公害対策及び環境保全特別委員会 第6号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/20
会議録
○委員長(大矢正君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月十五日、工藤良平君が委員を辞任され、その補欠として西村関一君が選任されました。 —————————————
○委員長(大矢正君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○西村関一君 私は、去る六月十五日にハノイの訪問旅行から帰りまして、久しぶりに選挙区の滋賀へ戻ったのでありますが、帰りますと、琵琶湖の漁民及び魚の加工をやっております業者、つくだ煮とかあめだき、ふなずし、そういう業者の多くの人から熱気を帯びた陳情を受けたのであります。陳情攻めに合ったのであります。 みんなが口をそろえて申しますことは、東京卸売市場からは琵琶湖の魚は一匹も買うことはできないというきびしい通達を受けて、われわれはどうしていいかわからない。県に幾ら陳情してみたところで、のれんに腕押しのような状態でどうにもしようがない。どうしてもこれは国の力で何とかしてもらわなければわれわれの生活は立っていかない、こういうまことに素朴な真剣な魚民、加工関係業者の声を聞いて、私は留守中でございましたけれども、こういうところまで来ているのかということを感じまして、これはほうっておけないという気持ちに迫ら気持ちに迫られたのであります。 先般の当特別委員会におきましても、私はこの問題につきまして質問をいたしました。琵琶湖総合開発特別措置法の実施にあたりまして、開発よりもまず水の復元だ、もとのきれいな水にするのだということが、あの法律をつくりましたときの修正並びに附帯決議の精神でもあった、琵琶湖の水の復元ということがどのようにはかられておるかということを私は質問をいたしました。そのとき、土木学会の「琵琶湖の将来水質に関する調査報告書」を引用いたしまして、昭和六十年には、このままでいくならば琵琶湖には一匹の魚も住めない、一つの貝も生息することができない、いわゆる死の湖になってしまう、こういうことが言われておることを引用いたしまして、政府の対策について聞いたのであります。これをやらなければ特別措置法によるところの事業計画の実施に入ることができないじゃないかということを私は申し上げたのであります。 琵琶湖の漁民や加工業者が申しておりますことばの中で、われわれはすでに四年前から、議会を通して国に請願書を出して採択をされておる、そのことが一向何の手だてもされていない、請願書はただ採択されたというだけで、何らの対策が講ぜられてない、だからこういうことになったのだという怒りをぶちまけておるのであります。 過去十年間、琵琶湖の周辺に誘致されました大小の工場は、千をこえております。そこから琵琶湖に流れ込むところの有毒物質を含む工場排水が、大小の河川を通じまして琵琶湖に流れ込んでおる。また合成洗剤、農薬の残留物質、そういうものが琵琶湖の水の汚染の根源になっておるということは言うまでもないのであります。 こういう事柄に対しまして、もしこのままで放置されますならば、これはただに漁民及び関係業者の死活の問題だけでなしに、琵琶湖の水によって生活しておりますところの滋賀県九十万県民の生活の問題、生存の問題にかかわってまいります。のみならず、琵琶湖総合開発特別措置法によりまして、琵琶湖の水を下流に送る、従来もそうでございますが、この法律の目ざす大きな目的の一つは下流に琵琶湖の水を送るということでありまして、このような汚れた水、汚染された水を送ったのでは下流一千万の住民の生活にかかわる問題である。魚や貝が住めないというような状態の水を送ったのでは、そうでなくても琵琶湖の水を水源といたしておりまするところの京都の水道はくさくて飲めないということがいわれておるのでありますから、これ以上汚染が進みますならば、下流一千万の住民の生活用水に影響のあるということは言うまでもございません。すでに影響が出ておる。こういうことでありまして、第二、第三の水俣病が発生しないとはだれも保証できないという状態でございます。 私は、私の留守中のこの琵琶湖の漁民や関係業者の声を聞いて、このことについて本特別委員会において、どういうふうにすべきであるかということを、基本的な政府の姿勢について三木環境庁長官の御見解をまず承りたいと思うのであります。
○国務大臣(三木武夫君) 西村委員御承知のように、琵琶湖全域にわたって昨年の三月、AA類型という一番好ましい環境基準をきめたわけでありますが、琵琶湖大橋から北のほうは、これは目的を達成はしておりますが、南がやっぱり問題である。南湖のほうに問題がある。これは相当な年月を要するということであります。 それについて、やらなければならぬことは下水道の整備である。これは琵琶湖に限らず、本格的に来年度から政府は取り組もうとしておりますが、徹底的にこの下水道の整備をやらぬ限りは、湖沼にしてもあるいは河川にしても、あるいは海域にしても、汚濁というものはなかなか根本的な解決はできない。これはもう政府が、この問題は一番大きな環境整備の問題として、来年度から本格的に取り組もうとしておるわけであります。これは琵琶湖においても、この問題というものは大きな問題として横たわっておる。 それから、いま千ばかりの工場というお話がありましたが、工場排水、これは上乗せの相当きびしい基準でありますが、琵琶湖の汚染されていく現状から見て、もう少し工場排水の規制を強化する必要がある。これはいま検討中であります。もう少し規制をきびしくする。 それからまた問題は、究明をしなければならぬのは、窒素とか燐などによる富栄養といわれておるこの汚濁のメカニズムというものが、まだ解明されていない面がある。これについては、研究開発というものは環境庁ばかりでもできませんから、各省の協力を得てこれに対して研究開発を行なう。 今後の琵琶湖をきれいにするということではこういう三つの点に問題があるということで、われわれはそれぞれの各省に関係をする面がありますから、各省とも連絡をとって、もう一ぺんこの琵琶湖を昔のような美しい琵琶湖にせなければならぬし、そういうことで今後とも施策を強化していきたいと考えておる次第でございます。
○西村関一君 長官のせっかくの御答弁でございますが、琵琶湖の水は南湖も北湖も、これは水がぐるぐる回っているのであります。比較的北湖のほうが汚染度が低いということは言えますけれども、必ずしも、北湖はだいじょうぶだということは学問的に保証されていない。いろいろな調査が出ております。 今回このような問題がきびしくなってまいりました発端は、水産庁の調査、そういうものが発表されたことに端を発しておる。もちろんその原因はあったのでありますが、たまたま水産庁が魚族の生態を調査しておられる中でこういうものが出てきた。これは南湖においては汚染度がひどいのでありますけれども、北湖においても、北湖ならばよろしいということは京都大学や滋賀大学等の学者の研究の成果から見ましても言えませんし、水産庁の調査報告から見ましても、これは言えないのではないかと思うのであります。それは琵琶湖のヘドロ、つまり湖底にありますところのヘドロを調査いたしました結果が出ております。湖底のどろにまで高濃度の砒素や鉛が検出される。 で、琵琶湖の魚の総点検が行なわれた。県におきましても、琵琶湖金属汚染総合対策会議というものを設けまして、県は県なりに対策を講じておりますが、瀬田川の地点について申しますと、これは南湖の水が、つまり琵琶湖の水が大阪湾に流れ出るところの、瀬田川、宇治川、淀川となって流れ出るところでございます。ここには有名な瀬田シジミはもう一つもいないという状態で、瀬田シジミというものはいない。それからオイカワという琵琶湖特有の魚がございます。これから非常にたくさんのPCBが検出されておる。オイカワは瀬田川の遊船、つまり船を浮かべて網を打って、とれた魚を料理をして船の上で食べるという業者がおり、それがもう全然仕事ができない。シジミもいなくなる、オイカワは汚染されてだめになるということであります。 県の公害課が昨年の八月、琵琶湖の四十七地点、北湖は二十八、南湖は十九、瀬田川一というふうに分けまして、湖底から二十ないし三十センチのヘドロを採集いたしまして、総水銀、カドミウム、鉛、PCBなど六項目について分析をいたしました。 そのうち総水銀は、天野川というのは坂田郡で北湖のほうですが、この天野川の沖合いで二・四PPM、カドミウムは瀬田川の三・八三PPM、PCBは長浜港の沖合い、これも北湖でございますが、三・六PPMがそれぞれ最高である、こういう結果が出ております。これは諏訪湖や東京湾に比べますとまだ低いようでございますけれども、相当高い量が検出されておる。諏訪湖や東京湾よりは低いといいますものの、鉛は瀬田川の唐橋付近におきましては最高一一一PPM、総クロムは長浜港沖で六一PPM、砒素が外ヶ浜−天野川ラインの中央部で五三PPMの最高値が検出された。これは東京湾に比べ鉛が八PPM高く、砒素が四倍強という異常値になっておるといわれております。こういう報告が出ております。琵琶湖の底質調査は四十五年九月にも行なわれましたが、当時の最高値に比べまして汚染度が、二年後の調査によりますと、その二年余の汚染度というものが急激に進行しておるということが、これらの調査によっていわれるのであります。 こういうことは、ただ関係工場が漁民や関係業者に連帯補償をするということでは問題の解決にはならぬのでございます。冒頭に申し上げましたように、その根本的な対策を講じなければ琵琶湖は十年後には死の湖になってしまう。 そういうことを防ぐために、いま長官は下水道のこと、今度の整備を行なう下水道の施設を早急にやらなければいけないとおっしゃいましたが、琵琶湖総合開発特別措置法によりまして、その目玉商品といわれておりますところの琵琶湖の南中部流域下水道計画書というものが出ております。これはまだきわめて検討に値しない、これを基礎としていいか悪いかということの検討に値しないところの、ほんの案の案といいますか、中身が科学的にはっきりしない、そういう問題を持っておる案でございまして、これに対しまして、これをやろうとしておりますところの草津市の矢橋という地区、その矢橋地区の沖合いに人工島をつくって、そこにこの処理場をつくろうということなんであります。 人工島をつくるということ自体琵琶湖の水の汚染につながるということは、これは総合開発特別措置法の審議のときにずいぶん議論があったところでございます。政府は、できるだけ湖岸の埋め立てばやらない、人工島はつくらないということで、われわれもこの法律を修正して通したのであります。しかるに、また人工島をつくって処理場をそこに建てよう、これはなかなか陸地でございますと反対が多いですからやりにくい、むしろ人工島をつくって、そこにやったほうがいいという考え方もわからぬでありません。しかし、人工島をつくるということ自体、汚染につながっていく。そこに立てられるであろうところの、この計画書がきわめて粗雑である。 これをめぐりまして矢橋の住民が二つに割れておる。条件につきでこれを賛成しよう、つまり補償をたくさんとって賛成しようという住民と、絶対反対だ、こういうわれわれが安心できないようなものをつくられたのじゃ困るといって反対している住民とがまっ二つに割れて、ついこの十三日の晩、私はおりませんでしたが、夜中の一時ごろまで激論を戦わして結論が出なかったという事態が起こっているのであります。 これも私はもっと納得のいくような、つまり二次処理まではやるが、三次処理もやるんだ、三次処理をやった場合にはどういうことになるんだ、決して琵琶湖の水は汚染されないんだ、そういう保証が、納得のいくような形で保証されるということであるならば、まだ話し合いの余地がありましょうけれども、現在では話し合いの余地が全然ついていない。まっ二つに割れてしまっておる。それは、一応市議会や県議会ではこれを承認しておりますけれども、住民意識というものはなかなかこれについていけないというのが現状でございます。 こういうところを、県を督励されてきめこまかく住民感情というものをくみとって、いま長官がおっしゃられました総合開発特別措置法の事業計画の中の南中部流域下水道、これは目玉商品といわれておる、私はそうは思いませんけれども、そういうことに対して、もっときめこまかい話し合いをしていかないといけない。しかも二次処理ではだめなんです。三次処理までやらなければその水を琵琶湖に流すということは危険きわまりないのであります。 三次処理につきましては、この前のこの委員会におきまして伺いましたら、まだ試験中だ、多摩川においてようやく試験を始めておる、わが国においてはまだこれが実施の状態に至っていないということの答弁がありました。外国ではできておることを、ミシガン湖等々においてできておることをなぜ日本においてはできないのか。これは金の問題もありましょうが、技術においては私は日本はアメリカにおくれていないと思う。金の問題があるといたしましても、これは、私は琵琶湖総合開発特別措置法というのは、ほかのこの種の問題、つまりこの種の特別措置法のモデル的なケース、モデルとしてこれは政府が始めた。われわれが反対したにかかわらず始めた。最終的にはわれわれも大修正をし、附帯決議もつけてこの法律を通したのであります。これはどうしても第三次処理まで一挙にやる。予算がなければ予算をつける。 これは副総理であられるところの三木長官が、環境庁長官としてやろうと思えばできることなんです。琵琶湖の水の問題は、ただ単に琵琶湖の問題だけではなくて、これから第二、第三と出てくるであろうところの総合開発法、そういうものの一つのモデルになるのでありまして、ぜひそういうことをお考えいただきたいということを思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私も西村委員と同じような考えです。単に琵琶湖に限らずに、下水道の処理は第三次処理までいくべきである。必ず将来はそうなるんですから。またその間、いろんな経費の点からいっても、非常にやはり不経済な結果になる。ことに琵琶湖のようなところは、特に第三次処理までいきませんと、琵琶湖を昔の琵琶湖に返そうという目的が達成できるとは思いません。そういう点で第三次処理の計画を立てるべきであると思いますので、そういう方向に、政府の方向も向けていくことに私は努力をいたします。 きのうもワインバーガーというアメリカの博士が、下水道に対しての相当著名な学者であるようですが、私どもに会いにきて、琵琶湖を見に行くのだそうですよ、きょう行っていると思うのですが、その話を私はしたのです。第三次処理までやらなければ、これはなかなか浄化の目的は達成できぬと。彼もやっぱりそういう意見で、そういう見地から、一週間おって琵琶湖を中心のいろいろ研究といいますか、調査したいということで来たのです。そういうことを私自身も申したのでありますから、西村委員の言われるように、そういう第三次処理までやる。やるときには思い切って、あまり中途はんぱなことというのは結局だめだと思いますね。そういう点で、そこまでやるべきだという御意見には私も同意見でございます。
○西村関一君 アメリカの海洋大学の教授たちが来てくれることもけっこうですが、三木長官もお忙しいだろうけれども、一ぺん見に来てください。そうして、あの美しい琵琶湖がどんなによごれておるかということを見てください。昔の山柴水明といわれた近江の景観がどんなにこわれておるか、自然景観がどんなにこわれておるか。水だけでなくて、自然環境がどんなにこわれておるか。これは、この事業計画や琵琶湖総合開発事業計画が進むにつれまして、ますますその自然破壊、環境破壊が度を増していく。それを防ぎながらこの事業を進めていかなければならぬのでありまして、ぜひ、長官はお忙しいでしょうけれども、一つのモデルになっております琵琶湖を見に来てくださることを私はお願いしたいと思います。 それから水産庁が来ておられると思いますが、いま申しました琵琶湖のオイカワが、PCBの暫定許容量を越えておるということを発表されました。水産庁は一体どういう調査をなさって、どういう発表をなすったのでありますか。 また、いまここに奇形魚の調査報告というのが出ております。これも水産庁の調査研究部が出している。琵琶湖の奇形魚も、貝のシジミ、それから琵琶湖の特産でありますところのフナ、そういうものに奇形魚が出ておる。これはもう漁師がつかまえてくるのです。こういうものができております。こんなものがおりますよといって私のところへ持ってくる。水産庁は一体この調査をどういうふうになさったか。私は資料を持ってきてもらいたいと言ったが、持ってこられない。ここへ来ましたら、委員部にこれだけがきておる。私が質問する前に資料がほしいし、説明にきてくれといったけれども、水産庁は来てくれなかったのです。水産庁、きょうはだれが来ておられますか。御答弁願います。
○説明員(松下友成君) まず初めにPCBの調査の状況でございますけれども、これは昨年、環境庁と水産庁と協力いたしまして、全国百十水域におきまするPCBの汚染実態調査を行なったわけでございます。この調査結果、私どもは概査と呼んでおりますけれども、この結果に基づきまして、汚染が進んでいると認められます没岸及び河川の十四水域につきまして、今年の二月から一水域平均二百検体の魚介類、それから水質、底質について調査を行なったわけでございます。 今回の調査、これは私どもは精密調査と呼んでおりますが、この精密調査の結果の中で、魚介類につきましては、十四水域につきまして二千二百七十三検体を調査したわけでございます。このうち海産魚介類千六百七十七検体中、三PPMをこえるものが九十八検体、全体の六%でございまして、淡水魚介類につきましては五百九十六検体中、三PPMをこえるものが五十五検体で九%でございます。特に、汚染されました検体が検出されました水域、魚種等については、発表の際に表を添付して公表したわけでございます。 先ほど先生の御指摘のございました奇形魚の点でございますが、実はこれはまことに恐縮だったのでございますけれども、先生から御要求あったということを全然私存じませんでした。たいへん申しわけないと思っておわび申し上げます。
