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71回国会参議院1973/06/20

決算委員会 第14号

発言数
278
登壇者
33
会派数
6
開催日
1973/06/20

会議録

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十九日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として中村波男君が選任されました。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 昭和四十五年度決算外二件を議題といたします。  本日は前回に引き続き、締めくくり総括質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は主として会計検査院の四十五年度決算検査報告書に基づいて質問をいたします。  私が申し上げたいと思いますことは、まず政策とその財政効果、こういう点についてこの報告書を見たのでありますけれども、ただ単に農林省ばかりじゃなくて幾多の問題もございますけれども、まあ農林省の問題といたしまして特に目につきました点、きょうは麦の生産対策について御質問を申し上げたいと思います。  その前に大臣にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、昨日、米価審議会において四十八年産麦価の答申がなされたようであります。その答申の内容に多く触れるつもりはございませんけれども、まあ一四%の引き上げ、これはここ数年なかった引き上げ額でございまして、その諮問案の全体を通じましても、答申を見ましても、今日の世界的な食糧事情、これが反映していると見ることができるわけであります。そこで、小倉会長の談話等を新聞等で承知をする限りは、内外の穀物需給の動向にかんがみ、麦類など国内生産の拡大に必要な具体的対策を検討し、本年秋の麦類の作付前に当面とるべき措置を明らかにしなさい。これが二項に出されておるようであります。これは審議会の意見だろうと思います。つけ加えて、通常であればこれは建議という形で出すのであるけれども、今回は答申の中に明らかにしたと、こういうことでありますから、米審の強い意向というものがここに反映されておるという、こういうふうに私はとっております。また、昨日の本院農林水産委員会におきまして、わが党の工藤委員の質問に答えて大臣は、当面持つ目標の達成に全力をあげると、こういうような意味のことを述べられまして、まあ麦対策についても相当な関心を示しておると私は理解をしたわけでありますけれども、この際ひとつ明確にしていただきたいと思いますことは、この答申を受けて政府は食糧問題をもとより中心にしながら農政の見直しが叫ばれておる今日の事情でございますので、その中、なかんずくこの麦の問題、麦対策についてどのような考え方をいま持ち、これから持とうとしているのか、その基本的な考え方についてひとつお答えをいただきたい。  それとあわせまして、米審が出しましたところの第二項、とりわけ今後麦対策をどう展開するのか、具体的な考えがあればお示しをいただきたいと思います。つまり米審の中では麦作将励金を検討しなさいということがいわれておる。大臣も特別将励政策を考慮しなくてはなるまいというような趣旨のお話も新聞に載っておる、こういうことを拝見いたしまして、大臣の明確なお答えをまずいただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御質問で、私が今回米審の答申の中で非常に重要視いたしておりまするのは、麦類等穀物というように、麦価の諮問に対しまして、麦類等穀物の国内生産の拡大に必要な具体的対策をというように指摘されましたのは、現下の穀物需給の事情から米審における消費者、生産者、中立、それぞれの代表の方々が一様にこのような御意向を持たれたのではないかというように受けとめておるわけであります。  そこで、お尋ねの麦作についてのこれからの具体策でございまするが、答申にも示されておりまするように、本年秋の麦類の作付前に当面とるべき措置を明らかにせよと、こういうことで、農林省といたしましても今後の作付に際しまして麦作農家の生産意欲が十分とられるようにすべきではないかと、このように存じておりまして、若干の時間的余裕がございますので、それまでに具体的な施策を省内において検討をいたしたいとこのように思っております。御承知のように八月中に予算上の概算要求をいたすことになっておりまするので、明年度の予算の上に反映をしようということになりますれば、その際には具体策を当然用意をしなきゃならない、そのような点もございまするので、それらのことも頭に置きながら検討をいたしたいと思います。  御参考までに、現時点におきまして麦作の振興についてどのような考えを持っておるかと、こういう点につきましては、いまの麦作農家の零細性にかんがみまして、生産規模の拡大、機械の導入による省力化、こういう点は非常に重要な点ではないかと思うのであります。また麦作の主産地といたしましては現在関東、九州、北海道等でございまするので、これらの地域における専業的な農業者を中核といたしまして農作業の自由委託等を行なって集団的生産組織あるいは機械施設の共同利用組織等の育成をいたしてみたいとこのように考えております。  大体一応現在考えられる点について申し上げますると以上のとおりでございますので、御了承いただきたいと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 具体的な対策、私が重要視したいと思いますことは、麦作農家が麦生産に意欲を燃やすことができるような対策、こういうことであります。この点、私も若干議論をいたしてみたいと思いますけれども、その生産意欲を増大させようとする施策というのは、いま大臣が後段申しておりましたような共同作業であるとか、あるいは機械化であるとか、そういうことも当然かかわりを持つでありましょうけれども、しかし何といいましても、これは経営の安定に資することができるかどうかということであろうと思います。再生産が可能であるかどうかという問題であります。そういたしますると、これは何といいましても補助金政策、かりにいまにわかに麦の生産増大をはかるとするならばとりあえずは必要な部分があるかもしれません。これは十アール当たり一万五千円を要求するという農業団体の声もあるようでありますし、また大臣自身がそれを検討せざるを得ないような口吻を漏らしておる、そういうことももちろんありましょうけれども、何といいましても麦価、つまり生産者価格が問題であろうと思います。いま農林省が採用いたしておりますところの方式というのは、これは法律で定められてはおりますけれども、この麦価の生産者価格算定方式と、いま不満とはいいながらも米価の算定方式とは相当な違いがあるということ、このことを考えました場合には、やはり何といいましても、この麦の価格の対策、これを重視しなくてはならないのではないかと考えるわけでありますが、大臣はどうお考えになりますか。つまり生産意欲を持たせるということであるならば、具体的には経営の安定、その安定に資することができる再生産を保証する麦価、これが先決であるということについてお認めになるかどうかということであります。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 今回の麦価の諮問、またやむを得ないものとして認められたものにつきましては、御承知のように法律に基づくパリティ方式をとっておるわけでございます。相当その結果は諮問に反映いたしまして一四%の引き上げということになったわけでございまするが、ただいま村田委員の御質問のように、それをもってして麦作農家の生産意欲が充分に期せられるかどうかということにつきましては、私も慎重に検討していかなきゃならない問題点を持っておると、このように思うのであります。生産者代表からは特別作付奨励金であるとか、あるいは契約奨励金などについての新規に支給せよとか増額せよとかいう意見も承っております。今回の答申の二番目の先ほど御指摘の点からいたしましても、そういう要請についてはこれを参考にして十分検討をしてみたいと、このように存じておるわけでございまするが、現在この答申に基づきまして政府・与党間においても折衝をいたしておるわけでございまして、農家の生産意欲がこの麦価決定の段階においても高場できるように何かこの際においても具体的な措置をとりたい、このように考えておるようなわけでございますが、さらには作付までにもっと堀り下げた対策を講じよう、こういうことでただいまの御質問の、何といっても麦価が第一である。その麦価についてはすでにパリティ方式による諮問を行なった、この段階でございまするので、その他の当面措置すべき何らかの対策、それから引き続いては作付までに何か考えよう、こういうような二段階でただいまいろいろ検討しておるということで御了承いただきたいと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その他にも問題がありますので、要領よく、同じことを何べんもおっしゃらずにひとつお願いしたいと思うのですが、きょうはその麦価を主論としてやるつもりはございません。つまり私が申し上げたいことは、これからがむしろ本論のわけです。これには、この決算報告の中に指摘をされておるのでありますけれども、まあ厳密にいいますと、麦の生産対策費というのはいつのころからか調べてみませんが、少なくとも四十一年当時は予算上明確ではなかったわけであります。ありませんでした。そしてこれはてまえみそなことを申し上げるわけでありますが、四十一年予算委員会の分科会で飼料と関連させて麦対策について私、質問したことがありました。その年にようやく予備費として二億四千五百七十五万八千円、これは使用されております、予備費からですね。そして四十二年から正式に麦生産改善対策費として計上をされ、そのうちに飼料用麦生産パイロット事業ということも開始をされました。そして今度指摘をされておりますつまり水田麦作団地育成対策事業、これは四十四年から開始をされておる。そしてその事業は、読んで字のごとくでありまして、団地を指定して大センターあるいはトラクターの補助をした、こういうことであろうと思うのでありますが、それに対してどういう指摘がされておるかというと、全国七十地区のうち、十二地区において指摘をされておるのでありますが、わずか十二地区でありますが、非常に重要な意味を持っておると思うのであります。それは麦の作付がなされていないという地区が二地区、これは四十五年の検査でございますけれども、麦の作付がなされなかったのが二地区、計画よりも下回っている地区がこれは八地区、それから四十四年度は計画どおりであったが、四十五年は激減をしておるという、それが二地区であります。そしてその内容は三つに区分をされておるようでありますけれども、一つは土壌排水等土壌の条件が麦作に適していない、こういう指摘であります。それから二番目が、麦作と水稲作等との間に競合する期間があるのにその調整が考慮されていないということ、機械化集団麦作体制の未整備であるということ、要約してこういう指摘であるわけでありますが、私はその中で、これはもうしろうとでも農業を知っている者は、これはこういうばかげたことはやらないのじゃないか、指定しないのじゃないかというふうに感ずるわけでございます。とりわけこの湿地帯に麦ができるわけないのであります。排水も考慮されておらないその湿地、水田に対して麦作の団地指定をした——競合であるかそればどうか知りませんけれども、指定をしたなどということはあり得るはずがない。こう指摘をされておるわけでありますけれども、これはいかなる事由によってこういう事態が発生したのか、ちょっとお伺いしてみたいと思います。局長でけっこうです。

伊藤俊三農林省農蚕園芸局長

○政府委員(伊藤俊三君) お答え申し上げます。  麦の生産地対策事業として実施いたしました麦作団地の育成対策事業等につきまして会計検査院が検査を実施されまして、その結果、ただいま村田先生の御指摘のような事実が多いことが指摘をされております。私どもたいへん申しわけないと思っておるような次第でございます。私どもこういうようなことになりましたのは、麦それ自体が全般的に減少する過程、これは実際の問題としてわれわれの麦の振興のためのいろいろな努力というようなこともございましたけれども、その中でなかなか麦が伸び悩んで現在のような事態になったことは事実でございますし、そういうような麦が減少するような過程の中で麦を何とかふやしたいという私どもの努力というものが十分末端に伝わらなかったようなこともありまして、ただ機械だけ入れればものは片づくというような意識というものも若干手伝いまして、先ほど御指摘のような麦に不適地なようなところに麦作用の機械が入る、あるいは水稲との調整、これはことに関東あたりでは水稲との調整の問題というのは特に考えなければならないことでございますけれども、そういった問題についての不注意というようなこと、あるいは集団体制の十分整備されていないというようなところに機械が入りまして、その機械の稼働が必ずしも計画どおりでなかったというような事実もあったようでございます。で、私ども、こういう事態に対応いたしまして、直ちに「麦生産事業の指導について」ということの通達を地方農政局長にいたしまして、地方農政局の段階でこういったことが起きませんように、とにかく計画の認定にあたって十分検討すること、麦というものとの関係、その機械をほんとうに麦にどれだけ駆使できるかというようなことの確認等を十分検討させるようにいたしました。また、県に対しましては、具体的な検討、補助金交付時におきます計画の再確認、現地の調査、また機械が入ってからもそれを実際に動かすためには十分指導も要ることでございますから、そういった面も含めまして遺憾のないようにいたした指導をいたしておるわけでございます。なお、いろいろ指摘された地区に対しましては、いろいろ適切な処置をとるということにいたしておる次第でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いろいろ御答弁をいただきましたが、一片の通達等でこれが全面的に改善をされるというようにも私は考えておらないんですね。というのは、これは四十五年、六年以降の予算を見るとわかるのです。つまり、四十年から四十八年の対策費を見ますると、とりわけ四十四年から補助事業が展開されましたから額が上がっておりますが、これは四十四年は六億三千九百万、それから四十八年までに十億八千五百四十八万、横ばい的傾向をもちながらも、また四十八年には相当にこれは上がっておりますけれども、しかしその反面、むしろ耕作面積は減少しているわけですよね。四十一年当時のものはともかくといたしまして、これは四十三年には六十三万ヘクタール、四十四年には五十七万ヘクタール、四十五年には四十五万ヘクタール、四十六年は三十三万ヘクタール、四十七年は二十三万ヘクタール、四十八年にはついに十四万六千ヘクタールにこれは急速度に低下をいたしておりますね。予算をつけてそうして農林省は一生懸命やっているつもりであろうけれども、結局耕作面積が逆に落ち込んでおるというのは一体どういうわけか。ここに私は問題があると思います。  それで、この問題とやはりこの四十五年の検査院から指摘をされたところの、つまり常識ではちょっと考えられない、専門家として許すことのできないようなミスが起きているということと関連をして、私はこれは関係があると思います。というのは、つまりは、私も国会に来て麦のことを言うと、麦のことなんか言うと笑われるぞ、こういう話を聞きました。きのうだって麦の論議を農水でしておりますと、同じ同僚委員の方から、それはそういうことばできない、経済性を先行させて考えようとするならばそれはできるはずないのだと、そういうささやきがいまでも実は出ているわけですね。だから片やいろいろ言われるから何かやってみよう、予算もふやさなくちゃならぬ。しかしながら、麦全体に対するところの農政の方向というものは、これは昨日の米審の中にも出たようでありますけれども、安楽死が一面了承されていたじゃないかというようなことばが出るほど、私は、農政に対して、麦に対する熱意というものがなかったとこれは断定せざるを得ないと思います。であるから、予算はできた、何かやらなくちゃならないからどこかに散らばせというような感覚が行政当局にあったのかなかったのかですよ。私はあったと見ざるを得ない。でなければ、金はどんどんふえていっておる、しかし、急速度に耕作面積が減少するなどというようなばかなことがあっていいはずがないのです。この点はどうですか。

伊藤俊三農林省農蚕園芸局長

○政府委員(伊藤俊三君) 麦の作付面積が近年急速に減少いたしましたことば御指摘のとおりでございます。これにはいろいろな理由があろうかと存じます。  一つには、麦の作付、個々の農家の作付規模がたいへん小そうございます。二反、三反というようなのが多うございまして、そういった面で非常に零細で収益性が低いというようなことも一つあろうかと思います。  それからもう一つは、他産業からの労働力の、何といいますか、引っぱる力というものがかなり麦の作付地帯で起きておりまして、そういった面から労働力が不足をしてくるというようなことも一つございます。  それからもう一つには、米との関係がございます。ことに関東ではそうでございますけれども、米の植えつけがだんだん機械化をされてまいりまして、機械化されなくても逐次米の植えつけが早くなってきておるわけでございますけれども、そういったことが麦の作期とぶつかり合いまして麦が減ってくるというような事態もございまして、そういういろいろな事態からこのような麦の減少を来たしたというように私ども考えております。いずれにいたしましても、そういう中で麦を振興いたしますためには、やはり省力的な大規模な経営、ことに大規模な経営は、北海道なんかでやっております大規模な経営は非常に効率的にやっておりまして、そういうところでは麦作というものは非常に安定をしているわけでございますから、個々の小さな規模をまとめまして麦作をやるというようなかっこうに持っていくことが一つです。それから米と麦との作期の調整をはかりながら麦作を進めていくというようなこと、そういうようなことに努力をいたしませんと麦作の振興はできないというようなものの考え方から、従来のいろいろな麦のための対策というもの、予算措置というものが講ぜられてきておったと私は思うわけでございます。で、そういうような中で、やはり大きな経済の流れの中で麦が逐次減少をいたして今日のような事態になったわけでございます。で、私どもいろいろ予算をお認めいただきまして、その使用にあたりまして不十分な点がございまして、ただいまのような御指摘を受けておるわけでございますけれども、やはり入りました機械すべてがそういうわけではございませんで、私どものところに入っておりますいろいろな報告の中にも、この機械の導入によって優良な麦作が行なわれておるというような事例も多々まいっておるわけでございまして、そういった事例をもっとよく指導しながらよく生かしていって、そしてそういったものを普及をさしていくということが必要かと思いまして、そういうための努力も、一片の通達でなくてやりたいというように考えておる次第でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあ、いろいろ伺いました。それにしてもあまり、これは十年一昔といいますが、十年近くなるわけでありますから、あまりにも長過ぎるということ、つまり熱意の問題、研究しているといっても研究のしかたありますからね。だから、いまの客観情勢がある限りは今度は農林省も一生懸命やれるんじゃないかと思うんですよね。そういうことで私は期待をかけますが、いろいろこれ技術的な問題についても論議したかったんでありますけれども、時間がございませんから、それは省略いたしますが、いまおっしゃられましたように、つまり表・裏作の技術の一貫調整、研究をしなくちゃならぬような問題あるいは畑間作をどうするかという問題、土地の経済性という観点から、つまり一作物についての経済性ではなくて、土地全体の経済性からのいわゆる経営に供する問題、これもあると思いますね。それから何といいましてもやはり価格関係だと思うんですね。つまり、きょうの読売の社説ですか——に、価格関係は抜きにしても、今日の国際情勢の中においては、あるいはよしんば平常時であるとしても輸送関係の乱れ等によって国民に不安を与えるというようなことがあってはならないから、自給率はこの程度確保するという前提に立って自給を高めなさい、こういうような社説が、これはもう私が新聞の社説として見る限りは、ここ何年間まさに農政に対する見方というものが変わってきたと、根本的に。そう実は見ておるわけであります。そういう意味において、根本的な対策をやる気を持ってやるんだという、こういうことについて、まあたいへん失礼な言い分かもしれませんけれども、農林大臣の再度これは二言、三言でよろしゅうございますが、答弁を求めて、次に移りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 国際的な食糧需給の不均衡、あるいは天候異変により国民の中に食糧の不安というものが起こりつつあるということは、これは政治の上から見てたいへんな問題でございまして、今回の米審の答申にもそういうようなことが反映しておると思います。したがいまして、農林省としての食糧の安定供給ということについて今後徹底する意味において、きょう御指摘の麦作振興についても一そうの熱意を入れてまいりた  いと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 次の問題に移ります。同じくこの検査報告書に基づくわけでありますが、林野庁長官にお伺いをいたします。  ここに指摘されておりますことは、上松運輸営林署、王滝営林署、この不正契約問題であります。で、その内容について、こまかに御説明を受けたり、あるいはこちらが説明をしたりする時間がございません。概略申し上げますと、その一つは競争入札、これは指名入札かどうかは書いておりません。一般入札か指名入札かはさだかではございませんけれども、一番札の方が辞退をいたしまして、そうして二番札に落札をしておるという問題です。そうしてこの価格関係を見ますと、一番札に入れた価格、それから二番札の価格差というのは二百十八万四千四百四十円の差がある。それから二番目の問題としては、一番札を排除して二番札に落札をしたのだけれども、その一番札が幾らであったか、入札の記録がないのでわからない。そうして会計検査院の指摘としては、一番札を排除し二番札に落札をした。その件数二十七件、二千四百十五立方メートル、金額は一億一千二百八十五万二千四十七円で、この問題を私が目の子計算をいたしてみますと、つまり第一番目の問題その価格差、これを目の子計算いたしますと約一千九十万、約ですよ。これも国損を与えたということになるわけですね、こういうことについて、これはいまさらどう思うかと申し上げましても、これは政府説明書、ここに出ておりますけれども、契約事務の厳正な執行について指示をしてあります。こうなっておる。契約事項の厳正な執行についてなんというのは、これはいまさら指示を受けなくともわからなくちゃ役人はつとまらないわけでありますが、こういうことで済ましておるわけであります。だからどう考えますかと言ってみても、これはいたし方なかろうと思いますが、まことに私はこれを見まして遺憾な問題だと、こう思いましたが、その中で特に私がお聞きをいたしたいと思いますことは、この入札を取り下げたというのでありますけれども、その理由には入札者の計算違い、書き誤りなどというような理由があります。通常こういう取り扱いがあるのかないのか、ないというようにお答えになられると思います。これが一つ。  それから二番目の、この一番札を排除し、二番札のものと契約している。この「排除し」というのはどういう意見を持っているのか、これを一つ聞きたいと思います。これは会計検査員の方来ておりますね。この排除という意見はどういうことなのか、そこらあたりをひとつ第一番目の問題、第二番目の問題、少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) お答え申し上げますが、先生の御指摘になりましたのは、おそらくなお書きのほうを言っていらっしゃるのだと思うわけでございます。これにつきまして、一応検査報告では排除ということばを使ったわけでございまするが、ここにも書いてございますとおり、「関係記録がないため入札執行の経緯については不明の状況である。」、このように書いてあるわけでございまして、一件一件に当たりまして、排除するという行為があったのかどうか、これはわからないわけでございますが、大体のわれわれの書きましたときの気持ちといたしましては、この本文のほうに書いてございますような、物品の取り違えあるいは書き誤り、計算誤りといったようなものを理由として取り下げを申し出たものに対して取り下げを認めた、こういうものが大部分であったろうと思われるわけでございまするが、何ぶんはっきりわからない。それで排除ということばを使っております。少しあるいはきつくお感じになったかもしれませんが、そういう趣旨でございまするので……。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 さらに検査院の方に聞きますが、まあ排除はきつ過ぎて、実際は一項目と同じ理由だというようなことらしいのでありますが、これは私は了解できませんね。排除というのは、これはつまり一番札があっても、これは最初からとりませんよという態度です、排除するというのは。なぜ聞くかというと、営林署、林野庁からちょうだいしましたところの資料には、これを「一番札を破棄」したとなっております。破棄と排除というのはどう違うんですか、これは。林野庁長官。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 一委札を破棄したということとそれから排除したということ、検査院のほうには排除と出ておりますけれども、実際には一番札を、結果だけ申し上げますというと、これを破棄して、現在手元に残っていないわけでございます。実態は私たちから見ますというと、破棄というふうなことばでいいのではなかろうかと思っていたものでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その解釈論議をいたしておりますと、時間がかかりますから、この程度にしますけれども、いずれにいたしましても、よしんば第一に指摘しました一番札を取り下げたというふうにかりに理解しても、記録がないというのはどういうわけですか。検査院はこれは二番札だけであったということは、なぜこれは検査し得たのか、私も疑問なわけですがね。その点ひとつお聞かせいただきたい。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) このなお書きのほうに関しての御質問と了解いたしますが、現実われわれが検査に参りましたときには、先ほど破棄ということばがございましたけれども、書類がなかったわけでございます、一番札は。なかったわけでございまして、結局われわれとしましては、「入札執行の経緯については不明の状況である。」と書かざるを得なかった。われわれ国会などに御報告申し上げます際には、一応必ず確かな資料に基づきまして御報告申し上げているわけでございまして、結局ないということになりますると、それはどこへ行ったかというようなことでございまして、結局わからないんでございまするが、担当者の説明によりますと、こういうものがある、こういうことで一応本文の中には入れてないのはそういった理由でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私も、実際に入札事務というのはよく知りません。しかし記録がないでしょう。記録がないのに販売をした人の金額がこれが二番札であったというのはどうしてわかるのですか。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) 検査に参りましたものの説明によりますると、結局資料は一切なかったわけでございます。そして一応営林署長、それから担当の課長、そういった方々の御意見によりまして、そして記憶によりまして、このような金額があったと、こういうことでわれわれのほうとしては確認をいたしましたと、林野庁のほうの御調査によりましても、一応そういうことであったらしいという記憶でございます。したがいまして、不当事項として書きます場合に、本文の中に入れるのは適切ではない、そういうことでなお書きの中に入れたわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 全然記録がないと。そこで検査に行きまして、署長が売却した物件の金額は幾らでございましたか。これは帳簿に記入してある、収入として受け入れた、その説明をするのに、実はこれは一番札があったのでございますけれども、そいつは破棄いたしまして、排除いたしまして、これは二番札の価格なんです、こういう説明したのですか。あるいはこれは少し安過ぎるじゃないかという指摘を受けて、実は一番札を排除したということになったんですか、そんなこと実際ありますか。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) 一応本文に書いてございまする事件、これは四十五年の七月と十月の件でございまするけれども、これによりまして一応営林署側を追及いたしまして、そうしてこういう事態というのは、ほかにもまだあるんではないかということで、問いつめました結果がほかにもございます、こういうことを言ってきたわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 林野庁の長官にお伺いいたしますが、これは排除と廃棄ということ、私先ほど誤認いたしましたのは、そこにあるのですね。一番札を取り下げて、入札者の意思によって取り下げて、そして二番札に落札をしても、これは明らかに会計法違反ですね。  それから第二点目の問題これは破棄したと言っているんです。破棄したというのは、これは営林署当局が破棄したということでしょう。排除したということも、これは同じ意味にとれるわけですね。だから、いわゆる一件書類を残しておらない、こういうことに理解できませんか。どうですか、その点。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 実はこの問題につきましては、四十六年の二月の衆議院の決算委員会でこまかに追及されたわけでございますけれども、いま御指摘の一番札と二番札、二番札に落札したのでございますが、一番札は一切残ってないわけでございます。私たちもその後直ちに監査官を動員いたしまして、現地を調査したのでございますが、その際二番札、三番札には赤ペンでこれは二、三と書いてあったわけでございます。これは一番札ないのですけれども、二番札である、三番札であるということがそこから判断ができたわけでございます。作為的な行為であるなら、そんなこと書かないだろうと思うのですが、ほかの例を見ましても、これが明らかに書いてある。なぜ一番札を破棄したのかということでございますけれども、この一番札と二番札との間がただいま先生から御指摘ありましたように、開きがあったのでございますが、その辺の判断は開きの程度は一番と二番、それから二番と三番との間の差をずっと比較していきますというと、一番と二番とが非常に開いているという場合には、これは間違いでないかどうかということを営林署側のほうからそれをただしたわけでございます。あるいはまた買い受け人のほうからこれは間違いですということを申し立てた場合もございます。しかも、その場所は公売の場でございますので、いろいろとほかの、買い受け人が百人ないし二百人集まっておりますし、あるいは報道関係とかその他全部おる場所でございますので、そういうものにつきまして申し立てがあった場合には、これは民法上でいう錯誤という取り扱いにしたわけでございます。この錯誤ということの判断がいま先生の御指摘にありましたように、営林署を違えたとか、あるいははい積みのはいを違えたとかいう物件違い、それからけたを間違えるあるいは計算を違えたとかということを理由に申し立てたので、それを錯誤と認めたのであります。ほんとうの錯誤という意味はなかなかこいつはむずかしいようでございます。  そこで、錯誤ということになりますというと、入札を取り消す場合がいろいろございますが、一つは、たとえば自分の名前を書いてないとか、あるいは金額を書いてないとか、あるいは捺印をしてないとか、いろいろございます。その中に、錯誤の場合はこれを取り消すということがあるわけでございます。そこで、厳密な意味での錯誤ということにはいろいろと問題点がございますけれども、それを非常に安易に解釈したということははなはだ遺憾であるという点を私たちも認めまして、そこで、その後直ちにこういった申し立てを認める場合、錯誤の解釈は厳重にするようにということでその後厳正な指導をいたしておるものでございます。で、そういういきさつがございまして、破棄とは申しますけれども、破棄あるいは排除という、同じ意味に私たちはとっているんでございますけれども、これは明らかにそういう公入札の場所においていま申し上げたような理由で、これはもう錯誤であるか、入札はしなかったのかということに解釈いたしましてこれを破棄あるいは排除したものでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 どうも私は理解できないんですね。つまり、二十九条の五の二項、これは「提出した入札書の引換え、変更又は取消しをすることができない。」となっていますね、これは。だからいずれにいたしましても、会計監査院が指摘をいたしましたように、これは違法である措置である。会計法違反ということでしょう、会計監査院が指摘をいたしましたのはですね、お答えを願います。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) ただいま先生のおっしゃいますとおり、会計法違反であるということでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういうふうに理解します。  それから、その第二点目の問題です。いまの破棄をした問題しかしどう考えてみても、これは二十七件ですからね、二十七件。どうもやはりいま伺ってみても釈然といたしません。これは作為的に意思が働いていると見ざるを得ないんです。検査院はそこまでやったかどうかしりませんけれども。この検査について、実は一番札はだれであったかという、そこまで追及したかどうかしりませんが、これはできれば私はもう一度再検査してほしいと思うくらいです。長官のお答えですと、一番札と二番札の差があまりにも開き過ぎているから、安いほうに落札をいたしました。——それは、純粋な意味におけるところの間違い、けた違いであるならば、これはやむを得ないだろうと、こう思う節もあります。しかし、その場合だって、これは入札のし直しをするということじゃないんですか。入札のし直しとか何かということがあるんじゃないですか。一番札、間違ったらやっちゃいかぬというのが会計法。だとすれば、これはやり直しする以外にないわけですからね。だからこういうことを、少なくとも一緒の経理課長、署長が知らないはずがないと思います。なぜ二十七件もいわゆる一番札を破棄せざるを得なかったというところに、私は何かしら犯罪のにおいを感じないわけにはいかない。会計検査院はもう少し突っ込んでこれをひとつ再調査する必要があるような気がいたしますが、どうですか。農林大臣はこの話聞いていてどう思いますか。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) ちょっと、この背景を簡単にいま御説明申し上げたいと思いますけれども、木曾谷というところは、先生御承知のとおり、非常に高価な木曾ヒノキというものを——全国でも非常に価値の高いものでございます。そこに百以上の零細な製材あるいは木工業者がおるわけでございます。木曾材というのは非常に価値が高いものでございますので、全国から集まってまいります。そこで、これは御料林時代から、いま申し上げたように、間違いがあったかどうかという申し出のあったものに対しましてはこれを取り下げるというような一つの慣習もあったわけでございます。で、営林署長は、先ほども申し上げましたように、二番札と三番札であることは、明らかに赤ペンで書いているわけでございますから、この点から判断いたしましても、これは作為的なものではないというふうに私たちは思うわけでございます。ただ、木曾谷全体を守ってやろうという意思があるいは働いておったかどうかということについてもいろいろ問題にされたのでございますけれども、一つの木曾谷が持つそういう特異な歴史的な背景から発生したものであるというふうに私は感じておるわけでございます。そこで、そういった状態では、しかし、いけません。全国的にその後監査いたしましても、こういったものは特例でございます。いまきびしくそれを指導いたしておるのでございまして、いずれにいたしましても、民法九十五条にございます「意思表示ハ法律行為ノ要素二錯誤アリタルトキハ無効トス但表意者二重大ナル過失アリタルトキハ表意者自ラ其無効ヲ主張スルコトヲ得ス」、こういうむずかしい文句がございますが、要するに、たとえば自分の心の中でこれは一万円で買おうと思っておった、ところが書くときに十万円と書いた、これは完全な錯誤でございます。そういったようなむずかしい錯誤ということを適用して、そうしてこれを無効にして、そうしてこれをなかったものにしたということは少し安易に過ぎたということは、私たちは認めざるを得ないと思うわけでございます。その点は非常にきびしくただいまこれを指導いたしておるところでございまして、営林署長あるいはその他の係官がこれを作為的に行なったんだというふうには、いろいろと監査、その他の結果に基づきましてもないというふうに判断しているものでございます。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) 会計検査院のほうも、検査にあたりましてはかなりきびしくやったつもりでございます。その結果といたしまして、ただいま林野庁長官のほうから御説明ございましたように、確かにこの木曾谷にはそういった慣習が前からございまして、そしてそれに黙って従ってきた。したがいまして、署長さんのほうにもそう大した悪意があって、自分自身がそんなに悪いことをしているという印象はなかったと、そのように感ぜられたわけでございます。したがいまして、これは、会計法の規定によりまするとこれは正しくない取り扱いでございまするが、ただいま林野庁長官が引用されました民法九十五条の規定によりまして、入札行為それ自体の要素に錯誤があったということでございますと、会計法の規定のとおりといかなくてもいいわけでございまして、二番札になるということも法律的には出てまいるわけでございます。したがいまして、そういった悪意なしで、何と申しますか、要素の錯誤というものの判断のしかたに誤りがある、こういうことをやっておりまして、せっかく競争入札をやりました趣旨というものは滅却されてしまう。ですから、競争契約を守るためにおきましても、もう少し厳格にやってもらわなくては困るという意味で、しかもほかの営林局には例がなかったということからあえて不当事項として指摘したわけでございますけれども、決してわれわれはここに悪意があって、犯罪行為があったという印象は持っておりません。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 会計検査の結果が不当事項として指摘をされておることでございまするから、私は、農林省の責任者としてはそのとおりに受けとめて、そして今後このような不当事項の起きないように指導してまいらなければいけないと、このように受けとめておるような次第でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 これは指摘だけをしたいと思うのですが、どうも、やはりこれは慣習としてここらあたりがというふうに考えておられる向きがあるようですが、国家公務員法によるところの懲戒をどのようにこれはやっておるのか、私もその資料を取ってみたいのですね。ところが、両署長は、これは訓告です。それから経理課長が厳重注意、そして人によっては営林署の上局である営林局の課長に、これは私は栄転だと思うのでありますけれども、まあ任用上は同格の扱いだというような話も聞きますが、しかし、同列・同格の栄転をしておる。それから、同じく厳重注意をされながらも、たぶんこの資料によります限り、同じく現職にある、こういうことなわけでありますが、なるほどこの処分が非常に軽い。私が見た限りでは、これは犯罪じゃなかろうかとさえも思っているくらいですから、この処分が非常に軽いて思ったことば、これはやむを得ないことだと思いますが、いまだんだんお話を聞いておりますと、ほかにはない、ないといいながら、これは慣習であるから法律上は違反ではあるが、まあまあやむを得ない面も考慮しておるというふうに考えるから、これはこんな軽い処分になるんだろうと思うんですね。もっとやっぱりこれは理非曲直を明らかにして、そしてやらなけりゃこれはまた起きますよ。こういうことやったってたいしたことないんだから。もっと詳細に検討してみないと、追辺してみないとそれはわかりませんが、いずれにしろ、これは相当な金額の国損を与えているといっても過言ではない問題ですね。これは指摘だけをしておきたいと思います、時間がございませんから。  そこで、営林署の販売制度ですね、まあ営林署というのは私は非常に官公庁の中で特異な存在だと思っています。物品を販売するというのは専売であるとか——まあこれは公社ですか。販売に関するものはあまりないと思います。しかし、自由市場との関連の中で販売活動を積極的に展開をしておるというのが、これが林野庁ですね。この林野庁の中における販売制度というのはきわめて私は重要な意味を持つと思うんでありますが、その販売制度についてやはり相当疑義を持っている点がございますので、ひとつそれらについてこれから質問をいたしたいと思います。販売制度としてはどういうことがあるのか、ちょっと林野庁長官から説明を求めます。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 国有林の中で販売をいたします場合には、その形態としましては、立木のままで販売する方法、それからこれを伐採し、造材し、搬出しまして貯木場で素材、つまり丸太の形で販売する方法、こうあるわけでございます。その方法としましては、原則は一般公入札でございます、これは会計法に基づきまして。それから公入札のほかには特に法律で定めまして随意契約あるいは指名競争、こういう販売の方法もあるわけでございます。一応原則は一般入札でございますけれども、たとえば地元の産業を擁護するとか、あるいは産業の振興をはかるとか、あるいは公用、公共用その他公益的なものにこれを使うという場合には、随意契約というふうな制度を開いておるものでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そのほかに私が聞いておりますのは、概算契約とか委託販売とか、これもあれですか、やはり大まかに言えば随意契約の中に入ると、こういう意味ですか。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 御指摘のとおりでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 はいわかりました。  そこでお伺いしますが、一般入札と随意契約との価額関係、この価額は市場の関係もありましょうし、時期にもよりましょうし、品質にもよりましょうからなかなか一様には言えないと思いますけれども、何か一つの例をとって価額関係はどう作用しているのかということについて、私も若干の資料は持っております、何か簡単に御説明をいただきたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 一応販売いたします場合には、予定価格というものを作成いたします。これを、予定価格をつくります場合には、一般の市況それから公売の結果、そういったものを参考にしまして、経験者を集めた一つの委員会のような組織もございまして、そこで毎月チェックしておるものでございます。それに基づいて予定価格を立てて公売をいたしまして、その予定価格以上になったものがそれを落札するというふうになります。それから随意契約の場合におきましても、やっぱり同じように予定価格というものをつくりまして、その価格で販売するというふうにいたしておるものでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 これは随意契約というのは一般的に一般契約よりも高いんですか、安いんですか。大体、これはまあどの程度の違いがあるかといってもこれはさまざまでしょうが、通常どれぐらいの差異があるものか知りたいんですがね。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 公売物件と随意契約物件といずれが高いかという御質問でございますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございますが、一般的に申し上げますと、公売に出します物件は、たとえば先ほど話の出ました木曾ヒノキであるとかあるいは秋田杉であるとか、そういったような比較的質のいいものが競争にかけられるものでございます。それから随意契約で販売いたしますものは、一番多いのは地元製材工場等に売り払う場合とか、あるいはパルプ材とかいろいろございますけれども、おしならべて大体公売物件より品質が劣るというものということは概して言えるかと思います。そこで、この一般競争契約の場合に、最高の入札価格と予定価格とがどれぐらい開くかということも一つの判断になるわけで、ございますけれども、非常に市況のいい場合には入札価格は最高値が上がってまいります。四十五年度の例で申し上げまするというと、最高入札では一般競争の場合予定価格に対して一一五%ぐらいになります。平均しますというと一〇七%ぐらいになるわけでございます。それから随意契約でいきますというと、予定価格に対して大体平均一〇五%というふうな数字が出ているものでございます。ただ、これは不況のときになりますというと、入札物件が落札いたしませんで販売できたいと、つまり予定価格を下回るというふうなことが過去二、三年前は続いておったような情勢もございます。そういうふうに内容はいろいろ複雑ではございますけれども、どちらかというと、平均しますれば、そういったような結果、公売物件というものは随意契約物件よりも比較的高いんではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 予定価格というものがこれはあるわけでございまして、それに触れますというとちょっとあれですからそれには触れませんけれども、いまも報告ありましたように、一般競争入札よりも随意契約のほうが平均的に価格が低いと、こう言えるわけですね、これは。そういうお話を伺いました。  そこでこれは一つの例として申し上げてみたいと思うんでありますけれども、これは熊本県の八代の例であります。四十六年度と四十七年度の資料でございますけれども、公売が三千六十七立方、指名が一千七十立方、随意契約が五千九百五立方、委託が八百二十九立方となっております。四十七年度は公売が三千五百五十七立方、指名が六百二十八立方、随契が五千四十九立方、委託が千二百六十五立方と、こういうことであります。価格関係を見ますと、随契は確かに安い。これには品質はほぼ統一されたものとして理解するわけでありますけれども、四十六年に至りましては随契、一般との差は千六百八十三円で、これは百十二万、随契の場合一般公売にすれば百十二万多く収入があるだろうと、こういう話です。それから四十七年度の場合は、この価額差は驚くなかれ一万一千二百四十三円あるわけです。そして、その数量から推して、一般公売であるならば五千六百六十六万円これは増収がはかられるはずであるという計算が成り立つ。先ほど来申し上げておりますように、いろいろ材質の問題、時期の問題でございますから、一様にはいえないと思いますが、しかしこれはあまりにも差がつき過ぎているのですね。  で、私は、この資料を見てふしぎに思いましたのは、先ほど申しておられましたが、随契というのは地元の業者、これを育成するというような、そういう立場、あるいは公共事業、こういう話でございましたが、これはあまりにも多過ぎるんですね。大体公売は四十六年度では二八%、随契が五五%、四十七年度では公売が三〇%、随契が四五%なわけですね。ここで結局私は疑問に思いましたのは、随契というのは確かに会計法上ありますけれども、あらためて見てみますると、これまたこの営林署が実際にやっておる随契というものは会計法違反じゃないかという感じを持ったわけです。というのは、随契の条件は競争を許さないような状態であるということ。緊急性があるということ。この緊急性というのは、水害であるとか大火災が発生して緊急に木材を輸送しなくちゃならぬなどというふうに私は理解したわけでありますが、それから競争に付することが不利であるということ。この三つの条件があればこれは随意契約することができると書いてあるわけですね。別にあとはただし書きはないんです。ところが、林野庁がやっております現実の問題は、これは競争を許さないような状態ではないですね。それから、二つ目としては、これは火災であるとか水害緊急性はない。それから、一般公売にすれば価額が高く売れる。この条件からすれば、いま林野市がやっておる随意契約というのは会計法上も問題があるように感じたわけですが、検査院はどう判断しますか。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) お答え申し上げます。  いま先生が御指摘なさいましたのは、会計法二十九条の三の第四項であろうかと思われます。その次に続きまして第五項という規定が実はございまして、これによりますると、「契約に係る予定価格が少額である場合その政令で定める場合においては、」「随意契約によることができる。」という規定がございまして、これに基づきまして、予決令の九十九条でございますが、これに随意契約によることができる場合がずっと列挙してあるわけでございます。したがいまして、会計法は随意契約を許しておりますのが四項と五項、この二項にわたって許しているということであります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私もこれ法律家じゃありませんからですがね、この五項を見ましても、「予定価格が少額である場合」と、こうなっていますね。これはやっぱし「予定価格が少額」とは、これは私は認められないですが、これはどういうことなんでしょうね。

