決算委員会 第9号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/06/01
会議録
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 昭和四十五年度決算外二件を議題といたします。 本日は文部省の決算について審査を行ないます。 この際おはかりいたします。 議事の都合により、文部省の決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも口頭報告を省略して、本日の会議録の末尾に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 きょうは私学の問題を中心に御質問をいたしたいと思います。 昭和四十五年から今日までに、私立医科、歯科大学の認可は二十一校になっておるようでありますが、この私立医科、歯科大学の認可をめぐってかなりの問題があります。また、今日運営しておる姿を見ますというと非常に心配な点があります。こういう点についてきょうは文部省の御見解を確かめたいと思います。 まず、この二十一校に共通して言えることは、法外な入学納付金を徴収しておるという点であります。これは文部省はお認めになっておるのでありますかどうは、この点をまずお伺いいたします。
○政府委員(安嶋彌君) 新設の私立医科、歯科大学が高額な寄付金を徴収しておるということにつきましては、これは私どもも事実として認めております。しかし、そうした事実は好ましくないことであるという指導もいたしておるわけでございまして、今後ともそうした指導をさらに徹底するような努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 そんな行ないすましたような答弁ではまずいんじゃないですか。このことが話題になると、活版で押したようにあなた方はそういう答弁を繰り返していらっしゃる。しかし、ことしの納付金は大体去年に比べると倍額になっておるというのがもう世間の常識になっておる。しかも、一番ひんしゅくすべきことは、これを入学の条件にしておるということです。本来任意であるべき寄付金を入学の条件にしておる。大体医科、歯科系の場合は最低三千万がこの入学納付金の平均だといわれておる。去年もあなた方はそういうことをおっしゃっておるけれども、そういう行ないすましたことをおっしゃっておる間にどんどんどんどんつり上げられておる。その事実をどうごらんになっておるか。入学納付金と称する裏口入学金です。これは入学の条件になっておるのですから、こういう事態についてもっと深刻に考えてもらわなければならぬ。もう一度御答弁願います。
○政府委員(安嶋彌君) こうした事態が非常に重要な深刻な事態だという認識を私どもも持っておる次第でございます。その実態につきましては四十六年度に調査したものがあるわけでございますが、最近の数字等につきましては現在調査中でございます。巷間非常に高い金額が徴収されておるというふうに伝えられておりますので、その実態を早急に把握をしたいというふうに考えております。この寄付金が入学の条件とするものであるかどうかという点が問題でございます。私ども医科、歯科大学を認可いたします際の認可の条件といたしまして、入学を条件とするような寄付金は取ってはならない、また入学の条件としない、ならない、任意の寄付金であってもいたずらに高額な寄付金を取ることはよろしくないという指導をいたしておるわけでございます。各大学の事情等を聴取いたしますと、かなり多額の寄付金を取っておる学校でございましても、一律に、何も取ってない、きわめて低い、きわめて低いと申しますか、比較的低い、低額の寄付金で入学を認めておるのもあるし、中には寄付金なしで入学しておるものもある、したがって、寄付金というものが入学の条件にはなっていないんだということを大学側は説明をするわけでございますが、ただ、その寄付金の申し込み等に関するやりとりが入学者決定の前後に行なわれるということはこれは非常に誤解を招きやすい点でございます。したがいまして、御指摘のような点につきましては今後とも重々注意をしてまいりたいと考えております。この六月から私立大学審議会の委員並びに文部省の係官による新設医大の現地調査もいたしたいというふうに計画をいたしておるわけでございますが、その際にも、ただいま先生御指摘のような趣旨に従いまして十分指導を加えてまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 これはもっと厳重に実態を調べてもらって、こういう入学を条件にする寄付金というふうなものを、これはこういうことが公然の秘密として行なわれておるということはもうこれは教育に対する冒涜です。ある場合には頂門の一針でございますが、法人の認可を取り消すというぐらいな強硬な措置をもって御指導願わなきゃならぬと思いますが、大臣のお考えどうでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私も同じような心配を抱き続けながら、その対応策を模索している一人でございます。認可いたしました大学につきましてその後の対応策としてどのような措置をとるべきか、これも大切な問題でございまして、四十五年以後に認可いたしました私立医科、歯科大学、二十一校ございます。これらの大学につきましてもあと追い調査をいたしている最中でございまして、場合によりましては個々の大学と相談をいたしまして改善策を講じていきたいというようなことも考えているわけでございます。場合によっては立法措置を考えなければならないのじゃないだろうかというようなことでも検討を続けているわけでございます。個々の大学に応じた措置がとれますようなくふうを続けていきまして、お気持ちに即した改善策を見出していきたい、かように存じております。
○小谷守君 大臣のこの委員会に出席になっておる時間が短いようでありますから、こまかいことは省いて申し上げますが、そもそもこういうことが起こるのは、二十一校を認可されるについて文部省側にも問題があったのではないか、非常に粗雑な認可をされたんじゃないかということが原因の一つじゃなかろうか。文部省も浪速医大の事件をきっかけに審査基準を改められたように伺っております。その後、認可基準に合わないところの学校についての追跡調査をする、こういうことで大臣が指示されたように仄聞をしておるのでありますが、その後調査の結果はどのようになっておりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 大臣の御指示に従いまして現在調査中でございますが、調査の資料といたしまして、私どもは認可当時に文部省に出ました資金計画と現在の資金計画との対比をする調査をいたしたい。もう一つは、四十七年度末の財務諸表につきまして、公認会計士の監査意見を添えたものを出してもらいたい、こういうことを各大学に通知をいたしまして、現在その提出を求めているわけでございます。一部につきましてはすでに提出されたものもございますが、公認会計士の監査につきましては監査中というところが大部分でございまして、まだ関係書類が全部整っておるという段階ではございません。今後とも鋭意調査を進めまして問題点を摘出してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小谷守君 設立を認可する当初に文部省の姿勢に問題があるという点を申し上げたわけでありますが、一番露骨なのは松本歯科大学、たいへんな擬装をして、いま刑事問題にもなっておるようであります。文部省に対する自己資金の問題にいたしましても、たいへんな擬装、からくりをやってこの認可をとっておる。私はこのてんまつの中で非常に怒りを覚えますのは、松本歯科大学の場合、理事長なり事務局長、この法人の枢要な幹部がかつて文部省の幹部であったという点であります。辻田理事長は文部省の局長経験者である、事務局長も文部省管理局の職員であった、このようなことがあっていいのかどうか。これが文部省に対する認可の裏工作をやった、このように思うのでありますが、こういう点については大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 松本歯科大学問題は、三十億内外の資金を用意しておりますということで認可申請が出てまいったわけでございますけれども、事実は架空の寄付金がほとんど全部であったということでございまして、私はこの金の問題、文部省はずいぶんそれなりに確めておるようでございます。また、ところによりましては、大学が用意しておるという資金が銀行に預金されて、それを引き出す場合は文部省の責任者の印鑑がなければ引き出せないというような仕組みを講じたようでございます。しかし、私はその話を聞きまして、それはそんなことはどうにでもくぐれますよと言っていたわけであります。正直なところ、いままでの姿では調査したけれども調査しただけのことであって、はたしてそのとおり確実に守られておったかどうかという担保はなかった。そういうところに問題があったように考えておるわけでありまして、文部省の出身者が理事長に迎えられておったから特に認可を甘くしたとかいうようなことはないようでございます。また、あってはならないことだ、かようにも考えておるわけでございます。その後、関係の大学にどの程度文部省の役人が働いておられるだろうかということを調べてみましたところ、それもそれほどでもないようでございます。問題はそういうところにはなくて、やはり文部省の認可を受ければあとはどうにでもできるのだというような姿になっておる現状に私は問題があるのではないか、こんな気持ちを持っているわけでございます。 まず第一には、用意したという金が確実に用意されておるかどうかということでございまして、それを確めるのにはいままでのやり方ではとてもだめだという、これが一つの問題であります。 もう一つは、認可を受けるときには比較的規模の小さな学校を想定されており、認可を受けてしまいましてから規模を拡大する、施設を充実する、そのためにばく大な金が要る、その金をどこに求めるか、これが御指摘の裏口入学金につながっておるようであります。 第三には、認可を受けるときには定員を少なくしておいてさて、入学試験が済んでみますと定員をたいへんオーバーする人を入れておられる、それはやはり資金対策だと疑ってみる必要があるのではないかというふうに見受けられるところがたくさんあるわけでございます。そうしますと、やっぱりあとについてもそのままでいいだろうかどうだろうかというふうにも考えるわけでございまして、やはりいろいろ総合的に考えていかなければいけないだろうというふうに心配しておるわけでございます。御指摘になりましたように、文部省の出身者が大学に迎えられておったから認可を甘くしたとかいうような事実は私の調査した限りではないようでございまして、またないように今後つとめてまいりたい。
○小谷守君 法務省おいでになっておりますか。——この松本歯科大学、いま起訴中のようでありますが、このてんまつについて概略ひとつ御報告を願いたいと思う。 それから一番世間が納得のいかぬ点は、この大学の設立認可をめぐる立て役者であった、いま申し上げた理事長なり事務局長が訴追を免かれたということについては納得のいたしかねる点もありますが、そういう点も含めて法務省の御報告を願いたい。
○説明員(石川弘君) お答えいたします。 お尋ねの松本歯科大の事件につきましては、昨年十一月中旬ごろから東京地方検察庁の特別捜査部におきまして捜査を開始いたしまして、本年の一月、本件大学事務局、取引銀行、起訴されました常務理事の自宅等の関係場所の捜索、証拠物の差し押えなどをいたしますとともに、関係者の取り調べを行ないまして、本年三月二十七日、本件大学設立関係者中の二名、すなわち矢ヶ崎康と、帆足望の両名を公正証書原本不実記載・同行使罪によりまして公判請求いたしますとともに、先ほどお尋ねのありました辻田力と月岡一生の両名を起訴猶予処分といたしております。 で、その両名を起訴猶予処分にした理由についてのお尋ねでございますけれども、この学校法人松本歯科大の設立に際しまして、設立準備委員会の中心となって、積極的に行動したのはこの起訴になりました矢ヶ崎、帆足の両名でございまして、あとの二名につきましてはその役割りが従属的であり、ある意味では機械的であるという情状を酌量いたしまして起訴猶予という処分になっておる、と聞いております。
○小谷守君 検察当局のそういう行為について議会の立場で容喙がましいことを言うのは行き過ぎになると思いますが、ただおかしいことは、一番中心になった人物が起訴を免れたということについては不審な気持ちを禁じ得ないということだけ申し上げておきます。 そこで、大臣、この設立認可で資金の偽装から何からたいへんな無理をしておる。そうして、そのことが原因になって入学納付金と称する俗に言う裏口入学の金集めをしなければならぬ。また定員の水増しを——文部省から再主注意が出されておるようでありますけれども、一向に守ろうとせぬ。去年も注意なさったけれども、ことしはもっとひどい定員の水増し入学をさせておる。こういうのが実態です。これは一つの因果な糸で結ばれた問題だと思う。大臣のおっしゃったとおりです。 そこで大臣にずばり伺いたいのでありますが、私は先ほど頂門の一針ということを申し上げた。いま司直の手が伸びております松本歯科大学のごときは、どうです、これ思い切って、このような歴然とした悪質な大学については法人の解散を命じたらどうですか。大学の設立認可を取り消したらどうですか。そういう厳然とした指導の姿を文部省は出すべきである、こう思いますが、これについては現行法上の問題もありましょう。ならば、法改正をあえてでもやるべきじゃありませんか。その点について大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) お話のように、この問題が起こりましたときにどういう対応策をとるかいろいろ相談をいたしました。認可の取り消し、これはできるわけでございます。ただその場合に、四十七年、四十八年、二カ年にわたりまして約四百人のすでに入学者がいるわけであります。これをどこでお世話をするか、そういう問題もからんでまいりまして、歯科大学でございますだけになかなかこれを簡単に引き受けることはできない、そういうこともございまして、やはり松本歯科大学の関係者が今後積極的に改善に努力してくれるならば文部省も協力して建て直しに力を注いでいくべきだろう、こういう結論に達しまして、そういう態度を現在のところはとってまいっておるわけであります。しかし、関係者のあり方いかんによっては今後どう発展するか、私としましてもここで何とも申し上げかねる、いささか疑問に思っている点もございます。
