決算委員会 第4号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1973/03/29
会議録
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月二日、青島幸男君が委員を諦任され、その補欠として喜屋武眞榮君が、三月十九日、竹内藤男君が委員を辞任され、その補欠として斎藤寿夫君が、また本日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として塚田大願君が選任されました。
○委員長(成瀬幡治君) 次に、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。 委員の異動に伴う理事の欠員一名及びただいま御報告の塚田大願君の委員異動による理事、計二名が欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行ないます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。 それでは理事に片山正英君及び塚田大願君を指名いたします。
○委員長(成瀬幡治君) 昭和四十五年度決算外二件を議題といたします。 本日は、運輸省関係、農林省関係及び厚生省関係の各省別審査とし、午前中は運輸省の審査を行ないますが、運輸省及び日本国有鉄道につきましては昨年九月十三日に概要説明及び決算検査の概要説明をすでに聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 運輸省関係の決算のうち、きょうは航空行政についてお尋ねをしたいと思います。 日本の国策会社であります日本航空が相次ぐ事故の頻発によりまして、一番大切な安全性について内外の信用を大きく失墜してまいりましたことは遺憾のきわみであります。大臣はかかる事態にかんがみ、日本航空に対して業務の改善の勧告をされたやに承ります。しかも二月末までにこの回答を求められておると、このように承知をいたしておりますが、日本航空の事故頻発の事態に対するこの際改善命令その他を含めて大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 昨年、日本航空が相次いで事故を起こしまして、これはまことに申しわけないと運輸省としても考えておる次第でございます。事故の起こりましたあとで運輸省といたしましては、日本航空に対しまして特別の検査をいたしまして、社内のあらゆる問題について点検をいたしたのでございますが、その結果も出ております。私は昨年の暮れに就任いたしまして以来、航空行政の問題といたしましては一番大切なことは何といっても安全確保の問題であるということ、これは言うまでもないことでございますけれども、そういう考えのもとに直ちに日本航空の社長を呼びまして、この問題についてこういう事故の続発したその事態にかんがみて、いま現に日本航空としてはどういう措置をとっておるのか、また今後どういう措置をとろうとしているのか、それを具体的に報告をしてもらいたいということを言明をいたしました。これはお尋ねにはございませんでしたが、これは単に日本航空だけの問題ではございませんで、他の航空会社についても同じような事情があると思いましたので、すぐあとで全日空、東亜国内航空の責任者を呼びまして同様な指示をいたしたのでございます。それぞれに報告を出してまいりました。 私はこの事故原因の調査につきましては、まだ現地において結論が出ていない問題もございますし あるいはモスクワのように調査報告も出ておるのもございます。それらの事故原因がどこにあったかということの技術的な究明は別といたしましても、とにかく現状におきまして日本航空が相次いでそういう事故を起こしましたということにつきましては、やはり単にそれが操縦者の非常な操縦ミスであるということだけでは片づけられない問題があると思います。でありますから、私は特に運航に関係のある乗務員についてはもちろんでございますけれども、ただ単に乗務員にしっかりやれ、安全を確保しろと言っただけではこの問題は解決しないと思います。もう少し具体的に申しますと、社内の運航に関連するあらゆる部門、これは整備の部門もございましょうし、人事管理の部門もあると思います。そういう関係の全部門が有機的に一体になって、そうして責任のある運航というものについてのそれぞれの部門における責任を果たしてもらうというような体制、つまり一言で申し上げますと、社内における管理体制というものが確立しないと、ばらばらになっておったんじゃこういう事故が起こってくるおそれがあるということを痛感いたしまして、先ほど申し上げたように社長に対してその旨を指示をしたのでございます。 それに対しまして日本航空からは報告がございました。その内容につきましては航空局長から詳細に御説明させますけれども、とにかく全体がそういう管理体制のもとに一致協力をして責任感を持ってといいますよりも、使命感を持って航空機の安全の確保をはかろうということを会社全体が考えてくれなければいけないということを指示しておりまして、日本航空におきましてもそれを受けて、それはまことにごもっともでそのとおりでございますということで、全社内そういう方向で引き締めまして、懸命になっていままで不備な点は改め、新しく取り入れるべき制度は取り入れまして、全社内一体となって安全確保をするような体制においていま整備をしつつあるものと考えておる次第でございまして、具体的に乗務員がどうするか、それから運航部門の組織をどう改正するかというような問題につきましては政府委員のほうから御説明をさしていただきます。
○政府委員(内村信行君) まず第一に、たび重なる航空事故がありまして、まことに日本のナショナルキャリアでございます日本航空がたび重なる事故を起こしましたことは、航空当局におります私といたしましてたいへん申しわけなく存じております。この席を拝借いたしまして深くおわびを申し上げます。 そこでいま大臣の申し上げましたことに若干補足さしていただきます。 まず第一にニューデリーの事故、次にボンベイの事故がございました。そうしてボンベイの事故の後に昨年の九月二十九日から十月の二十日までの間に乗員の訓練及び審査体制に対しまして立ち入り検査をする、それから機長に対する実地審査等を行なった結果、昨年の十一月の十三日付で勧告をいたしております。その内容は、まず規程願を順守する。たとえば特に航空機出発前のブリーフィングをしっかりやれということ。それから進入に際しては高度のコールアウト、これもしっかりと守らなければならない、規則に定められたとおりやりなさいということ。それから離着陸の基本操作についてきちんと守りなさい、これはいわば基本的なことでございますけれども、きめられた規定類はしっかり守っていただきたいということが第一点でございます。 それから、国際線の運航乗務員に対する技量をしっかり保持してもらいたい、特に着陸の場合の回数の増加、着陸経験の増加とか、あるいは路線を一つの線に限定して行なわせるとか、あまり方々の路線に同じパイロットを散らばせないというような方法で技量を保持してもらいたい。あるいは国際線運航乗務員の語学力、特に英語でございます。これは、管制が英語でやられておりますので、また、その英語も地方地方によっていろいろななまりのある英語が使われておりますので、そういう点も十分考慮をしながら的確に語学力というものを向上させていくべきであるというふうな、規定の整備等について勧告いたしております。 それから、その次に、そういうことをいたしておりましたわけでございますが、残念ながら再びまたモスクワ事故が起きたわけでございます。そこで私どもといたしましても、これに対してはさらに特別監査をいたすということをしたわけでございますが、どちらかと申しますと、先ほど申し上げましたようなことはいわゆる具体的な問題についての監査でございまして、先ほど大臣が言われましたとおり、やはり今度の監査の場合には若干角度を変えまして、全社的な一つの体制問題とか、そういうふうなところに着眼をいたしまして監査をいたした次第でございます。その結束、本年の二月一日付をもちまして勧告をいたしましたわけでございますが、これのおもな点は、会社が全社員に対して上から下に至るまで、末端に至るまで、いわゆる運送事業者としての責任意識をはっきり持つように、それを徹底さしてもらいたいということが一つ。それから、運航の安全のための指導管理体制、こういったものが、上の者が的確に現場の状況を把握する、それによって的確な指導をするというふうな管理体制をしっかりしてもらいたいということ。それから、各分野がございます。これは上のほうの問題、下のほうの問題、あるいは上下左右の問題、いろいろ各分野がございますが、こういったところの意思疎通というものを、特に信頼関係に基づいてこれをはっきり意思疎通がはかられるように、打てば響くというような体制をつくってほしいというふうなことを申し上げました。それから、良質な技術要員を確保する、あるいは適性の向上をはかる、こういったようなことについて改善をはかってもらいたいということ。それから、最後に事業規模の問題でございますけれども、事業規模の拡大に技術その他がマッチしなかったとは必ずしも申せませんけれども、しかし、安全の水準を確保するためにやはり今後の事業拡大については慎重に考える。むしろ控え目に安全サイドを十分とって考えてもらいたいというふうな勧告をいたしたわけでございます。 それに対しまして日本航空のほうからは、その一番目の勧告及び二番目の勧告、これをともにくるめまして、それに対する日本航空側の考え方が出てまいったわけでございます。ここにございます冊子のような非常に詳しいものを出してございます。それで、この冊子で十六ページぐらいにわたる詳細な改善対策でございます。 それのおもなものを申し上げますと、大体私どもの申し上げた勧告というふうなことについて、それに対する対応策が書いてございます。たとえば乗務員が乗務する路線及び機種については固定化をしてまいる、あるいは飛行前後のブリーフィングを徹底する。特に主任の機長というものも立ち合わせてブリーフィングを徹底させるよう、あるいは機長への昇格の問題あるいは型式の移行、つまり8からジャンボヘあるいは727から8へというふうな型式の移行の問題がございますが、その基準についても従来よりはきびしい基準をつくっていく。それから、総合監査室というものを設けまして、社内全体としてこれは安全監査については一本でいく。それで、ばらばらな縦の系統に分かれないで、一本でもって総合的な安全管制のための総合監査室というものをつくっていく。それから、運航部門についてその組織を改善する。あるいは乗務員、整備要員等の訓練を充実いたしまして、あらゆる機会にいわゆる単なる技量のみならず、全人格的な、一つの航空機の機長としてふさわしい責任感を持った全人格的な教育と訓練というものをやっていくというふうなことを申しております。それから、その他規定類の改善等についていろいろと述べております。 こういったような対策を講じまして事故の再発防止をはかっておるわけでございますが、運輸省といたしましては、このような対策が的確に遂行されるかどうかが問題でございます。そこで、この作文というものは私どもといたしましても、これならけっこうだと思っておりますが、要はこういう作文がほんとうに実行されるようにしてもらいたいということを願いつつ、勧告もし、また十分に日航のほうに対しましても話しまして、実行の確保ということを考えておる次第でございます。
○小谷守君 日航の事故続発の背景でありますが、これは一言で申し上げて経営の急速な拡大にもかかわらず安全運航の施策を欠いたことが、これが原因のすべてであると思います。 そこで、私は決算の側面から少し問題をえぐってみたいと思うのであります。日航法によりまして、日航の予算、決算につきましては、運輸省としては重要な監督の権限と義務があるわけであります。そこで一例でありますが、営業費と直接整備費と乗務員訓練費、この比率を年度別に調べてみますというと、営業費と直接整備費の比率は昭和四十年度が五・九の指数を示しておる。五・九%であります。ところが四十六年には何とこれが三・六%に落ち込んでおる。また乗務員訓練費と営業費全体との指数を見ますというと、昭和四十年度が四・五%である。これに対しまして四十六年度には三・五%と、これまた落ち込んでおる。あるいはまた、この点は会計検査院からも指摘をされておる点のように仄聞をしておりますが、売らんかなの宣伝費、この宣伝費の指数の推移というものを見ますと、昭和四十年を一〇〇としますならば、昭和四十六年度は三〇七というふうにこれは急増しておる、三倍を上回っておる。私はいま決算の側面から二、三の問題点をえぐり出してみましたが、その事実に相違ございませんか。もし相違ないとするならば、私はこの中にこそ事故頻発の原因がひそんでおる、こう申し上げても言い過ぎでないと思いますが、このようなことを放置されてこられた運輸省の監督上の責任というものはゆゆしい点があると思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(内村信行君) 確かに先生御指摘くださいましたように、営業費の中に占めるいわゆる訓練費、あるいは整備の比率ということは漸減しております。私どもこれは直接整備費と間接整備費と両方加えまして指数をとりましたので、若干比率が違いますが、ほぼ同様の傾向があらわれております。 御参考までに申し上げますと、昭和四十六年度の決算における営業費用が千七百九十三億円、このうち整備費が百六十五億円、訓練費が六十五億円、それから広報宣伝費、これは五十五億円、それぞれ営業費用に占める割合は九二一%、これは整備費の場合、それから訓練費が三・六%、それから広報宣伝費は、これはちょっと先生の御質問とちょっと違うかもしれませんが、三・一%、この割合は昭和四十年度におきましては整備費は一四・二%、訓練費が四・六%、それから広報宣伝費が三・九%でございます。確かに御指摘のように整備費及び訓練費については漸減の傾向にあることは確かでございます。そこでもう一方からいいまして、伸び率の上からまいりますと、昭和四十年度に対しまする昭和四十六年度の伸び率、これを対比いたしますと、営業費用は総合計で三・九倍になっております。それに対しまして整備費は二・五倍、訓練費は三・一倍、それから広報宣伝費は三・一倍、こういうふうになっております。したがいまして伸び率からみましてもやはり先生御指摘のように、営業費の伸びに比べて伸び方が少ないではないかということは数字のしで言えると存じます。 ただ、これは若干弁解がましくなりますけれども、事情を御説明いたしますと、整備費の比率が漸減しているというのは、主として整備方式の改善、これはたとえば部品等の作動状況を飛行中監視するという、いわゆる信頼性管理方式というものを導入しております。それからジャンボなんかのエンジンになってまいりますと、いわゆる全体のオーバーホールというのをやめまして、いわゆるモジュール形式になっておりまして各部分に分かれておりまして、その部分ごとに取りはずしていく、それからいわゆる熱くなっているホットの部分とクールな部分とについてその時間をかえるというふうなこと、これは世界各国で共通にやっておるわけでございますが、こういうふうな方式をとりましたために、あるいは発動機の信頼性が向上したというふうなことによって整備費が減っておるというふうなこともございます。 それから総体的な問題といたしましては、機材が大型化いたしましたために、減価償却費というものが相当多くなっております。それから運航管理費、これは着陸料を増額いたしましたり、あるいは航航援助費というふうなものを、特に増徴いたしましたり、新しく新設いたしました、四十六年度から。そういった関係から対比されるべき管理費全体が多くなっているというふうなことの結果、比率といたしましては、整備費の比率が減っておるというふうなことも言えるのではないかというふうに考えております。 それから乗員の訓練費でございますけれども、これは将来の運用計画に沿った長期的な訓練目標を一応設定してやっておるわけでございますけれども、それで訓練費はそれに見合ったものというふうに考えております。この減少の理由といたしましては、機材が大型化してまいりますと、一定の人員を運ぶために、比較的パイロットの人数というものが少なくて済むというふうなことかございます。それからさらにもう少し突っ込みますと、一人当たりのパイロットの訓練費か減っているのではないかというふうな御指摘もあるいはあろうかと思います。その点につきましては、特に機長あるいは剛操縦士、この場合には独立しての機上訓練が必要でございますが、フライトエンジニア及びセカンドオフィサーというふうなものは、それに便乗してまいりますればよろしいものでございますから、特にそのための費用は要らない、飛行機が飛ぶための費用は要らない、そういったようなことからフライトエンジニア、セカンドオフィサーの数は比較的ふえているわけでございますから、一人当たりにしてみますと、単価は減っているというようなこともございます。 私どもといたしましては個々的に見ましてこれならばだいじょうぶであるというふうなことでやってきたつもりではございます。安全就業を第一として考えてきたつもりではございますし、予算の認可の際に当たりましてもこれをむしろそういった人の血は増額しろというふうな指導をしたこともございます。ただ先生のおっしゃるように、私たちいま反省してみますと、やはり少し私たちの見方がミクロにすぎたのではないかというふうな気持ちもいたします。そのこと自体については十分見ているつもりでございますが、先ほど先生御指摘のように、一つの傾向としてマクロに取っつかまえて、それによりて判断をしてまいるというふうなこともこれは当然あわせ考慮しなければならないのでございまして、そういう点先ほどの監査もそういうふうな意味でしたわけでございますが、そういう点も十分あわせ考慮いたしまして、安全については万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 もう一つ申し上げましょう。整備にかけておる費用、これを世界の十位ぐらいまでにランクされる十社の平均では整備費は一二・一%、こういうふうに承知をいたします。パンアメリカンが一四・一%、日本航空は八・三%である、総整備費が、これは上位十社にランクされるものの中では最低である、こう言われておりますが、それに相違ございませんか。また従業員に対する整備関係人員の割合、これは世界十社の平均では二六%であるのに、日航の場合は二二・四%で、これまた最下位である、こういうふうに承知をいたしますが、それに間違いございませんか。それに相違ないとするならば、そういうことの中に大きな事故原因をはらんでおるのではないか、こういうふうに心配されますが、いかがですか。
○政府委員(内村信行君) 先ほど先生おっしゃいました八・何%という数字はたしかICAO統計上の数字かと思います。その点については間違いないと存じます。ただ、そのICAO統計の中におきましていろいろと外注部門をどうするかというふうなことが若干ございますので、多少の変化がございますかもしれませんが、大体において間違いはない傾向を、示していると思います。 それから後ほどの問題、私ちょっと手元に数字は持ち合わせておりませんが、おそらく先生の御指摘のとおりであろうかと存じます。そういう点におきましては確かに一つの問題点はございましょうかと思います。ただ、その整備費の点につきましては、人件費等につきましても相当外国とは違いますので、そういう点から若干の差は生ずることもあるかというふうに思っております。いずれにしましてもそういうふうな点も十分加味いたしまして、私どもといたしましてはこれからの安全については万全を期したいというふうに考えております。
○小谷守君 私は二、三の問題を提起しましたが、私は大臣の勧告にしろ、これに対する日航の回答、これも私は一々拝見しました。しかし、私はこの際の対策というものはつづり方のやりとりであってはならぬと思うのであります。具体的に何をするかです、何を手がけるか、これをやってもらわないと、国民は安心がまいらぬと思います。そこで、具体的にいま申し上げたような点が私は決算の側面から特に気がかりな点であるということを申し上げたわけでありますが、今後は日航の予算について重大な監査権を持っておられる運輸省としては、こういう点について姿勢を改めてもらわなきゃならぬ、このように考えますが、いかがでございます。 加えて、これは大臣に伺いますが、事故防止対策ということで、航空安全推進連絡会議から非常に貴重な献策がなされておる。具体的な献策がなされておる。これを大臣はどう評価しておられるか。いわばこれは現場の意見です。パイロット、管制官、こういう現場の皆さんの組織体である航空安全推進連絡会議が、安全対策はどうあるべきかということに対して具体的な献策をしておるわけです。これをどう評価しておられるか。こういう点をあわせて伺いたいと思うんです。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほども意見を申し上げましたが、事故発生以来、単なる文書のやりとりではいけないということは、もう仰せのとおりでございます。で、私は各社の社長に対して、呼びまして具体的に指示したんですが、あなた方いま報告をされておる、また、意見をつけ加えていろいろの報告をしておられるけれども、これは監督官庁である運輸省に対する約束でございますから、これはあなた方が全責任をもってこれを実行してもらいたい、これはきょう運輸大臣とあなた方との間で約束をいたしましょうということを申しておったのでございます。各社とも、そのとおりでございますということで引き受けて帰っておりました。私は、単なるこれは作文に終わっちゃいけないということは言うまでもございませんが、各社とも、いまそれに対しましてあらゆる努力をいたして、実行に取り組んでおるということを確信いたしておるのでございます。しかし、その後におきましても、実は私の手元には毎日のように、何かそういう、事故じゃございませんが、たとえば飛び出したけれども脚が引っ込まないとか、油が漏れたからとかいうような小さな事故がございました場合に一々報告がございます。毎日のようにございます。それを一々見ておりますと、相当の数があったのでございまして、私はさらに、これは整備体制か整ってないんじゃないかということで文書をもって各社に示達をいたしまして、整備体制をもっと強化してそういう異常運航かないようにあらゆる努力をしなさいということを文書でもって、示達いたしております。その結果とも言えないかもしれませんが、最近におきましてはそういう異常運航が非常に減りました。非常に減りましたことは事実でございまして、私どもは責任官庁といたしまして、先ほどお話しのように、単なる字句のやりとりではなしに、実行しなきゃならぬ、また、実行し得る事項といたしまして厳重になお監督をしていきますし、各社にも厳重にそれを守ってもらうように今後とも努力をしなきゃならぬと思っております。 それから後段でお述べになりました事故対策についての研究会の御意見、これは報告は抽象的でございますが聞いております。のみならず、実はああいう事故がありまして以来世論がわきまして、各方面から、いろいろの献策といいますか献言といいますか、御意見が寄せられておることは事実でございます。そういったものは、私は、関係当局−私は技術者てこざいませんので技術的なことはよくわかりませんが、しかし、そういったことにつきましては、航空局にはそういう専門の技術者がたくさんおりますから、そういうところに移しまして、そういった問題については謙虚にそれを受けとめて、採用すべきものがあれば、またいままでのやり方に欠陥があるとすれば、これはもう実行し得るものからどんどん実行してほしいということを関係当局に伝えておるのでございまして、今後とも、これは単に航空局だけが独善的に走るのじゃありません、関係者が打って一丸になりましてあらゆる方法を探索いたしまして、とにかく、究極的には人身の安全、安全航航ということに対しまして最大限の努力をしていくつもりで取り組んでおるのでございます。具体的なことにつきましては政府委員から補足して御説明をいたします。
○小谷守君 時間がありませんので少し急ぎますが、航空安全推進連絡会議から具体的な献策をしておる。以下は航空局長に伺いますが、その中で特に重要な点は、エンジンのEHM方式を改めてオーバーホール方式を義務づける。二つ目は、キャリー・オーバーの適用を厳格にして基地空港でのキャリー・オーバーを禁止せよ。三つ目に、労使関係の問題であります。安全に直結する問題が労使の力関係にゆだねられておるという現状はいけない、ということを指摘しております。伺いますと、日航における労使関係というのは非常に異常である、うまくいってない。不当労働行為はどんどん行なわれておる。安全対策の問題について組合が意見を具申しても取り上げられない。そういうことがあるとすぐ何か報復をされる。想像のできぬようなことが行なわれておるというふうに聞くわけであります。そういうことを含めて、この安全推進連絡会議が提起した問題について、総括的にどうお考えになっておるか、簡単でよろしいから。
○政府委員(内村信行君) 安全推進連絡会議の方々とは私ども直接お目にかかって御意見承りました。全般的に申しますと、先ほど大臣から申し上げましたとおり、率直に受け入れるものは受け入れるということがまず全般的な態度でございます。 まず一つ、キャリー・オーバーの問題でございますが、これは、キャリー・オーバーの規程がございまして、いろいろ、キャリー・オーバーにつきましても安全性に関係のあるもの、それから、ただ、その塗料がはげておるからそれを塗らなきゃならぬと、そういうふうな安全性に関係のないもの——これは極端な言い方てこざいますか、そういったものに分かれております。こういったものについてはキャリー・オーバーしてよろしいという規程がございます。さらに、その場合でも、機長の判断によってキャリー・オーバーすべきではないと判断した場合にはキャリー・オーバーしないということを機長の権限によってできるたてまえになっております。従来におきましては、そういったことがあるいは実行上あいまいになっておったかもしれませんが、そういったことを厳密に守るということをやるようにということは強く申しております。 それからもう一つのメンテナンス方式の問題。これはいわゆるEHM——エンジン・ヘビー・メンテナンスと申しておりますけれども、これは、エンジンの整備の方式は、以前は、一定の時間に達したエンジンは全体を分解整備する、いわゆるオーバーホール方式をとっておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、エンジンの構造というものが変わってまいりましてモジュール方式になってまいりました。したがいまして、その全体をはずしてオーバーホールするのでなくして、むしろ、その一部一部について一定の時間がたったらばそれを取りはずして分解して手入れするというふうな方式なり、あるいはクールな部分とホットな部分とを分けて考えるというふうなことをいたしました。したがって、その中でも特に運航当時にその実績を十分に計器ないしコンピューターによりましてモニタリングいたしまして、少しでも異常があった場合にはすぐ取りかえるというふうなシステムとして、これはもう日本だけではなく、世界じゅうで新しく採用され、より安全な方式として採用されている方式でございます。したがいまして、このエンジンよりEHM自体、これが必ずしも悪いとは申せないと思います。ただ問題は、いわゆるジャンボではないいままでのDC8のエンジン、これについてはそういうふうなモジュール方式になってない。にもかかわらず、それについてのやり方がどうかというふうな問題も提起されました。これにつきましては、その問題はもう少し技術的に検討すべきだというふうなことを指示してございます。 それから次に労使の問題でございます。労使の問題は私どもも、これ先生もうすでに御承知のように、日航の組合というものは非常に多くの組合からなっております。運航乗務員の組合が二つあり、地上の組合が二つあり、あるいはそのほかに客室乗務員の組合があるというふうに分かれておりまして、それぞれ一致するところもあり、一致しないところもあるというふうなことでございます。で、いろいろな紛争がございまして、労働委員会にも提訴し、あるいは裁判にも提訴し、最高裁までいっているというふうなことか何件かございます。しかし、これは先般の事故を契機といたしますと申しますか、私どもかねがね労使関係というものが安定していないということは航空会社では最もいけないことである、事故にもつながったらたいへんであるということから、常にその労使の安定というものは要求しておったわけでございますが、先般会社のほうといたしましても、そういったあらゆる全部の訴訟を取り下げまして、これを機会に労使の関係を安定さしてもらいたいというふうに言っております。先ほどその勧告の中で申し上げました、特に上下の関係、上部は下の、現場の意向を的確に把握して指導するとか、あるいは上下左右の信頼関係を持って行なうとかというふうなことは、特にその点を私どもといたしましては指摘したつもりでございます。いわば若干なりともパイプの詰まっていたというふうな感じが私どもございました。それはたとえば整備とそれから運航の場合もございまして、これも安全推進会議からの提案がございましたけれども、たとえば五分か三分か忘れましたが、出発時刻が五分か三分遅延した場合には必ずその報告をするというふうなことが義務づけられておるわけでございます。