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71回国会参議院1973/06/06

決算委員会 第10号

発言数
179
登壇者
27
会派数
4
開催日
1973/06/06

会議録

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨五日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として伊部真君が選任されました。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 昭和四十五年度決算外二件を議題とし、本日は労働省、郵政省及び電信電話公社の決算について審査を行ないます。  午前中はまず労働省の決算につきまして審査を行ないます。  この際おはかりをいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも口頭報告を省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 まず、四月十九日の「日経」で報道されておりましたが、大阪府の中央警備保障ほかのいわゆる職安法違反の問題について、これは当然警察庁とそれから職安局のほうに関係があると思いますが、四十四条違反についてどのような内容であったのか。そうしてこれに対してどのような対策を打たれたのか。あるいは当該の違反行為が明らかになった以外の保障会社に対してどのように処置をされたか。警察庁でも職安局長でもどちらからでもいいですから、ひとつお答えをいただきたいと思います。

奥秋為公警察庁刑事局保安部防犯少年課長

○説明員(奥秋為公君) ただいま御指摘のありました点につきまして御説明いたします。  大阪で発生しました事件ですが、これは警備コンサルタントを業とします鵬友社というのがありまして、これが要するに人をかき集めまして、それを各警備会社に適当に配分しておったという事案であります。実はこれは大阪の曾根崎署が梅田地区に蟠踞しておる素行不良少年グループを、そういった組織を解体しようということでいろいろ手を入れて調べております過程におきまして、どうも少年が警備会社のほうにいろいろ雇われて働いているというふうな情報を得ましたものですから、これに基づきましてこの後関係の警備会社のほうに行き、その実態等を調べた結果、そういうことが実はわかったわけであります。それで一応非行少年、十八歳未満の者が三名——これは会社は全部で六つあるわけですが、そのうちの三カ所の会社に、少年、十八歳未満の者が実際雇われておった。それからそのほか、この鵬友社が昨年の十月ごろから本年の三月までの間に大体延べ九百七十三人を一応供給しておるという実態が実はわかったわけであります。  それで私のほうとしましては、この警備会社等につきましては、一応全国的な組織としまして全警連というのが実はあるわけなんですが、そこの責任者に話しまして、これは全国の警備会社に情報を提供すると、そういうことを業務にしておりますので、特に少年関係につきましては警備業法の七条ではっきり十八歳未満の者は雇ってはいけないという規定がありますので、今後もそういうことのないように、特に人を雇う場合にも年齢、それから素行等を十分ルートを通じて調べて、それで雇っていただきたいということを強く申しておきました。それからこれに関係しましたところの、要するに供給を受けた警備会社なんですが、これは西日本パトロール警備保障会社、これは大阪です。いずれも全部大阪なんですが、それから四菱警備保障会社、中央警備保障会社、大栄警備保障会社、日本合同警備保障会社、太陽警備保障会社であります。それで警察としましては、職安法違反でいずれもこれを捜査し、もちろんこれを立件送致する予定でおります。それから特に十八歳未満の者を雇った警備会社につきましては、明らかに警備業法違反ということになりますので、今後さらに事実を調べた上で行政処分を行ないたいと、かように考えております。以上です。

伊部真日本社会党

○伊部真君 あとまた職安局長のほうから答弁をいただくとして、この問題は警備業法の七条一項、十八歳未満の者を使用してはならぬという項目の違反であると同時に、第十一条の必要な事項について教育を行なうという項目の違反であります。で、巷間伝えられておりますのは、十八歳米満の少年と同時に、すぐに警備でスーパーマーケットの前の警備とか交通整理に当たらせているというふうに報じられているわけです。少なくとも交通整理というところまでそれを使うとすれば、当然にこれは人命にかかわりが出てくるわけでありますから、ある程度の教育というものを、あるいはきめられておる教育時間というものを当然守らなきゃならない。それは単にそこの保障会社の問題ではなしに、社会的に非常に大きな問題だと思うんです。で、私は、こういう報道があったのと同時に、私の知り合いの人の子供のことを聞いてみると、子供もやっぱりそこへ行っているそうです、東京でも。学生が非常にポリさんと同じようなかっこうをした服装を着せられて、非常に喜んで街頭に立っているようでありますけれども、そういう状態というのが非常に広範囲になりますと、たいへんに事故の原因にもなろうし、社会的にも私はひんしゅくを買うと思うんです。しかもその直属の監督はどこがやっているかといったら公安委員会なり警察庁のほうがやっているということ、法の厳守をせなきやならぬ、監視をせなきゃならぬ警察当局の監督下にあるこの警備保障会社が、そう前近代的な職安法違反をやったり教育を全くやってないというようなことは私は見のがしてはならぬことだと思うんです。したがって、そういう意味で、この内容について単に摘発するというだけではなしに、全体的にやはりこれは洗いをしていかなければならない。法律があっても、通達があっても実行されてなければ何にもならぬし、それが具体的に点検されてなければ何にもならぬと思うんです。そういう意味ではこの事件は一つのあらわれでありますけれども、非常に背景としては大きいと思います。したがって、これからの問題にもありましようが、いままでにこういう問題について、その警備保障会社に対して点検をしたことがあるのかどうか、あるいは教育状況、正確にきめられた時間教育されておった事実があるのかどうか、そういう点について調査をされたことがあるのかどうかという点をもう一ぺんひとつお答えをいただきたい。

奥秋為公警察庁刑事局保安部防犯少年課長

○説明員(奥秋為公君) ただいま先生の御指摘まさにそのとおりだと思います。それで、実はこの法律が施行になりますときに一番問題になりましたのは、いま先生御指摘の教育の問題であります。それで教育は、先生御存じのように、総理府令で新しく採用された人間につきましては二十時間教育するというたてまえになっておるわけであります。それでこの二十時間という時間が、正直申しまして、各警備会社にとりましては相当な負担になるということで、まあこれは負担になりましても、先ほど御指摘のような理由もありまして、わがほうとしては、これは強力にこの教育を実施してもらって、そして資質の向上をはかってもらわなきゃ困るということで、法律施行と同時に、各営業所等につきましては、県本部から係官が、あるいは警察署から係官が行きまして、その営業所にそれぞれ警備員の名簿を備えつけなきゃならぬ法律上の義務があるわけです。その名簿の中には、教育を実施した場合には、その教育を実施した日時、時間、項目等を一応書くということが義務づけられておりますので、その立ち入り調査によりまして、過去のガードマンにつきまして、教育の実施等につき実態を調べていくということをいままでやりました。それでいままでの調査の結果で明らかに教育を行なっていないというものにつきましては、やはり行政処分を行なっております。ただ非常にいま御指摘の、全くいままでどっかに働いていた人間をただ連れてきて、すぐにガードマンにつけるというようなことがもしありますとすれば、これはおそらく教育は行なわれてないわけでありますから、こういう点につきましては、もちろん既定教育を実施していないという点で、その責任を追及しなければいけない、こう思います。  それから私のほうは、各警備会社につきましては、それぞれ会合があるごとに県本部、あるいは私が出ていくこともありますけれども、この教育関係につきましては相当きびしく業者には要求しております。それで、これをきびしく要求していきますと、若干これは問題がそれるかもしれませんけれども、いわゆる臨時雇い、そういうような形でもって人を雇ってやっているような警備業は、おそらく営業が成り立たなくなるということすらこれは懸念されます。しかし、そういう事態になりましても、一応法律で掲げられている目的を一応任務とする警備会社ですから、少なくとも法律できめている二十時間の教育時間はやらさなければいけないということで、この点は今後ともさらに強く業者等には要請し、指導していきたい、こう思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はいまの発言の中で非常に問題があると思うのは、法律で明らかに十八歳未満は使ってはならない。それから二十時間の教育をさせなければならないということが明らかであるのに、その教育をしないで警備に当たらされるということになって、そのことが事業が成り立たないということにもしもなるなら、私は成り立たないでいいと思います。そういうところをしっかりと厳正に守らせないと、事故が起きたときにどうやって私は弁明できるかと思うのですよ。どうも私は、そういう意味では非常に重要な点が抜けているんではないか、きめられた法律は守らなければならない。その法律も、特にガードマンのように交通整理に当たらされるというようなことを一部ですよ、全部ではないでしょうけれども、そういうことになりますと、基本的な教育ぐらいは教えておいて、それから当たらせるということでないと、奥さん方はスーパーマーケット、あの辺を出入りするのに私は非常に危険を感ずると思います。これは、そういう配慮なしに企業が成り立つとか、成り立たないとかいうことは、あなた方のほうでお考えになることなしに、やはりきちっとそれは守らせる。守らないところは、びしびしそれはやってもらわないと、人命は守られませんから。それと同時に、これはただ外の問題ではなしに中の問題としても考えなければいかぬことだと思うのです。単にガードマンだけではありませんけれども、ガードマンに非常に多いわけでありますけれども、学生を雇ってくる。そうして学生を雇ったときは、これはわれわれも知らぬわけではないですよ。雇ってきて二十時間教育をして、そうして来なんだら日当を払っただけで済んでしまうわけですからね。しかし、そういうガードマンのような仕事をするのに学生のアルバイトやそういう一日一人の日雇いみたいな形で雇用するという形がいいのかどうか、それが許されていいのかどうかということ、これが問題だと思うのですよ。おっしゃるように一日、二日雇うのに二十時間教育したら成り立たないというのはわかるのでありますけれども、それなら初めからこの法文というのは、これは全くこの実情を離れた話です。しかし実情を知っておっても、この条文をつけなければならないということは、やはり人命尊重ということがあったからです。だからこういう意味で考えると、今度のこの事件というのは、単にこの程度で職安法違反で出たからよかったのだけれども、やはり事故でも起きたときには私はたいへんな責任問題だと思います。そういう意味でこれは実態を直すのか、内容をどうするのか、やはり真剣に考えていただきたいと思うのです。  それと同時に、この問題は、単に警備保障会社の問題ではなしに、この雇用されたアルバイトの人たちの問題を考えますと、ほかの事業にもかなり影響が出てくると思うんです。私は、具体的にはよく知りませんけれども、この間あるところへ行きましたら、このごろは自衛隊を募集するのになかなかこないものだから、四月の募集なら前の年の十月に大体話をきめておいて、四月まではどこかの運送屋さんで預かってくれよと、四月になったらそれは自衛隊に入ってくるというふうなことになっているのがだいぶおるそうです。私は小さな運送屋さんにたくさん聞いてみたら、そういうのがだいぶおるというんです。自衛隊に入る人を事前に預っているというんです。あるいは学生アルバイトがそういう仕事に、車に乗って引っ越し荷物の手伝いをすると、そういう場合に、やはりかなり交通災害のような、たとえばバック、バックやっていて電柱との間にはさまれて死んだというような事件がたまたま報道されるわけですけれども、この例なんかを見て考えますと、そういうアルバイトだとか、あるいは一時的な雇用関係というものが成立をする場合に、やはり教育の義務というものですね、まあ何らかの、ある程度の自動車に乗る場合には自動車の教育というものの義務を企業側に負わすということを何か考えないと、大切な、やはり学校へ行っている子供さんが一日のアルバイトのために命を失うというようなことをときどき耳にするわけでありますけれども、そういう問題を含めて、私は、職安関係と、それからそういう教育問題について労働省のほうの見解をいただきたい、こう思います。

道正邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(道正邦彦君) 雇用形態といたしましては、なるべく常用雇用が望ましく、安定した雇用が望ましいのは言うまでもございませんけれども、現実の問題といたしまして、日雇いであるとか、あるいはアルバイト形式という需要のあることも事実でございます。そういう場合に、アルバイトであるとか、あるいは日雇いであるというために、労働保護法規の適用が粗略になってはいかぬわけでございまして、ただいま御指摘のような災害の防止、あるいは教育の問題について、常用と同じく、きめのこまかな指導をするというのは当然かと思います。特に、雇用する場合に、先ほど来御指摘がございます労務供給事業、要するに他人の就業の間に入って不当な利益を享受するというような事例は絶対に許されないわけでございますので、安定行政を進めるにあたりまして、従来とも労基法違反の防止ということについては重点として行政を進めているつもりでございますけれども、こういう事件が最近あちこちで起きていることもございますので、今後、さらに厳重に進めてまいりたいというふうに考える次第でございます。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 労働者の安全衛生教育につきましては、昨年制定いたしました労働安全衛生法の五十九条におきましても、「事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。」旨の規定があるわけでございます。ただいま先生が例におあげになりましたような日雇いとか、あるいは短期雇用の労働者でございますと、詳細な安全教育をするということはとても不可能でございますけれども、そういう人たちでも、たとえばその業務に就労するに最小限常識として知っておかなければならないような注意事項、これなどは就労の際に監督者から十分注意するといったような形で必要最小限な安全衛生についての教育、注意、こういうものはそういう短期の労働者に対しても必要なものを行なうように指導いたしておるところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はこの問題でそんなに時間がありませんから、端的にもう一つお伺いしておきますが、職安局長のほうで、この警備保障会社の十八歳未満、職安法違反の問題についてどのように掌握されておるのか、これをもう一つお答えをいただきたい。  それからいま基準局長からお話がありましたが、私は一番問題なのは、事実行なわれているかどうかということだと思うんですよ。ですから、簡単なことであっても、われわれの体験でいうと、子供がアルバイトに行ったとき、そういう教育が行なわれているのかどうかというと、私はあまり聞いたことがないですね。ですから、やっぱり通達があった、法律があっても守られていなければ何にもならぬことですから、結局その点検と実査をやることを的確にやらなきゃいかぬと思います。そういう意味で、私は、これはもうお答えをいただかなくてもけっこうですが、ぜひやはりたとえ時間が短くても時間を明確にして、そしてこの業種にはこの程度の教育は最低行なうべきだという基準などを考えられてひとつ実施をしてもらいたいということをお願いしておきます。