前田泰男会計検査院事務総局第四局参事官

○説明員(前田泰男君) ちょっと私がお答え申し上げるのが適切ではないかもしれませんが、この立法の際の立法者のお考えといたしましては、「契約に係る予定価格が少額である場合」には、結局少額なものに対しまして入札費用をたくさんかけるというのは不経済ではないかということ。実際問題といたしますと、この規定がございませんければ、たばこ一つ買うような場合でも競争しなければならなくなると、こういったようなことを考えて入れたわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 だから申し上げておるわけですよ。少額といいますが、これは少額と高額との限界というのは幾らということはできるかわかりませんが、少なくとも万や百万の話じゃないんですよ、これは。いま申し上げましたように、とにかくこれは年間の販売量でありますから、数回に分けられておるはずでありますけれども、少なくとも収入、この随契によって昭和四十七年八代営林署が収受した金額というのは、一兆一千二百八十五万五千円ですから、これは少額じゃないでしょう。一カ月に一ぺんずつこれをやったって、十二分の一にしたらば一千万円以下、八百万円以上になるわけですよ。、それで、しかも一般競争をするならば、むしろそれに対して五千六百六十六万プラスすることができるということ。一般公売を実際にはやっておる。三〇%ですがやっておる、随契が五〇%、どう理解するのですか。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) さきにいま御指摘のございました会計法の二十九条の三を受けまして、実は政令が予算、決算会計令九十九条でこまかに定めてあるわけでございます。その九十九条の政令に基づきまして、またこまかい実は運用規程をいろいろつくっておるのでございます。こまかいことは一応省略さしていただきますが、一覧表にしましてもこの計算いろいろこういうふうにあるわけです。  そこでいま御指摘の八代の営林署の例をあげてのことでございますけれども、全体といたしましても、四十四年から四十六年、つまりいま四十五年度の決算のいろいろ御指摘を受けておるわけでございますけれども、この三年ぐらいの間には立木を見ましても、この販売は随意契約が多いし、素材を見ましても、比較的随意契約の量が多くなっておるわけでございます。理由を簡単に申し上げますというと、立木の多くなりました一つの原因は、未開発林と申しますか、そういう昔の薪炭林のような、そういう質の低い森林を質のいい森林に切りかえる、いわゆる特別開発事業というのをこの当時始めておったのでございます。それはほんとうの薪炭材料でございますので、建築材には使えない。せいぜいパルプに使うというふうなことからこの随契を行なっております。  もう一つは、この当時は非常に不況でございまして、不落の物件が非常に多かったといういきさつがございます。そのためだいぶ特別会計も経理の面では苦労したわけでございますけれども、そういう不落随契が多かったわけでございます。あるいはまたこの当時は特に、これはこの当時だけではございませんけれども、最近は間伐のおくれているものが相当あるわけでございます。間伐の処分につきましても、そういった随契制度を導入しているというふうなことから随契が多くなってきているものでございます。ただ、こういったような現状がそれでよろしいかということは問題がございまして、いろいろだだいま検討いたしているところでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあ政令で逃げておるようであります。それは私も別に研究をしてみたいと思いますが、しかし、どのように政令で定めましょうとも、少なくとも、この法律の法意からするならば、これは随契であるべきはずがないわけですね。先ほど林野庁長官も言っておられたように、とにかく随契あり得るとしても、つまり地元の産業を育成強化するとか、あるいは公共用で限定されるべきであります。しかし、これを資料を見ますと、これは一、二の資料で全体を推測することはいかがとこう思いますけれども、この八代の場合は結局四十六年度は随契が五五%、昭和四十七年には四五%。それからこれは東北の場合でも随契は秋田杉、非常に銘木といわれるいいものが二割くらい、年間販売量の二割くらい随契とされて、しかも東京や名古屋方面の大手の業者が買い取っておる、こういう話も聞くわけですね。これはやっぱり問題じゃないかとこう思うのですが、つまり随契というと、比率からするならば、その趣旨からするならば、もっと少ないはずであるということが一つ。しかも、販売では一般競売よりも価格が非常に安いということ、しかもそれが大手業者の手に渡っておるということ、ここに私は問題があるような気がいたします。また、随意契約をひとつ形を変えた販売の方法といたしまして、委託販売——市場に委託をいたしまして販売をして手数料を払うというようなことやあるいは概算契約があるというようなことも聞いております。あるいはある特定の業者に請負をさせまして、そして全山皆伐をするというようなこと、そういういまわしい事例も実は出ておりますが、きょうは時間がありませんから省略をいたしますが、いずれにいたしましてもこの林野の販売制度に、やり方に対して相当に疑義がある、こう実は思うんでありますが、これは上松といいあるいは王滝、これは、こんなことは全国にないんだなどというようなこともありますが、よそにあったらたいへん。そしてまた、つまり契約問題というものに何かゆるやかな感覚をこの林野庁の方々は持っておられるような感じを受けるわけですね。そういうことからするならば、これはやはりこの販売のやり方というものは根本的にひとつ練り直してみる必要があるんじゃないか、私ばそういうことをこの報告書によって承知をいたしたわけであります。  そしてこれは巷間いろいろと話を聞くわけでありますが、つまり林野庁を退職した方々が再就職をされるその行き先はどうであろう。まあ通例天下りなどどいうようなことがいわれるわけでありますけれども、それを調べてみました。そうしましたところが、これは林野庁で把握した範囲の話でありますからこれ以外にどの程度ありますか存じませんが、所長以上クラスで消息が把握できるのは一千百八十七名である。そのうち五百八十五名が関連企業、関連産業に再就職をしておるということです。林野庁弘済会に入っておりますのが二十七名ほどおるようでありますから、結局この関連産業には五百六十名ということでありまして、昭和四十五年五月以降、これはおたくのほうから調べていただきました調書を見ますると、四十五年には十二名の方々がこれは関連企業に行っております。それから四十六年には二十三名、四十八年になってはまだ間がないわけでありますけれども、もうすでに三名の方が出ておられるわけですが、すべてが製材協同組合であるとかあるいは何々農林であるとかあるいは何々開発であるとか、日本でも有数な会社に就職をされておる方もあります。こういうことを見ますと、つまり先ほど来申し上げておりましたように一番札を破棄して、そして安い価格で落とすあるいは随意契約というものが制度として認められるにせよ、その目的は、範囲は限定されているにもかかわらず、それが年間販売量の五五%にものぼるというような、そしてつまり言ってみれば五千万も六千万も安く払い下げておるというようなこと、このことと、つまり営林署の署長さんが製材業者、製材業に再就職するということとどういう関連があるんだろうという疑惑を実は国民多数が持っておるわけですよ。そういう意味におきましても、これは販売制度を抜本的に再検討すると同時に、まあ再就職をする、退職をされてまだ六十前でありますから、まだ働ける、これを働き口をストップをかけるということはまことに心苦しいことではありますけれども、これはやはりそういう疑惑の起きないようななされ方をひとつ検討する必要がある、こういうことであります。  それから、会計検査院は少し私は甘いと思うのです。先ほど来討議をいたしましたけれども、少しやはり甘い。まあ最近はきびしくなりましてなどというようなこともありますけれども、甘いと思うのです。だから結局、会計検査院の姿勢はどうなんであろう、接待費に林野庁が年間二千万も使っておるんじゃないかなどというような言われ方をするような結果になるわけでありますから、検査院はやはりそこは厳重にやってもらわなくちゃ困ると思うのでありますが、これは最後にいろいろまとめて申し上げましたけれども、特に販売制度の関係について長官、それからまた大臣の所見をひとつ伺いたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 販売制度につきましてただいま御指摘を受けたわけでございます。私もこの販売につきましてはいろいろと疑惑を招くようなことがあってはならないというふうに感じております。昨年の実は林政審議会からの答申の中にも、国有林の販売制度については抜本的な検討をするようにというふうな注意も受けているわけでございます。したがいまして、ただいま一般公売ということを原則とするという基本線に立って、できるだけこの一般公売の制度を拡充してまいりたいというふうに思っております。ただ先生御承知のように、昨年の十一月、十二月の状況をごらんになりますとおりに、全国一本にした単純な公売ということは木材価格に与える影響というのは非常に大きいわけであります。その辺も配慮いたしまして、具体的な問題といたしましては地域の実態に合った、地域のたとえば限定の公売はこうであるとかあるいは材種、業種を限定した公売であるとかいうふうなこともやはり地元産業の育成につながるわけでございまして、そういうことも検討してまいりたい。ほんとうの貴重材のようなものは、これはオープンな公売でもけっこうだと思います。  なお御指摘のございました随意契約につきましても、やはり単純な、従来やっておるからまた今後もやるんだというふうな方式でなしに、競争原理を導入した販売方法を導入してまいりたいということで、たとえて申し上げますならば見積もり合わせのような方法もございましょう。そういったことをただいま検討しておりまして、早急にこの販売制度の確立をいたしまして、皆さま方の疑惑を招くことのないようにしてまいるというふうに考えておる次第でございます。  なおまた営林署長以上の退職者につきましての御指摘もございました。四十五年から四十八年の間に木材関係の会社に就職しました者が一応三割ぐらいもあるわけでございます。これにつきましても人事院の指導を受けまして、役員の就職の問題であるとかあるいは関連ぐあいということをいろいろ検討しながら御批判、疑惑を招かないような方法で厳正な指導をしてまいりたいと思うわけでございます。おっしゃいますように、もう五十五歳を限度としまして去る四月一日からは一応管理職を退くような方式も入れてあるわけでございます。五十五でやめましても、これは六十までは、また六十以上いろいろ働けるわけでございます。私どもやはりそういった職場のあっせんもしてあげなきゃならんのでありますが、いずれにしましてもそういった疑惑を招かないような方法で、きめのこまかい指導をしてまいりたいと、かように思っておる次第でございます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま林野庁長官のほうより、今後の国有林材の販売について、一般競争契約の拡大であるとか、随意契約における競争原理の導入など、具体的にお答えを申し上げたところでございまするが、私といたしましては、いささかも国有林材の販売の上に疑惑を持たれるというようなことがないように指導してまいらなければならないと、きょうの御質問を通じて感じておる次第でございます。これはもう当然私は守らなきゃならないところでございまして、したがいまして、今後会計法——予算、決算、会計令等の法令に基づきまして、厳正にやってまいりたい。  いま林野庁長官が地域の実情などについての一応勘案するような、そういう話にも触れられておるわけでございまするが、実際上においていろいろなことがあろうかと思うんであります。そういう点で、現場の最高の責任者としての苦労があろうかとは思いまするが、私のほうからは、いま申し上げましたように、会計法に基づいて、国民に疑惑がないように指導していくということが当然の道だと、このように受けとめておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私は、国有林の売り払い問題について質問に入りたいと思うのでありますが、長野県の軽井沢町追分地籍の三石の国有林地の三十七・九八ヘクタールを不要存置として売り払い計画を林野庁が立てまして、売り払いの相手方は長野県の企業局でありますが、この売り払いの交渉も相当進んでおると聞くのであります。したがって、まず売り払いの理由と今日までの交渉経過について概略御説明を求めたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) ただいま御指摘のございました長野県軽井沢町の国有林でございますが、ここは二団地ございまして、約三十八ヘクタールあるものでございます。ここの場所につきましては、昭和二十二年から二十五年に開拓地として付近の国有林野を所属がえいたしました際に、開拓の不適地として、飛び地として残ったものでございます。その後四十四年五月に御代田町から放牧採草地として活用の希望がございまして、一方また、軽井沢町のほうから公園、あるいは運動場、駐車場等の用地として借り受けの陳情があったのでございます。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 で、この前者は土地利用上適当でないこと、また後者は計画に具体性がないということから、いずれも断わられたいきさつがございます。四十七年四月になりまして、長野県に買い入れの積極的な意向がございまして、四十七年度に売り払いを計画したものでございます。四十八年二月に長野営林局で、二月二十日に用途を廃止しまして、不要存置林野に編入の手続を終えたものでございます。四十八年の三月に長野県は四十八年度に買入れの予算措置を講じているわけでございます。四十八年の五月二日になりましてここの土地につきまして長野地本の委員から反対の申し入れがございまして、これが長野営林局に提出されたものでございますけれども、また同じ日に長野県の企業局にも反対の陳情があったものでございます。また、四十八年の五月には先生御承知のように、社会党の先生方が現地を視察をなされておりまして、四十八年の五月十五日に林野庁長官に対しまして、売り払いについての反対の御意見があったものでございます。  ただいまはそういう経過をたどっているものでございますが、私のほうといたしましては、長野県と現在その場所についていろいろこういう経過を踏まえまして、地元のいろいろ事情もございますので、いまこの売り払いの手続につきましては、長野県の計画が具体的になってきます段階でこれを判断しようということで、その計画をストップしているものでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 大臣にお尋ねいたしますが、この問題を大臣はきょうこの場で取り上げます前に御承知であったかどうか、御承知であったとするならば、いつごろ御報告を受けておられるか、念のために参考までにお聞きしておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) いまはっきり記憶しておりませんが、衆議院の農水の際に、美濃議員から、長野県に問題があると、こういうことを一応指摘されたことがございます。しかしながら、ただいまは林野庁長官が御報告申し上げたような、そういう詳細については私は存じ上げておりませんでした。