○西村関一君 これはどこにお尋ねしていいのかわかりませんが、環境庁、水の汚染につきまして、工場排水の影響が大きな原因になっているということは言うまでもありませんが、合成洗剤の汚水の影響がだいぶん大きい。滋賀県の場合で言いますと、三十一の学校の給食センターの半分以上が公害皮膚病にかかっておる。その原因が合成洗剤だということがいわれております。この合成洗剤に対する、環境庁としてはこれの公害を防止する対策をどのように講じておられますか。
○政府委員(岡安誠君) いまお話の合成洗剤でございますが、合成洗剤は二つ問題があり得る。一つは合成洗剤の組成要因でございます界面活性剤、これについても健康の影響があるかないかという問題、これは厚生省のお答えが後ほどあると思いますけれども、その問題と、それから合成洗剤のうち家庭用の洗たく等に使われております弱アルカリ性洗剤、その中に燐が相当入っております。燐酸塩と申しまして、ビルダーとして使われておるわけでございます。あとのほうの問題は、やはり水質汚濁といいますか、富栄養化の原因になるというふうに考えております。 一般的に見まして、燐は年間四十万トンぐらい生産をされておりまして、そのうち肥料が相当部分占めておりますけれども、公共用水域に排出される燐につきましては、やはり合成洗剤のウエートが相当大きいというふうに私どもは考えております。 そこで問題は、その除去ができるかという問題が一つございますけれども、これは下水道におきまして第三次処理をいたしますと、九五%以上除去されるというような計算も出ております。ただ問題は、その普及その他の問題がございます。 もう一つの問題は、合成洗剤の製造過程におきまして、ビルダーとして燐を使用しない方法があるかという問題、これにつきましても研究をいたしておりますが、なかなか適当な代替品が見当たらないというのが現状でございます。と申しますのは、燐以外のビルダーを使った場合に、はたして完全に環境の汚染がないか、新しい環境の汚染ができるのではないかというような点が解明されておりませんので、その辺の解明もあわせまして、私どもは、下水道の整備もさることながら、合成洗済のビルダーとしての燐を、できれば代替品にかえる方向でひとつ検討をいたしてまいりたい、かように考えております。
○西村関一君 いま政府委員のほうから御答弁がありました。これは三次処理をやれば九五%までは免れることができるという。どうしても三次処理までやっていただかなければならぬ。これはやろうという大臣のお考えでございますから、ただなるべく早くやっていただく。諸外国で皆やっているのですから、日本ではまだ試験研究期間中だというのでは、これは恥ずかしいと思うのです。どうしても至急に三次処理までやっていただく段取りをしていただきたいと思います。 それからもう一つは、有毒物質の汚染に総合的な点検を行ない、また総合的な予防対策を講ずる。これはやっぱり環境庁の仕事じゃないですか。環境庁としてはすでに水銀・PCB対策推進会議、名前は違っているかもしれませんが、そういうものを設けられておるということを伺いますが、その点はどの辺まで進められておるんですか、お伺いします。
○政府委員(岡安誠君) 水質汚濁防止の観点からは、先ほど申し上げましたとおり、有害物質につきましては厳重な排出規制をいたしております。現在の規制対象項目だけで十分であるかどうかという問題がございます。そこで、私どもも新しい項目の追加等につきましては研究をいたしておりますが、やはり最終的には人体影響ということが基礎になるものでございますので、厚生省といろいろ連絡をとりながら、人体影響の度合いその他が明らかになりました段階におきまして、私どもは水質規制の対象項目として取り上げるというような準備をそれぞれいたしておるという次第でございます。
○西村関一君 いま私が伺いましたような、そういう厚生省その他の関係省庁と連絡をとって対策推進会議といったようなものをつくろうという構想は、お持ちなんですか。
○国務大臣(三木武夫君) 先般も対策の、主として水銀の問題を取り扱ったのですが、水銀等ということで、ほかの問題もこれは取り扱っていこうということでございます。水銀の場合は、通産省がいま事業場を管轄しておるわけですが、これは水銀を出さないようにしようということで、来年の九月までにソーダ工業などにおいてはクローズドシステムに転換をして水銀を外に出さない、そういうふうな生産工程に切りかえるということをきめたわけであります。 そのようにして、日本の将来は無公害の工場というものを目ざさなければ、これはただ汚染をとめるだけではいけぬわけです。でき得べくんば、昭和三十五年高度経済成長の前ぐらいのところまで日本の環境をもっていかなければならぬわけでありますから、そういうので、いま汚染されたこの問題、これはやっぱりその原因を除去しなければならぬし、また既設の工場については、これ以上汚染させないようにいろんな規制の強化もしなければならぬが、今後の新しい工場というものは公害を出さぬということを目ざしてやらなければ、とてもこういう汚染の状態というものをストップさせて、さらに日本の環境をよくするということはむずかしいわけでありますから、そういう問題についても今後、いま申したようなことを目ざして取り組んでまいりたい。推進会議というものはそういう問題を扱っていきたいと考えております。
○西村関一君 先ほど長官もお話しになりましたが、汚染の発生源に対するよりきびしい規制をやろう、これは非常に大事なことだと思います。それから有害汚染物質というものの研究調査。それから複合汚染が出ております。それは残留農薬の問題も含めて、その調査並びに対策を急いでいただかなくてはならない。それから有毒物の許容基準はよりきびしくしなければならない。また、汚染物質の測定法の改善をはかっていかなければならない。それから、汚染源になりますところの企業の指導監督の問題があります。これらの点を含めて総合的な対策を環境庁において考えていかなければならぬ。これは各関係省庁と連絡をとられて、総合的な対策、また、さっき私が申しましたような水銀・PCB対策推進会議というものはまだ発足しておられないようですが、そういうものも含めて、ぜひ総合的な調査並びに対策を立てる段取りを進めていただきたいと思います。 それから、科学技術庁のほうからもだれか見えておられますか——。 科学技術庁は、日本の科学技術振興の本山ともいうべき役所です。環境庁ができましてから環境庁に移管された分野が多いと思いますが、いま私が指摘いたしましたような問題等につきましても、科学技術庁は独自の立場で調査をし、その調査結果を発表していただきたい。これは個々別々の、水産庁は水産庁でやられる、あるいは建設省は建設省でやられる、環境庁は環境庁でやられる、その総合的な行政の本山は環境庁でありますが、科学技術に関する限り科学技術庁が元締めですから、独自な調査をやっていただきたい。一言でいいですから、その点について御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(石渡鷹雄君) 先生御指摘のとおりとわれわれも考えております。科学技術に関しましては、科学技術庁が責任をもって研究開発を進めていくべきであると考えております。環境問題につきましては環境庁とよく連絡調整をいたした上で、科学技術庁の分野につきましては、総本山と御指摘がございましたが、その心がまえで対処してまいりたいと存じます。
○西村関一君 私は、なおきめこまかく関係政府委員にお伺いしたいのですが、時間がありません。長官が衆議院においでになる予定もあるようなので、最後に別な問題を一点だけお伺いして、質問を終わりたいと思います。 それは、先般私は会議がございまして日光市に出向いたしました。その機会に日光国立公園の実態を見てくれということを地元の人たちから要請されまして、時間をさいて、かなりくわしく日光国立公園を見ました。そのときに私の感じたことでございますが、疑問に思いました点をお伺いいたしたいのであります。 もちろん尾瀬沼までは行けませんでしたが、尾瀬沼の問題もございます。私は帰りましてから「尾瀬に死す」というあの本を読んで、このように尾瀬を愛して、尾瀬に生涯をささげた若い自然環境を愛好するところの人の手記を読んで、非常に感動いたしました。近来になく感動いたしました。尾瀬沼については、私は一ぺん行ってみたいと思っております。行ってみて、つぶさに状態を調べてみたいと思うのであります。 日光国立公園の、日光市から群馬県に入るところまで行きましたが、ここの国立公園事務所というのがあるわけですが、あの広大な地域における監督指導をなすっていらっしゃるところの環境庁の公園事務所、それはどういう人員の配置なり、どのような運営をなすっていらっしゃるか、それをお伺いしたいのです。
○説明員(新谷鐵郎君) 日光の国立公園の管理事務所でございますが、職員数は合わせまして七名でございまして、うち四名の者は日光の地元に勤務いたしております。そのほかに、尾瀬地区に駐在管理員が一名、同じく那須地区に一名、湯元に一名、合計七名という配置になっております。
○西村関一君 あの広大な地域を監督指導なさるのに、その人員で十分に能力を発揮しているとお考えですか。
○説明員(新谷鐵郎君) 全国で国立公園の面積は約二百万ヘクタールございますが、そこに駐在しております管理員の数は、現在のところ六十二名という現状でございまして、広大な国立公園の中の管理を行なうには非常に不足しておるということを私どもいつも痛感しておるわけでございます。 この問題は私どもの局といたしましてもいわば最大の問題でございまして、毎年その増員方について努力をいたしておるわけでございますが、四十七年度に九名増員を見ました。四十八年度にさらに九名増員をいたしました。管理事務所につきましても、四十七年度まで八カ所でございましたものが、全国で十カ所ということで少しずつは前進をいたしておりますが、なお不十分な点は御指摘のとおりでございますので、今後ともその充実に努力をいたしたいというふうに考えております。
○西村関一君 人数のことも問題ですが、素質が一つの問題だと私は思う。やはり自然環境を愛し、これを守り抜いていこうという使命感を持っている人、そういう人でなければこういう仕事はできないですよ。本庁から離れてこういうところに勤務する人、若い人たちに使命感がないと、つい仕事がおろそかになってしまう、そういうことを私は感じました。地元の人たちの意見も、どうも動いてくれない、よく見てくれないという不平不満がありました。また、ああいうところにおる人はやはり楽しみがないですから、部屋の中でレジャーをする。何をやっているかそんなことまで知りませんけれども、ほんとうに足を棒のようにしてあの地域をせっせと歩く、そういうことに使命を感じ、そういうことに喜びを感ずるような人がああいうところに行かないと、私は効果があがらないと思う。 歩いてみた範囲におきましては、日光国立公園の中のあの河川が荒れておる。水害のときに荒れて、流木がそのまま何年間も放置されておる。それから私は便所に入ってみました。便所はいつ掃除したかわからないような状態です。手洗いの水も出ません。こんなことで一体国立公園として、外国の人が来たときに恥ずかしくないかと私は思うのです。 それから許認可の場合でも、法律で定められておりますところの許認可が若い職員にゆだねられておる。もちろん長官が許可をするのでありましょうけれども、現地の職員がこれをやるということについても、これは非常に大きな責任があるわけです。私は、必ずしも地元の人が言っていることが全部が全部までそのとおりだとは思いませんけれども、やはり無理がある。そこにこの法律の精神が十分に生かされていないといううらみがないとは言えないのであります。 それから、あそこの駐車場あたりに車を乗り入れて、そうして業者がいろいろなものを売っている。駐車場であるのに、駐車場でホットドックのようなものとか、簡易なそういう食料品を売っている、食べものを売っている。こういうことは、これはほんとうはいけないのじゃないですか。そういうことも手が届いてない。私は、きめのこまかい行政が行なわれていないと思うのです。美しい日光国立公園のあの状態が、そういう点において、私は環境庁の監督指導は十分でないという印象を受けて帰りました。 私は、そういうたまたまの機会に行ったのでありますから十分なことはわからないので、もう一ぺん時間をかけてあの日光に行ってみよう、地下たびをはいてずうっと歩いて、ジープに乗って少しもっと山奥深いところまで行ってみたいと思っているのです。 そういう点に対して率直に、三木環境庁長官はおいでになっておらぬと思うけれども、これでは私はよろしくない。といって若い監督官を責めるつもりはありません。これはやはり指導の問題だと思います。まず第一にそういうことに対する職員の訓練、指導が大事だと私は思う。もう少し使命感を持って、山を愛して、自然を愛して打ち込んでやるという人を送ってもらいたい。長官いかがでございますか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、この国立公園の駐在員は非常によくやっていると思うのです。それはやはり、ああいう条件というものが悪いですね、都会から離れてやっておるわけですから。しかし、何ぶんにも、いまも政府委員から御説明をしたように二百万ヘクタールですか、その中で、今度増員になっても七十一名ですから、一人当たり三万ヘクタールぐらいの管理をするわけですね。そういう点で、それは人間ばかりでもないと西村委員もおっしゃいましたけれども、もっと管理体制を充実するためには人間ももっと増員しないと、これはきめこまかく国立公園の管理という目的を達成するのには、私はなかなか限度があろうと思いますので、管理体制という点は御指摘のように、いろいろ遺憾な点があると思いますが、管理体制を強化するためにはいろんな人員の点、機構の点、もう一ぺん再検討をいたしたいと思っておるわけでございます。 せっかく、国立公園といえば国民としてもよい管理のもとに保存をしてもらいたいと願っておる地域でありますから、そのためにはいまの体制は非常に貧弱に過ぎる。これは検討をしなければいかぬということでありますから、来年度の予算とも関連するのですが、管理体制の強化ということはひとつ再検討をさせてみたいと考えておる次第でございます。
○委員長(大矢正君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) 速記を起こして。
○藤田進君 関連して。環境庁長官、あなたには商工委員会に来ていただくということで期待しておりましたが、参議院選挙の大阪の応援に行かれて、どうも結果は残念でございました。 さて、いずれ商工委員会には、いまかかっている化学物質法案でぜひお願いしたいと思いますので、委員長に特にお許しをいただきましたので、あと一分余りですが、いろいろ感じますのに、ここまできているということに対する責任、あなたはこの間、世界環境記念日等ではなかなかいいことは言っているのですね。いいことを言っている。これはもう大石長官以上のことを言っている。 私は大石長官、それからあと小山さんですか、これはまあ製薬会社の効能書、営業マンみたいな感じがしてならなかったのですよ、時間がないから簡単に表現しますが。しかし三木さんは、わりと実力というか、実行してくれるだろうと思っていたのですが、なかなか、いまの質問に対しても全く同感という下水道、あとで高山委員がやるそうですけれども、これは今後の推進会議を見ても、対策も樹立するじゃないし、何か効能書を発表するだけのように私は思われてしかたがないんです。 実際に下水道なら、年度別に予算を立てて、地方財政は非常に貧困ですよ、こまかく具体的なものを立ててこれを年度別にこうするんだという、これがなぜ出せないんでしょう。いま調べてみる、調べてみる、ですよ。この間、環境庁呼んだのです。あなたは来なかったからほかの人をね。これから、これから、ですよ。地方の県知事がまた、いままで何をやっていたかと私は思うんです。実際。 同時に、これをやはり中央政権としてやってきた者、それは私も含めて反省しますよ、あなたもそういうことをこの間言っているのです。これはもう責められていい、どれだけやはり責任を問われてもしかたがないことだというふうにあなたは言っているんですね。その根性を、具体的にどうする。水俣だけじゃない、PCBもたいへんですよ、今度は。これをひとつ年度別に本気でやる。そのうちに大臣、八月人事で代わるのかどうか知りませんが、何とかこれをやってもらいたいというのが国民のあれじゃないでしょうか。私はそう思いますが、答えるほうは時間がかかってもいいそうですから……。
