沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第7号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1973/06/06
会議録
○委員長(星野重次君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○春日正一君 私、沖繩海洋博の問題と関連して、海洋博をこのままの計画でやっていいのかどうかという点をお聞きしたいんですが、御承知のように、三月二日に起工式をやって、四十八年度から予算がついて、これから海洋博の準備が始まるという段階で、すでにこれとの関連でいろいろな困難な問題が起こって、現地でも、県民の生活が圧迫され、新聞の世論調査を見ても、去年の段階では八三%が賛成といっておったのが、ことしの段階では、延期、再検討ということまで含めて賛成は五八・四%というような状態で、県民の中でも、このままやることがどうかという考えが非常に強まってきておるし、現地の政党、労働組合なども再検討ということを言っております。共産党も、先日政府に縮小、再検討ということを申し入れましたが、ここで具体的にお聞きしますけれども、一つの問題として、県の公共事業の執行が非常に困難になっておる、これは市町村もそうだと思いますけれども、私のほうで調べたところによりますと、ことしの二月末現在で高校の新増築が十八件、河川、道路、橋梁、砂防ダム等、公共事業関係で十九件、その他七件、厚生関係で七件、農林水産関係で十一件というように、落札が不調でもって、工事ができない。二月末現在でこういう事業の執行率が五十%ということですね。その後三月、年度一ぱいにどのくらい進んだか、この点もお聞きしたいんですけれども、この点、自治省のほう、調べておいでですか。
○政府委員(森岡敞君) 各事業別の契約執行率のこまかいのは省略させていただきますが、総体で沖繩県の四十七年度最終予算額は七百三十四億円でございますけれども、その最終予算額に対します支出負担行為済み額が八三・六%ということになっております。その中で特におくれておりますのが土木関係でございまして、約五五%程度というふうに私ども報告を受けております。
○春日正一君 土木関係、全国の平均はどのくらいですか。
○政府委員(森岡敞君) 全国での土木関係の平均というのはちょっと私どもいま手元に資料を持ち合わしておりませんが、いわゆる公共事業のうちで国庫補助負担を伴います補助事業だけをとってみますと、沖繩県が六〇%でございます。これに対しまして、各府県はせいぜい、おくれておりますところでも二、三%程度のおくれと、こういうことになっておりますが、その辺のところで御推測をお願いいたしたいと思います。
○春日正一君 お聞きのとおりですね、大臣。内地、本土では、ほとんどまあ九七、八%まで土木関係が執行できているんだけれども、沖繩では六〇%程度という、この異常な違いが出てきておる。こういう落札不調の原因というものですね。これをどういうふうに見ておいでですか、自治省としては。
○政府委員(森岡敞君) 非常に特殊な事情が、四十七年度、沖繩県市町村については、あったことは御承知のとおりでございます。復帰直後でございますので、復帰前と復帰後で事務執行体制もかなり変えてまいらなければならない。職員の配置なり、あるいは職員の研修なり、そういう問題を含めまして事務執行体制の整備に相当の期間がかかったということもございます。また復帰直後でございますので、八月までは暫定予算を編成いたしております。暫定予算でございますから、どういたしましても運営費中心でございます。第三に、国庫支出金、国庫補助負担金の交付を受けます手続などにつきましても、初めてのことでございまするし、不なれでございます。関係省庁とのヒヤリングその他にも相当な時間を要したようでございます。その結果、国庫補助負担金の内示がかなりおくれております。それに伴いまして、工事の発注が年末以降に集中してしまったというふうなこともあったわけでございます。さらに技術職員の不足、これがかなり深刻な状態になっております。加えまして、民間建設事業をはじめといたしまして、各種の建設事業が集中をいたしました。そのようなことから、請負業者をはじめといたします対応能力が非常に窮屈になっております。 さらに、これは沖繩だけではございませんで、昨年末から本年の春にかけまして、建設資材に相当な値上がりが出ております。そういうふうなもろもろの事情、本土で見られます事情に加えまして、沖繩の復帰に伴います特殊な事情、それらが重なり合いましてかようなことになっておる、かように考えております。
○春日正一君 確かに、復帰して新しい、制度的には、ものになったんだから、その切りかえの過渡期という問題もあるけれども、私どもも、ことしの二月の末から三月の初めにかけて現地に行って調査をし、直接聞いてましたけれども、一番問題になるのは、結局、建築資材、労働賃金も含めて工事費が非常に泰騰して、そうして予算単価では話にならぬと。だから、入札をやりますと言っても一人も入札に来ないというような例が非常に多いんですね。来てもその差が大きくてどうにもならぬと。だから落札不調ということになっておる。これは地元業者の絶対数が不足しておるということで、まあこういう状態が、特に海洋博をめぐって、これから大工事がやられていくというようなことになれば、一そうこれは促進されると思うのですよ。少なくとも沖繩の経済にしてみれば、海洋博のために二千億とか二千五百億というような事業がわずか二年間に集中的に投資されると。しかも、そのほか民間でいろいろの思惑があっていろいろ事業が起こるというようなことになれば、沖繩での一そういう県民生活に必要な公共事業なり、あるいは県民そのものが望んでおる住宅の建設なりというようなことが非常に圧迫されるような状態になるということは、これは明らかだと思うのです。その点について開発庁としてはどういう対策をおとりになるつもりか。つまり、こういう状態をそのままにしておいてあくまで海洋博をやるのか、それとも、こういう状態をきちんと解消するということをやった上で海洋博を考えるという態度をとるのか、どっちにされるのか、お聞きしたい。
○国務大臣(坪川信三君) 沖繩開発の一般の公共事業の進捗率、また工事の入札状況等、先ほどから数字をあげられての御指摘、それから来るところの海洋博に対するところの不安あるいは反対、そうした意見等も加えられての御質問でございますが、最初に申し上げておきたいことは、基本的な方針といたしましては、いま最後にお述べになりましたごとく、そうした現況を十分踏まえながら、それらの現況を打開いたして、そしてぜひとも海洋博の推進をやりたいというのが基本方針でございまして、いまの段階を憂いながら、海洋博の延期あるいは規模の縮小というような方針を沖繩県の当局も、また開発庁もとっていないということ、もう一つは、いわゆる海洋博の協会自体も、先般中曾根担当大臣が出向きまして、つぶさに視察をいたしました場合において、それを打開する意味において、すみやかに協会の本部を沖繩本土に移して、そして推進の役割りを果たしたいと、こういうことを中曾根担当大臣も申し述でておるような状態でございますので、政府といたしましては、いま御指摘になりました点、いま自治省の政府委員も申されましたので、その原因としてどういう状況があったかということは、もう重複を避けたいと思います。そうした立場から、新たなる四十八年度の予算執行に際しまして、三月から——二月、三月の比較をいたしますと六三%という状態に伸びてもきております。新たなる年、二年目を迎えた沖繩の行政府としての整備された姿でこれらの問題にも取り組むということで一貫した方針で進む。それにはやはり、裏づけされたものとしては、労務、資材の不足をどう解消するかということでございますが、過般来施設部会においてこれらに対するところの対応策も講じておりますし、また、これからの月次計画も施設部会で立てております。私は。施設部会等の開催も東京においてやるのでなくして、現地のなまの声、実態の実情というものを正確に把握する意味においても施設部会等の開催等も沖繩本土に移してこれに取り組むという体制を示さなければならぬということも指示いたしておるようなわけでございますので、そうした険路を打開しながら、しかし、反対される立場、反対する意見というものを十分やっぱり当事者はそれを検討いたし、また、那辺にその反対される一つのものがあるかということも実情を把握いたして、これらの反対の声をだんだんと建設への理解の方向に持っていく姿に取り戻したい。特に屋良知事も過般上京いたしまして、また、私も若夏国体に参りまして県の方針をはっきりとただしましたが、県の当局も、われわれがきめた問題であるから、ひとつ、あの若夏国体のバイタリティに富んだ、成功したことを考えると、ここ一年はあの気持ちになって取り組む方針であるという力強い知事の言明もありますので、私たちは、そうした姿で、地方及び県、国が一体となってこれらの問題にさらに前向きの姿勢をもって取り組んでまいりたいと、こう考えております。