中村波男日本社会党

○中村波男君 問題の内容に入ります前に、過去三カ年ぐらいで資料があればけっこうでありますが、林野庁が不要存置として売り払いました面積、金額が四十八年度の予算はたしか百四十億計上してあったと記憶いたしますが、それらについて御報告を受けたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 御指摘の売り払いの実績、それから予定でございますけれども、昭和四十五年度には面積にいたしまして三千二百七十七ヘクタール、金額にいたしまして二十六億円。四十六年度におきましては面積が二千百七十二ヘクタール、金額にしまして六十億円。四十七年度は見込みでございますけれども、現在約三千ヘクタールで、金額にしますというと百二十億円の見込みでございます。それで、これは売り払いではございますけれども、その中にはいわゆる自作農特別会計に基づきます所属がえ、所管がえ、そういったものも含んでいる数字でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 ちょっと私聞き落としたのですが、四十八年度は御報告があったのですか。四十七年度の金額、聞きにくかったものですから。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 四十七年度は面積が三千ヘクタールでございまして、金額は約百二十億、これは現在まだ見込みでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 四十八年度は。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 四十八年度はまだ面積は確定してございませんけれども、一応金額にしましておよそ百四十億円くらいになるという見込みでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 時間が限られておりますから、こまかい内容にわたる質問ができないのは残念でありますが、いま売り払いの理由として、長官から戦前、開拓地として売り払う場合に不適地であるということで残っておった山林である、こういう説明もあったわけです。また現地で当局からお話を聞きましても、飛び地であるから経営上、管理上もうまくない、こういう説明も受けてきたわけでありますが、私も現地を調査いたしまして、現地の状況をある程度把握いたしておるつもりでありますが、売り払い予定地は国道十八号線に接続する平たんな林野でありまして、周囲がゴルフ場並びに別荘地が分譲されておる等の地域に囲まれておるわけであります。したがって、私たちが調査をいたしました結果として聞いたのは、戦後、開拓地に開放しなかったのは水源地として残したのだと、したがって、この地域は浅間山の伏流水がわき出まして、その水を佐久市で大体一日平均五千トンを取り水をしておる、あるいは御代田町の一部も飲用水として利用をしておるという、こういう重要なあの地域の水源地である。だから、今回長野企業局に売り払いましたその結果としては、別荘地を開発するというのがおもなる事業の中心にあるようでありますから、したがって住民たちが反対をいたしておりますのも、水源地が汚染されるのじゃないか、あるいは生活用水等によって下流が被害を受けるのじゃないか。言うまでもなく、水は命でありますから、そういう意味で一万五千名以上の反対署名が集まったという報告も聞いておるのでありますが、猛烈な反対が巻き起こっておることを長官も御存じであろうと思うのであります。  また、やせ地であるということを盛んに強調されまするけれども、アカマツの十九年生で直径が十五センチ、樹高が十二メーターという、私たちが見るところによりますと生育がきわめて良好である、またカラマツ精英樹試験地として今日あるわけでありますから、林業経営の不適地などという主張は、これは私はこじつけた理屈ではないかというふうに思うわけであります。  また、自然環境を守るという立場に立ってこれを評価いたしますならば、樹種も多いのであります。小鳥も相当いるわけであります。私たち行きましたときも、針葉樹の中にウグイスが鳴いておる。これはめずらしい現象だというふうに聞くのであります。また、高山植物でありますスズラン等が自生しておる、こういうことを考えますと、小学校や中学校を対象とした自然休養林として活用するということも考えたらどうだろうかということを感じたのであります。  したがいまして、いまこの個所を一般に売るとするならば坪二万円以上するであろうというふうに地元の人は言っておるのでありますが、そのことは、いかにこの国有林がよい地域にあるのか、そのことは、私は、軽井沢町が別荘が民有地の大体半分だというふうに役場では言っておりますが、別荘地として乱開発が進んでおります中で、せめて三十八ヘクタールの国有林はそういう意味においても売り払うべきではない、こういうことを強く感じて、ぜひひとつこの計画は取りやめてもらいたい、こういう立場で本日質問をいたすわけでありますが、全くまだ売り払う計画というのは変更する意思がないのかどうか、重ねてお伺いしたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) この御指摘を受けました場所につきましては、私も実は日曜日に現地へ行って見てまいったのでございます。いまおっしゃいますように、ここは浅間の伏流水もわいております。下流ではこの水を利用しております。その意味では非常に重要な水源地帯でもございますので、この問題は軽視できないと思っております。こういった場所につきましては、また自然休養林としていかがという御指摘もございます。また一方、地元におきましては、反対と同時に、ぜひこれを使わしてもらいたいという意見もあるわけでございます。長野県の企業局におきましては、そういった点も含めて、ただいまこの地区をどのように利用するかということについて、できるだけ森林を残し、その中に公共的な施設をするというふうに考えているような向きも承っております。先生御指摘のように、確かにこの地区は千メーター道路のちょっと下にありますけれども、千メーター道路の上は非常に樹形のいい森林もございます。その一環をなすものでございますから、現地の実情を、また要望等よく勘案して、県の計画等もきまりますれば、それに応じてこれを開放するかしないかという最後の決断をしたいと思っておる次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 県企業局だから、いわゆる公共団体だから乱開発等の被害は出さない利用をするんだというふうに言われまするけれども、地元等の総合的な意見を判断しますと、企業局は、あの近くで開拓地を買いまして、いわゆる別荘の分譲をやったわけでありますが、その結果として二億円程度企業局はもうけた。こういうことから言いましても、企業局に対する地域住民の不信感といいますか、やり方は、公共の名をかりた営利主義に立つやり方なんだという批判も強いわけであります。したがって、いま長官が言われましたように、御代田町なり軽井沢町から、御代田町は放牧地、あるいは軽井沢町は公園、駐車場、スポーツ施設等々のいわゆる町民あるいは国民のレジャーの場として活用したいという申請を四十四年に出しておるわけですね。これを、そのときは計画がずさんであるというような理由で却下した。それから、今度は不要存置に昭和四十六年度にすることを営林署が考えて、いきさつをいろいろ調べてみると、企業局に買ってくれないかという話を持ちかけたいきさつがあるようであります。そういう点から言いましても、ぜひひとつ、こういう国有林というのを私は売るべきものではない、売る地帯ではない、こういうふうに考えるわけであります。したがって、これ、いま売り渡す場合のいわゆる山林地代ですね、幾らぐらいに見積もっておられるわけですか。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 現在のところ、まだ、そういう作業は全然いたしておりません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 それも私はおかしいと思うんですがね。相当具体的に交渉しておる過程で林野庁が幾らで売るということも検討しておらぬ、向こうまかせだというような、そういう契約のやり方というのも問題があると思うのですがね。お聞きするところによると、最初の価格というのは、いわゆる一坪当たり千五百七十円、五億九千九百九十七万二千円というのが大体売却予定価格である、しかし、その後地価も上がりましたから今日では十一億ぐらいで話を進めておるというふうに聞くわけであります。私は、こういう国有地の売り払いが、昨年は千二百億円、ことしの予算では千四百億円、なぜ昨年からことしにかけて不要存置の売却がふえたかということを裏を返して考えてみますと、いわゆる国有林財政が赤字になった、だから売り食いをして国有林特別会計のバランスを保つんだというような、そういうところから不要存置といういわゆる格づけが行なわれて売却が積極的に進められてきたんじゃないか、こういうことを思うわけであります。そういうことばどうなんですか、実際は。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) 従来のいきさつを申し上げますというと、原則的には小団地で、あるいは飛び地であると、しかも周囲が相当住宅化しておるとかというふうな場合におきましては、ここは森林経営としてこれを残すのがいいのかどうかという判断をいたします場合に、むしろ森林経営するよりはそういう公共的な施設に向けたほうがいいという場合は、これを売り払いの対象として積極的に行なってきたいきさつがございます。ただ、この土地を売却することによって赤字を補てんするかどうかということは、基本的な問題から少し離れておるんでございまして、いま申し上げましたように、この土地は林業経営上必要であるかどうか、むしろそれ以外の用途に供したほうがいいかどうかということの判断に立つものでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 しかし長官、四十六年度までは普通経営林として手を入れて経営をしてきたわけでしょう。四十六年度の後半から不要存置として売却計画を立てたわけでしょう。二年や三年のうちに不要存置として経営的にも管理的にも売り払いをしなければならぬという特別な事由というものが出てきておりますか。それらを考えますと、やはり国有林特別会計の赤字と無関係ではないんだということが私は言えるんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  時間もありませんから、これ以上内容的には質問いたしませんけれども、大臣にまあお尋ねをいたしたいんでありますが、国有林の処分の方法でありますが、一億円以上は本庁領掌、いわゆる長官決済であります。それから一億円以下は局、すなわち営林局の、長野でありますれば長野営林局の決済だというふうに取扱規程が出ておると思うんであります。私は少なくとも国民の財産でありますから、大臣の決済はなくてもよろしいという取扱規程と申しますか、会計規程というものは根本的に検討をして改めるべきではないかと思いますが、大臣いかがですか。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま中村委員の御指摘のように、現在では昭和三十四年の農林省訓令第二十一号によりまして、農林省所管国有財産取扱規則がございまするので、営林局長が処理するものとして、五ヘクタールをこえる用途廃止、一億円をこえる売り払い、これ以下のものは局長の権限になっておると思います。なお、この規模以上のもの、あるいは減額、延納等相手方に対する利益供与を伴うものについては、これを慎重に行なうために、原則として林野庁長官または農林大臣の承認にかからしめているところでございますが、ただいま御意見のように、国の財産の処理でございまするので、慎重な手続を確保する必要のあることは、私としても十分認識のできるところでございまするので、今後とも適正かつ円滑な事務処理を確保できるよう、十分に留意をしてまいりたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 さいぜん大臣に、この問題についていつ御承知になったかということをお聞きしたのは、国会で問題になって初めて大臣が知ったというそのことが私は問題だと思うんですよ。少なくとも十億以上の国有財産を、いわゆる林野庁所管の国有林を処分するというのに、大臣の知らぬところで手続が行なわれ、交渉が行なわれ、処分がされる、こういう会計上あるいは運営上の問題として、これを改めてもらわなければならないんじゃないか、これは農林省だけのただ単に問題でないと思うんであります。国の財産、いわば国民のものを処分するという観点に立ちますならば、これは慎重にひとつ、ことばだけではなく検討をいただいて、事後ひとつ御報告をいただきたいと思うわけであります。  そこで、大臣にさらに御要請を申し上げるのでありますが、一度おひまを見て現地を見ていただくならば幸いでありますが、ぜひひとつ、これは十億入るか十一億入るか知りませんけれども、農林省の予算から、林野庁の全体の予算からいえばたいした私は金額ではないと思うんであります。したがって、こういうものこそ、乱開発が進んでおります中で、あるいは今度森林法の改正を農林省は提案しておりますが、森林法の改正の一番大きな点は、乱開発を防止するために、一億以上の開発は県知事の許可を受けなければならぬということになっておるわけであります。その林野庁がみずから別荘公害で相当非難が出ております軽井沢において三十八町歩の、三十八ヘクタールの国有地を払い下げる、住民から猛烈な反対運動が起きておるというこの現実から考えましても、これは、いわゆる林野庁は行きがかり上、こっちから買ってくださいというようないきさつがあったとするならば、やめるということは言いにくい立場にあるんじゃないか、そういう感触を持つのであります。だから、これは農林大臣が決断をして中止をされる以外には押える方法がないんじゃないかと、こういう立場で最後の御質問を申し上げるわけであります。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 今回のこの長野県の軽井沢、いわゆる三石の国有地につきまして、いろいろと問題を起こしておるわけでございまするが、非常に重要なことでありまするから、森野庁長官も先ほど申し上げたように、みずから現地を見てまいっておるわけであります。私どもとしては国有地の有効な活用ということは、乱開発は防ぐがまた有効に使われるというそういう前提がありまするならば考慮いたさなければならない、これは言うまでもないことであると思うんであります。そもそもが相手が長野県の企業局であると、こういうことで使われるのではないかと、まあそういう先入感のもとにずっとまいっておることだと思います。また、私自身が経過を聞いてみても、そういう見当かと思うんでありまするが、しかし、本日種々御指摘があったことでもございまするし、また長官みずから現地を視察して慎重に考慮することを申しておるのでございまするので、私もまたそのような状況の上に慎重に考慮をしてまいりたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 最後に、林野庁長官に資料の提出を求めたいと思うんでありますが、その内容は、熊本営林局と宮崎市の老松二丁目の後藤商事所有の山林といわゆる交換をいたしておるわけであります。その交換が行なわれます過程で、第一交換対象地が宮崎営林署の八十三、八十四林班、第二の対象地が綾営林署中尾国有林、また宮崎営林署に戻りまして家一行国有林、またそれも地元の反対等がありまして、杉原の五十一林班を最後の候補地として、熊本営林局が直接調査員を派遣して調査をしたけれども、これまた地元の反対等で流れた。したがって、最後に八代営林署の管内で交換をやったと。もう一カ所やっておるわけでありますが、したがって、時間もありませんから詳しい内容は申し上げませんけれども、地元のうわさ等によると政治家が介入しておる。したがって、これは林野庁から局にそういう指示があって、局が積極的に交換候補地をさがし回ったんだと。したがってその経過は、三十九年から交換候補地の物色が始まりまして、ようやく四十五年にきまったというようないきさつがあるようであります。  したがって、資料として提出願いたいのは、交換の理由と必要性、それから評価額と交換法、それから交換に至る経過と手続、この手続の中には管理審議会が三十八年、三十九年、四十年、四十一年、四十二年、四十三年、この議事録をひとつ出していただきたいと思うわけであります。それから交換された図面契約書、移転登記抄本、最後には今後後藤商事と国有林の交換計画はあるのかないのか、以上のひとつ資料を委員長にもお願いいたしますが、提出を求めまして、農林省に対する質問を終わりたいと思います。

福田省一林野庁長官

○政府委員(福田省一君) さっそく資料をととのえまして提出いたします。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は、江崎自治大臣にお尋ねしたいと思うのでありますが、新聞によりますと、去る六日の衆議院の決算委員会で社会党の芳賀議員の質問にお答えになって、今年度の改正で住宅用地の固定資産税は五十年度から地価評価額の二分の一を課税対象とすることになったが、整備された別荘用地にはこれを適用せず、一〇〇%を課税対象にするよう、早急に作業を行ないたいということをお述べになったと、これを受けて先般の政令改正となったんじゃないかと思いますが、このような決算委員会で御答弁をなさりたということは間違いないですね。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) そのとおりでございまして、間違いございません。

中村波男日本社会党

○中村波男君 それでは、いわゆる去る十二日の閣議で固定資産税の課税標準の特例及び減額措置の対象から別荘を除外する等の改正が決定されましたが、時間がありませんから固定資産税の関係だけでけっこうでありますが、その内容と概略を御説明いただきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 先般の地方税法施行令の一部改正政令におきましては別荘地の定義についての改正でございます。これは本年地方税法が改正をされまして、ただいま御指摘のとおり住宅用地についての課税標準の特例措置がきめられたのでありますけれども、その住宅用地の具体的な内容につきましてはこれを政令に委任をしておるわけでございます。そこで、その政令委任の中の一部といたしまして別荘用地は住宅用地ではないという趣旨の規定を設けたわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 結論から言いますと、改正をされたということについては評価をいたしますが、少しおそ過ぎたきらいもあるんじゃないか。したがって今日の時点で昭和四十八年度の課税の実態等を私は私なりに数カ市町村にわたって調査をしてみたのでありますが、たいへんな混乱があるように思うのであります。  その問題点を簡単に申し上げてみますと、別荘用地として評価をすることについて、評価の原則、地目の基準並びに評価基準が実にあいまいであった。したがって、宅地課税部分がきわめて低くて、山林等の低い評価額で課税が行なわれておる。その実例についてはあとから二、三取り上げまして示して御検討いただきたいと思うのでありますが、その前にお尋ねしておきたいと思いますのは、いま簡単に局長から別荘用地の定義の改正を行なったという御説明がありましたけれども、別荘用地というものが固定資産税の課税客体である土地、その土地の種目には言うまでもなく別荘用地というものは規定がないわけですね、規定がないからいいというものは明らかに示されておらなかった。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 したがってまず私は別荘地の意義、あるいは性格等について、さらに具体的にひとつ見解をこの機会に承っておきたい。  それから、もう一つ時間がありませんから続いて御質問をいたしますが、全国にある別荘用地の面積は自治省としてどれぐらいあるというふうに見ておられるのか。そういうものを調査されたものがあるのかどうか。この機会に明らかにしていただきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 今回の政令改正で別荘用地というものの定義は、別荘の用に供される土地ということになるわけでありますけれども、その場合の別荘というのは自己または他の者が通常居住の用に供しない家屋またはその部分であって、主として保養の用に供する目的で所有するものということにいたしております。したがいまして別荘用地というのは、政令の規定からいたしますと、原則的には別荘という建物が建っている用地というのがいわば別荘用地ということになるわけでありますが、もちろんいろいろな条件から見まして別荘用地として造成をされておりますような場合には直ちに別荘の用に供しておらないということになりましても、現実的には別荘用地の認定をすることがあり得るだろうというふうに考えております。ただ固定資産税の評価の上におきましては、住宅用地というものは現に住宅が建てられておらなければ課税標準の特例の適用がないわけでありますので、空地であります場合には、すべて住宅用地以外の土地として取り扱われますので、その辺は税務の執行上は特に問題はないだろうというふうに考えております。  なお、今回別荘用地につきまして定義を置きましたのは、住宅用地について課税標準の特例措置が設けられました関係で、別荘用地は住宅用地としての扱いはしないという規定を設けたわけであります。それまでは、特に別荘用地というものについて特段の扱いをする必要はなかった関係でいままで別荘用地についての規定等は設けておらなかったわけであります。したがいまして、現在私どもが課税対象にしております土地のうちで、別荘用地がどの程度あるかということにつきましては、いままで調査したことはございません。したがいまして、その詳細等につきましては、今後別荘用地の認定という作業が行なわれましたあとで調査をする以外に方法はないというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 具体例を示して御説明を受けたほうがわかりやすいかと思いますので、二、三の例を申し上げてみたいと思うんでありますが、いわゆる昨年の五月ごろでしたか、週刊誌、新聞等でもう相当騒がれたいわゆる田中総理が軽井沢に別荘をお買いになった。その面積は五千坪だというような週刊誌等の報道があったわけでありますが、私が調べたところによりますと、面積は一万九千五百九平米、坪に直せば五千九百十三坪あるわけであります。それからもう一カ所田中角榮という名前で登記がされておる別荘があるわけでありますが、いま申し上げましたのは、軽井沢字下立子原という地域でありまして、山林二筆に宅地一筆であります。それからもう一カ所の字西平地区にありますのは山林が四筆で宅地が一筆でありまして、その面積は九千八百八十三平米、坪にいたしますと二千九百九十四坪であります。合計いたしますと、二万九千三百九十二平米、坪にいたしますと八千九百七坪であります、約九千坪。そこで宅地課税はどういうふうになっておるかといいますと、地目主義をとっているようでありまして、地目が宅地であるものについては宅地課税のようであります。したがって、下立子原の割合というのは宅地は十八%弱であります。それから大宇長倉宇西平地区の田中総理の別荘は宅地の割合というのは一五%であります。こういう実態が今度の政令改正でどのように取り扱われるのか、取り扱おうと考えておられるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。もちろん実態を見なければ言えないということになるかもわかりませんが、そうなりますと、今度は別荘とは何ものであるかというところから議論をしてみたいと思うわけであります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いまの物件について、私、ちょっとよく実態存じませんが、大体評価の基準をどういうところに置いておるのか、これにつきましては、今度この別荘地に特例を設けないということからいろいろ協議をいたしました。したがって、地目の認定にあたりましては、建物が存在する場合はその建物の敷地、そして、それを維持するに必要な土地の部分、まあ維持というか、役に立つ、その別荘の直接役に立つ部分、それを宅地とする、建物がない場合であっても、道路、それから電気、水道というような、近代生活をするに足る整備がなされておる土地については、これを宅地として評価する。また道路の整備がなされていない土地ですね、それは現場のありさまによりまして山林であるとか雑種地であるとかという地目が認定されるわけであります。しかし、そういう場合にありましても、付近の宅地との評価の均衡、近辺の宅地がどういうふうに評価されておるかというものを考慮しながら評価を行なうわけでございます。これはもう近傍の宅地との均衡を考えていかなければなりません。  ただ問題なのは、いま中村さんが御指摘なさいまするように、実はことしからこういうことで始めたもので、ございますから、確かに市町村によっては不徹底な向きがないわけでもございません。したがいまして、税は公平に負担されるべきものでありまするので、今後、いま具体的にお示しになるというと話がわかりやすいように、自治省といたしましても、大体代表的な別荘、あるいは今後開発される別荘地、そういうものに向けまして、具体的に市町村が十分調査をして、公平に課税がなされるように、これは積極的に指導をしてまいりたいというふうに、現在申し合わせをしておるような次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま大臣から御説明ありました電気、水道あるいは道路等が整備されたところは別荘として認定するんだということでありますが、問題は、田中総理の別荘といわれておるのは、一ヵ所に約六千坪あるわけでありますが、その六千坪を別荘用地と見るのか、あるいはそのどれだけかの部分は別荘用地であるが、あとの部分は山林と見るのかというところが、今後の運用上の問題になってくると思うわけです。私はいま、それは役場の地図から写してきたものでありますが、田中総理の別荘といわれておるところに例をとりますと、一番奥に宅地があるようであります。そこまでは四メーターぐらいの道路がずっとあるわけであります。したがって、別荘というのは、限られた面積としても別荘でありましょうが、やはり持てる人、またほんとうによい別荘というのは広大な面積があることが別荘としての一番価値のあることではないか。木は山にあれば木でありますが、別荘地にある木は別荘地としての機能、別荘地としての、何といいますか、風致というものをつくり上げておるものである、そういうことを定義づけることが、私は別荘用地の定義として必要ではないか、こういうふうに思うのであります。したがって、道路が整備され、水道が整備され、電気はもちろん整備されておる。そうして、その道路に面したところが山であって、一番奥が宅地課税がなされておる、こういうのについては一団地として、一構といいますか、一つのかまえとして全体をやはり別荘地として認定する考えが政令改正の根本にあるのかどうか、具体的にひとつお示しいただきたいう思うわけであります。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) ただいまの御指摘は、評価の問題とも関連してくる問題だろうと思います。特にこの別荘用地の場合に、それが非常に広大な面積を持っております場合には、一定の建て物が立っております周辺というものは、通常の宅地のように、いろいろ樹木なり芝なりというものが常時手入れをされて、通常の庭園の形態をとっております場合、こういう部分は、現在の土地登記簿の扱い方から見ましても宅地ということになっておるわけでありますけれども、その他の樹木、草木その他のものが全く手入れをされないで、自然のままに放置されておるというような場合には、これを直ちに宅地として評価し得るかどうかという点については、若干問題があるような感じがいたしております。  ただその場合に、そうした山林と見られる部分、あるいは雑種地等と見られる部分の評価に当たりましては、むしろほんとうの山の中でいわゆる林業が営まれておるような状態の山林として評価をすべきものではなくて、むしろそういう地域にあります山林の場合でありましても、すでに周辺が宅地として一般的に利用され、あるいはそういう効用が認められているというものにつきましては、そういう山林でありましても評価上は宅地に準じた評価をしていくのが適当であろうというふうに考えるわけであります。  そういう意味で地目の取り扱いと評価の取り扱い、この点が特に広い面積の別荘用地については問題があるだろうと思います。この辺は私どももこれから各市町村の実地にあたって実務を担当しております者とも十分打ち合わせをいたしまして、地目の取り扱い、評価上の取り扱いにつきまして具体的な取り扱いの基準を出していきたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 大臣は田中総理の別荘に御招待を受けて行かれるとか行かないかしりませんが、私はついでに佐藤前総理の別荘があるということを聞きましたので、回って見せていただきました。これは田中総理の面積からいえばささやかなものかもしれませんけれども、それでも二千五百五十四平米あります。坪にすれば七百七十三坪でございます。登記簿の名前は佐藤寛子さんとなっていて、佐藤総理のものではあるようでございます。そこで宅地はどれだけになっておるかというと、パーセントでいいますと二二%ですね。そこで私は中へ入ったわけじゃありませんが、周囲をずっと回らしていただきまして、よく見せていただいたんでありますが、これは宅地部分としてのいわゆる造園地である。これは山林としてほってあるというような状態ではないわけですね。実にコケがはえまして、大きなアカマツが、その他広葉樹等がはえておりまして、実にきれいなお庭であります。こういうのは一目して、これはもう全部が宅地課税にすべきである、こういうふうに思いますのと、いま局長から全体を宅地課税するには若干の問題があるというお話でありますが、やはり私はさいぜん申し上げましたように、広大な面積というものを別荘地に使っておられるわけです、現実として。そうして買われるときも山林の価格でお買いになったのではないと思うわけですね。少なくともあの地域でありますと三万なり四万なり一坪するのだということを地元の人が言っておりますが、そういう点から見ても、今度評価基準というものをどういう形でお示しになるか知りませんけれども、相当私は検討をされて、市町村に通達なり、施行令なりではっきりとお示しをいただきたいと思うわけであります。  時間もありませんからいろいろ御質問したいことありますが、もう一つ大臣に問題を提起してお考えいただかなければならぬのではないかと思うのでありますが、大臣も御存じのように、岐阜県のいわゆる東濃地方ですね、ここ名古屋の大きな会社等が別荘開発ということで、どんどん、どんどんと開発をいたしております。そこで中津川市でありますが、人口五、六万の小さな町でありまするけれども、昨年末の市の調査によりましても三十五ヘクタールぐらい宅地化が行なわれておるわけであります。全部別荘地の分譲ということで売り出されておるわけであります。その分譲面積というのは大体百坪以下であります。そうしますと免税点を十五万円に引き上げられたことについては私たちも賛成でありますが、免税点を十五万円に引き上げますと、山林の評価でありますから、御承知のように全く二百坪なり、二百五十坪ぐらいまでは税金がかからぬという実態があるわけであります。しかし道路も整備されております、水道も入っております、電気もついております。そういうのを山林としてほってあるというのは、今日までの実態なんですよ。これをどうするかということになれば、これははっきりと道路が整備され、電気がつき、水道があるものについてはやはり宅地並み課税ができるのだということを、きょうここではっきり言い切れるのかどうか、この問題をひとつ大臣からお聞きしたいわけであります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは御承知のように、地方税法が通過いたしまして、これがことしはちょっとおくれたわけですが、そこで六月の十四日の時点で別荘地は住宅地としてのいわゆる特例措置はとらない、こういうことにきめたわけです。ですから時間的に申しますると、まだほんのこの間きめたばかりでございまして、いま御指摘の場合は、さっきも税務局長が申し上げましたように、そういう特例措置がなかったから別荘というものを区別しなかった。しかし今度はやはり区別をすることになったわけでございますから、当然地方課長の会議を開いたり、あるいは総務部長の会議を開いたり、適時私ども自治省が主催をしてこういう地方税法の大幅改革がありましたあとは協議、打ち合わせ、指導をいたします。したがって今後もこの別荘地の課税等については、その適正化について、当然公平にこれは査定されなければなりませんので、十分ひとつ積極的な指導をいたしてまいりたいと思います。したがいましていま御指摘の別荘地は、今後は宅地と見られるものは当然宅地とみなして課税をするということになります。したがって十五万円いまこの免税点を引き上げましたことによって非課税になるというような今日までの矛盾は解消されるものというふうに断言できます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 大臣は実に明快な御答弁いただけたのですが、ちょっとひっかかりますのは、さいぜん局長の答弁の中には、整備された別荘用地についても認定することもあり得るだろう——歯切れ悪いですね、大臣がはっきりと宅地課税、別荘地については宅地課税するんだということでありますから、念を押す必要ないと思いますが、後退しないように、大臣、いまの言質を忘れないように、ひとつ事務局を督励して、きちっとしたものを出していただきたい、こう思うわけです。  時間もまいりましたので……。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと答えさせましょう。それはニュアンスの違いで、根本は違わぬといま言っておりますから。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 先ほど私が申し上げましたのは、別荘地につきましても、その土地のいろいろな施設の程度が違う場合がございます。特に非常に広大な別荘用地になりますというと、それを直ちに地目を全部宅地とすることが場合によってはどうもむずかしいというような事例もあるのではないかという感じがいたします。ただ、そういう場合におきましても、山林というふうな地目に認定されるようなところでありましても、評価上はそういう林業をやっております山林の場合の評価とはだいぶ異なった評価になるだろう、むしろ宅地に近い評価になるだろうということを申し上げたわけです。  ただいま御指摘になりました事例のような場合の別荘用地は、おそらく全部の土地が宅地としての扱いになるんだろうというふうに考えます。まだ現物を見ておりませんので何とも申し上げかねるわけでありますけれども、ただいまのお話の内容でございますと、宅地として扱っていくのが正しいだろうと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 今度は固定資産税の一般論の立場で二、三お聞きしておきたいと思うのでありますが、去る四月の地方税法の改正で宅地の課税が強化されまして、かなり上がることは明らかでありますが、そこで固定資産税というのは応益的な性格を持たせて課税をしておるということは、これは争えない事実だろうと思います。したがって、道路、上下水道、学校などの公共施設が整備されれば個人の土地、家も利益を受けるんだから、それに応じて税金が高くなるのは当然なんだという理論の上に組み立てられておるものではないかと思うんです。しかし、わずか三十坪や五十坪を持って生活しておる庶民大衆は、土地を売ってもうけるなどということは考えてもいませんし、売れるものでもないわけですね。したがって、土地の値上がりがいたしましても、これは住民にとっては無縁なものだと言ってもいいんじゃないかというふうに思うわけであります。しかし、税金はぐっと高くなる。ここに問題があるというふうに思うわけであります。ネコの額のような土地にマッチ箱みたいな家をようやく建てた、いわゆるネコ・マッチ族にこのような多額の固定資産税をかけるということについては、私は十分な検討をする必要があるんじゃないか。たとえて言うなら、土地を手離したときに、土地の値上がりによって相当な利益が出たというような場合には、私は、国税でやっておりますように、譲渡所得税のような形で固定資産税を相当重くかけてもやむを得ぬのではないか、そのほうが合理的ではないか、こういうふうに思うわけであります。  時間もきましたから、結論的に言いますと、社会党が次の国会に提案をいたそうとしておりますように、少なくとも百坪程度の宅地については無税にするというやはり税法改正をぜひひとつ自治省としても検討してもらいたい。自民党、民社党もそれぞれ検討して案を出しておるようでありますけれども、これはぜひひとつ実現をしてもらいたい。大臣の御所見を伺いたいわけなんですが……。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はきわめて重要でございます。そこで今度はよほどこの評価額が上がった地点、たとえば東京周辺のような地点は別でありまするが、今度は住宅地については課税標準額の半分、しかもそれを三年間で漸増していくというやり方をとっておりまするので、急激な変化は相当避け得たものというふうに原則的には考えております。しかし、いまお示しのように売るわけにいかぬ、一体そういう住宅地には高過ぎるじゃないか——同感でございますそこで選挙以来、いま百坪というお示しでございましたが、まあ二百平米、坪で言うと六十坪ですか、その程度は課税標準額の二分の一のまたその二分の一、いわゆる二五%ですか、その程度でひとついこうということで、目下着々来年度実施することで作業中でございます。これはぜひひとつ実現したいと思います。  それから念のために申し上げておきますが、別荘地に宅地並み課税をそのまま標準価格どおりやるということについて、新聞の投書欄などでは、なるほど都会地ではまだ自分の住むうちさえたい。しかし中級のサラリーマンならば、この空等の悪い公害の多い都会地には最小のうちを持っている。セカンドハウスを持つということが一つの夢になっている。その夢をこの税金でつぶすとは何事だという一方の議論もあるわけなんです。私は、いまこの時点ではまだその配慮は必要がない、むしろこれば別荘というものについては周辺の評価額を十分見ながら適正な評価をして課税すべきだという考え方でおりまするが、これは将来は、やはり週休二日間制などが現実の問題になってくる、そしてどうやらいま不足しておるうちもだんだん充足してきたと、都会地においての必要な——という段階では、これは別荘地等においても最小のセカンドハウスというようなものについてはやはり何かの考慮を払う時期もくるのではないか、これは先のことでありまするが、こういう話というのはとかく誤解を生みますので、念のためにちょっと申し上げておきたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私も軽井沢に行きまして、たとえ百坪でもこういう別荘が持てたらということを思ったんです。庶民もああいう別荘が持てるような政治をひとつ自民党もやってもらいたい。  それはそれといたしまして、もう一度繰り返して申しますが、課税標準の不均衡と申しますか、軽井沢の税務課でお聞きしてきたんでありますが、いま田中総理の別荘といわれているところでいいますと、課税標準額は宅地の場合は一万七千二百二十円ですね。それから山でありますと八十八円ですね。もう一カ所の例をとりますと、六千九百二十三円、山林は三十五円です。したがって、まあ二百倍から百九十八倍、約二百倍ですね。そういう安い山林課税で九千坪のほとんどが課税されておるという、こういうことについては、これはどうしても私は許しがたいと思うんです。  したがって、いろいろきょう明快な大臣からも御答弁ありましたし、局長からも御説明ありましたが、それらを具体的に実施に移します段階で、これを依命通達でおやりになるのか、あるいは施行令改正という形をおとりになるのか、どういうふうな方法で具体的にお示しをいただくかもあわせて聞いておいて、岐阜県の中津川市の例をあげましたけれども、こういう矛盾を、宅地に開発されたために市町村は固定資産税が入ってこない、こういう実態と、開発公害によっていろいろな負担がふえておるという実態等も時関間あれば詳しく申し上げて御検討いただきたいと思いますけれども、時間がありませんので、以上で質問を終わります。

