運輸委員会 第4号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1973/03/08
会議録
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として杉山善太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(長田裕二君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 運輸事情等に関する調査のため、本日、全日本空輸株式会社常務取締役中塚良太郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長田裕二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(長田裕二君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊部真君 私は前回の委員会で質問をいたしました加古川線の無人化、加古川線だけではありませんが、それに関連をして福知山線その他支線がありますが、その件について重ねて質問を申し上げたいと思うのでありますが、あのときに、三月一日実施は、地元のほうの発表で延期をしたというふうに回答を受けました。そのときに私は、しかし一カ月後に再び実施する、地元の了解を得ないで実施するということはありませんねと言ったら、そのとおり、地元の了解を得て実行したいと思います、というふうにお答えがありました。その後、四月一日実施するとかいうふうな、日程を切って折衝されているという事実はありませんか。
○説明員(原岡幸吉君) ただいまの加古川線、さらにその関係の支線関係のいわゆる営業の対策、近代化、これの実施時期の問題でございます。 この間、二月二十日の時点で、三月一日実施の予定を延期すると、こういう現地の情勢を御答弁申し上げました。その際、それではいつの時点で実施するかということに関連いたしまして、私は、もちろん地元の御理解を得て、そして御協力を得て実行するんだ、いつの時点だという明確な時限は予定していない、このように御答弁申し上げておるわけでございまして、現時点において、実は本日のことがございまして、昨日現地から情勢を聞いたわけでございます。 そういたしますと、四月一日に実行いたしたいという希望でもって現地となお理解を深めるべくいろいろ折衝を続けておる、このように理解いたしております。
○伊部真君 私は、そのときも申し上げておったのですが、やはりこういう問題は地元、特に地元の反対をしている住民団体があるわけです、農協にしても地方自治体にしてもですね。最近、三月の六日では、兵庫県の県議会も全会一致で地元の要請にこたえてもらいたいという要請決議をしたというふうに私は受けている。こういうふうに、地元がこの問題について非常に神経質になり、不安を持っているわけでしょう。こういう状態で、私は日にちを切ってやるというふうなことは好ましくないではないかということを申し上げて、大体荒筋そのことは了解されたと思うのでありますけれども、また四月一日を希望して説得するというふうな形になりますと、これは私は地元の了解を得るようなというよりも、むしろそれは、一時的に延ばしただけで、やはり同じことだというふうに地元が受け取るのは無理からぬことだと思うのです。これは私は、日にちが先ではなしに、地元の理解を得ることが先だと思うのでありますが、その点はいかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) もちろん地元の了解を得る、理解を得る、深める、これが先のように私も考えております。ただ、日にちを云々したということは、その状態を現地なりに判断して、一応そういう時期でやりたいという非常な何といいますか、希望といいますか熱意といいますか、そういう形で日にちを表現したんではなかろうかと私は考えているわけでございます。
○伊部真君 私は前回の委員会のときに、三月一日は延期をするということは理解をしたが、それでは一カ月後に実行するというようなことはありませんねと、地元の了解を得ないでそういうことをやるということはありませんねというふうに質問したら、そのとおりですとお答えになって、地元が四月一日ということを発表して、新聞にまで出るということは、私は不見識だと思いますね。私は、私らに答えた限りは、そのような筋道でやはり交渉してもらわないと、これは現地のほうから、いまも学校のPTAやその他の人たちが大鉄局へわんさと押しかけているんですよ。こういう状態を引き起こしておいて、そして四月一日ということをしゃにむにやろうというふうなことは、私はけしからぬと思うんですがね。 大臣、四月一日というようなことは、当然にこの間の経過から見ても撤回してしかるべきだと思います。特に私が申し上げたいのは、この問題については、やはり地元の自治体も、それから議会も、住民も――住民の反対署名は一万四千六百二十五も大鉄局長のもとにあるんですよ。子供は、駅に駅員さんがいない、かけ込みのときにはどうするんだろうか、そういう心配をして、やはり作文を五十二も寄せているんですよ。PTAの人たちは、子供が無賃乗車をして、人がいないんですから、汽車でどっかのところへ、好きなところで乗って好きなところでおりるというような遊びをしたらこればたいへんなことだ、教育上からいっても。あの沿線で二十何カ所も無人化をするなんというようなことは、これは住民としてはたいへんな問題だと受け取っているわけですよ。父兄にとっても私はそのとおりだと思うのです。学校当局にとっても、私は教育上からいってもたいへんなことだと思うんですよ。そういう地元の空気のある中で、私たちは三月一日という日にちを切ることはけしからぬ。したがって住民の人たちとよく話をして、国鉄さんはやっぱり住民と一緒に仕事をしていくという姿勢がなければいかぬし、そういう意味で、私は住民対話というものがなければいかぬと、こう申し上げている。したがって一カ月後にという日にちの切り方もいかぬし、地元の了解を得るということが前提で、住民との話し合いの上でものごとを進めるべきだということを、私は再三申し上げた。私が済んで帰ったら、すぐに新聞で、一日に実施をするということは国会のほうの空気からいってもそれはどうもそうらしい、しかし四月一日に実施させていただきたいというようなことを明らかにしたと地元が言っているんです。こういう状態に対して大臣どう思われますか。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 現地の国鉄当局と地元との間に、やはりこの問題は具体的な問題ですからよくわかりませんが、想像しますと、これは意思の疎通が十分はかられていないと思います。国鉄も、この前ここで御審議になりました結果から見まして、地元の意向を全然無視して一方的にやるということはいたしませんと言っておりますから、地元のほうで納得を得られないままで無理やりに強行するというようなことはないと私は思っております。 おそらく、いま国鉄のほうからの説明がありましたのは、これは外に対して、四月一日から必ずやるんだということで、いまあなたがおっしゃったように、それを強行するというような意味のめどではなくて、国鉄の内部において、住民のほうのいろいろの折衝の結果から見て、ある程度の了解が得られそうであるからということで、内部的に大体四月一日くらいをめどにしてやろうではないかということを、内部で目標として考えたような程度ではないかと私は理解をするわけでございますが、この点については、具体的に報告も受けておりませんし、現地の事情も知りませんから何とも申し上げられませんが、しかし、この前も私からも申し上げ、国鉄からも言っておりましたように、こういった問題は、現地住民との間でよく趣旨も理解をしてもらい、またそれをかりに実行するにしても、現地の住民にサービスの低下を来たすことのないような方法で、よくお話し合いをして了解を求めてやるべきだという姿勢は変わっていない、私はそういうふうに考えておるわけでございます。
○伊部真君 私は、いまの大臣の言われたことは非常に三者的な感じがするわけです。やはりこういう状態に対して、地元のそういうふうな強い反対がある状態の中で、日にちを切って四月にやるということはやるべきではないとおっしゃるなら、そのとおり私は明確にしていただきたいと思うわけです。 少なくとも三月一日に実施するものを、これだけの問題のものを一カ月後で、常識的に考えられても、地元の了解が得られるなら四月一日ということを想像すること自体が私はおかしいと思う。これは当然、こういう大きな問題に発展したことについては、しかるべき指導をすべきだと思います。 特に、私はただうわさで申し上げているのではなしに、現地の三月六日の朝日新聞に、抜き書きの見出しに、「地元の同意得ぬまま大鉄局見切り発車」という大きな見出しが出ているわけです。その中にどう書いてあるかといったら、「大鉄局は五日、延期になっていた加古川線と同支線の三木、北条、鍛冶屋各線の駅無人化」、――これは手荷物、小荷物、貨物のことだと思いますが、「の取扱い廃止について「四月一日から実施する」と発表した。」こういうふうに出しておるわけです。ですから、明らかに新聞でもこういうふうに発表しているわけですから、このことについては、やっぱり四月一日というのは不穏当であるから、これは撤回するなら撤回すると、明確にしていただきたいと思います。いかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) 四月一日に何でもかんでも、ことばは適当でないかもしれませんけれども、ゴリ押しに地元の理解もなしに常に見切り発車で何でもやるんだ、このようなことは、もちろん現地でもやろうとしているというふうに私は考えておりません。十分理解を深めて、そして御理解を得ながらやっていきたい、やるべきだということは地元も十分承知してやっているわけでございまして、ただ、ただいま大臣から御答弁ございましたように、内部的に四月一日から実行したいという気持ちが非常に強いものと私考えておるわけでございます。 ただ、先回延ばしましたときに、現地においてはこの点の問題点を二点にしぼっておるようでございます。私、具体的にきわめて詳細に理解していないので、必ずしも十分でないかもしれませんけれども、第一点はお客さんの乗りおりに非常に、先ほど先生御指摘のように、ことに小さい子供の乗りおりにあぶないじゃないかという観点が、地元の問題点の一つとして取り上げられておるということ、それから第二点が、貨物の取り扱いについて非常に、何といいますか、どういうふうにしたらいいかという点について、まだ十分な理解といいますか、掘り下げができていない、この二つの点が非常に問題点だというふうに現地管理局は判断して一カ月延ばす、こういうような声明を現地で出しておったわけでございますが、その第一点につきましては、計画が全体で十九のいわゆる停留所化といいますか、無人化といいますか、これを計画しておったわけでございますけれども、昨日、聞くところによりますと、その十九のいわゆる停留所化する駅につきまして、昼間の時間帯には必ず一人ずつ要員を配置して、絶対あぶなくないように、物理的な安全対策のほかに人も配置するんだ、こういうことを内容として地元と話しておる、こういうことを聞いております。第二点につきましては、具体的にこの荷物をどうする、あの荷物をどこで扱うかというようなことについて具体的な話を地元と進めておる、このように聞いております。 そういう現地における話し合いの中で、現地管理局として、四月一日という目標をもってやりたいという希望を表明したものと私は理解しているわけでございます。
○伊部真君 それでは、もう一ぺん私は確認をしたいと思うんでありますが、地元の了解を得ないで――地元というのは、もういま抽象的なことではないんです、反対をしている県民会議なり連絡会議というようなのがあるようでありますが、小野の市長室なんかにもつくってあるようでありますが、こういうとこだとか、いま問題になっている焦点というのは、あるいは交渉している当事者というのはわかっておるはずですから、その人たちの了解を得てやるということには間違いないですか。
○説明員(原岡幸吉君) この点につきましては、第一義的に関係の市町村、こういう機関と国鉄側との話ということで、その中で地元のいろいろな関係の団体があろうと思いますが、そういう団体との話は、地元の関係市町村という形の中で理解を深めるように進めていきたい、こう思っております。
○伊部真君 私はそれだけでは済まないで、やはり利害関係者、地元のこういう子供のことなんかあるというなら、学校の先生なんかも入れて相談をしてもらいたいと思いますけれども、それは希望として申し上げるのでありますけれども、もう一つそれじゃお聞きいたしますが、その当局が言われる市町村というのはだれをさしているわけですか。市町村長のことを言うわけですか。市町村長が了解を、判を押したら、それは地元の了解を得たというふうに判断をされるわけですか。いままでの実績とこれからの地元ということについての解釈を明らかにしてもらいたい。
○説明員(原岡幸吉君) 第一義的には市町村長といいますか、その関係地方公共団体の長、そして市町村の議長という方にも、同時に話をしておるというのが実際でございます。 それから、ただいま同意書云々というお話がございましたけれども、これも必ずしも同意書というようなことは、いままでのやり方としても、同意書を求めるとか出していただくということは、必ずしもよいかどうか明確にいたしておりません。
○伊部真君 この線に関する場合、了解を得たという市町村がありますか。
○説明員(原岡幸吉君) 私の理解では、いわゆる形式的に――形式的というとおかしいですけれども、オフィシャルな形として関係市町村の理解が得られているという話は聞いておりません。
○伊部真君 それでは、その市町村長の理解を含めて地元の意見が了解という形にならなければ実施をしないということは、そういうふうに理解してよろしいですな。
○説明員(原岡幸吉君) その点は、先ほど来申し上げますように、地元の理解、協力を得てやるという線には全然変わりがございません。
○伊部真君 ずいぶんしつこいようですが、私はこの間の委員会の報告を地元にして、了解を得ようとしたのでありますが、必ずしも了解してくれません。ですから私はもう一ぺん確かめて聞くのですが、これは現地で相当問題になっていることですから、地元のいまおっしゃったような、市町村長を含めた地元の了解を得なければ、四月一日実施するというつもりはないというふうに理解していいですね。四月一日というようなことは、それは考えているものではないというふうに理解していいですね。
○説明員(原岡幸吉君) 実質的に御理解を得られないで一方的にやることは考えておりません。またそういうことはありません。
○伊部真君 私はやはり大臣、こういう取り扱いについては、これからも十分配慮していただかなければいかぬと思います。三月一日実施が目の前にきて、われわれのほうにやかましく住民から出てきて、そうして国会のほうで大臣の御理解を得て、それは地元の了解を得なければというその精神で話していただいて、それがすぐに国会で議論されて何日もたたないうちに、すぐに大鉄局のほうで四月一日を希望するんだというふうなことは、常識的にいって私はいいとは思いませんね。これだけ議論があったことだから三月一日実施をやめて――私は日にちまで言うたわけですからね、三月一日の一カ月後に実施するというようなことはありませんねと、こう申し上げておるのですね。そのときには地元の了解を得ないでやるようなことはありませんときれいにお答えになって、すぐその舌から局長が――局長が言われたかどうかしらぬが、新聞に四月一日を希望するなんというようなことは、私は非常にわれわれの希望をさかなでされたような感じがします。私は非常に不愉快です。こういうことについては、十分に国会議論の精神というものを生かしていただきたいと思います。大臣、この点……。