○小谷守君 一番問題は、大臣のおっしゃるようにここで現に勉強しておる学生、これについて罪はないわけでありますが、人質論にとらわれておるといつまでたってもこれは粛正はできぬと思うのです。極端なことかもわかりませんが、国立大学はいまかなり定員より低い入学者の状況のように思います。あるいはまた、しかるべき私大に分散してお世話願うというふうな御配慮も大臣としてとれるのではなかろうか、そういうことを思いますが、いかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 医科、歯科に関します限りは定員を余しているというところはございません。それよりも、私立の歯科大学は定員を超過してたいへんたくさん受け入れている、そのことにむしろこれでいいものだろうかという点について疑問を抱いておるわけでありまして、そういう対応策のほうがむしろ大切な対応策になってまいりますので、そちらにお願いをする余裕はとてもないというのが現実でございます。
○小谷守君 人質を取られておるので身動きができぬということでは困ると思うのです。そのためにずるずると悪を認めていくという姿勢はまずいと思うのです。これはいまお答えを求めることは無理かもわかりません。ひとつ十分お考えを願いたいと思います。 法律上はどうですか、法人の解散、大学の認可の取り消し、こういうことは現行法上問題はありませんか。
○政府委員(安嶋彌君) 松本歯科大学の場合でございますと、これは学校法人の解散を命じ得る事態かと思います。また、申請時における提出書類に重大な事実相違があったわけでございますから、行政法上の一般の原則に従いまして、認可の取り消しということも理論的には可能かと思います。ただしかし、大臣から御答弁申し上げましたように、四百名に近い学生が現に在学をし、相当数の教員が現にそこに勤務をしておる、施設設備も相当整備されておるという事態でございますので、そうした状況全般を考慮いたしました場合、直ちに認可の取り消しあるいは法人の解散を命ずることが適当かどうか、問題のあるところでございます。私どもといたしましては、大臣の御答弁申し上げましたように、指導いたしまして再建に協力をしていきたいということでございますが、事態の経過によりましてはさらに別途の措置を考えなければならないかということでございます。御指摘の問題はいずれにいたしましても非常にむずかしい問題でございまして、私どももたいへん苦慮いたしておる次第でございます。十分検討さしていただきたいと思います。
○小谷守君 次に最近非常に話題になっております順天高校の乱脈ぶりについて、一体こういう学校があるのかということで私は驚いておるのでありますが、文部省は御調査になりましたでしょうか。
○政府委員(岩間英太郎君) いま御質問の点につきましては、けさの新聞にも大きく出ておったわけでございますけれども、いま御案内のように、東京都の私学を担当しております学事課のほうでいろいろ調査を進めておるわけでございますが、昨日も私どものほうに連絡がありましたけれども、いま父兄あるいは生徒の言っていることと、それから学校の言っていることにつきましていろいろ食い違いもあるということで、東京都のほうで鋭意調査中であるというふうなお話でございました。まだ正式に報告をする段階ではないというふうな話でございますので、私どもも正確な事実の調査ができました場合には東京都のほうから報告を求めるというふうな措置をとりたいと考えております。
○小谷守君 もちろん私立高校の場合、直接の監督の責任は都道府県知事にあるわけであります。しかし、教育全般を統括していただく文部省が、あれだけ世論のかしましい問題をいまだに御調査にもなっていないというふうなことは、私は少し怠慢ではないか、こういう気がいたしますが、大臣の御感想どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 新聞にも出ているようでございますけれども、現在東京都が調査中でございますので、やはりその結果を待つべきだ、こう考えておるわけでございます。私別に文部省がそれで怠慢だとは言えないのではないかと、こう思っております。
○小谷守君 私は、この間テレビのこの問題を取り扱ったニュースショーの番組を拝見いたしました。また、毎日の新聞も点検しておりますが、テレビでは、学校側、東京都学事部、そして父兄、生徒も出ておったようでありますが、そういう中でのやりとりを通じて、まず生徒に非行があった場合には非常に自由を拘束して——体罰に近いような、長期間そういう自由を拘束しておる。あるいはまた、それは罰点といいますか、赤点と称しておるようでありますが、そういうことで、その点数については金を出せば、払えばそれは帳消しになるというふうなこと、あるいは試験の成績が悪くても金を払えば合格点に直してもらえるというふうなこと、そういうことを見て、まあ一体こういう学校があるのかということで驚いておるわけであります。もちろん、直接の監督の責任にあります東京都の学事部がいろいろと配慮をすることと思いますが、文部省としてもこの機会に、先ほど私は私立医科、歯科大学の問題に触れましたが、この機会に私学全体に対する指導の問題をもう少し姿勢を正していただかなくてはならぬと思います。そこで私は、きょうこの問題に関連をして順天高校の場合、事の発端は生徒に対する、生徒の非行に対するペナルティーの問題がきっかけのようでありますので、私は、高校生に対するペナルティーの問題について若干お尋ねをしてみたいと思うのであります。 私立高校の場合私は二通りの態様があるのではなかろうか。それは何か。特別のエリートコース、そういう特殊な私立高校が一グループある。それ以外に、公立高校の門が狭まいためにそこに行きにくい子供さんが私立高校に入学をする。こういう、大きく分けて二通りではなかろうかと思うのでありますが、後者の場合、私は特にこのペナルティーがきびし過ぎるように思います。これはいろいろ考え方があると思いますけれども、たとえば男子高校生の場合、たばこを隠れて吸った。見つかった。すぐこのごろは退学ですね、退学です。カンニングをした。見つかった。すぐ退学です。これは公立高校の場合にはまず停学程度で済ましておるのではないでしょうか。ところが、私立高校の場合なぜこのようにきびしくするかといいますと、私はこれは学校の商業主義に根ざしておるというふうに推測をいたします。うちの学校から非行少年が出て、そうして新聞だねになったり警察ざたになったりすると学校の人気が落ちるというふうなことを配慮した行き過ぎた私は気持ちが働いておるのではなかろうか、こういうふうに思えてなりません。そこで、停学はともかくとして、退学ということになりますと、いま申し上げました後段のグループの高校の場合は、退学処分になりますとあと行き場所がないと思うのです、行き場所がない。女子高校生の場合は、退学処分になったらちょっとお嫁にもいきにくいんじゃないかというふうな心配があるように思います。そうしますと、これらの子供は急カーブに非行に向かっての転落の速度というものを速めていく。私はこういう現状のように思います。 そこで提起したいことは、一体このようなことを放置しておいていいのであろうか。高校生はみんな未成年です。これに対して、一回非行があったからといってすぐ極刑を科していく。退学というのは極刑です。しかもそれは学校長なり学校当局の主観以外の何ものでもない。今日、文明社会におきまするペナルティーの原則というものは私は二つあると思います。一つは、罪刑法定の原則ではないでしょうか。もう一つは覆審制の原則ではないでしょうか。つまり、人殺しをしてももう一ぺん裁判をしてやろう、二審、三審があるというこの状況、これが文明社会におけるペナルティーの原則的な柱だと思うのです。ところが高校生の場合は切り捨てごめん、学校の胸三寸で、たばこを一本吸ったら退学、あとは手を合わせて頼んでも覆水盆に返らず、こういう救いのないことであっていいのだろうか、こういうふうに思いますが、大臣はどうお考えになりますか。
○政府委員(岩間英太郎君) 私もただいま先生のお話を承って、まあごもっともな御意見であるというようにも考えるわけでございますが、しかしながら、たとえばたばこを吸うということは、これは法律上禁止をされておるというものでございまして、こういう問題につきましてゆるやかにするということは一体どういうことなのかというふうな心配もあるわけでございます。現在、高等学校に入ります場合には、子供たちあるいは保護者は学校のそういうふうな規定を承知の上で入っておるというふうなこともあるわけでございます。この問題、まあ非常に、ゆるめれば——あるいは現在高校生の喫煙というのがかなり広く行なわれておるようでありますけれども、ゆるめればこれはまた非常に問題もあるし、それからまたきつくすればただいま先生御指摘のように、また本人にとりましてはきわめて重大なことも起こる可能性もあるわけでございます。その辺が非常にむずかしいわけでございまして、私どもも抽象的に学校が懲戒を行なう場合には教育的な配慮を持って行なうようにという指導はいたしておりますけれども、個々具体的にただいまのような御指摘をいただきますといろいろ迷うわけでございます。大臣ともよく相談いたしまして、今後こういう問題につきましては十分慎重に対処してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
○小谷守君 総理府の青少年対策本部の方、お見えになっておりますね。御苦労さんでありますが、いま青少年の非行の中で高校生の非行、これの量的な率はどういうことになっておりましょうか。
○政府委員(吉里邦夫君) お答えいたします。 高校生だけの資料、あいにく手元に持っておりませんが、一般的に申し上げますと、いわゆる犯罪を犯しました少年の数というものは、数としては実は減ってきております。ただし、注意を私どもがしておりますことは、減った中でその犯罪を犯した何というか、少年の数値が毎年高くなってきておる、ことばをかえれば年齢が低くなってきておるということに実は注目をいたしておりまして、そこら辺が学校教育、あるいはその他の社会教育、あるいは一般の地域の青少年に対する育成活動等々で私どもは配慮をしなくてはいけない問題だと実は存じております。
○小谷守君 初等教育局長のおことば、文部省としては当面そういうことでありましょう。これ考えてください。私は考えていただくについて一つの考え方の提起をしてみたいと思うんです。それはやはり高校生の場合、停学まではともかくとして、退学処分ということについては極刑ですから、これについては父兄なり本人からの申し出があればもう一回考え直してやろう、再検討してやろうという場をつくるべきだ。それはどこにつくるか。私立学校の場合は、これはなかなか学校の自主性がありますからむずかしいと思います。そこで指導の問題だと思いますが、指導の方向は各県ごとにあります私学連合会の中に自主的に再検討の一つの機関をつくる。そしてそこで妥当であるかどうかということについてもう一度検討してやろう、こういうものを自主的につくらせる指導をされたらどうだろうか。公立学校の場合でありますならば、各県の教育委員会の中に、学校ばらばらでやっておる処分について具体的に妥当であるかどうか公平であるかどうかということについて、もう一度検討する場を府県の教育委員会の中につくらせる、こういうことにしたらどうでしょうか。私はいずれかにしても、この切り捨てごめんのこの今日のやり方は、青少年を加速度的に非行のほうに転落をさせておるのではなかろうか、こういう点を心配いたします。また切り捨てさえしたらいいのだなんというようなことはある意味では教育の放棄ではないでしょうか。大切な人の子供を預かってそういうことのないように教育していくのか学校の任務です。それを顧みずにたばこを吸ったら退学処分なんというふうなことは、こういうことは責任の回避だと、こういうふうにも言えると思います。また理屈っぽくなりますけれども、第一、こういうことは、文明社会の中でのペナルティーの原則に全く合わぬ実情ではないでしょうか。そういう点を含めて大臣からひとつ御感想を承りたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私立高等学校はそれぞれ自分たちの校風の確立を目ざして努力しておられる、こういうふうに思うわけであります。その間にしばしば行き過ぎたことも出ているのではなかろうか、こういうふうに思います。その行き過ぎをためる意味においての御提案だ、かように考えるわけであります。懲戒の問題も教育的な懲戒でなければならない。教育ということを肝に置いて懲戒を実施するのだという態度でなければならないと思います。そういう考え方のもとに文部省といたしましても十分徹底するように努力していきたいと思います。いま御提案の問題につきましてはひとつ御提案をいただいたところでございますので、私たちのほうでよく検討さしていただきたいと思います。
○小谷守君 これひとつ大臣にお考え願いたいのです。大臣をはじめそっち側に並んでいらっしゃる皆さんの中にも、中学校のころにたばこを吸ったという御記憶の方もあるのではありませんか。一回や二回はカンニングされた方もあるんじゃないでしょうか。こっち側にもあると思います、(笑声)こっち側にも。ですからそういうことで極刑なんというようなことは考えにゃいかぬのです。 そこで、この問題の発端であります順天高校の問題にもう二度返りますが、もちろんこの認可は府県の知事がやっております。文部省は私学振興財団を通じてかなりな融資をしておられると思いますが、順天高校についてはどのくらいな融資をしておられましょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 順天高校に対しましては、四十八年の三月末現在で貸し付けの残高といたしましては二千五百六十九万円の貸し付けがございます。当初貸し付けております金額は五千四百七十万円でございまして、その後二千九百一万円が償還されておりますので、したがいましてただいま申し上げましたように、二千五百六十九万円の貸し付け残高があるということでございます。
○小谷守君 こういう国民の税金を融資として多額の援助を受けておる学校が、こんなでたらめなことをしてもらっては困ると思うのです。これは一々の内容は調査中ということでありますが、もし調査の結果このような醜悪な実態があるということであるならば、今後このような財政援助は打ち切るべきであると考えますが、大臣いかがでございますか。——大臣に聞いておるんだ。
○政府委員(安嶋彌君) ちょっとその前に事務的なことを申し上げたいと思います。 順天高校に対する貸し付けの金額につきましてはただいま申し上げたとおりでございますが、貸し付けをいたしました年度は四十年度から四十四年度まででございまして、最近四カ年間は貸し付けがございません。 それから……。
