運輸委員会 第12号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/06/05
会議録
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 運輸事情等に関する調査を議題とし、カーフェリー「せとうち」の火災沈没に関する件について報告を聴取いたします。佐藤運輸政務次官。
○政府委員(佐藤文生君) 先般カーフェリーの火災沈没事故で先生方にいろいろと御心配をおかけしましたことを、深く深謝をいたします。その後処置をいたしましたこと、そういうことについて、報告をきしていただきます。 五月十九日午後八時三十分ごろに、瀬戸内海の播磨灘におきまして、四国中央フェリーボート会社所属のカーフェリー「せとうち」、九百五十総トンでございますが、機関室から出火をいたしまして、消火活動をやりましたけれども、船舶全体に火災が及びまして沈没いたしました。乗客三十五名及び乗り組み員二十三名でございましたが、おかげさまで全員救命いかだで退避して、無事救助されました。 運輸省は、二十日に大臣の命令を受けまして、私が現地に飛びまして実情を調査するとともに、五月の二十一日に大臣の命令によって事故原因を早急に究明するために技術調査団を現地に派遣して、同型船を含めた調査を実施いたしましたが、その調査報告によりますと、火災の発生原因は、機関室内の燃料オイルが漏れてエンジンの高熱部分に触れたことではなかろうかと推定されること、それから火災発見前からすでに漏油が始まっていたために、短時間に火災が機関室内に拡大した可能性が強いこと、また機関室の出入り口のとびらなどが開放されたままであったことや、固定式のあわ消火装置の操作がおくれたために、機関室外へ火災が比較的容易に拡大したもの、こういうぐあいに推定されておりますが、その他逐次その原因が判明しつつございます。 事故後の措置といたしましては、四国中央フェリーボート会社に対して立ち入り検査を実施するとともに、全国のフェリー会社に機関部の整備点検に重点を置いた発航前点検を厳格に励行きせることとして、特に機関室につきましては、中長距離フェリーについて可能な限り船舶検査官及び船員労務官立ち会いのもとに実施させるよう通達しております。 また全旅客船につきましても、この機会に設備の作動状況等の総点検を行なうとともに、防火操練、退船訓練を行なうよう指示いたしまして、かかる事故の再発の絶滅を期しておる次第でございます。 現在までそういう状況でございますので、以上御報告を申し上げます。
○委員長(長田裕二君) それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○小柳勇君 事故後の処理については説明ありませんでしたが、御説明を求めます。
○政府委員(佐藤文生君) それでは、事故後の処理について、正確に局長のほうから報告させます。
○政府委員(田坂鋭一君) 事故後、ただいま政務次官から御説明ございましたように、政務次官が直ちに現場を御調査いただいたわけでございますが、技術的な調査を主体にいたしまして、私どもといたしましては、船舶局の首席検査官を団長としまして、海運局並びに船員局の係官を含めました調査団を派遣いたしたわけでございます。引き続きまして、発航前検査を厳重にするという処置を大臣通達によって行なったわけでございますが、この発航前検査は本来船長の責任でございまして、船員局関係の労務官の所管するところでございますが、特に今回の事故がエンジンルームの設備に関係あるということでございましたので、発航前検査につきましても、船舶検査官を特に立ち会わせるというふうな処置をいたしております。いずれにいたしましても、今後カーフェリーの日常点検につきまして厳重な処置をとるということをいたしたわけでございます。
○小柳勇君 海上保安庁から、この事故の概要と、それから救援の状態について説明を求めます。
○政府委員(野村一彦君) カーフェリー「せとうち」は、愛媛県の川之江から神戸へ向け航行中、先ほど政務次官がおっしゃいました五月十九日の午後八時二十八分ごろと推定されますが、淡路島北端の江崎灯台から二百四十九度、九・四マイル付近、これはちょうど播磨灘の第六号灯浮標というものがあります、その付近でございますが、そこの海域で機関室の排気管付近から出火をいたしました。機関室当直中の二名が炭酸ガス消火器で消火しようといたしましたが、火勢が強く消火できず、機関室より脱出をいたしました。で、船長のおる船橋に通報がなされました。その直後、午後八時三十一分極超短波、国際VHFで緊急通信をその船が発しました。その通信は私のほうの神戸の第五管区海上保安本部の通信所が受信をいたしております。 そして船におきましては、膨張式救命いかだ三個を使用し、午後九時三十分ごろ総員が同船から離脱をいたしました。そしてこの船は爆発を繰り返しておりましたが、午後十時四十分、船首部付近で大爆発を起こし、同じく五十四分江井港の灯柱、これは淡路島の西岸から約三百十・五度、八千九百五十メートル、その付近で沈没をしたわけであります。 そこで先ほど申し上げましたように、国際VHFで第五管区が連絡を受けまして、それから直ちに状況を聴取し、二十時四十分から四十七分の間に五管本部の通信所は五百KCの無線電信と二千百八十二キロヘルツの無線電信、それから先ほど申し上げましたチャンネル十六の無線電信で付近航行の一般船舶に対して緊急放送を行ないました。この緊急放送に対して、関西汽船の「六甲丸」をはじめ、「第八えるぴい丸」、それからほかの会社のフェリーボートであります「つくし」、それからフェリー「いしづち」、こういう四隻が十六チャンネルの放送を受信をいたしました。 海上保安庁からは、一番距離的に近いところの明石におりました姫路海上保安部の巡視船「ろつこう」をはじめ、神戸へそれから大阪、岸和田、堺、下津、それからたまたま小松島、和歌山、そういう近くの保安部署の巡視船艇十三隻に対して出動を命令いたしました。その中で姫路の「ろつこう」が一番近くを航行しておりましたので、「ろつこう」が現場に行ったわけであります。現場に行ったときにはすでに火災が全船に及んで、おそらくヘリーとしては、船長の判断で、これはもう放棄せざるを得ないという判断になっておったと思います。そこで先ほど申し上げました一般の船舶の中の「えるぴい丸」というLPG船は、これは非常に危険でありますから、むしろ近寄るなという指令をいたしまして、そしてその中で一番大きな船で適切であると判断される関西汽船の「六甲丸」、これが避難をした船員並びに乗客の移乗を受けるという措置ができまして、その間私のほうのPS「ろつこう」は、その近所でその作業を見守っておったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、二十一時三十九分に関西汽船の「六甲丸」に乗員及び乗客の全員が移乗を完了いたしたわけであります。そして、その後一時間ほどたって船首部に大爆発が起こり、そして二十二時五十五分に沈没をしたということでございまして、残念ながら、私どものほうの巡視船は、「ろつこう」以外は現場に着くのがおくれまして、もうそのときにはすでに乗客及び船員は「六甲丸」に移乗をしておった、こういう状態でございます。
○小柳勇君 当時のある新聞では、飛行機で現場写真をとっているのですね。で、海上保安庁としてヘリコプターの配置あるいは飛行機の使用などどういう体制になっているのですか。
○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、巡視船について出動命令を出しましたが、私のほうで、この付近には八尾に航空基地がございます。ここにベルのKH4というのが一機ございまして、これは夜間も当直が一名おりまして、いつでも出動指令があった場合には、大体四十五分で離陸可能、それから「せとうち」の火災現場まで四十分で到着ということで、合計一時間二十五分で現場まで行けるという状態にあったわけでございますが、たまたまある新聞社の飛行機も出られて、それが現場の写真を写されたということでございます。私どものほうも、もちろん巡視船等は、今後の取り調べの参考にする意味もありまして、あるいは海難救助の参考にする意味もありまして、出動しました、いま申し上げました「ろつこう」等が現場の写真はとって、それからもちろん消火についてもいろいろ手配はいたしておりますが、この場合は八尾の航空機は間に合わなかったという状況でございます。
○小柳勇君 出動命令が出たのですか、出さぬのですか、その点はどうですか。
○政府委員(野村一彦君) 八尾の航空基地には出動指令は出しておりません。
○小柳勇君 これはほかの新聞社が出ていなければいいんだけれども、新聞社の飛行機が出てちゃんと写真をとっておるのに、大事な保安庁のヘリコプターがなぜ出動せなかったのか、ちょっとぼくはふしぎに思ったもんだから、出動させなかったのはなぜですか。
○政府委員(野村一彦君) 新聞社の飛行機は、これは取材のために出動をされたと思います。私どものほうの八尾の航空基地の体制でございますが、有視界の気象条件で飛行が可能であれば出動できるという体制であったわけでございますが、その当時、ベルはもちろん出ましても、これが直接救難活動というものは残念ながらこの場合できないわけでございますので、船のほうがより有効だという判断もあったと思いますが、一つは夜であって、はたしてそういう気象条件で可能であるかどうかという判断もあったと思いますし、それから一般的な、現場付近を飛んで様子を見、視察をしていろいろ指令をするということは、あるいはできるかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、船が現場に先に着いておりまして、そして海上から指揮をするほうが消火活動その他の救助活動にはより適切であるという判断であったと思います。