しかし、これは本来少しでも異常があった場合には、それを的確に把握してメンテナンスをよくしようという趣旨から定められたもので、決してその趣旨自体は悪くないと、こう思うわけでございますが、一方に現実に行なわれますとそういうふうなことがあるものですから、片一方のほうとしては、もうそんなうるさいことは言わぬで出てくれというふうなことが実情になっておるというふうな話も承りました。したがいまして、こういった点は制度としてはよくてもその現実が必ずしも目的どおりいってないという場合には、それに対してまた再検討し、相互のそれこそ信頼、関係に基づいてそういった問題を安全サイドに立って解決していくということが必要だと思います。そういう点についても私どもとしては強く指示しております。いずれにいたしましても労使関係というものが労使関係、あるいは縦横、横相互の関係、これら信頼関係に基づいてほんとうに一体として航空事業をやっていくことが必要であると思っておりますので、その点も会社に対しては強く、要請しておりますし、また今後もそういうふうに監督してまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 大臣、簡潔に伺いたいんですが、二つ伺います。 日航の病根は深いと思うんです。この際、首脳部の人事を更迭して気分を一新する必要がある、内外に。これだけ大きな事故を頻発さしておいて社長が居すわっておるなんということ自体か異常ではありませんか。その点についてはどういうお考えですか。 二つ目。いま太平洋線の値上げ申請をしておるやに伺います。詳しいことは省略しますが、ドルの切り下げで、円の変動相場制移行によってドル建て運賃は上がっても、それ以上に切り上がっておる円建て運賃は下がるはずである。国民は安い旅行を期待しておるのです。ところが国際航空運送協会の運賃協定で円の実質的切り上げを無視した形で四%の円建ての値上げを申請しておるようであります。本来航空運賃は、コストに適正利潤を加えたものが運賃として乗客の利用に供すべきものである。これは航空法百五条二項の定めるところであります。新聞の報道によりますというと、この協定によってコスト上昇の激しい米国航空会社の圧力でこういうことがきめられつつある、進行しておるというふうに伝えられておるのでありますが、このような国際的便乗値上げに日航が悪乗りをしてこれを運輸省が認可するというふうなことは、これは国策会社に不当利得を容認することになり、利用者に不利益を与える。こういうことは航空法百五条の運賃の認可についての規定の違反ではないか。また国際協定だから独禁法の適用除外になっているとは言え、航空法百十一条の乱用にならないか、こういう懸念を持ちますが、簡潔に大臣のお答えを願います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 二つの問題についてお答え申し上げますが、前段の日航の首脳部の人事の問題でございますが、これはもう昨年あの事故が起こりましてから、内外にそういう人事問題で責任をとれという声が起こっておることは事実でございます。これは日航ももちろん私は首脳部のみならず関係者が大いに責任を感じなければならぬ問題だと思います。私ども運輸省におきましても監督責任があると思っております。ただ、この問題を処理いたしますのは——私は就任以来こういうことを申しておるのです。それは、ああいう非常に最近にない大きな事故を起こしたのでございますから、国民の側から見ますと、航空機に乗ることが非常に不安である、何とかして早く安全性を取り戻してもらいたいというのが一番のこれは願いであり、それがわれわれとしては人のいかんにかかわらず、これはどうしても早急にやってもらわにゃ困る問題であることは言うまでもございません。でございますから、衆議院の委員会におきましても、その問題についても御質問がございましたが、私は責任は責任でございます。責任はないとはもちろん言わせません。私どももこれは責任がございます。 しかしいま当面一番急いでおることは、何とかして先ほどからいろいろ御指摘になりましたような諸点につきまして、もしも安全体制が確立されてないとすると、またこの事故につながるようなことがあるかもしれない。そういったことを絶対になくするように安全体制を整備するのが今日の急務でございますから、人事の問題につきましては、これは時期方法の問題があると思います。それについては考慮をいたしますけれども、とにかく現在はいまの首脳部の手で少なくとも安全体制を、もう絶対にゆるぎのない安全体制を確立することがあなた方の責務であり、それが当然国民に対するああいう事故を起こしたことに対する償いでもあるのだ、だからそれにもう最大限の努力をしてほしいということを申しておるのでございます。衆議院におきましても同様のお答えを申し上げたような次第であります。いまその安全体制確立のために事態は進行しておる、私は積極的に進行しておると思います。でございますから、この人事の問題につきましてはしばらく白紙の状態において、いま安全体制確立のために社内全体が総力をあげて努力をするという方向で進んでおるということにつきまして私はその状態を見守っておるということでございます。 それからあとの問題につきましてはこれは非常に技術的な沿革、また沿革的な問題もございますので、足りないところは政府委員から補足させますが……。
○小谷守君 認めるか、認めぬかだけでいいです。
○国務大臣(新谷寅三郎君) IATAの問題だと思います。これは報告を受けました。IATAの会議において、従来ともそういう方向で国際為替相場の変動がありました場合にはいまとりましたような方法をとるのが例だったようでございます。今度の問題につきましては日航が参加いたしまして、聞くところによりますと日航も——変動以外の値上げの問題が含んでおるようでございます。IATAの会議におきましては日航もこの結論に対しては反対したようでございます。日航自身も反対したようでございます。私の手元にはまだ運賃の改定の申請が出されておりません。いまお述べになりました御趣旨は私もよく理解ができます。でございますから、申請が出ました場合におきましても十分にそれは申請者から事情を聞き、事態を究明いたしますけれども、ただいまのところ結論を申し上げるのは早うございますけれども、その問題につきましては私もお話しになりましたような方向で処理するのが妥当ではないかと考えておるのでございまして、結論はしばらく留保さしていただきますが、方向といたしましては先生のおっしゃった方向で考えるのが至当ではないかと私も思っておりますことをこの際に申し上げておきます。
○小谷守君 昨年の九月、国民待望の日中国交回復が実現したわけであります。田中総理が御苦労になりました。またそれに先立って社会党からは佐々木元委員長、公明党からも竹入委員長が北京に御苦労になりました。加えて与党自民党からは小坂訪中団、大型のミッションが組織されて北京においでになった。たいへん御苦労であったと思うんであります。こういう基礎づくりの上に、こういう御苦労の上に田中総理の、また大平外相の御苦労が実った、このように評価をしたいと思うのでありますが、そこでこのような超党派的な御苦労を評価しながら以下申し上げることは少し耳の痛い問題だと思うのであります。小坂訪中団と田中総理御一行はいずれも日本航空DC8機をチャーターして北京に直行された。このチャーター料金を幾らにするかということはすべて運輸省の認可事項であると承知をしております。いまこのチャーター料金をめぐって黒いうわさが流れておる。この際私は、これらの疑点について解明を求めたいと思うんであります。 まず伺いたいのでありますが、九月十四日に東京から上海経由北京に行かれ、九月二十日北京から上海経由東京にお帰りになった小坂ミッションのDC8チャーター料は百四十万として認可をし、九月二十五日に東京を出発し、北京に直行し、九月三十日上海から東京に帰られた田中総理一行のDC8チャーター料金は七百七十二万二千八百円であったと承知をいたしますが、その数字に相違はございませんか。
○政府委員(内村信行君) 相違ございません。
○小谷守君 わずか半月ほどのでき事です。しかも同じDC8を使ってなぜこのようなへんぱな料金を認可されたか。あなた方のこういう料金を認可されるについての基準、ものさし、根拠、これをはっきりしてもらいたい。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 実は私も小坂訪中団の一員として最初の飛行機に乗っておりまして往復した一人でございますが、こういう事情があるということは全然知りませんでした。その当時の事情につきまして私は詳細は承知しておりませんでしたが、御質疑があるということで調べてみましたところ、御承知のように、航空のこういうふうな料金というものは、やはりこれは最終的には運輸大臣の認可にかかっておる問題でございますけれども、この問題について運輸省側から特に日本航空に対しましてこういう運賃にしなさいという指示をしたことではございませんで、日本航空のほうからの申請によりましてそれで理由をよく聞いて妥当であるということで認可したものと考えられるのでございます。 なぜそういうふうに違ったかということでございますけれども、これはその当時の書類等を見てみますると、大体こういうことじゃないかと考えます。非常に第一回の訪中団のときには、いま局長が申しましたように安うございました。これは内容的にいいますとほとんどいわゆるランニングコストといいますか、直接費といいますか、それを満たしておる程度のもののようでございます。なぜそういった運賃の認可申請をしたか、これはその当時いろいろ航空会社からは説明があったかもしれませんが、書類によって判断いたしますと、これは非常に特別の料金設定でございまして、結局日本航空といたしましては日中国交正常化というような画期的な仕事である。したがいましてそういう事柄に対しましては日本航空としても最大限、これは考慮すべきであるというような認識を持っておったことがあげられます。それからなおお話のようにすぐ数日置きまして田中総理の訪中というのがきまっておりまして、いわばこれは日本航空がそういう先の航空路線というようなものも考えまして中国に初めて航空路を開いていくわけでございますから、そういう航空路線にやはりなれないと万一のことがあっちゃいけないということで、その路線になじむ必要があるというような判断がありまして、それによりましてそれ以後の田中総理の訪中の場合におきましてもプラスになるように習熟をしたいというようなことが考えられたようでございました。これは日本航空の希望によりましてそういうような点を十分考えた上で最小限度の運賃としての認可申請をしたものと考えるのでございまして、運輸省といたしましてはこういう特別の事情があるということを聞きまして、申請した運賃に対して認可を与えたというような事情であったと聞いております。
○小谷守君 大臣の御答弁でありますが、納得いたしかねます。日中国交回復はお説のとおり、国家的な行事でありますから、そのために日航がディスカウントしたということであるならば、一番大切な田中総理の訪中団に対してこそ最大のディスカウントをすべきものであります。私がいま伺ったのは、運輸省が認可するについて、どういうものさしでやっておるかということを伺っておる。あなた方のものさしは狂っておるのではないか。半月の間に二つのDC8が北京に行った。運航距離にしましても小坂さんのほうがはるかに多いのです。田中さんのほうは短いのです、マイル数にしても。搭乗人員も田中さんの場合は三十六名、小坂さんの場合は五十四名、しかも片一方は百四十万で片一方は七百七十万。あなたの御答弁で国民納得しますか。認可のものさしが狂っておるのではないか。田中さんが行かれる場合はもちろん政府が払う、国費で払うわけでありますが、これは国民の税金です。十日前に百四十万で行けたものがなぜ国費で七百七十万を払わなければならぬのですか。申請があったからめくら判を押したというふうなことで済みますか、あなた方の認可権というものは。そんなことで国民は納得しますか。まてよ、ついこの間のあれは百四十万だと、今度七百七十万も国費で払うなんというふうなことは、これはたいへんだというふうに直感されるのがあなた方の任務ではありませんか。大臣の陳弁がありましたけれども、了承いたしかねる。なおこのことについては日航内部からも再三私どものほうに投書もきておる、訴えもある。 真相と伝えられるものは、政府、政党から日航に対してたいへんな圧力がかかった。その中に、間もなく田中総理が行くんだから、それは基準どおりの運賃で払うんだ、また航空会社にとってはよだれが出るほど希望する北京ルートもやがて開設されるであろう、その際には日航が最優先するだろう、その労をとろうではないか、いまそれをめざして一回でも二回でも実績をつくることは、決して損にならぬことだと、何とかまけろという話で百四十万になったというのが真相として伝えられておる。とするならば、あなた方の運輸省の認可権というものは、一体何ですか。何の権威がありますか。もう一度これらの点について御解明を願、いたいと思う。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほど申し上げましたように、この問題につきましては、運輸省から運賃をこういうふうにディスカウントをしろというようなことを指示したことは全然ないということでございます。この点は、政府からそういうふうな特別運賃を設定しろというふうなことを指示したということはないというふうに御了解いただきたいと思うのであります。 それから、そんならば、なぜその非常にディスカウントした運賃を認可したんだと、こういうことになると思いますが、先ほど御説明いたしましたように、これはランニングコストをもとにした運賃のようでございますけれども、これにつきましては、日本航空が今度のこの訪中団を運ぶということについては、これは国家的な、非常に国家的といいますよりも国民的なほんとうに大きな事業であるから、これに対しては日航としても最大限の協力をすべきであるというようなことを考えたようでございますし、それから運航方面におきましても、先ほども御説明いたしましたが、やはりそういった新しい航空路につきましては、やはり通ります路線について習熟する必要があるわけでございまして、いろいろの場合を考えて、この路線になれるというようなことを考えまして、これもしかし、全然料金を取らぬというわけにもいかないでしょう。それで最小限度の料金でチャーター便を実施したということだと私は了解しておるということを、先ほども申し上げたんでございますが、それについて、特に非常な圧力をかけてこれを安くさしたんだというような事実は、運輸省としては全然関知をしていないのでございまして、認可の申請がありました料金が適正であるかどうか、一体料金の算出の基準は一体何だと、こういうふうなお尋ねもございましたが、これはそういうふうな意味で一般の太平洋運賃とか大西洋運賃とかいうようなものでコスト計算をして出されたものではございません。したがいまして運輸省といたしましては日本航空のそういう考え方に対しまして、そういう状況であればこの運賃を認可しようということで認可したものだというふうに私は了解しておるのでございます。
○小谷守君 チャーター料金の積算については基準があるわけなんです。小坂ミッションが使われたDC862型機、これについては千六百五十円の単価に三千七百四十六マイルをかけたもの、それから迎えに行くときの空輸料金、これは九百円に同様マイルをかけたもの、この総額は九百五十五万二千三百円になっておるわけです。そういうものさしがあるわけなんです。ものさしが。これがディスカウントといいましても、大臣、九百幾らのものを百四十、そんなことは、これはディスカウントでも何でもない、世間の常識からいって。国家的行事ということを盛んに言われますけれども、それなら田中さんが行くときも最大の行事、これにはあたりまえの料金をとって、相手は日の丸だ。小坂ミッションについてはこれだけのことをした、国民だれが納得しますか。これは大臣とは意見が違うようでありますから、これはあらためてこの委員会の最終締めくくりの総括において田中総理に伺うことにいたしますが、反省はありませんか。大臣はそのときの所管の大臣ではありません。しかし小坂ミッションの一員としておいでになったということであるならば、あと味が悪いなあと、まともな料金払っときゃよかったと、御反省はありませんか。 加えて、この問題に関連して、自治省選挙部長がおいでになっておるようでありますから伺いますが、日航は昭和四十七年十二月現在で約四六・二%の政府の出資をしております。公職選挙法第百九十九条三項では、国から資本金の一部の出資を受けておる法人、これは寄付をしてはならぬという条項があります。また、政治資金規正法第二十二条には、政党、協会その他の団体は、いま申し上げたような、法人から寄付を受けてはならぬということになっておる。日航は、まさにこの規制の対象になる会社であります。現金を渡したわけではありませんけれども、これだけ法外な便益の供与、利益の供与をしたということになれば、私は、これらの法律の趣旨に抵触するのではないか、こういう気がいたしますが、自治省の御見解はいかがでございますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) きわめて率直に反省しないかと、こういう御意見でございますが、当時の実情を私はよく存じませんけれども、こういった問題につきましては、やはり今後とも、私は、もっと慎重に配慮して行なったほうがいいという気はいたします。ただ、しかし先ほども申し上げましたように、運輸省に関しましては、仰せになりましたように、どういう認可運賃、どういう運賃にしろとか、そういったことを監督官庁として指示したようなことは全然ございませんで、その点は、運輸省の立場というものも、とった政策というもの、とった措置につきましても御信頼をいただいてけっこうでございます。出てまいりました運賃に対しまして申請者の意見をよく聞いて、その上に立ってそういうことならこういう運賃を認可しようという手続をしただけでございまして、非常に異例の運賃でございますから、そういう措置もまたその当時は考え得る措置であったと考えますので、先ほど来答弁をしたような次第でございますが、今後につきましては十分私も、こういった問題はなかなか起きないと思いますけれども、起きました場合には慎重を期したいと考えます。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、日本航空は政府から出資されている会社でございますから、公選法百九十九条第三項及び政治資金規正法第二十二条第一項に該当する会社でございます。ただその場合に、両規定とも同様でございますが、これらの政府から出資を受けております会社は、選挙に関し寄付してはならぬと、あるいは受けてはならぬと、こういうかのような制限規定が現行法でございまして、ただいま御指摘のような事実が選挙に関する寄付であるかどうか、こういうことに法律的にはなってまいるわけでございます。この点につきましては、私たちもこの御質問があるということを伺ってから聞いたことでございますので、いろいろの考え方はあると思いますが、ただいまの段階ではこの問題につきまして、ただ選挙に関する一まあ、選挙に関するというものの言い方は、従来の裁判その他の解釈によりまして、選挙に関するとは、選挙に際し、選挙に関することを動機としてなされたことだ、これが選挙に関するということばの意味である、これは確立した裁判の場合におきましてもそういう解釈をとっておりますので、それに該当するかどうかということになりますと、なお慎重にいろいろ検討してみる必要がある、かように存ずるわけでございます。 なお、それからもう一つ、寄付の中身といたしまして、かようなといいますか、通常の料金より割引をしたと、それが寄付になるかどうかということにつきましてもいろいろの考え方がございますが、従来の公職選挙法その他の考え方では、そういう場合もまけてやるという意思、援助するという意味でまけてやると、それを知ってもらうという場合にはそれに該当する、かような解釈がとられていることを付言したいと思います。
○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もないようでございますから、運輸省の決算につきましてはこの程度といたします。 午後の部は零時五十分から再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後零時五十四分開会 〔理事小谷守君委員長席に着く〕
○理事(小谷守君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和四十五年度決算外二件を議題とし、農林省とそれに関係する農林漁業金融公庫の決算について審査を行ないます。 この際おはかりします。 議事の都合により、これから決算の概要説明及び決算検査の概要説明はいずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小谷守君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○黒柳明君 きょうは私、ゴルフ場の造成、のあり方、これはもう当然田中内閣の大きな柱であります土地政策の問題ないしは公害、自然を保護すると、こういうふうな立場から、連日連夜やっぱりマスコミをにぎわしてる問題であります、このゴルフ場の問題というのは。そういう観点から私は質問をしていきたいと思うんですが、まず建設省のほうに、既成のゴルフ場の数、その面積、それから造成中のゴルフ場の件数、その面積、それから用地の買収または計画中のものの件数、その面積、これについてまず御報告いただきたいと思います。
○政府委員(山岡一男君) ただいま手元に資料を持っておりませんので、至急取り寄せて御報告いたします。
○黒柳明君 いただいた資料あります。合計しますと、既成のゴルフ場が六百八十一カ所、六万一千四百二十七ヘクタール、それから造成中のもの、これが二百十四カ所、二万五千九百十三ヘクタール、それから用地買収中または計画中のものが四百九十四カ所、合計が五万八千六百十四ヘクタール。これ合計しますと十四万ヘクタール、まあ東京都の面積に匹敵するぐらい、やや少ないぐらいのゴルフ場が昭和五十一年あるいは近年中にできる予定になると。非常にこれは膨大な面積であります。これはもうすでに新聞等でこのゴルフ場の実態というものは明らかになっているわけでありますが、そこで私がまず指摘したいのは、このゴルフ場の建設に当たって、要するになかなか規制ができないわけです。ただ国として、政府としまして規制のできる面、法的に——これは私言うまでもなく、自然公園法、あるいは保安林を確保している森林法、あるいは農地転用、それによって許可するかしないかと、こういう問題。造成、建設されるゴルフ場を規制する面というのは非常に数が少ないわけであります。ですから、規制がないからどんどんどんどん造成され、建設されてしまう、こういうことであります。 そこで私、そのいろいろな面からこの問題を取り上げたいのですが、まず初めにその一つである自然公園法、この観点から環境庁長官にまず御意見をお伺いしたいと思うのですが、自然公園法に基づいてまず政府委員から国立公園内の中に何カ所いまゴルフ場があるか、それから、国定公園の中に何カ所許可したゴルフ場があるか、この数から。
○政府委員(首尾木一君) 国立公園内につきましては十九カ所のものが認可されております。 それから、国定公園でございますが、これにつきましては都道府県においてそれをやっておりまして、私どものほうで全数をいま把握いたしておりませんので、最近これについての報告を求めておるところでございますので、ただいま手元に全数について報告申し上げる資料がございませんので御了承願います。
○黒柳明君 環境庁長官の権限の中にある国立公園だけでも十九カ所ゴルフ場がすでに認可されているわけです。さらに国定公園——県知事の認可範囲にある中では、これは相当あることは、これは間違いありません。すでにこういうものは既成の事実としてあるわけですけれども、今後の問題として環境庁長官がこの自然保護についてどのようなお考えを持っていらっしゃるか。まずその自然保護に対してどのような考えを持っているかということを前提にして、今後この自然公園法に基づくゴルフ場の認可、許可、こういう問題についてはどうあるべきか、これについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 自然の環境を保護しなければならぬという国民の要請というものが非常に強くなってきておる。それは、至るところに乱開発なども行なわれて、この状態が続けば、自然環境は破壊されるのではないかという懸念を持ってきておるからであります。そういう意味において、国立公園とか国定公園の持っておる役割りというものは、たいへんに重要な役割りがあります。国立公園におきましては、私は、黒柳委員、こう思っているのですよ、認めない、ゴルフ場を、国立公国の中には。ゴルフ場というものは、いま言ったように、十九カ所ですかあるわけですから。そうして、これから建設しますゴルフ場の建設のときに、そのときには、これはまたいろいろな自然破壊というものを伴いますから、今後の新しいゴルフ場というものは、国立公園の中に認めない方針でいきたい。まあ、国定公園の場合は、これはやっぱり県との関係もございますから、私がここでいろいろ検討をいたしてみたい。しかし、国立の公園はそういう方針で臨みたいと考えております。
○黒柳明君 現在ある国立公園の中に十九カ所のゴルフ場がある。これはいま長官の御答弁ですと、今後一切国立公園の中にゴルフ場をつくることは認めない、もう当然だと思いますね。それじゃ、いまあるゴルフ場、これは許可しちゃったのだから、こう言えばそれまでですよ。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 しかし、まあ長官もあるいは箱根に登られるが、箱根の山から見ますと、箱根だけで六カ所ある。ゴルフ場のための箱根山みたいですよ。あそこに来る車の台数、あの観光地としていろんな車来るでしょう。しかしながら、ゴルフ場のために来る車の台数、どのぐらいになるだろうかと、ものすごい数です。このことについては、もうすでに既成のものですから、いまある実害についてはどうするか、こういうことも私追っかけて聞いてみたいと思うんです、いまの実害。十九カ所国立公園の中にすでにゴルフ場が、ゴルフ場をつくること自体が自然破壊になる。ですから、今後は認めない、私は当然の姿勢だと思います。ならば、国定公園、国立公園の中にある現在もう認めちゃたためにある実害については、これはどうするのか、認めたらしようがないのか、何か手を打たなければならないのか、どうでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) これからのゴルフ場については、明白なお答えをしたわけですが、いま現にあって——ゴルフもこのころは非常に大衆化されておる面もありまして、現にあるゴルフ場を、私はここでやめてしまうのだという御答弁は、それはできない。これはいろいろ環境破壊というもの、それがいま言ったように自動車が、ゴルフ場のために非常な交通量が増して、そういうことからくるいろんな自然環境の破壊というものもあるかもしれません。こういう点については、よくやはり検討を加えてみたいと思いますが、この既成のゴルフ場まで私がいまここでどうするということを言うためには、いろいろともっとやはり検討を加える必要がある。新規のことだけは私の考え方を明らかにいたした次第でございます。
○黒柳明君 そうしますと、結局自然公園法の中にあるゴルフ場は削除すると、こういう考えだと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(首尾木一君) 現在は御案内のように、国立公園事業という形で、政令の中でゴルフ場がそれの一つのカテゴリーになっておるわけでございますが、これを制度としまして、公園計画の中から今後はずすかどうかという問題につきましては、ただいま長官のほうから、今後一切そういうゴルフ場を公園事業として認可しないという方針でございますので、制度としてこの問題をどうするかということにつきましては、今後検討をさしていただきたい、かように考えております。
○黒柳明君 まあ、今後検討ということから、いまここで即答せよとは言いかねますけれどもね。だって認めないんだから、認めなきゃそんなゴルフ場を公園事業の中に入れる必要ないという、結果として出てくるんじゃないですか。まあ検討するなら、既成のものは十九カ所ありますから、それについても何らかの手を打つ必要があるでしょう。私はもう常識的に、長官が認めないというなら、ゴルフ場は公園事業の中からはずすと、これがあたりまえじゃないかと、こう思います。 それから農林大臣ですね、そうなりますと、国立公園の中にすでに既成のゴルフ場があるのですから、当然、そこで林野庁からいただいた資料を見ますと、国有林野の払い下げが相当あるのですね。今後これについても、今後は払い下げないんですから、これはもう国立公園の中にはつくらないんですから払い下げもしない。まあ、これ念のためです。つくらないんだから払い下げしないということで間違いないでしょう。そういうことになりますね、よろしゅうございますね。
○国務大臣(櫻内義雄君) 環境庁長官の御方針に基づけば、当然そういうことになります。