○春日正一君 そこで、この問題では問題が二つあるんですがね。一つ先に片をつけておきたい問題は、公共事業のおくれをどう取り戻すかという問題ですね。さっき私が言いましたように、単価が非常に低いために相手にされないという問題があるわけですわ。だから、そういう意味で言えば、沖繩県の財政は御承知のように自己財源というものが非常に少ないわけですね。本土の相当県に比べても非常に少ないわけでしょう。私のほうの調べでは、四十八年度で八十八億七千万ですか、九・七%、あと、いわゆる政府その他からの依存財源が八百三十三億九千万というような状態、しかもその中で義務支出が九七%くらい、残りが二十七億円しかない、県が独自に使える金が、というような状態ですね。そういうふうに自己財源の少ない状態でもって、先ほど言ったように、落札の不調になっている工事、学校工事とか、そういうものは沖繩の場合一〇〇%補助になっているわけですけれども、一〇〇%補助すると言っても、その単価が低くては一〇〇%補助したことにならぬわけだし、それでそういう形のおくれが出ておる。そういう意味では、やはり現地の実情に合わせてこの超過負担分をさらに補正して引き上げるなり、あるいは予算単価を引き上げるなり、そういうことをしなければ、実際やれと言われたってできない、そういうことになるわけですね。だから、沖繩の場合には特殊な事情がある、ほかの県でも超過負担の問題は問題になっているし、私ども全部なくせということを主張しているけれども、沖繩の場合には特殊な事情があって、自己財源が特別に少ないわけですわ。これに超過負担しろと言ったってできるものではない。そこの事情をどうお考えになっておるのか。そして、予算を補正するなり、基準単価といいますか、その予算単価を必要なだけ引き上げる、そういうことをするしか解決の方法はないと思うんですけれども、その点、考えておいでですか。
○政府委員(森岡敞君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、昨年末来の木材、鉄鋼、セメントなどを中心にいたします建設諸資材の値上がりがかなり大幅でございます。最近、しかしまあ、政府としても物価対策万般の努力を続けておりますし、また、公共事業の施行につきましても相当の繰り延べという形で調節をしていくというふうなこともだんだん実施をいたしてまいっております。まあそういうふうなこともあわせまして、ある程度落ちつきの徴候が見られるという状態ではなかろうかと、かように思っておる次第であります。しかし、そうは申しましても、なお現時点で予算単価で工事が予定どおりできるかどうかということについては非常に危倶されておる実態だと思います。その状態が沖繩の場合には特に激しいということは、私、事実だろうと思います。そこで、私どもといたしましては、各省に対しまして、四月に、この問題に対する処理のしかた、対応のしかたを明確にしなければ地方公共団体としては国庫補助負担事業の執行ができないではないかということで、それぞれ公共事業あるいはその他の国庫補助負担事業につきましてどのような措置をとってもらえるのかということを照会をし、その結論を早急にまとめるように求めております。また、自治大臣も、閣議の席上で関係大臣にその旨を強く要請いたした次第であります。各省ともそれぞれ検討を尽くされまして、ある程度具体的な措置が煮詰まってきた省もございますが、全般的に全部まとまったという状態にはまだ立ち至っておりません。たとえば、公共土木事業などにつきましては、四十八年度事業については実勢単価に合うような方式を考えていこうというふうな結論が出つつあるわけでございます。そういう結論をできるだけ早く出してもらいたい、それによって工事の施行が円滑化され、また、御指摘のような地方公共団体の超過負担が出ないようなことをぜひ措置をとりたい、沖繩につきましては特に顕著でございますので、私ども注意をしてまいりたいと思っております。
○春日正一君 まあ問題はわかってはおられるようですけれどもね。どうも結論がはっきりしない。そこで、これは大臣のほうにお聞きしておきたいんですけれども、現地、特に市町村なんかでもこういう要請書を出しているんですね。本部町なんかでは、現地の。「海洋博会場周辺の整備等に多額の町費支出を余儀なくされ、当町の貧弱な財政では実施不可能な現状であります」と言い、また、町当局者のある人は、国庫補助の単価がなぜそんなに低いのかわからぬと、こういうふうに言っておる。だから、そういう意味では、まあ自治省のほうも事情はわかっておって、各省に要請しておると言っておられるけれども、沖繩の問題については開発庁が総元締めみたような役割りをしておるわけですから、ここで、大臣の所信ですね。この問題に対してどう処理していかれるのか、それをはっきりお聞きしておきたいと思うんですよ。
○国務大臣(坪川信三君) 過般の当委員会におきましてもお答え申し上げておるような次第でありますが、沖繩海洋博の関連事業の推進をいたす場合、また、沖繩の開発、振興をいたす場合にも、私の方針といたしましては、なるべく地元の負担を軽減するということを第一の方針にとり、また、第二番目といたしましては、内地のいわゆる事業系列のものを表にまた重点に置くんでなくして、現地の零細な中小企業、零細な建設業その他関連事業の業者を第一に一線に推し立てていく、しわ寄せがこれらの方々になきよう配慮すべきであるというのが私の基本方針でございますので、もう春日委員よく御理解はいただいておると思いますが、海洋博の関連事業一千二百億でございますか、それに対しまして地元負担は御承知のとおりに三十四億というようなことで、パーセンテージからいいますと二・八%というような状態でございます。これを推進していく場合には、また問題点も出てくると思いますけれども、基本方針はその方針でいっておるということで、なるべく地元の市町村の財政に圧迫を加えない方針でまいるということは、ひとつ御理解願いたいと、こう思います。
○春日正一君 私が聞いているのは、それじゃないんです。私はいま聞いてびっくりしたのだけれども、たとえ二、三%でも地元に負担させるというのでびっくりしたのですが、あれは全部国なり協会でやってあげるものだと思っておったのに、私の言っておるのはそれじゃなくて、そのためにいま土地の値も上がるし、あるいは資材、労賃が上がって、実際の沖繩県が計画している学校、高校私全部項目を調べてきておりますけれども、これを読み上げませんけれども、学校とか厚生施設とか、そういう緊急に必要なものが落札もできないような状態になっておる。これは単位が低過ぎるからだ。自治省もそれは認めておいでになる。しかも、本土の自治体よりも自己財源が少なくて、超過負担に耐えがたいような現実があるのだから、だから自治省のほうでも各省にお願いしておるというけれども、沖繩問題ではやはり開発庁が総元締めみたいな役になっておるから、大臣として、この超過負担をなくして、単価の引き上げをやるなり、あるいは予算に対して補正をつけるなりして、これが実行できるようにしてあげなきゃならないのじゃないか。その気があるかどうか、それをお聞きしているのですが……。
○国務大臣(坪川信三君) ただいま具体的な問題に触れながらの御指摘、御質問でございますが、私といたしましては、開発庁といたしましては、四十八年度の事業遂行をいたす場合において、建設省に連絡もいたし、要望もいたしまして、いわゆる沖繩単価といいますか、単価の問題が一番重要なことでもあり、隘路になっておりますので、これらの事業、予算執行、公共事業の推進の場合において、いわゆる単価の切り上げ、沖繩単価の切り上げというような方向で、建設省にも過般調査を依頼いたし、行ってまいっていろいろと検討を加えていただきまして、いよいよ実施の段階に入ってきておりますので、建設省もそうした構想と方針を踏まえながら、いま検討を加えられているというようなことでおるような次第でありますので、そうした面でいわゆる工事の問題に取り組んでまいりたいと、こういうふうな気持ちでおります。
○春日正一君 どうも私の聞いているところとすれ違って……。大臣のところは、地方自治体の超過負担の問題を、わしの管轄外だということかもしれませんけれども、しかし、沖繩開発庁ということになれば、沖繩のことを総たばねで実際にやっておいでになるので、やはり自治省が先ほど言われたような努力を各方面に対してしておるというなら、開発庁としても積極的にこれを推進して、この問題の解決をつけないで、これでどんどん事業をやって、労賃は上がるわ、建設費はかさむわ、ますます公共事業は進まなくなるわということが二年間続いたら、これは海洋博を何のためにやったのだということになるわけでしょう。だから、これをどう片づけるかということは、海洋博の当事者であるあなた方にとっても先決問題ですよ。これをどう片づけなさるか、それを片づけなさるめどがついてから海洋博はあくまでやりますと胸を張って言えるのであって、県民を犠牲にして海洋博をやりますということは、坪川長官としては胸を張って言えないわけでしょう。そこを言っているわけなんです。
○国務大臣(坪川信三君) 具体的な点につきましては政府委員から答弁させますが、私といたしましては、自治省の所管、なわ張り、守備範囲であるから、沖繩の市町村の問題については自治省に譲るというような考えは、みじんもございません。一番大事な沖繩県の自治体の財政圧迫を私どもが推進するなんということは絶対避けたい、自治省その他と連絡をとりながら地方の自治体の財政負担の軽減を推し進めてまいりたい、それとやはり、資材、労務の確保をいたしまして、そうしてこれらに対するところの施設面におけるところの推進をぜひとも進めてまいりたい、そうして単価の問題等につきましては、さき申したような方針で取り組んでおる、ということで御了承いただきたいと思います。あとは渥美政府委員からお答えさせます。