○小柳勇君 全般的にいって、いま海上保安庁のヘリコプターの布陣あるいは救助、いつ事故が発生するかわかりませんが、たとえばタンカーの爆発とか、あるいは船の座礁とかありましょうが、いま全国的にヘリコプターの救助体制なり、あるいは視察体制なり、そういうものについては長官としてはだいじょうぶだと思っておられるのですか。あるいは、まあことしは若干ふえるようですが、どういう体制ですか。
○政府委員(野村一彦君) 全部で海上保安庁といたしましては固定翼並びにヘリコプター合わせまして二十八機の飛行機が現在ございまして、四十八年度の予算で中型機四機、それから小型機四機、合計八機の、これは代替でございますが、ヘリコプターの代替が認められております。その二十八機の内訳は、十一機がヘリコプターで、十七機が固定翼でございます。この配置は、大体私どもとしましては、北部地方においては北海道、それから日本の本土の中央部におきましては仙台、新潟、羽田、八尾、広島。それから鹿児島、沖繩の石垣、こういうところに配置をいたしておるわけでございますが、現況から見まして、公害の監視とか、あるいは交通安全の取り締まりという面については、まだこれは十分ではないということで、特に私どもとして考えられるのは、遠距離海難の捜索用の足の長い固定翼の飛行機と、それから非常に行動の敏速で、そしてまた低空飛行等をして監視あるいは船との共同に便利なヘリコプターの増強については、今後なお計画的に増強したいと思っております。現状においては、交通安全あるいは公害の監視の面からいってまだまだ増強の必要がある、かように考えております。
○小柳勇君 ヘリコプターによる救助体制もそうですけれども、偵察体制ですね。長官はいま、新聞社は報道するために飛んだでしょうとおっしゃるけれども、海上保安庁だったらなお必要でしょう、情報収集のために。もちろん無線はありますけれども、それよりも目で見て飛行機から指揮する方法もありましょうから、ヘリコプターの配置体制と同時に偵察機なども将来ひとつ考えてもらいたいと思う。担当の本部長に、なぜヘリコプターを出動させなかったか実情を聞きましたか。聞いてなかったらお尋ねになって報告してください。その点いかがでしょうか。
○政府委員(野村一彦君) その点につきましては、第五管区本部長に照会をいたしまして、後日お答えいたします。
○小柳勇君 政務次官に質問しますが、こういう事故になって、所管が船は船舶局、それから船員の活動については船員局、それから運航については海運局と、運輸省内の局がおのおのその所掌事項があります。総括してこういう突発事故に対しては運輸省としてどういう体制をとられるのですか、緊急体制は。次官がすぐ現場に調査に行ったから、それで済むわけじゃないんです。次官は出発され、調査に行くと、あとの省内の、ある事故に対する、たとえば大きなタンカーの爆発事故のようなものが起こった場合の緊急救援体制などは省内にできておるのですか、できておらぬのですか。
○政府委員(佐藤文生君) 今度の場合のケースを御報告いたします。 十九日の朝一時ごろに海運局長から報告がありまして、直ちに翌日の朝、私は飛んだのですが、翌日、大臣が船舶、船員、海運、それから海上保安庁長官、関係者を全部大臣室に呼びまして、逐次報告を神戸からいたしましたから、そうして大臣の命令によって適切なる指示を出しました。ですから機を失せずに大臣を中心にこういう事故対策が時間ごとに処理されて現地に示達をされ、また現地から報告を受けそういうことをされたもの、こう考えておりますので、私は現在のやり方で一応いいのではなかろうか、こう思っております。
○小柳勇君 海上保安部が、あの出先の本部がありますから、本部長が責任をもって緊急の救援体制をやるでしょうけれども、本省における当直体制なり、あるいは大臣、次官に対する通報体制なり、後日もう少し言及したいと思います。 次の問題は、いま申し上げましたように、船体構造については船舶、運航は海運など各局いろいろ所掌事項がありますが、カーフェリーの運航に対する管理指導体制について質問いたします。 この種事項は前にも行政管理庁から勧告が出ております。旅客カーフェリーの航行安全に関する行政監察結果に基づく勧告が出ておりますが、行政管理庁としても若干危倶を持っておったようであります。そうして勧告を出したのでありますが、この勧告に基づいて、今日のような事故を予測しながら各局はどのような管理指導体制をとられたか、まず船舶局から御説明を求めます。
○政府委員(田坂鋭一君) 仰せのように、昨年九月に行政管理庁から勧告をいただいておりますが、私どもの所管といたしまして、特に関係ございますのは、船舶に対します持ち込み備品、たとえば消火器だとか救命胴衣、こういうものにつきまして、定期的な検査だけでは十分にその効果が発揮できないので、随時検査を行なって航行安全の確保をはかるようにということでございました。これに対しましては、私どもといたしまして、昨年十一月に地方海運局に対しまして、立ち入り臨検の強化、検査等の結果の事後報告、事後確認等をきびしく行なうように通達をいたしております。なお、その後行なわれました立ち入り検査の件数は、年末年始の総点検を含めまして約四百隻でございます。
○小柳勇君 現在の船舶安全法に関しまして危倶の勧告が出ております。それを読んでみますというと、「なお、現在の船舶積量測度法では上甲板上にある貨物倉の積量を総トン数に算入しないこととしているため、上甲板上に多数の自動車を積載するカーフェリーは、一般船舶に比し総トン数が小さく算出され、そのため、同法により算出される総トン数の大きさに応じて船舶職員法により定められる船舶職員の資格については、カーフェリーは、総トン数が小さく算出される分だけ一般船舶よりも下級の資格の船舶職員が操船できる結果となるので、運輸省は、関係法令の改正についても検討する必要がある。」、これは船舶職員法でございますが、船舶安全法につきましても、現在の法律では不完全ではないかという勧告がながれておりますが、この問題についてはどうですか。
○政府委員(田坂鋭一君) 船舶の安全につきましては、船舶安全法によりましてこれを確保いたしておるわけでございますが、カーフェリーにおきましても、船舶安全法の一環として安全基準を定めておるわけでございます。 そういたしまして、カーフェリーは一般の貨物船等に、あるいは旅客船に比しましても非常に安全の問題が多い船でございますので、私どもはこの中で特にカーフェリーの安全基準を定めまして、その安全の確保の強化をいたしておるわけでございます。昭和三十六年にカーフェリーが出現し始めましてから直ちに自動車渡船構造基準を出しまして、区画あるいは車両甲板の強度等の、あるいはさらに車両の固縛装置等につきまして基準を定めたわけでございますが、さらにカーフェリーがその後長距離化あるいは高速化、大型化する傾向に対処いたしますために、一昨年四十六年四月と十二月に二回にわたりまして防火、消火、脱出、構造、その他一般のこれらに対処するための安全基準の強化をやっております。いずれにいたしましても、安全法の体系の中で十分対処ができるというふうに考えております。 なお今回の事故船は、昭和四十六年四月、十二月の安全基準がさらに強化されます前の船でございます。これらの船に対します、在来船に対します安全基準の不遡及の点につきましては、現在早急に対処いたすために検討を進めております。
○小柳勇君 もう一回尋ねますが、この船舶安全法、かたかなの法律、古い法律ですが、現在、大きくなりました船の運航で安心しておれるような船体をつくる、このように改正する意図があるのですか、ないのですか。現在のこの船舶安全法。
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま申し上げましたように、安全法の一環として十分に安全は保てると私ども考えております。安全法は確かにかたかなの法律でございますが、それに基づきまして、構造あるいは設備、機関、あらゆる点につきまして省令が出されておりますが、この省令並びにこの省令に基づきました通達によりまして、十分対処ができるというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 私、この船舶安全で専門屋でありませんから、局長の御意見をいま尊重する以外にありませんが、この古い法律で新しくできる船の安全が確保できるかどうかについては、一般識者の批判もあるようでありますから、もう一度御検討願いたいと思うところであります。 次は運航の問題ですが、海運局長に質問いたします。 カーフェリーが最近急速に発達してまいりました。また将来の問題もあとで聞きますけれども、このカーフェリーの安全運航について、特に今回の事故を契機にしてどういう措置がとられたか、御説明を求めます。