道正邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(道正邦彦君) 先ほど来、警察当局からお答えがございましたように、去る四月十九日に大阪で起きました中央警備会社等の職業安定法第四十四条違反の事案につきましては、現存、警察当局で捜査中でありますので、労働省といたしましては捜査の結果を見守っているところでございます。この種の警備会社による労働者供給事業の問題につきましては、昨年十月施行されました警備業法に基づきまして、今後とも警察当局と緊密な連絡をとりまして、このような事案の生じないよう業界への指導を労働省としてもいたしてまいりたいと存じます。  また、警備業者が労基法違反を行なっているというような事実をキャッチいたしました場合には、違反の是正につきまして労働省といたしましても積極的に指導するとともに、警察当局に通報いたしまして、警備業法に定められておりまする制裁措置、すなわち、営業の停止であるとか、あるいは廃止等も含めた所要の措置が講ぜられますように要請してまいりたいというふうに存じます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それでは警備保障に関する質問は終わりますが、続いて、私は最近のタクシー行政の問題について、これは当然運輸省関係との相関がありますけれども、労働省に関する事項について質問していきたいと思います。  大臣はあまりお気づきではないかもしれませんけれども、この国会の裏側にタクシーの乗降場がありますね。あすこで私はタクシーによく乗るのです。タクシーに乗ろうとあすこへ行かれた人で、すっとすなおに乗せてもらった人が何ぼおりますか。ほとんどはやはり非常にいやな態度をしますね。聞いてみると、ここへ来ているのはお客さんを乗せるために来ているんじゃないんです、あの乗降場に来ているのは。あすこは無線が一番入りやすいからですね。ですから、料理屋さんやあるいは遠いお客さんをつかんでいるところからの連絡を待つためにあすこに来ているのです。ですから、われわれが乗ったら、すっと逃げるか、もしくは乗せても非常にいやな顔をするわけです。きのうも私聞いてみたら、そうしたら、あなたのほうの会社は歩合ですかと言ったらオール歩合ですと言うんですよ。固定給はありますかと言ったら、固定給ありますというのです。固定給があってオール歩合というのはおかしいじゃないかということでよく聞いてみると、どういうことかというと、大体一日にいわゆる十三勤務でありますから、タクシーというのはほとんど十三勤務です、一ヵ月ですね。十三勤務で十六時間勤務ということになっているわけですけれども、一勤務のときに一万八千円水揚げをしたら五六%もらえるのですと、それから一万九千円の場合は五八%もらえるんですと、二万円だったら大体——全体ですよ、全体が六〇%もらえるんです。そういう状態で無線の場合には無線料というのは運転手が払うんです。ですから、無線を使っているのにこんなお客さんを乗せたって、新宿であるとか新橋へ走らせられたんではたまったもんじゃないというのが言い分なんです。これは最近顕著に出てまいりました、こういう傾向が。やはり客選びです。  この原因というのはいろいろあるんです。あることは私も承知しています。昨年の二月の料金値上げのときの料金のきめ方というのが、距離が多くなれば、足が遠くなればこれは当然タクシーに乗らぬように、利用ささないようにするということもひとつ頭の中にあって、遠くが高くなったんです、非常に高くなった、五割以上上がったんですから。そうすると運転手のほうは逆にそっちのほうが得だというんでそっちのほうをさがすという傾向が出てきました。ですから、車の需給関係はそんなに、前よりは楽になっておるのに内容的には非常に変わってきているんです。  それともう一つはやはりオール歩合という制度です。こういう制度がこれを出しているわけです。東京でもそういう状態というのが顕著に出てまいりました。これは明らかに昭和四十二年、四十四年の物価関係の閣僚会議の申し合わせと、労働省とそれから運輸省との通達違反であるということですね。いわゆる累進歩合というものの制度というものについてのやはり禁止ということがありますから、これは明らかに何ぼ以上の場合は全体を五六だとか五八とか六〇というようなことは、これは明らかに累進ですから、こういう形が東京にもかなり大きくなってきている、そういう事実に対して労働省としてはどのような手を打たれたのかということをひとつまずお聞きをしておきます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 御指摘のように、最近のタクシーの走行のやり方は企業者並びに労働者の、運転手の立場からということで、国民を主体とした利便を考える点が相当欠けておるというような点が見られることはもう御指摘のとおりであります。その根本は、何でも収入がよくなったらいいと、会社も利益が上がったらいいというように、根本の方針の関係もあるんでしょうが、やはりその問題は、主管官庁は運輸省でありますけれども、運輸省のこれに対する免許その他は今後の営業方針に対する指導方針も大いに改善を願いたいという希望もわれわれ持っておる次第でありますが、しかし、賃金の問題、時間の問題、これは労働省の主管でありますので、やはり歩合制度というものはわれわれといたしまして、はできるだけこれをあまり累進的にならないように指導していく方針であります。専門家であられる伊部さんでありますから、いまさら私が申し上げるまでもありませんが、労働基準法の二十七条に「出来高払制の保障給」と、「使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と、こういう基準法の問題また基準法の時間の規制の問題の見地から労働省といたしましては従来もうこれに対して各省と連絡とりましてこれが厳重指導監督に当たっておりますが、御承知のように歩合制度というのはどうしても運転を無理をさすと、客に対してより好みをするというような弊害もありまして、四十二年のいわゆる二・九通達によりまして累進歩合制はだめだと、そうして長時間の勤務、その他の時間規制を厳重にやってくれと、こういうことを各省と相談いたしまして出しまして、方針はわれわれのほうも歩合給制度はある程度でひとつとめてもらいたいという行政的指導監督を厳重にいたしておりますが、いまのお話でも私も体験いたしたことがありますが、何とかなお一そうこれが方針を徹底するように今後厳重に関係方面とも連絡をとりましてこれが指導監督をいたす所存であります。それについては、まあいろいろな、主管でもありません関係もありましようが、この間うちも省内でタクシー業界に対して基準法の違反を黙認するというわけにはいかないから下部の監督機構その他に対してもう一度何とか通達を出してこれに対する対策を講じたいという方針で臨んでおる現状であります。  詳細につきましては政府委員から答弁いたさせます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 政府委員の答弁をいただく前に、私もう一ぺん明らかにしておきたい、具体的なこと、お答えをいただきたいのでありますが、昭和四十五年に運輸省と労働省で通報制度を確認いたしましたですね。で、これが厳重に行なわれておればかなり改善されておったんではなかろうかと思いますが、これはいかなるときに通報するということなのか。あるいは事実四十五年のあの取りきめが行なわれてからどの程度労働省との打ち合わせが行なわれておるのか。その内容についてひとつお聞かせをいただきたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) いま御指摘がございましたように、四十五年の四月から労働省と運輸省で相互通報制度を行なっておりますが、これはそれぞれ労働省あるいは運輸省が法規に基づきます監督を実施いたしまして、たとえば労働省でございますと、長時間労働というようなものを、基準法に違反するような状況のものを発見いたしました場合に、それが運輸行政のほうでもまた走行の制限等をオーバーしておる原因になっておるのではないかと思われるような場合にはそういうような違反状況の通報をいたします。向こうの運輸省のほうにおかれましても監督をされまして走行制限を大幅にオーバーしておる。労働時間から見ればおそらく基準法違反であるだろうといったようなものについては私どものほうに通報していただくというような相互通報制度をお互いにやっておるわけでございまして、相互通報制度が発足いたしましてから昨年の十月まで、こちらから陸運機関に通報いたしましたものは千三百六十件、うちハイヤー・タクシー関係は六百五十件に相なっております。そして、それらこちらから通報いたしましたものにつきましては、陸連機関におきまして、それぞれの状況により文書回答であるとかあるいは車両の使用停止あるいはその他増車認可の際の考慮等々のしかるべき処置がとられておるというような御回答をいただいておるところでございます。また陸運機関から通報を受けましたものにつきましても、当方におきましてそれらの機関については十分に監督を実施いたしまして、必要に応じそれぞれ文書勧告あるいは司法処分等々の処置を講じておるところでございまして、それなりの成果をあげつつあるものと考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はそんなに成果をあげておるとは思えないのでありますけれども、といいますのは、東京都内で最近の歩合制度というのは、オール歩合というのはかなり蔓延をしておると思います。かつての一年前私が車に乗ったときとはだいぶ違うのです。たとえば私が最近乗った車、名前をあげてみますと、足立の「つばめ」、それから「八興タクシー」、これは労働省のほうにも連絡してありますけれども、「チャンピオン、」これは全部、オール歩合です。それは、従業員全部じゃありませんよ。ある部分は違う部分もありますけれども、ほとんどオール歩合です。このオール歩合は、実質はオール歩合であるのに形式はちゃんと整えてあるんです。運転手が言ってますよ。事実は、先ほど申し上げたように、二万円なら二万円のときには、六割の水揚げに対する歩合をもらうんだけれども、それじゃ基準法違反になるから、したがって本給は七万円になっているんだと。それから奨励金は三万円になっているんだと。何が何ぼ、そして無事故手当は何ぼというふうに一応きめられておる。きめられたものを書き入れて、残りを歩合に書き入れておいたら、給料袋も賃金台帳もこれで合うと、こういうことでやっているんですよ、みな。  これは、私は、局長のほうにも、かなり前にも御連絡申し上げておいたはずです。こんなことで、実質的にはオール歩合であって、形式上そういうことをやっているということになると、これは帳簿監査だけではどうにもならぬでしょう。これが常識になっているんですよ、いま、タクシー業界で。この実態を知っていてこれに手がつかぬというのは、法をきめられておって何にもその運用が実施されてないということに私はなると思うんです。それじゃ私は、行政があるというふうには言えないと思うんです。したがって、そういう事実について、どの程度お調べになって、そしてそれをどういうふうにやろうと考えているのか。その点をお答えをいただきたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ただいま御指摘の「つばめ」等の例につきましては、先生からの御連絡もございまして、私どものほうも十分調べてみたわけでございます。  その賃金形態は、水揚げ高に関係なく支給されます基本給と、それから一定率の歩合給、深夜手当で構成されておりまして、もし水揚げ高が一定額に達しないときも基本給は支払われる仕組みになっておりますほか、時間外労働とかあるいは休日労働の場合は所定の割り増し賃金が払われることになっておるわけでございます。したがいまして、計算方法、先生がおっしゃったようなことでございますので、時間外労働も休日労働もない、しかも、水揚げ高は一定の基準に達しておるといったようなモデル的な場合で申しますと、それが水揚げ高に対する五八%という一つの、一定率の歩合に該当するわけでございますけれども、しかしただいま申しましたように、水揚げ高が一定に達しない、それなのに基本給が払われたといったような場合、あるいは時間外労働や休日労働があったという場合には、五八%よりも率で申しますと高い率になりますし、また、もし所定の時間を働かなくて早びけをした、あるいは遅刻をしたといったようなことで、基本給が時間割りによって引かれたりいたしますと、水揚げ高は高くても五八%を下回る場合もあるわけでございまして、そういう意味で、全く何もかも突っ込みのいわゆる一律歩合とは、厳密に必ずしも言えないのではないか、かように思うわけでございます。  で、標準の場合には、先ほど申しましたように、確かに一定率の歩合になっておりますが、これも、いわゆる労働者を極端に刺激するような累進歩合等々ではございませんで、普通の一定の歩率による歩合給でございますので、基準法あるいは二・九通達によりましても、直ちにこれが違反であるということは言えないのではないかと、かように考えております。  しかしながら、運転手につきまして、できるだけその生活の、所得の安定をはかるというためには、歩合給の割合ができるだけ少ないことが望ましいことはもちろんでございますので、労働省といたしましても、四十七年一月の全国乗用自動車連合会に対する申し入れ、その他におきまして、できるだけそういう歩合の割合を少なくするよう、指導につとめておるところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、そういう考え方はどうも理解ができないんです。  第一点は、それほどの累進ではないと言うけれども、歩合の中で、一万八千円なら一万八千円以上こえた者に対しては全額に対して何%増しというのは、これは明らかな極端な累進歩合と言わざるを得ぬのですよ。これは、一万八千円が一万九千円になったから、上がった分に対してはそれはいままでの五六を六〇にするということは、これは歩合として累進というふうには言えないでしょう。刺激でも、そんなに強くないということが言えるでしょう。しかし、千円上がったら全部に対して一分上げるとか二分上げるというようなことは、これはもう非常に大きな歩合の刺激給であるということは間違いないですよ。それを極端な刺激給、累進歩合と言わなくて、私はそれ以外のものはあんまりないと思うんですよ。その見解が一つ。  それからもう一つは、私は先ほど委員の皆さんにもお渡ししましたが、「利益還元制度について」というこのビラがあります。これは山口県の下関タクシーでの問題であります。しかしこれは必ずしも下関の問題ではないんです。東京でも同じことが言えます。この中に——この会社でも出しているんです。一項、二項、三項、四項というふうに項目を出している。一項から三項までは、たとえば固定給は何ぼ、あるいは歩合が何ぼという形になっています。しかし、下関タクシーの場合でも、日給は、固定給の場合には千六百円と出しているんですよ。千六百円の固定給で、そうして水揚げも——水揚げというのは大体もう東京で月間で二十万円ぐらいでしょう。それから一日の、一運行でも大体やっぱり二万円そこそこでしょうね。合計したら大体十四、五万というのは水揚げではあるんですよ、六割もらえば。十四、五万から十七、八万という間といわれているその収入の中で、千六百円ということは、四万円かそこそこの固定部分でしょう。これが欠けるということはあり得ないんですよ、これは想像としても、想定としては。だから、局長の言われるように、固定給が保障されているからこれはだいじょうぶだという。いまの十六万円、七万円の収入の中で、四万五千円の保障をされて、そのことが歩合で欠けることがないからという理由で、これは保障になっているというようなことは、もう明らかに私は論弁だといわざるを得ない。  いまのオール歩合の問題なんかは、もうほとんど職場で出ているのは、何で十五万円も六万円もなるかといったら、一時金はもう支給せぬでよろしい、あるいは出さないという申し合わせで出ている。それから退職金もないということですね、新しい形態というのは。ですから、一カ月割りというのは十五、六万円も出てくるわけです。その中で千五、六百円の固定給をきめておいて、その固定給は常時払われる。居残りも、一ぺん計算してみたら、それを計算の基礎にして出てくるわけですからね。居残りを何ぼ計算しても、固定給と居残りとを合わしてみたら、あるいは無事故手当もみんな合わしてみても十万円以下の計算になるようにしておいたら、普通の人間は十七、八万、あるいは十五、六万という状態の中で、一日や二日休んだ人でも、これを欠けることはないですよ、これは。そうすれば、これは明らかに、何が中心になって連行されているかといえば、オール歩合が中心になって運行されていることは間違いないでしょう。  それを、低い固定部面をきめておったからこれは二・九通達の違反ではない。あるいは、それは労働基準法のいう保障給の保障が事実行なわれているからこれは問題にならぬというふうな見解は、これはもう当局自身がごまかされていることになりはせぬですか。もしもこういうことが許されるとするなら、これはもう協定自身が、十五万円の収入に対して五万円の保障というものを、協定を、固定部面をきめておけば、それはまあいいことになりはせぬですか。まあ確かに、保障の限界というのが、非常にばっちりした法律違反というところまで線がないから、こういうところもあるんでしょう。しかし、こういうことが横行されて、これが公然と行なわれていることになると、これはもう労働省の通達も基準法も、全く絵にかいたもち、あるいは何にも使われないしゃくしが、ここに定木が置いてあるだけのことですよ、これは。そういうことがいま公然と行なわれているということになれば、私は労働行政、まあ運輸行政にも私は言いたいことがいろいろあるんですけれどもね、労働行政もそこに加担をしていると言わざるを得ないんでありますが、その見解について、もう一ぺん明らかにしていただきたい。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) まず第一点の「つばめ」の場合が累進かどうかという点でございますが、先生も御承知と思いますが、「つばめ」の場合は、給与の形態を数式的に書きますと、基本給が一乗務六千円ということになっておりまして、  それに深夜割り増し等の計算がございますが、これは非常にこまかくなりますので省略いたしますが、その深夜割り増しのところを除いた以外のこの数式で見ますと、これは水揚げ高が一万一千円をこえますと、それは一万五千円あろうが二万円あろうがみんな五三%でございまして、累進と申しますのは、一万五千円までなら五三%なら五三%、二万円になれば根っこからそれの六〇%になる、あるいは水揚げが二万五千円になればさらに六五%なら六五%になるというような場合がこれはいわゆる累進と言われるわけでございますが、この「つばめ」の場合には、ただいま申しましたように基本給は六千円、これは水揚げが一万一千円以下であってもそれは払われる。それにプラス水揚げ高マイナス一万一千円掛ける五三%という数式をとっておりまして、水揚げ高がふえますと歩率が累進的に上がるという形には必ずしもなっていないわけでございます。  それからもう一つ先生がおあげになりました山口県の防府タクシーあるいは下関タクシー等でございますが、これにつきましては私どもも詳しく調べてみたわけでございます。で、この防府タクシー等の場合はかなり実質的に先ほどの「つばめ」の場合と異なっておりまして、確かに御指摘のように、毎月定額の基本給、これは一乗務二千六百円でございますが、そのほかに時間外労働、深夜労働や休日労働に対しては割り増し金も支払われることになっておるわけでございますが、しかし、問題は、そのほかに四ヵ月ごとに、その四ヵ月の期間中の水揚げ高から基本経費、それから一定の計算方法による燃料費などの諸経費、及びすでに支払われた基本給を控除した金額を運転者に還元金として支給すると、こういう制度をとっておるわけでございます。で、その還元金という名前はいかにも四ヵ月ごとに支払われる賞与的な性格であるかのごとく見えますけれども、会社側が提案しておるところによりますと、本人が希望する場合にはその還元金は毎月概算をして賃金支払い時に九〇%以内を仮渡しすると、こういう制度がとり得るようになっておるわけでございますが、先生おっしゃいましたように、一乗務の基本給が日額二千六百円というようなことになりますと、おそらくはほとんど大部分の者が毎月仮払いという形で還元金の一部を受けるということになるのではないかと思われるのでございまして、そういうように毎月の支払い額が計算できて、それを大部分の者が、名前は仮払いにしろあるいは前借りにしろ、そういう形で受けるということになると、実質的にはそれも当然に基準法でいうところの毎月支払われる賃金と見るべきものと考えるわけでございます。したがいまして、私どもは、そういうことになるとすれば、割り増し賃金の基礎なども、基礎日額だけではなしにそれら毎月支払われる賃金をひっくるめましたものを割り増し賃金等の算定の基礎にしなければいけない、あるいは保障給などについてもそういうものを算定の基礎にしなければならない、こういうふうに私ども考えるのでございます。  それから、なおさらにこれについて問題でございます点は、たとえば、年次有給休暇等についての規定もあるわけでございまして、年次有給休暇については、日額相当額、すなわち二千六百円を支払うということになっておりながら、その金額は基本経費に追加するという規定がございまして、結局、四ヵ月ごとの還元金の計算の際に経費として払ったものを差っ引く、こういう形に読める提案になっておるわけでございますもし、そういうことになりますと、年休に対して有給としながら、あとでその分だけを差し引くことになりまして有給にした意味をなくするのではないか。したがって、そういうような基準法の趣旨に違反する疑いが強いと言わざるを得ないと思うのでございます。同様に、還元金の計算——いまの提案では詳細がわかりませんけれども、賃金の差し引き等の場合に、保障給とかあるいは割り増し賃金——時間外や休日労働した場合の割り増し賃金、そういうものも、全部払った分だけ差し引くことになりますと、これは結果としての総体で見ると、全く水揚げに応じただけで割り増し賃金や保障給が払われなかったと同じようになる、すなわち、全部が突っ込みになってしまう、こういうことになりますので、こういうことになりますと、これは私どもは、基準法の趣旨、それから二九通達の趣旨からいってもこれはきわめて妥当でない、かように考えるのでございまして、形としては、先ほどの東京の「つばめ」等と歩合という形で似ているがごとく見えますが、そういう実態面において私はかなり違うのではないかと。この山口のほうの場合は、もしそのまま実施されることになれば非常に問題であって、私ども、これに対しては厳格な監督と指導をして是正をさせなければならない、かように考えておるところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この問題は、私が東京だとか山口の問題を言いましたけれども、ほんとうは、これを申し上げているのは、いま、ちょっとの差でシステムが少しずつ違いながら全国にこれはあるわけですから、したがって、全国のタクシー問題というとらえ方で私これを申し上げているわけです。  そこで、時間がもうありませんから東京の問題についてもお願いをしておかなきゃいかぬのは、運転者とぜひ一ぺん話し合ってもらいたい。皆さんのほうで行きますと、経営者と相談をされて、相談というよりも連絡をして、どうやっているか、ああそうかと、こうで済むわけです。私らもよくひっかかるわけです、確かに。運転者に、あなた方固定給ですかと言うと固定給ですと言うんです。固定給は何ぼですかと言ったら五万円、六万円と言っている。歩合ですかと言ったらオール歩合ですと、こう言っている。両方答えるんです。両方答えるような内容になっているんです、それは。だから、そういうことなら、中身をもっと正確に、ぜひひとつ何らかの方法で、私たまたま名前をあげたのがよかったか悪かったか知りませんが、名前があがったところだけじゃなしに、やはり抜き打ち的に運転者に聞くということで実態を見てもらいたいと思います。  それから山口の問題は、これは私プリントで皆さんにお願いをしておきましたが、これは、一応、先ほど申し上げたような形で一項、二項、三項というのは本給が何ぼ、何々が何ぼというように書いてある。四項目にこの利益還元方式というものを出してあるわけです。利益還元方式を金額で言いますと、こういう下関タクシーの場合には、この右側に「基本経費」というのがあります。これは、運転者が経営者に払わなければならぬ毎月の金です。これが九万五千円。大体、一台当たり一運行というのは、運転者が二人で交代するわけですから、一人九万五千円払う。これは名古屋の企業内個人タクシーの問題ともよく似た話です。厳格に言うといろいろ食い違いが出てきますけれども、九万五千円。九万五千円に車庫の借り賃やその他必要経費というものを必要経費の中に計上しているわけですね。先ほど局長も言われたように、九万五千円に、いわゆる年休をとった人はその分の年休を一日分で計算したものを九万五千円に足すというわけですから、だから水揚げから基本経費を引いて経営者に金を渡すわけですからね。こんなばかげた話はないわけですよね。これは明らかに無給ですよ。堂々たる基準法違反を明示しているわけです。こういう形で、どう考えても……時間外手当であろうと何であろうと全部これで消えてしまうんですよ。これは毎月これで九万五千円経営者に渡しますから、経営者は間違いなしに車の償却を見て残りが何ぼという計算で出てくるわけですから、足らなければ基本経費を変えればいいのですから必ず何ぼかもうかるということで、これはもうかることになっている。定率収入になっている。景気の変動だとかお客さんのよしあしに問題なく、全部運転者がこれを見なければいかぬ。そして、これが毎月仮払いとして払われておいて、形式上はこれは基準法でやかましいから、監督庁のほうでやかましいから、今度は四カ月ごとに精算すると書いてある。精算しても、もとの費用が低ければ精算して引いたら必ず浮いてきますよね。それは必ず一方通行ではなしに、この項目の最後の項にどう書いてあるかというと、精算をして差し引きをして足らぬ場合は来月に精算ということですから、いずれにしてもこの四項のこれが適用されるわけです。余ったらおまえのものだ、足りなんだらそれは返してもらうぞ、こういうことですから結局同じことですよ、これは。  そういうやり方を下関タクシーの場合は出しているわけです。これは局長も言われたように、明らかに基準法違反と言わざるを得ぬし、この運行は安全面からもたいへん問題であろうと思います。しかし、これを労働者が受け付けなければ企業は閉鎖しますよという脅迫のためにこの下関タクシーはいまストライキに入っているわけですね。何ぼ言っても、これをのんだら運行するけれども、そうでなければ会社は閉鎖だと、こう言うのです。こんなことがあっていいのですかね。いま労働者のほうは、これはもう下関の問題ではなしに全国の問題だということで、無期限でいま闘争をやっているそうです。法律違反を経営者が公然と出して、法律違反の条項をのまなければ労働者は働いてもらっては困るということは、これは明らかに脅迫ですよ。また、そういうことが法律を守らなければいかぬこの業界の中で横行しているということに対して、私はどうも労働省として手の打ちようがないというのは歯がゆくてしようがないんですが、この点について、これは労働大臣、こういうことがほかのほうにまで起こってはたいへんなことだと思いますよ。法律を守るほうが苦しめられて、法律を違反するほうが当然とそりくり返って行なわれている。  しかも、これは問題があるのは、タクシーの場合はいま増車権限というものが、かなり権限が  昔は、二、三年前は看板料というか、免許は一台当たり百万円とか二百万円という権利があったのですよ。それぐらい車の増車はむずかしかったのですが、ほとんどはいま運転者がいないために増車するにしても車が余ってしようがないんですよ。だから、この下関タクシーのたとえば関連会社があったらそこへ増車すればこれは仕事はできるんですよ、経営者のほうとしては、裏でつながっておれば。一番困るのは運転者なんですよ。こういうやり方をもしも当然のこととしてこれからもやられというなら、私は労使関係というものはでたらめなことになると思います。そういう意味で、まあ私が聞いておったときには無期限でストライキ実施中だということですから、日にちがしばらくありますからその後の経過は知りませんけれども、こういう戦いをせざるを得ないということに対して、大臣、何とも方法がないというふうにおっしゃるのか、その点はどうなんですか。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) これは先ほど私から申し上げましたように、やはりタクシー業者の経営の方針また業者を監督する運輸省の方針、またわれわれのほうは経営自体にタッチするという権限を持っておりませんが、基準法の問題、安全衛生の立場、こういうところから下部の機構を動員してこれに対して周知はいたしておりますが、いままで二・九通達、また関係省といろいろ協議いたしまして、きょうも内輪の話をするのは妙な話でありますが、局長ともいろいろ二、三十分懇談したのでありますが、大体労働者のほうは組合に入っておる。組合からそういうようなこともややうまくいっているという話も聞いたのでありますが、私は伊部委員の御指摘のように、全国の趨勢がいまオール歩合い主義というか、いろいろの方法がありますけれども、労働省の労働行政の立場からみて遺憾にたえないという方向に実際が進展しておる、やはり運転手も少々無理をしてもうけたほうがいいというような考え方もその中にはありまして、なかなか下部の監督署を通じましても実態の把握についてなかなか巧妙に言いのがれをするようにもできておるし、あると思いながらもう少しこれが徹底化ができておらぬことは御指摘のとおりであると私は想像します。そういう意味で現在両者が、従業員に対して通達を出したこの段階ですぐにわれわれがこれに対する強権の発動ということもできかねるわけでありまして、四十二年以後数回各省と連絡をいたしまして、これに対する対策を総理府とも連絡をとってやっておりますが、現状はなおこれがいい方向に向かいつつあればけっこうと思いますけれども、御指摘のとおり労働行政の立場からいっていいほうに向かっておらぬと思います。そういう意味で私のほうから運輸省なり総理府にも関係がありますから、一度これに対する対策の協議会のようなものをつくって、そうして組合なりまた従業員なりの意見を聞いたり、また末端の監督官庁のほうも招致いたしまして、これに対する根本対策をひとつ最近、ただ言い訳でなく対策を講じまして、こういうように大体きめたということで伊部先生にも御連絡をいたしまして、これに対する善処をいたしますことをここで確約をいたしまして答弁にかえたいと思います。  それから、基準法の二十七条の出来高払いの一定の賃金の保障をしなければならないというこの基準法の出来高払いの規定も少しこれが的確でないことは先ほどの御指摘のとおりでありますが、ここにも問題がある。運転手に聞くと、固定給だしかし収入はこれだけだ、こういう矛盾撞着はこれはもうほんとうに実際はそのとおりであると思います。そういう意味で先ほど申し上げましたように、一度これに対する根本対策、根本方針について関係省とも連絡をとりまして、われわれのほうからそれを提案いたしまして、これに対する改善の実行をいたしたいといういまの所存でありますので、ここでお約束いたしましてその方向に進みたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 現実に下関タクシーの場合は争議が行なわれておるわけですね。これはまあ私は運輸省のほうも労働省も非常に苦慮されておることはよくわかるんです。ですから基準局のほうはこれはまあ法律的に問題があるという意味を表示されておるし、陸運局長のほうもこれは廃止の申請があっても直ちにそれは認めないというので苦慮はされてはおると思うんですけれども、それだけでは横で見ているというかっこうになるわけですよ。  私はどうしても合点がいかないのは、法律を守るという、そういう土俵の中でけんかしておるならばそれは労使問題としていいんですが、またこれはそこでやっていただければけっこうなんですけれども、法律違反を明示して、違反を認めなければこれはやめるんだというようなことでおまえたちの仕事はもう解雇するんだ、全員解雇だというふうなやり方を横で見ているという形が私はどうしてもがてんがいかぬわけですよ。これはやっぱり積極的にそれはいかぬと、経営者は。それは法律の基準法違反だし、そういう提案自身がいかぬ、間違っているということで労働省も運輸省もこの経営者に対して警告を発する、あるいは意思表示を明らかにする、これはもう山口ではたいへんな問題になっているわけですからね。新聞にも毎日のように載っているわけでしょう。その中で何も労働省、運輸省も労使問題だからだまっているというようなことじゃなしに、これはやっぱり明らかにしてもらいたい。そうしないとこれは全国的に広がりますよ、こんなこと。これでええというんなら、出してええというんなら。法律違反を明らかに局長の一つの例でも、この年休の問題だけでもそうですよ。そんなことが提案されて、そしてそれを認めなければストライキだというようなことではこれはやっぱり大問題だと思いますから、ぜひひとつ山口の下関と防府タクシーの問題は全国的に非常に大きな影響を与える問題ですから、したがってひとつ積極的に大臣のほうでもこの対策をとってやっていただきたい。同時に少なくとも運輸省と労働省は同じ見解に立つようにひとつ、基準局のほうではこれはまあぐあいが悪いけれども、運輸省のほうはこれは道路運送法上からいってあまり法律問題は違反ではないというようなことを出さないように、そうしないとこれはもう政府部内の不統一という感じを与えますから、そういう意味でひとつぜひ山口の問題を考えてみていただきたいというふうに思います。  それからもう一つ、時間がありませんが、名古屋の問題について、これとはまあ労働省のほうは異質の問題だと言われるかもわからないけれども、われわれは根は一つだというふうに思います。形式が少し違うので、これは内容的には私はあまり変わらぬと思うんでありますけれども、しかし、労働省のほうの見解はかなり大きく違っているわげです。ですから私はお聞きをしたいと思います。  それは「一人一車制第二種個人タクシーの試行について」ということであります。これはいま名古屋の陸運局で討議をされて、四月十日からでしたかな、試行ということに考えたんでありますけれども、問題があるということでいま凍結状態になっているという事件。この問題は名古屋だけではなしに大阪のタクシー協会も大体同じ内容のものを成案としては持っているんです。私もこれを自分の手元に持っておりますけれども、したがって、これは名古屋のことでありますけれども、名古屋でこれが実施されたら大阪も東京もこれからこういうふうなことに踏み切るということが私は運輸省なりの見解、方向だと思うんです。それに対して問題なのは、労働省がこれに対してどういう見解を示すかということだと思います。これはまだ現地のほうの基準局の考え方というのは明確ではありませんので、そういう意味で私はお聞きをするんでありますけれども、しかし、運輸省のほうはこれは労働省の了解を求めておるということを言っているわけです。ですから私はその内容についてひとつお聞きをしたいと思うんです。  一番問題なのは、この場合は簡単に言いますと、いままでのタクシー会社が、たとえば東京でいえば日交なら日交というたとえば一つのタクシー会社としますと、いままでのタクシーをそのまま塗りは一緒にしておいて、上のほうのライトも一緒にしておいて、日交なら日交ということにしておいて、そしてドアのところに個人タクシーという形を書くというんですよね、外の問題は。そして一日に個人タクシーと同じような勤務をさして、そしてこれは会社によるんでしょうけれども、車は毎月月賦で会社に償却金として払うか、もしくは金を借りて車を買う、そしてその金を会社に払う。いずれにしても所有権は本人になる、こういうことを言っているそうです。当初はこれも会社のもので借りるということを言っておったのですが、これではどうも問題があるということで、やはり個人所有にするようにしたそうですね。そういうことで車を持つ。そうして先ほど言った必要経費のように、車庫の使用料だとか設備の使用料だとかいうものは毎月払っていくという形ですね。そういうものに対してこれは五年間勤続をし、五年間優良な運転手に対してそして免許を七年間持った者に対して運輸省は個人タクシーの免許を与えるというのです。個人タクシーの免許を与える。しかしこの個人タクシーの免許は一たん与えられても、その会社を、日交なら日交という会社をやめたらその個人タクシーの免許はなくなるというのですよ。こういうことで個人タクシーであって個人の営業行為だというのですよ。そうしたら何が助かるかといったら税金も助かるというのですよ。自賠法も営業タクシーよりは半分以下だから助かるというのですよ。これは運輸省が言っているのですよ。私は運輸省とこれはまた別の機会にやらなければいかぬ、質問をいたしますけれども、そういうことでもうかるようになっているから、そういう制度をやったらどうかというのが名古屋陸運局の見解なんですよ。これ一資料指示出しているわけですね。私がプリントで出したのは、これは名古屋陸運局で印刷されたものでありますけれども、こういう条件を出しているわけです。これになると運転者のほうはこれは個人タクシーだからということでちょっといい気分になるのですね、おれが経営者になったというので。しかし運行は、やはり運行の監督権というのは経営者のほうが持っているわけでしょう。この中にも(資料指示)運行については協力を求めるという形ですね。これは協力を求めると書かなければ、問題になるから、協力を求めるという名目になっているけれども、こういう形です。私はなぜこういう形をとるのかと聞いたら、個人タクシーの欠陥が出てきた。東京は確かに三万七千台くらいの車があるのです、タクシーというのは。そのうちで一万五千台は個人タクシーです。二万から二万五千台が営業タクシーですね。名古屋はそんな比率じゃない、個人タクシーはうんと低いです。しかし名古屋で試験的にやろうということは、東京のことを考えているからだと思うのです。東京では個人タクシーは自分が自由な時間に連行するからですね。自分が自由な時間に、たとえば年寄ってきたから朝の七時から晩の七時までやろう、あるいは八時までやろう。昼から出て来て十時までやろう、夜中はごめんだというのが個人タクシーですね。だから運輸省はそういう意味では個人タクシーに免許をどんどん与えるというのは限界がきたということを言い出した。そのために限界がきたから新しいものを考えようということでこういうことを考えたということになりますと、これは明らかに運行に対して経営者がその夜中に一番困るときに運行さすということが大きなねらいとして、運輸省がそこにメリットがあるからこういう制度を考えて許そうとしているのだと思う。こういう状態で私は非常に疑問があるのは、これは労使、いわゆる従属関係というものがあるのかどうか。これは労働基準法上からいってどうなのかということ。それからもう一つは、この人たちがストライキをやった場合に、いわゆる労働法上の労使の関係というものがあるのかどうかということについて、ぜひひとつ見解をいただきたい、こう思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ただいまおあげになりました名古屋において考えられておるといわれますいわゆる第二種個人タクシーでございますが、これは先生がただいまお述べになりましたように、運転手個人に事業免許を与えるいわゆる個人タクシーの一種として名古屋陸運局で検討されたというふうに聞いておるわけでございます。しかしながら形式はそういう独立個人タクシーの形式をとりましても、実質的に車庫はもとの法人のを使わしてもらうとか、あるいは車両の整備についても法人タクシーの施設を使うとか、あるいは一応表面的には運行管理は個人タクシーの責任であり、輸送の責任は個人タクシーにあるけれども、法人タクシーは積極的に協力する云云といったようなこと等からいたしまして、事実上、その運転者が法人タクシーによる指揮監督を受けて単に労務を提供するにすぎないという実態とか、あるいは営業収入等も単なる労働の代償である賃金に近い実態となるというような場合には、形は個人タクシーでありましても、労働者に該当すると見られるような場合も考えられるのでございまして、そのように、自営業者か労働者かの区別が不明確なおそれがある形は私ども好ましくない、かように存じまして、運輸省に対しましても、そのような点について私どもの意見を申し上げ、運輸省側においても、それらの点を再検討されるということになって、まだ実施をされるには至っておらないわけでございます。  したがいまして、私どもは、そういう個人独立営業者であるか、労働者に実質的になるか、いまいろいろ言われているところでは、非常にその辺が不明確になるおそれがあるというふうに考えておりますが、実際にまだ実施されておる制度でございませんので、的確にそれがどちらに当るであろうかという判定は、いまの段階では判断は困難だろうというふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いや、その点は実施されてなくても——実施されてからでは、私はこの問題は解決ならぬですよ、やっぱり。こういう形でやるということは、明確に内容が出ているわけですからね。この内容でそれを判断していただかなければならぬ。そういう意味で、ぜひひとつ、納得のいかぬときには明確にしていただきたい。  それからもう一つは、いま局長は、労働省のほうで問題があるというふうに思っているので、それが一つの原因でとまっているような言い方をされたのですが、運輸省の当局は、そうは言っていないのですよ。労働省側はこれで納得したのだと言っている、ぼくの目の前で言ったんだから。だけども、運輸委員のわれわれの、この議員のほうで問題があるということで、運輸省を呼んで、これは問題があるし、現地の労働者も納得をしていないじゃないかと言って、そうしてようやくとまったんですよ、これは。だから、その点は明確にしていただいて、そうして、労働省がほんとうにそういうふうに言われるなら、それは私は敬意を表します。そのとおりでなければいかぬと思うのですよ。納得のできないものをスタートさすというようなことは、もってのほかだと思うのですよ。そうして、労働者であるのかどうかということまで、非常に基本的な問題について明確でないものを、向こうの独走で、あとのしりぬぐいだけは労働者がやるということは、私は許してはならぬと思いますから、したがって、この点は明確でないからこのままではスタートさせぬというなら、そういうふうにしていただきたい。また、ぜひそういうことに考えていただきたいし、私は、別な機会に、もう一ぺん運輸省との関係は明確にしていきたいというふうに思います。  それから、せっかくでありますから、非常に申しわけないのでありますが、非常にむずかしい問題でありますけれども、労働法上いう労働者という問題ですね。これはこの定義というものが非常に不明確ですし、これをきめる機関というものも不明確です。こういうときに、どこへ持っていって、これは労使従属関係であるのかどうかということを見てもらうのかということが、非常に労働者としては問題のあるところです。まあ機会があって、争議になって、労働委員会に提訴したときには資格認定がわかりますけれども、それ以外には、労働法上非常にむずかしい問題であります。こういう問題について、労政局なり、それから大臣のほうででも、ひとつこれからこういうルールを、出てきたときにこれは労働者であるかどうかということの認定はどういうふうにしたらいいかということについて御見解があればひとつ聞かしていただきたい、こう思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 基準法上、労働者の定義は、基準法の九条に定義されておるわけでございますが、先生御承知のように非常に抽象的な定義でございまして、これは労働法上も一般に、要するに使用者の使用従属関係のもとで労務を提供し、その対価として賃金を受ける者ということで、その使用従属関係があるかどうかということは、事実によってケース・バイ・ケースで認定するよりないのだということが、一般に労働法上もいわれているところでございます。したがいまして、これはなかなか一がいに明確な線を引きがたいのでございまして、出てきたそれぞれの場合に判断をされるわけですが、第一次的には、基準法の適用の問題ということになれば、基準監督機関において実態を調べまして、労働者であるかどうか、したがって基準法の適用があるかどうかという判断をし、基準法の適用があるべき労働者であるのに適用されていないということになれば、使用者に対して基準法の履行を求める、こういうことになるわけでございますが、非常にそういう場合で問題がある場合、最終的にはやはり裁判所の判断によらざるを得ない、かように思うわけでございます。  なお、労働法上と申しましても、先生御承知のように、基準法の定義とそれから労組法の労働者の定義とは違っておりまして、労組法の場合につきましては、これは労働組合かどうかといったような問題は、労働委員会が資格審査をし得る制度が向こうにあるわけでございますから、それはその手続によることになるわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 もうこれで最後ですが、いまの問題につきましては、こういう問題が方々へ出ますと、これは労使従属関係かどうかというのは非常に大きな問題ですね。ですから、現地の基準局長基準局ではなかなかこう扱いがむずかしいのと、それからこれが争議をやっておっても、労働委員会に持っていかなければ労政問題、労使関係であるのかどうかということがはっきりしない。私の経験で言っても、たとえば電力会社の集金人でも、帽子をかぶって判を持っている。これは明らかに労使従属関係と思っておったが、あれは領収書一枚に対する営業所との保証契約だという言い方が成り立っているわけです。この問題も、争ってみたら、これはいま判定することは非常にむずかしいというので避けて、労働委員会は和解にしてしまうということで、この判断を全部避けていっているわけですね。したがって、労使関係というものについての判例がかなり積み上がっておれば、それは一つの尺度があるわけですけれども、判例が非常に少ないということ。それから内容的にも非常にむずかしい問題があるということで、非常に困るのは、われわれ労働者側のほうが、働いている人たちかこの救済を受けるというときに非常に困るわけですね。  この問題は、これが大きな背景でもありますから、私はここでどうのこうの申し上げませんが、ひとつそういう問題についても、こういう、たまたま自動車関係でこういう問題があったときに、この判断というのはそのときのだれかがきめなければいかぬというかっこうでは、まあ局長は裁判所と言われましたけれども、裁判所へ行く前にやらなければいかぬことがあります。労災保険をあるいは適用するのかどうかという問題に対しては、裁判所というものはいかないものですから、これはやっぱりきめなければいかぬわけでしょう。ですから、そういう問題を考えますと、私はそう、ゆうちょうなことも考えておられぬと思いますので、労働省内部でのひとつ見解統一も、今後ひとつ検討いただきたいというふうに思います。  以上で終わります。