○政府委員(渥美謙二君) 先ほど来御説明ございましたように、四十七年度の事業の執行率はいま非常に低い。また、特に年度末におきまして入札状況も芳しくなかったという状況がございます。しかし、それにつきましては自治省のほうからいろいろお話もございましたように、いろんな、ふなれであるとか、年度末に集中してしまった、その時期が日本経済全体といたしましても、やや物価高騰というような異常な時期にぶち当たったという、いろいろ不幸な要因が重なった結果が、ああいう数字にあらわれていたというふうに考えております。 そこで、まあ一つは、第二年度になりまして事務執行もかなりなれてまいった、これは、先ほどの補助事業の執行率が二月末で四十%でありましたものが、三月末には六十%をこえる数字になっております。三月一カ月で二十%以上の執行ができた、こういう事務執行態勢が進んだということに対します自信、それから第二に、私ども海洋博推進本部に関連施設部会というものを設けまして、何ぶん小さな経済に一度に大きな仕事が始まったということから、そういういろんな現象が起こってまいりましたので、これに対して計画的に事業を執行することによって労務、資材の供給を円滑ならしめる、こういうことによりまして、そういうふうな異常な状態をなくすということによって根本的に解決してまいりたいと考えているわけでございます。ただ、沖繩の場合にいろんな事情がございまして、本土から離れているということから、たとえば、労務にいたしましても資材にいたしましても、あるいは建設業自体にいたしましても、本土とはいろんな違う状況があるということがおのずからつまびらかになってまいりました。したがいまして、建設省におかれて発注されるそういう積算というような場合には、沖繩における工事の特殊事情というものを十分配慮してまいる必要があるだろう。 それから、いろんな努力はいたしてまいりますけれども、なお、現在の四十七年度の予算単価そのままのやり方ではうまくいかない。ただいまおっしゃいましたような保健の関係とか、そういう諸問題があるんじゃないか。そういう点は四十八年度の予算実施にあたりましての見積もりの際に実情を十分取り入れてやってまいれるように、現在各省と大蔵省が、あわせまして寄り寄り協議中である、こういうことでございます。
○春日正一君 この問題は、私、もっと詳しく詰めたいんですけれども、時間がないから次にいきますけれども、そこで海洋博がやられて、新しい事業が、ことしから来年にかけてどっと始まるわけですが、これに要する労務及び資材の対策、これはどういうことになっていますか。
○政府委員(渥美謙二君) これは国会にも御報告申し上げていると思いますけれども、五月八日に、ただいま申し上げました沖繩国際海洋博覧会推進対策本部の中で設けられております関連施設部会、これは各省の担当参事官クラスが集まりまして設けておる会でございますが、そこで、関連事業につきまして大体どのぐらいの労務、資材が要るだろうか、これに対してどのぐらいのものが県内で供給できるか、足りないものはどのぐらいあるであろうか、それを円滑に調達するため、あるいはそれが円滑に使用されるためにはどういう対策が必要であるかというような大綱につきまして決定をいたしまして、その大綱に従いまして各省がそれぞれの執行をやってまいる、こういう段取りになっております。 労務につきましては、大体労務の需要は約五万人ぐらいであろうと。これにつきましてどの程度県内で供給できるかということにつきましては、現在労働省がなお細部を詰めておりますが、大体の感じからいいますと、四万人足らずぐらいではなかろうか。残りの分は、その県内の労働力をいかに活用してまいるか、あるいは県外からどういうふうに調達してまいるか、こういうふうな問題になるとか、あるいは、セメントでございますと、大体需要量が百五十万トンぐらいではないか。これに対して県内で増産をしていただきまして、供給能力が四十六万トンぐらい、あと百万トンぐらいは本土から持ってこなきゃいかぬ。そのぐらいは供給されるであろう。それを揚げる場所はどこどこで、どういうふうに処理したらいいかというようなのを物資別にも詰めております。
○春日正一君 そこで、詳しいことを私もその表をもらって調べてみたんですが、労働力が新しく五万人要るというわけでしょう、あの狭い島で。そうでしょう。
○政府委員(渥美謙二君) ちょっと違うんです。——ちょっと私、いまの御説明が足りなかったかもしれません。私どもといたしましては、その海洋博だけを取り上げて云々してもあまり意味がないものですから、四十八年度に、民間工事まで含めまして、すべてのそういう建設工事に要るものがどのぐらいあるであろうかということを押えました。したがいまして、ただいま五万人と申し上げましたのは、四十八年度における官公需、民間工事、すべてを含めましての所要労働力の数でございます。
○春日正一君 それにしても、海洋博がある、それだけの新しい人口が要るわけです。いままででも大体土木関係の労働力というのは、農村からの出かせぎ、これは沖繩でも相当なものですわ。私どもの調べてみたところでも豊見城なんかでは、千五百戸のうち専業が三〇%、兼業が七〇%、このうちのほとんどが土木関係の労働力として、いわゆる出かせぎ、そういう形で出ている。ということになると、新しくこの海洋博をやる、あるいは海洋博関係で非常に多くの工事がやられています。そういうもののために労働力が必要になるということになれば、当然、農村からの労働力が新しくしぼり出されるというか、そういう形にならざるを得ないわけでしょう。それをどのくらいに見ていますか。
○政府委員(渥美謙二君) その辺を、いま労働省において詳細詰めている段階であるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、現在で大体四万人前後のそういう建設従事の労務者、労働力があるという統計が出ております。一方、求職者数というのが一万人以上あるというのが現在の統計にあるわけでございまして、もちろん、その方々がすべて直ちにそういう建設業の労務に回られる可能性のある方々ばかりではないということでありましょうけれども、それらの方々に職業訓練をするというようなことによりまして、どのぐらいの供給が可能であるかという問題につきまして現在検討中ということでございます。もちろん、その建設に従事しておられます労力というものが農村に多く依存しておるということは、それはそうであろうと思います。特に沖繩の農業の中心になりますサトウキビ栽培、これは、御承知のように、収穫期におきましてきわめて短期間に集中的に労働力が要る、その他の期間につきましては比較的労働力を要しない、こういう性質の農業でございますので、当然、その期間にはそういう形で生計を得ておられる、こういう形が一般的であろうかと思います。で、不足分につきましてそういうふうな県内の余裕労働力の活用を考えて、なおかつ、不足分が、御指摘のように、ただ賃金がやたらに上がるというようなことで、農村から農繁期にもかかわらず吸収されてしまうというようなことになりますと、いろいろ問題がございます。そこで、なるべく本土からの進出業者については、特に技能労働者なんかは本土からそういう労働者を連れていって現地で仕事をしてもらうというような行政指導をするとか、その他いろいろきめのこまかいことをやって、なるべく御指摘のような事態の起こらないように努力をいたしてまいるということを考えております。
○春日正一君 どうも、本土から連れていくというのが、まああの数字を見ると、地元で三万人以上、本土から二万人というような、五万に対する割り振りがあるようですけれども、しかし、本土の会社が本土から労働者を全部連れて沖繩に行って海洋博の工事をやるというようなことは考えられません。第一、そういう状態で労賃なり何なりが上がれば、沖繩の農民が黙って見てないですわ。それは、そこに働きに行きますよ。だから、そんな気楽なもんじゃないですわ。現に大阪の万博でさえ、あれだけの関西の大きな経済力を持って、しかも四通八達で、関東からでも中国からでも、どこからでも、労働力でも資材でも集められるところで、あの万博工事のために労賃が上がり、公共事業がストップして、そのために自民党の県知事が落選したでしょう。沖繩はほんとうに細い輸送の線でつながれた孤島ですね。ここで県民所得の一年分に匹敵するような万博直接のものと関連民間まで入れれば、工事が二年間でやられるというようなことになれば沖繩の経済に大きな撹乱状況を起こすことはもう目に見えている。それの対策が、いま説明された程度の気楽なことでやれると思うのか。私が一番心配するのは、さっき言った公共事業の問題、それと、それから農業の問題ですね。やはり沖繩の復興というものは、農業を基礎にし、いまある沖繩の産業を基礎にして、これを成長させながら、それを促進するものとして本土からの新しい企業の導入というようなことを考えていかなければ県民のしあわせにはつながらない。ところが、いま見ていますと、土地の買い占めというような形でどうっと出ていって、この一年余りの間に、私のほうの調べでも、沖繩全土の大体四%ぐらい買い占めているでしょう。いいところはみんな買い占めちゃって、ゴルフ場にするとか、あるいは観光地にするとかいうようなことにされてしまっている。本土の大資本がどうっと出ていって、沖繩のいい仕事をみんな取ってしまうというような形で、沖繩県民はかえって、そのために押しつぶされるような状態が現に生まれ始めておる。だから私それを聞くわけですけれども、もう時間がありませんから一つだけ……。 農林省、来ておいでですか。——一つだけ聞いておきますけれども、いまの出かせぎとの関係で、なぜキビの値段をトン七千円とおきめになったのか、その根拠を開かせてほしい。
○説明員(永井和夫君) サトウキビの値段は毎年十一月二十日にその最低生産者価格が定められている。相関係数で定まっておるわけでございます。そこで、その算定の方式につきましては、やはり法律におきまして、農業パリティ、一定の方式をもちましてこれを算定いたすということになっているわけでございます。そこで、昭和四十七年度産の価格につきましては、この方式によりましてトン当たり六千九百五十円、こういう価格を算定したわけでございます。いま先生御指摘のように、特にこの価格を決定しました後におきまして労賃の上昇等がございまして、現地の農民の方々が、この価格におきましていろいろな御意見があるということは、私どもも十分承知しておるわけでございますが、そうした事情は、この価格決定というのは一つの統計数字をもちまして比例の率として出てくる問題でございますので、次年度以降の価格決定におきましては当然こういうものが含まれる、こういうふうに考えております。現在の価格はこれで適正なものというように私ども考えております。