○小谷守君 貸し付けがなくても、そのあれで、罰金で……。
○政府委員(安嶋彌君) それから今後新親の貸し付けの申し入れがございました場合には、ただいま先生から御指摘のようないろいろな問題があるものでございますから、その審査には十分慎重に当たりたいというふうに考えております。 なお、いままで貸し付けておりまする金額につきましては、御承知のとおり、金員借用契約証書というものが学校法人と財団の間で取りかわされておるわけでございまして、その契約証書の中におきまして繰り上げ償還をするべき場合が限定列挙されております。したがいまして、順天高校の現状が金員借用契約の繰り上げ償還の事項に該当するかどうかという点につきましては私学振興財団におきましてあらためて調査をいたしたいというふうに考えます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど初等中等教育局長から御答弁申し上げましたように、学校当局の話と父兄その他の話との間で現在の段階においてはなお食い違いがあるようでございますので、できるだけ十分な調査をした上で必要なことを考えていきたいと、かように存じております。いまのお話もよく承っておきたいと思います。
○小谷守君 きょうは私学の問題を二、三取り上げてお尋ねをしたわけでありますが、これらは私は氷山の一角でないか、まだかなりな問題が潜在しておるのではなかろうかと思います。この機会に私学に対する指導をひとつ再点検していただきたいと思います。もちろん私学はそれぞれ建学の精神があり、長い歴史を持って国民の子弟の教育に当たっていただいておるわけでありますから、その自主性をそこなうような関与はこれはすべきではありません。しかし、それは教育そのものについてでありまして、私がきょう爼上にのせました松本歯科大学だとか順天高校なんというものはこれはさたの限りだ、こういう気がしてなりません。こういう点については一罰百戒で厳とした措置を期待したいと思います。 これで私の質問を終わります。
○中尾辰義君 最近非常に物価が値上がりをしておるわけでありますが、この値上がりに便乗いたしまして学生服の値上がりが非常に顕著であって、これは業者が独禁法に違反しておるんじゃないか、こういうような疑いの節もあるように思われるわけです。そして教育費なり家計費をかなり圧迫しておる。そういうことで私は、これは文部省に直接関係ないかもしれませんが、文部大臣にあとから御意見を伺うことにいたしまして、最初に通産、公取の方にお伺いをいたしたいと思います。 総理府の統計局による消費者物価指数によりますと、被服と衣料の品目では四十五年を一〇〇といたしまして、本年、四十八年三月では大体一二〇%前後の上昇となっておる。大体二割前後の値上がりとなっておるわけですが、その中で学生服の小売り価格の四十五年以降の動向ですね、これはどういうふうになっておるのか。あわせてこの学生服の生産着数、これをお伺いをしたいと思います。
○政府委員(齋藤英雄君) お答えいたします。 学生服の小売りの値段でございますが、これは申すまでもなく、規格、素材等でいろいろ異なるわけでございますが、通常、標準品といわれておりますいわゆる十二号のもの、すなわち大体高校三年生が着る程度のものでございます。それで、素材としましてポリエステル六五%、レーヨン三五%の表地で、裏地がポリエステル一〇〇%のものというふうな前提を置きまして考えました場合、四十四年の三月ではおおむね六千円前後であったであろうというふうに考えられますが、本年の三月でございますとこれがおおむね九千円から一万円弱ぐらいの程度になっておるというふうに、これは学生服の関係の団体から私どもがいろいろ調べましたところの調査の結果でございます。
○中尾辰義君 これは私のほうで調査したんですが、総理府の経済統計課のこれは資料ですがね、これはかなり詳しく出ております、各地域別に。東京では、四十五年度が五千七百八十円、それから四十八年三月で約一万円になっております。それから名古屋方面では、七千円のものが約一万二百円と、こういうふうに出ておりますが、高いところで五カ年間に五割。ですから、まあ一年間に一〇%程度の値上げと、こういうふうになっておるわけですがね、これはあくまでも平均的な数字であると思いますけれども。 それで私は、具体的に今度はお伺いしますけれども、こういう例を私は入手しております。それば福島県の一例でありますけれども、四十七年の十二月ごろですね、学生服メーカーのある商事会社が小売り業者の集会に参加をした際に、羊毛原糸の大幅な値上がり要因を説明し、時をほぼ同じくして、その会社の代理店から、四十八年四月一日から三割値上げの通知を口頭でしてきた。これを聞いて小売り店のほうでは、どうも納得いかないと。例年一割程度の値上げは、これは過去の実績もありますし、また例年は書類でもって通達等もあった。ところが、いきなり口頭でもって三割値上げをしてほしいと、こういうふうなことが指示されまして、その後、今日、学生服が福島県では一万五、六千円にこう急騰しておると、こういうようなことも聞いておるわけです。こういう例はあちこちあるやに聞いておりますし、また公取のほうでも、あなたのほうでも調査するとか聞いておるわけですが、具体例がありましたら、ひとつこの際お伺いしたいと思います。
○政府委員(齋藤英雄君) まず、いまお話がございました福島県の例でございますが、羊毛高騰を理由にしてということは確かにおっしゃっておられるようでございますが、 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 私ども現在考えますのに、実は学生服の素材といいますのは、大部分がポリエステルあるいはレーヨンの混紡のものでございまして、毛の一〇〇%のものというのは、現在は大体一割程度しかございません。それ以外のものはいずれも、毛が多少入っているものもございますけれども、いわゆる合繊、化繊関係の服地が原料でございます。したがいまして、羊毛の値段は、もちろんいっときは、三月の末ぐらいかなり上がりまして、現在だんだん鎮静化の方向に向かっておりますが、羊毛が高騰の理由で学生服が上がるということにつきましては、私どもは、ちょっとその理由があまり了解できない点があるように考えております。
○中尾辰義君 私も、理由が明確でないのでお伺いしているのであって、その一つの事例として、まあこういうような法にかかるようなことを一部の業者でやっているようなことを耳にしておるものですから、ですから聞いておるわけですよ。ですから、通産省からいまお伺いしましたけれども、公正取引委員会のほうでもこういう問題を調査中であるという話も聞いておりますが、よろしかったらお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(吉田文剛君) 私どものほうでは、岡山県の被服工業組合、これはメーカーの団体でございますが、これが組合員の販売する学生服等——これはほかにもいろいろございます、の販売価格を昭和四十七年の十二月から、その当時の価格より約二〇%引き上げるということを決定して、それを組合員に実施さしているという疑いで、現在、違反被疑事件として審査中でございます。したがいまして、独禁法三十八条によりまして「事件に関する事実の有無又は法令の適用について」は、これは、まだ審査中は申し上げられないことになっておりますので、詳しい内容を申し上げられませんが、もの大体事実調査は終わっておりまして、近い、ごく近いうちに結論を出すということになっております。
○中尾辰義君 どうも私も、こういうような話を聞きまして非常にふしぎに思っておったわけなんです。非常にまあこの教育費がかさんでおりますし、文部大臣もいらっしゃるわけですがね、家庭におきましても、相当負担が重なっておる。学生服だから、これはまあ自由であるかもしれません。文部省にどの程度まあ監督権があるのか、その辺ちょっと文部大臣にお伺いしたいと思うのですがね。ですから、この学生服、標準服ということに対しまして、全然これは、文部省は関係ないのか。そういうものが値上がりしようと、私は所管外だから知りませんという、こういうような態度でよろしいのか、まあその辺、当の文部省として、大臣のせっかくの御意見をお伺いしてみたいと思います。 〔理事小谷守退席、委員長着席〕
○国務大臣(奥野誠亮君) 学生に関する問題につきまして、負担が重くなっておることに無関心であっていいことでないことは当然のことだと思うのです。 ただ、制服の問題は、必ずしも全学校に強制しているものでもございませんで、だんだんと制服の仕組みをやめて標準服にする、あるいは自由にするというような傾向が出てまいってきておりますので、現在のところ、制服について特に文部省で検討しているということはございませんでした。しかし、文部省として努力することによっていい効果が認められるという点がございましたら、われわれも積極的にお教えをいただきながら努力していくのにやぶさかでございませんし、また必要なことだと、こう思っております。
○中尾辰義君 おっしゃるとおりかしれませんけれども、現状は、まあ新しい学校に入学した際には、生徒心得等によりまして、こういったような標準服を着なければならぬというようなことが書いてありますね。現に、毎朝のごとく、ここにも、国会にも参観に高校生、中学生が来ておりますが、大かた着ておりますよ、あれ。また、これもまあ文部省の調査ですけれども、小・中・高新入学生数が、これは四十八年度の推計、小学校が百五十四万、中学校が百五十五万、高校が百三、四十万程度と、これにあわしたように——これは合計で大体六百万ぐらいになりますけれども、これは学生服の生産数も、四十七年度は、これは通産省繊維製品課の調べで六百十三万五千着と、こうなっておるわけですよ、これはね。こういう数字から見ましてもやっぱり一応は買うわけですから、買いますとそれだけやはり負担がふえてくる。それがこのように、業者がこの独禁法に違反するような行為でもって、最近の値上がりに便乗して三割程度の値上げをたくらんでおるというようなこと、これは非常にけしからぬ話じゃありませんか。ですから、この点、通産省はどうお考えになるのか。それは公取があるから私のほうは——全然所管が違うのか、その辺、通産省というのはこれは責任がありますよ。その点を再度お伺いします。 それと、公取のほうは、今後、いまお話がありましたのはこれは岡山県の被服工業組合のことでありますけれども、私がいま申し上げましたのは福島の事例、それじゃ、こういうものがあちこちあるかもしれませんので、その点、今後はさらに調査をしていただいて明確にしていただきたいと、このように思います。
○政府委員(齋藤英雄君) 先ほども申し上げましたように、この服地の素材自身がほとんど合繊ないし化繊でございます。この合繊ないし化繊は、昨年は景況が非常に悪くて値下がりを非常にしておりましたが、本年は多少据え戻したという程度でございます。したがいまして、いまお話がございましたように、大体一割ずつぐらい従来から上がっております関係もございますので、便乗して値上げをするというふうなことがございますれば、この点は私どもとしてもそのようなことはやめるように、調査をいたしましてそういう態度で臨みたいというふうに考えております。 なお、具体的な岡山の例につきましては、これは現在すでに公正取引委員会で御調査をされておられますので、私どもはその御調査の結果を待ちまして、必要があればさらに行政指導を行ないたいというふうに考えております。
○政府委員(吉田文剛君) 私どもでいま調べておりますのは岡山の例でございますが、福島その他の地区につきましてもそういう同じような事例があるかどうか、これは調査をいたしまして、例があれば、措置をとりたいというふうに考えております。
○萩原幽香子君 いただいた時間が三十分でございますので、学校教育費に対する父兄負担にしぼってお伺いをいたしたいと存じます。 先日私のもとへ幼稚園、小学校四年、中学二年の三児を持つ母親から手紙が寄せられてまいりました。内容は、「夫が昨年交通事故にあい、今日でもまともに働けない状態で、自分は少しばかりの農業をしながら近くの工場で働いている、家の総収入は五万円そこそこだが、三人の子供たちが幼稚園と小・中学校に持っていく金が毎月一万円近い、せめて義務教育だけでももう少し費用を少なくしてもらえないだろうか。」、こういうものでございます。この物価高の中で全収入の五分の一ぐらいを園と学校に納めるという母親の苦しみが私には痛いように感じられたわけでございます。 そこでまずお伺いをいたしますが、学校教育費として父兄が支出する費目にはどんなものがございますでしょうか。
○政府委員(岩間英太郎君) 父兄が学校教育費として出しておりますものの一番大きなものはおそらく給食費ではないかと思いますけれども、そのほかに実際に授業を行ないまして直接子供に還元されるような教材関係の費用もあろうと思います。それからこれは望ましくないことでございますけれども、PTA等を通じまして学校のいろいろな費用に充てておることもあろうかと思いますけれども、私どもは父兄が負担しておりますものは、子供に直接返るような経費、つまり給食費でございますとか、あるいは子供の実際の学習上すべて子供に還元されるようなもの、これは父兄に御負担いただいてもしょうがないんじゃないか。しかしながら、施設とか設備でございますとか、あるいは学校の人件費でございますとか、そういうものに充てるような金は、これは父兄から取るのはいかがかというふうなことでやっておるわけでございます。
○萩原幽香子君 実はこれ、文部省がお出しになったものなんでございますけれども、これには直接支出金それから間接支出金と、こういうように分けられておるわけでございますね。こういうものでいま局長さんがお答えいただきましたようなものが含まれますのかどうか。私はこの費目別に昭和四十五年度小・中別に総支出額は一体父兄はどれくらい出しているかということをお聞きしてみたいと、そういうふうに感じられるわけでございます。たとえば小学校でございますと、教科学習費あるいは通学費、「その他」というのがございますが、その「その他」の中に一体何が含まれますのか。その次に学級費あるいは旅行費、PTA会費、給食費と、こういうふうなものが間接支出金として含まれているわけでございます。 そこで私がお尋ねをいたしたいと思いますのは、その費目の内容について、もう少し具体的にお答えをいただきたいと存じます。
○政府委員(岩間英太郎君) いま御指摘の内容につきましては、これは官房の調査課のほうで調べておるもので、私も詳しく内容についての御説明はできないわけでございますけれども、先ほど仰せになりました「その他」の費用でございますが、その中には、教材教具というようなものとか、あるいは図書費でございますとか、それから学習用の特別のテストをやります場合にはそういうものを含めるとか、いろいろなものが入っておろうかと思います。詳しい内容につきましては、いま御指摘の点に対応するような資料をちょっと持ち合わせておりませんので、その点はお許しいただきたいと思います。