○国務大臣(三木武夫君) こういうことだと私は思うのです。いままでの経済発展、その間に公害問題というものをおろそかにしてきたということですね、これはその責任というものは追及されてしかるべきだと私は思うのです。公害問題というものがやかましく日本で問題になってきたのもここ数年ですから、その間に企業側にしても、経済の効率を求めて公害防止ということに対する投資を怠ってきたことは事実です。政府もまたそういう先を、この問題はどういう深刻な事態になるかということを考えての行政指導を怠ったことも事実です。ここまできたわけですよ。 だから、いろいろあと追いばかりやっているといわれるのですが、この間の推進会議でも、現に問題が起こっておるわけですから、これは処理しなければならぬ。あと追いであろうが何であろうが、これはいま問題が起こっておるのですから、やはり水銀の汚染というものに対して、ヘドロの処理から海域の浄化から、これを片づけなければならぬ。 そうして問題の原因を除去して、次にくる問題は、その中にもあるように、これ以上汚染させないために、たとえば水銀の使用工場に対しても、来年度までにクローズドシステムで外へ出さないような転換というものを要求しておるわけですよ。通産省もそれは約束しておるわけでね。そうして、これ以上汚染をさせないようにするばかりでなしに、もっときれいな日本にしなければいかぬわけですから、そのためには、これからの企業というものは無公害の企業を目ざさなければいかぬ。いままでは既設の工場というのは規制の強化、そういう生産のシステムになっているんですからね。新しい工場というものは公害を出さぬということで、そういうことで日本の経済が発展していくならいいけれども、一方においていままでのような公害というものを出して、そのことで日本の環境を汚染して、これからの経済成長というものは、そうしなければいけないのだったら経済成長はとめなければいけない。日本の経済成長というものは、公害を防止しながら経済成長していくということならば、経済の成長ということはいろんな点においてメリットもあるわけですから、そういうことで一つの心がまえ、政府も企業もこれからは全くいままでと違ったんだという心がまえの転換がないと、なかなか目的は達成できない。 だから藤田さんが、いろんな点でどうもきちんきちんと計画が立っていないじゃないかと言われるでしょうが、いまのところは性根を入れかえたところなんですね。企業もやはり、そうでしょう、こんな問題が各地に起こってみれば、公害問題を起こせば企業の存立をあぶなくするぐらいの事態になってきておるのですから。政府自体としても、もう至るところに公害問題というものが起こって、いろんな社会的に不安を与えておる、こういうことでは国民の安定ということを目ざす政治の目的には沿わないですから、そういう点で、いろいろ批判をされる側から見れば非常にまどろっこしいものもあると思います。 しかしこれから、いまの推進会議などにおいても、それはいま問題が起こっていることを具体的に処理しなければなりませんから、そこにきめられておることはきわめて具体的なことで、一つだけ「極力」ということを使うことを許したのですがね。水銀を出さないばかりでなしに、触媒としての水銀を使わないように二年後にするということは、なかなかこれは実際問題としてむずかしい。一カ所だけですよ、「極力」というのを許したのは。みな具体的な決定を行なったわけでありますから、問題を起こした事態における、推進会議としてはきめることはきめたという評価はしていただきたいと願うものでございます。
○内田善利君 いまの質問にさらに私も関連質問したいと思うのですけれども、私は、藤田委員のおっしゃったことが全国民の声じゃないかと思うのです。一体、公害問題は最近問題になってきたわけですけれども、やはりその間の対策というものを反省すべきじゃなかったか、このように思うわけですね。 一番私がいま深刻に思うのは社会問題じゃないかと思うのですが、社会問題と申しますのは、結局、日本の今日までの豊富なたん白資源であった魚介類、そういったたん白資源、いままで有史以来われわれ日本国民のたん白資源であったものをとってきた漁業が非常に窮迫しつつある、こういったことで非常に不安に思っているわけですけれども、国民の側はこの魚は食べていいのかどうかという不安、私たちもいままで公害問題に取り組んでまいりまして、これくらいは食べてもだいじょうぶだろうということで、すしも食べてまいりましたけれども、最近は自分自身もだいじょうぶかなと思いながら食べるようになりましたが、国民の不安というものは非常に大きいのじゃないか。 それに加えて、漁民の生業の不安というものはたいへんなものだと思います。そういった漁業に対する補償、それから第二次商売といいますか、魚屋さんとか仲買い人とか、そういった生業の補償、そういった方は非常に、いままさに不安の極致に至っていると私は感ずるのですけれども、こういったことに対する補償、これはどのようにお考えなのか。水産庁及び三木長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 魚に対して不安がやはり全国的な傾向になっておるわけでありますが、東京でも魚を食わぬというような空気が出てきて、それが、すぐに一匹や二匹食って水俣病になるというわけではないのですけれども、そういう不安が食生活にありますから、だから厚生省が安全基準というものを、今月中というのですが、できるだけ早く出したいと言っている。いまの予定では、月末を待たずに安全基準を出す。しかも、何PPMというのは食生活の中に一般にわかりにくいですから、もっと端的に、食生活の一つの指針になるような安全基準というものを発表するということになっております。それは、非常にきめこまかい一つの指針を出そうということでございます。そういうことで魚に対する一般国民の不安というものは、これはやはり解消しなければならない。肉といっても、いまの肉の事情を見たってそれだけの需要に間に合いませんし、やはり魚介類というものの日本の食生活に占めるウエートの大きさから考え、この不安は解消しなければならぬ。 それから漁民の問題魚が売れない、だから漁もできないという事態が汚染の地域には起こっておりますが、これは私どもも一般の環境調査を今月中に始めるわけでありますが、その場合に、原因者を究明しよう、そうしてそういう漁業者の被害についても原因者が負担をするということの原則は打ち立てておきたい。これは安易に政府ということになりますと、けじめがつかないですから、だから汚染者がその起こるべきダメージに対しては負担をするという原則は、これは確立していきたい。そのために原因者の究明というものを急ぎたいと思っておるわけでございます。そして、原因者が漁業の補償の責任を負わなければならぬということが原則でございます。 それまでの間、その問題が片づくまでの間は非常に漁業者の生活にも困るわけでありますから、政府はこれに対してつなぎ資金を出したい。これは一両日のうちにそのつなぎ資金を出すということはさまっておるのですが、金利等の点について、こういう事態でありますから、その金利というものは異常災害等のときを参考にした金利であるべきだと私どもは考えておりますので、そういう点で政府はつなぎ資金を出して、そして漁民の生活上の困難な事態に対処していきたい。しかし、その出した金は、いわば原因者がわかったときには返還を求める仕組みであるということでございます。そういうことでこれを処理してまいりたいと考えております。
○説明員(松下友成君) 漁業者の被害補償につきましては、ただいま三木環境庁長官から御答弁あったとおりでございますが、水産庁といたしましても、基本的には原因者負担の原則にのっとって、原因者の究明に努力してまいりたいというふうに思うわけでございますが、この原因者究明、特に複合汚染の疑いがある場合につきましては、なかなかこの原因者の確定までに長時日を要する場合がございます。その間、漁業者の生活が非常に困窮をしてくるわけでございます。この間のつなぎの措置といたしまして、農林漁業金融公庫の沿岸漁業経営安定資金をもって措置するというような、現行制度で実施できる措置につきましては早急に実施に移したいというふうに考えております。しかし、これだけではなお十分ではない面もございますので、長期低利の融資その他の措置につきましても関係省庁と現在協議中でございます。
○内田善利君 ちょっと水産庁に聞きますが、きのうの長官の答弁で、天災融資法も発動するということですが、これはいかがですか。
○説明員(松下友成君) 現在、その線に従いまして関係省庁と協議中でございます。
○内田善利君 原因者の究明があるまでということですが、確かにPPPの原則によって汚染原因者が当然賠償の責任に応ずべきでございますが、複合の場合は、どういう点にむずかしい点があるわけですか。
○説明員(松下友成君) 原因者の究明につきましては私ども直接の担当ではございませんけれども、特に複合汚染の場合になりますと、幾つかの企業が関連してまいりまして、それがどの程度漁業の汚染に影響しているかという点を解明いたすためには、かなり長期にわたる調査その他が必要でなかろうかと思うわけでございまして、そういった観点から、原因者の究明にはかなり長期を要すると申し上げた次第でございます。 なお、先ほど長官の天災融資法ということでございますけれども、補足をさせていただきますと、これは長官の御発言は天災融資法に準じた措置ということでございます。
○内田善利君 準じたということだそうですが、漁業補償については的確な補償を一日も早く期待したいと思います。宇土の場合でも、あの緑川の河口ではアサリをずっと道路に面して売っている人たちがおるわけですが、そういった人たちは、もう全くきょうの生活にも困っているわけです。そういった、困っている人たちに対して天災融資法に準じた方法でやるということですけれども、私は、きょうの生活に困っている方々に対しては早急にやっていただきたいと思うのです。 原因者の究明についても、汚染源の推定ということは、水銀を出しているところが私は汚染源だと思うのです。それを、どこで何をやって、むずかしいことをしなければならないのか。一体、汚染源の最後決定はどこがするわけですか。三木長官お願いします。
○国務大臣(三木武夫君) これは各省とも関連をいたしますから、各省間の協議をして政府が見解を述べるという形で出すわけでございます。
○内田善利君 私は、水銀を出していたということはわかるわけですから、そういう被疑者と被害者とはっきりしたならば、そこには当然原因の推定ができると思うのですね。そうしたならば、直ちに賠償の責任を被疑者がとる、こういう法則を早急に打ち立ててやらないと、また五年後、十年後と延びていくのじゃないか。いままでの行政の反省があるならば、私はこの辺の取りきめを早く、対策会議等ができたのですから、やっていただきたいと思うわけです。 それともう一つは、これは根本的な問題でありますけれども、金を出せばそれで環境被害、公害問題が片づくんだという考え方は、もうこの際なくしていただきたいと思うのです。そういう考え方があるから、大企業は金を持っておりますから、金を出せばいいんだ、出しっぱなし、少々出してもいいんだというような考え方がなかったとは言えないのじゃないか、このように思います。それで、金で済むという考え方でなしに、健康被害を受けた人は、被疑者が、汚染原因者がもとの健康状態に返すのだ、そして環境も破壊した以上はもとに返す、それぐらいの原因者が負担する考え方でいかなければ、日本の公害はなくならないのじゃないか。私はこのように思うのですが、金銭で補償すればいいという考え方に対して長官にお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(三木武夫君) 私も、せんだって水俣などを見まして、胎児性の水俣病なんかを見て、それはもう金の問題ではないですからね、失われた生命もあるし、失われた健康もあるし、一体だれが責任を負うのかということに、私自身も何か責められる思いがしたわけであります。 だから、公害問題を金で解決できるという考え方をもし持っているとするならば、これは大間違いで、健康や生命というものは金を幾らかけても取り返しがつかないのでありますからね。企業自身も、公害問題を起こしたときにおける企業の社会的責任というものは、金で済むんだという意識はもうだんだんとなくなってきつつある。チッソならチッソの例をとっても、金を出せばいいでしょうということではないですからね。会社の経営陣があれだけ被害者から責められて、それは、あそこの患者対企業側の問題というのは、金の問題ばかりとは言えない大きな社会問題を起こして非常に責められておるわけですから、金でない企業の社会的責任についていま責められておるわけですから、それは企業側の意識というものも非常な変化がある。 実例が一ぱいあるのですから、それは金だけだということではとても解決できない事態になっておりますから、経営者の意識にも大きな変化があって、金さえ出せばいいんだという意識が今後も続いていくとは私は思わないのです。企業側も非常な社会的責任というものを感じて、もう公害を出さぬために技術開発もやらねばならぬし、あるいは投資もやらねばならぬし、こういうことがいろいろ身にしみてきておる今日でないでしょうか。そういうので、金で解決するんだという意識がずうっと日本の企業の持ち続けておる意識だとは、私は思っていないのでございます。
○内田善利君 私もそう思うのですけれども、やはり企業がそういうふうに金で片づくんだという考え方はもうなくなっていると思いますが、いままでの経過を見まして、この間もお話ししましたけれども、私たちは高等学校でも大学でも、応用化学教室では水銀だめというのがありまして、流しから絶対流しちゃいけない、水銀の化合物は全部水銀だめに入れるんだと。ですから、廃液は全部水銀だめに入れて処置したものなんですね。そういった学校教育がありながら、いままで工場は流していた。私は自分の体験から、どうしてもこれがふに落ちない。水銀が毒であるという以上は、その終末の処理をするのが企業のモラルじゃなかったかと、こう思うわけですね。 そういったことから、今日の公害問題を引き起こしたその結果から見まして、もう少し企業に対するそういう指導なりがあってよかったのじゃないかと、そのように思うわけです。したがいまして、金で片づくという問題じゃありません。確かにあの水俣病の被害者を見れば、患者の皆さまを見れば、もうほんとうに耐えがたい悲しみと怒りを覚えるわけですけれども、今後こういったことのないように、ひとつ企業に対する指導もしていただきたいと、このように思うわけです。 それと関連しますけれども、きのう杉原委員からも連合審査会で質問がありましたが、水銀を使った苛性ソーダの製造工程において、九五%は現在水銀を使っているわけですが、水銀法を隔膜法に切りかえるのに、極力五十年九月をめどに転換をはかる、こういう結果になったわけですが、私はこれは一歩後退じゃないかと、このように思うわけです。 三井東圧化学のごときは、隔膜法を水銀法に切りかえたわけです。隔膜法でやっていたのに、わざわざ水銀法に切りかえております。隔膜法への転換を、これはもう行政的な指導でははっきりきめて、それを目標に私は隔膜法へ転換をはかるべきじゃないかと、このように思うわけです。きのう聞いておりまして、「極力」ということでは後退じゃないか。これまでに切りかえる、そういう姿勢でやっていくべきじゃないかと、このように思うのですが、これは通産省並びに長官にお聞きしたいと思うのです。できないならば、六十年の四月とか、はっきりきめてやるべきじゃないか。「五十年九月をめどに極力」という、こういう使い方じゃなくて、明確に時日を示して隔膜法に切りかえるべきじゃないかと、こう思うのですけれども、通産省の見解を聞きたいと思うのです。
○政府委員(田中芳秋君) 水銀法を隔膜法に切りかえる問題でございますが、この点につきましては、従来の路線、これは先生御承知かと思いますけれども、産業構造審議会等にはかりましたその答申の線に沿いまして、すなわち、今後の新増設設備については一切隔膜法を認めない、そうして向こう五年ぐらいの間に三割程度のものを隔膜法に切りかえる、こういう形でございました。しかし、今回の情勢にかんがみまして、私どもできる限りこれを推進してまいりたいという決意を持ったわけでございます。 隔膜法につきましては、水銀法よりかなりコストが高いという形もございまして、先ほど先生御指摘のように、一時また水銀法に戻った経緯もございます。しかし、今日の情勢から見ますと、コストが高いと言いますのはあくまで企業内部の問題のように私どもは考えます。要するに、水銀を十分処理をしないかっこうでこれを行なっているために、隔膜法より企業内部の採算としては水銀法のほうが安いという問題ではないか、これでは企業のあり方として非常に問題があると、こういうふうに考えます。 そこで私どもといたしましては、五十年の九月を目途に少なくとも五〇%の切りかえという形で環境庁のほうに、私どもの業界の指導方針を出してまいったわけでございます。ただ、もっとこれを極力やれと、こういう環境庁のほうの方針でございますので、私どもは最低限五〇%を目途としましてこれを推進してまいる。 なお、隔膜法につきましては、この技術につきましては国産の技術が現在ございません。すべてアメリカ等のパテントがあるわけでございます。私どもといたしまして、この国産技術を開発いたしますために、四十七年度、昨年度より工業技術院におきまして、水銀を使用しない苛性ソーダをつくる方法の技術関発を行なっておる段階でございます。したがいまして、当面これを行なうといたしますれば、やはりそうした外国技術によらざるを得ないわけでございます。そうした点、それからさらに、こうした技術を導入し、かつ隔膜法によりますいわば設備転換、これを推進いたします際のいわば機械メーカー、こういったものの物理的能力というものも、やはり一つの物理的なと申しますか、そういう障害もないというわけにはまいりません。しかし、こうした情勢にかんがみまして、私どもとしては全力をあげて隔膜法への切りかえ、こういう形で業界を指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
○内田善利君 そうしますと、五〇%だけをやって、あと極力何%かやって、やはり水銀法はある程度残す、こういう意味ですか。
○政府委員(田中芳秋君) 舌足らずの御答弁を申し上げましたが、五〇%以上を目途として全力をあげて隔膜法に切りかえたいと、こういうことでございます。
○内田善利君 じゃ、いま私が質問したとおりですね。五〇%をやって、それ以上を、極力ということばを使いますが、極力切りかえる、あと幾らかは水銀法の苛性ソーダ製造工場が残るだろうと、こういうことですか。
○政府委員(田中芳秋君) そのように考えております。
○内田善利君 理由は何ですか。安いからそれだけ残すわけですか。
○政府委員(田中芳秋君) ただいま申し上げましたように、技術導入あるいは設備の能力等の問題がございますので、そうした物理的ネックの問題も考慮して、全量をその期間内に達成することは困難というふうに考えるからでございます。