○春日正一君 私の時間、もうあと一分しかないんですから、あれですけれども、とにかく七千円という数字は、四十七年十一月十三日に農林省統計課が出しておるキビの生産費統計で出ておる七千三百二十六円というものより低いんですわ。農林省がはじき出した数字よりも低いものをパリティ計算で出して六千九百というのが出たとすれば、その計算方式そのものが間違っておる。だから、本土の米の場合みたいに、生産費補償方式というような形で、きちっと労働力から何から計算に入れて——当然沖繩の、米に匹敵するこれは産業ですから、やるべきである。これは大臣にそういうふうに伝えておいてほしい。これはここであんたに議論したってしようがないから。 それからもう一つの問題は、この問題が解決しなければやはり沖繩の農業は大きな打撃を受けるでしょう。私この間行って聞いてみたんでは、キビ代が七千円、労賃が三千円から四千円かかっている。それで、一トン出すには二人工かかるから、結局労賃が六千円ないし七千円とられる。肥料代が足らぬような事態が起こる。あるいは肥料代を払えばただ働きになるというような事態が起こるというふうに沖繩の農家の人たちは言っていますよ。現在でも、土木関係の労賃は三千五百円、女が二千五百円というようなことになっている。これ、海洋博が進めばもっとがるにきまっている。そうすると、この七千円というような低いキビの価格で置いておけば、どうしてもそちらに引かれる。それは利益のあるほうへ引かれるのが人情ですから、農業生産が荒廃するというような状態になるということになると、この面から見ても、やはり海洋博によるその影響が沖繩にどのくらい、どういう形で出るかということをほとんど頭に置かぬまんまで海洋博を進めておるんじゃないかというふうにしか思えないわけですわ。 もう時間がちょっと一分経過しましたから、これで打ち切らなければなりませんけれども、そういう意味で、この海洋博の影響というものが農業にも及ぶ、それから沖繩の県政そのものにも、さっき言ったように及んでおるし、私もう一つ大事に取り上げなければならぬと思って準備した問題は、沖繩の文化財ですね、それが非常な規模で破壊されるという危険にさらされているわけですわ。私、いろいろ写真をとっと持ってもきておりますし、調べてもおりますけれども、これはこの次に質問さしてもらうとして、沖繩の文化の位置づけというものは、あなた方が開発計画の中で、沖繩が日本の南方への玄関になるというように位置づけられたように、やまとの文化との交流もあるし、中国大陸の文化との交流もあるし、同時に、フィリピン、インドネシア等の南方の文化との交流もあるという、日本の歴史、アジアの歴史を説く上では非常に貴重な価値を持った文化遺産です。そういうものがいま急速にこわされようとしておる。この問題は、私もっと時間をかけてこの次にでも聞かしてもらいたいと思いますけれども、そういう全部の問題についてあなた方が検討してみて、その上で、そういう弊害を起こさぬように海洋博がどうしてやれるのかということを検討して、これを起こすことが避けられぬとなったら、海洋博をおやめになったらいい。私はそう思う。ここでは私、意見だけ言っておきます。 時間ありませんから、委員長、私この次の機会に、またこの続きをやらしていただきますから。
○委員長(星野重次君) それでは答弁は次に保留いたします。 続いての質疑に移ります。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに沖繩の公害問題の立場から、環境庁を中心にお尋ねいたしたいと思います。 先日、沖繩の県会議員の代表が本土視察をしまして、関西、東京、北海道まで行って帰りまして、そして私東京で落ち合ったのでありますが、一番感ずることは何だったかと、こう聞きましたら、異口同音に、爆音、騒音のない、飛行機の爆音が聞かれないことであるということを言っておったのであります。そのように、沖繩の公害は、空は爆音、騒音に、そしてまた陸は、地上は、国会で絶えず問題になっております核の問題、毒ガスの問題、そして不発弾——いまだに不発弾がごろごろして危険きまわりない状態にあるわけなんです。さらに、このごろ基地の周辺の海洋がおそろしくよごれておるということを発見しまして、ショックの上に一大ショックを受けつつあるのが最近のいわゆる基地の中の沖繩の状況であります。かてて加えて、社会問題としての外人犯罪、目に余る外人犯罪、あるいは麻薬の問題、その他いろいろと問題が多発いたしておるわけなんです。そういった情勢の中で、去る五月の十四日から十九日まで環境庁を中心として沖繩への第一次調査団が行かれたのでありますが、その第一次調査団の調査の結果はどうなっておるか、まずお聞きしたいと思います。
○委員長(星野重次君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(星野重次君) 速記を起こして。
○喜屋武眞榮君 それでは、いまの関連質問は見えてからいたしますが、次の問題を先にいたしておきます。 次の問題といいますと、先ほども触れましたが、目に余る外人犯罪が、特に復帰後、質的にも量的にも多発しておる。その一つに、米兵による日本人婦女暴行事件、去る五月二十八日未明、沖繩本島コザ市内のクラブ内から米兵がナイフで日本人婦人を脅迫をして米軍嘉手納基地内に連れ込んで、そこで集団で乱暴をしたということ。しかも、このようなケースは、復帰前、復帰後とを一貫して初めてのおそろしい事件であります。そこで私は、翌二十九日午後、さっそくアメリカ大使館、それから外務省にかけ合って抗議をし、それでその事件の事実の確認を迫ったのでありますが、その日、アメリカ局長は、まだ事実の確認がしてないので事実確認を急いで強い抗議をする、こういうことで二十九日の午後は別れたのであります。その事実の確認は、外務省としてどのように確認しておられるか、これをまずお聞きしたい。
○委員長(星野重次君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(星野重次君) 速記をつけて。
○喜屋武眞榮君 それじゃ話を元に戻しまして、沖繩の環境調査に去る五月十四日から十九日まで環境庁を中心とする第一次調査団の名目で調査に行っておられますが、その調査の結果はどうなっておりましょうか、お聞きしたいと思います。
○説明員(松田豊三郎君) どうも時間におくれまして恐縮でございます。 沖繩関係の基地の公害の調査につきましては、ただいま先生御指摘のように、先月、海兵隊関係の基地につきまして第一次調査という形で現地を調査いたしました。第一次調査と申しますのは、現地の調査分析体制が十分でございませんので、その辺の、たとえば水とか土壌の分析の機器の整備、あるいは分析の試料の運搬その他につきまして十分な準備をいたすために参ったわけでございまして、基地の中の排水口の位置とか、あるいは基地の中の汚水の処理場の状況でありますとか、あるいはばい煙発生施設の状況でありますとか、そういうようなものにつきまして概況を調査いたしました。それで、ついでに、これは計画以上に進展したわけでございますけれども、ボイラーの燃料の油でありますとか、あるいは一部土壌につきましてはサンプリングをいたしまして、この土壌の検体を持ち帰っております。しかし、それは一部でございまして、本格的な調査は今月の末か来日の初めに予定しておりますけれども、第二次調査といたしまして、海兵隊関係の六基地、これにつきまして立ち入り調査をいたす予定にしておりますので、その際に、さらに排水口の水でありますとか、公共用水域の水質でありますとか、そういうものにつきまして調査分析をするための試料の採取をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、第一次調査の結果では、一応概況調査、それから第二次調査のための準備というものが中心でございましたので、まだその辺の結論めいたことは出ておりませんでございます。
○喜屋武眞榮君 その調査の結果は、まだはっきりこのようにというデータは出てないわけですね。
○説明員(松田豊三郎君) 調査の結果は、ただいま土壌につきましては農林省の農業技術研究所等におきまして分析中でございます。したがいまして、その調査の、たとえば土壌の値がどうであるか、汚染の状態がどうであるかというふうなことにつきましては、まだ結果はわかっておりません。
○喜屋武眞榮君 いま、第一次調査の対象は海兵隊だと、こうおっしゃったのですが、海兵隊にのみしぼられた理由はどこにありましょうか。
○説明員(松田豊三郎君) 米軍関係の基地の環境問題の調査につきましては、実は先般来防衛施設庁その他と連絡をとり、打ち合わせをいたしまして、全国の基地のうちに、かつて問題があったとか、あるいはそういうおそれがあるというふうに考えられる基地をとりあえず選定いたしまして、それが全国で十九基地でございます。沖繩関係は十一基地選定いたしております。そのうちで、まず調査のしかたといたしましては、米軍からは、クウェスチョネアと申します質問書を米軍に出しまして、基地内のそういうふうな汚水の処理施設でありますとか、あるいはばい煙の発生施設でありますとか、その他廃油の処理状況、それから汚水の汚染の度合いというふうないろいろな点につきまして資料による回答を求めているわけでございます。 それで、現在までのところでは、海兵隊につきましては資料の回答を得ておりまして、ただいまその調査票につきまして専門家で検討をしているところでございます。それで、それらの基地につきましては、その検討結果によりましてさらに米軍側と打ち合わせをいたしまして、必要があれば米軍と協議の上現地立ち入りをして、さらに補足をいたしたい、現地調査もいたしたい、こういうふうに考えているわけでございますが、海兵隊につきましては、とりあえずその資料の作成の段階で日本側の調査立ち入りということに話がまとまったわけでございます。それで、資料の提出を求めて検討をするというふうな段階をとりませんで、立ち入りをする、その調査の結果によりまして必要な話し合いをする、改善を申し入れる、こういうふうになったわけでございます。したがいまして、その他の基地につきましても、引き続き急いで検討、打ち合わせをいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 重ねて聞きますが、政府としては、この調査団としては、できるならば海兵隊にしぼらずに、基地全体に調査をしたいと、こういう意図を持っておられたが、アメリカ側からの要望で海兵隊のみにしぼられたというふうに聞いておりますが、その真相はどうなんですか。