○政府委員(佐原亨君) 先生十分に御存じのように、船舶の安全問題につきましては、ただいまの運輸省の組織あるいは法体系といたしましては、船体の構造、設備、いわゆる物的面につきましては船舶安全法、それから乗り組み員と申しますか、人的な面につきましては船員法あるいは船舶職員法、いわゆる船員法令でもってこれを規制しておるわけでございます。われわれの海運局のほうでは、事業の免許あるいは事業計画変更の認可、こういった経営面のほうの監督をやるために海上運送法という法律がございますが、人命を預かる大事な問題でございますので、特に旅客の面につきましては昭和四十五年に海上運送法の一部改正を行ないまして、運航管理者制度というものを導入いたしました。これは、本来的には、船舶の運航につきましては船長の判断、責任においてなされるのが本来の姿でございますけれども、人命を預かる特に旅客船は運航管理者——一定の知識、経験、資格を持った運航管理者を経営、組織の中に設けさせまして、これを頂点とする運航管理体制を確立いたします。特に気象、海象によって船を発航さすべきか中止さすべきか、こういったような具体的基準を社内的に定めきせるとか、あるいはスピード——航行速度をどうするとか、航行の経路をどうするとか、そういったものを各航路、各船ごとに具体的に定めさせまして船長の指針にいたさせる、こういう指導をとりました。 さらにカーフェリー特有の車両の積みつけ、積みおろしの問題、それから運航中の車両の固縛の問題、こういった一般の船舶にはないような特異な点につきまして、具体的な運航管理規程のモデルをつくりまして、海上保安庁その他と十分協議をいたしましてやらしておるような次第でございます。 今回の事故は、後ほどまた説明があるかもしれませんけれども、エンジンからの出火、これが点検整備の問題につながると思います。それから、あとは発火後のいろんな消火活動、救助活動の問題、これが船員の訓練につながると思います。したがいまして、運航管理の面からは、特に新たな措置ということはあまり考えられないように思いますけれども、海運局といたしましては、せっかく運航管理制度をつくりましても、それがどうも営利主義のほうに左右されまして生かされておらないという面がもしあるとすれば、これは大事なことでございますので、運航管理者の社内における発言権の強化、地位の確保、こういったことを十分今後指導してまいりたいと、このように思っております。 それから運航管理規程をつくりましたけれども、これが運航管理者にすみずみまで行き渡らない面があるといけませんので、運航管理者に対する研修制度、これはもうすでに発足させておりますけれども、これを各地方海運局をして全面的に実施、徹底させる、このようなことを考えております。 今回の事故に伴いまして海運局サイドでとろうとしている措置は以上のような二点でございます。
○杉山善太郎君 ちょっと関連でいいですか。 いみじくもいま小柳委員から、旅客カーフェリーの航行安全に関する行政監察結果に基づく勧告、ということは、具体的には昭和四十七年の九月、行政管理庁から運輸省になされておるわけでありますが、海にちなんで実際はやはり日本列島を取り巻いてそれぞれ各管区の保安本部なり、それから海運局等が配置されてあるわけでありまして、指導指示という問題は、これは行政管理庁が運輸行政当局や保安行政当局に対してこういう一これは運輸省でありますけれども、問題は立ち入り検査、監察あるいは勧告というものがほんとうに確認されているかどうかというところに大きな問題点があるわけです。若干次元は違いますけれども、たとえば熊本の水俣で水俣病が発生をした、その次に新潟県に第二の水俣病が発生をした、そういう過去の経過があるわけであります。 そのときに、これは非常な業病であるから、これは第二があっても第三は及ばぬ、第二の新潟で食いとめなければならぬのだという形で、結局これは阿賀野川という川上にある昭和電工の有機水銀を扱う工場のというかっこうで、ぼくは当時通産省の工業局長に対して、いろいろ勧告や指示は出ていることは、出ないことがふしぎで、出ているけれども、問題は企業機密であるとか何とかというかっこうで入れてないじゃないか、問題は行政権力で立ち入り検査を厳重にやるかやらないかが問題であるんだというかっこうで——これはすべて歴史が解決したでしょう。あの時点において立ち入りをして事前に点検をしていくなら、今度はまた第三の、有明というところにもありまするけれども、そういうことで次元は違いまするけれども、問題は行政管理庁が出しゃばって、権威ある運輸省なり保安部があって、そこへもってきて行政監察の勧告をするという限りにおいては、どうも指導指示はよくやっておられるようであるけれども、実際に立ち入って、事生命に関する問題であるし、ことにカーフェリーは御承知のように構造上、一体、客船であるか貨物船であるか、そして非常な、状況としてこの点については非常にデリケートな問題があると思うんです。 この行政管理庁の勧告について官庁の自律的な責任について、それから企業経営、これは損をして企業を経営するものはありませんから相当な利潤を見込んでおられるけれども、自主的にこの勧告に基づいて誠心誠意、責任をもって点検確認をしておられるかどうか、その辺のところをひとつ。これは関連でありますから追及はいたしませんけれども、その辺の点についてどういうような処理をしておられますか、ちょっとひとつ。
○説明員(佐藤久衛君) 先生の御質問に対してお答え申し上げます。 まず昨年の年末からことしのお正月の十日までの間に、地方海運局並びに管区海上保安本部あるいは地方海上保安部の人員を動員いたしまして、二千三百八十四件の旅客船あるいはカーフェリーというふうなものを一斉に点検いたしました。その結果、旅客船について申し上げますと、小型のものにつきまして約二十六件ほどの違反がございました。そのほかに、軽微なものでございまして警告をいたしたものもございます。で、今回の事故に関連いたしますカーフェリーにつきましては、救命設備、消火関係の設備等につきましては非常に良好であった、こういうふうに私ども見ております。 それから今回の事故にかんがみまして、五月三十一日に、やはり全国の旅客船並びにカーフェリーにつきまして、機関部から発火した場合を想定いたしまして防火操練をやる。さらにそれが消火ができないと、いよいよ旅客を退船させなきゃならないというような場合を想定いたしまして、退船の操練をやるということを実施いたしております。これにつきましては、単に船長あるいはそれぞれの部署の長だけにまかせませんで、会社の首脳部が直接立ち会え、こういうふうに指示してございます。と同時に、救命設備の完備、膨張式の救命いかだ、あるいは救命艇、救命胴衣、それから救命の浮環、そういうふうなもの、あるいはまた、消防設備といたしまして固定式の消火器、あるいはまた移動式の消火器、炭酸ガス、あるいはあわを使いましたいろんな消火器、こういうふうなものを点検いたしまして、実際にこれを動かす等の訓練をすること。さらにまた、機関部につきましては、今回の事故と目されておりますメーンエンジンの燃料の供給管あるいはまた燃料を送りますところを遮断する弁、これの操作、さらに送風機の非常停止スイッチ等、それぞれ具体的な問題につきまして点検をする。また、通信設備につきましては、船内放送あるいは船内の警報装置というふうなものにつきまして点検をする。旅客の脱出装置につきましては、経路を全部旅客室あるいは公室等に的確に表示をして、さらに非常灯というふうな非常に照明の暗い場所でも的確にそれが認識できるようにというふうな、非常にきめのこまかい具体的な事項につきまして総点検をやるように指示いたしてございます。と同時に、これを単に事業者の首脳部が責任をとってやるということだけでなく、海運局も極力これに立ち会いまして指導する。こういうようなことで、六月二十日までの間に、全国の旅客船あるいはカーフェリーにつきまして、操練あるいは一斉点検をやると、こういうふうなことを指示してございます。
○小柳勇君 いまの問題、杉山さんの問題に関連するんですけれども、これは次官に質問いたしますが、いま官房の参事官から説明がありましたが、海運局で抜き打ち検査などやるのの指導監督はどこの所掌ですか。どこの局の所掌ですか。海運局がこの行政管理庁の勧告に従って抜き打ち検査をやりましたと、佐藤参事官が言っているわけだ。多分まあ官房の所掌だから、あるいは佐藤参事官が答弁されたのかもわかりませんが、海運局で主としてこれは抜き打ち検査をやるのでしょうね。それを本省としては、運輸省としてはどこが、海運局がやっていることをどこが点検をするのですかと聞いているのです。
○説明員(佐藤久衛君) 地方海運局におきましては、船員部、運航部、それから船舶部というふうな各関係の局から係官を動員いたしまして、局長が指示して実施いたしております。また、これにつきまして、先ほど申し上げましたように、関係の海上保安部からも協力をいただいておるわけでございます。で、その結果を本省におきましては、官房の政策課のほうにおいて取りまとめをいたす形にいたしております。
○小柳勇君 わかりました。 では、この勧告が出ておりますから、これに対して、勧告に対して運輸省がとった処置は官房で全部わかりますね。参事官どうです。
○説明員(佐藤久衛君) ただいまの行政管理庁の勧告に対する処置でございますが、私どものほうで取りまとめておると思います。ただいま資料を持ってまいっておりませんので……。