江崎真澄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いま事務当局もこれは通達でやりたいということを私に申しております。そこでその評価基準をどうするかということはすべてこれからですから、いまお示しになりましたのは従来の評価でございます。したがって今度別荘というものに特別扱いしないということになればこの田中別荘ばかりじゃなくて別荘全体、いわゆる軽井沢なら軽井沢地域はA、B、Cいろいろありましょう、そういうことで課税標準を設定してそれに沿って課税をする、さっき局長が申しましたように、まあ千坪以下くらいですというと山林地域であっても庭みたいになる、これが大きくなれば実際ササを分けて入らなければならぬような地域もありましょう、そういうものはだれが見てもなるほどと思えるような、いわゆる公正妥当な課税標準というものを立てましてやっていきたいということで十分ひとつ指導したいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) それでは暫時休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和四十五年度決算外二件を議題とし、総括質疑を続けます。質疑のある方は順次御発言を願います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私は、きょうは、中央競馬会の問題それから二十三年に施行された競馬法の問題含めましていろいろ質疑したいと思うんですが、ただ問題は、この競馬がいわゆるギャンブルであることは間違いないわけですけれども、ギャンブルであるからそれじゃ直ちにこれを廃止すべきかどうかということになりますと、ある意味では一つの大衆娯楽化している面もなきにしもあらずであります。ですから、きょうは、ここでギャンブルであるということを前提にして、これを廃止するかしないかと、こういう議論ではなくして、私は一つの健全な娯楽として、大衆の娯楽として健全な方向に発展すべきであるということを前提にした上での議論をひとつ展開していきたいと、こう思う次第であります。まあ、私はもう当然これはギャンブルであると思いますし、いろいろ問題点があるかと思うんですけれども、きょうは時間も一時間と非常に限定されておりますものですから、ひとつ大衆娯楽として健全な方向にこの競馬を育成するにはどうしたらいいか、私なりの勉強した範囲で質疑をしてみたいと、こう思うわけであります。  まず、その第一点ですけれども、いわゆる勝馬投票券、通常、馬券と、こう言われているわけでありますが、この馬券の売り上げ金のお金の仕組みですね、控除金ないしは配当金がどうなのか、ここらあたりの仕組みをまずお教えいただけますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  簡潔に申し上げますと、売得金——勝馬投票券、いわゆる馬券の売得金の一割を国庫納付をし、的中馬券に対する払い戻しは、これは一応法律に書いてございますが、結論から申し上げますと、約七五%の払い戻しを行ない、残りの一五%で開催費その他をまかなって、そしてさらに決算上の剰余がございますとこれを国庫に納付いたすと、これを第二納付金と申しておりまして、そういう仕組みになっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 総売り上げの約七五%が配当、二五%が控除として、そしてこの二五%の一〇%が第一次の国庫納付金として国に行く。残りの一五%が中央競馬会へ行くと。この一五%の内訳ですけれども、大体平均的にどのような割合で使われますでしょうか。約七五%が配当、二五%控除して、一〇%が第一次国庫納付、あと一五%、これが中央競馬会。この内訳をもう一段お教えいただきたいと思うんです。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) こまかい点についてはさらに御質疑に従いましてお答え申し上げますが、御案内のとおり、先ほど申し上げました売得金収入を、たとえば四十七年度について申し上げますと四千九百四十六億ということになっておりますが、そのうちの返還金が、先生ただいまおっしゃいましたように約七五%、三千六百八十三億ということになっておりまして、第一納付金が一割でございますので四百九十四億六千万円、残りが開催経費でございまして五百六十二億千三百万円ということに相なっておりまして、内訳は、業務管理費が百二十六億五千五百万、競馬事業費——競馬賞金等を含んだ金額でございますが、四百十三億八千六百万円、営繕費が二十一億というようなことに相なっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 大体、いまの一五%は、私が調べたところによりますと、一五%いくわけですけれども、その一五%の内訳は、中央競馬会に九%、それに、さらに残った六%のうちの三%が同じく中央競馬会に。ですから、一二%が中央競馬会の収入になる。あとの三%が第二次国庫納付金として国にいくと。一五%のうちの一二%が中央競馬会、残りの三%が第二次国庫納付金として国にいくと、こういうことでしょうか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お話しのとおりでございまして、国庫納付金は、先ほど申し上げました第二次納付金を含めますと約一三%ということに相なっておりまして、先生のお説のとおりでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それで、この七五%、二五%、それから競馬会に一二%から一三%、こういう比率はいつごろから——あるいは、競馬法が施行されたのは二十三年ですか、そこらあたりから現在まで続いているんでしょうか、大体この比率は。いかがなものでしょうか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 施行以来のことについてはとにかくでございますが、最近の五ヵ年間を見ますと、大きな傾向といたしましては国庫納付金が若干ふえる傾向にございます、傾向だけ申し上げますと。それから競馬開催経費自体は売得金の伸び率とほぼ並行して伸びておるという、必要経費でございますが、は伸びておるというような状態で、大体、その五%弱の開催経費というような傾向を示しておる。年によって若干のフレはございますが、傾向としてはそういうことになっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 競馬会の収入の一二%はかわりありませんね。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 競馬会の開催経費についても、ほぼ同様な傾向でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そこで、いま、大体、競馬会の収入というのが約一二%。そうすると、昭和四十三年は——一応、局長さんのほうから五年間ということばがありましたので、それじゃ、私も五年間をとらしていただければ、昭和四十三年から四十七年まて、勝馬投票券の総収入——馬券の売り上げは幾らぐらいになっておるか、四十三、四十四、四十五、四十六、四十七年、ひとつお教え願えますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 売得金収入は、四十三年度は二千四百二十八億八千万円、四十四年度は三千二百二十九億三千万円、四十五年度は四千六十九億八千九百万、四十六年度が四千六百七十八億八千四百万円、四十七年度は四千九百四十六億百万円でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 非常に競馬熱が盛んでありまして、五年前と見ますともう二倍以上の売り上げがある。そうなりますと、当然、この中央競馬会に入る約一二%のこれが二倍以上になっている、こういう計算であることも間違いないわけであります。  そこで、競馬会の賞金の総額ですけれども、この総額は、四十三年から四十七年にはどのような総額が、合計でけっこうであります、四十三年から四十七年、年度別にどのぐらいずつになっていますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 四十三年から申し上げますと、四十二年は九十三億六千万円、四十四年は百四十七億六千三百万円、四十五年は百七十億八千三百万円、四十六年は百九十億九千六百万円、四十七年は二百四億七千五百万円ということに相なっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 当然この賞金総額も四十三年から四十七年になりますと、もう二・五倍ぐらいの増になっておるわけであります。  それから、もう一つ、すいません、お尋ねしますけれども、いわゆる八大競争があるわけですね。桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞、天皇賞の春秋、有馬記念と、これのひとつ、四十三年と四十七年だけでけっこうです。これはもう五ヵ年言いますとたいへんな数字になりますから、四十三年度は八大レースの一等賞金は幾らであったか、四十七年八大レースの一等賞金は幾らであったか、これをお教え願えますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  四十三年におきましてはいわゆる天皇賞が千五百万円、それが四十八年、本年ではもうすでに三千万円という数字になっております。それから総理大臣賞等が出ますいわゆる大レースとしての桜花賞は四十三年千百万円から二千百万円、さつき賞が千三百万円から二千三百万円、それからオークス、優秀牝馬競走オークスが千三百万円から二千三百万円、ダービーが千八百万円から三千三百万円、菊花賞が千五百万円から三千万円ということに相なっております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そこで大臣、私はいまの第一段で何を言いたいかといいますと、数字を述べてもらったんですけれども、要するに私は、健全な方向というのは大衆本位、要するにファン中心の競馬にしたらよかろう、これはもういま社会主義国でも競馬をやっているわけですから、冒頭に言ったように、ギャンブル即いけない、廃止だと、こういう極論を言うんではなくて、大衆の娯楽としてファン中心の健全な方向に持って行けないものだろうか。そのためには、いまあげた数字というのが馬主優遇のどうしても政策が中心になっている、こう私は言わざるを得ない、ある意味において。確かに売り上げが伸びている、中央競馬会の収入が一二%伸びている。それから、各賞金レースが四十三年から一千万円から二千百万、あるいは千五百万円から三千万円、二倍になっている。当然そうですね、総売り上げが二倍になれば中央競馬会の収入も二倍になる、賞金も二倍になる、こういうことです。しかしこれは、私は、この配当だって七五%で固定する必要があるのか、二五%の控除率の必要があるのか。あるいは馬主に三%、それを賞金にやる必要があるのか。まだ一、二あと続くんですけれども、要するに配当、控除率、さらに中央競馬会の一二%、さらに馬主の三%、こういう控除の比率が、いわゆる二三年競馬法が施行されたときから今日までずうっとある。少なくともこの五年間変わりないわけです。この控除率あたりは、もっと、これだけ売り上げがふえたんですから、売り上げがふえてくれば当然大衆ファンサービス、配当金をふやすとか、馬主だったってもういままでみたいに、このあとやりたいと思いますけれども、もういわゆる国策で馬を養成してと、こういう時代ではなくなってきたわけですから、ですから——大臣いいです、局長に対しての質問ですから。大臣にあれしなくても、まだ局長、大臣になったらひとつこうお寄りになっていただけばだいじょうぶです、安心して聞いていてくださいよ。——そういう点が、何か控除率自体、配当のパーセント自体が若干私もいまの時代に合わないんじゃないか。もっともっと、馬主優先じゃなくて、優遇じゃなくて、いわゆる大衆サービスに対して何らかの控除率を検討することを考えてしかるべきときが来たんじゃないか。それじゃないと、これからますます私は売り上げなんか伸びると思うんですよ。中央競馬会の収入がどんどんふえますよ。それから馬主の賞金額もふえますよ。もうそろそろこういう比率というものも考えるときが来ているんじゃないかと、こう思うんですが、この点はどうでしょうか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、売得金の増大に伴って各種経費の自動的な増大問題については検討を要する問題かと思いますが、一言お答えの前に申し上げさせていただきますのは、実は先生お話の配当率でございます、払い戻し率、これは法定でございまして、なっております。それから第一納付金等の国庫納付率はきまっておりますが、競馬会がその一五%程度を開催経費でまず使えて、そのあと残ったら第二納付金で納めるという関係に相なっておりますが、ただいま先生の御指摘の馬主の賞金等、これは何も機械的な比率が定まっておるわけではないし、われわれも予算の認可等をする際においても、それぞれの経費について検討を個別の経費を当たりまして行なっておるわけでございますが、開催経費が売得金の増大につれて機械的にふえているのではないかという一つのポイントのお尋ねについて申し上げますと、大きな出走関係経費、馬主賞金につきましても、これは先生御案内のとおり、その賞金の八割が馬主にきて二割が進上金と申しまして調教師とか騎手とか厩務員と申しますか、いわゆる俗称馬丁さんと呼んでおりますそういう方々の所得に相なっているという関係でございます。まあ馬主につきましては、御案内のとおり、馬の購入費とか飼養管理費とかいうような、その他の人件費等の増高を見て賞金についても考えていくのが従来のたてまえであったわけでございますし、それから本来の競馬の、競馬会自体の運営の人件費とか、あるいは非常に入場者数その他がふえてまいります等に伴う臨時的な職員の人件費というようなものにつきましては、それぞれ物価とか賞金の上昇に応じて認めていく、またふえてきたという関係にあるわけでございますので、その点について従来について機械的にはこれを認めていくという方針ではなかったことについては申し上げさしていただきたいと思うわけでございます。ただ、非常に売り上げ金がふえるので、安易にこの開催経費をふくらますというような点については今後一そう検討しなければならないと思います。  で、一つの点は、馬主賞金でございますが、これにつきましては、日本の馬主体系は十レースの一等金額等は国際的に見ても低いわけでございます。ただし、非常に下位の入賞馬まで馬主賞金をあれするとか、賞金体系が優勝劣敗の原則を必ずしも満たしておらないというような、改善合理化等もございまして、そういうもの全体を含めて賞金体系そのものの合理化を通じて経費の合理化につとめるべきであるというふうにわれわれは思っておりまして、実ば一昨年から競馬の先生御指摘のような当面する情勢を検討するために競馬懇談会を有識者にお願いして現にしておりますが、馬主賞金のあり方問題についてはいろいろな視点から議論が出ておりまして、改善合理化については進めなくてはならないと思いますし、もう一つは経費の充当方法といたしましても、ファンサービスのための競馬場施設の整備あるいは競馬場内のレクリエーション施設、あるいは混雑緩和のための環境整備とか、そういう施設について経費を充当していくというたてまえで、その経費の合理化はもちろん、同じ充当の対象についてもこの諸情勢の進展に伴った方向で進めていかなければならないというように考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 あと二点ありますから、これを質問してから、いまの馬主についての問題ひっくるめて大臣にお聞きしたいんですが、十八条、この特別登録料というのがありますね。これが聞くところによるとダービー優勝一等金額が三十万円のとき特別登録料一万をとった。ところがいま三千万ですね、それでもなおかつ一万円と。これは明らかにおかしいんで、言うならばこの特別登録料、ダービーに出るとそれに対して要するに登録料を取る、この登録料でむしろこの賞金をまかなっていく、三千万のうち一千万は、あるいは二千万は。それで配当をいまの三%の馬主賞金なんかを一%にする、こういう形でできるんじゃないでしょうか。いわゆる二十三年の競馬法が、私は中を一つずつ検討すれば非常やっぱり空文化され、現状にマッチしていないのがある。このうちの一つが明らかに十八条の特別登録料だと思うんですが、この形態、ちょっと時間ありませんからあまり詳しくなくてもいいですけれども、この形態と矛盾していると私は思うんですが、その点について。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お話のとおり、競馬法における十八条の特別登録料については一万円というような当初の規定がそのままいっておるというようなことでございまして、これは先生御指摘のような賞金の本賞金——これは付加賞金として出されておりますが、本賞金の現在の水準から見ていかにも問題があるという点であると思います。何ぶん何と申しますか、これが行政措置とか政省令でできかねる法律問題でございますので、今後の制度のあり方問題について、今日の事態に適合させるという問題の際には当然検討の素材になるというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それからもう一つ、抽せん馬制度というのがありますね、これについて簡単にお述べいただいて、これも私は現状に合わない制度じゃなかろうかと、こう思うんですが、どうでしょうか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  要点だけ申し上げますと、抽せん馬制度は、競馬会が競走馬を購入いたしましてこれを抽せんで売る、飼育管理した後に売るという制度でございますが、昭和二十年代当時、馬主とそれから競走馬の不足していた時代に、その競馬についての一つのサポートするというような点も相当加味されまして抽せん馬制度をとったわけでございます。ただ、今日ではそのような競走馬の需給関係その他から見ても、その点についての事態は解消しておりますけれども、実は中央競馬会の熟練者が市場から中庸資質の馬を購入いたしまして、それが実は競走馬の価格形成、市場取引の一つのめどになっておるという面もあるわけでございます。それともう一つは、中央競馬会の業務に競走馬の育成というような業務もございますので、抽せん馬を購入しまして、この馬について飼育管理その他の技術を確かめまして競走馬生産者に対して指導いたすというようなことについての仕事も実はあるわけでございます。問題は、従来は先生御指摘のような制度の経緯で発足しましたものですから、これについての売り払い代金その他、この点については購入その他、コストと見合う売り払い代金について、必ずしも——その点が従来の惰性できた面があったわけでございまして、これは実は四十四年から飼育管理費等も売り払い代金にアロケートしましてこれをあれするというふうにしまして、この点についての財政と申しますか、収支の面からの改善には今後一そうつとめたいというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 これは私言うまでもなく、馬主が少なかった戦後の一つの施策であって、二年間中央競馬会でいわゆる馬を飼育して、それで抽せんで原価で売る。ところが、いただいた数字、昭和四十七年では、その二年間馬を飼育して原価で売るために収入と支出の損失が一億二千九百万出ているわけですね。四十七年の損失が一億二千九百万、四十六年が四千五百万、四十五年が二億、四十四年が一億四千六百万。この数字いただいた数字だから間違いないと思いますけれども、中央競馬会がこういう飼育をするために赤字まで出して、損失をしてしかも馬主が二千人も三千人もいる、馬が四千頭も五千頭もいる、昔は馬主もいなかった、競走馬もいなかった。そのときに中央競馬会としてこれを推進する一つの方策であったわけです。それが今日もこれがあって、しかも赤字まで出して、そうして馬を二年間飼育して馬主に原価で抽せんでやるなんということは、これはあくまでも非常に現状に合っていない、私はそういう面で現状にあっていなかろう。ですから先ほど若干この飼育料なんかも多くした、こういうことですけれども明らかに損失が出ているわけです、一億から二億。そうすると、こんな制度はもう今日ほど馬主や馬がふえて、こういう制度はもう考えるな、ということは赤字にならなければまだまだですよ。ところが赤字にしてまでも何も馬主に馬を提供することはないじゃないか、こういう面から私はこの抽せん馬制度ば馬主優遇策ではないかと、こう言ったんですが、どうですか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 制度の経緯からは確かに先生御指摘の視点からの再検討を要するかと思うのでありますが、非常にことば足らずで恐縮でございましたが、この抽せん馬制度は戦前、昭和の初年からわれわれもひるがえって調べてみましたらあるようでございます。同じことばを繰り返して恐縮でございますが、今日果しておる役割の一つとしては、やはり市場取引価格の適正化、袖の下とか相対的に競走馬を生産者から売られるということではなくて、競馬会の熟練技術者が適正な価格で購入するということは実は一つのめどになっておる面もあるわけでございます。  それから競馬会自体が馬の飼育管理その他の技術というものを確立したり深めていくという点で一つの競馬会の業務の面もございます。ただ、収支の面でお話のとおりいたずらに赤字を顧みず売り払い価格を定めるというような点については適正な飼養管理費をこれにアロケートしまして、そうして御批判のないように措置すべきであるというふうにわれわれも考えて、その方向については一段と指導強化をしてまいりたいというように考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまの市場で売買されるのは競走馬中二〇%ですね、いまでは。あとの八〇%がみな委託です。ですから市場の取り引きというのはほとんど競走馬ではだんだん少なくなっておるわけです。そういう面からもこの抽せん馬制度というのは確かに市場の価格というものを平均化するという一つの目的もありますが、市場で取り引きされるのは二〇%ですから、そういう面からもほとんどがもう委託、こういうことになっているわけですから、いまおっしゃいましたように、この損失というものについては考えなければならないという発言ですから、私、この制度を全部やめなさいということを言っているわけではなくて、少なくともやるなら赤字にしないようにやらないと明らかに馬主優遇政策の何ものでもない、それから先ほど言った十八条の特別登録料にしましても一着三十万賞金のときには出走馬一万ずつとれば極端にいえば三十頭出れば三十万賞金というのは全部特別登録料で賞金が出てしまうわけですよ、一着だけでは。ところが、いまでは一万ずつとってもそんなものは何の足しにもならない、三千万ですから一頭だけで。当然これについても早くに考えなきゃなんない。私がここでどうですかなんて言われる前に考えてはいらっしゃるかと思いますけれども、大至急やっぱりこういう特別料金なんというものは手を打って、そうして馬主優遇ではなかろうかと、こう私にここで疑惑を投げかけられないように、登録料をとって、その出走馬の登録料で賞金の半分はまかなう、そうなれば、さっき言った繰り返しですけれども、馬主賞金のパーセントは少なくて済むわけですし、そういうこともあります。  そこで農林大臣、いま私三つの点をあげたわけであります。一つは、売り上げがものすごくふえておる、急ピッチで。五年比べただけでも倍になっているわけです。その売り上げがふえれば配当、控除、これもそのままの形でパーセントが並行するわけです。さっき局長は、若干経費が上がっておる、何もスライドしてやっているのではない、考慮しているのだ——それは私もそうかと思います。ただ、結果的には七五%の配当金、二五%の控除、そのうち一二%の中央競馬会、三%の馬主賞金、これは結果的には変わりないわけですよ。よろしいですね、数字は間違いないですね。ですから結果的には考慮、配慮していますけれども、そのパーセントというのは変わりないわけです。ですから、売り上げがこれだけ急速に伸びているわけでありますから、ひとつその伸びるにあたって当然この制度、パーセント、いわゆる馬主賞金ですよ、私の言いたいのは。これを考える余地があると、まあ局長さんそういう答弁をされました。念のため大臣の答弁をいただきたいわけです。スライドする必要ないというのです、これは。  そのもう一つがこの特別登録料、十八条にちゃんとあるのですから、競馬法の。ここを考えれば、この馬主に対する三%の賞金というものは当然考慮される。こういう一つの方法もある、競馬法の中に。  さらにその抽せん馬制度という、そういう赤字を出してまでも馬主に対して馬を飼育してやらなければならないのかという、ここらあたりも非常に私ファンサービスをもっとその金額で、もっとそういう金銭で——これから私まだ論議を進めていきたいと思いますよ、——ファンサービスをやる余地があるのではないか、そういう使う金銭で、こういうふうに思うのですが、農林大臣、いま局長が答弁したことですから、三つに分けなくてもけっこうですけれども、あるいは分けていただいてもけっこうですが、いままでのところ総括的に御答弁いただきます。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 第一の売得金の分け方、七五%の払い戻し、それから、一〇%の国庫納付金、一応これはこれとして、そうしますとあとの一五%がどういう配分になるかが問題でありますが、そのうち三%は第二国庫納付金にまいりますから、一二%の問題で、特にいま御批判がございましたのは業務費の九%、賞金の三%、賞金のところに問題の焦点があるように承りましたしそれとのからみあいで、特別登録料で賞金の半分をまかなうようにすれば、したがっていまの三%の賞金との関係も考慮ができるのではないか。さらに抽せん馬制度については、市場で売買というものがもう二十%ということになると、こういうものがはたして必要かどうかといういろいろ御疑問を投げかけられたわけでございまするが、私いま詳しく申し上げるだけの資料ございませんが、三月に一昨年の十一月以来お願いをしました競馬懇談会の一応の報告がまいっておるのであります。そして、その報告の中にもほぼ同趣旨の、あるいはさらに掘り下げたいろいろな点が指摘されておりまして、それを受けて農林省として、これはもうひとつ問題問題についての専門委員会で検討してもらい、早急に改善策を講じようと、こういう方針に立っておるわけでございまして、ただいま御指摘の問題点もそのような機会に、しかもおっしゃるように早く妥当なことに解決をしていきたいと、このように感じた次第であります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私も懇談会の中間報告を読みましたけれども、この抽せん馬制度とか、あるいは特別登録料というのは全然触れてないですね。冒頭に、連勝を排除をして単勝を中心にして射幸心をあおるような方法というものは考慮しなければならないのじゃなかろうかと、こういう提案が出してありますけれども、これはやっぱり私は、馬主優遇ではなかろうかと思う。こういう面の抽せん馬制度とか登録制度とかいうものについて、懇談会では中間報告が出てないものですから、私はそういうものを含めまして早急にやっぱり検討してもらわないと、競馬法というものがちょっと時期が古いのであって、その時期が古いまま今日配当とかそういう制度が生きているわけですから、ですから当然懇談会でもいろいろな報告、さらに中間じゃない報告が出てくるかと思いますけれども、ひとつ報告以前にこういう問題について抜本的にやっぱりメスを入れていただかないとうまくないのじゃなかろうかと、こう思います。  それからもう一つ、端数の切り捨て制度がありますね。それからさらに、第五条の馬券の金額のこともありますけれども、端数切り捨て制度、これについてどうでしょうか、説明いただくとともにこの問題点をお教えいただけますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  先生御案内と思いますが、端数の切り捨ては、これは競馬法十条三項で一応端数切り捨てという法文が規定されておるわけでございまして、これは他の公営競技も大体払い戻しの便利、計算の便利その他を考慮した制度だと思うわけでございます。まあその結果が実質控除率が若干七五%を割るというような計算のことにも相なっておると思います。これについては、いま申し上げましたきわめてファンサービスなりあるいは競馬会がいたずらに経費を留保するというような意味でなくて、計算事務その他御案内のような競馬の馬券購入なり払い戻しの状況でございますので、計算事務等の便利からの面も立法についていろいろわれわれの調べさせていただいた経緯からみますとあるようでございます。したがいまして、立法論的にはこれはたとえば四捨五入をしろとかその他いろいろな議論があるかと思います、それはそれで検討しなければならないわけでございますが、そういう意味で端数切り捨ての金額も売得金の増加によって相当になっておるという事態からみますと、やはり間接的にファンに還元するというような諸経費にこれを優先的に充当するというような配慮はとりあえずとるべきであるというように考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 私も競馬をあまり知らないんですけれども、要するに配当金が百円未満になった場合には、百円にするために端数切り捨てた分を充当する。ところが百円未満の配当、それで百円にした四十五年は百二十万ですか、四十六年が百十九万、四十七年が二百六十九万、ところが端数切り捨てで中央競馬会の収入になったのが、いま経費が相当増大しているとおっしゃったとおり、四十五年二十億、四十六年二十三億、四十七年二十六億、いわゆる売り上げが増すごとに中央競馬会の収入が端数の切り捨てによって相当収入がふえているわけです。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 いわゆるこれは正式な控除率の中で中央競馬会がもらう一五%、第三国庫納付金が三%で一二%、この中に入らない数字ですよね、これがもう二十六億も二十三億もになると、これはやっぱりいま局長がおっしゃったように間接的にファンサービスのほうに回さなくちゃならないだろうと、こうおっしゃいましたけれども、私もそのものずばりだと思うのです。これこそ、これからますます売り上げが多くなれば、端数切り捨てという法律はあります、中央競馬会の収入になるという法律はあります、二十三年の時点ですからね。もう売上げが五十億もなるわけですから、端数切り捨てが何十億となってきますよ。間接的にあるいは直接的にファンサービスにどんどんやっぱり充当しないと、これは極端な言い方ですけれども、これはもう中央競馬会の余禄ですよ、この金は。法的には端数切り捨てけっこう、収入にするとこうなっている。ですけれども、これは二十三年の時点ですから、先ほどから何回も言いますように、これだけ売り上げが伸びているのだから、端数切り捨てというものはむしろ根本的にこれは検討しなければならないものだろう、法的に、法律論そのもの。端数切り捨てというものはすべてこれであっていいのか。全部中央競馬会の収入にしていいのか。これを問題にすべきだ。それでしかるのち妥当な線が出たら、もしこれでよかろうと出たら、これは全面的にファンサービスに回さなければならない。しかもいま言ったように、片一方の百円未満の配当を百円にアップするというのはほんのわずかです。私はもうこれは全部充当されているのかと思ったのですが、まあこういうふうな法律を根本的に考えるほうがまず優先ではなかろうか、こう思うのですが、その点どうでしょう。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 先ほども大臣が申し上げましたように、競馬をめぐる諸問題について、基本的事項については、ただいま競馬懇談会で議論していただいております。もうすでにそういう議論を待たずに目につく問題もあるじゃないかということでございますが、これらは、先ほども申し上げましたように、先生にわざわざ申し上げるまでもなく立法事項でございますので、制度全体の検討の一環としては、これはいかにも時代おくれだとか、あるいはファンサービスに不適格だ、不十分だというような点については、当然取り上げて検討をし、適切な結論を出さなければいけないというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまの、十条二項ですね。すいません、逆になります。今度は五条ですがね、五条は、私が言うまでもなく十円券も発売できる、それから十円券を十枚つづって百円以上の券を発売できると、こうなっているわけですが、現実はやっぱり、場外馬券のことですけれども二百円、しかも二百円券も売らないで五百円券にしている、こういうことですわね。ですから、この第五条の一項、十円券も発売できる。これはもう完全に空文ですね。第五条の第一項、十円券も発売できる。これはもういまだかつて売られたことがない。完全にこれは空文。まあそのあとの、十円券を十枚以上合わせて売ることもできると。これをいまやっているわけです。ところが、これが場外馬券場では二百円、しかも二百円もだめで五百円と、こうなっているわけですよ。ですから、私は、十円券の発売できるというのはこれはもう完全に空文。その次の項目も、場外馬券あたりは五百円と、こうなりますと、明らかにこれは大衆の娯楽、ファンサービス、これはまだそのあと場外馬券の制度も問題なんですけれども、ファンサービスじゃなくて、もう明らかに法的なものの中に一つは空文化されている。それから、百円以上売ることができる。それが二百円になり五百円になっちゃっている。ますますこれはもう射幸心を、ギャンブル的要素を増すばかりであって、これは非常にやっぱり、こういう傾向がもし将来続くならば非常にうまくないことである、こう思うのです。確かに法律では百円以上売ることができる、二百円も五百円もいいんだと。これはいいんですよ。だけれども、片っ方の十円券は空文化されているんです。それと相あわせて考えますと、二百円が五百円になり、この次もしかすると千円になるのじゃないですか、可能性としては。高スライド。これは非常にやっぱり、ただ単なる娯楽、健全という、私が冒頭に言った意味じゃなくて、射幸心をあおっていく、ギャンブル的要素をあおっていくだけの方向にいっているし、いかざるを得ないと、こう思うのですが、この第五条あたりもどうでしょうか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  先生御指摘の第五条におきましては、券面金額十円の勝ち馬投票券を券面金額で発売することができるということでございますが、二項に「前項の勝馬投票券十枚分以上を一枚をもって代表する」云々と、こうございます、これはまあ恐縮でございますが。われわれといたしましてはその十円の問題は計算の基礎というふうに読めるのではないかというふうに従来も解釈しておりまして、先生も十分御案内のように百円券ですね、もう当初から百円券であったというような点もございます。問題はむしろ二百円券等を場外で発売制限をしておると。その問題については、大衆参加の問題について問題があるじゃないか、あるいは射幸心をあおるんじゃないかというお話でございますが、これについては先ほど先生ちょっと御質問中に別途触れるとおっしゃいました場外の混雑問題があります。  これは競馬の愛好者の増大に伴って一番大きなわれわれがいま頭を痛めている問題でございます。競馬場内外、それからいわゆる場外の周辺の混雑問題、この問題については諸般の考え方を今後進めていかなければならないわけでございますが、その場合に、滞留人員をできるだけ少なくするということで、やはり発売する券面金額を制限するというような方法をとった、ためにこの点か御指摘を受けた点でございます。で、これについては場外制度についての、場外の公害問題についての今後諸般の施策を講じて、混雑緩和問題についてのある程度めどを早急につけ、それによって二百円券も場外等において復活させるべきだというふうに考えておりますし、実は射幸心問題については、多少われわれの中でも議論がございました。一つは五百円というのは射幸心をあおるかというようなことで実体どうだろうということで、関係フアン等にもわれわれ多少聞いたんですが、やっぱり分散するよりも集中のほうが買い方に抑制があるというようなことで、現にそのために売り上げがふえてはおらないと、五百円券というものが。実はこれも一部の例でございますけれどもございまして、この点については先生が射幸心についての非常な御懸念をなさいましたけれども、それについてはわれわれ一がいには断定できないんではないかというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それで場外馬券が出ましたので、それじゃ場外馬券のほうもあわせてあれですけれども、場外馬券場は都内八カ所あるわけですね。私ものぞいて見ましたが、確かに混雑著しくて、もう交通妨害。  だから問題は、失礼ですけれども、予想屋さんの動き、ファンが群がる、地元の警察にも行きました渋谷警察。どうするんですかといったら、困った問題ですと。ただ道交法、確かに違法ではあるけれども、もうファンが取り巻いているんで、あれを規制したら今度はこちらも袋だたきになる、だから痛しかゆしですよ。根本的にはやっぱり担当の省で、競馬会のほうで、問題というものを抜本的考慮をしてもらって、場外馬券場を設定してもらわないと、私たちはもうああいうところに場外馬券場をつくられて、警察が何とか混雑を緩和しろったって無理だと。これはもう私も警察に聞かないまでもそういう憶測をしておりました。もう場外馬券場というものは、混雑はなはだいしわけであります。ですからここらあたり、場外馬券場のあり方、これはもう当然考えなければならないと思うんですよ。その点あたり、将来どうすればいいかという考えを持っているか、ひとつお述べいただけますか。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) 先ほどのお答え中で申し上げましたが、今日の諸般の競馬の問題は、先生、だんだんに御指摘の面でいろいろございますが、特に場外問題、これはいわゆる競馬公害論が出てまいります一つの大きなあれになっております。したがって、これについてはできることは早急にとっていくという姿勢でおりますが、現在の既存の場外売り場につきましては、機械売りにする。手売りを機械売りにするとか、あるいは先ほど先生が一面では問題だとおっしゃいましたが、券面金額を制限するとか、あるいは発売方法を考えるとか、払い戻しを同時にやらぬと、同日にやらぬとかいうことで、とにかく滞留関係について円滑化するというような施策を、取り得る施策をまずとっておるというのが現状でございます。  それからまた既存施設の改修、これについては最大限の努力をしておりまして、まあ別の面からいろいろ御指摘があろうかと思いますけれども、たとえば東京、先生八カ所とおっしゃいましたが、後楽園ですね、場外売り場の改装。それからこの秋は浅草の場外売り場について改修して、その点についてこの問題に対処するというような方向でやっておりますが、その他の地域その他におきましては、やはり用地の関係とか、住民の方々の感情とか、そういう点で心ずしも容易じゃないという問題があるわけです。したがいまして、これにつきましては、適切な郊外的な方向へ、場所に用地を選択するとかいうような方式とか、その他を従来以上の努力をもって方向を進めなくちゃならないと思いますが、特にやはり従来方式だけでこだわってはならないというような考えも実はたびたび競馬懇談会等においても出てまいりまして、諸外国におきましてたとえばフランス等におけるたばこ屋委託販売方式とか、あるいは豪州、ニュージランドではTABというような委託機関がございまして、非常に個所数が多い、快適な状況で場外が買えるというような方法、さらには豪州等で行なっております電話投票みたいなものについてこれを検討したらどうかというようにいたしまして、この問題は最大のわれわれの課題となっておりますので、早急にそういうある意味でいえば相当抜本的な施策についても手をつけていかなくちゃならないというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 これはもう私、都内でどこかといったら渋谷が一番だと思うんです、渋谷。それで住宅公団、御存じのように借金して、中央競馬会が建てたわけですね。その住宅公団がお金を貸すに当たって、中央競馬会に対する申し入れ、いわゆる従来の開放型から閉鎖型にしろ、近所に迷惑をかけるな、雑音、騒音等を極力制限しろ、付近の住居環境の秩序を絶対的に保て。ところが、この申し入れというものは、もう完全にただ申し入れたということであって、中央競馬会も守ると返事したのかしないのか、いただいたということだけであって、完全に周辺住民に対しては雑踏の迷惑、騒音の迷惑、また地元の警察も取り締まりにさえも出動もしない、できないわけです。こういうものをあそこに建てた、つくった、これ自体、もうほんとうに検討されない。確かに失礼ですけれども、ことばは検討しているのだ、やっているのだ、懇談会の答申云云とおっしゃっていますけれども、ひとつやっぱり選択にするでも、あの渋谷につくることはどういう影響を与えるかなんていうのは、これは目に見えてわかるわけですよ。幾らこんな開放的じゃなくて閉鎖的にしろ、屋内に全部ファンも収容しろったって無理なわけです。それじゃ、予想屋を何とか規制しろったって、規制できるものでもないし、いまの場外馬券は、競馬がある限り、予想屋というものに対しては、まず法的にはそんな道交法以外に規制のできる性質のものじゃない。  ですから、そういう場外馬券場を、結果がわかりながらみすみす選定したということにそもそも誤りがあるんであって、ですから、先ほどから懇談会云々とおっしゃっていますけれども、私はここできょう取り上げた問題、別に懇談会で抜本的にこうすべきだと指摘している点もそんなにない、中間ですから、まだ。しかも、懇談会云々を待たずして、幾らも皆さん方がもう変えなきゃなんない、改めなきゃなんないというのが一ぱいあるわけです。そういう面がはたして、懇談会を、極端に言えば隠れみのにしている。懇談会、懇談会と言っている可能性もなきにしもあらずと、私は言わざるを得ない。ですから、懇談会がなくったって、気づいている点、変えなきゃなんない点があるとおっしゃっている点もありますからね。ですから、私は、懇談会は懇談会でいいと思いますよ。同時に、すぐ変えられる点があるのです。あるいは場外のこういう問題なんか、もう一番の、競馬ギャンブル、反競馬の感情を券き起こす一番のこの根源。そこで私は、健全な方向にと言ったってこれは無理なわけです、こういう状態は。しかも、明らかに結果を待たずしてこういう結果が出るというような所に、場外馬券をつくるというようなこと自体がおかしいことであって、ですから、それじゃどれだけ意を払っているかとなると、意を払っていると言いながら、もう意を払っている面が非常に少ない、こういうことを私は指摘せざるを得ないのです。  まあそういう点、ひとついま大臣、私先ほど言った第五条、第十条の二項、それからいまの場外馬券の問題こういうことを言いました。要するに、懇談会の答申なんか待たずして、幾らも気づいてできる点があるわけです。しかも、気づいていると言いながら、気づいているのだか何だかわからないようなものを、場外馬券場として選定している面もあるのです。確かに、これから諸外国の制度を取り入れる、たばこ屋で売る方式もある、機械販売もある、だから抜本的に検討したい——そのおことばはこれは了としますけれども、私は前向きのこと、これから将来のこと、これに対しては、もう大臣からここで確固たる答弁いただければ、それに進むこと間違いないと思うのです。ところが、現状が非常に前向きじゃなかったわけです。現状が、一つ一ついろんな不備があったわけです。こういうものに対して、やっぱりきちっとした改善策をとってからじゃないと前向きに前進できないと、こう思うのですけれども、どうでしょうか。いま言った第五条、第十条の二項、さらにこの場外馬券のあり方について、大臣のお考えを。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 私は、きょうこの決算委員会で競馬関係の問題をお取り上げ願って、御論議をちょうだいして、非常にありがたく思っております。それというのは、最初に黒柳委員もお触れのように、私どもが競馬問題に前向きに取り組む上におきまして、一方において、ギャンブル助成というようなことについて非常にちゅうちょせざるを得ない気持ちがある、そういうことがきょう御指摘の点で、私どもも早急に改善しなければならぬと思いつつも、とかくそのテンポがおそいという点があるわけでございます。私も就任いたしまして一度も競馬も見ておらない、そういうことじゃ監督の衝に立てないというので、ダービーを見に行ってみたり、あるいは後楽園の場外馬券売り場を見たりいたしまして、きょういろいろ承るのに、非常にそういう視察をしておいてよかったと、こう思っておるわけでございまするが、特に場外馬券の売り場について、渋谷については御批判がある。私は、後楽園について、もちろんいろいろな角度から御検討願えば、問題はないとは申しませんけれども、あの状況というものは、一応、いまの競馬ファンの非常に増加しておる折りから私は御理解いただけるのじゃないか。また、引き続き浅草におきましても新しい計画を持っておりまするから、逐次この場外馬券売り場を時代に即応するように改善をしていく必要があるのではないかと、このように見ておるわけでございます。  したがって、先ほど競馬懇談会の報告もあり、専門委員会で検討ということを申し上げておりまするが、きょう御指摘の諸点につきまして、一方においていろいろ問題を起こしておるという事実をも頭に置いて、でき得る限り早急に対策を立てるよう、中央競馬会等を指導してまいりたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 誤解がないために、私、二つ大臣のことばの中で気になるのは、私は別に、大臣、ありがたいと言って、私は競馬はギャンブルだと思っています。これはいいとは思っていません。ですから、いいと思ってないといっても、いまここでそれじゃどう手を打つのかといっても非常にむずかしいから、当座の問題としてはやっぱり健全な方向にと、こういう私考えなんです。ですから、大臣おっしゃったギャンブルに対していろいろな助成、これに対していろいろなちゅうちょをしている、私もそのとおりです。その一環として、やっぱりこの中央競馬会が売り上げのままにスライドされてばく大な収入を得るということ、それが馬主に相当の恩恵を与えるということ、まずこの点から改めなければならない、こういうことなんです。  もう一点、渋谷だけじゃないのです、場外馬券は。あと錦糸町にしたって、新宿にしたって、銀座にしたって、みんな大混雑なんです。それを渋谷という形容詞で代弁、かわっただけなんです。全部やっぱり同じです。ですから、場外馬券をやっぱり郊外に持っていけばいいのですよ。まだまだ三多摩方面に持っていけば、もし百歩を譲ったとして、黒柳は三多摩に場外馬券をつくれと言ったなんということじゃ迷惑ですけれども、まだ郊外に持っていけば、幾らもまだ雑踏、混雑——それを環境的に将来とも何か確保するのですよ。それをやれば、まだあいているのです。それを銀座だ、浅草だ、新宿だと、確かに人が寄るからいいというだけじゃだめだと思うのです。この場外馬券のあり方、局長さんあたり一言答弁して、大臣に総まとめで答弁してもらって——もうあと三分、二分三十秒しかありませんからね。  それからもう一つは、やはりいま言った総括的な中央競馬会の収入、なかんずくそれから馬主にストレートに流れるスライド制、パーセント、控除、これに対してやはりきびしくやりませんと、どうしてもこの理事、監事のうちの、十二人のうちの六人がいま話題になっている天下り、こういうわけです、農林省からの。どうしてもやっぱりこれは圧力がかかるのではなかろうか、かかっている、こう見ざるを得ないようなこの収入増。とともに、中央競馬会の圧倒的な収入増、しかも余禄みたいの端数切り捨てが何十億とある、こういうこと、それが馬主の優遇策に続いていると、私はこういうふうな疑惑を持っているわけであります。ひとつ大臣——いま局長、その場外馬券の郊外移転論。それから大臣、中央競馬会がスライド的にどんどん収入を増加するということは、この天下りとあわせて非常にやっぱりファンサービスが欠けている面、さらにそれを、ファンのこの疑惑を、あるいは競馬に対する反対の感情を増すのじゃないか、こういう心配があります。その一点で、済みません、終わります。答弁だけ時間が延びますけれども、済みません。