○説明員(松田豊三郎君) それは、そういうふうな新聞の書き方をいたしたものもございましたけれども、そういうことではございませんで、先ほど申し上げましたとおりに、海兵隊関係の基地の調査のしかた、これが先行いたしております。その他の陸軍とか空軍等につきましては、先ほども申し上げましたように、いろいろな図面を添えまして詳細な回答を求めておりますので、その回答を検討した結果に基づきまして、この辺が問題であるとか、この点の状況は中へ入ってみなければわからないというふうなことを具体に詰めて、それで必要があれば立ち入りをするというふうな段取りにいたしておりますので、申し入れをしたけれども拒否されたということではございません。
○喜屋武眞榮君 私が問題にしたいのは、政府は牧港補給部隊、俗に第二兵たん部隊と言っておりますが、その牧港補給廠の調査も意図しておられたんですか、おられなかったんですか。
○説明員(松田豊三郎君) 先ほど申し上げました十九基地の調査対象区域のうちには、牧港補給基地も入ってございます。
○喜屋武眞榮君 入っているんですか。
○説明員(松田豊三郎君) 入っております。
○喜屋武眞榮君 ところが、実際には調査の時点では断わられておるでしょう。あなた方はなさったんですか、そこは。
○説明員(松田豊三郎君) ちょっと説明が不十分でございましたけれども、牧港につきましては、現在、回答書、つまり調査票をいただきまして、調査票の内容を専門的に詰めている段階でございまして、これにつきましてやはり立ち入り調査の必要があるということでございましたならば、至急米軍側と話し合いをいたしまして立ち入り調査に持っていきたい、こういうふうな段階で、いま準備している段階でございます。拒否されたわけではございません。
○喜屋武眞榮君 拒否されたのではない。
○説明員(松田豊三郎君) はい。
○喜屋武眞榮君 ところが、どうしても解せないのは、その問題 一番問題にされておる牧港補給廠に対しては、米軍が沖繩県と一緒になって独自の調査をいたしておることは御存じでしょうね。
○説明員(松田豊三郎君) それは、最近そういう動きになっておることは聞いております。
○喜屋武眞榮君 そこで、この県と米軍が共同調査をして確認したこと、その基地の周辺の海岸にカドミウム、鉛を検出しているその検討の結果ですね、そしてそのことを公表いたしておる。このような事実があるにもかかわらず、なぜ日本政府の調査、立ち入りを拒んだのかということに、私の立場からしても実に疑問を持つんですが、皆さんとしてこれに対してどう思いますか。
○説明員(角谷清君) ただいま現地のお話がございましたけれども、これにつきましては、五月三十日にメイプルス在沖繩米軍司令官と屋良知事との会談がございまして、近く現地におきまして日米合同調査が実施されるという手はずになっております。 それから、ただいまアメリカ側は、中央レベルと申しますか、政府が調査することを拒んだのではないかというお話でございますけれども、これは、先ほど来環境庁のほうから御説明申し上げておりますとおり、手はずの、手順の一つといたしまして、まず日本側は十九カ所の基地につきまして質問書を出すと。それで、それを取りまして、その結果を吟味いたしました時点で、どうしても納得がいかないというものにつきましては、これは今度は日本政府からじかに調査をするという手順が最も実際的であるという観点から、ただいまそのような手順でございまして、ただ、海兵隊の分につきましては、海兵隊自体が調査能力がないということでございましたので、これは直ちに日本側が直接調査をするということでございます。したがいまして、牧港の地区につきましても、ただいままいっておりますアメリカ側からの返事を、ただいまこちらで検討中でございますけれども、これがわがほうにとりまして納得がいかないという結果が出ますれば、もちろん政府といたしましては、さらに重ねてアメリカ側に、今度は政府が直接調査をしたいということを申し入れる所存でございますし、かつ、牧港につきましては、先ほど申し上げました地方レベルの日米合同調査というものが計画されておりますから、これも勘案して方針をきめたいと、このように考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 この沖繩県と米軍の共同調査で調べた結果を見ましても、まことにこれはショックである。その県とアメリカの共同調査の結果どういうものが検出されたかということは、皆さんそれは承知しておられますかどうか。
○説明員(松田豊三郎君) 浦添市が調査いたしました結果につきましては、県を通じまして承知いたしております。四月に二回、それから五月に一回、合計三回にわたりまして排水口の排水の採取をいたしまして、それを、市自体は分析能力がございませんので、民間機関に依頼いたしまして分析をいたしました。その結果については、先ほど先生おっしゃっておりましたように、特に油分につきましては、この排水の調査におきましては非常に高い値を示しておるわけでございます。その他、ペーハーといいますが、酸性・アルカリ性の度合いでございますが、これも国内法の基準に照らしては高くなっているというものがございます。それから鉛、それからカドミウム——カドミウムはほんのわずかでございますが基準値を上回っておる。鉛も基準値を上回った値が出ておる。もっとも、カドミウム、鉛につきましては、三回の調査のうち第一回だけ実施しているようでございます。そういう状況を承知いたしております。
○喜屋武眞榮君 いま数字をあげられなかったのですが、私の知る限りにおいても、カドミウムが〇・一二PPM、これはたいしたことはないといえばたいしたことないかもしれませんが、ところが、鉛が四・九五PPM、これはおそろしいことであります。このようなデータが出ておる。しかも、この補給基地はどういう作業をやっておるか御存じかどうか知りませんが、時間をとりますので、念のため私申し上げておきますが、ここは車両の解体修理をやっておるのです。ベトナムから持ち帰った車両の解体修理をやっておる。そのために、電気メッキ、化学薬品を使用しておる。しかも、それが最近に始まったことではない。二十年来、二十年余も廃油、廃液のたれ流しがあった。これでその周辺の海岸が汚染しないのはおかしい。当然汚染する。このような状態の中で二十数年も放置されてきた。そこで、このことに浦添市当局も気がつきまして、「海洋汚染発見について」ということで第十一管区の海上保安本部長あてに、その通知をいたしておることは御存じでしょうね。
○説明員(松田豊三郎君) その件はまだ聞き及んでございません。
○喜屋武眞榮君 何ですか。
○説明員(松田豊三郎君) 私どもとしましては聞き及んでございません。聞いておりません。
○喜屋武眞榮君 それで、同じ四月十八日、「基地より発生する被害の防止に関する折衝について」と、那覇防衛施設局長あてにその要請が出されておる、このことは防衛庁御存じでありますか。
○政府委員(高松敬治君) 文書という話は聞いておりませんが、那覇防衛施設局長に対して浦添市のほうから口頭で、この問題についての、こういう状態であるという申し入れがあったということは承知いたしております。
○喜屋武眞榮君 そのコピーがここにありますので、念のために申し上げておきましょう。 米国陸軍第二兵站部隊から排出されている廃 油ならびに汚水は、全く未処理の状態で海岸に 放流しているため、広範囲にわたって本市西海 岸を汚染しており大きな公害問題となっており ます。 また、三月三一日付浦企第三八四号の文書に より貴職あて要請した港川ゲート内のガスボン ベ集積所を撤去する件についても、未解決の状 態であります。 以上の件については、治外法権の基地内で発 生しているにもかかわらず、本市に対して重大 な被害と脅威を及ぼしており、このまま放置す ることはできません。 以上のことにかんがみ、貴職から米軍当局に 対し、下記の点について実現方強力に折衝して 下さることを要請致します。 一、米国陸軍第二兵站部隊から公共用水域に排 出される廃油ならびに汚水は、すべて水質 汚濁防止法(昭和四五年法律第一三八号) ならびに沖繩県公害防止条例(昭和四七年 県条例第五八号)に定める排出基準に適合 させて処理すること。 一、港川ゲート内に集積されている大量のガス ボンべは、ただちに撤去すること。 こういうように具体的にこれが出されておることからしましても、これはたいへんな問題であるわけなんです。 そこで、第二次調査団の調査の対象として、ここは一体調査の範囲に入っておるのかどうか、そのことを、まずお聞きしたい。