○黒柳明君 そこで私は、長官のほうの場合には、環境庁の立場ではある程度前向きな姿勢が出ればそれで相当今後の造成あるいは買収中の計画はストップされますからね、ある意味ではけっこうだと思うのです。十九カ所でストップされる。ところが農林省の関係の国立、国定公園内に国有林野を払い下げた問題は、これは今後の姿勢が出たからいいというわけにいかないんです。私はこれは個々にあげますと、きょうは時間の制限があります。まだ盛りだくさんにいろんな問題点がありますので、これは詰めませんけれども、こういうことなんです。あまりにも払い下げが安過ぎるということですよ。大臣のほうも、あるいは私いただいた資料、お目をお通しかと思いますけれどもね。 玄海ゴルフ場、十年前、三十九年の十一月二十七日の払い下げだからと、こういう条件も私は加味しないわけじゃありません、土地はどんどん高騰、上がっていますから。しかし十九万二千六百十六平方メートルで価格が九百六十五万円、一平方メートル当たり五十円ぐらい。坪当たり百五十円。それから今度は古賀ゴルフ。これは若干高いですね。一平方メートル当たり八百円、十一万二千三百四平方メートル、九千二百四十万円、坪当たり二千四百円ぐらい。それから芥屋ゴルフ、これは全部みんな福岡県ですけれども、七十三万六千五百五十八平方メートル、値段が二千六百八十三万九千円、一平方メートル当たり三十六円、坪当たり百十円。同じく芥屋ゴルフのもう一画は十五万三千百七十三平方メートル、売り渡し金額が三千七百三十八万円、一平方メートル当たり二百四十円、一坪当たり七百二十円です。 非常にこれ安過ぎるのです。私はこの交換、たとえば芥屋ゴルフの三十九年十二月二十八日交換、これ熊本市内の千坪の土地と交換しているのです。かつてのあの共和製糖の発火点、高槻の国有林野の交換、これから問題が出ている。非常にこれも問題だと思うんですが、きょうはそこまで詳しく入れません。しかし、もう常識的に考えまして、あまりにも安過ぎるんじゃなかろうかと、こういう私は感じがする。まあ農林大臣、今後払い下げしない。つくらないから払い下げしない。だけど私は問題はこれで解決してないと思うのです。農林大臣の分野です。次回やりますけれども、この金額を見て、農林大臣としては、うん、やっぱり安過ぎそうだなと、あるいは検討する要があるかと、いかがでしょうか。私は非常に安いし、これについて問題があるんで、ここでは個々には指摘しません。感触いかがでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま黒柳委員からお示しのとおりに、交換あるいは貸し付け、売り払いの価格はなっておると思います。で、国有財産のことでございまするから、これはそれぞれ適正な評価委員会の評価を得て行なっておることでございまするが、ただ、感触はどうかと、こう言われますならば、一般的にこう見て、お話のような御意見出るのも無理ないと、こういうふうに承りました。
○黒柳明君 無理ないというのは、ちょっと安過ぎるみたいだということで無理がないということだと思います。またあとで、これは個々については私、質疑いたしたいと思います。 そこで、まずゴルフ場、これについて数少ない政府の規制措置である自然公園法によっては、環境庁長官の非常に前向きな発言で、これは絶対規制する、つくらせない、こういうことで一つ結論が出たと思うんです。 その次に、政府の数少ないゴルフ場建設に対して規制できる措置、これは保安林の確保であります。当然、森林法という問題になるわけでありますが、農林大臣、保安林を確保するということ、これもまた私がここで言うまでもなく、あたりまえだと思うんです。まあ、個々の事例を検討しなければですよ、この保安林が解除するのが妥当であるかどうか、こういう点にもなるかと思いますけれども、そのもう一つ手前で保安林に指定したというのは、当然、それなりの理由があったから指定したんですよ。それをゴルフ場をつくるということで、いくら個々に検討して妥当であるからという理由で解除するということは、現時点では非常にこれは同じく問題ではなかろうかと、こう思います。個々についてはこれから検討したいと思うんですけれども、どうでしょう、保安林をゴルフ場建設のために解除することについて今後の農林大臣の考えは。
○国務大臣(櫻内義雄君) 何件か私の手元にも報告かまいっております。原則的に申し上げまして、保安林の解除はその指定の理由が消滅したとき及び公益上の理由により必要が生じたときにのみ限ると、こういうことになっておりますから、普通ただ解除を申請してまいりましてもそれに許可を与えることはできません。ただ、許可した場合におきましては、保安林の機能にかえる防災施設等の設置が確実に行なわれる、あるいは行なわせる等、当該保安林の有した公益上の目的の達成に支障を生じないような配慮のしで許可が与えられたと、こういう報告でございます。まあ、これがいいか悪いかは別といたしまして、解除したものについてはそういうことになっておるわけでございまするが、お話のごとくに、保安林が公益的に必要であるということから、これか指定をしておるのでありまするから、今後十分慎重に処していかなければならないと思います。
○黒柳明君 そこで、二つ問題がいまの大臣の御答弁で起こってくるんです。ということは、公益の必要性、それから保安林として解除するべき必要、これが起こった場合に解除する。ところが、資料でもらっておりますね、昭和四十五年、六件、三百二ヘクタール、昭和四十六年、八件、百六十七ヘクタール、ゴルフ場のために保安林を解除しておりますよ。一番新しいのは、四十八年三月の下旬に解除されているところがあるんですね。これはすべてゴルフ場をつくる場合、当然公益上ではありません。保安林の解除の理由かないんです。だから、その理由はなくなります。 それからもう一点の問題、それにかわる防災施設ができればいいでしょうか。いまくしくも大臣が、これはいいか悪いかは別だと申されましたね。確かに私は別だと思うんです、それについて保安林を解除したから堰堤ができた、防波堤ができた、それでいいんだと、いま環境庁長官のおっしゃったことは、それじゃいけないんだということですよね。また、いまの政府の姿勢はそうじゃないんじゃないでしょうか。また、国民の全体的な立場というのは自然を守らなければならないんだと、こういう大前提に立っているんじゃないでしょうか。当然、ある意味においてはスポーツ化されたゴルフ、公明党花盛りなんて、ある週間誌が書いていましたけれども、(笑声)うまくないと思います。それは別のことですが、要するに堰堤をつくったからいいなんていうものではない。大臣、その点どうですか、いまくしくも大臣か、いいか悪いかは別だとおっしゃっておる。その点なんです、防波堤ができたから、堰堤ができたからと、ちゃんと出ている 解除、だからこういうふうにそれにかわった施設をつくると、だけれども、施設をつくってコンクリートにしちゃいけないということじゃないですか、いまの田中内閣の施策は。環境庁長官のおっしゃった大前提、国立公園を守るということは、緑からコンクリートに変えちゃいけないんだ。ところが、保安林を解除するということ、公共的な必要性、あるいは必要がなくなったときの解除 ゴルフ場はこういうことと関係ありません、まして一番新らしいこの昭和四十八年二月の十日申請、告示されて四十日でこれは自然的に解除ということになるんじゃないですか、あるいはもうなっているかもしれません。二月十日ですから、三月二十日には四十日たっておりますからね。これもちゃんと出ています、それにかわるべき施設は。どうでしょう。いまおっしゃったように、くしくもそれがいいか悪いかは別だとおっしゃいましたけれども、私はそういう姿、そういう施策はとるべきじゃない、こう思うんですが、緑を守るべき公共施設のためにやるなら当然だと思いますよ。必要がなくなったらそれも当然だと思いますよ。だけれども、幾ら大衆化されたからといって、されつつあるからといって、いまの時期において緑をコンクリートにかえてまでもゴルフ場のために保安林を解除するという姿勢、これはどうかなと、いかがでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) いま具体的な事例でお話しでございまするから、まず長官のほうからちょっと御説明させていただきます。
○政府委員(福田省一君) ゴルフ場は、私たちの考えとしましては、保安林の中からそれをゴルフ場というものをつくることにつきましては、これはもう当初の目的から申しまして非常に問題がございます、そこで先ほど環境庁のほうからお話かございましたように、公園事業として従来やっておりましたものにつきましては、私たちはこれは公共的な目的があるというふうに解釈いたしまして、その場合にはちゃんとした施設をする場合に限りこれを解除しておったものでございます。しかし、御指摘のように、線をつくるためには、足らぬところはやはり治山事業としましていろいろな工事もいたします。そういう意味で山全体を緑化していくということにつきましては慎重にやってまいりたいと思っているわけでございます。今後は特に大臣お話しございましたように、その点につきましては、ゴルフ場の設置につきましては、保安林の解除については慎重に対処してまいりたいと、かように思っております。
○黒柳明君 大臣、同じでございましょうか、慎重ということで。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまこういう御指摘を受けて私どももよく考えさせられるところがございますし、また基本的に環境庁長官の田中内閣としての姿勢のお話もございましたので、それらを念頭に置きまして今後慎重に事に処してまいりたいと思いますし
○黒柳明君 これは私、長官と大臣の答弁にまたさからうわけじゃありませんけれども、これは慎重の問題じゃないんじゃないですか。いま長官がおっしゃったように、国立公園、自然公園法という国家の事業があるから、だからという前提がつきましたね。もうそれはなくなるわけです、今後。そうなりますと、もうこれは保安林はゴルフ場のために解除しないという大前提、こういうことがやはり柱に立ちませんと私はどうも納得しかねるような気がしますよ。なぜならば、ここに文化庁に来ていただいてない、あまり来ますとね、さらに文化庁と警察庁とずらっと並んじゃう、各省。これほどゴルフというのはどこで所管しておるかわからない。まあ最後に副総理として三木長官に答弁願う分野なんですけれども、結局文化財が、地元の香川大学あるいは地元の三町にまたがっている大川町、寒川町、津田町の有志の議員か、ここには弥生式の三世紀から四世紀、京都の大塚山から出た古鏡、それと匹敵するものがもう出ているというんです。だから、ぜひこれを守ってもらいたいという陳情まで来ている。地図までついている。これが保安林の中ですよ、この赤じるしが。保安林の中に、十六カ所のうちの過半数が入っている、この中に。これが二月十日に申請されても、告示されて四十日たてば自然的にクレームがなければ解除されちゃうんですよ。そうすると、こういう地元の有志議員、それから地元の大学が、日本においても屈指の古墳群があるのに、なぜこんなものを、保安林を解除するのみが、さらにこういう歴史的な遺跡までも破壊しなければならないのか、何とかこれは解除しないでもらいたいという陳情まで出ているんですよ。すでにこういうことかいまあるんですよ。いまの二月十日——三月二十日には自然的に解除になっちゃう。だから私大臣に、もうこの保安林の場合にはこれはやらないんですよと——前向きにとかいう問題じゃないと思う。これまた前向きとか何とかおっしゃいますと長官の前提がくずれますよ、特に国立公園という国家的事業だから。 それで、いま言ったように、こういう大きな問題を含んでいるのはいまですよ。ほんとうは四十以内にクレームつければよかった、二十日までに、九日間おそかった、委員会が開かれないから。残念なことです、これは日本の国家のために。そうでしょう。文化庁も非常に残念だと言っているんですよ。何とか早く手を打てばよかった、こういうことです。地元としてはこの遺跡を守りたい。保安林が解除されたら困る。ところがもう告示されちゃって、四十日たっちゃっている。こういう問題は私のところへくればいいです、日の目を見ればいいです、その地方でうずくまっちゃったらどうしようもないじゃないですか、ですから大前提は、もう今後国立公園内の中につくらない、だから当然保安林もゴルフ場のためには解除しない、こういうことを大前提にして——私はそんなに何も硬直姿勢持っていません。柔軟的でありますよ、いい意味で。それはケース・バイ・ケースも中にはあり得るだろう、こういうことが、私、大臣の答弁をかわってやったみたいで申しわけないですが、いかがでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) いまの遺跡の関係につきましては、どのように対処したかは、必要があれば長官のほうから御説明させます。 それからいまの保安林の、今後解除するかしないか、こういうことにつきましては、ただいまの御意見よく承りました。私もゴルフ場について保安林の解除はいたさないと、こういうことを明白に申し上げておきます。
○黒柳明君 非常に前向きの御答弁で、私も当然だと思いますけれども、やっぱり大きなプラスだと思います。 そこで問題になるのが、保安林だけじゃなくて、やっぱり民有林だと思うのですが、森林法の問題だと思うんですよ。この森林法についてはどのような大臣はお考えを持っておりますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 森林法の改正につきましては、間に合えば明日の閣議で決定をし、御審議を願う考えでおりまするが、林町が乱開発をされておるという実情にかんがみまして、その壊廃を防ぐ意味においての改正内容を盛り込んで、かような乱開発に対処する考えでおる次第でございます。
○黒柳明君 地元の首長、知事に対して許可制にするとか、こういうことは盛られるわけでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) お話のとおり、大規模な開発行為を行なう場合には都道府県知事の許可を受けるべきこととするなどの内容といたしております。
○黒柳明君 そこで、明日閣議でそれか検討されるんで、私はちょうどいいときだったと思うのです。なぜかならば、このゴルフ場の発起人ないし取り締まりにはだれがなっているか。地元の県知事、市長、町長なんです、みんな。そうなりますと、いまこの乱開発を防ぐゴルフ場に対して、林を守る、森を守る。地元の知事、首長に対して許可の権限を与える。ところが、たとえばいまこの大日本ゴルフ観光というのがやがてできるであろう。まだ名がないんです。パンフレットもできていません。この寒川、大川、津田、ここにつくるわけですね。ところがここの発起人には寒川町長、大川町長、津田町長の名前を並べているんですよ。積極的にゴルフ場をつくれ、この発起人なんです。さらに、御存じでしょう、福島のいわき市、ヘクタールの乱開発で大問題になっています、いわき方面で。その中の常磐カントリー倶楽部、百二十ヘクタール。その発起人が木村福島県知事ですよ。まだこの次あります。岩手県の宮古、これも発起人が宮古市長なんです。全部地元の知事とか町長とか市長が発起人なんです。そうなった場合に、乱開発を防ぐために地元の知事、首長に、許可制にしたり権限を委譲した場合に、これは非常におかしなものにならないのかというのが私の心配です。あした閣議でこれが検討される、森林法を改正したい、こういうことですが、この点について十二分に考慮した上で——その一つのやっぱりアイデアだと思いますよ、地元の知事に許可、乱開発を防ぐ、いいんです。だけれども、このゴルフ場の開発はそうじゃないんです。そうなると、自分が発起人になり、自分が許可権限持っている責任者になったら、これはおかしなものになっちゃっていますよ。現にそういう形です、このゴルフ場の開発につきましては。この点、大臣、頭にお入れいただきまして、ひとつ森林法を明日の閣議で決定する場合には、十二分にこの点を考慮していただきたいと要望しますか、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御意見を私どもも参考にいたしまして、現在成案中の法案の内容をよく検討さしていただきます。
○黒柳明君 自然公園法で、ゴルフ場は公園内につくらせない、それから保安林は絶対ゴルフ場に解除させない、しかも、そのほかの民有林を守るために森林法を改正して地元の知事に許可制の権限を与えたい、非常に前向きな姿勢だと思います。さらに、その場合にはひとつ、ゴルフ場の発起人がだれなのか、首謀者がだれなのかということを十二分に考慮して検討していただきたいという私の要望をここにしておきます。 その次の問題です。その次は、これはもうちょっと悪質になるんですよ、だんだんケースがね。どういうことかといいますと、ここに日本ゴルフ振興KK——株式会社というのかあるんです。これは建設省にお伺いしたいんですが、ここから、これは香川県香川郡香南町というところですが、道路、水路の公共用途の廃止申請が出ていますね。
○政府委員(山岡一男君) 具体的ケースを私まだ承知をしておりません。
○黒柳明君 申請が県段階で出ていることは御存じですね。
○政府委員(山岡一男君) まだ詳細に承知しておりません。
○黒柳明君 県段階に、公共用途の廃止、香川県香川郡香南町地先外、こういうところで二カ所、昭和四十七年十一月二十四日申請分と、昭和四十七年十二月一日申請分、この二カ所が県のほうに出ているということも御存じないですか。
○政府委員(山岡一男君) 現在まだ承知しておりません。
○黒柳明君 それじゃ大蔵省のほうへ。大蔵省のほうでこの事実知っていますね、県段階に申請出ているのを。
○政府委員(小幡琢也君) 香川国際ゴルフクラブというのかありまして、建設省に——建設省といいましても、県が管理の委任を受けておりますが、香川県当局のほうに相手方が用途廃止の申請を出しているというように聞いております。
○黒柳明君 香川国際ゴルフ……もうちょっとわかりませんですか。申請が二回に分けられて出ている年月日と面積。
○政府委員(小幡琢也君) 第一回は四十七年の十二月一日でございますが、一万九千四百十・九九平方メートル、それから第二回は四十八年一月十八日、一万二百八十二・九〇平方メートルの、これは里道、水路でございますが、それの公共財産の用途廃止申晴を相手方が出しているわけでございます。
○黒柳明君 四十七年十二月一日が一万九千四百ですね。これの内容については御存じでしょう。どういう内容であるかということ。
○政府委員(小幡琢也君) 実はこれは大蔵省の所管でございませんで、用途廃止をいたしまして、それを建設省から大蔵省に引き継ぎましてから、大蔵省が管理するわけでございますので、これは建設省の所管でございます。
○政府委員(山岡一男君) 先ほど神奈川県とお伺いしましたので、間違いましたが、高松国際ゴルフクラブにつきましては、現在県段階まで里道、水路等の用途廃止の申請のあったことは承知しております。
○黒柳明君 内容、どういう内容。
○政府委員(山岡一男君) 既設十八ホールか四十三年九月十五日にオーブンしたということでございますが、それに要するコースの中に存在いたします里道、水路の面積が約一万三百平方メートルでございます。これにつきましては、四十四年ごろ一回香川県知事あて申請が出ておりますけれども、内容不備のために訂正再提出を求めておりまして、その後督促を続けておりましたが、四十七年十二月一日付けで申請があったと聞いております。なお、その後四十八年の十月ごろにオープンする予定で九ホールの増設中ということでございまして、その予定敷地内には里道、水路か約一万九千平方メートル含まれております。現在その用途廃止申請が四十七年十一月二十四日付けで提出されまして、二十七日付けで受理をしたということを聞いております。
○黒柳明君 そういうことですね。それで問題は、環境庁長官、こういうことなんですよ。二回に分けて申請しているんです。建設省所管の道路、水路——農地ですから、当然農地をゴルフ場に転用許可をとった。ところか、その道路、水道、すでに四十三年九月にオープンしているんです、一つは。一つはこれから新築増設するんです。道路、水路ですから続いているわけですね。四十三年九月オーブンした分は、いま公共用途の廃止の許可を出しているのです。四十四年に不備で突っ返されたんです。それからいままで使ってたわけですね、国有地をです、国有地——これはゴルフ場に国有地を払い下げることはうまくないと思いますよ。だけれども、払い下げの手続をとって、転用の許可をとって、しかるべく金を払うということを言っておる。これはそうじゃないんですよ。四十三年九月にオープンしちゃって、すでに一万二百八十二平方メートルをがっさめてる、盗用しているわけです。それでさらに道路、水路の延長に新しいものをつくる。それで一万九千四百十、いま申請、公共用途廃止許可を願い出ている。そのときに、それじゃ四十四年に不備だった点どうだったんでしょうか、それも出しましょうと。こんなルーズなことをやっている国有財産の盗用ですよ、不動産の侵奪罪ですよ、これは。問題は、先ほども言ったように、発起人・役員、だれかそれじゃ発起人・役員になっているのか、そういう問題まで出る。どうしてこんな問題か起こるのかという問題が出る。だけれども、いまそこまでいきません。どうですか、これは。理財局次長、大蔵省で、こういう事実は——不動産侵奪罪の刑法二百三十五条ノ二ですか、この事実、当然こんなものはおっぽっておく必要はないし、おっぽっておくわけはないでしょうね。いまごろ公共用途の廃止を出して、それで出したからいいなんていうもんじゃないでしょう。あとでそれを払い下げて金を払えばいいなんていうもんじゃないでしょう。当然これは侵奪罪で訴えるでしょうね、大蔵省としては。どうでしょう。
○政府委員(小幡琢也君) 御指摘のように、ゴルフ場内に里道、水路が相当ございまして、この処理につきましては、従来相手方が土地計画区域内でございますと、開発許可の申請をいたしますときに、県知事が同意する段階におきまして、数量、内容かわかってまいるわけでございますので、その後連絡を受けるということでございますし、またそういった開発許可とか、そういうチェックのない場合におきましては、相手方が登記をする段階におきまして、ここに里道、水路というような公共用地があったと、こういうことが初めてわかる。その後において手続をとるという状況でございますので、やはりこれはこういったものの管理につきまして、もうちょっと適正にするように管理体制を強化する必要があるんではないかと考えております。 それで、昨年こういったゴルフ場のみならず、宅地造成地域内におきまする里道、畦畔の処理につきまして通達を出しまして、事前に財務局のほうに県のほうから連絡してくれるようにということをやりまして、現在は早期に処理するようになっておるわけでございますが、従来古いものにつきましては、確かに御指摘のようにそのままになっておりまして、はなはだ遺憾なことだと思っております。
○黒柳明君 それで、これはどうして調べられないんですか。公明党が調べて——この前もやったのです、多摩ニュータウン。住宅公団が建てたところに里道、畦畔三百坪、これががめられた。だから、すぐこんなものは金を出させろというんです。公団が払う必要はない。公明党が調べられて、どうして政府が調べられないのですか、こういう問題は。これは全ゴルフ場をやりますとまだあるんです。日本ゴルフ振興株式会社——これから役員の問題に入れますけれども、まだあるんですよ。法隆寺カン十リークラブ、神有カントリークラブ、広島国際ゴルフクラブ、岡山国際ゴルフクラブ。全部農地転用。二千平方メートル、三千二百平方メートル、千八百平方メートル、四千平方メートル、全部これがめている疑いがある。里道、畦畔、あるいは建設省関係の道路、水路。われわれが真剣になって登記簿を集めて調べられる。確かにむずかしいですよ、ゼロ番地。だけれども、申請がきて、確かに大蔵省の所管になって、それを手を打つ、そこらあたりの事務か不備だった、五年間不備だった。それをそのままにしたらネコババじゃないですか。盗用じゃないですか。どうしようもないでしょう。ここで私が言うから、そうですね、ということになる。そんなばかな国有財産の管理法なんかないですよ。どうですか。調べられませんか。ゴルフ場全部調べてください。
○政府委員(小幡琢也君) いや、この問題は大蔵省の所管でございませんで、大蔵省としましては、建設省なり農林省が公共財産として管理しておりますものを、建設省なり農林省が用途廃止いたしましてから引き継ぎを受けまして、そこで初めて大蔵省の管理になるわけでございまして、これはやはり建設省、農林省の所管でございます。
○黒柳明君 すみませんね。それじゃ建設省にお伺いいたします。
○政府委員(山岡一男君) 国有財産の管理につきましてたいへん申しわけない事情であることはいつも反省いたしております。実際を申しますと、里道、畦畔のたぐいが日本じゅう至るところにございまして、昭和四十二年にとりあえず抜き取り調査をいたしまして、地域をきちっときめまして、悉皆調査をやって全国ベースに直してみますと、山梨県一県分ぐらいのどうも里道、畦畔になりそうだというものをつかまえております。しかしながら、これは国有財産法上の台帳整理が免除されているようなものでございまして、実際の公簿上の根拠を見て初めてわかるというものでございますので、先ほど理財局次長さんがおっしゃいましたように、いろいろな開発行為が行なわれます際に、その際につかまえて実際に処理をしていくというのが現状でございます。今後そういう点につきましてもう少し、部局長に委任をしておるといいながら、いろいろなまだ経費のめんどうをみないとかという点がございますので、十分前向きに今後検討してまいりたいと思っております。
○黒柳明君 建設政務次官いらっしゃいますか。
○政府委員(山岡一男君) 参っておりません。
○黒柳明君 建設政務次官を要求したのだけれども、まあ副総理がいらっしゃればすべて問題は片づくとは思いますけれども、局長も出てこない、政務次官も出てこない、要求しても出てこないでは困るじゃないですか。 山梨県一県分ぐらいの里道、畦畔、道路、水路があるだろう。新聞を見てごらんなさい。きのうだったって、あるクラブが七十二ホールのマンモスゴルフ場をつくるというのに、地元からのクレームでやめたとか。毎日毎日こんなゴルフ場建設の記事が出て、会員募集をしていますよ。そういうものがあるであろうとつかんでいるならば、なぜ調べないのですか。これほど土地問題が云々されているのに、山梨県一県でしょう。私たちがちょこちょこやったってみんな出てくるのですよ。農地転用があったところは全部出てきますよ。里道、畦畔、道路、水路をがめている。全部ゴルフ場を片っ端からめくらで告訴したったってみんな当たりますよ、農地転用したところ。それほど多いのですよ。そういう事実を、らしいとつかんでいながらなぜ調べないのですか。これほど土地問題が田中内閣の政治姿勢であるのに、そういうことがわかっているのに、なぜやらないのですか。なぜ公明党にやらせるのですか、こんなことをやらせるのですか、知っていながら。どうですか、副総理。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳委員のお話を聞いてみると、国有財産に対しての管理というものはどうもいろいろずさんな点が御指摘のようにあると思うのです。これはやはり、今後国有財産の、国民に対して管理の責任を持っておる政府としては、関係各省にこの点は注意を喚起いたしまして、将来国有財産の管理というものが厳正にいたすように注意を喚起いたします。
○黒柳明君 そういう前向きな御答弁けっこうだと思いますが、私ここで具体的にゴルフ場の中にあるそういう里道、畦畔、道路、水路、そういう国有地、そういう可能性をいまここで私指摘したんですから、全ゴルフ場にわたって調べてください、そしてその資料をこの委員会に提出することを委員長から要求してもらいたい。それでなきゃ問題は片づきません。あとからあとから、調べるところみんなこういう国有財産の盗用、侵奪罪みたいなものが出てくる。現にこのいまの具体的な問題ですよ。 それから、もうちょっとそれじゃほかに触れましょう。日本原子力船開発事業団理事長佐々木周一氏——これは科学技術庁ですか——この方が、要するにいまの高松ゴルフクラブ、こういう国有地をがっさめている——これはここたけじゃないと思いますよ。この取り締まりはどうなっているんです。この人は、内閣の、大臣の許可を得ていますか。
○政府委員(伊藤宗一郎君) 先生御指摘の取締役就任という事実を実はわが科学技術庁では存じておりませんで、まことにずさんであります。したがって、先生の御質問の趣旨を踏まえまして本人に問いただしたのでございますけれども、この会社の取締役にはなっておりますけれども、非常勤でもあり、また無報酬の名誉職でもあり、したがってこの事業団法に基づく承認を得る必要はないものと考えておったということでございますけれども、御指摘に照らしまして考えますと、やはり所定の手続をとる必要があるものと思われますので、本日内閣総理大臣並びに共管の運輸大臣あてに承認の手続を出したという報告をただいまちょうだいしたのでございますが、先ほど来の御質疑、御論議を通じまして、まことに遺憾なことでもございますので、わが科学技術庁といたしましては、ぜひえりを正して処置をしなければならないと思いますので、本人になお厳重に注意をするとともに、今後のこの承認につきましても、ぜひ科学技術庁として慎重に扱うように内閣総理大臣並びに運輸大臣にも進達をしたいと思っております。
○委員長(成瀬幡治君) 建設省の山岡会計課長、ただいま黒柳委員から資料要求が出ましたですね、ゴルフ場内において農地転用がされれば、そこには当然そういう道路なり畦畔なり里道なり、そういうものが全部あるわけですね。そういうものを調べて、調査して、資料として提出することができますか。
○政府委員(山岡一男君) 公図上につきまして大体どういう程度あるかということについては調べられると思います。全部を調べて丈量いたしますには相当時間と金がかかりますので、公図上の面積でどの程度あるかを至急調べたいと思います。