大河原太一郎農林省畜産局長

○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、場外混雑問題は全く認識を同じにしておりますが、その方法として先ほどの繰り返しになりますが、現状でも改修できるところは改修するということでいっておるわけでございますが、これには限度がある、明らかに。したがいまして、郊外等の適地を求めてこれを場外売り場を移転させるという点については、一つの基本的な方向であると思うわけでございまして、具体的な用地の選定その他については相当な時日も要すかと思いますけれども、これについては検討をさしていただきたい、こういうふうに考えております。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま特に御指摘のございました売り上げ増に伴う馬主優遇と申しましょうか、ストレートに賞金が増大しておるという点はこれは諸外国の例も勘案しながら十分検討さしていただきたいと思います。  それから先ほどから端数切り捨て金の問題をお取り上げになっております。これについては昭和四十年度より地元協力費、さらに昭和四十七年度よりは環境整備費などを新設いたしまして、これらのものがファンのために多少でも役立つような、そういうくふうをしてまいったことは数字の上にも出ておるのでございまするが、何というか、もうおっしゃるとおり端数切り捨てでそういう余得のようなものが出ておるものが、これが単に中央競馬会の収入増加になるということよりも、これをほんとうにファンのために使っていくという、その御主張については私も十分理解のできるところでございまして、そのように指導してまいりたいと思います。     —————————————

小谷守日本社会党

○理事(小谷守君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま河口陽一君、佐田一郎君、佐藤一郎君及び小林国司君が委員を辞任され、その補欠として山内一郎君、黒住忠行君、斎藤十朗君及び嶋崎均君がそれぞれ選任されました。     —————————————

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 三点ばかりお伺いをしたいと思います。  最初にお伺いしたいのは、憲法の八十九条、これは御承知だと思いますけれども、後段のところを読んでみますと、これは公のお金を使う場合の制限ということが書いてあるわけですけれども、後段のところで、「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に難し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」、これと私学助成の関係について、これは憲法の条文も文字どおり読んでまいりますと、私学については補助金を出せない、そういう読み方もできますし、現在私学法五十九条だと思いますけれども、補助金が出せるという規定は実は憲法とはそぐわないという意見もあるようでございます。これはしばらく前に国会でも議論された点なんですけれども、お伺いする中心は、この種のものについてどのような監督あるいは会計検査をしたらいいのかということでお伺いしてまいりたいと思うんですけれども、まず差しあたってこの公の支配に属さないということを政府としてはどのように整理してお考えになっていますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは文部政務次官もおられますから御答弁いただいたほうがいいかと思いますが、政府の見解としてはかねかねの変わらざる見解でありますけれども、私立学校については、私立学校を設置する学校法人というのは私立学校法、学校教育法といったようなものに基づいて設立されているわけですし、それに基づいて監督の対象になっております関係もあって、憲法八十九条のいわゆる公の支配に属するものと、かように理解をいたしております。したがって、憲法八十九条で公金その他の公の財産は公の支配に属しない教育の事業に対し、これを支出したり利用に供してはならないと規定されてありますけれども、ただいま申しましたような見解に基づいて、私立学校に援助をするということは憲法に違反するものではないと、かように解しておる次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いまお答えのように解釈をしたいと、現実の要請としてある私学助成ができなくなるわけですから、これは法律の字ずらだけ追ってどの程度の法域がある議論かということはもともとある問題だと思います。ただ、いまのように公の支配に属するということをどういう意味合いで考えたらいいのか。これは私は不勉強なんですけれども、調べてみましたらもともとマッカーサー草案の中に入っておりまして、最初は国の支配ともともと第二次草案がなっておりました。この支配というのも横文字はコントロールということばを使っているんだそうです。したがって、国が管理する以外のものとはたいへん強い表現で、これはあまり議論もされないまま憲法改正草案の中に入ってきたといういきさつもあったようです。これが途中で国の管理が、英文のほうはコントロールはいまでも変わっておりませんけれども、翻訳語とすると支配に一応変わりまして、公ということで単に国だけではなくて地方公共団体も含むというようなことできたと承知をしております。ただ、いまお話のようにいろいろな監督なしているので、したがって、公の支配に属するんだということになりますと、どの程度の監督が必要になるんでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 基本的な点は大蔵大臣からお答えのとおりでございますが、御承知のとおり、学校の設置につきましては設置基準というものがございまして、施設設備につきまして一定の要件を満たさなければ学校として認められないわけでございますし、また教職員の資格につきましてもそれぞれ該当の法律がございまして詳細な規制が行なわれておるわけでございます。そうした一般的な規制のほかに設置につきましては個別に文部大臣あるいは都道府県知事の認可を要するわけでございますし、また学校法人という法人の設立につきましても文部大臣あるいは都道府県知事の認可が必要である、またその私学が法令に違反するような状態になりますると学校につきましては閉鎖命令ということも行なわれるわけでございますし、法人につきましては解散命令といったようなことも行なわれるわけでございます。つまり法規の面におきまして一般的な規制がかけられておりまして、さらに加えて個別的に認可あるいは閉鎖、あるいは解散といったような個別的な関与、つまり公の支配があるわけでございます。私学法五十九条は私学に対する助成が憲法に適合しているという前提でできておるわけでございますが、その際の憲法解釈といたしましては、ただいま申し上げましたような一般的、個別的な公の規制ということで憲法八十九条にいう公の支配の内容が満たされておる、こういう考え方に立っておるわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 一般的な法の規制を受け、さらにその業態業種に応じて個別の法の規制を受け、違反した場合、法に触れた場合にはしかるべくまた処置の対象になるということが公の支配だとしますと、一般の株式法社を含めて公の支配に属していないものというのは極端にいうと存在しなくなるわけです。それをさらに一歩突っ込んだものが何かないと、ここでいう公の支配にならない。というのは、いかなる私的な法人を見ましても、係争があれば当然裁判所のお世話になるわけです。設置については認可基準を持って認可をされる場合もあります。目的を達成しない場合にはしかるべくまた行政官庁を含めた法律政令の監督対象になる。ということは何も私学だけじゃなくてそれ以外のものというのは日本では存在しないわけです。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 それをあえて公の支配に属する教育、あるいは属しない教育ということになると、さらにもう一つ突っ込んだ内容が要請されるんではないでしょうか。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) その辺が問題の点かと思いますが、ただいま株式会社のお話がございまして、私も株式会社のことを詳細は承知をいたしておりませんけれども、学校教育につきましては、御承知のとおり、非常に詳細な法令の規定もございまして、一般の民間の各種の企業は、おそらくこれほどの詳細な規制は受けていないわけでございまして、そういう点、規制の程度がはるかに、私は、学校法人のほうが詳密であるということは、これは申せるかと思います。また、その指導、監督の面につきましても、私学につきましては、私学の自主性を尊重するというたてまえから、なるべく役所が個別的な関与は差し控えるという原則が一方にはございますけれども、しかし、設置の際、廃止の際だけではなくて、その存続の間におきまして、所轄庁から法的な規制という点では若干問題はあるかもしれませんけれども、非常に具体的な指導もいたしておるわけでございます。ほかの行政分野におきましても、これほど行き届いた各種の指導、助言が行なわれている分野はおそらくないであろうと、私考えます。そうしたことで、一般の業態に比べまして、私学はかなり詳密な規制を受けておるということは言えるかと思うのでございます。おおよそ法の規制を受けていないものはないということはおっしゃるとおりかと思いますが、その程度が私学の場合ははるかに詳密である。そして、その程度が憲法にいう支配の要件を満たしておるというのが私どもの考え方でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 もう少しいまのお答えをかりに具体的に読みかえますと、一定の監督権限ということで、これはたしか私学法だと思いますけれども、業務、会計に関して報告を出せ、それから予算変更の勧告をする、また役員解職の勧告もする。そこまで立ち入ってやる。これが、実は公の支配の中に私学というものを入れていく政府の作業であり、憲法との見合いにおける整備なんだ、そういったことをおそらくおっしゃりたかったんだろうと思います。その意味で、補助金を出している自主的な民間団体というものと、相当色合いが違う。補助金を出すことがいいかどうかじゃなくて、いわば受ける受けざらである私学経営全体について国が監督し、公で支配しているわけですから、お金の使い道についても調べていく。少なくともそういう立場に私学というのはある。したがって、ことばをかえて言いますと、なるほど学問の自由という観点から言って、私学というものは確かに自主的なものがあるとしても、法の面では非常に公団と似てくると思いますけれども、いかがでしょう。

安嶋彌文部省管理局長

○政府委員(安嶋彌君) 私学法の五十九条に、各種の監督規定が設けられているわけでございますが、特に八項以下につきましては、先般経常費の補助が始められました際に付加された監督規定でございますが、憲法の解釈からいたしますと、先ほど申し上げましたようなことで、現行の教育法全体が持っておりまする規制でもって、憲法にいう公の支配という要件は満たされているという前提に立ちまして、しかし、それだけで私学に対して助成をするということが、はたして適当かどうかという問題が、次に実際上の問題として出てまいりますので、助成に関連をいたしまして、私学法の五十九条四項、あるいは八項、九項、十項というような個別的な関与をさらに強化する。具体的に申しますと、報告を徴することができる、あるいは予算の変更を勧告するとか、あるいは役員の解職を勧告するとかといったような内容でございますとか、あるいは経常費の補助を受けております学校法人につきましては、質問検査権を所轄庁に認めるとか、あるいは学科の新増設、定員増の計画等の変更または中止を勧告するとか、あるいは勧告ではなく、さらに強い変更命令といたしまして、設備、授業の変更を命ずるとか、こういった関係の規定を加重しているわけでございますが、しかし、これは助成に関連する監督の諸措置でございまして、これは憲法八十九条の理論的な面から直ちに出てくるということでは必ずしもなくて、私学の自主性を一般的には尊重をするという前提に立ちながら、現実に助成を受けた学校法人、私学は、さらに個別のこうした規制を助成に関連して受ける、こういう制度になっているかと理解しています。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 何も無理に憲法との関係でそうなっているのじゃなくて、助成の関係でと言わなくても、公の支配ということだから当然立ち入って、そこまで監督権限を強化すべきなんだということでよろしいんでしょう。ただ、いわゆる民間団体に対する助成と色が違うんだ、違うのは、こむずかしい理屈を言えば、憲法からも話が出てくるんだ。したがって、助成を受ける私学というのは、経営全般について監督を受ける立場にあるんだということがまず確認できればいいのです。その点間違いないでしょう。  そこで会計検査院に伺いたいのですが、そういった場合にどういう検査をするのか。憲法八十九条から入ったからこう思うのかもしれませんけれども、検査院法の中で必要的検査事項、任意的検査事項とある。伺いますと、私学の場合には任意的検査事項に入っております。これが検査の水準でどう違うのかという話は、実際にはあまりそうは違わないんだということがあるのかもしれませんけれども、この私学に対しては、単に補助金を出しているからということだけではなくて、公金の使用に対して、ほんとは政府見解とは違って、諸家の説を見ますと、この八十九条そのものは相当きびしい案文のようです。それも含めて、私学経営全般について、会計検査院としますと、国立校、官公立校に準じて検査をするんだ、しかも、それは必要的検査事項なんだと私は見るべきじゃないか、きょうこれから出るであろう委員会の勧告文の中でも、私学の中でどうだこうだということを書いておりますし、そんなことも補助金との関係ではなくて、私学というものは国が当然全面的に監督をする。したがって、会計検査院としても必要的な検査事項として見るというふうにすべきではないかと思うのですが、この点はいかがですか。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) いま先生のお尋ねの点は、私どもが検査を実際に執行しているよりどころとしての会計検査院法の現行のたてまえですね。この上から申しますと、必ずしも私学全般の経営について検査院が見るべきだというたてまえには現在なっておりませんので、今後の検討事項であると思いますけれども、現在の私どもの検査のよりどころといたしましては、まさしく会計検査院法二十三条の、要するに任意的検査事項ということで、必要を認めた場合に検査院が検査をする、こういうたてまえになっている対象の一つであります。それでその中の補助金については、補助金を交付しているものの会計を検査すると、こういうことで、私学に対しましては、御案内の経常費補助金が四十五年度から交付されております。そこで、その検査をその都度私学を検査指定いたしまして、私どもが検査をいたしておるわけでございますけれども、その段階でこの経常費補助金の交付の条件といいますか、どういう大学にどの程度交付するかということを財団で算定いたします場合の基準として、その中に私学の財政状況、経営状況、そういうものが入っております。そういうものも勘案しながら交付額を決定していく、あるいは交付をやめるとか交付するとかという問題もありますけれども、交付額の算定をしていくということでございますので、私どもの検査も当然のこととしてその私学の全般の経理というものを踏んまえて、その上で交付された補助金が所期の目的どおり効率的に使われているかどうかということを検査していかなければなりませんので、そういう意味では全般的な経理の検査に及んでいるということが言えるかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 公の支配で、これが政府見解かどうかわかりませんけれども、昭和二十四年の二月にこういうものがあります。憲法八十九条にいう公の支配に属しない事業とは、国または地方公共団体の機関がこれに対して決定的な支配力を持たない事業を意味するものである。裏返していくと、公の支配に属するというのは、国または地方公共団体が決定的な支配力を持つ。これはやっぱり条項から見るとそういう解釈になるんだろうと思うんです。そうなりますと、その補助金の使い方だけではおそらく検査対象はないんだと、ところがこの昭和四十五年度決算検査報告書に関する説明書の中で私学振興財団のを見ますと、非常に短い文章ですけれども一番最後に書いてあるのは、「補助金算定の適正を期する所存である。」、やっぱりズレがあるんです。  なるほど補助金というのは貴重な税金を使っていくわけですから、何をさておいてもというのはわかりますけれども、八十九条というのは何もそれがあるからじゃなくて、考えてみると、私学と官公立の間の関係というのは、日本はきわめて不健全になりまして、機会均等という名のもとに、とにかく私学も引っくるめて数さえふやしゃいいということでやってきたわけですね。それが私学にとって幸福なことであったのかということは一ぺん慎重に考えるべきだし、ほんとうはそこまで支配力をということになったら私学の買い取りということも考えていくのが本筋かもしれない。何となくそれはいいからかげんにやってきちゃったんですけれども、会計検査院ということになると内閣とは別個の立場になるし、あくまでも憲法を力にしながらという作業になると思うんです。したがって今後の検討課題でけっこうなんですけれども、私学についてやっぱり中に入った検査というものをもっと強化すべきじゃないか。その結果、日本私学振興財団が言っていることが「補助金算定額の適正を期する所存である。」、計算だけは間違いなくするというんじゃ、いま私学がかかえているいろんな問題から見てほんとうにいいんだろうかと思いますので、今後の課題ですけれども、ひとつ会計検査院なりに御検討いただきたいし、公の支配のもとにその教育をしていくんだとすると、なおかついろんなきなくさい議論はありますけれども、まず実効をあげる点から言うと相当徹底して入るべきではないか。もし御見解があれば伺って、この質問終わりにします。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 重ねて申し上げるようではなはだ恐縮でございますけれども、現在会計検査院法によって私どもが与えられている検査の権限は、やはり補助金を中心にいたしましたその経理ということでございまして、その過程において、最前も申し上げましたように、私学の全般の財政なり経理というものも見ておるということになります。その段階で、それらについてまあおかしな点があるとか是正すべき点があるとかいうことでありますれば、私どもの検査の副次的な効果と申しますとおかしいですけれども、そういう意味で私学がその点をお直しいただくということもあろうかと思いますけれども、あくまでもそれは現行のわれわれの権限においては副次的な効果ということにとどまります。必ずしも先生おっしゃっているような線ではございません。これは検査院法上の権限でそういう範囲内で私ども検査をいたしているのが現状でございますので、なお先生の御意見については検討さしていただきたい、このように思います。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 速記起こして。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 お答えですから一つだけあらためて伺いますけれども、会計検査院というのは政府と、少なくとも内閣とは独立しているわけです。先ほど大臣には政府見解は伺った。会計検査院として、憲法八十九条に従ってこの補助金支出が合憲である、適正であるということをいかなる根拠でおきめになりましたか。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) その点は先ほども文部当局のほうから御説明がありましたように、私立学校法の法律の規定、それから私学の財団に関する規定等によりまして、政府が財団を通して補助金を交付をすると、こういう仕組みになっているわけでございますけれども、まあその点はいろいろと論議があったということも私承知しておりますが、一応現在そういうことで憲法上と法律どの結びつきができているというようなことで、私どものほうではそれを基盤にいたしまして会計検査院法上の権限に基づく検査をいたしているわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 それじゃ一応も二応も御返答にならないので、法律に従ってやっているというんなら、会計検査院法の三十六条って何のためにやるんですか。書いてあることは法令、制度まずかったら直すように勧告をするんだとあるわけです。したがって私学校がいいのかどうかということも実は会計検査院としたら検討対象になっていいんですよ。それば文部省とかそれぞれがしかるべく判断をする、それはまたあっていいんでしょう、あなたのほうは独立しているわけだから。だから含めていままで会計検査院としてこの問題についてはこう考えるということは聞いたことないもんですから、検討はされてこなかったんでしょう。また一方では機会均等という要求があるから、くだらぬごしゃごしゃした話よりもとにかく銭出せやでやってきたんだけれども、そういう話に広げないまでも、検査というものがあくまでもそういう立場に立って中に入らせていただきますという立場は当然とっていいんじゃないですか。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) ただいま院法の三十六条のお話が出ましたので、これについて若干申し述べておきたいと思いますが、三十六条は私どもが会計経理の検査をいたしまして、その会計経理の実施の上において不当なりなんなり、あるいはおかしいことがあったと、こういう場合に、そのそういうおかしな会計経理、思わしくない会計経理が起こったのが、結局は現行の法令あるいは制度、そういうものに基づいて起こっているのであると、こういう場合に、その源をただしてもらわなければ経理そのものが正しい姿にならない、こういう場合にその源としての法令について改善なりの措置をとってもらうと、こういう場合に発動をする規定でございまして、要するに実際面での会計経理のおかしさという結果が検査の結果私どものほうでそれを確認いたしませんとこの規定は発動しない、こういうことになっているわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 長くなりますからやめますけれどもね。お伺いしている気持ちを簡単に言いますと、たとえばこれは内閣に対する警告ということでこれからの御審議になるのでしょうが、そこの中で私学に触れて、たとえば小田原女子学園の問題あるいはある私立医科大学において入学の寄付金をべらぼうに取ったと、あるいは設立認可が不正であった云々ということが定員水増しを含めて書いてある、こういうこともこの報告書の中でかりにその窓口が日本私学振興財団というんなら、ここのところで今後は補助金の計算だけちゃんとやりますというんじゃなくて、やっぱり書くように、そういう検査の位置づけというのをしなければ、「公の支配」という八十九条は泣くんではないですかということを申し上げたんです。今後の検討課題でけっこうですから御検討いただきたいと思います。  次の質問に移ります。大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、四十五年度の会計検査院の検査結果として租税収入の徴収額不足八億六千九百万円、理由としますと、納税申告書の誤まりが発見できなかった、法令の適用や課税の税額の計算が間違っていた、あるいは課税資料の収集、活用が不適であった云々とございます。ここで一つお伺いしたいのは、素朴に考えまして、会計検査院が調べて八億六千九百万円の間違いが見つかった。ほんとうはここで終わらないで、会計検査院というのは悉皆調査をやっているわけではありませんから、だったらほかも探してみたらやっぱり何がしかまた出てきた、合わせたものが修正額でございます、そういうのが普通のやり方のように思えてならないんですけれども、会計検査院が調べたら八億六千九百万、これで終わり、ということなんでしょうか。たいへん素朴な疑問ですけれども、お答えいただきたいと思います。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○説明員(吉田冨士雄君) お答えいたします。  会計検査院の指摘を受けました内容は、いま先生のおっしゃいましたように、いろんなケースがございますが、どちらかと申しますと、比較的単純と申しますか、見落としたケース、申告自身に間違いがあったのを見落としたケースとか、あるいは税法の適用の間違いであるとかいうケースが比較的多うございまして、それ以外にいろんな資料の総合等でうまく合わなかった、活用漏れがあるというような点もございますが、いずれにいたしましても、新しくさらにこれを調査して掘っていくというようなケースよりは、むしろ指摘を受けましたのは、そういうどちらかというと申告審理で内部的に処理する、そういう段階のケースとして御指摘を受けることが多うございますので、したがいまして、それについて補正をいたすというかっこうで訂正しているのが実情でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 どこでどう間違えるか、これはたとえばある税務署であるとか、あるいはある層であるとか、ある事件の似通った性格であるとか、いろいろあると思うのですけれども、私がお伺いしているのは、間違いというのはあると思うのです。それがいかぬということを言うのじゃなくて、ある間違いが見つかったのは氷山の一角なんだろうから、今度は自主的に大蔵省として再度内部監査をやり直したら、あらためてまたこれだけが出ました、合わせて幾らですということにはならないんでしょうか。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○説明員(吉田冨士雄君) むしろ私どもといたしましては、そういうケースを今後なるべく二度と繰り返さないように事務運営方針等にできるだけ取り入れまして、今後の調査としてやる場合には、この点はいままでこういう間違いを何回も繰り返していたから、これからはやらないようにということで前向きの方法でやるケースとして扱っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いまのお答えは職員の人たちの教育も含めての対策だと思うんですけれども、私がお伺いしているのは国としての債権債務関係が確定するわけでしょう。それはこれから集めて教育してというのと次元が違う話でしょう。だから、租税債権をどう確定するかというときに、氷山の一角が見つかったんだ、そこだけで済ませるんですか、あるいは従来からも内部チェックやっているので、ほかはもうさわらなくたってだいじょうぶです、これは氷山の一角じゃなくて、これしかないですということになるのか、ただあやまちというのは私はある、当然これは避けがたい。そこで、検査院が指摘した八億六千九百万円、これがいかんとは言いません。その対策がその年度の租税債権を確定するためなんだから、回りも一緒に調べろということと、将来に対してどう教育するかということと二つあるということなんですね。