○小柳勇君 行政管理庁で「消防・救命設備について」という一つのセクションを設けて、その中で一番大切なことは抜き打ち検査でありますと、それはほとんど海運局でやっておりませんと書いてあるわけだ。したがって、これをやりなさいと、運輸省もこれを指導監督しなさいと書いてあるから、その抜き打ち検査を直接指導監督して指示するものはどこであろうかと聞いたわけですが、官房でおやりになるのか、あるいは海運局長も何かこう言いたそうなんだけれども、直接の責任の局はどこですか。ただ取りまとめだけじゃこれ一向わからぬでしょうが。これは一回抜き打ち検査をやったけれどもこれは詰まらぬぞと、もう一回やりなさいというような指導監督するのはどこですか。
○政府委員(田坂鋭一君) 先ほど申し上げましたように、消防、救命設備につきましては船舶局でございます。
○小柳勇君 船舶局は船体の構造などでしょうね。だから、ずっとセクションがありますと、全般的な総合行政というものはできませんですね。特にカーフェリーなどのこれからの——いままでのたとえば石炭なら石炭を積んで次の港に持っていって揚げるというシステムでない、少し違いますね。そういうことで新しい運航形態というものができている。そこで、まあさっきにまた返っていくのですけれども、いまの船舶安全法ではいいですかとか、あるいは現在の船舶職員法でいいですかとかいう問題が出てくるわけです。それは一応現在の安全法で安全を確保しておりますという答弁でありますから、それを信ずる以外にありません。 ただ、私どもとしては、このかたかなの旧法でありまして読みづらいです。また一般の人も読みづらいでしょう。おそらくこれからの教育を受けた青年などはなかなかこの法律、頭にぴんとこないでしょうね、古いんですもの。できましたら近い将来ひらがなの現代的な法律に書き直して、そして現代の船の構造がちゃんと運航に耐えるような法律をつくるのが至当ではないかと思うのだけれども、これ私の希望意見としておきます。 そこで、いまの抜き打ち検査の問題は、いま参事官から説明ありましたから、この勧告に基づく措置をどうしたということを資料として出してください。勧告に対する措置はこういたしましたということを、時間がありませんから、ずっと資料で出していただきたい。それを希望として出しておきまして次の質問をいたします。
○瀬谷英行君 いまの小柳さんからの質問に関連して、私のほうからもちょっと聞いてみたいのです。 いま資料要求されましたけれども、この報告を見ますと、「漏油が触れたものと推定される。」と。発火の場所は機関室ということになっていますね。機関室から漏油が触れたものと推定される、要するに俗なことばでいえば油漏れです。油が漏れてそれに火がついたということになっています。で、カーフェリーがたまたま沈んだけれども、カーフェリーなるがゆえの火災ではないわけです、これはエンジンルームから発火しているのですから。これはもしもタンカーなんかであったらこれまたたいへんなことになっちゃう。それからカーフェリーでなくとも、こういうエンジンルーム等に一つの欠陥があるとすれば、火災を発生しやすいということになるわけです。そうなると、この船の設計上、構造上に問題はなかったのかどうかということになるわけです。 それからどこの造船所でつくったのか。それからこの機関は、また特定の機関をつくるメーカーがあったのかどうか。それから爆発を起こして沈んだと、こういうふうに書いてありますけれども、次々と爆発を起こしてついに沈んだと、何か軍艦の最期みたいなんですが、何が爆発したのか。軍艦ならば弾薬庫に火がついて爆発して沈んだなんという話はありますけれども、これは自動車が——なるほど自動車はガソリンを積んでおりますから火がつきやすいということはわかるのですが、積んでいる自動車に火がついて爆発をするものなのかどうか。それから火災を起こすということはわかるけれども、沈没をするというのは船底に穴があくとか船にひびが入るとかいうことで水が漏らなければ沈没はしないわけでしょう。それが沈没をしてしまったというんだから、かなりこの爆発というものは大きな爆発であったということ、そのような大きな爆発を起こすような原因は一体何なのかということですね。そういうことも考えてみますと、これは構造上の問題もあるんじゃないかという気がします。 だからここにはそういう点、報告には出ておりませんけれども、この船の船齢はどのくらいで、どういうところでこしらえて、そのエンジンはどういうメーカーのものだったのか、そこに欠陥はなかったのかどうか、それから爆発を起こしやすいような船体の構造上の問題はなかったのかどうか、そういう点がどうもはっきりしないようなんです。だからそれらの点もあわせて、いますぐに御報告いただけるんなら御報告をしてほしいし、直ちにわからないものは、やはり資料として一緒に御提出願いたいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(田坂鋭一君) 本船は昭和四十五年に高知県の高知重工で建造されました、総トン数約九百五十トンのカーフェリーでございますが、エンジンはいわゆる中速ディーゼルエンジンでございまして、メーカーはダイハツディーゼル工業株式会社でございます。 そういたしまして、ただいま先生のお話の、火災から爆発を起こした、あるいは沈没した、こういうふうなことにつきましての詳細な、また精密な原因探究等は海難審判にゆだねられるものでございますが、先ほど申し上げましたように、当面緊急にとるべき処置を探究いたしますために、技術的な調査を中心にいたしまして調査団を派遣いたしました。 調査団の報告によりますと、先生の御心配のような、特別にエンジンルームの構造、設備、そういうものに欠陥があったというふうなことは発見されておりませんが、日常点検等で完全に整備するべき燃料管あるいは燃料弁、冷却管等に欠陥があったのではないかというふうな推定でございます。 それから爆発は船首のほうに起こっております。本船は船首のほうは二区画浸水、二区画に水が入っても船は沈まないというような構造になっておるわけでございますが、先生の仰せのように、相当大きな爆発があったのではないかと推定されます。爆発の原因になるものといたしましては、車両に積んでありますガソリン、軽油あるいは船舶の前部にございます塗料庫が爆発の原因として考えられるということでございます。
○瀬谷英行君 いまの御説明では、特別に機関には欠陥はなかったということなんですが、しかし、そうすると操作上の初歩的なミスがあったのかどうか。乗り組み員のそういうミスがなかったにもかかわらず、こういう欠陥がなかったものならこんな簡単に火災を起こすということはあり得ないわけです。で、これはカーフェリーなるがゆえの火災であるというのではないわけです、いま報告を聞いてみますと。たまたま火災を起こしたのはカーフェリーだったということなんですね。 そうすると、こういう機関室から簡単に火災を発生し、しかも発生してたちまち全船に火が回ってしまう、こういう構造そのものに問題がないのかどうかということも考えなければいけないところです。特に積んでいるのは自動車なんですから、火がつきやすいんだから、船火事が直ちに全船に火の手が回るような、そういう構造では問題があるのではないかという気がする。そこで設計上には問題はなかったのかどうかということになるのです。いま昭和四十五年ということだから、そんなに古い船ではないわけですね。比較的新しい船であるにもかかわらず、こうあっさりと火災を起こして、簡単に沈んでしまうということは問題だと思うのですよ。そうなるとこれと同型の船あるいは同じ機関を使っている船というものは、よほど気をつけなければならぬということになるのですね。それらの同じメーカーのつくったエンジンを積んでいる船あるいはこの船をつくった造船所でつくった船というもの、あるいはこれと設計者が同じ場合、これはどのくらいあるかわかりませんけれども、かなり気をつけなければならぬ。常々この種の火災の原因を内蔵しているということになるのだから、やはりもう少し原因の究明というものは、推定だけではなくて——もっとも沈んじゃったんだから簡単にはいかないと思いますけれども、これを引き揚げてでもとことんまで究明しなければならぬという気がするわけです。それらの原因の究明というものは、これは推定の範囲を出ないものかどうか。海難審判という話がありましたけれども、海難審判は海難審判としても、所管の運輸省として、この原因の究明なり、あるいは今後の対策なりというものは、もう少し徹底してやらなければならないという気がいたしますが、その点はどうでしょう。
○政府委員(田坂鋭一君) 基本的には先生のおっしゃるとおりだと思いますが、ただいま先生から設計上の問題はなかったかということでございますが、私が先ほど御答弁申し上げましたのも、本船の設計上には問題がなかった、ただ整備上、たとえば燃料管の締めつけ方がぐあいが悪かったのではないか、あるいは冷却管を据えるところに十分な保護がしてなかったんじゃないだろうか、あるいはそれらから漏れました油が排気管に当たってそこで発火したと想定されるわけでございますが、その排気管に十分に防熱おおいがされていなかったんじゃなかろうか、そういうことが推定されるわけでございます。そういたしまして調査団は、ちょうど沈没いたしました「せとうち」と同型船の「いしづち」がございます、それにつきまして十分に精密に調査いたしたわけでございますが、ただいま申し上げましたようなことは、それらのこと並びに乗り組み員等から聞いて現在推定しておるところでございます。