石本茂自由民主党

○石本茂君 私、大臣と基準局長にまずお伺いしたいのですが、労働基準法が、もういまから二十五年前に、働く者のしあわせのためにその最低の条件をおきめいただきました。今日、それが、職場の中でまかり通っているわけでございますが、私がたまたま手にしておりますこの資料は、これは医療機関に働いております者を対象にいたして調査をされました昨年五月の資料でございますけれども、これを見ておりますと、その労働基準法の第一条に示されておりますところの「人たるに値する生活を営む」云々とか、あるいはまたこれは最低の条件なんだというようなことが書いてございますけれども、そんなものはとてもまかり通るものじゃございませんですね。この調べられました調査表を見ておりますと、全国にたくさんあります医療機関の中のたった四百七十九ヵ所について監督の結果でございますが、そのうち、拝見いたしますと四百ヵ所が違反をしている。その違反の実態を見ますと、公立の病院においてすらも七二%ですか、個人のことになりますと、− これはいかにも大きく出ておりまして、合計いたしまして四百七十九ヵ所について調べた中で平均違反率というのが一番高い、一昨年は九〇%近かった。それがやっと昨年では八三・五%という数字が出ております。  そしてこの違反の内容は何かと思ってよくよく見てみますと、これはほとんど労働時間の問題でございますね。そして休憩時間のことも入っておりますし、休日に関係するものも出ております。で、女子労働者特に年少労働者は一週間一回は必ず休めと、休ませなければならないといわれておるにもかかわりませず、これがまた年少労働者といえどもそれもとれないという実態が出ております。これはもういまさらこんな調査表見なくても医療機関だけじゃございませんで、中小企業、弱小事業体のところに参りますと、まだまだこういうものがざらにざらついているわけでございますが、こういうものに対しまして当局といたしましては、法律はもう二十五年間そこに保たれてきた。そして所々方々で守られているであろうというふうにお考えになっていらっしゃる。だからこそたまたま週休二日制というものが促進されようとしている現実だと思うのですが、こういうふうに置き捨てにされております実態の中におる者についてどのような一体今後、保護あるいは営業者に対します、経営者に対します指導というものをお考えになっているのか。これを見ておりますと、しかられたというような対策がほとんどで、あと何というのですか、この使用停止というのが三件ございます。まあほんとうに、これを見ておりますと、数字でございますけれども何たるみじめな実態がそこにあるのかと、これではますます労働省の提唱されます新しい時代に向かっての方策と、そしていまだに二十五年たってもなおかつ大昔よりもっと悪い実態というものの格差、これがすごく大きくなってくるということを私一人が幾ら憂えておってもしようがございませんが、非常に残念な資料だと思って拝見いたしております。こういうことに対して一体どのようにお考えになっていらっしゃるのか。それからそれをどのように一体今後積極的な指導をされようとしているのか、このことをお伺いしたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ただいま石本先生御指摘になりましたように、企業、特に中小企業関係、そのほか先生御指摘は病院医療機関等々でございますが、そういった分野につきましては、御指摘になりましたような違反率がなお監督してみますと数多く出ておりますことは、まことに遺憾に思っておるところでございます。われわれ労働省といたしましては、最近におきまして、もちろん大企業でも違反がないわけではありませんけれども、やはりそういう違反状況がなお多く残っておるのはそれらの分野だということで、そういう中小企業とかあるいは病院であるとか、先ほど伊部先生もおあげになりましたハイヤー、タクシーあるいはトラックとかあるいは建設とか、そういう違反が非常に多い業種は特にその監督の重点といたしまして、そしてほかの業種よりも特に重点的に監督して回り、違反を見つけますならばすみやかに是正をさせる、そして悪質なものについては単に監督をするだけではなしに、使用停止等の行政処分をする、あるいはさらに悪質なものは年間千五、六百件以上司法処分に付しておるわけでございます。しかしながら、なかなかこういう違反が絶えないのは私どもも非常に残念でございまして、中に意識的にもう法律を無視して事業をやろうといったような違反なものについては、これはもう一罰百戒、厳正な処分をする以外にないと思うのでありますが、中にはあまり基準法その他の労働法規というようなものを意識しないでやっておると、いわれると、あっ違反であったかといったような場合も非常に多いわけでございます。  そこで私どもやはり基本は経営者に、いやしくも経営をするからには最低労働条件、法令で定められた最低労働条件等を厳正に守ってやるというようなことは当然のことであると、いわゆる順法意識、そういうものを徹底させることが基本であろうと、かように考えておるわけでございまして、そういう意味で、実は二、三年前からテストをしておったんですが、ことしからかなり大幅に自主点検方式といいまして、それらの企業に点検カードを配りまして、自分でそれぞれの点につきまして基準法に自分の事業所が適合しているかどうかチェックをさせる、そしてそれを監督署に提出をしてもらう、そういうことによって自分でもこの点は気がつかなかったが違反であったのかというようなことを意識させる、そうすればその是正の努力もみずから監督署の指摘を待つまでもなくするのではないか、なお監督署もそういう自主点検の結果をさらに監督に活用していくというようなことも広範に実施することにいたしましたわけでございますし、それから中小企業につきましては数年前から中小企業集団による労務管理改善事業というものを実施いたしておりまして、その地域の産地だとかあるいは工業団地などで集団をつくって、共同して労務管理の改善をはかろうというものにはなはだ些少ではありますが、国から補助金を出す、県も同額の補助金を出して、そして共同して自分たちの労務管理の改善をはかる努力をするようなことも、助成するというようなこともいたしまして、中小企業みずから自主的に近代的な労務管理を進めるというようなことも指導さして進めさせておるわけでございまして、それらの指導による自主的な法順守の精神の徹底と、それから一方における厳正なる監督指導の実施と両々相まちまして、すみやかにこのような多数の違反状況を何とか一日も早く少なくしてまいりたい、かように努力をいたしておるところでございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 よくおっしゃることもわかりますし、現にやっていらしゃるんだと思うのですが、やはりこの医療機関というのは人命救助という名のもとに、まあはっきり申しまして天井もないし、底もないというような労働実態でございます。ですから、そういうところの指導というのはあるいはまた監督というのは非常に困難であろうと思いますけれども、私一番気になりますのは、わざわざ読みかえの女子年少労働者のための基準規則までさらに別途つくっておきながら、そういうものがさっぱりこういうところに当てはまっていない、一番残念なのは、この「年少者」と書かれておりますのは、これはほとんど准看護婦養成所に通っている、准看護婦にまだならない、資格を持たない養成所の教育期間中でもよろしいというようなものが、この女子年少労働基準規則の中の第八条に示されておるということが何とも遺憾きわまりない気持ちなんですが、いますぐこれを変えてくださいと言ったところで、あしたすぐ変わるわけじゃないと思いますけれども、なぜこういう、どういいますか、私から言えば非常に働く者、特に一部の特殊な条件の中におる者を無視した、おまえらはもうどうでもいいんだというようなこういう法律規則がなぜでき上がったのか、もう過去のことは問いませんけれども、いつもこれを見て涙が出るんです。なぜこういう法律規則がまかり通っておるんだろううか、そしてそれをいいことにして経営者がしているわけじゃないと思います。業種の場が場でございますから、やむを得ずあるいはまた知っていてもそうなっていたのか、うっかり知らないで現実が出ているのかわかりませんけれども、一週間に一回の休みももらえない、そして超過勤務手当すらも十分に払われておらない、こんなことを、しかも四百七十九ヵ所のうち四百ヵ所がそういうことをしている。これは全国について調べていただいたらもっともっとたいへんな実態が出る。要するに大きな労働組合があって、その労働組合の力の強いところはこれは解消しております。してみたら労働組合があって解消できるものなら、なぜ個人といえども、あるいは公立の一部といえどもあるいは法人の一部といえどもできないんだろうか、そういう意味で私はもっときびしく、きびしいという意味ではございませんが、もっとよい意味の指導体系を確立してほしい。  そこで、ここでちょっと聞いておきたいのは、この監督をされますところは一体地域の労働基準監督署でございましょうか。その場合に、その労働基準監督署のどういう人が行って、どういう一体監督指導をしていらっしゃるのか、このことを簡単でけっこうです、ちょっとお聞きしておきたいと思います。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 監督に参りますのはもちろんその地区を所管いたします監督署の監督官でございまして、監督官が基準法に基づきまして参りまして違反を発見いたしますと、それに対して指摘をして、是正するように勧告をするわけでございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 そこで、医務局長さんわざわざお出ましいただいたんですが、いま言っておりますような実態が医療機関の中をまかり通っているわけでございます。これは結局看護婦等が足りないからということとちょっと違うと私思うんですが、局長、やはり直接監督のお立場でこういう実態をどうお考えになっているのか。  それからあっちこっち問題が一緒になりますけど、さっきちょっと聞きました、申しました週休二日制でございますが、大臣も非常にこのことにつきましては省令その他のことで気をつかっていただいておりますけれども、もしこういうものが、近い将来か遠い将来かわかりませんが、多くの職場に実現した場合、医療機関でありましても、これはもうしかたがないんだというわけにはまいらぬと思うのですが、そういうことも含めまして、どのような一体現在、ただいまの事態と将来の展望につきましてお考えを持っていらっしゃるのか、一言お聞きしておきたいと思います。

滝沢正厚生省医務局長

○政府委員(滝沢正君) ただいま医療機関における労働基準法違反の問題につきましてお尋ねがあったわけでございますが、われわれもかねがね医療機関が特殊な職種であり、またその経営者もとかくこのような問題につきましては従来比較的関心が薄いということで、直接の国立病院、療養所等につきましても事務長研修会その他を通じ、また一般の病院の事務担当者等につきましても、病院管理研究所の研修等を通じまして、労働問題につきましては注意を払ってまいったわけでございますけれども、ただいま御論議になっておりますようなことに対する資料もわれわれもいただいておりますが、その中に直接個人に不利益になるような違反事項は件数の中で六割程度、四割程度はその経営者なり事務担当者が事務処理を怠っているというような面がかなりございます点は、これはもう早急に改める必要がございます。もちろん個人に及ぶような違反につきましては、これは問題なく改善を要するわけでございますが、事務処理等で医療機関全体がこのような社会的な問題に対する関心が薄いということが従来大きな欠点でございます。こういう点で、われわれ医務局の中にも指導課というものを設けまして、労政問題、労働問題あるいはこのような病院管理の問題等についての指導に当たることといたしておりますけれども、今後とも各種の機会を通じて指導していきたいというふうに考えておる次第でございます。  週休二日制の問題につきましては、たいへんこれは重大な問題でございまして、医療機関は、率直に申しまして、最も社会的にあとからこれを実施せざるを得ないというぐらいなかまえでないと、とてもこの問題と社会の医療需要にこたえるということとの関連を調節することは非常にむずかしい問題でございます。しかしながら、社会全体の趨勢といたしまして、週休二日制の問題が実施に入ることはもはや時間の問題であろうと予想されるわけでございますが、この場合にも、もちろん実施のしかたに、いきなり完全週休二日制を実施する場合、あるいは隔週等で実施する場合等、いろいろのケースがあると思いますが、結論的に申しますと、医療機関においては、まず基本的には診療費に当たる現行の医療サービスというものの水準を絶対に維持しなければならぬという問題が一つございます。それから労働条件を低下させないということがやはり基本的には重要な課題でございます。このようなことを踏まえて、直接のわれわれ監督いたしております国立病院、療養所等は国家公務員でございますから、国が方針を定めますと、これに従ってわれわれも週休二日の実施に入ることになるわけでございまして、これがまた地域の民間医療機関等に与える影響というものを考慮せざるを得ないわけでございまして、この場合絶対数の、やはり定員の増加というものが必要になってまいることは明らかでございまして、たとえば四十四時間労働が四十時間になるということであれば、きわめて単純な計算から申しましても約一〇%程度の職員の確保というものがやはり必要になってまいるというようなことも基本的にあるわけでございまして、もちろんその間いろいろの勤務形態の変更等によりますところの対策等も若干加味しなければならないと思うのでございます。  まあいずれにいたしましても医療にとりましては、この週休二日制というものはきわめて頭の痛い非常に重大な問題でございます。特に、われわれといたしましては、一般地域社会における医療の確保の立場から、現在、休日、夜間の診療体制というものがきわめて大きな課題になっておりますので、週休二日を迎えますというと、なおこの問題が具体化を迫られるわけでございまして、いわゆる救急医療対策、時間外診療対策という面から、ただいま検討をいたします四十八年度以降、五ヵ年計画によりますところの社会保障長期計画の中で、時間外診療、救急医療等の観点から休日夜間診療所の急速な設置を考慮いたしておるわけでございまして、これに対する医療の提供は、地域社会の医師団等にお願いすることといたし、建物、運営等につきまして公的な補助をすることを目途といたしまして、ただいまこの問題を検討いたしておる次第でございまして、いずれにいたしましても率先して医療機関が実施するようなことはむしろ不可能なことでございまして、最も後尾について、あとからこの週休二日を実施する。それにしてもその時期はもう迫っておる。これに対する準備を医療機関の整備とそれから人員確保の上からしなきゃならぬ。このときに、最も困難なものは、人員確保の問題でございまして、たとえば看護婦の養成等は、本年入学した者が、三年経過しませんと看護婦にならないわけでございまして、このようなことを総体的に政府としては十分検討した上で週休二日の実施に入っていただきませんと、あるいは民間の銀行等が、すでに年末三十、三十一日を休むということは、すぐ医療機関の労働者の中にそういう問題に対するはね返りが出てまいっております。したがいまして、われわれ医療を担当する側としては、この労働問題の適正な処置ということはもちろん基本的に大事でございますが、これに伴う人員の確保というような、きわめて困難な問題に対処していかなければならない、こういう状態でございますので、極力計画的に実施できますように努力いたしたい、こういうふうに考えております。