吉田冨士雄国税庁直税部長

○説明員(吉田冨士雄君) よく先生の御指摘の点わかりますが、私どもといたしましては、債権債務の面から見ましても、過去の幾つかのケースについて漏れている場合、これは検査院の御指摘の場合もございますし、さらに査察等で発見いたしますとかなり深く掘ってまいりますので、過去になるほど同じようなケースでこういうケースがわれわれとしては債権債務から見ましても漏れていたということをいろいろ発見するわけでございますが、それと同時にわれわれとしては先ほど申しましたように、今年度、来年度、前を向いている仕事もやらなければならない、結局人の配分と申しますか、これからやる場合に将来に向かってどのくらい人員を投入し、過去の仕事についてどのくらい人員を投入するかという稼働率の事務配分の問題に帰するだろうと思います。その際に御指摘のとおりに、たとえばこの十年とってみましても税務官吏はほとんどふえておりません。五万人でございます。それで納税者の数は大体倍になっております。税額は大体四倍になっておるというようなケースの中で、そういう状態の中で、われわれが仕事をするときに、どういう事務量の配分が一番租税全体の税務執行の運営としていいかということを考えまして、できるだけこれからやってまいります年度につきましての指導なり調査に重点を振り向ける。しかし事柄によりましては、たとえば査察の場合、ある心は会計検査院の御指摘の場合に、非常に大きなミスがあって、それで前の、これから将来の事務量よりはむしろ過去へさかのぼってでもやらなければならないという判断がありました場合には、当然私どもとしてはそういう努力はいたしたいと思いますが、現在のところ、どちらかと申しますと、むしろこれからの年度のほうに過去の経験を生かしてそれで事務量を投入するというのを私どもの判断としては適切だと考えまして、そういう仕事をやっております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 おっしゃることはわかる気がしますし、乏しい人数でやりくり苦労しているのでと、まあ一言で言うと、そういうことだろうと思うのです。じゃどの程度足りているかどうかということまで入るつもりはありませんけれども、会計検査院としてもそうたくさん人をかかえているわけじゃない、しかも悉皆調査ではない。それでやってみたら八億六千九百万円、問題はこの額だけじゃなくて、税負担の公平というのをどう担保していくのかという意味ではほんとうは徴税事務というのはダブルチェックシステムをとってもいいのかもしれないのですね、ある場合は。だからいまのお答えのように、やりくり算段苦労してということはわかるのですけれども、それと税負担の公平の担保、極端にいえば、倍の経費をかけて、つかまったのが実はやっぱり八億だったでもかまわないと思うのですけれども、それはおそらく今後変わるであろう税の取り方の問題もあわせながら、ここでお伺いすることが適切かどうかわかりませんけれども、大蔵大臣としてぜひお考えいただきたいと思います。  で、関連して続けて伺いますけれども、うしろ向きは別として、前向きにやるのだという対策の中で、税法の周知と指導ということが、この報告書の中に出ております。問題は、税法の周知といってもこれくらいわかりにくいものは世の中にないのじゃないかといわれている。そこの中で、税法を周知徹底するというなら、わかりやすい税法をどうやってつくるのか、ここでこれは大臣にお伺いしたいのですけれども、これまでの政府あるいは政府税調の動きを見ても、税法をわかりやすくするという問題意識からの作業というのはあまりされてこなかったのじゃないか。その点で間違いをより少なくする対策の一番目が税法の周知と指導とあるのですけれども、わかりやすい税法の組み立て方というのはできないのか。そういう発想で政府あるいは政府税調で作業をさせることが必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 御承知のように、来年度は画期的な税制改正をやろうと思っております。   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕  私もかねがねの念願であり、主張でございますが、税法をできるだけ簡素化すること、わかりやすくすること、これは税法上の——、税法というよりは税制の立て方の問題でありますから、私は税制の大改正を企図するに際しましては、これを一つの筋金にしたい。おそらく十分にとはいかないかもしれませんけれども、いま考えておりますような方向でいきますれば、来年度税制としてはいままでよりは相当簡素化された説得力のあるものにおそらくなるであろうと考えておりまするし、それから税法だけの問題ではなくて、たとえば申告書の様式その他あるいは文言等についても、もっとしろうとが端的、率直に理解ができるようなものにしたい。これはもう私の、私自身としても年来の主張でございますから、来年度の税制改正に際しましては、ぜひそういう方向をやっていきたい、こういうふうに考えております。  それから、ついでに前の御質問にも申し上げたいと思いますが、要するに、いま直税部長から申しましたように、会計検査院で指摘された検査というものは、お話のように悉皆調査ではもちろんございません。ですから、同種のものが、同様の事項についてあるであろうということは、もちろん想像にかたくないところですけれども、そこに行政の事務の配分として、あらためて国税庁は悉皆調査をするということもできればそれにこしたことはございますまいけれども、これは私実行上、とても困難というよりは不可能に近いことじゃないか。したがって、これからそういうミスを起こさないようにというところに行政の焦点を合わせていくということが実際的である。しかし同時に、検査院の御指摘を待つまでもなく、査察その他の関係で国税庁自体においても十分並行的にというか、常時意を用いているわけでありますから、そういう点からやはり誤謬、脱漏等があった場合には、できる限りこれを調整するということは従来からやっているところであります。もちろんそういう点についても十分介意していきたいと思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  時間がなくなってしまいましたので、あと大臣に一問だけお伺いして終わりたいと思うんですけれども、徴税のむずかしさというものを考えますと、これはしろうと考えですから間違っていたら御指摘いただいてけっこうですけれども、どうも突き詰めていくと、要は現、預金の個人別あり高をどう明確につかむかということにいきそうな気がする。その動きということが確実につかめるようになると、おそらく対策の中でおっしゃっていたいろんな有効資料の機動的収集ということもできるんではないか。問題はこの個人別の現、預金のあり高というものがつかめるかというと、つかめない。これは片方では税負担をどうさせるかという富裕税的な発想で入る場合でも、大きな障害になります。ところが、現、預金というのは、片方では、実はプライバシーの問題に触れるわけですから、どの点のところまでいけるのか、たいへんむずかしいんですけれども、その点について今後政府として研究していかれますか、あるいはそれはそれとしてという対象になりますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはやっぱり税制の問題にも触れますし、それから一方では金融行政の問題でもございます。両々相またなければならぬわけでございまして、たとえば、いまマル優というような預金の取り扱いがあります。これの監査といいますか、これには十分目を光らせていかなければならない。それから源泉選択という制度もございますが、これらについてもその選択をどういうふうに預金者がやられるか、申告が的確に行なわれているか、実にこれはむずかしい問題でございます。ですから、そういう点についても、できれば私は税制改正の際に十分意を用いたいと、こう考えておりますが、いま的確にこういった具体案でどうだろうかというところまでは、まだ税調も始まったばかりですし、大蔵省当局としても、まだ細部にわたる考え方をこれから、勉強を始めたところでございますから、的確には申し上げかねますけれども、心持ちとしてはいま申しましたような方向で十分対処したいと考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、昨年の四月に、この委員会におきまして、港区の芝公園にございます一連の国有地の払い下げ問題についての質問をいたしました。その際に申し上げました芝公園の一号地の一の三の土地の問題でございます。この土地はかつて大蔵省の関東財務局の芝寮があったところで、九百四十八・八四平米、この土地が昭和四十六年の十月に大蔵省から日本電建に払い下げられた、この経緯についていろいろ御質問いたしましたところ、これは議事録にも載っておりますけれども、大蔵省としては、これは日本電建がホテルを建てるということはできない土地だ、しかし駐車場として用途指定をして払い下げをいたしました、こういう御答弁でございましたが、その点一度確認しておきたいと思いますが、間違いございませんか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 芝公園の一号地一の三の国有地の処理に関しまして、ただいま先生のおっしゃいますように、これを相手方に売り払いますときに、契約条件といたしまして、都市計画法上の利用の制限に反しない範囲で駐車場等として利用すると、こういった条件をつけております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 さて、そこで質問ですけれども、大蔵省としましては、ここが実際に駐車場として利用されておるのかどうかという問題、その実態を把握しておられますか、どうですか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 現状はどうなっているかという御質問でございますが、指定期日が本年の四月一日でございまして、地元の関係財務局におきましても、現場を確認しておりますし、また、私自身先ほど行って見てまいりまして、現状は駐車場として利用されております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうしますと、もう一つ質問があるんですが、一体駐車場というのはどういうものなんですか。どういう規定があるんですか。どういうものが駐車場であるという規定があったら教えていただきたい。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 駐車場に関する法規、私実ははっきり覚えておりませんけれども、これは建設省関係の所掌かと思いますが、要するに自動車、そのような車両を駐車のために保管する一定の場所である、それで、まあいろいろ規制条文があったというふうに覚えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 たいへんあいまいな話なんですね。まあ私もいろいろ調べてみたけれども、規定がない。国語辞典見たら、車をとめるところが駐車場だ、こうしか書いてないんですね。ところが、いま局長は、自分も見てきたけれども、大体用途指定に合致しているというふうに言われましたけれども、常識的にいえば、駐車場というのは、やっぱり車がしょっちゅう出入りいたしまして、夜間なり何なり一定の時間そこに駐車する、これが駐車場でしょう。いわば車の寝床です。まあ一般の人はみんなそう思っていると思うんですね。ところが実態はどうか。決してそんなもんじゃありません。私は何回も、これは数回にわたって調査をしたんです、その後。私、質問しました責任がありますから、ほんとうに駐車場なのかどうか、何回もこの現地を見てまいりました。三月ごろには三台しかなかった。ことしの三月ですよ。払い下げたのは四十六年です。それからその次に行きましたら、四台にふえた。大体みんな同じ車です。つい最近行きましたら、六台にふえました。しかし、ここに写真があるから見ていただけばいいんですけれども、実際その駐車場へ行ってみて驚いたことは、車が、まあ何台かあります。しかし、みんなもうほこりだらけ、どろだらけ、ふだん使ってる車ではないんですね。中にはナンバープレートをはずしてる車がある。それを局長も見てきたろうと思います。なるほどその辺、砂利だけはちょっとまいてあります。しかし、砂利はまいてあるけど、草ぼうぼうなんです。つまり、車が出入りしてないという証拠ですよ。こんなぺんぺん草はえてる、一メートルぐらいの。それで周辺は、なるほどそこは砂利でも、周辺はもう造成した土地で、ずぶずぶですね、水たまり、とても歩けるようなところじゃありません。車なんか通れるようなところではありません。しかもラインですか、区画のしるしとして立ててあった黄色い色のブロック、これなんかその辺に、まん中にはってあるんですね。駐車場のまん中に投げ出してある。とてもつまり車が通れるような状態にしてないということ。で、さてその駐車場の入り口、一体車どこから入るんだろうと思っていろいろ見ましたけれども、全部囲いになっておるんですね、入り口なんか一つもないんです。はるか向こうに入り口らしいものがある。しかしそれは板でくぎづけです。どうしてこの車ここへ持ってきたんだろうとふしぎに思うくらい。空輸でも、ヘリコプターでもつり上げてこう持ってきたのかなと思うような、これがあなたのおっしゃる駐車場だっていうんだな。これはとても常識的には納得できないんですが、その辺どうですか。  まず大臣にもこれ、写真見てもらいます。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私も現場の写真を持ってるんです。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 こっちのほうがもっといいかもしれないけれども、いいところばっかりとってきてる可能性がある。(笑声)  どうです、その点でひとつ、あれが駐車場だとはっきり言えますか、大臣。どうです、草ぼうぼうはえて、入り口もない。ナンバープレートのはずしてある車、みんなほこりだらけ、つまり廃車でしょう、これは。廃車の置き場なんですよ。それが駐車場というふうに言えるんでしょうか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 非常に率直にお答えすることをお許しいただきたいんですけれども、この問題については昨年も塚田委員から細部にわたって御質疑があり、また当時お答えしたのはこの小幡次長でございますから、一番本件についてよく承知しておられる議員の御質問で、一番よく承知している政府委員から御答弁をいたしておるわけでございます。それだけに政府側としても非常に大きな関心を持っているわけでございますが、本件の当時の状況については昨年の委員会でも、この背景、沿革は実に詳細に当局側も御説明しておると思います。で、この土地については公園地としてすでに古くから指定されているところであり、用途の制限があるところでありますが、しかし、経過から見て、また代替地との交換というようなことから見て、当時の政府の決定としてはいろいろ熟慮したあげくの決定であると思いますし、ホテルを建設したいという電建が期待を持っていたということも当時すでに承知せられたところでありますが、そういうことはでき得ないことである。したがってこの、わずかばかりの土地でございますけれどもそれを承知の上で——ホテルの建設ということが現在の制度というか、東京都を含めて、当局側の方針としてはホテルにはなり得ないわけです。それでもここを交換の対象にしたいということであったので、それならば駐車場にでもするがよかろうと、こういうことで決定されたことであって、そもそもそういう点に交換をしたほうの、つまり電建のほうにも私は無理があったんじゃないかと思うんでありまして、現在は、ですからこれが駐車場と言えるかどうか、私は常識的に言って——私も念のために写真をとらせて見ましたけれども、これが常識的に駐車場と言えるものかどうかということについては疑問を持つ次第でございますが、昨年来の御指摘もございますから、これをどういうふうにこれから改善するかということについては、なおとっくりひとつ考えてみたいと、こう思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま大臣がおっしゃった昨年の経過の問題につきましてはちょっと違うところがあるのですね。ここの芝寮のあと地はこれは交換じゃなかったんです。これは約百万円ぐらいで売ったやつです。ほかの土地は交換ですね、千葉やその他。ここは違うのです、これは有利随契、三〇%増しで売った所なんですが、その事実はけっこうです。  そこで問題は、これが用途指定されて、駐車場とされて払い下げられた。しかしその用途指定が守られておるのかどうかという点を私はお聞きしたがったわけです。いま大臣はいみじくも常識的には問題があると思うと、なおよく考えさしてもらいたい、こういうことですけれども、この用途指定というのは国有財産法第二十九条、第三十条に規定されておりまして、これを守らなければ契約が解除できるとまで言われているこの用途指定です。国有財産ですから、国民の財産を守るためには非常に厳正でなければならないというのがこの規定の精神であろうと思うわけです。したがって、当時大蔵省と日本電建の間でかわされました契約書の第十八条にもこういうふうに書いてあるのです。指定期日——つまりこれかことしの一月一日になっておるわけですけれども、この指定期日までに指定用途に供さなかったときは違約金二千五百十四万九千十円を払いますと、こういう契約がちゃんと明記されておるのです。したがって、ほんとうに用途指定を守ってなければこれは大蔵省は二千五百万円の違約金を取らなければならない、こういうことになるわけです。その点であなた方はまだこの点がはっきりしてないとおっしゃるのだけれども、やはり私はもしそうだとすれば、もう違約金が取れることしの一月一日ははるかに過ぎておるわけでありますから、そういうあいまいな態度でははなはだ怠慢ではないかと思うのですが、どうですか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 指定用途に供します期日でございますが、第十三条に「(指定期日)」といたしまして四十八年一月一日とございますが、これにつきましては相手方のほうから、実はここに地下鉄の工事がありまして、一月一日にはその工事のために一部土地を使用させなければいけないという理由がありまして九月ごろまで延ばさしてほしいと、要するにこの契約書十三条にございます期日を契約変更してほしいと、こういう話がございまして、いろいろ関東財務局のほうで検討いたしまして、それではこの一月一日を四月一日まで延長すると、そういう契約書の変更手続を実は昨年の十二月に取りかわしているわけでございますので、この十三条の期日は、いまは四十八年四月一日になっているわけでございます。それで、四月一日までこの指定用途に供すると、こういうことにつきまして財務局に届け出がありまして、それで私どもの写真にもございますような、こういった駐車場として利用し得るそういった施設としてつくった。確かにこの施設が完全なものかどうかという問題もあるかと思いますが、一応現に、まあ一般駐車場として料金を取って駐車の事業をやっているわけではございませんけれども、私が見ましたときも十台ぐらい車が駐車しておりますし、確かに利用状況はあまり充実しておりませんけれども、一応まあ、こういった施設にするまでこの辺をきれいにしたということで、財務局のほうも一応この程度でまあいいんではないか、もちろん確かにもうちょっと改善すべき点があるというふうに私自身も感じております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いまのお話ですと、この十三条の指定期日というのは変更されたのですか。それは大蔵省も認められたのですか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 関東財務局と相手方との間に契約書の変更手続を消ましております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうると、それはいつまで延ばしたのですか、期日は。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 四十八年一月一日を四十八年四月一日に改めております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 四月一日に延ばしても、とにかくもうそれは過ぎておるんです。どっちにしても同じことです。ちっとも三カ月ぐらいの間にこれが手入れされたということは、私が見た限りにおいては全然そういうことばございません。旧態依然たるものです。向のためにこういう期日を引き延ばすことをしたのでしょうか。  まあとにかくそれはそれとして、なおかつ大蔵省は、これは駐車場としてはお粗末だけれども一応認めたんだとおっしゃるけれども、いま大臣、このワイドの写真をごらんになればわかる。タワーの下にいわゆる何十台か車がとまっている駐車場がある。これがほんとうの駐車場でしょうね。これは政府の土地です。こっちは西武がゴルフ場や何かつくった。それに対抗して日本電建がこの土地を買い占めるというのが過去の歴史的経過なんですけれども、とにかく駐車場というのは少なくとも常識的にこういったアスファルトを敷いてきちっと管理事務所があって、昼間は何十台ぎっしり詰まっている。これが駐車場だと思うんです。こっちはどうです、廃車が何台かころがっておるという程度、これでなおかつこれが駐車場だとこだわっておられるとしたら、私はやはり非常におかしい。むしろ何かあるのかということを勘ぐりたくもなるのですね。なんでそんな無理をしなきゃいかぬ。国有地を払い下げる、国民の財産を払い下げておいてそんなずさんな管理のしかたは、私はないと思うんですね。  それからもう一つお聞きします。先ほど大臣も局長もおっしゃったけれども、これは日本電建はホテル建設の計画を持っておったけれども、それはもうだめなんだと、公園指定地だから、そういうことを前提にして駐車場に払い下げたとおっしゃったのだけれども、そういう意味では大蔵省はホテル計画を十分御存じだった。ところが、この契約書を見て驚きました。契約書の第二十五条、ここにこういうことが書いてある。乙は日本電建ですね、「乙は第十四条に定める期間中に、用途指定物件にかかる都市計画法に基づく公園緑地及び東京都風致地区条例第二種風致地区の指定が解除された場合には、」、これこれ割り増し金を出しなさい。こういう契約までしておるんですよ。つまり解除をされた場合にはこうしろと、そういう解除のことを予想してやっぱり契約を結んでいらっしゃるということなんです。こうなりますと、やっぱりホテル建設ということを暗に認めておられた、こういうことにもなるんですが、それはどうでしょう。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) この問題につきましては、相手方からホテルを建設したい、それでこの土地をホテルの駐車場にしたいと、こういう要望がありまして、それに対しまして、大蔵省としましては、これは芝公園という公園地区の網がかぶっている地区でございまして、これは絶対にホテルを建設することは不可能ではないか、そういうことを言いまして、結局そういったホテルとか建物は建てない、一般駐車場等、要するに駐車場等ということで、結局建物を建てないオープンスペースというようなつもりで、駐車場等として利用するという契約にしたわけでございますが、問題は、この公園地区の指定の解除の問題でございます。これは、実は大蔵省の権限でございませんで、東京都のほうでこういったものを、公園地区の指定を解除するかどうかということをされるわけでございます。で、そのときも、東京都にも照会しておりますが、東京都のほうは、その点についてはいま何とも言えないということでございまして、ただ困りますことは、私どもはそういった地区の指定がありますので、指定が解除されなければ、それはホテルにはならぬわけでございますけれども、実は、こういうものを処分いたしまして、それがかりに東京都のほうで指定を解除するということにいたしました場合には、相手方はそういった、何といいますか、要するに用途の変更ということを言ってくるのではないかということも予想されるわけでございます。そういたしますと、こちらで売り払いました、実は評価の問題がからむわけでございまして、私どもは、こういった公園の網のかぶった財産を処理して、もしこれがホテルの敷地となりますと、その土地は非常に評価としても高いものであったとなりますので、そういったことも、将来のことも私どもはその辺はわかりませんけれども、もし万一そうなった場合におきましてはその差額ですね、時価の差額というものを、やはり厳正にいただかなければあとで批難されるんではないかということを心配いたしまして、こういうものを念のため入れた、こういうような次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 しかし、将来どういうことがあるかということを心配していろいろ契約を結ばれるのはけっこうですけれども、しかし、少なくとも、ここの場合には、いわば芝公園というたいへん歴史的にも大切な公園地帯、局長、大蔵省も御存じでしょうけれども、これは太政官布告によりまして、東京都内で五つの公園が指定されましたときに、その一つなんですね、上野や浅草その他と一緒に。しかも上野と芝公園というのは最も古い、東京の江戸時代からの公園である。こういう公園の中にある国有地の払い下げでありますから、私は、将来指定解除になったらなんという夢みたいな話ではなくて、当然その時点で、契約を結ぶ時点で、厳密にこの国有地を守るという姿勢、これが私は必要だったんじゃないか。もし将来指定解除になったら、少しもうちょっと金を出せなんというそんなけちな根性でなくて、もっと厳密に国有地をどう守るかという立場を私は貫くべきではなかったかと思うのです。と申しますのは、いま言ったように、この公園は非常に大切な歴史的な遺産でもありますし、また地元の方々は、これはこの前の質問でも、私質問しましたけれども、公園を守る運動をやっておる。港区議会は陳情書まで出しておる。こういうところなんです。しかも、今日の政治情勢、社会情勢の中では、土地問題というものは非常に社会的な、政治的な問題にまでなって、大企業の土地の買い占めの問題、地価の暴騰、こういう問題が、今日やかましく論ぜられ、政府としても今度は土地問題を解決するんだといって新国総法を提案をされておる。これで土地の売買を規制するんだとおっしゃっておるけれども、この東京のどまん中にこれだけの国有地は、日本電建、あとで言いますけれども、総計で約一万三千平米くらいあるのですね。この写真で見てもわかります。膨大な土地が日本電建の手に入っている。これに対して大蔵省が何ら責任を感じないとすれば、これは政治不信が起きて、私はあたりまえだと思う。新国総法なんて、これは絶対に通すわけにいきません、こういうことになりますと。そういう状態の中で起きておる問題でございます。私は、この用途指定による駐車場かどうか、早急にやはり厳密に分析し、判断をして、これがそれに違反しているとすれば直ちに違反金を取る、あるいは契約解除をする。これはちゃんと契約解除ということは、国有財産三法にきめられておることでありますから、それはできることだと思いますが、そういうことをやる決意をお持ちかどうか、もう一回、これは大臣にお聞きしたい。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは、非常に広大な土地でございますし、東京都のどまん中であり、由緒の深いことである、もうお話のとおりでございます。同時にこれは先ほども、塚田委員のほうが私よりもよくお詳しいわけですからあえて言及いたしませんでしたけれども、そもそも終戦直後から、たとえば社寺等については無償で譲渡をするというところから始まって、一定の期間がたって、そして譲渡を受けた者が自由処分をしたと、そして日本電建がそこを買ったというような経緯がございますから、何といいますか、法律的には適正な段取りが踏まれているわけでございます。その中の飛び地あるいはその中の一部、いまの芝寮というものがあって、そしてこれは、先ほど私が交換と申しましたのは、常識的に申しましたので、払い下げという形はとっているようですけれども、実際は公務員宿舎の適地と交換を実質的にはいたした、こういうわけでございます。そうして御指摘の点あるいはこの契約の是否等は、これはまたいろいろ議論の存するところでございますし、いたしますが、まあ私としてはこれからどうするか、ただいま国総法の点も御言及になりましたけれども、私は実は国総法に期待も一部かけているわけで、土地の利用計画が決定される、そしてそれによってさらにこの現状に対して、大きく用途の指定というようなことが国総法の新しい系統からも考えられるのではなかろうか。そしてこの地域が国民的に好ましい姿に用途がきまって、そして現所有者がその方向で協力するというのならば、またこれも一つの行き方ではなかろうかと、こう考えております。それから一面においては、たとえばこの駐車場というものがすっかりペイブをされてりっぱな駐車場になるということに早急になれば、これはまた契約等からいいまして、契約を履行したことになるわけでございますから、これはまた事態が変わってくるかもしれませんが、その辺のところ、現在以降において、いかにすれば、御指摘をいただいたような目的に沿うような方法があるか、その方法にはいろいろの考え方があり得ると思いますから、十分御意見を踏まえまして、誠意を持ってひとつ解決に当たりたいと、私はかように考えております。私はその過去の経緯については、政府の立場において、その当時は当時なりに妥当であり、適正である行動をとったものと私は信じますが、その是否の議論よりは今後どうしたらいいかということは私の責任である、かように認識しておる次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 日本電建がこの芝公園で一万三千平米の土地を取得しておる、これはもちろんいま大臣がおっしゃったように、当時の国有地を芝増上寺に宗教団体として払い下げてやった、それを芝増上寺が日本電建に売ったと、こういうことで非常に大きな面積を取得することになったわけですけれども、それに何か追い銭をかける——まあ悪いことばでいうと、どろぼうに追い銭ということばがありますけれども、まるで追い銭を与えるように国有地、なるほど小さな国有地だ、飛び地ですわな、しかしこの飛び地があるので、ここにホテル建設することもできないという効果も一面にはあった。しかしそれをそっくりわずかな土地だからいいじゃないかと渡せば、この土地全体の効果というものは何倍にもはね上がるという、こういうしろものであったわけです。ですから私は面積は非常に国有地としては狭いけれども、やっぱりこれは慎重に対処すべきことだったろうと思う。ところが駐車場として用途指定したからいいじゃないか、三〇%の有利、随契だからいいじゃないか、こうまあ大蔵省おっしゃったのだけれども、しかしその用途指定すら満足に守られていない。一月一日に期限が切れる、これは四月一日まで延ばした、しかしそれも何にも手がつけられていないということになれば、この時点で私は大臣に判断してもらっていいのではないか、こういうふうに考える。違約金を取るなら取る、まあわずか二千五百万ですから、日本電建にすれば蚊のさしたような痛みも感じないでしょうけれども、しかしやっぱり法律を守るという立場から、そうしてまた国有地を厳密に管理するという立場から、私は当然大蔵省はそのような措置をとってしかるべきではないかと思うのですが、この点からもう一言、ひとつ大臣、簡単でよろしゅうございます。時間も迫ってまいりましたからお願いいたします。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 一言で申しますが、私としては、誠意をもって望ましいような方向で解決をいたしたい、かように考えております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 まあ大臣のその誠意を私も了解しましょう。ほんとうにその点はまじめにひとつ解決していただきたいと思います。私もだてや酔狂でここで二回質問しているわけじゃございません。そこで時間がないから私先へ進みます。まだ実は問題がある。この間、私が昨年この問題を質問しましたときに、最後に小幡政府委員は、局長は、国有地の管理につきましては、今後慎重に対処をいたしますと、こうおっしゃったので質問するのですが、その後いまの駐車場のすぐわきにあります芝公園一号地の一の二四という国有地、これはどうなっていますか、それをお知らせ願いたい。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 御指摘の芝公園一号地一の二四の土地でございます。さっそく調査いたしましたところ、百八十九平米ばかりの国有地がございますが、これは元東照宮の境内地であったところでございますが、東照宮でかぐら殿がございまして、それが終戦の年に戦災で焼失いたしまして、あとがあいているわけでございます。これにつきましては、その後東照宮から売り払いの要望もございましたけれども、いろいろ問題もありますので、問題があるといいますのは、東照宮がはたしてそれをかぐら殿の用地として使うことができるかどうかという可能性の問題、適当性の問題、いろいろございますので、これにつきましてはまだ処分を留保いたしておりますので、未利用地として残ってございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうするとこれは大蔵省から前に東照宮へ払い下げて、東照宮がまだそれを処分していない、こういうことですか。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) そうではございません。これはもと東照宮が境内地として使っていた所でございますが、要するに国有地を戦前は社寺に無償で貸し付けていたわけでございます。それを昭和二十二年に法律ができまして、宗教活動に必要なものは無償で譲与すると、こういうことになったわけでありますけれども、そのときに東照宮に譲与した面積の中から除外された所でございますので、ずっと国有地でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 そうすると東照宮がいま処分をしたいという申請を出しておられるわけですね、大蔵省に。