○内田善利君 私は、その期間内にとは言ってないわけです。たとえば五十年九月でなくても、それ以降でもいいから、それまでの間に全部水銀法をなくしたらどうだと、こう言っているわけですが、そうじゃないようですね。幾らかは水銀法も残す、こういう通産省の考え方のようですね。
○政府委員(田中芳秋君) この点につきましては、私どもといたしましては全部隔膜法に転換するように、長期的にはそういう方向で考えたいと思っております。
○内田善利君 それならば、いつならいつまでにもう苛性ソーダは全部水銀法をやめるんだと、こういうふうにはっきり明示するべきだと思うんですよ。私の質問に、まあ極力いつかはやめたいと思います。こういう答弁では、私はいまの国民は納得できないのじゃないかと、こう思います。こういう技術的な問題があるので、こういうことがあるので、それまでは対策会議できめられたけれども、ここまでは何とか通産省としても水銀法をやめることができる、そういう理由づけがなくて、ただ極力いつかはというようなことでは納得できないと思うんですよ。
○委員長(大矢正君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) 速記を起こしてください。
○政府委員(田中芳秋君) この点につきましては、ただいま所管の化学工業局長がまいっておりませんので、私から、正確な御答弁を申し上げられません。お許しいただきたいと思います。早速連絡をいたしまして、御質問に答えられるようにいたしたいと思います。
○委員長(大矢正君) 委員長から発言をしてたいへん恐縮ですが、化学二課長来ているでしょう。あなたは課長さんだから答弁も限界があるだろうけれども、ほんとうは一番よく知っているのはあなたのはずなんだ。政治的な判断をして答弁をするかどうかは、これはある意味では局長かもしらぬが、その事実の問題を明らかにするとか、そういう意味ではあなたはむしろ一番詳しい人なんだから、あなた、ひとつこの際御答弁されたらいかがですか。
○説明員(小幡八郎君) 実は、電解ソーダの所管は化学一課でございますので、私から責任を持った御答弁をいたしかねますので、その旨よく局長に伝えたいと思います。
○委員長(大矢正君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) 速記を起こしてください。
○内田善利君 それでは正式に答弁できる人を呼んでいただきたい。 別の問題に入りますが、同じ水銀の問題ですけれども、とにかく日本は、いま三種類の水銀を使った工場によって汚染され、さらに農薬を世界第一使った国でございますが、もう一つは水銀鉱山の問題なんですけれども、水銀鉱山が大体日本には幾つあるのか、お答え願いたいと思います。 その中で、北海道の無加川の奥地にある水銀鉱山の土壌並びに河川の汚染の問題ですが、この鉱山はいつからいつまで水銀を取っておったのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(田中芳秋君) 現在稼行中の水銀鉱山は、わが国におきましては四つございます。 その第一は、ただいま御指摘のありました北海道のイトムカ鉱山でございます。昭和十三年以来操業を開始をいたしておりまして、月産水銀量といたしまして一・八トン程度の生産をあげておるわけでございます。第二はやはり北海道の竜昇殿鉱山でございます。これは昭和十九年から操業を開始をいたしております。水銀の生産量は月産七・七トンという状況でございます。第三の鉱山は、奈良県にございます大和水銀鉱山でございます。この鉱山は大正二年、操業を開始いたしております。水銀の月産量は三・九トン。第四番目のものは三重県にございます丹生鉱山でございます。昭和四十三年から操業を開始をいたしております。これは製錬は当地ではいたしておりませんで、先ほど申し上げました奈良にございます大和水銀鉱山の製練所に鉱石を送っております。粗鉱量といたしましては月産八百トン程度でございます。まず現在稼行中の鉱山の状況を申し上げました。 なお、このほかに休廃止の水銀鉱山がございます。これにつきましては、御承知のとおり重金属鉱山の調査を現在実施をいたしておるわけでございますが、現在までに私どもで判明をいたしております休廃止鉱山の数は、全体で六十五という数字になっておるわけでございます。 続きまして、イトムカ鉱山の状況でございますが、現在、私ども鉱山保安法によりましてこれが排出水等の監督規制を行なっております。過去三年間の鉱山保安局によります点検回数は、四十五年四回、四十六年二回、四十七年四回という形で検査をいたしております。そのそれぞれの段階におきまして、この山の排水につきまして検査をいたしておりますが、トータル水銀では検出せず、アルキル水銀も、四十七年からこうした事態にかんがみまして行なっておりますが、これも検出せずと、こういう結果になっております。
○内田善利君 この鉱山関係から先に申し上げますと、古い沈でん池には残滓ですか、かすが約六十万トン放置されておるわけですけれども、これが無加川に続いておるわけですね。この沈でん池の周辺の土壌からは一三〇〇PPMも水銀が出ているわけです。このかすといいますか残滓といいますか、これの処置が非常に不十分だ、こういうことなんですが、これについてはどのような対策を講じておられるわけですか。
○政府委員(田中芳秋君) ただいま御指摘のございました鉱滓あるいは澱物の堆積場、これにつきまして、浸透水等の環境汚染のおそれをなくするということが何よりも重要だと考えます。したがいまして、私どもといたしましては、先般御審議をいただき成立を見ました金属鉱業等鉱害対策特別措置法、これによりまして、これら堆積場の整備計画を出させ、これに基づきまして企業に堆積場等の整備をさせる、こういう措置をとることといたしました。目下関係政省令の整備を急いでおるところでございます。
○内田善利君 これは旧沈でん池ですが、雨が降ったら毎分三百リッターぐらいの排水が無加川に入っているわけです。この排水は、いまおっしゃったようにこれは沈でん池を通ってくるわけですから、オーバーフローする水は〇・〇二PPM以下であった、基準以下であったということはうなずけるわけですけれども、泥の中に三〇〇ないし五〇〇PPMの水銀が入っているわけですから、この池の中の泥の処置、これが大事ではなかろうかと思うのですが、これについてはどのような対策を持っておられますか。
○政府委員(田中芳秋君) 現在、そうした沈でん池にございます澱物につきましては、これを堆積場に集積をいたしまして、そこで雨水の浸透を避ける形で処理し、かつそこから出ます排水につきましては、ただいま御指摘のありました排水処理施設を通じまして環境に放出をしておるところでございます。ただ、こうした堆積場の整備がなお不十分な点もございますので、整備計画と工事計画、金属鉱業等鉱害対策措置法に基づきます計画を提出させ、これが実行を確実にやらせたい、このように考えております。
○内田善利君 それで堆積場に持っていった場合に、これは十分注意しないと、むしろ沈でん池の中にそのまま置いておいたほうがよかったということにならないように注意すべきじゃないかと思いますが、環境庁にお聞きしますけれども、鉱業所の製錬所から沈でん池までの間にある土壌、これから大体一〇六PPMから多いところで一三〇〇PPM、このような水銀が出ているわけですが、無加川から水道水に取水をしているわけですね。この水はだいじょうぶかどうか。どのように判断しておられますか。
○政府委員(岡安誠君) お話のとおり、無加川の下流におきましては、北見市の水道用水を取水をいたしておるわけでございますが、道庁並びに通産省が、従来から継続的に排水なり河川水につきまして監視測定を行なってきたところによりますと、現在では水銀が検出されておりませんというようなことになっております。
○内田善利君 非常に土壌も汚染されておりますし、沈でん池の中にもこのような水銀が多量にありますし、水道水が安全かどうかということは非常に重要な問題だと思いますので、この水道水のことについては十分ひとつ検討していただきたいと思いますが、ここに飼ってあるフナ等が水道水でだいぶ死んだという実例が二、三あるわけです。水道水の中にフナを飼ったりしている間に、背骨が曲がったり、例の奇形魚が出ておる、こういう例がありますので、環境がこのように水銀で汚染されている地域の水を取水して水道水に使っているわけですから、これについては十分検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) そういうこともございますので、今回私どもが計画いたしております全国の水銀の総点検におきましては、この地帯を対象に入れまして、水質、底質、魚介類その他の一斉点検をいたしたい、かように考えております。
○内田善利君 それと、四つの鉱山が動いていて、休廃止鉱山が六十五鉱山、これは水銀そのものをつくり出した鉱山なので、この周辺の検討もすべきではないかと思いますが、この点は鉱山保安局でやるのか、環境庁でやられるのか、どちらかで検討を要する、このように思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) 今回計画中の全国総点検におきましては、かつて水銀を使用していた工場等にあわせまして、水銀鉱山等も点検といいますか、対象にいたしたいと考えております。対象の地区数につきましてはまだ調整中でございますが、当然こういう稼働鉱山、それからおもな休廃止鉱山等につきましては重点的に私どもは調査をいたしたい、かように考えております。
○内田善利君 この問題はこれで終わります。それでは通産省にお聞きしますが、水銀の電解工場で出てくる塩水マッド、これの処置はどのように考えておられるか。
○政府委員(田中芳秋君) ただいま化学工業局長は商工委員会に出ておりまして、担当課長がすぐ参るということでございましたが、たいへん恐縮でございますが、ただいま出ましてからお答え申し上げたいと思います。
○内田善利君 それじゃもう一つ、日本合成の宇土工場で昭和三十六年に、精ドレンの廃液中にトータル水銀が一五・四PPMあったということですが、これはそのとおりですか。
○政府委員(田中芳秋君) たいへん恐縮でございますが、所管課長より……。
○内田善利君 それでは、きのう商工委員会との連合審査の一番最後に私は関連質問をしたわけですが、あの化学物質取り締まり法は新規の化合物をチェックしていく法律ですが、既存の化学物質について、特にその中の特定化学物質の名簿をつくるということで質問をいたしましたら、大体七千種類ぐらい既存の化合物がある。その中から特定化学物質を、どの程度の名簿になるか知りませんが、この調査をするのに四年か五年かかる、こういう答弁をいただいたわけです。 私は、新規の化学物質を取り締まることは今後可能性のある問題だと思いますが、現在ある既存の化学物質については、非常に毒性の強い有毒なものがたくさんあるわけですけれども、そういったものの生体に与える影響、そういったこと、分解性がどうか、あるいは蓄積性がどうか、そういったことの調査は早急にやるべきじゃないか。特にPCBのような有機塩素化合物については、ピックアップしてでもやるべきじゃないか、このように思うのですが、この点いかがでしょう。
○説明員(小幡八郎君) ただいま先生御指摘のように、既存化学物質は国産で約五千品目、輸入で約二千品目、合計七千品目程度あるというように考えております。この法律が成立いたしますれば、これらの既存化学物質につきましても、その分解性、蓄積性ないしは毒性というものについての点検を行なうことにいたしております。 ただ、この七千ございます品目の中でも、環境を経由いたしまして食物連鎖により人体に摂取される可能性の強いものというのは、必ずしもこの数だけあるというわけではございません。そこで、やはり環境経由という問題になりますと、一つは量というものが大きなファクターになるのではなかろうかというように考えております。 そこで、かりに年間百トン以上の生産のある既存物質というものをとり出しますと、約千二百ほどございます。その中で、すでに得られている知見によりまして、まずこれはだいじょうぶであるというように思われるものを除きますと、約四百程度のものは、これは試験をしてみなければその性質はわからないということになるのではなかろうかというように、現段階では考えております。もちろん、これらの点につきましては、化学品審議会にはかりまして、専門家の意見を聞いた上で十分検討するべき事項だと考えておりますけれども、現段階ではそのように考えております。 そこで、これらの四百品目について、分解性、蓄積性の試験をまず行ないたいというように考えておりますが、四百という数字は、まあ非常に大きな数字でございます。そこで昨日、連合審査で四年程度かかるという御答弁を申し上げたわけでございますが、この四百の中でも、まず生産量の大きいもの、それからいま御指摘のありましたように有機の塩素化合物、従来PCBあるいはDDT、BHC等問題になりましたのは有機の塩素化合物でございますから、そういった構造を持ったものを優先的に取り上げて審査を、試験をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。これによりまして、既存化学物質の中から第二第三のPCBが発生することを極力押えていきたい。このように考えておる次第でございます。
○内田善利君 特に生産量の大きいものと塩素有機化合物ということでございますが、この塩素は、いま問題になっております苛性ソーダをつくるときの電解工場で塩素が出てくるわけですが、その塩素の総量が幾らなのか、そして大体大まかにどういう方向にその塩素が使われておるのか、これを教えていただきたい。
○説明員(小幡八郎君) 昭和四十六年度の塩素の消費量について申し上げますと、トータルで二百七十九万トンでございます。 用途の内訳といたしましては、大きい順に申し上げますと、塩化ビニール、塩化ビニリデン用に八十七万九千トンが使われております。そのほか塩素系溶剤といたしまして三十二万九千トン、無機薬品といたしまして二十六万八千トン、紙パルプ用に二十三万六千トン、その他こまかな用途がさらにございますが、統計上はその他としてくくられておりますさらし粉とか可塑剤とか、クロロピレンゴム用とか、アルキルベンゼン用とか、そういったいろいろなこまかな用途を統合いたしましたもので五十三万二千トンございます。
○内田善利君 時間がありませんので大体終わりますけれども、この中で、塩素有機化合物に使われると見込まれるトン数は、幾らぐらいですか。
○説明員(小幡八郎君) 塩素有機化合物に使われますのは、まず塩化ビニール、ビニリデン用の八十七万九千トン、それから塩素系溶剤三十二万九千トン、そのほか農薬といたしまして二万一千トン、染料中間物といたしまして九万九千トン、クロロメタンとして六万七千トンそれからプロピレンオキサイド、TDI、これはそのもの自体には塩素は含まれておりませんけれども、POあるいはTDIというものをつくります過程に塩素を使うものといたしまして、POの場合は十八万七千トン、TDIの場合は六万一千トンございます。
○内田善利君 その中で、私たちの国民生活に直接曝露といいますか、触れるもの、そういうものはわかりますか。私たちが食品を通して触れる有機塩素化合物ですね、これはわかりますか。
○説明員(小幡八郎君) この塩素化合物の中で、直接私どもがそれに触れるものというものは、たとえば塩化ビニールというものがございます。これは合成樹脂という形でわれわれに直接触れる可能性は、もう十分あるわけでございます。それら以外に、塩素系溶剤とかあるいは農薬とかいうものは、それらを扱う方々には、これはそれに接触する度合いが強かろうと思いますけれども、一般の方々には直接それらに触れるというケースは少ないのではないかと思われます。
○内田善利君 これでこの問題は終わりますが、結局、最後にしぼっていきますと、有機塩素化合物で、PCBのように、あるいはPCTがきのうは問題になっておりましたが、そういったわれわれ国民生活に開放系で直接関係のあるものからひとつ既存化学物質はチェックしていただきたいと、このように思いますが、これは要望にとどめておきます。 それから、もう一つPCBの問題でお聞きしたいのですけれども、PCBの汚染が問題になって、結局、漁業の問題が大きくクローズアップしてきておりますけれども、私はこのPCBが米軍基地及び自衛隊基地で相当量使われておる、このように聞いておるわけですが、この使用状況を防衛庁にお聞きしたいと思います。
○説明員(友藤一隆君) お答えいたします。 現在、自衛隊のPCBの使用状況でございますが、自衛隊の現在保有いたしております装備品でPCBを使用しておりますものは、通信機、レーダー、航法装置等のいわゆる通信電子機器がおもなるものでございまして、これらにはPCBをいわゆる絶縁用といたしまして、コンデンサー、コイル、トランス等に使用をいたしております。これらの機材は、地上用のほか航空機、戦車、車両、艦船等にも搭載をされているわけでございますが、一応全体の装備品の数から申し上げますと、ほぼ百四、五十種類程度ということで、そのウェートとしてはそう大きな数ではないかと思います。現在古い機材もございますので、どの程度PCBを使用いたしておりますトランス、コンデンサ等があるか、詳細は調査中でございます。
○説明員(奈良義説君) 米軍においてどのようなものが使われておりますかは、実は施設庁といたしましてはオペレーションそのものにまで触れておりませんので、現在のところ把握しておりません。
○内田善利君 把握していないということですが、PCB問題、水銀問題がこんなに大きくなっているわけですから、特に、私の想像ですけれども、エンジンオイルなんか、PCBはこれはもう絶対に燃えないですから、いまこうして問題になっておりますけれども、これほど有用なものはないわけですから使っておると思うわけです。これについてやはり私はチェックする必要があるのじゃないか、ここだけチェックしないのでは片手落ちになる、このように思うのですけれども、この点は環境庁はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(岡安誠君) 米軍の基地につきましては、私どもなるべく早い機会に立ち入り調査をいたすということで折衝いたしておりますが、一部につきましては調査をすでにいたしております。ただ、従来はPCBまでチェックの対象にするというふうに指示しておりませんでしたけれども、いまお話がございましたので、ひとつ検討させていただきたいというふうに考えております。