○萩原幽香子君 それでは、昭和四十五年の児童生徒一人当たりの支出額もおわかりではございませんでしょうか。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○政府委員(岩間英太郎君) 最近の資料をちょっと持ち合わせていませんので恐縮でございますけれども、昭和四十四年の十月からの一カ月間の調査によりますと、小学校で五千二百六十一円、それから中学校で四千六百三十四円、そういうようになっておりますけれども、大体毎年一割程度の増加はあるというふうに考えております。
○萩原幽香子君 局長さん、これ、文部省がお出しになったものなのでございますが、昭和四十五年で小学校では二万六千六百五十円、中学では三万五千三百七十円、これが父兄が負担をしておりますいわゆる学校教育費ということになるわけでございます。これを十年前に引き比べてみますというと、小学校では約三倍、中学では約二・六倍になっておる、こういうことが出ているわけなのでございますね。これはせっかく文部省がお出しになったのでございますから、一応見ておいていただいたほうがよろしいのではございませんでしょうかと思います。せめて義務教育費は何とか費用を少なくしてもらえないかというこの母親の願いに対して、それでは文部省としては、どの費目についてどのように軽減をはかっていこうとなさっておりますのか、これ、文部大臣のほうから承りたいと存じます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 公費で負担すべきものが父兄の負担になっている面も若干あるんじゃないかと思うのでございますけれども、そういう問題は、積極的に皆無に持っていくように努力していかなければならない、かように存じております。経費の性質によることでございますが、教材費などのように学校の教育に直接結びついているようなもの、こういうものは毎年公費を増額してまいっておるわけでございますので、そういう点につきまして今後一そう努力をしていきたい、かように考えるわけでございます。
○萩原幽香子君 私はこのおかあさんに手紙を書かなければいけないわけなのでございますけれども、大臣がどういうものをどういうふうに減らしてやるということをおっしゃっていただいたということで私は返事が書けます。しかしいまのような御答弁でございますと、ちょっと私としてもこのおかあさんに納得のいく返事が書きかねるというふうに思います。たとえば直接支出金の中では、実験実習材料費とか保健衛生費とか副読本とか学校給食費についてはもっと助成措置を強化する、こういうようなお答えでございますとか、あるいは地方交付税の算定の単位費用に含めていくとか、こういったような具体的なお答えをいただきませんと、いまのようなお答えでは、どうもこの困っているおかあさんに対しての親切な返事にはなりづらいと私は考えるわけでございます。 では次に、時間がございませんから、間接支出金の中のPTA会費について承りたいと存じます。社会教育局のほう、まだお出ましいただいておりませんか。——それではそれに先立ちまして、現在PTA組織を接たない学校というのが全国に何校ぐらいありますでしょうか。それは文部省のほうでつかんでいただいておりますでしょうか、承りたいと存じます。
○政府委員(今村武俊君) PTAという名前の団体を持っている学校という非常に厳密な意味なのか、あるいは育英会その他の名前のものも入れてという御質問なのか、ちょっと明瞭にわかりませんので、お答えしにくい面がございますが、PTAの単位団体の数は昭和四十五年度に私どものほうで調査いたしております。それによりますと、小学校で二万二千三百五十二団体、中学校で一万七十九団体、高等学校で四千二百三十七団体、小中学校合同したものが八百九十九団体ございます。ところで、これらの数を小中学の学校数と比較してみますと、PTAのない学校は小学校の関係で約七%、千七百校、中学校のほうで三%、三百校、高等学校で一二%、五百八十校と推定されますけれども、これは私どもの推定でございますので、逐一当たっているわけではございません。
○萩原幽香子君 PTAを持たない学校があるということでございますが、その理由は一体どういうことなんでございましょうか。
○政府委員(今村武俊君) 的確に調査しているわけではございませんが、個々の学校でいろいろ問題もございまして、PTA不要論なども出ておるところもございますし、またおそらくいま申し上げた推計は全体数で比較しております。一方は日本PTA全国協議会のほうを通してとった数字でございますし、一方は指定統計による学校数でございますので、統計上のズレによる推定の誤差もあると思います。
○萩原幽香子君 PTA本来の仕事というのはどういう活動でございましょうか。
○政府委員(今村武俊君) PTAという団体は任意の団体でございます。したがって、単位PTAごとにそれぞれの団体の目的、性格は自主的にいわば自己規律をしておるわけでございまして、PTA一般の性格を「本来の」ということばで文部省が統一的に表現することはむずかしい要因を持っていると思います。ただ文部省としては、アメリカに始まったPTAを日本のPTAとすべく代々努力をしてまいっておりますが、社会教育審議会等で議論されたPTAの本来の性格ということを引用してみますと、次のようにいわれております。「PTAは児童、生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して学校および家庭における教育に関し理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるため、会員相互の学習その他必要な活動を行なう団体である。」、かような定義をして、社会教育審議会の審議をわずらわしながら指導をしておるという現状でございます。
○萩原幽香子君 ところでいま局長さんからそういうお話でございましたが、その不要論を唱えております中には、PTAが学校の後援会的なものに成り下がっているといったようなことも批判の一つだと思います。そういったようなPTAに対しまして、これまで文部省はどのような助言をなさいましたか、承りたいと存じます。
○政府委員(今村武俊君) PTAに対して、任意の民間の団体でございますので、指導、助言の限度にもある限界があろうかと思います。戦後は新しい制度ということで、まあいわば手をとり、足をとりした指導、助言の機会があったように思います。たとえば社会教育審議会で単位PTAの規約案をつくってそれを流して指導するといったようなことがあったように思います。しかし民間の自主的な団体でございますので、あまりにこまかな点まで指導、助言の手を伸べるということは、かえってその自主性をそこなうところもあり、PTA自体に対して文部省があまりにも深入りすることはいけないんじゃないかという判断のもとに、私、局長を担当いたしましてから、PTAの全国の大会の便宜のために補助金を出すといったような程度で全国的な団体とは接触しております。 それから都道府県の教育委員会がPTAの役員の方々に対して、PTAの幹部職員研修会を開く経費のために三年前から毎年約五千万の補助金が、これはPTAにではなくて都道府県に対して出されております。 それから四十八年度は——PTAと申しましても全国的に非常に差異がございますので、そしてその地域地域ごとにこれがPTAだと信じ込んでおりますけれども、他と比べてみるとだいぶ差があるというようなことで、あちこちのPTAを参考に見ていただくのがよろしいんじゃないかというようなことから、本年度二千万の予算が計上されておりまして、他府県のいわば優良といわれているPTAを参考のために視察をして、PTAの役員同士で意見交換をするといったようなことができるような措置を講じております。 さような次第でございまして、それからもう一つは、毎年優良PTAを文部大臣から表彰いたしておりますが、三年前までの基準はややあいまいな点がございまして、社会教育審議会の資料等では学校後援会的なPTAではなくて、もっと会員相互の研さんを積み、そして学習活動をし、地域活動をするようなPTAが望ましいとしながら、現実には学校に多くの寄付を出したPTAが表彰されるといったような事態がございましたので、それらの矛盾の調整につとめまして、PTAから学校の寄付金がある一定の限度にとどまるものを表彰の基準にするといったようなことで、きわめて間接的な形ではございますが、PTAに対する指導、助言に当たっておる現状でございます。
○萩原幽香子君 時間がございませんので簡単に御答弁いただきたいと思いますが、昭和四十五年度の文部省の父兄が支出した教育費によりますと、PTAについて小学校では一人平均九百六十円、中学校では千二百円と、こういうことになっているわけでございますけれども、これらのPTA会費はどのように使用されておりますか。社会教育関係団体でございますから、あまり立ち入ったことは、という御答弁でございましたけれども、大体そういったPTA会費がどのように使われているかというくらいの把握はなさっていただかないと私は困るのではなかろうかと思います。そういうものがどう使われたかということについてひとつ簡単に御説明いただきたいと存じます。
○政府委員(今村武俊君) 社会教育局で的確な直接の調査統計はございません。文部省の官房で行なっております地方教育費の調査などから見てまいりますと、PTAの学校に対する寄付金の割合は、長い目で見まして漸次減少する傾向にございます。 それからPTAの予算は、PTAごとに予算科目が違いますので、統一的な把握は困難でございます。しかし全般的な、一般的な傾向として言えますことは、学校後援会的な事業に支出する経費は漸次減少しつつございます。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 漸次減少しつつございまして、相互の学習活動や社会活動に対して充てられる経費が増加するという傾向にございますが、特に教員の勤務時間の問題とも関連いたしまして、最近ではPTAが児童・生徒の学校外活動を主宰してその経費を負担して、あるいは傷害保険等についてもPTAが何とか負担していこうとする傾向が漸次強まっているようなふうに見受けております。
○萩原幽香子君 それじゃ一つ具体例を、大臣の一番近いところで出してみたいと思います。これは奈良市のある小学校PTAの四十八年度予算でございます。それを見ますと、年間予算額二百七十三万円、そのうち教科教室用教材備品、体育行事用具、保健用器具、材料など教育振興費として約百二万余り、また教員の研究視察派遣あるいはテレビ、ビデオなど教育充実費として九十三万六千円、計百九十六万円近くが本来設置者が負担するような学校教育関係費に支出されている。したがいまして、PTA本来の活動費としてはわずかに七十六万を割る、こういったような現状が出ているわけでございます。これに対しまして大臣はどのようにお考えになりますか、ひとつ大臣のお考えを承りたいと存じます。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまお示しになりました経費がPTAの個々の会員に割り当てられまして、会費として納められたものからそういう支出が行なわれるといたしますと、もう少し奈良市当局が公費で支出すべきだと、ふやしてもらわなきゃならない。PTAに転嫁するというような形になることは好ましくないと、こう思います。事実を知りませんので、あるいはボランタリーな教育がPTAに受け入れられて、それがいまおっしゃったような形になってまいっておりますものならばあえて非難すべきじゃないと思いますけれども。一般的な会費で集められたものがそういう形で支出されておるとしますと、市当局にもこの関係の経費をふやすように私たちは努力をしてまいりたいと、こう思います。
○萩原幽香子君 いまの例の場合は、二百七十三万の中の繰り越しとか利子を抜きますと二百五十八万九千六百円というのがやっぱり会費として徴収されたものでございます。したがいましてPTA会費として徴収されたものの中から、こういう当然施設者がやらなければならないこと、設置者がやらなければならないことをPTAが肩がわりをしていると、こういったような状態にあるわけでございます。したがいまして市町村の学校教育費の肩がわりをPTAがしなければならないという原因はどこにあるとお考えでしょうか、大臣の御意見を承りたいと存じます。
○国務大臣(奥野誠亮君) それぞれの団体によって事情が違うのではないかと思いますけれども、やはり何といいましても教育その他におきまして教育に優先順位を置いて公費を支出していかなければならない、そう考えるわけでございます。しかしそういう努力を私たちは期待するわけでございますけれども、あるいはPTAが見るに見かねて市町村当局に注文をする、その財源を自分たちが進んで提供するような事例になっておるところもあるんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。そういう必要のないように、市町村の教育関係の財源が潤沢になりますように、文部省といたしましても大蔵省や自治省の協力を求めながら積極的な努力を進めてまいりたいと、かように考えます。
○萩原幽香子君 これはまた負担法のときにもお伺いをしてまいりたいと思います。 ところで、PTAが本来の活動に使用されておればわが国の社会教育活動はもっと促進されたのではなかろうか。PTA会費がそういったようなところに使われないで、PTA本来のその使命を考えて使ってもらえばよかったんではないかということを私は非常に残念に思うわけなんです。 以上お尋ねしてまいりましたことから、国なり地方公共団体が学校教育費に対する支出が少ないために税の二重払いのような形で父兄負担が行なわれている、こういう現状を考えますときに、もともと義務教育というものはほんとうは国がすべて補償をしていただかなければならない性格のものではなかろうかと思います。にもかかわらず、それがなされていないということについて、大臣は今後ほんとうにもうどんな決意でこの改善策に取り組んでくださいますのか、もう一度大臣の御決意のほどを承りたいと存じます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 義務教育につきましては国民全体の深い関心もさることながら、財政的にもかなり充実を見てきていると、こう考えるわけでございます。しかし国民の希望から考えますと、その希望が非常に強いものでございますだけに、地域的にはむしろ自分たちでこういうものについて拠出しようじゃないか、こういうところまできていると、それはそれなりに熱意は私は買っていいと思うのでございますけれども、しかし結果的には先ほどお読み上げになりました無理な負担をしいている面も出てくるわけでございますだけに、それなりに見のがせない、こう考えるわけでございまして、今後もさらに大蔵当局自治省当局、そして地方交付税の基準財政需要額の増額、そういうことについて一そうの努力を払わしていただきたい、かように考えております。