小幡琢也大蔵省理財局次長

○政府委員(小幡琢也君) 東照宮がこれをほしいと、まあ払い下げてほしいと、こういう要望をしているわけでございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 わかりました。  じゃあ次いで、時間かまいりましたので、——国鉄来ていらっしゃいますね。国鉄にお伺いします。このやはりいまの問題の土地の続きであります芝公園一号地の一の六の土地、五百七平米ぐらいの土地でございます。これはかつて国鉄の職員集会所があった所でありますが、これが四十七年十二月に日本電建に交換払い下げをされたと承っておりますが、その経過は一体どういうことでございますか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 先生御指摘の土地は五百六平米で建物が三百二十平米の建物が建っておりました集会所でございます。昭和五年の建物でございまして、建物が非常に老朽しておりますので、港区の高輪のほうに交換いたしまして、その交換していただいたほうの建物は昭和四十一年の建物で、建物としても使えるといいますので、私のほうもちょうど寮の取りかえ時期にきておりましたので交換処理をいたしております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 わかりました。ところが私のほうでいろいろ聞いてみましたところ、この土地は三・三平米当たり約百万円で交換を、売られておると。建物込みで計一億五千万円でございますか、そのぐらいだと聞いておりますが、これは間違いございませんか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 私、ちょっと手元に、平米当たりの単価でございますが、平米当たり二十八万九千九百円で交換、坪にいたしますと、大体先生がおっしゃるような単価だと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ところがこの辺の、周辺の方々にお話を聞きますと、いまあの辺の土地は大体三百万円だそうですな。おたくが売られたのはつい昨年の暮れでありますから、大体そんなに変わっていない。三百万円の土地を百万円で交換をされた。ちょっと私どもふしぎに思ったんです。というのは、国鉄はいま赤字だ赤字だ、運賃値上げ法案をお願いしますと、こう言っておるそのさなかに、この国鉄の職員寮をわざわざ品川の高輪なんという不便なところへ移す。そんな土地と交換をする。ちょっと私どもには納得できないんですね、これは。まあ、その辺の経過もございますけれども、その辺、ちょっと一言国鉄からお聞きしておきたいと思うんです。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 土地の売却にあたりましては評価をとっております。隣接の土地がこの会社の所有でございますので、一体利用できるという観点から評価をとっております。  また、公法上の規制がなくなった場合にはどれくらいの土地になるかということも含めまして評価をとっております。  第三点としましては商業地域及び第五種の容積地区というケースで評価、以上三点で評価しておりまして、大体平米当たり二十九万というのは妥当な価格じゃないかと私のほうは思っております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ひとつ、この点、きょうはこの国鉄の問題を掘り下げようというわけではなかったので、大体の経過をお聞きしたがったんですが、ひとつ、この土地の交換に対する資料を提出していただきたいと思うんですが、よろしゅうございますね。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 資料と申しますと、契約書の写しでございますか。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ええ。契約書とか、その一連の土地の売買の……。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) 評価……。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 評価とか、そういった資料です。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) はい、わかりました。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 出していただけますか。

篠原良男日本国有鉄道施設局長

○説明員(篠原良男君) はい、承知いたしました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もう時間がまいりましたので結論に入ります。  まだまだ私聞きたいことがたくさんあるんです。たとえば大蔵省の、これは一号地の一の四の土地でありますけれども、この土地が、これは大蔵省から国際不動産という会社に、これも払い下げられておるんです。で、これの問題もお聞きしたがったんですが、これは時間がございませんから、次に回します。国際不動産というのは皆さん御承知のとおり、小佐野グループの不動産管理会社であります。小佐野グループというのはどういうものであるかは、これはもう今日常識であります。そういうところにも払い下げる。つまりこの地図で見ますと、全部地続きなんです。東照宮の土地もこのいまの国際不動産の土地もこの駐車場もみんな続いているんですね。もしここに大きなホテルでも建てようと思ったらまことに絶好です。そのためにじゃま者はどんどん除いていく。まあこれが予想されるところなんで、ですから私はこれは単にわずかな土地を払い下げたかどうかという問題でなくて、やはりこれは一つの政治問題ではないかと思うからしつこくお聞きしたわけでありますが、とにかく時間が参りましたので結論を申し上げますが、要するにこういうのを件数を合計いたしますと、件数だけで大体九件ございます。この国有地と国鉄の関係だけですよ。国有地だけで九件。面積にして三千五十五平米。これが日本電建に渡された。そのほか先ほど出ました東照宮の土地などがすでに五百平米売られておりますし、増上寺の土地はもう御承知のとおり。そうしますと、これが、合計日本電建が持っておる土地が一万三千平米ということになるわけです。そこで私は先ほど問題にしたわけでありますが、こういうふうに国有地や国鉄の所有地が売られまして、日本電建だけが肥え太っていくというふうなことがはたして国有地の管理上妥当なのかどうか。これはきょうは行管庁にも来ていただいていると思うので、行管はどういうふうに考えておられるかをお聞きしたい。

門田英郎行政管理庁行政監察局監察官

○説明員(門田英郎君) 昨年塚田先生からこの問題について私どものほうにも御質問をいただき、私どものほうからは昨年ちょうど実施しておりました「国有財産の管理および処分に関する行政監察」、この監察の調査のワクの中で検討いたしまして、というふうなお約束を申し上げました。私どものほうで、この先生御指摘の芝公園一の一の三の芝寮のあとでございます、この問題につきまして検討いたしました。周囲の状況、これが国道に面している。騒音も激しいというふうなこともありまして、宿舎として利用するには適当ではないというふうな環境になっておりますことから考えましても、隣接地主に対して処分したということはまあ不当とは考えられないというふうな結論に達した次第でございます。なお、ただ単に手続上の問題ではあるわけでございますけれども、当該この芝寮のあとというのは、先生御指摘のように、東京都の都市計画上、都市公園あるいは風致地区という地域に指定されております。そういった関係もございますので、売り払い処分にあたりましては東京都と連絡をとっていらっしゃいます、私ども調査した結果では。先ほど大蔵省のほうからお答えございましたように、連絡をとっていらっしゃいます。まあできますればさらに一そう的確な文書等による調整というふうなものが必要ではなかったか。それが行なわれることが望ましかったというふうに理解しております。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ではひとつ最後の御質問を申し上げます。  いまの行管庁の答えはたいへん私不満なんです。いま答えられたのはこの駐車場の土地のことだけについてお答えになっておるのだけれども、この一万三千平米という膨大な土地ですね。これが日本電建の手に渡っておる。日本電建といえば田中総理が前に社長をやったところであります。いま社長は変わっておりますけれども、小佐野賢治氏が社主という有名なこれは企業であります。この日本電建がとにかくこの東京のどまん中の、しかも芝公園のこれだけの土地を私有しているなんていうことは、今日の社会情勢の中で私は許されないことだと思うのですけれども、しかし幸いにいまのところホテルも一応建たない、公園の指定になっておりますから。しかしこれだっていつ、先ほど論じたように、解除になるかもわからぬ。それを待っておる。まあ二年や三年ぐらい待ったって別に痛くもかゆくもないでしょう。  しかしもう一つ、ホテルが建てられない理由がたった一つあるのです。これが非常に重要な理由なんですけれども、実はこれだけの土地は買収しましたけれども、このまん中に、この写真にも出ていますけれども、小堀はなさんというお宅があるんです。小ちゃなお宅です。ネコの額みたいなお宅、しかし、これがあるためにこの土地がほんとうに活用できないということになっている。そこで、小堀はなさん、この方に私ども聞いておるんですけれども、公共のためなら私もいろいろしんぼうもすると、しかし、一企業のために土地を売れといわれても、幾ら札束でほほをなぐられても、私は売りませんといってがんばっておられる。そうしたら、地元の人がこう言っておる。大蔵省や国鉄は、せめて小堀はなさんぐらいの意気込みや見識がないのかと、こう言っておられるんですが、まあそういうぐあいで、ひとつこういう問題が非常に今日火のついた問題になっておりますから、この国有地の問題については、先ほど大臣がおっしゃったように、ひとつぜひ早急に、そしてほんとうにまじめに、誠意をもって当たっていただきたい。このことをお願いして私の質問を終わりますので、大臣、一言もう一つその点を確認していただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 重ねて申し上げますが、誠意をもって処理をいたしたいと思っております。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。     —————————————

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 お金の問題について二、三やります。  大蔵大臣がこの間いらっしゃらないときに大蔵委員会で私が指摘した、百円の札束がビニールのパックで大量にデパートやスーパーで売られていたと、この点はストップがかかりましたけれども、さてこのビニールのパックになった百円の札束、十万円束は、しろうとには入手できない、普通では。日銀もそのままで渡しちゃいけないという通達を出している。ところが、どういうわけか、特殊なルートで銀行の内部の人間がその買い集めに協力したという疑惑があるわけですよ。それを調査してほしいということをお願いしておきましたら、大蔵省のほうで調査をするというお約束でしたが、幾らか時間もたっていますので、どのくらい調査が行き届いたか、ちょっと簡単に中間報告をお願いします。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 大蔵委員会で野末先生から御質問がございまして、その際、いまお話がございましたような点について調査をしてほしいという御注意がございました。それでいろいろ調査をいたしたのでございますが、百円札の官封券は、御承知のように、印刷局から日本銀行の本、支店に納入をいたしまして、日本銀行の本、支店から各銀行の本、支店に配付をしまして、さらに各銀行の本、支店から必要な取引先に対して配付をすると、こういう経過になっております。  いまお尋ねのございました官封券の数量は、これは印刷局から日本銀行にどのくらいの個数を納入したか、それから印刷局から各金融機関の本、支店にどのくらいのものを配付したかということは、これは明らかに掌握できるのでございますが、さらに、日本銀行から受けました各金融機関の本、支店が、取引先に対しましてどの程度官封券のままで配付したかということは、調査の結果、遺憾でございますが、正確な数字は判明いたしておりません。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 それは調べ方が悪い。かなりいいかげんに調べている、おざなりに。銀行内部の人間が現実に持ち出していることは、はっきり知っているんです。ただし、じゃあもう一回調べ直して、デパートやスーパーでは百円札を売るときに住所、氏名、札のナンバー、全部控えさせてある。だから、それを追っていけばどこの銀行から、もちろん九州です。九州の市中銀行から、どこからおもに出ていったかわかります。しかも業者がいます、福岡に。この業者は、三大新聞を通じて札束を買うという広告を連日出している。だから、すぐ資料調べればわかる。それからやっていけばその業者がどこに、銀行内部の人間が日銀にも関係している、そういう人間が札束を売りにいって、十万円の束を十万円以上で売って幾らかもらっているということがはっきりわかります。それを調べてください、もう一回。そしてこれについては、そちらでもって確実な裏づけがなければ、私も個人を……、もちろん、一人や二人じゃないですけれども、いろんなことを言えませんから、銀行の内部の問題として、次の大蔵委員会でやりますから、ひとつその札束のルートを調べればわかるんですから、記録は取ってあるんですから、デパート、スーパー。そこから追っていってやってごらんなさい。どこの銀行から一番たくさん出ているか、よくわかります。それから福岡の業者についても調べてください。きょうは先にいきます。  ここからがきょうの話題で、大臣にお伺いしますが、きょうはお金の話やりますから……。小さい問題ですけれども、通貨政策の基本にかかわると思いますので、大臣にお願いしたいんですが、百円札束、これはまあいいですね。しかし、善処されたものの、私は割り切れない。現行通貨の売買は好ましくないけれども、違法ではないということなんですね。しかし、そうなりますと、お金というのは商品でなくて決済の手段なんだから、それを商品化することは好ましくない。すると、この売買、法律では許されていると、こういうことになりますか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これは結論からいうと、現在の法律では違法にならないんです。そして札の価格については、強制通用力が保有されて、そして価格がきまっているわけでありますけれども、それ以上の価格で商品として扱ってこれを売買するということを法律で規制するというような制度にはなっておりません。したがって、先ほど、調べることには、私も非常にこれは意欲を持ってトレースをしたいんですけれども、やはりそこにこう、法律的な根拠がないものですから、捜査の手段等がやはり当事者の協力によって調べなければならない関係もありまして、非常に困難であるということは御理解いただきたいと思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 じゃあらためて聞きますが、今週の日曜日にテレビでクイズ番組やっていたんですよ。で、現行紙幣——お札だけですね、現行紙幣は何種類あるかという問題が出まして——大臣、正解をお願いします。(笑声)

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) どうも恐縮でありますが、いま、クイズに当たるような準備をいたしておりませんで、これは具体的に理財局長から御答弁いたします。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 現行銀行券でございますか。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そう。紙幣だけ。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 銀行券で申しますと、一万円券、五千円券、千円券、五百円券、百円券でございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 ところがですよ——実際そうですよ。一万円、五千円、千円、五百円、百円、これ、現行紙幣なんですが、これで五種類。これ、正解じゃないんですよ。大臣も準備がなきゃ答えられないというけれども、現行紙幣は何種類あるかといわれたら、簡単に答えられない。たとえばここにある現行通貨のうち日本銀行券様式一覧とあるけれども、明治時代に発行したのも一円券、現行通貨、現行紙幣として認められておる。だから、いまの答えも正解じゃない。別に正解を求めているわけじゃないんですけれども、(私語する者あり)いかに現行紙幣というものが混乱しているかということを言いたいんです。——がたがたやったってだめですよ。だからさ、ぼくの言いたいのは、しろうとはこの五枚が現行紙幣だと思うの、大臣。ところがだ、ここにある明治の一円から戦後のこれだ、こんな五十円、五円、こんなものもまだ現行紙幣、現行通貨なんです、法律的に。そうでしょう、間違いないでしょう。これも現行通貨でしょう、現行紙幣。(私語する者あり)——いやだな、もう、がたがたやって。こっちは時間がないんだからもうしょうがねえや。先にいきます。  じゃ何を言いたいかといいますと、大臣、われわれが常識で、いま、さいふの中にある、現行に流通しているこれが普通は現行紙幣だと思うわけですよ。ところが法律的には、もう通用してない、さいふの中にない、こんな一円なんかさいふの中にないですよ。これもまだ、法律的には現行通貨の中に入っているわけですよ。もちろん、発行停止、発券停止ですか、それから回収促進中ですけれども、こういうように流通の実態と、まあいわば常識と法的なものが混乱しているわけですよ。そこでいまみたいにクイズになっても大臣すら答えられない。これはお笑いですよ。現行紙幣何種類あるか、大臣が、準備がないから答えられません——こんなことはちょっとおかしい。でもほんとうをいうと、大臣が悪いんじゃない。日本の通貨政策というものがこういうように実に実情と合わない面があるということをまず問題の一つとして提起して、さて次に入りますが、これが、この一円が、大臣、法律で規制できないんだけれども、商品として幾らになっているかわかりますか、想像してこらんなさい。——わからない。いや、これはいじめるわけじゃないんです。わからないのがあたりまえなんです。また、大臣の責任でも、大蔵省の責任でもないんですが、この一円は、これが未使用でぴーんとしていた場合は四万円ですよ、四万円。一円が四万円。いいですか、これはなつかしい議事堂の十円、これ、戦後ですよ。これはいま額面十円が七百円の相場、いいですか、これ五円、これも戦後の五円、これは二千五百円の相場、つまりこれは五百倍——悪いとは言いませんよ。しかし好ましくない傾向は、百円の札束十万円が十八万円だという、一・八倍以上にこっちは出ている、もちろん希少価値、もういまない、未使用とかいろんな条件ありますが、これもやっぱり好ましくないからほんとうだったら大臣ストップしなきゃいけないというようなことになりませんか。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど言いましたように、現行の法律では違法ということになっておりませんけれども、最近起こりました現に通用して相当の量が出ているものが商品として扱われるような事態になればこれは何らかの手を打たなければなるまいと、ひいて通貨の価値維持ということについて非常にこれは憂慮すべき問題であると考えております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 憂慮すべき状態と言いながら結局、何というかな、大蔵省の通貨政策の基本が非常に不徹底で混乱しているわけですよ。また現実に気がつかない。もっともこれが、そんな四万円で売られたって被害あるわけじゃないですけれども、まあしいて言うなら通貨の威信低下ですね、その程度のものですが、ぼくがここで指摘したいのはこういうことなんです。現行通貨とか現行紙幣と一口に言いますがね、二とおりあるわけですよ、現にさいふに入っていて流通している文字どおりの現行の通貨、それともう一つ、もう流通しなくなった、法律的にはまだ現行通貨だがもう流通してない回収促進中の、たとえばここには日本銀行券なんて書いてありますけれども、回収促進中のものと二通りこれあるわけです。両方を現行紙幣というふうに考えること自体がもうおかしいんで、ぼく考えるのは、どうですか、まずさいふにないものですね、これ買いものに行くと使えないと言われますよ、いま。また持っている人もいないと思いますが、いなかのほうのおばあちゃんに言ったって使えないと言われる、しかしこれがびんとしていたら四万円だ、くしゃくしゃでも一万円だ、そういうようなものでまずこういう流通してないお札はまず現行通貨というワクからはずして骨とう品扱いにしたっておかしくないじゃないかと、だらだらだらだらと回収促進回収促進でいつまで回収促進やっているのかさっぱりわからない。ある一定の期限を切ってこれはもう廃止であるというふうにしても別に国民が被害を受けるわけでもないと思うんですね。だからその通貨政策において一定期間をきめて廃止すると、こういうことで、いまだにこの明治時代の一円札が——ぼくは見たこともない、大黒様の、明治時代の一円札が——これは昭和四十年の表ですからね、いまどうなっているか知りませんけれども、明治十八年に発行された一円札もまだ現行通貨だと、まだ回収促進中だと、実にばかばかしいというふうに思います。そこで大臣どうですか、もうさいふにない一般に流通性がなくなっているような特殊なものはもう通貨のワクからはずして廃止、そしてこれは骨とう品だからそれだったらこれ売買があっても一部のマニアがやってもこれはどうでもいいですよね。まず廃止すべきかどうか、これについてお考え聞かしてください。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 先ほど野末先生からお話ございました百円の官封券でございますが、これはできるだけ調査をいたしたいと思いますが、先ほど先生がおっしゃいました官封券の番号を控えましてもその控えました番号を調査いたしましてもそれは印刷局のどこの工場でいつごろ製作したものであるかということ以上はわからないような仕組みになっております。したがいまして、日本銀行でも渡しました百円札の一々の番号につきまして控えをいたしておりませんし、したがいまして官封券の番号だけをとらえましてもどこの銀行から出たということはわからないと、こういう仕組みでございます。したがいまして、再度の御要求でございますから全力をあげて調査いたしますが、おそらくそういうことで完全な足跡はつかめないんではないかということでございます。  それからもう一つは、いまお尋ねがございました流通力はあるけれども、実際に製造もしてないし、流通もされていないものをどうするかということでございますが、これは戦後小額紙幣とかあるいは小額通貨の整理をやってまいりまして、その際の考え方は、基本単位としての円の未満のものにつきましては整理をするということで紙幣並びに鋳貨の整理をいたしております。したがいまして円以上のものにつきましては円が基礎単位であるということで現在のところはまだ残っておると、こういうことでございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 じゃいずれは廃止する方向にいくのはわかっているけれども、回収をいつまでやるか。これはいつまでやったってしようがないでしょう。だから適当に回収期間をきめてやってもらいたいと思いますよ。  そして最初の、大臣、問題なんですよ。いわゆる今度、流通しているこの現行のこれだよね。これです。これを売るというのはやっぱりこれはいけないと、禁止と、あるいは規制という方向で通貨政策考え直すべきだと、ぼくの考えですよ。そうしないとさっきみたいに百円の札束ビニールパックで十八万円で売っている。あれば東京のデパートは二十二万円で売るつもりだったんですよ。いまデパートかかえて困っている。困っているけれども、デパートは別に倒れないからそれ持って値上がり待っていますけれどもね。だからこういう現行通貨を売ろうなんというばかなことはなくなる。やはりいわゆる流通している文字どおりの現行通貨の売買は好ましくないし、法的にも規制されるべきだと、これが世の常識じゃないかと、そう思いますがね。どうでしょうか、規制の問題は。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 私の率直な感じから申せば、あんまり理屈を言わずに、やはり社会常識に合わせるような措置がこういう場合には必要であろうかと考えております。ですから早急に何らかの措置を考えてみたいと思っております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 だいぶなまぬるいよね。社会常識に合わせるんだったら大臣が何も通産省に頼んで百円札束ストップ令なんてかける必要もないんだ、ほっぽっておけばいい。そうしたら社会常識に合わしてみんな買いに行きますよ。なぜか。お金に対するもう信頼がなくなっているから何でも物にかえておきたい。いずれもうかると思うからみんな買いに行く。逆に言えば、ぼくがあれを言えばどういう問い合わせがあるか。どこで売っているかを教えてくれないか、こういう電話だってある。これはやっぱり社会常識にまかしておけばなんということよりむしろ後者のほうの何か対策を考えるべきだというほうで真剣にやってもらいたいと思いますがね。  さてどうも大臣がだいぶなまぬるいから少しもう一つ違う話やりましょう。ここにこういうものがある。いいですか、これ現行通貨、だれのさいふにもある百円、五十円、十円、五円、一円、現行通貨、これ五枚そろえました。五枚そろえるとこれは百六十六円、ね、大臣、百六十六円ですよ。そうすると先ほどの問題が十万円の札束が十八万円だから一・八倍だ。これを五枚そろえてもこれでは百六十六円よ。ここにもう一つこういうものがある。同じものだ。中身は未使用と私が使っているものとの違いはありますが。これは百六十六円が一体どのくらいかというと三百倍、四万円。信じられますか、これ。四万円ですよ、これが。どうぞ。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) これはコインのサンプルというかセットにしたものが、これは諸外国でも共通でありますが売られている、それが相当の値が出ているということは承知いたしておりますし、現にたとえば話は違いますが、オリンピックであるとか万博であるとか、そういうときには記念コインというようなものが、これはたとえば五百円なら五百円という貨幣としての単位ではあってもそれが市中においてその記念品として高く売れているという事実もあるわけであります。これはなかなか国際的にそういう一つの慣行があるということも考えなきゃならぬと思いますが、このセットとしてたとえば造幣局でつくるというようなことは昨年度までやっておりましたが、四十八年度になってからはいまのところ注文も受けていないし、製造もいまのところはストップいたしております。しかし、たとえば空港その他では現に売られていることも承知いたしております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 別にこれあれですよ、大臣が悪いからと言っているわけじゃないんで、現実を言っているだけですね。ですから、繰り返しますけれども、これは百六十六円、これが四万円。うそでも隠しもない。これがコイン業界のカタログですよ、日本貨幣カタログ。これを見ますとここにちゃんと出ている、未使用貨幣セット、これですね。造幣局がつくっている。これがたまたま七一年版、七一年版は四万円。去年の七二年版は三万円。これば相場これじゃ買えないんで、これより高くなっているんですがね。だからこれしかたがないと、外国でもやっているからしかたがないと言うけれども、考えてごらんなさい。百六十六円だよ、これ。これが四万円だというこのばかばさしさ。  そこであらためて聞きたいんですが、大臣のお答えの中にもありましたけれども、これ海外向け貨幣セット——一般にはあまり知られていませんが、造幣局がちゃんと出しているものです。これについて説明していただきます。これはどういう目的でつくられ、とこで売っているか、国内では。その辺のところを簡単にひとりお願いします。

草島清大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(草島清君) 海外向けの貨幣セットのお尋ねについてお答え申し上げます。  この貨幣セットの目的は、日本が有する造幣技術、これを国際的な理解を深めるということのために外国政府及び海外収集家に貨幣のセットを頒布しようということで始めたものでございます。それでその頒布方法でございますけれども、事柄の趣旨からいいまして、国内には頒布はいたしておりません。海外の方に頒布いたしているわけでございますけれども、大きなものは海外から造幣局のほうに郵便によりまして注文を受け付けまして、それに対して郵送によりまして現品を送っているわけでございます。もう一つの方法が先ほどお話がございました出国者が東京と大阪の国際空港の出国ロビーにございます免税売店、ここで購入する方法がございます。ここではパスポートを示しまして、名前を控えまして販売しているということでございます。それでいずれも一人当たり五セットを限度として注文を受け付けている、こういうことになっているわけでございます。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そうすると、国内で日本人がちょっとおもしろい、コレクションに加えたいと思って、国内で買おうと思っても、これは絶対に買えない、日本人が買うのはまず無理だと、こういうことですね。

草島清大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(草島清君) 国内では直接これを手に入れる方法はございません。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 ところが、現実に国内の貨幣業者が持っていて、本来手に入らないものをとにかくなぜか持っていて、三万円、四万円の値段をつけて売っている。ほしい人はもちろんどのくらいいるか知りませんが、ほしい人はそういうばか高い値でなければ買えない。なぜ国内の業者に売り物になるほどあるんですかね、これは。

草島清大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(草島清君) これは確実にトレースしたわけではございませんけれども、海外に一度送付いたしましたものが海外のマーケットにおきましてやはり売買されておるわけでございますので、そういうところで手に入れたものが逆輸入されたものかなというような想像はいたしております。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 これについては、時間もありませんし、あんまりやりませんが、大臣、要するにこれが高いからどうだと言っているのじゃないのですよ。国内で手に入らない、また少ししか出さない、だからこそ希少価値が出て、アメリカあたりでもこれはいい値なんですよ。だけれども、日本ほどむちゃくちゃな値じゃないですよ。百六十六円が四万円なんてそんなばかなことはありません。結局、これは実をいいますと、さっきの百円の札束と同じですよ。やっぱり業者に流れているのですよ、あるルートで。だからいいかげんなことばかりやっていると言いたくなっちゃうんですがね。いまの支局長のお答えのように、アメリカから逆輸入された例もそれはあるだろう、国内の免税販売店で売っている例もあるだろう。しかし業者に横流れしているルートもちゃんとあるんだ。だからその辺のところを一々追及してもしようがないんで、ぼくはこういう異常なものを、もう異常高値を呼ばないようにすることが先だと思うんです。これは簡単なんですよ、実は。要するに、ことし、いまのところまだお売りになっていないというお答えありましたね。やはりそれはおそらく弊害について、つまり国内の業者が異常な高値で売っているということを弊害と御存じだから、ストップされていると思うんですよ。  それでどうでしょうね。このストップとか、そういうことではなくて、国内の人に手に入るように、もう少したくさんつくるとか、あるいは国内でも申し込みによって売るようにするとか、簡単なことじゃないかと思うんですね。この中のお金が問題じゃないんだから、これは包装がみんなほしい、この包装がないからこそ四万円だ、五万円だという値打ちが出てくる。その辺のことをひとつ考えて、国内のほしい人に手に入るようにもうちょっとたくさんつくる、あるいは国内でも売るルートをつくる、どうでしょうか、大臣、このくらいのことは。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますように、四十八年度に入りましてからは受注も受け付けていないし、製造もやっておりません。当分これを続けるつもりであります。いまお話のように、供給を増すほうがいいてはないか——なるほどそうすれば値を冷やすという効果はございましょう。ところが、別の観点から申しますと、やはり国内の経済規模がどんどん拡大しておりますから、このコインに対する供給は国内的にもともすると、不足勝ちであって、造幣局は現在もフル操業でやっておるような状況でありまして、日本の貨幣セットを多くつくるだけの余裕は乏しい、こういう観点もございますし、また最近のところでは弊害のほうが多いとも思いますので、ここ当分は製造も受注もストップするということでいまやっておるようなことでございます。そういう点を御理解いただきたいと思います。