○説明員(松田豊三郎君) 先ほども申し上げましたが、第二次調査は、とりあえず実施いたします海兵隊関係及び海軍が一基地入っておりますが、六基地をやると。その六基地につきまして、第一次調査で概況調査等をいたしまして、その結果に基づきまして本調査をいたすのが第二次調査でございまして、牧港基地等につきまして、残余の基地、残りの基地につきまして調査を実施いたすといたしますれば、それは第二次調査ではございません。そのあとの、あるいはそれと並行といいますか、先ほど申し上げましたように外務省を通じまして米軍側と協議、話し合いをいたしまして、必要に応じまして行なう調査という形で実施いたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 まあ、いろいろ段取りはあるかもしれませんが、しかし、この事実を知った以上は、これは最優先して、この所在、そして内容の究明、そしてこれに対する対策——これをほうっておいてはいかぬと思いますが、これは何とかなりませんか、どうですか。
○説明員(松田豊三郎君) 第一次調査及び第二次調査を計画する段階では、確かに先ほど来お話のございますような事実を承知する前でございましたので、こういうふうな事態になりました以上、早急に、できるだけ早く米軍側と協議をいたしまして必要な措置をとってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 これは何らかの方法で、ぜひ調査の対象にしてもらいたいということを強く要望して、申し入れておきます。 さらに、この汚水たれ流しの基地の一つに、恩納 イント、それから那覇空港関連施設の瀬長島弾薬庫、この二つもいま問題になりつつあるわけなんです。これもひとつ念頭に置いてもらいたい。その他、さらにまだ未調査の——その未調査といいますと、沖繩公害対策協として組織が発足し、その組織をもっていま全面的に調査を進めつつあるわけですが、そういった調査の中で、いま特に重要な場所として恩納ポイント、それから瀬長島弾薬庫、これが強調されております。以上の点を特に要望いたします。いま浦添市の例の牧港補給廠の関連基地から流れるたれ流しが六カ所、それが指摘されているわけなんです。そのように具体的に沖繩側で調査がされつつありますので、ぜひひとつ政府の責任においてそれを進めてもらいたいということを強く要望いたし、また、その処置がどうなされたかということについては後の委員会で質問いたしたいと思います。 次に、二番の、またこれも途中になりますが、外務省に、去る五月二十九日に私外務省をたずねまして、米兵による日本人婦人暴行事件についてただしたところ、あの時点では、まだ事実を確認していない、事実確認を急いで強い抗議をするということだったんだが、その後事実を確認の上にたってどのような行動をとられたか、それをまずお聞きしたい。
○説明員(角谷清君) 事件が発生いたしまして直後、五月三十日になります、五月三十日の日に、アメリカ局長及び在日米軍司令官パースレイ将軍並びにシュースミスというアメリカ大使館の公使、この二人を呼びまして本件につきまして厳重な抗議を申し入れたわけでございます。席上アメリカ側も非常に恐縮しておりまして、特に軍紀の弛緩と申しますか、そういうことは厳に慎むつもりだということを申しておりました。事実関係につきましては司直のほうでお進め願っておると思いますので、その詳細につきましては、私から申し上げるよりは法務省のほうからお答えいただいたほうがよろしいかと思いますけれども、われわれの了解しておりますところは、現在日本側の官憲が米側の、米軍の協力を得まして現地におきまして犯人の割り出しということに全力をあげておると了解いたしております。
○喜屋武眞榮君 それでは、その事件の捜査につきましては現在どうなっておるか、警察庁にお聞きしたい。
○説明員(佐々木英文君) 捜査状況につきまして御説明を申し上げたいと思います。 五月二十八日の午前三時三十分ごろでございますが、嘉手納基地の米空軍憲兵司令部員が基地内を裸で走っておりました被害者を発見いたしまして、事件を認知いたしまして、直ちにコザ警察署に通報してきたわけでございます。コザ署におきましては、刑事課員等が現場に急行いたしまして、被害者から事情聴取を行ないました。それから米軍の捜査機関でございますOSIと共同いたしまして午前六時まで現場周辺の捜索を実施いたしました。この捜索によりまして残念ながら犯人を検挙するに至りませんでしたので、この日の午前九時から県警本部の捜査一課鑑識課の応援を得まして実況検分を行なっております。そして指紋三十三個、それから毛髪等の捜査資料を採取いたして、それでこれを鑑定に付したというふうな状況でございます。それから、OSIに協力を要請いたしまして、七百二十五兵舎居住の黒人兵の写真三十八枚を入手いたしましたので、被害者にこれを示しまして被疑者の割り出しを急ぐということを現在行なっている状況でございます。
○喜屋武眞榮君 被疑者の捜査にあたっては米側の協力を得てと、こういうことなんですが、その協力の得方で、もっと具体的にお聞きしたいんですが、と申しますのは、その協力が、いわゆる日本警察の主体性において調べるのであるか、アメリカ警察の主体性において、ここがお願いという形で協力を求めておるのか、その辺の姿勢はどうですか。
○説明員(佐々木英文君) これは日本警察の主体性において捜査を進めるという形でございます。
○喜屋武眞榮君 いま被疑者の調査の段階ということなんですね。
○説明員(佐々木英文君) そうです。
○喜屋武眞榮君 それでは、これから事実が具体的に浮かび出てまいると思いますが、これは申し上げるまでもありませんが、その裁判については、実は復帰前までにおける沖繩における外人事件についてはいろいろのケースがあって、その処理につきましても、ふんまんやる方ない一方的な、植民地支配下、軍事植民地支配下における治外法権下の事件の処理は、泣き寝入りさせられるようなことが幾らでもあったわけなんです。だから、この裁判の行くえについても非常に県民は注視をしているわけなんです。これは県民だけでなく、心ある日本国民もみんなそうだと思います。まず、いままでよく問題にされた、公務中であったか公務中でなかったかということも、きめ手になるわけですが、これも、だれが見ても公務外であったことは間違いのないことだと、私たちはこう思っております。それで、この日本側の提訴を待つまでもなく、直ちに被疑者の引き渡しを要求すべきであると、こう思いますが、そのことについてはどうお考えですか。
○説明員(佐々木英文君) ただいま捜査状況につきまして御説明を申し上げましたとおり、まだ被疑者の特定をするに至っておりません。したがいまして、まず被疑者の特定をすることが先決だと思いますので、いまそれにつきまして全力を尽くしておるというふうな状況でございますので、御了承いただきたいと存じます。
○喜屋武眞榮君 まあ、これは何度繰り返しても要望にしかならぬと、こう思いますが、いまの時点では。すみやかに犯人を逮捕して厳正な処罰をしてもらわなければいけない。繰り返すようでありますが、実はこれには関連があるんです。去る三月の十八日にコザ市においてアメリカ兵による婦女殺害事件が、崎間敏子さんという婦人の事件があったわけなんです。ところが、その有力な犯人、もう九九%この兵隊に間違いがない、そこまで追い詰めた矢先に、突然その兵隊がアメリカに帰国をしてしまった。そこで、結局泣き寝入りさせられるような、いま状態にあるわけですが、このような事件はいまに始まったことじゃない。過去においてもたびたびありました。米軍の厚い壁が。ところが、復帰後もこのように立ちはだかっておるということに憤りを感じてならないわけなんです。 そこで、このことについては、一応犯人らしき、九九%もう間違いがないと言われておる者がアメリカに帰国してしまった。本国に帰ってしまった、事件の処理は結局そのままこれが立ち消えになるのかどうかということが問題になるわけですが、そんなばかなことがあってはいけない。事件の処理を今後どうするか、こういうことで、国際刑事警察機構と協力をして、容疑者に対する捜査の続行と逮捕を求めるべきではないだろうか、こういう強い声が当然起こっておるわけなんです。そのようにアメリカに帰還した疑わしい犯人に対しても、このケースで処置をしてもらいたい、こう思うんです。どうですか。
○説明員(佐々木英文君) ただいま御指摘の事件の捜査経過でございますが、帰国いたしたのは事実でございます。ただ、まだこの容疑者につきましては、完全にこれが犯人に間違いないというふうに断定するだけの資料を、いわゆる捜査を遂げておりませんでしたので、県警といたしましては、なお同人の容疑の究明と、それからほかに容疑者が存在しないかどうかということにつきましても、あわせて捜査を継続中でございます。容疑者の帰国につきましては、重ねて申し上げますが、被疑者と断定するに至りませんでございましたので、まことに残念ではございますが、やむを得なかったんではなかろうかというふうに考える次第でございます。
○委員長(星野重次君) 質問者、ちょっとあらかじめ……。山中長官が見えましたけれども、二十分間しかおられないそうですので、その間に質問があったら御質問願います。