○小柳勇君 いまの瀬谷君の話に関連するのですけれども、ここに沈んだ船の「せとうち」の略図があるんですけれども、三層になっております。一番下が機関室、船員室、その上が車両甲板、その上が客室なんです。その機関室から火が出て上にいったらすぐ車両甲板の自動車に火がつくようになっているのですよ。その上はお客さんです。だから全部のカーフェリーというのが、こういう構造だとするならば、機関室が一番やっぱり火が出る危険性があるということですから、機関室で火が出ても上の車両甲板には何か防火するような構造がなきゃ、それはもうガソリンにすぐに火がつくことは目に見えている、しろうとでも想像つくんじゃないか。この新聞社の記事を見ますと、車両に火がついて爆発したんだろうと書いてある。 だからカーフェリーの構造自体をもう少し考えなきゃならぬのではないかと瀬谷君も言っているんじゃないか。私は、この略図を見ながら、この機関室の上に車両甲板があるんだから、ここに車が一ぱいガソリンを積んでおるならば爆発するのは当然だと、そういう気がするんですよ。そういうものを法で少し規制する方法はないのか。そしてカーフェリーの将来は、普通のたとえばタンカーとするならエンジンから火が出てもすぐ油に引火しないようにできておると思うんです。これはしろうとでもそのくらい設計しますよ。そうしたら、車両甲板の下のエンジンなんかから火が出てもすぐ二階にある車両のエンジンに火がつかないような、そういう設計をすることは、すぐこれはしなきゃならぬのではないかと、そういうのをさっきから私も言っているんだが、もう一回、ひとつ局長の答弁を……。
○政府委員(田坂鋭一君) 先生の仰せのとおりでございまして、私どももそういう措置を四十六年の通達において十分にやっておるわけでございますが、この船が四十五年にできたのでございまして遡及されておらないということでございます。 ただ現在考えておりますのは、このような事故に対処いたしますために、エンジンルームの火災の探知を早急にするということと、それから固定式の消火装置を本船は持っておったわけでございますが、強化いたすというようなことを現在考えております。さらに現在の船でございましたらエンジンルームは全部防熱囲壁になっておりまして、これから外には、十分な処置がとられれば火はいかないということになっております。ただ在来の船にこれを遡及いたしますことは、構造上いろいろな問題がございます。と申しますのは、相当な重量にもなりますし、復元性にも影響するところもありますので、相当いろいろな面を考慮いたさなきゃなりませんので、そういう面で火災を早期に発見し、確実に消していくということで対処いたしたいと存じます。 なお、この際の事故が拡大いたしましたことにつきましては、調査団の報告並びに先ほど政務次官からもちょっと御報告がございましたけれども、このエンジンルームから車両甲板に出る出口、これがあけ放たれたということ、並びにエンジンルームから空気を外に出す通風管が出ておりますが、この通風管を締めることを忘れたということ、さらにエンジンルームには外気をファンで吹き込んでおりますが、このファンがとめられなかったということ、これらの措置が十分に対処できなかったということが、今回の大事故を起こした第二次といいますか、第二次的な大きな原因だろうと考えております。
○小柳勇君 わかりました。 それじゃ四十六年の前にできたこのような同種の船については、運航を停止してでも早急に防火装置をつくるというふうに約束できますか。
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま御答弁申し上げましたように、防火囲壁を除きまして火災探知機並びに強力な消火装置をつけたいというふうに考えております。
○小柳勇君 消火装置でなくて、エンジンルームで火が出ましても簡単に車両甲板に火が移らないような、防火甲板その他構造上の欠陥を直す措置をとりませんかと言っているんですが、どうですか。
○政府委員(田坂鋭一君) 防火囲壁を設けますことは、非常に船舶の構造、性能上の問題がございますので、これはちょっとむずかしいかと考えておりますが、ただいまちょっと答弁が漏れましたけれども、出入り口は自動閉鎖にするというような措置も講じたいというふうに考えております。
○小柳勇君 消火器をつけておるからそれで一つの言いのがれするようなことでは、また起こるんじゃないでしょうかね。それは古い同種の船については、エンジンだってそうすぐ取りかえできませんから、またエンジンから出火しないとは確言できません。エンジンから出火したら車両甲板に移らないようにしなきゃならぬでしょう。それには金もかかるでしょう。あるいは重量も少し重くなるでしょうけれども、そのくらいのことはしなければ対策にならぬでしょう。政務次官、どうですか、そのくらいの対策をしなければ、せっかく運輸委員会で論議をする意味がないですよ。
○政府委員(佐藤文生君) 私も現地に行きまして、一番最初に、私自身もしろうとでございますから、現地に行って実際助かったお客さんの出火から助けられたまでの過程を調べることが第一点。それから操機長と操機手二人がこのエンジンルームにおりましてワッチしておるわけです。監視しておるわけですから、火の出た瞬間的な話を聞くこと。こういうことが今後の対策として大切だろうと思って聞いたんですが、とにかく火が出たらしいという船長からの報告前に、乗客はそれを知りまして救命胴衣をつけ始めたら電気が消えちゃった、非常電源があるのにまっ暗になってしまった。それから三十五名中二十四名がトラックの運転手である、そこであなた方はトラックのところに飛んで行きましたかと言ったら、一人だけようやく階段をおりてドアまで行ってあけかかったらもう煙が出て、大阪の千日前なんかの火災のことを思い起こして、これでは死んでしまうというので脱出していったんですから、二十四名中トラックの運転手さんは一人だけ自分のトラックまで行ってあとは行き届かない前に急激に火が回ったということ。 それから救命胴衣をつけてこちらのほうに行けというので行ったら、そこが煙の中心であったということ、あわてて反対側に行って海に飛び込もうと思ったら、高さが高くておそろしくて飛び込めなかった。そこで下甲板にようやくおりたら、海面まで三メートルであったから、そこでようやく海に飛び込んだんですが、救命胴衣のつけ方があんまりはっきりしないで、あわてて足に巻いたり胸に巻いたりしてどうにもならなかった。 ようやく三つの救命いかだに乗り込んだところがロープが、本船と救命いかだの間のロープを切るナイフがないために、船は沈没するし、まっかに燃え盛るし、そのまま本船と一緒に乗っておる二十五名の者が落ちそうになったと、沈没しそうになったと、あわててくだものナイフだけ持っておるお客さんがあってこれを切ってやったと。今度はこぐオールがないと、そういうようなことで、訓練が非常に未熟であるということ。それからエンジンルームで火災が起こってあわ消火器で完全に消すはずなのが、操作が間違ってあちこちするうちに火の手が上がってしまったということ。それからハッチのとびらを締めなかったためにすぐそのまま車両甲板にいって車両に移ってしまったというようなこと。 こういうようなことを、ずっと逆に乗客からこう照らしてみたのですけれども、私は船員の訓練が、やはり幾ら示達を出しておっても、それを企業側の訓練がその示達のとおりにいっていないという、現実にこういう面においてやっていないのじゃないかということが一つある。それからエンジンルームで火災が起こるということは考えられることであって、それがすぐ熱を帯びて上のトラックあたりにすぐ引火するということは可能性があるということが、あわ消火器の操作が間違って瞬間消火ができなかったということ。それから出航して五時間日に火事が起こっておるんですけれども、五時間の間、二人の監視人が十分監視しておったら油漏れなんというのはすぐわかるはずでございます。それが五時間全然漏油がわからなかったということは、完全な任務を果たしていない。私はそういうことを逆説的にずっと考えてみたときに、これはお役所式のただ示達を出しただけでは、企業内部において完全実行ができておる企業とできてない企業がある。 それから船体の構造が私自身もこれでいいんだろうかという疑念はいまでも持っております。沈没した船が、簡単に底に亀裂が入っておるという中間報告を私受けていますが、少々な爆発があっても船底というものはそんなに亀裂が起こるような、爆弾を積んでいるわけじゃないんですから、そんな構造でいいんだろうかという疑念は、しろうとですけれども、私は持っておりまして、ある専門家に聞いたら、竜骨の溶接部分が薄くなって、八ミリから九ミリぐらいの鋼板のこの厚さの船頭部分のところの技術が非常に幼稚でなかったんではなかろうか、こういう、はっきりしませんけれども、そういう専門家の話も聞いて、はたして船体構造というものがそのままでいいのかどうか。火事が起こっても、爆発しても沈没しませんというのがカーフェリーだと私は信じておりましたものですから、簡単に沈没するのには船体構造そのものにもさらにメスを入れる必要がある、こういうぐあいに、いろいろといま考えて指導をしようとしておるところでございます。
○小柳勇君 わかりました。 次官は直接見ておられるから、いろいろ詳しいこと聞きましたが、船員局で船員の訓練なり、あるいは、さっき私ちょっと言いました、総トン数に対する船舶職員法の改正など考えておられるかどうか聞きます。