○国務大臣(新谷寅三郎君) この点についてはおっしゃるとおりだと思いますが、国鉄のほうでも、中央と地方が必ずしもそういう点について、細目の点まで考え方が一つになっているかどうかということについても疑問があります。ですから、いまあなたが問題にされたような、そういう誤解を生じたり、行き過ぎをやったりというようなこともあるかもしれません。しかし私は、さっき申し上げましたように、国鉄当局もこの前の委員会でもそういうふうに発言をしておるのでありますから、それを一カ月延ばして、今度は延ばしたから、もう地元の了解があってもなくっても強行するんだなんていうことを言うはずはないと思っておるんです。 さっき申し上げたように、国鉄としては、どうもそれは話をしていけば、四月一日ぐらいにはめどがつきそうだということで、内部で一応の目標を四月一日というものに置いて地元との折衝、地元に対する理解を深める意味の、いろいろの行動をするということにしたんではないかと想像するんですけれども、これはよく知りません、そういうこと以外には考えられない。まあ地方駅の無人化とか貨物取り扱い駅の廃止というのが方々で出ておりまして、同じような問題を起こしておりますが、私は国鉄総裁にもよく話をいたしまして、そういうことについては、よく国鉄の考えておること、それからやろうとすることを具体的によく話をして、そして地元が了解すればそれでやるのはけっこうだし、地元がこういう理由でそれはどうしてもいけないのだという問題については、それを無理やりに強行するような態度は避けたほうがいいですよということを国鉄にも申しておるわけですが、国鉄総裁もこの委員会で申しましたように、それについては原則的に同意でございますから、いまのような御心配は、地元との間で非常に対立して先鋭化している中で一方的に強行するなんていうことは、それはできもしませんし、やるべきことではない。それは当然のことじゃないかと私は思っておりますが、この点、なお国鉄の、何といいますか、本社とそれから地方局との間の連絡、意思の疎通というものをもっと十分にするように、国鉄に対しまして注意をしたいと思います。
○伊部真君 この件については、私はもうこれ以上言いませんけれども、大臣、やはり国鉄に対する指導は大臣がお持ちですから、やはりこれは、国鉄がそう考えただろうというような評論家的な言い方じゃなしに、やっぱり私が、今日の無人化の問題だとか、あるいは貨物駅の――貨物駅といいましても、私は大きな貨物駅四つぐらいのことを申し上げているのじゃなく、手小荷物の取り扱いをなくするということは、やはり国民生活にとってはたいへんなことなんですよ。七キロも七キロ半も持っていかなきゃいかぬわけでしょう。あるいは定期を一つ買いに行くのにも、いままでだったらそこに人がおるわけですから買えるやつを、今度は子供に、幾つかの駅を向こうへ行って、電車賃を使うて向こうに買いにやらさなきゃいかぬわけでしょう。これは、やはり住民にはたいへん負担をかけることなんですよ。そしてまた、これについては生活上に非常な不便をかけるわけですから、理解を求めるための努力というのは、相当に私はやらなければ。それは国鉄さんはほかの企業と違って、ここはもうからぬからやめたらいいというものじゃないはずですよ。そういう性質からいって、当然、私はこういう問題が起きたときには、国鉄がともすれば採算本位に走りがちなところを、やっぱり運輸省のほうで、この点についての指導というものもしていただいて、そして行き過ぎがあったらブレーキをかけるという姿勢でなければいかぬと思うのですよ。 ぜひそういうことで、ひとつこの問題については、現地のそういう非常に問題になっている状態というものをお考えいただいて、国鉄もそうですが、運輸省のほうでも問題が起こらないようにひとつ善処を願いたいというふうに思います。そうでないと、私いまの状況を聞きますと、当然、局長、大鉄局では話にならぬのだったら、大臣にもお会いして、総裁にもお会いしてということで、現地のほうでは来るという、それほど強い意思を持っているようでありますので、そういうことにしていいのかどうか、そういうふうな形になってきて問題を大きくするということは、私はたいへんなことだと思う。そういう意味を含めて、この問題の処理はひとつ考えていただきたいということを要望しておきます。 それから第二点目、お願いをしておきたいのでありますが、実はこの間の委員会で私は資料要求をいたしました。その資料要求は、一つは各管理局単位に、いままで実施された合理化計画、具体的に言いますと、駅の無人化あるいは手小荷物取り扱い駅の廃止あるいは貨物駅の廃止というふうな内容について、いままでの実績とこれからの計画について図を出していただけませんかと、こう言いました。これも議事録に明らかに、そういう配置図については将来変更があるかもわかりませんが、その点をお含みの上御了解をいただけるならその図面はお出ししましょうということを、原岡常務理事のほうから私は受け取りました。私が留守の間に、私の手元に入りましたのは、図面ではなしに一枚の紙でありますが、私はこの資料を受け取って非常にがっかりした。見ていただいたらわかるのでありますが、この資料の内容について、私がお願いをした資料の内容かどうか、御説明をいただきたい。中身はお持ちのはずです。
○説明員(原岡幸吉君) この資料の提出の問題でございますけれども、この間申し上げましたとおり、実績につきましては非常にはっきりしたことでございますからわかりました。しかし将来の計画については、はっきりしているものもあるし、それからまだ非常に構想しかできていないものもあるし、とにかくまた変更する可能性もある、そういうような状況を踏んまえて、明確にできる範囲において資料を提出申し上げますと、こう御答弁申し上げまして、実はさっそく、その後地方の担当の者を呼びまして、本社では現実ごくアウトラインしか把握していないので、各局のいろいろな計画を聴取して資料を作成するようにやったわけでございます。ただいまここに提出されたという資料を、実は私、恐縮でございますけれども見ておりませんのでございますけれども、これは実績だけでございまして、今後の計画については、ただいま申し上げましたように、地方を呼んで資料を作成して提出するような準備をしている最中であります。 なお先生御指摘の、図面に、地図にして云々というお話は、実は私は十分その点は理解しておらなかったわけでございますけれども、図面ということではなくて、とにかくどこがどうであるかという具体的にわかるような内容を資料として御提出申し上げる、こういう趣旨でございました。そういう意味で、いまお手元に拝見するこれは、ただ数だけでございまして、どこがどうだということは理解できないような資料だと思います。
○伊部真君 私は、その同時期に東京の図面、首都圏の駅集約の問題、配置図については私はいただきました。したがって、こういう形のものを何とかもらえぬでしょうかと、非常にこれは大事な資料でありますから、いま出せるかどうかというのは、私は非常に気を使いながら申し上げたはずです。ですから、これはいまの時点では出せないなら出せない、こういう事情でこれはいろいろな関係があるから、こういう事情ですからお出しできませんというならお出しできませんとお答えをいただいたらけっこうなんですよ。それはそれなりにまた議論があったと思うのです。しかしそれを、計画は将来変わるかもわかりませんが一応出さしていただくということ、そうしてそれはお含みをいただきますということだから、私は得心をして帰ったのですよ。そうしたら、その図面は、皆さんに見ていただく時間がないのは私は残念でありますけれども、計画として出したのは、その図で私が判読する限りは、昭和四十八年の一月までに計画をしたものと、それが実行されたものだけの数じゃないですか。そんなばかな図の出し方がありますか。 計画をということをお願いしたのは、私が明らかに昭和四十四年の当時から、十カ年計画が出たときには四百駅になるだろうということで、貨物駅を発表したじゃないですかと、無人駅も五千の駅を大体半分ぐらいになくするんだというようなことを言ったじゃないですか。それを年次計画でこれだけやって、ここまでの駅は済んだが、実はこれだけ残っているという、実績のほうはこれはもうはっきりしますよ。将来についてもそれを出していただいていい時期ではないかということを申し上げたら、それは常識的に考えたら、計画というのは、これからの何年か後に、五年なら五年後にこれだけ考えるという、そういうものを出すのがあたりまえじゃないですか。それを四十八年の一月の計画図が六十であって、実行したのが五十九という数字、各管理局単位に数だけ出しておいて、私はそんな、資料の提出の要求に対してそういう扱いをわれわれが受けるというのは非常に不愉快だと思うんです。国会での議論を、少なくとも、私はそういう資料の提出については、簡単なものなら私は電話一つでお願いしますよ。しかし重要であるから委員会で申し上げたし、また意見があればここで議論させてもらおうと思って言ったんですよ。これは国鉄の再建案の将来の計画についても、私は非常に影響がある資料だと思うから申し上げたので、単に紙一枚を事務所の中にはうり込んだというやり方は、私はどうも今日の国鉄のやり方というのは不親切きわまると思うんです。そういう姿勢でおられるから、私はやっぱり問題がいつも起きると思うんです。
○説明員(原岡幸吉君) 私がこの間、先生御指摘になりました首都圏の地図、あのとおりのもので全国的に資料をつくるんだという指示が十分でなかったために、提出資料が非常にまずくなったと私は考えておるわけでございまして、その点あらためてよく調査いたします。 なお資料作成にあたっては、先ほど申し上げましたように御趣旨を体して、できるだけ明らかにできるものは明らかにして資料をつくりたいということで、地元を招集いたしまして、作業をしておったところでございます。
○伊部真君 これは常識的に言っても、前の議論から言って、やはり管理局単位に、駅の今日までの実績とこれからの計画を出していただきたいと言った場合には、当然に管理局単位に駅の名前が、実績としてこれだけの駅が実施をした、将来こういうことを考えているが、これは計画が変更されるかもわからぬというようなことが、当然名前も出るべきものだと思うんですよ。それが今日まで実績があった六百数十という無人化のお答えになった内容は、結論を局単位に割っただけの数字を私たちに持ってくるというのでは、われわれが納得できないのはあたりまえですよ、これは。ですから、われわれが資料要求した場合の議論というのは、常識的に考えたらおわかりのところですからね。それなら、出しにくい問題があるなら出しにくいとおっしゃって、説明をしていただくというふうにしてもらいたいと思うんですよ。そうでないと、形だけ質問されたから出すもんだけ出せばいいわというようなことで、それでそのときで済まされるというようなやり方は、私は納得できません。これからぜひそういうことにしていただきたい。 それから、私はこの点は重ねて申し上げますが、再建案の説明を先般お聞きをいたしましたときにも、私が申し上げておったのですが、これは早急にはちょっとむずかしいとは思います。しかし少なくとも、再建案の柱が、政府の補助をふやすということ、それから運賃の値上げをするということ、それから合理化をするということ、この三つの柱の再建案だった。この前段の二つについては御説明をいただきましたけれども、合理化計画については、これは具体的な年次計画というものが、補助金とかあるいは運賃値上げのやつは年次計画が出ているわけですが、合理化の問題は年次計画がないわけですね。当初、昭和四十四年の合理化計画が出たときにはある程度の目安というものを出されたわけですが、それがその後は出ていないわけですが、したがって、これをできるだけ年次計画で十一万人の人間が要らなくなるというなら、どういうところに、どういうふうな合理化をするから十一万人は要らないんだ、アウトラインの大体のところでいいですから、年次別に――武蔵野線が開通したからここで何ぼ輸送需要が伸びたけれども、これだけの人員はふえないでいいんだという、そういうようなものを年次計画で出していただきたいということをお願いしておったわけです。これはかなり時間がかかると思いますから、私は早急にということを申し上げるわけではない。しかし少なくとも審議に差しつかえのないように、その当時になってまたこういうふうな形になったら、私は非常に困るわけですから、審議ができないわけですから、重ねて大臣の前で私は申し上げておきますが、その資料の提出をできるだけ早い時期にやっていただくということをお願いして、私は質問を終わります。それはよろしいですか。
○説明員(原岡幸吉君) 私はそれが可能であるか、また出せるかどうかということについて、いまここで即答できかねるわけでございます。
○委員長(長田裕二君) あなたは御担当の部門もあるわけですが、当局全体として、よくいまの御趣旨を伝えて、できる限りひとつ要望に沿うように、委員長からも希望をいたします。
○小柳勇君 関連して二問だけ質問しますが、一つはこの前、辻君の質問を聞いておりましても明らかにありますように、駅合理化、廃止あるいは貨物駅の統合の合理化などで、その基準を本社できめて、あとは各管理局にまかしてあると、こういうふうに理解するわけです。そうしますと、各管理局は競争しまして、本社からこれだけ与えられているからどうしてもこれをやらなきゃいかぬということで、無理をして、国鉄だけが罪人になりまして、全部住民を敵にして合理化が進められておるのではないかと思うが、その点いかがですか。
○説明員(原岡幸吉君) 御指摘のように、一応の考え方の標準になるようなものは一応あれしておりますけれども、あとは具体的に地元の事情によっていろいろ変わりますので、その点を十分よく踏んまえて計画を考えるようにさせておるわけでございまして、えてして地元のすべての反対の中で、国鉄だけがこういう無理なことをやるんだという理解になっては、非常に逆効果といいますか、元も子もない話でございまして、そういうことのないように、またいままでのやり方についても十分そういう点も考え、反省いたしまして、今後またないようにしなきゃならない、こう思っております。その点につきましては、いままでの経験からいいましても、地元全体といたしましては、国鉄がこれだけ積極的に新しい体制に合わしたやり方をするんだ、ことばを簡単に言えば、近代化するんだ、合理化するんだ、こういう考え方の基本はよく地元でも理解していただいております。ただ考え方がいいからといって、即それがすぐそのままになるんじゃないのでございまして、その点はもっときめこまかく、具体的にどういうふうにそこに到達することを理解していただくかということについての理解、プロセス、こういうものをもう少し重ねることが非常に大切じゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 国鉄が、どうして住民を敵にして強引にしなきゃならぬかという点、しみじみ考え、この前でも辻君が言っているのは、たとえば農協が人を出しまして、ちゃんと人を出しますから、人員を配置しておいてくれませんかと、そういうことまで言っている。これは二、三年前の話ですけれども、九州のある駅で、温泉町ですけれどもね、その市がこれから人口発展の市であるから駅をどうしても残してくれと、乗降の定員が一日約七百くらいでしたか、六百何十人でしたか、基準八百台にわずか足らない。でも、温泉町の玄関番にもなるから、あるいは晩おそくお客が来た場合の道案内にもなるからということで、市から一人出しましょうくらいの話になっておったけれども、ついにそれが人を廃止しまして、それが荒れほうだいの駅になりまして、いま子供の遊び場になって、それがちょうど直線だもんだから、子供が線路に落ちて危険でしょうがない、いまになったら、早く駅を取っ払いなさいということまで出ていますけれども、そういうのが全国であるわけですね。したがって少し列島改造論が出まして政府の考えも変わっんだから、国鉄がひとり住民を敵にして、何でもかんでも合理化するのだという姿勢ではなくて、もう少し地域住民と話を重ねながら、それじゃひとつどうしましょうかと、じゃ最後はひとつ国鉄は赤字ですから市から人を出していただきましょうかとか、あるいは貨物を少しふやしていただきましょうかとか、あるいはこれからひとつ乗るようにしてくださいとか、何かもう少し、いわゆる国民奉仕の国鉄という姿勢になれないものであろうかということを、しみじみと先日の委員会からも考えますし、私の経験からも考えます。 方々でも足を守る会などがいま集会をやっていますけれども、そんな行為が方々で出るわけです。赤字線廃止については住民の承諾を得るということが一項自民党の部会で加わった、そうせざるを得ないような情勢になっておるが、その点でどうして国鉄だけが住民を敵にしてやるかという気がいたしますから、いまの、たとえば人を出すとか、あるいは駅が荒れないようにそれじゃひとつ市のほうに払い下げてもらって、そこに番人を出しますとかいう話がある場合には、その話に乗れるのかどうか、国鉄の態度をお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(原岡幸吉君) そういうような具体的な御相談には十分乗れるといいますか御相談させていただいてやるつもりでございます。とにかく地元と十分気持ちを通わせながらやる、こういうことを十分心がけて進めさせていただきたいと思っております。
○小柳勇君 もう一点の問題は、あと政府への質問が出るかと思いますから、そのとき質問しようかと思ったのですが、貨物駅を集約いたしますと、集約駅から向こうの地点までの輸送は早くなりますけれども、肝心な集荷の足がなくなってしまう。この間辻君は、少なくとも一町に一駅は置いておいてくださいと言っていた、あるいは一郡に一つぐらい置いてくださいというのは、これは住民の声じゃないかと思う。そうでないと、トラックで次の集約駅まで持っていくよりも自家用トラックなり、あるいは営業トラックにまかしたほうがいいものだからどんどん鉄道の貨物が減っていく。だからそういう面も、もう少し農協なり生産組合などに相談をして、どこまでなら持ってきてくれますかと、じゃそこにひとつ集荷場所をつくりましょうとか、あるいは町のまん中に、ここにひとつ国鉄駅の集荷駅をつくりましょうとか、そういう積極的な住民との対話の中で、貨物を集めるという方向を考えておられるのかどうか、質問してみたいと思います。