石本茂自由民主党

○石本茂君 大臣にお伺いしたいんですが、いま医務局長も非常に困難だ、困難だと申していらっしゃいますが、一体、本年度の予算書などを拝見しておりますと、なかなか、いろいろ促進のための計画がされておりまして、産業別とか、あるいは業種ごとの懇談会を開きますとか、中小企業の集団の助成費を出しますとか、いろいろ御計画をいただいておるのは非常にけっこうなんですが、しかし一部取り残されていくであろうという可能性も多分に、いまのようなお話が出ておりますけれども、大体、一体何年間ぐらいで多くの職場の労働者が、この週休二日制というものは、大臣も申されますように、週二日休むということは、やはりひっくり返しますれば、就業時間の短縮でもあるのだということも申していらっしゃいますので、大臣のたいへん何といいますか、わけもわからないことを聞くとお思いなさるかもわかりませんが、大体、どういうお考えを持っていらっしゃるのか、お聞きしておきたいと思います。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) この週休二日制は、これはなかなか、やらなくちゃならぬ問題で、実際にこれを完全実施というのは、いろいろその立場立場によって困難があって、かえってそれをやるために国民が迷惑する、また、特に病院などにおいては、生命に関係するというような非常に重大な要素があります。労働省のこの種の方針は、これはもう政府全体が了承しておるんですよ。経済が成長した、賃金も毎年改善されておる。先進国に比べまして、福祉の問題がどうもちっと立ちおくれておる。年金問題その他やりますが、やはり人間らしい、世界の水準に到達するには、週休二日制はこれはやらなくちゃならぬという、この根本の方針はもうこれは異論がないのであります。  それで労働省といたしましては、いろいろな問題がありますが、初め法律でひとつやったらどうかと、しかし、これは法律でやった場合には大混乱を来たすとこういうので、とりあえずいまのところでは法律でなく労働省の指導方針で、これに対しまして基準法の改正問題もこれは出てくると思いますけれども、まだその段階に至っておりませんが、大企業は御承知のようにこのごろ土曜日の自動車の混みぐあいを数ヵ月前に統計とりましたら、統計以上に週休二日制が進行しておると思います。ところが問題なのは公務員、これも国民に奉仕する立場にある。どうしたらいいか。銀行、それから基盤の脆弱な中小企業、零細企業、また団地等のいろいろな日用品を販売する方々。それから大問題が病院関係であります。いまさっそく病院にこれを実行せいといったっていろいろな看護婦の不足、医師の不足、またこれが医療の需要の問題にも関係して、これをさっそくやれということは困難な事情があまりにも明白に山積いたしております。  そういう意味で労働省の方針はやりやすいところからどんどん目玉商品としてやらしていくというので労使の話し合いでどんどん進んでおりますが、経済社会基本計画で閣議のほうで了承をとりましたのは五年間でやろう、そんなことでは手ぬるいんではないかと、言いますが、なかなかそうはいきませんので、その期間中にできるだけ早くやろう。こういうので、病院はいま厚生省の政府委員の方から御説明がありましたが、これは十分わかっております。直接担当の国立病院とかいう問題に対しましても、そのほうから早く手をつけたいと厚生大臣とも相談いたしまして、やっぱり根本方針だからやるという方向でひとつくふうしてくれと、こういう方向にいっておりまして、これは労務管理の改善をはかるとか現在給与法も守られておらぬという中でさっそく二日制をやるというのは無理でありまして、やはり最初のうちは隔週得度とか徐々に週休二日制に持っていかざるを得ないという現状であります。しかし、同じ労働者であって職場によって公平を欠くということもこれは労働行政としてはいけませんので、やはり前向きでひとつこの問題に対処してもらいたいと。特に政府機関の問題に対しましては関係閣僚協議会を時々開催いたしまして、私が就任いたしました最初のときには加藤大臣何を言っておるんだというようなことではありませんが、やや御迷惑なようなことも顔に見えたんでありますが、政府部内の意見が不統一であるわけではありません。先ほどのタクシー問題でも、運輸省のほうは経営者の立場、われわれは労働者の立場と、そこに食い違いがあるように、どうしても関係大臣においても多少の食い違いが、そんな無理なことを言ったって加藤君それは、というような御意見もあるかもわかりませんが、しかし大勢は、方針は最近においてはやらなきやならぬという方向に進んでおります。  そういう意味でいま厚生省の政府委員から御答弁があったように、やはり突貫する。そして隘路、隘路はひとつ打開していく。それにはいろいろな経費の問題、交代制の問題、要員の確保、国の関係においては予算の確保、こういうような一つの積み重ね、積み重ねを重ねて、まあ病院の場合にはやはりほかの部門に比べましては多少おくれるきらいかなきにしもあらずということはわれわれも事情了察されます。しかし、そんなことを言ったらこれはたいへんなことになるわけでありますので、労働省といたしましてはいまの政府委員の御答弁は納得するが、実際は私も納得いたしておりません。なるべく早くこの根本方針に従うように、できるだけ、特に生命を預かる方は、いろいろ法律はわかるが目の前に危険のある患者を放置することもできないという人道上の問題も勘案いたしまして、週体二日制の実施に進むように、なお一そうこれが理解とそして実行の段階に移っていただくようによく連絡協議いたしまして、労働省といたしましては、いろいろの困難があるが乗り越えてひとつ実行していただきたい。病院などはさっそく来年とかいうわけにもいきませんが、国立から手をつけて、五年計画でありますが、できるだけ早くというたてまえでありますので、まあ二、三年のうちには、三年ぐらいのうちには隔週かなんかにもう手をつけていただきたい、こういうようなただいまのところでは方針です。しかしこれも社会の情勢が週休二日制がやりやすいところがうまくいった場合にはこの速度が早まることも可能性があります。はなはだ何だか御趣旨に沿わないような答弁もありますが、実情から私さように考えております。

石本茂自由民主党

○石本茂君 大臣が非常に積極的に全部の職域のものが二日制の恩恵に浴せるようにしたいと言っていらっしゃいますが、これはたいへんありがたいと思うんですが、やはり医務局長さん、これは厚生大臣に申し上げることかわかりませんが、五年先では長いと、できることならもっと早目に実施したいというふうに大臣もいま御所見として申しておられますので、難儀なことがたくさんございますけれども、いまでさえも他の職域の人たちにすごくおくれてしまいまして、国立はまだまだよいのでありますが、むしろ民間がたいへんな立ちおくれをしておりますので、そういうことももう十分御承知いただいておるところでございますが、できるだけ早い時期に人並みの労働条件の中に入っていけるように、ひとつ一そうの御努力と御配慮をいただきたいことを重ねて私お願いしておきたいと思います。  なお、婦人局長さんにこの機会にお伺いしたいのですが、私ちょっと先ほど触れましたけれども、婦人の地位の向上ということをやかましく申されて、それからまた法律等におきましても、例の勤労婦人福祉法等も制定していただきました。しかしそういうものがどこまで定着していくのかということと、それからあわせまして毎年国家予算等をもお積みになって例の婦人の地位の向上に関する対策として婦人週間がありますし、その週間中には全国的な大会等も催していらっしゃいます。そこでこの大会等に参画する、いわゆる出席する人々はどのようにして一体選考していらっしゃるのか。だれでも行けるのかと思ったら、そうではないのだということで、私も、ははあそれでは一体どういうふうに選考していらっしゃるのか、これは、従来とも疑問を持っていたことでございます。なおそこで論議されております事柄、ことしでありますと、これからの日本を考えるという非常に大きなすばらしいテーマで幾つかのグループで御討議があったようでありますが、そういうところで出てきた意見、あるいは考察された結論というようなものをどのように今後政治施策の中にお持ち入れになっていらっしゃるのか。たとえば労働省所管だけじゃなく、厚生省にまたがるものもあるでしょうし、文部省にまたがるものもあると思うのですが、それをどのような一体御計画の中でそれぞれの省にこれを持ちかけ、それを実現する努力をされてきたのか、今後もそれをされようとしているのか、これ一点聞きたいと思いますし、時間をあまりいただいておりませんので重ねまして、さっき私申しました女子年少の労働にまつわる規則ですが、これは局長さんのところの全くの所管になる事項でございますので、この中で私触れました、業種によってはしかたがないと思いますけれども、就業中の者の勤務時間すらも特別なんだというただし書きでほり込んでございます。これをこのままにしておきなさるつもりですか。それとも今後何らかの方策でこういうものを再検討していただいて、改正していただけるものでしょうか。御意見だけ聞いておきたいと思います。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) お尋ねいただきました幾つかの点につきまして順次お答えさせていただきます。  最初勤労婦人福祉法のことでございましたが、この法律は昨年の六月十六日成立いたしまして、七月一日から施行になっております。まだ一年もたたないという状態でございますが、その法律がどのように定着しているかというお尋ねでございます。私どもといたしましては、鋭意その趣旨の普及につとめておりますし、一般的に申しますれば、この法律の趣旨についての理解等は格段に進んでまいっていると思います。ただ私どもといたしましては、この法律の施行に関しましての具体的なプログラムともいうべき基本方針を労働大臣が策定することとなっておりまして、これがまた近く公表される、このようなための準備をいたしておりますので、この方針等が策定されますれば、また一段とこの法律の定着といいますか、そういう面の進捗が見られることと考えているところでございます。  次に、婦人週間に関するお尋ねでございますが、先生よく御存じのとおり、婦人週間は、婦人が参政権を最初に行使いたしました日である四月十日という日を記念いたしまして、毎年四月十日から一週間、婦人週間ということで、労働省に提唱させていただいて、全国的にいろんな運動が展開されているところでございます。今日では、暦にも婦人の日と書いてあるような状態でございますし、各関係機関あるいは民間団体等もいろいろな事業をお持ちでございまして、かなり婦人週間は浸透しているかと思うのでございますが、お尋ねの全国婦人会議のことでございます。これは、この婦人週間中のいわばメーンエベントと申しましょうか、中央行事といたしまして例年催してまいっているものでございますが、この会議に会議員として全国から六十名の方の参加を求めて御招待している、こういうやり方で例年いたしております。  この六十名の会議員の選考のしかたはどうなっているのかというお尋ねでございますが、これはいわゆる公募の形をとっております。つまり、特定の組織等からの代表のお集まりということではございませんで、どなたでも参加できる、二十歳以上の方ならどなたでも参加できる、しかし人数に制限もございますので、希望者全部をお招きはできませんためにその選考をいたさねばならぬ、その選考の方法といたしましては、所感文を希望者がお出しになる、こういうことをいたしております。中央におきまして選考委員会というものを設けまして、その所感文にのみよって選考をする、こういうたてまえでございますので、資格であるとか、あるいは職業であるとか、その他によっての分け隔てというようなものはございませんで、六十名の方をお選びしている。もっとも部会の構成その他によりまして、やはり、年齢をなるべく平均にするとか、あるいは職業等もあまり同一の職業がかたまらないような、そのような配慮はあるわけでございますが、原則的にきわめて公正な選考方法をとっているわけでございます。なお、このような公募の方法をとっておりますゆえんは、やはり広く、どなたでも自主的に意欲を持ってこの問題を考えようという方たちに門戸を開きたい、また新しいリーダーシップを育てたい、このようなことから、最初からその形をとって今日に至っているところでございます。  それから、その全国婦人会議の結果いろいろ出た意見をどのように処理するかということでございます。特に本年の大会、本年の全国婦人会議等におきましては、本年のテーマがかなり大きなものでございましたので、各般にわたる御意見が出ておりますことは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、例年この全国婦人会議の記録というものはもちろんまとめまして、そしてこれを公表いたしまして関係方面に差し上げる、あるいはその中から指摘された問題点につきまして関係機関の協議会、懇談会等でお話しいたしましたり、あるいはまた民間の団体の方々をお招きした会合等で御披露いたします、このような手だてをとりまして広く関係方面の注意を喚起いたしているところでございますが、しかし、この会議の結論と申しますか、それはそれ自体、別に政策決定をする場ではございませんで、ただ民間のごく普通の婦人が集まって自分たちの考えを話し合うという会議でございますので、それで直ちに施策に反映すべきであるかどうか、こういう問題もございましょうが、私どもといたしましては、その御意見等を忠実に取りまとめまして、それを関係方面へ御提出すると、このような形をとっておるわけでございます。

石本茂自由民主党

○石本茂君 どうもありがとうございました。超過いたしまして……。またいずれお尋ねします。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) 失礼いたしました、もう一点落としまして。  基準法のことでございますが、基準法に関しましては、御案内のように労働基準法研究会というもので基準法全般にわたる総点検のようなものが行なわれておりまして、そういう中で先生御指摘のような点も含めて今後検討が行なわれ得ると思います。     —————————————

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま鶴園哲夫君が委員を辞任され、その補欠として竹田現照君が選任されました。     —————————————

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 週休二日制の実施が時間の問題になってきたと先ほど労働大臣もおっしゃったわけでございますが、週休二日制になった場合は週何時間まで働くことを許されるおつもりでございますか、お伺いいたします。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 現在、先生御承知のように、基準法では原則といたしましては一日八時間、週四十八時間、こういうのが原則に相なっておるわけでございまして、ですから週四十八時間の範囲内で休日を何日にするかということは、週休一日以上であればこれは労使の自由でございまして、別に法律の規制の問題ではないわけでございますが、ですから必ずしも週休二日が即労働時間と直結しなければならないかどうかということは、これはいろいろ意見があるところでございます。しかし、それはそれといたしまして、週休二日も進んでおる時勢の中で、やはり時間短縮をもっと進めるべきではないか、こういう御意見があること、これは当然のことでございます。現に週休二日が進んでおります企業におきましては、それによりまして週の労働時間も逐次短縮になってきておるわけでございまして、社会一般のそういう実態が進むとすれば基準法の四十八時間制も検討をすべきではないかという御意見、各方面からいただいておるところでございます。そこで、それらの問題を含めまして基準法上のいろいろな問題点につきましては、現在、労働基準法研究会というもので学識経験者の方にいろいろ御検討を願っておるところでございますし、各方面のいろいろな御意見もわれわれ伺いながら今後それをどうするかということを検討してまいりたいと、かように考えておりますが、具体的にいま何時間にするというような具体的な考えを持っておるわけではございません。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) いま政府委員から答弁いたしましたとおり、最初週休二日制の問題が出ましたときには時間のほうには触れなかったんでありますが、週休二日制をやって時間に触れないというのはこれは何のことだ、こういうことになりますので、当然、結局六日が五日になった、余った時間がこっちへ加算されてきたのではこれは何ら意味はありません。かえって過重になりますので、当然これは時間短縮につながる。労働省の方針もあまりそのほうに触れなかったんです、最初、一年前には。触れると、いろいろ企業のほうの労使の話し合いでありますから週休二日制が進まぬという関係もありまして、あえて触れなかったのでありますが、このごろは触れております。そういう意味で時間の短縮に進む方向に行っておりますが、しからばこれは四十時間にしたらいいとか、いろいろな意見もありますので、いま政府委員から答弁あったように研究会で検討いたしまして、その方向に進む可能性が強いと思います。しかし、いま何時間だということの断定はなかなかいまさっそくはできませんが、時間短縮に当然つながると、こういう現在の労働省の基本方針でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私は当然労基法の第三十二条というものは改めなければならない、そういうふうに考えております。  そこで伺いますが、昨年の二月三日付けで京都の労働基準局長から労基法第六十条第三項に関する疑義について労働省労働基準局長についての指示を求めてまいりましたが、その内容についてお伺いをしたいと存じます。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ちょっとただいま手元に、昨年京都の基準局長からまいりました質問、手元に資料がございませんで、どういう内容のものがきておりましたか、ちょっと確認ができませんので、至急調べまして後ほどお答えいたしたいと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それでは前に進みませんので、質問が。だから私のほうでお読みいたします。それは、  と、こういうわけなんでございます。それでは、そういうことがまだはっきりなさっていらっしゃらないといたしますと、どういう回答をなさったかということもおわかりいただけないんでございましょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) ただいま本省のほうへ至急電話で調べさしておりますので間もなくお答えができると存じます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 時間がございませんから、それじゃそのお答えも私のほうで申し上げます。それは、     労働基準法第六十条第三項に関する疑義     について   昭和四十六年二月三日付け京基発第五〇三一  号をもって照会のあった標記については、下記  のとおり回答する。      記   照会の事案は、労働基準法第六十条第三項に  違反しない。  とおっしゃっているわけなんでございますね。そうしますと、先ほど労働大臣がおっしゃいました時短の方向に向いているというお答えと少し私は矛盾するのではないかというふうに考えるわけでございます。たとえば八時間でございますと五日では四十時間と、こういうことになります。それが四十二時間三十分やらせても別に差しつかえはない、こういう御答弁をなさっているわけでございます。したがいまして労働省のそうした態度が私はこのたびの帯谷事件のような問題を引き起こすもとになっているのではなかろうかというふうに考えます。  そこで労働大臣に伺いますけれども、このたびの帯谷事件についてどのようにお考えになりますか、お伺いをいたしたいと存じます。

加藤常太郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(加藤常太郎君) 今回の帯谷事件は、まあ同盟の組合と帯谷の企業組合というようないきさつがあると聞いておりますが、労働省はそういうような関係を抜きにいたしまして、やはり女子労働者に対しましては深夜業は禁止いたしております。しかし例外がありまして交代制によって十時三十分まで労働させることができると、こういう例外論もあります。しかしこれは例外でありまして、でき得べくんばあまり例外を適用するのは好ましくないと思います。しかし例外はありますので、労使が話し合ってきめたことに対しまして労働省はこれに対しましてとかくな批判をすることは差し控えたいと思いますが、幸いに最近聞きますと、これが交渉では妥結いたしたと思いますけれども、できるだけ深夜業は女子の方に対しましてはあまり賛成しないことであります。  また先ほどの時間の短縮の問題でありますが、現在は基準法は四十八時間とはっきりなっておりますので、これはさっそく大臣が言ったからその趣旨に違うからそれがいかぬ、こういうこともできないので、やはり法律が改正になりますとそうなりますけれども、その方向に進んでおるという状態だけを申し上げたので、ここに引っかかられると大臣が何も言えないということになりますので、この点は御了察を願いたいと思います。できるだけこれは好ましからざる状態で、例外があれば好ましくない、こう考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 好ましくないと大臣がおっしゃっていただいたわけで私もたいへんうれしいわけでございますけれども、そういたしますと、労基法の第三十二条というものが改まらないとどうも大臣がひとりそうおっしゃってもどうしようもないということにもなりますから、だから私は労基法の第三十二条というものは週休二日制あるいは時短問題が起きている現状でございますから、そういうことにかんがみてできるだけ早く第三十二条は改めていただきたい。これは特にお願いを申し上げておきたいと思います。  そこでお伺いをいたしますが、職安局にお尋ねをするわけでございます。いま全国で女子従業員の多い事業所の数はどれぐらいございますでしょうか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(道正邦彦君) 手元に資料を持ってまいっておりませんので、後刻資料として先生のお手元にお届けしたいと思いますけれども、全般的に申しまして一番多いのは、工業関係におきましては繊維関係、それからサービス業におきましては販売業であろうと思います。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 それでは職安局にお答えいただきやすいようなことをひとつお願いをいたします。帯谷の問題なんかの場合を考えてみましても、この組合員の大部分というのは四国とか九州などからの集団就職者でございますね。職業安定所で就職のあっせんをなさいます場合に、求人の申し込みをした企業の実態や労働条件についてどのように把握をし、どのように調査をして職業紹介をしておられますのか。また就職しようとする人にはどのように就職先の企業について説明をしておられますのか、承りたいと存じます。

道正邦彦労働省職業安定局長

○政府委員(道正邦彦君) いわゆる学卒の紹介につきましては中学卒は毎年一月、つまり三月に卒業する中卒の方の場合、その年の一月でございます。それから高校卒の場合は前年の十月から紹介を行なうということでかねてより実施いたしております。これは徹底をみていると思っております。最近は大卒につきましてもいわゆる青田刈りの防止ということで、これはさらに三ヵ月早めまして七月からということでことしから実施をしたわけでございます。中卒と高卒につきましては、学校あるいは教育委員会等と職業安定機関が密接な連携をとりまして求人表を出していただきます。これはかなり様式等も定めておりまして、労働条件等を明確にきめる。それからそれを受けまして職業安定所あるいは学校当局が個々の子供さんの希望を聞きましてあっせんをするわけでございます。職業紹介はどこへ就職するかということは本人の自由でございますけれども、適性、能力に適した職場を選ぶことが本人にとっても幸福でございますので、レイディネステストと申します一種の適性検査を行なう。これは中卒については実施いたしておりますが、最近は高卒についてもこれを実施するという方向で進んでおります。いずれにいたしましても、本人の希望、家族の皆さんの希望、あるいは学校での適性能力の判断等を踏まえまして職業紹介を実施しておるわけでございます。  で、先生のお尋ねのポイントは、劣悪な労働条件のところへあっせんしていることがないか、あるいはあっせんした事業場へ行ってみたところ労働条件が食い違っているというようなことがあっては困るが、だいじょうぶか、こういう御趣旨だろうと思います。われわれといたしましては、労働条件は明確に求人表に書いてもらっておりますし、それを前提にして職業紹介をいたしておるわけでございますので、これがかりにも食い違うということがあっては困るわけでございまして、事業場に対する指導監督を徹底しているつもりでございます。間々、例外的に解釈その他が食い違ってトラブルが起こるケースもないわけじゃございませんけれども、最近におきましては、全体といたしまして、条件が違うからおかしいではないかというケースは少なくなっているというふうにわれわれとしては判断いたしております。しかしながら、一般の求人の場合でもそうでございまするけれども、学卒の場合、特に学窓から初めて社会生活に入るわけでございますから、その最初の社会人になる第一歩のところで不信感を与えるということは、これは申しわけないわけでございますので、今後とも一そう徹底をはかってまいりたいというふうに考えます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 中学を卒業して集団就職をいたします場合は、先ほど申しましたように、就職先が非常に遠融地である会社の状況については、職業安定所の話を信頼するよりほかに道がないと思うんですね。ですからそういうことについて、特に若い女性が初めて親元を離れてくるわけでございますから、そういう点職安では十分御注意をいただきたい。少なくとも先ほどのような問題が起こりませんように考えて処置をしていただきたいと思うわけでございますね。  そこでお伺いをするんですが、こういう事業所の状態を監督する監督官というのは現在何人ぐらいおられるわけでございますか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 約二千九百人全国におるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そうしますと、一人で一年にどれぐらい見て回れるんでしょうか。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 昨年監督を実施しました事業場は約二十五万事業場ぐらいでございますので、一人で申しますと一年に約百事業場ぐらいを監督しておるということになるわけでございます。二千九百人と申しましても、これは全国の数字でございまして、中には第一線を回る立場というよりは、たとえば監督署長なども監督官でございますし、あるいは地方の基準局長等も監督官でございますので、そういう内部監督事務に従事しておる者もおりますので、実際に回っております監督官はそれより少なくなるわけでございますから、一人の監督官は——実際に回っております監督官だけについて申しますと、いま申しました数よりは多くの事業場を監督しているわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 私が聞いたところでは、十年に一ぺんぐらいしかその監督を受けないというような話も聞いたわけでございますね。先ほど自主点検方式とか、あるいは集団による、共同して労務管理の改善をはかるとか、そういうお話もございましたけれども、実際問題といたしまして、こういうような状態では私は働く女性を守るということはなかなかにむずかしいのではないか、こういうように考えるわけでございますね。もう少しこうしたほんとうに指導して回っていただける人、監督して回っていただける人をふやすということについてはいかがなものでございましょう。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 確かに先生おっしゃいますように、最近の産業の拡大に伴いまして、事業所の数なども非常にふえております。したがいまして、私どもは監督官などもできるだけ増員をいたしたいと、かように考えまして、予算要求の際には毎年極力増員の要求をし、努力をいたしておるわけでございます。しかしながら、なかなか増員、私どもの思うようにはまいりませんで、ことしもたしか監督官、それから近ごろは安全衛生関係が非常に重要になっておりますので、監督官と同じように安全衛生専門官なども同じく増員につとめておるわけでございますが、両方合わせまして約八十五名程度の増員を獲得したにとどまっておるわけでございます。しかしこれも全体としては先生御承知のように、定員の削減の中で行なわれておりますので、関係の機関としては考慮してくれたつもりであるかと存じますけれども、われわれとしては決してこれで十分であるとは考えておりませんので、今後ともできるだけ監督官の増員については努力をし、増員の獲得につとめたいと、かように考えておりますが、それに十分でない点につきましては、たとえば機動力の増強であるとか、あるいは監督の対象の選定については、重点的に、特に違反のおそれの多い事業場を重点に選ぶとか、そういうようなことによって効率的に所要の定員を活用してまいりたいと、かように考えております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 ほんとうにたいへんなお仕事だと思いますけれども、私たち働く女性を守る立場にございますと、どうしてももう少し、もう少しという欲も出てまいります。できるだけそういったいろいろな違反が起きませんようにお願いをしたいと思います。  で、伺いますけれども、昭和二十九年の近江絹糸人権争議というのはたいへんなこれは事件でございましたが、これに類するような事件は少なくなったというお話でございますけれども、まだまだ私はあとを断たないような感じがいたします。御存じないということであって、ほんとうはそういう問題はまだまだある、こういうふうに私は考えるわけですが、どれぐらいあるとお考えでしょうか。数はお読みいただいておりますでしょうか。

森山眞弓労働省労政局労政課長

○説明員(森山眞弓君) 争議の件数につきまして御説明申し上げます。  現在の労働争議の統計のやり方といたしましては、女子の問題、あるいは人権の問題というような分け方をいたしておりませんので、統計数字としては把握されておりませんのが実情でございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 働く婦人が非常に多くなったんでございますから、どういう違反があるかというようなことにつきましては、もう少し数も、それからどういう事例があったかということもつかんでおいていただきたいと思うのですね。そうでないと、ただ数が減ったと思いますということだけではどうも私たちも了承しがたい、こういうことになると思います。またいずれこれ詳しくお尋ねする機会もございますと思いますから、いろいろ御検討をいただいておきたい、こう思います。  そこで、労基法に違反した者に対してはどのような措置を講じておられますのか、承りたいと存じます。