○内田善利君 それでは時間がありませんので、先ほどの問題について化学工業局長、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(齋藤太一君) 先般の水銀等対策会議におきまして、現在の水銀電解法によります苛性ソーダの生産方式を、五十年九月をめどといたしまして極力その転換をはかるという決定を見たわけでございますが、これが「極力」ということになっております理由でございますけれども、転換につきましては、いろいろと非常にそれに伴う困難な問題がございます。 第一は技術の問題でございまして、わが国では、まだ大型の隔膜法の苛性ソーダ製造設備の技術が現在開発されておりません。そのために、アメリカの技術を至急に導入するということが必要でございまして、その関係の折衝等に若干時間を要するかと存じます。 それからもう一つは、隔膜法に転換するとなりますと、非常に蒸気を必要としますのでボイラー等の増設が必要になってまいりまして、これはまた別の大気汚染の問題もございまして、そういう面での対策を考える必要があるということであります。それから隔膜法のほうは品質が悪くなりますので、需要者が引き取ることを好まない面がございまして、需要者に対しての了解をとる必要かございます。特に化繊関係は、塩分のあります苛性ソーダは原料として使えないというふうに申しておりますので、化繊関係にはどういうふうにするかといった問題が残っております。 それからもう一つは工事能力の関係でございますけれども、現在三百六十万トンの苛性ソーダの製造設備がございますが、これを二年間で全部転換するという場合には、隔膜法に使います電極が金属電極に変わりますけれども、これは外国の特許との関係でメーカーの数が少のうございまして、なかなか一挙にできないといったような問題とか、隔膜の製造の問題、それから工事を請け負います業者の工事能力の関係等々いろいろ問題がございまして、極力私ども転換を急ぎたいと思っておりますけれども、物理的にもやはり二年で全面転換というのはきわめて困難な事情にございます。 しかし、方向といたしましては、かりに二年目までにできません場合でも、何年かかかりましても全面的に隔膜法に転換を終わりたいと、かように考えておるところでございます。
○内田善利君 ここで五十年九月という期日をわざわざ会議の決定には書いてあるわけですね。それならば、やはりいつまでに隔膜法に切りかえることができる、こういう明言がなければ国民は納得しないのじゃないかと思うのですね。いま理由はいろいろおっしゃいましたが、こういう理由があって、いつまでならばできる、と。三井東圧化学大牟田工場では隔膜法をやっていたわけですから、そうですね、やっていて水銀法に切りかえたわけですから。今度は逆に水銀法を隔膜法に切りかえるということですから、そうして、切りかえるまでの間はクローズドシステムで、絶対に水銀を含むであろう排水は出さない、そういうクローズドシステムにしていくというようなことで、私ははっきり明言していけば国民は安心するのじゃないか、このように思うのですけれども、この点はいかがでしょう。
○政府委員(齋藤太一君) 当面の目標としましては、五十年九月までにできる限り転換をするということでございまして、ただいま会社のほうから転換計画をずっとヒヤリングをするようにいたしておりますので、それで近くどの程度に五十年九月までに転換が可能かのめどがわかると思いますが、その上で、それでは一〇〇%転換するにはあとどれぐらいの時日を要するかといった点も至急にヒヤリングを行ないまして明確にいたしたいと、かように考えております。
○内田善利君 それと、それまでの間に水銀を出さないということはできませんか。
○政府委員(齋藤太一君) これは、現在でも水質汚濁防止法に伴いまして取り締まりが行なわれておりまして、苛性ソーダ工場はあらゆる、たとえばキレート樹脂あるいはイオン交換樹脂、その他の活性炭によります吸着とか、いろいろの多段階の回収装置をつけまして排水から水銀を回収いたしております。したがいまして、現状でも現在の取り締まり基準にすべての工場が合致しておるというふうに私ども了解いたしておりまして、府県の取り締まりにおきましても、現在でも違反は発見されておりません。しかし、さらに念のためにその排水を、いまのように処理をしましたあとの排水を、もう一度工程に戻しまして循環させるというやり方を至急にとらせまして、来年の九月までに全工場につきましてこういう方式をとりまして、水そのものを外に出さない、こういうやり方をさらに徹底するためにやりたいと考えております。
○委員長(大矢正君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大矢正君) それでは速記を起こして。 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、暫時休憩をいたします。 午後零時十九分休憩 —————・————— 午後一時七分開会 〔理事杉原一雄君委員長席に着く〕
○理事(杉原一雄君) ただいまから公害対策及び環境保全特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○高山恒雄君 きょうは大臣が二時から御用件があるようでございまして、しぼって私は大臣に御質問申し上げたいと思います。 これはローカル新聞ですけれども、問題は岐阜県の東濃ですが、昭和四十六年に環境局が開設されて、多治見市の保健所が土岐川を定点として観測をずっと続けたわけですね。そうしました結果、この土岐川は、当時の検討では非常に大腸菌が多い。たとえば長良川、木曾川、揖斐川等に比較して二倍以上の大腸菌が判明された。それで、多治見の保健所の検査係長古田十三男さん、この人は、これは少なくとももっと精密な検査をする必要があるというので、いろいろ継続して追跡調査をしたのであります。 ところが、四十八年の六月十日、岐阜日日という新聞に出ておるのですが、サルモネラ菌の検出が発表されておるわけです。いわゆる十岐川を中心とする分布調査を至るところやったわけですね。それで発表では、大体重点的に七カ所をやってみたが、三共橋地点というのは非常に公害が大きい。特に伝染病の多発期である六月から十月には、まさに三共橋については、上流の肥田川、定林寺川など土岐川支流の汚濁が原因となって、へたをするとパラチフスのB細菌も発見されたといっておるわけですが、このことは、これは環境局が岐阜県に設置されて、継続してやってここまで発見ができたということは、非常に喜ぶべきことじゃないかと私は信ずるわけです。 大臣も御承知のように、この東濃地区というのは窯業生産地です。陶磁器一本できておる産業密集地帯でございます。この新聞を見て私は資科を取り寄せてみたのですが、全く長い歴史とともに川の汚濁による、何といいますか、市民の関心と申しますか、そういうものがもう薄らいでおるのではないかと、こういうふうに考えるのです。この川は御承知のように愛知県の庄内川に流れております。汽車でごらんになっても御承知のように、まっ白けの濁流が流れておるわけですが、したがって、いろいろ聞くところによると、その辺の地域の子供は、この川はこういうふうにもう白い濁った川だと思い込んで、白い川を見てびっくりしておる、こういうふうな現状だということをわれわれも耳にするわけですが、これを考えてみますのに、私はこれは大した問題だとは思わないんです。この公害の実態から見ますと、多治見のほうは、ある程度そういう汚濁に対する設備が完備しておるのじゃないかということを見受けるわけです。 ところが当時の検査、四十三年度を標準にしてみますと二五〇PPMあるわけですね、それが今日は三五〇PPMになっておる。したがって、ますます汚染度合いというものは、先ほどの御質問にもございましたように、下水その他の設備が不十分のために、最近の化学洗剤あるいは屎尿の処理等による問題でますます拡大していっておるのじゃないかというふうに思われるわけです。 こういう問題の処理についてどういうふうにお考えになっておるのか。環境庁はまた、このことが新聞に載ったことを御承知なのか。あるいは特別の何かほかの方法をやっておられるのか。この点ひとつお聞きしたいのです。
○政府委員(岡安誠君) お話の庄内川の上流の土岐川の問題でございますが、これは従来から渇水時に陶土、それから珪砂工場等の排水とか、それから生活排水によります汚濁によりまして相当よごれております。四十六年の暮れに、多治見市の上水道の給水ストップというような事例があったほどでございまして、私どもやはり問題の河川というふうに考えております。 現在、環境基準につきましては、瑞浪大橋ですか、それより上流につきましてはAという基準になっておりますが、それから下流の部分で愛知県境まではCというような環境基準になっております。 現状を申し上げますと、BODにつきましては多少基準値をオーバーするような事実もございますが、問題はお話のとおりSSでございまして、これは大幅に基準を上回っておりまして、多いときには三〇〇をこえるようなPPMを示しております。それから大腸菌がやはり意外に多く発見をされておりまして、これによる汚染というものも非常に進んでいるというふうに考えております。 その原因でございますが、一つは陶土、珪砂工場等からの排水であろうというふうに考えておりまして、これにつきましては、県が現在上乗せ排水基準というものを設定いたしております。それ以外の大腸菌等につきましてでございますが、これは想像でございますけれども、この原因は下水の整備が十分でないというようなことから、都市排水の問題、または浄化槽が相当ここにございますけれども、浄化槽の管理不十分、また畜舎からの排水等によるのではなかろうかというふうに考えております。 これらにつきましては、私ども対策といたしましては、上乗せ排水基準をさらに強化するという方向で検討いたしたいと思っておりますし、都市排水につきましては下水道の整備というものの促進をいたしたい。さらに畜舎につきましては、ことしの九月から排水基準の適用になるものでございますので、県におきましては、国がきめました一律基準よりさらにきびしい上乗せ排水基準を設定をするということによって対処してまいる、かように考えております。
○高山恒雄君 問題は、土岐川の汚濁が一番大きな原因なんですね、この表を見ますと。さらに、この土岐川の浄化をどうするかということが、いまおっしゃるように大きな問題だと思うんですよ。 それで大臣、私はこういう歴史的な産業公害、しかも、これはしろうとが考えても陶磁器原料の精錬汚水ですね、実際問題として。それに対する設備は浄化設備だろうと思うんですよ。そう金の要る仕事ではないと私は思うのです。しかも、公害でやかましく言われておる今日の社会情勢から考えて、これは御承知のように零細企業がたくさんございます。したがって、この地帯においてそういう零細企業個々の浄化設備をつくるということは困難かもしれません。したがって、こういう問題は私はもっと中央でも検討をしていただいて、それに対する中小企業の浄化設備というようなものの総合的なものを考えてやらないと、私は地方だけにまかせておいてもだめだと思うのです。 しかも、歴史的な汚濁水が流れております名古屋におけるところの下流の庄内川、それから多治見川、土岐、瑞浪、こういう問題を私は早急にやる必要があると思うのです。この歴史的な汚染を。これは大臣、できると思うのですよ。そういう中小企業に対する金融の措置をとって総合的なものをつくるとか、大きな会社には単独でつくらすとか、何かの指導をしなければ、いまのままでは個々の汚濁を浄化するような設備をつくるということは、ここでは零細企業が多いからできない。総合的に考えてやればできる。それに対しては、使用者の負担も当然ある程度は必要でありましょうけれども、政府が金融の措置をとってやれば私はできる。そうむずかしい問題ではないと思うのですね。 現に多治見はある程度できておるわけです。それ以外が困難だ。妻木川とか土岐川ですね、これが問題になっておるわけですから。この点をひとつ大臣の責任において、これはきれいなったという事実を早急に国民に示してやるべきじゃないかと私は考えるのです。それを考えますことは、この従来から歴史的な川の汚染でございますから、これは早急にひとつやっていただく。やるのに、もう原因がわかっておる、浄化装置をつくればできるんだ。このことを大臣ひとつやっていただく意思があるか、ないか。通産省も激励してやらしてもらいたいと思いますが、決意のほどを聞かせていただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 考えられるのは、公害防止事業団などは、これは中小企業の公害防止事業なども促進する目的も持ってつくられたわけですから、こういうふうな方法で公害防止するということも一つの方法だと思うのです。中小企業庁とも相談しまして、零細な企業の一つの協業化という問題もあるのかもしれない、したがって中小企業庁といろいろ、どうやればそういう零細な企業、零細な事業家の経営の安定、公害の防止、こういう目的が達成できるか、これは十分に検討をいたします。
○高山恒雄君 これは大臣ももう御承知しておられることですから、いまさら私が言う必要もないくらいに考えておるのですけれども、しかし、日本の政府の行政としてはまずいと私は思って申し上げるのですがね。むろん、下水のことは大臣も痛感いたしておられます。さいぜんの質問にもそのようにお答えになっております。だからもう言う必要はないのですけれども、ことしの建設省の道路予算は、第七次五カ年計画が十九兆五千億円でしょう。ところが、下水という問題はまだ受益者負担がついておるわけです。これは、あとから来た人は受益者負担を払わぬでもいいんですよ、人員が増加した場合は。こういう下水設備なんかに受益者負担でやらなければやれないというような法案自体が問題なんです。これはもう長年の懸案でありますけれどもね。 したがって、私はここで大臣にお願いしておきたいのは、いま日本で何を一番急がなくちゃいかぬかというと、やっぱり環境庁がしっかりしてもらって、この国民の不安を一日も早くなくする、安心して食生活でもやれるという環境をつくることが、環境庁の大使命だと私は思うのですよ。 ところが、予算は環境庁が持っておるわけじゃありません。そうすると、公害の事実については、結果的には厚生省なりあるいは通産省に要請をされる程度にしかなっていない。下水の問題も、幾らお感じになっておっても、予算面から見ても地方自治体の財政は決して裕福じゃない。いつできるのですか、これ。総合政策をとれない限り絶対できないのですよ。 私はもう一つの例を申し上げますが、先ほどもちょっとここで触れられましたが、なるほど長官は瀬戸内海の汚染に対して現地視察をやっておられますが、私もいろいろ資料で拝見しますと、瀬戸内海の汚染は当然にああなったと私は思うのです。下水なんて、これは一番下ですよ。尼崎、西宮、明石、まあ姫路が三〇%ですね、それから伊丹。宝塚なんてゼロです。それから和歌山、八%です。岡山、倉敷、広島呉、福山、下関、徳島、みんな二〇%前後、ひどいのは九%。倉敷なんか九%ですよ。そうして、市が整理する屎尿だけは、七海里を十二海里に廃棄することをきめてやらせておるというのが現状なんですね。 いま二年か三年にやらなくちゃならぬ、この汚染を徹底的にやらねばいかぬというのは、私は下水だと思うのですよ。私もいまから四、五年前にフランスに行って、向こうの大浄化設備を見てきておりますが、それはもうフランスがやってから十何年たっていますがね、ああいうことをやっぱり日本も考えなければいけないですよ。ところが、いまだにそういうものの集中的な予算と申しますか、こういうものが組まれてない。 むろん大臣はいま研究中だとおっしゃるでしょうけれども、私は研究もいいですけれども、下水というものは、何としても最近の台所あたりに使う洗剤その他を考えてみて、これはもう研究の余地なしじゃないかと思うのです。特に最近流行しております簡用水洗便所、一体この研究もまだ出てないでしょう。もう至るところでこれはつくっていますよ。これはみんな地下に放出しておるわけですな。そういう総合的な公害に対する政策といいますか、これが十分とられてない。そうして環境庁の予算も十分取れないところで一いまわれわれの質問に応答されておるというのが現実だと思うんですよ。 これじゃ大臣、私は先ほど藤田さんもお話があったように、大臣なら進言ができると思うのです。それしかないんだからね、いまの過程では。思い切った、ひとつ日本の公害は私の責任でやるというくらいの決意を持って、総合対策を一日も早く立ててもらう、このことを強く要望したいと思いますが、時間がきょうありませんから多く申しませんけれども、次回にまた回しますが、大臣、その点どうお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 私も全く同感です。いままで経済成長をとげて、これについてはいろんな御批判もあるでしょうが、しかし、とにかく日本が決意をすればできる力を持ってきたわけですから、これからはそういう量的な拡大ということだけでは問題の解決はできないのですから、生活の質を高めていかないとね。 その場合に、御指摘の下水道というようなものはもう一番立ちおくれておる面ですから、これは来年度から第一期五カ年計画、第二期五カ年計画ということで、今日持っておる日本の財政力を、これは道も必要ですけれども、しかし、これはある意味において道路はある程度までできておるのですから、いままでの計画はこれは遂行しなければならぬけれども、これからの重点は下水道の整備に向けるべきである。こういうことで、来年度の予算編成の場合には、まあ環境庁といっても予算はたいしたものでないですからね、むしろ必要な予算、それにアクセントをつけて予算を編成して、そのことが環境の保全に役立つというような仕事のほうが環境庁長官としては大事なのかもしれません。そういう心組みで来年度の予算編成に対する、環境庁としてもそういう方面に重点を置いて努力をいたしたいという考えでございます。