○説明員(原岡幸吉君) 貨物のいままでの扱いの場所をなくするというのは、非常にそれを利用されている方にいろいろな影響を与えるので、何とかその機会にマイナスにならないような方法はなからぬかということにつきましては、具体的に、十分積極的な気持ちも含めまして、御相談しながらやっておると、こういうことでございまして、ただ、やめてしまったらあとは何とか相手が考えるのだろう、それでいいのだと、こういう考え方では決してございません。ただ、なかなか具体的に言うとむずかしゅうございます。基本的には、鉄道輸送の特性を生かしていかなければならない、それからまた地方の道路なり自動車の流通事情というものも変わってきますし、それらも考えながら、そしてまた荷主さんの輸送需要というものも考えながら具体的に対処していくというほかないと思うわけでございまして、決して切り捨てごめんということだけではございません。
○瀬谷英行君 いま国鉄の輸送が順法闘争でたいへん混乱をしているわけです。そこで私も、きょうの質問の順序をちょっと変えまして、当面起きている順法闘争についてその問題点が一体どこにあるのか、その背景なり争点というものがどこにあるのかといったようなことですね、このことを質問をしてみたいと思います。 マスコミの報道だけでは、とかく現象面だけがクローズアップをされて、一体なぜこういうことになっているのかという説明は必ずしも十分じゃないと思うのですね。それでは、何が何だかわけがわからないまま乗客がもみくちゃにされて毎日を過ごしておるということになるし、そのことのために労使の間で団体交渉が行なわれているのかいないのか、それが一体何かということもわからない。これでははなはだ遺憾だと思うのです。そこで、これらの点について明らかにしてもらったほうがいいと思いますので、そのことについて、とりあえず一体どうなっておるのかということを御質問したいと思うのです。
○説明員(小林正知君) ただいま瀬谷先生から御質問がございましたが、いわゆる順法闘争によりまして非常に国民の皆さまに御迷惑をおかけいたしておりますこと、まことに申しわけなく思っておる次第でございますが、実はその問題で担当の常務の加賀谷がいま公労委のほうに出向いたしまして、いろいろその問題の打開策なり何なりについて、いま御相談を申し上げておるというような措置もとっておりまして、この席に出席できませんので的確な御返事ができかねることを最初におわび申し上げたいと思います。 ただいまの順法闘争は、先生御承知のように、動力車労働組合を中心にいたしましてこれが行なわれておるわけでございまして、問題は、労使間のいろいろな問題、労働条件の問題あるいは安全の問題等々いろいろ含んでおりますが、こういった問題につきまして、私どもといたしましては十二分に話し合いを組合側のほうに対しましてもいたしまして、これを前向きに解決をしてまいりたいと、かように、具体的な案件についてはそういう態度で臨んでおるわけでございます。また各順法闘争をやっております労組に対しましても、総裁あるいはそれぞれの機関から正規のルールに従いまして話し合いの場で十二分に話し合いをしながら問題を解決するということで、ああいった手段に訴えて、国民の皆さまに御迷惑をかけることはやめてもらいたいということで、十分いままで説得もし話し合いを進めてきたわけでございますが、昨夜深更に至りましても、ついになかなか糸口を見出すことはできなかったようでございますが、その辺、情報を私はっきり的確につかんでおりませんことは、まことに申しわけございませんが、そういったような状況で、ただいま、いわゆる公労法にいうあっせんという制度がございますが、それの手続を、公労委に対しましてその手をわずらわしますように、またこの状態が円満な方向で、十二分にいまの事態が回避されながら話し合いが行なわれるような方向に方向づけをすべく、いまそちらに向かって努力をするという態勢にある、かような次第でございます。 はなはだ、担当でございませんので、概括的に申し上げまして、的確を欠いておる点があると思いますので、その点はおわびを申し上げます。
○瀬谷英行君 ここで明らかにしてもらいたいのは、一体何が争点なのか、労使の間に争点がなければああいう問題は起きないわけです。 われわれが知っている範囲では、国鉄の総裁は、順法闘争はやめてほしいという申し入れをしたといったようなことが新聞記事に出ておる。やめてもらいたいという申し入れをしたということでは争点の話し合いとはならないと思うのですね。一体何が原因でこういうことをやっておるのか、こういう闘争に発展したのかということが明らかにならないと、これは第三者には判断のしょうがないわけです。ただ、いま順法闘争が行なわれておる、ダイヤが乱れておる、乗客がギュウギュウ詰めのえらい目にあっておる、けが人が出ておる、そういうことだけが幾ら報道されても、一体なぜそうなっているのかという根本が明らかにされてないんじゃ、これはまずいと思うんですね。やはりその点を、この機会に明らかにしてもらう必要があるんじゃないでしょうか。おそらく、この春闘の賃上げのための闘争というのとは色合いが違うと思うんですよ。それならそれでまたわかるけれども、それとはちょっと違う、何か問題があるというふうにいろいろ考えざるを得ないわけです。そこのところを抽象的ではなくて具体的に示してもらう必要があるんじゃないか。
○説明員(小林正知君) 当面のいわゆる動力車労働組合との関係の争点と申しますか、問題点になっております具体的な事項は、大体三点あるわけでありまして、問題の一つは、危険な個所、要するに運転上非常に要注意の個所につきましては乗務を二人乗務にするといったような問題が第一。それから二番目は、危険な踏切等に対しまして設備上の手当をしてもらいたい、これは踏切事故に関連しての問題でございます。それから三つ目が、乗務員のいわゆる身の危険という問題、これはまあ事故が起きますれば、当然乗務員はその先頭で、動労車乗務員が乗って運転をしているわけでございますので、非常に危険があるということで、その手当を出してもらいたいというような趣旨の問題。それから、なお遺憾ながら殉職が起こっておるわけでございますが、殉職した場合の最低補償といたしまして一千万円という金額を支給するようにしてもらいたい。まあ、そのほかに保険を一人一千万円つけるべきである、まあこういったような趣旨が動労との間で問題になっているわけでございます。しかし、これらはいずれも、非常に全体といたしまして、設備上の問題で緊急を要する諸点につきましては、従来とも私どもといたしましても鋭意整備を進めてまいったわけでありまして、また二人乗務等の問題につきましても十二分の検討をいたしまして、また組合のほうともいろいろお話し合いを通じまして今日にまで経過をしてまいっているわけでございまして、そういった点、特に、さらに問題があれば、その問題点を具体的に明らかにして話し合いによってこれを詰めてまいる、かような態度で対処いたしたい、かように考えます。 なお手当その他最低補償等の問題は、これは金額の問題、相当大きな額でございます。総合的にこれをもう少し深く掘り下げまして、よく検討する必要がある、かようにも考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、まあこういう異常な事態が相当の期間、長期にわたりまして、これは続くということはまことに遺憾千万な事態でございますので、そういった意味で、先ほど申し上げましたように、とにかくこういった事態を解決をするように、またこの話し合いは話し合いとして進めるということを、こういった異常事態の中でなしに平常の状態の中で進めるということで、当局側からは公労委のほうに紛争解決のためのあっせんをお願いした、こういう現状になっております。
○瀬谷英行君 具体的には、これらの問題点についての団体交渉あるいは話し合いといいますか、そういうことは行なわれていないのかどうか、いままで。それから乗務員が殉職をした場合に、一千万円保険もかけろ、あるいは手当を一千万出せといったような問題ですね。これはきわめて具体的な問題、そういう問題について話し合いが行なわれていなかったのかどうか。現状はたとえば殉職者に対してどういう手当が――手当といいますか、どういう措置が行なわれておるのかということ、これもあわせて御報告を願いたいと思います。
○説明員(小林正知君) 言いわけがましくてはなはだ申しわけございませんが、団体交渉は、これは昨晩も徹夜で行なわれておりまして、私どもといたしましても、もちろんこういった問題についてその解決をはかるように、いままで相当長期にわたって真剣に話し合いをしてきたというふうに聞いております。担当でございませんので、ちょっとその辺具体的にお答えできませんことをまことに申しわけないと思いますが、これは決してなおざりにしている問題ではないので、二人乗務の問題あるいは踏切個所のいろいろの整備の問題、さらにこういった諸手当の問題、給与上の問題等含めて、きのうも徹夜で交渉している、こういう状況でございます。 なお、お尋ねのございました殉職等のいわゆる補償の問題でございますが、これは労働基準法等に基づきまして、組合のほうとも、いわゆる労災に関する協約というものがございまして、それを基準といたしまして、現在殉職等の場合の補償が行なわれている、かような状態でございます。
○岡本悟君 関連して……。 関連でございますので、ごく簡単に質問をしたいと思いますが、質問をする前に、私は委員長に一つお願いがございます。それは先般来、国労あるいは現時点におきましては動労のストライキによりまして、非常に国民が難渋しておることは、これは申し上げるまでもございません。もう連日の新聞でほんとうに国民の怒りが心頭に発して、非常な国民生活にも深刻な影響を与えておることは言うまでもないところでございます。まあ試みに、皆さんごらんになったと思いますけれども、きのうの夕刊の見出しだけをちょっと拾ってみたのです。「「忍」にも限界」「けさも混乱56万人迷惑」「「忍」にも限界」というのは忍耐ですね。それから「運転台の窓たたき割る」これはもちろん一般の民衆が非常に怒りまして、何をやっているんだということで、運転台の窓をたたき割って運転士を取り囲んだ、その結果、運転士の中にもけがをした人が出ているような記事が載っておりました。それからまた「乗客の怒り日増し」「順法迷惑56万、けさも九人負傷」「相次ぐ運転士つるし上げ」 「順法の損」「「どうしてくれる」と乗客」「慢性〃順法〃」「全国的に混乱」「けさも乗客9人ケガ」「首都圏56万人迷惑」、これはごらんになっておりますので、別に申し上げる必要はなかったのでありますが、ほんとうに国民は迷惑しておるわけであります。 しかるに、この国民のほんとうに迷惑しておって、何とか収拾してほしいという国民の気持ちをくみ上げない。国会においてただいま開会中であるにもかかわらず、いまもってただの一度もこの国鉄のいわゆる順法戦についての論議がなされていない。何とかして国政の場でこの収拾方法を論じようという真剣な議論が一度もなされていないのであります。これは国民にとってまことに奇怪しごくでありまして、これは為替変動相場制の問題あるいは最近の商品投機の問題にいたしましても、これは確かに重要な問題であることはもちろんであります。そのことが予算委員会あるいは本会議で集中論議されていることは、これは当然のことだと思いますけれども、それと同等、それ以上に、私はこの問題は、国民が非常な関心を持って、一日も早く事態を収拾してほしいという熱願に燃えておると思うのであります。であるとすれば、衆議院の予算委員会等で取り上げられなかったのでありますが、本院運輸委員会としても、これは当然この問題に限って、しかも一刻もすみやかに集中論議をして、国民の信頼にこたえる方法を何とか見出すべきであるというふうに私は考えております。しかし組合の諸君は、この国民に対する迷惑というものについて深刻な反省を持って、そして一日も早く事態の収拾に向かってくれるものという確信を私は持っておりました。こんなに国民に迷惑をかけ、あるいは最近は生鮮食料品も非常に値上がりしております。こういった迷惑をかけることをいつまでもやるということはとうてい私は信じられない。必ずごく近い将来に反省をして、違法なストはやめてくれるものと確信しておったがために、きのうまで私は、質疑の通告もしておりませんでした。 しかし何としてもがまんができない。で、一昨日質疑の通告をしたんでありますけれども、きょうの運輸委員会においては、遺憾ながらこの問題についての集中論議はできないで、開会前に委員長からお話がありましたように、きょうの委員会では、瀬谷委員から順法ストについて若干の質問があって、それに対してきのう質疑通告もあったから、関連質問程度のことはやらせるというふうなお話があったのでありますが、その点は、私は個人としてはたいへん残念であります。でありますので、できるだけ早い委員会におきまして、早い機会にこの順法ストの問題を取り上げて、そして先ほど瀬谷委員も仰せられましたように、これは何が争点かということがはっきりされていない、国民に知らされていない、そういうことも含めて、ひとつ議論の場をつくっていただきたい。どうぞひとつ理事会にもおはかりいただいて善処をお願いしたいと思います。 そこで、きょうは先ほど小林理事からお話がありましたように、加賀谷理事、担当の加賀谷職員局長の出席を私は求めておったのでありますが、小林理事のお話によりますと、緊急あっせんの申請を公労委に出しまして、その説明のために国会へは出席できないと、こういうお話でありますからやむを得ぬと思いますが、大臣が御出席でございますので、こまかい論議は別の機会に譲りまして、大臣にお願い申し上げたいのでありますが、まあ世論の動向を見ましても、たとえば最近の新聞の論説によりますと、すでに御承知のように「黙視できない国鉄の順法闘争」あるいは「安易にすぎる国鉄の順法闘争」、もうさんざんにこの国鉄の労働組合あるいは動労のいわゆる順法闘争、これは順法闘争という名においての違法なストライキであることは、もうここであらためて論議するまでもないと思うわけですが、このことを非常に強く取り上げて、そうして国民の怒りを代弁しておりますことはもう申し上げるまでもございません。 そこで詳細は別の機会に譲るといたしましても、何とか運輸大臣といたしましても、この国民の難渋している事態を一刻も早く打開するという熱意に燃えていただいて、手を打っていただきたいと思うのでありますが、根本的には、私はいま申し上げましたように、世論にこたえて国鉄の労働組合なり動力車労働組合がこの違法なストライキをやめる、深刻に、一日も早く、一刻も早く反省してこのストライキをやめるということにあると思います。この反省を求めることが一番大事なことであろうかと思うのでありますが、まあこのことと、それからもう一つは、先ほど瀬谷委員も指摘されましたが、とかく労使の折衝というものがもっと精力的に、もっと長時間かけて前広に問題点の解決について進められる必要があるということを、私いつも痛感します。ぎりぎりになって問題が取り上げられる、そして徹夜で折衝したけれども、解決つかないのでストライキに突入した、こういうふうにいわれておるのですけれども、国民の側からしますと、なぜもっと早くこういった問題を精力的に長時間かけて、それこそ熱意を込めて、情熱を込めてやらないのか、そうして最悪の事態の回避ということにならないのかという疑問をいつも抱くわけでありますから、この二つのことを踏まえて、ひとつ運輸大臣とされましても、たとえば私のこれは思いつきでありますけれども、組合の最高幹部とお話し合いをなさる機会をお持ちになるとか、あるいは労働大臣が労働行政につきましては主管大臣でありますから、労働大臣の意見なり知恵も借りる、そういうことで何とかしてこの事態の打開に尽力をしていただきたいと思うのであります。いま国会の開会中でございますし、予算委員会もございますので非常にお忙しいとは思いますけれども、この国民の怒りを前にして、われわれ国会議員としては、これはとうてい黙っておるわけにいかない、こう思うのでありまして、何かその点につきましては、急に質問申し上げるわけでありますから、いずれ別の機会でもよろしゅうございますけれども、何かひとつ、運輸大臣としての決意のほどをお聞かせいただければと存じます。