渡邊健二労働省労働基準局長

○政府委員(渡邊健二君) 違反を発見いたしますと、通常は是正勧告というものを公布いたしまして、そして所定の期間内に是正すべきことを命じまして、そしてその期間内に是正したかどうかをあとから確認をいたすことにいたしております。なお、しかし、たとえば人命に関係するようなことで違反を放置することができないというような場合には、たとえばその機械等につきまして使用停止処分をいたしまして、是正されるまでの間使用停止をさせるというような処分もいたしておりますし、それからさらに違反が非常に悪質であると思われるものにつきましてはいわゆる司法処分、送検の処置をとっておるわけでございまして、送検の件数は年によって違いますが、大体年間千五、六百件の送検をいたしております。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 そういたしますと、この停止とか司法処分を受けたとかいうわけでございますが、それもできましたらひとつ資料をちょうだいいたしたいと思います。もう時間がございませんから、重ねてお伺いをいたしません。  それでは次いで、女性の定年制についてお伺いをいたしたいと思います。女性の定年制につきましてはいろいろ論議され、特に最近、女性の定年五十歳の判決をめぐって地裁と高裁が全く違った判決をして問題になりましたが、高裁の五十歳説の有力な根拠となったのが労働省からお出しになった男七十歳、女五十五歳は生理的機能か同じだというデータによったと仄聞をいたしますけれども、この点について労働省はどのようにお考えでございましょうか。

高橋展子労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋展子君) お尋ねの点につきましては、ある自動車会社の定年の男女差別に関する不服の訴えに対するところの地裁並びに高裁の仮処分の判決におきましては、五十歳と五十五歳の差は合理的な理由があるという判決をされたわけです。その後、地裁の本訴の判決で、これは合理的な理由でないと、このようになって解決をしていると、そのように考えているところでございますが、その際に、地裁並びに高裁の仮処分の判決の際にいま先生御指摘の労働省の資料が援用された。このようなことが新聞等で報ぜられたところでございますが、私どもの存じております限りにおきましては、その指摘されました資料といいますのは、かつて労働省で女子の定年制というパンフレットをつくりました、その中にいろいろな学者の説等が載っているところでございますが、その中にたまたまありますところの一つのグラフを引用されているわけのようでございますが、しかしこのグラフの解説には女子の五十五歳と男子の七十歳は生理的に同じであるというような説明は全くないのでございまして、このグラフの読み方をどういう理由でかその判決の際の当事者の方がそのように解釈をされたと申し上げるしかないのでございまして、労働省といたしましてはもちろんのこと、この説を発表されましたその学者の方もそのような差異を肯定する趣旨でお出しになったのではないということでございますので、一つの誤解であろうかと存じます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 誤解でそういう判決をされたのではたいへんなことだというように私は考えます。  そこで、この問題ひとつ厚生省のほうからお伺いをいたしたいと思いますが、この表を見ますと、やはりそういうことが言いたくなるようなグラフなんでございますね。ですから、厚生省とされましてもこういったような定年制の基準にもなりかねないような問題につきまして、どのように、どういう御見解をお持ちになっておられますのか承りたいと存じます。

土井敏男厚生省公衆衛生局営養課長

○説明員(土井敏男君) 御説明いたします。厚生省といたしましては、特に人の作業能力等につきまして従来からあまりやってはおりません。また人といたしまして全体的な諸機能、これにつきまして男性の何歳が女性の何歳に相当するというような資料も持ち合わしておりません。さらには、男性と女性といいますものは本来生理機能が非常に異なっておりますので、こういう多くの異なった点を基本に考えますならば、単純に何歳、何歳という意味での比較は非常に困難であろうともともと考えておるわけでございます。私どもは現在健康増進対策といたしまして、個々人の日常の生活を基盤といたしました健康づくりの施策を進めておるわけでございますが、そういう制度をいま全国的に進めております。その中で、御指摘ありましたように、個々人のどういう健康状態はこんなものであろうかという数字は出ようかと思いますので、検討は加えたいと思っておりますが、ただ将来とも、男性対女性という意味では非常に困難な問題ではなかろうかと考えておるわけでございます。

萩原幽香子民社党

○萩原幽香子君 時間がきたようでございますからもう二、三お聞きしたいと思ったんですけれどもまたあとでお尋ねをしますけれども、この法律制度としまして男女差別定年制を設けることは違憲だと考えるのですが、その点はいかがでございましょうか。もしそうだといたしますならば、労使間の契約の自由のたてまえからなされる労働契約であったといたしましても、この点についての御指導はあってしかるべきじゃないかというふうに考えるわけでございます。たとえば民法の九十条、憲法の十四条、労基法の三条、四条と、こういうものをほんとうに研究して労働協約というものがなされますならばこういうことにはならないのではないか、こういうようにも考えるわけでございます。もし職種によって就業が無理だと考えます場合には、職種を変えるということが正当ではなかろうか。この職種ではだめだけれどもこちらにいけば男性と同じところまでいくんだと、こういうことをやることが私はほんとうの意味の定年制の男女同等に取り扱ったということになるのではないか、そういうふうに考えるわけでございます。この点の御研究もひとつわずらわしたいと思います。  それから、さらに同一労働同一賃金についてもなかなかそういうふうにはなっていない。労基法の四条では、労働者の女子であることを理由に賃金について男女差をつけてはならないと、こううたわれておりますけれども、実際四十七年度では、中学の子供は三万一千五百円、男性は三万二千三百円。高校では女子が三万六千八百円、男子が三万九千四百円。短大では三万九千百円、そして男子が四万一千円。大学では女子は四万二千四百円、男子は四万九千九百円と、七千五百円もの差をつけて初めての何といいますか、就業させている、初めて就職させている、こういうような状態があるわけでございます。その上にまだ賃金の頭打ちが二十五、六歳のところで出ている。こういう状態を労働省とされましても十分お考えをいただきまして、外国などにおける男女の給与の比較などとも考え合わせながらひとつ善処をしていただきたいと思います。  いろいろお尋ねしたいわけですが、時間がございませんからきょうはこれで終わります。どうぞひとつ婦人労働者をもっと守ってください。終わります。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 労働省についての質疑は議事の都合により一時中断し、午後から郵政省及び日本電信電話公社の質疑を行ないます。  それでは午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩をいたします。    午後零時五十九分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和四十五年度決算外二件を議題とし、郵政省及び日本電信電話公社の決算につきまして審査を行ないます。  この際おはかりいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも口頭報告を省略して、本日の会議録の末尾に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

小谷守日本社会党

○小谷守君 郵政省関係の決算について若干のお尋ねをいたします。  四十五年度の会計検査院が発表しております決算報告書を拝見しますというと、相も変わらず数多くの不正不当の事項が指摘されておる。この中で特に看過いたしがたい点は、長野県上田郵便局の出納官吏による横領問題であります。出納官吏と申しますと、これは中堅幹部であり、これは一千万にものぼる着服をした。このことは特に重大だと思いますが、郵政省としてはどう対処されたのか、またそのてんまつはどういうことであったのか、こういう点をまず伺いたいと思います。

森田行正郵政大臣官房首席監察官

○説明員(森田行正君) お答え申し上げます。  長野県上田郵便局貯金課長代理の資金横領事件について概略を御説明いたします。  行為者は貯金課長代理の柳沢某でございまして、昭和四十五年十一月二十八日から四十六年五月八日までの五カ月、資金八口、千二十八万円、過超金四口、二百七十二万円、計十二口、千三百万円、実損は一千万円でございますが、犯罪をいたしまして、まことに残念な事件と思っております。  犯罪の概要は、本人が出納官吏として勤務中に、退庁時出納官吏用金庫に保管中の留置資金のうちから百万取り出して横領したというふうな手口で、逐次ただいま申し上げましたような犯行を既遂したわけでございます。  発覚の端緒は、昭和四十六年五月十日に調査局から過超金の受け入れ形跡のないものがある旨を当該局に照会がありましたので、調査を命じましたところ、その行為者が逃走して発覚したものでございます。  本人の動機、使途その他を調査いたしましたところ、遊興費ほしさの犯行によるもので、取りました金は競輪等に費消しておるようでございます。  司法処分といたしましては、昭和四十六年五月二十七日に長野地方検察庁から裁判所に起訴され、昭和四十六年八月二十四日懲役二年六カ月の判決がございました。  行政処分としては当然五月二十一日に懲戒免職をしております。  以上が犯罪の大要その他でございます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 先ほども申し上げたように、これは中堅幹部による不祥事件であります。特に仄聞いたしますと、一年も前からほとんど土曜日曜は東京にやってきて競輪や競馬、そういったギャンブルにふけっておった、こういうことでありますが、そういたしますとそういう乱れが上司であります局長その他に掌握できなかったということはどうにもうなずけぬ。直属の上司に対しては一体どういう処分をされたか。同じ職場におって朝晩顔を合わせておって、そうしてこういう乱れがわからぬはずはない、そういう点はどうですか。

森田行正郵政大臣官房首席監察官

○説明員(森田行正君) まあただいま先生がお話のよりに土曜、日曜に東京へ競輪をやりに、毎週ではございませんが、ときどきやってきておったということで、わかりそうなものだという御質問でございますけれども、上田から東京までは案外近うございますので、土曜日役所が終わりましてから日曜の夜までに行って帰ってくるということで、なかなか気づかなかったというふうなことになっております。しかし、管理者の監督についていろいろ捜査いたしましたところ、やはり彼の上司である貯金課長なり、それからまたそのときどきの検査をいたしております保険課長代理などが手を抜いておったというふうな事実が判明いたしましたので、郵政局のほうで以下申し述べますような処分をいたしております。  当時の局長酒井某につきましては戒告、直属の上司であります貯金課長井沢某に対しましては減給二カ月、それから、現金の検査をいたしまして手ぬかりがありました保険課長代理吉沢某に対しては戒告、また、一緒に検査に従事いたしまして十分検査をしなかった事務官の草刈某、村田某は訓告という処分がなされております。以上でございます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 逐年会計検査院の報告を見ますというと犯罪件数は少なくなっておる。そういう点については粛正のための御努力が実っておる、こういう評価はいたしますが、いま申し上げました件は幹部職員によるあれでありますから、特にひとつ将来にわたって御留意を願いたいと思います。  さて、きょうは簡易保険の問題について若干のお尋ねをしたいと思います。  大臣、簡易保険の募集にあたって、末端ではかなりな乱れが出ておるのではないか。もっともこれは仕事熱心のあまりという見方もできると思いますが、かなりな逸脱があると思うんであります。特に、いわゆる団体加入ということを擬装して、そうしてこれをえさにして旅行保険だとか観劇保険だとかと俗に称して、こういうものをえさにして募集をしておるような傾向が最近多い。つい先だっても、五月に入ってからでありますが、東京の代々木局で、簡易保険に入ると一年に一回歌舞伎の鑑賞ができるというふうなことで、そういうことをえさにして募集をした。ところが、実際には歌舞伎にやってもらえなかったというふうなことがわかってトラブルを起こしておる。読売新聞でしたか、大きな記事で出ておりました。こういう不祥事件が末端ではかなりあるように私は思いますが、こういう点について大臣はどのようにお考えになっておるか。局長は、累次にわたって通牒も出されておるようでありますけれども、一向に効果があがらぬ。どのような対応をしていらっしゃるのか。そういう点もひとつ伺っておきたいと思います。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 簡易保険の団体払い込み制度は、加入者の利益と契約の保全を目的として設けられたものでありますけれども、しかし、ただいま御指摘のように同趣同好等の考え方を持って一つの団体ができまして、そうして勧誘をしておる、そういうような事実があることは御指摘のとおりでございます。そういう際に、加入者に十分納得のいくような説明をしなかったり、誤解を招くことがないよう、常々指導をしておるところでございますが、ただいま御指摘のような点があったことはたいへん遺憾に存じます。今後募集にあたりましては十分注意をするよう指導をいたしてまいりたいと、かように存じます。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○政府委員(野田誠二郎君) ただいま大臣が申し上げました指導、それから矯正の具体的な手段でございますけれども御承知のように、簡易生命保険の保険料払い込み団体につきましては職域及び地域、それから現在、先生御指摘のたとえば歌舞伎を見るとかあるいは旅行をする、こういうわれわれ同趣同好団体といいますか、趣味を同じくする団体という名で呼んでおりますが、問題が一番起こりますのはこの同趣同好団体でございます。職域を同じくするもの、あるいは地域を同じくするものの団体につきましては、ただいま御指摘のような問題はほとんど起こらないのでございます。  したがいまして、これの指導方法といたしまして、構成員が、これは原則といたしてでございますが、当該団体の受け持ち郵便局区内に居住していること、それから二番目といたしまして、団体に趣意書、規約等があること、三番目といたしまして、団体運営の重要事項は構成員の意思を集約して決定すること、要するに、任意団体でございますし、自主的な団体であることでありますので、団体運営の重要事項等につきましては構成員の総意によって決定をすること、それから保険料の取りまとめ方法、割引券の経理等について基準を定めることということを一応基準にいたしまして、郵便局で当該団体の運営等につきまして指導をしていく、こういう方法をとっておりまして、逐次成果をあげていっておる、このようにわれわれ了解をいたしております。

小谷守日本社会党

○小谷守君 逐次成果があがっていないからお尋ねしておるんです。団体加入制度というところに問題があるわけでありますが、この団体加入というのは一体どういう組織であるのか。加入者にとってどのような利益があるのか。また、団体組織とは、もちろん不特定多数の加入者を便宜的に集めて結成されることはできない性質のものであると思う。ところが実際にはその団体を擬装してこれが便宜的に運営されておる。こういうところに問題があると思うんです。いま逐次成果をあげておるというおことばであるけれども、末端のほうではそういうことになっていない。局長からもう一ぺんいま申し上げた点についてお答え願いたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○政府委員(野田誠二郎君) 団体というのはどういうものかということでございますが、これは簡易生命保険法の委任に基づきまして簡易生命保険約款というのがございます。これの第五十三条に、「官公署、学校、事務所、営業所、工場、事業場又はその他の団体に属する者が十五個以上の基本契約の申込をしようとする場合に」、要するに契約が十五個以上で、条件としまして被保険者が十五人以上でございますが、いま申し上げましたような官公署、事業所、学校、工場等に属する契約者、それからその他の団体というのがございます。ここに例示的に列挙しております団体をいわゆるわれわれ職域団体と呼んでおりますが、その他の団体、たとえばこれは町内会あるいは自治会、PTAというような地域団体がございますが、そのほかに、先ほど御指摘のいわゆる観劇等趣味を共通とする同趣同好団体、こういうものをわれわれ認めておるわけでございますが、この団体結成によります効果といたしましては、毎月の保険料を団体が自主的に集めて郵便局に払い込みます場合におきまして、月額保険料の七%を割り引きをする、こういう恩典といいますか、それだけの優遇を認める。基本的にはそういうことによって契約の保全がはかられ、かつ、われわれ保険者といたしましては、保険料の集金費が節約ができる、こういうのが団体の制度を設けている趣旨でございます。  ただいま逐次成果があらわれつつあるということにつきまして先生から御指摘を受けたのでございますが、実は、われわれいろいろ指導いたしましても、なかなか、御指摘のように、末端まで浸透しないきらいがあるわけでございまして、われわれはなはだ残念に思っておりますが、逐次矯正の通達を出し、また通達だけではなかなか現場まで浸透いたしませんので、郵政局あるいは現業の管理者を通じまして具体的な指導をすることによりまして、一番新しい基本的な通達というのは、実は昨年の十二月に出しております。したがいまして、まだ、しかく判然とした効果というのはあがっておるかどうか、私のほうも確認をいたしておりませんけれども、逐次成果があがりつつあり、かつ、今後うまくいくように指導をしていきたい、こういうつもりでございます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 大臣も御承知のように、簡易生命保険法の第二条には、「この法律の規定により国が行う生命保険は、営利を目的としない事業であって、郵政省が、これをつかさどる。」、「営利を目的としない」ということを特に掲げておるわけでありますが、実際には何かそういったものを、えさをぶら下げて——旅行保険なんという制度はないと思うんです。観劇保険なんという制度はないと思うんです。俗にそういうことを唱えて、これに入ると芝居が見れる、一年に一回は旅行に行けるというふうなことで募集する、こういうことはたいへんな行き過ぎだと思うんです。簡易生命保険法の第二条に背中を向けるところの、商業保険顔負けの姿ではないか、こういう逸脱があるように思うんでありますが、これはひとつぜひ粛正をしてもらわなきゃならぬと思います。  そこで、こういう問題が一つある。これは、私の地元、兵庫県の姫路市でやったことでありますが、ことし四月から小学校に入る子供、その家庭を調べ上げて、そうしてそこに、姫路の郵便局長と姫路の市長、姫路の教育長、あるいは育友会長、そういうものが連名で、おたくの子供さんが小学校に入ることはめでたいが、将来金がかかりますぞ、それについては学資保険というものがあるから、これに入ってくれ。——これはよろしい。そこまではいいとして、今度は、姫路の市長やそういうものまで連名で、「当市は簡易保険の積立金から常々融資をうけてきたことが現在の発展に大きく寄与しておりまして、今後もこれに期待するところが非常に大きい」、だから、郵便局長が言っておるところの懇請に対しては協力をしてくれという添え書きをつけて、四月に小学校に入る児童の家庭二千世帯にこれを配っておるんです。一度この文章を大臣見てください。これ、差し上げます。   〔文書を手渡す〕  これは、大臣、これを受け取った家庭で簡易保険に入らなかった場合はどうでしょう、その親なり子供は、何か妙な気持ちになるのではないでしょうか。ここまでいくと圧力だと思う。特に、幼い子供に対して、教育上一体どういう影響を及ぼすか。私は、本年二月、朝日新聞でこれを大きく取り上げたもんですから、私はすぐさま姫路の郵便局に行きまして、局長にいろいろお尋ねをしたわけであります。そうしますと、局長は胸を張って、これは上局の指導のもとにやったんだから一向に悪いことだとは思いません、こういうふうにうそぶいておる。上局というのはたぶん近畿郵政局だろうと思いますよ。こうなるともう何をかいわんやです。大臣にお尋ねしなきゃならぬ。こういうことをやらしていいとお考えになりますか、どうでしょう。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま姫路郵便局での勧奨状を、これ拝見をさしていただきました。この文章をいま読ましていただいておるのでございますが、「姫路市長」、「教育長」、「連合育友会長」、「姫路市各小学校長」と書いてあります。こういう勧奨状を出すことは、まさに私はたいへん行き過ぎであると思います。これは、このようなことは簡易生命保険の勧誘のためにやっぱりたいへん遺憾なことであると思うのでございまして、このような恩着せがましいような行為は厳に慎んでいくべきものである、かように存じますので、かような考え方に立って今後指導してまいりたいと思います。

小谷守日本社会党

○小谷守君 文部省、お見えになっていますか。——また自治省、お見えになっておりますか。——文部省では教育行政の観点からこのような事態をどのようにお考えになるか。どう指導されるか。同様、自治省も自治体の長がここまでのちょうちん持ちをするということについては、大臣の仰せになるように、私はたいへんな行き過ぎだと思いますが、どう指導されますか。

澤田徹文部省社会教育局社会教育課長

○説明員(澤田徹君) お答え申し上げます。  郵政省で主催しておられます簡易保険加入運動につきましては、この保険が国営の生命保険である、あるいは社会資本、社会保障等の充実整備に資するところがあると、そういう点から、例年、郵政省の御依頼を受けまして、文部省からも各都道府県の教育委員会に対して協力の連絡をいたしております。ただ、この加入連動につきましては、どこまでも被加入者の自由意思によることがたてまえでございますので、先ほど郵政大臣からお話もございましたように、かりにも児童・生徒を使って保険勧誘をしているようなことがあるとすれば好ましいことではないと存じております。

砂子田隆自治省行政局行政課長

○説明員(砂子田隆君) すでに郵政大臣のほうからお答えがございましたように、かりそめにも簡易保険の勧誘にあたりまして行き過ぎがありましたり、強制的な面がありましたということでありますればたいへん問題があると思います。今後十分に注意してまいりたいと思います。

小谷守日本社会党

○小谷守君 大臣は、先ほどの御答弁の中で、恩着せがましいというおことばがありましたが、いかにも、この簡易保険の積み立てられておる財源が財投の大きな原資となって動いておることは、また、それぞれの分野で効果をあげておることは私も承知しております。しかし、それはあくまでも国の財政全体の運用の中で営まれておることでありまして、何か世話になっておる、世話になっておるというふうな言い方は、いかにも大臣のおっしゃるように恩を売るような言い方で、こういうことばは今後やっぱり使うべきでないと、こういう点についてもひとつ十分留意を願いたいと思います。  さて、次の問題を伺いますが、先般、五月八日でございますか、日本弁護士連合会人権擁護委員会は、郵政省の行なっておるブラザー制度というものに対してこれをこさいに調査した上非常にきびしい警告を出しております。一体ブラザー制度というものはどういうものなのか、概要をひとつ承りたいと思います。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 郵政事業は御承知のように人力に依存する度合いが非常に高いわけでございまして、毎年多くの若い職員を新規に採用をしておるわけでございます。そこで、これら郵政省へ入りたての青少年職員に対しまして、新規採用後におけるところの職場生活あるいは社会生活への適応を援助する、このことによりまして当該職員の定着性の向上をはかると、こういうことを目的にして実施しておるわけでございまして、ただいまはそういう新規採用職員の多い都会地、すなわち東京、関東、それから近畿、東海、この四つの郵政局の管内におきましてこの制度を実施しておると、こういうことであります。

小谷守日本社会党

○小谷守君 私はこのブラザー制度というものを聞くにつけて——大臣、軍隊の経験ありますか、ありませんか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ありません。

小谷守日本社会党

○小谷守君 ありませんか。旧軍隊のころには戦友という制度があった、戦友。一人の新兵に一人の古兵がつくんです。そして日常座臥、とにかく、指導ということもありましょうが、いろいろと監視をしていく。何かその古めかしい旧軍隊当時の戦友制度というふうなものをまねたような気がしてならぬ。そういう古めかしいことを今日の労務管理の中に持ち込むというところに問題があるように思えてならぬ。そこで、これについてはいろいろ逓信委員会や社会労働委員会等でも議論のあるところだと思いますが、決算の立場で伺いたいのでありますが、この職場リーダー制といいますか、ブラザー制度、このエルダーになった者に金を与えておるということでありますが、実情はどういうことになっておりますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) エルダーになりました者は、勤務時間内外におきまして、先ほど先生おっしゃいましたが、古兵という意味じゃございませんで、むしろよき相談相手になってやる。干渉がましいこともしてはならぬと別途指示をしておりますが、よき相談相手になる。そういたしますと、勤務時間外のそういった行動の中におきましていろいろ実費がかかる場合もあるわけでございます。そういった場合にエルダーの負担と、昔はそういうことでございましたが、それでは若干気の毒だというので一カ月に一千円をこえてはならない、一カ月一千円以内。たとえば、ある月全然そういう活動がなかったという場合、じゃ、繰り越して二カ月分の二千円になるかといいますとこれはならないのでありまして、要するに、どの月をとってみてもゼロもしくは一千円以内、こういうことで実費を弁償してやると、こういう趣旨で経費を与えておると、こういうことであります。