○萩原幽香子君 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。この学校教育費における公費負担と私費負担というものの割合が、だんだん公費負担が多くなっているということはたしかでございます。それに対しての御努力は私も評価するものでございますけれども、しかしこの非常な物価高の中で物価の値上がりとにらみ合わせますときには、先ほどの父兄——おかあさんが訴えましたように、五万円そこそこの収入の中から一万円というのはたいへんな額だと思います。その点を十分御配慮をいただきまして、当然公費でまかなうべきものは公費でまかなっていくと、その御決意だけはぜひおかためをいただきますようにお願いを申し上げまして質問を終わりたいと思います。終わります。
○黒柳明君 私は私学に対する補助金の問題を取り上げたいと思います。いま四十五年度の決算をやっておりますので、四十五年度からの私学に関する補助金の金額、それから法人数それをお教えいただきます。
○政府委員(安嶋彌君) 四十五年度におきまする私学関係の補助金の総額でございますが、約百五十七億円でございます。四十六年度が約二百二十四億円でございます。で、内容を申し上げますと、ただいま申し上げました金額は、私立大学の研究設備整備費補助金、私立大学の理科等教育設備費補助金、それから私立大学等経常費補助金、それから私立大学等新設理工系理科教育設備費補助金の合計額でございます。そのうち四十五年度の私立大学等経常費補助金の補助法人数は四百六十七法人、学校数にいたしまして六百十一校でございます。
○黒柳明君 四十六年は。
○政府委員(安嶋彌君) それから同じく私立大学等の経常費補助金の四十六年度でございますが、交付対象といたしました学校法人は四百六十九法人、学校数は六百二校でございます。
○黒柳明君 大臣の時間が限られておりますので、大臣長引かすわけにはいきません。私のほうから言います。会計検査院、まず確認してください。私のほうからデータを言います。いま言いました各私大の経常費の補助金、これについての昭和四十五年度の不適正な取得額、そのおもな理由、まあ申請に対して専任教員の数が少なかった、あるいは学生の数が多かったと、こういうことがおもな理由になっております。私のほうで言いますので、これ合わせて間違いがあるかどうか。四十五年です。日本大学、不適正と思われる取得額が九千三百二十一万七千円、その理由、申請が学生が七万三千三百三十九人、事実は九万一千二十八人だった。それから愛知学院、不適正が二千二百四十六万円、そのおもな理由、教員数二百四十八名、事実は二百四十六名、二名減だったと。学生数が五千三百六十四人、事実は七千九百二人、多かったと。それから武庫川学院、不適正と思われるものが一千七百九十六万一千円、それから学生数が五千十六人、事実は八千四百九十三人で多かったと。日本歯科大学、不適正取得額が一千百十一万七千円、そのおもな理由は、学生数が千二百十二人、事実は千五百九十人で多かったと。鶴学園、同じく五百十七万七千円、学生数が三千七百八名、事実は四千六百三名だった。以下東北学院、神野学園、常磐会学園、お金にしますと四百四十八万九千円、二百九十一万九千円、百九十七万八千円。慈恵大が二百五十八万七千円、上智大が六十五万四千円等々あります。さらに四十六年度、同じく東海大学、一千五百四十八万八千円、おもな理由は学生数、一万七千九百九十七名が二万七百六十名、短大が二千七百六十七名が二千五百五十三名、帝国学園、お金が三百七十五万一千円、教員数が二十一名が十九名、同じく短大が二十一名が十三名、短大の学生数が二百四十八名が二百八十九名、以下大阪学院大学、須賀学園、銀杏学園、大垣女子短大、中村産業学園等々、まあ等々とこう省略しましたが、これらの事実について、間違いないと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(柴崎敏郎君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 そこで文部大臣、当然私学財団はもう適正公平な補助金を各私大、それに補助すること、これはもう当然であります。私が言うまでもありません。ところが事実は、たとえどんな間違いにせよ四十五、四十六、しかもこれは抽出調査しただけの氷山の一角です。相当これ調査すればただいま申しました四百六十七、四百六十九、全学校調査すると、もう相当の間違いが出てくるんじゃないですか。ひどいところはもう一億にものぼりますよ。それから何百万は、何千万はもうざらですよ。こういう不備なやっぱり補助金の配り方をするということはどうも私はふに落ちない、どうでしょう、文部大臣。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまお話のようなことが出ておりますので、私も心配をいたしております。好意的に考えれば私学振興財団が発足してまだ十分な年数を経ていないために、事務について必ずしも練達でないという面があるかもしれませんし、また学校当局のほうにおきましても紛争を重ねているために事務的な整理が十分についていないというようなことがあるんではないかと思いますが、それにいたしましても、このような結果が出てまいっておりますということは責任を果たしていない面が出ておるわけでございますだけに、私といたしましても深く反省をして適正を期するように努力を重ねていかなければならない、かように考えております。
○黒柳明君 まあたしか発足当時。しかしながら、やっぱり発足当時から相当高額、また相当の天下りがある。それなりのやっぱり責任を持たなければ、発足当時だからエクスキューズされるという理由は私はない。また紛争学校——紛争学校なんか少ないわけです。紛争しているところもある。しかしながら、紛争しているところに全部この補助を、そしてその紛争しているところだけがずさんだったということじゃありません。ですからいま文部大臣がおっしゃった二つのことは私は全くその言いわけの理由にはならない、こういうふうに思うんです。それでなかんずくこれはすでに指摘されたことです。自民党の議員の方が指摘したことです。そして私はさらにそれを調べた。そしたらものすごくおかしな事実が出てきたので、また文部大臣にこれをどういいわけなされるか、いまの二つのことが正当な言いわけであるかどうかということ、決してそうじゃないということなんです。 これは小田原女子学院、小田原女子短期大学、地元の神奈川新聞に出た。自民党の議員の方がこの問題を指摘した。ところがその指摘は上っつらだけです、失礼ながら。深いところは非常におかしなところがある。その指摘されたところはもう私言うまでもありません。文部大臣御存じのように、昭和四十五年度七百十三万九千円、四十六年度一千二百十一万四千円、計一千九百二十五万三千円、これが会計検査院の調査によると法令違反、補助条件違反だったと、こういうことだったわけです。これは過去のことです。ところがこれに対してこの小田原女子学院、学校から申請されたとき、私学財団が認定したとき、さらに追加申請、追加認定、これが非常に不明瞭、おかしい。どういうことか。あるいは大臣ももう仄聞しているかと思いますけれども、昭和四十六年度分の学校の申請の第一回が四十六年十一月十六日です。財団側で十一月二十六日に調査した、そのときは帳簿も何にもなかったんです。ここにちゃんと書いてあります、私言うまでもなく。「補助金の算定の基礎となった専任教員の勤務及び給与に関する資料、私立学校法第五十九条第八項に規定する財務計算に関する書類及び補助金の収支に関する帳簿並びにこれらの証拠書類は、」云々と。これが何にもない。何にもないどころか、いま検査院のほうから説明してもらいますが、二重帳簿があったわけでしょう、十一月二十六日。しかもそれにもかかわらず財団で十二月六日七百五十一万二千円交付決定している。これはおかしいですよ。帳簿も何にもなくて、しかも二重帳簿があったことをこれは確認しているんです、検査院。そんなところになぜ財団が間髪を置かず交付決定するんですか。しかも翌年の四十七年二月二十八日にさらに追加補助申請が出ているんです、小田原女子学院から。第一回の申請の書類には誤りがあったというんですよ、ちゃんとこの理由として。これは古い資料だ、昭和四十四年十二月三十一日の古い資料だ、だから新しい資料を出すから追加補助申請をしてもらいたい、そして二月二十八日の申請が三月十五日、四百六十万二千円決定されている。会計検査院が調査した。いま言ったように何にもこの書類が完備されていないどころか二重帳簿があった、給与に関して。こういう事実が判明したんですね。教員が五十三という申請が十二名しかいなかった、こういうことです。こうなりますと、私学財団何やっているのか、こういう事実が出てきます。どうですか、文部大臣。このことを当然知っているでしょうね。もう過去の事実ですし、もう全額を返還請求されているわけですから。こういう事実まで御存じでしたか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私学振臨財団はおそらく一応は学校から提出されてきているものを信頼して処理をしてきたのだろうと思います。全部調査しておりませんので、不幸にしてそういう事例が出てまいったようでございまして、私たちたいへん残念な感じを持っているわけでございます。小田原女子学院の問題につきましては御承知だと思いますが、四十五年、四十六年度の補助金は全額返還させて、四十七年度は補助金の交付対象から除外するという措置もとらしていただいたわけでございます。
○黒柳明君 そうじゃなくて、文部大臣、よく聞いてもらわなきゃ。お金のことは文部省なんてびた一文もそれこそ疑惑があっちゃだめです。一番神聖なところと国民は受けとめている。帳簿に基づいて、信頼してじゃないんです。私学財団が調査しているんです。そんなことを調査しないで交付金出すことはないじゃないですか。調査したんです。そのとき全然帳簿なかったんです。会計検査院、この経緯についてちょっと説明してください。文部大臣、いま検査院が説明しますから、その過程を。
○説明員(柴崎敏郎君) 私どもでは四十七年の四月にまず検査に参りましたが、ただいまお話がありましたとおり、帳簿類が全くございませんで、検査になりませんでした。そこで、重ねて第二回目の検査を実施いたしました。その結果、教職員の給与台帳——帳簿でございますが、これが二重帳簿になっていると。しかし、それに対する証拠書類が、これが、またどのように処理をされているのか、はなはだ不明でございました。いろいろと調査した結果、わずかに一部のものについてでございますが、給与の支払いの領収書、これが理事長の机の引き出しの中にあると、個人的に処理されているというようなことで、それらの領収書につきまして、帳簿のいずれの帳簿が正当のものであるかというようなことを調査してまいりました。あるいは私立学校の教職員の共済組合に対する組合費の補助額、そのようなことから裏づけをとってまいりまして、帳簿の一方を正当なものといたしまして、それを基礎に本学の補助金の正当額が幾らであるべきかということを検査いたしたわけでございます。
○黒柳明君 お聞きになりましたでしょうか。これ、帳簿がないんです。法律できめられた帳簿がないんです。これ、罰則規定ありますね。この罰則を当てはめるつもりありますか。
○政府委員(安嶋彌君) 非常に重大な事態だというふうに私ども認識をいたしておりますが、ただいま大臣からも御答弁を申し上げましたように、一応全額返還になっておるような次第でもございますので、かつまたこの大学は引き続き大学として存続をいたしておるわけでございますので、今後この大学の再建の状況を見守ってまいりたいというふうに考えております。ただ罰則を適用するかいなかということにつきましては、これはまあ検察庁の問題でもございますし、すでに関係者からの告発も行なわれているやに聞いておりますので、そちらのほうの御処置にまちたいというふうに考えております。
○黒柳明君 関係者は文部大臣ですよ、一番の関係者はですね。ですから、これはもう補助金の適正化法だけじゃなく、これ、二重取りでしょう。補助申請までして二重取りしている。だからそれは返したらいいんだ、どろぼうだから返したらいいんだというわけにいきませんよ。これは文部省が訴えるぐらいの態度をとらないと、第二、第三、しかも私冒頭に申し上げました抽出検査だけですよ、それだけでも出たんです。まだまだこういう悪質なことが幾らあるかわかりませんよ。文部大臣、非常に厳正な文部大臣と、こう聞いております。もうここらあたりは思い切った処置をとれば、こういう事例がなくなるんじゃないですか。私学財団に対してはどういう処置をおとりですか、こういうものを起こした。帳簿がないのに交付した。調査して知っている、そのことは。しかも二回も申請が出ている。それにまたすぐ交付している。こんなばかなことをやっている私学財団にどういう処置をとりますか、これに対して。大臣が答えてください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 小田原女子学院の問題につきましては、いま政府委員から御答弁申し上げたとおりでございまして、私学につきましてどのような文部省の監督の態度をとっているか、たいへんむずかしい問題でございまして、正直のところ、解散を命ずる以外に文部省に許されている道はないというような姿にさえなっているわけでございます。私たちは私学の自主性を尊重しながら、どうやってあやまちなきを期するか、その道を求めたいと、そういうことでたびたび当院におきましても立法措置を講ずるべきじゃないかという考えのもとに検討を続けてきているんですと、こう申し上げておるわけでございます。御指摘まことにごもっともでございまして、私もそういう気持ちを持ちながら私学の自主性を尊重しながらも、どのような道を打ち立てることができるか、いま苦慮している最中でございます。