○国務大臣(新谷寅三郎君) 瀬谷先生やら岡本先先、いろいろこの問題について御心配をいただいておりまして、まことにありがたいと思っております。運輸大臣として、この労使のこういう紛争に直接介入することは、これは避けたほうがいいと思っております。私はやはり皆さんと同じように、毎日のように国民の方から電話をいただきましたり、手紙をいただいたりしておりまして、この原因とか労使双方の交渉とかいうことは、これは一般の国民の方は御存じないわけですから、結果的に見て、こういう異常な国鉄の運行という状態が慢性化しておる、もう耐えられないというようなことを、電話でも国民の方から抗議を受けておるのであります。事態はこれは容易でないと考えております。 先般も国鉄の総裁に話したことでありますけれども、いま岡本先生もお触れになったように、こういう問題については、もっとお互いが、前広に考え方を、意見の交換をして、そうして事前にできるだけのお互いの意思の疎通をはかって、そういう事態に追い込まれないようにする手段をもっとやれないのかというようなことを国鉄総裁にも話したわけですが、総裁も苦心をしておられると思います。しかし、いまいろいろお示しになりましたようなことも、これは今後こういう状態が続きますると、どうしてもこれは考えなければならぬ。しかし、こういう紛争については紛争に介入する、あるいはあっせんをしたり調整をしたりする機関が別にございますから、そういうところにも事態をよく話して、国民が期待されるような結果を得るように私も側面から努力をしなきゃならぬと思っております。ことに私は、運輸大臣として考えますことは、国鉄のいま財政再建について、われわれは国会に提案をしておるわけでございます。非常に重大な、国鉄全体として、労使を問わず重大な時期に当面しておると思うのであります。そういう時期でございますから、少なくとも国民に対するサービスは十分に考え、やはりああいう財政再建ということになりますと、いまの方法でいきますと、国民の方々にも御迷惑をかけることでございますから、少なくとも国民に対しましては、そういう意味においても、それに報いるような姿勢を示してもらわなきゃいけないんじゃないかということを考えておりまして、この点は、国鉄の総裁にもくれぐれもこの点については留意をしてもらって、まあさっき瀬谷先生が言われたように、あるいは小柳先生が言われたように、何か国鉄が国民を敵に回しているような運営のしかたはいかぬとおっしゃったが、まことにそのとおりでございまして、この労使の紛争に関しましても、これはやはりそういう考え方で労使が話し合って、少なくとも問題があればこれをお互いに話し合って解決する方向で努力するとともに、しわ寄せが国民に全部しわ寄せになるというようなことは、これは極力避けるようにお互いが真剣になって討議をし、努力をしていってもらいたいということを主管大臣としては希望するわけでございます。 しかし先生がおっしゃったように、それなら運輸大臣がいろいろ中に介入するようなことがいいか悪いかということにつきましては、私はこれは非常に疑問だと考えております。そういう点につきましては、関係大臣ともよく相談をいたしまして、今後取り得る最善の方法をとるように努力をいたします。
○岡本悟君 大臣ですね、いまおっしゃったように、労使の紛争に運輸大臣なりが介入されるということは、これはまあ原則として避けなければならぬということはわかるのです。これは私もよく承知しております。 ただ、私が申し上げたいのは、たとえば国労、動労の闘争におきまして、先般来スト権奪還のためのストというふうな、これはこういう問題になりますと、当事者能力を越える問題なんですね、団体交渉の対象になるような性質の問題じゃないと思うのです、私は。こういう大きな問題を、政治問題を取り上げて、言うなれば政治的な闘争、ストライキということでありますので、こまかい問題はこれは労使の折衝、団体交渉でこれは当然やるべきです。で、うまくいかなければ公労委という仲裁機関がありますから、これはそれでしかるべく処理してもらうべきであることは十分承知しておりますけれども、こういう大きな問題を目標にしてストライキを組んでいる、これはもう御承知のとおりであります。そういう大きな問題につきましては、政府全体として、たとえば、いま御承知のように公務員制度審議会でこの問題を扱っているんだと、先般もこのことにつきまして、本院の運輸委員会で政府から統一見解が出たんでありますけれども、そういういきさつもございますから、再びその統一見解を確認されるなり、ひとつ組合のこの点についての深刻な反省を求めるとか、そういうふうな何か政治的な手が打てないものかというふうな意味合いで、私は申し上げたんでありまして、いまのような、仲裁機関がございますから介入するのはどうかと思うとおっしゃることはよくわかるのです。そのことを申し上げているのではないんでございまして、これはもう御答弁要りませんから、念のために申し上げさしていただきます。
○瀬谷英行君 先ほどのお答えでは、担当者が公労委に出向いておる。で、公労委にあっせん申請をしておって、そのために当事者はみんないないから的確な答弁ができないというお話だった。そうなりますと、担当者不在のまま、的確な答弁ができないという前提での答弁に対して質問を繰り返すということは、あまり意味がないという気がするわけです。で、岡本委員のほうは、集中的に論議できないのは残念だというふうにおっしゃっているけれども、担当者がいないところで集中的に論議をしても、これはから回りになるわけですからね。だから、そういう意味では、私ども集中論議を避ける気持ちはないけれども、から回りを何回やったって、これはやっぱりから回りですからね。これはあらためて担当者にも出てもらって、それから必要によっては参考人にも出てもらう。たとえば、岡本さんのお話によれば、組合側に深刻な反省を求めるということなんですけれども、組合側の主張を聞かないで、組合側にだけ闘争をやめてくれということを言ったって、これは片手落ちになると思う。そこで私は、一体労使の争点は何か明らかにしてほしいということを言っているわけですね。それを明らかにしないで、ともかく闘争をやめてくれといったって、これはやまりゃしないです、問題があるから闘争に発展したわけですからね。だから、これらの点について、これは委員会の運営については理事会におまかせして、あらためてどういう方法でこの問題について取り上げるかということは、そこで御検討いただきたい、こう思うんです。 しかし、いま御答弁のありました中で、たとえば、特に動力車労働組合との争点になっている点をあげましたね。それは危険な個所は乗務を二人にしろ、踏切等に対して設備上の手当を要求する、要するに踏切の問題。それから乗務員が殉職をした場合の措置が不十分だと、こういう点がありました。 そこで、たとえば機関車に乗っておる乗務員が、ダンプカーとぶつかって、それで殉職をするといったようなことは、飛行機が墜落をして、その飛行機に乗っていた乗務員が墜落をしたとこれは同じわけですよね。同じわけなんだけれども、じゃ、その機関車の場合、国鉄の場合の殉職は一体どれだけの、具体的にですよ、具体的にどれだけ慰謝料が、弔慰金というか、そういうものが払われておるのか、そういうようなこと、これは具体的な問題ですから。これが出てまいりますと、たとえば、飛行機の殉職の場合と比較をする、ほかの殉職の場合と比較をして、安いとか高いとかいうことの判断ができます。ただ抽象的に、まあきまりに基づいてやっておりますというだけじゃわからないです。だから、その点も具体的に言ってもらいたい。 それから公労委にどういう形でもって、どんな申請がなされておるかということ、これも明らかにしてもらいたいと思います。 それから踏切の問題ですけれどもね。これは、まあきょう、私はこのことから質問していきたいと思っていたことなんですけれども、最近、踏切事故が非常にふえております。ことしに入ってからも何件かありました。つい何日か前も東北線で踏切事故がありました。ところが東北線で踏切事故がありますと、現在のダイヤは、東北線だけじゃなくて、上信越線まで全部がたがたになるわけです。それは東北線の上りが上野に着いて、それが下りの上越線になって出ていくと、こういうふうなダイヤなんですね。したがって上越線でもって雪が降っておくれるというと、東北線まで影響する。つまり切り詰められたダイヤのために、一カ所でもって何か事故が起きると、たちまちダイヤががたがたになる。これは順法闘争あるなしにかかわらずダイヤが乱れるようになっている。その根本の踏切問題に対してどういう措置を講ぜられるか。いま踏切を、最近の列車は、急行、特急になりますと百二、三十キロで走るようになってますね。時速百二、三十キロのスピードとなりますと、百メートルを三秒で走るわけです。百メートルを三秒のスピードで走ってくるんですから、昔に比べて踏切事故がふえるというのは当然考えられる。だから動力車の組合が踏切の手前に来たらスピードを落とすといったようなことも、これは安全対策上けしからぬとは必ずしも言えないことだと思うんですね。具体的な問題をあげるとこういう問題があるわけです。だから、それらの問題に対してどういうふうに当局としては考えておるのかということも問題でしょう。 だから、こういう問題を一つ一つ取り上げてまいりますと、かなり時間をさいてやらなきゃなりませんけれども、きょうの予定された時間ではちょっと間に合いませんので、これはあらためてやったほうがいいという気がいたします。そこで、以上私が指摘したことだけについて御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) この踏切の安全対策の問題でございますが、これは御承知のように運輸省だけの仕事ではないので、関係省がだいぶございます。で、御承知のように先年といいますか、一昨年でございますが、内閣でできました踏切事故防止総合対策というようなものが決定されておりまして、関係省がそれぞれ協力いたしまして、踏切の立体交差とか構造改良、それから保安設備をつけるとかいうようなことを、それぞれ大いに精力的にやろうということになっておりまして、各省がそれぞれ協議をしながらそれを進めておるというのが実情でございます。四十八年度予算におきましても、この点は私ども少し予算折衝の上で注意をして予算要求をしたわけでございますが、なお改良を要するような踏切が非常にたくさん残ってるようでございまして、この点はわれわれも努力をいたしますが、関係各省に対しましても協力を求めまして、国鉄に対してもこの点について特に重点を置いて今後の措置をするようしなければならない。 で、まあ最近おっしゃるように非常に踏切の事故が多いようでございます。まあ結果としましては、これは決して楽観をして言うんじゃありませんが、法律ができまして以来踏切事故は減ってきております。しかし車が大きくなりましたり、いまおっしゃったように非常にスピードが速くなったりするものですから、事故が起きますと被害が非常に大きくなってることは事実なんですね。ですから、そういう意味においても、人命を守るという意味でこの踏切の構造の改善とか、あるいは立体交差とか、そういったものについてはさっき申し上げたようにもっと精力的にこれを進めなきゃいかぬということを私も痛感をしておるのでございます。何しろ非常にまだ残ってる問題が多いようです。ですから重点的にこれは取り上げて、まあこれはできれば――これはそういったことができるかどうか私もまだ確信はありませんが、年次計画でも立てて、そしてこういう踏切については何カ年間に処理をしようとか、こういう種類の踏切については何カ年間に処理しようというふうなことを関係各省で話し合って、各省協力のもとにそういう計画を推進するというような体制が望ましいと私は考えておるわけでございます。決してこれは努力を惜しんでるわけじゃないんですが、非常にそういう事故発生の原因になるような踏切がたくさん残っておりまして、なかなか追いつかないというのが実情でございまして、これからもこの点についてはもっと精力的に努力をしなきゃならぬと思っている次第でございます。
○説明員(小林正知君) 先ほどお尋ねがございました補償額の具体額の問題でございますが、これはたまたま、私いま何回も繰り返して申しわけございませんが、実額でここでお答えできる資料を持ち合わせておりませんので、またよその航空会社等の他の輸送機関の場合は一体どうなっているかということにつきましては、これまたよそさまのことでもございますので、私どもとして、わかります範囲におきまして調査いたしまして、御報告をさしていただきたいと、かように存じます。 それから踏切の問題につきましては、ただいま大臣から御答弁がございましたとおりでございまして、国鉄といたしましては、ただいま大臣がおっしゃいましたような御趣旨を体しまして、十二分に踏切の改善につきましては、従来踏切の整備の促進法というものもございまして、相当これには保安面から重点的に推進をしてまいっておりまして、相当程度踏切については、あるいはまだ不十分な点も多々あるのはもちろんでございますが、かなり進めてまいったつもりでございますが、何ぶんにも国鉄だけではこの問題は解決しない問題でもございますので、ただいま大臣仰せのような線に御指導いただきながら、政府全体の問題として、またその中の一環として国鉄も鋭意努力をさしていただきたいと、かように考えておる次第でございます。 それからもう一つの、申請は一体何を申請したのか、あっせんの対象になるのは何だという御質問でございます。これにつきましては、ただいま電話で受けましたところで申し上げますと、国民生活に動労とのこういった紛争で非常に重大な支障を及ぼしているという事実がございますので、直ちにこういった闘争をやめて安全問題あるいは危険手当等の諸問題、問題になっている問題点につきまして労使間で十分に話し合いをするというふうな内容のあっせんを申請した、かような内容になっております。 以上であります。
○瀬谷英行君 要するにいままでの質問に対する御答弁としては、一言で言えば要領を得ないわけです。岡本さんのほうからも質問がありましたけれども、その質問に対しても、私の質問に対しても同じわけです、内容的には。具体的な答弁は得られないわけでしょう。それを繰り返してみてもしょうがないから、じゃあ今度は担当者に出てもらって、たとえば殉職した場合には具体例としては幾らくらい金を出しているのか、こういう問題、これも明らかにしてもらいたいと思う、抽象的にじゃなくて。そうすれば、それはひどいとか、そのくらいは常識だとかいう判断ができると思う。それがなければ、やはりこれは抽象的な論議じゃだめです。 それから踏切の問題にしたところで、踏切に対して安全対策と言ってみたって、標識を立てるくらいのことをやっていたんじゃ何にもならぬ。ほんとうなら高架にして踏切をなくして、立体交差にすれば一番いい。それらの問題を推進をするという腹が政府にあるか、国鉄、運輸省だけじゃなくて政府にあるかどうか、こういう問題も大事なことです。これは根本的な問題です。それらの問題を根本的に解決をするというための努力がどのように行なわれておるか、行なわれなければならぬかということをはっきりさせる必要があると思うのですが、きょうの段階では、これ以上はどうも話が具体的にできないような気がいたしますので、必要に応じては参考人等も呼んで、労使双方の言い分というものもこれはちゃんと聞くと、公平な判断ができるような方法というものを委員会としてやる必要があると思いますので、その点の運営についてはこれは理事会に一任する形で、私は質問を終わりたいと思います。
○杉山善太郎君 関連をしてでありますけれども、焦点をしぼって、そういう方向の中でいま瀬谷委員の提案がこれあり、理事会で十分な根回しをしてもらうということも、私は非常に意に即した提言であり、発言だと思いますが、そこで、そういうことを予測展望しながら、大臣おられまするので、まだ勉強しておられぬかどうか別として、たとえば動労のいまの順法闘争はゆえなくして行なわれてないんだと、必ず現象がある限りにおいては、よって来たる経緯、背景があるんだ、ずばりと言って、たとえば落石であるとか、あるいはなだれであるとか踏切事故であるとか等々含めて三千カ所に及ぶ危険白書というものを動労は天下に公開もし、公表しておるという形でありますが、その点について、大臣、まだ見ていないんだと言われればそれでもいいわけでありますが、その点については、いま全然まだごらんになっておりませんか、あれはゆえなき言いがかりであるというようなふうに理解をしておられるのか、それとも目を通しておられますか、その点だけちょっと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(新谷寅三郎君) まだ報告を受けておりません。したがってその内容については、報道機関が報道しておるのでそれは見ました。しかし具体的にこういうふうな白書を出しているということについては、白書そのものは出たということは知っておりますが、内容はつぶさに承知しておりません。
○委員長(長田裕二君) 中塚参考人には御多用のところを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。 それでは質疑を続けます。
○森中守義君 四十六年七月三十日の全日空機に対して自衛隊機が衝突をしたという、この調査報告書というのが出ておりますが、これはいつだれに出されたものですか。この内容じゃ、その辺がどうもはっきりしない。航空局長わかっていますか。
○政府委員(内村信行君) 七月二十七日に総理大臣あてに提出されたものでございます。