小谷守日本社会党

○小谷守君 職場リーダー制の中で、エルダーに指名された者に対しては月一千円の限度で金を使わしておる。それは、あるときは喫茶店でお茶を飲むとか、あるいは食事をするとかいうことで一千円の金を使わしておる。私はこれにたいへん問題があるように思うんです。使ってしまったあとからもらうのでしょう、金は。局長、そうですね。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) さようでございます。いわゆる立てかえ払いということでございます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 ブラザー制度におきまする郵政当局の予算の配賦は、郵政省設置法三条による事業目的の達成という見解をとっておいでになるようであります。予算の配賦については、財政法三十二条を根拠として、各項に定める目的の分限をもとにして事業目的的経費という見解を持っていらっしゃるようであります。で、その見解を一応認めるとしても、問題と思われるものはその支出の方法です。特に決算の立場ではここが大事だと思う。  第一に、立てかえ払いというおことばでありますが、立てかえ払いなる方法は現行の会計法上これを規定した条文はない。大蔵省法規課の解釈によれば、やむを得ないささやかな金額に対して行なうものとして黙認の形である、こういう見解のようであります。この見解に立つならば、郵政省関係で具体例をあげるならば、たとえば、郵便局の配達人が配達の途中自転車がパンクした、パンクの修理代をとっさに立てかえた、これが立てかえ払い。あるいは運転手が途中でガソリンが切れた、ガソリンを補給しなきゃならぬ、やむを得ず立てかえ払いをしたと、立てかえ払いという慣習はそういうものだと思う。とすれば、これはきわめて限定的に運用しなきゃならぬ、このように思います。それを一年三百六十五日、胸を張って全部これでやるんだというふうなやり方は、明らかに会計法違反だ、こういうふうに私は思いますが、いかがですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 仰せのように、国の経費は直接、債権者に支払うという、請求払いが原則でございます。しかし、そのつど払わにゃいかぬと、たとえば、いま御指摘のようなこと、あるいは一緒にバスに乗ったというような場合、そういった場合で、しかも、軽微な経費といいます場合には、便宜、その職員がひとまず立てかえて、後日これを確認して債権者に払いを行なうということは、これは、全体の経費といたしますれば、さっきも言いましたように請求払いが本則でございますから、あくまで例外でございます。本件のような場合にはその例外として立てかえ払いということも可能である、その範囲内に入ると、こういうふうに考えております。

小谷守日本社会党

○小谷守君 このエルダーに支払った金というのは年間どのぐらいですか。四十五年、四十六年どのくらいになっていますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 四十五年度におきまして約三千万円、それから四十六年度におきまして約四千五百万円、こういうことであります。

小谷守日本社会党

○小谷守君 これはたいへんな金ですね。四十五年度は三千万円、四十六年度は五割増し、四千五百万、こういう金を、その会計運用上はきわめて例外として慣習化されておる立てかえ払いという範疇の中で堂々とこういうものが胸を張って行なわれておるというふうなことは、私は会計法上のたいへんな乱脈だと思う。主計局の方お見えになっていますか、大蔵省——大蔵省の見解を伺いたい。  また、これを検査された会計検査院、あ青もこれに触れていらっしゃらない。会計検査院の見解を伺いたいと思います。

岡島和男大蔵省主計局主計官

○説明員(岡島和男君) ブラザー制度は正式には職場リーダー制度というのでございますけれども、この制度は、先ほど人事局長のほうから御答弁ございましたように、郵政省におきます青少年職員の定着のために必要な金であるということで、その支出それ自体については私どもも問題がないと思っております。  それから、いま先生が再三御指摘になりました立てかえ払いの問題でございますが、立てかえ払いというものにつきましては、国の経費はあくまでも請求払いというのが原則でございまして、緊急であり、かつ軽微な場合、先ほど先生が言われましたような場合に行なわれるのが、これは実務上可能であるという解釈をとっております。  それで、私職場リーダー制度の件につきましてどのような実態であるか必ずしも全部知悉しておるわけではございませんけれども、その職場リーダー制度に関する郵政当局の説明を聞きますと、立てかえ払いの方法も行なうことができるというふうに書いてございまして、場合によって立てかえ払いを一人一月千円として、しかも翌月に繰り越しができないということがあること自体は差しつかえない。ただ、それがどのような程度に行なわれているかということにつきましては、私ども一々つまびらかにいたしておりませんが、その使途につきましては適正であることが必要であると、このように考えておる次第でございます。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 私どもといたしましては、この実態についての検査がまだ十分でないというところもございますので、必ずしも正鵠を得たお答えになるかどうか、その点自信がございませんけれども、郵政省の御説明のとおり、立てかえ払いということであるといたしました場合に、立てかえ払いというのはやはり限定的に行なわれるのが正規の会計手続でありまして、債権者に対して国が直接支払うというのがあくまでも原則でございますので、それがあまり拡大適用されるということについてはあまり望ましいことではない、このように考えております。ただ、この経費の支払いにつきまして、先ほど郵政省のほうでは立てかえ払いというような御説明がございましたけれども、私どものほうとしましては、要するに委嘱を受けた職員なりに対してその委嘱の結果の実費を郵政省が支払う、こういう観点に立ちますと、委嘱を受けたいわゆるエルダーが債権者である、その債権者に対して債権者が委嘱の内容として行なった経費の実費弁償の請求を行なうものに対して支払っている、このような解釈もできようかと思いますので、先ほどの郵政省からの御説明とはやや異なりますけれども、かりに後者のような解釈が成り立つと、またそれが実態であるといたしますれば、会計手続上別段の妥当性を欠くことではないのではなかろう、このように考えている次第でございます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 大臣、一年に四千五百万もの国費を使って、その法的な根拠についてこれだけ見解が違うのです。そんなあいまいなことでこういうものをお使いになっては困る。特に日本弁護士会はこのブラザー制度というものに対しては非常にきびしい警告を出しておる。これは人権をそこなうものだ、また御用組合をつくるための方便だ、こういうことをはっきり指摘をしておる、こういう点についてどう大臣は御反省になっておるのか。ブラザー制度というものはこの際廃止をするお考えはないか。またエルダーに払われておるいわゆる工作費と申しますかに使われておるところの三千万、四千万という国費、会計法上の根拠もいま三者三様のあいまいな考え方だ、これも確立していない、こういうことで一体よろしゅうございますか、どうされますか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 日弁連から指摘されました事項につきましては、私は承知をいたしております。しかし地方から職場に入ってこられました若い方たちが、まだその土地になじまない、職場にもなじまない、そういうようなことからでき得る限り職場になじみ、その地域になじむような、お友だちと申しましては失礼でございますが、ブラザーという名前がついておりますように、やはり指導していきたいということで、この制度が設けられたわけでございます。  そこでこれが人権を無視するものではないか。ただいま旧軍のことについてお話がございましたが、私は御存じのとおり、子供のときに足をけがをいたしまして身体障害者でございまして、軍人の経験がございませんが、しかし人権をそこなうようなことがあってはこれはゆゆしいことだと私は思うのであります。でありますから、やはりこれは十分エルダーの行動等につきましても注意をしなければいけない、かように存じます。  それから支出の件についてでございますが、これはやはり郵政大臣に賦課された予算の範囲内においてこれを処置をすることができるよう、会計法上あるいはまたは財政法上規定をされておるところは私は妥当であるという解釈に立っておる次第でございますが、しかし、それにいたしましても、行き過ぎのないように十分今後注意すべきである、かように存ずる次第でございまして、そのような観点に立って指導していきたいと思います。

小谷守日本社会党

○小谷守君 この四十七年度に支出した四千五百万というのは、いまの議論を通じては国民は納得できないと思う。そういうあいまいな根拠でこんな金使ってもらっちゃ困ります。  会計検査院に要望いたします。このブラザー制度に使われておるいま申し上げた問題の金の法的な性格、支出の根拠、使われておる実態、こういうことについて至急特別監査をしてもらいたい。よろしゅうございますか。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) まことに申しわけございませんが、この制度ができましてからこの経費についての検査というものが必ずしも十分でございませんでしたので、今後私どものほうといたしましてもこの点を重点といたしまして検査をし、検討してまいりたい、このように考えます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 大蔵省主計局、もっと予算の査定のときに厳重にやってもらわぬと困ると思います。こんなあいまいなものをどんどん認めてもらっては困ると思います。今後はどう対処されますか。

岡島和男大蔵省主計局主計官

○説明員(岡島和男君) 先ほど申しましたように、このブラザー制度と申しますか、職場リーダー制度というものは、郵政省の、何と申しますか、青少年職員の定着のために必要な経費であるということで支出があったと思うわけでございまして、私どもといたしましてはこの事務費というものを査定いたしているわけでございますけれども、この執行がどうであるかということにつきましては十分にまた私どもといたしまして郵政当局に意見を申し上げなければならないと思いますけれども、先ほど郵政大臣が申されましたように、この支出金は郵政省として必要な金であるということで私どもも認めておりますので、これにつきまして格段の非常に、何と申しますか、支出に不適正なことがないということであれば、われわれとしては郵政当局とも十分相談の上今後査定する、査定をしてつけることも十分あるというふうに私ども思っております。いま直ちにこれをやめるかどうかということにつきましてはまだ申し上げる段階ではないというふうに考えます。

小谷守日本社会党

○小谷守君 十分ひとついま申し上げたような、このお聞きのとおりの状況ですから、実情をあなたのほうでも十分点検をして、四千五百万というふうな血税をあいまいなことで使ってもらっちゃ困るのです。十分お考えを願いたいと思います。大臣も御就任里々のことでありますが、やりかけたものだからしかたがないというふうなことではなしに、日本弁護士連合会からも警告を出しておることです。また、使っておる金も非常にあいまいです。いかにも若年労働者の定着のために何らかの手段をとらなければならぬという気持ちはわかりますけれども、言うなればこれは旧軍隊時代の戦友制度と同じような古めかしいこういうことで、今日の青年労働者が定着するというふうなことを考えるのは、出発点において考え方が倒錯しておると、こう申し上げざるを得ないと思います。十分お考え願いたいと思います。  最後に私は一つの問題を出したいと思いますが、これまた末端の現場で非常に乱れておる問題は、超過勤務手当の問題であります。本年二月の姫路郵便局のいわゆる二条職員なるものの超過勤務手当を調べてみますと、驚きますよ。超過勤務手当だけが多い者は七万三千三百五十円。大臣、七万円といえば一人前の労働者の一カ月の日本での平均賃金ではありませんか。一人前の労働者の一カ月分働いた賃金です。それが七万円です。超過勤務手当で七万円をこしておるというふうなことは驚きました。まあ末端の郵便局では年賀郵便等の関係で年末年始忙しいということはわかりますけれども、それにしてもこのような超過勤務手当を支給しておるということは、これは、ずばり申し上げて、年度末を控えて予算の山分けだと、こう申し上げても私は言い過ぎではないと思います。人事局長、この点についてはどうですか。姫路だけですか。どこでもこういうことをやっているのですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 年度末に特に超過勤務手当の予算が余るという事態は別に通常の現象ではございません。当該郵便局におきましてもそういった事情ではございませんで、当時姫路の局におきまして、二月、三六協定が一カ月間全然なかったわけでございます。したがいまして、一般職員に対しまして超過勤務をさせることができなかった、こういう事情があり、かたがた事務繁忙ということと重なりまして、その中で局全体の業務の正常運行を確保するというためにやむを得ず御指摘の告示一号職員の一部の超過勤務によりましてこれに対処した。したがいまして数十時間の超過勤務がついた。むろんそれは普通の日に居残りをしたということのほかに週休日を廃休して超過勤務をしたというようなものも入っておるわけでございますけれども、そういったことで著しく超過勤務が特定の職員について多くなった。いずれにいたしましても、すべて現実にそれだけの超過勤務の実績が、ある意味では不本意ながらあったわけでございます。これに対して手当を支給した、こういうことでございます。ただ、私ども超過勤務命令簿というものを定めてございまして、これにはそのつど記入するという定めになっておるのでございますけれども、その点の記入のしかたがそういうふうになっていなかったという欠点はございますので、その点につきましては当該局にはすでに注意をいたしましたし、ひょっとするとそういう処理をしているところが他にもないとは断ぜられませんので、私どもとして、そういった点を含めて適正な超過勤務のしかた、あるいは超過勤務のつけ方、こういったことについて文書指導を行ないたいということで準備をしておる次第であります。

小谷守日本社会党

○小谷守君 超過勤務手当の予算上の平均単価というものを大蔵省のほうから伺っておるわけでありますが、これを見ますというと、厚生省の場合が大体月十八時間、一時間当たりの単価が五百六十七円、建設省が十八時間、農林省も十八時間、郵政省の場合は十五時間、時間当たりの単価は六百九十五円四十三銭、こういうふうに伺っておりますが、現場のほうにいきますとこういう状態です。いま申し上げた基準単価でいけば大体一万円見当です、平均が。ところが末端のほうにいくと一カ月に七万円をこす超過勤務手当を課長代理だとか何とかという管理者に準ずる幹部には払っておる。あなたは実際にその必要があって認めたということでありますが、しかしそういうきれいなことを言われるなら、そうでないという証拠もあげなきやならぬ、私は言いたくないけれども。姫路郵便局、いまあげましたが、調査したところ、超勤は二十時三十分までやったことになっておるけれども、その職場のドアは十八時三十分に締まっておった。各課のかぎをいつかけたかというデータも全部ここにある。人事局長はそこまで点検していらっしゃるわけじゃありませんから、ここでそういうことを二つ一つ申し上げることはやめましょう。しかし、天下太平な御答弁なら反論しなきゃならぬと思っております。ここで一々申し上げませんが、その材料はここにあります。今日どこの役所でも、どこの省でも、あるいはその省のどの末端でも月に七万円もの超過勤務手当が払われておるところがありますか。大臣に伺います。  いま申し上げた事実関係は御調査を願うとして、こういう職場では以下申し上げるようなことがささやかれておる。この超過勤務手当は実はからくりなんだ、何のだれがしのふところに入らぬのだ、これが組合切りくずし、御用組合づくりのための工作費にまた取り上げて使っておるんだ、その資金に使っておるんだ、こういうことがささやかれておる。きょうは私のあと竹田議員からまた御質問があると思いますけれども、こういう末端の乱れについて大臣はいま少し厳とした御指導を願わなきゃならぬと思います。  また会計検査院に申し上げます。こういう超過勤務の乱用、こういう乱れについてしっかりした検査をしてもらわなきゃ困ると思います。あなた方を御信頼しているんですよ。大臣、お考えどうですか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 姫路局の問題につきましては、ただいま北人事局長から報告がありましたように、まことに遺憾な状態のもとで起きた問題点でございます。業務の正常な運行を確保するためにやむを得ず課長代理と非組合員の超過勤務により対処したものであったことは事実のようでございます。その超過勤務の実績時間に対しまして手当を支給したものでございまして、ただいま御指摘のありましたように、組合の切りくずしの一部にこれが流用されたなどというようなことは私は報告は受けておりません。またそのような組合の関係について私たちは関与すべき事柄ではないのでございまして、そのようなうわさにつきましては全然私は報告ももちろん受けてもおりませんし、そのような事実があるとは考えられません。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○説明員(柴崎敏郎君) 超過勤務の支出はとかく私どもの検査におきましても問題が起こりやすい事項でございますので、常に検査に臨みましては出勤簿とか出張等とかあるいは先ほど先生が例示されました施錠簿とかそういったものと照らし合わせまして検査をいたしております。ただ言いわけがましくなりますが、郵政省の郵便局関係につきまして、毎年の私どもの検査の施行数は四十六年度については五十三郵便局、四十七年度は五十六郵便局程度ということでございまして、必ずしも十全な検査ができておりません。ただ参りましたところにつきましては、ただいま御説明申し上げたようなことで鋭意検査をいたしておりますが、今後も問題の多い経費の支出でございますので、十分に意を注いで検査をしてまいるつもりでございます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 私はかなり長い時間をかけて調査をし、かつ、最近約十時間にわたって関係者から直接事情をお聞きしたことについてお尋ねをしたいわけでありますが、きょうはきわめて限られた時間でありますので、その中の要点だけをお伺いをして、問題を後日に譲っていきたいと思いますが、郵政省は先ほどのブラザー制度の立てかえの問題もありますが、いわゆる立てかえ金と称して後ほど精算する公金というのはどういう部類があるのか、経理局長からまずお答えをいただきたい。

浅見喜作郵政省経理局長

○政府委員(浅見喜作君) たいへん申しわけございません、ただいまの質問、ちょっと飲み込めなかったのでございます。お許し願います。もう一度お願いします。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いまのブラザー制度の立てかえ金と同じように、いわゆるだれかに立てかえさせて後ほど精算払いをするというような種類のものはたくさんあるのかないのか、あればそのおもなものを二つ、三つあげてもらいたい。