○黒柳明君 尊重する——私のほうが文部大臣よりもっと尊重したい気持ちです。財団に対してはどういう措置をおとりですか。こういうわかり切ったことをやりながら、追加補助申請まで出て、わかり切っていながらまたさらに追加した。どういう措置ですか。尊重することと法のたてまえをどっちを優先するか、私は法のたてまえを優先したいと思いますよ。そういうことをやったものには、書いてあるじゃないですか。この補助金取扱要領の中に、「経理その他の事務処理が著しく適正を欠き、補助金に係る事業の適正な執行を期しがたい学校法人」は、これはもう補助金の対象から除名しろと、こういうものがありますよ。いろいろなものがある、いま言ったこういう。それに対して私はこちらを先行したいと思うのです。どうですか、尊重するから、私学のあり方を尊重するからこれはもう無視していいのですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまお話しになりました監督の問題は、学校当局に対する問題と私学振興財団に対する問題と二つあるようでございます。 学校当局に対しましては、一応法律にいろいろな監督規定を置いているわけでございますけれども、それを法律の中で提示しているわけでございます。これをどう将来持っていくかということについて私は苦慮していると、こう申し上げたわけでございます。 第二の、私学振興財団の問題につきましては、人事その他につきましても十分文部省として配慮していかなければならぬことでございます。今後といえどもその点について手抜かりのないようにしていきたい、かように考えておるわけでございます。先ほどちょっと申し上げましたように、小田原女子学院に対しましても、四十五年は処理の上で調査をして交付を決定したようでございますが、四十六年に四十五年の決定の問題につきまして監査に出まして、その上で問題のあることを振興財団のほうでも発見したようでございます。発見したようでございますが、しかしたいへん不十分なことでございまして、したがいまして私学振興財団が今後なお充実をしてまいりますように、その機能を誤りなく発揮することができますように、一そうの人事その他の面について留意をしていきたいと、かように存じております。
○黒柳明君 だから私はこういうことをやった財団をどういうふうにするのかと、過去のことを言っておるのであって、将来についてはあたりまえです。しかも人事については、元体育局長もいる、文化財団保護の事務局次長もいる、あるいは行管の行政管理局長もいる。人事についてはもうごたぶんに漏れず天下りですよ。常任理事、監事の六人のうちの半分が天下りですよ。そんなことはかえって文部大臣が言うのと逆ですよ。そういうことから結びつきを強くしている。そんな、監査もしなくて、あるいは帳簿の不備があったと、そんなことでも出しているのだ。結果的にそういうことを言われてもしようがない人事なんです、いまの人事は。だからそういうものを踏まえてこの処置について財団に対してどういう適切な、それこそ適正な処置を講ずるか、その答弁が出ていない。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私学振興財団の問題につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、だんだん充実する過程にあるというふうに御理解を願いたいと思うのでございますが、いま天下りについての御指摘がございましたが、今後さらに一そう適正な運営ができますような配慮のもとに人事を行なうくふうを重ねていきたい、かように存じております。
○黒柳明君 大臣みずから天下りなんと言うとその三人の方におこられますからね。私が言っているのは、帳簿が、行って、なかった、補助金を出した、また追加申請があった、また出した、こういうことをやった財団についてのこの行為についてどう思うかということですよ。将来のことについてはもう三回同じことをおっしゃった。この事実に対して知っているのですか。知っていたら何か処置しましたか。あるいは、知らなかったのですか。知らなかったら、いま聞いて何かするつもりですか。それでなかったら、将来のことばかり言ったってだめです、抽象論。私は具体的な事実というものを踏まえて言っているわけです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 当時文部省側から財団に対しまして厳重な注意をしたということを承知しておるわけでございます。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、文部省からは財団に対しまして口頭で厳重な注意をいたしておりますが、財団の内部におきましても、理事長からそれぞれ担当の理事、課長等に対しまして厳重なる注意をいたしておる次第でございます。
○黒柳明君 厳重なる注意、それが今後どのようにあらわれるか非常に疑問が多いと思うのですけれども、もう一点、私、時間がないので、聞きたいことは、先ほどの松本歯科大の問題につきましても、また順天高の問題につきましても、やはりマスプロ的な教育それからもう一つはやはり金取り主義ですね、要するに学校の本来の使命からコマーシャルベースと逸脱する可能性があると、していると。その根底はやっぱり定員数をものすごくオーバーしている学校が多いということですよ。私はほんとに簡単に都内の学校だけ調べてみた。文部大臣、この事実知っていらっしゃるかと思いますけれども、これはごく限られてますよ。私の調査した範囲です。調査に漏れた分、相当定員オーバーしているところがあるかと思いますよ。たとえば拓殖大学が千九百五十名の総定員、現在の学生数は九千九百十六名、五・〇九倍。五倍以上の学生がいたらどうなるんですか、教室は、設備は、施設は。学校の専任の教授、助教授、講師、それに対しての学生数は、この問題どうなるんですか。さらに亜細亜大学三・三四倍、東洋大学二・八九倍、大東文化人学二・八五倍、三倍に近いですね。都内のわずか数カ所ちょっと調べただけでも五倍、三倍、ざらです。全国調べればとんでもない数が出てくるんじゃないですか。これに対して文部省、いままで通知をしている、通告している、これじゃ済まされないんじゃないですか。こういうことから学生にいろんな不満を与え、そういうことがこうあっちこっちで爆発していると、こういう原因をつくってんじゃないですか。法的にはこれは規制できないとしても、当然こういうところからまず抜本的に手を厳重に打つ姿勢がなければ、いまのこの大学問題は、ただ単にゲバ的だ紛争だけじゃなくして、ほんとにまじめな学生が学校の単なる商業化した政策のもとに、ほんとの本来の学生としての勉学にいそしめない、こういうことにもなるんじゃないですか。これいかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) いま御指摘になりました点も私はたいへん驚いている点でございます。認可申請をしたときの定員とその直後から行なわれておる現実に入学さした人数との間には大きな開きがございます。これはやはり申請に基づいて認可しているわけでございますので、教育の条件がその定員に対してしか満たされていない、それ以上のたくさんな人間を入れるということは教育に不備が起きてんじゃないか、どう是正するか、そういうことも含めて立法措置をやっぱり考えざるを得ないんじゃないかと、そんなことで研究している最中でございます。
○黒柳明君 何かテンポがおそいですね。いま聞いて驚きましたなんということはね、ちょっと。
○国務大臣(奥野誠亮君) いや、前です。文部大臣になって驚いたんです。
○黒柳明君 文部大臣になってから驚いた。——聞いてですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 調べて。
○黒柳明君 こんなことはもう通常、あたりまえの事実じゃないですか。知りませんか。これはちょっと文部省の感覚というのは相当おくれてますな。こういうことはあたりまえですよ。ある大学では入学時は十倍ですよ。十倍がふるわれて現在学数が五倍になるんですよ。こんなことがあっていいものか、いま言ったように。驚いたなりにこういうことをそれじゃどうするのか、それを含めてけさの一部の新聞には助成金等も前向きに考えたいという新聞記事が出てましたけれども、これについては何とも、ただ単に驚いた、何とかと、これだけのものですか。具体的なものは何にも考えられませんか。私は初めて文部大臣と質疑しましたけれども、がっかりですね、非常に抽象的で、非常に答弁が具体的じゃなくて。ほかの大臣の方は、もう委員会というのは非常に結論を出して、調査に基づいてどんどん発言しますから、結論がきちっきちっと出るんですよ。いまの文部大臣の答弁というのは何にも結論が出ない。残念ですね。がっかりしましたね、ぼくは文部大臣と初めて質疑して。これだけのことを初めて聞いた、驚いた、それ自体私失望。だけど、それはいいでしょう。しようがない。これについてどう手を打つか、こういうことからはっきりしませんとたいへんですよ。全国的にこういうのをお調べになってごらんなさい、一回。調べておる。——調べたってしようがありません、現状は間違いありませんから。調べたら、それに対してどういうふうに対処するのか。そこらあたり抜本的考えはないのか。それを踏まえて、けさの一部の新聞に出てたような助成金の問題も当然出てくるんじゃないですか。どうでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、松本歯科大学題から調べましていろいろな事情を知ったわけでございまして、そういうことで驚いたという表現を使っているわけでございます。それをどう是正するかということになりますと、変更命令などの措置が立法上行使できないようなことになっているわけでございます。しかし、私学の自主性も大切だけれども、放てきすることは文部省としての責任を果たせないから、やっぱり立法措置を講ぜざるを得ないのじゃないか、こういう気持ちを持ちまして、そういういまの御指摘の問題も含めまして、立法措置を考えているんだということをたびたび当院においても申し上げておるわけでございます。私学の助成の充実を一面においてはばかりながら、他方においては、国民に十分責任を果たし得ないような面については、やはり立法的な権限を文部省にも与えていただかなきゃいけないのじゃないか、両様の面で考えていきたい、そういうことを申し上げているわけであります。
○黒柳明君 たびたび本院と言っても、こういう事実はいままで指摘されたことがないです、具体的には。ただ、立法措置についての具体的な方向またその時期、ここらあたりをひとつ具体的にしませんと、こういう具体的な事実を指摘されたんですから、だから抽象的に本院でもたびたびと、こういうことじゃうまくないのじゃないんですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いずれ次の通常国会を目途にそういう御提案をすべきではないだろうかということで、内容等についていろいろ相談をしているということでございます。
○黒柳明君 まあこの審議やりましても非常に抽象的な答弁だけで、申しわけありません、私これでやめます。あんまり張り合いがない、きょうの質疑は。もっと私も具体的事実を踏まえまして、また総括のときにもつともっと具体的な答弁が出るような文部省の問題を私も勉強してやっていきたいと思いますんで、いま、きょう発言した問題につきましても抽象的な答弁で、まあ、文部大臣なら具体的に考えているかもわかりませんけれども、ひとつ具体的な対応措置を願いたいと、こう思います。 私、最後に一言、委員長ですね、先般の宮古カントリーのことで、宮古の市長は発起人ではなくて出版物に祝辞を出したと、こういうことで、私ちょっとこの場で念のために議事録にとどめておきたいと思います。 以上です、文部大臣。
○野末和彦君 ぼくは、最近論議になっております学校の五日制のこととか、それから教科書の出版社が採用売り込みのために先生と非常に癒着しているというような実態とか、そういう問題に関心を持っておりまして、それで、それを取り上げようと思っているのですが、大臣お時間もないようですし、私のほうにも、その前に、最近目立つ現象についてほっておけないような感じのすることがありまして、ですから、いささか文部省の所管からちょっとはずれるところも出てくると思いますが、まず文部大臣の御意見をお聞きしたいと思います。 絵画とか——絵画は芸術ということになっておりますね、それから切手とかコイン——切手、コインなどは子供のコレクションも入っておりますね、そういうものが最近利殖のための商品化しておると、しかもデパートがこれを大々的に扱っているんですよ。その扱いはいいんですが、実態を調べますと非常に不明朗な点がありまして、投機ブームにつけ込んで、デパートが信用をかさに着て不当にもうけている疑いもかなりあるわけです。ですから、これらの絵画とかコインとか、そういうものに対して文部大臣の御意見を聞きながら通産省の態度も聞きたいと、こういうことなんです。 去年の秋から、文部大臣、つい最近までに、デパートが輸入絵画即売展というのをやっておるわけですよ、都内の有名デパートで十回近くやりました、ここ半年で。最近売れ残ったものが地方に行っているのですよ、いま、地方デパートで。この輸入絵画即売展、これが問題で、輸入先はフランスなんですが、どう問題になるかというと、まず新聞の広告とかパンフレットによりますと——いろいろ持ってきましたが、PR文句がまたすごいんですよ、本物のみが持つ芸術のかおりとか、あるいは芸術の都パリを中心に活躍しているヨーロッパ現代作家の秀作、あるいはいまこそ絵画をお求めになる絶好のチャンスですとか、中には店員が売るときに、この中に未来のピカソがいるなんということも言っているんですがね、これは広告の文句にはなっておりませんが、とにかくすごいPR文句ですよ。でたくさんの作品、それから画家、出展されているんですが、残念ながら情報不足で、幾ら愛好者でも、出展されている画家あるいはその作品がどの程度のものかわからないわけですよ、PR文句をそのままに信ずれば大したもののように思えますが。 そこでまずお聞きしたいのは、たまたま三越の作品リストを持ってきましたが、この中から値段の高い画家を五人ばかりあげますから——値段が高いということはやはり一応の評価を受けているんだろうと思いますから、この五人がどれほどの芸術的評価を得ている画家であるか、これまずお聞きしたいわけですよ。五人の画家の名前は、この作品リストからあげますと、ここに書いてあるままで発音しますが、まずエルブという画家、それからカルボネル、それからマンゾーニ、それからピュイエ、この四人にしましょうか。この四人はどの程度の画家なんでしょうか。つまり、パリにおける知名度、あるいはオークションにおける扱われ方、それからパリ画壇における芸術評価のレベル、どんな角度からでもいいですから、どの程度の画家であるか、これをひとつ答えてください。