○森中守義君 そこで、私も不勉強ながらちょっと一読してみましたが、運輸、総理府、防衛、それぞれの皆さんにおかれて、この調査報告書に対し、疑義、もしくは反論、そういうものがおありかどうか、いかがですか。それぞれお答えいただきたい。――どうも質問の要旨がよくおわかりでないようですが、この調査報告書は是認できるとされるのか、いなであるのか、運輸大臣、防衛庁、総務長官、それに参考人として全日空もお越しいただいておりますから、それぞれの責任者から調査報告書に対する見解をまず最初に承りたい。
○政府委員(内村信行君) 運輸省といたしましては是認いたします。
○政府委員(箕輪登君) 調査報告が出されました直後、防衛庁長官から談話が発表されておりますが、その談話の中でも、調査委員会の調査結果を謙虚に受けとめる、こういう表現をいたしております。しかし、この報告書の内容を慎重に検討いたしてまいりましたが、内容の一部に不分明な点がございまして、これを解明するために、これらの不分明な点につきまして事故調査委員会の事務局であった総理府交通安全対策室にただいま照会中でございます。
○国務大臣(坪川信三君) 総理府にありますところの交通安全対策室において、これを庶務の立場から処理いたしまして、そしてそれが各防衛庁並びに運輸省に通達をいたしておるという手続もとりました次第でございます。
○森中守義君 それじゃ答えにならぬ。是認するかしないかと聞いている。
○国務大臣(坪川信三君) 全く技術的な専門にわたる内容でございますので、これをそのまま、われわれといたしましては受けて、それを通告するという事務的な処理を総理府が取り扱っておるという委員会であることを御理解願っておきたいと思います。
○参考人(中塚良太郎君) 当社といたしましてはこれを是認しております。
○森中守義君 総務長官、さっき航空局長からお話があったように、総理大臣に出されたものである。しかも連合審査の際に、私と佐藤前総理との間にかなりこの辺の問題のやりとりをいたしております。むろんその余の議員諸君からもやられた。当時、総理並びに当時の総務長官から、事態がきわめて衝撃的であるので運輸省の所管よりも、むしろその対策処理は総理府が当たりたい、こういうことであったし、調査委員の任命といえどもそういう意思を受けて、運輸省の委嘱じゃない、よって調査報告書の提出先というものは総理になっているわけですね。そうなれば、いま言われるように事務的な処理をということだけにとどまりませんよ。提出をされた調査報告書に対して是認をするのかどうなのかという、この答えが出ないといかぬのじゃないですか。私はそれが、きょうこの委員会における一つの焦点になっている。むろんこの委員会も多少この取り扱いをずらしてきたという責任はありますけれども、進んで総理に提出されたものであれば、総理府として何がしかの見解を出されてもいいと、こう思っているのですがね、いかがですか。
○国務大臣(坪川信三君) それぞれ専門的な立場においてあらゆる立場から調査されたものであるという是認のもとにおいてこれを送付いたしておりますことは当然でございます。
○森中守義君 わかんないんだね。送付したというのでなくて、固有の見解はお持ちなのかどうなのかと、こう聞いているのですから、それはありませんと、ただ処理をしただけだということかどうか、もうちょっとはっきりさしてください、わからぬ、それでは。
○国務大臣(坪川信三君) 先ほども申しましたように、あらゆる角度から正しく調査されたものとして解釈いたし、したがって、そう解釈いたしております以上は是認いたしておるということでございます。
○森中守義君 そういたしますと、いまそれぞれのお答えによって、運輸省は是認をされた、総理府も是認された、全日空も是認された。まあ、そこで防衛庁の場合にですね、謙虚に受けとめる、しかしながら、ある個所について疑問があるので照会中である、こういうお答えでしたね。ある個所とはどれをさしておるのですか。
○政府委員(大西誠一郎君) お答え申し上げます。 この報告書は専門家の方々が非常な心血を注いで調査をされた報告書でございますから、私どもとしては姿勢としてこれを謙虚に受けとめるというのが防衛庁長官の談話の趣旨でございます。しかしながら防衛庁も事故の当事者でございまして、防衛庁の部内でもこの事故の原因をよく調べまして自後の安全対策に資するという必要がございますので、検討を進めてまいりましたが、その中で若干この文言からはっきりしない点がございますので照会をいたしたということでございます。こまかいことは別といたしまして、まあ二、三例を申し上げますと、見張りの義務の内容とか、あるいは回避の操作の問題とか、そういうようなものでございます。
○森中守義君 ちょっと抽象的でわかりませんな。謙虚に受けとめるということは姿勢として受けとめる。内容的にはそうじゃないというように聞こえたんですが、要するに是認はしないんだと、姿勢としては謙虚なんだけれども中身それ自体はこれを是認するものではないと、こういうふうに理解していいですか。もうちょっとそこの辺の使い分けをはっきりしなさいよ。
○政府委員(大西誠一郎君) いま各省の見解を求められましたが、私どもが是認をするかしないかということをはっきりする前に、やはり疑問の点は解明をいたしたい、そういう趣旨でございます。
○森中守義君 疑問の点を解明せなならぬというのは調査不十分、そういう意味ですか。
○政府委員(大西誠一郎君) 調査が不十分であるかどうかということを別にいたしまして、ここに書かれておりますのは、私どもとしてこういう趣旨で、こういう事実に基づきこういう推定を下してこうなったという説明は私どもは聞いておりません。したがいまして、そういう経過というものについて私どもがこの記載の文言から読みとれるものは、私どもそれぞれそれなりに理解をいたしましたが、読みとれないものについて照会をいたしておると、そういうことでございます。
○森中守義君 ちょっと、あまりこの辺に長い時間取りたくないんですがね。調査委員会が対象の部門にしたのはもちろん防衛庁にもあったと思う、そういうことでしょう、事件の当事者だからね。だから調査委員会が調査の対象にしたのはひとり雫石という極限をされた舞台だけでなくて防衛庁の運行機能であるとか機構であるとか人的配備であるとか、あるいは内部規則であるとか、そういうものを一応調査委員会としては調査の対象にしたと私は思う。で、そうなれば、当然調査の経過の中で防衛庁はこの点についてはこうであるとかああであると意見を述べられる、あるいは求められた資料を提出される、そういう経過があったんですかなかったんですか。ただ調査委員会がみずからの判断において調査をやったとはどうしても思えないんです。 で、それならばいま言われるような問題が一体調査の期間内、経過の中において消化されていたのかどうなのか、この辺がわからない第一点。それとどこに照会しているんですか。すでに仄聞するところではこの調査機関というのは解消しておるという。いまだれに出しているんですか、その辺ちょっと具体的な事実問題ですからはっきりさせてもらいましょう。
○政府委員(大西誠一郎君) 最初の問題についてお答えをいたします。 防衛庁といたしましては調査委員会の御要求に対しまして全面的に協力をいたしまして、それぞれの部署において求められました資料等を提出をし、場合によっては意見等を求められておりますので、それに対してそのつど技術的な意見は申し上げてあります。しかしながら、その意見をどういうふうにこなしてこの報告書が最終的な結論を導いたかということについては、防衛庁には意見は求められておりません。 それから第二点の、委員会が解消をしてどこに照会をするかということでございますが、これは確かに委員会が解消いたしましたので、私どもは照会をする先がございませんけれども、前調査委員長である山縣先生のほうに照会を申し上げております。
○森中守義君 それは一応、これ一回で事が終わりというわけじゃありませんから、これから先も少しく議論しなければなりませんが、私の想像では、調査報告書の六二ページ、六三ページ、六四、六五、このあたりだと思う。 そこでこの中身の問題ですが、その他のところは皆是認をされた。そこで防衛庁が謙虚に受けとめながら、なお疑点がある、照会中であるというところの問題点として、調査結果の中の(5)(6)(7)(8)(9)、この辺と、それから推定原因のところだと思うわけです。 よって、少し具体的にお尋ねしますが、この中に指摘をされておる(5)の「訓練空域は、横手訓練空域の北部をその一部として含む臨時の空域であった。」この事実関係はどうですか。このとおりですか。
○政府委員(大西誠一郎君) そのとおりでございます。
○森中守義君 そのとおり……。(6)の「松島派遣隊は、ジェットルートJ11Lについてはその中心線の両側九キロメートル、高度二五、〇〇〇フィート(約七、六〇〇メートル)から三一、〇〇〇フィート(約九、五〇〇メートル)の間を飛行制限空域として、やむを得ない場合を除き訓練飛行を禁止していた。」この事実関係はどうですか。
○政府委員(大西誠一郎君) 松島派遣隊におきましては飛行準則というものを定めております。その飛行準則の中で、ここに書いてございますように、ジェットルートJ11Lを中心とする両側九キロメートル及び高度二万五千フィートから三万一千フィートの間の空域を飛行制限空域として、これは一種の自粛でございますが、飛行制限空域としておりました。そうしてここで「やむを得ない場合」云々というのは、これは航空路でもそうでございますが、その空域をどうしても横切るときは直角に横断するというような指導は別に出しております。
○森中守義君 そうしますと、原則的に制限空域になっている。この事件のときにはやむを得ないものとして例外措置をとっていたのですか。その辺はどうでしょう。
○政府委員(大西誠一郎君) そういう趣旨ではございませんで、この付図にも書いてございますように、この「横手訓練空域の北部をその一部として含む臨時の空域」というのは、やはりここに書いてございますように、松島訓練派遣隊が飛行制限空域を設定するにあたって基準として設けたものに従って指定をしたものでございます。したがいまして、これはやはり飛行制限空域であるということでございます。
○森中守義君 そうしますと、そのことが八項に入って、「割り当てられた訓練空域を逸脱し、ジェットルートJ11Lの中で機動隊形の旋回訓練を行なっていた。」この逸脱ということには間違いありませんね。
○政府委員(大西誠一郎君) 事実として逸脱したということは間違いありません。
○森中守義君 ちょっと語尾がよくわからない。逸脱ということは事実に間違いないのか。そして九項目には「誤認していた。」とこういっておる。逸脱と誤認ということは、この場合の情状としては共通している。これは間違いありませんか。
○政府委員(大西誠一郎君) 第七項にございますように、地文航法によっておりましたので、機位の判断を誤った。そこで訓練空域の外に飛び出したということでございます。
○森中守義君 まあ地文航法、計器航法という幾つかの種類があるんでしょうけれども、要するに調査報告にいわれている逸脱をしていた、しかもそれが地文航法に基づいていたので位置を誤認していたと、これは逸脱と誤認というのは、航法もさることながら、現実的に明らかに入ってならぬところへ入っていたと、こういうことになるのかならぬのかと、こう聞いているわけです。もうちょっと正確に答えてもらいたいですね。
○政府委員(大西誠一郎君) 当日、隈一尉と市川二曹の航空機の訓練に割り当てられましたこの空域から逸脱をしていたということは事実です。それを本人が知っていたかということになりますと、それは本人は知っていなかったというふうにわれわれは聞いております。
○森中守義君 そこで、要するに一体的なものとして、一種の命令系統を通じてやむを得ない場合だからこの中に入っていいと。それからさっき準則と言われましたね。訓練準則というものが発動されて、原則を犯して制限空域に入ってよろしいという、つまりやむを得ない措置としてこういうことが命令系統から出ていなかったと、こういうことなんですね。
○政府委員(大西誠一郎君) やむを得ない措置として、この訓練をしておりました飛行機が、この訓練空域から逸脱をしてジェットルートJ11Lの両側の九キロメートルの空域に入ったという意味ではございません。本人が間違って入ったわけです。
○森中守義君 本人が間違って入ったということがこういう事件になったということなんだろうけれども、要するにここにいわれていることは、逸脱をし誤認をしていた、地文航法に基づいたがゆえであると、要するにあやまちであったという事実はお認めになりますね。
○政府委員(大西誠一郎君) そのとおりでございます。
○森中守義君 それならば、あとどういうところを照会されているんですか。私の想像では、この辺が一番防衛庁では責任の所在という問題で是認ができないというようなお考えじゃないかと思っていたんですが、いまここできわめて正確に間違っていたと、こう言われる以上は、もう照会の必要がないんじゃないですか。どこをどう照会しているんですか。
○政府委員(大西誠一郎君) ただいま、全日空側から防衛庁に対して賠償問題をめぐりまして訴訟が提起されております。これは先生御存じのとおりでございます。その訴訟の訴状がまだ私のほうに届いておりません。この問題についての責任関係は、最終的には裁判所が決定すべきものでございますので、内容の照会についてここでいろいろ申し上げるということは、現段階においてはいかがかと思いますので差し控えている段階でございます。
○森中守義君 訴訟が展開し始めたので、責任の所在についてはこの際遠慮したいと、こういう意味ですか。わからぬです、どうも。
○政府委員(大西誠一郎君) 訴訟が始まりましたので、この問題は裁判所において当事者がそれぞれ主張いたしまして、裁判長が最後に決定をするという運びになりますので、ここで私どもが責任はどうかということを具体的にいま申し上げることは差し控えさしていただきたい、そういう趣旨でございます。
○森中守義君 私はまだ訴訟のところで言及していないので、そこまでお答えいただく必要ないんですけれども、要するに(6)、(8)、(9)、この事実はさっきお認めになったわけですね、お認めになった。そうなると、責任問題というのは、何も裁判に待つまでもなく、命令系統を通じた、つまりやむを得ない措置として、制限空域に入ってよろしいという命令を出していなかったんだが、高高度を地文航法でやっておった。だからその位置を誤ったと、こういうような、まあ当事者の責任のようなお話ですけれども、それは命令系統であれ、あるいは搭乗者であれ、これは一体のものとして私は理解するわけですから、まあその区別によってものごとは片づかないと思う。 ただ、この際触れておかねばならぬのは、例の事件の発生の直後、おりてきた隈一尉が、そんなことを気にしていたんじゃ戦闘訓練なんかできないと、こういうことを言ったことがありますね。まあかなり新聞などでも、その見解をめぐって激しく批判が出たものですけれどもね。そこでこれはいま間違いであったとお認めになったわけだから、何も裁判所の決定を待つまでもなく、責任の所在というのは明らかになっているんじゃないですか。責任がないということになるんですか。間違っていたということを認められた。しかし、その責任は裁判によって決着をつけたい。どうも少し論理に矛盾があるのじゃないか。そう思いませんか、どうです、政務次官。
○政府委員(大西誠一郎君) この報告書の全体を眺めまして不分明な点がございますので、私のほうといたしましては、その不分明な点を明らかにいたしまして、そして原因を確定をすると、そしてその原因を踏まえて当事者の責任関係を明らかにするという考え方でございます。
○森中守義君 それじゃさっき間違いをお認めになりながら、なお、責任を全面的に肯定できないという理由、山縣委員長に何を照会されているのか、もう少し正確に言ってみてくれませんか。
○政府委員(大西誠一郎君) 事故の原因につきましてはここにるる述べられてございますが、たとえばこの報告書の最後に勧告が出ております。この勧告の中では見張りの義務というものを……
○森中守義君 それはどこだ。
○政府委員(大西誠一郎君) これは六八ページの(2)でございます。この中に「航空機の操縦者は、航空機の飛行中は航空交通管制に従っている飛行であるとないとにかかわらず、他の航空機等と衝突しないように見張りをしなければならないよう法的に明確化する」というふうにございますが、この見張りの義務というのは、私どもはすべての航空機操縦者に対してそういう義務があるというふうに考えておるのであります。その辺の問題につきまして、この報告書全体の流れから見てみますと、見張りの義務があるのかないのかということにつきまして、この報告書では触れていないというふうにわれわれは受け取っているわけでございます。
○森中守義君 ちょっと航空局長、いまの防衛庁の見解というのはやや意外な感じがする。そこでこの中に法的検討ということがあげられておりますね、法的検討。この中で規則の百八十一条、百八十五条から百八十七条まで、この辺のくだりで進路の優先権という、まあこの問題でたとえば右へ左へ、上に下に、そういう状態はこの規則は想定していないんだと、こう言われておる。規則の正確な解釈、どうなんです。それが一点。 それと管制に従って全日空機は所定のルートを飛んでいた、したがって、これは完全な計器飛行だと思われる。それでもなおかつ見張りの義務というものが存在するものなのか、どうなのか。その辺の法的な見解はどうなんですか。