浅見喜作郵政省経理局長

○政府委員(浅見喜作君) 立てかえ払い的な処理をいたします事柄は、ブラザー制度以外に私の記憶にはございません。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 郵政省で言うところの労務対策費というのはどういう性格のものですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 労務管理に必要な経費というわけでありまして費目としては備品費の中に含まれるものであります。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いわゆる労使間の紛争、通称言うところのストライキ対策というような場合のいわゆる労務対策費として出される経費の内訳で、大体どういう項目がありますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) ストでございますと、拠点というものがあるわけでございます。その拠点になりました局ではそれぞれいろいろな角度で経費が要るわけでございます。こういった場合、その拠点になりました局からの要求によりまして、郵政局でございますが郵政局がそれによって必要な経費を当該局に見ると、こういう形をとるのが通常であります。それは中身、要するに一本で流すわけでありますけれども、通常そういった場合、当該現業局から要求してまいります内容といたしましては、ストを前にしてのいろんな打ち合わせというものがございます。たとえば郵便の大口利用者というものとの打ち合わせも必要でございましょうし、それから応援を近隣の管理者に頼むという場合があると思いますが、そういった場合、近隣の管理者との打ち合わせというものも必要でありましょう。また、そういった時期には通信費、主として電話でありますが、電話代もかさむわけでございますから、そういった電話代、通信費、それから拠点局では泊まり込みでいろいろ打ち合わせが要るといった場合の補食代といいますか、そういったものもかかる。あるいは就労の意思を表明する者も職員の中にはおる場合が多うございます。そういった場合、この就労者に対する、たとえばその人たちがどこかへ保護してくれというようなことであれば、そういった関係で旅館代が要ると、あるいはいろいろ足代がかかるというようなこと、こういったことを現実の支出状況によりまして当該局が要求してくる。これを、それに見合うものを郵政局が示達してやると、こういうかっこうが通例だと存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 いまの御説明で就労者の確保に伴う旅館代あるいは就労に伴うところのハイヤー代というものは、これは当然公金から支出されるものであるということは私は確認をしたいと思いますが、そのとおりでよろしゅうございますか。  それとあわせて、就労者の確保を郵政省のいわゆる当局側以外の者に委任をするというようなことがあり得ますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) いま具体的に仰せられましたこと、それが局側のスト対策という範疇の中に入るものであれば、それに要した経費というものは自後、ただいま申し上げましたように、当該局からの所要経費の請求を待ちまして、郵政局が示達するということに間違いはないはずであります。  それからその就労者の確保をよそに頼むことがあるかという仰せでございますが、   〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 ひっきょうするに、やはり就労者が個人個人で動く場合と、就労者が複数といいますか、団体で動く場合と、両方あると思います。こういった場合、やはり局側が何らかの形で掌握しておると、こういう形をとりましたならば、それからあとは何といいますか、いわば人まかせという状態では少なくともなかろうと、こういうふうに考えます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 端的にお伺いしますが、郵政省には現実問題として全逓、全郵政の二つの組合があります。全郵政の組合はいわゆるストライキというようなことをやったということは聞きませんが、全逓との紛争の場合に、もう一方の組合である全郵政に対して、いま人事局長お答えのように、就労確保をいわゆる団体として行動させる場合、全郵政労働組合が団体としてその就労行動を行ない、それをあなたのほうが何らかの形において関係をするという、そういうかっこうはとったことありますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 私ども、就労者と、あるいは不就労という場合に、あくまで基本的には職員として見ておるわけでございます。しかし、現実には、この不就労という場合、スト指令下にある組合員、これが不就労者。だから、それはそれなりに現実的には一つの組合の指揮下に入って行動する。それから就労者といいます場合、いろんなケースがございますが、御指摘の、片方にあります同盟系の組合はいわゆるストということがございません。就労という一つの意思で固まっておる。むろん、そのほかにも、そういう組合に属していない人で就労する人もあるわけでございます。こういった場合、ですから、手っとり早く申しますと、就労者の中にもいろんな区分けがある。職員として見ればひとしく就労者であるが、事実問題としてそれが一つの組合に、AならAという組合に入っておるグループ、それからBという組合に入っておるグループ、あるいはどの組合にも入っていないグループ、そういうものがあろうかと思います。その場合、個々人として行動するか、あるいはグループとして行動するか、これまたさまざまなケースがあると思います。グループとして職員が行動する場合に、たまたまそのグループがAならAという組合の人々ばかりであったということもこれはあり得ると思いますが、少なくとも局側から見れば、それは組合ということじゃなくて、一つのグループに属する職員と、こういう観点で見る、こういうことであろうかと一般論的には存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 その最後の一般論というのがちょっと気にかかりますけれどもね。一般論的にはそうだけれども、現実問題としては、全郵政労働組合の支部長なりなんなりを通して就労者対策、あるいは就労に至る行為、これと郵政省当局側との間の関係というものは行なわれているんですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 要するに、一つの職員——一つの組合員という意味じゃなくて、ある一つのAという労働組合に属する構成メンバーの集団という意味じゃなくて、事実問題としてそれとうらはらでありましても、郵便局員と、職員の  一つのグループというものが就労の意思を表明しております場合に、そのグループのリーダーと申しますか、という者といろいろ接触するということが当然あろうかと思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 その場合、そのリーダーにある程度金の立てかえをさせるということは現実問題としてありますか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 少なくとも、これ、先ほど申しましたように、そういった就労者を何らかの形で省側が掌握しております場合に、いろいろ経費がかかるという場合には、これは通常の場合は、やはりあとで郵便局が、その関係でどれだけかかりましたから経費がほしいということを郵政局に言いまして、郵政局がもっともと認めたら、その金額を示達する、それによって当該局でお金ができまして、それで支払いをすると、こういうことであるわけであります。その場合、末端のほうで立てかえるという場合があるかどうか。これも、先ほどありましたように、非常に緊急な支払いで比較的軽微だというような場合には許されるのではないかと思いますが、あまり一般的にそういったことが随所に起こっているというふうには、私承知いたしておりません。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 一般的も何もないんです。そういう場合に、全逓と郵政省との労使慣行で、もう一つの第二組合の支部長に、一般論であろうと何であろうと、原則的に片方の組合に就労委任をし、その支部長にその間の経費を立てかえをさせて、後ほど当局側が支払うというようなケースは、これは正常な労使慣行なり何から言ったってこれはちょっと解せない問題ではないですか。これは、もしそういうことがあるとすれば、世上いわれているように、郵政省と全郵政の労働組合というのはまさしく御用組合であるということをあなた方は天下に立証することになりますよ。そういうふうに理解していいですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、たまたま就労の職員のグループが、ある特定の組合の構成員であったという場合でございますが、その場合、私どもそのグループと接触します場合には、同じものではございますけれども、やはり就労意思ある職員の一グループというふうにして見て、これに対していろいろ行動するというのが正しいと思います。現実具体的に御指摘の点につきましては、実際はどうであったのかということをなおよく調べたいと思いますが、いずれにしろ、相当特異なケースであったのではないかというふうには存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 これはもう各新聞にも大きく、特に北海道では取り上げられていますからお聞きしますが、昨年の四月の二十七日に、札幌豊平郵便局におけるいわゆるストライキの場合ですね、その他いろいろありますが、この問題についてだけしぼってお伺いしますが、当時の全郵政豊平郵便局支部長一条進次君が、このストライキ日の就労に対して、ハイヤー代その他——その他です、いろいろと、もろもろと金がかかったと、したがって、当時の豊平郵便局長、現在北海道郵便局文書課長丸山敏郎君は、そういう面で一条君に庶務会計課長を通して四万円の金を支払っています。これは彼は、われわれの調査に対して、それは私金である、私の金であると、公金ではないと。しかし、金を渡した事実は認めています。さらに七月の末から八月の下旬に着任をした現在の局長柴田稔君は、丸山君からの引き継ぎ等もあり、一条君がもろもろと金がかかって、八万円と丸山君は言っていましたけれども、なかなかたいへんだった、その金を、私流に言わせれば、補てんをしてやらなければ、これはなかなかお気の毒なことでもあるということで、八月の末、その当時のストライキ実行のときとは縁もゆかりもない局長が、自分のポケットマネーで五万円一条君に支払ったわけですね。これも本人、認めました。これも自分の金だと、こう言うのです。しかしストライキの際に、先ほど言われたように就労その他している者について、当時の郵便局長、それからそのときに何も関係のなかった後任の郵便局長が、四万円、五万円という私金を——まあ彼らに言わせれば私金を投じなければ郵政省のストライキ対策というものはできないのか、そしてそういうことについては、公金というものによってまかなうことができないのか。たまたま問題が大きく発展をしたから、私金だと言って逃げ切っている、そのまましらを切っていると私は断言をいたしますけれどもね。たとえ私金であったとしても、郵便局長の職にある者が、その第二組合である全郵政の支部長に四万、五万、そのほかにもいろいろと苦労をかけたといって、庶務会計課長は年末に自分のうちに呼んだ。呼んで一ぱい飲ませたから安上がりになったので、別途飲んでくれと言って八千円を渡した、これも認めている。これも私の金だと、こう言う。しかし呼んで飲ませるのは、局長ともいろいろ御相談の上、局長の了承をいただいてわが家に呼んで一ぱい飲ませました、安く上がったので八千円、私の金を上げた。自分の金を渡すのに、局長と相談をしなければならぬのが私もふしぎだ。それから自分の金を渡すのに、庶務会計課長を通してなぜそこのうちに持っていかなければならないのか。後任の局長が自分の金を渡すのに、なぜ庶務会計課長代理を通して彼のうちに五万円を持ってやらせなければならないのか。いずれにしてもふかしぎ千万、絶対了承できないわけです。金の内容については後日あらためていろいろとお聞きしたいと思いますが、いずれにしても、このストライキ対策あるいは就労対策で、当時の郵便局長が自分のポケットマネーを出さざるを得ないという、こういう事態は、これは正常なんですか。それはたとえ個々に就労対策として当局側が把握した人員であろうと、全郵政に頼んで就労対策をまとめたものであろうと、そういう金の支出はどうですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 私、そういう点につきましては、先ほどお答えいたしましたように、管理者に自腹を切らせるというシステムにはなっておらないわけでございまして、経費を請求すれば郵政局はその経費というものを見るシステムになっておりますから、どうもその自腹を切ったということはいささかふに落ちないわけでございます。その点につきまして、またあの新聞に出たことでございますので、全般につきまして私どもといたしましても調査をしております。調査によりまして事を明らかにいたしたいと、かように私どもも考えております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 この四十七年四月二十七日のストライキに対する労務対策費の請求は、豊平郵便局長から四十七年五月九日付をもって当時の札幌郵政局人事部長、経理部長あてになされています。そしてこれは支出されています。その当時の人事部長の杉沢君がそこにおりますからね、いまは本省の何を担当ですか。当時請求を受けた人事部長がここにおるのです。ですからね、説明員で答えてもいいけれども、全郵政の組合員が——しかもそれでもうすでに決算は済んでいるわけです、ストライキ対策の問題については。豊平郵便局長からの請求に基づいて出されておるわけなんです。それがね、いま人事局長が言われるように、明らかに就労対策に金がかかった、ストライキその他によって金がかかった、一条は八万円近くと、こう言った、たいへんな金がかかったと、気の毒だと、そのまま黙っておくわけにはいかないので、私は出した、しかし転勤になったので、次の局長にも、まあ何とかしてやってくれとは私どもの調査のときには言いませんでしたけれども、それを受けて、何とかしてやらなくちゃならぬというので、五万円出したと、こういうわけです。そうすると、明らかに就労対策として出されたものであれば、いま豊平郵便局長から郵政局に、労務費のさらに追加請求として後日出てきた問題として追加請求がなされた場合には支払いますね。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 支払います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 支払いますね。とすると、そこに問題がある。全郵政支部長一条進次君が明らかに全逓と相対立する組合にいろいろと金を使わせておったという、そういう郵政省の労務対策というのは一体どういうことなんですか、これは。これは明らかに不当労働行為じゃないですか。抗弁のしようのない不当労働行為じゃないですか。私は、あっさりあなた方かぶとを脱いでもらいたい。  それから経理局長ね、一条君というのはあなたが札幌郵政局長のときに貯金の優良者として大臣表彰をした男ですよ。本人の供述によりますと、その表彰式の日、札幌グランドホテルにおける表彰式のパーティの席上、あなたは本人に篠路の郵便局における仕事は終わったので、君は今度豊平郵便局に転勤をしてもらう、こう言ったと言うんです。間もなく彼は豊平郵便局に転勤になり、一ヵ月後には貯金課の主事になり、当時の貯金課長なり庶務会計課長はあなたの異動を受けたか受けないか、あなたは知らないと言うでしょう、おそらく。しかし、全逓から脱退をして第二組合をあなたつくるようにやってくれと、一ぺん断わったらこれは浅見郵政局長の命令なんだ、二人の課長が期せずして同じことを言っている。それで彼は主事という立場でもあり、いろいろこれをやったら自分の飯に関係をするからというんで腹をきめてやりました。だんだん金がかかって、結局お客さんの金を百四十数回にわたってたらい回しをして総額四百万、実質約四十万の金を、言ってみれば横領して、それが発覚をして去年の十月十三日に懲戒免職ですよ。大臣、よくお聞きになってください。そこで彼は懲戒免職にはよもや、当局の意向を受けて第二組合づくりをやって、その金で使ったものだから、首になるなんとは思わなかった。ところがあにはからんや、首になったからおかしいじゃないか、おれだけがやられるんではおかしいと、官側だって公金を使う、おれに渡していろんなことをやったじゃないかと言って、まあやった。ところが、監察から何からぐるになって、必死になってもみ消しをやっているじゃないですか。それが衆議院の横路君等から具体的な内容、私もひそかにいろいろ調べておりましたけれども、五月二十六日に新聞に報ずるところになったわけでありますけれどもね。丸山君はその間にいろいろと一条君に接触し、あるいは柴田君に接触をし、まあ訴えないでくれ、訴えればおれはやめなきゃならぬとか、同士がたいへんだとか言っている。悪いことをして懲戒免職になった者にわざわざ札幌パークホテルに呼び出して、これからのことをいろいろと心配してやるとか何とか言って、金一万円のせんべつをやった、これも本人認めている。ぼくは現物としてのし袋も持っていますよ。しかし、通常ですよ、犯罪を犯した者に、そうして懲戒免職になった者に、あなた一万円もせんべつをやる郵便局長おりますか。そうして後任の局長は、さらに一週間後に、そこにさらに元気をつけに行くという、それぐらいたいへんりっぱな郵政省のいまのあれですか。私にはわからぬのだ。暴力団の世界じゃあるまいし、刑務所の、出るところに行ってずらり並んでいって、どうぞお迎えというかっこうみたいなものじゃないですか、対照が悪いけれども。  いずれにしても、人事局長は、いま、一条君に豊平の前、現両局長が支払われたものはあなたは払うと言ったわけです。払うという金は、明らかにこれはあれですよ、全郵政労働組合と郵政省がぐるになって公金たらい回しというか、何というか、いわゆる不当労働行為と断定できる金の支出になりますよ、そういうふうに受け取ってよろしいですね。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) 私、そう申しましたけれども、前からの答弁の引き続きのつもりでございまして、要するにスト当日に、スト・グループの郵便局員、これが就労する、そのために局側の掌握下においてかかった経費というものであるならば、これはポケットマネーで支弁することはないんだと。そういう場合、そういうことだということで請求があれば、そうしてそういうことだと認定すれば、郵政局は必ずその経費を示達し、公費で払われるべきものだと、こういうふうに申し上げたわけであります。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 ですから、いまの両局長が言っていることは明らかにそのストライキに金かかったと、これは補てんしてやらなけりゃならぬのだけれども、どうして郵政局からもらえないのだと言ったら、それはちょっともらえないんですと、こう言うんですよ。わかるんですけど、もらえないんですと言うんです。わからぬのだ、ぼくは。言う人は、わかるんだけれども、もらえないと言うけれども、ぼくは何と説明されてもわからない。ですからね、まあはっきり、丸山、柴田両局長が出した九万円という金、少なくとも私がいま出している九万円という金は、あらためて豊平郵便局長から北海道郵政局に請求をされる場合には支出されますね、両局長の自己負担にさせない性格のものだとお認めになりますね、どうですか。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) まあ年度が違っておるというような点はございますけれども、だから現実にはどういう会計手続になるかちょっと存じませんが、要するにものの性格といたしましては、就労対策のために局側が使った経費というものは、これは局の金で出るものであります。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 それは当然に両局長がポケットマネーで支払うべき性格のものじゃないですから、補てんしてやってください。そこまではいいです。しかし、そういう金を結果的に支出をせざるを得なかったという、その労務対策費のあり方というものは明らかに間違いですね。間違いだということはお認めになりますね。もう時間がありませんから端的に……。

北雄一郎郵政省人事局長

○政府委員(北雄一郎君) その点は、私、再々申し上げておりますとおり、ストのときに就労の意思のある職員がいた場合に、この職員に対して就労をさせるというのは、局として当然やるべきことだと思います。そのためにいろいろ経費がかかるという場合には、その経費を省で見ると、これまた当然のことだと思うわけでありまして、そういったことのために、スト対策費というもののうちの一部分がそういうものに使われるということは、別に特段問題のあることではないと私は存じます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 これはね、割り当ての時間なので、あと黒柳委員に御迷惑かけますから、私はこれ以上質問を続行しませんけれども、これは全然答弁になっていませんよ。だから、明らかにストライキその他で使ったものを私金をもって補てんをしているわけだ。なぜそうするということは、公金だと言えないのは、公金だったら、あなた方は明らかにこの不当労働行為を公金をもってやったということを認めることになるから、両局長は郵政省のたてになって必死に食いとめているんだ、顔をまっさおにしながら食いとめているわけですから。だれが考えたって、世の中の常識——イソップ物語聞いてるんじゃないんだから、世の中の常識がある者が、そんなばかなことで十二万円の給料取りの局長が五万円ほいほいと出せるほど郵政省の役人は金持ちじゃないでしょう。だから、そういうばかげたことはさっさっとお認めになって——私は後ほどまた逓信委員会なりその他で、問題を持ち越します。  会計検査院に一言言っておきますけれども、いまお隣にすわっている経理局長が札幌の郵政局長のとき、東京の郵政局長のときに、予算の一括示達なるものをやったんです。いわゆる世上いわれているところの郵政マル生の問題の発端です。東京に着任をされたときも、内部でいろいろとこれは会計法違反でないとかなんとかいうことは首脳の中にも意見があって、私も聞いたことがある。しかし、役人の権限をもって押えつけてだね、これは郵政省は追認の形において、いま全郵政局にそれを波及しつつあります。ですやら、会計検査院はもう少し一括示達の内容の問題について重点的に取り調べてください。それから、労務対策費の内容について、ただ単に、法律上形式が整っているからなんということじゃなくて、なまはんかな検査を会計検査院がやられるとすれば、私はあなた方が札幌に検査に行っているのを全部知ってますけれども、なまはんかな答弁をされたら、私は具体的に出しまして、後ほど明らかにしますからね。はっきり、先ほど小谷さんも言われたように、もう一ぺん再検査をされるように強く要望しておきます。  それから、大臣にも最後にお尋ねをしたかったのですけれども、時間がありませんから、いずれ場所を改めまして、いまの私との質疑のやりとりは十分とめておいていただきましてね、別に大臣自体でもお取り調べになって、後ほど私と質疑をされるときにお答えをいただきたいと思います。     —————————————

小谷守日本社会党

○理事(小谷守君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま伊部真君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。     —————————————

黒柳明公明党

○黒柳明君 私は有線放送の問題についてお伺いしたいと思います。  テレビ時代ですけれども、ラジオが静かなブームを呼んでおりますし、有線放送も非常にまだ根強い利用度があります。この問題について大臣、下部からいろんな現状についてもう御聴取されておると思うんですが、私言うまでもなく、郵政省に対しましても、この有線放送開局にあたって、開業にあたっては届け出の制度がありますし、建設省のほうでは道路の許可、占用料の払い、あるいは電信柱を使用するにあたって電電公社あるいは電力会社の添架料等がありますが、遺憾ながらもうこの実情、御存じのように、現在は行政の怠慢によって、この内容が非常にやっぱり乱れているのが現状であり、私言うまでもなく、大臣がこの状態というものももう把握していらっしゃると思うんですが、まず冒頭にこの有線放送の現状のあり方、これについて私は非常にやっぱり遺憾な状態であると、そう思うんですが、大臣、そこらあたりの所感からお聞かせいただきたいと思うんです。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 有線音楽放送事業が有線電気通信設備を用いて繁華街のバーだとか喫茶店、商店街の店舗あるいは工場などにレコード音楽を客の要望に従ってこれを配給する業者であることは、御承知のとおりでございます。このような事業を行なっておりまするものが内部においていろいろ抗争がございまして、そのことがただいまの問題になっておるということは、私は事実はよく承知をいたしておる次第であります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 別に、私は業者間の内部抗争、これは業者間の内部のことですから……。ただ、私は郵政にも届け出の義務、そういう制度がある。罰則規定も当然あるわけですね。建設省のほうには道路占用許可、またその占用料を払え、払ってなかったら罰則規定もある。電電のほうにもやっぱり電信柱の本数によって添架料を払わなければならないと、こういうことが、確かに業者の問題もあるにはありますけれども、私はあくまでもここでは立法府として法律をたてまえとしてやっぱり大臣にいろいろ御質問したいと思う。こういう上において、やっぱりいままでのあり方、現状は要するに行政的にも非常に不備かあったから今日のような業者間の争いが、その不備だと、一〇〇%とは言いませんけれども、それも不備があったから、だから今日のような業者同士の争い——あるいはそんなことはまたさておいてですよ、届け出もしない、占用料も払わない、電信柱の添架料も未払いになっているのが相当あると、こういう現状についてはやっぱり根本は行政の怠慢から発していることだと、私はこう思うんです。またそのことは大臣もよく御存じでしょうと、まずその辺の所感からお伺いしたいと、こういうことですよ。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 御指摘のとおり、法律上の規定があることはよく承知をいたしております。それについての罰則規定があることも承知をいたしております。それで、これはあくまでも届け出制になっておるわけでございます。届け出をせずに事業を運営しておるものについては、ただいま申し上げましたように、罰則規定があるわけでございますが、これについては今日実態を調査しつつ、今後適切にこれを処置をしていきたい、かように考えておるわけでございます。そういう際に、不法に電電公社並びに電力会社等の電力柱を使用したり、あるいは道路を占用したりしておるというのはまことにこれは不法な行為でございますので、関係各機関、会社とも協議をいたしまして善処方について努力をいたしておる、これが私の現在の考え方であります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 答えの読み方の順序が間違っているんじゃないですか、どうも私ぴんときません。いいです、大臣お聞きください、じゃ各局長といろんな質疑をしますからね。どうも報告が間違っているんじゃないですか。答えのつくり方が、順序が間違っているんじゃないですか。  まず郵政省のほうからお伺いしましょう。その有線放送四百二十三施設あるわけですか、それが連盟とか協会とかに所属しているところとそうじゃないところとあるんでしょうか。ひとつその全体の数、それから組織形態、そのようなものを簡単に……。

舘野繁郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(舘野繁君) お答えいたします。  御案内のように、有線放送といっておりますものは、社会的に見まして二つの業態と申しまするか、に分けられると思います。一つは、ただいま先生がおっしゃいましたいわゆる有線音楽放送を営んでいるもの、それから難視聴地域におきましてラジオの再送信をいたしまして、その他告知放送をいたしております有線放送事業がございます。  ただいまお話しのいわゆる有線音楽放送業について申し上げますと、施設の数といたしましては、ただいま先生が御指摘のように、全国四百二十三、事業者の数といたしましては百六十六でございます。なお、これが団体を結成しておりまして、社団法人全国有線音楽放送協会というものの会員が百六十九施設、それからこれは任意団体でございまする日本有線放送連盟というものに加盟しておりますものが百十四施設、その他のものが百四十施設、計四百二十三施設ということでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまの会長わかりますか、協会と連盟の会長。

舘野繁郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(舘野繁君) 社団法人全国有線音楽放送協会でございますが、会長は山田松次郎氏でございます。それから任意団体でありまする日本有線放送連盟は会長が船田中氏でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 大きいのは有線放送協会と連盟に分かれていると、それで全国的に四百二十三ある、こういうことであります。  そこで建設省、道路法とこの有線放送の施設との関係、当然、私、いま申しましたように、占用許可、あるいは占用料の払い、あるいはその罰則規定、こんなことがあるのだと思うのですが、お教えいただければ……。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) 有線放送の線が道路の中に添架されておるのは事実でございます。これは道路法のたてまえから申しますと、ただいま先生の言われましたとおりに、占用の手続をして、そしてそれに伴って占用料を支払うというのがたてまえでございます。ただ実態は、たいへん恐縮でございますけれども、必ずしも全部そういうふうになっておるということではなく、いままでは大半が不法の占用の形であったというのが実態でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 大臣、よく聞いてくださいよ。大半が不法の状態だったのですからね。業者間の抗争とかなんとかということじゃないのです。現在においても不法の状態にあっているのが相当あるわけですよ。また最後に同じことを答弁していただきますからね。  それで、この占用料を払い——それで占用料を払わない者、まあいわゆる許可を受けない者は罰則規定がある。それで昨年からこれにお気づきになって、若干努力されて、その占用料をお取りになっている。その努力は多とします。しかしそれにもかかわらず相当いこじな業者がいる。それでいまもってこの許可を受けること、すなわち、占用料を払うことをこばんでいる、こういう業者もいる。しかも、さらに昨年努力したにもかかわらず、まだ取れないものが国道においても相当ある、いわんや地方道においても相当額にのぼっていると、こう私の調べではあるのですが、この辺、数字だけでけっこうです、いわゆる昨年四十七年三月から努力の結果取った占用料、まだ取れない占用料、これから取らなきゃならない占用料、国道、地方道——これはもうほとんどですね、野放しになっていて、取れるべき占用料、この数字。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) 国道につきまして、先に申し上げます。国道につきましては、実は四十七年の七月に、不法の占用が多い、占用料を取っていない者が多いということで、実は会計検査院からも指摘を受けたわけでございます。そこで、早急に実態を調べまして、国の直轄で管理しております分につきましては、それ以来、現在までにほとんど全部占用の手続をしております。ただ北海道だけが訴訟の関係でおくれておりましたけれども、これもきまりまして、間もなく占用の手続をするということになりますので、国道の直轄でやっております分につきましては一応そういうものはなくなるということでございます。それでその数字は、実は国道が直轄で占用の手続をし、占用料を取るようになりましたのが昭和四十三年度からでございます。それまでは道路法のたてまえで、全部県あるいは指定市の市長が占用の許可もし、あるいは占用料も県あるいは指定市の収入になるような形でございました。四十三年から国が直接やるようになったわけでございますが、四十三年から四十七年までの四年間におきまして、直轄でやりましたところの占用の許可した延長が、約でございますが、二十一万メートルございます。それで三百八十四万円がその四年間にその収入となっております。それから四十七年度につきましては、占用の手続をどんどんやってもらいましたので、四十七年度は一年間で件数も二百七十一件、延長が四十六万メートル、でお金のほうも六百九十七万円と、約七百万円近く、四十七年度一年だけで占用料の徴収ということになったわけでございます。したがいまして四十七年度からは国道につきましてはきちっと占用の手続をし、占用料を払うという形になっております。  それから県道や市道につきましては、これは道路管理者が県あるいは市でございまして、これは非常にたくさんございます。現在私どもでわかっておりますところで、占用の許可をしておりますものが二十八万メートル、金額で約三百万ちょっとでございます。それに対して不法占用と見られますものが二百十六万メートル、したがいまして七、八倍になります。そうしてそれに対する占用料を正規に——この占用料は県の条例あるいは市の条例できめておりますので、個々に違いますけれども、それをそのまま当てはめますと、一億五千万ぐらいの不法占用の金額になろうかと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまの地方道の場合、不法占用が二百十六万、大体額にして一億五千万ぐらい、これはけっこう。国道のほうがちょっと違いますよ。四十七年三月以降、一応不法だったものを許可をとらした、これはけっこう。その間において占用料を徴収したのは一千万ぐらい。ただし四十七年三月以降取ったんであって、四十七年三月以前、これについては取ってなかったわけでしょう。それで私が盛んにですね——うしろにいらっしゃる課長さんと私がやる責任じゃない、こんなことは。だけども、四十年に開局し、三十六年に開局し、開局しているのになぜ四十七年三月以降で、以前は取らないのか。このことで煮詰めた。それに対してやっと重い腰を上げて、取る方法を考え、計算をして、そうしてこれだけは取れます、さらに取りましょうと。当然ですよ。いま税金だったって納めたくないの取られているじゃないですか。これはちゃんと占用料を払えとなっているのですから、それを取れるものを取らないなんて、そんなばかなことないんじゃないですか。ですからいまおしっしゃった四十七年三月以降は許可制度にさせた、届け出にさせた、けっこう。四十七年三月以降は一千万ぐらい取った。ただし四十七年以降以前の分として大ざっぱに計算して一千二百万ぐらい。さらにもっと深く計算すれば、もっともっと取らなければならない分があると、こういうことで私は認識しておりますが、いかがでしょうか。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) そのとおりでございます。私申し上げましたのは、占用という観点から、占用の手続をした以降の問題でございます。それで、その占用の手続をする前の四十七年度までの分は、あくまでこれは不法占用でございます。したがいまして、その料金をもし四十三年から全部取ったと仮定いたしますと、これは推定でありますけれども、ただいま先生言われましたように千二百万ぐらいの金額でございます。で、私どももこれはやはり国道の上にあったものでありますので、当然支払うべきであるというような考え方を持っております。ただ占用の手続をやっておりませんので、占用料という形では取れませんけれども、やはり国の道路の上を使っていたということから、これは取る手段はいろいろまた考えなければなりませんが、たとえば不当利得返還請求というような形でやりますか、これは形はともかくとして、やはり前の分につきましても取るように努力を続けたいというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そこでですね、私追っかけて疑問になるのは、一千二百万も一億五千万も取れるのを取らない。しかも法的にはこの道路法の三十二条、それを受けて三十九条、さらに罰則規定の百条、要するに許可をもらわないで、かってに占用した場合には「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金」と、こういうことですね。どうしてこれをきびしく、まあ四十七年以前野放しにしていたと、このミスは——大臣コーヒー飲んでいるときじゃありませんよ。ここですよ、核心は。ひとつよくお聞きになって、そればっかし見ていますと間違えますよ。ひとつ、四十七年以降、これ占有料取った。これは以前においてそういう法律がありながらですよ、失礼ですが、それをネグレクトした、怠慢です、行政的な。そうしてやっと気がついて取ったわけです。なぜそれじゃ、いまになって、やあ四十七年以前は不法占有ですから取れるとか取れないとか、この問題以前に許可なしに道路に電線を張って放送開局したんですから、どうしてこの罰則規定をあてはめないんですか。それくらいなきびしい態度があれば、こんな野放しに業者が、しかもいまもって、いやおれたちは不法じゃないといって民事に訴えているんでしょう。裁判ざたになっているんでしょう。もっともっとこういう、そのために法律があるんじゃないですか。許可制、占有料も取ることできる。当然取るべきです。それに該当しなかったら、無視したらば罰則だと、どうしてそういうきびしい態度で臨まなかったか。どうですか。この辺は非常に私は、もうまず第一番におかしなことだなあと、これは何回も言います。初めからの行政の怠慢。そこから出発していることは間違いないんです。いまになってやむを得ない、こういうことから出発したんじゃ、これはうまくないですよ。たとえば北海道の問題、ついせんだってまでがたがたしていたんじゃないですか。撤去しろ、撤去じゃないですよ。不法占用だったら、この罰則規定を当てはめて一年以下の懲役、三万円以下の罰金だぞ、こういうきびしい態度で臨めば、いつまでも、まだこの電信柱がありますからね、一千二百万だ一億五千万だ——先ほども言ったように、税金取られたくないものも取られているんじゃないですか。国で取れるものをなぜ取らない。そういうことがありながら、さらにそういう法律に訴えない。どうも何かおかしいと、こう思うんですが、いかがですか。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) まさにもうお話ごもっともでございまして、私どもそれに対してはもう反論する余地も全くないわけでございます……