○政府委員(安達健二君) いまおあげになりました四人の作家でございますが、国立の西洋美術館長に伺ってみた結果がございますが、最初におあげになりましたエルブという方はフランスの風景画家でございます。それからカルボネルというのは、国籍はちょっとわかりませんが、サロン・ド・トヌの会員であるということでございます。それから、マンゾーニというのはイタリアの抽象画家であると、それから、ピュイエというのはアイルランドの画家である、まあこの程度のことがわかる程度がございまして、その画家に対する評価ということについては、あまりよく西洋美術館でもわからないというような状況でございます。
○野末和彦君 わからないというのは、つまり資料が不足でわからないのか、まだ評価を得ているほどでないから、評価が低いからわからないのか、それどっちですか。
○政府委員(安達健二君) その辺も実はわからないわけでございまして、要するに、それほどこちらで資料がきておって言うものではないということは言えると思うのでございます。
○野末和彦君 私のほうでも調べまして、美術館関係、それから評論家とかあるいはパリにいる人とか、いろいろ聞きますと、やはり芸術的評価を得る段階にまでいってないわけですよ。オークションにも出品をしたこともないような画家なんですね、この辺は。そこで、これをデパートが新聞やなんかでぱっと芸術だの、かなり価値のある絵だというようなことを言いますと、これ、しろうとは大して価値がないなんという情報もわかりませんから、専門家が調べても大してわからないんだから、これはどう考えても、デパートを信用せざるを得ない。しかし、評価の点はどうなんだということわからないと、看板に偽りがあるような気がするわけですよ。 そこで、通産省にお伺いしますがね。このデパートのほうでは、これら自分のところが責任をもって販売するこれらの絵をどの程度の芸術品と思って、どの程度の芸術的評価を考えて扱ったのか、その辺ちょっとお聞きしたいんですが、その前に、何課が扱ったか、通産省に聞きたいのです。この展覧会は何課が主催したか。
○政府委員(山下英明君) 何課といいますのは、百貨店の中の何課ということだと思いますが、各百貨店において何課であれしたか、それぞれ異なっておると思います。私どもはまだ詳細に聞いておりません。私ども関心を持っております点は、最近五つ、六つの百貨店が継続的にこの種の展覧会販売をやりましたが、仕入れ画商に百貨店の売場を貸すという形が大部分でありまして、百貨店としては一定のマージンを取り、場所を整備して貸す。画商が外国で仕入れた絵をその場所を使って販売する。百貨店商法としては一つの基準にのっておりますけれども、この種の定価というものがなかなかつけにくい、かつ非常に一般大衆にとっては判断しにくい商品をそのような商法で売っていいかどうか、問題の所在するところだと考えております。
○野末和彦君 大臣ね、時間がないからちょっと御説明しますがね。通産省に実は調べてもらってはいるのですがね。各デパート、美術部が扱っているところもあれば、家具部が扱っているところもあるし、それからもっとひどいのは文化用品という課があって、そこが扱っている。なぜそうなったかというと、美術部では内容に批判があって、ちょっと美術部の責任のもとにやれないというデパートもあるんですよ、名前は出しませんがね。だから、しようがないから販売促進とか、そういうところにいっちゃう、主催が。そこで、いま企業局長はちょっとごまかしましたがね、調べてわかっているわけですよ。高級インテリアだと、美術品とは言いがたいのだと、高級なおみやげであり、インテリアであり、高級家具であるという感覚で実は売っているんだというわけですよ。美術部が扱っているデパートもあるわけですよ。そこに聞きますと、おそらく企業局でももうお調べになってわかると思いますがね。芸術的評価がよくわからないから業者に一任しちゃったと、業者を信頼しちゃったと、こうなっているわけですよ。値段の点が出ないからまだいいんですよ。要するに芸術だ、芸術だと言ったけれども、実は売るほうは高級家具のつもりだ、インテリアのつもりだ。お客は芸術だと、このギャップ、これはまだいいんですがね。この問題は値段がついた時点においてすごい、ほっておけなくなるんですよ。まずいまの広告のやり方を見てもちょっと誇大ですわね。価値がよくわかっていないし、調べれば低いことがわかっちゃっているんですよ。あとで値段が出てきますからはっきりしますがね。それを知っていてやったのか、あるいは知らずに業者を信頼してこういう失敗をしたか知りませんがね。とにかく美術品ではないと、高級家具、インテリア、高級みやげ品、その程度のものですということをデパートはぼくに突っ込まれて答えているんですがね。この値段ですよ、文部大臣ね、その値段ですがね。まず値段出る前に、芸術を守るというか、芸術振興の立場で、それは机上のきれいごとで芸術、芸術というならいいんですがね、現実に商取引になっているわけですから、絵でも。その商取引の場で、芸術でも何でもないものが芸術だとあおられているというこの現実を好ましいと思われますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 芸術的な作品でもないものを芸術的作品のようによそおって販売をするような行為は、少なくとも社会的な信用ある地位を持っている百貨店のなすべきことではないというふうに思います。
○野末和彦君 それでは値段の点でいきましょう。企業局にお伺いしますがね。デパートが輸入したものを売る場合、これはフランスですから、パリから輸入したものを売る場合、時計でも香水でもライターでもいいですから、現地のデパートといいますか、小売り値段がありますね。日本に来て売りますね。その場合大体現地価格の、原価ではありませんよ。現地価格の何倍ぐらいの値がついて、日本のデパートでは売られておりますか、一般商品の場合、時計、香水、ライター、そんなものでもけっこうですから。
○政府委員(山下英明君) 御指摘の商品について私どもで調べたものがありますので御紹介しますと、香水の場合は大体五割アップから倍ぐらい、これは同じ香水がパリで小売りで売られている値段、これをある商品で、一〇CCでパリでは三千五百円、それが日本の、東京のデパートで幾らで売られているか、それが五千五百円で売られている。正札がついておる。こういう状態でございます。ライターの場合にも同じように比較してみますと、二倍前後の正札がついております。
○野末和彦君 いまの二倍ぐらいの正札がついておりますね。しかし、これには関税もあるし、物品税もかかっておるわけですから、なおかつ二倍ぐらいですよ。一般の商品の場合は。さて絵の場合ですが、私、さっきから持ってきているこの絵の値段が非常にミステリーで、いま文化庁長官がちょっとは評価があるのではないかといった、私は四人あげました、その中のエルブですね。エルブというのは、この絵を書いているこれなんですがね、これがエルブという人の絵ですが、このエルブが駄作とか、傑作によって値段は違うと思いますが、パリのオークションでもって幾らぐらいの値がついて取引されておりましたか、実例をひとつお願いします。
○政府委員(安達健二君) これはあまり正確なあれではございませんが、西洋美術館の報告によりますと、サイズが十七インチ四分の三と二十インチ四分の三で六十ドルというようなふうになっているようでございます。オークションの値段でございます。
○野末和彦君 六十ドルというのは幾らですか、円で。
○政府委員(安達健二君) まあこれ一万六千円ぐらい。
○野末和彦君 フランスでは日本と違ってその大きさで何号、何号と一号当たりの値段で絵を取引しませんからね。一枚幾ら、これがいいか悪いかで値段がきまるわけで、かなり駄作と傑作で値が違うということを聞きましたが、それにしてもいまのはちょっと安過ぎますね。まあね、エルブにはほかにもあるのです、実はいまの長官の報告以外に。エルブという人の絵はフランスに行きますと、オークションですから、一番最近のオークションの値段ですから、これは一番標準的ですね。三万四千円の絵があります。四万九千円の絵もあります。十万八千円の絵もあります。ですからかなりこの辺は差があるのですが、大体この程度の値段を出せばこのエルブという画家はオークションで買えるわけですがね。さて、芸術だったら主観的にいろいろ値段が違ってもおかしくないのですが、何たって高級家具とかインテリアとか、こういうふうに言っているわけですしね。また先ほど企業局長のお答えにもあるとおり、一般商品がせいぜい二倍ぐらいの値段ですからね。このエルブの絵が日本のデパートで現に売っている、買いたい、幾らぐらいだと思いますか、文部大臣。三万円、四万円、十万円で買える、一万円でも買える絵もあるぐらいだ、この作家は。デパートに行ったら幾らだと思いますか、推定。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は承知しておりません。
○野末和彦君 これは推定しようがないのですよ、あまりにも高くて。絵は関税も物品税もないのですから、せめて何十万——まあそうね、三万、五万、十万ですからね、気に入った、二十万、三十万なら買うなんということになると思いますが、デパートは正札をつけて売っているのですからね、何しろ。このエルブの絵、全部言いますよ。百二十万、一枚。大きさは別ですがね、四十八万円、二十六万円、この三点が出ているのですよ。エルブ。さっき言ったようにフランスは一号幾らじゃないですから、大小にかかわらず一枚幾らで売っている。で、さっき言ったエルブのこの絵は、これは実は日本で言いますと三号、小ちゃいのですよ。三号の絵で、これが二十六万円。百二十万円というのが、これはまあ色刷りじゃないからわからないが、百二十万円。これちょっと大きいの、二十五号で。そこでですよ、これはいくら何でもおかしいとぼくは考えまして、それでデパートに、これどういうふうにしてこういう高い値がついたのかと、フランスの値段とあまりにも違うじゃないかと、こう聞いたのですよ。企業局長、通産省でお調べになった範囲でデパートはどういうふうに答えましたか。なぜこんな高い値段がついたのですか、そしてこの値段はどういう根拠で、だれがきめたのですか。どう答えたかちょっと説明してください。
○政府委員(山下英明君) 百貨店は貸し売り商法を原則としておりますということで、画商が値段をつけたのをそのまま正札でお売りしました。私どものほうからは、それでこういう品物の販売方法としていいのかどうか、特に買い手たる一般大衆に対する配慮に欠けていないかという点を指摘しております。
○野末和彦君 さっき言ったように、画商を信用してそのままやっちゃった、配慮に欠けてないかと、こう言ったって、これもう済んじゃっているのですよ、東京では。売れ残った分がいま地方で売られているのですよ、現実に。いいですか。地方は前と同じ値段だ、東京で売っているのと。もう絵葉書くらいですよ、絵葉書に毛の生えた程度。それがそういう値段で売られている場合ですね。デパートが、企業局のほうで好ましくないじゃないかと言った場合に、どういうふうに答えているんですか。確かにまずかったというのですか。その芸術的評価を知らずに売っちゃって、客に多大な迷惑をかけているという反省をしているという意味ですか。それともやっぱりやむを得なかったんだと、画商にまかしておいたからやむを得なかったんだと、どっちなんですか。責任がはっきりしないんだ。
○政府委員(山下英明君) 現在済みました展示販売については別といたしましても、今後については百貨店協会で申し合わせをして、それを加盟店に通達いたしております。問題の地方都市における販売について、この協会の申し合わせが浸透していけば是正されると期待しております。
○野末和彦君 適正な価格というものをつける努力を全然デパートは今回しなかった。どの程度の評価があるか調べもしなかった。専門家にも聞かなければ、どこにも聞かない。ただ業者が言ったというだけです。それで企業局のほうの報告によりますと、何か二、三割は、あるデパートの美術部は出展作品のうちの二、三割はたまたま聞いたことがある人だ。フランスに行ったとき見たと。その人の記憶では、この値段ならいいじゃないか、二、三割。だから全部いいと思ってやっちゃったと。何かそんな寝ぼけたことを言っているところもあるようですよ。絵というのは、一点一点の価値が問題になるのですよ。ちょっとこれがいいから全部いいったって、十個石があって、ダイヤが一個あったから、じゃああと全部九個ダイヤだろうから売ってしまえ、これと同じことですからね。だから非常に無責任なんで、これから是正されていくであろうとおっしゃいましたがね、ちょっとつけ加えますよ。 今回都内の有名デパートでやられた絵の点数は、かなり何千点もありますがね。ほとんど八割から九割近くは芸術的評価はないそうですよ。デパートだから売れたような品物で、市場に出してもただ同然で、買い手もないという程度の絵で、これを輸入しているところは一枚当たりの単価がわからないというのですよ、一括大量購入だから。しかも額つきじゃないのですから。フランスへ行って一括大量購入で、きれっ端だけ買って、まるめてこちらへ送って、日本でもって額つけて、関税も物品税も払わないで、ただパリから運んだだけでがばっと値段がつく。二十倍、三十倍の値段がついているものもありますよ。そこでこんなぼろい、いい商売はないわけですよ。値段をつけるときに何の努力もしない。評価をきめるときにも何にも努力しない。業者に店貸しているだけ、業者を信用して売っちゃったと。いままでの分は何とかしましょうと、これじゃあぼくはどう考えたって、それデパートの信用問題もありますがね。芸術を、ブームに乗っかってまるでおもちゃにして愚弄して冒涜している。どうですか、政務次官、デパートがこういうことをやっている。
○政府委員(河野洋平君) 野末委員御指摘のとおり、われわれとしても文化庁をはじめとして、文部省は消費者の方々が芸術というものを正しく理解をする、一人一人の主観によって芸術の価値を見きわめる、そういう啓蒙といいますか、そういう指導をもっともっと積極的にやらなければいけない。そうしたことが不十分なためにデパートの商法に踊らされるというような事態があちこちに見られるということを痛感をいたしております。もっともっとわれわれは文化、芸術の方面にも十分な配慮をしなければならない、こう考えております。
○野末和彦君 やはりね、文部省、文化庁のぼくは怠慢だと思うんだね。きれいごとで芸術をどうのこうの言ったって、現実に町で取引されているものについては値段も知らないし、よく動きに関心も持っていない。これじゃあやっぱりだめなんでね。規制しろとかそういうことじゃなくて、動きを、世の中の世俗的な動きを関心を持たずに芸術云々と、芸術の大衆化、芸術の振興、そんなことは言えないと思うのですよ。 そこでね、通産省、どうですか。どうもいままでの話で、広告もかなり問題があるようだが、いずれにしてももうけ過ぎている。商札が信用できないというまあ非常にすごい好決算やっていますよね、デパートが。好決算の原因がこれだとは言えないけれども、好決算の裏にはこういうような、どう考えても好ましくないという面があるわけですからね。これ、絵だけどのくらい売ったんですか、いままで都内だけで金額にしてどのくらい売りましたか。