○高山恒雄君 終わります。
○加藤進君 四日市公害判決が出てからほぼ一カ年経過したわけですが、はたしてこの一カ年に四日市の大気のよごれがどのように浄化されたか、あるいは公害による健康被害がどのように減少したか、こういう点で、この際公害法そのものについて、あるいは公害行政について、まさに見直すべき重要な時期にきておると私は考えます。 米本判決には、国民の健康、国民の生命と生活環境を保全するためには、企業は経済性を度外視して世界最高の技術を動員することはもとより、操業の短縮、停止をも行なうべきである、こう企業の責任についてきびしく論告しています。 ところが、その四日市地区で、現在公害発生源である企業群から依然として大気の汚染が続けられております。また、公害認定患者は増加し続けています。これは四月末現在ですけれども、公害認定患者の数は九百八十一人に達しています。あれほど判決が公害対策の立ちおくれをきびしく指摘したにもかかわらず、現状は依然としてこのような状態にある。政府はこの意味において重大な責任を負わなくてはならぬと考えます。公害防止、四日市に青空を取り戻していくためには、是が非でもこの際、公害対策について根本的な練り直しを行なわなくてはならぬと私は感ずるものでありますが、これについてまず御質問を申し上げたいと思います。 去る五月に公布されました、硫黄酸化物の環境基準は一日平均〇・〇四PPM以下にする、窒素酸化物の環境基準は一日平均〇・〇二PPM以下にする、こういう目標は、これまでの第一次公害防止計画ではたして十分達成できるものであるかどうか。第一次公害防止計画そのものをあらためて見直さなければならぬのではないか。こういう点について所信を伺いたいと思います。
○政府委員(船後正道君) 四日市地域につきましては、第一次の公害防止計画地区といたしまして、昭和四十六年度を初年度とする防止計画を策定したわけでございますが、その後、先生御指摘のように、いわゆる四日市判決等があり、さらにまた最近、大気に関するSO2及びNOxの環境基準がきびしく設定されました。このような事情の変更というものを踏まえまして、四日市にかかわる公害防止計画につきましては見直しを行なう必要がある、かように判断いたし、今年度その見直しを指示いたしまして、防止計画を改定し、すみやかに今回設定されましたきびしい環境基準を達成するような、そういう具体的計画を策定いたしたいと考えております。
○加藤進君 それでは、その目標を大体いつまでに実施し、完成するのか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(船後正道君) 公害防止計画は、大気、水質あらゆる公害問題に関しましての総合対策でございますので、従来から五カ年計画を原則といたしてまいっております。もっとも、非常に汚染のはなはだしい東京、大阪等につきましては、十年計画という地域もあることは先生御承知のとおりでございます。 四日市につきましては、当初、四十六年度を初年度といたしまして五カ年計画であったのでございますが、今回見直しをいたすにつきましては、四十八年度を初年度といたしまして、新しい五カ年計画を設定いたしたいと考えております。
○加藤進君 そこで聞きますけれども、もし、現状の上にさらに新しい工場がどんどん四日市地区に進出する、あるいは従来の公害発生企業がますます増産、増設を行なう、こういうことになれば、所定の目標とはほど遠い、むしろ逆行するような現状が起こりかねないと思いますけれども、その点について、第一に四日市地区にはこれ以上の工場進出、さらに新たなる立地を認めないような措置をとられるのかどうか。その点をお尋ねいたします。
○政府委員(船後正道君) 四日市の環境汚染の現状でございますが、大気につきましては、まずSO2の濃度は第一回目の防止計画をつくりました当時に比較いたしましてもかなりの改善を見ておりまして、改定前の旧SO2基準、これにほぼ近づくような線にはなりつつあるわけでございますが、今回改定されました新しい環境基準は満たすに至っておりません。さらにNOxにつきましてもやはり同様の状態でございまして、なおこの環境基準を達成するためには相当の努力が必要であると考えます。 したがいまして、現状の程度の企業の操業度合いをもっていたしましてもかかる状況でございますので、技術面におきましてかなり飛躍的な進歩があり、また最高の設備を整えるというようなことがありますれば別でございますが、現状程度のことならば、一般論といたしましては、四日市地区にこれ以上生産能力をふやすということは非常に困難ではないか、かように判断いたしております。
○加藤進君 それは、困難ではないかというのは、政府の施策としてそのようなことを食いとめていく、あるいは生産を今後拡大することは中止させる、増設は今後許されない、こういう内容のものでしょうか。
○政府委員(船後正道君) 先ほども申しましたように、四日市の公害防止計画は見直しをいたします。この見直し作業におきましては、このきびしい環境基準を満たすために、四日市の地域におきまして排出を許容されるSO2なりNOxなりはどの程度であるかということの予測が、一番作業のかなめになるわけでございますが、私どもといたしましては、この条件が満たされますれば、もちろんその範囲内におきましての企業の操業ということは認められるわけでございます。ですから、今後新設あるいは増設が行なわれますかどうかは、既設企業におきましての公害防除努力がどの程度認め得るかといったことともやはり相関関係があるわけでございまして、そのような基礎的な調査ということも、この見直しの際に県市において行なう、その上におきまして総合的に判断いたしたいと考えております。
○加藤進君 それではちょっと手ぬるいような感じを持つわけですね。これは現状がとにかく目標に非常にほど遠い状態にある。そして現に公害患者そのものが発生し続けている。ということになれば、少なくとも今日公害発生源になっておるコンビナートの今後の増設あるいは新設は、ともかく基準達成までは中止させるというくらいの措置をとらなければ、私は基準がから念仏になりはしないかと考えますけれども、その点についての環境庁の見解をお聞きいたします。
○政府委員(船後正道君) やはりこのきびしい環境基準が達成されるかどうかは、地域の気象条件その他のバックデータを踏まえまして、許容し得る総排出量の範囲内におさまるかどうかという問題でございますが、これにつきましては、四日市におきましては、過去のデータもかなり整っておりますので、県市において相当の検討が進んでおりますけれども、今回の防止計画の見直しを機会にさらに作業を詰めまして、そして環境基準が守り得る条件というものを設定し、その範囲内におきまして企業の操業、立地等の問題を処理すべきではなかろうか、このように判断しております。
○加藤進君 結論から言うなら、環境基準を達成させるということを目標に置いて、新設あるいは増設についても適正な措置をとらなくてはならぬ、こういう結論と解釈していいですね。
○政府委員(船後正道君) 環境庁は直接に企業のそういった操業、立地に権限があるわけでございませんが、ただ防止計画上の条件といたしまして、総排出量はこの許容限度以下でなければならないという結論が出ますれば、当然その範囲内におきまして、四日市の各企業の操業はその範囲内でしか認められないということになるわけでございます。
○加藤進君 重ねて聞きますけれども、それでは現状から見て、いま増設計画あるいは新設計画が出されてきておりますけれども、この新設、増設計画については特別環境庁としてこれに対して何らかの意思表示をするというようなことはないわけですか。
○政府委員(船後正道君) 具体的な企業の立地あるいは増設等の問題は、これは県当局なりあるいは通産当局の御指導の問題でございます。環境庁といたしましては、全体といたしましての排出総許容量の範囲内におさめられるような条件が整えられるということが第一でございます。ただ見通し問題といたしましては、私冒頭に申し上げましたように、現状も環境基準を満たしておりませんし、かつまた、いままでのような公害防止設備の状態ならばこれ以上の新増設はきわめて困難であろう、かように考えております。
○加藤進君 通産省の方、来ておられますね。通産省のほうに、あるいは情報として、あるいは届け出として出されておる四日市地区の公害を発生するおそれのあるような企業の増産・増設計画というものは、つかんでおられるでしょうか。
○説明員(平河喜美男君) お答えいたします。 私どものほうで、工場立地の調査等に関する法律というのがございますが、こちらで四日市地区で新増設の届け出が出ておりますものを簡単に御説明いたしますと、これは昨年の七月から現在までのものでございますが、松下電工四日市、油化バーディッシュ四日市、三菱油化四日市、東京芝浦電気、四日市のちょっと北のほうの朝日町、それから石原産業四日市、大体こういうところでございます。 それから、私どものほうで石油審議会での設備の認可というのがございますけれども、これによって認可しておりますのは、昭和四日市石油、大協石油、おのおの二万バーレルの改造増設でございます。
○加藤進君 通産省が認可したりあるいは通産省が調査されるところによりましても、このままの状態では、公害そのものの発生源を食いとめていくという措置にはきわめてほど遠い遺憾な状態があると思います。この点について長官の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 産業立地に対しては通産省が権限を持っておるわけであります。しかし、われわれとすれば、環境の基準を守るという点については環境庁の管轄に属しますから、今後ああいう四日市のような公害の問題を起こした地域は、工場の増設については環境庁に当然に相談があってしかるべきで、そうでなければ、いまでさえ環境の基準を上回るような状態を野放しにして次々に工場の増設が行なわれれば、これは環境上問題を起こすことは明らかでありますから、そういうことで、飛躍的な新しい公害防止の研究開発が行なわれておるような場合はまた別だと思いますが、従来のようなやり方では今後の大規模な増設は問題がありますから、この問題は通産省とも連絡をとりまして、環境保全上遺憾なきを期していきたいと考えております。
○加藤進君 四日市の市民、あるいは特に公害認定患者の諸君の切なる声は、もうこれ以上企業から公害を出してもらっては困る、是が非でも増設あるいは増産については政府の行政指導によってこれを食いとめてほしい、こういう要望が強く出ておることをこの機会に申し上げておきます。 次に、被害者の救済の問題についてでありますけれども、この被害者救済は、もちろん金だけで解決できるというような問題ではございません。しかし、ともかく米本判決によって原告患者の皆さんは公害発生企業から損害の賠償を受けておられますし、また原告患者以外にも、この判決によって、磯津地区ではすべての公害認定患者が直接交渉によって一定の損害補償を受けられました。しかし、それ以外の四日市の全公害認定患者はどうであるかというと、依然として損害補償の何ものも受けておりません。この患者たちに対する損害補償について、われわれは真剣な関心を払っていかなければならぬと思います。 最近やっと、四日市地区の公害企業十八社によって、公害被害者救済のためという基金財団の構想が進められています。そこで私は環境庁長官に聞くわけですけれども、こういう構想が公害企業の側から出された場合に、はたしてこれが真に公害被害者の救済になるような賠償保障の制度であるかどうかという点について、私は少なくとも次の原則を踏まえた制度でなくてはならない、こう考えます。 その第一は、原因者負担の原則であります。公害企業の排出する大気汚染物質によって重大な健康被害までが発生しておるわけですから、これらの汚染者が共同の責任で、抜本的に今後このような公害発生を行なわないという発生源対策を行なうことは言うまでもありませんけれども、同時に、これらの企業が市内のすべての公害患者に対して損害賠償責任を果たさなくてはならない、損害賠償の立場を抜きにしては被害者の救済はあり得ない。こういう点で、かりそめにも、企業負担を免れるための、企業の共同防衛なんというような内容を持つ賠償制度であってはならぬ。私はこの点で、原因者負担の原則を明確に踏まえた賠償保障制度でなくてはならぬ。これが第一点。 第二には、被害の原状回復ということであります。公害被害の完全な救済というのは、被害にかかる以前の状態に、被害者の健康、生活環境を完全に回復させるということ以外にはないと思います。そのためには、一体被害がどのような実態で発生しておるのかという点についても詳しく調査する必要もありますし、また、そのための被害回復の措置として、公害病の治療のための医療体制の問題も解決しなくてはなりませんし、公害病にかかっている児童の養護施設等々についても万全を期さなくてはなりませんし、また生活環境、自然環境についての保全設備の充実もはからなくてはならぬ。こういう内容を持つ公害被害者救済の措置を企業の共同の責任において行なわせなくてはならない。 私はこの二点が、少なくとも公害被害の賠償保障制度の原則としてその基礎に置かれなくてはならぬ、こう考えますけれども、この点についての長官の御所見はいかがでしょうか。
○政府委員(船後正道君) 公害の健康被害についての損害補償の問題でございますが、やはり基本的には民事責任というものを踏まえて考えていかねばならぬと思います。したがいまして、今国会に環境庁で提出いたしました公害健康被害補償法案におきましては、このような考え方のもとに、原因者である企業から広く汚染負荷量賦課金等の賦課金を徴しまして、これを財源とし、大気汚染等によりまして健康被害の生じました患者に、医療費あるいは補償費等の給付を行なうというような制度を御審議いただくことにいたしておるわけでございます。 もちろん、金で済む問題ではございません。公害問題は、ともかく公害を生じないようにするのが基本でございまして、こういう立場から環境庁では、先ほど申しましたように人の健康を害しない環境基準、これを設定し、これを守らせるということにも全力を注いでおる次第でございます。 なおまた、損害が生じました場合には、これはやはり金で解決するというのが一つの解決方法でございますが、しかし、金のみではまた解決のつく問題でもございません。したがいまして、今回環境庁から提案いたしましたこの公害健康被害補償法案におきましては、医療費あるいは補償費等の給付のほか、患者の健康の回復あるいは健康被害の未然予防のための事業に、原因者である汚染物質の排出者からの費用も徴しまして、これを実施するということを考えておる次第でございます。
○加藤進君 私は環境庁に損害賠償制度そのものの全般についてお聞きしておるというよりも、四日市では、そういう構想を踏まえながら財団による基金構想が出されております。したがって、これをどう受けとめるかということが基本的な患者・被害者の問題になっておるわけですから、その意味で損害補償制度の原則として、原因者負担ということと、そして損害については原状に復帰させるということを基本に置く損害補償でなくてはならぬ、こういうのが基本に置かれなくてはならぬといって私は質問をしておるわけですから、この点について長官の所見を承りたいと思います。
○政府委員(船後正道君) 四日市市における被害者救済のための基金財団構想でございますが、私どもの承知いたしております限りでは、企業側は、主として大気汚染の発生源になっておる企業が中心になりまして一定の拠出を行なう、それにつきましては、企業側は企業の社会的責任というものからこのような措置をとる、こう申しておる、このように承知しておるのでございます。この点は、参加企業の中に大気汚染と必ずしも関連がない、関連性の薄いという企業も入っておるようでございますから、企業側といたしましては、そのような考え方を持っておるのではないかと考えておる次第であります。 しかし、やはりこのような慢性呼吸器疾患が生じましたのは、これはもう大気汚染によるのでございますから、このような企業が、程度の差こそあれ、やはり原因者であるということもまた否定できない問題であろうと思います。こういったことから、患者側といたしましては、そういった企業の加害責任というものを明らかにした制度にすべきであるという主張を持っておられるように承知いたしております。 しかし、この点につきましては、これは基本的には当事者間の問題でございまして、加害責任というものを明白にするということを当事者間できめるとなりますれば、まとまらなければ結局は調停か裁判ということになるわけでございまして、行政的にこの問題をどうしなければならないかということを割り切るのは、非常にむずかしい、このように考えております。
○加藤進君 公害企業による財団構想、あの企業の発起人になっておる十八社は全部公害発生源の企業ですね。たてまえを、いま環境庁では社会的責任を果たすというふうに言われましたけれども、社会的責任をほんとうに果たす気なら、この財団構想について被害者患者代表が自分たちの見解を聞いてほしい、話し合いをしてほしいというのに対して、どうして話し合いを拒否して、今日まで十五日間にわたってこれを受け付けていないのでしょうか。これがはたして社会的責任をほんとうに果たす態度なんでしょうか。
