、そのつど報告をするという通達を去年の九月に出しておりますけれども、四十七年度におきましてはいままでのところ上がってきておりませんので、また、そういった具体的な事例につきましてさらに検討いたしたいと思います。
○小平芳平君 大臣、農業の災害についてはまた別にいたしますが、まあ大臣として、産業労働者は労働省の労災保険があるけれども農家の方はそういう災害補償がないというのが現状なんです、実際上ないわけです。それから農薬は、被害を受けないように注意してると言うけれども、まさしく注意しなさいと言ってるだけで、現実には手なんかひどいものです、農薬で。直接に触れなくても相当の被害があるわけです。あるいは今度は、道を歩いていて農薬を振りかけられたという被害者もいるわけです。あるいは、これは浜松市の松本さんという人、ある斎藤組というところで働いていた、外で働いていた。そうしたら、ミカン山で斎藤組の仕事をしていたらミカンの消毒の農薬をかけられたために、ずっともう後遺症でたいへんな思いをしていると。この人の場合なんか、今度は斎藤組のほうで労災適用にしてもらわなくっちゃいけないわけです。まあ、そういうような実情にありますので、そうした労働者の健康を守るという点からもう一つ大臣の御意見を承って、終わりたいと思います。
○国務大臣(加藤常太郎君) 小平さんの発言でありますけれども、最近農業関係者が、委員長のところなり、香川県などは兼業農家が多くなって、農民であっても労働者であることが多くなったんです。そういう関係で農薬の被害というのは、カドミウムとかPCBとか砒素より、これは一般住民――農民は相当な農産物の増産のために使用しなくちゃならぬが、なかなかこれは大いに研究課題であり、特に最近御承知のように、ある方によっては、機械作業をなさる方は労働者と同じ特別にそれに当てはまれると、こういうような方法もとっておりますが、今後農薬の被害の問題に対しましては、労働省として、これはほんとうは農林省のほうが本格的にやるのが当然でありますけれども、地方によっては、これは労働省と農林省とがよく話し合って、これに対するいろいろな被害の対策、いま浜松の松本さんの話もありますが、私の郷里もミカンが多いのでありますが、相当やられた方があって、これは先生どうなるのだ、というようなことを言われて、ミカンなどやっている方は専業でありますが、これはちょっとおい困るな、というような関係もありますが、今後十分御指摘の点を労働省としても本格的にひとつ検討いたしたいと思っております。
○委員長(矢山有作君) 本調査につきましては、本日はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(矢山有作君) 次に、派遣委員の報告を聴取いたします。高橋文五郎君。
○高橋文五郎君 先般、本委員会の決定に基づきまして、矢山委員長、石本委員、須原委員、柏原委員、中沢委員、それに私高橋と、現地参加の川野辺委員、藤原委員で、一月十七日、十八日の二日間、静岡県における心身障害児者の福祉に関する実情を調査してまいりました。 県から心身障害児者の実態及びその援護施策について説明を聴取した後、県立身体障害者更生指導所、県立点字図書館、社会福祉法人天竜厚生会を視察いたしました。 以下、簡単に調査の概要を御報告申し上げます。 まず、県下の心身障害児者の数は、身体障害者四万一千四百七十九人、身体障害児二千六百七人、これに精神薄弱児者一万五千人を加え、約六万人と推計されております。 身体障害者は人口千人に対し十四人で、全国平均の十七・九人に比べれば低い率となっております。 障害別では、肢体不自由者が全体の六五%を占め、視覚障害、聴覚障害の順となっております。 手帳所持者の原因別では、後天性疾病が五八%で最も高く、次いで先天性疾病、労働災害の順となっております。また、重度の障害者が次第に顕在化しております。 これら心身障害児者の福祉対策として、本県では、総務部長、民生部長、衛生部長、教育長の四名からなる静岡県心身障害児者総合対策委員会のいわゆる四人委員会が中心となり、対象兄者の実態把握、発生予防を含めた総合福祉対策の策定及び実施推進等を行なっております。 県独自の対策としては、在宅身体障害者のための社会復帰事業、心身障害児者施設に対する重度加算金の支給等が行なわれております。そのほか、重度障害者の自立更生の促進をはかるため、全国に先がけて身体障害者福祉工場を設置し、働く重症障害児対策として社会福祉法人十字の園に定員四十名の「おおぞらの家」を開設しております。 次に、施設の整備状況を見ますと、さきの四人委員会の民間に助成していく方針のもとで整備が進められております。