○黒柳明君 いや、これは具体的にでないとやっぱりだめですよ。みんな片っ端からゴルフ場を不動産侵奪罪で訴える、そのぐらいにしなきゃだめですよ、姿勢は。そんな、公図上だって、そんなことは子供のやることですよ。そういう資料じゃだめだと思います。
○委員長(成瀬幡治君) もう一度ちょっと。
○政府委員(山岡一男君) 少し時間がかかると思いますが、やって提出いたします。
○黒柳明君 それで私は、無報酬非常勤だからといって、やっぱりこれは原子力船事業団法の十七条で、届け出ろとあるんです。私はここで姿勢を言いたいんですよ。副総理、この日本ゴルフ振興K.K、もうあらゆるところゴルフ場を開発しています、太平洋クラブと同じように。その一つが偶然、私たちの調査で、約一万三百平方米国有財産を盗用していた。この中の取締役に政府の役人がいる。しかも自民党の議員が、代議士がここに三名もいるんですよ。一々ここで名前をあげるほど私もあれじゃないですけれども、姿勢です、問題は。利用されているのか、利用しているのか——されている場合もあるでしょう、している場合もある。こういうちっぽけなことで、あるいは当人にとっては相当の、ちっぽけなことじゃないかもわからない。私はこんなことで天下の自民党の議員がもううろちょろする時代じゃないと思うんですよ、どうですか。もう私は、自民党の議員に向かって、こういうゴルフ場については全部疑惑がある、国有財産の不動産侵奪罪の疑惑がある、いまゴルフ場の役員になっている人は全部やめなさい、役員になっていると損しますよ、そう号令かけるぐらいでなきゃ、迷惑がかかっちゃいますよ、利用されていた場合に。利用していた人は自業自得でしょう。そういう問題が各所にあるんですからね。これは私は老婆心ながら言っておきます。この日本ゴルフ振興K・Kの取締役にれっきとした自民党の議員が三名も名前を連ねている。そこには政府関係の大物も名前を連ねている。許可も受けない。そういう姿勢がうまくないというんですよ。だから、やりたいほうだいのことをやって、手続が不備だ、人手が足りない、調べるのも調べられない。野放しみたいないま状況ですよ。まあ、あんまり言うと時間がなくなる。 最後に、宮古カントリークラブ。これは一番ひどいんです。こういうことです。これは農林省ですか、宮古カントリークラブ——岩手県の宮古市ですね。私もう時間がありませんから、こっちから言いますよ、確認してください。保安林を約六百平方米、無断で四十六年五月に破壊しましたね。森林法違反です。それに対して岩手県知事から復旧命令が出ましたね、期限つきで。四十七年五月です。六カ月以内に復旧しろと。ですから四十七年の五月から六ヵ月だから、四十七年の十一月です。厳密に言うと四十七年十一月十四日までに原形復旧しろと。今日は四十八年三月二十九日ですね。おくれること四カ月ですよ。まだ全然復旧していませんよ。どうですか、これは。農林大臣。
○政府委員(福田省一君) 現在、御指摘のように、この場所につきましては、堰堤工事その他芝張り等を実施しております。一部完了しております。
○黒柳明君 一部ったって、おくれること四カ月ですよ、すでに。六カ月の猶予があったじゃないですか。四十七年の五月に、六カ月以内に原形復旧せよ、何のための命令書ですか、勧告書ですか。意味ないじゃないですか、そんなことは。それほど政府なんというのは弱いんですか、ある人に対しては。そんなことないと思いますよ。原形復旧するのは十一月十四日というなら、それまでに復旧させればいいじゃないですか。なぜいままで延びているんですか。一部で済ませるつもりですか。もっときびしい指導をしなければ——。これも表面に出たから——出なかったら、これはほっかぶりじゃないですか、これだって。こちらが指摘したからですよ。指摘しなかったら、そのままほっかぶりでいっちゃうんですよ、こういう問題だって。農林大臣、ここにも先ほどの保安林の問題が出てきた。指摘されていながら、半年近くも復旧しない。一部やりましたと、これじゃあうまくない、こういう事実。 さらに宮古カントリークラブ、これに四十五号国道、これは去年の秋できた。そこから旧国道が宮古カントリークラブに通ずるんです。この道路を舗装しましたね。この過程、簡単に言ってください、何のためにこの道路を舗装したか。
○説明員(薮本健作君) 国道を改良いたしますと旧道が残るわけなんですけれども、一般に残りました旧道が廃用敷になる場合は別といたしまして、一般には県道なり市町村道に移管されるわけでございます。そこで、県道なり市町村道に移管される前に、できるだけ国の手でいろんな整備をしておくべきだというので、残ります旧道につきまして人家がどの程度くっついているか、あるいは部落や公共施設と新しい国道との連絡がどの程度必要か、あるいは定期バスが通っているか、あるいは旧道に残る交通量がどうかというふうなことを考えまして、国庫補助事業の特殊改良三種事業ということで整備を進めておるわけで一般的にはございます。 そこで御指摘の四十五号線につきましては、新国道の改築事業は三十八年ごろから始まりまして、残ります旧国道につきましては三十九年ごろから手を入れ始めたわけでございます。で、将来市町村に移管されるわけでございますので、全線整備することが不可能でございますので、必要最小限度どの程度整備すればいいかということを地元市町村と協議の上、三十九年から実施してまいったわけでございます。で、これが四十七年までに約八億の予算を入れまして岩手県内の旧四十五号の整備を進めてまいりましたけれども、昭和四十六年度以降残事業は幾らあるかという調査をいたしまして、全体計画を策定いたしまして、その全体計画にのっとりまして、四十六年度以降事業を進めてまいったわけでございます。で、御指摘の岩手県の女遊戸地区につきましては四十七年度の事業といたしまして、女遊戸部落が人家連檐地区でございまして、新国道とはさまりまして女遊戸部落と、それから片方に精神薄弱児の施設がございますので、この間約二キロ間を施設したものでございます。工事は四十七年、昨年の七月に着工してことしの二月に完成したものでございます。 以上が概要でございます。
○黒柳明君 事業費は……。
○説明員(薮本健作君) 事業費は二千五百二十万円でございます。
○黒柳明君 要するに、簡単にいいますと、はまゆり学園という精薄施設がある、だから四十五号国道から旧国道の二キロ、幅四メートルぐらいのものを舗装したというのでしょう、二千五吾数十万かけて。そういうことですね。
○説明員(薮本健作君) 片方に女遊戸部落、これは人家が続いているわけです。それから片方に精神薄弱児の施設がある、両方考えた……。
○黒柳明君 だから、女遊戸部落が一つ、もう一つは精薄のほう。そうすると、先ほどおっしゃっいましたように、そういう道路行政というのは当然交通量というものを考えなければならぬ。はまゆり学園、これに対してどのぐらい交通量があるかお調べになりましたか。はまゆり学園があるから道路を舗装したというのでしょう。
○説明員(薮本健作君) 先ほど御説明いたしましたように、特殊改良三種事業を採択する場合には沿道の人家がどんなふうに続いておるか、集落や公共施設と新国道との連絡ぐあい、定期バスが通っておるかどうか、それからざっと交通量がどうかというふうないろんな要素を考えまして舗装するわけでございます。で、この場合には、精神薄弱児の施設を公共施設に準ずるものというふうな考え方で新国道との間を舗装したわけでございます。
○黒柳明君 結論を言いましょう。このはまゆり学園のほうは舗装されてないのですよ。最初、はまゆり学園があって、当然いまおっしゃったのは、はまゆり学園があるから舗装したのだと、こう言っているのでしょう。片方のほうが女遊戸、これは片方の舗装ですね、これは部活があるからいいですよ。精薄のほうは部落も何にもないのじゃないですか。間もなく開設される宮古カントリークラブのほうは、ここの門前まで舗装されているのです。はまゆり学園のほうは舗装されてないのですよ。 もう一つ、交通量。三月の二十三日、いま造成中です、ゴルフ場に行く車は二十七台、精薄施設に行ったバスはたった一台。今後は、間もなく開設すれば毎日平均最低百台はこえるわけです。週末、日曜日には百五十から二百はゴルフ場に行く。女遊戸というのは片っ方の舗装ですね。もう一つの舗装は精薄施設のためにやったというわけですね、二千五百万かけて。ところが交通量は何にもないわけですよ。まあ結果として、ゴルフ場ができてゴルフ場のためのコースになっちゃったと、こういうのか。私はそうじゃないと思う。地元へ行くと、そうじゃないと言うのですよ。何といったって鈴木善幸さんの地元だからということだんべいというようなことで、私はその真実はわかりませんよ、名誉会長になってるんだから。こういうことなんです。だけれども、これちょっとおかしいと思うんですよ。この写真ごらんになりましたか。現地へ行ってごらんになったですか、どこまで舗装されているか。交通量はどうか、現地へ行って調べてみましたか。
○説明員(薮本健作君) 私は現地に行って調べておりません。それで、県を通じましての説明では、はまゆり学園の前まで舗装しておりますということでございます。 それから先ほど御説明いたしましたように、昭和四十五年に旧道の全体計画を策定しております。そのときには当然その宮古カントリークラブの計画はなかったわけでございます。ですから、この全体計画を策定いたしましたときにすでに施設まで舗装するという計画になっておりますので、ゴルフ場とは直接には関係ございません。
○黒柳明君 まあ直接関係あるなんて言うわけはないでしょうからね、面接関係ない——けっこうですよ。現実にはまゆり学園、こちらのほうは舗装されていない、全然。ここは、このカントリークラブ、ここのすぐここが、ちょっと写真が角度か悪いけれども、暗くなって見えないのですが、県の報告は違いますよ、現場へ行って見てみなさ それからもう一つ、ゴルフ場は知らなかった——そうかわかりません。私現に行ったけれども、現実は多くても朝一本夜一本の精薄施設の職員の輸送バスしかないのです、交通量は。ゴルフ場のほうはこれからますますひんぱんになる。その二つしかないわけです、この舗装道路のところには。私は善意に解す。ゴルフ場のことは関係ない、精薄のためですと、こう百歩譲ったとしたって、これからはますますゴルフ場のための舗装道路になるということは明白の理なんです。もうちょっとやっぱり細密に検討して、いま道路やるときはああだこうだとおっしゃったいろいろな条件、その条件の検討が相当これは抜かっていたんじゃなかろうか。具体的に、それじゃ交通量どれだけありますか。精薄に行く交通量、調べていますか。
○説明員(薮本健作君) 最初の、精薄施設は旧国道から少し入り込んでおるわけです。その私道の入口まで舗装してございます。 それから交通量につきましては、先生から御注意いただきましてさっそく調査したわけでございますけれども、たまたま新道路が工事中でございまして、正確に旧道に幾ら通ったかということはたまたま測定できなかったわけでございますけれども、これは二十七日に調査したわけでございますけれども、施設に行く車は八台ございました。
○黒柳明君 たまたまそうあったのか、ゴルフ場のほうは調査しましたか。
○説明員(薮本健作君) ゴルフ場は二十二台でございます。
○黒柳明君 そうでしょう。圧倒的に多いでしょう。これからますます多くなる。 時間が私五十五分ですから——こういうことですよ、環境庁長官。私は当然、自民党の中でもこのゴルフ場については議員立法して何らかの規制をしなければならないという話は前からありますね。当然政府としてもあらゆる角度からこれ問題にしなければならない。こういうふうなお考え、これも間違いないですね。 そこで問題なのは、きょう私はわずか一時間ここで質疑する間、非常にちぎれちぎれで申しわけなかったのですが、環境庁、建設省、農林省あるいは大蔵省、それから科学技術庁、まだ文化庁だって警察庁だって来てもらわなければ困る、ずらっと。ばらばら行政というところです。それで私は、当然副総理は、いまわずかの時間で聞かれてお考えになっていると思うのですが、一本化することはあたりまえです。その中心は環境庁長官ですよ、当然。少なくとも一本化するという前には、やっぱり副総理でもありますし、大きな国土の開発でもありますし、土地問題でもありますから、環境庁長官を中心にしてこの問題は全部相談すべきだ。そうして早い時期に担当の所轄の官庁をきめなければだめですよ。これほど大衆化したなら大衆化したなりに所管大臣が、所轄の省が、局がいないというのはうまくないじゃありませんか。昨年やったボウリングもそうでしょう。通産省が所轄になった。私はそういうばらばら行政を一本化し、それまでは環境庁長官がすべて、この全部の総合的な相談役にでも直ちに当たりながら、こういう自然を守る、こういう不届きな盗人行為をやめさせる、あるいはこういうところに利用されているか利用されていないかわからないけれども、変な議員が、あるいは政府関係の人が役員につかれる、そういうものを厳重にやっぱり監督するものがいないということが、いまのわずかの中での一つの収縮された姿です。どうでしょう、長官、これについてひとつ環境庁長官が乗り出していただいて、厳重な行政の一本化と同時に、長官を中心にすべてとりあえずでも相談をしながらこの問題に対処していくと、こういうかまえが私はほしいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) 短かい時間ではありましたけれども、黒柳議員の御指摘になりました問題の中には、国有財産の管理等も含めて従来のやり方には欠陥があると思います。したがって、一方においてはゴルフ場の建設というものの乱開発というような傾向もあって、これに対しては何かやはり規制をする必要があるのではないかという声も起こっておることは事実でありますから、私のもとでゴルフ場をいけぬというわけにも行政上のたてまえからいきますまいか、政府としてこういう問題について御指摘のあった点は頭に入れて、今後の行政の姿勢の中に御忠告を受けました点は改善を加えることにいたしたいと思います。
○黒柳明君 すみません、時間過ぎて。最後に一 建設省の政務次官来ていただくはずだったんですけれどもね。都市開発法ではやっぱりこのゴルフの乱開発をある意味においては規制するための考えを持っているわけでしょう。ですから、それについては、私は当然、長官じゃなくて、内閣として、総理としてそれをやらなきゃならない。だけれども、私はどうしようもなんない、何とか御指摘を頭に入れてとなりますと、これは、次から次から——長官などは頭に入れてと言ったって、入れてない、実行に移さないじゃないか。移さなきゃだめだ。こういう事件が、私は、どんどんどんどん指摘せざるを得ないようなことになると思うんですよ。ひとつその点、私は、頭に入れてということけっこうであります。この場の即答というわけにいきませんけれども、もうちょっと、やっぱり前向きな姿勢をがっちりここで披瀝していただくことが私必要だと、こう思うんですけれどもね。うそじゃない。ゴルフ場だって、中にはこう言う人がいるんです。ここで私が発言したことによって規制を受けると、またゴルフ権が上がって投機の対象になってけっこうだと言う人がいる、相当。これもありますよ。そんなために私はここで発言しているんじゃないわけですからね。そんな、いまのゴルフ場に対して造成、建設を規制する、持っているゴルフ権がまた上がってけっこうだと、そんな意味で私はやっているんじゃありません。全然違うわけですよ。そのためには、いま言うように都市開発法の問題だってある。森林法の問題だってある。大きくいま網をかけようとしているそれがばらばらじゃだめだということを指摘しているわけですから。具体的にもう進んでいるんですよ、法案のほうでは。それを、行政の分野でばらばらですから、ここで頭に入れてということだと、ちょっと私は御答弁納得いかない、それで問題を提起したんですから。最後に、すみません、時間来ましたので一言……。
○国務大臣(三木武夫君) いま黒柳委員からのお話にありましたように、都市計画法の中にゴルフ場の規制という問題が含まれておるわけでありますから、建設省としてもこの問題に対して、最近の傾向にかんがみて何らかのやっぱり規制を必要とするということでこの法律を出したわけでございましょう。しかし、そればかりじゃなしに、きょう御指摘になった血では、建設省関係ばかりじゃなしに、環境庁も関係のある血もございますし、農林省とも関係のある面もございますので、各省間の連絡をとりまして、今後こういう御指摘を受けないようなゴルフ場に対しての取り扱いというものを、十分検討を加えることにいたしたいと思います。
○黒柳明君 すみません、どうも時間が過ぎまして。 —————————————
○委員長(成瀬幡治君) 農林省関係についての質疑は一時中断しまして、次に、厚生省と、それに関係する医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行ないます。 この際、おはかりをいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○喜屋武眞榮君 厚生大臣に、いま日本の国情を通して、病める日本あるいは狂った日本ということばを聞くのであります。私もまさにそうであると思っております。ところで、私は、病める日本、狂った日本のその直接の問題を取り上げるにはあまりにも時間が少のうございますので、病める日本、狂った日本の集約された形でそのしわ寄せが沖繩にあるということを知ったときに、何としても私は沖繩の問題から掘り起こさなければいけないと思っております。そういう意味で、私は、いま沖繩に起こりつつあるところの限りない問題の中から、特に厚生大臣に対して何としてもこのことは緊急の問題として迫らなければいけない、こういう焦燥感にかられて、いま二、三の問題を論議したいと、こう思うので、ひとつ率直な大臣の御見解を賜わりたいと思います。 病める沖繩、狂った沖繩、復帰後の沖繩をこう県民はいま叫びつつあるのであります。復帰は喜びへのゴールインではなく、苦悩の始まりであるということも言っているのであります。そのような基地沖繩の実態の中から、どういう忌まわしい問題が、いま、うみとして、よごれとしてあらわれつつあるかというこのことをまず念頭に置かれて、復帰後の沖繩を特に厚生大臣のお立場からどのように理解しておられるか、そのことをまずお聞きいたしたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 厚生省の立場で沖繩のいろいろな問題を考えてみますと、本土に比較いたしまして医療水準が非常に低い、この医療水準を本土並みに高める、こういうふうな問題。それから社会福祉等の面におきましても十分でない、これを何とか本土並みにも引き上げていかなければならない、そういうふうな福祉の問題と、特に私が頭を痛めておりますのは、沖繩がああした異民族の支配にありました関係上、麻薬の問題、これなどは何としてでも、日本の麻薬禍を防ぐ意味においてでも解決していかなければならぬ問題だと思っております。さらにまた、売春禁止法が適用になるわけでございますので、そうした問題を実効のある措置を講ずるようにしたい、こういうふうな問題。さらにまた、疾病で考えてみますれば、沖繩の疾病は精神、結核、それから本土ではなくなりましたハンセン氏病、こういうふうな問題をどういうふうにして一日も早く処理していくか、こういうふうな問題を解決いたしまして、本土と同じような厚生行政が行なわれるようにしなければならないと、こういうことで一番苦慮いたしておるような次第でございます。
○喜屋武眞榮君 それでは、いま大臣が幾つかの問題を提示されましたそのことについてお尋ねいたします。 まず売春の問題からまいりたいと思います。沖繩における売春、すなわち文化国家のバロメーター、売春の有無はその国の文化国家であるかないかのバロメーター、あるいは福祉社会のバロメーター、こう言われておるほどこの売春の問題は非常に重要な問題であり、悩ましい問題である、こう思うんです。その売春の問題がいま沖繩でどのような状況にあるかということを厚生省のお立場から述べていただきたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題はほんとうに沖繩にとりまして私は重要な問題であると考えておりますが、その数字などはなかなかこういう数宝ははっきりつかめないものがあると思いますが、一応復帰前の琉球政府の警察局で調べた数字に一応よりますと、売春婦女が約七千人、それから売春を助長するおそれのある業者の数は六百業者、こういうふうに復帰前は言われております。復帰後はどういうふうになっているかということでございますが、これは昭和四十七年、昨年の十二月の復帰後の県警の調べでございますが、この業者は、六百ありました業者が現在のところ百七十の業者に減少し、そのもとで稼動しておる婦女の数が三百人、まあそういうことで、復帰前と復帰後を比較しますと、そうした数は一応警察の調べによりますと減っておるようでございますが、売春を行なう婦女につきましては流動的でございますので、率直に言って、実態を把握することはなかなか困難であろうと思います。そこで私どもは、復帰前からこうした婦女が相当多数に及んでおるということを考えておりましたので、復帰前から私どもは沖繩に対して、この婦人保護の対策を進めていくべきであるということを申し上げ、今日厚生省におきましては、沖繩県に婦人相談所、それから相談員、それから婦人の保護施設、こういうものを設置いたしまして、必要な予算措置を講じてきておるわけでございます。まあ、しかし、こういう、ふうな厚生省のいろんな県に対する予算援助等によりまして、婦人相談員とか、婦人保護施設というようなものを設けておりますが、やっぱり根本は、売春防止に関する思想の啓蒙宣伝、これがやっぱり根本だと思います。長いこと異民族の支配にありました関係上、どうしてもこういうふうな傾向が相当あったことは否定できない問題でございまして、何としてでもこうした婦女というものに正業につかすように、そうしてこういう者が、婦女がなくなるように、沖繩県当局とも十分連絡をとり、警察その他の方面ともまた十分連携をとりながら、一般県民のこうした売春防止に対する啓蒙宣伝、これを基礎として今後とも大いに努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 いまこの問題に対する沖繩の現状把握と、それに対する対策の一部を述べてもらいましたが、このように沖繩が、本土でも見られない、まあ、私の知る限りにおいては七千云々いうことは、これは表にあらわれた形で潜在はなお多く、一万ないし二万を数えるだろうというふうに言われておるんです。このような事実が生まれた背景は何であると理解しておられまするか。このことについて一ぺんお聞きかせ願いたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 長いこと異民族の支配にあったということが、私はやはり何といっても一番大きな原因であると考えております。
○喜屋武眞榮君 異民族の支配下にあったということをもっと具体的に話し合う必要があると思いますが、それはずばり申し上げれば、結局基地の問題、膨大な基地があるという本土とは比較にならない濃密な、本土の八十九倍の率を占める基地がある。そして第二は貧困性、そうして戦争の痛手から二十八年にわたるところの戦争未亡人の、あるいは婦女子の苦しい生活、こういったもろもろの要因がそこにミックスされておると私は理解しておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私も、敗戦と同時に異民族に支配された県民の気持ちの荒廃、米軍の膨大な基地、そういうふうな問題が重なり合ってこうした事態が生まれておったものと考えております。
○喜屋武眞榮君 ちょっともう一ぺん念を押しておきますが、そうしますと、この責任はどこにあるのか、何がそうさせたか、この二つの点、多くを求めません、結輪だけでけっこうです、お聞きしたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 以上のような状態に置かれたことが何といっても一番大きな私は原因だと考えておりまして、私どもとしては、復帰後はこうした長い異民族の支配にあったことに思いをいたし、全力を尽くしてこうした婦女がなくなるように最大の努力をすることが政府の責任であると痛感をいたしております。
○喜屋武眞榮君 この問題については具体的にもっと触れたいのですが、どうしてもあと二つの問題に私、触れなければいけませんので、いまの問題に関連して、沖繩が第三次産業のいわゆる観光開発という立場から、もうすでにその警告が発せられておるのでありますが、観光売春、この観光売春ということばももう出ておるぐらいに非常に憂慮されておるのです。このことも念頭に置かれまして、ひとつ具体的に、徹底的にその対策を、ただ権力側の、権力の面からの取り締まりとか押しつけで、こういうものでこれがよくなるはずはありません。ほんとうによくなるはずはありません。総合的な施策の中で沖繩を見つめて、暖かく差別なく抱きとってもらうところからこれがだんだんいわゆる体質改善をされるのでありまして、そのことを抜きにして、幾ら施設に金をかけ、幾ら人員を、官憲の取り締まりを増したところでこれは全治するものではないということを十分御承知のことと思いまするが、いかがでありますか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) こういうふうなことの状態を改善してまいりまするためには、何といっても沖繩県民の心の豊かさを取り戻すように努力をしていかなければなりませんし、その生活の豊かさを回復してあげるようにしなければならないと思うのでありまして、基本は、日本に復帰してよかったという、県民あげてそういう気持ちにならすような福利、民生安定、それに全力を政府として力をいたすことが基本であると考え、今後ともそういうふうに努力をしたいと考えております。警察当局その他の取り締まり、あるいは私どもの施設に困った人たちが相談にくると、それだけで問題は解決しません。やはり心の豊かさ、生活の豊かさ、これを取り返すような政策をとっていくことが基本であると考えておる次第でございまして、今後とも努力をいたす考えでございます。
○喜屋武眞榮君 次に問題を進めます。第二点はハンセン氏病の医療改善の問題についてぜひ確かめたいと思います。最近沖繩愛楽園、宮古南静園の職員の増員に対する抗議集会を持っておることは御存じですか。
○政府委員(滝沢正君) 承知いたしております。
○喜屋武眞榮君 なぜそのような抗議集会を持ったと、理由は何だと理解しておりますか。
○政府委員(滝沢正君) 沖繩のハンセン氏病の療養所につきましては占領下、長年琉球政府の管轄のもとで運営されてまいりました。その間に本土と大きく違いましたことは、本土におきまして過去には患者さんの軽症者が重症な方を看護すると、こういうような実態がございましたものを、逐次職員に切りかえておったのでございますが、この点につきましては琉球政府が運営してまいりました二つのらい——ハンセノ氏病の療養所につきましては、それが旧来の本土のハンセン氏病の療養所と同様いわゆる不自由者に対する職員による看護に切りかえるという方策をしませんので、今度復帰いたしまして本土の療養所と同様に不自由者のための不自由者棟をつくり、逐次職員による介護に切りかえていく、この方策に対する政府の積極的な施策というものを要望し、現状を、復帰後の進み方に対する、おそらく何といいますか、それを積極的に進めろという御要求であるように理解いたしております。
○喜屋武眞榮君 先ほど来大臣をはじめ、いまの御答弁を聞きましても、非常に心情的には同情、理解、これはよくうなづけます。復帰して喜んでもらえるとか、復帰してよかったというこういった沖繩にしたいという。ところがですね、私はそのような心情が現実の裏づけとしては全くうらはらであるということをここに指摘いたしたい。だから同情論で沖繩問題は解決しないということなんです。その裏づけを皆さんの答弁を求めながらいきたいけれども、どうしてももう一つ触れなければいけませんので、この事実を私指摘いたしますから、その上に立って判断を願いたいと思います。 まずあの患者たちが大会を持っておるなには、復帰後は本土並みということか合いことばだったわけです。ところが県民の求める問題に対する本土並みは追いやられて、求めないものは本土並みというそのレッテルのもとにしいられてくるという、ここにまず根本の問題があるということです。 それから第二点は、要求かわれわれは差別されておるのかと、そういった差別意識にまで結びっけて県民は怒りを持っておるということなんです。政府に対する不信感を持っておるということなんです。この事実をいかにそうではないと否定されても、事実は何よりも真実であるということを私は指摘したい。たとえば職員の増員要求に対して、いま南静園は二百名の定員にしてくれという、百二十七名から二百名にしてくれというこれは理由があるんです。いわゆる類似園との比較、沖繩と大島園ですか、患者数が沖繩が六百八十名大島が五百四十人、沖繩より少ないんですよ。その少ない大島に対しては、沖繩がまず看護婦が二十三に対して大島は三十一、それから薬剤師が沖繩でゼロに対して大島は二、それから医長、医師、沖繩は医長一人医師三に対して大島は医長の五、医師二、それから職員、技能労務、沖繩が四十七に対して大島は百一、このように数の上でまさに差別されておるというこのことがいかに同情論をぶち向けたって納得いかない。ここに問題がある。そうして定員が沖繩が百二十七に対して大島百八十一、この比率からするならば、二百名の定員要求するのはしごく当然です。この事実。それから四十八年度の要求も、復帰時の二十七名に対して四十八年度六名の増という、この微々たる六名の増に対して激しい怒りを持っておるわけなんです。 そこで非常に憂慮すべきことは、いま復帰前までは患者たちによって果たされておった郵便配達、食事の運搬、営繕、理髪、洗たく、こういったもろもろの問題、従来患者の中でやっていた。百八十八名で用を足しておった。これに対して検討した結果、現地側ではせめて二十二名ないし十九名はぜひほしい。これがあてがわれんというと、もう患者たちはなぜわれわれは復帰して本土の園ではちゃんと定員をもらってやっておるのに、われわれはお互い同志でやらなければいけないかと、こういうことをちゃんと知っておる。それでボイコットをするということで、園長も、その幹部の方々もたいへんいまうろたえておる。このことに対して、ぜひひとつ園側の、沖繩側の要望はしごくもっともなことである。これに対して検討願いたい。そうしていま差し迫った問題、この百八十八名でいまやっておった仕事にかわるべき二十二名の定員ですね。これぜひ急にあてがってもらわなければ、園の運営がもう崩壊する、こういうことに行き詰まる、こういうことになりますが、これに対するひとつ回答を願いたい。