○喜屋武眞榮君 それでは順序を変えまして、山中長官には、沖繩にたいへん縁がございます。このたびは防衛庁長官になられたことに対して大きな期待を寄せておるものであります。と申しますのは、沖繩の置かれておる宿命と申しますか、基地の問題、自衛隊の問題、このことが、沖繩の平和、経済開発、あるいは沖繩の現在及び将来にとって、いろんな意味においてそれが壁になり、障害になっておることは御承知だと思います。そこで、私山中長官に、就任早々でございますが、その早々なるがゆえに沖繩に対する、かっては総務長官という、あるいは開発庁長官という立場から沖繩問題と取り組んでもらったわけですが、沖繩基地の整理縮小、そうして撤廃、この立場に立って、防衛庁長官としてどういう姿勢を、そうしてとういういま御見解を持っておられるのか、まずそのことを、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 初めに、御承知のような経緯で突然防衛庁長官を拝命いたしました。当委員会の皆さまには、長年月にわたり、与野党をこえた、民族の悲願としての沖繩復帰に、いろいろな立場からの御支援御激励を賜わりながら、何とか祖国復帰にこぎつけたということに対する感謝の気持ちを抱いておるものであります。 今回は防衛庁長官の立場において当委員会において初めて私の見解を述べる機会を許されましたことをたいへん光栄に存じます。そこで、ただいまの喜屋武議員の御質問でありますが、間違っていたら御指示を、あるいは御叱正を願いたいと思います。 私は、沖繩の基地については本土の基地と違ったとらえ方をしております。ということは、本土の基地の場合には、これは敗戦国といえども国家と国家との間において合法的に、あるいは国際法上も合意された立場において、賛否はありましたけれども、国の意思において提供された施設区域である、そういうことが当然の姿としてあるわけでありますが、沖繩の場合には、日本として全体はまだ戦っている、しかし沖繩現地においては六月二十三日に戦闘行為は終結をしておって、したがって、現地は戦場のままで勝者と敗者の姿において八月十五日を迎えるまでの間が異例な期間として存在をした。しかし、その間に米軍は勝者の立場において、占領した地域において、自分の欲するままに、あるいは自分の欲する場所、地域、地点、広さ、そういうものをかってに基地として使用を開始した。このことが二十八年の間に形の上では定着をしてしまって、そうして復帰後において追認する形で合法的な基地提供の中に入ってしまった、こういうことにおいて、沖繩の基地問題の原点は、国家意思が取り結んだ約束ごとではない、いわゆる戦闘下の戦闘こそ終結したものの、戦争状態の中の地域における勝者と敗者の間において、その敗者の地域を代表する者の意思が全く反映しない、あるいはその立場において当事者同士の話し合いが行なわれないまま、そべてが、ほとんどが私有地であることが物語っておるように、一方的に、恣意的に、戦いに勝った軍隊が必要なために占有した地域が今日の沖繩の基地と呼ばれておるものであろう。このことを考えますならば、沖繩の基地問題は本質的に異なるのであって、この原点からものごとを判断していかなければならない。 したがって、沖繩の場合において、もちろん基地が沖繩本島を中心にして、しかも北部の演習地帯は別でありますが、これは常時占拠しておるわけではありませんので、中部、南部の最もあの狭い島で、利用価値がそこしかないという地域に集中し、しかも最も利用することに重点的に配慮をしなければならない地域がすべて基地という名前によって手の届かない場所になってしまっている。この現状を踏まえて、沖繩においてはこの基地返還に対する基本的な認識の上に立って、アメリカ側との折衝に——もちろん外交当局がございますが、防衛庁長官としてもその立場から積極的に進めてまいりたいと存じます。 また、その作業のあり方については、そのような経緯で発生した基地であるにもかかわらず、二十七年にわたる長い間それに対して整理統合が進められていかなかった。逆に、地域的には必要性に応じて拠点的にふやされた地域すらあった沖繩地区に対し、本土においては、過去二十年近くの間に、相当な基地の面積、機能その他の集約が行なわれて、整理されてまいりました。しかし、沖繩はこれを二十七年もしんぼうしてこられたのでありますから、われわれは、そのスピードは、二十七年間のしんぼうに対する代償として、それを一挙に圧縮した強烈なスピードをもって本土の整理の現状に追いつく必要がある。このようなことを考えているわけであります。 初めてのお尋ねでありますから、私の基本的な考え方と姿勢についてだけ答弁をさしていただきます。
○喜屋武眞榮君 具体的な問題につきましては、いまの基本姿勢に基づいていろいろ御質問をいたしたいのですが、きょうはそのことは遠慮いたしたいと思います。 そこで、いまの基本姿勢と照らし合わして、一面力強さを思い、反面、いままでの二十数年間にわたる沖繩の犠牲を思いますときに、何としても日本政府の対米姿勢、対米交渉、このあり方が沖繩県民に、好むと好まざるとにかかわらず大きなしわ寄せを寄せておるという、この事実にかんがみて、たとえばあの復帰の時点では、返還協定の中身としても目玉商品と言われておった那覇空港の完全開放は、あの時点で公約された目玉商品であったはずである。ところが、復帰して一年を経た今日まで、いまだにP3がのさばって、やっさもっさしておるというこの事実を思いますときに、また、牧港住宅地区の住宅の移転につきましても、なるような、ならぬような、できそうな、できなさそうな、こういった形で、反面、できそうな大きな期待と喜びを持つ反面、またそれが立ち消えとなっていったような、あいまいもことした、こういった状態で一カ年を経てきておるということを思いますときに、何としても正しからざるものは姿勢を正して、問題解決をしていくという、こういう決意が非常に大事であると、こう思うんです。それによって左右される、その濃度があまりにも沖繩には深刻である。これを思いますときに、私が長官にその基本姿勢をまずお聞きしたがったのは、そこにあるわけです。どうか、そのいま述べられた話に基づいて、ばりばりと快刀乱麻を断つがごとくに問題を処理していただいても、なお二十数年のひずみというのは解決しがたい山積みした問題が濃縮して積み重なっているわけであります。ということを、繰り返すようでありますが、私、重ねて沖繩の心の一端を述べまして、もう一ぺん長官の御決意を承りまして、長官に対する御質問をこれで終わりたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) ただいまのP3の復帰時における完全撤去という約束があいまいもことして今日まで見送られてきた点、一応はまあ、昭和五十年度末にはという線も合意しておるようでありますが、これとても約束ごとの変更であると私は思います。しかし、さらに牧港住宅街の問題も、これはまた一応の返還に応ずる姿勢を向こうがかりに示してきたとしても、これはこれ以上放置してはならない地域である、あるいはまた姿であると考えますから、これらの問題はいろいろと、軍港の問題もありますし、あるいはまた、復帰と同時に国道に指定されて、当然即時県民に開放されてしかるべきであった三三一号線の問題等々、数多くあります。このことは、沖繩の現地の方々にとっては、本土政府が約束したこと、すなわち沖繩県民としては復帰にとって実感としてとらわれることはまあそういうことかなと思っていたことがなかなか実現しない、一体どうなったんだという本土政府に対する不信の念も、私は生ずるおそれがあると考えておりますし、事実そういう声も聞かないわけではありません。私たちとしては、これをもう一ぺん、返還交渉の際において取りつけた約束は、その後変わったといえども、またもとの姿勢に戻すことはできないのか、そういうことを私は少なくとも考えておりますし、就任以来まだ日もわずか一週間たっておりませんが、すでにそのような方面に対する政府内あるいは対外行動を開始いたしております。喜屋武委員も、外交折衝の背景のむずかしさ等を御理解の上で、個々の点について詰めた質問はきょうはしないという御理解あるおことばでありますので、それに甘えて、−私としてはいまおっしゃった点も含めて私たちがなさなければならないことは何か、そして沖繩県民が見て、おかしな話じゃないかということは、それは直ちにもとの線に戻す努力を全面的にしたいと考えて、いま全力を傾けて行動を開始いたしております。
○喜屋武眞榮君 次に、沖繩の医療対策について厚生省にお聞きいたします。 沖繩には、いろいろの緊急に解決しなければいけない問題がいっぱいあるわけなんですが、その中でも特に、健康、生命にかかわる問題としての医療対策、このことが最もいま当面の問題として迫られておるわけなんです。そこで、現在の沖繩の医療危機のその原因が那辺にあるか、何にあるか、どのようにとらえておられるか、そのことを、まずお聞きしたい。
○説明員(山高章夫君) 沖繩の医療危機の原因が那辺にあるかという御質問でございますが、たいへんむずかしい問題でございますけれども、さしあたり、沖繩の医療水準が非常に低い。特にマンパワーでございます。医師とか看護婦の数がかなり全国の水準に比べまして低くなっておる、これが沖繩の医療供給体制を推進する上で一つの障害になっておるというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いまの御答弁では——私は沖繩の当面しておるこの医療危機の原因がどこにあるかということを私お尋ねしたわけですが、まだすっきりしませんね。もう一ぺんお願いします。
○説明員(山高章夫君) 沖繩の医療危機の原因というのはいろいろ考えられますが、特にさしあたり、いま私どもがこれを乗り切って医療体制を整備していく上にあたって一番問題になりますのは、やはりマンパワーの充足の問題ではないか。人間が、医師なり看護婦といった医療関係者が不足していることが一番問題ではないかというぐあいに考えております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、沖繩の医療危機の要因にはいろいろあります。いま類似県と比較して、あなた方の調査の実態をどのようにとらえておられるか、それをお聞きしたい。
○説明員(山高章夫君) 類似県のつかみ方がいろいろございますが、とりあえず、人口規模で沖繩県に類似しているような県を一応拾ってみますと、たとえば島根県とか徳島、高知、香川というような県がございます。これらの県と比較いたして見ますと、医療関係者の点について申し上げますと、医師では、沖繩で人口十万に対しまして五〇・五人という数字になってございます。これが全国では一一七・三約沖繩の倍になっております。それから、先ほど申し上げました島根が一〇八・九、高知が一二〇・八、香川が一一七・五、徳島が一五七・五、こういう数字になっております。 そのほかに、看護婦につきましては、これが沖繩がやはり人口十万対一一一・五、全国で二七六・九でございます。島根が四〇五・九、徳島が三九七・〇、香川が四二五・二、高知が四二六・三保健婦と助産婦は沖繩が高くなっておりまして、保健婦は一八・五で、これは全国が一三・六になっております。助産婦は沖繩が二五・〇で全国が二六・五、ほぼ全国の水準に近くなってございます。