四人委員会の施設整備の実績は、心身障害児者関係では、四十二年度から四十七年度までに三十二カ所、定員一千五百二十四名の収容施設が整備されております。 次に、心身障害者の雇用対策について見ますと、本県においては職業紹介事業の推進、就職後の職場適応事業の充実、就職者の把握につとめているところでありますが、現在職業安定所に登録されている障害者は二千八百八十三人で、そのうち精薄者は七百四十六名であります。就職中の者は二千五百二十二人で、そのうち精薄者は七百一名となっております。 身体障害者雇用率は県では二・〇七%、市町村一・六七%、民間一・三%で、民間が法定雇用率ぎりぎりという状態であります。 また、全国に十カ所ある身体障害者職業訓練校が県に設置されていないため、県外の訓練校で訓練を受けている実情にあります。 次に、静岡県における専門職員の現状を見ますと、医師、看護婦については、全国的に不足しているところでありますが、特に、医師は昭和四十六年末において、人口十万対九十二・四で、平均の百十七・三を著しく下回っております。医科大学の本県設置が決定しておりますので、その養成が待たれるところであります。 また、看護婦が不足している施設が多く、中でも、重症心身障害児施設において欠員が目立っております。手のかかる重症心身障害児を世話するための労働条件がきびしいためであります。したがって、労働条件、処遇の改善、人員の確保は、重要かつ緊急問題であります。 次に、家庭奉仕員について見ますと、身体障害者家庭奉仕員は二十二人で、町の職員一人、市町村社協職員二十一人であり、重症心身障害児家庭奉仕員は二十九人で、市町村職員六人、市町村社協職員二十三人となっております。家庭奉仕員の問題としては、身分保障と、もう一つは給与を寮母並みにするという点にあるので、これの改善が必要であります。 なお、県より心身障害児者施設整備の施設整備基準単価、国庫補助の増額を行なってほしいこと。また、身体障害者国鉄運賃割引制度について、現在内部障害者が適用除外されているので、これを適用の対象に加えてほしいとの強い要望がありました。 次に、視察しました施設について申し上げます。 まず、県立身体障害者更生指導所を視察いたしました。指導所の入所生は現在四十名でありますが、そのうち一級から四級までの重度・中度のものが全体の八〇%、最劣の知能指数に分類されるものが四〇%で、身体的・知能的に重度化の傾向にあります。この重度化の原因は、中・軽度のものは治癒し、あるいは就職が容易になって退所していったこと、身体の障害に精神薄弱が加わったものが多くなってきていることなどによるものであります。 更生訓練は、謄写タイプ、毛糸手芸、時計工芸、及び和洋裁の四種目について行なわれております。将来は、写真植字印刷、旋盤等を訓練に取り入れていくことを希望しております。毛糸工芸は、下肢障害者には適職と考えられますが、編みものだけでは生活が困難であります。和洋裁は徒弟制度であるため収入を得るのがなかなかむずかしい状況にあります。 昭和四十六年度の修了生の社会復帰の状況を見ますと、二十三名中就職した者は十名で、その他の者は身体障害者訓練校での訓練、養護学校への進学、家事の手伝い等をいたしております。 このように障害者の職場確保が困難であり、自宅において収入をはかることは職種によってはむずかしい状況にあることから、更生指導所での訓練科目が検討されなければならないと考えられます。 リハビリテーション専門職員は全国的に不足しているところでありますが、ここでも理学療法士が欠員で、近くの静岡療護園より派遣された理学療法士に指導員が指導されながら入所生を世話している実情であります。リハビリテーション関係職員は、このような施設には特に必要でありますから、その早急な充足のため国による養成が望まれております。 次いで、県立点字図書館を視察いたしました。 ここの蔵書は、点字図書で館所有のもの千百二十冊、厚生省より委託されているもの二千九百三十四冊で合計四千五十四冊、テープ図書は館所有のもの四百五十巻であります。館に登録されている盲人の読者数は県外の者を入れて二百二十八人であります。県内の視覚障害者約八千人に比べて少ない登録者となっております。関係者の話ではPRの不足にもよりますが、東京、大阪等のよい蔵書の多い図書館を利用するので、登録者が少なくなっているとのことです。したがって、蔵書はこの地方の特徴ある内容のものをそろえる必要があるという説明でありました。 