○政府委員(滝沢正君) この辺につきましては、先ほど先生から数字の御指摘がございましたが、本土の場合、百ベッドあたり二八・二という職員数でございますが、沖繩の場合、三園の平均が百床当たり二〇・六ということで、復帰当時三十名の増員をいたしましたが、確かに四十八年度においては不自由者の切りかえ等のための六名ということで、さらにいまの作業の問題に関して御研究なさったわけでございますが、この作業の点につきましては、先ほど私が例に引きました不自由者を看護するというための職員への切りかえというものは進みましたけれども、本土の場合においては、まだもろもろの日常的な作業の中で本土の場合においてもこれを切りかえる要望が出ております。これについては逐次たとえば食事のための運搬作業というようなものも職員に切りかえるべし、しかも年齢がだんだん老齢化していく、こういうような実態は本土も同様でございます。したがいまして本土に復帰された沖繩のハンセン氏病の患者さん方が、本土と同様にこれを要求なさることは当然でございます。したがいまして本土にもましていろいろものの点がおくれておりますので、これを取り戻すことがまず先決ではございますが、作業の職員への切りかえにつきましては、本土と同様にこれを早急に実現しなければならないと思っております。したがって二十二名の要求につきましては、本土においてもこれが実現をいたしておらない現状でございますが、できるだけ優先的におくれを取り戻す意味で、沖繩のこの問題に対しては対処していきたい、こういう気持ちでございます。
○喜屋武眞榮君 この問題につきましてもなお論議したい点がありますけれども、最後にこの問題について申し上げたいことは、いわゆる本土の復帰後、本土のワクの中で沖繩も勘案されるわけですが、そのしわ寄せを沖繩に寄せては絶対にまかりならぬぞと、これが差別につながるんだと、むしろ沖繩はプラスアルファ、優先していくことこそ二十八年のその償いをというあたたかい心を、配慮をプラスアルファで寄せてもらうことがその裏づけでありましてね。実態においては差別をしながら、このような喜んでもらえるとかあたたかいということを言ってみたところで話は始まらないということを、私はその差別は断じて許さないぞということをはっきり申し上げましてひとつ御検討を願いたいと思います。 最後に、先ほど大臣が触れられました麻薬の問題、これまた身も心も病める沖繩、そしてこの病める沖繩の実態はやがては病める本土への、いわゆる病める日本の悪い意味における起爆剤になるのではないかと私は憂慮いたしております。そういう意味で足もとに火がついた、まつげに火がついたという気持ちで深刻な問題ということで受けとめてもらって、沖繩での麻薬の現状、その経路、それに対する対策ということでひとつ大臣の御見解を求めたいと思います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 沖繩におきまする麻薬の事案は、先般来申し上げましたように特殊な事情もありましたので、本土に比較いたしまして事案が多く発生をいたしております。一応数字から申しますと、復帰から四十七年末までの間に麻薬で送検された数が、二百五十名送検されておりますか、そのうち外国人——まあアメリカ人があれでございますが、約八十%の二百人、こういうことになっております。で、この数字は本土に比べまして非常に多いのでございまして、この外国人というのはアメリカの退役軍人等を中心にした者が沖繩の暴力団と結びついての麻薬事犯、こういうものもありますが、同時に基地内における米国軍人が輸入をして、そしてそれを流していくと、こういう事案も相当の数にのぼっておると承知をいたしております。 そこで私どもの厚生省におきましては、復帰と同時に麻薬取り締まりの役所を設けましてそれぞれ取り締まりに当たっておるわけでございますが、特にそういういま申し述べましたような基地内の軍人の関係がございますので、基地の米国軍隊の協力を得なければ絶対にできません。できません、これは。そういうことで向こうの軍との連絡を緊密にいたしておるわけでございますが、幸いに米国軍隊のほうにおきましても麻薬だけは何とか絶滅さしていかなければならぬというので非常に協力をしていただいておりまして、アメリカ人のこういう二百五十という送検のうちの約八割の二百というふうに大きくアメリカ人が浮かび上がっておるのも、向こうも非常に協力的にこれは突き出さなければならぬということで協力していただいている私は数であると考えておりますが、アメリカの軍当局の協力もいただきながら、できるだけ早くこういうふうな麻薬事案が減っていくように、いな、むしろなくすように今後努力をしていかなければならぬと、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 次の御日程があるようですので、私もこれで一応打ち切らしていただいて、また後日あらためてこの問題を展開していきたいと思います。 最後に申し上げますが、いま沖繩に起こっておるもろもろの問題、これをよそごとと思っちゃいけませんよということを、それが本土への——沖繩という都市がこういった異常な状態にいまあるというこのことがプラス面ではなくマイナスの面において国際犯罪のいま舞台になりつつある、そして悪化しつつある、浸透しつつあるこの沖繩をどうするかということがこの日本をどうするかということにつながる、こういう常に姿勢で全力投球をしていただきたい、全力投球を。そしてしかも、繰り返すようでありますが、ただ取り締まり面だけでこれをやろうとしたんじゃ必ず抜け道がある、抜け穴があるということを十分理解の上に立って徹底的にひとつこの問題が浄化されていくように立ち上がっていただきたいということを私は重ねて要望を申し上げまして一応これで打ち切りたいと思います。
○藤原道子君 ただいま喜屋武さんの御質問がございましたが、売春問題にしても麻薬問題にしても、社労委員会で私どもも取り上げてきているんです。そのときの答弁がありながら一向にそれが実現されていない。で復帰後の沖繩の人たちが不平を言い、あれされることは当然だと思いますので、特に売春、麻薬それからハンセン氏病、これは日本のハンセン氏病院においても職業的な人に切りかえるということになってその約束の期限は過ぎているけれども前進ができていない、これでは不平が起こるのはあたりまえ、ことに復帰された沖繩の人たちが持たれる不信感、これが強化することが私はおそろしい。この問題については私もいずれ社労で御質問申し上げますけれども、その点真剣にお考えになっていただきたいことをまず最初にお願いをいたしておきます。 そこで私はいま看護婦不足から生じるいろいろな問題、諸問題はきびしい社会問題となっております。で私は保助看法制定当時から今日の不幸な事態の生じることを心配をしていろいろ要求を続けてきましたが、政府としてもそのつど対策を尽くすことを約束されてきたのでございます。ところがそれが一向に実現されていない、これは非常に遺憾でございます。そうしてついに今日の実情となった点を真に許せないと私は怒りを覚えるとともに私の力の足らなかったことが国民に対しても申しわけない、こういう気持ちで悔やまれてなりません。この重大な看護婦問題、医療問題については、きょうのように大臣の時間の少ないときに取り上げることはどうかと思いますけれども、私は不勉強で知らなかったけれど、二十六日夜のNHKテレビを見てびっくりしたんです。で二、三の点をお伺いして、いずれ日をあらためて医療問題全体として取り上げていきたいと思っております。 まず第一に、看護婦不足対策と今後の養成計画についてお伺いをしたい。結局、毎年看護婦の志望者はどのくらいいるのか、それから入学者はどのくらいか、卒業者は、そして退職者は年々どのくらいあるか、この点についてまず第一にお伺いしてみたい。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦の養成問題につきましては、先生のおっしゃるとおりかなり計画的に進めてまいったつもりでございますが、今度は需要のほうの側に例のニッパチ体制というような、新しい当然の要求ではございますけれども、新しい事態の発生を見ましていつもそれを追いかけているような実態でございます。 お尋ねの現状につきまして数字的に御説明いたしますと、入学年度、たとえば四十六年を取り上げますと一学年定員が五百七百八十三でございまして、入学者数が四万八千五百八十七、この方々が三年コースあるいは進学課程等によって若干の年度のズレはございますけれども、本年四十八年卒業年度等あげてみますというと四万六千四百六十五名が卒業当時の入学の生徒数でございますが、卒業する段階になりまして四万四千七十二という数字に落ちまして、それからあと、進学が約六千、その他約八百というふうになりまして、就業者数になりますと三万七千でございます。この三万七千の方——一学年のわが国の四十五年当時の収容定員と申しますか、養成所の定員から見ますというと四万七千でございまして、四万七千の収容定員の人が、三年後ないしは二年等若干のズレは先ほど申し上げましたようにございますが、就業者数という段階で約一万落ちまして三万七千ということになりまして、四十八年の年末就業者数の推定は三十七万三千となりまして、前年度に対比して二万二千の増となります。
○藤原道子君 退職者は……。
○政府委員(滝沢正君) 退職者につきましては、年次による若干の変動はございますけれども、全体で見ますというと、五%程度で一万数千人ということになりまして、このリタイアいわゆる退職者を防止することがかなり大きな数字の上では問題があるように意識しております。
○藤原道子君 私は一昨日、医科大学の付属病院で、看護婦養成とそれから退職者とどの程度になっているかということを聞きましたら、ほとんど同数だと言うんですよ、就職した数とやめる人と、そういうようなことなんです。厚生省で、いまあなたはたいへんいいような答弁でございますけれども、退職者は、あなたの言ったおとり間違いございませんか。
○政府委員(滝沢正君) わが国トータルの数字で申しますとただいま申し上げたとおりでございますが、たとえば、きのう私も文部省の資料は御説明を聞いておりますけれども、文部省の大学の関係ということにしぼりますと、またあのようなことも事実であろうと思うんです。
○藤原道子君 文部省関係だけじゃないんです。何といいますか、自治体病院、こういうところの退職もずいぶんひどいんです。いまのあなたの答弁は国立だけですか。全部ひっくるめてこういう答弁ですか。
○政府委員(滝沢正君) 全体でございます。
○藤原道子君 この点は、私まだ納得いきませんよ。 そこで、看護婦不足のために病床の閉鎖がふえておる。こないだもある病院では、看護婦が足りないために二百床からの閉鎖をしたと。いろいろ周囲から責められて、とうとう事務長が自殺しましたよね。私はこの病院にも視察に行ったんです。ところが、入院の希望者はうんとあるんです。けれども、看護婦が足りないために病床を閉鎖している。こういうことからついに自殺をするような悲劇が起きているんです。こういうことに対してどうお考えですか。だから、閉鎖しているのはどの程度になっておるか、現在の状況をひとつ伺いたいと思う。
○政府委員(滝沢正君) お尋ねの、閉鎖の状況と申しますか、閉鎖という実態と、新築してそれが見込み違いで看護婦が獲得できないために開けないというような、閉鎖と申しますか、そういうような実態もございますが、公立病院等を含めた、民間等を含めた実態は必ずしもつかめておりません。 で、国立につきましては、ただいまのところ国立病院の関係で一看護単位ほぼ五十床でございますけれども、国立病院のほうで約十施設がほぼ五十床単位であいておりますので、約五、六百床が開けないと申しますか、一看護単位として使えないという実態がございます。それから、国立療養所のほうでも、ほぼ同様六百床程度がございます。これのおもなのは、重症心身障害児等の施設について、工事年度が、四十六年に設備して、それが看護婦の卒業の四月という時点で、看護婦さんの卒業してくるのに就職していただくということのチャンスをのがしたような例については、工事の関係等で、病棟を開設するということと看護婦を相当前から準備して確保するということとの若干のズレのために、重症心身障害児施設等で、全体の利用率は九二%という病院としては非常に高い利用率でございますけれども、やはり数カ所の重症心身障害児施設で、看護婦確保の困難なために四十七年度の間に若干の空床を残しているところがございますが、これは、ただいまの見込みとしては、四十八年の卒業生等を確保することによりまして、ほぼ病棟を開くことができるという見込みが立っておるわけでございます。 そのほか、公的病院等につきましても、先生のお尋ねのように、個々の空床、いわゆる閉鎖されておるということについては的確な資料がございませんけれども、一般的に利用率から申しますというと、病床利用率というものが、国立で、これは文部省関係も含めまして七二%、公立が七三%というようなことでございますから、本来病院は八〇%ぐらいの利用率になるのが望ましいのでございますので、こういう点から見ましても、やはり空床なりあるいは病棟の縮小なりということが看護婦の不足等によって現実にはあるものというふうに思っております。
○藤原道子君 医療関係はやはり国立だけがあなたの係じゃないんでしょうね。もう少し真剣に今後調査してほしい。われわれが視察して歩いても、方々がそういう状態です。それで私たちに、入院をしたいけれども病床がないといって入れてくれないと、何とか入れてくださいというような陳情がずいぶんあるんです。どれだけ病人があっても、病床があいていても、しかも入院ができない。これ一体どうするんですか。 したがって、たとえて言えば、東京の国立第一病院でも、何年、五年だかかかって十六階のあんな大きな病院ができたんですね。ところが、やはりここでも看護婦さんが足りない。だから全部開設ができない。ところが、五年もかかってつくるならば、どれだけの看護婦が要るかということはもうわかっているわけだ。それなら、看護婦の養成をもっと真剣にやるべきじゃなかったか。これに対して、どういう方法で充実をはかっていかれる方針であるか、これをお伺いします。
○政府委員(滝沢正君) 国立第一病院の問題につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、これは約千ベットの新しい病院をつくったわけでございますが、過去の病床がほぼ六百床ということで、工事のために、いわゆる予算定員と申しますか、患者を入れる器を四百五十床程度に減らしまして、そしてそれを今度千ベットに戻さなければならぬもんですから、ここで、四十八年度に新たに大蔵省に定員の増をお願いいたしまして、約二百十名程度の職員の、医師はじめ看護婦、検査員等を含めて、これで千ベットを開設する準備をしているわけでございます。しかし、定員が入りましても、東京の現状からいってはたして看護婦が獲得できるかという問題は、確かにおっしゃるとおり一つ問題として残っております。ただ、国立関係はみずから養成しておりますけれども、実際は、看護婦さんが国立以外のところに三分の二は就職し、三分の一が国立に残っているというような実態でございますから、当然われわれとしては、わが国全体の看護婦のために養成に努力するわけでございます。 後段お尋ねの、看護婦の養成計画という点につきましては、先ほど若干数字をあげて申し上げましたが、ともかく、養成所の定員ということと、入学してくる数、それからそれか途中でおやめになったりして卒業を迎える段階、それからさらにそれが卒業後就業する、家庭に入る人もあり進学する人もありそれから就業すると、こういうところで、入学のベースと就業ベースが一万くらい減になるわけです。そのほかに、就業の途中で、前年度の年末とことしの年末とを比べると一万数千人の退職者が出る、こういうようなことでございまして、結局、看護婦の養成は、根本的には、志願者がことしあたりで看護婦養成所で、准看は別でございますが、看護婦養成所で定員の約五倍近い志願者がございます。そういう実態を踏まえますと、まず養成施設をもっと積極的につくっていく必要がある。国立の施設でも、二百床以上で養成所が設置可能と思われるものがまだ数十ヵ所ございます。これは私は少なくとも四十九年からの五ヵ年計画でみずからの国立施設にまず養成所を可能な施設には全部つけるという方針を立てたいと思います。それから、リタイアを防ぐ。もちろん公的の県立その他につきましてもまだ養成所の設置のないような病院で、しかも付属養成所をつくり得る可能性のある病院については、県とも御相談をし、積極的に設置していただくよう補助金その他の準備もいたしたいというふうに考えております。 この点につきましてさらにリタイアを防止するということは、やはり看護婦さんの給与の改善ということが私どうしても根本的にあると思いますので、この点は特に人事院との接触によってすでにこの問題に対して努力を続けておる次第でございまして、四十八年度の国家公務員の給与改善については、ぜひともこの看護婦の給与の改善についてはっきり具体的な改善をいたしたい、こういうふうに考えております。 それで、それだけで退職防止ができるとは思いません。要するに夜間勤務等のことをどうしても看護婦さんにはやっていただかなければなりませんので、やはり保育所の設置というようなことについては、四十七年度から初めて補助金をもちまして、国全体の各公的施設を中心にした共同保育所を各市単位につくっていただくというような施策に手をつけ始めました。この点につきましては実施が効果があるということがわかりましたので、かなり大幅な五ヵ年計画の中では保育所の設置について推進いたしたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。 そのほか、看護婦の生活環境と申しますか環境条件、こういうものの改善にも努力する必要があると思うのでございまして、あるいはニッパチ体制というものもやはりそれを推進して、夜間勤務の日数等が現状よりも減少していくというもろもろの五項目程度の重点事項というものが私は看護婦問題にあると思いますので、これも強力に推進する必要があるというふうに思っております。
○藤原道子君 いつもそういう答弁をしているんです。ところが、実際にはなかなかやっていない。私は保助看護婦法制定の当時からおきめになりました四対一の定員は無理だと、結局三交代制であるし、夜勤があるし、ことに日曜、祭日の休み等もある、したがって四対一ではだめだと、定員はやはり二・五対一かあるいはできるならば二対一くらいの定員にしなければ将来問題が起こりますよと、これは折衝した。それから、看護婦の一本化も主張した。ところが、そのときの厚生省は、病院の病床と看護婦の数を計算するとどうしても四対一よりもできません、したがって将来看護婦をどんどん養成いたしまして御期待に沿うような定員化をしていきたいと思う、こういう答弁だった。ところがいま病院の病床はどんどんふえている。ところが看護婦は一体どうなんです。こういうことが看護婦の重労働になる。こういうことから看護婦不足がますますひどくなっていく。病室をつくっても、病院はつくっても、看護婦がいないから開かれないなんて、そんなばかげたことは許せないと思うんです。ことに私がぜひお考え願いたいのは、いまさっきあなたが言ったけれども、重症心身障害児の施設あるいは寝た切り老人の施設、こういうところで働いている看護婦さんは定員不足のためにどれだけ苦労しているか、多くの人が腰痛を起こして働きたくても働けないというような状態、こういうことをあなた方知っているんでしょう。ということになれば、看護婦養成が五倍の競争率があるのにそれをなぜふやしてくれないか、なぜ多くの看護婦の養成をしないのか、こういう点は一体どうなんですか。この問題が一つ、時間がありませんから。 それからその当時准看制度は廃止して看護婦の一本化をはかりなさいというのが私の主張でございました。このごろ大病院の先生方は一日も早く准看をやめて看護婦に一本化してください、こういう要求がほとんどの病院からあるんです。ところが、厚生省はこれに対して幾ら言っても決意を表明してくれない。これは一体どうなんですか。 それから、いま看護婦さんは高校を卒業して三年学校に行っているんです、養成所に。国家試験を受けている。ところが、正式の学力は高卒しかない。短大以上の教育を受けながら高卒という資格しかやれないということ、こういうこともひとつ問題になると思う。したがって私は前々から要求しておりますように、看護婦さんの教育制度、これをぜひとも学校教育法による教育にしてもらいたい、これを私は強く要求している。そうすることによって社会的なあれも高まってくる。ところが、いまは一生懸命勉強しても高卒だというばかげたことは私はないと思う。それでこの際ぜひとも教育制度による、学校教育法一本で看護婦の養成をしてもらいたい、実際、実務ですか、実習ですか、これは何も大学病院だけに限りません。国立病院でも総合病院なら、そこで看護婦の実習をしていったらいい。 それからいまは医療費から看護婦養成の費用を出している、医師会がやっているところなんかは。したがって、これに対しては学校教育法にすると同時に、国の責任で看護婦の養成をする、戦前の師範学校ですか、こういう制度で看護婦の養成をしたらどうか、これも私の長年の主張なんです。こういうことに対してはどうお考えになりますか。看護婦の充足をはかるため、准看はいままでやっていらっしゃるんですから、六年なら六年の実務があればそれでわずかな間の講習で国家試験を受けてそれを正看護婦にしていこう、こういう考えが私の長年の主張でございますが、これはどうお考えでございますか。
○政府委員(滝沢正君) 先生のお尋ねの中の、養成所の設置が先ほど私五倍あったというのは国立関係の数字だけを承知しておりまして申し上げましたが、四十七年四月の正しい数字では三年課程のいわゆる看護婦の受験者は三・三倍でございました。ことしの四月の、三月受験を希望しておるものは、国立関係だけでは五倍に近いということをきのう聞いたものですから、それを全体のように申し上げましたので、ここで訂正させていただきます。 それから養成所の個所数はなぜもっとふやさないのか。この問題につきましては、まず国立直轄のところでみずからまずやることについての姿勢がいままで弱かった点、これはもう弁解の余地がないわけでございまして、この点については、四十八年度は従来のペースよりも個所数はふやしましたし、四十九年度以降は、その点を先ほど申し上げましたように計画的に推進いたします。 そのほかの補助金ないしは補助金を出さない私的な問題につきましては、どうしても設置者の熱意と申しますか、設置者の経営的な感覚から養成所を持つか持たぬかという決心をしていただきませんと、こちらから強制するわけにはまいりませんで、そういう点がたとえば運営費の補助というものをいままで出していなかったのが四十六年、七年というように運営費の補助がわずかではございますが出すようになりまして、先生のおっしゃったように診療報酬で看護婦を養成するというような姿をもっと積極的に解消する方法がございませんと、やはり養成所の設置の数はふやすことができないんじゃないかと思うわけでございまして、この点は従来の先生の主張どおり、公費に近いものでこの養成所の設置をやらなければならないと思っております。 それから、準看と看護婦の一元化の問題につきましては、かねがね先生の主張であることではございますが、この点につきましては、ただいま厚生省に学識経験者による看護問題の制度検討会をつくりまして、おおよそ理論は解消の方向でございますが、現状のわが国の看護婦の需給関係から申しまして、にわかに近い将来の時点を切って、急に準看養成を廃止するわけにはいかないという体制でございますが、方向としてはやはり準看というものは逐次解消して、そして看護婦養成一本にすべきである、こういう議論が進められております。いずれ、はっきりとした御答申をいただきまして、この問題にはかなりの年限はかかりますけれども、計画的に解消する方向で努力するようになろうものと予測いたしておるわけでございます。それから、大学等の学校教育法に基づく問題については、全くその方向としては関係者もみんな希望し、また通るのが当然の方向と思いますか、どこの国におきましても、やはり量と質の問題について常にこの問題は大きな悩みがございます。病院の付属養成施設というものの完全な解消の方向というものはどこの国にもございませんで、やはり大学をそうどんどんふやしていくという方向を強化しながら、付属の養成の形式のものも存置していく。積極的にそれを伸ばすという方向ではなくて、それは外国の各国の看護婦養成の仕組みの違いによって、歴史の違いによってございますけれども、わが国は従来どちらかというと、その各種学校による養成のほうが大部分で、大学コースによる養成が非常に弱かった。したがって、先生のおっしゃるように大学コースによる養成を強化することか、当然やらなければならないことでございますが、完全な一元化ですべてを学校教育法に基づくものに切り変えるということについては、即刻にこれを切りかえというものは困難だと思いますが、逐次その基準は学校教育法に基づく方向にこれが傾いていきませんと、看護婦の職責と、それからわが国における教育制度なり社会の評価の点から言ってもその方向を志向する必要があることは当然であろうというふうに考えておる次第でございます。