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうあっさり言わなくてけっこうですよ。

菊池三男建設省道路局長

○政府委員(菊池三男君) それで、実はこの問題につきましても不法占用があるということはわかっておりまして、ただたいへん弁解がましくなりますけれども、これはたとえば何か電柱を立てたり、あるいはものを立てるために道路をほじくりますと、これはすぐわかりますので、これはすぐつかまるわけですけれども、電柱に添架するというようなことだとわりあい識別がしにくかったり、あるいは簡単にかけられますので、そのかけている現場がわからないというようなことから、たいへん、不法であるのか、あるいは不法じゃない、ちゃんとした占用であるのか、まあそこら辺が非常につかまえにくいということが事実ございます。だからといってそれでいいと申し上げているわけではございませんが、まあそういう、弁解がましくすればそういうようなことがありまして、何となくずるずるときたようなことでございます。ただ四十五年にも一度、これではいかぬということで実態を早急に調べようということで実態を調べて、不法占拠のないように、またどうしても占用するものに対しては占用の手続をきちっととるようにというようなことで、これは一度やったこともございますけれども、まあなかなか直接これが道路の何か事故につながるとか、非常に支障のあるということではなかったもので、まあつい目先の交通事故の問題、穴埋めに追われまして、ここまで至らなかったということはたいへん申しわけないと思いますけれども、指摘されまして、これではいかぬということで直ちに私ども姿勢を立て直しまして、今後こういうことのないように十分に注意してまいりたいというふうに考えております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 道路局長、しばらくおきましてね。  電電公社、電柱に対する無契約の添架、四十八年三月末ですか、資料いただいたのによると八千五十七本ある、それから金額は四百三十五万七百八十円ある、こういうことであります。さらに直接関係ありません、これは郵政のほうですけれども、電力会社の無契約の本数が五千三百五十三本、金額にすると五百一万六千二百四十円と、こういうことになっていると思いますが、これで正しいと思います。それと、これはなぜ無契約で添架料は取れないのかと、これお教えいただきたいと思います。

山本孝日本電信電話公社施設局長

○説明員(山本孝君) この添架料は契約によりましていただくわけでございますが、先ほど道路局長から御説明がございましたように、電電公社といたしましても、道路占用の許可のあったものを原則として受け付けてはおりましたけれども、業者の方が無断で添架する、これは一晩のうちにつけてしまうというようなこともありまして、なかなか発見しにくいということがございます。電電公社に現在約一千万本ほど電柱を持っておりますが、そこで十三万五千本ほどの添架がされておりますけれども、この発見したときに直ちに行動に移りますが、そのあと占用の許可の手続とかあるいはうちのほうから音楽放送の業者の方に催告書なり手続をしましてから契約をいたしますので、時間的ズレがあるというふうに考えております。現在八千本のうち訴訟に入っております千四百本ほどを除きまして、約七千本ほどは契約に入れるであろうと思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いま大臣、電電公社、建設省からおっしゃいましたね、夜中になって引っ張っちゃう、かってにやっちゃうからわかんない。これはもう一千万もある電柱を年がら年じゅう見回っているわけにいかない。そこに法律があるんじゃないですか、だから。よろしいですか、一番冒頭私が大臣はもう御存じでしょうと言ったのはそういうことですよ。ここは立法の場ですから法律をたてまえに審議するんですから、業者間の争いなんて巻き込まれる必要ないですよ。いま期せずして一致したじゃないですか。かってなことをやる、そういう悪いものを取り締まるために法律があるんじゃないですか、ちゃんと有線放送に対しての。郵政でもちゃんと、建設でも添架料も取ることになっているじゃないですか。徐々にわかってきましたですね、これで段階どんどん発展しますよ。  それで電電公社のほうはこれはお取りにならないということは、要するに道路の占有許可ないし占有料を払ってからこちらも取ると、こういうふうに伺ってきたんですが、それでよろしいですか。それが一点。  それからもう一点は、過去もこれはどんどん取っていたわけですか。昭和四十七年、六年、五年、四十年。ということは、建設省の道路の占有料は取ってなかったんです。取りにくいということだった。電電公社のほうは過去相当数、過半数、この添架料というものはきちっと取ってきたと、こういうことでしょうか。この八千本は占有料を取って、占有許可を取って、その後にこの八千五十七本は電電でも添架料を取ることになっているのか。この二つ。

山本孝日本電信電話公社施設局長

○説明員(山本孝君) 最初の占用料の問題でございますが、八千本につきましては占用の許可を業者の方がもらってから契約に入る。ですからこれは昨年きめたことでございます。  二番目の、過去の添架料の問題につきましては、確かに占用の許可がなかったものも実は契約したものがございます。しかしながらうちのほうで契約してないのを発見した場合には、そのときにさかのぼって先ほど申し上げましたような添架料に相当する金額を不当利得金として返還請求しています。   〔理事小谷守君退席、委員長着席〕

黒柳明公明党

○黒柳明君 道路局長、電電のほうは過去にさかのぼって十何万本という添架料をきちっと取っているんですよ。建設省のほうは取ってないんです。四十七年三月からいただきましょう、あとはけっこうです。とんでもないとぼくが言って、先ほど言ったように煮詰めたんです、課長さんと。大臣、よろしいですか。私は課長さんと煮詰めたんですよ。国損になっちゃいけない、悪い業者なんか取り締まれ、こういうことでせめてもの私の努力として国民の血税をむだに使わない、使わないどころか、集められるものがあるんだからと言って煮詰めたんです。ところが電電ではもうきちっとやったシステムで取っている。取ることできるんですよ。ところが建設だけ取ってない。  それから今度は郵政省ですけれども、郵政省への届け出は年々出ているわけですね、開局の届け出。郵政省、どこでしたっけね、ただ十何局しかまだ出ていないということ、その点どうでしょうか、

舘野繁郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(舘野繁君) 先ほど申し上げました数字は地方の電波局に対しまする届け出に基づいて御報告申し上げた数字でございます。なお、ただいま、届け出の申請がありまして、届け出書不備である、あるいは郵政省令等の技術基準に照らし合わして設備上疑問であるというようなことで受理処分をいたしておりませんものがいま先生のおっしゃいましたように、四十八年三月——前度末で十六件、今日現在で十一件ございます。これは、未受理の状態のものがそういう数字だということでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それで、結論として私、全貌を言いましょう。郵政省の四百二十三の施設がある。届け出いただいたものが十一ある。ところが、郵政の有線放送法では、届け出しなければ開局しちゃいけないんです。届け出しなければ三万円以下の罰金なんです。ところが、いままでの押せ押せで結局去年の八月、私言うまでもなく大臣、電電と郵政と建設でともかく道路占用許可をとらせよう、道路占用料金を払わせよう、それをしなければ郵政の届け出も受理するのをよそうと、こうなっていたんですよ。おかしいんですよ、これは。私は何も業者の肩を持つわけじゃないですよ。悪質業者は徹底的にやるべきです、この法律で。法律を順守していない行政、その怠慢な姿勢からこういうことになったんですから。しかし、業者に言わせると、届け出をとらないなんというのはおかしい。届け出はとることになっているんだ、ちゃんと。なぜとらないのかというと、行政の怠慢のために道路占用許可をとらない、占用料を払わないどころか自分たちが払ってないことをさもいいように裁判まで持ち込む悪質業者がいる。だから占用許可を先にとらせよう、占用料を払わせよう、そしてそのものに郵政省に届け出、免許を出させよう。そうするとおかしいんです。そういう免許、届け出制度なんか法律——越権行為ですよ。届け出申請は申請なんです。建設の占用許可は占用許可なんです。電電の添架料は添架料なんです。ところが、いまもってそういうおかしい中でしかも届け出制度はちゃんと様式はいままでどおりの様式になっている。だから、一部業者は悪いです。相当業者は悪い。これから私ども実態言いますけれどもね。しかし悪いことはさておいて、その初めに来たのは行政の怠慢ですよ。法律があって、罰則規定があって、にもかかわらず、なあなあで指導した、指導した、何とかとろう、そうじゃなくて、きびしく罰則規定を設けてくれば、こんなことは業者に言わずもがなの不満を出させる必要はないんですけれども、いま現在は法律にないような越権行為をやっている。行政指導で先に道路占用許可をとれ、先に道路占用料を払え、じゃなかったら郵政は許可を受理しないと、こうなっている。こんな法律どこにありますか、大臣。ありますか、こんな法律は。ないでしょう。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 正規の届け出のない施設に対し所定の手続をするよう警告、指導しておるところでございます。それで、ただいま御指摘のように、やはりこの道路の占用許可、それから電柱についている添架同意、こういうものをとっていない書類につきましては書類上不備であるということで、いまそれをきちっとした書類にしてきなさいと、こういうことで手続はいま進行中でございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうじゃないんだ大臣、ぼくの言っているのは。あまり理解してないな。

舘野繁郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(舘野繁君) 法律論から申しまして、先生のおっしゃいまするように、この有線電気通信法に基づきまして郵政省に対しまして——現実には地方電波監理局でございますが、この有線設備の設置の届け出というものは、道路占用料の許可あるいはまた電電公社あるいは電力会社等の電柱を借りることについて正規の私法上の契約があるかどうかというようなことは有線放送上は直接関係がございましょう。それは先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましては、そういう法律のたてまえから実はこの有線電気通信法施行以来、昭和二十八年以来、この届け出の事務手続及び処理につきましては、道路法上の問題、それから電電公社あるいは電力会社等からの電柱を借りることについての私契約上の問題というものは切り離しまして、有線電気通信法及びそれに基づきまする設備令という政令及び省令、この技術基準を定めました各法令に当てはめまして、それのみによって、この届け出書を見まして適合しているものは受理をするということで参ったわけでございます。  ところが、先生御案内のように、一昨年あたりからこの私契約上の契約をしないで公社、電力会社等の電柱に無断添架をし、線を引っぱるもの、それから道路法上の許可を受けないでするもの——しないままに届け出を出してくるケースが急増いたしまして、そうしてそれがまた一つの先ほど来の業者間の顧客争奪の競争というのもからみまして、非常に何といいますか、無秩序の状況があらわれてまいりました。  現行法上これを予防するというためには、法律解釈上は先生のおっしゃるとおりと私ども考えておりまするけれども、これを何とかこの届け出という制度の活用によって未然に防ぐことができないかというようなことを建設省、電電公社、郵政省等で考えまして、これは法令上の問題ではございませんけれども、実行上郵政省に出されます届け出書に、その前に別な法律に基づきまするところの、あるいは私契約上の措置がちゃんと行なわれていたものは受理をする、そうでないものはそれをしていらっしゃいということによって、実際的に相当の不法の状態が予防できるのではなかろうかということで去年の九月からそういうことにいたしたわけでございます。法律解釈論としては先生のおっしゃるとおりであると私も考えます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうなんです、大臣。法律解釈論では先生のおっしゃるとおりと言ったって法律解釈をするところです、この場所は。その便法を講ずる場所じゃないですよ。それを業者に口実を与えちゃっているわけですよ。何だ、おまえたちのやっていることはと。当然その発端は行政の怠慢なんですよ。こういう許可制、届け出制がありながら、それをきちっと守っていればこんなことにならなかったんです。思いついたように昨年やって、しかも前にさかのぼって取るのだか取らないのだかわからないような中途はんぱな規制をやっている。なぜそれじゃこういうことにならざるを得ないか。大臣、そのあとに問題がくるんですよ。これ、まだちょっとお楽しみにしておきましょう、まだ十五分ありますからね。そこに問題があるんです。  なぜそれじゃ弱い規制に政府はならざるを得ないのか。どんどん罰則規定を適用して当てはめたらいいじゃないですか。四百二十三の、企業者じゃないのですよ。連盟に所属している百十六社が特に悪質。これはもう郵政当局の方もこの内容は御存じだと思うのです。なぜそれじゃ、なかんずくそういう連盟に所属している業者が悪質なのか。さっき船田中さんが会長だとおっしゃったですけれども、まあその関係はどうかわかりませんけれども、悪質なんです。郵政省には届け出の義務がある。建設省には占用の許可がある、占用料を払う、そして罰則規定がある。そして電電のほうは添架料を取る、とある。個々まちまちなんですよ。それがどうして道路許可をとらなければ郵政の届け出をしないのか、道路許可をとらなければ電電の添架料を取らなきゃならないのか。これは法の行為を逸脱したものなんです。やむを得ず行政指導でそうせざるを得ない段階になっちゃったのです。それは何回も言うように、いままでの政府の怠慢です。ところがこれが業者に口実を与えているわけです。ですから、私は業者の立場に立って一言言うならば、いまの届け出の制度、様式、これを改めてもらいたい、すぐ。そうじゃなければ、この、過渡的段階であるか、どのくらい続くかわかりません、業者からやっぱり言いわけの口実に使われますよ。何だ、届け出もしないくせに、届け出の用紙と許可の用紙と違うじゃないか。それはいまなりの形態につくり直さなきゃならないのです、良識的な業者のために。まあそれはいいや、さておきましょう。ともかくそういうことなんです。  そしてもう一回、道路局長、返りますよ。届け出のほうも道路占用許可待ちなんです、郵政のほう十一カ所。こちらの五百数十万もこちらの許可待ちなんです。となると、失礼ですけれども、建設を中心に事がこれから運ぶわけですね。これはしょうがないでしょう、郵政のほうの許可は開局と同時にとってるのですから、電電のほうの添架料はずっと取ってるのですから。建設だけが取ってない。そこに大きなミスがあったということ。だからそこが中心にならざるを得ないとは思いますけれども、先ほど先生がおっしゃるとおりだと、罰則をなぜ適用しないのか、そのとおりだと、こうおっしゃったですけれども、そこの裏にはどうしても私は、自民党の先生方には失礼ですけれども、顧問が、二、四、六の八つの十、十一名、ずらっと自民党の顧問。この人がどう関係あるかっていうことは私あまり深く調べてませんから指摘しませんよ。だけど、どう見たったって、政府がなぜこういう法律があるのにその法律を順守できないのか、どんどんきびしく業者を取り締まることができないのかということになると、私はそういう、ある意味では顧問の先生方が働いている可能性もあるのではなかろうかと、こういう心配次非常にするわけです。あるいはそうじゃないかわかりませんよ。そういう政治的なバックがあるのではなかろうかという非常な疑惑——じゃなかったらなぜ政府は法律を順守する立場でありながらむしろ法律をたな上げしなきゃなんないような行為をしているのか。業者をのさばらせ裁判にまで持ち込ますようなことをやってるのか。取るべきものですよ。届けさすべきものですよ。許可をさせるべきものですよ。そういうところに何もこちらは弱いところはないじゃないですか。毛筋ほども弱いところないじゃないですか。強引にびしびしできる問題じゃないですか。どうでしょうかね、道路局長。私は何も自民党の顧問が何をやってる、かにをやってるということを言うのじゃないですが、どうしても政府のそういう姿勢から見ると、そういうことをふえんして考えたくなっちゃうのです。じゃ何のために顧問として名前を連ねているか。むしろそういうときのためではなかろうかという疑心暗鬼ですね。どうですか、あまりにもこの行政の姿勢というのは非常に弱い。その裏にもしかするとありもしないような疑惑を起こさせる可能性が十二分にある、この点について。  それから、当然、私さっきも言ったように、取るべきものは取ってください。私も苦労してそろばんはじいたんですよ、これ。一千二百万、一億五千万、さらに分野は違いますけれども電電のほうの四百三十五万、それから電力のほうの五百万、大臣、これ合計しますと一億六千九百八十八万九千三円。こんなところまでそろばんさじくのは私ぐらいなものですよ。三円、みごとな数字じゃないですか、大臣。いいですか、取れるんです、これは。取らなきゃならないのです。国損です、これを取らなかったら。何年もおっぽりっ放しでしょう。努力していないとは言いません、若干の努力はしているのでしょう。しかしその努力が非常に何か弱い。法律があるのになぜその法律を順守しないのか、適用しないのか。そんなことはさっきから言っているとおりもう大臣全貌がわかったでしょう。ひとつ、これから大臣と、あと十分くらいあります、質疑しましょう。いままで総括して、どうですか、御意見は。もう書いていませんよ、答えは。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) 御質問の趣旨はよく理解できると思っております。そのような成規の手続のない施設に対しまして、先ほども申しましたように所定の手続をするように警告、指導してまいりましたけれども、いまもってこれをやっておりません。これはまことに遺憾なことに存じます。(「おっぱずしちゃえ、そんなもの」と呼ぶ者あり)そこでこのようなことのないように、今後行政的には指導を強化していきたい、かように存じます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 いまそちらでおっぱずしちゃえと言ったけれども、なぜおっぱずさないのですか、そんなもの。どんどんおっぱずしちゃえばいいじゃないてすか、それこそ。どんどんどんどん、法律があるのですから。それで言うことを聞かなかったらどんどんどんどん懲役だ、そんなものは。あたりまえじゃないですか、その姿勢は。そのために法律があるんじゃないですか、遠慮することはないじゃないですか。いまはそんななまぬるい答弁じゃだめなんですよ、現時点では。非常に大臣の答弁なまぬるい。まあ直接には建設省道路局のことですから、占用料は。だけれどもやはり総括の責任じゃないですか、これは。いま言ったように郵政省だって罰則規定があるんですよ、三万円の罰金ということが。この十一件については十一件は届け出をしていないのです。それについて罰則規定を当てはめなさい。そうすれば建設省のほうだってその規定を当てはめる。そうすれば何も自民党の顧問だって関係ないのだ、こういうことだってきちっとなる。それが、それをやっていない。ですからもうそんな、今後はなんという問題じゃないんですよ。まず私の言ったこの三点、電電、電力、国道、地方道、これに対して大臣、理解していただいたらすぐさまにこれを取るという手続をしていただいて、各省関係省に、こういうことで有線放送の担当の大臣としてうまくないから、まずこの疑惑になっている過去の、あるいは取るべきものはすぐ取れという、こういう命令をしていただけますか、当然でしょうね、これは。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘のとおりに私どものほうはいたしたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 まあだんだんすなおになりましたね。それから、私はそれだけじゃやっぱりこの問題の実態を知っている人の誤解を解明するわけにはいかないと思います。何回も言いますように、失礼ですけれども、会長の名前をあげました。あとの顧問の名前を別にあげる必要はありません。こういう方の地域配分を見ますと、非常にやっぱりいわゆる連盟が強いところの議員の方が地域配分で顧問になっていらっしゃる。さらにこの連盟がやがて協会として対抗して出ていこうという地域の議員の方が、やっぱり名前を連ねている。そういう地域配分から見ましても、これはまさしくそういう圧力というようなものがあるのではなかろうかと、これはもう私みたいな非常に良心派でもそういう邪推を生ますようなものになっていますよ。ですからこれについて自民党の大臣としまして−郵政大臣としてもそうですけれども、自民党出身の大臣としましても、私はこういう悪質な連盟−電信柱添架料も払っていない、ここにありますよ、添架料を払っていない一覧、全部連盟です。これ八千本あるから四百二十三会社かと思ったら、そうじゃありません、八つの会社ですよ。株式会社大阪有線を中心にして、四百二十三の会社じゃないんですよ。連盟の理事をやっている幹部の会社ばっかりです、これは。なぜここだけを野放しにするのですか。ほかのはどんどん払っとって、これに対してそんな遠慮することないじゃないですか。こういう問題もありますよ。それから北海道なんかも、連盟だけか拒否しているでしょう。四十七年三月以降取ったでしょう、全国。北海道だけが局長さっきちょっと触れたように、北海道、しかも連盟に所属している会社だけががんとして聞かない。こんなものはぶっつぶしちゃいなさいよ、極端に言えば。法律で取り締まりなさいよ、法律があるのだから。そのための法律じゃないですか、そのための法律ですよ。  そういう実態を見ますと、非常にこの連盟を中心にした何らかの政治的な動きを感ぜざるを得ない、地域配分にしましても。ですからこれを取るというだけじゃなくて、実態はこれうまくないぞ——もううまくないことはわかっているんです。ひとつ大臣からも、また自民党の議員として、同僚議員もこの実態はうまくないと、政府でも手をやいているんだから、ひとつあなたたちも考慮したほうがいいですよと、これは私は、忠告する責任が、大臣の立場は別にしても、ありますよ、これ。そうじゃなくたって、あっちでもこっちでもこういう事件が、刃物ざたまであるようなことがあるんですよ。そういうところに名前連ねているということは、これはね、もういまの国会議員のあり方じゃない。これはもう大正時代のあり方じゃないですか。まあこれは私の老婆心ですけれども、非常にやっぱりいろいろ調べて見れば見るほど心配になりますからね。ころばぬ先のつえで、大臣にこういう顧問のあり方はうまくないと、しかも一つは法人になっております。大臣の指導監督の中にあります。一つは任意団体。その中にあるんですから、その行政指導も含めてこの際やらないと、何か起こってから、おまえたちうまくないぞと言ったってだめです。そういうこともひとつ行政指導下にある、また行政指導下にない一つのほうも、何らかのやっぱり指導もしなきゃなんないんじゃないですか、どうですか。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘のとおり、連盟に所属しておられまする顧問の各位、私はその書類も拝見をいたしました。ここにも持っておりますが、お名前も全部承知をいたしております。黒柳先生、あえてこの席上でそのお名前をおっしゃいませんでしたが、私自身といたしましては、この顧問の皆さんから私に対して陳情を一度も聞いたことはございません。それからこの問題について圧力を加えられたことも一度もございません。でありますから、私はそのような不法行為が今日まかり通っておるという事実、これはたいへん法治国家として遺憾なことだと思います。今後行政指導に十分注意をいたしまして、そのような不法な事態を一日も早く解消でき得るように微力を尽くしたい、かように存じます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 すみません。あと時間が二分しかありません。  それで、大臣、私は最後に一言。やっぱりこの法律をもっときびしく運用すべきだった。そこから今日のこの乱雑の結果が出ているわけですから、ひとつあのいまの十一社の問題——これはいまのままですとね、業者からクレームがつきます。政府のほうが弱い立場ですよ、これは。越権行為です、法の。それについての問題。さらに電電のほうもそうですよ。道路占用料を取らなきゃ添架料を取らないと、こういうこと。これも、そんなことはないんですよ。やっぱり別々ですよ。そういうことも含めて、法律を順守してすぐこの混雑を——業者間のほうじゃないです。業者はいいですよ、もうあれ、どんどん取り締まりなさいよ。法律をきちっと守って、それできちっといまのシステムをもう一回整理しませんと、これは政府のほうの行政の怠慢が発端となって、業者が悪質になっていますから、業者からさかねじを食う可能性ありますもんですから、まあこんなことは私、言うまでもないと思いますが、ひとつ法律をきちっと順守した上で、もう一回この有線放送のあり方、これについてきびしくやっぱり取り締まると同時に、こちら側の姿勢をまずしっかりする、こう望みたいと思うんですが、ひとつ最後に御答弁願います。

久野忠治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(久野忠治君) まことに適切な御意見でございます。私は、黒柳委員のこの御発言については十分拝聴いたした次第でございます。でありますから、今後この問題に対する行政指導については、厳に法律の定めるところに従って処置をするよう指示をいたしていきたい、かように存じます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 以上です。

成瀬幡治日本社会党

○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もないようですから、郵政省及び日本電信電話公社、それから休憩前、一時中断いたしました労働省の決算につきましてはこの程度といたします。  次回の委員会は明後八日に開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後四時十五分散会

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