野末和彦第二院クラブ

○野末和彦君 そのあたりが大体しゃくし定木な考え方だからだめだというのですよね。アメリカあたりでも頭を使っているんだから。要するにこの中の金を入れた、これはつくらないのですよ、大臣、中は自分で入れてもらってもいいから、これ印刷物をなくした、このパックをつくるなりあるいはこれを全体のこれですが、これだけをやるなり、これなんか原価たいしたことないでしょう、そういう方法で弊害は幾らでも防げるので、ただストップしました、ストップしたって、海外に貨幣技術を紹介するという本来の目的を全部やめるわけにもいかぬでしょうから、それだったら、ストップするといってますます価値を上げるよりも、だあっと出して、だれにも手に入るようにすれば、こんな異常な事態起きない。これお笑いですよ。アメリカでもこれ売っています。かなり高いです。しかし、アメリカはこれがないから高いので、日本人がこんな日本の金の入ったセットを四万円も五万円も出さなければ買えないなんて、そんなばかなことないわけですよ。だから、賢明な大臣はすでにもういろいろと対策を講じていられると思うのです。  私がきょう申し上げたのは、要するに、現行通貨の売買が何でもかんでもいけないとか、そんなこと言う前に、それに関係した小さなことではあるけれども、異常な特殊現象を、いわゆる海外向けの貨幣セットとそれから百円札束と、二つを例にあげたのですが、この根本にはやはり大蔵省が何というか、通貨政策において非常に頭の切りかえができていない、何にも重大性考えてない、それで口では金の威信が下がってくるなんてなこと言ってるけれども、ぼくは、ここらで頭を切りかえて整理するものは整理するし、こんな異常に金が扱われている事態はやはりどんどんなくするように努力するのがこれはあたりまえだと、こういうふうに思うわけです。  そこで、通貨政策のあり方をひとつ根本的に検討していただきたい。で、具体的には廃止すべきものも当然出てきていいし、それから現行紙幣、しかも流通中のものは売買はやめさせるように持っていったほうがいいし、それからこんな海外向けのものが本来の目的を離れて、高い、異常な高値で取引されて、しかも問題は、国内の日本人買いたくても買えないのに、業者だけは持っている。アメリカから逆輸入された例があるとしても、業者だけが持って、しかも売っているという、こういうことをやはり考えた上で根本的な検討をお願いしたい、こういうふうに思いますが、きょういろいろ私提案しました。大臣、ひとつどうですか。前向きで幾つかでも検討して、実現とまではいきませんが、いいほうへ善処していただけるかどうか、その確約をひとつ最後にお願いして終わります。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) いろいろな御提案をいただきましてありがとうございました。その中で取り上げ得るものは前向けに、できるだけすみやかに取り入れたいと思います。  それからいまのコインの問題などにしましても、この貨幣セットの問題だけじゃなくて、たとえば一つの十円玉なら十円玉でも、その製造の年によりましてこれでまた、収集マニアというふうに言ってもいいんでしょうか、そういうのがまた商品的に扱われている傾向等もございますので、一ぺんとめるところはとめ、それから供給すべきものは供給し、あるいは古い、もはやだれのさいふの中にもないというものについては、法制的な措置を考えることが必要である、こういうふうに考えます。積極的な対処策を講じたいと思います。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言がなければ、昭和四十五年度決算外二件に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) それでは、昭和四十五年度決算外二件につきましてはこれを一時中断し、次に、昭和四十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁、所管使用調書(その2)外三件、昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件、以上八件を便宜一括して議題といたします。  これらにつきましては、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、昭和四十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書を問題に供します。  本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。  次に、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)  昭和四十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)  昭和四十六年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書  昭和四十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)  昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)  昭和四十七年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)  昭和四十七年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その一)  以上七件を一括して問題に供します。  これら七件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 多数と認めます。よって、これら七件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 次に、昭和四十五年度決算外二件を再び議題といたします。  これらの質疑は先刻終了いたしておりますので、これより直ちに討論に入ります。  各党討論に入るに先立ち、理事会におきまして協議いたしました内閣に対する警告につきまして、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。  警告の案文を朗読いたします。  内閣に対し、次のとおり警告する。 (1) いわゆる審議会等については、現状において、その必要性を検討すべきものが多々あり、中には構成員の過度の兼任、会長職務の空席、委員手当の不均衡等の不備がみられ、また、その活動状況が著しく不活発なものの例が跡をたたないことは遺憾である。   政府は、可及的すみやかに審議会等の活動の実態を検討し、できる限り整理統合を推進するとともに、委員の構成、委員手当にも配慮を加え隔民意が公正かつ適確に行政に反映するよう機能充実に努めるべきである。 (2) 防衛庁が民間企業に委託契約して行なう研究開発に伴つて生ずる工業所有権について、現在、その大多数が民間企業に帰属していることは看過できない。   政府は、この研究開発の財源が全額国費であることおよび防衛庁の研究開発述もつ特殊性などの実情をあらためて考慮し、このような工業所有権はすべて国に帰属させる方向で、現行の取り扱いを再検討すべきである。 (3) 公害防止事業団が受託金融機関に委託して行なう融資事業の貸付金のうち、対象外施設の設置に使われたり、目的以外の用途に一時使用されている事例があることは遺憾である。   政府は、当事業団に対し、受託金融機関および貸付先企業への適時適切な指導監督を行なわさせ、事業目的が達せられるよう努めるべきである。 (4) 日本私学振興財団が、私立大学等に対する経常費補助事業を実施するにあたり、「小田原女子学院」に交付した補助金のごとく、著しく適正を欠いている事例が、前年度に引き続き認められたのは遺憾である。   政府は、当財団に対し、学校法人において適正な補助事業が達成されるように指導監督に一層努力を払うべきである。   なお、最近、私立医科歯科系大学の中には、入学の際に極めて高額の寄付金を徴収している事例があり、松本歯科大学のごとく不正に設立認可をうけた大学さえあり、またかなりの私立大学において、定員水増しなどによる教育条件の悪化が見受けられるのも遺憾である。   政府は、今日私学のもつ重要性にかんがみ、このような事態を放置することなく、教育環境の向上をはかるため.適切な助成措置を講ずるとともに、指導監督に格段の努力を払うべきである。 (5) 最近、看護婦不足はますます深刻化し、そのために折角整備された病床の閉鎖を余儀なくされている状況がみられるのは遺憾である。   政府は、率先して養成施設を増強するとともに、看護婦勤務の特殊性に即応した環境の整備および労働条件の改善を行ない、潜在看護婦の活用をはかるよう対策を講ずべきである。 (6) 最近、ゴルフ場の建設に関し、自然公園法、森林法等の趣旨に沿わない乱開発が行なわれ.あるいは里道など公共用財産が払下げ許可を得ないままゴルフ場用地として使用された事例がみられることは遺憾である。   政府は、ゴルフ場の建設については、少なくとも、国立公園内の建設の禁止ならびに国土の保全等保安林指定目的の達成を阻害するような保安林解除の中止をはかるほか、環境保全に支障を及ぼさないよう厳に配意し、国有地の使用についても、規制を強化すべきである。   なお、一部の高級公務員がゴルフ場の名誉会員になるなどの公私混こうは厳に戒むべきである。 (7) 阪神高速道路公団が建設した一部の道路で.供用後間もないのに、重量車による法定外の荷重等のため、路面損壊の事故が続発したことは、看過できない。   政府は、この種事故が当公団の道路に限らず、今後も多発する可能性にかんがみ、工事監督や施工管理に留意するとともに、検量施設の整備等によつて重量車による規制を強化し、走行の安全確保と道路の保全をはかるべきである。 (8) 有線音楽放送業者の一部が道路管理者の許可をうけることなく、電柱等に放送線を添加して道路を不法に占用し、占用料等の納付も行なわない事実が多年にわたり、多数見受けられることは遺憾である。   政府は、関係当局の連絡を密にし、すみやかに改善の措置を講じ、いやしくも国損を招くことのないようにすべきである。 (9) 郵政職員による現金領得事犯は、部内監査の強化にもかかわらず、いまだに跡をたたず、とくに、現金出納官吏である中堅幹部による犯罪が発生したことは遺憾である。   政府は、同種犯罪の防止に努め、その根絶を期すべきである。 (10) 沖繩県においては、本土復帰後一年余を経過しているにもかかわらず、基地問題をはじめ、物価、産業開発、社会福祉等について、 いまだ政策の効果か期待通り発揮されておらず、本土との格差が依然として残存している事態がみられる。  政府は、沖繩県の基地問題解決および県民のための施策を一層強力に推進することは勿論であるが、当面の緊急課題であるサトウキビ農業の保護育成、ウリミバエの駆除等の病虫害対策、麻薬の取締、売春の絶減、ハンセン氏病に対する措置等に全力を傾注すべきである。  以上でございます。  それでは討論をされる方は、賛否を明らかにして御意見をお述べ願います。日本社会党小谷守君。

小谷守日本社会党

○小谷守君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十五年度決算外二件について、これを是認しないことを表明し、内閣に対する警告案に賛成するものであります。  是認しない理由を一言で申しますと、すでに、会計検査院の検査報告にも指摘されておりますように、相変わらず、血税のむだづかいや、国損とみられる事項、さらには、公務員の不当・不法行為等があとを絶たず、しかもそれが氷山の一角にすぎないという点であります。  委員会の審査を通じても、財務執行が、ずさんであり、行政の姿勢にゆるみがあるため、政策の効果と行政の効率に疑問を投げかけるような事例が目立っておりますことは誠に遺憾であり、政府の責任は重大と言わねばなりません。その事例の一部については、ただいま委員長御提出の警告案にも示されておりまするが、ほかにも是正すべき問題が数多く指摘されてまいったのであります。  以下、若干の具体的な問題点に触れてみたいと存じます。  第一は、公共土木施設工事について、依然として不経済な予算の使用とか、不当な経理がみられるという点でございます。もともと、土建業界には、長年にわたって、入札に際し、談合ともいうべき業者間のなれ合いが行なわれているということが定説化されております。これは、おもに大手業者間でなされているようであり、中小業者は、大体が下請、孫請の形でたたかれる場合が多く、勢い手抜きにもなろうということが推定されます。こういう業界の体制に対し、発注者側であり、また指導監督の立場にある行政庁側がはたして万遺漏なく対処しているかどうか。一部にはまだ、契約に際してのなれ合い、ずさんな工事計画、監督不行き届きが横行していることは否定できません。特に、補助事業については、行政の流れ、資金の流れが、通常、国から、地方公共団体、事業主体、請負業者という段階を踏んでいるわけでありますが、事業主体の補助事業に対する認識不足、技術力の弱さ等による監督・検査の不備などのほか、関係者間の意思の流通に欠け、連絡不十分等によって、責任の所在が不明確なまま、いたずらに不経済な工事や、適法でない仕事がまかり通るようであり、起こっているのであります。  第二に、航空機輸送事業に対する政府の指導監督の不徹底ということであります。  例をあげるまでもなく、この二、三年来、わが国の旅客機の事故が続発したことは、人命に関するものだけに遺憾にたえないところであります。この原因については、いろいろ取りざたされておりますが、要は航空会社が経営の拡大のために、必要以上に背のびして、安全性確保のための体制整備に手抜かりがあったのではないかとの疑惑が濃いのであります。特に、日本航空のように、国からの出資を受け、特別の保護のもとにある会社が、外国での事故を相次いで起こす一方、特定の政党に対し、常識では考えられないような料金の割引を行なった事実もあります。これらの点についてだけみても、運輸省の、航空会社、中でも日本航空に対する指導監督に欠陥があることを見のがすわけにいかないのであります。  なお、昭和四十六年の自衛隊機と全日空機との衝突事故について、その法的評価は、今後の裁判の結果にまつとしても、自衛隊機が当日所定の訓練空域を逸脱したためとの説が明らかになっております。これが真実ならば、防衛庁の綱紀の弛緩に起因するものと断定せざるを得ないのであります。  第三は、郵政事業特別会計の運用にからみ、いわゆるブラザー制度をめぐって、不当な経理がなされているのではないかとの疑惑であります。ブラザー制度そのものについて問題はありますが、これに対し、郵政当局が支出している経費は、立てかえ金なのかどうか。また立てかえ金としても、財政法規から、このような立てかえ払いが認められるものなのか等について、郵政省、大蔵省、会計検査院の見解に重大な食い違いがある点ははなはだ遺憾であります。しかもこの制度は、労使関係に介入し、不当労働行為の疑いさえもたれているわけでありまして、決算審査の立場からも了承するわけにはまいらない問題であります。  以上、ごくわずかな例をあげたわけでありますが、政府の行政及び財務執行の姿勢には納得のいかない点が多く、これらを含む昭和四十五年決算外二件は、是認するわけにはまいらないのであります。  政府は、これらをよく反省し、警告にある対策については万全を期するとともに、委員会を通じて提起された諸問題の善処方について一段と努力されるよう、強く要求して討論を終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 自由民主党片山正英君。

片山正英自由民主党

○片山正英君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和四十五年度決算外二件を是認するとともに、内閣に対する警告案に賛成するものであります。  私どもは、決算審査が財政民主主義を実現するため不可欠な意義をもつ点にかんがみまして、予算や法律が適正かつ効率的に執行されたかどうか、政府の諸施策に検討を要するものがなかったかどうかという観点に立ちまして、超党派的な立場から慎重に審議してまいったのでありますが、その審査経過を振り返ってみますと、政府における財政処理はおおむね所期の行政効果をあげておりますし、決算総体としては、国民もまた納得されたものと思われますので、私は本決算を是認すべきものと考えるのであります。  しかしながら個々の点については、依然として留意すべき事柄も少ならずあると思うのでありまして、ここに、その一、二点を指摘しておきたいと存ずるのであります。  その一点は、これは私毎年思うのでありますが、当年度の会計検査院の検査報告でも相も変わらず同じような態様の指摘を繰り返し受けておるということであります。たとえば租税の徴収不足、補助事業の実施や保険金の支給にかかわる不適切などの事態がこれであります。もちろんこれらの中には、すでに是正済みのものもあり、改善努力のあとがうかがえるものもございます。しかしこれらむだ使いの財源が国民の血税によるものである限り、政府がいかに高度の財政政策を展開し、あるいは国会がどんなにりっぱな法律を制定いたしましても、一部執行の段階で画竜点睛を欠くことになり、政治不信さえ招きかねないことを行政当局は銘記すべきであります。予算規模もとみに大型化してまいります今日、財務、経理の適正化については、政府も日常御苦心のこととは存じますが、かような検査結果については真剣に反省の上、何ゆえ同様なあやまちが続発するのか、特にその発生原因の究明につとめ、これに即応した実効ある防止対策をとられることを強く望むものであります。  次に申し上げたい点は、先ほど委員長から提案になりました内閣に対する警告事項についてであります。これらは過去一年にわたる審査の結果明らかにされた事態のうち、特に財政処理上、留意すべき事項について、党派を越えて指摘、集約されたものでありまして、私どもは議院においても全会一致をもってこれに賛意を表すべきものと確信いたすのでございます。それゆえに、政府は、これら警告の一つ一つを国民の声として謙虚、率直に受けとめることはもちろん、予算に反映させるべきものはすみやかに反映させるとともに、関係省庁をして是正すべきものはすぐさま是正させるなど、適確な施策や運営をもって国民の信頼にこたえるべきだと思うのであります。  簡単でありますが、以上二点を要望いたしまして討論を終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 公明党黒柳君。

黒柳明公明党

○黒柳明君 公明党を代表して、昭和四十五年決算外二件について否認の意思を表明するとともに、政府に対する警告に対しては賛成するものであります。  以下、否認の理由について若干申し上げたいと思います。  林野庁関係機関等貯蓄会の違法な預金行為を長年にわたって放置していたり、有線放送音楽で放送法や道路法の適用があいまいなために違法な状態を長年続けて国損を生じたり、また郵政省貯金局関係の設置法のかってな拡大解釈によって保険行為を行なうなど、行政の根本的な法律執行の姿勢に大きな弛緩があると認められるからであります。  さらに政府は、土地政策を何も持たないことによる住宅問題をはじめとする国民大衆の大きな批判と怒りが政府に向けられていることに対し、政府は所有権を持つ国有地の処分のあり方についてさえ何らの時代感覚の反映もなく、従来のままに民間営利企業、なかんずく不動産業者にさえ競争入札もしないで払い下げているのが実態であります。あらゆる公共投資の基礎となる国民生活の重要な脅威となる土地問題に対して政府が何らの施策も対応できなかったことは決算否認に値することであると考えるものであります。  以上、二点を特に上げて、決算を是認しない理由として申し上げておきます。  討論を終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 民社党栗林君。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私は、民社党を代表して、昭和四十五年度決算外二件についてこれを是認しないとの意思表示を行なうとともに、内閣への警告決議案に対しては賛成の態度を表明いたします。  さきに出された「予算・会計の改革に関する意見」の中に、次の点が指摘されております。すなわち、「国会に提出される「決算の説明」を予算に示された計画内容と実績との対比という形に改め、さらに過去数年間を並記して、予算の執行実績とその推移と明らかにすべきである。また会計検査院においては、内閣から独立した地位にあることにかんがみ、予算の執行結果から判断して、予算が効率的に執行されたか否かのみならず、ひろく、予算そのものの批判に及ぶべきである。」、以上であります。  私はこの意見に賛成であり、政府に対してこの意見に沿った改善を強く要望したいと思います。  また、会計検査院の強化が当然に必要であります。人的、物的対策を急ぐべきであり、七%程度の抽出調査にとどまっている現状の改善を含めて、関係当局の善処を要請いたします。  さて、昭和四十五年度は、不況期にありながら消費者物価が七・三%という高い上昇率を示したこと、国際収支の黒字基調が定着したこと、及び環境破壊が顕著になってきたこと、以上の三点で特徴的な年でありました。これに対し政府の予算は、それまで野編成方針を惰性的に踏襲するにとどまりました。そしてことことが、今日の経済成長と国民福祉の乖離を生み出す大きな原因となったと言わざるを得ません。  当時われわれは、予算編成の重点を物価の安定、大幅な所得減税、公共住宅の大量建設、社会保障の充実、公害対策の拡充に置くことを主張いたしました。昨年以降政府も、福祉重点の予算編成をすると主張するに至りました。しかし問題はそのおそさであります。われわれを取り巻く環境の変化が早くなればなるほど、政府施策のおくれはおびただしい弊害を生むに至ったと言わねばなりません。  すでに経過した昭和四十五年度決算でありますが、今日の異常な物価問題環境問題、土地、住宅問題を生み出した政府施策の不備をあらためて指摘しなければなりません。しかも皮肉なことは、その予算の執行そのものが、物価の上昇により道路整備、農業基盤整備等任務を達成し得ない事態に立ち至っていることであります。  また、社会保障面においても、給付の名目的な引き上げは物価上昇で減殺され、実質的に社会保障水準が低下する事態を招いております。これは昭和四十八年度、すなわち今年の課題であります。すでに今国会において成立した予算ではありますが、見直しの必要がないのか。昭和四十五年度決算の反省に立った善処をこの際要望しておきたいと思います。  以上わが党の見解を述べ、討論を終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 共産党塚田君。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十五年度一般会計決算、特別会計決算外三件の承認について反対であることを表明します。  その第一の理由は、この決算が、わが党が反対した昭和四十五年度の予算の内容と基本的に同じであるからであります。  予算審議の過程でわが党が指摘したように、決算においても、日米共同声明に基づき日米共同軍事体制を強化し、アメリカ帝国主義の核のかさのもとに日本軍国主義を公然とよみがえらせ、再びアジアの平和の安全に大きな脅威をつくり出し、また独占資本の海外進出、大企業の設備投資を拡大し、大幅な赤字公債の発行や産業関連投資の拡大、幹線自動車道路、空港整備、港湾整備など独占資本に奉仕する特別会計へは一般会計からの繰り入れをふやす一方、失対事業就労人員の大幅削減、米の減反の押しつけなど、地方財政への圧迫など国民への収奪と抑圧を一そう強める結果となったからであります。さらには、沖繩県民の祖国復帰と経済復興の要求には十分こたえなかったばかりか、住宅、中小企業、公営企業など公庫への融資を削減し、社会保障費四十四億八千万円余、文教及び科学振興費十億六千万円余を不用額として剰余金に組み入れるなど、国民生活経費を削減しました。  これによって見るとおり、この決算は、一部の独占企業の繁栄を十分保障する一方、国民の切実な要求はこれを無視するものであります。  第二に、一般会計及び特別会計の予備費の支出に非常に放漫化していることであります。計の予備費にふさわしい災害復旧費以外に、カンボジアのかいらい政府を助ける援助費などはわが党として認められないものであります。これは憲法八十七条の予備費の規定を乱用し、政府みずから財政の民主的条項を踏みにじるものであります。  第三に、政府及び政府関係機関の予算執行は依然として乱脈で、会計検査院の検査報告も百四十六件の不当事項を指摘し、本委員会での審議でも明らかにされているように、国家資金の浪費、高級官僚の腐敗は著しいものがあります。  以上が、わが党としてこの決算に反対することのおもな理由であります。  次に、国有財産の増減及び現在額総計算書についてでありますが、台帳の価格改定による増減を差し引いた純増加額では、海外経済援助関係や大企業への融資などの政府出資、防衛庁の艦船・航空機の新造費、皇室費が約八割を占め、現在額においても大企業のための出資・投資と、防衛庁の土地・兵器が約半分を占めています。それゆえこれに反対するものであります。  また、国有財産無償貸付計算書については、わが党はこの無償貸し付けには賛成し、今後一そうの拡大をはかるべきであるが、その実行面において不明瞭な点があって賛成しがたく、棄権の態度を表明するものであります。  最後に、警告決議案については、わが党の見解を全面的にあらわすものではありませんが、基本的には一致できるので、賛成の態度を表明するものであります。  以上で態度表明を終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより順次採決に入ります。  まず、昭和四十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十五年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十五年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十五年度政府関係機関決算書を問題に供します。  第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 多数と認めます。  第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十五年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決されました。  次に、昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書を問題に供します。  本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。  次に、昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書を問題に供します。  本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。  この際、関係大臣から発言を求めておられますので、順次これを許します。二階堂内閣官房長官。

二階堂進自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(二階堂進君) ただいま御決議がありました審議会等に関する問題につきましては、政府は、議員の兼職の制限など、従来も努力を続けてきたところでございますが、御指摘の点につきましては、よく検討の上、その趣旨に沿うよう、指導してまいりたいと存じます。  さきに本委員会で一部地方支分部局の長等の公務員がゴルフクラブの名誉会員となっていること及び公社・公団等がゴルフクラブの会員権を保有するなどの御指摘を受けましたが、このようなことで国民の疑惑を招くおそれのないよう、政府といたしましては、さっそく各省庁に対し改善措置を指示いたしました。今後も十分監督していく所存でございます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 福田行政管理庁長官。

福田赳夫自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御決議がありましたいわゆる審議会等に関しましては、決議の御趣旨に沿って、各関係省庁を通じて一そう適正な運営がなされるよう推進し、その実現に努力をいたしたいと存じます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 山中防衛庁長官。

山中貞則自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいまの御決議に対し、当庁関係として御指摘のありました民間企業に委託契約して行なう研究開発に伴って生ずる工業所有権の取り扱い及び沖繩県の基地問題の解決については、御趣旨に沿うよう処理いたします。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 三木環境庁長官。

三木武夫自由民主党環境庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(三木武夫君) ただいま決議のありました環境庁所管の公害防止事業団の監督及びゴルフ場建設の規制に関する事項につきましては、決議の趣旨に沿って、善処いたします。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 奥野文部大臣。

奥野誠亮自由民主党文部大臣

○国務大臣(奥野誠亮君) ただいま御決議いただきました文部省所管の事項につきましては、御決議の趣旨に沿うよう、今後なお一そう指導監督の徹底をはかり、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 齋藤厚生大臣。

齋藤邦吉自由民主党厚生大臣

○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいま御決議のありました厚生省関係の事項につきましては、今後とも十分留意し、なお一そう適切な措置を講ずるよう、善処してまいる所存でございます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 金丸建設大臣。

金丸信自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(金丸信君) ただいま御決議のありましたゴルフ場用地内の国有地使用規制の強化、高速道路等における走行の安全確保及び有線放送の道路占用の許可の適正化については、それぞれ御指摘の御趣旨に沿って、速急に改善をはかってまいる所存でございます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 櫻内農林大臣。

櫻内義雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御決議のありました農林省所管の事項につきましては、御指摘の点を十分考慮し、警告の趣旨に沿うよう、つとめてまいる所存であります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 久野郵政大臣。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま御決議のありました郵政省関係の事項につきましては、御指摘の点を十分考慮し、警告の趣旨に沿うよう、指導監督の徹底をはかり、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 以上で関係大臣の発言は終わりました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書につきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することといたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 次に、本委員会は、昨年、昭和四十四年度決算につきまして、内閣に対し警告の議決を行ないましたが、その警告に対し、内閣のとった措置などにつきまして、説明を聴取いたします。大蔵大臣。

愛知揆一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(愛知揆一君) 昭和四十四年度決算に関する参議院の審議議決にかんがみ講じました措置の概要を申し上げます。  政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等につきまして特に留意してまいったところでありますが、昭和四十四年度決算に関する参議院の審議議決にかんがみ、各省各庁におきまして講じております措置をとりまとめて、その概要を御説明申し上げます。  一、官庁綱紀の粛正につきましては、従来からも閣議決定等により、責任体制の整備、服務規律の確保、部内監察の強化等を通じて、その実効性の確保につとめてきたところでありますが、今回御指摘のような事案が生じましたことばまことに遺憾であります。  政府といたしましては、昭和四十七年五月の人事管理官会議におきまして服務規律の確保及び綱紀粛正の推進につとめるよう指示するとともに、公務員は国民全体の奉仕者としての自覚のもとに法令に基づき公正に業務を執行しなければならないことから、特に監督の地位にある者は部下職員の指導に遺憾なきを期すべきことを強調したところであります。  今後とも議決の御趣旨にかんがみ、この種事案を根絶すべく一そう努力する所存であります。  二、公益法人の指導監督につきましては、各省庁において十分努力してきたところでありますが、国会における審議経緯等から昭和四十六年十二月行政管理庁が公益法人の指導監督に関する行政監察の結果に基づく勧告を行ない、その結果、総理府に公益法人監督事務連絡会議を設置いたしまして、指導監督事務の統一的改善をはかるため検討を行なっているところであります。すでに設立許可審査基準等に関する申し合わせを策定して各省庁を通じて統一的な運営を推進しておりますが、さらに御趣旨に沿い公益法人の指導監督につきまして今後一そう努力する所存であります。  三、財団法人日本体育協会及びその下部競技団体の事務体制の整備につきましては、補助事業等の適正な執行を期するため従来から努力してきたところでありますが、今回の議決の御趣旨にかんがみ、さらにその厳正を期するよう、同協会に対し、決算書に公認会計士の監査報告書を添付する等経理に関する監査機能の強化をはからせたところであります。  四、日本私学振興財団が行なう私立大学等経常費補助金の交付につきましては、その適正な執行をはかるため常に努力してきたところでありますが、今回の議決の御趣旨にかんがみ、さらにその厳正を期するため、同財団に対し、各学校法人からの提出資料を審査する体制を整備強化させるとともに、その審査にあたって事情聴取を十分行なう等審査機能を充実させるようその指導監督につとめているところであります。  五、競馬場周辺の交通混雑等の問題につきましては、各主催者は道路、駐車場の整備、交通整理員の増強等環境整備に特に尽力するよう指導しているところであります。  また、昭和四十六年十一月以来、農林省に学識経験者による競馬懇談会を設置し、競馬のあり方、競馬環境の整備等の諸問題について検討を行なっているところであります。  競馬益金につきましては、法律の定めるところにより、畜産振興事業、社会福祉事業等の財源に充当し、その振興に寄与しているところであります。  六、牛肉価格の安定につきましては、基本的には需要に見合って安定的な供給をはかる必要があるため、従来から肉用牛導入事業、肉用牛価格安定事業等を実施し、主産地の形成と生産性の高い経営の育成を促進してきたところでありますが、昭和四十七年度から新たに肉用牛総合対策として、肉用牛生産団地育成事業、乳用雄子牛利用促進事業等を実施し、国内肉用牛資源の維持培養及びその活用につとめているほか、消費地に食肉包装処理施設等を設置し、流通面の合理化をはかるなど流通対策につきましても努力しているところであります。  また、増大する需要に対し国内供給が不足する部分につきましては、牛肉の輸入ワクの大幅な拡大をはかり、牛肉価格の安定につとめているところであります。  今回の議決の御趣旨にかんがみ、今後ともこれらの施策を拡充強化することにより、牛肉価格の安定に一そう努力してまいる所存であります。  七、自衛官の募集につきましては、採用する隊員の質の向上をはかり、国民の理解と信頼にこたえられる自衛隊とするため募集方法の改善に常につとめているところでありますが、今回の議決の御趣旨にかんがみ、自衛隊地方連絡部長会議等においてその趣旨を徹底させるとともに、志願案内及び募集ポスターの改善をはかったところであります。  また、自衛官の募集に関する職業安定機関の協力につきましては、従来から、公共職業安定所が本来の使命を逸脱しない範囲で、かつ、業務に支障のない限度において行なうよう指導してきたところでありますが、さらに、労働省の担当部局より昭和四十七年三月各都道府県職業安定主管部長あて通知し、その趣旨の徹底をはかったところであります。  八、カドミウム汚染米対策につきましては、次のような土壌汚染防止等対策及びカドミウム汚染米処理対策を講じ、国民の健康の保護及び生活環境の保全にとめているところでありますが、今回の議決の御趣旨にかんがみ、今後一そう努力してまいる所存であります。  (1) 土壌汚染防止等対策    農用地の土壌のカドミウム等による汚染を防止すること等につきましては、昭和四十五年制定の農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、地域の指定等を行ない、そのうち必要な土地改良事業を公害防除特別土地改良事業として昭和四十六年度から実施し、昭和四十七年度予算においては、受益面積が一〇ヘクタール未満のカドミウム等による汚染地域に対しても小規模公害防除対策事業を行なうこととして所要の措置を講じており、また、昭和四十八年度予算においてこれらの事業の拡充をはかっているところであります。  (2) カドミウム汚染米処理対策    カドミウム汚染米につきましては、昭和四十五年七月にその安全基準としてカドミウム濃度一、〇PPM未満と定めたところでありますが、これに該当する汚染米はもちろん、それ以外のいわゆる汚染米についても消費者の間に不安が存在している事情等を十分配慮し、これを配給しないことといたしております。また、カドミウム濃度一、〇PPM以上の汚染米の処理につきましては、売却先を限定する等食用等への横流れ防止措置を講じ、染色のり、接着のり等の原料として売却することとしており、一、〇PPM未満のものにつきましても、民間学識経験者によるカドミウム汚染米の処理検討会において適切な処理方法の検討を行なうこととしているところであります。  九、日本鉄道建設公団が国鉄新線の建設を実施するにあたりましては、重点的かつ効率的に実施するよう常々留意しているところであります。  昭和四十八年度予算編成にあたりましては、幹線高速鉄道網の整備を促進するため、新幹線鉄道及び青函トンネルの建設費を大幅に増額することといたしましたが、いわゆるAB線(地方開発線及び地方幹線)につきましても、従来重点的に建設を進めている路線の建設費を増額することにより、その工事を一そう促進して建設期間の短縮をはかり、投資効果を発揮するよう措置したところであります。  十、米側に接収された図書及び公文書につきましては、平和条約に照らし、法律的な権利としては返還要求することばできませんが、米側との話し合いにより、その返還を実現するよう努力すべきであると考えまして、すでに在米日本大使館を通じ米側との話し合いを行なってきているところであります。  まず図書につきましては、米側は、わが方がすでに米国議会図書館に対し提示した被接収発禁図書千八百三十六冊のリストに基づき、その保管の有無について調査中であり、また公文書につきましても、各省庁が取りまとめた詳細な返還要求リストを提出しておりましたところ、米側は旧内務省及び旧陸軍省関係の合計的四百点を無償で返還するよう努力する旨約束しております。  今後とも引き続き米側と折衝を続け、さらにより多くの返還実現に努力する所存であります。  十一、国政調査のための資料提出につきましては、その趣旨を十分尊重し、今後資料の早期提出について遺憾なきを期してまいる所存であります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 以上で説明聴取を終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会

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