○藤原道子君 ちょっとおかしいです。私、この前質問したときには、そういう方向へいくことを努力すると、それから文部省でも一本化に対しては賛成だと、こういう話があった。ところが、聞くところによると、文部省と厚生省のなわ張り根性でこれの実現がむずかしいというふうに聞いているんですよ。だけれども、外国の例だって、私も外国の施設を見て回ったことはあるんです。日本でいまの現状でよろしいのかと。卒業した者は教育を受けたことが社会的なあれになってないんです。高卒なんですよ。だから、どうしても教育法によって私はやるべきであると。ことにいま看護婦養成所の教師が非常に足りなくて困っておる。大学を三年制にしたりもし四年制にするならば、保助看法全部の資格が取れる。同時に学校教師としての資格も取れる。こういう方向へいくべきじゃないか、こういうふうに考える。そこで大臣、看護婦不足を補っていき、患者によき看護ができる方法としてどうお考えになるか、大臣の責任ある答弁を聞きたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 看護婦不足の問題につきましては、先ほど先生がお述べになりましたように、病院は建てたが看護婦がいないから空床になっている。特に重症の重度心身障害児の施設などについては、看護婦がないためになかなか思うように入れることはできない。こういうふうな状態にあることはほんとうに私遺憾といたします。国民医療というものの責任を負う厚生省として、いままで何していたと私も言いたくなるような感じを実はしておるんです。いまや、看護婦の問題はこれは大きな社会問題であり、厚生省だけで考えてみれば国民医療の水準を低下せしめる非常に大きな問題だと私は考えております。 そこで、就任以来この問題何とか解決しなけりゃ相すまぬじゃないかと、こういうことを実は痛感をいたしておるわけなんですが、実際いま考えてみますと、四月になりますと、いろんな学校とか養成所に五万四千人も入るんですね、入る。卒業するころには一割減っています。その間に、せっかく卒業して入ったかと思えば、病院のほうからは何万人も抜けていく。それは病院の数もどんどんふえておりますから、なかなかふやすことも容易じゃないとは思いますけれども、これではせっかく養成しては一、二年たって減っていくというのでは、ざると言おうか、かごに水を注ぐようなものじゃないかということはしみじみ言っているのです。これはどうすればいいのかということを、実は私は私なりにいま考えております。それはもちろん養成所の数をふやしたり、それから先生お述べになりましたような学校教育法による養成施設の一本化、これは私はそういう方向だと思うのです。そうしなくてはならぬと思いますが、まず急場の問題として、どうしたらせっかく出た卒業生をそれだけ純増になるように、ふやすことを考えなければいかぬと思うのですね、減るんじゃ何にもなりませんから。卒業したら一年たったらまた減っていくのでは何にもなりません。どうすればいいだろうか。結局、私は看護婦さんというものの職種は、国民医療上もなくてはならぬ貴重な職種である。しかも、女性にとってもこれは非常に大事な職種であるということを考えて、思い切った処遇の改善をやる以外にないんじゃないかと思っているのです、私、卒直に言って。それも実はことしあたり、人事院にもこの前もお願いをしました。学校の先生方と同じような、学歴等をにらみ合わせて学校の先生方と同じような——最近下がっているのです、看護婦さんの給与は。それを学校の先生並みに上げるとか、それからさらにもっと、人事院などではわりあい数字で低めにやりますからね。何かこれ、看護婦さんだけを人事院の勧告とか何とかいうことは別と.しまして、そんなことを言うとほんとうはいけないのかもしれませんが、思い切ってね、これ、文部省の例のやつもありますから、あまりおこられるといけないんですが、やっぱり学校の先生は別として、看護婦さんだけは人事院の勧告を上回ったようなことを思い切ってやる必要があるんじゃないかということを、実は考えているのです。人事院には上げろということを言ってあります、いま。しかし、それだけで一体十分なのかという実は私も考えを持っているのです。それと同時に、こういう処遇の改善。 それから、もう一つはやっぱり労働強化ですね。労働強化。最近ニッパチ勤務体制ということを言われておるんですが、ニッパチ勤務体制を頭に描いての養成計画は厚生省になかったんです、いままで。前にあった計画は四対一とかいう医療法の数字でまいりましたね。ところが、その後ニッパチ体制というやつが最近になって非常に大きな深刻な問題になってきた。だから、どうしてもこのニッパチ勤務体制というものを必ずやるという前提に立って、勤務条件の改善をどうやってはかったらいいのか、これは第二番目の私は大きな問題だと思うのです。 それからもう一つは、結婚されておやめになるという方がたくさんおるわけなんです。これをつなぎとめるといっては語弊があるかもしれませんが、できるだけ入っていただく。あるいはまた結婚されてもけっこうですが、子供さんができたあともですね、お手すきのときは手伝っていただくようなやり方を考えないかぬと思うのです。それには少なくとも、まあいなかなどではそうできないと思いますが、子供さんある家庭の御婦人にお手伝いしていただくためには、やっぱり昼間その子供さんを預かるような保育所ですね、これを私、つくる必要があるんじゃないかと思うのです、保育所を。それも、児童家庭局が考えているようなまじめな——まじめなと言ってはおかしいですが、法律どおりの児童の保育なんということにとらわれないで、子供をまず預かって、その働いている間はお預かりするというふうな保育施設を、これひとつ大きな都市にはつくっていく。こういうやり方をする以外に道はないんじゃないか。こういうふうに実は考えて悩んでおります。 したがって、総括的に申しますれば、養成所の数をふやすことも大事でございます。もちろんそれには努力いたします。けれども、処遇の改善。第二番目には勤務条件をどうやって改善するか。それからもう一つはリタイアを防ぐ意味において、潜在看護婦を活用する意味において、そういうふうな保育施設、特に夜間勤務ということは、看護婦さんにはひとつ難儀していることは別として、避けられないことでございますので、夜間保育までも含めたそういうものを思い切ってやりたい。こういうように考えております。それで、ほんとうにやってくれるかと言われるわけでございますが、実は、御承知のように、経済社会基本計画というものが先般できまして、それに基づいて厚生省では社会保障長期計画をつくることにいたしております。昭和四十八年度を第一年とする長期計画をつくることにいたしておりまして、その中には、もうすでに先生御承知のように、年金問題、社会福祉問題ありますが、その中の最重点を、この医療水準を維持し向上させるという観点に立って、看護婦問題に全力を尽くしてみたいと私は真剣に考えております。したがって、大体八月ごろまでに五年計画の草案をつくりますから、またその節には、先生方専門の方々でございますから、知恵をおかりいただかなければならぬと思いますが、大体八月一ぱいに、四十九年度の概算要求前にこの看護婦を、数だけの問題ではなくて、質・量両面にわたる、待遇の問題も含めて、質・量両面にわたる看護婦確保の具体的な政策を八月までにつくりたいということで、四月早々その長期計画の懇談会の委員の人選をいたしまして、四月から着手いたしまして、八月末までに質・量両面にわたる看護婦の確保、医療水準の確保、そういうことを頭に描いた計画を私は真剣につくりたいと思います。いままで多少、ほんとうに私自身も歯がゆく思っているようなことが一ぱいあるわけでございまして、私は在職中真剣に、この問題だけは解決の糸口を見つけるというふうに真剣に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 ほんとうにやる気であるなら、ほんとうにやってくださいよ。いつもだまされてきたんだもん。ほんとうにだまされてきたんだから。 そこで、時間の関係があるから、次に進みたいんですが、退職者が多い実情が、いま一日われたようなことと、それから保育所の問題で、あなたは言ったけれども、昼間の保育所だけではだめなんです。夜の保育所までつくりなさいとずいぶん言うのだけれども、なかなかそれをやってくれない。で、全医労の組合が夜の保育所をつくったところでは退職者が四分の一くらいに減ったんです。夜勤が十日も十三日もあるでしょう。そうすると御主人は、奥さんが十日も十三日も留守になる、子供を世話しなければならぬ、これじゃやめろと言うのはあたりまえですよ。だから夜間保育所を病院へつくるべきであると、私は長年これを主張してきているのですが、ぜひそれを実行してはしいということを強く要求したい。 それから中国だのソビエトなんかへ行ってみますと、病院の周辺に医療従聖者の住宅がある。とても楽ですよ、近くにあるということは。ところが日本では夜勤の場合、夜の十一時、十二時に交代する場合、それから遠くまで帰らなければならぬ。こういうことも退職の一つの原因になっているんです。こういうことで、住宅問題もひとつ考えてほしい、保育所も考えてほしい、それからいまのような重労働を何とか解決して、社会的に真の保障ができるようにお考えを願、いたいと考えます。 そこで、いまの看護婦さんやめていくのが潜在看護力は三十万いるんですね。看護婦の免状持っているのですよ。持っておりながら職場を離れる、ほかで働いているということになると、その点も十分検討していただいて、ぜひ潜在看護力を引き上げていく。それを三週間なら三週間くらいの講習をして職場へ戻ってもらう。アメリカでは大統領がテレビで全国に放送して、そしてこの潜在看護婦さんを講習する場合には、失業保険並みの手当を出して、それで保育所をそこにつくって、それで講習をして、それで職場へ帰ってもらう。これもたいへんな力でやっているんです。これなら日本だってできないはずはないと思う。三年間勉強してきた人なんだから、それか三十万の潜在看護婦としてあられると思うと、これをどう処理していくか、どうこれを活用するかということを真剣に考えていただきたいと思うのです。こういう重労働であるから看護婦さんがいなくなる。 ところが二十六日夜のNHKテレビを見て驚いた点は、准看護婦、看護婦養成として韓国から受け入れているということです。それで奈良県の医師会協同組合がやっているのだそうでございますが、このときにテレビでいわく、看護婦の希望者がないから、だから看議婦が不足なんだ、したがって韓国の人を受け入れてここで養成をしていくんだと、こういうことをテレビでは言っていらっしゃる。ところが、韓国には准看護婦はいないんです。准看制度はない。それなのに准看護婦の養成として韓国から受け入れているということなんです。それで、その後ちょっと調べてみたら、奈良、千葉、埼玉、三重等にもこれが入っているんですね。准看養成所ですか、研修所と呼んでいるところもある。そうしてそのテレビによりますと、奈良の医師会協同組合准看護学院というところがあるところから、この間のテレビでは生駒でしたね、生駒でたいへん看護婦さんが働いておる、五十何人かですね。ところがここの看護婦養成学院からその生駒の病院まではたいへんな、三十何キロですか三十九キロぐらい離れているのです。そうすると養成所に養成しているのに、その離れた病院で看護婦さんは働いている。しかも朝八時から朝六時までの夜間勤務を韓国から来た人で、養成されておる人が、一人でやっているというのはどういうわけですか。日本の資格のある看護婦でも、一人夜勤はいけない、二人夜勤、そして八日間、これが人事院勧告じゃございませんか。にもかかわらず、韓国の人はまだことばだってやはり日本人に比べれば十分ではないと思う。その人が一人夜勤をして、しかも養成学校からそこまでは三十何キロ離れている。どうして養成していくのですか。これどうお考えになるか。あるいはまた夜勤のみならず、注射だってどんどんその人たちがやっている。朝八時からあくる日の朝の六時まで、若い人が、資格もない人がやっている。それは来ている人は韓国の養成所で九カ月勉強した人だと、まあ局長か何か言ったけれども、九カ月ですよ。韓国で九カ月養成された人が来ているのだそうです。けれども、その人たちはまだ研修さなかにありながら夜勤をしておる。しかも学校と病院はうんと離れている。これ一体どう考えるのですか。これでようございますか。私はそれでびっくりしてきょうの質問をすることになったわけなんですが、こういうことを厚生省は御承知であられたのかどうか。承知しているとすればどういう指導をしてこられたのか。こういうやり方を認めておやりになっているのかどうか。しかもその看護婦さんたちの手当は一万九千円から二万九千円というようなことを伺っておりますが、テレビで見たんですけれども、それで一体よろしいのでございましょうか。 日本の看護婦が足りないのは希望者がないのではないのですよ。希望者の五分の一しかとっていない。待遇をよくして、重労働を何とか解決していればできるはずなんです。それでからだを悪くしてやめた人がある。こういうときに韓国の若い女性を日本へ移入させて、そうしてその人たちがいまのような待遇を受けているということは一体どういうわけでございますか。これは重大問題だと私は思うんです。あのテレビを見たとき、私の胸にがんときたのは、戦争前に重労働をずいぶん朝鮮人の方にやっていただいた。炭鉱であるとか工事であるとか、あるいは戦争でどれだけたくさんの犠牲者が出ただろうか、原爆犠牲者だけでも五万人も出ている。半分くらいは死なれて、いま生きて原爆症で悩んでいる人が二万何千人くらいある。けれども、日本は何らこれに対しての手当てはしてない。重労働は韓国の人にずいぶんやっていただいた。朝鮮の方にずいぶんやっていただいた。そうして御迷惑をかけている。私も看護婦当時に、あの大震災がございましたときに、韓国の人に対する待遇等を見ております。私も看護婦でございますから、真剣に働いていたのですけれども、その当時の看護婦への社会からの考え方、待遇といまのでは全然違うのですよ。そういう苦しい戦いを、働きをしておる看護婦さん、しかも准看はやめようとしているときに、韓国からこういう人を導入して、そしてまだ勉強半ばの人が一人夜勤をすると、こういうことがやられていることを、厚生省はどう考えているか。私は韓国に申しわけがないと思う。お考えを伺います。
○政府委員(滝沢正君) 先般のテレビに私もコメントを求められまして、あの実況を見たときに、正直に申しまして実態は私、全然知りませんでした。私のほうの看護課におきましても、このような事実があることを承知していますが、日常教育なり研修なり実習施設の関係なり、あるいはこの韓国の女子の方々が所属している病院の受ける実際的な内容等については、県も厚生省においても実は十分承知していなかったわけでございます。今回の実情の放映によりまして、あのような実態を知ったわけでございますが、先生御指摘の生駒の病院というのは、この准看養成所として許可するときの実習を受け持つ病院ということで定められてあるようでございますので、あの当日放映されましたあの場面は、おそらく実習病院の姿でなくて、七つか八つの病院に、何か協同組合の病院に日常配属されておって、そして一定の時間准看護婦学校に集まって教育を受ける。それが、法に定められた実習施設としてこの生駒の病院を定めてあるということで、あの夜間の一人勤務の状態というものは、おそらく生駒病院のほうの実態ではないと思うのでございますが、結論からいきますというと、全く予想外のことでございますので、われわれといたしましても、至急奈良県を通じましてこの実態を調べておるわけでございます。したがって、教育ということのために入国が認められたこれらの女子の方々が、これらの問題について、病院側の医療管理上も問題がございますし、まして労働力というような観点、それから入国されたときの許可されておる基本的な考え方からいって、この問題については、具体的にあのような提示がありましたことにつきましては、それぞれのお立場から御調査を願いまして、特にわれわれの立場からは県を通じ病院の管理の実態等を調べまして、機会があればまた御報告申し上げたいというふうに思っております。
○藤原道子君 とにかく、まさかNHKで間違った放送はしていない。研修病院だといっても一人で夜勤をするというようなことはいいんですか。こんなことは断じて許せませんよ、私は。それから、奈良県の医師協同組合では、日韓友好の一つのねらいである、こう言っている。これ日韓友好になるでしょうか。もう少し待遇がよくって喜んで働けるなら、これは日韓友好になるかもわからない。けれどもいま日本であまりにも過重労働である、待遇が悪い、こういうことでやめていく人がどんどん、多い。だから韓国から連れてきて、それを働かせるのだということになれば、かえって友好を阻止することになるんじゃないですか。これは重大だと思いますので、ひとつお考えを願いたい。 それから、留学生とか研修生としては入国はできるけれども、労働力としては入国はできないはずでございます。私は法務省でちょっと伺ったけれども、そうだと思うのですが、これは一体どうでしょう。こういうやり方が、これは研修生あるいは留学生としての措置でしょうか。私は労働力として働かされているように考えられてならないんですが、いかがでございましょうか。それから法務省もこの点をどうお考えになるかということを伺いたい。 それから研修生が一人夜勤をして注射しているということを、厚生省は一体どう思うか。 それから労働省、これに、労働基準法の精神をきょうは伺わしてほしいわけです。これに違反していることですね。国立病院でも基準法違反が九四%ある。これは労働省の調査で、この前委員会で御報告があった。こうした違反に対して、労働省としてはどういう指導をするか、あるいはどういう警告をしておいでになるか、これを伺わしていただきたい。 それから、特に勤労婦人福祉法の立場からでも、いま看護婦さんたちは、異常出産が全体とすれば二二・三%ですよね、日本で。ところが看護婦さんは異常出産が五〇%を突破している。いかに過重労働であるかということがわかると思う。こういうことに対して、勤労婦人福祉法ですか、こういう立場からどうお考えになり、今後どういう対策でお進みになろうというのか、こういう点について法務省と労働省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉岡章君) ただいまの御質問の点につきまして、入国管理に関する御回答を申し上げたいと思います。 准看護婦の研修の目的のために日本に入国を許可されました者は、昭和四十年が始まりでございますが、それ以降総数二百六十三名になっております。現時点におきましては、藤原先生の御指摘のような、奈良あるいは埼玉、千葉、そういったところで研修を受けておるという准看護婦が、実態を調べてみましたところ、各県で認可された准看護婦学校に公開の競争入学試験を受けて入っておるという状況がわかりましたので、私たちといたしましては、実態に即して、従来はこれらの人たちを研修生という取り扱いをいたしておりましたが、実態はどうも学生であるということのようでございますから、本年一月から大体こういった人たちは学生として取り扱おうということにきめておるわけでございます。したがいまして、その人たちは所定の学則に従いまして勉学及び実習を続けておるものと、私たちのほうでは了解しております。しかしながら、御指摘のように、もしも所定の時間外の労働力として使役されておるというようなことがございますならば、これを調査いたしまして、このような事実が現実に存在いたしますならば、学校当局に対し警告を発すると同時に、事態の改善をはかってもらいたいと存じますし、またこれらの人たちは在留期間百八十日で入っておりますから、在留期間更新の際に、それ以上の事態の改善が見られない際には更新を不許可ということで対処いたしたいと存じております。
○説明員(吉本実君) 基準法関係の問題につきまして、私のほうからお答えさせていただきます。 病院の看護婦等の労働条件につきましては、先生御指摘のとおり、私どもこの数年来監督の一番重点としてやってきたところでございます。先ほどの九一%というのは四十一年の数字でございますが、その後若干の改善をみておりまして、昨年私どもの数局にわたりましての調査によりますと、違反の率も八三%程度まで下がっております。しかしながら全体としましてやはり依然として法定の基準を下回るような状態でございますので、これらに対しましては、きつい是正勧告を行ない、その是正方につとめておると同時に、関係の厚生省等にもいろいろとお願いをしながら、その内容の確保ということにつとめている次第でございまして、今後さらにその点を強化してまいりたいというふうに思います。
○政府委員(高橋展子君) 勤労婦人福祉法との関係でどのように考えるかというお尋ねでございまして、私どもは、看護婦さんの問題を婦人労働問題として考えますときに、看護婦という職業は婦人が非常にたくさんついております職業であり、かつまた婦人の職業として非常に長い歴史を持つものでございまして、さらにはまた人命を扱うという非常に大きな社会的使命を持つ職業でございますので、私どもといたしましては、看護婦さん方がその職業について誇りを持って、生きがいを持って働いていただけるような環境が整備されることが非常に望ましいことというふうに考えて諸施策を進めているところでございます。で、勤労婦人福祉法におきましては、これはもちろん広く全産業の働く婦人を対象にしてその福祉を進めようとするものでございますが、特にお尋ねの異常出産でございますか、そのこと等につきましても、この勤労婦人福祉法におきまして、特に新たな規定を設けまして、妊娠中及び出産後の働く婦人の健康管理について、事業主が特段の配慮をするということを努力義務として規定いたしております。で、この規定に基づきまして、適正な配慮が行なわれますよう行政指導を進めてまいりたいと思っておりますし、その行政指導の具体的方針につきまして、その基準を定めるべくただいま検討をいたしているというのが現状でございます。
○萩原幽香子君 関連をお願いします。 先ほど、看護婦さんが韓国から来ている、すでに来ているという問題でございましたが、私はこの前の予算委員会のときに、五月に予定されている韓国からの研修生としての問題を取り上げました。そのときに大臣は知らないというお答えだったわけでございますが、その後お調べになりましたでしょうか、いかがでございましょうか。
○政府委員(滝沢正君) 萩原先生お尋ねの島田療育園の問題につきましては、五月ごろにそのようなことを考えておるということを児童家庭局からも聞いております。しかしながら具体的には島田療育園が養成所等を持ちませんので、どういう、いわゆる法務省のただいまの御見解のように、学生という姿で入ることができるのか、その辺のところに私は少し問題があると思いますけれども、いずれにいたしましても、ただいまは入っておりませんし、五月ごろ具体的に来たいという意向は聞いております。
○萩原幽香子君 実はこれは福祉新聞にもはっきり出たことでございますから、もうこれは既定の事実とお考えいただくのが当然じゃございませんか。それで研修生というのであれば、必然的に研修基準というものがあるはずでございますね、そういうものについて厚生省はおきめになっていらっしゃるのかどうか、そういうことをまず伺っておきたいと思うのです。もし研修生ということであれば、先ほど藤原先生の御質問にもございましたように、ほんとうに研修の場としてふさわしいところに入れなければ、これは韓国に対して申しわけのないことでございます。この前のときに私が読みましたように、半年もかかって六人ほどしか収容できませんよといったところへこれを持っていくことは私は明らかに労働力ということになろうかと思います。 そこで、これは法務省にお伺いをするわけでございますけれども、法務省でおきめになっております出入国管理令四条一項の十六の特定在留の資格というのを承りたいと存じます。
○政府委員(吉岡章君) 現行入管令の四条一項十六号の3に関する御質問かと思いますが、その四、一、十六、3と申します在留資格は、在留の期限だけを定めまして、在留活動については限定を設けない一つの特異な在留資格でございます。
○萩原幽香子君 単純労働は原則として禁止されている、こういうことでございますね。それでは今度来ようとしておりますいわゆる三つの施設でございますね、重度心身障害児施設、それは明らかに労働力と見なされるものでございますが、それは法務省としてはどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(吉岡章君) いまお尋ねの三つの施設と申しますと、具体的にちょっと私……。
○萩原幽香子君 これは十名ずつ参るわけでございます。島田、それから秋津、それから東京の小児療育病院、この三つの重度心身障害児の施設です。そこで十名ずつ三十名が五月に研修生という名目で入る、こういうことになっておるわけなんですね。ですから、そこの内容が先ほど申しましたように、ほんとうに看護婦さんのいないところへこういう人たちが来るということは、先ほど藤原先生のお話にもございましたように、これは労働力と見なされるということでございますね。そういうことについて実は法務省はたてまえだけをお考になりますのか、それとも実情をある程度御調査になってこういったような入国をお許しになりますのか、その点をはっきり私はお聞かせをいただきたいと思うのです。
○政府委員(吉岡章君) 私のほうの方針といたしましては、もちろん専門的なことは私のほうだけではなかなかわかりかねる点もございますが、そういった点に関しましては厚生省なり労働省と協議をいたしまして、実態的に、そういったものを受け入れて研修ができるかどうかということも、許可を出します前に実地調査をいたしまして、そして一応そういった施設も完備し、それから陣容もととのっておるといったような要件がととのったということが確認された段階において許可を出すことにしております。
○藤原道子君 時間の関係もあるので……。私は韓国の女性を日韓友好にできるというようなことを言うことに反対なんです。それからいま厚生省から資料をもらった中にこれあるんですね、奈良に五十二名来ている。それから千葉県にも十八名、それから埼玉県にも五十二名、それから伊勢にはインドネシアから八名というふうに資料をいただいたんです、ということになれば、局長は韓国から、いや外国から入れた状況がどうされているかというふうなことをお調べになったことがあるんでしょうか。研修所だからと思って信用してまかしておいでになったんでしょうか、この点をちょっと聞かしておいてほしい。
○政府委員(滝沢正君) 実は、准看の養成施設の指導監督の権限は都道府県知事にございまして、この点について今回のような事例が発生いたしましたので、至急千葉県、埼玉県等に連絡いたしまして、あわせて予防的な意味、実情把握の必要を痛感いたしましたので、調査をいたしておりますけれども、直接的な指導監督の根拠は都道府県知事にございますので、今後このような事例の取り扱いについて、十分われわれの立場からも検討して指導していきたい、こういうふうに考えております。
○藤原道子君 私は、もう少し真剣に看護婦の問題を取り上げてほしいんです。看護婦が足りないために医療制度がいまほんとうにたいへん問題になってきているんですから、こういうときに韓国からこんなにたくさん入れて、またことしも入るようですね。こういうことに対して、この研修生をどう処遇しているかというようなことをお調べになれば、それは地方の責任者でやるのか知らぬけれども、研修生が一人夜勤をしておる、注射もどんどんさしておるという、こういうことがわかれば、厚生省から指導ができたはずだと思うんです。私は厚生省は知らなかったのかと思った。ところが、きょう資料をもらったら、ちゃんとここに出ているのですからね。しかも、ある人の.ところによると、厚生省の最高の職にあられた人、参議院議員にもなられた人、そういう人が相当これに関係しているらしいといううわさも私は聞いたんです。ということになれば、厚生省としての考え方には私は疑わざるを得ない。こういう点があるんですがきょうは時間もございませんので、いずれあらためてまた聞くかもわかりませんけれども、どうしてこれを調査しなかったかということ。地方へまかしっきりでよろしいか。そんなら自治体病院とか、 民間病院がどうやろうとも、厚生省には関係ないのか、この点をちょっと聞かしてください。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦の養成の問題につきましては、それぞれ都道府県等で准看護婦の養成についてはお願いし、看護婦の養成につきましては、国の許可権限に基づきまして指導いたすわけでございますが、しかしこのような特殊の事例につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、これを機会といたしまして実情を調査し、特に法務省の御見解等の根拠もございますので、これらに著しく違反するような問題については、われわれとしては、非常に重要な課題でございますから、対処いたしたいというふうに考えております。一般的な公的病院の問題につきまして、その他私的な病院につきましても、医療監視制度というものが医療法にございまして、それぞれの立場から職員の勤務状況、あるいは職員の数、こういうものが医療法で定められております。したがいまして、先ほど来先生が特に印象的にごらんになりました一人夜勤、あるいは注射をしておる、点滴をしておる実態、こういうものにつきましては、至急奈良県を通じて調査させておりますが、すでに施設側については、あのようなテレビ放送の実態を認識して、非常に重大な責任を感じておるようでございますし、今後この問題については、具体的にあのような事例がないように指導してまいりたいと思っております。
○藤原道子君 ぜひこれは真剣にやっていただきたいことを要望しておきます。 それから、看護婦になり手がないとかなんとか、ごまかしていますけれども、そんなことは別にしまして、いまの看護婦が不足しておる原因は、何としても待遇の改善をしなきゃならぬ。それから社会的評価も高めていくようにしなきゃならぬ。それから教育制度の改正、これも必要だと私は思うんですが、これに対しましてお考えを聞きたいと同時に、文部省のお考えも聞きたいんです。何としても夜勤がなければいられない職業ですよ。夜勤は避けられない職業です。だから、長年主張してきておりますように、保育所をどうしてもつくってほしい。それによって、現に全医労ではそれを組合がつくったために、退職する人が四分の一に減ったということは、いかにこれが効果があるかということを真剣に考えていただきたい。それと同時に、ニッパチ制の実施だの、定員増、これらについてのお考えを聞かしていただきたい。これができなければ看護婦の不足は解決ができないと思うのです。これに対して厚生省、労働省、大蔵省の考えを聞きたい。 最後に大蔵省に伺いたい。お聞きのとおり、実に重大な状態におちいっております。医療制度についての厚生省からの要求に対して、大蔵省の予算決定が少しひど過ぎると思うのです。病院のみならず、老人ホームとかその施設とか、心身障害児施設等に働く者の大多数が、腰痛その他の病気で健康を害して職場を離れる人が多い。だから、看護婦さんたちの話によりましても、今日のような現状では患者に対して心苦しい、だから職場にとどまることがつらいと言うっておる。それはそうです。私どもが看護婦しておるときには、「お変わりありませんか」と患者にやさしく聞いたもんです。ところが、いまは人手がないから、「お変わりありませんね」といって看護婦さんは出ていってしまう。「お変わりありませんか」といってとどめられたのでは、看護婦の仕事がどんどんつかえていく。だから「お変わりありませんね」といってもう出ていってしまう。それがつらいというのです、看護婦さんは。ほんとうに看護婦としての任務が果たせるようにならなければ、私たちはこういう仕事をしているのがつらい。だからやめましたという人もいるんですよ。したがって、希望者はあるのだから、教育制度、待遇改善等に対して考え方を改めて、予算要求に対してもっと真剣に考えて、人命尊重の立場から決定されたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(齋藤諦淳君) 現在看護婦の養成は、厚生省所管の看護婦養成所と文部省所管の大学、短期大学、あるいはそれに付属する各種学校に分かれておりますけれども、その資質の向上なり、あるいは単に高等学校卒業という資格だけではなしに、少なくとも短期大学卒業という資格を与えこういうようにしたい。このように考えまして、文部省としてもその施策を進めておるわけでございます。で、少なくとも国立大学の付属病院にある看護学校につきましては、これを短期大学にするという、そういう方針で従来からまいっておるわけでございます。昭和四十二年に大阪に医療短期大学部をつくりまして、四十六年に九州大学、四十七年に金沢大学、このように各種学校を短期大学部に切りかえたわけでございます。それまでは各ブロックに一つすっという考え方にいたしておりましたが、本年度からはその考え方を改めまして、条件さえ整えばどんどん短期大学に昇格をさせていきたい、このように考え方を改めて、今後ともこの施策を推進していきたい、こう考えておるわけでございます。 なお、その際に、各種学校であれば、看護婦さんの一年間の入学定員は五十人でありますけれども、短期大学にする際に入学定員を八十人に増加してこのように進めておるわけでございます。今後とも努力をいたしたいと、このように考えております。