点字図書館に対する今後の問題として、後天性の障害者は点字が読めない、あるいは点字を覚えるのに時間を要することから、テープ図書の需要は増すものと思われております。国によるテープ図書の増冊対策が必要ではないかと思います。 翌日は、天竜市の障害者総合施設天竜厚生会を視察いたしました。 厚生会は、昭和二十五年に結核患者のアフターケア施設として厚生寮が開設され、その後、財産の土地一万四百四十六坪の払い下げを受けるなどして、現在は重度精神薄弱児施設「あかいし学園」、重度精神薄弱者更生施設「赤石寮」、重度身体障害者擁護施設「厚生寮」、救護施設「清風寮」、身体障害者福祉工場「天竜福祉工場」、それに特別養護老人ホーム「百々山寮」を合わせ持つ総合施設となっております。このほか富士宮に特別養護老人ホーム、浜松、掛川に四つの保育所も併設されております。ここの運営は、県の大井川以西の広域地方行政と一体となって地域社会のニードにこたえ、児童から老人までの、特に、重度障害児者を中心とした楽園づくりを目ざして行なわれております。 現在、あかいし学園が四十九名、赤石寮が五十名、厚生寮が百十名、清風寮が百十名、百々山寮が五十二名、天竜福祉工場が三十九名、会計四百十名入所しており、そのほとんどが後天性疾病によるもので、脳性麻痺の者が五〇%近くを占めております。重度障害児者の死亡率は最近次第に低くなっており、施設入所対象者は増大する一方で入所者は長期化しております。これに対処するため、施設の事業を管理部門においては労働力を少なくして、機械化により能率をあげ、その余力を集中管理し、入所者に分配するという方針をとっております。重度障害児の世話は他の施設の看護婦の流用、あるいは暫定的に資格を持たない近郊の主婦たちの手で行なわれておりました。 このような総合施設を円滑に運営するには、労働力の省力化も必要でありますが、あわせて障害者の入所の長期化に備え、段階的年齢構成からなる適正規模が前提条件であるということでありました。 次に、天竜厚生会の特徴の一つは、定員五十名の身体障害者福祉工場を設置していることであります。工場は昭和四十七年十月に発足、天竜市の矢崎計器株式会社と提携、ガスメーター器の解体、組み立てを行なっております。将来は現在定員の二倍を目標としております。就労者の障害程度は一、二級が最も多く二十四名で、三ないし五級は十五名となっており、補装具として車いすを使用している者十八名、松葉杖を使用している者七名、その他十四名で合計三十九名であります。宿舎は廊下伝いに通勤できるところにあり、勤務形態は一般工場の雇用者と同様で、最低賃金以上の給与が支給され、各種社会保険も適用され、八時間労働が採用されております。作業能率は一般健康者と比較すると、その八五%程度でありますが、これは障害者であるため、労務、健康管理上やむを得ない事情によるものであると説明されました。当工場の将来の問題としては、現在の就労者中公的年金の受給者と年金収入のない者との間の総収入上のアンバランスであります。同一作業を行ない、同一宿舎でともに生活しているにかかわらず、総収入に著しい差のあることはやむを得ない事情によるものとは言え、好ましいことではないので、何らかの配慮が必要であろうと思います。また、障害者が高齢に達しあるいは病状の悪化等により作業が困難となった場合、引き続いて厚生会の養護施設に入所できる制度が保障されるかどうか心配されるところであります。 次に、天竜厚生会の現状に対する問題としては、四百十名の障害児者を収容する総合福祉施設において専属の医師が欠員となっておるということであります。早急に専属の医師が充足されねばならないと考えます。 また、厚生会から重度精神薄弱児者の重度加算は本施設では五十名の入所者に対し、二十名までしか加算されないので費用の不足に困っておりますので、実情に沿うような国の加算基準の緩和を要望されました。しかし、最近県より一人月額二千五百円の加算金が支給されるようになっております。 以上で静岡県の報告を終わりますが、県及び施設から提出されました資料を会議録の末尾に掲載方を委員長においてお取り計らいくださるようお願いいたします。
○委員長(矢山有作君) 別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたしました。 ただいまの高橋文五郎君の報告中に御要望がございました資料の会議録掲載につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢山有作君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十分散会 ―――――――――――――