○喜屋武眞榮君 どうも、いま混み入った、ごてごてしたなにですがね。もっとすっきりした形で……。そういうとらえ方もあるかもしれませんがね。私が調査した資料によりますと、施設、医師、看護婦の不足が決定的な条件であることは御承知でしょうね。そこで、類似県と比較して、まず施設。私が言う類似県は、類似県の規模を一〇〇%として、条件を一〇〇%として、富山、石川、香川、宮崎、この諸県を一応類似県と押えて、ここの施設を一〇〇と押えて、施設数が四八%、沖繩の施設は。それから全病床の数、いわゆるベッド数ですね、五六%。それから医師の数が四三%、看護婦が准看も含めて三一%、歯科医師四三%、薬剤師六〇%、保健婦一〇九%、この保健婦だけは類似県よりもちょっと上回っておるが、あとはほとんど半数か半数以下ですね。これが沖繩の医療危機を最も追い込んでおる主要因だと私はとらえるわけなんです。 そこで、さらにこれは基本的な条件としてのなにですが、ここからさらに悲劇が派生しておる。当面の危機として、いま重大な問題が日にち毎日沖繩県民の生命を脅かしておる。このことを厚生省は知っておられるかどうか。知っておられるなら何であるか、それをお聞きしたい。
○説明員(山高章夫君) 私どもの所管しております医療関係の供給体制の点から申し上げますと、沖繩で一番私ども問題にしておりますのは、一つには救急医療の関係であるというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 夜間の緊急施設。
○説明員(山高章夫君) それも含めまして……。
○喜屋武眞榮君 それをもう少し詳しく、どのように把握しておられるか、お聞きしたい。
○説明員(山高章夫君) 特に沖繩県におきましては、那覇市を中心とします、約三十万の那覇市を中心にしたあの地域の交通事故であるとか、夜間の救急の医療、こういったものに対応する十分な対策が県でとられていない。そのために相当夜間の医療の混乱があるというふうに把握いたしておりまして、県もこの点は非常に問題にしておりまして、夜間の救急医療体制を整備するということで、休日の夜間急病センターを設備するとか、そういう点につとめているところでございます。私どももできるだけの援助をしたいということでございます。
○喜屋武眞榮君 事実としては正しく把握しておられると思います。いまの沖繩にはいろいろなさねばならない問題があるが、命にかかわる問題、生命の問題、これはもう最優先せなければいかぬ。しかも、沖繩の人口の三分の一を占める那覇市を中心として、一つも救急措置のセンターがない。これは、知事をはじめ、那覇市長、市民、みんながやっきとなってその問題究明、解決に努力をいたしておりますが、何しろ絶対数、絶対条件が話にならない沖繩の状態でありますので、その中ではどうしても解決できない。そういう状態をまず把握しなければいけない。理解してもらなければいけない。ところが、六月一日からやっと条件つきで、一カ年間という条件つきで夜間救急センターが開設された、これは一カ年の条件つぎということです。どうしてもその間に抜本的な対策を講じなければいけない。そのように緊急対策がなされた裏には、中部あたり、那覇から中部、二、三十キロも離れた病院に病人が運ばれている。そういった遠距離、あるいは病院から病院へたらい回しでやっているうちに、私の知る限りにおいても六人の死亡者が出ておる。いわゆる、医者に見てもらうことができないで、その途中で死んでいっておる死亡者が六名もおる、この悲劇ですね。ここに沖繩の他県と比較にならない沖繩の医療危機があるということを理解してもらわなければいけない。そうして早急に優先的に手を打ってもらわなければいけない。そこで、緊急対策として、まず私も、どういう手を厚生省として考えておられるか、まず緊急対策、これを最初にお聞きしたい。
○説明員(山高章夫君) 緊急対策と申しますと、なかなかさしあたりのすぐの対策というのはむずかしいわけでございまして、先ほど御報告申し上げました夜間急病センターとか、それから一年以内に整備しなければならない、一年以内という条件つきで二次急病センターが六月一日から開設されたということでございますが、要するに期限つきでございますので、それを、さしあたり一年以内ということでなく、今後継続してこれを続けることができるような措置をとらなければならない。そのためにできるだけの応援をしたいというふうに思っております。 実はこまかい話で恐縮でございますが、五月の十七日に、県の厚生部の幹部と医師会長さん——医師会長は用事があって電話だけでお話しいたしましたが、一応の今後の沖繩の医療をどう持っていくかというお話を伺いまして、近く、沖繩振興開発計画に基づきまして、今後三年間に沖繩がどういう対策をとったらいいかという県としての案を持ってくることになっております。それを見まして、厚生省も、まあ開発庁にももちろんお願いしまして、両者で国としてどういう協力ができるかということをはっきりきめて、計画的に整備してまいりたいというぐあいに思っております。
○委員長(星野重次君) ちょっと待ってください。 坪川長官、三十分までということでお願いしてありましたが、時間がずれましたので、三十五分まで御猶予願います。
○喜屋武眞榮君 それじゃ、いまの対策の計画も承りましたが、時間もありませんので、少し具体的に、そうしてそれに対する配慮を願いたいと思いますが、まず緊急対策の一つに、医師の派遣。従来厚生省派遣医師というのがありましたね。これの医師の派遣の数、もちろん従来どおり、派遣医師、その数をふやしてもらいたい、これが第一点。第二が、民間病院への看護婦派遣の依頼、民間病院への看護婦派遣の協力依頼、たとえば日本赤十字病院あるいは済生会病院ですね。これは現地側からも働きかけておりますが、ぜひ厚生省としてもまた側面的に、あるいは直接的に協力していただきたい。時にこの二つに対しては、日本政府としては、東南アジア諸国に対する医療協力の制度がありますね、それさえもやっておらるるのに、国内において、同じ国内において、しかも二十数年にわたって犠牲になった中から、このようにいまあがいておる沖繩の現状に対し、最優先してこの問題を解決していくべきである、救うべきであると、こういった考え方に立って、ぜひ民間病院への協力依頼を実現してもらいたい。このことと、それから長期対策、恒久対策。そしていま沖繩現地でも強い要望のあります、琉球大学に医学部を設置してもらいたいという強い要望がありまして、その方向に進められつつあるとは思いますが、その琉球大学の医学部の設置要請。これまでも前向きで検討しておられることも存じておりますが、さらに強力にひとつこの問題解決をお願いしたい。 次に、第二点が、看護婦養成ですね、看護婦の養成。いま琉球大学の付属看護学校、琉大の付属看護学校があります。それから、ことしから愛楽園付属看護婦学校がありますが、ところが、聞きますと、愛楽園の看護婦学校は、その愛楽園、南静園、まあ両園ありますね、国立の。その予算の総ワクからそれに回されておるということを聞いておりますが、そういう形で一方がそのしわ寄せをくらったんじゃ、これいけませんので、はっきりした独立予算で、しかも内容をふやして、この看護婦養成をしてもらわなければいけない。 以上、緊急対策、長期対策面から要望いたしましたが、それに対するお答えを願って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坪川信三君) 非常に重要な問題でもあり、先ほどから喜屋武委員の真摯な御討議等も十分傾聴いたしておるわけでございますが、私は沖繩の開発庁長官といたしまして、緊急になされなければならない大きな問題は、物価対策、緊急医療体制の確立、基地の整備縮小、これが沖繩県政の最も当面する重要課題でもあり、日本本土政府といたしましても、これに取り組むということが非常に重要な問題であろうと、私は私なりに使命感を持っておるのでございますが、その中で、きょう御指摘になりました緊急医療体制の確立という点、先ほどおっしゃったような、ベッド数の問題、あるいは施設の問題、医者、看護婦あるいは薬剤師、歯科医師の現状を見るときに、実にお気の毒な体制のマジョリティーを占めておるということを考えますと、私は、過般沖繩開発庁の幹部会を開きましたときにも、来年の沖繩開発の予算編成に際しましては、単なる事務的な問題の予算編成でなくして、一つの大きな柱を立てた政策を含めての予算編成に当たりたいから、そのつもりで取り組んでほしいということを指示もいたしておりますので、私は、その編成の中にあって、厚生省、文部省とも連絡調整をはかりまして、この問題に対する予算配慮を一つの大きな柱としていま心に期しておるということを申し上げて御理解をいただきたい。私は、この医療体制の問題は非常に重要で、この間も武見医師会長とも会いまして、医師の問題、養成の問題あるいは琉球大学付属病院あるいは医学部の問題等も入れまして、医師会の協力をお願いもいたしておるような次第でございますので、沖繩の県政の重要な第一の柱に対して、政府といたしまして、また開発庁といたしまして、いま申しました真剣な気持ちで取り組むことをお約束申し上げておきたいと、こう思っております。
○委員長(星野重次君) 以上をもちまして本件に対する調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会