○説明員(渡部周治君) お答え申し上げます。 看護婦確保の対策につきましては、四十八年度予算におきましては、一般会計及び特別会計を通じまして総額百十二億二千二百万円を計上いたしておりまして、これは四十七年度予算額に比べまして四六%増ということになっておるわけでございます。内容といたしましては、養成諸施設の整備拡充、あるいは養成所運営費補助といったような点に配意しておるわけでございます。 先生は、しかしながら、このような対策では不十分であるというおしかりであろうかと思うわけでございますが、先ほど来御論議がございましたように、看護婦確保の問題、これは社会福祉施設の職員の確保の問題と並びまして今後の社会保障施策を進めていく場へ口には非常に重要な問題であるということにつきましては、われわれも十分認識をしておるつもりでございます。したがいまして、このような施設に働く方々の待遇の問題とか環境の整備の問題ということにつきましては、今後とも厚生省とよく御相談いたしまして、厚生省のほうでは長期的な御計画をお立てになるというようなことでもございまするので、われわれもよく財源上しも許す限りできるだけ前向きに対処してまいりたい、かように考えております。
○藤原道子君 私は、外国の社会施設とかあるいは病院施設等を見てしみじみ考えさせられる。経済力は世界二位といっている日本、ところがこの現状はいかがでございましょう。厚生省は受け持っておる仕事が非常に幅広いんですよ。ところか予算かなければ 外国の養老院なんかへ行きましても非常に明るいけれども、日本の寝た切り老人施設へ参りますと、死を待つ施設、こういう感じがするくらい暗いんですよ。外国の従業員に比べて日本は非常に少ない。これをふやすようなことがなければ、幾ら田中さんが福祉優先と言っても、老後の保障などというものは——死を待つさびしい状態に放置することは私は許せないと思う。こういう厚生省のやる仕事は心身障害児の問題から何から非常に幅広い、国民の命を守る、こういう仕事でございますから、大蔵省としてはもっと予算をふやしてほしいのです、看護婦の養成機関にいたしましても。これがなければいまのような問題が次々と起こってくる。こういうことに対して、いまの経済力は世界二位だなんて言っているんだから、もう少しお考えになることはできないんでしょうか、どうですか。
○説明員(渡部周治君) われわれといたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、対前年四六%増の経費を計上したわけでございますが、これではなお不十分であるというおしかりでございます。われわれとしましては、この問題につきましては先ほど申し上げましたように十分認識しておるつもりでございまするので、今後とも厚生省とよく御協議申し上げまして、先生の御趣旨を踏まえて前向きに善処してまいりたい、かように考えております。
○藤原道子君 私の間違いか知りませんけれども、厚生省予算をふやしたといっても一四%台ですよね、国の予算の。四十二年以来引き続いて一四%台ではないかと思うんです。どうですか。
○説明員(渡部周治君) 看護婦確保の対策としましては、国の会計としましては一般会計と、それから国立病院特別会計という別の会計がございまして、国立病院会計でございます。
○藤原道子君 厚生省の予算……。
○説明員(渡部周治君) もちろん厚生省の予算でございます。
○藤原道子君 全額の……。
○説明員(渡部周治君) はい、その総額で申し上げましてそれが百十二億二千二百万でございます、看護婦確保のためにとっております対策。これは四十七年度当初予算に比べまして四六%増ということになっておるわけでございます。
○藤原道子君 ちょっともう一ぺん聞かしてください。
○国務大臣(齋藤邦吉君) いろいろお尋ねがございましたので私からもお答え申し上げさせていただきますが、社会福祉施設ですね、先ほどお述べになりました老人の福利施設とか、児童の福利施設とか、身体障害者の福利施設、こういう社会福祉施設というのはわが国においては諸外国より劣っておりました。そこで、実は昭和四十六年度から、社会福祉施設をひとつ充実していかなければいかぬと、五ヵ年計画でやっておるんです。総計三千五百億でしたかね、総計三千五百億で、四十六、七、八、九、五十と五十年までに寝た切り老人施設、すなわち特別養護老人ホームとかそういったふうな施設、それから身体障害者福祉施設、そういうものを一応目標の数字をきめまして、いま数字をここへ持ってきておりませんでしたが、数字をきめまして、五ヵ年間に三千五百億と。というのは国の補助金並びに県の金、市町村の金、それから国の起債、そういうものを全部ひっくるめまして三千五百億の金をもって五ヵ年間にそういう福祉施設を充実しようということでいま努力をいたしております。大体いまのところその数字を申しますと、寝た切り老人施設につきましては、四十七年度で三年目ですから、六、七、八年度ひっくるめまして大体目標の六〇%ほど充足をいたしております。これが四十九年度、五十年度ということになりますと、大体その計画は全部済むわけでございます。その一環としていろいろ問題になっておりまする重度心身障害児はどの程度収容するかという問題もございました。予算委員会等で御質問がございましたが、大体五ヵ年で一万六千人を全員収容しましょう。大体それが四十八年度で一万一千人、寝た切り老人等については約十万人収容しようじゃないかということでその計画が進んでおります。そこで私どもとしては、この計画遂行に伴いまして先生の御意見がございましたように明るい老人施設にしたらどうだ、私はおっしゃるとおりだと思うんです。そこで一応私どもとしてはいまの五ヵ年計画の遂行にあたりまして、まず施設をつくるということに全力を尽くします。そうしてさらに明るい構造になるように改造したり何かをして努力をいたしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。 なお、厚生省予算につきましては、十四兆総予算の中で厚生省総予算がたしか一四・幾らという比率でございます。おっしゃるとおりでございますが、金額にしますと……。
○藤原道子君 金額はほかだってふえているんですから金額なんか言わなくたっていい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) そうおっしゃいますけれども、金額もちょっと申し上げさせていただきたいんですが、十四兆のうちの二兆一千億なんです。社会保障全体ということで考えてみますと二八・八%の伸びなんでございますね。ですからそれだけで福祉予算かといわれれば、これで十分とは私、厚生大臣として申しませんけれども、前年度に比べれば相当伸び率もよくなっておるし、将来の西欧先進諸国並みの社会保障へのレールに乗り始めたということは私は責任をもって言えると思うんです。まだ完成はしません。完成しませんが、先進語国並みの社会保障に向かって進んでいくレールには乗った福祉元年であるということだけは私責任もって言えると思います。しかし、ことしこれで満足か。それは満足ではございません。もっともっとやらなければならぬというように私も考えておる次第でございまして、今後とも一そういろいろ御指導をちょうだいしたいと思っております。
○藤原道子君 あなたはそう言うけれども、私は厚生省の予算は、この前の大蔵大臣がおやめになるちょっと前に玄関で会ったときに、藤原さん、あなたにいじめられているけれども、今度は二兆円突破しますよ。あなたのほうの予算が、と言うんです。ほんとうかと言ったら、やります。二兆円だって満足できないわよと言って別れたことがある。今度ふえてもそれだけですよ、二兆一千億ですか、私はこれでも足りないから大蔵省に頼んでいるんですよ。厚生大臣が満足しているならもう言う必要はない。冗談じゃない。寝た切り老人が四十万いるんですよ。それで日本では一万六千人くらいしか収容されていない。四十万いるのを今度十万五年計画で入れる。その間にどんどん死んでしまうんですよ。これを一体どうするんですか。このごろの新聞をみれば子供の非劇、病人の悲劇、老人の悲劇、これが新聞を毎日にぎわしているじゃありませんか。全部厚生省の関係ですよ。だから厚生省予算をもっとふやしてくださいというのが私のきょうのお願いなんですよ、大蔵省への。それを、あなたは満足しているんじゃ、言うのがばかみたい。(笑声)
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私はひとつも厚生省の予算で満足はしておりません。この点ははっきり申し上げて、一そうの御鞭撻をちょうだいしたいと思います。
○藤原道子君 たいへん時間が、もう予定を延びたかと思いますが、とにかくお願いしたいことは、まず大蔵省には、予算をぜひとも人間の命を守るという立場からひとつお考えになってほしい。 それから労働基準法の問題は労働省で大いにお考えいただく。 それから、法務省でも、結局出入国法ですか、今度出すなんて言っているときだから、私はこれに反対ですけれども、こういうときですから、こういういまの現状をお聞き取りいただいたような状態でございますので、ひとつ御検討が願いたい。 それから、文部省にもう一つ最後にはっきりお答えを願、いたいのは、前には文部省も看護婦の制度を一本化しろということに賛成だった。厚生省も賛成だった。だけれども、ということできようまできているんです。聞くところによると、大学制度にすると建物とか土地の制度があるんですって、ね。これが困るというんです。この間二階堂さんに会ったときに、大学の中に看護科というんですか、というようなものを赴いたらどうだ、そうすれば、土地だの建物は関係なしに、看護婦の短期大学か普通の大学ができるじゃないかと、それはそうだと言ったんですよ。私もそれでいったらどうかと思うんです。それで、厚生大臣もお考えを願って、ぜひとも看護婦さんの資格を上げるために、現存、高校を出て三年行って国家試験を受けて高校卒というのはけしからぬと思うんです。したがって、ぜひとも教育制度をこの際文部省と話し合って、ぜひ一本化していただきたい。 それから、准看では困るというのが大きな病院のほとんどの、要求でございますから、これもお考えになっていただく。あなた方だっていつ病気するかわからない。こういう立場から、国民全体の医療の問題、健康保持の問題、こういう点でひとつお考えが願、いたいことをお願いし、私の質問を終わりたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
○説明員(齋藤諦淳君) 大学に看護関係の養成の学部なり学科を置くという問題でございますが、今年度看護関係の学部を題くという、そういう四十八年度予算で調査費をつけていただきまして、調査会を設ける予定になっております。 ただ、それにいたしましても、既存の大学に看護学部をあるいは看護学科を置くにいたしましても、やはりそれ相当の校舎あるいは校地というものは必要でございます。その点につきましては、従来、どの大学にほかの学部をつけるにしても、それ相応の広さなり基準が要求されるわけでございます。そういう意味では、その基準はあまり下げることによってまた内容が貧弱なものになってはいけない、そういう考え方もございますので、その辺を十分調査会でも勘案をして検討していただきたい、このように考えておる次第でございます。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来、藤原委員のお述べになりましたような方向で今後とも努力をいたしたいと思います。
○萩原幽香子君 大臣はもうお帰りになってしまいますから、ひとつ局長さんにお尋ねいたします。 私、この間二十三日のお尋ねをいたしましたときに、これは大臣のお答えでございました。そしてまたきょうもその大臣のお答えになったわけでございますね。藤原先生に対してニッパチ体制の問題が出たわけでございますね。お尋ねいたしますけれども、そのニッパチ制の守られているのは、現在何%ぐらいでございましょうか。
○政府委員(滝沢正君) この調査はなかなか実態がつかみにくいのでございますが、まず最初に直轄の国立の実態を申しますと、ニッパチ体制というのは、先生御存じのように病棟の看護単位ごとにものを考えます。それで看護単位の数のうち何%が二人夜勤になっているかということをまず申し上げますと、国立病院、療養所ともに四六%程度でございます。したがって、残りの五四%はまだ一人夜勤の単位になっているということでございます。 それから、国立以外の公的病院につきましての資料が手元にございますが、この取り方が看護単位ごとじゃなくて、大体病院、その病院全体をながめたときに二人夜勤ができるぐらいもう看護婦を置いておるという実態がつかめた病院を、病院単位につかんだものですから、そのパーセントで申し上げますと、まず完全にニッパチが実施されておる公的病院は、 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 公的病院全体の調査、千二百七十二施設のうち三交替制というものをとっておるために、ニッパチ制というものを議論の対象になるのが七百六十二病院ございまして、これが調査の対象でございますが、そのうちニッパチが完全に実施されている病院は百八十病院、二三・六%でございます。それから二人夜勤が行なわれているという病院が六三・八%でございます。それから夜勤日数が月八日以下の病院、これは二百八十病院でございます。三六・八%それから、一人平均の夜勤数は月八・九一という資料でございます。それから一日一看護婦単位当たりの平均夜勤人員が一・九人、これは、平均の数字の問題でございます。まず二人ということでございます。
○萩原幽香子君 そういたしますとですね、このニッパチ制か言われてからでも、もうなかなか久しいわけでございますけれども、その守られている状態がこういうことでは、なかなか私は看護婦さんの確保はむずかしいとういことを言わざるを得ないと思うのです。 その次にですね、ここでお答えいただいておりますのは、先ほども答えがございましたが、夜勤の保育所というものを、ここには夜勤とは書いてございませんが、看護婦さんを確保するための保育所を何とかつくる必要があるんではないかと思いますと、——あるんではないかと思いますなんというようなことをおっしゃっているから、これはどうしようもなくなるのですね。そこで、先ほど夜勤のそのいわゆる保育所、夜間保育所をつくるということになりますと、これはやっぱり夜間に勤務する保母さんの問題が出てくると思うのです。そこで、その保育所というものを昼も夜も、まあ通しでやるといたしますならばですね、この夜間につとめる保母さんと昼間につとめる保母さんとは、人をかえるぐらいのつもりがあるのかないのか、それもちょっと承っておきたいんです。一方で看護婦さんを守ろうとしたら、一方、保育所の保母さんのほうが泣いてしまうなんということになったんでは困りますから、この点いかがでございますか。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、実は国立の施設に四十八カ所ただいま保育所がございますが、そのうち三十四時間保育というのを実施しておるのが八つございます。それは先生御指摘のように、とても同じ人間が引き続き保育に携わっていることはできませんので、やはり交代制をとっておるようでございます。で、ただ、資格のある者とない者との問題でございますが、この点につきましては、いわゆる市町村立の公式の保育所には措置費か参るわけでございます。一うなれば無認可保育所の形を要するに病院あるいは工場、事業場等で内部に設置する保育所は、いわゆる市町村立の公式の措置費によってまかなわれる保育所とは違うわけでございます。したかいまして、現状では有資格の保母さんはきわめて少ない。非常に幸運にそういう方が得られれば、その人を指導者にしながら、ほかの方はたとえば家庭におられる主婦の方で応援していただけるような人をお願いしていくというような形をとっておりますので、資格者が非常に少ない。無資格者でやっておるという点にやっぱり問題点はあるわけでございます。
○萩原幽香子君 昼間の場合を考えますと、やっぱり私は教育を受ける、保育所にいたしましても保育とはという定義が出てこようかと思います。しかし、それにしましても、普通の保育所に行っている子供とそういう無資格の保育所、いわゆる無認可の保育所に行っている子供との間に受ける保育の形が違うということは、私はやっぱりこれは困ると思うのですよ。だから、こういうようなものをおつくりになるときにはその保育所の保母さんの獲得ということも大切になってくるんじゃないか。そういうことについて厚生省はどのようにいま努力をしていらっしゃいますか。保育所の保母さんにいたしましても、いま現にある保育所の保母さんでも、全部が有資格者ではない。どれくらいが有資格者で、どれくらいが無資格者か、おつかみになっていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(滝沢正君) 保育所全体の問置につきましては、たいへん失礼でございますけれども、児童家庭局の関係でございませんとこのような具体的な数字のお答えはすぐにはできませんで、私は、先生、全体のわが国の保育所の、というようなお尋ねでございますと、この機会ですぐにはお答えできないわけでございます。たいへん申しわけございません。
○萩原幽香子君 保母さんの問題は、看護婦さんの問題とも関連があるということになれば、やっぱりそれぐらいの数字はつかんでおいていただかないと、これは話にならぬのじゃないですかね。やっぱり、これは、私の管轄とはちょっとはずれますからこれはどうもわかりませんとおっしゃるのでは、私たちはどうも納得いたしかねる。ですから、こういったような、看護婦さんをほんとうに確保するためには保育所が必要なんでございますよと、それにはその保育所につとめる保母さんの確保はどうしたらよろしいんですかと、これはとんとんとんとくる問題じゃございませんか。一連のものでございましょう。そういうことをつかんでいらっしゃらないところに私は福祉行政というものの大きな欠陥があるんではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。 これは一般論でございますから、次いで、私はこの前のときにお尋ねをいたしました、そのお尋ねいたしました問題は、重度心身障害児対策について承ったわけでございますけれども、そのときのお答えは国立に大体しぼられたようなお答えでございました。しかも、それはまことに冷たいお答えでございました。私にいたしますならば、これで福祉元年とおっしゃるなら、福祉元年の年が泣くのではないかなあという感じを受けたわけでございます。 そこでお尋ねをいたしますけれども、民間の重度心身障害児施設が二十二カ所あると私は承知をいたしております。そのいわゆる実態をひとつ承りたいと存じます。しかし、これは時間が非常にかかりますので、大体経営とか運営とか看護婦さんの問題とか、そういったようなことにつきまして私の手元に詳しい資料をひとつ提出をしていただきたいと存じます。いま言っておりますと時間かございませんから——ほんとうは聞きたいのですが、ちょっとかんべんをいたします。 その次に、そういうことでいろいろな問題がたくさんあるということなわけなんでございますけれども、私は、どうも厚生省の皆さん方は国立にしぼっていろいろお話になることが多いと思います。たとえば看護婦さんの夜勤手当にいたしましても、国立の方に対しては三百五十円を千円にすると、こうおっしゃいます。じゃあ公立の場合や民間の場合はどうなりますのかと、こう申しますと、公立ならあなた、それは地方自治体がやればいいでしょう。じゃあ民間ならどうなさるおつもりなんですか。それをちょっと承っておきたいと思うんです。
○政府委員(滝沢正君) 看護婦さんの給与につきましては、民官の格差というものを、一般的には国立につとめておる看護婦さんのほうが給与が高いというような、数字の上ではそうなっております。しかしながら、官・民格差というものを、——一般的には医師の場合などは民間が高くて官が低いのでそれに追いつくように上げなければならぬということですが、看護婦さんの場合は官・民の格差は、むしろ宙のほうが高い。多少、三%程度だと思いますけれども、商いという数字がございましても、これをやはりどういう方向でこの問題に対処していくかとなりますと、やはり官主導型で私たちは具体的な実例を生み、そしてまず今回の三百五十円−千円問題もそういうことで、党のほうからの御指示もあって、一応四十八年度の予算にそういう千円という額をきめたわけでございます。お尋ねのこれに対する全般へのはね返りをどうするのかということでございますが、多少実態の上では民間に千円、あるいは千円以上出している施設もございますけれども、お尋ねのようなことはやはり十分考えなければいかぬと思うわけでございます。 そこで、大臣の国会における御答弁をかりますならば、医療報酬については中医協で御審議願う段取りになっておりますこの機会に、やはり看護婦の夜勤手当等も、夜間に勤務する医療関係者の処遇という問題は、おそらく中医協でも十分御配慮願えると思う、私は確信を持っておりますというお答えを社労等の委員会でもいたしております。われわれ内部でも保険局その他に積極的にお願いいたしまして、そしてあくまで審議して決定されるのは中医協の場でございますけれども、やはりこのような夜間のそういう手当の増額については、診療報酬の改定の際に入院費その他に、これを保険の支払いをする側の点数の中に十分考慮していただくというふうにして、民間へのこれの改善に資していきたい、こういう考え方でございます。
○萩原幽香子君 やはり公立、国立優先というような形にすべてが福祉関係ではなっていると私は思うのです。たとえばいま御存じないようでございましたけれども、保育所にいたしましても、措置費だけでまかなっている民間の保育所と、それから足らなければ市の吏員並みに給与が出されるいわゆる公立の保育所とでは、その格差がだんだん年を追って広がってくると、こういう実態も厚生省としては考えていただかなければならない。福祉はほんとうに一番底の底のところに置かれているということが実態でございますから、それはよほどいろいろなところで検査をしていただいたり、ほんとうに実態を調査していただかないとこれはいけない問題ではないだろうかというふうに思います。 私は行政機構のところで、この前に福田長官にお尋ねをいたしました。そしたら福田長官は非常に禅問答のようなお答えをしてくださったわけでございますけれどもね、やっぱり一つの、たとえば児童家庭局というものにありましても、同じような課てございましても 同じような局でございましても、その課、課でまた非常に何か違うような面が出てきたり、私はタコつぼ行政というのはほんとうに困ると思うんですが、やっぱりささら型行政になって、根は一つであってそこからこう発生してくるような形にならないと、どうもうまくいかないのではなかろうか、そういう感じがするわけでございますね。先ほど私は法務省にちょっとお尋ねをしたいわけでございますけれども、外国から受け入れる場合に、その内容について各省と非常によく協議をなされているわけなんでございますか。
○政府委員(吉岡章君) ものによりましていろいろ違うわけでございますが、法務省単独で判断のできないことにつきましては、それぞれの主務官庁と協議をいたしております。
○萩原幽香子君 だけれども、そういうふうにおっしゃるのですけれども、たとえばさっきのような問題にいたしましても、ほんとうに法務省これ御存じでございましたか。
○政府委員(吉岡章君) さっきの問題と申されますと、藤原先生御指摘の奈良の……。
○萩原幽香子君 奈良とか、そのほかのところ。
○政府委員(吉岡章君) 奈良のケースにつきましては、二十六日のNHKの放送があったということをきょう聞きましたが、実態面につきましては私のほうは把握しておりませんでした。ただし奈良の准看護学校の入学につきましては、ちょっと手元の資料……。 最初は昭和四十六年だったと思いますが、二十九名を許可しておりまして、その後、奈良の看護学校の実績があんまり芳しくないということで、昭和四十六年に第一回を許可しておりますが四十七年の六月には実績が芳しくないということで十六名を不許可にいたしております。その後事態の改善が見えたということの報告でございまして、ごく最近第三回目の申請がございまして、これを許可しておる次第でございます。したがいまして、御指摘の今度の生駒における病院の状況につきましては、その時点においては把握しておりませんでした。
○萩原幽香子君 それでは、今度私が先ほどからくどくお尋ねをいたしております重度心身障害児施設に対して迎え入れようとするそういったような場合につきましては、十分お話し合いの上でなさるつもりがおありなんでございますか、法務省といたしまして。
○政府委員(吉岡章君) 私のほうには、そういった申請の話はまだきておりませんので、具体的なことはまだ申し上げかねますが、原則の問題といたしまして、そういった場合にはたして受け入れ施設が十分であるか、また所期の目的が達成されるものであるか等は事前にチェックすることにいたしております。
○萩原幽香子君 それじゃ、重ねて厚生省にお尋ねしますけれども、こういう実態でございますから、やはり受けて立つ姿勢をとらなければならないとお考えでございますか。いかがでしょう。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、私、実は島田療育園を課長のときに育てた一人として、十分内容も現地も知っております。そういう点から考えますと、いま法務省のお答えのように、たとえ秋津とそれから東京都の関係とが三者合同になりましても、あれだけの距離の離れたところで、具体的に研修という場をどういうふうに持って、そして研修という実態をカリキュラムとしてつくっていくか、そうして、単なる労働の提供ということではなくて、入国していく、特に学生というような形でとらえられるという実態を生んでいくことができるだろうかということが非常に心配でございます。人手の必要性は私、島田のために、非常に必要性は十分わかっておりますけれども、今回外国の方を入れる場合、奈良の場合、あるいは埼玉、千葉等にある例のように、それ自体でも運営上、今日問題になっているのでございますか、少なくとも受け入れる宿舎、施設、教室等がはたしてつくれるだろうかという点で、私はこの問題については、非常にむしろ困難な問題ではなかろうかという気持ちを持っております。
○萩原幽香子君 しかし、これやはり大方、既定の事実のような考えになっております。そうしますときに、これは現実の問題として厚生省はどのようにお取り組みになるおつもりか、それははっきりお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、私は看護婦という研修と同じ——いままできょう議論された、看護婦として受け取るということなのか、それとも重症心身障害児施設には看護補助者と申しますか、全般的な、ちょうど秋田から娘さん方がきていただいた、資格はもちろんない方でございますが、そういう方でもあの施設についてはたいへん大きな役割りをしたわけでございます。したがいまして、これを看護婦としてだけとらえるとなると、きょう問題になりましたような、学生なりあるいは研修という形にしても、一つのやっぱり形は踏まなければならない、条件を踏まなければならないんじゃないかと思う。ですから、それ以外の形のものとしての入国というものが認められるような計画が立てられるかどうかという点、私は、島田にそういう人の非常な必要性はわかっておりますけれども、一つの入国をさせていくそのものが認めていただけるというために、やはりそういう一つの、学習なりあるいは研修なりという形のものが必要であるとするなら、これをどういうふうにして島田、秋津あるいは東京都、あるいは島田単独の場合でも、それをどういうふうにしてこれを受け入れる条件に整えるか、また私は不可能ではないと思いますけれども、非常にむずかしい問題である、しかし、不可能ではないと思いますけれども、これを看護婦としての受け入れでとらえるか、もっと一般的な保母のような——一般的と申しては恐縮てございますが、保母というような形でとらえることが可能なのか、いずれにしても、学習ないしは研修という名目で入国が認められるという以外に方法がないとすれば、これに対しては相当検討すべき問題がある、こういうふうに思います。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○萩原幽香子君 日韓親善ということでございますならば、いま韓国は何を求めて日本の国へその人たちを送り込もうとしているのか、その把握がはっきりいたしませんと、いまおっしゃったように、看護婦の資格ではない、研修生でもない、学生でもない、何かほかの形でということになりますと、はたして韓国はそのようなことを認めるかどうかということが、一つその受け入れる側としては大きな問題になるんじゃないかと、そう思うんですよ。だから受け入れることについてはむずかしいけれどもそれはまあ不可、能ではないとおっしゃいますね。その不可能ではないという限界をどこにお求めになりますか、承りたいんです、