○政府委員(丸居幹一君) この事故が起こりましたときに、調査団に私のところは労働基準課長を派遣いたしまして調査に当たらしたわけでございますが、船舶職員は法定以上に乗船をいたしておりました。 それから監視体制でありますけれども、さっきちょっと報告がありましたように、操機長と操機手が監視室でもって監視をいたしておりました。ただ、一つ遺憾に思いますことは、監視室で監視をしておりましたんですけれども、この間も衆議院で、そこで居眠りをしておったんじゃないかということで、たいへんおしかりを受けたわけでございますけれども、実は居眠りは別にしておりませんでしたけれども、操機手のほうが操機長のほうに配管のことを勉強したくて聞いておったそうであります。操機長が図を書きまして、こういうふうに配管がいっておるというふうな説明をしておった。そういう状態であったために発火についての発見が瞬間おくれたんではなかろうかという心配がありますので、その点については、たいへん私は遺憾に思っております。 それから平素の訓練でございますが、今度の事故を結果的に反省いたしてみますと、確かに少し訓練が行き届かぬ点があるんじゃないか。訓練とか非常配置といったようなものは船員法で規定してありますけれども、それは非常に抽象的に規定してあります。そこで、それだけではなかなか訓練が行き届かぬだろうというので、ことし一月、「旅客船における非常配置操練の手引き」という、こういうパンフレットをつくりまして、訓練はこういうふうにやってくださいというものを配付しておるんでありますけれども、いま問題になっておりますような点でございますが、訓練そのものはやっておるようでございます。これは法律でも月に一回義務づけてあります。本船も一、二回程度は訓練をやっておったようであります。私、いろいろ旅客の誘導等について御批判があるようではありますけれども、しかし旅客の少なかったせいもありますけれども、少なくともけが人もなく誘導できたということは、ある程度こういった訓練の成果が幾ぶんかは出ているんじゃないだろうかという感じはするんでありますけれども、ただいま問題になっておりますような、とびらを最後締めたかどうかということを確認していないという点がございます。で、火が出たというところから見ますと、どうも締めなかったんじゃないだろうかということが非常に強く考えられるわけでございます。 それからもう一点は、いま政務次官がちょうどお話しになりましたのですが、膨張式救命いかだを投下した。それに乗った。ところがナイフがなかった。実は、ナイフは膨張式いかだに積んであるわけです。その積んである個所がわからなかったということは、膨張式救命いかだというものはしぼんでおるとこは見たことがある、しかし開くところまで訓練をしていなかった。この開くことを訓練しなかった事情なんでございますけれども、これは、必要限積んでおるわけですね。これは開いて訓練いたしますと、もう船員なんかの手では締まらないわけであります。これをもとに戻すのには専門家のところに持っていくか、あるいは専門家に来てもらってそれをしまってもらわなければならない。したがって、出ていくときに個数が足りなくなるというふうなことで、非常に訓練がしにくかったのではないか。 そこで、今度の通達にもそういうことを書いてあるのでございますけれども、どうしてもやりなさい、そうしてそれを余分に取り寄せて、そうして個数を余分に持っておって訓練せい、そうしてどうしても開くところまで訓練せいというふうな指導をいたしておりますし、それからさっき言いましたように、操練は月に一回やっておるわけでございまして、それがどうも悪く言えばおざなりの訓練になっておる。だから、一番最初と一番末端のところが欠けておるというふうな感じがいたしますので、そういう点につきまして十分な訓練をさしていく。そうしてそれを確認する意味で、幸いにしてわが船員局は労務官を持っておりまして、労務官に十分そういった末端に至るまでの訓練ができておるかどうかということを確認させていく、あるいは海運局に報告さすというふうな処置によりまして、その訓練の徹底をはかっていきたいというふうに考えまして指導をいたしております。 それから行政管理庁の勧告の積量測度の問題の御質問であったように思いますが、積量測度がフェリーボートにつきましては上甲板を入れないということになれば、実際に積みトン数は多いけれども総トン数は少なくなる、総トン数が少なくなれば、実際にはもっと高級の船員を乗せなければいけぬのだが、下級の船員で済むことになるのではないか、それは安全に影響があるのではないか、こういう御質問じゃないかと思うのでありますが、この総トン数と純トン数の関係につきましては、これはフェリーボートだけでなしに、漁船の問題にも実は問題がございまして、実は総トン数でこういった船舶職員法の関係を規制するのがいいだろうか、純トン数でいったほうがいいのか、あるいは長き、幅をはかってやったほうがいいのかというのが、国際的にも実は少し問題になっておりまして、国際会議で近く検討されることになっておるようでございます。 で、そういった問題とも合わせて検討してまいりたいと思っておりますが、ただいま先生の御心配は、カーフェリーについては、そんなのんきなことを言ってないでもっと早くやらにゃいかぬじゃないかという問題が起こると思うのでございますが、幸いにしまして、カーフェリーは非常に船員の確保が容易であるせいかへ事業者がそういう点について非常に認識が高いのかどうか知りませんけれども、大体に一クラスか二クラスくらい上の者が船長あるいは一等航海士に乗り込んでおります。ですから、われわれのほうから特にこの法律を改正しなくっても、実態はそういうふうにできております。ただ事故等の原因、その他を結果から省みてみますと、たとえば甲種船長のほうがいいじゃないかというふうな感じを一般に持たれるわけでございますけれども、甲種と乙種の違いは、甲種は遠洋航海に出るために航海術を特に詳しくやっておるというのが甲種の資格でございます。したがいまして、沿海とかあるいは平水を航行するような船につきましては、乙種の船長でありましても十分それらの知識はございます。ただ、この行政管理庁からいわれておりますことで、非常にわれわれもいままでも力を入れておりますし、行政管理庁の指摘を受けましたので、一そう力を入れようと思っておりますことは、やはりフェリーボートに、十分、荷役についても、それからそのフェリーボートの運航についても、あるいはフェリーボートが行く航路についても、熟練した船員を乗せよということを行政管理庁のほうからも指摘を受けております。この点につきましては、私のほうからも以前に通達を出しまして、そういう方向で指導をいたしておりますし、これは非常に大事なことだと思いますので、そういう点については、十分に今後とも指導してまいりたいと思います。フェリーボートにつきましては、比較的その点は指導が行き届いておりますし、先ほど申し上げましたように、船員の確保がわりあいに容易なものでございますから、少し余分な船員を乗せまして、そうしてそれに航路なり船なりの熟練の期間というものを置くようにしておるようであります。 本船につきましても、調べてみますと法定定員よりもはるかにたくさんの職員を乗せまして、そうして、そういった訓練を受けさしたりするようなこともやっておるようでございますので、そういう方向で職員の安全に対する指導というものはやってまいりたいと思っております。
○小柳勇君 総トン数の問題ですが、海運局長に質問しますけれども、いまトラックの大きさで何両ときまっていますが、トラックはだんだん重量をオーバーしながら船に積んでおるような傾向ですが、台数、たとえば大型トラック二十台あるいは三十台、乗用車向台ときめましたやつで、実績は平均した重量になっておるのかどうか、あるいは近い将来トラックを積む場合はおかのほうで、たとえば看貫にかけて重量制限して乗せようとするのか、いまどういう考えであるのか。いまのままでいいとおっしゃるのか、あるいは近い将来検討しなければならぬとおっしゃるのか。その点はいかがでしょう。
○政府委員(佐原亨君) もちろん検討はさしていただきたいと思いますが、トラック自体の過積みの問題の御質問かと思いますが、道路運送法上の問題は確かにございますけれども、そのままの形でフェリーに乗船した場合、その船がだいじょうぶかどうかという点につきましては、これは船舶局長からお答えしたほうが適切かと思いまするが、満載喫水線という方法で船舶の安全をはかっておりますので、現在の実態から申しますと、トラック自体の過積みは船の安全には直接影響はない、このように考えております。ただ、全般的にはいろんな問題が考えられますので、今後の検討課題といたしまして、この積み込みのときの看貫の問題、どういうふうにするか慎重に考慮さしていただきたい、このように考えます。
○小柳勇君 御存じでしょうけれども、極端に言いますと、乗船するとき二台分ぐらい一緒に積みまして、そして乗っておる。向こうでまた分けて運搬するような例もあるようです。したがって、そういうことでありますと、船の総トン数からいきまして、それが全部そうなりますと、大きさはトラックの大きさでいまやっておりますので、フェリーとしてはたいへん危険な状態ではないかと思いますが、十分ひとつ御検討願いたいと思います。 次は港湾局ですが、この勧告書にも出ておりますカーフェリーの寄港と港湾設備の安全について、免許前に港湾施設の改良点検をしておるのかどうか。現在二百八十七港もある。したがって港湾施設というものは非常にカーフェリー運航の安全性に重大な影響を与えるがどうかという問題でありますが、いかがでございますか。