○政府委員(内村信行君) 第一点のお尋ねの点、航空法施行規則百八十一条及び百八十五条から百八十七条まで、これについては、正常な飛行を行なっている場合については、先生御指摘のように、上へ行ったり下へ行ったり、こういうふうな場合を予想してつくったものではないということは、先生御指摘のとおり、こう思います。 それから見張り義務につきましては、やはり計器飛行方式をとるものでも見張り義務はあるというふうに考えております。
○森中守義君 そうすると、防衛庁の政務次官、要するに間違っていた、誤っていた、入ってならぬところに入ったと、こういうわけです。それはお認めになった、そこで今度は、全日空が見張りを怠っていたからぶっつけたんだと、まあぶっつけたという言い方はあまり適当でないけれども、事件が発生をしたと、この辺の関係は私どもしろうとが考えてみても、入らなければならぬ理由はない。禁じられているところに行っていて、ぶっつかったのが何が悪いんだと、まあ簡単な言い方をしますとね。全日空のほうも見張りを怠っていたんだから、そっちにも相当の責任があるぞと、こういう言い方のようにさっきの答弁では聞こえるんですけれどもね、その辺をさしておられるんですか、どうなんですか。
○政府委員(大西誠一郎君) 卑近な例で恐縮でございますけれども、道路の上を走っている自動車が衝突をしたという場合に、やはり双方がどういう状況にあったかということ、それからどのような形態であるにいたしましても、前方注視の義務というような義務が道路交通法においてもございますように、そういうようなごく自然的な考え方から私はいま申し上げたわけであります。
○森中守義君 航空局長、見張りの義務という問題で、いまのようにものすごい高速化している。しかも旅客機の場合ですね、大体操縦室の中から見える範囲というものは局限されていますね、むろんオートマチックで飛んでいるから、それで見なくていいということにはならないでしょう。眠って行けるようなものじゃありませんからね。しかし、そのことが非常に強烈な義務的なものとして現在の旅客機に課しておくという、これははたしてどうだろうかというような気がしますけれども、いま各社に対してもその見張りの義務というものは法律的に要請しているんですか。
○政府委員(内村信行君) 見張り義務は法律的にございます。ただ問題のポイントは、見張り義務があると、まあおそらく――私ちょっと防衛庁の御見解をこちらで憶測するようで申しわけないと思いますが、この「推定原因」の中に「第一の原因」とそれから「第二の原因」というふうに書いてあると思います。そこで「第二の原因」の中に、「全日空機操縦者にあっては、訓練機を少なくとも接触約七秒前から視認していたと推定されるが、フライト・データ・レコーダの接触前の記録に機体の反応が示されていなかったことからみて、接触直前まで回避操作が行なわれていなかったことである。」と、こういうふうに書いてあります。これは見張り義務があるかないかという問題ではございませんで、見張り義務はあるのですと、そうすると接触七秒前ぐらいに見えていたでしょうと、しかし、その際にこれを回避するほうが妥当であるのか、回避しないほうが妥当であるのか、その辺の判断はしておらないということが現実であろうと思います。
○森中守義君 防衛庁、大体いまの航空局長の答弁ではっきりしましたね。なるほど法的な根拠をもって見張りの義務がある。それは否定されない。けれども、もともとは制限空域に入ったという最大の原因がある。それでなおかつ見張り義務を全日空が怠っていたというような意見については、事実問題からしてなかなかできないと、これは。物理的に不可能な状態であるというようなことをいま航空局長は示唆された。私もこの六六ページの「推定原因」を見て、七秒間というものが一応あげられているわけですね。むろんこれは、しろうとなりに考えれば、柔軟な行動のできる戦闘機と、巨体を持っている旅客機に、はたしてそういうことを要請することができるかどうか。むしろ物理的にできない。こう見えても、どっちにどういったように行くかわからぬというそういうことまでも、これはやっぱりパイロットとしてはその場の判断としてしているのじゃないですか。それをもって見張りの義務を持っている側にも多少の責任があるという言い方については、いささか基本的にものの判断がおかしいのじゃないですか。その点どうですか。
○政府委員(大西誠一郎君) ただいま自衛隊機が制限空域に入ったというようなことがございましたけれども、これはもう先生御承知のように、航空法におきましてジェットルート11というものは制限空域ではございません。したがいまして、自衛隊が空域というものを制限をいたしておりますのは、航空法に基づいてやっているものではなくて、飛行安全のために自衛隊として自主的な規制をしていると、そういう趣旨でございますので、念のために申し上げたいと思います。 それから、第二番目の見張りの義務は、ただいま航空局長から御答弁がございましたように、あるのだという点ははっきり私どももそう思っております。そこで問題は、その見張りの義務を履行することが期待できるかどうかということになろうかと思います。 で、少しこまかくなって恐縮でございますが、この全日空機と自衛隊機の飛行経路というものが時々刻々地図のほうに書いてございますけれども、それを見てみますと、かりに全日空機が衝突の七秒前に自衛隊機を見たということが正しかったといたしますれば、その七秒以降の航空機の飛行経路というものはほぼ並行に走っている。しかも全日空機が自衛隊機のうしろ側から来ているという位置関係にあるわけです。そういうような場合に、それを見て、それに基づいて回避の操作をすることが期待できなかったのかという判断については、どういうような根拠でそういうふうな判断をされたかということは、われわれとして知りたいというふうに考えております。
○森中守義君 ちょっとね、いま最初に言われたその空域の問題、さっきの御説明とちょっと変わってきたようだな。間違っていなかったというように聞こえましたがね。最初は明らかに間違っていたと、こう言いながらいまの答弁では少し食い違ってきておる。そうなると、さっきから申し上げているように、「訓練空域を逸脱し、」「誤認をしていた」当初の答弁は、これはあれですか、これはいまのによって訂正されるのですか。もうさっきは何回も八番、九番については、そのとおりだとこう言っておるのに、いまの答弁ちょっとおかしいんだ。
○政府委員(大西誠一郎君) 先ほど申し上げましたお答えと、それからいま申し上げました御説明とは矛盾しておりません。先ほど申し上げましたのは、自衛隊の部内の規則として制限空域を設けているということを申し上げました。それから、ただいま申し上げましたのは、J11というルートが、世上あたかも航空路として設定されている、そうしてその空域については他機の進入を許さないというような見方が一部ございますので、念のために申し上げたわけでございます。
○森中守義君 それはしかし非常に重大な問題だね。要するにその訓練準則、訓練規則というのか、これはやはり民間機のルートに入ってならないというのは、一つの原則にあるんでしょう。で、そこで訓練準則というものができている。しかもその訓練準則というのは、いま言うように、民間ルートに入ってならぬと、やむを得ない場合を除き訓練飛行を禁止していた、こうなっているわけだね。そこで、今度は民間のルートに入っているわけだから、準則の中に、民間に入ってならぬということになっているなら、これは明らかに間違っていることになりゃせぬですか。私はそういうようなことで最初の答弁を了解しておった。ですから、逸脱をした、誤認をしていた。要するに、八項、九項については、これは答弁が変わったわけじゃありませんね。はっきりしておいてくださいよ。
○政府委員(大西誠一郎君) 訓練空域から事実として逸脱したことは間違いありません。
○森中守義君 ちょっと全日空に伺いますが、先ほどの見張りの義務、そのことと、現実にこの場合に推定をされる七秒という問題、これがパイロットの運航の状態からして、回避できる可能性というものが全日空側としてはどうお考えになりますか。
○参考人(中塚良太郎君) この七秒前の、回避できるかどうかという問題ですが、御承知のように、この飛行機は、ボーイング727-200型、乗客は百五十五人、それで燃料も相当搭載しておりますので、重量は約七十トンと承知しております。それで衝突する状態は、自衛隊機が左のほうから旋回してきて、そうして左に逃げるか、あるいは右に逃げるかということがわからぬ状況でぶつかったわけです。それでパイロットとしては、右に逃げたらいいか左に逃げたらいいかという問題があります。すると、現実にこれだけの大きな重量のある機体を七秒間ですぐに右あるいは左に旋回できるということは、事実として不可能だと思います。
○森中守義君 まあこの問題は、防衛庁が逸脱をしていたという事実をお認めになりましたし、しかも見張りの問題は法的には根拠がある、けれども現実的にはまことに至難なことであろう、こういう見解が全日空並びに航空局からも述べられておりますし、やや防衛庁の見解とは多少の相違があります。けれども、もともと入らなければ何の事件も起こらなかった。空域を侵したというところに問題があるわけですから、この限りにおいては防衛庁の責任は免れない、こういったように私は断定をしている。 そこで、そういうもっとしさいな内容については、いま少し検討を私も加えていきたいと思うんですが、次にちょっと触れておきたいと思いますのは、さっき防衛庁から言われた全日空の訴訟が提起された、こういう問題ですが、その前に、けさ防衛庁から遺族補償の内訳を届けてもらった。この中をちょっと簡単に見てみますと、非常に支払いの額に差異がありますね。最高が三千百六十一万七千百十四円、こういうものであり、それから下は一千十五万程度ですね。で、それぞれ、男女及び年齢等によって支払い額に起伏があるというのはどういう意味でしょうか。
○政府委員(箕輪登君) 補償金の算定は、いわゆるホフマン計算による所得補償方式で算出をいたしております関係で、金額に差が出てまいるわけでございます。
○森中守義君 それと百五十五名の乗客に対して支払った者が百五十二名になっています。三名の人は、あとの説明書きには出ておりますけれども、いかなる理由で支払おうとしたものを拒まれたのですか。
○政府委員(箕輪登君) この資料にありますように、未和解者の、これは二世帯三名でありますが、一世帯でだんなさんと奥さんとなくなっているわけでありますが、二世帯五名になっておるわけでありまして、和解について再三御遺族の方々と折衝を行なったのでありますが、この方式によって提示した額が不満であるということで和解ができない状態でございます。
○森中守義君 四十六年の八月五日の本院における連合審査の際に、当時の山中総務長官がこう答えているのですよ。「国家賠償の問題ですが、私にという名ざしでありますけれども、」云々、まあこういうことで、「法制局と法務省の民事局においてこれを担当せしめて協議をさせております。」と、こう言っておる。ということは、遺族への支払われた内容あるいは根拠というものは、確かに当時の山中長官が「ホフマン方式」というものを言っております、この中でも。まあそういう方式に従ったものではございましょうけれども、支払いの義務あるいは根拠というものは国家賠償法に基づいたんですか。
○政府委員(箕輪登君) そのとおりでございます。
○森中守義君 そのとおりということは、国家賠償法に基づいたということですか、――ということですね。
○政府委員(箕輪登君) はい。
○森中守義君 そうなると、これは国家賠償法に基づいたということであれば、非常に国家賠償法それ自体が全文六条程度の非常に短いもののようですね。全面的にその非を認めたから出したんだ、まあ一言で言えばそういうことだと思うのですが、それに間違いありませんか。
○政府委員(箕輪登君) 防衛庁といたしましては、この事件の重大性にかんがみまして何よりもまず乗客の御遺族の方々に対しましてすみやかに補償措置をとる必要があったということがまず第一であります。 また、全日空さんのほうから文書によって補償の処理の依頼がまいっておりますが、防衛庁に窓口になってとりあえず払っておいてくれというようなこともございましたし、これは相対関係でございまして、防衛庁としても、先ほど来先生の御質問に対してお答えしておるように、全く関係のないことではございませんので、閣議等にはかりまして、とりあえずこうした賠償法でお払いすることになったわけであります。国と全日空の共同不法行為と考えることが適当であろうと、当時の解釈として、あの当時の段階における解釈としてそういうような解釈のもとに、国家賠償法を適用し、遺族の補償を行なったということであります。
○森中守義君 総務長官、お急ぎですか。
○国務大臣(坪川信三君) おそれ入りますが。
○森中守義君 この問題は、いまからかなり長期にわたっていろいろ議論を進めていくんですが、大体、前任者の時代とはいいながら、未解決の問題があまりにも多いんです。ことに、実は私はいま答弁をもらう前までは、国家賠償でなくて、あるいは予備費か何かで出したんじゃないか。つまり防衛庁のそういう見解が、全面的に是認をしていないんだと、謙虚に受けとめるという程度のものであり、それで、まさかこれは国家賠償を発動した賠償行為であったと思っていなかった。ところが、いま明らかに国家賠償だと、こう言われるので、問題はまた新しく議論を起こしていかなくちゃなりません。しかも事件発生直後から、あの大騒ぎの一連の経過の中で、何といっても内閣一体のものとして、よって総理府がこの問題の処理に当たる、こういう約束があったんです。そういう方向へ流れてきていますから、たいへん恐縮ですけれども、これはけだし妥当だと思って――まあ方々に手回しをしたんだとか、いろいろ、あまりかちんとくるような答弁なかったんですけれども、さっきお話がありましたように、新たな賠償の訴訟等が起きております。しかも乗客に対しては国家賠償を発動した、しかし全日空機の搭乗員、もしくは機体の損耗、その余の問題等については全然話がない。まあこれからちょっと聞いてみますがね。そういうことをよくお考えいただいて、またお招きするときに進んで出ていただくように、しかも、よく検討しておいてくださいよ、非常に重要な問題だと思いますから。そういうことで、どうぞ引き取ってください。
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどからの森中委員のいろいろの問題に対する詳細な御意見をまじえての御質疑、私も十分お聞きいたしておったわけでございます。まことに重要な、国民の大きい関心を持っておる問題でもあるわけでございます。したがって総理府といたしましては、これらに対するところの補償の問題等につきまして、最もお気の毒なる御遺族に対する補償の問題等につきましては、御承知のとおりに連絡会議を開きまして、先ほど政務次官がおっしゃったような方式によって補償の措置を講ぜられたということは事実でございます。 そうしたことを考えてみますときに、これらに対するところの諸問題につきまして、私どもとしては、またおしかりを受けるかもわかりませんけれども、一つの立場から、やはり各省庁間の連絡と調整をはかり、そしてこれを円満に、各皆さまが納得のいく方式によって解決を申し上げるというお世話をとらしていただいた立場から、私といたしましては、いままでの措置は私は何ら手落ちがなかったと考えておりますけれども、これからまた、御指摘になるそうした問題については、いまの御意見も十分承っておりますので、そうした点も心に踏まえながら、これらに政府といたしましては取り組みたいと、こう考えておることだけは表明申し上げておきたいと思います。
○森中守義君 長官、どうぞ。 防衛庁ね、国家賠償法が適用されたというのは、おそらく第一条であろうと思うんですが、そのとおりですか。
○説明員(相川清君) そのとおりでございます。
○森中守義君 至って答えが明快でけっこうです。そうなると、この一条からいけば、事実を率直に認めている、防衛庁にその非があったということに相なるわけです。それであるならば、百五十五名の乗客のみをなぜ対象にし、その余のことについてはどうしてこれは適用しなかったんですか。
○政府委員(箕輪登君) 全日空乗務員の、たしか七名につきましては、いままで全日空さんや御遺族の方々いずれからも賠償請求が行なわれておりません。
○森中守義君 全日空にちょっと伺いますが、いま政務次官の答弁ですと、お聞きのように百五十五名の乗客からは賠償請求がきたから、よって国家賠償法一条の発動によって支払ったと。全日空からは賠償の要求がなかったと、こういういまの答弁ですが、そのとおりですか。