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、韓国が重症心身障害児施設をつくりたいということを、何か聞いておるわけでございます。そして、それの職員を、将来を考えて職員の研修をしたいということであるならば、かなり韓国としての公式な一つの方針に基づくものであって、そしてそれが法務省その他の御了解が得られるならば、私は、そういう国なり、公的な立場で、心身障害児施設をつくりたい、しかし日本で、そういう施設があるから、そこへやはり研修にしばらく出すんだ、そこでどういう資格をとるということじゃなくて、やっぱり経験させたいというようなことでも入国が認められるのかどうか、この点は私自身がむしろわからない問題でございますか、具体的にはそういう動きが韓国等にもあると、したがって重症心身施設の島田と向こうの希望とがうまく結びつけば、私は島田にそういうものが受け入れられる可能性というものはあるという意味を若干含めましたので、不可能ではないと思いますという御答えをしたのは背景には、私の判断としてはそういうものを感じましたのでそういうふうにお答えしたわけでございますが、法制しの立場その他でどういうふうに理解されますか、この点はいろいろ検討を要する問題だと思います。
○萩原幽香子君 法務省としてはいかがでございますか、この問題は。
○政府委員(吉岡章君) 先ほど来申し上げましたように、法務省といたしましては、専門的な知識、こういったものにつきましては十分でございませんので、厚生省と十分協議いたしまして決定いたしたいと存じておりますし、また過去においてもそういったやり方をとっております。
○萩原幽香子君 これはぜひ厚生省とされましても、受け入れることになりますならば、これは韓国とも十分お話し合いをしていただいて、そしてほんとうに安い一万九千円や二万九千円やなんていったような安い労働力を輸入するんだなんていったような気持ちは全然お持ちにならないで、ほんとうに日本として、進んだ施設で、そしてここでしっかりと研修をしていただいて、そして向こうでそういう施設をつくるときにほんとにそれが役に立つと、喜ばれるような形で私は受けとめていただかなければこの問題はむしろマイナスになるのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。 時間がまいりましたので結論を申し上げたいと思いますけれども、看護婦問題は、先ほど藤原先生からもるるお話がございましたように、その深刻さは十年以上も続いておるわけでございますし、しばしば国会でも問題になっているところでございます。にもかかわらず、この前私が質問いたしましたときには、経済社会基本計画に基づいてつくるべき何とかいうような御答弁もございました。いまさら経済社会基本計画に基づいて云々なんていうようなことは言えたしろものではないと私は思うのです。ですから、当面どうするかという当面の問題が出てくるべきであって、そんな長期計画でやっている限り——いまの問題をどうするかということがいまいまの問題として出てくるはずなんです。ですから、いまはどうするか、いまの問題をどうするか、こういうところへ焦点をあてて、長期のものは長期のもの、そしていま現実の問題は現実のものと、こういうふうに分けてはっきりしていただかないと私はこれは解決つかないと思うんです。 たとえばニッパチでもいまお聞きするとああいう状態でございましょう。あんなことでどうしようもないじゃございませんかね。それから保育所の問題だって、ほんとにあいまいなもんです。あいまいもことしたもんです。もう少しはっきりしたものを打ち出していただいて、それじゃ、夜も勤め昼も勤めではえらかろうと、だから夜間勤める人と、それから昼勤める人とはちゃんと分けましょうではございませんかと、一週間夜間の勤務をしてくださることがあるんなら、その間は昼休んでもらいましょう、そしてまた昼と夜とを交代させましょうと、そういったような、実際働く人の身になった施策がいまいまできないと、もう前向きに検討しますなんていうことばは、私らもう聞きあきているんです。そんなことじゃなくて、ほんとうに血の通った福祉行政をやっていただきたい。これを最後にお願いをいたしておきますので、御決意のほど承って質問を終わります。
○政府委員(滝沢正君) この問題につきましては、当面即効的なものというものは、実は非常にむずかしい宿題でございまして、ただ私たちが先ほど藤原先生の御質問にもございましたように、退職して家庭にある方も、何とか時間帯に、先生おっしゃるようなタイムスケジュールによって、近くの病院にあるいは医療関係、福祉施設等にも御勤務願えないか。これはやはり講習会等をやりまして、希望をとりますと、約半分ぐらいは多少実現いたします。しかし、そこに問題があるのは、やはり給与とかそういう処遇、それからやはり医療関係者として時代におくれているのじゃないかというようなことで、講習会をやりますと、それがひっかかりになってお迎えすることが多少できます。しかしこの効果はきわめて薄い。先ほど来、三十万あるいは年齢で可能な者をとらまえましても少なくとも十万前後は、私潜在的に可能性のある年齢層の看護婦有資格者はおるとと思いますけれども、これがなかなか実態としては困難でございます。そこで即効的というよりも、近く私たちが具体的に対策として出せるものは、やはり看護婦の給与の改善であろうと思っております。そういう点は、大臣も先ほどお答え申し上げましたように、当面この夏の人事院勧告等に具体的に看護婦の給与の改善を——官主導刑という結果にはなりますけれども、これによって民間へも波及し、看護婦というものの社会的な評価を当面具体的に出すということがわれわれがいま可能性として持っておる一つの問題でございます。 それから、掘り起こすといいますか、社会におる方をあれしていくことは引き続き努力いたしますけれども、この点については各病院ともそれぞれ努力いたし、団地、その他周辺のところにお願いしたりしてやっております。これは公私を問わず病院がみんな努力をしておりますけれども、非常に遅々として進まない実態がございます。 そういうことで、われわれとしては即効薬というものはこざいません。看護婦は養成に——四十九年に出る者は、四十六年、すでに過去にもう養成施設ができたときに入学した人でございます。で、本年度つくる施設は五十一年でなければ、その春にならないと卒業していってくれない。社会に看護婦として出ていかない。非常にむずかしい問題をかかえておるわけです。一方、労働条件としてのニッパチ体制を進めなきゃならない。おっしゃるとおりでございます。そういう二重、三重の取り囲まれた山積した条件の中でこの看護婦問題どう対処するかということで、可能なものを、即効的に可能なものということで、私は当面は給与改善に具体的にしていきたい、こういうことでございます。
○藤原道子君 ちょっと関連。 いつもそういう答弁している。二十年米の答弁、やりとりなんです。とにかくいまの現実を考えると、確かにきょう入学しても三年後の卒業だ。そこで潜在看護力を掘り起こすためにどういう対策をとっておるのか、講習その他ですね。そうして潜在看護力が職場へ帰ってくれたというのがどの程度あるのか、それだけちょっと聞かしてちょうだい。
○政府委員(滝沢正君) 約二千万近い予算を各県にお願いいたしまして講習会を実施し、四千人ぐらい受講していただきまして、その中から二千人をちょっと割る程度が一応何らかの形で御就職願ったような報告になっておりますけれども、しかし、これが長続きしているのか、そういう必ずしもその後のアフターケアといいますか、追跡調査はいたしておりませんので、そこまでの実態はわかっておりません。
○藤原道子君 追跡調査してちょうだい。
○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もないようですから、厚生省とそれに関係する医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算につきましてはこの程度といたします。 —————————————
○委員長(成瀬幡治君) 先ほど一時中断いたしました農林省関係を再び議題とし、質疑を続行いたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○喜屋武眞榮君 大臣見えないんですね。 農林省に、沖繩の第一次産業のあり方について政府の御見解を承りたい。
○政府委員(鈴木省吾君) ただいま沖繩の第一次産業のあり方についてどうかというお尋ねでございますが、これは沖繩の第一次産業、農林水産業、御承知のようにまあ本土とはかなり特殊な事情にございます。さらにまた気候的だけでなくて、面積その他相当零細でもございます。また気候的にいって作物もサトウキビその他特殊なものもございます。そういうものを、一般的にいいますと本土の農林水産業と同じような方針で、なるべく自立的な経営ができるようにといういろいろな環境整備はやってまいらなければならないと思います。あるいはまたそれに伴う流通面の合理化なりあるいは価格面の最低保証価格等、必要なものは充実していくと、こういった面をやってまいらなければならないと思いますけれども、何せ特別にまた非常に条件の悪いところですから、一段とそういう施策を強めて、第一次産業者が今後安定的に経営ができるようにしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 まあいまの御答弁では沖繩の第一次産業の基本的なあり方という立場からは満足するものではありませんが、一応第一次産業の中で特に沖繩の基幹産業といわれておる農業がいま危機に頻しておる、まあ崩壊しつつあると、離農の傾向がもうなだれ現象が起こりつつあると、こういう実情に対してどう理解しておられるか、そのことをまずお聞きしたい。
○政府委員(鈴木省吾君) これは全国的な傾向もございます。農業白書を間もなく国会へ提案し、最近の状況の報告をいたすわけでございますけれども、それを見ましても同じような傾向にあるわけでございます。特に沖繩の場合は、いま言いましたように非常に零細経営等でございますので、この現象が著しいということは承知をいたしております。しかしそれをいま無理にとどめるという方法もございませんので、やはり内地でやっておりますと同じように、農工一体といいますか、ほかにやっぱり就業の機会を設ける、あるいは零細経営ではある程度兼業もやむを得ない、そういう就業の機会等を設けて農家全体としての経済、農業生産だけでない農家全体としての経済の充実をはかっていかなければならない。もちろん農業自体で今後経営が安定できるような、土地に必ずしも依存しなくてもいいような、中小家畜の畜産の振興であるとか、あるいは施設園芸であるとか、こういうものはやはり大いに充実いたしまして、土地が狭くとも農業経営がやっていけるような、そういう施策を講じていかなければなるまいと思います。と同時にまた農業者年金等を充実しまして、離農給付金なり、あるいはそういう面の充実をして、安定させていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 農政の面からの一般論としては、本土と相通う面もなきにしもあらずでしょう。きょうはそういった幅広い面からの論議をする時間はありませんので、沖繩の第一次産業の中で、特に基幹産業の一つと言われておるサトウキビの保護育成に対する政府の見解を承りたい。この政策があるかどうか、あるならばどのような政策を持っておられるか。
○説明員(田中宏尚君) 沖繩におきましては、先生御指摘のとおり、沖繩農業の基幹を占めております砂糖産業でございまして、砂糖産業につきましては、地域産業としての重要性はもちろんのこと、全国的な甘味資源対策の見地からも、その振興につきましては、従来からいろいろ施策を講じてきたわけでございまして、特に沖繩の復帰に伴いまして、沖繩県を甘味資源特別措置法に基づきまして、サトウキビ生産振興地域に指定を直ちに行ないまして、サトウキビの生産性の向上なり、サトウキビ作農家の経営の安定ということを旨としまして、土地基盤整備でございますとか、それから優良品種の育成供給でございますとか、栽培用機械の導入でございますとか、こういう生産関係の施薬を中心とした補助対策に加えまして、価格面では糖価安定事業団法に基づきまして、原料面で最低生産者価格を決定し、その最低生産者価格以上の価格でキビを買い入れた砂糖につきましては、糖価安定事業団が買い入れるということを通じまして、沖繩の甘蔗糖企業、それを通じての生産農家の所得の安定ということをはかってきているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、念を押すようですが、沖繩の基幹産業の一つであるサトウキビの保護育成については、前向きで保護育成していく政策があるということなんですね。
○説明員(田中宏尚君) 御指摘のとおりでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、現地沖繩側から糖価、キビ値の糖価引き上げについて強い要望があるが、それは御存じでしょうか。
○説明員(田中宏尚君) サトウキビ価格につきましては、先生御承知のとおり、去年の十一月にトン当たり二百円前年より引き上げまして、六千九百五十円と決定したわけでございますけれども、実はこれは名目的な告示ベースでの価格決定でございまして、このほかに現実の取引価格決定に当たりまして、いろいろ上積みなり、それから取引条件の改定というのがされたわけでございます。その一つは、従来圃場からトラックヘの積み込み費につきましては、これは農家負担になっておったのでございますけれども、復帰後、奄美大島にならうということで、企業側の負担にいたしましたので、この分が約トン当たり離島で二百五十円、本島で三百六十二円、これが告示価格のほかに生産者の所得として、ネット・オンされておるわけでございます。したかいまして、価格ベースで大体五百円の引き上げということに、ことしは相なったわけでございますが、これに加えまして、従来沖繩ではブリックス買いといいますか、サトウキビに含まれている糖度に応じて取引されておったわけでございますけれども、それは今年度からすべてのキビについて、一本の取引価格ということが、生産者と企業の間できめられまして、その結果前年の現実の取引価格と、ことしの取引価格とを比較いたしますと、沖繩本島で前年に比べて一四%の引き上げ、それから宮古、それから八重山では一八%の引き上げというような引き上げ率をもっていたしますと、前年よりはかなり引き上げた形できまっておるわけでございますけれども、ただその後といいますか、価格決定と並行いたしまして、いろいろ物価問題なり労賃問題、特に収穫期といろいろな工事の時期とが重なったこと等がありまして、前年に比べ農産物価格としては異例の一四ないし一八%という引き上げではございましたけれども、これでも片しいという意見が現地では出ていることは、われわれも聞いておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 糖価引き上げに対しては、私も二回にわたって質問主意書をもって質問をいたしております。ところがその現状認識が誤っておるということを私指摘いたしたい。といいますのは、このトン当たり六千九百五十円を決定したというのは、それなりのある政府側の検討の上でしょう。ところが、どうしてもふに落ちないのは、この六千九百五十円の決定に対して現地側からトン当たり八千四十九円に上げてくれという、こういう強い要望があって、私もそれをたてにして、一応質問主意書によって打ち出した。それの回答が、決定後経済事情等に格別の変動がないので、これを改定することは考えていない、このことばの中に現状認識の誤りがあるということなんです。これは間違いありませんか。
○説明員(田中宏尚君) 価格決定に際しましてはパリティ指数の変化率なり、それから生産費の状況、そういうものを総合勘案いたしまして決定したわけでございますが、その決定いたしました十一月以降現時点までの物価指数なり労賃指数、これ最近時点の統計調査がまだ公表という形で、一月でございますとか二月でございますとかが出ていないようでございますけれども、少なくとも公表されております物価指数等の面からみますれば、そのときに参酌いたしましたパリティ指数の変化率等からみまして、格別の事情変更があったとは思えないというふうに考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 本土におきましても日本列高改造論は、日本のすみずみまで大きな問題を引き起こしておることは、一貫して国会の中でも論じられたとおりであります。そのしわ寄せが沖繩にも押し寄せてきておるという、すなわちこの六千九百五十円トン当たりきめられた時点、その後が加速度的に沖繩に経済上の大混乱、大変動、激動といいますか、こういう形で押し寄せておる。いわゆる土地買い占めの問題、そこに関連した土地の暴騰、そうして海洋万博に関連する今度はキビの収穫の問題、もう沖繩のキビは放棄、せっかく汗水流して苦労をしてつくったキビさえも、引き合わないということで放棄しなければいけないような現状です。そうして物価高、そうして労働貸金のはね上がり、こういったいろいろのことがはね上がって、いま沖繩ではもう農業破壊、農業放棄、離農、そうして現実にキビの収穫ができないようなこういう経済混乱がある、これをこの時点で、二月十三日の答弁書の回答によると、決定後経済事情等に格別の変動がないのでと、こう断定しておるところに大体机上の空論といいますか、ペーパープランといいますか、そういった役人の仕事といいますか、現実はもっと激動してゆれつつある、激しく動きつつある。これにどう対処していくかというかまえが足りない。しかも、距離的に遠い沖繩であるがゆえにますます心も届かぬ、目も届かぬ、そういう状態の中で沖繩はますます大混乱を起こしつつある。このことを私は強くきびしく指摘いたしたい。だからこういった沖繩の経済混乱の中で検討の意思ありやいなや、これを聞きたい。
○政府委員(鈴木省吾君) 先ほど係のほうから申し上げましたような事情で十一月に価格が決定いたしましたが、その後、ただいま喜屋武先生からお話しのような事情があるということも実は承知をいたしておりますけれども、何せすでに大部分収穫が終わり、おそらく取引等もそういうような事情で大部分済んでおる今日でございますので、いまお話しのようなことはこれからの生産に重大な影響があると考えますので、今後の決定の場合には十分そういうものを参酌して決定してまいらなければならない、かように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 その姿勢はわかりましたが、それではその緊急な変動、激動に対する緊急対策としてどういう対策を持っておられるのか、それを承りたい。
○説明員(田中宏尚君) 当面の対策といたしましては、特にキビ作の場合に労賃の高騰等か直接響いておりますのは、収穫刈り取り労働でございますので、そういうものも機械化を早急に普及するということで、四十八年度予算にサトウキビ作の機械化関係の予算でございますとか、あるいは品種改良系統の予算でございますとか、それからさらには、機械化をいたしますにしても、すべての前提になりますのは土地基盤の整備でございますので、土地基盤整備につきましては相当予算額もふやしまして、そういう施策を総合的にこれから当面講じてまいりますと同時に、価格面につきましては、ただいま政務次官から答弁がありましたように、次年度以降そういう物価の上昇でございますとか、そういうものを的確に反映した価格を策定すべく今後検討してまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 じゃ具体的に聞きます。 現地農業関係者は、刈り取り機の大量購入、まあいまさつきは四十八年度以降の問題でしたが、その以降は別として、いま現に収穫に向けて強い要望もあるし、またこれは次年度の問題にも関連はあるわけですが、この刈り・取り機の大量購入を熱望しておりますが、それに対する援助の用意があるかどうか。
○説明員(須賀博君) サトウキビの刈り取り機の問題でございますが、確かにサトウキビの生産につきましては収穫労力が非常にかかるということで、労働時間に占めるウエートが非常に高いものですから、私ども従来から省力化のために刈り取り機の導入あるいはその開発、そういうものについて努力してまいった次第でございます。現在入っております刈り取り機は大体七馬力程度の小型のものでございますが、それらにつきまして、現在省力化パイロット事業ということで、五ヵ年計画で四十七年度から始めているわけでございますが、地区数といたしまして五十六地区、四十七年度にはそれが二十七台入っておるわけでございまして、この計画が順次進むに従いまして相当数の刈り取り機か入っていくというふうに考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 それはよくわかりました。 次にお尋ねしますが、キビ作の近代化と申しますか、機械化と申しますか、そういった方向への改善、改良、キビ機械化、それから土地改良それから基盤整備、こういったものが総合的にかみ合って行なわれなければいけないと思いますが、その面の計画、指導はどうお考えか、あるいはどのようになっておるかお尋ねしたいと思います。
○説明員(須賀博君) これからのキビ作につきましては、非常に省力化をはからねばならぬということから、やはり基盤整備を重点的に考えまして、現在の予算でも年間十二億の予算を考えておりまして基盤整備を進めていく、なおその上物として、ただいま申し上げましたような省力化のパイロット事業による機械の導入、これは一環的な栽培関係の機械の導入でございますが、そのほかになお土壌改良用の機械、これは大型のトラクターを導入するということで、深耕等によりまして生産力を高めるということからそういうような大型のトラクターあたりも導入するということで現在計画をつくりまして、四十七年度から実施に移っている次第でございます。
○喜屋武眞榮君 いまの回答もペーパープランに終わらずにぜひ具体的にひとつ実現してもらうよう強く要望しておきます。 この問題については最後にこの生産者価格の決定を、算定方式を再生産補償方式から農家の所得補償も加味した生産費等所得補償方式に改めようという強い要望がございますが、それに対する御見解はどうですか。
○説明員(田中宏尚君) サトウキビの現在の価格体系につきましては、国内産糖が全体需要の約二割を占めておりまして、八割程度が残念ながら輸入ということで、国際的な価格関係という中で現在の糖価安定法というものが仕組まれているわけでございますけれども、いずれにいたしましてもサトウキビなりビート糖、こういう国内産糖の場合にはまだ近代化の余地、そういうものも相当ございますし、それから現在生産費調査で使っております労賃というものも現にその農村において成立している労賃というものを使っているわけでございまして、それを都市労賃に置き変えるということが必ずしもストレートに適切であるかどうかという問題も一つあるわけでございますが、いずれにいたしましても価格の決定がパリティ価格を基準といたしまして生産費なり、競合農作物、そういうものの価格動向というものを勘案して、総体的にきめると、しかも再生産を確保することを旨として定めると、そういう法律体系になっておりますので、そういう事情も十分考慮いたしまして、今後とも国内産糖の再生産が十分確保されるというたてまえで価格決定に臨みたいと思います。
○喜屋武眞榮君 このキビの問題は沖繩の亜熱帯産業、国土開発という立場からも重視せぬといかぬし、内容的には甘味資源という立場からも国の政策の中で重視されていかなければいけない、こういった配慮からぜひひとつ沖繩のキビ問題、そうした砂糖問題の保護育成ということについては沖繩を助けてやる、救ってやるということも当然でありますが、それはそのままわが国にとっても必要なんだ、大事である、こういう立場から沖繩の農業の問題、わけても基幹産業としての砂糖、パインの問題については特に配慮を願いたいと、こう思います。 そこで、もう時間もありません。もう一つ、いま沖繩で起こっておるこれもまた危機に直面しておる問題で、ウリ類等の本土出荷規制、この問題をめぐって、せっかく沖繩で最適だということで馬力をかけているところの果樹園芸、蔬菜園芸、これがせっかくつくったけれども本土に出荷できないという、こういう規制を受けておることに対しても、これはたいへんな困惑をいたしておるわけです。それはそれなりの理由があるわけですが、一体実情はどうなのか、それをお聞きしたい。
○説明員(須賀博君) 沖繩県におきますウリミバエの発生ですが、これは従来から宮古とか石垣あるいは久米島あたりの島には見られたわけでございますが、沖島本島におきましても昨年発見されたということで、ただいま先生がおっしゃいましたようなウリ類その他の果実額の本土への移動禁止ということになったわけでございます。このウリミバエはそういう果実に非常にやはり害があるということで、これは本土に入るとたいへんなことになるわけでございまして、もしも沖繩県におきましてそういうものを本土に出したいという場合、やはり完全にウリミバエの汚染がないということが確認された上でないと輸出が——輸出といいますか移動ができないということでございまして、私ども現在沖繩県におきます特にサヤインゲンあるいはメロン等につきましての要望が強いことは承知しておるわけでございますが、現存まだウリミバエの駆除というものにつきまして完全でないということから移動禁止をいたしておる状況でございます。
○喜屋武眞榮君 お聞きしますと、いまウリミバエの問題か一般論として論じられているように思いますが、なるほど露天栽培の中からそういう事実があらわれておるということも承知しております。ところが、一般論で片づけられていくと困るといいますのは、施設栽培は調査されているかいないかどうですか。
○説明員(須賀博君) メロン等施設栽培で沖繩県で栽培されているわけでございますが、施設栽培の場合でも部屋の中の温度調節ということから必ず大井に窓をあけるわけです。やはり窓をあけたり締めたりいたしますから、そこからハエが侵入するということが当然考えられるわけで、施設栽培であるから完全にウリミバエか防げるというようなことは私どもはちょっと考えにくいんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 私の質問は、そういった施設栽培、ビニール栽培を調査されたかしなかったか、したですか、しなかったですかと聞いている。
○説明員(須賀博君) 沖繩県におきまして私どもの出先機関であります植防の事務所がございます。そういうところの職員がやはり現地でそういう施設栽培を調査しているという報告を受けております。
○喜屋武眞榮君 私の調査では調査をしていないということを私はその関係者から聞いております。調査しないで一律に露天栽培も一緒くたにしてなで切りをしておるというので非常に悲憤慷慨をしておりました。いまの現地からの報告では調査をしたという、私のでは調査をしていない、これは見解が食い違っておりますから、あとで確めることにいたしまして、時間のようですから結論にいたします。 私は、施設栽培は調査をして、そうしてほんとうに納得のいく——納得のいくことであれば一緒くたにしないで特別に配慮すべきである。理由は、そういった施設栽培、家族的な栽培を奨励していく中で、そういうものを露天栽培も一緒くたにしたのでは、もう沖繩の農業の進歩、改良、発展というものは奨励できない、こういうことで足を引っぱることになりかねない。こういうことと思い合わせて私は施設栽培奨励の立場からもどうしても特別の配慮をすべきである、こう思います。ほんとうにないということが納得がいくならばと思いますかどうですか——ということに対して回答を求め、あまり時間をオーバーして迷惑をかけたくありませんので、私の要望とそうしてそれに対するさっき見解の食い違いもありますので、さらに再調査をしてもらって、連絡をしてもらってはたして調査しているかどうか、はっきり調査したとおっしゃいましたが、私の調査では、知るところでは調査していない、こういうところに問題があるということと、次にはその施設栽培はどうしてもこれは大所高所から特別な配慮をしなければいけない、そうしないと進歩、向上というものはあり得ませんよ。科学経営、農業経営ということも奨励できませんよ、一緒くたにされたのでは。そういうことを強く要望申し上げて、そうしてこの早期駆除ですね、これをひとつ徹底的に全力投球をしていただきたいということと、施設栽培を検査の上許可してもらいたい、このことを申し入れて、それに対する見解を承って終わることにいたします。
○政府委員(鈴木省吾君) 農林省といたしましてもなるべく早く解除いたしたいと思って努力をいたしておるわけでございます。したがって、いろいろな駆除方法、現在やられております薬剤なり薫蒸なり、そういうもので極力やっておると同時に、また新しい有効な方法はないかということも努力はいたしております。同時にまたいまの施設園芸のほうは別じゃないかというお話でございますけれども、これはやはりときどき窓をあけるものですから、そこからハエが入らないとも限らない、露地だってぶんぶんいるのがみえるのではなくて、発生したからというようなことで非常に慎重な態度をとっているわけでございますから、そういうようなことで、非常に沖繩の今後の農業の重大な問題でございますから、真剣になって取り組んで早急に解除できるようにしてまいりたいと考えております。
○委員長(成瀬幡治君) 他に御発言もないようですから、農林省とそれに関係する農林漁業金融公庫の決算につきましては本日はこの程度といたします。 次回の委員会は四月六日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会 —————・—————