○政府委員(岡部保君) ただいま先生御指摘ございましたカーフェリー埠頭と申しますか、カーフェリーと直接結びついた港湾施設の問題でございますが、この問題につきましては、いわゆる港湾施設の安全問題、安全基準と申しますか港湾施設の安全確保という問題が、従来いささか、何と申しますか軽く見られておったということは事実だと存じます。したがって最近の反省の一つとして、こういうものの安全確保という問題を十分気をつけなければいかぬという考え方に立ちまして、この行管の御指摘にもございますが、カーフェリー埠頭の安全の関係の調査、これを四十六年の十二月に実施をいたしたわけでございます。その結果、十分取りまとめると申しますより、非常にばらつきの多いいろいろなデータが出ておりますが、このデータをもとにいたしまして、実は現段階といたしまして、カーフェリーターミナル施設の築造基準というものを作成中でございます。これは近く成案を見る予定でございます。 この築造基準の作成と申しますこと自体が、まさにこの港湾施設の安全確保という問題に十分重点を置いているつもりでございます。どういたしましても従来ですと港湾施設のいわゆる力学的な構造上の問題というようなものに非常に重点が置かれておりましたが、現実の問題といたしましては、たとえば照明施設であるとか、あるいは階段の施設であるとか等々非常に小規模のものであって、しかも安全確保のために欠かすべからざる施設というものが欠けておる例も多々あるわけでございます。また先ほども御指摘ございましたいわゆる自動車、トラックの渡ります渡り橋の問題、こういう構造についても、どういう規格をもって設計するべきかというような問題、最近の大型化の問題もございますし、そういうものを十分この築造基準に織り込みたいということで現在鋭意作業中でございます。 そこで、このいわゆる築造基準というものを私どもはただいま御審議をいただいております港湾法の一部改正の中で、五十六条の二という条文で、港湾の施設の技術上の基準というものをはっきり定めることに一応いまの原案ではなっておるわけでございます。これを省令で定めまして、それでこの省令に従ってこういうものの築造基準と申しますか安全の確保というものを各港湾管理者に義務づけていくということを考えております。また、こういう施設を築造する社に対してそういう義務づけをするという考え方に進んでおります。したがって、こういう考え方でいまの築造基準というものを、でき得ればこの改正港湾法をお認めいただきまして、その中の一環として一つの築造基準というものをはっきり法定されたものということにまで持っていきたいというのが私どもの考え方でございます。
○小柳勇君 現在港湾管理者あるいは自分で営業する者がカーフェリー埠頭を築造しております。その場合には、運輸省の意見を聞いてやっておるのですか。あるいは自由に、自分の好きなようにやっておるのかどうか。
○政府委員(岡部保君) いま先生のおっしゃいましたのは、むしろこの安全基準と申しますか、こういう構造の問題だと存じますけれども、いわゆる路線の免許前に港湾施設がこのカーフェリーに対していいかどうかという点につきましては、これはむしろ運輸省でも海運局の御所管の仕事でございますけれども、港湾管理者と出先の海運局とが十分相談をされてこの免許を与えるかどうかということになっております。 ただ、いまおっしゃいました施設のいわゆる構造基準と申しますか、そういうものについての問題は、従来の実例で申し上げますと、いわゆる公共事業で国が補助をいたしましてやります構造物、これにつきましては、私ども事前にどういう構造でどういう配置であるということを、十分港湾管理者から話を聞いて、部分的に直すべきものがあれば、これを直したらいいよというような協議をいたしております。ただ、いわゆる民間会社がこれをおつくりになる場合には、私どもは直接タッチをいたしておりません。これは港湾管理者がそういう構造物を民間の社がおつくりになりますときに、これは許可をするかどうかという判断をなさるときに、港湾管理者がタッチをされておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○小柳勇君 そういたしますと、行政管理庁から出ていろ勧告に基づく、免許前に港湾施設の改良点検をしておるのかどうかという点につきましては、港湾局としてはしていないと、こういうことですか。
○政府委員(岡部保君) 免許前にしておるかどうかという点では、港湾管理者が公共事業でつくられます施設につきましては、これは当然つくりますときに、カーフェリーのための埠頭であるというふうにおつくりになります。したがって、そういう場合に限って運輸省は協議を受け、実質上これでよろしいということを考えておりますが、それ以外のものについては事前にタッチいたしておりません。
○小柳勇君 たとえばカーフェリーの構造と港湾の施設というものは、マッチしなければ事故が起こるでしょうが、この航路の免許が許可されるときには、たとえば私の会社の埠頭であろうと港湾管理者の埠頭であろうと、十分に点検して調査しておかなければ、たとえば事故が発生いたしましたあと、われわれが運輸大臣なり担当官を呼びまして、ここで委員会で追及いたしましても何もならぬじゃないかという気がするわけですね。責任がないのにどうしてぼくらだけ言われるかと言われてもしかたがないのですが、それに対して次官、どうですか。すぐ法律でも改正して、あるいは省令でも改正して、私企業であろうと港湾管理者がつくる埠頭であろうと、カーフェリーの航路を免許するときにはちゃんと運輸省が点検いたしますよと、こういうことを言い切れますか。
○政府委員(岡部保君) 先ほど私申しましたものと関連ございますので、まず私、御答弁させていただきますが、確かに先生おっしゃいましたように、いままでの感覚で申しますと、こういう港湾施設の安全基準と申しますか、構造基準というものが非常にあいまいであったということは全くそのとおりでございます。したがって私どもこの不備を直すべく、今回の港湾法の改正で、五十六条の二というところで、港湾の施設の技術上の基準というものを省令で定めるべきである。それで、そういうことによって、これは港湾管理者が実施いたす施設でありましても、あるいは民間の社が築造される施設でありましても、これはすべてこういう基準に基づいて港湾管理者が十分監督するべきであるということで今後進めてまいりたい、こういう考え方でございます。
○政府委員(佐原亨君) ただいま港湾局長の答弁の中で、いわゆる公営のものは関係するけれども私営のものは関係していないというような御説明がございました。これは確かに公共事業としての観点から申しますとそういうことでございますが、一方、安全行政の見地から、私どもの海上運送法の第四条に免許基準というのがございます。その免許基準の中では、いま言った係留施設、輸送施設を含めまして、いろいろ安全問題を審査しろという項目も入っております。したがいまして、免許するに際しましては、事前に現地の地方海運局長を使いまして現地の港湾管理者あるいは海上保安部署、これらの意見を十分取り入れて協議をした上で本省のほうに意見が上がってくるようになっております。それを確認した上で免許をするたてまえをとっておりますので、そういった問題につきましても、いままで何もしていなかったということでは決してございません。ただ具体的な技術的基準がつくられていないという点はあったかもしれませんけれども、それにつきましては、港湾管理者としては十分知識経験者としてのいろんな思案がございます。海上保安部署もいろんなそういった安全面における専門家でございます。そういった意見を十分取り入れてやっておるつもりでございます。 ただ、フェリー発足当時いろいろ不備な点がございまして、行政管理庁から指摘のあった個所につきましては、十分これを改善するように指導いたしまして、現在改善がはかられつつある、このように承っておるような次第でございます。
○小柳勇君 そうしますと、港湾法の五十六条の二はつくらぬでもやっていけるととれますけれども、どうですか。
○政府委員(岡部保君) 決していまの海運局長の御発言は、港湾法の五十六条の二を新たに設ける必要はないと言われたのじゃないと私は理解をいたしております。と申しますのは、技術上のほんとうの具体的な基準、こういうものについての何と申しますか、一つのぴちっときめられたものが従来なかった。したがって各港湾管理者において判断をされておった。そういう点で、どうもうっかりいたしますと、いわゆる、変な話でございますが、土木構造力学上は比較的検討をよくする点がございますが、うっかりすると安全面での配慮が欠けるおそれがある。そういう点は、私どもこれから大いに反省しなきゃいかんという感じを持っておりますので、そういう点について、一つの基準となるようなものを固めたいという考え方でございますので、ひとつその辺は十分御理解をいただきたいと存じます。
○小柳勇君 海運局長のほうに質問いたしますけれども、いま現在、免許する前にはちゃんと港の状態、棧橋の状態なども一つの基準はあるのでしょう、運輸省には。その規則か何か、省令かなんかありますか。
○政府委員(佐原亨君) 免許関係の申請書、一件書類の中には、当然いま申しました可動橋その他の設計図、そういったものも入っております。そういった具体的な計画をもちまして、専門家ともいうべき、あるいは知識経験者ともいうべき現地の港湾管理者あるいは海上保安部署、こういったところに相談をいたしまして、これならよろしいというところの見通しを立てた上で免許をしておる、こういう次第でございます。
○小柳勇君 これは勘でやっておるということですね、規則はないけれども。