○参考人(中塚良太郎君) ちょっと事実関係を申し上げますと、乗客の百五十五名につきましては、いまお話しがありましたように、防衛庁が窓口になって支払ったと。ただ全日空の乗員七名については、この事故の原因が明確になって、ということは、先ほどからありました政府の事故調査委員会の報告書、その後にやってほしいという御希望が確かに防衛庁からございました。当社としては、乗客に払う以上は、少なくともわれわれの乗員にも支払ってほしいという気持ちはありましたが、当時は、そういう防衛庁の御要望もありまして、御遺族に一応その了承を求めておったわけであります。ただ、この政府の事故調査報告書が出まして、当社には何らの責任がないということで、防衛庁に実は損害賠償の要求をしたわけでありますが、その時点で、この御遺族の方々にもそういうことを申し上げ、御遺族の方々、六名は全日空の社員で一名は外人でありますが、それぞれ弁護士その他を通じて、いずれ近い将来に防衛庁に対して損害賠償の請求をせられると思います。そういう意味で、事実関係としては、防衛庁に対して乗員の損害賠償についての請求は現在の時点ではやっておりません。いずれ将来やると思います。
○森中守義君 政務次官、大体の経緯があらかたわかりましたが、いまの全日空の御意見からいけば、まずは乗客優先、よって全日空の社員等についてはそのあとだと、こういうことなんですが、あらためて出された場合には、当然、乗客と同様に賠償法により補償されるお考えですか。出なかったから出さなかったんだと、こう言われるのですけれども、出てきたら出されるんですか。
○政府委員(箕輪登君) かりに将来、全日空さんや、あるいは御遺族の方々から賠償請求が出された場合という想定の御質問だろうと思いますが、その際、私どもは、当時と違いまして、いま全日空さんから本件事故の過失責任に関する訴訟が提起されておりまする現段階においては、この問題も裁判所の判断に待つことが適当ではないだろうか、かように考えております。
○森中守義君 過失責任の提訴が行なわれたというその段階に至るまで、おそらく第三者として私は見る場合、当事者間で何回か話し合いがあったんじゃないか。そのことがどうしても双方の主張が並行してまとまらないので、やむを得ず提訴に踏み切ったというような経過であるのかどうなのか。その辺は事実関係一体どうなんですか。いろいろ話し合いをやってみたけれども責任の所在をめぐって意見がまとまらない。それならば裁判によって決着をつけようという、そういう意味での提訴であるのか、そうじゃなくて、もうしょっぱなからこれはもう話にならぬと、裁判によって決着つけようということで、何の話もされないでそのまま提訴にいったのか、その辺の経過をもう少し詳しく説明していただきたい。
○参考人(中塚良太郎君) ただいまの御質問に関しましては、先ほどから御説明ありましたように、昨年の七月の二十七日に政府の事故調査報告が出たわけです。それを詳細に当社として検討した結果、当社には何らの過失責任はないということで防衛庁に損害賠償の請求をするという決心をしたわけであります。それで最初に防衛庁を訪問しましたのは八月の四日です。これは口頭で近く損害賠償の請求をするということを八月の四日に申し上げております。それから文書で金額をまとめて防衛庁に損害賠償を要求したのは九月の十三日です。以後、約十回にわたって防衛庁と折衝を続けたわけであります。しかしながら防衛庁の見解としては、先ほどもお話しがございましたように、全日空にも責任の一端があるのではなかろうかと、もちろん大部分の責任は防衛庁と思うが、ただいろいろと全日空にも若干の責任があるんじゃなかろうかと、そういう問題が解明するまではこれは払えないというお答えがございました。しからば、これはどこによってこういうものを決着をつけるかということになると、私は二つの方法があると思います。一つは事故調査委員会で責任の問題あるいは過失の問題を明確にしていただくということと、それからもう一つは、裁判に訴えるのもやむを得ないと、これはやはり企業を経営するものとしてやはり救済の方法としては裁判しかなかろうと、こういう判断に至りまして、約六カ月を経過して去年の十二月の二十七日付で一月以内ということはことしの一月二十七日になりますが、文書で直ちに支払いを、損害賠償金を支払ってほしいという文書を出したわけでございますが、これに対してノーという答えが返ってきたわけであります。そういうことで、当社といたしましても、すでに六カ月以上経過して、この問題をこのままやはり放置するわけにいかないわけであります。 当社としては乗客の生命をあずかっております。これを安全に輸送する責任と義務を負っております。また貴重な貨物あるいは郵便もあずかっております。こういうことに対して、われわれはやはりここで白黒をはっきりつける必要があるということを考えます。また当社としては多数の株主、従業員をかかえております。こういうためにも、やはり企業としてこれだけの損害を受けたということに対しては、やはり支払ってもらう必要があると、こういうふうに痛感します。そういうことでやむなく、防衛庁のほうでは払えないという御見解が正式にまいりましたのでやむなく裁判に訴えた次第です。 もう一つの方法としては、先ほど申し上げたような事故調査委員会ということがあるわけですけれども、すでに解散されたと、いまさらそこに照会しても返事としては返ってこないということも聞き及びましたので裁判という手段に踏み切った次第です。
○森中守義君 たいへん詳しい説明でよくわかりました。そうなると防衛庁の場合、乗客については国家賠償法一条に基づいたと、全日空に対しては、むろん多少の時点の相違はありますね、報告書が出た前とあとというね。しかしながら、いまになって全日空にも一端の責任がありそうだと、だから払えないんだと、こういうことであれば百五十二名の人たちに対してもおおむねそういったような言い方をされるんですか。国家賠償を一応は出したと、調査結果によって防衛庁だけの責任ではないんだと、全日空にも一端の責任がありそうだということになると、これはやっぱり百五十二名の遺族に対しても同様な言い方ができるような気がするんですが、どうなんですか。その辺はどうですか。逆説的に言うと、乗客にのみ国家賠償法が発動されて、調査報告書が出たあと全日空にはそれができない、できないから訴訟に踏み切ったと、こういう御意見のようだが、その辺にだいぶ論理的な矛盾、考え方の矛盾が出てきているように思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(箕輪登君) 国家賠償法を乗客の御遺族に適用させた時点におきましては、国と全日空さんの共同不法行為と考えるのが適当であろうという判断のもとに国家賠償法を適用いたしたわけでございます。共同不法行為と考えることが適当であるということになりますというと、やはり全日空さんの乗務員と、何も無過失の、これは全然無過失であります、乗客は。これとは分離して考えるべきでなかろうか、こういう判断もあったのではないかと思うわけでございます。
○森中守義君 その辺が最初から問題になりましたね。空域に入った入らない、これはもうさっき防衛庁認められたわけだから。乗客が何の責任もなかったように、機体及び操縦者及び乗員についても同じようなことになるんじゃないですか。そこは非常に大きな問題ですがね。そこで、いまでも乗客百五十二名に賠償法一条を発動したということは間違いでなかったと、正しい措置であったというように確認しておられますか。
○政府委員(箕輪登君) そのとおり確認いたしております。
○森中守義君 そうであれば、やっぱりさっきも申し上げるように、乗客が国家賠償法の対象になるならば、その責任、非というものを全面的にこの一条では容認をした場合に支払いの義務を課しているわけですから、当然全日空に対してもそういう措置をとるのが至当じゃないんですか。使い分けされること自体が私にはわからない、どうですか。
○政府委員(箕輪登君) 地上における交通事故等も、やはり原因がわからないけれども、まだ原因がすっかりどっちがよかった悪かった、あるいはその責任がわからないという状態である場合に、やはり共同不法行為というような判断に立たなければ国家賠償法の適用はできないものと私は思うのであります。共同不法行為、まだこれはわからないんですから、どちらに過失責任があったかということは。これは調査報告でも、いま全日空さんのほうは、私のほうに責任はあるということは全然書いてないということをおっしゃっておりましたが、この調査報告書は、防衛庁に過失責任があったということも書いていないわけです。したがって全日空さんのほうで裁判に持ち込もう、こういうことでございますので、私どもはやっぱり裁判の結果を待って、そしてこれに応じていこう、こういう態度であると、また重ねて申し上げておきたいと思います。
○森中守義君 正確にその責任がどうだということは、なるほどうたい上げておりませんね。けれども、さっきから問題にしてきましたように、訓練空域を逸脱し、しかも誤認をしていたと、こういっているわけですから、これは、表現は非常に正確なものじゃないにしても、要素としては防衛庁が悪いと、これ読みかえることできませんか。だれが見ても、この文言ではそういうふうに受け取らざるを得ない。また何回質問を続けてみても、そういうように受け取るのがきわめて妥当な常識的な考え方だと私は思うんですね。 それと、たまたま自衛隊のパイロットの刑事訴訟が盛岡地裁かどっかでやっておりますね。これが一つありましょう。今回の全日空の提訴、こういうことがなければ、この事件それ自体に対してはだれかが告発をするか何かしなければ防衛庁はほうっておくつもりですか。これ、運輸省はどうなんですか。調査報告書を受け取って、たまたまいろんな問題が表に出て、提訴が行なわれたから裁判に決着を求められる、こういうことがなければほうっておくつもりですか。進んで政府は一体どうしようとするのか。どうなんでしょう。
○政府委員(内村信行君) まず運輸省の立場から申し上げますと、事故調査と申しますのは、本来の目的は、事故の原因を客観的に公正に究明いたしまして、事実関係からはっきり事実をつかむ、それによって将来同じような事故が起こらないように、再発防止というたてまえから行なうのが事故調査でございます。したがいまして責任を追及するとかそういった種類のものではございません。したがいまして極端な言い方で申し上げますと、事故調査の結果、一説こういう説がある、多数説がこうである、少数説があるという場合には、両方を掲げまして、こういうふうなことが原因として考えられる、したがって、そういうふうなものを受け取りました場合には、私どもはその両方に対しての防止措置を講ずるというたてまえのものでございます。 したがいまして責任追及のことはこれはまた全然違いますので、この事故調査報告におきましても、先ほどの問題ございましたけれども、たとえば「七秒前から視認していたと推定されるが、フライト・データ・レコーダの接触前の記録に機体の反応が示されていなかったことからみて、接触直前まで回避操作が行なわれていなかったことである。 このことは、全日空機操縦者が訓練機と接触すると予測しなかったためと考えられる。」と書いてございます。これはあくまで事実関係を指摘したものです。したがって、こういうふうなことを考えなかったのがよかったのか悪かったのか、あるいは回避操作をしたことがよかったのか悪かったのか、こういう判断はしないわけでございます。したがいまして私といたしては、こういうことによって責任追及をどうこうするという考え方はない。運輸省としてはひたすらこういうふうな事故調査報告書に基づきまして、勧告もございますけれども、こういうことを参考にいたしまして、今後事故が起こらないように運輸行政を持っていくというのが私どもの考え方でございます。
○説明員(相川清君) ただいまの御質問は、損害賠償が提起された、そういう契機で、その前ならばどうなるのかというような質問かと承ったわけでありますが、これは仮定の問題になるわけであります。実はわれわれ内々そういうような訴訟を提起されるというような話は承っておりませんでしたので、そういうことも考えてはおったわけでございますけれども、今回訴訟が提起されまして、その訴状はまだわれわれ受け取っておりません。しかしながら新聞等で承ったところによりますと、これは全く一方的な過失であるというふうなことを新聞紙上で拝見しております。そうしますと、これは全日空さんとの訴訟もそれならばやはり裁判でもって公正な判断を仰ぐべきじゃないか、と同時にこの問題も、根は一でございますので、裁判において明らかにしていくことが適当であろうと、かように解釈するわけであります。
○森中守義君 ちょっと参考までに全日空にお聞きしておきますが、訴状にいわれている損害賠償の内容、金額、こういうものがおわかりでしたらちょっと言ってみてください。
○参考人(中塚良太郎君) 全日空から東京地裁に対して損害賠償の訴状を提出したわけでありますが、この金額は十八億二千九百九十二万九千円――千以下は省略しますが、になります。それで内訳といたしまして、実は機体の損害額は現実には二十七億でございます。しかしながら保険金を保険会社からもらっております。この保険金が二十四億四千八百万円。それからこの残骸を処理いたしまして、それを三十万で売却したわけですが、それと両方差し引きまして、残った機体の損害額、これが二億五千百七十万円であります。これが飛行機の損害。それからこれの事故が起きてから、四十六年の七月三十日から四十八年二月一日まで、と申しますのは二月一日に保険金を受領した、それまでは保険会社からお金を借りていたということになるわけでありますが、これの延滞損害金、これは国家賠償法に基づきまして年五%としますと、これが一億八千五百四十四万四千円になります。それからその次は、この事故を起こしたことによって信用を非常に棄損した。これによる営業上の損失がございます。これは、現実にいま団体の取り消しもありますし、お客が急激に減ったということもありまして、これの損害額が十億七千七百三十六万五千円になります。それから第四番目に、事故処理関係費用損害、これはたくさんの項目がございますが、たとえば御遺族の輸送費とか、遺体の処理費とか、あるいは法要費とか、医療費とか、交通費、宿泊費等、非常にたくさんの項目が分かれておりますが、この総金額が一億三千百二十五万六千円。それからこの提訴するに対しまして弁護士にもちろん費用が要るわけでございますが、この弁護士の費用が二千四百万。それから防衛庁に対して立かえ金の返還請求ということになりますが、この一つは、遭難者に対して、いわゆる百五十五名の御遺族に対して見舞い金といたしまして一人百万円ずつお渡ししたわけです。これが一億五千五百万。それから遺体の収容所、あそこの雫石の学校なんか借りて遺体を収容して、非常にそれらがよごれたということで、その修復費、これが百七十九万一千円。それから機体が墜落したために山林の補償、これが二百四十三万八千円。それからこの残骸の搬出費に九十三万二千円かかっております。千以下は省略しておりますのできちっと数字は合わないかもしれませんが、合計金額といたしましては十八億二千九百九十二万九千四十六円になります。それが東京地裁に対して提出した金額でございます。 なお御参考までに……。保険会社は当社は十社に保険をかけております。幹事は東京海上火災、この十社がやはり当社と軌を一にして二十四億四千八百万の請求を東京地裁に行なっております。以上です。 〔委員長退席、理事木村睦男君着席〕
○森中守義君 いまの中で、立てかえ金の返還請求という下りがありましたね。これば防衛庁との間に話し合いの上で全日空が立てかえをされたものですか。それとも話し合い抜きに全日空が独自で立てかえてあとは向こうでもらおうと、そういうものですか。どうなんでしょうか。
○参考人(中塚良太郎君) これは防衛庁と話をしております。一応これは、したがって、いま申し上げましたこの中で一番大きな項目は御遺族の見舞い金ですが、当然これを含んだものとして防衛庁は処理しております。ということはこれを差し引いてお支払いしておるわけですね。示談ではこれを含んだ形、そういうふうに承っております。 それからその他の遺体収容所の修理費とか、あるいは山林補償費等についても一応防衛庁とは話し合いの上でやっております。以上です。
○森中守義君 ちょっと防衛庁ね、いま全日空の御説明だと立てかえ金の返還請求として相当の額が出ておりますが、これは双方で話し合いの上で全日空は払った、こう言っておられる。それに間違いありませんか。
○説明員(相川清君) 今回損害賠償請求の金額の内訳の中で、遭難者の遺族賠償、これにつきましては話し合いで当方が窓口になるということで文書もいただきまして処理した次第であります。
○森中守義君 それと、いまお示しになった遺体収容所の修復費百七十九万一千円、山林補償費二百四十三万、それから残骸の搬出費九十三万、こういうものも全日空側では立てかえたものだと、こうおっしゃっている。それは文書で出している、こう言われるわけですが、間違いないかどうか聞いているわけですよ。その見舞い金の百万円だけではない。ほかの項目はどうなんですか。
○説明員(相川清君) ただいまの御質問は、御遺族に対しまする賠償金以外の問題と承知してよろしゅうございますか。
○森中守義君 いま項目あげられたでしょう、全日空で。それを言っているわけですよ。