○政府委員(船後正道君) 社会的責任と申しましたが、これは環境庁がそのように申しておるのではございませんでして、私どもは企業側の主張としてはそういう性格のものである、このように承っておるだけでございます。で、この問題はやはり当事者間で話し合うというのが基本でございます。でありますから、私どもも県市を通じ、あるいは直接企業にも、すみやかに患者と話し合ってこういった基本問題あるいは給付の内容等につきましては話し合いを持つように強く働きかけ、また県におきましても、副知事がこの問題の衝に当たりまして、種々努力をいたしております。ただ、去る六日にかなり両者の間にトラブルがあったように聞いておりますけれども、この点につきましても、その後再度県市が努力いたしまして、企業側に患者と会って話し合いを進めるように現在懸命の努力をいたしておるところでございます。
○加藤進君 私も若干事情を存じていますが、この六月六日の話し合いというのは、お互いに公害の損害補償の問題について、とりあえず患者の意見を聞いてほしいということで、その打ち合わせのためにもたれた予備折衝に、企業の代表は姿をあらわしましたけれども、口実を設けて姿を消している。そして今日まで十五日間出てこないという事態になっておるわけですね。そのときの企業側の拒否した理由は何かというと、患者の代表の中に弁護士を含むことはならぬ、こういうのが最後まで今日続いておる拒否の理由なんです。では弁護士はなぜ参加してならないか、理由は全くこれはありません。 患者の代表はどう言っているかというと、患者のための救済制度を発足させるというのだから、私たちは意見を述べたい、患者の意見を十分に聞いて合意に達するまで企業代表とねばり強く交渉に入りたい、この交渉にあたっては、弁護団は患者の代理人であるから、その専門的な知識によって交渉を助けてもらうということはこれはあたりまえのことではないか、お互いに道理の合った交渉ルールを設けて、代表の人数についても話し合えばよろしい、早急に交渉に入ってほしい、このことさえ確認されるなら、私たちは何も商工会議所にいつまでもすわり込んでおるなどとは考えておりませんと、きわめて道理のある態度をもって患者の代表諸君は臨んできておられる。 この道理に対して、先ほども触れられましたけれども、県のほうも市の当局も、それは当然だ、正当だ、こう認めて、御承知でしょうけれども、六月十四日の日に三重県知事、四日市市長の連名で通告書が出された。この通告書の内容は行っておりますか。——行っておりますね これは時間の都合上もう読みませんけれども、この通告書の内容は、患者代表の意見は正当であるから、こういう話し合いの場にぜひとも早く出て患者の声を聞いてほしい、当然のことながら、弁護士は含めてこの交渉は行なうべきである、こういう内容のものです。ところが、今日いまの段階においてさえ、企業側はこの話し合いに出ることを拒否しています。 これは一体どういうことでしょうか。県や市もぜひとも出てほしいと言っておるのに、出ない。私も副知事に会いました。副知事は、私たちも努力しましたけれども、私たちの力だけでは企業側を引っ張り出す自信はございませんと言いました。こういう状況下にあるのなら、私は、県や市がこのような交渉のあっせんの矢面に立つのは当然でございますけれども、環境庁がだまっておっていいという問題ではないと思います。私はぜひとも環境庁がこういう現状を十分認識されて、話し合いの場に早く企業代表を出していただくように、県市と協力して適切な勧告なり、助言なり指導なりをしていただきたい、こう思いますけれども、長官いかがでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私も、企業と患者側の当事者との間で直接話し合いを再開しなければ、いつまでたっても結論は出ませんから、企業側にも強く言ったわけです。県市に対しても、やはり県市ももう少し中に立って——どうしても環境庁といっても現地におりませんからね、だから県市がもう少し本腰を入れて、両方の話し合いができるように、そういう条件をつくるべきではないかということを話しましたところが、県市も力を入れるということで、いまは、何か文書でもって県と市が企業側に対して回答を求めてあるという……。
○加藤進君 その文書の回答がまだ来ておらないんです。全然。
○国務大臣(三木武夫君) そういうことですから、相当県も市も熱心に、話し合いの場に企業と患者側とを引き出そうという努力をしておりますから、こういう努力があらわれてくるものと、こう期待をいたしている次第でございます。
○加藤進君 その点につきましても、ひとつ環境庁長官としても何らかの有効な配慮と措置をぜひともしていただきたいと思います。 最後に、こういう状態で患者と企業代表との話し合いさえ不可能な状態でございますが、そういう状態のさなかで、先ほど申し上げましたような被害者救済のための財団と称する財団を発足させるということは、これは私はなすべきことではないと思う。県もこの点では、県会において見切り発車はさせませんという言質をとっておるようでございますけれども、この点につきましては環境庁長官も十分に監視をしていただきまして、こういう状態のまま、被害者患者の声を全然聞かないまま、このような財団を発足させるということについては、これを絶対に認めがたい、認めない、こういう態度をとっていただきたいと要望しますけれども、この点についての御回答をいただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 県も これは両方の話し合いがつかなければその財団の設立は認めないという趣旨の答弁をしておりますから、したがって、県市がこれを実現さすためにはいろいろと強力にあっせんをすることと思いますが、見切り発車とかそういうことにはならぬと思いますよ。県もそういう方針でないようでございます。
○加藤進君 その点、特に長官にも重ねて要望しまして、私の質問を終わります。
○小平芳平君 当委員会でも再三問題になって、きょうもまた問題になっている点ですが、現在のPCBあるいは水銀による汚染、これが、非常に漁業も農業も深刻な打撃を受け、魚屋さんも大打撃を受けている、こういう現状であります。 私は、きょうは水銀を中心にして質問する考えでおりますが、まず通産省から、水銀はどういうところに使われてきたか。これが非常に多方面に使われているようですが、おもだった順に、どういうところへどのくらい使われているか、その現状について御答弁いただきたい。
○説明員(松村克之君) お答えいたします。 水銀の需要の内訳につきましては、これは過去若干の変遷があるわけでございますけれども、統計的に四十六年度の数字で申しますと、内需が六百七十三トン。その一番多量に使われておりますものは苛性ソーダでございまして、四百四十九トン。次に無機薬品でございまして百三トン。それから機器、計器これが八十六トン、それから医薬品七トン、触媒一トン、塗料、火薬、農薬等は、四十六年度はゼロになっております。それからその他二十六トン、こういう数字でございます。
○小平芳平君 私のほうへいただいた資料は、四十七年度の資料をいただいてあるのですが、そのいま読み上げられた資料を提出してください。 要するに、苛性ソーダに使われている水銀が非常に多いということは言えるわけですね。これは私のほうへいただいた四十七年度でも、はるかに苛性ソーダが多いようになっております。 そこで、通産省が逐次調べて発表された産業別に、アセトアルデヒド工場によって流出された水銀の量、これは八工場三百五十二トン、それから塩化ビニール、これは十九工場八十三トンとなりますか、そうすると、電解ソーダに使われたものは、四十九工場の名前が上がっておりますが、流出した水銀の量は出ておりません。これはどうですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。 御指摘のように、水銀を使用しておる業種といたしましては、苛性ソーダ工業が大宗を占めておりますが、なお、過去におきまして水銀を触媒として使用した業種としまして、アセトアルデヒド工業、あるいは塩ビモノマー工業がございますが、実はこの両業種につきましても実態を調査したところ、現在までのところ、アセトアルデヒドにつきましては七社八工場、それから塩ビモノマーにつきましては十九工場ございます。なお、先生御指摘の三百五十二トンあるいは八十三トンにつきましては、これは水銀をそれらの業種が触媒として使用した量でございまして、この量がすなわち工場の外に、言いかえますと環境に流出したことはございません。 そこで私どもといたしましては、こういった使用量のうち、さらにそれが環境の外に何ぼ排出したかというような実態につきまして調査する必要がございますので、鋭意調査中でございますし、なおまた苛性ソーダ工業につきましても、当然のことながら、これは電極として水銀を使用いたします。そうして、使用する過程におきまして当然消耗もございますが、この電極として使用した際に消耗する量が、これまた全量工場の外に排出される、言いかえますと、環境の汚染源となることはございません。各苛性ソーダ工業とも、それぞれ排水処理設備等々の、こういった消耗いたしました水銀が工場の外に極力排出しないように、いろいろ施設を加えております。現在では、これら電解工場は、水質汚濁防止法に基づきまして、水銀が検出されてはおりません。 しかしながら、苛性ソーダ工業三十六社四十九工場の中には、戦前より操業を開始している工場もございますし、こういった工場が工場外にどれほど水銀を流出したかにつきましては、現在調査中でございます。この調査はきわめて重要な調査でございますので、今月初め以来、各通産局を動員いたしまして、鋭意、目下現状把握につとめておる次第でございます。
○小平芳平君 アセトアルデヒド製造工場の水銀消費量三百五十二トン、そうでしょう。そのうちチッソが二百七トン、それから前回の委員会で私が質問したダイセル新井工場五トン、これはチッソの二百七トンに比べてダイセル新井五トンは少ないということは、この前そういうことを質問したわけですが、それは全部が全部川へ流れたかどうかはわかりませんが、スラッジの中に滞積しているものもあるでしょうししますが、要するに三百五十二トンというものは、なくなった水銀の量でしょう。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。 たとえばチッソを例にとりますと、御指摘のようにチッソといたしましては、製造過程におきまして使用しました触媒のうち、二百七トンが流出しております。しかしながら、この解釈でございますが、チッソは必要な触媒の量といたしまして、たとえば千百八十五トンの水銀の量を投入しております。そうしまして、チッソは昭和七年から四十三年まで操業したわけでございますが、その間におきまして一応回収したと称しております量が、九百七十六トンでございます。そして昭和四十三年に生産を停止しておりますが、その際に最終的に残っておりました量が二トンでございます。そうしますと、全体としまして、仕込んだ量の千百八十五トンから回収した量、それから最後に操業停止の際に残りました量、両方合わせますと九百七十八トンになりますが、この千百八十五トンから九百七十八トンを引きました二百七トンが、操業期間中に製造工程の中において消耗した、あるいは消費した量でございます。 しかしながら、この二百七トンが全部環境に、工場の外に流れ出たということはございませんで、チッソにつきましては、裁判の過程等におきまして、この二百七トンのうち約八十一トンでございますか、八十一トンが排水の中にまじって、いわば関係の水域の中に排出されたということになっております。 〔理事杉原一雄君退席、委員長着席〕 なお、御指摘のようなダイセルでございますとかその他の工場につきましては、たとえばダイセルにつきましては、御指摘のように五トンが全生産期間、全操業期間中に製造工程から流出しておりますが、この五トンのうち、さらに何トンが排水の中にまじって外に出たかにつきましては、目下通産局を通じまして調査中でございます。
○小平芳平君 要するに課長さん、あなたの説明を聞いていると、環境汚染なんか起こりそうもないですよね。現実問題、各地で水銀汚染の魚が発見され、あるいは第一、第二、第三水俣病とまで続発の現状でしょう。ですから、私が先ほど読みました数字も、アセトアルデヒド関係三百五十二トン、塩ビが八十三トン、まるまる外部へ流れ出たと言っているわけじゃないんです。それはスラッジとなって、あるいは現に工場内の排水池にたまっているものもあるでしょう。しかしこうした汚染源を断つことが、汚染源をいまこそ断ち切ることが急務のときはない。ですが、いまの水銀電解ソーダのほうは、その使用量、それから消費量、それすらわかってないわけですか。
○説明員(高橋清君) 御指摘のように本件はきわめて重要な問題で、しかも急を要する問題でございますので、それぞれの製造工程の中で流出したものが、どういったところへそれぞれ行き先として行っておるかということにつきまして、鋭意その行き先を究明中でございます。なお、電解ソーダ部分につきましても全く同様でございまして、ただ、このほうは若干工場の数等も多いのでございますので、いま各通産局を通じまして、今月一ぱい通産局を動員しまして現地調査をいたし、来月に入りましてこの数字を本省において集計いたしたいと思いまして、御指摘のように、本件につきましては極力その実態の把握に現在鋭意つとめておる次第でございます。
○小平芳平君 この前私が申しました日曹二本木工場、これは二十トン減ったと言っていますがね。それから三井東圧大牟田工場、これは四十トン減ったと、うち二・六トンが川へ流れただろうと、こういうふうに会社側は言っていますが、こういうようなところから見ますと、この四十九工場が流した水銀というものはたいへんな量になりませんか。
○説明員(高橋清君) 先生からも御指導ございましたように、現在のところ、関係各社がそれぞれ数字を当方に報告しておる次第でございまして、そういった数字を集計いたしまして、実態の究明につとめたいと思っております。
○小平芳平君 要するに、相当な分量になるわけでしょう、四十九工場で。しかも、これがそのまま続けているわけでしょう、問題は。アセトアルデヒドの場合はもうすでに過去の分ですが、そのままきょうもなおかつ続けているわけでしょう。どうですか、それに対する汚染源対策が早急になされないことには、環境汚染はさらに進むばかりじゃありませんか。
○説明員(高橋清君) 先生御指摘のように、ソーダ工業につきましては現在も操業中でございますが、現在のところ、水質汚濁防止法等関係の公害法規には一応合致してはおりますが、やはり念には念を入れる必要がございますので、たとえば水銀を電極として使用しております製造工程におきます排水は、完全に循環させて外に排水が出ないようにする等のクローズドシステムの工事を促進させるとか、さらには基本的には水銀そのものを使わない製法に苛性ソーダ工業を切りかえることが抜本策でございますので、こういったような水銀を使わない製法に切りかえる、こういったことも極力推進したいと思っているわけでございます。
○小平芳平君 極力という、そういうことしか言えないと思いますが、日曹二本木工場の場合は、苛性ソーダ生産量は水銀法が二千トン、隔膜法が四千トン、隔膜法のほうが倍の生産量、いま現にやっておるわけですよね。ですから、水銀法を切りかえるのには当分かかるようなことを相談したわけでしょう、政府の対策要綱ですかで。現に企業によっては隔膜法でやっているわけですから、そんなにたいへんだたいへんだと言っているよりも、そんなにたいへんなことはないじゃないですか、現に隔膜法というものがあるんですから。そうでしょう。
○説明員(高橋清君) 先生御指摘のように、若干の工場は確かに隔膜法を採用しております。日本全体におきましては約九五%が水銀法でございまして、隔膜法が五%でございます。なお、戦前等はむしろ隔膜法が多かったように聞いておりますが、水銀法のほうがスケールメリットを享受しやすい、こういったような事情がございまして、戦後になりまして急速に水銀法が発達した次第でございます。 したがいまして、隔膜法につきましては、現時点ではスケールメリットがきかない、言いかえますと、コストが高いとか、あるいは品質が悪いとか等々制約条件がございますが、本件の重要性にかんがみまして、私どもといたしましては極力隔膜法に転換させたいと思いまして、このように行政指導しておるところでございますが、現時点では大規模の生産をいたすための隔膜法の技術はわが国にございません。したがいまして早急に外国から技術を導入するとか、あるいはそれに必要な電極等もやはり外国の特許の関係もございますので、外国系の生産会社に依存する、言いかえますと、供給力に制約があるとか、あるいはさらに隔膜法にいたしますと大型なボイラー等も必要になりますので、そういった等の手当ても必要でございますので、そういったいわば物理的な制約がございまして、実は思うようになかなか進まないのが実情でございますが、私どもといたしましては、これを極力隔膜法への切りかえを進めたいと思いまして、そういった制約条件につきまして現在一つ一つ解明し、どうすればさらにそれが進むかということにつきまして目下検討中でございます。できれば早急にこういったことも究明いたしまして、隔膜法の推進につきまして積極的に業界を指導してまいりたいと思っております。
○小平芳平君 そんなにむずかしいむずかしいと言ってないで、現に二本木工場では隔膜法の大規模の装置をいま実験しておりますよ。ですから、要するに私がいま問題にしていることは、「第一回水銀等汚染対策推進会議議事要旨」という、これなんですよ。それによりますと、四十九年九月末までにクローズドシステムを完了する、それから「五十年九月を目途に極力、隔膜法への転換を図る。」という、これが、四十九年九月あるいは五十年九月という目標が、これは何のための目標かわからないです。要するに、いまは公害を防ぐことが先決でしょう。いかにして財産被害を、健康被害を食いとめるか、きれいな水を、きれいな空気を取り戻すかが先決問題であって、いたずらに技術がどうの、生産がどうのと言って、これ以上ずるずると汚染が深刻化されては困るです。困るどころじゃないです。きわめて深刻です。ですから、環境庁の立場から答弁してください。