○政府委員(佐原亨君) 港湾局長の申します、いわゆる純粋の工学的な技術的基準はいま検討中でございますけれども、それぞれの専門的な立場から申しますと、それ相応の知識経験はある、このように思いますので、勘とおっしゃられますと非常に不安な印象をいただきますが、そうではなくて、かなり確かな判断に基づいてやっておる、われわれはこのように考えております。
○小柳勇君 海運局長から確かな基準というものを、ひとつ参考のために出してもらいましょう。どこの海運局でもいいから、現地にあるでしょう、そういうものは。たとえば関東海運局はどういうようなものを持っております、あるいはどこの海運局はこんなものを持っておりますという基準をひとつ出してもらいましょう。それと港湾法の改正の基準と比べてみますから。そういうことでいいですか、海運局長。
○政府委員(佐原亨君) いままでに設置いたしました経験が多々各海運局ともにあると思いますので、そういった実例を先生のほうに差し出すようにいたしたいと思います。
○小柳勇君 というのは、行政管理庁が、免許する場合には事前に港湾施設の点検をしろと勧告しておりますから、この点はひとつ運輸省としては十分に尊重してもらいたい。事故がありましてから、これは民間のこと、これは管理者といいましても何にもならないのです。したがって万全の対策をとってもらいたいというのが真意でありますから、そういうふうにとって対策を立ててもらいたいと思います。 それから最後でありますが、カーフェリーの将来性です。海運局ではどう考えておられるか。私ども、たとえばいま列島改造論など読んでみますと、これから数年うちに航路が三倍ぐらいふえるのじゃないかという予想をしておるのでありますが、専門家としてのこれからの見通しなり、これに対処する運輸省の姿勢なり、そういうものをお聞かせ願いたい。
○政府委員(佐原亨君) カーフェリーは昭和三十九年以来急速に増加いたしまして、現在では航路数にいたしまして約二百二十三航路、これは非常に短い区間の渡船的なものも含めての数でございますが、船舶数でいえば四百三十八隻が運航しております。ただその中で、ごくここ数年、非常に発展してまいりましたいわゆる中長距離フェリー、航走距離百キロ以上の中長距離フェリーについて申しますと、現在事業者数で三十一、航路数で三十四、船舶隻数で申しますと七十五隻、こういう数字になっております。このほかにすでに免許をいたしまして運航開始準備中のものが約六、七航路ございますので、ここ一、二年の間には全国で約四十航路くらいに達するのじゃなかろうか、運輸省といたしましては、一応全国的なネットワークはほぼこれで出尽くしたというふうに考えております。したがいまして、今後はそういった路線の内容の充実に重点を置いて、いろいろ指導してまいりたい、このように考えております。 ただ問題は、道路渋滞の問題がございまして、道路容量との関係で海上に転移する傾向がまだ今後とも出てくると思います。陸上における運転手の不足の問題あるいは公害の問題、こういったものが背景にございますけれども、そういった問題が片一方にあり、もう一つは、いわゆるたとえば北海道あるいは九州南部、四国南部、こういったいわゆる農業県から生鮮食料品をカーフェリーに乗せて運ぶということによりまして、大都市に直結するという社会的な要請、需要がかなりございます。こういった問題を踏まえまして、今後陸上のフレートライナーとの調整をはかりつつ航路網の整備をはかってまいりたい。もちろん安全につきましては、先ほどからるる御注意がございましたように、十分注意してまいるつもりでございますが、今後の見通しは、そういった需要に応じて、陸上とのバランスをとりながらやってまいりたい、このように考えております。
○小柳勇君 ここに私、数字とグラフを持っておりますけれども、このグラフがそのまま大体こういう傾向で五年なり、あるいは八年なり延長するものと考えていいのですか。
○政府委員(佐原亨君) ただいま申しましたように、大体のネットワークが出尽くしたという感じでございますので、いままでのスピードで伸びるとはわれわれ考えておりません。ただ全然ふえないかといいますと、そういうわけではなくて、いま申しましたような陸上との関係で、若干の需要に応じた伸びはあろう。しかし、いままでのような急速なカーブでは伸びないであろう、このような見通しであります。
○小柳勇君 いま海運局長は、自然的な条件で、全然運輸省の意思でなくて、自然的にこうなりましょうという意見だけ聞きました。それならわれわれも勘でわかりますけれども、大体想像はつきますけれども、運輸省としては一体どうなのか。将来、たとえば昭和六十年ごろを想像いたしますと、物、人、大体三倍半ないし四倍ぐらいは動くんじゃないかといわれていますが、そういうときに、このカーフェリーというものは一体どう位置づけをして考えておられるのか、運輸省全体として、一体どうお考えですか。
○政府委員(佐藤文生君) 総合交通体系の中の一環としてこのカーフェリーが、私はこの事故を契機にして新しい視野から見られなくちゃならぬのじゃなかろうか、こう私は思っております。 ということは、現在貨物だけをやっておる、人を乗せないフェリー、ダイヤモンドフェリーがございますが、これはそこに競争条件を生み出しておる、関西汽船と競合路線である。したがって、これは貨物だけでやりなさいといって人を乗せてないわけですね。要するに競争条件の中で人を乗せるというと、こちらの既存路線がどうもまずいじゃないかというような観点で、そのダイヤモンドフェリーというのは貨物だけにしてある。これがいつまでそう続いていくのか、人と貨物の流れを見てその許可基準がどのような変化を今後来たしていくのか、こういうところも私は重要な点だろうと思います。 したがって人と貨物の流れによって貨物だけをやっておるダイヤモンドフェリーというのを、人をいつそれを乗せるように許可するのか、そういうような認可の際における将来の見通しにおいて、そういう問題点も提起されてくるでしょうし、それから、あるいは貨物、人が相当ふえるということは、昭和六十年を目標に見通しされますので、カーフェリーの安全性を考えて許可の基準というものはやはりつくる必要がある、ある程度。陸上交通あるいは航空いろんな関係とのバランスをとってやはり見る必要もあろうというようなことですから、ただ人と物の流れだけによってこれを認可していくという考え方でなくして、強い私は行政指導のもとに安全性を中心に考えた、やはり私は認可基準というものを強く打ち出す必要がある、というのを、この火災事故を契機に考えているわけでございます。 これがどのように、今後の運輸行政の中のカーフェリーの認可なり行政指導に生かされるかということは、いましばらく時間をかしてほしい、こう思っております。
○小柳勇君 最後に、今度の被災者に対する補償などは一体どうなるか、私も不勉強でありますが、お客なり、あるいはトラックの荷主なりに対する損害補償などは一体どうなっているか、お願いします。
○政府委員(佐原亨君) われわれの調査できている範囲でお答えいたします。 さしあたり会社といたしましては、各旅客に対しまして、見舞い金ということで、とりあえず二十万円ずつの手交をしているようでございます。それから損失いたしましたトラック、乗用車、これらに対しまして各持ち主のほうからいま請求手続がとられまして談合が始まっております。金額にいたしまして、車両だけで申しますと約五千七百万円、それから車両以外の積み荷関係で約四千万円ばかりの請求が出ているように聞いております。 当会社は、車両保険といたしまして約五千万、その他の積み荷保険といたしまして約五千万、合計一億の保険に入っておりますので、金額的には十分談合に応じられるものと思います。ただ若干査定手続で時間がかかるかもしれませんが、そういったような見通しでいるわけでございます。
○小柳勇君 最後でありますが、一般的にカーフェリーの場合の海上事故の場合の補償は、いわゆる海上保険——普通の荷主の保険と同じものであるか、あるいはカーフェリーであるから少し違うのか、その点だけお聞かせいただきましょう。
○政府委員(佐原亨君) 普通の積み荷保険と異なりますのは、やはり車両を積んでいるという点が異なりますので、車両保険という、別ワクで保険にかかっているようでございます。 それから旅客に対する人身事故に対しましては、これはまた全然別の保険制度がございまして、一人当たり、当社の場合でございますと一千万円の保険がかけられているように聞いております。
○小柳勇君 質問を終わります。
○委員長(長田裕二君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
○杉山善太郎君 播磨のフェリー事故について、運輸省と海上保安庁は、五月二十一日、合同会議を開いて、一応一度あったことが二度あってはならないというような、そういう御配慮からなされておったと思いますが、それをなされ、そういうことは新聞には出ておったけれども、実際にはないのだといえば、それでいいのでありますけれども、これは、あってしかるべき時宜を得た処置であったと思いますけれども、それについてお話しになった一それは極秘であるべきはずではないと思いますから、この委員会にわれわれが参考にしたいと思いますので、二十一日の合同会議の内容、討議の内容、そういったものについて、資料をひとつ要求しておきます。以上です。
○委員長(長田裕二君) ほかに御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会