○説明員(相川清君) その点につきましては、別にそういうような文書を取りかわしというようなものはございません。
○森中守義君 そこで見舞い金の立てかえ百万円、こういうことなんですが、これは防衛庁自体も百万出しているんですね、最初に。そういうことでしょう。
○説明員(相川清君) さようでございます。 〔理事木村睦男君退席、委員長着席〕
○森中守義君 それで全日空からも百万円出し、これが立てかえ金ということで、しかも個々の遺族への支払いは二百万引いてあるというお話でしたね。そうなると、たとえば私がもらっている資料の番号1、男七十二歳千二百十五万円、この支払い額の中から防衛庁並びに全日空の立てかえ金計二百万というのが差し引かれて千十五万円払ってあるということですか、どうですか。
○説明員(相川清君) お説のとおりでございます。
○森中守義君 そうなると、個別に見た場合、これが話し合いの上で全日空が百万立てかえられたということであれば、こういうことなどはすみやかに処理すべきものじゃないの。ところが訴訟の中にこういう立てかえ金の返還請求ということまでも出ているという事実はどうなんですか。約束をして立てかえておいてくれ、しかし結果的には訴訟の中にこれも支払い額として出ている。ということは、合意によって立てかえた分が払われないというのはどういう意味かわからない。どういうことですか、これは。
○説明員(相川清君) 見舞い金につきましては、事故直後でございましたので、とりあえず弔意を表するという意味で防衛庁から百万円、それから全日空側から百万円贈呈したわけであります。これにつきましては双方の話し合いがなく、自主的に見舞い金を持参したということであります。そのほかすでに二百万双方で見舞い金を出してございますので、その後の損害賠償につきましてはそれも含めて処理した、こういうことでございます。
○森中守義君 どうも全日空と防衛庁の意見食い違いますね。全日空側では防衛庁百万、全日空百万合計二百万円を遺族について出したのだが、全日空の百万については防衛庁への立てかえ払いだと、こう主張されている。あなたのはそうじゃない。その辺がどうしてこうも食い違うのですか。重ねて中塚参考人に承りますがね、最初の百万円というものは防衛庁と約束の上で全日空が立てかえておきましょうと、こういう筋のものであったのか。いま防衛庁の話だと自主的に全日空が出したのだ、こういう言い方をしていますよ、どっちがほんとうなんです。
○参考人(中塚良太郎君) これ、もう少し事実関係を御説明しますと、こういう事故が起きました直後は、やはり一刻も早く御遺族に対して弔意を表する必要があるということで、当社といたしましても百万円を持っていく時点においては、先に防衛庁と話し合いはしておりません。ただ事実関係として、その後にこういうものを支払った、それでもしこの結果が、一応全日空は支払った、しかし、政府の事故調査委員会その他の結論が出て、もし全日空に責任があるというようなことがあった場合には、またお互いに相互に話し合いをしましょう、こういった内容の実は文書を出しております。 そこで当社としては、この政府の事故調査委員会の報告書によって、当社には責任がないということで防衛庁に請求したわけであります。その時点において、これを立てかえ金という名目に実はしているわけです。そういう意味で、立てかえ金ということで、渡す前からこれを防衛庁に先にお話ししたというわけではありません。結果的にそういう形になったというふうに申し上げたほうが至当かと思います。
○森中守義君 大体わかりました。 そこで、この立てかえ金の返還請求という項目も訴状の中の一部を構成しているようですから、いまここでどうこうというのもどうかと思いますけれども、しかし全日空の言われる百万円の立てかえ金というものは、当初話はしておったのだということのようであるし、また遺族への実給額というものは、算出された支払い総額から二百万引いてあるわけですから、この辺の因果関係というのはよほどよく吟味されないと、実質的にはこの総額については、受け取ったほうは額に違いありませんけれども、だいぶ二百万の見舞い金の内容に問題がある、そういうことになりますね。この辺のことはもう少し正確に次の機会にしたいと思う。 そこで、どうもきょう少しはしょり過ぎて問題の整理が十分でなかったのですが、この調査報告に必要なものとして、防衛庁自体が持っている訓練準則、これひとつすみやかに資料として出してもらいたい。 それから先ほど言われた山縣委員長への照会は、おそらく公文で出たものと思いますから、公文の写しを出してもらいたい。つまりどういうところが問題として防衛庁が調査委員会に問うているのか、それの全文を出してほしい。それと全日空との間にかわされた経理上の文書、全日空では公文書を出しておると、こう言っておられるんだから、受け取った側からこういうものをもらっております、こういう回答をしております、そういう一連の往復文書と、それと個別に、これは百五十二名に及ぶわけでたいへんな資料になりますけれども、個々人への支払い額の積算の根拠は、一体どういうものを根拠にしているのか、基準的なものでもいいですよ。あまりにも金額が違い過ぎる。三千百万があるかと思えば一千十五万というように、かなり大きな開きがありますから、一体何を根拠に国家賠償法による支払い額が決定されたのか、積算の根拠ですね、これは個々別でなくてもいい、こういうものを基準にとった、収入が幾らで家族が何人でという、いろんなものが積み上げられた数字だと思いますから、要するに根拠になるものをお示しいただきたい。いまの資料、よろしゅうございますか。
○説明員(相川清君) ただいまの資料要求その他の御意見の開陳がございましたが、私ちょっと失念しておりましたので、その点を訂正さしていただきます。と申しますのは、最初見舞い金を贈呈しております。これは防衛庁側から百万円、それから全日空側から百万円、こういうものを出して贈呈しております。これは当方が窓口となりまして、損害賠償の和解交渉の際に、それは損害賠償額の内金として処理したわけでございますので、これは先ほど来政務次官が申し上げておりますように、責任問題が解決された場合には、当方が支出いたしました見舞い金を除く損害賠償額、それから見舞い金を含めて清算になるという筋合いのものだと考えております。その点を若干補足さしていただきます。 それから資料要求の件でございますが、ただいま経理上の文書と、こう言われましたんですけれども、経理局長との文書を往復しております。経理局長の文書でございますれば提出いたします。 以上でございます。
○森中守義君 それはどなたであろうと、防衛庁の責任者と全日空の責任者相互間にかわされた書簡でけっこうでございます。 それと、ちょっと少し、いろいろ聞きながら見ているものだから私も十分あまり整理できていないけれども、いま言われる見舞い金が結果的には内金というような意味、これは見舞い金というのは、支払いの総額とはちょっと質的に違う意味合いを持たせなければおかしいんじゃないですか。最初見舞い金として二百万出した、それから清算をする際には、積算の結果、集約された金額からその分二百万引いたということになれば、むしろこれは補償金の前渡金という解釈をすべきであって、見舞い金という意味合いとはだいぶかけ離れているんじゃないですか、一般常識としてそうとしか思えない、どうなんですか、それは。
○説明員(相川清君) これは裁判等でも問題になるところでございますが、見舞い金であるとか、あるいは特別見舞い金であるとか、その他いろいろな名目で出す場合がございまして、それが損害賠償の額としてはどこまでが損害賠償の額に該当するのかというのが問題になるところでございますけれども、今回のケースにつきましては、これを内金に含めて和解をしております。したがいまして損害賠償の前払い金というふうな性格かと存じます。
○森中守義君 これはしかし示談、和解が成立しているというからあえて深追いする必要がないかわからないけれども、ちょっと遺族に対しては意外な気持ちでしょうね。つまり一番の性別男、年齢七十二歳、支引い額が千二百十五万円、これを見た場合に、以下百五十二名の皆さん全部二百万だけは均一なんだね、そういうことでしょう。当初渡された見舞い金が算入されているわけだからこれだけは均一だ。そうなると一千十五万円の実は内容というものがほんとの賠償額である、積み上げられた賠償額ということになるのですか、計算からいけばそうなるんだね、二百万全部つけているわけだからね。支払い総額から二百万円引いたものが、厳密に言うならば個々のよるべき根拠を積み上げた金額だと、こう理解したほうがいいんじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
○説明員(相川清君) この遺族補償の金額につきましては、いろいろ関係省庁とも相談いたしまして実行いたしたわけでございますが、この場合に基準となりましたのは、この全日空機との接触事故の直前に発生いたしましたばんだい号の補償基準というのがございます。そのばんだい号の補償基準を下回らないという線で実行したわけであります。いままで詳しい説明をしておりませんのでありますが、実を申しますと、当方の防衛庁のほうには、防衛庁のほうに各国家賠償に関します支払いに関しまして準則というようなものがございます。それで積算いたしまして、なおかつばんだい号の基準に達しないものについては、それを特別見舞い金としてお払いする。当方の準則でばんだい号以上になるものにつきましてはそのとおりお支払いする。そういうようなことになっておりまして、そういう問題との関連で、こういう処置をとっておる次第であります。
○森中守義君 だからそれは、できるだけ早い機会に資料として出してくれと言っているわけだから、そこまで聞いていない。要するに、考え方として一千二百十五万の支払総額の中に二百万が入っている。しかもこの二百万というのは百五十二名の人全部一律についているわけでしょう。だから二百万を差し引いた一応例にとれば一千十五万円というものが実際の積み上げられた額ですねと、こう聞いているわけです、そういうことでしょう。だからそれで見舞い金と言ってちょっとこう喜ばしておいて、いや実はこれは内金でしたという言い方というのは親切なやり方でないし、遺族も和解、示談に応じているとこう言うから、この場では問題にならないにしても、見舞い金と内金というのは本質的に意味が違いますからね、これはやはりこの次ぐらいもう少しはっきりさせましょう。だから見舞い金と内金のそれが、表向きには見舞い金、実際の内容は前渡金であった。ひどい言い方をするならばごまかしだと、こういうことになるわけだ。内金を渡しておいて見舞い金にしておいたということになりはしませんか。
○説明員(相川清君) ただいま申し上げましたように、ばんだい号の基準を尊重いたしまして算出したわけでありますが、ばんだい号の例におきましても、見舞い金というのは事故直後に支出されております。しかして、その見舞い金も賠償額の一部として損害賠償の一部に充当されておるわけであります。そういうことを踏まえまして今回処置をした、こういうことでございます。
○森中守義君 ちょっと航空局長、在来幾つかの航空事故の場合にいまのようなケースをどの場合もとっておるのですか。見舞い金で出して、あと支払いの総額がきまった際に算入しているのですか。
○政府委員(内村信行君) たいへん申しわけございませんが、私いろんな例をただいま手元に持ち合わせませんので……。中塚参考人が民間の例をいろいろ御承知だそうですので御説明申し上げたいと、こう申しておりますのでかわります。
○参考人(中塚良太郎君) これは当社の場合であって、他社はどうされているかということじゃなしに、当社がいままで事故を起こして乗客がなくなられた場合の示談ですね、示談でやった場合の例を申し上げますと、いま先生が御発言になりましたいわゆる見舞い金というもの、あるいは葬祭料というようなもの、これは示談金としての総額はひとつきめまして、その中で当社の場合は一応葬祭料とか、あるいは見舞い金あるいは香典とか、そういう内訳を加えて総トータルで示談金を出すわけであります。したがいまして、いまの見舞い金を全体の示談金の中に算入するということは当社の場合でも過去の例ではやっております。
○森中守義君 防衛庁、国家賠償法一条を出す場合には、防衛庁のほかどことどこと協議したのですか、合議の省庁をちょっと教えてもらいたい。
○説明員(相川清君) 私、当時その職におりませんでしたので、記録その他申し継ぎで伺っておるわけでありますが、当時総理府のほうで音頭をとられまして関係省庁の賠償責任者の意見を聞きまして、なおかつ実際に財政当局でありますところの大蔵省あるいは法律の専門家でありますところの法務省の、これは課長レベルだと聞いておりますが、まず相談をいたしまして、それからそれを閣議決定まで持ち上げたというふうに私聞いております。
○森中守義君 法務、大蔵、防衛三者でやったというのですか。
○説明員(相川清君) 総理府が入っているはずであります。
○森中守義君 そうすると、発議をして大体取りまとめたのはどこですか。
○説明員(相川清君) いまちょっと資料を見ておりましたので失礼いたしました。もう一度……。
○森中守義君 どこが中心になって国家賠償法を発動するという協議をまとめたのか。いま総理府、法務省、大蔵省、防衛庁四省庁があげられたのだが、この中の中心はだれなのかと、こう聞いておるのです。
○説明員(相川清君) 中心といわれますとまた非常にむずかしい問題でございますが、全日空事故補償問題関係連絡会議というのが総理府に設けられまして、その構成員は大蔵省の主計局法規課長、それから運輸省の航空局の監督課長、総理府審議室担当参事官、法務省訟務第二課長、それから防衛庁経理局監査課長でございます。
○森中守義君 防衛庁、山縣委員長へのその照会はいつ出して、大体いつごろ回答が寄せられる予定ですか。
○説明員(大西誠一郎君) 山縣委員長に対する照会は、総理府の交通安全対策室に先生に取り次ぎをお願いするということで、昨年の十二月の二十五日に出しております。 それから先ほど資料の御要求がございましたが、最初の訓練準則は提出いたします。 それから、ただいまの質問状の件につきましては、総理府との関係もございますので、私一存でお約束できませんので検討させていただきたいと思います。
○森中守義君 準則は出せないというの。
○説明員(大西誠一郎君) 準則はお出しいたします。
○森中守義君 出る。何が出せないというの。
○説明員(大西誠一郎君) 山縣先生への質問状でございます、総理府経由の質問状でございます。これにつきましては、総理府との関係もございますので相談をいたしましてきめたいと思いますので、ただいまここでお答え申し上げることはお許しいただきたいと思います。
○森中守義君 これは政務次官、その辺がやはり問題の中心ですよ。空域に入ったことを非を認めながら、なお釈然としないのだと、調査責任者の山縣委員長に照会を出しておる。その内容が明らかにならないとどうしてもやはり責任の問題というものは前に進まない。むろんこれは防衛庁としても秘密に付すべき内容のものじゃありませんよ。せめてこれは、声を大きくして言うならば、百五十五名のなくなられた遺族、七名の乗務員、こういう皆さんへの一つのはなむけでなければならぬし、そんな秘密なんか考えたり、出せるか出せないか相談するなんか言わないで出しなさいよ。約束してもらいたい。そうしないとこの事件、防衛庁何を考えているか、運輸省も総理府も全日空もこの調査報告を是認するという、ひとり防衛庁だけが謙虚に受け取めると言いながらなお疑問があると、やはり釈然としません。しかし、ものごとの理非はただしていかなくちゃならぬ。さっきから防衛庁の話を聞いているとやはり歯切れが悪い。それはやはり釈然としないからでしょう。それをいま問い合わせるというならば、どこがどうなのか、どういう回答が寄せられたか。それはやはり何といっても国会を通じて国民の前に明らかにする義務があります、責任がありますよ。これはつべこべ言わないで出してもらいたい。いいですね。どうですか、政務次官。
○政府委員(箕輪登君) 私どもとしては、総理府に出している、秘密の文書ではございませんけれども、総理府と相談をいたしまして先生の御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。
○森中守義君 これが出ないと、やはりそのルートの問題等にももっと深みに入れませんから、総務長官にさっきそういう趣旨のことを言っておきましたけれども、これはどうしても出してもらいたい。重ねて委員長からそのことを注文つけておいてください。
○委員長(長田裕二君) 政務次官、よろしゅうございますね。
○政府委員(箕輪登君) 努力いたします。
○森中守義君 それでは、この件については十分でありませんけれども、一応きょうは内容を残しながら、この程度で終わります。
○委員長(長田裕二君) ほかに御発言もなければ、本日の調査はこの程度といたします。本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十分散会