○政府委員(船後正道君) 当然、公害は未然防止でございまして、環境を汚染するような物質が環境中に排出されないということに全力を注ぐべきであると、かように考えております。でございますので、環境庁といたしましても、これは私所管局長ではございませんが、水銀等の有害物質の排出基準につきましてもさらにきびしく考え直すという作業もいたしておるわけでございます。かつまた、こういう有害物質を排出するおそれのある工場等につきましては、それを排出しないような年産技術に転換するということがやはり急務でございます。 そういった趣旨から、先般の対策会議におきまして、いま問題になっております水銀を使用する工場についての、水銀を排出しない一つの手段、その目途というものを議論いたしたのでございますが、四十九年九月とか五十年九月と言っておりますのは、やはり通産省のほうで現実性というものから判断いたしまして、できるだけ具体的に一つの目標年月日を掲げ、そのときまでにはかくかくの措置をとるというところからこのような決定をみた次第でございます。
○小平芳平君 したがって環境庁としては、通産省が四十九年とか五十年と言っても一それは通産省の意見であって、環境庁はもっときびしい態度をとってほしいわけです。そういうふうに三木長官にもお伝えいただきたいのです。よろしいですね、それは。 それから、排出規制をきびしくというけれども、先ほど加藤委員の指摘されている四日市の公害はどうですか。みんな排出規制内だったじゃないですか。あるいは規制の法律がなかった時代じゃないですか。にもかかわらず、あれだけの被害が発生して判決の結果は賠償責任ありとされているじゃないですか。ですから、そういう規制をきびしくとかいうことも、それは全然やらなくていいとは言いませんが、規制もきびしいほうがいいですが、法律もないよりはあったほうがいいですが、それよりももっと根本的に、はたしてこれだけ水銀で痛めつけられている、日本国民が全体としてこれだけ痛めつけられているその水銀を使っている工場が、四十九年とか五十年とかいうことを言っていていいものかどうか。私はもっと、通産省はそういう意見を出しても環境庁は環境庁としてきびしい態度、きびしい意見というものがあってほしいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(船後正道君) おしかりごもっともでございまして、私どもといたしましても、あすにでもすべてが転換し得ることを希望するわけでありますが、しかし、先ほど来通産省から述べておりますような種々の事情がございまして、あすからというわけにはまいらないのでございます。そこで懸命の努力をして、どのあたりに目途をおいて、どの程度の転換なら可能であるかということを相談いたしました結果が、この対策会議で決定をみましたような日時を目途に、それぞれ水銀の排出なりあるいは隔膜法への転換ということを行政上努力するということにきまった次第でありますが、もちろん、これでもって満足いたしておるわけではないわけでございまして、通産省のほうでも現在さらにメーカー等から事情を聴取中でございますから、そういった事情が明らかになって、かつ可能であるということになりましたら、当然これをさらに促進するということもやってまいりたいと、かように考えております。
○小平芳平君 それから次に農薬です。 農薬の水銀はいまなお使われているようですが、過去においては農薬に使われた水銀が強大なんですね。工場の比でないのですが、農薬について、ひとつ過去の問題と現在の使われている状況について御説明いただきたい。
○説明員(有松晃君) お答えいたします。 農薬に使われております水銀農薬でございますが、これは戦前にも種子の消毒用としてわずかに使用されておりましたけれども、戦後昭和二十四年に、水稲の非常に大きな被害でございます稲のイモチ病にこの水銀農薬がすぐれた効果を示すことが発見されまして、二十七、八年ごろから散布剤として広範囲に使用されるようになったわけでございます。 その後、しかし、水銀についての害の問題が出まして、四十一年ごろからこれを逐次なるたけ使わないようにというような指導をいたしてきたわけでございますが、その後さらに四十三年からは、特に国民の保健衛生上の見地から、散布用の水銀の使用をさせない、こういう措置を講じまして、これは稲作でございますが、さらに四十五年には、果樹、蔬菜などに使用されてまいりました有機水銀剤につきましてもこれを使用させない、こういう措置を講じまして、農地に散布をする水銀系の農薬については、全面的に非水銀農薬へ切りかえ措置を講じてきたわけでございます。 なお先生御指摘のように、現在でもまだ水銀農薬が若干使われておるのではないかという御指摘でございますが、これは農地への散布は全面的にいまやっておりませんが、種子の消毒用として、これは外国でも使われておりますが、種子の消毒用として現在わずかに使われておる面がございます。これにつきましても、できるだけすみやかにこれを全面的に使用させないというふうにもっていきたいということで、現在鋭意とり進めておりますが、問題は、その場合に、かわりにどのような有効な農薬があるかということで、現在開発されつつある段階にございますので、早急にこれはやはり種子消毒用につきましても非水銀農薬に切りかえるようにいたしたい、こういうことでございます。 なお、いままでに散布されました有機水銀剤の数量でございますけれども、二十八年から四十七年までに国内向けに出荷されました数量が、有機水銀の紛剤で六十三万トン、乳剤で四千キロリットル、水和剤で二千トンというふうになっております。
○小平芳平君 それは水銀に換算して……。
○説明員(有松晃君) 水銀に換算いたしますと、これは約二千三百トンということになっております。
○小平芳平君 ですから、これは各省ばらばらで、どこが責任を持ってやるかということになるんですが、水銀に換算して二千三百トンの水銀がばらまかれている、それから種子消毒用といいますが、外国でも使われていると言いますが、外国でもこれをやめる方向で、ずいぶんやめようとしているわけでしょう。ですから、過去にまいてしまった水銀の量というものが、研究者の発表によると日本だけ特に多いわけでしょう。そういうことも把握しておりますか、外国との比較において。
○説明員(有松晃君) いま手元に外国との比較の数字を持ち合わせておりませんが、私どもの知っております限りにおきましては、わが国の場合、特に稲のイモチ病に効果があるということで水銀剤が使用されてきた。そういう面で使用の量が外国に比べても多かったということは言えるかと思いますが、ただ、これが散布されたものが即、直ちに害を与えるものであるかどうかという点につきましては、私どもの調査いたしております範囲内では、水田等にまかれました有機水銀につきましては、分解されて無機水銀に変るというふうな状況もございまして、そういった場合には非常に作物の中には吸収されにくい、こういうような事情もございます。そういう意味におきまして、ただいままでの私どもの調べております範囲におきましては、特に作物等での農薬の面からの有害な影響というものは出てきておりません。
○小平芳平君 それなら水銀農薬を禁止する理由がないじゃないですか。何ら健康に被害がない、無機になって何ともないなら、禁止する必要ないじゃないですか。 厚生省どうですか、局長。日本人の毛髪の水銀を外国人と比べて、日本人は特にこういうふうに多いというような調査結果があったでしょう。
○政府委員(浦田純一君) 水銀の人体内における含有量といいますか、蓄積量でございますが、確たる数字、まだ検討中でございますけれども、いままで私どものほうに入手されたデータ、あるいは専門の方々からお聞きしたところでは、日本人の毛髪の水銀の量は総水銀で数PPM、メチルですとそれの半分以下ということになりますけれども、そういったような数字も散見されております。また一部多食者、マグロ漁船の乗組員あたりではかなり高い濃度の水銀が発見されておるということでございます。 それから有機水銀農薬の使用は、たしか日本も過去多かったと思いますが、世界的に見た場合に、ほかの国で、たとえばスウェーデン、スウェーデンあたりはかなり日本と比べても多かったわけでございますが、合衆国、それからカナダ、そういった点と比較しまして、日本は一番世界でもたくさん使用したほうのグループに属するというふうに私どもは記憶しております。
○小平芳平君 ですから農林省も、日本の水銀はたいしたことない、無害で被害はないからだいじょうぶだなんて言ってないで、私が先ほど来指摘している大恐怖といいますか、いまの水銀、PCBの公害による、それこそもう漁業者、農業者、一般市民を含めてこれだけの深刻な問題になっているときに、もっともっと真剣に取り組んでもらわなくては困ると思うのですよ。 それはその程度にしまして、そのほかに水銀はどういうところに使われておりますか。
○説明員(松村克之君) 先ほどお答えいたしましたように、苛性ソーダのほかに使われている大きなものといたしましては、機器、計器、それから無機薬品、それから医薬品等があるわけでございますが、これについて申し上げますと、たとえば機器、計器といたしましては、御承知のように体温計が一番多うございます。あと温度計あるいは圧力計等もございます。それから一部いわゆる水銀電池といったような電池がございます。 それから、以前にちょっと問題になりました製紙工場で水銀を使ったという点があったわけでございますが、これは紙パルプを製造する際にスライムコントロール剤といたしまして、たとえば有機すず剤であるとか有機窒素、硫黄化合物等が使われるわけでございますが、一時有機水銀剤が昭和三十三年ごろから四十二年ごろまで使われた例がございます。これは使用目的としては、夏など気温の高い場合にカビが発生いたしまして紙に斑点ができる、あるいは穴があくといったようなことを防ぐ目的で使用したわけでございますが、これは現在では使用いたしておりません。
○小平芳平君 アメリカから各担当官がスウェーデンに派遣されて、そしてスウェーデン及びフィンランドの医師、科学者、技術者、環境庁職員と何回かの会議をもって帰った、その帰国した報告書というものがありますが、これを一々いまやりますと時間がありませんので申しませんが、もっときびしいんです。これはもう通産省も環境庁も農林省も、皆さんももっときびしい知識を持っておられるでしょうが短時間で説明しかねるのでしょうけれども、それはそんな、いまここで答弁しておられるようなのんきなことは一つも出てこない。もっとこの水銀に対するきびしいやり方がずっと出ております。したがいまして、何省が中心になるか、そうなると環境庁かもしれませんが、もっとこの水銀に対する取り扱い、取り組む姿勢というものをきびしく進めていただきたい、このことを要望いたしておきます。 次に健康被害者救済法の関係ですが、すでにもうこの認定患者も一万人を突破しておりますね。これらの点について概略御説明いただきたい。
○政府委員(船後正道君) ことしの五月末現在の数字でございますが、公害病の認定患者は、死亡者も含めてでございますが、一万一千二百九十四人でございます。
○小平芳平君 そこで慢性砒素中毒症という、これはどうしてその中に入っておりませんか。その点については、宮崎県と、もう一カ所島根県の津和野、この関係、この二つの関係を御説明いただきたい。
○政府委員(船後正道君) いわゆる特異的疾患といたしまして現在指定疾病になっておりますのが、水俣病、イタイイタイ病、これに続きまして、ことしの二月に慢性砒素中毒症を指定いたしたわけでございます。 これは先生御承知のおり、宮崎県土呂久地区における調査の結果、公害病としてこれを取り上げることといたしたものでございます。したがいまして、宮崎県の土呂久地区を指定地域にいたしておりますので、宮崎県におきましても認定審査会を組織いたしておるのでございますが、このほうにつきましては、現在のところ患者から申請がないわけでございますので法律上の認定ということにはなっておりませんが、事実上は、これまた御承知のとおり、鉱業権者のほうから補償措置をいたしておるところでございます。 それから、その他の地域でございますが、やはり土呂久の例がございますので、砒素を扱った鉱山につきましては、このような砒素中毒による公害病の疑いがあるわけでございますので、昨年来健康調査を実施いたしておるわけでございます。いま御指摘の笹ケ谷につきましては、かねてから島根県で調査をいたしておりまして、その結果を鳥取大学の医学部に依頼いたしております。現在調査結果の取りまとめ中でございまして、近く結論が出る予定であります。
○小平芳平君 鳥取大学の調査はだいぶ前に終わったと思うのですが、環境庁のほうへは連絡がありませんか。
○政府委員(船後正道君) 鳥取県の調査は昨年の秋から行なっておりまして、ことしの一月に二次検診をいたしたのでございますが、これらのデータを、先ほど申しましたように鳥取大で検討いたしております。近くと申しましたが、たぶん六月の下旬もしくは七月に入りましても早いころに、鳥取大学における検討の結果の発表があるものと私どもは期待いたしておるところでございます。
○小平芳平君 そうすれば、登呂久と同じ結果の報告があれば同じような扱いになるわけですね、指定地域にして。
○政府委員(船後正道君) 専門的な調査の結果、これが慢性砒素中毒であり、かつその発生源が鉱山であって、公害病であるということになりますれば、当然、特別措置法における受け皿はすでにできておるわけでございますから、この地域も指定するという運びになるわけでございます。
○小平芳平君 それから環境庁が集計されている救済措置の現況以外に、たとえば東京都あるいは千葉県等で、国のほうを待ち切れなくて、すでに実施しているところがあるわけでしょう。そういう点は報告を受けておりませんか。報告を受けないまでも、そういう点はちゃんと地方公共団体のほうが先にやっているんだね。
○政府委員(船後正道君) 国の特別措置法による指定地域のほかで、県あるいは市が独自で救済措置を実施しておるところがあるわけでございます。これにつきましては、当然県市と連絡いたしまして常時情報は入手しておるのでございます。が、本日、係のほうでもその資料を特ってきておりませんので、後刻御報告申し上げます。
○小平芳平君 この前からそのことをお願いしても、どうもまだ報告を受けてないというようなお答えもあったのですが、ひとつ全国のそういうものを把握していただきたい、至急に。公害認定患者、死亡なさった方を含めて一万一千二百九十四人という局長の御報告にもかかわらず、あとどれだけいるかわからないわけでしょう。そういう点を、現状を正確に把握しなくちゃならないと思うのです。 次に、同じようなケースとして、カネミ油症の方々はどうなっておりますか。
○政府委員(浦田純一君) 昨年十一月に診断基準の改定をいたしまして、それまでも毎年少しずつ認定患者の数はふえておったのでございますが、六月十八日現在、報告を受けておりますカネミ油症患者の数は千百八十九名でございます。昭和四十七年は一千九十七名でございましたので、その後広島県の八名、山口県二十三名、福岡県十一名、北九州市十二名及び長崎県三十名などの合計九十二名が新たに油症患者として報告されております。
○小平芳平君 これは浦田局長、従来何回か委員会で指摘しましたように、油症患者は公害による救済特別措置法のような認定制度になってないわけですよ。ですから認定するといっても、先ほどの公害の認定一万一千二百九十四名の方とはまるで別な扱いを受けているわけですよ。ですから、これは制度として救済すべきであるということをしばしば私も主張し、また局長も厚生大臣も、その線に沿ってという答弁を繰り返してこられましたが、現状どうなっておりますか。
○政府委員(浦田純一君) 食品事故によります健康被害者の救済制度、それを早く実現化しろということでございまして、昨年の食品衛生法の一部改正法案を御審議願ったときにも、その附帯決議の中に、一両年中に制度の具体化をはかれという附帯決議をいただいたのでございますが、現在厚生省では、来年度に制度の発足ということをめどに研究委員会でもって鋭意検討を進めているところでございます。座長に成蹊大学の法学部長でございます金澤先生をお願いいたしまして、現在までに三回ほど会合をお願いしておりまして、現在はまだ意見の交換の段階でございますが、できるだけ私どもとしては早く成案をちょうだいいたしまして、その具体化、予算化もはかっていきたいと考えております。 なお、すでに発生いたしましたカネミ油症のような問題につきまして、なかなか緊急に間に合わないということでもございますし、また過去のものをどうするかということもいろいろと経過的には問題があるところでございますので、大臣のほうからも御下命がありまして、できるだけ、一般的な救済制度は救済制度として考えなくてはいけないけれども、カネミ油症のような特別なものについては、また、現在の制度で何とかそれまでの間つながれるようにくふうしろというふうに御下命をいただいといるところでございまして、私どもは関係の部局といまその問題でもって交渉中でございます。
○小平芳平君 いま御答弁のとおりに、一般的な制度は一般的な制度として、現に発生してしまったところの油症患者の救済についてさしあたりどういう対策をとるかということ、この点は特に急いで結論を出していただきたいことが一つと、それからもう一つは、先ほどの御報告で、認定患者数という、この表現自体、ちょっと変ですけれども、かりに認定患者数という表現を使いますならば、認定の方法あるいは診断基準、これに対するなおかつ不満が現地においてありますから、過去においてきわめて不満があるということを再三私が申しましたが、現在でもなおかっそういうものがあるということも考慮に入れて、油症被害者救済を早急にどうするかということを御検討いただきたいということを要望して、質問を終わります。
○委員長(大矢正君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時零分散会 —————・—————