○政府委員(山下英明君) Aデパートにおきましては三千三百万円、Bデパート二千万円、Cデパート三千百万円等でございまして都内五店の合計一億一千一百万円でございます。
○野末和彦君 都内五店を調べていただいても一億も売っているわけですよね。もちろんほかもやってますからもっとこまかく調べりゃ相当売ったと思いますが、結局だまして売った、だましてもうけたとしか言えないんですよね。ほくは高級インテリアでいいと思う、安く売れて。絵画の大衆化なんて現にデパートで言っているんだから、せめてさっきの香水とかライターじゃないけど二倍、三倍、四倍、五倍、この程度なら好きな人は買うでしょうからいいんですけれどね。法外な十倍近くのなんというんじゃとてもじゃないけれどほっておけない。これ暴利と言えないんですか。暴利行為と断定しちゃいけないんですか、通産省。
○政府委員(山下英明君) 先ほども申し上げましたように、百貨店は二割ないし三割のマージンをとって場所を貸すという商法でございますのでこれはそれとしまして、問題は、それをやりました画商が現地において幾らで買ってきたものを何倍の商札をかけたかということだと思います。これは美術品販売のむずかしさということのほかに、外国品でありましてなかなか仕入れ原価がつかめない、こういう困難もございます。一般的に申し上げて、現在暴利なり適正利潤率は何かということについて根拠法規は暴利取り締まりの古い法律がございますけれども、それを除いてはございませんので、私どもは行政指導によって是正していくという方針でございます。
○野末和彦君 まあ、通産省ばっかりになっちゃいますが、いずれにしてもこういうテキヤに近いような商法でもうけたというんじゃこれはデパートの信用もがた落ちだし、それをやらして、ぼくのほうがこういうことを調べてくれと言うまで全然知らない通産省もおかしいし、文部省だって絵がブームになって、脱税九割あるいはちょっと絵画ブームについてはやりませんけれども、いろいろな問題あるわけだ。要するにみんなが無関心なんだよね。無関心できれいごとばっかり言っているからこういうことになる。企業局長、もう次の問題に移りますから、どうですか。よく反省しているというような感じで受けとめましたか。地方のデパートについてはもうやらせない。そして中央のデパートでも、大手のデパートでもこれに似たこと、これ一回じゃないんだから、まだ一ぱいあるんですよ。これに似たことをもうやらせない。幾ら何でもこれはひどいというふうに、やらせないだけの自信がありますか、指導に、これからの。
○政府委員(山下英明君) 百貨店につきましてはその売り場面積等々に関する根拠法規、俗称百貨店法もございますことですし、また先ほど申し上げた協会という自主的な中央団体もございますので、私どもとしては現在の流通機構の指導的役割りを持つ、かつ一般の消費者に対して信用を最も大事にしなければならない百貨店の性質から見まして、行政指導で相当のところまで是正できる自信を持っております。
○野末和彦君 じゃ、一つだけ聞きましょう。いままでの話でおわかりのとおり売り方に非常に疑問があった。大して価値のないものを価値があるごとくに広告し、しかも法外な値段をつけて売っている。少なくも情報が、片方はない。デパートのほうはある。こういうのは正当な取引とは言いがたい。きょうのこの話によって私の買ったこの絵は六十万円で買ったが大して価値がない。いわば不良品だと、粗悪品だと、取りかえたいという人がいたら取りかえますか、デパートは。
○政府委員(山下英明君) この点も、返品につきましては各店によって慣行、方針が違います。ただし私どもはそこに極端な場合には詐欺的要素が入った、あるいは不当な販売方法であったというような場合には、百貨店は当然返品に応じるべきだと思っております。一般の返品原則から申しましても、受け取りを持った買い手本人が売り場に行った場合、しかもそれが買った日から一月とか二月以内であれば当然百貨店は返品に応じております。また場合によっては贈答品として贈られた第三者がその品物を持って行った場合も、買った日付がわかっておれば返品に応じております。通常でもこの程度のことをしておりますので、この絵画展示販売の場合には、さらに先ほど言った要素を考えて、社会的に当然行なわるべき範囲までは返品をすべきだと、こう指導したいと思っております。
○野末和彦君 それを聞いて幾らか安心しましたがね。こういうことがないようにもっと目を光らしておいてもらいたいですね、最終的にいろんな権限はないにしろ。 じゃ次にいきましょう。いずれにしても絵画ブームにつけ込んだデパート商法のえげつなさの一端を見たわけですが、今度は乗っかっているのじゃなくて、デパートがブームをつくっている実例、これをやりましょう。いま全国各地のデパート、スーパーでもって何がブームかといいますと古銭ブーム。古いお金あるいは記念硬貨、あるいは現行銭、そういうもののブームが絵の次にきているのですよ。これがいま投機化しているのですが、この投機化の犯人がほかならぬ業者じゃなくてデパートなんだ。それで一例は、東京オリンピックの記念硬貨、政務次官、東京オリンピックの記念硬貨、いま相場幾ら、知ってますか。
○政府委員(河野洋平君) 残念ながら全く存じておりません。
○野末和彦君 これは知らないというのはおかしいですね。なぜかというと、新聞広告のチラシ、これ全国バンバンくる。川崎にもきている。それから車内刷り、こうある。これみんな。これはただし買い入れるというのですよ。売りますじゃないのだよ。これだけある。 そこでいまいかにブームになっているかということなんですがね。まず相場言いましょう。四月は二万円だったのだ、千円のオリンピックの記念硬貨が二万円、二万円以上で売っているところもありましたよ。しかし二万円平均。五月になって、五月の末から現時点では物品税がかかるようになりまして一万七千円に相場が下がりました。ちょっと冷えてます。しかしこれ問題がある。去年は五、六千円で取り引きされていた。五、六千円のときは町の業者がやっていた。デパートが扱うようになってはね上がったんだ、値段が。そこが問題なんだ。二倍にはね上がっておるのです。デパートというのは、さっき企業局長の話だけれど店を貸している。でマージンをとっておる。ところがお客はデパートそのものが売買していると、こうなる。でデパートが、たとえばオリンピック記念硬貨を二倍の相場をつければ、それにつれて他のコインも全部上がっておる。投機化の犯人はデパートだと、こういうふうになるわけです。しかも問題は、チラシ広告、それから新聞広告をはでにやっておる。買い入れてる。子供たちの話題になっているんだ、あの千円が。たいてい一枚、二枚持っていますね、クラスの話題になってる。幾らで買ってくれるぞというのだ、デパートで。買いにいくとこんなに高えぞ、これが話題になってる。そこで買い入れ、これが三月には一万二千円で買うというのだ。これが四月から五月にかけては一万七千円で買うというのだ。つまり一月足らずの間に買い入れ値がすでにもう五千円も上がっておる。売り値も当然上がっておりますね。で、ある子供が切手にかえようと思って親と一緒にこれを売りに行ったわけですよ。そうしたら、当然一万七千円で買ってくれると思っていますよ、デパートだから。町の業者じゃ信用もおけないけれども、デパートへ行って買ってくれると思ったら全然買わない。一万七千円で買うことなんかあり得ない。半額からよくて三分の二、どうしてかというと、これはプロに聞きましたら、デパートに買い入れ特設コーナーがあって、そこにいるのは鑑定人は全部業者、デパート全然関係ない。業者が鑑定するんですが、いろいろむずかしい理屈があるのですよ。指紋がついているとか、傷があるとか、けちをつけて、けちをつけて買いたたく。買いたたいて、結局この値段では買わないと、こうなるわけですよ。しかしこれを見ればどこにもそんなことは書いてないんだ。コインの状態により値段が違いますなんて書いてあればいいけれども、コイン持ってきたら一万七千円で買うように書いてある。これじゃ子供ががっかりするわけだ。しかし半面、子供が千円で持っていたものがデパートに行ったら一万何千円、十何倍で売れたというので投機の味覚えちゃう。コレクションからもう逸脱しちゃっている。こういうことをデパートが信用のもとにやっているわけですよ。どうです、政務次官、堂々とこれだけのチラシとこれだけの広告でやっている。子供の童心傷つけるななんて変な感傷的なことは言いませんがね。子供たちにこれいい影響を与えるとは思えない。町の業者ならともかく、デパートです。
○政府委員(河野洋平君) 野末委員御指摘のとおりだと思います。
○野末和彦君 そこで通産省にお聞きしたいのは、これやっぱり広告に間違いがあるんじゃないですか、これ、買い入れの。もうちょっと一万七千円で買うという、こんな堂々たる広告にちょっと間違いがあると思うんだ、ぼくは。これまあちょっと時間ないですからね、もうちょっと先に進ましてくださいよ、あとちょっとですから。そこで買い入れ値もかなり誇大である。目玉でもって客引きでもってかなりやっているということが一つですよ。このコインについては売り方が問題なんだ。これね、お客から買いたたくんだ。そしてみがいて習日は倍近い値段で売っているんだ。同じものがとは言いませんがね。買いたたいた値段の平均と売っている値段を比べると二倍近い。そうでしょう、通産省。
○説明員(荒尾保一君) お答え申し上げます。 コインの買い入れ値段とそれから販売価格でございますが、これは先生いま御指摘ございましたように、二倍程度、二倍に近いものもございます。それからまたコインの状態によりまして、三割増し程度のものもございます。いろいろ差があるようでございますが、高いものにつきましては二倍近いものがございます。
○野末和彦君 そこで、どうしてこうなるかといいますと、じゃあぼくのほうの調べたことをあとで通産省が肯定していただきゃけっこうですがね。デパートね、政務次官、買い入れるオリンピックの記念硬貨に関して言いますよ。買い入れた。それはデパートが買っているように見えますがね、買い入れたらすぐ業者に一割乗せて卸すんだよ。買い入れて一割乗せて卸す。ここでもうけているんだ、デパートは。しかも業者はそれをみがいて倍近い値段がつく。これを売った売り上げの二割から三割、これがデパートのマージンだ。買い入れて卸売りやってもうけている。それをまた業者に売らしてもうけている。場所貸しているだけで二重のもうけ、こういうことになるから必然的に値が高くなるわけでしょう。
○説明員(荒尾保一君) 御指摘のような仕入れのしかた、販売のしかたをやっている例がございます。
○野末和彦君 もうくわしいことやめますよ。またこれだけじゃない。デパートだけに関したって幾らでも話があるのですが、要するにさっきは絵画、それからいまはコイン、特に東京オリンピックの記念硬貨、こういうものを扱った場合に、デパートが広告面をもっと自粛しなきゃだめだと、まず第一に通産省に言いたいことは。客だますような広告しちゃだめだと、それから投機ブームにつけ込んで子供まで巻き込んじゃうようなそういうものを扱う、まあ切手はまだそこまでいっていませんが、守礼門の切手に関しちゃかなりの問題が出ているわけですよ、沖繩の守礼門。だから子供まで対象にする、デパートは一応十八歳未満からは買い入れませんよ。十八歳未満からは買い入れません。だって、こっちで十八歳未満に売っているんだからね、同じことなんです。だからこうやって子供を投機ブームに巻き込んじゃうと、こうやってやたらにかせいで、好決算がどうだと、こんなことはだめだって言うんですよ。どんどんこの問題も通産省は厳重に指導、警告を発していただきたいのですがね。 最後に、こういういいかげんな商法をやって、信用のもとにだ、もうけ過ぎているのですよ、デパートが。政務次官の所管じゃないけれども、こんなにもうけ過ぎたデパートに、どう考えたって私は社会的責任、企業モラルの上から反省があってしかるべきですよ。極端に言えばかなり不審な値段のものがまだほかに続々ある。どんどん出す、これから。そういうものをひっくるめてもうけ過ぎているから、この物価上昇のおりにデパートの値段少し下げるとか——下げると言っちゃ変だけれども、もうけを薄くするぐらいの配慮があってサービスするぐらいのことがなくちゃいかぬ。正々堂々売っていりゃまだいいけれども、陰でうろちょろ悪いようなことをして、ぼくが言えば、どうも反省してこれからはやらないようにしているようなことをデパート側も言っている。こんな商法やらしておったのはもってのほかで、どうですか、これはもうしろうと考えでいいですが、デパートのもうけ過ぎを何とかこれ吐き出させて、大衆のためにデパートが利益還元するような気持ちになれませんか。
○政府委員(河野洋平君) 文部政務次官としては少し荷の重い御質問かと思います。ただ一般的な私の感想を申し上げれば、確かに物価の問題が、ただ単に需給関係によって物価がきまるということではなくて、最近ではいわゆる商法の裏側に広告の問題その他いろいろな手段を講じて不当に高い値段をつけているということが、いま野末委員のいろいろな調査でもはっきりしておるわけでございまして、こうした問題については通産省を中心にして監督官庁がしっかりやっていただきたいということを、一般的な感想として私は持っております。また政務次官として私もその責任の一端を痛感する次第でございます。
○野末和彦君 もう時間ありません。週五日制のことと、それから教科書売り込みの問題と、これ、次の機会に譲りまして、きょうは、デパートが芸術を愚弄する、冒涜してもうけている、あるいは童心に関係のあるコイン、そのようなものを投機化してこれまたかなりもうけている、そういう事実を知っていただいて、もっと官庁が世俗的な、俗世間の動きにやはり関心を持って目を光らせてもらわなきゃ困ると、消費者の保護だの何だの言ったって結局は野放しじゃないかということをきょうは言いいたいんです。ひとつ文化庁も文部省も、それから通産省もこの点についてお願いしておきます。まあ消費者を守るためにひとつ現実に目を向けるということですね。どうもありがとうございました。
○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もないようですから、文部省の決算につきましてはこの程度といたします。 次回の委員会は来たる六日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会 —————・—————